総選挙 2021

どんな時代が 待っているのでしょう
総選挙 党首の第一声を聞く


 


党首の第一声 / 自由民主党立憲民主党公明党共産党日本維新の会国民民主党れいわ新選組社民党NHK党・・・
報道 / 10/1810/19 公示10/2010/2110/2210/2310/2410/2510/2610/2710/2810/2910/3010/31 投開票11/111/2-・・・
報道 / 東京江東区自由民主党立憲民主党公明党共産党日本維新の会国民民主党れいわ新選組社民党NHK党・・・
 
 
 

 

総務省では、けさ8時半から各党が比例代表の名簿を届け出ました。今回の衆院選は2017年の10月以来4年ぶりで、小選挙区289と比例代表176のあわせて465の議席を争い立候補者は1000人を超える見通しです。引き続き政権の維持を目指す与党側に対し、野党側は7割を超える小選挙区で統一候補を立て政権選択の選挙であることを有権者に訴える狙いです。また、さきほど紹介した9党以外に、比例代表では、日本第一党、新党やまと、政権交代によるコロナ対策強化新党、支持政党なし、が一部のブロックで届け出ています。新型コロナ対策や経済対策などが大きな争点となる見込みで、今月31日の投開票まで激しい選挙戦が繰り広げられることになります。  
 

 

●自由民主党
皆さん一人一人が皆さんの未来を、そして日本のあすを選び取る大変重要な選挙だ。まずはコロナ対応で予防と検査、そして治療の一貫の流れが出来上がることは、私たちの生活にできるだけ平時に近い社会経済活動を取り戻すうえで大変大きいことだ。ぜひ、日本の経済をしっかりとまず大きくし、成長の果実を皆さん一人一人の所得や給与という形で分配をしていく。そして皆さんに思い切ってお金を使ってもらうということになると次の成長につながっていく。こうした成長と分配の好循環を日本において実現することによって、私たちは新しい日本の未来を切り開いていくことができるのではないか 。

首相は新型コロナウイルス患者用の経口治療薬について「開発を年内に進めて普及させる」と訴え、コロナ対応に万全を期す姿勢を示した。福島を第一声の地に選んだ首相は震災からの「復興」にも言及し、国民からの要望や相談などを書き留めた「岸田ノート」に触れて演説を締めた。

分配をしていく、そして皆さんに思い切ってお金を使ってもらうということになると、これがまた次の成長に繋がっていく。こうした成長と分配の好循環。私たちは新しい日本、未来を切り開いていくことができるのではないか。

新型コロナウイルス感染症によって私たちの国は大きな転換を迫られている。これからどうするかを選ぶ選挙だ。先日は東日本大震災の被災地を回った。「東日本の復興なくして日本の再生なし」。この言葉をこれからも心に刻んでがんばりたい。まずはコロナ対応。病床を用意し、最悪の事態にも備えながら、ワクチン接種、検査体制の充実、治療薬の開発を進めなければならない。仕事を支えるための持続化給付金並みの支給、雇用調整助成金、困っている方々に対する給付なども用意する。経済の成長は大事だが、成長の果実を分配する。みなさんの所得を引き上げる経済対策を進めたい。思い切ってお金を使ってもらうと、次の成長につながる。「成長と分配の好循環」を実現する。国家安全保障戦略も厳しい状況に合わせなければいけない。この選挙は未来選択選挙だ。信頼と共感の政治を進めたい。ここに一冊のノートがある。私が長年、国民の声を書きとどめてきたノートだ。このノートは国民のみなさんとの約束の証しだ。みなさんとともに新しい時代を切りひらきたい。(福島市)
 

 

●立憲民主党
選挙の争点の1つは新型コロナ対策だ。この2年近くいたんできた経済。店を再開できると言っても仕入れのための金もない。こうした皆さんにしっかりと補償することが今こそ重要だ。また、アベノミクスと称する経済政策で一部の大きな企業などは大きく潤ったが、日本の経済は成長していない。所得を再分配して『一億総中流社会』を取り戻し、老後や子育て、それに教育や雇用の不安を小さくしていくことこそが何よりもの経済対策だ。まっとうな政治を取り戻そう 。

徹底した水際対策やPCR検査で「感染者を抑え込む」と主張し、感染症対応の「司令塔」機能の強化にも言及した。経済対策では所得の再分配を打ち出し、「『アベノミクスで経済は良くなった』。間違ったことを言う人がいる」と「安倍政権」批判も忘れなかった。

日本全体が実は成長しなくなってしまっている。私たちには、その原因・本質にしっかりとメスを入れて日本を元気にする具体的なプランがあります。まさに分配なくして成長なしです 。

10年ぶりに国民のみなさんに選んでいただける政権選択の選挙が今日からスタートする。この選挙の一つの争点は、コロナ対策だ。水際対策を徹底しよう。PCR検査を増やそう。お願いだけでなく、補償はセットだ。後手後手にまわり続けてきた司令塔をしっかりする。首相と官房長官を中心とした強い司令塔をつくる。アベノミクスの9年間で暮らしは良くなったか。株価だけは上がったが、日本の経済は成長していない。「分配なくして成長なし」だ。安倍晋三・元首相が、「悪夢」と呼んでいた3年3カ月の民主党政権よりも、安倍政権になってからの方が実質経済成長率は低い。物価は上がるのに、それに見合っただけ賃金が上がっていない。明日の仕事があるかどうかわからない非正規で働く人を増やしてしまった。所得を再分配して「1億総中流社会」を取り戻す。老後や子育て、教育、雇用の不安を小さくしていくことが何よりもの経済対策だ。当たり前を当たり前にしよう。まっとうな政治を取り戻そう。時代遅れになった政治を変えよう。(松江市)
 

 

●公明党
日本再生へ新たな挑戦を掲げて戦っていく。日本の将来を担う子どもたち、若い皆さんを応援するために公明党は『未来応援給付』を提案している。0歳から18歳、高校3年生の年代まで1人一律10万円相当の給付を行う。国会議員と地方議員がネットワークを結んで皆さんと対話をして、きめ細かに政策に練り上げて実行していく。連立政権に公明党がいることが大切だ 。

比例選では800万票の獲得を目標としており、「比例区は公明党と書いて」と呼びかけた。同党が幼児教育・保育の「無償化」を長年訴え、実現に結びつけたとアピールし、「小さな声を『聞く力』のある公明党が『連立政権』にいなければならない」と存在意義を訴えた。

これからの政策目標をはっきりと掲げて、これまでの政策実現の実行力をもとに、これを実現していく。この政権選択は公明党のいる自公連立政権しかありません。

公明党は9小選挙区全員当選と、比例区800万票の獲得を目指す。コロナの感染者が大きく減少してきた。コロナを克服し、次の日本を切り開いていく選挙となる。公明党は「日本再生へ、新たな挑戦」を掲げて戦う。昨年、1人10万円の特別定額給付金を実行した。大胆な政策変更を行うことができた。その道をひらいたのはみなさんの声を聞く、公明党のネットワークの力だ。野党はいろいろな主張があるが、選択すべき政権の姿がはっきりしない。政策の目標も不明確であり、連立の姿が見えない。野党に政権を委ねるわけにはいかない。昨年、いろいろな給付金、支援金の措置がとられたが、書類の申請でスピードが遅い。デジタル化を進める基礎となるのは、マイナンバーカード。大幅に普及させ、消費を盛り上げるために、マイナンバーカードに1人3万円のポイントをつけたい。日本の将来を担う子どもたちを応援するために、公明党は「未来応援給付」を提案している。0歳から高校3年生の世代まで1人一律10万円相当の給付を行う。何としても実行したい。(川崎市)
 

 

●共産党
格差と貧困をひどくし『国政私物化疑惑』にまみれ『コロナ失政』で多くの犠牲を出した『安倍・菅政権』を引き継ぐ岸田政権に、この国の政治を任せるわけにはいかない。今こそみんなで力を合わせて政権交代を実現し、国民の声が生きる新しい政権をつくろう 。

「岸田政権にこの国の政治を任せるわけにはいかない」といった文脈で多用し、「核兵器禁止条約」の署名・批准も訴え、政権との対決姿勢を際立たせた。立民などとの「野党共闘」もキーワードに挙がった。

自民党と公明党の政権を続けるのか。今こそ、みんなで力を合わせて政権交代を実現し国民の声が生きる新しい政権、作ろうではありませんか。

今度の総選挙は国民の声を聞かない自民党と公明党の政権を続けるのか、野党共闘の力で国民の声が生きる新しい政権をつくるのか、政権選択の歴史的な選挙だ。格差と貧困をひどくし、国政私物化疑惑にまみれ、コロナ失政で多くの犠牲を出した安倍・菅政権を引き継ぐ岸田政権に、この国の政治を任せるわけにはいかない。四つのチェンジで新しい日本をつくろう。弱肉強食の新自由主義は終わりにして命と暮らしを何よりも大切にする政治へ、気候危機を打開し地球の未来を守る政治へ、ジェンダー平等の日本へ、憲法9条を生かした平和外交へのチェンジだ。政権交代には本気の野党共闘が必要だ。共通政策、政権協力、選挙協力。この3点セットがそろって、本気の共闘の態勢がつくられた。野党がここまで本気の共闘の態勢をつくって総選挙を戦うのは、戦後の日本の政治史でも初めてだ。自公政治に代わる新しい政治の姿は野党が示している。あなたの一票で政治は変えられる。あなたの一票で政権は代えられる。野党連合政権を力を合わせてつくろう。(東京都新宿区)
 

 

●日本維新の会
分配しようと思えば、まず一番最初に改革をやる。分配するための原資、お金をどうするか。まず、今までの税金の使い方でおかしいむだなところにぐっとメスを入れていく。納税者からみて全く納得できない税金の使い方を見直して、そこで財源を確保する。これしか分配をするための手段はありません 。

維新創設者の橋下徹・元大阪市長と連携し、「10年間」にわたって「大阪」の「改革」に取り組んだ実績を紹介。コロナ対策で陣頭指揮を執る党副代表の吉村洋文大阪府知事にもたびたび触れ、「大阪でできたことを全国に広げていく」と力を込めた。

結局、政治は結果なんです。政治家として皆様方に公約を掲げた。そのことをしっかりと進めているかどうか、実行しているかどうかが、政治家としては一番重要なポイントです。

維新がやっていることはそこそこ評価できるよね、ということでご支援いただいた。(維新副代表で大阪府知事の)吉村(洋文)さんは大阪独自のコロナ対策をどんどん打ち出し、圧倒的なリーダーシップを発揮している。選挙で一番重要なのは約束を守ってきたかどうか。維新は80%くらいは約束を守って、実行してきた。政治は結果。公約をしっかりと進めているか、実行しているかが一番重要なポイントだ。大阪では約束を守って行政を動かしているが、まだ関東ではそういう実績がないから支持されない。大阪でできたことを全国に広げていけば、日本が成長するのは間違いない。分配の原資は税金。経費を抑えることで、他に使えるお金が増える。維新は私立高校の授業料無償化や給食費無償化を実行した。分配しようと思えば、まず改革。これしか分配の手段はない。大阪の改革を広げられる力を与えてほしい。改革で負担が増える方にも納得いただかなければならない。まずは政治家の優遇、厚遇にメスを入れないと大改革はできない。(大阪市)
 

 

●国民民主党
この間、傷ついた2つの大切なものを取り戻す選挙だ。1つはコロナで傷ついた経済や暮らし、社会を立て直すこと。2つ目にわれわれが回復しなければならないのは政治に対する信頼だ。うそや偽りのない正直な政治を取り戻そうではないか 。

コロナで傷ついた経済、暮らし、社会を『立て直す』選挙」と位置づけた。「実質賃金」が下がり続けていると指摘し、「これまでの経済政策が間違っていたからだ。古い政治を変えていこう」と政策転換を主張した。

コロナで傷ついた経済を回復させ、何より苦しい中、懸命に生きる、そんな人達の生活を守る政治を取り戻そうではありませんか。

傷ついた二つの大切なものを取り戻す。一つは、コロナで傷ついた経済や暮らし、社会を立て直すこと。これに最優先で取り組まなければならない。真面目に働けば給料が上がる経済を取り戻す。みんな家族のため、子どものために、一生懸命働いてきた。でも実質賃金が下がり続けているのは、ひとえに経済政策が間違っていたからだ。積極財政に転換し、給料が上がる経済を実現する。日本は天然資源のない国で、一番大切な資源は「人材」だ。「人づくりこそ国づくり」。教育・科学技術の予算を倍増させる。人を大切にする社会、人を育てる資本主義を提示していきたい。二つ目に回復しなければならないのは、政治に対する信頼だ。ウソやごまかしが横行する政治をいくら続けても、国民の暮らしは良くならない。与党にウソやごまかしをやめてもらう。一方、野党も批判や反対ばかりではなく、具体的に国民生活を良くできる知恵を絞り合う。建設的な国会を取り戻そう。そろそろ、しっかりと感染を抑え込みながら、停滞した経済、社会を前に動かそう。動け、日本。(長崎市)
 

 

●れいわ新選組
コロナが来る前から、この国はすでに地盤沈下した経済の中、多くの人々が苦しんでいる。積極的財政を推し進めたいと考えており、その中の1つとして消費税は廃止だ。

25年の不況の中にコロナがやってきたということを鑑みた政策が打たれなければ、社会は壊れてしまいます。徹底した国の積極的財政、これを推し進めたいと考えています。その中のひとつ、消費税は廃止です。

企業はあなたの賃金を下げ、利益を株主に献上し続けた。あなたが使えるお金が減れば、社会に回るお金が減る。(経済の)循環を弱らせてきたのが自民党政権だ。非正規労働者は4割を超えた。法人税を減税するために消費税が増税された。消費税をやめれば中小企業が力を取り戻す。あなた自身の使えるお金も増える。(自民政権が)消費税を上げなければいけない理由は組織票と企業献金へのご恩返しだ。社会を変えるチャンスが選挙だ。力を合わせたい。(東京都新宿区)
 

 

●社民党
自民党のコロナ対策はあまりに後手後手、あまりにケチケチ、あまりにとんちんかんではないでしょうか。社民党は生存のための政権交代を訴えていく。

自民党のコロナ対策、あまりに後手後手、あまりにケチケチ、あまりに支離滅裂、あまりにトンチンカンではないでしょうか。なぜか、人の命を守ることが政治なんだという意識なくして政治をやっているからではないでしょうか。

自民党政治は大企業や富裕層を優遇し、貧困と格差が拡大した。岸田首相は「分配」と言うが、まったく見えない。新自由主義に弊害があるならば転換し、社会民主主義的政策を実現すべきではないか。平和の声を発信したいと思って広島に来た。核兵器禁止、核廃絶を願う。多様性のある社会にし、差別をなくしたい。ジェンダー平等、選択的夫婦別姓、LGBT平等法を成立させる。自民党政治では絶対にやれない。野党共闘、社民党に力を貸してほしい。(広島市)
 

 

●NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で (NHK党)
NHK受信料は税金ではなく公共料金で、制度をもっと公平にするにはスクランブル放送を実現するしかない。変えるには政治の力が必要だ。

衆議院選挙に勝って、NHKをぶっ壊す!NHKがスクランブル放送をするという、その日まで我々は戦っていきたいと思っています。

我々が掲げてきた公約は、物理的にNHKをぶっ壊していくことではない。NHKの受信料制度、今の営業方式をぶっ壊していくという意味だ。(受信料を払った人だけがNHKを視聴できるようにする)スクランブル放送という、全ての人が納得できる制度がある。あと一押しの状況になっていると確信している。我々が今回の選挙で少なくとも3議席、できれば4議席を取れれば、自民党と閣外協力できるように岸田首相にも直談判している。(東京都渋谷区) 
 
 
 

 

 
 
 
 報道

 

●各党「バラマキ政策」徹底比較 10/18
19日公示の衆院選では、各党は公約で「分配政策」の一環として現金給付を打ち出している。矢野康治財務事務次官は月刊誌への寄稿で「バラマキ合戦」だと猛批判するが、人々の生活を支えて需要を喚起し、経済を上向かせるようなバラマキなら歓迎されるはずだ。財務省に忖度(そんたく)せず、効果的な給付策を打ち出している党はあるのか、専門家に聞いた。
自民党の岸田文雄首相は8日、給付策を含む追加経済対策の策定を指示し、数十兆円規模の対策を念頭に置くとした。
公明党は18歳以下を対象とした「未来応援給付」や出産育児一時金の増額など育児支援のほか、1人3万円相当のマイナポイントも盛り込んでいる。
立憲民主党は、格差是正を目指した給付策のほか、年収1000万円程度まで時限的に所得税を実質免除するとした。
大半の野党は10万〜20万円の幅で生活困窮者への現金給付を打ち出すなか、差別化に乗り出す野党もある。
日本維新の会は「積極財政」「構造改革」「規制改革」を同時並行で実施するとしながら、生活に必要な最低限の金額を一律に給付するベーシックインカム(最低所得保障)の導入を検討。政策集では月6万〜10万円の給付を想定している。
国民民主党は50兆円規模の緊急経済対策の必要性を説き、最大20万円の給付を実施する。
れいわ新選組は「コロナ脱却給付金」として毎月20万円の現金給付を主張。「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の立花孝志党首もテレビ番組で「1人目の子供出産で1000万円を給付する」と表明した。
消費税については、立民、維新、国民が時限的に、共産は期限を明示せず5%に引き下げるとし、れいわと社民はゼロにするとしている。
第一生命経済研究所の永濱利廣首席エコノミストは「各党が分配政策を打ち出しているのは、アベノミクスで格差が広がったという誤った前提も背景にあるのだろう」と分析する。
そのうえで「コロナ禍では生活保障の一環として給付金が実施されてきたが、家計の金融資産は2000兆円に迫るなど貯蓄が積み上がっており、給付中心の政策は筋がよくない。マイナポイントの活用や期限付きの消費減税などの需要刺激策が理にかなっている」と指摘する。
上武大の田中秀臣教授(日本経済論、経済思想史)は「現金給付を掲げる党も、限られた層に10万円程度では大胆さに欠け、五十歩百歩だ。自民や国民、維新、れいわ以外は金融政策の視点がない」としてバラマキが足りないと評する。
大胆な給付を打ち出している党についても「維新は構造改革とセットでは緊急時の対応ができない。れいわは額こそ多いが将来的に継続できるか現実味がない」という。
田中氏は「『財務省忖度派』と『無責任派』の戦いの構図だ。自民なども給付金の額を上げたり支給範囲を広げたりしなければ差別化は難しいのではないか」と語った。
各党はさまざまな現金給付策を打ち出している
 自民党 非正規雇用者や子育て世帯への経済的支援 
 公明党 0歳から高校3年まで一律10万円給付 
 立憲民主党 低所得者への年額12万円の現金給付 
 共産党 中間層も含めた1人10万円の給付金 
 日本維新の会 ベーシックインカム(最低所得保障)導入 
 国民民主党 一律10万円給付、低所得者は10万円上乗せ 
 社民党 生活困窮者への1人10万円の特別給付金 
 NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で 1人目の子供に1000万円を給付 
 れいわ新選組 1人毎月20万円の給付金 

●組織フル回転の最激戦・福岡2区 つかめぬ都心の「風」はどこへ吹く 10/18
約4年ぶりとなる衆院選が19日公示される。九州最激戦区として注目を集める福岡2区では、与野党の前職が4度目の直接対決に臨む。無党派層が多く、3年で有権者の3〜4割が入れ替わるともいわれる都市型選挙区。両陣営はつかめぬ「風」に神経をとがらせながら、支持拡大に奔走している。
「コロナ対策を前進させるため福岡2区の議席を与えていただきたい」
17日午後。立憲民主前職の稲富修二氏(51)が福岡市・天神で声を張り上げた。市内の立民候補が集まった街頭演説会。枝野幸男代表や最大の支援組織、連合福岡の会長も駆け付けた。
稲富氏は2012年、14年、17年と、総選挙で自民前職の鬼木誠氏(49)に3連敗中。徐々に票差を縮め前回は比例復活したが、「小選挙区4連敗は許されない」(陣営関係者)と不退転の決意で挑む。
稲富氏は、地域をくまなく回る「どぶ板」を徹底。自民支持の企業団体への切り崩しも図り、「風」に左右されない地力の醸成に努めてきた。
前回選挙は約8千票差で涙をのんだ。今回は、前回1万7千票余りの得票だった共産党が擁立を見送った分、稲富氏が有利と見る向きもあるが、各党などによるここ数回の情勢調査では鬼木氏と一進一退。幅広い支持を得るため「立民色」を薄めることにも腐心してきたが、この日は枝野氏とグータッチも交わした。「党や支援団体を挙げた総力戦だ」(陣営関係者)
一方の鬼木氏は17日夕、天神で開かれた新たな支援組織の集会に出席。防衛副大臣就任が紹介されると、会場を埋めた約200人から大きな拍手が起こった。
支援組織は、九州電力の松尾新吾特別顧問と日本医師会の横倉義武名誉会長が共同代表を務める。「情勢の厳しさから急きょ立ち上げた」(関係者)という。
鬼木氏は4月、各種の後援会を束ねる後援会連合会を初めて発足させた。会長には九電グループの社長が就任。支持基盤の拡大を急いでおり、ある九電社員は「社内外から鬼木氏支援をお願いされる」と明かす。
投開票日まで残り2週間だが、「風向きは全然読めない」(自民県議)。鬼木氏はこの日の集会で声を詰まらせて頭を下げた。「国会に戻って防衛副大臣を全うさせてください」
日本維新の会新人の新開崇司氏(50)は特定の支援組織に頼らない「しがらみのない政治」を掲げる。17日の街頭演説では「若い人が安心して結婚、出産し、挑戦できる新しい日本をつくる」と訴えた。
 

 

●第一声、コロナ・経済に重点=首相「実績」、枝野氏「転換」 10/19
19日の衆院選公示を受けた与野党党首による第一声を分析すると、岸田文雄首相(自民党総裁)や立憲民主党の枝野幸男代表らが新型コロナウイルス感染対策や経済再生に多くの時間を割いた。首相は自公連立政権の「実績」を強調し、枝野氏は「転換」を訴えたのが特徴だ。
首相は約18分の演説時間の3分の1がコロナ対策や経済政策。ワクチン接種率が米国を追い越したことなどを成果としてアピール。社会・経済活動の再開にも資すると指摘し、「経済を大きくして成長の果実を分配する。皆さんの所得を引き上げる」と表明した。
自民党は東日本大震災翌年の2012年衆院選以降、総裁第一声は福島で上げてきた。首相もこれに倣ったが、演説で復興に言及したのは約1分だった。
公明党の山口那津男代表は約16分のうち9分を経済対策などに使い、18歳以下を対象とする10万円相当の現金給付など公約の実現を訴えた。
枝野氏も約16分のうち9分をコロナ・経済対策に充てた。政権のコロナ対策を批判し、「アベノミクスで一部の大企業は大きく潤ったが、日本経済は成長していない」と安倍政権から続く経済政策の転換を主張。「所得を再分配して1億総中流社会を取り戻す」と意気込んだ。
農業政策にも3分を費やし、戸別所得補償制度の復活に触れた。農林水産業関係が自民党の票田であることを意識したとみられる。
選挙の構図が「自公」対「立民や共産党を中心とする野党陣営」の対決となっていることを踏まえ、双方への批判も聞かれた。
山口氏は立・共の選挙区調整に関し、「政権の姿がはっきりしない。任せるわけにいかない」と強調した。
これに対し、共産党の志位和夫委員長はコロナ・経済対策と政権批判に同程度の時間を割き、「『国政私物化疑惑』にまみれ、『コロナ失政』で多くの犠牲を出した安倍・菅政権を引き継ぐ岸田政権に政治を任せられない」と力を込めた。
与党とも立・共とも距離を取る日本維新の会の松井一郎代表は、大阪での行財政改革の成果を誇り、看板の「身を切る改革」を説くのに大半の時間を充てた。「提案路線」を取る国民民主党の玉木雄一郎代表は「積極財政への転換」を訴えることに力点を置いた。
れいわ新選組の山本太郎代表は「消費税廃止」など独自政策をアピール。社民党の福島瑞穂党首は「大企業優遇政策」からの転換を重点的に主張した。「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の立花孝志党首はNHK改革に関する持論を展開した。 

●「信用ならない政治はいらない」衆院選、党首の第一声に有権者が思うこと 10/19
19日、第49回衆院選が公示され、党首たちは各地でマイクを握りしめた。立ち止まり耳を傾けた有権者は何を感じ、何を政治に求めるのか―。4人の記者が尋ねた。
「ほんとに最低賃金1500円に上がるのかなぁ。そうなるとうれしいですけど」(19歳・女性)
この女性は奈良県から旅行で訪れ、友人との待ち合わせの間、スマートフォンを触りながら、聞くともなしに演説を聞いた。「最低賃金を1500円に引き上げる」との共産の公約が、印象に残ったようだ。政治に抱く疑問はないんですか? 質問してみると、「東京五輪はやらなくてもよかったかなぁ…」。選挙権を得て2年目。「投票には必ず行きますよ」と話した。
「まだ難しいと言う人もいるけど、今回の選挙で政権交代できると信じてます」(66歳・男性)
この男性は、「働く人の使い捨てをやめさせる」などと主張する志位氏に拍手を送っていた。安倍晋三、菅義偉両政権の新型コロナウイルス対応を疑問視している。「第5波」では病床が逼ひっ迫ぱくし、自宅療養中に亡くなる人が相次ぎ、自分も命を失うかもしれないと思ったという。野党共闘に期待し、「もう政権交代しかない」と力を込めた。
「新型コロナの終息に全力を尽くしてほしいんです」(60歳・女性)
公明党の熱心な支持者というこの女性。夫が介護関連の仕事に就いていることもあり、ウイルスの感染拡大抑止に高い関心を抱いている。連立を組む自民党の総裁選では、大臣としてワクチン接種進展の特命を担った河野太郎氏が勝利することを期待していた。岸田文雄首相のコロナ対策は、肝心な部分が曖昧に見えてしまう。「国民の疑問に明確に答えられるリーダーが日本には必要だと思います」
「コロナのことがあって、政治には何も期待できなくなった。信念を持って政治を変える人が出てきてほしいです」(37歳・女性)
この女性は、2歳になる長男と一緒に偶然、通り掛かった。子どもの将来を考えると、教育費など心配は尽きない。次世代のためには「地球規模の温暖化とか、環境問題も気にかかります」。では、政治は−。感染状況が悪化する中で「Go To キャンペーン」を推進したり、今夏には緊急事態宣言下で東京五輪を開催したり。どうしても「ちぐはぐな対応に映ってしまう」と漏らす。
「これから観光の復興に力を入れていく。そういう決意と受け止めました」(45歳・男性)
地元観光協会のメンバーであるこの男性は、東日本大震災の被災地を最初のメッセージを発する場所として選んだ首相に、率直に期待を寄せた。首相は、16日には岩手、宮城両県を訪問し、17日にも福島県の東京電力福島第1原発を視察したばかり。実は、昨秋にも土湯温泉を訪れ、この男性が案内役を務めたことがあった。「岸田さんが来てくれたことで土湯温泉の情報が発信されて、励みになります」
「最近はだいぶ歯切れが悪いですね…」(53歳・男性)
この男性は温泉地の旅館従業員として働いているが、首相の言葉に逆の印象を抱いていた。党総裁選に立候補した当初と比べて、どうしてもトーンダウンしているように感じてしまう。「Go To キャンペーン」をはじめ、コロナ禍で疲弊した観光地を救う社会経済対策を切望するものの、「経済対策が急に後ろ向きにならないか」との不安を拭えない。
「うそをつかない、正直な政治を進めてほしいんです。信用ならない政治はいらない」(37歳・男性)
そこそこの大企業に勤めており、支持政党はないこの男性。安倍・菅両政権で、森友学園問題や「桜を見る会」問題などが相次ぎ、十分に説明責任が果たされなかったと憤る。「普通の会社で、トップが黙ってごまかすなんてあり得ないでしょう」。選挙期間中、候補者の演説に出くわせば足を止めて聞き入るつもり。投票基準を問うてみると、「正しいことをする政治家は誰か」と答えた。
「自分が心配すると思って母は何も言わないけど、きっと生活は苦しいはずなんです」(19歳・男性)
大学受験に浪人中のこの男性が注目するのが、多くの政党が選挙公約に掲げる「現金給付」だ。母はシングルマザーで、男性には中学3年の弟もいる。「来年は兄弟でダブル受験。お金がかかるんです」。安倍政権が昨年、全国民を対象に実施した一律10万円給付は、家計の大きな助けになった。有権者となって、初めて迎える衆院選。特に、教育政策に耳を澄ませたいと思っている。

●衆院選・各党公約比較 10/19
自民党
〔新型コロナウイルス対策〕常に最悪を想定した危機管理を原則に、科学的知見に基づいた納得感ある説明に努める▽希望者全員へのワクチン接種を11月の早い時期に完了し、3回目の追加接種について必要な準備を進め、年内の経口治療薬普及を促す▽「医療難民」を出さないよう国と地方自治体の権限をフル活用し、病床や人材確保に全力で取り組む▽非正規雇用者や女性、子育て世帯、学生などへの経済的支援を行う▽国の司令塔機能強化など、公衆衛生分野の危機管理能力を抜本的に強化▽人流抑制や医療提供体制確保について行政がより強い権限を持てる法改正を行う。
〔経済政策〕「新しい資本主義」で分厚い中間層を再構築▽金融緩和、機動的な財政出動、成長戦略を総動員し、傷んだ経済を立て直す▽大胆な危機管理投資・成長投資と分配で所得を増やす▽財政の単年度主義の弊害を是正し、科学技術振興やインフラ整備、経済安全保障などの国家課題に長期・計画的に取り組む▽感染症や難病の克服に向け「創薬力」を強化▽究極のクリーンエネルギーである核融合開発を国を挙げて推進▽賃上げに積極的な企業への税制支援▽企業が3カ月ごとの業績などを発表する四半期開示を見直し、長期的な研究開発や人材投資を促す▽下請け取引に対する監督体制強化▽働き方に中立的なセーフティーネット整備のため「勤労者皆保険」を実現▽賃金水準が長い間低く抑えられてきた看護師や介護士、保育士らの所得向上に向け公的価格の在り方を抜本的に見直す。
〔エネルギー〕2050年カーボンニュートラルに向け再生可能エネルギーを最大限導入し、主力電源に▽安全性基準に適合した原発は再稼働。
〔農林水産業〕コロナ禍による需要の減退などに対応するため、米などの農林水産物の販売促進や販路の多様化、資金繰り支援などを行うとともに外食産業への支援を行う▽一時的な収入減少に交付金や収入保険で対応し、支払いまでの間無利子融資を行う▽「2030年5兆円」の輸出額目標達成に向け、戦略的サプライチェーンを構築。
〔経済安保〕技術流出防止に資する「経済安全保障推進法」策定▽研究開発・生産拠点の国内回帰を促す税財政支援やレアアースなどの重要技術・物資のサプライチェーン強靱(きょうじん)化に取り組む。
〔外交・安全保障〕台湾の環太平洋連携協定(TPP)加盟申請を歓迎し、世界保健機関(WHO)総会へのオブザーバー参加を応援▽中国・海警法施行も踏まえ、海上保安庁の体制を拡充し、自衛隊との連携を強化▽周辺国の軍事力高度化に対応し、差し迫った脅威に対処するため、相手領域内で弾道ミサイルなどを抑止する能力の保有を含め、抑止力を向上させる新たな取り組みを進める▽防衛力を大幅に強化すべく、新たな国家安全保障戦略や防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画を速やかに策定▽対国内総生産(GDP)比2%以上も念頭に防衛関係費を増額。
〔教育・子育て〕10兆円規模の大学ファンドを22年度までに実現▽リカレント教育(学び直し)充実や若手研究者の処遇改善と活躍の場確保▽虐待や貧困に対応する持続可能な育成環境を整備するため「こどもまんなか基本法」を制定。
〔多様性〕氏を改めることによる不利益に関する国民の声や時代の変化を受け止め、不利益を解消し、国民一人ひとりの活躍を推進。
〔憲法〕時代の要請に応えられる憲法を制定するため力を尽くす▽「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の基本原理は堅持し、憲法改正への取り組みをさらに強化。
〔その他〕地方を活性化し、世界とつながる「デジタル田園都市国家構想」を実現▽テレワーク拠点の整備などにより地方移転を希望する人材や企業、大学の受け入れ環境を整える▽東京電力福島第1原発から出る処理水の処分について、関係者への丁寧な説明など必要な取り組みを行い、徹底した安全対策や情報発信による理解醸成と風評対策などに取り組む▽現在も輸入制限を行う国や地域に制限解除の働き掛けを強化。
立憲民主党
〔新型コロナ対策〕自治体任せでなく国の責任で医療体制を強化▽医療・介護事業者に包括的な支援金支給▽医療・介護従事者に慰労金支給など待遇改善を推進▽公立・公的病院統廃合や病床削減の見直し▽職員の増員により保健所機能を強化▽必要な時に誰でもすぐに受けられるPCR検査体制の確立▽全ての入国者の10日間以上の隔離▽国産ワクチン、治療薬開発への支援▽対象を拡大し要件を緩和した持続化給付金と家賃支援給付金の再給付▽感染症対策の体制と権限を首相直轄で官房長官が担当する司令塔に直ちに集約▽「危機管理・防災局」設置。
〔経済政策〕1億総中流社会の復活▽総額30兆円超の補正予算編成▽時限的な個人年収1000万円程度までの所得税実質免除▽低所得者への年額12万円現金給付▽消費税率5%への時限的減税▽法人税に累進税率を導入▽所得税最高税率の引き上げ▽金融所得課税の強化▽医療・介護・子育て・教育分野への予算重点配分▽「同一価値労働同一賃金」の法制化▽中小零細企業に公的助成をしながら最低賃金の段階的引き上げ▽環境・エネルギー、医療・介護、農業・観光の各分野で地域のニーズに応じた新たな地場産業創出。
〔エネルギー〕2050年までに温室効果ガス排出量ゼロ▽50年自然エネルギー電力100%▽既存の省エネ・再生可能エネルギー技術で最大限の温室効果ガス削減▽自然エネルギー電力を最大限活用するため、送電網整備を国の事業として推進▽原子力エネルギーに依存しないカーボンニュートラルを速やかに実現▽原子力発電所の新増設は認めない▽国の監督と責任の下での廃炉推進。
〔農林水産業〕戸別所得補償制度の復活▽需給安定化のための緊急特例措置として政府備蓄米の枠拡大。
〔外交・安保〕日米同盟を基軸にアジア太平洋地域、近隣諸国との多国間協力を推進▽領域警備と海上保安庁の体制強化のための法整備▽敵基地攻撃能力の保有について、これまでの憲法解釈に照らしつつ慎重に検討する▽沖縄・辺野古新基地建設中止▽米軍基地の負担軽減や日米地位協定の改定▽核兵器禁止条約締約国会合へのオブザーバー参加。
〔教育・子育て〕国公立大の授業料半減▽私立大、専門学校の学生に対する給付型奨学金の大幅拡充▽デジタル、通信、自動運転などの研究開発・実用化に大胆な支援▽国立大への運営交付金を増額▽児童手当の所得制限を撤廃し、対象を高校卒業まで拡大▽義務教育の学校給食無償化▽出産にかかる費用の無償化▽子ども・子育て政策を総合的に推進する「子ども省」創設▽男女ともに利用できる不妊治療休暇を導入。
〔多様性〕選択的夫婦別姓制度の早期実現▽LGBT平等法、同性婚を可能とする法制度の実現▽あらゆる差別を防止するための国内人権機関を設置。
〔憲法〕「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の理念堅持▽国民にとって真に必要な改定を積極的に議論▽安全保障法制は違憲▽現行の9条を残した自衛隊明記に反対▽内閣が恣意(しい)的に衆院解散のタイミングを選べる運用は是正されるべき▽同性婚を可能とする法整備に憲法上の支障はないと認識。
〔その他〕森友・加計学園、桜を見る会問題に関する首相直轄の真相究明チームを設置し、関連情報の全てを開示▽公文書管理制度と情報公開制度を抜本的に強化し、「公文書記録管理院」を設置▽内閣人事局による幹部職員人事制度の見直し▽日本学術会議人事で排除された会員候補6人の任命▽選挙買収などの罪で起訴された国会議員の歳費の支給停止・返納を行う法改正の実施。
公明党
〔新型コロナ対策〕国産ワクチン・治療薬の迅速な開発▽PCR検査能力を現状の1日33万件から100万件に拡大▽18歳以下の子どもに一律10万円相当給付▽ワクチン接種証明などを活用した飲食やイベントの段階的拡大。
〔経済政策〕2兆円の「グリーンイノベーション基金」活用▽マイナンバーカード所有者にポイント3万円付与▽「女性デジタル人材育成10万人プラン」推進▽収束を前提に「新・Go Toキャンペーン」▽最低賃金を年率3%をめどに引き上げ、2020年代半ばに47都道府県の半数以上で1000円以上を達成。
〔エネルギー〕原発に代わる再生可能エネルギーを最優先する原則の下に最大限導入し、原発の依存度を着実に低減。
〔外交・安保〕中国の人権問題で透明性を持った説明の必要性を指摘▽中国海警局による沖縄県・尖閣諸島周辺での領海侵入を国際法違反と非難。
〔教育・子育て〕「子ども家庭庁」創設▽子どもの権利を定める「子ども基本法」制定▽0〜2歳児の保育料を全世帯段階的に無償化▽出産育児一時金を増額▽子ども政策を調査、勧告する独立機関「子どもコミッショナー」設置。
〔多様性〕孤独・孤立対策でNPOや社会福祉法人への新たな助成金創設▽選択的夫婦別姓制度導入▽生活困窮者らへの住宅手当創設。
〔憲法〕9条1項、2項は堅持、自衛隊明記は慎重に議論▽「オンライン国会」を可能にする制度創設検討▽緊急事態の私権制限は個別法で対応▽デジタル社会の個人情報保護について憲法上の位置付けを検討。
〔その他〕当選無効になった議員に歳費返納を義務付ける法改正。
共産党
〔新型コロナ対策〕大規模・頻回・無料PCR検査▽財政支援など医療・保健所体制強化▽収入減家計へ1人10万円を基本とする「暮らし応援給付金」▽持続化給付金や家賃支援給付金の再支給。
〔経済政策〕アベノミクスとの決別▽中小企業への十分な支援とセットで最低賃金一律1500円に引き上げ▽消費税率5%への減税▽中小企業予算の1兆円規模への増額▽租税特別措置など大企業優遇税制の廃止・縮小▽中小企業を除く法人税率を28%に▽所得税・住民税の最高税率を65%に▽富裕層への課税強化。
〔エネルギー〕30年度までに10年度比でCO2を50〜60%削減▽30年までに石炭火力・原発の発電ゼロ。
〔外交・安保・憲法〕自民党改憲案を断念に▽核兵器禁止条約に署名し批准する▽米軍普天間飛行場の辺野古移設中止と無条件撤去▽日米安全保障条約廃棄。
〔多様性〕企業に格差是正計画の策定・公表を義務付け▽選択的夫婦別姓制度の即導入▽同性婚を認める民法改正▽痴漢ゼロに向けて内閣府に担当部局設置。
日本維新の会
〔新型コロナ対策〕臨時医療施設の増設▽コロナ病床・医療従事者を確保するための法律を制定する▽戦略的なワクチン接種。
〔経済政策〕2年間を目安とした消費税率5%への引き下げ▽所得税・法人税の減税▽ベーシックインカム(最低限所得保障制度)導入▽労働市場改革を断行▽医療のIT化促進▽大学までの教育無償化。
〔エネルギー〕既存原発はフェードアウト▽新たな投資と技術革新で50年カーボンニュートラルを達成。
〔外交・安保〕防衛費のGDP比1%枠を撤廃し、防衛体制を強化▽自衛隊員の待遇を抜本的に改善。
〔多様性〕戸籍制度を維持しながら実現可能な選択的夫婦別姓制度の導入▽同性婚の法制化。
〔憲法〕教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置を憲法に明記。
〔その他〕議員報酬・議員定数3割カット▽二重行政問題解決と新たな都市制度構築▽「首都・副首都法」を制定し、大阪を副首都化▽権限・財源を地方自治体に積極的に移譲。
国民民主党
〔新型コロナ対策〕まん延防止協力金として国民1人当たり一律10万円の現金給付▽規模に応じた減収補償▽無料自宅検査の実施▽ワクチン接種やコロナ陰性を証明する「デジタル健康証明書」導入。
〔経済政策〕50兆円規模の緊急経済対策▽経済回復までの消費税率5%への減税▽教育や人づくりへの投資の財源となる「教育国債」創設▽給付と所得税減税を組み合わせた「給付付き税額控除」導入▽マイナンバーと銀行口座をひも付け、給付金が申請不要で振り込まれる「プッシュ型支援」実現。
〔エネルギー〕当面の間は原子力エネルギーを活用▽デジタル化やカーボンニュートラルを促進するための基金創設。
〔外交・安保〕自衛隊任務に情報収集・警戒監視活動を明記する法改正。
〔教育・子育て〕義務教育を3歳からとし、高校までの教育無償化実現▽児童手当を18歳まで一律月額1万5000円に拡充。
〔多様性〕選択的夫婦別姓制度を実現。
〔その他〕公文書改ざんの厳罰化。
れいわ新選組
〔新型コロナ対策〕公的病院の統廃合見直し▽総額145兆円、最大3カ月の徹底補償付きステイホーム期間▽期間中は1人一律毎月20万円支給▽期間中の消費税、社会保険料などゼロ。
〔経済政策〕消費税廃止▽国費投入額倍増による社会保険料の負担軽減▽児童手当の対象を高校卒業程度まで拡大▽災害対策など年間10兆円の公共事業。
〔エネルギー〕原発は即時廃止▽50年自然エネルギー100%を目指す。
社民党
〔新型コロナ対策〕緊急的に臨時病院開設▽1人10万円の特別給付金▽3年間消費税率ゼロ。
〔経済政策〕大企業内部留保へ課税▽所得税の累進課税強化▽中小企業支援策とセットで最低賃金1500円へ引き上げ。
〔エネルギー〕「原発ゼロ基本法」成立▽50年に自然エネルギー100%を目指す。
〔多様性〕選択的夫婦別姓、LGBT差別解消、同性婚の法制化。
〔外交・安保〕辺野古新基地建設反対。
NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で
受信料公平負担をNHK自らほごにし、受信料の延滞利息免除など放送法違反となる独自の運用が常態化▽適正な売り上げ管理のための規約見直しを怠って法外な受信料を設定し、委託業者に弁護士法違反となる訪問を行わせ、不公平に負担させている▽NHKに公平負担の大原則を徹底して順守させることが重要。
 

 

●自民・立民「分配」で対立 与野党党首 衆院選第一声で何訴えた?  10/20
与野党9党の党首は19日の衆院選公示にあわせ、各地で第一声を上げた。大半の党首は新型コロナウイルス対策を含む経済政策に重点を置いたが、自民党や立憲民主党が掲げる分配政策を巡っては、優先順位や財源確保のあり方で違いが表れた。
路線変更アピールしたが…
岸田文雄首相(自民党総裁)は福島市で最初の演説に臨み「皆さんに成長の果実を分配する」と強調。20分近い時間のほぼ半分を使い、経済政策とコロナ対策を訴えた。経済成長を重視し、その恩恵を賃金に振り向ける考えを力説。「分配」という言葉は使ったが、大企業など一部に富が集中したと指摘される安倍政権の経済政策「アベノミクス」との違いは見えにくかった。コロナ禍を受けた政府の観光支援策「Go To トラベル」再開に意欲を示すなど、経済に軸足を置く姿勢も明確にした。先の総裁選に続き、自ら聞いた国民の声を書きつづったノートを掲げ「説明しない政治」と批判された安倍・菅政権からの路線変更を印象づけようとする場面もあった。ただ、国民の信頼を損ねた森友学園問題などには触れなかった。
ボトムアップ型への転換呼び掛け
立民の枝野幸男代表は松江市で「皆さんの懐を温かくする所得の再分配こそが景気を良くする第一歩だ」と声を張り上げ、16分余の演説の8割近くを経済政策とコロナ対策に割いた。内容は首相と異なり、アベノミクスを「明日の仕事があるかも分からない非正規(労働者)を山ほど増やした」と攻撃。国民が雇用や老後への不安を抱いたままでは個人消費は回復できないとして、分配強化に軸足を置いた。大企業や富裕層への増税も主張。官邸主導でトップダウン型の政策決定が特徴だった安倍・菅政権を念頭に「政治を変えるにはあなたの力が必要だ」と訴え、ボトムアップ型への転換を呼び掛けた。
独自色発揮に腐心
他の党も経済政策やコロナ対策重視は変わらなかったが、与野党第一党による政権選択選挙で埋没するのを避けようと、独自色の発揮に腐心した。公明党の山口那津男代表は全国に抱える地方議員との連携に言及し「小さな声を聞く力がなければならない。連立政権にいることが大切だ」とアピール。共産党の志位和夫委員長はエネルギー政策に関し、温室効果ガスを多く排出する石炭火力発電所の廃止期限を設定しない政府・与党を「岸田政権に任せたら、地球が燃えてしまう」と批判した。日本維新の会の松井一郎代表は、本拠地の大阪市で市政などの「身を切る改革」の実績を四割以上の時間を使って説明。国民民主党の玉木雄一郎代表は、安倍晋三元首相の元秘書が出馬した選挙区で「説明しない政治」を念頭に「うそやごまかしの横行する政治を続けても、国民の暮らしは良くならない」と主張した。社民党の福島瑞穂党首は、首相のお膝元で被爆地の広島市を第一声の場所に選び、政府が後ろ向きな核兵器禁止条約の批准や核廃絶を訴えた。れいわ新選組の山本太郎代表は消費税廃止を主張。「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の立花孝志党首はNHK改革を中心に訴えた。
分配 具体策明示して 法政大・白鳥浩教授(政治学)
与野党党首らによる今後の論戦について、法政大の白鳥浩教授(政治学)に注目点を聞いた。政権選択の機会となる衆院選が始まった。4年ぶりの今回、有権者は何をもって選ぶべきなのだろうか。与党はこの4年間の政策運営で、前半の2年間では、新自由主義的なアベノミクスを継続し、一貫して「成長」を追求した。その結果、格差も生じてきた。後半の2年間では、予期せぬ新型コロナウイルスの感染拡大により、現金給付など「分配」にも傾いた。こうした経緯を受けた岸田文雄首相の「成長と分配の好循環」を構成する「新しい資本主義」とは何であるのか。説明不足のまま選挙戦に入った。岸田氏はまず、それを具体的に明示するべきであろう。この4年間、合従連衡を繰り返してきた野党も、政権を任せられるのかが問われている。有権者に「分配」を訴えるなら、通り一遍の単なる「ばらまき政策」ではない、現実的な選択肢を語ってほしい。統一した政策を示して与党と対峙たいじすることができるのかも国民は見ている。政治の選択は岸田氏の言うように、未来の選択である。有権者の選択には、その材料の提示は不可欠だ。 
 
 


 

●公約比較 貧困対策編 10/21
総選挙が始まりました。第49回衆院選が10月19日に公示され、10月31日に投開票となりました。各党候補の動向がメディアでも大きく報じられています。今回は、コロナ禍での選挙戦となることもあり、人を集めての街頭演説や集会等をおこないにくい状況もあると思います。一方で、コロナ禍でさまざまな政策課題が浮き彫りになったのも事実でしょう。選挙は、有権者である私たち一人ひとりが、投票行動で意思表示をする貴重な機会でもあります。ですので、各党がどのような公約を掲げて選挙戦をたたかっているのか、特にコロナ禍でその必要性が顕著になった「貧困対策」に政策分野をしぼって整理し、比較をしたいと思います。ちなみに、「貧困対策」と銘打って公約に明示している政党はありません。暮らしの支援や生活の支援などという分類をされることが多いこともありますので、関連する施策をピックアップしていきます。ここでは、主要9政党の公約比較をおこないますが、すべてを紹介するのは膨大な文字量になってしまいますので、各党の特徴をとらえながら紹介したいと思います。
コロナ禍で生活が苦しくなった人が急増
まず、大前提としてですが、コロナ禍で失業したり、生活が苦しくなってしまった方が多くいます。下記は、私が理事長を務める〈もやい〉という支援団体のデータにすぎませんが、相談件数は例年に比べて急増しています。特に、コロナ禍での対応として、現在、毎週土曜日に新宿都庁下で食料品配布と相談会の活動をおこなっているのですが、食料品を受け取りに来られる方の実数を見ると、2020年4月には100人ちょっとの人数であったのが、2021年1月には200人をこえ、同9月末には400人近くにまで増加しました。もちろん、上記はあくまで、いち現場のリアルでしかないのですが、公的支援の利用実績データを見ても、例えば、生活が苦しくなった人向けの貸付の支援制度である「緊急小口資金等の特例貸付」は前例のない大幅な利用者増となっています。厚労省によれば、緊急小口資金貸付と総合支援資金貸付の「特例貸付」は、2020年3/25〜2021年9/25までで全国での累計貸付決定件数は280万4767件にのぼり、累計支給決定額は、1兆2167.32億円に達しているといいます。この数字は、東日本大震災が発生した直後である2011年度が全国で約10万件であったことを考えても、前代未聞のものです。最大200万円の生活費の貸付を利用している人が、のべで280万人にものぼるということのインパクトは、コロナ禍で、非正規労働者などの低所得者に大きなダメージが及んでいることの証左といえると思います。ですので、あらためて説明するまでもないかもしれませんが、コロナ禍で生活が苦しくなっている方が社会のなかで増加していて、彼ら・彼女らをどう支援していくのかは、喫緊の政治的課題になっているといえるでしょう。前置きが長くなりました。では、さっそく、「貧困対策」の分野の各党の公約比較をおこなっていきたいと思います。なお、ここでは、主要9政党として、自由民主党、公明党、立憲民主党、共産党、日本維新の会、国民民主党、れいわ新選組、社民党、NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で、の9党の公約を比較させていただきます。それぞれ抜粋して各党の特徴を紹介したいと思います。
自由民主党
まず、自民党です。政権与党として、このコロナ禍での対応を担ってきました。ですので、コロナ禍での政権運営の評価を抜きに考えることはできません。安倍政権で個人向けの生活支援策としておこなったのは世帯に2枚の「アベノマスク」と10万円の定額給付金。菅政権では、ひとり親家庭や低所得の子育て世帯への給付金、「生理の貧困」や「ヤングケアラー」の取り組み、孤独・孤立対策などの、個別の支援はありましたが、総論としての「貧困対策」には踏み込めなかった印象です。「自助、共助、公助、そして絆」のメッセージも含め、国会での「最終的には生活保護」との発言もありました。岸田新総理のもとでの総選挙となりますが、政権公約を見ていきましょう。「貧困対策」としては、以下のようなものが該当します。
・非正規雇用者・助成・子育て世帯・学生をはじめ、コロナでお困りの皆様への経済的支援を行います。(感染症から生業と暮らしを守る)
・子供の貧困・虐待対策を、強力に推進します。(「全世代の安心感」を創出する)
・女性の雇用の悪化、自殺者の増加、ひとり親・非正規雇用者の生活困窮、生理の貧困など、女性の就業と生活の問題に対応するとともに、デジタル人材など女性の経済的自立を強力に支援します。(女性の活躍を応援する)
・生活保護の申請ができずに亡くなったり、育児や介護の負担に耐えられなくなったり、進学を諦めたりする方がいなくなるように、生活・育児・介護・障害・進学への支援策など利用可能な施策の周知を徹底します。
自民党の政策の基本的な方向性は、景気を回復させ、経済の成長により、雇用を守ろう、所得を増やそう、というものだと思います。ですので、もともと、セーフティネット機能が大きなウエイトにもなる「貧困対策」への取り組みは不十分です。今回の公約でも、給付金が話題になっていますが(上記の一番上)、例えば、定額給付金をまた支給するなら、選挙前に言わないで春先にどうして出さなかったのかな、など思うところもあります。生活保護の申請が例示され、利用可能な施策の周知を徹底、とも記載がありますが、生活保護の利用が進んでいない背景には、2012年にまきおこった「生活保護バッシング」の影響も少なからずあると思います。当時、野党であった自民党の一部の議員がそれを先導したのは記憶に新しいところですし、2012年12月の衆院選の政権公約に「生活保護の1割カット」を掲げ、その後、生活保護基準の引き下げがおこなわれていることも無視できません。ただ、制度の周知徹底は重要です。スティグマ軽減についての記載や、さらなる拡充について書かれていたら良かったのにな、と思います。
公明党
公明党も政権与党なので、これまでのコロナ禍での政権運営も含めて考える必要があるでしょう。公明党の「貧困対策」も多岐にわたりますので、いくつかピックアップします。
・生活困窮者を支援するため、緊急小口資金等の特例貸付や、住居確保給付金の再支給、自立支援金について、申請期限の延長や支給要件の緩和などを行います。
・賃上げや賃金格差の是正など家計の所得向上を推進します。
・コロナ禍の長期化に伴い、特に子育て世帯が大きな影響を受けていることから、0歳から高校3年生まで全ての子どもたちに「未来応援給付」(一人あたり一律10万円相当の支援)を届けます。
・コロナ禍において顕在化した住まいに対するニーズや単身高齢者の増加等を踏まえ、生活困窮者等住宅確保に困難を抱えている方々への住宅手当の創設など住まいのセーフティネットの再構築をめざします。
公明党は歴史的にも福祉施策に力を入れています。社会的孤立の防止という観点から多くの施策を提案していることも特徴です。また、住宅手当の創設などの踏み込んだ内容は評価できるでしょう。一方で、「特例貸付」の申請期限の延長等を盛り込んだことはいただけません。「貸付」では、貸付を受けた低所得世帯の将来的な負担が大きくなってしまいます。むしろ、返還免除の拡大等について検討していく段階に来ていると思います。公明党は地方議員も含めたネットワークを活用した政策立案が特徴です。マイナーな分野の施策に丁寧に取り組んでいる議員も多いのですが、自公政権としてはなかなかそれらが実現されない、というところが大きな課題といえるでしょう。
立憲民主党
自公政権との違いを訴えたいところだと思いますが、特に自民党が野党よりの政策も盛り込んでいることもあり、「1億総中流社会の復活」など、かぶる方向性もあります。しかし、個別にみていくと、考え方の違いも多く見えてきます。
・コロナ禍の影響で家計が苦しい世帯に対する即効性のある支援として、個人の年収1000万円程度まで実質免除となる時限的な所得税減税と、住民税非課税世帯をはじめとする低所得者への年額12万円の現金給付を行います。
・コロナ禍が収束した時点を見据え、税率5%への時限的な消費税減税を目指します。
・雇用は、「無期・直接・フルタイム」を基本原則とします。派遣法の見直しなどで、原則として、希望すれば正規雇用で働ける社会を取り戻します。
・低所得世帯を対象に家賃を補助する公的な住宅手当を創設します。
・自治体への支援を通じて、空き家を借り上げる「みなし公営住宅」を整備します。
所得減税をおこないつつ、非課税世帯への現金給付などの施策は独自色があります。また、上記には載せませんでしたが、医療や介護、子育てや教育などの「ベーシック・サービス」の充実により将来不安を解消し消費を伸ばす、という方向性も特徴的です。公的な住宅手当の創設や「みなし公営住宅」など、中長期で検討するべき政策課題について踏み込んでいるのは好印象です。一方で、生活保護の文言が一切なかったのには驚きました。雇用政策はかなり充実しているので、雇用政策と賃金の上昇、「ベーシック・サービス」の拡充で生活を支えられる、と考えているのかもしれませんが、政権奪還を目指すなら、公的扶助(生活保護)の拡充やスティグマ軽減などの施策についても触れてもらいたかったところです。
日本共産党
共産党については、まず、総選挙政策のパンフレットが56ページもあり、正直、読むだけでも大変だな、という感じです。共産党は「貧困対策」に最も力を入れている党の一つだと思いますが、なにせボリュームが多いので、特徴的なものをピックアップします。
・コロナ危機で収入が減った家計への支援として、1人10万円を基本に「暮らし応援給付金」を5兆〜6兆円規模で支給し、国民の暮らしを支えます。いわゆる中間層(年収1000万円未満程度)を含め幅広く対象にします。生活が困窮している低所得者には手厚い支給をします。
・マクロ経済スライドを撤廃し、「減らない年金、頼れる年金」を実現します。最低保障年金制度をめざします。
・障害者福祉・医療の「応益負担」を撤廃し、無料にします。
・生活保護を「生活保障制度」に改め、必要な人がすべて利用できる制度にします。生活保護費削減を復元し、支給水準を生存権保障にふさわしく引き上げます。保護申請の門前払いや扶養照会をやめます。
繰り返しになりますが、共産党の政策集は膨大で、すべてを拾いきれません。箇条書きではなく、文章で書かれているところも特徴があります。掲げられている政策は今の施策を大きく転換するものも多く、魅力的なものもありますが、「正しさ」の極致のようでもあり、その実現可能性について考えるとイメージしきれない、というのも正直な感想です。ただ、ある意味、愚直なまでにセーフティネットの拡充を考えている、とは言えると思います。
日本維新の会
・長期低迷とコロナ禍を打破するため、2年(目安)に期間を限定した消費税5%への引き下げを断行します。
・「チャレンジのためのセーフティネット」構築に向けて、給付付き税額控除またはベーシックインカムを基軸とした再分配の最適化・統合化を本格的に検討し、年金等を含めた社会保障全体の改革を推進します。
・家庭の経済状況にかかわらず、等しく質の高い教育を受けることができるよう、義務教育の他、幼児教育、高校、大学など、教育の全過程について完全無償化を憲法上の原則として定め、給食の無償化と大学改革を併せて進めながら国に関連法の立法と恒久的な予算措置を義務付けます。
日本維新の会は、教育の完全無償化を以前からずっと主張しています。教育の無償化は「貧困対策」の観点からも、とても重要な政策であることは間違いありません。一方で、社会保障改革としてのベーシックインカムなどの議論には、特にそれが社会保障費の削減という目的のもとに提起されているのであれば、危うさを感じます。このあたりは、その具体的なイメージを聞いてみたいものです。
国民民主党
国民民主党は、10万円の定額給付金の一律給付を先駆けて提案したり、孤独・孤立担当大臣の設置を提起するなど、機動力のあるイメージがあります。
・一律10万円の再給付(低所得者は20万円、高所得者には確定申告時に課税)
・総合支援資金の再貸付延長と税・保険料の減免
・コロナ禍の影響が収束し、経済が回復するまでの間、消費税減税(10%→5%)を行います
・「給付付き税額控除」と「プッシュ型支援」で「日本版ベーシック・インカム(仮称)」を創設します
さて、こちらにも「ベーシック・インカム」が。国民民主党は「日本版」としており、マイナンバーと紐づけた申請不要の手当や給付金を自動的に振り込む「プッシュ型支援」についてを「日本版ベーシック・インカム(仮称)」としており、そこの違いはあります。全体として、現金給付などの財政出動に積極的で、迅速に困っている人に支援を届けられる仕組みを作りたい、というメッセージは感じます。ただ、ここでも、総合支援資金貸付などの貸付の再延長が書かれていますが、これはいただけません。生活費の貸付は中長期で低所得者の負担になります。
れいわ新選組
・コロナ脱却給付金 1人あたり毎月20万円の現金給付
・消費税の廃止
・奨学金に苦しむ約580万人の借金をチャラに。教育は完全無償化へ。
・生活保護を、バラで受けられ、困る前に頼れるような、積極的に受給できる制度にします。
かなり大胆な政策が掲げられています。実現可能性については正直、疑問符もありますが、生活保護制度への取り組みなどは、れいわ新選組は以前から積極的です。
社民党
・あらたな特別給付金10万円を支給
・住居喪失者に空き家活用対策
・生活保護を利用しやすい制度へ
社会党時代からの継続性もあり、セーフティネットの拡充には意欲的な印象があります。選挙公約はシンプルで、重点政策に詳細な記述がありますが、生活保護制度のオンライン申請の導入について記載するなど、細かいですが丁寧な視点があります。
NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で
HPを見たんですが、NHKの話以外の政権公約的なものを見つけられず。「貧困対策」には特に関心ないようですね。
まとめ
思った以上に長文になってしまいましたが、主要9政党の「貧困対策」に関わる分野の政権公約を見てきました。一部抜粋で紹介していますし、その党の特徴がわかる政策をピックアップしておりますので、抜けている視点等あるかと思います。それぞれ、参照した各党のマニュフェスト、パンフ、公式HP等のリンクを載せていますので、気になる政党については、ご自身の目でチェックいただければと思います。コロナ禍で生活が苦しくなってしまった人に公的な支援をどう届けていくことができるのか、まだまだ課題が多い状況です。日本の「貧困対策」を進めていくには、どのようなアプローチが必要か、投票行動の一つの参考にしていただければ幸いです。 

