Z世代

Z世代

年寄りから見れば 
   異星人か
   新種の真面目人間
   頭の中はデジタル
   自分の世界

どんな親が育てたの
どんな教育を受けたの
どんな価値観

自分の個性 大事にします

 


 
 
●Z世代 1 [Generation Z] 
Z世代とは 
Z世代とは、1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代で、2023年現在12歳〜28歳前後の年齢層に当たります。デジタルネイティブ、SNSネイティブとも呼ばれるZ世代は、タイパ(タイムパフォーマンス)重視の効率主義、強い仲間志向、仕事よりプライベート重視、多様性を重んじるなど、従来の若者以上に特徴的な価値観を持っています。 
Z世代の定義 
Z世代とは主に欧米での呼び方で、Y世代・ミレニアル世代の次に当たる1990年代半ばから2010年序盤生まれの年齢層の若者を指します。日本ではゆとり世代の次の世代として、デジタルネイティブ世代とも呼ばれたりします。スマートフォンやSNSの普及期に生まれ育ったZ世代は、物心がつくころにはモバイル端末に触れ、SNSを通じて交流することが当たり前でした。
また、脱ゆとり世代とも呼ばれますが、実際にはゆとり教育時に重視された社会貢献や環境、多様性といった教育もしっかり受けています。他者は他者、自分は自分として、「自分らしさ」を考え続ける世代でもあります。
さらに、生まれたときから低成長時代・超高齢化社会であり、将来の重荷を悲観的に意識している世代です。そのため、価値観は保守的であり、人との和や既存の社会秩序を重んじる傾向があります。波風を立てずに既定路線の中でうまくやっていこうとする安定志向が見られます。 
Z世代の価値観 
保守的な価値観を持っているため、消費意識も「失敗したくない」という保守傾向が強く、事前にしっかり情報収集して選択的な消費をします。一方で自分の好きなヒト・コト・モノにはお金をつぎ込むといった、消費の聖域=「推し」を持つ点も、上の世代と比べて特徴的です。コストパフォーマンスに加え、タイムパフォーマンスについても敏感であることがよく言われています。Webという集合知の活用に慣れたZ世代は、他者の失敗や成功を共有し、そこから効率よくゴールに達する高い生産性と効率性を持っています。
消費意識・行動に関しては、企業発の公式情報よりもユーザー評価を重視し、自らも商品・サービスの評価を発信していくという、CtoCでの情報交換が活発であることが特徴的です。買ってよかった、買って失敗、という体験も、Web上で共有されていくのです。
コミュニケーションの特徴としては、「気の合った仲間さえわかってくれればよい」として、仲間の外に対しては自己主張することに消極的であり、承認される土壌がないと意見を言いにくい特徴があります。オープンで風通しの良い人間関係が、Z世代の「好き」に強く秀でた専門性や能力を発揮してもらうためには重要です。仕事においては曖昧かつ属人的な指示や「普通はこうだろう」のような暗黙の了解、忖度といったものは好まれません。 
Z世代のポテンシャル 
2023年現在、日本のZ世代が全人口に占める割合は15%未満であり、ボリュームとしては小さいですが、今後は結婚・子育て・住宅購入など数々のライフイベントを迎えます。好きなことにはお金を惜しまない傾向があることに加え、人生の転換点を迎えて活発な消費活動を行っていくと考えられ、消費者として注目されます。
また、就労者としても今後の日本を支えていく世代でもあります。人的資本ということがよく言われる昨今ですが、Z世代のポテンシャルは非常に高いです。デジタルネイティブとしてグローバルで価値観や情報を共有していくZ世代は、地理的条件での常識ギャップがありません。また、高い生産性・効率性、充実した個性と志向、行動型の社会貢献・環境意識など、高い潜在力があります。
こうしたZ世代の特徴的な価値観を理解したうえで、消費者として、就労者としてのZ世代の潜在力をうまく引き出していくことが、今後の企業戦略で重要となるでしょう。 
 
