叱られたい願望

叱られたい 
叱ってほしい
怒られたい

叱られ方
叱られ上手

上手な叱り方
 


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叱られ上手な部下になる伸びる人は「叱られ上手」デキる部下ほど叱られ上手叱られるのは期待されている証し叱られ上手は最高のスキル新入社員のみなさん叱られ上手になろう怒られても凹まなくなる上司からの上手な叱られ方・・・
部下の上手な叱り方部下の上手な叱り方2叱り上手になるためのポイント部下を伸ばす叱り方・・・部下を叱る方法・・・
 
 
 

 

●「叱られたい願望」ありますか? 
●Yes! 25%
あります。誉めて伸ばすのも結構ですがある程度叱られないと精神的に弱くなってしまうからです。叱られ方としては理由がわかるように長くならずビシッと叱ってほしいですね。アンジュさんに叱られてみたいです
間違ったことを的確に指摘して、さらっとしかられたいです。
毒蝮三太夫に叱られたい、そして最後に長生きしろよと言われたい
やっぱり年下の女性からの、クスッと笑顔で「もぉ、バカねぇ」がいいです。
厳しさの中に、優しさをもって叱られたいです。『君には期待しているんだから…。』なんて事を言われたらたまりません。大人になって叱られる事のありがたさを感じます。ただ、嫌みたっぷりの叱り方はいりません。
叱られるのは嫌いですが、上司が優しすぎて申し訳ない気持ちになるので、遠慮なく叱ってほしいです!
ちょっとあります。スラッとした美人でメガネをかけた女性になら叱られたいです。で、叱られたあとに「しょうがないなぁ〜」とか言ってもらえたらたまらないですね!
上司に自分が向上出来るように叱ってほしい。
姫ちゃんにだったら叱られたい。  そしたら最後に「バ・カ・ヤ・ロ」って返すんだ♪  
叱ってくれる人も、私も、涙を流しながら・・・
カリコに「あんたバカじゃないの!」とか言われてみたい(笑)
愛情を持って、お前だからこそ、という形で1対1で指導されたい。
常に喝を入れてほしい。  
怒られたいと言うと変態チックだけれど、他人から意見やアドバイスが欲しいです。  歳を取ると言ってもらえなくなるので(^^ゞ
なるべくなら綺麗なスラッとした女性にゆったりと叱られたいです。早口でまくしたてるのではなく、ゆったりと一つずつの論点をじっくりとチクチクと叱られたいです。
怒鳴られるのは好きではないのですが、間違っているときに間違ってる、と言って欲しいです!  何も言われないのが一番怖いですね…
自分の中で意思が固まらずモヤモヤしてる時、具体的な方向性を参考に加えて叱っていただけるとありがたいです!
アメとムチ:女上司に厳しーくこってり絞られた後、飲みに行こ?な感じ。
入社当時は確かにありました。  悪いところは直したい。  そういう気持ちがあったので。  
私、叱られるのは嫌いです! と言いたいところですが、  正直、大好きな先輩に怒られるのはキュンキュします!  自分と先輩だけの空間を満喫してます(笑) 反省も忘れずに!
なんだか、しっかり見てくれてるなって、気がします。
未来の自分から…  けっこうキツいこと言われそうです。
スーツスタイルの女性上司に仕事の失敗をクドクドと…
どんな叱り方でもいいから、最後には缶コーヒーを買ってくれるような終わり方。
新入社員の頃に叱ってくれた課長。とっても怖かった。けど、育成の愛情は感じられた。異動後はそんな上司には他に出会えなかった。
厳しくそして正解を導くようにしてほしい
基本的にはやさしく見守っていて欲しいのですが、時には「コラ、そうじゃないだろ?」とやさしく言ってほしいですね。俺に任せろ的な部分は、やっぱり惚れます。
自分のダメな所をビシッと言われたい。  今の自分って本当に大丈夫って不安になるけど、叱られる事で自分がより成長できると思う
自分は、ケッコーだらしない性格の為、注意してもらわないとダメです。  いつも、妻には怒られっぱなしです。
会社の平均年齢の上を行く今日この頃…  叱られなくなりました…
甘い考えの多い自分なので、的確に、良いほうへ向くように、叱られたい、と言うのはあります。現実は自分にとって理不尽な叱られ方ばかりですが、、、
女性のインテリっぽい上司に会議室で怒られたい
カワイイ彼女つくって、ちょっと彼女にいたずらしたときなどに「めっ!」ってバカップルみたいな感じで叱られたいです。  そろそろ独り身が淋しいお年頃なので。。。
係長になってから、叱られることがなくなりました。振り返ってみても、厳しく叱られたことは経験が少なく、部下に対して、上手く叱る自信がありません。  部下の成長もためにも、上手な叱り方を、習得したいです。  そのためには、私が叱られる必要があると思います。
一人で残業してる時に上司から、「少しは頼れ、ばかやろ(コツン)」って叱られたい。
●No! 75%
家で奥様にいつも叱られているので可能であれば叱られたくないです(涙)
ほめられ おだてられ 伸びるタイプなので。できるだけ叱らないで。
もうこの年になって叱られたくありません…。
私は誉め(おだて)られて伸びる人間です。この歳になってもそう信じてます。
そんなものありません。毎日めっちゃ怒られてますから。
叱られたくはないけれど、叱られてる内が花だとは思います。叱るのって疲れるし、それでも叱ってもらえるのは期待の裏返し。見捨てられる方が、よっぽど怖いです。  でもできれば叱られるより褒められる方が良いですよね。
他の人が叱られているのを見るだけで胃が痛くなる・・・
ありません(ToT)  叱られないようにかなり気を使いながら生活してます。
会社では上司から叱られ、家では妻から叱られ…ほめられたい!涙
職場でキツめのお姉さまにガンガン叱られてるのでもう結構です。叱られなきゃ伸びないことはわかってるんですが…。
若くはないので、以前よりも叱られることは少なくなったのですが、昨日趣味の乗馬中に先輩会員から「騎乗中にしんどいって言うとは、向上心がない」って、叱られました。まだまだ周りから遠慮される存在にはなっていないと、ある意味ホッとしました。
叱られたくはありませんが、年々しかってくれる人が少なくなってます。自分のやり方、判断が正しいのかどうか、正直不安にも感じます。
可能ならば叱られずに過ごしたいです
部活で怒鳴られっぱなしなので、、、(泣)  自分に期待してると思って頑張ってます(笑)
もう、いいです。。怒られてばっかなので、余分に怒られたい願望は、、ないです(笑)
この歳になると打たれ弱くなり、とても復活できません、、、
最近ようやくこの歳になってぐっと堪えられるようになりましたが、まだまだ精神年齢が子供なので叱られるとイラッてきます。自分のためを思っていると分かりつつも忙しいときとか厳しく指摘されるとイライラしてしまう自分が情けないです。
あるわけない。
もし自分が叱る立場になったら、大場部長のように、部下を信じ、思いやっているからこその叱り方をしたいとは思いますが、自分が叱られる立場になるのは、いつどんな場合でもやっぱり嫌です。
必要以上に叱られたくないっす。その逆に褒められるのも苦手っす。  ただ「おつかれさま」と「ありがとう」の言葉があれば十分です。
逆に、褒められて褒められて、褒め殺しにあってみたいです!
いくつになってもほめられたいですね。
もう叱られたくはないですね。「子供の時に散々怒られましたから、もう沢山です。」とあの世の親父殿に言いたいです。
願望はありません!  でも、叱られた方が成長する気がします。
叱られると 拗ねてしまい、余計に悪い方向へ向かうと思うので、叱られたくないです。  でも、割合的には『褒めて、褒めて、注意して、褒めて』と、優しく注意を挟んでもらえると、頑張れるかも。
どっちかというと叱る方です。叱るのは大変・・・。
昔は親に叱られると「うるせー」と口答えしたものですが、50歳を超えた今、亡くなった母親に「しっかりしなさい!」とカツを入れてほしいと思うときはあります。 
 
 

 

●叱られたい心理 
落ち込んで気分が滅入っているのに、嫌な思いをするのはわかっていても「叱られたい」と望む心理があります。矛盾するように思われる「叱られたい願望」は、どのように生じるのでしょうか。いくつかの心理的背景を紹介します。
一つは、自分を否定的に感じている感情と、外の世界で起きていることを一致させようとする働きからくるものです。自己否定を減らしていけると、叱られることを望まなくなるでしょう。
一つは、落ち込んだ原因に関連する感じたくない感情を回避するため、叱られることで別の問題を作り、心を守ろうとするものです。感じるのを避けていた核心の感情と向き合っていくことで、余計な問題を作らなくて済むようになるでしょう。
一つは、叱られることと愛情表現を結びつけていて、叱られることを愛情の代替品にしているものです。求めていたのは愛情だと気づけたら、叱られるのとは違う方法も選択していけるでしょう。
   「叱られたい心理」について
私は気分に波があり、調子が良い時と落ち込んでしんどい時の差が激しいです。それでこれは落ち込んだ時のことですが、何故か誰かに叱られたくなるのです。自分でその気持ちに気付いた時、「私って変?変な性癖を持っているの?」と思ったのですが、どうもそんな感じでもなく、実際に叱られたら凹むだろうし、悲しくなってしまうと思います。それなのに叱られたくなるというのは、どういう心理なのでしょうか?
   
落ち込んだ時に「叱られたい」と望むのには、いくつかの心理的な背景が考えられます。
自己否定が否定を求めている
失敗や失恋など、落ち込む原因を「なぜこうなったのだろう?」と考えた時に、「自分が悪かったから。」と納得する傾向を持つ方がいます。中には、どんな些細なことでも「自分のせいではないか?」と気にしやすい方もいます。
このタイプの方は、常に自分を否定していることが当たり前になっていて、人から褒められてもピンとこず、人から叱られると「ほら、やっぱり」と感じやすいようです。
叱られるのは嬉しくないし傷つくのですが、心のどこかに「それが自分にふさわしい」と誤解している状態があると、不自然かもしれませんが、叱られることがしっくりくるし、叱られることで落ち着く場合があります。
私達には感情と現実を一致させたい欲求があるので、自分が自分を否定していると、自分を否定する気持ちを感じる出来事を求めやすくなります。そのひとつが「叱られたい願望」として現れることがあります。
このタイプの方が叱られたい願望をなくしていくには、自分を否定する気持ちを減らすために、「自分のいいところやできていることに目を向ける」とか「自分を否定している部分を異なる視点から再評価する」などに取り組んでみるといいでしょう。
また、積極的にひどい感情を感じようと「叱られたい」と望む場合は、「落ち込むとはこんなもの」という自分なりの基準があって「そこまでいかないと落ち込んだ気がしない」、「心に痛みの感覚がないと落ち着かない」などと、ひどい感情になるための材料を収集することが癖になっている状態かもしれません。
これは、心理的に自己否定が非常に強い場合に起こりやすいようです。心に強い痛みの刺激を感じることで、感情や自分の存在を確認しているようなものでしょうか。相当しんどいやり方ではないかと思います。
あまりにも自己否定が強い場合には、自分に「あなたは悪くないよ。」と言ってみるとか、少しだけ自分に優しくするのを許すとか、頑なな自己否定をゆるめるところからはじめてみてはいかがでしょう。ひどい感情から抜け出す時間ができてきたら、以前よりも自分を認めやすくなっていくでしょう。
感じたくない感情から心を守っている
落ち込む原因となった事柄に関連して、どうしても感じたくない感情がある場合、私達は「イカリ」や「別の痛み」を使って核心の感情を避けようとすることがあります。
例えば、取り返しのつかないことをした罪悪感や、切望するものが手に入らない悲しさ、あきらめるしかないやりきれない想い、情けなさや不甲斐なさ、自分をひどく責める気持ちなど、感じるのが辛すぎる気持ちがあると、その気持ちを感じなくて済むように心を守ろうとする働きがあります。
感じたくない感情と向き合わなくて済むように、誰かに対してイカリを感じたり、別の出来事で心を悩ませたりして、問題をすり替えることがあるようです。
もし、叱られることで紛らわせている気持ちがあるのだとしたら、叱られる苦痛以上の苦痛を心に抱えているのかもしれません。核心にある感情を避けるためには、叱られることが必要になっているのかもしれません。
「感じたくない気持ち」に何となく心当たりがあるのならば、勇気をもってその感情と向き合ってみると「叱られたい願望」を変えていけるのかもしれません。ただ、その感じたくない気持ちは、叱られる苦痛を背負ってまで避けたかったものでしょう。一人で向き合おうとせずに、カウンセラーなどに立ち会ってもらうといいかと思います。
愛情の代替品にしている
叱ることが愛情表現になっていた人が身近にいないでしょうか。
例えば、まったく子供を褒めない父親がいたとします。子供は父親に愛されていると感じたいので、父親が自分を叱ることの中に「自分を気にかけてくれている」「自分を励ましてくれている」といった愛情を感じ取ろうとします。その結果、大人になっても叱られることと愛されることを結びつけて理解しようとする癖をもつことがあるようです。
「叱られるうちが花」といった言葉があるように、叱られることをポジティブに理解しようとする考え方もあって、確かに愛情のこもったお叱りというのも実在します。
叱られることと愛情を結びつけて理解しているとすると、「落ち込んだ時に叱られたい」のは、「落ち込んだ時に自分に愛情を向けてほしい」願望と言い換えることができます。落ち込んでいる時に誰かの愛情を求めるのは自然なことではないでしょうか。
叱られることで愛情を感じようとしていたことに気がつけば、別の方法で愛情を感じる選択肢をもつこともできるでしょう。
なお、叱られると嫌な思いもするけれど、同時に自分を奮い立たせる気持ちが湧いて成功した経験をもっていると、成功には叱られることが必須と結びつけることもあるようです。 
 
 

 

●叱られたい人々 
地震・雷・火事・おやじ…昔から「怖いもの」の代表として、語り継がれてきた言葉です。天災や火事とおやじが同列に並ぶなんて、と思いますが、たしかにかつては、怒ると「雷が落ちた」と形容されるほど怖いおやじをあちこちで見かけたものでした。いまではそんな人には滅多にお目にかかれませんが、そのせいかどうか、最近「叱られたい」願望を持つ若い人が増えているといいます。
叱られたがる若者たち
親や家族、近所のおじさんやおばさん、学校の先生、部活のコーチ、会社の上司や先輩…かつて、人は一人前になるまでの過程で、多くの人に叱られて育ったものでした。叱り・叱られる関係は、ごく日常的な風景。それだけに、わざわざ好き好んで「叱られたい」と思う人は、あまりいなかったと言ってよいでしょう。ところがここに来て、これまでの常識をひっくり返すように、「叱られたい」願望を持つ若い人が増えているというのです。
ネット上のブックストアで「叱る」「叱られる」をキーワードに検索すれば、関連本に続々とヒット。テレビ番組でも、しばしばそのテーマが取り上げられます。アイドルに怒られ続ける動画の再生回数は120万回を突破し、夜の街ではママが客を叱りつける店が大繁盛し、企業では上手な叱られ方を学ぶ研修もあるとか。中には、1時間千円を支払って"おっさんレンタル"を利用し、人生経験豊富な中年男性に叱ってもらうことで安心する人もいるようです。
不安の裏返し?
NHKが「叱られる」ことについて尋ねたアンケート(10代から30代の200人以上が回答)では、「周囲に叱ってくれる人はいますか」という質問に対して、半数を超える人が「いない」と答え、さらに、およそ4割の人が「叱られたい、叱ってくれる人がほしい」と考えていることがわかりました。
なぜ、そんなに「叱られたい」のでしょう? 同番組の街頭インタビューでは、「叱られないと成長できないと思う」「叱ってくれないと、自分のことを本当に考えてくれているのか不安になる」といった声が聞かれました。
「叱られたい」という人の多くはソーシャルネットワークでたくさんの人とつながっていて、友人にも恵まれているように見えます。でも、自分が弱気になった時や友人に叱ってほしいような時、「いいね!」という共感ばかりが返ってきて、リアルな感覚がないままに応援されても逆に不安になるのだとか。会社でもプライベートでも、自分を叱ってくれる人がいないという中で、叱ってもらうことが、自己確認のひとつの手段になっているのかもしれません。
「叱る」と「怒る」
とはいえ、ただ叱ればよいというものでもなさそうです。若者たちが求めているのは「怒り」ではなく「叱り」。では、「叱る」と「怒る」はどう違うのでしょう?
コミュニケーションや育児の世界では、「怒る」と「叱る」は使い分けられているようです。それによると、自分が腹を立てたことを相手にぶつける動作は「怒る」であり、相手に成長・改善の気づきや機会を与えるのが「叱る」。
叱り方にもコツがあるといいます。叱る関連本の中のベストセラー、『叱られる力』(阿川佐和子著/文春新書)によれば、その極意は「借りてきた猫」で、
   か・・・感情的にならない
   り・・・理由を話す
   て・・・手短に
   き・・・キャラクター(人格や性格)に触れない
   た・・・他人と比べない
   ね・・・根に持たない
   こ・・・個別に叱る
というもの。人を「叱る」には叱る側の覚悟も必要で、そのあたりが、ただ感情をぶつけて「怒る」との違いなのでしょう。
同書には、「社会のルールを教えようと見知らぬ若者を叱ると、"それがきっかけで事件につながるケースもあるから、どうぞやめてください"とやんわり警察に諭された」という笑い話のような実話も載っています。多少の不都合があっても、見て見ぬふりをしてやり過ごす方が生きやすいとされる現代社会。「叱られたい」若者たちは、こうした社会の空気を感じ取り、何かを訴えているのかもしれません。
「ほめる」と「叱る」
先日の新聞には、大人を対象に行った「こんな言葉でほめられたい」というアンケート調査の結果が掲載されていました。子どもに対して「ほめて伸ばす」のは、いまや子育ての常識とされていますが、ほめられれば嬉しいのは大人も同じ。「1位:頭がいい、2位:思いやりがある、3位:笑顔がいい…」と続き、ほめることによって社会に好循環が生まれると書かれています。そして、「ほめる技術の8割は観察力、2割が表現力」といった解説も。「肝心なのは、相手に関心を持ち注目していると伝えること」なのだそうです。
そう考えていくと、「ほめられたい」も、「叱られたい」も、おそらく、その根っこは同じなのではないでしょうか。「愛の反対は憎しみではなく、無関心」という言葉もありますが、人間関係の希薄になったこの社会で、深く人と関わり合い実感のある人間関係を持ちたいという気持ちが、「ほめられたい」「叱られたい」願望となっているような気もします。
つながっている人の数は多くなったのに、逆に個々の関係性は希薄になっているネットワーク社会。そんな現代社会の中で、私たちは実感のもてる人間関係をどう築いていけばよいのでしょう?
「叱る」ことが目的ではなく、叱ってあげられるほど相手を注視し、相手のことを思った上で叱ることができるか――大人に問われているのは、そんな覚悟なのかもしれません。  
 
 

 

