希望いろいろ 「希望の党」

国会議員になりたい
希望に漂流する候補者の受け皿  「希望の党」  

小池都知事 さすがです 
党名命名
党首就任のタイミング
 


 

解散前後民進党「解党」民進党リベラル派希望と維新小池劇場の成否公示第一声希望の風向き[選挙戦前半][選挙戦後半]完敗総括
民進党が解党すべき理由
 
 
 
 
「希望の党」 綱領
人の希望はいろいろ
議員もいろいろ 
綱領もリセット
 
 
希望の党の綱領要旨
わが党は、立憲主義と民主主義に立脚し、次の理念に基づき党の運営を行う。
一、わが国を含め世界で深刻化する社会の分断を包摂する、寛容な改革保守政党を目指す。
二、国民の知る権利を守るため情報公開を徹底し、国政の奥深いところにはびこる「しがらみ政治」から脱却する。
三、国民の生命・自由・財産を守り抜き、国民が希望と活力を持って暮らせる生活基盤を築き上げることを基本責務とする。
四、平和主義のもと、現実的な外交・安全保障政策を展開する。
五、税金の有効活用(ワイズ・スペンディング)の徹底、民間のイノベーションの最大活用を図り、持続可能な社会基盤の構築を目指す。
六、国民が多様な人生を送ることのできる社会を実現する。若者が希望を持ち、高齢者の健康長寿を促進し、女性も男性も活躍できる社会づくりに注力する。 
 
 
 
解散前後

 

民進「希望」と連携調整 前原氏、小池・小沢氏と会談 解党論も
民進党の前原誠司代表は二十七日、小池百合子東京都知事が設立した新党「希望の党」と連携する方向で調整に入った。巨大与党に対抗するため、野党勢力の結集が必要と判断した。今月下旬に、小池氏や自由党の小沢一郎共同代表と都内で三者会談を行っていたことも判明した。関係者が明らかにした。衆院選に向け野党再編が加速する見通しだ。民進党執行部内で、希望の党への参加を望む議員については離党を容認する案を検討していることも分かった。
前原氏は希望の党との協力が進展した場合は、自由党との合流も視野に入れる。これまでに「与党候補と一対一の構図をつくるため、あらゆる手段を取りたい」と述べており、二十八日の両院議員総会で今後の協議の一任を取りたい考えだ。
前原氏は二十六日、民進党最大の支持団体、連合の神津里季生会長と会談し、新党との連携を模索する考えを伝えた。
これに関し、民進党の柚木道義衆院議員は二十七日、衆院選で希望の党を含めた野党連携を進めるため、発展的解党と新党設立も視野に入れるよう党執行部に申し入れた。大島敦幹事長は「重く受け止める」と述べた。 
民進党、事実上解党 「希望の党」に合流へ
民進党の前原誠司代表は27日、10月22日投開票予定の衆院選で、同党の立候補予定者のうち希望者が、希望の党(代表・小池百合子東京都知事)から立候補することを容認する方針を固めた。事実上、民進党が解党し、希望の党に合流することとなる。小池氏を野党再編の先頭に置き、安倍政権批判の新たな受け皿として、政権奪取を狙う。このため公示前に、小池氏が衆院選への出馬を表明するとの見方が広がっている。安倍晋三首相は28日、衆院を解散する。
前原氏は27日夜、仙台市での会合で「どんな手段を使ってもどんな知恵を絞っても安倍政権を終わらせる。野党がばらばらでは選挙は勝てない。力を合わせて日本の政治を変える」と語った。
民進党は28日、両院議員総会を開き、希望の党への合流方針を確認する。民進党からの立候補予定者は、同党を離党し、希望の党公認で立候補する予定。民進党籍を残したまま、希望の党から出馬する方法も検討している。民進党所属の参院議員は当面、同党に残る。前原氏自身は無所属で立候補する方針だ。
ただ、小池氏側は当初から、民進党全体ではなく「改革保守」の理念に賛同する議員のみに参加を認める考えを示してきた。27日のBSフジの番組では、民進党からの合流希望者について「一人一人、こちらが仲間として戦えるかということで決める」と明言。自動的に受け入れるのではなく、個別に適格か判断するとの考えを示した。選考にあたっての判断材料として、憲法改正と安全保障政策を挙げ「本当にリアルな対応ができる安保政策を共有したい」と語った。
これに先立ち、小池氏は希望の党の結党記者会見を東京都内のホテルで開いた。「しがらみ政治から脱却する」など6項目の綱領を発表。小池氏は「日本をリセットする」などと訴えた。党の理念については「ベースにあるのは伝統や文化、日本のこころを守る保守の精神だ」と述べた。
また、「あくまで都知事としてこの戦いに臨む」と語り、現時点では衆院選に立候補する考えはないと強調した。
民進党は前原氏が今月1日に代表に就任して以降も党勢は低迷。小池氏に近い若狭勝衆院議員や細野豪志元環境相が結党準備を進めた新党構想に参加表明する「離党ドミノ」に歯止めがかからなかった。
一方、衆院は28日の本会議で憲法7条(天皇の国事行為)に基づき、解散され、政府は臨時閣議で衆院選の日程を「10月10日公示、22日投開票」と正式に決定する。本会議の冒頭、大島理森衆院議長が解散詔書を読み上げる。
民進、共産、自由、社民の4党は27日、大島議長に、臨時国会での首相の所信表明や各党の代表質問などを行うよう申し入れた。民進党は「解散するだけの本会議には出席できない」として28日の本会議には欠席する方針だ。
当初、安倍首相は解散後に記者会見する考えだったが、菅義偉官房長官は27日「(記者会見は)予定していない。首相は一昨日(25日)に会見し、国難を突破するため国民の信を問う必要があると説明している。解散後にこうしたことを国民に訴えていく」と述べた。 
民進・前原誠司代表、解党して希望との合流を提案「名を捨てて実を取る」 
民進党の前原誠司代表は28日午後、党本部で開いた党両院議員総会で挨拶し、政権交代可能な政党を目指し、「名を捨てて実を取ることで理解いただきたい」と表明し、解党した上で小池百合子東京都知事が代表を務める「希望の党」への合流を提案した。
前原氏は「他党と合流するのではなく、政権交代のプラットホームをわれわれがつくりたい。われわれはどんな手段を使っても安倍晋三政権を止めて、退場に追い込まないといけない」と強調した。
また「『1強多弱』の状況にじくじたる思いがある。見せかけの株価のための取り組みに国民は目くらましを食らっている」と安倍政権の経済政策を批判。安全保障関連法に対しても「日米安保の強化は必要だとしても、憲法違反は駄目だ」と述べた。 
民進「解党」に野党側は右往左往 自公は全員当選へ気勢
衆院が解散された28日、国会は午前から与野党が慌ただしく動いた。
民進党は、小池百合子東京都知事が代表を務める国政新党「希望の党」へ衆院選候補者を送り込み、事実上「身売り」する。午前の党執行役員会で、前原誠司代表は「もう一度、政権交代可能な二大政党をつくりたい」と表明し、一連の方針を説明した。出席者から異論は出なかったという。
松野頼久国対委員長は記者団に「野党が一つになって選挙戦を戦うべきというのが私の持論でもあり、(前原氏の決断は)一つの形だ」と賛意を示した。
民進党が比例代表にも公認候補を擁立しないことに伴い、自由党との選挙区調整で比例代表単独での出馬を検討していた黄川田徹元復興副大臣(63)=衆院岩手3区=は立候補しない意向を固めた。次の衆院選で岩手県は選挙区が1つ減り、黄川田氏は新3区で自由党の小沢一郎代表と競合することになった。
民進党の参院議員総会も開かれ、小川敏夫参院議員会長は「国会の議論から逃げている安倍晋三政権を、今回の選挙で退陣に追い込もう」とげきを飛ばした。
小沢氏は党会合で「政権交代のためにいかにすべきか考える。民進党の両院議員総会の経過を見て、今後のことを決めたい」と述べた。
一方、社民党は両院議員総会で、希望の党に合流せず、衆院選は独自に戦うことを決めた。共産党の小池晃書記局長はNHK番組で「社民党とはできる限り多くの選挙区で候補者一本化することで又市征治幹事長と合意した」と述べた。
自民、公明両党は、国会内などでそれぞれ会合を開き、全員当選に向けて気勢を上げた。
自民党の吉田博美参院幹事長は党参院議員総会で「自民党候補全員が当選するよう力を結集してほしい」と呼びかけた。
自民党は午後に選対本部会議を開き、衆院選の1次公認候補者を了承する。1次公認は270人規模になる見通しで、全289選挙区のうち公明党が立候補予定の9選挙区を除く全ての選挙区で擁立を目指し、調整を急ぐ。
公明党の山口那津男代表は党参院議員総会で「衆院選がスタートする。腹を決めて一致団結しよう」と力を込めた。 
前原誠司代表「解党ではない。アウフヘーベンだ」
民進党の前原誠司代表は9月28日午後、「希望の党」への事実上の合流が了承された党両院議員総会後に記者会見した。
前原氏は会見の冒頭、「我々としては安倍政権をストップさせる。そのため一対一の構図にもちこむという結論を常任幹事会、両院議員総会でいただきました」と、小池百合子都知事が率いる「希望の党」への事実上の合流を発表した。
報道陣との質疑応答の中で、希望の党と連携するという決断に至った理由について、前原氏はこう語った。
前原氏「小池さんサイドと色々話をしていく中で...」
「山尾さんの問題、相次ぐ離党者、そして解散という形になりまして、我々としてはどう国民に責任を果たしていくべきなのかということを常に考えながら行動してきた」
「どうすれば小選挙区の一対一の構図に持ち込めるかということを考えておりました。4党での協力ということも選択肢の一つだったと思いますが、我々としては政策理念、方向性で一致するところと、より協力していきたい」
その上で、「この10日あまり小池さんサイドと色々話をしていく中で、内々に今日に至る合意を二人の間で行うことになりまして」と延べ、臨時国会召集前から小池知事側と調整を続けていたことを明かした。
報道陣「事実上の解党では?」 前原氏「アウフヘーベンだ」
報道陣からは「実質的な解党的な合流では」と問われると、前原氏は「いろいろな方々がおられますが、小池さんのおっしゃるアウフヘーベンだ。止揚だと思っています」と述べた、
小池知事が多用するドイツ語「アウフヘーベン」という語を用いたことからも、小池知事との親和性をアピールした格好だ。
朝日新聞デジタルによるとアウフヘーベンとは、哲学者ヘーゲルが1812年の主著『大論理学』で使った概念で、否定によって高い段階に進むが、否定されたものが取り込まれて残っている状態のことを指すという。
「希望の党」の公認を得た場合、所属はどうなるの?
結局のところ、民進党の在籍者が、今回の衆院選で「希望の党」の公認を得る場合、その人の所属はどうなるのだろうか。
これについて、前原氏はこう明かした。
「今朝、小池さんサイドと話をしまして、民進党に所属している方が『希望の党』の公認候補になる場合は、(民進党を)離党して出る(「希望の党」に公認申請し出馬)ということを確認しております」
「希望の党」が保守色を鮮明にしていることから、民進党内のリベラル派議員からは反発の声が出ているようだ。報道陣からは「一部議員から、公認が得られる保証がないのに離党させるのは、代表として無責任ではという声が出ている」と、厳しい質問が飛んだ。
これに対し前原氏は、「これから公認候補を決めていく作業をします。我々の要望をしっかりと先方にも伝え、先方とかこちらとかということではなく、同じ党で政権交代を目指すということになります。できるだけ早く公認調整はおこなっていきたい」と述べるに留めた。
前原氏自身は、今回の総選挙をどう戦うのか。仮に、前原代表が「希望の党」の公認を得た場合、民進党の代表がいなくなる恐れがある。
これについて前原氏は、「私がやめると、民進党の代表がいなくなる。参議院議員、自治体議員、党員・サポーターがいる。私は民進党代表をやめるつもりはない」と、代表職を継続する姿勢を示した。
一方で、自身が「希望の党」公認で出馬するのか、それとも無所属で出馬するのかについては「まだ決めていない。これは極めてテクニカルな話」と説明。
その上で、「民進党籍は残したまま、『希望の党』の公認候補になることは法律上問題はない」とした上で、「10月10日までに結論を出す」と述べた。 
民進党が “希望の党“に合流 「名を捨てて実を取る」 前原誠司代表の提案を了承
民進党は9月28日午後、党本部で両院議員総会を開いた。この中で前原誠司代表は衆院選(10月10日公示、22日投開票)に向けて、小池百合子都知事が率いる「希望の党」への事実上の合流を提案した。
前原氏は「名を捨てて実を取る」と語り、提案への理解を求めた。
両院議員総会に提案された内容は以下の通り。
一、今回の総選挙における民進党の公認内定は取り消す。
二、民進党の立候補予定者は「希望の党」に公認を申請することとし、「希望の党」との交渉及び当分の間の党務については代表に一任する。
三、民進党は今回の総選挙に候補者を擁立せず、「希望の党」を全力で支援する。
前原氏はこの「提案」について、「他党に合流するということではありません」と述べたが、この提案が実現すると、今回の総選挙で民進党の候補者は公認内定が取り消される。民進党は、党として総選挙に候補者を擁立しないことになる。
公認は「希望の党」から受けることになるが、それぞれの候補者に公認を与えるかどうかは、「希望の党」側が判断するということになり得る。そのため、マスコミ各社は「事実上の合流」と報じている。
前原氏は、「国民の生活は何も良くなっていない。そして、見せかけだけ株価だけの取り組みというものが行われてそれに国民は目くらましを食っている。この延長線上に日本の将来がありますか。私はないと思う」と述べ、安倍政権を厳しく非難した。
「この道しかないだけではなくて、この道は変えさせなければいけないんです。しかも、安保法制、仮に100歩譲って日米同盟を強化することが必要だったとしても憲法違反の法律はダメでしょう」
「首相だからと言って憲法違反の法律をつくったら、すべて憲法違反でも良いということになって国家の土台が崩れるではありませんか」
「こんなことをやっている政権が皆さん5年近くも続いています。許すわけにはいきません」
また、森友学園や加計問題をめぐる問題についても「森友問題一つ見ても、総理の奥さんが絡んでいるということは明々白々ではありませんか」「自分の長年の友人この人に対して獣医学部をつくる、それについて最近まで知らなかったとみえみえの嘘をつく。そんなことあり得るわけないじゃないですか」
前原氏は熱弁を振るいながら「提案」に対し、"満場一致"での賛同を求めた。
「どんな手段を使っても、安倍政権を止めなければいけない」
「もう一度、政権交代を実現して安倍政権を退場に追い込みたい」
「もう一度、我々の理想社会を作る。そのために名を捨てて実を取る。その決断をぜひ皆さん方にご理解をいただきたい」
最終的な結論は、両院議員懇談会と両院議員総会を経て決まる。 
 
民進党「解党」

 

民進党「解党」で、安倍首相落選? 進次郎都知事説も飛び交う「永田町カオス」
政治は一寸先が闇と言われるが、本当に凄いことになってきた。
民進党の前原誠司代表が党の解散を決意したという情報が入ってきたのは26日の午後だった。半信半疑で取材を進めると、確度が高いことがわかってきた。新聞・テレビの報道では、「統一名簿をつくる方向」で止まっていた。だが、民進党の「解党」はすでに決まっていたのだ。意向は27日までに党執行部にも伝えられた。異論も噴出したが、最終的に衆議院解散後の今日(28日)午後に行われる両院議員総会で民進党の事実上の解党が決まり、小池百合子都知事が立ち上げた「希望の党」へ合流する。夕方には会見もセットされているという。党の存在は残すとか、分党に留まるといったテクニカルな話はいろいろあるが、大筋でもうこの流れは止まらない。
“大野党連合”誕生でパニックに陥る自民党
小池新党はすでに日本維新の会との選挙協力を始めている。一方、民進党は自由党との合流も視野に入れ、社民党との連携も模索していた。小池新党と民進党、この二つが事実上合流するということは、すなわち非自民の“大野党連合”が実現するということである。政権交代の可能性が、これで一気に現実味を帯びてくる。菅直人元首相もブログでこう書いている。〈野党第一党の民進党と人気絶大の小池新党が実質的に合流すれば、一挙に自民党に代わる政権交代も夢ではありません〉。毎日新聞の緊急世論調査によると、衆院選での投票先は自民党29%に対して希望の党18%、民進党8%だった。二つが合流するだけで自民党に拮抗する。これに自由、社民、維新が乗れば逆転は間違いない。ハシゴを外されたかっこうの共産党は表向きこの“大野党連合”に批判的だが、地方レベルではすでに民進党との選挙協力が進んでいるところもあり、うまく調整できれば多くの選挙区で「自民対野党=1対1」の関係ができそうだ。
こうした事態でパニックに陥っているのは自民党だ。党内は安倍晋三首相に対する不満も爆発寸前だという。なぜなら、安倍政権の延命だけが目的の選挙だとみんなが分かっているからだ。それでも勝てればまだ許せる。しかし、ここまで包囲網ができてしまうと、自民党の議席が激減するのは確実だ。「今なら勝てる」と踏んだ安倍首相の浅薄さがこうした事態を招いたわけだ。
「消費税増税&原発継続」vs.「消費税凍結&原発ゼロ」の選択に
役者としては小池知事の方が安倍首相より2枚も3枚も上だった。安倍氏の解散発表会見と同じ日に小池氏は「希望の党」の党名を発表し、新代表に就くことを宣言した。同時に、安倍氏による“大義なき解散”を痛烈に批判した。都議会議員選挙の時と同じ「自民党vs.小池新党」の構図をつくるためだ。案の定、翌日以降、ニュースの主役は安倍氏でなく小池氏になった。間髪を置かず、かつての上司、小泉純一郎元首相との“密談”をさりげなくリークし、小泉氏との連携も匂わせた。安倍氏が「国難突破」などと訳のわからないことを言っているのに対して、小池氏は「消費税凍結」と「原発ゼロ」を明確に掲げた。「消費税増税&原発継続」の自民党vs.「消費税凍結&原発ゼロ」の小池新党というアジェンダ設定までしてしまった。このパフォーマンス巧者ぶりは、安倍氏とは比較にならない。
小池氏が、国政進出の機会を虎視眈々と狙っていたのは明らかだ。「希望の党」という党名も今年2月に商標登録の出願をして、9月に登録が完了している。27日の結党記者会見には本格的なプロモーションビデオまで出来上がっていた。おそらく、東京都知事選に出馬した時点から構想は練られていたと見るべきだろう。いくつかの痕跡がある。「小池百合子」という女王蜂の周りには複数の働き蜂がいて、女王は仕事の内容によって働き蜂を使い分けている。衆議院議員の若狭勝氏や細野豪志氏も働き蜂に過ぎなかった。新党結成の実務については、過去に「みんなの党」を立ち上げた経験がある参議院議員の渡辺喜美氏が指南している。みんなの党時代に事務局を支えた人材が小池新党に集結しているという情報もある。渡辺氏はまた、都知事選では小池氏に選挙カーを貸し出している。かなり早い段階から二人の連携は進んでいたというわけだ。
“大野党連合”を実現させた影の仕掛け人はやはりあの人?
小池氏は常に風を読みながら、その時々で戦略をアップデートしてきたようだ。具体的な準備に入ったのは、やはり都議選に圧勝してからだったという。その中で忘れてはいけないのが自由党の小沢一郎代表の役割である。小池氏は1994年に小沢氏が新進党を立ち上げた時に側近として活躍した。その後、袂を分かったが、都知事選出馬に際しては小池氏の方から小沢氏に“復縁”の電話を入れている。小沢氏が都知事選で密かに小池氏を応援していたという情報もある。7月の都議選での都民ファーストの圧勝に目を細めていたともいわれている。
その小池氏と小沢氏が、実はこの9月下旬に都内某所で会談をしている。前原氏も一緒だったようだ。「野党の結集」は小沢氏の年来の主張だったことは周知の事実だ。そのために4年前からそれまであまり交流のなかった前原氏と気脈を通じ、代表候補として育ててきた。その前原氏が民進党の新代表に選ばれ、民進党と自由党が合流するという流れができた。今回は、さらに踏み込んで「解党」へと進んだわけだ。政権交代がより具体化したため、近く小沢氏と小池氏の再会談がセットされるという情報もある。小沢氏の動きは今後も目が離せない。いずれにせよ、“大野党連合”の要が若狭氏や細野氏でなかったことはテークノートしておくべきだろう。
そうなると次のサプライズは小池氏自身の出馬である。
結論を言うと、小池氏はすでにその意向を固めている。都庁関係者によると、公務を相次いでキャンセルし、出馬表明の時期を探っているという。いまのところ来月5日の都議会閉会日が最有力だ。すでに後継の都知事候補の打診も始めていて、自民党の小泉進次郎氏に声をかけたが「国政に専念したい」と固辞されたという情報があるほか、過去の都知事候補の名前も浮上している。総選挙で圧勝すれば、小池氏の首班指名は確実だ。こんなチャンスを逃すはずはない。知事辞任→衆院選出馬の可能性はかなり高いとみていいだろう。
その場合、選挙区はどうなるのか? 順当に考えれば比例代表だが自民党の石原伸晃氏が議席を持つ東京8区という説もある。だが、小池氏が本気で首相の座を狙うつもりなら自ら安倍首相の“刺客”となる山口4区ではないかという声もしきりだ。確かに現職の首相に勝って首班指名を受けるというのは美しい。いかにも小池氏らしい話ではある。もしそんなことになったら、現職首相が落選するという日本の憲政史に残る前代未聞の選挙になるが、さてどうなるか。10月10日までにはすべてがはっきりするだろう。 
小池百合子氏「私が代表なら興味あるかしら?」
「どんな手段を使っても安倍政権を止めなければならない。もう一度政権交代を実現して身勝手で政治を歪める安倍政権を退場に追い込みたい。私は皆さんが大好きだ。これからも皆さんと一緒に行動し、もう一度われわれの理想の社会を創る。そのために名を捨てて実を取る。その決断をぜひご理解頂きたい」
28日午後、民進党本部で開かれた両院議員総会。民進党代表の前原誠司が熱っぽくこう語ると、万雷の拍手がわいた。
ここで前原が示した方針は、前原を一人民進党に残して全員が離党し、東京都知事の小池百合子が率いる「希望の党」に公認申請するという内容だった。事実上の「解党宣言」と言えるが、特に異論もなく了承され、所属議員はむしろ高揚感にあふれていた。
この少し前、首相の安倍晋三は国会内で開かれた自民党両院議員総会で厳しい表情でこう語った。
「いよいよ厳しい戦いが始まります。この日本を守り抜くのか、国民の命と平和な暮らしを守り抜くのかを問う選挙です。選挙のためだけに看板を替える政党に日本の安全を、子供たちの未来を任せるわけにはいきません。皆さん、まなじりを決して戦い抜いていこうではありませんか」
解党する民進党が意気揚々とし、電撃解散に打って出た安倍が悲壮な表情なのはなぜか。安倍の脳裏に平成21年夏の衆院選の悪夢がよぎったからだろう。
この衆院選で現副総理兼財務相の麻生太郎率いる自民党は大敗し、鳩山由紀夫率いる民主党が政権を発足させた。当時は政権交代への期待感が異様に強かったこともあるが、最大の敗因は野党が「反自民」で一致結束したことにある。
「1強」と言われる自民党だが、反自民勢力が一つにまとまると意外なほどもろい。希望の党創設に伴う、ここ数日の電撃的な動きは8年前のあの日を彷彿とさせた。
つい1週間前まで絶望に打ちひしがれていた民進党議員の表情が急に明るくなったのはこのためだ。希望の党に衣替えした元民進党議員は今後3週間にわたり、ひたすら「安倍政権打倒」を訴えるに違いない。

水面下で一体何が起きていたのか−。
前原が希望の党合流に向け、動き出したのは9月18日。産経新聞が17日付朝刊1面で「首相、衆院解散を決断」と報じたのがきっかけだった。
小池新党の動きを受け、民進党では離党者が続出していた。前原は離党者に「刺客」を立てる方針を示す一方、裏では共産党との選挙協力を進めていたが、内心忸怩たる思いだった。
「共産党と選挙協力したところで小池新党と『刺し合い』になれば、自民党に漁夫の利となるだけ。民進党は存亡の機を迎える」
前原と小池は、平成5年に細川護煕率いる日本新党から初当選した。その後、疎遠となっていたが、前原が側近を介して小池との接触を試みたのは自然な流れだといえる。
小池にとっても、前原のアプローチは「渡りに船」だった。安倍の電撃解散により、新党の準備は整っておらず、組織も資金も不足していたからだ。
実は小池は7月から、前代表の蓮舫にも接触していた。「女ツートップでどうかしら」などと持ちかけると蓮舫も乗り気だったというが、蓮舫の辞任により頓挫してしまった。
再浮上した連携構想は一気に動き出した。前原と小池は頻繁に電話で連絡を取り合うようになった。
2人の動きを知っていたのは、それぞれの側近数人だけ。民進党幹事長の大島敦でさえ、前原の合流構想を知ったのは25日だった。小池側近を自認する細野豪志や若狭勝らは「蚊帳の外」だった。
20日ごろ、自由党代表の小沢一郎も前原に接触してきた。小沢は「まず民進と自由が合流し、小池の新党と社民を交えて比例代表の統一名簿を作ろう」と持ちかけた。前原は小池との合流話はおくびにも出さず、この構想にも一枚かんだ。
統一名簿構想は社民党の反対で頓挫したが、「反安倍」の足並みは確実にそろいつつあった。

それでも前原は小池の合流構想にどこか煮え切らなかった。24日、小池は前原に電話でこう尋ねた。
「若狭や細野が新党の代表なら興味ある?」
前原が「興味ない」と答えると、小池はこうたたみかけた。「じゃあ私が代表なら興味あるの?」
前原は「もちろん興味ある」。25日午後の小池の緊急記者会見を待たずして、ここで小池の代表就任は決まった。
前原にはもう一つ大仕事があった。民進党の支持母体で、選挙の実務の大半を担う連合を説得せねば、構想は水泡に帰す。
前原は25日午後、都内で連合会長の神津里季生とひそかに会い、「安倍政権を打倒するため力を貸してほしい」と頭を下げた。
「民進党の自主再建」を持論とする神津だが、長い沈黙の後、こう言った。
「希望の党が民進党と連合との政策協定を丸飲みするなら支援しよう」
神津は翌27日午後、連合本部で開いた中央執行委員会で「厳秘」と前置きした上で、小池新党との合流構想を説明した。左派の強い官公労系幹部は反発したが、神津はなんとか一任を取り付けた。
連合の支持を取り付けた前原は26日午後10時すぎ、都内の料理店で小池と初めて向き合った。
前原は、民進党と希望の党の完全合流を求めたが、小池は「第2民進党」と批判されることを恐れ、「議員の個別吸収」を譲らなかった。2人が折り合ったのは、日付が変わる少し前だった。

民進党と希望の党の合流構想の裏にはもう一つ、民進党の「金庫」をめぐる暗闘があった。
民進党は年に約90億円の政党助成金を受け取っている。「締まり屋」の先々代代表の岡田克也は「来るべき日のために」と最小限しか使わず、前代表の蓮舫は使うすべを知らなかった。このため、民進党の「金庫」には150億円前後の金が眠っているとされる。
これに対し、希望の党はほぼすっからかん。このため、公認希望者には供託金を含めて700万円の拠出を求めていた。細野はなぜか「一人1千万円」を要求していた。
全選挙区での候補者擁立を目指す小池は、この資金はのどから手が出るほど欲しいはず。この資金をめぐり、今後は前原と小池、そして参院民進党による激しい争奪戦が起こる可能性がある。

今後の焦点は小池が都知事を辞め、衆院選に出馬するかに移る。
小池は28日午後、日本記者クラブで会見し、「今の国会が変わらない限り、都政でしっかり頑張る」と出馬を否定した。だが、小池が出馬しない限り、希望の党に破壊力は生まれない。世論の動向をじっくり見ながら、待望論が出るのを待っている可能性は十分ある。
小沢の動向も気になる。民進党との合流構想から弾かれたようにも見えるが、28日昼の自由党両院議員総会では上機嫌だった。
「本会議を欠席してたら解散されたそうです。ふっふっふっ。なんやかんや動きがあるけど、われわれも政権交代のため何をすべきか今後のことを決めたい」
こう語るとカツカレーをパクついた。  
“解党”民進で希望合流難しい大物議員に動揺広がる
衆院が解散した28日、民進党も事実上「解党」し、小池百合子東京都知事が代表を務める新党「希望の党」への合流を目指すことになった。急転直下の事態に、民進からの立候補に向けて準備を進めていた近畿選出の大物らにも動揺が広がっている。小池氏は民進議員全員を受け入れることは否定しており、大物であっても公認を得られる保証はない。
辻元氏、「合流方針に賛成か?」の問いかけに答えず…
「政権交代の大きなプラットホームを作るためだ」
衆院解散直後の28日午後1時半に開かれた民進の両院議員総会。前原誠司代表(55)=京都2区=が希望への合流を提案した。
党内には希望が掲げる憲法改正などの政策に否定的な議員もおり、当初は紛糾するとの臆測もあった。しかし反対の声はなく、満場一致で合流を了承した。
大阪10区で立候補予定の辻元清美幹事長代行(57)は、総会に続いて行われた非公開の懇談会後、記者団に「私は執行部なので発言はしていません」と険しい表情で一言。総会で合流方針が了承されたことが不服なのか、足早に車に乗り込み、「党の合流方針に賛成ですか、反対ですか」「希望の党の公認を得られそうですか」などの問いかけには一切答えなかった。
辻元氏は希望が容認するとした安保法制に強く反対してきた経緯があり、周辺で「希望との合流は難しいのでは」との声も上がる。
一方で、党大阪府連で代表を務め大阪11区からの出馬を予定している平野博文副代表(68)は合流に理解を示した。「二大政党制を作っていく基本の方向を了とする」のが理由だ。総会に先立つ常任幹事会では、自身も含め府内から立候補予定の13人全員が希望の公認を得られるよう求め、前原代表は「全員が当選できるよう努める」と応じたという。
平野氏は解散後、飛行機で地元に戻り、夜には大阪市西区の党府連で、府内の立候補予定者13人に希望への合流などについて説明した。会合後、平野氏は記者団に、「公認が得られるかどうかの結論は一両日中に出るだろう」と述べた。
前原氏「無所属で」、岡田氏は…
希望への合流を決めた民進の前原代表。28日夜のTBS番組で、衆院選での自らの立候補に関し、「無所属で出る」と語った。
党京都府連でも、東京での動きを確認するなどの対応に追われ、京都での具体的な選挙対応は「まだ未定」(関係者)という。
過去に代表も務めた三重3区の岡田克也氏(64)の地元事務所関係者によると、岡田氏は「解党」後の立場を鮮明にしていないといい、「執行部の判断に沿って行動するだろう」との見通しを示した。
奈良1区で出馬予定の元国土交通相、馬淵澄夫氏(57)は28日、解党について記者団に「残念な思いはあるが、議席獲得のために全力で頑張りたい」と述べるにとどめた。地元の事務所にはこの日、「どんな形になっても応援する」といった支持者からの電話が数十件寄せられたといい、馬淵氏は29日に地元で記者会見を開いて去就を明らかにする予定という。
樽床氏「急に状況が騒がしくなってきた」
民進を離党した身ながら日本新党時代からの小池氏との縁で希望からの公認が取り沙汰されているのが、大阪12区から無所属での立候補を表明している元総務相、樽床伸二氏(58)だ。26日には大阪府枚方市内で記者団に「無所属の前提でやってきたが、急に状況が騒がしくなったと思っている」と発言。28日午後4時に衆院選に関する会見を開くとしていたが、急遽延期された。陣営によると、午後から上京して秘書らと打ち合わせをしており、去就が注目される。  
民進党の三権の長経験者は「合流遠慮してもらいたい」 
新党「希望の党」の細野豪志元環境相は28日、BSフジ番組で、民進党前衆院議員の希望の党からの出馬について「三権の長を経験した人は遠慮してもらいたい」と述べた。民進党の三権の長経験者は菅直人元首相、野田佳彦前首相の2人。関係者によれば、小池氏が前原氏に対し、菅氏と野田氏の合流を認めなかったという。  
希望の候補絞り込み「おかしい」 連合・神津里季生会長
連合の神津里季生会長は30日、民進党本部で前原誠司代表と会談し、衆院選への出馬を望む同党出身者を新党「希望の党」が選別し、全員を採用しない方針に反対する考えを伝えた。会談後、記者団に「おかしい。できるだけみんなが行くことが一番望ましい」と述べた。
希望の党代表の小池百合子東京都知事は、民進党出身者について「全員を受け入れるつもりはさらさらない」と述べ、安全保障関連法や憲法改正に関する認識などを判断材料に、公認を絞り込む考えを示している。  
連合会長 小池都知事による「排除」の考えに不快感
連合の神津会長は、民進党の前原代表と会談したあと記者団に対し、衆議院選挙に向けて、希望の党が進める民進党出身者の公認調整について、基本的には全員が公認されるべきだとして、東京都の小池知事が排除もあるとしていることに不快感を示しました。
民進党の最大の支持団体である連合の神津会長は30日、民進党本部を訪れ、前原代表と会談し、衆議院選挙に向けて希望の党が進める民進党出身者の公認調整をめぐって意見を交わしました。
このあと神津氏は記者団に対し、「状況がわからないので、どういうことになっているのか聞きに来た。基本的には、『選別』とかいうのではなく、私たちの仲間が1つの塊になり、『できるだけ、みんなが行く』ということがいちばん、望ましい」と述べました。
一方、神津氏は、民進党出身者の公認をめぐり、希望の党の代表を務める東京都の小池知事が、安全保障政策や憲法観で一致しなければ排除する考えを示したことについて、「それはおかしいのではないか」と不快感を示しました。  
 
民進党リベラル派

 