 
●Z世代 2 
Z世代とは? 
Z世代は明確な定義がなされているわけではありませんが、一般的には1990年代後半から2012年頃に生まれた世代を指し、2023年現在、20代前半から10歳前後の年齢の人が該当します。
また、Z世代の前の世代にあたる世代が「ミレニアル世代」であるため「ポストミレニアル世代」と呼ばれることもあります。
Z世代はデジタルネイティブやスマホネイティブの世代でもあり、ソーシャルネイティブである点が特徴です。物心ついた頃にはすでに先端的なテクノロジーやデジタル技術に触れているため、インターネットやテクノロジーとの親和性が高くなっているのです。
また2022年現在では、世界の人口の25%をZ世代が占めています。日本では少子高齢化が進み若い世代が多くはありませんが、アメリカでは消費の主役になっているため、多くの企業がマーケティングの対象としてZ世代に注目しています。
   Z世代の語源
「Z世代」という言葉の発祥はアメリカです。当時、アメリカで1960年から70年に生まれた人を指す言葉として使われていた「ジェネレーションX(Generation X)」という言葉が由来といわれています。
アルファベット順でXの次に来るのがYであるため、この世代の次の世代を「ジェネレーションY(Y世代)」、Y世代の次を「ジェネレーションZ(Z世代)」と呼ぶようになりました。 
ライフスタイルからみたZ世代の特徴 
Z世代は生まれた頃からインターネットやデジタルデバイスが一般的に普及されている世代のため、子どもの頃からパソコンなどのデジタル機器を使いこなしています。
テレビや雑誌よりもインターネットでの情報収集がメインで、SNSを利用したコミュニケーションを行います。
生活の中にSNSが溶け込んでおり、学びを得たい場合は「YouTube」トレンドや時事を知りたい場合は「Twitter」空き時間を埋めたい場合は「TikTok」とそれぞれのSNSが持つ特徴をうまく使いこなしている世代です。
利用率時間も長く休日のインターネット利用時間は10代で250分以上、20代で300分以上です。
そのため、60代でテレビの視聴時間が300分を超えているのに対し、10代で73.9分、20代で90.8分と短くなっています。
Y世代やミレニアル世代もまたデジタルネイティブと呼ばれますが、Z世代は生まれた頃から既にインターネットやデジタルデバイスが身近にあり、もっともデジタルネイティブに近い存在といえます。 
消費傾向から見るZ世代の特徴 
それでは、Z世代はどのような社会的消費の傾向があるのでしょうか? Z世代の消費傾向は下記の通りです。
   「コスパ」よりも「タムパ」を重視
Z世代の前の世代である「ゆとり世代」はお金を使う際に、費用対効果を意味するコストパフォーマンス(コスパ)を重視する傾向にあります。Z世代もまた、その傾向をある程度引き継いでいます。
また、何か買う際は、WebサイトやYouTubeなどでレビューを参考にして、十分に調べたうえでコスパを判断することが多いでしょう。
しかし、Z世代はコスパよりも「時間対効果」を意味する、タイムパフォーマンス(タムパ)を重視する傾向が強くなりました。タムパとは、それに費やす時間に対して、どれほどの満足感が得られるかを指します。つまり、短時間で強い満足感を得られる「タムパが高い」消費行動である「モノ消費」や「コト消費」がメインです。
   ブランドよりも共感できるかで選ぶ
Z世代が商品の評価、購入を検討する際は、ハイブランドや有名なブランドであるかどうかではありません。その商品・サービスのコンセプトや、開発されたストーリーへの共感性を重視します。
また、自身が共感を寄せるインフルエンサーがオススメする商品を購入する、といったパターンも散見されます。
   無駄な消費を嫌うが価値を感じれば惜しまない
Z世代は社会が不安定で不況な時代を生きてきたため、基本的には経済面では保守的な姿勢をもっていることがほとんどです。これにより、コスパやタムパの悪いお金の使い方を嫌うため「若者のクルマ離れ」や「若者のお酒離れ」と呼ばれる現象が起こるようになりました。
しかし、ただお金を使わないのではなく「イミ消費」と呼ばれる、自身が価値を感じるものや心を動かされるものに対しては、お金を惜しまないといった側面もあります。 
価値観からみるZ世代の特徴 
続いて、Z世代にみられる価値観の特徴を解説します。
   多様性やインクルージョンの意識が強い
Z世代は多様性を尊重し、自分とは異なる人物や考え方に対しても肯定的な態度をとります。
また、インクルージョンとは「排除しない」ことを指します。社会には多様な性別や人種が存在しており、障害の有無やセクシャリティといった他者との違いがあることが当然であるという前提を、Z世代は理解しているのです。
また、そういった違いが理由で社会から排除されることがない、インクルーシブな社会を望んでいます。
   社会問題に対して関心が強い
Z世代はそれ以前の世代よりも、環境問題や人種差別といった社会問題に対する関心が強い傾向にあります。
物心ついた頃に東日本大震災や熊本地震などの大きな災害を体験し、昨今では「持続可能な開発目標(SDGs)」への取り組みが当たり前になっていることが要因といえるでしょう。
スウェーデンの環境活動家として有名なグレタ・トゥーンベリ氏もZ世代であり、彼女の地球温暖化の問題提起はZ世代の支持を集めています。
   現実主義
Z世代が物心ついた頃には、社会を揺るがすさまざまなできごとや要因がありました。ITバブルの崩壊やリーマンショック、親世代の終身雇用制度の崩壊など、社会が不安定な時代を生きてきています。
これにより、Z世代は経済的にも価値観としても非常に現実的です。夢よりも安定や現実の生活を充実させることに重きを置く、現実主義であるといえます。
また、リ・カレント株式会社が提供する「Z世代の解体新書」によると、Z世代は仕事で”がんばりすぎたくない”、でも”遠回りもしたくない”と感じている傾向にあるそう。 
Z世代とミレニアル世代・他の世代との違い 
「◯◯世代」という言葉や表現はたくさんあるため、混同しやすいワードでもあります。本項では、下記の5つの世代について、あらためて確認していきましょう。
   X世代
主に、欧米で第二次世界大戦後に起こったベビーブームの次の世代を指しており、年代でいえば1960年代から1980年代前半までの世代となります。X世代の特徴としては、個人主義的な考え方や独立心が強いことがあげられ、転職に対しても肯定的です。
対して、Z世代が育った時代は不安定であったため安定志向が強く、ひとつの会社で長く働きたいと望んでいます。
Z世代のようなデジタルネイティブ世代とは異なり、成人してから技術が発展した世代のため、適応力が高い世代ともいえます。
また、Z世代よりもある程度の経済力がある中で、デジタル化が進んだため、比較的デジタルへの興味関心が高い世代です。
   ミレニアル世代
ミレニアル世代は「新千年紀」という意味のミレニアムが語源であり、1981年に生まれて2000年代前半に社会人になった世代を指します。対象となるのは1980年から1990年代半ばまでに生まれた人が目安です。
ミレニアル世代の特徴としては、夢や理想を追い求める理想主義的な考え方が強く、ミレニアル世代が育った時代背景は景気が良かったことが影響していると考えられます。一方で、Z世代は不況が続く時代を生きてきたために、リアリストであるケースが多いといえます。
仕事とプライベートを分けたいとうワークライフバランスも重視している世代です。
   Y世代
続いてY世代は、1980年代から2000年代前半に生まれた人のことです。ミレニアル世代と被っている時期があるため、ミレニアル世代とほぼ同じ世代と言っていいでしょう。日本においては、1980年代前半から1995年に生まれた世代が当てはまり、日本では就職氷河期を経験したことから「氷河期世代」と呼ばれています。
   Z世代
そして、X世代、Y世代と続く世代がZ世代となります。Z世代のもとになったのはダグラス・クープランド氏というカナダ人作家の著書である「ジェネレーションX」です。
   α(アルファ)世代
Z世代のあとに続く世代を「α世代」といいます。これはアルファベット順でZの次の文字がないため、ギリシャ文字の1番目の文字である「α(アルファ)」が用いられました。
α世代の定義は明確ではありませんが、2010年代から2020年以降に生まれた人を指すのが一般的です。2010年といえばInstagramやiPadが登場した年であり、それまではデジタルコンテンツといえばテキスト中心だったものが、動画や画像のコンテンツが主流になった時代でもあります。
幼少期からインターネットに触れており、現実とオンラインコミュニティがつながっていると考えている方も多い世代です。 
Z世代が注目されている背景 
今はまだ若く、大きな購買力を持っていないZ世代ですが、社会人になれば消費が活発になることが見込まれます。2031年までにはZ世代の収入が世界の25%以上を占めると予想され、ミレニアル世代よりも高い購買力をもつと指摘されているほどです。
市場においてZ世代は消費者として無視できない存在に少しずつ変わっていくことが、世界のマーケティングにおいて注目を集めている理由です。
一方で、日本においてはZ世代の割合は総人口の5分の1以下でしかないため、Z世代に注目する必要はないとする企業も少なくありません。
しかし、数は少なくても将来的にはZ世代の購買力が増すうえに、Z世代以降はZ世代と同じようにデジタルネイティブとなります。早いうちからZ世代への理解を深めておくことが大切です。 
Z世代に対してマーケティングを行うポイント 
Z世代はこれまでの世代とは価値観やライフスタイルが大きく異なるため、従来のマーケティングでは思ったように効果が出なくなることが予想されます。そこで、本項ではZ世代に対して、マーケティングを行う際のポイントを見ていきましょう。
   デジタルコンテンツによるアプローチ
まず、Z世代はスマホネイティブやデジタルネイティブであるため、いかに普段から触れている領域でアプローチをするかがカギとなります。つまりテレビCMや新聞広告、テキストコンテンツではなく、YouTubeの動画や音声コンテンツなどで訴求するとSNSなどで共有されやすくZ世代に刺さりやすいでしょう。
   情報の信頼性を担保する
Z世代はオンラインでの活動や購入に慣れているため、インターネットを介した詐欺や偽物の出品など、インターネット上に存在するリスクへの警戒心が他の世代よりも強い傾向にあります。
また、根拠が怪しい情報や信頼できない商品・サービスを提供している場合は、すぐに拡散されて即座で信頼を落としかねません。
したがって、もし自社製品やサービスをインターネット上でアピールする場合は、情報の信頼性を担保したうえで、情報発信やコンテンツ制作を行うことが重要です。 
Z世代についてよくある質問 
Z世代についてよくある質問をまとめました。Z世代について詳しく知っている方でも確認のためにご覧ください。
   Z世代の意味とは?
Z世代は明確な定義はありませんが、一般的には1990年代後半から2012年頃に生まれた世代を指し、2023年時点では20代前半から10歳前後の年齢の人が該当します。
   Z世代の語源とは?
アメリカで1960年から70年に生まれた人を指す言葉として使われていた「ジェネレーションX(Generation X)」という言葉が由来といわれています。 Xの次に生まれた世代を「ジェネレーションY(Y世代)」とし、Y世代の次の世代を「ジェネレーションZ(Z世代)」と呼ぶようになりました。
   Z世代の特徴とは?
Z世代は生まれた頃から既にインターネットやデジタルデバイスが身近にあり、もっともデジタルネイティブに近い存在です。
また、Z世代はコスパよりも「時間対効果」を意味する、タイムパフォーマンス(タムパ)を重視する傾向が強くなりました。つまり、短時間で強い満足感を得られる「タムパが高い」消費行動である「モノ消費」や「コト消費」がメインとなっています。 
まとめ Z世代について 
Z世代の特徴や、マーケティングにおけるポイントなどを紹介しました。
これからの購買力への期待はもちろん、Z世代以降の基本的な特徴となるデジタルネイティブ・SNSネイティブといった点は、今後のためにも意識しておくべきポイントです。マーケティングの際は、Z世代と他の世代との違いを把握し、意識的にZ世代に刺さりやすいスタイルで展開していくことが大切です。
人気や影響力のあるインフルエンサーを起用するのも有効な方法でしょう。 
 