●男女の怒られたい心理 
「怒られる」と聞くとネガティブなイメージを持つ人が多いでしょう。しかし、中には怒られたいと思っている人がいます。今回は、男女別に怒られたい人の心理を紹介します。怒られたい人を上手に叱る方法もレクチャーするので、ぜひ参考にしてみてください。
●怒られたい女性の心理?
1 構ってほしい
女性の中には、怒られることで相手に構ってほしいと思っている人がいます。楽しく会話をするよりも、怒ってもらう方がさらに構ってもらえている実感が沸きます。特に寂しがりやの女性ほど、「好きな人に怒ってほしい(=構ってほしい)」と思っている人が多いです。ただし、寂しくて構ってほしいと思っている女性に対して、怒鳴ったり本気で怒ったりするのはNGです。逆ギレされたり機嫌を悪くしてしまったりするので気を付けましょう。
2 自分に注目してほしい
怒られることで自分に注目してほしいと思っている女性もいます。怒られている間は、相手は確実に自分にだけ注目してくれます。独占欲の一種から「叱られたい」「罵られたい」と思っている女性は多いです。さらに、独占欲だけではなく自己顕示欲が強い女性も、怒られたい・罵られたい願望が強い傾向にあります。たとえ怒られるというマイナスな出来事であっても、注目されることで自己顕示欲が満たされ、喜ぶ女性もいます。
3 気にかけてくれている実感がほしい
女性の中には怒られることで、気にかけてもらえていると実感する人もいます。「さらに良くなってほしい」「こうしてくれたらもっと嬉しい」と期待されている、と感じるからです。また、怒られるのは相手との信頼関係が築けているともいえるでしょう。怒られることで「私はこの人に期待されているんだ」「気にかけてもらえているんだ」と実感できます。気にかけてくれていることが分かるので、何も言われないよりは怒られたいという女性も多いでしょう。
4 自分のダメなところが知りたい
向上心のある女性には、怒られることで自分のダメなところを把握したいと思っている人もいます。向上心がある人は、自分のどこを直せばいいのか分からないとモヤモヤしてしまう傾向があります。優しい人に囲まれて怒られない環境にいると、不満を感じることもあるでしょう。叱られることで自分では気づけない改善点を見つけられます。「もっと自分を良くしたい!」と思っている女性ほど、欠点を指摘してくれる人を求めています。
●怒られたい男性の心理?
1 自分の存在を認めてほしい
男性の中には、「怒られる=自分のことを認めてくれている」と思う人がいます。「怒る」行為は相手のことを認めて期待しているからこそできる行為です。どうでもいいと思っている人には怒ることもしないでしょう。そのため、怒られることで自分は相手に認められているという安心感を抱きます。たとえマイナスの内容であったとしても、怒られることで承認欲求が満たされる人もいるでしょう。褒められるのと同じように叱られたいと思っている男性は多いです。承認欲求が強い人への対処法を下記の記事で紹介しています。認められたいと思っている男性に対し、どのように怒るか考えるときの参考にしてみてください。
2 ストレスを発散したい
怒られることで、普段のストレスを発散したいと思っている男性も多いです。怒られたい男性には先生や役職に就く会社員など、どちらかというと周囲を叱る立場の人が多い傾向があります。仕事では怒る機会が多いため、プライベートで怒られることで仕事とは違う自分になれるため、ストレス解消に繋がります。また、このタイプの男性にはプライドが高い人が多いですが、ストレスが溜まって疲れたときには彼女に弱音を吐きたくなるものです。そんな時に怒ってくれたら、心を開いて弱音や愚痴を彼女に言いやすくなるでしょう。
3 相手の時間を独り占めしたい
怒られたい男性の中には、相手の時間を独り占めしたいと思っている人もいます。特に好きな人に対して、このように独占欲や願望を抱いている男性は多いです。怒られている間、相手は自分のために時間を使ってくれています。さらに、その間は自分のことだけを見てくれています。自分に時間を使ってくれていることで満足するので、特に内容は気にしていない場合が多いです。
4 怒られることが好き
単純に怒られることが好きな男性もいます。そのシチュエーションが好きなので、内容はあまり気にせず、怒られることで満足する傾向があります。このような心理を持つ男性は、特にクールな雰囲気があるキリっとした女性に「叱られたい」「罵られたい」という願望を持っている人が多いです。
●怒られたい女性への上手な怒り方
1 感情的にならないように怒る
女性へ怒るときは、感情的にならずに怒りましょう。感情的に怒ると、相手を怖がらせたり嫌な思いをさせたりしてしまいます。また、ダメなところを教えてもらおうと前向きな女性に対して感情的に怒ると、逆に相手のやる気や自信を無くしてしまう可能性もあります。感情的になって一方的に話すのではなく、大人らしく冷静に話すよう心掛けましょう。また、相手の話も聞きながら怒るように意識してみてください。相手がどんな感情を抱いてどう思っているかを聞きながら怒るのが、女性への上手な叱り方です。
2 良いところも伝えながら怒る
女性を怒るときは、良いところも伝えてフォローを忘れないようにしましょう。たとえ怒られてネガティブな気持ちになったとしても、その後に褒められると自信が持てます。また、怒るときはなるべく否定的な言葉を多用しないように意識してみてください。「〇〇しないとダメ」ではなく「〇〇が必要だと思うよ」と、肯定的な叱り方で怒るのがポイントです。
3 他の人と比べずに怒る
女性に対しては、「〇〇さんはできるのに何で?」と他人と比べずに怒りましょう。怒られたいと思っている女性でも、人と比べられると自分のことを否定されていると思い嫌な気持ちになります。特に彼女に怒るときには、他の女性と比べると喧嘩の原因になるのでおすすめしません。また、「女なんだから」と女性らしさを求めて怒るのも止めましょう。人によっては不快な思いを与えてしまうので注意してください。
●怒られたい男性への上手な怒り方
1 目的を見極めて怒る
怒られたい男性を叱るときには、まずは相手の目的を見極めることが大切です。「寂しいから構ってもらいたい」や「改善点を指摘してほしい」など、男性が何を求めているのか本心を探ってみましょう。何を求められているのかを把握しないと、どう怒っていいのかが分かりません。全く検討違いの叱り方をしてしまうと、相手との関係を悪化させる原因にもなるので気を付けましょう。
2 同等の立場で怒る
男性のことを貶したりバカにしたりするような言い方をするのではなく、同等の立場で怒るようにしましょう。怒られたいと思っている男性でも、上から目線で叱られるとあまり良い気はしません。怒られること自体が好きな場合は例外ですが、男性には自信家でプライドが高い人が多い傾向があります。そのため、上から目線で叱られたり否定されたりすると逆に相手を怒らせる原因になります。上から目線で言う話し方を直す方法を、こちらの記事で紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
3 相手のことを考えて怒る
怒るときには、しっかりと相手の状況を考えた上で怒っていることが伝わるよう意識してみてください。例えば「少し検討してみて思ったんだけど」や「よく考えてみたら」と付け加えると、男性も嬉しくなります。その場で感情的に怒らず、「ちゃんと考え、あなたのことを思って話している」と伝えるように心掛けてみてください。そうすれば、相手もより話に耳を傾けてくれるでしょう。
●怒られたい男女への上手な怒り方を身につけよう!
「怒られる」と聞くとネガティブなイメージがあります。しかし、自分の存在を認められたい、寂しいから好きな人に構ってほしいなどの理由から、怒られたいと思っている男女はたくさんいます。ただし、怒られたい男女への叱り方にもいくつかポイントがあり、意味もなく怒ってはいけません。相手との関係を悪化させる原因にもなるので、上手な怒り方を身につけてみましょう。 
  
 

 

●女性に叱られたい・怒られたい 男の心理 
男性の中には、女性にあえて叱られたいという性格の人がいます。今回は、女性や先生に叱られたい男性や怒られたい男性の心理をご紹介します!また本当は怒られたくないとしても女性のツンデレが好きな男性や、好きな人に怒られたい男性への叱り方のコツなども解説していきます。
●女性に叱られたい&怒られたい男の心理
1 寂しくて構ってほしい
女性に叱られたい&怒られたい男の心理の1つ目は、寂しくて構ってほしいということです。寂しさを紛らわせる手段として女性や先生に構ってほしいのですが、楽しく会話をするよりも自分に向けて「叱り」というネガティブな感情を向けてもらえた方が、より「構ってもらえている」という実感が湧きます。
2 自分に注目をしてほしい
女性に叱られたい&怒られたい男の心理の2つ目は、自分に注目をしてほしいとうことです。自己顕示欲が強く、人から注目をされることで自分の心が満たされます。女性や先生などに叱られるということは、その瞬間は確実に自分に注目してもらえているということになりますので、気持ちいいのです。
3 自分に対する評価がほしい
女性に叱られたい&怒られたい男の心理の3つ目は、自分に対する評価がほしいということです。例え叱られるという形でのマイナスの評価でも構いませんので、自分の存在価値や業務内容に対するレスポンスがほしいと思っています。自分の価値を自分で決めるのが苦手なタイプだと言えるでしょう。
4 相手の時間を独り占めにしたい
女性に叱られたい&怒られたい男の心理の4つ目は、相手の時間を独り占めにしたいということです。恋愛感情に限らず相手に好意を持っていて、その相手の時間を叱られるという形で自分だけに向けてほしいと思っています。叱られている間だけは、少なくとも自分のことだけを考えてくれていると思えるのです。
5 愛されている実感が湧く
女性に叱られたい&怒られたい男の心理の5つ目は、愛されている実感が湧くということです。叱るというのはつまり「相手のもっと良くなってほしい」という気持ちの表れです。叱られているということ自体で、自分が相手にとって「期待をしている存在」であると変換されます。
6 叱られること自体が好き
女性に叱られたい&怒られたい男の心理の6つ目は、叱られること自体が好きだということです。元々Mっ気があり、女性に上から叱られること自体に興奮ができます。シチュエーションそのものに好感を抱いているので、叱られている内容はそこまで重要ではありません。
7 叱っている女性が好き
女性に叱られたい&怒られたい男の心理の7つ目は、叱っている女性が好きだということです。女性の怒っている顔や声色をセクシーだと感じたり、感情を顕わにしている女性を見て美しいと感じます。フェチズムの一貫としての側面が強いと言えるでしょう。
8 ネガティブな自分を肯定したい
女性に叱られたい&怒られたい男の心理の8つ目は、ネガティブな自分を肯定したいということです。元々「自分はダメな奴だ」と感じていて、叱られることで「ほら、やっぱり」と思えて安心するのです。子供の頃からあまり親に褒めてもらえなかったタイプの男性に多い傾向があります。
9 自傷行為の一貫
女性に叱られたい&怒られたい男の心理の9つ目は、自傷行為の一貫です。例えばカサブタを剥がす行為のように「痛いけれどついやってしまう」「痛いけれどスッキリする」ということがありますよね。あえて叱られることで心に多少のキズを付け、それを以てカタルシスを感じているのです。
10 叱られることで許されたい
女性に叱られたい&怒られたい男の心理の10つ目は、叱られることで許されたいということです。自分が悪いことをした、悪い生き方をしていると思っています。なので叱られることを通して贖罪を受けている感覚になり、自分の気が楽になるのです。悪いことをしたら、叱ってもらえた方がスッキリするということです。
●女性に叱られたい&怒られたい男の特徴
1 自己肯定感が低い
女性や先生に叱られたい男の特徴の1つ目は、自己肯定感が低いということです。自分で自分の評価をすることが苦手なので、相手からの相対的な反応で自己価値を測ろうとします。叱られることで安心できるのは「相手から見た自分の価値や態度」を知ることができるからです。
2 慢性的に罪悪感を感じている
女性や先生に叱られたい男の特徴の2つ目は、慢性的に罪悪感を感じているということです。「自分が生きていてごめんなさい」という自己嫌悪に陥っており、そこで叱られることでどこか許されたような気持ちになります。逆に、甘やかされるほどに「自分が甘やかされていいのか」と不安になってしまうタイプです。
3 寂しがり屋さん
女性や先生に叱られたい男の特徴3つ目は、寂しがり屋さんだということです。心に一定の寂しさを抱いていて、誰かが自分に時間を使ってくれることで寂しさを紛らわせることができます。相手が自分のために叱るコストを裂いてくれるその瞬間に価値を感じるのです。寂しがり屋の男性の特徴はこちらも記事もご覧ください。
4 温和で優しい人が多い
女性や先生に叱られたい男の特徴の4つ目は、温和で優しい人が多いということです。そもそもの前提として人の意見を受け入れることができなければ、叱られたいとは思えません。そのためには心にある程度の穏やかさが必要であり、根は善人であることが多いです。
5 愛され方が分からない
女性や先生に叱られたい男の特徴の5つ目は愛され方が分からないということです。相手からの叱りや怒りなどのネガティブな感情を向けられることばかりに、コミュニケーションのあり方を見つけてしまいます。人との正しく健康的なコミュニケーション方法を知らないだけ、というパターンです。
●男が女性のツンデレが好きな理由
1 デレ瞬間が好き
本当は怒られたくない・叱られたいわけでもない男がツンデレ好きな理由の1つ目は、デレ瞬間が好きだということです。デレのための布石としてツンがあるという考え方で、女性がデレになった時のギャップにこそ好意や愛着を覚えます。その男性が愛しているのは本来ほぼ「デレの女性だけ」というパターンです。
2 怒る姿が可愛い
本当は怒られたくない・叱られたいわけでもない男がツンデレ好きな理由の2つ目は、怒る姿が可愛いということです。女性がたまに怒る顔って色っぽく見える時がありますよね。少女っぽさが感じられることもあり、ツンの時の表情そのものに魅力を感じているという男性もいます。
3 必死さが可愛い
本当は怒られたくない・叱られたいわけでもない男がツンデレ好きな理由の3つ目は、必死さが可愛いということです。一生懸命自分のデレの本心を隠そうとする姿が、恥ずかしがっているようでキュートに感じます。ツンもデレも両方可愛らしいと感じられるタイプはこの理由となります。
4 新鮮さが続く
本当は怒られたくない・叱られたいわけでもない男がツンデレ好きな理由の4つ目は、新鮮さが続くということです。ずっとデレっぱなしの女性よりも、時々スパイスのようにツンがあることで、女性に対する興味も長続きします。小さな刺激は隠し味となり、その女性という料理をより味わい深いものにするでしょう。
5 信頼できる
本当は怒られたくない・叱られたいわけでもない男がツンデレ好きな理由の5つ目は、信頼できるということです。ツンとデレを繰り返すことで、もし態度が素っ気無くても「これは本心じゃないんだろうな」と思うことができ、相手の気持ちに対する誤解が生まれづらくなります。
●叱られたい男にキュンとさせる上手な叱り方とは?
1 「叱ってくれる」と思わせる
好きな人に叱られたい男への上手な叱り方の1つ目は、「叱ってくれる」と思わせるということです。いわゆる「ご褒美」のような叱り方になります。その方が相手の男性も大人しく聞いてくれますし、下手な反抗もされずに聞き入れてくれます。相手の人権を尊重して、最初から厳しく言い過ぎないのがポイントです。
2 相手の目的を見極めて叱る
好きな人に叱られたい男への上手な叱り方の2つ目は、相手の目的を見極めて叱ることです。男性が好きな人に対して「構ってほしい」のか「叱責を通してコミュニケーション図りたい」のかなど、本心では何を求めているのかを理解してから叱るようにしましょう。
3 マウントを取る言い方はしない
好きな人に叱られたい男への上手な叱り方の3つ目は、マウントを取る言い方はしないことです。いくら好きな人でも明らかな上から目線で説教をされては恋心も冷めてしまいます。最初は可愛く「こらっ!」などと叱ったりしつつ、相手の反応を見てから少しずつなじるように段階を踏み、マウント取りはしないようにしましょう。 
 
 

 

●Mな男性の特徴は? Mな彼氏が喜ぶこと テクニックは? 
最近多くなってきているMな男性。一言でMな彼氏と言ってもMな彼氏はいったいどんな特徴をもっているのでしょうか?またMな彼氏と付き合っていくうえでMな彼氏が喜ぶことやMな彼氏とうまく付き合っていくテクニックをみていきましょう。
●Mな男性の特徴は?
とても優しい
Mな男性はとても優しいという特徴があります。彼女だけでなく、家族や友人にも優しく接することができるといういいところがあります。そのため、人に頼み事をされることがよくあります。優しくてお人好しな性格なため、どんな頼まれごとも引き受けてしまいます。Mな男性を彼氏にした場合は、彼女に対してとても優しく接してくれるのでM男はモテなさそうな感じもしますが意外と女性にモテます。
いじられキャラである
その優しい性格が故に周りのみんなからいじられやすく、またM男本人もそれを悪くは思っていません。おおらかな性格なので怒ることがあまりなくその結果、いじられキャラになってしもうのも特徴です。Mな男性が1人いるだけで、そのいじられキャラを生かし、その場の雰囲気をとても和やかなムードに変えてくれるのでMな男性の周りでは和気あいあいとした雰囲気になります。
打たれ強い
Mな男性は打たれ強いのも特徴です。ポジティブに物事をとらえることができるので少々のことではへこたれない強さをもっています。ですのでMな男性を彼氏にすれば、恋愛における少々のゴタゴタ位では別れるなどの危機はおきません。職場の上司に嫌味を言われたとしても、それを素直に聞き入れてよし頑張るぞとポジティブな考え方ができるのは、M気質がない人も見習いたい長所です。
優柔不断な性格
いい意味でも悪い意味でもMな男性は優柔不断です。自分ではなかなか判断することができません。Mな彼氏とデートする場合、Mな男性はどこへ行けばいいのか迷ってしまいます。物事を決めるのに時間がかかってしまったり、自分自身のことなのになかなか決めきれないMな彼氏にイライラしてしまうといったこともあります。ですが、本人は悪気は全くありません。
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人に尽くしやすい
Mな男性は人の役に立つことが大好きなのが特徴です。それが好きな女性のためとあればなおさらです。ですので、女性のどんなわがままなお願いでもきいてあげてしまいます。その人に尽くしやすい性格があだとなってしまい、女性にとって都合がいい男として扱われてしまうこともあります。女性に都合よく扱われていたとしても、Mな男性はやっぱり尽くしてしますのです。
自己中心的な女性が好き
尽くすことが好きなのであれしてこれしてと言ってくれる自己中心的な女性はMな男性にはとても魅力的な女性にうつります。好きな女性に今すぐ迎えに来てと言われれば、多少無理してでも迎えに行ってあげてしまいます。自己中心的な女性に振り回されて尽くすのがMな男性にとってはそれがうれしくて楽しくて必要とされていると感じることもできていいことばかりなのです。
●Mな彼氏の喜ぶこととは?
お願い事をする
Mな男性は尽くすことが大好きです。ですのでMな彼氏には、どんな些細なことでもいいのでお願い事をしてあげましょう。例えば、そこにあるリモコンとってとかそんなことでもいいのです。普通の人ならその位自分でとろうよと思うところですが、Mな彼氏なら喜んでとってくれます。そんなちょっとしたお願いでも彼女のためにしてあげることでMな男性は喜ぶのです。
いじってあげる
いじられキャラのM男ですから、ツッコミたくなる場面にでくわしたらすかさずいじってあげると喜ぶという生き物です。もしかしたら彼女にいじってもらいたくてわざといじられるようなことをしているのかもしれませんので放置せずにちゃんといじってあげましょう。いじられることで喜ぶ彼なので、彼氏がボケ担当で自分がツッコミ担当のコンビだと思って接してあげればMな彼氏を扱いやすくなります。Mな彼氏と付き合うとツッコミのテクニックが磨かれます。
女王様の気分で接する
Mな彼氏と付き合うのなら、自分は女王様で、彼は下僕と思って接してあげると喜ぶのがM男です。女王様気取りなんてしていたら、たいていの人はなんだこいつと思ってしまいますが、Mな男性にはその女王様気取りなツンツンした感じがとても魅力的にうっつって喜ぶのです。そんなことで喜ぶなんて変な趣味だななんて思うかもしれませんが、2人だけの世界なら誰にも迷惑は掛からないのでそれでいいのです。女王様になりきってあげましょう。
褒めてあげる
尽くしてくれたら褒めてあげましょう。
Mな彼氏があなたになにかしてくれたらちゃんと褒めてあげましょう。Mな彼氏はあなたの喜ぶ顔が見たくていろいろ尽くしてくれています。ですので、何かしてもらったときには些細なことでも褒めてあげると、Mな彼氏は喜を感じることができ、満足してくれます。プレゼントをもらったならば、まずはプレゼントをくれたことに対してお礼を言い、このプレゼントとってもセンスあるねなんて褒めてあげればM男はとても喜びます。
●Mな彼氏の苦手なこととは?
自分と同じMな人
Mな男性は自分と同じMな人が苦手です。それはMな人が2人でいると、物事が先に進まないからです。Mな人は相手に合わせることを好みます。ですのでお互いにMだと、デートしようにもどこへ行こう?どこへ行こう?となって全然決まらないのです。どこへ行きたいとか意見をきちんと言ってくれる人でないとM男を彼氏にするのは難しいです。M男は相手に尽くされるより尽くすことが好きなので、M男に尽くそうとするM女は苦手なのです。
言い争いが苦手
Mな彼氏は平和主義者です。優しい性格で争い事を嫌うので何か気に障ることがあったとしても人に文句を言ったりすることが苦手です。彼女がデートに大幅に遅刻してきたとしても、そこで文句をいったらせっかくのデートが台無しになってしまうかもしれないので文句なんて言いません。言い争うことになる位なら言い争いになる前に自分の方から謝ったりもします。言い争いになってもいいことはないし、どうせ言いくるめられてしまうM男ですので喧嘩は好みません。
物事を決めることが苦手
M男は優柔不断な性格なので自分のことであっても物事をきめることが苦手です。例えば今日はどっちのネクタイで行こう?なんてずっと考えてしまいます。そんなのどっちでもいいし、早く決めてよと思うでしょうが、優柔不断な彼にはなかなか決められないのです。ですのでデートの時は、彼氏の服装やデートプランを彼女のほうが考えてあれにしようと言ってあげるとスムーズにことは進みます。
●Mな男性の好きな女性のタイプは?
しっかり者の女性
優柔不断なM男ですのでしっかり者の女性がそばにいると安心します。しっかり者の女性に身の周りのことを決めてもらい、彼女の決めたことに従うのが好きなのです。しっかり者の女性にいろいろ決めてもらうことでもM男自身ももやもやと悩んでいたことがすっきりします。しっかり者の女性にいろいろと意見して導いてもらえることがMな男性にとっては喜びなのです。ちょっとしたことでも自分で決めきれないM男にとっては頼もしい存在なのです。
Sっ気のある女性
Mな男性はSな女性を好みます。Sな女性にこき使われる自分の姿が大好きなのです。自分にはない強さがあるSな女性にMな男性は憧れて好きになるのです。女王様を思わせるようなツンツンした態度は普通の人にはただの自己中心的な女性にうつるかもしれません。しかし、Mな男性からしてみればたまらなく魅力的な女性にうつります。
グイグイとひっぱてくれる女性
自分で物事を決めることが苦手なM男はグイグイとひっぱっていってくれる女性が好みです。グイグイとひっぱっていってくれる女性じゃないと付き合ったときにバランスがとれません。デートのプランなどを積極的に考えてくれる女性にしっぽをふってついていきます。自分でデートプランなどを考えるのが苦手なので彼女が決めてくれたところに行ければそれでいいのです。
●Mな男性を彼氏にするには?
自分がM男好きであることをアピールする
Mな男性は自分に自信を持っていないことが多いです。そのため、M男がタイプであることを伝えてあげるとそれだけで恋愛対象としてみてくれる可能性が高まります。Mな男は女性からモテないと思っているので私Sっ気があるからMな男性がタイプなんだよねとそれとなく話せば、Mな男性はおぉ!これはイケるかもと思ってくれます。
女性のほうから積極的に行動する
M男はあれしてこれしてと言われて人に尽くすことは好きですが、自分から積極的に行動することは苦手です。ですので、たとえあなたのことがいいなと思っていてもなかなか一歩が踏み出せません。あなたもM男のことが気になっているのなら躊躇せずに積極的にデートに誘ったりするとうまくいきます。デートに誘う場合には、どこへデートに行くかまで決めてからデートに誘うとスムーズに行くし、M男からは決断力のある素敵な女性だなと好感を持たれます。
自分から告白する、または問いつめる
M男は基本的に受け身です。ですのであなたのことが好きで尽くしてくれても、M男のほうから告白するというのはあまりありません。あなたに尽くすことでM男なりの好きですアピールはしているのですが、受け身のためにそれ以上の事にはなかなか踏み出せないのです。ですのでM男と付き合いたいと思っているのならば、女性の方から告白したほうが手っ取り早いです。また男性の方から好きという言葉を聞きたいのなら、私の事好きなの?どうなの?と問い詰めてあげれば、M男は好きですと白状してくれるでしょう。
●Mな彼氏と付き合うメリットは?
尽くしてくれる
M男は尽くすことが好きです。好きな女性にはこれでもかという位尽くしてくれます。ですのでM男と付き合うことができたら、とても愛されていると感じることができます。こんなに尽くしてもらっていいの?尽くされまっくってしまって申し訳ないと思ってしまうかもしれませんが、M男は自分から好んで尽くしているのでさほど問題ありません。
女王様気分を味わえる
M男とつきあうことになればいたでりつくせりでいろいろしてくれるのでまるで女王様になった気分を味わえます。送り迎えはもちろんだし、あなたの言うことを喜んでなんでも聞いてくれます。普通ならこれを言ったら自己中と思われるだろうなというようなこともM男は喜んで聞いてくれるので女王様気分を満喫することができます。
喧嘩をすることが少ない
喧嘩は嫌いです。
M男は彼女に尽くしてくれるので喧嘩になることはほとんどありません。彼女のためになんでもしたいと思っているので彼女のわがまま程度では喧嘩になりません。もしも彼女がM男に怒ってしまってもM男は歯向かうことなく謝ってくるので喧嘩にはなりません。M男はどんな理由であれ喧嘩したくないと思っているのです。
●Mな彼氏と付き合っていく上で必要なテクニックとは?
女性のほうがリードする
Mな彼氏は受け身ですので女性のほうがリードしていくテクニックが必要です。女性の方にリードしていくテクニックがないと、お互いに好きでもうまくいきません。デートプランは女性のほうが考えてあげるのはもちろんのこと、何事も女性のほうから率先して決めてあげることでお付き合いがうまくいきます。
褒めることを忘れない
M男がいろいろしてくれるのはあなたのことが好きだからです。これからも彼に心地よく尽くしてもらうために何かをしてもらったら褒めてあげることを忘れてはいけません。そのテクニックを駆使すれば、この先ずっとあなたに尽くしてくれます。褒めてあげることでM男はよりあなたに順応します。ですので些細なことでも褒めることを忘れなければ、M男とのお付き合いはうまくいきます。
彼が必要な存在であることをアピールする
私はあなたがいないと生きていけないと普段からきちんとアピールしておきましょう。彼が尽くしていることがあなたの役に立っていることがMな彼氏にとってはうれしくてたまらないのです。M男は必要とされることでより尽くしてくれるようになります。
●まとめ
Mな彼氏にはSな彼女が似合う
Mな男性は優柔不断な自分をひっぱっていってくれるしっかりものの女性、また多少まがままなくらいのSっ気のある女性が好きです。Sな女性はきついことを言ったりしてくるのでM男にとっては魅力的にうつります。また、Sな女性にとってもなんでも言うことをきいてくれるMな男性は魅力的にうつります。あなたが今、尽くしてくれるMな男性に惹かれているのならそれはあなたがSっぽい女性であり、お互いに求めあっているのかもしれません♡  
 
