モーニングショー・玉川徹の国葬「電通」発言

「誤報」を生む背景

性格・個性
成長環境 学歴 履歴 経歴 経験 成功 失敗
思い込み 自分の意見・評価 持論 独断 
理解不足 判断ミス 偏見 価値観 慢心 驕り 自分の世界
優柔不断 妥協 極論 唯我独尊

取材
本人 側近 周囲 専門家 評論家 賛成 反対 応援 批判者
目で見る 正面 側面 裏側 俯瞰 近く 遠くから見る
話術 前振り言葉 鎌をかける 三味線を弾く お茶を濁す 情報リーク 耳で聞く 
資料調べ 常識 非常識 公平 不公平 軽重 バランス 一般論

情報
うわさ話 世評 風説 風聞 風評 評判 流言飛語
ガセネタ デマ インチキ いい加減 嘘 でたらめ 捏造 でっちあげ情報
口から出まかせ 根も葉もない 作り話
 


6/159/89/99/219/229/26・・・9/289/299/30・・・
10/110/210/310/410/510/610/710/810/910/10・・・10/11・10/12・10/13・10/14・10/15・10/16・10/17・10/18・・・10/19 復帰・・・10/20・10/21・10/22・1023・10/24・10/25・10/26・10/27・10/28・10/29・10/30・10/31・・・
うわさ話・・・
 
 
 

 

●玉川徹氏の発言!? 『モーニングショー』羽鳥慎一も苦言を呈した“持論”とは? 6/15
6月14日放送の情報番組『羽鳥慎一 モーニングショー』(テレビ朝日系)で、コメンテーターを務める同局局員・玉川徹氏の言動が、ネット上で物議を醸していた。
番組冒頭、インスタグラムに投稿されて話題となった、ハムスターの動画を紹介。飼い主の手の上で仰向けになって眠るハムスターの足を触ると、睡眠中にもかかわらず素早いキックを連発するという、かわいらしい動画だった。
「ハムスターが睡眠中にキックする理由について、同番組では『ハムスターは寝ていても危険を回避する本能があり、無意識に防御の動きをする』という専門家の見解を紹介していました。その後、番組MCの羽鳥慎一が“ハムスターはうつ伏せで寝るのか”という疑問を口にしたことで、出演者たちはハムスターの寝る姿勢について議論することに。そんな中、玉川氏は『仰向けで寝ないと思いますよ。僕がハムスター飼ってた時、仰向けになってた時は死んでた時ですから』と、持論を展開したんです」(芸能ライター)
玉川氏の発言を聞き、元フジテレビアナウンサーで現在は弁護士であるレギュラー出演者・菊間千乃氏は、「笑えない……」と困惑。羽鳥も「8時に始まる番組で、まだ3分しかたってなくて。できれば明るめの話で……」と、苦言を呈していた。
「すると玉川氏は『じゃあ、明るい顔で』とにこやかな表情を作り、もう一度、“ハムスターが死んだ話”をしようと試みましたが、『顔が明るくても内容が……』と羽鳥が制止。この一幕について、ネット上では『笑いながらペットの死を語ろうとするとか、朝から不快』『生き物が死んだ話を笑いながらするか、普通?』などと、玉川氏への批判が噴出。また、『うちで飼っていたハムスターは仰向けで寝てたよ』といった反論も上がり、玉川氏の持論に疑問を覚えた視聴者も少なくないようです」(同)
玉川氏といえば、これまでも“動物絡み”の言動でネット上の反感を買ったことがある。
「昨年10月14日に放送された同番組で、猫の腎臓病の治療薬が開発中だというニュースを扱った際も、批判が続出することに。この放送時点で、開発資金として2億円の寄付が集まったそうで、将来的には人の腎臓病などにも応用できると紹介していました。すると玉川氏は、『もしその話を聞いていたら、もっと(寄付が)集まったかもしれないですね』『むしろ、人への応用のほうがよっぽど大事』などと主張。これには羽鳥が『猫も大事ですよ? 猫かわいがってる方、たくさんいますよ』と指摘しており、ネット上でも『猫はどうでもいいみたいな発言で悲しい』『テレビでするコメントじゃないだろ』と批判を浴びていました」(同)
なお、同年12月24日放送の『徹子の部屋』(同)に羽鳥と玉川氏が出演した際、羽鳥は『モーニングショー』内で紹介される動物動画に対する、玉川氏の反応に言及。なんでも、玉川氏は“大の犬好き”であるがゆえに、「ワンちゃん以外の動物に対する反応が、恐ろしいほどノーリアクション」なのだそう。これを聞き、玉川氏は「猫でもニコニコするようにします。犬が大好きなんです」と話していた。
今回のハムスター動画に対する玉川氏の言動を見るに、今現在も犬以外には興味がないのかもしれないが、視聴者にはそんな正直な一面が、不快感を与えてしまっているようだ。  
●『羽鳥慎一モーニングショー』視聴率に異変…視聴者離れの致命的な理由 6/22
朝の人気ワイドショー『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系、以下『モーニングショー』)の視聴率に、やや陰りが見られるという。これまで世帯視聴率10.0%は当たり前、個人視聴率でも5%は超えていたのだが、現在は? さらに、その異変の理由とは?
「たとえば、昨年8月12日の『モーニングショー』は世帯12.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、個人6.9%と、他局を大きく引き離していました。もちろん、今はやたらと“コア視聴率”と叫ばれていますが、若者の視聴者が少ないとされる朝の時間帯にまでコア層の訴求を……というのは、いささか暴論すぎる。朝は朝の視聴者層がいるわけですから、F3(女性50歳以上)、M3(男性50歳以上)の支持が圧倒的であることは誇ってもいいのではないでしょうか」(芸能ライター)
いずれにしても、同番組は羽鳥慎一アナのさわやかで優しい語り口と、テレ朝局員でレギュラーコメンテーターの玉川徹氏、石原良純、長嶋一茂といった猛者との掛け合いが人気を呼んでいたが、6月17日放送回の視聴率は世帯8.8%、個人4.9%と、若干ではあるが心もとない。
対して、同日の裏番組の視聴率を見てみると、NHKの連続テレビ小説『ちむどんどん』が世帯16.5%、個人9.2%と、スタート以来不評が続く作品とは思えないほどの安定したアベレージを残している。また、『あさイチ』(NHK)の第1部(8時15分〜9時)は世帯8.8%、個人4.6%、第2部(9時5分〜54分)は世帯4.6%、個人2.4%となっている。
さらに、『スッキリ』(日本テレビ系)第1部(8時〜9時30分)が世帯4.3%、個人2.2%、2部(9時30分〜10時25分)が世帯3.7%、個人1.7%。『ラヴィット!』(TBS系)は世帯2.7%、個人1.4%、『めざまし8』(フジテレビ系)が世帯4.7%、個人2.5%となっている。
「つまり、他の番組もそこまでの増加が見られない中で、『モーニングショー』だけが数字を落としているということになります。この微減傾向は、今年に入ってから徐々に見られるようになりました。男女ともに50歳以上の年齢別視聴率が毎日10%以上だったこともあり、それが世帯にも個人にも好影響をもたらしていたのですが、最近は男性視聴率が9%台の日も増えているのです」(同)
他番組の年齢別視聴率を見てみても、50歳以上が特に上がっているかというと、そうではない。この要因には、いったい何が考えられるのだろうか。
「『モーニングショー』の認知度がこれだけ上がったのは、コロナ禍における政府との対決姿勢が大きかったのではないでしょうか。また、それは毎日出演している玉川氏の舌鋒によるところが大きい。とりわけ菅義偉前政権のコロナ対策については連日、怒りの論陣を張り、声を荒らげていました。それが正しいか間違っているかは別にして、他国に比べて遅れをとるワクチン接種や緩い入国制限などを厳しく喝破してくれる同氏に、視聴者は喝采を送っていたのではないでしょうか」(テレビ業界関係者)
だが、コロナ禍も丸2年が経ち、明るい兆しも見えつつあることで、一定数の視聴者が離れたとも考えられる。
“コロナバブル”がついに終了?
「ちなみに、まだ新型コロナが世界に蔓延する前の2019年6月20日の『モーニングショー』の視聴率は世帯8.5%でした。つまり、以前と同じ数字に戻りつつあるということなのかもしれません」(前出の芸能ライター)
決して玉川氏の発言に陰りが見られるというわけではないだろうが、『モーニングショー』は反権力を鮮明にすればするほど輝いていたことは確かだろう。
「6月17日の放送では腸内細菌と便秘の関係について取り上げるなど、以前より政治以外の情報にも時間を割くようになりました。ネタがないのか、バランスを取るためなのかはわかりませんが、これまでの視聴者にとっては物足りない部分もあるのかもしれません」(同)
朝のワイドショーを牽引する『モーニングショー』の今後はどうなるのか。さらに注視していく必要があるだろう。 
 
 

 

●玉川徹氏 園児置き去りで会見の園長発言に「こんな無責任な話はない」 9/8
テレビ朝日の玉川徹氏が8日、同局系「羽鳥慎一モーニングショー」に出演。3歳園児が通園バスに取り残され死亡した事件で、園側が会見したことについて言及した。
番組では、静岡県牧之原市の「川崎幼稚園」で園児の河本千奈ちゃんが通園バスに取り残された事件で、増田立義理事長兼園長らが7日記者会見し、事故が起きた原因を4つ挙げたことを紹介。1バスに乗車する人数と降りた人数を照合する決まりを伝えていなかった2車に園児が取り残されていないかダブルチェックしていなかった3クラス補助の職員が最新の登園情報を確認していなかった4千奈ちゃんが教室にいなかったにもかかわらず保護者に確認しなかった、と園側の説明を伝えた。
羽鳥アナが「会見なんかを聞いても、子供の安全とか命を守る姿勢ではないと感じました」と問いかけると、玉川氏はずさんな安全管理体制を指摘したうえで、「いろんな問題が複合して起きているということで、特に園長の責任はこの中でも大きいと思いますね」と話した。
さらに「(理事兼園長は)会見の中では、“運転手には点検するように言っていた”って言っているわけですね。自分が運転手になった段階では、それをやらないっていうのはちょっと考えにくい話ですよね。人には言うけど、自分がその立場になるとやらないっていう。こんな無責任な話はないわけで。保護者の方から廃園の要求が出るのはしょうがない要求だろうなあって思いますね」と、理事長兼園長の会見での発言を厳しく批判した。
これを受けて、羽鳥アナが「ここには預けられないですね。『73歳なんで』って言われても…ってことですからね」と表情を曇らせた。
玉川氏も「この方がスタッフに対して指導する立場にある人ですから。その本人がこうであると、どういうふうに改善できるんですかって話になっちゃいますから」とあきれたように話すと、羽鳥アナも「改善は無理だと思います」と言い切っていた。 
●広告代理店が「嫌いなコメンテーター」を調査 2位は玉川徹、1位は? 9/8
世間を騒がせるニュースは、連日尽きることがない。ウクライナ侵攻、統一教会、芸能人による性加害報道ーー。それらをわかりやすく解説し、ときに鋭く追及するのが、ニュース番組やワイドショーのコメンテーターだ。彼らのコメントいかんで、注目度も変わってくるという。民放局のプロデューサーがこう語る。
「情報番組でいちばん気にするのは視聴率ですが、最近はアーカイブが普及し、視聴者の率直な反応がわかりづらい。そこで、いま現場が注目しているのが、『ネット記事』。出演者の方がコメントした内容がタイムラグなしにネット記事になると、それをきっかけにアーカイブを見に来る方も多いんです。人を貶(おとし)めるような発言は許されませんが、本音では『話題になってより多くの記事になってほしい』という気持ちもある。そんな、ネットで話題になる発言ができるコメンテーターは、番組にとって非常に重宝する存在です」
そんななか本誌は、大手広告代理店が調査した「好きな・嫌いなコメンテーター」ランキングの資料を入手。
「嫌いなコメンテーター」ランキングを見ていくと、トップ10のうち6人が「マスコミ出身者」という結果になった。
視聴者からもっとも不評だったのは、『ミヤネ屋』でよく目にする高岡達之。読売テレビ報道局解説委員長で、もともとは『ミヤネ屋』のプロデューサーだったが、2019年からコメンテーターとして出演しはじめた。「とにかく慇懃無礼」(36歳・男性)、「腕組みをして話したり、顎を突き出す話し方が感じ悪い」(47歳・女性)と、振舞いに関する反発が多く寄せられた。
2位は玉川徹。『モーニングショー』に出演中だが、彼はテレビ朝日報道局の局員。「自信家なのか、いつも上から目線」(36歳・女性)、「この人がまっとうな意見を言っても、胡散臭く感じる」(50歳・男性)などの嫌われぶり。
不評トップ2は恒例の結果に
じつは1位の高岡と2位の玉川、このランキング調査の常連だという。
「前回の調査では玉川さんが1位でしたが、今回は高岡さんに僅差で明け渡しました。エラそうな態度に対する反発や、コメントがネット上で問題になるパターンは、2人ともよく似ています」(広告代理店担当者)
マスコミ出身者以外でのトップは、3位の落合陽一。情報学者という肩書で、若手の論客としてよく見かける彼だが……。「テレビに出るのならばもう少しTPOを考えた服装にしてほしい」(24歳・女性)、「もごもごと話すので、コメントが聞き取りづらい」(19歳・女性)という批判が。キー局ディレクターも、「嫌われているツートップを脅かす存在になってきました。見た目の印象やコメントの内容は、テレビ向きではないのではないでしょうか」と疑問を呈した。
4位は末延吉正。元テレビ朝日政治部長という経歴を持つ。「末延さんの悪評も、ほとんどが高圧的とも取れる態度が原因のようです。ただ、彼の場合はテレビ朝日時代に起こした暴力事件の印象が若年層を除く多くの視聴者に、いまだに根強いようです」(広告代理店担当者)。
6位には元キャスターとして知名度が高い古舘伊知郎。
「この人の上から目線は一生直らない」(49歳・女性)、「ほかの人を遮って話しだすなど、自分勝手すぎ」(33歳・女性)と、 やはり “エラそう” という印象がマイナスになっている。さらに広告代理店担当からは、こんな苦言も……。
「制作サイドからすると、ギャラが高いんです。『報道ステーション』元キャスターですから、もともとの設定が高いとはいえ、これだけ人気がないと……」
マスコミ出身者のランクインは、ほかにも9位の青木理、10位の吉永みち子、13位の田ア史郎、23位の星浩と続く。
「Z世代を取り込む」局の狙いも不発
この「嫌いなコメンテーター」ランキングでは、局側の狙いが視聴者の心を掴めていない現状が判明したという。広告代理店関係者がこう分析する。
「新しいコメンテーターをキャスティングし、多様性を打ち出して、若者を番組に取り込もうとする局側の試みが失敗しているのです。その代表例が、落合陽一さんや若新雄純さん、辻愛沙子さん。もっとも、ここにランキングされることすらないコメンテーターもいることを思えば、視聴者に不評でも名前が挙がることはまだ幸いなのかもしれません」
番組では日々、舌鋒鋭く共演者と議論を交わすコメンテーターたち。だがその裏では、熾烈な人気争いが、今後も続いていく。
 
 

 

●玉川徹氏、「モーニングショー」で自らのコメントを謝罪…「不適切だった…」 9/9
テレビ朝日の玉川徹氏が9日、コメンテーターを務める同局系「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・午前8時)に生出演し、この日の放送内での自身のコメントを訂正し謝罪した。
番組では自民党の茂木敏充幹事長が8日に所属国会議員に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側との接点確認を求めた調査結果を公表したことを報じた。
それによると、何らかの接点が確認された議員は379人の国会議員中、179人だった。氏名が公表されたのは121人だった。
スタジオでは、この結果を受け出演者が議論。その中で玉川氏は関連団体と関わった議員について旧統一教会と関係していることの認識がなかった議員が9割近くいたことを指摘し「何の団体かわからないで、そんな政党大丈夫かと思います」などと指摘した。
これにコメンテーターでタレントの長嶋一茂が自身がお店などへ花を贈るときにどこへ送るかを調べていることを明かした。この指摘を受け政治ジャーナリストの田崎史郎氏は「議員は普段からどうやって一票増やすかを考えている人たちなんです。電報打つにしても安易に打ち過ぎている。そこは甘かった」などとコメントした。
この2人の議論を受け玉川氏は「あまり知らないで何でもいいから電報打つ、付き合うみたいなことだったらどうするんですか?そこに反社会勢力がいたらどうするんですか?そこに北朝鮮の人たちの作っている団体、そういうふうなのいたらどうするんですか?」などと疑問を投げかけた。
この発言についてエンディングで司会の羽鳥慎一アナウンサーから「今日、パネルコーナー。昨日の閉会中審査について話をしましたが、その中で玉川さんの発言について」と促されると、玉川氏は「先ほど自民党の国会議員と団体という関係という私のコメントで反社会的勢力と北朝鮮に関わる団体ということで2つ並べて話しちゃったんですけど」とし「北朝鮮に関わる団体というのは、国会議員は正常な国交を持たない国の団体との関係について慎重にならなければいけないという意味で言ったんですけど、これ並べて話したので同列だっていうふうに受け止られかねないので、不適切だったと思います。すみませんでした」と頭を下げて謝罪した。
これに羽鳥アナは「電報を相手先確認しないのはどうなの?という流れの所で」とフォローした。玉川氏は「相手を何も確認しないでいいんですか?という意図でした」と釈明していた。その上で羽鳥アナは「受け取られ方ということでそこはお詫びした」と説明していた。 
●玉川徹氏、岸田首相が「限界」と述べた安倍元首相と旧統一教会との調査… 9/9
テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・午前8時)は9日、衆院議院運営委員会の閉会中審査が8日に行われ岸田文雄首相へ立憲民主党の泉健太代表が「安倍元総理は自民党の中で最も統一教会との関係を取り仕切った人物じゃないか。自民党と旧統一教会との関係を考えた場合安倍元総理が最もキーパーソンではないのか」と質問したことを報じた。
これに岸田首相は「ご本人の当時の様々な情勢における判断に基づくもの。本人が亡くなられたこの時点で実態を十分に把握することは限界がある」と述べた。
岸田氏の「限界がある」との発言にコメンテータで同局の玉川徹氏は「自民党には(調査は)もう無理です、できませんと解釈するんであれば、自民党にできないなら自民党以外のところでやってくださいということです、国民としては」と指摘した。
その上で「権限を持った国会の中に第三者機関」を設置し「自民党にできないならそっちに託したらどうですか」と提言していた。 
 
 

 

●玉川徹氏、国葬は「やったという既成事実を作るだけの意味しかない・・・」 9/21
テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・午前8時)は21日、安倍晋三元首相の国葬が27日に日本武道館で行われることを伝えた。
スタジオでは国葬についてANNの世論調査で「反対」が54パーセント、「賛成」が30パーセント。さらに岸田文雄首相の説明について「納得しない」が62パーセント、「納得する」が21パーセントだったことを紹介した。
コメンテーターで同局の玉川徹氏は国葬に関して「国民に弔意をお願いできないわけですよね?たぶんお願いしたかったと思うんだけど、できないんです。それができない時点で国葬の体はなしてない、と」と指摘した。
さらに「そもそも政府は国葬と言わないですから。国葬儀だって言ってるんですから」とし「僕は今回の国葬儀に関して言えば、国葬的なものをやったという既成事実を作るだけの意味しかないんじゃないかな。それが僕の理解です」とコメントしていた。 
 
 

 

●視聴率ではぶっちぎりでも…テレ朝・玉川徹氏の「定年後出演」が危ういワケ 9/22
朝の情報番組では圧倒的な強さを見せる「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)。牽引しているのはキャスターを務めるフリーの羽鳥慎一アナウンサーと、ただ1人のレギュラーコメンテーターである同局社員の玉川徹氏だ。
歯に衣着せぬ発言でご意見番的存在の玉川氏。特に2020年から始まったコロナ禍では連日のように専門家らとともに未知の危機感を強調し、視聴者を釘付けにした。その効果もあってか、同番組は2021年の年間平均視聴率が個人全体5.6%、世帯10.6%を記録し、2年連続横並びトップとなるとともに、5年連続年間民放トップとなった(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。
9月6日発売の「フラッシュ」で大手広告代理店が調査した「好きな・嫌いなコメンテーター」ランキングを発表。期待される玉川氏の評価は「好きな」はランク外、「嫌いな」では2位だった。「自信家なのか、いつも上から目線」「この人がまっとうな意見を言っても、胡散臭く感じる」などと酷評だ。
コロナについても専門家を押しやるほど持論を主張することもあるが、そんな強気な姿勢が敬遠されたのかもしれない。嫌われても視聴率が高ければ、注目されている証であり、局としても問題はないはず。
だが、8月17日配信の「週刊女性PRIME」が、「モーニングショー」のCM枠が売れないと報じた。50代以上には支持されるが購買意欲が高い若者層に人気がなく、CM枠が高く売れないというのだ。その一因は玉川氏にあるという。たとえば、玉川氏はコロナに対して慎重論を主張しており、健康第一と考える年配者は賛同するが、アクティブに動きたい若者は敬遠。また、玉川氏は反権力に回ることが多いが、近年は若い人ほど自民党支持の傾向が強いことも視聴者の若者離れにつながっているという。
玉川氏には耳の痛い話だが、CM枠の問題をクリアにしないと将来設計も狂いかねない。
「玉川氏は今年4月の『モーニングショー』で退社まであと1年であることを明かしました。また、21年3月放送の同番組では、60歳の定年後も『需要があれば、この仕事を続けさせてもらいたいと思っています』と、『モーニングショー』続投に前向きでした。ただ、CM枠の問題がありますし、玉川氏に限らず、コメンテーターにも賞味期限≠ェあります。反権力や危機を煽るだけのコメントでは定年後の続投や、新規開拓は難しいかもしれません」(テレビ誌ライター)
定年後も安泰か、それとも茨の道か。 
 
 

 

●辛坊治郎氏 テレ朝「モーニングショー」に物申す「こらっバード!」 9/26
キャスターの辛坊治郎氏(66)が26日、ニッポン放送「辛坊治郎ズーム そこまで言うか!」(月〜木曜後3・30)に生出演。番組での自身の発言が、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」で取り上げられたことについて物申した。
今月13日の「ズーム」内で、安倍晋三元首相の国葬の案内状が届かなかったことを明かし、「ちょっと悔しい。なんで無視しやがって。安倍さんの死を悼む思いは人後に落ちないつもりなのに、なんで俺のところに招待状を持って来ないんだよ!」と腹を立てていたことがネットニュースに。約2週間前のニュースが国葬を控えたこの日、「羽鳥慎一モーニングショー」で取り上げられた。
辛坊氏は発言がネットニュースになること自体は「しょうがない」としているものの、テレビ番組でのやり方には納得いかないという。「だいたいテレ朝ってさ、態度悪すぎだよね?この一連の問題で、私の知る限り関西の2つの放送局が似たような形で取り上げたんですが、事前に『こういう形でやりますからね』と連絡がきたんですよ。別に止めてくれと言うつもりもないし、事前に相談されたら“どうぞどうぞ”なのに」と明かし、「(テレ朝は)何にもコメントも取らず、アクセスもせず、真意も聞かず…このテレ朝のモーニングショーって一体、どういう番組の作り方をしているんだろう?我々の業界の倫理水準をとんでもなく下回っていますよ、この放送局」と指摘した。
アシスタントの増山さやかアナウンサーが「こういうのをテレビ番組で取り扱う際には本人確認を取るのか?」と問うと、「基本はやっぱり本人アクセスで真意を。特に今回は全体の文脈をみりゃ本気で怒っているところはどこにもないわけで、聞いていただいたら分かるじゃないですか」と辛坊氏。「多分ね、スタッフはラジオを聞き直しているはず。その段階で別にそんなに本気で怒っていないと分かるはずなのに、あえてそこだけ切り抜いてやる(取り上げる)っていうのは、テレビ朝日のモーニングショーの本質ですよ!」と口調を強め、司会を務める羽鳥アナウンサーに対し「こらっバード!こらっふざけんな!どういうつもりだ!こういう事をするんならな羽鳥、いっぺんな…え〜この番組にゲスト、ただで来てくれ。来たくれたらうれしいなみたいな」と冗談交じりにコメント。続けて「だいたい(モーニングショーに)呼んでくれりゃ、俺もギャラ無しで行くテレ朝…うん、ちょっと考える」と笑いを誘っていた。 
 
 

 

 
 
 
 
 
 
 
●玉川徹氏、「国葬」に疑問…「人の死を政治利用することにつながる」 9/28
テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・午前8時)は28日、7月8日に銃撃事件で死去した安倍晋三元首相(享年67)の国葬が27日に日本武道館(東京都千代田区)で執り行われたことを報じた。
200前後の国と地域、国際機関の代表団を含め国内外の計4200人程度が参列したとみられ、演説中の凶弾に倒れた安倍氏を悼んだ。首相経験者の国葬は戦後2例目で吉田茂元首相以来、55年ぶりだった。
コメンテーターで同局の玉川徹氏は国葬について「僕は大喪の礼だけで日本は十分だと思ってます個人的には。(国葬が)終わったんで言いますけど」とし、その理由を「政治利用される可能性がある。人の死を政治利用するってことにつながるわけです。今回もそういうふうな部分が多分にあった。だから僕はそういうふうなことをしない方が日本としてはいいんだと思っています」と明かした。
続けて「今回葬儀だからお葬式なのにっていう話がありますけど、ちゃんと家族葬という形で芝の増上寺で行われていますから。ここに国会議員も参列しています。だからお葬式としては終わっているんです。これは一般で言えばお別れの会みたいなものなんです。そのお別れの会みたいなものに国費を使って政治的意図をこめるってこと自体が僕はよくないと思っている」などとコメントしていた。 
●テレ朝・玉川徹氏 安倍氏国葬で菅義偉氏の弔辞に広告代理店の演出指摘 9/28
テレビ朝日職員の玉川徹氏が28日、同局系「羽鳥慎一モーニングショー」に出演し、27日に行われた安倍晋三元首相の国葬での菅義偉前首相の弔辞について「電通が入ってます」と指摘した。
国葬についての賛否が分かれる中、菅氏の弔辞については心がこもっていたと評価する声も多かった。羽鳥アナが「菅さん(の弔辞)が一番刺さったなという感じは、聞いててありました」と感想を語ると、玉川氏は「これこそが国葬の政治的意図」と指摘。国葬となったからこそテレビで生中継されるなど、大きく扱われたとした。友人らが思い出を語れば「それは胸に響く部分はあるんですよ。そういう形として国民の心に残るんですよね。既成事実として残るんです」と祭り上げられる部分があることを力説した。
羽鳥アナは「わたしはここの部分だけはちょっと違う感じがしたなぁっていう風には思います」と素直に菅氏の弔辞に込めた思いを受け取っていた。玉川氏は「演出側の人間としてテレビのディレクターをやってきましたから、それはそういう風に作りますよ」と感動的に見えるように作るのは当然と指摘した。「政治的意図がにおわないように、制作者としては考えますよ。当然これ、電通が入ってますからね」と具体的な広告代理店名を出して演出を強調した。
羽鳥アナは「そこまでの見方をするのか、『自然に言葉が出たんだろう』という、見方はいろいろある」とやんわり方向転換。それでも玉川氏は「菅さん自身は自然にしゃべってるんですよ。そういう風な、(心に)届くような人を人選として考えてる」と菅氏が弔辞を読んだこと自体も演出の1つとした。 
●9月28日の放送での玉川氏の発言
「これこそが国葬の政治的意図だと思うんですよね。当然これだけの規模の葬儀、儀式ですから、荘厳でもあるし、個人的に付き合いのあった人は、当然悲しい思いをもってその心情を吐露したのを見れば、同じ人間として、胸に刺さる部分はあると思うんですよ。しかし、例えばこれが国葬じゃなくて、内閣葬だった場合、テレビでこれだけ取り上げたり、この番組でもこうやってパネルで取り上げたりVTRで流したりしないですよね。国葬にしたからこそ、そういった部分を我々は見る、僕も仕事上見ざるを得ない状況になる。それは例えれば、自分では足を運びたくないと思っていた映画があったとしても、なかば連れられて映画を見に行ったらなかなかよかったよ、そりゃそうですよ、映画は楽しんでもらえるように胸に響くように作るんです。だからこういう風なものも、我々がこういう形で見れば胸に響くものはあるんです。それはそういう形として国民の心に既成事実として残るんですね。これこそが国葬の意図なんですね。だから僕は国葬自体、ない方がこの国にはいいんじゃないか、これが国葬の政治的意図だと思うから」
(羽鳥 『私はここの部分はちょっと違うな、と思いますが』)
「僕は演出側の人間ですからね。演出側の人間としてテレビのディレクターをやってきましたから、それはそういう風に作りますよ。当然ながら。政治的意図がにおわないように、制作者としては考えますよ。当然これ、電通が入ってますからね」
(羽鳥 『そこまでの見方をするのか、自然に言葉が出たんだろう、という見方はいろいろ』)
 
 

 

●玉川徹、菅氏の弔辞に“電通の演出”発言を訂正で「降板させるべき」と大炎上 9/29
9月29日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)に、テレビ朝日社員でコメンテーターの玉川徹氏(59)が出演。前日の番組内での発言を「事実ではありませんでした」と訂正したが、ネット上では「反省してるなら冒頭で謝罪すべきだろ」「これまでも失言多すぎるし、降板させるべき」「憶測で語ってこんな誤報が許されるか!」と大炎上している。
番組冒頭に羽鳥慎一アナウンサー(51)から「きのうのパネルコーナーで玉川さんが発言したことについて、玉川さんから……」と説明が入り、これを受けた玉川氏が「きのうのパネルコーナーの中で、私が安倍元総理の国葬に『電通が関与している』というふうにコメントしたんですが、この発言はですね、事実ではありませんでした。さらに、電通は全く関わっていないということが分かりました」と、誤った認識のうえでの発言だったと訂正。そのうえで「関係者の皆さま、それから視聴者の皆さま、訂正して謝罪致します。申し訳ありませんでした」と謝罪し頭を下げた。
謝罪は時間にしてわずか20秒だったが、その後の羽鳥アナの「では、このあと、玉川さんの『そもそも総研です』」というアナウンスで、すぐさま玉川氏の持ちコーナーに移行。
これに視聴者から「本当最低ですね まさか謝罪だけで済むと?」「名誉棄損で訴えられるレベルの誤報」「本当に反省してるの?なぜコーナーの隙間に目立たない形で謝罪するの?本来なら冒頭に謝罪でしょ」など怒りの声が噴出している。
前日には、ディレクターの立場から「政治的意図がにおわないように考える」とも発言していただけに「テレ朝が今まで意図的な情報操作をして、発信したと公言した」「誤解は解消されないし意図的悪用ならテレビ電波を使う資格がない」と盛大なブーメランとして跳ね返ってしまった格好だ。
●玉川さん、番組で発言謝罪 国葬で菅氏の弔辞に「電通が入っている」コメント 9/29
テレビ朝日の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」に出演する同社社員でコメンテーターの玉川徹さんが28日の放送で安倍晋三元首相の国葬で菅義偉前首相による弔辞読み上げに関し「(広告大手)電通が入っている」とコメントし、29日の番組内で自身の発言について「事実ではありませんでした」と訂正し、謝罪した。
玉川さんは番組で「電通は全く関わっていないということが分かりました」と話した。
●玉川徹さん「事実ではありませんでした」と謝罪 菅氏の弔辞「電通・・・」コメント 9/29
テレビ朝日系情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金午前8時)に、コメンテーターの同局社員、玉川徹氏が29日、同番組に出演。28日の番組内での自身の発言について謝罪した。
玉川氏は28日、安倍晋三元首相の国葬で菅義偉前首相による弔辞読み上げに関して「(広告大手)電通が入っている」とコメントしていた。しかし、29日の番組内で司会の羽鳥慎一アナウンサー(51)から「昨日のパネルコーナーで玉川さんが発言したことについて、玉川さんから」と振られると、「昨日のパネルコーナーの中で、私が安倍元総理の国葬に電通が関与しているというふうにコメントしたんですが、事実ではありませんでした」と自身の発言を訂正した。
玉川氏はさらに「電通は全く関わっていないということがわかりました。関係者の皆様、視聴者の皆様、訂正して謝罪致します。申し訳ありませんでした」と謝罪した。
●三浦瑠麗氏 玉川徹氏の国葬発言謝罪に「安易な決めつけ」 9/29 
国際政治学者の三浦瑠麗氏が29日、ツイッターに投稿。テレビ朝日「モーニングショー」でコメンテーターの玉川徹氏が28日の放送で、安倍晋三元首相の国葬での菅義偉元首相の弔辞などを報じた際に、大手広告代理店が「入ってます」と実名を挙げて指摘し、29日の放送で「事実ではありませんでした」と謝罪した件を取り上げ、見解を記した。
三浦氏は「安倍チームに安倍さんの思いを言葉にする極めて有能なスピーチライターたちがいたことを知っていれば、安易にこうした決めつけをしなかっただろうと思います」とツイッターに投稿した。
「国葬の場で発される言葉とは政治そのものであり、誰にでも応用できるマーケティングや感動演出の域を超えています」と記している。
玉川氏の発言について「政治に関する知識がないために根拠のない決めつけをしてしまったということなら、単に訂正謝罪をすればよいだけです」としたうえで、「ただ、発言のトーンによって、全ては消費者向けに仕組まれているのだというシニカルさを電波を通じて社会に植え付けてしまうことのほうが問題ではないかとわたしは思います」との考えを示した。
●玉川徹氏、安倍元首相の国葬での自身の発言を訂正、謝罪… 9/29
テレビ朝日の玉川徹氏が29日、コメンテーターを務める同局系「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・午前8時)で28日の同番組での自身の発言を訂正し謝罪した。
司会の羽鳥慎一アナウンサーから「昨日のパネルコーナーで玉川さんが発言したことに対して玉川さんから」と促されると、玉川氏は「昨日のパネルコーナーの中で私が安倍元総理の国葬に電通が関与している、というふうにコメントしたんですけど、この発言は事実ではありませんでした。さらに電通はまったく関わっていないことがわかりました」とし「関係者のみなさま、視聴者のみなさんに訂正し謝罪します。申し訳ございませんでした」と頭を下げ謝罪した。
28日の同番組は27日に日本武道館で行われた安倍晋三元首相の国葬を特集。その中で玉川氏は国葬の進行、菅義偉前首相の弔辞などに関し「当然これ、電通が入ってますからね」とコメントしていた。
玉川氏は今月9日の同番組でも自民党の茂木敏充幹事長が8日に所属国会議員に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側との接点確認を求めた調査結果を公表したことを報じた中で関連団体と関わった議員について旧統一教会と関係していることの認識がなかった議員が9割近くいたことに「何の団体かわからないで、そんな政党大丈夫かと思います」などと指摘し「あまり知らないで何でもいいから電報打つ、付き合うみたいなことだったらどうするんですか?そこに反社会勢力がいたらどうするんですか?そこに北朝鮮の人たちの作っている団体、そういうふうなのいたらどうするんですか?」などと疑問を投げかけた。
ただ、その後、「私のコメントで反社会的勢力と北朝鮮に関わる団体ということで2つ並べて話しちゃったんですけど、北朝鮮に関わる団体というのは、国会議員は正常な国交を持たない国の団体との関係について慎重にならなければいけないという意味で言ったんですけど、これ並べて話したので同列だっていうふうに受け止られかねないので、不適切だったと思います。すみませんでした」と頭を下げて謝罪していた。
相次いだ自身の発言への謝罪にSNS上では「裏付けも何も無く憶測だけで言ってた」 「非常識に見苦しい言い訳」など厳しいコメントが書き込まれる事態となっている。 
 
 

 

●羽鳥慎一モーニングショー退場か 降板を求める声 9/30
9月29日放送の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)で、レギュラーコメンテーターを務める同局報道局員・玉川徹氏が自身の発言が間違っていたとして謝罪した。しかし、ネット上では、降板を求める声などが相次いでいるようだ。28日の同番組では、27日に東京・日本武道館で執り行われた「故安倍晋三国葬儀」の模様を放送。その中で、水曜コメンテーターで実業家の安部敏樹氏が、友人代表の菅義偉前首相による追悼の辞が多くの国民を感動させた理由を「政治的意図を超え、個人の感情として、彼がお話になったというのが良かった」と語っていた。この意見に対し、玉川氏が「僕は演出側の人間ですからね。テレビのディレクターをやってきましたから」と切り出すと、続けて「それはそういうふうに作りますよ、当然ながら。政治的意図が臭わないように制作者としては考えますよ。当然、これ電通入ってますからね」と、広告代理店大手・株式会社電通の名前を挙げて指摘。すかさず司会の羽鳥慎一アナウンサーが「見方はいろいろあると思います」とフォローすると、玉川氏は「菅さん自身は自然にしゃべってるんですよ。でも、そういうふうな届くような人を人選として考えてるってことだと思います」と続けた。翌29日の放送で、羽鳥アナから「昨日のパネルコーナーで玉川さんが発言したことについて、玉川さんから」と振られた玉川氏は、「昨日のパネルコーナーの中で、私が安倍元総理の国葬に電通が関与しているというふうにコメントしたんですが、事実ではありませんでした。さらに、電通は全く関わっていないということがわかりました」と発言を訂正。続けて、「関係者の皆様、視聴者の皆様、訂正して謝罪致します。申し訳ありませんでした」と謝罪した。ネット上では、『普通に菅さんへの名誉毀損ですよね』『体制に突っ込むスタンスはわかるけど、自身の臆測や個人的見解が過ぎている』などと怒りの声が相次いでおり、その中には『責任をとって番組を降板するべき』『テレ朝が彼を降板させなきゃ、視聴者も納得しないだろう』と降板を求める声もあがったと、サイゾーウーマンが報じた。
●玉川徹氏、モーニングショー“退場”か? 「電通入ってる」問題発言に 9/30
9月29日放送の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)で、レギュラーコメンテーターを務める同局報道局員・玉川徹氏が自身の発言が間違っていたとして謝罪した。しかし、ネット上では、降板を求める声などが相次いでいるようだ。
28日の同番組では、27日に東京・日本武道館で執り行われた「故安倍晋三国葬儀」の模様を放送。その中で、水曜コメンテーターで実業家の安部敏樹氏が、友人代表の菅義偉前首相による追悼の辞が多くの国民を感動させた理由を「政治的意図を超え、個人の感情として、彼がお話になったというのが良かった」と語っていた。
この意見に対し、玉川氏が「僕は演出側の人間ですからね。テレビのディレクターをやってきましたから」と切り出すと、続けて「それはそういうふうに作りますよ、当然ながら。政治的意図が臭わないように制作者としては考えますよ。当然、これ電通入ってますからね」と、広告代理店大手・株式会社電通の名前を挙げて指摘。
すかさず司会の羽鳥慎一アナウンサーが「見方はいろいろあると思います」とフォローすると、玉川氏は「菅さん自身は自然にしゃべってるんですよ。でも、そういうふうな届くような人を人選として考えてるってことだと思います」と続けた。
だが、翌29日の放送で、羽鳥アナから「昨日のパネルコーナーで玉川さんが発言したことについて、玉川さんから」と振られた玉川氏は、「昨日のパネルコーナーの中で、私が安倍元総理の国葬に電通が関与しているというふうにコメントしたんですが、事実ではありませんでした。さらに、電通は全く関わっていないということがわかりました」と発言を訂正。続けて、「関係者の皆様、視聴者の皆様、訂正して謝罪致します。申し訳ありませんでした」と謝罪した。
なお、テレビ朝日は一部スポーツ紙の取材に対し、「玉川本人が勘違いをしておりました」とコメントしているという。
「ネット上では、『普通に菅さんへの名誉毀損ですよね』『体制に突っ込むスタンスはわかるけど、自身の臆測や個人的見解が過ぎている』などと怒りの声が相次いでおり、その中には『責任をとって番組を降板するべき』『テレ朝が彼を降板させなきゃ、視聴者も納得しないだろう』と降板を求める声も。玉川氏への批判は、しばらくやみそうにありません」(芸能記者)
この騒動に関しては、著名人からも反応が相次いでいる。アルピニストの野口健氏は29日、自身のTwitterで玉川氏に対し「どのような歩み方をしたらこのような感性の持ち主になるのか。怒りや呆れというよりも哀れみの感情の方が近いのかもしれませんが、しかし、人を陥れる為に事実と異なる悪意に満ちた印象操作を行うのは下品極まりない。『分断が!』と報じる側がその分断を煽ってどうするのか」と問題視。
「公共の電波を使って裏も取らずに憶測のみで決めつけてしまう発言は最もやってはならないこと。まして、玉川氏はいちコメンテーターではなくこの放送局の社員。つまり『局を代表した上で発言されている』のだと、私は受け止めています。余計なお世話ですが退場処分を検討すべきでは」と厳しく批判した。
また、国際政治学者の三浦瑠麗氏も同日、自身のTwitterで反応。「安倍チームに安倍さんの思いを言葉にする極めて有能なスピーチライターたちがいたことを知っていれば、安易にこうした決めつけをしなかっただろうと思います。国葬の場で発される言葉とは政治そのものであり、誰にでも応用できるマーケティングや感動演出の域を超えています」と投稿。
「政治に関する知識がないために根拠のない決めつけをしてしまったということなら、単に訂正謝罪をすればよいだけです。ただ、発言のトーンによって、全ては消費者向けに仕組まれているのだというシニカルさを電波を通じて社会に植え付けてしまうことのほうが問題ではないかとわたしは思います」と持論を展開している。
「テレビ朝日ホールディングスの有価証券報告書によると、2022年3月期の連結売上高の約2,982億円のうち、電通からもたらされた割合は実に約33%。これまでも発言がたびたび物議を醸してきた玉川氏ですが、今回ばかりはテレ朝も降板を検討せざるを得ないのでは」(同)
国葬の是非について、ヒートアップする様子を見せていた玉川氏。来週以降、番組に姿はあるのだろうか。
●玉川徹氏が菅前首相“弔辞プロデュース”発言を謝罪 9/30
27日に行われた安倍晋三元首相の国葬で友人代表として弔辞を読んだのが、菅義偉前首相。
《感動した》《心に沁みた》
こう絶賛された菅前首相の弔辞に水を差したのが、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」に出演した同局の玉川徹氏。玉川氏はこの弔辞について「当然これは、電通が入っていますからね」と指摘。
だが実際、弔辞は“電通プロデュース”ではなく、資料集めから執筆まで菅前首相自身の手で行っていたことがわかった。
そのため、玉川氏は28日の同番組で「国葬に電通が関与しているというふうにコメントしたんですが……この発言はですね、事実ではありませんでした。さらに、電通は全く関わっていないということが分かりました」と謝罪した。
《テレ朝の売上の多くが電通由来って言わない?》《最大の取引先に対して公共の電波で批判すること自体、会社員なら絶対御法度なはずなのに…それがデマだとわかったら目も当てられないわ》《玉川さん、テレ朝のスター社員なのに、大丈夫かな》
テレビ朝日の有価証券報告書によると、前期(2022年3月期)連結売上高およそ3000億円のうち33%が電通からもたらされている。それだけにネットでは、玉川氏の局内での立場を心配する声があがっている、というわけだ。  
●玉川徹氏 国葬事実誤認でも視聴率男≠ヘ不変「良さは消さない」 9/30
情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)のレギュラーコメンテーター・玉川徹氏が29日、前日の事実誤認発言を生謝罪した。
玉川氏は28日の放送で、安倍晋三元首相の国葬で菅義偉前首相の弔辞について「これこそが国葬の政治的意図」だと指摘。「演出側の人間としてテレビのディレクターをやってきましたからね。そういうふうに作りますよ」「政治的意図がにおわないように。当然これ、電通が入ってますからね」と、いわゆる演出だと強調した。
この発言がSNSで大炎上。玉川氏は29日朝の生放送で「発言は事実ではありませんでした。さらに、電通は全く関わっていないことが分かりました」と神妙な顔で頭を下げ、謝罪した。
玉川氏はテレ朝報道局の社員。発言が騒がれるのは今に始まったことではない。今月5日にもエネルギー自給問題で、月曜コメンテーター・石原良純と舌戦を繰り広げたばかり。ただ局関係者によれば「正直、玉川さんを誰も止められないし、注意したりなんてできない」という。最大の理由は、同時間帯トップという番組視聴率だ。
「玉川さんの毒舌は、数字(視聴率)が取れる前から面白がられていて、ここ数年である程度確立した感がある。毒を吐いてくれるという意味で局も重宝しているんだ。玉川さん見たさに番組を見ている視聴者も多い。台本の流れを事前に伝えたり、『発言に気を付けて』とは言うけど、玉川さんの良さを消したくない」
たしかにビデオリサーチの調べ(関東地区)によると、同番組の平均世帯視聴率は2ケタ台に上るのはザラ。今月19日の放送では12・3%という高視聴率を記録した。テレ朝としてはそう簡単に手放したくないだろう。
今回の一件で、玉川氏の持ち味がなくならなければいいが…。 
 
 

 

●降板かモーニングショーで、謝罪も「前代未聞」謝罪でも済まない 10/1
テレビ朝日の玉川徹氏が9月29日、『羽鳥慎一モーニングショー』に出演。28日の放送で、安倍晋三元首相の国葬での菅義偉前首相の弔辞について「電通が入ってます」と指摘したことについて、「事実ではありませんでした」と謝罪した。しかし、テレビ局側の対処を巡り、視聴者の間で大ブーイングが起こっている。
玉川氏のあまりにもお気楽な発言に、視聴者からは
《これだけの事を言ったのに勘違いでしたですますテレビ朝日の懐の広さが凄い。視聴率しか考えていないのだろう》《てか、『私、嘘ついてました』の直後に自分の担当コーナーを平然とこなしてたけど、まったく説得力ないよな。マジであり得ないわ》《自分の憶測で平然と言ってたよね。あってはならない行為です。本人が言ってた様にこれがテレビの本質なんでしょうね…》《演出といって事実を捻じ曲げていたり、針小棒大な演出をしていたってこと? きちんと説明してください》《テレビという公共の電波を使って、テレビ局社員が、デマで一企業を貶めるなんて、前代未聞の話だよ。謝罪でも済まないし、一社員が勘違いしてましたで済む話ではない》
《菅元首相の心の籠った弔辞に対して大変失礼。以前にも玉川氏のコメントで事実誤認があったと思うが、裏も取らずに番組でコメントするとは、どういう神経なのだろう?》など、テレビ局側の対処も含め、大ブーイングが吹き荒れている。
玉川氏は過去に何度も謝罪を繰り返しているだけに、視聴者からの信頼も厚くはない。刻一刻と降板危機が迫っているようだとまいじつは報じた。 
 
 

 

●玉川徹氏「菅前首相の弔辞に電通関与」発言で謝罪も止まぬ批判 10/2
10月2日、元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏が『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ系)に出演した。
この日の番組ゲストだった菅義偉(よしひで)前首相が、9月27日の安倍晋三元首相の国葬で友人代表として読んだ追悼の辞(弔辞)について、橋下氏は「本当にまさに、菅さんの人間性というものがそのまんま出ていて」と感想を述べた。そのうえで「一部で、演出だなんていう意見が出ていて、僕は絶対に許せない」と語った。菅氏の弔辞について「電通が入っている」などとした、テレビ朝日のコメンテーター・玉川徹氏の発言を受けてのものだ。
玉川氏は、国葬翌日の9月28日に放送された『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)で、菅氏の弔辞について「これこそが国葬の政治的意図」と発言。「僕は演出側の人間として、テレビのディレクターをやってきましたから、それはそういうふうに作りますよ。政治的意図がにおわないように、制作者としては考えますよ。当然これ、電通が入ってますからね」と、広告代理店の関与を指摘していた。
だが、その翌日、同番組で玉川氏は「この発言は事実ではありませんでした。さらに、電通はまったく関わっていないということがわかりました」と、事実誤認による発言だったことを認め、「関係者の皆さま、それから視聴者の皆さまに、訂正して謝罪いたします。申し訳ございませんでした」と謝罪していた。
玉川氏は謝罪したものの、各界から怒りの声が上がり続けている。
お笑いタレントのほんこんは、9月30日に自身のYouTubeチャンネルを更新。玉川氏が謝罪したことについて、「やり玉に挙げられた菅前首相には謝ったんか」と怒りを込めた。さらに、「すべてのディレクターに謝罪せなアカンで。編集として、政治的意図を隠すようなことをしたらあかんちゃうの」と指摘。菅氏の思いを踏みにじったとして「胸クソ悪いと思います」とした。
自民党の西田昌司参院議員も、9月30日に自身のYouTubeチャンネルを更新。「お詫びで済む話じゃない。テレビ朝日としての責任を取ってもらいたい。厳正な処分をしないといけない」と、会社としての処分の必要性を訴えた。
ネット上でも、玉川氏の発言に厳しい批判の声が上がっている。
《事実関係も確認せずに断定口調で言った今回の発言のせいで、彼の今までの発言の信憑性も問われかねないわけで、メディア人として致命的なミスだと思います》《玉川のようなコメンテーターを起用しているテレ朝の見識が、厳しく問われるべきだと思う》《玉川徹氏は事実を確認せず、事実が何であろうととにかく政府批判することを目的としていると感じるね。公平じゃない》《メディアに出る人間は発言の重さを考えてから物を言うべき。報道の自由があるからと言って何を言っても許されるわけではない》
これまでも、何度も問題発言をしてきた玉川氏。批判の声が止まぬなか、本人だけでなく、所属するテレビ朝日も、報道機関としての姿勢を問われている。
●“電通案件”のほかにも、玉川徹氏の謝罪・訂正に追い込まれた発言 10/2
9月28日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)での同局社員でレギュラーコメンテーターの玉川徹氏の発言が、訂正と謝罪に追い込まれた。玉川氏は安倍晋三元首相の国葬の中で、菅義偉前首相による追悼スピーチを「当然、電通入ってますからね」とコメント。翌日の放送で、玉川氏は「事実ではありませんでした」「電通は全く関わっていないということがわかりました」と謝罪した。
玉川氏は同番組でたびたび物議を醸す発言を行っているが、これまでにも今回の発言同様に、訂正と謝罪を行っているケースがある。
2020年1月21日の放送では、中国人観光客に人気がある観光都市として大阪府箕面市が取り上げられた。その際、玉川氏が「取材しましたよ箕面。トンネル掘ったら水が涸れちゃって、少なくなって、滝の水が少なくなったと確か取材した。回復したのかな」とコメント。これに対し、同市の倉田哲郎市長がツイッターで怒りを表明し、正式に抗議を行った。これを受け、24日の番組内で訂正と謝罪が行われた。
2020年4月28日の放送では、新型コロナウイルスのトピックで「東京都は土日に検査を行っていない」といった発言を行った。これは週末に東京都の陽性者数が減った背景を玉川氏が解説したものだが、実際は事実無根であった。そのため、翌29日の放送で玉川氏は「土日に関しても行政の検査機関は休んでいなかったという風なことも分かりました」と訂正と謝罪を行った。
2022年6月1日の放送では、玉川氏は「帯状疱疹のワクチンが保険適用される」といった発言を行った。だが翌2日の放送では、早くも番組内で「保険適用はされません。ただ自治体によって費用を助成するところもある」と訂正と謝罪が行われた。玉川氏は、自治体の補助を保険適用と勘違いしていたと釈明した。
玉川氏は発言の影響力も大きいだけに、やはり情報の精査は求められると言えそうだ。 
 
 

 

●玉川徹氏の電通問題に止まぬ批判、局内もザワつく“玉川発言”3つの過ち 10/3
「もはやBPO案件ですよ。実際、電話メールなどで、問題放送を指摘する連絡が多数、届いているようですよ」
スポーツ紙放送担当記者がそう打ち上げるのは、テレビ朝日のコメンテーターの“誤報”に関する動きだ。BPO(放送倫理・番組向上機構)には、批判の声が寄せられているという深刻さ。やらかしたのは、テレビ朝日の社員コメンテーターである。
玉川徹氏「3つの過ち」
安倍晋三元首相の国葬の翌日、『羽鳥慎一モーニングショー』で、玉川徹氏が、菅義偉前首相の弔辞に対し「国葬の政治的意図」という見方を示した際の“玉川発言”が炎上を続けている。
前出・スポーツ紙放送担当記者は「玉川さんは、3つの過ちを犯した。罪深い」
3つの過ちとされる失言をあらためて振り返る。
《僕は演出側の人間としてテレビのディレクターをやって来ましたから、それはそういうふうに作りますよ。政治的意図がにおわないように制作者としては考えますよ。当然、これ、電通が入っていますからね》
放送の翌日、玉川氏は、電通が関わっていなかったことを謝罪。白旗を上げた。
「電通というのはテレビ局にとって最も大切で敏感な部分。何の根拠もなくそこに責任をなすり付けた発言で、テレビ朝日内部でも、玉川批判の声がささやかれています」
電通の名前を、誤報的に出したことが、1つ目の罪。そこには2つ目の罪も含まれているという。
「そもそも“玉川発言”は、東京五輪で元電通幹部が逮捕されたことで、世間の電通イメージが悪化しているという空気を読み、それに便乗しようとしたもの。電通=悪、という刷り込みをさらに無責任に拡大流布しようとしたことはあまりにも質が悪い。フェイクニュースならぬフェイクコメントですよ」
電通の悪イメージの固定化に、まぎれもなく“玉川発言”が加担した。
さらに3つ目の罪に話を進める。 「テレビの制作者が、政治的な意図をにおわせないように制作しているということ。テレビ朝日はその昔、民主党政権が成立する際に自ら偏向報道をしたと当時の報道局長が明らかにしたことがあり、“椿事件”として大問題になりました。玉川さんの指摘はまさに、テレ朝内部の体質を裏付けるものです。他局の報道局スタッフは、『自分のところでやっていることを、放送業界全体のことのように言うのはどうかと思いますよ』とあきれていましたけどね」
電通のイメージを失墜させ、テレビ業界全体の制作者のイメージに泥を塗った“玉川発言”。罪は拭えないばかりか、鎮火の様子もまだ見えない。 
 
 

 

●玉川徹氏を謹慎処分 テレ朝「モーニングショー」で事実誤認の発言 10/4
テレビ朝日は4日、情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」で事実に基づかない発言をして社の信用を損ねたとして、コメンテーターで報道局社員の玉川徹さんを謹慎(出勤停止10日)の懲戒処分にし、発表した。
玉川さんは先月28日の番組で、前日の安倍晋三元首相の国葬で菅義偉前首相が読んだ弔辞について「電通が入っている」と発言。翌日、事実ではなかったと謝罪していた。番組のチーフプロデューサーと、情報番組を担当する報道局情報番組センター長も、監督責任を問い譴責(けんせき)処分とした。
篠塚浩社長は4日の定例会見で「(玉川さんが)国葬に関する様々な情報を調べる中で、誤解してしまった。再発防止に向けて指導を徹底したい」と謝罪した。
●テレ朝・玉川氏の「虚偽発言」国会で追及も 自民の西田議員が激怒 10/4
テレビ朝日系の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」に出演する、同社社員でコメンテーターの玉川徹氏の発言が波紋を呼んでいる。安倍晋三元首相の「国葬(国葬儀)」での菅義偉前首相の弔辞について、玉川氏は「(広告大手)電通が入っている」などと虚偽のコメントを堂々と行い、翌日撤回したのだ。自民党の西田昌司参院議員は「テレビ局は、公共の電波を使い、国民に正しい情報を伝える責任がある」「極めて重大な問題で、国政の場でも強く提起したい」と語った。
問題の発言は、国葬翌日(9月28日)の同番組であった。
菅氏による友人代表の弔辞は、安倍氏の功績と人柄を回顧し、一般の献花台に多くの人々が並んでいる様子を紹介するなどして共感を呼び、異例の拍手まで起きた。
これに対し、玉川氏は「僕は演出側の人間ですから、テレビのディレクターをやってきましたから、それはそういう風につくりますよ。政治的意図がにおわないように制作者としては考えますよ。当然、これ電通入ってますからね」と断言した。
自身が政治的意図を持って番組を制作してきたことを認めるような発言だが、このコメントに事実無根があった。
玉川氏は翌日(同29日)、「電通はまったく関わっていないことが分かりました。関係者のみなさま、それから視聴者のみなさまに訂正して謝罪します」と語った。
安倍氏の国葬や菅氏の弔辞をデマで冒涜(ぼうとく)しただけでなく、電通やテレビ業界の信頼やイメージにも泥を塗った。ネット上では批判が噴出しているが、大手メディアは沈黙している。
この件について、西田氏は同30日、ユーチューブの自身のチャンネルで「玉川氏の許し難い発言は、テレビ朝日としての処分と謝罪が必要だ!」と痛烈に批判した。夕刊フジは改めて聞いた。
西田氏は「玉川氏は私人の評論家や学者ではなく、公共の電波を使用するテレビ朝日の社員だ。ミスではなく、虚報で偏向報道だ。根拠なく菅氏の弔辞を徹底的に腐す発言は『報道の自由』を逸脱している。玉川氏個人の謝罪ですむ話ではなく、テレビ朝日のあり方が問われる」と語った。
確かに、テレビ放送は、国民の共有財産である「電波」の使用免許を得て行う事業である。
西田氏は「テレビ朝日は自ら厳正な処分を行い、組織としての責任を示すべきだ。玉川氏の発言は『椿事件』と同じで、政治的公平性の欠如が続く体質を証明している」とも指摘した。
椿事件とは、非自民の細川連立政権が誕生した1993年、テレビ朝日の報道局長だった椿貞良氏が日本民間放送連盟の会合で、特定政党を支持し、偏向報道を是認するような発言を行い、同局の放送免許取り消し処分が検討された問題だ。
西田氏は「今回の問題は、テレビ局の本質的な宿痾(しゅくあ)を象徴するものだ。自らがやりたいように報道し、天下を取ったような態度を示している。すでに、自民党としてテレビ朝日に説明を求めるよう、党幹部に提言した。テレビ朝日には誠実な態度を求めたい」と語った。
【放送法第4条】
(1)公安及び善良な風俗を害しないこと。
(2)政治的に公平であること。
(3)報道は事実をまげないですること。
(4)意見が対立する問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
●玉川徹コメンテーターを謹慎処分 テレビ朝日 10/4
テレビ朝日は4日、「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜午前8時)で事実に基づかない発言をしたとして、報道局社員でコメンテーターの玉川徹氏を出勤停止10日間の謹慎処分としたと発表した。管理監督責任を問い、報道局の情報番組センター長と番組チーフプロデューサーをけん責とした。
玉川氏は9月28日の番組で、安倍晋三元首相の国葬で菅義偉前首相が読んだ弔辞について「電通が入っている」などと発言し、翌日、「事実ではなかった」と謝罪した。謹慎期間終了後は番組に復帰する見通しという。
篠塚浩社長は4日の定例記者会見で「今後は再発防止に向けてさらに指導を徹底する。関係者、視聴者の皆さまに心からおわび申し上げる」と話した。電通にも謝罪したという。
●大橋未歩アナ、「スッキリ!」コメンテーター就任で 「炎上しません!」 10/4
元テレビ東京でフリーの大橋未歩アナウンサーが4日、アシスタントとしてTOKYO MX「5時に夢中!」(月〜金曜・午後5時)に出演。10日から日本テレビ系「スッキリ」(月〜金曜・午前8時)の新レギュラーコメンテーターに就任することについてコメントした。
この日の番組冒頭、共演の作家・岩下尚史さんやタレント・北斗晶に「おめでとう。月曜日(の出演)でしょ?」と祝われ、笑顔を見せた大橋アナ。
岩下さんに「『打倒モーニングショー』なんだろ? 女・玉川になるんでしょ?」と言われると、「言ってませんよ! 言ってませんよ!」と懸命に否定。
「スッキリ!」の裏番組の「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・午前8時)のコメンテーターを務める玉川徹氏が安倍元首相の国葬に関し、事実に基づかない発言をしたとして謹慎処分となったことに絡め、「炎上しません! ここ(MX)で十分です」と続け、MCの垣花正に「ここで小さく炎上してるんで」と言われると、「垣花さんのおかげでね」と笑顔で言い返していた。
大橋アナは今月からフリーアナウンサーの神田愛花とともに「スッキリ」のレギュラーコメンテーターに就任。2人が出演するのは月曜日で、隔週での登場となり、大橋アナは10日に初登場する。 
●菅義偉前首相の感動の弔辞、玉川徹氏の失言騒動やコピペ疑惑発生 10/4
9月27日に執り行われた安倍晋三元首相の国葬。最も話題と共感を集めたのは、友人代表として菅義偉前首相が読み上げた弔辞だった。世間の菅氏に対する評価が一変するほどの感動を呼んだが、これに関連してテレビ朝日社員でコメンテーターの玉川徹氏の失言騒動が勃発し、その一方で弔辞に「コピペ疑惑」が浮上するなど炎上が同時発生している。
菅氏の弔辞は、随所に安倍元首相への思いがほとばしっていた。菅氏は安倍元首相が2度目の総裁選出馬を迷っていた時のことを振り返り、「2人で銀座の焼き鳥屋に行き、私は一生懸命あなたを口説きました。それが使命だと思ったからです。3時間後には、ようやく首を縦に振ってくれた」というエピソードを告白。菅氏は「生涯最大の達成としていつまでも誇らしく思う」と話し、時折声を詰まらせながら安倍元首相に語りかける姿は「まるで恋文」と評された。
クライマックスとなったのは、死後もそのままになっていた議員会館の安倍元首相の机で見つけたという読みかけの岡義武著『山県有朋』の中に記されていた歌。「ここまで読んだ」と端が折られたページのマーカーペンで線を引いた箇所に山県有朋が亡くなった盟友の伊藤博文をしのんで詠んだ短歌があり、菅氏は「いまこの歌くらい、私自身の思いをよく詠んだ一首はありません」とした上で、「かたりあひて 尽しゝ人は 先立ちぬ 今より後の 世をいかにせむ」と山県の歌を引用した。
これが世間で「菅さんの弔辞で涙があふれた」「こんなに感動したことはない」などと絶賛された。国葬では岸田文雄総理も弔辞を読んだが、ネット上では「岸田さんが何を言ったかまったく記憶に残ってない」などと揶揄され、悲惨なほどの格差となった。
この翌日、朝の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)に出演した玉川氏は、菅氏の弔辞について「これこそが国葬の政治的意図」とコメント。「僕は演出側の人間としてテレビのディレクターをやってきましたから、それはそういうふうに作りますよ」として、メディア側の立場から菅氏の弔辞は「巧みに政治的意図がにおわないように作られたもの」であると指摘。さらに「当然、これ電通が入っていますからね」と、電通が弔辞の作成をはじめとした国葬の演出に関与していると断言した。
ところが、玉川氏は次の日の放送で「電通はまったく関わっていないということがわかりました」 と全面謝罪し、発言を撤回。これに「感動に水を差した」「普通ならBPO案件」「NHKだったら絶対に降板させられてる」といった批判が殺到した。また、玉川氏の発言は「メディア側は政治的意図をにおわせないような番組演出で世論を誘導している」と読み取られかねないもので、それも問題視されているようだ。テレビ朝日も事態を重く見たようで、玉川氏に4日付で謹慎処分(出勤停止10日間)が下された。
玉川氏の大失態によって菅氏の評価がさらに上がったとみられたが、弔辞の感動を帳消しにしかねない「疑惑」が浮上した。
感動の弔辞に「コピペ疑惑」が浮上?
安倍元首相は凶弾に倒れる約3週間前、恩人だったJR東海名誉会長の葛西敬之氏の葬儀後に自身のFacebookで「葛西さんが最も評価する明治の元勲は山縣有朋。好敵手伊藤博文の死に際して彼は次の歌を残しています」として、「かたりあひて 尽しゝ人は 先立ちぬ 今より後の 世をいかにせむ」の歌を紹介していた。
国葬後、菅氏は弔辞について「(昭恵夫人から)提案があって、一生懸命に資料集めから。一気にではなくまず全体像を入れていくというか、“何をして、何をして”という構想からした。それと、私自身が今まで発言したものを集めていき、(完成形になったのは)意外に早かった」と発言。自分で弔辞を書いたような口ぶりであったが、クライマックスとなった短歌は安倍元首相のFacebookの「使い回し」とも考えられ、一部で「コピペでは」などと疑われる事態となった。
さらに、安倍元首相のFacebookに7年以上前に岡義武著『山県有朋』について「読了しました」という記述があったことが判明。結果、菅氏が語った「安倍元首相の机に読みかけの状態で置いてあった」というエピソードすら真偽が怪しくなってきた。もし本当にあったのなら、葛西氏の逝去に際して追悼文などを作成する参考にしていた可能性があるが、菅氏は「安倍元首相が凶弾に倒れる前に読んでいた最後の本で、しおり代わりに端を折ってあったページに奇跡的なめぐり合わせで『いみじくも』山県の歌があった」と解釈していた。
こうした「疑惑」を受けて、ネット上では「感動したのにガッカリ」「揚げ足取りでは」などと賛否両論となっている。国民から大絶賛された菅氏の感動的な弔辞が称賛のみで終わらず、失言騒動やコピペ疑惑などが巻き起こるあたりは、国葬をめぐる混乱の集大成といえるかもしれない。 
●電通発言に元首相補佐官「謝罪で済まない」「会社の責任を明確に・・・」 10/4
テレビ朝日の玉川徹氏が安倍晋三元首相の国葬で菅義偉前首相が行った弔辞に対して、「電通が入ってますからね」と話した騒動が拡大している。元農水副大臣で安倍内閣時に首相補佐官を務めた磯崎陽輔氏が4日、この件をツイートした。
磯崎氏は「玉川徹氏の発言は、失言ではありません。菅前総理の弔辞の作成過程について全く事実を認識していないのに、広報会社の固有名詞まで挙げて、事実無根の『うそ』を言って人の名誉を傷つけたのです」と、うっかり発言ではないと指摘した。
玉川氏の発言があったのは9月28日のこと。翌29日の放送で玉川氏は「この発言は事実ではありませんでした。さらに、電通は全く関わっていないことが分かりました」と謝罪していた。
しかし、磯崎氏は「本人の一片の謝罪で済む話ではなく、会社としての責任を明確にすべきです」とさらなるケジメを求めた。この件では自民党の西田昌司参院議員がユーチューブで処分の必要性を訴えている。  
 
 

 