 
●Z世代 3 
Z世代の特徴や性格とは?仕事や働き方に対する価値観やその向き合い方を紹介
「Z世代」と呼ばれる世代が社会で働き始める時代となりました。生まれ育った時代背景が異なれば、世代間での価値観も当然異なります。最近では、管理職やリーダーの方々が頭を悩ませる問題として、「最近の若者に対して、どうアプローチするのが正解なのかわからない」という声が多く挙がります。Z世代を理解し彼らの強みを発揮してもらうためにも、本記事ではそうした悩みを持つ皆様に向けて、職場におけるZ世代との向き合い方のヒントをいくつか提示します。  
Z世代とは 
   Z世代の由来
「Z世代」という言葉の発祥はアメリカです。当時、アメリカで1960年から70年に生まれた人を指す言葉として使われていた「ジェネレーションX(Generation X)」という言葉が由来といわれています。その後、1世代ごとにX,Y,Zと、アルファベットで世代を表現するようになりました。
   Z世代の年齢は?
Z世代とは、生まれたときからインターネットが普及しているデジタルネイティブ世代です。一般的には、1990年代後半から2000年代に生まれた世代を指すことが多いですが、明確な定義があるわけではありません。
   Z世代の特徴
Z世代は生まれた頃からインターネットやデジタルデバイスが一般的に普及している世代のため、子どもの頃からパソコンなどのデジタル機器を使いこなしています。テレビや雑誌よりもインターネットでの情報収集がメインで、SNSを利用したコミュニケーションを行います。
生活の中にSNSが溶け込んでおり、学びを得たい場合は「YouTube」、トレンドや時事を知りたい場合は「X(Twitter)」、空き時間を埋めたい場合は「TikTok」とそれぞれのSNSが持つ特徴をうまく使いこなしている世代です。  
これまでの世代の価値観 
   X世代・Y世代(ミレニアル世代)の価値観
Z世代の他にも、「X世代」「Y世代(ミレニアル世代)」という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。こちらも明確な定義はありませんが、一般的に「X世代」は1960年代後半〜1980年頃に生まれた世代、「Y世代(ミレニアル世代)」は1980年代〜1990年代前半頃に生まれた世代を指します。人の価値観は、生まれ育った時代背景や環境に影響を受けるため、それぞれの世代が持つ価値観も当然傾向としての違いがあります。
たとえば、X世代は高度経済成長期やバブル期といった”右肩上がり”の日本経済と共にキャリアを築いてきており、キャリアの成功体験も強く「頑張れば報われる」という考えが比較的根強い傾向があると言われています。一方で、Y世代(ミレニアル世代)は、離職率が高い・不安定な雇用などの時代背景もあり”右肩上がり”という神話に疑問を持っている世代です。人口ピラミッドのボリュームゾーンでもあるので常に競争にさらされてきており、またベテラン世代からの叱咤激励のもとで育てられてきた世代でもあります。
   Z世代の価値観
先述したように、Z世代はデジタルネイティブであり、インターネットやSNSを通じてリアルタイムで世界の情報を知る機会が多い世代です。そのため、社会問題への関心が高く、多様な価値観に触れる機会も多いです。また、少子化による人口減少世代であるため、上の世代のような厳しい競争を経験していません。生まれた頃から低成長の時代が続いている世代でもあるので、現実主義的な面があり、また”コスパ” (コストパフォーマンス)、”タイパ”(タイムパフォーマンス)を重視する傾向が相対的に強いです。 
Z世代が注目される理由 
世代間の壁というのはそれぞれある中で、殊さらにZ世代との世代間ギャップを強く感じがちである(よく取り沙汰される)のは、以下のような大きな社会環境の変化が背景にあると考えられます。
   ・デジタルコミュニケーションの進化
   ・少子化による人口構造の変化
   ・1つの会社に勤め上げるという従来型のキャリアロールモデルの喪失
   ・多様な価値観の広がりや接点の増加
現在、Z世代が新入社員として仕事・職場環境で働く時代になっています。Z世代は上記のような社会構造の変化の中でこれまでの世代とはまた別の価値観を持っており、時に上の世代からは何かと扱いづらい存在というネガティブな文脈で捉えられることも少なくありません。
Z世代はこれからの時代を担っていく世代であり、どう活躍の場を広げていけるかは社会にとっても、会社・組織にとっても重要なテーマです。ただし当然、世代間の価値観ギャップによって職場でのコミュニケーションの齟齬・関係構築の失敗などが起きてしまえば、早期離職や成長の鈍化などを引き起こしかねません。だからこそ、Z世代の価値観や考え方を、上の世代も理解する(しようとする)ことが大事になってきます。 
Z世代が考える仕事の価値観 
それでは、Z世代が持つ仕事面における価値観はどのようなものなのでしょうか。様々ある中で3つほど紹介したいと思います。
   内発的動機を重視
以下の図表は、リクルートマネジメントソリューションズがZ世代である新入社員に対して「仕事をするうえで重視すること」を聞いたアンケートの結果です。いわゆる金銭や競争といったような外発的動機よりも、貢献・成長・やりがいといった内発的動機を重視する傾向が強いことがわかります。生まれたときからモノやサービスが溢れる時代を生きてきたZ世代における金銭などへの重視度合いは、上の世代よりも相対的に低くなりつつあると言われています。
   自分に合うものを選択する志向
一時期、「配属ガチャ」というキーワードが話題になったことがありました。入社後の配属に選択権がないケースというのは今に始まった話ではないにも関わらず、こうした言葉が生まれたのは、それだけZ世代を中心とする今の若い世代にとって、「自分に合うものを選ぶ」ことが当たり前であることの裏返しでもあります。ネット・SNSとの親和性が高いZ世代は、私生活などで目にする情報は自身に最適化されているものばかりであり、例えば何か購入する際でも、多くのモノやサービスの選択肢の中から自由に自分が好きなものを選択できることが当たり前と考えている世代です。そのため、自分に合わないと感じた役割や仕事に対して、違う選択肢や場所を探しがちな面もあります。若手の早期離職の増加の背景のひとつには、こうした価値観もあるかもしれません。
   チャレンジへの苦手意識
Z世代は、「失われた30年」と言われるような低成長の時代を過ごしてきた世代です。そのため、堅実さを重んじ現実主義的である一方で、冒険やリスクを避ける傾向があるといわれます。同じくリクルートマネジメントソリューションズが実施したアンケート調査で、Z世代の新入社員に仕事をするうえで得意なスタンス・苦手意識のあるスタンスについて聞いた結果が以下の図です。「得意だな」「強みとしてさらに活かしたい」と思うスタンスとして、「試行」が最下位となっています。一方で、「不安・苦手意識があるけど大事だな」「意識的に取り組みたい」と思うスタンスとしては「試行」が2番目に多く選択されたのは注目したいポイントです。 
Z世代の力を引き出す職場での関わり方 
それでは、Z世代を部下や後輩に持つ上の世代から、彼ら彼女らに対しどのような関わり方をしていくべきでしょうか。3つのポイントを紹介します。
   フラットなコミュニケーション
先述したように、動機づけのベクトルが外発的動機から内発的動機へ移行しつつある中で、どう指揮命令に従わせるか、ではなくいかにクリエイティブさを発揮させるかが重要になってきています。そのためには、まずはフラットに相談がしやすいような心理的な安心感を本人が持てている必要があります。例えば働きがい認定企業の事例では、最近では多くの会社で行われている1on1ミーティングを、業務報告ではなくざっくばらんにいろんな話ができる・部下側が自由に話すテーマを決めてよい場として設定しているケースもあります。
   「WHAT」だけでなく「WHY」を伝える
何らかのミッションを与える・業務指示をするような場面で、何を(WHAT)するのかという情報だけではなく、何故(WHY)それをしなければならないのか、目的・意義は何なのか、も合わせてメッセージすることが重要です。Z世代は、物事の意味や背景を重視していて、かつ社会・組織貢献意欲も高い傾向があります。もちろんコミュニケーション負担はその分増えますが、業務そのものの目的、そして自分自身にとってのそのミッションに取り組む意義をきちんと理解できている状態は、本人のモチベーションにもつながります。
   承認・期待のフィードバック
内発的動機を重視するZ世代には、取り組みのプロセスやアウトプットなどが周囲からはどう受け止められているか、自分にどのような期待をされているのかをきちんとフィードバックすることは有効です。その人の強みや長所を言葉にして伝え、自信をつけさせることで、本人のポテンシャルを引き出す手助けをしましょう。チャレンジへの苦手意識を克服するための後押しにもつながります。 
Z世代にしてはいけないNG対応3選 
   価値観の否定
Z世代は価値観や個性を重視する傾向にあります。当然、あからさまに本人の価値観を否定するようなコミュニケーションはNGです。重要なのは、傾聴のスタンスを持って接することです。なぜ本人がそう考えているのか、その背景を知ることです。その際、無理やり共感までする必要はありません。しっかりと相手の話に耳を傾け、理解をしようとする姿勢を示しましょう。
   失敗に対する過度な批判・叱責
先述したように、Z世代はリスクをとってチャレンジすることに苦手意識を持っています。チャレンジした結果がうまく行かなかった際の過度な批判は、その後も継続的にチャレンジのスタンスを持ち続けることへの妨げとなってしまう恐れがあります。なぜ失敗したのかの分析はもちろん必要ですが、チャレンジしたこと自体への承認のコミュニケーションも同時に行っていけるとよいでしょう。
   カテゴライズを個人に当てはめた発言
Z世代の人と向き合う上で、Z世代の価値観や特徴を把握しておくことは重要です。ただし、それは全体の傾向でしかなく、実際には一人ひとり価値観は異なります。Z世代は多様な価値観を是とするスタンスの人が多く、カテゴライズやレッテル貼りには敏感な世代です。間違っても個人に対して全体の傾向を当てはめるような発言(「〇〇さんはZ世代だから、〜〜だよね。」)をしてはいけません。 
働きがい認定企業における1on1ミーティング事例 
職場で部下(あるいは後輩)であるZ世代との1on1ミーティングの機会がある方もいると思います。これまで述べてきたようなポイントを踏まえ、どのように1on1ミーティングを行っていくとよいでしょうか。
ある働きがい認定企業では、1on1ミーティングを、上司側が管理する側・指示する側として関わるのではなく、相手のWillをもとにフラットに成長のサポートをする存在として向き合う場と置いています。一方的な業務指示をするのではなく、本人のWillに今の業務がどうつながっているのか(あるいはつながりを感じられないのであれば、どうすればつながりを感じられるようになるか)ということをすり合わせていきます。それはまさしく、本人に対しその業務をやる本人にとっての“WHY”を伝えることにもつながります。また、こうした1on1ミーティングをできるだけ頻度高く定期的に行うことで、そのプロセスを認める・さらなる期待を伝える場にもなります。 
目の前の人の個性に目を向けることが大切 
ここまで、Z世代の特徴や向き合い方についてお伝えしてきました。
最後に改めてお伝えしたいのは、世代観というのはあくまでも特徴・傾向であって、必ずしもすべての人に当てはまるわけではないということです。「〜世代」というカテゴライズが、該当者に対するステレオタイプを植え付けてしまうという意見もあると思います。ただその一方で、異なる世代の理解促進の第一歩として、こうしたカテゴライズがその一助となる面もあります。あくまで本稿の目的は、傾向としてのZ世代の特徴を理解する手助けです。ぜひ職場等での実践の場面では、目の前のその人の個性に目を向けてあげてほしいと思います。
また、組織として各年齢層別で会社・職場にどんなことを感じているのかを知りたい場合は、エンゲージメントサーベイ等のツールを活用することもおすすめです。GPTWでは、従業員の働きがいの度合いを測る組織サーベイを提供しています。年齢別などのスコアも確認することができるので、世代別での組織に対する感じ方の違いを明らかにすることができますので、ご関心があればぜひご活用ください。 
 