 

 

●叱ってほしいと感じる心理
他人から叱ってほしい、誰かから自分に対して厳しい言葉や態度を向けて欲しい…と書くと、なんだかマゾヒズムそのものであり、ちょっと理解しがたい心理のように感じるかもしれません。
一般的に考えれば、叱られるとストレスが溜まって不快な思いをしてしまう。わざわざストレスを抱えるようなことを求めるのは、理にかなわない行動といえるでしょう。
自分から叱られることを望む。つまり、自分で自分を辛く、苦しい状況に追い込むようなことをなぜ望むのか…今回はこの心理についてお話しいたします。
●全く叱られないこともまたストレスと感じる
普段の生活で誰からも叱られなければ、非常に気楽であり、且つストレスを全く感じずに済む快適な状況そのものであるように考えるのは自然なことでしょう。
しかし、心理学ではストレスがない環境そのものもストレス源と感じてしまう。そのため、快適なはずの状況を自ら手放し、あえて叱られてストレスを感じる場面を求めるようになるとされています。
感覚遮断実験から見る叱られないこと
ストレスが極力存在しない状況で人間がどうなるのかを調べた実験で有名なのが「感覚遮断実験」(1950年,カナダ大学で実施)です。
この実験では、文字通り光や音、皮膚感覚や人間関係など、あらゆる刺激となる物をほとんど遮断し、まったく刺激(=ストレス)がない状況で人間が長時間過ごすとどのような反応示すかを調べた実験です。
実験に参加した男子大学生は、目には半透明のゴーグルをつけ(視覚の封印)、聞こえるのは空調の音だけ(聴覚の封印)。手には手袋、腕は紙の筒で覆われ、何かに触れることすらもできない(触覚、皮膚感覚の封印)、暗く狭い部屋で過ごすよよう指示をされました。なお、食事とトイレの要求はOKでしたが、部外者との雑談は禁止されるという徹底ぶり。
そんな想像するだけでもゾッとする実験の結果は、参加者は2〜3日しかこの状況に耐えれなかったと言うものに。
参加者は、最初のうちは映画や旅行など楽しいことを考えていたものの、次第に集中できなくなりイライラに襲われた。また、独り言を口にしたり、腕を無意味に振るなど、自ら刺激を求めるような行動に出るようになったと報告しています。(なお、幻覚を感じた等、正気を保つのが困難になる人もいた)
これを、誰にも叱られない状況に置き換えて考えてみましょう。
誰からも叱られない分、不快な思いをせずストレスには悩まされません。しかし、「叱られない状況」そのものがあまりにも刺激がなさすぎるためにストレスを感じるようになってしまった。
その結果として、叱られることそのものを望む心理が生じたと考えれば、合点がいきます。
叱られない状況を経験した後は、叱られた言葉を受け入れやすくなる
なお、感覚遮断実験では、被暗示性が高まったと言う結果も出ています。
被暗示性とは、暗示にかかりやすくなること。つまり、誰かに叱られたり厳しいことを言われたときに、その言葉を受け入れやすくなること言っても良いでしょう。
なお、被暗示性は、よく言えば人の言うことをよく聞く真面目で素直な性格・傾向を表す言葉ですが、悪く言えば他人の言葉や与えられた情報を無批判に信じ込んでしまうという、洗脳されやすさを表す言葉でもあります。
●叱られたいと感じる心理・理由
感覚遮断実験の他にも、叱られたいと感じる心理・理由について以下で説明します。
「叱る=自分の存在を認めてくれている」と感じるから
叱られると言う事は、言い換えれば自分と言う人間の存在を「叱る」と言う行為によって承認されている…と感じる。つまり、承認欲求が満たされるために、叱られることそのものを欲するのだと考えられます。
叱るという行為は、そもそも他人の存在がいなければ成り立たないものです。
褒めたり、尊敬したりするのと同様に、叱るという行為もまた(不快感こそ感じるものの)自分と言う人間を認めてくれる他者の存在がいることを確認できるため、自然と求めるようになるのだと考えられます。
「叱られるだけ自分は期待をかけられている」という優越感を抱けるから
叱られると「自分は他人から期待や励ましの気持ちを、叱るという行為によってぶつけられている」と言う優越感や満足感を感じられるからこそ、叱られたいと言う気持ちが芽生えるのだとも考えられます。
この場合は、叱られると表現するよりは、叱咤激励されていると表現したほうが理解しやすいかもしれません。
厳しくて耳が痛くなる言葉を受け取る苦痛こそありますが、その一方ではそれだけ自分の実力や実績が評価されており、自分にはもっと良い結果を出せるだけのポテンシャルを持っているのだと他人から見込まれている事を実感できる。
だからこそ、叱られることそのものに肯定的な意味を見出し、叱られることを自ずと求めているのだと考えられます。
低い自己評価を持っており、叱られることで自己評価と周囲の状況が一致して安心感を覚えるから
自己評価が低く「自分はダメ人間である」と思っている人もまた、あえて自分に厳しい言葉や態度を向けてくれる人を求めることがあります。
これは、認知的斉合性理論と呼ばれ、自分の認知と周囲の認知を合わせようとする心理学用語です。
自己評価の低い人は「自分=ダメである」と言う否定的な認知を抱いている同時に、周囲の人々や環境も自分の認知と一致すると、安心感を覚えます。
自己評価の低い人からすれば、自分が肯定的な評価を受けたり、過度に持ち上げられてしまう事は、自分の認知と一致していないためにムズムズとした居心地の悪さを感じてしまう。
一方で、自分を厳しく叱ってくれる人がいたり、自分のことを悪く言う人がいる環境であれば、自分の認知と一致するため、居心地の良さを感じてしまうのです。
叱ってダメ出ししてくれないと、自分のダメな部分がわからずモヤモヤしてしまうから
他人から叱って自分の欠点をダメ出ししてくれないと、自分のダメなところがわからないままモヤモヤとした気持ちに悩まされてしまう。だからこそ、自分に対して厳しく叱ってくれる人を求めてしまうこともあります。
これは、自己評価の低い人以外でも見られるものです。ダメ出しを受けることで、自分では気づけない自分の短所を自覚すると同時に、その短所を改善するための対策を考えることが可能になる。
つまり、より良い自分になるためと言う向上心を持っているからこそ、他人から叱られること積極的に求めるのです。
しかし、そんな向上心を持っている人からすれば、全く叱られることもなく優しい人ばかりで囲まれている環境は、自分の向上心を発揮する場面がなく不満を感じてしまう。
そして、その不満を解消すべくためにも、誰かから叱られたいと言う感情が強く芽生えてくるのだと考えられます。
叱られることで自分に甘い自分を改善できるような気がするから
叱られなければ、どんどんダメになる自分が嫌だけど、そんなぐうたらな自分を自力で真人間にするのは難しい。だからこそ、親や先生のように厳しく自分を理してくれる人の存在を求めているのです。
他人の目がないと堕落し、とことんまで自分を甘やかしてしまいダメ人間になってしまう。でも、他人の目があれば自然と頑張れるし、気を引き締めるられる…という、自分にとことん甘い人なりの身の正し方を熟知している結果として、叱られることを望んでいるのだと考えられます。
●余談 大人になると感じる「叱られなくなってしまうこと」の辛さ
余談になりますが、社会人になってある程度年齢を重ねたり、社会的な立場や肩書きを手にするようになると、次第に他人から叱られることそのものが減ってしまうものです。
•「叱ったことで関係がぎくしゃくするのを避けたい」
•「自分とは直接関係がないので、叱る義理がない」
•「叱っても自分の評価には影響しないから、そっとしておいた方が無難である」
と言う理由で、自分を叱ってくれる人がどんどん少なくなってくる状況に対して、どことなく寂しさというか、辛さといった複雑な気持ちを抱く人は、きっと少なくないと思います。
このような複雑な辛さを感じるのは、言い換えれば自分に対する関心、熱意、愛情などを向ける人が少なくなっていることが原因と考えられます。
また、他人から遠慮されて、心を開くことそのものを回避されているように感じてしまう。つまり、他人に正面から受け入れられてもらえなくなっていることに、辛さを感じてしまうのだとも考えられます。
その他にも「叱るだけの価値がない人と思われている」だとか「叱っても学習しない人間だと思われている」など、自分に対するあきらめの姿勢を間接的に周囲から向けられているように感じて、辛さを覚えてしまうことも考えられます。
なお、叱られなくなる代わりに、社会的な立場があることで自分の周りには自分を称賛し、褒めてくれる人が集まることもあるでしょう。
しかし、自分に対して肯定的な態度のみを見せてくる人は、言い換えれば自分が持つ立場や過去の実績といったステータスにしか目を向けておらず、自分と言う人間そのものを見ている可能性は低いと感じてしまう。
立場や年齢の都合上、下手に叱って敵対関係になるよりも、肯定する方が無難かつ安心だと判断する人達が集まりやすい状況にいるのわかってはいるものの、やはり、社会的なステータスではなく自分と言う人間を見てもらいたい、受け入れてもらいたいと言う欲求が湧き出て来る。
その欲求が「誰かに叱ってもらいたい」と言う気持ちに反映されているのだと感じます。 
 
 

 

●「喝」を入れられたい? 叱られたい人が増加する理由 
叱られるのは誰でもイヤなもの。ところが最近「喝」を入れられたい人が増えているそうです。お尻を蹴られる、欠点を指摘されるといったサービスも発生。叱ってもらいたい理由と背景について考察します。
●叱られたい人が増加中!?
叱られるのは誰でもイヤな気持ちになるものです。ところが最近、女性キックボクサーにお尻を蹴ってもらう、他人に自分の欠点を指摘してもらうなど「お金を払って叱ってもらう」という驚くべきサービスが注目されています。
「叱られると落ち込む」「傷つく」といった、叱られる耐性がない人が増えていると思っていた筆者ですが、またしても傾向は変わりつつあるのでしょうか。テレビでも、毒舌で人気の有吉弘行さん、坂上忍さん、マツコ・デラックスさんなどが大活躍するなど、辛口のニーズがある様子。にわかには信じられない、でも気になる「叱られ願望」について考察してみました。
●職場で増えている「叱らない」マネジメント
打たれ弱く、独特の仕事観を持つことで話題になった「ゆとり世代」も、もはや中堅。叱られ耐性がない部下だけでなく、叱ることができない上司も着々と増えています。
褒めと叱りに関するアンケート(2013年アップウェブ調べ)によると、叱りよりも褒めを重視する人はなんと7割に届く勢い。叱らない理由は「叱り方がわからない」「人間関係の悪化が心配」が上位。中には「叱らずに済むマネジメントを目指している」「叱るのはよくないと思う」という回答もありました。叱られながら仕事を覚えるというのは、もはや昔の話。職場では叱らないほうがよいという文化が定着しつつあるのかも知れません。
その一方で怒りをコントロールできない人も増えています。
怒りのコントロールを題材にした『怒らない技術』(フォレスト出版:嶋津良智著)は累計68万部を超える大ヒット。最近では『アンガーマネジメント 怒らない伝え方』(かんき出版:戸田久実著)などもヒットしており、怒ってしまう人たちの多さを浮き彫りにしています。企業でも怒りのコントロールに起因する問題は重要視されているようで、アンガーマネジメント研修は官公庁はじめ多くの企業で導入されています。筆者は、怒ってしまう人が増えているというのも、叱りが減っている要因の一つだと考えます。
●怒ってしまう人が増え「叱り」はさらに激減
「叱る」と「怒る」は違います。
いたらない部分を注意するなど、相手の成長や改善のために厳しいことを言うのが叱る行為。それに対し、イライラの感情をぶつけることが主体になってしまっているのが怒る行為です。
指導しなければならない場面で叱らない人が増えている昨今。その一方で、指導すべき場面で怒ってしまう人もいます。叱られて成長する機会は、ダブルで減っているのではないでしょうか。
かくいう筆者は、叱って育てられた世代です。しかし管理職となった今は「叱らない派」。傷つきやすい世代への配慮という顔をしておりますが、「濃い人間関係を築くのがめんどう」という気持ちがあるのも否めません。「わからないなら、いいや」と、注意することもなく心の扉を閉めてしまう。こういった人間関係の希薄化も、叱りの減った要因の一つでしょう。
●希少なものには価値がある
人は希少なものに価値を見出します。
例えば、高額であるにもかかわらず売れ続けるエルメスのバーキンは、なかなか手に入らないことで有名。「出会えること自体がご縁」という免罪符のもと、好みでないカラーでさえ購入されることで知られています。
希少性が見出されるのは高価なものだけではありません。
異物混入で製造が一時中止されていたぺヤングは、廉価な商品にもかかわらず希少価値がついた事例として記憶に新しいところです。購入のための行列やぺヤングを食べるイベント、それを報道するメディア。再販開始に伴った騒動は、希少性に踊らされるという特性をよくあらわしています。
そもそもぺヤングって、そんなに人気だっけ? と思ったのは筆者だけではないと思います。そう考えると「叱り」も同じで、減ったことによって、それを求める人があらわれたとしても不思議ではないのですが……。本当に叱られサービスにお金を払う人はいるのでしょうか?
●エンターテイメント性、自己実現への期待、そして癒し効果も!?
「叱られるのも叱るのもイヤ!」という筆者が、想像力を駆使し、ひねり出した、叱られサービスで得られる3つのベネフィットは以下のとおり。
1. エンターテイメント性
わざわざお金を払って怖さを体験する「お化け屋敷」「ジェットコースター」などのアトラクションを思い浮かべるとわかりやすいでしょうか。なかなかできない体験を、お金を払って楽しむ。エンターテイメント性を目的にしている人もいることでしょう。
ちなみに銀座のクラブでは、上から目線で話をするホステスが一部のお客様に人気です(筆者は銀座のクラブに勤務していた経験があります)。高いお金を払って、あんな口の利き方をされるのはどうか……と思いましたが、普段叱られないお立場の人にとって「叱られ体験」は珍しいようで、とても楽しそうにされていたのが印象に残っています。
2. 自己実現
叱られたいという思う心理の裏側には、「もっと成長するかもしれない」「変わるためのきっかけになるかもしれない」といった期待感があります。
英語が話せるようになった自分、それによるベネフィットを想像して、留学や英会話教室などに高額な投資をするケース。高級車を所有している自分、それによる優越感などを想像し、外車を購入するケース。これらをイメージするとわかりやすいですね。
物や体験そのものだけでなく、それによる自己実現への期待。これは人にお財布を開かせる有効な手段です。結果はどうであれ、期待感を抱く時間は楽しいものです。
3. 癒し効果
どこか自分がイケてないことにも気づいている。仕事でもミスはある。でも職場では叱られない。そんな人に「なんだか悪いな」という気持ちが少しずつ溜まっていっても不思議ではありません。
人は負債感を抱えると、それを解消する行動をとろうとします。
解消法としては、仕事で成果を出す、努力をするといったものが一般的ですが、疑似的に叱られるのもその一つ。叱られサービスを利用した場合、努力も少なく済みますし、人間関係の悪化を心配することもなく、心が軽くなるといったメリットが考えられます。誤解を恐れずに言えば、叱りには負債感を解消する、癒しに近い効果があるのではないでしょうか。
と、いろいろ述べてみましたが、どうも今一つ納得できないですよね? 「お金を払ってまで叱られたいなんて、おかしな人だ」と思っていた筆者ですが、この記事を書いている途中に、実は自分も叱られサービスを利用していたことに気づいてしまいました。
●あなたも隠れた「叱られサービス」を利用している?
私は会社の社長ですが、わざわざ口うるさく注意をしてくれる顧問をボードメンバーに加え、ご指導ご鞭撻をいただいています。スポーツジムではドSのパーソナルトレーナーさんに鍛えてもらっていますし、ゴルフのコーチはかなりの毒舌ですが、他のコーチにしたいとは思いません。
これらも言ってみれば「叱られサービス」。広義で考えると「叱られたい欲求」は「支えられたい欲求」のバリエーションなのかも知れません。
そう考えると「喝を入れられたい」というのは一時のブームではなく、昔も今もあった欲求であり、これからもなくならいもの。自分に付加価値をつけたいのであれば、成長を促す、適切な叱りができる人材を目指すのも一つのアイディアではないでしょうか。  
 
 

 

●叱る上司は4割なのに 叱られたい若手社員は7割 
あなたは上司・先輩に叱られることがありますか? 入社6年目までの社会人(2010〜2015年入社)に聞いたところ「ある(よく+時々)」と答えたのは41.4%、前回(2012年調査)の49.6%に比べて8.2ポイント減少していることが、レジェンダ・コーポレーションの調査で分かった。「よくある」と答えた割合は16.4%から10.5%に減少した半面、「全くない」は9.7%から16.3%と、6.6ポイント増えた。
正当な理由があれば、上司・先輩に叱られたいと思いますかと聞いたところ「思う(とても+やや)」は74.1%。「前回調査の78.5%よりも減少しているものの、7割以上を維持しており、若手社員の叱られたい願望は強いことが分かった」(レジェンダ・コーポレーション)
叱られたい人は、その理由の中に「自分の成長につながる」「成長するチャンス」「改善点を把握・フィードバック」などを挙げており、「叱る・叱られる」をポジティブに受け止めていることがうかがえた。一方、叱られたくない人は、その理由の中に「恐怖で人をコントロール・強くとがめること」「感情をぶつけている・感情に訴えかけてもらわなくても」などを挙げており、「叱る・叱られる」をネガティブに受け止めていることが分かった。
入社6年目までの社会人5114人が回答。調査期間は5月22日から6月1日まで。 
  
 

 