小池知事に「排除」を宣告された、民進党リベラル派の憂鬱
「希望の党」代表の小池百合子都知事は9月29日の記者会見で、安保法や憲法改正などで政策が一致しない公認希望者について「(リベラル派は)排除いたします」と明言した。
「公認希望者は民進から離党を」「政策不一致なら公認はしない」――。設立間もない保守政党「希望の党」は、かつて政権を担った野党第1党を、瞬く間に事実上解党へと追い込んだ。
"踏み絵"を迫られ、出馬のキャスティングボートを小池知事側に完全に握られた民進党。特に「護憲」などを掲げてきたリベラル派の間には動揺が広がっている。
阿部知子氏「一緒にやりたい」「新しい独裁者はいらない」
民進前職で社民党出身の阿部知子氏(神奈川12区)は、憲法9条の堅持や安保法反対を掲げている。
阿部氏は29日、希望の党への事実上の「合流」について、「政権交代につなげるために何をすべきかの(動きの)結果」と評価。「原発ゼロ」を掲げたことを歓迎し、「ぜひ一緒にやりたいと思う」と述べていた。加えて、「私もリアリストだから」と合流への思いもにじませていた。
ところが、小池氏がリベラル派の「排除」を打ち出すと、その評価は一変した。
「(希望の党が)イデオロギーで選別するなら希望の党には参加しない」
阿部氏は30日にこう述べ、街頭演説でも小池知事について「安倍(晋三)首相に代わる新しい独裁者はいらない」と批判した。
朝日新聞デジタルによると、枝野幸男氏ら同党のリベラル派議員らと「より多くの仲間が戦える枠をつくる」ための協議を始めたとし、新党結成の可能性も示唆した。
産経ニュースによると、阿部氏は地元支持者の意見を聞いており「決断は週明けになる見通し」だという。
社民党出身の辻元清美氏は...
かつて社民党で土井たか子氏の薫陶を受けた「護憲」派の代表的存在、元国交副大臣の辻元清美氏(大阪10区)の去就も注目されている。
28日の両院議員総会の直後、辻元氏は報道陣に囲まれるも、「希望の党」に公認申請をするか否かを明言せず、党本部を去った。
朝日新聞デジタルは陣営幹部の話として「辻元氏は28日夜に大阪に戻り、29日も大阪府内で関係者らと接触している」という。
陣営幹部は「無所属で闘うのか、希望から出るのか、本人から伝えられていないので分からない。ただ、期限があるので一両日中に態度を決めないといけないと思う」と話している。
ただ、同じ選挙区には、維新前職の松浪健太氏が立候補を予定。「希望の党」と日本維新の会の間で候補者調整が進んでおり、辻元氏が選挙区で公認が得られるかは不透明だ。
30日、辻元氏は党本部前で報道陣の取材に応じ、「私は、リベラルの力を信じている。ですから私は、(希望の党には)行きません」と、「希望の党」に参加しない意向を明言。無所属で立候補する意向を明かした。
「ミスター年金」長妻昭氏は...
民主党政権で厚労相を務めた「ミスター年金」こと長妻昭氏(東京7区)はどう動くのか。
長妻氏は、安保問題では集団的自衛権に反対し、「あくまで個別的自衛権の範囲内で法整備を急ぐ」との立場で、集団的自衛権を限定的に認める「安保法」を容認する「希望の党」とは、スタンスが異なる。
28日、民進党は次期衆院選で公認候補を出さないことを決めている。ところが、地元で30日の朝刊に折り込まれていた長妻氏の広報チラシには、「民進党」のロゴが入っていた。
長妻氏も、どのような立場で選挙に臨むのか固まっていないのだろう。チラシに書かれたメッセージの最後には、こう書かれていた。
「私は闘い続けます」
闘う相手は、誰になるのだろうか。
逢坂誠二氏、無所属で立候補の方針
足場が固まらない候補予定者がいる一方で、逢坂誠二氏(北海道8区)はいち早く無所属での出馬を決めた。今国会で成立した「共謀罪」の趣旨を含む「改正組織的犯罪処罰法」を国会審議で激しく非難した逢坂氏。北海道新聞によると29日、「希望の党とはどうしても合わない。できれば無所属でやりたい」と述べた。
逢坂氏は30日、自身のTwitterで動画配信サービス「ペリスコープ」を通じて、「あまり変なことに惑わされないで、自分の思いを伝えていく」と語った。
そして、リベラル派の代表的人物の「あの人」は...
先の民進党代表選で、前原誠司代表(京都2区)と一騎打ちで争ったリベラル派の代表的存在、枝野幸男氏はどう動くのか。
共同通信は関係者の話として、枝野氏が「無所属で出馬する方向で検討に入った」「考え方の近い前議員らとの新党結成も視野に入れている」と報じている。
枝野氏本人は、自身のTwitterで「地元の地方議員の皆さんに経緯を報告し、自分の考え方を伝えて了解を得た」としつつ、「考え方の中身と具体的対応については、今後、状況に応じてお伝えします」と述べるに留めている。 
民進リベラル派・枝野幸男氏が前原誠司代表と直接会談
民進党の前原誠司代表は1日、枝野幸男代表代行と党本部で会談し、希望の党代表の小池百合子東京都知事が民進党出身者の選別方針を明らかにし、全員参加できない情勢を巡って説明した。会談後に枝野氏は「今は話せる段階ではない。どう受け止めるか考える。何人かと話をする」と述べた。民進の玄葉光一郎総合選挙対策本部長代行は、合流に伴う衆院選の第1次公認について、民進党出身者を含め一両日中に発表すると記者団に明らかにした。
希望の党の若狭勝前衆院議員は1日のNHK番組で、今回の衆院選(10日公示−22日投開票)での政権獲得は厳しいとの認識を表明した。代表である小池氏の衆院選出馬の可能性は低いとの見方も示した。
枝野氏は1日午前、前原氏に電話し、状況を詳しく知りたいと求めていた。玄葉氏は若狭氏と公認を巡って国会内で協議した。 
「希望の党」の公認得られない? 民進党リベラル派・枝野幸男代表代行
民進党のリベラル派の代表格である枝野幸男代表代行は1日、東京都の小池百合子知事が代表を務める国政新党「希望の党」から公認を得られない可能性がある状況を踏まえ「民進党の理念・政策が変わるなら、いろいろな判断がある」と述べた。10日公示、22日投開票の衆院選に無所属で出馬するか、新党結成も念頭にあるとみられる。
民進党全体での事実上の合流を目指す前原誠司代表に対し、小池氏はリベラル派を公認せず「排除」する構えをみせている。
枝野氏は1日朝に前原氏に電話で「前提が違うなら納得できない」と伝え、状況の説明を求めた。前原氏は「夕方まで待ってほしい」と述べたという。その上で枝野氏は「みなさんに納得できる説明が報告があるだろう。そうでなかった時は、そのとき考える」と述べた。国会内で記者団の取材に応じた。 
民進リベラル系が新党準備 希望や自民と対決姿勢鮮明に
新党「希望の党」(代表=小池百合子・東京都知事)が衆院選に向けて進める民進党出身者の公認調整に関連し、共産党などとの野党共闘に前向きな民進リベラル系の前衆院議員らが30日、希望からの公認が得られないことを前提に新党の結党準備に入った。民進からの立候補の可能性も模索している。新たに自民党と希望、日本維新の会といった保守陣営との対決姿勢を鮮明にする。
リベラル系の前衆院議員らは参院議員と協力して、まず前原誠司代表の「合流」提案の撤回を求め、両院議員総会の再開催を要求する。参院議員の間ではすでに署名活動も始まっている。
ただ、事実上の選挙戦へ動きだしており、総会の再開催が間に合わないことなども考慮。民進からの立候補の可能性も探りつつ、週明けにも総務省に新党を届け出られるよう準備を進める。
昨年の参院選などで実績がある、共産や社民党、市民連合などとの連携も検討している。共産の志位和夫委員長は30日、記者団に「新しい流れを作るとすれば歓迎だ」と述べた。
民進は同日、党本部で全国幹事会を開催。冒頭、前原氏が立候補予定者の公認内定を取り消し、全員を希望に公認申請する方針を説明した。だが、公認判断について小池氏は、民進が憲法違反として廃止を訴えてきた安全保障法制への賛同などを条件に「排除する」と明言しており、出席者からは不満や不安を訴える声が出た。
辻元清美幹事長代行は会議後、記者団に「現実的なリベラルが今の政界に大事だ」と述べ、希望に合流しない考えを表明。旧社会党出身の赤松広隆元衆院副議長は同日、名古屋市内で記者団に「新しい政党を作ることも選択肢の一つとしないといけない」と言及した。 
民進党は4分裂 枝野幸男氏らの「立憲民主党」、「希望の党は民進党の政策とは違う」
民進党の枝野幸男代表代行は2日、記者会見で新党「立憲民主党」を結成すると表明した。希望の党に合流しないリベラル系の民進党前衆院議員らが参加する。衆院選(10日公示−22日投開票)では民進党の一部が無所属で出馬する予定で、民進党は希望の党、立憲民主党、無所属、参院に4分裂する見通しとなった。
枝野氏は記者会見で「安倍晋三政権の暴走に歯止めをかけるための大きな役割を果たす」と強調した。安全保障関連法を容認する希望の党に対しては「民進党が積み上げてきた政策とは違う」と牽制した。
民進党最大の支持団体・連合との関係は「働く者の立場というのが私たちの立ち位置だ。連携していける」と述べた。枝野氏は会見に先立ち、都内で神津里季生連合会長と会談し、新党への理解を求めた。
立憲民主党には、枝野氏や長妻昭選対委員長、赤松広隆元衆院副議長ら数人が参加する。3氏は2日、民進党に離党届を提出した。菅直人元首相も参加の決意を表明した。
民進党の岡田克也元代表は2日、衆院選を「無所属で戦う」と宣言した。野田佳彦前首相や江田憲司、安住淳の両前代表代行も無所属で出馬する。  
枝野氏が「立憲民主党」結成 長妻氏や赤松氏ら参加へ
民進党の枝野幸男代表代行は2日、東京都内のホテルで記者会見し、新党「立憲民主党」を結成し、自身が代表に就くと表明した。希望の党の小池百合子代表が民進党からの合流に「排除」の方針で臨み、公認を得られない立候補予定者の受け皿となる。民進リベラル系が参加し、安倍政権に反対する市民と連携し、共産党などとの野党共闘路線の再構築を目指す。
民進党は、希望の党への合流、立憲民主党への参加、無所属に3分裂した。希望の党は、立憲民主党が候補者を擁立する選挙区に対立候補を立てる方針。10日公示、22日投開票の衆院選は、「自民・公明」「民進合流組を含む希望の党・維新」「立憲民主党や共産などの野党共闘勢力」の三つどもえの構図となることがほぼ固まった。
枝野氏は記者会見で、前原誠司代表が合流を図った希望の党について、「前原氏が(民進党の)理念・政策を新しい器の中で実現していくとしたが、方向が違うと判断せざるを得ない」と表明。安全保障法制の容認などで「踏み絵」を迫る小池氏と歩調を合わせられないことを強調した。
そのうえで、「安倍政権の暴走に歯止めをかける大きな役割を果たす」と主張。憲法9条に自衛隊を明記する改憲案は「安保法の違憲部分の追認になる」、2019年10月の消費税10%の増税は「現下の経済情勢では国民の理解を得られない」と反対する考えを示した。また、「一日も早く原発ゼロを実現していく」とも訴えた。
会見に先立ち、枝野氏は2日、連合の神津里季生(こうづりきお)会長と会談し、支援を依頼。「理解、賛同を頂けたと思っている」と語った。枝野氏は安倍政権に反対する市民と幅広く連携する考えも強調。共産や社民党は枝野新党の結党を歓迎し、衆院選での共闘を模索する方向だ。
枝野氏らは2日に離党届を出し、3日に新党結成を総務省に届け出る。新党には菅直人元首相、赤松広隆元衆院副議長、長妻昭元厚生労働相ら前職7人が参加する意向を示したほか、民進で公認内定し、希望の党の公認が受けられない議員からも参加者が増える見込みだ。
一方、野田佳彦元首相、岡田克也元代表、安住淳元財務相、江田憲司・前代表代行らは無所属で立候補する意向を表明した。
立憲民主党に参加する民進前職や元職 / 枝野幸男 / 菅直人 / 赤松広隆 / 海江田万里 / 長妻昭 / 阿部知子 / 辻元清美 / 初鹿明博  
民進の近藤副代表、立憲民主党から出馬へ 愛知3区
民進党の近藤昭一副代表は3日午前、名古屋市内での街頭演説で「立憲民主党と一緒に頑張りたい」と述べ、衆院選の愛知3区に民進の枝野幸男代表代行が作った新党「立憲民主党」から立候補する意向を明らかにした。
近藤氏は演説で「問われるべきは立憲主義、民主主義を壊している政権にストップをかけることだ」と述べた。その後「希望はリベラルを壊すかのような選別をして、そこに対立候補を擁立しようとしている。ならば、こちらも政党を一緒に作って、頑張らなければならない」と記者団に語った。
愛知3区には自民前職の池田佳隆氏が立候補を予定するほか、希望も候補者を擁立する方針。  
 
希望と維新

 

希望と維新、すみ分け合意「改革の志を国会に」
希望の党の小池代表(東京都知事)は30日、日本維新の会の松井代表(大阪府知事)、愛知県の大村秀章知事と大阪市内で会談し、衆院選に向けて連携していく方針で一致した。
小池、松井両氏は、小選挙区での候補者擁立を巡り、東京が拠点の希望と大阪を拠点とする維新が、互いにすみ分けをすることで合意した。
会談後の共同記者会見で、小池氏は「維新とすみ分けしながら、改革の志を国会に届ける」と述べ、松井氏も「希望とは政策的にほぼ一致している。お互いに最大限配慮する」と語った。
3氏は憲法の地方自治部分の改正や、脱原発などを掲げた共通政策を発表した。希望の公約に反映される見通しだ。衆院選出馬については、松井、大村両氏が否定し、小池氏は「今回は国政に候補者を出していきたい」と述べるにとどめた。  
小池都知事「改革の志を国会に」維新との連携確認
新党「希望の党」代表の小池百合子東京都知事(65)が30日、大阪市内で、「日本維新の会」代表の松井一郎大阪府知事(53)、大村秀章愛知県知事(57)と3人で合同記者会見に臨み、希望と維新は「東京と大阪ですみ分けながら、改革の志を国会に届けようということを確認した」と語った。
希望は大阪の、維新は東京の小選挙区で公認候補を立てない方針を確認。松井知事は「希望の党とは製作もほぼ一致している。お互いに最大限、配慮をしようということになった」とし、「東京、大阪以外では切磋琢磨(せっさたくま)し、我々は東京では比例で戦いまで」と明言した。
この日は、東京、大阪、名古屋と日本の3首長が大阪に集っての会見。小池知事は、大阪での会見にいたった理由については「私、久しぶりに大阪へ行きたいなと思いまして。ぜひ、松井知事に(協議と会見の場を)セッティングしてくださいとお願いしたんです」と説明した。
大阪の隣県、兵庫県芦屋市の出身で、兵庫の選挙区から出馬したこともある。ゆかりの関西へ“帰郷”したかったといい「私、太陽の塔の近くで育っておりますので、ぜひとも大阪万博も(誘致へ)応援していきたい」と、大阪府吹田市にある大阪のシンボルまで口に。関西弁のイントネーションで「大阪も元気になってほしい」と続け、リップサービスも加えた。
小池知事は、自身の衆院選出馬については「知事として、東京モデルの成功例をつくることで、国政に影響を与えたい。知事としてこれからも連携したい」とし、あらためて否定した。
衆院転身への質問には、松井氏も強く反応。「今日、3知事が一致して、改革を推し進めようと話し合って、このうち誰かが立候補したら『三都物語、ウソだったのか』ってなる。僕もですけど(3人とも出馬は)あり得ない」とし、自らだけでなく、小池知事、大村知事にも“けん制”するように、出馬を否定した。
また、3知事が集まり協議した内容については、小池知事が「東京、愛知、大阪、東海道のメガロポリスが、改革に向け一緒に歩んでいこうということで合意ができました。東京、愛知、大阪この3つが連携を致しまして、『三都物語』とでも名付けましょうか。これから連携をすることによって日本をけん引していこうということです」と、明らかにした。
対して、東京、名古屋の知事を地元へ迎え入れた松井知事は「我々がこの6年、大阪で徹底的にやってきた身を切る改革、しがらみのない政治を全国に進められるいい機会だと思い、(協議の依頼を)受けさせてもらいました」と話した。  
三都物語 微妙な距離感 松井氏と小池氏、目も合わせず
日本維新の会代表の松井一郎大阪府知事は30日、新党「希望の党」代表の小池百合子東京都知事、大村秀章愛知県知事と大阪市内のホテルで開いた共通政策「三都物語」に関する記者会見で、笑みを浮かべながら写真撮影に応じた。しかし質疑では、松井氏と小池氏との間にすきま風が吹く場面も。衆院選で候補者調整や政策の一致を打ち出す維新と希望の党だが、党首間の関係は微妙のようだ。
松井氏は会見中、ずっと前を見つめ、小池氏と目を合わせることはほとんどなかった。3大都市の共通政策という新たな試みを発表する華やかな機会とは対照的に、松井氏はいつものように淡々と質問に答える姿が目立った。
質疑では、衆院選での協力に関して小池氏が「連携」を明言したのに対し、松井氏は「最大限、配慮しようと約束できた」と言葉を選んだ。また、共通政策が党としての合意かと問われると、小池氏は「党の公約に入れ込んでいきたい」と維新との協調姿勢をアピール。これに対し松井氏は「維新としては6年間やり続けている」と語り、両党が掲げる“改革”の先駆者が維新であることを強調するなど、松井氏と小池氏の温度差が垣間見えた。
衆院選への出馬を問われた場面では、去就が注目される小池氏が「仲間を募って(国政に)送り出したい」などと質問をかわすと、松井氏は「3知事で意見が一致して連携をやろうじゃないかとなっているとき、誰かが立候補したら、3都物語そのものがうそだったということになる」と述べ、小池氏の出馬を牽(けん)制(せい)した。
小池氏の出馬は希望の党の獲得議席を左右する衆院選の注目点となっている。こうした状況を知ってか知らずか松井氏はこう付け加えた。
「僕は大阪の事情もありますから、そういうことはあり得ない。総選挙に出ることはありません」  
唐突「三都物語」 小池・松井氏意見食い違い今も
「国内総生産で半分に匹敵する都府県で(日本を)けん引する」。30日夜、大阪府内で開かれた東京都の小池百合子知事、大阪府の松井一郎知事、愛知県の大村秀章知事の共同記者会見。小池氏は会見で3知事の連携の意義を、こう説明したものの、具体的な政策は示さなかった。突如として幕を開けた「三都物語」は、衆院選にうねりを生み出すのか−−。
約200人の報道陣が集まった会見の冒頭で、小池氏は「東京 愛知 大阪 三都物語」と書かれたボードを掲げ、「メガロポリスが合意できた」と胸を張った。
だが、3者は以前から良好な関係を築いていたわけではない。小池氏と松井氏は、いずれも上山信一・慶応大教授を政策ブレーンに据えているが、今年7月の東京都議選では小池氏率いる「都民ファーストの会」と日本維新の会が対決。松井氏は豊洲市場への移転を延期した小池氏に対し「判断が遅い。移転を打ち出すのが知事の役目だ」と痛烈に批判した。
この日の会見でも、小池氏が今回の解散について「理不尽な解散・総選挙」と評したのに対し、松井氏は「野党として総選挙を求めてきたのだから不平不満はない」と認識に食い違いを見せた。また小池氏は「(松井氏とは)全国知事会で初めて会った」と述べ、会見を大阪で開催した理由を問われると「久しぶりに大阪に来たかったから。大阪は2年ぶり」と交流の浅さをうかがわせた。
それぞれの衆院選出馬の可能性について問われた場面では、小池氏が「知事としてこれからも連携する」と述べるにとどめたのに対し、松井氏は「(3人のうち)誰かが立候補したら三都物語がうそだったことになる。あり得ない」と、出馬が取りざたされている小池氏をけん制した。
一方の大村氏は、2011年の愛知県知事選で松井氏の支援を受けた。大村氏が県政策顧問に登用した元環境省審議官の小島敏郎氏を、小池氏も9月に都民ファーストの政務調査会事務総長に就任させるなど、大村氏は小池、松井氏のいずれとも関係は深い。会見では希望の党のイメージカラーの緑色のネクタイに、維新の青色の上着姿で2人に挟まれる格好で着席し、「両者の応援団」と強調した。
会見は小池氏の帰京時間が迫っているとの理由で、わずか30分で打ち切りに。小池氏と松井氏は最後までほとんど目を合わせることなく、会見場を後にした。  
小池氏「三都物語」崩壊 大村・愛知県知事「希望」応援撤回 10/12
東京、愛知、大阪の「三都物語」の連携が、公示2日目にして崩壊した。
小池氏と日本維新の会の松井一郎代表(大阪府知事、53)の「応援団」を自称していた愛知県の大村秀章知事(57)がこの日の会見で「特定の党に応援に入ることは、現段階で考えていない」と発言。希望や維新と距離を置く考えを表明した。
予兆はあった。5日に希望が大村氏を党顧問に内定したと発表し、直後に取り消した。大村氏は「認識の違いがあった」と説明し、小池氏は調整中の内容を公表した「単純ミス」と釈明に追われていた。
大村氏と対立関係にあるといわれる地域政党「減税日本」の代表で河村たかし名古屋市長(68)の存在も、方針転換の要因との見方もある。小池氏は、7日に東京・銀座で行った街頭演説は松井氏、河村氏と合同で開催。小池氏から「25年来の盟友」と紹介された河村氏は上機嫌で「銀座の恋の物語」の一節を歌い、連携をアピールした。この演説について小池氏は3人とも政党の代表者と紹介したものの、姿を見せなかった大村氏も地域政党「日本一愛知の会」を率いた経験があり、違和感を残した。
希望と維新の距離感にも温度差がにじむ。維新は「選挙協力」と報じられることを嫌い、「我々は棲み分けと言っている。あくまで不可侵条約だ」(党幹部)と譲らない。第一声でも「打倒安倍首相」を叫ぶ小池氏に対し、首相に近い松井氏は政権批判を避けた。
選挙期間中の協力関係は崩れたが、「三都物語」は地方創生など三大都市圏の共通政策でもある。大村氏は会見で「三都連合で地方分権は進めていく」とした。「特定の政党ではなく、個人的に関係のある方(候補)にエールを送っていきたい」。大村氏は今後も選挙戦に関わっていくとみられるが、与党が脅威と見ていた3都府県知事による合同演説会の計画は消滅することになった。  
 
「小池劇場」の成否 

 

「安倍一強」に挑む
「国難を乗り越えるために、どうしても今、国民の声を聞かなければなりません。相当厳しい選挙になることは覚悟しています」
9月25日夕刻。ついに伝家の宝刀を抜いた首相・安倍晋三は、この審判を「国難突破解散」と銘打った。
だが、ここに至る水面下で、官邸と公明党・創価学会が凄まじい攻防を繰り広げていたことはほとんど知られていない。
日頃から早期解散を進言してきた副総理兼財務相の麻生太郎に、安倍が私邸で解散の決断を伝えたのは9月10日、日曜日の夜だった。翌11日。安倍は公明党代表の山口那津男と会談し、「場合によっては臨時国会中に解散することも検討しようと思います」と耳打ちした。だが北朝鮮情勢も見通せない中、あえて曖昧な言葉を選んだ。山口はよもや冒頭解散と思わぬまま、翌日、プーチン大統領側近のマトビエンコ上院議長らとの会談に向けてモスクワへ飛んだ。公明党・創価学会が総選挙に向けて慌ただしく動き始めたのは、4日後の16日。このタイムラグは何を意味するのか。
山口が機上の人となった直後、官房長官の菅義偉は、密接な関係を築いてきた創価学会副会長(選挙担当)の佐藤浩に、臨時国会冒頭にも解散する可能性を密かに伝えた。森友・加計問題で守勢の選挙を余儀なくされると踏み、公明党の支持母体である創価学会の全面支援が不可欠と考えたからだ。
一部メディアは「公明党は改憲論議を先送りできるため、この時期の解散を歓迎した」と報じたが、実態はまったく異なる。
安倍内閣の支持率が森友・加計学園の問題で急低下し、都議選で自民党が惨敗した頃から、公明党・創価学会はこんな目論みを抱いていた。
〈自分たちとは肌合いが異なるタカ派の安倍には来年9月の総裁選で退いてもらい、新しい首相の下で秋から年末の解散に持ち込む。これならご祝儀相場の新内閣の下、国民に信を問える〉
だから当然、佐藤は菅に激しく抵抗した。「冒頭解散などあり得ない。選挙準備が間に合わないし、大義名分もない」、「7月の都議選で全国の学会員を動員して戦ったばかりで、半年は休息期間が必要だ。選挙は早くても年末にするよう首相を説得してほしい」。
さらに佐藤は自民党幹事長の二階俊博らに直談判し「今解散となれば、創価学会の支援は限定的になりかねませんよ」と強く牽制した。
後付けの理屈を吹聴
この時期の解散に反対だったのには、もう1つ、表立って口にできない根源的な理由があった。集団的自衛権の行使を一部容認する憲法解釈の見直しに、無理やり付き合わされた3年前の恨みは今も燻ぶる。総選挙で勝利し、「改憲のお墨付きを得た」とされてはたまらない。公明党執行部は、安倍が掲げる改憲、とりわけ9条の改正に踏み込みたくないのが本音なのだ。
だが、創価学会の強硬な反対にも、安倍は1歩も引かなかった。二階ら自民党幹部にも冒頭解散の不退転の決意を伝え、力ずくで押し切ったのだ。
もう1つの見逃せないファクターが北朝鮮情勢だった。
「年末から年明けにかけての向こう半年が重大な局面になります。北朝鮮は射程1万キロ超の大陸間弾道ミサイル(ICBM)『火星14号』をハワイと米本土の間の太平洋深奥部へ撃ち込み、さらなる核実験にも踏み切ると予想されます。そうなれば、米朝関係は最大のヤマ場を迎えます」
安倍はこの間、外交・防衛当局から北朝鮮の動向予測の極秘報告を受け続けた。他方、2019年10月に消費税率を10%に引き上げるには、来年中の制度設計や法改正が不可欠だ。当然政権には逆風となり、支持率は下降線を辿るだろう。何より、選挙による禊ぎで森友・加計問題に終止符を打たなければ、いつまでも野党やマスコミの攻撃にさらされることになる。
安倍にとって、北朝鮮情勢が緊迫していく流れは、格好の口実になった。
「北朝鮮問題が長引く見通しで、今後、ロシアや中国に対して強く出なければならない場面が増えるのに、『安倍政権はどうせ長くはない』と足元を見られては外交交渉などできない。北朝鮮情勢がさらに緊迫すれば、解散の機会は永遠に失われてしまう」
安倍は解散表明後、会う人ごとに、そんな後付けの理屈を吹聴した。
「失望させられた党です」
「首相は年内解散を狙ってくるみたいね」
東京都知事・小池百合子が側近の衆院議員・若狭勝と、元環境相の細野豪志に新党立ち上げの前倒しを指示したのは、内閣改造後に支持率が上向いてきた8月下旬だった。その情報は直後に安倍の耳に届く。
2人の神経戦が、解散への歯車を加速させる一因となっていた。
ただ、若狭の政治経験のなさが誤算を招いた。元特捜検事で法律のプロとはいえ、初当選から僅か3年弱。永田町では指導力も求心力もない。細野や、同じく民進党から離れた元防衛副大臣の長島昭久らの間で「若狭はどこまで小池のお墨付きを得ているのか」「本当に“小池新党”になるのか」と疑心暗鬼が広まった。
それを察知した小池は一計を案じた。あらかじめ報道各社にリークして、若狭と都内の飲食店で9月2日に会談。「外に出たら私が『国政は若狭氏に任せます。支援します』と言ったとブリーフしてちょうだい」と若狭に指示した。その通りに、店の前で記者対応した若狭。この儀式以降、各メディアは若狭の動き=小池新党であると明確に報じるようになり、細野らとの連携は進んでいった。
だが、話が進むにつれて、民進党を離れた議員たちが次々と群がってきた。新党が民進党出身だらけの「第二民進党」になれば、新党としての新鮮さが損なわれる。小池は二の矢を放った。自らが動いて自民党の現職副大臣(内閣府)・福田峰之や、日本のこころ代表の参院議員・中山恭子ら、民進党以外に触手を伸ばし始めた。
それでも勢いが足りないと見るや、次に切ったのが、自らが代表となるカードだった。
「本当の意味でしがらみのない改革勢力が必要です。(若狭らの動きは)リセットして、私自身が立ち上げる」
安倍の解散表明会見に先立つこと3時間半。
小池は都立上野動物園で生まれたパンダの赤ちゃんの名前を「シャンシャンです」と発表した直後に再び会見を開き、「希望の党」結党を宣言した。だがしがらみのなさは、裏を返せば「政治素人の寄せ集め」ともなりかねない。「客寄せパンダ」の役割を独りで担う小池の人気頼みの戦いになる。
「あなたは供託金の600万円を立て替えることができますか?」
小池新党からの立候補を模索していた男性は、若狭が立ち上げた「輝照塾」の面談を受けた際に、開口一番、こう聞かれたと明かす。その後、新党名が「希望の党」になったと知り「私にとっては、失望させられた党ですよ」と苦笑した。
7月の都議選で小池率いる「都民ファーストの会」と協力した公明党・創価学会にとっては、「小池代表」による新党は、失望を通り越して悪夢だ。
実は夏以降、小池自身が創価学会関係者と接触して国政新党への協力を求めてきた。だが、自公が連立政権を組む国政は都議選のようにいくわけもない。創価学会側は、表立った協力は約束できないものの「可能な限り、敵対しない」という密約をかわした。
だが、それもあくまで「小池は新党に直接的には関与しない」という前提での話。小池が代表になった直後、都議会公明党の幹事長・東村邦浩は「裏切られた」と吐き捨て、公明党幹部も「これで密約は反故になった。1度別れた都議会自民党と直ちによりを戻すわけではないが、もはや(都議会で)小池与党ではなくなる」と憤慨した。
小池の都知事としての任期は2020年7月末。その時には68歳になっている焦りも垣間見える。公明党・創価学会との確執は覚悟の上で、この大勝負で一定の勢力を確保しなければ、政治家として「先」が見えないのだ。
一方、野党第一党でありながら公認候補を出さず、希望の党への事実上の合流に至った民進党代表・前原誠司だが、実は早い段階から、民進党を離れたが自身と考え方の近い長島、細野らを橋頭堡にした、「小池への抱きつき合流」を思い描いていた。
8月末、赤坂のイタリア料理店。9月1日の代表選の勝利が確実視されていた前原は、赤ワインのグラスを傾けながら自らを支持する議員らにこう語っていた。
「このまま離党ドミノが続けば、民進党はもはや政党の体をなさなくなる。小池さんが新党を作れば、対応を真剣に考えないといけない。民進は、小池さんと組むグループと、共産に寄るグループに分裂するかもしれない」
安倍の解散決断と小池の新党立ち上げが予想以上の速度で訪れたため、混乱を招いたが、結果的には前原の思惑通りといっていい。
「今回の衆院選は改憲の『プレ国民投票』だ」
安倍側近の1人は、「大義なき解散」とも批判される総選挙をこう位置付ける。自民党が公約の柱に自衛隊の存在などを明記する「憲法改正」を掲げているからだ。
改選前議席は自民287、公明35の計322。改憲を発議できる3分の2を超えていた。だが安倍は衆院選の勝敗ラインを、自公あわせて定数465の過半数、233に設定した。
来る選挙で自民党の議席減が20〜30程度にとどまれば、安倍は態勢を立て直して来年9月の総裁選で3選を果たし、2021年までの超長期政権を見据える構えだ。たとえ自公で3分の2を割り込んでも、日本維新の会や希望の党をカウントすれば、数字の上では改憲の発議は可能になる。
改憲を掲げる安倍が、希望の党に連立参加を打診した場合、小池が受け入れるかは極めて微妙だ。小池は国政復帰を問われると「インシュアラーです(神のみぞ知る)」とアラビア語で煙に巻くが、自らが国政復帰して女性初の首相を目指すというのは、彼女をよく知る者たちの一致した見方だ。
求心力を維持するための「劇場」の盛り上げ方も熟知している。細野、若狭らチャーターメンバーが行う候補者選定作業では、民進党からの合流希望者を、小池のお墨付き、公認可、要検討、不可などに分類。一時細野が「三権の長経験者はご遠慮を」といい、翌日小池が「総合的に考えたい」とリセットしたのも、判断基準をめぐって希望者らを疑心暗鬼にさせて分断、求心力を高める小池の手法だ。メディアもその一挙手一投足に注目せざるを得ない。さらに小池は、大阪府知事の松井一郎、愛知県知事の大村秀章とも連絡を取り合い、3大都市の連携による大きなうねりも模索するなど、矢継ぎ早に手を打ち、劇場に人々の目をひきつける。
一方の安倍。もし、この戦いで自民党が大幅に議席を減らし、単独過半数を割り込めば、たとえ自公で過半数を維持できても、退陣論が噴き出すのは避けられない。
創価学会のある幹部はこう明かす。
「安倍さんが退陣して、岸田さんなど他の人が総理になるのなら望むところ。公明を足して何とか過半数なら、我々の存在価値は高まる」
奇襲に打って出たはずの安倍と、自らの党代表就任で民進党を壊滅させ、構図を一変させた小池。「小池劇場」が続く中、10月22日に、勝利の女神はどちらに微笑むのか。  
失速「希望の党」は、最終的に何を目指すのか
 首班指名の候補については口をつぐんだまま
「いよいよ日本に希望を、そして日本の政治に希望を。そのために出馬いただくみなさんと心あわせをし、戦いぬくんだという共通の目標をみなさんとシェアしていきたい」
10月9日に開かれた希望の党の総決起大会で、同党の代表を務める小池百合子東京都知事はこう挨拶した。
盛り上がりに欠けた総決起大会
本来なら華々しく行われるはずの総決起大会だが、会場の雰囲気は盛り上がりに欠けていた。それもそのはずで、希望の党の勢いがいまいち振るわない。読売新聞社が10月7日と8日に行った全国世論調査によると、希望の党に「期待しない」が58%で、「期待する」の36%を大きく上回った。また比例区の投票先として自民党が32%に対し、希望の党は13%に過ぎなかった。
なお、朝日新聞社が10月3日と4日に行った世論調査では、比例区の投票先は自民党が35%に対して希望の党は12%。読売新聞社と同じ傾向を示している。
原因は何か。それは希望の党がわかりにくい点だろう。「安倍1強を打破する」と言いつつも、自民党には秋波を送っているようなそぶりを見せる。いったい希望の党は何を求めているのか。あるいはどういう立ち位置を目指すのか、国民にはいまいち理解できない。
小池代表は「右でも左でもないフェアウェイを目指す」と述べたが、その内容は不明だ。8日に日本記者クラブで行われた党首討論でも「今後大量に出てくる生活保護ということを考えれば、AI(人工知能)からBI(ベーシックインカム)。財源はどうするかは設計次第」と発言し、政策がこなれていないことが露見した。
そして自身の出馬はあらためて否定した上で、首班指名の候補については口をつぐんだまま。「選挙結果を受けて考える」という姿勢だった。
これで政権を狙うというのだから、もはや意味不明になってしまう。選挙公約が明らかにされたところで、国民はいったい何を基準に投票すればいいのか分からない。
あっと言わせるサプライズはあるのか
9日午後、小池代表は知事としての公務日程をほとんど入れなかった。どこかで出馬の準備でもしているのだろうか。小池代表にとって政治生命をかけた勝負であるだけに、さまざまな憶測を呼んでいる。
公示日である10日の第一声は、地元である豊島区・池袋で行う予定であるため、いきなり衆院選に出馬して東京都知事を自動失職する可能性も囁かれる。実際にはそれくらいのことをやらない限りは、この劣勢を挽回できそうにない。
全国民をあっと言わせるサプライズは準備されているのだろうか。それとも希望は急速にしぼんでしまうのだろうか。いずれにしろ10日になれば、戦いの火ぶたは切って落とされる。  
望の党が順位なしの比例単独名簿を発表 党本部は「よくわからない」
希望の党は10日午前、報道各社に対し、衆院選の比例単独名簿34人分を発表した。しかし、順位は付いていない。産経新聞の取材に対し、党本部は名簿搭載順位について「調整中だ。これから発表する」と回答した。順位が付いていない名簿を発表した理由については「よく分からない」と語った。
衆院比例代表では、得票数に応じて各党に議席が振り分けられるが、誰が議席を獲得するかを決めるため、比例名簿には順位を付けることが必要となる。
一方、参院選ではあらかじめ順位を付けず、各候補者個人の得票数で当選者が決まる「非拘束名簿式」を採用している。  
希望の党、首都圏は小池直系 立憲民主に対立候補
衆院選の公示直前に結成された新党・希望の党(代表・小池百合子東京都知事)と立憲民主党(枝野幸男代表)には、ともに事実上解党した民進党出身者が多い。しかし希望と立憲の候補者の擁立ぶりは対照的。希望は小池代表の影響力が強いと期待する首都圏を、独自に人選した「小池直系」の候補で固める一方、それ以外の地方では民進出身候補が多い。逆に立憲は、首都圏で希望に「排除」されるなどした候補が多く出馬している。
希望候補235人の内訳は、民進から当初出馬を予定していた候補が117人で最多。小池氏が主導する政治塾塾生などの「直系」98人、希望の結成メンバーが11人で続いた。一方、立憲は候補者78人のうち民進出身が56人と大半。他に旧民主党元職や同党関係者なども20人いる。
候補が出馬した地域をみると、希望は首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉の71選挙区)で66人を擁立。このうち政治塾塾生や党結成メンバーらが46人を占め、民進出身者は20人にとどまった。逆に東北6県23選挙区では、候補17人のうち14人が民進出身者だ。
一方、立憲は首都圏で候補30人を擁立し、そのうち民進出身は27人。菅直人元首相(東京18区)や長妻昭代表代行(東京7区)らに対しては、希望が対抗馬を立てた。
また希望は大阪で、日本維新の会に配慮し候補を立てていない。このため、民進から出馬予定だった候補が希望からは出られず、大阪の立憲候補8人のうち辻元清美氏(大阪10区)ら7人が民進出身者だ。  
希望候補ドタバタ、支援者に戸惑い「どこの誰?」
衆院選は10日の公示が迫り、各陣営は選挙事務所の設営や届け出などの準備で忙しい。
なかでも慌ただしいのは9月下旬の解散直前に小池百合子東京都知事が設立した希望の党。解散後に選挙区の“国替え”を強いられたり、政治経験のない立候補予定者が少なくない。「最近まで顔も知らなかったのに」と戸惑いを隠しきれない支援者もいる。
○ 玉突きで国替え
「今朝は事務作業をしていました」。希望の党公認で奈良2区から立候補を予定している新人、松本昌之氏(34)は7日朝、JR法隆寺駅前(奈良県斑鳩町)での街頭演説を早めに切り上げ、選挙事務所で公示に向けた準備を進めた。
東京大法科大学院を修了した弁護士だが政治経験はない。立候補も急に決まった。小池氏傘下の政治塾に入ったのが9月16日。希望の党の若狭勝氏から出馬の打診を受けたのが19日で、入塾から約1週間後の23日に出身地の奈良2区を提案され決意した。
希望の党への合流を決めた民進党本部から「奈良2区の公認は松本氏」と連絡を受けた民進奈良県連は揺れた。県連幹部ですら「どこの誰なのか顔も知らなかった」。
そもそも奈良2区では、元参院議員、前川清成氏(54)が民進から立候補する予定だった。しかし希望の党側は松本氏を優先、前川氏は3区への国替えを余儀なくされた。もともと3区を予定していた新人は出馬を断念した。
県連の藤野良次代表らは今月4日の会合で、松本氏の選挙活動への協力を約束したが県連内にはしこりが残る。民進最大の支援組織である「連合奈良」も支援はしない。
2区では、自民の立候補予定者が前総務相の前職、高市早苗氏(56)と強敵だ。
藤野代表は「いきなり希望の党の人を支援しろといわれても気持ちが入らない。走りながら気持ちを乗せていくしかない」と自らを鼓舞するように話した。
○ まさかの同士打ち
世界遺産・姫路城のおひざ元、兵庫11区は、自民前職の松本剛明氏(58)と大阪19区から国替えとなった希望の党元職、長安豊(たかし)氏(49)が立候補を予定。2人は旧民主党にいた時期があり、かつては酒を酌み交わした仲。「元同僚同士の対決」となる。
長安氏の国替えが発表されたのは、公示まで1週間に迫った3日夜。希望の党が日本維新の会との調整で候補者を東京と大阪ですみ分けた影響を受けて、支援組織へのあいさつ回りも終えないままの出馬表明だった。6日の公開討論会も「選挙準備多忙」を理由に欠席し、政策を有権者に伝える余裕もない状況だ。
対する松本氏は兵庫11区で3連勝中。「どの候補者が出てきても、これから自民で仕事をすることに対する有権者の審判をあおぐ私の戦い方は変わらない」と強者の余裕を漂わせる。
○ 対立陣営から同情
長安氏の国替えで取り残される形になったのが、大阪19区で支えてきた支援者たちだ。泉佐野市の男性会社社長(49)は「やはり19区で出てほしかった」と複雑な心境。それでも「彼が国会議員に復帰することが、泉佐野市のためにもなる」と、兵庫11区のポスター貼りに協力するつもりだ。
希望の党は大阪7区(吹田市など)でも民進から立候補予定だった新人、乃木涼介氏(53)を神奈川15区(平塚市など)へ国替えした。1年前から大阪7区で準備を進めてきただけに、支援者や後援会だけでなく対立してきた陣営からも「ふびんだ」「かわいそう」と同情の声が上がる。
乃木氏の活動を支えてきた地元市議は「非常に残念だ。支援者の選択肢も失ってしまった」と嘆いた。  
まるで喜劇 「希望の党」シロウト新人候補のドタバタ出馬劇
第48回衆院選が10日公示され、与野党は12日間の選挙戦に突入した。政治を私物化し、憲法を蹂躙する安倍暴政をストップさせるために立ち上がった新党「立憲民主党」の動向に注目が集まっているが、対照的にガタついているのが小池都知事率いる「希望の党」だ。
希望は、代表の小池知事以外は全員ヒラ。きちんとした執行部が存在しないため、選挙戦に向けた組織的な指揮命令系統もないという。この状況に右往左往しているのが、数合わせでかき集められたシロウト候補たちだ。民進党関係者がため息交じりでこう明かす。
「本来は、役所で立候補届け出書類の事前審査があるため、新人であっても問題なく公示日を迎えられます。ところが、希望の新人は突然、公認に決まったケースが多く、ロクに事前審査を受ける時間がなかったために、民進党の地元組織を頼ってくるケースがほとんどでした。役所側も混乱して、『今、希望で立候補したいという人が来たが、書類は大丈夫か』なんて問い合わせの電話がしょっちゅう入っていましたね。
北関東のある県連事務所では、希望の公認候補となった女のコが両親と一緒に姿を見せて『私を手伝う担当はダレ?』と言い出し、職員が呆れたようです。別の事務所では、希望の落下傘候補が誤って自分の選挙区の隣に事務所を構えようとして、記者から『あなたの選挙区は隣じゃないのか』と突っ込まれた、なんて話も聞きました。ホント、喜劇ですよ」
いやはや、確か小池知事は「政権交代を狙う」とか言っていたが、笑止千万ではないか。果たして希望のシロウト新人は選挙を戦えるのか。ポスター張りや街宣車の確保、ウグイス嬢の手配だって大変だったろう。
「どうやら事務所や街宣車などの手配をパッケージ化して販売した“選挙ブローカー”のような存在があったようです。かなりの金額を支払った新人候補もいたようで、『選挙後に詐欺事件が起きるのでは』との声も出ています」(前出の民進党関係者)
供託金没収どころか、身ぐるみ剥がされてスッカラカン。「緑のタヌキ」が船頭を務める船に乗った新人候補のたどり着く先は「希望」か「絶望」か。  
希望の候補擁立難航、政権選択選挙の構図薄れる
10日公示された衆院選では、政権交代を打ち出した希望の党の公認候補擁立が難航し、過半数をわずか2人上回る235人にとどまった。
希望が単独で政権交代を実現するには候補者ほぼ全員の当選が必要だ。首相候補も明言しないままで、「政権選択選挙」という構図は薄れつつある。
「改革の仲間を国政に送りたい。もっと政府に緊張感を生み、『安倍1強』政治にノーを突きつける」
10日、東京都内で遊説した希望の小池代表(東京都知事)はこう繰り返したが、政権獲得への意欲は明確に口にしなかった。
先月25日に党代表就任を発表した記者会見では、「政権選択選挙なので候補者を多数立てていきたい」と明言。「250人程度の擁立を目指す」(党関係者)計画だったが、民進党との合流を巡る混乱で党のイメージは低下した。希望の公認を辞退し、無所属出馬に切り替える民進出身者も出た。
候補者の積み上げは難航し、当初に予定していた9日の追加公認の発表は見送り。公示当日に34人を発表するという異例の事態となった。小池氏は10日夜のNHKの番組で、勝敗ラインについて「できるだけ多くの候補者の当選だ」と発言をトーンダウンさせた。
党の失速を招いた要因の一つが、党の顔である小池氏が不出馬を決めたことによる首相候補の不在だ。小池氏は5日、側近らと協議し首相候補を早急に決める考えを示したものの、9日の日本テレビの番組でも「選挙結果を見て判断する」と述べ、先送りしたままだ。
一方で8日の日本記者クラブ主催の党首討論会では、選挙後に自民党と連立政権を組む可能性を否定せず、党内からは「選挙後に自民党と連携すれば筋が通らない」と不満の声が漏れる。
首相候補の不在は与党の格好の攻撃材料ともなっており、安倍首相は10日のNHKの番組で「政権を担うと言っている以上、(首相候補を)誰にするのか示した方が国民にとって選択しやすい」と指摘した。
読売新聞社が7〜8日に実施した世論調査では、衆院比例選の投票先で、希望は前回から6ポイント減の13%にとどまり、伸び悩んでいる。  
戦略おたくだけでは小池氏は長続きしない
「小池劇場」の開幕――。小池百合子・東京都知事は自ら希望の党を結成して代表に就任する一方、前原誠司・民進党代表らとの連携をあっという間に実現させた。「戦略おたく」を自称する小池氏らしいが、それだけでは国民の期待感は長続きしない。「小泉改革」を手本にする小池氏に足りないものはなにか。ノンフィクション作家の塩田潮氏が分析する――。
小池氏と前原氏をつないだ「共通点」
総選挙の「与野党対決の構図」が明確となった。自民党と公明党の与党、希望の党と民進党保守派と日本維新の会の連合軍、立憲民主党と社民党と共産党のグループの三つ巴の戦いとなる。
安倍晋三首相は「混迷・民進党」「未熟・小池新党」を見て、今なら勝てると踏んで電撃解散に打って出た。最初は先手必勝の空気が強かったが、「戦略おたく」を自称する小池百合子・東京都知事のアピール力と勝負師の才が上回った。自ら希望の党を結成して代表に就任する一方、前原誠司・民進党代表らとの連携をあっという間に実現し、総選挙政局の主役に躍り出る。解散を仕掛けた安倍首相を吹き飛ばすほどの強烈パンチだった。
だが、対与党の対抗勢力結集をめぐって、小池氏が「理念・路線・政策の一致」を条件に線引き・選別・排除を主張したため、民進党左派が同調せず、新党結成に動く。野党側の2極分解で「1強多弱」に逆戻りという空気も生まれ、ブームは不発、「小池劇場」は開演と同時に閉幕、と予想した人も多かった。
安倍「1強」の要因は、衆参選挙4連勝、今年前半までの高支持率、経済好調などともに、3年3カ月の旧民主党政権に対する国民の失望と幻滅の反動も大きかった。野党転落後、旧民主党、民進党とも、国民の期待感は完全消滅状態である。
今回の安倍戦略については、「大義なき自己都合の不意打ち解散」という批判も強かったが、首相が内閣の議会解散権を使って国民に直接、信を問うという選択は、代議制民主主義の原理に沿った正当な権限行使だ。国民は総選挙で安倍政治への信任・不信任と政権継続について審判の機会を手にする。解散権行使の是非も含めて判断すればいい。
一方で、総選挙は国民にとって政権選択の機会でもある。「増長・慢心・弛緩」が目立つ安倍体制への不信感が今も強く、「1強ノー」という国民の声が大きければ、状況が一変する可能性もある。いきなり政権選択とはいかなくても、自公による安定政治の継続か、緊張感と相互監視が働く政権交代可能な代議政治の復活か、有権者は選択のカードを握る。
その点を強く自覚し、自公の対抗勢力となる受け皿を意識する小池氏や前原氏が今回、意を決して行動を起こした。両者の共通項は年来の保守2大政党論者という点である。
維新は「官邸寄り」から「野党結集」へ
1998年の第2次民主党結成以来、自公の対抗勢力の受け皿は「非共産・保守中道リベラル総結集」が中核だった。国民の期待感を醸成し、2009年の政権交代につなげたが、総選挙での民主党の獲得議席は09年の308から、12年は57、14年は73と低迷が続いた。
前原氏だけでなく、民進党保守派は「保守中道リベラル」の矛盾から抜け出さなければ、国民の期待感の再醸成は不可能と痛感したに違いない。矛盾とは、「非共産」を放棄する「リベラル」と、保守浮動層の支持を重視して「非共産」厳守を主張する「保守」が一つの党に同居することの不適合である。期待感の再醸成は「非共産・保守中道」による結集でなければ、と判断したのだ。
今回の動きは、小池氏に頼まれた細川護煕元首相(元日本新党代表)が今年6月、前原氏に会って保守2大政治勢力による政界再編を、と説いたのがスタートだったようだ(朝日新聞9月2日付朝刊「時時刻刻」参照)。3人は1990年代前半、日本新党に結集した旧同志である。
7月27日、蓮舫氏(前民進党代表)が辞意表明し、代表選実施となる。その前後、前原氏と細野豪志氏(元民主党幹事長)が国会近くの中華料理店で会食した。細野氏が民進党離党を表明する数日前だったが、前原氏は代表選出馬、細野氏は離党の意思を打ち明け、以後の対応を協議したのではないか。同じ京都大学出身の「同志」で、交流が深く、考え方も近い。2人は「小池新党」との連携を前提に野党再編構想を話し合い、前原氏は細野氏に将来の野党結集の先遣隊の役割を期待して離党を容認したと見られる。
細野氏は離党後、9月11日に小池氏と新党結成で合意した。16日に解散・総選挙実施が確定する。保守2大政治勢力の結集には、維新との連携の成否がもう一つのカギであったが、20日に竹中平蔵・元経済財政相が東京で会合を設営し、橋下徹・前大阪市長も同席して、小池氏と松井一郎・大阪府知事(維新共同代表)が会談した(朝日新聞10月1日付朝刊「乱気流」参照)。
維新と小池氏の関係は微妙だった。大都市改革プランや地方自治のあり方など、路線や政策の面では共通点が多かったが、特に松井氏と小池氏の距離は遠かった。個人的接触はなく、20日の会合が事実上の初顔合わせである。昨年の参院選に維新公認で当選して副代表に就任し、その後に離党して小池応援団にはせ参じた元みんなの党代表の渡辺喜美氏は、「維新と小池さんの橋渡し役を、と橋下さんと松井さんに話をしたが、両者の小池さんに対する距離感は全然違った。橋下さんは前向きだったが、府知事として首相官邸との関係を重視する松井さんは是々非々でという姿勢だった」と語っていたが、松井氏は解散・総選挙と小池新党結党の動きを見て「首相官邸寄り」から「野党結集」にかじを切り替えた。
「寛容な保守改革」は支持されるか
9月24日、前原氏は小沢一郎・自由党代表と協議する。民進党と自由党の合流で合意するが、もしかするとその席で、新進党解党を主導した経験がある小沢氏が、前原氏に野党第一党解党のノウハウを伝授したのかもしれない。
翌25日、小池氏が希望の党を旗揚げし、代表就任を表明する。その日、小池氏はかつて環境相として仕えた小泉純一郎元首相と会談し、小泉氏が説く「原発ゼロ」への賛成を約束した模様である。続いて29日の夜、前原氏と一緒に連合の神津里季生会長と会って野党結集について協議する。翌30日、大阪に出向き、松井府知事、愛知県の大村秀章知事と3人で記者会見して「連携」をアピールした。「やっつけ結集」とからかう声も多いが、安倍首相の電撃解散に即応して、希望の党と民進党保守派と維新の連合軍が電光石火ででき上がった。
前述のとおり、野党側の2極分解が起こったが、22日投開票の総選挙で、国民の審判が下る。判断基準となるのは、一言で言えば「旗・人・矢」だ。旗は理念や路線や政策、人は指導者と擁立する候補者の人材の質、矢は与党側では政策実現力、野党側では政権追及力である。
小池氏は旗として「寛容な保守改革」を打ち出した。改憲容認、消費税増税凍結、法人税改革、原発ゼロなどを提唱しているが、本命は維新との共通項の「地方分権と自治改革」と見る。一方で、「しがらみ打破」を唱え、急進的な改革路線を突っ走る気配もある。手本にしているのは「自民党をぶっ壊す」と叫んだ小泉改革ではないか、と映る。
最大の問題点は、小池氏が政治リーダーとしていまだ自身のビジョンやグランドデザインを明確に語っていない点だ。世界観や国家観、目指す社会の具体的な将来像などを、わかりやすく示さなければ、「戦略おたく」のアピール力と勝負師の才だけでは、国民の期待感は長続きしないだろう。
「1強維持・野党ノー」「保守野党結集」「リベラル・共産党」の3つの選択肢のうち、国民が期待感と信頼感を寄せるのはどの道か。  
小池氏、希望の党代表の会見方式を変更 都側に配慮か 10/13
小池百合子・東京都知事(希望の党代表)は13日、都庁会見室で定例会見後に開いていた「党代表会見」を取りやめ、党代表としての取材を受ける場を退庁時の「囲み取材」に変更した。都知事の公務と党代表の政務の区別をよりはっきりさせるためといい、「二足のわらじ」批判に敏感になっているとみられる。
都知事の定例会見は、毎週金曜午後に都庁会見室で開かれている。9月25日の新党設立表明を受け、同29日と10月6日の会見は、小池氏が定例会見後に党代表としての質疑を受ける「2部制」になった。小池氏が民進党議員の一部の「合流」を「排除する」と述べたのも会見だった。
都報道課によると、「選挙期間中、同じ会見室では知事会見と誤解されかねない」と都庁記者クラブに見直しを申し入れ、13日から変更された。場所は会見室から2階ロビーに変わり、小池氏が都庁を出る際、立ち止まって記者の質問に答える形になった。選挙後の対応は決まっていない。
小池氏は13日、囲み取材に先立ち、「基本的には何も変わらない状況で質問にお答えする」と話したが、この日の記者との質疑は5分あまりで切り上げ、街頭演説の会場へ出発。20分近くあった過去2回より短くなった。  
 