●舌戦・衆院選(21日) 10/21
今度は忖度する首相に
立憲民主党・枝野幸男代表(広島市で街頭演説) 安倍・菅政権と、官僚などに忖度(そんたく)させる政治が続いた。残念ながら、今度は忖度する首相になっちゃった。安倍晋三、麻生太郎両元首相や菅義偉前首相に遠慮して、正しいことを貫けない。新しい自民党と言うなら、不祥事に正面から向き合うべきだ。有権者の声を聞くまっとうな政治に変えよう。
危機管理問う資格なし
自民党・茂木敏充外相(東京都豊島区で街頭演説) 北朝鮮のミサイル発射で立憲民主党は政府の初動が遅いと批判した。思い出してほしい。民主党政権のときに衆院選があり、北朝鮮がミサイルを撃ちそうだった。当時の民主党(政権)の幹部はどう言ったか。地元に戻りたいから「早く撃ってほしい」。こんなことを言う政党に危機管理能力を問う資格があるのか。
分配の中身ゆがんでいる
共産党・志位和夫委員長(福島市で街頭演説) 岸田文雄首相は「成長と分配の好循環」と言っているが、一番の問題点は分配の中身がゆがんでいることだ。アベノミクスの9年間で大企業の内部留保は133兆円も膨らんだが、実質賃金は平均で年間22万円減り、庶民に分配が回っていない。ボトムアップに切り替えようじゃないか。
助け合えない同盟に
自民党・安倍晋三元首相(横浜市で街頭演説) 共産党の力を借りて立憲民主党が政権を握れば日米同盟の信頼関係が失われてしまうことは間違いない。もっとも立民は安倍政権でつくった安全保障関連法を廃止すると言っている。安保法で日米は助け合える同盟になった。廃止してしまっては助け合えない同盟になってしまう。
共産とどう政権運営? 
自民党・麻生太郎副総裁(名古屋市で街頭演説) 野党は(事実上の)連立を組んだんだろう。それで政権交代だと言っている。でも、共産党が入る。天皇制は反対、自衛隊は憲法違反、日米安全保障条約は廃止。それが政権に入って、どうやって運営するのか。

●「ばらまき合戦」、過熱の一途=各党財源論乏しく 10/21
与野党は、衆院選で最大の争点となっている「分配」政策のアピールに懸命だ。
競い合いは過熱の一途で「ばらまき合戦」の様相を呈す。ただ、各党とも財源論については多くを語らない。赤字国債に依存するなら、負担は将来世代に重くのしかかる。
「経済を成長させ果実を享受してもらう。皆さんの給料を引き上げる経済対策を進める」。岸田文雄首相(自民党総裁)は21日、岐阜県可児市の街頭演説でこう強調。立憲民主党の枝野幸男代表も広島市内で社会的弱者への支援に触れ、「分配なくして成長なし。私たちには経済を元気にするプランがある」と訴えた。いずれも財源には言及しなかった。
「財源なき分配競争」のきっかけは首相だ。8月に党総裁選への出馬を表明した際、安倍・菅両政権で拡大した格差を是正するため「成長と分配の好循環による新しい資本主義」を提唱。中間層拡大へ「令和版所得倍増」を掲げた。自民党は公約に、具体的金額こそ明記しなかったものの現金給付を念頭に、非正規労働者や子育て世帯、学生らへの経済支援を盛り込んだ。
これに反応したのが枝野氏だ。総裁選さなかの9月、年収1000万円程度以下の個人に所得税実質免除、困窮者らへ10万円の給付などを打ち出した。
新型コロナウイルス感染が拡大し始めたころ、枝野氏は現金給付や消費税減税には慎重だった。旧民主党政権は子ども手当導入を決めたが、財源を手当てできず行き詰まったことが念頭にあったとみられる。だが、菅義偉前首相の退陣表明後は、衆院選への危機感を背景に分配重視へ大きくかじを切った。
他党も負けていない。公明党は18歳以下への一律10万円給付とマイナポイント3万円付与を公約に明記。共産党は中間層を含む10万円給付、国民民主党は一律10万円給付を掲げる。立共両党と国民民主、日本維新の会などは消費税5%への減税もうたう。
一方、財源論はほとんど素通りされている。首相は金融所得課税引き上げに言及したが、日経平均株価急落を「岸田ショック」と呼ばれたことを気にしたのか封印。枝野氏も大企業や富裕層への課税強化を主張するものの、どの程度の税収増を見込めるかや、分配に要する予算規模の全体像は明示していない。
14日のTBS番組で象徴的な場面があった。大学生から「借金では若い世代にツケが回る」と疑問を呈された首相は「世界が大型の財政出動を行っている。経済を再生した先に財政(再建)だ」。枝野氏は「100年に1度の災害を乗り切る。富裕層などに負担をお願いする」と述べるにとどめた。

●同床異夢 京都の立民・共産「共闘」 10/21
「野党共闘」が進む衆院選(31日投開票)で、京都府では立憲民主と共産の思惑に隔たりがみられる。国政では両党と社民、れいわの野党4党が政策協定を締結したものの、立民府連は共産との協力を否定。ねじれの背景には、かつての革新派府政への拒否反応が根強く残るとの京都特有の見方もある。初めて府内全6選挙区への擁立を見送り、最重要選挙区と位置付ける1区で「野党統一候補」を前面に掲げたい共産側の狙いに、立民はつれないまま、古都は選挙戦に突入した。
「ミスター野党共闘」?
「今度こそ野党の共同候補として、京都1区で勝利する」。公示日の19日、1区に立候補した共産前職の穀田恵二氏(74)はこう訴えた。応援演説に駆け付けた小池晃・党書記局長も「この人なくして野党共闘はなしえなかった。ミスター野党共闘だ」と持ち上げた。共産は1区を「必勝区」としており、穀田氏の事務所には立民の党幹部らの激励文も掲示。14日に会見した党府委員会の渡辺和俊委員長は「事実上、野党統一候補だ」と強調した。小選挙区制が始まった平成8年以降、共産は補選を除き府内全6区に候補者を擁立してきたが、今回は立民が擁立した3、6区について、府委員会は14日に野党共闘を順守して候補を立てず自主投票とすることを公表した。一方、立民府連が9日に開いた会見では、泉健太会長が「京都では各党がしのぎを削りあってきた。京都で野党統一候補という考えはない」と明言。共産との選挙協力を否定し、公示直前まで1区への候補者擁立を模索した。党政調会長でもある泉氏は8月にも「国政での連携と地方の流れは別」と述べており、両党の隔たりは縮まらなかった。
蜷川府政「アレルギー」
国政では9月、両党を含む野党4党が政策協定を締結。その後、立民が政権交代した場合は、共産が「限定的な閣外協力」を行うことで合意した。ただ、立民の支持母体である連合の芳野友子会長は今月7日、「閣外協力もあり得ない」と不快感を示した。これまで府内の選挙で立民と共産が協力関係を結んだことはなく、ある立民府連幹部は「府民の中には『共産党アレルギー』もあり、支持者からも共闘について批判的な声は多い。選挙協力は支持者離れにつながりかねない」と明かす。理由の一つにあげるのが、旧社会党公認で当選し共産ともつながりが深い革新系の蜷川虎三(にながわとらぞう)知事の府政(昭和25〜53年)だ。「あしき平等主義がはびこり、公立高の学力低下を招いたり道路整備が遅れたりと弊害も多かった」。革新色の強い共産への拒否感は、いまだに府内の有権者に根強いと主張する。
保守王国では競合
とはいえ、6選挙区のうち5選挙区で立民と共産は競合せず、両党がともに候補者を立てたのは「保守王国」とされる5区のみだ。渡辺委員長は「統一候補は勝てる見込みの高い選挙区に擁立しており、全選挙区での一本化は目指していない」と説明する。一方、立民府連幹部の一人は「来年には参院選、その先には統一地方選があり、共産を含め他党が候補者を立てる。候補者空白の選挙区が生じることが怖い」と野党共闘で生じる矛盾を指摘した。こうした状況に、自民府連幹部は「結局、立民は1区に擁立せず、共産との競合が生じなかった。選挙協力をしないと言いながら、実は中央の意の通りになっているのではないか」と警戒感を示した。
京都1区にはほかに維新新人の堀場幸子氏(42)、自民新人の勝目康氏(47)が立候補している。

●“一騎打ち”100以上…激戦で訴える「給付金」 10/21
投開票まであと10日です。今回の衆議院選挙は210以上の選挙区で野党共闘が成立し、自公候補との一騎打ちの選挙区も100を超えます。激戦のなか、すべての党が訴えているのが給付金による分配政策です。
激しい戦いが続くなか、各党「給付金」でも競い合っています。
自民党・岸田文雄総裁「皆さんの生活、あるいは仕事を支える経済対策。これも私の内閣において、しっかりと用意をさせて頂きます。そして皆さん一人ひとり困っておられる方にも、しっかり目を向けてこの様々な給付金、これもしっかり用意をしていきたいと」自民党が掲げるのは「新型コロナウイルスで困った人」への経済的支援。
自民党と連立を組む公明党の訴えは子どもに対する支援です。公明党・山口那津男代表「若い皆さんが希望を持って日本の将来を支える。そういう元気の出る政策をやろうということで、未来応援給付を訴えております。0歳から高校3年生までの年代にお1人一律10万円を給付しよう」
立憲民主党の「給付」はコロナ対策として低所得者層への年間12万円の現金支給です。立憲民主党・枝野幸男代表「この間、自粛などをお願いするばかりで十分な支援をしてこなかった。ご商売されている方、仕事を失った方、そうした皆さんに対する、きちっとした支援をしなければならない。そうした政治に変えよう。変えようということを私たちは訴えています」
共産党はより幅広く給付することを掲げています。共産党・志位和夫委員長「所得が少ない困窮されている方に加えてコロナで収入が減ったご家庭に中間層も含めて1人10万円を基本に暮らし応援給付金を出そうと言うことを提案しておりますが、いかがでしょうか」
日本維新の会の主張は全国民に現金を一律支給する「ベーシックインカム」の導入です。日本維新の会・松井一郎代表「分配するための原資、お金をどうするのか。今までの税金の使い方でおかしいね、無駄なところにメスを入れる。成長して企業がもうけて頂いて、そういう形で法人税を上げていく」
国民民主党は1人あたり10万円、低所得者層にはさらに10万円を給付するとしています。国民民主党・玉木雄一郎代表「積極財政に転換して給料が上がる経済、そして私たち日本は天然資源がない国ですから一番、大切な資源は何か。まぎれもなくそれは人です。人材です」
れいわ新選組の「給付」は最大3カ月間、1人あたり毎月20万円です。れいわ新選組・山本太郎代表「私たち、れい新撰組がやりたいことは何か。コロナの徹底対策は当たり前。それと両輪で25年のデフレを吹き飛ばす。あなたが使えるお金、色んな形で増やしていく。もちろん、コロナの時には給付金。色んな形が必要です」
社民党はコロナの緊急対策として10万円の特別給付を訴えています。社民党・福島瑞穂党首「政治は今や公助の出番ではないでしょうか、どうですか。助けてくれ、生きさせろ、生きててくれ、生きるための支援を、生きるための支援を今こそ政治はやるべきではないでしょうか」
NHKと裁判してる党弁護士法72条違反での主張は電子マネーによる給付です。NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で・立花孝志党首「昨年5月の給付、10万円を配っても貯金に回す人が多かった。これの反省として、期限付きの電子マネーを国民の皆さんに配り、半年以内に使って下さい。これぐらいのスピードで10万円、あるいは20万円」
 

 

●譲れぬ「旧民主」対決 自民移籍組、迎え撃つ元首相 東京18区 10/22
「7回目の選挙。初づくしだ」。自民党候補の長島昭久は17日、新天地である東京18区のJR武蔵小金井駅前に立つと「初挑戦」を強調した。旧民主党出身で隣接する東京21区から国替えし、出直しを図る長島。対抗馬は同じ旧民主出身で当選13回を誇る立憲民主党の元首相菅直人だ。菅も議席を明け渡す気はない。互いに譲れぬ戦いが始まった。
恩人
長島の初当選は2003年衆院選。出馬した東京21区は、中選挙区時代の菅の地盤の一部だった。選挙戦最終日には菅が応援に駆け付け、マイクを握り長島支持を訴えたこともある。長島にとって菅は元同僚議員というだけでなく、自らの政界入りを後押ししてくれた恩人でもあった。
以来当選6回。17年に旧民進党を離れるまで菅とは同じ党で行動を共にした。希望の党結党に参画し、無所属を経て19年6月に自民党に入党。東京21区には自身が前回選挙で下し、比例代表で復活当選した自民党現職がいるため、昨年1月に18区支部長に就任した。
今回は新しい選挙区で戦うのも自民党の看板を背負うのも初めてだ。やりにくさはある。それでも「反対と批判ばかりでは子どもたちを取り巻く厳しい現状を変えることはできない」と腹を決め、菅との直接対決を受け入れた。
駅頭に朝夕立ち、企業・団体回りも重ねる。ただ、40年余の議員生活で地元に根を張る菅と比べて、「新参者」の長島の知名度不足は否めない。18区の自民党元職、土屋正忠の支援をどの程度得られるかも不安材料だ。
「土菅(どかん)戦争」と呼ばれる激しい戦いを繰り広げた土屋は、17年衆院選で約1000票差で菅に敗れた。長島も所属した希望の候補に保守票を食われたことが敗因とみている。
昨年1月、土屋は事務所を訪れた長島に「邪魔はしないが、手のひらを返したように応援はできない」と言い放った。1年以上たち、今は「わだかまりはない」(関係者)とされるが、支援の効果は未知数だ。
たすきに「本人」
「20年近く応援してくれた東京21区の有権者を見捨てて、なぜ18区に移ったのか」
18日に行われた地元青年会議所主催のオンライン公開討論会で、菅は長島を激しく追及した。長島は「お怒りになっている方もいると思う」などと釈明したが、菅は「勝手に選挙区を変えるのは有権者への冒涜(ぼうとく)だ」と、攻撃をさらに強めた。
菅も最近の選挙は苦しい戦いの連続だ。12、14年は比例復活、17年は小差の勝利だった。長島への厳しい物言いは危機感の裏返しにも映る。街頭演説では大きく「本人」と書かれたたすきが目立つ。首相経験者としては異例の演出だ。陣営関係者は「今までのやり方だけで支持は広がらない」と語る。
新たな支持層を掘り起こそうと、若者向けの発信を強化。昨秋からオンライン勉強会を開き、インターネット交流サイト(SNS)も積極的に活用する。ツイッターでは、街頭演説の告知の際などに「#会いに行ける元総理」のハッシュタグを付け、身近な存在をアピールしている。
そうした取り組みが功を奏したのか、陣営によると菅の街頭演説を聞く若者が増えたという。「忖度(そんたく)政治が自民党政治だ。今回の選挙は政治を根本から変えるチャンスだ」。17日に長島が演説していたほぼ同時刻、隣駅のJR東小金井駅前での街頭演説では立ち止まって聞く若い女性の姿もあった。
ただ、選挙戦の行方は見通せない。陣営関係者は語る。「向かい風は吹いていないが、追い風も吹いていない。楽観はできない」
【東京18区】 立候補者名簿
長島昭久 59 元防衛副大臣 自前 推(公)
菅直人  75 元首相    立前
子安正美 71 会社社長   無新 

●神奈川1区・銀座問題で激戦に  10/22
「国民の皆さんがコロナで我慢を強いられる中、私松本純は軽率な行動によって、大きなご心配、ご迷惑をお掛けしてしまった」
公示日の19日、横浜市中区末吉町の一角。8期目を目指すベテランは時折声を詰まらせながら、深々と頭を下げた。
松本は横浜市議から国政に転じ、国家公安委員長などの要職を歴任した身ながら、緊急事態宣言中の深夜に東京・銀座のクラブを訪問。「30年の政治活動で初めての大失敗」(松本)に批判はやまず、2月に自民党を離党に追い込まれた。
今回の選挙では「もう議員をやめるべきか真剣に考えたが、薬剤師として皆さんの命を守るためにもう一度、挑戦の一歩を踏み出したい」と再出発を図る。選挙前の復党も探ったが、「党に迷惑を掛けたくないので、無所属として有権者のみそぎを受けたい」と決意。自民は「池に落ちた犬を棒でたたくようなことはしない」と対抗馬の擁立を見送り、1区内の同党市議、県議全員が支援に回った。
銀座問題から8カ月がたったものの、公示後も街頭演説中に「銀座でやっとけ」と通行人から暴言を吐かれることもある。松本は街頭で「比例は自民か公明に」と呼び掛けるが、公明党は同様の問題で所属議員が辞職。公明関係者の一人は「これまでのように松本さんをやるよう支援者に頼むのは難しい」と複雑な表情で明かす。
与党支持層の票を固められるかが課題となる中、21日は元首相の安倍晋三が桜木町駅前に「友情」で駆け付け、「松本さんにとって正念場だ。もう一回、力を与えてほしい」と声を張り上げた。今後は側近として仕えた党副総裁の麻生太郎らも入る予定で、自民公認さながらの「大物」来援が情勢の厳しさを物語る。松本は「小選挙区で失敗したら政治生命は終了する」と背水の陣だ。
一方、過去2回の当選がいずれも比例復活だった立憲民主党の篠原は「小選挙区で勝利して皆さんの声を届けたい」と攻勢をかける。ただ篠原も足元に不安材料がある。9月にあった磯子区の市議補選では立民候補と共産党候補、国民民主党の実質的な支援を受けた無所属候補らが競合。今月の金沢区の同補選は立民候補と国民の実質的支援を受けた無所属候補の一騎打ちとなり、野党間に「しこり」が残った。国民関係者は「すぐに篠原さんを応援しようという雰囲気にはならない」と距離を置く。
日本維新の会の浅川は「国の形を変えたい」と訴え、自民の公認候補がいない中、“第三の男”として保守層の取り込みを図る。
松本の「失策」により、激戦となった1区。永田町関係者は「松本氏以外の候補が積極的な支持を広げられているわけではない。失った信頼を松本氏がどこまで回復できるかで勝敗が決まるだろう」と指摘する。

●「波乱必至」岐阜4区 岸田首相が可児入り応援、野党は政権批判 10/22
衆院選(31日投開票)で自民と立憲民主、日本維新の会の3候補が立つ岐阜4区では、自民前職と立民前職が互角の戦いを繰り広げ、激戦となっている。4区は1996年の小選挙区制導入以来、自民が公認候補を落としたことのない牙城。21日、自民側は岸田文雄首相(64)が可児市へ応援に入り、議席死守へてこ入れを図った。今後も閣僚や党幹部らが相次いで応援に入る予定で、迎え撃つ立民候補らは遊説などで政権批判を強めている。
4区は飛騨地域が自民前職の金子俊平候補(43)、可茂地域が立民前職の今井雅人候補(59)と強いエリアが異なる。金子陣営は候補者の父親の一義氏(78)と親子2代にわたり今井候補と対決。今井候補は小選挙区で敗れるものの比例復活を果たし、近年は回を重ねるごとにその差を縮めてきた。
自民は接戦となる危機感から、20日午前は野田聖子こども政策担当相、午後は金子原二郎農相と知名度や肩書のある弁士を可茂地域を中心に次々と投入、躍起になって攻勢をかける。金子候補は岸田首相が会長を務める宏池会の一員であり、21日の可児市の演説で「岐阜県では首相の一番の理解者だと思っている。総裁選でも支援したのは私だけだ」と声を張り上げ、首相との近さを強調した。
一義氏のライバルであり盟友で、可茂地域を地盤としていた元衆院議員藤井孝男氏(78)もマイクを握り、「岸田首相がわざわざ可児に来るほど厳しい戦いだ」と支持を訴えた。
県内唯一の野党前職である今井候補は、国会追及で存在感を示しながら、地元の行事にも頻繁に参加。コロナ下では街頭活動に専念し有権者が見掛ける機会は増えた。1年でトータル約500時間の積み重ねは、顔や腕の日焼けが物語る。
この日は下呂市と郡上市を回った。両市での個人演説会では「富裕層に課税すると言いながら、(自民)総裁選が終わったらすぐに方針を変えた」と岸田首相を批判。候補者擁立を見送った共産党の支持も得ながら、「巨大組織と、草の根の戦い」と激戦の構図を有権者に示し、無党派層にもアピールする。
維新新人の佐伯哲也候補(51)は、選挙カーを使った街頭活動は行わず、支持者回りに徹した。取材に「今後も選挙区内をくまなく回り、集会や電話で浸透を図りたい」と話した。
衆院岐阜4区の自民前職候補の応援演説で21日に可児市入りした岸田文雄首相(自民党総裁)は「経済の成長の果実を一部が独占するのではなく、幅広く所得、給料という形で享受してもらう経済政策を進めていきたい」と訴えた。
岸田首相は新型コロナウイルス対策として「ワクチン接種と検査体制の充実、経口治療薬の実用化の取り組みをしっかり進める」と強調。経済の再生に取り組む考えを示し「消費が広がると、次の経済の成長につながる。成長と分配の好循環ができる」と語った。また、飛騨高山や下呂温泉、白川郷を挙げ「感染状況を見ながら安全・安心な形で『Go To トラベル』を実施したい」とした。
有権者の声を書き留めた「岸田ノート」を掲げ、「皆さんの声を丁寧に聞きながら政治を進めていく」と締めくくり、演説後は聴衆とグータッチをして回った。
200人以上が演説に聞き入った。男性会社員(20)=同市=は「国を引っ張る上で欠かせないたくましさを感じた」と印象を話し、男子大学生(22)=美濃加茂市=は「必要な財源の確保など具体的な説明が不足していた」と受け止めた。

●安倍元首相に玉砕特攻! れいわプロレスラー候補 10/22
衆院選(31日投開票)3日目の21日、自民党の安倍晋三元首相(67)が動いた。全国を回る応援演説を始め、自ら日程を公表したのだ。ユーチューブチャンネルも開設し、露出を強める姿に党内では「キングメーカー就任間近」と騒がれている。そんな安倍氏に一泡吹かせようとプロレスラーで、れいわ新選組公認の竹村克司氏(49)がジャイアントキリング≠狙っている。
安倍氏はこの日、ツイッターで「全国遊説をスタートします」と応援に入る候補者名を記載。自民党のホームページでも安倍氏の応援日程が記されていた。
実は安倍氏は首相在任時の2017年の都議選で「こんな人たちに負けるわけにはいかない」発言の騒動以後、反対派やアンチが押しかけるとあって、応援日程は原則として非公開になっていた。首相退任後も同様だったが、今回の衆院選で解禁となったようだ。
安倍氏はユーチューブチャンネルを19日に開設し、瞬く間にフォロワー数は19万人を突破する人気ぶりだ。「首相辞任の要因となった持病はすっかり良くなり、元気一杯ですよ。麻生太郎副総裁、甘利明幹事長とともに3Aとして、暗躍しているというが、もう闇将軍でもなんでもなく、堂々と表立って活動している」(党関係者)。
今回の衆院選後、細田派(清和会)を率いる細田博之会長(77)は衆院議長に就任し、実質的なオーナーである安倍氏が会長に就任し、安倍派になるとの見方が強い。岸田文雄首相(64)よりも永田町、霞が関を動かすキングメーカーに君臨間近とあって、このところの積極的な安倍氏の動きともいえそうだ。
そんな安倍氏に待ったをかけるべく、立ち上がったのが竹村氏だ。介護事業所を経営する一方、「竹村豪氏」のリングネームで新日本や全日本プロレスのマットで暴れた現役のプロレスラーでもある。
この日、下関市内で街頭演説を行った竹村氏は「商店街がどんどんシャッター街になっていくこの町のみなさんに助けていただいた。その恩返しがしたい」と首相を輩出しながらも街が寂れる一方なことに危機感を募らせる。
さらに「株価が3万円になって私たちの生活は安定します? 安定なんかしないです。苦しいばっかり、物価はどんどん上がって賃金は変わってない。そんなこと、今の政治家は誰も分かってないでしょ」とアベノミクスもぶった切る。
竹村氏は19年の参院選でれいわの山本太郎代表が訴えた「壊れた世の中は政治でしか変えられないんだ」という言葉に感銘を受け、政界進出を決意。山本氏は「誰が立っても勝てないところにあえて、挑戦した。ド素人が勇気をもって、この国の最高権力者に戦いを挑んだ」と竹村氏を買っていて、昨年2月に立候補を表明してから、地道に活動を続けて、着実に支持を集めている。
これまでの野党候補とはひと味もふた味も違うことを安倍氏も意識しているのか、公示日は12年ぶりとなる地元入りで第一声を上げた。さらに全国で応援行脚した後、29日には再び地元に戻る予定。これまでなら昭恵夫人任せにしていたところだが、異例ともいえる地元締めで、キングメーカー就任へぬかりはない。
 

 

●麻生太郎氏が銀座クラブ訪問で離党した神奈川1区・松本純氏の応援 10/23
今年1月の緊急事態宣言中に東京・銀座のクラブを訪れていたことが発覚し、自民党を離党した神奈川1区の無所属・松本純氏の応援に23日、麻生太郎元首相が駆けつけた。
松本氏が1996年に初当選した時から交流を深めてきた麻生氏が、盟友のピンチを見過ごすわけがなかった。横浜市金沢区の京急・金沢文庫駅前の街頭演説で、麻生氏は「初当選の時から20数年。松本純とはずっと一緒にいました。数少ない波長が合う相手です」。麻生氏が総裁選に立候補した際には選対を務め、首相就任後には官房副長官に就任するなど、これまでの「二人三脚ぶり」を紹介した。
衆院選前に松本氏が復党するという話も出たそうだが、「極めて厳しい選挙だが、本人が『当選してから復党させていただきます』と言うなら、応援するしかない」と麻生氏。21日に安倍晋三前首相が応援演説を行ったことに続き、23日には河野太郎広報本部長が現場入りする予定となっており、他の自民公認候補以上に手厚い”バックアップ”に、松本氏は「私は自民党系無所属で戦いを進めたい」と強調。復党への思いを吐露すると共に、勝利を誓っていた。

●兵庫11区 浮いた旧民主票の行方は 連合関係者「“不戦敗”避けたかった」 10/23
政権を懸けて舌戦が続く衆院選(31日投開票)。自民、共産、維新の各候補が三つどもえの戦いを展開する兵庫11区(旧姫路市)では、旧民主系の票が宙に浮いた格好となっている。今のところ共産と立憲民主の共闘も姫路では限定的とみられ、自民、維新も労組などとは距離を保つ。製造業が集積し、一定の規模を維持する旧民主票はどこへ向かうのか。各陣営とも風向きを読み切れない中、選挙戦は中盤戦に突入する。
「今回は立民が出ないから票の行方が分からない。気の抜けない選挙になる」。公示目前の16日、姫路市内の一室で開かれた自民前職・松本剛明候補(62)を支援する市議の選挙対策会議で、自民のベテラン議員が強い口調で訴えた。
旧民主系の支持基盤だった連合は、松本氏が民主公認で当選した2014年までの戦いを支援。だが、離党を経て自民公認となった17年の前回はたもとを分かち、希望の党の候補を支持した。今回、小選挙区については自主投票とする方針で、連合兵庫西部地域協議会の天川隆幸議長は「きちんとした野党をつくらないといけないが、11区は選択肢がない」と複雑な思いを打ち明ける。
一方、立民と共産が共闘路線を強める中、共産新人の太田清幸候補(66)は「野党統一候補」をアピールする。街頭演説ではジェンダー平等や消費税減税など立民が重視する訴えにも時間を割き、公示日には立民県連から激励のメッセージを受けた。
地元選出の共産県議は「組織票は見込めなくても、単発で支持してくれる人はいる」と手応えを口にする。ただ、応援弁士や選挙スタッフの派遣といった協力はなく、陣営からは「立民の本気さが伝わらない」との不満も漏れる。
「第三極」の立場を掲げる維新新人の住吉寛紀候補(36)は「(旧民主系と)ルートもないし、接触もしていない」と強調。選挙区をくまなく回って政策を訴え、若い世代や無党派層の取り込みを狙う。
労組が明確な投票先を見いだせないまま進む選挙戦に、ある組合幹部は「応援する候補がいないのは、やっぱり寂しい」と声を落とす。候補者不在は比例票にも影響を及ぼすため、別の連合関係者は「本音を言うと“不戦敗”は避けたかった。このままでは選挙区に独自候補を擁立するのも難しくなるのでは」と懸念を示した。

●岸田首相、初の九州入り 佐賀・福岡の激戦区てこ入れ 10/23
衆院選(31日投開票)公示後、初の週末となった23日、岸田文雄首相(自民党総裁)が選挙戦で初めて九州入りした。佐賀、福岡両県の激戦区を回り「新しい日本を切り開く」などと訴えた。九州は自身が会長を務める自民党派閥、岸田派(宏池会)の牙城の一つともされ、同派所属議員の当落は岸田氏の求心力にも影響を及ぼす可能性がある。
「同じ政策集団の仲間でもあり、先の総裁選では、側近として大活躍してもらった恩がある。今度は私が勝たせなければならない」
23日午後、佐賀市のJR佐賀駅前でマイクを握った岸田氏は、佐賀1区から出馬した隣の自民前職、岩田和親氏(48)をこう持ち上げた。
同区は岩田氏と4度目の対決となる立憲民主党前職の原口一博氏(62)が激戦を繰り広げている。岸田氏は、防衛政務官などを務めた岩田氏の経歴に触れ、「不穏な国際情勢の中、皆さんの命と暮らしを守れるのはどの政党、どの候補者か」などと支持を呼び掛けた。
佐賀は前回衆院選で、九州7県では唯一、自民が県内全小選挙区で敗れた。岸田氏は佐賀2区にも入り、立民前職の大串博志氏(56)へのリベンジを期す自民前職の古川康氏(63)へのてこ入れを図った。
福岡市中央区での街頭演説では、福岡1〜3区の自民前職3人への支持を訴えた。3人はいずれも平成24年の衆院選で初当選した「3回生」で、第2次安倍晋三政権下や自民への追い風の中で行われた過去3回の選挙とは情勢が異なる。
岸田氏は、総裁選で注目を浴びた「岸田ノート」を手に「この3人とともに新しい時代を切り開くため、皆さんの声を聞き、協力をいただきながら政治を進めていく」と強調した。
福岡県内ではこのほか、いずれも激戦となっている5、9、10区も回った。
九州は岸田派所属の前職7人を擁し、派閥にとっても重要な地域の一つだ。ただ、この日応援に入った佐賀1区や福岡10区のほか、長崎4区、宮崎1区などでも同派の前職が厳しい戦いを強いられており、「仲間」の浮沈は、首相や派閥トップとしてのプレゼンスを左右する。

●佐賀2区・鹿児島3区 原発立地選挙区もエネ論議低調 10/23
衆院選は31日の投開票に向け、九州・山口の各地でも活発な論戦が展開されている。そんな中、影が薄くなっているのがエネルギー政策だ。先月の自民党総裁選では、原子力発電の将来にかかわる核燃料サイクルの是非などに注目が集まったが、熱気は急速にしぼんだ。九州電力が計4基の原発を稼働させる佐賀、鹿児島両県の選挙区でも原発などエネルギー政策の論議は低調だ。
ゼロ
22日、立憲民主党の玄葉光一郎副代表が九電玄海原発が立地する佐賀県玄海町に入った。同町を含む佐賀2区から立候補した同党前職の大串博志氏(56)の集会に出席するためだ。
会場から北にわずか約6キロには玄海原発がある。しかし、大串氏が原発問題に触れることはなく、福島県中部の福島3区を地盤とする玄葉氏も同じだった。玄葉氏は集会後、産経新聞の取材に「本当は言いたいことはある。あえて話さなかったんだよ」と答えた。
同区には自民前職の古川康氏(63)も立候補する。古川氏は玄海町に隣接する地元・唐津市で21日に500人超の支持者を集めた大規模集会を催した。しかし、演説では大串氏同様に原発問題をはじめ、エネルギー政策に時間を割くことはなく、選挙区内での豪雨災害への支援策などの実績アピールに終始した。
九電川内原発が立地する鹿児島県薩摩川内市を含む鹿児島3区も状況は同じだ。自民前職の小里泰弘氏(63)と立民元職の野間健氏(63)はともに、課題となっている川内原発の40年超運転について安全性が確保を条件に容認姿勢を示していることから、争点に浮上する気配はない。
原発立地選挙区でのこうした傾向は平成29年の前回衆院選と同じだ。
大串、野間両氏は当時、希望の党公認で出馬した。同党は「12のゼロ」と称した重要政策の筆頭に「2030年までの原発ゼロ」を掲げたが、選挙戦では党代表だった小池百合子東京都知事を含め原発に言及する機会が両氏の地元ではゼロ≠セった。
相変わらずの理想論
立民は平成30年、施行後5年以内に国内の全原発の運転停止を目標とする「原発ゼロ基本法案」を共産党などと提出した。同法案は審議入りすることなく立ち消えになり、立民の枝野幸男代表は今年4月「(政権獲得後は)作らない」と明言し、軌道修正を図る。
今回の衆院選では「原発に依存しない脱炭素社会を実現する」と公約し、再生可能エネルギーの発電比率の目標を2030年に50%、50年に100%まで引き上げると明記した。加えて、再エネ普及に伴う送電網整備を政府の直轄事業として進めるとする。
これに対し電力業界からは「再エネの変動する発電量への対処をはじめ技術的な課題は多い。また、既存送電網の維持ですら人手不足感が強まっている中、拡充を担う技術者をどう確保するのか。現実度外視の理想論は相変わらずだ」と冷ややかな視線が送られる。
「左に寄るしかない」
立民の公認を受け、原発が立地する選挙区から出馬する大串、野間両氏の立ち位置は難しい。
大串氏は民間労組に支援を依頼する際、「相手側がいない真ん中から左に寄らないと当選できない」と釈明しているという。本音は別にある、というのだ。
立民を支援する連合内部では、民間労組を中心に「共産党や左派系市民団体などへの傾斜を強めている」との不信が根強い。今回の総選挙で、長らく民主系を支援していた全トヨタ労働組合連合会が、愛知県で自民候補との対決回避を決めたのはその象徴だ。
それでも連合佐賀や連合鹿児島は今回も両氏を推薦するなど、組織としての支援姿勢は崩さない。両氏が原発問題に言及しないのは、民間労組側への配慮という側面もある。佐賀県内の労組幹部は「大串氏は現実的な考え方をしている。党を内側から変え、路線転換を図る上で大きな存在だ」と期待をかける。
とはいえ「内側からの変革を期待する」という方便はこれまでの選挙でも繰り返されてきた。公約などを見れば、その路線は成功したとは言い難い。組合員からは自民支援に転換するべきとの意見も上がり、調整は容易でなかった。ただ、風向きに変化も生じる。
22日に閣議決定されたエネルギー基本計画は、菅義偉政権時に提示された骨子の内容を踏襲したものだ。実現性に裏付けのない高い数値目標を掲げ、当時の小泉進次郎環境相ら主要閣僚が脱炭素電源として原発の有効活用を求める声を十分に反映しなかったことへの反発は強い。また小泉氏とともに菅政権を支え、自民党総裁選に立候補した河野太郎氏は、既存原発を代替し得る小型原子炉の研究開発について「消えゆく産業の最後のあがき」とまで言い切った。
こうした自民幹部の言動に業界関係者は不満を強める。安価で安定的なエネルギーの確保は社会生活はもちろん、産業の土台だ。業界には「脱炭素は理想としては正しくとも、実現方法を誤れば国内産業のさらなる空洞化を招きかねない」との危機感がある。
ある電力総連幹部はこうつぶやいた。
「とりあえず今回は『自民で本当に大丈夫なのか』と組合員を(連合系候補への支援で)説得できるよ」

●衆院選 公示後初の週末 各党党首が支持呼びかけ  10/23
自民 岸田首相「成長の果実実感を 地方の活力盛り上げる」
自民党の岸田総理大臣は佐賀市で街頭演説し「経済を大きくし、成長させるのは大事なことだが、さまざま成果があがった場合に、一部の人や大都市が独占するのではなく、地方や中小企業、何よりも皆さんひとりひとりの所得と給料を引き上げるという形で、成長の果実を実感してもらう経済をつくらなければならない」と述べました。そして「大きなポイントになるのが地方で、少子高齢化や介護、農業など、最新のデジタルや科学技術によって乗り越えることができる課題がたくさんある。それだけ大きな可能性が地方にはある。デジタル田園都市構想を打ち上げているが、若者が生き生きと働くことができる地方をつくって、地方の活力を盛り上げていこう」と訴えました。
立民 枝野代表「安心を高める支え合い 経済成長で」
立憲民主党の枝野代表は、東京・銀座で街頭演説し「高齢者は、年金や老後の蓄えが、多くない中で『できるだけ使わないようにしよう』となる。若い人は、雇用が不安定、低賃金で『家族を持ち、子ども産み育てることは、夢のまた夢』という人が増えてしまった」と指摘しました。その上で「多くの人が希望をかなえられれば、本人も幸せだし、結果的に消費がのび、社会全体が幸せになる。老後や子育ての安心を高める支え合いが、経済をのばすということで返ってくる。そういう社会を日本に取り戻したい」と訴えました。
公明 山口代表「不透明で不安定な政権 選択肢の意味なさず」
公明党の山口代表は、北九州市で街頭演説し「今回の選挙は、次の時代を切り開くための政権を選んでもらう大事な意義があるが、野党はどんな選択肢を示しているのか。不透明で不安定な政権は選択肢の意味をなさない」と述べました。その上で「訴えのひとつは『未来応援給付』で、0歳から高校3年生の年代まで1人一律10万円を差し上げたい。合計2兆円くらい必要だが、去年の予算の黒字である決算剰余金が4.5兆円あまり残っていて、ここから生み出せる」と述べました。
共産 志位委員長「分配のゆがみ問題 暮らし底上げで経済改善」
共産党の志位委員長は、名古屋市で街頭演説し「大金持ちと大企業が分配を独り占めし、庶民のみなさんに回らない。この分配のゆがみこそが問題だ。アベノミクスの理屈として、企業と大金持ちが儲かれば庶民に回ってくると言われたが、この9年間、回ってこなかった。ならば庶民の暮らしの底上げで日本の経済をよくしていく道に切り替えよう」と訴えました。
維新 松井代表「経費見直しと経済成長 行財政改革を国会でも」
日本維新の会の松井代表は、札幌市で街頭演説し「岸田氏も、枝野氏も分配、分配というが、そのための財源を確保する方法は、税金の使い方に無駄がないか経費を見直すことと、日本の経済を成長させて財源を増やすこと、この2つしかない。『維新』が大阪でいままでやってきた行財政改革を国会でもやれる力を与えてもらいたい」と訴えました。
国民 玉木代表「責任取らない政治変え 信頼取り戻す」
国民民主党の玉木代表は、茨城県東海村で街頭演説し「今回の選挙で取り戻さなければいけないことの1つは、政治の信頼だ。安倍、菅、岸田政権と3代にわたって、聞いたことに答えず、資料も開示しない。公文書の改ざんまで起きたが、政治家は誰1人、責任を取っていない。こんな政治を変えていこう」と訴えました。
れ新 山本代表「誤った社会変えるのも政治 チャンスはいま」
れいわ新選組の山本代表は、東京・町田市で街頭演説し「賃金が下がり続け、株主に利益が還元され続けている。この誤った社会を作ったのは政治だ。変えられるのも政治であり、そのチャンスがいまだ」と訴えました。
社民 福島党首「非正規・貧困からの脱却 最低賃金1500円に」
社民党の福島党首は、北九州市で記者団に対し「非正規雇用が全体の4割に増えたのは、自民党政治の結果だ。社民党は『非正規・貧困社会からの脱却宣言』を掲げ、最低賃金を時給1500円に引き上げていく」と述べました。
N党 立花党首「スクランブル放送 実現を」
「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の立花党首は、東京・新宿で街頭演説し「NHKのスクランブル放送すら実現できない政治家に、この国の改革や防衛はできない。私が国民に信頼してもらえる政治を行っていく」と述べました。
 

 

●岸田文雄首相ノート掲げ約束 公示後初の大阪入りに黄色い声援も 10/24
岸田文雄首相(自民党総裁)は24日、党公認候補を応援するため公示後、初の大阪入りし、4カ所での街頭演説に臨んだ。
大阪は議席増に勢いを見せる日本維新の会の地盤。維新は岸田氏の成長と分配の好循環による「新しい資本主義」を否定し、対決姿勢を強めている。大阪・梅田のヨドバシカメラ前でマイクを握った岸田氏は「経済を成長させ、その果実で所得、給料を引き上げたい」と力説した。「岸田ノート」を左手に掲げ「みなさんの声を聴き、丁寧な政治を進めます」と約束した。演説終了時には女性から「キッシー」の声も飛んだ。

●初の週末、「王国」死守に首相が九州遊説 公明、野党幹部も 10/24
衆院選公示後初の週末となった23日、岸田文雄首相(自民党総裁)が九州入りし、佐賀、福岡両県で激戦区のてこ入れを図った。報道各社などの序盤情勢調査では、自民は公示前議席の維持が困難な状況。保守地盤が厚い「自民王国」の九州でも、守勢の選挙区は少なくない。「選挙の顔」としての力量が問われる首相は、反転攻勢に向け街頭などで懸命に支持を訴えた。
公示後初めて九州入りした首相が最初に足を運んだのは、佐賀2区内の佐賀県武雄市だった。同市は2年前と今夏の記録的な大雨の被災地。市内の広範囲が浸水するなど打撃を受けた。
「抜本的な治水対策をしてほしい」。街頭演説後に設けられた車座の意見交換で住民から要望が上がると、首相はメモを取りながら「政府として責任を持って対応したい」と応じた。
続いて、首相は佐賀1区内のJR佐賀駅前で「隣のスーパーでは新鮮な野菜が大変な人気と聞いた」とご当地の話題に触れ、親しみやすさをアピールすることも忘れなかった。
2017年の前回選挙では、自民は九州7県で唯一、佐賀の小選挙区で議席を得ることができなかった。今回は1、2区ともに前職が議席奪還を目指すが、共産党が候補を立てなかったことなどで立憲民主党前職との一騎打ちとなり、激しく競り合っている。
首相が次に向かったのは福岡5区。公認問題がもつれた余波もあり、立民新人と閣僚経験のある自民前職が大接戦となっている。首相は福岡県大野城市の駅前で「今回は前職、次回衆院選では(出馬を断念した)元県議を公認候補」とする党本部の裁定を2回も紹介し、結束を求めた。
首相は夕方、「九州最激戦区」ともいわれる福岡2区内の福岡市・天神で街頭演説。夜は、自身の出身派閥で副会長を務める自民前職と立民前職が横一線の福岡10区に駆け付けた。
自民が激戦区を取りこぼし議席を大きく減らせば、首相の求心力は低下し、政権運営は不安定化する。九州では、出身派閥の複数の前職が当落線上の情勢だ。首相は、10区内の北九州市小倉北区の会場を埋めた約2千人を前に「厳しい厳しい選挙。私の盟友をぜひ押し上げてほしい」と危機感をあらわにした。

●与野党の党首・幹部が支持拡大へ各地で演説 衆院選 選挙戦中盤  10/24
衆議院選挙の選挙戦は中盤に入り、公示後、24日が唯一の日曜日です。与野党の党首や幹部は、支持拡大に向けて、各地で経済政策などを訴えました。
自民 高市政調会長
自民党の高市政務調査会長は、奈良県生駒市で街頭演説し、「コロナでいたんだ日本経済を一刻も早く立て直さなければならない。飲食店や宿泊施設だけでなく、たくさんの事業者が困っている。衆議院選挙が終わったら、すぐさま大型の補正予算案の編成に取りかかかりたい。コロナが収束したあと、経済のV字回復の機会が訪れた時に、事業主体そのものがなくなっていたら元も子もない。だからこそ、地域や業種を限定せずに事業規模に応じた支援をしっかりと行っていく。また、非正規雇用や女性、子育て世帯の方も大変苦労している。こういう人たちを手厚くしっかりと支えるための補正予算だ」と訴えました。
立民 安住国対委員長
立憲民主党の安住国会対策委員長は、川崎市で街頭演説し、「今度の選挙で1番問われているのは経済と暮らしだ。新型コロナで1番厳しい思いをしたのは若者たちで、アベノミクスで困っているのは非正規雇用の人たちだ。アベノミクスをやめて、富裕層の金融所得への課税をしっかり行い、お金持ちから集めたお金で、厳しく困っている方々への手当てを行い社会を変えよう。若者たちに非正規雇用ではなく、安心の未来を届けよう」と訴えました。
公明 石井幹事長
公明党の石井幹事長は、仙台市で街頭演説し、「コロナ禍で、デジタル化の遅れが課題として浮かび上がってきた。マイナンバーカードを持っている人や、これから取得する人に、1人3万円分のポイントを提供し、デジタル化の基盤となるカードの普及と消費の喚起を実現させ、その恩恵が、国民生活の隅々に行き渡るように改革を進めていきたい。多くの課題に挑戦し、結果を出すためには政治の安定が不可欠であり、安定をもたらすことができるのは自民・公明両党の連立政権しかない」と訴えました。
共産 田村政策委員長
共産党の田村政策委員長は、甲府市で街頭演説し、「岸田総理大臣は『分配だ』と言っていたと思ったら、『いやいや成長がなければ分配はできない』となり、何をやるのかがちっともわからない。大企業や富裕層にしっかり税金を納めてもらえれば、これを庶民の暮らしに振り向けることができるのではないか。政権交代すれば『暮らし応援の政治』は実現できる」と訴えました。
維新 松井代表
日本維新の会の松井代表は、東京 池袋で街頭演説し、「大阪で、昭和の時代から続いてきたことについて、さまざまな構造改革を行ったら新たな財源が生まれた。これを全国でやることで安易な借金に頼らずにみなさんの負担を減らせるし、格差を解消することにもつながる。全国に広げるためには、我々にもう少し力を与えて自民党政権を脅かす存在にしてもらいたい」と訴えました。
国民 玉木代表
国民民主党の玉木代表は、名古屋市で街頭演説し、「私たちは、被選挙権が得られる年齢を18歳以上に引き下げることを提案している。多様性・ダイバーシティと言われるが、若い人たちの意見を政治がどうくみ取っていけるかが、これからの日本の成長と発展にとって、ものすごく重要だ。『若い人がみずから参加して変える』、そんな政治への道を切り開いていく」と訴えました。
れ新 山本代表
れいわ新選組の山本代表は、東京 三鷹市で街頭演説し、「政治を資本家や大企業の手から人々の手に取り戻す作業が必要で、その先頭に立ちたい。まずは消費税をやめることからで、そうすれば1人1人が使えるお金が増える」と訴えました。
社民 福島党首
社民党の福島党首は、東京都内で、「税金のとり方や使いみちを変え雇用の立て直しをしてほしいとみんなが切望している。『政治を変えよう、社会を変えよう、希望のある未来をつくろう』と強く訴えていく」と述べました。
N党 立花党首
「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の立花党首は、東京都内で、「NHK問題を訴えて国政政党になった。受信料収入も大幅に減り、我々は成果を上げている。これからもいろいろな改革ができるということを訴えていく」と述べました。

●一日6カ所で応援演説…岸田首相より安倍元首相に熱狂する  10/24
「自民・公明党の安定した政権を選ぶか、立憲民主党・共産党の政権を選ぶかを選択する選挙です」
24日午後7時、東京を代表するベッドタウンである中野区のJR中野駅北口広場に、安倍晋三元首相が登場した。安倍氏が来るという知らせに、広場は午後5時30分から数百人の人々でいっぱいになった。広場がいっぱいになると、向かい側の歩道や駅の入り口につながる階段にも「本物の安倍さんを見たい」と人々が集まった。安倍氏は同日、約50分遅刻したが、その場を離れる人はいなかった。この地域が含まれる東京7区の衆議院議員自民党公認候補・松本文明氏が話している時はスマートフォンばかり見ていた人々も、安倍氏が登場すると一斉にスマホで写真を撮り始めた。
安倍氏の声には力があった。今回の選挙でなぜ自民党が勝たなければならないかを熱く語った。同氏は「日米同盟廃棄や自衛隊の憲法違反を主張する共産党が立憲民主党の力を借りて政権を取れば、日米同盟は終わってしまう」「だからこそ我々自民党は野党連合に負けられない」と言った。安倍氏はこの日、東京都練馬区や中野区など自民党候補が苦戦する東京都内の選挙区6カ所を回り、「野党共闘批判」をテーマに応援演説を行った。
自民党は、首相在任中に3回の衆議院選挙を大勝に導いた安倍氏を、今月31日に行われる今回の総選挙の全国激戦地に集中的に投入している。候補の一本化に成功した野党に、予想よりも苦戦する可能性があると見ているからだ。
最近、第1野党である立憲民主党をはじめ、日本共産党・国民民主党・社民党・れいわ新選組という日本の5野党は、全国289選挙区のうち217選挙区で候補を一本化して公認した。これは全選挙区の75%に達する。野党の中でも趣を異にする日本共産党まで加わり、異例だと評されている。こうした効果により、自民党候補と野党一本化候補が1対1で対決をすることになった選挙区は2017年の57選挙区から今回は147選挙区へと2.5倍以上になった。
岸田文雄首相は公明党と共に全議席の過半数(233議席)を取ることを目標に掲げているが、日本の各メディアは、安定した国政運営のためには自民党単独での過半数が必要だと見ている。自民党は2012年以降、3回の衆議院選挙すべてで単独過半数を達成してきた。
しかし先日、日本経済新聞や時事通信などは、全選挙区の40−50%を「接戦地域」に分類した。フジテレビも25日、「自民党が東京・大阪といった大都市地域で苦戦している」「自民党単独過半数とは言い切れない状況だ」との分析結果を出した。自民党指導部も22日、「情勢緊迫 一票一票の獲得に全力を!!」という緊急告知を全国の候補者に通達した。
こうした中、24日に山口県と静岡県で行われた参議院議員補欠選挙では、自民党が山口県で1議席を得るにとどまった。静岡県では自民党が公認した若林洋平前御殿場市長(45.3%)が立憲民主党・国民民主党推薦の山崎真之輔前静岡県議員(46.3%)に敗れた。日本共産党の候補得票率が8.4%であることを考慮すると、自民党の候補が野党に事実上、大敗したものだ。立憲民主党の福山哲郎幹事長は「静岡は本来、自民党の議席だったし、岸田首相は静岡県へ2度応援に入っており、相当な打撃を受けているはずだ」「衆院選へ大きな弾みがついた」と語った。
 

 

●麻生太郎氏「北海道のコメがうまいのは温暖化のおかげ」街頭演説 10/25
自民党の麻生太郎副総裁は25日、北海道で衆院選の公認候補とともに街頭演説し、道産米について「昔、北海道のコメは『やっかいどう米』と言うほどだったが、今はやたらうまいコメを作るようになった。農家のおかげか、違う。温度が上がったからだ。温暖化というと悪いことしか書いてないが、いいことがある」などと発言した。温暖化にメリットがあるかのような発言だが、品種改良に取り組んだコメ農家の努力などには触れておらず、波紋を広げそうだ。
麻生氏は演説で「おぼろづき、こちぴかり、金賞取った。いずれも北海道米だ」とも発言した。「こちぴかり」という名の道産米ブランドはなく、事実誤認とみられる。

●“秋の政治決戦”衆議院選挙 北海道10区の戦い 10/25
“秋の政治決戦”衆議院選挙。道内12の小選挙区では31日の投票日に向けて、各候補者が論戦を展開しています。このうち空知地方と留萌地方を合わせた北海道10区は、届け出順に、▽立憲民主党の前議員で社民党道連合が支持する神谷裕氏(53)と、▽公明党の前議員で自民党と新党大地が推薦する稲津久氏(63)が立候補しています。両者が争うのは今回で3回目。4年前に行われた前回の選挙に続いて、今回も1対1で与野党が対決する構図です。北海道10区は、前回の選挙は票差513票の接戦となりました。前回の選挙では、留萌地方はすべての自治体で稲津氏の得票が上回りました。一方、岩見沢市や滝川市など空知地方の都市部では神谷氏が上回りました。結果は、稲津氏が小選挙区で当選し、神谷氏が比例代表で復活当選しました。今回、それぞれの地域で勝つためにどのような戦略で臨んでいるのか、両候補の選挙戦に密着しました。
神谷裕氏の選挙戦
立憲民主党の神谷裕氏は、今回は小選挙区での勝利を目指します。地域の産業を支援して人々の暮らしをよくするため、与党の1強体制を崩したいとしています。19日の公示日、第一声で神谷氏は「毎日、額に汗して仕事する皆さんが軽んじられている今の政治を根底から変えなければいけない。必ずやわれわれの手に政治を戻しましょう」と訴えました。神谷氏は前回、稲津氏の票を超えられなかった留萌地方で巻き返しをはかりたい考えです。1次産業が盛んな留萌地方。港では漁業組合で働いていた経験を生かし、漁業者の暮らしを守りたいと訴えていました。遊説先では党所属の市議会議員らが駆けつけ、全面的にサポートしています。田中昌幸深川市議会議員は「神谷氏は子どもたちの未来をしっかりと作る政治を実現できる。支援の輪を広げていただきたい」と支持を呼びかけていました。前回、票が伸びなかった地域で対話を重ねる神谷氏。この選挙区で与党から議席を奪い、政権交代実現につなげたいとしています。神谷氏は「今、本当に普通の暮らしが見えなくなっている。一人ひとりがもう少し元気になるよう、豊かになるような政治を取り戻したい」と話していました。
稲津久氏の選挙戦
公明党の稲津久氏は、5回目の当選を目指します。厚生労働副大臣を務めワクチン確保にあたった経験を生かし、コロナ対策をさらに進めたいとしています。19日の公示日、第一声で稲津氏は「コロナを終えんに向かわせる。与党の力、政治の力を発揮し、今こそ皆さんと一緒にこの政治力をもって私たちの地域の未来を築いていこう」と訴えました。稲津氏は前回、神谷氏に票差をつけられた空知地方の都市部を強化し、無党派層に支持を広げたい考えです。空知地方の中心、岩見沢市では、コロナで打撃を受けた飲食や観光業などへの支援を訴えていました。この選挙区を最重点区と位置づける党代表も公示日に空知地方に入りました。山口那津男代表は「稲津氏はコロナへの対応でなくてはならない役割を果たした。皆さんのお力で勝たせてください」と支持を呼びかけていました。前回、苦戦した地域での運動を強化し支持拡大をはかる稲津氏。政権継続が最大のコロナ対策だとして与党の議席死守を目指します。稲津氏は「景気経済を再生させる。そのためには補正予算を組んだ経済対策が必要だ。安定した政権の中で政策を前に押し出していきたい」と話していました。前回、500票余りの差だった北海道10区。それを踏まえて戦略を練る与野党の一騎打ちが続いています。

●宮城1区、民意受け「経済」重視 演説内容 自在に変化 10/25
聴衆の反応や相手候補の出方に応じ、演説の内容が自在に変化する。「暮らしの安心には経済の立て直しが必要。そのための予算は与党議員でなければ組めない」選挙サンデーの24日朝。新型コロナウイルスの「第5波」が収束に向かい、人出が急増した仙台市中心部で、自民党前議員土井亨がマイクを握った。「暮らしを守る」と繰り返す野党候補への逆ねじは明らかだ。選挙戦中盤に入り、経済重視の姿勢を鮮明にした。コロナが落ち着いたとみるや、序盤戦で強調していた国産ワクチン開発の訴えは思い切って短縮した。動員を自粛している陣営に、所属する細田派の党役員や閣僚経験者が次々応援に入る。24日は党総務会長福田達夫が「国土交通(事業)には土井さんが必要」とアピールした。
経済の話題に食い付きがいいことは立憲民主党前議員岡本章子も把握済み。5期務めた仙台市議時代から、政治活動の柱である子ども・子育て政策とのバランスに腐心する。遊説中に子ども連れを見つけると必ず駆け寄り、制服姿の一行には「高校生?」と声を掛けて「大学や専門学校の学費負担を減らしたい」と説明する。陣営は尊重しつつも「もっと経済の話を」と進言する。「消費税減税はばらまきではない。地元でお金を回し、内需を高める経済対策だ」。岡本は22日夕の個人演説会で聴衆に語った。この日の朝一番の街頭演説で減税の訴えが漏れたことを受けて軌道修正した。「有権者が聞きたがっているのは政権批判よりも経済」と選対幹部。経済に明るい党地方議員もサポートし、演説に磨きをかける。
前議員2人の争いに割って入ろうと、日本維新の会新人春藤沙弥香も経済論戦の土俵に立った。「私たちにはプランがある。消費税5%、消費税5%への減税だ」。23日夕の街頭演説で、春藤は序盤にはほぼ言及しなかった消費税減税を叫んだ。陣営関係者は語る。「極論すれば、今回の選挙は選挙カーを走らせて街頭演説するだけ。組織は関係なく、何を言うかに尽きる」無所属新人の大草芳江も教育の充実による産業活性化を訴える。東北一の大都市で展開される空中戦の比重は、コロナ下で極限まで高まっている。民意の風向きに、各陣営は神経をとがらせる。

●東京3区 「石原3男」vs「戦う庶民派」vs「共産党のジャイアン」 10/25
多くのオフィスビルが建ち並ぶ品川区や大田区の一部、さらに伊豆大島や八丈島、小笠原諸島など東京の島嶼部を選挙区に持つ東京3区。4年前の衆議院議員選挙に続き、自民党前職で石原ファミリーの3男、石原宏高氏(57)と、立憲民主党前職で自身を“戦う庶民派”と称する松原仁氏(65)による激しい選挙戦が今年も繰り広げられている。
自民・石原宏高氏 初日から“人気者”の手厚い応援追い風に訴え
衆議院議員選挙が公示された10月19日夜、品川区の大井町駅前のデッキには100人を超える人だかりが出来ていた。その中心にいたのが石原氏だ。
「コロナで緊急事態宣言が毎回出たときに国民とのコミュニケーションが上手くいかなかった」「コロナが起こった当初、日本から中国にマスクを提供した。その後、日本でマスクが足りなくなったがマスクは中国で作られていて、輸入することが出来なかった」
前政権での課題と、多くの国民が経験したマスク不足の話を皮切りに経済安全保障の重要性などについて聴衆の前で訴えた石原氏。そして、ベージュ色のロングコートを身にまとった人物が石原氏のそばに近づいてきた。
「河野太郎さんが来られました。こんなにたくさんの人が河野さんの話を聞きたいと集まってくれました!」
前ワクチン担当大臣で、総裁選に出馬するも敗れ、自民党の広報本部長に就任した河野太郎氏だ。選挙戦初日、激戦が予想される東京3区に石原氏の応援のため駆けつけた。
「私の話はこれで止めます。でもどうかもう一度、国政に送ってください。そして河野太郎を総理大臣にさせてください。そのことを最後に申し上げて挨拶とさせて頂きます!」
石原氏はそう声を張り上げると、足早に演台を降りた。総裁選で石原氏は河野氏支持を当初から明確にした議員の1人だ。河野氏は「石原宏高さんに一生懸命努力を頂いた甲斐もあって東京では党員票で圧勝できた」と石原氏との親密さをアピール。そして「スマホで写真をたくさん撮って頂いて、宏高さんが一番ハンサムに映っている写真をSNSにどんどんあげてください」とユーモアを交えて呼びかけた。
公示日当日から“人気者”の手厚い支援を追い風に5回目の当選を狙う石原氏。一方、その石原氏と過去何度も激戦を繰り返し、直近3回の選挙ではいずれも僅差で苦杯をなめているのが立憲民主党の松原氏だ。
立憲・松原仁氏 “戦う庶民派” 地域に根ざした課題解決訴え支持拡大へ
「羽田航路の固定化回避、現実には出来ていない」
同じ19日の夜、品川区・大崎駅の改札前でマイクを握った松原氏は、“羽田低空飛行問題”から口火を切り、立ち止まった人々は頷きながら耳を傾けた。
陣営は「メインの関心事はいままではコロナだったが、感染者が減っている現状がある中で、今、地域の人が思う争点はどこなのか。空気をしっかりと読み切って発信していく」と話す。“羽田低空飛行問題”というチョイスによって、落下物の不安や騒音に悩む住民の意見を代弁する戦略だ。地域に根ざした意識の共有による草の根的な選挙戦を繰り広げ、票の掘り起こしと支持拡大を目指す。
「私は日本経済の活性化のために消費減税を訴える。財務省は税金を引き上げることで、相撲でいう“金星”をあげたと勘違いしている」
舌鋒鋭く拳を振り上げながら訴える松原氏。前回の選挙の雪辱を果たすため演説にも力がこもる。
共産・香西克介氏出馬で3つ巴の激戦に
一方で、今回の衆院選では多くの選挙区で、野党による候補者の一本化が進んだが、東京3区では野党共闘が成立しなかった。ブログで自身を“共産党のジャイアン”と称する香西克介氏(45)も立候補。公示日以降、香西氏は街頭で連日マイクを握り「リサイタル」と称する街頭演説を行うなど、精力的に活動している。
前回同様、自民・石原氏、立憲・松原氏、共産・香西氏の3つ巴の構図となった東京3区。コロナ・経済・外交、そして地域の課題など各候補者の訴えが開票日まで続いている。