●「叱られたい部下」が増加中 背景に学生時代の上下関係希薄化 
職場の上司と部下の関係に地殻変動が起きている。一昔前と真逆で、「叱れない上司」と「叱られたい部下」が増えているという現象が起きているというのだ。
「私もほかの人のように叱ってほしい」。社会人1年目の高木望美さん(仮名)は、あるとき上司に直訴した。
「先輩がプレゼンのダメ出しを受けて悔しがっている姿を見て思ったんです。自分はもっとひどいゴミのようなプレゼンをしたのに、周りは何も言ってくれないから悔しさも感じない。やばいなって」
それまでは何でもそつなくこなして叱られずに生きてきた。しかし、いつまでもそれで大丈夫だとは感じていないのだ。
「私が叱られないのは成長を期待されていないからだと思って悲しくなりました」
高木さんの危機感と本気は上司に通じて、直訴してからは頻繁に厳しく叱られるようになった。「叱られるとおなかが痛くなるけど、仕方ないってやり過ごしていた姿勢が変わりました」と自身の成長を実感しているという。
「私は叱ってくれる上司に当たりたいです。何も言われなければ今の自分に満足してしまう。お尻をたたかれない状態で自ら成長しようって思うほどの向上心はないんですよ(苦笑)」
社会人2年目の市川敬一さん(仮名)は「褒められ疲れしていますね」と話す。「褒めて育てられた実感がありますけど、大人になったら褒められても、それウソでしょって思う。思ってもいないことを言われたくないんです」。
また、「叱られずに放任されやすい」という職場環境にも不満があるという。「そうすると仕事を覚えるスピードも遅くなる。今は何をやっていいか分からないことも多いので、教えてもらうことに対する欲求はすごく強いです」。
「将来に不安がある」として、もっと叱ってほしいと語るのは、同じく社会人2年目の永野英之さん(仮名)だ。「叱られた分、成長できるから鍛えてほしい。成長しないと転職するときに困る」。
大手広告代理店に勤め、今の時点で転職願望があるわけではない永野さんが、こうした危機感を抱くことに隔世の感を禁じ得ない上司世代も多いかもしれない。
先生も親も先輩も叱らない時代背景
「実感として、叱られたい若者は年を追うごとに増えている」。そう断言するのは若者研究の第一人者、原田曜平・博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーだ。
少し厳しく接するとすぐに辞めてしまう若者が増えたという話は、社会問題化して話題を呼んだ。その一方で、叱られたい若者も増えているというのだ。その根っこには「社会人になるまでにあらゆる上下関係がないまま育ってきた」時代背景があると、原田氏は解説する。
昔の若者は、社会人になる前に先生、親、学校の先輩との間で上下関係を身に付けた。ところが、今の若者はこの人間関係が横並びの友達関係になってしまっているのだ。
先生はモンスターペアレンツの苦情を恐れて子どもに何も言えない。そうした苦情がインターネットで炎上しやすい世の中になったことが、それに拍車を掛けている。
一方、親は子どもに何も押し付けない理解者で、“友達親子”が増えている。原田氏によれば「今の大学生の親は『新人類世代』、別名『尾崎豊世代』。当時は校内暴力が問題になって管理教育が盛んだったために抑圧された感覚を持っている。その反動で子どもの自由を尊重する」のだという。
そして、学校の先輩はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)によって友達化が進んでいる。今の若者は中学校3年生くらいで携帯電話を持ち始め、LINEやフェイスブックで人間関係がつながっていく。そして、「昔は『俺たち一生友達だぜ』と言いながらも、時を経ると徐々に関係性が薄くなっていったが、今はSNSでガチガチにつながったまま固定化している」(原田氏)。
すると、「“SNSムラ社会”が出来上がって厳しい先輩・後輩の上下関係は成り立ちにくく、先輩も後輩に好感を持たれた者勝ちになる」(同)というわけだ。
厳しい上下関係で知られる体育会系ですら「そうした傾向が出てきている」と、原田氏は語る。
前出の永野さんも、高校時代に周囲で上下関係が厳しかったのは野球部くらいだったようだ。それも「世代的にそんな空気もないのに、野球部だからという理由で厳しくやっているふうで、ちょっとイタい感じだった」という。
このように、今の若者は学生時代の上下関係がほとんど崩壊した中で育ってきたため、叱られ慣れていないので耐性がない人が多い。一方で「社会に出て間もない、経験値が少ない状態で放っておかれるのも、内心では不安や頼りなさを感じている」(原田氏)から叱られたいとも考えるのだ。
辞められてしまうと昇進に影響するから
そうした部下たちを前に、上司たちも戸惑いを隠せない。
「自分たちは先輩の背中を見て覚えろと言われて育った世代。見よう見まねで仕事を覚え、時折、上司から烈火のごとく怒られて育った。叱られたいなんて、上司に甘えている証拠」
45歳の管理職の男性からはそうした嘆きも漏れるが、京都造形芸術大学の本間正人教授は「上司の背中に何か書いてありますか?」と笑いながら、「そうした管理職は、今や絶滅危惧種」と切って捨てる。
「グローバル企業では怒りながら部下を教育しているような人は、バランス感覚がなくマネジャーとしての適性がないと見なされ、管理職にはなれない」(本間氏)
とはいえ、上司からは「怒られて育てられたのだから、それ以外の方法は分からない」といった声も聞こえてくる。そうした弱音に対し、本間氏は「インターネットやSNSなどを使った情報収集能力は部下世代にはかなわない。そうした点を認め、足りないところは一から教えてあげればいい」と指摘する。
本間氏によれば、叱る前にティーチングから始めることが重要だという。若い世代は効率よく能動的に学習する能力が高いため、「それさえ読めば完成するレシピのようなマニュアルを作り、与える仕事について全て教えることから始めればいい」と訴える。
一方で、こうした上司は実は少数派。本誌は、上司と部下300人ずつにインターネットアンケートを実施したが、その結果、6割以上の上司が「叱ったことがない」「ほぼ叱っていない」と答えているのだ。
その理由として、「人間関係を壊したくない」「職場の雰囲気を悪くしたくない」「すぐに辞めてしまうから怖い」といった意見が多い。自分のせいで辞めたとなると、昇進にも影響してくるからなおさらだとの声もあった。
「叱り方」のノウハウを基礎から応用まで! 達人たちの“型破り叱り術”も伝授
「叱られたい部下」が増加中 背景に学生時代の上下関係希薄化
『週刊ダイヤモンド』3月28日号は、「叱れない上司 叱られたい部下」という一風変わった特集です。
まもなく新年度、異動に加え新入社員もやってきて、職場の雰囲気もがらりと替わる季節です。メンバーの実力を伸ばし、職場の成績を上げる。そのためには、時に「叱る」ことが重要となります。しかし、そのノウハウをきちんと学んだ人は、ほとんどいないでしょう。
しかし今回、上司と部下それぞれ300人ずつ、合計600人にアンケートを実施したところ、35歳以下の若手サラリーマンのうち実に34%が「叱られたことがない」と回答。しかし「自分が成長するチャンス」「会社や組織を強くするためには必要」「上司に関心を持ってもらえるから」といった理由で「叱られたい」と願っているのです。
ところが、残念なことに「上司が叱り上手」と感じているのはわずか42%程度。6割近くの上司が「叱り下手」だと思われているのです。
そこで今回の特集では、「叱り方」のノウハウを基礎から応用編まで全網羅。また、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長や尾木直樹さん、通称“尾木ママ”、箱根駅伝で優勝した青山学院大学陸上部の原晋監督など、「叱りの達人」たちにインタビューし、“型破り叱り術”をうかがいました。
また、グラビアアイドルの吉木りささんも登場!テレビ東京の深夜番組「吉木りさに怒られたい」がブレイクしている秘密について語ってもらっています。誌面でも「このポンコツ野郎!」と怒ってもらいました。
叱り上手になれば、職場の人間関係が円滑になり、業務の成績が上がることも請け合い。是非、ご覧ください。 
 
 

 

●叱られ上手な部下になるための 6つのポイント
卒業・入学シーズンを迎える4月は新入社員が新たな仲間に加わる時期でもあります。
初めて社会に出てくる新人は仕事の仕方も不慣で当然失敗はつきものなので、先輩や上司に叱られる場面も出てくるはず。そんな時、叱られてただへこむのではなく、失敗をばねに成長してくれる後輩、さらには先輩が愛をもって叱りやすい後輩というのは手をかけて育てていきたいと思いますよね。
先輩が「もっと伸びる子だ」と感じる叱られ上手な部下の特徴
素直に吸収する
叱られた時についついやってしまいがちなのが、内容を聞いても素直に受け止めずふて腐れたり、「でも…」とすぐに反論や言い訳をしたりすること。主張があったとしてもまずは叱られた内容をいったん自分の中に受け止めることで、叱られた内容を自分の頭に落とし込むことができるので自分の主張への理解度も増します。
共感する
叱られる人と叱る人の間には、会社での地位や家庭環境などが大きく異なることが多いはずです。また、人が誰かを叱っている時にはその人も感情が乱れていたり、話の整理がついていなかったりする可能性もあるので、できる限り相手の立場になって話を受け止めることが大切です。
謝り、理解したことを伝える
内容を受け止めた後は、「おっしゃる通りです」「申し訳ございませんでした」と理解し反省していることを相手に伝えるのも大切。さらに「ご指摘ありがとうございます」と叱咤に対して感謝の意を表すことができれば、叱った人も悪い気はしないはず。
根に持たない
叱り方がどうあれ、「叱っていることを根に持っている」と感じた人はそれ以降本気で叱ってくれなくなります。それはつまり見捨てられたともいえることで、ミスをしても助けてくれなかったり、その対応がその場しのぎとなり、結果として叱られた本人の向上にはつながらなくなります。
期待をもたせる
なかなか実行できないのが、「自分の次の行いに期待を持たせること」です。叱られると自信を喪失してしまうこともあるでしょうし、その場で「次は見ていてください!」なんてアピールはなかなかしにくいかもしれません。しかしながら、このポジティブ思考と頼りがいをアピールすることで仕事ができる印象も与えられますし、叱られた後のお互いの関係もギクシャクしにくくなります。
直したうえで、プラスアルファを追加する
最も重要なのが「指摘されたことプラスアルファで答える」です。指摘された内容は表面的な問題が多いので、次の機会には必ず直しておきましょう。ここで言うプラスアルファというのは、「指摘することになったそもそもの原因がどこにあるのか」を理解することです。叱る相手が含んだ「どういう部分の意識が足りないからこういう問題が起こった」という自分の意識の問題に注目することで、叱られた指摘以上の改善をみせることができます。
以上のポイントをおさえることができれば、自分に対する叱りの内容や叱り方も変わってきますし、より可愛がられる後輩として手をかけてもらえるはず。これから新社会人になる人だけでなく、今の上司とうまくいっていない人もこの「上手な叱られ方」を身につけることで相手の反応がかわり、さらには自分のスキル向上にもつながっていきます。
全てを今すぐに実践することは難しいかもしれませんが、まずは叱られる際の自分の考え方を見直すところから始めてみましょう。  
 
 

 

●伸びる人は「叱られ上手」 ただやり過ごすのはNG
上司から注意を受けた時の対応は、人によっていろいろパターンがある。真摯に受け止める、すぐ責任転嫁する、自分を責め過ぎてしまう、受け流すなどなど。指摘の内容を成長につなげつつ、自分の心を守るにはどうすればいいのか。叱られ上手になる方法を探った。
「わかりました、もう大丈夫です」「次は頑張ります」。上司から注意を受けた時に使いがちな受け答えだが、その場をやり過ごすためだけの言葉になっていないだろうか。「実際、よく考えないまま指摘を拒絶してしまう例も少なくない」と言うのは東京大学大学総合教育研究センター准教授、中原淳さんだ。
業務に追われるなかで、上司も部下も、互いに言葉足らずになることもある。上司自身が主観的で曖昧な表現を避けることが大前提となるが、その上で注意の内容がよく分からなかった場合、部下はどうすればいいのか。
「わかりにくければ、『この件で少し相談させてください』と頼む。その場で時間がなければ、アポを取るといい」と中原さんは助言する。さらに相談のコツとして、「SBI」を聞き出すことを挙げる。SBIとは、「Situation(どんな状況で)」「Behavior(どんな行動が)」「Impact(どんな影響を与えたか)」の略だ。この3点から注意された要因や背景を分析し、指摘の意味をはっきりさせる。
トラブル報告は事実だけ伝える
一方、トラブルが発生し上司に報告する場合、まずは事実だけを伝える。叱られまいと言い訳を先にしがちだが、これは厳禁。人材育成、組織開発支援を行うFeelWorks(東京・中央)代表取締役の前川孝雄さんは「上司は一刻も早く事態を収拾する必要がある。起こったことをまず説明する」と強調する。
そこで上司から、「何でこんなことになったんだ」と詰問されても、客観的に伝えるように努める。冷静に振り返り話すことで原因を突き止められる可能性が高まる。
何かと口うるさかったり、厳しく叱ったりする上司を「苦手」と感じる若手も少なくないかもしれない。前川さんは、「敬遠したい上司ほど、日ごろからこまめな『ほうれんそう』(報告・連絡・相談)を心がけるといい」と助言する。その積み重ねがあれば、信頼関係をつくりやすい。気軽に注意の真意を聞けるようにしておけば「より高い目線から見た業務の目的、自分や組織全体の役割が分かり、仕事が『立体的』に見えてくるはずだ」(前川さん)。
ただ、指摘を受け止める努力が大切とはいえ、状況にもよるが言われたことをすべてうのみにする必要はない。「本当にそうかな、といったん疑ったり、取捨選択したりして必要なことだけ取り入れる知恵も身につけよう」(中原さん)。自分で優先順位を付けることで、注意の内容も生きてくる。中原さんが勧めるのは「知の三角測量」。疑問があれば信頼できる相手を2人見つけて事情を話し、考えを聞いてみると、より客観的に話を捉えることができる。
理不尽な叱責は第三者に相談
「業務上の命令や指導の範囲を超えた叱責」など、パワーハラスメントを疑わなければならないケースもある。
休職者の職場復帰支援などを手掛けるジャパンEAPシステムズ(東京・新宿)の松本桂樹社長は、理不尽な叱責から自分の心を守る術を覚えてほしい、と強調する。例えば、話が終わったらその場を離れ、休憩室で温かいコーヒーを飲んだりして一息つく。「一度肩に力を入れ、縮めながら息を吸い、じわじわ吐き出して力を抜いていくと緊張がほぐれる」(松本さん)。叱られると自分を責めがちだが、五感に意識を向けることで気持ちを切り替えられる。
その上で、第三者に状況を打ち明けたり、メールのやり取りでは関係者に同送したりして、周囲に理解者をつくる。疑問に感じる叱責に対し、客観的な判断をできるようにしておくことが欠かせない。
松本さんは「上司との関係にこだわりすぎない。相手は自分という人間ではなく、自分の『役割』について指摘しているのだということを覚えていてほしい」とアドバイスする。  
 
 

 

●デキる部下ほど叱られ上手?!
仕事でバリバリ成果を出している。上司との関係性も良さそう。そんな同僚や先輩を横目に自分はミスをして叱責されてばかり。なんて要領が悪いのだろうか・・・ そう不甲斐なくたことはありませんか?
サボっているわけでもなく、どうにかしようと思っているからこそ、湧いてくるものなのだと思います。
実は仕事ができると評されている方も、要領が格段に良いわけでもなく、叱責を受けないわけでもありません。
何で差が生まれているかというと、「叱られ上手」であるということです。
言い換えると、叱られることへの解釈の仕方が違うということです。
叱られ下手な方は、叱られたことや、そのときの言葉に凹みます。
対して、叱られ上手な方は、叱られるという機会を使って、修正点を探ろうとします。ゆえに、同じ過ちを繰り返さず、成果を出せるようになっていっている、ということですね。
叱られ上手な方は、下記のような3つのプロセスを踏んでいます。
1 前提として「自分が間違ってた」と聞く姿勢を作る
ここができたら、2と3はできたも同然!という位、ここがキモです。この聞く姿勢を作ることで、上司が叱っている事や放つ言葉に惑わされず、言わんとしていることを捉えよう、という準備が整います。
2 上司の言わんとしている要旨を掴み、確認をとる
基本的に上司が叱るときは、成果が出ないことをやっている時です。つまり、叱られるというのは、成果が出るためのヒントをもらえている!とも言えますね。そのヒントの捉え方が合っているかや、今3の対策について共通認識をとるための確認をします。
3 次に同じことを繰り返さないように「教訓」に変えている
叱られ終わったら、「やっと終わった〜!」ではなく、掴んだポイントを、自分の行動に落とし込みましょう。理解したことを行動に移すことで、自動的に成果が出せる行動をとっていることになります。
最初からガラッと捉え方を変えるのは難しいな・・・と感じることもあるかもしれません。まずは2週間、1は徹底的にやってみよう!という感じで、トライしてみてくださいね。  

 

●叱られるのは期待されている証し? 覚えておきたい上手な叱られ方
ある調査では、叱られると「やる気を失う」一般社員が約6割にも上った。昨今、叱られることが苦手な若手社員が多いということもよく耳にする。そこで「叱られる」ということの本来の意味や、上手な叱られ方を、「叱り方検定」を主宰するメンターマネジメント協会認定講師の法貴かおり氏に教えてもらった。
上司から叱られると「やる気を失う」が約6割
公益財団法人 日本生産性本部が実施した2016〜2017年の第4回「職場のコミュニケーションに関する意識調査」によると、一般社員のうち上司から叱られると「やる気になる」のは40.1%だったが「やる気を失う」一般社員は59.4%にも上っていた。叱られることに対してネガティブに捉える人のほうが多いようだ。
上司から「叱られる」ことの解釈は、人それぞれ異なるのかもしれない。法貴氏は「叱る」「叱られる」ことの意味について次のように話す。
「私は日頃、管理職やリーダーの方を対象とした『叱り方・褒め方』の研修の講師を務めることが多いのですが、その冒頭でいつも『“叱る”の反対は何でしょう?』と受講者に尋ねます。叱るの反対は『褒める』だと思っている方が多いのですが、実はそうではありません。叱るの反対は『諦める』『無関心』。そうお伝えすると、みなさん納得されます。『確かにまったく期待していない部下や後輩には、腹も立たないし、叱ろうとも思わない』ということに改めて気づかれます。
つまり『叱られる』ということは、期待されているということ。上司や先輩は『改善して欲しい』『成長してもらいたい』『もっとできるはずだ』という思いがあるからこそ、叱ってくれるんだという認識を持っていただく必要があります」
叱られたときの誤った対応4つ
叱られるのは、期待されているからこそ。これを踏まえると、叱られたときの次の行動がいかに誤っているかを理解することができそうだ。
   受け流す
…口では謝るが、気にしていない状態。ダメな理由:同じミスを繰り返すことになる。
   必要以上に自己否定に陥る
…行動に誤りがあっただけで、「ダメな人間だ」という訳ではない。ダメな理由:落ち込んでいるだけでは、成長も改善もない。
   逆ギレする
…「そんな言い方しなくても!」と上司に腹を立てる。ダメな理由:成長しないことはもちろん、誰も叱ってくれなくなる。期待されなくなる。
   責任転嫁する
…「自分は悪くない」と開き直る。言い訳ばかりをする。ダメな理由:信頼を失う。
上手な叱られ方の手順3STEP
そこで法貴氏に、やる気を失わないための上手な叱られ方の具体的な手順を教えてもらった。ぜひ実践してみよう。
   1.自分の感情を認める
「明らかに自分のミスであっても、叱られたら誰しもショックを受けたり、落ち込んだりするもの。また、感情的に怒られるなど叱られ方によっては、反発を覚えることもあるかもしれません。そんなとき『こんなことでクヨクヨしたらいけない』『腹を立てるなんてどうかしている』などと、自分の感情を否定するのは効果的ではありません。感情は自然に湧き上がるもので、怒りや悲しみが“悪いもの”では決してないのです。否定せず受け入れ、むしろどっぷりつかってしまったほうが、いつまでも引きずられずに済みます。誰かに話を聴いてもらうのも悪くありませんが、その場合は信頼できる相手を慎重に選ぶことをおすすめします」
   2.指摘された内容を検証する
「感情を味わい尽くして冷静さを取り戻したら、叱られた内容を振り返ります。自分の失敗を振り返るのは、楽しいことではありませんが、しっかりと向き合うことは、『もう同じ失敗は二度としないぞ!』という強い決意につながるはずです。また、頭ごなしに怒鳴りつけられたような場合であっても、言葉の真意を汲み取れば、自分に改善すべき点が見つかることもあります。逆に『ただ単に、上司の虫の居所が悪かっただけだな』と分かれば、不必要に自己否定に陥ることはありません」
   3.改善のための具体的な行動を考える
「『同じ失敗はしないぞ!』と決意して改善すべき点を検証するだけでなく、二度と失敗しないためにどうしたらいいのか、具体的な行動を考えます。『〜に気をつける』『○○を意識する』のような抽象的な目標ではなく、『朝出社したら、必ずスケジュール表を見て、チェックを入れる』のように、やったかやらなかったかが、誰から見ても明らかな行動に落とし込みます。上司や先輩を巻き込むような行動になれば、より効果的です。
叱られた上司や先輩には、どうしても苦手意識を持ってしまいがちです。しかし、そういう方にこそ、こちらから積極的に『報告、連絡、相談』を行っていきましょう。そうすることで、上司や先輩に『改善への意欲』を見せることになり、関係も良好なものになっていきます。何より自分で決めた行動をやり切ることが、大きな自信につながります」  

 

●叱られ上手は最高のスキルのひとつなのに
やっぱり、叱られ慣れてないんだなぁ。89%の上司が「育てるためには、イヤだけど叱らなきゃ」とがんばって叱っているのに、56%の部下が叱られると「やる気なくなる」と回答している。日本生産性本部が7月24日に発表した第2回「職場のコミュニケーションに関する意識調査」のこの結果を見てそう思いました。
私は40歳で会社を辞めて、今ではひとり会社をやっているので、部下という存在は10年以上居ませんが、上司はさぞ、やりにくいでしょうね。
褒めてばかりでは、教育はできない。叱ることでしか、伝えられないことがある。2歳と6歳の2人の子どもの父親として、毎日そう思います。
だから、部下に『A.ホメてほしい』と公然と言われたら、間違いなくイラッとすると思います。
叱られたぐらいで、なぜそんなに簡単に「やる気をなくす」のか。私が考えるその理由は、子どもの頃から叱られたことが少ないので「叱られ下手」だから、です。そしてこれは、まず間違いなく、親の問題です。
「叱られる」というのは、とても大事な経験です。当然の場合と理不尽な場合とありますが、実はどちらも大事。叱られているとき、人はこの厳しい状況を乗り切るために、必死にいろいろなことを考えます。叱られているとき、最初に考えるのが、なぜ自分は叱られているのか?ということ。人はその理由を、相手の発言やその背後に見える思考パターンも分析しながら、必死に探ります。これが人間に対する理解を深める絶好のチャンスなのです。
そして次に、この場面にどう対処するか、を人は考えます。今回は謝るべきなのか、それとも謝らない方がいいのか?謝るなら、相手の怒りを少しでも鎮めるためにはどうすればいいのか?どんな姿勢、どんな視線でどんなポーズ、どんな発言がこの場面でふさわしいのか?理不尽な場合は、特にこのあたりのテクニックを必死で考えます。そして子どもは、まず親に怒られることからだんだん「叱られる」スキルを身に付けていきます。
ところが、最近の親は褒めるばかりで、子どもを叱らない。逆に、叱るときは本当に極端で、傍らで見ていても怖いくらい。「それはないでしょ」という理不尽な叱り方をする人が多い。ささいなことだったはずなのに、だんだん抑制が効かなくなって、救いのない、子どもを完全否定するような叱り方を時々、目にします。だから「できるだけ叱られたくない」人ばかりになってしまうのでしょう。
まずは親が子どもに「叱られる経験」を適度にプレゼントしないとダメだなぁと思います。
そうすれば、叱る相手の意図や気持を理解できて、少々叱られたぐらいではヘコまない人間ができる。「叱られる=全否定」なんて誤解しない、「叱られ上手」な人間ができると思います。
ところで、私は雑誌の編集部でヒラの編集部員だったとき、当時の編集長から本当に良く叱られました。時に「何でオレだけ?」と思うこともあったのですが「まあ、叱られる理由はあるし、この時だけだから、気にしないでやり過ごそう」と考えていました。
あとでデスクに昇格してその編集長から「あの頃は、お前を叱られ役にしていた。他の奴は思い詰めたりするから叱れないけれど、お前は大丈夫だから安心して代わりに叱れた。そういう役回りも、組織では時に必要なんだ」と言われました。
確かに、そんな役回りを割り振られるときが、会社でも家庭でも、人生には何度もあります。そこでヘコまないためにも、子どもには「叱られ上手」になってほしいと思います。そしてたぶん「叱られ上手」なら「叱り上手」にもなれる。そう思うのです。  

 

