「勢い」の限界

「実力」と「勢い」の差 教えてくれました

日本の予想外の健闘 ドイツ・スペインに勝利
もしかしたら・・・
予想外の「勢い」 モロッコの健闘
日本の「勢い」に「実力」を見せた クロアチア
モロッコの「勢い」を跳ねのけた フランスの「実力」
クロアチアの「実力」の上をいく アルゼンチン

2022年11月21日に開幕した4年に1度の祭典、FIFAワールドカップ・カタール大会

E組 日本・スペイン / ドイツ・コスタリカ
モロッコ/スペイン フランス/ポーランド アルゼンチン/オーストラリア クロアチア/日本
   ・・・
モロッコ/フランス アルゼンチン/クロアチア
フランス/アルゼンチン
アルゼンチン 優勝


勢いだけでは勝てませんでした
 


 
 
 
 

 

●日本 ― ドイツ
11/23 グループE組戦 2-1
「森保ジャパン」が本大会の初戦でドイツと対戦。1点ビハインドで試合を折り返したが、後半に2点を奪って見事な逆転勝利を挙げた。
歴史に残る90分となったが、前半は苦難を強いられた。後方で巧みにパスを回すドイツに対して日本は奪いどころが定まらず、前からのプレスは簡単にいなされてしまう。自陣では小さなパス交換と目線を変えるロングボールを相手に駆使され、ゴール前で体を張って守るのが精いっぱいに。前半33分にはPKで先制され、なすすべなく前半を終えた。
この流れを変えようと、森保一監督は積極的に手を打つ。後半開始から冨安健洋を投入して3バックにシステムを変え、さらには浅野拓磨をはじめとした攻撃的な選手を次々とピッチへ送り出す。アタッカーを増やした分、カウンターも受け続けたが、PKを献上した権田修一がビッグセーブを連発し、2点目は許さない。
この奮起に攻撃陣が応えた。途中出場の3人が絡んだ攻撃で堂安律が同点ゴールを挙げると、後半38分には何度も効果的なラインブレークを繰り返した浅野が値千金の逆転弾を奪取。指揮官が見せた勝利への執念がピッチ上で形となり、優勝4回を誇るドイツから金星をつかみ取った。 
 
 
 
 

 

●日本 ― コスタリカ
11/27 グループE組戦 0-1
「ドーハの歓喜」で白星を挙げた日本。勢いのまま臨んだ第2戦は、互いに集中した守備により、きっ抗した展開が続く。
左では相馬勇紀の仕掛けから、右からは山根視来の中央に差し込むパスで攻撃を展開し、初戦では出番のなかった選手も持ち味を発揮する。ただし、コスタリカの守備を突破するようなアイデアやパスワークなどはほとんどなく、深い位置までボールを持ち込めないまま試合は推移。対するコスタリカも攻撃に人数を掛けないため、ピッチの中央付近でのプレーが続き、前半を終える。
それでも、後半の立ち上がりに主導権を握ったのは日本。積極的にシュートを放ち、セットプレーからも得点を狙うが、ケイロル・ナバスの好守などに遭ってゴールは奪えず。前半と同様、思うように決定的なシーンを作れない中、攻撃的な選手を次々とピッチへ送り込む。しかし、不用意なミスから一瞬の隙を与え、危惧していた形で先制点を取られてしまう。後がなくなった日本は、三笘薫のドリブル突破を中心にゴールに迫るも、身体を張った守備を前にしてネットを揺らせず、無情にも終了の笛。
初戦とは違い、乏しかった「修正力」。勝点3のまま、最終戦を迎えることとなった。 
 
 
 
 

 

●日本 ― スペイン
12/1 グループE組戦 2-1
「森保ジャパン」は初戦のドイツ戦と同様に「ドーハの歓喜」を日本中に届けた。
序盤から日本はスペインの攻勢を正面から受けて立つ形となり、我慢の時間を強いられる。ガビ、ペドリらが供給する意表を突いた縦パスや精度の高いサイドチェンジに翻弄されると、流れのまま前半11分に痛恨の先制点を献上してしまう。それでも、最後の局面で全員が体を張り、失点を1に抑えて試合を折り返す。
ハーフタイムには、森保一監督が初戦で見せた「修正力」を再び発揮して巻き返しを図る。三笘薫、堂安律といった攻撃的な選手を投入して攻勢に出ると、その2選手が得点に絡み、後半開始からわずか6分間で逆転に成功。その後は猛攻を仕掛けられるが、昨年のオリンピック競技大会の時に対戦した経験を生かし、自陣での人数を割いた堅守を披露して終了の笛。最後までリードを守り切り、優勝候補を相手に逆転勝利を収めた。
これで日本は史上初の2大会連続となるラウンド16進出を決め、史上最高成績のベスト8を懸けて次戦にクロアチアと激突する。一方のスペインは日本に敗れ、勝点は4のままに。他会場でドイツがコスタリカを下すが、得失点差でドイツを上回って2位での突破を決めた。  
 
 
 
 

 