●福岡2区・10区衆院選激戦区 各陣営の情勢分析は? 10/25
衆議院選挙は中盤戦を迎えています。共同通信が23日と24日に実施した調査によりますと、比例では岸田総理が目標にしている自民、公明の与党で過半数を確保していますが、自民と立民の差は先週に比べ1.6ポイント縮まりました。小選挙区でも投票先に自民を挙げる人が33.3パーセントとなっていますが、立民が支持を先週の調査から3.9ポイント伸ばしたことを始め、野党がいずれも支持を伸ばし追い上げています。そんな中、県内にも与野党が接戦を繰り広げる激戦区があります。それがこちらの福岡2区、5区、9区、10区です。このうち25日の特捜Qチームはこの激戦区、2区と、10区についてです。現在の情勢はどうなのか各陣営の選対幹部に話を聞きました。福岡2区。人口の入れ替わりが激しく、無党派層が多いといわれる福岡市中央区と、南区・城南区の一部を除いた地域が選挙区です。立候補したのはご覧の3人。自民前職で防衛副大臣の鬼木氏と立憲前職の稲富氏が激しく競り合っています。ここに維新新人、新開氏が割って入る展開になっています。ここまでの選挙戦「各陣営の情勢分析」は?
鬼木陣営
鬼木陣営 山崎拓選対本部長:だんだんよくなっている。電話作戦部隊から聞いてみると。最初はまだ誰からも選挙依頼がないという反応の人が多かったが、最近はあっちからもこっちからもという反応に。自民党支持者はほとんど全部間違いなく100%抑えてある。本人が防衛副大臣の公務で福岡を離れた時も組織力でカバー。選挙戦前半の陣営の自己採点は70点でした。
稲富陣営
稲富陣営 守谷正人選対本部長:(団体・支援者など)これまでの積み重ねでの信頼関係のある所は非常によい対応をしてもらって、応援してもらっている。(相手候補は)現職の副大臣なので何よりも政権与党の前議員になるので非常に大きな力を持っていると思うので追い付けるよう頑張っていきたい。団体などからの支援に手ごたえがあるようです。陣営による選挙戦の自己採点は断られました。
新開陣営は
新開陣営 粟田新吾選対本部長:かなり手ごたえを感じている。特に20代30代の子育て世代や無党派層から(政策の)ベーシックインカムを中心に街頭演説で耳を傾けてくれる人が非常に増えてきた。陣営の選挙戦前半の自己採点は98点。今回初めての選挙で準備不足な面があったものの街頭演説で日増しに手ごたえを感じているといいます。後半戦に向け各陣営「今後の戦略」は?鬼木陣営では…
鬼木陣営 山崎拓選対本部長:もうスケジュールが組んであるのでそれを確実に消化していくという運動になる。うちは支援議員が多いから。支援議員がそれぞれ自分の持ち場で穴を埋めていく。
対する稲富陣営は?
稲富陣営 守谷正人選対本部長:0140〜0159この福岡2区は人口の流入が激しいところで特に無党派層の選択が非常に大事だと思っている。そういう方に稲富修二の声が本当に届くようにできるだけ露出を多くして、分かってもらえる活動を続けたいと思う。
そして新開陣営
新開陣営 粟田新吾選対本部長:政治に参加しないことには自分たちの声が国会に届かない、国会にとどかなければ国が変わることもないというようなその方々の1票1票を大切に集めていきたい。
ズバリ、2区の今後の展開は?
日本経済新聞西部支社 堤和彦編集部長:(前回の選挙では自民・鬼木氏と立憲・稲富氏の差は約8000票。今回、候補擁立を見送った共産党が前回獲得した約1万7000票と浮動票の行方がカギ。そこに維新・新開氏が割り込むことでどんな影響を与えるか。
続いて、福岡10区。北九州市の中心、小倉北区があり比較的若い世代の多い選挙区です。立候補しているのは、ご覧の4人。9期目を目指す自民・山本氏と前回大接戦を演じた立憲・城井氏の前職2人に維新新人の西田氏が絡む戦いになっています。そして、無所属新人の大西氏が立候補しています。ここまでの選挙戦「各陣営の情勢分析」は?
前回小選挙区で勝利した山本陣営。
山本陣営 西島英利選対本部長:共産党の票は北九州では大きい。非常に厳しい選挙になると思ったが、なんとか追いついてきた。(支援者は選挙の)中途までは一生懸命やってくれるが後半になるとダレてくる。それが一番の心配事。順調に選挙戦を戦っているようですが油断は禁物。選挙戦前半の陣営の自己採点は70から80点でした。
接戦を繰り広げる城井陣営。
城井陣営 原田博史選対本部長:今までの(選挙の)中では、かなり手ごたえがあるなとは肌感覚実感としてある。業界団体であるとか会社を経営している人など山本候補と比べると少し弱いかなと組織票に課題ありとの分析。選挙戦前半の陣営の自己採点は60点だということです。
一方、西田陣営は。
西田陣営 八木徳雄選対本部長:維新の新しい市議3名も増えましたし維新がかなり浸透していると感じています。地元の横の広がりがないという部分では非常に他の候補に比べると遅れを感じています。新人だけに、地域のネットワーク構築が遅れているとのこと。選挙戦前半の陣営の自己採点は75点でした。
後半戦に向け各陣営「今後の戦略」は?
山本陣営 西島英利選対本部長:全然政策が違う党が一緒になってやるということで有権者がこれをどう考えるかと思う。要するに政権を取ればいいことではないと思う。そういうところを有権者に理解してほしい。
城井陣営 原田博史選対本部長:きちんと話をすれば何党だからとかいう話ではなくてお互いに胸襟を開いていろいろなことを相談したり期待できる人間だなと評価してもらえればさらにもう一歩、踏み込んでいける。
西田陣営 八木徳雄選対本部長:与党がダメなら野党がクッっと上がってくるのですが、といって立憲さんがグッとあがってくるような声もないので日本維新の会は第3極を担うようなカタチで戦っていきたい。
そして無所属新人の大西氏。有権者に支持を呼び掛けています
大西啓雅候補:今の国会議員なんてみんな世襲ばかりではないか。
ズバリ、10区の今後の展開は?
日本経済新聞西部支社 堤和彦編集部長:前回は山本氏、城井氏が大接戦。結果小選挙区は山本氏、比例で城井氏が当選。今回、73歳の山本氏は党の方針で比例候補になっておらずまさに背水の陣。城井氏は共産が候補擁立を見送ったものの維新・大西氏の出馬で保守系の票が割れる可能性がある。
 



 

●“秋の政治決戦”衆議院選挙 北海道6区の戦い 10/26
“秋の政治決戦”衆議院選挙。道内12の小選挙区では31日の投票日に向けて、各候補者が論戦を展開しています。旭川市を中心とした上川地方の北海道6区は、届け出順に、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の新人、齊藤忠行氏(30)、立憲民主党の新人で社民党道連合が支持する西川将人氏(52)、自民党の新人で公明党と新党大地が推薦する東国幹氏(53)の3人が立候補しています。過去2回の選挙では、野党の候補が議席を獲得しています。ところが、9月に行われた士別市と旭川市の市長選挙では、いずれも自民党の支援する候補が立憲民主党が支援する候補を破って当選しました。与野党の攻防が激しさを増す中、今回の衆議院選挙の行方は…。
齊藤忠行氏の選挙戦
「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の齊藤忠行氏は、旭川市で女子中学生が亡くなって見つかった問題を報道で知り、立候補を決意しました。幼いころにいじめを受けた経験があり、子どもたちを守る制度の充実を訴えています。19日の公示日、第一声で齊藤氏は「いじめにより将来ある子どもたちがみずから命を絶つことが二度と起きないように、しっかりと私たちの政策を伝えていきたい」と訴えました。齊藤氏は、街頭演説の際にはカメラをセットします。インターネットを利用し、リアルタイムで支持を呼びかけます。また組織に頼らず、しがらみにとらわれない政治を目指すとして、ポスター貼りなどほとんどの活動は1人でこなします。齊藤氏は「とにかくこの古い政治を変えていきたい。子どもや孫の世代がその時代に合った生き方ができるような日本を作っていかなければならない。そこをしっかりやっていきたい」と話していました。
西川将人氏の選挙戦
立憲民主党の西川将人氏は、国際線のパイロットを経て、4期およそ15年、旭川市長を務めました。安倍政権以降の経済政策で格差が広がったとして、政治の転換を訴えています。19日の公示日、第一声で西川氏は「地方間格差、個人所得や貧富の格差の拡大を止めていかなければならない。皆さんの思いを背負い、その思いを国政で実現するために全力で頑張っていきたい」と訴えました。西川氏は有権者との対話を重視しています。中心市街地の再開発や子育て支援の充実など市長としての実績をアピール。今度は国政の場から地域の課題解決に取り組みたいと支持を呼びかけています。西川氏の選挙運動は、立憲民主党の佐々木隆博前衆議院議員が全面的にバックアップしています。6区の議席を守ってきた佐々木氏は引退にあたって西川氏を後継指名しました。1強政治を崩すためにも6区の議席を維持することが必要だと訴えます。佐々木氏は「西川氏を国政に送り出してほしい。今の国会で制度を作る上で市町村長の出身者が必要だ」と支持を呼びかけていました。西川氏は、野党による政権交代で生活者の目線に寄り添った政治を実現したい考えです。西川氏は「子育て支援充実、学校給食無償化、子どもの医療費無償化や少人数学級を推進したい。農民の暮らしや農村を守る農業政策を実現していきたい。この6区の議席は死守しなければならない」と話していました。
東国幹氏の選挙戦
自民党の東国幹氏は、旭川市議会議員を経て、道議会議員を通算16年余り務めました。新型コロナ対策や地域振興策などの実現には、政権与党の国会議員が必要だと訴えています。19日の公示日、第一声で東氏は「上川を変えていく。そして中央政府に対して政権内から声を大きくしていく。その運動にぜひとも参加してほしい。しっかり戦って、しっかり結果を出していく」と訴えました。東氏は農家への支持拡大に力を入れています。農業が基幹産業の上川地方で農家に寄り添った支援策を講じるとアピール。後援会の役職に農協の組合長を迎え、各地の集会で支持を呼びかけています。東氏の選挙運動は、先月の市長選挙で自民党の支援を受けて初当選した今津寛介旭川市長が支援しています。今津氏は東氏とともに旭川市中心部の商店街を訪れ、経済を立て直すには国産ワクチンの開発強化など医療体制充実が欠かせないと訴えます。今津氏は「即戦力として地域のために活動する東氏の当選こそ私たちの未来につながると確信している」と支持を呼びかけていました。東氏は、市長選挙の勢いを衆議院選挙につなげ、与党の議席奪還を実現したい考えです。東氏は「農業基盤整備の予算、災害時の補償の制度設計、JRの不採算路線問題。そういったものは政権与党でしか変えられない。まさしく決断と実行力が必要で、それに向かって頑張っていく決意だ」と話していました。
新人どうしの争いとなった北海道6区。与野党の激しい攻防が続きます。

●山形県内への大物来援、限定的 10/26
第49回衆院選は投開票(31日)まで1週間を切った。県内3小選挙区で前新の7候補が熱戦を繰り広げているが、これまでの国政選挙とは様相が異なっている。党幹部、閣僚クラスの来県は数えるほど。大物来援の“空中戦”が鳴りを潜めている。コロナ禍や日程調整など、さまざまな要因がうかがえるが、来援による風向きの変化を懸念する雰囲気も漂う。
大物来援は近年の国政選挙ではおなじみの光景となってきた。前回衆院選の2017年で自民党は、小泉進次郎党筆頭副幹事長や野田聖子総務相、茂木敏充経済再生担当相(いずれも当時の肩書)らを次々と投入。安倍晋三首相(当時)も県内で街頭に立ち、熱気と結束を高める戦術を展開した。
野党側は人数勝負の空中戦では対抗しにくい立場。前回は公示直前に旧民主党政権時代の閣僚経験者らが希望の党、立憲民主党、無所属に分かれる野党再編・分裂劇が重なる中、数少ない有名来援者をカンフル剤に“地上戦”で草の根活動を繰り広げた。
一方、今回の総選挙。19日の公示以降、来援したのは橋本聖子東京五輪・パラリンピック組織委員会長、河野太郎自民党広報本部長、榛葉賀津也国民民主党幹事長らに限られる。現職閣僚がマイクを握る姿は一度も見られない。
自民陣営からは「知名度がある弁士は呼びたいが、日程の都合などで難しい」「来援効果は必ずしも期待できない」などの声が漏れる。任期満了(10月21日)をまたいだこともあり、4年間の実績を前面に出し、「風頼みの活動はしていない」という陣営も。
野党陣営のある関係者は「人気のある議員は全国で引っ張りだこ」。野党も空中戦によって政権批判を強め、追い風に変える戦術を描きにくい状況だ。逆に地上戦に持ち込んだことで「やりやすく、チャンスだと感じる」「動員力を見せつけられることがなく、不安感は小さい」との受け止めもある。

●宮城2区 再び激突「因縁の対決」 衆議院選挙 10/26
衆議院選挙・宮城の選択、10月26日は宮城2区です。宮城2区には届け出順に立憲民主党の元職・鎌田さゆり氏、自民党の前職・秋葉賢也氏、NHKと裁判してる党弁護士法72条違反での新人・林マリアゆき氏の3人が立候補しています。
立憲民主党の元職、鎌田さゆり氏です。この日、訪れたのはボランティアとして関わるPCR検査センター。集めた検体を検査施設に届けています。
Q.ここまでやる政治家はいないのでは?
立憲・元 鎌田さゆり 候補(56)「個人的には普通のこと。私、頭悪いからここまでやらないと分からないんです」
仙台市出身の鎌田氏は56歳。2000年の選挙で民主党から宮城2区に立候補して初当選し、衆議院議員を2期途中まで務めました。議席奪還を期した前回2017年の衆院選では自民党の秋葉氏に1316票の僅差で破れ、当時無所属だった鎌田氏は比例復活もなりませんでした。野党統一候補として雪辱を誓って臨む今回。アベノミクスを否定し、消費税を5%に減税し地域経済を活性化すると訴えます。
鎌田さゆり「地域の小さなお店の売り上げが上がるようにする。大きな企業が儲かっても、利益は全然下に降りてこないから、下からボトムアップで地域経済を元気にしないと、私はだめだと思っています」「黙っていたら変わらない」。
貧困と格差是正のために富裕層への課税を強化し、不平等な税制を正すとアピールします。
鎌田さゆり「黙っていないで声を上げて運動すれば、必ず変えることはできます。私は皆さんの未来に向けてのわくわくを、希望が持てる未来を楽しみにすることができる。その原動力になって代弁者として戦ってまいります」
自民党の前職、秋葉賢也氏です。丸森町出身の秋葉氏は59歳。2005年、鎌田氏の議員辞職に伴う補選で、自民党から立候補し初当選しました。以来、比例単独当選を含み連続6回の当選を重ねています。安倍内閣では厚生労働副大臣や首相補佐官を歴任しました。アベノミクスを肯定し、今後は賃金の上昇につながる政策を進めるとアピールします。
自民・前 秋葉賢也 候補(59)「この8年間、アベノミクスで数字が上向いているのは間違いないんですね。あとは個人消費が弱含みなので、一人ひとりの給与をしっかり上がるように、そこを担保していく政策を手厚くしていくことが大事」
Q.「『Kenチャンネル!』どれぐらいまで再生いきましたか?」
秋葉賢也「これまで距離を置いてきたSNSや動画投稿で無党派層の掘り起こしを図ります。公示日には岸田総裁が来仙。大物弁士も次々登場し、党を挙げてのテコ入れを図ります。」
Q.有権者の感触は?
秋葉賢也「厳しいね。頑張ります」
選挙戦では命と暮らしを守ることが最優先と強調します。経済の好循環には安定した政治が必要だと有権者に訴えます。
秋葉賢也「いまの日本に求められるのは、安定した政権運営の中で収束に向かいつつあるコロナの出口戦略をしっかりと、国民の皆さんに示して安心していただくことだと思っています」
NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で、の新人、林マリアゆき氏です。
N党・新 林マリアゆき 候補(47)「国は変えられるんです。私たち私たち一般国民が、一般庶民が国を変えるんです。そのために私は立ち上がりました」
兵庫県出身の林氏は47歳。選挙活動は動画配信を中心としています。自閉症と発達障害のある2人の子を持つ母として、いじめや虐待を防ぎ、子供の人権を守ると訴えます。
林マリアゆき「自然な子供たちにとって、縛られない自然な子供たちの生活。まさにそれが子供の人権を守るということ」
仙台市の北部から東部まで、東北最多の45万人を超す有権者を抱える宮城2区。元職と前職の因縁の対決に新人が加わり、三者三様の戦いとなっています。衆議院選挙の投票日は、知事選と同じ10月31日で、即日開票されます。

●埼玉12区 自民vs野党共闘の一騎打ち 10/26
今回の衆院選では、野党共闘がどれだけ効果をあげるのかが大きな注目点だが、そのメルクマールと言える選挙区の一つが、自民党と立憲民主党の候補者が1対1で戦う埼玉12区(熊谷市の一部、行田市など)だ。自民党前職・野中厚氏(44)と立憲民主党前職・森田俊和氏(47)が立候補し、自民vs野党共闘の構図となっている。
立憲・森田俊和氏 “野党共闘”より“候補者個人”を前面に
立憲・森田氏は「今回こそ小選挙区で勝ちたい」と意気込む。前回2017年の衆院選では、野中氏が8万6499票、森田氏は8万6007票。森田氏は、わずか492票差で競り負け、比例復活となった。森田氏は「負けたのは自分の努力不足」とし、この4年間、つじ立ちはもちろん、自転車で選挙区内を回り、住民と交流を深めるなど地道な活動を続けてきた。今回の野党共闘は、一見すると森田氏にとって“追い風”に見えるが、陣営は「有利だとは思わない」と懸念を示す。森田氏がもともと自民党出身で保守層からの支持も高いためだ。関係者は「森田個人の人柄で勝負している」と話す。実際に選挙戦は“保守系対決”とも評され、野党共闘を前面に打ち出すのは必ずしも得策ではないというのが実情だ。街頭には、党の顔である枝野代表のポスターを掲載しておらず、応援に入る予定もないという。なるべく“野党色”出さない戦略で選挙戦に臨む。
自民・野中厚氏 「共産党との連携政権阻止」
逆に、森田氏の“野党共闘”を徹底的に強調するのが、自民・野中氏の陣営だ。「共産党との連携政権阻止」野中氏側は、こう記したステッカーを大量に用意し、ポスターに貼り付ける予定だという。森田氏支持の保守層に対し、「共産党と連携する森田候補を支持できるのか」と訴え、支持離れを狙う戦術だ。陣営は「前回よりもさらに厳しい選挙戦」と位置付ける一方、「楽観はできないが悲観もしてない」と強気の構えを示す。前回の衆院選で、森田氏と共産党候補の票をあわせると、野中氏の票を上回る。野党共闘を有権者が支持するかどうかは選挙の行方を左右する。野中陣営は、終盤戦で、茂木外相、河野前規制改革担当相が応援に駆けつけるなど、保守層に向けて、与党の強みをアピールする方針だ。

●首相、側近の応援で埼玉1区入り 10/26
岸田文雄首相(自民党総裁)は26日、衆院選の応援で埼玉1区に入り、側近の自民党前職、村井英樹首相補佐官(41)の街頭演説会に参加した。
埼玉1区では、立憲民主党元職の武正公一元財務副大臣(60)と村井氏が接戦を展開している。
村井氏は岸田派(宏池会)に所属し、先の自民党総裁選での首相の勝利を政策立案の面から支えた。首相はこの日、JR浦和駅(さいたま市浦和区)前で開かれた演説会でマイクを握り、村井氏の政策通ぶりを「自民党の若手の中で3本の指に入る逸材」と持ち上げた。
ただ、懸命のアピールは戦況の厳しさの裏返しでもある。産経新聞社がFNN(フジニュースネットワーク)と合同で行った衆院選情勢調査によると、武正氏は立憲民主党支持層に加え、他の野党の支持層にも浸透し戦いを進めている。
首相は演説で、村井氏を「埼玉初の首相を狙える」と評価し、支持を呼び掛けた。
埼玉1区には他に、日本維新の会新人の吉村豪介氏(40)と、いずれも無所属新人の中島徳二氏(62)と佐藤真実氏(37)が立候補している。

●自民党総裁の岸田首相 埼玉県内で支持を訴える 10/26
自民党総裁の岸田文雄総理大臣が26日、JR浦和駅前で街頭演説し、市内を選挙区とする自民党の候補者とともに市民らに支持を呼びかけました。
岸田首相「皆さんの生活、仕事を支える大型の経済対策を、私の内閣で用意させて頂く。こうした経済対策で、皆さんにもう少し協力をお願いしながら、ワクチンによる予防と検査態勢、治療体制の充実、この三本の柱をしっかりとしたものにし、できるだけ平時に近い生活を取り戻す」
また、国民の声を聞いて書き記したという「岸田ノート」を手に「聞く力」をアピールしました。
岸田首相「皆さんの声を丁寧に聞き、寛容な政治を進めていく約束の証として、このノートをしっかり握りしめて、新しい時代を切り開いていく」

●自民・三原じゅん子氏 菅直人元首相と議席争う長島氏を激応援 10/26
自民党の三原じゅん子参院議員(57)は26日、衆院選(31日投開票)東京18区(府中市、小金井市、武蔵野市)から立候補した長島昭久元防衛副大臣(59)を応援した。
この選挙区は旧民進党を離党した後に自民党に入党した長島氏と14回目の当選を目指す立憲民主党の菅直人元首相(75)による事実上の一騎打ちだ。
自民党は「重点選挙区」と位置づけ、菅義偉前首相(72)や小泉進次郎氏(40)、安倍晋三元首相(67)が応援に入り挙党体制で長島氏を支えている。
三原氏は「絶対に勝たなきゃダメです。ここが全国で一番大事な選挙区だと思います。(長島氏が菅氏に)勝てば、大きな意味があります」と語った。
街頭演説で三原氏は「私は(菅氏より)人の痛みを一番わかっている長島さんしかいないと思う。そして今まで培って経験してきた自公政権しか、経済対策、コロナ対策ができない、頼れないと思っています」と訴えた。
長島氏はかつて師弟関係≠ノあった菅氏とけつ別した理由をこう打ち明けた。
「私は共産党との選挙協力が間違っていると主張して立民の前の民進党を離党した。自衛隊を違憲だ、日米安保を破棄だ、こういう政党(共産党)と一緒に(菅氏は)選挙をやっている。なぜそこまで落ちぶれてしまったのかと悲しい思いです」
有権者は菅氏と長島氏のどちらに軍配を上げるのか。

●与野党乱戦の静岡5区 二階派 vs 岸田派 vs 野党統一 10/26
衆議院選挙、投開票日まで、あと5日。注目選挙区、静岡5区。
政党名の代わりに、たすきには富士山のイラスト。無所属で出馬した細野豪志候補(50)。細野氏「政治の役割は何か。これは、やはり弱きものに寄り添うことである」細野氏は、かつて“民主党のプリンス”といわれ、大臣などを務めたが、その後、小池都知事の「希望の党」へ。しかし、希望の党が分裂すると、行き場を失った。そこで次に頼ったのが、ついこの間まで選挙での公認権を握り、“陰の総理”ともいわれていた自民党の実力者・二階幹事長(当時)。細野氏「政治の世界で最も実力を持っておられる二階先生にご指導をいただいて」細野氏は、二階派の特別会員となり、自民党の公認候補となることを目指した。しかし、その前に立ちはだかったのが、前回の選挙で細野氏に敗れた、自民党の吉川赳候補(39)。
吉川氏の所属は、岸田派。人事をめぐって、二階切りをちらつかせた岸田首相が後ろ盾。吉川氏「そもそもわたしは、公認問題は存在しないという立場でありますし、誰か1人が辞めたい、入りたい、そういった組織ではありません」岸田政権が発足すると、二階氏は幹事長を外れ、自民党の公認候補は細野氏ではなく、前回と同様に吉川氏となった。選挙の第一声で、吉川氏は「公認候補、この公認をいただくことにより、構図は固まりました。私はこの間、1歩も引けないという思いで、自民党所属の議員として戦ってきました」と話し、自民党の公認候補は自分だけだと強調した。吉川氏「未来に希望を持っていただけるように。そして地域への思い、これを地域のみなさま方に判断いただく場である、そのように思っています」
一方、負ければ政治家を引退するとしている細野氏は、「今回の選挙での勝利は、単純な小選挙区での勝利ではない。堂々とした結果で圧勝しないかぎり、仕事ができないと思っています」と話し、無所属で選挙に勝ち、自民党入りすることを目指している。
岸田首相と二階前幹事長との、いわば代理戦争ともいえる状況の静岡5区。
そこに割って入ったのが、今回、野党統一候補として立憲民主党から出馬した、元銀行員の小野範和候補(48)。自民党の公認争いを厳しく批判した。小野氏「与党の中の、コップの中の争いをしている時ではないんです。政治に関心がなくなったといわれていますけれど、そんな内輪もめを見せられていたら、誰も政治に関心なんか持てませんよね」小野氏の勝利のカギは、前回、野党から出馬した細野氏の票をどれだけ取り込めるか。手応えを感じているという。小野氏「かつては、細野さんを応援していたんですけど、次の選挙は、私の方を応援してくれる方、本当にたくさんいます。かなりの割合になりますね」小野氏が、YouTubeに投稿した動画。タイトルは「突然リコーダーの練習を始めた」。さらには、立て看板の作り方なども投稿していた。少しでも自分のことを知ってもらいたいと、公開しているという。小野氏「ゆがんだ資本主義の暴走を食い止めていくのは、今しかありません。一緒に軌道修正していきましょう」
この静岡5区には、諸派の千田光氏(43)も出馬している。投開票日の31日まで、あと5日。

●参院静岡補選 勝敗の分かれ目 二人三脚で知事選と連勝 10/26
衆院選(31日投開票)の前哨戦とされ、注目を集めて24日投開票された参院静岡選挙区補欠選挙は、野党系候補の無所属新人の元県議、山崎真之輔氏(40)=立憲民主、国民民主両党推薦=に軍配が上がった。勝敗の分かれ目は、どこにあったのか。
「スタートは厳しく、結果は最後の最後までまったく分からなかった」。24日深夜、連合静岡(静岡市駿河区)。午後11時過ぎに「当確」の報を受け、山崎氏が目をはらして万歳を繰り返した熱気が残るなか、関係者はこう振り返った。
7月に正式出馬表明した山崎氏は自民と一騎打ちを想定したが、共産党が8月に鈴木千佳氏(50)を擁立し、与党批判票が割れることに。さらに告示3日前に岸田文雄新内閣が誕生し、与党に追い風とみられたからだ。予想より前倒しされたことで期間が重なった衆院選では、立民と国民が競合する選挙区もあり、連合を含めた参院補選での連携には不安もあった。
懸念払拭を、山崎氏を「弟」と呼んで知事選での参謀≠ニした川勝氏に託した陣営。その期待を大きく越えて「風向きが変わった」(山崎氏)というほどの転機になったのは、初日の7日の出陣式への飛び入り応援演説だった。陣営幹部にもサプライズ≠セった。
川勝氏は街頭で「知事選の延長戦」「争点はリニア工事をめぐる水問題」「私が『県民党』党首で山崎君が幹事長」などと熱弁し、二人三脚で活動。6月の知事選で、リニア水問題などを通じて演出した「巨大与党に立ち向かう無所属」の構図を山崎氏にも重ね、知名度を引き上げたとみられる。今回の補選は、自民の参院議員が知事選で川勝氏に挑むため辞職したことに伴うものだった。
最終的には無党派層だけでなく自民支持層も一部獲得した山崎氏は25日、勝因を「巨大与党から政治を変えてほしいという有権者の想像以上の熱」と振り返った。県庁を訪ねての当選報告では川勝氏から「国会で成長してほしい」と激励を受け、今後実現したいことは知事選でも使われたフレーズ「東京時代から静岡時代へ」の具体化だとして、引き続き川勝党≠ナ連携を密にする考えを示した。
ただ、国政選では有権者の関心も異なるなか、票差は知事選時(約33万2千票差)ほどは開かず、約4万8千票差だった。山崎氏は今後の衆院選期間中、「仲間を増やす」と立民・国民候補の応援に入り、勝利の勢いをつなぐとしている。
一方、一敗地にまみれた自民。党本部によると、岸田首相は「厳しい選挙だから応援に入るのは控えた方がいい」と助言する周囲の制止を振り切り、2度も入るなど総力戦で挑んだが、勝利につながらなかった。
出馬表明が8月と遅く、出遅れ感があった自民党公認の元御殿場市長、若林洋平氏(49)=公明党推薦=だが、告示前は、野党系陣営の分裂に新首相誕生の期待感が重なり「勝機が見えてきた」との見方が広がった。
ところが選挙戦が火ぶたを切ると、川勝氏が初日から参戦=B一気に風向きが変わり、当初の楽観ムードは「錯覚」(若林氏陣営幹部)だったことに気付かされる。山崎氏にとって最強の切り札ともいえる援軍登場に、若林氏陣営は「相手陣営を本気にさせてしまった」「一度ならず何度も知事が顔を出すのは想定外だった」と唇をかむ。
選挙戦後半、衆院選候補との共闘作戦で接戦に持ち込んだが、知事選同様に無党派層への支持が広がりを欠いたことが響いた。県連幹部は衆院選への影響について「しっかりとハチマキを締め直し、勝ち抜いていく」「敗北を糧にするしかない」と危機感を強める。

●安倍元首相が来県 伊勢で経済対策訴え 三重 10/26
安倍晋三元首相=山口4区=が25日、三重4区に立候補している自民新人で前知事の鈴木英敬氏(47)の応援のため来県し、伊勢市宮後一丁目の新道商店街で約500人(主催者発表)を前に支援を訴えた。
安倍氏は鈴木氏について、「第1次政権では手伝ってくれ、厳しい時には励ましてくれた。伊勢志摩サミットでは成功に導いてくれると確信していた」と評価。「三ツ矢氏が次の世代にバトンタッチするという決断の中で、素晴らしい候補者が誕生した。新しいリーダーをこの地域から誕生させよう」と呼び掛けた。
また「この選挙はいかにコロナ渦を克服するかが問われる選挙」とし、ワクチン接種体制の推進や経済対策、雇用確保の必要性を強調。加えて「共産党の力を得て立憲民主党が政権を取れば日米同盟は終わる。絶対に負けるわけにはいかない」と力を込めた。
三重4区では鈴木氏のほかに、共産新人で元津市議の中川民英氏(54)と、立憲民主新人で元民放アナウンサーの坊農秀治氏(49)が立候補している。

●大阪4区・10区は「激しい戦い」 10/26
31日投開票の衆議院選挙について、朝日新聞社が情勢調査を実施しました。
大阪4区では維新と自民の前職が競り合い、三つ巴となった大阪10区は立憲と維新が接戦を繰り広げ、自民が激しく追っています。この調査は、朝日新聞社がインターネットの調査会社に委託し、10月23日、24日の2日間で実施したものです。
大阪4区には、4人が立候補しています。維新の美延さんと自民の中山さんが、互角の激しい戦いを繰り広げています。美延さんは維新支持層の9割をまとめ、中山さんは自民支持層の8割をまとめています。立憲の吉田さんと共産の清水さんは、ともに厳しい戦いとなっています。
大阪10区には、3人が立候補しています。立憲の辻元さんと維新の池下さんが激戦を繰り広げています。辻元さんは立憲と共産の支持層を固め、無党派層からも5割近い支持を集めています。池下さんは維新支持層の8割以上をまとめ、自民支持層にも食い込んでいます。自民の大隈さんは、自民支持層の7割から支持を集め、激しく追っています。
31日の投開票日までに、情勢が変わる可能性もあります。

●自民党と野党統一候補の一騎打ちで激戦予想 岡山2区 10/26
10月31日に投票が迫った衆議院議員選挙、注目の選挙区を紹介します。自民党と野党統一候補の一騎打ちで激戦が予想される岡山2区です。岡山2区に立候補しているのは、届け出順に、自民党の前職、山下貴司さんと立憲民主党の前職、津村啓介さんの2人です。これまでもつばぜり合いを演じてきた前職同士。今回、共産党が候補者の擁立を見送り、野党候補が一本化されたことで、はじめての一騎打ちとなりました。
山下貴司候補<自民・前>「これまで法務大臣として、空き家対策や所有者不明土地問題をやらせてもらった。これも規制改革。だからこそ、もっともっと伸びようとする岡山、発展しようとする岡山をもっともっと成長させる。それをふるさとの皆さんと一緒にやりたい」
2012年の初出馬から3回連続で小選挙区を制してきた自民党の山下貴司さん。議院立法を9本成立させ、第4次安倍改造内閣では、法務大臣を務めた実績をアピールします。また、政策面では、降水量の少なさなど、天候が良く交通の結節点となっている岡山を地方創生のモデルにしていくと訴えます。
山下貴司候補<自民・前>「天地人そろった岡山で、地方創生をやり遂げて、この地方創生をモデルに、日本で地方創生を完成させる。これが私の成長戦略」
当選3回以下の自民党若手議員で作る「党風一新の会」にも参加。会のメンバーの1人で、菅政権で環境大臣を務めたこの人も応援に入りました。
自民党 小泉進次郎 前環境相「この選挙は、コロナから次の社会を描いていく大切な選挙。そのためには今回の選挙、山下さんを送り届けてもらいたい」
山下貴司候補<自民・前>「本当に危ない選挙しか小泉さん(応援に)行かない。実は本当に危ない選挙」
後援会や企業を基盤に、4人が立った前回は、次点に約1万9000票差をつけましたが、今回は、野党統一候補との一騎打ち。警戒感を強めています。票がどう動くか試算したチラシを作成し、支援者に危機感を訴えるほか、支持層拡大のためLINEなど、SNSでの情報発信も始めました。
山下貴司候補<自民・前>「政治は数合わせではないと思っている。私は政策、ふるさとや日本をどうするのかという思いの勝負だと思っている」
津村啓介候補<立憲・前>「野党統一候補としてマイクを預かるからには、小選挙区で勝って、政策をお互いに補い合い認め合い、そして、付け足しながら、日本のため、世界のため、岡山のために与野党が力を合わせて前に進む。そんな政治を実現する第一歩にしたい」
前回、希望の党から立った津村さんは、国民民主党を経て、立憲民主党に参加。当選6回のうち、直近3回は比例復活で、今回は支援を受ける共産党の幹部らとともに街頭に立つ機会も設け、支持の拡大を図っています。街頭演説では、新型コロナで落ち込んだ経済を立て直すため、一時的に消費税を減税することや、人口減少が進む地方に欠かせない公共交通を積極的に支援することなどを訴えています。
津村啓介候補<立憲・前>「消費税減税も、地域公共交通も、みなさんの暮らし、毎日の暮らしをそのまま直接支えていこう。そんな思いがあふれた私たちのマニフェスト」
選挙戦の序盤には、2003年に初当選した同期で、立憲民主党の泉健太政調会長が、津村さんの手腕をアピールしました。
立憲民主党 泉 健太政調会長「私たち立憲民主党も、特に、津村さんは科学技術の専門家。成長戦略はお手のもの。ずっと野党の側で成長戦略を1番に引っ張ってきたのが津村さん」
その津村さんにとって、今回の選挙は、もう一つ特別な意味を持っています。
津村啓介候補<立憲・前>「二大政党に向け、江田さんから継いだ岡山2区で、必ず小選挙区で勝利する」
2021年7月に亡くなった元参議院議長の江田五月さん。津村さんが政治の師と仰ぐ存在でした。選挙戦初日には、江田さんの家の前で勝利を誓いました。
津村啓介候補<立憲・前>「江田五月さんや江田さんを支えた皆さんに必ず良い報告ができるよう頑張る」
小選挙区4連勝を目指す与党と、それとも奪還を狙う野党の激しい戦いが続く岡山2区。衆議院選挙の投票は10月31日です。

●長崎1区では「安倍ブランド」通用せず…元政策秘書が“討ち死に”危機 10/26
もうキングメーカーではいられなくなるかもしれない。
衆院選全国289選挙区の中で「最も異様な選挙区」(永田町関係者)と噂されているのが、長崎1区だ。県連の候補者公募中に、安倍元首相が地元政界関係者に直電。「うちの秘書が応募する」と自らの元政策秘書・初村滝一郎氏の擁立をねじ込んできた、いわくつきの選挙区。しかし、安倍氏が背後にいながら、自民が劣勢に立たされている。
「県連が7月に公募を開始した時点で、1区は女性県議を立てることでおおむねの話はついていた。そこに安倍さんからの直電です。『公正に選考してください』とのことでしたが、地元関係者は『初村で行け』と受け止めるしかなかった。県政の重鎮は相当、怒っていましたが、突っぱねればどんな仕打ちが待っているか分からない。結局、直電後、初村さん擁立が決まったのです」(県政関係者)
祖父の代から長崎地盤の政治家一家で育った初村氏だが、地元での知名度はイマイチ。一方、対立候補の国民民主党・西岡秀子氏も祖父の代から政治家一家で、こちらは知名度バツグン。父・武夫氏(故人)は自民党の文部大臣を務めた重鎮で、西岡氏は保守層にも浸透。政党やメディアの世論調査で、二歩も三歩もリードしている。初村氏は懸命に地元を回るが、本人以上に危機感を募らせているのが県連だ。
「初村さんをねじ込まれた時は異論が噴出しましたが、もはや文句を言っている場合じゃない。『落とせば安倍さんに恥をかかせることになる』と、皆、シャカリキになって支持固めに奔走。大物の応援要請も党本部に働きかけています。これまで、安倍さんのみならず、高市政調会長が応援に入り、今後、菅前首相や西村前経済再生相などが駆けつける予定です。県内の他の選挙区とは比較にならないほど厚遇されています」(地元関係者)
安倍氏に近い大物が続々と入るわけだが、効果は限定的という。
「22日に行われた安倍さんと初村さんの街宣はお寒い状況でした。聴衆は大半が動員で足を止める人はほとんどなし。安倍さんの姿を見ても『ふーん』と通り過ぎる人がチラホラ。安倍ブランドは長崎では浸透していません」(前出の地元関係者)
“討ち死に”なら、安倍元首相へのダメージは計り知れない。

●「子育て支援」各党の公約比較 少子高齢化進む中で実現性に課題も 10/26
自民党は、虐待や貧困に対応する「こどもまんなか基本法」の制定のほか、「児童手当の強化」などを訴えている。
公明党は、「0歳から高校3年生までのすべての子どもに、1人一律10万円相当の支援」や「出産育児一時金の増額」などを訴えている。
立憲民主党は「子ども・子育て予算の倍増」や「児童手当の所得制限の撤廃」などを訴えている。
共産党は、「認可保育所の30万人分増設」や「児童手当を18歳まで支給」などを訴えている。
日本維新の会は、「出産育児一時金の増額」や「妊婦健診の完全無償化」などを訴えている。
国民民主党は、「親の年収にかかわらず、児童手当を18歳まで一律月額1万5,000円に拡充」や「高校までの教育無償化」などを訴えている。
れいわ新選組は、子どもの貧困対策として、「すべての子どもに毎月3万円給付」を、社民党は、「学生への奨学金を原則給付型にすること」を、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」は、「1人目の出産時に、母親に1,000万円を支給」などをそれぞれ訴えている。
このように、各党「子育て支援」の充実を訴えているが、少子高齢化が進む中で、どのようにして公約を実現するのか注目される。

●首相、派閥の身内回り足場固め 野党、保守地盤の切り崩し狙う 10/26
与野党は26日、衆院選後半戦で激戦区を中心に幹部を送り込み、舌戦を繰り広げた。岸田文雄首相(自民党総裁)は木原誠二官房副長官ら自身が率いる派閥のメンバーら身内を中心に応援に回り、足場固めを図った。立憲民主党の枝野幸男代表は保守地盤の宮崎、鹿児島両県に入り、切り崩しを狙った。与野党とも期日前投票を重視。支持者らに早期投票を呼び掛ける。
首相は茨城県つくば市で「農業を成長産業として支える」と農産物の輸出を後押しする考えを示した。共産党の志位和夫委員長は長野県茅野市で「米価暴落は自民党農政による人災だ」と指弾した。
 

 

●岸田首相「日本の未来選ぶ選挙」 茨城・つくばで支持訴え 10/27
31日投開票の衆院選で、岸田文雄首相(自民党総裁)は26日、茨城県つくば市吾妻のつくばエクスプレス(TX)つくば駅前で街頭演説に立ち、「コロナで大きな転換期に立つ日本の未来を選ぶ大切な選挙」と強調した。新型コロナウイルス対策や収束後の経済振興、外交安全保障などを見据え、「新しい時代を切り開いていきたい」と述べ、支持を訴えた。
岸田首相は午後2時前、つくば駅前で約1800人(主催者発表)の聴衆を前にマイクを握った。
首相は、コロナ感染者が抑えられている現状を「楽観視はできない。最悪の状況を想定して準備が必要」と指摘。ワクチン接種の拡大、検査体制の充実、治療薬の開発を挙げ、「三つが結び付くことで社会活動を取り戻す一歩につながる」と協力を求めた。
コロナ対策では「生活と仕事を守るため経済対策を用意する」と約束。「一部の人間が利益を独占するのではなく、一人一人の給料と所得を押し上げる政策が重要だ」と、持論の中間層拡大を述べた。
首相就任後、初めて茨城を訪れた。「科学技術とイノベーションで経済を大きくする」と、つくば市に集積する研究施設などの活用に触れ、デジタルを通じた地方経済の活性化を目指す姿勢を示した。
演説終盤には先の総裁選で話題になった「岸田ノート」をポケットから取り出し、「一人一人の声を丁寧に聞かせていただいた」と説明。「このノートを信頼の証しとして新しい時代を切り開いていきたい」と締めくくった。
会場には同党の国会議員や首長、県議らが集まった。終了後に首相は、沿道に集まった聴衆と笑顔でグータッチを交わしていた。

●岸田首相、浦和駅前で支持を呼び掛け 丁寧に声聞き、寛容な政治を 10/27
自民党総裁の岸田文雄首相は26日、埼玉県さいたま市浦和区のJR浦和駅東口で街頭演説を行い、「コロナ対応、経済対策、外交・安全保障を通じて新しい時代を切り開きたい」と述べ、支持を呼び掛けた。
岸田首相は「今回の選挙は私たちの未来を選ぶ選挙。コロナ禍にあって、日本は大きな転換を迫られ、過渡期を迎えている。皆さん一人一人に皆さん自身の明日、日本の明日を選んでいただかなければならない」と選挙に参加する重要性を強調。先の総裁選で国民の声を書き留めたとする「岸田ノート」を取り出して示し「私は皆さんの声を丁寧に聞き、寛容な政治を進めていく。約束の証しとしてこのノートを握り締め、皆さんとともに新しい時代を切り開く」と声を張り、国民の声に耳を傾ける姿勢を示した。

●神奈川16区 一騎打ち、激戦に拍車 10/27
「又野村(現・相模原市緑区又野)出身の尾崎行雄の言葉を引用させていただきます」
公示日の19日午前10時半。立憲民主党の前職・後藤が第一声の場所に選んだのは同区の津久井湖近く。支援者ら10人を前にマイクを使わず話し始めた。その後は愛川町、伊勢原市などを経て、大票田・厚木市の小田急線本厚木駅前に立ったのは午後6時を過ぎていた。陣営幹部は「初日いつも津久井や藤野地区に着くのは夕方や夜遅くで、批判の声をいただいていた。今回は逆から回った」。有権者数は少なくとも一票一票を大事にしようとの表れだ。
希望の党(当時)から出馬した前回選挙では約1万4千票及ばず小選挙区での議席を失い、比例で復活した。「党設立メンバーとして党活動を優先し、東京にいることが多かった。一番大事な時に地元にいられなかった」という苦い記憶は忘れられない。
今回、通常国会閉会以降は地元活動に専念。公示後も党名より個人名を強く打ち出し、「質問時間ナンバーワン」「提案を実現」など4年間の実績を訴え、支持拡大に努めている。
これまで後藤の活動を支えてきたのが、母校・厚木高校の同窓生だ。同窓会関係者は「(自民党幹事長の)甘利さんも同窓生。会としては特定の候補に肩入れせず、不偏不党を貫く」と説明するが、同校出身の支援者は「党派関係なく、厚木から同校出身者を送り出すのは当然」と支援に力を入れる。
後藤と自民党の前職・義家は16区でこれまで3度戦い、毎回勝者が入れ替わっている。義家は前回に続く連勝を狙う。
選挙戦序盤の21日午後、本厚木駅北口には自民や連立を組む公明党の地元市議、県議らが勢ぞろい。応援に駆け付けた元首相の安倍晋三は約800人の聴衆を前に、「参院議員選挙への出馬をお願いし、政治の世界に引っ張り込んだのは私。政権奪還後には文部科学副大臣や法務副大臣を務めてもらった」と密接な関係をアピールした。接戦区を象徴するように、党広報本部長の河野太郎や内閣官房長官の松野博一らも次々来援し、てこ入れを図る。
新東名高速道路や圏央道などのインフラ整備や19年の台風19号被害からの復旧など与党の実績を訴える義家は、「地元代表としてかけらの悔いも残さずやってきた」と自負する。
「ヤンキー先生」としての抜群の知名度に加え、早朝の駅頭などでの活動も数多くこなしてきた。だが陣営幹部は「いまだに『落下傘』と見られ、選挙は毎回厳しい。今回はこちら側が東京との行き来が増え、地元回りの時間が減った」と胸の内を明かす。
義家の演説は毎回こう結ぶ。「51対49の戦い。1票も取りこぼせない。小選挙区は義家、比例区は公明党で」
どちらにも肩入れできない選挙区内のある首長は「どちらが勝つにしても、大差はつかないのでは」と見方を示し、続けた。「こちらは(比例復活して)与野党どちらもいる方がありがたい」

●神奈川小選挙区 自民が10選挙区で優勢 接戦は5選挙区 10/27
10月31日投開票の衆議院選挙。tvkの取材と神奈川新聞社と合同で行った世論調査の結果、神奈川県内18選挙区のうち自民の候補者が10選挙区で優勢であることがわかりました。
1区 / 立民の篠原候補が大きくリードし、無所属の松本候補、維新の浅川候補は厳しい情勢です。
2区 / 自民の菅候補が安定した戦い立民の岡本候補は伸び悩んでいます。
3区 / 自民の中西候補が大きく先行し、立民の小林候補、共産の木佐木候補、無所属の藤村候補は厳しい展開となっています。
4区 / 立民の早稲田候補と無所属の浅尾候補、自民の山本候補が激しく競り合い、維新の高谷候補、無所属の大西候補に支持の広がりは見られません。
5区 / 自民の坂井候補がリードし、立民の山崎候補が追いかけています。
6区 / 立民の青柳候補と自民の古川候補が激しく競り合っていて維新の串田候補は伸び悩んでいます。
7区 / 自民の鈴木候補が先行し、立民の中谷候補が激しく追っています。
8区 / 立民の江田候補がリードし、自民の三谷候補が追う展開です。
9区 / 自民の中山候補と立民の笠候補が激しく競り合い、共産の斉藤候補、維新の吉田候補は厳しい展開です。
10区 / 自民の田中候補が大きく先行していて、共産の畑野候補、維新の金村候補、国民の鈴木候補は引き離されています。
11区 / 自民の小泉候補が盤石の戦いで、共産の林候補に伸びは見られません。
12区 / 立民の阿部候補と自民の星野候補が競り合い、維新の水戸候補は支持の広がりが見られません。
13区 / 自民の甘利候補が安定した戦いを進め、立民の太候補を引き離しています。
14区 / 自民の赤間候補が先行し、立民の長友候補が追っています。
15区 / 自民の河野候補が盤石の戦いで独走していて、社民の佐々木候補とN党の渡辺候補は厳しい展開となっています。
16区 / 立民の後藤候補と自民の義家候補が激しく競り合っています。
17区 / 自民の牧島候補が優位な戦いを進めていて、立民の神山候補と、共産の山田候補は厳しい情勢です。
18区 / 自民の山際候補が大きく先行していて立民の三村候補と維新の横田候補は伸び悩んでいます。しかし、取材の時点で3割近くが態度を明らかにしていないため、今後、情勢が変わる可能性があります。

●“名門“対決の行方は 衆議院 長野3区 10/27
長野県から出た唯一の総理大臣、羽田孜。衆議院選挙で、その羽田の選挙区が、長野県東部、戦国武将・真田氏の城跡で知られる上田市などを含む長野3区だ。ただ、この選挙区には「羽田家」とともに、もう1つ、歴史を歩んできた“名門”の一族がある。元官房長官の井出一太郎らを輩出した「井出家」だ。中選挙区時代は、「羽田」と「井出」で議席を分け合ってきた。小選挙区制度にかわり、最近では「井出家」の井出庸生が「羽田家」やその後援会と連携して、野党議員として長野3区の議席を守ってきた。ところが、おととし、井出は急遽、自民党に移籍。今回の衆議院選挙は、自民党の公認候補として立候補している。「羽田家」の後援会は、井出の移籍を「裏切りだ」と訴えて、羽田の縁戚にあたる立憲民主党の新人、神津健を擁立。そこにNHK党の新人、池高生も加わった。各地の注目区のルポ、3回目は義理人情が入り交じる長野3区。寒風吹きすさび始めた信州が、いま、真夏のように熱を帯びている。
舞台は「羽田王国」
日本有数の山並みに囲まれ、美しい自然が豊富な長野県。県東部に位置する長野3区は、有権者40万人あまり。戦国武将・真田氏の城跡で知られる上田市や佐久市、軽井沢町など17の市町村で構成される。故・羽田孜が長年にわたって議席を維持し、その影響力から「羽田王国」とも呼ばれる。立憲民主党の新人、神津健(44)は、JICAやアフリカ開発銀行に勤務し、途上国のインフラ整備などに取り組んできた。曾祖父は、地元の電鉄会社を興し、志賀高原を開発した佐久市の実業家。さらに、羽田孜は伯父にあたり、新型コロナで亡くなった羽田雄一郎・元国土交通大臣やその後継の羽田次郎参議院議員はいとこにあたる。一方、自民党の前議員、井出庸生(43)は、この3区で4回目の当選を目指す。公明党が推薦する。井出は、佐久地域を地盤とする政治家一家の生まれで、祖父の一太郎は内閣官房長官などを歴任。伯父の正一も厚生大臣を務め、中選挙区時代は、羽田と議席を分け合ってきた。NHKで8年間記者として務めたあと、政治家に転身した。年齢もほぼ同じ。ともに政治との関わりが強い家に生まれた2人。相手のことは意識しているのだろうか。
神津「彼のことはあまり意識していないし、自分との違いなども気にしたことはない。選ぶのは有権者。政治家としてどうあるべきか、有権者はよく見ているのではないか」
井出「昔は相手候補が気になったが、今は、人は人、自分は自分だと思っている。だが、先代から受け継いだ看板を守り、自分の大きな決断を理解してもらうためにも負けられない戦いだ」
「個人戦」と「組織戦」
2人の選挙活動は対照的だ。神津の選挙スタイルは「組織戦」。後ろ盾となっているのは、総理大臣を務めた伯父・羽田孜を支え、いとこたちを国会に送り込んだ羽田家の後援会「千曲会」。どこを回れば効果的か、誰に会えばいいのか。地域の事情を知り尽くした選挙のプロたちが、政治経験のない神津をサポート。公示日には、参議院議員の羽田次郎も駆けつけ、「羽田家の選挙」であることを印象づけた。
神津は意気込む。「伯父の羽田孜や、志半ばで亡くなったいとこの雄一郎の遺志を引き継ぎながら、羽田の関係者全員で戦っていきたい」
神津が訴えるのは、「子どもの未来のための政治」だ。困難な状況に置かれる子どもを減らしたいと、まずは貧困家庭などをなくすため、所得や男女、都会と地方などの格差の是正を主張。さらに、地方に重点を置いた、持続可能な社会づくりに力を入れるとしている。
一方の井出は、「行動なくして実現なし」をモットーとする。政治の世界に身を投じた頃から変わらぬ「個人」での活動が中心だ。「ここは」という場所を見つけては車を止めさせ、こまめに辻立ちをする。地元の自民党県議なども支援はしているものの、自身が訴えることにこだわり、組織には頼らない。ひとりひとりと向き合うことを意識した結果だという。SNSでもこまめに活動を発信し、夜遅くまで丁寧に返事をする。
井出は言う。「老若男女、全ての有権者に信条を伝えることを大切にしている。有権者は見ていないようで見ているし、聞いていないようで聞いているものだ」
今回の選挙戦では、男女間の雇用格差など、女性に関する課題の解消や、地方の雇用や教育の拡充などを主張。災害に対する地域の強じん化や経済活性化のためにも、選挙区内を含む約34キロが未着工となっている中部横断自動車道の早期開通の実現を目指している。
積もるわだかまり
そもそも、政治に縁がなかった神津が、なぜ立候補することになったのか。その理由を象徴するあるはり紙が、神津の事務所の奥まった所に掲げられている。燃えさかる炎を背景に、神津と羽田孜の顔、それに「不義を討つ」の大きな文字。「千曲会」の幹部が作ったという。井出は、おととし12月、自民党へ移籍した。元々、みんなの党、結いの党、維新の党、民進党、希望の党と野党で過ごしてきた。「千曲会」は、前回2017年の衆院選で、当時希望の党で現職だった井出の支援に回った。この支援は、「千曲会」からすると大きな痛みを伴うものだった。長年、会と行動を共にしてきた、同じく希望の党所属で、羽田孜の秘書を務めていた寺島義幸が4区に「国替え」になったからだ。選挙で寺島は落選。そうまでして支援した井出の突然の移籍は、裏切られたような思いだと「千曲会」は語る。結果、野党は、小選挙区制度になってから一度も自民党に明け渡さなかった3区で議席を失った。移籍から2年がたとうとする今も、「千曲会」関係者の恨みは晴れない。ある幹部は、「自民党に行くなら行くでいいが、礼を尽くすべきだし、説明不足だ」と憤る。
「説明はした。後悔はない」
一方、井出本人は、自民党への移籍をどう説明するのか。単刀直入に尋ねると、「違う道に行くことは申し訳ないと関係者には説明した。礼を尽くしたかどうかは、相手があることなので、納得してもらえない人もいるし、何とも言えない」自らの理想を実現できる場を追い求め、政党を渡り歩いてきた井出が行き着いたのは、与党・自民党だった。かつて選挙対策本部長を務めた、選挙区内の市長は、「地元では『与党に移って』という話は多くあったし、希望の党を離れて無所属になった時点で、いずれ自民党に行くのではと思っていた。まっすぐで誠実な男だ。譲れないものがあったのでは」と推測する。「紆余曲折あったが、政党を変えてきたことへの後悔はない。自民への移籍は、自分が描く未来を現実のものとするための決断だった」野党議員としての生活が長かった井出だからこそ、自分が描く未来を現実のものにするには、政策を実現できる政権与党にいることが必要だという思いを強くしているのかもしれない。
「弱い立場の人を守りたい」
長野3区ではもう1人、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の池高生(53)が立候補している。ゲーム開発会社社長を務める池は第一声で、「ゲームやアニメ、漫画への規制。行政や公共団体が、そういう規制を訴える団体に対して弱腰にならないでもらいたい」と訴えた。選挙活動はツイッターやユーチューブを中心に行っていて、お金をかけないで選挙ができる体制の構築が必要だと主張している。池は、「いじめを受けている弱い立場の人、ネット上でひぼう中傷を受けている弱い立場の人、こういう弱い立場の人を守りたい。この国は長い間平和になってきたが、これからも平和であり続ける保障はないと思っている。このことを国民一人一人が強く感じ、何が自分一人一人ができるのか考えないと私の子や孫の世代が本当に大変な思いをすると思う」と話す。さらに、「自民党の総裁選では、旧態依然とした自民党の悪いところが復活したと思う。かといって立憲民主党が共産党と手を組むであるとか、これは非常に国民の理解が得られるのかは疑問だ。はやく自民党の対抗となる政党、もしくは自民党にとってかわる政党ができないと、と思っている。遊説や演説はしないが、私の足で長野3区、もしくは長野県を歩いて、どんな素晴らしいものがあるのか、もう一度再発見し、それをユーチューブで紹介していければと思っている」と訴えている。
一歩も譲れぬ戦い
久々の名門対決となった長野3区。全国各地で事実上の与野党一騎打ちの構図が増え、激戦となる選挙区が増える中、この地の戦いは、真田の時代を彷彿とさせるような熱気に満ちている。

●与野党前職“背水の陣”対決 衆議院 大分2区 10/27
投票日が10月31日に迫った衆議院選挙。各地の注目区のルポ、4回目は与野党候補の一騎打ち。自民党の大ベテランと、社民党を離党し、立憲民主党に加わった前議員がともに背水の陣で臨む「大分2区」だ。
大分2区は“社民の牙城”
大分2区は、九州北部豪雨で被災した日田市などの山間地域に加えて、豊後水道を望む沿岸地域まで大分県西部から南部に広がる選挙区だ。ここ大分2区は、長らく「社民の牙城」とされてきた。中選挙区制度の旧大分1区時代を含め、当時の社会党、そして社民党の国会議員を輩出。村山富市は、社会党の委員長として、それまで敵対していた自民党、それに新党さきがけと「自社さ連立政権」を組み、ついに第81代総理大臣に就任した。小選挙区制度になってからは、自民党に敗れることが続き、選挙区での議席獲得は政権交代した2009年の選挙の1度だけ。社民党の国会議員が減少する中、それでも、比例代表での復活当選で議席を確保してきた。「社民の牙城」というのはこんな経緯だ。
自民の大ベテランvs立民から初立候補 前議員対決
この大分2区に立候補したのが、届け出順に、自民党の前議員で、公明党が推薦する衛藤征士郎(80)、立憲民主党の前議員で、国民民主党県連と社民党県連合が支持する吉川元(55)の2人。衛藤は地元・玖珠町の町長を2期務めたあと、参議院議員となり、その後、衆議院に鞍替えして、当選を重ねてきた。その当選回数は12回、大ベテランだ。村山内閣では防衛庁長官を、野党時代には衆議院の副議長を務めた。対する吉川は香川県出身。2012年、元社民党幹事長の重野安正の後継として立候補し、これまでの当選3回はすべて比例復活だ。去年、社民党が事実上分裂した際に離党し、立憲民主党に合流。今回が立憲民主党の前議員として初めての選挙戦となる。
岸田支えた衛藤 総裁選を追い風に
衛藤が選挙に向け本格的に動きだしたのは10月10日。刷り上がった2連ポスターのパートナーは総理大臣に就任したばかりの岸田文雄だ。自民党総裁選では、陣営の選対顧問を務め、岸田の勝利を支えた。事務所開きでは集まった支持者にその岸田とのエピソードを披露した。「岸田さんとは昔から知り合いで、彼が広島で最初に立候補したとき、岸田さんの父親に頼まれ、朝から晩まで一緒に遊説した。3日前にも本人と直接話した。『米価の決定に、国が再び関与すべきだ』と」コメの価格の下落は県内の農家にも深刻な打撃を与えている。新型コロナウイルスの感染拡大で、飲食店などの需要が落ち込んでいるのが原因だ。衛藤は、岸田から支援の言質を取り付けたことをアピールした。政府内では、岸田の指示を受け、対策の検討が進められているという。
徐々に差が…
衛藤に比例代表での復活当選はない。自民党が比例代表との重複立候補に「73歳の定年制」を設けており、選挙区での勝利を目指すしかない。ただ、吉川相手に過去3回すべて勝利してきたとは言え、陣営が気にかけるのがその差が徐々に縮まっていることだ。2012年の選挙で約4万7000票と大差だったのが、前々回は2万6000票余、前回は約1万9000票となった。さらに、およそ1年前に地元で行われた県議会議員の補欠選挙で息子が敗れ、陣営はいっそうの引き締めを図っているという。「岸田内閣発足後の支持率は期待したほどは上がらなかった。『追い風』だなんてとんでもない。『逆風』が『無風』になっただけ。今後の状況次第では再び『逆風』となることもあり得る」(衛藤陣営幹部)今回の衆院選、衛藤にとっては文字どおり「背水の陣」の戦いとなる。
「自民の牙城」切り崩せるか
一方の吉川。選挙戦が近づいた10月初め、日田市中津江村に姿があった。2002年、ワールドカップ日韓大会でカメルーン代表のキャンプ地として一躍有名になった中津江村。人口こそ、700人程度だが、選挙区内でも有数の保守地盤として知られている。「軽トラ」で訪れた吉川は、手際よくスピーカーとのぼり旗を準備し、荷台に立って演説を始めた。狙いは自民党支持層の切り崩しだ。戦後初めて任期満了後に投票が行われることになった今回の衆院選。演説を終えた吉川はアピールする時間は十分あったと胸を張った。「今回はこれまでよりも準備期間が長いし、焦りはない。選挙区内を広く回ることで、高齢化が進む地方の実情を知ることもできる。前だけを向いて、がむしゃらにやるだけだ」
『立民の吉川』として
ことし7月中旬、村山富市のもとを、立憲民主党代表の枝野幸男が吉川とともに訪れたことがあった。村山は衆院選での協力を要請する枝野に対し「頑張ってもらいたい」と応じた上で「吉川を頼みます」と頭を下げた。立憲民主党の前議員として臨む初めての選挙戦。重複立候補した比例名簿には、同じ1位に吉川のほか、21人の名前が並ぶ。社民党の候補者だった前回の選挙では4人だ。復活当選ということなら、そのハードルはかつてなく高い。ただ、これまでの選挙とは異なる手応えを感じているという。「野党第1党に移ったことで、地元の声を国に届けてくれるのではないかという支援者からの期待を感じる。衛藤に比べると若く、力もある。今度こそ、衛藤に迫ってきているのではないか」(吉川陣営幹部)悲願の選挙区での議席獲得に向けて、吉川も「背水の陣」には変わりない。
ついに火蓋が切られる
公示日。大分県内の各地でも朝は10度近くにまで冷え込んだ。肌寒く、ピリッとした空気が包む。衛藤が第一声の場所に選んだのは、有権者が最も多い佐伯市。政権の継続とともに、地域での暮らしをよくすると訴えた。「国民の生活、暮らし、その根幹はなにか、それは賃金だ。いかに給料を上げるか、実質賃金を上げるか。若い人たちが地方に住みたい、住みたくなる。地域に足をしっかり根ざしてくれる。そのための政治を目指し頑張るしだいだ」一方、吉川が選んだのは、佐伯市に隣接し、自らの地盤とする臼杵市だ。政権が変わらなければ、地方は変わることができないと訴え、一歩も引かない構えだ。「アベノミクスで、豊かさが吸い上げられてきたのがこの9年間。この政治を変えなければ地方は衰退の一途をたどる。若い人たちがふるさとで仕事につき、暮らし、結婚し、子育てが安心してできる地域を政治の力でつくっていかなければならない」4回目となる両者の選挙戦は折り返しを過ぎた。衛藤が地盤の強い地域で個人演説会を連日重ねるなど、組織をフル回転させて、従来からの支持層固めを進めるのに対し、吉川は街頭活動をインターネットでライブ配信するなど、SNSも積極的に活用して、いわゆる無党派層への支持拡大を狙う。果たして、どちらが勝利を手にするのか。投開票日は10月31日に迫っている。

