コロナ禍 4回目の緊急事態宣言 

政治の無策
「国民の皆さん 不要不急の外出を控えてください」
相変わらずの 要請 お願い頼り

7/12-8/22 4回目の緊急事態宣言 東京・沖縄
8/2-8/31 東京・沖縄 埼玉・千葉・神奈川・大阪 宣言域拡大 東京・沖縄は期間延長
収束が見られない 感染者増加

8/20 緊急事態宣言 7府県追加 期間延長
8/27 緊急事態宣言 8道県追加
 


まん延防止等重点措置 / 6/216/226/236/246/256/266/276/286/296/30・・・7/17/27/37/47/57/67/77/8東京に宣言7/97/107/11・・・
4回目の緊急事態宣言 / 7/127/137/147/157/167/177/187/197/20・・・
7/217/227/237/247/257/267/277/287/297/307/31・・・
8/18/2 [6都府県に拡大]8/38/48/58/68/78/88/9・8/10・・・
8/118/128/138/148/158/168/178/188/198/20 [13都府県]・・・
8/218/228/238/248/258/268/27 [21都道府県]8/288/298/308/31・・・
蔓延防止等重点措置ロックダウン・・・

コロナ禍拡大 緊急事態宣言「おまじない」
●期間 8/20-9/12 緊急事態宣言 13都府県に拡大・期間延長
緊急事態宣言・・・東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、沖縄
8/20 追加・・・茨城、栃木、群馬、静岡、京都、兵庫、福岡 (7府県)
まん延防止等重点措置・・・北海道、福島、石川、愛知、滋賀、熊本
8/20 追加・・・宮城、山梨、富山、岐阜、三重、岡山、広島、香川、愛媛、鹿児島 (10県)
●期間 8/27-9/12 緊急事態宣言 21都道府県に拡大
緊急事態宣言・・・東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、沖縄、茨城、栃木、群馬、静岡、京都、兵庫、福岡 (13府県)
8/27 追加・・・北海道、宮城、岐阜、愛知、三重、滋賀、岡山、広島 (8道県)
まん延防止等重点措置・・・福島、石川、熊本、山梨、富山、香川、愛媛、鹿児島 (8県)
8/27 追加・・・高知、佐賀、宮崎、長崎 (4県)
 
 

 

●緊急事態宣言延長 国は躊躇せず予算投入を 6/21
新型コロナウイルス感染拡大に伴い10都道府県に発令されていた緊急事態宣言は20日で、沖縄県を除く9都道府県で解除された。一方で、人口10万人当たりの新規感染者数の全国ワーストが続く沖縄県は21日から7月11日まで、3週間の宣言延長期間に入ることとなった。
県内は学校の休校措置は明けるが、酒類提供店や飲食店には引き続き休業・時短営業が求められる。県をまたぐ往来の自粛も継続し、基幹産業の観光事業者は厳しさが続く。ここを乗り切るには、事業者や家計を支援する思い切った財政出動が必要だ。
県民が払ってきた努力を無にしないため、搭乗前PCR検査や陰性証明の義務化といった、ウイルスの移入を水際で食い止める感染防止策の徹底も急がれる。政府は約30兆円を前年度から繰り越しており、財源は十分にある。安全安心の確立のため、躊躇(ちゅうちょ)なく予算を投じることだ。
4月にまん延防止等重点措置に入って以来、飲食店の時短要請が長く続いている。時短要請に応じずに営業を続ける店舗もあり、事業者の間に不公平感も生じている。
営業の自由は過度に制約されるべきではない。一方で、高齢者などリスクの高い人への感染を防ぎ、救える命をきちんと救うという公共の福祉の観点から、コロナ対策に穴があってもいけない。医療体制が逼迫(ひっぱく)して必要な医療が受けられなくなる事態を避けるために、県民一致した取り組みが今しばらく必要だ。
取り組みへの協力を得るには、コロナ対策で打撃を受ける人たちへの補償や支援を十分に行うことだ。国は感染者の多い地域に対し、地方創生臨時交付金の増額や雇用調整助成金特例措置の延長を講じるなど、必要な財源をしっかりと担保してもらいたい。
観光最盛期の夏場を前に、7月11日の期限までに宣言を終えたいというのが業界の強い意向だ。観光客を安心して迎えるために、ゴールデンウイークの人流増加が感染拡大を招いた事態の再来は絶対に防がなければならない。
専門家でつくる新型コロナ対策分科会は、沖縄や離島に出発する前のPCR検査を航空会社が乗客に勧めるよう提起している。政府が東京五輪参加者への検査や外部との接触制限など対策を徹底して開催すると言うならば、国内の移動にも同様の対策を導入すれば感染は抑えられる。
感染防止対策と合わせ、ワクチン接種を加速させることが重要だ。県内の65歳以上の高齢者で1回目のワクチン接種を終えた割合(19日時点)は37・78%で、全国平均の44・33%を下回っている。
警察官や保育士、教員など、感染リスクにさらされながら社会基盤を支えているエッセンシャルワーカーへの接種も優先度が高い。広域接種会場の設置や職域接種の推進により、接種完了時期を早める取り組みが求められる。

●飲食店 悩みつつも前へ 6/21
新型コロナウイルス緊急事態宣言が21日、沖縄を除く全国9都道府県で解除された。都内では人数や時間などを制限すれば、酒類の提供も可能になる。新潟県魚沼市(小出)出身で東京・お茶の水でワインバルを経営する柳瀬浩栄さん(58)は、休業していた店を約2カ月ぶりに再開することを決めた。「制限はあっても店を開けられるだけでうれしい」と笑顔を見せる。ただ、ウイルス禍で「都心の風景が変わり始めている」と、憂いは消えない。先を見据えて悩む日々は続く。
柳瀬さんはお茶の水のオフィス街に「葡萄酒場ICHIGOYA」を構えて17年になる。11人入れば満席の小さな店だ。
4月末、3回目となる緊急事態宣言の発令に伴い、酒の提供ができなくなった。悩んだ末、「食事はワインと一緒に楽しんでもらいたい」と休業を決めた。昨年からこの事態を想定して融資を受けており、売り上げがなくなっても当面はやり繰りできることも決断を後押しした。
休業中も毎日店に来ているが、客との会話がなくなり、物寂しい日々が続いた。最近はインターネットで魚沼のローカルラジオを聞くのが楽しみだ。「新潟の情報が手に入るのはありがたい。今はラジオが友達」と笑う。
一方で、近隣では「我慢できずに」解除を前にして酒の提供を始めた店もある。その気持ちも痛いほど分かる。それでも「決まりはしっかり守りたい」と繰り返す。
休業中はテークアウトの充実などメニューの研究に取り組んだ。なかなか先が見えず「魚沼に帰ろうか」と頭をよぎったこともあったが、17日に宣言解除が決まり、胸をなで下ろした。
ただ、気がかりはある。店の常連客の多くは在宅勤務を続けているためだ。休業前に「久しぶりに出社したが、いつものメンバーがそろわないから行けない」と言われたことがあった。今後もテレワークが続くと、仕事帰りの客が来なくなるかもしれないという不安は拭えない。
都の調査では、4月時点で都内企業の56・6%がテレワークを導入。規模別でみると、従業員300人以上の大企業では8割近くが実施している。
都心から事務所を移す企業も出始め、繁華街や問屋街での飲食店の閉店も相次ぐ。日夜、人の流れが絶えず、夜遅くまで飲食店の明かりがともる都心の風景は変わり始めている。
「今までのやり方では駄目かもしれない。どうすればいいのか」。それでも、同世代の常連客や新潟県出身者など、店を支えてくれた客を大事にしていく気持ちは変わらない。
柳瀬さんは前を向く。「時代に合わせてやっていくのが仕事だ」

●コロナ緊急事態宣言の解除初日 施設再開、酒類提供自粛を緩和 6/21
10都道府県で発令された新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が21日、沖縄を除いて解除された。リバウンドが懸念される中、飲食店の酒類提供自粛などの制限が緩和され、休館していた施設などが再開する。
宣言から移行する7都道府県と首都圏3県の計10都道府県は、まん延防止等重点措置を適用。酒類提供は、人数や提供・滞在時間の条件付きとなり、自治体によって条件の内容が分かれた。
宣言最終日の20日、NTTドコモがまとめた午後3時時点の人出は、全国の主要駅や繁華街計95地点のうち、78地点で前週13日から増えた。解除が決まり、外出抑制効果が薄れた可能性もある。

●7都道府県、まん延防止等重点措置に 緊急事態宣言から移行 6/21
政府は、新型コロナウイルス対策として10都道府県に発令していた緊急事態宣言について、沖縄を除き期限の20日をもって解除した。このうち、東京や大阪など7都道府県は21日から宣言に準じた「まん延防止等重点措置」に移行。期限は宣言延長の沖縄を含め7月11日まで。政府は東京五輪・パラリンピック開催を見据え、リバウンド(感染再拡大)阻止に全力を挙げる。
西村康稔経済再生担当相は20日のNHK番組で、宣言解除地域の感染状況に関し、「(新規感染者が)増えてくれば対策を強化するしかない。病床の状況をよく見ながら、ちゅうちょなく緊急事態宣言の発動を考えたい」と述べた。
既に重点措置を適用中の5県のうち、首都圏の埼玉、千葉、神奈川は期限を7月11日まで延長する一方、岐阜、三重は解除。6月21日以降の重点措置の対象地域は計10都道府県となった。
宣言から重点措置への移行は初めて。対象は北海道、東京、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡の7都道府県。飲食店には午後8時までの営業時間短縮を要請。感染対策の徹底を条件に午後7時までの酒類提供を認める。ただ、知事の判断で制限を設けることも可能だ。岡山と広島は移行せず全面解除した。
重点措置の対象地域で、知事は時短を要請・命令できる。従わない事業者には20万円以下の過料を科す。