●アルゼンチン ― オーストラリア
12/3 決勝T1回戦 2-1
試合は前半から手堅い展開となる。全員が自陣に戻って中央に厚いブロックを作るオーストラリアに対し、アルゼンチンは外回しのパスが多くなり、クサビのパスを差し込んでも黄色と緑の網に引っ掛かり続けてしまう。しかし、この閉塞感を一振りで打開できるのが「特別な存在」たるゆえん。前半35分にリオネル・メッシが見事なコントロールショットでゴールをこじ開け、先制して試合を折り返す。
後半はオーストラリアが打って変わってハイプレスを掛けてきたことでゲームのテンポが上がる。アルゼンチンも対抗するように前向きな守備の矢印をさらに強めると、その姿勢が功を奏し、フリアン・アルバレスがGKのマシュー・ライアンからボールを奪って2試合連続となるゴールを奪う。終盤は後がなくなった相手の猛攻を受けるが、守護神のエミリアーノ・マルティネスを中心に体を張ったディフェンスで同点は阻止。メッシだけではない、全員の力でラウンド16突破を成し遂げた。
一方のオーストラリアも得点は幸運な形だったとはいえ、終盤の猛攻には迫力があり、あと一歩のところまで優勝候補を追い詰めた。下馬評を覆す好ゲームを何度も見せてカタールを去る「サッカルーズ」に盛大な拍手を送りたい。 
 
 
 
 

 

●フランス ― ポーランド
12/4 決勝T1回戦 3-1
前回王者がノックアウトステージ初戦を危なげなく勝利で飾った。
前半、フランスは中盤に入ったオーレリアン・チュアメニ、アドリアン・ラビオ、アントワーヌ・グリーズマンの攻守にわたる奮闘で主導権を握ると、両サイドのキリアン・エムバペ、ウスマン・デンベレのドリブル突破を軸に攻撃を展開する。1対1の局面を容易に打開するサイドアタッカー2人の攻撃でポーランドにストレスを与え続けると、前半終了間際にエムバペのスルーパスからゴールが生まれ、フランスが1点をリードして試合を折り返す。
対するポーランドは、後半の立ち上がりから前掛かりになって攻める姿勢を打ち出す。しかし、それによって生じた裏のスペースがエムバペ、デンベレの格好の餌食となり、裏目に出る。やむなくクロスとロングボールを主体とした攻撃に切り替えるが、セカンドボールの回収に苦戦し、得点が必要な中で時間だけが過ぎていくことに。すると、エムバペに逆に2ゴールを許してしまい、試合は終了。
エムバペの大車輪の活躍で勝利を収めたフランスが準々決勝へコマを進め、連覇まで「あと3勝」とした。敗れたポーランドは、中盤の構成力不足が響いた。 
 
 
 
 

 

●日本 ― クロアチア
12/5 決勝T1回戦 1-1 (PK1-3)
「新たな景色」への挑戦はまさに死闘であった。
日本は序盤、相手にボールを保持される展開が続き、我慢の時間を強いられる。しかし、決定的なシーンを作られるものの、権田修一を中心に体を張ったディフェンスで得点を許さない。攻撃時は伊東純也の仕掛けを起点にチャンスへつなげると、前半終了間際にCKの流れから前田大然がゴールへ押し込み、今大会初の先制点を挙げる。
リードを得て迎えた後半であったが、徐々に押し込まれ、後半10分にサイド攻撃から同点弾を献上。追い付かれてもなお、ゴール前まで迫られるシーンが続くと、森保一監督はグループステージを通して日本の「ジョーカー」として活躍を見せた三笘薫を投入し、打開を図る。その後もクロアチア攻撃陣の勢いは収まらず、耐える時間帯が続いたが、逆転は許さずに試合は延長戦へ突入する。
延長前半は互いに決定機を迎えたものの、決め切れない。選手たちの足が止まってきた延長後半は終始クロアチアのペースで進み、防戦一方の展開。後半から投入された選手のスピードを生かした攻撃を繰り出すも、数少ないチャンスはいずれもゴールに結び付かず。
最後はPK戦で力尽き、あと一歩まで迫っていたベスト8の扉は、無情にも閉ざされてしまった。 
 
 
 
 

 

●モロッコ ― スペイン
12/6 決勝T1回戦 0-0 (PK3-0)
ジブラルタル海峡を挟んだ対岸に、モロッコが波乱の嵐を巻き起こした。
モロッコは試合を通してスペインにボールを支配され、自陣でブロックを構築して守る時間が長くなる。相手のゆっくりとしたパス回しをしっかりと見据え、攻撃のスピードが上がる瞬間を待ち続けると、抜け出してくる攻撃陣に対してタイトに寄せて思うようにはさせない。また、攻められるばかりではなく、右サイドではアクラフ・ハキミが、左サイドではソフィアン・ブファルが中心となってサイド攻撃を展開。敵陣でボールホルダーに寄せて好機を作るなど、攻撃的な守備も披露する。前半はほぼ互角とも言える内容だったが、時間の経過とともにピンチを迎えることが多くなり、攻め上がりはカウンターが頼りになっていった。
延長戦ではこの構図がより鮮明に表れ、スペインが一方的に押し込む。投入された選手にクオリティーの差は感じられず、パスワークからの崩しを続け、あくまで「スペインらしさ」を徹底したままゴールへ襲い掛かる。だが、最後の場面で相手に先に触られるなど、惜しい場面止まりに。そのまま延長戦を終えた。
モロッコはPK戦でも集中力を発揮。守護神のヤシン・ブヌが1本も決めさせず、準々決勝にコマを進めた。 
 