●「多様性を認め合う社会」に向けた各党の主張は  10/27
衆議院選挙は投開票まで4日となりました。選挙戦では、多様性を認め合う社会の構築に向けて、ジェンダーの平等や障害者施策などをめぐっても与野党の論戦が続いています。東京オリンピック・パラリンピックの理念に「多様性と調和」が掲げられたこともあって、今回の衆議院選挙では多様性を認め合う社会を構築するため、ジェンダーの平等や人権などをめぐる与野党の論戦が続いています。
自民党は、女性活躍の「場」の拡大や、障害のある人などとの共生社会の実現を掲げています。選択的夫婦別姓をめぐっては氏を改めることによる不利益を解消するとともに性的指向や性自認に関する理解の増進を目的とした議員立法の速やかな制定を実現するとしています。
公明党は、選択的夫婦別姓の導入や、政治分野への女性の参画を推進するとしているほか、性的マイノリティーの人たちの相談体制を充実させ、同性婚の議論を深めつつ、必要な法整備に取り組むとしています。
一方、野党側は、立憲民主党、共産党、日本維新の会、国民民主党、れいわ新選組、社民党の6党は、選択的夫婦別姓の実現や、性的マイノリティーの人たちへの差別解消を図る法律の制定を目指すとしています。そのうえで、
立憲民主党は、DV=ドメスティック・バイオレンスや性暴力の被害者への支援を充実させ差別の問題に対応する人権機関を設置するとしています。
共産党は、男女の賃金格差を是正するため、各企業に、格差の実態把握と公表、是正計画の策定を義務づけるとしています。
日本維新の会は、ロボット技術の開発促進や「超短時間雇用」の導入などの規制緩和で、障害者雇用の比率を向上させるとしています。
国民民主党は、教育や就職、賃金の性別格差を是正し、障害の有無にかかわらず、同じ場所で学び、働ける環境を作るとしています。
れいわ新選組は、訪問介護の拡充などを行い、重い障害があっても、安心して暮らせる地域社会を作るとしています。
社民党は、議会の議席などの一定割合を女性に割り当てる「クオータ制」の導入を訴えています。
「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」は、同性婚の合法化に向け、国会での議論を求めていくとしています。
 

 

●衆議院選挙 北海道4区の戦い 10/28
“秋の政治決戦”衆議院選挙。道内12の小選挙区では31日の投票日に向けて、各候補者が論戦を展開しています。札幌市西区の一部と手稲区、それに小樽市など後志地方からなる北海道4区は、共産党が直前に擁立を取り下げて野党候補が一本化し一騎打ちの戦いとなりました。立候補しているのは、届け出順に、▽立憲民主党の新人で社民党道連合が支持する大築紅葉氏(38)と、▽自民党の前議員で公明党が推薦する中村裕之氏(60)の2人です。北海道4区は、過去3回連続で自民党の中村氏が勝利してきました。今回は立憲民主党の大築氏が挑み、議席獲得を目指します。激戦となっている北海道4区。与野党のギリギリの攻防が繰り広げられています。
大築紅葉氏の選挙戦
立憲民主党の大築紅葉氏は、8月までフジテレビの政治部記者を務めていました。ふるさとの小樽市をはじめ、地域の活性化に貢献したいとしています。19日の公示日、第一声で大築氏は「この地域に住むあなたの声を聞く。きちんと聞いてその声を国へ届けていきます」と訴えました。立憲民主党は4区を重点区と位置づけ、総力戦で臨んでいます。応援に駆けつけた党の泉政務調査会長は「女性の政策や地方の政策、大築氏は培ったみずからの取材力で地域のつぶさな声を拾い上げていく」と支持を呼びかけていました。2人の子を育てる大築氏。子育てしながら働く女性をサポートしたいとして、児童手当の高校生までの拡充などを実現するとアピールしています。また、大築氏はSNSを通じて若い世代にアプローチしています。若者や女性の声を反映した多様性のある社会を目指す考えです。演説会場には立候補を取り下げた共産党候補の姿も。大築氏は野党勢力の力を結集して政権交代を実現したいとしています。徐々に追い上げてきたと手応えを感じている大築氏。最後の後押しをしようと党の蓮舫代表代行が駆けつけ支持を呼びかけました。蓮舫氏は「どうしても国会で大築氏に仕事をさせたい。女性の国会議員を増やそうではないか」と呼びかけていました。大築氏は「子育てをするママとして女性として、当事者の目線で一人ひとりの声を聞いて、一人ひとりに寄り添う政治を行いたい。これまでの政治ではなく、これからの政治をつくっていきたい」と話していました。
中村裕之氏の選挙戦
自民党の中村裕之氏は、余市町出身で道議会議員を経て衆議院議員になりました。4回目の当選を目指し、地域振興に力を入れて取り組むとしています。19日の公示日、第一声で中村氏は「世界の人が憧れる後志管内を築いていきたい。私のほうが皆さんの役に立ちます」と訴えました。自民党は4区の議席を守るため、総力戦で臨んでいます。応援に駆けつけた党の高市政務調査会長は「美しく強く成長する日本をつくっていこう。中村氏をみすみす落とすようなことはあってはならない」と支持を呼びかけていました。与党議員としての実績を強調する中村氏。国とのパイプ役として高速道路延長や農産物の出荷施設の整備などを実現してきたとアピールしています。また、中村氏は岸田内閣で農林水産副大臣に就任しました。1次産業のブランド化を図り、地域を世界に売り込みたい考えです。中村氏は連日、都市部を重点的に回り支持を広げようとしています。公明党の支援も受けて組織の引き締めを図っています。1対1の戦いとなってこれまでにない危機感を募らせる中村氏。所属する派閥の領袖の麻生副総裁が駆けつけ支持を呼びかけました。麻生氏は「皆さんの1票1票が政権を選ぶ。中村氏と一緒に将来の夢を実現しようではないか」と呼びかけていました。中村氏は「一騎打ちの戦いは本当に厳しいとひしひしと感じている。これまで取り組んできたことはしっかり形になっている。言いっぱなしではなく、ちゃんと前に進んでいるかを考えてほしい」と話していました。
大築氏が議席を奪うか、中村氏が死守するか。与野党の総力をかけた攻防は続きます。
“核のごみ”2人は
北海道4区内では、いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定をめぐり、寿都町と神恵内村で文献調査が始まっていて、周辺自治体にも波紋が広がっています。26日の寿都町長選挙では現職が勝利し、調査は継続する見通しになりました。両候補に考えを聞きました。大築紅葉氏は「“核のごみ”について受け入れないと決めた条例がある。受け入れるといって目の前でお金をちらつかせるのではなく、目の前の利益に飛びつくのではなく、後志は自力で再生する力がある」としています。中村裕之氏は「“核のごみ”について自治体の意見を尊重して進めていくのが私の立場。無責任に将来のまちづくりに責任を持てない中での発言は控えたほうがいいと思う。地元の決断を尊重していきたい」としています。

●2021衆院選の候補者を追う 秋田3区 10/28
秋田県内全選挙区で与野党一騎打ちの論戦が繰り広げられている衆議院選挙。投票日まであと3日。秋田3区の候補者の戦い行方は。
秋田3区に立候補しているのは届け出順に共産党の新人杉山彰(すぎやま・あきら)氏(55)と自民党の前職御法川信英(みのりかわ・のぶひで)氏(57)の2人。
「この選挙、私たちの命と暮らしを守る大事な選挙でございます」と主張する共産党の新人、杉山彰氏。PCR検査の拡充や消費税の5パーセントへの減税などを公約に掲げている。農家でもある杉山氏。選挙戦では農業政策の充実を訴える。公示後最初の週末には寺田静参議院議員が応援に駆け付け「長年続いてきた今の農政が、農家の皆さんと農村とその役割を軽視してきた結果が、今の米価の暴落なんです。今の政治はおかしい、そのようなことを少しでもお持ちなのであれば、ぜひ今回の選挙は野党に力を貸していただきたい、杉山さんにお力をお貸しいただきたい」と杉山氏の訴えを後押しした。
そんな杉山氏の武器の一つが「音楽」。大仙市で開いた集会では自身の思いをクラシックの名曲に乗せて歌い上げた。
杉山氏は「今まで政治に関心がなかった方や若い方にも聞いていただけるかもしれない。もっと伝達する、飛ぶ翼がついたというイメージ。強いものばかりが優遇される政治が続いてきた、農民や庶民がないがしろにされてきた、そっちの人たちが声を上げる、怒りを表現する時代だと思う」と話し農家としての「現場の声」と「歌」を武器に初めての選挙戦を戦い抜く。
「コロナで疲弊した地域を経済をどう立て直すか、この選挙のまず一番の争点。何が問われるのか、実行力だと思います」と地元・大仙市で政権の継続を強く訴えた自民党の御法川信英氏。国産の新型コロナウイルスワクチンや治療薬の開発、安心できる子育て環境の整備などを公約に掲げる。また「(米価について)2000円下がった分、全国で下がった分に関しては、国の方でコメを寄せて、みなさんに迷惑がかからないようにする対策を立てています。ただ長い目で見たときにこういうことだけやっていてもだめだから、農家が安心してここでコメ作りや野菜作りでもやれるようもう一回組まなければならないと私自身思っています」と農業政策にも力を入れる。
御法川氏にとって7回目の選挙戦となりますがコロナ禍の今回はこれまでとは少し様子が違う。継続的に開いてきた座談会や集会は避け選挙カーで地域をくまなく回るほかSNSを積極的に活用している。遊説にはSNS専属のスタッフが同行し街頭演説の様子やコメント動画などを1日10件ほど投稿して若い世代への浸透を図っている。
「しっかり頑張ってくれという声が多くて励まされています。投票率の話がありますので、できるだけ多くの人に投票所に足を運んでもらえる運動を展開していきたい」御法川氏は幅広い声に耳を傾けながら最後まで支持を訴える。

●衆議院議員選挙 宮城県内の課題 原発政策・処理水 10/28
今回の衆院選は宮城県知事選と同日選になり、地域に身近な話題が論点になっています。国政を目指す各候補は県内の課題についてどう訴えているのでしょうか。
まずは、原発政策についてです。
東北電力女川原発2号機は2020年11月、村井知事が政府に対し再稼働を容認する方針を伝え、いわゆる「地元同意」に関する手続きは終了しました。
東北電力は2022年度までに安全対策工事を完了するとしていて、工事が終われば使用前検査など所定の手続きを踏み、再稼働することになります。
原発から30キロ圏内に住む人口は20万人。地元同意に向けた議論の過程では、万が一事故が起きた場合の移動手段の確保など、避難計画の実効性が問われています。
女川原発のおひざ元、宮城5区の候補者はどのように考えているのでしょうか。
安住淳候補「女川原発については、私は2020年度の再稼働を認めたプロセスは容認しておりません。大変残念だと思います。短期間で住民を避難させるか道筋を立てないで再稼働はあり得ないと思っています」
森下千里候補「以前に女川原子力発電所も見させていただきました。本当にこういった問題というのは、住民の皆さんの賛成というのが大変に必要かなと感じています。良い悪いというか動かすのであれば、やはり皆さんの賛成が必要だなともちろん思っています」
それでは5区以外の候補者は、どのように考えているのでしょうか。
こちらに朝日新聞社仙台総局が行った候補者アンケートをまとめました。
政権与党の自民の候補は「賛成」または「どちらかと言えば賛成」、3区の西村さんは「どちらとも言えない」と答えています。
一方、立憲民主と共産の候補者は「反対」、または「どちらかと言えば反対」と回答しています。
維新の候補者は「どちらとも言えない」、そのほかの候補者はいずれも「反対」です。
原発から30キロ圏内が選挙区の一部に入る6区の候補者は理由を次のように説明しています。
自民の小野寺候補は「新規制基準に適合すると認められた場合、その判断を尊重し、再稼働を認め自然エネルギーも含めたベストミックスを図っていく」としています。
共産の内藤候補は「原子力規制委員会の審査は原発の安全を保障するものではない。避難計画が机上の空論に過ぎず、住民を安全に避難させることができないことは明白」と回答しています。
次に東京電力福島第一原発の事故に伴い発生した処理水についてです。政府は基準以下まで海水で薄めて海に放出する方針です。この方針の是非を候補者に尋ねた結果です。
「賛成」と答えたのは、維新の2人の候補者のみでした。
立憲民主と共産の候補者は「反対」または「どちらかと言えば反対」と回答しています。
この質問には政権を担う自民の候補者の意見も割れていて、1区はどちらかと言えば「賛成」、2区、3区、6区は「どちらとも言えない」4区、5区は「反対」と慎重な意見が多く聞かれました。

●衆院選 戦いは大詰め 新旧の首相が応援に 新潟で火花を散らす 10/28
衆議院選挙の投開票日まで10月28日の時点であと3日…。続々と与野党の大物が応援に駆け付けるなど戦いは大詰めを迎えています。新潟県内では新旧の総理大臣が火花を散らしました。新潟に飛行機でやって来た自民党総裁の岸田文雄総理大臣。28日、JR新潟駅前でマイクを握りました。
自民党総裁 岸田文雄首相「(ノートを取り出して)きょう、ここにノートを持ってまいりました。このノート、私が長年に渡って多くの国民の皆さんの悩み、苦しみ、さらには素晴らしい提案…これを刻み続けてきたノートであります。」
国民の声を聞いてきたと“聞く力”をアピールする岸田首相。応援するうちの1人が…
岸田文雄首相「しっかりと汗をかいてきた斎藤さん。斎藤さんも3区。ひとつよろしくお願い申し上げます。」
新潟3区から出馬した自民党の前の議員・斎藤洋明候補です。
自民・前 斎藤洋明候補「いま政治が立ち向かうべき課題はコロナです。コロナの対策の主役は新潟市民・新潟県民です。では、責任を負うのは誰でしょうか。責任を負うのは国であり総理であり政権与党である自公政権です。」
新潟3区は、斎藤候補と立憲民主党の前の議員・黒岩宇洋候補が与野党一騎打ちの戦いを繰り広げています。前回の衆院選で50票差という大接戦となった2人。黒岩候補が小選挙区を制し、斎藤候補は比例復活となりました。互いに譲らない激戦となっています。今回も小選挙区での勝利を目指す黒岩候補。額に黄色のハチマキを巻き、気合十分です。
立憲・前 黒岩宇洋候補「岸田さんは自分で聞く力があると言ってましたけど、私に言わせれば安倍さんと麻生さんの言う事を聞く力があると。残念ながら国民の…地方の村上岩船の声を聞く力はないでしょうね。届きませんよ。だから私に届けさせてください。私に届けさせてください。」
10月27日、黒岩候補のもとに立憲民主党の最高顧問である野田佳彦元首相が応援に駆け付けました。
野田佳彦元首相「安倍政権・菅政権と続いて日本の政治は後退したと私は思います。腐った臭いがプンプンするようになりましたね。真の政権交代を今こそ実現しなければいけない。そのためには3区は黒岩さんにご支援をお願い申し上げます。」
野田元首相は現在の首相…岸田首相と同い年で、同期の当選だということです。そんな岸田首相に対して思うところがあります。
野田佳彦元首相「後ろにちょっと影がちらついてる。総裁選で言ったことが全部消えちゃったのは何なんだろうと聞きたいぐらいです。」
一方、28日に新潟入りした岸田首相。応援演説を終えると、集まった人たちとグータッチを交わして足早に新潟を後にしました。新旧の総理大臣も火花を散らす戦い。応援を後ろ盾に候補者の戦いも大詰めを迎えています。
自民・前 斎藤洋明候補「我々自民党の候補は自民党の票が固まらないと勝てないわけですから、その自民党票を固めるために岸田首相に入っていただいたんだと理解しています。とにかく一票差でも勝つという気持ちに違いはありません。とにかく頑張ります。」
立憲・前 黒岩宇洋候補「この新潟3区が重要で落とせないということで野田元総理が入ってくれたことはうれしいです。そのことによって『この選挙、黒岩を勝たせたいんだ』ということが有権者にしっかり伝わることを私も強く望んでいます。」
28日の時点で衆院選の投開票日まであと3日。決戦の時が近づいています。

●衆院選宮崎3区リポート 立候補者3人の訴えは 宮崎県 10/28
衆議院選挙の投票日まであと3日。各選挙区の立候補者の訴えをシリーズでお伝えします。最終日の28日は宮崎3区の立候補者を紹介します。宮崎3区は、法務大臣を務める自民党・前職に対し、野党・新人2人が挑む構図となっています。共産党・新人の松本隆候補。衆院選には過去2回宮崎1区から立候補していましたが、今回は野党の候補者擁立の動きがなかった宮崎3区からの挑戦です。
松本隆候補「みなさん今度の選挙は政権選択の選挙です。」
松本候補は野党共闘をアピールし、自公政権批判の受け皿になることを目指しています。
松本隆候補「市民と野党の共闘この6年間頑張ってまいりまして、今度は共通政策とさらに共産党も入った形での政権ということで、日本共産党としては初めての戦いとなります。是非この6年間のみなさんの力を大いに結集させていただきまして、政権交代へとその流れを作っていきたいと思います。」
自民党・前職の古川禎久候補は選挙期間中、大臣としての公務や選挙応援のため地元にほとんど帰れず、後援会や県議などが主なき選挙を支えています。
自民党県連 星原透会長「出陣式もできずに遊説に入りましたから大変心配していたのですが、法務大臣を拝命したということで皆さん方大変喜んでいるんですよね。前回の選挙の票より多く出そうということで、みんなでそういう形でやっています。」
今回の選挙で古川候補は政治の刷新などを訴え、7期目を目指しています。
古川禎久候補「9年間続いた安倍・菅政権に代わって、新たに岸田政権が船出をいたしました。聴く耳をもつ政治を目指して、保守本流の原点に返った岸田政権が誕生した、それを皆様に知っていただきたいと思うのであります。」
NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で新人の重黒木優平候補は、国政選挙への立候補は初めて、自転車などで選挙区を回り支持浸透を図っています。
重黒木優平候補「コロナ禍で大変な時に増税があったり、例えればレジ袋が有料化したり、ちょっとやっぱり庶民と言いますか、私たちの生活と感覚が違うのかなというところがあって、実際にそういう人たちの声を拾い上げて直接国会に届けたい思いがあって今回立候補しました。」
重黒木候補はNHKのスクランブル放送の実現などを主張しています。
重黒木優平候補「今世の中にある不必要な法律とか不必要な常識、そういったものに疑問を持っていただいて、一人一人が声をあげれば変えていけることを有権者に伝えています。」

●衆議院選挙 現職大臣と新人激突 沖縄4区 10/28
今度の日曜日に投開票を迎える衆議院選挙QABでは今週、シリーズで県内4つの選挙区についてお伝えしてきました。最終日のきょうは、本島南部や先島諸島を抱える沖縄4区です。
今月発足した新内閣で国務大臣に就任した前職と基地問題をきっかけに保守系から転換をした新人が激しい選挙戦を繰り広げています
西銘恒三郎候補「今度の選挙は私たちの命と暮らしを守る政権を自民党公明党の連立政権でなければできないという選挙になると私は考えております」
金城徹候補「私は辺野古の新しい新基地建設反対です」「翁長雄志さんの意志を引き継いで今度こそ建設を阻止します」
沖縄4区に立候補したのは届け出順に、自民党公認で前職の西銘恒三郎さん立憲民主党公認で新人の金城徹さんの2人です。糸満市や豊見城市など本島南部と宮古島市・石垣島とその周辺離島が舞台となる沖縄4区。
今月発足した、岸田新内閣で復興大臣兼沖縄担当大臣に就任した西銘さん。閣僚という立場から、政府とともに新型コロナで落ち込んだ県経済の立て直しなどを訴えます。
西銘恒三郎候補「命とくらしを守る戦いだと私は言っています。新型コロナウイルスの対策を徹底しながらワクチンの開発も含めて飲み薬も含めて(コロナを)抑え込みながら暮らしを守る、落ち込んだ暮らしをどう立て直すか、この2点でずっと訴えております」
来年3月で期限が切れる沖縄振興について西銘さんは、世界的に通用する人材育成が大きなカギになると主張します。
西銘恒三郎候補「今後50年たった沖縄の新しい振興開発あらゆる分野で私は率直に言うと政治の分野が遅れてるのではないかと」「政治も含めて経済界も含めて世界的な起業家が出てくるチャンスまであって欲しいなと、そのために次の沖縄振興法の中で人材育成をどう芽生えさせていくのか」
そして基地問題について、安全保障環境を維持しながら政府同士で決めたことを着実に実行すると訴えました。
西銘恒三郎候補「日米合意したものをまた無条件で何もなくて返せという交渉を誰がやっているわけでもない、政府同士で決めたことを着実に実行して基地返還を実現する」「安全保障環境を維持しながらやっていく、そういう意味で普天間飛行場は辺野古に移設して規模を縮小していく」
新人の金城さんは、1992年に自民党公認として那覇市議選に初当選。その後6期務めました。しかし、辺野古新基地建設を巡り反対の姿勢をとる「オール沖縄」に参加し「基地建設反対」を訴えています。
金城徹候補「国が決めたから造るんだってう姿勢ではなくて何故ここに基地を作る必要があるのか、これは住民に説明されていない我々が基地を造ると決めたから県民の皆さん従いなさいという姿勢では到底理解は得られないと思います」「日米安保条約があるから無制限に使うのが当たり前という、このやり方は決して長く僕は継続できないと思っている」「4区で辺野古は関係ないというけど、やはりオール沖縄の原点は辺野古に基地を造らせないという1点で集まってますから」
新型コロナの影響で、打撃を受けている県経済について地域の声を大事にするべきだと国に訴えます。
金城徹候補「街頭で訴えてるコロナ対策の問題、医療体制の充実それから教育のかかる負担が大きいですよねそういった問題をつくづく感じました」「国は決めたことだからやりなさいという姿勢でなくて」「地域の声を聞く姿勢を持たなければ十分に施策は運営されないと思っております」
今回の選挙戦、大臣の公務の合間を縫って選挙活動を行っている西銘さん。組織力を生かして、それぞれの地域で大きな集会を開いているなか、前回の選挙で、多くの票を得た宮古島市に入り支持固めに奔走しました。ただ、前回のような状況ではないと気を引き締めます。
西銘恒三郎候補「首長(市長)が変わったのは大きいですよ」「私は厳しいく認識していて」「でも1票1票の積み上げですから全力で宮古島は何としても勝たせてくださいと」
一方、離島の選挙区での認知度が広がっていないと金城さん。有権者への浸透を図ろうと離島まわりの活動を続けるなかで刷新した市政となった宮古島に入り支持拡大を訴えました。
金城徹候補「大変厳しいと思っていましたが熱心な支持者の皆さんのおかげで急速に認知度が上がったのかなと」
衆議院選挙はきょうから3日攻防支持拡大はかる両陣営の激しい闘いが続きます。

●衆院選 各党の女性幹部や党首 経済政策や子育て支援策など訴え  10/28
衆議院選挙は投開票まで3日となり、選挙戦は終盤に入っています。各党の女性幹部や党首は、各地で経済政策や子育て支援策などを訴え、支持を呼びかけました。
自民 小渕 組織運動本部長「安定した連立政権を」
自民党の小渕 組織運動本部長は、佐賀県唐津市で街頭演説し「今回の選挙は政権を選んでいただく選挙であり、自民・公明両党の安定した連立政権をぜひとも選んでいただきたい。私の父、小渕恵三が総理大臣の時に、公明党が連立政権に参画し、それ以来22年力をあわせてやっている」と述べました。そのうえで「何よりもやらなければならないのは、コロナ禍からの脱却で、みなさんがこの2年、マスクを着けて生活し、いろいろな商売や仕事で大変な思いをしている。傷ついた地元経済を立て直すため、この選挙が終われば、岸田政権はしっかり経済対策をやっていく」と訴えました。
立民 蓮舫代表代行「あまりにも不誠実な政治が9年間続いてきた」
立憲民主党の蓮舫 代表代行は、宮崎市で街頭演説し「『公文書を改ざんする、作らない、シュレッダーする』。あまりにも不誠実な政治が9年間続いてきた。私たちはうそのない政治、正直な政治。歴史に残す責任を持つ政治の実現を訴えている」と呼びかけました。また「コロナ禍で、政府はやってはいけないことを、やり続けてきた。それは『アベノマスク』だ。誰もつけず、安倍元総理大臣もつけていない。会計検査院によると115億円分、8000万枚のマスクが配られずに倉庫に保管され、保管料は半年で6億円だ。こういう無駄なお金の使い方をしている余裕はもうない」と批判しました。
公明 古屋副代表「安定した自公政権を継続を」
公明党の古屋 副代表は、川崎市で街頭演説し「感染者は減っているが、新型コロナの第6波がいつ起こるかわからない危機の中にあり、安定した自公政権を継続させていただきたい。野党側は選挙協力をしているが安全保障や憲法などへの考え方が全く違っていて、いったいどんな政権になるのか」と述べました。そのうえで「子どもたちをめぐる状況はさらに厳しくなっていて、18歳まで子どもを対象に一律10万円相当を給付する『未来応援給付』を実現させたい。子どもは等しく宝の存在であり一律給付を目指す」と訴えました。
共産 田村政策委員長“宣言は何度も出たのに給付金打ち切り”
共産党の田村 政策委員長は、埼玉県上尾市で街頭演説し「給付金が選挙の争点のように言われているが、政府・与党は、感染爆発で何度も緊急事態宣言が出されてきたのに事業者への持続化給付金を打ち切った。私たちがいったい何度、国会で『もう1回必要だ』『減収規模に応じて給付金を』と求めてきたか。自民、公明両党が選挙になるまで、なぜこれを拒んできたのか、それこそが問われなければならない」と訴えました。
維新 高木氏「社会保障改革いまの古い政治では到底できない」
日本維新の会の高木 国会議員団ダイバーシティ推進局長は、大阪 豊中市で街頭演説し「日本維新の会は、改革政党として是々非々で国会でも対じしてきた。税制改革、そして社会保障の改革などは、いまの古い政治では到底できない。新しいしがらみのない、そして規制を突破する政治を前に進めることによってこそ、経済が活性化していく。いまこそ改革が必要だ」と述べました。
国民 伊藤副代表「子ども子育て政策こそ1丁目1番地」
国民民主党の伊藤 副代表は、名古屋市で街頭演説し「給料は下がるのに学費は上がり、児童手当は削られている、こんな国では子育てできない。私たちは、教育国債を10年で50兆円発行し、教育や科学技術への投資を倍増させたい。子ども子育て政策こそ1丁目1番地であり、真の少子化対策とは、子どもを産み育てられると思えるだけの給与の確保と、徹底的な支援の拡充だ」と訴えました。
れ新 木村副代表「介護の賃金アップを」
れいわ新選組の木村 副代表は、大阪市内で街頭演説し「コロナ禍で辞める介護者が増え、介護派遣を打ち切る事業者が後を絶たない。障害がある人などにとっては命に関わるほど深刻な問題で、人手不足を根本的に解消し、介護の質を高めるため、賃金アップと雇用の安定が不可欠だ」と訴えました。
社民 福島党首「命を大事にする政治を」
社民党の福島 党首は、沖縄県宜野湾市で街頭演説し「『辺野古の新基地建設には反対』『子どもの貧困問題を解決したい』『産業をもっと転換したい』。そうした切実なみんなの思いに今の国会や政府はこたえているだろうか。社民党は命を大事にする政治を全力でやっていく」と訴えました。
N党 立花党首「NHK スクランブル放送を」
「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の立花 党首は、東京 池袋で街頭演説し「NHKの受信料は番組を見たい人が払えばよく『スクランブル放送をしろ』というのが国民の声で、大半は『まず、受信料問題ぐらい解決しろよ』と考えている。そんなことすらできない政治家、政党に何の改革ができるのか」と訴えました。

●自民の単独過半数維持は微妙、立民が議席増・維新は勢い保つ… 10/28
読売新聞社は31日投開票の衆院選の終盤情勢を探るため、26〜28日に世論調査を行った。自民党は単独での衆院定数の過半数(233)維持が微妙な情勢だ。立憲民主党は議席を増やす公算が大きく、日本維新の会は勢いを保っている。289ある小選挙区の約4割で接戦となっている。
調査結果に全国の総支局などの取材を加味し、情勢を分析した。
自民は終盤に入り、野党に追い上げられる小選挙区が目立っている。優勢を保つ候補は113人にとどまり、劣勢は序盤の46人から60人に増えた。当落線上で104人がしのぎを削る。特に野党の地盤が強い北海道、大阪、沖縄で苦戦している。一方、保守地盤の強い富山、山口、高知では安定した戦いを展開しており、山形でも議席独占の可能性が出てきた。比例選では70議席近くを視野に入れるが、公示前の276議席からは減らしそうだ。
公明党は、9人を擁立した小選挙区の多くで安定した戦いを進める。比例選では順調に議席を積み増し、前回の2017年衆院比例選の21議席を上回る可能性がある。自民、公明の与党では、国会を安定的に運営するための「安定多数」(244)をうかがう。
立民は、優勢な小選挙区を序盤の30から七つ増やすなど公示前の110議席から30近く増やす可能性がある。ただ、94人が接戦を演じており、情勢は流動的だ。比例選では40議席を超える見通しとなっている。
共産党は沖縄1区で優位に立ち、比例選でも2桁の議席確保を狙う。公示前の12議席は上回る勢いだ。
維新は拠点の大阪で、19ある小選挙区の半数以上を制しそうだ。比例選でも20議席台に乗せる可能性があり、公示前の11議席から3倍超をうかがう。
国民民主党は、公示前の8議席を確保できるかどうかが焦点だ。
調査は電話で実施し、18万2039人から回答を得た。一定数の回答者が小選挙区選や比例選で投票する候補者や政党を挙げておらず、情勢はなお流動的な要素もある。
衆院選には、小選挙区選(定数289)に857人、11ブロックの比例選(定数176)に194人(重複立候補を除く)の計1051人が立候補している。

●衆議院選挙 私の選択 「現役世代」に聞く 10/28
衆議院選挙で貴重な1票を託す有権者のさまざまな声を「私の選択」と題してお伝えしています。働き盛りのいわゆる「現役世代」。親の介護や仕事への不安など様々な思いを抱えています。福岡県筑紫野市の農園では、シーズンを前にイチゴの手入れが進んでいました。サラリーマンを辞めて農業を志し、去年11月から観光農園で働き始めた男性は。
農園従業員・独身(30代)「給料とは度外視した金銭的な分には厳しいかなと。自分でも稼ぎをよくするために努力はしようと思うんですけれど、農業自体が長期的なものになるので、国にサポートしていただければと。」政治に何を求めるのか。帰宅ラッシュの時間帯に聞くと、現役世代ならではの切実な思いが溢れました。
アルバイト・独身(30代)「私自身が(ことし4月)コロナの影響で失業してしまって、資格とか何もない中で、仕事が見つかるのか、どうやって生活していくのか、そういう人たちが安心して暮らせるようになってほしい。」
事務職・既婚(50代)高齢の父と同居「私自身が高齢(93歳)の父と一緒に住んでいますので、やはり介護にやさしい方にどんどん行ってほしいなと。子どもがいないから、子どもがいらっしゃる方のほうが、どうしても優遇してもらえそうなイメージがあるが、そっちも考えてもらえるとうれしい。」
システムエンジニア(40代)・子ども2人「子どもにお金がかかるのは、どの家庭も一緒で、低所得だからではなく配るんだったら、一律で配っていただきたいですし、給付金は、未成年に配るなら、未成年全員に配ってもらえるとありがたい。」
 

 

●衆院選 近畿の終盤情勢 維新が序盤よりさらに勢い増す 10/29
衆議院選挙を31日に控え、読売テレビと読売新聞が行った終盤の情勢調査によると、近畿では、日本維新の会が序盤よりもさらに勢いを増している。調査は28日までの3日間行い、近畿2府4県の有権者1万7148人から得た回答をもとに、取材を加味した。
小選挙区では、自民党は序盤よりもさらに接戦や苦戦の選挙区が増えた一方、立憲民主党はいくつかの選挙区で追い上げている。公明党は1つの選挙区で接戦。共産党は選挙区での議席獲得が微妙な一方、日本維新の会は、大阪でさらに勢いを増している。国民民主党は1つの選挙区で追い上げていて、社民党、れいわ新選組、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」は苦しい戦いだ。
比例代表でも維新がさらに勢いを増している。しかし、一定数の回答者が、小選挙区や比例代表で投票する候補者や政党をあげておらず、投票日に向けて情勢が変化する可能性もある。

●衆院選の「自民党の勝敗」を、日本維新の会が左右しそうな理由とは 10/29
信ぴょう性が高い自民党の情勢調査
10月31日に投開票となる衆議院選挙。その行方はどうなるのか。日本全国が注目しています。
この12日間の選挙戦で、情勢の事前予想も二転三転しているのが新聞紙面やニュースを見てもよくわかります。「自民は単独過半数割れ」と報道したかと思ったら、「自民圧倒的勝利」と正反対の見出しが紙面に躍るのです。それほどまでにこの選挙戦は激しく繰り広げられ、有権者も戸惑っていることがうかがい知れます。
そもそも、この事前予想というものは各政党が調査をするものもあれば、マスコミ各社が行うものもあります。ただ、その信ぴょう性を左右するのは「サンプル数」です。多くの情勢調査は各選挙区内で500人のサンプルで統計を取っていますが、自民党の情勢調査は1000人のサンプルを取っています。従って自民党の情勢調査は非常に信ぴょう性が高いのです。
ありがたいことに私のところにも、自民党の調査結果の情報が入ってくるのですが、拮抗している選挙区が多く、情勢調査の結果も二転三転していることを考えると、最終的な結果がどうなるのかは蓋を開けてみなければわかりません。
ただ、現時点ではっきりしていることがいくつかあります。それは今回の野党共闘によって勢力図が大きく変わってきているということです。まさに均衡が崩れたこの状況は、自民党にとっては今後脅威になりえるでしょう。
野党共闘との一騎打ちを自民党が避けたい理由
まず、大きく苦戦しているのは「都市部」です。ただでさえ、都市部の選挙区はその選挙のときに吹く「風」によって大きく左右されます。
かつて民主党政権が誕生した際の選挙では、自民党候補は都市部でことごとく吹き飛ばされました。一方、政権交代を許し、下野することを余儀なくされるほどの敗北を喫した状況でも、農村部のガチガチの自民党地盤の地域はビクともしないということも証明されました。
話を戻しますと、今回の野党共闘で共産党の候補が出馬しないことにより、その票がほぼ全て野党共闘の候補(多くは立憲民主党)に流れるのです。
そうなると、自民党候補はかなり厳しい戦いを強いられることになります。そもそも、自民党の支持率というのはだいたい40%前後です。裏を返すと、アンチ自民は60%で自民党よりも多いのです。
たとえていうならば、野球チームでいうところの巨人が自民党で、その他の球団が野党各党だとします。ファンの数でいうと巨人が一番多いと言われていますが、その他の球団が合わさると巨人よりも多くなるというような具合です。野党共闘とはそういうことなのです。
従って、自民党候補と野党候補の一騎打ちになる選挙区では、自民党候補が大きく敗北するということが現実的に起こってくるのです。都市部はまさに今回その影響を大いに受けているといえるでしょう。
そこで重要になってくる存在が、野党共闘に加わらない「第三の勢力」です。いわゆる「第三極」という存在で、与党でも野党でもないという位置付けの政党です。以前に存在した「みんなの党」などがそれにあたり、現在も残っているのは日本維新の会だけです。
現行の選挙制度においては、この第三極が立候補しているか否かでこの勝敗も大きく変わってきます。いわゆる「票割れ」により、維新が出ている選挙区では野党の票を一定数削ってくれるのです。
第三極の立候補は、当然ながら自民党の票も奪っていくし、場合によっては野党票よりも多くの自民票を奪う場合もあるでしょう。
しかし、それでいいのです。具体的な数字で説明しましょう。
自民党vs野党共闘のある選挙区で、たとえば得票率が自民党45%で野党共闘が55%だったとします。そうすると自民党にとって、次に大事なことは、どれくらいの接戦で敗北したのかになります。
落選した候補者の得票数を当選者の得票数で割った比率を「惜敗率」というのですが、この惜敗率が高ければ高いほど、つまり戦いが接戦であればあるほど、「比例復活」で当選する可能性が高まるのです。
ちなみに、この例で言うと惜敗率は約82%(45÷55×100)となります。
一方、自民党vs野党共闘vs第三極(日本維新の会)とした場合、得票率が仮に自民党40%、野党共闘45%、維新15%だったとします。
すると自民党40%に対して野党共闘が45%なので、惜敗率は約89%(40÷45×100)となるのです。
自民党の得票率は、「自民党vs野党共闘」で45%、「自民党vs野党共闘vs第三極」で40%と、前者の方が高いですが、惜敗率は後者の方が高いのです。
繰り返しになりますが、惜敗率が高いほど、比例復活の可能性が高まるので、第三極が候補者を擁立するかどうかというのは、自民党候補者にとっては死活問題になってきます。
日本維新の会が躍進する可能性
私の読みでは今回、第三極の日本維新の会は躍進します。そして存在感を高めてきます。そして万が一、自民党が単独過半数を割り、自民党と公明党で憲法改正の発議に必要な3分の2の議席を獲得できないようであれば、日本維新の会が連立与党入りすることも視野に入るでしょう。
いずれにせよ、自民党にとっては野党共闘との一騎打ちを避けるというのが、今後も課題となります。そのために、日本維新の会の全国進出を消極的に賛成するのか、それともまた新たな第三極の誕生を待つのか、何らかの動きを行わなければ、自民党の権力の座は危うくなるかもしれません。
れいわ新選組のようにイデオロギーに傾倒しすぎる政党でもなく、NHK党のようなワンイシューに特化しすぎる政党でもなく、明確な「ど真ん中」のターゲットを違う切り口で切るような政党が出てくることを期待したいです。
たとえば、「若者の若者による若者のための政治」を掲げる政党が出てくる可能性は大いにあると思います。日本全国の若者をターゲットにして全国の選挙区に候補者を擁立していけば、小選挙区では勝つことはすぐにはできないかもしれませんが、比例で一定数を獲得することはできるでしょう。若者が投票にいく動機にもなりますし、政治の構図が大きく変わってくることは間違いないと断言できます。
「若者党」ともいえる存在は、これからの政治にとって大事です。シルバー民主主義に傾きすぎている近年の日本の政治を牽制(けんせい)し、一石を投じることは間違いないでしょう。
就職氷河期の頃から、非正規雇用という形でしわ寄せを受けてきた世代の多くが今や40代になっています。そうした中高年世代のひきこもりが増える中、80代の親が50代の子どもの生活を支える「8050問題」も深刻化しつつあります。
ご年配の方はよく「若者よ、投票へ行きなさい!」と言います。しかし若者からすれば「どうせ、俺たちが束になって投票に行っても、あんたたち高齢者の票数にはかなわない。最初から負けが決まっているゲームだろ!」という気持ちがあるように思います。
このゲームも、ルールをぶっ壊して若者世代に有利に働くようなルールを創り出していこうじゃないか、という「若者一揆」が行われれば、案外、次回の選挙あたりから流れは大きく変わるのではないでしょうか。

●「他の人のことは考えないで」。若者に投票を呼びかける独特な言葉に反響 10/29
俳優の香川照之さんが10月29日、自身が金曜司会を務める『THE TIME,』に出演し、31日に投開票が行われる第49回衆議院議員選挙に投票に行くよう呼びかけた。香川さんの率直な言葉に、視聴者からは反響が寄せられている。
選挙についての話題を切り出す
反響があったのは午前6時の挨拶だった。香川さんは「おはようございます。時刻は午前6時を回りました。『THE TIME,』の金曜日を担当致します、香川照之です」と名乗ると、「さて、明後日10月31日、日曜日、国政選挙が行われます」と選挙の話題を切り出した。「私たちはこの1年間、大変な事態に非常に苦しい思いをして参りました。そんな思いをもうしない為にも、国を動かす衆議院議員を私たちの手で選ばなければなりません」と訴えた。
「他の人のことは考えないでください」
続けて香川さんは、「しかし一方で、若者たちの中にはこの一票を投じても、それだけでは大勢に影響はないのではないかと思う方々もいるかもしれません」と若者の政治への関心の薄さに言及し、「それ(その考え)は違います」として、自身の考えを次のように述べた。「他の人のことは考えないでください。あなた自身が投票に行くことだけを考えてください。他の人は関係ありません。もしあなたが投票に行くんだ、選挙に行くんだということを決断すれば、そして、そのあなたが10人いれば10票になります。1億人のあなたがいれば、それは1億票になるからです。特に20代以下、30代の若い方々にもう一度言います。明後日は投票に行きましょう。きっと、晴々しい気持ちの日曜日になるはずです」香川さんは、30代以下の若い世代に向けて特に念を押していた。Twitterでは「香川さんいいこと言った」「納得しました」「熱い呼びかけが心に響きました」などと様々な反響が広がった。国政選挙の年代別の投票率を見ると、前回2017年の第48回衆議院議員選挙では20代の投票率が33.85%と世代間の中で最も低く、10代は40.49%、30代が44.75%だった。
著名人の「自ら」の意思による発信目立つ
いよいよ間近に迫る投票日。今回の選挙に向けては、著名人の自らの意思や有志による投票への呼びかけが目立つ。10月16日には、「VOICE PROJECT 投票はあなたの声」とするYouTubeチャンネルを通じて、多くの芸能人が投票を呼びかけた。この動画には俳優の小栗旬さんや菅田将暉さん、橋本環奈さん、二階堂ふみさん、ローラさんなど多くの人気芸能人が出演した。政府や国主導の広告キャンペーンとは異なり、政党や企業に関わりのない自主制作という点も真新しい。動画に出演していたうちの1人である俳優の橋本環奈さんは10月26日、自身のTwitterで、期日前投票に行ったことを報告していた。これまではいわゆる“タブー”とされてきた芸能人などの政治的メッセージの発信。今回の香川さんは、自らが担当する朝の情報番組で話題に切り込んだ。潮目が変わりつつある。

●「公約はアテにならない」次の世代に日本を引き継ぐため 10/29
10月31日投開票の衆議院選挙について、岸田文雄首相は「未来選択選挙」と呼んでいる。国際政治学者の六辻彰二さんは「本当に未来を選択するのであれば、保守的な長老議員による成り行き任せの政治をこれ以上続けるべきではない。無責任な公約よりも、候補者の過去の言動を判断基準にしたほうがいい」という――。
日本の投票率がなかなか上がらない理由
衆議院選も大詰めを迎えるなか、コロナ対策などをめぐって有権者の関心も高いようだが、日本では慢性的に棄権率が高い。「だれに投票しても同じ」という無力感や無関心は、結局のところ当選する顔ぶれがあまり変わらないことに原因があるのかもしれない。実際、諸外国と比べて日本では議員や閣僚の高齢化が目立つ。同じ顔ぶれの年長男性が仕切る「長老政治」は、よくいえば一貫性や連続性を保ちやすいが、その反面で「成り行きまかせ」「なし崩し」を生みやすいともいえる。「なんとなくおじさんが多い」と思われがちな議員には、本当におじさんが多いのか。以下ではまず、日本の議員の年齢構成をみてみよう。『国会便覧151版』を用いて、解散直前の今年8月段階の衆議院議員に絞って算出すると、その平均年齢は58.4歳だった。ちなみに最年長は自民党の伊吹文明氏(83)で、最年少はやはり自民党の鈴木貴子氏(35)だった。平均年齢58.4歳というのは、他の主要先進国やアジア諸国と比べても高い水準だ。各国の議会が参加する列国議会同盟(IPU)のデータベースで、主な国の下院議員をみてみると、
・米国 58.4歳
・英国 51歳
・フランス 49歳
・ドイツ 47.3歳
・イタリア 44.25歳
・韓国 54.9歳
・シンガポール 48.3歳
全くの偶然で米国と同じだったが、それを除くと日本の衆議院議員の平均年齢の高さがうかがえる。
衆議院議員の半分以上が「おじさん」
次に、年代別と性別の分布でみると、衆議院の「おじさん率」がより鮮明になる。衆議院議員に占める50代男性は29.7%、60代男性は23.2%で、その合計は52.9%にのぼった。この点で他の国と比べると、
・米国 21.3+20.4=41.7(%)
・英国 18.9+11.5=30.4(%)
・フランス 18.9+9.0=27.9(%)
・ドイツ 19.9+8.0=27.9(%)
・イタリア 14.8+5.2=20.0(%)
・韓国 50.8+17.2=68.0(%)
・シンガポール 22.1+7.4=29.5(%)
こうしてみると、ダントツ一位は6割を超える韓国に譲るとしても、衆議院の52.9%も世界屈指といって差し支えない。ちなみに、議員の平均年齢で日本と同じだった米国では、女性の割合が日本より高いため、議会下院の「おじさん率」は4割程度にとどまる。
岸田内閣は「老害」から抜け出せたのか
大臣クラスの閣僚に絞ると、この傾向はさらに強くなる。自民党総裁選挙では、しばしば「老害」とも批判された二階幹事長(当時)を念頭に「風通しのよい党にする」と主張した岸田氏だったが、総裁選後に発足した岸田内閣の平均年齢は61.8歳で、菅内閣発足時の60.4歳よりわずかだが高くなった。これに対して、日本と同じく、内閣が基本的に議員で構成される議院内閣制を採用する主な国をみてみると、いずれも50代だ(ドイツの数値は8月段階のメルケル政権のもの)。
・英国 50.1歳
・ドイツ 55.9歳
・シンガポール 57.8歳
大統領制の米国では閣僚は議員でないが、参考までにみておくと、バイデン政権のもとでの平均年齢は52.76歳だった。米国の下院議員は日本の衆議院議員と平均年齢で同じだったが、閣僚に関しては米国のものが日本より10歳近く若いことになる。次に、閣僚に占める50〜60代の男性の割合をみてみよう。岸田内閣は71%、菅内閣は66%と、いずれも衆議院平均52.9%を大きく上回った。これに対して、やはり議院内閣制の国では、
・英国 53%
・ドイツ 26.6%
・シンガポール 75%
シンガポールが日本をわずかに上回るものの、日本が閣僚の「おじさん率」で多くの国を上回ることも確かだ。ダイバーシティ(多様性)が強調される現代にあって、日本の閣僚にそのトレンドはほぼ関係ないようである。ちなみに米国では、ハリス副大統領などの女性や、39歳のブティジェッジ運輸長官をはじめ30〜40代も多いため、閣僚に占める50〜60代の男性の割合が36%にとどまった。また、やはり大統領制の韓国では、閣僚の平均年齢が60.25歳で、そのうち50〜60代男性の割合は75%にのぼり、日本とほぼ同じ水準だった。
党内で力を持つ年長議員に偏る仕組み
なぜ日本の議員には、多くの国に比べても50〜60代の男性が目立つのか。そこにはいくつかの原因が考えられる。まず、文化の問題だ。「年長男性を前面に立てれば格好がつく」という考え方は、PTAやマンションの自治会など我々の日常生活でも珍しくない。そのため、議員の「おじさん率」の高さは有権者の志向の問題でもある。欧米と比べて、韓国やシンガポールでも議員や閣僚に50〜60代男性の割合が総じて高いことから、これは日本を含むアジアに根強い文化といえるかもしれない。ただし、政治にも原因はある。日本では地盤、看板、カバン(資金)のいわゆる「三バン」を背負った二世、三世議員が多く、ここでも血統やイエといった伝統的な価値観が根強い。二世や三世は代替わりのタイミングで30代、40代でも議員になりやすいが、世襲候補が多くなれば、新しい力が出てくることは難しい。これを後押ししているのが、選挙制度の問題だ。近年では政党助成金を分配する政党の権限が強くなり、知名度や資金力のある一部の議員を除けば、小選挙区制でも比例代表制でも候補を公認する政党の影響力が強くなる。結果的に、すでに地歩を固めている年長者が党内の公認獲得レースで有利になりやすい。政党内部の力学は、議員の公認だけでなく閣僚の人事にも影響してくる。自民党一強といわれながらも、閣僚の顔ぶれは各派閥の力関係を反映したものになりやすい。そのため、それぞれの派閥からそれなりの経験と実績のある議員をピックアップするとなると、どうしても年長男性に偏りやすくなる。こうした条件の積み重ねが、世界でも屈指の長老政治を生んできたといえる。
長老政治が日本から奪ってきたもの
それでは、長老政治は日本にどんな影響をもたらしてきたか。「安定」のもとでさまざまな要求が抑えられやすいことの象徴は、女性の社会進出が大きく改善してこなかったことだ。世界経済フォーラムが毎年発表している男女平等指数(グローバル・ジェンダー・インデックス)の2021年版で日本は156カ国中120位だった。これは先進国の最低レベルで、女性の社会参加が制限されやすいイスラム圏のアラブ首長国連邦(77位)やインドネシア(101位)より低い水準だ。日本の場合、「経済的機会」や「政治進出」の項目が全体の足を引っ張っている。実際、今回の解散直前の衆議院議員に占める女性の割合は10.2%に過ぎなかった。欧米の多くの国では一定程度の議席を女性に配分する積極的差別是正措置(アファーマティブ・アクション)が導入されているが、日本では主に年長男性議員の反対から実現に至っていない。そこには「枠を設けることは自由な競争を阻害する」「男性議員が多いのは有権者の選択の結果」という言い分があるが、もともと有利な条件で参加する者がレースで勝ちやすいことは当然だ。「自由競争は独占を生む」という古い格言は、ここでも生きている。世界経済フォーラムの指数は「属性にかかわらず能力を発揮できる環境が競争力につながる」というコンセプトに基づいている。とすると、注意すべきは若ければいいとは限らないことだ。むしろ、若いからいい、年長だからダメと決めつけることは、若いからダメ、年長だからいいと断定するのと同じように、本人の能力や適性を無視したものだろう。この観点から、長老政治の問題は、意志決定が特定の属性に偏っていることにあるといえる。それは日本の競争力に黄信号を灯しかねないのだ。
保守的で成り行きまかせの長老たち
実際、一般的に年長男性が安定志向、現状維持に傾きやすいのは日常生活で感じられるだけでなく、学術的にも多くの研究がそれを示している。リーダーシップに詳しい米コロンビア大学の心理学者シャモロ=プレムジック(Tomas Chamorro-Premuzic)教授は、多くの臨床結果を踏まえて、個人差はあるとしても年齢を経るごとに知的好奇心が衰えやすく、それは新しい出来事や異なる者への寛容度を低くすると指摘する。要するに年長者ほど保守化しやすいというのだ。心理学だけではない。筆者が専門にする地域の一つであるアフリカでは、開発経済学の観点から農村における年代別の家長の決定について実地調査が数多く行われてきたが、その報告の多くは若い世代の家長ほど新しい農業技術や作物の導入に熱心であることを明らかにしている。だとすると、年長男性に偏った意志決定は、それまでの経緯を踏まえた一貫性や連続性を高めるとしても、大胆なチャレンジを難しくしやすいといえる。この観点から日本政治をみれば、新しい時代を自分たちで切り拓こうとするより、時代の変化に渋々ついていく「成り行き」や「なし崩し」が基本になることは不思議でない。
デジタル庁創設は菅政権の「英断」とはいえない
近年の日本を振り返っただけでも、成り行きに左右される決定は数多く見出せる。例えば、菅政権に関しては、ワクチン接種の遅れなどコロナ対策で批判の集中砲火を浴び、わずか一年で退陣を余儀なくされたが、その後になって「実は公約の多くを実現させた有能な首相だった」「コロナで押し流されたが、大きな決断をいくつもした」といった評価もよく聞く。こうした論者の多くは、とりわけデジタル庁の創設を菅政権の功績としてよく取り上げる。しかし、デジタル庁の創設を「菅氏のリーダーシップ」といった文脈でのみ語るのは、国外にほとんど目を向けていない、視野の狭い議論といえる。世界で最も長い歴史を持つビジネススクールであるESCPビジネススクールは、デジタル産業のスタートアップの簡便さや現役世代のデジタルスキルなどに基づき「デジタル勝者ランキング」を毎年発表しているが、その2021年度版で日本は主要先進国(G7)中、最下位の7位と評価された。さらに、G7に中国などの新興国を加えたG20では18位にとどまった。つまり、デジタル化で日本はかなり出遅れている。これを踏まえれば、デジタル庁の創設は、これまでほとんど放置してきた結果、いかんともし難いビハインドを突きつけられ、ようやく手をつけた所産といえる。それは何もしなかったよりはいいだろうが、少なくとも「英断」や「リーダーシップ」といった文言で飾って済ませられるものではない。
脱炭素でも国際社会に後れを取っている日本
菅政権が打ち出していたもう一つの目玉、脱炭素も基本的には同じだ。昨年10月、首相としての所信表明演説で菅氏は「2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする」と表明し、その後「2030年までに2013年と比べて温室効果ガス排出量を46%削減する」中期目標も打ち出された。これだけみれば、菅氏のリーダーシップが発揮されたようにも映る。しかし、これとて国際的な動向を踏まえれば、成り行きまかせの決定だったといえる。世界的自動車メーカー、メルセデスが2017年に「2022年までに全ラインナップを電動化する」と発表したことに象徴されるように、欧米ではいち早く脱炭素に向けたシフトチェンジが進んできた。これに対して、既存の省エネ技術に優位のある国内自動車メーカーの消極的な反応もあって、日本では電気自動車の普及などが遅れがちだった。
長老政治のままで日本の未来はあるか
ところが、米国で地球温暖化そのものに懐疑的なトランプ政権が退場し、温暖化対策に熱心なバイデン政権が誕生したことで、欧米と日本の温度差がこれまでになく鮮明になった。だから、少なくとも形式的には欧米のトレンドに合わせた、というのがコトの経緯だ。そこには次の時代への展望も開拓精神も見受けられない。一部の論者が「有能さ」を高く評価する菅政権ですらそうだったとすれば、他は推して測るべしである。時代の変化に成り行きで付き合う長老政治は、国際的な評価や競争力を押し下げ、日本の行く末すら危うくしかねないのである。それは究極的には、長老が選挙で当選することを許してきた有権者の問題でもある。岸田首相は今回の選挙を「未来選択選挙」と呼ぶが、長老政治を抜け出し、有権者が本当に未来を選び取るためには、各党が公約に掲げている目先の給付や支援の多さだけなく、自分の選挙区の候補のこれまでの言動を思い出してみるところから始めるしかないだろう。
 

 

●党首・リーダーもそろい踏み 自民・立憲・維新 三つ巴の総力戦 大阪2区 10/30
関西の激戦区を取り上げる、衆院選企画。今回は、生野区・阿倍野区・東住吉区・平野区からなる、大阪2区です。ここでは激しい三つ巴の戦いが繰り広げられています!
自民が長らく議席を守り続けてきた大阪2区。そこに挑むのは、立憲と維新。3つ巴の構図です。
「魅力ある大阪を作り直す。そのためのパイプ役として中央からいろんなものを大阪に持ってくるためには、(私を)通してもらわないとこれができないんです」
天王寺駅前。自民前職の左藤章(さとう・あきら)さん(70歳)。当選5回、さらには防衛副大臣などを務めたベテランです。“岸田派”ですから、新政権誕生も追い風に、いざ選挙戦へ…。しかし今年は、左藤さんの身に“悲しい出来事”が降りかかります。
左藤家は3代にわたる政治家一家。義理の父で、郵政大臣などを歴任した左藤恵(さとう・めぐむ)さんが1月に亡くなったのです(享年96歳)。今月9日の葬儀には、多くの政界関係者が参列。岸田総裁も弔辞を述べました。
「私も先生のように我が国の将来を正確に見通し、章先生とともに力を尽くすことをお誓いいたします」
地元で長く慕われてきた恵さんのいない、初めての選挙戦となります。
「心の支えというか、よりどころがなんとなく、なくなったという感じがします。しっかりやることで義父も極楽浄土から支えてくれるだろうと思います」(左藤章候補者)
後日、再び大阪に入った岸田総裁は、国や大阪の発展に左藤さんの存在は欠かせないと訴えました。前回の衆院選では2万票以上の差をつけて当選しましたが、今回は接戦となる見通し。いつも以上に、演説に力が入ります。
「これからの大きな課題、今のうちにその政策をしっかり作っておかないと大阪は甦れない」
「場当たり的なコロナ対策が続いてきました。その象徴があべのマスクであり、一斉休校です」
同じく熱弁を振るうのは、立憲前職の尾辻かな子さん(46歳)です。これまでの政府の新型コロナ対策の“甘さ”を批判します。第4波のさなかに開かれた4月の国会では、感染拡大が止まらない大阪への『緊急事態宣言』の発出を強く求めました。
「大阪、兵庫にまずやっぱり、これはもう緊急事態宣言を出すときが来ていると。大阪、私地元ですけど、なんときのう日曜日で最大の760人。最多記録をずっと更新しているこの状態が続いていて、非常に危機感を持っております」
一方、地元に戻れば、活動は市民目線です。『生徒数が減少している学校現場』や『障がい児の支援』など、地元の人の悩みに耳を傾けます。
「誰かがひとりそれ(障がいのある子の世話)を背負わないといけないと、家庭が成り立たないとか生活が成り立たないっていうんじゃなくて、ちゃんと社会がその子(障害のある子ども)を見ていくということをしていかないとあかんと思うんです」
目指すのは、“誰も置き去りにしない社会”。弱い立場にある人の声を拾い、政治に反映したいといいます。
前回は左藤さんに敗れ、比例での復活当選でした。今回は、どう戦うのでしょうか。
「ちゃんと政権を批判できたり、チェックできたり、改善を求めたりできるのは私だけなんだと(訴えていく)。もう本当にお二人強いので、もう全力で一票一票を積み重ねていく」
自身を“挑戦者”と語る尾辻さん。選挙期間中、唯一の日曜日には、立憲・枝野代表が駆け付けました。
「ぜひとも変えたよう!変えようではありませんか!私たちの大阪の仲間に、力強いご支援を!ますますのご支援を!どうぞよろしくお願いします」
前職の2人の候補に対し、新人として挑むのが維新・守島正(もりしまただし)さん(40歳)です。
「過去のどちらかというと全方位的な業界団体などの顔色をうかがった自民党政治に戻っていくんだろうなと。そういう新総理でいいと思いますか。僕は思いません」
守島さんは2011年、大阪市議に初当選。3期10年を務めました。実は、初当選の時の、同期にあたるのが・・・
「同じ釜の飯を食いました。いろんな改革をする条例も守島さんと一緒につくってきました。守島さんは政策通だし、想いも強いし国会で活躍してもらいたい」
信頼を寄せる“同期”を国政に押し出すため、応援にも力が入ります。
出身は、選挙区でいうと『大阪5区」の東淀川区です。今回、どうして2区からの立候補となったのでしょうか。
「大阪市議として10年やってきたので、大阪市内の選挙区であることが一つと、もう一つ大きな理由は2区は(維新が)衆議院の選挙区を一度も取ったことがない選挙区で、維新にとっては鬼門」
そう、ここ大阪2区には、国政進出した維新が2012年以降、3度にわたり候補を擁立しましたが、小選挙区ではいずれも敗北。4度目の挑戦となる今回、送り込まれた維新の『エース』が、守島さんなのです。訴えるのは、次世代の子どもたちに問題を先送りしない社会づくりです。
「社会保障システムもそうですし、借金の問題もそうですし、解決しないといけない問題が縷々積まれている中で、これからの子どもたちにつけだったり課題を残さないような改革をしっかりするということを訴えていきたい」
今回の選挙を『人生の勝負時(どき)』と語る守島さん。戦い抜くポイントは・・・
「勝つにしろ、負けるにしろ、この選挙区は接戦になる。気持ちが入った方、活動を最後までし尽くした方が勝つんじゃないかな。最後、摩耗しきるという想いで、悔いなく走り抜きたいと思います」
激戦の大阪2区。31日に当選を勝ち取る?のはいったい誰になるのでしょうか。