 
●Z世代 4 
明確な定義は存在しないが、概ね1990年代中期頃から2010年前後に生まれた世代を指すことが多く、定義によって1995年から2009年、または1998年から2007年、あるいは1990年代後半から2010年など様々である。生まれた時点でインターネットが利用可能であった最初の世代である。 
概要 
名称はジェネーションXから続くものであり、アメリカにおいてその次世代のポストX世代をアルファベットでXに次ぐ世代として「ジェネレーションY」(一般的にミレニアル世代とも呼ばれる)、ジェネレーションYのポスト世代をYの次にあたる「ジェネレーションZ」と称した。
1990年代中期から2010年代初期に生まれた世代であるが、カナダ統計局の場合には1993年生まれ以降を、アメリカ心理学会の場合には1998年生まれ以降を指すなど、定義は厳密に決められているわけではない。
生まれた時点でインターネットが利用可能であったという意味でのデジタルネイティブ世代としては最初の世代となる。デジタル機器やインターネットが生まれた時から当たり前のように存在し、ウェブを日常風景の一部として感じ取り、利用している世代である。
また、パソコンよりもスマートフォンを日常的に使いこなし、生活の一部となっている「スマホ世代 (iGen)」でもある。さらに、「baby boomer」を揶揄する「Boomer」になぞらえ「Zoomers(ズーマーズ)」とも呼ばれる。成長期にWeb 2.0を当たり前のように享受し、情報発信力に長けているため、当該世代からは数多くのインフルエンサーが登場している。
この他、Z世代と同時期に生まれた若者は、C世代(シーせだい)、ジェネレーションC(英: Generation C)、あるいはニュー・サイレント・ジェネレーション(英: the new silent generation)と呼ばれることもある。
Z世代の下の世代をα世代(アルファ世代)と呼び、2010年生まれ以降を指すことがある。
日本では脱ゆとり世代にあたる。若者研究の第一人者として知られる原田曜平によって、スマホ第一世代を「Z世代」と紹介され、徐々にマスメディア、マーケティング業界を中心に呼称が浸透し、2021年には、ユーキャン新語・流行語大賞トップ10に選出された。 
特徴 
ミレニアル世代(Y世代)よりもさらに周囲のIT環境が進展しており、幼少期から“デジタルデバイス(機器)やインターネット、SNSを含むソーシャルメディアの存在を前提とした生活”をしているデジタルネイティブ(ネットネイティブ、あるいはソーシャルネイティブ)世代である。生まれた時からインターネットに接続するための基本的な端末であるパソコンや携帯電話が既に存在しており、インターネットを利用し始めた頃にはADSLやCATVなどブロードバンドによる常時接続環境、SNSを含むWeb 2.0、さらにスマートフォンが普及し、個人の情報発信が身近となっていた。
2020年に始まった新型コロナウイルス (COVID-19) のパンデミックの影響で、義務教育と高等教育の両方で、全社会的に実施された遠隔教育(オンライン授業)を受ける最初の世代となった。
2020年時点で世界人口の約3分の1を占めており 日本では Z世代の約5割が「子どもがほしくない」と回答しており少子化傾向が続くとみられる。
Z世代の多くは、幼少期からリーマンショックやコロナ禍による不況を経験している。そのため、企業に対する期待感が低い傾向にある。企業への期待感がないため、ひとつの企業に対する執着がない傾向がある。そのため他世代と比べ、短期間で離職する傾向があったり、副業への抵抗感が薄いといえる。 
ジェネレーション・レフト 
欧米ではミレニアル世代と合わせてジェネレーション・レフト(左派世代)と呼ばれる経済格差や気候変動、ジェンダー問題、ポリティカル・コレクトネス、ブラック・ライヴズ・マター、ヴィーガンなど左派的活動を行う者が目立つ。旧ソ連型の体制を知らないミレニアムやZの若い世代は社会主義に負のイメージがなく、資本主義体制に失望するほど左派に傾倒。世論調査会社ユーガブの19年の調査によると「社会主義の候補者に投票するか」との問いにZ世代の64%、ミレニアム世代の70%が「投票の可能性が高い」と答えた。16年の大統領選の民主党候補者選びでは民主社会主義者バーニー・サンダース旋風に一役買った。2022年現在の日本では同世代(ミレニアル世代・Z世代)が左派的活動をしていることは少ないが、左派系知識人やマスメディアを中心に「Z世代」という言葉を日本にも広めて欧米のジェネレーションレフトを賞賛し、同じように日本の同世代が「目覚める」ことを期待して日本でのジェネレーションレフトを増やそうとする意図が存在する。 
日本におけるZ世代 
日本においても明確な定義は定まっておらず、概ね1990年代中期頃から2010年前後に生まれた世代を指すが、定義によって1996年から2005年生まれ、1996年から2010年生まれ、1996年から2012年生まれ、1996年から2015年生まれ、1997年から2012年生まれ、1997年以降生まれなど様々である。
祖父母が戦後生まれ(団塊の世代)、両親がバブル景気を知らない(就職氷河期世代)というケースが多い。
Y2Kファッションやルーズソックスなど、親世代の流行をリバイバルさせることもある。 
コロナ世代 (2001年度から2014年度) 
2019年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によって人生の転換期に何らかの影響を受けている子供や若者を『コロナ世代』という場合がある。2001年度から2014年生まれが該当するとされ、一部はZ世代にも該当する。
   ロックダウン世代
教育や就職の機会を失ったことで、その後の労働市場において不利益を受ける可能性がある世代を『ロックダウン世代』と呼称する場合がある。なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の位置づけが第2類であった時期(2020年3月から2023年4月)に新卒で就職活動を行った世代は「コロナ就活世代」とも呼ばれ、大学卒では1998年度から2000年度生まれ、短大・専門学校卒では2000年度から2002年度生まれ、高校卒では2002年度から2004年度生まれが該当する。
2020年3月 - 5月に実施された学校の一斉休校により教育格差が深刻な問題になったとされており、オンライン授業や休校の解除時期の全国不統一により学習進度に差が出ていることも指摘されている。過去に高校1年(15歳)が受けたテスト『OECD生徒の学習到達度調査』(PISA2018)で学力が過去最低だったこともあり、長期に渡る休校により学業への影響のほか、運動不足や食育への影響なども指摘されている。さらに学習機会の喪失により、生涯賃金に影響が出るとの指摘がある。
リクルート進学総研が全国の高校生を対象に意識調査を行い、自分たちの世代の名前を自由に記述してもらったところ、「コロナ世代」とまとめられる回答が10・7%で最も多かった。 
「Z世代」という表現に対する否定的意見 
『デジタルネイティブでジェネレーションレフトである』などといったような、マスメディアにより伝言ゲーム式に伝聞されるステレオタイプのZ世代像が、次第に当事者のリアルから乖離した虚像を創造し、実際のZ世代を戸惑わせることや、矛盾した調査結果をもたらす事がある。これまでに世間のイメージを反証した事例には、以下のようなものがある。
『Z世代はタイパ主義である』…原田曜平による2022年の調査では、Z世代当事者達が新型コロナウイルスにより疎遠となった友人との親睦をじっくりと再構築しようとする例が見られている。
『Z世代はSDGsなど、環境意識が高い』…ニッセイ基礎研究所による20〜74歳の約2500人への調査では、「サステナビリティーを意識して生活している消費者」に該当する27.7%の全世代のうち、最も環境意識が高かったのは50歳代であり、20歳代では2割弱であった。
『Z世代は読書離れしている』…ライターの飯田一史による調査では、小中学生の「1ヶ月の平均読書数」は1990年代後半に過去最低に落ち込み、不読率は過去最高を記録したが、2000年代にはいずれもV次回復へと覆り、2022年の小中学生の平均読書冊数は過去最多を記録している。また、高校生も1960年代よりほぼ横ばいであり、少なくとも『読書離れ』とは言い難い結果であった。
お笑いタレントのカズレーザーは「Z世代」という言葉は年配者が作った言葉であり、Z世代という表現そのものが今時の価値観ではないと提唱している。自分自身をZ世代と称する2000年代生まれの人物より相談があり「老害が多すぎて嫌になる」という相談に対し、「Z世代とかY世代って上の(世代の)人(たち)が勝手に作った枠組みなんですよ……今の価値観にアップデートしたいんだったらこういう言葉は使わないほうがいいですよ、古臭く見られます……絶対“Z世代”なんてダサい言葉使わないでください。昭和だと思われます」と発言し、多くの称賛の声が挙がった。
ライターの竹田ダニエルは著書『世界と私のA to Z』において、大人の求めるZ世代像への違和感を次のように述べている。
『多様な価値観が存在することこそが「Z世代らしさ」であるにもかかわらず、「Z世代を代表する意見」というものを欲しがるのは、あまりにも矛盾しすぎている。私はそもそも「Z世代」というのは生まれた年月で区切られるものではなく、「社会に対して目を向け、常に自分と向き合い、誰もがより良い社会を目指すべきだという“価値観”」で形成される「選択可能」なものなのではないかと考えている。』 
 