公示第一声
 

 

希望の党・小池百合子代表「安倍1強政治を終わらせよう」
日本に足りないのは将来への希望だ。
(安倍晋三首相は)消費税増税分の使い道を変えるために総選挙をすると言ったが、そんなしょぼい話では日本は間に合わない。増税は延期する。1兆円足りないなら、100兆円規模の国家予算をワイズスペンディングすれば、その1%分の1兆円はすぐに出てくる。
アベノミクスでGDPを1%上げたからといって、大きな顔をするなといいたい。
北朝鮮が今日にもミサイルをぶっ放そうとしている中で、この国を守ってくれるのか。そういった当たり前のことに、きちんと応えられる政党が、皆さん欲しくないだろうか。
一番重要なのは政治への信頼の取り戻しだ。森友・加計疑惑は何だかよくわからない。この選挙戦で、安倍1強政治を終わらせようではないか。  
希望の党小池代表にロックオン 自民・小泉進次郎氏、第一声で早くもバトル
衆院選が今日10日(2017年10月)公示を迎え、「自民・公明」「希望・日本維新」「立憲民主・共産・社民」の三つ巴による激戦がスタートした。焦点は小池百合子代表の率いる希望がどこまで自民の票を取り込むことができるか、迎え撃つ自民がそれをどこまで阻止できるか。
番組では10日朝から昼にかけて、東京・池袋駅で第一声の演説を行う小池代表と自民の小泉進次郎筆頭副幹事長によるいきなりのバトルに注目した。
小池代表は午前10時から池袋駅西口で、対する小泉筆頭副幹事長は希望の風を吹き飛ばすかのように正午から池袋駅東口でそれぞれ第一声をあげた。
ゲスト出演した政治アナリストの伊藤敦夫によると、自民には次のような戦略があるという。
「役割分担で決めている。安倍さんは小池さんとの直接対決は避け淡々と政策を訴え、一方で小池対策、攻撃は小泉さんに任せる。聞いた話では、小泉さんの選挙日程は今のところまっ白。相手がどう出るかによって決めていく戦略のようです」
伊藤は、その裏には次のような計算も働いているとみる。「小池さんは今まで『おじさんたち』からのイジメに敢然と立ち向かうことで支持を集めてきた。今回はイジメ側に回ってしまい、勢いが低下している。小泉さんは『おじさん』ではないのでイジメと映らない。そこを計算して役割分担していると思う」。
一方、コメンテーターの安田洋祐(経済学者)が今年のノーベル経済学賞は、心理学と経済学の融合された構造経済の分野で米シカゴ大のリチャード・セイラー教授の受賞が決まったことに引っ掛けてこんなことを。
「その有力な考え方で『ピークエンドの法則』があります。一番盛り上がったピークの部分と最後の部分がどうだったかで、人々が受ける印象が変わるということ。
今回おそらくクライマックスは希望の立ち上げに民進党が合流したこと。エンドはおそらく公示締め切り直前に何が起きるか。そこ次第で有権者の印象がガラッと変わると思う」
そこでキャスターの小倉が「大きなサプライズはあると思いますか?」。
これに伊藤は「まあ、今日の午後5時が締め切りですから。今回大勝負を賭けた小池さんが女性初の総理の目標を持っているとすれば、僕は最初で最後のチャンスと思う。だとすればまだ残っている」。  
希望の党・小池百合子代表が第一声
地元と国の連携を
池袋西口のみなさん、おはようございます。あー、また帰ってきました。私、希望の党代表、小池百合子でございます。ありがとうございます。みんな、懐かしいお顔、こちらから拝見させていただいております。
2005年のあの郵政選挙以来、この池袋では、豊島区では、練馬区では、私を地元選出議員としてお育ていただきました。可愛がっていただきました。
そして今、昨年の知事選で皆様方の大きなお力を得て、東京都知事としてこの地元の西口の再開発等々、国が連携をして地元の皆様方と進めていく、まさに知事としての仕事、地元の皆様方のご協力と国との連携があって初めて成り立つ、私はここ西口再開発を今後とも一つのモデルにしていきたいとこのように考えているところでございます。本当に地元の皆様、誠にありがとうございます、ありがとうございます。
今日も緑のものをお持ちいただきました。スリッパ、出しちゃって大丈夫ですか。はいてないんじゃないの?大丈夫?ありがとうございます。
初めての大型選挙
さあ、今日から始まりました第48回総選挙でございます。私が新しい党、希望の党の代表として初めて取り組む総選挙、大型選挙でございます。
そしてこの地、東京10区におきましては、私の後を受けて、地元の皆様方とともに、これまで様々な開発、いえ、この地元の皆様方の幸せ、希望、しっかりとその受け止め役を務めてくださってきたのが、若狭勝候補、候補者でございます。
今回、希望の党を立ち上げるにあたりまして、まさしく主任弁護士のように規約を作ったり党の会則を作ったりということで、本当ならばもっともっと選挙戦を自ら準備していかなければなりませんけども、ずっと今回の党の立ち上げでも、事務もやって法律のチェックもし、ということでお世話になってまいりました。
よって、今回の準備でございますけれど、若狭勝さんとしてまだまだ十分ではない。そういう中で今日から選挙戦がはじまった。ぜひ私からお願いしたいこと、それは10区の代表として若狭勝、若狭勝候補を、皆様方の一票一票の力でまた国会にお戻しいただいて、私東京都知事と、そして国政を預かる東京10区の代表として若狭勝さんを永田町にお戻しいただきたい。お願いできますでしょうか。ありがとうございます。
今日は地域の、経済界の代表の皆様方も、地域の代表の皆様方も、ズラッとお揃いになっていただいています。本当にありがとうございます。ありがとうございます。そして私のあの知事選を最初から応援してくださっている、いわゆる7人の侍のみなさんもここにズラッとお揃いいただいて、今回の選挙戦を最初から最後までサポートしていただくこととなっております。
さらには今回この選挙戦、全国規模でございますので、改めて私25年前、日本新党として出発をした時からの仲間でございます、樽床伸二さんが、今回、選対本部におきまして指揮をとっていただいている。大変心強いことでございます。
足りないものは将来への希望
希望の党、何を目指しているかというと、この日本、なんでもあります、なんでも売っています。この東口でも西口でも街角でも、モノはいっぱい溢れている。しかし一つ足りないモノがあると思います。それは将来への希望であります。
将来への希望があってこそ、今日より明日、明日より明後日のほうがみんなきっといいと、そんなふうに思えるそんな希望を提供することが政治であり、その希望を、夢を叶えるのが私たち政治の役割だと心得ておりますが皆さんいかがでしょうか。
様々な経済指標、いざなぎ越えなどと言われていますけれども、しかしながら皆さんにその好景気の実感というのはおありでしょうか。
元気に「ありません」と言われても、なかなか厳しいところでございますが、ましては皆さん、これから2025年、つまりオリンピックパラリンピックの5年後、ここでは団塊の世代の皆様がいよいよ、いよいよ後期高齢者入りをするという流れになっています。
あの阪神大震災にしても突然きました。東日本大震災の津波だって突然きました。でも、この超高齢化の波というのは目の前に見えているんです。くることがわかっているんです。だからこそ、これまでの延長線ではなく仕組みから変えていかなければ。
増税よりワイズスペンディング
8%の消費税を10%に上げる、その使い道を変えていくのに今回総選挙をしますと言っていたけど、そんなしょぼい話じゃこの日本、間に合わないんですよ。
だからこそまずは増税をする分、それをまずは延期をする、お金足りないじゃないのじゃあどうするの。1兆円足りない、だったら私が東京都知事になって、約7兆円の一般会計、この中から毎年ついていた予算、そのままの惰性で続いていた予算、これを句読点をうって一旦終わりにした数、その総額は7兆円のうちの720億円にのぼります。
ダラダラとこれまでの既得権益のような予算、削りました。7兆円のうちの720億、つまり1%、いま国家予算は約100兆円規模であります。そのうちの1%に終期、終わりを迎えて、もう一度本当にこの予算がいるのかいらないのか、これをワイズスペンディングに変えていきましょうと。そのことをやれば100兆円のうちの1%、つまり1兆円はすぐ出てくる、そのことを私は東京で立証済みだということでございます。ありがとうございます。
そして異次元の金融緩和、さらには財政出動、アベノミクスの2本の矢はどんどんやってきて、これだけやってきてその効果たるや1%、ちょいとGDPをあげたからと言って大きな顔をするなと私は申し上げたい。これだけのことをやってたったの1%上げでは十分ではありません。
100歳まで学べる社会に
ましては2025年以降のこの高齢化の中で、皆さん100歳まで生きちゃう、ありがたい話だけど、皆さん人生の計画どうしますか。仕事をやめたあとの人生の方が長い。その計画は皆さんできていますか?
私はね、ぜひこんなことを考えているんですよ。やりたいと思っているんですよ。
これまで高校大学で学んで、リタイアして、でもリタイアした後の時間のほうがよっぽど長いわけでよね。じゃあ何するんですか?
ありがとうございます、ラジオ体操いつも頑張ってやっていただいている、それも生きがいでありましょう。孫の面倒を見る、これも生きがいでしょう、次の世代を育てる。
でも私は、例えばこの立教大学がありますけど、そこで学び直しをしてもらうのはどうでしょうか。人生ずっと学ぶというほうがよほど生きがいになるのではないでしょうか。
私は今、東京の都知事でございます。昔、都立大学といった、その大学、首都大学東京といった、なんか舌噛みそうなそんな名前になっていますけど、今理事長に、ぜひ100歳まで学べる大学にしませんかということを申し上げている。
そして一人一人が学生になって、授業料を払っていただいて、まあ元気であるということとちょっとお金を持っているということが必要になりますけど、この方々にもう一度学んでいただいて、大学生になっていただいて、そしてシルバーパスを使うのも結構ですけども、学割で都のバスとかメトロとか営団地下鉄でサテライト大学に通ってもらう、そんな発想の転換をしましょうと私は申し上げています。みなさんいかがですか。
人生最後まで学ぶ、人生最後までこの社会の中で生きていく。そんな希望を私は提供したい。それが希望の党でございます。いかがでしょうか。
新しい党の新しい発想
これまでの政治ではそういう発想が出てこないんですよ。ただ年齢が上がっていく、年金はこれくらいかさみます、大変です。だからこれから消費税は何%に上げます。これは古い考えで、今の延長戦でしか考えないこれまでの政治。
昨日も夜まで9条はどうするんだ、そして今回の消費税の増税、これについて意見はどうか。各党で議論しましたよ党首討論。だけど、もう物事がガチっとはまった中での議論というのは、国民の皆さんからすれば、もういいよ、私たちの人生じゃあどうしてくれるんだい、どうやって北朝鮮がミサイルを今日にもぶっ放そうとしているときに実際にこの国を守ってくれるのかい、そういったごくごく当たり前のことにきちんと答えられる、そんな政党を皆さん欲しくないですか。
新しいから言えることがある、新しいからできることがある。私はこの希望の党、皆さんに希望を抱いていただけるように、これまでにない発想をどんどんとこの間も提供していきたい。そして皆さんがこの選挙中にも、ああ希望を持ててよかったと思えるような、そんな選挙戦にしていきたいと思っています。
安倍一強政治を終わらせる
最後に一番重要なところ、これは政治への信頼の取り戻しであります。
長々とあの国会で加計・森友疑惑というのをやっていた。うーんでもなんだかよくわからない、そしてその結果として8割近い人が、実際にこの問題がわかったと、いやいや不信を抱いているか、という設問には、8割ぐらいの人が「わかりません」と言っている。
こんな中で政治が信頼を確保できない中で、また新たな政策だ、そしてこれまでの延長線の政権が続く。私はぜひこの選挙戦、安倍一強政治を皆さんの1票で終わらせようではありませんか。安倍一強政治によって、お友達だ、忖度だ、そしてお友達なら何かいいことがある。そんな政治に対して信頼が持てますか皆さん。変えていこうではありませんか。これまでの発想とは違う、そんな私たち希望の党の公約、ぜひとも見てください。
働き方を変える
原発、2030年までゼロにする工程表をしっかり作っていきます。そして子どもたちがもっと希望あふれる、例えば、これからの日本のビル・ゲイツを育てるようなプログラミング教育をやっていきます。
これからの日本を真に世界の中での日本にできるようなそんな子どもたちの教育をやっていきます。そして経済格差が教育格差にならないように、必要なところにはお金をしっかりつぎ込み、さらにはまだまだ十分ではない成長戦略、ここにもっと火をつけて、今日本企業は財界を代表するような企業でさえ青息吐息。違うんですよ、もっとベンチャー精神が溢れる、それが実行できるような素地を作っていきます。
すでに東京都ではその種をまいています。やる気のある人、男性でも女性でもそういったベンチャーを進める人にはワンストップサービスを作っています。あちこちに書類を書き込んだりなんだかんだややこしい、このことを1カ所でできるようにします。
働き方、変えていきます。テレワークで7月24日から始めました。かなりいい滑り出しになっています。今都庁ではペーパーレス化を進めているところであります。つまり家で仕事ができる、ネットを使って仕事ができるような体制を作るようにペーパーレスが基本になります。そのことを行っています。
このテレワークが定着することによって、あの2020年の楽しいオリンピックパラリンピックの時の交通渋滞を緩和します。その間、皆さんお家で仕事してください。そしてまた子育ての方介護の方はこのテレワークだったら両方いっぺんにできます。働き方変えましょう。
満員電車ももっともっと時間をずらして、楽チンで仕事の効率をよくしたほうが、日本経済にとってもいいんです。そして一人一人の人生にとってもいいんです。そんなことを東京都と国とが連携していく。
そのためにこの若狭さん、ぜひ東京10区から改めて送っていただきたい。厳しい戦いであります。大変厳しい。
超大金持ちのSさんと中金持ちのSさんと、貧しい若狭さんの3人の戦いであります。貧しいけれど、こんなに素晴らしい人間性。そしてまた法曹界における実績、皆さんの法律相談いつでもお受けします。
どうぞ皆さん、今回の選挙戦、若狭勝さんをぜひこの東京10区で勝たせていただきたい。そして私の盟友であるからこそ、ぜひとも1票を投じていただきたい。若狭勝さん、最後までよろしくお願い申し上げ、希望の党への比例代表1票をよろしくお願いいたします。みなさんの希望を1票に託してください。ありがとうございました。ありがとうございました。  
 
希望の風向き [選挙戦前半]

 

投票難民増やした「百合子希望」失速感も/議席予想 10/9
安倍晋三首相への事実上の信任投票となる第48回衆院選は明日10日、公示される。全選挙区の最新情勢を、政治ジャーナリストの角谷浩一氏(56)が分析した。首相が勝敗ラインに掲げ、甘いとの指摘もある「自公で過半数の233議席」はクリアしても、自民単独で過半数に達しないケースも想定されるという。小池百合子都知事率いる「希望の党」は躍進とはいかず、立憲民主党は健闘がみられる。今後情勢は変わる可能性もあるが、有権者の1票が今後の政治を決める。
国民の関心は、直前に起きた民進党解体と寄せ集め右派政党・希望の党の結党で翻弄(ほんろう)されたが、本来は安倍首相の森友・加計疑惑隠しともいわれた解散だった。ところが、追及の急先鋒(せんぽう)だった民進党が崩壊。親自民党政党・希望の党に変質したため、本来の野党は立憲民主党、社民党、共産党になり、自民党、公明党、希望の党、日本のこころ、日本維新の会との対立が鮮明化した。だがそれは政界の都合でしかなく、有権者は混乱している。
投票率にもよるが、54〜56%程度が見込めると、国民はどんな反応を示すか。結党当時は政権奪取の勢いだった希望の党は失速感が強く、公認辞退も相次いでいる。また、当初は2大保守を目指すとしていたのに、途中から自民党との連立を示唆し始め有権者をしらけさせた。「どこに投票していいのか分からない」という“投票難民”が増え、投票先が不明瞭になる。
首都圏や、愛知など民進党が強かったエリアでは強さを発揮するが、都市部以外では小池代表の威力は効果を発揮できない。そうなると、自民党が底力を発揮する。希望の党と接戦の選挙区も多いが、結果的には競り勝つ可能性が高い。
ただ、それが政権への白紙委任状ではないことは肝に銘じるべきだ。比例代表では自民党と書く有権者の数が減るのではないか。
当初の野党共闘は、選挙区によっては立憲民主党や無所属議員が引き継いでいるが、民進党が割れ野党共闘が崩れたところは、乱立して効果は半減だ。その分自民党が漁夫の利を得たといえる。一方、立憲民主党は選挙戦が進むにつれ、勢いが増す傾向。この流れは全国で見られる。今の数字よりも、躍進する可能性が高い。
公明党も堅調な票固め。共産党は野党共闘が壊れた後も不断の努力が功を奏し、比例での躍進が望まれる。最後に後継指名せずに引退を表明した広島6区の大物・亀井静香だが、亀井票は希望の元職に流れるようだ。選挙後の枠組みは興味深いが、こんな形での選挙戦になると有権者は想像していなかったはずだ。
角谷浩一 / 1961年(昭36)4月3日、神奈川県生まれ。日大卒。テレビ朝日報道局などを経て現職。永田町や霞が関に幅広い人脈を持つ。現在、テレビ朝日系「ワイド!スクランブル」、TBS系「ゴゴスマ」などでコメンテーターを務める。  
 
総選挙、予想〜自民大幅減 10/10
10月10日は、衆議院解散総選挙の公示日である。今回の総選挙は異常な事態となっている。解散の前後で、野党第一党の民進党が事実上の解党状態となり、新たな政党が誕生した。それでなくても小選挙区制の選挙はちょっとした「風」で大きく結果が変化するので予想は難しいが、今回の選挙では最後のぎりぎりまで、有力候補者の出馬の政党が確定しない場合もあり、さらに難易度が増した。
大雑把に言えば、自民党は大幅減で、単独過半数が難しい状況だ。なんとか単独過半数を維持できれば、安倍政権の勝利と言える状況だ。単独過半数は下回っても、公明党と議席を合わせれば過半数を占める見込みで、自公政権の維持はできそうだ。単独過半数を下回ると安倍首相の退陣を求める声も上がるかも知れない。しかし、改憲の視点からすると、改憲派がむしろ増える状況になるわけで、安倍首相は政権を維持したままで、在任中の改憲を目論む可能性が高い。
希望の党にはかなりの逆風もある。小池バッシングも強くなっている。しかし、最近の選挙では、バッシングでもメディアに載ることはプラスになることが多い。小泉郵政解散総選挙でも、小泉首相は強いバッシングを受けたが、結局は大勝利となった。全くと言っていいほどバッシングのなかった岡田民主党が敗北するという事態になった。最近の選挙では、メディアに載らない方がマイナスなのだ。その点、希望の党のニュースは途切れることがない。かなりの議席を獲得しそうだ。
立憲民主党は小選挙区では厳しい状況だ。連合は全面的な協力はできないだろう。心情的には応援したい組合員はいるだろうが、共産党との連携が明らかなだけに支援は限定的だ。民進党のかげも引きずる。比例ではある程度議席を獲得することができそうだが、苦戦となりそうだ。無所属の中にはかなりの大物もいる。しかしそれでも小選挙区での選挙戦は厳しい。大物政治家の中にも落選する候補者も出そうだ。
若狭氏は比例復活も厳しく…希望結党メンバー“壊滅危機” 10/10
もはや「絶望」を越えて「死亡」の党と成り果てている。選挙終盤を迎えても希望の党は失速が止まらない。予想獲得議席は公示前の57を下回り、40台後半がやっと。小池代表が「排除」した民進出身者による立憲民主党に野党第1党の座を奪われかねない。
わずか3週間前、先月27日の結党会見に出席した「チャーターメンバー」(発足メンバー)も死屍累々だ。参院議員の中山恭子氏と松沢成文氏、行田邦子氏を除く12人のうち、勝ち上がれそうなのは細野豪志氏(静岡5)ただ1人。序盤で優位に立っていた笠浩史氏(神奈川9)は自民候補にリードを許し、日ごとに差は広がっている。
「過去2回とも『ヤンキー先生』こと、自民の義家弘介氏と接戦を演じた後藤祐一氏(神奈川16)も厳しい。あるメディアの情勢調査によると、義家氏との差は10ポイント以上の劣勢です。小池代表のお膝元の東京も壊滅状態で、当落線上で自民候補と競り合っているのは長島昭久氏(東京21)のみ。木内孝胤氏(東京8)と、自民から移った福田峰之氏(東京5)はトリプルスコアの大差をつけられ論外です。“嫌われ百合子”の党の看板が完全に裏目に出ています」(政界関係者)
同じく東京では松原仁氏(東京3)も大苦戦。結党会見時の名簿に名前を載せながら民進離党が遅れて欠席した柿沢未途氏(東京15)は当選圏に遠く及ばず。小池代表の側近気取りの若狭勝氏(東京10)は自民前職に歯が立たず、立憲民主の新人にも差を詰められ、次点すら危うくなってきた。
「希望の比例東京ブロックは3議席獲得にとどまる見込み。長島、松原両氏が比例復活すると、あと1つを柿沢、若狭両氏が激しく争う展開となる。選挙区を受け継いだ若狭氏が落選すれば、小池代表の政治生命の終焉を象徴することになりそうです」(メディア関係者)
残るチャーターメンバーの鈴木義弘氏(埼玉14)、横山博幸氏(愛媛2)、野間健氏(鹿児島3)は言わずもがなの当選圏外だ。公示前に小池代表は選挙後の首相指名について、「チャーターメンバーと共に整理していきたい」と語っていた。ほぼ壊滅した後、あのうつろな目で誰と相談するつもりなのか。 
自民堅調、希望伸びず立憲に勢い 10/11
22日投開票の衆院選について、朝日新聞社は10、11の両日、4万人以上の有権者を対象に電話調査を実施し、全国の取材網の情報も加えて選挙戦序盤の情勢を探った。現時点では、1 自民党は単独過半数(233議席)を大きく上回りそうで、小選挙区・比例区とも堅調  2 希望の党は伸びておらず、代表の小池百合子都知事のおひざ元の東京でも苦戦 3 立憲民主党は公示前勢力(15議席)の倍増もうかがう勢い――などの情勢になっていることが分かった。
調査は10〜13日の日程で実施。10、11両日は、全289小選挙区の中から、全国の「縮図」となるよう選んだ約半数の小選挙区の有権者を対象とし、11日時点での概況を読み取った。調査時点で投票態度を明らかにしていない人が小選挙区で4割以上、比例区でも4割近くおり、今後、情勢が大きく変わる可能性もある。
自民は現時点で、公示前勢力(284議席)を上回るかは微妙だが、小選挙区では200議席を超え、比例区も前回2014年衆院選で獲得した68議席の確保をうかがい、単独過半数を大きく上回りそうだ。野党の投票先が、希望や立憲などに分散していることが背景にある。
公明は共産と競り合う選挙区もあり、公示前勢力(34議席)を確保できるかどうか。
希望は、小選挙区、比例区ともに追い風が吹いていない。公示前勢力の57議席を上回る可能性はあるが、比例区では小池代表の地盤である東京ブロックでも、立憲と競り合っている状況だ。
立憲は、勢いでは希望をしのぐ。比例区では北海道ブロックで自民と、南関東、近畿などのブロックでは希望とほぼ互角の戦いを展開、希望に迫る議席を確保する可能性もある。
共産は小選挙区での議席獲得も視野に入るが、公示前勢力(21議席)を確保できるかどうか。日本維新の会も公示前勢力(14議席)の確保をめざし、比例区の近畿ブロックでは自民に次ぐが、大阪以外の広がりが見られない。社民は公示前勢力(2議席)の維持に懸命だ。  
小池代表「希望」は苦戦、立憲民主党が大健闘
第48回衆院選は10日公示され、22日の投開票に向けて、激しい舌戦がスタートした。安倍晋三首相(自民党総裁)の政権運営を問う選挙戦は、北朝鮮情勢が緊迫するなか、外交・安全保障政策や、消費税増税と社会福祉政策、憲法改正など、主要争点で立場が異なる「自公与党vs希望、維新vs共産、立憲民主、社民」の3極候補が激突する構図となった。夕刊フジで、選挙プランナーの松田馨氏に現時点での議席予測を依頼したところ、小池百合子代表(都知事)率いる希望の党が失速し、自公与党が再浮上、枝野幸男代表の立憲民主党が大健闘している。「小池劇場」はこのまま終幕するのか、新たな見せ場をつくるのか。
「野党が分裂状態で戦う、選挙戦の構図が固まった。民進党の希望の党への合流構想が持ち上がったとき、『自民、公明両党vs希望の党+連合』という構図になるとみられたが、一連の騒動を経て、反与党勢力が希望の党と立憲民主党、共産党に分裂した。小池氏は『新排除の論理』を掲げ、枝野氏らの合流を拒絶したが、希望の党の公認候補選定をめぐる小池氏の言動は、与党に対抗する野党結集の機会を『リセット』してしまった」
10・22衆院選について、松田氏はこう分析した。
注目の選挙戦は、「自民、公明与党vs希望、維新vs共産、立憲民主、社民」という3極が激突する構図となった。
仰天の議席予測は別表の通り。
前提の投票率は、過去最低の2014年12月衆院選の52・66%と同水準か下回る−とした。「1票の格差」を是正する「0増10減」(小選挙区0増6減、比例区0増4減)が実施され、衆院定数は475から465に減った。
前回予測(9月29日発行)では、小池氏率いる希望の党が「小池旋風」を巻き起こし、148議席を獲得する−と予測した。だが、民進党出身者の公認選定をめぐるゴタゴタを経て分裂した結果、希望の党=52議席、立憲民主党=36議席−に激減すると分析した。民進党は解散前、88議席あったが、単純計算では差し引きゼロだ。
致命的だったのは、「選挙上手」「政局の女王」と言われた小池氏の戦略ミスだという。
松田氏は、失速原因について、(1)都政投げ出し批判(2)民進党左派に対する新・排除の論理(3)候補者擁立(4)支持率の急落−を指摘し、解説した。
「2020年東京五輪・パラリンピックの準備や、築地市場の移転問題をほったらかしにして、国政に色気を出したことに世論が大反発した。さらに、小池氏が民進党左派に『新排除の論理』を掲げ、『憲法改正』『安全保障関連法の容認』を求めた。これに反対する面々に対し、『はい、排除します』と言い切ったことが致命的だった。小選挙区で野党が分裂したのは、致命的だった。都議選のときのような緻密な候補者擁立戦略がなく、自身の出馬もなく目玉候補もいないことで期待がしぼんでしまった。結果として、小池氏の最大の武器だった支持率も、この2週間で大きく下落している」
小池氏が「しがらみのない政治」「寛容の保守」を旗印に立ち上げた希望の党だが、当初の期待感はしぼみ、批判・反感に変わったというのが実情のようだ。
こうした小池氏の姿勢に反発し、枝野氏は立憲民主党を立ち上げた。希望の党に排除された人々中心だが、日本人の判官びいきと、「主義主張を貫いた」というイメージもあり、36議席に大躍進しそうだ。
ただ、同党には、枝野氏を筆頭に、「史上最悪の宰相」こと菅直人元首相や、福山哲郎元官房副長官など、あの菅政権の主要メンバーがズラリと並んでいる。
選挙戦で「台風の目」である小池氏は、戦法・戦術を変えつつある。
10日午前、東京・池袋で第一声を上げた小池氏は、「一番重要なのは政治への信頼の取り戻しだ。森友・加計疑惑は何だかよく分からない。この選挙戦で、安倍1強政治を終わらせようではないか」と訴えた。
当初、保守二大政党を掲げ、あからさまな「安倍批判」を封印してきたが、希望の党の失速・立憲民主党の躍進−という状況を鋭く嗅ぎ取ったのか、政権批判に舵を切ったようだ。
一方、前回予測で、単独過半数(233)割れの可能性が指摘された安倍首相率いる自民党は、今回は276で単独過半数だけでなく、17ある全常任委員長ポストを抑え、過半数の委員を送り込める絶対安定多数(261)も上回るとの予測が出た。
自公与党で311となり、衆院3分の2である310を上回る。安倍首相の悲願である憲法改正の発議に前進する。
松田氏は「希望の党と民進党のゴタゴタによって有権者は政治家不信を深めてしまったのではないか。投票率の低下も自民党を押し上げる大きな要因だ。ただ、内閣支持率は不支持が支持を上回っており、自民党も盤石ではない」と語った。
政界の「一歩先は闇」であり、与党側に「緩み」「おごり」が出た場合、こうした形勢が一気に逆転する可能性がある。  
 