 
 
 

 

●クロアチア ― ブラジル
12/9 準々決勝 1-1 (PK4-2)
2試合連続のPK戦を制したクロアチアが2大会連続のベスト4進出を決めた。
試合は序盤からクロアチアのルカ・モドリッチ、マルセロ・ブロゾビッチ、マテオ・コバチッチの中盤3人が自由自在に動き、ブラジルのプレッシャーをかわして試合の主導権を掌握。手堅い試合運びで相手にほとんどチャンスを作らせず、スコアレスで前半を終える。
迎えた後半は一転、ブラジルがサイド攻撃を積極的に仕掛けて攻勢に出る。しかし、クロアチアは守護神のドミニク・リバコビッチが立ちはだかり、ゴールを割らせず。90分では決着がつかずに試合は延長戦に突入する。
延長戦は守るクロアチア、攻めるブラジルという構図に。必死に耐え忍んでいたクロアチアだったが、延長前半の終了間際に華麗なパス回しで中央を崩され、ネイマールに先制点を奪われてしまう。これで万事休すかと思われたが、「ヴァトレニ」はここで終わらなかった。徐々に攻勢に出ると、途中出場のブルーノ・ペトコビッチが値千金の同点ゴール。PK戦に持ち込み、最後はリバコビッチが2試合連続で「ヒーロー」に。クロアチアはキッカー全員が決めて勝利をつかんだ。
一方、ブラジルは2大会連続ベスト8で涙を流すこととなった。 
 
 
 
 

 

●オランダ ― アルゼンチン
12/9 準々決勝 2-2 (PK3-4)
アルゼンチンはスタートから3バックを採用。これが見事にはまり、試合の主導権を握る。前半35分にはリオネル・メッシの絶妙なスルーパスからナウエル・モリーナが一瞬の隙を突いてゴールを奪い、先制に成功。オランダにほぼ何もさせないまま試合を折り返す。
迎えた後半もアルゼンチンのペースで試合は進み、メッシがPKを沈めて勝負は決したかに思われた。しかし、ルーク・デヨング、ボウト・ベグホルストを入れたことで前線に攻撃の起点が生まれた「オレンジ軍団」の反撃に遭う。辛うじて1失点でしのいでいたが、終了間際に意表を突いたセットプレーから土壇場で追い付かれてしまう。延長戦はアルゼンチンがシュートの雨を浴びせるが、ポストに嫌われるなど運にも恵まれず、勝負はPK戦へ。
ここでチームを救ったのは、ラウンド16に続いて「守護神」だった。エミリアーノ・マルティネスが1本目、2本目を完全に読み切ってストップし、白星を呼び込む。チームの絆を深めるきっかけとなるであろう大きな勝利を収め、2大会ぶりにベスト4へコマを進めた。
オランダは2点のビハインドを追い付く勝利への執着心を見せたが、最後の最後で力尽き、ベスト8で大会を後にすることとなった。 
 
 
 
 

 

●モロッコ ― ポルトガル
12/10 準々決勝 1-0
モロッコがアフリカ勢、そしてアラブの夢をかなえ、歴史を塗り替えた。
前半はポルトガルがボールを保持して攻撃を組み立て、モロッコはボール奪取からのカウンター攻撃を狙う構図となる。ポルトガルはジョアン・フェリックスが何度もフィニッシュに持ち込むが、いずれもゴールには結び付かない。このままスコアレスで試合を折り返すかと思われたが、均衡を破ったのはモロッコ。前半42分にユセフ・エンネシリが驚がくのヘディング弾を沈め、リードを得て前半を終える。
後半は追い掛けるポルトガルが立ち上がりに動く。クリスティアーノ・ロナウドを投入して攻撃に厚みをもたらすと、さらに攻勢を強め、両サイドから決定機を創出。しかし、ヤシン・ブヌが壁となって立ちはだかり、ゴールを奪えぬまま試合は終盤へ突入する。防戦一方となったモロッコはアディショナルタイムに退場者を出しながらも、最後まで体を張ったディフェンスでゴールを死守。ついに試合終了の笛が鳴り、アフリカ勢では初となる準決勝進出を決めた。
一方のポルトガルは迫力のある攻撃を展開したが、再三迎えたチャンスをものにできず、悔しい敗退となった。 
 
 
 
 

 