 
●Z世代の特徴からみる育成のコツ
社員教育に力は入れてはいるものの、「若手社員に響かない」「なかなか思うように育たない」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
Z世代は、X世代やY世代とは異なる価値観をもつ世代です。Z世代を育てていくには、どのような特徴をもつのかを把握した上で、育成方法を考える必要があります。
今回はZ世代の特徴と育成のポイントをご紹介します。
Z世代の特徴8つ
Z世代とは、1990年代半ばごろ〜2000年代前半ごろに生まれた世代を指す言葉です。生まれたときからインターネット環境が整っている、デジタルネイティブ世代に当たります。
そんなZ世代は、X世代やY世代とは大きく異なる特徴をもっているといわれている世代です。
・ X世代:バブル期に働き盛りだった1965年ごろ〜1980年ごろに生まれた世代
・ Y世代:バブル崩壊や就職氷河期を経験した1980年ごろ〜1990年ごろ生まれの世代
X世代やY世代には効果的だった育成方法が、Z世代には通用しないことが多々あります。Z世代に合った育成方法を考えるためにも、特徴を把握しておきましょう。
特徴1. キャリアに保守的な考えをもつ
長期的な不況が続くなかで成長したZ世代は、保守的で安定志向な傾向にあります。何かに挑戦して失敗するよりも、失敗回避を目指す人が多いのが特徴です。「失敗したくない」「無理のない範囲で働きたい」との理由から、出世を望まない人も増加しています。
また、出世意欲がある人でも、終身雇用に期待しておらず帰属意識が低めです。同じ会社に長く勤めて出世を目指す意識が低い傾向にあり、キャリアアップのためにあっさりと転職することがあります。
特徴2. 認め合い、助け合う関係性を好む
子どものころからインターネットを活用し、世界中の情報に触れているZ世代は、多様な価値観を尊重します。自分自身の価値観も大切にしているため、お互いに認め合い、助け合う関係性を好む傾向にあります。
男女平等の意識も根付いているので、性別によって評価が変わる、理不尽なルールを押しつけられるといった状況も受け入れられにくいでしょう。
特徴3. 価値観が合わない仕事や組織とは距離を置く
上記のとおり、Z世代は自分の価値観を大切にする人が多いのが特徴です。「価値観が合わない」「居心地が悪い」と感じた仕事や組織とは、そっと距離を置きます。
内面が繊細なうえ、SNSでの炎上トラブルなどを多く目にしてきていることから、争いごと・衝突を避ける傾向にあるためです。
組織が合わないと感じると、無理に馴染もう・改善しようとはせず、契約範囲内の最低限の仕事のみこなしながら「静かな退職」を目指します。
特徴4. スペシャリストを目指す志向が強い
X世代やY世代には、出世のために幅広い業務をこなす、ゼネラリストを目指す人が多くいました。しかし、Z世代はさまざまな仕事に手を出すより、専門性を磨きたいという意識が強い人が多いのも特徴です。
長い不況のなか育ってきたZ世代は、もしものときに備え、どこでも通用する人材になるために、資格取得やスキルアップを重視する傾向にあります。
特徴5. 丁寧な指導を求める
Z世代はネットを活用してさまざまな情報を集め、「正しいか正しくないか」を判断する能力が長けています。
そのため、根拠のない指示や公平性を欠く評価を嫌うことが多く、「とにかく会社の指示・命令には従うべき」という考えは通用しません。指示・命令を出すときには目的や根拠を示すなど、丁寧な指導を求める人が多い傾向にあります。
特徴6. 承認欲求が強い
Z世代は子どものころからSNSを活用してきた世代で、自分が属するコミュニティを大切にしているのが特徴です。
そして、「コミュニティのなかで認められたい」「共感してほしい」という欲求が強い人が多くいます。SNSで「いいねを多く集めたい」というような気持ちと同じと考えるとわかりやすいでしょう。
特徴7. コスパ・タイパを求める
あらゆる情報が溢れる環境で育ったZ世代は、安くておいしい飲食店を求める、動画の閲覧は1分未満のショート動画をメインで視聴するなど、自分が使ったお金・時間に対するパフォーマンスの高さを重視します。
仕事においても同様に「無駄」を嫌うため、非効率と感じた作業を倦厭しがちです。最低限の労力で、高いパフォーマンスを発揮することを考えます。
特徴8. エンゲージメントが高い層はキャリアビジョンが明確
Z世代はひとつの会社に固執しておらず、柔軟に働きたいと考える人が多いのが特徴です。副業や複業(複数の仕事を本業として同時進行すること)、転職などによって、スキルアップ・キャリアアップを図る人が多く見られます。
とくにエンゲージメントが高い層は自分のキャリアビジョンが明確で、積極的に人脈や経験を増やす活動を行っています。
Z世代の特徴を活かして育てるポイント
ここまでご紹介したとおり、Z世代は保守的で助け合いができる環境を好む、コスパ・タイパを重視するなどの特徴があります。
Z世代の育成方法を考えるときには、こうした特徴を踏まえたうえで対応方法を考えることが大切です。ここでは、Z世代の特徴を生かして育てるポイントについて解説します。
   目標をもとに自身の「ありたい姿」を設定させる
Z世代は多様な価値観を尊重する柔軟性がありますが、その反面主体性が欠けるともいわれています。上から指示を出すばかりでは主体性が育たないため、自分で考え動く機会を設けることが重要です。
まずは、今後の目標をもとに自分自身の「ありたい姿」を設定させてみましょう。そして、ありたい姿を実現するには何が必要かをたずねるなど、質問をうまく活用して、主体的にキャリアを考える志向を育てていきます。
   目的を伝える
丁寧な指導を求めるZ世代には、指示を出すときに目的を明確に伝えることが重要です。
なぜこの作業が必要なのか、この仕事が何の役に立つのかなど、目的(メリット・効果)をしっかり伝えると、モチベーションが上がりやすくなります。
   一人ひとりにメンターをつける
幼いころからインターネットを活用してきたZ世代は、自分の素をさらけ出すことにリスクを感じています。
悩みや自分なりの意見があっても、なかなか自分からアクションを起こせないため、一人ひとりにメンターをつけ、安心して相談できる状況を作ることも大切です。
また、繊細で自分の価値観を大事にしているZ世代から信用を得られるように、メンターはじっくりと話を聴ける傾聴力を身につける必要があります。傾聴スキル研修を実施するなど、メンターとなる社員のスキルアップを図りましょう。
   継続的に成長できる機会を与える
Z世代はスキルアップに意欲的な人が多く、「この会社では成長できない」と感じるとモチベーションが下がったり、退職してしまったりすることがあります。
今割り振っている業務以外へのチャレンジを認める、学習環境を整えるなど、継続的に成長できる機会を与えていきましょう。
   定期的に振り返りフィードバックする
承認欲求が強く「認められたい」と感じているZ世代は、職場で自分がどう評価されているのか不安を感じています。そのため、小さな成功体験を重ねる機会を与え、自己肯定感を高めることも大切です。
成長や評価が目に見えてわかるように、成長計画を立てて定期的に結果や目標達成率を振り返ると良いでしょう。必要に応じてフィードバックを行い、より成長できるようサポートすることが重要です。
企業におけるフィードバックのポイントについては、以下の記事で解説しています。
まとめ
子どものころからインターネットを活用し、多様な価値観に触れてきたZ世代には、これまでのやり方が通用しません。まずは、Z世代の特徴を把握して、彼らの価値観にあったアプローチを考えることが必要です。 
 