●テレビ朝日 玉川徹氏を処分「国葬」関連 事実に基づかない発言  10/5
テレビ朝日は、安倍元総理大臣の「国葬」を伝えた先月28日の情報番組の中で、事実に基づかない発言を行ったとして、自社のコメンテーターを4日付けで出勤停止10日の懲戒処分にしたと発表しました。
処分を受けたのは、テレビ朝日の朝の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」でコメンテーターを務める報道局社員の玉川徹氏です。
会社によりますと、玉川氏は、安倍元総理大臣の国葬で、菅前総理大臣が読み上げた追悼の辞について、先月28日の放送で、「当然、これは電通が入っていますからね」などと発言しました。
翌日の番組で事実ではなかったとして謝罪しましたが、会社は、事実に基づかない発言で、番組や会社の信用を傷つけ損害を与えたとして、5日から出勤停止10日の懲戒処分にしました。
また、報道局の情報番組センター長と番組担当のチーフプロデューサーの2人もけん責の懲戒処分としました。
会社によりますと玉川氏は、出勤停止の処分のあと、番組に復帰する予定だということです。
テレビ朝日の篠塚浩社長は4日の定例の記者会見で、「当社の番組で事実に基づかない発言があったことは誠に遺憾だ。ご迷惑をおかけした関係者、視聴者の皆さまに改めて心よりおわび申し上げます」と述べました。
●羽鳥慎一アナ、「モーニングショー」で玉川徹氏の謹慎処分で謝罪… 10/5
テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・午前8時)は5日、コメンテーターで同局の玉川徹氏がこの日から謹慎で出勤停止10日間の処分を受けたことを伝えた。
玉川氏の処分は同局の早河洋会長が4日に東京・六本木の同局で定例会見を行い、9月28日放送の同番組で玉川氏が安倍元首相の国葬の進行などに関し「これ電通入ってますからね」と事実に基づかない発言をしたとして謹慎処分にしたことを明らかにしていた。
処分は玉川氏の他に番組責任者にあたる報道局情報番組センター長と同局情報番組センターCPをけん責処分とした。
スタジオで司会の羽鳥慎一アナウンサーが今回の問題を「今日から玉川さんが10日間の謹慎処分ということになりました。放送10回分の出演禁止ということになります」とし「今回、玉川さんの発言によりましてご迷惑をおかけしました各方面の方々、そして不快な思いをされました各方面の方々、さらに視聴者の方々、大変申し訳ありませんでした」と頭を下げ謝罪した。
さらに羽鳥アナは「予定ですと玉川さんは来週の水曜日に復帰をいたしますが、その際になぜ今回、このような発言になったのかの説明を改めてするべき。そして謝罪をするべきだと私は思っております」と明言した。そして「改めて大変申し訳ありませんでした」と謝罪を繰り返した。その後、復帰を再来週の水曜日となる19日に訂正した。
4日の会見で同局の篠塚浩社長は「“電通の関与”の部分が全く事実と異なっていた」と反省。既に電通には謝罪し、玉川氏本人も「関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしました」と陳謝しているという。同社長は「(玉川氏は)国葬に関して様々な情報を集めていて、誤解したようです」と釈明した。
玉川氏は問題となった「電通発言」を9月29日の同番組で「昨日のパネルコーナーの中で私が安倍元総理の国葬に電通が関与している、というふうにコメントしたんですけど、この発言は事実ではありませんでした。さらに電通はまったく関わっていないことがわかりました。関係者のみなさま、視聴者のみなさんに訂正し謝罪します。申し訳ございませんでした」と頭を下げ謝罪していた。その後も今月4日まで出演を続けていた。
同社長によると、玉川氏は謹慎後、番組復帰すると明かしていた。
●羽鳥慎一アナ、玉川徹氏の謹慎処分に触れ「改めて説明と謝罪をするべき」 10/5
安倍晋三元首相の国葬に関する発言で出勤停止10日間の謹慎処分となったテレビ朝日社員の玉川徹氏がコメンテーターを務める同局系情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜午前8時)が5日、放送された。玉川氏は番組を欠席し、番組でその点について触れられた。
番組冒頭、MCのフリーアナウンサー羽鳥慎一(51)が「今日から玉川さんがですね、10日間の謹慎処分ということになりました。放送10回分の出演禁止ということになります。今回玉川さんの発言によりまして、ご迷惑おかけしました各方面の方々、そして不快な思いをされました各方面の方々、さらに視聴者の方々、大変申し訳ありませんでした」と説明して謝罪した。
さらに再来週の水曜の19日復帰予定の玉川氏について「なぜ今回このような発言になったのかの説明を改めてするべき、そして謝罪をするべきだというふうに私は思っております」とし「改めて申し訳ありませんでした」と再び頭を下げた。
玉川氏は9月28日の同番組で、安倍元首相の国葬で行われた菅義偉前首相による弔辞読み上げに関して「(広告大手)電通が入っている」などとコメントした。だが、翌29日に同番組内で「昨日のパネルコーナーの中で、私が安倍元総理の国葬に電通が関与しているというふうにコメントしたんですが、事実ではありませんでした」と発言を訂正し謝罪した。
同局は4日の定例社長会見で、玉川氏を含む社員3人の処分を発表。玉川氏は「謹慎」(出勤停止10日間、5日から)。上司である報道局情報番組センター長と番組センターCP(番組担当)は「けん責」処分とした。処分理由について「2022年9月28日『羽鳥慎一モーニングショー』で事実に基づかない発言を行い、その結果、番組及び会社の信用を傷つけ、損害を与えたことによる処分である。また、その管理監督責任を問うものである」としていた。
6月に就任した篠塚浩社長は会見で「今回、番組で事実に基づかない発言があったことは誠に遺憾。今後は再発防止に向け、スタッフの指導を徹底する。ご迷惑をおかけしました関係者、皆様にあらためて心よりおわび申し上げます」と謝罪。玉川氏が誤解をした理由については「本人によると、臆測によるさまざまな情報を入手して、誤解をしてしまった」と説明。「本人は深く反省しています」とした。電通へは謝罪をしたという。
玉川氏は「−モーニングショー」の4日放送回まで通常通り出演。ヤクルト村上宗隆内野手の56号本塁打と3冠王を伝えるニュースの際には「野球のことはよくわかりませんけど、人間としてすごい。最後の1打席しかなかったんでしょう。この一瞬で力を出せなければダメだ、という時に出す、ということなんですよ。これは野球に限らず、この村上さんというのはすごいんだ、と僕は思いました」などとコメントしていた。謹慎期間終了後、玉川氏は番組に復帰する予定になっている。
●江川紹子氏、西田参院議員に苦言「国政に持ち込む話でない」 玉川氏発言 10/5
ジャーナリストの江川紹子氏が5日、自身のツイッターを更新。自民党の西田昌司参院議員の発言に、「『国政の場』に持ち込む話ではない」苦言を呈した。
テレビ朝日の玉川徹氏は、安倍晋三元首相の国葬での菅義偉前首相の弔辞について「電通が入ってます」と事実に基づかない発言をしたとして、出勤停止10日間の謹慎とする懲戒処分となった。
江川氏は、西田氏がこの件について「極めて重大な問題で国政の場でも強く提起したい」と発言したとの記事を引用。「与党議員が『国政の場』に持ちこむ話ではない」と苦言を呈し、「電通や菅氏がこの処分に不満であれば、BPOに申し立てればよい」と指摘した。
玉川氏は9月27日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」で安倍元首相の国葬で、友人代表とした菅氏が述べた弔辞について、電通の関与があったと発言した。翌28日に事実ではないと同番組で謝罪したが、今月4日、事実に基づかない発言をしたとして懲戒処分となっていた。
●テレ朝・玉川徹氏は鎮火せず、NHK解説委員・岩田明子氏の時は… 10/5
《降板だよ。降板》《発言の問題以上に局の報道姿勢が問われているだろう》《誰でも勘違いはある。すでに謝罪しているのだから出勤停止は自主規制し過ぎではないか》
賛否両論の声は広がるばかり。テレビ朝日の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」の生放送中、安倍晋三元首相の「国葬」に関して無関係だった大手広告代理店「電通」の名前を挙げたとして、出勤停止10日間の謹慎処分となったコメンテーターの玉川徹氏についてだ。
MCを務めるフリーアナウンサーの羽鳥慎一は5日、同番組の冒頭、「玉川さんの発言によりまして、ご迷惑おかけしました各方面の方々、そして不快な思いをされました各方面の方々、さらに視聴者の方々、大変申し訳ありませんでした」などと謝罪したが、ネット上の“炎上”は収まる気配がない。
批判的な意見として多く見られるのが、公共の電波で嘘を言った、政治的な発言で世論を誘導した、という2点だ。とりわけ、玉川氏がふだん自民党政権に対して厳しい見方を示していたためか、《この男は極左だった》《安倍政権の揚げ足取りばかりやっていた人だった》《政治的中立、公平さを欠く》といった投稿だ。
これに対し、ネット上では「#玉川徹の謹慎処分に抗議します」とのハッシュタグが登場。擁護する意見はこんな感じだ。
《発言については誤りだったと番組で認めて謝罪した。叩いている人は玉川氏の政権に批判的な姿勢が許せないだけ》《番組の嘘で世論誘導したというのであれば、バラエティー番組のひな壇芸人はしょっちゅう、適当なことを言っている》《公共放送の問題発言なら、NHKの岩田氏の方がひどかった》
岩田氏とはNHK解説委員の岩田明子氏。かつて同局の政治部記者時代、発言内容がさまざまな物議を醸したことで知られる。
例えば、今回の玉川氏のようにネット上で炎上したのが2018年6月。シンガポールのセントーサ島で、トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党総書記による初の米朝首脳会談が開かれた時だ。
岩田氏はこの時、会談場所についてトランプ大統領に進言したのは安倍首相──などと解説。まるで安倍氏が首脳会談の「橋渡し役」を務めたかのような発言をしたため、ネット上では、《んなわけないだろ。それができるなら日朝会談やってるよ》《対話のための対話はしない、と北を突っぱねていた人の言うことを北朝鮮が聞く?》《歴史的な会談の解説で、公共放送がひどい嘘》《安倍政権のためなら何でもあり》といった指摘が相次いだのだ。
それでも岩田氏は今、元気はつらつ。玉川氏もめげずに現場復帰できるか。
●テレ朝が数字を持ってる男°ハ川徹氏を急転処分の裏事情 10/5
テレビ朝日は4日、安倍晋三元首相の国葬での菅義偉前首相の弔辞をめぐり、「電通が入ってますからね」と発言した社員の玉川徹氏に同日付で懲戒処分を下した。10日間の出勤停止。玉川氏はガセ発言後もフツーに出演して野放し状態≠セったことで著名人や政界ばかりか身内の局内からもフルボッコ≠ウれる事態を招き、テレ朝も動かざるを得なかった。
テレ朝系情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」のレギュラーコメンテーターを務める玉川氏は9月28日放送で、安倍氏の国葬で菅氏が読み上げた弔辞について「当然これ、電通が入ってますからね」などと発言し、SNS上で炎上した。
いつもは舌鋒鋭い玉川氏も翌29日放送で、発言は事実ではなかったと陳謝。ただ、謹慎処分が発表される当日4日放送まではフツーに生出演していた。
テレ朝は玉川氏を野放し≠ノしたままだったが、これがマズかった。ガセ発言のコメンテーターが出演し続けることで火に油を注ぐ形に。ツイッター上では「玉川徹の降板を求めます」とのハッシュタグが連日トレンド入りした。テレ朝には連日のように、視聴者から同氏の出演続行について抗議の電話がかかってきたそう。また、電通から抗議≠受けたテレ朝の営業局からも番組サイドにブーイングが寄せられたという。
それでも上層部は当初、「処分ナシ」の方針だった。なぜか。
玉川氏は、厳密には取材するディレクターという立場ながら、コメンテーターとして番組に出演してきた異色の存在≠セ。優秀で、チーフディレクターやチーフプロデューサーなどに出世してもおかしくなかったが、管理職への打診を拒否し、現場主義を貫いてきた。
番組での歯に衣着せぬコメントで炎上は日常茶飯事で「視聴者から抗議を寄せられても、とにかく数字(視聴率)を持ってる£jなんです」(テレ朝関係者)。
確固たる地位を築いたからか、テレ朝の対応は後手に回った。
「視聴者だけの抗議なら上層部は動かなかったはず。著名人や政界からも批判が寄せられ、批判的な報道がやまないこともあり、処分に踏み切ることになったようです」(同)
玉川氏の発言をめぐっては、元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏や、安倍内閣で元農水副大臣や首相補佐官を務めた磯崎陽輔氏らが相次いで批判していた。
4日に行われたテレ朝の定例会見では篠塚浩社長が「誠に遺憾」と陳謝。電通側に謝罪したことも明かした。
「玉川氏が番組に出演し続けることが、世間からの批判をあおることになった。テレ朝は平謝りするしかない」(テレビ局関係者)
といっても、10日間の出勤停止処分には「甘い!」との意見も少なくない。
「玉川さんを今後もコメンテーターとしてどうしても残したいとの考えが透けて見えます」(前出テレ朝関係者)
玉川氏は謹慎期間を終えた後、番組に復帰する予定という。
「情報番組のコメンテーターとしてどうなのかという声が局内にはある。番組に戻ってきても世間が許すのか疑問です」(制作会社関係者)
処分明けの出演はどうなるか。 
●テレビ朝日・玉川徹氏の電通発言にテレビ業界が”驚愕”したワケ 10/5
フリーアナウンサーの羽鳥慎一が10月5日、MCを務める『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)で、番組コメンテーターを務めるテレビ朝日社員の玉川徹氏について「今日から玉川さんは10日間の謹慎処分ということになりました。今回、玉川さんの発言によりまして、ご迷惑をおかけしました各方面の方々、そして不快な思いをされました各方面の方々、さらに視聴者の方々、大変申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げ謝罪した。また「なぜ今回、このような発言になったのか、説明を改めてするべき、そして謝罪をするべきだというふうに私は思っております。改めて大変申し訳ありませんでした」として玉川氏に厳しい言葉を投げかけた。
玉川氏といえば、安倍晋三元首相の国葬で菅義偉前首相が感動的な弔辞を読み上げ世間から絶賛されたことについて、番組内で「演出側の人間として、テレビのディレクターをやってきましたから、それはそういうふうに作りますよ。政治的意図がにおわないように、制作者としては考えますよ。当然これ、電通が入ってますからね」と発言。だが、のちに全く電通が関わっていなかったことから謝罪に追い込まれた。
そして社内で問題視され4日付で謹慎処分(出勤停止10日間)となった。さらに報道局情報番組センター長と同局情報番組センターチーフプロデューサーをけん責処分とした。
電通としては“濡れ衣”を着せられた形となり、寝耳に水だったようだ。そんな玉川氏の発言に対し、別の民放テレビ局社員は「民放のテレビマンなら、電通を敵に回すようなことを軽々に言いませんよ。玉川さんが現場しかやってきていないので分からないのか、テレビ局の営業からすると、電通マンのほうが立場は上のことが多い。ひと昔前なら、テレビ局の営業が電通に下手を打ってしまったら、土下座して謝罪したり、自ら丸坊主にして謝罪しに行った者もいましたね。スポンサーを取ってきてくれる電通に対して、ああいう物言いはあり得ない。ネット掲示板の中で都市伝説化しているような“黒幕=電通”説を報道番組で裏取りもせずに発言していたのを見て絶句しましたよ」と、広告代理店トップ“電通”の存在の大きさを証言する。
電通は過去に過労死問題で世間の批判を浴びたことも。また最近では電通出身で、東京五輪の組織委員会元理事・高橋治之容疑者の言いなりになっていたことが明らかになったばかりだ。
「世間の電通へのイメージはどうしても悪くなっており、汚名返上をしたいと考えているときに、玉川氏がケンカをふっかけてきた。相当怒り心頭でしょう。
ただ玉川氏だけが悪いとは言いません。あの発言をオンエア中に撤回させ謝罪させなかった番組制作サイドの責任も非常に大きい。人気のある玉川氏に気を使い、物申せるスタッフがいなかったのでは」(ワイドショー関係者)
テレビ朝日の定例社長会見で、篠塚浩社長は「今回、番組で事実に基づかない発言があったことは誠に遺憾。今後は再発防止に向け、スタッフの指導を徹底する」と現場の社員にもチクリ。だが、玉川氏は放送10回分を休めばまたスタジオに戻ってくるという。
ツイッターでは《玉川徹の降板を求めます》というハッシュタグが今も拡散されている。果たして、電通にケンカを売った玉川氏は、無事にテレビ復帰することができるのだろうか――。
●「電通発言」より問題な玉川徹氏の「そういうふうに作りますよ」という言葉 10/5
これはひど過ぎる発言だと耳にした瞬間、私も思った。そして、問題発言から6日が経過。出勤停止10日間という処分を耳にした時も「軽いな」と思ってしまった。そこにはワイドショー、情報番組という存在が抱える非常に根深い問題が横たわっていたから―。
5日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・午前8時)では、コメンテーターとして出演中の同局・玉川徹氏(59)がこの日から謹慎で出勤停止10日間の処分を受けたことを伝えた。
玉川氏については、同局の早河洋会長(78)が4日に東京・六本木の同局で行われた定例会見で、9月28日放送の同番組で玉川氏が安倍晋三元首相の国葬の進行などに関し「これ電通入ってますからね」などと事実に基づかない発言をしたことについて言及。10日間の出勤停止処分としたことを明らかにしていた。
テレ朝の会見の模様が報じられた直後からツイッターのトレンドでは「謹慎処分」のワードが急上昇。ネット上には「#玉川徹の降板を求めます」というハッシュタグが登場。午後5時には「謹慎処分」がトレンド1位に。5位に「テレビ朝日」、6位に「玉川徹氏」、12位に「篠塚社長」とテレ朝の篠塚浩社長(60)も登場する“祭り状態”となった。
一夜明けた5日には、10日間という謹慎期間を問題視する「#玉川徹の謹慎処分に抗議します」というワードまで世界トレンド3位まで急上昇した。
ネット上には「出勤停止10日? ふざけんな。菅元総理や故安倍元総理、安倍さんの遺族に直接謝罪。それで番組降板。これが最低限なのは当たり前」、「これでは単なる長期休暇だろう」、「裏も取らずに無責任な発言を繰り返し、社会に多大な損害を与えた人物が謹慎10日間で済まされるのか」などの厳しい声の一方、「玉川氏はきちんと訂正・謝罪をしたのに謹慎処分を課すなど言論の弾圧 テレ朝に強く抗議します」、「謝罪した玉川さんより、いろんな問題から逃げ、説明責任を果たさない政治家たちの方を処分してほしい」などの声もあった。
この日の「モーニングショー」では、司会の羽鳥慎一アナウンサー(51)が「今回、玉川さんの発言によりまして、ご迷惑をおかけしました各方面の方々、そして、不快な思いをされました各方面の方々、さらに視聴者の方々、大変申し訳ありませんでした」と頭を下げ謝罪。「予定ですと玉川さんは来週の水曜日に復帰をいたしますが、その際になぜ今回、このような発言になったのかの説明を改めてするべき。そして謝罪をするべきだと私は思っております」と明言。その後、復帰を再来週の水曜日となる19日に訂正した。
真摯に頭を下げる人気キャスターの姿に同番組とテレ朝の心からの反省の思いを感じた。
しかし、一方で玉川氏が「電通が入ってますからね」と揶揄(やゆ)した先月27日の国葬での菅義偉前首相(73)の「あれからも朝は来て、日は暮れていきます。季節は歩みを進めます。あなたという人がいないのに時は過ぎる。無情にも過ぎていくことに私はいまだに許せないものを覚えます」という弔辞に心を揺さぶられた私には、もう一つの疑問が生じた。
玉川氏の発言の問題点は「電通」という結果的に無関係だった企業名を出したこと以外にもあるのではないか。
それは問題の放送で「当然、これ、電通が入っていますからね」と言う前に口にした「僕は演出側の人間としてテレビのディレクターをやって来ましたから、それはそういうふうに作りますよ。政治的意図がにおわないように制作者としては考えますよ」という言葉。
玉川氏は長年、「モーニングショー」の敏腕ディレクターとして頭角を現し、様々な問題を取材し、コメントできる存在として同番組のレギュラーコメンテーターに抜てきされた人物。作り手としての実績も十分なテレビマンが「それはそういうふうに作りますよ」と同番組が素材にある程度の意図を加え、番組を作っていることを匂わせてしまったのだ。
ならば、新型コロナ禍のこの3年間、政府のコロナ対策を様々に批判し続け、「玉川節」として数字(視聴率)を稼いできた発言の数々も「そういうふうに」作られてきたものなのか。そう思ってしまうではないか。
確かに玉川氏が「数字を持っている」から重宝されてきた側面はあるだろう。だが、真実を伝えることこそが目的のテレビ番組で、作り手が「政治的意図がにおわないように」番組を作り続けてきたとしたら、それは番組内容を信じてくれている視聴者への裏切りにあたるのではないか。
玉川氏の発言をPV(ページビュー)が稼げるからという理由で様々に取り上げてきたメディアの一人としての自戒も込めて、こう言いたい。
玉川さん、あなたは間違っている―。
●玉川徹氏に無責任コメントをさせるテレビ朝日「便利屋扱い」か 10/5
10月5日放送のテレビ朝日系『羽鳥慎一モーニングショー』に、レギュラーコメンテーターで同局社員の玉川徹氏の姿はなかった。司会の羽鳥慎一アナは改めて玉川氏の発言を謝罪したのだった。
ことの発端は9月28日、安倍晋三元首相の国葬を番組で取り上げた際に、玉川氏はしたり顔で「これ電通入ってますからね」と内情を明かしてみせた。ところが、翌日に「事実ではありませんでした」と発言を撤回して謝罪。番組終了後も同氏への批判は止むことなく、炎上騒ぎにーー。
「当初は謝罪で事は済んだと思っていたのでしょうが、予想以上の反発にそうはいなかくなった。10月3日、4日の放送には出演するも、同日の定例会見で玉川さんの出勤停止10日間の謹慎、懲戒処分を発表したのです。
まるで“秋休み”のような処分に、ネット上では“甘すぎる”との声が殺到。玉川さんの番組降板を求める“運動”が起きるも覆るはずもなく、10月19日の放送から復帰予定。その際には本人の口からあらためて謝罪と、発言に至った経緯を説明するみたいですね」(スポーツ紙芸能デスク)
テレ朝の報道局局員という“いち社員”の身分でありながら、『モーニングショー』の席に座り続けている玉川氏。その歯に衣着せぬ物言いは、良い意味でも悪い意味でも多くの視聴者を惹きつけてきた事実がある。
「同じくけん責処分とされたチーフプロデューサーとともに、同時間帯の視聴率トップを走る『モーニングショー』を牽引する1人であるのは間違いない。おそらく日本で一番、発言がネットニュースになる会社員でしょう(笑)。
裏を返せば、“視聴率が取れる”発言が炎上するのも織り込み済み。番組を降板させないのは当たり前で、むしろ復帰時の数字も期待されていると思いますよ」(前出・デスク)
他局の情報番組やワイドショーにおいても玉川氏のように各局社員が出演、コメントをすることもある。が、そのほとんどは「解説委員」だという。
コメンテーターとして専門知識には乏しい
キー局情報番組ディレクターが、玉川氏との“違い”を解説する。
「“解説委員”とは長年にわたって報道局に携わった、十分に経験を積んだ局長クラスの社員が就ける“上級職”とされています。故に番組での発言責任は重く、“ウラ”がとれていない誤情報はもちろんのこと、無責任なコメントをすることは決して許されません。片や玉川さんは現場リポーター経験者ですが、主にディレクターとして“演出”を担当してきたテレビマン。番組を盛り上げるような過激発言はできても、専門的な知識には乏しい一面も見られます」
たしかに番組では時折、「詳しくはないですが」などと前置きしつつコメントすることもあった玉川氏だ。加えて番組の“代弁者”としての役割を担っていたととも。
「騒動の発端となった“菅前首相の弔辞は電通が政治的意図で書いた”のように、政治的発言も厭わない玉川さんですが、時に政権批判とも取れるような番組側の意図を代弁することもあったのではないでしょうか。もちろん、基本的には玉川さん個人の見解なのでしょうが、視聴率もとれる“便利屋”として使われ、責任を負わされていたようにも見えますね」(前出・ディレクター)
この際、独立してみてはどうか。  
●臆測広がる「大陸8割」発言 識者「高市氏、事実関係の説明を」 10/5
国葬反対を巡る「大陸8割」発言はあったのか、なかったのか――。渦中にいる高市早苗・経済安全保障担当相が明言せず、SNSを中心に臆測が広がっている。こうした事態に、ごまかし答弁を指す新語「ご飯論法」を広めた上西充子・法政大教授は「政府の信頼を取り戻すためにも、きちんと説明してほしい」と指摘する。
騒動の発端は、三重県の小林貴虎県議(48)=自民=のツイッターだ。2日、次のように投稿した。
<国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸からだったという分析が出ているという。今日の講演で伺った話。ソースは以前三重の政治大学院でもご講演頂いた事のある現職。>
投稿は拡散し、「いいね」は1万1000件以上(5日午後6時時点)付いている。これに対し、SNSでは「どこからそんな情報を手に入れたのですか?」「その方のお名前は?」などといった反応が相次いだ。
すると小林氏は4日、「誰が話したかって話ね。高市早苗さんです」と報道陣の取材に答えた。保守系団体「日本会議」の会合が2日に名古屋市内であり、高市氏が安全保障問題について講演した際に「政府の調査結果」として話した内容を基に投稿したと説明した。
また小林氏は4日、ツイッターにも次のように投稿した。
<さて皆さん非常に関心が高い様なのでお答えすることにしました。私が総理大臣になって頂きたいと強く願っている高市早苗先生が、政府の調査結果としてお伝えいただいた内容です。ウクライナ戦争で明らかになった様に情報戦争の時代です。我が国も安全保障上取り組むべき課題だと言うお話でした。>
これを受けて毎日新聞は高市氏の事務所に質問状を送り、高市氏が日本会議の会合で講演した事実はあるのか、「国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸からだったという分析が出ているという」という趣旨の発言をしたのか、発言をしたのであれば、その根拠は何か――について尋ねた。
高市氏は4日夜、メールで「日本には、情報操作(偽情報)に対応する法律が無いので、政府は調査することができません。政府が出来るのは、海外の情報機関や企業による調査結果の収集くらいです」と回答し、小林氏が言及した「政府調査」について否定した。
しかし、高市氏が日本会議の会合で講演したかや、その際「国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸から」という趣旨の発言があったのか、については説明がなかった。
また高市氏は4日、ツイッターに次のように「不正確な情報」と投稿したが、ここでも発言そのものの有無には触れなかった。
<腕の耐え難い痛みでMRI検査を受けている間に、不正確な情報が。日本には情報操作(偽情報)対策の法律が無いので、政府が調査をすることは出来ません。海外機関による調査情報の収集は可能ですが。国防上の懸念もあり、法整備検討の必要性は3年前に党から提案しました。>
今のところ真相は不明だが、SNSでは小林氏の発言や投稿内容を疑問視する声が上がる一方で、高市氏の説明を不十分とみなす投稿も出ている。また、「(小林)県議と高市氏のどちらがうそをついているのかはっきりさせる必要がある」といった指摘も見られた。
政治と報道のあり方についての著書もある上西教授は、毎日新聞の取材に「世論が他国によってゆがめられているのであれば、重要な問題です。デリケートな問題ですが、高市さんはそもそもどんな発言をしたのか、報じられているような発言をしたのなら、どんな根拠で発言したのか。政府の信頼を取り戻すためにも事実関係をきちんと説明してもらいたいです」と話した。
そのうえで「仮に高市さんが間違ったことを言ってしまったと謝罪しても、辞職を求めるなど追い詰めることはしない方がいいと思います。もしかしたら、高市さんの発言を小林さんが誤解した可能性もある。大事なことは事実関係を明らかにさせ、国民が正しい情報を知り、今後不適切なことが起こらないようにさせることです」と述べた。
真相が明らかになれば、小林氏や高市氏にとって不都合になる可能性もあるが「都合の悪いことも含めて説明をする。そういった姿勢も含めて国民は冷静に政治家を評価すべきではないでしょうか」と語る。
また、企業の不正を例に挙げ「消費者が『もうこの会社の商品は買わない』となるか『ちゃんと検証しているのだからこれからは安心だろう』となるかは、謝罪と検証の仕方次第です。政治家もそれに倣ってほしい。『非を認めたら負け』のような風潮もありますが、そのせいで政治家が説明せず、事実関係がうやむやになることは不幸です。そのためには報道も政治家がいかに語ったかだけではなく、いかに語らなかったという点も伝えてほしいです」とした。 
 
 

 

●降板の可能性かモーニングショーどうどうと嘘発言、謝罪では収まらず処分に 10/6
朝の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)で、レギュラーコメンテーターを務めるテレビ朝日社員・玉川徹氏の謹慎処分≠ェ10月19日に解除される。しかし番組復帰には、さまざまな壁があるようで…。
玉川氏は9月28日の放送で、安倍晋三元首相の国葬での菅義偉前首相の弔辞について、「電通が入ってます」とドヤ顔で指摘していた。
しかし、翌29日の放送で「昨日のパネルコーナーの中で、私が安倍元総理の国葬に電通が関与しているとコメントしたんですけれども…。この発言はですね、事実ではありませんでした。さらに電通は全く関わっていないということが分かりました」とコメント。
その上で、「関係者の皆さま、それから視聴者の皆さま、訂正して謝罪いたします。申し訳ありませんでした」と謝罪した。
その後は何事もなかったかのように振る舞っていたが、10月4日の定例会見で同局は、玉川氏を謹慎(出勤停止10日)、報道局情報番組センター長、報道局情報番組センターCPをけん責処分としたと発表。
「過去に失言で何度も炎上している玉川さんですが、さすがに今回は番組内の謝罪では収まらなかったようですね。しかし、多くの視聴者は『甘い』と感じたでしょう。処分が発表されてからもSNS上には玉川さんを非難する声が殺到しており、いまだに炎上は収まっていません」(番組制作関係者)
良くも悪くも歯に衣着せぬ発言で番組の人気を支えてきた玉川氏。今のところ高視聴率を背景に首の皮1枚繋がっている状態だが、視聴率が下落した途端、真っ先に首を切られる可能性もありそうだとまいじつは報じた。 
●玉川徹氏 “電通”発言で謹慎処分発表も「降板するべき」賛否別れる 10/6
10月4日、情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)に出演した玉川徹氏に「謹慎処分」が下った。
テレビ朝日の社員でありながら、同番組にコメンテーターとして出演してきた玉川氏。9月28日の放送では、前日おこなわれた国葬を取り上げたうえで、菅義偉前首相が読んだ弔辞について「これこそが国葬の政治的意図」とコメント。さらに、
「僕は演出側の人間として、テレビのディレクターをやってきましたから、それはそういうふうに作りますよ。政治的意図がにおわないように、制作者としては考えますよ。当然これ、電通が入ってますからね」と発言した。
「しかし、電通は国葬に関与していませんでした。翌日、玉川さんは番組内で謝罪をしたものの、批判の声は収まらず、テレビ朝日は4日付けで10日間の謹慎とする懲戒処分を発表することになりました。MCの羽鳥慎一アナウンサーは、『予定ですと玉川さんは再来週の水曜日、復帰を致しますが、その際になぜ今回、このような発言になったのか、説明を改めてするべき、そして謝罪をするべきだというふうに私は思っております。改めて大変申し訳ありませんでした』と謝罪しました」(芸能記者)
謹慎が発表されてからも、一部ネット上では玉川氏を非難する声が止む気配がない。
《10日間、番組出演をお休みするだけではないのか!》《処分が明らかに甘い》《菅前総理に直接お詫びに行ってほしい》《出勤停止10日とは、呆れるばかり。番組を降板して然るべきですね》《謝罪せずに引退してください》
玉川氏はこれまで国葬について批判的なスタンスを貫いてきた。ここまで“炎上”するのは、国葬賛成派によるものではないかという声もある。
《世間のプレッシャーに負けて処分したんだろな 国葬賛成派とか玉川さん嫌いなひとにとっては鬼の首をとったかの勢いでさぞ嬉しかろうね》《玉川氏の発言への批判は大方国葬賛成派の人達》《玉川さんを批判しているのは、ネトウヨとかどこぞのカルトの運動員でしょ》
「大手広告代理店の調査による『嫌いなコメンテーターランキング』で玉川氏は2位でした。調査には『自信家なのか、いつも上から目線』『この人がまっとうな意見を言っても、胡散臭く感じる』などの手厳しいコメントが数多く寄せられました。ですから、国葬への賛否は別として、普段偉そうな人が、ミスをしたということで“反玉川派”が鬱憤を晴らしているという側面はあるのでしょう。
テレビ朝日にとって致命的なのは、彼が会社員であるということです。外部のコメンテーターの発言が問題になるよりも、責任は重いでしょう。とはいえ、批判の声にだけ耳を傾けて玉川氏を降板させてしまうと、それはそれで『圧力に屈したのか』と批判されかねない。かなり難しい舵取りを迫られています」(芸能記者)
玉川氏は19日復帰予定。謝罪の内容次第では再び“火が着く”可能性がある。
●テレ朝・玉川徹氏が19日「進退」言及か 羽鳥アナが怒ったもう1つの放言 10/6
テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」でコメンテーターを務める同局社員の玉川徹氏(59)の進退≠ヘ――。5日の放送で、早々に19日に番組復帰すると発表した。世間からは「早すぎる!」という厳しい見方がある一方、テレ朝局内では全く違った話が浮上している。
玉川氏は9月28日放送の番組で、安倍晋三元首相の国葬での菅義偉前首相の弔辞をめぐり「電通が入ってます」などと発言。翌29日の番組で「事実ではありませんでした」と謝罪した。
玉川氏はガセ発言′繧熬ハ常通り出演していたが、批判はやまず。同局は今月4日に謹慎処分を発表し、玉川氏は5日から10日間(土休日を除く)出勤停止となった。
翌5日には番組冒頭で、MCの羽鳥慎一アナウンサーが謝罪。「今日から玉川さん10日間の謹慎処分ということになりました。放送10回分の出演禁止ということになります」と報告。「今回、玉川さんの発言によりまして、ご迷惑をおかけしました各方面の方々、不快な思いをされました各方面の方々、視聴者の方々、大変申し訳ありませんでした」と深く頭を下げた。
羽鳥アナは「玉川さんは再来週の水曜日に復帰を致します」と、19日に番組復帰することを報告。「その際になぜ今回、このような発言になったのか説明を改めてするべき、謝罪をするべきだと私は思っております」と、玉川氏本人が説明責任を果たすべきだと訴えた。
報道局所属の玉川氏のガセ発言≠ナ、管理監督責任を問われた同局の情報番組センター長と番組チーフプロデューサーもけん責処分に。局としても電通に謝罪し、4日の定例会見では篠塚浩社長が説明と謝罪に追われ、局全体を巻き込んだ大騒動となっている。
それでも謹慎明け早々に「モーニングショー」へ復帰予定であると発表している。これについて、社内では「玉川さんは自らの口で経緯を説明した上で、降板を切り出すのでは?」という見方が浮上しているという。
「まだ処分が明けてないにもかかわらず、テレ朝局員ではないMCの羽鳥さんが19日復帰≠口にするのは早すぎる。政治家などに説明責任を求める玉川氏のことですから、この場で謝罪とともに細かな経緯も説明するはず。その中で進退に言及すると言われている」(テレ朝関係者)
いつも炎上する玉川さんを懸命にフォローしている羽鳥アナもあきれ、怒りもにじませている。というのも、電通発言≠フ中で「僕は演出側の人間。テレビのディレクターをやってきましたから。そういうふうに作りますよ。政治的意図がにおわないように」と言及。何らかの意図を持った$ァ作をしていることを自ら示唆したからだ。
「厳しく政府を追及することもある番組への視聴者の信頼が、根底から揺らいでしまいかねない発言です。羽鳥さんも玉川さんに番組での説明責任を強く求めたと聞いています」(同)
玉川氏の決断はいかに。
●謹慎処分で広がる“玉川ロス”…視聴者 「彼が出ないなら見る意味ない」の声 10/6
10月6日、朝8時から放送された朝の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)。その中に、テレビ朝日社員の玉川徹氏の姿はなかった。
玉川氏は、国葬翌日の9月28日に放送された同番組で、安倍晋三元首相の国葬のなかでの菅氏の弔辞について、「当然これ、電通が入ってますからね」と、広告代理店の関与を指摘。しかしその翌日、同番組で玉川氏はこれを事実誤認であり、電通の関与はなかったとして謝罪した。
「このことを受け、テレビ朝日は10月4日付で10日間の謹慎処分を玉川氏に言い渡しています。同番組のMCである羽鳥さんは、『予定ですと玉川さんは再来週の水曜日、復帰を致しますが、その際になぜ今回、このような発言になったのか、説明を改めてするべき、そして謝罪をするべきだというふうに私は思っております。改めて大変申し訳ありませんでした』と番組で謝罪しました」(芸能記者)
しかし、それでも批判の声はやまず、《番組を降板して然るべき》などといった厳しい意見が多く寄せられている状態だ。
「玉川さんは、社員でありながら『羽鳥慎一モーニングショー』にコメンテーターとしてレギュラー出演していました。番組に欠かせない存在を、たとえ10日間とはいえ失ったことは、番組にとって大きな痛手と言えるでしょう。実際視聴者のなかでも、玉川氏のいない同番組にさみしさを覚える人も多いようです」(同前)
確かにネット上では、“玉川ロス”ともいえる視聴者の声が散見されている。
《玉川さんいなかったら終わるんやん》《玉川さんが出演され国民側を守るコメントしてきたから私は視聴していましたが、これで視る意味も理由も無くなる。視ませんよ!》《玉川さんのコメントが聞きたくて観ていたので、彼が出ないのならもうモーニングショーは観なくなると思います》
「『モーニングショー』は、同時間帯トップの視聴率を誇る、テレビ朝日系の名物番組です。その人気を支えてきた、レギュラーで名物コメンテーターである玉川氏が抜けた穴は大きい。今回の件を受けた批判や“玉川ロス”も、それだけ視聴者に注目される人物だったということを示しています。
もちろんその分、番組内で事実誤認の発言をしてしまったことの影響も大きいと言えます。一部では、玉川氏の降板も検討されていると報じられています。19日には番組に復帰する予定ですが、『電通発言』の余波がどこまで広がるか、まだ見通しが立たちません」(前出・芸能記者)
玉川氏を再び朝見ることができる日は、果たしてやってくるのか。 
●「電通発言」がテレ朝の偏向報道疑惑に発展 政治的意図を隠して世論誘導 10/6
テレビ朝日社員でコメンテーターの玉川徹氏の「電通発言」が波紋を広げている。事実に基づかない発言をしたという問題にとどまらず、メディアが政治的意図を巧みに隠した偏向報道で世論を誘導しているととられかねない言動があり、かつて同局を揺るがせた「椿事件」が蒸し返されるなど騒動が思わぬ方向へ拡大している。
9月28日に放送された『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)で、玉川氏は安倍晋三元首相の国葬の進行や菅義偉前首相の弔辞について「当然これ、電通が入ってますからね」とコメント。大手広告代理店の電通による「演出」だと断言したが、翌日の放送で「事実ではありませんでした」と全面謝罪した。
その後も玉川氏は通常通りに番組に出演していたが、ネット上で降板を求める声が殺到するなど大きな炎上騒動に。批判の高まりを受けて、テレビ朝日は今月4日付で玉川氏に出勤停止10日間の謹慎処分を下し、同日の放送で司会の羽鳥慎一アナが「玉川さんの発言によりまして、ご迷惑おかけしました各方面の方々、そして不快な思いをされました各方面の方々、さらに視聴者の方々、大変申し訳ありませんでした」と謝罪する事態となった。
管理監督責任を問われた情報番組センター長と番組チーフプロデューサーもけん責処分になり、テレビ朝日は電通に謝罪。4日の定例会見では、同局の篠塚浩社長が事情説明と謝罪に追われ、局全体が大わらわとなった。玉川氏は19日に番組に復帰する予定だが、羽鳥アナは「なぜ今回このような発言になったのかの説明を改めてするべき、そして謝罪をするべきだと私は思っております」とし、盟友である玉川氏に厳しい態度を見せている。
しかし、それでもネット上の猛批判はやまず、業界内でも厳しい視線が向けられている。単に電通に関する発言だけなら「事実誤認」といった釈明もできたが、玉川氏はそれ以上に深刻な問題発言をしていたのだ。
先述の「電通発言」の中で、玉川氏は感動を呼んだ菅前首相の弔辞に政治的意図が隠されているとして「僕は演出側の人間として、テレビのディレクターをやってきましたから、そういうふうに作りますよ。政治的意図がにおわないように制作者としては考えます」とコメント。日ごろから、テレ朝をはじめとしたテレビメディアが政治的意図を隠して偏向した番組を放送し、世論を誘導していると思われかねない重大な問題発言だった。
これにネット上では「椿事件をまったく反省していない」「椿事件の後も同じことやってきたのか」「自ら国民をあざむいていることを白状するとは」「国民にわからないように偏向報道やってますって意味?」などと猛烈な批判が湧き起こっている。
「椿事件」からテレ朝の体質は変わらず?
今回の問題で引き合いに出されている「椿事件」とは、1993年に自民党の敗北で非自民の連立政権が誕生した際、テレビ朝日の椿貞良報道局長(当時)が民放連の会合で「選挙報道を通じて(自民党の)55年体制を突き崩さないといけない」「なんでもよいから、共産党を排除した反自民の連立政権を成立させる手助けになるような報道をしよう」といった方針で選挙報道をしていたと発言したことが明るみになったものだ。
現役の報道機関幹部である椿氏が国会に証人喚問される異例の事態となり、一時は「政治的な偏向報道は放送法違反にあたる」として放送免許の剥奪まで検討された。
玉川氏の発言が事実なら、テレビ朝日の体質がまったく変わっていなかったとみられても仕方ない部分がある。場合によっては、玉川氏が19日の番組復帰の際に自ら降板を切り出して幕引きを図る可能性もあるだろう。大手代理店の電通に「濡れ衣」を着せたというだけでも問題だが、偏向報道疑惑はテレ朝にとってそれ以上に大きな「爆弾」といえそうだ。 
 
 

 

●玉川徹氏はなぜ「電通」発言をしたのか 心理士が指摘「信念バイアス」 10/7
臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、出勤停止処分となったテレビ朝日・玉川徹氏が、国葬についての事実に基づかない”電通発言”をした背景について。
5日、テレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」冒頭、MCを務める羽鳥アナが硬い表情で、コメンテーターの玉川徹氏の10日間の出勤停止処分と放送10回分の出演禁止について説明し、「大変申し訳ありませんでした」と謝罪した。玉川氏が4日、出勤停止の謹慎処分を受けたのは、事実に基づかない発言をして、番組や会社の信用を傷つけた、損害を与えたためだという。
9月28日の同番組で、玉川氏は、菅義偉前首相が安倍晋三元首相の国葬で読んだ弔辞を、国葬の政治的意図と指摘した。そして「僕は演出側の人間としてテレビのディレクターをやってきましたら、それはそういうふうに作りますよ。政治的意図がにおわないように、製作者としては考えますよ。当然これ、電通が入ってますからね」と、さも当然という顔で発言していた。それは、いつもの玉川氏の表情だった。
この発言を聞き、そういうこともあるかと思った人もいただろう。
国葬は国家的にも大きなイベントだ。大手広告代理店が関与していてもおかしくないと。だが翌日、玉川氏は国葬に電通が関与していると言うコメントは「事実ではありませんでした」と発言を訂正し、謝罪した。
玉川氏がそう疑いたくなった気持ちもわからないではなかった。菅前首相の弔辞が、これまでの菅氏らしからぬほど、あまりに人々の心を打つものだったからだ。あるコメンテーターなどは、今まで聞いた菅氏のスピーチの中で、これが一番心に響いたと述べていた。他にも、こんな素晴らしいスピーチができるなら、なぜ在任中にそれをしなかったのかという声さえあったほどだ。こんな弔辞を菅氏本人が考えるなど、読み上げるなどありえない、という思い込みがあったのではないだろうか。
個人的にはスピーチライターがついていたのだろうと思った。安倍元首相にも長年に渡りスピーチライターたちがついていた。首相時代の菅氏にもスピーチライターはいただろうが、振り返って人々の記憶に残るようなスピーチがあったかと考えると、スピーチライターが書いたのでは?という推測は、違うと感じたのかもしれない。
とすれば、誰がこれを書いたのか? なぞ解きをする過程で”それはそういうふうに作る”という自分の経験も相まって、電通ならそれもあり得ると結論づけたのだろう。そこにあったのは「信念バイアス」だ。信念というのは、いささか言い過ぎた表現だが、要は結論がもっともらしいと、そこに至るまでの前提やロジックも正しいと思いがちだということだ。この弔辞を菅氏が書いたとは直観的に信じられず、他の誰かが政治的意図をにおわせないように書いたと結論づけ、そう推理したのだろう。
テレビ朝日の定例社長会見で、篠塚浩社長は玉川氏が誤認した経緯を「憶測によるさまざまな情報を入手して、誤解をしてしまった」と説明した。結論ありきで集めた情報は、自分にとって都合がいいように、結論に沿うように取捨選択されやすい。
玉川氏が「誤解」したのは、内容もさることながら、弔辞での菅氏の語り口が誰よりも人々の心に響いたことも関係していると思う。以前、このコラムでも首相時代の菅氏の発言について書いたが、淡々とした口調にはメリハリがなく、訥々としているが感情が伝わりにくかった。冷静で落ち着いた泰然とした構えはアピール性が低く、人の目を惹きつけない。首相として、人々の心に訴えかけるような強いメッセージ力が菅氏にはなかった。だが逆に考えれば菅氏の語りかけ方は、葬儀という場に最もふさわしかったと思う。多くに人の心に訴えかけ、誰かの心を動かすより、故人に語りかけ、話しかけるものが弔辞だと思うからだ。
国葬であり、弔問外交とよばれた行事である。そこに政治的意図があるのは当然だろう。しかし、故人を悼む気持ちに、このような形で水を差すようなことはすべきではなかった。羽鳥アナは玉川氏が復帰する時、「改めて説明し、謝罪するべき」と述べたが、さて玉川氏は復帰後の発言を”そういうふうに作る”のだろうか。
●谷原章介が立民・泉氏への発言を訂正謝罪 「玉川さんの件があったから…」 10/7
俳優の谷原章介が7日放送のフジテレビ系「めざまし8」で前日の立憲民主党・泉健太代表に対する発言を謝罪した。
永島優美アナウンサーが「ここで訂正があります」と述べ、前日6日放送で臨時国会の代表質問について取り上げた際、泉代表が「生活に関わることを一切質問していなかった」と報じたことについて「泉代表はコロナ対策、エネルギー問題、物価高対策など生活にかかる事柄についても質問されていました」と説明。続けて「お詫びして訂正いたします、失礼いたしました」と謝罪した。
谷原も一緒に頭を下げ「これは私の確認不足、認識不足です」と反省。再び自ら泉氏らに謝罪し「気を引き締め直して公平・公正な情報を皆さまにお伝えできるよう頑張ってまいります」と述べた。
ネット上では国葬電通#ュ言で謹慎処分となったテレビ朝日の玉川徹氏と比べる声も。玉川氏は9月28日放送の同局「羽鳥慎一モーニングショー」で、安倍晋三元首相の国葬での菅義偉前首相の弔辞をめぐり「電通が入ってます」などと発言。翌29日の番組で「事実ではありませんでした」と謝罪したものの大炎上し、今月4日に出勤停止処分を受けた。
ネット上では谷原の謝罪に「潔い。好感が持てる」「玉川さんの件があったから謝罪も早いのか」「テレ朝は処分した。フジはどうする?」など様ざまな声が寄せられている。
●谷原章介の”事実誤認”発言「謹慎しないの」 玉川徹さんとの差に疑問の声 10/7
フジテレビ系朝の情報番組「めざまし8」の7日の放送で、MCを務める俳優の谷原章介(50)が立憲民主党代表への発言を謝罪した。他局で数日前に、事実誤認の発言をした出演者が懲戒処分となった。ネット上では2例の処分の差に関心が高いようだ。
6日の放送では、臨時国会で立憲民主党泉健太代表が発言する映像が流れた。谷原は「給料の底上げであったりとか、生活に関わること一切質問されていなかった」と発言した。
7日の放送では、永島優美アナが「臨時国会の代表質問を取り上げた際、立憲民主党の泉健太代表が生活に関わることを一切質問していなかったとお伝えしましたが、泉代表はコロナ対策、エネルギー問題、物価高対策など生活にかかる事柄についても質問されていました」と訂正し、謝罪。谷原も「全て私の確認不足、認識不足です」と話し、泉代表や視聴者に謝罪し「改めて気を引き締め直しまして、公平公正な情報を皆さまにお伝えできるよう頑張って参ります」と頭を下げた。
テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」では、同局の玉川徹さんが先月28日、安倍晋三元首相の国葬で菅義偉前首相が読んだ弔辞に対して「電通が入ってる」と発言。今月4日に出勤停止10日間の謹慎の懲戒処分となった。
ネット上ではこの2つを比較し、疑問を呈する声が多い。「何で玉川さんは謹慎で、この人は何もないの?」「谷原章介は謹慎しないの」「玉川さんとの違いはなんだろうか?」と処分が軽いのではという手厳しい声も相次いだ。
一方で「谷原章介さん、ただ勘違いしただけ」「意図的にデマを流した玉川徹氏と同列に考えるのは無理ありすぎ」「リスクマネジメントできた対応」と擁護する声もあった。
●謹慎処分明けの玉川氏動向に注目…羽鳥氏の命運を握る異色コメンテーター 10/7
テレビ朝日系の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」の生放送中の事実誤認発言で出勤停止となった、同局社員でコメンテーターの玉川徹氏(59)の動向に注目が集まっている。
玉川氏は9月28日の番組で、安倍晋三元首相の国葬をめぐる菅義偉前首相の弔辞について「電通が入ってます」などと発言。翌29日、「事実ではありませんでした」と謝罪したものの、同局は玉川氏の謹慎処分を発表し、10日間の出勤停止が決まった。
ところがその後もネットを中心に賛否の声はやまず、自民党の西田昌司参院議員(64)が「国政の場でも提起したい」と発言したと報じられるなど、19日にも番組復帰するとみられる玉川氏の言動に世間の関心は高まるばかりだ。
テレ朝は1月、「羽鳥慎一モーニングショー」が年間視聴率(2021年1月〜12月)で、民放トップを獲得したと発表(個人全体5.6%、世帯10.6%)。同番組は17年から5年連続で年間視聴率民放トップを維持している(いずれもビデオリサーチ調べ/関東地区)。
降板表明もある?
高視聴率の背景にあるのは、MCを務める羽鳥氏の尽力はもちろんだが、歯に衣着せぬ物言いで政権批判する玉川氏という“異色”の存在があったのは言うまでもない。一部では、玉川氏が復帰した番組内で「降板」を表明するのではないか、などとささやかれているが、こうした見方に対しても賛否の声が上がっている。
《現場主義を貫いてきた玉川さんだから、今後、自由に発言できなくなるのであれば潔く降板するのでは》《降板は当たり前。きっちりとけじめをつけてほしい》《降板したら、長嶋一茂さんの暴走を止める人がいなくなるし、天気予報の後の楽しい体操姿が見られなくなる》《玉川さん辞めたらどうなるの? 石原さんやスシローさんが岸田政権バンザイと叫ぶだけ? もう見ないな》
今後の羽鳥氏の「命運」も左右しかねない玉川氏の決断やいかに……。 
●玉川徹、谷原章介「テレビに出すな」騒動の是非  10/7
「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)に出演中のコメンテーターで同局の玉川徹さんが「出勤停止10日間」の謹慎処分を受けたことが波紋を呼び続けています。
問題視されているのは、9月28日に放送された同番組での発言。安倍晋三元首相の国葬を採り上げた際、菅義偉前首相の弔辞について、「僕は演出側の人間ですからね。テレビのディレクターをやってきましたから、それはそういうふうに作りますよ、当然ながら。政治的意図がにおわないように、制作者としては考えますよ。当然これ、電通が入ってますからね」などとコメントしました。
このコメントに批判が殺到したからか玉川さんは翌日の同番組で、「私が安倍元総理の国葬に電通が関与している、というふうにコメントしたんですけれども、この発言はですね、事実ではありませんでした」などと訂正して謝罪。神妙な面持ちで深々と頭を下げましたが、むしろ批判の声は増す一方であり、謹慎処分が発表された今もその状態は変わっていません。
ツイッターには「玉川徹の謹慎処分に抗議します」がトレンド上位にランクインしたほか、批判の声を共有するハッシュタグは、「玉川徹をテレビに出すな」「玉川徹の降板を求めます」「玉川徹をクビにしろ」「玉川徹の懲戒解雇を求めます」「玉川徹の退職金なしの懲戒解雇を求めます」などの過激なものにまで広がっています。
また、7日放送の「めざまし8」(フジテレビ系)でMCの谷原章介さんが前日の発言を謝罪するシーンがありました。これは臨時国会の代表質問を報じた際、「立憲民主党の泉健太代表が生活にかかわることを一切質問していなかった」などとコメントしたものの、実際はコロナ対策、エネルギー問題、物価高対策などの質問もしていたことが発覚。現在、「谷原章介をテレビに出すな」「谷原章介も謹慎処分にしろ」というハッシュタグをつけた批判が書き込まれています。
玉川さんや谷原さんのコメントに何らかの問題があったことは間違いないでしょう。ただそれでも、「利害関係が薄く、人事権限のない人々が、働きの場を奪う」という罷免運動のようなハッシュタグとツイートは正当なものなのでしょうか。それとも、行き過ぎたものなのでしょうか。感情的な論争を生み出さないために、政治的なことにはふれずにその是非を考えていきたいと思います。
もし番組を降板したらどうなるのか
今回の謹慎処分は、ハッシュタグを中心とするネット上の批判によってテレビ朝日が、「会社としてメディアとして対処しなければいけない」という状況に追い込まれたからであることは間違いないでしょう。だからこそ玉川さんは、出勤停止が明ける10月19日以降、番組に復帰するのかはわかりません。あらためて番組に出演したうえで自ら降板を申し出るかもしれないし、復帰したとしても批判によって降板に追い込まれる可能性もありそうです。
今も玉川さんには、「謹慎処分じゃなくてクビだよクビ」「テレビ業界から追放しないとな!!」などのツイートが浴びせられているだけに、19日までその状態が続く可能性は十分ありうるでしょう。しかし、利害関係が薄く、会ったことすらなく、名前も名乗らない人々が、ある人の働きの場を奪おうとする行為は、正当なのか、それとも行き過ぎなのか。
今回、玉川さんの発言に問題があったことや、テレビ朝日の対応が疑問視されたことは間違いありません。ただそれでも、現在まで当事者から罪を問われていないうえに、世間の人々がなかば自覚的に騒ぎを大きくしていることを踏まえると、ハッシュタグによる罷免運動は「正当」とは言いづらいものがあります。
しかし、その一方で一部のツイートを除けば、「行き過ぎ」とまでは言い切れないものがあるのも事実。実際、もし玉川さんや谷原さんが番組を降板したところで、「2人が完全に職を失うのか」「社会的に抹殺されるのか」と言えば、そこまでの危機に陥ることはなさそうです。
玉川さんには制作を筆頭にテレビ朝日でさまざまな働きの場があるし、谷原さんも情報番組ではなくドラマや映画などで勝負することが可能。むしろ「2人が本業に向き合ういいきっかけになる」という見方さえできます。
脅迫を思わせるツイートは行き過ぎ
ところが困ってしまうのは、「これは明らかに行き過ぎ」というツイートが決して少なくないこと。たとえば、玉川さんに対して「名誉棄損罪で逮捕でしょう」というツイートがありましたが、これは当事者を差し置いてあまりに乱暴な決めつけでしょう。
また、「先月都内のポルシェ販売店にこの人居ましたよ! 買い替えでしょうか。悪口と嘘で高給貰って。内心笑いが止まらないでしょうね」という真偽不明のプライベートを絡めて個人を落とすひどいツイートもありました。これは逆に名誉棄損などで訴えられてもおかしくないでしょう。
そして最も目に余るのが、脅迫を思わせる物騒なツイート。「この記事の玉川徹氏の画像からしても、いかにも悪巧みをしてそうな表情だ。(中略)もし玉川徹の続投を決めたら、六本木のテレビ朝日の本社前で座り込みのデモが起こってもおかしく無いぞ!!」「テレビ局はスポンサーの機嫌を損なうと大変なんです。テレ朝の番組スポンサーに抗議した方が効果的でしょう」。
もともと罷免運動のようなハッシュタグそのものが脅迫に近いニュアンスを含んでいますが、これらは危険な出来事の発端になりかねないものであり、暴力的なムードを感じざるを得ません。世間の人々を武闘派に誘うような危うさを感じさせるだけに、「『それはどうなのかな』などと冷静に考えられるか」が問われているようにも見えます。
その他にも、「今回の件ではなく、コロナに関する無責任な発言が酷かったので、降板させるべき!」という“別件逮捕”を思わせるものや、「社会に多大な損害を与えた」などと断定するようなツイートもありました。これらのツイートはいずれも、「根拠が不十分な発言」という意味では、玉川さんのものと似たところがあり、そこに正当性はないでしょう。
批判のブーメランは自分に向かう
では、「今回の玉川さんと似たように根拠が不十分な発言をしている人が少なくない」という事実は、何を意味するのでしょうか。
それは「ネットにおける罷免運動のようなものが、メディア出演している人や地位の高そうな人だけではなく、いつ誰に向けられるかわからない」ということ。人々が批判するうえでの基準にしているのは、「多くの人々が集まって叩きやすいようなことをしたか」であり、地位や収入などの前提が必要というわけではないでしょう。「いつ誰に矛先が向けられるかわからない」という生きづらいムードがどんどん濃くなっているのです。
深く考えずに書き込んだツイートが、いつか自分や自分の大切な人に向かってくるブーメランになるかもしれません。たとえば他人を処罰するようなツイートは芸能界にとどまらず、企業、学校、地域や趣味などのグループなどの身近なコミュニティにも及び、互いの小さなミスを監視し合うことにもつながっていくでしょう。つまり、他人への処罰感情が世の中に蔓延すると、自分の周囲にもブーメランが向かってくるリスクが高まってしまうのです。
そもそも罷免運動のようなハッシュタグでツイートしている人々が、「『羽鳥慎一モーニングショー』や『めざまし8』を見ているのか」と言えばあやしいところ。少なくとも熱心な視聴者ではないでしょうし、もしネットニュースを見て批判しているだけなら、自分の生活への影響はほとんどなく、どうでもいいことのはずです。
実際のところ、玉川さんや谷原さんが希望通り番組から姿を消したところで、「たいしてスッキリせず、また別の人に怒りの感情をぶつけたくなる」というストレスフルな日々から抜け出せないでしょう。自分の生活や人生と向き合わず、他人に怒りの感情をぶつける日々をよしとするのか。個人の自由ではあるものの、私は1人のコンサルタントとして「もっと自分のことを大切にしてほしい」と思ってしまうのです。
真逆の応援ハッシュタグもあった
今回のようなハッシュタグは、終了したばかりの朝ドラ「ちむどんどん」(NHK)における「ちむどんどん反省会」が盛り上がったことを見ても、悪意があるものほど広がりやすいことがわかるでしょう。
ただ、その一方で、「玉川徹頑張れ」「玉川徹さんに連帯します」「玉川徹氏を支持します」などのハッシュタグも存在します。
玉川さん関連のポジティブなハッシュタグの内容を見ていくと、目立つのは政治家の姿勢を問題視する声。旧統一教会に関する説明責任を果たさないことなどを理由に挙げつつ、「断罪されるべきは、情報番組のいちコメンテーターではないだろう」などと主張しているのです。
ひいては、罷免運動のようなツイートで盛り上がる人々を「何もわかっていない」と揶揄したいようにも見えますが、いずれにしても、このような人々がいることも事実。それをわかったうえで、「どの主張が正しいか、正しくないか」を決める必然性は薄いでしょう。しかし、罷免運動のようなものだけに注力する現状は、「多くの人々が個人の公開裁判をする」ような恐ろしさを感じてしまうのです。
批判の声で盛り上がっている最中だけに、このようなコラムを書くと反発する人が少なくないでしょう。ただ、私は玉川さんや谷原さんを擁護する気持ちはありませんし、“右”や“左”の思想もありません。何気なく罷免運動のようなものに参加している人々が、「本当にそれでいいのかな」と考えるきっかけのひとつになれば幸いであり、そのために書く機会をもらったのです。
●捏造報道は当然 玉川徹氏「電通入ってます」問題視された発言に追撃の声 10/7
フリーアナウンサー・羽鳥慎一が10月5日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)に出演し、問題発言で謹慎処分となった同局コメンテーター・玉川徹氏について改めて謝罪した。
玉川氏は9月28日放送の同番組内で、安倍晋三元首相の国葬で読み上げた菅義偉前首相の弔辞を「当然、これ電通(の演出)が入ってますからね」と発言。しかし、翌29日には「事実ではありませんでした」と訂正し、謝罪すると、その後同局から10月5日より10日間の出勤停止という謹慎処分が下されたことが発表された。
5日の放送で冒頭から「放送10回分の出演禁止ということになります」と説明した羽鳥は、改めて視聴者と関係者に「大変申し訳ありませんでした」と謝罪。続けて、19日に復帰予定の玉川氏に関し、「なぜ今回このような発言になったのかの説明を改めてするべき。そして謝罪をするべきだというふうに私は思っております」との考えを述べた。
ネット上では、同氏に対する10日間の謹慎という処分に「ただの秋休みじゃん」「報道番組で完全な憶測の発言をしておいて“休暇”のみですか」など、厳しい声が殺到。また、羽鳥の指摘するように、改めて問題発言の意図や経緯を説明する必要があると感じている人は多い。また、炎上した「電通入ってますから」と前後するほかの発言についても問題視する向きが強まっている。
国葬当日、それまで感情表現があまり得意ではない印象が強かった菅前首相による戦友への温かい言葉は、世間の心を揺さぶり、感動ムード一色に。しかし、玉川氏はこれを一蹴。「僕は演出側の人間ですからね、テレビのディレクターをやってきましたから、それはそういう風に作りますよ。当然ながら。政治的意図が匂わないように制作者としては考えますよ」と持論を述べ、その直後に「電通入ってますから」と表現したのだ。
「ネットでは、前提として語られた言葉について『むしろこれがいちばんの問題発言』『これは大失言では?』『テレビ朝日の報道姿勢にかかわってくる問題ですよ』『捏造報道をしています、と私は受け止めました』などの反応が飛び交っており、こちらの説明責任も果たすべきだとする声も多かったです」(テレビ誌ライター)
加えて、名指しして言及した電通以外に、菅前首相に対する誠意ある謝罪の言葉を求める人が多く、改めて多方面に影響の出た失言だったと言えそうだ。
●「玉川発言」への批判、謹慎処分は正当か〜放送コンプライアンスの視点 10/7
「羽鳥慎一モーニングショー」のレギュラーコメンテイター玉川徹氏が、安倍元首相の国葬の翌日の9月28日の番組で、菅前首相の追悼の辞に関して「電通が入っていますからね」と発言したことについて、実際には、電通は国葬に一切関わっていないことが判明したとして、翌日の番組で玉川氏が訂正・謝罪し、その後、テレビ朝日から10日間の謹慎処分を受けた。
「菅前首相の追悼の辞」は、参列者の涙を誘い、「葬儀」としては異例の拍手が行われるなど、心を打つものと好評だった。それに対して否定的なコメントをした玉川氏が訂正・謝罪に追い込まれたことで、保守派の言論人、芸能人・タレントなどによる玉川氏批判が行われ、それを受けるように、テレビ朝日が玉川氏への謹慎処分と番組関係者の社内処分を発表した。SNS上では、「玉川氏への謹慎処分が生温い」として番組降板などを求める声が上がる一方、玉川氏を擁護する声、謹慎処分に抗議する声も上がっている。
また、自民党の西田昌司参院議員が、玉川氏の発言へのテレビ朝日の対応に関して
「国民は、政治的に公平だという前提でテレビを視聴する。虚偽の情報を事実として伝えることは危険な『政治的偏向』だ。テレビ朝日は、玉川氏個人の事実誤認としているが、本当にそうか。組織として詳細な経緯を説明する責任がある」
などと批判し、
「極めて重大な問題で国政の場でも強く提起したい」
などと述べた(夕刊フジ)。これに対して、ジャーナリストの江川紹子氏が、ツイッター上で
「与党議員が『国政の場』に持ちこむ話ではない。電通や菅氏がこの処分に不満であれば、BPOに申し立てればよい」と批判している。
このように大きな騒ぎに発展している玉川氏の発言に、どのような問題があるのか、番組での訂正・謝罪に加えて、発言者個人の謹慎処分、社内処分まで行われたことは適切だったのか、その後も続く批判が正しいのかなどについて考えてみたい。
放送内容の真実性、政治的公平についての放送法の規定
「政治的中立性」「真実ではない放送」について、放送法は、以下のように規定している。
まず、「放送番組の編集」について、4条で、
放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない。
二 政治的に公平であること。
三 報道は事実をまげないですること。
として、「事実の捏造・歪曲」などをすることを禁止した上、9条1項で
放送事業者が真実でない事項の放送をしたという理由によって、その放送により権利の侵害を受けた本人又はその直接関係人から、放送のあつた日から三箇月以内に請求があつたときは、放送事業者は、遅滞なくその放送をした事項が真実でないかどうかを調査して、その真実でないことが判明したときは、判明した日から二日以内に、その放送をした放送設備と同等の放送設備により、相当の方法で、訂正又は取消しの放送をしなければならない。
として、「権利を侵害された者」「直接関係人」からの請求による調査と、それに伴う訂正・取消を規定し、2項で、
放送事業者がその放送について真実でない事項を発見したときも、前項と同様とする。
として、放送事業者側の自主的な調査、訂正・取消を規定している。
一方、4条2号の「政治的中立性」については、9条のような調査、訂正・取消の規定はなく、5条により「番組基準」の公表が義務付けられ、6条で放送番組審議機関が設置され、放送番組の適正を図るため必要な事項を審議、放送事業者に対する意見を述べるとされており、放送の適正のための一般的な枠組みに委ねられている。
問題とされた玉川氏の発言
今回の玉川氏の発言について問題とされたのは、
(1)国葬が演出によって作られていること
(2)演出に電通が関わっていること
の2点である。
事実に関する2点のうち、(2)の電通の関わりについては、「放送をした事項が真実でないことが判明した」として訂正放送が行われた。この事項について、「権利の侵害を受けた本人又はその直接関係人」に該当するとすれば電通だが、電通からの請求があったのかどうかは不明だ。電通からの請求はなく、テレビ朝日が自主的に調査、訂正・取消をしたということであれば、9条1項ではなく、2項によって行われたものということになる。
そもそも、電通が、安倍元首相の国葬に関わっていないのに関わっていると言われたとしても、それによって、電通の権利がどのように侵害されるのだろうか。「権利侵害性」のレベルと比較しても、テレビ朝日は訂正放送を行っており、十分な措置だったと言える。
一方、(1)の演出については、上記のように、玉川氏の発言に対して反発し、批判している人の多くは、「参列者に感銘を与えた菅氏の素晴らしい追悼の辞」に対して、演出が入っているなどと言って「貶めた」として批判しているようだ。
問題となるのは、この点についての玉川氏の発言の趣旨だ。多くの批判で前提とされているように、「菅氏の追悼の辞に演出が入っている」という意味なのかどうかである。
この点に関しては、直接的に問題とされた上記発言だけでなく、そこに至るまでの玉川氏の発言全体を踏まえて考えてみる必要がある。以下が、関連する玉川氏の発言全体だ。
「これこそが国葬の政治的意図だと思うんですよね。当然これだけの規模の葬儀、儀式ですから、荘厳でもあるし、個人的に付き合いのあった人は、当然悲しい思いをもってその心情を吐露したのを見れば、同じ人間として、胸に刺さる部分はあると思うんですよ。しかし、例えばこれが国葬じゃなくて、内閣葬だった場合、テレビでこれだけ取り上げたり、この番組でもこうやってパネルで取り上げたりVTRで流したりしないですよね。国葬にしたからこそ、そういった部分を我々は見る、僕も仕事上見ざるを得ない状況になる。それは例えれば、自分では足を運びたくないと思っていた映画があったとしても、なかば連れられて映画を見に行ったらなかなかよかったよ、そりゃそうですよ、映画は楽しんでもらえるように胸に響くように作るんです。だからこういう風なものも、我々がこういう形で見れば胸に響くものはあるんです。それはそういう形として国民の心に既成事実として残るんですね。これこそが国葬の意図なんですね。だから僕は国葬自体、ない方がこの国にはいいんじゃないか、これが国葬の政治的意図だと思うから。僕は演出側の人間ですからね。演出側の人間としてテレビのディレクターをやってきましたから、それはそういう風に作りますよ。当然ながら。政治的意図がにおわないように、制作者としては考えますよ。当然これ、電通が入ってますからね」
玉川氏は「菅氏の弔辞が他人の演出」と言っているのではない
発言全体を見ると、玉川氏が「そういう風に作りますよ」と言っているのは、「胸に響くように作る」ということだとわかる。それは、映画などを含め、大規模なイベント、コンテンツの制作を行う側としては、一般的に行われる演出のことを意味するものだ。 
今回の安倍氏の国葬も、大規模な荘厳な葬儀・儀式なのだから、その中で、「個人的に付き合いのあった人は、当然悲しい思いをもってその心情を吐露したのを見れば、同じ人間として、胸に刺さる部分はある」と述べている。菅首相の追悼の辞は「心情を吐露した」ものであり、それが「胸に刺さる」と評価した上で、ただ、それは、全体として「胸に響くように作られた国葬という儀式の一コマだ」と言っているのである。玉川氏の発言の「そういう風に作ります」というのは、菅氏の追悼の辞が「演出のために他人が作ったもの」という意味で言っているのではない。
むしろ、「これこそが国葬の政治的意図だ」と言った上で、「そういう風に作ります」に続けて、「当然ながら。政治的意図がにおわないように、制作者としては考えますよ。」と言っていることから、玉川氏の発言全体の趣旨としては、安倍氏の国葬が「政治的意図を隠して、胸に響くように作られた儀式」というものであり、それを前提に、発言に問題がないかどうかを検討する必要がある。
問題となるのは、第一に、「真実性」に関する点として、玉川氏の「政治的意図を隠して、胸に響くように作られた儀式」との指摘が、客観的に正しいと言えるのか、第二に、「政治的公平」に関して、「国葬についての論評」としてみたときに、玉川氏の発言を含む番組が、政治的に偏ったバランスを欠く放送になるのか否かである。
「政治的意図を隠して、胸に響くように作られた儀式」だったと言えるか
まず、第一の点については、玉川氏の長年のテレビ放送の制作者としての経験から、イベントやコンテンツが「胸に響くように作られる」という一般的な事実を指摘している。そして、それが、大規模で荘厳な国家的儀式としての「国葬」と重なると、追悼する安倍元首相の評価を高めるという「政治的意図」が実現される、ということを言っている。しかし、その場合、そのような「政治的意図」が表に出てしまうと、「胸に響くように作る」という演出効果を損なってしまうので、それが目立たないように配慮することになるということであろう。
ここまでは、一般論として言えることなのであるが、問題は、今回の安倍元首相の国葬についても、「政治的意図を隠して、胸に響くように作られている」と言えるのか、そのように言う根拠があるのか、という点である。
まず、客観的な事実として、安倍氏の国葬については、(電通は関わっていないとしても)、ムラヤマという「桜を見る会」に関する業務を毎年受注していた会社が、企画演出業務を1.7億円で受注している。しかも、この発注については、入札参加の条件を厳しくした結果、一者入札になったものである(【「安倍氏国葬儀」企画演出業務発注で、内閣府職員に「競売入札妨害罪」成立の可能性】)。
そのような高いハードルを設定した理由が、「企画演出」を十分に行い得る業者に発注しようとする意図によるものであったことは間違いない。その事実からも、国葬全体が、「演出」を重視して行われたことは明らかであろう。
肝心の、菅氏の追悼の辞も、改めて全文を文章で読み直してみると、友人代表の辞にしては、生前の安倍氏との具体的なエピソードは、焼き鳥屋で総裁選への再挑戦を説得した場面ぐらいで、それ以外は、ほとんどが、安倍氏の業績と決断力への賛辞だ。
そして、参列者に感銘を与えたというのが、山縣有朋が詠んだ歌の話だ。
「衆院第1議員会館1212号室のあなたの机には読みかけの本が1冊ありました。岡義武著「山県有朋」です。ここまで読んだという最後のページは端を折ってありました。そしてそのページにはマーカーペンで線を引いたところがありました。」
という話を聞くと、誰もが、菅氏自身が、安倍氏が亡くなった後に、議員会館の部屋に行って、机の上に「読みかけ」で置いてあった山縣の本を発見し、手にとったら、安倍氏が読みかけていた箇所が、いみじくも「伊藤博文が暗殺された際に山縣が詠んだ歌」の個所だったという「感動のシーン」を想起する。
しかし、そもそも、そのような偶然が起こるとは常識的には考えにくい。文章で確認すると「読みかけの本が1冊ありました」となっており、菅氏が、それを「見た」とは言っていない。実は、その話は、安倍氏自身が、殺害される3ヵ月前に、葛西敬之氏の葬儀の際の追悼の辞で使っていたことも明らかになっている。
菅氏は、この追悼の辞についてテレビ朝日のインタビューに答えているが、質問者は、完全に上記の「議員会館でのシーン」があったものと誤解して質問し、菅氏は、それをはっきりと否定はせず、はぐらかして答えていた。
明治の元勲山縣有朋は、帝国陸軍の礎を作った人で、超保守主義者、反政党主義、反民主主義、普通選挙にも反対していた人だ。そういう考え方の人が詠んだ歌を、安倍元首相への追悼の辞で敢えて持ち出し、自分に重ね合わせる、というやり方には、「政治的な意図」が感じられるが、その「意図」を感動的なストーリーで覆い隠しているとみることができる。
また。この「感動的な話」で菅氏の追悼の辞が終わった直後に、会場から自然に拍手が沸き起こったように言われているが、最初に大きな拍手をした人は前全国市長会会長の松浦正人氏で、安倍氏の殺害後も菅氏と電話で連絡を取り合う間柄であったことが明らかにされている(【菅義偉さんの感動的な弔辞の直後に1人だけ大きな拍手をした人がいた。やがてそれが会場中に広がった】)。参列者の拍手はこの最初の大きな拍手に誘発されたものであり、それがなければ、「葬儀での拍手」ということは起こり得なかったはずだ。
これらの事実からすると、安倍元首相の国葬が「政治的意図を隠して、胸に響くように作られた儀式」だとする玉川氏の発言にも相応の合理性があり、真実と異なるとは言えない。
「政治的公平」に関する問題
次に、「政治的公平」に関する問題である。
前記のとおり、放送法4条2号は、放送番組の編集について「政治的に公平であること」を義務づけている。これは、番組単位で求められることであり、出演者個人の発言の問題ではない。
西田議員は、玉川氏の発言に「虚偽の情報」が含まれていたことを「政治的偏向」だとしているが、玉川氏の発言の中の「電通の関与」の部分が真実ではなかったとしても、それ自体で政治的公平性が問題になるわけではない。
問題になり得るとすれば、安倍氏の国葬に関する玉川氏の発言と番組の編集方針との関係であり、既に述べたように、国葬が「政治的意図を隠して、胸に響くように作られた儀式」だとする玉川氏の発言があったことが、番組全体の「政治的公平」を損なうことになるのかという点である。
そもそも、番組の編集方針の「政治的公平」というのは、番組の内容の一つひとつが全て政治的に中立なものでなければならない、ということではない。その時々の社会の状況、視聴者の問題意識等に照らして、番組全体が、政治的に偏ったものかどうかということである。
玉川氏の発言があった安倍氏の国葬の翌日の「モーニングショー」では、その国葬の決定、実施までの経過、賛否両論について番組で取り上げ、国葬の内容についても、その中で特に菅前首相の追悼の辞に参加者が心を打たれたと評価されたことも紹介した。
そうした中においても、国葬に対しては、世論調査の結果では国民の6割以上が反対するなど、反対が賛成を大きく上回っていたにもかかわらず開催されたものであること、国葬に関して法的根拠や国会の関与がないこと、安倍氏の評価について様々な見方があることなどから、国葬反対の意見にも、十分に理由があることなどを考慮すれば、国葬反対の声の大きさを反映し、批判意見も十分に取り上げることは、むしろ、番組として政治的に公平なスタンスだと言えよう。
そういう意味で、かねてから「国葬反対」の意見を明確にしていた玉川氏が、「イベントは一般的に胸に響くように作られる。それを国葬として行えば、政治的意図を隠して政治的に利用することにつながる」と指摘したことは、番組の中の一つの個人意見である以上、番組全体の政治的公平性という面で、何ら問題になるものではないどころか、むしろ、政治的公平に資するものと言える。
玉川氏の発言を含めた当日の番組が、「政治的公平」の観点から問題があるとは到底言えない。
前記のとおり、放送法は、4条2号の「政治的公平」については、真実性についての9条のような権利侵害を受けた者の請求による調査、訂正・取消の規定がなく、放送番組の適正を図るための一般的な枠組みに委ねている。「政治的公平」の判断が微妙であり、それを外部から問題にすることが、かえって政治的公平を損なうことの弊害を考慮したものだ。
西田議員が、今回の玉川氏の発言について、「政治的偏向」を問題にし、
「極めて重大な問題で国政の場でも強く提起したい」
などと述べていることの方が、放送法の趣旨に反する「不当な政治介入」になりかねない。
西田議員は、いわゆる「椿事件」を引き合いに出してテレビ朝日を批判しているが、椿事件は、1993年、テレビ朝日の報道局長が、日本民間放送連盟の第6回放送番組調査会の会合で、「自民党政権の存続を絶対に阻止して、なんでもよいから反自民の連立政権を成立させる手助けになるような報道をしようではないか」などと政治的偏向報道の疑念を生じさせる発言を行ったという特異な事例である。
今回の玉川氏の発言は、国葬に関する事実の適示と、それに関する個人の論評であり、椿事件のような番組編集全体における政治的意図の問題とは全く異なる。
テレビ朝日のコンプライアンス、ガバナンスの問題
今回の玉川氏の発言については、テレビ朝日において、「電通の関与」が真実ではなかったことについて訂正・謝罪放送が行われ、放送法上十分な対応が行われている。それに加えて、玉川氏の10日間の謹慎処分や番組関係者の社内処分を行ったことは全く理解し難い。
意図的な虚偽、捏造報道の疑いがあるというのであればともかく、誤解によって真実ではない発言を行ったというだけで、出演者の「社員個人」が責任を問われるというのは、過去に殆ど例がないのではないか。そのような処分が当然のように行われるようになれば、放送の現場は萎縮し、積極的に真実に迫ろうとする報道や番組制作自体が困難になってしまう。
最近の同様の事例として、当時の菅首相が日本学術会議が推薦した会員候補のうち一部を任命しなかったことについて菅政権への批判が高まっていた2020年10月5日、フジテレビの平井文夫上席解説委員が、同局の番組(バイキング)で、
「6年ここで働いたらその後学士院というところに行って、年間250万円年金がもらえる」
などと全く事実と異なる発言をし、番組側が10月6日の放送で
「誤った印象を与えるものになりました」
などと訂正した。これなどは、放送中に、当時、学術会議会員が厚遇されているかのような虚偽の事実を述べたもので、会員任命拒否問題で批判されていた菅内閣を擁護する政治的意図も疑われる。しかし、この件で発言者の平井氏個人が処分されたという話はなく(平井氏は、現在も、フジテレビの上席解説委員を務めている)、訂正放送も、今回の玉川氏のように本人が行ったのではなく、番組のアナウンサーが行った。
今回の玉川氏の発言をめぐって露呈したのは、テレビ朝日という放送事業者のガバナンスの脆弱性である。玉川氏の発言の何がどう問題なのか、という点について、放送事業者として明確な問題意識を欠いたまま、外部からの批判に対して場当たり的な対応をしたことが、かえって問題を深刻化させたように思える。
玉川氏の発言は、安倍元首相の国葬の直後、その国葬での菅前首相の追悼の辞が大きな社会的注目を集めている最中に、それに関連して客観的な裏付けがないのに「電通関与」を決めつけるような発言をした点において軽率の誹りを免れない。
しかし、それ以外については、放送法上も、コンプライアンス上も、特に問題があるとは言えない。番組で訂正・謝罪を行った後も、会社として、発言の趣旨を正確に理解した上で、批判や、政治家の圧力等に対しても毅然たる対応をとるべきだった。
ところが、テレビ朝日は、折から国葬問題をめぐる政治的対立の影響もあって訂正・謝罪を機に各方面からの激しい批判が行われたことに狼狽したのか、玉川氏個人の処分も含めた過剰な対応を行い、それによって批判の火に油を注ぐ結果となった。
テレビ放送に関連する不祥事が相次いでいた2008年3月、テレビ朝日で、「放送事業への信頼回復に向け、真のコンプライアンスを」と題して講演を行ったことがある。
放送法規定に則った対応はもちろん、法の趣旨・目的に沿ったコンプライアンスで「社会の要請に応えること」の重要性を訴えたのに対して、多くの社員が真剣に聞き入ってくれた。その後も、放送事業への社会的要請は複雑であり、それに応えていくことは容易ではないが、番組制作や報道の現場で地道な努力が続けられているものと認識していた。
今回の玉川氏への謹慎処分、関係者の社内処分というテレビ朝日の対応は、放送事業者としてのコンプライアンスの基盤を害することになりかねない。放送事業者の組織のガバナンスの欠陥を露呈したもののように思える。
謹慎が明けた時点で、玉川氏が発言の経緯について説明するとされているが、ここでは、批判や政治的圧力に臆することなく、関連する発言の真意について、しっかり説明すべきだ。一方、テレビ朝日の経営陣も、謹慎処分等についての会社の考え方について、十分な説明を行う必要がある。番組の編集方針とその中での玉川氏の発言の趣旨が、視聴者に、そして世の中に正しく理解されるかどうか、テレビ朝日のガバナンスにとっても試金石だと言えよう。 
 
 

 

●テレ朝・玉川氏の発言は「令和の椿事件」だ…番組復帰はもっての外 10/8
安倍晋三元首相は「こんな人たち」と戦ってきた。選挙の応援演説を集団ヤジで妨害する人たち。国連憲章上、加盟国の権利である集団的自衛権の限定的行使を認める安全保障法制を「戦争法反対」などと国会前で騒ぐ人たち。亡くなった後も「国葬(国葬儀)」に反対し、内容にケチを付ける人たち。そして、この人も「こんな人たち」の一人だろう。
テレビ朝日系の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」に出演する、同社社員でコメンテーターの玉川徹氏が「虚偽発言」で、「出勤停止10日間」の懲戒処分を受けた。同氏は、国葬の翌日(9月28日)の番組で、菅義偉前首相の弔辞について、「当然これ(大手広告代理店)電通が入っていますからね」と発言した。29日の番組で「事実ではありませんでした」と自ら謝罪したが、社としても処分したかたちだ。
同氏の発言が問題なのは、菅氏の弔辞へのケチ・冒涜(ぼうとく)が虚偽だったからだけではない。その前段で、国葬には政治的意図があるとして、次のように語っているのだ。
「僕は演出側の人間ですから、テレビのディレクターをやってきましたから、それはそういう風につくりますよ。当然ながら。政治的意図がにおわないように制作者としては考えますよ」
つまり、玉川氏は自身が番組に政治的意図を持たせながらも、それが分からないようにしてきたと自慢げに語ったのだ。
玉川氏の発言は、あの「椿事件」を想起させる。1993年9月、同じテレビ朝日の取締役・報道局長の椿貞良氏が、日本民間放送連盟の会合で、衆院選の期間中に非自民政権樹立を促す報道姿勢を取ったことを自慢げに語った事件だ。同年7月の衆院選では、自民党が過半数を割り、非自民の細川護熙連立政権が誕生していた。
椿氏は「梶山静六幹事長、佐藤孝行総務会長のツーショットを報道するだけで視聴者に悪代官の印象を与え、自民党のイメージダウンになった」などと発言した。産経新聞がこれを報じて大問題になり、解任された。国会にも証人喚問された。当時、放送行政を所管していた郵政省は、テレビ朝日の放送免許取り消しも検討したが、最終的には行政処分となった。
玉川氏も同様に、自らの番組制作に政治的意図があると口を滑らした。まさに「令和の椿事件」だ。
安倍氏が凶弾に倒れた後の報道は、旧統一教会や「接点」のある政治家へのバッシング、国葬の是非をめぐっての安倍氏への非難など、私には常軌を逸しているとしか思えない。
特にテレビは、他局も同様だが、国民共有財産である「電波」を使用する免許を得て事業を行い、放送法第4条の「政治的公平」「事実をまげない」などの順守が義務付けられている。にも関わらず、虚偽や一方的意見だけを垂れ流している。
その結果、国葬反対の世論もつくり出した。
玉川氏の番組復帰は、もっての外だ。これはテレビ局自体の存続の問題だ。椿事件と同様、徹底的な検証と、国会での追及が必要だ。
●テレ朝・玉川徹氏に驚きの転身先 「朝ナマ」田原総一朗氏の後継候補に 10/8
「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)でコメンテーターを務める同局社員・玉川徹氏(59)は問題発言により現在出勤停止中で、番組降板もささやかれている。そんななか、意外な転身を果たすかもしれない。なんと深夜の顔≠ニして候補に挙がっているという。
玉川氏は9月29日の同番組で、安倍晋三元首相の国葬での菅義偉前首相の弔辞をめぐり、「電通が入ってます」などと発言。翌29日の放送で「事実ではありませんでした」と謝罪し出演を続けたが、視聴者だけにとどまらず、政界や著名人からも批判が続出。同局は今月4日についに謹慎処分を発表し、玉川氏は5日から10日間(土休日を除く)出勤停止となった。
5日放送で、MCの羽鳥アナは「玉川さんは再来週の水曜日に復帰を致します」と玉川氏の謹慎処分初日に早々に報告。テレ朝関係者は復帰となる19日の出演について「降板を切り出すのでは?という声もある」。
もっとも上層部とすれば、玉川氏を4日まで通常通り出演させてきたことから分かるように、当初は「処分なし」の方針だった。その背景にあるのが、同番組への貢献度だ。
テレ朝は1月、「モーニングショー」が年間視聴率(2021年1月〜12月)で、民放トップ(個人全体5・6%、世帯10・6%)だったと発表。5年連続での民放トップとなった。
「上層部は、玉川氏の歯に衣着せぬコメントが視聴率に大きく寄与していると評価している。今回の事実誤認は別として、玉川氏自身の取材力も太鼓判を押されている。だからこそ管理職への打診を拒否した玉川氏だが、コメンテーターなどで異色の存在でいられ続けている」(同)
さらに取材を進めると、今年で35年を迎えた長寿討論番組「朝まで生テレビ!」をめぐる水面下での動きをキャッチした。「朝ナマ」の司会と言えばジャーナリスト・田原総一朗氏(88)だが高齢であり、ここ数年は後継者問題が持ち上がっていた。
「田原さん自身も当然ながら衰えは認識しており、毎回これが最終回≠ニいう覚悟で臨んでいる。尋常じゃなく愛着がある番組で、後継司会者の登場を願っている。局としても異例の長寿討論番組を続けたい思いもある。想定する候補者の1人が玉川徹さんなんです」(同)
別のテレ朝関係者によれば、過去にテレビディレクターとして体当たり取材を行ってきた田原氏は、表立って「後任に」と口にすることはないが、ディレクターとして取材も行う玉川氏の実力を認めているという。
「玉川氏の世論になびかない、炎上を恐れない発言や姿勢を『勇気がある』と評価している。これまで朝ナマの後継司会者候補としてさまざまな名前が浮上しているが、わずか月1回出演で、テレ朝や番組の色がつくことを嫌がる可能性も高い。その点で、テレ朝社員の玉川さんは起用しやすいのかもしれない」(同)
朝のコメンテーターから姿を消すことになっても、深夜の司会者として辣腕を振るうことになるのか。 
●今後が気になる電通発言≠ェ無傷では済まなかったテレ朝・玉川氏 10/8
テレビ朝日は4日に行われた篠塚浩社長の定例会見にて、朝の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」でコメンテーターを務める同社の玉川徹氏に、同日付で謹慎処分(出勤停止10日間)を下したことを発表したことを、各メディアが報じた。
玉川氏は9月28日の同番組に出演した際、菅義偉前首相が同27日の安倍晋三元首相の国葬で読んだ弔辞について、「電通が入ってますからね」などと発言。翌日の番組で「事実ではありませんでした」と謝罪していた。
「以前は電通の名前を出したり、イジったりするのはテレビ界ではタブー中のタブーだった。ところが、インターネット広告の普及で電通の力が落ち始め、トドメは東京五輪をめぐる汚職事件で電通の元役員が逮捕された事件で世間の評判が地に落ちてしまった。そんな状況に付け込んで飛び出したのが、玉川氏の根拠のない発言だった」(放送担当記者)
篠塚社長は会見で、「事実に基づかない発言を行い、番組および会社の信用を傷つけ損害を与えたことによる処分。誠に遺憾と思う。再発防止に向けて徹底する。あらためてお詫び申し上げます」と謝罪。電通に対しても「謝罪をいたしました」と明かした。同社長は、玉川氏については謹慎期間を終えた後は番組に復帰する予定だとした。
「同番組は同時間帯で他局を引き離しトップの座を守り続けているが、その一因となっているのが玉川氏の奔放な発言。しかし、処分を受けたことによって慎重に言葉を選んで発言するようになってしまっては毒≠ェなくなり、視聴者の支持率≠煢コがり、それが視聴率をダウンさせる結果になるのでは」(芸能記者)
とはいえ、日がたつにつれて批判の声が増えることになってしまっただけに、テレ朝も電通発言≠このまま無傷で済ませておくことはできなかったようだ。
●無防備コメンテーターは戦々恐々…玉川徹氏「虚偽発言」で謹慎処分 10/8
テレビ朝日系の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」における社員コメンテーターの玉川徹氏の「虚偽発言」問題が波紋を広げている。コメンテーターの軽率な発言が事態を悪化させていく。ワイドショーや情報番組の無防備なコメンテーターたちは、発言の影響力に改めて戦々恐々としている。
玉川氏による「虚偽発言」とは、安倍晋三元首相の「国葬(国葬儀)」をめぐって、「(広告大手)電通が入っている」と事実無根のコメントをしたことだ。
「玉川氏は翌日の放送で謝罪しましたが、テレビ朝日は定例会見で、玉川氏に対して10日間の謹慎処分、出勤停止としました」と週刊誌記者。こう続ける。
「今回は、玉川氏がテレビ朝日の局員であることも大きな要因です。発言の対象が『電通』ということもあり、『事実に基づかない発言を行い、番組および会社の信用を傷つけ損害を与えた』という理由で処分されました。しかも、玉川氏は過去にも帯状疱疹(ほうしん)のワクチンをめぐって誤った発言をして謝罪するなどやらかしています。このときも『勘違いしていた』と釈明しましたが、今回の件では反玉川≠フ声が加速しています」
しかし、問題は玉川氏だけにとどまらない。テレビ各局のワイドショーや情報番組では、多くの著名人や芸能人がコメンテーターとして出演している。
「記者であれば、自分が取材した範囲、もしくは自分の得意分野だけについて、コメントすればいいのですが、こうしたコメンテーターはさまざまなフィールドにわたって、何かしらの発言を求められます。多くのコメンテーターは当たり障りのない内容の発言でとどめますが、どこまで正確な内容を求めるのか。事前に局側がチェックするにも限界はあります」と放送関係者は指摘する。そして、こう話す。
「ちょっと口にした感想の中に勘違い≠ノよる誤情報が紛れ込む可能性は否めない。しかも生放送なので、誤った発言が放送に乗ってしまうと、SNSなどで一気に拡散してしまう恐れがある。玉川さんは謹慎後は番組に戻ることになっているといいますが、これは局員だからのこと。外部のコメンテーターは批判されたうえで、切られてしまう恐れがある。どこで足元をすくわれるか分からないだけに、コメンテーターはその発言に戦々恐々としている状況ですよ」
テレビで発言することの重みが問われている。  
 
 

 