●緊急事態宣言解除 21日からまん延防止等重点措置に伴う対策 6/21
1か月余りにわたった緊急事態宣言は20日で解除され、21日から、まん延防止等重点措置に伴う対策が講じられます。
21日から来月11日までの期間、道は札幌市をまん延防止等重点措置の対象地域とし、通院や食料の買い出しなどを除いて不要不急の外出や移動を控えるよう要請を続けます。
市内の飲食店などには、午後8時までの営業時間の短縮を引き続き要請したうえで、同一グループの入店を原則4人以内とし、アクリル板を設置するなど一定の要件を満たせば、酒類の提供を午前11時から午後7時まで可能とし、要件を満たさない店では提供を行わないよう要請しています。
さらに、緊急事態宣言で「特定措置区域」に指定してきた石狩地方、小樽市、旭川市は「経過区域」として、飲食店などで営業を午後9時まで、酒類の提供は午前11時から午後8時までに短縮するよう要請しています。
また札幌市以外の市町村では、感染のリスクを避けられない場合、不要不急の外出や移動を控え、札幌市との不要不急の行き来は控えるよう要請しています。
【対策の詳細】
21日から来月11日までの期間、札幌市をまん延防止等重点措置の対象地域とします。
《札幌市》
札幌市内では、通院や食料の買い出しなどを除き不要不急の外出や移動を控えるよう要請を続け、不要不急の都道府県間の移動は、極力控えるよう要請しています。
飲食店などには、午後8時までの営業時間の短縮を引き続き要請したうえで、一定の要件を満たせば酒類の提供を午前11時から午後7時まで可能とし、要件を満たさない店では提供を行わないよう要請しています。
提供を可能とする要件は、同一グループの入店を原則4人以内とし、アクリル板の設置や、消毒や換気の徹底、2時間程度を目安とした滞在時間の制限や、大声での会話を避けるよう注意喚起を行うことなどです。
カラオケも利用しないよう要請しています。
イベントでは、人数の上限を5000人とすることなどを要請し、感染予防が徹底できない場合は、無観客やオンライン配信に加え、延期または中止を検討するよう要請しています。
学校では、運動会や体育祭、修学旅行などの行事を中止や延期、縮小することや、部活動は原則休止として、全国大会や全道大会につながる活動に限ることなどを要請しています。
ショッピングセンターなど建物の床面積の合計が1000平方メートルを超える大規模な施設では、生活必需品を除いて営業を午後8時までに短縮するよう要請しています。
事業者には、テレワークなどの徹底や、事業の継続に必要な場合を除き午後8時以降の勤務を抑制するなどの協力を依頼しています。
道と市の公共施設は原則、休館とします。
《石狩地方・小樽市・旭川市》
さらに緊急事態宣言のもとで札幌市とともに「特定措置区域」に指定してきた石狩地方、小樽市、旭川市は、「経過区域」として、飲食店などで、営業を午後9時まで、酒類の提供は午前11時から午後8時までに短縮するよう要請し、カラオケも利用しないよう要請しています。
《札幌市以外の市町村》
札幌市以外の市町村では、感染のリスクを避けられない場合、不要不急の外出や移動を控え、札幌市との不要不急の行き来は控えるよう要請しています。
不要不急の都道府県間の移動も、極力控えるよう要請しています。
イベントでは、人数の上限を「5000人」、または「収容人数の50%以内」のいずれか大きいほうとすることなどを要請し、感染予防が徹底できない場合は、無観客やオンライン配信に加え、延期または中止を検討するよう要請しています。
学校では、部活動は活動を厳選し感染対策を徹底したうえで実施し、難しい場合は休止することなどを要請しています。
事業者には、テレワークの徹底などに協力するよう依頼しています。
【支援金】
まん延防止等重点措置の対象地域となる札幌市で、時短要請に応じた飲食店などには、中小企業で売り上げに応じて1日あたり3万円から10万円、大企業で売り上げの減少額に応じて1日あたり最大20万円を支給します。
また、札幌市で時短要請に応じたショッピングセンターなどの大規模な施設では、施設に対し時短を行った部分の面積1000平方メートルごとに1日あたり最大20万円を、施設の一部を借りて営業するテナントなどには100平方メートルごとに1日あたり最大2万円を支給します。
さらに「経過区域」となる石狩地方、小樽市、旭川市で、時短要請に応じた飲食店などには、中小企業で、売り上げに応じて1日あたり2万5000円から7万5000円、大企業で、売り上げの減少額に応じて1日あたり最大20万円を支給します。

●21年5月の受診者数 11%増 緊急事態宣言下の受診控えはやや緩和 6/21
東京都や大阪府などで3回目の緊急事態宣言が出された2021年5月の医療機関受診者は前年同月比で11%増、コロナ以前の19年5月と比べると11%減だった。20年5月は1回目の緊急事態宣言が発令され、未曽有の事態に外出自粛する人が多かった。21年5月は前年同月よりも受診者数は増えており、緊急事態宣言下での受診控えはやや緩和されたといえそうだ。ただ、コロナ以前まで受診者数が回復していないことも確認された。
緊急事態宣言実施区域に指定された東京都、京都府、大阪府、兵庫県の5月の受診動向をみると、4都府県とも前年同月から受診者数は増加していた。東京都は17%増、京都府は7%増、大阪府は11%増、兵庫県は10%増だった。
これをコロナ以前の19年5月と比較すると、大阪府は11%減となり、緊急事態宣言実施区域の中で最も減少率の低い地域だった。ちなみに東京都は16%減、京都府は18%減、兵庫県は14%――だった。「大阪府は3月後半から新規感染者数の増加が始まり、5月にかけて新規感染者数の高止まりが続くなど、長期に渡って感染拡大の影響を受けた地域だが、医療機関の受診という側面での影響は他県と比べて大きかったという事実は見受けられなかった」。
全国の5月の受診動向を診療科別にみると、小児科は前年同月比で59%の大幅増となった。ただ、この大幅増は、小児科で20年5月に前年同月比50%以上の大幅減という受診抑制の影響を最も強く受けたことの反動でもある。同じく20年5月に受診抑制の影響が大きかった耳鼻咽喉科の21年5月の受診者数は前年同月比22%増となった。
これをコロナ以前の19年5月と比較すると小児科は25%減、耳鼻咽喉科は30%減で、依然として厳しい状況が続いている。
緊急事態宣言下に救命救急科の受診者数が減少する傾向がみられていたが、21年5月も19年5月比で31%減とすべての診療科の中で最も減少幅が大きかった。「医療現場のひっ迫具合を反映した結果かもしれない」。 

●広島県は緊急事態宣言解除 繰り返される自粛要請 6/21
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が21日に解除されたことを受け、広島県内の公共施設などが再開している。しかし県は依然、広島・東広島・廿日市の3つの市の飲食店に営業時間の短縮などを求めている。去年から繰り返される「時短要請」や「酒類販売」への厳しい制限に飲食店やその関係先からは悲痛な叫びが聞こえてくる。
広島テレビ・大江芳樹記者「広島市の動物園も営業を再開した。来園者を前にサル山のヒヒたちも元気いっぱい」広島市の安佐動物公園に、活気が戻ってきた。ゴールデンウイークの終盤の5月8日に休園して以来の再開。開園直後から親子連れなどが次々と訪れ、久しぶりに子どもたちの歓声が響いた。
子ども「フラミンゴ、フラミンゴ」
女性「娘がずっと来たがっていたので来られてよかった。キリンとかゾウが見られたらいいかな」
男性「きょう開園日っていうことなので狙って来た。子どもすごい喜んでいるので楽しい」
男の子「シロクマ…じゃないサイ!強そうだった」
広島テレビ・古江正彦記者「緊急事態宣言が解除されたことを受けて、原爆資料館はおよそ1か月半ぶりに再開された」原爆資料館も5月9日以来の再開。午前8時半の開館時間は通常通りで、入館する人数に制限は設けず、予約の必要もない。
観光客(長野市から)「昨日の夕方来て1泊して21日朝になるのを楽しみにして」
一方で苦境が続くのが飲食関連の業界。この酒の卸売り会社は、およそ1か月ぶりに飲食店への配達を再開した。
住田・青田裕治取締役「(緊急事態宣言が)長いなって思っていたんだが、今はもう楽しみ。でも(酒の提供が)午後7時までなので寂しいっていう半々」県が独自の集中対策とする、広島など3つの市での営業時間短縮の要請。広島市中心部では休業要請を含め、すでに40日を超える。繰り返される飲食店への「時短要請」や「酒の販売」への厳しい要請。営業を再開しても十分な客足は見込めず、不安が募る。
宵酔・古賀良暢さん「要請にしたがっても(酒類提供は)7時(まで)なので。前回の7時までの時はほとんど客が来なかったので。またお店に来るのかなという不安なところはある」1か月間休業していた、広島市内の和食店。協力金を申請せず、通常の営業に戻しての再開も考えたが、結論は営業時間短縮の要請受け入れ。しかし、繰り返され長期化する自粛の要請は、我慢の限界を超えている。
やま音・山根英輝店長「エリアは仕方ない部分はあるかもしれないが営業時間、酒類を提供する時間は厳しいというのは正直思う。何回もこのような休業・再開・休業・再開というのは正直しんどいし、本当に早めにこういう状況は終わらせてほしい」かたや、飲食店への時短要請が解除となった福山市。このホテルでは21日にビアホールが営業を始める。
広島テレビ・村田俊平記者「こちらのビアホールは営業開始に向けスタッフが最終確認をしている」例年の営業開始は5月だが、今年は緊急事態宣言を受けて1か月以上遅れての開店となった。そして新たに始めるのが「ワクチン割引」。接種の証明書を提示すれば、料金を800円割引する。
福山ニューキャッスルホテル・グランメゾンビアホール・山下弘藏店長「今までコロナで自粛している鬱憤を少しでも晴らしていただくというか楽しんでいただければ」いたちごっこの様に繰り返される感染拡大と、自粛要請。ワクチン接種という妙薬に大きな後れを取った日本の現実。

●飲食店、3割超が「廃業検討」 緊急事態宣言解除も先行き厳しく 6/21
東京商工リサーチが21日発表した新型コロナウイルスに関するアンケート調査結果によると、「廃業を検討する可能性がある」と答えた飲食店が33.9%に上った。前回4月調査から3.5ポイントの増加。感染防止策で東京都などに発令された緊急事態宣言が解除され、21日から条件付きで酒類提供が認められたが、先行きはなお厳しそうだ。
廃業検討の可能性があるとの回答は、飲食店のほか、宿泊業、結婚式場や劇場など生活関連サービス業で3割を超えた。商工リサーチは「宿泊や飲食などの対面型サービスはコロナ収束後も売り上げが大きく伸びるとは考えにくい」として、経営不安は当面拭えないとの見方を示した。

●酒類提供「やっと再開」 響く乾杯、飲食店に笑顔 6/21
新型コロナウイルスの感染対策をめぐり、東京都などで21日、「まん延防止等重点措置」が始まった。来店客の店内滞在時間の制限など条件付きながら久しぶりの酒類提供。繁華街では「乾杯」の声が響き、飲食店店主らは「やっと再開できた」と笑みを浮かべた。
「お客さまに会えるのは素直にうれしい」。東京・神田の立ち飲み屋オーナー、市道仁さん(46)は笑顔を見せた。緊急事態宣言が出た4月25日に休業。都の協力金などで生計を立ててきた。
都は重点措置で、客の滞在時間「90分以内」、同一グループの入店「2人まで」などの条件を設けた。市道さんは「回転率が上がり、売り上げ増につながる」と前向きに受け止める一方、酒類提供が午後7時までとされたことには「2次会向けの店はやっていけない」と憤った。
東京・新橋の居酒屋では、同僚と訪れたサラリーマンらが「乾杯」と声を上げた。久しぶりに元同僚と飲みに出たという女性会社員(49)は「観客を1万人入れて五輪を開催するのはいいのに、居酒屋には制限を課すのはおかしい」と首をかしげた。
同一グループは「4人以内」との条件が付いた京都府。鴨川の夏の風物詩「川床」を構える飲食店「先斗町魯ビン」(京都市)では、宣言発出で酒類提供を中断して以来、約2カ月ぶりにビールサーバーに水を通した。メンテナンス会社から「(重点措置を機に)営業再開した店舗の対応に追われ、時間通りに行けない」との連絡が入ったという。オーナーの市田絢也さん(40)は「お客さんに感染対策を呼び掛けるなどして、営業していきたい」と意気込んだ。
和食店「みます屋おくどはん」(同市)を同僚と2人で訪れた20代の女性会社員は「数カ月ぶりでうれしい」と笑顔。ただ、宣言解除後も街の雰囲気に変化を感じないといい、「営業時間も同じだし、(宣言中に)お酒を出してもよかったのではないか」と話した。