与党、緩み警戒 自民「議席必ず減らす」 10/12
共同通信社の衆院選序盤の電話世論調査で、与党が300議席超をうかがう情勢となったことを受け、政権は緩みを警戒している。野党側は危機感を強め、巻き返しを図っている。
安倍晋三首相は11日、静岡、愛知両県4カ所で街頭演説し、「本当に厳しい選挙だ」「大変厳しい戦いだ」と繰り返した。政権幹部は「ありえない議席数だ。今は風は全く吹いていない。ここからどういう流れになっていくか全く見えず、楽観はできない」と引き締める。公明党関係者も「(実態よりも)ちょっと取りすぎた数字だ」と強調した。
首相が衆院を解散した当初は、加計学園問題などの影響を懸念し、与党内にも首相が判断を誤ったのではないかとみる向きもあった。小池百合子東京都知事が希望の党を結成すると危機感はさらに高まった。
にもかかわらず与党が優位な情勢になっているのは、ひとえに新党側の失態が原因だ。小池氏が民進党出身議員を選別したことで新党は二つになり、小選挙区での「野党一本化」は崩壊した。自民党関係者は「野党が食い合う状態が大幅な議席減を食い止めている」と話す。与党の堅調は敵失が主因で、政権側に得点があったわけではない。自民党内でも「こんなに勝てるとは思わない。議席は必ず減らす」(党幹部)との見方が支配的で、勝敗ラインが焦点となっている。
首相は「与党で過半数」を勝敗ラインとしているが、官邸幹部は「30議席減以内にとどまれば政権は引き続き安定する」との見方を示す。一方、公明党が公示前勢力(35議席)を維持することを前提とした場合、与党で52議席以上減り、267議席以下となると、自民党は単独過半数割れとなる。この場合は首相の求心力低下は免れない。
希望 失速に危機感
「この選挙厳しいです! 準備もままならないところで本番になった」。希望の党の小池百合子代表は11日、栃木県那須塩原市の街頭演説で訴えた。
転機は小池氏の「排除」発言だった。民進党出身議員を選別したことで、野党側が混乱している印象を与えた。公認候補の一人は「あれがターニングポイントになって雰囲気が変わった」と話す。
小池氏頼りが前提の党だけに、党勢も小池氏の言動に左右される。党幹部は「前は上空の乱気流だったが、今は地上まで降りて気流が乱れている」と自嘲気味だ。予想外の伸び悩みに早くも内部から不協和音も聞こえる。党関係者は「候補にも誰だかよく分からない人が結構いる。小池氏に近い人を優先しすぎた」と不満げに語る。
結党メンバーの細野豪志元環境相は記者団に「これだけ悪く言われるのは注目されているからだ。きちんと応えられればこれから浮上する可能性は大いにある」と強調するが、表情は厳しかった。
一方、立憲民主党は勢いづいている。枝野幸男代表は千葉県浦安市で記者団に「今までに考えられないぐらいの良い反応を頂いている」と語った。
ただ、与党を足止めするまでには至っておらず、野党が分裂したことを悔やむ声も強い。立憲と共闘を組む共産党幹部は「野党が一本化できずに、希望、立憲、共産と分散すれば、自民党と公明党ががっちりやっているところはひっくりかえせない」と嘆いた。  
希望、苦戦予測に危機感 与党は緩み警戒 10/12
衆院選の序盤情勢について、報道各社は12日、自民、公明の与党が優位に立ち、希望の党が苦戦しているとの傾向を伝えた。与党は緩みを警戒して引き締めに躍起。希望は危機感を抱いており、安倍政権との対決姿勢を強めて巻き返しを図る方針だ。立憲民主党は躍進が伝えられ、公示前勢力からの大幅な上積みを狙う。
報道各社は世論調査結果を踏まえ、おおむね自公両党が300議席程度をうかがい、希望は公示前の57議席をやや上回る程度と予測。立憲は公示前の15議席から2〜3倍増と見込む。ただ、小選挙区では態度未定の有権者が3〜5割に上り、情勢はなお流動的だ。 
自民党は公示前の290議席を大きく下回らないとの予測が出ているが、安倍晋三首相(党総裁)は12日、新潟県新発田市での演説で「最後まで厳しい選挙だ。毎日情勢は変わる」と強調。また、二階俊博幹事長と塩谷立選対委員長は同日、連名で「これまで何度も序盤に過大な予測を報じられ、多くの同志が涙をのんだ」と戒める緊急通達を各候補に送った。
公明党の山口那津男代表は党本部で記者団に「調査結果は流動的だと考慮しながら引き締めていきたい」と語り、衆院解散時の35議席死守を目指す考えを示した。
希望関係者は、伸び悩みを報じられた要因として、小池百合子代表(東京都知事)の不出馬や民進党候補の合流をめぐる混乱を挙げる。ある希望の候補は「(民進党出身者を選別した)小池氏の『排除』発言で100議席減った」と不満を漏らした。
小池氏は12日、都庁で記者団に「まだ序盤だ。これからしっかり戦い抜く」と宣言。この後、川崎市で街頭演説し、「このまま『安倍1強政治』を続けていいのか」と呼び掛けた。希望は、小池氏の主張に沿った訴えを前面に出すよう文書で各候補に指示。今後、森友・加計学園をめぐる疑惑への批判を強めていく考えだ。
立憲の枝野幸男代表は那覇市での演説で「少し勢いがあると書かれたが、全く裏付けはない」と指摘。福岡市に移動後、記者団に「期待をどう議席につなげるかが問われる」と語った。
一方、共産党(公示前21議席)は、政権批判票を立憲に奪われる形で伸び悩み気味。志位和夫委員長は札幌市で演説し、「希望が野党共闘に分断をもたらした結果、自公が漁夫の利を一時的に得ているだけだ」と述べ、反転攻勢を誓った。
日本維新の会は公示前の14議席を維持できるか微妙とみられており、地盤の大阪府を中心にてこ入れを図る。  
自公、圧勝で安定多数へ…希望の党惨敗で消滅も 10/12
投開票日22日に向けて衆議院総選挙が熱を帯びているが、永田町ではすでに次の政局がどのように動くのかに注目が集まっている。注目点は、希望の党や立憲民主党の躍進で「安倍一強政治」が終わるのか、という点だ。
しかし、自公が安定多数を獲得して希望の党が失速、小池百合子代表の政治生命も事実上終わるとの見方も強い。政治ジャーナリストの山田厚俊氏は、「希望の党は、選挙後消滅した日本未来の党と同じ道をたどる可能性がある」と語り、安倍晋三首相の進退についても「2期任期満了で終えることが一番良い引き際」と言う。そこで、今秋から冬にかけての政局の見通しなどについて、山田氏に話を聞いた。
自公は安定多数獲得
――本格的に選挙戦に突入しています。現時点(取材時:10月11日)で注目度の高い、自民党・公明党、希望の党、立憲民主党の獲得議席の予想をお願いします。
山田氏(以下、山田) 今のところ、マスコミの世論調査で各党支持率を見ると、当初よりも希望の党が失速しています。希望の党が50から60、立憲民主党がそれをやや下回り、自民党・公明党の合計獲得議席は290から300議席になり、自公は安定多数を獲得するとみています。
――一時期は希望の党は100議席を超えるとの見方もありましたが、なぜ失速したのでしょうか。
山田 端的に言うと、小池氏の支持率の低下です。小池氏は、都知事選、都議選の両選挙でも女性の支持が強かった。“強い自民党に立ち向かうジャンヌダルク”のように映りました。しかし、潮目が変わったのは、小池氏が「民進党の方々を全員受け入れる気持ちはさらさらない」「排除します」と発言し、そして公認候補者に憲法改正、安全保障法制などの「踏み絵」を踏ませた結果、ジャンヌダルクから傲慢な王妃であるマリーアントワネットになってしまったのです。この傲慢な姿を見て、女性たちからは「なんだ、小池さんは」ということになり、多くの女性の怒りを買ったわけです。
この結果、これまで仮に女性の3〜4割ほどから支持があったとしたら、今は2割を下回る支持率です。小池代表がもっとも強いといわれる東京25選挙区で、小選挙区で勝ち上がる希望の党候補者は1人か2人、もしかすると全敗もあり得ます。
――-東京25選挙区の小選挙区で勝てる可能性のある候補者と、そこまで敗北する理由を教えてください。
山田 東京10区の若狭勝氏、東京21区の長島昭久氏。東京に限らず希望の党が敗北する理由は、日本労働組合総連合会(連合)の協力が得られないことが大きい。しかも、希望の党が立候補している小選挙区は共産党も立候補するので、票が割れます。ですから、自公勢力が自然に強くなるのです。
ただし、民進党出身者で元から政治基盤や票田を持っている希望の党候補者であれば、勝ち上がるケースはあります。小池氏の政経塾「希望の塾」出身や票田・基盤を持たない候補者は大惨敗するというのが大方の見方です。
――もし希望の党が敗北すると、小池氏に対して代表辞任を要求する声も出ると思います。
山田 おっしゃる通りです。50から60という数字ですが、勝ち上がる候補者は、ほぼ民進党出身者が多数を占めます。そもそも現在、希望の党の役職は、小池代表と選挙対策事務局長の樽床伸二氏が決まっているだけです。幹事長ほか、党三役が誰になるのか選挙後に決めるという話です。そこで「小池代表は辞めるべき」という意見や、民進党議員を排除に向かわせた若狭氏や細野豪志氏は、小選挙区で勝てば役職に就任するかもしれませんが、比例復活なら無理です。
希望の党の大勢は民進党出身議員で占められます。そこで人事を間違えれば、党がバラバラになる可能性があります。そうなれば、議員は無所属になるか、それとも不満分子が集まって新党を立ち上げていくかわかりませんが、しぼんでいくでしょう。
――日本未来の党も選挙後に消滅しましたが、そのデジャブを見ているようです。
山田 日本未来の党と同じ道を行く可能性は十分にあり得ます。実は、「ひらがな」の「の」がある政党は短命に終わるというジンクスがあります。みんなの党、結いの党、日本未来の党も短命で、例外は日本維新の会です。
小池氏の失敗
――小池代表の求心力は選挙後、相当低下するのではないでしょうか。
山田 現在でもすでに低下し、今後はさらに低下していくでしょう。さまざまな見方はありますが、都知事の後継候補を決められないなか、行き場を失い、国政出馬を断念しました。それでは都政に専念するかといえば、都民ファーストの会の足下もゆらぎ、先日も上田令子・音喜多駿両都議が離党しました。さらに都議会公明党との関係も希望の党を立ち上げたため悪化しています。
そこで今後、都議会自民党は前回の都議選で大幅に議席を失ったので、選挙に強い都民ファーストの議員を誘い込む戦略に出ると考えます。それが、がたがたになった都議会自民党を立て直すもっとも有効な手段です。最初は離党させ、しかるべき後に自民党に入党させて都議会自民党の議員を増やし、小池都知事に対抗する。実際、小池氏はイメージでここまでやってきましたが、都知事としての実績は何もありません。近く都知事としても希望の党代表としてもレームダック(死に体)になり、小池氏の政治生命はこれまでと見てよいでしょう。
――小池氏は、何を間違えたのでしょうか。
山田 あそこまで上り詰めた勝負師としてのカンは素晴らしいし、目を見張るべきところがあります。しかし、小池氏は大臣の経験はありますが、党務の経験値が足りなかった。新党は人気と大臣経験があるだけでつくれるものではありません。小池代表は、民進党の98億円といわれる運営資金とスタッフが、喉から手が出るほどほしかったと思います。
希望の党はスタッフがいないので、民進党のカネと人が欲しい一方、保守派からの「野合」批判を受けることも恐れたので、「排除します」「全員受け入れるつもりはさらさらない」発言につながったのでしょう。それで一気に支持を失いました。党務を理解しているのは玄葉光一郎氏だけです。先日、公認候補を玄葉氏、若狭氏、細野氏の3人で発表したことがすべて物語っています。
細野氏と若狭氏が希望の塾出身者を有力選挙区でねじ込もうとし、民進党出身者は比例下位、勝てる見込みのない選挙区で冷遇しようと試みましたが、それを玄葉氏が押し戻した。玄葉氏は個別の選挙区の情勢を詳しく分析する能力に長け、説得したのでしょう。
細野氏は党務経験が少ないですし、若狭氏は国会議員としてはよちよち歩きですので、党務を行なうというのは無理です。ただ、希望の塾出身者と面接して情もでき、お金も払ってもらうなかで、無意識のうちにしがらみができたのでしょう。小池氏代表は勝負師のカンで花火をぶち上げた策も失敗し、目論見も外れ焦ったからこそ「排除」発言が生まれたのでしょう。
立憲民主党
――立憲民主党は、どう見ていますか。
山田 もはや時計の針を9月28日の民進党両院議員総会には戻せないことに、民進党の悲劇があります。私は前原誠司代表が同党議員たちを「騙した」「騙された」という以前に、「何があっても罪はすべて自分が贖う」という贖罪の意識で政治活動を行なっていることについて評価はしています。力量不足でありましたが、いずれは通らなければならない道でもありました。一方、立憲民主党を立ち上げた枝野幸男代表ですが、両院議員総会で「前原さん、今までありがとうございました。しかし、希望の党と理念や政策が違いますのでわれわれは新党を立ち上げます」と言えば素晴らしかった。結局のところ、希望の党から排除された結果として立憲民主党が誕生したのですが、それは選挙民のほうを見ていない。結果、自公で安定政権を許すことになるでしょう。
――野党がもっとしっかりしていれば、このような結果にならなかった。
山田 一番悩ましいのが、安倍首相に対して「ノー」を突きつける場面がなくなったことでした。四党合意の枠組みをしっかりと維持し、野党を乱立させず一対一の構図で戦えば、こうはなりませんでした。その意味で、前原氏にも枝野氏にも一定の評価はしつつも残念に思います。ただし、安倍政権に対する国民のフラストレーションもたまっているなか、自民党も内部改革をしようという動きが出でこないと困ります。
安倍首相の引き際
――自民党は今後どう動きますか。
山田 自民党の支持層も同党に対し不満を抱いています。現況の世論調査では、安倍内閣の支持率よりも不支持率のほうが高く、大幅な支持率アップは望めません。8月に内閣改造を行いましたが、なんの仕事もせず、臨時国会で冒頭解散をし、選挙で勝利した後でこのままの内閣で国会を運営していくでしょう。ただ、数的優位を確保し、日本維新の会や希望の党も加えて、安倍首相の念願である改憲に舵を取ろうとしていますが、それはかなりのハレーションを引き起こします。安倍首相を支える山口那津男公明党代表、麻生太郎副総理兼財務相、二階俊博自民党幹事長は今の改憲には反対です。ちなみに、解散総選挙に反対だったのは菅義偉官房長官です。ですから、そう簡単には改憲には進みません。
――安倍内閣の支持率は低下するなかで、有権者の不満は高まりそうですね。
山田 内閣支持率回復のためにやるべきことは、森友・加計学園問題の説明責任をしっかりとすることですね。今、街の声を拾ってみると、「森友・加計問題は、なかったことになるのでしょうか」という声が多いです。不支持率が高い理由はここにあります。しかし、それ以上に野党がだらしない。今までも、豊田真由子氏の暴言や稲田朋美元防衛相による混乱があり、その鬱憤により都議選で自民党の敗北につながりました。さらに今後、誰かが暴言を吐いたり不適切行為すれば、国民の不満は一気にそちらに向かい、メディアも総叩きになる構図ができ、安倍内閣は今まで以上に大変なことになります。
メディアにも問題があり、政治と国民の双方で健全なメディアのありようを考え、メディアも世論を受け、変革していく必要があります。私は10年以上、政治の現場を取材していますが、ここまで有権者を愚弄し軽んじる選挙は初めてで、見るに見かねているというのが本音です。この総選挙でとんでもない議員が選出され、歳費も付与されますが、その原資は税金です。政治のツケはすべて国民が払っているので、不満が溜まるのが当然です。
しかし、国民は忘れやすい。橋下徹氏が登場したとき、彼をスターとして迎えました。次に小池氏が登場したときも同様で、二度あることは三度あるでしょう。国民は新しいスターを常に待望し、そして失望を繰り返してきました。同じことを繰り返すのは、そろそろやめたほうがいいでしょう。
――安倍首相は、どのような引き際が望ましいとお考えですか。
山田 2期満了で後継指名するのが一番いい辞め方です。つまり、来年の自民党総裁選に出馬しないことが晩節を汚さない引き際です。仮に3期目に突入した際、小池代表が言うようにGDPが上がっても国民には景気高揚の実感がありません。若者の就職率がやや向上したため、なんとか支持がとどまっています。企業の内部留保は将来のことを考えてはき出しません。給料は3000円アップしても5万円昇給することはありません。子どもの教育無料化といっても、認可外は対象外となると、「やはり安倍さんは信用できない」という声がますます高まります。
3選後は安倍首相の限界が来ます。安倍下ろしが始まるので、3期任期満了はとても無理です。安倍首相は死にものぐるいでやっているということは、さまざまな方から聞いており、理解していますが、ここまでやってきましたので引き際は綺麗にしたほうがいいと考えています。  
希望・小池代表、街頭演説で危機感あらわ 10/12
希望の党の小池百合子東京都知事(65)は東京都・神奈川県内計8か所で街頭演説を開催。前日12日の共同通信社などの電話世論調査で「希望票が伸び悩んでいる」と出た序盤の情勢結果に対し、危機感をあらわにした。
調査では、自民・公明合わせて与党で計300議席超の見込みと、過半数233を大幅に超えそうな勢い。小池氏は「森友加計問題でも、国民の皆さんの7〜8割が『いやあ、疑惑晴れませんなァ』となっている」と強調し、「世論調査でも自公政権でこのままいきましょうか、となってますが、これでよろしいんでしょうか!」と巻き返しへ声を張り上げた。
小池氏の言葉に変化も出てきている。東京・江東区で行われた演説では「安倍1強政治に『緊張感を持たらそう』ではありませんか!」と訴えた。公示日となった10日には「安倍1強政治を『終わらせよう』」と発言しており、大幅なトーンダウン。微妙なニュアンス変更に、「希望の党大勝」という当初の目標からの軌道修正を図っていることが見え隠れしていた。 
日本地図から消えた北方領土 希望の党の政見放送で幹部釈明 10/12
希望の党(代表・小池百合子東京都知事)が12日の政見放送で使用した日本地図に日本固有の領土である北方領土が記載されていなかった。希望の党は衆院選の公約に「北方領土返還を目指す」と明記し、小池氏も入党条件に「リアルな安全保障」を掲げているが、日本の最重要課題の一つである北方領土問題に対する姿勢に不安を残した。
政見放送では、小池氏が「私たちは守るべきはしっかり守る。変えるべきは大胆に変える。改革保守の政党だ」と訴えると画面が切り替わり、北方領土のない日本地図が映し出された。北方領土はロシアが不法占拠を続けており、安倍晋三首相がプーチン露大統領との間で返還に向けた交渉を続けている。
希望の党幹部は産経新聞の取材に「申し訳ない。映像製作会社に任せて作成しており、しっかりしたチェック体制ができていなかった」と釈明した。 
希望の党が政見放送で大チョンボ「北方領土なし」地図使用に批判の声 10/12
衆院選(22日投開票)真っただ中の12日、希望の党が政見放送で、北方領土や尖閣諸島などを記していない日本地図を使用するという大チョンボを犯してしまった。
自民党参院議員の和田政宗氏(42)はこの日、自身のツイッターで「たまげました。日本地図に北方領土が記されていません。北方領土は、日本の領土ではないのでしょうか」と指摘し「政見放送ですから、党の公式の見解や政策を出すものです。党代表か幹部が最終的にVTRにOKを出しているはずですが、こうした重要なことを見過ごすでしょうか。あり得ない」と糾弾した。
希望の党の政見放送は小池百合子代表(65)がトレードマークの緑を基調としたスーツ姿で政策を訴える内容だが、画面に突然、緑の海に囲まれた日本地図が一瞬、映し出された。確かにその日本地図をチェックすると、和田氏が指摘した北方領土がなく、尖閣諸島や竹島も見ることができないのだ。
和田氏の同僚で前外務副大臣の佐藤正久氏(56)は「北方領土だけでなく、小笠原諸島もありません。小笠原村も東京都です。多くの人も気づかれていると思いますが、東京都知事としてはどうかと思います」とコメント。政府・自民党の立場から見たら、絶対あってはいけないミスに映って当然だろう。
当然、ツイッター上では「何が改革保守だよふざけんな」「ちょっと前に韓国が似たようなことで叩かれたばかりなのに」「民進党が大量合流した結果がこれ」という意見が噴出した。
希望の党の選挙スタッフに問い合わせたが「分からない」の一点張りだった。
永田町関係者は「小池氏はブレーンをマスコミ出身者で固めているが、衆院選は初めての素人集団。政見放送は映像制作会社を使って凝ったものを作り、データが画面に表示されて斬新。だけど党のチェックが不十分で問題を起こしてしまったのだろう」と話した。  
 
希望の党、なぜ失速? 海外メディア、ポピュリスト的政策には厳しい見方 10/13
読売新聞が7〜8日に実施した調査で、衆院比例選の投票先は自民党の32%がトップとなり、前回9月28〜29日の調査の34%から微減となった。一方、自民党を脅かす存在として注目を集める小池東京都知事率いる希望の党は、19%から13%に低下した。ポピュリスト的政策や、人気の源である小池氏自身が出馬しないことで、希望の党から支持が離れ始めていると海外メディアは見ている。
希望の党=小池氏。不出馬では盛り上がらない
希望の党失速の理由として各紙が上げるのが、小池氏自身が出馬しないとしたことだ。フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は、小池氏は他党の離党者を引き入れ新党を結成したものの、自身の出馬はないとしたことで、党躍進のチャンスにダメージを与えてしまったようだと述べる。野党への票が分散することで、結果的に小選挙区でも安倍首相を利することになるのではないかとしている。
ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)は、男性ばかりの政界で這い上がってきた女性として小池氏を高く評価するものの、希望の党は同氏のアイデンティティと密接にリンクしていると指摘し、同氏が出馬しないのであれば、その戦いぶりを予測するのは難しいとした。ロシアのスプートニクも、小池人気に支えられているのに、同氏が不出馬を宣言したことで、希望の党支持が急落したと述べている。
政策に現実味なし。「緑のたぬき」では困る
実現性に乏しい政策も、支持者離れの原因ではないかとされている。NYTは、小池氏は安全保障についてはタカ派で、安倍首相の改憲への努力を支持しているが、自民党との差別化を図る必要があったと説明する。公約には、反原発、消費増税凍結、企業団体献金ゼロ、受動喫煙ゼロ、待機児童ゼロなどが示されているが、筋の通った指導者的ビジョンを提示することなく、有権者の感情をベースにした、いいとこ取りになっているという専門家の批判を紹介している。
ソーシャルメディアでは、小池氏の写真をカップ麺「緑のたぬき」の写真と加工したものが出回っており、たぬきのように化け上手で、政治的に信用できず、口先ばかりだという見方もあるという(NYT)。
FTは、アナリストたちは希望の党の公約には懐疑的だと述べる。キャピタル・エコノミクス社のエコノミスト、Marcel Thieliant氏は、消費増税を遅らせたり、ベーシックインカム導入などが実行されたりすれば、財政政策はより緩くなりそうだが、どのように日銀の方向性を変えるかについての明確な提案が示されていないと指摘。構造改革も提案されているが、経済の進路を変えることにはなりそうもないと述べている。
民進党問題、独裁的都政でイメージダウン
NYTは、希望の党誕生で民進党が合流しようとしたが、小池氏が合流の条件を付けたことでリベラル派が立憲民主党を立ち上げたことに言及し、小池氏の新党結成表明が、政治的ドミノ倒しにつながったと述べる。これを日本大学の岩井奉信教授は、日本の政治における、いまだかつてないレベルの混乱だと述べている。
しかしテンプル大学日本校のジェフリー・キングストン氏は、民進党に関する小池氏の戦略は、希望の党のイメージを悪くしたのではないかと述べる。小池氏はゾンビ化して終わりそうな民進党の難民を吟味し、自分の考えに賛成しないからという理由で多くを拒絶してしまった。これが傲慢と不寛容と取られ、党のイメージを傷つけたと見ている。
都政での小池氏のやり方への批判もある。NYT紙は「自民党をブラックボックスと非難したわりには、自身が閉鎖的」という東京大学の内山融氏のコメントを掲載し、約束された「開かれた都政」が実現していないとみるアナリストがいると述べる。また、都民ファーストの会の議員2名が、小池氏は「独裁的」として離党したことなどを紹介している。
希望は消えた? 今後の注目は与党の議席数か
結局各紙とも、野党の躍進は難しいと見ており、キングストン氏は、この選挙での見どころは、改憲につながる3分の2の議席を自公が取れるかどうかだとしている(スプートニク)。
一方、サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙に寄稿したジャーナリストのトム・ホランド氏は、数々の数字から日本経済復調の兆候が見られるとし、今まさに日本はスランプ脱出の手前にあるのではないかと述べる。よって、改憲に必要な3分の2が取れないとしても、あと4年の「アベノミクス」景気拡大策には、単に過半数で十分だと述べている。  
希望の党失速が引き金、民進党再結集論に困惑と批判 10/13
事実上解党した民進党を巡り、希望の党(代表・小池百合子東京都知事)への合流を見送っての「再結集」論が浮上した。立憲民主党や無所属議員、希望からの「復帰組」を糾合する案だ。衆院選での予想外の希望失速が引き金だが、選挙戦さなかのラブコールに立憲民主は困惑し、小池氏は「政治不信の極み」と批判を強める。選挙後の野党再編「第2幕」も見据え、思惑が交錯する。
「倒すべき相手は安倍政権だ。民進が軸となり大きな器となって結集したい」。13日、埼玉県ふじみ野市で民進党の小川敏夫参院議員会長は、衆院選後の大同団結を12日に続いて訴えた。
民進は希望への合流過程で<1>希望<2>立民<3>無所属<4>当面残留の参院議員−に4分裂した。衆院選後に参院側の希望合流が想定されるが、小川氏は「過半の」参院議員による反対の声を背景に党を存続させ、民進を中心に再結集を図る考えだ。
無所属で出馬した岡田克也元代表も13日「野党は一つじゃないと自民を倒せない」と呼応した。民進出身の無所属前職約20人によるネットワークを構築済みで、選挙後の対応が念頭にある。
民進党籍が残る岡田氏ら無所属組や参院議員は、選挙後に両院議員総会を開いて民進の存続を決める−。こうした段取りを描く小川氏は、合流を主導した前原誠司代表の進退にも言及。前原氏は「今は選挙で手いっぱいだ」とだけ述べた。
こうした動きが表面化したのは、報道各社の衆院選情勢調査による希望の伸び悩みが明らかになったからだ。民進党は衆院解散時に90議席を割っていたが、希望は「最大で160までいく」(希望関係者)との見方もあった。しかし、共同通信の調査で「60前後」と苦戦している状況が判明。他のメディアの調査も同様の結果だった。
関係者は「合流に不満だった民進の参院議員が希望に見切りをつけた。選挙後は野党再編だ」と予測する。合流の破談もあり得る展開に、小池氏は13日のBSフジ番組で「参院は次に自分の選挙がある。そこを見ているのが透けて見える」と不快感を示した。
突然の秋波に戸惑い気味なのは立憲民主だ。枝野幸男代表は連携に意欲を見せたが、100億円以上残るとされる民進の内部留保金を念頭に「会計上の問題も含め、党に残っている人が決めることだ」と距離を置いた。
枝野氏周辺は「立憲民主は参院民進から支援を受けているが、選挙中にこの問題に深入りするのは、新党への支持を集めているのに得策ではない」と打ち明ける。
「全ては選挙結果次第だ。選挙後に参院が一つにまとまることが大事だ」。民進参院議員は歯がゆそうに語った。  
希望の党、安倍首相への批判に比重移す 10/13
衆院選の序盤情勢調査、各党の反応は? 戦略に変化も
朝日新聞など各紙が12日付朝刊で衆院選の序盤情勢調査を報じたことを受け、各党の戦略には変化も見える。「堅調」と報じられた自民党は引き締めを図る。伸び悩む希望の党は、安倍晋三首相への直接的な批判に比重を移しつつある。
自民党の二階俊博幹事長は12日、全ての自民候補に緊急通達を送り、「報道とは逆に情勢の悪化を招いている候補が見られる」と戒めた。通達では、橋本龍太郎首相が退陣に追い込まれた1998年参院選などを念頭に、過去の選挙で事前予測と異なる結果があったことを強調。「緩み」への警戒を呼びかけている。
安倍首相はこの日新潟県の6選挙区を回った。情勢調査で勢いがあると報じられた立憲民主党に言及し、「菅内閣はひどかった。菅さんたちが作ったのが立憲民主党だ」と同党最高顧問の菅直人元首相らを名指しで批判した。
一方、伸び悩みが報じられた希望の党の小池百合子代表(東京都知事)は12日の街頭演説で、これまでよりも森友・加計学園問題に時間を割いた。政権の情報公開の不十分さを訴え、「総理大臣である安倍晋三氏はいまだに指示を出していない。都合が悪いからと思われても仕方がない」と批判のトーンを上げた。
明暗が分かれた野党勢
報道各社が報じた衆院選序盤の情勢調査。再編劇があった野党勢は明暗が分かれた。堅調な与党は緩みを警戒する一方、選挙後への思惑や懸念も広がった。
「このままでは何も変わらないどころか、白地小切手を自民、公明党に渡すような流れになってきている」。12日の街頭演説で政権批判のトーンを強めた希望の党代表の小池百合子・東京都知事は調査結果について、記者団に「まだ序盤。しっかり戦っていく」と言葉少なに語った。
報道各社はこの日、衆院選序盤の情勢を「自民堅調 希望伸びず」(朝日新聞)、「自公300超うかがう 希望伸び悩み」(毎日新聞)、「自民単独過半数の勢い 希望伸び悩み」(読売新聞)などと報じた。自民に次いで多くの前職を候補に立てた希望には、いずれも厳しい結果だった。
調査が浮き彫りにしたのは、野党候補の乱立で「反自民」票の行き先が分散した現状だった。朝日新聞の10、11日の調査では、安倍政権の5年間を「評価しない」(41%)とした人の投票先は、立憲民主党27%、希望26%、自民18%、共産14%などに分かれた。
「自民・公明」「希望・維新」「共産・立憲・社民」の三つの勢力が争う選挙区は全体の6割近い162。39の選挙区では、希望が立憲に対立候補をぶつけた。民進の前原誠司代表が「どんな手段を使っても安倍政権を止めなければいけない」と言って進めた希望への合流が、「野党側が乱立しているわけだから、与党にとって有利」(松井一郎・日本維新の会代表)な状況を生んだ。
共産の志位和夫委員長は12日、名古屋市での街頭演説で、「希望の党が野党共闘を分断し、壊した。この漁夫の利を一時的に自民党が得ているに過ぎない」と訴えた。前原氏は朝日新聞の取材に対し、「緊張感をもてるような状況をつくるために頑張ります」と繰り返すだけだった。
希望の樽床伸二選対事務局長は「(野党は)『安倍政治ノー』で一致している。登る道は違っても頂上が一緒ならいい」と話すものの、選挙戦の構図自体は変わらない。希望側は政権批判を強めることで局面打開を図る方針だ。
一方、「勢いをつけている」と報じられた立憲は、代表の枝野幸男氏を前面に勢いの維持を図る。枝野氏は記者団に「まだ(党を)立ち上げて10日で、伸びしろはある。我々が大きく伸びることで1強体制を崩していく。その責任を負っている」と強調した。
自民、緩みを警戒する声広がる
「堅調」と報じられた自民党には、緩みを警戒する声が広がる。首相に近い前職は「必ず揺り戻しがある」、参院幹部も「実感とかけ離れている。甘くない」と語る。
懸念は、安倍内閣の不支持率が下がっていないことだ。朝日新聞が3、4日に行った世論調査では支持率は40%、内閣不支持率は38%と拮抗(きっこう)している。
石破茂元幹事長は記者団に「政権奪還の時に感じたような、『自民党頑張ってね』という声はほとんど聞かない」と指摘。閣僚経験者も「誰も、総理が正しいなんて言っていない。野党の失点だ」と分析する。
それだけに政権幹部は野党批判を緩めない。
首相が12日の街頭演説で批判の矛先を向けたのは、野党のうち唯一「勢いがある」と報じられた立憲民主党。枝野氏のほか、菅直人元首相、福山哲郎幹事長らの名をあげ、「我々が政権奪還前のあの時代を思い出して欲しい。あの時のメンバーが別の政党を作った。本質を見ていこうじゃありませんか」と声を上げた。
菅義偉官房長官も都内の街頭演説で、安全保障法制を容認する「踏み絵」を踏んで希望の党入りした元民進党議員の対応を批判。「絶対に廃止すると、野党共闘していたが、看板政策を投げ捨ててまで当選したいと、希望に行った。信用できない」
一方、自民の堅調ぶりに、憲法9条の改正に慎重な公明党からは選挙後を危ぶむ声が漏れる。党幹部の一人は「自民は憲法で押してくる。国会での発議に向かって推進力がつく」と言う。
首相にとって、9条改正を含む改憲論議に前向きな希望や日本維新の会が一定の議席を得れば、さらなる追い風となる。維新や希望との連携が、改憲をめぐって公明に圧力を強めるカードとなるからだ。
今回、自民は公約の柱として「自衛隊明記」など改憲4項目を掲げた。党憲法改正推進本部の幹部はいう。「公約に掲げて選挙に勝てば、民意を得たということ。余裕を持って勝ったとなれば、なおさらだ」  
希望・小池代表、安倍政権との大連立を否定 10/13
小池百合子・希望の党代表(東京都知事)は13日、衆院選後の安倍晋三政権との大連立について、記者団に「ございません。希望の党は是々非々の対応を進めていく」と否定した。
小池氏は希望の党代表に就任以降、安倍政権への批判を強め、街頭演説でも「(衆院選で)情報公開は大きなポイント」として、森友・加計学園問題に対する批判を繰り返している。一方、これまで自民党に対する批判は控えめで、選挙後の首相指名について、これまで「選挙の結果次第」とあいまいにしてきた。このため、安倍首相以外との自民の議員らと連携する可能性を排除していないとみられている。  
希望の党の政策「内部留保課税」がヤバすぎる 10/13
最近、希望の党から企業が保有する「内部留保」に対して課税するという政策が打ち出され、これに対する批判が高まっています。「二重課税である」とか「会計の仕組みを全然わかっていない」など、筆者から見ればいずれももっともな批判であり、「内部留保に対する課税」がかなり筋の悪い話であることは間違いありません。
しかし、一般にいわれている理由とは少し違った角度で、「資本の原則」という観点からこの「内部留保課税のどこが問題なのか」を考えてみたいと思います。
そもそも内部留保って何?
まず内部留保というのはどんなものかについてお話しします。そもそも、内部留保という言葉や項目は、会計上存在しません。
ところがこの言葉には「儲けた企業が金庫の中にたっぷりおカネを貯め込んでいる」というイメージがあります。実際に企業の内部留保といわれているものは、2016年度で約406兆円にも上ります。言葉のイメージでこの金額を聞くと、「ガッポリ貯め込んでいる大企業はもっと社員に給料を払え、それをしないなら税金を取るぞ!」というのはいかにも社会正義であるかのように響きます。しかしながら、それはあまりにも短絡的と言わざるをえません。
なぜでしょうか。企業というものは何らかの方法でおカネを調達し、その調達したおカネで事業を行っています。
ところで、おカネの調達方法には3通りあります。借金と出資、そして稼いで得る利益です。この3通りの方法で調達したおカネを使って設備投資したり、人を増やしたりして事業を拡大するのです。これをバランスシート(貸借対照表)で見ると、右側(資本の部)にどうやっておカネを調達するかが示されており、左側(資産の部)にそうやって調達したおカネがどのように使われているかが記載されています。
先ほどの3つの調達方法のうち、借金は人から借りた、いわば他人のおカネです。一方、出資は株主が出したおカネですから所有権は株主のものです。さらにそのおカネを使って上げた利益は言うまでもなく株主のものということになります。株主がおカネを出資するのは、出したおカネを使って儲けてくれることを期待してのことですから、最後に残った利益は株主のものであるのは当然です。
もちろん、ここで言う利益とは売り上げから製造原価やさまざまな経費を引き、従業員の給料等も払い、最後に税金を払ったうえで、最後に残ったおカネのことです。
利益は「誰のもの」なのか?
では、企業はそうやって残った利益をどうやって処分するのでしょう。ここでは大ざっぱに言って2通り方法があります。1つは配当として株主に払うこと(自己株買いをして株主の価値を高めるのもある意味、株主への還元です)、そしてもう1つは新たな事業に投資するために土地や設備を購入したり、そのための現金を用意したりしておくことです。
つまり、内部留保というのは最終的に残った利益の中から株主に配当を支払った残りの分のことですから、支払った配当金も残った内部留保も、どちらも株主のものなのです。
また、今の説明でおわかりかと思いますが、内部留保というのはイコール現金というわけではありません。おカネの出どころとして企業が儲けた利益の中からさまざまなものを払った残りが内部留保ですから、実際にはそのおカネで購入したものも含まれますし、現金で持っている部分もあります。いずれにしても内部留保は株主のものです。
「内部留保課税というのは、すでに税金を払い終えたおカネに課税するのだから二重課税になる」、それはそのとおりです。また、「内部留保という会計上の定義があいまいなものに対して課税するのはおかしい」、それもそのとおりです。
しかし、私はより本質的な問題点があると思います。
何が本質的な問題なのでしょうか。内部留保課税の本質的な問題は、株主価値の毀損ということであり、これこそが最大の問題点だと考えています。
行政側がやることは、キャッシュに税金をかけること?
例えを出してみましょう。ある優秀なファンドマネジャーがうまく儲けてくれることを期待して100万円のおカネを託した投資家がいたとします。ファンドマネジャーはその期待に応えて150万円に増やしてくれました。もちろん所定の税金や手数料は払い済みです。ところがそのファンドマネジャーは、「今は積極的に投資するよりも、資金を現金で持って様子を見よう」と考えたとします。
そこに行政が絡んできて「投資しないのはけしからん! 投資しないのだったら税金を取るぞ!」と言ったらどうでしょう。「そんなバカな!」と誰もが思うに違いありません。
でも内部留保課税というのは、これと似たようなことなのです。これが投資信託であれば、誰もがとても不合理なことだと思うでしょう。ところが内部留保に課税するということについては株主の間から「自分たちの持っている価値が毀損される、不合理だ」という声をあまり聞きません。
なぜでしょうか。配当が増えたり減ったりするのと違って、内部留保が自分たちのものであるという実感があまりないからです。でも内部留保も配当も、紛れもなく株主に帰属するものなのです。
むしろ問題なのは内部留保ではなく、その内どれぐらいを実際にキャッシュで持っているかです。キャッシュ自体は何も生み出しませんから配当するか自己株買いをするか、あるいは儲けるために何らかの新規投資に向けるべきです。
行政がやることはそのキャッシュに対して税金をかけることではなく、規制を緩和することで投資機会を創出し、内部留保を使って新たに魅力的な投資先ができるように政策を考えることではないでしょうか。  
「希望伸び悩み」小池氏、危機感「よろしいんでしょうか!」 10/13
希望の党代表の小池百合子東京都知事(65)は東京都・神奈川県内計8か所で街頭演説を開催。共同通信社などの世論調査で「希望票が伸び悩んでいる」と出た序盤の情勢結果に対し、危機感をあらわにした。
調査では、自民・公明合わせて与党で計300議席超の見込みと、過半数233を大幅に超えそうな勢い。
小池氏は「森友加計問題でも、国民の皆さんの7〜8割が『いやあ、疑惑晴れませんなァ』となっている」と強調し、「世論調査でも自公政権でこのままいきましょうか、となってますが、これでよろしいんでしょうか!」と巻き返しへ声を張り上げた。
小池氏の言葉に変化も出てきている。東京・江東区で行われた演説では「安倍1強政治に『緊張感をもたらそう』ではありませんか!」と訴えた。公示日となった10日には「安倍1強政治を『終わらせよう』」と発言しており、大幅なトーンダウン。微妙なニュアンス変更に、「希望の党大勝」という当初の目標からの軌道修正を図っていることが見え隠れしていた。  
 