●「野党共闘」成果いかに 距離感まちまち、ジレンマも 衆院選兵庫 10/30
31日投開票の衆院選で、野党共闘の成否に兵庫県内の関係者が気をもんでいる。全国では候補者の一本化で自民党と接戦になっている選挙区が増加。しかし、県内での効果は限定的とみられ、選挙区ごとに共闘への温度差がある。立憲民主党側は共産党の票を取り込みたい一方で、「近づき過ぎると離れる票もある」とのジレンマを抱えており、最終盤を迎えて、その成果を注視する。
「隠す。ごまかす。改ざんする。こんな時代遅れの政治はもう変えよう」
神戸・元町で24日、候補者の応援で街頭に立った立民の枝野幸男代表は、安倍・菅政権を批判した。同じく政権に矛先を向ける共産候補の姿はなかった。
立民と共産などは今回、衆院選で初めて候補者を調整。共同通信社の電話世論調査(23〜26日)では、野党共闘によって全国の50超の小選挙区で優位に立つ。一方、県内で両党は、12選挙区のうち10選挙区で対立を避けたが、一部選挙区を除いて思うように伸びていない。
共産との連携は接戦区を制する鍵の一つだが、立民を支援する連合内には、労働運動を巡って対立する共産に拒否感が強い。支持者には「共産と並べば応援できない」との声もあり、共闘はリスクをはらむ。
このため、選挙区によって共産との距離感はまちまちだ。前回も共闘の経験がある候補者は、連携を深化させ、自身への投票を促すよう共産側に依頼。別の候補者陣営は「約2万の共産票を上積みできれば大きい」と期待するが、「離れる票もある」として、共産側に表だった活動は控えてもらった。
一方、共産は小選挙区制が導入された1996年以降、8回あった衆院選のうち6回で全12選挙区に候補者を擁立。今回は最少の5人に絞ったことで、事実上の共闘となった。同党の関係者は「本気で政権交代する意思の表れだ」とする。
ただ、候補者の減少によって露出度や活動量も減るため、比例票への影響も必至とみられる。共産関係者からは「5人に減らした分、立民には比例票を協力してもらいたかったが…」との声も聞こえる。

●激戦区で与野党ラストスパート 衆院選、31日投開票 10/30
衆院選は30日、選挙戦最終日を迎え、与野党幹部が激戦区を中心に遊説した。岸田文雄首相(自民党総裁)は埼玉県東松山市で、野党の主張について「分配だけ考えていれば、いつの日か分配するものがなくなってしまう」と批判。立憲民主党の枝野幸男代表は神奈川県鎌倉市で、憲法に基づく国会召集要求を与党に拒まれた経緯を踏まえ「審議拒否を続けてきたのは自民党だ」と政権交代を訴えた。各党は国民の審判となる31日の投開票に向け、ラストスパートに入った。
街宣車の上から演説に臨んだ首相は「野党が盛んに分配と言っている。そのうち増税しないと経済が回らなくなりかねない。成長も分配もと言っているのが自民党の強みで、野党との違いだ」と語った。
枝野氏も街宣車から、政府の新型コロナウイルス対策を「後手だった」と一刀両断。野党側のコロナ対策の給付金に関する提案に触れながら「命と暮らしを守るために政治はある。私たちは提案を続けている。皆さん、変えよう」と述べた。
公明党の山口那津男代表は東京都内で、野党共闘に関し「政権合意をつくっていない。不安定で不透明な野党に政権を任せるわけにはいかない」と対決姿勢を鮮明にした。
共産党の志位和夫委員長は千葉市で、政府の新型コロナ対策や森友・加計学園、桜を見る会を巡る問題を挙げ「安倍、菅政権の9年間への審判を下してほしい。野党共闘で自民党を追い詰めている」と声を張り上げた。
国民民主党の玉木雄一郎代表は茨城県内を回る。れいわ新選組の山本太郎代表、社民党の福島瑞穂党首、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の立花孝志党首も各地で有権者への浸透を図る。

●各党党首が支持訴え 衆院選あす投開票 10/30
衆議院選挙の投票日が、31日に迫りました。選挙戦最終日となった30日、各党の党首が街頭などで支持を呼びかけました。
自民党・岸田総裁
「野党が盛んに分配、分配と言って、あれをやります、これもやりますと、いろいろ言っています。我々、自民党は、経済を成長しその果実を分配する。成長も分配もと言っているところが自民党の強みであり、野党との違いだということをぜひ、皆さんにご理解をいただきたい」
立憲民主党・枝野代表
「多くの皆さんが当たり前の日常を失ってきた、こんな日々がまもなく2年です。明日、皆さんは変える力を持っています。数年に一度、有権者の皆さんが政治を変えるチャンスです」
公明党・山口代表
「コロナで1年半以上、私たちは苦しみました。これをどうやって乗り越えて、次の日本の再生の道を切り開いていくか。その役割を担うこの日本の、その政権をどこに託すか、私は公明党のいる連立政権、自公連立政権しかないと思います」
共産党・志位委員長
「安倍・菅政権の9年間、何をしてきたか。それを1つ1つ思い出していただいて、総決算の審判を下していただきたい。政権交代を必ず実現し、国民の声が生きる新しい政権を作ろうじゃありませんか」
日本維新の会・松井代表
「今は令和の時代、昭和とは全然、形が変わっているんです。だから、令和の時代に合った大構造改革、それを日本で実施をして、持続可能な次の世代に胸を張って引き継いでいける日本をつくっていきましょうよ」
国民民主党・玉木代表
「変えるべきところを変えられない、こんな政治では大きな変化のなかで日本だけが取り残されてしまう。今回の選挙、古い政治をまたずっと続けるのか、それとも国民のための新しい信頼できる政治に変えていくのか」
れいわ新選組・山本代表
「消費税が5%になってから、翌年、日本は本格的な不況に入っていきました。消費税は廃止にするしかないんです。あなたが使ってくれた消費が、回り回って誰かの所得になる、誰かの消費は誰かの所得、当たり前の循環を取り戻していくんです」
社民党・福島党首
「今の自民党政治では私の命は守れません、あなたの命も守れません、あなたの家族の命も守れません。命守りましょうよ。生存のための政権交代、ぜひ、やっていきましょう」
NHK党・立花党首
「今回の選挙でワンチャンス政権交代、これは無理です。ただ、次回いけそうです。それくらいの確信あります。このままいけば十分、次の総選挙では政権を取れる。衆議院選挙に勝って、NHKをぶっ壊す」

●あす投開票 各党の党首が最後の訴え  10/30
新型コロナ対策や経済の立て直しなどが争点となった衆議院選挙は、31日が投票日です。各党の党首や候補者らは、街頭で有権者に最後の訴えを行っています。
自民 岸田首相「『未来選択選挙』だ」
自民党の岸田総理大臣は東京 調布市で街頭演説し「野党の皆さんが盛んに『分配、分配』とおっしゃるが、分配するだけでは、そのうち分配するものが無くなってしまい、経済が回らなくなる。成長した成果を分配する『成長も、分配も』と言っているところが自民党の経済政策の強みであり野党との違いだ」と述べました。そして「今回の選挙は『未来選択選挙』だ。コロナ対策をこのまましっかり進めてもらいたいと思うのか。持続できる経済を実現できるのはどの政党なのか。外交・安全保障を自民党と公明党に委ねるのか、あるいは共産党と立憲民主党に委ねるのか、これが問われている。日本の未来を選択する、それはすなわち皆さん一人一人のあすを選択する選挙だ」と訴えました。
立民 枝野代表「まっとうな政治へ」
立憲民主党の枝野代表は横浜市で街頭演説し「アベノミクスの9年で何が起こったか。国は成長していないのに、株を持っている人や一部の大企業だけが潤った。一握りの人たちが潤ったのは、あなたの犠牲の上に、豊かさが偏っていることにほかならない。それを進めてきたのが自民党だ」と指摘しました。そして「安心を高めることでこそ消費が伸びる。ここに力を注ぐことこそが、競争や規制緩和よりも重要な経済対策だ。いざという時に命と暮らしを守るという政治本来の役割を果たし、まっとうな経済と社会にしよう。まっとうな政治へ、一緒に変えていこう」と訴えました。
公明 山口代表「『Go To』を起爆剤に」
公明党の山口代表は東京 中野区で街頭演説し「新型コロナで1年半以上、私たちは苦しんだが、どう乗り越え次の日本の再生の道を切り開いていくか。その役割を担う政権をどこに託すか、公明党のいる『自公連立政権』しかない」と述べました。そのうえで「3回目のワクチン接種を準備していて、無料で接種できるよう予算をしっかり作りたい。感染の収束を見届けて感染対策をしっかりやったうえで効果の高い『Go Toキャンペーン』を展開し、経済をV字回復させる起爆剤にしたい」と述べました。
共産 志位委員長「自公政治もう終わりに」
共産党の志位委員長は千葉市で街頭演説し「国民が審判すべきは、岸田総理大臣がいま何を言っているかだけではない。『安倍・菅政権』が9年間、何をしてきたか思い出し、総決算の審判を下してもらいたい。アベノミクスで自己責任を押しつけて貧困と格差を広げた。コロナ対応でやるべきことをやらずに医療崩壊を起こし、多くの人が命を落とした。こんな自民、公明両党の政治はもう終わりにしよう」と訴えました。
維新 松井代表「改革と成長で分配を」
日本維新の会の松井代表は兵庫県姫路市で街頭演説し「分配、分配と言うが、日本で財源を確保するには、行財政改革をして税金の使い方を見直すことと、経済を成長させて皆さんの所得を上げ、納税してもらうしか方法はない。まず第1にやるべきは、納税者から見ておかしいと思うところにどんどん流れているお金の使い方に一度メスを入れることだ」と訴えました。
国民 玉木代表「現政権で経済再生は無理」
国民民主党の玉木代表は茨城県日立市で街頭演説し「日本は25年間、実質賃金が下がり続けている唯一の先進国だ。これは、皆さんが悪いわけではなく、ひとえにこれまでの経済政策が間違っていたからだ。だから私たちは『給料が上がる経済』を実現するために『積極財政』への大きな転換を党の政策の柱に掲げて訴えている。今の岸田総理大臣の政策では経済の再生は全く無理だ」と訴えました。
れ新 山本代表「財政出動で生活底上げ」
れいわ新選組の山本代表は東京 新宿で街頭演説し「私たちがやりたいことは、大胆な財政出動で、皆さんの生活を底上げしていくことだ。そして、全国津々浦々にお金を回しながら、この25年もの間続いてきたデフレから脱却し、『コロナ不況』を食い止めていく」と訴えました。
社民 福島党首「命救うため政治を変えよう」
社民党の福島党首は福岡市で街頭演説し「『自民党の自民党による自民党のための政治』は、みんなの苦しみや悩み、それに弱音とは無関係なところで行われ、これらを解決しようとしない。命を救おうとしない。だからこそ今政治を変えよう。皆さんにはその力がある」と訴えました。
N党 立花党首「受信料は見る人だけ」
「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の立花党首は東京 秋葉原で街頭演説し「私たちはNHKの問題、ワンイシューできた。ほかの政党は、スクランブル放送の検討すらせず、国民の声を聞いていない。受信料は見る人だけが払い、見ない人は払わなければいい」と訴えました。

●衆院選 あす投開票 期日前投票は前回より98万人増加  10/30
新型コロナ対策や経済の立て直しなどが争点となった衆議院選挙は、31日が投票日です。各党の党首や候補者らは、街頭で有権者に最後の訴えを行いました。
4年ぶりとなる今回の衆議院選挙は、岸田総理大臣の就任から31日の投票日までの期間が戦後最短の27日で、今月19日の公示から続いた選挙戦は30日が最終日となりました。
今回の選挙では、小選挙区289比例代表176の合わせて465議席をめぐって、今の小選挙区比例代表並立制で選挙が行われた平成8年以降、最も少ない1051人が争っています。
新型コロナ対策や経済の立て直しなどが争点となった選挙戦最終日の30日、各党の党首や候補者らは、街頭で演説ができる午後8時ぎりぎりまで有権者に最後の訴えを行いました。
一方、全国各地では、投票所の設営作業なども行われました。
大阪・北区にある小学校の体育館では、小選挙区と比例代表、それに最高裁判所裁判官の「国民審査」の3つの投票箱を設置したり、新型コロナウイルスの感染を防ぐため、消毒液を用意したりしていました。
31日は、繰り上げ投票が行われた離島など一部の地域を除いて全国4万6000か所余りの投票所で、午前7時から投票が始まることになっています。
そして投票は、午後8時に締め切られ、順次開票が始まります。
今回の衆議院選挙で、29日までに期日前投票を行った人は、1662万人余りで、前回の衆議院選挙の同じ時期と比べておよそ98万人増えたことが総務省のまとめでわかりました。
総務省は、全国の都道府県の選挙管理委員会を通じて、公示翌日の今月20日から、29日までの期日前投票の状況をまとめました。
それによりますと、期日前投票を行った人は、全有権者の15.74%にあたる1662万4813人でした。
これは、前回・平成29年の衆議院選挙の同じ時期と比べて、97万9464人、率にして6.3%増え有権者に占める割合も0.99ポイント高くなっています。
過去の衆議院選挙で期日前投票を行った人が最も多かったのは、前回の2137万9977人です。
29日までの期日前投票の状況を都道府県別に見ますと、山形県と石川県がおよそ1.2倍に増加するなど、39の都道府県で増えています。
これについて総務省は、期日前投票の制度が有権者に浸透してきたことや、新型コロナウイルスの感染予防のため、投票日当日の混雑を避けようという有権者が増えたことなどが要因ではないかとしています。
 

 

●首相「成長も分配も」枝野氏「支え合う社会」最後の訴え 10/31
与野党は30日夜、12日間にわたった衆院選の選挙戦を終えた。日本経済新聞の終盤情勢調査では289の小選挙区のうち4割が接戦となっている。9党首は大都市部の激戦区を中心に少しでも票を開拓しようと有権者へ最後の訴えに臨んだ。
岸田文雄首相(自民党総裁)は東京・品川の大井町駅前で「全国で大接戦、大激戦が続いている」と訴えた。
首相は勝敗ラインを公明党とあわせて「与党で衆院の過半数の233議席」と説明する。終盤情勢調査は自公で過半数を射程に入れる。自民が単独で過半数を維持できるかの野党との攻防になっている。
首相は「成長も分配も両方しっかりやる。そこが自民の強みで野党との違いだ」「外交を自公政権に委ねるのか。あるいは立憲民主党、共産党の野党勢力に委ねるのか。選挙で問われている」とも強調した。
立民の枝野幸男代表は自身の地元さいたま市の大宮駅前を最終演説の場所とした。「1億総中流社会を取り戻す先頭に立たせてほしい」と力説した。
立民は公示前の110議席からの上積みを目指す。与党系候補より優位に立つ接戦区の6割で勝てば議席増を達成できる見通しだ。
枝野氏は東京都立川市の立川駅前で「日本を支え合い分かち合う社会へ、まっとうな政治へ変えていく。そんな(投開票日の)31日にしよう」と呼びかけた。
自民との連立で政権維持を目指す公明の山口那津男代表は東京・江戸川の船堀駅前で、0歳から高校3年生までの一律10万円の給付の必要性を説いた。
「新型コロナウイルスを乗り越えて日本再生の道をどう切り開いていくか。担えるのは自公連立政権しかない」とも述べた。
立民と候補者調整した共産の志位和夫委員長は新宿駅西口で「野党共闘が最終盤で大きな力を発揮している。多くのところで自民を断崖絶壁まで追い詰めている」と語った。「政権交代を実現し国民の声が生きる新しい政権をつくろう」と力を込めた。
日本維新の会の松井一郎代表は大阪市の難波駅前で「大阪での改革を全国でスピード感をもって行うためには永田町で維新の政治家を増やすしかない」と話した。「政治家の身分にメスを入れる」と議員の定数削減など「身を切る改革」を唱えた。
国民民主党の玉木雄一郎代表は茨城県日立市で「社会も経済も働き方もすべてが変革を求められている」と説いた。「古い政治を続けるのか、新しい国民のための信頼できる政治に変えていくのかが最大の争点だ」と語気を強めた。
れいわ新選組の山本太郎代表は新宿駅南口で「消費税は必要ない。廃止するべきだ」と演説した。社民党の福島瑞穂党首は福岡市で「新自由主義を継続するのか社会民主主義的政策に転換するのかが問われている」と提起した。
「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の立花孝志党首は東京・千代田の秋葉原駅前でNHKのスクランブル放送の実現を主張した。

●なぜ午後8時に当選確実?報道機関が「総合力」競う開票速報 10/31
衆院選は31日、投開票されます。テレビや新聞社のウェブサイトでは、投票が締め切られた午後8時直後に一斉に「当選確実」の報道が流れます。票を数え始める前に「当確」を速報できるのは、なぜでしょう?
開票速報では「当確」という言葉が頻繁に使われます。これは「当選確実」という意味です。開票作業が始まる前でも、その候補者の当選が確実だと判断した場合に各社が独自に報じます。
開票速報は客観的なデータを集めることから始まります。所属する政党の党員数や、過去の選挙での得票など、客観的なデータを一つずつ積み重ねます。候補者が支援を受けている組織の集票力も調べます。
出口調査は、投票所で投票を終えたばかりの有権者に投票先を尋ねて集めたデータで、重要な判断材料です。調査地点は特定の地域に偏らないように選定します。集計段階で回答者の性別や年代が有権者全体の縮図に近づくように調整します。
投票したかどうかにかかわらず、有権者全体を対象に、支持する候補者や政党を無作為に電話で聞く「情勢調査」も行います。
こうした調査とは別に、記者が政党や候補者の陣営関係者、選挙に影響力を持つ団体などを取材し、「票読み」をします。選挙情勢次第では、有力な組織が支持動向を変えることもあり得ます。データや取材の成果を積み上げ、次点との票差がどれほど開くかなどを計算します。こうした材料を総合的に判断した結果が「当確」となるのです。
当選が確実になった候補者を判断する作業は、新聞社などでは「当打ち」と呼んでいます。国民の知る権利に応えるためにも、なるべく早く、正確に報じようと、各社は徹底的な取材やデータ収集を行い、「当打ち」に臨んでいます。このため、開票速報は報道機関の総合力を競う場になっていると言えます。
 



 

●重鎮、選挙区で続々敗北 自民・甘利氏、立民・小沢氏ら 11/1
31日投開票の衆院選では与野党の重鎮議員が相次いで小選挙区で敗れた。自民党の甘利明幹事長は神奈川13区で敗北が確実に。党関係者によると、1955年の結党以来、現職幹事長が選挙区で敗れた例は確認できないという。同党では石原伸晃元幹事長も東京8区で敗北した。
選挙対策を統括する立場の甘利氏は、終盤に苦戦が伝えられると地元に張り付いて巻き返しを図ったが、立憲民主党の新人に及ばなかった。甘利氏は幹事長を辞任する意向で、岸田政権は体制の立て直しを迫られる。石原氏の選挙区も立民、共産両党などが候補者を一本化し、野党共闘の象徴となっていた。
一方、自民党幹事長や民主党代表などを歴任した大ベテランの立民・小沢一郎氏は岩手3区で敗北。同じく立民の中村喜四郎元建設相も茨城7区で敗れた。
また、熊本2区では17選を目指した自民党の野田毅元自治相が敗北。比例代表に重複立候補しておらず、落選となった。
現職閣僚では若宮健嗣万博担当相(自民)が東京5区で敗北が確実。香川1区では自民党の平井卓也前デジタル相、千葉8区では同党の桜田義孝元五輪担当相がそれぞれ敗れた。

●広島、「政治とカネ」で逆風の与党が躍進 岸田首相はリモートで謝意 11/1
衆院選が31日投開票され、県内7小選挙区のうち、与党が6議席を維持した。長らく「政治とカネ」による逆風が吹き荒れていたが、広島から30年ぶりの首相誕生が大きな転換点となった。なかでも広島3区は、公明前職が立憲新顔に勝利した。小選挙区制が導入された1996年以降、公明党が中国地方の小選挙区で議席を獲得するのは初めて。県内小選挙区の投票率は52・13%だった。
1区 岸田氏 貫禄10選
1区は、首相で自民前職の岸田文雄氏(64)が10回目の当選を果たした。「当選確実」の一報が入ると、広島市中区の事務所では拍手が起こった。都内の党本部にいた岸田氏は「皆様のおかげ。公約を具体化させ、お力添えに報いていく」とリモートで感謝の言葉を述べた。総裁として各地を回ったため、広島に戻っても1区での選挙運動は行わなかった。代わりに妻の裕子氏らが実績を地元有権者にアピール。強固な地盤と組織力を生かして選挙戦を有利に進めた。政権交代の必要性を強調した共産の大西理氏(55)、核兵器禁止条約の批准を訴えた社民の有田優子氏(51)、諸派の上出圭一氏(65)の新顔3人は、いずれも及ばなかった。
2区
2区は、自民前職の平口洋氏(73)が立憲新顔の大井赤亥氏(40)を破り、5回目の当選を決めた。平口氏は各地で小規模な集会を重ねるなど支持層固めに注力。演説では買収事件について謝罪し、党に不信感を持つ保守層のつなぎとめも図った。野党統一候補として臨んだ大井氏は「説明しない政治の転換を」と訴え、都市部の無党派層からの支持拡大に力を入れたが及ばなかった。
3区 斉藤氏 手堅い支持
3区は、比例中国ブロックからくら替えして初挑戦した公明前職の斉藤鉄夫氏(69)が10選を果たした。広島市安佐南区に設けた会場で「政治の信頼を一歩ずつ回復させていきたい」と支援者らに語った。買収事件で実刑判決が確定した河井克行元法相の地盤だった選挙区で、「政治とカネ」が争点となった。当選無効となった国会議員に歳費を返還させる法改正を主張。岸田文雄首相や知名度の高い自民議員が続々と来援し、支持母体・創価学会も重点的に支援した。立憲新顔のライアン真由美氏(58)は安佐南区の事務所で「私の力不足」と支援者らに頭を下げた。「『政治とカネ』問題を訴えたが、災害や経済対策など現職(の国土交通)大臣に及ばない面があった」などと悔しがった。維新新顔の瀬木寛親氏(57)、無所属新顔の大山宏氏(73)、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」新顔の矢島秀平氏(29)、無所属新顔の玉田憲勲氏(64)は浸透できなかった。(大久保貴裕)
4区
4区は自民前職の新谷正義氏(46)が他の3候補を抑え、4選を果たした。総務副大臣として携帯電話料金の引き下げに携わった実績などを示し「暮らしに寄り添う政治」を強調した。維新元職の空本誠喜氏(57)は自動車の国内生産体制の強化など、無所属元職の中川俊直氏(51)は「党利党略を超えたコロナ対策」など、立憲新顔の上野寛治氏(39)は金権政治の打破などを訴えていた。(比嘉展玖)
5区
5区は、自民前職の寺田稔氏(63)が立憲新顔の野村功次郎氏(51)を抑え、6回目の当選を果たした。寺田氏は総務副大臣などを務めた実績を強調し、公明の推薦も得て優位に選挙戦を展開。政策の継続を訴え、同派閥の岸田文雄首相との「近さ」もアピールした。野村氏は事実上の野党共闘候補として戦い、防災服を着て元消防士の経歴を前面に出したものの、知名度不足を補えなかった。(能登智彦)
6区 佐藤氏 議席を維持
6区は、立憲前職の佐藤公治氏(62)が自民前職の小島敏文氏(71)を抑え、2017年の前回衆院選に続いて当選を決めた。佐藤氏は「結集ひろしま」の旗を掲げ、「1強多弱の政治状況を変え、健全な政治を取り戻す」と繰り返し訴えた。連合広島のほか、亀井静香・元金融相も支援。元農水相の亡父から受け継いだ地盤の尾道市だけでなく、県北部でも支持を広げた。佐藤氏は00年と03年の衆院選で比例復活しており、今回で衆院選は4度目の当選となる。尾道市で支援者らを前に「厳しい戦いを重く受け止め、初心に帰って地元のため、日本のためにがんばりたい」と語った。一方の小島氏は過去3回の衆院選とも「非自民」の壁を破れず、比例復活。小選挙区での勝利が悲願だった。公明の推薦を受け、岸田文雄首相の来援も得たが、及ばなかった。(北村哲朗、佐藤英法)
7区
7区は自民前職の小林史明氏(38)が4選を果たした。ワクチン接種事業を進めた実績をアピールし、「デジタル技術を活用して新しい行政サービスや規制改革を進める」と訴えた。いずれも新顔で立憲の佐藤広典氏(45)は税や社会保険料の減免措置拡大など、共産の村井明美氏(73)は地球温暖化防止など、無所属の橋本加代氏(48)は教育改革などを訴えたが届かなかった。

●衆院選 全議席決まる 自民「絶対安定多数」維新は第三党に躍進  11/1
衆議院選挙は小選挙区と比例代表を合わせた465議席の配分が決まりました。自民党は選挙前の276議席から減らしたものの、単独で国会を安定的に運営するためのいわゆる「絶対安定多数」の261議席を確保しました。立憲民主党は選挙前を下回り100議席を割り込みました。一方、日本維新の会は選挙前の4倍近い議席を獲得し第三党に躍進しました。
衆議院選挙は小選挙区と比例代表をあわせた465議席の配分が決まりました。
自民党は追加公認した2人を含め、小選挙区で189議席、比例代表で72議席の合わせて261議席を獲得しました。
立憲民主党は小選挙区で57議席、比例代表で39議席の合わせて96議席。
公明党は小選挙区で9議席、比例代表で23議席の合わせて32議席を獲得しました。
共産党は小選挙区で1議席、比例代表で9議席の合わせて10議席。
日本維新の会は小選挙区で16議席、比例代表で25議席の合わせて41議席。
国民民主党は小選挙区で6議席、比例代表で5議席の合わせて11議席を獲得しました。
れいわ新選組は比例代表で3議席。
社民党は小選挙区で1議席を獲得し、
無所属は小選挙区で10人が当選しました。
これによって、自民党は選挙前の276議席から減らしたものの、衆議院の17の常任委員会すべてで委員長を出したうえで、過半数の委員を確保できるいわゆる「絶対安定多数」の261議席を確保しました。
また、公明党は選挙前から3議席増やしました。
岸田総理大臣は、「与党で過半数をとり、政権選択選挙で信任をいただいたことは大変ありがたかった。自民党の単独過半数も国民にお認めいただいた。これからしっかり政権運営、国会運営を行っていきたい」と述べました。
こうした中、甘利幹事長は立候補した神奈川13区では議席を失い、比例代表で復活当選しました。現職の自民党の幹事長が小選挙区で敗れるのは初めてです。甘利氏は幹事長を辞任する意向を岸田総理大臣に伝えたのに対し、岸田総理大臣は「預からせてもらいたい」と述べ選挙結果や党内情勢などを踏まえ近く判断する考えを示しました。
一方、野党第1党の立憲民主党は選挙前の109議席を下回り100議席を割り込みました。枝野代表は、「われわれは空中戦で一定の支持を広げたと思うが、自民党は1票1票積み重ねる足腰が強い。ここを鍛えないと政権にたどりつくことはできないと、改めて痛感している」と述べたほか、党内からは、「完全な敗北だ」として、枝野氏ら執行部の責任を問う声が出ています。
立憲民主党と候補者の一本化を進めた共産党は、選挙前から2議席減らしました。
日本維新の会は選挙前の4倍近い議席を確保し、自民党、立憲民主党に次ぐ第3党に躍進しました。
国民民主党は選挙前から3議席増やし、れいわ新選組は2議席増やしました。
社民党は比例代表で議席が得られなかったのは初めてです。
比例代表 各党の獲得議席数
定員176の比例代表で、各党が獲得した議席数は次の通りです。
自民党は前回4年前の選挙の66議席を上回る72議席を獲得しました。
立憲民主党は39議席を獲得しました。
公明党は前回より2議席多い23議席を獲得しました。
共産党は前回から2議席少ない9議席を獲得しました。
日本維新の会は近畿ブロックで自民党よりも多い10議席を獲得するなど、前回の3倍を超える25議席を獲得しました。
国民民主党は5議席を獲得しました。
れいわ新選組は3議席を獲得しました。
東海ブロックでも1議席を確保できる票を得ましたが、比例名簿に登載された2人の候補者が、いずれも重複立候補した小選挙区で有効投票の10%を得票できなかったことから、名簿から削除され、本来、得るはずだった1議席は公明党が獲得しました。
社民党と、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」は、いずれも比例代表で議席を獲得できませんでした。

●日本の総選挙、本当の勝者は強硬右翼「日本維新の会」…第3党に躍進 11/1
先月31日に行われた日本の総選挙の勝者はどちら側だろうか。
日本のメディアは「真の勝者は日本維新の会」と指摘した。テレビ朝日など日本の放送局の出口調査によると、日本維新の会は40議席前後を占めると予想された。現在の11議席から4倍ほどに増えた数字だ。衆議院で単独で法案発議が可能になる21議席以上を確保した。連立与党の公明党を抜き自民党と立憲民主党に続く第3党に躍進した。今後展開する防衛政策と改憲議論でもキャスティングボートを握る見通しだ。
日本維新の会はもともと大阪地方を中心にした地域政党だ。2010年に大阪維新の会を作った橋下徹元大阪市長が群小野党と合従連衡を繰り返した末に生まれた政党だ。2013年の「慰安婦は必要だった」という発言で物議を醸した橋下氏の性向のように強硬政策が多い。岸田政権になってからは「自民党に対抗することは対抗する。われわれは『改革保守』だ」として「差別的協力」を主張してはいるが、これをそのまま信じる人は多くない。ひとまず構成員の性向は自民党より強硬だ。
読売新聞が最近総選挙出馬候補者全員を対象にアンケート調査を実施した結果、「危険感知時は敵のミサイル基地を先制的に自衛隊が破壊することできる敵基地攻撃能力保有に賛成するか」という質問に日本維新の会候補の93%が「賛成する」と答えた。自民党候補の賛成の割合の77%を大きく上回った。防衛費増額に賛成した割合(89%)も同様だった。自民党としては「平和主義」を掲げる連立与党の公明党とあえて組まなくても日本維新の会と組む「オプション」ができた。
日本メディアは日本維新の会の跳躍を主導した人物として吉村洋文副代表を挙げている。大阪生まれで九州大学法学部を出た弁護士出身の彼はいわゆる「橋下キッズ」だ。2011年に橋下氏率いる大阪維新の会で大阪市議会議員選挙に出て当選した。その後衆議院で当選し中央政界に進出した彼は、2015年に大阪市長、2019年に大阪府知事に選出され知名度を高めた。小泉元首相の二男小泉進次郎氏に劣らない鮮明な容貌に耳にすっと入ってくる演説の実力まで備えているとの評価を受ける。インターネットではヒョンビンに似ているという話が話題になった。
吉村氏が日本の政界の次世代スターとなった契機は新型コロナの感染拡大初期である昨年3月。当時の安倍内閣が作った「大阪府と兵庫県の最悪の感染シナリオ」を電撃公開してだ。安倍首相は対外秘を要請したが吉村氏は「こうした重要なことを隠しておくことはできない」としてツイッターに公開した。その上で大阪市民に移動自粛を呼び掛けるなど国レベルの対策とは別個に大阪独自の防疫基準をまとめ発表した。良好だった安倍首相との関係はこじれたが吉村氏個人の支持率は大きく上昇した。
日本メディアでは、吉村氏は今回の衆議院選挙には出馬しなかったが大阪府知事退任後にいつかは衆議院に再び進出し、首相の座を狙うだろうという観測も出ている。幼稚園から大学までの無償教育、首相直選制、政府組織縮小が彼の主要所信だ。

●衆院選小選挙区の確定投票率 関西2府4県いずれも前回上回る 11/1
今回の衆議院選挙で関西2府4県の小選挙区の確定投票率は、いずれの府県でも前回を上回りました。
関西2府4県の選挙管理委員会がまとめた衆議院選挙の小選挙区の投票率は、大阪府が56.20%、兵庫県が54.29%、京都府が56.32%、滋賀県が57.33%、奈良県が59.13%、和歌山県が58.24%でした。
すべての府県で前回、4年前よりも上回り、大阪府は7.81ポイント、兵庫県は5.67ポイント、京都府は5.42ポイント、滋賀県は1.01ポイント、奈良県は3.47ポイント、和歌山は5.28ポイント高くなりました。

●「3A」応援の自民候補は半数以上が討ち死に惨敗…  11/1
「3A」が応援に入った自民党候補者が次々に選挙区で落選だ。安倍元首相、麻生元財務相、甘利幹事長の3人が選挙期間中に応援入りした候補者は計69人。うち40人が小選挙区で議席を獲得できなかった。3A人気もその程度だった。
象徴的なのが、自民の平井卓也元デジタル相と立憲民主党の小川淳也氏の一騎打ちとなった香川1区だ。昨年話題を呼んだドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」で知名度を急上昇させた小川氏と、平井氏がデッドヒートを繰り広げていた。
選挙終盤の先月27日には甘利幹事長が、29日には麻生副総裁が香川1区に応援入りしたが、結果は開票と同時に「小川当確」。平井氏は比例復活したものの、小川氏に2万票近く差をつけられる大敗を喫し、「結果を出すことができず、本当に申し訳ない」と支援者に深々と頭を下げた。
「平井卓也さんが勝つということは、みんなの価値観を守るかどうかの戦いなのであります」と訴えていた甘利幹事長の言葉は、香川1区の有権者には届かなかったようだ。
安倍元首相と麻生副総裁がマイクを握った北海道も、1区で自民の船橋利実元財務政務官が立憲の道下大樹氏に完敗。応援演説で「温暖化のおかげで北海道のコメがうまくなった」と暴言を吐いた麻生副総裁が、地元農家の神経を逆なでしたのは間違いない。麻生副総裁の問題発言は岸田首相が「適切ではなかった。申し訳ない」と火消しに回ったものの、道内外で大炎上した。
3A全員が応援に入った東京18区は、国替えした長島昭久元防衛副大臣が、かつての師である立憲の菅元首相に及ばず。3Aの威光は、ほとんど効果がなかったようだ。
3Aのいずれかが応援のマイクを握った候補の半数以上が“討ち死に”の惨敗である。いつまでデカい顔をするつもりなのか。

●退潮した立憲民主党と共産党に言いたい 11/1
立憲民主党は109→96、共産党12→10、と退潮。このコロナ禍でも、立憲民主党と共産党に人々は助けを見いださなかった。助けを求めたのは自公であり、維新であった。
立憲野党、惨敗であった。枝野さんはそれを問われて、一人から100人の政党にしたと過去の実績を誇示した。公党の代表とは思えない。中小・零細企業の創業ワンマン社長の台詞だ。共産党の議員は優秀だ。東京20区の共産党候補宮本徹さんは国会議員の中でも有数の卓越した理論家です。勉強家です。彼の国会質問の質の高さに感嘆したことがあります。比例で復活しましたが、その彼は地方区選挙ではダブルスコアの敗北です。自民党候補の半分の票しか取れません。東京12区の池内さおりさんは、39歳で元職です。情熱があり、政治的信条もしっかりしている申し分のない候補者ですが、維新の新人にすら敗れてます。
立憲と共産党の敗北は、変われない組織は支持されないことを明白に示しています。枝野さんは責任をとる気配すらなく、創業者としての実績を未だに誇示しています。共産党は選挙結果にかかわらず現執行部が20年間以上居座ってます。さらに、常任幹部会(26人)の一人に不破哲三(91歳)さんがいます。最も変われない政党の象徴です。
野球チームだろうとサッカーチームだろうと、民間企業だろうと、業績が悪ければトップの責任が問われます。トップの責任が問われない、変われない組織を有権者は信頼しません。立憲民主党にも共産党にも、優秀な政治家は多数います。勤勉で優秀です。それだけに、組織のダメさでその人達の実力が活かせないのがとても残念です。

●議席減の立憲民主 執行部の責任論も 躍進の維新から冷ややかな視線 11/1
選挙区での候補者調整を進めた立憲民主党や共産党などは、戦略の見直しを迫られるとみられる。
国会記者会館から、フジテレビ政治部・伊藤聖記者が中継でお伝えする。
「立憲共産党」とも、やゆされた野党共闘は、「禁じ手」のイメージを払拭(ふっしょく)できないまま議席を減らす結果となり、立憲民主党では、執行部の責任論に発展しつつある。
野党候補の一本化を主導して選挙戦に手応えを感じていたという立憲民主党だが、辻元清美副代表や平野博文選挙対策委員長が落選。
17回連続当選で、「小沢王国」とも呼ばれる選挙区で重鎮・小沢一郎氏が初めて敗れ、党内からは、「共産党との共闘は失敗だった。枝野執行部の責任問題になる」との声が早くも出ている。
立憲民主党の福山幹事長は、「執行部として、選挙結果について責任があるとわたし思う。わたし自身の対応については、腹を決めている」と述べ、辞任することを示唆した。
対照的に、野党共闘から距離を置いた日本維新の会は、4倍近い議席に躍進した。
馬場幹事長が、1日朝、フジテレビの「めざまし8」に出演し、「大阪での改革や国会での活動が国民に評価された」と強調した。
日本維新の会・馬場幹事長「ご期待をいただいた投票と思いますので、ご期待に背くことがないように、しっかりと国会で仕事をさせていただきたい」
維新の幹部は、「立憲と共産は、(票の)足し算しか知らないからこうなる」などと冷ややかな視線を送っている。
選挙を経て、野党内のパワーバランスが変わったことが、今後、国会運営にも影響を及ぼすことになりそう。

●自民、得票率48%で議席65% 11/1
自民党は今回の衆院選で、全289小選挙区の65.4%(議席占有率)に当たる189議席を獲得した。2017年の前回から10ポイント減となったが、得票率は48.4%とほぼ横ばいだった。
これに対し、立憲民主党は小選挙区で57議席を獲得。得票率は29.9%だった。今回躍進した日本維新の会は16選挙区で勝利。得票率は8.3%で、前回の3.1%から大きく伸ばした。
一方、小選挙区で落選候補に投じられ、有権者の投票が議席獲得につながらなかった「死票」は総計で約2673万票。全体に対する比率は46.5%だった。
得票数に対する死票の比率を各党別にみると、自民は26.8%、立民は64.2%だった。公明党は候補者を立てた小選挙区全てで勝利したため死票がゼロとなった。

●衆院選 自民単独で安定多数 立民「共闘」不発 11/1
第49回衆院選は31日、投開票が行われ、自民党は公示前から議席を減らすが、過半数(233議席)を超え、安定多数(244議席)も維持することが確実となった。衆院全ての常任委員長ポストを独占し、各委員会で半数を確保できる。岸田文雄首相(自民党総裁)は信任を受け、政権を維持する。立憲民主党は選挙区の約7割で共産党などと候補者を一本化したが、公示前勢力(110議席)を下回り、野党共闘は不発に終わった。一方、日本維新の会は公示前勢力の11議席から躍進。公明党を上回り、第3党となるのが確実となった。
政府・与党が11月10日の開催で調整する特別国会で第101代首相に指名され、第2次岸田内閣が発足する運びだ。首相は31日夜、党本部で記者団に「与党が政権選択選挙で信任をいただいたことは大変ありがたかった。しっかり政権運営、国会運営を行っていきたい」と述べた。
自公は衆院の各委員会で過半数を得ることが可能となる絶対安定多数(261)を確保。ただ、自公だけで憲法改正の国会発議に必要な3分の2に当たる310議席を確保できず、改憲に前向きな維新を合わせた自公維で310議席超となる。また、自民は衆院選で勝利した東京15区の柿沢未途氏、奈良3区の田野瀬太道氏を追加公認した。
選挙戦では与野党双方が新型コロナウイルス対策の強化を掲げた一方、首相は成長と分配の好循環を目指す「新しい資本主義」を訴え、分配を重視する野党との差別化を図った。安全保障政策が一致しない野党による選挙協力も批判した。
立民、共産、国民民主党、社民党、れいわ新選組の野党5党は213選挙区で候補者を一本化し、135選挙区で事実上の与野党一騎打ちに持ち込んだ。安倍晋三、菅義偉両内閣を総括する選挙と位置づけたが、躍進につながらなかった。維新は自らを改革勢力とし、地盤の関西以外でも支持を広げた。
衆院選選挙区の投票率は、共同通信社の1日午前2時現在の推計で55・92%となった。平成29年の前回衆院選(選挙区、比例代表とも53・68%)を2ポイント程度上回るものの、戦後3番目に低い投票率になる可能性が高い。
現行憲法下で初めて前衆院議員の任期満了日(10月21日)以降に投開票日を迎えた。岸田内閣発足から衆院解散まで10日間、解散から投開票まで17日間は戦後最短だった。
 
 11/2-

 

●風の吹かない選挙 組織戦と空中戦が分けた明暗 11/4
「逆風も追い風も感じない。熱気も感じない」「気味の悪い選挙だ。こんな選挙は経験ない」衆議院選挙の期間中、候補者や秘書から、このような話を何度も耳にした。新型コロナ感染者数の拡大と急速な減少、自民党総裁の交代、超短期決戦… 異例づくめで、風の吹かない選挙戦。自民党が絶対安定多数を確保する一方、立憲民主党が100議席を割り込んだ今回の選挙からは、組織の地力と、無党派層への空中戦の違いが見えてきた。
絶対安定多数の自民 大台割れの立民
岸田内閣が発足して27日後の投開票という異例の短期決戦となった、今回の衆議院選挙。自民党は、選挙前の276議席から減らしたものの、事実上の勝敗ラインとみられていた過半数の233を上回り、国会を安定的に上回る絶対安定多数の261議席を単独で確保した。一方、立憲民主党は選挙前の109議席から13減らして100議席を割り込む結果に。立憲民主党と共産党など5つの野党は、小選挙区全体の7割を超える213の選挙区で候補者を一本化したが、この中で勝利したのは59選挙区、勝率は28%にとどまった。事実上の与野党の一騎打ちの構図となった133の選挙区でも、連携した野党の勝利は38選挙区にとどまった。接戦となった選挙区では、与野党候補とも手探りの選挙戦を展開していた。
自民が直面した想定外の“不満”
与野党の激戦区の1つとなった岡山4区。自民党から立候補した橋本岳は、父の橋本龍太郎元総理大臣の地盤を継いで、これまでに4回連続当選している。今回は野党候補が一本化され、強い危機感を持って臨んだ。橋本は、コロナ禍で厚生労働副大臣を務めた実績をアピールし、新型コロナの感染状況が落ち着く中で、選挙情勢にも良い影響が出ることを期待していた。自民党総裁選挙に注目が集まり、党の顔が替わったこともプラスに働くと考えていた。ところが、コロナ禍が2年近くに及ぶ中、長年の支持者の間には、想像をこえて不満が鬱積していたのだ。この夏、岡山県内でも医療体制がひっ迫し、コロナ対応にあたっている医師からは「橋本さんは厚生労働副大臣だったが、国民への説明が弱かったと思う」と厳しい指摘を受けていた。総理大臣が岸田に代わり、内閣支持率は好転しても、地元の人たちから期待の声は多く聞かれなかった。「看板は変わったけど、中身は変わってないと思う」「見ていると変わらない感じ。誰がなっても変わらない」確かな手応えがないままに選挙戦中盤を迎え、党本部から陣営に檄文が届く。陣営幹部の間からも危機感が示された。「党本部からも急告があり、報道も連日、横一線と出ている」「全国各地で、多くのわが党の候補者が当落を争う極めて緊迫した状況にある」
公明や支持団体と“組織戦”を展開
野党の追い上げに危機感を強めた橋本が、まず協力を仰いだのは、連立を組む公明党だった。自民党と公明党合同の総決起集会には、公明党の比例候補が参加して支持を呼びかけ、橋本も「小選挙区は橋本、比例は公明党。このことをひと言でも多く、1人でも多くの方に訴え抜いていきます」と協力を求めた。さらに、選挙戦後半に入り、橋本が重点的に回ったのは企業や業界団体。長年、自民党を支持してきた飲食や美容師の組合、そして、製薬企業などの“組織票固め”に奔走したのだ。橋本は、自らの選挙カーのボディーに、支援を受ける組合や団体などから激励のメッセージを書き込んでもらい、選挙戦終盤には、激励文で埋め尽くされる程だった。
候補者一本化した野党の戦いは
一方、連携する野党が宮城1区に統一候補として擁立した、立憲民主党の岡本章子も厳しい選挙戦の渦中にいた。前回は2万票余りの大差で自民党の候補に敗れ、比例代表で復活し、今回は雪辱を期す戦いだった。連携した共産党の街頭演説にも参加し、委員長の志位和夫と並んで支持を訴えた。志位は、今回の選挙戦にかける思いを強く訴えた。「これまでの、どの選挙にも増して、燃えに燃えております」岡本の陣営では、共産党支持者の票を上乗せすれば、自民党との差を詰められると考えていたが、共産党との連携を強めることへの批判の声も出ていた。岡本はこう説明する。「私は共産主義国家を目指している訳ではない。小異を捨て大同につく。とにかく今の自公政権に対峙する力をつける、その1点で結集している」
無党派層へ アプローチ模索
岡本は当初、政府のコロナ対策に対する批判票の受け皿として手応えを得ていた。しかし、新型コロナの感染者が急速に減る中、とりわけ勝敗の鍵と考えていた無党派層の間で、選挙への関心が変化しているのではないかと感じるようになっていた。「一定程度、感染者が収まってきているのは喜ばしいことなので、素直に喜びたい。ただ、一方で、今までコロナに対する不満や不安が選挙への関心を高める動機だった面も一定程度あったと思う。そこの部分が薄れてきているのではないか」そう感じて、より暮らしに身近な経済政策を強調することにし、無党派層への働きかけを探り続けた岡本は、住宅街での演説を繰り返した。「アプローチの仕方は正直、模索している。無党派といっても、今の時代、どういう方が無党派なのか。新たな時代の流れで年代もかなりバラバラだと思う。どれが正解なのかわからないので、やれることをやるしかない」
激戦の末 結果は
与野党が激しくしのぎを削ったコロナ禍の選挙戦。
【岡山4区】 前回の選挙で2万票以上の差をつけて圧勝した橋本だったが、今回は5193票の差で議席を死守した。苦戦を伝える情報が相次ぐ中、組織戦を展開した自民党は最終盤で引き締めを図り、全国の多くの選挙区で勝利を積み重ねたのだ。
【宮城1区】 一方、岡本は、5315票差で及ばず、前回と同様、比例代表での復活当選となった。
「空中戦で一定の支持広げたが…」
立憲民主党代表の枝野幸男は、今回の選挙戦をこう振り返る。「我々は空中戦で一定の支持を広げたと思うが、自民党は1票1票積み重ねる足腰が強い。ここを鍛えないと政権にたどり着くことはできないと改めて痛感している」そして投票日の2日後、枝野は議席を減らした責任を取って代表を辞任する意向を表明した。一方、与党に是々非々の立場をとり、ほかの野党とは一線を画す日本維新の会は、選挙前の4倍近くに議席を増やし、第3党に躍進した。
風の吹かない選挙
総理大臣の岸田文雄は、投票日から一夜開けた記者会見で「1票1票の重みを胸に、今後は政策実行の面でスピード感を発揮していく」と語った。「風の吹かない」とも言われた今回の選挙で、国民の信任を得たとする岸田は、第101代の総理大臣に選出され、ただちに第2次岸田内閣を発足させる。そして自らが掲げる「成長と分配の好循環」をいつ、どのように実現していくのかなど、実行力が問われることになる。異例の短期決戦に踏み切った岸田の決断への評価は、これからだ。

●甘利前幹事長小選挙区落選のショック 大物議員の「まさか」はなぜ 11/8
衆院解散総選挙から1週間が経ちました。今週には特別国会が召集され、新たな衆議院議員の下で再度首班指名が行われます。岸田内閣の旗揚げ直後の総選挙は野党共闘など様々なみどころがありましたが、終わってみれば世代交代が印象に残る選挙でした。
特に注目されたのが自民党前幹事長である甘利明候補の小選挙区落選です。1996年の小選挙区比例代表並立制導入以降、自民党の現職幹事長が小選挙区で負けるのは初めてのことで、南関東ブロックで比例復活したものの、結局党幹事長を辞任することとなりました。党総裁が総理大臣となる自民党において、党務全般を預かる幹事長ポストというものは「大臣2つ分」とも呼ばれるほど大きなポジションであり、自民党自体が小幅の議席減だったにもかかわらず甘利氏が辞任するに至ったところにも、幹事長ポストの重さがにじみます。
なぜ甘利明前幹事長は小選挙区で負けてしまったのか
上記のビデオは、筆者が取材した甘利明前幹事長によるマイク納め式(10月30日)の様子の一部です。選挙戦序盤から応援弁士として各候補の応援に入っていた甘利前幹事長ですが、中盤以降厳しい結果が伝えられると、一転して選挙区に舞い戻って地元遊説を再開しました。また選挙ポスターなどのデザインが不評を買うやいなや選挙ポスターを刷り直すなど、追い上げのための刷新をはかりました。
街頭演説では、たすきや選挙カーに「自民党幹事長」の肩書きを入れて、演説内容も党全体や日本全体について言及する立場がみられるなど、幹事長としてのポストを意識した内容になっています。これ自体は、自民党幹事長というポストの重さや、党幹事長というポストを取るまでの(党総裁選などの)経緯を考えれば、致し方ない側面もあるでしょう。
一方、小選挙区の戦いというのは、1996年の小選挙区比例代表並立制導入以降、今回で9回目です。特に野党共闘が選挙区の多くで成立した今回は与野党が接戦となる小選挙区が多かったこともあり、「無党派層」を抱き込めた陣営に勝利の女神が降臨したといっても過言ではありません。では「無党派層」を抱き込むにはどういった戦略が必要なのでしょうか。
その答えは無数にありますが、やはり重要なのは「内輪感」を出さないことです。自民党は組織に支えられた政党であることから、今回のような選挙戦では「守勢」に回りがちです。そうなると組織固めをしっかりして守りに入ることになりますが、組織固めを行っていく作業の過程は、「内輪感」にも見えることがあります。やはり「無党派層」を抱き込む攻めの姿勢に対し、「内輪感」が見える「守り」になれば、ジリ貧になってしまうことは否めません。
また、やはり応援演説など地元を二の次にしてしまったことも大きく響いたとみています。報道各社で出回った各種調査や党調査などでは、当初から必ずしも甘利氏の情勢は良くなく、接戦以上の戦いになることは分かっていたはずです。党幹事長という役職から人事掌握をするために全国行脚を行う必要もあったのは事実でしょうが、結果的には足をすくわれるという結果になったことを踏まえれば、裏目に出たと言えます。
ただ、これは甘利氏だけに言えることではありません。立憲民主党では「無敗の男」と呼ばれる中村喜四郎氏が小選挙区で落選しました。選挙期間中こそ地元べた張りでこれまで同様の選挙戦を展開していたものの、立憲民主党入りした後は全国の選挙に応援に駆けつけるなどといった動きもあり、構図としては似ているかも知れません。
政治とカネの問題にはとことん厳しい公明党
もう一つ触れなくてはならないことに公明党の存在があります。
意外かも知れませんが、公明党の支持者は必ずしも「小選挙区は無条件で自民党に100%入れる」という訳ではありません。各種出口調査などによれば、一般的に公明党支持者は情勢調査ベースで60〜70%、出口調査ベースで80〜90%が自民党候補者に投票すると回答します。ただ、そこに行き着くためには、それなりの政治教育が必要であり、自民候補者(小選挙区)や公明候補者(比例ブロック)は揃い足で連立政権の重要性やこれまでの自公政権の実績を訴えるわけです。
公明党には宗教団体である創価学会という大きな支援団体はあるものの、必ずしもすべての自民党候補者に一律に投票しているわけではありません。特に「政治とカネの問題」をはじめとする不祥事に対しては非常にシビアなところがあり、今回もそういった不祥事を起こした候補が軒並み接戦区で落としている背景には、公明党支持者の離反があるとみています。
もっとも、公明党自身も遠山清彦元衆院議員の一連の不祥事をはじめ、現在も報道されている融資仲介疑惑などがあり、この点には留意が必要な状況です。自民党にとっては切っても切れない友党・公明党は(一般的に)小選挙区で1万5千票程度を持つ存在だと言われており、5000票差以内の接戦区が多かった今回の衆院総選挙では、自民党候補者が公明党支持者を抱き込めたかどうかも極めて重要な鍵だったと言えます。
いずれにせよ、甘利前幹事長にとっては、選挙戦序盤に地元を離れてしまったことと選挙戦全体のブランディング、くわえて公明党支持者の離反が小選挙区での落選結果となったと言えるでしょう。

●岸田首相、安倍元首相「茨城6区」応援演説に「日当5000円」でサクラ動員… 11/8
「私は、総裁選で医療難民ゼロの政策を打ち出したが、こういう政策は、国光さんの思いが詰まったものばかりだ!」
10月26日火曜日、14時。岸田文雄首相(64)がこう叫んだとき、つくば駅前の広場は、最高潮の盛り上がりを見せた。茨城6区から衆院選に立候補し、当選した自民党の国光文乃衆院議員(42)のアピールポイントに、岸田首相が言及したからだ。
この応援演説のおかげもあってか、国光議員は次点に1万2000票差をつける12万5000票あまりを集めて勝利した。取材した政治ジャーナリストの宮崎信行氏が語る。
「茨城6区は、もともと岸田首相が会長を務める宏池会の元共同代表・丹羽雄哉氏の選挙区でした。丹羽氏の公募後継者が国光氏で、聴衆の期待も大きいと感じました」
岸田首相にとっても、自派閥に属する国光議員にかける期待は大きい。首相の茨城6区入りは、4日も前の10月22日に情報解禁され、国光議員もツイッターなどで大々的に告知をしていた。
岸田首相の応援演説に集まった聴衆は、自民党関係者が国光議員の事務所に聞いたところによると、約3000人。就任間もない新首相の人気……と思いきや、宮崎氏が目撃した光景は異様なものだった。「街宣車の近くにいる人は多くがスーツ姿で、手に幟を持っていたのです。多くが『茨城県食と農と水政治連盟(茨城県農政連)』の人たちで、ほかにも『茨城県自動車整備振興会』の方や、行政書士の団体も参加していました」
ある自民党ベテラン秘書が打ち明ける。「こうした団体が幟を立てるのは、自分たちはちゃんと “動員” していますよ、とアピールするためなんです」
選挙の際、政党の街頭演説などに、支援団体が動員をかけることは多い。団体は支部や加盟企業に動員数を割り振り、ノルマを課すこともある。だからか、こんな光景も……。
「国光議員の演説中にも、幟を持った2人の若者が『このあとどこか行こうよ』としゃべったり、経済政策にツッコんだりしていました」(宮崎氏)
この日、動員された聴衆のなかには、“お金目的” だったと語る人もいた。「私が演説会場に足を運んだのは、聴衆として話を聞くだけで、5000円の日当が出ると聞いたからです。街頭演説が一時間足らずで終わると、用意されていた領収書に名前と住所を書かされ、現金を渡されました。宛名の欄には何も書かれていませんでした。こんなことでお金をもらっていいのか、不安になりましたね」
本誌は、茨城県運輸政策研究会が、石岡や土浦など、県内の各支部に送った文書を入手。同研究会の会長は県内の物流会社の経営者で、業界団体である茨城県トラック協会の会長などを兼任している。いずれも自民党の支持団体だ。
先のベテラン秘書は、「支援団体が動員をかけることはあっても、ふつうは日当など支払いません」と言う。
だが、本誌がある会社経営者から入手した領収書の日付は、岸田首相の応援演説の翌27日で、つくば市ではなく石岡市での「国光あやの衆議院議員街頭演説日当」という名目になっている。これは、安倍晋三元首相が応援演説をおこなった日で、日当の支払いが常態化していることが疑われる。
有権者への日当の支払いは選挙違反ではないのか、政治資金に詳しい神戸学院大学・上脇博之教授が語る。「もし、この日当の資金が議員やその政治団体から出ていて、受け取ったのが国光議員の選挙区内の人であれば、公職選挙法違反の『寄付』にあたる可能性があります」
一方、資金が運輸政策研究会から出ていた場合はどうか。「支援団体であるこの研究会から資金が出ているなら、違法な『寄付』と認定するのは難しいでしょう。しかし、文書は『関係支部長各位』宛てで、国光候補を『推薦者』と記載しており、研究会ぐるみで国光候補を支援していることがわかります。つまり、研究会が『選挙運動』をしていると解釈できます。投票を期待して日当を支払った場合は『投票買収』、街頭演説会を盛り上げるために日当を払って観客を動員し、拍手や声援をおこなわせた場合は『運動買収』となり、いずれも公選法違反の可能性があります」(同前)
宮崎氏はこう推測する。「各団体に課せられたノルマを、動員力の低い運輸政策研究会は果たせないと考え、不用意に日当などを記載した文書を拡散してしまったのではないでしょうか」
この件について、国光事務所に問い合わせたところ、「ご質問の内容については、まったく承知しておりませんので、コメントは差し控えます」と回答があった。一方、県運輸政策研究会は、「コメントは差し控えさせていただきます」との回答だった。
小選挙区で国光議員に敗れ、比例で復活当選した青山大人議員(42・立憲民主党)に、国光議員の演説の際、聴衆に日当が支払われていたことを知っていたかを問い合わせた。「私もスタッフも把握しておりませんでした。その話が事実であれば、“選挙の公正” という民主主義の根幹を揺るがすもので、憤りを感じます」
岸田首相に声援を送っていた聴衆は、日当で雇われたサクラだった。総選挙もハリボテの勝利だと言わざるを得ない。