●新入社員のみなさんへ 叱られ上手になろう
「叱られ上手」になれば、あなたは新入社員の中でも一歩前に進めます。
新社会人のみなさん、おめでとう
大丈夫。今まで頑張ってきたあなたは、職場でもきっと上手くいくでしょう。仕事は楽ではありませんが、地獄ではありません。
部活だって、入試だって、就活だって、楽ではなかったはずですが、あなたは乗り越えてきました。そしてしばらくたてば、「部活きつかったけど、楽しかった」などと思っているはずです。
今までの学校でのサークル活動や実行委員会の活動などと、会社での仕事は、基本的には変わりません。ただ、今までは練習でしたが、これからは本番になります。
生産する・お金をもらう
子ども時代、学生時代は、消費生活です。お金を払い、お客様として生活してきました。でもこれからは、生産者です。お金をもらって活動します。それは、今までと違いますね。でも、あなたはこれから何かを生み出していきます。この社会を支える側にまわります。
あなたが、次の社会を作っていくのです。
ただ、入社してしばらくは修行時代が続くでしょう。
現代の新入社員
リクルートの調査によれば、「あなたはどんな職場を求めていますか?」という質問に対して、5割の新入社員が「互いに助け合う職場」と回答しています。その次は「アットホーム」「なんでも意見が言い合える」。そして「活気がある」「互いに個性を尊重する」などと続きます。
新入社員の皆さんは、自分が受け入れられることを願っているようです。
「あなたが上司に期待することはなんですか?」という質問に対しては、次のような回答があります。
回答のトップ3は、「相手の意見や考え方に耳を傾けること」「一人ひとりに対して丁寧に指導すること」「好き嫌いで判断しないこと」です。
みなさん、優しい上司を求めているようです。
そして不安に感じていることは、「仕事についていけるか」「先輩・同僚とうまくやっていけるか」「自分が成長できるか」でした。
厳しい上司は不必要?
パワハラ上司はお断りです。今は、そんな時代ではありません。新入社員だって、自分の人権を守らなくてはなりません。けれども、社員はお客様ではありません。新入社員のみなさんも、仕事ができるようになりたいし、成長したいと思っていることでしょう。
あなたの今までの人生では、どうだったでしょうか。人権侵害をする大人がいては困りますが、時に厳しく指導してくれる人もいたはずです。そのおかげで、みんな成長してきました。
部活やサークル活動などで、だらだらと活動するのではなく、「目指せ全国!」とか「学園祭を成功させよう」と厳しい雰囲気の中で活動もしてきたでしょう。
上司も、部下のことを思っています。中間管理職の人と話をすると、まるで学校の担任や生徒指導の先生のように、新入社員のことを思っている人もたくさんいます。上司も新入社員の成長を願っています。新入社員も、必要な厳しさなら受け入れましょう。
叱られ上手になろう
楽しいおしゃべりや、褒めてくれることは、OKですね。でも仕事を覚え、成長するためには、時に叱られたり、厳しく指導されることも必要でしょう。
最近見られる新入社員で、叱られるとそのまま出社しなくなってしまう人もいます。そもそも失敗すると、叱られる前にそのまま辞めてしまう人までいます。
少し叱られただけで、うつむいて黙り込み、ガタガ震え始めてしまう新入社員もいます。叱られると、ふてくされたり、逆ギレする新入社員もいます。
上司もプロですから、上手に指導しなくてはならないのですが、少し厳しくしただけでこうなってしまえば、指導する気力も失う上司もいるでしょう。
あなたが仕事を覚えるために、成長するために、叱られ上手になりましょう。
叱られ上手とは
上司がきちんと叱ってくれているのなら、上司はあなたの人格を否定しているのではなく、あなたの行為を否定しています。上司がきちんと叱ってくれているのなら、あなたを潰すためではなく、あなたの成長を願っています。
叱ることはエネルギーのいることです。そのエネルギーをあなたのために使っています。
厳しい上司は、たいていの場合、仕事熱心な人です。叱られて小さくなって消極的になると、やる気がないように見えるので、さらに叱られます。
叱られた内容をしっかり聞きましょう。目を上げて、返事をしましょう。目を上げて、「すいません」「はい、わかりました」と口を開くと勇気が湧いてきます。相手がこちらの説教を理解してくれていると感じると、説教が必要以上に長くなることがありません。
しっかり説教を聞く、反省の気持ちを表す、そして萎縮せず積極的に行動していく。こういう叱られ上手は、厳しい上司からも気に入られます。面倒を見てもらえます。新しい経験をどんどんさせてもらえます。こうして、あなたは仕事を覚え成長していくでしょう。
しばらく過ぎれば
最初はお互いに緊張感があります。新入社員は不安もあります。泣きたくなることもあるでしょう。でも、上司達も新入社員の時は同じでした。先輩達も、同様です。
新入社員の時は、叱られた、ヘマをした、頼りなかった。そんなあなたも、しばらく過ぎれば、会社の皆さんと良い人間関係が持てるようになるでしょう。厳しい面もあるけれど、冗談を言い合えるような仲間にもなるでしょう。
そして、今度はあなたが先輩になり、上司になり、会社を動かし、社会を作っていくのです。あなたのこれからの活躍を期待しています。  

 

●怒られても凹まなくなる!“怒られ力”をつける 5つの方法
仕事のミスに対して注意を受けたことで深く落ち込んでしまったり、一度の失敗でやる気をなくしてしまったり。昨今の若手社会人にはそんな打たれ弱い人が増えていると言われています。そうした打たれ弱さは、社会人としての成長を阻んでしまう原因になりることも。
「“怒られ下手“には理由がある」と語るのは、『怒られ力 新社会人は打たれてナンボ!』の著者である落語家の桂福丸さん。
福丸さんは、灘中学校・灘高校を経て京都大学法学部を卒業したという、世間的に言えば“エリート”です。しかしその後、28歳で4代目桂福団治さんのもとに弟子入りすると、師匠や兄弟子から怒られ続ける日々を過ごし、独自の“怒られ力”を身につけたそう。
そこで今回は、怒られるのが下手になる理由や、怒られた経験を成長の糧にする方法について、桂福丸さんに伺います。
怒られ下手は「怒られる=攻撃される」と考える
まず、福丸さんによると、打たれ弱い人の特徴として、「怒られる=攻撃される」と考えることが挙げられるのだそうです。
「怒られ下手とは、人に怒られたことに対して、単に『自分が攻撃された』としか思えない考え方のことです。 相手が何に対して怒っているのか、なぜ相手が自分を怒るのかについて、相手の気持ちや価値観を理解して考えることができないと、そうした考え方になってしまいます」
怒られていることの“内容”ではなく、怒られている“状況”という表面的な部分にしか目を向けることができないと、「怒られる=攻撃される」というネガティブな経験に留まってしまうため、怒られる度に深く落ち込んだり、ふさぎこんだりしてしまう、“打たれ弱さ”につながるのです。
怒られた経験と素直に向き合う
そうした打たれ弱さを克服するには、怒られた経験をネガティブなものとして終わらせるのではなく、自分の糧にして活かす“怒られ上手”になる必要があります。
「私自身、元々怒られることが嫌いだった」という福丸さんは、自身が怒られ上手になったきっかけについて、次のように語ります。
「人に怒られることが嫌いだったので、そもそも仕事で怒られないようになるにはどうしたらいいかを真剣に考え続けました。そのなかで、怒られた経験から目を背けるのではなく、しっかりと向き合い、その原因を改善して仕事ができるようになることが一番の近道だと気付き、実践しました。
たとえば福丸さんには、次のような経験があったそう。
「大勢が参加する仕事上の飲み会の途中などでは、グラスが空になる前に注ぎに行くのはもちろん、向こうのテーブルの人がお腹が空いているのかいないのか、早く帰りたがっているのかなどを感じ取り、その人が恥ずかしい思いをせずに意向を叶えられるよう、立ち回らなければなりませんでした。
初めはそんなことが全く分からなかったため、私自身、師匠から『空気を読め』とよく怒られたんです。
しかしそうした怒られる経験を通して、その場にいる人たちをよく観察し、自分の考え・行動が正しかったのかをその都度周りの人に聞くようにしたことで、次第に人が何を求めているのかを感じられるようになりました」
すると、本当に人から怒られなくなったという福丸さん。怒られた経験と素直に向き合い、改善の努力をしたことで、初めて、かつて自分を怒ってくれた人の気持ちがわかるようになったのです。
怒られ上手は“怒ってくれる人は味方”と知っている
まず、怒られ上手になる上で大切なのは、「怒ってくれる人は味方だと知ること」と福丸さんは言います。
「怒られることは誰にとっても嫌なことですが、怒ってくれる人は嫌な人ではありません。本当に嫌な人であれば怒るのではなく、陰で悪口を言う、失敗をあえて指摘せずそのままにさせるなど、別の方法をとるでしょう。
なぜなら、『怒る』という行為は、怒る側にとっても労力が必要なことだからです。
誰に頼まれたわけでもないのに、そのような労力を惜しまずに使ってくれる人は、味方と言ってよいと思います。自分に対して何も言わない人と、言い方はどうであれ伝えてくれる人、その違いをまずははっきり認識することが大事です」
怒られ上手になる5つの方法
では、どうしたら怒られる経験を自分の成長に活かせる、怒られ上手になれるのでしょうか。
   1.まずは大きな声でしっかり謝る
怒られたときにしっかりと謝る。当たり前のことのように思えますが、きちんと謝罪の気持ちを伝えるためには、謝り方も大切なのだそうです。
「気持ちで申し訳ないと思っていても、それが相手に伝わらなければ相手の怒りはさらに大きくなることがあります。
例えば、怒られている時にまったくの無反応でいると、相手に『本当に伝わっているのか?』と思われてしまいますし、下を向いてボソボソと返事をしたりすれば、相手はさらに怒りをヒートアップさせてしまう可能性があります。
こうしたときは、大きな声で『申し訳ございません!』『ご指摘をありがとうございます!』と言うのが、一番シンプルでよい怒られ方です。怒られるのにもリズムが大事なのです」
   2.相手の意見を一旦全部受け止める
「怒られ下手な人は必ずと言っていいほど、自分に自信があり、その気持ちが相手の意見を真摯に受け止めることを妨げている」と福丸さんは言います。
「自分はまだまだ未熟だと知ることが大事です。仕事のエキスパートではないことを自覚し、相手の意見をそのまま受け入れて聞いてみましょう。
なかには『え?』と思うような意見や怒りもあるかもしれませんが、一旦全部受け止めてかみしめる。いろいろなパターンの怒りを受け止めることで、どんなことに対して人は怒るのかを知ることができるので、自分の仕事の仕方にも活かすことができます」
   3.質問をして詳しく学ぶ機会を作る
怒られた経験をただの嫌な思い出にしてしまわないようにするには、怒られる理由になったことについて、もう一度相手に質問をし、学ぶ機会を設けることも大事なのだそうです。
「怒られた後にすぐ質問するのは雰囲気として難しいことが多いので、一通り相手の怒りが収まったタイミング、たとえば休憩時間や、仕事がひと段落した後に、『先ほどは申し訳ございませんでした。よろしければもう少し詳しく◯◯について教えていただけませんでしょうか』と聞くのがポイントです。
すると相手は、怒っていたときよりも落ち着いた状態で、それについて詳しく教えてくれるでしょう。また、そうした積極的な姿勢を通して、相手にやる気があるということを伝えることができます」
   4.怒ってくれる人をよく観察する
自分を怒る人がどんな人かに注目することも大切だと語る福丸さん。そうすることで、以下の二つのことが分かるようになるそうです。
「一つは、怒られる前兆です。その人の価値観や感情のパターンが分かると、自分がもうすぐ怒られそうだという前兆がわかるようになります。そうした前兆がわかるだけでも心の準備ができるので、怒られることに対して落ち着いて向き合えます。
そしてもう一つは、仕事のコツです。きちんと人を怒ることができる人は仕事ができる人であることが多いので、自分を怒ってくれる人の言動をしっかりと見ていると、仕事ができるとはどういうことかがわかってきます。一度その見方がわかると、自分の視野が広がり、学んだ仕事のコツを自分の働き方に活かすことができるでしょう」
   5.1年半は怒られた経験から課題考え、実践し続ける
怒られ続けると、仕事へのやる気を失ってしまうこともあります。しかし、怒られた経験を糧に成長するためには、怒られた経験から何をすべきかを考え、努力をすることを一定の期間続ける必要があると福丸さんは言います。
「毎日人に怒られることは決して楽しいことではありません。いつまで続くのだろう、と絶望的になることもあるかもしれませんし、他人に相談しても『仕事なんてそんなもんだよ。俺の若い時なんてどれだけ怒られたか……』と言われてしまうかもしれません。
しかし、永遠に怒られ続けることは絶対にないんです。怒られないためにはどうレベルアップすればよいかを必死に考え、それに応じた努力を続ければ、必ず仕事ができるようになり、同時に怒られなくなります。
個人的な感覚としては、自分を信じて1年半努力を続ければ状況が変わります。1年半必死に頑張っても、全く怒られる回数が減らないのならば、上司の側に問題があるか、仕事とは関係のない点で悪いイメージを持たれている場合があるので、環境を変えることを考えてみてもよいかもしれません」
まとめ
誰だって怒られることは嫌なもの。しかしそれを嫌な経験で終わらせてしまうか、成長の足がかりにできるかは、自分の向き合いかた次第であることがわかりました。打たれ弱さを克服したい人は、まずは怒ってくれる人を自分の味方だと捉えるところから始めてみてはいかがでしょうか。  

 

●むしろ評価が上がる!知っておきたい 「上司からの上手な叱られ方」
「自分の評価を上げたい」というのは、キャリア志向の人なら持っている気持ち。その分、上司から叱られたときには、ショックも大きいのではないでしょうか。今回はソフトバンクで2万人の社員教育に関わった「新人育成のプロ」である島村公俊さんに、キャリア志向の30代前後の中堅女性に向けて、上司から叱られたときのうまい対処法を伺いました。
●叱られたときに使える「10秒質問」
これから島村さんに、上司から叱られたときの対策を教えていただきます。その際にあわせて使いたいのは、自分自身に問いかける「10秒質問」。
「10秒質問」とは、島村さんが新人育成で活用しているトレーニング手法の一つ。上司が10秒質問を新人に投げかけることで、やがて新人は自らこの10秒質問を自分に問いかけるようになり、成長していくというものです。
今回、教わる対策を実践するとともに、各10秒質問を自分自身に問いかけることで、自分自身をより良い方向へと成長させていけます。
●こんなときはどうすれば評価が上がる?上司に叱られたときの「10秒質問」と対策
1.叱られた瞬間に自分の評価を上げるためのリアクションは?
上司から叱られたときでさえ、自分の評価を上げたい。そう思う場合、どんなリアクションをすればいいのでしょうか。
   こんなとき、自分に問いかける10秒質問
「相手の気持ちに配慮すると、お互い感情的にならないかも?」
「叱られたときに上司に評価してもらうためには、『成果を出すまで諦めないやつだな』、『粘り強いやつだな』と思ってもらうことが大切です。つまり、一度叱ったくらいで凹んでしまうような姿勢はNG。なぜなら、上司は言いたいことを何度でも部下に言えたほうが、より早く成果に近づくことを知っているからです。そこで、上司が言いたいことを引き続き言えるように、次のようなフレーズがおすすめです」
「言いづらいことを言っていただきありがとうございます。すぐに〇〇を改善します。」
「言ってくださらないと気がつかないことも多いので、引き続きアドバイスお願いします。」
2.叱られた後に評価を上げる行動は?
では、叱られた後、どんな行動をとれば、評価が上がるものなのでしょうか。
   こんなとき、自分に問いかける10秒質問
「叱られたときこそ、今この場で強く伝えるべきことってなんだろう?」
「上司は、常に成果を上げることを意識しています。その上で、以下の3点がとても大切です」
1. 今日中にできることを示し、すぐに改善行動に移す
2. いつまでに改善するのかの期日を明確に示す
3. 再発の防止策をあわせて示す
「注意したいのは、叱られたからといって、卑屈にならないこと。前向きに状況を変えていくという強い姿勢を見せることが大切です」
3.日頃の仕事において上司の評価を上げるコツは?
叱られたのをきっかけに、日頃の仕事に取り組むときにも、ぜひ上司の評価を上げたいですよね。そのコツを2つ教えていただきました。
   (1)何度も深く考えてよりよいものを作ることを意識する
   こんなとき、自分に問いかける10秒質問
「あと、もう1回考えたら、相手はどう思うだろう?」
「あまり深く考えずに安易に行動してしまうときというのは、ミスが出やすくなるので注意が必要です。ですから、何事も1回考えて終わりではなく、何度も深く考えてよりよいものを作ることを意識していくことで、評価を取り戻していくことができます」
   (2)提案時には相手の立場に立つことを意識する
   こんなとき、自分に問いかける10秒質問
「この提案は、本当に相手が求めていることなのかな?」
「自分のやりたいことやチームとしてやりたいことばかり提案すると、相手の立場に立っていないと上司から叱られる可能性が高まります。ですから、例えばお客様が何を期待し、何に悩んでいるのかを知り、それを反映したものにすることで、よい提案だと評価されるようになるでしょう」
4.必要以上に怒るタイプの上司への対処法を教えて!
ところで、上司の中には、必要以上に怒るタイプの人もいますよね。そんな上司にはどう対処すればいいのでしょうか?
   こんなとき、自分に問いかける10秒質問
「必要以上に怒る上司に、私は取り乱されて本当にいいの?」
「このようなケースの場合は、こちらが感情で取り乱さないようにすることが大切です。そのためには、次のようなことを考えながら、相手を冷静に眺める訓練が必要です。“この人、自分の感情をコントロールできない、かわいそうな人なんだな〜”という感じでその上司を眺めます。そんな部下の様子に気づいた上司は、なんとなく自分の弱いところを見透かされているような気がするという感覚がして、冷静さを取り戻し、怒りの気持ちが落ち着いてくるのです。」
上司から叱られたときこそ、自分の評価を上げるチャンス。叱られたのをきっかけに、できることをやり尽くせば、よりデキる自分、成果を出せる自分になることができそうです。  

 

●部下の上手な叱り方
“叱る”と“怒る”の違いとは
“叱る”というのは、問題点・改善点を指摘して、注意やアドバイスをする行為を指します。行動改善のきっかけをつくり、相手の成長を促すことが目的です。
これに対して、“怒る”には目的がありません。自分の感情を相手に一方的にぶつけ不満を発散し、相手を追い込む行為ともいえます。
部下を指導するとき、後者のように怒ってしまうのは間違った対応です。部下が委縮してしまい、モチベーションの低下につながるほか、パフォーマンスの低下、ミスの隠蔽(いんぺい)を招く可能性もあります。
指導者となる上司や管理者は、叱ることと怒ることの違いをしっかりと区別したうえで、相手の成長を促すための対応を意識することが重要です。
部下を成長させる叱り方のポイント
部下が失敗やミスを起こしたとき、今後の成長につなげるためには、以下のようなポイントを押さえて叱ることが重要です。
   タイミングと場所を考慮する
部下を叱るタイミングは、ミスをしたときに叱るのがポイントです。ただし、人前で叱ると「恥をかかされた」と不快に感じる部下もいるため、場所には注意が必要です。叱るときは個室を利用するなどして人前を避け、周囲に聞こえないよう配慮しましょう。
   主観を入れずに叱る理由を明確にする
叱るときに、主観を入れないことも重要なポイントの一つです。たとえば、「○○の発言が適切ではなかった」「○○を管理できていなかった」など、具体的に問題点を示します。このとき、主観を入れずに事実確認を行うことで、部下が自身の失敗を冷静に受け止めやすくなります。
   感情を共有する
部下がミスをしたとき、怒りの感情をそのまま伝えてはいけません。上司や管理者自身の感情を共有するといった意識を持つことが重要です。ミスをした事実に対してどう思ったのか、根底にある不安・落胆といった感情を伝えることがポイントです。そうすることで、部下と前向きなコミュニケーションを取れるようになります。
   具体的な改善案を伝える
抽象的な指示では改善方法が伝わらず、同じ失敗を繰り返すかもしれません。部下の失敗やミスを指摘するときには、具体的な改善案を提示するのがポイントです。たとえば、「望ましい対応例を提示する」「再研修を提案する」「こまめなフィードバックを実施する」などの改善案があります。「頑張れ」「気合を入れろ」といったような抽象的な指示はしないようにしましょう。
   最後に相手をフォローする
叱った後には、「次は大丈夫」「この提案はよかった」などと、部下をフォローすることが欠かせません。普段どおりに声をかけ、落ち込みや気まずさを解消させるのもポイントです。また、指導によって問題点が改善した場合には、しっかりと褒めることも大切です。部下の感情をプラスにして、改善に向けた自発的な行動を促すことにつながります。
   短時間で終わらせる
部下を叱るときに長時間継続すると、部下の集中力が切れて疲れてしまい、本題が伝わらないことがあります。また、叱っている上司・管理者自身が冷静さを失いやすく、本来の「ミスをした事実を叱る」という目的から外れてしまうこともあります。叱るときには要点をまとめ、短時間で済ませるのがポイントです。伝える事実を簡潔に話すことで、相手に対して的確に意味を伝えられます。
上司がやってはいけない行動例
部下に誤った叱り方をするとモチベーションを低下させるだけでなく、信頼関係まで崩してしまいかねません。以下のような行動には注意して、理性的な対応を心がけることが重要です。
   感情的になる
部下を怒鳴りつけたり、威圧的な言葉を使用したりと、感情的に話してはいけません。上司や管理者が感情のままに思いをぶつけてしまうと、部下は委縮してしまい、チャレンジすることを恐れるようになってしまいます。どうしても怒りを感じてしまう場合は、時間を空けて冷静になってから対応することが重要です。
   相手の人格や能力を否定する
部下の個性・性格・容姿・育ちなど、人格を否定することを持ち出すのは厳禁です。失敗やミスが起きたとき、悪いのは部下の人格ではなく、仕事の手順、プロセスなどの行動ということを心得ておく必要があります。
   他人と比べる
部下を他人と比較すると、上司への反発心が生まれてしまい逆効果になることがあります。能力や得手・不得手は人それぞれのため、他人と比較したところで成長につながるわけではありません。当人の問題として捉えて具体的な改善方法を提示することが有効です。一人ひとりと向き合い、親身に対応することで、部下との信頼関係を構築できるようになります。
   過去の失敗を持ち出す
ミスや失敗の内容にかかわらず、過去の出来事を持ち出すのは効果的とはいえません。過去のことをいつまでも持ち出され続けると、部下の気分も悪くなり、反発心が生まれやすくなります。叱ることは「今起きていることだけ」に絞り、過去の失敗とは区別することが大切です。
まとめ
部下を叱る行為は、感情任せに怒る行為と違い部下の成長につなげることが目的です。
部下のやる気を引き出すためには、タイミング・場所を考慮して叱る理由や改善策を明確にすることが重要です。また、部下と感情を共有して、叱った後にフォローすることで、部下のモチベーションが下がるのを防げます。
適切な方法で部下を叱ることにより、部下との信頼関係を築けるため、職場の雰囲気もよくなります。営業活動での連携もスムーズとなり、仕事の質を向上させることにもつながるでしょう。
たとえ部下がミスをしたとしても、それは部下が成長する機会と捉えることが大切です。部下のやる気を引き出す叱り方を取り入れて実践してみてはいかがでしょうか。  

 

