習慣作り

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自己改革


 


 
 

 

●習慣化のコツとは?習慣化のメリットと失敗の原因
毎日の生活のなかで、知らず知らずのうちに「習慣化」していることはありますか。「習慣化」とは、特定の行動を無意識に繰り返しおこなっている状態のことで、生活のなかで自動的におこなっている行動がこれに該当します。習慣化は、ビジネスにおいてもメリットが多く存在するため、身につけるコツを覚えておきましょう。習慣化のメリットや失敗してしまう原因、習慣化するコツについて解説します。
習慣化とは
「習慣」とは、ある行動を定期的に無意識におこなっている状態のことで、「習慣化」とは、面倒だと感じることなく自然と身体が動いて行動できる状態のことを指す言葉です。習慣化は、生活のなかで同じ状況を繰り返しおこなってきたことで、作業自体が身体に染みつき、意思の力をとくに必要としていないという特徴をもっています。たとえば、「朝起きたらスマートフォンで時間を確認する」「ご飯を食べたら歯を磨く」「寝る前にトイレにいく」なども、生活のなかで習慣化されている行動といえます。
習慣化のメリット
習慣化できると、「その行動をするのが当たり前に感じる」「その行動をしない方が気持ち悪い」「違和感を覚える」などの変化が生じます。そのため、「身につけたいこと」や「とりくみ続けたいこと」を意識的に習慣化できると、スキル向上や自己肯定感の向上に効果的に働きます。習慣化がもたらすメリットについて具体的にみていきましょう。
   継続することが辛くなくなる
「やらなければいけないこと」や「やるべきこと」など、なにかを継続することは、非常に難しいですが、習慣化できると、継続が辛くなくなるというメリットがあります。やりたくないことや面倒なことは、とくに辛く感じがちですが、それは「継続しよう」という気持ちが働いているからです。やりたくないことや面倒なことも、習慣化してしまうと、継続すること自体が「当たり前」になるため、辛さを感じなくなります。たとえば、「毎日英単語を覚える」「庭の花に水をやる」など、気の乗らないことでも、習慣化さえできれば、強い意志を必要としないため、その行動をくり返せるようになります。
   自信をつけることができる
習慣化することで、自信をつけられるというメリットもあります。行動を習慣化させ、なにかを長期的に継続させられることは、ひとつの成功体験になります。また、とりくみを続けてなにかを達成できた経験は、自己肯定感や自信を高めることにつながります。習慣化して成功体験をし、自己肯定感が高まると、自信をもって行動できるようになり、さらに高い目標にチャレンジできるようになるなどの好循環を生むことができます。このような好循環が繰り返しおこなえるようになることも、習慣化のメリットです。
   目標達成の確率があがる
習慣化は、特別な意思を必要とせずに行動を継続できるので、目標達成の確率を向上させる効果もあります。
もし、資格を取得してスキルアップをしたいという目標があるのであれば、毎日机に向かい、勉強する行動を習慣化してみましょう。一朝一夕に達成できない物事でも、習慣化させ、とりくみ続けることで、成功の確率をあげることができるでしょう。
習慣化に失敗する原因
なにかを習慣化しようとして、失敗してしまった経験がある方は多いのではないでしょうか。習慣化がもたらすメリットは多くありますが、その分習慣化には失敗もつきものです。習慣化に失敗してしまう原因にはなにがあるのでしょうか。詳しくみていきましょう。
   即効性を求めてしまう
即効性を求めてしまうと、習慣化に失敗しやすいです。習慣化は、短期的な成果ではなく、長期的な習慣で身についた行動によって、メリットを発揮するものです。たとえば、語学の学習やボディメイクなどが例としてあげられますが、これらも成果をだすのには時間がかかることがわかります。短期的な視点で大きな成果を求めてしまうと、成果を感じられず、モチベーションが下がってしまい、挫折してしまうでしょう。習慣化にとりくむ際は、確実に目標に近づいていることを意識して、長期的な視点で成果を求めるようにしましょう。
   目標が高すぎる
高すぎる目標をたててしまうことも、習慣化が失敗する原因のひとつです。たとえば、毎日腹筋をすることを目標に掲げるとします。「毎日100回腹筋をする」という高い目標をたててしまうと、なかなかとりくむ気にもなれず、実現しづらい目標となってしまい、結果として三日坊主になってしまうこともあります。まずは、「毎日腹筋の体制をとってみる」など、生活のなかでとりくみやすい目標に調整してみることが、成功のポイントです。目標設定を誤ることで、挫折してしまうことがないように、正しい目標設定を意識しましょう。
   完璧主義のため
完璧主義の人も、なかなか習慣化できない傾向にあります。何事においても完璧を求めてしまうと、なにかにつまずくことや、思い通りにいかないことがあった途端に崩れてしまいがちです。100%を追い求めてしまうと、それが崩れてしまったときに、急にとりくむことが嫌になってしまうため、「予備日」などを設けて、余裕をつくることがおすすめです。自分の特性を把握して、継続的にとりくめるレベルの目標を設定しましょう。
   本当にやりたいことではない
自分が好きなことややりたいことであれば、やる気に頼って習慣化させやすいですが、本当にやりたいことではない場合は、習慣化に失敗してしまいがちです。やる気があれば、モチベーションも維持しやすいですが、やりたくないことはモチベーションの維持どころか、やる気を出すにも一苦労です。やりたくないけれども、やらなくてはいけないことを習慣化させるためには、習慣化することで、どのようなメリットがあり、その結果どうなるのかまでを見据えて、意識的に習慣化の仕組みづくりをすることが必要です。
習慣化のコツ8選
習慣化は、軌道に乗るまでは気力や時間を要しますが、習慣化のコツをつかむと、比較的労力をかけずにとりくむことができます。習慣化を成功させるためのコツを知り、意識的に習慣化にチャレンジしましょう。
   1. 継続すること自体を目標にする
習慣化に最も重要な要素は、「継続すること」です。習慣化の成果を得るためには、まずは「習慣化させる」必要があるため、まずは継続的にとりくむことを目標にしましょう。たとえば「フルマラソン○時間以内に完走する」「ダイエットで○kg痩せる」など、とりくみの結果を目標にしてしまうと、目標から遠ざかるたびに、モチベーションが低下し、習慣化にも挫折してしまいかねません。まずは継続するために、「フルマラソン○時間以内」を「毎日30分走る」、「ダイエットで○kg痩せる」を「毎日筋トレを10分する」などに置き換えてみましょう。続けること自体を目標にして、とりくみを続けることで、モチベーションの維持もでき、着実に結果に近づくこともできるでしょう。
   2. 具体的な目標にする
「具体的な目標を設定する」ことも、習慣化を成功させるコツのひとつです。「勉強をがんばる」「昇進する」などの具体性の低い目標を設定してしまうと「できた」「できなかった」を判断できず、どんなことを日々したらよいのかわからなくなり、習慣化が遠のきます。「1日1時間はリスニングの時間をとる」「昇進に必要な要素を洗い出し、自分に足りない要素を把握する」など、目標に数字や行動などを入れ込むと、具体性が増し、達成感も抱きやすくなります。
   3. 目標のハードルを下げる
目標のハードルを下げることも、習慣化させるためのコツです。高すぎる目標は、挫折の原因になりやすいため、まずは少しの労力でとりくめる水準の目標を設定することがおすすめです。最初の目標のハードルを下げておきながら、徐々にとりくめる量を増やしていくと、達成感を味わいつつ、着実に目標に近づくこともできます。また、習慣化が身につきながら、高い目標にとりくめるようになるため、「継続する」の段階で挫折することを防ぐこともできるでしょう。
   4. 即効性を求めない
即効性を求めないことも、習慣化に成功するコツのひとつです。とりくみをはじめてすぐに成果が出ることは多くありません。また、すぐに成果を求めてしまうと、なかなか結果に結びつかないことが目に見えてしまい、モチベーションの低下にもつながります。即効性を求めないことは意識しつつも、「1週間で達成できること、1ヶ月で達成できること、3ヶ月で達成できること......」など、目標の期間を短く設定し、成功体験を重ねることも、継続のコツです。成功体験で成長していることを実感しながら、目標にとりくむことができるため、結果に結びつかない 努力をしているという不安感にも陥らず、継続させることができるでしょう。
   5. 周囲に宣言する
習慣化には、周囲に宣言することも効果的です。自分で「○○を習慣化する」「××を成功させる」などの宣言をすることで、ある程度の強制力が生まれ、やらざるを得ない状況をつくることができます。宣言する方法は、口頭やSNSなど、方法を問いませんが、自分の尊敬できる人へ宣言することが、とくに効果的であるといわれています。尊敬できる人から「よく見られたい」という気持ちが、モチベーション向上につながり、とりくみ続けることができるでしょう。また、複数人で一緒にとりくむことも、お互いのモチベーションになるため、おすすめです。
   6. ご褒美を用意する
習慣化させるためには、ご褒美などを用意し、楽しむことも大切です。たとえば、「1週間ランニングが続いたら、週末にお酒を飲む」「週に1日は勉強しない日を作る」など、モチベーションに直結させやすいご褒美があると続けやすくなります。自分が嬉しいご褒美を用意して、習慣化の支えにしましょう。
   7. モチベーションややる気に頼らない
モチベーションややる気に頼りすぎてしまうことは、習慣化の挫折につながりやすいです。いくらやる気があっても、そのやる気はずっと続くものではありません。習慣化とは、労力なく自然と毎日とりくめることが基準となるので、モチベーションややる気に頼ることは逆効果になりやすいです。モチベーションややる気に頼らずに、まずは「継続する」などのハードルの低い目標を設定し、とりくみ続けることを意識しましょう。
   8. 本当にやりたいことを目標にする
習慣化させるためには、本当にやりたいことを目標にすることも大切です。本当にやりたいことであれば、飽きがくることも少なく、挫折しづらいです。「やった方がよさそう」「やれっていわれた」などのきっかけではじめた習慣は、目的を見失いやすく、継続すること自体が苦痛になりやすいです。しかし「○○大学に入りたいから、勉強を習慣づけたい」「希望部署に異動するために、営業力をつけたい」などの、自分のやりたいことを実現するための習慣化は、一度挫折してしまったとしても、目標を達成するために、再度とりくむことができるでしょう。
習慣化を成功させるポイント
習慣化の8つのコツを押さえたうえで、最後に習慣化を成功させるポイントについて確認していきましょう。自分がなぜ習慣化に失敗してしまうのかを知り、克服するために必要なアクションを知ることで、意識的に習慣化にとりくむことができるでしょう。
   習慣化にかかる時間を知る
習慣化を成功させるためには、習慣化にかかる時間を知ることが大切です。習慣化にかかる時間の目安は、所説によりさまざまですが、ロンドン大学の研究では、飲食から運動までの一連の習慣にとりくんでもらった結果、習慣化されるまでに平均して66日かかったと言われています。この期間は、あくまで目安のひとつであり、個人差のあるものですが、一朝一夕に習慣を身につけることは難しく、習慣化にはそれなりの時間がかかります。習慣化には時間がかかることをあらかじめ知っておくと、「習慣化できない」「なかなか目標達成できない」という不安で挫折してしまうことを防止できるでしょう。習慣化には時間がかかりますが、継続することは着実に自分の力になっていることに気づき、諦めずに成功を目指しましょう。
   自分の性格を理解する
習慣化の成功には、自分がどのような性格なのかを理解することもポイントです。自分の性格や特性を理解できれば、自分の特性にあった習慣化の仕組みづくりが実現できます。たとえば、「外からの働きかけがあれば頑張れる」のであれば「人に宣言する」方法を、「成長が目に見えることがモチベーション」なら「細かいマイルストーンを設定する」方法をとるなど、自分の性格にあった仕組みで、継続を目指しましょう。習慣化することを後押しするためには、まずは自分の性格を理解することが大切です。
「Chatwork」を活用した習慣化で生産性向上をはかろう
習慣化には、自己肯定感の向上や目標達成確率の向上など、ビジネスに役立つメリットもあります。まずは自分の特性を知り、継続しやすい仕組みづくりをおこないましょう。ビジネスチャット「Chatwork」は、ビジネスコミュニケーションの円滑化が実現できるコミュニケーションツールです。チャット機能を活用してコミュニケーションをとることはもちろんですが、マイチャットやタスク管理機能を活用して、自分の業務やタスクを見える化することも可能です。とりくんだ業務や目標を可視化することができるため、達成感を抱くことがモチベーションになる特性の人は、習慣化のツールとして活用することもおすすめします。 
 
 

 

●習慣化のコツ12選!あなたが習慣化できない2つの理由
当ブログでは「ブログ運営に役立つ情報発信」を行っていますが、今回はブログに限らず使える「習慣化のコツ」を12個まとめて解説します! ボク自身、以前は「三日坊主で継続ができない人」でした。習慣化の方法を知ってからは、ほぼ確実に習慣化できるようになりました。
最初にお伝えしたいことは、「三日坊主」「何をやっても継続できない」これらは本人の性格が原因ではありません。ものごとを継続(習慣化)できないのは、習慣化の方法を知らないことに原因があります。この記事を読んでコツをおさえていただければ、やりたいことを無理なく習慣化できます。ぜひ、習慣化の方法を身につけ、普段の生活の中に取り入れてみてください!
習慣化とは?
習慣とは、日々の生活の中で「無意識で繰り返し行動している状態」のことです。たとえば、「毎朝歯磨きをしなければ!」と使命感でやっている人は少なく、朝起きたら毎日当たり前のように歯磨きをしている人が多いと思います。このように無意識で行っている行動を「習慣」と呼びます。諸説ありますが、一日の行動の40〜50%は習慣化された行動と考えられているようです。良質な習慣を持つことがいかに大切であるかがわかります。
習慣化によるメリット3つ
習慣化ができると、次のようなメリットがあります。
   1.目標達成に近づける
習慣化スキルを身につけると、自分が成し遂げたい目標に近づけます。たとえば「ブログで月1万円の収益を目指したい」という目標がある場合、ブログをはじめて1か月ほどで達成するのはむずかしいでしょう。3か月〜6か月と中長期的にブログを継続することで、はじめて「月1万円」という目標に少しずつ近づいていきます。どのような目標であれ、数日で達成することはむずかしいでしょう。目標達成のためには習慣化を身につけることが必須です。
   2.努力が苦ではなくなる
ブログの執筆やダイエットのためのジョギングなどを毎日「頑張る」のはツライはず。ですがそれらの行動が習慣化すると、「頑張る」「しんどい」という感覚がなくなります。1日のなかで、その行動をすることが当たり前になるからです。ボクもブログを始めた当初は「しんどい……」と思った時期がありましたが、いまは毎日ブログ運営を書かないと落ち着かない状況になりました。なにも考えずに行動ができている状態になれば、その行動がまったく苦ではなくなります。
   3.自信がつく
習慣が身についている状態とは、目標のために「理想の行動」を毎日できているということ。小さな成功体験を積み上げている状態になり、自己肯定感が高まってきます。継続により目標達成にも着実に近づいており、行動に対する結果を見るのも楽しくなってきます。目標別にたとえると、次のとおりです。
   ・ブログの場合→習慣化により、アクセス数や収益が徐々に増えている
   ・ダイエットの場合→習慣化により、少しずつ痩せている
   ・勉強の場合→習慣化により、解ける問題が少しずつ増えている
このように毎日継続できている「成功体験」と、その行動に対する「結果」を見ることで、自信が身につく好循環が生まれます。ただ、なかなか結果がついてこないこともありますので、まずは行動ができたことに対して自分をほめてあげましょう。
習慣化に失敗する根本的な理由は2つ
ここからは、多くの人が習慣化に失敗する根本的な理由を2つ説明します。
   1.アドレナリンにだまされるから
いきなりですが、次のような経験ないでしょうか?
【当日】「すごく楽しい、これなら続きそう!」
【3日後……】「まったくやる気になれない……どうして……まあ今日くらいやらなくていいか」
実はこれ、「アドレナリン」という興奮時に分泌される脳内ホルモンが影響しています。新しいことをはじめた直後はアドレナリンが分泌されて、やる気に満ち溢れます。しかし、アドレナリンによる興奮状態は長く続きません。3日後には「やらなくていいか……」という思考になってしまうのです。多くの場合、いつまでもこの状態が続くと勘違いして高い目標を立てたり、逆に目標や計画を立てずに取り組んだりしてしまいがちです。
   2. 人は安定を求める生き物だから
習慣化が失敗するもうひとつの理由は、安定を保とうとする脳の性質です。安定を保つため、人には「新しい変化に抵抗する」機能が備わっています。変化に抵抗する性質は、安定した生活を維持するために重要です。しかし、新しいことを習慣化する際は、この機能が悪さします。新しい習慣を脳は不安定と捉えて拒絶してしまうのです。
習慣化のコツ12個
ここまでで、習慣化できない「三日坊主」の正体は性格の問題ではなく、人間の性質の問題だとわかりました。逆に考えると、人間の性質の影響をうまく回避すれば誰でも習慣化は可能です。ここからはボクがオススメする習慣化のためのコツを12個紹介します。
   1. 続けること自体を目標にする(最重要)
目標に近づいている感覚がなかなか得られず、習慣化に挫折してしまった経験のある人は多いでしょう。習慣づけるためのコツで一番大事なのが、結果ではなく続けること自体を目標にすることです。次のような結果目標がある場合は、続けることに目標を置き換えてみると習慣化しやすくなります。
   ダイエットで〇キロ痩せる→毎日運動を10分だけする
   フルマラソンを〇時間以内で完走する→毎日公園を一周する。
   ブログで〇万円稼ぐ→毎日1時間ブログを書く
結果を目標にすると、目標とほど遠い状況になるだけでモチベーションが下がります。その結果、続けることをやめてしまい習慣化がリセットされてしまうのです。一方で毎日の行動を目標にすると、毎日小さな成功体験を得られ、継続のモチベーションが高まります。まずは続けること自体を目標とし、毎日続られた自分をホメてあげましょう。
   2. 具体的かつ客観的な目標にする
目標は「できた」「できなかった」を判断できる具体的なものにしましょう。具体的な目標がないと、「なにを?」「どこまで?」がない状態になります。自分自身も毎日どこまですればいいか分からず、習慣化まで身に付きません。「毎日ジョギングする」「腕立て伏せをする」「ブログを書く」という目標があるとすれば、次のように置き換えることをおすすめします。
   毎日ジョギングをする→毎日10分ジョギングをする
   毎日腕立て伏せをする→毎日腕立て伏せを10分する
   毎日ブログを書く→毎日ブログを30分書く
「いつ」「なにを」「どれくらい」が明確な目標にするのがおすすめです。毎日の行動目標を立てやすく、習慣にしやすくなります。
   3. 今すぐにはじめる
   ブログって本当に稼げるのかな?
   腕立て伏せをして本当に筋肉がつくのかな?
   そもそも本当に続けることができるのかな?
なにか新しいことを始めるときはいろいろ考えてしまいます。ただ、不安にはキリがありません。「でも……」と考える前に行動してみることをおすすめします。ボクもブログを始めるまでは不安が尽きず、いろいろ下調べをしてきました。しかし、知識だけが身についてなかなか始められなかったので、とりあえず始めてみました。やるべきことや本当にやりたいことは後回しにせず、思い立った日に行動に移してみましょう。
   4. 極限までハードルを下げて簡単な目標にする
続けること自体を目標にして、それが達成できるように極限までハードルを下げた目標を設定してください。面倒くさいなと感じても、「続けることが未達成になるくらいなら、やる」と思える水準がおすすめです。具体的には次のような目標にするのがおすすめです。
   腕立て伏せ→毎日1回絶対にやる
   ブログを書く→毎日記事のネタ集めを1回目標にする
これくらいの目標ならできそうな気がしませんか?はじめはこれくらいでも十分です! そして目標が達成できたら「今日もできた!」と自分をホメてあげましょう。そして、習慣化が身についてきて目標量が物足りなくなってきたときに増やしていきましょう。「腕立て伏せを10回にしてみる」「ブログを毎日30分書く」など、徐々に量を増やしていくのがオススメです。
   5. イレギュラーに対応するルールを作る
行動のプランを立てていても、イベントや想定していなかった予定が入り、プランどおりにできないことがあります。そのため、イレギュラー時にはできなくてもいいことをルール化しましょう。あらかじめルールを決めておくと、できなかったときの精神的ショックが小さくて済みます。たとえば、次のようなパターンです。
   ジョギングをしたいけど今日は雨の場合→雨の日はスクワット20回に切り替える
   ブログを書きたいけど、今日は用事があって時間を取れない→いつも1時間ほど作業時間をとっているところ、用事がある場合は15分にしておく
「週に1回はやらなくてもOK」「月に2回まではやらなくてOK」といった客観的なルールを立てましょう。イレギュラーが発生しても、やらないより少しでもやる方が習慣化につながります。そして、「イレギュラーが発生したのにちゃんと継続してえらい!」と自分をホメてあげましょう。
   6. やるタイミングを具体的に決める
「1日のうちどこかでやる」ではなく、起床、歯磨き、寝る前など具体的な時間やタイミングを決めましょう。やる時間をあいまいにしていると、別の予定に押しつぶされてしまい、行動が後回しになります。当社にブログを運営しているスタッフがいるのですが、次のように時間を決めて執筆を行っているとのことです。
   ブログを書く時間
    →起床後、6時〜8時半 →休憩時間、12時半〜13時 →帰宅後、8時〜9時
このようにして、平日でも毎日ブログを書く時間を4時間キープしているようです。ただ、はじめはそこまで時間を作るのは難しいです。まずはいつもより起きる時間を30分早くして、その時間を使って新しいことを始めてみましょう!また、やるタイミングを決めたら事前に準備しておくのもおすすめです。毎朝体重を計るのが目標なら、前日にドア前に置いておく。毎朝ブログを書くのが目標なら、前日にPCを出しておくなど、すぐに行動に移せるよう準備しておきましょう!
   7. 別の習慣にくっつける
通勤時間や入浴後など、すでに習慣化していることにくっつけてやることで続けやすくなります。習慣化済みの行動に別の行動をかけあわせることで、行動を起こすタイミングとシチュエーションが一定になるからです。前述の通り、やるタイミングを決めることで習慣化の難易度が下がります。ブログを書く場合だと具体的な例は次のとおり。
   通勤中の電車の中→ブログのネタを探す
   お風呂の中→通勤中に探したネタでブログの構成だけを書く
   料理中、洗い物中など→動画でブログ運営のお勉強
このようにスキマ時間を使えば、1日のなかでもしっかりと時間を作れます。実体験ではありますが、通勤中などで無意識にしていることを目標に沿った行動に置き換えるだけなので、習慣化がしやすいです。
   8. 毎日やる
習慣化するためには極力毎日やりましょう。コツは「やることを小分けにして、それぞれ目標を決める」ことです。一気に目標を達成しようとすると、一日で終わらずに三日坊主になってしまう可能性があります。行動を一日で片づけられるレベルまで分割してみましょう。こちらも具体例を紹介します。
   筋トレの場合→今日は上半身、今日は下半身など、低負荷でトレーニングする部位を毎日変える
   ブログを書く場合→今日はテーマ選び、今日は構成案作成、今日は下書きなど工程を細かく分解する
1つのことを分割して毎日やるコツは、何曜日になにをするかまでを明確にすること。「週末にまとめてやる!」といったことがないようにしましょう。
   9. 個人目標を持って楽しむ
続けることだけを目標にすると楽しくありません。続けること以外に、自分なりの別目標を持ってやるのもおすすめです。時間が経つと飽きてくることもありますが、自分なりの目標があると工夫や改善が生まれ、楽しく続けられます。たとえば、ツイッターを運用する場合は、次のような目標を立ててみるのもおすすめです。
   10いいね以上のツイートを狙う
   毎日1人以上フォロワー数を増やす
この場合も高すぎる目標を立てるより「これくらいの目標が達成できたらうれしいな〜」くらいの軽い目標にしておくのがおすすめです。目標を高くして自分に重圧をかけすぎると負荷が大きくなり、習慣化に失敗する可能性があります。達成ができなくても仕事ではないので、誰からも責められることはありません。
   10. 周囲に宣言する
周囲の人やSNSなどで、行動を続けることを宣言しましょう。自分で宣言することで、言った手前やらざるを得ない状況を作ります。とくに尊敬できる人に宣言すると効果的と言われています。尊敬できる人から良く思われたい! という名誉欲でやり続けられます。
   11. だれかと一緒にやる
一緒にできる仲間がいるのであれば一緒にやりましょう。これが一番おすすめです!1人で行動するよりも誰かと行動する方が、相手のモチベーションに自分が引っ張られる場合があります。また、他人の目があるので、漫画を読んだりゲームするなど娯楽に意識が向きにくくなります。こちらもSNSでグループなどに入り、仲間内で継続するのもおすすめです!
   12. 習慣化できたら目標を再設定する
習慣化にかかる期間の目安は1か月です。習慣化に成功したら、長期的な計画など本来達成したい目標に取り組むために目標の再設定を行いましょう。たとえば1か月毎日続けられた場合、次の目標として以下のような設定をします。
   腕立て伏せを毎日10回できた→腕周りの筋肉をつけたいので、毎日20回を1年間キープする
   ブログを毎日30分書く→1年で50記事以上書きたいので、毎日1時間書き、1週間で一本ペースで仕上げる
ここまで習慣化できていれば、より具体的で実現可能性の高い目標設定や計画が立てられるはずです。
まとめ
今回の記事では習慣化によるメリットや失敗する理由、習慣化のコツ12個を紹介しました。習慣化するためのコツを簡単にまとめると次のとおりです。
   ・続けること自体を目標にする
   ・とにかくハードルを低くする
   ・時間を決めて毎日やる
この3つを覚えておきましょう!習慣化できない人は性格のせいにしがちですが、「アドレナリン」や「変化を嫌がる人間の性質」が影響しているだけで、うまく対応すれば人生を豊かにする最高のスキルを得られます。「習慣化に自信がない、不安」という方は、最初の目標を低くして負荷をできるだけ小さくし、続けることを目標にして、徐々にステップアップしていきましょう!  
 