小池代表、唐突に野田佳彦前首相をベタ褒め 10/14
希望の党代表の小池百合子都知事(65)が13日、東京・JR大井町駅前で民進党代表の前原誠司氏(55)とともに共同演説を開催した。小池氏が野田佳彦氏を唐突にべた褒めする場面があった。
前原氏との演説は24年ぶりだという小池氏。「今回、前原さんは大変な決断をされました」と前置きしながら「もう一人忘れてならないのは、日本新党で私と一緒にスタートした野田佳彦さん」といきなり絶叫。「(2012年の首相時代に)解散総選挙という決断をされました。野田さんは節目に決断され、日本を大きく動かした立役者」と話し、今までの選挙演説でひと言も口にしていなかった大物を不自然なほど褒めそやした。
小池氏発言は、民進党の“再結集”阻止へクサビを打つべく野田氏へ秋波を送る意図があるとみられる。一方で、小池氏はBSフジ番組で、民進党参院側の動きについて「参院は次に自分の選挙がある。そこを見ているのが透けて見える政治不信の極みになる」と批判した。  
小池マジックも効果なしか。苦戦する希望の党 10/14
集まったのは進次郎氏の5分の1
なぜこれほどにも変わってしまったのか。あの頃の熱気はどこへ行ったのか。
10月13日午後4時20分、渋谷駅の改札を出てセンター街方向に向かうと、希望の党の街宣車があった。9月28日に安倍晋三首相が公明党の山口那津男代表と一緒に街宣し、10月8日には小泉進次郎氏が熱弁を振るった場所とほぼ同じ位置だ。
昨年7月の都知事選では、自民党の推薦を得られず、孤立無援で戦った小池百合子東京都知事。それを支えたのは百合子グリーンのグッズを持って集まった支援者たちだった。だがこの日の渋谷では、そうした人たちの数は少なかった。第一、人が集まっていない。ざっと見て、進次郎氏の時の5分の1程度だろうか。安倍首相の時にも及ばない。
「この日本、変えるべきところは思い切って変える。守るべきところは断固として守る」
小雨降る中、百合子グリーンのレインコートを着た小池知事は街宣車の上で声を張り上げた。しかし演説が終わった後、街宣車の近くにいた筆者の元には、拍手もかけ声も聞こえてこなかった。
この日の最高気温は20度を下回り、真夏のような暑さだった前日とは10度もの差があった。晩秋のような肌寒さとともに、小池知事は自らの失墜を感じていたのかもしれない。
聞こえてくる恨み節
一体どこで間違ったのか。希望の党の関係者はそう思っているに違いない。民進党から希望の党への候補者の公認調整を担当した玄葉光一郎元外相は、10月13日に地元で演説会を開き、「(小池知事の)排除発言がなければ、希望の党は200議席に迫っていたはず」と悔いている。
しかしながら政党とは、政治理念を同じくする者の集まりだ。選挙のために離合集散されては、有権者としてたまったものではない。
さらに希望の党の不振の本質はそこではない。そもそも小池知事の“賞味期限”が切れたのかもしれない。
サプライズやウィットを組み込んだイメージ戦略。これが小池知事がとってきた戦法だ。たとえば1992年に、国会に初登院した時の小池知事のいでたちは緑色のサファリジャケットとヒョウ柄のミニスカート。「永田町には猛獣や珍獣、それに狸もいらっしゃると聞いたので」と述べて話題になった。
だがこのセンスはバブル期までのものだ。また「アウフヘーベン」や「ベイシックインカム」など、カタカナを多用する言語感覚も、バブル期にもてはやされた。要するに中味がなくても新語を使っていればインテリに思われるという感覚だ。
そしてバブルが崩壊して30年たとうとしている今、もうそのような機運はない。何よりも若い世代はバブル期の記憶がない。最初は面白く思われても、すぐに飽きがくる。
まさかの若狭氏苦戦
実はその兆候はメディア各社が行った世論調査にも出ていた。小池知事のおひざ元である東京10区(豊島区及び新宿区、中野区、練馬区の一部)で、若狭勝氏が予想外の苦戦を強いられているのだ。
若狭氏の相手は自民党の鈴木隼人氏。実は鈴木氏に自民党の公認が決定した後も、一部の地方議員が反対していた。「鈴木氏では若狭氏に勝てない」というのがその理由だった。さらに「鈴木隼人では立憲民主党の鈴木庸介にさえ負ける」とまで言われていたのだ。
ところが直近の世論調査では、鈴木氏の健闘ぶりが目立っている。実際に10日の公示日には池袋東口で小泉進次郎氏の応援を得て約3000名も動員した。同じ日に若狭氏は小池知事とともに池袋西口に立ったが、昨年の知事選や衆議院補選には遠く及ばなかった。というのも、街宣車の前には人が入れない謎の空間が作られたが、これはメディアや聴衆を外側に押し出し、人がたくさん集まっているように見せる戦法だ。そんな手段を使わなければならないほど、勢いはなくなっていたのかもしれない。
さて10月22日の投開票まで後1週間になった。小池知事は希望の党が沈まないようにいろいろと手を打ってくるに違いない。それで有権者の関心は戻るのか。もはやそういう時代ではないような気がする。
 
与党300超うかがう=希望伸び悩み、立憲躍進−共産後退も 10/15
衆院選の投開票を22日に控え、時事通信は全国の支社・総支局の取材を基に、世論調査の結果や過去の得票実績を加味して情勢を探った。新定数465議席のうち、公示前に290議席の自民党は280議席近くを視野に入れ、公明党を加えた与党で300議席超をうかがう勢い。希望の党は本拠地の東京でも伸び悩み、公示前勢力(57議席)を確保する程度にとどまる見通しだ。立憲民主党は公示前の15議席から40議席程度まで伸ばす可能性がある。
自民党は北陸、中国、九州を中心に全国的に堅調で、青森や群馬でも議席独占が有望。150超の選挙区で当選圏に入った。約100選挙区で希望や立憲などと接戦を展開し、うち55選挙区でやや優勢。野党の2極化で、政権批判票が分散したことにも助けられている。比例代表も前回(68議席)に迫る勢いで、「自民1強」の構図は変わらない見通しだ。
公明党は前職を立てた9選挙区のうち六つを確保し、残り三つは接戦を展開。比例は11ブロック中4ブロックで定数1減となった影響から、前回の26議席を確保できるかは微妙だ。自公両党では安倍晋三首相が勝敗ラインと定めた過半数(233議席)を大きく超え、憲法改正案を発議できる3分の2(310議席)に届く可能性がある。
一方、希望は当選圏に入った選挙区が六つと伸びず、約50選挙区で競り合っている。今後の情勢次第では、小池百合子代表(東京都知事)のお膝元、東京で候補を擁立した23選挙区で全敗する恐れすらある。比例も自民の半分強の35議席程度の見込みだ。
これに対し、立憲は共産党と共闘する北海道などを中心に善戦。比例も30議席程度まで伸ばしそうだ。
公示前に21議席だった共産党は、議席を減らすとみられる。日本維新の会は、公示前勢力の14議席前後にとどまる公算。
社民党は2議席を死守、衆院に議席のなかった日本のこころは当選者ゼロの見通し。地域政党の新党大地は比例北海道ブロックで1議席獲得の可能性がある。  
ユリノミクス「12のゼロ」実現可能性は…限りなくゼロ 10/15
新たに8つ増えただけ
10月6日、小池百合子都知事率いる「希望の党」が政権公約を発表した。いま大きな問題となっている待機児童やブラック企業をゼロにする「12のゼロ」を打ち立てたほか、現在実施している金融緩和政策を見直し、消費増税を凍結して「ポスト・アベノミクスの経済政策」を実施すると宣言している。
この経済政策を本人は「ユリノミクス」と表現したが、要するに安倍政権とは真っ向から対抗する政策を打ち上げて、政治的に与野党の色をはっきり付けるのが狙いなのだろう。だがはたして、これらの政権公約の整合性や実現可能性はどれほどあるのだろうか。
まず「12のゼロ」だが、この項目をすべて書くと(1)原発ゼロ、(2)隠ぺいゼロ、(3)企業団体献金ゼロ、(4)待機児童ゼロ、(5)受動喫煙ゼロ、(6)満員電車ゼロ、(7)ペット殺処分ゼロ、(8)フードロスゼロ、(9)ブラック企業ゼロ、(10)花粉症ゼロ、(11)移動困難者ゼロ、(12)電柱ゼロ、となる。
実は小池都知事は、昨年7月に行われた都知事選で「7つのゼロ」を公約にしていた。(1)満員電車ゼロ、(2)残業ゼロ、(3)介護離職ゼロ、(4)待機児童ゼロ、(5)ペット殺処分ゼロ、(6)都道の電柱ゼロ、(7)多摩格差ゼロだ。
(1)、(4)、(5)、(6)は今回の公約と重複している。逆に言えば、都民には加えて8つの新しい「ゼロ」が加わったことになる。
このままでは「成果ゼロ」
小池都知事になってから1年あまりが経ったが、築地・豊洲問題は一向に進展せず、そもそも都政自体がメディアで取り上げられなくなってしまった。3年後に迫る東京五輪の進行もピッチが上がってこない。
そして、都知事選のときに掲げていた「7つのゼロ」は、目に見える成果はいまのところ出ていない。もはやこのような公約があったことを忘れている人も多いだろう。東京での先行事例を見ている限りでは、希望の党の政権公約も結局「成果ゼロ」に終わってしまうとさえ懸念される。
政権公約について、総論として様々な改革の実現を匂わせるうちは問題ないかもしれないが、「12のゼロ」のように各論にしてしまったのならば実行するしかあるまい。都政で実績があればまだ期待できるが、そうではないのが苦しいところだ。
では「ユリノミクス」はどうだろうか。「金融緩和に依存することなく」と会見の物言いは柔らかかったが、現状からすれば実質的な金融引き締めとなる。一方で財政支出は抑制的というから、つまりアベノミクスとは真逆だ。もし実行してしまえば、デフレに逆戻りしてしまう可能性がある。
アベノミクスの効果でようやく失業率が下がってきたのに、それをやめれば再び雇用環境も悪くなる。「12のゼロ」のひとつに挙げているブラック企業も、いま以上に跋扈するはずだ。
改革を標榜するニューカマー政党によくあることだが、どうしても政策スタッフの知識・経験の不十分さが各所に滲み出てしまうのである。
政策では突っ込みどころが多く、このままでは確実にボロが出る小池新党だが、それでも今回の衆院選では台風の目となっている。もし選挙で大きな成果を上げることになれば、政権公約を実現に近づけるためにもブレーンの登用や経験者を味方につけていくことが急務となるだろう。  
「期待集める状況じゃない」希望の党の党名、民進合流組に伏せる動き 10/15
 序盤情勢「失速」で票離れ懸念? 九州・山口の公認候補
衆院選序盤の情勢調査で「希望の党」への支持が伸び悩む中、九州・山口の同党公認候補では、党名を選挙戦でフル活用するか、対応が分かれている。
知名度の低い新人は積極的に活用するが、民進党からの合流組はおおむね控えめだ。対立候補が政党乗り換えに批判を強めており、追い風が吹かない中、党を前面に出すことによる票離れを危惧する声も出ている。
新人は党名を17回連呼
「こちらは、小池百合子東京都知事を代表といたします、希望の党、希望の党でございます」
12日、福岡1区から立候補した新人の男性候補(41)は、JR博多駅前で演説し、7分間で17回、「希望の党」と発言した。
「昨年の参院選を『日本のこころ』で戦ったが、希望(の党)というと、明らかに反応が良い。チラシを配ってもどんどん取ってくれるし、家から出てきてくれる。こんなの初めてだ」と語る。
その参院選では落選した。希望からの立候補で、初当選をたぐり寄せようと狙う。小池氏の来援も切望しており、「来るのと来ないのでは印象が違う。代表として一度は入っていただきたい」と訴えた。
出陣式で一度も党名言わず
福岡2区から立候補した元職の男性候補(47)は、公示日の出陣式で「希望の党」と一度も言わず、街頭演説でもほとんど発していない。
党名を活用しないことについて「民進党のときからそうしている。政党は良いときも悪いときもある。党に頼らず、自分の力でやらないといけないことが、前の選挙の教訓だった」と説明する。記者から「党名が新たな票の掘り起こしになるのでは」と問われると「そうでしょうか」と首をかしげた。
民主党(当時)が政権を奪った平成21年衆院選で同党から立候補し、初当選した。しかし、続く24年、26年衆院選は落選した。その後、民主党は民進党に変わり、共産党との共闘を進めた。
陣営幹部は「共産党と協力したことで、保守系の人から敬遠された。(希望の党の)党名を出すのが必ずしも良いとは限らない。党名より人や政策をアピールすることが重要だ」と強調する。
「こんな状況で来てほしくない」
民進党出身者を中心に、「自分」を前面に出す向きは強い。
佐賀2区で出馬した前職の男性候補(52)は12日、佐賀県玄海町で行った決起大会で「安心して任せられる希望の党を、私が責任を持って作っていく。どうか私に託してほしい」とアピールした。
取材に対し「希望の党を前面に押し出しても、期待を集める状況じゃない」と語った。
小池氏は16日の九州入りが予定される。応援に沸く陣営がある一方、支持の伸び悩みによる逆効果を懸念する声もある。
民進党出身のある候補者の陣営からは「こんな状況で来てほしくない」という声が上がった。  
希望苦戦で小池代表が懺悔 排除発言「キツイ言葉だった」 10/15
衆院選の苦戦に相当焦りを募らせているのか、希望の党の小池代表の口から弱気な発言が飛び出した。
民進党に手を突っ込み「排除の論理」を振りかざした騒動をめぐり、出演した13日のBSフジ番組で、「キツイ言葉だった」とし、「政策の一致ということを申し上げたかった」と釈明。参院議員を中心に浮上する民進の再結集論に話題が変わると、「参院は次に自分の選挙がある。そこを見ているのが透けて見える」と批判した。
「三都物語」と称した選挙協力も空中分解。愛知県の大村秀章知事の党顧問就任キャンセルや、連携ご破算のドタバタについて都庁内のぶら下がり取材で「党顧問を求めていたのは大村さんなので解せないところもある。いろいろな政党の中でもがいているのではないか」とクサした。
一方、希望との公認調整に当たった民進の玄葉光一郎元外相は「排除発言」に恨み節。13日の福島県石川町の演説会で、「発言がなければ希望は200議席に迫る勢いだ」とボヤき、「全員受け入れる気はサラサラないなんて言い過ぎだ。本当に返す返す惜しい」と不満を漏らした。
14日の朝日新聞によると、自民党は公示前勢力(284議席)に迫る勢いで、公明党は(34議席を)維持できるかどうか。希望(57議席)と日本維新の会(14議席)は下回る可能性があり、立憲民主党(15議席)は40議席前後に増える見通しだという。  
小池新党の無責任すぎる後出し公約 自民を意識で「消費税アップ凍結」 10/15
かつて大平正芳総理が消費税導入を主張して1979年の選挙で敗北したように、消費税は歴代政権の“鬼門”になってきた。それを知ってか、安倍総理の増税策に小池都知事が繰り出してきた後出しじゃんけん。あまりに無責任ではないか。
政治部デスクが言う。
「希望の党の公約原案では、消費増税凍結、その税収の穴埋めとして国有地の売却や公共事業の削減を掲げています。これは明らかに自民党の公約を意識してのことです」
安倍総理は今回の解散の“大義”として消費税の使途変更を問う、としている。
「2年後の10月に10%に消費税を引き上げれば、税収が約5兆円増える計算になる。4兆円を国の借金返済に充てるとしていましたが、そのうち2兆円を教育無償化などの財源にするとしたのです」(同)
リーマン・ショック級の危機が起こらなければ、予定通り実施するというから、衆院選はさながら、「増税vs.増税凍結」という構図になったわけだ。
「増税は選挙では不利ですから、公約面では小池さんが圧倒的に有利です」(同)
もっとも、増税凍結は日本の財政危機を助長するだけだ、と指摘するのは、シグマ・キャピタルチーフエコノミストの田代秀敏氏。
「2016年度一般会計歳出の約97兆円のうち、国債の利払いだけで23兆円を超えています。25年度には長期金利が4%を超え、予定通り消費増税しても国債利払いが41兆円以上に増えると、国は試算しています。凍結すれば、もっと増えます。凍結の財源とする国有地売却は一時的な穴埋めにしかなりません。海外では早くも“コイケノミクス”と揶揄されており、“迫りくる選挙は日本の財政再建にとって命取りになりかねない”と報じられています」
エコノミストの中原圭介氏もこう言う。
「これから超高齢社会を迎えるにあたり、本当なら痛みを伴っても税収を増やさなければならないのに、そうしないのは目先の票集めと言わざるを得ません」
ポピュリストの登場に泣くのは未来の有権者なのだ。  
与党300超うかがう=希望伸び悩み、立憲躍進―共産後退も 10/15
衆院選の投開票を22日に控え、時事通信は全国の支社・総支局の取材を基に、世論調査の結果や過去の得票実績を加味して情勢を探った。新定数465議席のうち、公示前に290議席の自民党は280議席近くを視野に入れ、公明党を加えた与党で300議席超をうかがう勢い。希望の党は本拠地の東京でも伸び悩み、公示前勢力(57議席)を確保する程度にとどまる見通しだ。立憲民主党は公示前の15議席から40議席程度まで伸ばす可能性がある。
自民党は北陸、中国、九州を中心に全国的に堅調で、青森や群馬でも議席独占が有望。150超の選挙区で当選圏に入った。約100選挙区で希望や立憲などと接戦を展開し、うち55選挙区でやや優勢。野党の2極化で、政権批判票が分散したことにも助けられている。比例代表も前回(68議席)に迫る勢いで、「自民1強」の構図は変わらない見通しだ。
公明党は前職を立てた9選挙区のうち六つを確保し、残り三つは接戦を展開。比例は11ブロック中4ブロックで定数1減となった影響から、前回の26議席を確保できるかは微妙だ。自公両党では安倍晋三首相が勝敗ラインと定めた過半数(233議席)を大きく超え、憲法改正案を発議できる3分の2(310議席)に届く可能性がある。
一方、希望は当選圏に入った選挙区が六つと伸びず、約50選挙区で競り合っている。今後の情勢次第では、小池百合子代表(東京都知事)のお膝元、東京で候補を擁立した23選挙区で全敗する恐れすらある。比例も自民の半分強の35議席程度の見込みだ。
これに対し、立憲は共産党と共闘する北海道などを中心に善戦。比例も30議席程度まで伸ばしそうだ。
公示前に21議席だった共産党は、議席を減らすとみられる。日本維新の会は、公示前勢力の14議席前後にとどまる公算。
社民党は2議席を死守、衆院に議席のなかった日本のこころは当選者ゼロの見通し。地域政党の新党大地は比例北海道ブロックで1議席獲得の可能性がある。  
残り1週間、選挙サンデーに各党首はどこで何を訴えた? 10/15
衆院選の投開票まで残り1週間となった「選挙サンデー」の15日、各党党首は全国の街頭で支持を呼びかけた。安倍晋三首相(自民党総裁)は経済政策「アベノミクス」の成果を前面に、政権継続を求めた。野党各党は経済政策や消費増税に加え、森友・加計問題などで政権批判を強めた。
全国で自民の優勢が伝えられる中、安倍首相は接戦区が多いとされる北海道に入った。演説では民主党政権時代の経済状況を「日本中を黒い雲が覆っていた」と批判。国内総生産(GDP)や株価、パートの時給などが自民党の政権復帰後に改善したとしてアベノミクスの優位性を訴えた。
公明党の山口那津男代表も小選挙区候補を立てた近畿2府県で演説。学生の就職率などを例に「自公連立政権になって確実に経済を再生させた」と主張した。
首相、山口氏とも、民進党が分裂して戦う状況を批判。首相は「自民党は政権を失っても党の名前を変えようなんて思わなかった」とあてこすった。
野党側は政権批判のトーンを高める。アベノミクスの効果を疑問視し、消費増税の凍結や中止を掲げた。
希望の党の小池百合子代表(東京都知事)は、自身の地盤である都内を回った。「GDPが増えたと言うが定義を変えて数字が膨らんだだけだ」と主張し、消費増税凍結を訴えた。森友・加計問題にも触れ、「白地小切手をあの安倍1強政治に与えないで」と呼びかけた。
共産党の志位和夫委員長は近畿の3府県で街頭演説。「働く人の実質賃金は減り、大企業は空前のもうけをあげ、内部留保をため込んだ。とんでもない格差が広がった」と指摘した。
立憲民主党の枝野幸男代表は4府県で応援にまわった。格差拡大と貧困の問題が「刻々と積み上がっている」と主張。「自由競争には公平・公正なルールを」と訴えた。森友・加計問題や陸上自衛隊の日報問題を取り上げ、「国民に隠す、ごまかす。情報の提供をしないで物を決めていく。これは民主主義ではない」と政権を批判した。
日本維新の会の松井一郎代表(大阪府知事)は拠点の大阪に張り付いた。消費増税の増収分を教育無償化に充てるとした自民を意識し、「まずは役所の改革で財源を生み出すべきだ」と増税凍結を訴えた。
社民党の吉田忠智党首は大分県内で、日本のこころの中野正志代表は都内で街頭演説を行った。  
希望の党は大敗北に終わるだろう
つい数日前、世論調査で「首相に相応しい人物」として小池百合子・東京都知事が安倍首相を抑えてトップに立ったとマスコミが報じていた。また、比例投票先で希望の党は自民党に次ぐ15%以上だとか、議席数は150を上回る勢いだとか、メディアはとにかく希望の党一色のような報じ方をしていた。
一方で、ネット動画やSNS、掲示板では、こうしたマスコミが伝える小池百合子の国政待望論とは真反対に、小池氏や希望の場当たり的で権力志向に偏った言動に対する誹謗中傷が溢れている。「同じテーマで語られている出来事なのか?」と違和感を覚えた人も多いのではないだろうか。私もまた、その落差がどこから生じるのか不可解でしかなかった。
公示後に、化けの皮が剥がれるように希望への失望を伝えるニュースが横溢し、ようやくオールドメディアの『誤報』が修正され始めた。新聞やテレビ中心のオールドメディアは、安倍首相が安全保障体制や改憲に着手し始めてから、なりふり構わぬ政権批判を開始し、政治的に露骨な偏りを示している。このために、同じ保守政治であっても「安倍政権を倒してくれるなら」と小池・希望寄りの報道が目立ち、彼らがその根拠に利用する世論調査を軸にして小池氏の人気ぶりを煽った。彼らが常とう手段にする世論調査では、それぞれの政治的立場を露骨に反映した質問内容で答えをミスリードし、自分たちが望む世論を演出する。
ところが今回、革新勢力すらも味方に付けていたはずの小池・希望護送船団は、公示をきっかけにあっけなく瓦解した。
なぜか。独裁者である小池氏が結局、国政復帰せず、希望の党が選挙後に誰をリーダーにしてどんな政治を目指すのかがまるで見えてこないため、「よいしょ」のしようがないほど、空っぽな政党であることが明白になったからだ。とってつけたような「12のゼロ」なる政権公約も、満員電車ゼロや電柱ゼロなど、都政でも全く着手できていないテーマを重複させている。小池氏が主張するベーシックインカム導入に関して言えば、年間予算をも使い切るような財源の根拠も明確になっていない。彼女が多用する横文字の一つ「ワイズスペンディングで予算を削り云々」などという、具体性も実現性もない言葉でお茶を濁し、「それ言いたいだけだろ」とツッコミを入れたくなるいい加減さで日本の未来を語る。
さすがに、オールドメディアもこれほど中身の空っぽな小池氏や希望の党に対して呆れ始めたのが一つ。さらには、民進党の一部を「排除する」と彼女が明言した結果、革新系の支持者たちが反発し、支持の矛先が立憲民主党に大きく流れたことが、希望の党失墜の大きな要因となった。排除される人々が窮余の策で結党した結果、「魂を売らずに信念を貫いた」と想定外の賞賛を受けて立憲民主党は勢いを増し、逆に民進党からの華麗なるイメチェンを果たしたはずだった希望の党は、政治的な信念のないガラクタの集まりというレッテルを張られる結果となった。オセロの白と黒が再び逆転したわけである。
はっきりさせておかなければならないことは、民進党から飛び出した連中は、希望の党であれ立憲民主党であれ、ガラクタである。ただ、オールドメディアのレッテル張りで善悪のイメージが日々逆転しているだけのことだ。
さて、政界を掻き乱している小池氏だが、都政でも「しがらみのない政治」とか何とか言ってトップに立ったものの、こちらも解決済みだった築地の豊洲移転を蒸し返し、悪者づくりに利用した挙句、未だに豊洲市場は開場されずに毎日、都は600万円の損失を続けている。このために周辺道路の改修も遅れ、小池氏が公約していた満員電車解消や無電柱化などには大きな進展がない。
彼女は政局になると、悪者をつくってそれを「退治」し、自らを英雄に見せようとする。そのイメージ戦略で昨年の都知事選から都議選まで連勝を重ねてきた。政局での成功はしかし、都政という政策では真逆の停滞をもたらし、その本性が剥き出されつつある。政局ありきで政策を蔑ろにする姿勢は、音喜多駿・上田令子の両都議の離反をもたらし、希望の党の人気退潮はガラクタ元議員たちの不信感も買い始め、総選挙後の党瓦解が見え始めている。
焦る小池氏は懸命に新たな悪者づくりを再開し、モリカケ問題で安倍政権への攻撃をしているが、こうなってくると、保守・革新巻き込んだ公示前の勢いが、保守・革新巻き込んだ小池批判となり、総選挙後は誰も彼女の周りにいなくなるだろう。政局を掻き回して周囲に気遣いせず己の欲望に突っ走る政治手法は、彼女のかつての恩師である小沢一郎にそっくりで、彼もまた側近が次から次に離反し、政治権力を急速に失墜させていった。小池氏は女版の小沢一郎なのである。
希望の党はおそらく50議席も取れない結果に終わるだろう。そうなれば、小池氏の責任問題に直結し、人々は彼女から急速に距離を置き始めるに違いない。政治は結局、その時々の風や勢いだけで突っ走ると、失速したときに自らを支える軸がないので、新たな風や勢いに吹き飛ばされて終わる。安倍晋三氏が、一度は権力を失墜しながら復活できたのは、勢いを失った彼を支える人々が側から離れず、再起のチャンスを皆でお膳立てしたからだ。
それでも世論調査では、比例での投票先に希望の党を入れるという人が根強くあるが、そうした人々の多くが、おそらくは無党派層であり、政治的関心の薄い人々だろう。他党に入れるという人に対して、希望に入れるという人は話題に飛びつきやすい「なんとなく層」が多く、彼らの多くは、投票日が晴れていれば遊びに行き、雨が降れば外出を控えるだけのことである。
私には小池氏の現在が、ケンシロウに秘孔を突かれたモブキャラに重なる。彼女の政治生命が「お前はもう死んでいる」ようにしか見えない。
 
希望の風向き [選挙戦後半]

 

早くも失速「希望の小池」代表辞任のタイミング 10/17
劇場型政治のバブルがはじけたということだろう。小池百合子東京都知事が結成した「希望の党」は失速した。
与党は過半数を大きく上回る可能性が高く、安倍政権も継続する方向だ。10月10日に公示された衆院選の大勢が見えてきた。
22日の投開票に向けて、新聞各紙が行った情勢調査では、朝日「自民堅調 希望伸びず」、毎日「自公300超うかがう」、読売「自民単独過半数の勢い」、日経「与党300議席に迫る勢い」――となっている。各社とも自民党単独で過半数(233)を上回り、自民、公明両党で300議席前後になる勢いとしている。
一方、希望は伸び悩み、小池氏のお膝元の東京ですら苦戦しているという。逆に希望に合流しなかった民進党リベラル系勢力が結党した「立憲民主党」は公示前勢力15議席の倍増も視野に入っているという。都議選を圧勝した小池劇場のバブルが崩壊したのは明らかだ。
「排除の論理」
今回の衆院選は猫の目のように攻守が目まぐるしく入れ替わった。
まず、安倍晋三首相が9月の臨時国会冒頭で「抜き打ち解散」に出るとわかり、準備の整っていなかった野党は慌てふためいた。ところが、9月25日、安倍首相が解散表明をする記者会見にぶつけて、小池氏が希望の結成と代表就任を表明すると、空気は変わり、小池氏が政局の主役に躍り出た。
そして9月28日の衆院解散と同時に、最大野党だった民進党の前原誠司代表は事実上の解党と希望への合流を表明した。小池氏が民進党をのみこむかたちで、一夜にして最大野党になった希望が都議選に続いてブームを起こせば、「政権交代も」という見方も出た。実際、小池氏は「政権選択選挙」と表明して過半数を超える候補擁立を目指す意向を示し、自らの出馬にも含みを持たせていた。
ところが、ここから事態は迷走する。
口火を切ったのは細野豪志元環境相だ。8月に民進党を離党して、小池側近の若狭勝衆院議員と新党準備の協議を重ねていた細野氏は、解散当日の9月28日夜のテレビ番組で、「三権の長を経験した方々は(希望の党への合流を)遠慮してもらいたい」と述べた。
三権の長とは衆参両院の議長、最高裁長官、内閣総理大臣。経験者で衆院選に立候補予定の民進党議員は、菅直人元首相、野田佳彦前首相の2人だけだ。小池氏が両氏の合流を認めなかったという。野田氏は「先に離党していった人の股をくぐる気はまったくない」と不快感を示した。小池氏の「排除の論理」に対する反発が広がり始めた。
翌29日朝、小池氏自身の発言が決定打となった。民進党からの合流について小池氏は、「様々な観点から絞り込みたい。全員受け入れるようなことはさらさらない」として、「排除いたします」と宣言したのだ。
小池氏は合流希望者に「政策協定書」へのサインを義務づけた。安全保障法制の容認など、政策的な踏み絵を迫るものだ。その上、協定書には「公認候補となるに当たり、党に資金提供をする」などとして、持参金付きで合流するように命じる項目もあり、反発にさらに火をつけた。
進次郎氏がとどめ
小池氏にとって最大の誤算は、自らの出馬ができなかったことだろう。小池氏周辺によると、小池氏は希望代表になるにあたり、「政治生命を賭けてやる」と周囲に語り、都知事の後任探しや衆院選後の知事選の日程も想定していた模様だ。ただ、「出た場合の批判と国政復帰の待望論とどちらの方が大きいのか計りかねて迷っている」(小池氏周辺)状態だったという。
逡巡する小池氏の胸中を見通したかのように、歯切れのいいセリフでとどめを刺したのが、自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長だった。小泉氏は解散当日の9月28日、「小池さんは選挙に出てきてほしい」と記者団に語り、1日には東京・豊島園駅前の街頭演説で、「小池さんは選挙に出ても無責任、出なくても無責任のジレンマに陥った。どちらの無責任か取りましょうよ」とたたみかけた。自民党幹部は、「進次郎氏の発言は大きかった。あれで流れができた」と語る。
小池氏はよほど気に障ったのか、10月3日の記者会見で、「進次郎さんがキャンキャンはやし立てているが、お父さん(小泉純一郎元首相)と約束しているので出馬はありません」と言い返した。
しかし、味方につけたはずの小泉元首相からは、「(希望と小泉氏の対決で)私は進次郎に投票するに決まっているじゃないですか」と突き放されていた。小泉氏の正論に突き動かされ、小池氏の出馬に批判的な世論が強まった。各社の世論調査でも、都知事を辞任して出馬することへの批判が予想以上に強く、結局、出馬を断念せざるをえなかった。
10月1日、若狭氏はNHKの番組で、「今回でなく次の次の選挙で確実に政権交代できる議席に達するという思いであれば、今回の選挙で代表が選挙に出なくてもかまわない」と述べ、小池氏の不出馬を肯定した。
もっとも、小池氏の不出馬は「政権選択選挙」と唱えてきた自らの言動を否定することになる。憲法67条は「内閣総理大臣は国会議員の中から国会の議決で指名する」としており、小池氏は首相候補にならないからだ。希望の首相候補は不在となり、小池氏は首相候補について、「選挙後に決める」と言うしかなくなった。首相候補不在の政権選択選挙は成り立たず、希望の勢いが一気にしぼんだことを象徴するものだった。
「都知事に専念」か
一方、小池氏の「排除の論理」に反発し、希望に合流しなかった枝野幸男元官房長官は、党内リベラル系勢力で立憲民主党を結成し、民進党は(1)希望への合流(2)立憲民主党へ参加(3)無所属で出馬――に3分裂した。その結果、与党の「自民・公明」と、「希望・日本維新の会」、「立憲民主・共産党・社民党」の3極が争う構図が固まった。
民進分裂の内紛により、希望と立憲民主が対決する選挙区が多く、共産も希望に対抗馬を立てたことから、半数以上の小選挙区で3極対決となり、野党同士の争いで政権批判票が割れることになる。結果、与党が「漁夫の利」を得ることになったことが、冒頭の新聞各紙の情勢調査に反映されたようだ。
小池氏は都知事の公務で、投開票前日の21日から渡仏する。都議選に続いて、験担ぎの「断酒」をしていると宣言していたが、パリでフランスワインを痛飲することになるのだろうか。希望の党代表でありながら、投開票当日の22日はパリで迎えるため、すでに勝負に見切りをつけたようにも見える。となれば、選挙後、形勢不利となった希望からはさっさと手を引き、都知事に専念するという日も近いのかもしれない。  
希望の党が失速…小池百合子代表のお膝元の東京で全滅か 10/17
産経新聞社が16日にまとめた衆院選終盤情勢では、「政権交代」を掲げた希望の党の失速が顕著にあらわれた。小池百合子代表(東京都知事)が地盤とする東京では結党メンバーを含めて全選挙区で苦戦。衆院解散後に出処を決めた民進党出身者でも希望の党に身を委ねた候補は伸び悩み、立憲民主党や無所属を選んだ候補は勢いがある。
希望候補は、東京で小池氏側近の若狭勝前衆院議員(東京10区)をはじめ、松原仁元拉致問題担当相(同3区)、長島昭久前衆院議員(同21区)ら結党メンバーが厳しい戦い。奈良1区でも5回連続で選挙区当選している馬淵澄夫元国土交通相が苦戦している。
失速の原因は、民進党左派を突き放した「排除の論理」が国民に好感されなかったことが大きい。小池氏が党代表ながら出馬を見送ったことも影響した。
これに対し、立民は「安全保障法制の廃止」など民進党時代の主張を貫いたことが「筋を通した」と評価された面が大きい。立民を選んだ辻元清美氏(大阪10区)や近藤昭一氏(愛知3区)はそれぞれ頭一つリード。立民に近い政策を持つ民進出身の無所属候補も選挙区で確実に浸透する。
明暗の分かれた民進出身者の対応を意識してか、民進の蓮舫前代表は16日、横浜市での街頭演説で「『排除する』という言葉に耳を疑った」と語り、小池氏を牽制した。
このまま22日の投開票日を迎えれば、希望への全員合流を目指した民進の前原誠司代表の責任論が大きくなるのは必至だ。すでに党内では、参院民進党を中心に前原氏を解任するための両院議員総会を開く準備も進んでいる。
野党第一党も視野に入った立民の枝野幸男代表は16日、産経新聞などのインタビューで、言葉の端々に高揚感をにじませた。
「われわれは『選択肢がない』という国民の声を踏まえ、民進党の積み重ねてきたことをベースにしながらステージをあげた。アウフヘーベン(止揚)したのがわれわれの立ち位置かな」
小池氏がよく口にする「アウフヘーベン」という言葉をあえて横取りし、失速する希望との勢いの差を見せつけた。 
連合、誤算続き 希望失速、対応に苦慮 10/18
民進党最大の支持団体だった連合が衆院選後の対応に苦慮しそうだ。報道各社の情勢調査で希望の党の伸び悩みが伝えられており、当初のもくろみ通り衆院選後に「希望支持」でまとまる状況ではないからだ。連合内には選挙後の野党再編の行方を見極めるべきだとの声も出ている。
「連合東京の推薦候補に関しては、(希望と)力合わせする関係になれなかった」。連合の神津里季生会長は18日、連合東京の大会で力なくあいさつした。遅れてきた希望の小池百合子代表(東京都知事)も衆院選には触れずじまいで、「当初の想定」が狂ったことを露呈した。
民進党の希望への合流をめぐり、当初、前原誠司民進党代表の決断に賛同した神津氏は、希望への支持で衆院選後も組織内をまとめる考えだったという。ただ、民進党は希望と立憲民主党、無所属に分裂して衆院選を戦うこととなり、当てが外れた。しかも、情勢調査によると、希望が苦戦する一方で、立憲民主党が政権批判票の受け皿となっている。
連合幹部は「選挙結果次第で希望が分裂する可能性もある。民進党に残った参院議員の扱いも含めて話し合わなければならない」と指摘。小池、前原両氏と合流を進めた神津氏に対し、参院民進党内には「当事者責任がある」として、神津氏の責任に言及する声もある。
民進党の事実上の解党を受け、連合は5日の臨時中央執行委員会で、衆院選は民進出身者らを個別支援し、支持政党については衆院選後に先送りした。連合は、民間労組中心の旧同盟系が主導権を握ってきた。立憲民主党が躍進した場合、同党を支援した官公労系を主体とする「旧総評系の発言力が連合内で増す」との見方もある。  
希望の党が失速したとされる原因は… 10/18
「もう政権交代になっちゃうから安倍晋三首相は土壇場で衆院解散をやめるんじゃないの?」―。民進党議員が狂喜していたのは、わずか3週間前だ。産経新聞社が実施した衆院選の終盤情勢調査で、235人を擁立した希望の党は政権交代どころか大きく失速している実態がみえてきた。将来、政権交代可能な二大政党制の一翼を担えるのか。それとも、このまま自滅してしまうのか−。
希望の党の小池百合子代表(東京都知事)が民進党との合流構想を進めるにあたり、こだわったのは安全保障政策をめぐる意思統一だったという。小池氏の脳裏には、平成6年4月に発足した「非自民」連立政権の羽田孜内閣が安保政策の違いから社会党が離反し、わずか64日間で崩壊した記憶が浮かんでいた。
一方、民進党の前原誠司代表も同じ考えを抱いていた。自民党も民進党も党内に一定の左派勢力がいるが、とりわけ民進党は党内左派が共産党との選挙協力に前のめりだった。
共産党は党綱領に「日米安全保障条約の廃棄」「自衛隊の発展的解消」(憲法9条の完全実施)などを掲げる。前原氏は10月4日、産経新聞の単独インタビューで「北朝鮮が核実験や弾道ミサイル発射を繰り返す中、日本を守れるのはもちろん自衛隊であり、やっぱり日米安全保障条約じゃないですか。日米安保を否定している政党と選挙協力して、本当にこの国を守れますか」と語っていた。
実はこのインタビューに私も同席していたが、前原氏の言いぶりからは「このまま共産党との共闘路線を強めても、政権には戻れない」との強い危機感がにじみ出ていた。インタビューの合間には「共産党との共闘は『是非も含め見直す』とずっと言い続けていたでしょ」とも語り、今回の「非共産への純化」作戦を確信犯的に実行した様子もみてとれた。
前原氏の側近は「共産党と候補を一本化すれば、20〜30の選挙区で与野党の勝敗が逆転するかもしれないが、自民党政権は倒せない。政権を託してもらえるほどの支持を得るには、党内分裂を招いても共産党との関係を清算する必要があった」と打ち明ける。
小池氏は、旧民主党が何日も徹夜国会を強いて反対した安全保障関連法を容認し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設も「着実に進める」と明言する。かつて徹底抗戦していた民進党議員の豹変ぶりに目をつむれば、「現実的な安全保障政策」という「踏み絵」を踏ませたのは二大政党制の一翼を担うためのプラットホーム作りだったともいえる。