●「羽鳥慎一モーニングショー」 玉川徹虚言で失ったモノ 得たモノ 10/9
生放送の中での発言で出勤停止10日間の処分を受けた玉川徹コメンテーター。
9月28日の放送で飛び出した発言だが、その後も玉川氏は番組に出演していた。ところが10月4日に処分が発表され、10月5日以降テレビ画面から消えた。
この間にSNSのツイートは大きく割れた。「番組降板・異動あるのみ」という厳しい意見から、「(降板)必要ない」「(降板したら)二度と見ない」と擁護する声だ。
では大多数の視聴者は、この間にどう反応したのか。『羽鳥慎一モーニングショー』の玉川虚言発言前1か月の平均と、発言後出演を続けた4日間、そして謹慎後の3日間で、全体や特定層の個人視聴率がどう変化したのか。
虚言につながった“放送人の落とし穴”も含め考えてみた。
虚言発言に至るまで
9月28日の放送は、言うまでもなく前日の元安倍首相の国葬がテーマだった。その中で問題の虚言が出るまで、玉川発言には説得力があった。
国葬を強行した岸田首相にも痛烈だった。「(岸田首相は)一部の意見のみ聞き、反対の声を聞かない」「一旦決めたのだからやり切る」などとし、“聞く力”を標ぼうしたはずの首相の問題を指摘した。
別のゲストの発言にも、きっぱりと異を唱えた。「(国葬の理由に)安倍政権の実績を置いたのは正しくなかった」「テロに対するメッセージに絞れば良かった」旨のコメントに、「亡くなり方で国葬というのは反対」と言い切った。「国葬は大喪の礼だけで十分。政治利用されるから」との明快な主張に、頷いた視聴者も少なくなかっただろう。
問題は菅前首相の弔辞に対するコメント。会場に拍手が起こるほど、心打つ内容だったと他の出演者が発言する中、わけ知り顔で内情を披瀝した。
「僕は演出側の人間ですからね。テレビのディレクターをやってきましたから、そりゃそういう風に作りますよ」「当然ながら、政治的意図が匂わないように、制作者としては考えますよ」「当然これ、電通が入っていますからね」
実際には電通は全く無関係だったという。ところが直前に「当然」と2度発言している。しかも「演出側」「ディレクター」として意図があったと断じた。
放送人の落とし穴
放送局に32年務めた身として、この発言には“放送人の落とし穴”があったと感じる。あるテーマを取材・編集してコメントをつける側は、その内容が重大であって欲しいというバイアスがかかり易い。つい大げさに言ってしまうことがある。
例えば一つのサービスが登場して100万人が使うようになったケース。有料の書籍や映画なら、確かに100万は大ヒットだ。ところが無料アプリなら、国民の1%が使った段階では大ヒットと言えない。普及の成否をわける16%のキャズム(深い溝)に遠く及ばないので、そのサービスの成否を断ずるのは早すぎるからだ。ところが放送のコメントでは、「100万もダウンロード」と“も”をつけてしまい勝ちだ。
ニュースにもこうした言い過ぎが散見される。例えば警察の捜査に対して、「慎重に捜査を続けています」など、“慎重に”という修飾語がつくことがよくある。ところが“慎重”かどうか、記者は本当に確認したのだろうか。警察発表をそのままに、修飾語がついた方が大事件に聞こえるという思いがないだろうか。「警察は捜査を続けています」と、事実だけを言えば十分だ。
今回のケースは、主観を客観に見せようとしたのだろう。菅弔辞に演出意図があったという一感想を、自身も含めた“演出側の常套手段”と断じ、しかも確認もしていない電通という大企業名を持ち出した。客観的な事実と感じてもらうための、瞬間的な虚言だった感じる。
しかも前提に、「演出側の人間」「テレビのディレクター」とやってしまった。正に“放送人の落とし穴”恐るべしと言わざるを得ない。
特定層の反応
では同番組の視聴率は、この間にどう変化したのか。
個人視聴率は直前1か月平均より9/28回は少し高く、その後4日間は少し下がった。ところが謹慎処分後の3日間は持ち直している。しかも直前1か月平均より0.3%ほど高い。
この傾向は、多くの年齢層に共通していた。ところが男女65歳以上のみ、虚言で騒がれても全く数字は落ちることなく、しかも処分後は1%以上高くなった。同番組が高齢者に如何に支持されているかがわかる。
年齢層ではなく、特定の傾向のある層別で比べてみよう。
多くの特定層で、発言後の視聴率が1割前後下がっている。特に「(企業の)部課長」は、他の層より倍の落ち込みだ。組織として致命的なミスと見ている管理職が多かったのかも知れない。
ところが謹慎後は、年齢層別の時と同様、大半の特定層で直前1か月平均より高くなった。炎上商法ではないが、騒がれたことで番組の認知度が上がり、実際に視聴率に反映した側面があったようだ。
ただし謹慎処分後も戻らない層があった。先の「部課長」であり、「完璧主義」「(テレビを見ながらネットを使う)ダブルスクリーン派」だ。信頼の失墜を今のところ重く受け止めている人がいるということだろう。限られた層とはいえ、虚言は重大事だったことがわかる。
事態の重大さ
実は特定層×年代で分析すると、事態の重大さが浮かび上がる。
年層別で見た時、65歳以上は結果的に直前1か月平均より1%ほど上昇していた。ところがコア層(13〜49)歳は、発言直後よりは戻したものの、直前1か月平均とはあまり変わっていない。
これをコア層の特定層に細分化すると、面白い事実が浮き上がる。「テレビを信頼している」層は、発言後に一旦下がったものの、処分後にコア層こそ大きく上がっていた。認知度アップは、「テレビ信頼」層では若年層でも有効だったようだ。
ところが厳しい見方をする他のコア層もある。「完璧主義」層では処分後も元に戻らなかったが、実はコア層は50歳以上より格段に厳しい。また「見たい時だけTVを見る」層では、全体は処分後に上がっているが、コア層は下がったままだ。若年層の中に「テレビを批判的に見る目」が育っていることを示したデータではないだろうか。
80年代以降、テレビ朝日は“ニュースの商品化”に成功した。『ニュースステーション』『サンデープロジェクト』など硬派な番組を、時に分かり易く、時にショーアップすることで視聴率を上げ、広告収入を増やした。この拡大期には、“放送人の落とし穴”はマイナスよりプラスが多かったと感じる。
ところが時代は変わった。問題となった9/28回でも、若いゲストが「(演出意図は)見透かされるようになった」と指摘している。つまり“放送人の落とし穴”は、高齢者では問題にならないかも知れないが、若年層では着実にリスクが拡大している。
今のところ焼け太りしているように見える『羽鳥慎一モーニングショー』。謹慎処分10日間の後どう対応するかで、同局の方向性が少し浮かび上がるような気がする。 
●玉川氏発言 何を語り、何を謝罪したのか 一部報道の文字起こしは不正確 10/9
安倍元首相の国葬について伝えたテレビ朝日の情報番組「羽鳥慎一のモーニングショー」で、同社社員のコメンテーター、玉川徹氏が、菅義偉元首相の弔辞に関する出演者との議論の中で「電通」の関与に言及し、翌日、事実でなかったとして訂正、謝罪した。その後批判の声が高まり、テレビ朝日が玉川氏を10日間の出勤停止処分とし、波紋が広がっている。
ここにきて、玉川氏の発言は、国葬の演出に電通が関わったことを指摘したものであって、菅元首相の弔辞が電通の演出によるものだと言っていたわけではないとの指摘も出るなど、発言の趣旨や処分の妥当性も議論になっている。
そうした中、玉川氏の「発言全文」として一部メディアが報じた記事が、不正確な内容だったことが判明した。
この「発言全文」記事では、玉川氏の問題発言の直前になされた別の出演者の発言がまるまるカットされていた。そのため、この記事を読んだだけでは、玉川氏の「電通」発言は菅元首相の弔辞に関する文脈でなされたものかどうか、判然としない印象を受ける。
この不正確な「発言全文」記事を配信したのは、10月5日付のデイリースポーツ(Yahoo!ニュースも配信)。この他に、より正確な「発言全文」記事は確認できておらず、一般読者は放送を視聴していなければ、実際の発言を確認しづらい。
そこで、今後の玉川氏の発言趣旨をめぐる議論が混乱しないよう、録画に基づき、玉川氏の問題発言とその前後の発言も含めた文字起こしを掲載する。また、翌日放送における玉川氏の謝罪発言も掲載する。
なお、同番組の国葬を取り上げたコーナーは非常に長く、全ての文字起こしを掲載することはできない。この文字起こしは、あくまで問題となった発言とその前後の発言だが、後の出演者の発言も含めて、省略せずに掲載した。
(羽鳥=羽鳥慎一キャスター、玉川=レギュラーコメンテーター・玉川徹氏、浜田=コメンテーター・浜田敬子氏、安部=コメンテーター・安部敏樹氏。以下、敬称略)
2022年9月28日(水)放送 文字起こし(問題発言の前後)
(羽鳥キャスターが菅元首相の弔辞の内容をパネルで振り返った後で)
羽鳥「・・・菅さんの弔辞に葬儀でありながら拍手が起こったという…」
浜田「一連の報道の中でも一番話題になっていたのは、この菅さんの弔辞でしたよね。先ほどもおっしゃいましたけど、なぜこれを総理時代にこれくらいのスピーチを菅さんできるんだったらやらなかったんだろうなと思いましたよね。
やっぱりそれは、一番言葉を尽くさなければならない相手は誰に対してかと言うと、やっぱり国民に対してだと思うんですね。安倍さんも、親しい人に聞くと本当に優しい人だと聞くんですよ。自分と近い考え方の人とかにはたぶん言葉を尽くされたり非常に感情のこもったことを話されると思うんですね。菅さんもそうだったかもしれないですけども。
やはり首相とか総理という立場になったら、会見とか、菅さんの場合、官房長官の会見が鉄面皮のような受け答えだったわけですよね、何を聞いても同じことしか返ってこない。そのときにこれくらい、なぜ私はこの政策を進めたいのか説明し納得してもらうというような、時には菅さんの素顔も見えるような、やはり政権運営をしていたら色々な逡巡もあるからというな、生身の部分も見えたら、もっとやはり私たちの感情も違っていたかなと思います。」
羽鳥「何人か弔辞、スピーチもありまして、やはり菅さんが一番刺さったかなという感じがありますけど、玉川さんいかがですか。」
玉川「これこそが国葬の政治的意図だと思うんですよね。当然これだけの規模の葬儀ですから、儀式ですから、荘厳でもあるし、個人的な付き合いのあった人は当然悲しい思いをもってその心情を吐露したのを見れば、同じ人間として、胸に刺さる部分はあると思うんですよ。
しかし、それは例えばこれが国葬じゃなくて、自民党内閣葬だった場合、テレビでこれだけ取り上げたり、この番組でもこうやってパネルで取り上げたりさっきのVTRで流したりするかというと、なってないですよね。国葬にしたからこそ、そういった部分を我々は見る、見る形になる、僕も仕事上見ざるを得ない状況になる。
それって例えばですね、自分では足を運びたくないと思っていた映画があったとしても、なかば連れられて映画を見に行ったらなかなかよかったよと。そりゃそうですよ、映画を作っている方は、意図があって楽しんでもらえるように、それから胸に響くように作るんです。
だからこういう風なものも、我々がこういう形で見ればですね、胸に響く部分はあるんです。それはそういう形として国民の心に残るんですね。国葬というのはありました、あのときにああいうふうな胸に刺さる言葉がありました。いうふうに既成事実として残るんですね。これこそが国葬の意図なんですね。
だから僕は、国葬自体が、やっぱりない方がこの国にはいいんじゃないか。これが国葬の政治的意図だと思うから」
羽鳥「そっか、なるほどね(筆者注:少し沈黙)。私はここの部分だけちょっと違う感じがしたなと思いますけど。安部さんはいかがですか」
安部「そうですね、玉川さんのおっしゃているような政治的意図が出てくる可能性がやっぱりあるなと思うので、その点は留保しなきゃいけないなと思うのですけど。
僕がすごく思うのは、菅さんのスピーチは私自身も読んだり見たりしてすごく感動したんですけど、多分いまの現代の生きている日本の国民の多くの人は、これ政治利用だな、と思うものに対してけっこう鼻がきくようになっていると思うんですよね。
鼻がきくようになっているなということ自体も菅さんとか政権にいる人たちも理解していて、だからそういうことを出してもどうせうまくいかないからやりたくないと。菅さん、例えばですね、私ガースーですって言ってめちゃくちゃすべったりしてですね、大失敗して人気が下がったという話もあったわけですけど、そういう意味である程度いまの政権にいる人たちは意図的にやったことが見透かされてしまう時代に生きていると。
多分これは見透かされる可能性があるとか関係なく、菅さん自身が思ったことを言ったからこそ響いていると思っていて。
そういう意味で、国葬というものが政治利用される可能性があると玉川さんが指摘するのは非常に健全なことだと思うのでいいと思う一方で、このスピーチ自体が多くの人に対して響いたのは政治的意図を超えたもので、個人としての感情として彼がお話になったのがよかったんじゃないかと思いましたけどね」
玉川「僕は演出側の人間ですからね。テレビのディレクターをやってきましたから。それはそういう風に作りますよ、当然ながら。政治的意図がにおわないように、それは制作者としては考えますよ。当然これ電通が入ってますからね」
羽鳥「いや、そこまでの見方をするのか、それともここは本当に自然に言葉が出たのか、見方はいろいろ…」
玉川「いや、菅さん自身は自然にしゃべっているんですよ。でもそういうふうな、届くような人を人選として考えているということだと思うんですよ」
安部「これ玉川さん…(聞き取り不能)…テレビっていうある意味そういう仕組みじゃないですか」
玉川「そうそう」
安部「テレビっていうのは番組をみてそのコンテンツの間に広告をはさんでビジネスが成り立っているわけですから、広告の話っていうのは、ある種国葬的な政治利用の観点に近いような構造があったりするんだと思うんですけど、その上でたぶんそこのところは多くの人が鼻がきくようになっているんじゃないかというのが僕の考え方なわけですよ。どうですか」
玉川「まあ、それは演出家の考え方でね」
安部「なるほどね」
(国葬の席次の話題にうつる)
2022年9月29日(木)放送 文字起こし(訂正謝罪部分のみ)
羽鳥「ここで昨日のパネルコーナーで玉川さんが発言したことについて、玉川さんから」
玉川「はい、昨日のパネルコーナーの中で、私が安倍元総理の国葬に電通が関与しているとコメントしたんですけども、この発言はですね、事実ではありませんでした。
さらに電通はですね、全く関わっていないということがわかりました。
関係者の皆様、それから、視聴者の皆様、訂正して謝罪いたします。申し訳ありませんでした。(筆者注:頭を下げる)」
発言「趣旨」は解釈が入るが、客観的な事実は
裁判所や放送倫理・番組向上機構(BPO)でテレビ放送を取り扱う場合「一般的な視聴者の普通の見方」を基準に、その内容を特定することが一般的となっている。
そうはいっても、ひとりひとりの視聴者の実際の視聴直後の認識を把握することはできないから、「一般的な視聴者の普通の見方」を仮想しつつ、判断する側において、発言の趣旨を解釈し、特定することになる。
このように、放送内容やその際の発言の「趣旨」については、どういう映像・音声を放送したかという客観的事実とは別に、どうしても主観的な解釈が入ることは避けられない。
とはいえ、今回の玉川氏の発言起こしからは、少なくとも次の事実が、客観的に確認できると思われる。
当初、羽鳥キャスターが「やはり菅さんが一番刺さったかなという感じがありますけど、玉川さんいかがですか」と、菅元首相の弔辞に関する所見を玉川氏に求めた際、玉川氏は「国葬の政治的意図」について持論を述べていた。
この発言シーンでは、「菅元首相の弔辞」への「電通」を含む他者の関与など具体的事実には言及していなかった。
玉川氏の「電通」発言は、コメンテーターの安部氏が「(菅元首相の)スピーチ自体が多くの人に対して響いたのは政治的意図を超えたもので、個人としての感情として彼がお話になったのがよかったんじゃないかと思いましたけどね」と発言したことを受けて、飛び出したものであった。
その際、玉川氏は「当然」という表現を二度使い、推測ではなく、事実であるかのように断定的に主張した。このときの発言では「国葬全体の演出」と明示的に断るなど、菅元首相本人の自然な言葉の発露ではないかという安部氏の発言の文脈を遮断することなく、「電通」の関与に言及していた。
玉川氏の発言について、羽鳥キャスターは「電通」発言の根拠を問うことせず、他の見方がある可能性を示唆するにとどめた。
これを受けて、玉川氏は再び発言し「菅さん自身は自然にしゃべっているんですよ。でもそういうふうな、届くような人を人選として考えているということだと思うんですよ」と述べた。
ここで、玉川氏は、菅元首相自身は自然に弔辞を読んでいたとの認識を示していたが、安部氏の発言や自ら「電通」に言及した文脈を遮断することなく、菅元首相を起用した「人選」への関与に言及していた。
玉川氏は翌日放送の謝罪発言において「私が安倍元総理の国葬に電通が関与しているとコメントしたんですけども」と述べており、菅元首相の弔辞についての言及はなかった。
この謝罪発言を文字通り受け止めれば、玉川氏は「国葬に電通が関与していた」という趣旨に限って訂正、謝罪したのであって、「菅元首相の弔辞(あるいは人選)に電通が関与していた」という趣旨について明確に訂正、謝罪したわけではない。
以上の事実関係を踏まえて、玉川氏の発言意図は何だったのか、発言の前提となる事実についてどれほどの取材、調査を尽くしていたのか、発言によって一般的視聴者がどのような印象をもつのか、それに対する謝罪放送の内容は妥当だったのか、などの論点を冷静に評価し、議論することが求められる。
これまでの経緯
9月27日(火) 安倍元首相の国葬儀挙行
9月28日(水) テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」で国葬を取り上げ、玉川氏が「電通」の関与に言及。
9月29日(木) 同番組で玉川氏が「安倍元総理の国葬に電通が関与している」とコメントしたことについて事実ではなかったとして謝罪。
9月30日(金) 西田昌司参議院議員がビデオレターで玉川氏の処分を要求。
10月4日(火) テレビ朝日社長が定例会見で玉川氏の発言を謝罪。同日付で玉川氏を10日間の出勤停止処分とすることを発表。(NHK)
10月5日(水) 「羽鳥慎一モーニングショー」で羽鳥キャスターが玉川氏の謹慎処分を説明し、謝罪。玉川氏の番組復帰は10月19日(水)と説明。
同日 デイリースポーツが玉川氏の9月28日放送の「発言全文」と称する記事を配信(→不正確な文字起こし)
 
 

 

●国葬の弔辞巡り問題発言 謹慎で“玉川節”が鳴りを潜める!? 10/10
一気に秋模様となる中、落語家の六代目三遊亭円楽さん(享年72)、元プロレスラーのアントニオ猪木さん(享年79)の訃報が続き、列島は悲しみに包まれました。テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」でコメンテーターを務める報道局社員の玉川徹氏(59)は10日間の出勤停止に。気になる話題をいつものメンバーが掘り下げます。
リポーター 玉川氏が謹慎処分になった。歯に衣(きぬ)着せぬ物言いが人気で、これまでも番組中に失言をして謝罪することはあったけど、今回は“アウト”になったね。
本紙デスク 問題になったのは、菅義偉前首相が安倍晋三元首相の国葬で読んだ弔辞についての発言。「これこそが国葬の政治的意図。当然これ、電通が入ってますからね」と批判した。
週刊誌記者 翌日に本人が「事実ではありませんでした」と謝罪したとはいえ、具体的な社名まで出した臆測での発言は、失言というレベルでは済まされなかった。国葬反対派の留飲を下げたいという狙いがあったんだろうけどさ。
ワイドデスク テレ朝は「事実に基づかない発言を行い、その結果、番組および会社の信用を傷つけ、損害を与えた」として、玉川氏を10日間の出勤停止処分にした。
リポーター 今回のことでコメンテーターとしての信用はガタ落ち。でも、局内にははなから番組を降板させようという雰囲気はなくて、玉川氏は謹慎期間が終わる19日に番組復帰する見通しだよ。
本紙デスク 「モーニングショー」は同じ時間帯に情報番組が並ぶ中で、視聴率は常にトップ。それを支えているのが玉川氏だと言われている。局としてはしっかりと処分したことをアピールすることで、玉川氏が番組に戻りやすい環境を整えたんじゃないかな。
ワイドデスク 玉川氏の発言は報道各社によくネットニュースとして速報されて、しかもよく読まれている。放送界でも唯一無二の存在だよ。
週刊誌記者 元々強気な発言をすることが多いみたいだけど、それに面白さを感じた人が起用に踏み切ったみたい。玉川氏本人も、自分のキャラクターに人気があることを自覚しているようだよ。
リポーター 番組にとっては、タレントをコメンテーターに据えるより、出演料のかからない社員の玉川氏を起用した方が安上がり。しかも“結果”まで伴うんだから使わない理由はないよね。
本紙デスク だからこそ玉川氏個人だけでなく、番組や局の責任を問う声が上がっていた。番組チーフプロデューサーと報道局の情報番組センター長もけん責処分になったね。
ワイドデスク 篠塚浩社長は定例会見で「本人は深く反省している」と話していた。これを機に舌鋒(ぜっぽう)鋭い“玉川節”は鳴りを潜めてしまうのか。復帰した回は注目だね。 
●太田光、ワイドショーで続く問題発言 「炎上どんとこい」な番組サイドの責任 10/10
9月28日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)で、安倍晋三元首相の国葬における菅義偉前首相のスピーチについて、「電通が入っている」とコメントしたテレビ朝日社員の玉川徹氏。放送中に事実ではない発言だった謝罪して訂正したが、それだけで騒動は終わらず、10月5日から10日間の出勤停止処分を受けた。さらに、玉川氏の上司にあたる報道局情報番組センター長ら2名もけん責処分となっている。
「思い込みだけで発言した玉川氏は、かなり問題があるでしょう。政権に批判的であることは問題ありませんが、批判するためなら確かではない情報も発信していいというのは違う。自らのイデオロギーだけを重視し、客観的事実を軽視していては、コメンテーターの資格はありません」(テレビ局関係者)
一方、玉川氏とは異なる形で、ワイドショーでのコメントが波紋を呼んでいるのが、爆笑問題の太田光だ。太田は、『サンデージャポン』(TBS系)において、旧統一教会を擁護するかのような発言を繰り返している。
「太田さんは、旧統一協会を完全な悪としては捉えておらず、“信者の中にはいい人もいる”などとコメント。ネットではかなり叩かれていますが、太田さんの“擁護発言”が旧統一教会に利用されかねないのも事実でしょう。信者による過剰な献金に困っている家族などからしてみれば、許せないものですよ。太田さん本人はもちろんですが、生放送とはいえ、ああいった発言を許すTBSにも信じられない部分がありますね」(同)
バラエティ要素が強いワイドショーとはいえ、報道番組であることには違いない。間違っていたり、一方的だったりする情報を電波に乗せることは、問題視されてしかるべきだろう。
「コメンテーターが自分の主張や意見を発信するのは当然のことです。しかし、事実とは異なることや、事実を冷静に分析した意見ではないことを言えば、炎上しても仕方がない。こういったコメンテーターが起用される限り、日本のワイドショーは“レベルが低い”と批判され続けるでしょう」(政治ジャーナリスト)
炎上気味なコメンテーターがいなくならないのは、テレビ局が彼らを必要としているからだとの指摘もある。ある制作会社幹部はこう話す。
「今のテレビ局は、視聴率ももちろん重視していますが、同時にネットでどれだけ話題になったかを強く気にしています。SNSなどでバズれば、それだけ番組の価値が上がるという考え方が定着しているんです。だからこそ、よくも悪くもネットで話題になりやすい太田さんや玉川さんは“数字を持っている”ということになり、少々波紋を呼ぶような発言も期待されているわけです」
たしかに『サンジャポ』における太田の発言は、毎週のようにネットニュースとなり、SNSで議論の対象となっている。また、『サンジャポ』の裏番組であるフジテレビ系『ワイドナショー』においても、松本人志やコメンテーターとして出演するタレントたちの発言についてのネットニュースはよく見かけるものだ。
「悪名は無名に勝るではないですが、多少問題発言であっても、話題にならないよりは話題になったほうがいいというのがワイドショーの制作スタッフの本音。だから、太田さんや玉川さんはある意味“自由に動かされていた”という側面もあるでしょう。もしも、このままの方向性に進んでいけば、ワイドショーは話題性ばかりを追い求め、事実を報じるという役割は果たせなくなるはず。テレ朝やTBSだけでなく、他のテレビ局もワイドショーのあり方を見つめ直す時期が来ていると思います」(同)
玉川氏は謹慎期間終了後、『モーニングショー』に復帰する予定だという。そこでどんな発言をするかに注目だ。
●嫌玉川≠フ火に油を注いだ羽鳥発言 10/10
「現場のスタッフには、羽鳥発言≠ノあきれる声が出ているそうです。これが引き金になり、番組がさらに敵視されて、クライアントに抗議が殺到して、番組の存続にかかわらなければいい…そんな不安の声です」
ライバル局の情報番組デスクは嫌玉川≠ノ続く羽鳥発言≠ェ現場にもたらす重たい空気感をそう伝える。
「羽鳥慎一モーニングショー」で社員コメンテーターの発した虚偽発言≠ノついて、「テレビ朝日は定例会見で、発言をした玉川徹氏を10日間の謹慎処分、出勤停止としたことを発表しましたが、翌日の放送でMCの羽鳥慎一アナが復帰日時を明かしたことで、さらに嫌玉川≠フ空気に火をつけてしまった」と続ける
「世間の感覚では、同じ部署に復帰しても、いきなり原状回復はされない。羽鳥発言で明らかなのは玉川氏の番組復帰。視聴者の心情を考えない大きなミス発言でしたね」(前出・ライバル局情報番組デスク)
負の連鎖を断ち切れるのか。  
 
 

 

●玉川徹氏の「電通演出説」は大嘘 「国葬」で菅氏の弔辞を“書いた”のは誰 10/11
テレ朝内は大混乱に
テレビ朝日は、『羽鳥慎一モーニングショー』で安倍晋三元首相の国葬に関して事実に基づかない発言を行ったとして、自社コメンテーターの玉川徹氏(59)を処分した。菅義偉前首相が読み上げた追悼の辞について、玉川氏は電通の関与に言及していた。
のちに本人が謝罪したように、「電通演出説」は大嘘だったわけだが、それ以外の誰かがサポートをした可能性はあるのか? 
玉川氏は9月28日の同番組の中で、菅前首相による追悼の辞について、「当然、これは電通が入っていますからね」などと発言していた。翌29日の番組で「事実ではありませんでした」と謝罪したものの世間の批判はかなり大きく、テレ朝は「出勤停止10日」の懲戒処分を下した。
と同時に、報道局の情報番組センター長と番組担当のチーフプロデューサーにもけん責の懲戒処分が下されたのだが、それでも一向に玉川氏をかばう声は聞こえてこず、「ちょっとした秋(夏)休みですね」などと揶揄する言葉も飛び交っていた。
テレ朝全体が上を下への騒ぎに巻き込まれた格好なのだが、当の玉川氏は19日にも番組に復帰する見込みだという。ところで俎上にあがった「菅前首相による追悼の辞」をサポートした人はいたのだろうか? 
評判の良かった菅氏の弔辞
「時に涙で声を震わせながら読み上げた菅さんの弔辞についての評判は、かなり良かったですね。岸田首相の言葉が無味乾燥だっただけに、より一層際立った印象を受けました」と、自民党のある閣僚経験者。
国民からは支持よりも不支持の方が多かった国葬開催の中にあって、関係者がホッと一息、胸をなでおろすことができた瞬間だったのかもしれない。
菅氏自身、29日放送の『ABEMA NEWSチャンネル』で経緯について「提案があったので大変だと(思った)。一生懸命資料集めから(タッチした)。一気にではなく、まず全体像を(作り上げた)。私自身が今まで発言したものを集めていき、(完成までは)意外に早かった」などと語っている。
「首相の施政方針演説はもちろん、政治家のスピーチにライターが存在するのが普通です。霞が関の中堅若手ホープが下書きをして幹部が手直ししたものを読み上げるスタイルから、ライターが書いたベースに政治家自身がガンガン朱を入れて修正するものまでさまざまです。今回も関与の度合いは不明ですが、何らかのサポートをした人たちがいるようですね」(同)
電通が関与する余地がない理由
そもそも政治家や経営者のスピーチをチームで作成するのは常識で、ケチをつけられるようなものではない。むしろ、心を揺さぶるスピーチを作れるチームを持っているとすれば、誇るべきだとすらいえるかもしれない。
そんなわけで目下、あれほど感動を呼ぶスピーチを“演出”した人はいるのか、いたとして誰か、ということが永田町周辺では話題になっているのだという。
「私は安倍さんの秘書官を務めた佐伯耕三氏が“これまでにないレベルの内容をしたためたい”と腕まくりしていたと聞きました」(同)
「佐伯耕三氏」とは経産省のキャリア官僚で、世間の不興を買った「アベノマスク」配布や「星野源コラボ動画」を発案した人物として知られている。
「菅氏ももちろん文面作りにタッチしたと思いますが、国葬全体については、『チーム安倍』が集結して取り仕切ったと聞いています。佐伯氏の上司で、政務秘書官や首相補佐官として安倍氏を支えた今井尚哉内閣官房参与を中心に、安倍氏のスピーチライターをずっと務めてきた谷口智彦慶応大大学院教授ら、史上最長政権を彩った面々ですね」と、永田町関係者。英語が達者な谷口氏は会場で弔辞の同時通訳も務めたという。
思いを共有していた菅前首相
「しかし、少なくとも玉川氏が口にした電通が関与する余地は全くなかったと思いますし、そもそも電通が関わっているからダメだということにもならないでしょう」(同)
チーム安倍のメンバーの中核は、志半ばで第1次政権の退陣を余儀なくされ、政権投げ出しと批判された安倍氏を励まし、並走してきた人たちで結束が固いとされる。単にビジネスで関わる広告代理店とは気持ちの入り方も違って当然だろう。
「彼らは安倍さんに心酔していました。再び立ち上がって政権のかじ取りを担うことを現実的に想定していただけに銃撃死はショックで、それだけに国葬に期するものがあったはずです」(同)
菅前首相も彼らと思いは共有していただろう。プロによって文章に多少の修正がなされたとしても、そうした思いが乗ったスピーチだったからこそ、多くの人の共感や感動を呼ぶことになったのは間違いない。
そして玉川氏が見誤ったのもこの点かもしれない。
番組降板の可能性は? 
玉川氏としては、国民からの反対の声が強い国葬への異議申し立てをすれば共感を得られると考えて、先走った発言を行ったのだが、結果としては嘘の情報を発信したというだけではなく、葬儀にケチをつける無礼な人物だと強い反感を買うことになってしまったのだ。
「そもそもなぜ唐突に“電通”という固有名詞を出したのか。五輪汚職で東京地検特捜部に逮捕された東京オリパラの大会組織員会元理事・高橋治之容疑者は電通の専務だった人物ですから、電通の名を出せば国葬にダーティーなイメージを植え付けられると考えた可能性がありますよね」(同)
時に物議を醸す発言を繰り返し、番組への注目度を高めてきた玉川氏が復帰初日の19日にどんな発言を行うか。噂される番組降板はあり得るのか? 
●出世興味ナシもモテモテ…テレ朝・玉川徹氏「ひねくれ男」真の姿 10/11
テレビ朝日局員の玉川徹氏が窮地に追い込まれている。
発端は9月28日放送のテレビ朝日系『羽鳥慎一モーニングショー』内での発言。安倍晋三元首相の国葬での菅義偉前首相の弔辞をめぐり
「電通が入ってます」などと持論を展開し、翌29日の番組で「事実ではありませんでした」と謝罪した。
その後しばらくは通常通り出演していたが、批判は収まらず、同局は今月4日に謹慎処分を発表。玉川氏は5日から10日間(土休日を除く)出勤停止となった。
「『モーニングショー』の視聴率は横並び1位で、それを牽引してきたのが玉川氏。過激な物言いが視聴者の溜飲を下げることもしばしばで、これまでも数々の舌禍事件を起こしてきましたが、不問にされてきました。
しかし今回は政界と大手代理店の電通が相手とあって、スルーできず。代理店とやりとりする営業局からも突き上げがあったようですね」(テレビ局関係者)
5日放送ではMCの羽鳥慎一アナウンサーが「今回、玉川さんの発言によりまして、ご迷惑をおかけしました各方面の方々、不快な思いをされました各方面の方々、視聴者の方々、大変申し訳ありませんでした」と謝罪。続けて「玉川さんは再来週の水曜日(19日)に復帰をいたします」と報告し「その際になぜ今回、このような発言になったのか説明を改めてするべき、謝罪をするべきだと私は思っております」と述べた。“盟友”の羽鳥アナも今回ばかりはかばい切れなかったということか…。
「一説には19日放送で玉川さんが自身の進退に言及するという情報もあります。テレ朝の局員で、視聴率に貢献したからといって給料が倍になるというワケでもありませんからね。玉川さんにしてみれば、いつ降板しようが構わないのではないでしょうか」(前出・テレビ局関係者)
一介のテレビ局員がここまで世間のバッシングを食らうのは前例がない。ネット上ではこれまでの物言いと相まって、アンチが急速に増加している。一方で“素”の玉川氏はどういう人物かといえば、総じて評判は悪くない。玉川氏を知る関係者の話。
「テレ朝では数字を“持ってる男”と言われていますが、偉ぶることもなく、めちゃくちゃフランク。何気にスタイルも良いので、モテると思います。出世欲もさして感じられず、局内の権力争いからは蚊帳の外。あれだけ局に貢献しているのにそんな感じですから、一種の“変わり者”なのかもしれませんが…」
玉川氏はバツイチの独身貴族で、仕事のオンとオフを大事にしている。19年には週刊文春で美人女医とのデート報道も飛び出した。玉川氏は取材に交際を認め「すごく優しい」「1人でずっと生きてきたので、優しさに飢えていて…」などとコメントを残した。
「本来は『広報を通してください』がベターなのですが、玉川さんは別扱い。おそらく本人はマスコミの人間としてきちんと話すことが筋と考えたのでしょう。掲載後『えらい目に遭った』とグチっていましたが(笑)」
玉川氏とメディア関係者御用達の飲み屋で遭遇した人物はこうも語る。
「連日、番組内の発言がネットニュースになることに対しては『思うところはあるが、仕方がない』と諦めていた。ただ、“報じられ方”はチェックしているようで『〇〇はふざけたこと書きやがった』『〇〇はあの時、かばってくれてありがたかった』と何年も前の話を覚えていましたね。基本的には楽しいお酒でした」
ネット上では謹慎中の“玉川ロス”も聞こえてくる。19日に番組復帰する玉川氏の口から何が語られるか――。 
●テレ朝・玉川氏の発言は「令和の椿事件」だ …番組復帰はもっての外 10/11
安倍晋三元首相は「こんな人たち」と戦ってきた。選挙の応援演説を集団ヤジで妨害する人たち。国連憲章上、加盟国の権利である集団的自衛権の限定的行使を認める安全保障法制を「戦争法反対」などと国会前で騒ぐ人たち。亡くなった後も「国葬(国葬儀)」に反対し、内容にケチを付ける人たち。そして、この人も「こんな人たち」の一人だろう。
テレビ朝日系の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」に出演する、同社社員でコメンテーターの玉川徹氏が「虚偽発言」で、「出勤停止10日間」の懲戒処分を受けた。同氏は、国葬の翌日(9月28日)の番組で、菅義偉前首相の弔辞について、「当然これ(大手広告代理店)電通が入っていますからね」と発言した。29日の番組で「事実ではありませんでした」と自ら謝罪したが、社としても処分したかたちだ。
同氏の発言が問題なのは、菅氏の弔辞へのケチ・冒涜が虚偽だったからだけではない。その前段で、国葬には政治的意図があるとして、次のように語っているのだ。
「僕は演出側の人間ですから、テレビのディレクターをやってきましたから、それはそういう風につくりますよ。当然ながら。政治的意図がにおわないように制作者としては考えますよ」
つまり、玉川氏は自身が番組に政治的意図を持たせながらも、それが分からないようにしてきたと自慢げに語ったのだ。
玉川氏の発言は、あの「椿事件」を想起させる。1993年9月、同じテレビ朝日の取締役・報道局長の椿貞良氏が、日本民間放送連盟の会合で、衆院選の期間中に非自民政権樹立を促す報道姿勢を取ったことを自慢げに語った事件だ。同年7月の衆院選では、自民党が過半数を割り、非自民の細川護熙連立政権が誕生していた。
椿氏は「梶山静六幹事長、佐藤孝行総務会長のツーショットを報道するだけで視聴者に悪代官の印象を与え、自民党のイメージダウンになった」などと発言した。産経新聞がこれを報じて大問題になり、解任された。国会にも証人喚問された。当時、放送行政を所管していた郵政省は、テレビ朝日の放送免許取り消しも検討したが、最終的には行政処分となった。
玉川氏も同様に、自らの番組制作に政治的意図があると口を滑らした。まさに「令和の椿事件」だ。
安倍氏が凶弾に倒れた後の報道は、旧統一教会や「接点」のある政治家へのバッシング、国葬の是非をめぐっての安倍氏への非難など、私には常軌を逸しているとしか思えない。
特にテレビは、他局も同様だが、国民共有財産である「電波」を使用する免許を得て事業を行い、放送法第4条の「政治的公平」「事実をまげない」などの順守が義務付けられている。にも関わらず、虚偽や一方的意見だけを垂れ流している。
その結果、国葬反対の世論もつくり出した。
玉川氏の番組復帰は、もっての外だ。これはテレビ局自体の存続の問題だ。椿事件と同様、徹底的な検証と、国会での追及が必要だ。
●ネットに広がる“玉川徹ロス”…憎まれ役不在で《気の抜けた炭酸》 10/11
《クリープを入れないコーヒーなんて…って感じ?》
《番組が気が抜けた炭酸水のような。とにかく、つまらんな》
テレビ朝日系の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」の生放送中、事実誤認の発言をしたとして同局社員でコメンテーターの玉川徹氏(59)が出勤停止処分を受けた5日から1週間。番組は毎朝、何事なかったかのように淡々と進行しているが、ネット上では<#玉川ロス>の投稿も目立ち始めている。
《モーニングショーのツイート数が、ラヴィット!に抜かれる時が来るとは》
《羽鳥さんが「どうです? 玉川さん」とコメントを振ることができず、番組が間延びしている》
《石原良純さんと山口真由さんの“解説”なんて誰が聞くの? この2人は玉川さんという重しがいたからこそ、これまで好き勝手にワーワー言えただけ》
確かに玉川氏は、他のバラエティー番組に出演している「ひな壇芸人」のように、制作サイドの意向や視聴者の反応を考えながら発言することのない“異色”の存在だった。
番組に多様な意見を反映させるための“演出”として、あえて憎まれ役を買っていたとも言え、その貴重な存在がいなくなり、出演者全員が横並びのコメントをする進行では、番組のメリハリや面白みが無なくなるのも当然だろう。
19日とされる番組復帰まで残り1週間。モーニングショーはあらためて「強炭酸」番組として再出発できるのだろうか。
●玉川徹氏「電通」発言を機に放送への政治的圧力を高める与党議員 10/11
「羽鳥慎一モーニングショー」のレギュラーコメンテイター玉川徹氏が、安倍元首相の国葬における菅義偉前首相の弔辞に関して、翌日の9月28日の番組で、「電通が入っていますからね」と発言したことについて、実際には、電通は国葬に一切関わっていないことが判明し、翌日の番組で玉川氏が訂正・謝罪、その後、テレビ朝日から10日間の謹慎処分を受けた。
今回の玉川氏の発言については、テレビ朝日において、「電通の関与」が真実ではなかったことについて訂正・謝罪放送が行われ、放送法上の対応としては十分だと考えられるが、それに加えて、玉川氏に対して10日間の謹慎処分、番組関係者に対しても社内処分が行われた。
意図的な虚偽、捏造報道の疑いがあるというのであればともかく、誤解によって真実ではない発言を行ったというだけで、出演者の「社員個人」が責任を問われるというのは、過去に殆ど例がないのではないか。そのような処分が当然のように行われるようになれば、放送の現場は萎縮し、積極的に真実に迫ろうとする報道や番組制作自体が困難になってしまう。
テレビ朝日が、そのような放送事業のコンプライアンスとして理解できない対応を行ったことの背景には、自民党国会議員からの強い反発、政治的圧力があるのではないかと考えられる。
そのような「政治的圧力」をかける発言を公然と行っているのが、自民党の西田昌司参院議員である。
西田議員の「玉川発言」批判と謝罪要求
西田議員は、玉川氏の発言へのテレビ朝日の対応に関して、自らのYouTube番組で、
まず謝罪をしなくちゃならないのは、この弔辞を言ったですね、菅義偉(前)総理であるし、また昭恵夫人はじめご遺族の方々に対してですね。これ本当に失礼なことを言ったということで、それこそお詫びをしなきゃならないと思うんですけれども、そのこと全く触れてないんですね。社長がまったく触れずに。電通さんには謝罪したと言っているんだけれども。(略)私はテレ朝の社長も会長も含めですね、まさにこれがテレ朝なんだなと思いますね。そもそも椿報道局長のやらかした事件からまったく何も学んでいない、反省もしない。
などと発言し、その後、夕刊フジの記事で、以下のように述べている。
国民は、政治的に公平だという前提でテレビを視聴する。虚偽の情報を事実として伝えることは危険な『政治的偏向』だ。テレビ朝日は、玉川氏個人の事実誤認としているが、本当にそうか。組織として詳細な経緯を説明する責任がある。
極めて重大な問題で、国政の場でも強く提起したい。
しかし、西田議員のテレビ朝日への批判には、その前提に誤りがあり、「菅前首相や昭恵夫人への謝罪」を求めていることは筋違いだ。民間放送事業者であるテレビ朝日に対して、与党国会議員として「国政の場でも強く提起したい」などと公然と発言していることには、重大な問題がある。
玉川発言の趣旨は「菅前首相の弔辞は演出」なのか?
西田議員は、玉川氏の発言に関して、テレビ朝日に、菅前首相と昭恵夫人に謝罪するよう求めている。それは、玉川氏が、「菅氏の弔辞が他人の演出で作られた」という発言をし、それが真実ではない発言だったことで、菅氏と安倍元首相の葬儀の喪主である昭恵夫人をも傷つけた、ということを前提にしていると考えられる。
しかし、関連する玉川氏の発言全体からすると、「菅前首相の弔辞が演出によって作られた」と言っているのではないことは明らかだ。
玉川氏は、まず、国葬に対する基本的な考え方について、以下のように述べている。
どういう亡くなり方をしたかで国葬が行われるか行われないかを決めるのは僕は反対です。そもそもが僕は国葬は大喪の礼だけで日本は十分だと思っています。国葬終わったんで言いますけど。要するに政治利用される恐れがある。要するに人の死を政治利用することにつながるわけですよね。今回もそういうふうな部分が多分にあった。だから僕はそういうふうなことをしない方が日本にとって良いんだと思っています。
そして、以下が、問題となった場面の玉川氏の発言全体だ。
これこそが国葬の政治的意図だと思うんですよね。当然これだけの規模の葬儀ですから、儀式ですからね、荘厳でもあるし。それから、個人的に付き合いのあった人は、当然悲しい思いをもって、その心情を吐露したのを見れば、同じ人間として、胸に刺さる部分はあるんだと思うんですよ。
しかし、例えばこれが国葬じゃなくて、自民党・内閣葬だった場合に、テレビでこれだけ取り上げたり、またこの番組でもこうやってパネルで紹介したり、さっきのVTRで流したりとなっていないですよね。国葬にしたからこそ、そういった部分を我々は見るかたちになる。僕も仕事上こうやって見ざるを得ない状況になる。
それはある種たとえれば、自分では足を運びたくないと思っていた映画があったとしても、なかば連れられて映画を見に行ったら、なかなかよかったよ、と。そりゃそうですよ。映画を作っている方は、意図があって、楽しんでもらえるように、それから胸に響くように作るんです。
だからこういう風なものも、我々がこういう形で見ればですね、それは胸に響く部分はあるんです。それはそういう形として国民の心に残るんですね。国葬というのはありました、あのときにああいうふうな胸に刺さる言葉がありました、というふうなかたちで既成事実として残るんですね。これこそが国葬の意図なんですね。だから僕は、国葬自体が、やっぱりない方がこの国にはいいんじゃないか。これが国葬の政治的意図だと思うから。
(この間に、キャスターの羽鳥氏の発言があり、共演者の安部敏樹氏が「このスピーチ自体が多くの人に対して響いたのは、政治的意図を超えたもので、個人としての感情として彼がお話になったのがよかったんじゃないかと思いましたけどね」と言ったのを受けて)
僕は演出側の人間ですからね。テレビのディレクターをやってきましたから。それはそういう風に作りますよ、当然ながら。政治的意図がにおわないように、それは制作者としては考えますよ。当然これ、電通が入ってますからね。
(ここで、羽鳥氏が「いや、そこまでの見方をするのか、それともここは本当に自然に言葉が出たのか、見方はいろいろ……」と発言)
いや、菅さん自身は自然にしゃべっているんですよ。でも、そういうふうな、届くような人を人選として考えているということだと思うんですよ。
これによると、玉川氏が「そういう風に作りますよ」と言っているのは、「胸に響くように作る」ということだ。それは、映画などを含め、大規模なイベント、コンテンツの制作を行う側として一般的に行われる「演出」のことを意味するものと考えられる。
玉川氏は、今回の安倍元首相の国葬も、大規模で荘厳な葬儀・儀式であり、その中で、菅首相の弔辞は「心情を吐露した」ものであり、それが「胸に刺さる」と評価した上で、ただ、それは、全体として「胸に響くように作られた国葬という儀式の一コマだ」と言っているのである。
それに対して、羽鳥氏が、玉川氏が菅氏の弔辞が「演出」だと言っているような言い方をしたので、玉川氏は、「菅さん自身は自然にしゃべっているんですよ。でも、そういうふうな、届くような人を人選として考えている」と言っている。
これは、菅氏自身の言葉は自然なもので(演出が加わっていなくても)、「(心に)届くような人」を人選することでイベントの演出効果を高めようとするものだという趣旨であり、この部分の玉川氏の説明からも、「そういう風に作ります」という発言は、「菅氏の弔辞が演出のために他人が作ったもの」という意味ではないと考えられる。
上記の玉川氏の発言の趣旨は、問題の場面の少し前に玉川氏が国葬についての基本的な考え方を示して、「人の死を政治利用することにつながる」と言っているところからも明らかだ。
与党議員による放送事業者への「政治介入」
玉川氏の発言について、テレビ朝日も放送法に則って対応しており、その対応では、上記のような玉川氏の発言の趣旨が前提にされていると考えられる。
「真実ではない放送」について、放送法は、放送事業者に対して、「放送番組の編集」について、4条3号で「報道は事実をまげないですること」を義務づけた上、9条1項で
放送事業者が真実でない事項の放送をしたという理由によって、その放送により権利の侵害を受けた本人又はその直接関係人から、放送のあつた日から三箇月以内に請求があつたときは、放送事業者は、遅滞なくその放送をした事項が真実でないかどうかを調査して、その真実でないことが判明したときは、判明した日から二日以内に、その放送をした放送設備と同等の放送設備により、相当の方法で、訂正又は取消しの放送をしなければならない。
として、「権利を侵害された者」「直接関係人」からの請求による調査と、それに伴う訂正・取消を規定し、2項で、
放送事業者がその放送について真実でない事項を発見したときも、前項と同様とする。
として、放送事業者側の自主的な調査、訂正・取消を規定している。
玉川氏の発言のうち「当然これ、電通が入ってますからね」と安倍元首相の国葬に電通が関与していると述べた部分については、「放送をした事項が真実でないことが判明した」として訂正放送が行われた。
この事項について、「権利の侵害を受けた本人又はその直接関係人」に該当するとすれば電通である。しかし、電通からの調査の請求があったという話は今のところ出ていないので、おそらくテレビ朝日が、9条1項ではなく、2項によって自主的に調査し、訂正をしたということであろう。
一方、玉川氏の発言が、「菅氏の弔辞が演出のために他人が作ったもの」という趣旨で、それについて真実性が疑われるのであれば、同様に調査を行い、真実ではないことが判明すれば、訂正・取消の措置をとることになるはずである。しかし、上記のとおり、発言全体からすると、玉川氏の発言は、「菅氏の弔辞が演出のために他人が作ったもの」という意味ではないことは明らかであり、テレビ朝日の対応でも、それは前提とされているはずだ。
これらを前提とすれば、西田議員が ・・・ 
 
 

 

●広がる玉川徹ロス≠ナ続投前向き判断か テレ朝の本音も「切りたくない」 10/12
テレ朝内外に広がり続ける玉川ロス≠ェ進退を左右するのか――。
テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」でコメンテーターを務める同局社員・玉川徹氏(59)が、事実誤認発言したとして5日から出勤停止処分となってから1週間が過ぎた。歯に衣着せぬコメントで炎上していた玉川氏が不在となり、番組は平穏そのもの。ただ、玉川ロス≠ェ叫ばれているように、物足りなさがあるのも事実だ。
「玉川さんは思ったことを発言していると思われがちですが、実はものすごく計算している。ほかの共演者の意見が一つにまとまりそうになったら、あえて逆の意見を述べたりして議論を盛り上げる。ディレクターとして取材畑を歩んできただけに、あえて憎まれ役≠買って出る。そんな姿勢を上層部も評価してきた」(テレ朝関係者)
10日間(土休日は除く)の出勤停止処分が決定した際、玉川氏は司会の羽鳥アナや共演者、スタッフらに謝罪。復帰予定となっている19日まで同番組を視聴し、自身の存在意義を改めて見つめ直すことを約束したという。
しかし、いざ不在となると淡々と進む番組進行にネット界隈はおろか、局内からも「つまらない」と玉川ロス≠ェ充満。一部ネットニュースにまでなった。
19日に復帰した際、玉川氏は今後も出演するか否かを含めて自ら説明する予定だが、進退に大きく左右しそうだ。
「玉川さんは世間の声を気にしていますからね。ロスの声を肌で感じれば続投宣言するのではないか」(同)
テレ朝もコスパの良い玉川氏はできることなら切りたくない。テレビ関係者は「どこも制作費を切り詰めている。外部からギャラの高いコメンテーターを呼ぶより、身内で調達する方がいいに決まっている。しかも彼は数字も持っていますからね」と話す。
再び玉川節≠ェ聞かれるか。  
●テレ朝・玉川氏による「虚偽発言」問題 「視聴者の会」が総務省とBPOに 10/12
テレビ朝日系の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテーターを務める同社社員の玉川徹氏による「虚偽発言」で新たな動きだ。テレビ報道を検証している一般社団法人「放送法遵守を求める新・視聴者の会」が近く、総務省などに放送法違反の疑いで、玉川氏とテレビ朝日の責任追及を求める申し入れ書を提出することが分かった。
「テレビ局が(国民の財産である)『公共の電波』を使用して放送している以上、玉川氏とテレビ朝日は、放送法(第4条)の『報道は事実をまげないですること』『政治的に公平であること』などを守る必要がある」
視聴者の会の事務局長を務める経済評論家の上念司氏は、夕刊フジの取材にこう語った。
玉川氏は、安倍晋三元首相の「国葬(国葬儀)」翌日(9月28日)の放送で、別項のような発言をしたが、翌日の放送で「事実ではなかった」として訂正・謝罪した。テレビ朝日は今月4日、玉川氏を「出勤停止10日間」の懲戒処分とすると発表した。
だが、玉川氏の発言は事実誤認に加え、「政治的意図がにおわないように制作者としては考えます」など、政治的意図を持って番組制作をしていたことを示唆している。
このため、放送行政を所管する総務省には、玉川氏の発言に関する意見が数多く寄せられているという。その中には、「放送法に違反している」という内容が含まれているという。
視聴者の会は早ければ今週にも、総務省に対して、玉川氏が「虚偽発言」に至った経緯や、「政治的意図を持った番組制作」を検証したうえで、玉川氏とテレビ朝日の責任を追及するよう求める見込み。
このほか、NHKと民放でつくる第三者機関「放送倫理・番組向上機構(BPO)」にも同様の要請を行う。
上念氏は「玉川氏の発言は、マスコミの信頼性に甚大な傷を付けた。視聴者の信頼感が失われると、マスコミがフェイクニュースの流布を正そうとしても、視聴者がそれを信じなくなるという恐ろしい事態になる」と話している。
【玉川徹氏の問題発言】(『羽鳥慎一モーニングショー』9月28日放送)
僕は国葬自体がない方が、この国には良いんじゃないかと。政治的意図だと思うから。
僕は演出側の人間ですから、テレビのディレクターをやってきましたから、それはそういう風につくりますよ。当然ながら。政治的意図がにおわないように制作者としては考えますよ。当然これ電通入ってますからね。
 
 

 

●玉川氏の“電通発言”で改めて考える ワイドショー「煽る」報道手法の問題点 10/13
「羽鳥慎一モーニングショー」のレギュラーコメンテーター・玉川徹氏が先月28日の放送で菅義偉前首相の弔辞に触れ、「電通が入っている」「テレビ局演出もある」と発言。翌日、「事実ではなかった」と謝罪したが、「謝って済む話ではない」「番組から降ろせ」と非難の声は拡散した。放送から6日後にテレ朝は10日間の出勤停止処分とした。
「当初、謝罪で済めばと様子を見ていたが、政治家からタレントまで非難の声が広がり、これ以上の出演は無理と判断したのでしょう」(テレビ関係者)
玉川氏を謹慎処分に追い詰めた背景に見え隠れするのがコロナ禍以降、物議をかもしている「煽り」報道だ。
コロナという未知の感染症にさまざまな情報と対策をワイドショーは多くの時間を割いてきた。自他ともに認める「健康オタク」の玉川氏はコロナの恐ろしさを語り、生ぬるい政府の対策を非難。世間の危機感を煽るような発言で話題となった。
こんな発言もあった。芸能人も含めコロナで亡くなる人も増えていた頃、玉川氏はアビガンで回復した一部の人の例を挙げ、「アビガンを飲ませるべき」と主張。出演していた白鴎大学の岡田晴恵教授も呼応し、国に訴えるかのように主張した。
アビガンは未承認の薬。それをテレビ朝日の社員と医学博士でありながら、医師免許は所有していない岡田氏が確かな根拠も示さず断定していた(最終的にアビガンは承認されず)。
コロナ報道で横行した「煽る」報道
「玉川の発言はなるほどと納得させる半面、根拠もなく自分の感情で話すこともある。今回の発言もアビガン同様、電通に対する日頃の感情が、根拠もないのに出たのではないか」(テレビ関係者)
振り返れば、コロナ真っただ中の頃は識者の意見も、なにが正しく、なにが間違っているか混乱していた。極論すれば、なにを話してもおとがめなしがまかり通っていた。実際、大阪の吉村洋文知事が「うがい薬に新型コロナウイルスの効果確認」と公言して大騒ぎになったこともあった。
過熱するコロナ報道で改めて見直されたのが「煽る」報道だった。なかでも玉川氏は目についていた。問題視されても、「煽るくらいのほうが十分な予防対策をする」と玉川氏は開き直るように動じる様子もなかった。確かに、煽ることで細心の注意を払い備える効果はある。
「情報番組にとって“おいしい”ネタが煽れるような話題。視聴動機につながる」と言われるテレビ界。コロナのように有事の時は煽ることも必要だが、平時で煽る題材がない時でも煽れる話を探す。典型的な例が、天気だ。
近年は異常気象もあり、関心は高まる一方。夏は酷暑を特集。秋は相次ぐ台風の予報。ワイドショーはまるで天気番組のようでもある。先月も日本上陸1週間前から「トリプル台風」「風速70メートルの超大型」と連日、番組の大半を使って報じる番組も多かった。結果、大型にはならず。「予報が大げさ過ぎる」と非難もあったが、天気報道は外れてもクレームは少ないが、あまり煽り過ぎれば「狼少年」のように信頼が薄れる恐れもある。
玉川氏の今回の発言も煽り発言の一環に見えるが、バランス感覚の優れた司会の羽鳥も今回はかばいようがなかった。珍しく「説明を改めてするべきだと私は思っております」と怒りを含んだ発言をした。
番組に与えたダメージはあまりに大きい。果たして、玉川氏はどうケジメをつけるのか。 
●玉川氏、『モーニングショー』降板の意向固める 「来年定年で引き際」判断  10/13
テレビ朝日系の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』のコメンテーターで同社社員の玉川徹氏が、同番組を降板する意向を固めたことが、NEWSポストセブンの取材でわかった。
問題となったのは、9月28日に放送された同番組内での発言。その前日に行われた安倍晋三元首相の国葬で菅義偉前首相が友人代表として読んだ弔辞はSNSを中心に「感動した」との声が広がったが、玉川氏はその内容について、大手広告代理店・電通の関与があったと明言していた。次のような発言だった。
〈僕は演出側の人間ですからね。テレビのディレクターをやってきましたから。それはそういうふうに作りますよ、当然ながら。政治的意図がにおわないように、それは制作者としては考えますよ。当然これ、電通が入ってますからね〉
しかし翌29日の放送で、玉川氏は前日の発言について「私が安倍元総理の国葬に電通が関与しているというふうにコメントしたんですけれども、事実ではありませんでした。電通は全く関わっていないということがわかりました」と事実誤認による発言だったことを認め、訂正して謝罪した。
ただ、謝罪して“一件落着”とはいかなかった。玉川氏の発言に各方面から批判の声があがり、ネット上でも炎上。Twitterでは「#玉川徹の降板を求めます」というハッシュタグが拡散される騒動に発展した。テレ朝は、問題発言から6日後の10月4日、玉川氏を10日間の出勤停止処分にしたと発表している。
玉川氏は10月19日にも番組に出演する見込みだが、“復帰”ではないという。
「19日に出演予定ではありますが、それは今回の発言騒動の“謝罪”のためです。視聴者からの復帰待望論も寄せられていますが、復帰はしないことになりました。
玉川さんは歯に衣着せぬ物言いで人気でしたが、これまでにも的外れな発言で一部から批判を浴びることは少なくありませんでしたし、失言で謝罪することもありました。それらも含めて“玉川節”と受け入れられていましたが、さすがに今回ばかりは局側もかばいきれないと判断したようです。それに玉川さんは来年で定年でもありますし、ここを引き際としたのでしょう」(テレ朝関係者)
テレビ朝日広報部に事実関係を問い合わせたところ、〈そのような事実はありません〉との回答だった。
19日の放送では、本人の口からどのような言葉が語られるのか──。 
 
 

 

●玉川氏 コメンテーター復帰は白紙か…19日に自ら今後の方向性説明へ  10/14
テレビ朝日の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜前8・00)のコメンテーターで、事実に基づかない発言をして謹慎処分を受けていた報道局社員の玉川徹氏(59)が、復帰予定の19日放送回で謝罪し、自らの処遇について説明することが13日、分かった。玉川氏は4日付で10日間の出勤停止となっていた。
誤った発言については番組や本人も重く受け止めており、同局関係者は「テレ朝を代表する番組の顔としてコメンテーターの立場からは退くことになるだろう。その方向で話し合いを進めている最中」と説明。番組を降板するかについては「本人にその意思はなく、退社することもないと聞いている」とした。
今後どのような形で番組に携わっていくかは未定だが「番組冒頭から政治や社会について話すのではなく、玉川さんが担当している、そもそも総研など企画コーナーでの参加が考えられる」(制作スタッフ)という。
玉川氏の発言の後も、視聴者からの同局への問い合わせでは批判の声は少なく、そのことも考慮しながら判断していくことになる。玉川氏が謹慎してからも同番組は高い視聴率をキープしており、玉川氏が今までとは別の形で参加する可能性が高そうだ。
●テレ朝・玉川氏の発言が象徴的 左派メディアが安倍氏と菅氏を嫌う本質 10/14
テレビ朝日社員の玉川徹氏が、安倍晋三元首相の国葬での菅義偉前首相の弔辞をめぐり「電通が入っている」「政治的意図がにおわないように制作者としては考える」と発言した。その後、謝罪し、謹慎処分となったが、この発言に象徴されるように、安倍晋三・菅義偉政権は一部メディアになぜ嫌われたのか。
安倍政権の金看板は、憲法改正とアベノミクスによるデフレ脱却だった。菅政権はその継承であり、なにより菅氏は安倍政権の要だった。
安倍政権のレガシーといえば、憲法改正に準ずる安全保障法制と金融政策を中心とした雇用確保の実績だったと筆者は思っている。安倍政権は、雇用の確保を武器として若者の支持を集め、国政選挙6連勝を達成し、長期政権を維持できた。その結果、民意による政治力で安保法制を成し遂げ、外交における日本の存在感を格段に高めた。
雇用の確保は本来、左派政権が最も得意とする分野だ。なので、筆者は当初、金融政策が雇用確保策であることを安倍氏に話すのをかなり慎重にしていた。ところが、安倍氏は金融政策が雇用政策であると分かると逆に興味を持ったようで、「まだ民主党はやっていないね」と念を押すようになった。それで、民主党のお株を奪おうと思っていたのかもしれないが、とにかく雇用の確保で実績を残した。
そこで民意を得て安保法制を実現させた。安保法制は、左派の「お花畑論」を厳しく批判するものだ。左派は米国との同盟ではなく話し合えと言うのに対し、安保法制は同盟こそが戦争回避のために必要だとする。
また、左派は「同盟で戦争に巻き込まれる」と言う。しかし、安保法制は、同盟で戦争に巻き込まれる確率は確かにあるが、同盟により戦争を仕掛けられない確率の方がはるかに大きいので、結果として同盟は戦争確率を減らすというもので、まったく正反対の立場である。そして民意の結果であるが、安保法制ができた。
以上のとおり、左派は雇用でお株を奪われ、実績を作られて長期政権になり、その上で安保法制で大きな屈辱を受けたともいえる。
これが、安倍・菅政権が左派に嫌われる本質的な理由だと筆者は考える。
メディアはいまだに左派が生き残っている世界だ。筆者の見るところ、このほかに日本で左派が生き残っているところは、ビジネスにあまり関係のない学者先生や公務員だが、メディアはその中でもまだ左派が多くいるような気がする。なので、安倍・菅政権に批判的な報道も多いのだろう。
しかも、安倍氏も菅氏も、メディア批判を平気で行った。安倍氏は、慰安婦問題で誤報した朝日新聞を名指しで批判していたし、菅氏もメディアを既得権として規制改革に熱心だった。彼らはメディアにとっては目の上のこぶのような存在だった。そこで、安倍・菅政権には過剰反応するのではないか。
●テレ朝・玉川氏問題、総務省とBPOの徹底調査を期待 10/14
テレビ朝日系の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテーターを務める同社社員の玉川徹氏による「虚偽発言」は、放送行政を所管する総務省に「放送法第4条に違反しているのではないか」などの意見が多数寄せられる事態となっている。ユーチューバーとしても活躍する、政治学者の岩田温氏が緊急寄稿した。
「テレビを見るとバカになる」
幼年期に親からもらったアドバイスだった。わが家では、基本的にテレビは見なかった。両親がテレビを子供たちに見せなかったといった方が正確だろう。小さな頃は両親に怒ったりもしたが、テレビをほぼ見なかったことで、わずかながらも知性が保てていると今では感謝している。
菅義偉前首相が、安倍晋三元総理の「国葬(国葬儀)」で弔辞を読み上げた。名文だった。普通の日本人の心に響くものがあった。菅氏は雄弁ではない。訥々(とつとつ)とした話し方だが、安倍氏への熱い想いが伝わってきた。聞いていて涙が込み上げてきた。冒頭の「7月8日のことでした」が素晴らしかった。「同じ空気を吸いたい」などは文学的な表現だった。
この弔辞にケチを付けたのが、テレビ朝日の玉川氏だった。国葬翌日の番組で、次のように語っていた。
「僕は演出側の人間ですから、テレビのディレクターをやってきましたから、それはそういう風につくりますよ。当然ながら。政治的意図がにおわないように制作者としては考えますよ。当然これ電通入ってますからね」
以前から、いかなる学術的根拠に基づいて話しているのかが不明なコメンテーターだと思っていたが、今回はいつも以上に悪質だった
菅氏の弔辞に「電通」が絡んでいるという虚偽を、テレビで堂々と開陳したのだ。翌日、これを訂正・謝罪したというが、保守系の政治家の失言だったら許されたのか。「謝罪だけでは足りない」と言い出しかねない張本人が、虚偽発言を「謝罪と出勤停止10日間」だけで収めようとした。許されざる所業だと思う。
加えて、「政治的意図がにおわないように制作者としては考えます」という発言部分は、そういう番組制作をしてきたという「自白」に聞こえる。放送法第4条の「政治的に公平であること」「報道は事実をまげないですること」に抵触する可能性が高いのではないか。
世間では、インターネットを利用する愛国者を「ネット右翼(ネトウヨ)」と攻撃する人々が多いが、現実には偏ったテレビ放送によって左に染められた「テレビ左翼(テレサヨ)」の方が多いと思う。
総務省と「放送倫理・番組向上機構(BPO)」が、徹底的に調査することを期待したい。
民主主義国家であれば、誰にも表現の自由がある。玉川氏にも発言する権利はある。
だが、国民の財産である「電波」を使用しておこなっているテレビ放送で、堂々と嘘をつくことは許されるべきではない。政治的意図を隠した番組制作もあり得ない。「潔く身を退くべきだ」と言ってやりたいが、潔さがないのが日本的リベラルの特徴ともいえる。
他人は厳しく攻撃するが、自らは大した責任は取らない。こうした人々を「有識者」扱いするのが過ちであると、気付くべきではないか。彼らは「無識者」であり、無責任としか思えない。
●玉川徹氏は降板するのか?BPO案件化でモーニングショーもピンチ?  10/14
テレビ朝日系の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』のコメンテーターで、テレビ朝日社員の玉川徹氏が、同番組を降板する意向を固めたとことを、NEWSポストセブンが報じています。ただし、テレビ朝日の広報部は玉川氏の退職の事実関係は否定しているとのことです。
「僕は演出側の人間ですからね。テレビのディレクターをやってきましたから。それはそういうふうに作りますよ、当然ながら。政治的意図がにおわないように、それは制作者としては考えますよ。当然これ、電通が入ってますからね。」
これに対しては、さすがにないだろうという批判が多く上がっていました。
この件がBPO案件となりました。
「テレ朝、玉川徹氏問題、総務省・BPO案件へ/「放送法遵守を求める新・視聴者の会」が総務省などに放送法違反の疑いで、玉川氏とテレ朝の責任追及の申し入れ書提出」
上念司氏も関わっているようです。
「責任追及します!テレ朝モーニングショー・玉川徹氏による国葬に関する「虚偽発言」問題、新・視聴者の会として総務省とBPOに申し入れします!」
BPO(放送倫理・番組向上機構)とは、放送における言論・表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、放送への苦情や放送倫理の問題に対応する、第三者の機関です。主に、視聴者などから問題があると指摘された番組・放送を検証して、放送界全体、あるいは特定の局に意見や見解を伝え、一般にも公表し、放送界の自律と放送の質の向上を促すことを目的に作られた組織です。
ただし、BPOはNHKと民放連によって設置された第三者機関です。BPOの存在意義が問われるとの声も。
「「視聴者の基本的人権を擁護するため放送への苦情や放送倫理の問題に対応する第三者機関」を自称するBPOが、国民に保障された社会権である知る権利を蹂躙する玉川徹氏の「政治的意図隠し」発言を審議しないのであれば、その存立意義はありません。国民みんなで注目しましょう」
一方で、NEWSポストセブンの報道姿勢に疑問の声も。
「テレ朝・玉川徹氏、『羽鳥慎一モーニングショー』降板の意向固める 「来年定年で引き際」判断か(NEWSポストセブン) → これホントに速報打っちゃって大丈夫なのかな。相当自信があるのか。それとも当たる当たらぬも八卦で適当なのか。テレ朝広報は否定してるようだけど。」
誤報であってほしいというファンの声もあります。
「誤報であってほしい」
「同業」相哀れむと言いましょうか。
「叩かれるのは公的な仕事に就いている以上は仕方のないこと。でも、降板となると本人はつらい思いもあると思う。あと少しで定年。思い切ってフリーとなってまた元気な姿を見せてほしいなぁと思うよ。頑張ってください!」
しかし、一連の流れが「勲章」になる可能性もあります。
「玉川徹氏にとっては謹慎処分は勲章になる可能性もある。彼の発言はつまらなく、薄っぺらいワイドショー民が喜ぶものしかない。最近では中国がやってるようなゼロコロナ対策をやれ、と言ってたのを僕は批判したけど、こういう人の発言を真に受ける中高年にこそ問題があるな。いいかげんテレビ消そうな 」
しかし、菅前首相の友人代表への誤報よりも、コロナ禍において行ってきた言動のほうが重いという指摘は、重くのしかかります。
「テレ朝・玉川徹氏、『羽鳥慎一モーニングショー』降板の意向固める / 降板が事実なら、コロナが終わる象徴的な出来事の一つですね。この方が、検査、検査、検査と煽り続けた罪は本当に重い。無料検査と称して湯水の如く使ってきた公金の検証をテレ朝はやる責任があります。」
玉川氏は10月19日に番組に出演するとのことです。 
●『羽鳥慎一モーニングショー』謹慎処分の玉川徹に仰天情報 10/14
『羽鳥慎一モーニングショー』(9月28日OA)で発したトンデモ発言が原因で、謹慎処分をくらっているテレビ朝日の玉川徹氏に、「フリー転身説」が飛び交っているというが、なんと番組で共演する羽鳥が所属する『テイクオフ』に電撃移籍するとの具体的情報まで飛び交っているという。
玉川氏の謹慎処分は安倍晋三元首相の国葬に際し、菅義偉前首相が壇上で述べた弔辞に「電通が入ってます」と事実無根のコメントに対してだが、これにワイドショーデスクは「さらに、『僕は演出側の人間。テレビのディレクターをやってきましたから。そういうふうに作りますよ。政治的意図が臭わないように』と畳みかけたんです。もちろん、電通は絡んでいない。完全な間違いですよ。確信犯だったと思いますね」と話す。
結果、玉川氏は10月5日から10日間(土・日を除く)の出勤停止という謹慎処分となったが
「まさに玉川にしたら絶妙なタイミングだと思います。このままテレ朝にいても来年60歳の定年を迎えてしまう。仮に契約社員としてテレ朝に残っても年収は400万円〜程度。いまの5分の1。このタイミングで退社しフリーになれば、気骨ある権力と戦ったジャーナリストのイメージが定着します」(芸能プロ関係者)とのこと。
そんな玉川氏を巡って早くもテレビ界やプロダクションが動き出したようで、事情通は「TBSは『news 23』、日本テレビはポスト『スッキリ』、テレビ東京は情報バラエティー番組で起用したい。NHKも食指を伸ばしている」と話しているという。
気になるのは、新たな所属先と噂される事務所だが、前出の事情通は「親友である羽鳥の紹介です。取締役に名を連ねる同い年の宮根誠司も面談を済ませているそうです。テイクオフ入りはほぼほぼ確実ですよ。移籍準備金は1億円。玉川に断る理由はありませんよ」と語っており、さらに、退社しフリーに転身する玉川氏へは政界も色気を見せているようで、
「彼は反自民の象徴のような男です。選挙に出れば当選間違いなし。もしかしたら総理大臣だって夢ではないかもしれない」(同)という。
●テレ朝・玉川徹氏、コメンテーターの意味がなくなる? 続投が厳しい理由は 10/14
番組内での自らの問題発言が原因で出勤停止処分期間中の、テレビ朝日系の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテーターで同社社員の玉川徹氏が同番組を降板する意向を固めたことを、ニュースサイト「NEWSポストセブン」(小学館)が報じた。
玉川氏は、9月28日に放送された同番組内で、その前日に行われた安倍晋三元首相の国葬で、菅義偉前首相が友人代表として読んだ弔辞の内容について、大手広告代理店・電通の関与があったと明言。翌日の放送で、事実誤認による発言だったことを認め、訂正して謝罪した。
それでも、玉川氏は無傷では済まされず。発言に各方面から批判の声が上がり、ネット上でも炎上。テレ朝は問題発言から6日後の10月4日、玉川氏に対して10日間の出勤停止処分を下し、玉川氏は今月19日に復帰予定だ。
しかし、同サイトによると、19日の出演はあくまでも謝罪のためで、コメンテーターとしての復帰はなし。今回ばかりは局側もかばいきれないと判断し、玉川氏は来年で定年を迎えるため、ここを引き際としたというのだ。
テレ朝は同サイトの取材に対して、「そのような事実はありません」と否定しているのだが……。
「玉川氏は歯に衣着せぬ物言いで人気だったが、復帰しても自ら発言を自粛することは間違いなく、それではコメンテーターを務めている意味がない。それに、ネット上では玉川ロス≠ネどの言葉も飛び交っているが、玉川氏が出演しなくなっても、視聴率が大幅にダウンしたわけではない。相変わらず、9%台(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)近くをキープして、同時間帯の民放キー局の番組ではダントツのトップ。2ケタを記録する日もあるほどで、その要因として考えられるのは、アンチ玉川≠セった視聴者たちが番組を視聴するようになったのかもしれない」(放送担当記者)
勢いでの裏取りしなかった発言の代償は大き過ぎたようだ。 
●デーブ・スペクター氏、テレ朝玉川徹氏の発言問題に「BPO案件では?」 10/14
放送プロデューサーのデーブ・スペクター氏が14日、ツイッターを更新。テレビ朝日系情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテーターで同局社員の玉川徹氏の発言問題をめぐる一部報道に「BPO案件ではないのでは?」と疑問を呈し、自身の考えを述べた。
スペクター氏は、問題となった玉川氏の発言について、放送倫理・番組向上機構(BPO)の審理入り、あるいは審議入りする可能性を報じた複数記事を受け、「玉川徹の擁護するつもりはないが、BPO案件ではないのでは?発言の間違いに訂正も謝罪もあった。番組が意図的に作ったVTRではない。普段は重要な指摘をするBPOです。今回も放送法第4条が重要だと思います」と異論を唱えた。
ちなみに、放送法第4条では「放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。一 公安及び善良な風俗を害しないこと。二 政治的に公平であること。三 報道は事実をまげないですること。四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」とされている。
玉川氏は9月28日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」で、安倍晋三元首相の国葬で菅義偉前首相が読んだ弔辞について「(広告大手)電通が入っている」などと発言。翌29日に「事実ではありませんでした」と発言を訂正し謝罪していた。テレビ朝日は4日、事実に基づかない発言をしたとして、社員の玉川徹氏を謹慎(出勤停止10日間)処分にしたと発表した。
●テレ朝・玉川徹氏の発言が「BPO案件」に…過去のBPO案件 10/14
玉川徹氏の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)での発言が、ついに「BPO案件」になりそうだ。
9月28日の放送で玉川氏は、安倍晋三元首相の国葬における菅義偉氏の弔辞について、「当然これ、電通が入ってますからね」と、広告代理店の関与を指摘。翌日、玉川氏は同番組でこの発言が誤認であったとし、謝罪した。
テレビ朝日は10月4日付で玉川氏を10日間の謹慎処分にしているが、騒動はこれで収まらない。テレビ報道を検証する一般社団法人「放送法遵守を求める新・視聴者の会」が、この件について総務省や「放送倫理・番組向上機構(BPO)」に玉川氏とテレビ朝日の責任追及を求める申し入れ書を提出すると報じられたのだ。
2003年の設立以来、多くの番組がBPOで取り上げられてきた。近年のおもなものは以下のとおり。
TBS『白熱ライブ ビビット』(2017年1月31日放送)
「犬17匹飼うホームレス直撃」の企画で、河川敷で生活する男性を「犬男爵」「人間の皮を被った化け物」と表現。
《男性の人格を傷つけるだけでなく、ホームレスの人々への偏見を助長する恐れがあり不適切だったとして、放送倫理違反は明らか》
日本テレビ『世界の果てまでイッテQ』(2017年2月・2018年5月放送)
「タイ・カリフラワー祭り」「ラオス・橋祭り」が番組のために用意されたものだった。
《2つの「祭り企画」には、程度は重いとは言えないものの放送倫理違反があったと言わざるを得ないと判断》
TBS『クレイジージャーニー』(2019年8月14日放送)
「爬虫類ハンター」の企画で、番組スタッフが事前に準備した動物を、あたかもその場で発見して捕獲したかのように見せる不適切な演出があった。放送倫理違反があったと判断された。
《自力で希少動物を探し出したものと信じたであろう多くの視聴者との了解や約束を裏切るものであったというほかない》
テレビ朝日『大下容子ワイド!スクランブル』(2021年3月〜10月放送)
「視聴者からの質問」が実際には「番組スタッフが作成した質問」であり、いかにも視聴者からの質問であるかのように放送したケースがあった。放送倫理違反があったと判断された。
《質問は視聴者の関心事やその傾向を示す重要な事実情報であり、本件放送のようにそれらを制作者が歪めることがあってはならない》
NHK『河荑直美が見つめた東京五輪』後編(2021年12月26日放送)
男性を取材した場面で「五輪反対デモに参加しているという男性」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」と字幕をつけて放送されたが、実際にデモに参加していたか事実確認が取れなかった。
《放送倫理基本綱領、NHK放送ガイドラインに反しているとして、重大な放送倫理違反があったと判断》

これらはいずれも「問題がある」と指摘され、BPOにより「審議・審理」されたものだが、調査によって「審議・審理」に至らないこともある。
2022年元旦放送の『東野&吉田のほっとけない人』(毎日放送)では、ゲストが松井一郎大阪市長、吉村洋文大阪府知事、橋下徹氏の3人という同一政党関係者だったことから、政治的公平性を問題視する意見がBPOに寄せられた。
しかし、BPOは《放送後の当該放送局の取り組みに対し一定の評価を行うとともに、質的公平性について踏み込むことは政治ジャーナリズムの足かせになる可能性があることを考慮して審議入りはせず》とし、委員長談話の公表という措置にとどまった。
「玉川発言」はどのように判断されるのか、注目したい。
●無防備コメンテーターは戦々恐々…テレ朝社員・玉川徹氏「虚偽発言」処分 10/14
テレビ朝日系の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」における社員コメンテーターの玉川徹氏の「虚偽発言」問題が波紋を広げている。コメンテーターの軽率な発言が事態を悪化させていく。ワイドショーや情報番組の無防備なコメンテーターたちは、発言の影響力に改めて戦々恐々としている。
玉川氏による「虚偽発言」とは、安倍晋三元首相の「国葬(国葬儀)」をめぐって、「(広告大手)電通が入っている」と事実無根のコメントをしたことだ。
「玉川氏は翌日の放送で謝罪しましたが、テレビ朝日は定例会見で、玉川氏に対して10日間の謹慎処分、出勤停止としました」と週刊誌記者。こう続ける。
「今回は、玉川氏がテレビ朝日の局員であることも大きな要因です。発言の対象が『電通』ということもあり、『事実に基づかない発言を行い、番組および会社の信用を傷つけ損害を与えた』という理由で処分されました。しかも、玉川氏は過去にも帯状疱疹(ほうしん)のワクチンをめぐって誤った発言をして謝罪するなどやらかしています。このときも『勘違いしていた』と釈明しましたが、今回の件では反玉川≠フ声が加速しています」
しかし、問題は玉川氏だけにとどまらない。テレビ各局のワイドショーや情報番組では、多くの著名人や芸能人がコメンテーターとして出演している。
「記者であれば、自分が取材した範囲、もしくは自分の得意分野だけについて、コメントすればいいのですが、こうしたコメンテーターはさまざまなフィールドにわたって、何かしらの発言を求められます。多くのコメンテーターは当たり障りのない内容の発言でとどめますが、どこまで正確な内容を求めるのか。事前に局側がチェックするにも限界はあります」と放送関係者は指摘する。そして、こう話す。
「ちょっと口にした感想の中に勘違い≠ノよる誤情報が紛れ込む可能性は否めない。しかも生放送なので、誤った発言が放送に乗ってしまうと、SNSなどで一気に拡散してしまう恐れがある。玉川さんは謹慎後は番組に戻ることになっているといいますが、これは局員だからのこと。外部のコメンテーターは批判されたうえで、切られてしまう恐れがある。どこで足元をすくわれるか分からないだけに、コメンテーターはその発言に戦々恐々としている状況ですよ」
テレビで発言することの重みが問われている。
●玉川徹氏「降板報道」で話題再燃 安倍元首相「虚偽答弁」なぜお咎めなし 10/14
テレビ朝日の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」の生放送中、事実誤認の発言をして謹慎処分を受けていた同局社員でコメンテーターの玉川徹氏(59)が、同番組を降板する見通しになった──と複数のメディアが報じている。
14日付のスポーツニッポン紙は、【テレ朝・玉川徹氏 コメンテーター復帰は白紙か】と題し、玉川氏が復帰予定とされる19日の放送回で謝罪し、自身の処遇について説明する──と報道。さらに、同局関係者の話として、「テレ朝を代表する番組の顔としてコメンテーターの立場からは退くことになるだろう」との見方を伝えている。
ネット上では、《公共放送で嘘をついたのだから降板は当然》といった意見があるものの、厳しい姿勢で自民党政権を批判してきた玉川氏を評価する人から漏れ伝わるのは、《なぜ玉川さんはアウトで、安倍さんはセーフなのか》との声だ。
《公共放送で虚偽発言したのだから降板は当然というが、国権の最高機関である国会という公の場で、118回も虚偽答弁した安倍元首相はそのまま居座り続けたが?》
《玉川さんは事実誤認を認めて謝罪した。でも、安倍さんは衆院調査局が確認しただけでも計118回も虚偽答弁したのに、その事実を認めることも、謝罪することもなかった。玉川さんを叩いている人はなぜ騒がなかったのか》
《今回の騒動で、BPO(放送倫理・番組向上機構)で徹底調査するべき、と言う人がいるけれど、国会で少なくとも118回も虚偽答弁し、「全国津々浦々まで景気回復を実感してもらう」とか言いながら、国民生活を困窮させた人の嘘の方がよっぽど重大問題だけれど》
玉川氏の一件では、自民党の西田昌司参院議員(安倍派)が9月30日に自身のユーチューブチャンネルを更新し、「テレビ朝日の玉川という局の社員だそうですが、菅氏の弔辞を完全に腐す無礼千万なコメントをしていた。報道の自由はありますが、事実に基づかないで社員が腐す発言をするというのは報道の自由を超えた政治的な発言です」などと批判。
続けて、「お詫びで済む話じゃない。テレビ朝日としての責任を取ってもらいたい。厳正な処分をしないといけない」と処分の必要性を訴えていたが、自分が所属する派閥の“元親分”の「虚偽答弁118回」にこそ厳正な処分が必要だったのでは?
 