 

 

●習慣化の基本テクニックと実践すれば成功率が上がる7つのポイント
習慣化とは、同じ状況のもとで繰り返し行われた行動がやがて定着し、(意志とは関係なく)自動化されて行われることです。習慣化には、人生そのものを大きく変える力があります。習慣化のテクニックがあれば、自分が思うように生きることが可能になるでしょう。しかし、実際には習慣化が苦手で、挫折してかえってつらい思いをしている人が後を絶ちません。本当にもったいないことです。そこで本記事では、思い通りの人生を実現するために欠かせない「習慣化」を、苦手な人も成功のイメージがつかめるような徹底攻略版で解説します。
1. 今さら聞けない習慣化とは?
   1-1. そもそも習慣化とは何か
習慣化とは、同じ状況のもとで繰り返し行われた行動がやがて定着し、(意志とは関係なく)自動化されて行われることです。 例えば「お箸を持つ」ことは、典型的な習慣化された行動です。
・お箸を持つ
私たちはご飯を食べるとき、「右手を動かして、お箸を持ち上げて、親指と人さし指と中指で持って……」
とは、考えません。これは、幼少期から繰り返し行われた行動が習慣化しているからです。“お箸を持つこと”のように、「やるか、やらないか」を考えることなく、面倒だと感じることもなく、勝手に身体が動いて自動的に行動できる状態になっていることを、習慣化といいます。同じ状況で、同じ作業を、繰り返し繰り返し行ってきたために、その作業が体に染み付いており、習慣として自動的にやらずにはいられないのが、習慣化された状態です。
   1-2. 習慣化の3つの特徴
「習慣化」が持つ特徴をまとめておきましょう。
習慣化の特徴
•その行動をするのが当たり前に感じる。その行動をしない方が気持ち悪いと、違和感を覚えることもある。
• 意志の力が必要ない。無意識のうちに行っていることもある。
・がんばらずにずっと継続できる。むしろやめようと思っても、やめられない。
これらの習慣化の特徴を活かして、「やり続けたいこと」を意図的に習慣化すると、自分の行動をコントロールしやすくなります。 習慣化の具体的なメリットは、次章で紹介しましょう。
2. 人生が変わる!?習慣化のメリット
習慣化には、どんなメリットがあるのでしょうか。
・やりたいこと・やるべきことをラクに実行できる
・人生や心身にとって良い行動習慣を継続しやすい
・習慣化それ自体に自己肯定感を高める効果が期待できる
今からそれぞれのメリットを詳しく解説しますが、その前にひとつ、お伝えしたいことがあります。 習慣化を成功させるために、「習慣化すると、自分にどんなメリット(報酬、利益、お得)があるのか」 を、よく知っていることが有利に働きます。「自分にとって習慣化はメリットが大きい」と頭での理解だけでなく、肚落ちして実感できている人のほうが、習慣化に成功しやすいのです。ぜひ軽く読み飛ばさずに、習慣化のメリットを叩き込むつもりで熟読してくださいね。
   2-1. やりたいこと・やるべきことをラクに実行できる
1つめのメリットは「やりたいこと・やるべきことをラクに実行できる」ことです。仕事、勉強、家事、掃除、ダイエット、夢を叶えるための行動——など、あなたにもやりたいことや、やらなければいけないことが、あるのではないでしょうか。それらを、強い意志の力で“がんばって”実行するのは、つらく苦しいものです。多くの人は、意志の力だけでは行動を継続できずに挫折してしまいます。やるべきことを継続している他人と比較して、「自分はやるべきことをやれない、意志が弱いダメ人間だ」と劣等感に苦しむ人もいるでしょう。しかし、やるべきことを継続している人は意志が強いのではなく、習慣化のテクニックでラクしていることが多いのです。習慣化とは、行動を意志とは関係なく自動化すること。やりたいこと・やるべきことを、つらい思いをせずに、ラクに自動化したいなら、習慣化のメリットは絶大です。
   2-2. 人生や心身にとって良い行動習慣を継続しやすい
2つめのメリットは「人生や心身にとって良い行動習慣を継続しやすい」ことです。私たちの人生や健康は、習慣によって形成されているといっても、過言ではありません。悪い習慣は悪い人生や不健康を引き起こしかねず、良い習慣は良い人生や健康をつながることが多いです。良い習慣を習慣化すれば、人生にプラスの影響がもたらされます。例えば、「運動する」という行動を習慣化すれば、これからの何十年という人生を、「運動という良い行動習慣」とともに生きることができるのです。良い行動習慣を自動化することは、自ら幸せな人生を作ることにつながります。
   2-3. 習慣化それ自体に自己肯定感を高める効果が期待できる
3つめのメリットは「習慣化それ自体に自己肯定感を高める効果が期待できる」ことです。 自分が成し遂げたい行動を習慣化して、長期的に継続していくことは、一種の成功体験です。成功体験とは、「実際に自分が行ってみて、うまくできたという経験」のことですが、成功体験が多いほど、自己肯定感や自信が高まる効果があります。習慣化した行動を繰り返すたびに成功体験を積み重ね、ますます自己肯定感が高まり、自信を持って行動できるようになる、という好循環を生み出すのが習慣化なのです。
3. 習慣化は何日かかる?気になる必要期間(日数)
習慣化に必要なのは「一定期間の繰り返し」です。では、一定期間とは具体的にどの程度の期間なのでしょうか。ロンドン大学のLally博士らによる「習慣化に必要な日数」の研究結果をご紹介しましょう。
   3-1. 必要な日数は18日〜254日(平均66日)
習慣化に必要な日数は平均66日(約2カ月)ですが、内訳を見ると、18日〜254日と大きな開きがあります。例えば「毎朝1杯の水を飲む」といった簡単な行動であれば18日、「毎朝腹筋を50回する」といった比較的大きな生活変化を伴う行動であれば254日と、習慣化したい行動の難易度によって必要日数は変わってくることに注目しましょう。
   3-2. 最低でも3週間は必要
前述の研究からわかることは、まず習慣化には最低でも18日が必要という事実です。簡単な行動であっても、例えば“3日で習慣化する”ということはありません。18日間は、週で表せば2週間半となります。わかりやすい目安としては、「習慣化するためには、最低でも3週間は必要」と覚えておくと良いでしょう。
   3-3. 時間がかかっても諦めないことが大事
もうひとつ押さえておきたいポイントは、「3週間あれば習慣化できるわけではない」ということです。3週間(21日間)という言葉が一人歩きして、「最初の3週間(21日間)さえ継続すれば、習慣化できる」と勘違いしている人もいるようです。この勘違いは、3週間継続しても習慣化できなかったときに、「自分は他人と違ってダメな人間なんだ」と間違った劣等感を抱く原因となりますので、認識を修正しましょう。先の研究では、大きな生活変化を伴う行動を習慣化するためには、より長い期間が必要なことが示唆されています。例えば「毎朝、腹筋を50回する」という行動なら、254日(=8カ月半)です。もし時間がかかるなら、それは時間がかかるタイプの行動を習慣化しようとしているだけで、あなたのせいではありません。難易度の高い行動は「9カ月継続」を目指して、習慣化にチャレンジしましょう。
4. 【習慣化の基本テクニック】3ステップで前準備する
習慣化について理解ができたら、実際のやり方を覚えましょう。習慣化を成功させるための前準備として、以下の3ステップを行います。
• ステップ1:習慣化したい行動を5W1Hで決める
• ステップ2:習慣化実現のPros/Consチャートを作る
• ステップ3:継続するための工夫を3つ決める
それぞれ、詳しく解説します。
   4-1. ステップ1:習慣化したい行動を5W1Hで決める
1つめのステップは「習慣化したい行動を5W1Hで決める」です。習慣化を成功させるためには、具体的な行動として何に取り組むのかを明確にすることが重要です。というのは、習慣化するためには同じ行動を一定期間繰り返すことが必要ですが、行動が明確に定義されていないと、毎回行動の内容が変わってしまい、同じ行動の繰り返しができなくなるからです。行動を明確に定義するためには、5W1Hのフレームワークを活用するのがおすすめです。
・例:習慣化したい行動の5W1H
   何を(What)    腹筋8種トレーニング15分
   誰が(Who)    私
   いつ(When)    毎朝、出勤前に
   どこで(Where)  寝室の床に敷いたトレーニングマットの上
   なぜ(Why)    自信を持てる身体になるために
   どうやって(How) YouTubeの15分8種集中トレーニングの動画を見ながら
ここで定めた行動は、これから毎回、まったく変えずに繰り返していくことになりますから、よく吟味して設定してください。
   4-2. ステップ2:習慣化実現のPros/Consチャートを作る
2つめのステップは「習慣化実現のPros/Consチャートを作る」です。Pros/Consチャート(プロコンチャート)とは、簡単にいえばメリット・デメリットを表にしたものです。習慣化を実現して、行動を継続することで得られるメリット・長所・良いところをProsの欄に、デメリット・短所・悪いところをリストアップしていきます。
・例:Pros/Consチャート
   Pros                Cons
   自信を持って海に行ける
   姿勢が良くなる
   基礎代謝が上がって太り低くなる   朝の時間が慌ただしくなる
   便秘解消になる           腰を痛めるかもしれない
   服が似合う             下の階に物音が響く
   インスタ映えする
   パートナーに褒められる
メリットを強く意識できるほど、習慣化を成功させやすくなりますので、「Pros」の項目は思い付く限り増やしてください。同時に「Cons」の項目は、途中で習慣化を挫折する失敗要因になりやすいポイントです。あらかじめ「Cons」の対策を考え、失敗を未然に防ぐために活用しましょう。
・Consの対策例
   ・朝の時間が慌ただしくなる→ 30分早く起きる
   ・腰を痛めるかもしれない→ 正しいフォームをジムでレクチャーしてもらう
   ・下の階に物音が響く→ 特厚のトレーニングマットを購入する
   4-3. ステップ3:継続するための工夫を3つ決める
3つめのステップは「継続するための工夫を3つ決める」です。習慣化したい行動によっては、習慣化するまでに長い期間が必要なこともあります。習慣化する前に挫折しないよう、継続するための工夫を事前に3つ、決めておきましょう。例えば、以下のようなものがあります。自分の性格に合わせて、効果が期待できそうなものを選んでください。
・例:継続するための工夫
   ・同僚に習慣化にチャレンジすることを公言する
   ・毎日の行動を達成するたびにSNSに投稿する
   ・カレンダーに達成の印を付ける
   ・1週間継続するたびに自分にご褒美を買う
   ・友だちと一緒にスタートする
   ・習慣化アプリを使う
   4-4. カラクリは「実際の効果」×「マイ儀式」の二重効果
さて、ここまで読んで、「習慣化するたびに、これをやるのは面倒だな」と思った方もいるかもしれません。ですが、ぜひこの3ステップを、紙に書き出しながら忠実にやってみてください。というのは、この3ステップの内容は、習慣化を成功させやすくする実質的な効果に加えて、「マイ儀式」効果をもたらすカラクリになっているからです。儀式とは「一定の作法・形式で執り行われる行事。また、その作法(デジタル大辞泉)」ですが、成功させたいチャレンジの前に、毎回行う自分なりの「マイ儀式」を持つと、成功確率を高める効果があります。例えば、イチローはマイ儀式を大切にしていたアスリートとして有名です。ウェイティングサークルでの所作から打席に入って構える動作まで、常に同じ順番・同じリズム・同じ動きで、一定の作法を繰り返していました。マイ儀式も、ある意味では習慣化の一種といえます。成功に至る行動を、マイ儀式として固定し繰り返すことで、成功率が上がるのです。習慣化の3ステップは、習慣化の成功率を上げるためのマイ儀式です。
   ・ステップ1:習慣化したい行動を5W1Hで決める
   ・ステップ2:習慣化実現のPros/Consチャートを作る
   ・ステップ3:継続するための工夫を3つ決める
新たな習慣化にチャレンジするたびに、この3ステップを行うことをマイ儀式にしましょう。同時に、「マイ儀式を行った習慣化は、必ず成功する」と信じてくださいね。
5. 【習慣化を成功させるコツ】7つのポイントを実践する
さて、3ステップで前準備ができたら、いよいよ実践です。習慣化を成功させやすくするためには、7つのポイントを意識しながら実践していきましょう。
   ・自分につらい思いをさせない
   ・失敗するのが難しいほど小さく始める
   ・意志の力ではなく脳内物質の力を使う
   ・貼り出しでワーキングメモリをサポートする
   ・数字を記録する
   ・快感を見つけ大げさに感じる
   ・他人の力を借りる
   5-1. 自分につらい思いをさせない
1つめのポイントは「自分につらい思いをさせない」ことです。これは、7つのポイントの根幹を流れる最重要ポイントといっても過言ではないため、ぜひ心に留めてください。新しい行動習慣が習慣として定着する前の段階では、新しい行動の実践中に、自分につらい思い・苦しい思い・嫌な思いをさせないよう、細心の注意を払うことが大切です。というのは、私たちの脳はシンプルで、「快」と感じたことはやりたいし、「不快」と感じたことはやりたくないのです。習慣化に向かうプロセスでは、「不快」を減らすことが重要なので、自分につらい思いをさせてはいけません。
・自分につらい思いをさせた失敗例
ここでケーススタディです。「毎日5kmランニング」の習慣化チャレンジ中のAさんがいました。
順調に毎日継続していましたが、ある日、「とても順調だから、今日は10km走ってみよう!」と思い立ち、がんばって10km走りました。すると、次の日から急に気乗りがしなくなり、5km走るのも苦痛になってしまい、やがて習慣化を挫折してしまいました。このAさんのケースで何がいけなかったのかといえば、「10kmにチャレンジして、自分につらい思いをさせてしまった」ことです。「苦しい!」という不快な体験が、せっかく順調だった習慣化にブレーキをかけ、5km走るのさえ続かなくなってしまいました。習慣化にチャレンジしている途中では、どんなに順調だと感じていても、「まだ物足りない。もっとやりたい!」と思える程度で、行動をストップするのがコツです。とにかく、やりすぎは禁物。自分につらい思いをさせないよう、慎重になってください。
・自分に負荷をかけるのは習慣化が完了してから
「自分につらい思いをさせないなんて、甘いこと言っていていいの?」と思う人もいるかもしれません。自分につらい思いをさせてはいけないのは、習慣化が完了するまでの期間です。習慣化に成功した後であれば、徐々に負荷を上げていくのは良い方法です。いったん習慣化してしまえば、自分につらい思いをさせたとしても、そう簡単に習慣は崩れないからです。のちに安心して負荷をかけられる状態を作るためにも、“簡単に崩れない習慣化の土台”ができるまでは、焦らずにいきましょう。
   5-2. 失敗するのが難しいほど小さく始める
2つめのポイントは「失敗するのが難しいほど小さく始める」ことです。先にご紹介した研究では、複雑で負荷の大きな行動ほど、習慣化に時間がかかることが示唆されていました。「毎朝、腹筋を50回する」の行動を例に考えてみましょう。今までに何度も習慣化に成功していて慣れている人であれば、最初から腹筋50回でチャレンジしても、習慣化までの長い道のりを継続できるかもしれません。しかし、習慣化の初心者、過去に失敗して苦手意識がある人は、小さく始めるのがおすすめです。それも、「どう考えても失敗できるわけがない」と確信するレベルに小さくします。どういうことかといえば、「腹筋を50回する」という行動なら、「腹筋を1回する」ところから小さく始めるのです。「どんなに忙しくても、どんなにやる気が出なくても、このレベルならできるだろう」と自分で思える小ささで、超・スモールスタートしましょう。負荷の大きな行動の習慣化は、負荷の小さな行動の習慣化の繰り返しで、ゴールまで持っていくのがコツです。
   5-3. 意志の力ではなく脳内物質の力を使う
3つめのポイントは「意志の力ではなく脳内物質の力を使う」ことです。習慣化までの道のりでは、どうしてもモチベーションが上がらずに、サボりたくなる日もあるでしょう。普通の人は、意志の力で“がんばって”やる気をひねり出し何とかやり遂げようとしますが、ここには落とし穴があります。そう、「意志の力で無理にがんばれば、自分につらい思いをさせてしまうかもしれない」という落とし穴です。そこでおすすめは、意志の力ではなく脳内物質の力を使うこと。具体的には、やる気を増大させてくれる脳内物質を増やすことで、無理にがんばらなくてもラクして行動できる状態を作ります。
・脳内物質の力でやる気を出す方法
   ・5分の作業興奮でドーパミンを分泌する
   ・20分歩いてβ-エンドルフィンを分泌する
   ・50mg以上のカフェイン摂取でドーパミンの抑制を抑制する
   ・やる気が出る体と心に自分を改造する
   5-4. 貼り出しでワーキングメモリをサポートする
4つめのポイントは「貼り出しでワーキングメモリをサポートする」ことです。「どうしても習慣化がうまくいかない」という人のなかには、ワーキングメモリの処理能力が低下しているケースが見られます。ワーキングメモリとは、短期的な記憶の保持や複数の並列作業に対する制御など、情報処理能力に関わる機能です。近年、自己啓発やビジネスの分野でもワーキングメモリは注目されていますから、聞いたことのある方も多いでしょう。ワーキングメモリの処理能力が低下していると、習慣化したいと思っている目標があっても記憶から漏れて、忘れがちになります。そこで、紙に書き出して、目に見えるところに貼り出しましょう。あるいは、スマホの待ち受け画面などを活用しても構いません。原始的なやり方に思えますが効果は絶大で、ワーキングメモリをサポートして常に習慣化を意識できます。習慣化のことが記憶から抜け落ちないため、結果として成功率が高まるのです。
   5-5. 数字を記録する
5つめのポイントは「数字を記録する」ことです。まず、習慣化を成功させるうえで「記録」は重要な意味を持ちます。なぜなら、達成記録の蓄積は、私たちに大きな快感をもたらすからです。私たちの脳は「快」を感じると「やりたい!」と反応することは先に解説したとおりですが、記録を重ねていくことは、脳の「快」に直結するのです。例えば、あなたは「貯金」をしたことがありますか。「通帳をパラパラとめくり、お金が増えていく達成記録を眺めていると、何とも言えない恍惚とした感情が湧き上がってくる」……という人がいます。これが、達成記録の蓄積がもたらしてくれる快感です。同じことを、習慣化のプロセスでも行いましょう。記録は「数値化」するのがポイントです。数字には、お金に代表されるように一種の魔力があり、「もっと!もっと!もっと欲しい!」というモチベーションの原動力となるためです。同時に、「この記録を途中で失いたくない」と失う怖さが挫折の歯止めとなって、習慣化の成功率を高めてくれます。
   5-6. 快感を見つけ大げさに感じる
6つめのポイントは「快感を見つけ大げさに感じる」ことです。前述の“数字の記録の蓄積”は、自分に快感をもたらすひとつのテクニックですが、数字の記録に限らず、他にも積極的に快感を発見し、大げさに感じましょう。どんな小さなことでも良いですし、こじつけでも構いません。ここで重要なのは、「この行動をすると“快”が得られる」と脳に認識させること。少しでも自分にとってプラスになる感覚、感情、発見があれば、何となく見過ごさずに、ハッキリと言葉に出して自覚して、大げさに感じましょう。
・大げさに感じたい快感の例
   ・腹筋をした後に飲む水がめちゃくちゃおいしい
   ・ランニングのシャワーが気持ち良すぎる
   ・早起きして吸う空気が新鮮
   ・勉強した後に飲むハーブティにとろけそう
   ・体が軽くて羽が生えたみたい
ほんの些細なことでも大げさに増大させて感じ切ることで、習慣化が加速していきます。
   5-7. 他人の力を借りる
7つめのポイントは「他人の力を借りる」ことです。ここまで、習慣化の成功率を最大限に高めるための方法をご紹介してきましたが、さらに強固なものにするためには、一人で取り組むのではなく他の人の力を借りることが有効です。具体的には、同じ目標に向かってチャレンジできる仲間を作ると、習慣化を達成しやすくなります。
・習慣化における仲間の効果
   ・目標に向かって励まし合える
   ・サボりそうなとき仲間の目が気になって思いとどまれる
   ・褒めてもらうとモチベーションが上がる
   ・連帯責任の意識が生まれて挫折しづらくなる
仲間を作って他人の力を借りられる体勢を作っておくことは、いわば習慣化のセーフティネットといえます。万が一、挫折しそうになったときの救済策を事前に張っておくことで、習慣化の失敗リスクをなくしておきましょう。
6. 習慣化をアシストしてくれるおすすめアプリ
前述のとおり、習慣化を成功させるためには仲間がいると効果的です。すぐに仲間を見つけるためには、アプリを活用しましょう。「みんチャレ」は専門家監修の元に作成された5人1組で続ける「習慣化アプリ」です。
・みんチャレ(プレミアム)の実績例
みんチャレでは、勉強、筋トレ、ダイエットなどに関する習慣化を成功させたい5人が匿名でチームを組んで、チャットで励まし合いながら習慣化にチャレンジします。習慣化は、同じ属性や環境の人と行うと習慣化しやすいことが科学的にわかっており、それをアプリという誰でも参加できる簡単な方法で実現したのがみんチャレです。
・みんチャレで習慣化が成功しやすくなる仕組み
仲間と励まし合うことでモチベーションが高まるとともに、サボればチームの仲間に知られてしまうという気持ちが働いて、習慣化に成功しやすくなります。
7. まとめ
習慣化とは、同じ状況のもとで繰り返し行われた行動がやがて定着し、(意志とは関係なく)自動化されて行われることです。習慣化には、以下のメリットがあります。
   ・やりたいこと・やるべきことをラクに実行できる
   ・人生や心身にとって良い行動習慣を継続しやすい
   ・習慣化それ自体に自己肯定感を高める効果が期待できる
習慣化に必要な期間​​は、18日〜254日(平均66日)という研究結果が出ています。「最低でも3週間はかかる」と覚えておくとよいでしょう。習慣化したい行動の難易度によっても必要期間は変わるため、時間がかかっても諦めないことが大切です。習慣化の基本テクニックである3ステップの前準備はこちらです。
   ・ステップ1:習慣化したい行動を5W1Hで決める
   ・ステップ2:習慣化実現のPros/Consチャートを作る
   ・ステップ3:継続するための工夫を3つ決める
習慣化を成功させるコツとして、7つのポイントをご紹介しました。
   ・自分につらい思いをさせない
   ・失敗するのが難しいほど小さく始める
   ・意志の力ではなく脳内物質の力を使う
   ・貼り出しでワーキングメモリをサポートする
   ・数字を記録する
   ・快感を見つけ大げさに感じる
   ・他人の力を借りる
習慣化をアシストしてくれるおすすめアプリには「みんチャレ」があります。さっそく本記事の情報をもとに、習慣化にチャレンジしてみましょう。なお、「習慣化にチャレンジするための、やる気自体が起きなくて困っている」という場合には、先にやる気を出す方法を試すのがおすすめです。  
 