前原氏が民進党を事実上「解党」し、希望の党への合流を検討していることが明らかになったのは、衆院解散前日の9月27日だ。当時の民進党では、最終的に立憲民主党に身を委ねた前職ですら「野党勢力を糾合し『小池首相』を担げば政権交代だ」などと小躍りしていた。別の前職は「北朝鮮情勢の悪化を理由にすれば、安保法制の踏み絵も踏める。共産党には大局にたって候補擁立を見送ってもらい、安倍首相を倒すことを最優先にしよう」ともあけすけに語っていた。
小池氏が「これまでをリセットする」と宣言して突如、希望の党代表に就いた時期でもあり、民進党内は総じて「小池劇場に乗れば大丈夫」と楽観していた。逆に、安倍首相は一時、民進党と希望の党が大同団結することに危機を感じたのか、「元気がなくなった」(首相周辺)とされる。
ただ、ここから前原氏の誤算が2つ重なった。1つは希望の党が独自候補の擁立へのこだわりが予想以上に強く、民進党との候補者調整で軋轢を生んだことだ。
小池氏の「リベラルは排除する」という言葉ばかりが報道されるが、実態はそう簡単ではない。希望の党側は、小池氏や若狭勝前衆院議員が立ち上げた政治塾の塾生らの擁立に執心し、選挙区に支援組織を持つ民進党出身者の公認申請を拒むケースが少なくなかった。
小池氏の地元の東京では、衆院選前に民進党を離党した結党メンバー以外は踏み絵を踏んでも公認することを拒まれた。民進党関係者は「党の世論調査を示しながら、希望の党の独自候補で戦っても勝てない地域の候補変更を求めたが、テコでも動かないケースがあった」と振り返る。こうした姿勢が独裁的な雰囲気を醸し出し、「反小池」勢力の拡大や立憲民主党の結党へとつながったともいえる。
もう1つは、小池氏が衆院選に出馬しなかったことだ。小池氏は「百パーセント出馬しない」と繰り返し語っていたが、額面通りに受け止める向きは少なかった。政権交代を目指す以上、党首が首相指名を受けられる衆院議員を目指さないとなれば、全体の士気に関わるからだ。
前原氏は10月5日、小池氏と都内のホテルで会談し、衆院選への出馬を熱心に説いた。「出馬する気はなかったが、民進党議員が命運を託す前原氏に説得された」として立候補を決断し、「小池劇場」がもう一幕開ける−。民進党から希望の党に移籍した候補は、こう期待したに違いない。
自民党は「小池氏が出たらまずい」と危機感を募らせていたふしがある。5日には、私のもとに複数の自民党前職から「小池氏はやはり出るのだろう」「いつ前原氏と再会談するのか」などと問い合わせの電話がかかってきた。
結局、小池氏は不出馬の態度を変えず、希望の党は誰が首相候補か分からないまま選挙戦に突入した。立憲民主党には希望の党に公認を断られた候補も入ったはずだが、結果的に「筋を通した」というイメージが定着した。
希望の党は、現実的な安全保障政策を掲げたことで、将来の政権交代を望める素養は手に入れた。しかし、極めて不透明な党内の意思決定過程などを改めない限り、党勢拡大は難しいのでないか。
ある自民党幹部は、一連の騒動をこう振り返る。
「私たちは何もしていないんだよ。勝手に野党が盛り上がり、勝手に厳しくなったんだ。心臓に悪い芝居をドキドキしながらみていたら、いつの間にか大勝ムードになったんだ」  
フェイスブック投稿も希望失速、立憲が自民と並ぶ 10/19
米会員制交流サイト(SNS)フェイスブック上で公開された衆院選に関する投稿のうち、立憲民主党について書かれたものの割合が上昇し、15日には自民党に並んだ。希望の党は公示前には他政党を圧倒していたが、急激に言及が減っており、報道各社の世論調査同様にSNSでも二つの新党で明暗が分かれている。
フェイスブックが公表したデータによると、立憲民主党についての投稿は枝野幸男代表が結成を表明した2日から始まり、設立を届け出た翌3日には急増。徐々に減少していたものの、公示後に再び増加し、15日には衆院選に言及した投稿のうち40%と自民党と並んでいる。
希望の党は、小池百合子東京都知事が記者会見で結党を表明した9月25日から増加。翌26日にはそれまで最も投稿数の多かった自民党を超え、一時は70%の投稿が希望の党に関するものだった。しかし、その後急激に減少し、公示日の10日には自民党よりも投稿数が少なくなった。
「安全保障」に最も関心
選挙3カ月前から15日までにフェイスブック上では150万人が衆院選について投稿し、シェアや「いいね!」、コメント等をした人は2100万人に上るという。9月11日から1カ月間の投稿に言及された話題としては「北朝鮮」や「ミサイル」など安全保障関連が最も多く、続いて憲法、経済関連だった。  
希望の党・柚木道義候補が小池都知事を厳しく批判
希望の党から岡山4区で出馬している柚木道義候補が個人演説会で小池百合子代表への不満を呈し、衆院選に出るべきだったとの考えを示すとともに「出ないんだったら党首辞めてもらいたい」などと語っていました。
「上から目線安倍と同じ」「党首辞めてもらいたい」
柚木候補は二大政党制実現への思いを語る中で「小池さんにモノ言いたいんです私は」として、「全員受け入れる気はさらさらない」「排除」といった発言で民進党時代の仲間達が全員一緒に戦えなくなってしまった点を挙げ、「安倍さんの上から目線と変わりませんよ、小池さんも」と批判すると、リーダーの条件に言及。
「リーダーの一言が仲間の生き死にを決めちゃうんですよ」「それがわからない人はリーダーになっちゃいけないんです」と暗に希望の党代表としての小池都知事に疑問を投げかけると、国政政党のリーダーになるための条件として自ら衆院選に出馬すべきだったと語り「出ないんだったら党首辞めてもらいたい」とまで述べていました。
柚木「そもそも私は選挙に出るべきだったと思いますよ衆議院選挙に。東京都民がどんなに批判しようが、それが国政政党のリーダーになるための条件ですよ。だから最後まで出るべきだと、今でも思ってます。出ないんだったら党首辞めてもらいたい。」
柚木候補は個人演説会での発言を10月19日未明、動画を添付する形でFacebookに投稿していますが、「素に近いお話ができた」「小池代表への思いも率直に述べていますし」とコメントしていることから本心であるとみられ、注目を集めそうです。
柚木道義候補の発言
柚木「小池さんにモノ言いたいんです私は。皆さんと一緒。だってそうでしょう?仲間たちが一緒に、死に物狂いで頑張ろうとしてるんですよ?これまで皆さんと一緒に築き上げてきた党を潰して。それをあいつはダメだ、こいつならいい、さらさらないと全員受け入れる気は。排除の論理ですね。こんなこと言ってたら、安倍さんの上から目線と変わりませんよ、小池さんも。私はそう思いますよ。で、ご本人に対してもやっぱり言うべきことは私は言わなければならない立場だと思ってるんです。前原さんに発展的新党、解党を進言した張本人ですから。ただね皆さん、小池さん、言葉は間違えました。トップリーダーはその言葉ひとつで、多くの皆さんに今日も来て頂いて、全国でこういうことさせて頂いてて、支えてもらってる仲間たちが今日もこの瞬間戦ってて、そういう仲間の、生き死にを、50人100人150人と決めちゃうんですよリーダーの一言が。それがわからない人はリーダーになっちゃいけないんです。小池さんであれ誰であれ。戦争であれば死んじゃうんですよ。安倍総理もそうですよ?その一言で戦争になったらどれだけの人が犠牲になるんですか。リーダーというのはそういうものです。そして言葉間違って結果が出たら責任取らなきゃいけないですよ。そのことをやっぱり私は小池さんにはもっと受け止めてもらわなきゃいけないと思います。そもそも私は選挙に出るべきだったと思いますよ衆議院選挙に。東京都民がどんなに批判しようが、それが国政政党のリーダーになるための条件ですよ。だから最後まで出るべきだと、今でも思ってます。出ないんだったら党首辞めてもらいたい。橋下徹さんが出ないから維新が失速したじゃないですか。評価分かれるでしょうけどね橋下さん。そういうことをね、バンバン言っていきますよ小池さんに。ただし、それは私が受かればの話です。(しばらく沈黙)情勢は本当に、厳しいです(以下略)」  
苦戦強いられる中、初志を貫く希望の党候補者たち 10/20
衆院選(22日投開票)の各社世論調査で、希望の党の失速が分析されている。東京都知事の小池百合子代表(65)の地盤である東京都でも劣勢に立たれており、最終局面での立て直しも困難な状況だ。小池氏を慕って出馬した候補者たちは、初志を貫こうと街頭で訴え続けているが、不満の声もくすぶり始めている。
「情勢が変わろうと、私にとって小池代表は“希望”の象徴的存在。私は街頭で訴えを続けるだけ」と話すのは、東京19区の希望の党新人、佐々木里加氏(50)=大学非常勤講師=。女子美大で教職絵画を教えているが、政治の道に進む原点となったのは、1999年に遭った凶悪犯罪。当時20代の覚醒剤中毒の男に、マンション入り口でナイフを首に突き付けられて、エレベーターに連れ込まれた。
男は4日後に逮捕され、実刑判決を受けたが、被害者救済のための日本の法整備が、脆弱(ぜいじゃく)であることを痛感。「刑期を終えた後、犯人が逆恨みでまた来るのではないかとトラウマになった。犯罪者の人権を被害者よりも優先する法律は改正するべきだ」と訴え、市街地の夜道を太陽光発電による街路灯で明るくするなどで、凶悪犯罪を防いでいく政策を訴えている。
同区は自民党前職・松本洋平氏(44)と立憲民主党の末松義規氏(60)が議席を奪い合ってきた激戦区で、共産党の新人・杉下茂雄氏(68)も加わっている。情勢の厳しさを痛感している佐々木氏は「今の私にとっては死ぬこと以外はかすり傷。有権者に私の思いを訴える場が、頂けただけでもうれしい」と話す。
東京4区の希望の党新人・難波美智代氏(43)は36歳の時に子宮頸がんを罹患(りかん)。NPO法人を設立し、がん対策、健康教育の政策提言をしてきたが「自民党に任せていては、がん対策の政策はなかなか進めない。それならば自分が、しがらみからの脱却を目指す小池代表の党から国政に行こう」と出馬を決意した。同区は自民党前職・平将明氏(50)が優勢。難波氏の他に、共産党新人・青山昴平氏、民主党時代に1期務めた立憲民主党の井戸正枝氏(51)も出馬しているが苦戦している。
小池代表は19日の定例会見で、代表辞任の考えを「まだ早すぎる」と否定し「まだ戦いの最中。最後まで戦い抜く」と述べたが、不満は噴出している。福岡5区から出馬した楠田大蔵氏(42)は小池代表の「排除」の姿勢に疑問を持ち、選挙戦真っ最中の17日に「離党も辞さない」と自身のフェイスブックで述べ、20日には「離党を前提に選挙戦を戦っている訳ではない」としながらも「党に不透明さを感じており、その在り方に疑問がある」と改めて批判している。
また、希望の塾出身で千葉県から出馬したある新人候補者は、選挙区内の対立候補が希望の党から公認を得られずに立憲民主党から出馬したことを疑問視。「つい最近まで自分の立場を改革保守と主張していた人が、なぜそんなことができるのか。立憲民主党が追い風と言われているが、有権者はそんな候補者もいるということをちゃんと知って欲しい」と話した。 
経済政策でみる「希望の党」のあまりに露骨なポピュリズム 10/20
有権者に見透かされている
いよいよ衆院選の投票日が近づいてきた。投票日当日は、台風接近の影響から日本各地で大雨が予想されている。
大雨によって投票率が低下した場合には組織票が有利とされるため、自公の政権与党(もしくは共産党)に有利に展開になると予想するメディアもある。一方で無党派層の「風」を期待する勢力には不利に働くといわれている。ただ、雨が降る時間帯などによっても左右されるため、細かくみれば、雨と選挙の関係はそれほど単純でもないらしい。
余談はさておき、今回の衆院選は、衆議院の解散前から「風向き」が激しく動いている。
現在、主要メディアはこぞって自公の政権与党が300近い議席を獲得し圧勝する見通しを報じているが、かつて、選挙戦中に与党圧勝の見通しが報じられながら、実際の投票結果では、与党が大苦戦を強いられたこともあるので、まだ結果はわからない。特に小選挙区の場合にはなおさらである。
その選挙戦の「風」だが、衆議院の解散直後は、小池百合子東京都知事率いる「希望の党」がメディアの注目を一心に集めた。このとき「希望の党」は、自公政権に対抗する「保守野党」としての期待が高かったが、現時点では当初の勢いを失いつつある。
理由は論者によって様々だが、経済政策面では、「あまりにポピュリズム過ぎた」というのが筆者の率直な感想である。
「ベーシックインカム」は可能か?
当初、「希望の党」は与党の「消費税率引き上げで得た税収増分の一部を教育・子育て支援に向ける」という増税を財源とした再分配政策に対抗し、消費税率引き上げの凍結とベーシックインカムの導入を打ち出した。この政策メニュー自体を個々にみると素晴らしい(と筆者は思った)。だが、希望の党の経済政策の提案には、2つの重大な問題点があった。
1つめは、「現在の日銀の金融政策スタンス(量的質的緩和)を見直す」という立場をとった点である。そして、もう1つは、「ベーシックインカムの財源として通貨発行益を用いる」という「財源案」である。しかも、この2つの問題点は相矛盾する側面と、ある意味、整合的な側面が共存するという不思議な関係にある。
まず、「現在の金融政策スタンスの見直し」というのは、「日銀は、むやみやたらに国債を購入して量的緩和を行うスタンスを見直し、そろそろ『出口政策』を検討すべき」ということだと思うが、現在の日本経済の置かれた状況を考えると、このタイミングで、金融政策が量的質的緩和政策から出口政策の策定に転換するのは早すぎると考える。
日本経済の現状は、過去数回到達した「デフレ脱却の入り口」にようやく達しつつあると考えた方がよいと思うが、そのタイミングで出口政策についての言及が日銀から出されると、マーケットを中心に、世の中は、出口政策の実施を前提に行動を開始することになる。その場合、デフレ脱却が十分に実現する前に金利の上昇や円高などが発生する懸念があり、それによってせっかくいい所まで来ていたデフレ脱却自体が頓挫するということにもなりかねない。
一方、「ベーシックインカムの財源に通貨発行益を用いる」というのは、まずは長期の(もしくは恒久的な)金融緩和が前提となる話ではないかと考える。もし、インフレ率が目標の水準に到達し、出口政策を実施する局面では、通貨発行益をベーシックインカムの財源にすることは基本的には困難なのではなかろうか。
もし、このような状況で通貨発行益を出し続けるような政策を採るのであれば、インフレ目標政策と矛盾する金融政策を政府が強いることになりかねない。これはそれこそ深刻なインフレをもたらす懸念がある(あるいは、AIの普及でもうインフレにはならないという前提があるのだろうか)。
以上より、2つの政策は、一方では(いますぐではないにしろ)将来的な量的緩和の縮小を現時点で織り込ませ、出口政策の策定を前倒しで行うことを提案しながら、もう一方では長期の金融緩和を(インフレ目標とは独立に)要請するという点で相矛盾するものではなかろうか。
ただし、両方の政策の目標が一致するとすれば、日本経済が「早すぎる出口政策」の実施によって、再び長期的にデフレに陥ってしまうので、通貨発行益を何らかの経済政策の財源として利用できることになる。そう考えると、両方とも長期的なデフレの持続を志向するという共通点も見出せる。
しかし、これだと、せっかく消費税率引き上げを凍結しても政策効果としては意味がない。まず、デフレ脱却を実現させることが重要であるとすれば、金融政策は少なくとも現行スタンスを維持する必要がある(リフレ政策の大前提は、消費税率引き上げの凍結云々以前に、現行の政策スタンスの当面の維持をコミットすることにある)。
したがって、日銀に現行の金融政策の見直しを迫る政策公約は、消費税率引き上げの凍結があったとしても現時点では、「デフレ促進的・デフレ親和的」な経済政策であると考えざるを得ない。
支持を得るための「道具」
ところで、ベーシックインカムは、国民に最低限の生活を保障するための所得を国が供与するということであるため、これを提案することは選挙民としては多数を占める低所得者層や若年層の支持を得られると考えたのであろうか。また、現行の日銀の金融政策については主要メディアでの批判が強い。
一般国民にとって金融政策はあまりなじみのないものであり、メディアが金融政策を批判すれば、多くの国民はこれに追随し、批判を強めるという構図は確かに散見される。そのため、日銀に現行の金融政策の見直しを迫るという公約も国民の高い支持を得る「道具」として有効だという判断が働いた可能性がある。
そして、もう一つ、「希望の党」で注目すべき経済政策の提案は、「内部留保課税」である。これは、かつては共産党が主張していた政策である。
「内部留保課税」は、文字どおり企業の内部留保に課税することであるが、内部留保に課税すれば、多くの企業が、内部留保を「取り崩して」、それを従業員の賃金上昇などに振り向けることが意図されている。
これには企業会計的に様々な問題点が指摘されている。たとえば、内部留保は、税引き後利益の留保分なので、それに課税するというのは「二重課税」に当たる。2回課税されるので事実上の法人増税措置である。
また、内部留保は利益剰余金など、バランスシート上は負債とともに「貸方(右)」に記載される。したがって、内部留保は、資産(借方)として運用されていたり、特定の目的(多くの場合は、将来のリスク顕在化に備え)で「引き当て」られており、ただ単に無駄に「貯めて」いるものではない。
したがって、内部留保に課税さられた場合、企業はその分、資産の圧縮を迫られる可能性が高い。その場合、企業はますます資本ストックの圧縮、設備投資の抑制を行い、場合によっては、事業の縮小から雇用を抑制する懸念もある。すなわち、内部留保課税も「デフレ促進・親和的」である。
実際に、「高橋財政」といわれるリフレ政策によって、昭和恐慌からの脱出に成功した戦前の日本では、1934年から1936年にかけて、自己資本金額に応じて、「超過法人税」、「臨時利得税」というものが徴収された。これは、現在でいうところの「内部留保課税」に近い発想である。
そして、この事実上の増税措置によって、1934年から1935年にかけての生産指数の伸び率は、前年比で0%近傍にまで減速した(株価は、1934年半ばにピークをつけ、1935年終盤にかけて調整局面に転じた)。
この内部留保課税も、企業が従業員の賃金を引き上げずに、利益を内部留保という形で溜め込んでいるというメディアによる批判を真に受けて、それに対する課税措置を打ち出すことによって国民の支持を得られると考えての提案であったと思われる。
戦前の流れに似てきている
これらの政策については、提案された後になって小池代表が否定するケースも多々あったが、それは、政策自体の問題点に気づいたというよりも、ネットやメディアの世論調査の結果をみて、どうやら「国民ウケが悪い」と考えての転換だったとしか思えない。
つまり、「消費税率引き上げの凍結というだけで、与党の経済政策よりマトモ」という見方があるが、この政策の修正パターンをみると、経済政策については、選挙で票をとるためだけの、あまりに露骨なポピュリズム的行動であるとしか思えない。
そして、国民がそのポピュリズム的な行動パターンになんとなく気づき始めたところに、到底実現不可能な「12のゼロ」公約が発表され、それ以来、希望の党の勢いは失われていったと考える。
筆者は、希望の党の個別の政策提案には良いものがあるし、それらの政策は、現与党ではとても実現できないだろうと思うものもあるので、(選挙の結果はわからないが)もう少し、政策の整合性などを慎重に検討した上で、ぶれない公約を提示して再チャレンジしていただきたいと思う次第である。
繰り返しになるが、希望の党の提案する経済政策は基本的には「デフレ促進的・親和的」であると思われる。また、これらの政策の根本的な原理、及びその背景にある思想・哲学は、立憲民主党や社民党、共産党と共通なのではないかと考える。
その意味で、一見、「新しい保守政党」と目されてきた希望の党と、「旧来のリベラル(左翼)政党」である立憲民主党、社民党、共産党の経済政策に類似点が多いということに、筆者は別の危機感を持つ(希望の党の政策として批判を加えたが、ほぼそのまま立憲民主党などの他の野党の経済政策批判にも適用できる)。
それは、戦前に経験した政党政治の没落である。
戦前期には紆余曲折を経て、最終的には政友会と民政党の二大政党制が成立したが、第一次大戦後に経験した20年余りのデフレ局面の中で、政策よりも、スキャンダルの暴露による誹謗中傷合戦(朴烈怪写真事件、松島遊郭事件、陸軍機密費事件など)に終始した挙句、最後は近衛内閣での昭和研究会の議論(左派、右派の識者が集結する形で、基本的には統制経済を志向)を経て、大政翼賛会が誕生し、戦争への道を進む過程に似てきているのではないかと危惧している。
また、今回は、ポピュリスト的な政策志向は支持されない可能性が高いと思われるが、いわゆる「モリ・カケ問題」をきっかけに与党の支持率が急落し、その延長線上に今回の衆議院の解散・総選挙があるとすれば、この一連の政治的な流れは、戦前の政党政治没落のプロセスをトレースしているような気がしてならない。
さらに、当初支持されなかったポピュリズムが、徐々に国民の支持を拡大していき、最後には、熱狂的に迎えられるという戦前のドイツの苦い教訓を踏まえると、今回の希望の党によるポピュリスト的な政治行動は、今後、与党を含む他の政党、もしくは、これから新しく結成されるかもしれない新党によって追求され、タイミング次第では、国民の熱狂的な支持を受けるリスクも孕んでいるのではないか。
その意味では、日本は今、ポピュリスト的な政治手法を真剣に警戒すべき時代に入ったのではないかと考えている。
今回の衆院選は、国政の行方を占う重要な選挙であると言われながらも、多くの国民にとっては自身の一票の重みを感じる機会が乏しいためか、台風接近による大雨によって投票率が大きく落ちる可能性も取り沙汰されている。期日前投票などの制度を利用してなるべく多くの国民が「清き一票」を投じることを期待したい。  
 
完敗

 