●イングランド ― フランス
12/10 準々決勝 1-2
優勝候補同士による大一番は、最後まで手に汗握る展開となった。
フランスは序盤にキリアン・エムバペがタイトなマークに遭って自由を奪われ、左サイドを封じられる場面が目立つ。それでも、アントワーヌ・グリーズマンとウスマン・デンベレを中心に右で起点を作り、オーレリアン・チュアメニの豪快なシュートで先制に成功。リードを得てからは守勢に回り、相手にボールを保持されて決定機を作られてしまうこともあったが、互角といえる内容で試合を折り返す。
後半はイングランドがペースを握り、ブカヨ・サカの仕掛けからPKを獲得。これをハリー・ケインが仕留め、試合は振り出しに。その後はややオープンな展開となり、互いに決定機を迎える。この状況で次の1点を奪ったのはフランス。オリヴィエ・ジルーが今大会4点目となるヘディング弾を決め、一歩前へ出る。諦めないイングランドはその直後に投入されたばかりのメイソン・マウントが倒され、今日二度目のPKを得る。キッカーは再びケインが務めたものの、痛恨の失敗。さらに試合終了間際にも良い位置でFKを得たが、決められず、直後に終了の笛が響きわたった。
前回王者のフランスは準決勝へコマを進め、「サプライズ集団」のモロッコを迎え撃つこととなった。 
 
 
 
 

 

●アルゼンチン ― クロアチア
12/13 準決勝 3-0
リオネル・メッシとルカ・モドリッチ。10番でキャプテン、そしてワールドカップ制覇へ強い思いを持つ両雄の激突は、前者に軍配が上がった。
前半は互いに様子をうかがう静かな展開が続くが、アルゼンチンの1本のロングパスを機に様相は一変。フリアン・アルバレスがPKを獲得し、これをメッシが冷静に沈めて先制に成功すると、その5分後にはアルバレスが自陣から1人で持ち込んでネットを揺らす。その後はクロアチアに何もさせず、勢いに乗ったまま2-0で試合を折り返す。
後半はクロアチアが選手交代を機に前への圧力を強める。しかし、アルゼンチンは自陣で強固なブロックを形成して相手に隙を与えない。後半24分にはメッシが試合開始当初から執拗なマークで苦しめられたヨシュコ・グヴァルディオルをついに翻弄し、アルバレスの2点目をお膳立て。勝負を決めた後は今大会出場していない選手を出して主力を休ませるなど、「悲願」に向けた準備を整えて決勝進出を決めた。
一方のクロアチアは、大会当初から悩まされてきた攻撃の火力不足がこの大一番で露呈。何度も発揮してきた不屈の魂はここで力尽き、4年前のリベンジを期した道のりはベスト4で閉ざされた。  
 
 
 
 

 

●フランス ― モロッコ          
12/14 準決勝 2-0
王者フランスが快進撃を続けていたモロッコを下し、2大会連続で決勝の舞台にコマを進めた。
開始早々に先制されたモロッコ。今大会で初めて追い掛ける展開となり、ボールを「持たされて」速攻を出せず、リズムをつかめない時間が続く。それでも、前半の途中に4バックに変更すると、これが奏功。フランスの左サイドはテオ・エルナンデス1人で対応することが多いため、数的優位を作ってストロングポイントの右サイドから攻勢に出る。とはいえ、キリアン・エムバペのスピードを生かしたカウンターも鋭く、緊迫した展開のまま1-0で試合は進む。
だが、フランスが後半20分にカードを切ると、ここからはフランスペースに。マルクス・テュラムが左サイドに入ることで守備面が安定し、モロッコの優位性を奪うことに成功。さらに同33分に2枚目のカードを切ると、投入されたばかりのランダル・コロ・ムアニが直後に2点目を決める。効果的な選手起用でフランスが勝利を収めた。
対するモロッコはアクシデントもありつつ、失点後に素早く対応して繰り出した反撃は迫力十分。時間の経過とともにボールを保持しながら効果的な攻撃を仕掛けていたものの、惜しくもネットを揺らせず。3位決定戦に回ることとなった。  
 
 
 
 

 

●クロアチア ― モロッコ
12/17 3位決定戦 2-1
グループFの初戦で対戦し、その際は0-0で終わった両者による3位決定戦は、クロアチアに軍配が上がった。
序盤からクロアチアはモロッコのボール保持に対して前からプレスを掛け、敵陣で奪取するなど、主導権を握る。すると、前半7分にデザインされたセットプレーから先制点が生まれ、さい先の良い滑り出しを見せる。2分後に同点に追い付かれて試合を振り出しに戻されるが、高い位置でのボール奪取からミスラフ・オルシッチがネットを揺らし、1点リードで試合を折り返す。
このままでは終われないモロッコは、後半の頭からイリアス・シャイルを投入し、サイドからの攻撃を中心に得点を狙う。だが、両センターバックの負傷によって交代を余儀なくされ、中盤の底で多大なる存在感を発揮していたソフィアン・アムラバトを最終ラインで起用せざるを得ない状況に追い込まれるなど、思うようにペースを上げられず。終盤に猛攻を仕掛けるも、そのままスコアは動かずに試合終了の笛を迎えた。
最終的には2-1で勝利を挙げたクロアチアが3位で今大会を締めくくることに。ヨシュコ・グヴァルディオル、ドミニク・リバコビッチといった選手が一気に知名度を上げた「ヴァトレニ」の4年後にもまた期待だ。 
 
 
 
 

 