 

 

●習慣化はメリットだらけ!3つのコツをおさえて理想の自分になろう
習慣化とは
習慣化とは、朝起きたら顔を洗い、着替えながら「コーヒーをいれよう」と考える、といったように、無意識に行動や思考を繰り返す状態になることです。
習慣化できずに挫折する人は多い
いったん習慣化してしまえば、継続して行動することができるのですが、この「習慣化された状態」に至るまでが難しくあります。例えばみなさんには、このような経験はないでしょうか?「これからはグローバルだ」などと聞いて、とりあえず英語の勉強を始めてみたものの、力がつく前にやめた。ダイエットのためにスポーツクラブに通い始めたものの、結局ジムに行ったのは最初の3ヵ月だけだったなど。このように、何か始めても、なかなか習慣化できないで悩んでいる方が多いように思います。
習慣化できない理由
習慣できない理由は、この4つのいずれかに該当します。
・1すぐに効果が出ないため、モチベーションが続かない
・2目標が高すぎる
・3完璧にこなそうとする
・4心から実現したい目標ではない
習慣化のメカニズム
習慣化は、脳の性質によって起こるものです。「何かを意識決定する」というのは、脳にとってエネルギーを消費する行為です。脳は無駄なエネルギー消費は回避し、節約しようとする性質があるため、繰り返し行われる行動はパターン化し、無意識に行うようになります。
習慣化のメリット
習慣化には、様々なメリットがあります。
   メリット1:目標を実現しやすくなる
ダイエットや仕事のスキルアップなど、一朝一夕では成し遂げられない、日々の積み重ねが大事な目標は、習慣化することで達成しやすくなります。
   メリット2:面倒なことも継続できる
習慣化された行動は、強い意志がなくても無意識で行うことができます。「やる必要がある一方で、面倒に感じる」といった行動も、いったん習慣化してしまえば継続して行うことができます。
   メリット3:自信がつく
目標に向けての行動の習慣化は、いずれ成果につながります。1つのことを継続できたことや、何かを成し遂げた経験は、自信となります。
習慣化するための3つのコツ
どうすれば習慣づけることができるのでしょうか? 3つのポイントをご紹介します。
   ポイント1:習慣化の必要性と自分の性格を理解する
まずは、自身がなぜそれを習慣化すべき必要性があるのかを理解しましょう。例えば、
   ・なぜこれをしないといけないのか。
   ・なぜこうしたいと自分は思っているのか。
   ・あるいは、習慣づけできなかった場合に何が起こるのか。
そして次に、過去の経験を元に自分はどのような性格か分析してみてください。例えば、
   ・どれほどさぼり癖があるか。
   ・外部からの働きかけがあれば頑張れるのか。
   ・これまで飽きずに続けられたものの特徴は何だったか。
自分のことが分かれば、習慣化のための方法論を見出すことができます。
   ポイント2:適切な目標設定を行う
習慣化に失敗するありがちな例として、大きな目標を立ててしまうことがあります。昨日までとくに運動をしてこなかった人が、いきなり10kmランニングするといった目標を持つことがありますが、これらは途中で挫折する可能性大です。さらに悪いことに、大きな目標を掲げて挫折するといった一連の行動を繰り返すと、「ああやっぱり今回も駄目だった」「自分はだめなやつだ」と自己効力感も下がり、徐々に物事に挑戦しなくなるといった、悪循環に入ってしまう危険性もあります。
習慣化するためには、「無理なく続けられる」という観点で、適切な目標設定をしましょう。
また、最初は小さな目標に設定して、習慣化してきたら、少しずつストレッチした目標に設定し直すといった方法もおすすめです。
   ポイント3:自分の特性を生かした仕組みをつくる
ポイント12の内容を踏まえて、自分なりに続けるための正しいやり方を編み出していきましょう。
例えば、私が教員を務めているグロービス経営大学院の受講生で、SNSのグループで「早起きクラブ」といったグループを作っている方たちがいます。これは、早起きして授業の予習をするためのクラブです。朝にこのクラブにやって来なかったなら、起きられなかったことが皆にばれてしまいます。こうして仲間同士のプレッシャーを生じさせ、早起きせざるを得ない状況を作っているのです。このような単純なことでも、自分を律するというひとつのサイクルに入れられるので、十分に上手く作用します。
同様に、人に宣言することも有効です。例えば、「TOEICで〇点をとる」と会社の皆に宣言するのも、英語の勉強を習慣化する上で有効かもしれません。「自分はプライドが高くて、一度人に言ったことであれば命をかけてでもやる性格です」と自覚している人であれば、思い切って皆に言ってしまうとよいでしょう。自分の性格を正しく理解できているからこそ、正しいやり方を見出すことに成功するはずです。
また、日々クリアしたことの記録をつけ、視覚化することもおすすめです。着実に前に進んでいる実感がわきますし、「一日だけ記録がなく、空白が生まれてしまった...」という時に芽生えるもやもやとした気持ちが、行動に向けて背中を押してくれることもあります。
まとめ
仕事やプライベートにおいて、様々なことを習慣づける力は大事です。まずは、習慣化しようと思っていることの必要性をしっかりと理解しましょう。そして自分の性格を利用し、自分なりの方法論を見つけてみてください。 
 
 

 