 

 

●玉川徹氏 続投or降板の最終ジャッジは羽鳥慎一アナとの個人面談≠ナ 10/15
19日に復帰するテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテーターで同局社員・玉川徹氏(59)の周辺が騒がしい。番組降板やコメンテーター復帰断念、はたまた退社といった話まで飛び交っている。果たしてどうなるのか。最後の決め手となるのは、復帰直前に予定されているという羽鳥慎一アナとの最終面談≠セ。
玉川氏は番組内で事実誤認発言をしたとして4日付で10日間の出勤停止処分となった。番組降板と続投をそれぞれ求める声がネット上で入り乱れ、13日には玉川氏が降板の意志を固めたと一部で伝えられた。
「局内も『玉川徹』という一社員の動向が連日報道されていることに驚いている。退社する可能性まで報じられているが、それはないと聞いている」(テレ朝関係者)
玉川氏は復帰する19日の番組内で謝罪し、自らの口で自身の処遇を説明することになるという。ただ、まだどうするかは完全には固まってはおらず、最終的な判断はメイン司会を務める羽鳥アナとの最終面談≠ナ下すことになりそうだ。
2017年から5年連続で視聴率民放トップの要因として玉川氏の存在をあげる声は多いが、同番組はあくまで羽鳥アナの冠番組だ。
「実は玉川さんの謹慎処分を羽鳥さんに伝えるタイミングが遅く、本来は番組の主役≠ナある羽鳥さんは不満を抱いていた。BPO案件になる可能性もあり、玉川さんは羽鳥さんに迷惑をかけたことを痛感している。玉川さんは19日までに羽鳥さんと話し合い、最終的な決断をすることになるはずです」(同)
羽鳥アナは4日の出勤停止処分発表翌日の5日の放送で「玉川さんは再来週の水曜日に復帰を致します」と報告。「なぜ今回、このような発言になったのか説明を改めてするべき、謝罪をするべきだと私は思っております」と私は≠ニ自らの意見と強調した上で、厳しい言葉を投げかけた。
「上司も管理責任を問われてけん責処分になり、社長まで陳謝したほど局全体の騒動になった。その復帰を局ではなく、元日テレの羽鳥さんが発表した意味は大きい。それだけ羽鳥さんは怒っているということ」(同)
好調な冠番組の存続にも関わる玉川氏の騒動。羽鳥アナと玉川氏の会談の行方はいかに――。
●テレ朝・玉川徹 降板報道より注目された「奇跡の59歳」の秘訣 10/15
テレビ朝日社員の玉川徹氏が“舌禍事件”により、レギュラー出演する情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)を降板するのではと、『NEWSポストセブン』が報じた。
玉川氏は9月28日放送の同番組で、安倍晋三元首相の国葬における菅義偉前首相の弔辞について「当然これ、電通が入ってますからね」と指摘。それが虚偽だったことが分かり、翌29日放送で「電通は全く関わっていないことが分かりました」と謝罪。テレ朝は今月4日付で謹慎処分(出勤停止10日間)を下した。玉川氏は19日放送回で復帰する予定だ。
ポストセブンによれば、降板意志を固めた背景には収まらぬバッシングに加え、同氏が来年、60歳の定年を迎え《ここを引き際と判断した》と報じている。だが、中日スポーツが14日にテレビ朝日に事実確認したところ番組降板については《そのような事実はありません》と、否定している。
ネット上では降板報道とともに、玉川氏が現在59歳であることにも「知らなかった」「全く見えない」「若すぎる」と驚きの声が殺到。それほど同氏の見た目は若々しい。
玉川氏は“健康オタク”で知られ、お肌のメンテナンスを欠かさない。その知識は「専門家レベル」(テレビ朝日関係者)とのこと。洗顔や化粧水による肌の保湿はもちろん、シミができたら即レーザーで除去。1年中紫外線に注意している。
また体の内面から健康を維持するため、流行りの“腸活”にも熱心だ。新型コロナウイルスが蔓延し、リモート出演が多かった昨年6月には、番組内でこんなやりとりがあった。
長嶋一茂「玉川さん、髪切ったね?」
羽鳥アナ「あと肌がキレイになっている。大丈夫、玉川さん?」
玉川氏「やってますよ、相当やってますよ」
羽鳥アナ「怖いぐらいきれいになっているんだよなぁ。卵みたいになってきている」
今年5月30日放送回では、東京都心をはじめ全国各地で30度を越える真夏日となったことで紫外線の話題に。玉川氏は「そろそろ日傘を使おうかなと思っている」と切り出し「暑さはまだ大丈夫。でも日差しはとっくにトップクラス。男性でも日傘は涼しいですから」と力説した。これにタレントの石原良純が「何を言っているんですか。この時期に日焼けするのが一番楽しいじゃないですか」と突っ込むと、玉川氏は呆れたような表情で「良純さんと僕の10年後、肌の老化が全然違う。良純さんは肌がシワシワになって、老人性のシミみたいなのができている」と断言した。
同7月1日放送回でも紫外線ダメージチェックで玉川氏だけが出演者の中でただ1人、「紫外線のリスクは低く、良好な肌」と診断された。玉川氏は紫外線を浴びる海水浴について「あんな暴力的な紫外線のもとに行くわけがありません」とキッパリ。日焼け止めは真冬の曇りの日でも塗っているという。紫外線対策で常用するサングラスについても、濃い色だと瞳孔が開き、取り込む紫外線が増えるため、色の薄いものを使っている。
「局内でも『どこを目指しているんだ?』という声が聞こえてきますが、あそこまで徹底していれば認めますよ。以前はさほど気にしておらず、屋外ロケもやっていましたが、最近は一切やりませんね」(前出・テレビ朝日関係者)
玉川氏は’19年11月に週刊文春で40代女性との交際が報じられた。恋人は美容外科医で“シミ取りのスペシャリスト”だという。スポーツ紙芸能担当記者は「2人は事実婚といっても過言ではない状態だと聞いています。玉川さんの肌に関する知識やメンテナンスは、どう考えても彼女の影響でしょう」と笑う。定年後は難しい政治・社会情勢から離れ、『美容ジャーナリスト』として活動する日が来るかもしれない…!? 
●「もう画面には出ない方がいい」玉川徹を糾弾 「放送番組審議会」“発言録” 10/15
朝のワイドショーで視聴率トップを走るテレビ朝日の『羽鳥慎一モーニングショー』での発言が事実無根だったとして、10月4日に10日間の出勤停止の処分を受けた“看板コメンテーター”の玉川徹氏。処分発表の2日後の10月6日、テレビ朝日で開かれた定例の「放送番組審議会」で、玉川氏に対し、審議委員から厳しい意見が相次いでいたことが「週刊文春」が入手した、放送番組審議会での発言を記録した社内資料でわかった。
玉川氏は安倍晋三元首相の国葬を取り上げた9月28日の放送で、菅義偉元首相の弔辞が感動を呼んだことについて、「当然、これ電通が入ってますからね」と国葬に広告代理店の電通が関わっていると断じていた。
10月6日、テレビ朝日で「放送番組審議会」が開かれた。これは放送法に基づき、各局が放送番組の適正化を図るために外部有識者の声を聞く場として設置している機関である。
テレビ朝日の審議会は9名の委員で構成されている。委員長に幻冬舎社長の見城徹氏、副委員長に弁護士の田中早苗氏、他の委員は作詞家の秋元康氏、脚本家の内館牧子氏、スポーツコメンテーターの小谷実可子氏、作家の小松成美氏、東京大学大学院情報学環教授の丹波美之氏、サイバーエージェント社長の藤田晋氏、ジャーナリストの増田ユリヤ氏。
通常、審議会では課題番組が設定されており、それについて議論されるが、6日は「番組全般」という、何を取り上げてもよいという会だった。
「2時間にわたって行われた会のほぼ全てが、玉川発言に関しての議論でした。一部、かばう意見もありましたが、9割が批判的なものでした」(テレ朝幹部)
小誌は丹波氏以外の8名が出席した6日の審議会の社内資料を入手した。「テレビ朝日HD 局長会」「第632回 放送番組審議会報告 10月6日(木)開催」と題された資料がそれだ。放送番組審議会での発言内容を要約したこの文書では、どの審議委員が発言したのかは明記されていないが、その中身はさながら“玉川糾弾会”である。
最も目立ったのが、玉川氏のコメンテーターとしての資質を問題視する意見である。例えば次のような発言だ。
「(国葬の入札を巡る問題について)玉川さんは本来知っていて然るべきなのに知らなかった。記者の基本動作ができていないということだと思う」
「ディレクターであれば、取材し根拠も大切にするはずで、勘違いでは済まない。非常に自信をもって発言していたのが、すぐに謝罪して頭を下げて驚いた。何を根拠にあれだけの問題を公器で言ったのだろうか」
「玉川さんは前々から予断をもって何かを言うところがあったと思う。これまで番組も上司たちもかなり厳しく、玉川さんにその点は言ってきたと聞いている。庶民の気持ちを代弁した発言はいいと思うし、『モーニングショー』の世界観にも影響して番組を作ってきた1人ではあるが、今回の問題は起こるべくして起こったとも思う」
「玉川さんは一番攻めた発言をすると感じていて、テレビ朝日の社員だと知った時には驚いた。あのような個性があって、発言に影響力があって注目される人が社員であるということは、会社側と本人、双方にリスクがある」
もはやコメンテーターとして表に出るべきではないという厳しい意見もあった。
「もう画面には出ないほうがいい」
「発言が取材に基づかないもので、多くの人を傷つけたということは、今までの玉川さんの発言自体を否定することになってしまう。コメンテーターという形では、もう画面には出ないほうがいいと思う。徹底した取材をしてニュースのVTRを作る、裏方に回る方が、説得力が出るのではないだろうか」
今後、局がどう対応するべきかという問題に言及した審議委員もいた。
「一番大事なのは、どうやって番組に戻すかというテレビ朝日の対応。間違いは間違いと認めてきちんと謝罪し、その上でまた同じステージに立たせることが、テレビ朝日のフェアな姿勢だと思う」
「玉川さんが取材せずに発言したのか、取材したが誤った情報を入手してこの発言になったのか、誰からか誤った情報を得たのか、想像だけで言ってしまったのか、そこまで事実がつまびらかにされるべき。玉川さんが体制に向かってきっぱり言う意見には視聴者が溜飲を下げることも度々あった。それが予断であったなら、これまで積み重ねたものすら泥を被ってしまうことが本当に残念」
一方で、玉川氏に同情的な意見もあった。
「国民の意見を二分するような国葬問題に、玉川さん自身が非常に関心があり、思いが強かったがために出てしまった発言か。国葬がきちんと法整備されたものでないのであれば、その問題をどう考えるかという1歩先の議論に進められるとよかった」
審議会にはテレビ朝日の早河洋会長、篠塚浩社長も出席していたが、実は局側の見解も非常に厳しいものだった。
「玉川の発言は、過去の情報のアップデート、最終的な事実関係の確認ができていなかったという完全なる事実誤認で、情報を扱って、それを伝えるプロの水準には到底達していない状況であった。報道局を挙げてファクトチェックを強化している途上でこのような事態となり、痛恨である」
玉川氏の謹慎は19日に明ける。
「一部で本人が降板する意向を固めたという報道がありましたが、本人は降りるつもりはありません。ただ、これまでどおり毎日の出演になるのか、違うかたちになるのか、そのあたりは局が検討しているところです」(テレビ朝日関係者)
審議委員から「コメンテーターという形では、もう画面に出ないほうがいい」と言われ、局側からも「プロの水準には到底達していない」と指弾された玉川氏。19日の『モーニングショー』で本人の口から何が語られるのか、注目だ。
●玉川徹氏“降板報道”を他局は懐疑的な目で見ている 10/15
事実に基づかない発言で社の信用を損ねたとして、10日間の出勤停止処分となったテレビ朝日の報道局社員で「羽鳥慎一モーニングショー」コメンテーターの玉川徹氏。10月19日には番組に復帰する予定だが、その前に「降板する意向を固めた」とか、「発言がBPO案件に」といった報道が相次いでいる。一方、ネット上では、「モーニングショー」のファンによる“玉川ロス”なんていう書き込みも……。
問題の発言は、9月28日の放送でのことだった。番組では、前日に行われた安倍晋三元首相の国葬で菅義偉前首相が友人代表として読んだ弔辞が、多くの感動を呼んだことを取り上げた。その際、玉川氏は、自身を「演出側の人間」と断った上で、「それはそういう風に作りますよ、当然ながら。政治的意図がにおわないように、それは制作者としては考えますよ。当然これ、電通が入ってますからね」と発言したのだ。
ところが翌日の放送で、彼は「電通は全く関わっていないということがわかりました。関係者の皆様、視聴者の皆様、訂正して謝罪いたします。申し訳ありませんでした」と事実誤認を認めて全面謝罪することに。
それでも世の中の批判は収まらず、政治家まで声を上げ始めた。これに対してテレ朝は、玉川氏に出勤停止処分を下したわけだ。篠塚浩社長は定例会見で「事実に基づかない発言を行い、その結果、番組および会社の信用を傷つけ、損害を与えたことによる処分」と明かし、「出勤停止10日間が明けた段階では番組に復帰するという予定だ」とも語った。
にもかかわらず、玉川氏が番組降板の意向を固めたとの報道が出たのだ。実際どうなのだろう。他局の民放プロデューサーに聞いた。
年間視聴率
「『モーニングショー』は昨年の年間平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)が、個人全体で5・6%、世帯で10・6%と、同時間帯では5年連続で民放トップを維持しています。玉川氏が出演しなくなったことで“玉川ロス”なる言葉が生まれたように、彼が降板したら確実に1%は視聴率が下がると見ています。テレ朝としては、それだけはどうしても避けたいはずです」
6年連続トップが危うくなるのだ。
「そればかりではありません。テレ朝は近年、日本テレビと視聴率三冠を争っています。今年は残り2カ月と少しですが、すでにテレ朝の年間視聴率の三冠は絶望的です。ゴールデンとプライムは、日テレのトップが確定したと言っていいでしょう。残る全日は、0・1ポイント差で日テレに迫っています。となれば、日テレの三冠だけは絶対に阻止したい。そのカギを握っているのが、平日午前の2時間、週10時間を、日テレ『スッキリ』にダブルスコアの差を付けている『モーニングショー』で、ここで負けるわけにはいかないのです」
そのために玉川氏を復帰させるのか。
異例のコメンテーター
「そもそも彼は、テレ朝の報道局情報番組センター所属の一社員です。報道の記者や解説員といった立場ならともかく、一般社員がワイドショーのレギュラーコメンテーターとして出演していることが異例ですからね。そんなテレビ局員は、過去にはTBSの『モーニングEye』で人生相談コーナーを担当した強面の松岡憲治さんくらいしか思い当たりません。にもかかわらず、『モーニングショー』の前々番組の『スーパーモーニング』の頃から“玉川総研”という冠コーナーを持たされていた。というのも、それだけ彼が数字を持っているからなんです」
玉川氏は問題発言も少なくなく、そのたびに炎上することは、番組内で羽鳥慎一アナからネタにされているほどだ。そんな彼が数字を持っているのだろうか。
「彼はこれまで、『僕は制作側の人間』とか『地雷を知っている』などと語ったことがあります。“電通発言”では地雷を踏んだ格好ですが、普段は“キワキワ”をよく分かっていて、まるでプロレスの如く、悪役を演じきっている。それが数字に結びついているのです」
プロレスといえば、元局アナの古舘伊知郎の実況を思い出すように、テレ朝のお家芸である。
悪玉のいないプロレスなんて
「羽鳥アナと長嶋一茂や石原良純など他のコメンテーターが善玉、玉川氏が悪役に徹することで、『モーニングショー』は情報番組の枠を超え、プロレス的エンターテインメントショーになっているのです。視聴者に高齢層が多いのも、そのせいでしょう。ジャイアント馬場やアントニオ猪木を応援したプロレス世代が数字を支えているのです。誰もガチンコ勝負とは思わない、エンターテインメントとして……」
玉川氏が出勤停止となって以降の「モーニングショー」が面白くなくなったのは、善玉出演者ばかりになってしまったからか。
「これを支えているのが、京大卒の玉川氏の明晰な頭脳と、長年ワイドショーで培った平衡感覚でしょう。今回は、電通なら何にでも関わっているはずと思い込んでしまったのでしょうが、被害者は電通だけで、視聴者が損害を被ったり名誉が毀損されたわけでもありません。電通も東京五輪汚職で影響力が弱まっていることだし、今さら怒っても仕方ないでしょう。BPO(放送倫理・番組向上機構)に訴えるなんてことはしないと見ています」
問題は、玉川氏自身が「もう嫌だ」と考えているのかどうかだ。
「確かに彼にとっても、ダメージは大きかったと思います。19日には再度釈明もしなければならないでしょう。それでも、日テレの三冠阻止のため、上層部から『続けろ!』と命じられれば、社員としてはプロレスを続けるしかないと思いますね」
 
 

 

●期待外れの文春「玉川徹研究」 10/16
机の上に今週の週刊誌をズラッと並べて、まず表紙と目次を見る。
やはり、今週もいちばん読みたくなるのは『ニューズウィーク日本版』(10・18)だ。表紙に「アフター・プーチン 『戦後』のロシアと後継者の姿」。そうか、ロシアはウクライナに負けて、プーチン退陣という読みかと思ったら、然(さ)に非(あら)ず。〈戦況は悪化し病気説も〉出る中で、〈プーチンが死亡するか、もしくはその前に後継者を指名するとしたら誰か〉という、ま、仮定の話。
挙げられた7人もなじみが薄いからあまり興味が湧かない。それより河東哲夫氏(同誌コラムニスト、元外交官)の「『日沈む国』ロシアが変える地政学」がおすすめ。〈ロシアはエネルギー部門を除いて途上国に投資をする能力がなく、西側から先端半導体を入手できなくなって以降は兵器の水準も低下する一方〉〈相手に文句なしの畏怖感を与えるほどの経済力、軍事力を身に付けることももうない(中略)基本的には第1次大戦前後のオスマン帝国、あるいはオーストリア・ハンガリー帝国のように、日没のベクトルの中にある〉
国葬での菅義偉前首相の感動的な弔辞に対し「電通が入ってますからね」と発言、10日間の出勤停止処分を受けた玉川徹氏。『週刊文春』(10月20日号)「玉川徹逆張り傲慢男≠フ研究」というので期待したが、全くの期待外れ。玉川氏が「モーニングショー」でいかにいい加減、かつ無責任極まる発言を続けてきたかをもっと突っ込んでほしかった。月刊『Hanada』藤原かずえさんのリポートをぜひ、お読みいただきたい(サブスクで読めます)。
『文春』の左柱は「100歳まで健康に生きる60歳からの食事新常識」。『週刊新潮』(10月20日号)も「気づかないまま命を削る『脂肪肝』を防げ」「『70代』『80代』が我が子と揉めないための『家の片づけ法』」。両誌がどんどん老人誌化していくのは嘆かわしい。
●谷原章介氏は発言を謝罪...日本社会に蔓延する「なんでも両論併記」の悪習 10/16
俳優の谷原章介さんが、自身がMCを務めるテレビ番組で、事実と異なる発言をしていたとして謝罪する出来事がありました。その直前には、テレビ朝日社員の玉川徹さんが、やはり番組内で誤った発言を行ったとして謝罪しています。
人には誰にでも間違いがあり、すべてをやり玉に挙げていては、発言する人がいなくなってしまいます。問題発言をしても謝罪するどころか、その事実さえ認めない政治家が多数、存在している現実を考えれば、お二人とも謝罪・訂正で十分だと筆者は考えます。過去のケースを見ても、番組MCあるいはテレビ局社員が事実に基づかない発言をしたことがありましたが、訂正あるいは謝罪にとどまっています。
今回、谷原さんの発言を取り上げたのは、発言そのものではなく、発言が出てきた経緯について少し気になったからです。
谷原さんは、他の出演者とともに、野党第一党である立憲民主党の代表質問の中身について議論していたのですが、コーナー全体として「与党も悪いが、野党も悪い」といった論調があったように思います。近年、ネットの普及によって、以前にも増して多くの批判が飛び交うようになっており、両論を併記しなければいけないという雰囲気が、テレビに限らず社会全体に蔓延しています。
テレビは公共の電波であり、政治的公平性が法律で定められていますから、両論を取り上げること自体は当然の行為といってよいでしょう。しかしながら、常に機械的に異なる意見を併記すれば公平性が保てるのかというとそうではありません。特に国会の論戦について取り上げる場合には、議院内閣制という日本の制度をよく理解した上で、適切な対応が必要だと筆者は考えます。
議院内閣制というのは、内閣が議会に対して責任を負う制度のことを指します。
米国のように政府と議会が完全に独立しているわけではありませんから、日本の首相は、国民から直接選ばれるのではなく、国会を通じて間接的に国民から選ばれる形になります。したがって首相あるいは内閣は、国民の代表者の集まりである国会に対して、常に責任を負わなければなりません。
これが議院内閣制の本質であり、日本の民主主義制度の根幹をなす重要なポイントです(日本が議院内閣制を採用している背景には、英国と同様、皇室という日本の歴史そのものといってよい君主の存在が関わっていますから、筆者はこの制度は大事に後世に残していくべきだと考えます)。そして、今回の発言は、岸田文雄首相の所信表明演説を受けて、各党が代表質問を行うという一連のやり取りについてのものでした。
臨時国会は内閣が召集し、所信表明演説は首相が国会に対して演説の機会を願い出る形で行われます(現実には慣行となっているので、必ず所信表明演説は行われますが、形式的にはそうなります)。首相は議会に対して責任を負う立場ですから、国会の冒頭に、自らの政治姿勢について国会(つまり国民)に説明するため、望んで国会で演説するのです。そして、各党の質問は、その演説を受けて行われます。
つまり、臨時国会の冒頭に行われる所信表明演説(通常国会の場合は施政方針演説)と代表質問における主役は、あくまで首相(内閣)であり、国民あるいはメディアは、まずは首相の所信表明の中身を中心に、政権の今国会への取り組み方について議論するのが先でしょう。
来週以降には、予算委員会などで次々と具体的な論戦が行われ、その中で、政権が掲げる政策の妥当性や、野党の姿勢などが明らかになっていきます。
所信表明演説と代表質問は一連の論戦のスタートという位置付けですから、私たちが最初に行うべきことは、政権(与党)が掲げる各政策と、それに対して野党がどのような方向性で論戦を挑もうとしているのかについてしっかり認識することであり、野党が十分な働きをしているのかについての評価は、国会での具体的な議論が進んでからにすべきです。
昨今の議論を見ていると、こうした国会での議論の手順を無視し、常に両方批判すればよいという安易な発想があるように思います。
本当の意味で公平な議論を行うためには、日本の民主主義制度について、価値観を共有することが大切です。国会の冒頭においては、政権が掲げた政策の方向性について議論し、その後、国会で具体的な論戦が進む中で、野党の政治姿勢について議論するといったメリハリが必要でしょう。
岸田氏の所信表明演説と立憲民主党の泉健太代表の代表質問は、衆議院のWebサイトにある「インターネット審議中継」のページでいつでも見ることができますので、皆さんも、所信表明演説と代表質問がどのような中身だったのか、ぜひチェックしてみてください。 
●江川紹子氏 「なぜ『国葬』と『電通』が絡むと、こんな大ごとに…?」 10/16
ジャーナリストの江川紹子氏が16日、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテーター玉川徹氏の降板騒動に疑問の声をあげた。
玉川氏は安倍晋三元首相の国葬を取り上げた9月28日の放送で、大きな反響を呼んだ菅元首相の弔辞について「当然、これ電通が入ってますから」などと発言。これが大きな批判を浴び、ネット上で炎上。10日間の出勤禁止処分を受けたが批判はやまず、降板が決まったという報道されている。
江川氏はテレビ朝日で開かれた定例の「放送番組審議会」で玉川氏に対し厳しい意見が相次いだとされる「週刊文春」の記事を引用し、16日ツイッターで「これまでも問題発言が多かった方なのに、そしてそれが『玉川節』のように見られて許されてきたのに、なぜ『国葬』と『電通』が絡むと、こんな大ごとに…?」と今回の展開を疑問視。
さらに「私自身は、彼の発言は信頼度が低いと思っている者で、この番組の視聴意欲も低いのですが、今回の件は、コロナ禍に関する諸発言に比べれば、視聴者への悪影響は少ないと思います」と私見を述べた上で「『電通発言」で降板させろというのは行き過ぎで、実現すれば禍根を残すのでは、と懸念します」と苦言を呈した。
●江川紹子さん、玉川徹さん降板報道に降板は行き過ぎとの見解 10/16
ジャーナリストの江川紹子さんが16日、自身のツイッターを更新。テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテーターで、安倍晋三元首相の国葬に関する発言をめぐり同局から10日間の出勤停止処分を受け、番組からの降板が一部で報じられる玉川徹さん(テレビ朝日社員)について「今回の件は、コロナ禍に関する諸発言に比べれば、視聴者への悪影響は少ないと思います」などとして、降板は行き過ぎとの見方を示した。
江川さんは「もう画面には出ない方がいい」などと玉川さんを糾弾したというテレビ朝日放送番組審議会の発言録を報じた文春オンラインの記事を添付し「これまでも問題発言が多かった方なのに、そしてそれが『玉川節』のように見られて許されてきたのに、なぜ『国葬』と『電通』が絡むと、こんな大ごとに…?」と指摘。
さらに「私自身は、彼の発言は信頼が低いと思っている者で、この番組の視聴意欲も低いのですが」と前置きし、「『電通発言』で降板させるというのは行き過ぎで、実現すれば禍根を残すのでは、と懸念します」と私見を述べた。
●「羽鳥慎一モーニングショー」19日放送で…「番組から姿を消す」降板か 10/16
テレビ朝日系の朝の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』で事実に基づかない発言をしたとして謹慎処分を受けたコメンテーターで同局社員の玉川徹氏が、復帰予定の19日放送回で自身の処遇について説明する予定だという。「降板の意思を固めた」「コメンテーターはやめるが番組出演は継続する」といった情報が入り乱れており、ネット上でも波紋が広がっている。
玉川氏は9月28日の放送で、安倍晋三元首相の国葬の進行や世間で絶賛された菅義偉前首相の弔辞について「当然これ、電通が入ってますからね」とコメント。大手広告代理店の電通による「演出」だと断言したが、翌日の放送で「事実ではありませんでした」と全面謝罪した。
13日付の「NEWSポストセブン」は、玉川氏が来年で定年ということもあって「番組を降板する意向を固めた」と報道。19日の放送回はあくまで「謝罪のための出演」だとしており、それを最後に番組から姿を消すとみているようだ。
玉川氏の謹慎後、ネット上では「モーニングショーが物足りなくなった」「偏った発言も多かったけど、いないと寂しい」「玉川さんあってのモーニングショーだったんだな」といった声が少なからず上がり、一部メディアでは「玉川ロスが起きている」とも伝えられた。ただ、玉川氏の謹慎後も番組視聴率は変わらずに高水準を維持しており、むしろ以前より上がるという「焼け太り」傾向すらあるとビジネスジャーナルが報じた。
 
 

 

●後継に菅野志桜里氏が浮上!テレ朝「ワイドスクランブル」の舌鋒鋭い解説 10/17
安倍晋三元首相へ国葬に関する発言で10日間の謹慎処分になっているテレビ朝日社員の玉川徹氏(59)。自身がコメンテーターとして出演する『羽鳥慎一モーニングショー』には10月19日から復帰すると言われていたが、どうも雲行きが怪しくなってきた。13日配信の『NEWSポストセブン』によれば、来年60歳定年を迎える玉川氏本人が、引き際として自ら番組降板を申し入れたという。
「玉川さんの発言が放送倫理・番組向上機構(BPO)案件になるのではないかという一部報道もありました。いずれにせよ、謹慎が明けても、玉川さんが依然として厳しい立場にあるのは間違いないでしょうね」(スポーツ紙記者)
テレビ朝日はポストセブンの取材に対し、玉川氏の降板について"事実無根"と否定しているのだが……。
「当初、19日からの番組復帰は規定路線でした。その後、年末か来年3月などの番組改変期での出演者交代の一環として、玉川氏も降板するというのが局内での大方の見方でした。しかし、ここまで騒動が長引くと、19日に再度謝罪してからの即時降板も否定できません。大口取引先である電通も絡んでいる話だけに、予断を許さない状況にありますね」(テレビ朝日関係者)
議員時代の不倫疑惑に拒否反応も
そんな中、局内では、玉川氏降板後の目玉コメンテーター候補として、ある女性の名前が挙がっているという。「山尾志桜里」として活動していた元衆院議員で弁護士の菅野志桜里氏(48)だ。
「菅野氏は10月4日に放送された『ワイドスクランブル』に消費者庁の霊感商法対策検討会メンバーとして出演しました。宗教法人法の問題点や監督官庁である文化庁の体制不足を指摘。歯切れのよい解説は、おおむね局内では高評価でした」(前出のテレビ朝日関係者)
議員時代に野党のマドンナとして、自民党を追及してきただけのことはある。スタンスも玉川氏と通じるところがあり、番組視聴者にもスムーズに受け入れられる下地はありそうだ。
ただ、別のテレビ朝日関係者は、菅野氏が議員時代に報じられた不倫疑惑がネックになる可能性があると指摘する。
「朝の情報番組ですから、有名人の不倫問題などを扱うこともあるでしょう。そのときに、菅野氏がどう反応するのか。議員時代のときのように"コメント拒否"では通用しません。ですが、"スキャンダル経験者"として、不倫ネタにも積極的に絡むことができれば、玉川さんの後釜として、十分に期待できるでしょうね」
『モーニングショー』の視聴者の多くは高齢者や主婦層だ。それだけに、菅野氏の不倫疑惑への拒否反応は、より厳しいものになることが予想される。まずは玉川氏の処遇が注目されるところだが、水面下ではすでに"後継者"争いが静かに起こっているようだ。
●テレ朝・玉川徹氏、記者経験ない局員がコメンテーターになるまで 10/17
眉をつり上げ、口を尖らせながら、どこか上から目線の批判を述べる。朝のテレビをつけると、そこらの専門家や芸能人よりも存在感を放っているのがコメンテーターとして出演する玉川徹氏(59)だ。自称する肩書きは“テレビ朝日のヒラ社員”。その振る舞いはなんだか尊大で、歯に衣着せぬ物言いが炎上したことは数知れず──だが、今回ばかりは大事になってしまった。
賛否両論を呼んだ安倍晋三・元首相の国葬での菅義偉・前首相による弔辞をめぐり、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレ朝系)で玉川氏は「僕は演出側の人間ですからね」「政治的意図がにおわないように、それは制作者としては考えますよ。当然これ、電通が入ってますからね」などと発言。事実ではない発言をしたとして、10日間の出勤停止処分となった。10月19日には番組に出演するが、それを最後に降板する意向であることが報じられている。テレ朝関係者が語る。
「玉川さんの進退については局内でもおいそれとは口にできない状態で、番組で本人が何を言うのか全く読めません。ただ、局には降板要求だけでなく、番組に玉川さんがいないのは物足りないという“玉川ロス”の声も多く届いている。たしかに、玉川さんがいない『モーニングショー』は想像もつきません」
炎上をも視聴率に変えて、番組に欠かせないコメンテーターへと成り上がった玉川氏。いったいどのような経緯で異例のサラリーマン人生を歩むことになったのか。
“伝説の視聴率男”
宮城県出身の玉川氏は、仙台の進学校から1浪の末に京都大学農学部に入る。京大大学院の修士課程を経て、1989年にテレ朝に入社。以降、ワイドショーを担当することになる。玉川氏は放送批評誌『GALAC』(2019年12月)の取材にこう語っている。
〈入社時、当時テレビ朝日で“天皇”と呼ばれた取締役の小田久栄門さんの前に並べられ、『君は何をやりたい?』と問われたので、『ワイドショーだけはやりたくない』と発言して、こっぴどく叱られました。結果、配属先はワイドショー(笑)。僕のワイドショー人生はそこから始まるんです〉
ディレクターである玉川氏が番組に出演するようになったのは1998年、政治取材をフリーレポーターに断わられて、やむを得ず自らレポートしたのが最初だったという。一等地に格安で住める公務員宿舎問題に切り込み、大きな反響があった。
玉川氏と同じ京大出身で、『スーパーモーニング』(テレ朝系)で共演していたジャーナリストの鳥越俊太郎氏が語る。
「この番組で玉川の社内的な肩書きはディレクターでしたが、レポーターだけでなく、政治的なテーマや話題になっていることを取り上げてフリップで解説する役をやるようになった。テレビ局でディレクターなのにコメンテーターのようなことをやるのはあり得ないので、それをやれる彼の能力と、それを許すテレ朝の両方にびっくりしました。政治的なテーマを自ら探してきてフリップを工夫してわかりやすく話すのが彼の特徴で、そこから始まったのです」
裏方のディレクターが“出役”に回るのは「前代未聞だった」と語るのは、テレ朝で同じ番組を担当したこともあるテレビプロデューサーの鎮目博道氏だ。
「『スーパーモーニング』で同じ班にいたのが“伝説の視聴率男”として恐れられていた先輩の玉川さんでした。はじめは現場からレポートしたり、スタジオで自分が取材したVTRを解説する形で出ていました。すると彼が出た部分だけすごく視聴率が上がるので『スタジオに出すと視聴率が取れるぞ』となり、時々スタジオに出演するという独自の地位に。そこでもあまりに視聴率が取れるから番組を改編する時にいっそレギュラーにしようとなったそうです」
当初は「テレビ朝日課長 玉川徹」というテロップでスタジオ出演していたこともある玉川氏だが、視聴率を味方にコメンテーターとしての地位を確立していった。2015年、週1で出演していた番組が現在の『モーニングショー』にリニューアルしたのを機に、玉川氏は毎日出演するようになる。
「帯の大きな番組のレギュラー出演者はプロデューサーレベルで決められることではないので、局のトップ、テレ朝でいうと早河洋会長も了承しているということでしょう。報道部署には解説員室やコメンテーター室があり、そこにいる局員でレギュラーのコメンテーターは全員が元記者で、政治や外報など専門分野があります。
玉川さんの場合、記者経験はない。そういう意味で本来ならコメンテーターになる人ではないので、彼だけオンリーワンな特別扱いと言えるでしょう」(鎮目氏) 
●弘中綾香&玉川徹のテレ朝「2枚看板」が退社“決意”…あの事務所入り? 10/17
テレビ朝日に降って湧いたおめでたいニュースと不穏なニュース。そして、ほくそ笑むのは宮根誠司――。
テレ朝のエース・弘中綾香アナは9月30日、同局を通じ「私ごとで大変恐縮ですが、先日かねてよりお付き合いしていた方と結婚いたしました」と発表。10月3日放送のバラエティ番組『激レアさんを連れてきた。』では番組ラストで「私的なお知らせがあります……じゃじゃじゃじゃーん! 結婚したという告知です」とフリップで結婚発表をしてスタジオを驚かせた。
一部報道によればお相手はベンチャー企業社長だという。10日に行われた同局のドラマ『ボーイフレンド降臨!』の記者会見では、司会を務めた弘中アナを、出演者の田中みな実が「みなさま、本日は弘中綾香、結婚会見にお越しいただきまして、ありがとうございます」とイジる一幕もあった。
「『夢は革命家』と豪語してきた弘中アナですが、以前から何をするにも制約がかかる局アナという立ち位置に『息が詰まる』と漏らしており、結婚を機に退社の意向を固めたと言われています。すでに『来年3月退社』で調整に入っているとの噂もあり、年末年始付近で発表されるかもしれません。そんな彼女が進む次のステージがフリーアナウンサーで、所属先としてテイクオフが浮上しているようです」(テレビ関係者)
テイクオフは宮根誠司の元マネージャーが社長を務めているが、宮根自身も共同経営者として名を連ねている。また、弘中アナと『あざとくて何が悪いの?』で共演し、姉妹のような関係である田中がTBS退社後に最初に所属した事務所でもある。
「さらにテイクオフは、テレ朝の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』でMCを務める羽鳥慎一の所属先でもあります。弘中アナと羽鳥は番組収録の合間に挨拶を交わす仲で、田中、羽鳥との関係性もあって、テイクオフが移籍先の最有力候補となったようです。業界内ではギャラもタレントの自由度も高いと言われている同事務所は、弘中アナにとってもぴったりでは」(同)
そして不穏なニュースのほうは、『羽鳥慎一モーニングショー』でコメンテーターを務めるテレ朝社員の玉川徹氏の一件。9月28日、安倍晋三元首相の国葬で菅義偉前首相が友人代表として読んだ弔辞が世間の感動を呼んだことについて、「これ電通が入ってますからね」と、大手広告代理店・電通の関与があったと断言したものの、翌日に「事実ではありませんでした」と謝罪。テレビ朝日は10月4日、「番組および会社の信用を傷付け、損害を与えたことによる処分」として、同日付で出勤停止10日間の謹慎とする懲戒処分にしたと発表した。
「玉川氏は19日にも番組に復帰する見込みですが、テレ朝としては自民党との良好な関係を築こうとしていた最中でもあり、またコロナ禍で収益が厳しく電通に依存するしかない状況とあって、玉川氏をこのまま出演させるというわけにもいかない。同局の放送番組審議会では玉川氏への厳しい批判が飛び交ったとの話です。一方、玉川氏のほうも来年で60歳を迎えるということもあり、一部報道などでは退社を決意したとも。玉川氏は歯に衣着せぬ物言いで的外れな発言も多かったものの、コメンテーターとしての人気は抜群であることから、退社しても他局から引く手あまたでしょう。玉川氏についてはやはり長年一緒に番組をやってきた羽鳥との絆が強く、『辞める時はぜひうちに』と勧誘されていたようですから、フリー転身となればテイクオフ入りが自然でしょう」(同)
“稼げる2人”を獲得できるのであれば、旧統一教会報道絡みで眉間に皺が入りっぱなしの宮根の頬も緩みそうだ。
●玉川徹氏の訂正・謝罪とテレ朝の処分は適正だったか〜 10/17
テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」で、コメンテーターの玉川徹氏が、安倍元首相の国葬に電通が関与しているかのような事実に基づかない発言をして謝罪し、その後、謹慎処分を受けたことが議論となっている。おおまかにいえば、玉川氏は誤りを認めて訂正したのだから処分は行き過ぎで、復帰させればよいという立場と、玉川氏の訂正は不十分であり、厳正な処分を求める立場に分かれている。
焦点の一つは、国葬で最大の見せ場とも評された菅義偉前首相の弔辞についての、玉川氏の言及をどう解釈するか、である。これが複数の見方に分かれている。ところが、こうした議論は、歯に衣着せぬコメントをしてきた玉川氏に対する論者の評価や政治的な立ち位置にも左右されやすく、大雑把となりがちだ。
そうした中、この問題について緻密に議論を組み立てた論考を、Yahoo!ニュース個人、論座で発表してきた弁護士の郷原信郎氏と、先日、YouTubeで対談させていただいた。郷原氏と私の間には認識を共有している部分もあれば、そうでない部分もあった。
そこでの議論も踏まえ、浮き彫りになった論点を私なりに整理すると、次の5点になる(以後「玉川発言(問題)」と表記する)。
   論点1 玉川発言の趣旨は何であったか
   論点2 玉川発言をどう評価するか
   論点3 玉川氏の訂正・謝罪は十分だったか
   論点4 テレビ朝日の対応を批判した自民党議員の発言をどう評価するか
   論点5 玉川氏を謹慎処分にしたテレビ朝日の対応をどう評価するか
玉川発言問題の経緯
改めてこの問題の経緯を振り返っておく。
テレビ朝日の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」レギュラーコメンテーターの玉川徹氏は、番組のディレクターなどを務めてきた社員で、これまで政権に厳しいコメントをすることで知られ、安倍元首相の国葬に関しても一貫して批判的なスタンスをとってきた。
問題の発言が飛び出したのは国葬の翌日、9月28日の放送。コメンテーターの安部敏樹氏が国葬実施に理解を示したのに対し、玉川氏は、国葬は大喪の礼だけでよく、それ以外の国葬は政治利用が行われてしまうから反対だと明言。その後、スタジオでの議論が、多くの人々の心に刺さったと評された菅義偉前首相の弔辞に移ったときのことだった。
安部氏は、菅氏が自分の感情を語ったからこそ心に響いたのではないかという趣旨の発言をしたが、玉川氏はそれに反論するように、次のように発言した。
僕は演出側の人間ですからね。テレビのディレクターをやってきましたから。それはそういう風に作りますよ、当然ながら。政治的意図がにおわないように、それは制作者としては考えますよ。当然これ電通が入ってますからね。
これに、羽鳥キャスターが「そこまでの見方をするのか、それともここは本当に自然に言葉が出たのか」などと口を挟んだが、玉川氏は「いや、菅さん自身は自然にしゃべっているんですよ。でもそういうふうな、届くような人を人選として考えているということだと思うんですよ。」と述べたのである。
この発言の前後も含め、詳細な文字起こしは、Yahoo!ニュース個人で公開しているので、そちらを参照されたい。
玉川氏は翌日の放送で、「国葬に電通の関与していた」というのは「事実ではなかった」と訂正し、謝罪。その後も、自民党の西田昌司参議院議員が「厳正な処分」を求めるなど批判が鳴りやまず、玉川氏は10月4日まで出演し続けていたが、テレビ朝日は同日付で、玉川氏を出勤停止10日間、情報番組センター長ら2名をけん責処分としたことを発表した。
すると、郷原氏はテレ朝の対応を批判する論説記事をYahoo!ニュース個人に発表。その主旨は、玉川氏の訂正・謝罪で十分であり、テレ朝の処分は行き過ぎだというものであった。
玉川氏の発言は、安倍元首相の国葬の直後、その国葬での菅前首相の追悼の辞が大きな社会的注目を集めている最中に、それに関連して客観的な裏付けがないのに「電通関与」を決めつけるような発言をした点において軽率の誹りを免れない。
しかし、それ以外については、放送法上も、コンプライアンス上も、特に問題があるとは言えない。番組で訂正・謝罪を行った後も、会社として、発言の趣旨を正確に理解した上で、批判や、政治家の圧力等に対しても毅然たる対応をとるべきだった。
・玉川発言問題をめぐるこれまでの経緯
9月27日(火) 安倍元首相の国葬儀が挙行される。
9月28日(水) テレビ朝日の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」で国葬を取り上げ、玉川氏が「電通」の関与に言及。
9月29日(木) 同番組で玉川氏が「安倍元総理の国葬に電通が関与している」とコメントしたことについて事実ではなかったとして訂正、謝罪。
同日 友人代表で弔辞を読んだ菅義偉元首相に、テレビ朝日の藤川みな代政治部長がインタビューし、Abema Newsでノーカット放送。
9月30日(金) 西田昌司参議院議員が玉川氏の厳正な処分を要求(YouTube番組)。
10月2日(日) フジテレビ「日曜THE PRIME」で弁護士の橋下徹氏が「一部で演出だなんていう意見があって、僕は絶対に許せない」と批判(菅元首相も出演)。
10月4日(火) テレビ朝日社長が定例会見で玉川氏の出勤停止処分を発表。なお、玉川氏は同日朝の放送まで出演。
10月5日(水) 羽鳥キャスターが玉川氏の処分を説明し、謝罪。玉川氏の復帰は19日(水)と説明。
論点1 玉川発言の趣旨は何であったか
まず、玉川発言の趣旨についてである。
発言を評価するにあたっては、発言内容を確認しつつ、その意味内容(趣旨)を理解する必要があるが、実は、ここが最大の難所だ。
普通は一回しか見ないテレビでの発言を聞いて受ける印象は、人それぞれ違いが出てきて当たり前だ。「どういう発言をしたか」という"発言事実"は文字起こしなどで客観的に何度でも再確認できる一方、「その放送時点で、発言がどういう意味で受け取られたか」という"発言趣旨"は、"発言事実"から自動的に導かれるものではなく、どうしても解釈や「初めて聞いた時に受ける印象」への想像が入るからだ。裁判やBPO(放送倫理・番組向上機構)でも「一般視聴者の普通の見方」を基準に、その意味内容が判断される。
郷原氏は、Yahoo!の記事で「多くの批判で前提とされているように、『菅氏の追悼の辞に演出が入っている』という意味なのかどうかである」と指摘している。少し長くなるが、重要な部分なので、郷原氏の見解を正確に引用しておきたい。
発言全体を見ると、玉川氏が「そういう風に作りますよ」と言っているのは、「胸に響くように作る」ということだとわかる。それは、映画などを含め、大規模なイベント、コンテンツの制作を行う側としては、一般的に行われる演出のことを意味するものだ。
今回の安倍氏の国葬も、大規模な荘厳な葬儀・儀式なのだから、その中で、「個人的に付き合いのあった人は、当然悲しい思いをもってその心情を吐露したのを見れば、同じ人間として、胸に刺さる部分はある」と述べている。菅首相の追悼の辞は「心情を吐露した」ものであり、それが「胸に刺さる」と評価した上で、ただ、それは、全体として「胸に響くように作られた国葬という儀式の一コマだ」と言っているのである。玉川氏の発言の「そういう風に作ります」というのは、菅氏の追悼の辞が「演出のために他人が作ったもの」という意味で言っているのではない。
むしろ、「これこそが国葬の政治的意図だ」と言った上で、「そういう風に作ります」に続けて、「当然ながら。政治的意図がにおわないように、制作者としては考えますよ。」と言っていることから、玉川氏の発言全体の趣旨としては、安倍氏の国葬が「政治的意図を隠して、胸に響くように作られた儀式」というものであり、それを前提に、発言に問題がないかどうかを検討する必要がある。
この解釈に立てば、玉川発言は、ことさらに菅氏の弔辞における演出性あるいは電通の関与について述べたものではないと理解される。これを便宜上「A説」と呼んでおこう。
一方、ほとんどのメディアは、この問題発言直後から玉川発言を「菅氏の弔辞」に関するものととらえて報道していた(例えば、産経新聞=共同通信の転電)。
私も、玉川氏の発言趣旨について、国葬は「政治的意図を隠して胸に響くように作られた儀式」であると同時に、菅氏の弔辞についても、政治的意図がにおわないよう制作者(電通)が関与している、という意味だったと解釈する。一般視聴者の多くはそのようにとらえるのではないかと考えている。これを便宜上「B説」と呼んでおく。
テレビ朝日が玉川発言の解釈について、どちらの認識に立っているのかはよくわからない。NHKの報道によれば、テレビ朝日は、菅前総理大臣が読み上げた追悼の辞について「当然、これは電通が入っていますからね」などと発言した、という認識に基づいて玉川氏の処分を発表したとも読めるが、定かではない。
ただし、郷原氏も、私との対談番組で述べていたように、玉川発言に菅氏の弔辞に電通が関与したという趣旨が含まれていること自体を全面的に否定しているわけではない。郷原氏が強調されたのは、玉川氏のポイントはあくまで「国葬全体の演出」であって、菅氏の弔辞にフォーカスを当てたものではないということだ。
では、A説とB説の違いは何か。私は次のように整理している。
A説は、玉川氏の発言全体の意図・主眼は国葬全体に関する演出の問題にあり、菅氏の弔辞に電通の関与があったという含意があったとしても、そこに焦点を当てた発言ではなく、本質的な部分(真意)ではないと考える。
一方、B説は、玉川氏の真意がどうであれ、菅氏の弔辞に電通の関与があったという含意も明確に伝わり、視聴者や関係者にインパクトを与える発言であったと考える。
この評価の違いが、次の「玉川発言をどう評価するか」「玉川氏の訂正・謝罪は十分だったか」という論点にも影響することになる。
論点2 玉川発言をどう評価するか
A説では、「国葬が演出によって作られていること」「その演出に電通が関わっていること」が玉川発言における事実言明であり、前者は誤りとは言えず、後者は誤りだが、誤りの部分は発言の本質的な部分ではなく、具体的な関与主体の誤認にすぎないと考える立場である。
郷原氏も「客観的な裏付けがないのに『電通関与』を決めつけるような発言をした点において軽率の誹りを免れない」と厳しく指摘しているが、「菅氏の弔辞に関連する発言」と捉えて評価しているわけではない。
B説では、A説で指摘された言明だけでなく、「菅氏の弔辞あるいはその人選に電通が関わった」という含意を軽視すべきでなく、それも含めて評価すべきだと考える。
あらゆるイベントに意図や演出があるように、国葬に政治的意図や演出があることは否定しない。政治家のスピーチはライターがドラフトするのは当然のこととされており、菅氏の弔辞も例外ではないだろう。
実は、弔辞の依頼は安倍昭恵夫人から菅氏に直接かなり早い時期になされ、準備を始めていたことを、菅氏自身が明らかにしている(共同通信)。このインタビューは玉川発言の翌日、テレビ朝日政治部長が行い、Abemaでノーカットで放送されたもので、前日の玉川発言を否定する意味合いもあったかもしれない。人選に周囲の助言もあったかもしれないが、喪主の昭恵夫人が直々に依頼したとすれば、玉川発言は実態と異なるのではないか。
もし、電通や何らか演出を手掛ける企業が「政治的意図をにおわせない演出」を行うために、菅氏の弔辞、あるいはその人選に関与したと発言するのであれば、事前に慎重に調査、取材してから行うべきだった。
問題の発言が菅氏の弔辞にフォーカスを当てた議論の最中で飛び出した経緯をみると、玉川氏は「国葬反対」の立場として他の出演者と議論しているうちに、感情がたかぶり口走ってしまったのではないか。
被害者の夫が公人中の公人であったとはいえ、昭恵夫人が殺人被害者の遺族であるという事実も忘れてはならないと思う。菅氏に弔辞を依頼した昭恵夫人もこのときばかりは涙し、菅氏の言葉も震えていた。犯罪被害者等基本法、特にその第6条で国民一般にも被害者遺族への配慮が求められている趣旨を踏まえると、玉川発言はそうした遺族感情への配慮に欠けるものだったのではなかったかと思う。
論点3 玉川氏の訂正・謝罪は十分だったか
玉川氏は翌日放送で、次のように訂正、謝罪をした。
昨日のパネルコーナーの中で、私が安倍元総理の国葬に電通が関与しているとコメントしたんですけども、この発言はですね、事実ではありませんでした。さらに電通はですね、全く関わっていないということがわかりました。関係者の皆様、それから、視聴者の皆様、訂正して謝罪いたします。申し訳ありませんでした。(頭を下げる)
玉川氏が訂正したのは「国葬に電通が関与している」という部分であった。菅氏の弔辞については明確に言及していなかった。
玉川発言の趣旨についてA説に立てば、玉川発言の主眼は「安倍氏の国葬が、政治的意図を隠して、胸に響くように作られた儀式」(郷原氏)なので、国葬に電通が関与した部分についての訂正、謝罪で十分という見解になる。
一方、B説に立てば、菅氏の弔辞に関連づけて、その人選も含め広告代理店が関与していたかのような事実と異なる発言をしたものと評価する以上、その点についても明確な訂正があってしかるべきだったと考えることになる。
この立場でも、国葬に電通が関与したことを否定しさえすれば、その一部分である菅氏の弔辞への関与も否定したことにもなり、放送法上の訂正義務は果たされたと考えることは可能である。ただし、法的問題とは別に、趣旨が明確でない訂正は放送倫理上の問題が残り得る(BPO・放送人権委員会第40号決定参照)。
玉川氏は「国葬に電通が関与している」というのは事実でなかったと述べた後、「さらに電通はですね、全く関わっていないということがわかりました」と同じことを繰り返している。もしかすると、ここで本来「菅氏の弔辞や人選についても」と言うつもりだったのを、うっかり忘れてしまったのかもしれない。
これは玉川氏本人にしかわからないし、テレビ朝日がどう認識しているのかも定かでない。
論点4 自民党議員の批判をどう評価するか
自民党の西田昌司参院議員は、玉川氏が訂正した翌日、YouTube番組で玉川発言について「厳正なる処分」を求めるなど、厳しく批判した。
郷原氏は、玉川氏の訂正・謝罪の対応で十分であるとの評価を前提に、西田議員の批判は放送法の趣旨に反する「不当な政治介入」だと強く批判している。
この西田議員の批判をどう評価するかという問題は、玉川発言の評価とは切り分けて議論すべき問題である。B説の立つからといって、政治家による批判を無条件に認めることになるわけではない。
放送法に基づき規制権限を有する総務大臣が個別の番組を批評するのは控えなければならないし(放送法第3条)、国会で個別番組について総務大臣の答弁を求めるのも適切でない。
だからといって、国会の外で、一国会議員であっても番組の批評を一切してはならないということにはならない。「不当な政治介入」に当たらないよう慎重に配慮し、事実に基づいた指摘をすることに限っていえば、許容されると考える。問題があるならBPOで提起すればよいではないかという意見もあるが、BPOはそもそも国会議員からの申立てを受け付けていない(放送人権委員会運営規則第2項)。
ただ、西田議員が「政治的公平性を逸脱している」と非難した点については、郷原氏が指摘されているように、「政治的公平性」は番組全体をみて判断すべきことで、それが政府統一見解でもある。今回の番組では、他の出演者が玉川氏と異なる立場から述べている。玉川氏一人の発言だけみて「政治的公平性の逸脱」と判断することは、不適切な論評だと言える。
特に「厳しい処分を求める」といった、メディア企業の自律的判断に委ねるべき事柄(人事はその最たるものの一つであろう)に介入するかのごとき発言は、「不当な政治介入」にあたると言われても致し方のない問題発言だった。
この問題が次の論点につながる。
論点5 玉川氏を謹慎処分にしたテレビ朝日の対応をどう評価するか
玉川氏は問題発言後も10月4日まで番組出演を続けていたが、テレビ朝日は同日付で謹慎処分を決定、発表した。
これに対し、郷原氏は、今回の訂正・謝罪で十分だったのに「玉川氏の発言の何がどう問題なのか、という点について、放送事業者として明確な問題意識を欠いたまま、外部からの批判に対して場当たり的な対応をした」と厳しく批判した。
私は、テレビ朝日の懲戒処分の先例や基準がよくわからないので、この処分が妥当かどうかすぐに判断できない。玉川氏はこれまでにも事実に基づかない失言を何度もしており、「今回が初めてではない」ことが考慮された可能性がある。
だが、外部の批判、特に政治家などからの批判の高まりを受けて、いわば「外発的に」当初の方針を覆して「厳正な処分」を決めたと見られかねない今回の経緯には、報道機関の自律性、独立性の観点から重大な問題があったと考えている。
はじめから重大な問題の可能性を認識していれば、すみやかに社内調査を行うと表明して(処分ではなく)出演をいったん見合わせたうえで、十分な調査、事実認定、評価を経て、復帰ないし処分といった判断を下す方が望ましかったのではないか。「場当たり的」ともみえる対応に対する郷原氏の問題意識は、私も共有するものである。
こうした報道倫理に基づく自律的な対処力の弱さ、郷原氏のいう「放送事業者のガバナンスの脆弱性」は、テレビ朝日に限らず、日本のメディア、報道機関に共通して言える問題ではないか。
玉川氏は19日放送で復帰予定とされている。テレビ朝日の今後の対応に注目したい。
●辛坊治郎氏「民主主義の風上にもおけない」 怒りの矛先は… 10/17
キャスター辛坊治郎氏(66)が17日、ニッポン放送「辛坊治郎ズーム そこまで言うか!」(月〜木曜後3・30)に生出演し、番組内での事実に基づかない発言で謹慎処分を受けたテレビ朝日報道局社員の玉川徹氏について言及した。
玉川氏は先月28日に出演した「羽鳥慎一モーニングショー」で、安倍晋三元首相の国葬での菅義偉前首相の弔辞の内容に大手広告代理店が関与していたかのように発言。翌日の放送で「この発言は事実ではありませんでした」と謝罪し、4日から出勤停止10日間の処分を受けた。
辛坊氏は玉川氏について、「かなり左派系の発言を繰り返しているという話を聞いたことあるけど、リアルに聞いたことは1回もない」という程度の認識であることを明かした。
その上で、「私はそういう発言について、規制しようとまったく思わないんです。どんなとんでもないやつのどんなとんでもない発言でも、“お前の言っていることは間違っているけど、お前がそれを言う権利は俺は命をかけてでも守る”というのが、私の立場ですから」と自らの見解を披露。「玉川さんがどれだけ連日とんでもないこと言って、社会を混乱に陥れようとも、それが言論である限りは、そいつのとんでもないことを言う権利を俺は守るよと」と、言論の自由を尊重する姿勢を示した。
玉川氏の発言を受け、テレビ放送を検証している一般社団法人が放送倫理・番組向上機構(BPO)への申し入れ書を提出すると報じられたり、国会でも取り上げられるなどした。辛坊氏の怒りは、玉川氏よりもむしろそういった人たちへ向いているという。「そんなことに政治家が口を出したり、BPOが、とか言うやつは、でえっきれえ(大っ嫌い)だよ。そういう奴らは民主主義の風上にもおけないよね。ものすごく大きく勘違いしているんじゃないの?って気がする」とまくし立てた。
●「テレビ朝日社長が辞任すべき事態だ」「日本のジャーナリズムの危機」 10/17
テレビ朝日系の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテーターを務める同社社員の玉川徹氏の「虚偽・政治的意図」発言問題が収まらない。出勤停止中の玉川氏は19日にも復帰予定だが、放送法第4条違反の疑いで、総務省やBPO(放送倫理・番組向上機構)に徹底調査を求める動きが出ている。テレビ放送やジャーナリズムに詳しい、元NHKアナウンサーで自民党の和田政宗参院議員に聞いた。
「放送やジャーナリズムの信頼性や根幹を揺るがす事態だ。テレビ朝日は責任の重大性を認識していないのではないか」
和田氏は冒頭、玉川氏の問題をこう語った。
玉川氏は、安倍晋三元首相の「国葬(国葬儀)」翌日(9月28日)の放送で、菅義偉前首相の弔辞について、「僕は演出側の人間ですから、テレビのディレクターをやってきましたから、それはそういう風につくりますよ。当然ながら」「政治的意図がにおわないように制作者としては考えますよ。当然これ(広告大手の)電通入ってますからね」と語った。
テレビ朝日は今月4日、「虚偽発言」の部分について「出勤停止10日間」の懲戒処分とした。
和田氏は「丁寧に事実を取材して、裏付けを重ねて報じるのは報道のイロハのイだ。少し取材すれば電通が関わっていないことは確認できる。社員コメンテーターが番組で堂々とウソを拡散した。『事実をまげない』という放送法第4条違反に該当する。断片的な思い込みで発言したなら『ジャーナリスト失格』であり、自ら職を辞する責任がある」と断じる。
「政治的意図」を持って番組制作をしてきた疑惑については、自民党内にも「令和の椿事件」と問題視する声がある。放送行政を所管する総務省にも多数の意見が寄せられている。
和田氏は「その点(=『政治的意図』発言)の事実関係を知りたいが、テレビ朝日社長の4日の記者会見では、組織として明確な説明がなかった。社長は再発防止に取り組むとしているが、トップの社長が辞任すべき事態だ」と語る。
日本のテレビ報道にも一因がありそうだ。
和田氏は「米国の大手テレビ局で報道番組を仕切るキャスターは、特ダネや深層リポートなどで実績を認められた人物だ。専門家のコメンテーターと、厳格に役割分担して正確な報道に徹する。一方、日本では専門外のコメンテーターが取材もしないでコメントする。玉川問題は、日本のジャーナリズムの危機だ」と語っている。
放送法第4条
1 公安及び善良な風俗を害しないこと
2 政治的に公平であること
3 報道は事実をまげないですること
4 意見が対立する問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること 
●辛坊治郎氏 「玉川さんがテレビで発言する権利は命を懸けても守ります!」 10/17
キャスターの辛坊治郎氏(66)がパーソナリティーを務めるニッポン放送のラジオ番組「辛坊治郎ズーム そこまで言うか!」で17日、テレビ朝日社員の玉川徹氏(59)による電通とのデキレース説#ュ言を取り上げた。
玉川氏は先月28日、自身がコメンテーターを務める「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)で、安倍晋三元首相の国葬における菅義偉前首相の追悼スピーチについて、当然これ、電通が入ってますからね」とコメント。翌29日の放送で「電通は全く関わっていないことが分かりました」と謝罪した。
玉川氏はその後、しばらくはいつも通り出演を続けたが、あまりの批判の多さにテレ朝は今月4日付で謹慎処分(出勤停止10日間)を下したと発表。いまのところ、19日の放送から復帰する予定となっている。
この問題について辛坊氏は「一部の政治家が国会で取り上げたり、BPOでどうのこうのっていうのを聞いてると、バカだなコイツらってつくづく思いますね」と指摘した。
辛坊氏は「前提としてね、玉川徹さん、1回も見たことも聞いたこともない」としたうえで、「漏れ伝わるテレビの玉川氏の発言を側聞するに、かなりの左側の人で、朝日新聞系の発言を繰り返す人で、私なんかが見るところ、『何言ってんだよ』っていうようなことを毎朝、テレビで言ってらっしゃる方というイメージ」と話した。
だが「そういう発言に対して規制しようとは全く思わない」と辛坊氏は言う。「どんなとんでもないヤツの、どんなとんでもない発言でも、お前が言ってることは間違ってるけれども、お前がそれを言う権利はオレは命を懸けてでも守るっていうのが私の立場」と持論を展開した。
さらに「こういうことに政治家が口に出したり、BPOがって言うヤツは、でえっ嫌いだ、オレは。そういうヤツは民主主義の風上にも置けない」と力説した。
最後には「私は玉川さんがテレビで発言する権利は命を懸けても守ります!」と宣言した。
 
 

 

●玉川徹はテレ朝から“テイクオフ”か…羽鳥慎一の所属事務所が熱視線 10/18
朝の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」でコメンテーターを務めているテレビ朝日局員の玉川徹(59)がテレビ界を騒がせている。年内中にもテレ朝を退社しフリージャーナリストあるいはキャスターとして第2の人生を歩み出すのではないかといった情報が飛び交い始めているのだ。
「いずれにせよ時間の問題なんです。玉川は来年度中に60歳の定年を迎えます。仮に契約社員としてテレ朝に残っても年収は一気に300万〜400万と現役時代の4分の1以下になってしまう。だったらフリーになって一旗揚げた方がいいわけです」(マスコミ関係者)
今回、玉川の背中を押すきっかけとなったのが「羽鳥慎一モーニングショー」を巡る降板騒動だった。先月28日のOAで安倍晋三元首相の国葬に出席した菅義偉前首相の弔辞を巡り、何の根拠もないのに思い込みだけで「電通が入ってますからね」とコメントしてしまったのだ。さらに玉川は「僕は演出側の人間。テレビのディレクターをやってきましたから。そういうふうに作りますよ。政治的意図がにおわないように」と畳みかけた。
その結果、世間から猛バッシングを浴びることに。テレ朝は玉川に10日間の謹慎処分を申し渡した。
「テレ朝としては自民党をこれ以上、怒らせたくない。電通は現在、テレ朝の3〜4割の広告売り上げに貢献してくれる超優良のビジネスパートナーですからね。社内の営業幹部はカンカンに怒っています」(テレ朝関係者)
19日の放送で出処進退を表明
今回の件を受け、関係スタッフを巻き込んでしまったことに反省の意を示しているという玉川は、退社することで全てを清算しようとしているという。そんな玉川を巡って大きな盛り上がりを見せているのがテレビ界と芸能プロダクションだ。さる芸能プロ関係者はこう話す。
「玉川はテレ朝の局員に収まる器ではない。すでに“ポスト池上彰”なんて呼び声まで飛び交っているんです。羽鳥が所属する『テイクオフ』が、玉川獲得に本気ともっぱらです。羽鳥も玉川とはプライベートでも仲がいいし、テイクオフには宮根誠司もいる。マネジメントはお手のものでしょう。契約金1億円は堅いなんていわれています。情報番組や報道番組のキャスターをやらせれば話題性も含めてかなりの数字が期待できます」
玉川は、復帰予定の19日の放送で、自らの出処進退について説明するというが、人間万事塞翁が馬。テレ朝からの“テイクオフ”で新時代が到来するかも。
●玉川徹氏の電通発言! テレビ朝日の「ガバナンス」は大丈夫なのか 10/18
テレビ朝日の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』で放送された、玉川徹氏の発言が注目を浴びている。
すでに多数のメディアで報じられている通り、安倍元総理の国葬についてテレビ朝日の社員であり、番組コメンテーターの玉川氏が「電通が入っている」と発言した。これが誤報であったとして、訂正・謝罪をしたものの批判は収まらず、現在は10日間の謹慎処分を受けている最中だ。
10月19日には玉川氏が番組に復帰して今回の発言について改めて説明する予定とされているが、番組を降板するという一部報道とそれを否定するテレビ朝日のコメントも報じられている。
今後玉川氏の処遇がどうなるかは不明だが、一社員の言動や降板は大した問題ではない。問題は過去にも同様の発言で訂正・謝罪を繰り返している玉川氏を起用し続けた制作陣であり、それを許容してきた経営陣にある。
いまのところ公式見解として誤報は玉川氏個人の勘違いと説明され、玉川氏と番組責任者の処分も公表されているが経営責任はまったく語られていない。テレビ朝日の前社長は60万円の経費使い込みが発覚して、2022年2月に辞任したばかりだが、今回の誤報は果たしてそれより軽いのか。
過去には誤報や捏造(ねつぞう)でテレビ局社長の辞任や番組打ち切りに至った例もあり、今回の電通発言は個人の問題発言という小さな話ではなく、テレビ朝日のコンプライアンスとガバナンスが問われる問題である。加えて、玉川氏の電通発言の根っこには「炎上商法」の要素まで含まれている。
筆者は以前フジテレビの女子アナによるステマ疑惑について言及した際に、責任は女子アナ個人ではなく問題行動を放置した経営陣にある、これは個人のトラブルではなく企業のコンプライアンスとガバナンスの問題だと指摘した。今回の電通発言も全くと言っていいほど同じ構図だ。
FPとして、そしてWebメディア編集長として、テレビ朝日のコンプライアンスとガバナンスについて言及してみたい。
玉川徹氏の曖昧な立場
『羽鳥慎一モーニングショー』における玉川氏の立場は、レギュラーコメンテーターと番組のWebサイトで紹介されている。多数のメディアで指摘されている通り、テレビ局の社員でありながらコメンテーターという異例の立場が今回の問題発言の根っこにある。
もちろん、社員がコメンテーターをしていたら悪いわけではない。他局でも解説委員の肩書きで解説をしている社員もいる。NHKでも解説委員は雇用されている職員が担当している。ただ、他局で解説を行う社員はいずれも専門性が強く求められる。NHKに勤務していた池上彰氏は解説委員になりたいと思っていたが、あなたには専門分野がないから無理だと上司に言われてしまったエピソードをインタビューで語っている。
玉川氏にどれくらい専門性があるか筆者は判断はできかねるが、何かしらの分野の専門家として出演しているわけではないことは明白だろう。
玉川氏の曖昧な立場、より正確に言えば「番組の制作陣の一人として取材した事を話す役目を背負っている」のか、それとも「他のコメンテーター同様に第三者の立場から自らの知見をベースに発言をしている」のか、極めて曖昧な立場で話している。
前述の通り曖昧な立場であっても問題はないが、今回の発言が大きな問題となった理由はその曖昧な立場によるものだ。
電通が国葬に関わっているという話は玉川氏が個人的に調べた結果なのか、それとも番組スタッフが取材した話なのか現状では全く分からず、表に出ている話は「玉川氏が勘違いをした」という説明だけだ。結局は「社員だけどコメンテーター」という曖昧な立場が、番組や企業の責任を薄める一方で玉川氏個人の責任が追及される原因となっている。
固有名詞にはリスクが伴う
筆者は自分自身で記事を書く以外にWebメディアを運営し、他者の書いた記事を直し、執筆指導も行っている。その際に伝えていることは「固有名詞は読まれる」ということだ。固有名詞とはヒト・モノ・コトで、これらをネタするとページビューが伸びる傾向がある
したがって「固有名詞を出しても問題がない場合は、『ある人』とかと『ある企業』とかぼやかさずにハッキリと書くように」とアドバイスしている。もちろん固有名詞を出すことにはリスクが伴う。間違ったことを書けば訂正や謝罪をすることになり、場合によっては名誉棄損や営業妨害で訴えられるリスクもあるからだ。
今回の電通発言が筆者の運営するWebメディアで書かれた記事だったとしたら、編集長として以下の部分を必ず確認をする。
•電通が関わっているという情報は本当なのか? 
•ググっても出てこないが何か裏情報なのか? 
•当事者である電通から苦情が来たときに間違いないと自信を持って言える精度の高い情報なのか? 
固有名詞を出すことはリスクがある、という話は報道機関で働く人が知らないはずもなく、事前に知らされていない固有名詞が突然出てきたのであれば生放送中でも即確認すべきであることは言うまでもない。
そして今回の誤報は番組か玉川氏かを問わず、まともに取材した結果であったとは極めて考えにくい。仮に電通などの広告代理店が関わっていたなら、それを国が隠す必要もなく、国葬のような大規模なイベントであれば関わっている企業を隠すことも不可能だからだ。
実際、国葬のイベント運営を請け負った企業が安倍元総理の疑惑として繰り返し報じられている「桜を見る会」の運営を行っていた企業と同じと話題になったのは、9月の冒頭で国葬開催の1カ月近くも前だ。
玉川氏がどのように勘違いをしたのかは不明だが、冒頭に書いた通りそれは大した問題ではない。個人の勘違いであろうと番組スタッフの間違いであろうと、テレビ朝日の番組内で誤報がなされたことに間違いないからだ。
そして玉川氏の誤報以上に大きな問題は、誤報と謝罪を繰り返す玉川氏を出演させ続けている制作陣や経営陣の判断だ。
誤報と謝罪を繰り返す
玉川氏は過去にも、たびたび誤報騒動を起こしている。
新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた20年4月、東京都の感染者数について、土日に人数が少ない理由は行政が検査を休んでいるからと発言したが、実際には検査を休みなしで行っていたという東京都福祉保健局の説明を受けて、翌日には誤報だったと謝罪している。
同じく20年1月には大阪府箕面市の観光スポット、箕面大滝について中国人観光客に人気がある場所として番組で紹介されると「以前取材をしたがトンネルを掘ったら水が枯れて滝の水が減った、今は回復したのか」といった趣旨のコメントをした。
これに対して箕面市は06年にトンネル工事を行ったが滝の水が減った事実はない。にもかかわらず当時複数のメディアに誤報を流され事実誤認であるとずっと訴えてきた、と正式に抗議を行った。結果として抗議を受けた翌日には謝罪をした。
箕面大滝の発言については玉川氏本人が謝罪せず、当時出演していた女子アナが代わりに謝罪をしたことから、「なぜ本人が謝罪しないのか?」と謝罪についても批判され、炎上騒動に文字通り火に油を注ぐというオマケまでついた始末だ。
過去の誤報を見ても分かるように、少し確認をすれば誤報は防げた可能性が高いものばかりだ。結局は個人的な資質以上に迂闊(うかつ)な発言で誤報を繰り返す玉川氏をなぜ起用するのか? という話にたどり着く。
玉川氏は視聴率を持っているとも言われるが、間違い発言を繰り返すコメンテーターが出演し続けていることはいかがなものか。個人の問題ではなく、コンプライアンスとガバナンスの問題であると指摘する理由もここにある。
「指導を徹底する」という経営陣の勘違い発言
今回の問題を受けてテレビ朝日で毎月行われている社長の定例会見では、電通発言は事実に基づかない内容だったと正式に認めて篠塚浩社長が謝罪した。
同時に処分内容として、報道局情報番組センター長と番組担当のチーフプロデューサーがけん責、玉川氏は出勤停止10日とその後番組に復帰することも改めて説明した。
この社長会見で一番の問題は「番組も本人も含めて深く反省しているので、改めて指導を徹底して、二度と起こらないようにしていくつもりだ」と経営陣の責任には触れず、指導をすると現場に責任を押し付けた部分だ。
すでに説明した通り玉川氏の誤報は少し調べれば簡単に間違いと分かるモノばかりで、実際誤報かどうか時間をかけて検証するまでもなく謝罪は素早く行われている。
テレビ朝日の放送番組審議会(番組内容について第三者の意見を聞く場所)でも、玉川発言について議論がなされている。
出席者からは何を根拠に公器であるテレビであのような発言をしたのか、あれだけ自信を持って断言してすぐに謝罪をするなんて勘違いではすまない、といった厳しい指摘がなされている。復帰を期待する声もある一方で、もう番組に出さないほうがよいのではないかという意見も出ている。
社長と会長が出席したこの審議会では、局側の見解も公表されている。そこでは「玉川の発言は、過去の情報のアップデート、最終的な事実関係の確認ができていなかったという完全なる事実誤認で、情報を扱って、それを伝えるプロの水準には到底達していない状況であった」と、玉川氏にテレビマンとして失格の烙印を押すコメントを出している。
審議会の議論を読むと概ね筆者が疑問に感じていた論点は出尽くしているが、唯一出ていない話が経営陣の責任だ。
経営陣の処分は行われるのか?
今回の誤報騒動では経営陣の処分に関する話が全く出てきていないが、過去の事例ではどうか。近年テレビ局で社長辞任に結び付いた誤報は2件ある。
1つは09年に日本テレビで起きた「真相報道バンキシャ!」の誤報だ。岐阜県の土木事務所が裏金作りを行っていると番組で報じたが、後に取材をした男性が虚偽の証言をしていたことが判明する。当時の社長は、誤報に関することの重大性を全社員に認識させるため、と引責辞任した。
もう1つは07年に関西テレビで起きた「発掘!あるある大事典II」のデータ捏造事件だ。番組内で報じた納豆によるダイエット効果に捏造があったとして、番組を放送した1月のうちに放送が打ち切られ、当時の社長が辞任することとなる。これは正確に言えば捏造だが、間違った情報が報じられたという意味では同じカテゴリーに入る。
2つの事件と比べても、今回の誤報は被害がほとんどない軽微なトラブルと言えるかもしれない。名前を勝手に出された電通も、すぐに訂正・謝罪が行われていることや、違法行為や問題行動を行ったという話でもないことから、今回の誤報が電通のブランドや実際のビジネスにどれだけ影響があるか、と考えればほぼゼロだろう。被害を受けたのは信用を失ったテレビ朝日だけで、自業自得と言えばそれまでだ。
だから問題はないかというと当然そんなことはなく、誤報そのものに加えて報道機関として誤報を生む体制があったことは許されるはずもない。
もちろん、社長の辞任や番組の打ち切りが唯一正しい責任の取り方であると言うつもりは一切ない。今後の対応を視聴者と株主が判断すればいいだけだ。
テレビ局を守る外資規制という特権
誤報や捏造に対して各局がこれだけ厳しい対応をした理由は、放送法によって「報道は事実をまげないですること」と定められており、なおかつテレビ局には外資規制などの特権も与えられているからだ。
外資規制は外国人投資家が20%以上の議決権を持つと放送を行えなくなる、つまり外国人投資家から見れば大量に株を保有しても価値がなくなってしまうので保有する意味がなくなる、という形でテレビ局を守る仕組みだ(実際はもっと複雑な仕組みだが詳細は割愛)。
外資規制によって守られているのは、テレビ局だけではなくテレビ局の経営陣も含まれる。外国人投資家に買収される可能性が低ければ、ある日突然株主が大きく入れ替わって経営陣のクビが挿げ替えられるリスクも他社より低いからだ。
これは他の上場企業の経営者から見れば、「特権」と言っても差し支えがない。こういった優遇措置や報道機関としてメディアを運営することの責任の重さを考えれば、経営陣に強い自制心が求められることは言うまでもない。
現場の指導を徹底する、という発言からはとてもそのような自制心は読み取れず、果たして報道機関の経営者として資質に問題はないのか、ということになる。玉川氏に対してプロの水準に達していない、つまりテレビマンとして資質に欠けると公に明言したのであれば、経営陣は自らの資質にも言及すべきだ。
そして今回のトラブルを見る限り、テレビ朝日のガバナンス崩壊はすでに始まっている。それは「炎上商法」の発想を情報番組に取り入れていることだ。
玉川徹氏と元フジテレビアナウンサー・長谷川豊氏の共通点
玉川氏の発言については多数のメディアが報じているが、その中に他局のTVプロデューサーを名乗る人物のコメントがあった。玉川氏は「ギリギリを見極めることがうまい」という指摘だ。
『「彼はこれまで、『僕は制作側の人間』とか『地雷を知っている』などと語ったことがあります。“電通発言”では地雷を踏んだ格好ですが、普段は“キワキワ”をよく分かっていて、まるでプロレスの如く、悪役を演じきっている。それが数字に結びついているのです」
本人や番組制作者の意図は別にして、玉川氏がこのような手法で発言している、あるいは番組側がこのように発言をさせて視聴率に結びつけていることは指摘にある通りだろう。
これを一言で表現するなら炎上商法だ。ここで筆者が思い浮かべたのは、元フジテレビのアナウンサー・長谷川豊氏だ。
長谷川氏はフリーランスになった後に、自身のブログで大炎上して出演番組をすべて降板するトラブルを起こしている(当時長谷川氏のブログは多数のアクセスを集めていた)。
長谷川氏は16年に「自堕落な生活で人工透析を受けている患者は自己責任だから治療費を全額自己負担にしろ」といった内容をブログで書いたが、タイトルに「殺せ」と過激な言葉を使ったことで大炎上を引き起こし、結果として反発の大きさから出演していた番組をすべて降板することになった。
筆者は長谷川氏のブログを批判する記事を書いたためこのトラブルをよく覚えているが、批判記事では「長谷川氏はあえて雑に書いた方がちょっと炎上してたくさん読まれてちょうど良い、くらいに考えているフシがあるが、それが番組降板につながった」と指摘した。この指摘はそのまま玉川氏とモーニングショーの両方に当てはまる。
過激な言動をビジネスにつなげる人物はSNSやYouTubeでもたびたび見かけるが、最後は失敗していつの間にか見かけなくなるケースも多い。炎上をコントロールすることはできないからだ。これまでは玉川氏もギリギリの発言で注目を集め、本人も番組も発言をコントロールできていると思っていたのかもしないが、結局は大きなトラブルに発展した。つまりは起こるべくして起こった、未然に防ぐことも可能だったトラブルということになる。
長谷川氏のケースは個人ブログで好き勝手に書いて仕事を失ったということで自業自得の一言だが、テレビ番組の場合、コンプライアンスやガバナンスの観点から到底許されない。
テレビ朝日は今回のトラブルを糧にガバナンスを改善することはできるのか、今後も注目したい。
●テレ朝・玉川徹氏、30年の親交がある室井佑月氏が語る人物像 10/18
安倍晋三・元首相の国葬での菅義偉・前首相による弔辞をめぐって、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)にコメンテーターとして出演する、テレビ朝日局員・玉川徹氏(59)が、「僕は演出側の人間ですからね」「政治的意図がにおわないように、それは制作者としては考えますよ。当然これ、電通が入ってますからね」などと発言。事実ではない発言をしたとして、10日間の出勤停止処分となった。10月19日には番組に出演するが、それを最後に降板する意向であることが報じられている。
そんな玉川氏がテレ朝で「特別扱い」されていたのは、他の局員たちの目にも明らかだった。同じ番組を担当したこともあるテレビプロデューサーの鎮目博道氏が語る。
「自分のやりたいようにやれる孤高の人で、『玉川班』と呼ばれる自分の部下も持っていて、新人のなかでも仕事ができる人が『玉川番』とされていました。玉川さんのお手伝いをする役目ですが、妥協を許さない人なので朝から晩まで指示を受けて、玉川番はヒイヒイ言いながら働いていましたね。
仕事の面では優秀なので誰もが一目置いていましたが、協調性があまりなく、我が道を行く人なので番組内でも玉川さんと親しくしている人はほとんどいなかった。バツイチとは聞いていましたが、プライベートを人に見せないタイプで、番組の仲間と飲みに行くこともなかった。印象的だったのが、格好を気にしないテレビマンが多いなかで玉川さんはいつも高そうなスーツを着ていて、おしゃれに気を使っていましたね」
俺様チックに見えて…
『モーニングショー』のレギュラーコメンテーターとなった玉川氏は、平日は毎朝6時に出社、手製の野菜スープなどの朝食を持参してくる。
いち社員とは思えぬ知名度ゆえ、『週刊文春』(2019年11月14日号)にはタワーマンションで同棲し、ポルシェでデートする「40代美人女医」から鼻の穴にブスリと指を突っ込まれる瞬間を激写されたこともあった。悪名は無名に勝るを地で行くように、「何様だ」「上から目線」などとブーイングを浴びることも増えた。
世間からの風当たりが強い玉川氏だが、30年ほど前から親交のある作家の室井佑月氏は、その素顔をこう明かす。
「レースクイーン時代に玉ちゃんが関わっていたテレ朝の深夜番組に水着モデルとして出演したのが縁で、若い人たちだけでご飯に行くようになって、それからずっと友達。私が作家デビューした時に偶然、六本木の交差点で会ったから『私、本出したんだよ』と言ったら『嘘つけ』って言うから、そのまま本屋に連れて行って一冊買わせました(笑)。
当時からちょっと空気が読めなくて俺様チックに見えちゃうところもあったけど、人におもねらないし、ちゃんと心がある人です。うちの実家は新幹線の駅から乗り継ぎも大変ですごく遠い場所にあるのですが、母が亡くなった時に玉ちゃんはお葬式に駆けつけてくれました」
室井氏が元新潟県知事の米山隆一・衆院議員と結婚しようとなった際にも、玉川氏には相談したという。
「玉ちゃんから相談されることはなくて、薄毛で悩んでるってのは一度聞いたことがあるけど、いい薬があって解決したって言ってた(笑)。玉ちゃんはお母さんが看護師をされていて、すごく立派な方だというのは聞いたことがあります。マスコミ業界って温室育ちのエリートが多いけど、玉ちゃんにはそういう雰囲気が全くない。批判されても誰かをヨイショしたりするのは一度も見たことがない。媚びない不器用さも含めて好かれたりするんじゃないかな」
玉川氏はディレクターでありながら番組に出演することについて、若かりし頃に担当した『サンデープロジェクト』(テレ朝系)の田原総一朗氏を意識しているという。その田原氏が語る。
「社員でありながらタブーすれすれの発言をよくやるな、と評価しています。コロナ前は玉川さんとはよく会って安倍政権など色んな話をしました。権力に対してはっきり発言する姿勢が一部の人からは偉そうに見えるかもしれませんが、ジャーナリストとして言わねばならないことを言ってきたと思います。そういう意味で、今回の件は非常に残念ですね」
来年には定年を迎える玉川氏をテレ朝は手放すのか、守るのか──。 
 