 
●Z世代とは?語源や年齢、特徴 ミレニアル世代との違い 
効果的なマーケティングを行うためには、ターゲットを絞ることが大切です。ターゲットを絞る際の指標としては、性別や居住地などが挙げられますが、特に重要なのは趣味嗜好や価値観、思考・行動パターンなどに大きな影響を与える世代と言っても過言ではありません。
今、マーケティング界隈では「Z世代」が注目を集めています。しかし、Z世代とはどの世代を指しているのか、なぜ「Z」が冠されているのか、どのような特徴を持っているのか、よく知らないという人は多いでしょう。
そこで、本記事ではZ世代の概要や語源や年齢、特徴、ミレニアム世代など他の世代との違い、Z世代に注目すべき理由についてわかりやすく解説したうえで、Z世代に効果的なマーケティング施策を紹介します。
Z世代とは
Z世代は主に1996年から2015年にかけて生まれた世代のことを指します。2022年時点では7歳から26歳にあたります。
Z世代の前がY世代、その前がX世代となっています。それ以前になると英字ではなくベビーブーム世代、伝統主義者世代となります。
Y世代はミレニアル世代と同義で、Z世代と比較されることも多い世代です。
急に英字が使われた理由として、世界的に有名な写真家であるロバート・キャパのフォトエッセイのタイトルの存在が由来となっています。
第二次世界大戦後に成長した若者をテーマにしたフォトエッセイのタイトルに「未知の新しい世代」と名付けたことから、この世代のことを「ジェネレーションX(Generation X)=X世代」と呼ぶようになりました。(Xは未知数、未知の事柄という意味)
これを起点として、その後英字が続くきっかけとなっています。
なお、X世代の次の世代はギリシャ文字の筆頭である「α(アルファ)」を採用し、「ジェネレーションα(α世代)」と名付けられています。
Z世代の特徴とは?Z世代はどのようなことに興味を示すのか
X世代、Y世代、Z世代と移りゆく中で、2022年現在7歳から26歳にあたるZ世代はどのようなことに興味を示すのでしょうか。株式会社マイナビがZ世代に対しておこなった調査結果では以下のような特徴が出ています。
   ・ Z世代は体験を重視する
   ・ Z世代は好きなものへはとことんこだわる
   ・ Z世代はブランドに興味がない
   ・ Z世代は起業に関心が薄い
   ・ Z世代は社会問題やジェンダー問題に対しても意識が高い
   Z世代は体験を重視する
Z世代は「モノ」よりも「コト」に興味を示す傾向があることが知られています。つまりモノを集めることに価値を覚えるのではなく、お金で買えない「体験」に価値を感じます。
実際にマイナビがZ世代に向けて行った調査では、以下のような結果となっています。
   旅行の一番の目的はなんですか
上図はZ世代の旅行に行く目的についてのアンケート結果ですが、まず旅行に興味がないと答えた人がわずか13.8%しかいませんでした。
つまり旅行などの「体験」をすることに対して、価値を感じている傾向が強いことがこれだけで推察できます。
次に、旅行に行く目的として最も多いのが、名所巡りや食事、次いで他人と過ごす時間となっており、この2項だけで全体の4分の3を占める結果となっています。
気分転換やストレス発散、自分探しなど、いわゆるネガティブな理由ではなく、「貴重な体験がしたい」「楽しみたい」というポジティブな理由であることが分かります。
つまりお金やモノに変えられない「体験」が非常に重要と捉えている傾向が強いと言えます。
   Z世代は好きなものへはとことんこだわる
Z世代は自分が好きなものへはとことんこだわり、わりとすんなりお金を払う傾向があります。
先述のマイナビにおけるZ世代への調査では、同じ映画やドラマの話数を2回以上見たり、同じコンサートや舞台などに2回以上足を運んだりする、という調査結果が半数を超えています。
   同じ映画やドラマの話数を2回以上見たり、同じコンサートや舞台に2回以上行ったりしたことがありますか
Z世代はエンターテインメントにお金をつぎ込むことに、それほど抵抗がないことも調査結果として出ており、体験重視型の特徴があらわれていると言えます。
   Z世代は「ブランド品」だからといって消費が動くわけではない
Z世代は高級路線のブランド品にそれほど興味を示さず、どちらかいうとモノに関しては本質を求める傾向が強いことも調査結果で分かっています。
「ブランド品」というだけで憧れを持つ世代ではなく、そのブランドや商品がもっているバックグラウンド、ストーリー、社会へ提供する価値に対して興味を持ち、購買意欲を高める世代です。
その結果を反映させた調査結果が以下となっています。
ひとえにZ世代と言っても、社会人として活躍している大人から年端もいかない子どもまで、その層は幅広いため、具体的な人物像が浮かびにくいものです。
マーケティングのターゲットとしてZ世代を考える際には、現時点で10代後半から20代前半の人物を想定すると良いでしょう。
現時点で10代後半から20代前半の年齢に達しているZ世代に見られる大きな特徴としては、以下の3つが挙げられます。
   将来自分自身で購入したいと思っている憧れのものはありますか
モノに興味をそれほど示さず「エクスペリエンス消費」、いわゆる体験に対してお金を払う傾向が強いZ世代の特徴がここでもあらわれています。
   Z世代は起業に関心が薄い
第一次ベビーブーム世代の仕事にやりがいや生きがいを感じていた世代に比べると、Z世代の仕事に対する士気低下は顕著である調査結果が出ていますが、その傾向はここでも確認できます。
   ご自身で起業したいと思ったことはありますか
Z世代の65.1%が「起業しようと思ったことがない」と回答しています。さらに18.9%の人たちが、一度は起業しようと思ったことはあるが現在その意思はない、と回答しています。
やはりZ世代にとっての仕事とは、やりがいや生きがいを見出したりするものではなく、単に収入を得るための手段として捉えている人が多いことが浮き彫りとなっています。
   Z世代は社会問題やジェンダー問題に対しても意識が高い
Z世代はいわゆる「SDGs=持続可能な開発目標」に対しても、関心や意識は高いと言われています。
ただ関心や意識は高いと言われてはいるものの、経済力が弱く経験もそれほどないZ世代では、結果が出るほどの行動に移すことは難しいとされています。
また関心や意識はあるが、自分にとって何ができるのかを理解できていないZ世代もいます。それが以下の結果となっています。
   SDGsに関して教えてください
SDGsを理解しているが、行動できていない人が30.4%、SDGsを理解しているが、自分に何ができるのかわからない人が15.7%となっています。
合わせて半数近くの人がSDGsというものを理解しているが、行動に移せていない現状が浮き彫りとなっています。
Z世代はデジタルに強い特徴もある
デジタル戦国時代とも呼ばれるIT全盛期に生まれたZ世代は、デジタルネイティブとも呼ばれます。ネイティブとは「もともとその土地にいた人」という意味です。
Windows95の登場、スチルカメラやビデオのデジタル化など、デジタル環境が当たり前に整いつつあった1995年以降に生まれた世代であることから、このように名付けられました。
またそれだけにとどまらず、以下のように呼ばれることもあります。
・ スマホネイティブ
・ SNSネイティブ
   スマホネイティブ
Z世代はスマホネイティブとも呼ばれています。2007年から2008年にかけてiPhoneやAndroidなどのスマートフォンが日本でも発売されました。
当時12歳前後であるZ世代の最初に手にした携帯電話がガラパゴス携帯ではなく、スマートフォンであることが多いのも特徴です。
また2007年から2008年時点で発売されているガラパゴス携帯の中には、非常に多機能で大画面、なおかつタッチパネルを採用したものが多数発売されています。
中には、3インチ以上のフルワイドVGAを搭載した大型高精細ディスプレイの機種もあり、これらは半ばスマートフォンと同じような操作性を持つガラパゴス携帯と言えます。
こういったスマートフォンと操作性が似たような機種の台頭もあり、当時仮に使用していたのがスマートフォンではなく、ガラパゴス携帯だったとしても、スマートフォンの操作は難なくこなせたであろうことは想像に難くないのです。
   SNSネイティブ
スマートフォンの普及により、加速度的に利用が拡大していったのが「SNS」です。Z世代はパソコンでSNSを利用するよりも、スマートフォンでSNSを利用する比率が圧倒的に高く、スマホネイティブと呼ばれると同時に「SNSネイティブ」とも呼ばれています。
   図表:Z世代とミレニアル世代のメディア消費状況
また暇な時間の多くをSNSチェックに費やし、最もチェックしている情報源がSNSとなっています。
   グラフ:普段チェックする情報源
   グラフ:暇な時間で行うこと
上図調査結果のように、まさに四六時中といっていいほどSNSチェックに時間を費やしている現状が浮き彫りとなっています。このようにZ世代にとってSNSは、切っても切れない関係にあり、なくてはならないほど身近に浸透しているのです。
Z世代とX・Y世代(ミレニアム世代)との違い
世代が違っても、近い世代同士は似ている特徴を有していることが少なくありません。しかし、異なる世代として扱われているからには、少なからず異なる特徴を有しているものです。
Z世代と近い世代であるX・Y世代(ミレニアム世代)とを比べると、Z世代の実像がより鮮明に浮かび上がってきます。
以下より、Z世代とX世代との違い、Z世代とY世代との違いをそれぞれ解説します。
   Z世代とX世代との違い
Z世代がデジタルネイティブと呼ばれているのに対し、X世代は、デジタルイミグラントと呼ばれています。
デジタルイミグラントとは、幼少期にはインターネットが普及していなかったものの、青年期にインターネットを利用できるようになった世代を指す言葉です。
X世代は若いうちからインターネットに触れていたために上の世代と比べてデジタル技術を需要する柔軟性を持ち合わせているものの、子ども時代から身に付いているテレビから情報を取り入れるスタイルをベースとして保持している人が少なくありません。
他方、Z世代の間ではテレビから受け身で情報を収集するよりも、インターネットを活用して能動的に情報を手に入れることが主流となっています。
   Z世代とY世代との違い
Y世代はZ世代と同様、デジタルネイティブと呼ばれることがあります。しかし、Y世代はインターネットが普及していない時代も生きているため、Z世代の方が真のデジタルネイティブと言えるでしょう。
早いうちからインターネットに慣れ親しんでいる両世代は、オンラインで買い物をすることに抵抗感を持っていません。ただ、Y世代はオンラインショップで買い物を完結させることが少なくないのに対し、Z世代はオンラインショップと実店舗の両方を活用することが多いと言われています。
また、Z世代とY世代とは、モノ消費よりもコト消費を重視するという点で似通っています。ただし、Z世代はリアルで共感できるサービスに惹かれるのに対し、Y世代は非日常を味わえるサービスに惹かれる傾向があります。
Z世代の仕事に対する価値観
   Z世代がもっとも重要視するウェルビーイング(Well-being)
Z世代が仕事を行っていく上で企業に求めているウェルビーイング(Well-being)。2022年現在、Z世代が企業を決定する上でもっとも重要な概念のひとつとされています。
ウェルビーイング(Well-being)とは、社会的にも満たされており、なおかつ心身も健康である状態を指す概念です。つまり個人的には現状の生活に満足しており、幸福感が得られている状態です。
   Z世代のウェルビーイングの認知度は55.0%
Z世代のウェルビーイング認知度は55.0%でZ世代の半数が言葉自体を聞いたことがあると答えています。
→ あなたは、ウェルビーイング(Well-being)という言葉を知っていますか。
   グラフ:Z世代のウェルビーイング認知度
また世の中の動きや企業の動きとして、そのように進んでいくことに約8割から賛同の声があり、Z世代がウェルビーイングと言う概念を非常に重要視していることが伺えます。