●習慣化のコツは3つだけ!〜失敗の3大悪癖を絶ち、運動・学習・早起きを習慣化〜
「運動を習慣にして、健康的にダイエットをしよう!」
「英語学習を習慣にして、話せるようになりたい!」
「早起きを習慣にして、自分の時間を作りたい!」
そんな思いで始めた行動がいつしか止まり、以前と変わらない生活へ逆戻り。そんなあなたが習慣化に失敗する原因はこの3つの悪癖のいずれかです。
悪癖1一度に大きく変えすぎる
悪癖2何でも自力でやろうとしすぎる
悪癖3短期的な成果を求めすぎる
この記事ではまず、あなたの習慣化を失敗させている悪癖と、習慣化のメカニズムをご紹介します。そのうえで、あなたの習慣化を成功に導く3つのコツをすべてお伝えします。
また、それぞれの習慣化のコツの中から、すぐに実践できる具体的な行動を挙げ、習慣化のもたらす最高の恩恵をイチロー選手の例でお伝えします。また、多くの方が考えている、運動の習慣化、読書・学習の習慣化、早起きの習慣化という3つの行動ごとに分けた、習慣化する方法と、特に注意すべき点を記載しています。
記事を最後までお読みいただくことで、あなた自身が陥っていた悪癖に気づき、習慣化のコツを取り入れて改善することで、今日から実践、明日から継続できるようになります。
1.習慣化に失敗する3つの悪癖とは??
あなたが習慣化に失敗してしまうのには原因があります。それは、知らず知らずのうちに以下の悪癖のいずれかを持ってしまっていることです。
悪癖1一度に大きく変えすぎる
悪癖2何でも自力でやろうとしすぎる
悪癖3短期的な成果を求めすぎる
これらの悪癖を解消しないまま、「もう一度始めよう!」「新しい習慣を作ろう!」と強く思っても、また失敗してしまい、いつもの自分に戻ってしまいます。習慣化するにはまず、これらの悪癖が何故いけないのか、自分はどのパターンにハマってしまっていたのかを理解していきましょう。
   1-1.悪癖1一度に大きく変えすぎる
ダイエットや資格試験の勉強など、明確な目標があるときにやってしまいがちなのが、一度に大きく変えすぎるという悪癖です。「毎日30分ウォーキングをする!」「毎日2時間、資格試験の勉強をするぞ!」という高い行動目標を立ててしまうのが、このパターンです。目標を持つことは大切なことです。しかし、それ以上に大切なのが、その目標に向けて行動することです。行動が伴わなければ、何も生み出すことはできません。何故なら、脳は急激な変化を嫌う、安定化志向という性質があります。「一度に大きく変わろう」とすると、脳が拒否反応を示します。自己防衛本能があるので、「変化=危険」と捉えてしまうからです。つまり、一気に変えようとすると、本能的に拒否されてしまうのです。脳は、安定化志向がある一方で、ちょっとだけは変われるという可塑性(かそせい)という性質も備えています。習慣化するには、一気に変えるのではなく、少しずつ変えていくことがポイントなのです。目標を立てたときには、モチベーションが高い状態です。そういうときには、モチベーションの力によって1日、2日、3日ぐらいは継続することができるかもしれません。しかし、急激な変化なので、本能的には元に戻そうと必死になっている、そんな状態です。モチベーションは、体調やスケジュール等の要因によって、上がり下がりの振れ幅があります。習慣化をモチベーションの力に頼ると、「調子のいいときはできるけど、調子が悪くなると行動が止まる」という状態に陥ってしまうのです。
   1-2.悪癖2何でも自力でやろうとしすぎる
他人に頼ったりするのが苦手な人、根性論な人は、何でも自力でやろうとしすぎるという悪癖に要注意です。責任感が強い人や、エリートな人、体育会系のあなたは大丈夫でしょうか。習慣化するにはもちろん、自分自身で行動するしかありません。しかし、行動しやすくするためには、他者の協力を仰いだり、一緒にやったり、仕組み化していくことがモチベーションからの脱却に有効です。行動できるのであれば、「自力で」という部分にこだわる必要はありませんよね。具体的に言えば、「TOEIC800点を目指す!」という目標に、一人で黙々と向かうのか、誰かと一緒に目標に向かうのかということです。仲間や応援者がいれば励みにもなり、自然と行動につながります。ですから、習慣化するために、目標を周囲に宣言するなど、自力だけに頼らない仕組みを作ってみましょう。「周りに伝えるのは、できるようになってから・・・」という人がいます。そういう人は、できるようになるまでは自分の中で留めておこうとします。でも、誰にも言わなければ、自分だけで得られる情報で、自分だけで頑張っていくことになります。一方誰かに伝えれば、応援者やライバルができて、その人を通じて有益な情報も入ってくることになるのです。ライバルや応援者がいた方が、より早く、より大きな目標に到達することができると思いませんか?また、宣言してしまった手前、自分に対しての責任感も生じますから、行動せざるを得なくなります。習慣化するには、どんどん周りを巻き込んで、使えるものは使っていきましょう。
   1-3.悪癖3短期的な成果を求めすぎる
明確な目標を立て、それに向かって行動していても、なかなか成果が上がらない。成果が上がらないから、モチベーションがどんどん下がって、結局は行動をやめてしまう・・・そういう人は、短期的な成果を求めすぎるという悪癖があります。ダイエット・英語学習など、長期的なものとは認識しつつも、成果に焦ってしまうとこのパターンに陥りやすいです。短期的な成果よりも、大切なことがあります。それは、行動の習慣化の先にある、目標を達成したあなたが手にする状態です。ここが不明確であったり、忘れてしまったりすると、短期的な成果がどうしても欲しくなってしまうのです。ダイエットで-8kgの目標を掲げているのであれば、その状態を思い描いてください。できるだけ、具体的に、明確に描いてみましょう。スタイルが格段に良くなり、今より魅力的なあの服を着ることができて、自分にも自信が持てて周囲の人々も羨望のまなざしで見つめている。プレゼンスが高まるので仕事も上手くいって、恋愛も・・・と、ダイエット-8kgの目標が達成されれば、こんなにも多くのメリットを得ることができます。そんな目標に向かっての行動を取り始めたばかりなのに、2kg減らないからといって、「やっぱり私には無理だったんだ・・・」と思って、モチベーションが下がり、やめてしまう人がいます。成果が出ないのは、行動が足りていないのではありません。目標の妥当性が分かっていなかっただけです。行動さえ継続していれば、目標には近づいて行っているハズです。その事実を認識して、行動をやめるのではなく、目標を見直す方向に動きましょう。一度習慣にすれば、将来にわたって長く行動し続けることができるようになります。1ヶ月や2ヶ月ぐらいの行動で成果が出ないからと言ってやめてしまうのは、もったいないことです。あなたの悪癖は3つのうちのどれでしたでしょうか?悪癖を知れば、その対抗策を立て、習慣化に向かうことができます。具体的な対抗策の前に、一般的な習慣化のメカニズムについてお伝えしましょう。
2.習慣化のメカニズムを知れば、習慣化する方法が分かる
効率的に、確実に習慣化するには、行動が習慣になるためのメカニズムを理解するところから始めましょう。そもそも習慣とはどういうものなのか、習慣が作られるのかというところからお伝えしていきます。
   2-1.身体にとっての「習慣の意味」とは?
習慣とは、単純に言ってしまえば、「記憶」の集積です。集積されることで必然のものとして作られた行動のパターンとも言えます。例えば、歯磨きは子供のころから習慣になっているでしょう。生まれ持ったものではありません。食後、あるいは寝る前に歯を磨くように親に言われたり、磨かないことで親に怒られたり、虫歯になったりを経験しながら、「歯を磨く」という行動が当たり前になり、それが習慣となっているのです。習慣化された行動には、思考は働きません。 「歯を磨かないと、あとあと虫歯になって、痛い治療を受けなければならない。だから歯を磨こう!」なんて毎回の歯磨きの度に考えている人はいないのです。歯を磨くタイミングが来たら、当たり前にやるだけです。寝る前か、風呂上りか、ご飯の後か、人によってタイミングは異なりますが、「自分のタイミング」というトリガーが来れば、歯磨きを自然と行うわけです。つまり、何かしらのインプットに対して、自然とアウトプットするもの、それが習慣なのです。ここに、習慣化する方法のヒントがあります。脳としては、同じインプットに対して毎回考えて答えを出すよりも、考えずに済むようにパターン化してしまった方が省力化できるので効率が良いのです。同じインプットには脳の神経回路(シナプス)が強化され、同じアウトプットとなるようにプログラミングされたもの。それが習慣の正体です。他の例も見てみましょう。例えば、上司から大変そうな仕事を任された、というインプットがあったとき。あなたが「どう考えるか」という、思考のパターンも習慣です。「面倒くさそう、やりたくない」というマイナスの感情がアウトプットされるのか、「これはチャンスだ!成長の機会だ!」という期待感がアウトプットされるのか、「いいですよ!」と言葉が先にアウトプットされるのか。これらは、どんな思考習慣を持っているかによって、決まるものなのです。
   2-2.強い記憶を残すための2つの要素
ここまでお伝えしてきたように、「あるインプットがあったときに、どういうアウトプットを返すのか」が習慣の正体です。パターンに沿った答えをアウトプットした方が、頭にとっても身体にとっても効率が良く、習慣は無駄を減らしてくれているのです。では、どうやって脳にその「パターン」ができるのかをお伝えしていきます。脳にパターンができるのには、2つの要素があります。「感情」か「反復」です。つまり、習慣を作るのには、「感情」か「反復」を用いて、脳に記憶させることが必要なのです。強い感情を引き起こすか、繰り返しインプットするか のいずれかによって、脳の記憶は強化されるのです。
   2-3.習慣化のメカニズムは、小さく・多く・楽しく!
可塑性があり、安定化志向のある脳の記憶によって習慣が作られます。ですから、習慣化のメカニズムを解き明かせば、小さな変化を与えること、たくさんインプットすることにより、記憶させることです。記憶に役に立つ強い感情は、習慣化の先にあるベネフィットをイメージし、「快」の感情と結びつけるとよいでしょう。一方で、悪い習慣を変えようと思っても、脳の記憶は消せないのもメカニズムです。悪い習慣を変えるためには、「習慣をやめよう」と思うのではなく、あるインプットがあったときに望むアウトプットが出るように、より強く記憶を作ることが必要です。具体的に言えば、「空いた時間についテレビを見てしまう習慣をやめる」と言い聞かせるのではなく、「時間が空いたときには本を読む」と決めておき、すぐに本を読めるように、手元に置いておくのです。最初は、まだまだ昔の習慣の方が出てしまうかもしれませんが、インプット回数が飽和点を超えたときに、自然と望ましい習慣がアウトプットされるようになります。さて、ここまでで、習慣化のメカニズムをお伝えしました。続いては、確実に実行可能な習慣化のコツをお伝えしていきます。
3.習慣化のコツ 成功に導く3つのコツ
これまでお伝えした習慣化のメカニズムと併せて考えると、習慣化に必要なことはたったの3つに集約されます。この3つのコツを確実に実行することで、容易く習慣化することができるのです。
   3-1.コツ1小さな変化から始めて大きく変える
最も重要なことは、脳の仕組みに合うように習慣を作ることです。大きく変えようとするのではなく、小さな変化を確実に続けていくこと。これが、習慣化の最大のポイントです。時間をかけて少しずつ変えることが、「リバウンド」を防いで確実に習慣を作っていきます。
   3-2.コツ2モチベーションを捨てる
モチベーションに頼ると、「やるときには一気にやるけど、やらないときはまったくやらない」状態になりがちです。習慣化のためには、少しずつ確実に反復してインプットしていくことが大切なのですから、起伏の大きいモチベーションに頼るのは危険です。モチベーションは捨てて、「モチベーションが無くても自然と行動する」ような状態に持っていきましょう。
   3-3.コツ3頼れる仕組みを作って利用し続ける
人は忘れる生き物ですし、怠惰な生き物でもあります。できるだけ、ラクをしたいという衝動に流されていきます。特に、習慣が定着するまでは、「仕組み」を作って反復させることに注力しましょう。
では、この習慣化のコツをひとつずつ詳しく見ていきましょう。
4.習慣化のコツ1小さな変化から始めて大きく変える
   4-1. 習慣化するには、小さな変化から始める
習慣を新しく作ろうと思ったら、最初は小さなステップから始めましょう。本当にごくごく小さなステップが良いです。英語学習であれば、30分とかからスタートするのではなく、2分とか、本を手にとって1ページだけ読む、というレベルです。そして、その小さなステップが終わったら、行動をやめてください。必ずストップしてください。それを最低3日はその状態で終えるのです。習慣化の初期の段階では、頑張って続けるよりも、「もっとやりたい!」という気持ちを起こすことが大切です。無理やりにでもストップすることによって、習慣化する行動が「やりたいこと!」に変わってきます。その意識の変化が、習慣にするためのコツです。
   4-2. 習慣化する行動を簡単にする
「行動」が具体的であり、かつ簡単なものであればあるほど習慣化しやすいです。行動を起こそうと思ったときに、「何をしようか」「どうやってやろうか」と考えるプロセスが入ってしまうと、途端に難しいものになってしまいます。やることをできる限り細かい単位でとらえて、時間が来たら「ただ、やるだけ」の状態を作ると習慣にするのがラクになります。
例えば運動の習慣として、ランニングを行うのであれば、以下を具体的にしておきます。
   ・どの靴を履いて、どのウェアを着るのか
   ・どういう準備体操・ストレッチをするのか
   ・どのルートでおよそ何分間走るのか
具体的に具体的にすればするほど、やることが簡単になり、行動が簡単になります。
   4-3. 阻害要因は取り除いておく
習慣の行動を重ねていくのですが、習慣行動には前提となる準備行動があることが多いです。例えば、日記をつける習慣ならば、日記帳とペンは必須です。それがない状態だと、「どこに書いてもいい」「何を使って書いてもいい」となり、また迷う要因になってしまいます。ランニングであれば、専用のウェアがない、靴がない、ランニング記録のアプリが決まっていない、走るルートが決まっていない・・・といった些細なことが、阻害要因になってしまい、行動を鈍らせる原因となります。迷いを生じさせるもの、行動する際に躊躇する原因になるものはすべて阻害要因です。習慣化するには、それらの阻害要因をあらかじめ消しておきましょう。その些細な準備をしておくことが、習慣化のコツなのです。
   4-4. 欲張らずにひとつずつ習慣を作る
習慣化をしようと思ったときに、早起きしてランニングして英語を勉強して・・・と、一気にライフスタイルをまるごと変えようとすると、やはり「大きな変化」となってしまい上手くいきません。新しいことをたくさんやるのは、時間配分も読みづらいですから、「物理的に無理!」という状態にもなってしまいます。欲張らずに、ひとつずつ確実に習慣を作っていきます。「ひとつずつなんて面倒くさい」と思っても、1カ月に1個ずつ作っていけば、12個もの習慣が手に入ります。あなたに12個の習慣が身に付けば、今の人生は一変すると思いませんか?
   4-5. 習慣化する行動の時間を決める
英語学習であれば、「朝5時から6時までに英語の学習をする」といったように、一日のうちの具体的にいつ、どのぐらいの時間、習慣行動を行うのかをあらかじめ決めておきましょう。時間を決めて、手帳に書いて時間をブロックしておきます。時間が決まっていて、手帳に書き込んであれば、「ただ実行するだけ」の状態に持っていくことが容易にできます。可能であれば時間は「朝」に取ってください。理由は次項です。
   4-6. 予備の時間も決める
時間を決めてやろうとしても、できない日も当然あります。やろうと思ったけどできなかった=今日はダメだった日、となってしまうと、ダメな日続きになる可能性が高くなります。「一回できなくてもまだチャンスがある!」という思考になれるよう、予備の時間を先に確保しておきましょう。なので前項の時間は「朝」にとっておき、もしダメだったとしてもまだまだリカバリできる時間を残しておきましょう。ダメだった時の時間も、予定の入りづらい時間に予約しておきましょうね。
   4-7. 小刻みに目標を設定し、徐々に大きくする
習慣化するには、単発ではなく長期的なものとして考えることが大切です。早いものでは21日間で習慣を身につけることができますが、毎日続けるには、21日は意外と長かったりもします。長期的なものととらえつつ、小刻みに目標を作ってそれをクリアし続けましょう。1週間毎に区切ってみたり、1日ごとに区切ってみたり。高い目標に向かって日々邁進していくのもよいことには違いありませんが、高い目標を見据えつつ、目の前の小さな目標を次々にクリアしていくのが効果的です。達成感がありますし、着実に成長を実感することができます。自身がついてセルフイメージも上がりますから、成功にグッと近づく方法だと言えるでしょう。
5.習慣化のコツ2モチベーションを捨てる
   5-1. 習慣化の仕組みを作ってモチベーションを捨てる
行動を始めようと思ったとき、習慣化しようと思ったときが、一番モチベーションが高いです。しかし、それに任せるのではなく、モチベーションは浮き沈みがあるものだということ認識しておきましょう。モチベーションが下がったときに行動が止まってしまうのでは、せっかく行動を始めても、いつものあなたに逆戻りです。習慣化するには、モチベーションが高いときに、たとえモチベーションが下がっても行動できるような仕組みを作ることです。具体的な仕組みを作る方法は、次章:習慣化のコツ3のところでお伝えしていきます。
   5-2. 習慣化の目的を明確にしてモチベーションを捨てる
早起きにせよ、英語の学習にせよ、運動にせよ、あなたは何故、その行動を始めようと思ったのでしょうか?その目的は何なのでしょうか?ただ漠然と「習慣になった方がいいから」という理由ではなく、「〇〇を達成するために、今、この行動を続けよう」 と、目的を明確にして行動することで、圧倒的に達成の確率が上がります。目的と、それに向かう行動が十分に納得できるものとなっていれば、その行動は必然的なものと感じられるので、モチベーションに頼らずとも「当然、やるべき」という状態に変わります。習慣化の仕組みの中にも、具体的な行動とセットで目的を書いておき、いつも両方を意識するようにしましょう。目先の行動だけにとらわれず、本質的な部分を見続けていきましょう。
   5-3. 魅力的なベネフィットを認識してモチベーションを捨てる
目的と同じくらい大切なのが、習慣化が達成されている状態をしっかりイメージすることです。英語の習慣ならば、外国人とペラペラと会話をできている状態をイメージします。そこからさらにイメージを膨らませて、具体的にどんな場面で、どこで、誰と話しているのか、その時の自分はどんな気持ちなのかと想像していきます。今の自分と内面的に何が違うのか。それが外面的に見て取れるところはどこにあるのでしょうか?運動であれば、痩せて理想的な体型になっている自分自身の状態をイメージします。そこから膨らませて、具体的にどんな服を着て、どんな食生活をしていて、どんなパートナーがいるのか。その時の自分はどんな気持ちなのか、今の自分と内面的に何が違うのか。それが外面的に見て取れるところはどこにあるのでしょうか?将来のいい状態をイメージするのは気分のいいことです。その魅力的なベネフィットが想起されれば、モチベーションは不要になります。いつでもイメージが想起できるように、文章化したり、写真にして視覚的に見れるようにしたりしましょう。やはり、いつでも見れるように手帳に挟んでおくなどして、何度も見直すことが大切です。目的をはっきりさせて、将来をイメージして、その中の一つに「実際の行動」を続けていきましょう。
6.習慣化のコツ3頼れる仕組みを作って利用し続ける
   6-1. 習慣化を意識するため仕組み
習慣にならない理由は、単純にそのことを考えている時間が短いことも要因になります。文章化して、何度も何度も見て、何度も読むことで、自然と意識し、記憶に刷り込んでいくことにつながります。
壁に貼る、手帳に貼る、アプリの待ち受けにする、パソコンのデスクトップにメモを貼っておく・・・原始的な仕組みですが、意識付けには最も有効です
   6-2. 習慣にする行動を促す仕組み
習慣化するには、実行する「時間を決める」ということはお伝えしました。しかし、決めたとしても他のことに没頭していると忘れてしまう・・・ということはよくあります。まずは、習慣化すべきことをスケジュール帳にプロットして、その時間をブロックしてください。先々まで、少なくとも3週間分はブロックしておきましょう。予備の時間も決めておく、携帯のアラームをかけておく、なども確実に行動するための仕組みになります。忘れませんし、行動に取り掛かるまでにはその行動のことを頭からいったん忘れてしまうことができます。
   6-3. 習慣化している自分を褒める仕組み
「自分のために、ひたすらに」とストイックに続けるだけでは、心の余裕が少なくなっていきます。できたことは認めて、褒めてあげて、自分の成長を感じながら続けていきましょう。そのために必要なことは「記録」です。手帳に記録しておけば、具体的な数値として、どのぐらい達成できたのかを数えることができます。それを1ヶ月単位で振返った時に、できるようになったことを実感しましょう。成長を感じることは、セルフイメージの向上にもつながります。褒める仕組みとしておススメなのは、習慣化促進アプリ「自分ルールポイントプログラム」です。無料ながら、自分の日常生活の行動をポイント化して、ポイントがたまったらご褒美を・・・という、褒める仕組みに最適なアプリです。達成できた行動を自動でカレンダーに記録してくれるので、振り返るのも容易です。さらに、画面に目標を3つまで書くことができるので、これを見るたびに目的・ビジョンを思い出すこともできます。
   6-4. サボりがちな自分を監視する仕組み
サボりがちなあなたは、自分を監視するために、周りの人を使って自分を監視する仕組みを作りましょう。有効なのは、周りの人たちに宣言することです。例えば英語学習を習慣化して、TOEICで800点を取ることを目標に掲げたら、それをそのまま、周りの人に伝えてください。伝えることで、周りの人もあなたに「最近TOEICの調子どう?」といった具合に聞くようになりますし、聞かれたときに「いや最近どうもできてなくて・・・」とは言いたくないですから、宣言したことを守ろうと行動します。責任感ともいえますが、もっと本能的に嘘つきでいたくないという心理を仕組みとして使うのです。逆に習慣化できていない人は、「できるようになってから周りに伝えよう」とします。人は意思の力だけではなかなか続かないものです。できたら、では、できないままになっていつの間にか目標から外している・・・ ということにもなりかねません。まずは宣言して、発信してください。
宣言だけでなく、もっと積極的に周りの人を巻き込む方法も、仕組みに有効です。
   ・一緒に目標に向かう
   ・目標を応援してもらう
   ・違う分野で目標達成を競う
といったようなパターンです。目標達成に向けてお互いに励まし合うことや、アイツがやっているから、俺もやらなきゃ・・・という、ある種のライバル意識が、自然と行動につながります。
   6-5. 仕組みをいつも持ち歩く
ここで作ったような仕組みは、作ったらそれで終わりではありません。仕組みはいつも持ち歩き、何度でも見て行動に移していきましょう。スマホ・手帳など、携帯するものに仕組みを入れ込むことで、習慣化への意識は飛躍的に高まります。
7.イチロー選手に学ぶ習慣化の最高の恩恵
習慣化といって真っ先に思い浮かべるスポーツ選手といえば、メジャーリーガーのイチロー選手でしょう。日米通算での最多安打などの数々の記録、また記憶に残るプレーをし続けているイチロー選手は、非常に多くの習慣を確実に実行し続けていることでも有名です。毎日の練習前のストレッチやトレーニング内容は、時間まで同じ習慣にしています。バッティング練習も、レフト方向の流し打ちに始まり、センター方向、ライト方向という順で行います。試合の中では、ネクストバッターズサークルでの屈伸運動、バッターボックスに入るまで、入ってからの構え・・・いつ見ても、必ず毎回同じ動作で打席に立ちます。習慣的な行動を繰り返すことで、自分の状態を一定にすることができます。それは自信になり、セルフイメージを向上させることにもつながります。いつものルーティンをいついかなるときでも行うことで、自分をいつもの状態に持っていき、最高のパフォーマンスが出せるように仕組み化しているのです。イチロー選手は言います。「どんなに気持ちが揺れていても、いつもどおりの作業をすることで、自然にバッティングの気持ちに切り替えることができるんです。僕にとってはいつもどおりにすることがプレッシャーに対処するための唯一の方法ですね」「やれることはすべてやったし、手を抜いたことはありません。常にやれることをやろうとした自分がいたこと、それに対して、準備した自分がいたことを誇りに思っています。」習慣を作り、それをただひたすらに守っていくこと。それが、自分を一回りも二回りも成長させて、大きな成果につながっていくのです。「小さなことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています。」余談ですが、イチローの朝食といえば、弓子夫人の作るプレーンカレーだということも有名ですね。メジャーリーガーになってから、朝食は必ずカレーを食べていたとのことです。毎日のルーティンが、非常に大きな成果を生み出す原動力となっていたのですね。 (注:カレーは2008年に胃潰瘍でやめたとのことです)
8.運動の習慣化のコツ
運動・ダイエットなど、身体に関わることの習慣化は3カ月の期間が必要と言われています。人間の身体の細胞は3ヶ月で入れ替わるので、そのことと併せて言われることが多いです。運動を習慣にする場合のポイントは、やはり無理せず小さく始めることです。運動・ダイエットをしていくことで、今までの自分の身体が変わっていくので、ただでさえ変化は大きいからです。自分自身が「新しい自分自身」に適応する範囲で少しずつ変えていくことが大切です。特に、運動の習慣が全くなかった人が、いきなり「毎日ランニング5km!」とするのは無謀です。本当に小さいと思うぐらい、物足りないぐらいに小さなステップから始めましょう。「運動が楽しい、もっと運動したい!」と思うために、最初の最初は5分以内で留めておくことをおススメします。習慣化するには、3日、1週間、3週間、3ヶ月と、細かく目標を区切り、長く続けていくことを当面の目標とすることをおススメします。
9.学習・読書の習慣化のコツ
学習・読書といった意識的な行動は3週間で習慣を作れると言われています。とはいえ、英語の学習をはじめとして、成果が出るためにある程度長い時間がかかります。また、学習はTOEICの点数や資格取得が目標になってしまいがちです。その先にある「本当の目的」を明らかにしたり、目標達成後の将来をイメージして得られるベネフィットを明確にしたり、より大きな未来にフォーカスしましょう。そして、具体的な行動目標に落とし込み、それに沿って進めると上手くいきます。TOEICでしたら、800点という数値目標の他に、「1ヶ月で教材を一通り終わらせる」というような、自分で確実にできることが行動目標です。1週間で50ページ、1日7ページ、とブレイクダウンすることができます。自分一人で学習を進めるよりも、仕組みによって仲間を巻き込むのが有効なのも、学習習慣の特徴です。StudyPlusというアプリをおススメです。教材を選び、学習をページ数と学習時間で記録することができる他、アプリ上で仲間を作ることもできます。目的を明確にした次には、やはり「学習が楽しい」と思えるように、小さく小さく始めていきましょう。最初の1週間は1ページ・5分で止め、「もっと学習したい」と思う気持ちを作っていくことが有効です。いつでもどこでも本は読めるからこそ、「いつ、どこで」という、場所・時間の観点もしっかり押さえておきましょう。通勤の時間なら本を持ち歩いたり、座れる時間の通勤に変えたり、落ち着けるカフェで読むのであれば、具体的なカフェをいくつか探しておく必要が出てきます。要するに、いざ学習しようという段になって迷わないように、あらかじめ行動パターンを決めておくことが重要です。
10.早起きの習慣化のコツ
早起きを習慣にすれば、誰にも邪魔されない自分だけの時間を作り出すことができます。ですから、ダイエットや学習などの習慣のベースに「早起き習慣」を作るのは非常に有効です。ぜひ、チャレンジしてほしい習慣です。早起きの習慣については、別記事で詳細にお伝えしていますので、併せてお読みください。早起きを習慣にするためには、しっかりと睡眠を確保することと、早寝をすることが必須です。自分は何時間の睡眠が必要なのかを理解し、寝る時間を逆算しましょう。一般的には、睡眠サイクルは90分単位とされています。これに従えば、睡眠時間も4時間半・6時間・7時間半とするのが有効です。睡眠サイクルに合わせてできるだけ自然に目が覚めるように、目覚ましも工夫しましょう。スマートフォンで目覚ましを用意するなら、Sleep Cycle というアプリをおススメします。寝ている身体の動きから睡眠サイクルを読み取り、一番起きやすい時間にアラームを鳴らしてくれるので、快適に起きることができます。同様の仕組みの睡眠グッズも売っていますから、そちらを検討するのもよいでしょう。早起きの最大のポイントは、目が覚めたらまず、横になっている状態から脱却することです。寝ている姿勢で「起きよう」と思っても、身体はまだ寝ている状態に近いので、二度寝をしてしまいます。まずは身体を起こす、そして立つ。ここだけに注力しましょう。運動と同様に身体に関わることなので、早起きも3ヶ月で習慣にすることができると言われます。しかし、日本には四季があり、季節の違いによって朝の時間が違います。夏は朝が早く、冬はなかなか明るくなりません。ですから、早起きは夏場には習慣にしやすいですが、冬はやや難しくなります。「3ヶ月で」というのはあくまで、同一の条件の下、という制約付きです。一年を通じていつでもできることを習慣にしたいなら、1年の計画で見ておきましょう。やはり、長期的に考えておくことがポイントなのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。記事でご紹介したような悪癖を捨て去り、正しい手順に沿って長期的に取り組むことで、比較的容易く習慣化することができます。習慣化された後の素晴らしい人生を思い描きつつ、地道な小さな行動を繰り返すことで、少しずつ確実に定着していきます。数々の仕組みを紹介していきましたが、気に入ったものをまずは一つでも実行に移し、その効果を体感してください。あなたが良い習慣を身につけ、より良い人生を歩んでいくことを願っています。  
 
 

 