「本当に悔やんでいる」「完敗は『都政に邁進せよ』というメッセージ」
総選挙での「希望の党」の敗北を受け、同党代表の小池百合子・東京都知事が22日、パリで行った共同記者会見の発言は以下の通り。
−−総選挙をどう総括するか
「突然の解散の中で『希望の党』を立ち上げた。候補者を集めるところから始まって、政策綱領等々決めながら、まさに走りながらの選挙戦でした。
今回は、厳しい有権者の判断が下ったものだと思います。『希望の党』は安倍一強政治の受け皿と考えていたが、残念ながら、受け皿と言うよりは、みなさんからのご批判をいただく対象になった。本当に悔やんでいるところがございます。都知事選、都議選と2連勝だったのが、今回は完敗だとはっきり申し上げたいと思います。
改めて私自身がどうあるべきなのか。自らを反省しつつ、国民、都民のみなさんからの『都政に邁進(まいしん)せよ』というメッセージだと受け止めております。都政については、しっかり対応して『都民ファースト』という言葉通りのことを実現したい。
国政については、議員になられるみなさま、国会に戻ってこられるみなさん、今回出馬された新人のみなさんなどの声をしっかり受け止めながら、国政は国会議員のみなさんで進めていただけるように体制づくりをしていきたいと思っています」
−−敗因についてどう思うか
「私自身は都政を加速度的に進めていくため、『国政に議員を』という考え方でございました。逆にどちらもブレーキをかける結果になってしまう。このことが、大変悔やまれるところであります。ただ、都政についてブレーキをかけることはできませんので、改めて私自身、都政に邁進していくことを心に刻んだところであります。国政については、国会議員のバッジを付ける方々を中心とした執行部作りをみなさんと話し合って決めたいと思っています」
−−都知事と党代表という「二足のわらじ」はどうだったか
「まず、時間的に大変厳しいものがございました。解散から投開票日までという観点と、都政を進めながら応援に回るという二つの意味の時間です。『二足のわらじ』と言いますが、大阪には松井府知事がいらして、国会には議員の方がおられるという意味で、『二足のわらじ』そのものが悪いとは私は今も思っておりません。
今回、選挙に軸足を置いたのは事実でありますけれども、一度総選挙を経た後ですから、これからは時間の使い方も含めて変わってくるものだと思っております」
−−都知事に邁進すると言うが、都民の目は厳しくなる。合格点は上がってしまうのでは
「合格点の意味が分かりませんが、合格点は常に高いものがあると思います。特に政治家に対しては。それに対しては、今回の受け止め方もしっかり分析しながら、努力を重ねるのみでございます。都政もスピード感が必要ですので、行政を一つずつ重ねるのが都民のみなさんにお答えする唯一の方法だと思っております」
−−メディアの報道についてどう思うか
「非常に厳しかったと思います。各紙いろんなカラーがあると思いますが、私どもの『希望の党』にぴったり添ってくださるメディアはなかったように思います。それも含めて、主張することは主張し、間違ったとらえられ方はされないよう、言葉遣いも含めて注意をしたいと思っています。真意が伝わらなかったことが、一番の反省するところでございます。
急ごしらえであったことは事実でございます。(企業の)内部留保では、私は課税という懲罰的なものから、株主への配当とか、雇用を進めたところへのインセンティブにするなど、いろいろな方法があると思います。
今もやっている部分がありますが、まだ十分伝わっていない。しかし、内部留保という部分にピンポイントで焦点が当たったことで、いまさまざまなことが動き出しているのが現状だと思います。これからも建設的な政策をどんどんぶつけていく野党を目指すべき。内部留保は二重課税にもなりますし、考え方はこれからも深化させたいと思っています。課題は外していないと思っています」
−−「大義と共感」はあったか
「大義はあったと思います。共感までは至らない、むしろ反感を買った部分があるかと思います。その意味でも言葉の遣い方は注意しなければならないと改めて思った次第です」
−−都議会での公民党との関係は
「公明党のみなさんも『都民第一』で生活者を重要視した政策を進めておられます。そういった点で『都民ファースト』と方向性は一致しておりますので、これまでと変わりなく進めていくものだと思っています。あくまでも『都民第一、都民ファースト』の視点は何よりも必要なのだと思っております」
−−自身を「マクロン仏大統領と似ている」と言っていた。日欧で何が違うか
「こちら(フランス)も小選挙区制。『パリテ法』(候補者男女同数法)以来の進化で男女ペアの候補など、いろんな工夫をしているフランスには学ぶところが多いと思います。マクロンさんは経済担当大臣をやっておられたころから、関心をもって見ておりました。新しく作られた政党、さらに下院選で6割を占めるような成功を収めらことから、マクロン政治には常に関心を持って見ておりました。
政治というのは期待であったり、希望を訴えるものです。マクロンさんは非常にマーケティングを重視して、国民の本音を引き出す努力を積み重ねてやってこられた方であります。その努力を重ねる必要が日本でもあると思っています。
新しい政党はスタートダッシュはいいのですが、その後、どうやって継続していくかとなると、組織力などが必要となってきます。そうなると、今度はなかなか改革がしづらい。そういうジレンマはどの国にもあると思います。伝統的な仏社会党が一気に変わったこと、非常に注目して見ておりました。アメリカでも新しい現象が出てきており、時代の新しい大きな渦が変わろうとしている。それが各国で見られる。そのためにも、『希望の党』を作った責任を感じながら、みなさんの期待に応えられるよう努力していきたいと思います。  
自公3分の2確保“希望”失速に小池氏「今回は完敗」
衆議院選挙は自民・公明の与党が今回も3分の2を確保し、政権を維持しました。一方、野党は希望の党が失速し、立憲民主党が躍進しました。
自民党はすでに283議席を固め、単独過半数を大きく上回りました。29議席の公明党と合わせると、憲法改正の発議に必要な3分の2の310議席に達しました。
自民党総裁・安倍総理大臣:「憲法改正についてはスケジュールありきではなく、憲法審査会において議論を深めて頂きたいと。そのためにも各党が憲法改正案を持ち寄って頂くことが一番いいのではないかと思います」
今回の選挙結果を受けて、安倍総理は来月1日に召集される特別国会で4度目の総理大臣に指名されます。翌2日には、現在の閣僚を変えない形で第4次安倍内閣を発足させます。
一方、野党側は公示前は57議席だった希望の党が伸び悩んでいます。これに対して公示前は15議席だった立憲民主党が52議席にまで躍進し、野党第1党になることが確実になりました。
希望の党・小池代表:「今回はわたくし、完敗ということをはっきり申し上げたいと思います。残念ながら共感にまでは至らない、むしろ反感を買った部分があるのではないか。その意味でも、言葉の使い方というのは本当に注意しなければいけないと改めて感じた」
立憲民主党・枝野代表:「多くの国民の皆さんが、これまでの政治というものを全体に国民から遠いと。自分たちから、かけ離れたところで何かやっているという意識を強く持たれたのではないかと痛感しています」
また、共産党は立憲民主党の躍進に押され、公示前勢力の21議席から大幅に減らす結果になりました。ただ、「野党共闘の成果はあった」と強調しています。日本維新の会は、希望の党と、東京と大阪で候補者をすみ分けましたが追い風は吹かず、公示前の14議席の確保が厳しくなっています。なお、今回の選挙の推定投票率は53.60%前後と戦後最低だった前回を1ポイント程度、上回る見通しとなりました。また、台風21号の影響で開票を23日に延期した選挙区が複数あり、開票結果が確定するのは夕方以降になる見通しです。  
小池百合子代表「おごりあった」希望惨敗で敗戦の弁
希望の惨敗を受け22日、東京から約1万キロ離れたパリにいる小池百合子代表は「都知事選で完勝、都議選でも完勝したが今回は完敗だ。私自身も、おごりがあったと反省したい」と率直に敗戦の弁を述べた。
解散前、小池氏が代表に就任し「台風の目」とされ、一部メディアでは100議席を伺う当落予想もあった。衆院定数の過半数(233議席)を上回る235人を擁立し、政権奪取にまで言及した。
しかし、民進党との合流を巡り、リベラル派を「排除いたします」と発言したことで批判が集中し、大失速。公示前の57議席維持も厳しい情勢となった。「排除発言」について小池氏は「私の言動で不快な思いを抱かせてしまい、厳しい結果につながった」と神妙に語った。
小池氏はパリと中継を結びテレビ各局のインタビューを受けた。憲法改正について自民党と進めるのかと問われ「国民と進めるもの。これまで議論すら進まなかった。それを進めようとなったという意味では、今回の総選挙に意味があった」と語った。選挙のための野合と批判され選挙後、希望が分裂する懸念が上がっていることには「安倍1強政治に緊張感を持たす、政策の一致という下に集まった。分裂がないようにしていきたい」と述べた。
一方、都内の希望の開票センターは静まりかえった。選対事務局長を務めた樽床伸二代表代行は、小池氏の「排除発言」が敗北につながったことに「表現がきつかったという声もあるが、その一言で風が変わったのは(党の)実績がなかったこと。反省している」と述べた。結党メンバーの細野豪志氏は、小池氏がパリから帰国する25日に両院懇談会を開催すると明かした。小池氏がかねて話してきた国会における代表の選出など、党体制について話し合う。  
希望 小池代表「悔やんでいる 今回は完敗」
希望の党の小池代表は、訪問先のパリで記者団に対し、「非常に厳しい有権者の判断が下った。本来であれば、希望の党は、安倍一強政治に対する受け皿と考えていたが、残念ながら、受け皿というより、むしろ皆さんからの批判をいただく対象になったことは、悔やんでいるところがたくさんある。東京都知事選挙、都議会議員選挙と完勝させていただき、2連勝だったが、今回は完敗ということをはっきり申し上げたい」と述べました。  
小池百合子代表「おごりあった」希望惨敗で敗戦の弁
希望の惨敗を受け22日、東京から約1万キロ離れたパリにいる小池百合子代表は「都知事選で完勝、都議選でも完勝したが今回は完敗だ。私自身も、おごりがあったと反省したい」と率直に敗戦の弁を述べた。
解散前、小池氏が代表に就任し「台風の目」とされ、一部メディアでは100議席を伺う当落予想もあった。衆院定数の過半数(233議席)を上回る235人を擁立し、政権奪取にまで言及した。
しかし、民進党との合流を巡り、リベラル派を「排除いたします」と発言したことで批判が集中し、大失速。公示前の57議席維持も厳しい情勢となった。「排除発言」について小池氏は「私の言動で不快な思いを抱かせてしまい、厳しい結果につながった」と神妙に語った。
小池氏はパリと中継を結びテレビ各局のインタビューを受けた。憲法改正について自民党と進めるのかと問われ「国民と進めるもの。これまで議論すら進まなかった。それを進めようとなったという意味では、今回の総選挙に意味があった」と語った。選挙のための野合と批判され選挙後、希望が分裂する懸念が上がっていることには「安倍1強政治に緊張感を持たす、政策の一致という下に集まった。分裂がないようにしていきたい」と述べた。
一方、都内の希望の開票センターは静まりかえった。選対事務局長を務めた樽床伸二代表代行は、小池氏の「排除発言」が敗北につながったことに「表現がきつかったという声もあるが、その一言で風が変わったのは(党の)実績がなかったこと。反省している」と述べた。結党メンバーの細野豪志氏は、小池氏がパリから帰国する25日に両院懇談会を開催すると明かした。小池氏がかねて話してきた国会における代表の選出など、党体制について話し合う。  
希望失速 落選恨み節 10/23
発足当初の勢いを失い、公示前の勢力を大幅に減らす結果となった希望の党。落選した候補者の陣営からは、小池百合子代表への恨み節も聞こえた。
「小池さんはいつ来るんだろうと思っていたら、一緒に街頭に立つことはなかった。落下傘候補の本人がかわいそう」。元熊本県議で東京7区から立候補した希望の荒木章博氏の陣営関係者が、小池代表の選挙応援のあり方に不満を述べた。
「(選挙期間中の)12日間で党勢の失速というのがね……」。9月に民進党に離党届を出して除籍され、希望の公認候補として出馬した栃木1区の柏倉祐司氏の陣営幹部が振り返った。ただ幹部は「希望の党を信じて戦ったわけですから」と語り、結果を受け止めていた。
一方、千葉1区で落選し、比例代表で復活した田嶋要氏は「小池さんの看板で入ってくる票が1とすると、希望に移ったことで出ていく票は10」と厳しい選挙戦を振り返った。
また、青森1区の升田世喜男氏の陣営は希望の失速が伝えられると、事務所の外壁などに並べて張っていた小池代表のポスターを減らすなどして「小池カラー」からの脱却を図った。升田氏も「政権交代のために希望を選んだ。希望が自民の補完勢力と分かったらすぐに離党する」と度々訴えたが、影響は避けられなかった。升田氏は「希望の党は急にできたので有権者に浸透しなかったのではないか」と、悔しさをにじませた。
都議選、指標にならず
東京都議選から約3カ月半後の投開票となった衆院選は、自民党が圧勝した。過去の都議選は直後の国政選挙の結果を先取りする「先行指標」とされることが多かったが、小池百合子知事が結成した希望の党は、今夏の都議選で第1党に躍進した都民ファーストの会の再現とはならなかった。都議会関係者は「一部の民進党議員に対する小池氏の『排除』発言が追い風を止めた」と、改めて政治家の失言の怖さを指摘した。
東京は無党派層が多く、都議選の投票行動は、その時々の「風」に大きく左右される傾向がある。都議選で吹いた風は、直後の国政選挙にも影響を与えることが少なくなかった。
例えば1993年は、結成1年の日本新党が20議席を獲得。翌月の衆院選では日本新党、さきがけ、新生党が躍進して自民党は下野した。2009年は民主党が結党以来初めて都議会第1党の座を奪い、翌月の衆院選でも民主が300議席超と圧勝し、政権交代が実現した。
こうした事例から、自民関係者には「希望に追い風が吹くのでは」との臆測が広がっていた。だが、ふたを開けてみれば公示前勢力すら維持できない惨敗。ある自民都議は「都議選と同様の結果も覚悟して引き締めていただけに、意外だった」と首をかしげる。
異なる結果が出た背景として都議会の与野党関係者が口をそろえるのは、小池氏の排除発言だ。毎日新聞が9月26、27日に実施した世論調査では、比例代表の投票先に希望を選ぶと答えた人は自民党の29%に次ぐ18%だったが、小池氏が排除発言をした9月29日の記者会見を機に、支持率は急落。選挙戦序盤には9%まで下がった。
希望を支援した民進都連幹部は「希望も都民ファーストも小池人気頼みで、風以外に勝てる要因は何もない。発言がなければ都議選の勢いで3桁の議席獲得はあり得た」と失言が敗北に直結したと指摘した。一方、都民ファーストのベテラン都議は、希望のガバナンス(統治)が整わなかったことも要因と見る。「予定された都議選に向け準備できた都民ファーストに比べ、希望は急きょ結成されたため、組織として固まっていなかった。小池氏個人の力に頼る形だったため、風向きが変わっただけで大きく影響を受けた」と分析した。 
落選の若狭勝氏 「小池さんの排除発言で風が変わった気がします」
23日放送のフジテレビ系「とくダネ!」(月〜金曜・前8時)では、22日の衆院選で惨敗した希望の党について特集。東京10区から出馬し、惨敗した若狭勝氏(60)が生出演。敗因を語った。
小倉智昭キャスター(70)から「若狭さんにはこういう形で出演して欲しくなかった。台風の風と違って、希望の党に吹いていた風もやんでしまったんですか?」と聞かれた若狭氏は「大逆風でした。アゲインストの風が吹いたと思っています」と固い表情でポツリ。
小倉キャスターから「小池(百合子)さんから連絡はありましたか?」と聞かれると、「メールがありました。『極めて残念です。申し訳ありません』というメールがありました」と若狭氏。「風が要因だったと、実感する選挙でした。周りの人から小池さんの排除発言で『引いた』という声が多かった。あれで風が変わった気がします」とつぶやくように続けた。 
立民・希望・無所属・民進・・・ どうなる?野党の連携 10/24
今後の野党の枠組み、野党の連携はどうなっていくのでしょうか? 野党キャップの牧野記者の報告です。
民進党の無所属当選組の中には、野党が結集する必要があるとして立憲民主党との連携や統一会派の結成を模索する動きも出ています。24日も無所属で当選した岡田元代表と玄葉元外務大臣が都内で会談し、今後の立憲民主党との連携や、希望の党の中で不満を持っている民進党出身者への対応などについて意見交換したものとみられます。
無所属での当選組は15人程度の会派を結成することを検討していますが、立憲民主党としては永田町の数合わせと見られれば党の勢いが失われかねないため、統一会派の結成には慎重な姿勢を示していて、ただちに表だって連携することはなさそうです。
25日、小池代表がパリから帰国した後、両院議員懇談会を開き、今後の対応を協議しますが、小池代表への不満はピークに達しています。ある希望の党の当選者は「小池さんの勝手な発言で魂を売ったのかと言われた。まるで詐欺だ。このまま希望の党にはいられない」と激怒しています。また、別の当選者は「これからは立憲、希望、無所属で連携していくしかないけど、希望の中には純化路線と共闘路線がある」と話していて、今後、希望の党が分裂する可能性も出ています。
小池代表の求心力が著しく低下していることに加え、希望の党は事務局も機能していないということで、当分迷走が続きそうです。  
「合流しなければ」「解党した方がいい」 落選した「希望」候補の恨みつらみ 10/24
「やっぱり落選した人から、えっという声が出ています」と司会の羽鳥慎一が伝える。希望の党から出馬して、落選した人たちの恨み節を紹介した。
東京7区から出馬した荒木章博氏。都民ファーストの会の荒木千陽代表の父親だ。陣営の関係者は「待てど来ず」と恨む。「小池百合子さんはいつ来るんだろうと思っていたら、一緒に街頭に立つことはなかった。落下傘候補の本人がかわいそうだ」(毎日新聞)と話していた。荒木氏は熊本県議を辞職して上京していた。
山形の3候補は全員落選した。希望の党を応援した民進党県連幹部は「排除の論理でどんどん支持が離れていった。希望の党は絶望の党だった」(読売新聞)という実感を漏らす。落選した候補者の1人は「(希望に合流しなければ)民進党で混乱もなく、結果は当然違ったのでは」と後悔をみせる。6期連続当選にならなかった民進党出身の候補者は「希望は一度、解党した方がよろしい」(朝日新聞)と言い切る。
「おフランスに行ってるんでしょ!」
千葉の落選した候補者は「有権者にとって大きな希望だったが、いつのまに小池代表の野望に変わったとすれば、残念な結果になった」と話す。別の落ちた候補者の関係者に小池代表に言いたいことは、と聞くと「ないわよ!終わったことだし、おフランスに行ってるんでしょ!」と内心収まらない様子だった。小池代表は投開票前日からパリの国際会議に出張していた。
羽鳥「皆さん、こういう思いを持っていらっしゃっているようです」
政治評論家の田崎史郎氏は「一般的にいえば、小池さんがつくった新党なら自分も当選できるのではと期待感を持って集まった人たちです。まずは自分の読みの甘さを反省した方がいいです」と突き放す。
落選した若狭勝氏には小池代表から「残念な結果になってしまった。申し訳ありませんでした」というメールが届いたという。
羽鳥「若狭さんもいろんな思いがあるのではと思いますが」
田崎「若狭さんは希望の党の中心になって動いていましたから、私は同情はしてないんです」
選挙が終わってみれば、いつものごとく悲喜こもごも。 
馬淵澄夫氏は希望からの出馬が裏目…落選した「大物7人」 10/24
都合よすぎる渡り鳥にノー
選挙のたびに有利な居場所を物色する常習犯。元環境相の小沢鋭仁氏(63・東京25区=希望)は、2012年衆院選では直前に民主党を離党、維新に移って南関東で比例復活した。前回14年も公示直前に地元山梨1区を見切って、比例近畿単独1位で当選。今回も直前に維新から希望に移ったが、さすがに3度目はなかった。
引退して何を暴露するのか
国会には黒塗りのTPP資料しか提出しないのに、農相時代のTPP交渉の暴露本を出版し、地元では「カネもってこーや(公也)」の異名を取る元農相の西川公也氏(74・栃木2区=自民)。選挙に弱いと言われてきたが、やっぱり弱かった。年齢制限で比例復活もナシ。
「希望から」が裏目に
6選を目指した元国交相の馬淵澄夫氏(57・奈良1区=希望)が苦杯。過去2回の逆風選挙でも小選挙区で勝ったが、今回、希望からの出馬に疑問の声が続出した。民進党国対委員長に就任したばかりだった松野頼久氏(57・熊本1区=希望)も落選。やはり希望から出たのが失敗だった。
公明の全勝神話崩壊
当選7回、元財務副大臣の上田勇氏(59・神奈川6区=公明)が、公明の全勝神話にミソをつけた。全9選挙区で唯一の落選だ。小泉進次郎氏も応援に駆けつけるなど、自民も必死にテコ入れに協力したが及ばず。
娘当選で影響力は健在か
公民権停止が解けて、8年ぶりに新党大地の比例北海道単独1位で出馬した鈴木宗男氏(69・比例北海道=大地)は議席獲得ならず。もっとも、娘の貴子氏を自民に押し込み、ちゃっかり比例単独2位で当選させている。
自民の内ゲバに立憲の伏兵が差す
解散前日に自民に入党するも公認は得られず無所属で挑んだ浅尾慶一郎氏(53・神奈川4区=無)。自民公認との内ゲバを横目に、立憲民主の新人女性が当選。後ろ盾のはずの二階幹事長を恨むしかない。 
小池代表に批判の嵐…落選議員「人生を狂わされた」 10/24
衆院選の投開票から一夜明けた23日、惨敗した希望の党の代表、小池百合子東京都知事への批判が各方面から噴出した。落選した新人は「人生を狂わされた」と嘆き、連合の神津里季生会長は「罪は極めて大きい」と断罪。小池氏が敵視した“都議会のドン”こと内田茂元都議も珍しく取材に応じ、「二兎を追う者を日本人はあまり好きじゃない」と指摘した。
鬼の居ぬ間に…とはまさにこのことか。小池氏がパリに滞在している間に、敗軍の将への批判が続出した。
最大の支援組織、連合の神津里季生会長は都内で会見し、民進党出身者の一部を「排除する」と発言した小池氏を「政策の門、公認の門をいたずらに狭めたという感が強くある。罪は極めて大きい」と断罪した。
小池氏の側近で落選した若狭勝氏は、記者団に「あれ(排除発言)で風が変わった。過激だった」と振り返り、小池氏から「申し訳ない」とのメールが来たことを明かした。
小池氏は公示日以降、全公認候補者にメールを送り励ました。「初めて出馬された方、心細くなっていませんか」。知事の公務をこなしながら、応援に入れる選挙区の数は限られる。小池氏なりの気遣いだった。
また、小池劇場で最初の標的にされた“都議会のドン”こと、元自民都連幹事長の内田茂氏は都庁で「(有権者は)都議選で勝たせ過ぎたと思ったんじゃないかな」とチクリ。内田氏が取材に応じるのは異例で、仇敵の惨敗について「二兎を追うというのはあまり好きじゃないからな。日本人は」と感想を述べた。
小池氏は25日に帰国。希望の両院議員懇談会を開き、首相指名選挙の対応などを進める。早くも“分裂前夜”の様相を呈する中、リーダーシップをどう発揮するか注目される。
雑誌記事で「小池百合子研究」を執筆したノンフィクション作家・石井妙子氏
「小池さんは政治的な同志と呼べる人がなく、組織のトップに立った経験も乏しく、運営方法が分かっていない。子供時代を含めて取材しても親友が出てこない孤独な人。人を信用して任せることができず、自分で自分の首を絞めている」 
八代英輝氏が小池百合子氏の衆院選総括を批判 10/24
24日放送の「ひるおび!」(TBS系)で、弁護士の八代英輝氏が、希望の党代表の小池百合子都知事による衆議院選の総括を批判した。
番組では、22日に投開票が行われた衆議院選挙で惨敗した希望の党を取り上げた。毎日新聞によると、訪問先のフランス・パリで小池氏は23日、キャロライン・ケネディ前駐日米大使と対談し、「都知事に当選して、ガラスの天井を一つ破った。都議会の選挙でもパーフェクトな戦いをして、ガラスの天井を破ったかなと思ったけど、今回の総選挙で鉄の天井があると改めて知った」と、衆院選を振り返っていた。
この発言にまず八代氏は、「ガラスの天井」について、昨年のアメリカ・大統領選の際にヒラリー・クリントン氏がよく発言していた「男女の差別の話」と指摘する。その上で、「ご自身の政治的な話を強調されて、『男女の違い』(が敗因)みたいに総括されている」「ちょっとアレを聞いたら…」と小池氏の総括を批判したのだ。
司会の恵俊彰が「今回、希望の党が負けたのは女性代表だったからじゃないですもんね」と同意すると、毎日新聞論説委員の福本容子氏も「すり替えですよ」「仮に勝っていたら女性をアピールすると思うんですよ」とコメントを続けていた。 
希望の党落選女性議員、「ビビット」で小池代表へ恨み節 10/25
25日放送のTBS系「ビビット」(月〜金曜・前8時)で衆院選で希望の党の公認を受けて出馬し落選した女性議員を特集した。
石川1区で落選した田中美絵子氏(41)は選挙戦を振り返り「今までと違う点は応援弁士の方が一人も来なかった。国政選挙では必ず応援弁士が毎日のように来て下さって大がかりな街頭演説をするんですけど、今回はまったくそれがなかった。そういう意味ではサポートが確かになかったなと思います」と語った。
さらに小池百合子代表(65)とは「会ったことないです」と明かし、2009年から3年間の衆議院議員時代には「すれ違ったことはあります。東京駅で1回見かけたこともあります」と告白していた。
また、千葉3区で落選した櫛渕万里氏(50)は、1000万円の借金をして出馬したことを告白。小池代表の「排除」発言で、「排除という言葉だけが注目され、小池さんの発言はダメだろとか、希望は絶望になったねと(有権者から言われた)」という。
その上で選挙戦は「野党一丸となる政権交代選挙だったのが状況が一変した。率直に申し上げて残念だと感じた」と振り返り、「国民にとっての希望の党のはずが、希望が野望に小池代表の中で変わった局面があったとすれば残念」と示していた。 
希望議員不満爆発「小池・お友達を比例に優遇」樽床やり玉 10/26
希望の党の馬淵澄夫氏は元国交大臣もやっていた人物。小選挙区では激しい戦いの末、奈良1区で敗れた。自民党の小林茂樹氏と2500票差だった。比例は3位で比例復活ならず。比例の2番で通った井上一徳氏は初めて国政選挙に臨んだが、当選した自民党本田太郎氏とは約4万票の差があり完敗だった。しかし、比例で復活当選した。井上一徳氏の惜敗率は32.493で、比例3番の人たちより率が悪かった。井上氏はなぜ比例の2番になっているのかというのが話題になっている。井上一徳氏は1986年に当時の防衛庁に入庁。2006年に総理補佐官付防衛庁官房参事官になった。この時の総理補佐官は小池氏だった。これ以降10年来の親交が2人にはあるという。井上氏は小池氏との関係について「仕事が終われば一緒に焼き鳥屋などにも出かけた」などと語っていたという。近畿ブロックで落選した議員からは小池氏は党を私物化しており、お友達優遇だなどと声があがっていたという。
井上氏はなぜ比例の2番だったのか。惜敗率では3番の人よりはるかに悪いため、お友達だという指摘があがっている部分だとの意見がスタジオでも出ていた。井上氏が出ている選挙区が小選挙区で勝ち上がるには難しいところだということはあるが、昨日の懇談会でもこの惜敗率でなぜこの順番なのかという声が上がったという。安倍首相に対しお友達忖度では?と指摘していた小池氏がこのようなお友達優先のような対応をすると党首としてはいかがかと思うなどと田崎氏がコメント。  
希望の党 不満噴出も…小池代表の進退は?
希望の党は、25日午後、小池代表と今回、当選した議員らによる両院議員懇談会で党の態勢などについて協議する。衆議院選挙での不振をうけ、小池代表の進退が焦点となっている。
訪問先のフランスから25日朝に帰国した小池代表は、自らの辞任について改めて否定的な姿勢を示した。
Q.代表を辞任するよう求める声が出た場合は?
小池代表「これから皆様方と話し合っていきたい。ただ、創業の責任というものもあろうかと思っておりますので、その辺を見極める必要があろうかと思います」
また、希望の党を解党すべきとの意見について「責任の取り方としてよくないのではないか」と述べた。党内には「小池代表のもとでまとまっていくべきだ」との声がある一方で小池代表への不満も噴出している。
選挙前に民進党から希望の党に移ったある議員は「何らかの責任を取るのは当然だ。自ら身を引くのでは」と話している。また、「希望の党はもう分裂しかない」などと早くも離党含みの議員も出てきている。
希望の党・今井雅人議員「小池代表の責任論は出るかもしれないですけれども私は別に辞任するべきとかそういうふうには思わないですが、そういう意見を持ってらっしゃる方もいるのかもしれないですね」
小池代表は希望の党をまとめられるのか。両院議員懇談会は大荒れとなる可能性もある。  
前原代表“排除”へ 民進党の参院議員総会は大荒れ
衆院選を機に“4分裂”した元・野党第1党民進党は24日、党に残った参院議員が総会を開いた。希望の党への合流を目指すとしながら、党を分裂させた前原誠司代表への恨み節が噴出。前原氏の戦略を「失敗」と断じる声や、代表辞任はおろか「追放」を求める声もあった。党内の怒りを受け、前原氏は週内にも両院議員総会を開き、経緯を説明する方針。
「(希望の党合流の是非を)代表一任にしたのは、絶対的に失敗だった。今後代表一任はあり得ない」。総会に出席した桜井充参院議員は、前原氏への不信感をぶちまけた。会は報道陣に非公開で行われ、前原氏は不在だったが、希望との合流に突っ走りながら、結果的に党を分裂させたことに対し、「反党行為」「除名だ」「早く辞めるべき」などの強い批判が起きた。
先月28日の両院議員総会。前原氏は、衆院選で所属議員に党の公認は出さず、希望の党に公認申請をした上で戦う方針を表明した。希望側との交渉も含め、自身への一任を取り付けた。
しかし、全員が公認を得られず、小池百合子・希望の党代表は、リベラル系に「排除の論理」を振りかざした。排除された勢力は、枝野幸男氏が結党した立憲民主党に集い、岡田克也氏らベテランは無所属で出馬。民進党に残った参院議員を含め、党は4つに割れた。無所属や立憲に参加した議員の多くは議席を維持したが、希望で出馬したメンバーの多くが、落選。総会では、前原氏が当初示した希望への合流方針の取り下げも伝えられたが、今後の党方針を前原氏が決めることにも、強い反発が出ている。
民進党は現在、代表の前原氏以外、幹事長も政調会長も不在。11月1日には特別国会が始まる予定で、それまでに前原氏を「排除」すべきとの声も根強い。約1時間半に及んだ総会では、「怒り」を前原氏に直接伝えるため、党籍を残す無所属の議員も参加した両院議員総会の開催を求める声が噴出。その後、小川敏夫参院議員会長と党本部で会談した前原氏は「できるだけ早く開く」と述べた。週内にも開かれる見通しだ。
蓮舫前代表は「代表がいる前で議論したい」と指摘した。希望への合流に関し、前原氏は小池氏の「排除の論理」を本当に知らなかったのか、それとも実際は気付いていたのか。代表選で表明した「ワン・フォー・オール(みんなのために)」は、まやかしだったのか。総会は「大荒れ」となりそうだ。  
 
総括

 

続投を表明 辞任を求める党内の声に「創業者としての責任がある」
2017年10月25日、衆議院議員選挙後はじめての両院議員懇談会を終え、希望の党共同代表の小池百合子氏が会見を行いました。会見では、希望の党の人事や国政への関わり方について、記者からの質問に答えました。 小池百合子氏(以下、小池)
小池 どうもお疲れ様でした。
――長旅の後、3時間以上の会合、大変お疲れ様でした。
小池 3時間かかりました? そうですか。
――会合の内容と確認したことなどをお願いします。
小池 まず、私のほうからこれまでの経過なども説明させていただきました。そして人事については、議員のみなさんのほうでお決めいただくということを冒頭に申し上げたとおりです。それから、議論の中で、議論といいましょうか、それぞれのご意見の中で「小池は代表を辞任せよ」というお言葉があったり、逆に続けるべきだというお言葉があったり、いろいろございました。しかしこれについては、出処進退というのは自分で決める部分もございましょうが、創業者としての責任があると、私は現時点で強く思っております。それから議員としての代表は、今申し上げたように議員の中からみなさんでお決めいただくと。ただ時間がそうございませんので、大島(敦)さんと樽床(伸二)さんが代表しながら、みんなの意見を集約して、そしてそのまとめをするという流れになっております。それから政策協定などでいろいろと議論もございましたけれども、政策協定にサインしたという事実があり、これによってしっかり守っていくと。それからさらには党としてのさまざまな発信をしっかりしていくことが、今回短い選挙戦の間でいろいろと誤解を受けたという、そういう議員の方もおられました。しっかりと私は発信していきたいと考えております。
――辞任を求める声が挙がったものの、代表は辞任はされないということで?
小池 いや、いろいろと「辞めろ」というのと「続けるべき」というのと両方ありまして、続けるべきと大変励ましの言葉をいただきました。
――なので小池代表が辞めることはないということですね?
小池 いや、その声もそうですけれども、私は創業者としての責任があるということで、続けていきたいと思っております。ただ、国会の代表についてはみなさんで、議員のみなさんでお決めいただくということです。
――樽床さんと大島さんは代表になったわけではなくて、2人を中心に国会議員の代表を含めて検討するということでしょうか?
小池 だからさっき申し上げたとおり、この2人が議員のみなさんの意見を集約するということです。
――代表、すみません。今後例えば、憲法改正・安保など、国政の課題について小池さんの意向はどれくらい反映されるということになっていくのでしょうか?
小池 最初に政策を決めて、そしてそのもとで今回それぞれの地域で戦い、勝ち、そして残念ながら落選し、というそういうみなさんが希望の党の議員となり、そしてこれについては今後深めていくということになります。今日の懇談会は、今後の2つのテーマ。つまりどうやって党を運営していくかという実務的な部分と、それから政策的な部分と2つございます。政策的な部分については、これから深化をしていくという過程に入っていくかと思います。
――そうすると、これまで「都政に専念する」というお話を何度もされていまして、例えば国政で意見が分かれるテーマがあった場合でも、その対処は国会議員側に任せるということでよろしいのでしょうか?
小池 テーマによりますでしょうね。
――テーマによっては小池さんが話すとか、意向を。
小池 そこは議員の方々とも議論をする必要が生じれば、そういったことで時間を取ることもあるでしょう。
――今後は国会議員の集まりとかにも小池さんはずっと顔を出されるという?
小池 いや、テーマによると思います。
――代表、今日は総理大臣氏名選挙の候補についての話というのは出ましたでしょうか?
小池 はい、それについては今後党内の議員の人事を決めますので、議員のほうで決めるということですので、それの結果にどうするかを含めて、これからの話になると思います。
――今日いろんな、辞めるべき・続けて欲しいという進退も含めて、いろんな声がほぼ全員の方から寄せられたと思うんですが、それを受け止めて、今どうお感じになっていますでしょうか?
小池 そうですね。いかにして希望の党としての新しい出発、今後の勢いをつけていくか。その責任は大きいと思いました。
――結果責任を取らない理由はなんですか? 排除発言をすぐに撤回していればこんな事態を招かなかったんじゃないですか? 前原さんとの……。
小池 はい、次の質問どうぞ。はい。
――すいません、先ほど国会の、国政の方に人事については任せるということを言われたんですけれども、ちょっと確認なんですけれども、代表の人事については国会の方が決めるわけではないということでよろしいんでしょうか?
小池 どの代表でしょうか?
――党の代表のことです。
小池 だから、議員の代表を決めていただくわけであります。
――党の代表については、ご自身で。
小池 共同代表ということになりますよね。基本的には。はい、どうぞ。
――支持率3パーセントまで朝日新聞の世論調査では落ちていますが、それをまた上向かせるというのはなかなか困難ではないでしょうか?
小池 いえ、まだまだ希望がございます。はい、ありがとうございました。
――すいません、代表としては、小池さんとしてはどのような関わり方になるんでしょうか?
小池 基本的には共同代表という形で、国政は代表の方をこれから選んでいただきます。選ぶというか、決めていただきます。私は共同代表で、かつ創業者という形になるかと思います。ただ、私自身は都政を中心に進めていくという形です。以上です。
――結果的に安倍一強を許してしまったことをどう思われますか?
小池 まあこれから国会での論戦、それからさまざまなこれからの課題を、国家的な課題も目に見えて出てきているわけですから、しっかりそこで対応するということになろうかと思っております。やはり安倍一強の中で緊張感を生む、そういうことの役割を担っていきたいと考えています。  
小池氏、代表続投を表明 「排除」発言は陳謝−希望
希望の党は25日、衆院選の当選者らを集め、初の両院議員懇談会を衆院議員会館で開いた。出席者から小池百合子代表(東京都知事)の辞任を求める声も出たが、小池氏は終了後、記者団に「創業者としての責任があるので続けていきたい」と述べ、代表を続投する考えを示した。
小池氏は冒頭のあいさつで、敗北した衆院選について「多くの有為な人材を失ったことは残念至極だ。責任を負わなければならない」と表明。また、民進党出身者の公認をめぐる「排除」発言を念頭に、「私の言動によって、同志の皆さまには大変ご苦労をかけた。心ならずも多くの方々を傷つけてしまった」と陳謝した。
今後についても「都知事として都政にまい進していきたい。主要な人事は(国会議員の)皆さま方で話してほしい」と述べ、国政とは一定の距離を置く考えを示した。 
懇談会では、特別国会後に党規約を改正し、国会議員の共同代表を選ぶ代表選を年内に行う方針を確認。当面は、週内に発足させる予定の暫定執行部が党運営に当たる方向だ。
衆院選で希望は公示前の57議席を下回る50議席にとどまった。小池氏は開票直後に「完敗」と認める一方、代表続投の意向を表明していた。
希望は小池代表と樽床伸二代表代行を除き、幹事長や国対委員長など主要人事が決まっていない。  
希望の党・小池代表、続投を表明
希望の党は、25日、両院議員懇談会を開き、小池代表が続投する意向を表明しました。
「私は創業者としての責任があるということで、(代表を)続けていきたいと思っております。ただ、国会の代表については、議員の皆さんでお決めいただく」(希望の党 小池百合子代表)
懇談会では、「党の出発には小池さんの辞任が必要だ」などと複数の出席者から小池代表の辞任を求める声が相次ぎましたが、関係者によると、続投を求める声の方が多かったということです。
また、懇談会では、小池氏が国会議員の共同代表ポストを設ける意向を表明。執行部人事について、樽床代表代行と民進党幹事長を務めた大島氏を中心に協議し、27日の両院議員総会に提案したうえで、遅くとも来月1日の特別国会までに決定することを申し合わせました。  
小池氏、党代表は続投…運営からは距離置く意向
希望の党は25日、結党後初めてとなる両院議員懇談会を国会内で開いた。
小池代表(東京都知事)は「知事として都政にまい進するので、国政は国会議員に委ねたい」と述べ、党運営から距離を置く意向を表明した。共同代表などの党執行部人事も、国会議員団に一任する。代表は続投する考えを示した。
懇談会は、冒頭の小池氏と樽床伸二代表代行のあいさつのみ公開で行われた。小池氏は、衆院選大敗につながった「排除」発言について「私の言動で大変ご迷惑をおかけした。多くの方を傷つけてしまったことも謝りたい」と陳謝した。
一方で、「1000万人近い人が比例代表選で『希望』と書いた事実を忘れてはいけない。切磋琢磨せっさたくましながら党を磨いていく」と述べ、代表の続投に意欲を見せた。
出席議員によると、懇談会では、小池氏の代表辞任を求める意見が複数出た。ただ、小池氏は懇談会後、記者団に「辞任せよとの言葉もあったが、創業者の責任がある。(代表は)続けていきたい」と強調した。  
小池氏「創業者としての責任ある」 希望代表の続投明言
希望の党の小池百合子代表(東京都知事)は25日午後、国会内で開かれた同党両院議員懇談会で「(「排除」発言など)私の言動でご苦労をおかけした。多くの方々を傷つけたことを謝りたい」と陳謝した。小池氏の進退について「代表を辞めるべきだ」「続投してほしい」と両方の意見が出たが、小池氏は会合後、記者団に「創業者としての責任がある。続けていきたい」と代表続投を明言した。
この日午前、小池氏は都知事としての公務で訪ねていたパリから帰国。その後、「(国会議員の)意見を聞きたい」と会合に出席した。3時間以上の議論を経て、国会議員から「共同代表」を選出する方針で一致したという。また、衆院選の公約を基本としつつ、より政策の議論を重ねることを確認したという。
小池氏は共同代表について「国会議員にお決めいただく」と述べ、衆院選で当選した衆院議員らに人事を一任する考えを示し、自らは都政に重点を置く考えを強調した。  
小池代表が続投明言 「共同代表」も選出へ
衆議院選挙で振るわなかった希望の党は、小池代表と当選した議員らが両院議員懇談会を開いた。辞任を求める声もあがる中、小池代表は続投を明言した。
小池代表「小池は代表を辞任せよというお言葉があったり、逆に続けるべきだというお言葉があったり、いろいろございました」「私は創業者としての責任があるということで(代表を)続けていきたいと思っております」
希望の党・小川淳也議員「(小池)代表自ら身を処されることを含めて、けじめをつけられるのが再生に向けた第一歩だと率直に申し上げました」
希望の党・柚木道義議員「第2自民党ということでは、もしそういうことであれば今日この瞬間、解党してくれと申し上げました。小池代表から明確に『安倍一強政治は許すまじ』と」
3時間以上続いた会合では、比例代表名簿で優遇され当選した議員への不満の声も出たという。
また、国会議員から「共同代表」を選出することで一致し、党の執行部人事や、首相に指名する候補などについては、樽床代表代行と大島前民進党幹事長が中心となり国会議員の意見をとりまとめることを確認した。
一方、無所属で当選した岡田元外相ら10人ほどが新会派「無所属の会」を結成することを決めた。代表につく岡田元外相は「分断された立憲民主党、希望の党と連携する結節点になる」との考えを示した。  
小池氏「都政にまい進」 代表は続投
希望の党の小池百合子代表(東京都知事)は25日、衆院選敗北を受けて国会内で開かれた両院議員懇談会で、「私は知事として都政にまい進したい」と語って国政は国会議員に任せて都政に専念すると表明した。一方で懇談会終了後、記者団に「私は創業者としての責任があり、続けたい」と述べて代表続投の意向も示した。国会議員を「共同代表」とする「暫定人事案」を、27日の両院議員総会に諮ることが決まった。
希望の当選者は公示前勢力の57人を下回った。パリに出張していた小池氏の帰国を待って開かれた懇談会は約3時間に及び、衆院議員50人、参院議員3人の計53人のうち50人が出席。小池氏への不満が相次ぎ、辞任を求める声も出た。
小池氏は冒頭のあいさつで自身の「排除」発言を念頭に、「私の言動で同志の皆さんに大変苦労をかけ、心ならずも多くの方々を傷つけてしまったことを謝りたい。多くの有為な人材を失ったのは残念至極だ」と述べて謝罪。「政党は理念、政策が一致しなければいけないと強調したが、言葉が歩いてしまった結果だ」と釈明した。
党運営については「重要な人事は(国会議員)バッジを付けた皆さんで決めてもらい、一致団結して活動できる体制を自ら見いだしてほしい」と語った。民進からの合流組が多数を占める国会議員に党を委ねる。
懇談会は小池氏のあいさつの後は非公開で行われた。複数の民進出身者から「選挙に勝つ責務を果たせなかった責任を考えてほしい」などの代表辞任要求が出る一方、「創業の責任を果たすべきだ」などの続投容認の意見もあがった。
樽床伸二代表代行の説明によると会合では、民進からの合流者に署名が要求された「政策協定書」に関する発言が相次いだ。民進党が「憲法違反」と位置付ける安全保障法制に関し、「協定書の中身は、民進党の人たちの考え方と齟齬(そご)を来さないと確認した」(樽床氏)という。また樽床氏は「我々は、憲法9条を変えるべきだと主張したわけではない」と記者団に語った。
共同代表や幹事長の暫定人事案は樽床氏と、民進党幹事長だった大島敦衆院議員の2人が練る。両院総会での承認後に首相指名選挙への対応などを決める。特別国会の閉会後に党規約を改定し、「本格人事」として年内にも国会議員団の共同代表を選出する見通しだ。  
希望4分裂は避けられず…小池氏、国政放棄発言「国会運営は国会議員に」 
野党の醜悪極まる混乱劇が続いている。小池百合子代表(都知事)率いる「希望の党」は25日午後、惨敗で終わった衆院選を受けて、両院議員懇談会を開催。民進党出身者からは、小池氏への罵詈雑言や、離党を示唆する無節操な意見が噴出しており、党が3分裂、4分裂するのは避けられそうにない。民進党でも、参院から前原誠司代表への厳しい批判が沸騰している。朝鮮半島危機が迫るなか、野党議員らの誹謗中傷を聞いていると、そこには「絶望」や「失望」しか残らない。
「(党代表としての進退は)みなさんと話し合い、創業の責任もあるので見極めたい」「(執行部人事は)いろんな意見があると思う。耳を傾けることに徹する」
小池氏は25日朝、出張先のパリから成田空港に到着した。待ち受けた記者団に、進退や党人事について、こう語った。
希望の党は今回の衆院選で、衆院半数を超える235人を擁立しながら、公示前の57議席を下回る50議席という惨敗だった。同日午後の両院議員懇談会では、今後の党運営などを協議した。
党内で浮上する解党論について、小池氏は「責任の取り方としては良くないのではないか。1000万人近くの方が『希望の党』と書いた事実を胸に刻まないといけない」といい、否定した。
小池氏は前日、パリ郊外にある世界最大規模の卸売市場「ランジス市場」を視察した際、「厳しい結果が出た。改めて『都政に専念せよ』という都民、国民の声であったと真摯(しんし)に受け止めたい」と語った。
そして25日に行われた両院議員懇談会の冒頭あいさつで、小池氏は「都知事として都政に邁進する。国政は国会議員の皆様に委ねたい」「主要な人事などは皆様方で」とした。
代表辞任は口にしなかったが、国政撤退・放棄をにおわせる発言といえる。
都政関係者も「小池氏は政治家だから笑顔を絶やさないが、内心落ち込んでいるようだ。『代表を退くのは無責任』とも発言したが、実際は内部の批判にも嫌気がさしているのではないか。いったん、国政から引くことはあり得る」と語る。
確かに、党内からの批判は痛烈だった。
「やっぱり『排除』は良くない。政党は幅があっていいし、幅は魅力だ。できれば民進党として選挙をしたかった」(落選した松野頼久元官房副長官)
「多くの候補はまともな選挙戦にならず、人生を狂わされたのに、代表は都知事のままでいられる。納得がいかない」(都内で落選した新人)
「小池氏の勝手な発言で、有権者から『魂を売ったのか!』と罵倒された」(民進党出身者)
「民進党の大量合流が間違いだった。小池氏は辞めるべきだ」(新人)
実は、フランスのメディアも、パリを訪れた小池氏について、「逃亡中の女王」「疑いの余地なく、最大の敗者」などとボロクソに報じた。
希望の党議員の大半を占めるのは、民進党出身者である。
中には、非現実的な外交・安全保障政策を掲げる民進党に失望し、希望の党で「保守二大政党」を実現しようとした保守系議員もいる。だが、「二重国籍」問題を抱えた蓮舫前代表時代から党勢拡大が見込めない民進党に見切りを付けて、「バッジ欲しさ」で政策の違いに目をつぶり、小池氏の“踏み絵”を踏んだ左派系も多い。
それが、選挙で大敗したからと、トップを口汚く批判するのは醜い。選挙途中で、党の政策と食い違う主張をしていた議員など論外といえる。
希望の党は今後、「党に残って再生を目指す議員」と「民進党か立憲民主党への移籍を画策する左派議員」「無所属になる議員」「自民党入りを目指す保守系議員」など、四分五裂しそうだ。
醜態をさらす希望の党は、どうなりそうか。
小池都政をウオッチするジャーナリストの有本香氏は「近々、希望の党から離党する人が出そうだ。党分裂も避けられない」といい、続けた。
「衆院選で惨敗したのは、小池氏の『排除』発言もあるが、政策がひどかった。整合性も実現性もなく、聞き心地がいいだけ。党内の合意もなく、キャッチフレーズだけを主張していた。都議選の成功が背景にあるのだろうが、あの追い風はなくなっていた。今後、ある程度の離党者が出ることが予想される。民進党出身者がそれぞれ行き場を求めて、割れていく形になるのではないか」  
どう責任取るのか?比例順位巡る不満の声も
衆議院選挙で振るわなかった希望の党は現在、小池代表と当選した議員らが両院議員懇談会を開いている。
小池代表は進退についてはっきりとは明言せずに、今後は都政に専念し、人事など党運営を国会議員に委ねる考えを表明した。
小池代表「党を立ち上げた責任を感じながら、一方で都知事という事実もございます。私は都知事として都政にまい進をしてまいりたいと考えていますので、国政は国会議員の皆さま方にしっかりゆだねていきたい」
また、小池代表は民進党から合流を希望する議員の一部を「排除する」とした自らの発言について「政党は理念、政策が一致しなければいけないという点を強調したところ、言葉が歩いてしまった責任をしっかりと刻んでおきたい」と反省の弁を述べた。
さらに選挙の結果について「党の代表として良い結果をもたらすことができなかった責任を負わなければならない」と陳謝した。
両院議員懇談会の詳細は明らかになっていないが議員からは小池代表の辞任を要求する意見が出たという。
また比例代表名簿の順位を巡る不満の声も出ているほか、小池代表にどう責任を取るのかとただす議員もいるという。ただ小池代表はこれには答えずただメモをとっているという。
厳しい選挙結果を招いた小池代表に対して不満が渦巻いているのは間違いない。離党しても簡単に民進党に戻るわけにも立憲民主党に合流する訳にもいかず行き場がないのが現実。
こうした中、「曲がりなりにも希望の党として選挙の洗礼を受けたのだからまとまっていくしかない」との意見も出てきている。来月1日に予定される首相指名選挙で誰の名前を書くのかなど決めなければいけないことは山ほどあるが、選挙の傷も生々しい中で希望の党が落ち着くにはまだ時間が掛かりそうだ。  
小池代表に不満噴出 結党1カ月の希望、多難な船出
衆院選後、希望の党の当選議員らが初めて顔をそろえた25日の両院議員懇談会。
小池百合子代表(東京都知事)も出席し、敗北の一因とされる自身の「排除」発言について陳謝したが、出席者から辞任を求める声も上がった。不満は渦巻いており、多難な船出となりそうだ。
小池氏は21日夜から都知事の公務でフランスに出張し、衆院選から3日後の25日に帰国。この日、当選者らと初対面した。希望は当選者が50人にとどまり、立憲民主党に野党第1党の座を譲った。小池氏は会合の冒頭、「私の言動で大変ご苦労をおかけした。謝りたい」と陳謝。「党の代表として責任を負わないといけない」とも語ったが、会合後、記者団に代表続投の意向を示した。  
希望の党、両院議員懇談会で小池代表謝罪も不満噴出
衆議院選挙で惨敗した希望の党。国会内の会議室で両院議員懇談会を開きました。
少し遅れて入ってきた小池代表は、拍手もなく、静かに迎え入れられました。選挙で勝ち上がってきたメンバー1人、1人と握手をしましたが、少しぎこちない雰囲気が漂います。代表としての責任論も噴出する中、小池代表が語ったのは「3つのこと」でした。
(1)自らの言動について「おわび」
「私の言動によりまして、同志の皆様には大変ご苦労をおかけしたこと、これにつきましては心ならずも多くの方々を傷つけてしまったことについても改めて謝りたいと思っております」(希望の党 小池百合子代表)
まず小池代表が強調したのは、自らの発言に対する謝罪の言葉。「排除する」などの言動が選挙情勢に影響を与えたことを念頭に、「この責任についても、しっかりと心に刻んでおきたい」と述べました。
(2)衆院選惨敗に対する「責任」
「これだけ多くの皆様方が立候補していただいたにもかかわらず、選挙を勝ち抜くことが十分ではなかったということでございます。本当に無念の思いを共有しなければならないんだとこのように思います」(希望の党 小池百合子代表)
小池代表はこのように述べた上で、「党の代表として良い結果をもたらすことができなかったという意味で私は責任を負わなければならない」と述べました。そして、最後に、今後の党のあり方についても触れました。
(3)国政は国会議員に「委ねる」
「私は党を立ち上げた責任を感じながら、一方で都知事という事実もございます。ぜひ、私は都知事として都政にまい進をしてまいりたいと考えておりますので、国政は国会議員の皆様方にしっかりと委ねていきたい」(希望の党 小池百合子代表)
小池代表はこのように述べた上で、「一致団結して希望の党として活動できるような体制を自ら見出していただきたい」と強調、執行部人事などは国会議員が決定すべきだという認識を示しました。
小池代表の発言はおよそ6分間。ここから先、会議は非公開となりました。この後、出席者からは党の勢いを失速させたことなどを理由に、小池代表の辞任を求める声が相次いだということです。
「党の出発には小池さんの辞任が必要だ」(出席者)
これに対し小池代表はあまり言葉を発することもなく、出席者の厳しい意見を聞きながら、1つ1つメモを取っていたということです。
一方、国会では、特別国会に向けた準備がすでに始まっています。25日は各党の代表者らが、国会内の部屋や新人議員の宿舎の配置などについて話し合いました。26日には菅官房長官が、特別国会を11月1日に召集し会期は8日間とすることなどを正式に伝える予定となっています。
大揺れとなった希望の党。国会開会までに態勢を立て直すことはできるのでしょうか。  
小池代表に“イエローカード” 希望初の両院議員懇談会大荒れ
希望の党の初めての両院議員懇談会が25日、国会内で開かれた。出張先のパリから同日、帰国した小池百合子代表(65、東京都知事)が参加。小池氏の「排除」発言などで衆院選で惨敗したことから、出席議員からは辞任要求が続出。「この場で解党せよ」と求める声まで上がり、3時間に及んだ初会合は紛糾した。
この日朝、出張先のパリから帰国した小池氏は午後、国会内で開かれた両院議員懇談会に姿を見せた。22日の衆院選投開票日はパリにいたため、当選議員と初めて顔を合わせた。出席は衆参両院合わせて50人。衆院の3議員が地元でのあいさつ回りなどを理由に欠席した。
小池氏は会場に入り、笑顔で50人全員と握手。冒頭、「排除」発言について「多くの方々を傷つけてしまった。改めて謝りたい」と釈明した。報道陣の取材が許可されたのは、このあいさつまで。その後、約3時間に及んだ懇談会は非公開。終了後、小池氏は記者団に対し「議論の中で“小池は代表を辞任せよ”という言葉があったり、逆に続けるべきだという声もあった」と明かした。その上で「創業者としての責任がある」と続投を表明した。
強がってみせたが、党は大荒れの船出だ。出席者からは引責辞任を求める声が相次いだ。
「血が流れるどころではなく、血しぶきが舞い散る選挙だった」
「代表のひと言で(候補者)180人の同志が戦死した。リーダーとして責任を取るべき」
「(民進党の合流を決めた)前原誠司代表とともに結果を受けて決断せよ」
岡山4区で敗退し比例で復活当選した柚木道義氏(45)は「第2自民党になるのなら、この場で解党してほしい」と踏み込んだ意見をぶつけた。
国会議員を統率する「共同代表」の候補として名前が取り沙汰される玉木雄一郎氏(48)からは「今日からスタートし、信頼できる党をつくっていきたい」と前向きな意見も出た。最終的に「続投やむなしの空気感」(出席議員)になったものの、党内には怒りが渦巻く。小池氏は「国政は国会議員に委ねたい」とも話し、執行部人事を含む国会対応などを所属議員に一任。衆院選を総括しないまま、党運営を「丸投げ」するかのような姿勢にも不満が噴出。結党時から携わる関係者は「調子の良い時期ばかり前面に立ち、旗色が悪くなると引っ込むなんて、ひきょうだ」と憤った。
≪ワンマン払拭狙い?樽床氏と大島氏で執行部人選≫樽床伸二元総務相(58)は懇談会後、執行部の主要人事に関し、自身と大島敦前民進党幹事長(60)で人選を進め、週内にも両院議員総会を開催して暫定の人事案を提案したいとの意向を示した。両院議員総会には小池氏も出席するが、樽床氏と大島氏が人事案を作成することで、小池氏のワンマン体制を払拭(ふっしょく)する狙いがあるとみられる。国会議員が務める共同代表については、年内に選挙を行い、正式に決めるという案が出ている。 
「辞任すべきだ!」希望・両院議員懇談会で民進党出身者がつるし上げ
衆院選敗北を受け、希望の党は絶望的な船出を迎えた。25日の両院議員懇談会は、複数の出席者が小池百合子代表(東京都知事)の引責辞任を求め、つるし上げの様相を呈した。党内には水面下で離党を検討したり、将来的な解党を画策したりする動きがあり、空中分解の可能性さえある。
「多くの有為な人材を失ってしまったことは本当に残念至極だ」。小池氏は懇談会の冒頭、神妙な表情で衆院選の不手際をわびた。
希望の党は衆院選での「政権交代」を目指し、235人の候補者を擁立した。しかし、当選したのは50人にとどまり、多くは民進党出身者だった。懇談会では、民進党出身者が次々と小池氏に牙をむいた。
柚木道義氏は「『血が流れる』ではなく、血しぶきが舞い散る選挙だった」と語り、小池氏の「排除の論理」によって逆風となったことを批判した。
小川淳也氏や吉良州司氏は「仲間がこれだけ死んでいるのだから責任を取るべきだ」などと、露骨に代表を辞任するよう求めた。
小池氏は、自民党東京都連の意思決定を「ブラックボックス」と糾弾したこともある。それだけに、今回の衆院選で、樽床伸二代表代行ら小池氏に近い人が比例代表で優遇されたことなど、不透明な公認決定過程への批判も相次いだ。小池氏は「出馬を要請した段階で比例代表名簿への登載が決まっていて、覆せなかった」と釈明した。
一方で、内部対立をいさめる意見も出た。小熊慎司氏は「小池氏への批判は筋が違う。われわれは民進党の決定に従い、希望の党で戦った」と述べた。「比例代表で約1千万票を得た。全員野球の人事にしてほしい」との声もあがった。
自らの意思で希望の党からの出馬を選択したにもかかわらず、小池氏批判に明け暮れれば、世論の視線はさらに厳しくなるとの危機感も広がる。
今後は首相指名候補を誰にするのかを含め、人事で挙党態勢が構築できるかが焦点となる。党内では共同代表に玉木雄一郎氏を起用し、大幅な若返りを図るべきだとの意見もある。  
「小池さんの看板がなければお前ら落選」橋下徹氏、希望議員の代表追及を批判
日本維新の会の国会議員の発言への怒りなど、衆院選後にツイッターの発信を強めている前大阪市長で弁護士の橋下徹氏(48)は26日もツイッターを数回更新した。今度は、希望の党の小池百合子代表(65)の責任を追及し、代表辞任を求めている民進党系の議員らを激しく批判ている。
橋下氏は26日午前、「どこもかしこもろくでもない議員が多すぎる」と書き出し、「小池さんの責任を口にすれば自分たちが有権者にどう映るのかの想像力もない。こんなことをやればやるほど希望(の党)は消滅に向かう。小池さんの看板がなければお前らのほとんどは落選してたんだよ! 小池さんを批判するのは有権者だ」と怒りをあらわにした投稿を始めた。
さらに、日本維新の会の丸山穂高衆院議員(33)が大阪府知事の松井一郎代表(53)の責任を問い、代表選を要求したことを念頭に、維新は大阪府の票数をみると、衰退していないとして、国会議員が「永田町病」にかかっていることが維新が伸張しない要因と断じ、典型例として丸山氏を挙げて批判。「丸山のボケを筆頭に維新の国会議員団が何もやってないから」と大阪以外で支持が得られないなどと投稿した。
希望の党についても、「早速日本維新の会化してきた。民進のままじゃ死滅すると思って小池さんを頼ったんじゃないの? 一度頼ったんなら失敗しても支えるのが普通だろ。希望の党も維新の丸山のボケみたいのが多そうだな」
「意見を言うのも反対を唱えるのもいい。激しい議論は民主政治にとって必要不可欠。でも物には言い方がある。維新の丸山のボケのようなちゃかした言い方。希望の党のように一度は小池さんにすがって、当選したら手の平返し。こんな党では二大政党制の一翼など担えない」と、希望の党の旧民進系議員にも批判の矛先が及んだ。
ツイッターのリプライは、丸山氏の国会活動を評価するものが多く、「まだ若いのだから、大きな懐で指導できませんか」「ちゃかしていたとは思えない」という意見が多かった。
一方で、旧民進党議員には辛辣なコメントが多く「1つの発言で希望の党の票が伸びなかったとか、そういうことを言う前に民進党などから集まった寄せ集めが多いからこのような結果になったことを理解していない国会議員が多すぎる」「小池さんもそろそろ橋下さんばりに言い返してもいいごろだと思います」「手の平返して喜んで希望に行って、通してもらった議員が今更何言ってんだ」と旧民進党の「わがまま」ぶりを批判するコメントが目立っている。  
因縁フリー記者「排除」した小池さん あの質問、やっぱり恨んでる? 10/26
東京都の小池百合子知事(希望の党代表)が衆院選の反省を述べたはずの記者会見(ぶらさがり取材)の場で、記者の質問を「無視」する場面があった。小池氏は衆院選の公示前、この記者の挑発に近い質問に答える形で民進党のリベラル派を「排除いたします」と発言。希望が急速に失速するきっかけになった。
こういった背景からか小池氏は、質問を終始無視し続けた。「情報公開」を訴え続けた選挙中の主張との整合性が問われそうだ。
質問さえぎって「はい、次の質問どうぞ」
小池氏から質問を無視されたのは、フリーランスの横田一(はじめ)記者。民進党や東京都知事の会見で、安倍政権に批判的な立場から質問することが多い。
2017年10月25日の希望の党の両院議員懇談会後に小池氏は約7分半にわたって取材に応じた。「異変」が起こったのは、今後の見通しについて
「いかにして希望の党として新しい出発、今後の勢いをつけていくか。その責任は大きいと思いました」
と述べた直後だ。横田氏が
「結果責任を取らない理由は何ですか。排除発言を撤回していれば、こんな事態は招かなかった。前原さんとの...」
と質問を始めたが、途中で小池氏が
「はい、次の質問どうぞ」
とさえぎり、別の質問を受けたのだ。その後も横田氏は
「(記者を)排除するんですか、選別するんですか」
「反省してないんですか、排除発言を」
と声をあげたが、小池氏は答えることなく会見場を後にした。
この伏線だとみられるのが衆院解散翌日の9月29日に行われた都知事会見だ。基本的に毎週金曜日に行われる都知事定例会見では、前半の「1部」で都政に関する質問を受けつけ、後半の「2部」で、それ以外の質問を受けることになっている。この日の会見の「1部」で、横田氏が民進党出身者の希望への受け入れをめぐって
「(前原氏と小池氏で)言ってることが違うと思うんですが、前原代表を騙したんでしょうか。それとも共謀して、そういうことを言ったんでしょうか」
と質問。小池氏が
「そのご質問は、この後、ちょっと場所を転換して、お答えをさせていただいた方が良いのではないか」「独特の言語を使っておられる」
と不快感をにじませながら仕切りなおした。
「前原代表を騙したんでしょうか。共謀してリベラル派大量虐殺、公認拒否と...」
「2部」で改めて小池氏に指名された横田氏は1部と同様の質問を繰り返しながら、
「前原代表を騙したんでしょうか。共謀してリベラル派大量虐殺、公認拒否と言われてるんですが...」
などと指摘。どういうわけかこの質問の時だけマイクが切れていたため、小池氏は笑顔で
「あえて音声入ってないの?」
などと突っ込みながらハイテンション気味に次のように答弁。ここで「排除いたします」発言が出た。
「わかりました!お答えいたします!前原知事(編注:代表の言い間違い)がどういう表現をされたか私は承知をいたしておりませんけれども、あの、排除されないということはございませんで、排除いたします。というか、絞らせていただくということです」
その後、横田氏は小池氏の答弁に割って入る形で、
「ということは安倍政権を甘い言葉にしてリベラル派大量虐殺、公認排除したということになりませんか?寛容な保守であればなんでハト派からタカ派まで包み込まないんですか?公認しないんですか?そうしないと安倍政権倒せないんじゃないですか?」
と質問。小池氏はさらに質問に割って入る形で次のように皮肉交じりに話し、会見場では笑いも起こった。
「記者クラブは大変多様性に富んでいるということを、これで証明しているかと思います。とても寛容な記者クラブで有難く思っております」  
 