●岸田首相の応援演説で 国光文乃議員陣営が有権者「集団買収」 11/10
10月31日投開票の衆院選で、茨城6区から当選した自民党の国光文乃衆院議員(42)の支援団体が選挙活動で現金を配布するなどして、公職選挙法違反(有権者買収)の疑いが強いことが「週刊文春」の取材でわかった。案内状や領収証を入手し調査したところ、複数の有権者が現金授受を認めた。
国光氏は元厚労省の医系技官で、保健局医療課課長補佐などを歴任。退官後、2017年の衆院選で初当選を果たした。
丹羽雄哉元厚生相の地盤を継ぎ、落下傘候補ながら初陣を飾りました。2018年から岸田派に所属しています。医師免許を持ち、地元でワクチン接種を自ら行うなど、“コロナの専門家”をアピールしてきました」(政治部記者)
ただ、今回の衆院選では、野党が候補者を一本化。保守王国・茨城にあって、激戦区の一つと見られていた。そこで、応援演説に現れたのが、岸田文雄首相や安倍晋三元首相だった。
「岸田首相は10月26日、茨城6区に入り、『6区は大激戦区ですが、何としても国光文乃を勝ち抜かせて下さい!』などと訴えていました。安倍氏も翌27日に応援に入った。結果、国光氏が野党候補に約1万2000票差をつけ、2回目の当選を果たしたのです」(同前)
この岸田首相の応援演説を巡っては、「茨城県運輸政策研究会」が専務理事名で、〈自民党総裁 岸田文雄氏 遊説への参加協力につきまして〉と題した案内状を、運輸政策研究会傘下の石岡、土浦、常総の関係支部長に送付していた。
「茨城県運輸政策研究会は、県内約1600社の運輸事業者が加盟する一般社団法人『茨城県トラック協会』が1998年に設立した団体です。県内に13の支部がある。茨城6区の場合、石岡支部に石岡市と小美玉市、常総支部につくば市とつくばみらい市、土浦支部に土浦市とかすみがうら市が所属しています。茨城県連に献金するなど、自民党の支援団体です」(協会関係者)
案内状には、岸田氏の応援演説の日時と場所に加え、以下のような文言が綴られていた。
〈首題の件につきまして、推薦者である衆議院議員 国光あやの氏より別添のとおり案内が送付されております。(略)要請人員につきましては、問いませんが最大で5名以内とし、ご協力いただける範囲でご協力をお願い致します〉
国光氏から送付されたとする〈別添〉の文書には、右肩に小さく〈事務連絡〉の文字。そして〈岸田文雄/自民党総裁 来たる!!〉と大文字で強調され、演説の日時と場所が記されていた。
さらに、案内状の文面はこう続く。
〈参加者に対しまして、日当5,000円/人をお支払いさせていただきますので、別添の名簿にてご報告を頂きたく、よろしくお願い致します〉
公職選挙法では、選挙運動で金銭を支払うことができるのは、事前に登録したウグイス嬢など例外的な一部の選挙運動員に限ると厳格に定められている。
総務省選挙課の担当者が補足する。
「逆に言えば、例外的な一部を除き、有権者・運動員ともに原則金銭を配ってはいけない。それが公職選挙法の趣旨です」
だが、茨城県南部に拠点を置く運送業者の従業員・A氏はこう証言する。
「『こんなファックスが会社に届いたぞ。岸田首相の応援演説に行けば、5000円もらえるんだって』と知人から誘われたんです。遊説に参加してみると、1000人近くの人が集まっていて盛り上がっていた。その日、5000円をもらうことはなかったのですが、演説の数日後、実際に現金書留で5000円が届きました。ただ、私もこの選挙区の有権者です。『本当にお金をもらっていいのか……』と疑問を抱きながらも、受け取ってしまった。領収書にサインを書いて印鑑も押しました」
さらに、土浦市在住のE社長も以下のように認めた。
「(演説には)俺は一人で行った。(5000円は支払われた?)うん。……日当っていうか、旅費的な。領収書も書いた」
――「よろしく」など、投票呼びかけはあった?
「だいたい、『来てくれ』っていうことは、そういうことを意味してるってのは、誰でも理解できるだろう? でなくたって、協会として与党を応援するのは当然のことでしょうよ」
日当5000円が支払われていたのは、岸田氏の演説だけではない。安倍氏の演説でも支払われていた。「週刊文春」が入手した〈茨城県運輸政策研究会長殿〉宛の領収証には、〈領収証/金 5,000円也〉〈10月27日 国光あやの衆議院議員街頭演説日当 於:石岡市 国光あやの事務所〉などと記されている。
領収証を記録として残していた、つくば市で運輸業を営むH氏が言う。「岸田さんだけでなく、安倍さんの応援演説についても案内があって、5000円の現金を受け取りました。私も選挙区の有権者なので、マズいなとは思っていたのですが……」
案内文の送り主、茨城県運輸政策研究会の専務理事に話を聞いた。
――日当5000円について。
「動員がかかれば交通費や日当で。タダというわけにはいかないので」
――実質的な投票依頼と受け止めた人もいる。
「そういう人もいるかもしれませんが、買収したわけではありません」
――有権者買収に当たる。
「そう言われれば、杜撰なやり方だったなと思います。『買収だから』と、お巡りさんから言われれば『そうですか、すみません』と捕まるほかないけど」
茨城県トラック協会に国光氏の依頼で買収を行ったかなどについて、改めて書面で確認を求めたところ、
「回答は差し控えます」と口頭で回答した。
国光事務所にも、自身の関与や買収行為に対する見解などを尋ねたが、いずれの質問に対しても、「全く承知していないので、コメントは差し控えます」などと回答したのだった。
公職選挙法に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授が指摘する。
「河井克行・案里夫妻の事件では、厳しい選挙情勢に加えて選挙直前という時期、金銭を渡した規模や範囲などが総合的に勘案されて有罪判決が下りました。今回は、案内状で国光氏を〈推薦者〉と明示した上で〈協力〉を依頼しただけでなく、動員要請自体を『実質的な投票依頼』と受け止めた参加者もいる。しかも、選挙期間の真っ只中に不特定多数に呼び掛け、実際に金銭を支払っているわけですから、有権者買収に当たる疑いが非常に強いと言えます。今回のケースで『私は知りません』という言い分は通用しない。国光氏が『別添の案内』に詳細を記さなくても、協会が動員をかけてくれるという親密な関係性も窺えます。公選法上の直接の買収者は県研究会ですが、今後、捜査が行われれば、国光事務所の関与が明らかになる可能性が高いでしょう」
公職選挙法が極めて厳格に定められているのは、民主主義の根幹だからだ。今回の衆院選でも、日本維新の会から当選した候補者の運動員が、ビラ配布の報酬として日当1万3000円を渡す約束をしたとして公選法違反の容疑で逮捕されている。
岸田首相は、河井氏の買収事件について「透明性のある説明」を繰り返し求めてきた。それだけに、自らの応援演説で起きた岸田派議員の「集団買収」について、透明性のある説明が求められる。

●落選してほしかった世襲政治家ランキング 2位安倍晋三氏…圧倒的1位は 11/13
11月10日に召集された特別国会で、岸田文雄首相(64)が第101代首相に選出され、第2次岸田内閣が発足した。10月末に行われた衆議院選挙では、立憲民主党の辻元清美氏(61)など意外な大物議員が落選。硬直化が進む日本の政治にも変化の風が吹くかと思いきや、依然、強い勢力を誇っているのが世襲議員だ。河野洋平氏(84)を親に持つ河野太郎氏(58)や、かつての総理大臣である小泉純一郎氏(79)の次男・小泉進次郎氏(40)といった有名二世議員が続々と当選。親の地盤を引き継いだ議員らの底力を見せつける結果となった。そこで、本誌はWEB上で「落選してほしかった世襲議員」についてのアンケートを実施し、ランキングを作成した。約200人から回答を得た結果は、以下の通りだった。
今回の衆院選で落選してほしかった世襲の衆議院議員は誰ですか?
   (回答:2021年11月2日〜11月7日)
   1位:麻生太郎氏(40.4%)
   2位:安倍晋三氏(25.5%)
   3位:甘利明氏(7.5%)
   3位:小泉進次郎氏(7.5%)
   5位:小沢一郎氏(5%)
   6位:鳩山二郎氏(3.1%)
   7位:河野太郎氏(2.5%)
   8位:小渕優子氏(1.9%)
40%と圧倒的1位だったのは麻生太郎氏。“九州の帝王”とも呼ばれる麻生家出身で、父親は衆議院議員を3期務めた麻生太賀吉さん(享年69)。昨年10月に菅内閣の閣僚の家族分を含めた資産が公開された際、麻生氏は6億4845万円とトップだった。そんな庶民離れした感覚が、「(カップ麺について)1個400円くらい?」「温暖化で北海道の米がうまくなった」といった、これまでの失言を招いていると批判を受けたようだ。以下のようなコメントが寄せられた。
「数々の失言から見える本音が受け入れがたい。国民を馬鹿にしている。」(60代女性・専業主婦)
「金銭感覚が金持ちのものさしなので。考え方や発言に同意できない。」(50代女性・専業主婦)
「裕福なご家庭に育ち、国民に対して『下々の皆さん』などと口を滑らすような国民に寄り添えない人に国政は無理」(50代女性・専業主婦)
2位は“説明責任を果たしていない”あの人
25.5%の得票率で2位に選ばれたのは安倍晋三氏(67)。父親は衆議院議員を11期務め、自由民主党幹事長や内閣官房長官などを歴任した安倍晋太郎さん(享年67)だ。総理大臣在職中に発覚した森友・加計問題や、桜を見る会をめぐる問題にたいして、説明が不十分であると厳しい指摘が相次いだ。
「森友学園問題・桜を見る会など、不透明なお金の流れが多すぎる。」(40代女性・会社員)
「モリカケ問題を筆頭に不透明過ぎることが多いから」(50代女性・専業主婦)
「説明責任を果たしていないから。」(30代女性・会社員)

同率3位となったのは、小泉進次郎氏と甘利明氏(72)。元総理大臣の純一郎氏を親に持つ進次郎氏だが、実力不足と指摘する声が。
「親の七光りだと思うから。中身のない発言ばかりで信用できない。」(20代その他・学生)
「国会議員、大臣の器とは到底思えない」(30代女性・会社員)
2期衆議院議員を務めた甘利正さん(享年72)を父にもつ甘利氏。やはり、報じられている金銭問題についての不十分な説明で信頼を大きく損なっているようだ。
「金銭問題についてしっかり説明されてないから。」(20代女性・会社員)
「有耶無耶な問題を説明せずに当選すると思っていたのか疑問。」(30代女性・会社員)
果たして、彼らは任期中に親譲りではない政治家としての”底力”を見せることができるのかーー。
 

 

 




 





 
 
 

 

●衆議院議員選挙 東京都第15区 立候補者一覧
            年齢 政党     職業         住所   本籍     新前元
1 桜井誠   49   ――     党首         渋谷区 福岡県   新
2 井戸まさえ 55   立憲民主党 文筆業     大田区 兵庫県   元
3 柿沢未途  50   (自民)   政治団体代表 江東区 東京都   前
4 いのたかし 56   ――     無職         江東区 東京都   新
5 今村洋史   59   (自民)   医師         江東区 福岡県   元
6 金澤ゆい  31   日本維新 政治団体役員 江東区 神奈川県 新
7 吉田こうじ 61   ――     会社員       江東区 神奈川県 新


下町情緒が色濃く残る東京15区(東京・江東区)。「政治とカネ」の問題で前職が有罪判決を受けたこの選挙区は、7人が立候補する乱戦模様だ。汚職事件で自民党を離党し、実刑判決を受けて控訴中の前職・秋元司氏は公示日直前に不出馬を決め、地元関係者の間では衝撃が走った。これにより、自民党が推薦する2候補、無所属前職・柿沢未途氏(50)、無所属元職・医師の今村洋史氏(59)に、野党共闘の立憲民主党元職・井戸正枝氏(55)が対峙し、さらに日本維新の会新人・金沢結衣氏(31)らも参戦する乱戦の構図だ。
今村氏は日本維新の会として、2012年の衆議院選挙で石原慎太郎氏に次ぐ比例単独第2位で出馬し当選。その後愛知に拠点を移したが、今回、自民党東京都連に請われ15区からの出馬を決意した。しかし、党本部は「公認」ではなく「推薦」にとどめた。準備不足のため、町ではほとんどポスターが見当たらないような状態で公示日を迎えたものの、自民党都連や区議の手厚いバックアップで、活動を活発化、地盤固めを急ぐ。一方、柿沢氏は親子2代にわたり15区を地盤とし、当選4回を果たしている。民主、みんな、維新、民進、希望を経て、無所属での出馬を決めたが、首相指名選挙で岸田氏に投票し、自民党に秋波を送った。朝5時からラジオ体操をし、夜は駅のシャッターが降りるまで駅前で挨拶をするなど、住民とのコミュニケーションを欠かさない。自民党は、この2人のうち、当選した候補に追加公認を出すものと見られる。
立憲民主党の井戸氏は、元々東京4区で出馬を予定していたが、共産党との野党一本化で4区を譲り、15区に国替えした。野党共闘での戦いを展開するが、地元での知名度不足を解消できるかが課題となる。
日本維新の会の金沢氏は7人の候補者の中で最も若い31歳。「しがらみのないオープンな政治」を目指し、乱戦模様の中での保守層の受け皿を狙う。
また、諸派新人・桜井誠氏(49)、無所属新人・猪野隆氏(56)、無所属新人・吉田浩司氏(61)も出馬する。 
●東京15区 選挙結果
76,261 柿沢未途 当選
58,978 井戸正枝
44,882 金沢結衣
26,628 今村洋史
17,514 猪野隆
 9,449 桜井誠
 4,608 吉田 浩司

 
 
 

 

 

 

●自由民主党
●第49回衆院総選挙が公示 岸田文雄総裁 福島で第一声 10/19
第49回衆院総選挙が10月19日、公示されました。岸田文雄総裁は福島市内で第一声を上げ、「皆さんと共に、新しい時代を切り拓いていきたい」とわが党への支持を訴えました。
岸田総裁は長年、国民からの声を書き留めた「岸田ノート」を手にし、「長年国民の皆さんの声を書きとどめてきたこのノートは、国民の皆さんとの約束の証だ。ぜひ皆さんと共に、新しい時代を切り拓いていきたい」と、選挙戦を通じて、国民からの信任を得て、信頼と共感の政治を前に進める決意を示しました。
今回の総選挙は、コロナ下で初めて行われる全国規模の国政選挙です。岸田総裁は、新型コロナウイルスから国民の命や生活、事業を守り抜くために数十兆円規模の経済対策や医療提供体制の強化を行う方針を表明したほか、「新しい資本主義」をはじめ、今後取り組む政策や目指す国のかたちを丁寧に語りました。
また、「地方こそ大きな可能性がある」と述べ、デジタル技術を駆使して若者が地方で生き生きと生活していく「デジタル田園都市構想」に言及。地方の成長を日本経済全体の成長に繋げていく考えを示したほか、農業政策についても力強く訴えました。
投開票は同31日で、わが党は選挙区に277人、純粋比例代表に59人の合計336人の公認候補を擁立。選挙区で11人を推薦しています。岸田総裁のもと党員・党友一丸となって勝ち抜き、国民と共に新しい時代の国づくりを進めていく決意です。
なお、岸田総裁は北朝鮮によるミサイル発射を受け、午後の秋田県での応援日程を取りやめ、急きょ総理官邸に戻り、危機管理に万全の対応を行います。

●自民・岸田首相「暮らしを支える経済対策を」 10/19
福島は東京電力福島第1原発の廃炉や処理水の問題、心のケアなどまだまだやるべきことがたくさんある。福島や東北の未来のために頑張りたい。「東日本大震災の復興なくして日本の復興なし」だ。
この選挙で復興と合わせ、日本の未来のことを考えなければならない。まずは新型コロナウイルス対応だ。新規感染者数は落ち着きをみせているが、まだまだ油断はできない。万が一に備え、病床の数も用意し、最悪の事態に備えなければならない。ワクチン接種、検査体制の充実、治療薬の開発も進めていく。
皆さんの暮らしを支えるための経済対策も用意しなければならない。困っておられる方の給付など経済対策を私の内閣でしっかりと取り組んでいく。成長とあわせ、果実を分配し、皆さんの所得を引き上げる経済対策を進めていきたい。

●「気をつけよう」と言われて…勝敗占う自民の3回生、幹部がてこ入れ 10/20
衆院選では、2012年に初当選し、当選3回となる自民党候補者74人の戦いに注目が集まっている。過去3回は安倍晋三元首相のもと、野党が分裂する「安倍1強」で勝ってきた。今回、安倍氏は去り、各地で「野党共闘」も進むなど苦戦が予想される候補者も少なくない。「3回生」の勝敗が自民党の勝敗に直結しかねないだけに、党幹部も危機感を募らせている。
4選を目指す自民前職の冨樫博之氏は19日、秋田市で街頭に立ち、「岸田政権のもと数十兆円のコロナ対策、しっかり対策を打っていく」と声を張り上げた。
同日夕の演説会には、岸田文雄首相と、地方で人気の高い石破茂元幹事長がそろって応援に駆けつける予定だった。しかし、北朝鮮のミサイル発射の対応で首相は秋田入りをキャンセル。石破氏は「危機管理上、首相は東京に戻りました」と演説で説明した。
選挙区の対決相手は、立憲民主党前職で当選5回の寺田学氏。前回と違い、共産党は今回候補者を立てておらず、与野党の一騎打ちの構図になった。実現しなかったが、公示日に首相と石破氏が同時に応援に入るという重視ぶりは、危機感の裏返しでもある。
首相は衆院選の勝敗ラインについて、自公の「与党で過半数」という目標を掲げる。ただ、政権発足直後の衆院選だけに、議席を減らせば、今後の政権運営に影響を与えかねない。
勝敗のカギを握るのが「3回生」だ。民主党から政権を奪還した12年の衆院選で自民党から初めて国会議員に当選し、「1強多弱」とされるなかで選挙のたびに連戦連勝した第2次安倍政権下で、当選を重ねてきた。人数も多く、今回の衆院選では、党公認候補336人のうち2割にあたる74人いる。
ただ、ベテラン議員に比べて選挙基盤が弱い候補が多い。しかも、不祥事を起こす議員も相次いだことから、党内で「魔の3回生」とも呼ばれている。
朝日新聞の調査では、岸田政権の発足直後の支持率は45%と低い水準だ。衆院が解散される直前の14日の派閥会合で、麻生太郎副総裁は「これまでの3回はいずれも追い風の選挙だった。『気をつけよう暗い夜道と3回生』と私はよく言っている」と戒めた。「3回生」の一人は「初めて風が吹かない選挙に直面した。淘汰(とうた)の局面に来ているのかもしれない」と不安を口にする。

●自民党 衆院選公約要旨 10/20
前文
新型コロナウイルス感染症は私たちの暮らしを大きく変えた。着実なワクチン接種をはじめ、コロナ対策をさらに加速させ、これからの新しい時代をいかに創り出していくか。まさに正念場だ。新しい経済のかたちを生み出す「成長」と「分配」を柱とした政策を。少子化問題解消のために、子育てへの不安に応える抜本的な政策を。国民の生命と財産を守り抜くために、毅然(きぜん)と対応する外交を。信頼と共感。それこそが政治を前に進める原動力だ。国民の声をしっかりと受け止め、寄り添い、全力で挑む。新しい時代を皆さんとともに。
新型コロナ対策
・希望する方全員へのワクチン接種を11月早期までに完了する
・ワクチン接種率向上のため、電子的ワクチン接種証明などを活用してインセンティブを付与する
・エビデンスに基づき、3回目の追加接種について準備を進める
・年内の経口薬普及を促進する
・海外でも活用可能な標準を満たす「電子的ワクチン接種証明」、「無料PCR検査所」の設置、「抗原検査」など在宅検査手段の普及により、経済を動かす
・司令塔機能の強化など、公衆衛生分野の危機管理能力を抜本的に強化する
・さまざまな感染症への備えとして、「国産の治療薬やワクチンの研究開発・生産体制(創薬力)の強化」を行う
・人流抑制や医療提供体制確保のための方策について、行政がより強い権限を持てるための法改正を行う
新しい資本主義
・約10年後から大量廃棄が発生する初期型太陽光パネルの安全な処分ルール策定とリサイクル技術の開発に取り組む
・防衛・インテリジェンス・海上保安・警察・消防(救急含む)などを担う各機関の体制強化に取り組む
・小型衛星コンステレーションなどの衛星・ロケット新技術の開発や、政府調達を通じたベンチャー支援などにより、宇宙産業市場の倍増を目指す
・5Gの全国展開、6Gの研究開発と社会実装を推進する
・国産量子コンピューターの開発に取り組むとともに、量子暗号通信などの技術領域を支援する
・2030年度温室効果ガス46%削減、2050年カーボンニュートラル実現に向け、2兆円基金などあらゆる政策を総動員する
・究極のクリーン・エネルギーである核融合開発を国を挙げて推進し、次世代の安定供給電源の柱として実用化を目指す
・働く人が誰でも加入できる「勤労者皆保険」の実現に向けて取り組む
・看護師、介護士、幼稚園教諭、保育士らの所得向上に向け、公的価格のあり方を抜本的に見直す
・表現の自由を最大限考慮しつつ、インターネット上の誹謗・中傷やフェイクニュースへの対策を推進し、人権意識向上の啓発活動を強化する
農林水産業
・米については、市場隔離効果をもつ新たな特別枠を設け、収入減少に対してはナラシ対策や収入保険で対応し、その支払いまでの間は無利子融資を行う
・2025年2兆円、2030年5兆円の輸出額目標の達成に向け、輸出産地・事業者の育成、品目団体の組織化、戦略的サプライチェーンの構築、加工食品輸出に取り組む中小事業者への支援を行う
経済対策
・「テレワーク拠点の整備」「空き家・公営住宅の活用」により、地方移転を希望する人材・企業・大学の受入れ環境を整える
・マイナンバーカード機能のスマートフォン搭載、健康保険証としての利用や運転免許証・在留カードとの一体化、社会保障・税・災害の3分野以外への情報連携を拡大し、マイナンバー利活用を推進する
・自動宅配、リモート診療、リモート学習、自動タクシーなどのデジタルイノベーションを地方から社会実装する
・感染状況などを踏まえた観光需要喚起(Go To トラベルの早期再開など)を推進する
復興
・東日本大震災の地震・津波被災地域の復興は、第2期復興・創生期間内の早期に完遂するという強い決意をもって、全力で取り組む
・福島については国が前面に立ち、2020年代をかけて、帰還希望者が全員帰還できるよう取り組む
・ALPS処理水の処分について、徹底した安全対策などによる理解醸成と、漁業者らへの支援、需要変動に備えた基金の設置など風評対策に取り組む
・福島第1原子力発電所事故の風評被害によって現在も広域に農林水産品に輸入制限措置を行っている国や地域に、制限解除の働き掛けを行う外交を強化する
経済安全保障
・戦略技術・物資の特定と技術流出の防止に資する「経済安全保障推進法」を策定する
・情報を安全にやり取りできる「量子暗号通信技術」の研究開発と社会実装を促進し、「高度セキュリティ人材」を育成する
外交
・「自由で開かれたインド太平洋」の一層の推進に向け、日米同盟を基軸に、豪、印、ASEAN、欧州、台湾など普遍的価値を共有するパートナーとの連携を強化する。台湾のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)加盟申請を歓迎し、WHO(世界保健機関)総会へのオブザーバー参加を応援する
・北朝鮮に対しては、首脳会談の実現など、あらゆる手段を尽くし全ての拉致被害者の即時一括帰国を求める。また、国際社会と協力して、核・ミサイルの完全な放棄を迫る
・ウイグル、チベット、モンゴル民族、香港など、人権を巡る諸問題について、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求める
・日本の対外的なイメージの向上と国際的地位の向上を図るために「戦略的な対外発信」を強化するとともに、「国際機関で活躍できる人材」を育成する
安全保障
・中国の急激な軍拡や力を背景とした一方的な現状変更など、激変する安全保障環境に対応するため、わが国自身の防衛力を抜本的に強化する
・尖閣諸島周辺を含むわが国の領土・領海・領空を断固として守り抜くために、中国「海警法」の施行も踏まえ、海上保安庁の体制拡充・自衛隊との連携強化に加えて、領域侵害に対処する万全の措置を講じる
・弾道ミサイルへの対処能力を進化させ、相手領域内で弾道ミサイルなどを阻止する能力の保有を含めて、抑止力を向上させる新たな取り組みを進める
・在外邦人らの保護と確実な退避を可能とするため、制度・運用の見直しを図る
・令和4年度から防衛力を大幅に強化し、新たな国家安全保障戦略・大綱・中期防衛力整備計画などを速やかに策定する
教育
・10兆円規模の大学ファンドを令和4年度までに実現し、世界と伍する研究環境を構築する
・「AI教育」「リカレント教育(学び直し)」の充実、「実学重視の進学ルートの多様化」を行い、「若手研究者の処遇改善と活躍の場の確保」を進める
・道徳教育、高校新教科「公共」、体験活動の充実により、公徳心を持ち、日本の伝統文化を引き継ぎ発展させる人材を育成する
憲法改正
・自民党は改正の条文イメージとして1自衛隊の明記2緊急事態対応3合区解消・地方公共団体4教育充実の4項目を提示している。国民の理解を得るため、全国各地で憲法改正の必要性について丁寧な説明を行う
・衆参両院の憲法審査会で憲法論議を深め、憲法改正原案の国会提案・発議を行い、国民投票を実施し、早期の憲法改正を実現することを目指す

●「最悪の事態を想定したコロナ対策を」岸田総理 浜松市で政策を訴え 10/21
21日、岸田総理大臣が衆院選の自民党候補者の応援などのため、浜松市で演説しました。総理の静岡県内入りは就任以降2度目です。JR浜松駅近くでマイクを握った岸田総理。政府として取り組む新型コロナ対策などについて訴えました。
岸田総理「私の内閣においても、最悪の事態を想定して、病院のベッド数、病床数もしっかりと用意しながら、ワクチン接種、検査体制の充実、そして治療薬の実用化、こうした取り組みを進めていく」
あす22日には立憲民主党の枝野代表も党公認候補者の応援のために浜松市入りする予定となっています。

●小泉前環境相が応援候補と自虐ネタ「総裁選では一緒に負けた」 10/21
小泉進次郎前環境相が21日、横浜市のJR鶴見駅前で、衆院選神奈川3区から立候補した自民党の中西健治前財務副大臣の応援演説を行った。
3区は、小此木八郎元国家公安委員長が横浜市長選で落選して政界引退を表明し、空白区になっていたが、小此木氏から後継指名された中西氏が、参院からくら替えして立候補している。
小泉氏は自民党総裁選で河野太郎前行革担当相を中西氏とともに支持したことを振り返り、「総裁選では一緒に負けたが、必ず将来、一緒に戦ってよかったと(思う時が来る)。応援したいと思える自民党に変えられる」と自虐交じりに呼びかけた。
中西氏は「選挙という関所を越えるために力をお貸しいただきたい」と声を張り上げた。
神奈川3区には立憲民主党新人の小林丈人氏、無所属新人の藤村晃子氏、共産党新人の木佐木忠晶氏も立候補している。

●安倍元首相が無所属で苦境に立つ永田町のマツジュン≠激励 10/21
自民党の安倍晋三元首相(67)が21日、衆院選(31日投開票)に神奈川1区から無所属で立候補している松本純氏(71)のJR桜木町駅前での街頭演説会に駆け付けた。
永田町のマツジュン≠アと松本氏は、麻生太郎副総裁の最側近で知られ、麻生内閣では官房副長官、安倍内閣では国家公安委員長や防災相を務めた。昨年の緊急事態宣言下、銀座クラブ通いが判明し、自民党を離党。衆院選では公認が降りずに無所属での選挙戦となった。無所属候補は比例復活がなく、小選挙区でしか当選がない崖っぷちに立つ。
松本氏は「コロナ禍で皆さんが我慢を強いられている最中、私自身が軽率な行動をとったことで大変なお騒がせ、ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありません。30年にわたる政治活動の中で最大の失敗であります。死ぬまで、ずっとこの責を背負い続ける」と深々と謝罪した。
そこに現れたのが安倍氏だ。この日から全国応援行脚を始めた安倍氏は松本氏が応援第一声=B「松本さんは本当に多くの政治家から信頼されている、まさに人間であり政治家。純ちゃんだったら間違いないと(大臣在任中は)その期待に応えてくれた」と感謝の言葉を送った。
さらに安倍氏は自身が第1次政権での失敗から再チャレンジした経験を振り返り、「多くの皆さんから(クラブ騒動で)批判を浴びる中で、純ちゃんは悩んでいた。しかし、『純ちゃんもう一回頑張ろうよ』と一緒にやってきた地元の皆様に励まされ、厳しい選挙を覚悟のうえで、もう一回政治生命をかけて、戦おうと決意してここに立っている。どうかコツコツとまじめに地味な仕事もこなし、地域、日本のために頑張ってきた松本純さんに力を与えてください」と訴えた。
同選挙区にはほかに立憲民主党の篠原豪氏(46)、維新の浅川義治氏(53)が立候補している。

●安倍元首相、全国遊説開始 激戦区テコ入れ 10/21
自民党の安倍晋三元首相は21日、衆院選の応援のための全国遊説を始めた。激戦の選挙区を回り、てこ入れを図る。
安倍氏が最初に駆け付けたのは神奈川1区に含まれる横浜市。麻生太郎副総裁の最側近で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令中に東京・銀座のクラブを訪れた問題で自民を離党した無所属候補が苦戦している。安倍氏は「政治生命をかけた戦いだ。もう一回、力を与えてほしい」と訴えた。
夕方には埼玉5区に含まれるさいたま市内で街頭演説した。同区では自民公認の牧原秀樹元経済産業副大臣が立憲民主党の枝野幸男代表に5連敗し、うち4回は比例代表で復活当選している。安倍氏は「立憲民主党と共産党に負けるわけにはいかない。負けたら日本は再びあの悪夢のような時代に逆戻りしてしまう」と強調した。

●「甘利氏敗北・維新躍進」で菅義偉氏復権へ 自民党内「再登板待望論」も 11/1
衆議院議員総選挙は自民党が単独過半数を維持したものの、大物議員の落選が相次いだ。なかでも甘利明氏は小選挙区で敗北し、比例で復活したものの幹事長辞任の意向を伝えているという。自民党関係者は、これにより菅義偉・前首相が再浮上する可能性が出てきたと指摘する。
「菅さんは今回の総裁選で河野太郎さんを支持しましたが敗北し、同じく河野支持に回った小泉進次郎さんとともに、冷や飯を食わされることになった。一方、同じ神奈川選出の甘利さんは麻生派の跡目争いで河野さんと争っていることもあり、河野さんではなく岸田(文雄)さんを応援し、その論功行賞で幹事長の座を射止めました。これにより“神奈川のドン”の座は菅さんから甘利さんに移ったように見えましたが、今回の選挙で情勢は変わった。
菅さんは支持率の低下で退陣に追い込まれたため、今回の選挙では苦戦が予想されましたが、自身が久々に地元・横浜入りしたこともあり、盤石の勝利を収めました。地元有権者からは、『コロナで状況が悪かっただけ』『菅さんは口下手なだけで、やるべきことはやっていた』と同情の声も上がっていた。甘利さんが幹事長になったことで、過去の金銭問題が蒸し返され批判を浴びたのとは対照的です。菅派の河野さんや進次郎さんも、党内の冷遇にもかかわらず圧勝した。少なくとも神奈川県内においては、菅さんと甘利さんのパワーバランスが再逆転するでしょう」
加えて菅氏復権を後押しするのが、気脈を通じる日本維新の会の躍進である。維新は同党副代表の吉村洋文・大阪府知事が「岸田さんのやり方で日本が成長するとは思わない。世界との競争の中では内向きの思想では衰退する」と批判、馬場伸幸・幹事長は岸田首相が3A(安倍晋三氏、麻生太郎氏、甘利氏)の影響下にあることを「四人羽織内閣なのではないかと国民の目に映っている」と揶揄するなど、岸田政権を批判してきた。菅政権時代の協力姿勢とは対照的だ。
「維新が菅政権時代に比べて自公政権と距離を取るようになったのは明らか。自民の議席減、維新の議席増により今後、岸田政権は維新に頼る局面が増えてくる。そうなれば、自民党内では維新にパイプを持つ菅さんの存在感が再び増すでしょう。
今回の選挙では、投票の理由に『景気・雇用対策』に次いで『新型コロナウイルス対策』があがりました。つまり、菅政権時代のコロナ対策が遅まきながら有権者に評価されたという見方もできる。党内には、『信任を得たのは岸田政権ではなく菅前政権だ』との声もあり、菅さんの周辺では『安倍さんも第一次政権では失敗した。菅さんにも再登板のチャンスがあるのでは』という期待まで生まれている。今後の党運営や来年の参院選の結果次第では、再登板説が浮上するかもしれません」(同前)
今回の衆院選を受けて、自民党内のパワーバランスが大きく変わろうとしている。
 

 

●立憲民主党
●「時代遅れの政治変える」 立憲民主党・枝野幸男代表 10/19
10年ぶりの政権選択選挙がスタートする。新型コロナウイルスによって多くの皆さんが厳しい状況に置かれたが、コロナだけが理由ではない。アベノミクスと称する経済政策はまもなく9年になる。この9年間で街は元気になったか。経済、暮らしは良くなったか。私たちには日本全体が成長しない本質にメスを入れて日本を元気にする具体的なプランがある。まさに分配なくして成長なしだ。所得を再分配して1億総中流社会を取り戻す。時代遅れになった政治を変えよう。

●立民・枝野代表「1億総中流を取り戻す」 10/19
ほぼ10年ぶりに国民に選んでいただける政権選択の選挙が今日スタートする。アベノミクスと称するこの9年間で経済は良くなったか。株価だけは上がったが、日本の経済は成長していない。私はその原因、本質にしっかりとメスを入れて日本を元気にする。
まさに「分配なくして成長なし」。国内で物が売れないから経済が低迷している。民主党政権よりも安倍晋三政権になってからの方が実質経済成長率は低い。賃金が下がっている。非正規(雇用)を山ほど増やしてしまった。どんなに良い物やサービスを売り出しても、買う側に金がなければ売れるはずがない。
所得の再分配で1億総中流社会を取り戻す。老後、子育て、教育、雇用の不安を小さくしていく。これこそが経済対策だ。私たちには具体的なビジョンがある。それを実行していくプランもある。

●「海洋放出はストップ」立憲民主党・枝野代表が福島で政府を批判 10/20
坂井有生アナ「野党共闘が進む今回の衆議院選挙、野党第一党・枝野代表の発言がさらに注目度を増しています、カメラの放列が並んでいます。」
伊達市霊山町で街頭演説を行った立憲民主党の枝野幸男代表。福島第一原発で処分方法が課題になっている処理水について、海洋放出の方針を決めた政府は「結論だけを押し付けている」と厳しく批判した。
立憲民主党・枝野幸男代表「プロセス全部省略してしまって結論だけ押し付けるような今のやり方、私は絶対に許さない。ぜひ政権を代えさせていただいたら、必ずこれ(海洋放出)はストップさせて、もう一回一から地域の皆さん、水産業の皆さんと現状について説明をして『どうしましょうか?』こういうプロセスを踏んでいきたい。」
19日は自民党総裁・岸田文雄総理が福島市で第一声を上げていて、与野党の党首による舌戦が県内でも本格化している。

●立憲民主党 衆院選公約要旨 10/20
新型コロナウイルス感染症が私たちの日常生活を一変させた。競争ばかりをあおり「自己責任」を強調しすぎたこれまでの政治がもたらしたのは、適切な治療を受けられないまま命を失った皆さんや、十分な補償がなく廃業に追い込まれた事業者の皆さん、住むところにも明日の食べ物にも困りはてた皆さん。今も多くの皆さんから「当たり前の日常」を奪い続けている。
今こそ「当たり前の日常」を取り戻す。誰も取り残されない社会をつくる。そのためには「今だけ、金だけ、自分だけ」という時代おくれになった政治を変えなくてはならない。
表紙を変えただけでは変わらない。嘘とごまかしのない「まっとうな政治」へ。命と暮らしを最優先する政治へ。イザというときに頼りになる政治へ。そして支え合い、分かち合う社会へ。当たり前を当たり前に。あなたのための政治へ。ともに変えよう。立憲民主党がその先頭に立つ。
新型コロナ対策
・国が病床などの確保に主体的・積極的に関与し、責任を持つ
・医療・介護従事者に慰労金支給(新型コロナ患者に対応した従事者に20万円)
・公立・公的病院の統廃合や病床削減を進める「地域医療構想」などを抜本的に見直す。職員の増員などで保健所機能を強化する
・必要な時に誰でもすぐに受けられるPCR検査体制を確立する
・すべての入国者を少なくとも10日間以上、政府が用意したホテルなどで隔離する
・総額30兆円を超える補正予算を直ちに編成する
・個人の年収1000万円程度まで実質免除となる時限的な所得税減税と、住民税非課税世帯など低所得者への年額12万円の現金給付を行う
・税率5%への時限的な消費税減税を目指す
・持続化給付金・家賃支援給付金をすみやかに再給付する
・感染症対策の体制と権限を、首相直轄で官房長官が担当する司令塔へと直ちに再編・集約する
・「危機管理・防災局」を設置し、戦略的で効果的な対策を進める
経済
・時給1500円を将来的な目標に中小零細企業に公的助成をしながら、最低賃金を段階的に引き上げる
・グリーン(環境・エネルギー)、ライフ(医療・介護)、ローカル(農業・観光)で地域のニーズに応じた地場産業を創出する
・国立大学への運営費交付金を増額する
・法人税は、政策減税は残した上で、所得税と同様、累進税率を導入する
・所得税の最高税率を引き上げ、分離課税になっている金融所得について、将来の総合課税化を見据え、国際標準まで強化する
エネルギー
・2030年に温室効果ガス排出を13年比55%以上(10年比51%以上)削減し、50年までのできるだけ早い時期に温室効果ガス排出ゼロの脱炭素社会を実現する
・原子力発電所の新増設は認めない。原発のない社会に向けた不可逆的な方針をすみやかに確立し、国の監督と責任の下で廃炉を着実に進める
・30年自然エネルギー電力50%、50年自然エネルギー電力100%を目指す
・農業者戸別所得補償制度を復活させ、米の生産調整を政府主導に戻す
教育・子育て
・国公立大学の授業料を半額に引き下げ、私立大学生や専門学校生への給付型奨学金を大幅に拡充する
・中学校の35人以下学級を実現し、将来的に小中高の30人以下学級を目指す
・出産育児一時金を引き上げ、出産に要する費用を無償化する
・子供・子育て予算を倍増し、「子ども省」創設に取り組む
人権
・選択的夫婦別姓制度を早期に実現する
・LGBT平等法を制定し、同性婚を可能とする法制度の実現を目指す
・差別を防止し、差別に対応するため国内人権機関を設置する
外交・安全保障
・健全な日米同盟を基軸としながら、豪州やインドなどアジア太平洋地域、とりわけ近隣諸国との多国間協力を推進する
・尖閣諸島(沖縄県石垣市)防衛を視野に、領域警備と海上保安庁の体制を強化する法整備を進める
・核兵器禁止条約締約国会合へのオブザーバー参加を目指す
・沖縄県名護市の辺野古新基地建設を中止する
・経済安全保障を確立するため、わが国の先端技術の優位性を確保し、経済活動などにおけるルール形成戦略を強化する
透明で信頼できる政府
・内閣官房に総理直轄の真相究明チームをつくり、森友・加計問題や桜を見る会問題などについて、情報をすべて開示し、真実を明らかにする
・安全保障法制や共謀罪の違憲部分を廃止する
・日本学術会議について任命拒否された6人を新会員に任命する
・選挙買収などの罪で起訴された国会議員の歳費の支給停止・返納を行うための法改正を行う
・20歳から立候補できるよう、被選挙権年齢を引き下げる

●枝野代表が倉敷市で訴え 「格差・貧困無くし景気対策につなげる」 10/21
立憲民主党の枝野幸男代表が21日岡山県に入り、「格差や貧困を無くし景気対策につなげる」などと訴えました。枝野代表は午後2時半から倉敷市の天満屋倉敷店前で街頭演説を行いました。
立憲民主党・枝野幸男代表「医療や介護充実させましょうよ、子育て支援充実させましょうよ、非正規の人を正規にしましょうよ、これは社会保障ではない、福祉ではない、経済対策・景気対策なんです」
新型コロナ対策については、飲食店等へ再び持続化給付金を配布することなどを実現すると訴えました。

●東京9区 蓮舫氏が元朝日記者の新人・山岸一生氏を“辛口激励” 10/21
立憲民主党の蓮舫代表代行(53)は20日、東京9区(練馬区中西部)に入り、同党公認で元朝日新聞記者の新人、山岸一生氏(40)の応援のため街頭に立った。前回の衆院選で圧勝した菅原一秀元経済産業相(59)が公選法違反で議員辞職し、空白区となった経緯から、蓮舫氏は「政治とカネ」の問題を強調した。 (海野慎介)
「与党か野党か、野党か与党か。野党を選んでいただければ、国会の景色を大きく変えることができる」
蓮舫氏は20日の昼下がり、西武池袋線大泉学園駅の南口で声を張り上げた。強い秋風が吹き荒れる中、約50人の聴衆はスマートフォンを掲げたり、大きくうなずいたりしながら演説に耳を傾けた。
蓮舫氏は「政治とカネ」の問題について触れ、「山岸さんも金銭感覚は人とずれていたかもしれない。東大を出て、朝日新聞に入って、優秀な記者として時の総理、野党の党首の番記者として高給をもらっていた。でも、野党から政治家を目指す判断をしたのは、今の政治では変わらないという思いだったろう」と山岸氏の華麗なキャリアを辛口に激励した。
19日の北朝鮮の弾道ミサイル発射にも言及、「岸田(文雄)首相は福島、松野(博一)官房長官は地元にいた。岸田さんはすぐさま引き返して官邸に行くのではなく、午前中の日程をこなして午後に戻ってきたそうです」と与党の危機管理能力を攻撃した。
選挙戦序盤から、静岡や愛知、東京など各地の接戦区や激戦区を回っている蓮舫氏。この日も演説後、有権者とグータッチしたり、親子連れと写真撮影したりする様子もみられた。
東京9区は山岸氏と、自民党で比例東京ブロックからくら替えした医師で前職の安藤高夫氏(62)、新党やまとの元職、小林興起氏(77)、日本維新の会の新人、南純氏(38)が争う。
山岸氏は「組織がなくて資金がなくても負けることはありません」と訴えたが、陣営の選対関係者は、自民党の組織力を「菅原氏の幽霊」と警戒する。
選対関係者は「安藤さんは医師なので、コロナ医療のイメージ付けができるが、ネットでは『山岸は一体何をするの?』と出ている。記者になった原点と沖縄取材の経験をつなげられれば力強くなる」と語っていた。

●「新しい自民党なら、不祥事に向き合うべきだ」立憲・枝野氏 10/21
(広島市安佐北区の街頭演説)
隠す、ごまかす、公文書まで改ざんする。国民に説明しない。選挙で勝ったら俺のもの。また次の選挙のときに有権者をごまかせばいいんだ。こういう政治がはびこってきた。しっかりとした反省ときちっとした情報公開なしに、政治が変わるなんて期待できるか。
この広島3区で起きた大規模買収(事件)。この間まで法務大臣だった人がよりによって実刑。信じられない事態だ。それに対しても、ろくな説明をしていない。反省がない。誰に忖度(そんたく)、遠慮しているのか。
安倍・菅政権と、官僚の皆さんなどに忖度させる政治が続いてきた。残念ながら今度は、忖度する首相になっちゃった。安倍(晋三)さんや麻生(太郎)さんや菅(義偉)さんに遠慮して、正しいことを貫けない。その象徴が買収事件だ。
森友事件のファイルすら公開しない姿勢なども、桜を見る会の再調査をしない姿勢なども、変わった新しい自民党というなら、こうした不祥事に正面から向き合うべきだ。
ちゃんと情報公開して、再調査して、ケジメをつけなきゃダメだ。安倍さん、麻生さんに忖度する政治を、有権者の声を聞く、草の根を聞く、まっとうな政治に変えよう。

●立憲民主党惨敗に蓮舫氏「真摯に受け止める」 親友£メ元氏落選 11/1
衆議院議員選挙の開票が10月31日から1日未明にかけて行われ、全465議席が確定した。野党共闘で選挙に臨んだ立憲民主党は14議席減の96議席。共産党も2議席減の10議席と共倒≠フ惨敗となった。
立憲民主党の蓮舫代表代行は1日、自身の公式ツイッターを更新。「総選挙でご支援をいただいたすべての方に心から感謝を申し上げます。頑張れとの声、温かなグータッチはとても励みになりました。ありがとうございます」と感謝を述べた上で、「結果を真摯に受け止め、選挙戦を通じて強く感じた私たちが担うべき役割を、党の1人として誠実に行っていきます」とした。
立憲民主党では、副代表を務める辻元清美氏が大阪10区で落選。比例復活も果たせず、議席を失った。蓮舫氏も10月23日に大阪入りして辻元氏を応援。「親友の蓮舫です」と有権者にアピールしていたが、辻元氏の落選については言及しなかった。また、当該ツイートには、選挙結果を受け立憲民主党の執行部刷新を求める意見も続出していた。

●惨敗の立憲民主、枝野代表らの責任論浮上…福山幹事長「腹を決めている」  11/1
衆院選で惨敗を喫した立憲民主党内では、枝野代表ら執行部の責任論が浮上している。
枝野氏は1日午前、国会内で福山幹事長と会談した。福山氏は会談後、記者団に「執行部として、結果については責任がある」と述べた。自身の対応については「腹を決めている」と語った。福山氏は、2日に執行役員会を開き、今後の対応を協議することも明らかにした。
党内では、「議席減はあり得ない結果だ。枝野、福山両氏が続投することに正当性はない」(ベテラン)などとして、執行部に対する不満の声が高まっている。

●野党共闘は不発、立民・枝野氏に責任論も 11/1
立憲民主党は共産党や国民民主党など野党4党と213選挙区で候補者を統一して選挙戦に臨んだが、共闘は不発に終わった。特に、共産との連携強化には立民内に慎重論もあっただけに、惨敗したことで、枝野代表ら執行部の責任を問う声が出そうだ。
枝野氏は31日深夜の記者会見で、執行部の責任について「全体の状況、結果を踏まえ、それを分析して(来年の)参院選に臨みたい」と述べるにとどめた。
立民、共産両党は、政権交代が実現した場合に共産が立民に対して「限定的な閣外からの協力」をすることで合意した。共産は全国各地に地方組織を張り巡らせており、1選挙区当たり、2万〜3万程度の基礎票を持つとされる。
だが、「限定的」であっても、国家観や基本政策が異なる共産との協力に対しては、立民の候補者から「共産との連携をアピールすれば従来の支持者や無党派層が離れてしまう」との声が漏れ、選挙演説では共産との選挙協力に触れない場面も目立った。
立民の支持団体である連合からも「共産との閣外協力はあり得ない」(芳野友子会長)と反発が出た。一部の労組は立民支援に回らなかった。
同じく連合の支援を受ける国民の玉木代表は11月1日未明の記者会見で、立民と共産の協力について「国民から、政策そっちのけで党利党略ではないかと思われている」と批判した。
枝野氏は31日の記者会見で、共産との連携の狙いについて、「(連合などに)おおむね理解をいただけている。ただ、伝え切れていなかった部分が若干あったのは間違いない」と述べた。
立民と共産、国民、れいわ新選組、社民党の5野党が共闘した213選挙区のうち、160選挙区では立民の候補者が5野党の統一候補となった。共闘選挙区での立民候補への一本化は、共産が10月に入って候補者を取り下げたことで一気に進んだ。
選挙戦で立民は、「所得再分配の強化」を掲げる岸田首相(自民党総裁)に対抗し、中・低所得者層への給付拡充と高所得者層や大企業の負担強化を訴えた。
公約では法人税への累進税率導入や所得税の最高税率引き上げを掲げる一方、新型コロナウイルス禍への対策として年収1000万円以下の人の時限的な所得税免除などをアピールし、「1億総中流社会の復活を目指す」と強調した。
立民は、2017年の前回衆院選の直前、民進党の分裂に伴って結党した旧立憲民主党が源流だ。17年衆院選では追加公認を含めた獲得議席は55議席だったが、昨年9月に旧国民民主党の半分以上の議員が合流し、衆院議員107人、参院議員43人の陣容で現在の立民がスタートした。

●「共産党と組んですごい左の方へ振れてしまったのが失敗の原因」 11/1
政治ジャーナリストの田崎史郎氏が1日、フジテレビ系「めざまし8」(月〜金曜・午前8時)に生出演した。
番組では31日に投開票された衆議院選挙で、自民党が261議席で単独過半数を確保したことや、立憲民主党が110議席から96議席の減らしたことなどを報じた。
田崎氏はこの結果について「立憲民主党、共産党にとって惨敗ですよ」と述べ、「なぜ立憲が負けたかというのは、共産党と組んですごい左の方へ振れてしまったのが失敗の原因だと思うんですね」と推察した。
2009年の政権交代を「民主党が政権を取るまでというのは、保守層も包み込むような形で支持を集めて政権が取れて、それで政権運営に失敗して引いたわけですけれども」と振り返り、「今の左よりの路線を立憲が続けていくのかどうか。それをしっかり議論しないと再生はないんじゃないか」と今後の運営方針に注目した。
一方で自民党については「単独過半数が取れるかどうかくらいが争点だったわけですけれども、最後に30議席くらい増えたのは、自民党の組織力の強さが最後の最後に生かされたんだろうと思います」とコメントした。

●橋下徹氏、立民・枝野代表に辞任迫る「負けたら代わるのは当たり前」 11/1
元大阪府知事、元大阪市長の橋下徹氏が、10月31日に放送された選挙特番『Live選挙サンデー』(フジテレビ系)に出演。100議席を割り込み、惨敗した立憲民主党執行部の責任を強く主張する一幕があった。
同31日に投開票された「第49回衆院選」。立憲民主党は野党4党と213選挙区で候補者を統一して選挙戦に臨んだが、共闘は不発に終わった。同日夜10時過ぎ、中継で繋いで出たのが枝野幸男代表。まだ大勢が判明していない中、この途中経過について、「非常に私の想定を超える多くの選挙区で、大変な激戦まで持ち込むことができています」と甘い見方を示した。
だが、橋下氏は枝野氏に「(今回の選挙は)枝野さんは『岸田(岸田文雄自民党総裁)か枝野かどちらかを選ぶ選挙』だと言われていました」と切り出すと、自公の過半数が明らかになったことを踏まえた上で、「(結果的に)岸田さんが選ばれたということですから、当然、その責任を取って(枝野氏の)代表辞任は当たり前だと思います。民主国家であれば。当然、代表選挙はすぐ行われるんですよね?」と執行部の交代を求めた。
これに対して、枝野氏は「小選挙区を軸にした選挙制度である限りは、最大野党の責任として政権の選択肢を示さなければならない。その意味では100%ではありませんでしたが、かなりのところで示せたと思います」などと強気。
そんな楽観的な枝野氏に、橋下氏は「政府与党を追及することは野党の役割として重要だと思いますが、(そんな野党は与党に毎回)『責任』『責任』と言われるじゃないですか。野党は行政権を持たないので口で言うだけです。野党としての責任は選挙で負けた時、そこでしっかりと新しい執行部を作って次に繋げること」と主張。
さらに、「ここで枝野さんが辞任しなければ、野党は一体何の責任をもって、何の責任を果たすということになるんですか? 政権選択選挙で負けたら、執行部が代わるということは、当たり前のことなんじゃないですか?」と迫った。
それでも、枝野氏はこれまでの実績を訴えたのだが、納得のいかない橋下氏は「立憲民主党自体が常に昔からの民主党政権時代の顔ぶれで全然、多様性を感じないわけですよね。次世代の政治を言うのであれば、先輩株として外に引いて、若手の新しい顔ぶれで次の選挙を戦うという考えはないんですかね?」と疑問を呈していた。
そんな枝野氏自身は31日深夜、埼玉5区で自民党の牧原秀樹氏との大接戦の末、ようやく当選が確実になっている。いずれにしても来年の参院選、立民はどう戦うのか。
 

 

●公明党
●公明・山口代表「選挙区全当選、比例800万票目標」 10/19
公明党は9選挙区の全員当選と比例区で800万票獲得を目指して戦う。そして比例区南関東ブロック3議席の奪還に挑む。新型コロナウイルス感染者が減少してきたが油断はできない。衆院選はコロナを克服し、次の日本を切り開く選挙となる。日本再生を公明にやらせてほしい。
衆院選は政権選択の選挙といわれる。新型コロナで傷んだ日本の社会再生をどの政党に委ねるかが問われる。自公両党は連立政権合意を結んだ。国民の声を聴くのは当然だ。「小さな声を聴く力」がなければできない。地方議員とネットワークを結び、それを実行していく力があるのが公明だ。連立政権に公明がいることが大切だ。連立の姿が見えない野党に政権を委ねるわけにはいかない。
公明は未来応援給付を提案している。0歳から18歳まで1人一律10万円相当の給付を行う。

●「自公政権で政策実現」=公明党・山口那津男代表 10/19
新型コロナウイルスで傷んだ日本社会の再生をどの政党に委ねるかが問われる選挙だ。
立憲民主党は、政権をつくって責任を持つ姿勢に欠けている。政策を他党と合意したと言うが、あっちこっちで内容が違う。そういう不安定な選択肢の野党に政権を委ねるわけにはいかない。政権合意をしっかり結び、選挙協力もしっかり行い、政策目標をはっきりと掲げ、実行力を基に政策を実現する。この政権選択は公明党のいる自公連立政権しかない。

●公明・山口代表「日本再生へ新たな挑戦」 衆院選公示で第一声 10/19
衆院選がスタートした。9小選挙区の全員当選と比例代表800万票を目指して戦う。今ようやく新型コロナウイルスの感染者が減少した。しかしまだ油断できない中での選挙だ。コロナを克服して次の日本を切り開く選挙だ。「日本再生へ新たな挑戦。」を掲げて戦う。日本再生を公明党にやらせてもらえるようにお願いしたい。衆院選は政権選択選挙だ。コロナで傷んだ日本の再生をどの政党に委ねるかが問われる。国民の声を聞く力がなければならない。国会議員と地方議員がネットワークを結んで、皆さんと対話して政策に練り上げていく。その力があるのは公明党であり、連立政権に公明党がいることが大切だ。政策の目標も不明確で、連立の姿が見えない野党に政権を委ねるわけにはいかない。

●「0歳から高3まで、一律10万円相当の給付行う」公明・山口代表 10/19
公明党は9小選挙区全員当選と、比例区800万票の獲得を目指して戦う。今ようやくコロナの感染者が大きく減少してきた。コロナを克服し、次の日本を切り開いていく選挙となる。公明党は「日本再生へ、新たな挑戦」を掲げて戦う。
昨年、1人10万円の特別定額給付金を実行した。コロナの感染の勢いがすさまじく、国民の皆さんに不安が広がり始めた。その変化を機敏にとらえて、大胆な政策変更を行って、10万円の給付を行うことができた。その道をひらいたのは皆さんの声を聞く、公明党のネットワークの力だ。
野党の皆さんはいろいろな主張があるが、選択すべき政権の姿がはっきりしない。政策の目標も不明確であり、そして連立の姿が見えない。不安定な選択肢、野党の皆さんに政権をゆだねるわけにはいかない。
昨年、いろいろな給付金、支援金の措置がとられたが、基本的には書類の申請でスピードが遅い。デジタル化を進めるに当たって、一番基礎となるのは、マイナンバーカード。大幅に普及させるために、あわせて経済の消費を盛り上げるために、マイナンバーカードにお一人3万円のマイナポイントをつけたい。
日本の将来を担う子どもたちを応援するために、公明党は「未来応援給付」を提案している。0歳から高校3年生まで一人一律10万円相当の給付を行う。岸田首相も、公明党の訴えと重なる部分、また新たに加える部分をよく話し合って現金給付を実現したいと言った。力を合わせて、何としても実行してまいりたい。

●公明党 衆院選公約 10/20
前文
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、日本社会は経験したことのない危機に直面した。危機を克服し、力強い日本の再生へ、挑戦を続ける。感染収束までの当面の間は、病床確保や適切な療養体制の構築とともに、雇用維持や事業継続を支援し、命と生活を守る取り組みに総力を挙げる。その上で、感染症危機や気候変動、大規模災害などから国民の命と暮らしを守り、持続可能で強靱(きょうじん)な社会の構築を目指す。デジタル化やグリーン化を通じて、日本社会の新たな成長と活力を生み出す。社会的孤立を防ぎ、多様性を尊重しつつ、一人一人の活躍を後押しし、誰もが希望を持ち、安心できる社会の構築に全力で取り組む。
新型コロナ対策
・国産ワクチン・治療薬の迅速な開発・実用化を国家戦略に位置づけ、必要な法整備を行うとともに、早期に実用化を図る
・強力な司令塔のもと、医療機関の役割分担や連携強化、病床や宿泊療養施設と医療従事者の確保などを迅速に行える体制をつくる
・PCR検査能力の現状1日33万件から100万件への大幅な拡充
・新型コロナ後遺症の実態把握や原因究明に取り組み、予防策や治療方法の開発を進め、相談体制を整備する
経済再生
・「グリーン・デジタルトランスフォーメーション補助金」を創設し、中小企業の生産性向上を支援する
・感染収束を前提に、「新・Go To キャンペーン」を再開する
・マイナンバーカード普及や消費喚起のため、サービスや商品の購入などに利用できる「新たなマイナポイント」(1人3万円相当)を付与する
子育て・教育
・0歳から高校3年生までの子供に1人10万円の「未来応援給付」を届ける
・出産育児一時金を増額
・0〜2歳児の家庭への「産後ケア」を全国展開し、家事・育児サービスを利用できる環境を整備する
・「子ども家庭庁」創設や「子ども基本法」制定で、子供を権利の主体として位置づけ、子供の幸せを最優先する社会を目指す
地域共生社会
・「選択的夫婦別姓制度」導入を推進する
・高齢者や障害者らの移動の不便を解消するため、乗合タクシーの利用補助や、公共交通機関の割引などを拡充する
・デジタル活用支援員による講習会や相談会を小学校区単位で開催する
・孤独・孤立対策に携わるNPOや社会福祉法人などを支援する助成金を創設する
防災・減災・復興
・2021年度からの総額15兆円規模の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」を計画的かつ効果的に実行する
政治改革
・国会議員が当選無効となった場合、それまで支払われた歳費や期末手当等を国庫へ返納させる制度を創設する
・勾留された国会議員の歳費等の支給停止・不支給を実施する
外交
・核兵器禁止条約の批准への環境整備を進める。2022年3月に開催予定の締約国会合にオブザーバー参加する
・日米同盟の抑止力・対処力を一層向上させ、緊密な情報共有および共通情勢認識の構築を行う
・日米豪印の枠組みでの協力を推進し、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取組みを強化する
・中国における人権や基本的自由の尊重について国際社会から懸念が示されており、公明党も共有している。中国は透明性をもって説明し、国際社会に対する責任を果たすべきだ
憲法
・憲法9条1項、2項は今後とも堅持する
・オンラインによる国会審議、採決に参加できる制度の創設を検討する
・デジタル社会における個人情報の保護について、憲法上の位置付けを検討する
 

 

●共産党
●共産・志位委員長「政権交代の推進力は共産躍進」 10/19
今度の衆院選は国民の声を聞かない自民党と公明党の政権を続けるか、それとも野党共闘の力で、国民の声が生きる政権を作るかの政権選択の選挙だ。
7割を超える選挙区で与野党1対1の構図が作られた。野党が本気の共闘の体制を作って、衆院選を戦うのは戦後の政治史でも初めてのことだ。
国政の私物化疑惑にまみれ、新型コロナウイルスの失政で多くの犠牲を出した安倍晋三、菅義偉両政権を引き継ぐ岸田文雄政権に任せるわけにはいかない。
政権交代を実現しようではないか。その最大の推進力になるのが共産党の躍進だ。
弱肉強食の新自由主義は終わりにして、命と暮らしを大切にする政治へのチェンジ。気候危機を打開する。ジェンダー平等、平和外交、この願いを託してほしい。

●「政権交代へ準備万端」 共産・志位和夫委員長 10/19
今度の総選挙は、国民の声を聞かない自民党と公明党の政権を続けるのか、野党共闘の力で国民の声が生きる新しい政権をつくるのか、政権選択の歴史的な選挙だ。格差と貧困をひどくし、国政私物化疑惑にまみれ、コロナ失政で多くの犠牲を出した安倍・菅政権を引き継ぐ岸田政権に、この国の政治を任せるわけにはいかない。7割を超える小選挙区で与野党1対1の構図が作られた。準備万端整った。政権交代を始めようではないか。

●共産党・志位和夫委員長 野党共闘、新政権つくる  10/19
国民の声を聴かない自民党と公明党の政権を続けるのか、野党共闘の力で国民の声が生きる新しい政権をつくるのか、政権選択の歴史的な選挙だ。
格差と貧困をひどくし、国政私物化疑惑にまみれた安倍、菅政権を引き継ぐ岸田政権に、この国の政治を任せるわけにはいかない。今こそ政権交代を実現し、国民の声が生きる新しい政権をつくろう。
新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向になっている今こそ、ワクチン接種と一体で大規模検査が必要だ。弱肉強食の新自由主義を終わらせ、命と暮らしを何よりも大切にする政治にチェンジさせる。