 
 

 

●玉川徹氏 10/19 「電通」発言の謝罪についてのメディア報道 10/19
玉川徹氏 謝罪コメント
テレビ朝日の玉川徹氏が19日、10日間の謹慎が終わり、「羽鳥慎一モーニングショー」内で改めて謝罪。今後について説明した。玉川氏は冒頭、別室からの生出演。スーツ姿で頭を下げた。
玉川氏は9月28日の放送で、安倍晋三元総理の国葬での菅義偉前総理の弔辞について「電通が入っている」などと発言。翌29日に「事実ではなかった」と謝罪したが、10月4日付けで同局から謹慎の懲戒処分を受けていた。
コメント全文
おはようございます。今回の私の事実誤認のコメントによりご迷惑をおかけした、電通および菅前総理大臣に対し改めてお詫び申し上げます。
このような事実に基づかない発言をテレビでしてしまったということ、それは私の慢心とおごりががあったからだと反省しました。申し訳ございませんでした。(深々と一礼)
謹慎の10日間、私は事実確認の大切さ、テレビで発言することの責任の重さを考え続けました。そして事実確認こそが報道の根幹である、その原点に立ち返るべきだと考えました。
これまで私はスタジオで様々なニュースに対しコメントを続けてきましたが、これからは現場に足を運び取材をし、事実確認を報告する、その基本にもう一度立ち返るべきだと考えました。そしてその結果はこの「羽鳥慎一モーニングショー」でお伝えする、そういう考えに至りました。
この間、報道局幹部とも話し合いを続け、このような私の考えを理解してもらいました。視聴者の皆様にもご理解頂けると有難く存じます。
今後このような形で仕事を続けて参りますが、ご支援の程よろしくお願いいたします。
「電通」発言を謝罪 番組出演継続も「慢心とおごりがあった」
安倍晋三元首相の国葬について失言したテレビ朝日の玉川徹氏(59)が19日、コメンテーターを務める同局系情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」に15日ぶりに復帰し、謝罪した。
この日はオープニングテーマはなし。司会の羽鳥慎一アナウンサーがスタジオで「玉川さんの10日間の謹慎処分が昨日で終わりました。ここで玉川さんから改めて説明、おわび、今後についてです」と伝えた。
これを受け玉川氏はスタジオではなく別の場所から出演。紺色のスーツに黒ネクタイ姿で「私の事実誤認のコメントにより、ご迷惑をおかけした電通及び菅前総理大臣に対し、改めてお詫び申し上げます。慢心とおごりがあったからだと反省致しました。申し訳ございませんでした」と、深々と頭を下げた。
今後について「現場に足を運び取材をし、事実確認をして報告するその基本にもう一度立ち返るべきだと考えました。その結果はこの『羽鳥慎一モーニングショー』でお伝えするという考えにいたりました」と番組出演は続けるが事実上コメンテーターを降板する考えを明かした。
玉川氏は9月28日の同番組で、国葬で菅義偉前首相が読んだ弔辞が国民に絶賛されていることについて「僕は演出側の人間。テレビのディレクターをやってきましたから。そういうふうに作りますよ。政治的意図がにおわないように」と発言。その上で「当然これ、電通が入ってますからね」と指摘した。
玉川氏は翌29日の番組で「事実ではありませんでした」と謝罪。だが社内外で怒りの声が噴出し、局では玉川氏を10月5日から10日間、出勤停止する謹慎処分に。番組責任者もけん責処分とした。
玉川氏は同局の社員ながらも、同番組でレギュラーコメンテーターを務める。歯に衣(きぬ)着せぬ発言で注目を集めており、番組は同時間帯では民放トップの視聴率を誇る。
復帰 … 国葬巡り誤った発言「私の慢心」と謝罪
テレビ朝日の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」でコメンテーターとして事実に基づかない発言を行い、出勤停止10日の謹慎処分となっていた報道局情報番組センターの玉川徹氏が、19日の同番組で発言の経緯について説明した。
玉川氏は「今回の私の事実誤認のコメントにより、ご迷惑をおかけした電通、菅前総理大臣に対し、改めておわび申し上げます。このような事実に基づかない発言をテレビでしてしまったのは、私の慢心とおごりがあったからだと反省いたしました。申し訳ございませんでした」と謝罪。
その上で、「事実確認こそが報道の根幹であり、その原点に立ち返るべきと考え、これからは現場に足を運び、取材をし、事実確認をして報告する。その結果はこの『羽鳥慎一モーニングショー』でお伝えする。そういう考えに今回至りました」として、今後も同番組への出演は続ける考えを明らかにした。
これについて同局広報部は「玉川氏はコメンテーターを辞めるわけではない。コメンテーターの立場で、現場に出ることもスタジオで発言することもある」と説明している。
同局によると、玉川氏は9月28日放送の同番組内で、安倍晋三元首相の国葬に大手広告会社の電通が関与しているなど、事実に基づかない発言を行った。この件では、同センター長と同番組のチーフプロデューサーが管理監督責任を問われ、けん責の懲戒処分ともなっている。
羽鳥慎一アナ“基本に立ち返る”玉川徹氏の今後の出演を説明
テレビ朝日の社員で『羽鳥慎一モーニングショー』レギュラーコメンテーターを務める玉川徹氏が19日、同番組に15日ぶりに出演した。安倍晋三元首相「国葬」に絡む発言をあらめて謝罪するとともに、今後について「現場に足を運び、取材をし、事実確認をして報告する、その基本にもう一度立ち返る」と語った。
これを受け、羽鳥慎一アナウンサーは「基本に立ち返るというのは、玉川さんの思いであり、テレビ朝日の考えであり、私も同じ思いです。これから玉川さんは現場に足を運びまして取材をして 玉川さん独自の目線で取材・分析をして、そして番組で報告するという形をとらさせていただきます」と説明した。
さらに「番組をご覧いただいている皆さまの信頼を回復できるように、これからもしっかりと番組づくりを進めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします」と呼びかけた
玉川氏をめぐっては、9月28日放送の同番組で、安倍晋三元首相「国葬」での菅義偉前首相の弔辞について「当然これ電通が入ってますからね」などと発言し、翌日に「事実ではありませんでした」と謝罪。同局は10月5日から10日間の出勤停止とする謹慎処分を発表していた。
発言要旨
今回の私の事実誤認のコメントによりご迷惑をおかけした、電通および菅前総理大臣に対し、あらためてお詫び申し上げます。このような事実に基づかない発言をテレビでしてしまったということ、それは私の慢心とおごりがあったからだと反省いたしました。申し訳ございませんでした。
謹慎の10日間、私は事実確認の大切さ、テレビで発言することの責任の重さを考え続けました。そして、事実確認こそが報道の根幹であり、その原点に立ち返るべきだと考えました。
これまで私はスタジオでさまざまなニュースに対しコメントを続けてきました。これからは現場に足を運び、取材をし、事実確認をして報告する、その基本にもう一度立ち返るべきだと考えました。そして、その結果はこの『羽鳥慎一モーニングショー』でお伝えする、そういうふうな考えに私は今回至りました。
この間、報道局幹部とも話し合いを続け、このような私の考えを理解してもらいました。視聴者の皆さまにもご理解いただけるとありがたく存じます。今後このような形で仕事を続けてまいりますが、ご支援のほどよろしくお願いいたします。
レギュラーコメンテーター退く「今後は現場取材で報告」
テレビ朝日の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」で事実に基づかない発言をしたとして、謹慎処分を受けた報道局社員の玉川徹さんが19日、従来の形でのコメンテーターとしての出演はやめると番組内で表明した。取材活動や、その報告の形での出演は継続するという。
謹慎後、初の出演となった玉川さんは、普段のスタジオとは別の場所から単独で出演し「事実誤認のコメントによりご迷惑をおかけした電通および菅(義偉)前首相に対し、改めておわび申し上げます。このような事実に基づかない発言をテレビでしてしまったということ、それは私の慢心とおごりがあったからだと反省いたしました。申し訳ございませんでした」と謝罪した。
謹慎中は、事実確認の大切さとテレビで発言する責任の重さを考え続けたとして「これまで私はスタジオで様々なニュースに対しコメントを続けてきましたが、これからは現場に足を運び事実確認をして、報告する、その基本にもう一度立ち返るべきと考えました。そしてその結果はこの羽鳥慎一モーニングショーでお伝えする、そういうふうな考えに私は今回、至りました」と語り、報道局幹部の理解も得たと説明した。
玉川さんは9月28日の同番組内で、安倍晋三元首相の国葬で菅前首相が読んだ弔辞について「電通が入っている」と発言。テレビ朝日は今月4日、「事実に基づかない発言を行い、会社の信用を傷つけ損害を与えた」として、玉川さんを謹慎10日間の懲戒処分とした。篠塚浩社長は会見で、玉川さんの処遇について「謹慎期間終了後は、引き続き番組に復帰する予定です」と話していた。
テレビ朝日は取材に対し「従来のような、月曜日から金曜日まで出演するようなスタイルではなくなる」とした上で、「今後の出演日は決まっていない。(玉川さんが)取材したものを、番組で報告する機会が出てくるということ。(玉川さんが)コメントしたことがすべて」と回答した。
今後は現場取材へ「基本に立ち返る」「仕事を続けてまいります」
テレビ朝日の社員で『羽鳥慎一モーニングショー』レギュラーコメンテーターを務める玉川徹氏が19日、同番組に15日ぶりに出演した。
9月28日の放送で、安倍晋三元首相の国葬での菅義偉前首相の弔辞について「当然これ電通が入ってますからね」などと発言し、翌日に「事実ではありませんでした」と謝罪。同局は10月5日から10日間の出勤停止とする謹慎処分を発表していた。
冒頭、羽鳥慎一アナが「玉川さんの10日間の謹慎処分がきのうで終わりました。そこで玉川さんからあらためて説明・お詫び、そして今後についてです」とうながし、スーツ姿の玉川氏が別室から出演した。
玉川氏は「今回の私の事実誤認のコメントによりご迷惑をおかけした、電通および菅前総理大臣に対し、あらためてお詫び申し上げます。このような事実に基づかない発言をテレビでしてしまったということ、それは私の慢心とおごりがあったからだと反省いたしました。申し訳ございませんでした」と頭を下げ、謝罪した。
その上で「謹慎の10日間、私は事実確認の大切さ、テレビで発言することの責任の重さを考え続けました」とし、「事実確認こそが報道の根幹」と認識したと説明。「これまで私はスタジオでさまざまなニュースに対しコメントを続けてきました。これからは現場に足を運び、取材をし、事実確認をして報告する、その基本にもう一度立ち返るべきだと考えました。そして、その結果はこの『羽鳥慎一モーニングショー』でお伝えする、そういうふうな考えに私は今回至りました」と続けた。
この考えは幹部からも理解を得たとし、「視聴者の皆さまにもご理解いただけるとありがたく存じます。今後このような形で仕事を続けてまいりますが、ご支援のほどよろしくお願いいたします」と伝えた。
これを受け、スタジオの羽鳥アナは「基本に立ち返るというのは、玉川さんの思いであり、テレビ朝日の考えであり、私も同じ思いです。これから玉川さんは現場に足を運びまして取材をして 玉川さん独自の目線で取材・分析をして、そして番組で報告するという形をとらさせていただきます。番組をご覧いただいている皆さまの信頼を回復できるように、これからもしっかりと番組づくりを進めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします」と語り、頭を下げた。
改めて発言謝罪、今後は現場取材へ 「コメンテーター」肩書変わらず
テレビ朝日系情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」が19日、放送され、安倍晋三元首相の国葬に関する事実誤認発言で出勤停止10日間の謹慎処分を受けた報道局社員の玉川徹氏が、処分あけ後、初出演した。
コメンテーターを務める玉川氏は番組冒頭で、あらためて発言を謝罪した。
同局によると、今後も肩書は「コメンテーター」のまま。現場に足を運んで取材をするが、その内容をスタジオで報告することもあり得るという。
羽鳥の「玉川さんの10日間の謹慎処分が昨日で終わりました。ここで、玉川さんから説明、おわび、そして今後についてです」とあった後で、本社内の報道フロアにいる玉川氏がブルーのスーツの黒ネクタイで登場。硬い表情で「おはようございます。今回の私の事実誤認のコメントにより、ご迷惑をおかけした電通、および菅前総理大臣に対し、あらためておわび申し上げます。このような事実に基づかない発言をテレビでしてしまったということ、それは私の慢心とおごりがあったからだと反省致しました。申し訳ございませんでした」と頭を下げた。
その後、「謹慎の10日間、私は事実確認の大切さ、テレビで発言することの責任の重さを考え続けました。そして、事実確認こそが報道の根幹である。その原点に立ち返るべきだと考えました。これまで私はスタジオでさまざまなニュースに対し、コメントを続けてきましたが、これからは、現場に足を運び、取材をし、事実確認をして報告する。その基本にもう1度立ち返るべきだと考えました。そして、この結果は、この『羽鳥慎一モーニングショー』の中でお伝えする。そういうふうな考えに私は今回、至りました。この間、報道局幹部とも話し合いを続け、このような私の考えを理解してもらいました。視聴者の皆さまにも、ご理解いただけるとありがたく存じます。今後、このような形で仕事を続けて参りますが、ご支援のほどよろしくお願い致します」と言って再び頭を下げた。
その後に羽鳥が「はい。玉川さんのコメントでした。基本に立ち返るというのは、玉川さんの思いであり、テレビ朝日の考えであり、私も同じ思いです。これから玉川さんは現場に足を運びまして、取材をして、玉川さん独自の目線で取材、そして分析をして番組で報告をするという形をとらさせていただきます。番組をご覧になっている皆さまの信頼を回復できるように、これからもしっかりと番組作りをすすめてまいりたいと思います」と話した。
処分は4日に発表され、5日の番組で、MCのフリーアナウンサー羽鳥慎一(51)が「今日から玉川さんが10日間の謹慎処分になりました。放送10回分の出演禁止ということになります。今回玉川さんの発言によりまして、ご迷惑おかけしました各方面の方々、そして不快な思いをされました各方面の方々、さらに視聴者の方々、大変申し訳ありませんでした」と謝罪。さらに「なぜ今回このような発言になったのかの説明を改めてするべき、そして謝罪をするべきだというふうに私は思っております」とした。
玉川氏は9月28日の同番組で、安倍元首相の国葬で行われた菅義偉前首相による弔辞読み上げに関して「(広告大手)電通が入っている」などとコメント。だが、翌29日に同番組内で「事実ではありませんでした」と発言を訂正し謝罪した。
同局は10月4日の定例社長会見で、玉川氏を含む社員3人の処分を発表。玉川氏は「謹慎」(出勤停止10日間、5日から)。上司である報道局情報番組センター長と番組センターCP(番組担当)は「けん責」処分とした。篠塚浩社長は、玉川氏が誤解をした理由について「本人によると、臆測によるさまざまな情報を入手して、誤解をしてしまった」と説明。「本人は深く反省しています」と話した。
謹慎明け「今後は現場に足運び、取材する」「モーニングショー」出演は継続
テレビ朝日社員でコメンテーターの玉川徹さんが19日、情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」に謹慎明け後初めて出演した。謝罪した後「これまでスタジオでコメントを続けてきたが、これからは現場に足を運び、取材をし、報告する形で仕事を続けてまいります」と述べ、出演を継続する意向を示した。
玉川さんは9月28日の放送中、安倍晋三元首相国葬での菅義偉前首相による弔辞読み上げに「(広告大手)電通が入っている」と関与を示唆するコメントをし、翌29日の番組で発言を訂正、謝罪。テレビ朝日は事実に基づかない発言として、玉川さんを出勤停止10日の謹慎とする懲戒処分にした。
復帰した玉川さんはスタジオとは別の場所から出演。「私の事実誤認のコメントにより、ご迷惑をおかけした電通および菅前総理大臣に対し改めておわび申し上げます。慢心とおごりがあったからだと反省いたしました」と謝罪した。
司会の羽鳥さんも「基本に立ち返るというのは玉川さんの思いであり、テレビ朝日の考えであり、私も同じ思いです」と話した。
「電通」発言への謝罪 「これからは現場に足を運び取材をし、事実確認をして報告」
安倍晋三元首相の国葬について失言したテレビ朝日の玉川徹氏(59)が19日、コメンテーターを務める同局系情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」に15日ぶりに生出演した。
玉川氏は9月28日の同番組で、安倍晋三氏の国葬について「僕は演出側の人間。テレビのディレクターをやってきましたから。そういうふうに作りますよ。政治的意図がにおわないように」と発言。その上で「当然これ、電通が入ってますからね」と指摘した。
玉川氏は翌29日の番組で「事実ではありませんでした」と謝罪。だが社内外で怒りの声が噴出し、局では玉川氏を10月5日から10日間、出勤停止する謹慎処分に。番組責任者もけん責処分とした。
この日はオープニングテーマはなし。司会の羽鳥慎一アナウンサーがスタジオで「玉川さんの10日間の謹慎処分が昨日で終わりました。ここで玉川さんから改めて説明、おわび、今後についてです」と伝えた。
これを受け玉川氏はスタジオではなく別の場所から出演した。紺のスーツに黒いネクタイ姿の玉川氏は「おはようございます。今回の私の事実誤認のコメントにより、ご迷惑をおかけした電通および菅前総理大臣に対し改めておわび申し上げます。このような事実に基づかない発言をテレビでしてしまったということ。それは私の慢心とおごりがあったからだと反省いたしました。申し訳ございませんでした」と深々と4秒間、頭を下げ謝罪した。
さらに「謹慎の10日間、私は事実確認の大切さ。テレビで発言することの責任の重さを考え続けました。そして事実確認こそが報道の根幹である。その原点に立ち返るべきだと考えました」とし「これまで私はスタジオで様々なニュースに対しコメントを続けてきましたが、これからは、現場に足を運び取材をし、事実確認をして報告するその基本にもう一度立ち返るべきだと考えました。そして、その結果は、この『羽鳥慎一モーニングショー』でお伝えする、そういうふうな考えに私は今回、いたりました」と番組出演は続けるがコメンテーターの降板を明かしていた。
そして「この間、報道局幹部とも話し合いを続けこのような私の考えを理解してもらいました。視聴者のみなさまにもご理解いただけるとありがたく存じます。今後、このような形で仕事を続けてまいりますが、ご支援のほど、よろしくお願いいたします」と頭を下げた。
「慢心とおごりあった」 コメンテーター降板 現場で取材活動へ
テレビ朝日の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」で事実に基づかない発言をして謹慎処分を受けていた同局報道局社員の玉川徹氏(59)が19日、番組に出演。スタジオではなく別の場所からスーツ姿で「事実に基づかない発言をしてしまったことは私に慢心とおごりがあったからだと反省いたしました」と述べた。「今回の私の事実誤認のコメントにより、ご迷惑をおかけした電通および菅前首相に対し、あらためてお詫び申し上げます」と謝罪した。4日付で出勤停止10日間の処分が下り、5日から番組を休んでいた。
今後はコメンテーターを降板し、現場での取材活動へ“転身”することを発表。「謹慎の10日間、私は事実確認の大切さ、テレビで発言することの責任の重さを考え続けました。そして事実確認こそが報道の根幹であると、その原点に立ち返るべきだと考えました」と説明。「これまで私はスタジオでさまざまなニュースに対し、コメントを続けてきましたが、これからは現場に足を運び、取材をし、事実確認をして報告する。その基本に立ち返るべきだと考えました。そして、その結果はこの“羽鳥慎一モーニングショー”でお伝えする。そういうふうな考えに私は今回至りました」と続けた。
「謝罪と説明」がテーマだったこの日のコメント。謝罪と今後の活動への説明はあったものの、なぜ事実を誤認したコメントをしてしまったのかの詳しい説明はなかったことからネット上では「説明がなかった」「微妙」など“消化不良”とする書き込みもあった。一方で「やせた」「気の毒」「玉川さんがいないとつまらない」と“応援”する声も目立った。
問題発言があったのは9月28日の生放送。安倍晋三元首相の国葬における菅義偉前首相の弔辞を「これこそが国葬の政治的意図」と表現。「僕は演出側の人間としてテレビのディレクターをやってきましたから、それはそういうふうに作りますよ。政治的意図がにおわないように、制作者としては考えますよ。当然これ、電通が入ってますからね」と持論を展開していた。翌日の番組内で「この発言は事実ではありませんでした。さらに、電通は全く関わっていないということが分かりました」と事実誤認を認め、謝罪したが、発言は騒動に発展。テレビ朝日は4日、玉川氏の謹慎処分を発表。管理監督責任を問い報道局の情報番組センター長と番組チーフプロデューサーもけん責処分となった。
番組内で謝罪 “今後はみずから取材し報告”
テレビ朝日の情報番組で、事実に基づかない発言を行ったとして、出勤停止10日の懲戒処分を受けた自社の社員でコメンテーターの玉川徹氏が、19日朝の番組に出演し、改めて謝罪したうえで、今後はみずから取材し、報告する形で番組に関わっていくことを明らかにしました。
玉川氏は先月28日、テレビ朝日の朝の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」で、安倍元総理大臣の国葬で菅前総理大臣が読み上げた追悼の辞について「当然、これは電通が入っていますからね」などと発言し、会社は「事実に基づかない発言だ」として、今月5日から出勤停止10日の懲戒処分としていました。
玉川氏は19日朝、処分後初めて番組に出演し、「私の事実誤認のコメントによりご迷惑をおかけした電通、および菅前総理大臣に対して改めておわび申し上げます」と謝罪をしました。
そのうえで「これからは、現場に足を運び取材をし、事実確認して番組で報告する」と述べました。
これについてテレビ朝日は、玉川氏は番組を降板せず、コメンテーターの肩書も変わらないとしています。
コメンテーター“降板” 19日出演で生謝罪、今後は現場取材を報告
安倍元首相の国葬についてテレビ朝日系情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」で失言し、謹慎していた同局コメンテーターの玉川徹氏(59)が19日、同番組に15日ぶりに生出演。玉川は別室から「事実に基づかない発言をしてしまったことは私に慢心とおごりがあった」と謝罪した。そのうえで、番組は降板しないが、今後はこれまでのコメンテーターという形ではなく「現場に足を運び取材をして報告する」形で出演する意向を明らかにし、視聴者に理解を求めた。
玉川は9月28日の同番組で、安倍国葬における菅前首相の弔辞を「これこそが国葬の政治的意図」と指摘した上で「僕は演出側の人間としてテレビのディレクターをやってきましたから、それはそういうふうに作りますよ。政治的意図がにおわないように、制作者としては考えますよ。当然これ、電通が入ってますからね」と発言。しかし実際には電通は関与しておらず、玉川は翌日の番組内で事実誤認を認め、謝罪に追い込まれた。
テレ朝は4日、事実に基づかない発言をしたとして、玉川を同日付で謹慎処分にしたと発表。19日に番組復帰し、自らの出処進退について説明するとされていたため、注目が集まっていた。  
●玉川徹氏謝罪への論評 10/19 
玉川徹氏の「謝罪」にネットは「批判」と「玉川ロス」で分かれる… 
安倍晋三元首相の国葬について失言したテレビ朝日の玉川徹氏(59)が19日、コメンテーターを務める同局系情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・午前8時)に15日ぶりに生出演した。
この日、玉川氏はスタジオではなく別の場所から出演した。紺のスーツに黒いネクタイ姿の玉川氏は「今回の私の事実誤認のコメントにより、ご迷惑をおかけした電通および菅前総理大臣に対し改めておわび申し上げます。このような事実に基づかない発言をテレビでしてしまったということ。それは私の慢心とおごりがあったからだと反省いたしました。申し訳ございませんでした」と謝罪した。
さらに「謹慎の10日間、私は事実確認の大切さ。テレビで発言することの責任の重さを考え続けました。そして事実確認こそが報道の根幹である。その原点に立ち返るべきだと考えました」とし「これまで私はスタジオで様々なニュースに対しコメントを続けてきましたが、これからは、現場に足を運び取材をし、事実確認をして報告するその基本にもう一度立ち返るべきだと考えました。そして、その結果は、この羽鳥慎一モーニングショーでお伝えする、そういうふうな考えに私は今回、いたりました」と取材記者として番組出演は続けることを明かした。
玉川氏の謝罪を受けSNSでは「疑問」と「惜しむ」意見が分かれる形で多くの投稿が集中する事態となっている。
批判の声は「玉川徹 あれだけ国会議員には辞めろと言っていたやつが何故辞めない。ダブスタもいいとこ」 「あの発言に至った具体的な説明も一切なく、ただセリフを読んでるかのような形式的な謝罪」「謝罪コメントを聞いたが、極めて曖昧だという印象。取材云々という件とスタジオから追放されたことから、きっと毎日は出ないのだろう。ただ、事実確認の基本に立ち返るというが、それを忘れた者が報道の場にいるべきではない。一方、真の被害者である菅前総理にも謝罪したのは評価できる」など。
また、コメンテーター降板で「玉川ロス」の投稿も数多い。「やはり玉川さんはスタジオでコメンテーターをやるのではなく、取材班になるらしいな。それでは番組はつまらなくなる。残念。玉川コメントがなければワサビのない刺身みたいなもんだ」「玉川さん、コメンテーター辞めてリポーターになるんですね。この一週間以上気の抜けた炭酸みたいだった朝。ますます番組つまらなくなるわ。玉川さんの出演する日だけみようかしら」「観ていてちょっとかわいそうに思えるくらいだったが、玉川さんの思いは視聴者にしっかり伝わったと思うので、これからも頑張って下さい。応援します」
ネットは玉川氏を巡り賛否両論がまっぷたつに分かれる事態となっている。
玉川氏は9月28日の同番組で、安倍晋三氏の国葬について「僕は演出側の人間。テレビのディレクターをやってきましたから。そういうふうに作りますよ。政治的意図がにおわないように」と発言。その上で「当然これ、電通が入ってますからね」と指摘した。
玉川氏は翌29日の番組で「事実ではありませんでした」と謝罪。だが社内外で怒りの声が噴出し、局では玉川氏を10月5日から10日間、出勤停止する謹慎処分に。番組責任者もけん責処分とした。
「謝罪」の「モーニングショー」…「お天気ストレッチ」で意味深メッセージ…
安倍晋三元首相の国葬について失言したテレビ朝日の玉川徹氏(59)が19日、コメンテーターを務める同局系情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・午前8時)に15日ぶりに出演した。
この日、玉川氏はスタジオではなく別の場所から出演し発言を謝罪し今後は現場取材記者として出演する意向を明かした。
こうした転換点を迎えた番組。お天気コーナーで片岡信和さんによる人気コーナーの「お天気ストレッチ」では「何だかもうやるせない。そんな時も『もうイヤだ!』」とお腹のストレッチを出演者全員が行った。
このストレッチコーナーは玉川氏が立ち上がって満面の笑みを浮かべながら体を動かすことが恒例だった。片岡さんは、まるで玉川氏への思いを込めているかのように意味深に「いろんな気持ちを込めて『もうイヤだ!』」とストレッチしていた。
玉川氏は9月28日の同番組で、安倍晋三氏の国葬について「僕は演出側の人間。テレビのディレクターをやってきましたから。そういうふうに作りますよ。政治的意図がにおわないように」と発言。その上で「当然これ、電通が入ってますからね」と指摘した。
玉川氏は翌29日の番組で「事実ではありませんでした」と謝罪。同局は玉川氏を10月5日から10日間、出勤停止する謹慎処分に。番組責任者もけん責処分とした。
“別室謝罪”に他局幹部が「なかなか考えられた演出」と感心する理由 10/19
「慢心と驕りがあった」
まさに異例ずくめの「謝罪」というべきだろう。情報番組のコメンテーターの発言がこれほど大きな波紋を呼んだことはもちろん、テレビ朝日の“一社員”に過ぎない玉川徹氏(59)の謝罪が、同局の看板番組において約2分半にわたって報じられたこともまた、前代未聞である。
10月19日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」の冒頭、いつものスタジオから報道フロアと思しき別の場所に画面が転じると、そこには直立不動の玉川氏の姿があった。まもなく、玉川氏は神妙な面持ちで次のように語り始めた。
<おはようございます。今回の、私の事実誤認のコメントにより、ご迷惑をお掛けした電通および菅前総理大臣に対し、改めてお詫び申し上げます。このような事実に基づかない発言をテレビでしてしまったという、それは、私の慢心と驕りがあったからだと反省致しました。申し訳ございませんでした>
事の発端は、9月28日放送の同番組での玉川氏の発言だった。安倍晋三元総理の国葬を扱ったコーナーで、レギュラーコメンテーターを務めていた玉川氏は、菅義偉前総理が友人代表として読み上げた弔辞についてこう発言している。
<まぁ、これこそが国葬の政治的意図だと思うんですよね>、<国葬というものがありました。あの時には、ああいう風な胸に刺さる言葉がありました。そういう風な形で既成事実として残るんですよ>、<僕は演出側の人間ですからね。(中略)政治的意図がにおわないように、それは、制作者としては考えますよ。当然、これ、電通が入ってますからね>
この発言がネットを中心に批判の集中砲火を浴び、玉川氏は翌日の同番組内で事実誤認を認めた上で謝罪することに。だが、それでも“玉川発言”に対する非難の声が止むことはなく、テレビ朝日から出勤停止10日間の“謹慎”処分が下されることとなった。
ギリギリ合格点の落としどころ
その間も“降板説”や“BPO案件に”といった報道が続いたことで、謹慎が明けると同時に“2度目の謝罪”へと追い込まれたわけである。19日の放送で玉川氏はこのように続けている。
<謹慎の10日間、私は事実確認の大切さ、テレビで発言することの責任の重さを考え続けました。そして、事実確認こそが報道の根幹である、その原点に立ち返るべきだと考えました。これまで私は、スタジオで様々なニュースに対しコメントを続けてきましたが、これからは現場に足を運び、取材をし、事実確認をして報告する。その基本にもう一度、立ち返るべきだと考えました。そして、その結果は、この「羽鳥慎一モーニングショー」でお伝えする。そういう風な考えに、私は今回、至りました>
<この間、報道局幹部とも話し合いを続け、このような私の考えを理解してもらいました。視聴者の皆さまにもご理解頂けると有難く存じます。今後、このような形で仕事を続けて参りますが、ご支援のほどよろしくお願い致します>
玉川氏の謝罪を受けて、司会の羽鳥氏は、<基本に立ち返るというのは玉川さんの思いであり、テレビ朝日の考えであり、私も同じ思いです。これから玉川さんは現場に足を運びまして、取材をして、玉川さん独自の目線で取材、そして、分析をして、番組で報告するという形を取らさせて頂きます。番組をご覧頂いている皆さまの信頼を回復できるように、これからもしっかりと番組作りを進めて参りたいと思います。どうそよろしくお願い致します>と述べている。
「番組での謝罪が繰り返された以上、玉川さんの発言に対する世論の逆風が、テレビ朝日の想像以上に大きかったことは間違いありません。ただ、19日の放送は、番組を守るために“これしかない”という意味で、ギリギリ合格点の落としどころだったと思います」
そう指摘するのは民放幹部である。
謝罪と番組本編を切り分ける
「普段の『モーニングショー』はオープニングのテーマ曲に乗せて、番組のタイトルロゴが大写しになってからスタートします。しかし、19日の放送ではその演出が割愛されていました。つまり、玉川さんの謝罪シーンと、番組本編を完全に切り分けているわけです。しかも、前回とは違って、今回は玉川氏をスタジオではなく、別の場所で謝罪させていました」(同)
そこに込められた意図とは何なのか。
「スタジオ内で玉川さんが謝罪すると、同席した羽鳥さんや他のコメンテーターの表情がバッチリと映し出されてしまう。あえて見解を述べなくても、他の出演者がこの謝罪について怒るべきか、許すべきか、静観しているのか、視聴者に迫られる格好になる。そうした“画面”になることを避けたかったのだと思います。あえて番組と切り離し、玉川さんのワンマンショーにすることで、番組や羽鳥さんや他の出演者が巻き添えにならない形で切り抜けようとした。なかなかに巧妙な演出だったと思います」(同)
「モーニングショー」と玉川氏の今後については、
「『モーニングショー』の高視聴率が、攻めの玉川さんと、守りの羽鳥さんの両輪で支えられていたのは事実。ただ、まだ石原良純さんや長嶋一茂さんといったメンバーが残っているので、玉川さんがスタジオを離脱しても大崩れはしないと思います。今回の“謝罪”は最大の正念場でしたが、番組を存続させるための最低限の“禊”にはなった印象です。玉川さんについても、全面的に謝罪させながら、降板はさせず、今後に期待を持たせることができた。もちろん、これに納得しない人たちは少なくないと思いますが、熱心な視聴者が番組離れを起こすことはないと感じます」(同)
日本中の注目を集めた“謝罪”を乗り切った玉川氏。還暦を目前に控え、再起はなるか。
「バランスの取れた判断」「全く心に響かなかった」 出演継続にSNSで賛否両論
テレビ朝日の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」でコメンテーターを務める同局社員の玉川徹氏が、安倍晋三元首相の国葬での菅義偉前首相の弔辞に電通が関わっているなどと虚偽発言をしたとして謹慎処分を受けていた問題で、玉川氏が19日の同番組で改めて発言を謝罪した上で出演の継続を表明したことを受け、会員制交流サイト(SNS)では「バランスの取れた判断」「全く心に響かなった」などと賛否両論の声が寄せられた。
ツイッターでは「謝罪したんだから降板なんかする必要ない。玉川氏のようにはっきりと物を言う人は必要」「コメンテーターとして出なくなるのはとても残念」「あの席(コメンテーター)に再び座るのは本人にも辛い選択。バランスの取れた良い判断」などと評価する声が寄せられた。
その一方で、「(謝罪は)全く心に響かなった」「本人の言う『事実確認こそが報道の根幹』ということを十分理解していなかった人を、(番組の)コメンテーターにしていたということ」「テレビ局の上層部こそ視聴者に謝罪すべきだ」と番組の姿勢を批判する声もあった。
玉川徹氏 孤独な別室謝罪≠ェネットで物議「まるで晒し首」「かわいそう…」
玉川徹氏が19日のテレビ朝日系の情報番組「羽鳥慎一 モーニングショー」で、スタジオとは別室から生謝罪をしてコメンテーター降板を発表した。
この日の番組冒頭、報道局の別室から1人カメラに映し出された玉川氏は「今回の私の事実誤認のコメントにより、ご迷惑をおかけした電通および菅前総理大臣に対し、改めてお詫び申し上げます」と、5秒間頭を下げて謝罪。さらに今後は取材ディレクターとして現場に立ち、コメンテーターを降板する意向を示した。
玉川氏は先月28日、安倍元首相の国葬での菅義偉前総理の弔辞に対し、「当然これ、電通が入ってますからね」などと事実に基づかないコメントし、翌29日の番組で「事実ではありませんでした」と謝罪していた。
この別室生謝罪≠ノネット上では「まるで晒し首」「どうして玉川さんだけが、あんな風に謝罪しないといけないのか…」、「スタジオに入れさせてもらえなかったのか」「ちょっとかわいそう」といった声が殺到。孤独な謝罪劇は物議を醸している。
出演継続に「テレ朝はジャーナリズムを捨てた」 元NHKの自民・和田議員が猛批判
元NHKアナウンサーで自民党の参議院議員・和田政宗氏が2022年10月19日、朝の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)で事実誤認発言で謹慎処分(出勤停止10日)を受けていた同社社員の玉川徹氏が番組出演を継続することに対し、厳しく批判した。
玉川氏「私に慢心とおごりがあったからだと反省いたしました」
玉川氏は9月28日に放送された「羽鳥慎一モーニングショー」で、安倍晋三元首相の国葬をめぐり、菅義偉前首相の弔辞を「国葬の政治的意図」だと主張。「当然これ、電通が入ってますからね」と発言するも、事実に基づく発言ではなかったとして翌日謝罪した。テレビ朝日は玉川氏を出勤停止10日の謹慎処分とし、処遇が注視されていた。
玉川氏は19日の生放送で番組に出演し、改めて謝罪と今後について語った。羽鳥アナウンサーが「玉川さんの10日間の謹慎処分が昨日で終わりました。ここで玉川さんから改めて説明、お詫び、そして今後についてです」とすると、モニタールームに立ったスーツ姿の玉川氏の映像に切り替わった。
玉川氏は「おはようございます。今回の私の事実誤認のコメントにより、ご迷惑をおかけした電通および菅前総理大臣に対し、あらためてお詫び申し上げます。このような、事実に基づかない発言をテレビでしてしまったということ、それは私に慢心とおごりがあったからだと反省いたしました。申し訳ございませんでした」と頭を下げた。
「謹慎の10日間、私は事実確認の大切さ、テレビで発言することの責任の重さを考え続けました。そして事実確認こそが報道の根幹であると、その原点に立ち返るべきだと考えました」とした。
今後については、以下のように説明している。
「これまで私はスタジオでさまざまなニュースに対し、コメントを続けてきました。これからは現場に足を運び、取材をし、事実確認をして、報告する。その基本にもう一度立ち返るべきだと考えました。そして、その結果はこの『羽鳥慎一モーニングショー』でお伝えする。そういうふうな考えに私は今回、至りました」
現場で取材をするという形での番組出演継続については、報道局の幹部とも話し合い了承を得たという。「視聴者の皆様にも、ご理解いただけるとありがたく存じます」とした。
和田氏「コメンテーターとしても資格は無く、番組に出続ける心理が分からない」
和田氏は19日、玉川氏の出演継続を報じたネットニュース記事を引用し、「テレ朝・モーニングショー 玉川徹氏が出演継続を表明。『これからは現場に足を運び、取材をし事実確認をして報告する』と述べたが、現場取材はジャーナリストとして当たり前であり、出来ていなかったのならコメンテーターとしても資格は無く、番組に出続ける心理が分からない」と厳しく批判した。
続けて、「テレ朝は番組審議会で局の見解として、『玉川の発言はプロの水準には到底達していない』と述べており、プロの水準でない人物の起用継続は、テレ朝はジャーナリズムを捨てたということ。真面目に取材している記者があまりに可哀想。テレ朝の取材者全体が玉川氏と同様と思われて構わないということか」とした。
テレビ朝日が公式サイトで公開している10月6日の放送番組審議会の報告によると、局側は「玉川の発言は、過去の情報のアップデート、最終的な事実関係の確認ができていなかったという完全なる事実誤認で、情報を扱って、それを伝えるプロの水準には到底達していない状況であった」とする見解を示していた。
玉川徹氏の孤独な別室謝罪≠ヘ「演出だと思う」 元後輩アナがズバリ!
元テレビ朝日のアナウンサーで、自民党の都議ユーチューバー$松真一朗東京都議(41)が19日、自身の公式ユーチューブチャンネルを更新し、テレビ朝日報道局社員の玉川徹氏(59)がこの日、「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)で謝罪したことに言及した。
この日、謹慎から復帰した玉川氏は、番組の中で、事実誤認による発言を謝罪。今後はコメンテーターを降板するが、取材する立場で番組出演を続ける意向を明かした。
テレ朝では玉川氏の後輩だった川松氏は「気になるのはおわびを申し上げるのが電通≠ナ、菅総理よりも電通が先だった」「事実確認が大事だと言っているが、今までも謝罪をしてきたし、大事だと思っていなかったのか?」とツッコミを入れた。
そのうえで謝罪した場所がスタジオではなく、報道センターだったことに「デスクや記者の方がいて、世界中で起きている情報をキャッチしながら物ごとを発信していく根幹のスペース。報道の原点に立ち返るという玉川さんの演出だったと思う。あの部屋で伝えたのは反省して、覚悟があったのかな」とその意図を分析した。
一方で、いち取材者として現場に再び出るとした玉川氏に対し、川松氏は「(現場に出ることで)『感想じゃないよ、事実を言っているよ』と言っても根本的な切り口、マインド、権力にギャフンと言わせてやろうとか、あら探ししようとする発想でいくと品位や規律はない。そこもチェックしていかないといけない」と指摘。本当に反省し、考え方を改めていくのかも含めて、今後の動向を厳しくみていく必要があるとクギを刺した。
玉川徹氏「コメンテーター」のまま出演継続も実質“降板” 玉虫色処遇
19日、去就が注目されていたテレビ朝日の玉川徹氏(59)が、10日の出勤停止の謹慎処分が明け、コメンテーターを務める情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜午前8時)に出演。安倍晋三元首相の国葬の際の菅義偉前首相の弔辞に関する事実誤認発言について謝罪した。
「謹慎の10日間、私は事実確認の大切さ、テレビで発言することの責任の重さを考え続けました。そして、事実確認こそが報道の根幹である。その原点に立ち返るべきだと考えました。これまで私はスタジオでさまざまなニュースに対し、コメントを続けてきましたが、これからは、現場に足を運び、取材をし、事実確認をして報告する。その基本にもう1度立ち返るべきだと考えました」
玉川氏の番組出演とコメンテーターという肩書は継続される。時折、現場での取材成果をスタジオで報告することになっているという玉川氏だが、レギュラーコメンテーターという立場ではなくなるため、実質“降板”だと指摘されている。そこで危惧されるのが、「モーニングショー」が誇ってきた視聴率への影響だろう。
「モーニングショーは同時間帯の年間視聴率は5年連続で民放1位。人気の一翼を担っていたのは、玉川さんの歯に衣着せぬ発言にあるといっても過言ではないでしょう。《#玉川ロス》がツイッターのトレンドになったほど。玉川さんが毎朝出なくなることで、視聴者離れが起こるという声も上がっています」(スポーツ紙記者)
玉川氏の今回の処遇に対して、《玉川さんが毎朝出ないなら、もう見ないかも》《処分といっても、結局番組は降りずに単なる10日間の遅い夏休みでしかなかったのね》といった声が上がっている。
ファンにもアンチにも配慮したようにも見える玉虫色の決着。今後、「モーニングショー」の視聴率にどういう影響が出てくるのか。 
 
 

 

●「謝罪」翌日の生出演にネット驚き…「反省してない」「復帰おめでとう」 10/20
安倍晋三元首相の国葬についての失言を謝罪したテレビ朝日の玉川徹氏が20日、取材記者として「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・午前8時)にスタジオ生出演した。
玉川氏は事実誤認発言で10月5日から10日間、出勤停止する謹慎処分を受けていたが、19日の番組で改めて謝罪し「これまで私はスタジオで様々なニュースに対しコメントを続けてきましたが、これからは、現場に足を運び取材をし、事実確認をして報告するその基本にもう一度立ち返るべきだと考えました。そして、その結果は、この羽鳥慎一モーニングショーでお伝えする、そういうふうな考えに私は今回、いたりました」と明かしていた。
この日、同番組は旧統一教会への「解散命令請求」の基準について、岸田文雄首相が18日「刑事事件に限る」と答弁したが、19日に一転「民法の不法行為も含まれる」と法解釈で180度転換したことを報道。スタジオで司会の羽鳥慎一アナウンサーは「この解釈の変更で解散命令請求の行方は今後、どうなっていくんでしょうか。旧統一教会の問題に取り組む弁護士を玉川さんが取材しました」と伝え、玉川氏が19日午後6時過ぎに都内で旧統一教会への解散命令請求を求めてきた阿部克臣弁護士を取材するVTRを放送した。
さらに玉川氏はスタジオに生出演。パネルを使い宗教法人法第81条の「解散命令」などについて解説していた。
謝罪翌日の即生出演にネットは反応した。
「昨日の今日で、なんで玉川徹スタジオにいるんだ?」
「失言を謝罪した翌日にいきなり玉川徹をスタジオに出演させているのは番組や局として反省してないと言わざるをえない。さすがに何日かは空けないと話にならないだろ」
「舌の根も乾く前から玉川徹が出てる。チャンネルを変える」
「恥も外聞もなく、テレビで喋っている玉川徹に違和感を感じる」
こうした批判的なコメントの一方で玉川氏の出演を歓迎する声が生出演直後にはネットでは多く見られた。
「お! 玉川徹の声が聞こえたぞ! 復帰おめでとう モーニングショーらしくなったね」
「玉川さん復活してるぅー! これからも番組盛り上げてください!」
「スタジオ復帰。 玉川さん、やっぱりこうやって番組で話してくれるのは嬉しい」
「玉川さんいないと思ってたから画面見てなかった 声が聞こえて驚いてテレビ見始めたなう スタジオにいて更にびっくりだよ おかえり!」
「おかえりなさい!! 玉川さん!! 玉川さんの声が聞けて良かった」
「玉川さん、早速いい仕事してる! 素晴らしい がんばれ!」
「早速登場で度肝抜かれた(笑) おかえりなさい、現場もなかなか似合います」
「玉川さん、記者としてすぐさま活動再開! とても嬉しいです」
玉川氏の謝罪翌日のスタジオ生出演にネットは賛否と驚きなど様々な意見が書き込まれる状態となっている。
●復帰明けの玉川徹「取材・解説コーナー」 玉川節はどうなった? 10/20
きのう19日(2022年10月)の「モーニングショー」で、玉川徹(テレビ朝日報道局)は失言コメントの責任を取るとしてレギュラーコメンテーターを事実上外れ、「これからは現場に足を運び、取材をし、事実確認をして報告する」リポーター的な存在として番組にかかわると表明したが、20日の放送でさっそく『玉川取材』コーナーが登場した。
弁護士取材や過去の議事録調査
玉川が取材・解説したのは、岸田文雄首相の1日でまったく逆の内容になった国会答弁だった。岸田首相はおととい18日の衆院予算委員会で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令請求の要件は、「刑事事件に限り、民法の不法行為はこれに入らない」としていたが、19日の参院予算委では「民法の不法行為も入り得る」と変わった。
野党は「朝令暮改だ」と批判しているが、被害者や弁護団はどう見ているのか、玉川は全国霊感商法対策弁護士連合会の阿部克臣弁護士に話を聞きに出かけた。
玉川「岸田総理が変わったことについてどういうふうに思いますか」
阿部弁護士「解散命令請求に向けたハードルがかなり下がったということで、大きな前進と評価しています」
玉川は1956年の衆院議事録を調べて、岸田首相の答弁が変わった背景をスタジオで解説した。「(解散請求は)刑法違反じゃないとだめだと文化庁はずっと言ってきたんですけど、(議事録を見ると)もともとの部分(解釈)から変わっているんじゃないかと思います」
文化庁が狭く解釈してきたことを岸田首相は鵜呑みにしてそのまま答弁してしまったが、その後、周囲から指摘されて、「民法も含む」というもともとの解釈に戻して答弁しなおしたのだという。以前の玉川だったら、ここで「答弁の準備不足だ」と批判したところだが、けさは「解散命令」の行方に移った。
これについては田崎史郎氏(政治ジャーナリスト)がコメント。「質問権を行使する場合、宗教法人審議会の了承を得なければならないのですが、こうした手続きに1、2カ月かかります。さらに、立ち入り調査をするためには法人側の同意が必要です」
旧統一教会を解散させるにはまだ多くのハードルがありそうで、司会の羽鳥慎一は「スピード感が必要です」とまとめた。
●玉川徹氏、取材記者として「モーニングショー」生出演… 10/20
安倍晋三元首相の国葬についての失言を謝罪したテレビ朝日の玉川徹氏が20日、取材記者として「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・午前8時)に出演した。
玉川氏は事実誤認発言で10月5日から10日間、出勤停止する謹慎処分を受けていたが、19日の番組で改めて謝罪し「これまで私はスタジオで様々なニュースに対しコメントを続けてきましたが、これからは、現場に足を運び取材をし、事実確認をして報告するその基本にもう一度立ち返るべきだと考えました。そして、その結果は、この羽鳥慎一モーニングショーでお伝えする、そういうふうな考えに私は今回、いたりました」と明かしていた。
この日、同番組は旧統一教会への「解散命令請求」の基準について、岸田文雄首相が18日「刑事事件に限る」と答弁したが、19日に一転「民法の不法行為も含まれる」と法解釈で180度転換したことを報道。スタジオで司会の羽鳥慎一アナウンサーは「この解釈の変更で解散命令請求の行方は今後、どうなっていくんでしょうか。旧統一教会の問題に取り組む弁護士を玉川さんが取材しました」と伝え、玉川氏が19日午後6時過ぎに都内で旧統一教会への解散命令請求を求めてきた阿部克臣弁護士を取材するVTRを放送した。
さらに玉川氏はスタジオに生出演。パネルを使い宗教法人法第81条の「解散命令」などについて解説していた。
●玉川徹氏の“重い処罰”に「電通怖い」の声続々 大手広告代理店の影響力 10/20
情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)にて、安倍晋三元首相の国葬に関する失言をしてしまい、10日間の謹慎処分を受けていたコメンテーターの玉川徹氏。処分のあけた10月19日には同番組に生出演し、神妙な面持ちで失言の撤回と謝罪をおこなった。
9月28日の放送で国葬で菅義偉前首相が読んだ安倍氏への弔辞が国民から高く評価されたことについて玉川氏は「僕は演出側の人間。テレビのディレクターをやってきましたから。そういうふうに作りますよ。政治的意図がにおわないように」と発言。その上で「当然これ、電通が入ってますからね」と指摘した。
問題発言の翌日には「事実ではなかった」と謝罪していたものの、テレビ朝日の篠塚浩社長は「番組および会社の信用を傷付け、損害を与えた」として、玉川の発言を重く受け止めたようだ。
19日の放送では玉川自らが「今回の私の事実誤認のコメントにより、ご迷惑をおかけした電通、および菅前総理大臣に対し、改めてお詫び申し上げます」と謝罪の意を伝え、さらに「これからは現場に足を運び、取材をし、事実確認をして報告する」と説明した。
『電通』というキーワードが一番アウト?
今回の騒動に関して、ネット上では
「これまでもテレビで事実誤認の発言をしたのに、テレビに出続けている人は大勢いるでしょ。今回の件は特に厳しい処分だと思う。公共の電波で“デマ”を流したのはもちろんいけないことだけど、やっぱり『電通』というキーワードが一番アウトだったのかな?」
「電通の影響が見え隠れするのは私だけ…? 電通に深々と謝罪する玉川さんを観て、思わず“ここまでさせる電通怖い!”って感じてしまった…」
などの声が続出。どうやら“電通の持つ影響力”と結びつけて考える人もいるようだ。
たしかにテレビ局と電通は非常に深い関係性であることに違いないが、一方で、
「勝手な憶測で企業名を出しちゃったわけだし、番組を通してしっかりと謝罪するのは当然の話じゃない? 視聴者だけじゃなく、いろんな関係者にも迷惑かけた点を踏まえると、処分や謝罪内容も“普通のこと”だと思う。『もっと悪い子がいるから謝らなくていい』って理論はおかしくない?」
「今回の事実誤認の発言によって、電通のネームバリューに傷がついたし、下手をすれば大損害を被る可能性もあるよね。電通が重要な取引先だったり、影響力を持つ会社なのは分かるけど、『電通怖い』っていうのは少しズレてる気がする」
といった意見も。あくまで原因は玉川本人にあり、電通に対する様々な憶測を否定する声も上がっていた。
玉川の謝罪をきっかけに、なぜか「電通」にも矛先が向いた同問題。真相はどうであれ、電通にとっては“二次被害”と言ってもいいかもしれない。 
●玉川徹氏「謝罪・復帰」に抜け落ちている重大視点  10/20
玉川徹氏を、テレビ朝日は「どうしたい」のだろうか。
9月28日放送の「モーニングショー」で安倍元首相の国葬における菅前首相の「弔辞」について、コメンテーターである玉川徹氏の発言が大きな波紋を広げた。
多くの人が「菅さんの思いが溢れた弔辞だった」「心に響く内容だった」と感銘を受けた、この弔辞について、「これが政治的な意図だと思うから。僕は演出側の人間ですからね。テレビのディレクターをやってきましたから。それはそういうふうに作りますよ、当然ながら」とコメントをしたのだ。
さらに、「当然、これ、電通が入ってますからね」と付け加えた。
局員をコメンテーターとして起用する「意味」
この発言が、ネット上での記事で取り上げられると瞬く間に炎上≠オた。
前首相の弔辞について「電通が入っている」と決めつけた。
そしてその指摘は「誤っていた」のである。
政権に対して恒常的に「批判的」なコメントをすることで、一部の視聴者から人気となっていた玉川氏だが、この決めつけた発言は明らかにオーバランだった。
実際には電通は関与していなかった。そしてテレビ朝日は電通に謝罪をし、玉川氏も発言翌日に番組内で「事実ではありませんでした」と発言を訂正、謝罪した。
そしてテレ朝は、玉川氏を10月5日から10日間の出勤停止にすると発表、あわせて情報番組センター長と番組チーフプロデューサーもけん責処分となった。
「事実に基づかない発言」によって、テレビ朝日は大きなダメージを負ったのである。
玉川氏はテレビ朝日の「社員」である。そしてそのキャリアは主に「取材ディレクター」であり、報道局の記者や解説委員ではない。またアナウンサーでもない。独特の存在である。
この「局員」をコメンテーターとして起用することの意味≠、「モーニングショー」の番組スタッフやテレ朝上層部は、正しく理解していたのだろうか?
局員が出演して「意見を述べる」ことは、イコール「局の意見」なのである。
スタジオに出されたスイーツなどを食べて「うまい」「口に合わない」などという類いの話なら別に個人の意見≠ナ構わないのだが、「政治」「外交」などに関わるテーマに関しては、「テレビ局を代表した見解」ということになる。
なので、他局の場合、情報番組やいわゆる「ワイドショー」に社員がコメンテーター的な立場でする場合は、報道記者であるケースがほとんどである。
例えば私が番組草創期に関わっていた日本テレビ「スッキリ」の場合は、報道局社会部のベテラン記者である下川美奈氏を起用している。
また政治がテーマの際に政治部の局員記者が出演する際なども、あくまで「解説」をするのであり、政治部記者が「オピニオン」を述べることは基本的にない。
しかし「モーニングショー」では「局員」である玉川氏に「意見」を発することを許してきた。
玉川氏は舌鋒鋭い批判の一方、物議を醸してきた
これまでも、新型コロナへの政府対応について、舌鋒鋭く#癆サを繰り返してきた。
そんな「モーニングショー」の番組内容は、高齢者を中心とした視聴者層にウケがよく、高い世帯視聴率を獲得してきた。
この状況の中で、玉川氏に対して番組プロデューサーなどのスタッフは、「コントロール」ができていたのだろうか。
玉川氏は1989(平成元)年入社の59歳である。
現在、情報ワイド系の「現場プロデューサー」はおおむね40代半ばから50代前半までというのが、各局にほぼ共通した体制である。
玉川氏からみれば「後輩」であり、番組スタッフから見れば玉川氏は「先輩」なのだ。
玉川氏の鋭い舌鋒は、物議を醸すことも多々あるのだが、その発言内容を番組サイドはどれだけ「承知」していたのだろうか。
そして玉川氏の発言は、彼がテレビ朝日の社員である限り、それは「番組スタッフも承知したうえでの発言」とされるのであり、さらに「局の見解」と見なされるべき≠ネのである。
その「覚悟」が、テレビ朝日のプロデューサーや情報番組センターの人間にどれだけあったのか。
そして、玉川氏の発言では「電通がかかわっていた」という趣旨の発言がクローズアップされがちだが、私はそれ以上に問題と考える部分がある。
それは 「これが政治的な意図だと思うから。僕は演出側の人間ですから。そういう風に作りますよ、当然ながら」 という発言である。
これは玉川氏が、過去の番組制作において「政治的な意図を持って演出≠していた」と受け止められかねない危険な発言だろう。
思い出されるテレ朝の「椿発言」
テレビ朝日ではかつて「椿発言」という大問題が起こったことがある。
これは1993(平成5)年に当時、報道局長だった椿貞良氏が日本民間放送連盟(民放連)の会合で、総選挙報道について、「反自民の連立政権を成立させる手助けになるような報道をしようではないか」などと発言した。
この「偏向報道」を煽るかような発言は当然問題視され、椿氏に対して衆議院で証人喚問が行われた。また一時はテレビ朝日に対して「放送免許の取り消し処分」も検討された、放送史に残る事件となったのだ。
玉川氏は当時すでにテレビ朝日の局員であり、この事件のことを内部から見てきた立場である。
政治に関する事柄について「演出を加えていたのか?」と誤解を招くような発言をすることの危うさ≠ヘ熟知しているはずである。
この発言が、彼が過去に「政治的な意図による演出」を実際に行ってきたことの告白≠ナあるならば、それは「椿発言」と同様の大問題である。
また、仮に、単に「そんなことはしたことはないが、口が滑った」というのであれば、「電通が関与」発言以上に、「訂正」をしなければならない内容だろう。
そして10月19日の「謹慎明け」に、玉川氏はスタジオではなく報道局からの出演で、自らの発言について菅前首相と「電通」に対して謝罪をした。
さらに自らの「出処進退」については、コメンテーターから「事実を伝えるという基本に立ち返る」という趣旨のもと、取材≠してそれを報告する≠ニいう立場に転身すると発表をした。
そして復帰「翌日」の20日には、「統一教会」の問題に関して自らが取材を行い、それをスタジオへの生出演で「報告」したのである。
しかし「政治的に」「演出」という部分についての言及はなかった。
あくまで「電通発言のみ」を謝罪して、「事実誤認」を反省して出直すというのが反省の弁だったのだ。
触れなかったのは「意図的」だったのだろうか。
あるいは「政治的に」「演出」という発言部分は「とり立てて問題ない」という判断だったのだろうか。
その部分こそ、私はテレビ朝日による説明が欲しいのだが。
そして玉川氏と、番組スタッフ・テレビ朝日は、「取材をして報告する」という形で引き続き番組に出演を続けるという選択をしたのである。
定年まで年数のない玉川氏に「取材をして報告をする、後進の人材を育成してもらう」という選択肢もあったように思う。
視聴率を獲得していこうという思惑が透ける
そこには番組の「顔」である玉川氏の出演続行によって引き続き視聴率を獲得していこうという思惑が透ける。
だが、再び番組に復帰した59歳の局員を、後輩にあたる番組スタッフが御す≠アとはできるのだろうか。
「視聴率がほしい」番組とテレ朝は、この記者でもなくアナウンサーでもないコメンテーター≠「どうしたい」のか。
これは玉川徹氏個人の処遇だけでなく、「情報番組」、いわゆる「ワイドショー」の制作にどのような姿勢で取り組んでいくのかが問われているのである。
 
 

 

●玉川氏引き止め≠ノテレ朝「冠番組」計画 上層部もたまげたタレント価値 10/21
テレビ朝日社員・玉川徹氏(59)の流出阻止策として同氏の冠番組説≠ェ浮上している。
謹慎明けの19日に同局系「羽鳥慎一モーニングショー」に復帰。今後はコメンテーターではなく、現場取材をした成果をその都度スタジオで伝えるとした。
さっそく20日の同番組に出演した玉川氏は、旧統一教会の問題に取り組む弁護士を取材するVTRを流し、その後にスタジオで生解説。テレ朝は本人の希望を即実現させた格好だ。
「処分が甘すぎる」と炎上する可能性があったにもかかわらず、なぜテレ朝は、それを了承したのか。その裏には、上層部が玉川氏のタレント価値≠ノ驚いたからだという。
「自ら取材をしてスタジオで伝えることは玉川氏が希望したもので、上層部もそれを許可した。『数字(視聴率)を持っている男』とは言われていましたが、謹慎期間中にもその動向が連日注目されたことに、テレ朝は衝撃を受けたからです。玉川氏の希望を無視して干せば、へそを曲げて退社してしまうかもしれない。フリーとなり、ライバル局で活躍されたらそれこそ目も当てられない。テレ朝にとって多大な損失という判断があった」(同局関係者)
来年定年を迎える玉川氏。本人はフリーで稼ぐ気はなく、嘱託採用で「テレ朝の番組に出演し続けたい」と話しているものの、実際、複数の芸能プロダクションがその動向を探っているという情報もあり、油断はできない。局内では、流出阻止策として冠番組の話まで出ているという。
「玉川さんはこれまで政治ものを取材してきたが、過去には政治討論番組『サンデープロジェクト』を担当していた。政治討論番組の復活を願っていたこともあり、将来的に玉川さんを据えて立ち上げる話もある」(前)
玉川氏は謹慎処分となっても衰えぬ存在感で、自身の夢までかなえてしまうかもしれない。
●玉川徹氏「謝罪」翌日に「取材記者として」さっそくスタジオ生出演  10/21
テレビ朝日社員でコメンテーターの玉川徹氏が謝罪会見をした翌日の20日、「取材記者」と称して「羽鳥慎一モーニングショー」に出演しました。
現場に足を運んで取材をするが、その内容をスタジオで報告することもあり得るといった謝罪翌日の即生出演に疑問の声が上がりました。しかし、テレ朝は玉川氏の流出を危惧して引き留めを図っているという報道もあります。
旧統一教会への「解散命令請求」を阿部克臣弁護士を「取材」し、そのVTRを放送し、玉川氏はスタジオに生出演しました。「テレビ朝日報道局 取材生活30年 政治や経済を独自目線で伝える」とテロップで紹介されました。

「今後は間隔をあけて出演する」とは言わなかったので、翌日に生出演するのは最初から予想されていました。
「玉川徹氏は「今後は間隔をあけて出演する」とは言わなかったので、翌日に生出演するのは最初から予想されたことです。また「今後は政治的意図を隠すことはない」とも言わなかったので、今後も政治的意図を隠して大衆操作することが十分に予測されます。騙されないことです— 藤原かずえ」
身を引かないどころか、翌日から出演してしまいました。
「これだけの大騒動になっても、自ら身を引かない玉川は太い野郎だが、これを平気で復帰させるテレビ朝日が、いかに日本人を舐めているかが分かる。モーニングショーのスポンサーは、今後リスクとして、企業がどんな目で見られていくか良く考えた方がいい。 — 海乱鬼」
「政治的意図がにおわないように制作者としては考えます」という「情報操作」をテレビ朝日トップに説明していただきたいところです。
「実は玉川徹氏が出演しつづけるほうが都合が良い。今後は本丸の「情報操作」のほうを、テレビ朝日トップに説明していただこうか。— 白川司」
事実誤認の話に問題をすり替えてはいけないという指摘も。
「玉川氏が復帰したそうですが、彼の「政治的意図がにおわないように制作者としては考えます」との発言を検証することなく、彼が番組に関わり続けるということは、テレ朝は今後も政治的意図を隠して政治的に偏った放送を続けるということなのだろうか、事実誤認の話に問題をすり替えてはいけない— 一色正春」
視聴者を誘導する恐ろしさを歴史に学んでいないという指摘もあります。
「民主党政権が誕生した際「政権交代」という言葉が異常なまでに持てはやされていた。玉川徹氏のいう「政治的意図をにおわせないように」視聴者を一定の方向に誘導していたのではないか?— 岩田温」
政府与党はこの姿勢を見習えという意見もあります。
「玉川さんの謝罪。政府与党は全員見習ってくださいね。録画して1日5回はみて練習するように。電通もな
— Dr.ナイフ」
フリーのコメンテーターが同じ発言をしていれば、クビになってるはずです。
「玉川徹さんと同じ発言をフリーのコメンテーターがしたら、普通にクビになってるでしょう。玉川さんはテレ朝の社員だから会社に守られて、今回の問題でも10日の秋休みの後にコメンテーターを続けられるっていうのは、身内に甘いと言われても仕方ない。— KAZUYA」
いろいろな意味で、現在の日本を象徴する出来事となりました。
●玉川徹氏とマッカーシズム  10/21
ジョセフ・R・マッカーシー(Joseph R. McCarthy)上院議員は、20世紀の米国が生んだ最大の【デマゴーグ demagogue】と呼ばれています。1950年代前半、全米は「米国が共産主義に支配される」というマッカーシーの扇動に操作されて、共産主義者をヒステリックに【魔女狩り witch-hunt】しました。これは【マッカーシズム McCarthyism】と呼ばれる【赤狩り red scare】であり、マッカーシーのデマを信じた大衆の【私刑 lynching】により、多くの罪のない人々が社会的地位を失ったのです。
当時の状況として、R.H.ロービア著・宮地健次郎訳『マッカーシズム SENATOR JOE McCARTHY by Richard H. Rovere』の核心部分をいくつか参照します。

“ ジョセフ・R・マッカーシーは多くの点でアメリカが生んだもっとも天分豊かなデマゴーグだった。われわれの間をこれ程大胆な扇動家が動き回ったことはかつてなかった。またアメリカ人の心の深部に彼くらい的確、敏速に入り込む道を心得ている政治家はなかった。
1950年2月9日、マッカーシーは演説の中で国務省には共産主義者がうようよしており、自分も国務長官もその名前を知っていると言った。
マッカーシー「国務省内の人間で共産党員およびスパイ網の一味と指名された人間全部の使命を挙げるだけの時間はないが、私はここに205人の名簿を持っている」
彼はホラを吹いたのだ。国務省に共産主義者がいるとしても、彼はそれが誰かということは知らない。もし名簿を持っていたとしたら、いったいどこで入手したのか。誰が彼に与えたのか。そしてなぜ?
だが、それは存在しなかった。
205人の共産主義者の名前をつかんでいると演説するのを聞いた婦人たちは、この事実をつかむためにさぞかし骨を折ったことであろうと感じたに違いない。
マッカーシーは?つきのチャンピオンだった。彼は思うままに嘘をついた。恐れることなく嘘をついた。白々しい嘘をつき、真実に面と向かって嘘をついた。しばしば、真実を述べるフリすらしないで嘘をついた。
彼は人々の恐怖や不安をよく知っており、それらを巧みに手玉に取った。
彼は真実や正義を、自分の目的に役立つときにのみ認める。それが自分の目的に役立たないときには、無視してしまう。あるいは巧妙に歪めて正当ならざる理由を正当なものに見えるようにしてしまう。
彼が米国に及ぼした最大の害悪の一つは、息の詰まりそうな「画一性」を社会に押し付けようとしたことであった。それは、意義そのものをけしからぬこととして、説明や弁明を要求するような雰囲気をつくり出した。
彼は気の向くままに行政・司法の権限を奪い取った。 ”

このマッカーシズムと同じような時代錯誤の大衆操作が70年後の現代日本で起きています。テレビ朝日『モーニングショー』のコメンテーターである玉川徹氏が、【政治的意図 political campaign strategies】を隠して国民を操作する番組を制作してきたことを意味する内容を堂々とテレビで宣言したのです。
そして、政治的意図が隠されている放送内容として具体的に考えられるのは、ワイドショーが来る日も来る日も流し続けている「政府が悪意をを持って不正を行い、権力で証拠を隠している」というシナリオの【陰謀論 conspiracy theory】です。玉川氏は、政治的意図を隠した【ルサンチマン ressentiment】たっぷりの陰謀論で国民を【思想改造 mind control】し、日本政府に対する画一的な憎しみを日本社会に押し付けようとしたのです。
ここで忘れてはならないのは、玉川氏は公共の電波を自由に扱うことができる権力をもつ私人です。この私人の権力を縛るのが放送法ですが、玉川徹氏は放送法を嘲笑うようにデマを繰り返し、蔑ろにしてきたのです。このことは、私人である玉川氏が不当に公的権力を悪用して主権者が付託した公人を貶めるという民主主義の破壊行為を行っていたことに他なりません。
玉川氏は、【ゼロリスク・バイアス zero-risk bias】を持つ日本国民の恐怖や不安をよく知っていて、それを巧みに手玉に取りました。玉川氏が頻繁に用いる説得術として「単に可能性があること」を「とても可能性が高いこと」と混同させる【可能性に訴える論証 appeal to probability】があり、これを用いて証拠もなくスケープゴートを罵倒してきました。
その詳細や事例については『月刊Hanada』2022年12月号に寄稿しましたが、「政府が国葬を政治利用する可能性がある」という単なる一般的命題を、「政府が国葬を政治利用する可能性が高い」どころか、いつのまにか「政府が国葬を政治利用した」という事実にすり替え、それを根拠に政府を人格攻撃した今回のケースもこのパターンに当たります。
可能性に訴える論証をベースにした玉川氏の陰謀論は数々ありますが、最も国民にダメージ与えたのはコロナ報道です。コロナ禍において、玉川氏は日本国民のゼロリスク思考を手玉に取り、国民に「家にいろ」と命令し、自粛を強要しました。玉川氏にゼロコロナの信奉者に思想改造された日本国民は、経済を完全に破壊する規模の厳格なゼロコロナ対策を政府に命じ、国民の血税を原資とする莫大な国費を湯水のように浪費させたのです。
マーガレット・T・シンガー著『カルト Cults in Our Midst』によれば、【カルト cult】の思想改造プログラムには次の6条件が特徴として存在します。

“ カルトの思想改造プログラムの6条件(マーガレット・T・シンガー)
・カルトは、思想改造を気付かせないように信者を思想改造する
・カルトは、信者が得られる情報をコントロールする
・カルトは、信者に不安と依存心を喚起する
・カルトは、不都合な過去をリセットして信者から隠す
・カルトは、好都合な情報のみ信者に吹込む
・カルトは、論理の閉鎖回路に信者を閉じ込めまる ”