 

三都物語
1990年(平成2年)に開始された西日本旅客鉄道(JR西日本)のキャンペーンの一つ。
京都・大阪・神戸の三都市の観光キャンペーンである。従来の観光キャンペーンの対象は郊外であったのに対して、都市圏を対象とした点に特徴がある。なお、京阪神圏向けと京阪神圏外向けでCMが若干異なることもあった。例として、前者で在来線の新快速の車両が登場するカットが、後者では山陽新幹線の車両に差し替えられていた。但し前者のVerも「走れ!ガリバーくん」(関西テレビ制作)など在阪局制作の番組内でのCMでは中四国地方のネット局でもそのまま流している場合もあった。  
 
 
 

 


 
2017/9-10
 
 
民進党が解党すべき10の理由 2016/10  

 

参議院選挙で民進党が惨敗した。予想どおりとはいえ、この党の進歩のなさはまさに絶望的である。我慢にも限度がある。ここに解党の提案をして、引導を渡したい。
理由1 国民の支持がない
いきなりだが、これには少々説明が必要だ。国民の支持がないというのは、単に支持率の絶対的低さのことではない。民進党≒民主党である。つまり、名前が変わったからには何かが変わっていなければならないのだが、結局、もともと民主党から飛び出した連中を中心に、選挙がきついからというだけの理由で救命ブイを求めて出戻ったところ、名前が同じではおかしいと、出戻ったくせに難癖をつけて、結果的に「民進党」になったにすぎない。これは一種の偽装工作であって、その実体はほとんど旧民主党のままだ。何といっても党役員(代表、代表代行三名、幹事長、政調会長、国会対策委員長)のポストのうち、旧維新の人間が就いている職が代表代行一つ(江田憲司氏)なのがその証拠である。国民はそんなことはとうにお見通しであるのに、「民進党になっても支持率が上がらない」(今年三月末の結党時「期待せず」が六七%=共同通信社)と落胆する幹部がいたそうだが、むしろその感覚に驚く。有権者に偽装工作を見透かされるような政党は存在すべきでない、というのが正確な理由である。
理由2 国民の目線がない詐欺師集団
旧民主党時代から飽きるほど私が主張してきたことだが、とにかくこの党の体質として目くらましがうまい。政権担当時の「事業仕分け」がその好例であるが、もともと過大に予算要求しておいて、それを「ぶった切った」と声高に叫んだ。前年度予算と比較すると実は増えているのに、「朝三暮四」でも国民は分かるまいと嘲弄する驕慢な集団である。前国会でも民進党は消費税の軽減税率に反対の立場から、増税延期法案に軽減税率廃止を盛り込んだ。「給付付き税額控除」の導入にメンツをかけているようだが、すでに軽減税率は欧州でのスタンダード。国民二の次との批判を受けても仕方あるまい。野田政権は、「マニフェスト」(選挙公約)になかった消費税増税を実行した。このことで「マニフェスト」は「嘘」の代名詞となり、日本の政界において死語となった。旧民主党が「マニフェスト」を反故にしたことで、政治家の言葉に対する国民の信頼は地に落ち、同時に貴重な民主政治のインフラは無残に破壊された。日本の民主主義は二十年逆戻りしたといってもよく、これほどの重罪は他にない。しかも卑怯なことに、民進党は反省するどころか今回の参院選ではこの言葉を封印した。まさにご都合主義である。
理由3 党首に進歩なし
「惨敗した民主党議員は大企業病に侵されて慢心し、高をくくっていた。党幹部が解散の可能性高しとの見解を出したときにはすでに素人目にも解散色は濃厚だった」これは最近の選挙のことではない。二〇〇五年、実に十一年前に民主党(当時)が小泉総理(当時)による郵政民営化を問う総選挙で惨敗した際、私がある月刊誌に書いた記事である。驚くまいか、この時の代表はいまと同じ岡田克也である。この間、自由民主党の党首は、小泉、安倍、福田、麻生、谷垣、安倍と変わっているが、この時、政局判断が悪く、それが原因で選挙に負けたというのに大した反省も工夫もなくまたまんまと党首に返り咲いたのは、さすが民進(民主)というべき甘さと人材の払底を示す。民進党の新代表に蓮舫が選出されることが、ほぼ確実となった。これにより、民進党は近い将来、分裂する可能性が濃厚だ。しかし、この期に及んでなお「蓮舫頼み」であることが、いかに民進党がダメかということを示している。今回私は、旧民主党の野党転落以降の約三年分の国会(参議院)における蓮舫の質問を調べてみたが、揚げ足取りやいわれなき非難ばかりで、蓮舫がほとんど成長しておらず、生産的な質問をしていないのに驚く。
理由4 労組政党、官公労政党の本質が強まっている
今回の参議院選挙において、民進党の比例当選者は、十一名中八名が労組出身議員である。これこそまさに、「護官政党」(十一年前の郵政解散の際、当時の民主党を批判した自民党のパンフレットのキャッチフレーズ)にほかならない。現在の連合(日本労働組合総連合会)は組合加盟者の七割近くを占めるとはいえ、そもそも組合に入っている労働者は数名にひとりしかいない。第一、大企業社員は自民党を支持している。要するに連合は「連合幹部の幹部による幹部のための労組」なのだが、これにおんぶにだっこというところが情けない。安倍政権になってから総理自らが財界に対して賃上げを要請し、しかも実現したから、連合はもはやその存在意義を失っている。旧維新出身者は、いまこそ反連合の議員とともに民進党を去るべきである。さもないと、「民進は旧維新出身議員の救命ブイ」であることを自ら認めたことになろう。
理由5 猿よりも反省をしない党の体質
東日本大震災時の福島第一原子力発電所の事故の際の不手際について、相変わらず当時の菅総理や枝野官房長官は反省していないとネットで話題になっている。「事業仕分け」については猿芝居だったにもかかわらず未だにそのことを認めていないし、なぜ政権を失ったかについて反省する気風も気概もない。反省のない者には進歩なく、進歩のない者は国民を率いてはならぬ。二〇〇九年、私は鳩山政権誕生前に鳩山政権の寿命は半年から一年と予測し、まさにそのとおりとなったのだが、その際に「こうしないと政権を失う」という十の改善提案をした。
1 小選挙区支部長を選挙で決めよ
2 官公労とは手を切れ
3 「子ども手当」は廃止せよ
4 日教組とは手を切れ
5 民主党サポーターを愚弄するな
6 国会議員の社会人経験を重視せよ
7 高速道路無料化は中止せよ
8 有権者愚弄のお色気(女性)議員路線をやめよ
9 まともな財源論を行え
10 外国人地方参政権付与の方針をやめよ
・・・の十項目である。何一つ聞き入れられず、その結果、あっという間に政権を失った。あまりに当然の結果といえよう。現在の安倍政権は、ソフト面において第一次政権の数倍から十数倍パワーアップしているが、民進党が政権を得てもまた権力をオモチャにし、政治ごっこを始めるだけだ。政権をとらせてはならない政党が野党第一党であってはならない。
理由6 対案が出せない。特に経済政策がない
民進は、安保関連法案でまともな対案を出さなかった。酷いのが、経済が全く分かっていなかった旧民主党の総理経験者たち。鳩山氏は経済だけが分かっていなかったわけではなかった(すべてが分かっていなかった)ので論外だが、菅氏もマクロ経済学の基本のキである「乗数効果」が全く理解できておらず、国会答弁で立ち往生した。続く野田氏は全く経済の基礎知識がなく、財務官僚に丸め込まれて三党合意に持ち込まされ、消費税増税を決めることとなった。今回の参院選でも、民進党の言っていることは支離滅裂であって、野田政権の時には無為無策で株価八千円台(現在一万六千円台)、為替は八十円台(現在百二円)であったのに、「アベノミクスの宴は終わった」 「この三年間に経済を立て直すべきだった」(各六月二十四日、二十六日、岡田代表)と寝言を言っている。嘘に近い発言もある。枝野幹事長は「株や為替は外国の影響で良くなったり悪くなったりする。良かったときもアベノミクスの成果ではない」などと発言したが、金融政策が全く分かっていない。枝野氏には、「金利を上げると景気が回復する」(二〇〇八年十月「朝まで生テレビ!」)という趣旨の有名な経済オンチ発言がある。先日も「朝まで生テレビ!」で、社民党議員が「投資を活発にするためには消費を活発にすればいい」と意味不明の発言をしていたが、これと同レベルだ。第一、そもそも野田内閣の時の消費税率上げの合意がなければ、アベノミクスはもっと順調だったはずだ。野党第一党の民進党が存在している限り、野党側からまともな経済政策が打ち出されることはない。
理由7 過度の共産党フォビア(恐怖症)である
民進党の前原誠司氏は、地元(京都選挙区)で共産党と競合していることから共産党アレルギーが強く、いったん共産党と手を組むとシロアリの如く蚕食されるという「共産党シロアリ論」が持論である。しかし、シロアリに食われるかどうかは家の所有者の注意次第であって、端から警戒一色というのは「我々には共産党を御することはできない」「我々は政治家として未熟です」と告白しているに等しい。かつてフランスのミッテラン大統領は、反対を押し切っていったん共産党を与党としたが、利用価値がなくなるとものの見事に切って捨てた。こうした胆力も度量もないのが民進党である。
理由8 地方議会に議席が少なく有権者に根ざしていない
小選挙区制度は時の政治情勢に大きく左右され、候補者個人の資質の如何を問わず簡単に当選してしまうので議員の質が低くなったという議論がある。たしかにそのとおりだが、現在の与党(自由民主党・公明党)に比べて民進党の地方議会における地位の低さには愕然とするものがある。たとえば舛添騒動のあった東京都議会の議席は、自由民主党六十、公明党二十三、共産党十七、そして都議会民進党は十四と第四党で、小選挙区でもないのに実は共産党よりも議席が少ない。
これは一例にすぎないが、地方政治においては全く影が薄く、有権者に根ざしていない。そのくせ、とにかく国政で目立ちたい人間が多いのが民進党なのだ。
理由9 人材がいない
代表代行の長妻昭という「調査マン」には、大臣就任前にレクチャーをしたことがあるが、雑誌記者の時の性格が抜けず、私が話した内容をワープロにキーパンチングしていてまったく目を合わせない有り様だった。一体、これは改まったのか。改まらないから官僚にそっぽを向かれて、厚労大臣職がロクに務まらなかったのではないかと危惧している。そのほかにも、岡田のライバル(代表候補)だった細野豪志は「何がやりたいのか分からない」と同党の辻本清美が匙を投げたといわれている人物。前原誠司は、二〇〇五年の偽メール事件(ライブドア=当時=の堀江貴文社長が自民党幹事長の次男の口座に三千万円振り込むよう指示したと国会の党首討論で取り上げたが事実無根で、主導した民主党衆院議員がのちに自殺した事件)の責任者でありながら、未だにバッジを外すこともなく恥知らずに議員を続けている。人間性に決定的な問題があるといえよう。
理由10 民進党は近く分裂するから投じた票は結局死票になる
民進党の解党は近い。解党すれば有権者の投じた票は事実上の死票であって、あとは議員の意のままになってしまう。そんな事態は不誠実である。早期に理念をはっきりとさせた、少数精鋭の複数の党になるべきだ。もう一度いう、民進党よ、直ちに解党せよ。これが一番日本のためになるのだ。
民進党の解党後は、
1 連合組織内議員や組織内議員ではないが、原発反対などを主張する議員で構成する左派政党
2 連合と一線を画す党で原発容認、行政推進の自由主義的政党
3 他党さらには自由民主党とも連携して改憲もうかがう保守的な政党などに分裂するほかなく、またそれが一番有権者にとって分かりやすく誠実であろう。
何度でも言う。民進党よ、日本の将来のために解党せよ。  
 
「I Shall Return!」 

 

政治屋・小池百合子は希望の党惨敗でも「一発逆転」を諦めない 10/25
10月22日、日本列島には季節外れの超大型台風21号が接近、深夜から翌23日の明け方にかけて直撃するとみられていた。まさにその頃、別の“超大型台風”が永田町を直撃していた。
この日は、首相の安倍晋三が仕掛けた “電撃解散”に伴う、衆議院総選挙の投開票日。当初、東京都知事の小池百合子が立ち上げた「希望の党」が、 “台風の目”となって野党再編を起こし、自民党に迫る議席を獲得するのではないかと見られていた。ところが、選挙戦に突入するや希望の党はあっという間に失速、結果は強い暴風雨に吹き飛ばされ、死屍累々の有り様だった。
開票日に代表不在という異常事態が 異常とはおもえないほど異様な選挙
開票が始まった22日午後8時、東京プリンスタワーの地下に設置された、希望の党の開票センターには、代表である小池の姿はなかった。都知事としての公務で、フランスのパリに出張していたからだ。
総選挙の開票日に党代表が不在というのは、これまで聞いたことがない異常事態。だが、それを異常だとは感じられなくなるくらい、今回は小池という一人の“女性政治屋”がかき乱し続けた異様な選挙だったと言える。
それなりの記者が集まっていたものの、重苦しい空気が漂っていた開票センターにいた私は、会場に設置されていたテレビカメラを見ながら、10年前に防衛省で小池が起こした、ある抗争に思いを馳せていた。小池という政治家を大きく変えるきっかけとなった出来事だったからだ。
防衛省での抗争で退任 それでも「I Shall Return!」
それは、防衛省の人事をめぐり、防衛相だった小池と、“防衛省の天皇”と呼ばれていた次官の守屋武昌との間で起きた争い。小池は守屋の首を取ったものの、官邸までも巻き込む形で騒動は大きくなり、結果、小池は就任からわずか2ヵ月にして退任に追い込まれた。
その際、本人はどこ吹く風といった雰囲気で、濃密な百合の香りがあふれる議員会館の自室に多くの防衛、安全保障関係の本を積み、「I Shall Return! !」という名言(迷言)を掲げ、「防衛大臣として必ず市ヶ谷(防衛省)に戻る」という執念を隠すことなく語っていた。
しかし、その後のインタビューで小池は、「一兵卒でやると言って身を退いたら、本当に一兵卒だったわね」と、退任後の冷遇ぶりに対して愚痴をこぼしたことがある。またその頃、周囲に対して、「永田町では、女は男の10倍働かないと認められない」とも漏らしていた。
権力や要職からひとたび離れてしまうと、再びそこにたどり着くまでには長く困難な道のりが待っていること、そして女性であるがゆえの苦労を、抗争の経験を通じて身を以て知ったのだろう。
自民党総裁を目指したころから 女性初の大物政治屋に
この頃から、小池は一か八かの“奇策”に打って出るなど、大きく変わった。特に、挽回を図ろうと、女性初の自民党総裁を目指し始めてからはなおさらだ。恐らく、加齢の恐怖もあったはずだ。男は年齢と共に社会的な地位を盤石にしていくが、女の場合は逆だし、自慢の美貌も衰え始める。恐怖は往々にして人を冷徹にする。この頃から、小池も人を斬ることに躊躇がなくなるなど、冷徹な一面を見せ始めていた。
一方で、権力に対する執着を見ていると、小池はある時から「権力さえつかめば、男女に違いはない」ということを理解したのではないかとも感じる。小池の挑戦の多くは失敗に終わり、幾多の辛酸も嘗めたが、その経験を武器にアピールとプレゼンテーション技術に磨きをかけ、策謀をめぐらす女性初の“大物政治屋”となっていった。その結果、東京都知事選挙と、それに続く都議選で成功を収めたのである。
だが、今回の総選挙を振り返ってみると、小池のめぐらせた策謀は、民進党を分断させるなど混乱に次ぐ混乱を招いただけでことごとく失敗。その過程で、無謀な戦略や、強い権力志向についていけなくなった議員たちの心は、小池から離れていった。そして「排除」という配慮のない言葉を使ったことが決定打となった。
22日当日、希望の党の発足メンバーだった一人に、「今日は東京プリンスの開票センターには来ないんですか?」と尋ねると、「そんな話もあったけど行かないよ。地元の選挙事務所に決まっているでしょう。緑のおばさん?今や、誰それ?という感じだよ」と、怒りを静かに炸裂させていた。
翻弄された樽床、細野 そして民進党の前原
小池の代わりに開票センターに登場したのが、急遽、代表代行に指名された樽床伸二と、チャーターメンバーの細野豪志だった。ちなみに細野の名刺には、「代表補佐」という肩書きが当初プリントされていたが、赤い二重線が引かれており、すでに“逃亡”する位置についたのかもしれない。
背後のボードにはぱらぱらとしか緑の薔薇がつかず、樽床も細野も苦虫を噛みつぶしたような表情だった。樽床は、着席するとこわばった顔で真正面を見据え、希望の党が“台風”となって作り出した多くの混乱を、「企業に例えますと、中小企業の船出のようだった」と総括した。
だが、途中からは、あまりに増えない薔薇の数を見てあきらめの境地に達したのか、二人の硬い表情は崩れ、最後には笑顔が出始めていた。
一方、小池によって融解させられた永田町の民進党本部。テレビモニターが1台だけ設置された会見場では、代表の前原誠司が淡々とテレビの生中継に出演していた。こちらも記者はそれなりに集まってはいたが、希望の党同様にどんよりとした空気が漂っていた。
この日は、前原が代表になって52日目。時計の針が日付を超え、53日目となった時に、記者会見が始まった。
「政治は結果が全て。今回の結果は非常に厳しく、真摯に受け止めたい」と総括し、「希望の党を中心に大きなかたまりを作るということはいったん見直さなくてはいけない」と、民進党全体での合流断念を表明。再来年の統一地方選挙、参議院選挙に向けて方向性を向けて考えていくと述べ、一定の期間後に出処進退を明らかにすると話した。
そしてその日の未明、ついに台風が上陸。小池、そして前原も、まるで台風の暴風雨に吹き飛ばされたかのようだった。
解散直後に逆風が吹き、大きく議席を失うとまで言われていた自民党は、単独過半数を超える284議席を獲得。公明党と合わせて313議席と、憲法改正に道を開く3分の2の議席を押さえた。
一方、野党でも希望の党が50議席で惨敗したのとは対照的に、前原と袂を分かった枝野幸男が代表を務める立憲民主党が55議席を獲得して野党第一党に躍り出た。
安倍が憲法改正に乗り出したとき 小池は最後の賭けに出るのではないか
こうして幕を閉じた総選挙。安倍の悲願である憲法改正に道が開けたものの、法案を確実に成立させるためには、野党との協力も必要になってくる。
恐らくその時、小池は最後の賭けに出るのではないか。“反安倍”勢力と手を組み、自民党を内側から崩すなど、今回は惨敗したとはいえ使える “手”はまだたくさんある。
そもそも、男より10倍も20倍も働いて、苦労の末に手に入れた都知事の座や、苦心して作った希望の代表の椅子も、小池は手放さないだろう。選挙結果を受けて、パリで受けたインタビューでも、惨敗に関する自らの責任に言及したものの、その責任の一環として「代表の続投」を明言しているほどだ。
「I Shall Return!」
小池は今、遠い異国の土地でこの言葉をつぶやいているのではないか。そんな気がしてならない。  
 
「アウフヘーベン」

 

小池百合子の惨敗に学ぶ、日本人に蔓延する「対話なき排除」
「アウフヘーベン」はかけ声倒れに終わった
衆院選の結果が確定したが、驚いている人は少ないと思う。大方の予想通りで、与党の圧勝だった。
今回、最も話題に上ったのは、民進党の希望の党への合流と、非合流組の立憲民主党結成だ。結果は知っての通り、野党の中では立憲民主の一人勝ちになった。
希望の党が当初かなり注目を集めたにもかかわらず、失速したのは小池百合子代表の「排除」発言がきっかけだったことも、多く指摘されている。
筆者も、その責任は小池氏と民進党代表の前原誠司氏にあると考えている。彼らはともに、合流・受け入れを「迎合」ではなく「アウフヘーベン」だと話した。
アウフヘーベンは哲学用語で、邦訳では「止揚」や「揚棄」と呼ばれる。ドイツの哲学者ヘーゲルが概念化した弁証法と呼ばれる思考形式の一現象である。簡単にいえば、ある命題Aとそれを否定する命題非Aが同時に存在すると、矛盾と否定が生じるが、それを乗り越えて、新しい第3の命題を創り、矛盾を乗り越えるという論理形式だ。この「矛盾を乗り越えること」をアウフヘーベンという。
小池、前原両代表は、希望と民進は互いに相容れない命題(政治理念、政策)を持っているが、それらを乗り越える、という意味でアウフヘーベンという表現を使ったと筆者は解釈している。
だが、実際に起こったことはアウフヘーベンとは程遠いことだった。小池氏は、希望の党の政治理念に賛同できないリベラルを「排除」すると発言した。これがきっかけで、民進党の「左派」は立憲民主党を立ち上げ、希望の党に合流した民進党の候補者には不満が広がった。
結局、旧民進の候補者も、希望の候補者も、共倒れといっていい結果になった。
もしこれが、本当にアウフヘーベンを目指し、その結果としての政治理念や政策を打ち出していたなら、今回のような結果にはならなかっただろう。
希望の党失速の原因はコミュニケーション不足
もともと弁証法(英:dialectic、独:Dialektik)とは、ギリシャ語の対話術(dialektikē technē)からきた言葉だ。つまり、弁証法の基本は対話と問答である。にもかかわらず、小池氏はロクに対話もしないで、いきなり「排除」「弁別」したのだ。対話と問答なくして、矛盾を乗り越えた、新しい案など出るわけがない。これでは世間から「アウフヘーベンとはただの方便だった」と解釈されても仕方ないだろう。
民進党候補が合流したのは、希望人気に乗るため、希望が合流を受諾したのは、候補者の頭数を揃えるため、または民進党の選挙資金をあてにするため、と理解されるのは当然だ。かくして希望の党全体に対する不信が増大していった。
逆に、人気に乗るか、政治理念を貫くかの選択を迫られ、最終的に後者をとった立憲民主党の候補者たちは、反自民層を中心にその骨太さが評価されたのだと思う。
こうやって見ると、希望の党が失速した原因は民進とのコミュニケーション不足だ。お互いの理念の矛盾を越えて、新しい理念を提出してこそ、合流には意味があっただろう。だが実際に起こったことは、迎合か排除かだった。コミュニケーションなど、かけらもなかったと思われても仕方のないことだった。
だが筆者には、実はこのことは、日本社会で多く起こっているように感じている。会社組織に馴染めないやつを排除する、クラスに馴染めないやつをイジメの対象にする。あるいは、ちょっと居心地が悪いと、すぐに仕事やアルバイトをやめて「離脱」する。為すべきコミュニケーションを取らないまま、他者を排除するのも、自分から離れるのも、上記と同じことのように思うのだ。
以前からこのコラムで書いている通り、日本人は基本的にコミュニケーションが苦手だ。
バブル以前、まだ終身雇用や年功序列が一般的だった頃は、職場の人の入れ替わりは現在ほど頻繁ではなく、社会の流動性は低かった。そしてその時代は、一旦組織に属したら、いやでもコミュニケーションを取らなくてはならない状況が多かった。
現在では、環境が自分にはそぐわないかもしれないと感じた時、もっとコミュケーションを取って相互理解しようと「自主的に」思わないと、それができないようになっている。自主的コミュニケーションを面倒くさいと思う人は、コミュニケーションを取るよりも、早々に離脱するほうを選ぶ。
対話なくして居場所を変える「日本型流動性」の危うさ
日本で雇用をはじめ、家庭を持つこと、友人関係を持つことなど、組織や特定の人間関係に属することについて、流動性が高まったのは、悪いことだとは思わない。ただし、その流動性は大きく分けると2種類に分かれる。
ひとつは、より良い関係を探すための流動性だ。こういう動機を持つ人々は、新しい場所で、他者や新しい環境に積極的にコミットして関係性を築こうとする。
もう一つは、嫌なことを避けるための流動性だ。この動機を持つ人々は、新しい場所で「ここは自分に合うのだろうか」とコミュニケーションも取らずに不安がる。
職場選びやパートナー探しでは、自分と職場の相手、自分とパートナーの間には、必ず相容れない考え方が存在する。アウフヘーベンとは、それでもお互いにコミュニケーションをとり、迎合でも服従でも離脱でも排除でもなく、お互いに合意のできる新しい考えや関係の在り方を探る作業だ。
そういったコミュニケーションを行わないで、「この職場は自分には合わない」「このパートナーとは理解し合えない」と結論づけて、離脱・排除しても、その後よりよい関係を見つけられる可能性は低いと思う。
以上の分類はずいぶん乱暴にカリカチュアしたものだが、それほど的外れではないように感じている。そして残念ながら、いまの日本では圧倒的に「コミュニケーションを取らないまま、嫌なことから逃げる人」が多いのだと筆者には思える。そういう人々は、何度も離脱を繰り返すが、より良い関係へとステップアップしにくい。
選挙では、アウフヘーベンを標榜しておきながら、対話せず、排除と離脱を行うという、典型的な日本型流動性が見受けられた。その結果どうなるかがわかった今、私たちにとっても自分を見つめなおす良い機会なのではないだろうか。