●アルゼンチン ― フランス
12/18 決勝 3-3 (PK4-2)
「悲願」と「偉業」を懸けた至高の決勝戦は、予想もつかないドラマの末にアルゼンチンが勝利。勝負の神様は、最後に「神の子」にほほ笑んだ。
前半から勢いを持って攻め込んだのはアルゼンチン。リオネル・メッシや久々のスタメンとなったアンヘル・ディマリアを中心にフランスの守備を粉砕し、前回王者に何もさせないまま2点のリードを奪う。ディディエ・デシャン監督が前半終了を待たずして攻撃の2選手を交代させるギャンブルに出たが、後半もしばらくはアルゼンチンの時間が続き、勝利は確実に近づいているように見えた。
しかし、追い込まれた「レ・ブルー」が土壇場で意地を見せる。キリアン・エムバペがPKを決めて1点差に迫ると、その直後にエムバペが見事なスーパーボレーを沈めて同点に追い付き、試合は延長戦に。延長後半3分にメッシがネットを揺らしてまたもリードを奪ったかと思えば、同13分にエムバペがPKを再び沈めてスコアをタイに戻す。両国の意地が最後までぶつかり合い、120分で決着はつかず。
勝負の行方はPK戦に持ち込まれ、キッカー全員がきっちり決めたアルゼンチンに対し、フランスは2人が失敗。アルゼンチンは36年ぶり3回目のワールドカップ制覇を果たした。  
 
 
 
 

 

 
 
 
 
 

 

●ESPN、日本健闘にも辛口評価「おなじみの残酷な結末で終わってしまった」 12/6
1次リーグ首位突破した日本(FIFAランキング24位)は史上初の8強をかけて、前回準優勝でF組2位のクロアチア(同12位)と対戦し、PK戦までもつれこんだ死闘の末、力尽きた。
英メディア「ESPN」は日本の健闘にも、厳しい評価を報じている。18年のワールドカップ(W杯)ロシア大会の決勝トーナメント1回戦で、2点差を逆転された「ロストフの悲劇」を挙げ「この心理的後遺症が、この試合には重くのしかかった」とした。
「序盤はクロアチアの中盤での優位性をなくすために、ウイングからプレーするプランは明確で、リードするまでにワイドから何度もチャンスをつくった。しかし、後半になると、落ち着かない様子で、自慢のカウンターアタックもまったく機能しなくなり、PK戦も最初から期待はずれだった。結局、日本にとって感動の大会は、おなじみの残酷な結末で終わってしまった」と辛口評価で締めくくった。 
 
 
 
 

 

●日本の健闘、仏紙「成長は明白」とたたえる「システムを巧みに操った」 12/7
FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会で、初の8強進出を逃した日本代表に、フランス紙レキップは6日、日本の「成長は明白だ」などと報じ、あと1歩で「新しい景色」に届いた「サムライブルー」の健闘をたたえた。
6日付の同紙は、日本が「またもや美しい成功のすぐ近くを通過した」「W杯8強の障害を乗り越えることに失敗した」などとし、決勝トーナメント初戦クロアチアに、PK戦までもつれ込んだ末に敗れた戦いを表現した。
続けて日本の技術にも触れ「(日本の)成長は明白だ。このチームは、4−2−3−1と5−4−1の間で、オフェンスで3−4−3に変えながら、システムを巧みに操ったのだ」と評価。システム変更により、1次リーグでドイツ、スペインの強豪から勝利を収めた戦いに、日本の「成長」を評価した。
「サムライブルーの平均レベルは絶えず上がっている」とも賛辞したが、その一方で「何人かの技術的リーダーが欠けている」とも指摘した。
また、MF伊東純也(29)が所属するフランス1部スタッド・ランスの地元紙、リュニオン紙電子版は5日、「ジュンヤ・イトウ(スタッド・ランス)はW杯でクロアチアによる日本の敗退を妨げることができなかった」という見出しで、日本の敗退を報じた。
日本はクロアチア戦で今大会初めて先制したが、同紙は伊東のプレーに言及。「前田の先制点に至ったCKでのコンビネーションに参加した」とし、試合途中での守備位置変更もこなした伊東を高く評価した。 
 
 
 
 

 