●緊急事態宣言解除で観光施設など営業再開 6/21
道内各地では札幌との不要不急の行き来を控えることなどが求められていますが、緊急事態宣言の解除でさまざまな活動を再開する動きが広がっています。
登別市の「のぼりべつクマ牧場」は、北海道に緊急事態宣言が出されたため先月17日から臨時休園をしていましたが、宣言の解除を受けて21日午前9時半に営業を再開しました。クマ牧場によりますと、21日午前中に訪れた人は例年の4割程度だということですが、訪れた観光客は大人のクマにエサをあげたり、1歳の子グマを眺めたりして楽しんでいました。愛知県から訪れた男性は「すごくかわいくて、来ることができてよかった。私たちが感染予防に努めながら許容範囲内で出かけることができればいいと思う」と話していました。のぼりべつクマ牧場総務課の吉田廣勝係長は「まだまだコロナの感染が収まっていない状況なので、マスクや消毒を徹底したうえで来園してほしい」と話していました。
「札幌もいわ山ロープウェイ」を運行する札幌振興公社は、北海道に緊急事態宣言が出された先月16日から、ロープウエーをはじめ、レストランや土産物店などをすべて休業していましたが、21日、ひと月ぶりに営業を再開しました。ロープウエーのチケット売り場には、午前11時半の運行再開前から待ちかねた人たちが訪れ、チケットを買い求めていました。
函館市本町の居酒屋「いか清」では、緊急事態宣言の期間中は営業時間を短縮していましたが、解除を受けて21日からは営業時間を通常どおりの午後5時から午前0時までに戻しました。今月はスルメイカ漁が解禁され、例年であればこの店でも売り上げが伸びる時期だということですが、緊急事態宣言の影響でことしは例年に比べて売り上げが半分ほどに落ち込んでいるということです。宣言の解除を受けて、函館市では21日から午後7時以降も酒類の提供が可能になり、この店にも予約が入っているということですが、店からは客足の回復に期待する一方、感染が拡大することへの不安の声も聞かれました。「いか清本店」の室田秀文店長は「営業時間が通常どおりに戻りお客さんも徐々に増えると思いますが、多くの人が来て従業員に感染しないか不安もあります。感染対策を徹底しながら営業を続けていきたいと思います」と話していました。

●宣言の延長に必要な275億円 補正予算案をあす審議 沖縄県議会 6/21
沖縄県議会は21日、議会運営委員会(當間盛夫委員長)を開き、22日に玉城デニー知事が追加で提案する第10次補正予算案を審議することを決めた。新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言延長に必要な約275億円が対象。これに伴い、予定していた22日からの代表質問と、25日からの一般質問を、それぞれ日程を変更する。
代表質問は6月24、25日の2日間、一般質問は、28から30日と、7月1日の計4日間実施する。
第10次補正予算案については、緊急事態宣言延長前の20日に審議するよう県が求めていたが、与野党で意見がまとまらず、日程が決まっていなかった。

●緊急事態宣言解除・まん延防止措置に移行で福知山城2カ月ぶりに再開 6/21
京都府に発令されていた新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除され、21日から「まん延防止等重点措置」(7月11日まで)に移行した。重点措置地域に指定されなかった福知山市では、酒類の提供が午後8時30分まで認められ、これを機に営業を再開する飲食店が多い。ようやく再開する観光施設もあり、20日には来店客や来館者を受け入れる準備に追われた。
内記一丁目の福知山城が21日、約2カ月ぶりに開館し、さっそく観光客らが訪れた。同時入場50人という制限はあるが、横山晋館長(60)は「ようやく再開することができ、とてもうれしい。感染対策をしたうえで、来館者をしっかりもてなしたい」と喜んでいる。
城は、3度目の緊急事態宣言が発令された4月25日から休館。閉館していた多くの公共施設が、5月31日に利用可能になったが、城は市外から多くの誘客が見込まれるため、再開が見送られていた。
休館中は、「城は開いているのか」といった問い合わせが一日に2、3件、多い日で10件ほどあったという。遠方から訪れて現地で休館を知り、諦めて帰る人もいて、「とても心苦しかった」と横山館長は話す。
一方で、いつ開館しても良いように、職員たちは登城坂の落ち葉拾い、植え込みの草刈りなどをして、周辺の環境美化に努めたほか、普段はなかなか手が回らない倉庫の整理などもした。
また再開に合わせ、登城坂に「明智光秀が築いた城下町福知山」「麒麟のいるまち福知山」と書かれたのぼり旗2種類計9基を、新たに設置。いずれも光秀の家紋の桔梗紋があしらわれていて、来館者を出迎えた。
横山館長は「約2カ月間もお待たせし、申し訳ありません。安心安全に配慮し、城を見ていただけるようにするので、市内観光も楽しんでもらえれば」と話している。
市佐藤太清記念美術館も、同時入場40人の制限を設け、同日から開けている。城、美術館はいずれも火曜日休館。

●緊急事態宣言最終日の20日 多くの地点で人出増加 6/21
東京や大阪など9の都道府県では緊急事態宣言が解除されましたが、20日、日曜日の人出は多くの地点で前の4週間の土日の平均よりも増加しました。
NHKは、IT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使って、20日まで緊急事態宣言が出されていた9都道府県と、宣言が続く沖縄県で主な地点の人の数を分析しました。
分析した時間は、日中が午前6時から午後6時まで、夜間が午後6時から翌日の午前0時までです。それによりますと、20日は多くの地点で前の4週間の土曜日、日曜日の平均よりも増加しました。
各地点の増加率は、渋谷スクランブル交差点付近で日中は25%、夜間は33%、東京駅付近で日中は1%、夜間は11%、大阪梅田駅付近で日中は23%、夜間は19%、神戸市の三ノ宮駅付近で日中は13%、夜間は21%、京都駅付近で日中は17%、夜間は10%、札幌駅付近で日中は2%、夜間は13%、岡山駅付近で日中は34%、夜間は40%、博多駅付近で日中は27%、夜間は17%でした。名古屋駅付近は日中は12%増加しましたが、夜間は2%減少、広島駅付近は日中は12%、夜間は5%それぞれ減少しました。緊急事態宣言が続く沖縄県では、那覇市の県庁前駅付近で日中は18%、夜間は19%それぞれ減少しました。
 
 
 

 

●酒解禁の東京、大阪 夜の人出微増 緊急事態宣言の沖縄は減 6/22
東京や大阪など7都道府県で、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言から蔓延(まんえん)防止等重点措置に移行した21日、酒類の提供が約2カ月ぶりに解禁された。宣言解除による影響が心配されたが、東京や大阪の繁華街では夜の人出は前週と比べて微増にとどまった。一方、緊急事態宣言の発令が継続している沖縄では、夜の人出は減少した。
システム会社「アグープ」によるスマートフォンの位置情報を基にしたデータの分析を用い、東京・新橋、大阪・ミナミ、沖縄・国際通りの3カ所で、21日と前週の14日の午後5時以降の人出を比較した。
重点措置に移行した地域では、飲食店での酒類提供も条件付きで7時まで認められるようになった。
21日午後9時台の人出は、前週と比較し、新橋で118・1%、ミナミで109・6%と微増。重点措置への移行で一部の制限が緩和されたものの、慎重な行動を取った人が多かったとみられる。一方、緊急事態宣言が7月11日まで延長された沖縄では、21日午後7時台には前週の83・6%、9時台も84・0%と、人出は減少していた。

●大阪 緊急事態宣言解除も医療現場からは「第5波」を警戒する声  6/22
一時、危機的な状況に陥った大阪の医療提供態勢は、重症病床の運用率がおよそ35%となるなど改善されつつあります。しかし、インドで確認された変異ウイルスの感染拡大の兆しが見えるほか、PCR検査の数も減っていないことから、医療現場からは「第5波」の発生を警戒する声が上がっています。
新型コロナの中等症の患者を受け入れている大阪市立十三市民病院では、4月下旬から先月上旬のピーク時には、70床のうち61床が埋まり、受け入れはほぼ限界の状態が続いていましたが、現在、入院患者数は、23人にまで減少しています。それでも病院では今も病床数をピーク時と同じ、70床を確保しています。背景にあるのが第5波への備えです。西口幸雄病院長が、重視しているのが、症状を訴えるなどしてPCR検査に訪れる人の数が減少していない実態です。
大阪府内の新型コロナの検査件数は、日によって変動はあるものの、1週間単位でみると、今月第1週は1日当たりおよそ1万件、第2週は1日当たりおよそ1万1100件、第3週は1日当たりおよそ1万0300件と、いずれも1万件を超えています。
3月に2度目の緊急事態宣言が解除された際にも、入院患者は減ったものの検査に訪れる人が特に若い世代で増えるなど、今と類似した状況だったとしています。
さらに大阪など各地で人出が増えていることが、感染の再拡大につながりかねないとして、西口病院長は「今の状況は、前回の宣言が解除された3月の状況とよく似ている。前回はイギリス変異株で感染者が大幅に増えたが、今回もインド変異株の影響で今後、同じように感染の急拡大が起きることを心配している。ワクチンもまだ十分に接種が進んでいない状況で、『第5波』は来ると思っている」と警戒を強めています。
そのうえで「今後、万が一、感染が拡大したときに備え、常に病床を確保し、受け皿になろうとしているが、やはり、人の流れを抑えないと感染拡大は防げない。解除後も、ワクチンが行き渡るまでは今までどおり、手洗いやマスク着用、3密を避けこととに注意してもらいたい」と呼びかけています。

●緊急事態宣言解除後初の夜「喜びと不安」広島 6/22
どんたく本店末永正店長 「うちのお店に足を運んでいただけるような状況になってきたということに関しては大変ありがたく思います。これからも頑張っていかないといけないなという気持ちも新たになっております」
緊急事態宣言が解除されて初めての夜。広島市中心部の飲食店では21日約1カ月半ぶりの営業再開にむけ準備が進められていました。ただ、県が広島市と東広島市・廿日市市の飲食店に対し、来月11日まで営業や酒類の提供時間を短縮するよう要請。このお店の営業も午後8時で終了したということです。
末永店長 「完全解除というわけではないので、今後のことを踏まえた上では不安がいっぱいといった状況ですね、今の状況、コロナ禍で感染を防ぐということに関して言えば、必要なのかなと思う」
こちらのお好み焼き店も午後8時までの時短で営業を再開。
利用客 「待ちわびとった、全然飲んでないからQ:どうですかお店で飲むビールは?最高ですね、最高です」
久々に外で飲めるお酒に喜ぶ利用者がいる一方、店長の思いは複雑です。
お好み焼き・鉄板焼き 勝ちゃん田崎勝議店長 「やっぱり時間が短すぎますね、せめて10時ぐらいまでとかに伸ばしてもらえればよかったと思うんですけど、サラリーマンさんは仕事が今終わって、終わってすぐもうお酒が飲めないという感じが多いので…」
お店を再開しても「稼ぎ時」の時間帯は営業できないからです。
店長 「とにかく早くコロナが収束して、お客さんが戻ってきてくれて、日常の生活ができるようにみんなが協力してこの飲み屋街が復活して活気が戻ればいいなと思います」
一方、県の要請をうけない福山市。多くの店が通常通りに営業を再開しました。
高橋勇介記者リポート 「緊急事態宣言が解除され福山市のホテルではビアホールがオープンしています」
本来なら先月10日から営業するはずでしたが、緊急事態宣言などで延期され、21日、2年ぶりにオープンしました。席数を例年の3分の1に減らしたほか料理やお酒をワゴンで運ぶサービスを追加するなど新型コロナ対策を行っています。そしてこんなサービスも…
福山ニューキャッスルホテル荒木良安総支配人 「ワクチンの接種完了された方にも割引をさせていただくというご用意もさせていただいております。2回のワクチン接種を終えた人には通常5000円の料金を4200円にする「ワクチン割り引き」も始めました。」
利用客 「飲める人にとってはとてもいいんじゃないですかねこんなパネルがあって感染防止の対策にはなってますし」「安心感がありますねやはりたのしくのめてうれしいですね」
福山ニューキャッスルホテル荒木良安総支配人 「感染対策を万全にいたしましてお客様をお迎えさせていただいておりますのでどうぞご安心してお越しいただきましてホテルの料理、ドリンクをお楽しみいただきたいと思います」
このビアホールは9月末まで営業する予定です。

●沖縄慰霊の日前夜祭 緊急事態宣言で関係者のみ参列 犠牲者追悼 6/22
太平洋戦争末期の沖縄戦で犠牲となった人を悼む「慰霊の日」(23日)に開かれる沖縄全戦没者追悼式の前夜祭が22日、糸満市摩文仁(まぶに)の沖縄平和祈念堂であった。沖縄県には新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令中で、関係者のみが参列。76年前の犠牲者を追悼して平和を祈った。
前夜祭では、平和の祈りが世界の「七つの海」を渡って響くようにとの思いを込めて「平和の鐘」が7回鳴らされ、主催する公益財団法人「沖縄協会」の関係者ら約10人が黙とうした。 日没後には平和祈念公園の「平和の礎(いしじ)」に刻まれた日米など5カ国・地域の犠牲者をしのんで、公園内で5本のサーチライトが「平和の光の柱」として夜空に向かって放たれた。