   Z世代の転職先の条件
Z世代における転職先の条件として決め手になるのが「ウェルビーイング経営を行っていること」です。こちらが合計で71.6%にものぼりました。
→ あなたがもし転職を考える場合、会社がウェルビーイング経営を取り入れていれば、転職先の決め手になると思いますか。
   グラフ:Z世代の転職先の条件
このことからZ世代では、給料の高さ以前に仕事のやりやすさ、自分が感じる幸福感の方が重要と捉えていることが伺えます。
   Z世代がウェルビーイング経営の会社に期待すること
Z世代がウェルビーイング経営を採用している会社に望んでいることとして「多様な働き方」が48.6%を占めています。
→ あなたは、ウェルビーイング経営を取り入れている会社に対して期待することを教えてください。
   グラフ:Z世代がウェルビーイング経営の会社に期待すること
多様な働き方とは、自分のやりたいことをやりながら適度に働き、公私共に充実させることを言います。自分の幸福感が重要と捉えているZ世代の働き方に対する考え方が、顕著に現れている結果となっています。
Z世代が職場に求めるものとは
Z世代が職場に求めているものとはどのようなことでしょうか。こちらではZ世代が職場に求めていることについて解説します。
   Z世代が仕事をする理由
内閣府が実施した全国のZ世代リサーチモニター調査を行ったところ、仕事をする目的として8割がた「収入を得るため」との回答が得られています。
しかしながら、いつの時代も収入目的で仕事を行うことは至極当然であり、注目すべきは収入目的以外の理由です。
「生きがいが欲しいため」「自分の能力を発揮するため」など様々な理由がありますが、以下の統計では、1位の「収入を得るため」を除くと、2位以降は1割台まで落ち3位以降はほぼ大差が無いことが分かります。
   グラフ:Z世代が仕事をする理由
第一次ベビーブーム世代が、企業戦士として仕事にやりがいや生きがいを持っていた時代に比べると、Z世代の仕事に対する士気は低下傾向にあると言えます。
   Z世代はプライベートとの両立を求めている
Z世代では、仕事よりもプライベートを優先する意見が圧倒的に多いことも特徴です。
   図表:仕事と家庭・プライベート(私生活)とのバランス
男女ともこの傾向に代わりはなく、プライベートを充実させた上での仕事として位置づけています。
これらの統計からも、仕事にやりがいや生きがいを見出すことより、プライベートを充実させる方が幸せと感じている傾向が強いことが伺えます。
   Z世代は自分のやりたいことができる環境を求めている
働くことがつまらなくてたとえ仕事に生きがいを見出だせなくても、生活するためには仕事を行わざるを得ません。
そこで、少しでも仕事が長く続けられるように、Z世代では仕事の選択基準に「自分のやりたいことができること」を挙げています。
この統計値が突出しており、Z世代リサーチモニターの88.5%が第一条件として挙げています。
   グラフ:仕事を選択する際に重視する視点
仕事に生きがいを見出だせないまでも、どうせやらなければいけない仕事であれば、少しでも楽しんでできる方がよい、と考えていると推察できます。
Z世代の仕事における特徴
Z世代はデジタル環境が市場である程度整い普及し出して以降の世代であり、その特徴や考え方、もののみかたなど、デジタル環境普及以前の世代とは異なります。こちらでは、Z世代における仕事の特徴について解説します。
Z世代は情報リテラシーがもともと高い
Z世代はIT革命が本格化された2000年(平成12年)代に育ちました。
2007年から2008年にはiPhoneやAndroidなどのスマートフォンが発売され、バーチャルリアリティやAI、スーパーコンピューター(スパコン)などのデジタル技術も急速に進展、まさにデジタル戦国時代真っ只中で育った世代と言えます。
そのためもともと情報リテラシーが高く、デジタルを仕事に活用する能力にも長けています。
   Z世代は情報リテラシーがもともと高い
Z世代はIT革命が本格化された2000年(平成12年)代に育ちました。
2007年から2008年にはiPhoneやAndroidなどのスマートフォンが発売され、バーチャルリアリティやAI、スーパーコンピューター(スパコン)などのデジタル技術も急速に進展、まさにデジタル戦国時代真っ只中で育った世代と言えます。
そのためもともと情報リテラシーが高く、デジタルを仕事に活用する能力にも長けています。
   Z世代は要領がいい
デジタル技術やデジタル製品をうまく使いこなすことができるZ世代は、要領がよく効率を重視した生産性の高い仕事が得意です。
デジタルにおける恩恵のひとつに効率化が挙げられます。今まで紙媒体を使用し、労力や時間を要した作業も、デジタルを活用することでそれらを軽減したり、短縮したりすることができます。
このことを肌身で知っているZ世代は、ツールやアプリケーションを活用することにより、作業の簡略化ができることを知っています。これらの媒体を更に自分なりにアレンジでき、業務の効率化までも図れるのがZ世代なのです。
   他人目線が気になるZ世代
Z世代はソーシャルネイティブと言われるほど、SNSの活用が当たり前となっています。そのため他人にどう見られるか、他人にどう思われているか、を人一倍気にする世代でもあります。
人よりもいい写真をアップしてよく見られたい、感動したことや面白いことを共有して自分に興味を抱いてもらいたい、など承認欲求が高いこともZ世代ならではの特徴と言えます。そのためSNS上での評価や批判的な意見に関しては、敏感で保守的になってしまうこともあります。
   Z世代はコミュニケーション上手
公私共にSNSを活用してきているZ世代は、グローバルな仕事や環境においても、そつなくコミュケーションを図ることができます。
SNSを活用することで、世界中の人と触れ合えるようになったZ世代は、人種にとらわれることなく、オープンかつフラットな人間関係の構築が得意なのです。
Z世代に注目すべき理由
アメリカでは、Z世代が総人口の4分の1を占めていることから、多くの企業がZ世代向けのマーケティングに取り組んでいます。
一方、日本の総人口に占めるZ世代の割合は総人口の5分の1以下であり、アメリカと比べると企業にとってのZ世代の重要性は低いと言わざるを得ません。
とはいえ、日本のZ世代を無視することは得策ではありません。なぜなら、近い将来日本においてもZ世代が消費の主役となるうえ、Z世代の後の世代は皆Z世代と同じデジタルネイティブとなるからです。
今からZ世代の特徴を押さえ、Z世代向けのマーケティングを実践することは、企業の持続可能性を高めるうえで欠かせないと言って良いでしょう。
Z世代に効果的なマーケティング施策
Z世代には、従来通りのマーケティングが通じないことが多いです。そのため、Z世代の心をつかみたいのであれば、Z世代に特化したマーケティング施策を打ちましょう。
今、Z世代に効果的とされているマーケティング施策としては、以下の3つが挙げられます。
   シームレスな顧客体験の提供
リアルとオンラインを区別せずに暮らしているZ世代には、リアルとオンラインの間に壁を感じさせないシームレスな顧客体験を提供することが大切です。
具体的な施策としては、以下のようなものが挙げられます。
・ 実店舗でもオンラインショップでも使えるポイントを発行する。
・ 実店舗においてもアプリですべての注文を受ける。
・ 商品のレビューをチェックできるQRコードを商品棚などに設置する。
・ 顧客とのコミュニケーションを重視するショールーム型の店舗、いわゆる「売らない店舗」を展開する。
   等身大でリアルな情報の発信
リアリストであるZ世代は、等身大でリアルな情報に心を惹かれます。そのため、Z世代のインフルエンサーを起用してSNSで情報を発信すれば、多くのZ世代に商品・サービスの魅力を伝えることができるでしょう。
また、インスタライブやYouTube Liveなど、リアルタイムで双方向コミュニケーションを取ることができるライブ配信サービスを活用することもおすすめです。Z世代に親近感をもたらすことができるうえ、Z世代の声を直接聞くことができます。
デジタル環境で育ったZ世代は、偽のPRに囲まれて成長してきました。そのため、加工された情報には飽き飽きしており、真実を追求する傾向があります。また、Z世代は、限られた予算の中で最も価値のある経験を求めています。そのため、彼らのニーズに合わせたサービスや製品の提供が求められます。
   コストパフォーマンスの良さをアピール
Z世代は消費に対して堅実であるため、商品・サービスを選ぶ際には価格以上の価値があるかどうかを吟味します。そのため、Z世代に向けてマーケティングを行う際には、コストパフォーマンスの良さをアピールすることが有効です。
なお、物を持つことに執着しないZ世代の多くは、少額でさまざまな商品・サービスを利用できるサブスクリプションサービスやシェアリングエコノミーに魅力を感じています。Z世代に商品・サービスのコストパフォーマンスの良さを強く印象付けたいと考えるのであれば、商品・サービスの提供方法を見直すことも検討してみると良いでしょう。
   多様性を取り入れたキャンペーン
Z世代は多様性を尊重する文化の中で育ってきました。そのため、多様性を取り入れたキャンペーンは、Z世代からの支持を受けやすいです。Z世代は、偏見を持つ大人の考え方を拒否し、自分たちの多様性を受け入れることを求めています。
Z世代への効果的な採用アプローチ
Z世代をターゲットとする採用では、まず企業の情報を彼らに知ってもらい、それを応募の動機に変えることが求められます。ここで、採用の際のキーポイントを挙げます。
   適切なコミュニケーション手段と疑問の解消
採用プロセスにおいて、適切なコミュニケーションチャネルの選択と疑問の解消が中心的な役割を果たします。Z世代が日常的に使用するツールやプラットフォームを駆使して、情報発信を継続的に行うことが大切です。Z世代は、企業の公式サイトだけでなく、SNSや口コミサイトを通じてリアルな情報を探求します。このため、多くの企業がSNS上でのアカウント運営を始めています。オフィスの日常や社員の様子を写真や動画で共有することで、企業文化や雰囲気を伝えることが可能です。
また、Z世代が重視する働き方の自由度や効率性などの要点を明確に伝えること、そして潜在的な疑問や懸念を解消する情報を提供することも重要です。
   面接を「選定」の場から「相互理解」の場へ
従来の面接は「企業が応募者を評価する」という側面が強かったですが、最近のトレンドとして、それが「双方の理解を深める場」としての側面を強化しています。早期退職のリスクを減少させるため、企業の課題やまだ整備中の制度などをオープンに話す企業も増えてきています。
「自分らしさ」を重視し、「オープンなコミュニケーション」を好むZ世代を引き寄せるためには、カジュアルな面接を通じて双方の情報を共有し、実際の職場環境を具体的にイメージさせるアプローチが効果的です。
まとめ
Z世代は主に1996年から2015年にかけて生まれた世代のことを指します。2022年時点では7歳から26歳にあたります。株式会社マイナビの調査によればZ世代は「体験を重視する」、「好きなものへはとことんこだわる」、「ブランド品というだけでは憧れを持たない」、「起業に関心が薄い」、「社会問題やジェンダー問題に対しても意識が高い」といった特徴があります。
また、仕事に対する価値観として、Z世代が企業を決定する上でもっとも重要な概念のひとつとして「ウェルビーイング」を捉えており、転職先の条件として「ウェルビーイング経営を行っていること」が決め手になるとの調査データがあります。
X世代と比べてインターネットで能動的に情報収集することが多く、Y世代と比べてオンラインショップと実店舗の両方を活用することが多いこと、リアルで共感できるサービスに興味を持つことも特筆に値するでしょう。
Z世代の特徴は後の世代にも受け継がれていく可能性が高いため、Z世代向けのマーケティングを実践することは、企業の持続可能性を高めることにつながることを期待できます。
先を見据えたマーケティングを実施したいと考えている人は、今回紹介したZ世代に効果的なマーケティング施策をぜひ実践してみてください。 
 