●ワールドカップ・カタール大会〜日本チームの健闘 12/12
成田からカタールのドーハ空港に着いたのは今から一ヶ月近く前のことである。空港はこれから開催されるW杯で盛り上がっていた。その後、スペインに着いてからは毎日テレビでW杯を観戦(スペインとカタールの時差はわずか2時間で、試合はスペイン時間の午後4時と8時に開始される)。以下、日本チームのすばらしい活躍を振り返ってみたい。
日本を出る直前、福岡でサッカーに詳しい知人と話したとき、その人はこう言っていた。「日本チームは結構強いんです。でも、今回に限っては予選リーグで一勝できれば御の字です。なにしろ、とんでもない組み合わせなんですから。」
なるほど、組み合わせ表を見ると、日本はドイツとスペインという途轍もないチームと同じ組である。たとえコスタリカに勝てたとしても(それだって覚束ないわけだが)、到底この2つには勝てそうもない。おそらく、そう思った日本人は多いだろう。
さて、日本が初登場した11月23日、相手は強豪ドイツだった。こりゃどうなることかと思って見ていると、驚いたのは日本選手間の相互連絡のよさであった。1人ひとりが然るべき位置に立っており、ボールをきちんと回している。しかも、表情がリラックスして見えた。
これを見ていて思い出したのが、当時日本にいたスペインのある新聞記者の言葉である。確か2006年のW杯ドイツ大会の直後、彼は率直にこう言った。「日本のサッカーは物語がないね。勝つか負けるかは別にして、サッカーは物語がなければダメなんだよ。今回、スペインは優勝までは行かなかったけど、試合運びに物語があった。だから、僕としては満足している。その点、日本サッカーはまだまだサッカーになっていないね。」
その時以来、彼がいう「物語」(ナラティブ)という言葉を考えた。それが、カタールでの日本チームの試合運びを見て、「なるほど、これなんだ」と思い出されたのである。
日本は最終的にはクロアチアにPK戦で敗れたかもしれないが、そこには「物語」があった。だから、日本サッカーというものを世界に示すことができたのである。これは何よりも大きな収穫ではなかったか。
国際大会でのサッカーの「物語」は一貫性ある作戦がなくては生まれない。それは、その国の特質を生かしたうえで初めて可能となるものである。そこには、サッカーについての、勝負というものについての見識、あるいは世界観がなくては生まれない。今回の森保監督の采配にはそれが表れており、それを選手も感じたはずで、結果、彼らの動きにある種の精神的安定が感じられたのである。日本チームとして大変な進歩であったと思われる。
あるチームが試合で物語を描けるには、個々の選手の技量が質的に高くなくてはならず、技量の高さから来る精神的余裕がなくてはならないことはたしかだ。そうでないと、選手間の連絡が滞り、物語にならない。今回の日本チームにはその意味での技量が各選手に備わっており、しかも、ヨーロッパでの試合経験が豊富な選手が多かったことが大きかったと思う。
サッカー先進国での試合経験が豊富であることが何の役に立つのかといえば、技術の向上以上に、サッカーという物語を読み取る力を向上させることに役立つ。日本選手はピッチに立っても慌てることが少なかったというのも、相手チームのサッカーを読み取る力が相当なレベルに達していたからなのである。どのような勝負事もそうだが、相手を読んで、自分の物語に相手を引き込むことが勝利への道である。日本チームはそれができるようになっており、相手がブラジルだろうと、アルゼンチンだろうと、善戦できる基礎ができたと思えるのだ。
要するに、今回のカタール大会によって、日本チームはようやく世界のサッカーに己を示せるようになったということだ。これこそは、本当に称賛に値することなのである。だからといって、これで十分ということではもちろんない。これからが、ほんとうの本番なのである。
日本チームが「物語」を示した以上、世界各国はもう日本を弱小集団とは思わなくなるだろう。日本の「物語」を分析して勝負を挑むだろう。そうなれば、日本としては相手国の物語分析を踏まえて、より高次の物語を構築しなくてならない。今回のドイツやスペインが日本に負けたのは、彼らにそうした物語分析が足りなかったためである。日本も、これからはもっと勉強しなくてはならない。
幸いにして、日本チームの若者たちはいずれもが勉強熱心なようである。「まだ足りない、もっと先に進みたい」という意欲が彼らには感じられる。これは大きな救いであり、おそらくそこに希望がある。
最後になるが、いま日本から離れたスペインにいて感じるのは、以下のことだ。「日本チームの各選手の勉学意欲こそ、国民全体がこれから持つべきものではないだろうか。日本人はどのような他者からも謙虚に学び、世界を読み取る力を向上させねばならない」と。 
 
 
 
 

 