この6条件における「カルト」を「ワイドショー」に「信者」を「視聴者」に置き換えても全く違和感はありません。日本のワイドショーはカルトと遜色ない説得術を行っているのです。
なお、現在、ワイドショーは、旧統一教会と接点があったことを根拠に自民党議員を魔女狩りしています。鈴木エイト氏によれば、統一教会は自民党議員をマインド・コントロールし、国家を支配しようとしているそうです。もういい加減、ワイドショーという国家の存亡に関わるカルトから日本国民は卒業するのが身のためです。 
●玉川徹氏の謝罪にロザン宇治原が疑問「何で電通が入ってると思ったのか」 10/21
お笑いコンビ「ロザン」が21日、ユーチューブチャンネル「ロザンの楽屋」の動画を更新し、テレビ朝日社員の玉川徹氏(59)が謝罪した問題について取り上げた。
玉川氏は先月28日、「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)で、安倍晋三元首相の国葬における菅義偉前首相の追悼スピーチについて、「当然これ、電通が入ってますからね」と話したが、翌29日の放送で「電通は全く関わっていないことが分かりました」と謝罪した。
その後、出勤停止10日間の謹慎処分を受けた後、今月19日の放送から復帰。あらためて事実誤認の発言を謝罪し、今後はコメンテーターではなく、現場で取材をしたことをスタジオで伝える役割で出演するとした。
玉川氏の謝罪についてロザンの菅広文は「何について謝罪してるのかが、ちょっとよく分からへんかった」と指摘。さらに「(玉川氏は)政治的意図みたいなのを編集する、みたいな感じのことをおっしゃってたじゃないですか? そのことに関して言及されてない」と話した。
菅は、玉川氏による事実誤認の発言が問題ではなく「政治的意図なりなんなり、テレビ側は編集するのかどうか。そこに関しての言及はいるんじゃないかと思ってて」。
ただ、それについては玉川氏ではなく、社として説明すべきとした。「上司の方が(玉川氏から)聞き取りをして。テレビとしたら『そういう意図的な編集はしません』と言うのか、『いや、します』と言うのか。ここじゃない? みんな、悶々としてんの」
玉川氏は「慢心があった」と話したが、宇治原史規は「慢心があったら、何で電通が入ってると思ったのか、よく分からない」と指摘。菅は「見てる人からしたら、別に入っててもいいんやと思う。だってオリンピックの開会式とか、演出入ってるわけやん」と続けた。
●玉川徹氏、復帰翌日はスタジオ出演も3日めは出演なし 10/21
《玉川さんを出してほしい!》
そう熱烈にラブコールを受ける「玉川さん」とは、テレビ朝日局員の玉川徹氏だ。
玉川氏は、長らく『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)にコメンテーターとして出演していたが、9月28日の放送での発言が問題となった。安倍晋三元首相の国葬での、菅義偉前首相の弔辞について、「当然これ、電通が入っていますからね」と広告代理店の関与を指摘したのだ。
玉川氏は、この発言が事実誤認であったとして、放送翌日に謝罪。これを受け、テレビ朝日から10日間の謹慎処分をうけていた。10月19日に謹慎処分が明け、番組に復帰していた玉川氏は、今後はコメンテーターとしてではなく、自ら取材し、その結果を報告するという形で番組に出演を続けると語った。
「この説明があった翌日の20日、玉川氏の取材の様子がさっそく、放送されました。さらには、スタジオにも生出演しました。
謹慎明けの翌日に、VTRのみならずいきなりスタジオに“カムバック”した玉川氏に驚いた視聴者も多かったようです。なにしろ19日の復帰1日めは、スタジオに足を踏み入れることなく、別室での謝罪からスタートするという“異常事態”でしたからね」(芸能記者)
本人が「自らの取材で」と語ったように、当面はスタジオ出演はないのではないか、と思っていた人も多かったようで、いきなりのサプライズ出演は賛否両論を呼んだ。玉川氏のファンは「もう一度スタジオにいる玉川さんが見れた!」と、大いに沸いた様子だった。ところが、そのさらに翌日の21日の朝は……。
「今度は、玉川氏の出演はありませんでした。取材VTRもなし。拍子抜けしてしまった視聴者も多かったようです」(前出・芸能記者)
たしかに、出演の頻度に関する情報は19日の説明にはなかったが、その翌日にはスタジオ出演していたため、これまでどおり毎日、玉川氏が出演するものだと思った人も少なくなかったようだ。ネットでは、こんなコメントが目立った。
《昨日、久々に玉川さんを見てやっぱりこの人でないと!痛感 今朝も期待したのに…》
《玉川さんが出る日だけは見たいから、玉川さんが出る日の事前告知をお願いしたい》
《玉川ロスだわぁ 締まりのない番組になっちゃったね 〆のストレッチは、やっぱり玉川さんじゃないと元気になれない》
《玉川さんのいないモーニングショーなんて、モーニングショーではないです》
「玉川さんは鋭いコメント以外にも、番組終盤の“ストレッチコーナー”で、お茶目な姿を見せてきました。そのギャップが、番組の人気でもありました。取材ベースでの出演となると、今後はストレッチも見られなくなるかもしれません。がっかりするファンも多いでしょう」(前出・芸能記者)
これからは、玉川氏が出演するかしないかで、ファンは一喜一憂することになるのだろうか……。
●玉川徹“様子見復帰"に強烈な不信募る3つの訳  10/21
「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)でコメンテーターを務める同局社員・玉川徹さんの復帰にいまだ賛否の声が飛び交っています。
玉川さんは10日間の謹慎処分が明けた19日の同番組冒頭、スタジオではなく報道フロアから、「ご迷惑をおかけした電通および菅前総理大臣に対し、あらためてお詫び申し上げます」などと謝罪。
「私の慢心とおごりがあった」「事実確認こそが報道の根幹であり、その原点に立ち返るべきだと考えました」「これからは現場に足を運び、取材をし、事実確認をして報告する。その基本にもう一度立ち返るべきだと考えました」「そしてその結果は、この『羽鳥慎一モーニングショー』でお伝えする。そういう風な考えに、私は今回、至りました」などと語りました。
19日の放送はそのまま終わりましたが、玉川さんは翌20日に本格復帰。スタートから10分が過ぎたころ、岸田文雄首相が旧統一教会の解散命令請求をめぐる宗教法人法の解釈をわずか1日で変えたことを特集したメインコーナーに出演しました。
まず玉川さんがこれまで解散命令請求を求めてきた弁護士にインタビューしたVTRを放送。画面上部には「一転 総理答弁(赤字で)玉川取材 解散命令請求の行方」の文字がありました。その後、玉川さんはスタジオに現れてメインプレゼンターのような形で巨大ボードを使って説明をしはじめたのです。画面上部には、「解散請求 (赤字で)玉川取材 刑法?民法?そもそもの要件」と“玉川取材”を前面に打ち出す形の演出が再び見られました。
このような19日の謝罪コメント、20日の出演、さらに21日は出演せずという数日間の動きが再び物議を醸しているのです。ただ、出演については賛否両論あるものの、それ以上にネット上で多数派となっているのは、「納得できない」「これでは意味がない」などの声。玉川さんは繰り返し謝罪したにもかかわらず、なぜいまだに怒っている人々が多いのでしょうか。そして、人々は何に対して怒っているのでしょうか。
玉川徹の進退より重視したいこと
まず、なぜいまだに怒っている人々が多いのか。
19日の謝罪コメントを見た人々が問題視しているのは、あくまで発言の内容であって、「『絶対に辞めるべきだ』と言うつもりはない」というニュアンスが感じられました。ネット上の声を追い続けていると、玉川さん個人の失敗を叩いて追い出そうとしているのは、一部の人々にすぎないようです。
番組やこの騒動を見てきた人ほど、「会社に属している一社員がこれ以上、矢面に立って社会的制裁を受け続けるのはさすがに行きすぎ」「このまま追い込んでしまうと悲しい事態にも発展しかねない」などと冷静に判断する人々の声が目立ちます。
これは単に個人を守ろうとしているのではなく、「論点はそこではない」とみているから。玉川さんの進退ではなく、「電通や菅前総理大臣に謝っただけで、肝心なことにふれていないこと」を問題視しているのです。それを裏付けているのは、玉川さんの本格復帰を願い、応援していた人々の中にも、「肝心なことにふれていない」などと指摘する声が多かったこと。玉川さんに出演してほしい人々にとっても、「真相を知りたい」「はっきりと言ってほしかった」という思いがあるのでしょう。
では、人々はどんな「真相を知りたかった」のか。
関連記事のトップクラスにあげられ、多くの「そう思う」ボタンが押されたコメントをいくつかピックアップしてみましょう。
「政治的な意図と演出」は言及なし
「番組制作やその中での発言が政治的意図に基づいている事、しかもそれを悟らせない様に気を付けながら行われている事、そこが重大な問題でそれを玉川氏やテレビ朝日は日常的に行なっている事を自ら打ち明けたのですが、それに関する説明や釈明はテレビ朝日からも玉川氏ご本人からもありませんね。そこについて納得のいく説明が無い限り今後は玉川氏の発言もテレビ朝日が制作、放送する全ての番組も政治的意図に基づいているという前提で見なくてはなりません」
「この話視聴者からすれば、国葬義に電通の関係が有無だったかなんて、正直どうでもいい。問題は、テレビ製作側が番組を『政治的意図を匂わないように製作・演出でするもの』だと発言したこと。国民の財産である公共の電波を免許で使っている以上、虚偽がなく、政治的に中立、対立する意見を出来るだけ両方提示するのが放送法で示されてるメディアの責任。テレ朝は、放送メディアとして反省してない」
「完全に電通発言だけを問題にして、また情報操作してる。テレビ局による情報操作問題は無かったことにしているのが恐ろしい。羽鳥さんもテレ朝もこの件には全く触れないで謝罪しているので、本当に反省してるとは思えない」
「謹慎発表時、羽鳥さんからも説明が必要であると発言があったので、期待してた面はあるんですが、結局はいつものテレビ局の無責任かつ甘い対応でしたね。他人には説明責任を求めて弁明後も答えになってない、甘いなどと批判しておきながら自分達は果たさない」
これら意外にも似たようなコメントが多く見られますが、それぞれが問題視しているのは、事の発端となった9月28日放送での発言。
今回、謝罪したのは主に最後の「当然これ電通が入ってますからね」という部分に留まり、そこに至る「僕は演出側の人間ですからね。テレビのディレクターをやってきましたから。それはそういうふうに作りますよ、当然ながら。政治的意図がにおわないように、それは制作者としては考えますよ」というコメントに対する説明がないことを指摘しているのです。
人々の頭には、「政治的な意図を踏まえた演出を行ってきたのか」という疑惑が残ったままであり、「臭いものにふたをして逃げるのか」と納得できないのでしょう。
個人に責任を負わせたテレビ朝日
そして、もう1つ人々の怒りを買っているのは、番組を放送するテレビ朝日の対応。
ネット上に「個人ではなく、会社の対応がどうなのかを知りたいだけ」という声が見られるように、玉川さんが個人の反省や再発防止策を述べているだけで、制作サイドや放送局からのそれらは発表されませんでした。失言は玉川さんの個人的な失敗に見えますが、解説委員でも報道記者でもないディレクターをコメンテーターとして起用したのは制作サイドであり、ひいてはテレビ朝日の責任は重大です。
しかし、“政治的な意図を踏まえた演出”というセンシティブな内容だからなのか。テレビ朝日は「あくまで“個人的な失敗”でやりすごそう」という姿勢が見られ、それに人々が気づいているのでしょう。実際、「“個人的な失敗”でやりすごそう」というニュアンスは、玉川さんの「謝罪コメントを番組のスタジオではなく、報道フロアに1人で立たせて行わせる」という演出が象徴していました。
そのようにテレビ朝日としての対応が不十分だったため、現在もネット上には「これまでも、これからも、政治的な意図を踏まえた演出をしていくだろう」とみなすようなコメントが散見されます。責任を個人に負わせ、人々の心に疑念を残す幕引きは、放送局や報道番組にとって好ましいものとは言えないでしょう。
また、玉川さんの復帰についても、あえてあいまいな部分を残すようなところが見られました。実際、「また毎日出るのだろう」「さすがにそれはないかな」などと、「玉川さんがどのような形で復帰したのか」をつかめていない人々が多いのです。これは制作サイドがあえて、どちらにも解釈できる形にしているのでしょう。
20日の放送で玉川さんは、その後の「円安の影響を受けて海外で働く日本人が増加」などの話題には登場しませんでした。出演時に「玉川徹 テレビ朝日報道局 取材生活30年 政治や経済を独自目線で伝える」という紹介文が表示されていたことからも、当面は「取材したテーマ以外は出演しない」という方針なのでしょうが、今後どうなるのかはわかりません。
“様子見の両にらみ”に募る不信感
これは見方を変えれば、「視聴率を獲れる玉川を辞めさせるのはもったいない」「クビにはせず、視聴者の反応を見ながら出演させていこう」という視聴率至上主義によるものではないでしょうか。視聴者の反応が良く、視聴率が上がったら、再び出演時間を増やし、逆に視聴者の反応が悪く、視聴率が下がったら、出演時間を減らしていく。
もし後者であれば、タレントや文化人のような扱いから、通常のスタッフに戻したうえで、「後継者を探せばいい」というだけのこと。できるだけ視聴率を獲れる形を残そうとしながら、「辞めさせる」という決断の余地も残している。目の肥えた現在の視聴者には、そんなテレビ朝日にとって都合のいい両にらみのような意図が透けて見えるからこそ、今回の対応に納得できないのでしょう。
そもそも局のディレクターがコメンテーターを務めること自体がハイリスクであり、組織としてはコメントを管理する必要性があります。しかも、これまでの玉川さんは記者のように取材内容を話すわけでも、解説委員のように解説に徹するわけでもなく、持論を展開することを売りのようにしていました。他局のテレビマンから見たら、「いくら視聴率が獲れたとしてもマネはしない」という極めて危なっかしい演出だったのです。
週5日のペースで1年中、生放送番組に出演し、あらゆる話題に関わり、加えて、劇場型の演出をしていたのですから、いつ失言が発生してもおかしくない状況でした。テレビ朝日は一連の騒動によって、「これらに対する危機管理の薄い、視聴率至上主義の組織ではないか」と印象づけてしまった感は否めないでしょう。
玉川さんの復帰うんぬんではなく、政治的な意図を踏まえた演出に対する言及がなかったこと。テレビ朝日が個人に責任を負わせるような対応をしたこと。そのうえ、まだ視聴者の顔色を見ながら一局員にリスクを負わせて視聴率を獲ろうとしていること。主にこれら3つの納得できないことが重なっているからこそ、失言騒動はいまだに物議を醸しているのです。 
 
 

 

●玉川氏、コメンテーターからリポーター転身も…期待されるのは関西進出? 10/22
テレビ朝日社員の玉川徹氏が10月19日、同局の『羽鳥慎一モーニングショー』に生出演し、安倍晋三元首相の国葬に関する事実誤認発言について謝罪。レギュラーコメンテーターを降板すると発表した。
安倍晋三元首相の国葬での菅義偉前首相の弔事について「電通が入っていた」と、誤ったコメントをした玉川氏。今後は現場での取材を行い、それをリポートする形で番組に出演するとのことだ。翌20日には旧統一教会への解散命令請求についてさっそく取材し、同番組に生出演している。
「当初は失言を受けて、完全に番組から降板するという話でしたが、まさかの翌日に生出演ということで、一部ネットではブーイングが起きました。反発されることは想定できていたはずなので、テレビ朝日もある種の“炎上狙い”だったのかもしれないですね」(テレビ局関係者)
もともとはテレ朝ディレクターだった玉川氏。これまで記者の経験はなく、現場での取材などはほとんど行っていないという。
「取材ノウハウがあるわけでも、強い情報網を持っているわけでもない。だからこそ、今回の失言が起きたわけです。取材経験がないがゆえにしがらみがなく、他の記者にはできない取材ができる可能性もあるでしょうが、たいしたスクープは期待できないだろう、というのが関係者の声ですね。まあ、舌の根も乾かぬうちに番組に出演したということは、本人としては裏方に引っ込むつもりはまったくないんだと思いますよ。現場で取材をすると言いながらも、結局はコメンテーターとしての仕事がメインになるでしょう」(同)
現在59歳の玉川氏は来年、定年を迎えるが、そのままテレビ朝日を退社する可能性も指摘されている。
「仮に退社したならば、他局の報道番組やワイドショーから出演オファーが届くかもしれないですね。特に“炎上上等”なスタンスの地方のワイドショーにとって、玉川氏ほどオイシイ人材はいませんよ」(制作会社スタッフ)
関西を中心に活動するキャスターの辛坊治郎氏は、ニッポン放送のラジオ番組『辛坊治郎ズーム そこまで言うか!』で、玉川氏について「玉川さんがテレビで発言する権利は命を懸けても守ります!」と話した。
「辛坊さんの政治的スタンスは、玉川さんとまったくの逆と言えますが、玉川さんのことを“テレビ的に面白い”と感じているんだと思います。こういった発言をきっかけに、関西ローカルのワイドショーで辛坊さんと玉川さんが共演し、そこで舌戦を交わすことになったら、大きな話題になることは間違いない。玉川さんとしても、保守寄りな関西ワイドショーに乗り込んで、そこで建設的な議論ができれば、“ヒール役”として人気者になっていくはず。保守寄りであることを批判されがちな関西ワイドショーにとっても、ヒール役がいてくれたほうが“見かけ上の中立性”を保つことができるというメリットがある。双方が双方を利用するという関係性を築けるという意味で、関西ワイドショーと玉川氏の相性は結構いいと思います」(同)
失言によって表舞台から消えるかと思いきや、まったくそんなことはなさそうな玉川氏。むしろこれをきっかけに、テレビ朝日だけにとどまらない活躍を見せることになるかもしれない。
 
 

 

●立川志らく、発言や謝罪に「今まで批判してきた人と同じような謝罪の仕方」 10/23
落語家の立川志らく(59)が23日、フジテレビ系「ワイドナショー」(日曜午前10時)に出演し、安倍晋三元首相の国葬に関する事実誤認発言で出勤停止10日間の謹慎処分を受けたテレビ朝日の報道局社員、玉川徹氏の件について、持論を述べた。
番組では冒頭10分以上を使って、玉川氏の発言や謝罪について伝えた。志らくは「結局、玉川さんは、テレ朝の社員なんですよね。これが、フリーのコメンテーターだったらまた違った形になる」と推察。また玉川氏がレギュラーコメンテーターを務める「羽鳥慎一モーニングショー」の19日放送で、別室の報道フロアから「慢心とおごりがありました」などと謝罪したことについても、志らくは「あのおわびの仕方だって、あの人らしくないじゃないですか」とコメントした。
MC東野幸治が「あの発言の何がどう間違いだったのか、とは言わなかった」と状況を補足説明すると、志らくは「玉川さんが今まで批判してきた人と同じような謝罪の仕方なんですよね。あの人らしくパンパンと(言わなかった)」と指摘した。
志らくはさらに「我々、見る側は無責任だから、あの人のいいかげんな発言を面白がって見ていたんですよ。あの人から何か学ぼう、と思って、一生懸命勉強して、ってそういう態度じゃないですよ」と、玉川氏の存在について持論を展開。東野から「勉強になると思って見ている方もいるかもわかりませんよ」と言われても「中にはいるだろうけど、たいていの人は面白がって見てますよ。また変なこと言うんだろうなって」と、スタジオの笑いを誘った。
志らくは「それが面白かったのに、それを真面目にしちゃったら、爆笑(問題)の太田(光)君みたいに、今何も言わなくなったらつまらないじゃないですか」と、受け手によって温度差があることも強調。「ワイドショーや情報番組は井戸端会議かよ、って非難されるんですけど、私は井戸端会議だと思っているんです。専門の人は呼ぶけど、我々コメンテーターは何の専門でもないわけですよ。いいかげんな話をして、思い付きでしゃべって、涙流した5分後にこのスイーツおいしい、って言ったりする。まともな感覚だったらやってられないですよ」と、TBS系情報番組でコメンテーターも務めた自身への自虐もまじえつつ、歯に衣(きぬ)着せぬ私見を展開。東野に笑いながら「TBSで何があったんですか」と突っ込まれていた。
●玉川徹、過去にもデマを拡散…“被害者”らの怒りの声 10/23
いずれこうなると思っていた……。国葬の弔辞を巡るデタラメ発言で大揺れの10日間を過ごした、テレ朝社員・玉川徹(59)。このコメンテーターの履歴を振り返れば問題発言の連発で、反権力アジテーターと見紛うばかり。炎上するのは当然の結果なのである。
毎朝、目を吊り上げ、口をトンガラせて、「許せません!」「ありえない!」。傲慢、尊大、上から目線の発言を連発……。
なぜ平日朝8時からこのストライプスーツ姿の「一社員」のご高説が流れているのか。そしてなぜ、視聴率が取れているのか。疑問に思う向きは少なくなかっただろう。
「玉川さんの発言の特徴は一貫した反官僚主義、野党気質ですね」と彼の言動を分析するのは、ノンフィクションライターの石戸諭氏である。
「そしてその一方で、視聴率への強いこだわりが挙げられます」
石戸氏は、かつてテレビ朝日で玉川氏と長く仕事を続けてきた社員に取材をしたことがあるというが、「玉川さんは『数字を取ること』をすごく意識していて、“数字を取れなかったらすぐ地位を追われる”と周囲に語っていたといいます。番組の平均視聴率だけでなく、自分の担当するコーナーの視聴率まで気にかける姿を見せていた。彼は自分が何を取り上げ、何を言えば視聴者が付いてくるかを常に考えている。ワイドショーの構造やパターンをよく知っていて、お行儀の良い発言でウケるのは難しいが、感情を強く出し、怒りを爆発させた方が視聴者に伝わるというのをよく知っている」
「電通が入っていますから」
「反権力」の衣をまとい、視聴者をあおる。このパターンで、彼をレギュラーコメンテーターに据えた「羽鳥慎一モーニングショー」は高視聴率を叩き出してきた。同じ時間帯のワイドショーではトップを走るが、そのおごりが脇の甘さを生んだのか。
9月28日の同番組は前日に行われた安倍晋三元総理の国葬について取り上げた。その中で菅義偉前総理が行った弔辞が感動を呼んだという話題になった際、玉川氏はすかさず、「僕は演出側の人間ですからね」「政治的意図がにおわないように、それは制作者としては考えますよ。当然、これ、電通が入っていますからね」と発言。つまりは、弔辞の評価は高いが、その下書きは電通主導で書かれたもの。だまされてはいけないよ――と事の真相を暴露したつもりだったのだろう。
しかし、そんな事実はなかった。放送直後から批判が殺到し、翌29日の番組で玉川氏は訂正して謝罪。10日間の出勤停止処分となったのだ。
根拠は「日経新聞に出ている」
テレ朝きってのスターについた「玉にきず」。飛ぶ鳥を落とす勢いの彼にとっては初めての挫折、と思う方もいるかもしれないが、改めて彼のこれまでの発言の履歴を見れば、むしろよくここまで無事に勤め上げてきたものと思えるほど、問題発言のオンパレードである。
例えば、だ。
直近で言えば、国葬発言の3週間ほど前の9月5日、番組内で再生可能エネルギーに話題が及んだ際、「原発の話をしたいんだけど、安全性なんて担保できない」「(エネルギーは)自給しろってことですよ」と発言。周囲から、再生可能エネルギーで全部まかなうなんてできるわけがないと冷静な突っ込みが入るも、「できます。ちゃんとためることができさえすれば安定する」となおも主張を曲げない玉川サン。で、その根拠は? と問われると、「日経新聞に出ている」お茶の間の視聴者はみなずっこけたであろう。
あるいは同じく今年の3月4日。ロシアのウクライナ侵攻を受けて、「戦争が続くと民間人の死者が桁違いに増えていく。戦力は圧倒的にロシアが上」「勇敢に戦ってるけれども、どこかでウクライナが退く以外には市民の死者が増えていくのを止められない。死者が増えないようにすることも指導者の大きな責任」とおよそプーチンが聞いたら泣いて喜びそうな主張を展開。一方的に侵略されてこんな論理で戦いを放棄すれば、それこそ侵略者の思うつぼだ。現状、失地を回復しつつあるウクライナの健闘を一体、どのように考えているのか。
全体主義国家のような考え
その玉川氏と「モーニングショー」の名をより認知させたのは、2年前からのコロナ禍であるが、昨年2月にもこんな発言をしている。
「(感染者を)なるべくゼロに持っていけば次の山は遠い。やっぱりゼロコロナを目指すべきだ」MCの羽鳥が「それは難しいと思いますけど」と至極真っ当な意見を述べると、「難しいって言っちゃったらできない」「もっと検査を拡大して無症状者を見つけて保護する」片っ端から検査をして感染者をあぶり出し、みな隔離せよと、権力が嫌いな割には、全体主義国家のような考えを開陳しているのだ。
この2年間、一貫してコロナの恐怖をあおりまくってきた玉川氏だが、一昨年の12月、その点を問われると、「あいつはあおるばかりで、そんなに大したことが起きなかったな、というなら、その方がいいと思っている」しかし、そんなあおりのせいで過剰な対策が進み、経済的な困窮から自殺者が増えているという指摘を受けると、「その人たちがどういう理由で自殺したかもわからず、直接因果関係もわからない」と、反権力を標榜する「弱者の味方」とは到底思えない突き放し方をしているのである。
「視聴率が取れる男」
政権批判なら何でもあり。思わず「その口にマスクを」と言いたくもなるが、「玉川さんは昔から、視聴率が取れる男として局内では知られていました」と言うのは、テレビ朝日の関係者である。
玉川氏は仙台二高、京都大農学部、同大大学院を経て、テレ朝に入社。ワイドショーでディレクターとして働いていたが、「スーパーモーニング」で社員ながらレポーターを務めると人気が沸騰した。
「役人を追及するテーマが得意で、インタビューでは相手を挑発して怒らせ、躍起にさせて答えさせる。話もうまいので、あの人が画面に出ると視聴率が上がりました。理系で頭がすごく切れて賢い。炎上したり、物議を醸したり、反対意見が起こるような発言も意図的に行い、今の地位を築いてきたところがあります」(同)
局にとっては優秀なテレビマンということになるが、それはもちろん彼だけの力ではない。
「局側も彼に優秀なディレクターを専属で付け、しっかりと裏を取らせていたんです。だから、挑発的な発言をしてもそこまで大問題にはならなかったんです。が、その後、『モーニングショー』に移って、とりわけ最近の発言の裏取りの甘さには驚いています」
飲み会では玉川氏の悪口に
その「玉川番」については逸話があり、「玉川さんはパワハラではないかと思うくらいビシバシ厳しく接していましたね。24時間365日、“あれやっとけ”“これやっとけ”と指示を出し、かわいそうなくらい働かせていた。『番』の中には、実力が付く者もいる一方、耐えきれず“無理です”と現場を離れてしまう人もいました」
ご本人のパーソナリティーについても、「一言で言うとわがままで目立ちたがり屋。『スパモニ』でも、自分のVTRのナレーターを自分で決めたりしていました。あれだけ数字を取っていてあの年齢ならば、管理職になってしかるべきです。でも、俺が主役だ、人の面倒なんか見ないと現場に居続けた。付き合いも悪く、局員同士の飲み会にもほとんど出なかった。今でも『スパモニ』の元スタッフで飲むと、ひとしきり玉川さんの悪口で盛り上がりますね」
デタラメ情報に振り回された当事者
番組同様、素の姿も唯我独尊の傾向にあるらしい。
「菅さんの騒動を聞いて、またそんなことを言っているのか、と思いましたよ」とは、嘉悦大学の高橋洋一教授。
高橋教授は元財務官僚で、菅政権で内閣官房参与を務めていた昨年5月、日本のコロナの感染状況について海外に比べて「さざ波」と発言。これに早速、玉川氏がかみつき、「官房参与は国税を使って任命されている」とコメントした。
「これはデタラメで、私は無報酬で、交通費ももらっていませんし公用車すら利用していませんでした。だからTwitterでその旨を書き、それを受けてテレ朝も官邸に取材して、そのことを確認しているんです。しかし、その後、謝罪も訂正もありませんでした」
さらにこうも言う。「少し確認すればわかることなのにそれをしない。まあうそも交えて批判するのが彼の芸風ですから、今回の発言もさもありなんです」
デマを流されたことに憤る前箕面市長
また、「公共の電波で発言することの責任をまったく自覚していませんよね」と呆れるのは、大阪・箕面市の倉田哲郎・前市長である。
2年前の1月、玉川氏は同市にある「箕面大滝」が観光スポットとして取り上げられた際、余計にもこんな一言を付け加えた。
「(以前この滝について)取材しましたよ。(市が)トンネル掘ったら(その影響で)滝の水が少なくなったと」
倉田前市長が言う。「その話は2006年頃にいくつかのマスコミが報じたんですが、全くの事実誤認で、実際、流水量を調べてもそんなデータは出ませんでした。市のイメージや観光に風評被害をもたらしていたので、HPやSNSなど、あらゆる媒体で誤りであることを示し、ようやく理解してもらえるようになってきていたんです」
しかし、玉川氏の発言はその努力を振り出しに戻した。
「思わず力が抜けました。地元の方も激怒していましたよ。間違いであることはインターネットで少し検索すればわかること。それもせず、軽率に発言をするとは許せませんでした」
倉田市長(当時)は正式にテレ朝に抗議。番組は謝罪と訂正をしたが、玉川氏はついに頭を下げなかったという。
致命的なミス
冒頭の石戸氏は言う。
「以前、玉川さんは、スタジオでの感想は多少踏み込んでもいいが、基本的なデータやファクトは正しく報じなくてはいけないと周囲に語っていた。間違えが重なると番組の信頼が損なわれる。逆に相手が反論しても事実が合っていれば番組の信頼は増す、と。しかし、今回はこうした態度が消え失せていた。自分の姿勢が支持されたという自負が、これくらい言っても大丈夫だろう、と軽率な発言につながったとみます。致命的なミスでしょう」
ちなみに、彼が謹慎中の10日間、「モーニングショー」の視聴率は普段とそれほど変わらなかったという。
●「ワイドナ」犬塚弁護士、テレ朝は玉川徹氏を「特別扱い」 10/23
犬塚浩弁護士が23日、フジテレビ系「ワイドナショー」に出演し、テレビ朝日の玉川徹氏に対する「特別扱い」に言及した。
玉川徹氏が安倍晋三元首相の国葬を巡り、事実誤認して発言したとして出勤停止10日の処分を受けたという話題。犬塚氏は「出勤10日というのは懲戒処分の中では比較的重い方ですね」と説明。しかし続けて「普通の会社の方はお分かりですけど、出勤停止10日間の次に現場にそのまま復帰するというのは普通はありえないです」とコメントした。
玉川氏は出勤停止明けの10月19日に「羽鳥慎一モーニングショー」に出演し、別スタジオから謝罪。翌日の20日にはスタジオに戻り、旧統一教会の法解釈などについて解説した。謹慎中に取材したか、前日の謹慎明けに取材したかは明言しなかったが、自身が取材した内容として伝えた。
犬塚氏は「会社の側は特別扱いしたわけですけど、この方は以前のようなコメントすることはできないですし、テレ朝もマスコミの矜持が問われた場面だったと思うんですけど、少し中途半端に終わってしまったんじゃないかなと」と手厳しかった。フジテレビ社員であり、アナウンス部長という立場でもある佐々木恭子アナウンサーも「確かに、元の職場に戻るって、ないとは思いますね」と犬塚氏の意見に同意していた。 
●竹田恒泰氏 菅義偉前首相の弔辞を絶賛「それを玉川徹さんが…」 10/23
作家の竹田恒泰氏が23日放送の読売テレビ「そこまで言って委員会NP」に出演。テレビ朝日社員の玉川徹氏による電通発言¢專ョを蒸し返した。
番組では「安倍晋三元首相への弔辞で評判となった菅義偉前首相への評価は?」という議題でトーク。
竹田氏は「もう一度やってほしい」と話し、国葬について「菅さんの弔辞を聞いて『元の菅さんだ』と思いましたよ。総理の時の菅さんって、『あれ? 菅さんってこんな人だっけ』みたいな、僕もガッカリしちゃったところはあったんですけど」と振り返った。
さらに「やっぱりジーンときたのは『総理、総理』って呼びかけるわけですよ。『あんたも総理だけどね!』とは思いますけど(笑い)、そんなことはどうでもいい。菅さんの中で総理といったら安倍さん。その時の官房長官をしてた時の感覚でずっと語ってくれてる感じがいい」とジョークを交えつつ絶賛。
その上で「それをね、玉川徹さんがね、菅さんの弔辞がよすぎて『絶対、広告代理店が入ってる』って言った。そういう叩き方するか?って話でしょ」と皮肉った。
玉川氏は先月28日、「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)で、安倍元首相の国葬における菅前首相の追悼スピーチについて「当然これ、電通が入ってますからね」と発言。事実誤認と発覚し、10日間の謹慎処分を受けた後、今月19日の放送から復帰している。
●テレ朝看板の玉川弘中は“脱出”不可? 芸能ニュース雑話 10/23
記者I プロ野球では日本シリーズも始まりましたが、いよいよ秋本番といった風情ですね。さて、今週の日刊サイゾーでは割と雑多なジャンルが読まれていましたが、その中でも最も読まれていたのがテレビ朝日の“人気者”2人についてでした。先月末に結婚を発表した弘中綾香アナと『羽鳥慎一モーニングショー』での問題発言で謹慎処分となった玉川徹氏が、宮根誠司アナが共同経営者となっているタレント事務所のテイクオフに所属になるのではという観測があるそうで。
デスクH 2人揃ってというのは正直、かなり怪しいラインかなとも思うけど。特に玉川氏は謹慎明けにコメンテーターとしてではなく現場での取材から出直すと発言したのだから、そこをきっちりやらなければ、信頼性の回復もしづらいわけだしね。弘中アナも他のアナウンサーが育ちきっていないところを見るとなかなか、辞めさせてくれないんじゃないかね。
記者I 玉川氏は定年までの残り1年でどこまで挽回できるのかも見どころですね。アナウンサー関連ですとTBSの『ラヴィット!』でMCを務める田村真子アナの話題も。14日放送のオープニングテーマは「オススメの涙がこぼれそうなもの」だったのですが、見事に大号泣。司会の麒麟・川島明に心配されるような状況に。
デスクH 疲れているのか、ちょっと心配になっちゃうような泣き方だったけど大丈夫かね。TBSのアナウンサー部がやっているYouTubeチャンネル「アナウンサーのゆるちゃん/たりかしCh.」の再生回数を見る限り、やたら肌の露出が多いサムネの山本里菜アナに続いて2番人気みたいだし、TBSもしっかりとサポートしなくてはいけない雰囲気も。
 
 

 

●「これほど名が知れた一社員はいない」玉川徹ブランド♂キ情処分 10/24
「番組降板報道≠竍退社報道≠烽りましたが、テレビ局のトップの名前を知る視聴者は少なくても、これほど名が知れた一社員はいない。騒動でまた認知度が上がった」(スポーツ紙放送担当記者)
虚偽発言≠ノよる懲戒処分(出勤停止10日間)が解けたテレビ朝日の社員コメンテーター、玉川徹氏(59)が今週、番組で謝罪した。
レギュラーコメンテーターからは外れるが、これからも出演できる温情処分。前出・スポーツ紙放送担当記者が続ける。
「コメンテーターというのは番組上の肩書であって、職制でも何でもない。テレビ番組でも、よく司会者を編集長≠ネんて言うことがありますが、それと同じ。たいしたことじゃないんです。無風よりも、賛否が渦巻いてバズる状態を作りたがるのがテレビマン。それが玉川さんであって、今回の報道で玉川ブランド≠フ認知度がさらにアップした。皮肉めいた結果ですよ」
メディアが玉川氏の発言に注視するという事態がしばらく続く。 
 
 

 

●「中間中立で報道しているという気は確かにない」記者が公言…沖縄地元紙 10/25
夕刊フジに興味深いコラムがあった。
『玉川氏とひろゆき氏に“あおり芸”の共通性 問題は「炎上」に乗っかるカッコ悪いテレ朝、本当にその路線でいいんですか?』(10月20日)
書いたのは「報道ステーション」などのプロデューサーを経て、ABEMAの立ち上げにも参画した元テレビ朝日の鎮目博道氏。
「カッコ悪いテレ朝」とは
「カッコ悪いテレ朝」とは次の2件。「羽鳥慎一モーニングショー」における、玉川徹コメンテーター問題。そして、テレビ朝日がサイバーエージェントとともに運営するABEMAの番組が引き起こした、ひろゆき氏の「辺野古座り込み揶揄」問題。
「ABEMA Prime」の取材で沖縄を訪れたひろゆき氏が、辺野古の新基地建設に反対する座り込み運動を揶揄する発言をツイッターに投稿したのだ。
《玉川氏とかひろゆき氏が「あおり芸で生きていく」の自体は別にそれはそれでいいと思うんですが、問題はそれをなんとなくテレ朝が「お家芸」にしようとしていること。》(同前)
新聞読み比べ的に言うと「安倍氏の国葬にも電通が関与か」という玉川氏の話はタブロイド紙やスポーツ紙のコラムにもあった。ただそれは国葬発表直後の7月であり、その時点での「噂」を紹介していたのだ。タブロイド紙ならではの役割でもある。しかし国葬がおこなわれた後にテレビで「当然、これ、電通が入っていますからね」と断言するなら裏付けが必要だ。それが無かったなら“あおり芸”と言われても仕方ない。
玉川氏は謹慎処分となったが、ABEMAの件はまだ「続行中」である。あれ以降、沖縄の地元紙は電子版で関連記事をまとめている。
《インターネット掲示板「2ちゃんねる」開設者のひろゆき(西村博之)氏が、2022年10月3、4の両日、沖縄県名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前を訪れ、「新基地断念まで 座り込み抗議 3011日」と記す掲示板を「0日にした方がよくない?」などとツイートし、市民の反発を招いた。ひろゆきさん関連の記事をまとめました。》(沖縄タイムス)
沖縄の記者は中立にこだわらない?
10月7日に放送された「ABEMA Prime」に出演し、ひろゆき氏と議論を交わした沖縄タイムスの阿部岳記者は、記事を書くだけでなくツイッターでも積極的に発信している。リプライが数多く寄せられているが、私は阿部記者宛にある「スクショ」が定期的に貼られていることに気づいた。それは阿部記者のテレビ番組でのかつての発言なのだろう、
「中間中立で報道しているという気は確かにない」というテロップ入り写真だ。
これを貼り付け「そもそもお前は偏向しているではないか」と。これを見て、「新聞記者なのに中立じゃないんだ」と思う人もいるだろう。
しかし、私は以前から沖縄の記者が中立にこだわらないことを知っていた。
何冊かの本を読んでいたからだ。まず 『何が記者を殺すのか』(集英社新書) 。著者は毎日放送のドキュメンタリー担当ディレクターの斉加尚代氏。今年公開された『教育と愛国』の監督でもある。映画制作に至る過程のほか、沖縄の基地問題、ネット上でのバッシングなどのテーマについて書いている。
沖縄の地元紙は偏っているのか
自民党議員から「偏向報道」とたびたび攻撃される沖縄の地元紙は本当に偏っているのか否か。斉加氏はまず「琉球新報」の社是に注目した。社是には「不偏不党、報道の自由と公正を期す」とあり、「公正中立」と書かれていないからだ。中立に重きを置かないのである。
この意味は何か? ライバル紙でもある「沖縄タイムス」の社長・武富和彦氏も「中立」について次のように語っていた(発言当時の肩書は編集局長)。
《やっぱり明らかな力の不均衡がある場合には、弱い側の声をより大きく取り上げるべきじゃないのかということです。このへんが偏向だと言われるんでしょうけど、力の不均衡がある以上は弱者、弱いものに肩入れする、弱いものの声を代弁することこそメディアの責任というか、あるべき姿だというふうに思っています》
「明らかな力の不均衡」「弱いものの声を代弁する」「メディアの責任」という3つのフレーズがジャーナリズムそのものを指していると斉加氏は書く。
沖縄タイムス・阿部記者の主張
「中立」に関しては阿部岳記者も 『フェンスとバリケード』(三浦英之氏との共著、朝日新聞出版) に書いていた。阿部記者は2017年に神奈川新聞の編集委員の言動に大きな影響を受けたという。ヘイトスピーチに対して「中立報道」をしていなかったからだ。
「高みの見物をやめ、当事者として、『私』として、差別を根絶やしにする立場を鮮明にして書く」と言われたことが心に染みたという。「結果を求めて書く」覚悟を教えてもらったと書いている。
《差別する側と差別される側のちょうど中間点を探して位置取りを決めるような振る舞いは中立ではなく、差別への加担であった。》(同前)
これらの本を読んでいると「中間中立で報道しているという気は確かにない」と阿部記者が発言する意味がわかる。そのスクショを失言のように貼られても「だからどうした」なのだろう。実際に最近のツイートでは「人権を守り、差別を許さないために報道している。ごく当たり前の職責だと思いますね。」と“返信”していた。
ひろゆき氏の問題発言
“差別を根絶やしにする立場を鮮明にして書く”という点では「沖縄タイムス」「琉球新報」が大きく報道していたのがこれだ。
〈『ひろゆきさん「沖縄の人って文法通りしゃべれない」 配信動画の発言、また物議』(琉球新報10月12日)
『ひろゆき氏「沖縄の人って文法通りしゃべれない」 県民の“日本語”めぐり発言』(沖縄タイムス10月12日)〉
《辺野古新基地建設に対する抗議行動をやゆしているインターネット掲示板「2ちゃんねる」開設者のひろゆき(西村博之)氏が、自らのユーチューブ配信で「沖縄の人って文法通りしゃべれない」「きれいな日本語にならない人の方が多い」などとヘイトスピーチをしていたことが分かった。沖縄キリスト教学院大学の新垣誠教授(国際人権論)は「非常に危険だ。日本軍は『標準語』ではない沖縄の言葉を話す住民を虐殺した」と批判した。》(沖縄タイムス)
自分のことを言うと、私も8月に辺野古へ行き、現場にいる人の話を聞いた。ひろゆき氏とまったく同じ場所だ。数分間でも話を聞ければと思っていたが気が付くと50分間も話し続けてくださった。1995年の少女暴行事件から時系列で話し始めると必然とそうなるのだ。
「楽しくやらないと心が折れてしまう」
そのあと沖縄県知事選に出馬した3人の候補者の演説現場も見たのだが、今でも忘れられない言葉がある。玉城デニー氏の演説現場でのこと。自分で作った応援グッズを手にする陽気な年輩のお姉さまたちがいた。楽しそうだなぁと思って話を聞いてみると「確かに楽しいですよ。でも楽しくやらないと心が折れてしまうから」と言われたのだ。
沖縄へのデマやヘイト問題、そもそも本土には沖縄の声が届いているのか? と毎回感じさせられて「心が折れそう、へこたれそう」という。さらに言えば本土の「無関心」も辛いのだ。基地問題に賛成(容認)の人ももちろんいる。しかし賛成反対の前に「日本全体で考える問題です」という声が多かった。
これらの言葉を聞いて自分が沖縄について「知らないことを知ろう」と痛感したのである。その矢先のABEMAのアレだった。
冒頭の鎮目氏コラムに戻ろう。テレビ朝日への言葉。
《ぶっちゃけ視聴者をあおってそれで話題にしようとか、メディア企業としては結構カッコ悪いことだと思うんですけど、本当にその路線でいいんですかね?》(夕刊フジ10月20日)
出演者の態度は今後も変わることはないと思われる。それなら問われるのはABEMA、いや、テレビ朝日である。今回の件に沈黙したまま、話題になったら勝ちだとニヤニヤしながら、これからも「あおり芸」でいくのだろうか。
●羽鳥慎一アナ、山際経済再生担当相の辞任に「・・・説明になっていない」 10/25
テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・午前8時)は25日、山際大志郎経済再生担当相(54)=神奈川18区=が24日に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る問題を受け、辞任したことを報じた。
昨年10月の岸田内閣発足後、不祥事による閣僚の辞任は初めて。教団との問題が追及され、政権支持率が低迷する中、さらなる打撃を受けた形となった。山際氏は安倍晋三元首相の銃撃死事件後に教団に焦点が当たる中、8月10日の内閣改造直前の記者会見で、2013年に関連団体に会費を支出していたことを初めて認めた。だが、その日に経済再生担当相の続投が決定。その後、報道などで続々と教団との接点が判明。野党から教団との接点を追及された際には答弁に窮する場面も目立ち、「記憶がない」「資料がない」などと迷走していた。
司会の羽鳥慎一アナウンサーは「教会との関係について説明になっていないということで辞任となりました」と指摘。さらに「記憶がない」などの答弁に「本当に覚えてないならそれはそれで議員として大臣としてどうなんだ?という問題もあります」とコメントしていた。  
●玉川氏の発言は「国葬を論評」 テレ朝社長が強調 10/25
テレビ朝日の篠塚浩社長は25日の定例会見で、情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」で同局社員の玉川徹氏が安倍晋三元首相の国葬での菅義偉前首相の弔辞に電通が関わっていると虚偽発言をした際、「政治的意図がにおわないように制作者としては考えますよ」などと述べたことを巡り、「あくまで国葬について論評したものと考えている」と述べ、玉川氏や同局の番組制作上の姿勢ではないとの認識を強調した。
玉川氏は9月28日、菅氏の弔辞について「当然、これ電通入ってますからね」と発言。翌日に事実ではなかったとして謝罪し、10月4日付で謹慎処分(出勤停止10日間)を受けた。玉川氏は同時に「僕は演出側の人間ですから(中略)、政治的意図がにおわないように制作者としては考えますよ」とも発言しており、これが政治的公平性などを義務付けた放送法第4条に抵触するとして、玉川氏やテレ朝の報道姿勢を疑問視する声が上がっていた。
篠塚社長は「発言はあくまで国葬について論評したものと考えている。論評する上で、事実関係に誤りがあったので、それで謝罪訂正をした」と説明した。
玉川氏は10月19日の同番組で出演継続を表明。視聴者からの反応について篠塚社長は「当然のように厳しいご意見をいただいている一方で、ご理解いただいている意見も多数ある」と述べた。今後の玉川氏について「これまでの経験を生かし、自分の取材を基に番組に貢献してほしい」とし、取材内容をVTRにまとめることや、スタジオ出演などの可能性を挙げた。出演頻度は特に決めていないという。
●玉川氏とひろゆき氏あおり芸°、通性 炎上に乗っかるカッコ悪いテレ朝 10/25
私の古巣、テレビ朝日がなんだかおかしなことになっている気がします。ここのところ、次々と「炎上騒ぎ」を引き起こしていますよね。
まずは「羽鳥慎一モーニングショー」での玉川徹コメンテーターの、事実に基づかないコメント問題。安倍晋三元首相の国葬で菅義偉前首相が読んだ弔辞を、あたかも電通が仕掛けたかのようにした発言は、自民党支持層など保守派を中心に怒りを買いました。
かと思えば今度は、テレビ朝日がサイバーエージェントとともに運営するABEMAの番組が引き起こした、ひろゆき氏の「辺野古座り込み揶揄」問題。こちらは辺野古基地建設に反対する革新系の方々を怒らせました。なんだか「右から左まで」多方面の感情を逆なでして回っていて、お忙しいことですなあ、という感じです。
なんかこの2つの問題に、僕は共通性をかなり感じています。要はどっちも「炎上商法」というか「あおり芸」なんですよね。言っていることは根拠がなかったり、あるいはほぼどうでもいいような「イチャモン」だったりなのに、言い方がいかにも「自分とは違う意見を持つ人たちを挑発することだけ」を目的とした感じなんですよね。
けんか腰で、ちゃかすというか混ぜっ返しているだけ。別にそこにそんなに論理的で本質的な批判は入っていない。
なんだかまるで小学生男子がクラスの優等生の女子やお母さんに憎まれ口をたたいているのとおんなじような印象を受けてしまいます。なんだかあまりレベルが高い気がしませんよね。
まあ、玉川氏とかひろゆき氏が「あおり芸で生きていく」の自体は別にそれはそれでいいと思うんですが、問題はそれをなんとなくテレ朝が「お家芸」にしようとしていること。ぶっちゃけ視聴者をあおってそれで話題にしようとか、メディア企業としては結構カッコ悪いことだと思うんですけど、本当にその路線でいいんですかね?
まずはちゃんと取材しましょうよ。それで、スクープを取って誰かを批判をするのが本来のメディアの仕事だと思うんですよね。予算が減っているからかどうか知りませんが、大した独自ネタも出せないのに、「あおり芸の人たち」に乗っかって炎上商法をくり返して恥ずかしくないんでしょうか? それこそ対立をあおるだけ。悲しくなってきます。
もうこういう低レベルの「炎上狙いコメント」は、相手にしないのがいちばんだと思います。どうせ相手は出来の悪い小学生男子なんだからほっときましょう。視聴者がスルーするのが一番効果があるんじゃないでしょうかね。
●玉川徹バッシングの真の危機とは何か──政治問題化した背景 10/25
テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」の玉川徹コメンテーターが、安倍元首相の国葬で菅前首相が述べた弔辞には「(演出に)電通が入っていた」と発言した「事件」の波紋が広がっている。
9月28日の発言翌日、玉川氏が番組で事実誤認と謝罪した後もネットやテレビ、自民党政治家らが玉川氏の番組降板を要求するバッシングが続いた。
玉川氏は10日間の出勤停止処分を受けたあと、10月19日に同番組に出演し、電通と菅前首相に対して改めて謝罪した。そして、事実確認の取材の基本にもう一度立ち返る、自分に慢心や驕りがあった等と反省を語り、深々と頭を下げた。
電通の関与があったとする玉川発言に事実誤認があったとしても、いやしくもジャーナリズムの現場に身を置くベテランが全く根も葉もないことを口走るものだろうか。玉川氏の発言が問題になったとき、私はまずそれを考えた。事実確認を怠ったのはプロとして弁解の余地はないが、まだ語っていないことがあるのではないか。このままでは玉川氏はピエロになってしまうのではないか。
この謝罪劇にSNSは大きく反応し、TBS系の番組「THE TIME,」(10月20日放映)「ニュース&トレンド バズったワード デイリーランキング」コーナーで玉川氏が1位にトレンド入りしたという(「スポーツ報知」10月20日電子版)。
さらに謝罪の翌日の番組に出演した玉川氏に対して、ネットには反発と復帰歓迎の意見が交錯したようだ。
玉川氏に関してはテレビ朝日内部で開かれた「放送番組審議会」(10月16日)で、幻冬舎社長の見城徹氏ら外部委員9人で議論になったと「文春オンライン」が伝えている。「事実誤認した玉川氏は記者の基本動作ができていない」「もう画面には出ないほうがいい」「徹底した取材をしてニュースのVTRを作る裏方に回れ」等の意見が出たという。審議会の場にはテレビ朝日会長の早川洋氏らの幹部が出席し、局側からも玉川氏に対する厳しい意見が出されたという(「文春オンライン」10月15日)。
玉川氏の謝罪内容やスタジオでのコメンテーターを辞めて取材者として番組に残るとされた身の処し方は、番組審議会で出された意見と一致している。
テレビ朝日は今年6月の広告収入の急失速で予算割れが伝えられるなど経営悪化が指摘されている(「週刊現代」6月25日号)。こうした経営難の中で“視聴率男”の玉川氏を番組から切ることができない事情がテレビ朝日側にはあるのだろう。その上での身の処し方と思われる。
玉川バッシングの背中を押していた人たち
長年、ジャーナリズムで仕事をした記者には多かれ少なかれ「誤報」の経験があるだろう。いくら裏取りや事実関係の取材を進めていても、思わぬ落とし穴が潜んでいて誤報をしてしまう。事実関係の詰めが甘かった、思い込みがあった等の反省点は後から生まれる。
では誤報した記者はどうすればいいか。すぐに訂正、謝罪するのが鉄則で、その勇気を持つことが大切だ。
誤報は発見しだいすぐに訂正、謝罪する。これは自由な民主主義先進国のジャーナリストに共有のモラルでもある。「ニューヨーク・タイムズ」は100年前の誤報を発見しても、淡々として訂正記事を出すと聞いたことがある。
玉川氏はテレビ朝日局員として取材生活30年のベテランというが、これまで誤報した経験はなかったのだろうか。あるいは前首相や国葬、電通が絡む誤報だから、問題がより大きくなったのか。
いずれにせよ玉川氏は誤報発言の翌日には番組で訂正、謝罪したのだから、誤報のリスク管理は果たしている。
しかし謝罪したにもかかわらず、玉川氏に対するネットや一部テレビ局のコメンテーターたちによる玉川バッシングは止まらなかった。訂正、謝罪しても許せない、謝罪だけで済むと思うのか、そういう感情的レベルのバッシングに発展した。
ここには菅前首相の弔辞内容は素晴らしかったと賛美する一群の人々の激しい反発があったと推測される。
菅氏が弔辞で引用した明治時代の首相・山懸有朋は戦前の軍国主義者として著名な人物だったが、国葬参加者の間からは拍手が起こり、感動的な内容だったとの報道があった。NHKの夜9時のニュースでも東大名誉教授の御厨貴氏が菅氏の弔辞を褒めていた。
しかし実はこの山懸の歌をめぐるエピソードには、安倍元首相が盟友のJR東海名誉会長・葛西敬之氏の死を悼んで自身のフェイスブックに投稿していた“使い回し”説が出されている(ニュースサイト「リテラ」10月1日)。
恐らく玉川氏をバッシングする側には、安倍元首相の国葬に反対する人々への反感があったのだろう。「電通が入っていた」と玉川氏が番組で発言し、それが事実誤認だったことで怒りの感情が頂点に達したのではないか。
ニュース関連番組の同時間帯での視聴率は民放一とされる「羽鳥慎一モーニングショー」で、玉川氏が述べる反政府的なコメントを快く思っていなかった一群の人々の反玉川感情が一挙に噴き上がった結果、玉川バッシングに繋がったと私は見ている。
先述のニュースサイト「リテラ」がこう書いている。
「その筆頭が、元大阪市長の橋下徹氏だ。橋下氏は菅前首相とともに出演した2日放送『日曜報道THE PRIME』(フジテレビ)で、……『一部で演出だなんていう意見が出ていて、僕は絶対に許せない』と憤慨」(「リテラ」10月6日)。また同サイトには政治学者三浦瑠璃氏の名前も挙がっている。さらに吉本興業のお笑いタレントほんこん氏は「やり玉に挙げられた菅前首相に謝ったんか」「編集として、政治的意図を隠すようなことをしたらあかんちゃうの」「胸クソ悪いと思います」と批判した(上記、「リテラ」参照)。
ネットや大衆世論に対して影響力のある人物たちが、玉川バッシングの背中を押していたと考えられる。
さらに自民党の西田昌司参院議員は、「菅氏の弔辞を完全に腐す無礼千万なコメントをしていた。……報道の自由を超えた政治的な発言」「お詫びで済む話じゃない。テレビ朝日としての責任を取ってもらいたい。厳正な処分をしないといけない」と批判したとの報道がある(「東スポWEB」 9月30日)。
自民党有力議員の“参戦”は、玉川バッシングを政治問題化させることになったが、これに対してジャーナリスト江川紹子氏は、「国政の場に持ち込む話ではない」とツイッター投稿で批判したという(「デイリー」10月5日)。
政治家の介入は言論の自由の危機に直結する。言論機関に政治家が介入する危険は、言論の自由がないロシアや中国の息苦しい社会を見ればわかる。
ところが、こうした政治介入が言論の自由の危機に繋がるとする意見は、日本ではあまり聞こえてこない。
監督官庁の下の放送に「真の言論の自由」はあり得ない
実は政治家も巻き込んで社会現象化した玉川バッシングの真の危機は、玉川擁護と玉川攻撃の二極に分かれた敵味方のバトルの不寛容な構造の中に内在する。私とあなたはどちらの陣営につくべきか、保守かリベラルか、右翼か左翼か、二者択一の選択肢が問われるだけで、この選択は社会の分断を促進することはあっても、民主主義と言論の自由を守り、日本社会を成熟させることには繋がらないのだ。
玉川氏を糾弾し処分を促すバッシングが政治問題化すれば何がおこるか。
かつてテレビ朝日では椿事件というテレビの危機があった。
1993年の衆院選で自民党が敗れ、日本新党など野党連合政権が生まれて細川護熙首相が登場した時の事件だ。この時、テレビ朝日報道局長椿貞良氏が日本民間放送連盟の会合で「非自民党政権が望ましいと考えて報道した」と語り、放送法第4条の「政治的公平」違反の偏向報道に問われ、国会に証人喚問された。
自民党等の圧力もあってか椿局長は解任され、テレビ朝日は電波を停止される危機に直面した(『いま、解読する戦後ジャーナリズム秘史』参照)。
テレビ局にとって放送法4条は怖い刃だ。「椿事件を契機に自民党からテレビ朝日への圧力が強まった」と「朝まで生テレビ」のプロデューサー故日下雄一氏は私に語ったが、今回の玉川バッシングは30年前の椿事件を想起させる。
テレビ局の生殺与奪を握る日本の電波行政を政府総務省が担っている。日本のテレビが権力監視の役割を果たしにくい理由は、政府に握られた電波の仕組みにある。
欧米民主主義国の電波行政は政府から離れた独立法人が行っている。そのモデルは米国連邦通信委員会(FCC)だ。FCCは1930年代、ナチスが台頭した時代にできた。ヒトラーは放送や映画を宣伝ツールに使った。米国議会は政府権力が放送を握ると独裁政権の道具に使われると懸念を抱き、放送行政を政府管轄から外した。
戦後日本の放送制度はGHQ(連合国最高司令官総司令部)の占領下で作られた。GHQは日本が無謀な戦争を行ったのは言論の自由がなかったからと考え、戦後の新聞に100%の自由を与え監督官庁を置かなかった。放送は政府から独立した米国のFCCモデルを採用し、新たに電波監理委員会設置法を新設し放送の独立を指示した。しかし講和条約による日本独立時、電波は郵政省管轄へ戻された。
日本の放送行政の立ち遅れが、今日の玉川バッシングの背景にあると私は考えている。
テレビ朝日放送番組審議会の見城委員長は早川会長に近い人物で、安倍元首相応援団の中心人物と見られていた。
見城氏は安倍氏に早川氏を紹介、会食を重ねた仲といわれる。また17年衆院選の公示2日前、テレビ朝日が40%出資したAbemaTVの「徹の部屋」に安倍氏を生出演させたという(JCJ/日本ジャーナリスト会議月刊機関紙『ジャーナリスト』2019年6月25日号参照)。
安倍政権に批判的なコメンテーターを降板させた事件も早川氏が社内の実権を握ってから目立つといわれる。
バッシングされている玉川氏には気の毒だが、日本の放送行政が政府支配下に置かれた現状が続く限り、力の行使を伴うバッシングで問題解決をはかろうとする同様な事件は後を絶たないだろう。
ちなみに韓国では2008年に韓国版FCCが創設され、放送は政府から独立している。韓国にできたことが日本で不可能なはずはない。
放送が政府監督官庁の手中に握られたまま、「真の言論の自由」などあり得ないことを知るべきだ。
 

 

●玉川徹氏の“電通発言”は放送メディア研究の対象として極めて興味深い 10/26
10月19日のテレビ朝日の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」。玉川徹氏は「謹慎の10日間、私は事実確認の大切さ、テレビで発言することの責任の重さを考え続けました」と語り、取材した内容を伝える形で番組に出演すると自身の今後について説明した。
これで玉川氏が国葬をめぐって誤った発言をしたとして騒ぎとなった問題は区切りをつけた形となった。この問題では、「謹慎では甘い」と降板を求める側と、その必要はないと主張する側とで二分する騒ぎとなった。顕著だったのは、前者は国葬に賛成する人たち、後者は国葬に反対する人たちという二項対立が貫徹されたことだ。
例えば、国葬に反対する人でも玉川氏の発言に批判的な人がいてもいいし、その逆があってもいいと思うが、そうした状況は目立たなかった。
私にとっては、そうした是非論はともかく、玉川氏の発言自体はメディア研究として極めて興味深いものだ。問題になった玉川氏の発言は短いものではないが焦点になったのは、「僕は演出側の人間ですからね、テレビのディレクターをやってきましたから。それはそういうふうに作りますよ、当然ながら。政治的意図がにおわないように、それは制作者としては考えますよ。当然これ、電通が入ってますからね」だろう。
最後の「電通」の部分を除けば、国葬が強い政治的意図を、その意図を隠した形で演出されるという演出家としての認識を語ったものと読める。その認識に同感する人は多いだろうし、反発する人も冷静に受け止められる内容かと思う。
ただ、放送メディアには、活字メディアとは異なる性質がある。それは発言者の声音だったり表情だったりといった放送の持つ特質だ。要は、「話し方」だ。特にテレビはそれによって極めて強い印象操作が可能となる。
仮に玉川氏が穏やかな「話し方」でテレビディレクターとしての視点から国葬への認識を語っていたら、その後の状況は変わっていたようにも思う。それでも反発する人はいるだろうが、少なくとも内容は正確に伝わった気もする。加えて言えば、仮に「話し方」が穏やかであれば、「電通が入っています」といった、確認さえしていない内容を断定的に語る愚を犯すことはなかったようにも思う。
「話し方」を重視
実は、コメンテーターというのは、その誕生の当初から「話し方」が重視されていたという逸話がある。戦後にNHKがニュース解説を始める時のエピソードとして、GHQ=占領軍総司令部でNHKの指導・検閲にあたったフランク馬場氏が書き残したもので、それによると、人選に事実上の決定権を持っていたGHQは、新聞記者やNHKアナウンサーの音声をGHQで働いていたアメリカ人女性に聴いてもらって意見を求めたという。もちろん、彼女たちは日本語を理解しない。では、彼女らは何を判断したのか。それは「話し方」だった。
玉川氏の人気が勢いのあるその「話し方」にあることも間違いなく、そういう意味では今回の騒動は必然だったのかもしれない。
●大炎上した『モーニングショー』玉川氏…謝罪を聞いても腑に落ちない違和感 10/26
謝罪で感じた2つの疑問
テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』にコメンテーターとして出演している、玉川徹氏の事実でない発言が問題視されてから約1ヵ月。テレビ番組のコメンテーター、しかもテレビ局社員のコメンテーターの番組内での発言がこれほど世間の注目を集めたことは、これまで無かったのではないだろうか。
長年テレビ局の社員として報道番組でコメントして来た私は、テレビ局を離れた今もフリーのジャーナリストとして番組で日々コメントしている。今回の発言のどこが問題で、その背景には何があるのか。同じ仕事をしている者の一人として考えてみたい。
まずは問題となった発言を振り返る。
平日の毎朝放送されているテレビ朝日の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』の9月28日の放送で、コメンテーターとして出演しているテレビ朝日報道局社員の玉川徹氏が安倍晋三元首相の国葬についてコメントした。
玉川氏は菅義偉前首相の弔辞について、「(大手広告代理店の)電通が入っている」などとコメントし、翌日の同じ番組内で「事実ではありませんでした」と発言を訂正し謝罪した。これを受けてテレビ朝日は玉川氏を出勤停止10日間の処分にし、処分が明けた後に同じ番組に出演して改めて発言について謝罪した。
その処分明け後の玉川氏の番組内での謝罪を見て、2つのことを思った。まず、「電通が入っている」という発言について、なぜその様な発言をしてしまったのかという説明が無かったことが気になった。
もちろんジャーナリストの基本として、どこから情報を入手したのかを漏らさない「情報源の秘匿」という基本原則があるので、「電通が入っている」という情報をどこから得たのか明らかに出来ない事情は理解できる。
しかし、なぜその様な事実とは違う情報を番組内で発言してしまったのか、別のソース(情報源)から情報の確認(裏どり)をしたのか、しなかったのかについて可能な範囲で説明しても良かったのではないかと思う。
大手広告代理店である電通は、民放のテレビ局にとって、とても重要な取引先である。私は40年弱の民放テレビ局でのキャリアの殆どが報道局だったので、電通と一緒に仕事をした経験はないが、テレビ局にとって電通という存在がいかに重要であるかはテレビ局員として理解していた。
それだけに、同じテレビ局社員として長年働いてきた玉川氏も当然、民放テレビ局にとっての電通の重要性が分かっていると推察できるだけに、余計になぜ電通について事実ではないことを番組で発言したのかとても気になる。
メディアが報じない“政治的意図”発言
2つ目の気になる点は、電通発言の前に玉川氏が番組でコメントした内容だ。発言の流れをよく理解できるように、当日の番組内での発言を出来るだけ長く振り返るため発言内容を、スポーツ新聞の記事から引用する。
<これこそが国葬の政治的意図だと思うんですよね。当然これだけの規模の葬儀、儀式ですから、荘厳でもあるし、個人的に付き合いのあった人は、当然悲しい思いをもってその心情を吐露したのを見れば、同じ人間として、胸に刺さる部分はあると思うんですよ。しかし、例えばこれが国葬じゃなくて、内閣葬だった場合、テレビでこれだけ取り上げたり、この番組でもこうやってパネルで取り上げたりVTRで流したりしないですよね。国葬にしたからこそ、そういった部分を我々は見る、僕も仕事上見ざるを得ない状況になる。それは例えれば、自分では足を運びたくないと思っていた映画があったとしても、なかば連れられて映画を見に行ったらなかなかよかったよ、そりゃそうですよ、映画は楽しんでもらえるように胸に響くように作るんです。だからこういう風なものも、我々がこういう形で見れば胸に響くものはあるんです。それはそういう形として国民の心に既成事実として残るんですね。これこそが国葬の意図なんですね。だから僕は国葬自体、ない方がこの国にはいいんじゃないか、これが国葬の政治的意図だと思うから。僕は演出側の人間ですからね。演出側の人間としてテレビのディレクターをやってきましたから、それはそういう風に作りますよ。当然ながら。政治的意図がにおわないように、制作者としては考えますよ。当然これ、電通が入ってますからね>(2022年10月5日『デイリースポーツ』より引用)
私は「電通が入ってますからね」という発言以上に、その前段階の「僕は演出側の人間ですからね。演出側の人間としてテレビのディレクターをやってきましたから、それはそういう風に作りますよ。当然ながら。政治的意図がにおわないように、制作者としては考えますよ」という発言の方が更に重要な問題だと思う。
なぜならこの発言は、テレビ局のディレクターは、もっと言うならテレビ番組の制作者は政治的意図を持っているのにそれを隠して番組を作っていると捉えられかねない発言だからだ。
放送法第4条には「政治的に公平であること」と定められている。テレビ番組の制作サイドも、番組内で発言しているコメンテーターも、この政治的公平は普段から細心の注意を払っているポイントなのだ。
ましてやテレビ朝日にとっては、“政治的意図”が大問題となった「椿発言」があっただけに尚更局内では気を遣っていたと思われる。
椿発言とは、1993年にテレビ朝日の椿貞良報道局長が民間放送連盟の会合で総選挙報道について「反自民の連立政権を成立させる手助けになるような報道をしようではないか」などと発言し大問題となり、一時は放送免許の取り消し処分も検討され、国会の証人喚問にまで発展したというものである。
玉川氏がこの“政治的意図”発言について説明しなかったのも残念だし、多くのメディアが“電通”発言ばかり大きく取り上げ、この“政治的意図”発言の真意があまり問われなかったことも不思議だった。
「慢心とおごり」の真意
玉川氏は処分明け後の番組内で謝罪した際に「私の慢心とおごりがあったからだと反省しています」と述べたが、その気持ちはよく分かる。私も長年、生番組でコメンテーターをしているが、いつも自分自身に問いかけているのは「傲慢で偉そうになっていないか」ということだ。
「傲慢で偉そう」はコメンテーターに限ったことではない。テレビ局の報道局の名刺を出すだけで、企業トップでも政治家でも丁寧に対応してくれる。これはテレビ局の看板があるからで、私個人の信用ではないと勘違いしない様に心掛けていた。
さらに、テレビでコメントする立場になってからは、政治や権力について厳しく批評することも多いので、なお一層「傲慢で偉そう」にならない様に常に自分に言い聞かせている。
テレビのコメンテーターという立場は、テレビ局社員であっても、外部の専門家であっても、常にテレビ出演者としての生き残りを掛けた競争に晒されていることを自覚している。それだけに、少し過激で極端なコメントをして爪痕を残したいという誘惑にかられることも正直あるが、それは私の性格では出来ないし、してはいけないと常に思っている。
しかしながら、長年テレビ番組であらゆるニュースについてコメントしていると、何か自分が偉くなったように勘違いしてしまう怖さも常に感じている。政治や社会などに対する「権力チェック」はジャーナリズムの重要な使命の一つだが、いつも権力をチェックしようと思っていると肩に力が入りかねないので、上から目線にならない様に自戒している。
玉川氏がどういう思いで「慢心とおごり」という言葉を使ったのかは分からないが、私と同じような思いがあったのではないかと思ってしまう。
「記者経験がない」が意味するもの
玉川氏の番組内での謝罪コメントの中で、もう一つ印象に残る部分があった。
それは、「これまで私はスタジオでさまざまなニュースに対し、コメントを続けてきましたが、これからは、現場に足を運び、取材をし、事実確認をして報告する、その基本にもう1度立ち返るべきだと考えました」という部分だ。
私は番組の責任者であるチーフプロデューサーや報道部長を経て解説委員としてテレビ番組でコメントするようになったが、それ以前に記者として、海外特派員として合わせて12年間、現場を走り回っていた。
その時は現場に実際に出て、自分の目で見たこと、当事者に聞いたこと、感じたこと、現場の空気感などを基に自ら原稿を書きリポートをしてきた。
しかし、スタジオであらゆるニュースについてコメントするようになると、当然のように自分が直接取材していないニュースについてもコメントする機会がある。いや、多くの場合、自分で直接取材していないにも関わらずコメントすることになるのだ。例えば、私はウクライナに取材に行っていないし、中国共産党大会も直接は取材していない。
番組に出始めた頃に、自分が直接取材していないニュースについてコメントすることには正直言って抵抗があった。自分で直接取材していないニュースについてコメントする際には、はっきりと言い切ることが無く、声やトーンも低くなり自信なさげに見えるのではと自分でも感じていた。
そのことを当時の先輩に相談したところ、「自分が直接取材したニュースに比べて、そうでないニュースを語る時に控え目になるのは、春川の誠実さ、人柄が出ていて良いのではないか」と慰められたことが強く印象に残っている。
今でもそうだが、番組内で自分が直接取材したニュースについてコメントする際には力が入って、「私が取材した時には」とか「当事者の方に直接話を聞くと」などと直接取材したことをアピールするような言葉を無意識のうちに挟んでいることが多い。それだけ、自分で現場で直接取材していないニュースについてコメントすることに対して、ある種の後ろめたさを感じているのだと思う。
だから今でもそうだが、出来るだけ現場に足を運んで、自分で話を聞いて、自分がその場で感じたことを大切にして、それをスタジオでのコメントに出来るだけ生かそうとしている。
私は報道局の記者として、情報の取り方、その情報の確認の方法はもちろん、現場に足を運び自分で取材することの重要性について徹底的に鍛えられた。
テレビ朝日の関係者によると、玉川氏はワイドショーのディレクターとしての取材経験は豊富だが、記者経験は全くないということだ。
記者もディレクターも自分で取材して来て自分で表現することは同じだが、私の経験から言うと、記者はどちらかと言うと情報を取って来る取材に重きを置き、ディレクターは演出など見せ方に拘る傾向があると思う。
テレビ局の構造的な問題
今回の件について、玉川氏に記者経験が無いことを指摘する記事をよく見るが、玉川氏自身が「僕は演出側の人間ですからね」と言っているように、取材や情報確認よりも演出に力が入ったことも影響したのではとも感じる。
また、玉川氏が記者経験が無いにも関わらず、なぜ報道局所属なのかという疑問についても説明しておこう。テレビ局で番組を作るセクションとしては、テレビ局によっては名称は若干違うが、一般的にはニュース番組を制作する報道局、スポーツ番組を制作するスポーツ局、ドラマやバラエティなどを作る制作局などに分かれている。
いわゆるワイドショーを制作する部署は以前は、情報制作局という名前も多かったが、最近ではワイドショーを報道局で作るところも増えている。
その理由は、ワイドショーの中で使うニュースのVTR素材の問題も大きい。報道局が取材したニュース素材を制作局や情報制作局の番組で使用する際には、報道局から厳しい許可を得る必要がある。
加えて系列の他局の報道局が取材したニュース素材を配信してもらって使用する際には、報道局同士の場合はニュース協定によって原則無料だが、報道局以外の番組が使用する場合には費用が発生する場合が多い。
こういった事情により、許可や費用が発生しないようにワイドショーを報道局が作るという流れが出来たのだ。だから、玉川氏は記者経験が全くなくても報道局所属という訳だと思う。
因みにテレビ朝日関係者によると、報道局の中の日々ニュースを追いかけている主流の報道本体に所属する人たちは、傍流とされるワイドショーに所属している玉川氏が政治や社会、国際問題などについて番組で舌鋒鋭くコメントしていることに対して、快く思っていなかったということだ。
ここには、報道のど真ん中の人達が、周りの取材セクションを下に見ているというテレビ局の構造的な問題もあると思う。
ところで今回の問題で気になるのは、玉川氏に対する感情的な反発がよく見られる点だ。前述したようにジャーナリズムの重要な役割は権力チェックであり、玉川氏も政権に対して厳しいコメントをすることが多いという印象がある。だからこそ一部の政治家が玉川氏について厳しい処分を求めたのだろうが、その反応ぶりには違和感を持った。
政治家の反発は、玉川氏がちゃんとコメンテーターとしての仕事をしていたという証でもあると思う。
SNSが発達し、取材のプロでなくても誰もが現場に行って撮影し、自らの考え方やコメントを世の中に広く発信することが可能な時代になった。それだけに、現場取材のプロによる事実の切り取り方や見せ方、それにニュースの意味や背景を解説する役割が今まで以上に重要になってきていると強く感じている。
●玉川徹氏の「謹慎」から見えた、日本の「ワイドショー」の「残念なポイント」 10/26
玉川氏、謹慎の背景
テレビ朝日の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』で、安倍晋三元首相の国葬について事実と違う発言をし、出勤停止10日間の謹慎処分となっていた報道局社員の玉川徹氏が、10月19日に番組に出演。今後はコメンテーターではなく取材者として出演を続ける意向を伝えた。
玉川氏の発言は菅義偉前首相の弔辞について、「当然これ、電通が入ってますからね」と広告代理店による演出があったと発言したが、翌日には事実ではなかったと謝罪していた。
今回はその発言について「それは私の慢心と驕りがあったからだと反省いたしました」と頭を下げ、「事実確認こそが報道の根幹である。その原点に立ち返るべきだと考えました」「これからは、現場に足を運び、取材し、事実確認をして報告する」と伝えた。
厳しいことを書けば、実はその「原点」が問題だった。1989年に入社した玉川氏は「スーパーモーニング」などの番組でディレクターを務め、社会派のリポーターを務めてコメンテーターになっていったわけだが、20年くらい前の同氏は、同僚から仕事の評判が良くなかった。
「担当した取材を後輩にやらせるんです。それもずる賢くて、子会社や関連会社の若いスタッフにはやらせないで、同じ局員の後輩だけにやらせて、問題化させないようにもしていて。現場にも行っていないのに『僕が取材しました』と手柄にしたこともあり、後輩が愚痴っていた」
この話は当時、テレ朝のスタッフから聞いていたことだが、いまその頃を知る別のディレクターに聞いても、ほぼ同じ印象が残っていた。
「玉川さんは目立ちたがり屋で、もともと番組に出たがっていたからね。彼が目指したのは、同じくディレクターからコメンテーターになった川村晃司さんだけど、川村さんは戦争取材もした現場記者の実績があった。玉川さんが今後は取材するというのはいいことだけど、正直なことを言えば、彼の言う『原点』というのがちゃんとしたものだったという認識はないよ」
ワイドショー、「コメンテーター」の問題
このディレクターは実際に玉川氏から仕事を押し付けられた後輩の具体名も複数挙げて証言しているが、いずれにせよ玉川氏の謝罪を見れば、近年、現場から遠ざかり、自宅と局の往復になっていたことがうかがえる。
こうしたコメンテーターは玉川氏だけではない。筆者も過去、情報番組には数百回、出演してきたが、他の出演者の発言に「実際のところを見ていない」と感じたことは少なくない。
たとえば、プロボクシングでは2008年ごろから警視庁の協力を得て試合会場から暴力団排除の取り組みをし、会場から暴力団関係者と見られる人々が姿を消していたが、2018年にアマチュアの日本ボクシング連盟で、山根明会長(当時)に暴力団との関係が指摘される問題が発生。
この件では、共演コメンテーターが「ボクシングは会場にヤクザがいっぱいいるからね」と発言した。すかさず筆者は訂正したが、間違った認識に怒っていた関係者がいた。筆者の訂正がなければ、詳しくない視聴者は「ボクシング興行はいまだにそんな感じか」と思ったに違いない。
こうした事実でない話がそのまま聞き流されることもよくあり、マーケティングアナリストなる専門的な肩書きの共演者が、中国人の消費傾向についてしゃべっていた内容が、自分が現地で取材してきた実態とかけ離れていると感じたこともあった。それでも番組の進行上、口を挟めず終わり、あとでアナリストに話を聞いたら、ろくに取材やデータの根拠を持ち合わせていないことが分かった。
つまりは今回の騒ぎは、賛否が白熱した国葬の問題だから大きくなっただけのことでもある。なにしろ近年のワイドショーでは、政治学者とか社会学者を名乗るコメンテーターが出ていても、コメントの大半が個人の感想が主体で、学者としての研究の成果や分析があまり活かされていない。ジャーナリストを名乗っていても、ろくに取材や執筆などしていない名ばかりの者もいて、こうしたコメンテーターの人選にそもそも不満という視聴者は多いはずだ。
「素人感想」の意味もあるが…
最近、統一教会の問題では、ジャーナリストの鈴木エイト氏が多数出演しているが、こちらはさすが長年の取材実績があるため話す材料に事欠かない。だから話を大げさに作ったり、知ったかぶりをしたりする必要もない。
筆者も統一教会に関する記事は多数書いてきたが、政治と協会の癒着については詳しくなく、主に信者、元信者へのインタビューが主体だ。そのため、自分がよく知るテーマでない出演依頼は断った。無理に自分の感想を述べに行くくらいなら、新しい情報を取っておきたい。
もちろん、芸能タレントなど、一般人目線で個人の感想を言うことこそが求められるコメンテーターもいるから、主観コメントをすべて否定するわけではないが、番組側がそれを意見なのか解説なのか立ち位置を明確にさせないと、そもそも報道番組としてのスタンスが問われることになる。
玉川氏の場合、取材者ではなくなっていたのだから、国葬についての話も意見でしかなかった。ただ、この番組自体、先の新型コロナウイルスのパンデミック騒動を見ていても、極端な意見を言って反対意見を煽り、確信犯的に炎上商法のような作りにしていた部分も散見された。そこは報道番組というよりトークバラエティのようになっていた印象すらある。
実際、その手法で視聴率を上げてきた番組ではあり、そうなると問題の根本は玉川氏の発言ミスというより、番組とコメンテーターの在り方を見直すべき話にもなってくる。世間では同氏の処分の重さや復帰の形に話題が集まっているが、より重要なのはその点ではないだろうか。
●玉川徹氏の慰留報道を否定「出演を続けながら信頼回復に努めていく」 10/26
テレビ朝日篠塚浩社長は25日、都内で定例会見を行った。安倍晋三元首相の国葬に関する事実誤認発言で報道局社員の玉川徹氏が出勤停止10日間の謹慎処分を受けた件について、視聴者から「厳しいご意見のある一方、ご理解をいただいているご意見も多数届いている」と明かした。
玉川氏は問題の発言を、コメンテーターを務めていた同局系「羽鳥慎一モーニングショー」内で行っており、謹慎明けの19日の放送で謝罪した。篠塚社長はこの日、本人が降板を申し入れるも慰留したという一部の報道を否定し「現場に足を運んで取材をして報告するという基本に返る形で。出演を続けながら信頼回復に努めていく」とした。
篠塚社長は「これがきっかけではない」としつつ、再発防止策として報道局内で基礎的な研修を行うことも明かした。
●テレ朝社長が異例言及 玉川徹氏のありえない¥o戻りに局内騒然 10/26
テレビ朝日で25日、篠塚浩社長の定例会見が行われ、話題の中心は、安倍晋三元首相の国葬についての事実誤認発言で出勤停止10日間の謹慎処分を受けた報道局社員・玉川徹氏(59)だった。
玉川氏は今月5日から謹慎期間となり、事実誤認発言をした「羽鳥慎一モーニングショー」に19日に復帰。改めて謝罪した上で「これからは現場に足を運び、取材をし事実確認をして報告する。その基本にもう一度立ち返るべきだと考えました」と表明した。肩書は従来の「コメンテーター」のままだが実質降板≠オ、現場取材をしながらスタジオで報告する不定期出演となっている。
会見で、篠塚社長は「これまでの経験を生かして取材をもとに番組に貢献してくれたら」などと変わらぬ信頼感をにじませたが、局内からは驚きの声が漏れる。
「玉川さんは謹慎処分、その上司はけん責処分となっているにもかかわらず、元の職場に復帰することは通常なら考えられない。他の社員が処分される際の一つの判断材料になるなど影響の大きさを考えると、よほど玉川さんを特別扱いしているということ。局内では玉川さんは社長案件≠ニとらえられている」(テレ朝関係者)
玉川氏といえば、5年連続で同時間帯の年間視聴率民放トップを誇る「――モーニングショー」で、放送前の会議から番組出演とまさにプレイングマネジャーとして貢献してきた。
「篠塚社長ら上層部は、世論を巻き込んだ今回の一件で、改めて玉川ブランド≠フ強さを痛感。定年後もテレ朝で活躍することを願っている。視聴者からの意見も当初の批判よりも応援が多くなった。それも玉川さんを強気にかばう一因になっているはず」(前)
レギュラー出演への返り咲きも、そう遠くないかもしれない。
●逆襲のテレ朝・玉川徹氏「取材記者に戻る」を選択した本当の理由 10/26
テレビ朝日の一局員でありながら、世間から大注目された玉川徹氏が“逆襲”に燃えているという。
玉川氏は9月28日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)で、安倍晋三元首相の国葬での菅義偉前首相の弔辞について「当然これ、電通が入ってますからね」などと発言。翌29日の番組で「事実ではありませんでした」と謝罪したが、その後も批判は収まらず、同局は玉川氏を10月5日から10日間、出勤停止する謹慎処分を下し、管理責任を問われた番組関係者らもけん責処分となった。
こうして迎えた謹慎明けの10月19日。ひとりスタジオ外のスタッフルームに直立した玉川氏は「今回の私の事実誤認のコメントにより、ご迷惑をおかけした電通および菅前総理大臣に対し、改めてお詫び申し上げます。このような事実に基づかない発言をテレビでしてしまったということ。それは私の慢心と驕りがあったからだと反省いたしました。申し訳ございませんでした」と頭を下げた。続けて「事実確認こそが報道の根幹である、その原点に立ち返るべきだと考えました。これまで私はスタジオでさまざまなニュースに対してコメントを続けてきましたが、これからは現場に足を運び、取材をし、事実確認をして報告する基本にもう一度立ち帰るべきだと考えました」と、コメンテーターを降板する意向を報告。自身の取材結果については、「『羽鳥慎一モーニングショー』で、お伝えする。そういう考えに私は今回至りました」と明かした。
玉川氏の“ぼっち謝罪”についてはネット上でも「見せしめだ」「かわいそう」「さすがにやりすぎ」といった同情の声も上がったが、テレ朝関係者は、「スタッフルームには玉川さん以外に誰もいなかったでしょう? 朝のあの時間帯に人がいないなんてことはありえない。つまりは番組サイドと玉川さんが考えた“演出”です。ゼロからのスタートという意味が込められているそうです」と述べる。
当の本人も反省こそすれ、ショックを受けている様子はないという。局内で玉川氏とすれ違った人物によれば「以前と全く変わらず。笑顔で挨拶していましたよ」それどころか、“逆襲”に向け、燃え上がっているという。
「今回なぜここまでの大ごとになったかといえば、安倍元首相の国葬という一大行事であったこと、大手代理店の電通に対する発言だったからです。これが別の案件ならば、ここまでなっていなかったかもしれない。その辺りは玉川さんも気付いていて、自分はある意味、強大な力にガツンとやられたという認識を持っている。これを見返すには、自身が念入りに取材したネタで“巨悪”を追及するしかない。しばらくは様子見のネタを取材するでしょうが、そのうち政権与党や自治体の“闇”にメスを入れる気満々だと思います」(玉川氏を知るテレビ局関係者)
玉川氏は早くも20日放送回で“復活”。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題に取り組む弁護士を直接取材後、スタジオで宗教法人への法令違反要件について解説した。
「玉川さんは『ジャーナリストは権力を監視しなければならない』という考えで、番組では“左寄り”の発言が多かった。彼の元にはそっち方面の人からの陳情や情報リークが大量に届いているそうです。そこを起点に取材を進めていけば、何かスクープが飛び出すかもしれない」(同・テレビ局関係者)
玉川氏の“逆襲”はまだ始まったばかりだ――。 
 
 

 