●緊急事態宣言解除 大阪 天王寺動物園が営業再開 6/22
緊急事態宣言の解除を受け、休園が続いていた大阪の天王寺動物園は22日から営業を再開しました。
天王寺動物園は、緊急事態宣言を受け4月24日からおよそ2か月にわたって休園していましたが、解除されたため22日から営業を再開しました。
22日は家族連れなどが訪れ、ホッキョクグマの展示場の前では久しぶりに見る姿に「かわいい」と言いながら写真を撮る様子も見られました。
動物園では、感染防止策として入り口での検温や休日の入園制限を実施しているほか、人気動物の展示エリアでは職員を配置するなどして密にならないよう呼びかけています。
三重県から家族で訪れた42歳の女性は、「動物園に行きたいとずっと言っていた5歳の息子が、走り回っている姿を見て、連れてこられてよかったなと思いました」と話していました。
天王寺動物園の向井猛 園長は、「再開して素直にうれしいです。休園中は動画を配信していましたが、実際に来園して動物たちのダイナミックな姿を見てもらうことで動物園としての役割を果たせると思います。感染対策にも引き続き力を入れたいです」と話していました。

●解除後の意識は?観光客や市民も気の緩み無し 第5波へ警戒 鳥取県 6/22
新型コロナの第4波が収まりつつある中、緊急事態宣言がほとんどの地域で解除されました。人々の新型コロナに対する意識に変化はあったのでしょうか?
勝部正隆記者 「鳥取砂丘です。県内屈指の観光地は御覧のように観光客の姿がほとんど見られません」
2回目までの緊急事態宣言では、解除後の気の緩みが指摘され、その後の感染再拡大の要因ともなりました。今回はどうなのでしょうか?数少ない砂丘の観光客にマイクを向けると…。
観光客 「不安がずっと続くことになると思う」「車の中にも入れているし、カバンの中にも消毒液を入れて持って歩いている。私の周りの人はそんなに緩んでいないと思う」
一方鳥取空港。東京から鳥取に到着した人達は・・・。
Q宣言解除前と解除後に東京で街の変化はあったのか?
搭乗客 「人の動きは変わっていないという印象がある」
Q自身に気の緩みは?
搭乗客 「マスクとか手指消毒は心がけてやっている」
地元・鳥取市内でも聞きました。
市民 「鳥取の人は感染の拡大を警戒しているように感じる」「また前のようになって出かけにくくなったりしないように、自身は注意を心がけている。このまま感染者が減っていって夏のお祭りができるようになるとうれしい」
忍び寄る第5波の脅威・・・。緊急事態宣言は解除されたとはいえ、これまでとは異なり、今のところ人の流れや意識に変化は小さいようです。

●「緊急事態宣言」から「まん延防止」へ 酒類提供で繁華街にぎわう 兵庫県 6/22
20日までで緊急事態宣言が解除され、21日から神戸市などの飲食店では条件付きで酒類の提供が可能になっています。兵庫県では21日から神戸市など15の市や町に「まん延防止等重点措置」が適用されました。
対象地域で酒類を提供する飲食店への要請は休業から時短営業に緩和され、繁華街では外食を楽しむ人の姿が多く見られました。兵庫県は酒類の提供は平日限定で午後7時まで、1グループ4人以下などの条件を付けています。 「まん延防止等重点措置」は、7月11日までの予定です。  
 
 
 

 

●沖縄慰霊の日 緊急事態宣言下、平和へ誓い新た 6/23
沖縄は23日、太平洋戦争末期の沖縄戦犠牲者を悼む「慰霊の日」を迎えた。76年前のこの日、多数の住民を巻き込んだ地上戦の末、旧日本軍の組織的戦闘が終結したとされる。糸満市摩文仁の平和祈念公園では県主催の「沖縄全戦没者追悼式」が開かれ、参列者は平和への誓いを新たにした。
式には遺族代表や玉城デニー知事らが参列し、犠牲者に黙とう。知事は平和宣言で、米軍普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古への移設反対の立場から「来年本土復帰50年という節目を迎えるに当たり、目に見える形で過重な基地負担の解消を図ってほしい」と訴えた。
菅義偉首相はビデオメッセージで「基地負担の軽減に向け、一つ一つ、確実に結果を出していく」と決意を述べた。
同県には新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発令されており、2年連続で式の規模を縮小した。参列者は昨年の約160人を大幅に下回る36人にとどめ、菅首相の招待も見送った。式では同県宮古島市立西辺中学校2年の上原美春さん(13)が平和の詩を朗読した。
国籍や軍民を問わず、沖縄戦の戦没者名を刻んだ石碑「平和の礎(いしじ)」には41人が追加刻銘され、2021年度の総数は24万1632人となった。
沖縄戦は1945年3月26日、米軍が沖縄・慶良間諸島に上陸して始まり、同年6月23日、旧日本軍の司令官が自決し組織的戦闘が終結したとされる。日米双方で計20万人超が死亡し、うち一般住民の犠牲者は推計約9万4千人に上る。

●千葉・南房総で海水浴場開設へ 緊急事態宣言で中止の可能性も 6/23
昨年、千葉県内で開設が中止された海水浴場について、南房総市は22日、今夏は8カ所で開設すると発表した。安房地域は館山市も開設を決め、鴨川市、鋸南町は開設する方向で準備を進めている。山武市など九十九里海岸沿いでは中止する自治体が相次いでおり、地域で対応が分かれた。
南房総市によると、最も早い和田浦は7月17日、最も人出の多い岩井は同20日、塩浦や南千倉など5カ所は同23日に開設する。いずれも開設期間は31日間。ただし、新たに緊急事態宣言が都や千葉県に出された場合や、ライフセーバーに感染者が出た場合などは、開設期間中でも開設中止とする可能性があるとしている。また、2019年に開設した多田良北浜と豊岡の2カ所はライフセーバーが準備できず、開設を見送った。
同市の19年の海水浴客の入り込み客数は、県内では勝浦市に次いで2番目に多い13万8623人。20年は海水浴場の開設は中止したものの、海岸を巡回した監視員が確認したところ、7月23日から8月23日までの間、5万6555人の利用が確認されたという。
会見した石井裕市長は「観光事業者を中心に景気が落ち込んでおり、昨年5万人が訪れた現状も踏まえ、開設という判断に至った」と話した。
安房地域3市1町の19年の海水浴場の入り込み客数は約31万5000人と県内の地域別では最も多かった。館山市は7月22日から8月22日まで市内4カ所で開設する。

●嵐・二宮和也 緊急事態宣言下に秋田県の「妻の実家」里帰り 6/23
嵐のメンバーで俳優の二宮和也(38)が公私ともに充実した日々を過ごしている。嵐の活動は昨年末をもって休止となったが、二宮は冠番組「ニノさん」(日本テレビ)を継続しており、3月には、2019年に結婚した元フリーアナウンサーのAさん(40)との間に待望の第一子(長女)が誕生したことを発表。4月から配信が始まった二宮和也のユーチューブ「ジャにのちゃんねる」の登録者数はすでに250万人を超えた。同チャンネルには、事務所後輩の中丸雄一(KAT-TUN)、山田涼介(Hey! Say! JUMP)、菊池風磨(Sexy Zone)ら、二宮と気の合うメンバーが集結している。6月17日は、二宮の38歳のバースデーだったが、午後8時から同チャンネルで「緊急生配信!!!! 祝!二宮和也誕生日!!」と題して、二宮の誕生日を祝う様子が生配信され、多くのファンの祝福を受けた。
その翌日――。6月18日から、二宮は妻の生まれ故郷である秋田県秋田市に妻子を連れて里帰りしていた。
6月18日に妻と生後3カ月の愛娘とともに秋田入りした二宮。妻の実家に娘を預けると二宮がハンドルを握り、2人きりでドライブデート。ショッピングモールでベビー用品などを買い求め、途中で二宮が好きなマクドナルドでドライブスルーを利用するなど、人目につきやすい東京都内では不可能なのんびりデートを満喫した。
翌19日は二宮がジャニーズに入所してちょうど25年の記念日。大勢のファンがSNS等で祝福したが、その日も二宮の姿は秋田にあった。
「Aさんのお宅を身内の方が訪問していたようで、ご自宅前には車が駐車されていました。夜遅くまで電気がついていて、周辺に聞こえるぐらいの笑い声が響いていましたよ」(近隣住民)
2晩をAさんの実家で過ごし、帰京したのは6月20日だった。「父の日」にあわせ、Aさんの父に孫娘をお披露目するためにこの日を選んだのかもしれない。
ただ当時、東京都には緊急事態宣言が出されており、不要不急の外出や県をまたぐ移動の自粛が強く要請されていた。また、秋田県の佐竹敬久知事は6月11日に、県民に向けてこんな切実なメッセージを出していた。
〈県外との不要不急の往来については、十分に控えていただければ幸いです。デルタ株が県内に入り込みますと、非常に深刻な状況になりますので、県外、特に東京都等との往来は十分に注意するよう、重ねてお願いします〉
二宮の行動について、ジャニーズ事務所に見解を尋ねたが、回答はなかった。
6月23日(水)16時配信の「週刊文春 電子版」および6月24日(木)発売の「週刊文春」では、二宮とAさんの秋田での様子や、二宮が憧れる同事務所の先輩・木村拓哉(48)との関係などについて、5ページ(グラビア含む)にわたって報じている。

●“過度の疲労”小池知事が入院 コロナ対応に影響は 6/23
過度の疲労により、今週いっぱい公務を離れると発表した東京都の小池知事。コロナ対策などへの影響はあるのでしょうか。
22日夜、突然発表された東京都の小池知事の「静養」。「過度の疲労」により、27日日曜日まで公務を離れることが決まりました。
自民党・石破元幹事長「そりゃあ大変だったと思いますよ。知事さん1人しかいないわけだしね。首都東京だしね。コロナはあるわ、オリンピックはあるわ、パラリンピックはあるわ。それはもう普通の人だったら、倒れてますよね。よく小池さん、ここまでやれてきたなと思いますけど」
加藤官房長官「大変驚きましたが、しっかりと静養をして公務に復帰されることを祈念をしているところであります」
また、こんな話も…。
自民党・森山国対委員長「長年大事にしてこられた愛犬が失われたということもあり、非常におつらいお気持ちもおありになったんだろうなと」
さらに、25日に告示となる都議会議員選挙を巡って、小池知事が特別顧問を務める「都民ファーストの会」との間でオリンピック・パラリンピックを巡る、“意見のズレ”が指摘されるなど、心労が絶えない日々が続いていたとみられます。
丸川オリンピック・パラリンピック担当大臣「きっと無理して頑張ってらっしゃったのかと思います」
22日の小池知事、体調が思わしくありませんでした。声がかすれる様子が度々、見られました。この約4時間後、小池知事は都内の病院に検査入院しました。
都関係者「一見して分かるほど、かなり疲労している様子でした。仕事人間なので、毎週末出てきて幹部で打ち合わせをしていますが、静養もやむを得ないほどの体調だったのだと思います」
新型コロナウイルスの感染は確認されていないということですが、万が一、静養が長くなった場合には、都民への協力を求める「発信力」を心配する声も上がっています。
大会組織委員会・橋本会長「まずはしっかり回復に専念頂いて、また、本大会に向けて一緒にラストスパートを切りたいと思っております」
オリンピック開幕まであと30日。現在、公務は多羅尾副知事が代理を務めています。
 