●世界とアジアとの距離は縮まったのか 日本サッカー悲願のベスト8への課題 12/15
下馬評を覆し、グループリーグでドイツ、スペインのW杯優勝経験国を撃破。文字通り世界を驚かせたサッカー日本代表だが、決勝トーナメント1回戦でクロアチアに惜敗し、またしても悲願のベスト8入りはかなわなかった。記憶に残る躍進を見せた一方で、次世代へ残した課題とは? W杯での戦いを検証し、日本とアジア勢のさらなる可能性を探る。
アジア勢の健闘が光ったカタールW杯
アジアのサッカーは世界と距離が縮まっているのか、それとも逆に離れてしまっているのか。
今回のワールドカップ・カタール大会には、AFC(アジアサッカー連盟)から開催国のカタールを含め過去最多の6チームが出場した。そのうち日本、韓国、オーストラリアの3チームがグループステージを突破している。2014年のブラジル大会が0、18年のロシア大会が日本のみだったことを考えると、アジア勢の健闘が光ったとは言える。それも日本がドイツ、スペインを、韓国がポルトガルを、サウジアラビアがアルゼンチンを、と次々にアップセットを果たして、世界を驚かせたのは事実だ。
しかしながら日本、韓国、オーストラリアそろってラウンド16(決勝トーナメント1回戦)で敗れてしまった。02年日韓大会で韓国がベスト4に入って以来、AFC勢は5大会連続「8強」に届いていないという現実を突きつけられている。欧州、南米勢以外で今回ベスト8に入ったのはモロッコだけ(前回のロシア大会は0)。つまり世界の勢力図に大きな変動はない。列強国との距離が縮まっているのは確かだが、さほど縮まっているわけではない、とも言える。
参加国が32チームのワールドカップは今大会でひと区切りとなる。次回の26年、アメリカ、カナダ、メキシコによる3カ国共催から、48チーム制に拡大。AFCの出場枠はこれまでより4枠増の「8.5」となる。では、新興勢力のアジア勢が躍進してベスト8に名乗りを挙げる時代が来るには、何が必要となってくるのか。
ヒントはやはり日本代表にある。
ロシア、カタールと2大会連続でラウンド16に進んだのはアジア勢初の快挙であった。決勝トーナメント1回戦で、前回はベルギーに2−0とリードしながら逆転負けを食らい、今回はクロアチアに1−1と120分間では決着がつかず、PK戦の末に敗れた。初のベスト8入りへ一歩ずつ確実に近づいていることは間違いない。
欧州の大舞台で活躍する日本選手たち
その大きな要因として、欧州でプレーする選手が増加の一途をたどっていることが挙げられる。
今回のメンバー26人のうち、欧州組は19人。それも英プレミア、スペイン、ドイツ、ベルギー、フランス、ポルトガル、スコットランドなど所属チームは多岐にわたる。一方、Jリーグに所属する国内組のうち、権田修一、長友佑都、酒井宏樹の3人は欧州でのキャリアを持っており、実質的には全メンバーの約8割が欧州でのプレー経験を持つ構成になっている。
ちなみに2010年の南アフリカ大会では、23人のメンバーのうち欧州でプレーする選手は4人にとどまっていた。だが、この大会でベスト16まで進んだことで、日本人選手の若手に対する関心が高まり、現在の「拡大」につながった。
かつて国内組が主体だった時代には、代表チームの活動は頻繁に行なわれていた。しかし近年ではその機会も限られるだけに、所属チームでどれだけ充実した日々を送っているかが代表チームの強化に直結する。
ワールドカップメンバーで言えば、鎌田大地、守田英正、前田大然の3人は欧州チャンピオンズリーグに、南野拓実、堂安律、冨安健洋、久保建英はヨーロッパリーグに出場している。こういった「日常」が、ドイツ、スペインという強豪撃破を生み出すバックグラウンドにあった。
無論、国内のリーグも大事である。常勝軍団と化した川崎フロンターレの守備を統率する谷口彰悟は、スペイン戦で3バックの一角を担い、前半途中からより効果的な守備方式に変えるインテリジェンスを披露して追加点を許さなかった。トップJリーガーの実力とプライドを示したことでも意義ある活躍であった。
Jリーグは、アンドレス・イニエスタ(元スペイン代表)という世界的ビッグネームの参戦で注目を浴びたが、つい最近まで外国籍選手はブラジル勢がほとんどだった。それがスペイン、デンマーク、スイスなど欧州からの参加も増えてワールドワイド化が進んでいる。これはポジティブな要素だ。「欧州」でも「国内」でも成長できる環境があることが重要であり、日本サッカーを取り巻く環境は決して悪くない。
今回、サウジアラビアは初戦でアルゼンチンを破る大金星を挙げた。メンバー全員が国内組とあって準備期間も十分で、コンディション調整や連係も図りやすかったに違いない。メリットを最大に生かした形ではあったものの、ポーランドとメキシコには敗れて結局はグループ最下位で終わっている。
また、開催国のカタールも同様に国内組で固めたが、アジア勢では唯一1勝も挙げられなかった。国内の充実はあっても欧州で活躍する選手が出てこないと、現代のワールドカップにおいては躍進は難しいと言わざるを得ない。
「交代枠5」で実現した日本の戦略
日本代表がカタールで示した方向性で、何よりも興味深かったのはメンバーの流動化である。
今大会は中3日で進んでいくスケジュールで、森保一監督は26人のメンバーのうち22人を起用。かつ逆転勝ちした初戦のドイツ戦から、2戦目のコスタリカ戦では先発の5人を入れ替えるターンオーバーを実施した。100%以上の力を出し切る必要があったドイツ戦からの反動と、ボール支配率の低いコスタリカ代表の特徴も考慮しての判断だったと思われる。
ただ、うまくいったとは言えない。ボールを保持しながら相手の守備を崩して勝つか、それともドイツ戦のようにカウンターに軸を置くのか模索したままで前半を終え、逆にコスタリカのペースに引きずりこまれて後半に失点を喫し、0−1で敗れてしまった。
1試合だけの「点」で見ると、妙手とは言えなかった。しかし次のスペイン戦では、コスタリカ戦で先発から外れた伊東純也、田中碧、久保建英、前田大然は一様にコンディションが良く、後半に2点を奪って勝ち点3を手にしたことを考えると、3試合を通した「線(ライン)」で見た場合は、ターンオーバーに対する評価が違ってくる。
一方で、クロアチア代表のように、タイトなスケジュールであってもメンバーの入れ替えを最低限に抑えるチームも少なくない。ワールドカップは決勝まで最大7試合の短期決戦になる。連係面で言ってもメンバーを固めたほうが高めやすい。
だが、日本とクロアチアが戦ったラウンド16は、日本のほうが相手よりもよく動けていたように思えた。試合巧者のクロアチアに分析されてはいたものの、チャンスがないわけではなかった。PK戦に持ち込まれて目標としていたベスト8入りはならなかったとはいえ、最後まで互角に渡り合ったことは進歩であった。
日本ならびにアジア勢は、FIFAランクで言っても最上位がイランの20位。ワールドカップの舞台となると相手は格上ばかりになる。常に相手より良いコンディションでなければ強豪の牙城は崩せない。多くのメンバーを使いながらチームとして常に100%以上を出せるコンディションとインテンシティ(強度)の維持こそが最低条件となる。それを日本代表が証明したと言える。
明らかになったアジア勢の課題
グループステージで疲弊してラウンド16に進んでも、そこからギアを入れてくる強豪国には太刀打ちできない。今大会、コロナ禍のルール変更に伴って認められた5人交代制が今後どのようになるかは分からないにせよ、持続する力なくしてベスト8は成し得ない。あと一歩だったことを考えても、日本のマネジメントは間違っていなかった。あとはどのようにアレンジを加えていくかだろう。
戦い方においても、ボールを保持された相手に対してコンパクトかつ組織的に連動していく守備が、ドイツ、スペイン相手に通じたことは収穫だった。クロアチア戦ではセットプレーからゴールを奪えた。
一方でボールを保持した場合、相手をどう崩していくかの課題は先送りにされた。守備の長所を強みとして持ちつつ、ボールを動かして相手を崩す攻撃力を引き上げ、戦術のバリエーションを増やすチャレンジは必須だろう。日本を含めアジア勢は「弱者」の立場であることに変わりはない。しかしながらいつか「強者」となるためには、その準備もしておかなければならないということだ。
やるべきことは見えている。
アジア勢にとってカタールワールドカップは失望ではなく、むしろ希望を抱く大会になったと言えるのではあるまいか。 
 