●あなたの1票で政治は変えられる 日本共産党の躍進で政権交代を始めよう 10/20
日本共産党の志位和夫委員長が19日、東京・JR新宿駅西口で行った総選挙公示第一声は次のとおりです。
みなさん、おはようございます。ご紹介いただきました、日本共産党の志位和夫でございます。
「政権選択」の歴史的選挙――政権交代の最大の推進力は日本共産党の躍進
総選挙が始まりました。今度の総選挙は、国民の声を聞かない自民党と公明党の政権を続けるのか、それとも野党共闘の力で国民の声が生きる新しい政権をつくるのか、「政権選択」の歴史的な選挙です。格差と貧困をひどくし、国政私物化疑惑にまみれ、コロナ失政で多くの犠牲を出した安倍・菅政権を引き継ぐ岸田政権に、この国の政治をまかせるわけにはいかないじゃないですか。いまこそみんなで力をあわせて政権交代を実現し、国民の声が生きる新しい政権をつくろうではありませんか。その最大の推進力となるのが日本共産党の躍進です。「比例は共産党」、この声を広げに広げ、日本共産党を大躍進させてください。小選挙区でも現有1議席から議席の大幅増を勝ち取るためにがんばります。あなたの力を、どうか日本共産党に与えてください。
コロナから命を守る――三つの厳しい反省と切り替えが必要
この間、新型コロナの感染爆発、医療崩壊が起こり、多くの人々の命が失われました。私は、コロナから命を守るためには、次の三つの点で、これまでの政治を厳しく反省し、切り替えることが必要だと考えます。
第一は、科学を無視した対応を大本から改めることです。政府は、「PCR検査を広げると医療崩壊が起こる」といって、検査を抑えてきました。しかし検査を怠ったために、医療崩壊が起こったではありませんか。科学無視の最たるものは緊急事態宣言下でオリンピック・パラリンピックの開催を強行したことです。これが感染爆発を起こし、多くの人々を犠牲にしたことに対して、痛切な反省が必要ではないでしょうか。みなさん。新規感染者が減少している今こそ、ワクチン接種と一体に大規模検査が必要です。大規模検査によって感染の火種を消していく、科学の基本に立った取り組みが必要です。「誰でも、何度でも、無料で」PCR検査が受けられる態勢をつくれ――このことを求めていこうではありませんか。
第二は、40年来の医療と公衆衛生を切り捨ててきた政治を大本から切り替えるということです。この間、感染症の入院ベッドが半分にされてしまいました。全国でも、東京でも、保健所の数が半分にされてしまいました。これが医療崩壊につながったことは明らかです。日本共産党は国の予算を2倍にして医療と公衆衛生を立て直そうという提案をしておりますが、いかがでしょうか。政府は、「地域医療構想」の名で、こともあろうに消費税を財源にして、急性期の入院ベッドを20万床削る計画をいま進めています。コロナの教訓を何も学ばない、とんでもないことではないでしょうか。病床削減の計画はきっぱり中止させて、医療体制の抜本的拡充に切り替えようではありませんか。
第三は、コロナで傷ついた事業と暮らしをしっかり支援することです。持続化給付金、家賃支援給付金の第2弾を、支給させようじゃないですか。コロナが終息するまで、継続的に支給をさせようではありませんか。日本共産党は、生活に困窮している低所得者の方々に加えて、コロナで収入が減った方々を広く中間層まで対象にして、1人基本的に10万円の「暮らし応援給付金」を支給することを提案しています。みんなの力で実行させようではありませんか。
みなさん。日本共産党は、オリンピック・パラリンピックへの姿勢に象徴されるように、「なにより、いのち」を、「ぶれずに、つらぬく」政党です。どうかこの党を伸ばしに伸ばしていただいて、命を守る政治をご一緒につくろうではありませんか。
新自由主義は終わりにして、命と暮らしを何よりも大切にする政治を
自公政権を終わりにして、どういう日本をつくるか。私は、「四つのチェンジで安心と希望の新しい日本をつくろう」ということを訴えたいと思います。第一は、弱肉強食の新自由主義は終わりにして、命と暮らしを何よりも大切にする政治へのチェンジであります。
岸田(文雄)首相は、「成長と分配の好循環」ということを繰り返しています。党首討論でもずいぶん議論になりましたけれども、この議論の一番の問題点はどこにあるでしょうか。ずばり、分配の内容がゆがんでいることにあると私は考えます。「アベノミクス」の9年間で、日本の大富豪の資産額は6兆円から24兆円になんと4倍に膨れあがりました。大企業の利益は1・6倍になり、内部留保=ためこみ金は133兆円も増えました。その一方で、働く人の平均実質賃金は22万円も減りました。つまり、富裕層と大企業が分配を独り占めしてしまって、庶民のところに分配が回らない、これが一番の問題ではないでしょうか。「アベノミクス」の理屈というのは、大企業と富裕層がもうければ、いずれは庶民に回ってくる――「トリクルダウン」というものです。しかし、待てども、待てども、「トリクルダウン」は起こらなかったというのが事実ではないですか。そうであるならば変えましょう。「ボトムアップ」=国民のみなさんの暮らしの底上げで日本経済を良くする、この道に切り替えようではありませんか。みなさん。中小企業への十分な支援とセットで、最低賃金を時給1500円に引き上げましょう。働く人の「使い捨て」をやめさせ、人間らしく働けるルールをつくっていこうではありませんか。高すぎる大学の学費を、半分にしましょう。給付奨学金を充実させて、入学金は廃止しようではありませんか。そして富裕層と大企業に応分の負担を求め、消費税は5%に減税しようではありませんか。
岸田首相は「新自由主義の転換」と口では言うのですが、いま私が述べたような具体論になると、すべてに背を向けるんです。唯一、富裕層優遇の金融所得課税を見直すと言っていたのですが、総理大臣になった途端に、この旗もたたんでしまいました。先日、民放の党首討論でこの問題が議論になりました。私は、アメリカのバイデン大統領が、“1%の富裕層と米財界に公正な負担を。それに反対するなら、いったいどこから税金をとってくるのか”と議会で演説したことを紹介して、岸田首相に、「岸田さん、ぐずぐず言わずにバイデンさんを見習ったらどうですか」と言いました。しかし、「見習う」とは決して言いません。ならばみなさん、日本共産党を伸ばしてください。日本共産党を躍進させていただいて、新自由主義を文字通り終わりにして、命と暮らし最優先の政治をつくっていこうではありませんか。
気候危機は非常事態――地球の未来を守る政治を
第二は、気候危機を打開し、地球の未来を守る政治へのチェンジであります。世界でも日本でも気候危機は待ったなしの緊急課題となっています。岸田政権の対応はどうでしょうか。
昨日、日本記者クラブで党首討論がありまして、私はこの問題を取り上げました。これに本気かどうかの試金石となるのは、CO2(二酸化炭素)をたくさん出す石炭火力への態度なのです。国連は日本を含む先進国に対して、2030年までに石炭火力から撤退することを求めています。ところが日本は、G7(主要7カ国)のなかで石炭火力からの撤退期限を持っていないただ一つの国なのです。そこで私は、岸田首相に2問聞きました。一つは、国連が要請している2030年までの撤退をやる意思があるのかどうか、イエスかノーかで答えてほしい。二つ目は、この期に及んで九つもの石炭火力発電所を新増設するというのは、全く矛盾した態度ではないですか。この2点でありますが、どちらも岸田首相は全く答えられませんでした。私が、このやりとりを通じて実感したのは、この政権にまかせたら、地球の未来はなくなってしまうということです。いま世界で、若者たちが「地球が燃えてしまう」という告発の叫びをあげているじゃないですか。岸田政権にまかせたら「地球が燃えてしまう」。こんな政権にまかせるわけにはまいりません。
日本共産党は、「気候危機を打開する2030戦略」を提案しています。2030年までに石炭火力はゼロにする、原発はただちにゼロにします。省エネルギーと再生可能エネルギーの大規模な普及で、2030年度までにCO2を最大60%削減する大改革を提案しています。これをやりますと、年間254万人の雇用が増え、GDPも累計で205兆円増やすことができます。脱炭素・省エネ・再エネ、この道こそ持続可能な発展の道です。日本共産党を躍進させていただいて、希望あるこの道をごいっしょに進もうではありませんか。
ジェンダー平等の日本――総選挙の大争点に浮上した
第三は、ジェンダー平等の日本へのチェンジです。この問題が総選挙の大争点に浮上してまいりました。
先日、ある民放の党首討論会に出ましたところ、最大のテーマが「男女の賃金格差をどう解消するか」となっていました。日本の男女の賃金格差というのは世界でも異常です。女性は男性の55%、生涯賃金にしますと1億円近い格差があるのです。これを解消する一番のカギは、企業に格差の実態をつかんで公表を義務づける――「見える」ようにするということです。これが一番の鍵なんです。EU(欧州連合)でも、透明化によって格差をなくす取り組みを進めています。しかし、私が、この解決策を提案したところ、岸田首相は、「情報公開の対象にいたしません」という答弁です。「見える」ようにするどころか、格差を「隠す」。この政権では、格差解消は絶対にできないということを私は言いたいと思います。こういう政治を変えることが必要はないでしょうか。
選択的夫婦別姓も大争点になっています。昨日の日本記者クラブの党首討論会で、選択的夫婦別姓に「賛成の方、手をあげてください」と司会者に問われて、私はもちろん手をあげましたが、9人の党首のうち手をあげなかった方が1人だけいる。岸田(自民党)総裁であります。実は2年前にも同じシーンがありました。2019年の参議院選挙のときの党首討論会ですが、そのときにも1人だけ手をあげなかった方がいた。安倍(晋三)元総裁であります。2回続けて自民党は、この切実な課題に拒否をした。2回続けてというのは、もう自民党は「アウト」ではないですか。みなさん。ジェンダー平等の日本をつくるためには、政治を変えることがどうしても必要です。日本共産党を躍進させていただき、ジェンダー平等・日本の扉を開ける選挙にしていこうではありませんか。
憲法9条を生かした平和外交で世界に貢献する日本を
第四は、憲法9条を生かした平和外交へのチェンジです。私たちが真っ先に取り組みたいのは、核兵器禁止条約への参加であります。いま世界で、核兵器禁止条約への賛同の新たなうねりが起こっています。ノルウェーの政府は、来年3月の核兵器禁止条約の締約国会議にオブザーバー参加をすることを決定しました。NATO加盟国では初めてです。アメリカでは1400の都市が加入している全米市長会議が、米国政府に対して「核兵器禁止条約を歓迎する」ことを求める決議を全会一致で採択しました。アメリカと軍事同盟を結んでいる国でも、そしてアメリカ本国でも、核兵器禁止条約に賛同する深い流れが起こっているではありませんか。そのときに、唯一の戦争被爆国・日本の政府がこれに背を向けているのは、恥ずかしいことではないでしょうか。どうか日本共産党を躍進させていただいて、核兵器禁止条約に署名・批准する新しい政権をつくり、「核兵器のない世界」の実現に、日本こそ貢献していこうではありませんか。
岸田首相は、沖縄県の辺野古新基地建設の推進を公言していることは、絶対に触れないわけにいきません。実は、沖縄の新基地建設は、もうすっかり破綻しているんです。超軟弱地盤が明らかになり、政府の試算でも工事にさらに12年かかる。実際は12年どころか、どれだけかかるかわからない。そして、埋め立てのために、戦没者の遺骨が眠る沖縄本島南部の土砂を使うというのです。死者を冒涜(ぼうとく)する暴挙は絶対に許してはなりません。辺野古新基地は中止し、世界一危険な普天間基地は無条件で撤去させようじゃありませんか。私はこの場で訴えたい。基地のない沖縄を目指す「オール沖縄」への連帯を、日本共産党への1票で、野党共闘への1票で示そうではありませんか。
本気の共闘で新しい政権を――「比例は共産党」広げに広げて
みなさん。政権交代のためには本気の野党共闘が必要です。私たち日本共産党は、そのためには三つが必要だと言ってきました。「共通政策」、「政権協力」、「選挙協力」です。公示日までにこの「3点セット」がしっかりそろって、本気の共闘の態勢がつくられたということを、みなさんにご報告したいと思います。一つ目に、「共通政策」という点では、市民連合と野党4党の党首が一堂に会して、野党共通政策で合意しました。20項目ありますが、そのなかには「安保法制の違憲部分の廃止」、「核兵器禁止条約の批准をめざ(す)」、「辺野古新基地建設の中止」、「従来の医療費削減政策の転換」、「消費税減税」、「原発のない脱炭素社会」、「選択的夫婦別姓」など、自公政治のチェンジの要になる政策がしっかり明記されています。どれ一つをとっても、岸田首相には、逆立ちしてもできないものばかりではないですか。野党共闘の政策的旗印は立派に立っているということを、みなさんにお伝えしたいと思います。二つ目に、「政権協力」という点では、日本共産党と立憲民主党が党首会談を行いまして、新しい政権ができた場合には、日本共産党は「限定的な閣外からの協力」を行うということで合意しました。「限定」と言いましても、協力の中身はたいへんに豊かなものです。つまり協力して、今ご紹介した20項目の野党共通政策を実行する。これが両党の合意なのです。今の政治を根本から変える政権協力でも合意した。このことをみなさんにお伝えしたいと思います。そして三つ目に、「選挙協力」という点でも、小選挙区での野党候補の一本化が大きく進みました。全国289選挙区のうち、213の選挙区で野党候補が一本化されました。7割を超える小選挙区で、与野党1対1の構図がつくられました。ここまできたからにはすべてで勝ちましょう。一本化したところでは、そのすべてで自民、公明とその補完勢力を倒して、勝利を勝ち取るために力を合わせようではありませんか。
「3点セット」がそろったというお話をしましたが、野党がここまで本気の共闘の態勢をつくって総選挙をたたかうのは、戦後の日本の政治史でも初めてのことなのです。自公政治にかわる新しい政治の姿は、野党はしっかり責任を持ってお示ししています。準備万端整いました。そこで私は訴えたい。あなたの1票で政治は変えられます。あなたの1票で政権は代えられます。政権交代をはじめようではありませんか。自公政治はもう終わりにして、新しい政権――野党連合政権を、みんなで力を合わせてつくろうではありませんか。そのためにも政党を選ぶ比例代表選挙では、ブレずに、誠実に、野党共闘の発展のために力を尽くしてきた日本共産党を大きく躍進させていただきますことを、心から訴えたいと思います。
そして四つのチェンジということをお話しいたしました。「命と暮らしを最優先にする」、「気候危機を打開する」、「ジェンダー平等」、「平和外交」――。安心と希望の新しい日本をつくる。多くのみなさんの願いではないでしょうか。この願いをどうか、日本共産党にたくしてください。よろしくお願いします。「比例は共産党」、この声をどうか広げに広げていただき、首都・東京から日本共産党の大躍進を、どうか勝ち取らせていただきますことを、最後に重ねて訴えまして、私の第一声といたします。がんばります。

●共産党・志位委員長が仙台市で街頭演説 10/21
衆議院議員選挙の公示から3日目を迎え、各政党の党首が続々と宮城県を訪れています。21日は、共産党の志位委員長が仙台市内で政権交代への支持を求めました。
共産党・志位委員長「格差と貧困を酷くし、国政私物化疑惑にまみれ、コロナ失政で多くの人の命を損なった自公政治をもうこれ以上続けさせるわけにはいかないじゃありませんか」
仙台市青葉区のアエル前で街頭に立った共産党の志位委員長は、野党共闘による政権交代を強く訴えました。
そして「弱肉強食の新自由主義を終わらせ、命と暮らしを最優先する政治に切り替える」と支持を求めました。
共産党・志位委員長「トリクルダウン起こらなかったじゃないですか。だったら皆さん切り替えましょうよ。ボトムアップ、国民の皆さんの暮らしの底上げで、経済を良くしていく道に切り替えようではありませんか」
 

 

●日本維新の会
●日本維新の会・松井代表「大阪の改革を全国に広げる」 10/19
選挙のたびに公約を掲げているが、実行できているかの検証がいる。大阪でできたことを全国に広げれば、日本が成長するのは間違いない。今になって全政党とも「分配」というが、われわれは可処分所得を上げ、使えるお金が増えるように徹底的にしてきた。私立高校の授業料無償化、給食費無償化で10年前と比べものにならないぐらい可処分所得が上がった。
分配しようと思えば、まずは改革だ。原資をどうするか。成長して、企業がもうけて、人が集まる。そういう形で税収を伸ばす。納得できない税金の使い方は見直し、分配のための原資を生み出す。
大阪だけで改革をしても持続可能な国にならない。永田町、霞が関に大阪の改革を広げられるような力を与えてほしい。令和の時代にふさわしい日本をつくらせてほしい。

●日本維新の会・松井一郎代表 改革と規制緩和を断行  10/19
政策を選択してもらうのが選挙だ。政策を選ぶ時に一番重要なのは約束を守っているかどうかだ。大阪では改革を実行し、役所を動かしてきた。言うだけなら誰でもできるが、維新は学費や給食費の無償化などに取り組んだ。
分配しようと思えば、まず改革が必要だ。成長のために規制を緩和していく。税金の使い方がおかしいところにメスを入れ、見直していくことでしか財源は確保できない。改革は痛みを伴う。
一部の人がいい思いをする構造を令和にふさわしいものにつくり替える。大阪で進めてきたことを全国で進めれば日本は成長する。

●「政治家自ら身を切る改革」 日本維新の会・松井一郎代表 10/19
何をやるかも大事だが、過去に公約したことを実行したかも重要だ。結局、政治は結果だ。大阪で実行したことを全国に広げていけば、日本は成長することは間違いない。改革することで、痛みを伴う方々に納得いただくには、まず一番重要なのは役所を動かす政治家が自らの身分にメスを入れることだ。これを霞が関、永田町でやるためには法律を変える力が要る。一部の既得権がいい思いをしているこの構造を、令和の時代にふさわしい日本に改革したい。

●日本維新の会・松井一郎代表の衆院選公示第一声「分配には改革が必要」 10/19
公約したことを実行できているか
ここで選挙の街頭演説をして10年になる。ここで演説をして、我々がどういう政策を実現するか、何度も訴えてきた。100点ではないけども、維新のことは評価できるということで、10年支援をいただいて、自民党、組織力のある立憲、共産と戦える土俵にあげていただいている。党首討論をやっていて、今回の選挙で何をやるか、それも大事だが、まずは公約したことを実行しているかどうかの検証がいるのではないか。約束を守ってきたかどうかを判断していただきたい。政治で一番重要なのは約束を守ってきたかどうかだ。我々はこの10年間、100点満点ではないが、大阪で約束したことの80%くらいは実行してきた。橋下(徹・元大阪府知事)さんが、シンガポール、香港、パリに負けない都市にしたいと約束して、難波駅前も変えていこうと話をした。ここで街頭演説できるのもこの選挙で最後だ。車が通れない形につくりかえる。政治は結果だ。政治家として公約を掲げ、しっかりと進めていくかどうかが政治家として重要なポイントだ。昨日の党首討論でも、維新は大阪では支持されているけど関東であんまり(支持されていない)と聞かれた。その理由は、大阪では実行している。でもまだ関東では実績がないから支持されない。大阪でできたことを全国に広げていけば、日本が成長するのは間違いない。
可処分所得を上げる
大阪は東京と切磋琢磨(せっさたくま)できる場所になった。10年間で子育てしやすい街になった。自民党を中心に今になって「分配」といっているが、キャッシュ(現金)でばらまくことも税金が原資だ。可処分所得を上げることがすなわち分配だ。いろいろな経費を支払って、他に使えるお金が増える。われわれは徹底的にやってきた。お金がかからないように、なんとか学費を抑えようと、幼稚園、私立高校の無償化をし、子育て世代の可処分所得は増えた。去年の4月から給食費無償化を実行した。言ったことは守ってきた。言うだけならだれでもできる。やれるかどうかだ。税金の使い方を変えていきたい。分配しようと思えばまず最初に改革だ。原資のお金をどうするか。無駄なところにメスを入れる。企業にもうけてもらって法人税を増やし、税収を増やす。納税者からみて納得できない税金の使い方を見直すしか、分配はありません。
21議席を取りたい
大阪の知名度を世界に広めたG20(主要20カ国・地域)サミットは、大阪府と大阪市が協力しなければ呼び込めなかった。日本ではじめてG20をやった。大成功できた。トランプ米大統領が、「大阪はビューティフルシティーだ」と言って帰った。うれしかった。大阪の知名度を上げていく、ポテンシャルを引き上げることを10年かかってやってきた。今の大阪ならできる。大阪が成長するために規制緩和をし、人、企業が集まる街にしてきた。大阪だけでは日本が持続可能な国にはなりません。永田町、霞が関に大阪の改革をひろげられる力を与えてほしい。まずやらなければならないのは政治家の身分の優遇や厚遇を見直さなければならない。痛みを伴うことを納得いただけなければなりません。みずからにメスを入れることをしないと大改革はできません。維新の国会議員は10人。10人では法律を提案できない。我々が大阪府議会で定数削減をやった時に、維新単独で可決成立させた。国会ではまだまだ無理だ。法律を出す力をもらうためにぜひ(法案を提出できる)21議席を取りたい。大阪以外のところでは小選挙区、自民も立憲も強い。まずは大阪で勝たせてもらって、21議席とりたい。令和の時代にふさわしい日本をつくらせてほしい。行動力、本気度で選んでほしい。

●維新・松井代表 第一声で「大阪全勝」を宣言 21議席確保訴える 10/19
衆院選が19日に公示され、日本維新の会代表・松井一郎大阪市長は、同副代表の吉村洋文大阪府知事と並び立ち、大阪市中央区で第一声を上げた。
多くの拍手を浴び、マイクを持った松井代表は、「政治で一番重要なのは約束を守ってきたかどうかだ」と、まずは声高らかにここまでの実績を訴えた。
いま話題になっている都道府県の魅力度ランキングを例に、5位に浮上した大阪府として「群馬の知事が怒ってました。でも、大阪は東京と切磋琢磨(せっさたくま)できるポジションまできた。住みやすい都市ランキングでも、3位かな。魅力が上がってきたんです」と続けた。
その要因として、私立高校の授業料や学校給食の無償化などの実施、子育て世代の可処分所得増を挙げ、「大阪でできたことを全国に広げていけば日本が成長するのは間違いない」とし「永田町、霞ヶ関に大阪の改革を広げられる力を与えてほしい。法律を出す力を得るために21議席が必要です」と訴えた。
維新の会は野党共闘には加わらず、地盤の関西以外で党勢拡大を狙うが「大阪で負けているようでは夢のまた夢。令和の時代にふさわしい日本をつくらせてほしい。まずは大阪の小選挙区で全勝できるように力を貸してください」と、集まった聴衆に訴えていた。

●「分配って財源どうするの?増税?借金?そんな無責任な政治ダメ」 10/20
第49回衆院選の公示から一夜明けた20日、日本維新の会・吉村洋文副代表は兵庫県内の各所で精力的に街頭演説を行った。
維新は兵庫県内12選挙区で、自民に次ぐ過去最多の9人を擁立。本拠地である大阪に近い神戸・阪神間以外での勢力拡大を狙う。
午後1時半すぎ。白鷺城とよばれる世界遺産・姫路城を正面に見据えるJR姫路駅前で、約1200人(陣営発表)にふくれあがった聴衆を前に、吉村氏は「分配、分配って言うけど、じゃあその財源、どうするんですか?増税ですか?借金増やすんですか?そんな無責任な政治やっちゃダメ!」「分配するって(各党)言いました、ありがたいです、でもお金どこから出てくるんですか?自民党のポケットマネーですか?」と選挙対策と揶揄されるバラマキ政策を批判。「次の世代に借金背負わせてどうするの!」と声を張り上げた。
国会議員の給与やボーナス、月額100万円の文書通信交通滞在費についても追及。「まぁ〜皆さん、僕は腹立ってしょうがないんです。国会議員の皆さん、何と冬のボーナス、もう受け取ってるんですよ、もう(議員の)身分なくなってるのに。なんと、188万円!支払い者、(国民の)皆さんです。おかしいでしょ?!」と切り出すと、集まった人からは「え〜っ?!」「え〜っ?!」と次々と声があがり、独演会のような様相に。
「毎月、100万円(※文書通信交通滞在費)お小遣いもらってます。100万円ですよ!領収書のいらない経費って、なんなんです?」と政治家とカネの話題も持ち出し、勢いづいた。維新は文書通信交通滞在費の使途を公表している。
自身は大阪府知事任期4年での退職金約4000万円を受け取らないことなどを説明しながら、「政治家がぬるま湯につかってたらダメ!成長のためには改革が必要。改革する政党が1つぐらいあっていい。特定の業界や団体、既得権団体ばっかりにお金を回す、そんな古い政治やってたらダメ。政治家に近い人にお金を回す政治、これやめていきましょう!」と与党、野党を批判するとともに、身を切る改革を訴えた。
姫路市(一部のぞく)の兵庫11区は、自民前職の松本剛明候補(62)、維新新人の住吉寛紀候補(36)、共産新人の太田清幸候補(66)で争う。

●社会保障 抜本的に改革…日本維新の会代表 松井一郎氏 10/22
――衆院選の目標は。
衆院で単独で法案を提出できる21議席の獲得が最低ラインだ。目標としては全員当選を目指す。自民党だけではなく、立憲民主党や共産党とも戦っている。ただ、衆院選は政権選択の選挙なので、自民党をなんとか過半数割れさせ、少しでも我々の政策を行政に打ち込んでいきたい。
――主に訴える政策は。
社会保障制度を持続可能なものにするため、抜本的に変えなければならない。年金制度は、受給者の中でも現役並みの所得のある方々は支える側に回ってほしい。社会保障改革で負担を感じる人もいるだろう。負担を感じる皆さんに納得してもらうために、まずは国会議員の優遇、厚遇を改めなければならない。
――前回衆院選以降の4年間で憲法改正の議論は進まなかった。
衆参の憲法審査会で議論し、国会で憲法改正を発議しないと国民投票ができない。だが、立民と共産が憲法審査会の開催を妨げてきた。それは、憲法を改正するかどうかを決める国民の権利を奪ったということだ。憲法改正で、高等教育までの教育の無償化と憲法裁判所の設置、道州制を含む統治機構改革を明記したい。

●維新が議席大幅増「吉村人気」追い風 松井氏「今日からスタート」 11/1
「実績を積み上げるために、今日からスタートだ」。日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)は31日夜、大阪市内のホテルで記者会見に臨み、厳しい表情を崩さずに語った。候補を擁立した大阪府内の15選挙区で全勝し、自民党候補を圧倒。新型コロナウイルス対応で知名度を上げた吉村洋文副代表(大阪府知事)の人気も追い風に、議席を大幅に伸ばした。
午後10時ごろから始まった会見で、松井氏と吉村氏は小選挙区で当選を決めた候補者の札をボードに掲げた。その後、松井氏は「選挙は与党の勝利で、岸田内閣が信任された。厳しい戦いだったが、法案を単独で出せる力を頂いた。政策を実現すべく、これから死力を尽くしたい」と今後への思いを淡々と述べた。吉村氏は「大阪で改革の実績を積み上げてきたことが評価された」と勝因を語った。
2017年の前回選では自民や立憲民主党と比べて存在感が埋没し、大阪府内の小選挙区で獲得が3議席と惨敗した。今回は、松井氏や吉村氏が全国を遊説に回り、なじみの薄い関西以外の地域でも票の掘り起こしに努めた。特に吉村氏の人気は高く、ある維新府議は選挙中、「吉村さんが住宅街を回ると住民がマンションのバルコニーに出てきて話を聞いてくれる。無党派層への浸透が進んでいる」と手応えを口にした。
府内に約260人いる地方議員や首長らも街頭演説やチラシ配りなどにフル稼働し、終盤には激戦区に議員らを集中投入した。20年11月、維新が看板としてきた「大阪都構想」が2度目の住民投票で否決され、党には大きなダメージとなったが、大阪を中心とする底堅い支持や知名度を最大限に生かして盛り返した。

●それでも日本人は新自由主義を選んだ 11/1
10月31日に行われた衆議院選挙は、自民党と立憲民主党が議席を減らし、日本維新の会が躍進するという結果に終わった。今回の選挙は、情勢調査も出口調査もバラバラで、とても難しい選挙となっていたが、維新の会が少なくとも3倍程度に躍進することは分かっており、そこだけは最後まで揺るがなかった。
二転三転する情勢
今年の春ごろ、菅首相はワクチン政策とオリンピックを成功させ、その余波で選挙に突入し大勝することを目標にしていた。しかしオリンピック期間中に日本を襲ったコロナ第五派の影響などにより、菅政権の支持率は低下し、自民党大敗がささやかれるようになった。菅首相は辞任することになった。菅首相の辞任によって一カ月間の自民党総裁選が行われ、岸田政権が誕生した。自民党は支持率を回復させ、選挙に勝利すると思われた。しかし、岸田首相は総裁選で訴えていた分配政策をトーンダウンさせ、静岡の参議院補選も敗北するなど失策が続き、総裁選効果は急速に低下していった。一方、野党第一党の立憲民主党は、共産党との合意により多くの選挙区で候補者の一本化に成功する反面、最大の支持母体である労働組合「連合」系の離反を招き、選挙についてはよい流れと悪い流れの両面があった。こうした不安定な情勢を受けて、新聞社やテレビ局の情勢調査は混乱し、各社でまったく異なる結果が現れていた。こうした中で確実だったのは、日本維新の会が在阪メディアの圧倒的支援のもと、近畿地方を拠点に確実に支持を伸ばしていったということだった。選挙区当選こそ近畿以外では出来なかったが、比例票を全国で積み重ね、今回の選挙唯一の勝者となった。
維新勝利の政治的意味
日本維新の会が勝利した要因を分析すれば様々あるだろう。それぞれの選挙区の事情や、メディア戦略の巧みさ。たとえばコロナ対策については、大阪府は人口当たりのコロナ死亡率が全ての都道府県の中で最も高い。全国に先駆けて第三波が大阪で到来したのは、コロナ禍にも拘わらず強行した都構想住民投票のせいともいわれているし、第四波、第五波では、いわゆる「自宅療養」によって、多くの感染者が放置され亡くなった。それにも拘わらず、吉村知事のコロナ対策への評価は6割以上もある。これではコロナ対策への支持率が2割を切り、辞任するに至った菅前首相も浮かばれないだろう。知事が評価されているのは、大阪ではほぼ毎日吉村知事が在版メディアのどれかの番組に出演するというメディア戦略の徹底が理由だともいわれる。確かにマスコミを抑えてしまえば、国政選挙にも有利に働くだろうというのは容易に想像がつく。ただし、こうした事情はいったん括弧にいれて、今回の選挙で日本維新の会が勝利した政治的意味を考えてみたい。もちろん勝利といっても、客観的にみれば一番の「勝者」は、圧倒的多数の議席を獲得した自民党だ。しかし選挙は全ての政党がゼロから議席を積み上げるゲームではなく、前回までの実績からの増減が重要になる。前回の議席から割合でも実数でも議席を最も増やしたのは日本維新の会だ。これがこの選挙の政治的意味となる。それはいったい何だろうか。今回の選挙に参加したそれぞれの政党の主張を比較して考えれば、「新自由主義の勝利」ということになるだろう。
新自由主義政党としての維新
日本維新の会はこの数年間、国会では政府与党の補完勢力として機能してきた。共謀罪法案など、維新議員が与党の強行採決の切り込み役になったこともあった。しかし選挙では政権批判を繰り返し、自民党への対抗政党であることを装っていた。岸田自民党は、選挙中にどんどんトーンダウンしていったものの、「分配」を重視し、新自由主義から脱却する穏健な宏池会路線を標榜していた。一方の対抗勢力である立憲民主党・共産党・社民党・れいわ新選組もまた「分配」を掲げ、どんどん元の自民党に戻っていく岸田首相を批判していた。野党共闘から距離を置く国民民主党もまた積極財政と再分配を主張していた。こうした中で、日本維新の会は唯一はっきりと新自由主義政策を主張していたといえよう。新自由主義者として知られる人材派遣会社パソナの竹中平蔵会長と結びつき、社会保障としては弱者切り捨てに近いベーシックインカムを主張。規制緩和と民営化で「小さな政府」を実現し、「経済成長」のための競争社会をつくろうとしていた。ある議員は、「正社員」は「既得権」だと明確に言っていた。これはまさしく竹中平蔵の持論でもあり、雇用の不安定化を進めるということだろう。このような路線が、多くの有権者に支持されたということなのだ。
響かなかった分配政策
アベノミクスの9年間、日本の経済成長率は平均して1%前後であった。その間、2回の消費税増税やコストプッシュインフレによって人々の生活は苦しくなった。一方で株価の上昇などによって富裕層や都市部のアッパーミドルは恩恵を受け、格差の拡大が進んだ。社会的な矛盾が広がる中、コロナ禍が訪れた。世の中が疲弊する中で、改革改革と人々をさらなる競争へと煽り立て、あらゆる公共分野をコストカットし、不況にも拘わらず財政政策を渋るような政治はもうやめようという意識が生じた。自民党も、そのような理路で安倍路線を継承する高市早苗や改革主義者の河野太郎ではなく、分配を主張する岸田文雄を選んだのではなかったか。立憲民主党や共産党、社民党、れいわ、そして国民民主党も、それぞれ自民党以上の分配政策を打ち出していた。給付金や学費軽減、教育機関への積極投資、減税などだ。しかし、有権者にはそのどれもが響かなかった、響いたのは維新のコストカット・弱肉強食路線だったのだ。もちろん日本維新の会は、依然として「野党」のままだ。しかし、もし維新が自身の政策を実行できたとするなら、率直にいえば、富裕層や有能な人間にとっては利益があるといえるだろう。他方で多くの市民にとっては、それは生活の質を改善するものではなく、弱者やマイノリティにとっては今まで通り、誰の手も差し伸べられない政治となる。弱者やマイノリティに手を差し伸べようと訴えた政党は敗北したのだから。今回、維新に票を投じた人々が(あるいは他の党に票を投じた人々、そして、しなかった人々が)、どのような理由でそうしたのか私は知らない。今後、投票データの分析が行われるのだろうが、現時点では何もわかっていない。しかし、どのような実情が存在しようと、選挙結果全体から導かれる政治的帰結は、「それでも日本人は新自由主義を選んだ」ということなのだ。

●“維新大躍進”もう一つの理由 東京に見る「比例選」の戦略 11/1
選挙も終盤に差しかった10月26日夕方。東京の下町、赤羽の商店街入り口に、女性を中心とした人だかりができていた。お目当ては、日本維新の会・吉村洋文副代表の街頭演説だ。
「大阪府知事の吉村でーす」吉村氏が街宣車に上ると、大きな拍手が起こると同時に、一斉にスマホが向けられた。
日本維新の会 吉村洋文副代表「昭和の時代のやり方では、社会は良くならない。日本に改革政党が一つ必要なんです」
そう声を張り上げる吉村氏に有権者は熱い視線を送る。これまで維新が中々進出できなかった首都・東京での反応は、今回明らかに違っていた。演説を聞いていた女性に話を聞くと「吉村氏はコロナ対策をしっかりやっていて、テレビを見ているうちにファンになった」という。この女性は話を打ち切るように「次がありますので…」と別の街頭演説へと向かっていった。吉村氏のいわゆる“追っかけ現象”が東京でも起きていたのには正直、驚いた。
吉村氏がこの日回ったのは東京12区。北区などを中心とする下町のエリアだ。長年、太田昭宏前公明党代表の牙城だったが、太田氏の引退に伴い、比例北関東ブロックから移ってきた岡本三成氏と共産党の元職・池内沙織氏が出馬し、いわゆる「公・共」の争いが軸となっていた。ここに維新の新人・阿部司氏が出馬し、割って入ることとなったのだ。吉村副代表が阿部氏の応援に入った10月26日午後の日程を確認すると、巣鴨地蔵入口の街頭演説に始まり⇒十条銀座商店街⇒王子のスーパー⇒豊島5丁目団地⇒赤羽の商店街⇒王子駅北口⇒大塚駅北口(豊島区)と6時間に7か所も集中的に入っていることがわかる。関西でも一つの選挙区にこれだけ集中的に入ることは中々ないが、維新の戦略は「公明・共産」に割って入り、有権者に「改革保守」という新たな選択肢を提示することだった。
結果、東京12区では、小選挙区で勝利した公明・岡本光成氏の10万1千票あまりに対し、維新・阿部氏は8万票あまりを獲得し、比例東京ブロックで復活当選を果たした。東京ではほかにも1区から出馬した維新・小野泰輔氏が小選挙区では敗れたものの、比例で復活し、維新は比例東京ブロックでも2議席を獲得した。東京の25選挙区のうち17の区に候補者を擁立し、小選挙区での勝利はなかったものの、多くの比例票を獲得したことになる。全国的にみると、維新は県庁所在地である「1区」にまんべんなく候補者を立て、11ブロックのうち北海道以外の10ブロックで当選をもぎ取り、比例の議席は25に達した。これが維新躍進の原動力になった。
維新の改革保守の路線が、なぜこれほど全国的に浸透したのか。
維新の幹部は「総裁選で河野太郎さんが選ばれていれば、政策も雰囲気も重複し、正直危なかった」と述懐する。いわゆる“キャラ被り”で維新の独自性は失われた可能性があるというのだ。また、維新と蜜月関係にある菅前首相と関係の深い河野さんなら「やりにくい」ということもあったのだろう。だが実際には、岸田氏が総裁に選ばれ「改革」という言葉は語られなくなった。維新は、自民の改革路線が後退するとみるや否や、岸田政権を批判の対象として攻撃を始め、差別化に成功した。
実際、維新幹部は取材にこう話している。「正直、岸田さんの自民とは戦いやすかったよ」。
41議席を獲得し、衆議院でも単独で法案を提出できるようになった維新。歳費の3割カットや定数削減をはじめとする「身を切る改革」で与野党に揺さぶりをかけることは間違いないだろう。

●日本維新の会、衆院で第3党に大躍進 吉村旋風 11/1
日本維新の会が、公示前の11議席から41議席に大躍進した。松井一郎代表(大阪市長)と、吉村洋文副代表(大阪府知事)のコンビは、これまで大阪府・市で改革を断行して実績を上げてきた。今回の衆院選では「身を切る改革」「日本を飛躍させる成長戦略」を掲げ、現実的な外交・安全保障政策を打ち出し、衆院で公明党を抜き第3党の地位を確保した。全国政党として大きく踏み出した。
「厳しい戦いだったが、何とか数は増やすことができた」「負託を頂いた思いを裏切ることなく、実績を積み上げるべく今日からがスタート」
松井氏は10月31日、大阪市内で選挙戦をこう振り返った。
維新は今回、新型コロナウイルス対策で全国に名を広めた吉村氏を「選挙の顔」に据えた。遊説先では人だかりができ、維新幹部は「アイドル並み」と舌を巻く。創設者の橋下徹氏を引き合いに「『吉村旋風』は橋下超え」と評した。
その結果、地盤の大阪で圧勝しただけでなく、比例代表の東京や南関東ブロックでも複数の議席を確保するなど、全国的な支持が広がった。
維新は、安倍晋三元首相や菅義偉前首相とは太いパイプがあり、与党に協力するケースもあったが、岸田文雄政権とは距離を置いた。
岸田首相の看板政策である「新しい資本主義」や、分配を重視する政策に関し、「質問しても、何の話か一切分からない」と無遠慮に指摘するなど厳しい姿勢が目立った。
立憲民主党と共産党との共闘も猛批判した。
松井氏は、夕刊フジの人気連載「維新伝心」(隔週水曜)でも、「国政政党にとって、国民の生命と財産を守り抜く外交姿勢と防衛政策は極めて重要」「共産党は綱領に『日米安保廃棄』『自衛隊解消』を掲げている」「立憲民主党はこれを容認するのか」などと指摘した。
法案を単独で提出できる議席を獲得した維新はキャスチングボートを握って、国会での影響力を強めたい考えだが、自公両党は絶対安定多数を確保した。
松井氏は「今回は与党の勝利だ」と認めたうえで、来年夏の参院選を見据えながら、「さまざまな形で政府提案に対して交渉していきたい」と強調している。

●維新躍進「実績評価より期待」 馬場幹事長、気を引き締め  11/1
衆院大阪17区で当選した日本維新の会の馬場伸幸幹事長は、投開票から一夜明けた1日朝、報道陣の取材に応じ「大阪で実施してきた改革を国でも実行していく」と述べ、決意を新たにした。公示前の11議席から4倍近くの41議席と躍進したことには「実績に対する評価ではなく、期待の数字だと思うので、背かないよう頑張っていく」と気を引き締めていた。
馬場氏は午前7時すぎから堺市西区のJR鳳駅前に立ち、行き交う人々に手を振りながら「ありがとうございました」と支援への謝意を示した。時折近寄って祝意を伝えられると「おおきに」と笑顔で応じ、グータッチを交わしていた。
 

 

●国民民主党
●国民民主・玉木代表「給料上がる経済取り戻す」 10/19
今回の選挙は、傷ついた二つの大切なものを取り戻す選挙だ。一つは、新型コロナウイルスで傷ついた経済や暮らし、社会を立て直すことだ。これに優先して取り組まなければならない。国民民主党は、具体的な経済政策を国民の皆さんに提示している。
もう一度、真面目に働けば給料が上がる経済を取り戻そう。日本は平成8年以降、実質賃金がどんどん下がっている。ひとえに、これまでの経済政策が間違っていたからだ。だからこそ経済政策も含めた古い政治を変えていこう。
積極財政に転換し給料が上がる経済、そして『人づくりこそ国づくり』を堂々と訴えて、今の教育、科学技術予算を倍増させていきたい。二つ目に回復しなければならないのは、政治に対する信頼だ。噓やごまかしの横行する政治をいくら続けても、国民の暮らしは良くならない。

●「政治の信頼回復を」 国民民主党・玉木雄一郎代表 10/19
これまでの古い政治を続けるのか、国民のための政治を取り戻せるのかがかかった選挙だ。回復しなければならないのは、政治に対する信頼だ。うそやごまかしが横行する政治を続けても、国民の暮らしは良くならない。信頼回復は、与野党の共同作業だ。与党にはうそやごまかしをやめてもらう。一方で野党も批判や反対ばかりではなく、新型コロナウイルス禍で苦しんでいる人や企業を助けることができる知恵を絞り合うような建設的な国会を取り戻す。

●国民民主党・玉木雄一郎代表 給料増へ経済政策転換  10/19
これまでの古い政治を続けるのか、国民に寄り添った信頼できる政治を取り戻せるのかが最大の争点だ。傷ついた経済を立て直すことに最優先で取り組まないといけない。
岸田文雄首相と議論したが、常に曖昧で明確な答えがない。われわれが目標に掲げているのはもう一度、真面目に働けば給料が上がる経済を取り戻すことだ。
日本は実質賃金が下がっている。懸命に働いているのに賃金が下がっているのは経済政策が間違っていたからだ。これまでの三十年間のうち、二十七年間政権を担ったのは自民党だ。経済政策を含め、古い政治を変えていこう。人づくりこそ、国造りだ。

●「傷ついた二つの大切なものを取り戻す選挙だ」国民民主・玉木代表 10/19
今回の選挙は、この間に傷ついた二つの大切なものを取り戻す選挙だ。一つは、コロナで傷ついた経済や暮らし、社会を立て直すこと。これに最優先で取り組まなければならない。しかし、岸田首相は常にあいまいで、明確な答えが返ってこない。これでは経済を立て直すことはできない。
もう一度、真面目に働けば給料が上がる経済を取り戻す。みんな懸命に、家族のため、子どものために、一生懸命働いてきた。でも実質賃金が下がり続けているのは、ひとえに経済政策が間違っていたからだ。積極財政に転換し、給料が上がる経済を実現する。
日本は天然資源のない国で、一番大切な資源は紛れもなく「人材」だ。「人づくりこそ国づくり」。教育・科学技術の予算を倍増させる。人を大切にする社会、人を育てる資本主義、新しい国づくりのあり方を堂々と提示していきたい。
二つ目に我々が回復しなければならないのは、政治に対する信頼だ。ウソやごまかしが横行する政治をいくら続けても、国民の暮らしは良くならない。与党にはウソやごまかしをやめてもらう。一方で、野党も批判や反対ばかりではなく、具体的に国民生活を良くできる知恵を絞り合う。建設的な国会を取り戻そう。
長らくみなさんに「飲むな、食べるな、動くな」とお願いしてきた。そろそろ、しっかりと感染を抑え込みながら、停滞したこの日本経済、日本社会を前に前にと動かしていこう。動け、日本。

●国民民主・玉木代表「うそ偽りない正直な政治を」 10/19
これまでの古い政治を続けるのか、それとも新しい国民に寄り添った信頼できる政治を取り戻せるのか、それが最大の争点だ。うそ偽りのない正直な政治を取り戻そう。新型コロナウイルス感染拡大で傷ついた経済を立て直すことに最優先で取り組まないといけない。われわれが大きな目標に掲げているのはもう一度、真面目に働けば給料が上がる経済を取り戻すことだ。
日本は実質賃金が下がっている。賃金が下がっているのは経済政策が間違っていたからだ。経済政策を含め、古い政治を変えていこう。うそやごまかしの横行する政治をいくら続けても国民の暮らしはよくならない。政治に対する信頼を取り戻さないといけない。政治が国民から遠くなってしまった。もう一度国民とともにつくりあげる。

●国民民主党の公約 10/19
新型コロナ対策
検査を拡充し、無料自宅検査によるセルフケアで家庭内感染を抑制する。持ち歩くことができる「デジタル健康証明書」も活用する。感染拡大を防ぐため、抗体カクテル療法の自宅投与ができるようにする。自衛隊の協力を得て臨時医療施設を開設するほか、国立病院などの患者受け入れを拡大し、民間病院への受け入れ指示を法制化する。国産のワクチン・治療薬の開発も加速し、ワクチンは地域や年代に着目して戦略的に重点配分する。感染症対策の司令塔機能を強化するため、日本版CDCも設置。移動制限のあり方や法制化も検討する。経済・社会活動との両立にむけて一律10万円(低所得者は20万円、高所得者は課税)を再給付。消費税減税や納税免除をし、影響を受けた事業者は家賃など固定費の最大9割を支援する給付金を支給する。子どもについても一斉休校の混乱を繰り返さないために、12歳未満のワクチン接種の検討を始め、オンライン授業を支援する。
経済
コロナ禍の影響が収束し経済が回復するまで、10%→5%に消費税減税をする。実質賃金を上昇に転じさせることを経済政策の目標にし、名目賃金上昇率が物価上昇率+2%に達するまで積極財政と金融緩和を継続し、賃金デフレから脱却する。デジタル化やカーボンニュートラルを長期的、計画的に促す基金を創設。中小企業は正社員を雇ったら社会保険料の事業主負担を半減するほか、企業が賃金を上げた場合は法人税減税や資金補塡(ほてん)制度で支援する。
社会保障
給付と所得税減税を組み合わせた「給付付き税額控除」を導入し、基礎的な所得を保障する。マイナンバーと銀行口座をひもづけて手当や給付金が申請なしでも自動的に振り込まれるプッシュ型支援も実現し、日本型ベーシックインカムを創設する。また、最低賃金を引き上げ、全国どこでも時給1千円以上を早期に実現する。職業訓練と生活支援給付を組み合わせた求職者支援制度も拡充し、求職者ベーシックインカム制度を構築する。
教育・子育て
すべての子どもが平等なスタートラインに立つため、0〜2歳の幼児教育・保育の無償化の所得制限をなくす。義務教育を3歳からとし、高校までの無償化を実現する。塾代など民間教育費を対象にする教育費控除も創設。児童手当は親の年収にかかわらず、18歳まで一律月1万5千円に拡充する。国の教育や人づくりに対する支出のため、財政法を改正して教育国債を発行する。毎年5兆円を発行し、文教・科学技術振興費の対GDP比を倍増させる。
外交・安保
「自分の国は自分で守る」という理念に基づき、自立的な安全保障体制をめざす。日米同盟を基軸としつつ、日米地位協定の見直し、沖縄基地問題の解決もめざす。海上保安庁の体制を強化し、自衛隊などとの連携を深める。また、人工知能(AI)や次世代通信規格の5G・6G、ドローン、半導体、量子技術など軍事転用可能な技術の流出を防止し、外国資本による技術保有企業の買収を的確に把握し、規制するために必要な法整備を進める。
環境・エネルギー
原子力に代わるエネルギー源が確立されるまでは、原子力は電力供給基盤における重要な選択肢と位置づけ、140年運転制限の厳格適用2避難計画の作成と地元同意を得た発電所は稼働3新増設は行わない4カーボンニュートラルの実現に向け、あらゆる手段を確保・活用する――という考え方で当面の間は利用する。再生可能エネルギー技術の開発を加速し、2030年代に電源構成比で再エネ比率が40%以上となるよう着実な取り組みを進める。
憲法
憲法が定める基本原理「人権尊重・国民主権・平和主義」を守り続けるため、憲法の規範力を高める議論を進める。統治分野では、時の権力による恣意(しい)的な解釈・運用を許しやすいという問題がある。首相の解散権の制限、臨時国会の召集期限の明文化、憲法裁判所の設置など、大切なルールは明文化し、憲法違反について裁判所による積極的な判断を可能にする仕組みを検討していく。皇室制度の根幹をなす皇位継承問題は責任を持って検討を進める。
その他
選挙の被選挙権年齢を引き下げ、衆院議員18歳、参院議員25歳とし、オンラインでの投票も可能とする。女性候補者比率35%目標を実現するとともに、立候補から議会活動を先輩議員が伴走するメンター制度を導入する。また、持続可能な年金制度を設計するため、経済財政の将来推計を客観的に行う経済財政等将来推計委員会を国会に設置する。公文書の改ざんや破棄、隠蔽(いんぺい)を行った公務員、不正を指示した政治家や関係者に対する罰則を導入する。

●国民民主党・玉木代表 神奈川県内入り 10/21
衆院選の31日投開票に向け、国民民主党・玉木雄一郎代表が川崎市内で演説しました。
国民民主党・玉木雄一郎代表「いまコロナに苦しむ人、そして日本経済も国際的に比較をすれば、大きく落ち込んでいます。この国難ともいえる状況を乗り越えていくためには、与党野党関係ありません。何党でもいい。この難しい状況を解決する、そんな知恵や政策を出してほしい。多くの国民が思っていることは、そんなシンプルな願いではないでしょうか」
今回の選挙で国民民主党は、立憲民主党と候補者の調整などで選挙協力する覚書を結んでいて、神奈川県内では10区に新人1人を擁立しています。
21日夜に武蔵小杉駅前で演説した玉木雄一郎代表は、停滞するこの国を動かすため、「対決より解決を選ぶ」「単なる批判だけでなく、政策を提案するのが国民民主党」とし、政党色を強調。その上で、「コロナで傷ついた経済を立て直すために、速やかに大規模な経済対策をする」必要性を訴えました。
また、「25年も実質賃金が上がっていないのは日本だけだ」と経済の長期低迷を指摘し、「もう1回、まじめに働けば給料が上がる経済を取り戻そう」と主張しました。

●経済対策 50兆円規模で…国民民主党代表 玉木雄一郎氏 10/22
――衆院選で何を重点的に主張するか。
50兆円規模の緊急経済対策の実施を訴える。現金給付と所得税の減税を組み合わせた「給付付き税額控除」を導入し、最低賃金を一律1000円にすることで賃上げを実現する。新型コロナウイルスの影響に加え、長年の賃金デフレ状態が消費を冷え込ませている。
――岸田内閣の評価は。
岸田首相は自民党総裁選で「所得倍増」を主張したが、所信表明演説からは消えた。積極財政に移るのかと思ったが、はっきり言ってがっかりした。
――共産党を含む「野党共闘」とは距離を置いた。
悩んだ部分もある。だが、共産とは外交や安全保障、天皇制など国の根幹政策で考え方が異なる。我々は現実的で偏らない政治を掲げて結党した。共産のように日米安全保障条約の廃棄を主張したり、自衛隊が違憲だとの立場をとったりする者は我が党にはいない。
――立憲民主党は共産党と「限定された閣外協力」で合意した。衆院選後、立民との合流の可能性は。
共産との「閣外協力」はあり得ない。共産との関係や政策の中身などを考えれば、今の立民と合流することはない。
 

 

●れいわ新選組
●れいわ・山本代表「25年の不況とコロナ鑑みた政策を」 10/19
新型コロナウイルスによって世界中が困っている。でも日本だけは違う。コロナだけで困っているわけではない。コロナが来たから困っているわけではない。コロナが来る前から、この国は既に地盤沈下した経済の中で多くの人々が苦しんでいる。つまり、新型コロナウイルスと25年の不況、25年のデフレから脱却できない中で、多くの人々が生活の中で、大変な思いをされていた。25年の不況の中に新型コロナがやってきたということを鑑みた政策が打たれなければ、社会は壊れてしまう。

●「消費税廃止で地獄変える」=れいわ新選組・山本太郎代表 10/19
コロナが来る前から地盤沈下した経済の中で、多くの人々が苦しんでいる。
徹底的に国がお金を出して支えなければ社会は崩壊する。消費税は社会保障の一部にしか使われていない。消費税が上がるたびに、大企業への法人税や金持ちへの所得税が下がり続けた。消費税を廃止すれば、あなたの手元に20万円を置いておける。消費が誰かの所得に変わっていく。この国の真のオーナーはあなた。この死にたくなる社会、地獄を変えていけるチャンスが選挙だ。

●「消費税は廃止」と熱弁 れいわ・山本代表 10/19
東京のJR新宿駅南口でマイクを握ったれいわ新選組の山本太郎代表は「コロナの徹底対策は当たり前。それと両輪で25年間のデフレを吹き飛ばす。徹底した積極財政を推し進めたい。消費税は廃止」と熱弁を振るった。
東京都渋谷区の無職女性(66)は「アベノミクスに不満がある。経済格差について議論してほしい。憲法改正にも反対」と力を込めた。千葉県のパート男性(74)は「マネーゲームでなく本当に景気を良くしてほしい。お金持ちだけでなく、働く人の賃金が上がるのを期待する」と話した。

●「消費税廃止すれば、中小企業が力をとりもどす」れいわ・山本代表 10/19
コロナウイルスによって世界中が困っている。でも日本だけは違う。コロナが来る前からこの国は、地盤沈下した経済の中で多くの人々が苦しんでいる。徹底的に国がお金を出して支えていかなければ、社会は崩壊してしまう。
企業は、あなたの賃金を下げ続け、その利益を株主に献上し続けた。株主至上主義が跋扈(ばっこ)し続けた結果、この国に生きる一人ひとりの力が衰えた。あなたが使えるお金が減れば、社会にまわるお金が減る。
(経済の)循環を人為的に弱らせてきたのが自民党政権だ。労働環境をこわし続けてきた。非正規労働者は今やもう4割を超えた。もう一つは、法人税を減税するために消費税が増税され続けた。
れいわ新選組がやりたいことは何か。消費税の廃止だ。社会保障にもほとんど使われず、自分たち(自民党政権)の利害関係者を得させるための税制はやめるしかない。一番苦しんでいるのは中小企業。消費税をやめれば日本の中小企業が力をとりもどす。あなた自身の使えるお金も増える。
(自民党政権が)消費税を上げなければいけない理由は組織票と企業献金へのご恩返しだ。
この国のオーナーは資本家や大企業など一握りの人間たちだけではない。真のオーナーはあなた。それにもかかわらず、選挙のときには50%(の人)が票を捨ててしまう。社会を変えていけるチャンスが選挙だ。どうか力を合わせたい。

●れいわ新選組・山本太郎代表の衆院選公示第一声 10/19
コロナが来たから困っているわけではない
れいわ新選組といわれてもご存じないかたもいるかもしれない。現在国会に3議席、非常に小さなグループが私たち、れいわ新選組だ。そこで代表を務めている私、山本太郎がマイクを握らせていただく、どうぞよろしくお願いします。コロナウイルス、これによって世界中が困っています。もちろん日本もそうです。世界中が困っているコロナウイルス、でも日本だけは違います、何か、コロナだけで困ってるわけではないんだ、コロナが来たから困っているわけではないんだ。コロナが来る前からこの国は既に地盤沈下した経済の中で、多くの人々が苦しんでいる。つまりは、コロナと25年の不況、25年のデフレから脱却できないという中で、多くの人々が、生活のなかで大変な思いをされていた。25年の不況のなかにコロナがやってきたということを鑑みた政策が打たれなければ社会は壊れてしまう。
25年間で国はすっかり衰退してしまった
コロナ前、どんな状況だったでしょうか、思い出していただきたい。令和元年の厚生労働省の調査、国民生活基礎調査を見てみると、生活が苦しいと言われている方、全世帯の54.4%。母子世帯、86.6%。このような状況の中にコロナが来たことを鑑みれば、徹底的に国がお金を出して支えていかなければ、社会は崩壊してしまいます。皆さんにお聞きしたい、この25年の中で、あなたの賃金自体、上がり続けていますか。厚生労働省の調べをみてみます。所得の中央値です。低い所得から高い所得まですべて並べてみる、その真ん中をみる、この25年の間に、所得の中央値は108万円低下しています。つまり、25年の間に多くの方々が貧しくなり続けている。でも待ってください。一握りの者たちだけは豊かになり続けてますよ。2019年に消費税が増税される1年前には大企業は経常利益を3倍に膨らましています。それだけじゃない。株主への配当は6倍に膨らんでいます。財務省の法人企業統計をみてみると、97年から2018年の間、企業の売り上げはほとんど上がっていません。どうして経常利益が3倍になり、株主配当が6倍になるんですか。話はシンプル、あなたの賃金を下げ続けたその利益を株主に献上し続ける。未来への投資、設備投資を削り続けて、株主に献上し続ける、そのような株主至上主義がこの数十年の間、この国で跋扈(ばっこ)し続けた結果、この国に生きる1人ひとりの力が衰えていく、使えるお金が減る。25年で国はすっかり衰退をしてしまったわけです。
労働環境を壊し続けてきた
あなたが使えるお金が減れば社会にまわるお金が減る。あなたが物を買ってくださる行為、消費。消費が減れば所得が減る。あなたがお金を使ってくだされば、回り回って誰かの給料になるという当たり前の循環を、政治の場で人為的に弱らせてきたのが自民党政権です。例えばどのような形で? 大きく分けて二つあります。大企業にとってのコストを削り続けてきた二つの原因。一つ、労働者、労働環境を壊し続けてきた、半年後、1年後の自分も想像できない働き方、将来に夢も持てないような働き方。会社の都合ですぐにでも首が切られる。非正規労働者、いまやもう4割を超えた。その中で特に苦しんでいるのは女性かもしれない。非正規のなかで女性が占める割合、55・5%。これだけでは飽き足らず、経済界はより安い労働力を求めるために2017年、入管法改正。つまりは、海外からより安い労働者を大量にこの国に呼び込むようなことまで決めてしまった。この日本という国の中で、世界の低賃金競争を牽引するようなことを始めようとしているのが現在の政治の姿。この国に生きる人々の労働環境を荒らして、いったいだれが得するんですか、誰のための政治をしてるんですか。答えは簡単。あなたのことは目の中に入っていない。目に入っているのは、組織票くれる人たち、企業献金をくれる人たち、そういう人たちのプラスになることしか考えられない政治。そんなものが続けば国が壊れます。国が壊れれば、そこに生きる人々の生活が破壊される。もうすでに破壊されている。
徹底した積極的財政を進める
そしてもう一つ、企業にとってのコストは、納める税金です。法人税、法人税を減税するためにある税金が増税され続けました。なんでしょう。消費税です。消費税は社会保障のために必要なんですよね? 申し訳ない、大きな間違いです。消費税は社会保障の一部にしか使われていない。消費税が上がるたびに、大企業への法人税下げられ、消費税が上がるたびに金持ちへの所得税が下がり続けた。消費税は、組織票と企業献金で貢献してくれた方々への穴埋めとして使われています。こんな馬鹿な話ありますか。私たちれいわ新選組、やりたいことは何か。コロナの徹底対策は当たり前、それと両輪で25年のデフレを吹き飛ばす、この地盤沈下をしっかりと土台から作り直すという経済政策、徹底した国の積極的財政、これを推し進めたいと考えています。その中の一つ、消費税は廃止です。社会保障にもほとんど使われていおらず、自分たちの利害関係者を得させるための税制、こんなものをやめるしかない。
中小企業を元気にする
一番苦しんでの誰? 中小企業です。消費税、今度上がるんで、すいません、価格に転嫁をさせていただきたいんですけれども。下請けが大企業相手にそんなこと言えますか。価格に転嫁するんだったら、もうお前たちとの取引を止めさせていただく、他を探す。そんなことを言われれば自分たちで背負うしかないんですよ。この国における日本の国内においての、税が払えないという状態、税の滞納、そのうちの6割を占めるのが消費税。税制として、もう既に回ってないんですよ。消費税を止めれば、日本の中小企業が力を取り戻す。日本国内の企業のうち、中小企業が占める割合99.7%、そこに雇用される労働者7割、地方都市に行けば8割、9割、まさにこの国の屋台骨。ここを支える、ここを元気にする、当たり前の経済政策がこれまでとられてこなかった。
いまこそ消費税廃止
今こそやるべきは消費税廃止、消費税廃止をすれば、あなた自身の使えるお金も増えます。例えば、1カ月20万円ほど消費する世帯。1年間で消費税どれぐらい取られていますか。20万円ぐらいとられてるんですよ。1カ月分ぐらいとられてるんですよ。消費税を止めれば、あなたの手元に1カ月分に近い収入を手元に置いておける、それだけじゃない。20万円手元に置いておけるということは、あなたはどうしますか。今まで買いたかったもの、食べたかったもの、欲しかったもの、20万円全部ではなくても、一部使いますよね。あなたの消費が誰かの所得に変わっていくっていう循環がまた生まれる。参議院調査情報担当室、参議院で試算をしてもらいました。消費税をやめたら、1人当たり賃金どれぐらい上がりますかと。1人当たり賃金、消費税を止めた5年後には年間で約29万円、1人当たり賃金が上がるという計算になる。私の計算ではない、参議院です。あなたが使えるお金、いろんなかたちで増やしていく。コロナの時は給付金。いろんなかたちが必要です。まずはこの不公平税制、その際たるもの、この消費税、日本の消費にブレーキをかけ、不景気のときにも増税し、そして社会にお金をまわらなくした税金、世界にこんな国ありませんよ。景気が悪いときには消費税下げるんですよ、やめるんですよ。当たり前。
この国のオーナーは
このコロナ禍でも世界50カ国以上が消費税減税しています。景気が悪くても消費税を上げなければいけない理由は、組織票と企業献金。そこで、ご恩返しをしなければならないという現実にあるもの。この国のオーナーは誰ですか、資本家ですか、大企業ですか。一握りの人間たちだけではないですよね。この国の真のオーナーはあなた、この国に生きるあなたがこの国のオーナー。にもかかわらずそのオーナーたち、選挙のときには50%、票を捨ててしまう。最大勢力ですよ。50%の投票を諦めた人たちとも力を合わせて、この死にたくなる社会、10代から30代まで死因の1位が自殺という、このような現在の社会を変えていける、そのチャンスが選挙です。
力を合わせたい
どうか力を合わせたい。消費税減税、消費税廃止のみならず、最低賃金、政府が補償する形で1500円、公的住宅。敷金礼金、保証金、そういったものは一切なく、あなたの住まいを確保できる公的住宅、家賃の補助。今一番やるべきことは、コロナが来たから大変なのではなく、25年の不況のなかにコロナがきたということを鑑みた経済政策、大胆な政策が必要だ。数々の政策がございます。ぜひ、私たちの政策ホームページでご確認いただければ幸いです。れいわニューディール、かなり幅広い、数々のあなたのご興味のある政策もその中で見つけていただけることと思います。
 