●習慣化のコツ 勉強・運動・早起きを継続する方法
良い行動や考え方を習慣化できれば、人生をもっと良く変えられるのに。そう思っていても、悪い習慣を脱して良い習慣を身につけるのは、なかなか難しいものですよね。今回は、人生を輝かせてくれる習慣化のコツをご紹介します。
習慣化とは
習慣化とは、歯磨きのように、意志の力を使わず無意識に繰り返し行動している状態のこと。『30日で新しい自分を手に入れる「習慣化」ワークブック』の著者で習慣化コンサルタントの古川武士氏(習慣化コンサルティング株式会社代表取締役)は、習慣化を次のように定義しています。
習慣化とは、行動や思考を無意識的に繰り返す状態になることと定義しています。
たとえ朝5時起きの習慣を身につけようと決意しても、やる気のみに頼ってしまうと、つい「今日は気分が乗らないからやめよう」などと考えてしまい、継続するのは難しいもの。しかし、いったん習慣化してしまえば、やる気がなくても行動を継続することができるのです。まずは、習慣化のメリットを詳しく説明します。
   習慣化のメリット1:幸福度が上がる
習慣化は、幸福度を上げることにつながります。古川氏によると、習慣は、心の豊かさを高める「ポジティブ心理学」の「幸福の公式」と関係があるのだそう。「幸福の公式」は次の通りです。
幸福(Happiness)= 規定値(Set point)+ 生活状態(Condition of living)+ 自発的活動(Voluntary Activities)
古川氏によれば、「規定値」とは思考習慣、「自発的活動」は行動習慣を指すのだそう。幸福度への影響力は、規定値(思考習慣)が40%、生活状態が10%、自発的活動(行動習慣)が50%とのこと。
思考習慣と行動習慣を合わせると、幸福度全体の9割にもなりますね。つまり、良い習慣を身につけることで心が豊かになり、幸福度を上げられるというわけです。
   習慣化のメリット2:仕事力が上がる
習慣化は、ウィルパワーを節約することにもつながります。ウィルパワーとは、集中力を維持するために思考や感情をコントロールする力。意思決定をするごとに消耗していきます。仕事のやり方を習慣化し、意思決定の機会を減らせば、ウィルパワーを節約できます。すると、本当に必要な機会までウィルパワーを保て、大事な仕事に集中できるのです。
また、習慣化は、仕事を継続するうえで大切な健康維持にも役立ちます。退社時間を決めて自由な時間を持つ・睡眠時間を増やす・軽い運動を取り入れるなど、心身の健康に良い習慣を身につけることでストレスが軽減されれば、仕事のパフォーマンスを上げることができるでしょう。
   習慣化のメリット3:面倒なことでも継続できる
習慣化の最大のメリットは、面倒な物事でも楽に継続できることです。たとえば、早起きが苦手でも、起床時間や目覚めてからの行動を決めてルーティン化すれば、「どうしよう」「何をしよう」と悩まず、すぐに行動できますよね。脳科学者の茂木健一郎氏は、やる気を出して習慣化するのではなく、むしろ、やる気がないから習慣化が大事なのだと語っています。
朝型を習慣化するには、やる気が必要なのだと思っているかもしれませんが、習慣にやる気って必要ないんですよ。(中略)そうではなく、やる気がなくてもやれるように習慣化することが大事なのです。
習慣化に成功すれば、幸福度や仕事力が上がり面倒なことでも持続できるなど、さまざまなメリットがあるのです。
習慣化のコツ
メリットだらけの習慣化。では、どうすれば習慣化が可能となるのでしょうか? 習慣化を成功させるコツをご紹介します。
   習慣化に必要な期間を知る
特定の行動を新たな習慣として定着させるには、どれくらいの期間が必要なのでしょうか? 古川氏は、著書『30日で人生を変える「続ける」習慣』の中で、習慣化に必要な期間の目安を、習慣のレベル別に紹介しています。
•レベル1 行動習慣(勉強・日記・片づけなど):1か月
•レベル2 身体習慣(ダイエット・運動・早起き・禁煙など):3か月
•レベル3 思考習慣(論理的思考力・発想力・ストレス発散思考など):6か月
このように、習慣化に必要な期間は習慣の内容によって異なります。上記の目安を参考にしつつ、「もう少しで習慣化できそうだ」と、継続を頑張ってみてはいかがでしょう?
   小さな習慣から始める
新しい習慣を身につけたいなら、まずはシンプルで小さな習慣を設定してみませんか? たとえば、「スクワットを毎日100回する」のように最初から大きすぎる習慣を設定してしまうと、始める前からやる気が失せてしまい、習慣化失敗の原因になりかねません。
ベストセラー『小さな習慣』の著者、S・ガイズ氏によると、習慣化を成功させる秘けつは「スクワットを毎日1回」など「小さすぎる目標を立てる」こと。まずは、小さい目標をクリアして、成功体験を積み重ねていきましょう。
   アクション・トリガーを設定する
習慣化を成功させるには、アクション・トリガーを設定することも有効です。アクション・トリガーとは、行動の引き金のこと。習慣化したいことについて、時間・場所・行動を具体的に決め、手帳などに書き出しておきます。
(例)朝起きたら顔を洗う→屈伸を5回→ダイニングテーブルで30分間英語の勉強→朝食を食べる。
このように、いつ・どこで・何をするかが決まっていると、悩まずに行動できますよね。アクション・トリガーは、そのときの状況や感情に左右されず、困難な目標を習慣化するために、大変効果的な方法なのです。
ニューヨーク大学のP・ゴルヴィツァー教授とチューリッヒ大学のV・ブランドスタッター教授は、1997年に大学生を対象に行なった実験を紹介し、アクション・トリガーが習慣化に効果的であることを報告しています。「いつ・どこで・レポートを書くか」というアクション・トリガーを書き出したグループは、そうしなかったグループに比べ、課題の達成率が2〜3倍にもなったそうです。
Study Hackerの記事「小さなことから着実に。3ステップの「習慣化計画」で続けられる人になる。」より、習慣化計画ワークシートを紹介しますので、アクション・トリガーを書き出す際の参考にしてみてください。
   習慣化計画ワークシート"
習慣化したいことがあるのに、なかなか達成できずお困りなら、アクション・トリガーを決めてみてはいかがでしょう?
いつもの習慣につけ加える
すでに習慣化していることに、新しい習慣をつけ加える方法もおすすめですよ。南カリフォルニア大学教授のW・ウッド氏も、特定の状況下で繰り返される動作は継続しやすいことを指摘しています。
たとえば、毎日5分間のデスク掃除がすでに習慣化していたとすれば、そのあとに10分間読書する習慣を追加してみては? 掃除の仕上げに読む本をデスク上にセットしておけば、迷ったり考えたりする余地なく読書の態勢に入れますよね。
新しい習慣を身につけたいと思ったら、今ある習慣と合体させてみてはいかがでしょうか。
   仲間と一緒に取り組む
仲間と一緒に取り組むのも、習慣化を成功させるには有効です。筑波大学大学院体育科学研究科の横山典子氏らは、「中高年の運動の習慣化」を目標とした自由参加の運動教室で、個人運動のみのグループと集団運動を取り入れたグループを比べ、習慣化について調査しました。その結果、集団運動を取り入れたグループのほうが、習慣化の成功率が高かったそうです。
もし、同じ習慣に取り組んでいる友だちがいたら、成果をLINEなどで報告し合ってモチベーションを高めてもよいですし、後述するアプリケーション「みんチャレ」で仲間を見つけ、一緒にチャレンジすることもできますよ。
以上、ご紹介した習慣化のコツを、目標に合わせ実践してみてくださいね。
習慣化に失敗する理由
習慣化が成功しやすくなるコツだけでなく、習慣化の失敗を招く原因も把握しておきましょう。何度チャレンジしても、なぜか習慣化に失敗してしまう……という人は必見です。
   高すぎる目標を掲げている
習慣化の目標が高すぎるのは、失敗の原因。たとえば「腕立て伏せ100回」のように、いきなり高い目標を掲げてしまうと、失敗したときに自信を失って習慣の継続を諦めてしまう「どうにでもなれ効果(The what-the-hell effect)」が現れる危険があるのです。
「ど
うにでもなれ効果」とは、綿密に立てた計画が少しでも狂うと、自制心が効かなくなり、どんどん計画が崩れてしまう現象のこと。トロント大学の心理学者、J・ポリヴィ氏とC・P・ハーマン氏によって発表されました。京都大学こころの未来研究センター准教授の阿部修士氏は、「どうにでもなれ効果」を回避する方法について、ダイエットを例として次のように述べています。
短期的にあまり厳しいルールを自分に課すのではなく、長期的に、すなわち1度や2度の失敗には過度に反応せず、長い目でダイエットを成功させる、といった目標設定が重要となる
また、古川氏が指摘しているように、0か100かという完璧主義的な思考も、習慣化を妨げる原因として要注意です。腕立て伏せの目標を100回と定めていて達成できなかったら、たとえ毎日10回できていても、習慣化に失敗したと考えてしまうからです。たとえ100回という目標に至らなかったとしても、これまで0回だったものを10回にできたのですから、それはある程度の成功といえるのではないでしょうか?
「どうにでもなれ効果」や完璧主義的思考という、習慣化を阻む要因を回避するため、確実に成功できるくらいの小さな目標から始めてはいかがでしょう。
   やる気に頼っている
習慣化には、まずやる気が必要だと考えることも、失敗の原因になります。何かを習慣化しようと決意して、「頑張らねば!」とやる気を出そうとしてしまいませんか?
習慣は、やる気があろうがあるまいが、何度も繰り返すことで身につきます。「やる気が出ないから、今日は歯磨きをやめよう」とはなりませんよね? ガイズ氏は、モチベーション頼みの危険性を次のように指摘しています。
行動するのにモチベーションが必要だと信じることほど、危険な習慣はありません。(中略)この考えが行き着く先は、怠け癖のサイクルでしかありません。
やる気に頼っていると、「今日はやる気がないからできないや」というように、「やる気」を習慣化失敗の言い訳にしてしまいがち。それに、「やる気を出すにはどうすればよいのだろう?」と、習慣化とは関係のないことについて悩み、時間を消費してしまいます。
習慣化に成功するには、やる気にかかわらず、動作の繰り返しを継続することが大切なのです。習慣化を成功させるのに、やる気は関係ありません。
   脳は安定を好む
習慣化が失敗する理由のひとつには、安定を保とうとする脳の性質「ホメオスタシス(生体恒常性)」があります。古川氏は、このホメオスタシスを「習慣引力」と呼んでいます。新しい変化に抵抗する機能が、「三日坊主」を引き起こしているのだそう。また、習慣引力は、「いつも通り」を維持する機能を持っているため、悪い習慣がなかなかやめられない原因でもあるのです。
逆に、新しい習慣を脳が「いつも通り」だと認識すれば、ホメオスタシスが働いて、習慣の継続が容易となります。三日坊主になりそうなときは、ホメオスタシスの存在を意識し、ホメオスタシスをうまく利用できるようになるまで習慣化を頑張ってみてください。
習慣化したいことを決めよう
習慣化すべきことを知るために何をしたらよいか、お悩みではありませんか? 何を習慣化するか決めるための手順をご紹介します。
   日記をつける
何を習慣化するか迷っているなら、まず日記をつけてみてはどうでしょうか。日記に自分の行動を記録しつづけることで、無意識に行なっている現在の習慣が可視化されます。悪い習慣があれば、その原因を考えて書いてみましょう。悪い習慣を良い習慣に置き換える解決法が見つかるかもしれません。
たとえば、食べたものを全て日記に記録するとします。そうすれば、「炭水化物ばかりの食事が習慣化していて野菜が少ない」などの状況に気づけ、野菜を食べる習慣を身につけようと意識できますよね。
筆者もかつて、健康診断をきっかけに、食事を手帳に毎日書き出すようにしていました。すると、ほとんど野菜をとらない、バランスの偏った食事が習慣化していたことがわかったのです。試行錯誤の末、いちばん空腹感の強い食事の最初に必ずサラダを食べきってから、ほかの料理に移るようにしたところ、野菜を食べることを習慣化するのに成功しました。
隙間時間にちょこっと日記にメモしていく程度でも、自分の現状が分かり習慣化すべきことが見えてきますので、ぜひ試してみてください。
   習慣化したいことは「〜する」に置き換える
習慣化したいことを、「夜更かししない」など否定語で決めていませんか? 古川氏によれば、習慣化したいことを否定語で決めると、ほとんどの場合で失敗するそうです。その理由は、脳が否定語を認識できないから。「夜更かししない」と決めても、夜更かしをしている状態を脳がイメージしてしまうので、誘惑に負けてしまうのです。
良い習慣を身につけたいのなら、習慣化したい言葉を肯定語に置き換えてみてください。たとえば「夜更かししない」ではなく、「朝6時に起きる」といった具合です。
   10分運動のススメ
何を習慣化するか決めかねている人には、軽い運動がおすすめ。適度な運動は脳の活性化を促し、仕事や勉強のパフォーマンスを上げてくれます。脳の活性化には、10分程度の軽い運動で十分。激しいスポーツをする必要はないのです。
筑波大学教授・征矢英昭氏らによって2018年に行なわれた実験では、被験者たちが自転車こぎなどの軽運動を短時間行なっただけで、ヒトの学習・記憶を司る海馬を中心とした記憶システムが活性化しました。
本研究では、超低強度運動を10分間行った直後と安静後に記憶課題に取り組んだ際の脳の活動を、最先端の機能的MRI技術を駆使して高解像度で可視化し、比較しました。その結果、超低強度運動が海馬を活性化し、特に、海馬歯状回を中心とした記憶システム全体を上方制御することで、記憶能の向上に資することが明らかになりました。
室内でできる運動としては、けん玉もおすすめ。順天堂大学教授の白澤卓二氏によると、けん玉はゆっくり歩く程度の有酸素運動に相当するのだそうです。自転車や歩きで買い物に出かける、雨の日はけん玉で遊ぶなど、毎日10分間の運動を習慣化して、無理なく脳を活性化させましょう。
読書・勉強を習慣化する方法
仕事や人生の成功につながる読書や勉強は、ぜひ習慣化したいものですよね。けれども、忙しい毎日の中で、どうやったら読書や勉強を継続できるのでしょうか? 読書や勉強を習慣化する方法をご紹介します。
   時間と場所を決めてルーティン化する
読書や勉強の習慣化には、場所や時間を決めてルーティン化することが有効です。東京大学を首席で卒業した、ニューヨーク州弁護士の山口真由氏によると、生活習慣を固定することが習慣化のコツなのだそう。ベッドに入る時間・食事の時間・会社を出る時間などを固定すれば、一日の限られた時間のなかで読書や勉強に使える時間が見えてきますよね。
起床してから朝食を食べるまで30分から1時間程度、机で勉強する。通勤・通学の電車で読書するなど、隙間時間を見つけて読書や勉強の予定を組み込めば、気分に左右されることなく、歯磨きのようにごく当たり前の行動として、習慣を続けやすくなるでしょう。
精神科医の樺沢紫苑氏によると、人間の集中力の限界は15分であるとのこと。多忙な日々でまとまった時間が取れない、長時間の読書や勉強は耐えられないというビジネスパーソンでも、5分・10分・15分と、読書や勉強の時間を自分の集中力に合わせて短く区切り積み重ねる方法なら、隙間時間を利用して無理なく習慣化できるのではないでしょうか。短時間の勉強・読書をルーティン化すれば、勉強や読書はあなたの生活の一部になるはずです。
   楽にスタートできる工夫をする
心理学者のL・ズーニン博士によると、行動を始める→行動を続ける→行動を終えるという一連の流れのうち、最も気が重たくなるのは「初動」のときなのだそう。物事を始めて4分が経過すれば心理的負担が弱まり、モチベーションがアップしていくのだそうです。つまり、いったん取りかかれば、あとは楽になるということですね。
なので、読書や勉強を始めるのに気が進まずつらいという人は、楽にスタートできるよう、トリガー(きっかけ)を決めてみてください。人間の心理に詳しいメンタリストDaiGo氏も、習慣を身につけるために大事なことのひとつとしてトリガーを挙げています。
たとえば筆者には、「朝一番にダイニングテーブルで水を飲む」という習慣があります。この習慣をトリガーにして、「15分間の読書」という新たな習慣を追加してみました。あらかじめテーブルに本を置いておくと、すぐに読書する態勢に入れますし、アラームをセットしておけば、いちいち時間を気にせず音が鳴るまで集中して読書できるため、習慣化に成功することができました。
「朝の歯磨き」など、すでに身につけている習慣をトリガーと定め、「自分のデスクで30分勉強」など読書や勉強の時間を追加すると、意志に関係なくスタートしやすくなり、習慣化を成功させやすくなりますよ。
ダイエット・運動を習慣化するコツ
ダイエットや運動を習慣化したいのに、いつも失敗続き……とお悩みではありませんか? ダイエットや運動がなかなか続かないのは、スタート時の苦痛が大きいためなのだそうです。たしかに、ダイエットのため食事制限すれば激しい空腹感に苦しみ、急に運動すれば筋肉痛に悩まされること、ありますよね。
古川氏は、苦痛という負の感情が、習慣化を阻む大きな要因になっていることを指摘しています。そのため、ダイエットならまず食事制限のみに取り組むなど、習慣化することを1つに絞って負担を軽減してみましょう。運動なら、苦手な筋トレではなく気軽なウォーキングにするなど、自分が楽に取り組めそうな方法を選んでください。できるだけ快感を覚えられるように工夫することが、習慣化に成功する鍵なのだそうです。
   ダイエットを習慣化させるコツ
ダイエットしているはずなのに、なぜか痩せられない。そんな悩みを抱えている人、多いのではないでしょうか。管理栄養士の岡田明子氏によると、痩せられない原因には「間食習慣」および「夕食過多」という食習慣があるのだそうです。もし両方の原因に心当たりがあるのなら、まず間食習慣から改善していきましょう。 岡田氏による間食習慣の行動項目例を参考にまとめると、次の通り。
・間食をやめる
・間食の回数を週数回に減らす
・間食の量を半分に減らす
・間食による摂取カロリーを200kcal以下にとどめる
・甘い飲み物はやめ、水・緑茶・ブラックコーヒーだけにする
習慣化を成功させるには、無意識のうちにやっている状態になるまで行動を続けることが肝心です。上に挙げた中から、まずは無理なく実行できそうな行動を1つだけ選び実践してみてはいかがでしょう?
   運動を習慣化させるコツ
運動をするまとまった時間がとれないとお悩みなら、日常生活の範囲でできる手軽な筋トレを取り入れてみてはいかがでしょう? 青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導者・中野ジェームズ修一氏によると、簡単にできる下半身の筋トレでも、全身の血行を改善し、健康維持に効果的なのだそうです。
中野氏おすすめの、運動する時間がない人でも習慣化しやすい4つの動作をまとめてみました。
1.毎日、椅子から片足立ち:椅子に座っている状態から立ち上がるとき、片足だけを使う。バランスを取るのが難しければ、机やテーブルに手をついてもよい。
2.毎日、空気椅子スクワット:椅子に座る前の10秒間や、立ち上がる前の10秒間、スクワットの要領でお尻を浮かせた状態をキープする。呼吸を止めないようにすることがコツ。
3.毎日、くつ下を片足ばき:くつ下をはくときに、座りながらではなく立ったままはく。
4.毎日、階段を使う:エスカレーターやエレベーターを使わずに、4階くらいまでなら階段を使う。
筆者は、いちばん継続しやすかった「毎日階段」を、運動の習慣化のために取り入れています。交通機関の乗り換え時だけでも、エスカレーターでの移動を全て階段に置き換えると、かなりの運動量になり、始めたばかりの頃はかなり息が上がりました。
しかし、3週目くらいから徐々に慣れ、身体が軽くなったと感じています。体力や時間のゆとりのないときには下りだけ階段にするなど、状況に合わせて臨機応変に工夫すると続けやすいですよ。
どれも普段の生活の流れでできるものばかりなので、皆さんも自分に合った動作を1つ選んで運動の習慣化に活かしてみてはいかがでしょう?
早起きを習慣化するコツ
朝5時起きの習慣化にチャレンジしてみたい。そう思っても、夜型の生活習慣から抜け出せずにすぐ挫折してしまうとお悩みではありませんか? 早起きを習慣化するためのコツをまとめてみました。
   起床時間のハードルを下げる
たとえば、起床時間を朝7時から朝5時に突然変えようとすれば、ハードルが高すぎるため、失敗しやすくなってしまいます。はじめは、いつもの起床時間を5〜10分早める程度の、毎日確実にクリアできる起床時間を設定してみてください。
   寝る時間を毎日そろえる
古川氏によると、早起きに成功する人は、寝る時間を必死に守ろうとする人なのだそう。そして、快眠セラピストの三橋美穂氏は、良質な睡眠を得るため、25歳で7時間・45歳で6時間30分・65歳で6時間くらいの睡眠時間が適切だと指摘しています。
以上のことから、もし20代後半のビジネスパーソンが良質な睡眠を取りつつ朝5時起きを習慣化するのなら、夜10時頃に寝る習慣もセットで身につける必要があります。スマホいじりなど就寝時間を遅らせる悪い習慣があれば、5分間ストレッチしてから寝るなど、リラックス効果のあるトリガーを決め、寝る時間もセットで習慣化してみましょう。
   朝の活動をパターン化する
朝の活動をパターン化すると、早起きが習慣化しやすくなります。古川氏によると、早起きを成功させるため、「残業は朝にする」のがおすすめとのこと。毎日仕事を切り上げる時間を決めて、余った仕事を片づけるのを朝の活動としてパターン化すれば、早朝出勤とセットで早起きが習慣化できるのです。
「脳のゴールデンタイム」である朝時間を有効活用している茂木氏は、起きたらTwitterのチェック(1分)→近くのコンビニまで歩く(往復10分)というように、朝の活動をパターン化させているそうです。また、山口氏も、朝起きたらすぐ机に向かって座り、本を読み始めることを習慣化しています。
朝起きたら顔を洗う→机に向かって10分間読書するというように、アクション・トリガーを設定して紙に書き出し、枕元やデスクなど目につくところに貼って、朝の活動をパターン化してみてはいかがでしょう?  
   朝日を浴びる
早起きを習慣化するには、起きたらすぐカーテンを開けて朝日を浴び、目覚めることも大切です。理由は、太陽の光を浴びると、脳の覚醒を促すホルモン・セロトニンが放出され、朝目覚め夜眠くなるという生体リズムが整えられるから。茂木氏が朝にコンビニまで歩くのは、朝日を浴びて脳を覚醒させるためなのだそうです。
古川氏も、太陽の光を利用することを勧めています。太陽の光を浴びると、睡眠物質であるメラトニンが消えていくため、スムーズに起きることができるのだそうです。もし、暗い部屋で起きるのが習慣になっているなら、カーテンを開けて朝日を浴びることを習慣化してみてください。
掃除・片づけを習慣化するコツ
自宅は散らかり、職場のデスクは書類の山。そんな乱雑な環境から抜け出すため、掃除・片づけをぜひ習慣化したいものですよね。掃除や片づけを習慣化するためのコツをご紹介します。
   収納場所を決めて小まめに片づける
全てのモノに対し、あらかじめ収納場所を決めておくこともおすすめです。たとえば、財布やスマートフォン・リモコンなどの収納場所が決まっていないと、探すのにいちいち無駄な時間を使ってしまいますよね。
収納場所を決めるコツは、そのモノを無意識に置いたり、モノを使用したりする場所を選ぶこと。たとえば、帰宅後にカバンを玄関に置くクセがあるのなら、玄関にカバン置き場を作りましょう。また、テレビのリモコンはテレビのそば、筆記用具はデスクの上など、その道具が必要とされる場所に収納場所を定めます。小まめに片づけることが習慣化すると、探す手間も時間も節約できて快適ですよ。
   ついでに掃除する
歯磨きなど日常の習慣をトリガーにして、ついでに掃除してしまうのもおすすめです。たとえば、洗面所にお掃除シートを常備しておけば、歯磨きのついでにササッと鏡や洗面台を拭き掃除できますよね。毎日歯磨きをするたびに掃除していれば、自然ときれいな状態を保つことができるでしょう。
掃除や片づけに苦手意識があっても手軽に取り組める習慣化のコツを、ぜひ試してみてください。
習慣化に役立つアプリ
習慣化に役立つアプリを2つご紹介します。
   コソ勉
習慣化に役立つ手軽な無料のスマホアプリをお探しなら、時間管理アプリ「コソ勉」(iOS/Android)がおすすめです。15分勉強するごとに、1つのマスを塗りつぶすだけ。塗りつぶしの色は12色から選べます。たとえば、「英語」の色を青に設定して1時間勉強したら、青色で4マス分塗るわけです。何をどれくらいの時間勉強したか、ひと目でわかりますね。
「科目名」は自分で決められるので、読書・運動・掃除というように、勉強以外の内容も入力できますよ。ちなみに、こっそり&しっかり勉強したい人のためというコンセプト上、SNS機能はありません。自分が頑張った成果をすぐに可視化できて、見た目もおしゃれな勉強管理アプリ「コソ勉」を、習慣化に活用してはいかがでしょう。
   みんチャレ
これまで何度も習慣化にチャレンジしては失敗続き……とお悩みなら、仲間と挑戦できる「みんチャレ」を試してみては? 「みんチャレ」とは、エーテンラボ株式会社が運営する「三日坊主防止アプリ」です。
まず、チャレンジしたい習慣を、ダイエット・英語学習・読書など50のカテゴリーから選択します。次に、同じ目標を持つ5人組のチームを探して参加し、習慣化の成功を目指します。ニックネームによる参加が可能なので、本名を出すのはちょっと恥ずかしい……という人でも安心ですね。
Study Hackerの記事、「習慣化は “誰かと一緒” でうまくいく! 『習慣ともだち』を2ヶ月続けたら早起きできるようになった話。」にあるように、Study Hackerのライター・梅野凌矢氏は、朝が弱いため「みんチャレ」のカテゴリー「早起き」を選択しました。その結果、チームで取り組んだおかげでモチベーションや達成感を強く感じることができ、1人では成しえなかった早起きの習慣化に成功したそうです。
自分1人ではなかなか習慣化に成功しないとお困りなら、仲間と一緒にチャレンジしてみてはいかがでしょう? 
 