 
 
 

 

●日本がFIFAランキング20位に浮上…優勝のアルゼンチンは2位 12/22
国際サッカー連盟(FIFA)は12月22日、男子世界ランキングを更新した。18日に閉幕したFIFAワールドカップ2022カタールの結果を反映した初めてのランキングとなっている。
日本は24位から20位に浮上した。W杯ではドイツやスペインを下し、首位で決勝トーナメント進出。クロアチアにPK戦の末、惜しくもベスト8進出を逃した。また、日本はアジアの中でトップのランキング。アジア勢は24位のイラン、25位の韓国、27位のオーストラリアと続いている。
1位はブラジル。W杯では日本と同じくクロアチアに屈し準々決勝敗退となったが、1位の座を守った。2位で続いたのがW杯を制したアルゼンチン。前回の3位から2位に順位を上げた。
アルゼンチンとW杯決勝を戦ったフランスも1つ上がって3位。その後はベルギー、イングランド、オランダ、クロアチア、イタリア、ポルトガル、スペインが続いた。クロアチアは12位から順位を5つ上げて、新たにトップ10入りに入った。
今回最も順位が変動したのはモロッコとオーストラリア。W杯で快進撃を見せたモロッコは22位から11位、オーストラリアは38位から27位にジャンプアップを果たした。なお、モロッコが10位台に入るのは1998年以来となっている。 
 
 
 
 

 

●FIFAランク20位浮上の日本に海外注目 「順位が急上昇した国トップ5」選出 12/24
日本代表はカタール・ワールドカップ(W杯)でベスト16、国際サッカー連盟(FIFA)が発表した大会最終順位で9位と健闘。この功績を踏まえ、12月22日に最新のFIFAランキングが発表され、日本は元より4つ順位を上げてアジアトップの20位となった。FIFAランキングに注目した海外メディアが、日本を「2022年W杯後に順位が急上昇した国トップ5」に選出している。
日本はW杯のグループリーグでドイツ代表とスペイン代表を破る快進撃を見せ、首位通過で決勝トーナメントへ。1回戦のクロアチア代表にはペナルティーキック(PK)戦の末敗れたが、その躍進は世界を驚かせた。
最新のFIFAランキング発表に伴い、シンガポールメディア「Khel Now」ではW杯後の順位変動に注目。日本も記事内で取り上げている。
「順位が急上昇した国」として挙がったのは、モロッコ代表、オーストラリア代表、カメルーン代表、日本、アメリカ代表の5つのチーム。日本は4番目に紹介されている。
日本は「ブルーロックで有名な日本」と人気サッカー漫画「ブルーロック」になぞらえ、「死の組に入った日本はスペインとドイツを破り、グループリーグを首位で通過。残念ながら、PK戦でクロアチア相手に日本は敗れてしまった」と大会を振り返った。
そのうえで「W杯で日本代表は皆のハートを射止めた」と強豪を苦しめたサムライブルーを称賛。「2022年のFIFAワールドカップを前に、日本は24位だった。しかし、その後、4つ順位を上げ、現在は20位だ」と順位の変化にW杯の成績が大きな影響を与えたと伝えている。
W杯でアジア勢のなかでも印象に残る戦いを見せてくれた日本。届かなかったベスト8へ向け、4年後のW杯への期待も高まっているはずだ。 
 
 
 
 

 

 
 
 
 
 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
  

 



2022/12