 
 

 

●まん延防止と沖縄の緊急事態、来月8日までに解除の可否判断 6/24
政府は、新型コロナウイルス対策として東京や大阪など10都道府県に適用している「まん延防止等重点措置」と沖縄県に発令中の緊急事態宣言について、来月8日までに解除の可否を判断する方向だ。宣言と重点措置の期限はいずれも来月11日。飲食店への休業や営業時間短縮の要請などにかかわるため、一定の周知期間を設けることにした。
これに関し、自民党の森山裕国会対策委員長は23日、衆参両院の議院運営委員会を来月8日に開き、今回の宣言と重点措置の取り扱いについて政府から説明を受けるとの見通しを示した。
来月23日に開幕する東京五輪は、会場の観客数上限を1万人とすることが決まっている。大会組織委員会などは、今後の感染状況によっては無観客とすることも視野に入れている。

●東京、3カ月ぶり転出超過 緊急事態宣言影響か―総務省 6/24
総務省は24日、5月の住民基本台帳人口移動報告を発表した。東京都からの転出者が転入者を661人上回り、3カ月ぶりに転出超過となった。新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言の発令が影響したとみられる。
都内へ転入した人は前年同月比26.7%増の2万8535人、転出した人は同23.7%増の2万9196人。1回目の緊急事態宣言が発令されていた昨年5月、都では外国人を含む集計を始めた2013年7月以降初めて転出超過を記録。進学や就職に伴う人の移動が多い今年3、4月は転入超過だった。
一方、東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川4都県)では、3884人の転入超過だった。

●福井県が県独自の「緊急事態宣言」を発令 7月8日まで 6/24
福井県は、拡大するコロナ感染を受けて、県独自の「緊急事態宣言」を発令した。期間は、6月24日から7月8日まで2週間。

●緊急事態宣言受け運休していた知床の観光船 夏の運航再開 6/24
北海道に緊急事態宣言が出たことを受け運休していた知床の観光船が、運航を再開しています。
観光船「おーろら」は毎年、冬の間はオホーツク海の流氷観光を行い、春から秋にかけては世界自然遺産の知床半島をめぐります。
道内に緊急事態宣言が出たため先月16日から1か月運休していましたが、今月19日から夏の運航を再開しています。
船内は、消毒や室内の換気を徹底するなど感染対策をとっていて、23日は、道内外の観光客50人あまりが乗り込みました。
船は、斜里町ウトロを出港し、切り立った崖のそばをゆっくりと進み、オホーツク海に注ぐカムイワッカの滝や知床岬をめぐりました。
野生のヒグマやイルカも姿を現し、観光客は知床の雄大な海からの景色を写真に撮っていました。
友人2人と訪れた岐阜県の60代の女性は「知床は最高です。知床岬が見られたし天気も良かったです。イルカも見ました。また来たいです」と話していました。
「おーろら」の運航会社の大木俊和船舶部長は「感染防止対策をしていますのでコロナ禍で疲れた心身を知床の大自然で癒やしに来てください」と話していました。
知床の観光船は10月下旬まで運航します。

●記憶の継承、世代を超えて 緊急事態宣言下の慰霊の日 戦没者に祈り 6/24
戦後76年を迎えた「慰霊の日」の23日、沖縄全戦没者追悼式(主催・県、県議会)が糸満市摩文仁の県平和祈念公園であった。新型コロナウイルス緊急事態宣言下で、式典の規模は大幅に縮小。冷たい雨が降る梅雨空の下、園内の平和の礎や市米須の魂魄(こんぱく)の塔には、癒えることのない悲しみを胸に手を合わせる戦争体験者や遺族の姿が絶えなかった。県内は20万人を超える戦争犠牲者を悼み、世代を超えて継承と平和を誓う静かな祈りに包まれた。
式典参列者は、新型コロナ対策で昨年の161人からさらに少ない36人。県民は参加できなかったが、それでも会場の外から100人余の人々が傘を差して見守った。朝から断続的に続いた雨は式典が始まると激しさを増し、正午の時報に合わせた黙とう時は、会場テントに打ち付ける雨の音だけが響いた。
玉城デニー知事の平和宣言に聞き入り、中学生の平和の詩に何度もうなずいた比嘉ハツ子さん(83)。菅義偉首相のあいさつになると ・・・

●早くも第5波? “司令塔”小池知事不在の影響は 6/24
感染者が4日連続で前の週の同じ曜日を上回った東京。早くもリバウンドの兆候が。
日に日に警戒感は高まっています。
感染力の高いインド型の変異ウイルス。京都大学の西浦教授らは、東京オリンピックが開幕する7月23日には国内で7割近くを占めるという試算をまとめました。
同じく「まん延防止措置」に移行した大阪府。感染者は100人前後を行き来しています。
新たに1人の感染が確認されたウガンダ共和国の選手団。PCR検査に携わっていた大阪府泉佐野市の職員4人も濃厚接触者の疑いがあるとして自宅待機となっています。
東京は増加傾向が続きます。
感染状況を分析するモニタリング会議。新規陽性者数は2週続けて増加となっています。インド型の変異ウイルス「デルタ株」については、3.2%だったものが1週間で8.2%と倍増しました。
“司令塔”不在のなか、代役を任された多羅尾副知事が人流の抑制を呼び掛けました。
疲労で入院した小池都知事。長年の盟友も心配していました。弁護士で、小池知事就任時から側近として支えてきた若狭勝弁護士。そのタフさを間近で見てきました。
また、愛犬を失ったことも追い打ちとなったようです。

●再び緊急事態宣言になるのか! 東京でリバウンド、来週に700〜800人? 6/24
新型コロナ緊急事態宣言下での東京オリンピックになるのではないかと心配されているが、東京ではリバウンドが始まり、早ければ来週にも緊急事態という危機的状況になってきた。ゲスト解説の国際医療福祉大・松本哲哉特任教授が指摘した。
新規感染者は先週16日(2021年6月)に500人を超えてからは、土曜日をのぞいて前週の同じ曜日より増え続けていて、きのう23日は619人と124%となった。
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「(まん延防止等重点措置に移行後は)東京は7日平均で10%増ぐらいだったんですけど、今週に入って120%と、増え方に加速がついてきているのが気になりますね」
松本教授は「横ばいくらいかなと思っていたら、上昇に転じていますね。前回の緊急事態宣言が出されたときは、新規感染者数だけでいえば、1日あたり700〜800人なので、来週にはそれに近い数になってしまう可能性が出てきました」と危惧する。
しかも、今回のリバウンドは、感染力が従来型の2・5倍といわれるインド型が主流だ。京都大の西浦博教授は「すでにインド型の抑え込みに失敗している」と見ていて、厚生労働省アドバイザリーボードは「東京オリンピックの開会式のころは、インド型が68・9%になっているだろう」と予想している。その時、高齢者の2回目接種はまだ完了していない。
松本教授「ワクチン接種が進んでいるイギリスでも、インド型で再び感染者が増え始めています。重症者は減っていますが、イギリスより遅れている日本は、感染者も重症者も増えそうです」
今週末には、緊急事態宣言へ引き上げが検討されることになりそうだ。

●緊急事態宣言が発令された場合「皆さん慣れてるし…効果があるんだろうか」 6/24
元衆院議員でタレントの東国原英夫(63)が24日、TBS系情報番組「ゴゴスマ〜GOGO!Smile!〜」(月〜金曜後1・55)に出演。大阪府の感染者が今後増えてくる可能性があると危惧する場面があった。
番組では、東京都に比べて、大阪府、京都府、兵庫県などの関西地域の新規感染者が減ってきているということを紹介した。
東国原は「関西もインド株の影響で、もうちょっとリバウンドしていくんじゃないかな」と推測。「ましてや、まん延防止措置等々で吉村知事は、お酒の提供を辞めようと思ってたんですが、色々あってお酒の提供することになりましたよね。こういうところで、大阪もちょっと危ないんじゃないかなと思いますよね」と危惧した。
また「感染対策してくださいっていっても(国民は)聞かないと思います」と私見を語った。その理由を「みんな疲れてるし、皆さん慣れてるし『重症化しなきゃいいんじゃないかな、ワクチン打てば重症化しないでしょ』っていう考えはまん延してますからね」と説明。「もう一回きつくですね、緊急事態宣言という時に、どれぐらいの効果があるんだろうか」と疑問を呈していた。  
 
 
 

 

●東京に4度目の緊急事態宣言「十分念頭に」 田村厚労相 6/25
東京での感染再拡大をめぐって、田村厚労大臣は4度目の緊急事態宣言の可能性があるとの認識を示しました。
「より感染拡大の可能性があれば、緊急事態(宣言)というものも我々は再度、発令することも十分に念頭に置いております」(田村厚労相)
田村厚労大臣はワクチンの接種が十分でない中でのさらなる感染拡大に懸念を示したうえで、4度目の緊急事態宣言について「十分念頭に置いている」と述べました。また、東京では、時短要請に応じず午後8時以降にも酒を提供する飲食店が増えているとして、都などに対して「しっかりと対応をいただかなければならない」と注文を付けました。
一方、西村大臣も東京について、さらに感染が拡大すれば「酒類の提供を再び停止することも考えないといけない」と話しました。

●田村厚労相「再び緊急事態宣言もありうる」 6/25
新型コロナウイルスの感染者が東京都で増加していることを受け、田村厚生労働大臣は、再び、緊急事態宣言もありうるとの考えを示しました。
「より感染拡大の可能性があれば緊急事態というものを我々は、再度、発動することも十分念頭に置いております」―田村大臣は、このように述べ、専門家の意見を聞きながら対応していくとしました。
一方、成田空港で感染が確認された東京オリンピック・ウガンダ選手団の男性はインドで確認されたデルタ株だったことが分かりました。
ホストタウンの泉佐野市の職員らが濃厚接触者に認定されましたが、田村大臣は、「バブルに入る選手と自治体職員が、そもそも接触してもらっては困る」と自治体に改めて周知する考えを示しました。
厚労省は、検疫で選手らの感染が判明した場合、濃厚接触の疑いがある人を別の専用バスで合宿先まで運ぶことを検討しています。

●東京の緊急事態「感染拡大なら再発令」 厚労相が言及 6/25
田村憲久厚生労働相は25日の閣議後の記者会見で、東京都の新型コロナウイルス感染者数を巡り「感染拡大の可能性があれば、緊急事態宣言を再度発令することも十分念頭に置いている」と述べた。ワクチン接種が進んでいるものの「国民全体に行き渡っているわけではない。感染が拡大する可能性はある」と危機感を示した。
田村氏は時短要請にもかかわらず夜遅くまで営業する飲食店があり、人流も増加していると指摘し、「都道府県にしっかりと対応していただかなければならない」と求めた。
東京都の24日の新規感染者数は570人。前週の同じ曜日を上回る傾向が続いている。東京は緊急事態宣言解除後の21日にまん延防止等重点措置に移行したばかり。まん延防止は7月11日に期限を迎える。