 

 

●習慣作りを妨げる 4 つの迷信
良い習慣を身に付けることは重要です。日常生活で必要なことを習慣化することにより、効果的かつラクに行えるようになるからです。また、大きな目標がある場合も、日課を決めてコツコツと習慣にすることで、着実に達成することができます。
では、なぜ良い習慣を身に付けるのは難しいのでしょうか。巷でよく言われてる説はいくつかありますが、実はそのほとんどが迷信に過ぎません。良い習慣を構築したいなら、役に立たない迷信を見破って振り回されないようにしましょう。
迷信その 1:習慣を作るには X 日かかる
「習慣化に必要な期間は 21 日間」だともっともらしく言われているのをよく耳にしますが、実はこれには根拠はありません。他にも 28 日〜60 日までいろいろな説があるようですが、どれも信憑性はないのです。
この迷信はどうやら、セルフイメージについて包括的な研究を行ったマクスウェル・マルツ博士の理論を誤解したことから始まったようです。博士が良い習慣を身に付けるのに必要な期間を発見したという事実はないのに、多くの人がこの説を博士に結びつけています。
確かに 21 日ルールはシンプルで覚えやすいですし、価値のある行動を 3 週間毎日実践することは役に立つでしょう。しかし実際は、新しい習慣を身に付けるのに要する期間は人によって異なりますし、その理由やモチベーションも異なります。ですから、決まった日数に捕らわれるよりも、自分にとってどうするのが一番実践しやすいかを考えましょう。そうすれば自分に合ったペースで習慣が身につくはずです。
使いこなしのヒント:どのような方法で習慣を身に付けるにせよ、Evernote のタスク機能が役に立ちます。計画を立て、期限や優先順位を決めて、リマインダーを設定しましょう。
迷信その 2:たった 1 日できなかっただけで計画が台無しになる
健康的な習慣を身につけるのに大切なのは、タイムテーブルやスケジュールよりも、一貫して実践することです。継続することで習慣が定着し、続けることがラクになっていきます。ただ、ここから「 1 日も休んではならない」という俗説が生まれてしまいました。しかし、これも単なる迷信です。
このアイデアは、「チェーンを断ち切るな(Don’t Break the Chain)」メソッドとして知られていて、毎日いくばくかの時間を新しい習慣に費やさなければならないとするものです。このメソッドは俳優でコメディアンのジェリー・サインフェルド氏に結びつけられることが多いですが、他にも有名な人の名前がよく引き合いに出されます。
ここで大切なのは「毎日続ける」ことではなく「一貫して続けること」です。一貫性がないと習慣はなかなか身につかないからです。ただ、休んだり回復したりすることも同じくらい重要です。疲れきっていたり、精神的にいっぱいいっぱいなのに、無理に続けようとすると、燃え尽き症候群になりかねません。できない日があったり、しばらく休みが必要だったりしても、自分に厳しく当たらないことです。どのくらいなら自分にできるのか把握して、自分のペースで続けられるように調整しましょう。
使いこなしのヒント:Evernote の習慣トラッカーテンプレートは、自分の一貫性や進捗を把握するのに最適です。必要なときは休みを入れつつ、自分のペースで無理なくルーティンを構築しましょう。
迷信その 3:新しい習慣はより大きなものへと発展しなければならない
目標を持つことは大切です。習慣作りをするときは特にそうでしょう。でも、覚えておいてほしいのです。習慣は実践するものであり、達成するものではないということを。
良い習慣というのは、目標に達したら終わりというものではありません。継続的なプロセスです。また、必ずしも大きなゴールにつながらなくても良いのです。そのプロセス自体にメリットがあるのですから。
大きな目標を持つことはモチベーション維持に役立ちますが、それだけにこだわることはありません。むしろ自分の進歩が分かるような小さな目標をたくさん設定しましょう。習慣にしたい行動にはどんなステップが必要ですか? どうなったら習慣が身に付いたと言えますか? 進捗がわかるようにどんなマイルストンを設定しますか? こうした具体的なことを決めて、習慣作りに取り入れてください。
使いこなしのヒント:習慣化するまでのステップをいくつかに分けて取り組むのは効果的な方法です。デイリープランナーテンプレートを使って、ステップを書き出し、各ステップの期限を決めましょう。そうすれば、その日に何をやらなければならないか、そして何故やらなければならないのかを可視化できます。
迷信その 4:古い習慣を止めないと新しい習慣を始められない
良い習慣を身に付けるためには、悪い習慣を見つけて止めなければならないと思っている人がたくさんいます。たとえば、ヘルシーな食習慣を身に付けたいと思っている人は、まずファーストフード店でランチをとるのを止める必要があると考えます。
もちろん、それも良いでしょうが、その 2 つが必ずしも関連しているとは限りません。ファーストフード店でランチを食べるのを止めたとしても、同じようなものを食べていれば食生活は改善しません。良い習慣と悪い習慣を結びつけて考えたり、悪い習慣を止めないと良い習慣が始められないと考えるのはやめて、とにかく良い習慣を始めてみましょう。そして悪い習慣は別個のものとして対処しましょう。
始めるなら今!
新しい習慣を始めるのは簡単ではありませんが、計画を立て、進捗を測ることができれば、格段に取り組みやすくなります。プランやマイルストンがあれば、新しい習慣を始めるだけときだけでなく、つまづいたときに起き上がるのもラクになります。巷に溢れる迷信に影響されず、自分のペースで良い習慣を身に付けましょう。成功の鍵は、計画と一貫性のある実践です! 

 
 

 

●王道だけどシンプルな習慣化7つの極意
「何かを続けよう」「やめよう」と思った時、世の中にはさまざまなテクニックがあります。
何が一番効き目があるのか、情報が散在しているのでまとめて知りたい!という方のために、私のコンサルティングと自分の経験から7つの極意として王道の手法を紹介したいと思います。
本質や原則はシンプルなもの。あとは、実践できるかどうかが肝です。ご自身の習慣化したいことに当てはめてみてくださいね。
1. ベビーステップ(小さな一歩)から始める
「動く前が一番やりたくない、動き始めたらやる気は後からついてくる」。こんな経験は誰にでもあるのではないでしょうか?
ベビーステップで始めるという極意は、7つの中でも圧倒的に重要なコツです。
習慣化が成功するか否かは、言い訳もしようがないほど、やる気がなくても絶対にできる一歩を設定して、とにかく行動ゼロにしないことです。コンスタントにやり続けると抵抗感がなくなっていきます。
また、残業などで疲れている時でも実行し続けるためには、ハードルを徹底的に下げた行動設定ができていることが重要です。
たとえば、次のようなものが挙げられます。
【ハードルを下げた行動設定(例)】
・英語の勉強をする:15分だけ通勤時間にポッドキャストの英語番組を聞く
・ストレッチする:会社のコピーを取るときに、ストレッチをする
・早起きをする:朝、いつもより15分だけ早く起きる
・ブログを書く:お気に入りの記事をリブログする
2. 自分をうまく乗せる方法を模索する
「好きなことは続く、嫌いなことは続かない」。
この原則で言うならば、そもそも自分の好きなこと・自分にあったやり方を模索することはその後の行動を継続する上でとても重要です。
運動1つでも、ジョギング・ウォーキング・ストレッチがいいか、あるいは朝・夜がいいか、友達と一緒にやるのがいいのかなど、「自分の乗る方法」を探ることをおすすめします。
微妙な違いでも自分の気分が乗らなければ、その行動を継続するのはとても困難になります。
3. 記録して現状を確認する
ウォーキングを例にあげるなら、万歩計があれば4300歩の日と7000歩の日の違いを実感することができます。数字による記録があると、私たちの脳は明確に現状を認識し、心に改善スイッチが入ります。
毎日体重計に乗る習慣をつけておくと、嫌な現実と向き合うことになりますが、現実から目をそらすよりも圧倒的に対策しなければいけないという意識は高まります。私たちはフォーカスを向けたものだけを手に入れることができるのです。
習慣化で一番難しいのは「決意した日」の意識を続けることです。モチベーションはアップダウンするものですが、記録を取れば少なくとも習慣を毎日確認すること、意識することができます。続けることができていなくてもです。
これは数値だけに限りません。日々の放電・充電日記をつけてもらいますが、毎日それぞれをリストアップするだけで習慣化への意識は継続できます。
無自覚なことは変えられず、自覚していることのみが変えられます。日々の煩わしさ、忙殺の中にあると、習慣化を決めても意識するタイミングがないことが多いものです。
「記録する」という行為によって思い出し、かつ積み重ねを感じることができるでしょう。
4. 「If-Thenプランニング」で行動を条件づけする
行動の条件づけで一番分かりやすく有名な手法が「If-Thenプラニング」。Columbia Business SchoolののHeidi Grant教授が提唱している手法です。
簡単にいうと「もし○○したら△△する」と決めておくだけ。行動を日常生活に条件づけするためには、発動タイミングを決めてしまうのがスムーズなのです。
習慣化の例でいうと、以下のようなものが挙げられます。
【If-Thenプランニングの例】
・会社で大量のコピーを取っている最中はストレッチして待つ
・移動時間は音声学習をする
・朝起きたらカーテンを開けて日の光を浴びる
・仕事を始めるときは、まず15分間メールを見ずに考える仕事に集中する
・家に帰ったら浴室で服を脱いでお風呂に入る(そこからゆっくりする)
・22時になったらスマホの電源を落とす
・晩酌をするときは「ビール1本→ノンアルコール・ビール1本→ビール1本」のルールで飲む
脳が行動を認識しやすいのはタイミングを決めた時、条件づけが明確な時です。この公式を使って創造的な行動条件づけをしてみてください。
5. 他者からのフィードバックを糧にする
私たち「習慣化コミュニティ」では、仲間からの反応が継続のパワーとなっています。
毎日習慣の投稿をして、いいねが返ってきたり、コメントが返ってくると盛り上がりますが、反応がないとトーンダウンしてしまいます。Facebookのコミュニティで考えると分かりやすいのではないでしょうか?
上司が部下に、親が子に、医者が患者に良い習慣を身につけてもらうためには、どうしたらよいのか?という相談をよく耳にしますが、1つの鍵はフィードバックにあります。
関わる頻度が高いほど、関心を向けてくれている度合いが高いほど、行動は増進されます。
もちろん、褒めるばかりがフィードバックではありません。自分が考えたり、行動したことに反応があることが次の行動を生み出すのです。
自分の習慣化に応用するならば、Facebookへの投稿やLINEグループで仲間をつくれば一気にフィードバックを得る仕組みが出来上がります。
6. 未来に強いゴールをつくる(発表の場・試験など)
勉強にしても、運動にしても、3カ月後・半年後などに明確なゴールがあるほど、日々の行動への意欲は維持できます。
たとえば、日々ジョギングをしている人ほどハーフマラソンなどのイベントを定期的に入れてやる気を高めているものです。
学期末試験の直前だけ勉強するというようなモチベーションでは意味がありませんが、やはり「試験があるから勉強する」というのは、明確な結果を迫られる場があるからこそ日々の行動も積み上げることができると言えるでしょう。
7. 周囲と約束して自分を追い込む
性格タイプによって差があるものの、宣言効果は抜群です。ただし自分の前向きな習慣化行動でなければ、単に辛いだけなので、使い方には十分注意が必要です。
自分との約束と他人との約束では後者の方がはるかに守りやすくなります。最近私の習慣化コミュニティで始めたのが7月までに腹筋を割るプロジェクト。
もちろん、言い出した私は逃げることはできませんが、手を上げて参加を決めた人はこの日に証明しなければならないので、これから5カ月間頑張る必要があります。
極意6のゴール設定でもありますが、そこにプラスして極意7の他人との約束を加えることで強烈なモチベーションになります。当然目標というのは1カ月そこらでなんとかなる話ではないので、習慣化しなければ到達できません。
個人によって好き嫌いが別れるので、乗るか乗らないかで判断する必要がありますが、乗るならば「追い込む宣言」は爆発力が凄まじいものです。
どれも王道の手法ですが、知っているかどうかではなく、実践できるかどうかです。ご自身の習慣化したいことに当てはめて試してみてくださいね。 
 
 

 

●習慣づくりに必要なのは「具体化」と「行動のコントロール」
「良い習慣が良い人生をつくる」
ビジネス書、自己啓発書などでよく言われることです。確かにそのとおり。人生はさまざまな習慣によってかたちづくられています。良い習慣を身に付け、悪い習慣を排除することこそ、目標達成のための一番の近道といえるでしょう。
しかし……習慣を身に付けること(あるいは排除すること)は、そんなに簡単なことではないようです。
「しっかり仕事をするぞ!」
「毎日早起きして規則正しい生活を送るぞ!」
「ダイエットのために、ランニングを習慣にしよう!」
気合いを入れ、かたく決意するのだけれど、どうしても続かない……。「結局またダメだった」と、習慣を身に付けられない自分のふがいなさに落ち込んでしまう……。こんなことは、多くの人が経験しているのではないでしょうか?
リーダーの仕事でも同様です。
「明日から〇〇〇を習慣にするぞ!」
大号令を発したとしても、なかなか部下はついてきません。チームに新しい習慣を根付かせることができず、自分の「リーダーの資質」を疑い、自信を無くしてしまいます。「あーあ、誰も俺の言うことを聞いてくれないんだよな……」
実は、新しい習慣を身に付ける(あるいは身に付けさせる)ためには、効果的な「身に付け方」=「続け方」が存在するのです。それには「気合い」や「決意」といった精神力や「部下がついてくる」という求心力などはまったく必要ありません。着目するのは人間の行動原理のみです。
当たり前のことですが、そもそも「習慣」とは、行動の積み重ねに他なりません。ならば、「どうやったら行動しやすくなるのか?」を考え、環境や条件を整えて行動をコントロールすることこそが、習慣づくりのコツ、というわけです。
これが「行動科学マネジメント」の習慣術です。
このときに重要なのは、曖昧さを排除し、「具体化」を徹底する、ということ。具体的に「どんな行動をすればいいのか」がはっきりしていなければ、新しい習慣を身に付けることはできません。
例えば前述の「ダイエットのために、ランニングを習慣にしよう」というような目標は、具体化されているものとは言えません。「毎週月曜日と水曜日と金曜日に、30分間家の周りを走る」といったように、数値化できて、誰が見ても分かるかたちのものでなければならないのです。
あなたがリーダーとしてチームの習慣をつくる場合も、この「具体化」が非常に重要です。「今日から報告・連絡・相談をしっかりやることを習慣にしよう!」などと言っても、それは具体化された目標ではありません。「しっかりやる」という言葉自体が、人によって捉え方、評価がまちまちとなる「曖昧な言葉」です。「報告の回数は? 時間は?」「連絡の回数は? 時間は?」「相談の回数は? 時間は?」これらをはっきり決めなければ、人は何をすればいいかが分からないでしょう。
どうやったら行動しやすくなるのか
「しっかりやれ」「もっとがんばれ」「報・連・相を徹底しろ」……そのような指示でチームメンバーが動かないのは、当たり前なのです。
行動が具体化されれば、次は「どうやったら行動しやすくなるのか」を考えます。これが「行動のコントロール」です。このときに忘れてはならないのが、「行動のヘルプ」「動機づけ」「ハードル」の意識です。
「行動のヘルプ」とは、行動したくなるようなちょっとした工夫のこと。例えばランニングを習慣としたいのならば、「お気に入りのランニングコース」や「走りながら聴く音楽」です。背中を押して行動を促すといったアイデアです。
「動機づけ」とは、行動したことのメリット。簡単にいえば「ごほうび」です。ランニングをしたからといって、「痩せた」「健康になった」といったメリットをすぐに享受することはできません。ですから、行動したことにごほうびを用意するのです。「走り終えたらビールを飲む」「一週間休まず続けたら外食をする」といったことでいいのです。行動にメリットがあれば、人はその行動を繰り返す=習慣になるのです。
「ハードル」とは簡単に行動できるようにする工夫、すなわち「行動のハードルを低くする」アイデアです。すぐにランニングができるように、シューズは必ず玄関に出しておく、ウェアは前もって準備しておくなどこいうった、面倒くささを感じさせない工夫が大事です。もしシューズを押し入れの奥にしまっておいたとしたら? ウェアがすぐに見つからなかったら? それは行動のハードルを高くすることとなります。
もうお分かりかと思いますが、悪い習慣を排除したい場合は、すべてこの逆をやればいいのです。行動のヘルプをつけず、ごほうびではなくペナルティを考える、そして行動しづらい、高いハードルを設ければいいのです。
もしあなたに(あるいはあなたのチームに)手に入れたい習慣があるならば、まずはその習慣を行動として「具体化」させること、そして「行動をコントロールする」ことを試してみてください。
習慣が身に付かないのは、あなたの性格や意志のせいではありません。あなたは習慣づくりの「いいやり方」を知らないだけなのです。 
 
 

 