●篠塚社長「玉川氏続投」明言の背景…“性加害報道”の香川照之も降板せず 10/27
朝の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)で菅前首相が読み上げた弔辞について「当然、これは電通が入っていますからね」と発言し、出勤停止の謹慎処分を受けたテレビ朝日報道局の社員・玉川徹氏(59)。
テレビ朝日の篠塚浩社長は25日の定例記者会見で、玉川氏の問題発言に対し、「あくまで国葬について論評したものと考える」「今回のことで原点に返るということで、これまでの経験を生かして番組に貢献してほしい」と続投を明言した。実際、篠塚社長の言葉通り、玉川氏は降板を免れ、10日間にわたる謹慎処分の末、19日に復帰した。
これに対し、SNSでは、《玉川さんは他のコメンテーターより、核心をついてくれる》《本人が否を認めたので、もういいんじゃない?》《玉川氏は今までも過激発言してきたのに、電通だからってテレビ局が事態を大きく捉え過ぎたんじゃない?》と、玉川氏を擁護する声が上がっている。
その一方で、《もうどっちでもいいじゃない?この問題が続いていることがバカらしい》《『原点に帰れ!』ってこれまでも事実誤認発言があったってことでしょ? 今回はたまたま話が大きくなったわけで。そんな人をコメンテーターとして起用するのが問題》と、冷めた声もある。
玉川氏の復帰後もすっきりしていない視聴者がまだ一部いるようだ。
香川照之の性加害報道の時も…
テレビ朝日といえば、“性加害報道”があった香川照之(56)も守り抜いた。香川が情報番組『THE TIME,』(TBS系)の司会を降板し、トヨタをはじめとするCMの降板も続々と決まるなか、テレ朝は『六本木クラス』の続投を決めた。少し遡れば、不倫騒動で火だるまになった東出昌大(34)の主演ドラマ『ケイジとケンジ〜所管と検事の24時〜』も最後まで放送を続けた。
「『ケイジとケンジ』はドラマがスタートした直後に東出さんの不倫報道が出て、彼の代役を探す時間もなく、即降板が難しい状況でした。打ち切りもできないため、途中から自社のCMを流さず、『ACジャパン』のCMを挟みながら最後まで放送しました。苦肉の策だったのでしょう。『六本木クラス』では香川さんは主演ではなかったためか、特に目立ったテレ朝の対応はありませんでした」(広告代理店関係者)
今回、テレビ朝日が玉川氏の決めたのはなぜか? その理由を聞くと、「訂正謝罪をした上で、社内処分も終え、本人も深く反省しており、今回、このような形態での出演継続という判断に至りました」(テレビ朝日広報部)という回答だった。
「『モーニングショー』は朝の情報番組の中で平均世帯視聴率のトップをキープしています。今のテレビは個人視聴率が重視されていますが、同番組が50代以上の男女から断トツの支持を得ているは間違いありません。現在も凸版印刷、AGC、明治、東急リバブルなど大手企業がスポンサーに名を連ねており、その多くは玉川氏の歯に衣着せぬ物言いを評価しているということだと思います。テレ朝は玉川氏の続投についてスポンサーの了解を取り付けたということでしょう」(前出の広告代理店関係者)
玉川氏はこれからはレギュラーコメンテーターではなく、現場で取材を行い、情報を届ける“レポーター”としての再出発を切る予定だが、今回の件で“玉川節”がトーンダウンすれば、その時の方がむしろスポンサー離れが懸念されるのではないか。
●玉川徹氏の謝罪に欠けているもの ---  10/27
テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」で、コメンテーターの玉川徹氏が安倍元首相の「国葬儀」に関して行った発言が問題となった。テレビ朝日は「事実に基づかない」ものだったとして、同局社員の玉川氏を10日間の謹慎処分としたが、先ごろ玉川氏は番組で改めて謝罪し、同番組に復帰した。以下はその際の謝罪の全文である。
「 おはようございます。今回の私の事実誤認のコメントにより、ご迷惑をおかけした電通および菅前総理大臣に対し、改めておわび申し上げます。このような事実に基づかない発言をテレビでしてしまったということです。それは私の慢心とおごりがあったからだと反省いたしました。申しわけございませんでした。謹慎の10日間、私は事実確認の大切さ、テレビで発言することの責任の重さを考え続けました。そして、事実確認こそが報道の根幹であり、その原点に立ち返るべきだと考えました。これまで私はスタジオでさまざまなニュースに対しコメントを続けてきましたが、これからは現場に足を運び、取材をして、事実確認をして報告する、その基本にもう一度立ち返るべきだと考えました。そしてその結果はこの「羽鳥慎一モーニングショー」でお伝えする。そういうふうな考えに私は今回至りました。この間、報道局幹部との話し合いを続け、このような私の考えを理解してもらいました。視聴者の皆様にもご理解いただけるとありがたく存じます。今後、このような形で仕事を続けてまいりますが、ご支援のほどよろしくお願い致します。 」
私は玉川氏の最初の発言について、自身のブログで取り上げ、「事実」云々以上の問題点として次のように指摘した。
「 ……玉川氏は「僕は演出側の人間。ディレクターをやってきた。そういうふうに作りますよ」と語っていた。「そういうふうに作りますよ」の「そういうふうに」の意味など、ここでも発言の趣旨は不分明だが、要するに、視聴者の印象を操作するのがテレビのディレクターの仕事であり、自分はそういうことをやってきたということを語っているのだろう。当日の発言にかかわれば、「国葬儀」に対する批判を鎮静化する方向に菅氏の弔辞は「演出」されたということになる。 」
玉川氏が行った再度の謝罪には、私が指摘した部分に答える内容はまったくない。
再度の謝罪で、玉川氏は「事実確認こそが報道の根幹であり、その原点に立ち返るべきだと考えました。……これからは現場に足を運び、取材をして、事実確認をして報告する、その基本にもう一度立ち返るべきだと考えました」と語った。
玉川氏は現在59歳とのことだが、いまさら「事実確認こそが報道の根幹」と言われても、正直「エッ!」という感じである。でもまあ、この点については、今後はしっかり「原点」に立ち返ってほしいと思うのみである。
しかし、問題はその先である。玉川氏は引き続き「コメンテーター」という名前で番組に登場するという。となると、「事実」に対して、何らかのコメントをすることになる。コメントには、単なる「事実」の説明とは違う、何らかの評価なり判断なりが求められる。となると、どうしても、私が指摘した点について、ちゃんと“落とし前”(ヤクザ社会みたいな、変な言い方だが、私の気分としては、この言い方がぴったりくる)をつける必要があるはずだ。
今後も玉川氏が自認する「ディレクターをやってきた演出側の人間」としてふるまうのだろうか。それとも、こうした自己認識は誤っていたと考えるのか。この点について言及がない今回の謝罪には意味がない
さらに、「事実確認こそ報道の根幹」という点についても、実は単に「原点に立ち返る」と表明しただけでは済まないことを指摘しておきたい。
当たり前のことだが、「事実」は明白なものだけではない。必ずしも自明ではないものもあれば、「解釈」や「切り取り方」によって、異なる「事実」が表象されることもある。この点でも玉川氏は自認していた「ディレクターをやってきた演出側の人間」として今後の態度が問われるはずだ。
●ワイドショー司会者とコメンテーターの関係はドラマの主役と脇役に似ている 10/27
注目されていたテレビ朝日の玉川徹氏は番組を降りることも、会社を辞めることもなく「羽鳥慎一モーニングショー」に残留。コメンテーター席からは外れるが、ディレクターとして現場を取材。自身の取材したものだけスタジオで生報告する形で着地した。
「番組が朝の時間帯のトップに立ち続けている貢献者のひとりが玉川。好き嫌いはあれ、彼の意見で視聴者を引き付けたのは確か。番組を降りれば視聴率にも影響する。本来なら降板が本筋だが、週1でも番組に出ることを妥協点とした」(テレビ関係者)
日々のニュースをワイドに伝えるワイドショー。日々の内容はそう大差ないが、視聴率に差がつくのは司会者とコメンテーターのキャラを含めた人気だ。
「モーニングショー」は司会の羽鳥慎一のソフトで安定した司会進行と、対峙(たいじ)するように熱く語る玉川氏。絶妙な静と動のバランスの良さが人気に結び付いている。玉川氏のようなタイプのコメンテーターはそうはいない。取り扱いは難しいが、唯一無二の存在だから貴重なのだ。
ワイドショーの司会者とコメンテーターの関係はドラマの主役と脇役の関係にも似ている。昔から映画やドラマに敵役は欠かせない存在だった。特に勧善懲悪モノには必要不可欠だが、敵役は専門の悪役専科の俳優もいて、さほど敵役を気にすることはなかった。
概念を変えた香川照之
この概念を変えたのが香川照之だった。TBS系の日曜ドラマ「半沢直樹」で堺雅人の敵役で出演した香川。アップで見せる顔芸に「凄い迫力」と視聴者はクギ付けになりドラマは高視聴率を上げた。主役は脇役で生きることを改めて証明。香川は「名敵役」の第一人者となり、「敵役が香川なら見たい」と思わせるまでになった。「玉川が出るなら見たい」と思う視聴者心理と同じだ。
現在、セクハラ騒動で自粛中の香川。ドラマ界は早期復帰を願うばかりだろうが、ポスト敵役を探すのも急務。探すというより、「香川のように、この人に敵役をやらせたら面白い」と思わせる既成の俳優だ。
すでに新たな敵役適任者が出てきている。夏ドラマでは「競争の番人」(フジテレビ系)でベテラン俳優らしい悪役の顔を見せた小日向文世。どんな役をやらせてもうまい俳優だ。さほどの意外性はなかったが、10月期のドラマでは「ポスト香川」を思わせる3人が出演している。
日本テレビ系「ファーストペンギン!」では梅沢富美男。最近は「面白いおっちゃん」で親しまれているが、このドラマでは嫌がらせをする漁協組合長。悪の顔全開で演じているが、「悪役が似合う」と好反応。バラエティーで見せる顔とのギャップが関心を呼んでいる。
大河「鎌倉殿の13人」で脚光を浴びた歌舞伎役者の坂東彌十郎はTBS系の「クロサギ」に大物詐欺師で出演。黒幕を演じている。
「顔芸は歌舞伎役者のお家芸。彌十郎の演技はさすがです。若手の尾上松也も敵役で面白い存在になりそう」(演劇関係者)
主役の平野紫耀と敵対する彌十郎の駆け引きはクライマックスまで続く。本来なら敵役として香川が出演予定だったTBS系の「アトムの童(こ)」。さまざまな俳優の名前が挙がったが、オダギリジョーが代役で登場。朝ドラ「カムカムエヴリバディ」で見せていた気のいい父親から一転、ニヒルで不気味さも漂う悪役ぶりを見せている。主役の山崎賢人とのイケメン対決が最大の見どころ。ドラマのカギを握るのは敵役にあり、だ。
●安倍氏銃撃事件から100日経っても‟統一教会報道“を続けるワイドショー 10/27
「教会側からネタを投下してくれる」
「正直言って、番組制作者とすれば来る日も来る日も統一教会ネタをやるのは苦痛だし、飽きてもいます。それでも統一教会側がツッコミどころ満載のネタを投下してくるんです。
その上、山際大臣を筆頭に政権側の関係人物も、さらには次々に声をあげ始めた2世や被害者も、キャラが立っています。いまややめたくてもやめられない状況にいるというのが正直なところという気がします」
こう語るのは、とあるワイドショーで統一教会問題を担当するディレクターだ。彼が語るように、日本のテレビのワイドショーは現在、来る日も来る日も統一教会問題を放送し続けている。7月8日に安倍元首相が銃撃されてから、すでに100日以上が過ぎたが、なぜワイドショーは統一問題を放送し続けることができるのか。
通常これほどまでにひとつの問題を放送し続ければ、ネタが切れてくる。しかも、視聴者に飽きられてしまうリスクも高い。しかし、今回各局とも統一教会問題を取り上げるのをやめる気配はまったくない。これはなぜなのか? かつてワイドショーの制作にあたっていた筆者は、複数のワイドショー関係者に聞き取りを行い、自らの経験ももとにその背景を分析してみた。
そもそもなぜここまでワイドショーが継続的に統一教会問題を取り上げ始めたのか? そのきっかけとなったのは、安倍首相銃撃事件直後、参議院議員選挙期間中にテレビや新聞が「統一教会の名前」を報道できなかったことに対する反省にある、とあるディレクターは語る。
「当初から“統一教会だ”とわかっていたのに、それを放送することができませんでした。危機管理面も考えて慎重姿勢になる上層部に対して、現場のスタッフたちは非難囂々でした。だから、教団側が会見したときにはガッツポーズしました。もしあの会見が無かったら、いまでも統一教会という名前を出せていなかったかもしれません」
「ミヤネ屋」が果たした役割
当初、統一教会の名前を出せなかった忸怩たる思いが、現場の「統一教会問題を報道し続けよう」というモチベーションをキープさせている大きな要因だ、とするこの証言は非常によくわかる。筆者も周囲にいるテレビマンたちから当時、「名前を放送できなくて悔しい」という、同じような声をよく耳にしたからである。
そしてもうひとつ。大きな役割を果たしたのが、読売テレビ制作の『ミヤネ屋』であることは間違いないだろう。『ミヤネ屋』は、質・量ともに統一教会報道の先頭を走ってきたと言っていい。この番組が統一教会問題報道に積極的な姿勢となった理由はなんだろうか? 
「それはミヤネ屋に、日本テレビ『ザ・ワイド』にいたスタッフが多く、彼らが統一教会問題に詳しかったからだ」と分析する記事を見かけるが、関係者に話を聞いてみるとどうやらそれは正しくないようだ。100人を超える数のスタッフがいるミヤネ屋に、『ザ・ワイド』出身のスタッフはわずか3人程度。スタッフルームでは「何を根拠にそんな記事が出るのか」と笑っているという。
では本当のところは何か? 関係者の話を総合すると、大きな要因のひとつは「テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』への対抗意識」であると言えそうだ。
ご存知の通り、『羽鳥慎一モーニングショー』は、現在放送されているワイドショーの中でもトップクラスの視聴率を誇る、いわばワイドショー界の雄だ。しかし『モーニングショー』は当初、スタジオにゲストとして呼んだ紀藤正樹弁護士の発言に対して局に抗議電話が殺到したことなどを受けて統一教会問題を取り扱うことに消極的な姿勢を見せていた。
そしてその間、出だしでつまづいた『モーニングショー』とは対照的に統一教会問題を積極的に放送していた『ミヤネ屋』そして読売テレビに対する世間の評価がどんどん上がったのだ。このことを受けて、どうやら『ミヤネ屋』は統一教会問題を積極的に扱うようになったのだ。
鈴木エイトさんがもたらしたもの
そしてもうひとつ、『ミヤネ屋』に限らずワイドショーが統一教会問題を報じ続けられるようになった大きなきっかけは、ジャーナリスト・鈴木エイト氏との出会いだったとあるワイドショー関係者は分析する。
「鈴木エイトさんという、週刊誌では活躍されていましたがテレビとは繋がりがなかったジャーナリストとの出会いも大きかったと思います。紀藤正樹弁護士の推薦もあって、ネタ元も兼ねた解説者として各局のワイドショーが彼を起用するようになりました。
鈴木エイトさんのおかげで、扱えるネタの数が大きく増えましたね。これが大きな転換点になったと思います」
当初どうやら、『ミヤネ屋』をはじめ各局のワイドショーのスタッフの間では「あまり統一教会批判に突っ走るのはまずい」という空気が流れた時期もあるようだ。「山上容疑者の犯行動機につながる問題以外は放送しない」という方針を決めた番組もあった。「やるべきトピックがあるときだけ放送する」というスタンスになり、統一教会問題をあまり扱わなくなった時期もあったという。しかしそれを打破したのが「鈴木エイト氏という存在」だったというのだ。
「統一教会という特殊すぎてあり得ないとも思える教義を持った宗教団体は、掘れば掘るほどネタになります。しかし、このままでは新興宗教を叩いているだけなのではないか? と悩んだ時期もありました。やるべきか、やらないべきかで悩んでいる間にも数字(視聴率)はどんどん好成績を収めていきました。
そんな悩みをみんなが抱えているころに、鈴木エイトさんとの出会いがあって、勝共連合を含む関連団体による政界工作の問題や二世信者の問題など、統一教会問題をやるべき理由が一気にいくつも増えたのです」
「ミッチーサッチー騒動」との違い
筆者の経験から言うと、ワイドショーがひとつのネタを連日放送する上で障害となることは3つある。ひとつは、「ネタが切れる」こと。もうひとつは、「視聴者の関心が切れる」こと。そしてもうひとつ、一番恐ろしいのは「そのネタをやるべき必然性が切れる」ことだ。
かなり古い例になるが、かつて筆者は、浅香光代さんと野村沙知代さんのバトル、いわゆる「ミッチーサッチー騒動」の時代を現場で経験している。あのころワイドショーは連日のように繰り広げられる場外乱闘で「ネタと視聴者の関心が切れること」はないまま連日ミッチーサッチー騒動を放送した。
しかし、そこには「そのネタをやるべき必然性」が決定的に無かった。そのことで一部のワイドショーは視聴者から信頼を失い、その後長い視聴率低迷の暗黒の時代を迎え、現場は苦心惨憺したのである。それほど「そのネタをやるべき必然性が切れる」のは恐ろしいのだ。
今回の一連の統一教会問題報道で、テレビのワイドショーは鈴木エイト氏をネタ元として活用し、出演してもらうことによってまずは「ネタが切れること」を克服した。そして、「勝共連合を含む関連団体による政界工作の問題や二世信者の問題」を取り扱うようになったことで「視聴者の関心が切れること」も克服した。そして「勝共連合を含む関連団体による政界工作」に関して、今回辞任を表明した山際大志郎経済再生担当大臣をはじめ、政界の対応があまりにもグズグズでお話にならないことが「そのネタをやるべき必然性が切れること」を克服したと言うことができるのではないか。
教会側の狙いが裏目に
さらに、「教団側が自ら、統一教会問題報道を長引かせている」と指摘するディレクターの声もある。
「統一教会の報道対応が、とことんマズイのも大きな要因になっていると思います。外国特派員協会での会見も、非常にやり方が悪い結果、かえってテレビにネタを提供している感じになっています。しかも勅使河原さんという人物の登場で、さらに盛り上げてしまった。
橋田さんの元妻の証言ビデオを公開するに至っては、もう自ら炎上のための燃料を投下しているとしか思えません。
個人的な分析ですが、韓国が起源の統一教会は、日本人的な問題解決のアプローチをまったく理解していないように思います。韓国人的なアプローチの本部の指示に従って動いた結果、ドツボにハマっているように見えるのです」
確かに勅使河原さんにしろ、山際大臣にしろ、今回の統一教会問題にはあまりにもキャラが立った登場人物が多数登場しすぎだ。それに加えて「紀藤弁護士vs橋下徹」「太田光vsひろゆき」など、いろいろな魅力的な場外乱闘が次々に起こっている。こうした「キャラが立った登場人物たち」も視聴者を飽きさせない原因のひとつになっているのだろう。
そして、頻繁に開かれる教団側の記者会見自体がネタを提供することになっている。最近ではあえて『ミヤネ屋』の放送時間に合わせて記者会見が開かれているようなフシもある。これは教団側も「テレビを利用しよう」としていると言えるわけだが、このことも『ミヤネ屋』は会見中に「意義あり」ボタンでツッコむなど、視聴者の興味を惹きながら、教団側の思うツボにはさせない巧みな演出をしていて、なかなか素晴らしいと思う。
そして現在、ワイドショーが統一教会問題を放送するのを止めるべき理由はこれと言って見当たらない。いや、むしろこれからも引き続きやり続ける理由しか見当たらないのではないか。現場からもこんな声が聞こえてくる。
「いま私たちが統一教会問題を報道するべき大義としては
   1: 山上容疑者の犯行動機解明
   2: 政治との関係
   3: 安倍家三代の因縁
   4: 高額献金被害の実態解明
   5: 祝福2世問題
……はっきり言って、何をどう扱っても『やるべき大義』に引っかかるという『入れ食い状態』になったと言えるのではないでしょうか。」
「私個人としては、統一教会に被害を受け、声をあげたい人たちが『今なら聞いてもらえる』と望みをもってメディアに駆け込んだり訴えているタイミングだと思うので、その声を無碍にすることはしてはいけないと思っています」
これからも当面の間、テレビのワイドショーには「統一教会問題を放送するべき必然性」があり続けるのだと思う。そしてその「必然性」が存在し続ける限り、現場のテレビマンたちには、連日大変だとは思うが、頑張って統一教会の反社会性を批判し続ける先鋒に立ってもらいたいと筆者は願う。 
●玉川徹先輩へ 現場取材でテレビ発≠フスクープをぜひ! 10/27
自分の意見をズバズバいうのは止めないで! 
テレビ朝日の玉川徹先輩へ。この連載は締め切りの関係もあって掲載が少し遅れてしまいますが、今日は10月19日です。今日の「羽鳥慎一モーニングショー」で謝罪されましたね。拝見しました。
内容をまとめると、発言が間違っていたことについて、電通と菅義偉前首相と視聴者に謝罪。今後は初心に立ち返って現場に取材に行き、その報告を「モーニングショー」で引き続き行われるということでした。
僕は、この発言を聞いてとても納得がいきました。おっしゃる通り、今後は自ら現場に出向いて取材をしてほしいと思います。そして、ぜひスクープ取材をしてください。先輩はとても優秀で才能に恵まれた人ですから、できるはずです。
普通の平凡なテレビマンは、僕も含めなかなかスクープを出すことはできません。そして僕は、スクープがとれる限られたテレビマンは、スクープをとるべきだと思っています。なぜなら究極的には、スクープをとることで、メディアは一番世間のお役に立てるからです。
最近、テレビはあまりにも現場に足を運ばなくなってしまっています。だからなのか、テレビ発のスクープはほとんどなくなってしまいました。それでもTBSさんなどは、調査報道を頑張ってたまにスクープを出していますよね。テレビ朝日もぜひスクープを! そのためには、優秀な玉川先輩が頑張らないと難しいと思います。
優秀な人に限って年をとると現場に足を運ばなくなってしまいます。大体、体を動かさずに口ばかり動くようになってしまう。僕はそういう、現場を離れて偉そうなことをいう人のことを信用しません。
でも玉川先輩は、優秀だけど現場で汗をかいて取材もできる稀有(けう)な人だと思っています。ぜひ、これからモーニングでどんどんスクープを連発して悪を倒してください。あまり主義主張にこだわりすぎずに全方向で独自ネタを出してほしいです。
あと、先輩はこれからも自分の意見をズバズバいうのは止めないでください。名前や顔を出さずに好き勝手いうのは臆病者ですが、先輩は堂々と顔を出しているのですから遠慮せずガツンと自分の考えを発言してください。悪役でもいいじゃないですか。勇気のあるテレビ局員は、なかなかいませんから先輩は貴重です。
あと可能なら、どうかテレビ朝日の後輩たちがスクープ取材をできるように教育してやってください。後進を育てられる実力者も、今のテレ朝では玉川さんくらいだと思います。どうぞよろしくお願いします。
●テレ朝・森山みなみアナ、ひざ上ミニワンピ衣装披露に「めっちゃ美脚」の声 10/27
テレビ朝日の森山みなみアナウンサーが27日、自身のインスタグラムを更新し、ひざ上のミニワンピース姿を公開した。
アシスタントを務める同局「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・午前8時)の出演オフショットを複数アップ。「厚手のニットのワンピースでした。本当に日の入りが早くなりましたね〜。九州は日の入りが遅いので、上京してはじめての冬は暗くなる早さにビックリしました。明日もよろしくお願いします!」と記した。
この投稿には「めっちゃ美脚」「お似合いですね」「似合ってる」「今日もかわいい」といったコメントが寄せられた。
●玉川氏不在でも…「モーニングショー」で田崎史郎氏と徐東輝氏の激論バトル 10/27
テレビ朝日系の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」で27日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題を巡って政治評論家の田崎史郎氏とコメンテーターで弁護士の徐東輝氏が激論バトルを繰り広げた。
旧統一教会をめぐっては信者の高額献金が相次ぎ、河野太郎消費者担当相をトップとする消費者庁が中心となって高額献金などの被害防止や救済を図る法整備を進めてきた。しかしここにきて大串正樹副大臣が、事実上の「政策協定」となる旧統一教会の推薦確認書にサインしていたことが発覚して、問題視されている。
この事態に司会の羽鳥慎一アナは「被害者の中には、この人が霊感商法対策の音頭を取る1人で大丈夫なのか、と思う人もいると思うんですけど…」と話を振ると、田崎氏は「その懸念はあるでしょうけど、実際にゆがめられるかというと、あくまで最終の決裁権限は大臣にあるのでチェックできる。副大臣の影響力はあるけど、絶対的な影響力は大臣が持っている」として、問題視しない構えをみせた。
しかし、これがバトルの火種に…。「そのロジックだったら副大臣いらないですよね?」と徐氏がかみつくと、田崎氏もすかさず「いや、必要でしょ!」と反論。「なぜですか?」と食い下がる徐氏に対し田崎氏は「副大臣には副大臣の任務があって、大臣に話を上げるまでにいろんな意見を言うとかある。政務官も必要ですよね」と返したが、納得のいかない徐氏は「(話を大臣に)上げるまでに事実が落ちたり解釈が落ちることあるんじゃないですか?」と猛反論だ。
これにも「それは大臣も副大臣も同じような説明受けるでしょ、だいたい」と、まだ冷静さを保っていた田崎氏だが、徐氏が「そのロジックだと行政が中立だとか公平だと国民が信頼できないと思いますよ!」と言い放つと、我慢できなくなったのか徐氏の発言の途中からかぶせて「それだと副大臣、政務官いらないってことになりますよ?」と返して、イラ立ちを見せた。
その後も2人の小競り合いは続いたが、羽鳥アナが「岸田首相の旧統一教会への対応に影響が出ると思うんですよ」と徐氏寄りの発言すると、田崎氏も冷静さを取り戻し、「だから岸田さんとしては、過去のことは説明してください。これからは関係を断ってください、ということなんですよね」と話をまとめた。
同番組では玉川徹氏が事実誤認発言のため、コメンテーターを実質的に降板。現場取材をしながらスタジオで報告する不定期出演となったが、玉川氏不在でもスタジオでの激論はあるようだ。
●職場で「叱られたい若者」が急増…羽鳥慎一「このままぬるま湯で大丈夫 ?」 10/27
テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・午前8時)は27日、職場で上司から「叱られたい若者」が急増していることを報じた。
司会の羽鳥慎一アナウンサーは「職場で叱られないことに不安を感じている若者が今、増えているということです」と伝えた。
これは「リクルートワークス研究所」の調査で判明。スタジオでは大企業の入社3年目までの若手社員に聞いた職場環境のアンケートで「今の仕事内容では成長できない」が35・0パーセント、「別の会社や職場で通用しなくなるのでは」が48・9パーセント、「同級生や友人に差をつけられていると感じる」が38・6パーセントだった。
さらに「職場で上司や先輩から叱られる機会は?」の問いに「一度も叱られたことがない」が25・2パーセント。こうした調査結果に調査を担当したリクルートの担当者はリモートワークが増えたことで「上司から叱られる機会が減り成長を実感できないと不安を感じて離職を考える若者が増えている」との分析をスタジオで伝えた。
羽鳥アナは「パワハラはダメですけど、このままいい環境でぬるま湯で自分が大丈夫なんだろうかと思う人もいるかもしれない」と指摘していた。 
 
 

 

●結婚を発表・退社か「専業主婦に収まるタマではない。」 10/28
話題のテレビ朝日の局員2人に退社説が飛び交っている。安倍晋三元首相の国葬に対する事実誤認発言で謹慎していた朝の情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』のコメンテーター・玉川徹氏と先ごろ、結婚を発表した弘中綾香アナだ。
9月30日に青年実業家との結婚を発表した弘中アナについてのフリー転身説。「結婚相手はベンチャー企業社長ですが、彼女は専業主婦に収まるタマではない。以前から局アナだと何をするにも制約される≠ニ愚痴ってましたからね。結婚を機に退社すると見られています。弘中は玉川同様にテレ朝の視聴率に貢献してきましたから、争奪戦が繰り広げられてきた。弘中は『あざとくて何が悪いの?』で共演した田中みな実に可愛いがられている。彼女がTBS退社後に最初に所属した事務所がテイクオフだ。ということもあり、移籍先は玉川と同じくテイクオフが有力」(芸能プロモーター)と、週刊実話webが報じた。
●羽鳥慎一アナ、札幌市内の「納骨堂」経営破綻問題に憤慨… 10/28
テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・午前8時)は28日、札幌市東区で納骨堂「御霊堂元町」を経営する宗教法人白鳳寺が経営破綻し、事業継続を断念した問題を報じた。
この納骨堂は10年前に開業したが、建物は経営悪化で昨年11月に差し押さえられ、今年1月に競売で不動産会社が1億560万円で落札した。今月9日に利用者への説明会で白鳳寺の代表者が「建物は強制競売にかけられた」と報告し遺骨を持って帰って欲しいと伝えたという。
番組では今月21日に札幌市内での説明会の映像を放送。VTRでは、代表者の説明に利用者が憤り怒号が飛ぶ様子が映し出されていた。さらに25日から納骨堂は施錠され、中に入れず、代表者はこの日から音信不通となったことを番組は報じた。
今回の問題に司会の羽鳥慎一アナウンサーは「普通の会社が経営悪化になりました、破綻しました、申し訳ありませんっていうのとは、だいぶ話が違います」と憤りを露わにし「お骨という問題が出てくるわけです」と利用者を心配していた。 
●「羽鳥慎一モーニングショー」一茂、さっぱりわからない…理解しているのか 10/28
10月28日、元プロ野球選手でタレントの長嶋一茂が、金曜コメンテーターを務める「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)に出演。「たとえ」が視聴者を困惑させたという。
番組では、人気が急上昇したアナログレコードを特集。デジタル音とレコード音を聴き比べたりしながらトークを展開したが、その中で一茂は「ある音楽家の人から聞いたんだけど」「溝を掘っていくわけですよ、そのレコードに。その溝の深さだったり、高さだったりするところに針が触れて、それを針が感知して音を出す」とウンチクを披露し、「そうすると、デジタルの音よりもレコードのほうが音域っていう部分の拾い方では、実はレコードのほうが優秀ではないかと」と批評。
さらに、よりわかりやすく説明しようと思ったのか、「僕なんかは野球やっていたんで、簡単に比較すると、金属バットと木のバットの違いみたいなもんで、金属バットがデジタル、木のバットがアナログレコード。やっぱり金属バットでは出せない温かみみたいなものだとか、いまだに木のほうが飛距離は実は飛んだりする部分だとか。優秀な部分って、本当はレコードのほうがあるんじゃないかと」とたとえ話を披露したが、よく伝わらなかったようで、視聴者からは「全然たとえになっていなくて、逆にわからない」「本当にデジタルとアナログの違いを理解しているの?」「金属バットも木製バットも打音はアナログでは?」などと困惑の声が上がったという。
これに芸能記者は「アナログレコードのほうが木製バットのように温かみはある、というのはなんとなく雰囲気としてはまだ理解できます。しかし、木のバットのほうが飛ぶ≠ニいうのは、より広い音域をカバーするという意味なのかもしれませんが、ちょっと伝わりにくかったですね。そもそもなぜバットに例えたのかが、さっぱりわかりません」と話していると「アサ芸ビズ」が報じている。
●長嶋一茂、王将社長射殺事件で私見「反社会勢力は一般の方に…」 10/28
元プロ野球選手でタレントの長嶋一茂(56)が28日、テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜前8・00)に出演。13年12月に「餃子の王将」を展開する王将フードサービスの社長だった大東隆行さんが射殺された事件で、特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)系組関係者の田中幸雄受刑者(56)が関与した疑いが強まったとして、京都府警が殺人と銃刀法違反の疑いで逮捕状を取ったことについて語った。
捜査関係者によると、現場付近でたばこの吸い殻が見つかり、付着物のDNA型が田中容疑者のものと一致。普段吸っていたたばこと同じ銘柄だった。大東さんとの明確な接点は明らかになっておらず、府警は動機や共犯者の有無など今後の捜査で解明を進める方針としている。
長嶋は「反社会勢力は一般の方に手を出さないイメージがあったんですけど、工藤会はそういうところなんだと認識させられて…。今回も尊い命が亡くなったわけですけど、ここまで9年かかってるっていうのは、だいぶかかりすぎたなという感じがします」と語る。
さらに「犯罪自体も9年かかってるっていうことは、完全犯罪を目論んだというか、綿密に用意周到にされたものなのかなというのも凄く意外なんですね」と述べた。
これを受けて、元警視庁刑事の吉川祐二氏は、警察の捜査について「慎重過ぎたという部分がないことはない」と指摘。さらに「完全犯罪を目論んでいたにもかかわらず、現場にたばこの吸い殻が捨てられていたというのは、犯罪者側が行う行為として安易過ぎるんですね。そういうことも踏まえて、警察もこれを信じていいのか、ということもあったのかもしれませんね」と解説した。
 
 

 

●玉川発言問題の本質  10/29
9月27日に行われた安倍元総理の国葬儀の翌日、テレビ朝日(以下、テレ朝)「羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテーター玉川徹氏が、国葬儀には「当然これ電通が入ってますからね」などと発言したことが論議を呼び、玉川氏は翌29日、「国葬に電通の関与していた」というのは「事実ではなかった」と訂正し、謝罪した。
その後も玉川氏が10月4日まで出演し続けていたことやテレ朝の処分が玉川氏の出勤停止10日間(他に関係者2名の譴責)だったこと、また30日にはYouTube番組で自民党の西田昌司議員がテレ朝を「放送法違反」と述べたことなどもあり、処分の軽重やテレ朝の姿勢などを問う議論が後を引いている。
が、筆者はこれらの議論の多くが、玉川氏が「国葬に電通の関与していた」との「事実ではない」ことを番組で述べたことや、それに対するテレ朝の処分の在り方などに矮小化されてはいまいか、との疑義を懐いている。つまり、玉川発言の問題の本質はもっと深いところにあるのではないかということ。
その「本質」論に入る前に玉川発言を見ておこう。「ヤフーニュース」の「文字起こし」を用いたが、長い全文は原典をお読み願うとして、問題の箇所を以下に引用する(以下、本稿中の太字は筆者、敬称略)。
「 玉川:僕は演出側の人間ですからね。テレビのディレクターをやってきましたから。それはそういう風に作りますよ、当然ながら。政治的意図がにおわないように、それは制作者としては考えますよ。当然これ電通が入ってますからね。
安部:これはわからないですよ…
羽鳥:いや、そこまでの見方をするのか、それともここは本当に自然に言葉が出たのか、見方はいろいろ…
玉川:いや、菅さん自身は自然にしゃべっているんですよ。でもそういうふうな、届くような人を人選として考えているということだと思うんですよ。
安部:玉川さんがこれ言っているのが面白いと思うんですよね、僕はね。テレビっていうある意味そういう仕組みじゃないですか。
玉川:そうそう…
安部:テレビっていうのは番組をみてそのコンテンツの間に広告をはさんでビジネスが成り立っているわけですから、広告の話っていうのは、ある種国葬的な政治利用の観点に近いような構造があったりするんだと思うんですけど、その上でたぶん、そこのところは多くの人が鼻がきくようになっているんじゃないかというのが僕の考え方なわけですよ。どうですか、それは。
玉川:まあ、それは演出家の考え方でね。 」
以上のやり取りの太字部分にこそ玉川発言問題の本質がある、と筆者は考える。なぜなら彼が事実誤認を認めた「当然これ電通が入ってますからね」の部分は誰にでもある思い違いや勘違いの類であり、訂正、謝罪もしたのに許さないという法はない。が、太字部分は、玉川氏が図らずもテレ朝の日頃の番組制作姿勢をもろに語ってしまったように思われ、とすればこのテレ朝の姿勢は看過し難い。
なぜなら、「政治的意図がにおわないように・・作る」との言い回しは「実は政治的意図をもって・・作る」とコインの裏表だ。ならば太字部分を「テレビのディレクターは演出側の人間として、政治的意図をもちながらもそれがにおわないように、つまり制作者としては演出家の考え方で、番組を作る」と言い換えることが可能だ。
ワイドショーのコメンテーターの発言は番組制作者が書いたシナリオに基づいている、とは巷間これまでいわれてきたことだが、バラエティー番組などでは当然のこととしても、情報番組や報道番組の側面を持つワイドショーではまさか、と考える視聴者は少なくなかろう。が、前記の発言は玉川氏がその場の勢いでついそれを明言してしまったように筆者には見える。
10月25日の定例会見でテレ朝の篠塚社長は、玉川氏に対する今後の期待について「やはりですね、そもそもディレクターなわけです。これまでもきちんと取材してきましたが、毎日の放送だとどうしても電話だったり、仲間の取材を集めることであったり、なかなか現地で取材する時間もとれなくなっていた」などと述べた。
後に続く文章と「そもそもディレクターなわけです」との脈絡が判りづらいが、察するところ玉川氏は「そもそも取材側の人間ではなく、番組制作側の人間だ」といいたいのだろう。とすると、事実誤認や舌禍事件をしばしば起こす制作側の人物を、なぜ今後もコメンテーターとして使い続けるのかという疑問が湧く。
筆者はそこに視聴率のためなら事実すら曲げかねないテレ朝の番組制作姿勢を見る。基本的にテレビを見ない筆者だが、興味を惹く出来事があった翌朝には、玉川氏がどのような論旨で「またか」と思える発言をするか、一種の「怖いもの見たさ」でモーニングショーを見ることがある。周りにも同好の士が少なくない。

テレ朝の篠塚社長はこの6月29日に、社長兼任だった早河会長を継いで社長に就任した。なぜ早河会長が社長を兼任していたかといえば、前任の亀山社長が不祥事の責任をとって辞任したからだ。2月10日のリリース「当社代表取締役社長辞任について」には以下の「異動の理由」が書かれている。
「 当社では、2021年8月以降、スポーツ局の社員・スタッフによる不祥事が連続して発覚したことを受け、同年12月、再発防止策を策定する目的で、当社役職員によって構成される「役職員の業務監査・検証委員会」(以下「検証委員会」といいます。)を設置し、コーポレートガバナンスの観点からスポーツ局のガバナンスを中心に監査・検証いたしました。その過程で、スポーツ局統括でもある亀山氏の業務執行上の不適切な行為が明らかになったため、亀山氏本人及び社内関係者の事情聴取、伝票等の関係書類の精査を実施しました結果、以下の事実が確認されました。以下省略 」
だがこのリリースには、前年10月21日に「大下容子ワイド!スクランブル」(以下、スクランブル)が、番組制作過程で捏造行為があったことを謝罪した件については一言も触れていない。「日経」は謝罪のあった晩に「想定質問であるのに架空の視聴者の年代、性別などの属性を作り上げて放送していた」との共同電を報じているから、紛れもない捏造事件なのに。
亀山氏が辞任して20日後の3月9日、放送倫理検証委員会(BPO)は「テレビ朝日『大下容子ワイド!スクランブル』視聴者質問の作り上げに関する意見」(以下、意見書)を公表した。
意見書に拠れば、「番組の前半で当日のテーマを視聴者に伝え、放送中に番組ウェブサイトなどで受け付けた質問を番組終盤で紹介し出演した専門家らが答えていた」が、「番組スタッフが作成した質問」を放送したケースが多数含まれ、「実際の質問を使用した場合も、文章の表現を修正したケースでは、クレームを避けるためとして投稿者の属性を書き換えて架空の属性で放送していた」という。
テレ朝が21年11月5日にBPOに提出した報告書によると、20年10月から投稿者の属性書き換えが始まり、問題が発覚する21年10月までの13ヵ月間に放送された293の質問のうち、視聴者の属性書き換えたが27問、スタッフが作り上げた質問を視聴者からの質問であるかのように装ったケースは104問に上っている。
意見書は「視聴者の質問や意見を番組が作ることは世論の誘導にもつながりかねず、放送倫理違反の疑いがある」とし、議論を重ねた結果、「日本民間放送連盟の放送基準の『ニュースは市民の知る権利へ奉仕するものであり、事実に基づいて報道し、公正でなければならない』や『ニュースの中で意見を取り扱う時は、その出所を明らかにする』に反している」として「放送倫理違反があったと判断」している。
こうした不祥事が亀山社長の辞任に影響していないとはとても考え難い。が、公表された辞任理由は前述の様であり、テレ朝の社長定例会見サイトを見る限り、亀山社長の辞任会見も行われていない。
意見書の「放送に至る経緯と問題の発覚」の項には、これに関係した12人の内、テレ朝社員は番組全体に責任を持つチーフプロデューサー、プロデューサー、アシスタントプロデューサーの3人で、他の9人は制作会社X社社員とそこへの派遣社員と書いてある。
が、このX社がテレビ朝日映像であることは、スクランブルが謝罪した直後の21年10月26日に当時の亀山社長が、テレ朝社員3人の処分の共に「直接番組制作を行ったテレビ朝日映像でも当該者に然るべき処分が行われたと聞いている」と会見で他人事の様に述べていて公知のこと。だのになぜBPOがX社などとするのかにも首を傾げる。
このテレビ朝日映像の社長は、テレ朝「報道ステーション」のエグゼクティブ・プロデューサーをだった 若林邦彦氏。スクランブルに携わっていたのは約120人で、社員20人のほか派遣スタッフやフリーのディレクターらがいた。それを束ねていた「A総合演出」が質問捏造の主犯で、疑念を懐いた配下の「Bディレクター」が質問ペーパーに「−」の印を付けていたことが調査に役立ったと意見書は記している。
意見書は、「制作チームの幹部たちには、同局朝の情報番組「モーニングショー』と差別化し、エッジの効いた番組という特徴を打ち出す狙い」があったとも書いている。ここを読んで筆者は、14年12月に公表された慰安婦報道などに関して調査及び提言を行う「朝日新聞社第三者委員会」の報告書で、岡本行夫委員が次のように指摘していたのを思い出した。
「 当委員会のヒアリングを含め、何人もの朝日社員から「角度をつける」という言葉を聞いた。「事実を伝えるだけでは報道にならない、朝日新聞としての方向性をつけて、初めて見出しがつく」と。事実だけでは記事にならないという認識に驚いた。 だから、出来事には朝日新聞の方向性に沿うように「角度」がつけられて報道される。 」
テレ朝は、亀山社長退任に係る一連の会見でこの「スクランブル事件」をスルーしたばかりでなく、10月4日の社長定例会見では、「元総理の国葬も世論が割れる中、先週27日に開催された。テレビ朝日では『大下容子ワイド!スクランブル』を拡大し、賛否両論を紹介しながら国葬の模様を中継するとともに、今後これらに関連する政権の課題などについて解説した」と自画自賛した。
こうして朝日新聞を頂点とする、テレビ朝日、テレビ朝日映像というメディアグループに纏わる一連の不祥事、調査報告や経営幹部発言を振り返るとき、玉川発言問題を単なる事実誤認として終わらせ、その根底にあるこのグループの体質という「本質」に迫らずに済ませて良いのか、との思いが強く湧く。
●テレ朝が「演出」した玉川徹氏の過剰な謝罪は、放送法の義務を果たしたか 10/29
10月19日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」で、テレビ朝日の看板コメンテーター・玉川徹氏が謝罪する様子が放送された。映し出されたのは、背後に誰もいない報道フロアで、玉川氏がただ一人、直立不動で反省の弁を述べ、深々頭を下げる姿。これが、安倍元首相の国葬に関して事実に基づかない発言をしたとして謹慎処分を受けた玉川氏の、復帰後初出演となった。
「ちょっと異様だった。まるで晒し者?」「立派な謝罪でした」「それなりに反省も伝わってきた」……などと様々な反応が出たが、総じて、この謝罪放送をもって「ひと区切りをつけた」という受け止めが少なくなかったようだ。
だが、本当にそれでいいのだろうか。私には、過剰とも思える「謝罪の演出」に至る一連の経緯は、放送倫理上、大きな問題をはらんでいるように思えてならない。
第一に、そもそも玉川氏は発言を一度謝罪しており、後日の羽鳥慎一キャスターの謝罪を含めると、番組としての謝罪は三度目だった。極めて異例のことだ。反省と謝罪の言葉を述べる玉川氏の“真摯な”姿を演出したが、その必要はあったのか、検証すべきではないか。
第二に、玉川発言の趣旨や誤った原因などの説明は結局、一度もなされなかった。放送番組審議会から出ていた説明を求める意見も無視した形だ。これで放送事業者としての責任を果たしたと言えるのか。
第三に、最初の訂正から数日間、玉川氏は通常どおりコメンテーターとして出演を続けていたのに、テレ朝は突如として謹慎処分を発表した。なぜ出演続行から一転して謹慎処分という経過をたどったのか。途中で方針転換したようにみえるが、放送事業者としての自律的な判断過程に問題はなかったのか。
私は先日もこの問題の論点を整理した論考を発表しているが、玉川発言を殊更に批判する意図は全くない。むしろ、謝罪自体は一度で十分であり、必要なのはしっかりとした検証と説明であったと考えている。問題は、玉川発言以上に、その発言をめぐるテレ朝の、その場しのぎの対応と、何が問題であったのかを検証しないでうやむやにする姿勢にある。
三度にわたる「説明なき謝罪」
改めて、三度にわたる異例の謝罪がおこなわれた経緯を確認しておこう。
9月27日(火)  政府が安倍元首相の国葬を実施。
9月28日(水)  テレ朝「羽鳥慎一のモーニングショー」で、国葬の演出と菅義偉前首相の弔辞についてスタジオ出演者の間で議論が行われた際、玉川氏が電通の関与に言及(発言詳細はYahoo!ニュース個人参照)。
9月29日(木)  同番組で玉川氏がコメンテーターとして通常通り出演し、「国葬が関与していたこと」について「事実ではありませんでした」と訂正、謝罪(1度目)。
9月30日(金)  西田昌司参議院議員がビデオレターで玉川氏の厳正処分を要求。
10月3日(月)〜4日(火)  同番組に玉川氏はコメンテーターとして通常通り出演。
10月4日(火)  テレビ朝日が定例会見で玉川氏の謹慎処分(10日間)を発表。
10月5日(水)  同番組で羽鳥キャスターが玉川氏の謹慎処分を説明し、「大変申し訳ありませんでした」と謝罪(2度目)。
10月6日(木)  テレビ朝日の放送番組審議会で、玉川発言問題を審議。
10月14日(金) BPO放送倫理検証委員会で、玉川発言問題の視聴者意見が報告される。
10月19日(水)  謹慎明けの玉川氏が同番組冒頭で謝罪(3度目)。
それぞれの謝罪放送における発言内容は、次のようなものであった。
   9月29日放送の玉川氏の発言
昨日のパネルコーナーの中で、私が安倍元総理の国葬に電通が関与しているとコメントしたんですけども、この発言はですね、事実ではありませんでした。
さらに電通はですね、全く関わっていないということがわかりました。
関係者の皆様、それから、視聴者の皆様、訂正して謝罪いたします。申し訳ありませんでした。(一礼)
   10月5日放送の羽鳥キャスターの発言
今回、玉川さんの発言によりまして、ご迷惑をおかけしました各方面の方々、そして不快な思いをされました各方面の方々、さらに視聴者の方々、大変申し訳ありませんでした。
予定ですと、玉川さんは来週の水曜日復帰をいたしますが(引用注:正しくは再来週の水曜日とこの後に訂正)、その際になぜ今回このような発言になったのか、説明を改めてするべき、そして謝罪をするべきだと私は思っております。
改めて、大変申し訳ありませんでした。
   10月19日放送冒頭の玉川氏の発言
おはようございます。今回の私の事実誤認のコメントにより、ご迷惑をおかけした電通および菅前総理大臣に対し、改めておわび申し上げます。このような事実に基づかない発言をテレビでしてしまったということです。それは私の慢心とおごりがあったからだと反省いたしました。申しわけございませんでした。(数秒間、一礼)
謹慎の10日間、私は事実確認の大切さ、テレビで発言することの責任の重さを考え続けました。そして、事実確認こそが報道の根幹であり、その原点に立ち返るべきだと考えました。これまで私はスタジオでさまざまなニュースに対しコメントを続けてきましたが、これからは現場に足を運び、取材をして、事実確認をして報告する、その基本にもう一度立ち返るべきだと考えました。そしてその結果はこの「羽鳥慎一モーニングショー」でお伝えする。そういうふうな考えに私は今回至りました。
この間、報道局幹部との話し合いを続け、このような私の考えを理解してもらいました。視聴者の皆様にもご理解いただけるとありがたく存じます。今後、このような形で仕事を続けてまいりますが、ご支援のほどよろしくお願い致します。(数秒間、一礼)
共通しているのは、「説明なき謝罪」であった。
当初の訂正・謝罪との唯一の違いは、三度目に「菅前総理大臣」の名前を出して謝罪したことだけであった。
それも、菅前首相の弔辞に関連づけた発言であったかどうかは曖昧にしたまま、視聴者の解釈に委ねる形をとった。
説明を求める意見を無視 放送法違反の疑いも
「なぜ今回このような発言になったのか、説明を改めてするべき」。玉川氏の謹慎処分直後の放送で、羽鳥キャスターが視聴者にそう語っていた。
その翌日の放送番組審議会でも、複数の有識者委員から、発言経緯に関する説明を求める意見が出ていたことが判明している。公表された発言要旨を見る限り、再度の謝罪を求める意見は一人だけで、求められていたのは説明の方だ。
「玉川さんが取材せずに発言したのか、取材したが誤った情報を入手してこの発言になったのか、誰からか誤った情報を得たのか、想像だけで言ってしまったのか、そこまで事実がつまびらかにされるべき」
「何を根拠にあれだけの問題を公器で言ったのだろうか。
玉川さんには番組に再出演して、番組を活性化してくれることを望むが、再出演の初日に何を言うかが大きな問題。自分があれだけのことを言ったことについて、視聴者が納得するように言う必要がある」
放送番組審議会は、放送法上設置が義務付けられている審議機関。放送事業者は、委員から出た意見に対し「尊重して必要な措置をしなければならない」(法6条4項)と定められ、これは「法律上の義務」とされている(日本評論社刊「BPOと放送の自由」参照)。違反しても罰則はないとはいえ、委員の意見は重みのあるものなのだ。
かつて放送事業者のコンプライアンスについてテレ朝で講演したことがあるという郷原弁護士も、同社の対応を疑問視し、謹慎が明けた時点で「批判や政治的圧力に臆することなく、関連する発言の真意について、しっかり説明すべき」と指摘していた。
こうした指摘は、玉川氏を党派的動機からバッシングする立場から出たものではない。どちらかというとテレ朝に近い立場の有識者からの意見であり、テレ朝幹部も重々承知していたはずである。
10月19日の謝罪放送は、しかし、そうした声を無視して行われたといっても過言ではない。放送番組審議会からの意見を「尊重して必要な措置」をする放送法上の義務を全うしたとは言えないのではないか。
郷原氏も、玉川氏の口から期待されていた説明は全くなされなかったとコメントしている。
過去の訂正放送の慣例から逸脱
今回の「説明なき謝罪」の異常性は、過去の訂正放送と比べると、より一層はっきりとする。
玉川氏はこれまでにもコメンテーターとして、何度か事実と異なる発言をして問題になったことがあるが、いずれのケースも、どういう経緯で間違ったのかについて一応の説明を行っていたのである。
(1)今年6月2日、「帯状疱疹のワクチンが保険適用される」という趣旨の前日放送での発言について、訂正したときの発言。
帯状疱疹のワクチン、もともと水疱瘡のワクチンなんですけども2016年から50歳以上の方、帯状疱疹でも予防の効果があるということで使えるようになった話を私も聞いていまして。
全額自己負担にならない場合がありますよという話で保険だと思っていたんです。勘違いしていました。実はそれは保険ではなくて自治体の補助だということなんです。
勘違いしていました。すみませんでした。
(2)2020年4月29日、東京都の新型コロナウイルスの感染者数のすべてが民間の検査機関によるもので、行政の検査機関は土日に休んでいたという趣旨の前日放送での発言について、訂正したときの発言。
私たちテレビ朝日の記者が都庁でのレクチャーを取材し、メモを作成しています。そのメモを番組内で解釈するときに、その解釈を間違ってしまいました。その間違った解釈、そのまま私がコメントをしてしまったというふうなことで、このような間違いが起きてしまいました。コメントの全ての責任は私にあります。
このことにより、土日も働いてらっしゃる都庁関係者の皆さま。保健所の皆さま。そして検査機関の皆さま。検体を採取する医療関係者の皆さま。全てに多大なるご迷惑をお掛けしてしまいました。本当にすいませんでした。
これで十分だったかはともかく、誤った発言をした経緯について、玉川氏は一通り説明をしたうえで謝罪してきたことがわかる。
今回の問題発言は、国論を二分した「国葬」や反響の大きかった菅氏の弔辞に関するもので、しかも放送業界の重要なビジネスパートナーとされる「電通」の名前を出してしまった。当然、波紋が大きくなることは予想され、慎重なリスク管理が求められたはずだ。
最初から、丁寧な説明とともに訂正していれば、騒動がこれほど大きくなっただろうか。
訂正放送の文言は、局内で調整されていたはずである。だとすれば、玉川氏個人よりも、中途半端な訂正で済ませようとした局の責任が問われるはずである。
玉川氏個人の問題と印象づけた謝罪「演出」
テレ朝は、玉川氏だの謹慎処分とともに、報道局情報番組センター長と番組担当チーフプロデューサーの2名も管理監督責任として譴責処分にしたと発表した。
その理由について、篠塚浩社長は「番組および会社の信用を傷つけ、損害を与えた」からだと説明するにとどまる。
あくまで事実に基づかない「電通関与」発言をした玉川氏個人の責任が最も重く、彼をレギュラーコメンテーターとして起用し続けてきた組織や、その事後対応に問題があったという認識はないようにみえる。
10月19日の謝罪放送も、そうした認識を前提としたものであった。
ここで玉川氏の問題発言をもう一度、思い起こしてみる。9月28日放送で、彼はこう語っていた。
   9月28日放送「羽鳥慎一のモーニングショー」での発言
(コメンテーターの安部敏樹氏が、菅前首相の弔辞について政治的意図を超えて「個人としての感情を話したこと」が多くの人に響いたという趣旨の見解を述べたのを受けて)
僕は演出側の人間ですからね。テレビのディレクターをやってきましたから。それはそういう風に作りますよ、当然ながら。政治的意図がにおわないように、それは制作者としては考えますよ。当然これ電通が入ってますからね。
(羽鳥キャスターが「そこまでの見方をするのか…」と口を挟んだ後に)
菅さん自身は自然にしゃべっているんですよ。でもそういうふうな、届くような人を人選として考えているということだと思うんですよ。
(安部氏が「玉川さんがこれ言っているのが面白いと思うんですよね、僕はね。テレビっていうある意味そういう仕組みじゃないですか」と指摘すると)
そうそう…
「演出」のプロの見方として、国葬の「演出」性について指摘すること自体は、おかしなことではない。どんなイベントや儀式であれ、「演出」と不可分である。「演出」それ自体は悪いことでもない。
そのことは、テレビにも当てはまる。共演したコメンテーターからそう指摘され、玉川氏は図らずも、自ら制作に関わっているテレビ番組の、制作者の意図がにおわないような「演出」があり得ることも示唆する形となった。
ここで私たちが確認しておくべきことは、玉川氏を矢面に立たせての謝罪放送も、テレビ局が周到に準備した「演出」の一つにほかならないという、当たり前の事実である。
ではその演出の狙いは何であったか。
先に見たように、テレ朝は「問題発言の経緯の説明」が求められていることを認識していた。説明なしに簡単な謝罪で済ませれば、さらなる批判を招くことは容易に想像がつく。そうならないよう、念入りに「真摯な反省と謝罪」を演出することで、視聴者に「幕引き/再出発」を強く印象づける意図があったのではないかと考えられる。
スタジオで舌鋒鋭く発言していた玉川氏を、報道フロアという通常と異なる場所から出演させる。直立不動で、はっきりした口調で反省の弁を述べさせる。それも収録ではなく、生放送であることが伝わるよう、フロアの時計を画面に映り込むように撮る。
降板説も飛び交っていた中、今後の出演方針と再起の決意を語らせれば、社会の耳目は自ずとそこに集まり、過去の発言経緯に向かわなくなるのではないか。最後に「ご支援のほどよろしくお願い致します」ともう一度頭を下げれば、番組を支えるスポンサーや視聴者に、これを区切りとして今後を見守ってほしいというメッセージも伝わるだろう。
実によく練られた文言と、映像の組み合わせだった。
本来なすべき検証や説明を行わなくても、これで多くの人に「ひと区切りをつけた」と印象づけられたのだから、その狙いはひとまず成功したと言えるだろう。
先送りされた構造的問題の解明 BPOは検証に乗り出すか
テレ朝はなぜ、そこまで「真摯な反省・謝罪の演出」にこだわったのだろうか。
説明しても理解が得られそうになく、かえって藪蛇になりかねないと考えたからか。それとも、単純に感情に訴える方が効果的で、余計な説明をせずシンプルなメッセージにした方が視聴者には理解されやすいという、演出のプロならではの判断からか。
これでひとまず騒動が終息するにせよ、報道機関として支払った代償は小さくないと思われる。
不可解なほど謝罪を繰り返したことで、何か大きな圧力にテレ朝が屈したのではないかという疑念や、玉川氏への同情論を生むことになった。
一方で、信頼回復を玉川氏個人の取材努力に委ねたように見え、視聴率がとれるなら人気のあるコメンテーターを起用し続けるテレビ局の姿勢は変わっていないとの印象も残した。
見渡せば、生放送でコメンテーターに専門外の事柄について、取材の裏付けもなく所感を語らせる民放番組は数多い。放送番組審議会では、「情報を扱って、それを伝えるプロの水準には到底達していない状況」との局側見解が示され、委員から「今回の問題は起こるべくして起こった」との指摘が出ていた。
今回の事案は、そうした民放が抱えている構造的、根本的な問題をじっくり検証するチャンスでもあったはずだが、テレ朝はその機会をつぶしてしまった。
だが、BPO(放送倫理・番組向上機構)が、この問題を取り上げる可能性は残されている。
人権救済事件について審理を行う「放送人権委員会」は、国会議員など公人からの申立ては受け付けないルールがあり、取り扱う可能性はないだろう。
一方、「放送倫理検証委員会」は、当事者の申立てがなくても、委員会が自ら「放送倫理を高め、放送番組の質を向上させるため、さらに検証が必要と判断した場合」に調査、検証を行うことができる(委員会運営規則第4条)。
同委員会は、玉川氏の謹慎処分中だった10月14日に開催している。「民放番組のコメンテーターが、国葬に大手広告代理店が関与したという趣旨の事実に基づかない発言をし、訂正・謝罪に至ったことに対する批判的意見が多数寄せられた」ことが報告されたが、この案件を「審議入り」するかどうかの議論をしたのかは明らかにしていない。
問題の「説明なき謝罪」放送は、その後に行われた。通例なら、次回は11月11日に委員会が開かれる(毎月第2金曜日開催)。
この放送をもって「ひと区切りついた」とみなすのか。それとも、放送番組審議会の意見を無視して経緯の説明を行なわかったこと等も踏まえ、放送倫理の観点から検証を行う必要があると判断するのか。委員会の判断に注目したい。  
 
 

 

●玉川徹氏TBS入りをのぞむ声…週末芸能ニュース雑話 10/30
記者I あっという間に10月も終わり秋本番を迎えていますが、今週はアナウンサーやワイドショーの話題が多めでしたね。29日はNHKの阿部渉アナウンサーの不倫報道が「文春オンライン」(文藝春秋)から飛び出しましたが、そちらに比べればこちらの炎上はかわいいものといったところでしょうか。
日本テレビで11日に放送された『踊る!さんま御殿!!』25周年スペシャルで藤井貴彦アナウンサーが登場。爆笑問題の太田光に“ウザ絡み”されたそうで視聴者からは同情の声が囁かれましたが局内からの反応は一味違うようです。
日テレ藤井アナのバラエティ“塩対応”に局内から苦言?「年収7億」羽鳥慎一との差が浮き彫りか
「日テレの良心」と呼ばれるキャラそのままではあったが、局内からは冷ややかな声も……。  日本テレビの藤井貴彦アナウンサーが10月11日放送の『踊る!さんま御殿!!』....
デスクH まあ、ニュース一筋のアナウンサーにバラエティ対応能力を求めるのも筋違いな気もするけど、羽鳥慎一アナやTBSの安住紳一郎アナみたいにオールマイティにできるタイプもいるから比べられがちだよね。とは言っても不倫して番組に来なくなるよりか100倍はマシでしょうに。
記者I その羽鳥アナが司会を務める情報番組『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)では玉川徹氏が謹慎明けの10月19日に別スタジオから中継で生出演。今後はコメンテーターではなく現場取材する記者として番組に関わると発表。しかし、定年間近でもあり現場仕事を実際にするのか、フリー転向はありえるのかなども話題になっています。
テレ朝・玉川徹にTBSが熱視線? “ポスト筑紫哲也”として期待か
玉虫色の着地点には、世間からもさまざまな声が上がっている。テレビ朝日の社員の玉川徹氏が10月19日、謹慎のため出演を見合わせていた情報番組『羽鳥慎一モーニングショ....
デスクH 今回の“現場復帰”は近年の『モーニングショー』の高視聴率もあっての着地点かと思うんだけど、玉川氏が筑紫哲也さんみたいになれるかはちょっとむずかしい気も。いっそ他メディアでも報じられていたように田原総一朗氏の『朝まで生テレビ』を引き継いでくれたほうが面白そうだよね。
記者I 『朝生』での三浦瑠麗氏との舌戦に期待ですね。その三浦氏も出演しているフジテレビ系『ワイドナショー』ではMCを務める松本人志のモチベーション低下が噂されているのだとか。
 
 

 

●玉川徹氏が泣いた…テレ朝社員から多数の辞めないでメール=@10/31
事実誤認発言による謹慎処分から復帰したテレビ朝日の報道局社員・玉川徹氏(59)が、涙を流していた――。20日放送「羽鳥慎一モーニングショー」でコメンテーターの座を降り、現場取材者としてスタジオ復帰。玉川氏は降板報道≠経ての逆襲を誓っているというが、その熱い思いを支えているのは、テレ朝社員から殺到した辞めないでメール≠セった。
玉川氏は9月28日放送の「羽鳥慎一――」で、安倍晋三元首相の国葬での菅義偉前首相の弔辞について、「当然、電通が入ってますからね」などと発言。それが事実ではなかったことから翌29日の番組で謝罪したが、批判は収まらず、10月5日から10日間、出勤停止となる謹慎処分となった。
19日放送の同番組に出演した際、改めて謝罪。翌20日にはコメンテーターではなく、現場取材した成果をスタジオで報告する不定期出演スタイルで復帰した。
世間では復帰に賛否両論が巻き起こったが、同局の篠塚浩社長は25日の会見で、「現場に足を運んで取材をして報告するという基本に返る。出演を続けながら信頼回復に努めていく」と言及。さらに、「これまでの経験を生かして取材をもとに番組に貢献してくれたら」と会見では一貫してフォローし、期待を寄せた。
そうはいっても、玉川氏にとっては屈辱≠セ。番組や、けん責処分となった上司など周囲に迷惑をかけた。定年後も盤石のはずだったコメンテーターも外されてしまったからだ。
玉川氏は番組で謝罪した際、「現場に足を運び、取材をし、事実確認をして報告する基本にもう一度立ち返るべきだと考えました」と決意となる取材スタイルを宣言したが、もちろん逆襲に燃えているという。
「長く政治関連を担当し、政権与党に厳しい姿勢も貫いてきた。復帰してすぐにとはいかないまでも、狙っているのは念入りに取材を重ねた玉川スクープ≠出すことでしょうね。これまでの玉川氏を支持する政界などの関係者からネタも届き始めていると聞いています」(テレ朝関係者)
謹慎後で後ろめたい気持ちになりそうなものだが、以前と変わらず、局内を堂々と歩いているという玉川氏。それを支えているのが、謹慎渦中の辞めないでメール≠セったというから驚きだ。
「降板や退社などが報じられた際、社員から『辞めないでください!』などと、メールなどで熱いメッセージが玉川さんのもとに大量に届いたんです。よく知らない社員からも熱い文面が届く事態に玉川さんは驚き、時に涙ながらに目を通したとか。『番組から去った方がいいのか…』と悩んだこともあったといいますが、番組で謝罪した上で取材者としての復帰を誓ったのも、そうした社員たちの思いがあるからです」(同)
テレビ出演や打ち合わせなどでは、歯に衣着せぬ発言で暴走機関車≠フイメージが強いが、テレビを離れた人物像を知る人物からすれば「寡黙ないい人」。普段しか知らない人は「テレビの玉川徹さんは本当に同一人物?」と口にする社員まで存在するという。
「会社や上司に言いづらいことも、ハッキリと意見を言ってくれる。そうした言動が自身の出世のためとかでもないので、信頼されているんです。だからこそ社内に隠れ玉川シンパ≠ェ多い」(別のテレ朝関係者)
視聴者からは批判と同じくらい玉川氏を応援する声が届いたことは既報通り。篠塚社長から期待され、社内から涙のメール≠ェ届き…あとは玉川氏がアッと言わせる取材成果を見せるだけだ。
●『スッキリ』本来なら打ち切りか、時間の問題か...吉本興業側が不信感も... 10/31
お笑いタレント・加藤浩次がMCを務める朝の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)の報道姿勢に、吉本興業側が不信感を抱いているという。来春の番組終了が現実味を帯びてきた。
「『スッキリ』は視聴率低下による打ち切り説が何度も流れましたが、昨年7月のアイヌ民族差別表現に続いて、今年6月にはペットサロンに預けられた犬がシャンプー後に死んだ問題を報じたことをめぐり、放送倫理・番組向上機構(BPO)で審理入りになった。吉本幹部は情報番組が二度もBPO審理入り。本来なら打ち切りですよ≠ニ呆れています」(消息筋)
6月下旬の段階で『スッキリ』の視聴率は、トップの『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)に大きく水をあけられ、『めざまし8』(フジテレビ系)にも肉薄されている。もはや3位転落も「時間の問題」と苦戦を強いられているのが現状だ。
先の吉本幹部が指摘するように、情報番組が1年に二度のBPO審理入りは致命的。しかし、吉本と『スッキリ』には、ある因縁が渦巻いていた。
「2019年に発覚した吉本芸人による闇営業問題ですよ。吉本サイドは『スッキリ』の姿勢に不信感を持ったんです」(放送関係者)
闇営業問題では、吉本所属の宮迫博之(当時)、田村亮(同)らが多数関わっており、宮迫と田村が独自で会見を行ったことから騒動に発展した。
さらに当時、吉本に所属していた加藤は『スッキリ』内で吉本の会社体制を批判。「このままの体制が続くんだったら、この会社を辞める」と大見得を切ったのは記憶に新しい。
「その直後、加藤は吉本の大ア洋会長と面談して、トーンダウンしたことで闇営業問題は収束すると思ったんですが、『スッキリ』では長期にわたって吉本問題を取り上げた。もし、闇営業問題がバーニングプロダクションといった東京の大手プロだったら、執拗にやらなかったはず。偏った報道姿勢には、社員からも吉本に同情する声が上がっていた」(日テレ関係者)
昨年3月、吉本は加藤との専属エージェント契約を終了。来春、17年の歴史にスッキリ*汲閉じる?と週刊実話WEBは報じた。
●石原良純 韓国・梨泰院の群衆雪崩で危惧「渋谷に置き換えたときに…」 10/31
テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」が31日に放送され、韓国・ソウルにある繁華街の梨泰院で起きた群衆雪崩を特集した。
ハロウィーンの週末を迎えた梨泰院では29日、約10万人の人々が集結。路地裏にある道幅4メートルほどの坂道で群衆雪崩が発生し、154人が死亡(うち日本人2人)、負傷者132人が出る大惨事が発生した。死者のなかには立ったまま圧死した人もいたと見られている。
日本でもドラマ「梨泰院クラス」で有名になった当地は聖地巡礼で訪れる人も多く、もともと飲食店やクラブ街のある若者文化の象徴的エリアでもある。
東海大学の金慶珠教授は、梨泰院について「古くからの繁華街。でも、江南と違って本格的に開発が進んでいないので、路地裏とか狭い道が特徴」と紹介すると、韓国では数十万人規模のイベントも珍しくないとコメント。
ただ、今回の件について「イベントでは『安全管理基本法』が適用され、事前にスタッフの配置とか計画を練って行政の許可を得て、それに合わせて警察や救急車が待機することになる。ただ、ハロウィーンは主催者がいないお祭りで、自発的な人だかりが短時間でできてしまった」と、主催者のいないイベントでの警備の難しさを指摘した。
これに石原良純は「渋谷に置き換えたときに、じゃあ、これを誰が主催するのか? そうすると手を上げる人間はいないでしょ?」と指摘。日本でも毎年のように渋谷でのハロウィーンでは大勢の人が集結して大群衆が発生しており、同じことが起こる可能性を危惧した。
金教授は厳しいコロナ帰省からの解除で「特に若者は我慢してきたので、そういう意味で一気に羽目を外して楽しもうとそういう雰囲気あった」と指摘したが、日本も同じ状況だけに対岸の火事≠ナはなさそうだ。 
●テレビ朝日・玉川徹先輩へ 現場取材でテレビ発≠フスクープをぜひ! 10/31
テレビ朝日の玉川徹先輩へ。この連載は締め切りの関係もあって掲載が少し遅れてしまいますが、今日は10月19日です。今日の「羽鳥慎一モーニングショー」で謝罪されましたね。拝見しました。
内容をまとめると、発言が間違っていたことについて、電通と菅義偉前首相と視聴者に謝罪。今後は初心に立ち返って現場に取材に行き、その報告を「モーニングショー」で引き続き行われるということでした。
僕は、この発言を聞いてとても納得がいきました。おっしゃる通り、今後は自ら現場に出向いて取材をしてほしいと思います。そして、ぜひスクープ取材をしてください。先輩はとても優秀で才能に恵まれた人ですから、できるはずです。
普通の平凡なテレビマンは、僕も含めなかなかスクープを出すことはできません。そして僕は、スクープがとれる限られたテレビマンは、スクープをとるべきだと思っています。なぜなら究極的には、スクープをとることで、メディアは一番世間のお役に立てるからです。
最近、テレビはあまりにも現場に足を運ばなくなってしまっています。だからなのか、テレビ発のスクープはほとんどなくなってしまいました。それでもTBSさんなどは、調査報道を頑張ってたまにスクープを出していますよね。テレビ朝日もぜひスクープを! そのためには、優秀な玉川先輩が頑張らないと難しいと思います。
優秀な人に限って年をとると現場に足を運ばなくなってしまいます。大体、体を動かさずに口ばかり動くようになってしまう。僕はそういう、現場を離れて偉そうなことをいう人のことを信用しません。
でも玉川先輩は、優秀だけど現場で汗をかいて取材もできる稀有(けう)な人だと思っています。ぜひ、これからモーニングでどんどんスクープを連発して悪を倒してください。あまり主義主張にこだわりすぎずに全方向で独自ネタを出してほしいです。
あと、先輩はこれからも自分の意見をズバズバいうのは止めないでください。名前や顔を出さずに好き勝手いうのは臆病者ですが、先輩は堂々と顔を出しているのですから遠慮せずガツンと自分の考えを発言してください。悪役でもいいじゃないですか。勇気のあるテレビ局員は、なかなかいませんから先輩は貴重です。
あと可能なら、どうかテレビ朝日の後輩たちがスクープ取材をできるように教育してやってください。後進を育てられる実力者も、今のテレ朝では玉川さんくらいだと思います。どうぞよろしくお願いします。
 
 
 11/1-

 