●新型コロナ急拡大で「危機的な状況」 福井県 6/25
福井県は6月24日、新型コロナウイルスの新規感染者が急増しているとして、発令中の「感染拡大警報」を2段階引き上げ、3度目となる独自の「緊急事態宣言」を出した。同日発表の新規感染者は2日連続で25人確認され、福井市中心部の飲食店関連は117人に拡大した。マスクなしの会食が感染拡大の要因とみて、会話時のマスク着用や職場内での感染対策の再徹底を求めている。期間は7月8日まで。
県は20日に「感染拡大注意報」から「警報」へ引き上げてからわずか4日で、「特別警報」を越えて警戒度最高レベルの「緊急事態」を出す事態となった。
24日は新たに10歳未満〜80代の福井市15人、越前市5人、鯖江市3人、あわら市と越前町各1人の感染が発表された。同日時点の直近1週間の新規感染者数は128人で、県指標の緊急事態レベル(115人以上)を超えた。確保病床(304床)の占有率は41・4%(126床)で、緊急事態レベル35%程度(100〜110床)を上回った。
宣言を出した後、記者団の取材に応じた杉本達治知事は「急激に感染者が増えており危機的な状況」と強調。県民には会話時のマスク着用を強く求めた上で「市中にまん延している状況にはない。7月8日までに危機を脱していきたい」と述べた。
県は対策本部会議を開き、消費喚起事業「GoToイート」について新規販売を6月28日以降停止するとした。購入済みの食事券は利用できる。県内の宿泊旅行代金を割り引く「ふくいdeお得キャンペーン」は28日以降の新規予約分を割引対象外とし、7月2日までのキャンセル料は県が補填する。飲食店や衣料品店などで使える電子クーポン「ふく割」の発行は予定通り6月25日から始める。
今後も感染拡大が続いた場合は、午後8時以降の外出自粛、酒類提供の停止―などの対策を積極的に実施する。マスク着用の徹底のほか、県をまたぐ移動を慎重に判断するよう県民に求めることも確認した。
前回の緊急事態発令期間は4月22日〜5月13日。

●田村厚労相「緊急事態宣言再発令も念頭」 「デルタプラス」国内で37例確認  6/25
田村厚労相は、東京の感染者が増加していることを受け、感染拡大の可能性があれば、緊急事態宣言を再発令することも念頭に置いていることを明らかにした。
田村厚労相「より感染拡大の可能性があれば、緊急事態を再度発令することも十分念頭に置いている」
田村大臣は、夜間の人出が増加している傾向があり、感染が増えていくおそれは認識しているとしたうえで、感染拡大の可能性があれば、緊急事態宣言を再発令することも十分念頭に置いていると述べた。
一方、インド型変異ウイルスがさらに変異した「デルタプラス」の国内感染者が、6月21日時点で、37例確認されていることがわかった。
加藤官房長官が明らかにしたもので、「現時点で、感染や重症度はデルタ株と異なることを示す証拠はないと報告がなされている」としている。

●田村厚労相“東京でより感染拡大なら緊急事態宣言も念頭に” 6/25
まん延防止等重点措置が出されている東京について、田村厚生労働大臣は、夜間の滞留人口の増加が続いている可能性が高いと指摘し、さらに感染が拡大する可能性があれば、緊急事態宣言を出すことも念頭に厳しい対応が必要だという認識を示しました。
東京都内では24日、新たに570人の新型コロナウイルスの感染が確認され、2日連続で前の週の同じ曜日から100人以上増加しました。
田村厚生労働大臣は、閣議のあとの記者会見で、東京の状況について「夜間の滞留人口が、緊急事態宣言を解除する以前から増えていて、そのまま増加が続いている可能性が高い。感染が増えていくおそれは認識している」と指摘しました。
そのうえで「より感染が拡大する可能性があれば、緊急事態宣言を再度発令することも十分に念頭に置いている。まだワクチンの接種が国民全体に行きわたっているわけではないので、感染拡大の可能性はある。厳しい対応を念頭に置いて、対策を組まないといけない」と述べました。

●“感染拡大なら 再度の緊急事態宣言も念頭に” 田村厚労相  6/25
まん延防止等重点措置が出されている東京について、田村厚生労働大臣は、夜間の滞留人口の増加が続いている可能性が高いと指摘し、さらに感染が拡大する可能性があれば、緊急事態宣言を出すことも念頭に厳しい対応が必要だという認識を示しました。
東京都内では24日、新たに570人の新型コロナウイルスの感染が確認され、2日連続で前の週の同じ曜日から100人以上増加しました。
田村厚生労働大臣は、閣議のあとの記者会見で、東京の状況について「夜間の滞留人口が、緊急事態宣言を解除する以前から増えていて、そのまま増加が続いている可能性が高い。感染が増えていくおそれは認識している」と指摘しました。
そのうえで「より感染が拡大する可能性があれば、緊急事態宣言を再度発令することも十分に念頭に置いている。まだワクチンの接種が国民全体に行きわたっているわけではないので、感染拡大の可能性はある。厳しい対応を念頭に置いて、対策を組まないといけない」と述べました。
 
 
 

 

●テーマパークや動物園などが土日の営業再開、初めての土曜日 6/26
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が解除された地域では26日、緊急事態宣言解除後、初めての土曜日を迎え、テーマパークや動物園が入場者数を厳しくしながら土日などの営業を再開した。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは大阪府がまん延防止等重点措置に移行したことを受けて、およそ2カ月ぶりに土日・祝日の営業を再開。入場者は、平日と同様5000人に制限するという。
愛知県名古屋市の東山動植物園でも土日祝日の営業が再開。当日の混雑によっては、入園制限をする場合があるとしている。

●緊急事態宣言中の休業要請に応じず…34の飲食店に過料通知 愛知県 6/26
愛知県は25日、34の飲食店について、30万円以下の過料に処すよう裁判所に通知しました。愛知県は25日、緊急事態宣言中に酒類を提供し休業要請に応じていなかった34の飲食店について、法律に基づき30万円以下の過料に処すべきとして裁判所に通知しました。
このうち半数が名古屋市の店です。
5つの店が休業要請に応じず、県が送付した「命令通知書」を受け取らなかったということです。5つの店には今回過料を科すことができておらず、愛知県は「まん延防止措置」に基づき、引き続き休業を要請するとしています。

●“路上飲み”緊急事態宣言解除で増える…「飲み足りなくて」  6/26
6月21日、北海道が「緊急事態宣言」から「まん延防止等重点措置」に移行して目立ち始めたのが、いわゆる「路上飲み」です。それに伴うトラブルも発生しています。路上飲みの実態に迫りました。6月21日、北海道内は「まん延防止等重点措置」に移行し、酒類の提供が再開されました。しかし、それも午後7時まで。飲食店も午後8時には閉店します。
食事をしていた人「飲み足りなさがあります。私は2次会にすぐ行きたいなと思いましたけど、我慢だなという感じです」
食事をしていた人「飲み足りなさはありますね。どこか営業していればいいなと思い、ふらふらしてるんですけど。みんな、そうじゃないですかね」
そんな中、目立つようになってきたのが…。
三上侑希 記者「札幌市中央区の大通公園では、酒のようなものを飲んでいる人たちが見受けられます」
小売店で買った酒類を屋外で飲む、いわゆる「路上飲み」です。
札幌市では感染リスクがあるとして、路上飲みの自粛を呼び掛け、警備員が巡回していますが…。
路上飲みをしていた人「時短営業で飲食店は午後8時までなので、店の中にいられない。緊急事態宣言が解除されて、緊張感なく外で飲んでいる感じです」
札幌市によりますと、大通公園などで2人以上で酒を飲んでいる人に声掛けをした件数は、6月21日から24日までの4日間で59件。
緊急事態宣言期間中の、6月14日から20日までの1週間の22件を、大きく上回っています。
路上飲みをしていた人「ビアガーデンで飲んでいた。飲む場所がなく、やむを得ず避難してきている。路上飲みをしたくてしてるわけじゃないんですよね」
トラブルも発生しています。6月24日午後6時ごろ、大通公園で通行人の男性が、路上飲みをしていた男に暴行を受け病院に運ばれました。
警戒が緩む中で増える路上飲み。「まん延防止等重点措置」は7月11日まで続きます。

●東京新たに562人感染で懸念「五輪開催時に緊急事態宣言を再発令?」 6/25
前東京都知事で国際政治学者の舛添氏が25日、自身の公式ツイッターで、新規感染者数が再び増加している都内の新型コロナウイルス感染状況について持論をつづった。
東京都は25日、感染者が新たに562人報告されたと発表。3日連続で前週の同じ曜日から100人以上増加しており、東京五輪開幕を28日後に控え、急激なリバウンドが懸念される状況となっている。
舛添氏は「本日の東京都のコロナ感染者562人、先週の金曜日よりも109人増加。感染者が減少せずに、じわじわと増えて行くという嫌な展開だ」と感染者数増加に触れ、「このまま行けば、東京五輪開催時に緊急事態宣言を再発令することになりかねない」と懸念。
そして、この日告示された任期満了に伴う東京都議選(7月4日投開票)に触れ、「人出も増えている。そのような中での都議選、選挙運動で感染を拡大させてはならない」と警鐘を鳴らした。

●緊急事態宣言解除後、初の週末も…各地で人出が大幅増加 札幌 6/26
25日、沖縄を除き9つの都道府県で緊急事態宣言が解除されてから初の金曜日を迎えた。夜の各地の人出は、先週と比べてほとんどの地点で大幅に増加していたことがわかった。
25日午後9時台の各地の人出は一週間前と比べて東京・渋谷センター街で35.2%、秋葉原で27%、池袋と銀座で24%増えていた。また、札幌・すすきので55.5%、大阪・なんばで44.3%、梅田で35%、福岡・中州川端で36.9%と大幅に増加していた。
一方、緊急事態宣言の続く沖縄・那覇の国際通りでも60.5%、牧志では20.3%と大幅に増えていた。 

●緊急事態宣言解除後初の土曜 天神の人出は? 6/26
きょうは3度目の緊急事態宣言が解除されて、初めての週末です。
福岡市天神では昼過ぎ、晴天も手伝ってか買い物客など多くの人が行き交う姿が見られました。
街行く人は「人出が少し多いような気がする。以前よりは緊迫感がないような感じだ」「やっぱちょっと増えてますよね結構。経済のことを考えると、まん延防止措置は解除したほうがいいかなとは思うが、この人出をみると不安を覚えますね」などと話していました。
福岡県には来月11日まで「まん延防止等重点措置」が出されていますが、国に解除の前倒しを要請するかどうかについて、服部知事は25日に「週明けにも判断する」と話しています。

●緊急事態宣言解除後、初の週末も…各地で人出が大幅増加 6/26
25日、沖縄を除き9つの都道府県で緊急事態宣言が解除されてから初の金曜日を迎えた。夜の各地の人出は、先週と比べてほとんどの地点で大幅に増加していた。
25日午後9時台の各地の人出は一週間前と比べて東京・渋谷センター街で35.2%、秋葉原で27%、池袋と銀座で24%増えていた。また、札幌・すすきので55.5%、大阪・なんばで44.3%、梅田で35%、福岡・中州川端で36.9%と大幅に増加していた。
一方、緊急事態宣言の続く沖縄・那覇の国際通りでも60.5%、牧志では20.3%と大幅に増えていた。

●人あふれる渋谷「コロナ前くらい」 宣言解除後の初週末 6/26
新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が9都道府県で解除後、初の週末となった26日は、各地で人があふれた。
東京・渋谷駅前、午後1時半。スクランブル交差点では、横断歩道の外まで広がって歩く人も。ハチ公像前のベンチも待ち合わせの人らで埋まっていた。
センター街のラーメン店の男性店員は2日に1回、客の呼び込みのため店の前で様子を眺めている。「最初の緊急事態宣言の時はゴーストタウンみたいだった。今は外国人観光客をのぞいた日本人の数は、コロナ前くらいに戻ってるんじゃないか」。一方、この状況を懸念する声も上がる。交差点近くの衣料品店の女性店員(28)は「人が増えるにつれて緊張感が緩んでいる。マスクを付けずに騒ぐ人も出始め、感染者が増えないか心配」と話す。
この日の東京都の新規感染者は534人。26日までの1週間の総人数を前週と比べると126%となり、増加傾向を示している。
 
 
 

 