●勉強を習慣化するコツとは? 習慣を武器にする方法
勉強の習慣化は、勉強を効率的に進めるうえで大きな武器になります。特に小・中学生などの早い時期から勉強を習慣化させておくことで、次第に勉強に対して積極的になり、義務的に勉強をすることがなくなります。
しかし勉強の習慣化は、実践しようと思ってもなかなかうまくいかないことが多いのも事実です。そこで今回は、勉強の習慣化を実践する方法や、うまくいかないときのコツを解説していきます。
そもそも「習慣」とは?
まずは、習慣という概念について、意味や仕組みを見ていきましょう。普段の生活の中で当たり前のように口にする、習慣という言葉には、そもそもどのような定義があるのでしょうか。
「習慣」とは何か
習慣とは、日常生活の中で決まりのように行う動作や行為をいいます。意識しなくても毎日のように行っていることは、私たちの生活の中でさまざまあるものです。
・朝起きたときに部屋のカーテンを開ける
・ご飯を食べる前に「いただきます」という
・学校から帰宅後すぐにお風呂に入る
以上のように生活の中で決まりきった行動のことを習慣といいます。
ちなみに心理学上の定義における習慣とは、同じ行動の反復によって脳が行動パターンを習得し、少ない心的努力で繰り返すことが可能になっている、固定した行動のことをいいます。
脳にとっての「習慣」
では、脳にとって、習慣とはどのようなことをいうのでしょうか。
一般的に、脳は感情や反復によって行動をインプットするといわれています。習慣化された行動は、脳が無意識のうちに行動に移せるため、行動の時間短縮や効率化が期待できるでしょう。
勉強を習慣化するメリットとは?
では、勉強を習慣化するメリットについて見ていきましょう。勉強は習慣化させて効率的に進めていくのが一番といわれますが、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
勉強時間を確実に積み重ねられる
勉強は繰り返し積み重ねて行うことで成果が得られます。勉強が習慣化すれば、毎日少しずつでも必ず勉強に取り組めるようになり、確実に成績アップにつながるでしょう。学んだことを復習する習慣がつくため、授業で習ったことも記憶として定着しやすくなり、試験勉強をスムーズに進められます。
勉強を楽しむ感覚が自然に身につく
早い段階から勉強を習慣化しておくことで、勉強を苦痛だと感じにくくなるというメリットがあります。習慣化によって義務的・ノルマ的に勉強をする、我慢しながら勉強をするという感覚がなくなるため、自主的に勉強に取り組むサイクルが生まれます。勉強を楽しむ感覚も自然と身についていくでしょう。
自信が得られる
勉強を習慣化できれば、本人の自信につながります。継続してきたことは確かな成果を生むため、「できるようになった」「続けてきた」という達成感が自信になります。それがさらなる継続のモチベーションへとつながっていくのです。
勉強を習慣化する方法
習慣化実践の際には、正しい方法を押さえることが重要です。ただ漠然と意志を持とうとするだけでは、習慣化はなかなか実現しません。習慣化のために正しい方法を押さえて、自然と毎日机に向かう生活を作っていきましょう。
場所と時刻を固定する
脳に勉強を「これは習慣だ」と認識させるためには、脳が習得しやすい反復性を意識することが大切です。そのためには、勉強の際には明確な条件を設定し、それを繰り返すことが重要なポイントになります。
おすすめの方法は、場所と時刻を固定することです。いつ、どこで勉強をするのかをあらかじめ決めることで、習慣化しやすいパターンが作れます。
・夕食後に1時間机に向かって勉強する
・放課後に図書館で1時間勉強する
このように行動のパターンを作ると、勉強は習慣化しやすくなります。
トリガーを設定する
勉強の習慣化には、行動のきっかけ作りも重要になります。トリガー(引き金)となる行動をあらかじめ設定しておけば、自然と机に向かうスイッチも入りやすくなります。
勉強時間を1日のスケジュールの中にむやみに入れようとすると失敗しやすいため、勉強も含めた1日の行動の流れを意識しましょう。
夕食を食べる→ 後片付けを手伝う→ 1時間勉強をする→ お風呂に入る
といったように行動の流れを決めることで、「夕食の後片付けをしたら次は勉強だ」と脳が行動をインプットしやすくなり、習慣化につながります。
内容や時間は問わず「やる」ことを最優先
習慣化は、まずは続けていくことが肝心なので、最初のうちは内容にこだわりすぎないようにしておきましょう。
前述の例では勉強を1時間として解説しましたが、習慣化をスタートさせたばかりの時期なら、勉強時間は5分や10分でもよいのです。また、内容も「宿題をする」「英単語を覚える」など、実践しやすいもので十分です。
習慣化は続けていけるかどうかが肝心なので、まずは「やる」ことを最優先にしましょう。短い時間でも習慣が身につけば、あとから時間配分や取り組む内容を変えていくことは容易です。
夜の時間帯の勉強法
今度は、夜の時間帯に適した勉強法を見ていきましょう。学校から帰宅したあとの夜は、受験勉強の時間に充てる受験生も多いです。効果的な勉強法はぜひ身につけておきましょう。
質の高い睡眠を十分に取ることを優先
勉強を優先して夜更かしをすることは避けるようにしましょう。質の高い睡眠をしっかりと取ることが翌日の集中力アップにつながり、勉強がはかどります。しっかりと眠ることは知識の定着にもつながるため、覚えたことも忘れにくくなります。
夜の勉強は遅くならないうちに
夜の時間帯の勉強は、基本的に遅くならない時間のうちに済ませることが大切です。就寝前のぎりぎりまで勉強すると、思うように集中できないことも多いです。
また、寝る寸前まで勉強に集中するあまり、アドレナリンが多く分泌されて寝つきが悪くなり、結果として、毎日の勉強の効率を下げてしまいます。
21日間は続ける
行動心理学における法則の1つ「インキュベートの法則」では、行動を21日間続けることで習慣化ができるといわれています。まずは1つの目標として、21日間継続することを意識してみましょう。
ある程度の期間続けなければ行動は習慣化しないため、「1日目はこれをする、2日目はこれをする、…」といったように簡単な目標を立てながら、まずは21日間実践していきましょう。
習慣化を成功させるコツ
勉強を習慣化させるためには、習慣化しやすいコツを押さえることも大切です。前項で紹介した習慣化の方法を実践してもうまくいかず苦労したときは、以下のコツも積極的に取り入れましょう。
他の習慣と結びつける
既に習慣となっている行動をきっかけにすることで、勉強をスムーズに習慣化できる場合があります。たとえば起床後に運動する習慣があるのなら、運動後に軽く勉強する習慣を作るとよいでしょう。
特に朝の運動後は脳が活性化しやすいといわれているため、短時間でも集中でき、効率的に勉強を進めることができます。
習慣化の妨害になる要素を取り除く
習慣化の邪魔になる要素は、あらかじめ取り除くのが鉄則です。スマホやテレビ、ゲームなどは勉強の際には遠ざけるようにしましょう。スマホの通知が気になるという場合は、勉強のときは通知を切っておくのがおすすめです。
また、すぐに勉強に取り組めるように、机にはテキストや単語帳をそろえておくとよいでしょう。
人の目を利用する
「一人だとどうしても怠けてしまう」という場合には、習慣化したいことを家族や友人に宣言するのが効果的です。人の目を気にする状況になれば、ある程度の強制力が生まれ、勉強にも向き合いやすくなります。
また、一人では集中しづらくなければ、家族がいるリビングで勉強するのもおすすめです。怠けたくなっても家族の目が気になり、自然と勉強をする姿勢が保てます。
記録をつける
勉強の記録をつけてモチベーションアップにつなげるのも、習慣化の際にはおすすめです。勉強の達成状況を記録として残せば、「これだけ続けてきている」という達成感が生まれます。
また、記録することそのものが習慣の1つに加わることで、勉強はより習慣化されやすくなるでしょう。
アプリを利用する
スマホのアプリを使った習慣化の方法もあります。スケジュール管理アプリを使って勉強の意識づけをしたり、勉強の記録を残したりすれば、管理がスムーズにできるうえに習慣化することに難しさを感じにくくなります。
アプリの場合は記録の可視化もしやすく、目標がある場合には今どの程度達成できているのか、何日間続けられているのかなどもすぐに確認することができます。
やる気に頼らない
勉強を習慣化させたいときは、やる気や意志だけに頼らないことが大切です。脳が無意識のうちに行う行動として勉強をインプットさせるためには、「やる気がでたらやる」といった考え方をしていてはいけません。
やる気に頼っていると、あらゆる行動が感情の起伏に左右されてしまい、サイクルが乱れて勉強の習慣化は実現しません。
勉強と一緒に習慣化したいこと
勉強を習慣化させる際には、基本的な生活習慣を正すことや勉強に効果的な心がけを一緒に習慣化させることも重要になります。ここからは勉強と合わせて習慣化しておきたいことを見ていきましょう。
早寝早起き
勉強の習慣化に効果的な生活リズムは、早寝早起きの朝型です。朝は脳がリフレッシュした状態になるためコンディションがとてもよく、勉強に集中しやすいことで知られています。朝型の生活リズムが定着すれば、勉強も自然と日々の習慣にしやすくなります。
朝食
朝食を抜くことは、勉強を習慣化させるうえでとても非効率的です。午前中に脳を活性化させるためのエネルギー補給として、朝食は欠かせません。勉強の習慣化と合わせて、朝食を取る習慣も大切にしましょう。
運動
脳を活性化させて勉強の効率を上げるためには、ある程度の体力も必要です。そのためには運動の習慣化も忘れないようにしましょう。軽い運動は気分転換にもなるので、勉強に集中しやすい脳を作る近道になります。
読書
読書は、知識や思考力の向上に大いに役立ちます。通学時に本を読むなど、習慣化しやすい行動パターンを作っていきましょう。
焦りは禁物
これまで述べた行動習慣はいずれも勉強との相乗効果が非常に高いものですが、焦って急に全てを習慣化させようとすると、許容量を超えてしまい挫折につながります。
習慣作りに焦りは禁物です。早寝早起きができるようになったら今度は運動の習慣を作るなど、1つずつ習慣化させてゆっくり整えていくとよいでしょう。
まとめ
勉強を習慣化することができれば、意識しなくても自然と毎日勉強することができ、成績アップなどのよい結果につながります。勉強を毎日続けているという事実は本人にとって大きな自信にもなり、勉強を楽しむきっかけにもなるでしょう。
ただ、意志だけで勉強を習慣化することは意外と難しいのが現実です。まずは勉強をするという行動パターンを作ることを意識して、短時間でもよいので継続することを目指しましょう。
さらに早寝早起きや運動などのよい生活習慣をプラスすることができれば、相乗効果でより勉強に打ち込めるようになります。健康的な習慣を取り入れながら、無理なく勉強を続けられる環境づくりをしていきましょう。  
 
 

 

●習慣化のコツ11選 習慣化できない原因やメリット
   ・何をやっても続かない...
   ・いつも三日坊主で終わってしまう...
   ・みんなどうやって習慣化させてるんだろう?
習慣化できないことにお悩みではありませんか?
目標設定までしてやろうと決意したのに、三日坊主どころか1度きりで終わった経験がある、なんて人もめずらしくありません。
やりたいことのはずなのに、習慣化させるのはなぜこんなにも難しいのでしょうか?
それは多くの人が、習慣化するコツやテクニックがわかっていないからです。
そこで今回は、習慣化できない原因から習慣化する方法までまとめて紹介します。
習慣化のコツが掴めれば、あなたもやりたいことを習慣化できるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。
習慣化とは?
習慣化とは、行動や思考を無意識に繰り返す状態になることです。
   ・朝起きたらスマホで時間を見る
   朝ごはんを食べたら歯を磨く
   午前中にコーヒーを1杯飲む
   帰宅したらまずお風呂に入る
このように、その都度いちいち決めず、毎日自然と同じようにしている動きってありますよね。これが習慣です。
「習慣化できない自分は意志が弱い...」と思うかもしれませんが、あなたはすでに習慣まみれなのでご安心ください。
自分にも当たり前に習慣化はできる、そう認識することがまずは大切です。
定番の習慣化できないことランキング
じゃらん編集部が、全国の20〜40代の男女1,321人を対象に実施した「三日坊主になってしまったこと」の調査結果によると、ランキングは以下の通りです。
   1位:ダイエット
   2位:整理整頓・片付け
   3位:日記
   4位:家計簿
   5位:語学・資格
共感できる人は多いのではないでしょうか。その他挫折しがちなものは、禁煙・禁酒、節約、貯金、早起き、ジム通い、楽器などもありますよね。
習慣化したい思いはあるのに、なぜかできない。習慣化できない原因はなんなのでしょうか?
習慣化できない原因
習慣化するコツを見る前に、習慣化できない原因から見ていきましょう。原因を知らずして解決はありませんからね。
   脳は新たな習慣が嫌い
人間は本能的に、安全を求めています。
安全=いつもと同じ行動なので、新しい行動を取り入れようとか、いつもの行動に変化を加えようとするのは、本能に逆らうことになります。
頭では「新しいことを習慣化させたい!」と思っても、体はいつも通りを望むため、抵抗に負けて挫折につながるわけです。
   いきなり高い目標でスタートしている
いきなり高い目標でスタートしてしまうと、大体習慣化できません。
例えばこれまでまったく運動や筋トレをしてこなかった人が、毎日腕立て100回やると決めて始めても、継続は難しいだろうと思いますよね。
仮に思い立ったその日はクリアできたとしても、翌日は筋肉痛で早速断念するでしょう。
1回1回をクリアすること自体がハードな目標設定をしてしまうと、続けられません。
   すぐに結果を求めてしまう
すぐに結果を求めてしまうのも、習慣化を妨げる原因です。
簡単にできそう、すぐに結果を得られそうと思っていたことが、実は結構な努力が必要だとわかると、途端にモチベーションが下がってしまうからです。
例えば、早起き。筆者は幾度となく挫折したのでよくわかりますが、早起きはすぐに実行できて、何かが得られそうでやってみるものの、最初は眠すぎて起きているのがやっと。
日中ぼーっとしたり眠かったり、しんどいことの方が多く、道のりは遠いことを悟ります。
そうなるとやらない理由探しをしてやめることを正当化し、終了するわけです。
   経験がないのに我流でやってしまう
経験がないことを我流でやった結果、うまくいかなくて続かないのもあるあるです。
少しずつだったとしても、リズム良く前進することが継続には必要不可欠だからです。
どうやればいいのかわからず立ち止まるとか、しばらくやっても成長が実感できないと、投げ出したくなったり、自分には不向きなんだと思ったりしますよね。
最近は社会人のスキルアップにプログラミング学習が人気ですが、独学で取り組む人の大半が挫折しているよう。
   本当にやりたいことを選んでいない
本当にやりたいことを選んでいないために、習慣化できない場合もあります。
例えば「いつか役立つときがくると思うから英語を勉強しよう」のように、やることを決めているイメージです。
しかしよく考えると、今のところ英語を使った仕事がしたいわけでもないし、海外に住みたいわけでもない、外国人の友達がいるわけでもない、という状況であればどうでしょう?
勉強してマイナスになることはありませんが、勉強を続ける理由や優先する理由がありませんよね。
これではモチベーションをキープすることは難しく、習慣化できずに終わってしまいます。
習慣化するメリットは4つ
次に、習慣化するメリットを紹介します。
   継続力が鍛えられる
習慣と継続は密接な関係にあります。ある程度継続できた先に、習慣化があるイメージですね。なので習慣化できると、同時に継続力も鍛えられるわけです。
習慣化できない原因の中で、すぐに結果を求めてしまうと紹介しましたが、何事もある程度継続しないと成果が得られないだけでなく、やりがいや面白みも見えません。
継続力がつくと、もう少し頑張れば違う景色が見えることに気がつけるため、苦しいときも踏ん張れるようになります。すぐに投げ出すことが減るでしょう。
   自分に自信がつく
自分のやりたいことが習慣化されると、理想の自分に近づきます。
取り組んでいる内容がなんであっても、誇れるほどの成果が出ていなくても、何かをやり通している事実は自信につながります。
習慣化はメンタルにも好影響をもたらします。
   話題や仲間が増える
習慣化されて知識や経験が積み重なると、それは次第に趣味や特技になっていきます。
取り組んでいることに関してアドバイスを求められるようになったり、共通の話題を持つ人と仲良くなったり、人間関係が変わることも。
筆者は運動習慣がありますが、昔まだそこまで関わりがなかった上司と、その話題を通じて仲良くなったこともありました。
   信頼される
勉強でも早起きでもトレーニングでも、何かしらやり遂げている事実は信頼に値します。
習慣化はできている人よりできていない人の方が圧倒的に多いからです。
勉強や運動を習慣化したい人は大勢いますが、社会人の勉強時間は1日6分とされ、フィットネスクラブは半年で70%が離脱し、1年で90%が離脱すると言われるほどの継続率。
あなたも自分が挫折したことを毎日続けている人をみたら、すごいなと思いますよね。
何かを習慣化すると意志が強い人という印象を持たれ、信頼度が上がります。
習慣化のコツ11選
ここからは、習慣化するコツを紹介します。
   本当に必要なことや興味のあることを選ぶ
そもそもの話ですが、目的が曖昧なことを習慣化させるのは難しいです。
同じ英語学習をするにしても、仕事で必要な差し迫った状態と、周りの友達が始めたから自分もなんとなく始めるのでは、全然違いますよね。
何事もやってみなければ結果はわかりません。なので、何でもやってみるのは大切ですが、なるべく今の自分に本当に必要なことや興味のあることを選ぶようにしましょう。
あれこれ手をつけて何もうまくいかないと、何もできない自分に嫌気が差してしまいます。
他人の評価や世の中の常識に惑わされず、自分の意思で決めましょう。
   先延ばしにしない
行動を起こすときのコツですが、先延ばしにするのはやめましょう。
   ・この1箱を吸い切ったら禁煙を始める
   今週の飲み会が終わったら節約を始める
   来月からダイエットを始める
と決めて、結局やらずに終わったことはありませんか?
人のモチベーションは48時間程度しか続かないので、先延ばしにすればするほど、実行に移す確率は下がります。せっかくの決意がもったいないですよね。
思い立ったが吉日と言いますが、キリよく始めようとせず、すぐに着手しましょう。
   習慣化するまでに必要な期間の目安を知る
あなたは習慣化するまでに必要な期間に、目安があるのをご存知ですか?
【30日で人生を変える「続ける」習慣】の著者であり、習慣化コンサルタントの古川武士さんは、以下のように説明しています。
   1 行動習慣(日記・勉強・節約など)は、1ヶ月程度の継続が必要1
   2 身体習慣(ダイエット・禁煙・早起きなど)は、3ヶ月程度の継続が必要2
   3 思考習慣(ポジティブ思考・発想力など)は、6ヶ月程度の継続が必要3
もちろんどれも個人差はありますが、習慣化にはまとまった期間が必要です。これを理解しているかどうかが結構差になります。
ゴールが見えない中で走り続けるのは精神的にかなり厳しいですが、目安がわかっていれば苦しい時期を乗り越えやすくなりますからね。
   簡単にクリアできる目標設定から始める
最初は習慣化することに焦点を当て、簡単にクリアできる目標設定から始めるのがおすすめです。
例えば英語の勉強を始めたい、習慣にしたいと思ったら、1日に単語を10個覚えると決めて始める、というのはよくあるパターンです。
学生時代にそういう勉強法を実践していた人なら問題ないですが、感覚が掴めていない人は、もっと楽な超イージーモードからスタートしましょう。
なぜなら習慣化は、最初の1週間あたりが1番のヤマだからです。
人のモチベーションは48時間程度しか続かないと前述しましたが、3日目、4日目あたりになると、10単語でさえも多く感じるものです。
まずは1日1単語でもOK。日々英語に触れる時間を作ることを大事にしましょう。
   2日連続でサボらない
何をやるかによりますが、習慣化されるまでの期間は、できる限り毎日取り組むことを目標にしましょう。
とは言え、突発的に用事ができたり急遽残業になったり、不測の事態は起こるもの。
そんなときは無理してやる必要はありません。その代わり、2日連続でサボらないようにしましょう。
1日サボりは習慣化に影響が少ないものの、2日連続でサボると習慣化されづらくなるというデータもあるからです。
   適切な目標設定をする
あなたは何かテレビゲームやスマホゲームをやった経験はありますか?
物語やステージを進めていくゲームはどれも、最初は簡単な状態から始まり、徐々に難易度が上がっていき、時に失敗しながら超えていく、というイメージです。
この徐々に難易度を上げる、常に楽にクリアできるのではなく、ちょっと頑張らないと進めないレベルに設定する、これが重要です。
自分を過大評価して、最初から高い目標設定をするのは厳禁。自分の現在地をしっかり見極めて、適切な目標設定をしましょう。
   たまにご褒美を用意する
習慣化されるまではできれば毎日継続したいところですが、それだとさすがに息が詰まります。なのでたまに、ご褒美を用意するのがおすすめです。
ダイエットをする人はよく「チートデイ」といって、週に1日程度、食事制限を忘れて好きに食べていい特例日を設けていますが、このイメージです。
勉強やトレーニングに取り組む人は、週に1日は何もしないダラダラする日を作るとか、銭湯でゆっくり過ごす日にするなど、自分が嬉しいご褒美を用意しましょう。
   例外を作らない
習慣化させるためにはある程度まとまった期間、取り組みを継続させる必要があります。また、2日連続でサボると習慣化が遠のくとも説明しました。
不測の事態に加えて、雨だから今日はお休み、寒いからパスのような例外を作ると、次々に例外が生まれ、モチベーションはどんどん下がります。
例外を作らず、一定のリズムを守ることを心がけましょう。
ただし、無理は禁物です。例えば台風の日でもジョギングするといった、危険な行動はいけません。
台風の日はジョギングではなく家トレをするなど、代替案を考えて実行しましょう。代わりになる行動をしたのであれば、サボりとは言いません。
   ひとつずつ始める
習慣化するべく取り組むことは、ひとつずつ始めましょう。
新しいことを始めたいスイッチが入ると、英語の勉強をしてジムに通って、自炊するなど、1度に盛り込み過ぎてしまう人がいますが、これは失敗のもとです。
今日学んだ単語を使って英語で日記を書く、のような、関連性があるものならいいかもしれませんが、まったく別のことを同時進行するのはおすすめできません。
欲張らないよう自分をコントロールしましょう。
   周囲に宣言する
周囲に宣言して、ある程度強制力を持たせるのも有効です。1度宣言すると、後に引きづらくなりますからね。
筆者の先輩は3ヶ月で10キロのダイエットを宣言し、見事成功すれば奥さんから10万円、失敗したら逆に奥さんに10万円を渡すという「ダイエット勝負」をしていました。
結果はギリギリ未達で敗北していましたが、ダイエット生活は習慣化されたため、その後すぐに目標達成していました。ゲーム感覚で取り組むのもアリですね。
   誰かと一緒に取り組む
自分1人だとどうしても続かない人は、誰かを巻き込んで一緒に取り組むのもおすすめです。
誰かと一緒なら楽しみながらできるので、継続率は上がるでしょう。
ただし、相手選びは重要です。自分はモチベーションが上がったけど相手は下がり、途中退場することに不満が募り、険悪になる展開もあるからです。よく考えて人選しましょう。
   不慣れなことは誰かに教えてもらう
不慣れなことは教えてもらいながら始めましょう。我流でやるのと専門家から指導を受けてやるのでは、やはり得られる成果は大きく異なります。
タバコをやめる習慣、つまり禁煙ですが、禁煙外来に通った場合の禁煙成功率は70〜80%とされている一方、自力禁煙の成功率は約10%。
「結果にコミットする」でお馴染みのライザップなんかも、短期間でわかりやすく成果が出ていますよね。
「自力でできればお金が節約できる」「我流でできた方がかっこいい」と思うかもしれませんが、成果も出ない習慣化もされないでは、かなり時間を損します。
大体なんでも最初は無料体験ができるので、まずは試してみましょう。知識や手法を知るための投資は、すごく価値がありますよ。
どうしても習慣化できないあなたへ
習慣化できない人は、自分の適性に合った取り組みができていない可能性があります。
私たちは起業やフリーランスに必要なスキルを無料で身につけられる、オープンイノベーション大学という学校を運営しています。
用意しているコンテンツは全て無料でLINE上で学び放題。あなたのペースで学習を進められます。
どんな職業が向いているのか診断もできますので、ぜひLINE登録(無料)して学習を始めてみてくださいね。
まとめ
今回は、習慣化できない原因や習慣化のコツを紹介しました。
何か1つ成功事例ができると継続力やメンタルが鍛えられ、その後は比較的楽に習慣化できるようになっていきます。
習慣化したいことの候補がいくつかある人は、1ヶ月程度の継続で習慣化されやすいと言われる、行動習慣(日記・勉強・節約など)から実践することをおすすめします。
 
 

 