●玉川徹氏のいないモーニングショーは「ガスの抜けた炭酸飲料」 11/1
NetflixやAmazonプライムといった「黒船来襲」で、いろいろと大変なことになってしまった日本のテレビ業界であるが、ワイドショーだけは無双であると思っている。
理由は簡単で、「超ローカル番組」だからだ。その純血性にはサブスクも海外勢力もかなわない。この先、日本のテレビコンテンツがどう変わっていこうと、さらなる国難が襲ってきても、ワイドショーだけは安泰だと思っている。
朝のワイドショーの不動のトップといえば、「羽鳥慎一モーニングショー」。その番組内において事実に基づかない発言をしたとして、同局報道局社員の玉川徹氏はコメンテーターとしての出演は退いた。現在は、取材記者として現場をリポートしている。
私は彼のコロナ対策から政治観まで、どちらかというと相反する視線を持っているタイプだ。彼の発言に憤りを感じたことも何度かある。
しかし不思議なことに、彼に対して生理的な怒りを感じたことは一度もなかった。
批判的な感情を抱いたとしても、どうしてか、結果的には「カラッとしたモノ」なのだ。次の朝には、不思議なことに再び彼の発言を聞きたくなる。逆に、無意識に彼の極端なコメントを待ち望んでもいた。例え、それが自分の視線とは異なっていても。
彼が同番組から去ったことで、初めて気がついた。つまり私は、玉川氏ファンだったのだ。妻も同じように、彼がいなくなった同番組は、ガスの抜けた炭酸飲料のようだという。
玉川氏の魅力とは何だったのだろう。私は彼は希代の「ヒール」だったと断言する。
子供の頃、反則ばかりの滅茶苦茶なプロレスをする、タイガー・ジェット・シンやブッチャー、上田馬之助が大嫌いだった。極真空手に入門して、彼らを成敗したいと本気で思った。
しかし、不思議なことに、彼らがブラウン管に出てくるのを待ち望んでもいた。
ある時、プロレスに詳しいオトナから、試合が終わるとアントニオ猪木とタイガー・ジェット・シンは一緒に高級ワインを飲み、ブッチャーはジャイアント馬場の奥さまと大の仲良しだという話を聞いた。
子供の私は混乱した。シンのサーベルや、ブッチャーのフォークの意味を一晩考え込んだ。そして子供なりにひねり出した答えは、彼らはとても精密な仕事をしているという現実だった。
ブラウン管の先にある多くの存在とは、それぞれが自由気ままに動いているのではなく、大きな精密機器の部品の一つだということだ。
その思いに達して以降、私はタイガー・ジェット・シンやブッチャーのことが嫌いではなくなった。また同時に興味も薄らいだ。
私は何か「損」してしまったような気がした。ブラウン管の前で、以前のように彼らの反則に腹を立てていたときのほうが、何倍も楽しい時間を過ごしていた。
コメンテーターとしての玉川氏が私の前からいなくなったことでその遠い記憶がよみがえった。
プロレスと社会問題は違うと怒る方もいるだろう。それも「事実」であり、報道性のある番組には責任が伴う。しかし同時に社会全体が、質の低いプロレスであるというのも「真実」。 
●玉川徹氏不在で「モーニングショー」の視聴率はどうなった? 11/2
テレビ朝日の玉川徹氏が「羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテーターを外れてから10日余りが過ぎた。同時間帯で5年連続民放1位、NHKを含む横並びで2年連続1位を誇る「モーニングショー」の視聴率は、この間、どうなったか。
玉川氏が“電通誤報発言”により10日間の出勤停止処分を受け、生放送で2度目の謝罪を行ったのは10月19日のこと。翌20日には、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の解散命令について玉川氏が現場取材したVTRを放送し、スタジオでも解説した。今後はこのパターンが続くのかと思われたが、21日以降、彼が出演することはなくなった。
民放プロデューサーは言う。
「玉川氏が1週間丸々出演しなかった10月24日からの週と前4週の平均を比べてみると、若干ですが数字が落ちていることが分かります」
   24日(月):9・7% 月曜の前4週平均:9・3%
   25日(火):9・2% 火曜の前4週平均:8・7%
   26日(水):8・8% 水曜の前4週平均:9・4%
   27日(木):8・7% 木曜の前4週平均:9・0%
   28日(金):9・0% 金曜の前4週平均:9・3%
月曜と火曜は前4週平均よりも上がっているようだが。
8%台を連発
「『モーニングショー』は週初めの月曜の数字が良くなる傾向があります。玉川氏がいなくても、コメンテーターには俳優の石原良純さんというヒール役になれる人もいますし、弁護士で自称“受験戦争の申し子”の山口真由氏もいますから、玉川ロスの影響を受けにくいのかもしれません。また25日火曜の数字が良かったのは、山際大志郎経済再生担当大臣が統一協会との関係から大臣を辞任した翌日というネタがあったせいだと思います。月曜を除くと、『モーニングショー』のコメンテーターは“役者”不足の感が否めません。これを補っていたのが玉川氏だったのかもしれません」
2015年10月にスタートした「モーニングショー」は、17年の年間平均視聴率(世帯:8・0%、個人:3・9%)で初めて同時間帯の民放トップに躍り出た。
20年の年間平均視聴率(世帯:10・6%、個人:5・5%)では、NHKの「あさイチ」を抜いて横並びトップに。
昨年は世帯:10・6%、個人:5・6%で、5年連続民放トップ、2年連続横並びトップを達成した。 「年間平均で2桁だったわけです。特にコロナ禍の頃は12〜13%を当たり前のように取っていました。それと比べると、最近は8%台を連発するようになりました。事実上の玉川不在となった初日(10月21日)の視聴率は8・8%と、前4週平均の9・8%から1ポイントも落としています。やはり玉川ロスの影響は大きいと言わざるを得ません」
だが、ネット上では玉川追放論が喧しかった。
声なき層が本当の視聴者
「それは、普段『モーニングショー』を見ていない人たちの声が大半ではないでしょうか。いつも見ている視聴者の本音は、玉川ロスなのだと思います。テレビは所詮、タダで見られるエンターテインメントショーです。中でも『モーニングショー』は、プロレス的な要素が強かった。羽鳥慎一アナが率いるコメンテーターの正義の味方に対していたのが、ヒール役の玉川氏でした。プロレスは悪役がいてこそ面白くなります。彼がいなければ、エンターテインメントにならないのです」
“クリープを入れないコーヒーなんて”というCMもあったが、
「ラーメンに胡椒を、蕎麦にわさびや七味を入れるのを禁じられるようなものです。多くの視聴者は玉川氏の存在を自分好みのスパイスに置き換えて、羽鳥アナや番組スタッフの料理を楽しんでいた――それを視聴率は表しているのだと思います。つまり視聴率は、“声を上げない民”のほうが重要だということでしょう」
サイレント・マジョリティ(物言わぬ多数派)という言葉もある。
「テレビ業界を悩ませているのは、ネット民の意見がそのまま世論だとされてしまうことです。声なき民の意見はどれくらいあるか、なかなかわかりませんからね」
玉川ロスを感じている視聴者はどうしたらいいのだろうか。
「『モーニングショー』のメインの視聴者層は50歳以上の報道を重視する人々ですから、芸能情報などにはあまり関心がない。となると同時間帯に彼らを受け入れる番組は、残念ながら見当たりません。日本テレビの『スッキリ』は若者コア路線ですし、TBSの『ラヴィット!』は報道を放棄、フジテレビ『めざまし8』のMCの谷原章介はたびたびトンチンカンな発言をしていますから信頼性に欠けます」
玉川ロスを感じながら「モーニングショー」を見続けるしかないということか。
「気の抜けたサイダーを毎日飲まされているような気分でしょう。番組スタッフも玉川氏も、今後の取材で信用を取り返していくしかないと思います」 
●何かと物議を醸す谷原章介 テレビ局スタッフからは「勉強不足」の指摘 11/6
最近、視聴者の関心が、俳優の谷原章介(49)に向けられているという。例えばスポニチAnnexは10月31日、「谷原章介 ソウル雑踏事故の映像に『心理的な圧迫が…本当にすみません、この映像を何度も流しまして』」の記事を配信。するとネット上では谷原の発言を巡って賛否両論の議論が起きたのだ。
なぜ谷原に関心が集まっているのか、それは彼が朝のワイドショー・情報番組「めざまし8」(フジテレビ系列・平日・8:00)のMCを務めていることと密接な関係がある。担当記者が言う。
「31日の放送で、番組は韓国の首都ソウルの繁華街・梨泰院で発生した圧死事故を取り上げました。事故の様子を伝えるVTRが何度も放送されると、MCの谷原さんは視聴者に向かって、『本当にすいません』と謝罪したのです。これをスポニチAnnexが記事にすると、SNSなどで様々な議論が起きたのです」
まずは謝罪の言葉を、スポニチAnnexの記事から引用させていただく。
《ちょっともうなにか、何度もあの映像を見ていると心理的な圧迫が強くて。ちょっとなかなかに言葉が出てこないですけれども、本当にすみません、この映像を何度も流しまして》
「ネット上で谷原さんを擁護する意見としては、『谷原さんの優しさを感じた』、『私も辛かったので、気づかいは嬉しかった』といったものでした。一方、批判する意見としては『謝るくらいなら事前の打ち合わせで調整してほしい』、『辛い気持ちも分かるけど、やっぱり必要な報道』といった内容の指摘が目立ちました」(同・記者)
玉川氏の謝罪
興味深いことに、「これくらいの発言で批判される理由が分からない」と戸惑いを見せる投稿もかなりの数にのぼった。
いずれにしても、視聴者が谷原の発言に対して敏感になっていることが浮き彫りになっている。これには確たる理由があるという。
同じスポニチAnnexは10月25日、「テレ朝社長会見 玉川徹氏出演について視聴者からは『厳しいご意見もある』」との記事を配信、こちらはYAHOO! ニュースのトピックスにも転載された。
テレビ朝日では安倍晋三元首相(1954〜2022)の国葬に関して、報道局社員である玉川徹氏(59)が、番組内で事実無根の発言をしたことが批判を集めていた。
玉川氏は9月28日放送のワイドショー・情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」(平日・8:00)で、広告代理店の電通が安倍元首相の国葬の“演出”を担当していると発言。だが、電通は国葬に全く関係していなかった。
翌29日、玉川氏は事実誤認を認め番組で謝罪。テレビ朝日は10月4日付で出勤停止10日間の懲戒処分を下した。
そして10月25日にテレビ朝日の定例会見が行われ、篠塚浩社長は玉川氏に対する視聴者の反応を「当然厳しいご意見をいただいている一方、出演にはご理解をいただいています」と説明した──というのが、これまでの経緯だ。
Twitterでの批判
玉川氏の発言を巡る騒動で、視聴者はいつも以上に「ワイドショー・情報番組」で放送されるコメントに強い関心を持つようになったようなのだ。その影響は極めて大きい。
「飛んだとばっちり」と擁護するか、「当然の帰結」と批判するか、視聴者によって見解は分かれてはいるが、俳優の谷原章介(50)が放つ“問題発言”に関心が集まっている理由だという。
おまけに谷原がMCを務める「めざまし8」は、玉川氏が出演する「モーニングショー」のライバル番組であることは言うまでもない。
「玉川さんのように処分が下るようなレベルの発言を行っていないのは紛れもない事実です。しかし全体として谷原さんの発言に対するTwitterの投稿を丁寧にチェックしてみると、賛否両論というよりは、谷原さんに対する批判ツイートのほうがはるかに多いことが分かります」(同・記者)
Twitterに投稿された批判ツイートから具体例を3つ紹介しよう。
《玉川徹氏は大半が思い付きに見せかけてわざとやってるんだと思うが、この人の場合はガチでその場の思い付きなんだろうなぁ。リスク管理を考えると起用しない方が》
《発言が軽い。いつも、何も考えずに発言してる気がする》
《やっぱりとんちんかんだし、勉強したことをひけらかしたくてコメントして、一方知らないことへの薄っぺらさがひどい》
流産は「自然な流れ」
一体、これまでにどんな発言があったのか、改めて振り返ってみたい。最初は番組内で謝罪にまで至った発言を取り上げ、以降の発言は時系列で並べた。
「10月7日、番組が前日の国会について報じた際、谷原さんは立憲民主党・泉健太代表(48)の代表質問について、『生活にかかわることを一切質問していなかった』と批判しました。ところが、谷原さんは泉さんの代表質問の全文を把握していなかったようで、『一切していない』は事実とは異なるため、8日の放送で謝罪しました」(同・記者)
昨年6月9日、番組はタレント・南明奈(33)が流産したことを報じたが、谷原は「自然な流れ」と発言してしまう。
「谷原さんの発言には前段があり、南さんの体調を非常に気づかったものでした。ただし、それも含めて報道されています。谷原さんが南さんを中傷する意図は全くなく、そのことは多くの視聴者も分かっています。にもかかわらず批判の声が相次いだのは、谷原さんの発言が曖昧だったからでしょう。多分、『流産は珍しいことではない』と言いたかったのだと思いますが、かなりの視聴者が『流産は運命だった』と受け止めました」(同・記者)
ブルーシート発言
今年8月3日、番組は最低賃金問題を取り上げ、日本人の収入が伸びない原因は何か、様々な観点から報じた。
「谷原さんは日本人の収入が減少した具体例として、昔は“普通の乗用車”を購入するのが一般的だったが、収入が減ったため軽自動車しか買えなくなったと指摘しました。もちろんそういう人もいるでしょうが、近年は軽自動車のファンも多く、価格も意外に高額です。何よりネット上では、『生活が苦しくて軽自動車も買えません』という批判コメントが圧倒的でした」(同・記者)
10月13日に発生した静岡の観光バス横転事故では、“ブルーシート発言”が問題視された。
「14日の放送で、番組は現場から生中継を行いました。その際、救急隊員がブルーシートで何かを搬送しているところが映されたのです。これを見た谷原さんは『中が何なのか分かりませんか?』と現場に呼びかけ、かなりの視聴者が驚きました。SNSでは《遮られた意味のお察しができないなんて》、《「おそらくご遺体かと……」とか言って欲しかったのか? 》などなど、相次いで疑問の声が投稿されました」(同・記者)
有吉弘行も不快感
10月21日、番組はユニバーサル・スタジオ・ジャパンが公式ツイッターで、「公序良俗に反する服装やパークにふさわしくない過度な露出はお断り、退場いただく場合があります」と注意喚起した話題を取り上げた。
谷原は「僕みたいなオジサンの場合、過激なコスプレの女性にはどうしても視線を向けてしまう」と述懐。その視線を“セクハラだ”と受け止められても困るので、「もう上を見るしかなくなっちゃうんですよね」とぼやいた。
「このコメントに、お笑いタレントの有吉弘行さんが不快感を示したのです。ラジオ番組『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』(JFN系列・日・20:00)でリスナーから谷原さんの発言が伝えられると、《ちょっと、でも、これは……気持ち悪いね》、《なんですか、これ》と、谷原さんの発言に絶句して見せたのです」(同・記者)
10月27日、番組は群馬県前橋市の閑静な住宅街を流れる広瀬川の騒音被害について報じた。
このニュースはフジテレビ系列のニュースサイト「FNNプライムオンライン」も28日に配信(註)し、YAHOO! ニュースのトピックスにも転載された。
騒音問題でも炎上
「騒音の原因は、2年前に水力発電所が故障し、余剰となった川の水が流れ込んで水量が増したためと取材で明らかになっています。そのためコメンテーターは発電所の修理を行わなかった群馬県の姿勢を批判したのですが、なぜか谷原さんは『だって2年ですよ、2年』と期間を問題視したのです。言葉足らずで真意は不明ですが、ネット上では『2年間、抗議しなかった住民が問題』と解釈した視聴者が多かったようです」(同・記者)
これでもまだ、ほんの一部に過ぎない。ネット上を丁寧に検索すれば、問題視された谷原の発言はまだまだある。
「MCとして自分の色を出していくため、“攻めた発言”もやむを得ない」と擁護する声も決して少なくない。
だが、情報番組の制作に携わるスタッフは「やはり『失言』と言われても仕方ありません」と言う。
「なぜ谷原さんは失言が多いのか、それは自分の意見や感想を言いすぎるためです。番組を見ていると、谷原さんからは『自分の目線でニュースを伝える』という強い意思が伝わってきます。その考え自体は問題ないのですが、そうするだけの“勉強”を谷原さんはしているのだろうかという疑問が湧きます」
羽鳥慎一との差
「めざまし8」でニュースを紹介・進行するのは、通常は局アナだ。その上で、谷原は感想を述べるというスタイルだ。
「谷原さんのコメントを聞くと、どうしても上辺だけの情報しか知らないように思えます。実際、発言には誤認や誤解が散見されます。アナウンサーはニュースを自分で読む場合、必死に基礎知識や関連情報を勉強します。そうしないと正確に喋れないからです。ところが、谷原さんはニュースを読む必要がないので、コメントする対象についてあまり勉強していないようなのです」(同・スタッフ)
もし谷原がMCではなくコメンテーターだったら、これほどの批判を集めなかったかもしれない。
「朝のワイドショー・情報番組で完璧なMCといえば、羽鳥慎一さん(51)でしょう。羽鳥さんはボード進行がメインで、自分の意見や感想はほとんど口にしません。意見はコメンテーターに任せ、あくまでも進行役に徹します。それでもニュースの勉強を重ねているのは明らかですし、分からない時は嘘をつかず『分からない』と言い、生放送中でも現場スタッフに確認を求めます。そのやり取りが絶妙なのです」(同・スタッフ)
失言の理由
やはり俳優がMCを担当しているのと、局アナからMCに転進したというのでは、“経験値”が全く違うようだ。
「朝のワイドショー・情報番組では、ディレクターは進行役のアナウンサーに、細かいところまでニュースの解説と説明を行っています。『モーニングショー』の場合は、羽鳥さんが細かなレクチャーを受けているのでしょう。しかし『めざまし8』では、谷原さんの負担が大きいと判断し、スタッフはご本人に説明を行っていないように見えます。そのため言葉が足らなくなったり、説明が不足したりするのでしょう。それが谷原さんに失言が多い最大の理由ではないでしょうか」(同・スタッフ)

司会とMC / 最近テレビ番組で「司会者」のことを「MC」と呼ぶことが増えていますよね。ではなぜ、司会者と呼ばずにMCと呼ぶようになったのでしょうか。厳密に言うと、司会者とMCとでは役割が違うのです。司会者とは台本通りに番組を進行する人。これに対してMCは、マスターオブセレモニー(master of ceremony)の略であるように、全体の支配者で、「仕切り」などの要素が意味合いとして強く、出演者たちの個性を尊重して、その能力を引き出しながら、番組全体を指揮する人のことです。MCと呼ぶことが増えてきたということは、台本通りに進める司会者よりも、その場の空気を読み、ハプニングを受け止めながらも番組を進めるMCが今は求められているということになりますね。
●玉川徹氏 モーニングショー出演「やっぱり現場に行ってみないと分からない」 11/10
テレビ朝日報道局員の玉川徹氏が10日朝、同局系情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」に生出演した。玉川氏は先月、安倍晋三元首相の国葬に関する事実誤認発言で処分を受け、今後は現場取材をしながらスタジオで報告することもあるという考えを示していたが、この日は、「インバウンド」をテーマに成田空港や都内で取材した内容を放送した。
画面に登場した玉川氏は「みなさん、お久しぶりです」と切り出し「現場に行きたいということで、取材をこれから続けようと思っているんですが、今日はインバウンドの現場に行ってきました」とあいさつ。
「成田空港に行ってきたんですが、60人くらいにお話を聞きました。行く前は、円安だから『日本買い』の人がいっぱいいると思ったら…。ということよりも、やっぱり行ってみないと分からない、いろんなものが見えてきました」と説明。来日した外国人の目的について取材した内容を放送した。
VTRでは、日本製の医薬品を求めにきたという台湾の旅行者の話を紹介したほか、大好きな日本アニメの聖地を回るために来日したイタリア人のツアーに密着し、玉川氏もいっしょに都内を回る様子を紹介。一方、ロシア人の男性が日本に住む家族に会いに来て再会できたものの、一家の平和な生活にロシアのウクライナ侵攻が影を落としている現状も取り上げた。
玉川氏は「3組の方をVTRで取り上げましたが、(外国人の来日には)いろんな理由があった。やっぱり現場に行ってみないと分からない。これからも現場は続けて行ってみたいと思います」と、現場取材継続に意欲を示した。
司会の羽鳥は「玉川さんの取材でした。またよろしくお願いします」と述べ、コーナーを終えた。
●「日本のありがたみわかった」玉川徹氏、久々テレビ出演 11/10
11月10日、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)に、同局社員の玉川徹氏が出演した。
玉川氏は、国葬に関する事実誤認発言で謹慎処分を受け、10月19日の番組で謝罪。翌20日には旧統一教会の問題で弁護士を取材し、出演していた。この日はそれ以来となる、21日ぶりの番組生出演だった。
この日の玉川氏の取材テーマは「何を求めて日本にやってきたのか」。成田空港で外国人を取材したVTRを中心とした放送だった。玉川氏は取材のまとめとして、
「僕は徴兵も戦争もないような日本のありがたみを今回すごくわかったし、この3つ(安全で高品質な医薬品、アニメ、平和・安全)どれも、このまま努力せずに持ち続けられるものでもないだろうと思った。いま、高齢者の医療負担も増やそうとしているし、アニメは職場環境がブラックだということで、韓国や中国にどんどんアニメーターが流出するような状況にある。それから、日本の安全。いま(防衛費を)GDP比2%にしようという話が出てますけど、このままで日本は平和を守っていけるのか」と語った。ネットでは、
《玉川さん、言葉を選ぶ感じで、ソフトに伝えていたけど、とても有意義な内容だった》
《今回のように現場から分かる日本の良さを知る穏やかな企画、そのなかにもこれからの日本を考えさせるものがあり、とても勉強になりました》
と、玉川氏の出演を喜ぶ声が多数あり、相変わらずの人気の高さが伺える。ただその一方では、
《玉川さんが「youは何しに日本へ 」をやってるよ 何なのこの毒抜き感…》
《視聴者からは、政治などのもっと尖った取材が求められているんじゃないの?なんか、観ていて、辛いわ!》
《あんな玉川徹さんが見たいわけじゃない 角の取れた玉川は出ない方が良い》
《なんか素直なおじさんに変化した感じ》
と、「物足りなさ」を感じた人も少なくない。次回、玉川氏がどのようなテーマで出演するのか、注目だ。
●『スッキリ』打ち切り報道で浮き彫りになった「ワイドショー “冬の時代” 」 11/10
朝のワイドショー『スッキリ』(日本テレビ系)の「放送打ち切り」が話題となっている。11月9日『週刊女性PRIME』が報じたもので、2023年3月での放送終了が決まったとしている。
総合司会を加藤浩次がつとめ、2006年4月の放送開始から17年めを迎えている『スッキリ』。すっかり日本テレビの “朝の顔” として定着しているが、近年は同時間帯の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)に、視聴率で大きく差をつけられ苦戦している。
加えて、放送内容が問題視されることが立て続けに起きている。
2021年3月に放送された、アイヌ民族に対する不適切発言に非難が殺到し、BPO入り。その後「放送倫理違反があった」と結論づけられた。
また2021年1月には、ペットサロンに預けられた犬が急死した問題を報じたが、サロン経営者が「事実と異なる」と反論。この件も2022年6月にBPO入りし、現在も審理が続いている。
『スッキリ』の打ち切りが報じられると、SNSでは、
《やだやだー!!!加藤さん日本の芸能界では珍しく空気読みながらもズバズバ言ってくれて好きだったのに…悲しい…》
《なんで?政治経済時事問題エンタメ全てにおいてあんなまともな番組他にないよ!日テレさん正気か?》
《スッキリ、3月終了って話が出てるけどラヴィットやあさイチでは得られないニュースをモーニングショーほど偏ってない思想で見たいってときに重宝してるんだよなぁ…》
と残念がる声が相次いでいる。
だが現在、ワイドショーは “冬の時代” を迎えていると言ってもいい状況だ。
TBSは2021年3月で『グッとラック!』を終了。代わりにバラエティの『ラヴィット!』をスタートし、朝のワイドショー戦線から撤退した。
フジテレビも2022年4月に昼のワイドショー『バイキングMORE』を終了し、生活情報に特化した『ポップUP!』を放送中。しかしこれも苦戦中で、2023年1月からはバラエティ番組の『ぽかぽか』をスタートさせる。
「近年ワイドショーに関するトラブルが増えています。『スッキリ』のBPO案件しかり、『モーニングショー』の玉川徹氏の問題発言しかり。攻めた内容にしようとすればリスクは高くなりますし、コメンテーターの発言に対しても、視聴者の目は厳しくなっています。
そんななか、『朝からバラエティか』とバカにされていた『ラヴィット!』がぐんぐん視聴率を伸ばしているので、路線変更を検討しているワイドショーも多いはずです」(テレビウオッチャー)
ワイドショーの “ドミノ終了” が近づいているのかも――。
●玉川徹氏「モーニングショー」復帰企画が甘口とネットざわつく 11/11
テレビ朝日の玉川徹氏が10日、同局「羽鳥慎一モーニングショー」に、久々に登場して、ネット上がザワついた。安倍晋三元首相の国葬での菅義偉前首相の弔辞を巡る事実誤認発言で謹慎処分となり、10月19日に同番組に復帰し、謝罪。20日にも出演したが、それ以降は姿を見せず、3週間ぶりの出演となった。
玉川氏は番組開始30分後に登場し「みなさんご無沙汰しております。羽鳥さんお久しぶりです、皆さんお久しぶりです」とあいさつ。「現場に行きたいということで、これから現場取材続けようと思っているが、今日はインバウンドの現場に行ってきました」と成田空港取材に行き、「片っ端から、60人ぐらいの人」に話を聞いた内容を伝えた。
玉川氏は「円安だから、マンション、不動産を買いに来たという人がいるのかと思ってみたら、意外なものを買い求めに来ていた」と驚きを持って伝え、「意外にも日本に医薬品を求めにきていた。日本の医薬品は高品質で安全」と取材の成果を報告。「やっぱりこれ、取材は現場に行ってみないとわからない」と何度か繰り返し強調した。
ほかにもアニメ好きのイタリア人について行き、映画「君の名は。」の聖地巡礼をするなど、「現場取材」の結果を放送。約20分を使ったコーナーの締めくくりには「世界中から愛されている日本のアニメ」の魅力を再確認したことを伝えた。
玉川氏の復帰第1弾となる取材について、歓迎の声をはじめ、ネット上では「YOUは何しに日本へ?」(テレビ東京)を連想する声や「やっぱり玉川さんは辛口がいい」と期待値より薄口なだったとする声が上がっていた。
●玉川徹氏、「モーニングショー」生出演 「羽鳥さんお久しぶりです」 11/11
テレビ朝日の玉川徹氏(59)が10日、同局系「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜前8・0)に生出演し、インバウンドの現場を取材する様子が放送された。羽鳥アナが「続いて玉川さんです」と話題を振るとスタジオに玉川氏が登場。「皆さん、ご無沙汰しております」とあいさつし、「羽鳥さんお久しぶりです。皆さんお久しぶりです」とスタジオ出演者にもあいさつした。
玉川氏は「現場に行きたいってことでしてね、これから現場の取材を続けようと思ってるんですけど、今日はインバウンドの現場に行ってきました。成田空港行ってきたんですけど、もう片っ端から60人ぐらいの人にお話を聞きました」と訪日外国人を取材したと説明。「やっぱり行ってみないと分からないですね。いろんなものが見えてきました。いったい外国人、何の目的で何のために日本に来ているのか、いろいろ分かりました」と話し、『インバウンドの現場、何を求めて日本に?』のタイトルで訪日外国人を取材するVTRが流された。
玉川氏は安倍晋三元首相の国葬での菅義偉前首相の弔辞について「当然これ、電通が入ってますからね」などと事実に基づかない発言をして「謹慎」(出勤停止10日間)の懲戒処分を受け、10月19日放送の同番組内で謝罪。「これからは現場に足を運び、事実確認をして報告する。その基本にもう一度立ち返るべきだと考えました」と話し、現場で取材活動するという形で番組出演を続けることを伝えていた。
●玉川徹氏の出演シーン激減……活躍が期待されるコメンテーターは誰? 11/18
11月10日放送のテレビ朝日系『羽鳥慎一モーニングショー』に、同局報道局員の玉川徹氏が21日ぶりにスタジオ生出演した。安倍晋三元首相の国葬における菅義偉前首相の弔辞に関して「電通が入ってます」と事実誤認発言をしたことで物議を醸した玉川氏。現在は、レギュラーコメンテーターの座を外れ、「現場取材」を続けている。
この日は、円安の今、訪日外国人は日本に何を買いに来ているのか、どういう目的で来ているのかを探るべく、成田空港でインタビュー取材を実施。最後はアニメ好きのイタリア人観光客数人に密着し、2016年公開の映画『君の名は。』の聖地巡礼や、中野ブロードウェイでの買い物に同行。イタリア人と、宮崎駿監督作品の話で意気投合していた。
また、話し出しと締めのコメントでは、繰り返し「現場に行きたい」「やっぱり現場は行ってみないとわからない。これからも現場は続けて行ってみたいと思います」と、“現場”への旺盛な意欲を示していた。
「ただ、キャスターの羽鳥慎一氏や、ほかのコメンテーターとの間には、若干すきま風が吹き、特にあれだけツーカーだった羽鳥氏の玉川氏に対する態度は、どことなく冷たさも感じられました」(芸能ライター)
いまだに番組ホームページに表記されている玉川氏の肩書は「レギュラーコメンテーター」だが、ここまで出演シーンが激減すると、そのまま降板することになるのかもしれない。
朝のニュース番組では名物コメンテーターだった玉川氏がフェードアウトしつつある今、テレビ業界が次に期待している人物は誰なのだろうか。
「来年3月に終了することがわかった『スッキリ』(日本テレビ系)の月曜日コメンテーターで、ニュース解説サイト『The HEADLINE』編集長・石田健氏は、単なる感想ではなく、その物事の深層までわかりやすく説明してくれます。7日の同番組ではKing & Princeメンバー3人の脱退について「そこ(彼らの夢)に合わせて本当は事務所側もいろんな仕事をサポートするとか、世界に出るっていったときにそういう仕事を用意するとか、本当は管理する側じゃなくて、パートナーとかエージェントのような形になっていかなきゃいけない」と主張していました。硬軟どちらも対応できるという点で貴重な人物です」(業界関係者)
お笑いコンビ・EXITもコメンテーターやキャスターとして注目されているようだ。
「EXITは月に1回程度、『めざまし8』(フジテレビ系)にスペシャルキャスターとして出ています。兼近大樹は数年前から『ワイドナショー』(同)などで注目を浴びていましたが、最近はりんたろー。も、存在感を増しているんです」(同)
9日の放送で、2人は遺伝子の変異によって発症する難病「アルビノ」の女性にインタビュー。彼女はメラニン色素が少ないため紫外線に弱く、日に焼けると肌が真っ赤に腫れるといい、それを受けりんたろー。は「全然つらさは比じゃないと思うんですけど、僕も紫外線アレルギーだったので、湿疹が出てイジメられたりしたら、『なんで僕なの?』と親に当たったりしていた。そういうのはなかったですか?」と、自分の身の上を語りながら質問していた。
なお、『スッキリ』が終了することで、石田氏をはじめ出演中のコメンテーター陣がほかのワイドショーに流れ込んでくることも予想される。朝のニュース番組はどのように変化していくのか、楽しみだ。
●玉川徹氏、コロナ感染で番組欠席 羽鳥慎一アナ「気をつけている人が…」 11/18
テレビ朝日の玉川徹氏(59)が新型コロナウイルスに感染したことが17日、分かった。同局系「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜前8・0)でMCを務めるフリーアナウンサー、羽鳥慎一(51)が明かした。
この日の番組では東京都で新型コロナウイルス感染者が2日連続で1万人を超えたことや全国の感染状況を伝え、コロナウイルスの流行「第8波」についての特集が放送された。
羽鳥アナは「今日は玉川さんがこのパネルコーナーでコロナ取材したやつを報告するはずだったんですけど、なんと昨日、熱が出まして、PCR検査したら陽性でした」と玉川氏のコロナ感染を報告し「あの玉川さんが感染するっていうのは」と驚きをみせた。
「誰が感染してもおかしくない状況」としつつ、「本当にそういう状況なんだ。日本でもトップクラスに気をつけている人が感染するという」とし、「これ本当に気をつけたほうがいいなと思いました」と警戒を呼びかけた。
●玉川徹氏は来年定年も「モーニングショー」残留説…黒柳徹子「いてもいい」 11/20
番組に出演してもしなくてもこんなに話題にされるテレビ報道記者は、テレビ朝日の玉川徹くらいだろう。今月10日に「羽鳥慎一モーニングショー」に約20日ぶりに出演して、「外国人観光客のインバウンド」について報告すると、ネットのニュースサイトは「玉川さん生出演」と番組放送中から速報。17日には羽鳥パネルのコーナーで解説するはずだったが、前日にPCR検査で陽性となり、急きょ出演を取りやめ。すると、司会の羽鳥慎一が「きょうはお休みです」と伝えた5分後には、スポーツ紙が「玉川徹氏、新型コロナ感染」と流すなど、もうトップニュースの扱いである。
「失言騒動で事実上レギュラーコメンテーターを降り、番組からも外されてしまうのではないかと心配が広がっていましたから、『おお、復活したのか』ってなものですよ。今後もテーマを見つけて取材に出かけ、毎週木曜日に出演ということのようですね。『玉川取材』というコーナーにでもなるんでしょうか」(ネットニュースサイト編集長)
玉川が毎日出演しなくなって、視聴率にとくに変化があったということはないのだが、番組全体が平凡で退屈になった印象は否めない。玉川の論敵の政治ジャーナリスト・田崎史郎も、なんだか手持ち無沙汰に見える。やはり、玉川のピリ辛効果は大きかったのだ。
でも、来年には玉川も60歳の定年を迎える。そのときどんな選択をするのか。他局でもコメンテーターとして活躍するのではないかという見方があるが、おそらくこれが最も可能性が小さい。
「玉川は、しゃべりのうまいアナウンサーでも専門分野を持つ解説委員でもなく、ワイドショーのヒラのディレクターなので、これといった“ウリ”はありません。それでもコメンテーターとして人気者になったのは、司会の羽鳥慎一が上手にいじってくれて、フォローもしてくれたからです。そんな“相方”がいない他の番組では、コメンテーターは難しいでしょう。そのことは本人が一番よくわかっているはずです」(テレビ番組制作会社プロデューサー)
玉川が望んでいるのは、嘱託契約でテレ朝に残って「モーニングショー」にかかわり続けるという選択ではないか。元アナウンサー渡辺宜嗣は、定年退職後も嘱託契約で「朝まで生テレビ!」に出演しつづけている。
羽鳥が「モーニングショー」の中で、こんな話を披露したことがある。「『徹子の部屋』に(玉川さんが)出たときに、(黒柳)徹子さんから『あなたは定年後もいていいわよ』って言われてました。徹子さんに言われたら、テレ朝ではオフィシャル発言です」
羽鳥慎一はOK
玉川はうれしそうに「羽鳥さん、それはこの番組にいてもいいってこと?」と確認し、羽鳥は「この番組に限ってはね」と笑いながらOKを出した。
大学からのオファーも来ているらしい。私立大学事務局スタッフは「京都大学大学院卒の修士ですから、教員の資格は十分。話題性抜群の玉川さんは、学生集めのためにも喉から手が出るほど欲しい」と話す。もともと好奇心旺盛で勉強好きだから、「玉川教授」なんて似合ってるかもしれないな。
●古市憲寿氏 メディア論で渦中の人物チクリ「僕、玉川さんを怒るつもりない」 11/20
社会学者の古市憲寿氏が20日、日本テレビ系「真相報道 バンキシャ!」に出演。生放送で他局のコメンテーターをイジる∴齧汲ェあった。
第8波≠ノ入ったとされるコロナの感染拡大について、見解を聞かれた古市氏は「感染対策って、永遠には続けられないわけじゃないですか。コロナが撲滅できない以上は、コロナと折り合いをつけるしかない。それでも個々人が気を付けて、コロナと向き合っていけばいいのかなと思います。特に中国と日本だけが、世界の中でまだまだコロナに対して敏感になりすぎてるというか、国が取り残されないか?という心配はあります」とコメント。
MCの桝太一アナが「ここで何を学んできたか?というのの見せどころかもしれませんね」と応じると「やっぱりこの3年間の検証って必要だと思って。例えば僕も含めてメディアが合っていること、間違っていること、結構言ったなと思うんです」と言及した。
その上で機能停止となった接触確認アプリ「COCOA」を自身も当初は推奨していたと告白。「でも、結局はスマホのバッテリーを使うだけのあまり役立たないアプリだった。間違いってたくさんあると思うので、それぞれの人がいいとか悪いとかじゃなくて、どんなことが間違ってて何が正しかったのか?っていうのを、きちんと後世のために検証することは必要かなと思います」と訴えた。
枡アナは「責任を追及するということではなく、同じことを繰り返さないためという意味での検証ですね」とうなずいたが、ここで古市氏は「僕、だから(テレ朝系)『モーニングショー』の玉川(徹)さんとか怒るつもりまったくないんで、振り返って正しかったかどうかというのは調べる必要があると思います」と唐突に物申した。
さすがにこれには枡アナも「急に他局の話が始まる…」と苦笑するしかなかった。 
 
 
 

 

 
 
 
 
●うわさ話
●玉川徹先輩のこと…「伝説の視聴率男」「愛される悪役」 後輩が語る 2020/6/14
テレビ朝日課長 玉川徹
「悪名は無名に勝る」を地で行くのが、テレビ朝日「モーニングショー」でコメンテーターを務める玉川徹氏だろうか。一介のテレビ局員がなぜここまで注目されるのか。テレビ朝日で同じ番組を担当し、同じ釜の飯を食った後輩のテレビ・プロデューサー、鎮目博道氏が振り返る。
テレビ局でディレクターをしていると、視聴率のグラフを見ることから1日が始まる感じです。その時の気分といったらまるで、学期末に先生から渡された通知表を見るときのドキドキ感に似ています。
恐る恐る視聴率グラフを見る……ああ、僕のVTRはそんなに上げてないな、ガッカリ。でも僕のVTRの横で、ほぼ毎週必ずちょっと異常なくらい急カーブを描いて視聴率が伸びているものがあるのです。「ああ、また玉川先輩か」と僕は半ば呆れながらそのグラフを見つめます。
僕はかつてテレビ朝日で「スーパーモーニング」という番組のディレクターをしていました。「スーパーモーニング」は今の「モーニングショー」の前身の番組で、曜日ごとに班が分けられているのですが、僕と同じ班にいて「伝説の視聴率男」として恐れられていたのが玉川徹先輩でした。
当時、玉川先輩はたしか、帯のように茎が幅広くなったタンポポなど「奇形植物」を毎週のように追いかけていました。僕はといえば毎週のように北朝鮮の脱北者の取材をしていたのですが、どう考えても普通なら「北朝鮮ネタ」の方が強そうなのに、毎週絶対、玉川先輩には視聴率で勝つことができなかったのです。しかも視聴率はVTRよりも、玉川先輩が出演しているスタジオの部分で急角度になっています。どう考えてもそんなにイケメンとは思えませんし(スミマセン)、結構苦情の電話もかかってきている様子なのに、玉川先輩はなぜか「数字を持っている」のです。不思議でなりませんでした。
その頃玉川先輩に唐突にこんなことを言われたことがあります。
「なあ、鎮目くんも只野仁みたいに特命係長になりたいよなあ? 俺は特命係長になりたいんだよ」
何を突然? とかなり驚いたので今も鮮明に記憶に残っています。でも考えてみれば、玉川先輩は本当に「特命係長」のような人なんだと思います。
テレビ局員には人事異動がつきものです。僕もいくつもの番組を行ったり来たりしました。しかし、玉川先輩はなんだかずーっと「モーニング」にいます。番組内でも独特な存在で、いろいろな伝説を持っていて少し恐れられています。夕方の「スーパーJチャンネル」というニュース番組から異動して来たばかりの僕が最初に驚いたのは、玉川先輩が「テレビ朝日課長 玉川徹」というネームテロップでスタジオに出演していたことでした。
正確な経緯はよく知りませんが、その頃ヒソヒソ話で誰かに聞いたのは、玉川さんが『リポーター 玉川徹』というテロップで出演したら、誰か番組の偉い人に怒られた、と。お前がなんでリポーターなんだ? お前は何者だ? とかなんとか言われたのでしょう。確かに玉川先輩は僕たちと同じ一般職採用で、アナウンサー採用などの「出役」ではありません。いってみればまあ本来は「裏方」なのです。
で、玉川先輩はどうやら、「だったら僕は会社での役職は課長なのだから、何者かと言われれば課長です」的なことで、それ以来「テレビ朝日課長 玉川徹」というネームテロップを自分で発注して出演していたらしいのです(まあ、あくまでその当時そんな話を聞いたかな? という程度なので、真偽のほどは明らかではありませんが…)
これには、別の番組から来たばかりの僕はかなり面食らいました。局の職級である「課長」などという肩書きでテレビに出演する人なんて、電波少年のT部長ぐらいしか聞いたことがありません。しかも伝説を信じれば、上司へのまあまあの喧嘩の売りっぷりです。すげえ番組だな、不思議な人がいるな、と正直若干ビビりました。
玉川先輩を撮影するためのもう1台のカメラ
あと、玉川先輩に驚いたのは、通称「玉川カメラ」です。僕たちが誰かのインタビューに行く時には、普通カメラマンひとり、カメラ1台で行く場合が多いのですが、玉川チームは必ずカメラ2台でインタビューを撮りに行っていました。ああ、なるほど2方向からインタビュー対象者を撮影して、あとで編集しやすくするんだなと最初は思いましたが、どうやらそうではありません。2台のうち1台は、質問する玉川先輩を撮影するためのカメラなのです。
これも、なかなか我々ディレクターの常識からすると驚きでした。例えば「番組MCが誰かをインタビューしにいく」とか、「有名人が有名人にインタビューする」とかなら、質問者側に1台カメラを向けることもあるのですが、通常だとあまりそういうカメラの使い方はしません。なので、スタッフの間では「玉川カメラ」とひそかに名付けられ、これまた伝説となっていたのです。しかし、編集のあがりを見てみると、たしかに「玉川カメラ」がうまく生かされていて、いい感じになっているから驚きです。さすがだな、と思いました。
そんな感じで、玉川先輩はとにかく「特別」な人でしたし、なんとなくいつも怒っているか文句を言っているようなイメージがあったので(本当にスミマセン)、近寄り難い印象がありました。当時番組には「玉川番」といって、玉川先輩の指示に従って取材の準備やらロケ・編集・スタジオ周りなど全てを担当するディレクターがいて、比較的若いディレクターが半泣きになりながら頑張っていたりしましたので、そういった意味でも僕はビビっていました。あと、僕も含め普通のディレクターは裏方志向が強いので、「自分が作ったVTRで勝負したい」とか「誰か面白い出演者を見つけてきて評価されたい」と考えがちです。だから自分が出演してガッツリ視聴率を稼ぐ玉川先輩は、「出たがり」などと陰口を叩かれることもあったと思いますし、アンチもそれなりにいたと思います。
でも、玉川先輩の取材がスゴイのは本当です。一度、玉川先輩が若手ディレクター向けの研修の講師をしたことがあって、それを僕も聴講したのですが、こんな言葉が強く印象に残っています。
「官公庁に取材を申し込む時には、『いついつまでにお願いします』と期限を区切ってはいけない。そうすると、『いま忙しいので対応できません』と断られてしまう。『いつまででも待ちますので、いつでも結構です』と言えば相手は断る口実がなくなってしまう。そうすると意外に早い時期に取材に応じてくれるものだ」
この話を聞いた時には、僕は「なるほどなあ」と感動しました。一貫して官公庁相手に闘ってきた、経験豊富な玉川先輩だからこそたどり着けた真理なのだなあ、と思ったものです。
モーニングの曜日班の有志で、職場旅行のようにソウルに行った時のことも印象に残っています。みんなでご飯を食べに街に繰り出して、結構お酒も入り、日頃笑わないと思っていた怖いイメージの玉川先輩が、おどけて大笑いしていたのを見て、なんかホッとしたのを覚えています。先輩はあまりプライベートを他人に見せない人でしたが、寂しがり屋な面もある優しい人なんだなあ、とその時ふと思いました。
いまや、Yahoo!ニュースなんかを見ると、「玉川徹氏がこう発言」みたいな記事のタイトルが毎日のように並んでいます。いろいろなところで、「玉川さんはズバズバ言うから好き」とか、「あの人は大嫌い」とか、「親が『玉川さんが言ってたから間違いない』と玉川さんを信じきってる」とか、そんな声をちょいちょい聞くようになりました。賛否両論さまざまだとは思いますが、「視聴率男」である玉川先輩は、きっと今日も様々な作戦を練っているのでしょう。
モーニングOBの人と、時々僕も出くわすことがありますが、そんな時にはいつも決まって玉川先輩との思い出話になります。笑いながら、悪口半分。とても盛り上がります。是非これからも先輩には、「愛される悪役」としてご活躍いただきたいと、僭越ながら願っております。 
●「バカな視聴者がよろこぶから続けている」 ワイドショーをやめられない原因  3/14
放送内容の偏りなどからたびたび批判を受けながらも、テレビ局は「ワイドショー」の放送を続けている。なぜやめられないのか。著述家のKヒロさんは「制作陣が『視聴者は喜怒哀楽を提供するとよろこぶ』という固定観念から抜け出せていない。その結果、若者のテレビ離れが進んでいるのだろう」という――。
視聴率不毛地帯の救世主として60年前に登場
コロナ禍のなかで多大な迷惑を振りまいたものの一つが、視聴者の不安を煽あおり立てたテレビのワイドショーだ。コメンテーターが振りまく怪しい医療情報や感情的な意見に惑わされた人々は、コロナ対応の第一線で働く医療関係者や保健所スタッフの頭痛の種になった。
迷惑を被こうむったのは医療関係者だけではない。筆者の身近にも、あるワイドショーの名前を挙げて「ワクチンで死にたくない」と言い張る老人に正しい情報を伝えるため、大変な労力を要したケースがある。ネットニュースで報じられたワイドショーの報道ぶりにも、非難のコメントが集まった。
とはいえ、ワイドショーが迷惑を振りまくのはいまに始まった話ではない。興味本位のスキャンダリズム、もっともらしいが不正確な見解を垂れ流す「コメンテーター」たちの影響力。「やらせ」という業界用語が一般社会で使われるきっかけとなった事件も、ワイドショーが引き起こしたものだった。
こんな困り者なのに、現在ワイドショーは週20番組以上も放送されている。しかも約60年前からずっとこの調子だ。
ワイドショーはわが国独自のカテゴリーで、1964年に日本教育テレビ(現テレビ朝日)が放送を開始した「木島則夫モーニングショー」が始まりとされている。同局は視聴率低迷とスポンサーの獲得に苦慮し続けていたが、なかでも不毛地帯と呼ばれていた朝8:30から9:30の枠に、芸能の話題やニュースなど雑多な情報を伝える低予算番組を放送することにした。それまで視聴率ほぼ0%だったこの時間枠を使ったショー番組は予想以上に好評で、放送開始直後から視聴率3%、後には15%にまで達し、不毛地帯は金のなる木に変わった。
翌1965年、日本教育テレビは同じく視聴率が壊滅的だった正午枠で「アフタヌーンショー」を放送すると、これもヒット。他局も視聴率が取れない時間帯にワイドショーを続々と放送し、乱立時代に突入する。視聴率獲得のポイントはキャラ立ちした司会者の登用で、司会者の個性や話芸で見る者を飽きさせない工夫をした。
低予算で確実に視聴率を稼げる
こうしたワイドショーの形態や安定した視聴率は、現在も変わらない。午前の雄「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)は視聴率10%をたたき出すことも珍しくなく、早朝の時間帯から始まる他の番組も7〜9%台を記録する。午後は「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)をはじめとするワイドショーが、視聴率5〜6%台を確実にキープしている。
では、この視聴率にどのくらいの価値があるのだろうか。例えば莫大ばくだいな予算と日程を投じて制作されている大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は視聴率15%前後だ。それとは比較にならないほどの低コストで5〜10%の安定した視聴率が得られるのだから、テレビ局にとってはぬれ手で粟あわで、やめられるはずがない。ライブ視聴中心で録画視聴がほとんどないワイドショーは、CMをスキップされないため、スポンサーにとっても効率がよい。
ワイドショー的演出を開拓した「泣きの小金治」
もうかっているなら伝える情報の質を高められそうなものだが、それでもワイドショーが変わろうとしないのには理由がある。
再び時代を遡さかのぼってみよう。「アフタヌーンショー」は放送2年目に司会者をテコ入れし、落語家の桂小金治を番組の顔に据えた。司会者交代の効果は抜群で、桂小金治は顔を真っ赤にして怒鳴ったり、嗚咽おえつで声が聞き取れないほど泣いたりして、「怒りの小金治、泣きの小金治」の異名を轟かせた。いま後期高齢者になった当時の視聴者は、いつ桂小金治が怒鳴るか、涙を流すかと、固唾かたずを飲んで見守っていたと証言している。
視聴者が求めていたものは情報の内容や質よりも暇つぶしのための喜怒哀楽や驚きだった。「アフタヌーンショー」は正午の枠としては驚異的な最高視聴率20%を記録したが、これは視聴者の感情の昂たかぶりを表した数字と言っても過言ではない。こうして「アフタヌーンショー」がワイドショーの王座に就くとともに、喜怒哀楽と驚きを過剰に煽る演出もまたワイドショーの王道的手法として確立されたのだった。
番組打ち切りにつながる大事件も
芸能レポーターは数々のスターのプライバシーを暴いて大騒ぎした。ロス疑惑事件は劇場型の騒動に拡大し、豊田商事の悪徳商法をめぐる報道合戦では群がるテレビカメラの前で同社会長が殺害された。オウム真理教をめぐる一連の出来事も、興味本位で扱われた。ワイドショーの見せ物小屋化はとどまる所を知らなかった。
1985年には「アフタヌーンショー」が逮捕者を複数出す大事件を起こした。いわゆる、やらせリンチ事件だ。「激写!・中学女番長‼・セックス・リンチ全告白」と題した独自スクープを放送したところ、警察が捜査を始め、リンチ行為が番組によって仕組まれたものであることがわかったのだ。
この事件では暴行の実行犯に加え、番組担当のディレクターが暴力行為教唆容疑で逮捕された(ディレクターは略式命令で罰金刑を受けたが、後に著書の中で暴行の指示を否定)。深刻な影響を多方面に与えたこの一件で、アフタヌーンショーは20年の歴史に幕を閉じたが、同番組が確立したワイドショーの王道的手法はその後も他の番組によって継承され続けた。
止められない需要と供給のサイクル
視聴者は内容や質よりも喜怒哀楽や驚きを求める。こうした傾向を熟知した番組制作者が、視聴率獲得のため、刺激的で単純でわかりやすいネタと演出を放送する。視聴者は感情の昂りを求めてワイドショーにかじりつく。正義や嫉妬が暴走し、不安や恐怖が高められ、覗き見行為が正当化される。話題の本質は忘れ去られ、社会に騒動の跡と感情の残骸だけが残される。視聴者はもっと強い刺激と単純さを期待する。
視聴者を番組に縛り付けておくために、ワイドショーはこのサイクルを60年間止められないままなのだ。
視聴者が求める「期待どおりの感情」
「視聴者は期待どおりの感情になれなければ満足しない」――。あるベテラン放送作家から、筆者はそう聞いたことがある。テレビの黎明れいめい期から黄金時代にかけての雰囲気を知る彼は、さらにこう付け加えた。
「わからない言葉や表現が一瞬でもはさまったら、視聴者はそこで興味を失ってチャンネルを変えてしまう。わからないことを見つけて喜ぶのは頭がよい人だけだ」
こうしてワイドショーの需要と供給が成り立っている。制作側と視聴者のどちらもが、「もっともっと」とわかりやすさと親しみやすさと喜怒哀楽を求める。論理よりも感情で動いてしまいがちなのは人間の愛いとおしさであると同時に弱点でもあるが、ワイドショーはこの弱点をカネに変えるビジネスなのだ。
テレビ離れの一因であっても
ワイドショーが新型コロナウイルス感染症について怪しい医療情報や感情的な意見を放送するのは、パンデミックを国や医療従事者のせいにしたい視聴者の期待に応えるためだ。国や医療従事者を批判している専門家をスタジオに呼んで意見を語らせ、司会者はさらに視聴者の感情を煽る。視聴者は込み入った説明を嫌い、期待どおりでわかりやすい極端な情報を求める。
スタジオに呼ばれた専門家や、素人の「コメンテーター」は、どうすれば視聴者の耳目を集められるかを次第に学習し、極端な発言を増やしていく。しかも求められている役割を自覚して個性を際立たせようとする。視聴者はますます、喜怒哀楽を刺激されて満足する。
桂小金治の怒りや涙を固唾を飲んで見守っていた、1960年代の視聴者のリテラシーを、ワイドショーの制作者はいまだに基準にしているのではないかとさえ感じる。そうした制作態度は若年層を中心とした現在進行中のテレビ離れに間違いなく加担しているが、それでもまだ5〜10%の視聴率を獲得できている。視聴率が確保されスポンサーが付くかぎり、ワイドショーはなくならず、基本的な制作方針も変化しない。
今やあらゆる番組が「ワイドショー化」
むしろ、低コストで高視聴率を実現するワイドショーの手法は、他のカテゴリーの番組制作者にとってもますます不可欠なものになっている。
1970年代半ば以降、報道番組はアナウンサーが原稿を読む時代からキャスターが視聴者に語りかける時代へ、わかりやすさと親しみやすさを追求していった。わかりやすさと親しみやすさを高めるには、感情的で深く考えることを嫌う視聴者層に擦り寄らなければならない。その結果、元の数字と比べて不自然な強調を用いたグラフ、論理の流れがおかしいフリップ、印象操作が甚だしいVTR映像が、ワイドショーだけでなく報道番組にも見られるようになった。「こうしないとわかりにくいし伝わらない」というのが、制作側の決まり文句だ。
音響効果や音楽の多用、保育園のようなカラフルなスタジオセット、やたらと挟み込まれるクイズ形式の演出も、いまやあらゆる番組に浸潤したワイドショー的演出だ。硬派の討論番組を名乗る「朝まで生テレビ!」もまた、出演者の文化人がそれぞれの役割を演じながら、挑発や嘲笑をぶつけ合って視聴者の感情を煽る見せ物小屋と言ってよい(かつて大島渚が「バカヤロウ」と怒鳴る瞬間が番組の名物だったことからも、この構造ははっきりしている)。
「感情でものを考える人をバカって言うんだ。最近は番組そのものがそうなっている。テレビの先はもう長くない」と、前述のベテラン放送作家は筆者に語っていた。総ワイドショー化に突き進む地上波テレビは、彼が予言した通りの滅びの道をたどるのだろうか。 
●『報ステ』『モーニングショー』などテレ朝報道4番組、視聴率横並びトップに  4/4
2021年度(21年4月〜22年3月)の視聴率が4日に発表され、テレビ朝日の報道4番組が視聴率横並びトップを飾った。
『羽鳥慎一モーニングショー』(毎週月〜金曜8:00〜)の平均視聴率は個人全体5.7%(歴代最高)、世帯10.6%で2年連続の横並びトップを獲得し、6年連続民放トップとなった。8月の月間視聴率が自己2位となる個人全体6.3%、世帯11.7%を獲得。人気コーナーの羽鳥パネルでは、衆議院総選挙について争点別に8回にわたって放送、大谷翔平のメジャーリーグオールスター戦を生中継するなど、政治、国際、経済からスポーツ、身近な生活情報まで幅広く取り上げた。また、新たなコメンテーターに菊間千乃弁護士、シェアエコノミーに詳しい石山アンジュ氏、ハーバード大学を首席で卒業したバイオリニスト・廣津留すみれ氏、起業家・安部敏樹氏らを迎え、20代から50代まで幅広い世代のコメンテーターがさらにスタジオの議論を活性化させた。4月からは入社2年目の森山みなみアナウンサーが3代目アシスタントとして加入した。
『大下容子ワイド! スクランブル』(毎週月〜金 第1部10:25〜、第2部12:00〜※一部地域を除く)は、第1部の平均視聴率が個人全体2.9%、世帯5.9%を獲得し、8年連続年度横並びトップを達成。第2部は個人全体2.9%、世帯5.8%で初の民放横並びトップの座につけた。3月21日2部では、池上彰・増田ユリヤの解説による「歴史から学ぶ ウクライナ情勢の未来」の特集コーナーを放送し、個人全体4.7%、世帯8.6%と年度最高視聴率を獲得した。
『ニュースステーション』の後継番組として2004年4月から放送を開始したテレビ朝日の看板番組『報道ステーション』は、平均視聴率で個人全体6.6%、世帯12.0%を獲得し、3年連続で同時間帯横並びトップに。2021年10月からは、NHK出身の経験豊富なジャーナリスト・大越健介を月〜木曜の新メインキャスターに迎え、新生『報ステ』がスタート。その結果個人全体の平均視聴率も上昇した。刻一刻と事態が深刻化するウクライナ侵攻について重点的に報道した2022年3月には大越キャスター自らウクライナ避難民が押し寄せるポーランド国境地帯へ赴き、緊急取材。大きな注目を集め、同月の月間平均視聴率は個人全体7.1%、世帯12.7%をマークした。
この春6年目に突入した『サタデーステーション』(毎週土曜20:54〜)の平均視聴率は、個人全体5.9%、世帯10.4%を記録し、初の横並びトップを獲得。高島彩キャスターが視聴者とともに考えていくという構成で視聴習慣を広げてきた。また、これまで週替わりで現役世代のコメンテーターを迎えてきたが、4月以降もさまざまなバックグラウンドを持つコメンテーターをスタジオに招き、ニュースの多様な見方を提示していくという。  
●『ミヤネ屋』、統一教会の連日報道で視聴率アップ! 8/4
  『モーニングショー』には失望の声広がる! 
『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)の信頼が失墜しているという。ネット上では、「『モーニングショー』はもうダメだな」「圧力に及び腰なテレ朝に失望」「信頼回復はないかも」など、失望の声が広がっている。
同番組は、同局社員の玉川徹氏が「好きなキャスター&コメンテーター」(2021年5月29日付、「文春オンライン」調べ)で1位を獲り、同じく2位に羽鳥慎一がランクインするほど、視聴者の支持率は高かったはずだが、一体どうしてしまったのか?
「安倍晋三元首相が凶弾に倒れ死亡した事件の後、山上徹也容疑者の母親と、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係が大きくクローズアップされました。すると『モーニングショー』は、いち早く統一教会に着目。7月12日の放送では、宗教トラブルに詳しい紀藤正樹弁護士がスタジオに登場し、前日に行われた同教団・田中富広会長の会見を徹底批判。『100%嘘としか言いようがない』と紀藤弁護士は言い切っていました」(芸能ライター)
紀藤弁護士は翌13日も出演。番組も40分を割き、大々的に教団を取り上げた。ところが、ある日を境にパタリと報道をやめている。
「18日、番組に元参議院議員でジャーナリストの有田芳生氏が登場。有田氏は90年代からオウム真理教や統一教会を取材してきた人物としても知られますが、当時、オウムに捜査のメスが入った一方で、なぜ統一教会は摘発されなかったのか、その理由を警察幹部に聞いたところ、『政治の力』と言われたと告白。驚きの証言にスタジオは凍り付き、玉川氏も顔をゆがめて絶句していました」(同)
以降、『モーニングショー』では教団関連のニュースが激減。8月3日放送は、番組冒頭で国会議員と教団のつながりについて切り込んだものの、番組おなじみの巨大パネルを使った解説はなく、フリップでの説明にとどまった。時間もわずか11分で終了。冒頭の失望の声は、そんな番組姿勢に向けられているものと思われる。
一方で気を吐いているのが『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)だ。
8月1日放送では、2時間の放送枠のうち、何と1時間25分を使って、政治と教団の関係を解説。スタジオには紀藤弁護士も出演し、なぜ教団の関連団体に安倍元首相がビデオメッセージを送ったのか、などを徹底解剖した。
2日は、旧統一教会の名称変更が認められた背景を報道。さらに、11年半、旧統一教会の信者として活動していたという金沢大学・仲正昌樹教授がリモートで生出演し、入信した経緯や、当時の霊感商法について激白した。
『ミヤネ屋』、旧統一教会を1時間20分使って大特集
『モーニングショー』が11分で終わった3日も、『ミヤネ屋』は1時間20分を使って大特集。今度は、教団を20年以上にわたって取材し、教団側から「要注意人物」と指定されたジャーナリスト・鈴木エイト氏を招へい。勧誘の手口の変遷など、生々しい実態を解説するも時間が足らず、後日あらためて登場することになった。
「この日、鈴木氏は聞き捨てならない発言をしています。『第2次安倍政権以降、 国家公安委員長に就いた政治家が10人いるんですけど、そのうち約半分が統一教会と何らかの関係を持ってきた人なんです』と告白。さらに『2010年を最後に、統一教会に関する霊感商法が刑事事件になってない、警察が摘発をしてないんですよ。警察側が手入れをしてないというところが一つのポイントとして押さえてほしい』と訴えていました」(同)
暗部に切り込む『ミヤネ屋』に対して、ネット上では「本当に頑張っててすごいと思う」「今日も『ミヤネ屋』の報道が素晴らしい」「MCの宮根誠司は嫌いだけど『ミヤネ屋』のことは見直した」「『ミヤネ屋』は録画して見てる」といった好意的な意見が多い。
実際、この評判は視聴率にも反映している。
「2日の『ミヤネ屋』は世帯7.1%(ビデオリサーチ調べ/関東地区、以下同)、個人3.7%。6月の視聴率が4〜5%だったのに対し、7月以降は明らかに上昇しています。ちなみに同日の裏番組『ゴゴスマ〜GOGO!Smile!〜』(TBS系)は世帯5.7%、個人2.8%でした」(同)
『ミヤネ屋』の孤軍奮闘と視聴者のエールは、まだまだ続きそうだ。 
●ムラヤマと電通の関係!日テレ国葬イベントは嵐・櫻井翔が黒幕? 9/6
国葬の運営事業を1.7億円で落札したイベント会社ムラヤマに注目が集まっています。
もともと国葬は電通が取り仕切るという話になっていました。
なぜムラヤマになったのかを調べると、ムラヤマと電通の関係が見えてきました。
黒幕に嵐の櫻井翔がいるのでは?という噂についても解説します。
ムラヤマ」が1.7億円で国葬を落札
国が募集した「国葬事業」の入札で株式会社ムラヤマが落札。その額は1.7億円。
入札したのがムラヤマただ1社だけであることや、
安倍晋三元首相が実施した「桜を見る会」についても5年連続で落札しています。
このことから「国とズブズブの企業なのでは?」と批判が集まっています。
ムラヤマと電通の関係!日テレと国葬イベントでズブズブ!
ムラヤマと電通の関係を繋ぐのは、ムラヤマの親会社である日本テレビです。
ムラヤマと電通が繋がるまでを順を追って説明します。
   ムラヤマが日テレの子会社に
2022年3月、ムラヤマは日テレに全株式を購入され、完全子会社になっています。
この流れから、日テレにも批判が集まっています。
   日テレは電通とズブズブ!
ムラヤマと電通の関係!日テレ国葬イベントは嵐・櫻井翔が黒幕?
ムラヤマの親会社である日テレは電通とズブズブの関係です。
日テレと電通の協業事業は軽く調べただけでこんなにあります。
2007年12月 / 日テレ、セブン&アイ、電通が新会社設立
2008年11月 / 日テレ ・吉本興業 ・ 電通がアメリカでお笑い紹介チャンネル事業に進出
2015年7月 / 電通が日テレの合弁会社に1億2000万円を出資
2018年4月 / 日テレ・電通・ジャパンギビングとユナイテッドアローズがファッションレーベルを設立
2022年6月 / 日テレと電通が未来の職を考えるワークショップ「14歳の未来職学校」を実施
日テレと電通の関係性は遡れただけでも15年前から今まで続いていました。
   ムラヤマの国葬イベントは嵐・櫻井翔が黒幕?
今回の国葬イベントは嵐の櫻井翔が関わっているのでは?
と噂になっています。櫻井翔といえば父が元電通副社長、妹は日テレの社員です。
櫻井翔の父親が総務省役員から電通執行役員に天下りたとき、
櫻井翔、櫻井・父、櫻井・妹の3人で「櫻井帝国」が築かれると報じたニュースもありました。
ジャニーズ・電通・日テレは各業界のリーディングカンパニー。
そのトリオが組んだらあらゆることが可能になりそうですが、「華麗なる櫻井一族」がムラヤマの国葬イベントを裏から動かしているのでしょうか。
イベント会社「ムラヤマ」とは?
東京に本拠地のある株式会社ムラヤマはイベントの企画等を行う会社です。
   社名 株式会社ムラヤマ MURAYAMA INC.
   創業年月日 1902年(明治35年)8月8日
   設立年月日 1958年(昭和33年)11月19日
   資本金 4億2700万円
   従業員数 408名(2022年2月1日現在)
   営業内容
   1.ディスプレイの企画、設計、監理及び制作、施工
   2.イベントの企画、設計、制作、施工及び運営管理
   3.商業施設、文化施設、観光施設、遊園施設等、環境整備に関連して行う室内外装飾の企画、設計、監理及び制作、施工
   4.標識類の企画、設計、監理及び制作、施工
   5.上記各業務に関する調査、コンサルティング、企画、構成、演出、ならびに音響、照明、映像等を含む制作業務
   6.上記各業務に関する展示機器、演出装置、什器備品、各種材料の開発、製造、販売、賃貸及び関連する輸出入業務
   「桜を見る会」を7回連続入札
蓮舫さんがツイートした資料です。
これを見るとムラヤマは「桜を見る会」を7回も落札しており、そのほぼ全てが一社単独入札とのことです。
これでネット上は「ムラヤマは国とズブズブなのでは?」と疑惑の声が。
国葬を取り仕切る会社が電通に決定
7月28日、各省庁の幹部らでつくる「葬儀実行幹事会」にて、国葬を取り仕切る会社が電通に決定いたしました。
電通は2020年、政府の持続化給付金事業を請け負い、中抜きで批判されています。
さらに電通はつい3日前に東京地方検察庁特別捜査部の捜査が入っています。
理由は電通の元専務であり、東京五輪の元理事でもある高橋治之との繋がりを検察庁に疑われているためです。
これに対してネットでは「東京五輪汚職事件で検察庁がガサ入れ中だが大丈夫なのか?」と驚きの声が多数上がっています。
しかし落札したのはムラヤマ。
ムラヤマが表で電通が裏から関わっていくのでしょうか。
●元電通マン。国葬や統一教会、五輪汚職の全てに関わる自民党議員の名前 9/22
さて、ここでちょっと話題を変えますが、このまま行くと60%を超える国民の声を無視して9月27日に強行されてしまう安倍元首相の国葬は、企画などの業務を大手イベント会社ムラヤマが1億7,600万円で落札しています。今回の落札について、岸田首相は「正式な手続きのもとに落札されたものだと認識している」と説明しましたが、ムラヤマは安倍政権下の2014年から2019年まで5年連続で「桜を見る会」の会場設営業務を落札している「自民党御用達」の企業です。
しかし「桜を見る会」と今回の国葬とでは、大きく異なる点があります。それは、日本テレビホールディングスがムラヤマの全株式を取得し、今年2022年3月31日付で、ムラヤマは日本テレビホールディングスの完全子会社となっていたのです。日本テレビと言えば筆頭株主は読売グループ、読売グループと言えば電通、電通と言えば自民党…というわけで、まるで絵にかいたような相互利権の構図が見えて来ました。
でも、これだけでは終わらないのが、絶対に断ち切ることなどできない自民党と旧統一教会とのディープすぎる癒着なのです。今回、安倍元首相の国葬が行なわれる日本武道館の現在の会長は、安倍元首相と同郷で自民党の憲法改正実現本部の最高顧問をつとめる高村正彦(こうむら まさひこ)氏ですが、その高村氏に旧統一教会から高級乗用車が無償提供されていたことが分かったのです。
安倍政権が旧統一教会の数々の要望を政策に反映させて来たことは、これまで何度も報じられて来ましたが、その集大成とも言えるのが「憲法改正」なのです。自民党の改憲草案は、旧統一教会の政治組織「国際勝共連合」の希望する改憲案がすべて盛り込まれていますが、安倍政権下でこの改憲草案を作成したのが、自民党の憲法改正実現本部の最高顧問、高村正彦氏なのです。
こうして見ると、安倍元首相の国葬、旧統一教会問題、東京五輪汚職事件という3つの問題のすべてに「電通人脈」が関わっていることが分かると思います。そして、そのキーパーソンとなるのが、すべての問題に関わっている元電通の平井卓也議員なのです。
平井議員はデジタル担当相だった2021年4月7日、五輪アプリの事業費に関する戦略会議の席で、共同事業体に参加していたNECに対して「NECには死んでも発注しない」「今回の五輪でぐちぐち言ったら完全に干す」などと暴力団員のような口調で述べ、さらには幹部職員にNECの会長の名前を挙げて「脅しておいた方がいい」と指示しました。そして、この時の音声データが流出したことで、謝罪に追い込まれたことは記憶に新しいと思います。
権力を傘に相手を恫喝し、自分の思い通りに物事を進めさせる。東京五輪汚職事件の高橋治之容疑者しかり、これが電通出身者の「通常運転」なのでしょう。しかし、私利私欲のための汚職事件ならともかく、日本国民すべての生命や財産にも関わる「憲法改正」がこのような手口で進められ、カルト教団の思い描く通りの内容に書き換えられてしまったら、この国は終わりです。今後は平井卓也議員の動向に注視しつつ、安倍派の操り人形と化した岸田文雄首相のことも監視して行きたいと思います。
●安倍元首相国葬“出来レース入札”疑惑 加計学園問題と同じ構図だった 9/26
本誌・週刊ポストが報じた安倍晋三・元首相の国葬の“出来レース入札”問題に新たな疑惑が浮上した。その内容に進む前に、国葬の入札に隠された問題点を整理しておきたい。
国葬の企画演出を受注したのは大手イベント会社「ムラヤマ」。現在は日本テレビホールディングスの100%子会社だ。同社は安倍氏が首相時代に地元後援会関係者を大量に招待して「税金を使った支援者への接待」と批判された首相主催の「桜を見る会」を5年連続で落札。安倍政権時代の桜を見る会は、回を重ねるごとに予算が高額化していったばかりか、業者選定では入札前に同社と内閣府の担当者が打ち合わせしていたことから国会で「官製談合」と追及された経緯がある。
今回の安倍氏の国葬の企画運営業者の選定は内閣府による一般競争入札で行なわれたが、参加したのがムラヤマ1社だったことから、野党側に「事実上の随意契約」と批判されているが、岸田政権は「特定の業者に便宜を図った事実は一切ない」(松野博一・官房長官)と主張してきた。
しかし、週刊ポスト取材班が国葬の入札説明書と関連資料を精査したところ、入札にあたって事実上、ムラヤマ1社しか参加できないような条件がつけられていることがわかった。
その条件とは、入札参加を希望する業者に提出が義務づけられた「履行体制証明書」に、次の項目を書き込まなければならなかったことだ。
〈過去5年以内に、皇族、内閣総理大臣、衆・参両院議長及び最高裁判所長官の全て又はこれと同等の出席があった式典等(要人等を含む1,000人以上が出席)における当該業務に類似する業務(企画・演出及び警備)を行った実績(1回以上)について〉
つまり、過去5年以内に国家的な式典の企画・演出、警備を行なった実績があることが入札に参加できる条件だった。そのことは、入札関連資料にこう書かれていることからもわかる。
〈内閣府は提出された履行体制証明書の確認を行い、その結果、確実な履行ができないと判断される場合、または履行体制証明書について虚偽の実績があった場合には、不合格とする〉
そこで週刊ポスト取材班が政府調達の公開資料などをもとに、条件に該当する国家的式典が過去5年間に何回開催され、どの企業が受注したかを調査したところ、今年5月に那覇市で行なわれた「沖縄復帰50周年記念式典」に係る企画・演出、運営及び警備を電通沖縄が受注していた以外、ほとんど「ムラヤマ」が受注していたことがわかった(「会場借り上げ」を受注したホテルや、式典の一部の設置作業や撤去のみを受注した企業を除く)。
この条件がある限り、事実上、ムラヤマ以外の会社が入札に参加することは困難だったと言える。
公契約関係競売入札妨害罪に該当する可能性も
さらに、この入札が法律的にも重大な問題があることがわかった。記事配信後、法律の専門家から次のような指摘を受けた。元東京地検特捜部検事で弁護士の郷原信郎氏が指摘する。
「ポストの書いた、安倍国葬儀の入札の疑惑に関心を持ち、私も検証しようと思っています。この問題は、発注側が特定の事業者に発注するために入札の条件を不当に歪めたのではないかという問題です。特定な相手を有利にし、かつ特定の相手を不利にする条件を設定し、特定の事業者に発注できるようにしたのではないかという疑いです。
これと似た案件として2014年に大阪地検特捜部が手掛けた国立循環器病研究センターの情報システム管理業務をめぐる不正入札事件があります。発注側の同センターの部長と受注したシステム会社の社長がいわゆる官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害罪の容疑で逮捕、起訴された。
裁判で争われたのが、発注条件の設定の仕方でした。特定者を有利にし、特定者を不利にする入札条件が不可欠だったかどうかという部分ですが、大阪地裁が2018年に有罪判決を出し、控訴審の大阪高裁も2019年に有罪判決を下して確定した。これにより、判例が出来ました。
これを今回の国葬儀の入札に照らすと、受注の条件として内閣府が設定した、5年以内に皇族・総理・議長・最高裁長官参加のイベントを行なった実績というのが、果して国葬儀の入札条件として『不可欠』であるかどうかです。
不可欠性が欠ける、不十分であるとしたら、『偽計又は威力を用いて、公の競売又は入札で契約を締結するためのものの公正を害すべき行為』があったとし公契約関係競売入札妨害罪に該当する可能性が生じ、官製談合防止法にも抵触する可能性が生じるということです。その判例があるからです。今回の記事の指摘は、法的にはここがポイントになります」
安倍氏の国葬入札につけられた「過去5年以内に国家的な式典の企画・演出、警備を行なった実績」が本当に必要だったのか。それを判断する上で、重要な証言がある。国葬入札(9月2日)の2日後、岸田文雄・首相自身が新潟での会見で国葬の業者選定についてこう語っていることだ。
「武道館でこうした事業を担うことができる業者というのは、4社ほどに限られているということも聞いている中で、今回入札が行なわれた。そして結果としてこの会社が落札したということであります」
政府側に国葬の企画演出をできる企業が「4社」あるという認識があったにもかかわらず、「5年以内の実績」という条件を加えたことでムラヤマ1社しか参加できなかった。だとすれば、この入札条件は「不可欠な条件」とは言えないのではないか。政府ぐるみの「官製談合」だった疑いがますます濃くなったのである。
加計学園問題との類似性
行政の公平・公正が大きく歪められたのは安倍政治の特徴だったと言える。森友学園問題では、安倍氏の妻・昭恵夫人が名誉校長を務める小学校の開設を予定していた同学園に近畿財務局が国有地を格安で払い下げた。
そして政府の業者選定にあたって、特定の法人に有利になるように条件(制度)を変えたのが、国会で大きな問題となった加計学園の獣医学部認可問題だ。その手法は今回の国葬入札に通じるところがある。
大学の獣医学部新設は1966年の北里大学を最後に過去50年以上認められていなかったが、政府は2017年に安倍首相(当時)の留学時代からの友人で「腹心の友」である加計孝太郎氏が経営する加計学園傘下の岡山理科大学に獣医学部(今治キャンパス)の新設を認可し、翌年、開学した。その経緯は強引なものだった。
愛媛県と今治市は加計学園からの提案を受けて獣医学部誘致を目指し、2007年から国に「特区」を提案していたが、文科省は「獣医師養成機能をもつ大学を特区制度で新設することは困難」と一貫して拒否してきた。
だが、第2次安倍政権が発足すると状況が一変する。安倍首相が「岩盤規制にドリルで穴を開ける」とアベノミクスの一環で特定の地域に限って従来の規制を大幅に緩和する「国家戦略特区」計画を推進すると、愛媛県と今治市は2015年6月、国に「国際水準の獣医学教育特区」を提案、そのわずか3週間後に安倍内閣は「日本再興戦略」の改定を閣議決定し、そこに「獣医師養成系大学・学部の新設の検討」を盛り込んだ。
その年の12月、国家戦略特区の第3次指定で「広島県及び(愛媛県)今治市」の指定がトントン拍子で決定した。そこにライバルが登場する。すでに国家戦略特区(関西圏)に指定されていた京都市が京都産業大学と組んで獣医学部新設に名乗りを上げたのだ。
安倍政権は“京都チーム”を排除するため、安倍首相を議長とする国家戦略特区諮問会議が獣医学部設置の地理的条件として、「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とする」という条件をつけた。
関西にはすでに大阪府立大学(現・大阪公立大学)の獣医学部があるが、四国には獣医学部を持つ大学はなかった。この条件で、事実上、獣医学部新設は今治市に絞られた。
そして2017年1月、今治市の国家戦略特区に新設する獣医学部の認可申請を受け付ける特例措置が告示されたが、受付期間はわずか8日間。申請したのは、加計学園(岡山理科大学)1校だけだった。こうして同年1月20日の国家戦略特区諮問会議で、加計学園を実施主体とする今治市での獣医学部新設が決定された。
前出の郷原弁護士は、「入札とは違うが、加計学園のケースも、政府が地理的条件を設定することによって京都産業大学を排除し、加計学園が獣医学部を設置できるようにしたと言えます」と指摘する。
今回の国葬入札は、特定の業者に便宜を与えるために行政の公平・公正な手続きをねじ曲げるという安倍政治の“負の遺産”を、岸田首相も受け継いでいることを示している。 
 
 
 
●玉川徹 
[1963 - ] テレビ朝日報道局の局員で、『羽鳥慎一モーニングショー』のレギュラーコメンテーター。かつては後述する前身番組でリポーターやディレクターを務めていた。
来歴
宮城県出身。仙台第二高校を経て、京都大学農学部農業工学科から京都大学大学院農学研究科修士課程へ進学。高校時代まではバイオテクノロジーに興味があったが、大学受験で希望が叶わず、京都大学では農業土木分野を専攻した。
『ドラえもん』(テレビ朝日制作のアニメ版)、『木曜スペシャル』(日本テレビ制作)、特撮番組などをテレビで見るのが好きであったことから放送業界を目指し、京都大学大学院修了後の1989年にテレビ朝日へ入社。『内田忠男モーニングショー』でアシスタントディレクター (AD) を経験した後、報道局の主任として『スーパーモーニング』などの番組でディレクターを務めた。
『スーパーモーニング』の後期に「ちょっと待った!玉川総研」という冠コーナーのリポーターを任されたことを機に、羽鳥慎一(日本テレビ出身のフリーアナウンサー)が総合司会を務める後継番組(『情報満載ライブショー モーニングバード!』→『羽鳥慎一モーニングショー』)でコメンテーターとしてレギュラーで出演。一部の曜日では「ちょっと待った!玉川総研」の流れを組む冠コーナー(「そもそも総研 たまペディア」→「そもそも総研」)のリポーターを兼務している。民放テレビ局のワイドショーにおいて、(アナウンス職・記者職の経験者や「解説委員」などの特別職ではない)制作局の現役正局員がレギュラー扱いでコメンテーターへ起用されることは異例である。
人物
テレビ朝日のワイドショーに制作者の立場で20年以上携わっているが、同局へ入社するまでは、当時のワイドショーで横行していた取材対象者の人権を軽んじる報道姿勢に強い違和感を抱いていたという。入社直後には「ワイドショーだけは担当したくない」という意思を当時の編成局長へ伝えたものの、最初に配属された『内田忠男モーニングショー』は、日本のテレビ局で最初に放送されたワイドショー(『モーニングショー』)の第9シリーズに当たる。しかし、ADとして配属されてからも、局内や他局のワイドショースタッフと一線を画していた。配属の直後に急逝した松田優作の取材を任されたところ、「(自分がテレビカメラで)撮りたくないものは撮らない」という理由から、いわゆる「特オチ」として局内で槍玉に挙がることを承知で(他局のワイドショーのスタッフが公然と進めていた)斎場の取材をあえて拒否したほどである。このような経験から『スーパーモーニング』以降のワイドショーで担当している冠コーナーでは「人間としての興味」を取材の起点に据えながら、従来のワイドショーではあまり扱っていなかった(政治経済などの)疑問や問題も盛んに取り上げている。その一方で、『モーニングバード!』以降のワイドショーでレギュラーコメンテーターへ起用されていることについては、「ワイドショーを作っている側(の人間)として、『地雷』(ワイドショーのコメントで踏み込んではいけない領域)を身をもって知っていることが評価されたのかも知れない」と語っている。
座右の銘は、レフ・トルストイの短編小説のタイトルでもある「光あるうち光の中を歩め」。
健康への意識が強い一方、「無駄に思えることでも、自分にとって合理的であれば許せるが、不合理に思えることはとにかく嫌い」と公言している。
血液型はA型だが、誕生日については自身の意向で公表していない。
批判された発言
2020年1月21日、『羽鳥慎一モーニングショー』放送内において、玉川は「取材しましたよ箕面。トンネル掘ったら水が涸れちゃって、少なくなって、滝の水が少なくなったと確か取材した。回復したのかな?」と発言。これに対し箕面市の倉田哲郎市長は、2006年に一部メディアで取り上げられた「箕面滝がトンネル工事により水量が減少した」とされる誤報(箕面滝#人工滝騒動参照)を受けたものと認識し、事実誤認であるとして抗議と発言の訂正を要求。これを受けてテレビ朝日は、同月24日の同番組放送内で事実誤認を認め、謝罪した。
『羽鳥慎一モーニングショー』における新型コロナウイルス感染症に関する一連の発言が、感染拡大と政府の対策について不安を煽っているとする批判があり、事実誤認による発言から騒動に発展し謝罪を行ったこともある。
また、同番組中で「僕、やっぱり感染症に関してはある種、煽ってるって言われるくらいでいいんじゃないかって、ずっと思ってやってきたんですよ。」とも発言している。
2021年5月11日の放送で、玉川徹は当時内閣官房参与であった高橋洋一について「内閣官房参与は総理に直接会って助言をする立場ですね。逆に言えば総理は助言を得るために国税を使ってわざわざ任命しているんですよ」と発言した。
これに対し高橋洋一は2021年5月12日に自身のYouTubeチャンネルを更新し、「玉川さんが『国費を払って官房参与やっているんだから』っていう話をしていたんだけど、私自身に対する国費はありません。すべての経費について私は頂いておりません」と玉川徹の誤りを指摘した。さらに高橋洋一は「誤解を受けるといけないから就任の時からちゃんと言ってる。一切のお金はいただきませんと」「資料請求ができるんでね。高橋何某について国費が払われているかどうかお問い合わせいただければ、一銭も払われてませんという回答があるだけ」「テレビで不正確なことを言ってしまう方が問題じゃないですか。報道っていうのはきちんと調べてから、不正確なことは言うべきじゃない」と玉川の発言を批判した。
2022年3月4日、『羽鳥慎一モーニングショー』放送にリモート出演した際、ロシアによるウクライナ侵攻について、死者数を減らすためには「ウクライナが引く以外にない」と、侵攻を受けたウクライナが、抵抗を続けずにロシアに対して早期に降伏すべきという発言を行った。番組中で玉川は、太平洋戦争における日本での原爆投下や沖縄戦を引用して、日本が早期降伏していればそれらの犠牲は無かったのではという仮説を出し、ウクライナの降伏について発言したが、これに対して、番組に出演していた東京大学先端科学技術研究センター専任講師で軍事評論家の小泉悠が、対外戦争を自ら開始して敗戦した日本と、突然ロシアに侵略されたウクライナの差異を指摘して『すぐに降伏すべきだ』『早く降伏しておくべきだ』というのは道義的に問題があると反論を行い、また「民主主義を守るために戦う」というウクライナ側の視点にも触れ、玉川の主張を否定。長嶋一茂からも、時代の違いや、ウクライナ国民の守るべきものの視点から否定された。
2022年9月5日、『羽鳥慎一モーニングショー』放送内において、エネルギー自給問題で石原良純との議論で、「エネルギーについて「自給しろってことですよ。」と発言した。それに対して石原は「再生可能エネルギーで全部まかなうなんてできるわけがない。」と発言したところ、玉川は「できます」と明言した。また石原が「そんなに安定した風力発電はできない。」と発言すると、玉川は「ちゃんとためることができさえすれば安定するんです。」と風力発電の問題は蓄電技術の問題だとした。問題解決策となる蓄電方法に関しては、「いろんなため方があるんです。日経新聞読んでれば、いろんな蓄電方法が出てる。」と発言した。原発の問題に関して玉川は、「原発の話をしたいと思うんだけど、そんなものをやったって、日本の中で火山や地震がこんなにある国で安全性なんか担保できませんよ。」と発言した。
菅義偉前首相の国葬での弔辞に対する事実誤認の発言と懲戒処分
2022年9月28日、『羽鳥慎一モーニングショー』放送内において、安倍晋三元首相の国葬での菅義偉前首相の弔辞について取り上げられた際、玉川は「自民党、内閣葬だった場合、テレビでこれだけ取り上げたりしない。国葬にしたからこそ、われわれは見る形になる。僕も仕事上見ざるを得ない状況」「例えれば自分では足を運びたくないと思っていた映画でも、連れられて行ったら『なかなか良かったよ』。映画作る方は胸に響くように作る。これこそが国葬の意図」と独自の持論を展開し、自身が「演出側の人間」としたうえで「それはそういう風に作りますよ。政治的意図がにおわないように。制作者としては考えますよ。当然これ電通入ってますからね」と何らかの演出があったと、事実に基づかない発言を行った。
この発言後ネットなどで批判が続出し、翌29日の同番組放送内で玉川は「電通は全く関わっていないということがわかりました。関係者の皆様、視聴者の皆様、訂正して謝罪致します。申し訳ありませんでした。」と事実誤認を認めて前日の発言を取り消し、謝罪した。
しかし、この発言に対する世論の批判は依然として収まらず、一部識者や自民党衆議院議員の細野豪志、同党参議院議員の西田昌司や和田政宗などからもSNSや動画配信で批判が続いた。SNSなどでは玉川の番組降板を求める意見もあり、また、テレビ朝日でかつて政治問題となった1993年の「椿事件」を引き合いに出し、その当時の戒めが生かされていないという手厳しい意見も散見された。
これを受けて、テレビ朝日は10月4日付で玉川に「(放送内で)事実に基づかない発言をした」として出勤停止10日間の懲戒処分を下したことを発表した(ただし、同日の放送は処分発表前のため、出演している)。また、報道局情報センター長、同センターチーフプロデューサー(羽鳥慎一モーニングショー担当)について管理監督責任を問い、譴責処分とした。テレビ朝日の篠塚浩社長は定例記者会見で「今後は再発防止に向けてさらに指導を徹底する。関係者、視聴者の皆さまに心からおわび申し上げる」と話し、電通にも謝罪したことを明らかにしている。玉川は同月19日の放送から同番組の出演再開予定となっている。
処分発表後の同月5日の放送で『モーニングショー』司会の羽鳥慎一が冒頭で経緯説明と謝罪を行ったうえで、玉川について「なぜ今回このような発言になったのかの説明を改めてするべき、そして謝罪をするべきだというふうに私は思っております」と発言している。  
 
 
 
 
 
 
   
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 


2022/10