●「必要なら緊急事態宣言も」 西村氏、東京の感染者増で 6/27
新型コロナウイルス対応を担当する西村康稔経済再生相は27日のNHK番組で、新型コロナの感染者が東京で増加傾向であることを受け、「必要となれば、まん延防止等重点措置をやっている地域に緊急事態宣言を発出することも、ちゅうちょすることなく機動的にやるべきだ」と述べた。
東京都の新規感染者数は26日に534人に上り、7日連続で前週の同じ曜日を上回った。西村氏は「東京、首都圏で減少傾向から増加傾向が明らかに顕著になってきている」と指摘。その上で、緊急事態宣言の発出可能性に触れた。
東京都は宣言解除を受け、一定の要件を満たした店舗に酒類提供を認めている。この措置について、西村氏は「さらに強い対策を検討していかなければいけない」とも述べ、酒類提供の再停止に言及した。
緊急事態宣言をめぐっては、田村憲久厚生労働相も25日の閣議後会見で、「感染拡大の可能性があれば、十分念頭に置いている」と述べている。

●緊急事態、東京再宣言も 酒類提供再停止を検討―西村担当相 6/27
西村康稔経済再生担当相は27日のNHK番組で、新型コロナウイルス感染再拡大の兆候が見られる東京都などに対し、今後の推移によっては再び緊急事態宣言を発令する可能性を示唆した。「必要となれば、まん延防止等重点措置を出している地域に緊急事態宣言を発出することも、ちゅうちょなく機動的にやるべきだ」と語った。
西村氏は東京の感染状況について「増加傾向が顕著になってきた。高い警戒感を持って専門家、都と連携し分析を進めている」と説明。高齢者の感染は減少しつつあるとする一方、「活動が活発な20代、30代の感染をどう抑えるかが課題になっている」と指摘した。同時に「ここで抑えるには強い対策を取ることもやむを得ない。飲食店での酒の提供を停止することも含め検討しないといけない」と述べ、酒類提供の再停止などを検討する考えを示した。

●緊急事態宣言の福井県内、週末人出はいつも通り 6/27
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、3度目の緊急事態宣言が出ている福井県内は6月26日、初の週末を迎えた。JR福井駅周辺や観光地は普段と変わらない人出が見られた。県は同日の会見で「日頃の活動をことさら中止する必要はないが、感染予防対策は徹底してほしい」と呼び掛けた。
福井市のJR福井駅には午前中からキャリーバッグを携えた観光客らが降り立ち、いつもの週末と変わらぬ光景。駅西口でのイベントに来たという坂井市の40代女性は「自粛の雰囲気はそれほどないのでは」と話した。前回の緊急事態発令期間(4月22日〜5月13日)と比べ「危険という感じがあまりしない」(あわら市の10代女性)といった声も。宣言が発令されていることを知らない県外客もいた。
各地の観光地は宣言前と比べて目立った落ち込みはないようだ。勝山市の福井県立恐竜博物館にはこの日、約1600人が来館した。昨年6月に予約制にして以降の土日曜の数字と変わらず、竹内利寿館長は「影響はほとんどない」と話した。
嶺南地域では6月5日以降、感染者は確認されていない。美浜、若狭両町にまたがる三方五湖有料道路レインボーラインの山頂公園も普段通りの人出といい、粟根渉支配人は「宣言以降の予約キャンセルはない」と話す。
窪田裕行県健康福祉部長は会見で「緊急事態宣言は県として最大限のメッセージ。感染対策も最大限にしてほしい」とあらためて注意を促した。緊急事態宣言は7月8日まで。

●緊急事態宣言中の喫煙習慣の変化は  6/27
去年春の緊急事態宣言中の喫煙習慣の変化を大阪国際がんセンターの研究チームが調べたところ、一人暮らしや在宅勤務をしている人、それに、収入の減り幅が大きい人ほど、喫煙本数が増える傾向にあったことがわかりました。
大阪国際がんセンターの小山史穂子主査らの研究グループは去年4月から5月にかけての緊急事態宣言中の喫煙習慣の変化をアンケート形式で調べました。
回答した大阪府内に住むおよそ4万人のうち、もともと喫煙習慣があった人は5000人あまりで、緊急事態宣言中の喫煙本数の変化を尋ねたところ、本数に変化がなかった人は44.8%、増えた人は32.1%、逆に、減った人は11.3%、禁煙した人は11.9%でした。
喫煙本数が増えた人について仕事や生活の状況を詳しく分析すると、在宅勤務をしていた人はしていなかった人に比べて、1.29倍、一人暮らしの人は、4人以上で暮らしている人と比べて、1.23倍、喫煙本数が増えた人が多かったことがわかりました。
また、収入と喫煙状況の関係を調べると、収入の減り幅が大きかった人ほど、喫煙本数が増えた人が多くなる傾向だったということです。
小山主査は「喫煙はコロナの重症化リスクを高めることがわかっている。生活状況と喫煙状況の変化や因果関係を継続的に調査、分析する必要がある」と話していました。

●宮古への来島者、増加傾向/緊急事態宣言 6/27
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が9都道府県で解除され、初の週末となった26日、宮古空港には多くの観光客が降り立った。ロビーにはレンタカー業者が並び、家族連れらが手続きを行っていた。沖縄県は全国で唯一、緊急事態宣言が発出されているが、来島者は増加傾向になっている。
東京や大阪など9都道府県は20日に緊急事態宣言が解除された。一方で沖縄は医療提供体制がひっ迫していることから7月11日まで宣言が延長されている。
航空会社の関係者は「先週に比べると、利用客は少しずつ増えている。ただ、劇的に変わったわけではなく、コロナ前の水準にはまだまだ戻っていない」と述べた。
ホテルの関係者は「緊急事態宣言解除のニュースが出始めてからは予約が増え続けている。宿泊する観光客は先週より多くなっている」と語った。
レンタカーの各店舗はコロナ前と比べ、保有台数を減らしていることもあるが、予約はほぼ埋まっている状態という。あるレンタカー店では「緊急事態宣言の解除と夏に向けての繁忙期ということもあり、予約は100%に近い。どこの店も同じだと思う」と話した。
26日は雷注意報が出されるなど悪天候となったこともあり、観光客に人気の前浜ビーチでも人出はまばらだった。マリンレジャー事業者は「宣言が解除されて観光客が増えることを予想していたが、この天気では仕方ない。晴れれば人は増えると思う」と期待した。

●緊急事態宣言解除後 初めての土曜日 飲食店に喜びの声  6/27
緊急事態宣言の解除後初めての週末を迎え、大阪市内の飲食店では酒類の提供が出来ることに喜びの声が聞かれました。
大阪府では、全ての市でまん延防止等重点措置に移行していて、感染対策の規準を満たした飲食店に対し「入店を1組2人までとする」などの条件で、午後7時までの酒類の提供を認めています。
宣言中、要請に従い酒の提供をせずに営業していた大阪市内の串カツ店では先週の土曜日と比べて、売り上げは約1.5倍になったということです。
串かつだるま 道頓堀店 橋優作主任「(忙しさを)かみしめながらきょうは一日働かせていただいた。(要請を)しっかり守りながら、お客様に気持ちよく飲食してほしいと思っています」
訪れた客は…「家で飲むことが多かったので、外で飲めるようになったのは嬉しいですね」
まん延防止措置は、7月11日まで適用されます。
 
 
 

 

●宣言解除の理由を聞いた与党議員の返答に「それは違うのでは」 6/28
昭和大医学部客員教授の二木芳人氏が28日、フジテレビ系「めざまし8」(月〜金曜・午前8時)に生出演した。番組では、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者が8日連続で前週の同じ曜日を上回り、再び増加の傾向が見られることを報じた。
二木氏は「リバウンドというのは、ある程度抑え込んだ上で再び増えてくるという意味でしょうから。そういう意味で、抑え込みが少し足りなかったですよね」と宣言解除が少し早かったと指摘。
宣言解除を「このタイミングで良かったのかと、ある与党の方にお伺いした」ところ、「要するに皆さんもう我慢ができなくなって宣言下でも人出が増え、お店でも少しずつお酒を提供されたりしているので、誰もが守らないルールならやっても仕方がないと表現された方がいる」と返答があったいい、「それは違うのではないでしょうかと」と伝えたという。
その上で「やっぱり、みんなである程度もう少し頑張ると。守ってもらうための方策を打たなければいけなかったのに、守ってもらえないからやめてしまうのであれば、せっかく特措法を変えた意味もほとんどありませんよね。ですから、私はこのタイミングで解除して規制を弱めたことは、人々にこういう気持ちにさせてしまった大きな要因だと思う」と話した。

●橋下徹氏 緊急事態宣言の新たな基準づくりに言及 6/28
元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏(51)が28日、フジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月〜金曜前8・00)に出演し、緊急事態宣言の再発令の基準について言及した。
田村憲久厚生労働相は25日の記者会見で、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が増加傾向にあることに関し、感染が拡大すれば「緊急事態宣言を再度発令することも十分念頭に置いている」と述べた。ワクチン接種が進んでいる最中であることを踏まえ「感染拡大の可能性はある」と改めて注意を促した。
橋下氏は、ワクチン接種が進んでいることを踏まえ「(再発令の)基準を専門家が緩めるのか、緩めるっていう言葉はちょっと語弊がありますかね。ワクチン接種率が高まっていくんであれば、今までのような感染者数や重症者数ではない基準をつくるべきだという議論を専門家でやってもらう必要があると思う」と自身の考えを述べた。

●坂上忍、西村経済再生相の言及に「また国民に我慢を強いる方向の対策」 6/28
28日放送のフジテレビ系「バイキングMORE」(月〜金曜・午前11時55分)では、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者が8日連続で前週の同じ曜日を上回り、再び増加の傾向が見られることを報じた。
番組では、西村康稔経済再生相が人流を抑えるために酒類の提供停止や、緊急事態宣言の発出をちゅうちょなくやるべきと言及したことを伝えた。
MCの坂上忍は「先手を打つことの大切さというのは、これまで散々言ってきたことであって。ただ、この状況下でまたお酒というか、国民に我慢を強いる方向の対策となってしまうと、納得感を得るには結構なハードルかなと思う」と話した。

●「土産物店は背水の陣」 緊急事態明け、京都の観光地は人出回復鈍く 6/28
新型コロナウイルス対応で京都府などに発令されていた3度目の緊急事態宣言解除後、初の週末を迎えた26日、京都市内各地で、買い物や観光を楽しむ人たちの姿が見られた。市中心部の繁華街がにぎわう一方、まん延防止等重点措置の期間中とあって観光地の人出回復は鈍く、観光事業者は、夏休みなどでの需要拡大に期待を込める。
世界遺産・清水寺(東山区)周辺では、家族連れや修学旅行生が散策などを楽しんでいた。家族4人で訪れた愛知県の会社員の男性(40)は「緊急事態宣言も解除されたので比較的近い京都に来た。久しぶりの旅行を楽しみたい」と話した。
土産物店店主の男性(68)は「人出は週末で例年の3割程度」としつつ、「長いトンネルの先に少し光が見えてきた」と来月11日までの重点措置の終了に期待する。
ただ、周辺にはシャッターを下ろし、休業を続ける店も残る。男性は「GoToトラベルの停止期間は繰り返し延長され、協力金もない土産物店は背水の陣だ」と訴える。
嵐山地区も例年ほどの人出は見られず、渡月橋を行き交う観光客の姿は少なかったが、繁華街の四条河原町周辺は多くの買い物客で混雑した。

●玉川徹氏、感染リバウンドで緊急事態宣言に言及 6/28
28日放送のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・午前8時)では、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者が8日連続で前週の同じ曜日を上回り、再び増加の傾向が見られることを報じた。
コメンテーターで同局社員の玉川徹氏は、田村憲久厚生労働相が4度目の緊急事態宣言の可能性に言及したことを受け「菅総理はオリンピックをどうしても成功させたいという立場に立って考えると、緊急事態宣言をどうするのか、ものすごく難しいと思いますよ」と推察。
現状について「感染者が増えてきていて、人流も増えて減る要素がないわけですね」とし、「そう考えると、今後感染者が増えることは間違いないだろう」と今後リバウンドが進むことを懸念。
また、五輪開始までに「ワクチン接種も進んでいますけど、7月23日までに65歳以上の人たちが免疫を持っているか。2回打ち終わっても、すぐには完璧な免疫はできないわけですから」と危機感を示し、続けて「重症者も遅れて増えるわけで。早めに緊急事態宣言を出すということになると、何で解除したのって話にもなりかねないし。オリンピック期間中に緊急事態宣言が出ているとなると。緊急事態宣言ですから、海外からすると、宣言が出ている時にオリンピックをやるの、という話にもなるし。難しいと思いますよ」と話した。 
 