●部下の上手な叱り方 2 怒り方とはどう違う?
上司や管理職の大事な仕事の一つに、「部下の育成」があります。部下を導き育てるために、時には必要になるのが「叱る」こと。間違った怒り方・叱り方は部下のモチベーションを下げ、離職の原因になってしまうこともあります。今回は「怒り方」を改め、上手な「叱り方」をするためのポイントをご紹介。「部下を叱るのが苦手・・・」という管理職の方は必見です。
まずは「怒る」と「叱る」の違いを知ろう
「怒る」と「叱る」は文脈の中で同じように使われがちですが、実は意味が違います。
   怒るのは「自分のため」、叱るのは「相手のため」
「怒る」とは、相手が自分の指示通りに動いてくれない、望んでいた結果を出してくれないなど、自分に対して悪い影響を与えたことに対して腹を立て、相手にその感情をぶつけるという行為です。そこには自分が腹を立てている、不愉快であるということを相手に伝えたい、不満を発散させたいという目的が隠れています。一方「叱る」とは、相手の間違った行動や望ましくない行動に対して、現状の問題点や改善点を考え、今後の成長のために強めに注意やアドバイスをすることです。
相手の行動改善のきっかけを作り、同じ過ちを繰り返さないのが「叱る」ことの大きな目的です。
   間違った「怒り方」は不信感や離職の原因にも
上司も人間ですから、部下に同じミスを繰り返されるとイライラしてしまうこともあるでしょう。しかし、そこで感情に任せて間違った怒り方をしてもかえって逆効果です。行動改善に至らないばかりか、部下からの不信感やモチベーション低下などにつながり、最終的には離職の原因となってしまうこともあります。相手にきちんと納得してもらい今後の成長につなげていくためには、感情をぶつける「怒る」ではなく、上手に部下を導く「叱る」技術が必要なのです。
相手との信頼関係を壊さず、上手に叱るポイント
叱る目的は、部下の間違った行動や望ましくない行動を改善して仕事の生産性を上げることです。そのためには、相手に納得をしてもらい、自らの意志で行動改善をしてもらわなくてはいけません。叱られた側がその内容を素直に受け止め、自ら反省できるような叱り方をする必要があります。
   叱る基準やルールを明確にする
信頼関係のない相手にいくら叱られても素直に聞けないものです。「昨日と言っていることが違う・・・」とならないように、叱る基準やルールは明確にしておく必要があります。どのような行動に対して叱って、何に対しては叱らないのかを普段から明確に示しておきましょう。また、相手によって叱らなかったり、叱り方を変えたりするのも不信感につながります。相手が誰であろうと、同じようなミスに対しては同じように叱りましょう。
   叱るための5ステップを意識
「叱る」のは部下育成の絶好のチャンスです。感情的にならず、ポイントを押さえ戦略的な叱り方を意識しましょう。5つのステップをご紹介します。
1 叱るタイミングと場所を意識する
その場、その時に直接叱るのが一番伝わるタイミングです。タイミングを逃さず、叱るようにしましょう。その際、人前で叱るのは避けて周りの人に聞こえないように配慮しましょう。
2 主観を入れずに事実(行動)の確認をする
まずは起こった事実、行動について共通認識になるまで確認します。例えば「〇〇の納品が期日に間に合わなかったよね」など。この時「ヤル気がないから間に合わなかったんだろう」などと、主観を入れてはいけません。
3 こちらの気持ちを伝えて感情の共有をする
次は、その事実に対してこちらが何を思ったのか伝えましょう。例えば「新しい案件で苦戦しているのではないかと心配していた」など。
4 解決のために改善するべき具体的な行動を伝える
例えば「納期3日前の時点で進捗状況の報告をする」など。できるだけ具体的な指示を出すことがポイントです。「もっと頑張れ」「もっと急げ」などの抽象的な指示は、何をどう改善すればいいのかわからず、同じミスが繰り返される可能性があります。
5 相手の「プラスの感情」を引き出して終わる
叱った後は、励ましたり褒めたりして相手の感情をプラスにして話を終わります。「期待しているよ」「次は大丈夫」などとフォローを入れて相手のモチベーション維持を心がけましょう。
やってはいけない怒り方・叱り方、NGワード
相手との信頼関係を維持し、気持ちよく納得してもらうためにも下記のような叱り方は厳禁です。
   感情をぶつける、執拗に責める
失敗を恐れ萎縮してしまい、チャレンジができなくなってしまいます。
   他人と比べる
「〇〇さんはできるのにどうして君はできないんだ」など。他人との比較ではなく、個人の成長に焦点を当てましょう。
   個人の人格や能力を否定する
「だからお前はダメなんだ」「この仕事は向いていないよ」など。個人の人格や能力がダメなのではなく行動が間違っているだけなので、どの行動がダメなのか、どうすれば改善できるのかを具体的に指摘しましょう。
優秀な部下を育てる「叱り方」のルール例
「叱り方」に明確なルールを定めている会社の例をご紹介します。大手航空会社の全日空空輸株式会社(ANA)では、「叱る」ことを人材育成の一つの手段ととらえ、明確なルールを用いた戦略的な叱り方を実践しています。
   ANAのルール、安全を脅かす行為は100%叱る!
航空機運航の際、何よりも優先されることは「安全」です。ANAでは「安全」が叱る基準となっていて、「安全に影響を及ぼす行為」に対しては100%、特に厳しく叱るというルールになっています。例えば、ヘルメットをかぶらずに高所作業をしている整備士には、大声で怒鳴ってでもヘルメットをかぶるように指示をする。50%の確率で天候が悪くなりそうなフライトの際、副操縦士の「おそらく天候は回復するんじゃないでしょうか?」といった根拠のない発言に対して厳しく諭す。この様な安全を脅かす行為に対しては全力で叱るという共通認識になっています。
   問題の解決策を導く戦略的な叱り方
逆に、それ(安全)以外については頭ごなしに叱ることは絶対にありません。99%部下が悪いということがわかっていたとしても、必ず最初に事情を聞き、その上で戦略的に叱ります。事情を聞くことで行動の裏に隠れている問題が見え、解決策を出すことができるのです。改善行動の指摘は短くシンプルに。そして話の終わりには笑顔で「この話はこれで終わり!」と明確にすることで心の負担を軽くし、良い印象で終わるようにします。
まとめ
部下の失敗を成長につなげ、育てるためには感情任せに「怒る」のではなく、部下のことを考えて上手に「叱る」ことが重要だということをご紹介しました。部下との信頼関係を壊さず上手に叱るポイントは次の2つです。
•叱る根拠を明確にする、叱るときのルールや基準をしっかりと示す
•感情的にならずに戦略的に叱る
上手に叱ることは部下との信頼関係を築き、成長を促し、仕事の生産性を上げることにもつながります。どうしてもイライラして怒鳴ってしまいたくなる場合は、一呼吸置いて今回のポイントを意識した叱り方を実践してみてはいかがでしょうか? 

 

●叱り上手になるためのポイントとNG例
部下や新人、若手を成長させるうえで、叱ることは大切です。ただし、誤った叱り方をしていると、部下のモチベーションが下がったり、主体性が損なわれたりする場合もあります。正しい叱り方とは、一体どのようなものなのでしょうか。記事では、まず間違った叱り方がどういうものかを確認したうえで、部下の成長につながる正しい叱り方のコツ、正しい叱り方の具体例をパターン別に解説します。
叱ることを苦手にする上司や親が増えている
最近では、地域コミュニティの崩壊、教師による叱責の減少、パワハラ意識の浸透などで、そもそも「叱られた経験」が少ない世代が上司や親になることが多くなりました。叱られた経験が少ないからこそ、正しい叱り方がわからない人が増えているとも言い換えられます。また、職場でハラスメント研修やハラスメントの通報制度などができたことで、叱ることに対してリスクを感じさせ、消極的になっている側面もあるでしょう。もちろんハラスメントは絶対にNGです。しかし、部下を成長するために叱ることは決してハラスメントではありません。叱ることは、部下や子供の誤った思考や言動をただし、成長を促すための効果的な手段です。正しい叱り方を身に付け、叱ることを適切に活用して人材育成できるようになりましょう。
間違った叱り方9選
まずは、間違った叱り方の具体例と理由を紹介していきましょう。
   大声や乱暴な言葉で叱る
大声や暴言で叱るのは、本来の「叱る」ではなく、自分の感情をぶつけているだけの「怒る」です。脅しや威嚇と同じであり、部下に恐怖心を与え萎縮させてしまいます。大声や乱暴な言葉で怒鳴るようなことを続けていれば、信頼関係が壊れ、本音で話してもらえなくなるでしょう。場合によっては、パワハラととらえられることもあります。
   大勢の前で叱る
たくさんの人がいる前で叱るというのは、職場だけでなく学校などでも行なわれていることがあります。人前で叱ることは、相手の心を傷つけるだけでなく、「人前で吊し上げられた」などの恥ずかしい想いから反発心や恨みを生むことにもつながります。もちろん反発心や恨みが生じれば、本来の目的である「修正すべき言動の矯正」は達成されません。
   他人と比較して叱る
「〇〇さんはできているのに君は……」のように、他人と比べて相対評価で叱ることは避けたほうがよいでしょう。比べる叱り方をしていると、人前で叱られる場合と同様に、相手は恥をかかされた感覚になり、叱った内容を受け入れにくくなります。
   人格や価値観を叱る
叱る目的は相手の成長であり、好ましくない言動の修正とも言い換えられます。よって、叱るときには、あくまでも「行為」にフォーカスすることが大切です。相手の人格や価値観を否定するような叱り方は、相手の自己肯定感や尊厳を傷つけますし、明確なハラスメントでもあります。
   抽象的な内容で叱る
抽象的かつ漠然とした指摘や叱り方もNGです。人によって基準が異なり、何を指しているのかよくわからない抽象的な叱責をしていると、部下は自分の判断で動けなくなり、指示待ち人間になってしまいます。叱る内容に具体性がなければ、叱られた側は何が問題かを認識できず、行為を修正できません。
   否定ばかりして叱る
どのような相手であっても、叱るべき問題や悪いところとともに、褒められる良いところもあるはずです。ダメなところだけを並べて否定ばかりをしていると、相手の自己効力感や自己肯定感が失われてしまいます。したがって、「褒める」と「叱る」を適切な頻度で実施することも、大切なポイントになります。
   決めつけて叱る
部下の考えや言い分を聞かず、一方的に決めつける叱り方もよくありません。上司は、ときに現場の状況を知らなかったり、誤認識していたりする場合もあります。上司が「自分は正しい」という前提で決めつけた叱り方を続けていると、信頼関係が崩れたり、部下が自ら考えて行動する主体性が育まれなくなったりするでしょう。
   個人の成功体験や考えを押し付けて叱る
叱るときに以下のような成功体験を語るのは、自分と部下を比較して叱ることと同じです。
・「自分の新人時代はこうだったのに、一方であなたは……」
・「自分はこの方法で営業トップになったから、あなただって……」
これは先ほどの「他人と比べる」にも通じる部分です。相対的な比較で叱った場合、相手は納得感をもって受け入れづらくなります。さらに上記のような叱り方は単に他人と比べられる以上に、上司の自慢話を聞いているような感覚であり、相手にとっては不快です。自分と比べるなら、成功体験などではなく、むしろ同じような失敗体験を開示することで、相手は叱責を受け入れやすくなるでしょう。
   長時間にわたって叱る
30分や1時間と長く叱り続けても、効果が得られにくいことがわかっています。得られにくい理由は、叱られている側が次第に疲れてきて、何を改善すればいいのかわからなくなるからです。また、長時間叱り続けていると、叱っている側の怒りが増幅する「怒りのエスカレーション」という現象が起こります。怒りのエスカレーションが生じた場合、本来叱っていた問題とは異なる過去の指摘などを始めてしまったり、「叱る」ではなく感情的な「怒る」になってしまったりする可能性が高まります。叱るときは、要点をさっと叱って短時間で終わりにしましょう。
部下の成長につながる正しい叱り方のコツ
「叱る」ことで部下の成長を促すには、以下のポイントを意識しましょう。
   叱る際に意識すべき4大要素
批判的なフィードバックを通して改善や成長を促すには、以下の4要素を盛り込んだ叱り方を心がけるのがおススメです。
・叱るべき事実:工場での作業手順がおかしい、テレアポの件数が少ない、遅刻が多い
・叱る理由:ケガや失敗をする可能性が高いから、著しく数字が低いから、信用を失うから
・事実への主観:自分は危ない手順だと思う、期待していただけに残念だ、心配している
・解決策を提示させる:どうしたら改善できると思う? 何が足りないのかな?
4大要素を意識して叱ることで、叱っている内容が部下の心にしっかり届きやすくなります。
   叱る場所やタイミングを考える
間違った叱り方をする上司の多くは、自分の想いや意見を伝えることに重きを置きがちです。しかし、部下を叱る本来の目的は、問題を改善してもらい、成長を促すことにあります。よって、叱るときには、相手のプライドを傷つけず、こちらの主張に耳を傾けてもらえる場所やタイミングを意識することも大切です。なお、叱ることをフィードバックと考えれば、問題が起きている「瞬間」に伝えることが理想です。ただし、部下本人が忙しそうであったり、受け入れる余裕がなかったりする場合には、「いま大丈夫?」や「今の作業が終わったらちょっといいかな?」と声がけするなどの配慮も必要です。
   期待していることを最初に伝える
パナソニックの創業者として著名な松下幸之助は、よく部下を叱ったとされています。松下幸之助が部下を叱った理由は、部下に大きな期待を寄せて成長してほしいと願っていたからです。叱るときに、「期待」を伝えることは、上司と部下の信頼関係を維持するうえでも大切です。「この上司は自分に期待してくれている、信じられている」ということが理解できていれば、叱られたあとに萎縮したり、主体性やチャレンジ精神が損なわれたりすることはないでしょう。
   叱る理由や望ましい行動を明確に示す
先ほどの4要素にも重なりますが「なぜ叱るのか?」「どういう行動を取ってほしかったか?」を明確にすることで、叱られる側に納得感が生まれます。また、叱る理由を具体的に伝えることで、例えば上司の認識が間違っていた場合などにも部下から実際の状況説明などができるようになるでしょう。なお、繰り返しになりますが、叱る対象は「行動」や「言動」であり、相手の人格や価値観などを叱ってはいけません。
   感情的にならない
ネガティブな指摘やフィードバックを通して、部下に改善や成長を促すことが「叱る」です。上司が感情的になると「叱る」ではなく、「怒る」になってしまいます。感情のエネルギーをぶつけられた部下は、驚きや恐れによって上司の話に集中できなくなります。「自分が何を求められているか?」を理解できなければ、指摘内容の改善もできません。また、感情をぶつけられると、上司に対して苦手意識を感じてしまい、信頼関係も壊れてしまう可能性が高いでしょう。部下の失敗や悪習慣にネガティブの感情が噴出しがちな方は、怒りの感情をコントロールするアンガーマネジメントを学ぶこともおススメです。
【パターン別】正しい叱り方の具体例
正しい叱り方の具体例を、部下のパターン別に紹介していきましょう。
   同じミスを何度も繰り返す部下への叱り方
上司:「最近、〇〇という同じミスを繰り返しているね。ミスしていてはプロジェクトの進捗が遅れるし、お客様からの信頼も失ってしまうよ。Aさんはミスが多いタイプではないし、どうしたかと少し心配でもあるんだ。」
部下A:「すみません。先月から作業量が1.2倍に増えていたので、集中力などが低下してしまっていたのかもしれません。」
上司:「そうか。お客様からの信頼もあるし、ミスは最小限にしたいが、どうすれば改善できそうかな?もちろん、私も支援できることはしていくから。」
部下A:「納品前に使うチェックシートを作成します。チェックシートは、プロジェクトの部下全員に共有します。」
上司:「わかった。Aさんには期待をしているから、頑張ってね。困ったことがあったらいつでも相談して。」
   遅刻をよくする部下に対しての叱り方
上司:「ここ3ヵ月で5回も遅刻をしているね。5回のうち2回は、K社とS社の商談に遅刻しているじゃないか。こうした姿勢で契約を逃したら大変だ。あまりに遅刻の頻度が多いから、僕はかなり驚いているよ。Bさんは商談のスキルは十分にあるんだから、こういうつまらないところで損するともったいないぞ。」
部下B:「すみません。展示会の準備で、最近ずっと残業が続いていまして。朝起きられなくなっているかもしれません。」
上司:「そうか。どのような事情があっても、遅刻はみんなの信用を失うからいけない。どうすれば改善できるかな。何か協力できることはあるかな。」
部下B:「営業事務のSさんの手が空いているようなので、次からは、パンフレットの印刷などの簡単な作業をお願いします。あと、仕事の優先度を見直して、早めに帰れるようにつとめます。」
上司:「わかった。展示会でのプレゼンテーションも期待しているから、頑張ってね。」
   ノルマに対する意識が低い部下への叱り方
上司:「この半年で1ヵ月しかノルマ達成できていないね。Cくんには期待しているのだが、部内でもワースト1が続いているから心配になってね。」
部下C:「すみません。頑張っているつもりではあるのですが、なかなかうまくいきません。」
上司:「そうか。Cくん自身も苦しいと思うのだが、どうすればいいだろうね。」
部下C:「どうすればいいか……。そうですね、成績トップのY先輩の営業に同行してみようかな。」
上司:「いいね。客先の行く途中の車内で、ノルマ達成のコツなどを質問してみてもいいかもね。頑張って。」
「叱り方」に関してよくある質問
Q.叱り方のコツは?
叱り方のコツは下記4つです。
叱るべき
•事実
•理由
•事実への主観を述べる
•解決策の提示
上記4つを意識することで、部下の心に届きやすくなります。
Q.何度言っても聞かない部下には?
「ミスをしている内容を叱る」のではなく、「繰り返しミスをすること」に対して叱ることがポイントです。
ミスを繰り返す部下の叱り方
Q.「なぜ?」は叱るときに使わない方が良い?
「なぜ?」を使うタイミングや頻度に気を付けて使いましょう。4つの叱り方のコツに合わせて「なぜミスが起こったのか?」「次はどう対応していくか?」を組み合わせることがおススメです。
まとめ
正しい部下の叱り方を身に付けるには、まず、自分が間違った叱り方をしていないかをチェックして直しましょう。
・大声や乱暴な言葉で叱る
・大勢の前で叱る
・他人と比較して叱る
・人格や価値観を叱る
・抽象的な内容で叱る
・否定ばかりして叱る
・決めつけて叱る
・個人の成功体験や考えを押し付けて叱る
・長時間にわたって叱る
叱ることを通して部下の成長を促すには、以下のコツを実践することが大切です。
・叱る際に「事実・理由・主観・解決策」という4大要素を意識する
・相手が受け止められる場所やタイミングを考える
・相手に期待していることを最初に伝える
・叱る理由や望ましい行動を明確に示す
・感情的にならない  

 

●部下を伸ばす叱り方 4つのステップ
「部下をうまく叱れない……」そんな悩みはありませんか? もし上手に叱れるなら、仕事の生産性を上げることができるはずです。今回は叱り方について伺いました。人間関係の悪化やモチベーションの低下を懸念して、改善するべき部下の行動をスルーしている方も多いでしょう。ぜひ参考にしてください。「『叱る』というのは責める行為ではなく、相手の可能性を広げるコミュニケーションです」と語るのは『部下がついてくる人、離れて行く人の叱り方』の著者、齋藤直美さんです。今回は齋藤直美さんから、部下のモチベーションを下げずに叱る方法を紹介していただきました。
「叱る」は相手本位、「怒る」は自分本位
そもそも「叱る」と「怒る」はどう違うのでしょうか。「簡単に説明すると、『叱る』というのは相手本位の行為ですが、『怒る』は自分本位の行為といえます。自分が困りたくないから、相手に行動の回避を求める。『お前がちゃんとやらないと俺の評価が下がる』など、自分の利益や保身のためのコミュニケーションが、『怒る』という行為です。その点、『叱る』は相手の成長や、望ましい行動を促すきっかけをつくることが目的なのです」(齋藤直美さん:以下同じ)
叱るときに大事なのは“説得”ではなく“納得”
叱ることが相手本位の考え方に基づいていても、やはり人間関係の悪化などの悪影響が心配です。部下を叱るときに大事なことは何なのでしょうか。「部下が『納得』できる叱り方をすることが大切です。『納得』とは、部下が上司の考えを聞いて『そうだよな!・なるほどな!』と腑に落ちる感覚のことです。人は自分で決めたこと、思ったこと、考えたことに対しては、納得感がありますよね。人には自分の意思で決めたい心理があります。ですから、できるだけ部下自らが決める場面をつくり、自分で決めたと感じるような話し方の工夫をすることが、モチベーションを下げずに叱ることにつながるでしょう」(同)一方、相手のモチベーションを下げたり、人間関係を悪化させる「叱り」は説得するような叱り方だと齋藤さんは言います。「『説得』とは、上司の考えを部下に理解させようとすることです。強い説得は、上司の考えで部下をねじ伏せることになるので要注意です。そういった押しつけ感が残ると、『また押しつけられるかも……』と、あなたに警戒心や不信感を部下は抱くようになってしまうかもしれません」(同)
部下の叱り方4ステップ
納得感を引き出す叱り方を実践するための叱り方を、段階に分けて教えてもらいました。
   叱り方のステップ0 / 準備−タイミングと場所を決める−
   ○叱るタイミングは“その場、その時”
「タイミングの原則は、その場その時。それが一番相手に伝わるタイミングです。しかし相手に余裕がない場合は、別のタイミングがベターです」(同)
   ○叱る場所は人前と個室を避ける
「人前はNGです。人に聞こえない配慮をして伝えた方がよいでしょう。内容の重要度によっては、個室に呼んでじっくり話すことも必要です。しかし、毎回叱るたびに個室に呼びだすと、“また説教部屋に呼び出された”とネガティブなイメージを植え付けてしまうので、毎回は避けたほうがいいかもしれません」(同)
   ○叱るのは直接が原則
また、叱る場合は直接が原則です。特にメールは感情的になりやすいので避けるべきでしょう」(同)
   叱り方のステップ1 / 事実の確認−主観を入れない−
「実際に叱るとき、最初にすることは事実確認です。例えば『◯分遅刻してしまったよね』ということを確認します。しかしこのとき、主観が混同してしまわないように気をつけてください。例えば『遅刻したお前はやる気がないのか!』という発言には、遅刻という事実と、『遅刻=やる気がない』という主観の両方が混ざっていますよね。ここでは主観を入れずに、お互いに事実が把握できるまで話を確認しましょう」(同)
   叱り方のステップ2 / 感情の共有−本当の気持ちを伝える−
「事態を把握できたら、次はそれに対して自分が何を思ったか、気持ちを伝えましょう。遅刻の例えでいうなら『事故でもあったのかと不安になった』といった自分の気持ちです。ただ、怒りの感情が湧いた場合、そのまま気持ちを伝えてよいのかといえばそうではありません。伝えるのは本当の自分の感情や気持ちです。感情は二重構造でできています。怒りの感情は表に出やすいですが、根底にあるのは落胆で あったり、不安など別の感情なのです。そういった怒りの奥にある感情を伝えることで、建設的なコミュニケーションを取ることができるようになるでしょう」(同)
   叱り方のステップ3 / 望ましい行動の共有−具体的行動を示す−
「こちらの気持ちを伝えたところで、次は改善するべき具体的な行動を示します。遅刻の例えでいうなら『〇時に出社しよう』と、具体的に提示することです。そこで注意したいのは、あまり抽象度の高い指摘をしないことです。叱るというのは意識改革ではなく、行動改善に意味があります。『もっと頑張れ!』など抽象的に伝えてしまうと、具体的にどう改善すべきか部下に伝わらず、行動の改善がされずまた同じことを繰り返すことになってしまいます。できるだけ具体的に改善するべきことを伝えましょう」(同)
   叱り方のステップ4 / メリットの共有−最後は相手を快い状態に−
「最後は励ましたり、褒めたりして相手の気持ちが『快・プラスの感情』になるようにしましょう。人間の行動は感情の影響を受けています。快の感情のときは積極的に、不快の感情のときは消極的になるものです。そのため、『あなたが行動を改善することで、みんなから信頼されるよ』など励ましたり褒めたりして、感情をプラスにして終わるということがポイントです」(同)
これだけは言ってはいけないNGフレーズ4パターン
叱るときには、何気なく発したひと言で取り返しのつかなくなるほど相手を傷つけてしまうこともあります。そこで最後に、叱る上で絶対避けたいNGフレーズを紹介します。
   YOU+否定言葉
『だからお前はダメなんだよ』『キミにはがっかりだ』『もう信用できないな』「YOU(あなた)と否定的な言葉がセットになると、『YOU(あなた)=ダメ(否定)』という意味として伝わってしまいます。あなたがダメではなく、どの行動がまずいのか具体的行動を示さなければ行動改善は促されません」(同)
   部下の能力を否定
『こんなこともできないの?』『新入社員でもできる仕事なんだけど』『難しいことなんて頼んでないけどな』「こうした言い回しは、遠回しに部下の能力を否定しています。部下にはイヤミな上司としか映らないでしょう。上司にとっては簡単に思えることでも、部下にとっては難しいというケースもあります。自分の基準でとらえるのではなく、相手の基準でとらえてみましょう」(同)
   部下の可能性を否定
『この仕事向いてないんじゃないかな』『うちの社風に合ってないよ』「直接、人格否定をしている言葉ではありませんが、注意が必要です。『向いていない/合っていない』という発言は、『この先の成長は期待できない』と、部下の能力や伸びしろまで否定している言葉として伝わってしまいます」(同)
   部下のバックグラウンドを否定
『お前、大学で何勉強してきたんだ?』『どういう育ちしてきたんだ?』『だからイマドキの若いやつはダメなんだよな』「学歴、家庭環境、社会的環境など相手のバックグラウンドまで否定することは、環境や過去の人生を否定することにつながります。また、その家族や恩師まで否定することになりますので特に注意です」(同)
叱るのは部下も上司も育つ機会
「叱る」という行為はただこちらの感情を伝えるのではなく、相手の可能性を広げるために細心の注意を持って行うコミュニケーションだと分かりました。最後に齋藤さんから部下を持つビジネスパーソンにメッセージをもらいました。「叱るというと相手を責める悪いイメージがありますが、叱らないということは相手の成長の可能性を閉じることになります。果たしてどちらが悪いことなのでしょうか? 叱ることが苦手な方も、部下の可能性を広げるためのコミュニケーションだと前向きに捉えてください。教育は『共育』といわれるように、部下と一緒に上司も育つ機会です」ぜひ皆さんも、部下も自分も育つような叱り方を実践してみてくだい。  