●物事の習慣化は「続けようと思わぬほうがいい」訳
課題を実行可能なところまで小さくして繰り返す
才能に恵まれていないので手が届かないと思い込んでいるもの。時間がないのでできないと決めつけているもの。これらを攻略するためのカギは習慣です。大きすぎる課題を実行可能なところまで小さくしたうえで、しつこく繰り返すことは、不可能を可能にし、長い目でみて大きな変化を生み出します。
私たちはふだん意識できずにいますが、習慣は日常のなかで大きな力をもっています。目を覚まして歯を磨くこと、どんな食事をとるかといったことから、屋外を歩くときのルート、思わず手に取る衣類、といった無意識のものを含めると、私たちの日常の行動のおよそ45%が習慣だという報告もあります。私たちがどのように仕事に向き合っているか、「どうせできない」の思考で何を諦めるのかも、もちろん習慣の一種です。
人生を長期的にみて、いい方向に変化させたいなら、一念発起して単発の大きな行動を起こすよりも、毎日のなかにある停滞を小さな勝利に変えるような、習慣を生み出すほうが近道なのです。
小さな習慣は無視できない効果を生みます。1日に10 ページの読書、1枚のスケッチ、たった30 分の楽器の練習であったとしても、5年、10 年で考えれば膨大な時間をそこに注ぎ込み、無数の行動を生み出せます。
行動を繰り返すことができれば、量は質を導き、やがて大きな変化が生まれます。
シェイクスピアがいうとおり、「人間は習慣によってなんと変わるものか!」(『ベローナの二紳士』第5幕第4場)なのです。
原則:人生を変えるには大きな行動を起こすよりも、日常の習慣を変える
原則:小さな行動の蓄積が大きな変化を生み出すように習慣を工夫する
習慣を変えるには「続ける」必要はない
習慣は必ず継続をしなければいけない、三日坊主や中断は意志が弱いので改めなければいけないという考え方がありますが、こうした考えは捨てましょう。
新しい習慣を身につけるということは、これまでにない新しい行動を人生に取り入れるということです。新しい行動を始める際には、どこで時間を作るのか、心理的な抵抗感をどう乗り越えるのかといったハードルが最初から待っています。ここに、継続できなければ失敗、と自分に心理的なプレッシャーを与えて追い込んでもよいことはありません。
まずは「行動」ができるかどうかが問題であって、このタイミングで「継続」に重きをおくのは後ろ向きなことなのです。
そこで逆説的に聞こえるかもしれませんが、最初は継続それ自体を意識するよりも「やめないこと」、つまりは行動がゼロになって元の状態に戻ってしまわないようにさまざまに工夫をしてみます。
毎日1時間の運動を始めてみようとしていきなり挫折したなら、それを15 分、あるいは5分といったところまで小さくしてみます。全身の筋肉が運動に慣れてくれば、負荷は次第に増やすことができますので、最初は負荷をかけること自体に慣れてみるわけです。
独学で洋書に挑戦してみようと思ったものの、1ページ目でつまずいたという場合は、挑戦している文章の難易度に問題があるかもしれません。洋書を読むときだけ英語に向き合うのではなく、ふだん日本語で読んでいるニュースを英語にしてみるといった形で、簡単な英語と何度も触れるように日常を変えてみてもいいでしょう。
一度や二度の挑戦で諦めずに、行動がゼロにならないための方法や条件の組み合わせを探し続けているうちに、それが結果的に継続へと近づいていきます。継続自体を目標にしなくても、継続は生み出せるのです。
原則:習慣は継続すること自体を目標にするのではなく、行動がゼロになって元の日常に戻らないように「やめない」工夫が重要
簡単な行動に落とし込むのがコツ
心に決めた行動を、意志の力で毎日必ずやり遂げるといった考え方も捨ててしまいます。そもそも、意志の力を必要としないところまで自動化した行動が習慣です。
最初は実行するのが困難に思えた行動を、努力ややる気に依存しないところまで工夫することが、「やめない」習慣術といえるでしょう。そこで、習慣化したい行動は日常のなかに簡単に組み込めるところまで小さく、手間のかからない形に変えていきます。
これは時には発想の転換が必要です。運動の習慣がなかなか始められないようならば、運動そのものではなく、運動着に着替えるだけ、運動靴を履いてみるだけ、その姿で玄関から一歩出てみることだけ、といった行動に着目するのでもいいのです。
本を読むことが難しければ、読まずに本を開くだけ、1行読むだけ、といった行動を繰り返してみます。実際には、本を開くだけで読まずにすますことはあまりないでしょうから、結果的には読書が進むことにつながりますが、結果が同じならば行動のきっかけはなんでもよいのです。
このとき「読書をしなければいけない」といった意志の力を必要とする表現ではなく、「スマートフォンの代わりに本を開いてみる」といったように、同じ結果を生み出す、簡単な行動に落とし込むのがコツとなります。
習慣化する行動は、他の人にあきれられてしまうくらいに小さく、くだらないもので大丈夫です。どんなに小さくても「行動」を変えることが優先だからです。
原則:習慣の行動は、意志の力を必要としないところまで小さく、簡単なものに落とし込む
結果的に大きな変化につながる小さな行動を始めることができたなら、次はその回数をコントロールしていきます。時間をなかなか調整できないので毎日運動が続けられないなら、例えば「週に2回は運動する」というところから始めて、それを3回にすることを可能にできないか調整してみます。
毎日学習をすることができないなら「1日平均1ページ」、「週に7ページ」問題集を進めるだけの時間とモチベーションを生み出せるかを試してみます。平均的な数値がゼロにならない、あるいは次第に伸びている状態を、習慣が定着していることと読み替えるのです。
小さな行動を繰り返してみる
無理なハードルを用意して、それを越えられるかどうかで成否を考えるのは避けましょう。
例えば忙しい人が「毎日200 ページの読書」といった高いハードルを設定し、それが継続できないと落ち込むのはスタートからして間違っています。まずは時間を作るか、目標を下げるか、実行可能な行動に注目することから始めなければ高い目標には意味がないからです。
まずは、限られた時間をどこに生み出せるのかを調べつつ、「毎日2ページ」といった小さな行動を繰り返してみます。やがて読むスピードも、隙間の時間の使い方も上手になって、時間を盗むように読書時間を生み出す方法が見えてきます。それまでは、小さな行動の回数が安定するように意識します。
よく、新しい行動が習慣として定着するまで3週間ほどかかるといわれていますが、それは安定して行動を起こせるようになってからのことです。まずは1回の行動を起こせるようにしてから、その回数を増やす工夫を重ねていきましょう。
原則:習慣を定着させるには、継続そのものではなく行動を起こせた回数に注目する。回数を次第に増やすことで、行動にともなう成果も調整できるようになる  
 
 

 

●習慣化することで得られるメリットとは何か
この記事のまとめ
・習慣化することで、必ず何らかのメリットを得られる
・毎日の積み重ねで成果が実る
・習慣化の努力を惜しまなければ自分に自信をつけることが可能
・習慣化させるコツを押さえることが大切
・失敗してしまうのは、短期で効果を得ようとするなどが主な原因
「毎日○○を必ずする」と決めていても、結局三日坊主で終わってしまう人は多いもの。決断したその時は「絶対に続ける」という熱意があるものの、日が経つにつれてその想いは冷めてしまうようです。このように、何かを習慣化することは簡単ではありません。「○○を習慣化すること」を決断する前に、続けられるコツを押さえましょう。
何かを習慣づけることのメリットとは?
そもそも習慣化することで何か良いことはあるのでしょうか。なぜ、習慣づけることにこだわるのか。まずは根本的なメリットを知っておきましょう。
【最小限に労力を抑えることができる】
「○○することが当たり前」の状態になることで、労力を最小限に抑えることができます。歯磨きをすること、お風呂に入ることが生活上当たり前になっていることを考えると分かりやすいでしょう。当たり前にしていることを人は、「労力を使った」と感じないようです。そのためには、日々の積み重ねが大切。どんなことでも新しいことを始めると最初はうまくいかないことが多いようですが、根気よく続けるうちに、「当たり前」になっていくのです。当たり前の状態になれたら、後は労力を感じずに、習慣化されていきます。
【確実に成果が出る】
どんなことでも続けることで、成果が出るものです。例えば、「TOEICで800点を取りたい」「マイナス5キロ体重を落とす」ということを目指しているなら、当然毎日の学習や何らかのダイエット方法を続けることで目標を達成することができます。習慣化されたことが成果に繋がると、また新しいことを始めようという気力にも繋がるのです。このループが続くと、常に何かに挑戦しようという思考になりやすいため、自身の置かれた状況や能力に応じて何を習慣化するとプラスになるかを考えることができます。今後の人生においても、自己成長できる人になれる可能性が高くなるのです。
【自分に自信がつく】
人は、自分が決めて行動したことが良い方向に向いたり、成果を出すことで自信をつけることができるようです。習慣化は自分が毎日行っている行動であるため、少しづつ努力が積み重なっていきます。小さな努力の積み重ねが実るということで大きな自信になり、その自信は簡単には壊されません。そのため、忍耐力や揺るがない志を持てる傾向にあります。このことがきっかけで、より大きなものに挑戦しようと思えるエネルギーが湧いてくることがあるようです。 
誰でもできる習慣化のコツをご紹介
そうは言っても簡単には続けられないのが習慣化することの大きな悩み。しかし、ここで立ち止まっていても何も変わることはありません。ここで、習慣化のコツを押さえておきましょう。
【客観的に評価される環境を作る】
例えば、「〇月〇日までに〇〇キロ痩せる」などの決断を周囲に話しておくと効果的です。自分の内だけで決断してしまうと、人によっては気が緩んだり諦めかけたりしてしまうもの。そんな時、ふいに「今何キロまで痩せたの?」という声をかけられれば、初心の気持ちになり気を引き締められることにもなるでしょう。さらに、目標を達成できた時に報告するのも楽しみになります。
【自分へのご褒美を設定する】
「ご褒美」というワードは、子どもに限らず大人にも嬉しい響き。目標を達成したら、〇〇に旅行に行く、好きなスイーツを食べに行く、欲しいものを買う、など自分にとって一番嬉しいものをご褒美すると良いでしょう。ご褒美があるとモチベーションも高く持つことができます。
【行動する時間を決めておく】
自身のライフスタイルに合わせて、実行しやすい時間を設定しておくと、習慣化されやすい傾向にあります。また、実行できた際にはカレンダーに印をつけておくとより効果的でしょう。
なぜ習慣化に失敗してしまうのか
では、どうして習慣化するのに失敗してしまう人がいるのでしょうか。その原因を挙げてみます。
【こんなことが原因かも】
・一度に全てを変えようとする(小さな目標から始めた方が良い)
・短期的な成果を求める
・完璧にやろうとする
・モチベーションに頼りすぎている
・目標が本望ではない可能性がある
主に上記のようなことが、原因として考えられるでしょう。習慣化する上で心得たいことは、コツコツと続けるから成果が出るということ。小さな積み重ねがやがて大きな成果に繋がることを忘れないようにしましょう。  
 
 

 

●「なぜ、続かないのか?」 習慣化のプロが教える初期抵抗を乗り越える3つのコツ
人は変化より「いつも通り」を求める
英語の学習、家計簿、早寝早起き、片づけ、禁煙、ダイエット、運動、資格の勉強、貯金・節約、日記……これらは、「今度こそは!」と決意した情熱とは裏腹に何度も挫折を繰り返します。
なぜ、私たちは決意しても続けられないのでしょうか?
それは「習慣引力の法則」があるからです。
人間には「新しい変化に抵抗し、いつも通りを維持しよう」とする本能があります。人間にとって変化は脅威で、いつも通りが安全で安心なのです。
たとえば、体温を例に挙げてみましょう。私の平熱は36.5度ですが、人間の体はいつも通りの平熱を維持しようとします。変化に抵抗し、いつも通りを維持しているのです。
良い習慣も一旦習慣化すると「いつも通り」になりますが、定着するには最初の抵抗を乗り越えていく必要があります。
書く習慣のリズムは約30日で定着していきます。最初の抵抗をどのように乗り越えていくのか、3つのコツを紹介しましょう。
【習慣化のコツ1】ベビーステップで始める
まず、続けるコツとして、「小さく始めること」以上に偉大なコツはありません。
私はベビーステップと呼んでいますが、徹底的に簡単なハードル、簡易なレベルにして始めることです。
行動は始める前が一番億劫で、いざ始めてみると意欲は後から湧いてくるものです。「初動が9割」です。それでも乗らないならばやめればいいのです。
続けられる人はベビーステップで行動するのが上手です。
毎日1時間走るという目標も、スタート時は無理せず「15分のウォーキング」から始めたりします。そして、徐々に慣れてきたらランニングに変えて時間を延ばしていくという行動パターンをとります。
このように小さく始めれば、現状維持の抵抗にも負けずに続けることができます。
ベビーステップを決めるときには2つコツがあります。
1つ目は時間を短くすること。たとえば、15分片づける、10分勉強する、20分走るといった具合です。
2つ目は難易度を下げること。たとえば、1つの部屋だけ片づける、本を1ページは読む、ランニングではなくウォーキングにするなどです。
書く習慣も最初は遊び感覚で楽しんで書くこと。時間がないときは1行、5分でも書ければいいのです。
また、ジョギング、英語勉強、ダイエット、早起きもすべて、ベビーステップで始めるなら何をするかを決めてみてください。
そして最初の7日間を着実に毎日、行動してください。最初の抵抗感を乗り越えたら、一気に楽になっていきます。
【習慣化のコツ2】タイミングを決める
次に、タイミング(いつ、どこで、何をするのか)を決めておくことです。
習慣化している行動というのは、朝やったり夜やったりとランダムに行っているケースは少なく、ある程度固定しているものです。
私は「毎朝15分」、「書く瞑想」を行います。朝に書いて1日を始めた方が気分がいいので、そのようにしています。迷う人には「朝に」書くことをお勧めします。
もちろん、ライフスタイルや好みによっても違うので、自分なりに良いタイミングを見つけてください。最初の7日間くらいは、実験しながら続けやすいタイミングを見つけましょう。ポイントは続けることです。
また、「土曜日の朝」「スタバで書く」という具合に場所と予定を決めておくといいでしょう。習慣化の行動はタイミングが命。タイミングを決めて、そこで書くようにしてみてください。
【習慣化のコツ3】最高、最低の基準を作っておく
一番続かないのは、完璧主義で考える人です。
ゼロか100か、白か黒か、やるかやらないかで考えると始めにくいですし、途中でできない日が続くと再起不能になる傾向があります。
「書く習慣」も同じです。仕事で朝から忙しい日などは、書けない日もあるでしょう。1週間で2、3日抜けたからといって挫折感を感じる必要はありません。とにかく気長にコツコツやり続けて、人生をより良くしていくことを目的にしています。
また、習慣化とは、生活、仕事、人生に規律を持ち込むためのルールです。
ルールをあまりにもガチガチに決めすぎると窮屈になり、続かなくなります。その一方で何のルールもないと、それこそ多忙の中で忘却していきます。
そこで、二重基準を持つことで、柔軟性を持たせることができます。
この二重基準とは、「最高のルール」「最低限のルール」の2つのルールを持つことです。最高ならばここまでやる! 最低でもこれはやる! というものです。
これは事例を見た方がわかりやすいと思うので、紹介しましょう。
【仕事の習慣】
「最高のルール」定時の17時半には仕事を終えること
「最低限のルール」遅くても19時半までには切り上げること
【運動の習慣】
「最高のルール」1日1万歩歩くこと
「最低限のルール」万歩計で計測すること
このように、ルールに幅を持たせることで、日々の体調、都合に応じて柔軟に対応でき、何もしない日が減ります。これこそ習慣化で一番大切なことです。
ルールは守るためにあるのですが、そもそも守れない最大の理由は、ルール自体に柔軟性がないからです。
習慣の定着には、「最高・最低限のルール」を設定してみてください。  
 
 

 

●習慣作りに必要な 4 つの D
Evernote のブログ記事「悪い習慣をやめるシンプルな 4 つのステップ」にて、習慣のループとその影響力についてが紹介されていました。「きっかけ→欲求→反応→報酬」という習慣のループを理解することで、普段無意識に陥りがちなネガティブな行動パターンを特定できるというものです。
行動が習慣化し「自動操縦モード」で行われるようになると、それを断ち切ることは難しくなります。なぜなら、習慣化された行動は脳の最も原始的な大脳基底核に刻み込まれているからです。そのため、悪い習慣を止めたいなら、その習慣を何かに置き換えるのが最も現実的な方法です。
そこで今日は、習慣の形成について深く掘り下げ、ポジティブな習慣を作るためにどのように行動を変えればよいかを見ていきましょう。「受信箱を空に保つ」「朝型になる」「週間予定をしっかり立てる」といった習慣を、効果的に無理せず身に付ける方法を探ります。
21日間説 神話か真実か?
新しい習慣を作るには 21日間必要だという説を聞いたことはありませんか? この説は必ずしも正しいとは言えないようです。
この説はもともと美容外科医が唱えたもので、美容整形を受けた患者が新しい顔に慣れるのに平均 21 日間かかることが根拠になっています。しかし、ロンドン大学のフィリッパ・ラリーほか(英語)が行った最近の調査によると、新しい習慣を形成するのにかかる時間は人によって 15 日から 254 日にわたり、平均で 66 日かかることがわかりました。ただ、どの場合にも当てはまるのは、同じ状況下である行動を繰り返せば、その行動を取ることが確実に簡単になっていくということです。
習慣のループをマスターすることは、短期的にポジティブな習慣を構築するのに役立ちます。しかし長期にわたる変化を起こしたいなら、ほかにも考えるべき要素がいくつかあります。これらの要素が欠けていると、習慣を強固なものにするのが難しくなるでしょう。
私はそれらの要素を「習慣形成の 4 D」と呼んでいます。これは「習慣化メソッド: 願望(Desire)、決心(Decision)、設計(Design)、自律心(Discipline)」としても知られています。
環境を取り巻く4つの要素、願望(Desire)、決心(Decision)、設計(Design)、自律心(Discipline)は、習慣化メソッドとしても知られています。
そこに願望(Desire)はあるか?
最初の D は願望です。願望は習慣形成において最も重要な要素だと言えるでしょう。新しい行動を身に付けたいという強い願望を持ち、そしてなぜ自分はそれを身に付けたいのかを理解しておくことが大切です。
あなたが達成したい目標はなんですか? あなたの人生においてなぜそれが重要なのですか? あなたが本当にそれを望んでなければ、決意は弱いものとなり、続けるのが難しくなるでしょう。挫けそうになったとき支えとなるのは、変わりたというあなた自身の思いです。
自分の考えていることが行動の妨げになることはよくあります。始める前にダメだと諦めてしまうのです。しかし「思考」ではなく「願望」にフォーカスすると、自分は何を望んでいるのか、それはなぜなのかが明確になり、そうすると思考や信念もそちらへ吸い寄せられていくので、自然と目標に向かいやすくなります。
新しい習慣に取り組むにあたり、自分が日々何を考えているか、ジャーナルをつけてみることをお勧めします。ポジティブな思考は願望をサポートする存在であり、新しい習慣の形成を後押ししてくれます。
しっかり決心(Decision)したか?
前に進むと決心することで、願望が意思となり行動につながります。何かをすると決めたら、やり抜くのだという決意が必要です。自分自身に対して中途半端な決心や約束をするのはやめて、自分で決めた目標にコミットしましょう!
何かを達成するためには、自分の望みを見極め、それを優先することが欠かせません。ただ、具体的にどちらの方向へ進めばよいのか、次に何をすればよいのか、迷うこともあると思います。そんなときは、アイゼンハワー マトリクスを使って、優先順位を明確化し、現時点の自分にとってベストな方向を見極めましょう。いったん決めてしまえば、迷うことなくどんどん前へ進んで行けます。
習慣を設計(Design)する時間をとる
自分の望みがわかり、それを達成する決意ができたら、次は計画を立てましょう。どうやって目標を達成しますか? 何をする必要がありますか? サポートしてくれる人はいますか? こうしたことを可視化しておけば、投げ出してしまう可能性を減らせます。
加えて、役に立つツールやテクニックを利用すれば、行動するのがさらに容易になります。計画を立てるときに便利なのが、習慣のキャンバス(英語参考画像)です。4 つの D に着目して計画を立ててれば、成功する確率はぐんと上がるでしょう。
自分を律する心(Discipline)はあるか?
意思と自律心だけで新しい習慣が作れるわけではありませんが、後者は習慣を身に付ける過程で重要な役割を果たします。行動が完全に習慣化するまでは、ある程度自分を律する必要があるからです。そのためには、やる気を維持することが欠かせません。Evernote の習慣トラッカーテンプレートを使って、モチベーションを保ちましょう。
また、自らを律するためには思考による指示が必要になります。そのために強力なツールとなるのが瞑想です。瞑想は、仏教でいうところの「心猿」(英語記事)を沈めるのに役立ち、ネガティブな思考に囚われにくくしてくれます。瞑想が初めての方にも、長年取り組んでいる方にもお勧めなのがInsight Timer というアプリです。無料で利用できる瞑想誘導がどのアプリよりも充実しています。
+α 環境は整っているか?
これは見逃しがちな要素ですが、環境も自分の状態や思考に大きく影響します。自然科学者のチャールズ・ダーウィンですら、自らの自然選択説(英語)において、もっと環境を重視するべきだったと認めているくらいです。
環境が最適な状態だと、習慣を作るために必要な行動を続けやすくなります。ただ環境が整っていないからというのは諦める理由にはなりません。計画を立て、知恵を絞って環境を工夫し、自律心を持って取り組みましょう。4 つの D がしっかりしていれば、必ず目標を達成できます。あなたの邪魔をする環境ではなく、後押ししてくれる環境を日々整えることが大切です。
身に付けると役立つポジティブな習慣
人生を変えたいけれど、どんな習慣から取り組めばいいかわからないという方は、以下の習慣を参考にしてみてください。生産性を高めて、生活のさまざまな面にポジティブな変化を起こせるはずです。
   1. ウィークリーレビューを始める
Evernote のウィークリーレビュー テンプレートを使って、やるべきことを整理しましょう。カレンダーで、毎週金曜日の午後にウェークリーレビューの時間を入れておき、翌週の計画を立てるようにします。GDT の提唱者であるデビット・アレン氏のウィークリーレビュー チェックリスト(英語)も参考にしてください。
   2. 人生の計画を立てる
Evernote のデイリープランナー、週間プランナー、月間カレンダー、年間目標のテンプレートを使って計画を立て、注力すべきことを見える化しましょう。計画を立てることで、毎日を迷うことがなくなり、人生の目標を達成しやすくなります。
   3. 受信箱を空にする
受信箱を ToDo リストの代わりに使うのはもうやめて、Evernote に目標とタスクを一緒に保存しましょう。Gmail や Outlook と連携すれば、受信箱から直接 Evernote にメールを保存できます。必要なものはすべて同じ場所に整理するようにすれば、頭のなかもすっきりします。受信箱を空にすることを提唱している Merlin Mann 氏のウェブサイト(英語)には、たくさんのヒントが掲載されています。
ポジティブな習慣に必要なのは、強固な意思の力ではありません。効果的なツールやテクニックを賢く利用することで、成功する可能性が大きく高まります。立ち止まって自分の望みに耳を傾け、計画を立てれば、ずっと身に付けたいと思っていた習慣があなたのものになるはずです。  
 
 

 

 
 
 

 

 

 
 

 



2023/5