 

●社民党
●社民・福島党首「核兵器廃絶、日本が先頭で」 10/19
自民党政治は大企業の一部や富裕者を優遇し続け、貧困と格差を拡大した。もうかっている大企業や富裕層には応分の負担をしてもらう。税金の使い道も変える。医療、介護、年金、福祉、教育に振り向け再建する。高校授業料の完全無料化、大学授業料を段階的に引き下げる。非正規雇用にストップをかけ、正社員化の道をやる。日本は核兵器禁止条約を批准すべきだ。核保有国に対して核兵器は違法であるということを国際社会に言う。その先頭に、唯一の核被爆国である日本が立たない理由はない。

●「生存のため政権交代を」 社民党・福島瑞穂党首 10/19
社民党は生存のための政権交代を訴えていく。社民党は命と暮らしと人権を守る。何でコロナ禍の真っ最中で(病床)削減なのか。非正規雇用は4割、労働分配率は下がり、実質賃金は下がり続け、貯蓄ゼロの世帯が増えている。政治は「自助」と言い、助けない。今や公助の出番ではないか。税金の取り方と使い道を変える。もうかっている大企業や富裕層には応分の負担をしてもらおうではないか。医療、介護、年金、福祉、教育に税金を振り向け、再建をしていく。

●社民・福島みずほ党首の第一声は… 10/19
衆議院選挙が19日に公示され、12日間の選挙戦がスタートしました。社民党の福島みずほ党首の第一声です。
「政治は今や『公助』の出番ではないでしょうか。どうですか。助けてくれ、生きさせろ、生きててくれ、生きるための支援を、生きるための支援を、今こそ、政治はやるべきではないでしょうか。社民党は税金の取り方と使い道を変えます。税金、この30年間に法人税が7回下がってきました。法人税、ガンガンガンガン下げてきた。消費税はゼロから10(%)に。まさに、法人税が下がった分を消費税がまかなっているという構造です。医療、介護、年金、福祉、教育に税金を振り向け、再建をしていきます。選択的夫婦別姓の法制度やLGBTの問題、差別をなくす、そのことに取り組んできました。法律できちっと差別をなくしていく。生きたい、生き易い社会を作る。」

●「自民の大企業・富裕層優遇で貧困と格差が拡大した」社民・福島党首 10/19
自民党政治は大企業の一部や富裕層を優遇し続け、貧困と格差を拡大した。大企業の内部留保は増えている。でもみなさんの暮らしはどうか。非正規雇用は4割、実質賃金は下がり続け、貯蓄ゼロの世帯が増えている。
岸田(文雄)首相は「分配」というが、まったく見えない。賃金を上げた企業に減税するのは安倍内閣からやっている。新自由主義に弊害があるならば転換し、社会民主主義的政策を実現すべきではないか。
教育も大事だ。小中の公立学校の給食を無償化するのに必要なお金は4226億円。やれるじゃないか。高校の授業料の完全無料化や大学の授業料の引き下げもやる。奨学金は返還不要の給付型にし、貸与型奨学金の一部免除も応援する。
平和の声を広島から発信したいと思って、広島に来た。核兵器禁止、核廃絶を願う。昨日、日本記者クラブの党首討論会で岸田首相に、核兵器禁止条約に批准すべきではないかと聞いた。しかし、答弁は「核保有国が入っていないから」。言い訳でしかない。核保有国に対し、「核兵器は違法である」と言っていく先頭に、唯一の被爆国である日本が立たない理由はない。社民党は一貫して脱原発だ。再稼働もさせない。
多様性のある社会にし、差別をなくしたい。ジェンダー平等、選択的夫婦別姓、LGBT平等法を成立をさせる。自民党政治では絶対にやれない。野党共闘、社民党に力を貸してほしい。

●社民党・福島瑞穂党首の衆院選公示第一声「命と暮らし、人権を守る」 10/19
皆さん、今度の衆議院選挙、社民党、生存のための政権交代を訴えていきます。社民党が命と暮らし、人権を守ります。皆さん暮らしはどうですか。生活はどうでしょうか。
あまりにとんちんかんなコロナ対策
自民党のコロナ対策で、あまりにゴテゴテ、あまりにけちけち、あまりに支離滅裂。あまりにとんちんかんではないでしょうか。人の命を守ることが政治なんだ、そういう意識なくして政治をやっているからではないでしょうか。この間の通常国会で、病床削減を195億円、消費税をかけて促進する、そんな法律を政府与党が成立させました。反対じゃないですか。真逆じゃないですか、重症者以外は原則として入院できないとして、医療崩壊まで起きてしまいました。病院に行けない、病院にかかれない、ベッドがない。自宅でのたれうちまわりながら亡くなる人たちがたくさん出る中でなんで。皆さんどうですか、病床削減をわざわざ消費税195億もかけて奨励していく。こんな法律、正反対ではないでしょうか、どうでしょうか。病床を増加する法律ならわかりますよ。なんでコロナ禍の真っ最中で削減なんでしょうか。
貧困と格差が拡大
皆さん、自民党政治は大企業の一部や富裕者を優遇し続け、貧困と格差を拡大をしました。大企業は内部留保484兆円も貯め込み、この9年間、うなぎ上りでこの内部留保が増えています。でも皆さんは皆さんの暮らしはどうですか。どうですか。働き方、非正規雇用は4割、労働分配率が下がり、そして実施中に今下がり続けて貯蓄ゼロの世帯が増えています。
公助の出番
私福島みずほ、いろんな相談会、年越し大人食堂、女性による女性のための相談会、いろんな現場に行って相談を受けました。仕事がない、お金がない、住まいがない。地面の底が抜けるような、そんな暮らし方をしている人たちにたくさんあってきました。福島さん、もう貯金取り崩して生きている、そんな声も聞きました。シフト制で働いて、仕事はクビになってないけれども、仕事ゼロ、賃金ゼロ、そんな人たちにもたくさん会ってきました。政治は、自助といい、助けないじゃないですか。皆さんどうですか、政治は今や公助の出番ではないでしょうか。どうですか。助けてくれ、生きさせろ、生きてくれ、生きるための支援を、生きるための支援を、今こそ政治がやるべきではないでしょうか。だから、だから政治を変えたい、そう思っています。
なぜ法人税を上げない
岸田(文雄)首相は所信表明演説で、新自由主義が富めるものと富まざる者との間に分断を生んだ弊害があるという指摘があると言いました。でも皆さん分配というけれど、まったく分配が見えません。唯一、賃金を上げた企業に減税するというだけです。でもこれは安倍内閣から持っているものです。どうですか。昨日、日本記者クラブで党首の討論会がありました。私福島みずほ、岸田首相に質問をしました。なぜ富裕層に増税しないんですか。なぜ、法人税を上げないんですか。なぜ税制を変えないんですか、そういう質問もしました。分配が全くありません。新自由主義に弊害があるというのであれば、それを転換し、社会民主主義的政策の実現こそやるべきではないでしょうか。みなさんどうですか。
法人税が下がった分を消費税が賄っている
この30年間に、法人税は7回下がっていきました。法人税をガンガン下げてきた。消費税は0から10%に。まさに法人税が下がった分を、消費税が賄っているという構造です。所得税の累進課税もどんどんフラット化にしていきました。だから格差が拡大しています。皆さんどうですか。もうかっている大企業や富裕層には応分の負担をしてもらおうではありませんか。どうですか。これをしなければ、新自由主義からの転換にはなりません。分配にはなりません。金融資産課税(強化)を、あっという間に取り下げてしまった。岸田首相、なさけないと思いますが、皆さんどうですか。
税金の使い道も変える
税金の使い道も変えていきます。税金、医療、介護、年金、福祉、教育に税金を振り向け、再建をしていきます。医療待ったなし。保健所を増やし、そして公立病院、公的病院、再編統廃合、リストラ、これにストップをかけていきます。そして病床の削減の法案などは廃止をしていく、そして臨時の緊急病院をしっかり建てていきます。これこそ大事です。介護の立て直しが必要です。そして皆さん、教育、これも本当に大事です。皆さん、小学校中学校の公立学校の給食を無償化するのに、さらに必要なお金は4226億円です。やれるじゃないですか。やろうじゃないですか。そして皆さん、高校の授業料の完全無料化、そしてとても高くなってしまった大学の授業料を段階的に引き下げていきます。奨学金、今大学生の半分をもらい、300万の平均借金をして借金まみれで大学に通っています。奨学金、原則として返還不要の給付型にし、そしてまさに貸与型奨学金の一部免除を含め、しっかり応援をしていきます。社民党が作りたい社会は、生命と人権が守られる社会です。全ての人の命と、すべての人の人権が守られる、そんな社会を作りたいと思っています。すべての子供が自分のなりたいものに挑戦することができ、全ての人の尊厳が守られる社会、それを作りたいと思っています。そのためには税金の取り方と使い道を変える。一部の富裕層のための政治ではなく、みんなのための経済政治をつくる。税金の使い道を変える。取り方を変える、それこそ必要ではないでしょうか。
非正規雇用にストップ
そして皆さん、雇用です。新自由主義のもとで、非正規雇用4割になっています。自分は非正規雇用、賃金が安いのは自分が悪い、とみんな思い込まされている。しかし違います。政治の結果です。労働法制の規制緩和をし、自民党の政策の結果、この雇用の破壊が起こっています。このコロナ禍の中、どれだけ、どれだけ、どれだけ、たくさんの人が首切りに遭い、どれだけたくさんの人が明日仕事がない、貯蓄がない、どれだけ不安に思って生きているでしょうか、雇用を壊してきた責任を取れと言いたいですが、皆さんどうですか。だから、これを変えたいんです、変えたいんです。非正規雇用にトップをかけ、正社員化への道を作ります。同一価値労働・同一賃金、そして中小企業の支援とセットで、最低賃金の全国一律1500円も目指します。どうですか。普通に働いて、食べていくことのできる賃金、これ大事ですよね。これこそ、作りたいものです。シングルマザーのお母さん、立派に働いてる、ダブルワークをしている、トリプルワークをしている。でも、平均年間就労所得200万円なんです。当たり前に働いて、一生懸命働いて、でも食べていく。子供を養う、そんな賃金面を得ることができない、女性の低賃金、若者の低賃金、みんなの低賃金、それこそ社民党は変えていきます。食べていくことのできる賃金、それこそ一緒に作っていきたい。ほっとできる明日へ、そして希望の持てる未来へ。仕事があって、食べていくことができて生きていくことができる、それこそ全力で作ってまいります。
平和の声を
そして皆さん、ここは広島です。なぜ第一声が広島なのか、平和の声を、平和の政党としての社民党、広島から本当に発信したいと思っていました。そして皆さん、ここ広島では核兵器禁止、核廃絶を願いたい、核兵器禁止をしたい、そんな皆さんたちが、とりわけ広島、長崎でずっと一貫して、活動をされ続けています。そのことに強く連帯し、一緒に頑張りたいんです。日本は核兵器禁止条約を批准すべきだと思いますが、皆さんどうですか。唯一の被爆国で、被爆者の皆さんたちが心から思っていることです。皆さん昨日の日本記者クラブの党首討論会で、私福島みずほは、岸田首相に聞きました。核兵器禁止条約、日本は批准すべきではないかという質問です。しかし、総理の答弁は言い訳でしかありません。核保有国が入ってないから、という答弁です。私はまさに首相の答えは、核抑止論に立ち、核兵器廃絶に背を向けるものだと思いますが、皆さんどうですか。残念ですよ。地雷防止条約も、クラスター爆弾禁止条約も、批准を多くの国がすることで、クラスター爆弾・地雷どんどんなくなっていきます。同じことを、核兵器禁止条約でもできるじゃないですか。たくさんの国が入り、核保有国に対して核兵器は違法であるということを国際社会が言っていく。でみなさん、その先頭に唯一の核被爆国の日本がたたない理由はないと思いますが、どうですか。もう高齢者になって、高齢者になって、でも自分は生きているときに、核兵器廃絶をそれを実現したい。どれだけたくさんの人が、どれだけ沢山の人が、この広島で、長崎で、全国で思っているでしょうか。
脱原発を
みなさん、そしてまたこの広島、核と人類が共存できない。そんな運動、戦後長きにわたり沢山の人がやってきました。心から尊敬をしておりますし、社民党も核と人類は共存できない。脱原発、一貫して脱原発の政党です。みなさん、核兵器と原発、もうやめるために政治が決断してやっていこうじゃありませんか。原発ゼロ基本法案を成立させます。原発再稼働させません。核と人類は共存できない。核兵器禁止と脱原発、この衆議院選挙で実現へ大きな一歩を踏み込んでいく。そんな選挙に、この広島から、日本でやっていこうではありませんか。気候危機の問題があります。脱酸素、脱原発社会を社民党はつくっていきます。脱炭素、でも脱原発も必要です。気候危機を乗り越えていくために、政治をかえていく。未来を変えるために、未来を変えるために、気候危機を乗り越え、核兵器のない、脱原発のそういう未来をつくるために今、衆議院選挙でがんばりあおうじゃありませんか。
憲法改悪を許さない
広島のみなさん、憲法9条をいかし、憲法9条を改悪を許さない。戦争しない。憲法9条改悪を許さない、それをやりたいんです。自民党は首相自身も、憲法9条改悪に言及し、前のめりです。これを国会のなかで、ふんばってふんばってふんばって、とめていく。平和の声を、核と人類が共存できないという声を、憲法改悪という声を、憲法を活かしていけ、という声を、国会のなかで、どんなことがあっても、主張してがんばる。
多様性のある社会
国会の中に社民党は必要です。そして多様性のある社会、差別をなくしたい、社民党はそう思っています。みなさん、市民連合と4野党で9月8日、政策協定書を結びました。6つの大きな項目、そして20の項目があります。安保関連法などの違憲部分を廃止する。消費税減税、医療などを応援していく。森友、加計、桜をみる会などについてしっかり追及し、究明をしていく。そしてジェンダー、平等、多様性、選択的夫婦別姓、LGBT平等法を成立させる。これ全部はいっています。これは有権者のみなさんの4野党の未来への希望のパッケージです。この市民連合と4野党が結んだ協定書、このリストどうですか。自民党がやらない、そんなリストです。選択的夫婦別姓の法制度や、LGBTの問題、差別をなくす。そのことに取り組んできました。法律できちっと差別をなくしていく。生きたい、生きやすい、社会をつくる。それこそ、自民党政治では絶対やれないことです。どうかみなさん、野党共闘そして社民党に力を貸してください。
政治とカネ
なぜ広島なのか。政治とお金の問題です。ここ広島、河井(克行元法相、案里元参院議員)夫妻の1・5億円のお金の問題について、報告書ができました。でもそれは河井陣営がだしたもので、まったく信用できないではないですか。なんの説明にもなっていません。森友、加計、桜をみる会、河井夫妻の1・5億円、ここ広島では自民党の人たちが、新しい岸田首相のもとにいって、きっちり解明してくれ、きっちりやってくれといってるのに、解明しようとしない自民党本部、岸田総裁は問題だと思いますが、みなさんどうですか。説明すべきですよ。森友学園問題、まさに改ざん、私か妻が関与していたら、国会議員も首相もやめるといって、改ざんがおきたと思っています。公文書の改ざんです。そしてその公文書の改ざんを命ぜられた公務員がそのことを本当にやりたくない、そしてついに死に追いやられてしまいました。赤木俊夫さんの夫連れ合い、真相究明をしてほしい、なんで夫が亡くなったのか、ちゃんと明らかにしてほしい。みなさん、公文書を改ざんさせ、そのことにほうかむりし、そしてお連れ合いさんのその要望すら聞かない。こんな政治を変えていこうではありませんか。腐った政治を変えたい。私物化された政治を変えたい。お友達や都合のいい人たちためだけの、そんな政治を変えたい。だってみんなの政治じゃないですか。みなさん、みなさんが有権者でみんなのための政治、みんなにちゃんと説明し、ちゃんと説明し、ちゃんとみんなのためにやっていく。そんな政治こそ、一人一人で、みんなでつくっていこうではありませんか。
1次産業が疲弊している
そしてみなさん、全国をまわっていると、農業、第1次産業が疲弊しています。中国地方、中山間地も多いです。いま米価が暴落し、大変な状況。政府は買い上げて困窮者に配る。そんなことをやったらどうでしょうか。(広島県)庄原市の市議会議員にききました。県立大学でお米を少しずつみんなに配ったら、大学生、涙ながらしてそのお米をもらって、それをもって帰ってこれで1週間、2週間、3週間食べていけると、大学生が涙流して、お米をもらって帰って行く。どうですか。一方で、米あまりの状況、米価暴落。でも一方で食べられない、お米がない。食べ物がない、そんな人たちがいるんですよ。こんな手を差し伸べない政治こそ、変えていきたいと思います。
弱音を吐ける社会へ
社民党は「弱音を吐ける社会へ」をスローガンにしています。いつから日本は、弱音を吐けない社会になってしまったんでしょうか。あなたの弱音が政治の課題です。あなたの弱音、悩み、悲しみ、苦しみ、それを政治で解決していきます。みんなの悩みに本当に寄り添わない、今の政治は本当に変えたいものです。みんなの悩み、悲しみ、苦しみ、どれだけ今コロナ禍で人々が不安と悲しみを毎日かかえて生きているでしょうか。そのみんなの弱音や悲しみ、苦しみと切れたところで、今の政治が行われている。みんなの悲しみ、苦しみ、悩みを全く聞こうとしない、共感力のない政治をみなさん、変えていきましょう。みなさん、今度の選挙は命と暮らしと人権を守る勢力と、命と暮らしと人権を守らない勢力の激突です。正念場です。命と暮らしと人権がかかってます。命を大事にしない政治の自民党。だからコロナ対策ができない。病床削減をお金をだしてやる。そして公立病院・公的病院、再編統廃合もやる。やめられない、止まらない、新自由主義です。既得権益と大企業と富裕層に自民党は切り込みません、切り込めません。だからいつまでたってもみんなのための政治にならないじゃないですか。命を大事にしてないです。コロナ対策、原発推進、核兵器禁止条約すら批准しない。オブザーバー参加すらいわない。そして新自由主義を変えない。雇用の法制を変えるっていわない。社民党が変えたい政治は、この命のことをなんとも思わない政治です。
命を大事にする政治に
憲法9条を変える。憲法を改悪しようとする。緊急事態宣言、憲法を無視し、憲法を守らず、人の命を大事にしない。こんな政治こそ、本当に変えたい、そう思っています。命輝く政治へ、一人ひとりの命が、一人ひとりの命が、あなたの命が、あなたの生活が、あなたの家族の毎日が、子どもたちの未来が、まさに大事にされるそんな未来をみなさんたちと本当につくっていきたい。そう思っています。命がかかっています。命とは、たんなる命だけではない。毎日の生活、雇用、そして未来のことです。みなさん、衆議院選挙がはじまりました。みんな、力がある。みんな、一人ひとりが実は未来を、政治をかえる変える力をもっています。50%しか今だいたい投票率がないといわれています。もし、みんなが投票にいったら、この政治は劇的に変わる。そう確信をしています。みなさん、未来に向かって、多様性があり、命が大事にされ、多様性があり、核兵器禁止条約を批准し、核のない世界へ、核兵器のない世界へ、そんな社会を一緒につくってまいりましょう。そのために社民党、がんばりたいです。そして国会のなかに社民党が必要だ。みなさん社民党は脱原発や、そして社会民主主義で、核兵器廃絶で、禁止条約批准で、憲法改悪阻止でブレない政党です。辺野古の新基地建設反対でぶれない政党です。国会のなかにぶれずに、愚直に、どんなことがあってもふんばっても意見をいい、そして沢山の現場とつながって、全国のたくさんの現場とつながって、国会のなかで政治をやっていく。そんな社民党が必要です。国会の中だけが政治ではありません。全国津々浦々の各地のみんなの思い、人々の思い、働く現場や、生活の現場、原発の現場、あらゆる現場とつながって、政治を変えていく。

●社民党・福島党首 神奈川県内入り 10/21
社民党・福島瑞穂党首「大企業は内部留保484兆円もあるけれど、労働分配率は下がり、非正規雇用は4割、賃金は下がり続けています。社民党は社会民主主義、まさに『富の再分配』『公平な税制の実現』『貧困格差をなくしていく』『雇用の安定こそ必要だ』、それをずっと一貫して言ってきた政党です」
社民党の福島瑞穂党首は、神奈川県内で唯一候補者を立てている、15区の茅ヶ崎駅前で演説しました。
「新自由主義を続けるか、社会民主主義的政策に転換するのかが今度の選挙の焦点」とした上で、自民党政治が大企業などを優遇し続けたため、格差が拡大したと主張。
「公平な税制の実現こそ必要であり、税金を医療・介護・福祉・教育に振り分けて再建していく」と訴えました。
さらに「非正規雇用化に歯止めをかけ、正社員化への道を進める法律をつくる」と述べ、中小企業の支援と同時に、全国一律での最低賃金の引き上げを目指すことを強調しました。

●“あなたの弱音が政治の課題” 社会民主党・福島みずほ党首 10/21
新自由主義ではなく社会民主主義
19日、広島市での街頭演説で「社民党が作りたい社会は命と人権から守られる社会だ」と述べた福島党首。「今回は市民連合と4野党の“野党共闘”で政策協定書も結んだので、その点はかなり近くなっていると思う」というが、「将来的な合流はない。違いはあるけど連携していく、ということがとても良いと思っている」と話す。 
「新自由主義ではなく社会民主主義。今、“分配”ということが言われているが、税金の取り方と使い道を変え、教育や福祉にきちっと振り向けて、みんなの生活の底支えをしっかりやっていく。一部の富裕層のためではなく、みんなのための経済、富の再配分ということを昔から言ってきた政党だ。ジェンダー平等も推している。女性も男性も、いろんな人が働き続けることができる、ホッとできるような社会、未来に希望が持てる社会をしっかり作っていく。元祖“脱原発”の政党でもある。そして憲法を活かしていく、そのためにやってきた政党だ。
今回はコロナ対策として消費税を3年間ゼロにして、企業の内部留保に課税するということなどを独自で打ち出している。女性による女性のための相談会や年越し大人食堂などに行って、仕事がない、お金がない、住まいがないという人たちと会ってきた。今、シングルマザーのお母さんの平均年間就労所得は200万円だ。つまり、ちゃんと食べられるという賃金を得ることが難しい。やはりそれは一部の企業や富裕層に対する優遇策が取られ、派遣などもほとんどが可能になっている労働法制になった結果、4割が非正規雇用になり、格差や貧困が拡大した。そこを底支えしなければならない。所得税の累進課税がフラットになっているのでこれをもとに戻すことや、実は大企業は法人税が30年間に7回も下がっているので、そこはきちっと払ってもらう。GAFAにはもっと払ってもらう」。
選択的夫婦別姓、実現したければ投票に行こう
また、選択的夫婦別姓、クオータ制などについても積極的に取り組む。
「私自身も婚姻届を出さないで事実婚だし、1987年11月に国立大学の教授が“通称使用を認めてほしい”として起こした裁判の弁護人をやったのを始め、選択的夫婦別姓の問題については30年以上取り組んできた。大学・高校でのセクシャルハラスメントなどについても、弁護士として関わってきた。政党としても、最近ではリプロダクティブ・ヘルス・ライツ、緊急避妊薬や生理の貧困の問題にも取り組んできた。ただし、選択的夫婦別姓については政権交代しないと実現しないんじゃないかというくらい、自民党内に強力に反対している人がいる。だからもし実現したければ投票に行こうと呼びかけたい。多様な生き方がいいよねと思う人、他人が幸せになるのを妨害しないでほしいと思う人が投票に行けば変わる」。
さらに若い世代に向けては、特に教育格差の是正を訴える。
「日本はOECDの中でも教育予算は最下位で、自己責任と思われている。社民党が作りたい社会は、全ての子どもが自分のなりたいものに挑戦することができ、尊厳が守られる社会だ。“親ガチャ”ではなくて、どこの地域で、どんな親に生まれようと挑戦できるようにしたい。例えば小中の公立学校の給食を無償化にするのに必要なお金は4226億円なので、これはやれるのではないか。高校の授業料の完全無償化、今は国立大学でも54万になっている大学の授業料の引き下げを行いたい。国公立大学の授業料と入学金を無償化するには4168億円だが、私立大学は2兆6808億円と莫大になるので、これは段階的にやっていくしかないが、お金がないために高校を中退する、大学に行けない、ということのないよう、しっかり応援する」。
市民に広がるような政党になりきれていない
旧社会党時代は自民党と“55年体制”の片翼を担い、土井たか子委員長のもと“マドンナ旋風”で議席を伸ばし、1994年には自民党・さきがけとの連立政権を樹立。当時の村山富市委員長が総理大臣に就任したこともあった。ところが現職の議員は福島党首のみ。「私たちはたった一人でも声をあげた人に寄り添い、共に社会を変えていく。ひとりを笑うな」と訴えるが、その声はどこまで届くのか。
慶應義塾大学の若新雄純・特任准教授は「社会民主党としてなのか、それとも福島さんとしてなのかという境界が曖昧なところになってきているところもありそうだが、主張は分かりやすい。合流はせず、社民党でなければいけないという存在意義もあるのだと思う。ただ、かつては政権与党にもなったところから議席を減らし続け、政党としてはすごく小さくなってしまったことは客観的な事実だ」と指摘。
その上で、「労働者に寄り添うというところが旧民主党系の野党に役割が移ったところもあったかもしれないが、女性の社会進出に伴う職場での悩みなどの受け皿になることもできたのではないか。ざっくり言えば、有権者の2人に1人は女性なわけだが、“女性が支持する”という分かりやすい党にもなりきれなかった。議席数で判断するのは失礼かもしれないが、時代の変化なのか、あるいは他の野党との関係なのか、必要とされなくなった、受け皿とは捉えられなくなったと見ることもできるのではないか」と切り込んだ。
福島党首は「社会党時代のことは分からない部分もあるが、当時は労働組合が基軸だったんだと思う。その後、連合などが民主党を基軸にするようになっていった。そこに対して社民党はもっと市民に広がるような政党になるべきだったが、なかなか新しい受け皿になりきれてないということだと思う。一方で世界を見ると、スカンジナビア半島の国々(ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、フィンランド)は社会民主主義の政党が政権を取っているし、ニュージランドのアーダーン首相も労働党の女性党首だ。アイスランドも左派・グリーンだし、新自由主義ではなく、ジェンダー平等で、富の再配分をした方が社会も安定して持続可能になるよね、ということになっていると思う。
私たちも“新生社民党”としてジェンダー平等をバリバリと打ち出そうと、党首と副党首は女性にし、幹部も半分は女性にした。今回の候補者も、6割は女性だ。そして“弱音が吐ける社会へ”というのをスローガンにした。“あなたの弱音が政治の課題”ということで、未来になかなか希望が持てなかったり、苦労したり、悩んでいる人たちに刺さっていけばいいと思う。“自民党の自民党による自民党のための政治”じゃないけれど、岸田さんもやっぱり既得権益には切り込めない。私たちはしがらみがないからできるということが、もっと広がるといいと思っている」と話した。
一方、慶應義塾大学の夏野剛・特別招聘教授は「岸田さんが分配を主張して野党か与党かわからなくなってきているし、自民党としてもセーフティネットをどのように用意するのかということを全然出してきていない。そういう中で野党が“年収がこのくらいの人に対しては生活保護の仕組みに代わるこういう制度を用意するんだ”などと具体的に提案してくれるとすごくいい議論になる可能性があると思う。しかし財源の問題もあるので、なかなか数字としては出てこない。口頭で“弱者や困っている人を助ける”と言うだけではなく、制度設計をしてほしい」と指摘。
また、福島党首の主張に対しても、「辻褄が合わない。法人税の税収は今、過去最高になっているが、税率を上げれば必ず増えるというほど簡単なものじゃないし、当然日本から出ていってしまう企業も現れるだろう。また、GAFAに対する関税は日本ではできない。そして、社会保険費の方が消費税や所得税の負担よりも大きくなっている。セーフティネットと言っても、必要のない人までが病院に来て薬をもらって帰るというのは、医療費の使い方として適正ではないのではないか。セーフティネットは苦しい時に再チャレンジができるよう頼れればいい。一方で、シングルマザーについても、子どもがいたらそれだけでも一緒に生きていけるくらいの保障をしてあげてもいい。そういう具体的なことをしていこうとすれば、みんなが正社員になって解雇されない企業ばかりでは成り立たない。セーフティネットを用意するかわりに、企業は自由にやってください、としなければ安心できない」と反論した。
福島党首は「おっしゃるように、セーフティネットに落ちない社会も必要だとも思う。ただ、現に先進国の中で実質賃金が下がり続けているのは日本だけだ。雇用対策もちゃんとしながら、というのが重要だと思う」と強調した。
 

 

●NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で (NHK党)
●NHK党・立花党首「勝ってNHKをぶっ壊す」 10/19
衆議院選挙に勝ってNHKをぶっ壊す! 電気、ガス、水道、電話のように、料金を払う人がそのサービスの提供を受けるのは当然のことだ。NHK受信料は公共料金だが、なぜ番組を見ない人にまで負担させなければいけないのか。これを変えるのは政治の力だ。外交・防衛では現実的な考えを示し、しっかりとした防衛力の強化が必要だ。憲法9条を守れば国民の命が守れるわけではない。今回の選挙で3議席取り、自由民主党と閣外協力をし、NHKのスクランブル放送の実現に向けていきたい。

●「なぜ見ない人まで料金負担?」 NHK党・立花党首が第一声 10/19
衆院選に勝ってNHKをぶっ壊す。スクランブル放送という全ての人が納得できる制度がある。NHK受信料は公共料金だ。なぜNHK番組を見ない人にまで負担させなければならないのか。これを変えるのは政治の力だ。敵基地攻撃能力の保有は現実的な防衛と考える。コロナで傷ついた経済を回すため、期限付きの電子マネーを配る。原子力発電も文明で電気を使う以上、現実的にやっていく。

●「NHKスクランブル化を」 N裁党・立花孝志党首 10/19
われわれが国政政党になって2年2カ月。NHKの収入は2年連続で減っている。1日に換算すると6000万円だ。政党助成金が年間約2億円だから、非常に効率良く仕事している。NHKのスクランブル放送という全ての人が納得できる制度がある。電気・ガスのように料金を払う人がサービスの提供を受けることができるのは当然だ。番組を見ない人にまで負担させなければいけないのか。これを変えるのは政治の力だ。

●立花党首 第一声でまさかのNHK愛「受信料を払って見たい。愛している」 10/19
衆院選(31日投開票)が19日公示され、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」(NHK党)の立花孝志党首(54)は東京・渋谷のNHK前で第一声。「衆院選に勝って、NHKをぶっ壊す!」と吠えた。
立花氏はNHKとは民事、刑事で係争中で、因縁の相手の本陣前を衆院選スタートの地に選んだ。
「『NHKをぶっ壊す』というのは分かりやすいキャッチコピーで、NHKを物理的に壊していくことではない。かつ放送内容、番組をつぶすわけでもない。やはりNHKの放送は必要な人には必要。受信料、営業方式を『ぶっ壊す』という意味」とNHKの公共放送としての重要性を説いた。
続けて立花氏は「現在、NHKは見ていません。受信料を払いたくないから。だけどスクランブル放送が実現されれば、受信料を払ってみたい。それくらい愛している」と古巣への愛を告白し、「番組内容が悪いといっているわけではない。受信料制度を公平にするにはスクランブル放送しかない」と訴えた。

●NHK党・立花孝志党首の第一声は… 10/19
衆議院選挙が19日に公示され、12日間の選挙戦がスタートしました。「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」立花孝志党首の第一声です。
「衆議院選挙に勝ってNHKをぶっ壊す。この『NHKをぶっ壊す』という、このわかりやすいキャッチコピーというか公約、政策なんですが、もちろん物理的にNHKをぶっ壊していく、とこういうことではありません。かつNHKの放送内容、いわゆる番組をつぶしてしまおうとか、そういうことでもありません。小泉純一郎さんが自民党をぶっ壊すとか、橋下徹さんが大阪市役所をぶっ壊す、このワードをそのまま、いわゆるパクリですね、使わせていただいたのですが、やはりNHKの放送というのは必要な人には必要でしょう。なぜ公共料金であるNHKだけがサービスの利用をしない、つまりNHKの番組を見ない人にまで負担させなければいけないのか。会長に面談を求めたら今、威力業務妨害という形で刑事事件の被告人になっています。でもこれは私にとっては勲章であります。」

●「公約は80%達成」「2〜3議席取れたら渡辺喜美先生にバトンタッチする」 10/19
「NHKの営業の人がやりやすいルールに変えればいい」
冒頭、立花党首は「NHKをぶっ壊す!…ということで、ABEMAをご覧の皆さん、ご無沙汰しております。2年前の参院選で、NHK問題という“ワン・イシュー”で当選させていただいた国政政党です。現在は『NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で』ということで、ものすごく長ったらしいが、こういう名前にしておくとアナウンサーが読まざるを得ないので、ちょっとでもPRになると思っている」と挨拶。
「NHKを見ていなければ、お金を払わなくて大丈夫だということだ。我々はNHKにお金を払わない人をお守りする、ということで2年間しっかりやってきた。昨年のNHKの受信料収入は、なんと220億円も減っている。1日にすると、国民がNHKにお金を払う額が6000万円も減っているということだ。今回はそこにちょっと政策を加えてアピールしていきたい」。と、年来の主張について改めて説明した。
そこで元NHKアナウンサーのジャーナリスト・堀潤氏は「立花さんがNHKの問題を内部告発したのは2005年のことだが、僕は2001年に入局したので、パチプロ生活をされたり、市議会選挙に出られたり、YouTubeを始めたり、といったことを新人の頃からウォッチしてきた。(立花氏が主張する)“スクランブル化”が実現した後、NHKはどういう役割を担う放送局になるべきだと考えているのか。また、国政政党の立場から、NHK改革や電波の改革について、自民党や総務省の中に変化の兆しは見えたのだろうか」と質問を投げかけた。
立花氏は「もちろん公共放送というものは必要だが、その役割をNHKが担ってないところが引っかかっている。僕は退職して16年経つが、放送については問題ないと思っているし、むしろ素晴らしい番組もあると思っている。スクランブルになったあとも、特に災害時には報道と教育と福祉は無料開放して欲しいと思っている。ただ、ドラマなどは分社化した方がいいし、営業の方がムチャクチャなことをしていることが問題だ。僕は正義感が強いので、弱者をいじめる、弱い人たちから取ってくるというのが許せない。NHKは素晴らしいことをしているんだし、特に福祉や教育は採算が取れないものだから、1軒1軒回って、お願いをして納得して受信料を払ってもらうという仕事を営業の人にはして欲しいと思う。
最終的にはフジテレビの外資規制の問題で入らなくなってしまったが、今年は受信料の受信料の割増金に関する法案も出た。NHKの集金業務に関しても、総務省に“不正できないようにしてくれ”という形でもやってきた。NHKの前田晃伸会長ご自身もそこはすごく理解されていると思っているし、かなり浸透してきていると思う。その意味では、公約も80%は達成した。ただ、NHKの営業局の人たち以外の人からすれば何も怖くないが、営業局だけは“立花怖い”みたいな感じで固まっている。いわゆる受信料の支払いは設置日に遡らないといけないのに、“今から下さい”とやってしまっているところに対して“白黒はっきりつけるべきだ”ということしか言っていない。つまり法律通りの仕事をしないから、うちの“撃退シール”を貼られたり、電話すると逃げたりするということになる。そこは法律を改正して、営業の人がやりやすいルールに変えればいい」。
「我々は“反NHK”というわけではなくて、NHKのことをこよなく愛している」
尊敬する政治家は「めちゃくちゃ古い人でいうと豊臣秀吉、今の時代でいうと田中角栄さん」だという立花党首。キャッチフレーズでもある、おなじみの「NHKをぶっ壊す!」について、カンニング竹山が「本当に潰そうとしているわけではない?」と尋ねると、「小泉純一郎さんが“自民党をぶっ壊す!”、橋下徹さんが“大阪市役所をぶっ壊す!”と言っていたから」と説明する。
「やっぱり注目してもらうしかない。そのために、どれだけヒール役やったかということだ。そこは竹山さんと同じじゃないか。今でこそ、政見放送でもクソ真面目なことしか言っていないし、堀江(貴文)さんからも、“いかにこの人がまともな人か、俺が証明してやる”と言われるくらいで、もうふざけたことをする必要もない。“迷惑系YouTuber”と思っている人いるかもしれないが、当時はYouTubeでお金を儲けないと選挙資金が足りなかったので。今はそれは全くない」。
2013年に発足した党は2019年に「NHKから国民を守る党」として参院選に出馬、比例代表で初当選、国政に進出。その後も、党名変更を繰り返してきた。
「我々は“反NHK”というわけではなくて、NHKのことをこよなく愛している。党名については、総務省とのものすごい戦いがあった。“NHKから国民を守る党”は、おそらくミスで通してしまったが、略称をNHK党にしてくれと申請をしたのに、返事が2年も来なかった。2016年の参議院にも出ようと思っていたが、その間に新聞各社が略称“N国党”と書き出した。でもN国党では分からない人が多いので、やっぱりNHK党にしたいなと。そこで“特になし”とか、“自国民を守る党”の略称で自民党とか総務省を撹乱させて、ついにNHK党という略称を認めさせた」。
現在の党名は、“NHKから弁護士法72条違反による損害賠償金をもぎ取ってくる”という意味だという。
「ピンポンを鳴らし、払うつもりのない人に“お金を払ってくれ”と交渉し、これまで相当、迷惑をかけてきたと思う。これは弁護士資格のない人が、断られているのに2度請求をすると、弁護士法72条に抵触する“非弁行為”ではないかということだ。しかし警察も、検察も、法務省も、総務省も、弁護士会も、みなさん“分かりません”としか回答しない。分からないということは、NHKのやっていることは合法ではないということではないか。だから選挙で票を取ろう、ということではなく、NHKのやっていることは犯罪だ、ということを選挙で国民の皆さんにも知ってもらいたい。これを見てどう思うのか問いたいということだ。
何よりも、裁判官も含め法律の専門家に、“確かにNHKのやっていることって非弁だよね、72条違反だよね”ということを訴えたい。そうやって世論を形成しないと裁判に勝てない。今は裁判所の判決を待つだけだが、賠償金を勝ち取った場合、被害を受けた国民の皆さんに受け取ってもらうだけだ。そして、スクランブル放送になれば“ピンポーン。NHKです”“スクランブルしてます”“分かりました”で終わるはずだ。そうやって、国民とNHKとの争いを一度止めたい。そして先ほども言った通り、職員が公共放送の役割や受信料制度について説明して回り、金を払おうという人を集めていければ素晴らしい。加えて、今回の選挙で2〜3議席取れれば、党名を変える。おそらく“みんなの党”だ。渡辺喜美先生に代表になっていただき、僕自身はNHK問題が終わったら代表を退く」。
「政権交代ができる」“諸派党構想”とは
堀氏は「最近唸ったのは、NHK党のプラットフォームを使って、新人候補を送り出していこうという“諸派党構想”だ。まさにNHKの電波、プラットフォームを使う“パブリック・アクセス”の政党版だなと思った」と評価する。
選挙の先に見据える“諸派党構想”について立花党首は「今回の選挙では獲得議席0だろうと思っていたが、堀江さんが僕のことをメチャクチャ褒めてくれるし、これはワンチャン、3議席くらいいけるんじゃないかと思い始めている。だから日本記者クラブ主催の討論会で、岸田総理に“5議席くらい取ったら閣外協力してくれないか”と聞いてみた。だから政権という意味では、私は次の次、あるいはその次くらいだ。有事の政治と平時の政治は違うし、この国で餓死者や戦死者が出るような状況になれば“諸派党構想”で我々に政権を、ということだ。
今回、ファーストの会が候補を出さないことになったのも、国政政党でなければ衆議院選挙に出られないという、メチャクチャ不利な選挙制度があるからだ。その点、うちの党は出られるので、この器を使ってもらえれば政権交代ができると。そのためには、国会議員給与も2億円くらいは必要だと思う。堀江さんや、この国を支えている人たちに聞くと、国会議員になると給料が下がるし面倒くさいという。そうだとしたら、国会議員を日本で一番魅力のある職業にすることによって国力を上げられると思う」と説明。
「目的を80%実現したということだし、一点突破の破壊力に期待している」と話す元経産官僚の宇佐美典也氏は「器を使ってほしいということだが、たとえば浜田聡参議院議員は与野党の誰もが認める、優れた質問をする議員として活躍されていると思う。若者に門戸を開き、育った議員が浜田議員のようになり、他党に行きたいと言い出したらどうするのか。また、NHK問題の次は、電波問題なのか、それとも他の“二の矢”があるのか」と質問。
立花党首は「浜田君は党を裏切るくらいになったら、この国は終わるくらいのレベルだと思っている。それでも引き止めることはしないし、当然行ってもらえばいいと思う。ただ、政党要件を失ってしまう可能性があるので、どこかの党に頭を下げて、なんとか1人貸してくれということになると思う。具体的には国民民主党の玉木雄一郎さんのところに行って、“政党助成金も入ってくるし、別の形で動けるから”と言う。渡辺喜美先生に関しても、“当面、みんなの党にするので来てください”と言えば、一撃で終わると思う」と回答。
さらに「どうしても中国の侵略というのは気になって仕方がない。平和で暮らすためには、軍事力のぶつかり合いが起こらないことだ。その意味では、国防をちゃんと考えていかないといけない。諸派党構想でも、半分くらいはそこだ。国防に二の矢を放っていきたい」。
多くの若者が政治に関心を持たない状況…「実はいいことだと思う」
さらに情報収集も選挙活動もネットだ、と断言する立花党首の初めての投票は20歳の時。当時NHKに在職中だった立花党首は、労働組合からの指示で社会党の候補者に投じたという。「2、3日前、自民党に行けたら幸せだな、と思った。岸田さんのSPとかを見ていると、自民党に行きたいと思う。今もたまに行くが、政治家でなければパチプロになっていたと思う。変則打ちとかしていると、“その打ち方、お客様…?”とか言われる(笑)」と話す。
アイドルグループ「アンジュルム」の元リーダー・和田彩花が、若者の政治的無関心の問題について懸念を示すと、「政治というのは本来平和であれば関心がないということだ」とコメント。
「国が乱れれば投票率が上がることになるわけだし、多くの若者が政治に関心を持たないというのは、実はいいことだと思っている。もちろん、選択肢がないから関心を持たないというのは良くない。だから賛否両論あるが、我々はネット上で有名な人を集めてきて、できるだけ関心を持ってもらうようにしている。そして、とにかく多くの立候補してもらうのがベストだと思う。周りに立候補した人が出てくれば関心を持つはずなので、18歳、せめて20歳から立候補できるようにしていく。加えて、私たちは楽しい選挙をしたいと思っている。無理に来てくれというつもりはない。でも祭りのように、行きたくなる、みたいな。そうなれば自然に来てもらえると思っているし。政治って、面白い」。

●NHK党・立花孝志党首の衆院選公示第一声「受信料制度を公平に」 10/19
衆議院選挙に勝って、NHKをぶっ壊す。私は「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」という名の国政政党党首、元NHK職員、立花孝志でございます。
久しぶりにこの前でしゃべります。ちょうど2年ぶりくらいになるんですが、NHKをぶっ壊すという公約を掲げて、国政政党に躍進、押し上げていただいて、初めての国政選挙になります。
我々が掲げてきたNHKをぶっ壊すというわかりやすいキャッチコピーというか、公約、政策なんですが、もちろんね、物理的にNHKをぶっ壊していくと、こういうことではありません。かつ、NHKの放送内容、いわゆる番組をつぶしてしまおうとか、そういうことでもありません。これ、小泉純一郎さんが自民党をぶっ壊すとか、橋下徹さんが大阪市役所ぶっ壊す。そのワードをそのまま、いわゆるパクリですね。使わせていただいたんですが、やはりNHKの放送というのは必要な人には必要でしょう。それを壊すといっているわけではなく、NHKの受信料制度というか、今の営業方式をぶっ壊していく。こういう意味で申し上げた公約でございます。
我々が国政政党になってから2年2カ月。じゃあ、この受信料制度が今どうなっているのか。NHKの収入は2年連続で減っています。昨年度は220億円減ったといっています。1日換算するとちょうど6000万円、NHKの収入が毎日毎日6000万円減っているそうです。すごい効果、実績だと思いませんか。もちろんコロナの影響もあるでしょうが、今年の3カ月、四半期の決算も昨年と同様に61億、約244億円のペースで受信料収入が減っている。NHKの発表です。我々、年間いただいている政党助成金が2億弱、1億6600万円ほどですから、非常に効率よく仕事をしていると自負しています。そして悪質な戸別訪問、NHKの集金人が突然やってきて、「契約しろ、お金を払え」。こういったこともついにNHKの会長が自ら認めて、「悪いことをしてきた、もうこれからは戸別訪問をしない。抜本的に段階的に見直していく」。NHKの営業方針。ピンポーン、NHKです。このやり方を変えていくと、このような発言、記者会見で、会長会見で昨年12月3日におっしゃっています。
確実に変わってきています。我々はNHKのスクランブル放送、すべての人が納得できる制度があるわけです。電気ガス水道電話のように、料金を払う人がそのサービスの提供を受けることができるのは当然のことです。NHK受信料というのは税金ではなく、公共料金であることはNHKが公共放送を自称していることからも誰でもが分かることです。なぜ公共料金であるNHKだけがサービスを利用しない、つまりNHKの番組を見ない人にまで負担させなければならないのか。それも悪質な集金人を使って、訪問員を使ってやらなければいけないのか。これを変えるのがやはり政治の力です。だんだん変わってきています。
今から2年前、正確に言うと1年11カ月前、私はこの場で演説をしました。その演説というのがNHKの業務妨害、威力業務妨害ということで今、私は2年6月の刑事事件の求刑を受けております。
でも、これは私にとっては勲章であります。政治家はおとなしい、品行方正な政治家ばかりでは何も変えられません。2年前に私がいった通り、今の会長になってからNHKの集金人がこんな悪いことをしているとは知らなかった、七十数年間生きてきてね。私が会長になったからにはこれを抜本的に見直すとおっしゃっています。今、労働組合といろいろもめているようですけども、かなり進歩しています。あと一押しの状況になっていると私は確信をしています。
NHKの被害の相談、どんどん減ってきています。我々、コールセンター、NHK受信料不払いコールセンターを設けていますが、ここへの相談件数も減ってきているばかりでなく、内容も悪質なものが減ってきています。
扉に足を突っ込んで扉を閉めさせてもらえなかっただとか、5分10分チャイムを鳴らし続けられたとか、帰ってくださいとお願いしているのに帰ってくれないであるとか、部屋の前で玄関先で待ち伏せされたとか、こういう被害はもうほとんど出ていません。これまさにわれわれNHK党が国政政党になって国民の皆さんの声をしっかりと受けとめてNHKと戦ってきた結果だと、そんな結果だと自負しています。ぜひ今回の衆議院選挙でもさらにさらに我々の力を高めていただく。NHKがスクランブル放送をすると言うその日まで我々は戦っていきたいと思っています。
ちなみに、私は現在、NHKを見ていません。受信料を払いたくないから見ていない。しかし、スクランブル放送が実現されれば、私はNHKに受信料を払ってNHKの番組を見たいと思います。それくらいNHKのことを愛しているから。今はやはり受信料制度がおかしいから、見ない人は払わないようにしましょう。そのように言っているから意図的にNHKの番組を見ないようにしていますが、決してNHKの番組内容が悪い、そういうことを言っているわけではありません。受信料制度をもっともっと公平にするためにはスクランブル放送するしかない。そのような思いでNHK問題に取り組まさせていただいております。
このスクランブル放送を実現するためには、私たちNHKは現実的なことしか言いません。いわゆる野党といわれる、言うだけでやる気のないような政党ではなく、実現させるにはやはり与党である自由民主党や公明党、この選挙で野党が変わるかもしれませんが、少なくとも参議院は自民、公明が過半数を取っています。その意味では我々が今回の選挙で、少なくとも3議席、できれば4議席取れれば自民党さんと閣外協力できるように今、岸田(文雄)首相にも直接、昨日直談判させていただいております。岸田首相もそれだけ多くの人がNHK問題をやるのならば、きっとNHK問題を自民党で取り上げてくれると。スクランブル放送の実現に向けて動いてくれると確信をしております。
イギリスのBBC、これは今のボリス・ジョンソン総理によって総選挙前にBBCの受信料問題、ここに切り込んだところ、一気に支持率が上がったと言われています。国民のすべての国民といっていいでしょう。この受信料問題をしっかりと解決できる政党が多くの国民の支持を得ると考えています。
そこで、自民党と閣外協力していくために、というか、われわれ、もともと自民党に限りなく近い公約でこれまで活動していました。昨年の参院選の時には、直接民主主義ということでやっていきます、NHK問題以外のことは直接民主主義制度を使います、このように申し上げましたが、なかなか直接民主主義というのも根付かない、浸透しないというのが2年間の実感です。もうかじを切っていきます。
というのは、たとえば外交防衛においては現実的な国防、しっかりとした武力を背景にした外交をしなければ、憲法9条を守ると言っても憲法9条を守っていても、国民の命が守れるわけではない。
そのような現実的な考えを示し、しっかりとした防衛力の強化、特に北朝鮮、4年前の選挙は北朝鮮からのミサイルの脅威を国民の皆さんが感じて、そんな中で行われた選挙です。4年間、現に国内で武力闘争が起こっていない、戦争が起きていないことからも自公政権がやってきたことは間違っていないと思います。我々は今やろうとしている自公政権がやっている防衛政策、こういったものについて、敵基地攻撃能力の保有、これは専守防衛の中に含まれる。何よりも昨日、岸田首相がおっしゃった抑止力ですね。第1波の攻撃に対して第2波には敵基地攻撃をするんだ。その装備をもつことでそもそも第1撃を抑止することができる。これが現実的な防衛だ。国民の命、暮らし、財産を守ることだ。我が党は考えます。
次に経済政策であります。やはりコロナで傷付いたこの国の経済を回していかなければなりません。この国は外国からお金を借りずとも、国内から借金、赤字国債を発行してほぼすべてが国内で消費されます。つまり、健全な経済財政なんです。だから、どんどんこれは財政出動していかなければなりません。
ほかの8党の党首討論を聞いていてもほかの8党も財政出動すること、つまり国民の皆さんに一律、金額は別にしても、給付金を出すことに反対している政党はどこにもありません。この選挙後、おそらく速やかに、まあ、立憲民主党さんは配るといって配らなかった実績があるのでそこはあてにならないが、とにかく経済を回すために皆さんに10万円とか、少なくとも5万円支給されることはほぼ間違いありません。そんな中、昨年5月の給付、10万円を配っても貯金に回す人が多かった。これの反省として、期限付きの電子マネーを国民の皆さんに配り、半年以内に使ってください。これくらいのスピードで10万円、あるいは20万円。一時金なら20万円。10万円だったら3カ月くらい。私どもはそういった法案が出てくれば賛成したいと考えております。
あと、エネルギーの問題についても触れておきます。われわれはこれまで、そういったエネルギー問題についても言及してこなかったが、やはり戦争を防ぐために必要なエネルギーは原子力であります。この原子力というのは当然、脱炭素、いわゆる二酸化炭素を出さず、そして外国からの材料というか資源、石油や石炭といった化石燃料を使わずにエネルギーを生み出すことができる。こういった現実的な原子力発電、これに対してもしっかりと、怖いと思う方もいるかもしれませんが、文明で電気を使う以上、もちろん国防していかなければならない以上、現実的な政策、現実的な考えでエネルギー問題もやっていきたいと思います。
外国からの資源の輸入ができなくなった、80年前を思い出していただきたい。80年前、私が知り得る歴史上の知識は外国が日本に対して石油や石炭の輸出を止めた。日本には石油や石炭が入ってこなくなった。日本は仕方なくエネルギーがなくなったからアメリカに戦争を吹っかけざるを得なくなった。真珠湾攻撃をせざるを得なくなった。こういった歴史から考えてもしっかりしたエネルギー、自国で、この日本国で生産できるエネルギーを確保していくことが戦争を防ぐ、他国の侵略を防ぐ、つまり国防、国民の命、暮らし、財産を守ることであり、こういった少し怖い話もわれわれ政治家はしていかなければならないと思っています。
あと、もう一つ言っておかなければいけなかったのが、我々、今回の選挙、30人立候補しております。諸派党構想、いろいろな考えを持った政党、政治団体になりますが、いろいろな考えを持った政治にチャレンジしている、チャレンジしたいという方々と一緒に今回の衆院選挙戦っております。たとえば、はげ党であったりとか、子どもの未来を考えるであったりとか、不登校の問題を考えるであったりとか、今日も他にもバレエ党。バレエの魅力を伝える党であったりとか、たくさんあります。多種多様な考え、多様性を認めていく。これがわれわれNHK党の考えです。
NHKの受信料問題とここは深く深くリンクしていて、今のNHKの受信料制度というのは、多様性を認めないんですよ。NHKを見たくない、見ていない人の権利を侵害している。われわれはそれが許せない。共産主義国家、中国のような国民を一つに洗脳していく、まとめていく国家ではありません。多様性です。
学校に行きたくない人の権利守っていくのは当然じゃないですか。学校に行かないだけでネット上でたたかれてしまう。誹謗(ひぼう)中傷の嵐を受けてしまう。こういったことを変えていきたい。さきほどの、はげ党というのもふざけているように思えるかもしれませんが、いろいろな人権を守れという中で、薄毛でお困りの方、薄毛によって差別されている。就職が差別されていたり、昇級が止まったり。そういったはげている、いわゆる薄毛の方の差別というのも潜在的にございます。
いろいろな考え方を持った人が選挙に出て、訴えようとしても、今の選挙制度では政見放送に出演することすらできません。前回の参院選挙で全国で3・02%の得票をいただいたことで今、国政政党の地位、いただいております。このわれわれのいただいた国政政党の地位、これを使えば、そこの看板に出ていますが、政権経歴放送が行われる。この権利を一人でも多くの政治を志す方に使っていただきたいという思いで諸派党構想、いろいろな考え方の方に、総勢30人立候補していただいております。
昨日、ホリエモンこと堀江貴文さんと2人でこのNHKのスタジオ内で政見放送の収録をしてまいりました。全部で政見放送11本、NHKのスタジオで最低でも11本取れるんですが、今日も1本取るんですが、昨日、ホリエモンの政見放送、私、横で聞いていて胸が熱くなりました。
堀江さんがこの立花さんはイロモノじゃないんです。素晴らしい人です。本当に計画性を持ってこの国を変えていこう。これまでの既成政党とは違う戦略を持ってやっている。素晴らしい人です。私堀江貴文が保証します。最近の党首討論聞いてもらえば分かる通り、まっとうなことを言っている人物であるということを堀江さんが力説してくれました。
もう涙が出るほどうれしかったです。私は16年前まで、このNHKで仕事をしていました。16年前の2005年、ライブドア事件、皆さん記憶にあると思いますが、堀江さんの六本木ヒルズのマンションに警察の強制捜査が入り、堀江さんが、ちょっと正式な罪名忘れましたが、有罪となったあの事件。堀江さんが逮捕される前、私、このNHKの中にいました。フジテレビを乗っ取ろうとする……、乗っ取ろうというか、フジテレビを買収しようとしている堀江さんのことをこのNHKのライブですごいな、と。ホリエモンってすごいですよねという話を局内でしておりました。
当時の会長だったり、ほかの重役の人たちはなんとか堀江をつぶそう。そんな動きがこのNHKの内部でもありました。日ごろ仲の悪いフジテレビの日枝久さんとも協力し、渡辺恒雄さんも参戦し、ホリエモンをつぶしていった。でも、この権力者、おじいちゃんたちのやり方、僕はすごい違和感を覚えていましたので、いずれ堀江さんと仕事をする。そう宣言したのが16年前のNHKの局内でありました。このように私は先を見る力、16年前に私と堀江さんがNHKの政見放送、スタジオで、2人で並んで政見放送を収録するなんて誰も思わなかったでしょうが、現実になっています。
政治家に大事なことは先を見る力です。将来を見据える力。そして間違った時にはそれを見直し、反省し、次へつなげていく力です。自分のやったことを否定するのではなく、間違いは間違いとしてそれを反省し、将来に向けて正しい道を指し示し、それを実行していく力です。堀江さん、私のことを、そういった力のある人物であると評価いただいております。

●公約はただひとつ「NHK受信料撤廃」… 10/20
18日に日本記者クラブ主催で開かれた党首討論会、通称「NHK党」と呼ばれる政党「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の立花孝志党首はこう書かれたパネルを掲げた。各党代表が準備したパネルには今回の衆議院選挙の核心公約が書かれていた。執権自民党は「コロナ対策、新しい資本主義、外交・安保」を、最大野党である立憲民主党は「支えあう社会」などだ。NHK党の公約はただひとつ、「NHK受信料強制徴収の撤廃」だ。
31日に行われる衆議院選挙を控え国会議員2人(衆議院1、参議院1)だけのミニ政党「NHK党」の立花党首が意外な注目を浴びている。彼の公約は現在日本国内すべての視聴者に義務づけられている公営放送NHKの受信料をなくし、希望者だけが払いNHKを見られるようにする放送システムを作ろうというものだ。
18日の討論会で立花党首は明瞭な主張とユーモラスな話し方で雰囲気を盛り上げる役割をした。NHK党がこれまで何をしたのかという質問に、昨年のNHKの受信料収入を220億円減らせたと答え、NHK党が5人を当選させたら院外で協力しようと自民党の岸田文雄総裁(首相)に提案して笑わせた。
立花党首は公営放送NHK職員出身だ。2005年にNHKの粉飾決算に関する情報を週刊文春に内部告発した後にNHKを退局し、2013年にNHK党を作った。存在感をアピールする次元から党名を10回以上変えたことでも有名だ。党旗揚げ当時の「NHK受信料不払い党」から、「NHKから国民を守る党」などを経て、今回の選挙を控え現在の名前に変更された。NHKが委託法人を通じて行っている訪問受信料徴収行為が弁護士法72条違反だという点を追及するという意味を盛り込んだ。
NHK党が法定政党と認められることになったのは2019年7月の参議院選挙で突風を起こしてだ。当時一般選挙区で約152万票(得票率3.02%)、比例選挙区で約98万票(1.97%)を得て立花党首が比例議員として国会に入った。日本人の間でNHK受信料に対する反感がそれだけ大きいということを見せる。
NHKの受信料は地上波だけ見る場合、1世帯当たり月1225円、衛星放送を含めば2170円だ。韓国公営放送KBSの受信料が電気料金に含まれて請求されるのと違い、日本は個別に口座振替やカードなどで納付しなければならない。「NHKをほとんど見ないのになぜ料金を払うのか」と反発する人が多く、2020年基準で全世帯の19%は受信料を払っていない。受信料を延滞すれば訪問員が家を訪ねて直接集金するため利用者と訪問員の間でのトラブルもしばしば発生する。
立花党首はこの数年間、ユーチューブを通じNHK受信料を払わない方法などを伝え、NHKと受信料問題で法廷紛争をしている市民に法律諮問もしている。参議院当選後には議員室にテレビを設置してNHKと受信契約を結びながらわざと受信料を払わないパフォーマンスを行った。
さっぱりした話し方も人気要因だ。18日にはインターネット放送の報道番組に出演し、「(今回の選挙で)政権を取れるか」との質問に「取れません」ときっぱり答えた。また、NHK問題が解決されれば党代表から退くとも話した。視聴者らは「公約がわかりやすい」「おもしろいので1票入れたい」など肯定的な反応を見せた。
19日の告示を経て31日に投開票が行われる今回の総選挙では地方区289選挙区と11ブロックの比例代表176議席を合わせ衆議院全体の465議席を新たに選ぶ。自民党(直前議席276議席)、立憲民主党(110議席)、公明党(29議席)、共産党(12議席)、日本維新の会(10議席)、国民民主党(8議席)、社民党・れいわ新選組・NHK党(各1議席)の9党などが候補を擁立する。
 

 

 
 
 

 



2021/10