 

 
 
 
 

 

●部下を叱る方法
1 叱られ上手は、叱り上手になる。
私はこれまで、叱られた経験は、山ほどあります。子どものころは両親から毎日のように叱られ、学生時代も先生からはよく叱られていました。社会人になって新人時代も、ほかの人よりよく叱られていた気がします。叱りやすい性格だったのかもしれません。今この文章でもそうですが、昔からYESかNOをはっきり話をする性格なので、叱られるときもよくありました。とにかく叱られた経験なら、山ほど思い出せます。バーゲンセールができるほどです。そういう厳しい環境だったからこそ、今の水口貴博があると思っています。にもかかわらず、叱る方法という今回の作品は、すらすら書けた作品の1つです。なぜ、すらすら書けたのか。笑ってやってください。私はこれまで山ほど叱られた経験があるからです。実は、上手な叱り方というのは「叱る立場」より「叱られる立場」のほうがはるかにわかりやすいです。上手に叱ることができているのかどうかの判断は、叱られる立場になってみないとわからないからです。一方、叱っている側は、叱られている側の気持ちや感じ方を確認しにくい。
私はこれまで数多く叱られた経験があるため、上手だなと感じる叱り方も経験があります。今回は、そういう上手に叱ってくれた両親・恩師・上司などを思い出しながら書いたから、すらすら書けました。子どものころよく叱られた人は、大人になってから役立ちます。私は今、職場でリーダーになって部下を指導することがあります。そんなとき、たくさん叱られた経験があるので、上手な叱り方をしやすいです。たくさん叱られ、上手な叱り方のサンプルが頭の中にたくさん入っています。これまで上手に叱ってきた人たちを真似しているからです。「自分の人生はなぜこんなに叱られてばかりなのだろうか」と思っている人は、安心しましょう。今はつらいかもしれませんが、大人になってから役立ちます。いずれ自分が職場で部下を持つようになれば、叱ることもあるでしょう。家庭を持って親になれば、子どもを叱るときがやってきます。そのとき必ず役立ちます。叱られ上手は、叱り上手になります。
2 相手を落ち込ませるような叱り方は失格。
叱る意味を、はき違えている人がいます。落ち込ませるために、叱る人がいます。「ばかやろう」「なにやっているんだ」「あほか」威圧的でわざと乱暴な言葉遣いで、指摘します。相手が元気をなくし、時には涙を流しているところを見て、満足する人がいます。それがいいことだと思っている人がいます。とんでもない。実はこれは「叱る」ではありません。「怒る」です。いら立った感情に任せて相手を批判したり、罵ったりしているだけです。感情を吐き出している。感情をぶつけているだけ。それらは相手のためになっていません。
へこませているだけです。本来、叱ることの真の意味とは「間違ったことを正してもらうため」です。それだけです。相手がきちんと反省して正してくれれば、十分です。しかし、指摘のとき、相手を落ち込ませてしまってはどうでしょうか。萎縮してしまい、反省するどころではなくなります。落ち込んでは、指摘内容が頭に入りにくくなり、むしろ改善されにくくなります。場合によっては、人間関係にひびを入れることもあるでしょう。せっかく指摘してくれた人との人間関係が悪くなっては、今後一緒に仕事を続けていけなくなります。人間関係を保ちながら指摘をするためにも、相手を落ち込ませたり気分を害させたりするような言い方はよくありません。相手を落ち込ませるような叱り方は、失格なのです。
3 ミスをしたタイミングで指摘するのが、一番いい。
叱るタイミングは、ミスをした瞬間に叱ることです。「後からまとめて指摘すればいいか」と思う人もいるでしょう。ミスをしている部分が多いと、そのたびに指摘しなければいけなくなります。たしかに手間がかかり、面倒だという気持ちはわかります。私も仕事中に部下と接しながら、試行錯誤を繰り返しました。結論から言えば、特別な理由がないかぎり、ミスをした瞬間に指摘するのがベストです。そうである理由は3つあります。
(理由1)叱る側が言いやすいため
(理由2)叱られる側が吸収しやすくなるため
(理由3)安全のため
まず1つ目の理由は「叱る側が言いやすいため」という理由です。ミスをしていますから、そのタイミングで指摘するのが最もスマートです。仕事をしている途中で言われますから、具体的なタイミングを伝えることができ、ミスの指摘もしやすくなりますね。もし、後からまとめて指摘事項を報告しようとすると、実は「余分な仕事」が発生します。「タイミングの説明」という余分な仕事です。「どのタイミング」で「どんなミス」を犯したかを説明します。
初めに「タイミングの説明」から始めなければならず、苦労します。また、タイミングの説明とはいえ、なかなか難しい。タイミングの説明でうまく伝わらなければ、次に仕事をするとき、さらにミスを犯してしまいます。しかし、ミスしたタイミングですぐ指摘する場合「タイミングの説明」を省けます。まさにそのタイミングですから「違うよ」と一言言えば、説明が「指摘」だけですみます。したがって、叱る側が言いやすくなります。続いて2つ目の理由は「叱られる側が吸収しやすくなるため」です。ミスをした操作をしているときに「違うよ」と言われると、正しい進め方を教えてもらえれば、すぐ吸収できます。仕事中は緊張しているので、指摘が頭に入ります。仕事中の緊張感を利用するのがベストです。もし仕事が終わった後になると緊張の糸が切れているので、ぼんやりして指摘も頭に入りにくいです。
さて、以上2つの理由はまだ茶番です。実は最後の3つ目の理由こそ、ミスした瞬間に指摘する真の意味です。それは「安全のため」です。ミスをしていますから、その場ですぐ言ったほうがいい。すぐ言わないと、後になるほど亀裂は大きくなり、改善が大変になります。場合によっては、手遅れになるケースさえあります。たとえば、手術中です。間違った手順で進めていれば、その場ですぐ指摘しなければなりません。
知っていてほったらかしにするのは、患者の命に関わります。間違ったやり方をしているのに、後からやり直すというわけにはいきませんね。間違ったことをしているなら、誰であろうとその場ですぐ指摘するのが一番です。場合によっては手遅れにさえなりかねない。以上3点の理由から、叱る場合にはミスした瞬間に叱るのがベストなのです。
4 大勢の前で叱らない。
叱るときに注意したいのは、叱るときの環境です。大勢の前で叱っていないでしょうか。大勢の前で叱られると、叱られた人の落ち込みが強くなります。「何も大勢の前で叱らなくても……」恥さらしになります。心に深い傷を負ってしまう人もいるでしょう。叱られた人は、大勢の前で恥をさらしてしまうため、落ち込みます。みんなに恥が知れ渡ってしまい、叱られた後、余計に仕事がしづらくなります。心の動揺もかなり激しく、大勢の前で叱られたことで余計にミスをしやすくなると言っても過言ではありません。これは経験してみないとわかりません。大勢の前であるほど、かなりへこみます。引きずってしまう。偉そうな上司は、公開処刑のように大勢の前で見せしめをしようとします。1人の失敗をネタに「ミスをすればこうなるんだぞ」と、ほかの社員にも見せつけて、圧力を掛けています。そんな見せしめがある職場は、嫌です。
次は自分が大勢の前で恥をかくのではないかと思い、びくびくして、みんな辞めるのです。
5 叱るときには、2人になるのがベスト。
新人時代のある日、上司が私にこっそり言いました。「水口君、ちょっといいかな」私は誰もいない場所に呼び出されて、仕事のある部分について指摘を受けました。わざわざ2人になれるような環境で叱ってくれたことは、上司の優しさでした。本当は上司にとってその場で叱るほうが、移動する手間がない分、楽です。なぜわざわざ2人きりになるのか。上司は私のことを、考えてくれていました。叱るときには、1体1が基本です。誰でも叱られることは、恥ずかしいことだと感じます。できれば見られたくない。大勢の前で叱られる側にしてみると、素直に言うことを聞くより、恥さらしにされている印象が強くなります。叱られた後の落ち込みが、より強くなり、元気を回復するまでに時間もかかります。場合によっては出社しにくくなったり、仕事がしにくくなったりもすることでしょう。褒めるときには大勢の前ではいいですが、叱るときには最少人数である一対一が理想です。職場の人間関係をベストに保ちながら、うまく叱るためには、1体1になることが大切なのです。
6 自分の都合で叱らない。
あまり大きな声では言えませんが、私が新人時代に出会った上司の1人にとんでもない上司がいました。「機嫌が悪い」というだけで叱ります。たまたま、朝、何か気分が悪くするような出来事があったのでしょう。出社したときから、怒っています。かなり機嫌が悪い。これほど接しにくいことはありません。私はその上司と接するときには、いつもびくびくしていました。「今日は機嫌がいいかな」と毎日顔色をうかがうのが日課になっていました。朝から明らかに機嫌が悪そうだと、大切な報告もしにくくなります。話しかけただけで、なぜか叱られます。うっぷんを八つ当たりするかのように、意味もなく部下への態度が厳しくなります。叱られる側にとって、これほど理不尽なことはありません。何もミスをしていないのに叱られると、どう対応していいのかわからなくなります。その職場の空気全体が悪くなります。そんな上司は、部下から尊敬されなくなります。
「感情」が原因になっている場合「叱る」ではなく「怒る」になります。怒りをぶつけているだけです。叱る側にとって大切なことは「自分は今、冷静になれているかどうか」です。「自分の感情に振り回されて叱っていないか」「個人的な事情で叱っていないか」ということなのです。
7 感情的に叱らない。
一般的に、叱る側の人間は「立場が高い」。両親・先生・上司です。叱る側は悪い部分を見抜けるだけの力があるだけあり、経験が豊富で能力も高いです。もちろん例外もあります。多くの場合、やはり立場の高い人が叱り、低い人が叱られるのが一般的です。まず、立場の高い人間に要求されるのは「感情のコントロール」です。感情に振り回されないということです。叱る場面に限って、いら立つ場面です。しかし、叱る場面ほど、冷静になっていなければならない。ここが難しいところです。叱る側は、感情の戦いです。相手を叱る前に、まず自分の感情を抑えることから始まります。気分が高揚しているときほど、叱ってはいけない。気分が落ち着いているときに、叱るべきです。「いらいらしているから叱る」というのは、相手のためにならないからです。
部下が間違ったことをしているから、仕事の品質向上や安全のために指摘します。そのときに感情が入り交じると、指摘は失敗してしまいます。人間は、感情に敏感な生き物です。いら立った感情が少しでも感じられると、萎縮してしまい、指摘より相手の機嫌が気になります。上司には、部下のミスはあまりに初歩的でばかばかしく、怒鳴りたくもなるのでしょう。経験が豊富で能力も高い上司からすると「なぜそんなところで間違えるんだ」と思います。基本的な間違いをしていると、つい感情的になる場面もあります。たとえそういう感情になったとしても、叱る側に要求されるのは、湧き上がる怒りの感情をぐっと抑えることです。感情的に叱らないように、まず気持ちを落ち着かせましょう。
8 叱る前に、状況をよく確かめる。
私はリーダーになったばかりのころ、失敗をした経験が1つあります。「あっ!」部下が間違ったことをしたと思った瞬間に、すぐ指摘をしました。しかし、部下は、驚いた表情です。「何を言っているのだろう」という感じで私を見ています。その瞬間、部下の失敗ではなく、実は私の失敗だとわかりました。なぜ失敗したのか。単なる私の勘違いだったからです。正しいことをしているにもかかわらず、間違ったことをしていると勘違いをして、不要なところで部下を叱ってしまいました。指摘をした私のほうが恥ずかしくなり、穴があったら入りたい気分になりました。人間なら、そういうことがあります。見間違いをもう一度確かめることです。見間違い・誤解・勘違いなどです。もしかしたら、ぼんやりして間違っているように見えている可能性もあります。また、部下なりに特別な方法でやろうとしているのかもしれません。
叱る前にわずかな一呼吸を置いて、状況を確かめることです。ほんのわずかでいい。「見間違えていないよな」「誤解していないよな」「勘違いしていないよな」自分に語りかけて、再度確認したうえで指摘しましょう。無駄に叱る回数は減るのです。
9 お説教は、短いほどためになる。
学生時代思い出すお説教は、日が暮れるまで先生から叱られた経験です。小学6年生のころのある日の放課後です。みんな「さようなら」と下校しているのに、私はずっと叱られていたことがありました。もちろん私が悪いことをしているから、叱られているのは仕方ない。叱られるのは仕方ないにしても、異様に長いです。先生に付きっきりで、1時間以上ずっとお説教をされたことがありました。当時は「だらだら長いなあ」と思ってばかりでした。その出来事があってから、その先生に苦手意識ができて、近づきにくくなりました。その先生とは、小学校を卒業するまで一言も会話を交わすことはありませんでした。「また叱られるのは嫌だ」叱っている先生は、生徒のことを思っていたのでしょう。それはわかりますが、やはりあまりにだらだら長すぎるのもよくありません。「もう長いお説教はごめんだ」と思ってしまいます。そういうトラウマのような印象が深く残り続けます。叱る側は、一度で済ませたい気持ちがあります。
同じことを二度としてほしくない気持ちも強いのでしょう。そうした気持ちが込められているため、お説教はついだらだら長くなってしまいがちです。これはなかなか本人が気づけない。だからこそ注意ポイントです。だらだら長いお説教は、決まって失敗します。相手には「だらだら長いなあ」という印象しか残りません。
さて、一方で気持ちのよいお説教もありました。先ほどと逆のパターンで「短いお説教」です。間違った部分だけを指摘して、さっと終わりです。ほんの数秒。「え、これだけ」と思います。叱られるのは誰でも嫌ですね。おそらく先生は、生徒に嫌な気分をさせないために工夫をしてくれたのでしょう。そういうのは不思議と生徒に伝わります。先生が生徒のためを思って指摘してくれ、なおかつ気分を害さないように短くしてくれた感謝は嬉しく思います。そうした先生のケアにも答えたい気持ちが強くなり、前向きに考えられるようになります。お説教は、短いほどためになります。同じことを何度も繰り返し言ったり、だらだら叱り続けたりしないことです。叱ることは最小限にしましょう。
10 指摘がいくつかあるときは、最初に指摘数を伝え、短く絞る。
叱りたいことが、複数あるときがあります。指摘が1つだけならいいですが、複数見つかる場合があります。気になった点がいくつかあるとき、同時にいくつも伝えようとするとうまくいきません。叱られるのは誰でも嫌です。1つ叱られるだけで萎縮してしまうのに、さらにいくつも指摘されることがあれば、なおさら受け入れにくくなります。一度にすべてを伝えようとすると、相手の頭がパンクしてしまう。しかも、いくつもあるとどうしても話が長くなりがちです。「あれもダメ。それもダメ。そういえばこれもダメ」叱られる側は「いくつあるんだよ」と思います。いつまで続くのかわからない説教に不安になります。何かいい方法はないのでしょうか。考えられる方法としては「最初に指摘の数を宣言すること」です。話の始めに「3つ指摘ポイントはあります」と言っておけばいい。叱られる側は「指摘が3カ所あるのだな」と、受け入れる準備ができます。数がわかるだけでも全然違います。
指摘が3つあることがわかれば、3つ分を受け入れる体制を整えます。できるかぎり1つの指摘を短くしましょう。いくら指摘の数を伝えたとしても、全体的にくどくど長くなりすぎては、叱られる側も疲れます。できるだけ短く、かつすっきり相手に伝えるのがいいのです。
11 いつまでも過去の過ちを言い続けない。昔の話を引っ張り出さない。
昔の失敗をいつまでも引っ張る上司がいました。悪いところがあったときに叱るのはいいですが、いつまでも引っ張るのはよくありません。「あのときの失敗を覚えているか」「昔の失敗を思い出した」「あのときのミスは一生忘れられない」いつまでもくどくど引っ張ります。これは一番感じが悪い。ミスした経験をいつまでも引っ張られると、誰でも気分がよくありません。間違いがあったことは確かです。「知識不足」「経験不足」「考慮不足」などが原因でそういうことがあります。そういうことが今後ないように、叱られた人はしっかり反省と改善をします。しかし、反省や改善をした後も小言を言われ続けていると「これ以上、何をしろというんだ」と思います。きちんと反省して改善できていれば、ほかにすることはありません。無駄に相手を落ち込ませ、意味もない。相手の弱みに付け込んで、有利な立場になりたいだけです。
部下の過去の失敗を持ち出して「以前にこんな悪いことがあった」と公表して、優劣を付けようとします。これを嫌な性格といいます。過去の失敗をいつまでも、小言を言わないように心がけるようにしましょう。一度叱ったことは、最初で最後にします。叱るときは叱って、後はすっきり忘れるくらいでいいのです。
12 人格を否定する言葉は使わない。
叱るときに持ち出してはいけない内容があります。「相手の人格を否定する内容」です。個性・性格・顔形・生まれ・育ちなどです。あなたが誰かを叱るときに、相手の人格などを否定した言い方になっていませんか。「顔が悪いから、」「性格が悪いからミスをした」「のろまだからいけない」「生まれや育ちが悪い」その人にはその人の個性があります。「その顔を何とかしろ」というのはその人の人格を否定しています。顔を何とかしろと言っても、そういう顔で生まれましたから仕方ありません。「性格を直せ」とはいえ、性格はすぐ直せるものではありません。「のろのろしたペースが悪い」といわれても、そういうふうに生まれました。生まれや育ちの悪さを言われるのも感じが悪い。カタツムリはどう頑張っても、チーターのように早く動けません。
チーターもカタツムリのようにのろのろ動くことはできません。十人十色です。人にはそれぞれに個性があり、変えようがありません。にもかかわらず「人格を変えろ」というのは、無理な注文です。叱られる側にとって、これほどつらい指摘はありません。よく考えましょう。悪いのは人格ではありません。あくまでも仕事をするときの手順や方法などです。改善するのは「人」ではなく「プロセス」です。人格には触れないことです。人格が悪いというのは、指摘してはいけないのです。
13 厳しい指摘は反抗される。明るい指摘は受け入れてもらえる。
あなたがにこにこすれば、相手もにこにこします。あなたが怒れば、相手も怒ります。人間関係には、自然と「鏡の法則」が働いています。自分の表情・感情・態度が相手に伝わり、同じような表情・感情・態度を反射してきます。誰かを叱るとき、普通は険しい表情、怒りを交え、偉そうな態度になってしまいがちです。「こら! それは違うだろ!」険しい表情、怒りを交え、偉そうな態度で言われると、つい反抗したくなってしまいませんか。むかっとしてしまいます。厳しい指摘は反抗されやすい。叱るときには、にこにこ叱ることです。にこにこには、明るい雰囲気が漂っています。叱るときには、明るく爽やかに悪い部分を指摘してきましょう。難しいことではありません。「ここは、こうしたほうがいいと思うよ」にっこり言えば、相手もにっこりして「はい、わかりました」と素直に返事してくれるはずです。
なにより相手が気を使ってくれていることがわかります。そういう部分が感じられると「ぜひ言うとおりにしたい」という気持ちになります。「自分のためにわざわざ気を使って指摘してくれている」ということがわかると、愛を感じるのです。
14 叱るときは、腰を低く、丁寧な態度になる。
ある日私は、古本屋で見知らぬ人から急に指摘を受けたことがありました。立ち読みをしているとき、私のバッグがいつの間にか本の上に乗っていました。貴重な古本の上に、カバンを置くのはいけないとわかっていました。しかし、面白い本を夢中になって読んでいると、時を忘れたり、自分の持ち物への気がそれてしまったりすることがあります。その結果、私のバッグがいつの間にか本の上に乗っていました。そのとき、40代くらいの知らないおじさんがそっと私のそばにやってきて言いました。「本の上にカバンを置かないほうがいいよ。本が汚れちゃうから」実に腰を低く丁寧な言い方が印象的でした。「おっと、これはいけない」と思い、すぐ本の上からカバンをどけました。大変腰が低くて、丁寧な態度だったので、すんなり受け入れることができました。「素晴らしい指摘だったな」指摘されたことに感謝をしました。もしあのとき、偉そうな態度だとしたら、こうもいきません。「ばか! 本の上にカバンを置くな! 死ね!」自分が悪いことはわかっていても、偉そうな態度で乱暴で威圧的に言われてしまうと、素直に聞き入れにくいです。
「言い方」は大切です。特に叱るときには相手の気分を害してしまいがちだからこそ、態度に注意です。指摘するときに、つい厳しい態度になってしまいがちです。しかし、叱る側に必要なのは、気分を害さないよう腰を低くして、丁寧に伝える努力なのです。
15 他人と比べて、叱らない。
よくない叱り方の1つに「他人との比較」があります。あなたは誰かと比較されて気分を悪くしたことはありませんか。「同僚のAさんはできているのに、あなたはなぜできないの」「Bさんと同期とは思えない。今まで何を学んできたのか」「もっと若いCさんのほうが、よくできる」誰かと比較されると、部下は困ります。それは人格・性格・個性を否定するような言い方です。人それぞれです。生まれや育ちなど、育った環境が違いますから違って当然です。違って当然のことを、同じ尺度で比較されても困ります。淡々と「悪いところをどうすればよくなるのか」を伝えるだけでいいのです。