 
●ミレニアル世代とZ世代の消費行動の違い 
Q. 最近の若者像を表す言葉で「ミレニアル世代」と「Z世代」という言葉をよく耳にしますが、この両者の消費行動については違いがあるのか、それともないのか教えてください。
A. ミレニアル世代とZ世代は現代社会の若年層を代表する世代で、両世代だけで総人口の3割を超える重要な需要層でもあります。両世代には、デジタルテクノロジーへの親和性・適応力の高さ等、共通した特徴も認められますが、技術的・社会的・経済的背景の違いにより、それぞれ独特の異なる消費行動を示します。両世代に向けたマーケティング施策の展開に際しては、両世代の消費行動の違いを理解した上で、それぞれに合った適切なチャネルとコミュニケーションを選ぶことが求められます。
1.ミレニアル世代とZ世代の特徴と共通点・相違点
「ミレニアル世代」とは、一般的に1981年から1996年の間に生まれた世代を指す言葉で、年齢的には2023年時点で27歳から42歳です。「Y世代」とも呼ばれ、「ベビーブーマー(1946年から1964年生まれ)」や「X世代(1965年から1980年生まれ)」の次の世代で、2023年時点で日本の総人口に対する割合は17%程度とも言われています。
「Z世代」とは、一般的に1997年から2012年の間に生まれた世代を指す言葉で、年齢的には2023年時点で11歳から26歳です。ミレニアル世代(Y世代)の次の世代で、2023年時点で日本の総人口に対する割合は15%程度とも言われています。
以下、ミレニアル世代とZ世代のそれぞれの特徴、及び両世代の共通点・相違点について解説します。
【ミレニアル世代の特徴】
デジタル移行期を経験:インターネットや携帯電話の普及を青春期や成人期に経験。デジタルテクノロジーとソーシャルメディアの活用に慣れているが、デジタルネイティブではない
教育:一般的に教育水準は高く、大学進学率も高い
価値観:社会的・環境的責任を重んじ、企業の倫理性や持続可能性を重視する
経済状況:2008年の経済危機の影響を受けて、就職難や奨学金の返済などの経済的な苦労を経験している
【Z世代の特徴】
デジタルネイティブ:生まれた時からインターネット・スマートフォン・ソーシャルメディアが存在し、ごく自然に使いこなす。AIや最新テクノロジーへの適応が早く、新しいアプリやプラットフォームのトレンドセッターであることが多い
教育:オンライン学習の普及により、学び方が多様化している
価値観:個性や自己表現を重んじ、社会正義や環境問題に敏感。さまざまな文化や性的指向・性自認に対する受容性が高く、多様性を尊重する
経済状況:ミレニアル世代の経済的苦労を学び、金融リテラシーを重視する
【共通点】
デジタルテクノロジーへの親和性・適応力:両世代共にデジタルテクノロジーを日常生活に取り入れ、デジタルコミュニケーションに慣れていて、その進化にも適応している
社会意識の高さ:環境や社会正義に関心を持っている。社会問題に対する意識が高く、企業や組織にもそれを求める傾向がある
多様性の尊重:両世代共に多様性を受け入れ、異文化やアイデンティティを尊重する。より包摂的な社会を目指すという価値観も共通している
グローバルな視野:インターネットによって世界中の情報に容易にアクセスできるため、グローバルな視野を持っている
【相違点】
デジタルテクノロジーへの依存度:ミレニアル世代もデジタルテクノロジーに慣れているが、Z世代ではより深いレベルでのデジタルテクノロジーとの融合が認められる
コミュニケーションスタイル:ミレニアル世代は電子メールやFacebookを多く使用する傾向があるのに対し、Z世代は瞬時のコミュニケーションを好むため、InstagramやTikTokなどのプラットフォームを多く使用する
社会的・経済的背景:ミレニアル世代は2008年の経済危機の影響を直接受けたが、Z世代は気候変動や政治的不安定性などの異なる課題に直面している
働き方:ミレニアル世代はワークライフバランスを重視するが、Z世代はより柔軟な働き方・副業・ギグエコノミーに対して開放的で起業志向が強い
ブランドロイヤルティー:ミレニアル世代はブランドに対する忠誠心が高いが、Z世代はブランドよりも個々の製品や経験により価値を認める傾向がある
2.ミレニアル世代とZ世代の消費行動の違い
ミレニアル世代とZ世代では、技術的・社会的・経済的背景の違い等により、以下のような消費行動の違いが認められます。
【デジタルテクノロジーの活用】
ミレニアル世代:デジタル技術の進化と共に成長したが、社会人になってからスマートフォンやソーシャルメディアが普及し始めたため、デジタルと非デジタル両方の消費行動が認められ、伝統的なメディアとのバランスもとれている
Z世代:生まれたときからインターネット・スマートフォン・ソーシャルメディアが存在していたため、デジタルに精通。情報を瞬時にキャッチアップし、オンラインショッピングやモバイル決済が主流。ミレニアル世代よりもさらにデジタルテクノロジーに依存したライフスタイルを持ち、デジタル中心の消費行動が認められる
【ソーシャルメディアとのかかわり】
ミレニアル世代:FacebookやTwitterなどのプラットフォームの利用が認められるが、消費行動において、Z世代ほどはソーシャルメディアの影響を強く受けない
Z世代はTikTokやInstagramなどの視覚的でインタラクティブなプラットフォームを好み、消費行動においても、これらのメディアの影響を強く受ける
【購買決定要因】
ミレニアル世代:価値と品質を重視。購入前に商品やサービスについてじっくり調べた上で購買を決めるが、友人・家族の推薦やオンラインレビューの影響も受ける
Z世代:即時性と利便性を重視。リアルタイムのトレンドやバイラルなコンテンツに敏感で、即座に反応。インフルエンサーや有名人の意見が購買決定に大きな影響を与える
【消費傾向】
ミレニアル世代:オンラインショッピングを好むが、実店舗も利用。旅行・食事・エンターテインメント等のコト消費にも積極的。環境意識が高く、サステナブルな製品やサービスに対しての消費を厭わない。2008年の金融危機の影響を受けて就職やキャリア構築に苦労した世代のため、価格に敏感で、コストパフォーマンスを重視する傾向がある
Z世代:オンラインショッピング中心で、主にモバイルを通じて購入。モバイルペイメント・仮想通貨など多様な支払いオプションを求める。インフルエンサーやソーシャルメディアのトレンドに強く影響される。経済的な不確実性の中で成長しており、価格に敏感である一方、品質やブランドのストーリー性も重視する。ミレニアル世代に比べて、より個性的な製品やサービスを好む傾向がある
【ブランドロイヤルティー】
ミレニアル世代:ブランドに対する忠誠心が比較的高く、ロイヤルティプログラムやブランドとの長期的な関係を重視する
Z世代:速やかな変化と新しいものを求める傾向が強いため、ブランドに対する忠誠心は比較的低い。個性や個人の価値観を尊重するため、ブランドよりも体験やストーリーを重視する
【マーケティングへの反応】
ミレニアル世代:オーセンティックなコンテンツに価値を見出し、友人の推薦やレビューを重視。メールやテキストメッセージを含むデジタルマーケティングに反応するが、過度な広告には抵抗感を持つ。情報が透明で信頼できるかを重視する
Z世代:短い動画やインタラクティブなコンテンツに引き付けられる。インフルエンサーやピアレビューを通じたインタラクティブでパーソナライズされた広告に反応しやすく、ソーシャルメディア上でのエンゲージメントを重視する
3.マーケティング施策を展開する際の留意点
ミレニアル世代とZ世代は、それぞれ独特の異なる消費行動を示します。両世代へのマーケティング施策の展開に際しては、共通点である「デジタルテクノロジーへの親和性・適応力の高さ」という特徴を踏まえることが必須ですが、ここまでに解説した両世代それぞれの特徴と消費行動の違いを理解した上で、それぞれに合った適切なチャネルとコミュニケーションを選ぶことが求められることに留意してください。 
 
 
 
 
 

 


2024/3