16 追い込むように叱ると、泣けてくる。
ときどき相手を追い込むような叱り方になっている人を見かけます。相手を追い込むような叱り方になっていませんか。「どうしてくれるんだ」「何てことをしたんだ!」「これは大変だぞ」追い込まれると泣けてきます。女性を泣かす男性に多い叱り方です。追い込まれると行き場を失い、涙が出てきます。これらの言い方は「叱る」になっていません。単なる「脅迫」です。相手を萎縮させ、怯おびえさせ、落ち込ませるだけで、本当の改善になっていません。叱るとは、過ちを正すために指摘することです。感情的にならず、冷静になって淡々と伝えることです。「脅迫」で相手を追い込んでも、仕方ない。泣かせるためではなく、間違いを改めてもらいたいだけです。
むかっとした勢いで言いたくなる気持ちがあっても、ぐっとこらえることです。
17 肯定から始まると、後に続く言葉も受け入れやすくなる。
いきなり頭ごなしに叱られると、誰でも頭にきます。初めが「否定」から始まっています。耳をふさぎたくなるような否定から始まるので、後に続く言葉も、受け入れにくくなります。「叱る」という特質上、否定から始まるため、なかなか難しい問題ですね。1つ賢い方法があります。叱る前に、まず褒めることから始めればいい。初めが「肯定」から始まっています。誰でも自分を認めてくれる人の言葉は嬉しくなり、その後の言葉も聞きたくなります。肯定から始まるので、後に続く言葉も受け入れやすくなります。この方法を使った上手な叱り方は「褒める・叱る・褒める」のサンドイッチです。最初に褒めてから叱り、また最後に褒めることを実践すれば、すんなり聞き入れ、従ってくれることでしょう。相手の機嫌を損ねずに指摘できる方法です。「いつもしっかりしている君には感謝しているよ」(褒める)「でも今回のミスはよくないよ。次からこうすればうまくいくよ」(叱る)「今後の君には期待しているよ」(褒める)
いかがでしょうか。叱られているのに、叱られている気がしません。最初に褒めてもらえると、ぱっと明るい雰囲気があり、その後の指摘も素直に聞き入れやすくなります。褒めるところなんて見つからないとはいえ、誰にでも必ず1つはあります。いきなり叱るのではなく、相手の長所を褒めてから叱るようにしましょう。「褒める・叱る・褒める」のサンドイッチは、職場以外のあらゆる場所で活用できます。もちろん家庭で親が子どもを叱るときにも使えることでしょう。褒めてから叱れば、うまくいくのです。
18 クッション言葉を使えば、上手に叱ることができる。
私の職場に、叱るのが上手な上司がいます。ちなみに「うまい言い方だな」と逆に感動した言葉でもあります。その上司は叱る前に、ある一言を言います。「気分を害されたら申し訳ない」叱る前に口にする、クッション言葉です。いきなり叱り始めるととげがあり、痛々しいです。心の準備ができていないので度肝を抜かれ、驚きます。しかし「気分を害されたら申し訳ない」とワンクッションを置くと、印象が変わります。「これからよくない発言が来るのだな」と察でき、心の準備をする余裕ができます。叱られる側は、叱られる心の準備をする余裕があります。とげのある発言の前に準備があると、とげのある発言を受け止めやすくなります。しかも、先に上司から謝っているので、受け入れやすくなります。「叱ることで、相手が気分を害する可能性があることを十分に理解したうえで思いきって伝えようとしている」そうわかれば「はい、何でしょうか」と話を素直に聞こうとする姿勢になれます。もちろんほかにも数多くのクッション言葉があります。
「あなたのためを思って言うのだけれど」「申し上げにくいですが」「失礼なことかもしれませんが」いかがでしょうか。こうしたクッション言葉には、愛が感じられませんか。自分の都合ではなく、相手の都合を考えてから発言しようとする気持ちが感じられますね。だから感動します。むしろ指摘してくれることに感謝をしてしまうほどです。私はそんな上司からのうまいクッション言葉のおかげで、たくさんの教えを頂きました。私もそんな上司の真似をして部下を叱るときには「気分を害されたらごめんなさい」と言うようになりました。いきなり頭ごなしに叱るのではなく、ワンクッションを置いてから叱り始めるのがコツなのです。
19 理由のない指摘では、部下は納得しない。
「○○はいけないことだよ」間違った指摘だけをするのは、下手な叱り方です。その理由を言っていないからです。叱るときに、叱る理由をきちんと言っていますか。いきなり「これもいけない」「あれもいけない」と叱るのでは、なかなか部下は納得しません。部下が知りたいのは「なぜいけないのか」という部分です。「○○はいけないことだよ。なぜなら」という「なぜなら」がポイントです。その理由がないと、納得しにくいです。たとえば、会社で「遅刻はいけない」と部下を叱ったとします。こう叱るのは簡単です。「遅刻はいけない」というのはわかります。しかし、部下はこれだけの説明では納得しません。話だけ聞いて、終わりにしてしまう。また次の日、遅刻を繰り返してしまいます。部下は「なぜいけないのか」という理由を知りたいです。
「なぜ遅刻をするのがいけないのか。遅刻をするとどうなるのか」という具体的な理由をきちんとつけます。面倒でも、理由を含めてきちんと伝えることです。「9時から作業が始まるから、間に合うようにするために」「お客さんを待たせないために」きちんとした理由ほど、説得力があります。その理由がわかると「たしかにそうだな。次から直そう」と心から考え始めるようになります。時と状況など、職場によってその理由もさまざまでしょう。一番大切なことは「なぜいけないのか」という理由を説明することです。納得させることが大切です。理由がわかると、部下は「なるほど」と思い、受け入れてもらえるようになるのです。
20 一瞬で終わらせるお説教は、注射と同じ。痛い時間が短いからこそ、よく効く。
お説教の後は、気まずい雰囲気が漂います。たとえば、1時間説教されたとします。1時間もお説教をされると「悪いことをしてしまった」という印象が強くなります。叱った人と叱られた側とで、微妙な壁ができます。避けることができれば理想的ですが、厳しく叱った後というのは、暗い雰囲気を引きずったり壁ができたりしてしまいます。部下のためを思ってした説教で人間関係が悪くなっては、元も子もありません。しかし、部下のため、会社のため、未来のために、お説教をしなければいけない瞬間があります。甘えた言い方ではなく、厳しく言わなければならないときがありますね。いつも優しい上司ではなく、大切な場面では、厳しく言わなければならないときがある。そういうときにアドバイスがあります。厳しくてもいいですから、代わりにお説教の時間を短くしましょう。長々しい説教をすると、部下も引きずってしまいます。叱る時間は短くするように心がけましょう。短ければ短いほどいい。理想は一瞬。
長くても1分までです。お説教が我慢できるのは、一瞬までです。一瞬だけなら、部下もきちんとお説教を素直に聞けます。注射が我慢できるのは、痛いのが一瞬だけだからです。針が刺さっている瞬間だけ痛い。もし、あの注射の痛みが1時間も2時間も続くようなら、誰でも耐えられません。短いからこそ耐えられる。しかも、短い時間だけどよく効きます。お説教の時間が短ければ、叱った人と叱られた人との間に、壁を作ることはありません。一瞬のお説教は、まさに注射と同じなのです。
21 「こら!」という言葉を使わないように心がける。
「叱る」という言葉を聞いて何を連想しますか。
怖い 圧力 厳しさ 緊張
おそらくこうしたことを連想するでしょう。どれもよくないことばかりですね。なぜ、よくないことばかりを連想してしまうのかというと、叱るときに決まって「ある単語」がお説教に含まれているからです。その言葉こそ「こら!」という言葉です。「こら!」というのはとても圧力のある言葉です。「脅迫」と言っても過言ではありません。聞くと体が萎縮して、ぶるぶる震え、怖くなります。上手に叱るためには「こら!」という言葉を禁句にするのがコツです。威圧的な言葉がなくなるだけで、叱るときのおぞましい雰囲気がかなり改善されます。相手を不要に萎縮させることがなくなるため、上手に叱りやすくなります。
私たちは何か悪いことをしたときに「こら!」と怒鳴る癖があります。その癖を今日からやめにしましょう。これが上手に叱るコツです。あなたが上司として部下を叱るとき「こら!」という言葉を避けて指摘しましょう。丁寧で優しい言い方になるはずです。部下の萎縮を最小限にとどめながら、指摘をする方法です。
22 ひどく叱っても、普段どおりに接するよう心がける。
私が中学3年生のころの担任は、岡田先生という男性教師でした。普段は、優しい先生でしたが、ある日、ひどく叱られたことがありました。「優しい先生ほど怒るときは怖い」と言いますが、まさにそれです。学校で最も優しい先生は、怒ると学校で最も怖い先生になります。その結果、先生と私との間で関係がぎくしゃくしたことがありました。やはり強く叱られると、暗い雰囲気を引きずってしまいます。特に強く叱られたときほど、落ち込みも激しくなります。引きずるのは仕方ない。しかし、なんと、あることがきっかけで元の関係に戻れました。その理由とは何か。何のことはない、先生がいつもどおり私に接してくれたからです。叱られた私は叱られたことを強く覚えています。しかし、先生は叱ったことなど忘れてしまったかのように、いつもと変わらず接してきます。それが、普通です。ほかの生徒と分け隔てなく、淡々と話しかけてきます。
その雰囲気のおかげで、私も肩の力が抜けました。知らず知らずのうちに先生といつもの関係に戻れました。今振り返って考えると、おそらく先生は意図的に普段どおり接するよう心がけていたのでしょう。ぎくしゃくした雰囲気を引きずらないために、先生なりの心のケアでした。もちろん先生と生徒の話ではなく、上司と部下でもまったく同じです。叱るときには、メリハリが大切です。部下を叱るときは、叱ります。部下が反省したら、上司はきれいさっぱり忘れます。忘れてしまったかのように、いつもと変わらず接するように心がけます。大切なことは「叱った後ほど普段どおり接すること」です。これに尽きます。何もなかったかのように接します。本当は気になっていても、気になっていないふりくらいは見せてください。叱る側には、そういう芝居も必要です。叱った側から積極的に働きかけてください。叱られた側は気持ちが落ち込みがちですから、叱った側こそ普段どおりに話しかけたり接したりするのです。
23 管理者を通して指摘をすれば、上司と部下の関係にひびを入れなくて済む。
私がアパートに住んでいたころ、真下の部屋の騒音に大変悩んだことがありました。なぜか、私が引っ越すアパートでは、隣近所がうるさい。深夜の2時くらいに、大声で歌を歌っている女性もいました。そういうときに、いつも悩むのは「どうやって苦情を伝えるか」です。最初に考える方法は、直接相手の部屋に向かって、実際に入居者と対面して「うるさいですよ」と注意することです。当たり前の方法ですが、リスクがあります。それがきっかけでご近所との付き合いが悪くなったり、逆恨みされたりするのではないかという心配があります。長く住み続けたいアパートだからこそ、できるだけ穏便に済ませたいと考えますね。アパートとはいえ、1つの建物に共同で住んでいますから、友好的にことを収めたい。すると、なかなか直接対面して言いにくいです。だからとはいえ我慢するのも苦痛です。そんなとき、私がとった方法は「大家から言ってもらう」という方法でした。アパートの大家は、まさにアパートの提供者です。入居者とはいえ、大家に言われれば、従うしかありません。苦情を言ってきた人の名前は、あえてぼかします。
大家から「ご近所から苦情が出ています」と言えば、入居者の誰もが傷つかずにすみます。一番丸く収まる方法ですね。さて、なぜこの話をしたのかというと、実は職場の「上司と部下」にも応用できるからです。たとえば、上司であるあなたが部下に指摘をするのが難しいことがあります。もちろん日々の単純な指摘なら言いやすいですが、とりわけ上司から部下にとても言いにくい指示内容があります。たとえば「首にする」という話です。会社側からの要求で、部下の1人を切らなければならないときがあります。それは避けたいところですが、リストラのため、せざるを得ないときがあります。上司から直接部下に「君は首だ」と言えば、当然ですが上司と部下の関係が悪くなりますね。場合によっては、逆恨みされるのではないかと思います。妻がいて子どももいる部下なら、なおさら言いにくいです。そういうときには、いい方法があります。さらに地位の高い管理者から言ってもらえばいい。苦情を大家経由で伝えるように、言いにくい話を部下へ伝えるときには、管理者経由で伝えたほうが、摩擦は小さくなります。「管理者から言われたなら仕方ない」上司と部下との関係を悪くせずに、逆恨みされることなく、部下にうまく伝えることができるのです。
24 手紙やメールを使えば、落ち着いてメッセージを伝えやすい。
相手の険しい表情。強い口調。緊張した雰囲気。叱るときにはつい、強い口調になってしまいがちですね。それが自分でわかりにくい。うまく抑えられればいいですが「叱る」という行為そのものの特徴で、なかなかこれが難しいです。そうした感情を抑えるいい方法があります。誰でもできる単純な方法です。手紙やメールで伝える方法です。手紙やメールには、表情や声が含まれていないので、淡々とした冷静なメッセージを伝えやすい。感情的になっているときには威圧的で、発言も支離滅裂になりがちです。しかし、手紙やメールなら、落ち着いて文章を考えることができます。書き終わった後も、内容を何度も見直せます。間違った発言をすることも少なくなるでしょう。感情的にならずに、落ち着いて相手にメッセージを伝えることができます。
もちろん手紙を書くときには、丁寧な文章を心がけるのがポイントです。書いた後も、何度も文章を見直して、とげのある言い方になっていないか注意しましょう。それができれば、有効な方法になるに違いありません。
25 「しなさい」より「しましょう」。
「しなさい」という言い方は命令です。とげがあり、厳しくて圧力があり、緊張します。また命令口調で言われると、むっとする人もいるでしょう。偉そうな態度で言われると「自分は何様のつもりなんだ」と思い、気分を害する人もいます。しかも、叱っているときのようなときに「しなさい」と命令されると、なおさら強い印象を持ってしまいます。叱るときには、命令的な言い方はできるだけ避けるようにしましょう。代わりに「しましょう」を使えばいい。この柔らかい言い方なら、多くの人にとって受け入れられやすくなります。「しましょう」は働きを勧める言い方です。強制ではありませんが、励ます言い方です。私の場合、HAPPY LIFESTYLEで文章を書くときには「しなさい」という言い方は避けるようにしています。「しなさい」を多用すると、圧迫感が増し、上から下を見下す偉そうな言い方になります。文章が堅くなりがちです。私も好きではありません。代わりに必ず「〜しましょう」で締めくくるようにしています。
「しましょう」という言い方のほうが、励ましにふさわしい表現と思ったからです。できるだけ読者の未来につながるような言い方をしたかったのです。
26 叱るときこそ、部下に発言をさせる。部下を叱るとき、一方的に上司から部下へと叱っていませんか。
叱るときは言いたいことがたくさんあるため、次々と言葉を並べがちです。上司から部下へ、一方的な会話になりがちです。私も部下を叱ったことがあるので、その気持ちがよくわかります。言葉を並べれば並べるほど圧力を感じてしまい、なかなか素直に聞きづらいものです。長々しい説教にもなれば「面倒だな。いつ終わるんだろう」と別のことを考えている場合すらあります。上司の頭は回転していても、話を聞いている部下の頭まで回転しているかどうかは、はなはだ疑問です。そこで、いい方法があります。まず部下に発言させるようにしてみましょう。「こうしてはいけないことになっている。なぜだと思う」部下に質問します。なぜ悪いことなのかを、上司が一方的に言うのはたやすい。しかし、部下に発言させようとすると、部下は頭を回転させて理由を考える必要があります。考えさせてこそ、意味があります。考えさせ、発言させるからこそ、部下はその印象が強く残りやすくなります。自分の発言には責任を持つようになります。
納得します。他人から偉そうに言われると納得できませんが、自分が考えて発言すると、納得がしやすくなりますね。叱るときには「なぜ、よくないのか」「なぜそう思うのか」という疑問から、話を進めていくように工夫してみましょう。部下は考えるようになり、指摘されたことが身につきやすくなるのです。
27 「絶対に間違えるな。失敗するな」と言われると、部下は余計に緊張する。
叱るのは面倒です。叱るような場面をできるだけ作りたくない。そこで上司は仕事をする前に、部下にこう言います。「これは大事な仕事なんだ。絶対間違えるな。絶対に失敗するな」部下が間違えさえしなければ、上司も叱ることはありません。上司は叱るのが面倒だし、シチュエーションも嫌なので「とにかく間違えないでくれ」と言います。たしかに大切な仕事だからこそ、間違いがなく失敗してほしくない気持ちはわかります。そう思っても、そういう指示を与えないほうがいい。往々にして、実は逆効果になってしまうからです。「絶対に失敗するな」と言われると、部下は緊張します。「絶対に」がつくような圧迫感のある言い方は、強い緊張感を与えるため、余計に失敗しやすくなるからです。しかもこういう言い方をされると、不思議なことに人間は失敗しているところを考えるようになります。自分が大失敗を犯して、上司に大目玉を食らっているところを想像してしまいます。「家が火事にならないように」と考えるとき、自分の家が火事になっているところを想像してしまいますよね。「恋人に振られないように」と考えるとき、恋人から振られているところを想像してしまいますね。
それと同じです。するなと想像したことは、そうなるようなイメージを膨らませてしまいます。想像したことが現実になってしまいます。上司から「絶対に失敗するな」という言い方をされると、部下は自分が失敗しているところを想像してしまいます。「絶対に間違えるな。失敗するな」という言い方は、しないほうがいいのです。
28 最もミスが少なくなるのは、リラックスしているときだ。
「絶対に間違えるな。失敗するな」と言われると、部下は余計に緊張します。逆に失敗しやすくなるので、言わないほうがいい。ミスをするなと言われると、逆にミスをしているところばかり考えてしまうのでよくありません。では、どのような言い方がいいのでしょうか。合言葉は「リラックス」です。以前私は、重要な仕事を上司から任されたことがありました。重要な仕事は、上司から「絶対にミスをするな」と言われなくても部下は十分にわかっています。そんなとき上司から「リラックスして!」と言われました。私は、ほっとしました。ほどよく緊張感がほぐれ、がちがちに緊張していた体の緊張がほぐれ、仕事がしやすくなりました。「リラックスしていいんだ。緊張しなくていいんだ」と思い、肩の力が小さくなります。リラックスという言葉を使うほうが、はるかに間違いや失敗を少なくさせる力があります。最もミスが少なくなるのは、リラックスしているときです。作業に集中できるようになります。「リラックス」という言葉は、相手の緊張を解きほどく魔法の言葉です。
29 にこにこしながら口にする言葉は、ありがたく聞こえてくる。
七福神の1人「恵比寿様」は、いつもにこにこしています。にこにこしているから、すべての言葉がありがたく聞こえてきます。「あなたのことを考えているから言っているのですよ」という愛を感じます。にこにこいうのは、相手を包み込み、肯定し、愛している証拠です。職場でも同じです。上司が部下を叱るとき、一般的には厳しい表情をします。相手を叱りますから、厳しい表情は当然と思いがちです。しかし、しわの寄った表情は、よくない印象があります。相手を否定したり、距離を置いたりなど、暗い印象があります。「あなたのことが嫌いです」という印象があります。にこにこしながら叱りましょう。部下は上司の言うことを聞いてくれます。恵比寿様のように、にこにこしながら口にするすべての言葉は、ありがたく聞こえてくるのです。
30 どんなに感情的になっても、暴力だけはふるわない。
叱るときには、感情的になりやすいです。どんなに感情的になっても、叱るのは言葉だけにしておきましょう。ときどき言ってもなかなか聞いてくれない人がいます。そんなときに野心家は次のように考えます。「言葉でわからなければ、体でわからせてやろう」感情的になり、力で相手を従わせようとします。力や暴力で相手を押し付けようとするのだけは、絶対にいけない。叱る側が、逆に叱られます。警察に逮捕され、刑務所に入れられます。相手の体に傷をつけるような方法は、叱っているのではなく、ただの暴力です。職場でどんなにいらいらしても、暴力を振るったら社会人失格です。大人はどんなときでも、暴力ではなく言葉で伝えます。もし、強い怒りがこみ上げてきたら、早くその場を立ち去るようにしましょう。まず物理的に距離を置くことです。距離を置けば、物理的に相手と接触することができないため、最悪の事態だけは避けられます。  
 
 

 



2022/10