 
 

 

●緊急事態宣言延長の沖縄で夜間の人出が大幅増 那覇空港駅は119%増 6/29
新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の延長から1週間が経過した。沖縄県内の27日と1週間前の人出を比べると、沖縄都市モノレールの那覇空港駅で119・8%増、県庁前駅で85・9%増など夜の人出が軒並み増加し、長引く自粛に気の緩みが見え隠れする。28日午後、那覇市の国際通りには荷物を手に歩く観光客とみられる人の姿もあり、県民から「感染者が増加しないか心配だ」と不安の声も聞こえた。
厚生労働省にビッグデータなどを提供する「Agoop(アグープ)」(東京)の27日と1週間前の20日のデータを基に分析すると、午後9時台平均の人出は、那覇空港駅で119・8%増となった。県庁前駅で85・9%増、国際通りで15・6%増、牧志駅で12・9%増だった。
午後3時台平均の人出は国際通りで50%増、県庁前駅で2・5%増。一方、牧志駅で19・5%減、那覇空港駅で0・8%減となった。
28日午後4時ごろ、国際通りにはキャリーバッグや土産物袋を手に歩く人の姿が見られた。土産物店の従業員の女性(68)=那覇市=は「宣言延長したことで感染者が減れば、国際通りにも活気が戻ってくる。今は人通りが少なくて寂しい」と悲しげな表情を見せた。
パレットくもじに立ち寄った保育士の女性(22)=那覇市=は「観光客は以前より増えたように思う。宣言が明けたら県民も外に出るので、感染者が増加に転じないか心配だ。気兼ねなく出歩ける生活に早く戻りたい」と述べた。
帰宅のためバス停にいた事務職の女性(24)=浦添市=は「ランニングや音楽鑑賞など、人と接触しない方法でストレスを発散している。工夫してコロナ禍を乗り越えたい」と語った。
県は県民に対し、都道府県間の移動や不要不急の外出を控えるよう呼び掛けている。県外からの来県も自粛するよう求めている。玉城デニー知事は28日の会見で、緊急事態宣言発令以降の人の流れについて「週を重ねると少しずつ人の動きが出てきている。改めて気を引き締めていかなければならない」と協力を求めた。

●緊急事態宣言の発令時期見極め 田村厚労相 6/29
田村憲久厚生労働相は29日の記者会見で、新型コロナウイルスのリバウンド(感染再拡大)が指摘されている東京都への緊急事態宣言発令について「(前回の)宣言を解除してからまだ日がたっていない。またすぐに出すことが果たして効果としてどうか、よくよく分析をしなければならない」と述べ、効果的な発令時期を見極めるべきだとの認識を示した。
都内で夜間の人流が増えていることについては、重症者が遅れて増えてくることへの警戒感を示しつつ、「緊急事態措置を漫然とお願いしただけで本当に夜間の滞在人口が減るのかも考えなければならない」と述べ、慎重に対応を検討する考えを示した。

●「第3回緊急事態宣言・まん延防止等重点措置について、どう思う?」 6/29
〜「効果あった」4割超、一方で身近な店舗の廃業や倒産を「知っている」8割弱、休業・時短への支援や補償のさらなる充実を求める声が多数という結果に〜
紀尾井町戦略研究所は、月に2回程度、「Yahoo!クラウドソーシング」を活用し、時事関係のトピックを中心としたWeb調査を行っています。
東京や大阪など10都道府県では、長期に渡り緊急事態宣言が発令されました。また、5県では「まん延防止等重点措置」が適用されてきました。これらの措置について、18歳以上の男女1,000人に聞きました(2021年6月19日現在)。
• 3回目の緊急事態宣言の効果については、「十分効果があった」「ある程度効果があった」と感じる人は全体の42.7%、「全く効果がなかった」「あまり効果がなかった」と感じる人は全体の56.7%であった。大きな差はないものの、効果を疑問視する人の割合が多少上回った。
• 感染拡大を抑えるための措置としては、「事業者の休業・時短に対する支援を手厚くした方が良い」と いう回答が42.3%、「個人の外出禁止等も命じることができるようにしたほうが良い」という回答が32.6%であった。なお、「法規制で事業者や個人の行動を抑制すべきではない」という回答は10.6%と比較的低割合であり、手段は分かれるものの、感染拡大防止のためであればある程度強い制限があってもやむを得ないと考える人が大半であることがわかった。
• 店舗の休業・時短営業に関する補償としては、「十分・ある程度手厚い」が31.7%に対し、「不十分・ あまり十分ではない」が64.8%と、さらなる補償の必要性を感じている人の割合が倍以上という結果になった。また、そのタイミングについても、「直ちに(6月中)」が61.3%と圧倒的に多く、7月中の13.7%や8月中の7.5%を大きく引き離した。
• 休業要請に応じた店舗が廃業や倒産をした例を知っているかという問いに関しては、実に78.4%が知っていると回答し、大多数が身近なところで事業者の経営難を目の当たりにしている現状が明らかとなった。
• 感染を防止しつつ店舗の倒産を防ぐための措置としては、「時短・休業への補償をさらに充実させる」が39.4%と最も多かったが、テイクアウト・デリバリー・キャッシュレス等の非接触型ビジネスの導入支援が29.9%、通常の感染症予防対策の強化が23.6%と、他の対策の割合もそれなりに高かった。解決策に決定打がなく、複合的な措置の必要性を人々が感じている状況が、垣間見える結果となった。

●再び“緊急事態”あるのか否か 飲食店、新たな対策 6/29
東京都の感染者数がリバウンド傾向にあるなか、厚生労働大臣からは再び緊急事態宣言を出すことについて慎重論も出ています。にぎわいを取り戻しつつある飲食店もワクチン接種を進めるなど新たな対策に乗り出しました。
店には少しずつ活気がもどりつつありました。東京・町田にある居酒屋では、この状況下ならではの新たなメニューを開発しました。2500円で定食かおつまみ3品の60分飲み放題を始め、人気となっています。
店を1人で切り盛りする藤崎さんはもう一つ対策を打っていました。それは新型コロナのワクチン接種です。45才の藤崎さんはなぜ、いち早くワクチンを接種できたのでしょうか。都の対策リーダーに登録し、チェックに受かると接種できます。
それでも客足は以前の10分の1ほど。厨房には栓が開けられない酒樽が置かれていました。
日に日に増加傾向が顕著となりつつあるなか、“緊急事態宣言”再発出については慎重な意見が多くあります。
東京・町田市にある居酒屋では酒類停止となっても左右されないように、9月に向けて居酒屋からイワシ料理店にリニューアルする予定です。
緊急事態宣言の効果について、あるデータも示されています。筑波大の倉橋教授らの試算では対策がない場合、インドで見つかったデルタ株の感染力を考えると都内の感染者は急増するとしています。
5月の緊急事態宣言程度の対策を講じた場合は200人程度に抑制されるとしています。

●小売業販売5月は前年比8.2%増、緊急事態の反動で自動車など好調 6/29
経済産業省が29日公表した5月の商業動態統計速報によると、小売業販売額(全店ベース)は前年比8.2%増となり3カ月連続で増加した。新型コロナウイルスの感染拡大により昨年は1回目の緊急事態宣言が発動されており、その反動による自動車販売増などが全体を押し上げた。
ただ、今年4月末から3回目の宣言が発動された影響で、プラス幅は4月の11.9%から縮小している。コロナ禍前の2019年5月との比較では5.3%の減少となっている。
ロイターが集計した民間予想の中央値は同7.9%増だった。
業種別では、自動車が前年比36.4%増、燃料が同34.4%増、織物・衣服が同16.7%増、百貨店など各種商品が同16.4%増だった。石油製品の価格上昇や、前年は百貨店などの休業・営業時間短縮で販売が落ち込んでいた衣類などの反動増が寄与した。一方、昨年は内食需要が高まっていた飲食料品は同0.2%減となった。
業態別では百貨店が前年比58.8%増と大きく伸びた。もっとも、19年同月との比較では43.0%減少している。
コンビニエンスストアはおにぎりやサラダが好調で同5.3%増だった。ドラッグストアが同1.8%増、家電量販店は同0.7%増だった。家電は昨年給付金支給により好調だった影響で増加率が小幅にとどまっている。

●きょうも東京“増加”で再宣言は?官邸・閣僚の思惑 6/29
増え続ける東京の感染者に官邸関係者は再びの緊急事態宣言も可能性としてあると話します。政府が期待をかけるワクチンについても大臣から気になる発言がありました。
「緊急事態宣言」から「まん延防止等重点措置」に緩和されて9日目です。東京の感染者は増え続けています。
29日に発表された感染者は476人。先週の火曜日の22日より41人増え、10日連続で前の週の同じ曜日を上回りました。
西村経済再生大臣は想定済みとしていますが、そもそも東京では感染者が減りきらないままの宣言解除です。まん延防止措置も来月11日に期限を迎えます。
官邸関係者は再びの緊急事態宣言も「可能性としてはある」としています。
田村厚生労働大臣は時期を慎重に見極めるべきとしています。
何しろ、来月23日には東京オリンピックの開幕式です。
政府が期待をかけるのはワクチンですが、接種の加速を目指して始まったばかりの職域接種は今月25日に受け付けを一時休止。
政府関係者によりますと、受け付けは再開しない方向で調整中です。すでに受け付けている分で、モデルナ製ワクチンは使い切る見込みだということです。
 
 
 

 

●首都圏で蔓延防止延長 政府調整 東京は緊急事態宣言も 6/30
政府は、新型コロナウイルス特別措置法に基づき10都道府県に発令している蔓延(まんえん)防止等重点措置に関し、首都圏の1都3県について7月11日の期限で解除せず、延長する方向で調整に入った。複数の政府関係者が30日、明らかにした。東京都は同日、714人の新規感染者数を確認。11日連続で前週と同じ曜日を上回った。政府は感染状況を見極めた上で、来週中に判断する。
1都3県のうち東京都に関しては、感染再拡大(リバウンド)が鮮明になっており、状況次第では緊急事態宣言の再発令も視野に入りそうだ。重点措置の延長や宣言の発令となれば、7月23日に開幕する東京五輪と重なり、無観客開催が現実味を帯びる。
菅義偉首相は30日、新型コロナ対策の関係閣僚会議で「東京の新規感染者数は増加傾向にある」と述べた。田村憲久厚生労働相は厚労省の会合で「東京は夜間の滞留人口が急増している。病床の使用率も上がってきている」と危機感を示した。
現在、重点措置が適用されているのは首都圏1都3県に加え、北海道、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡の6道府県。

●緊急事態宣言やまん延防止措置、状況みて機動的に活用=西村再生相 6/30
西村康稔経済再生相は30日、都内で新型コロナウイルスの抗原検査の現場を視察した後に記者会見し、感染が増加傾向にある東京都などについて、国民の命を守るため、状況をみて緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を機動的に活用すると述べた。
<多くのシミュレーションで感染者数は1000人超へ>
東京都など10都道府県に適用されているまん延防止等重点措置は7月11日が期限となっているものの、東京など首都圏は新規感染者数が再増加傾向にあり、政府の判断が注目されている。
東京都は30日、新たに714人の新型コロナウイルス感染が確認されたと発表。前週の同じ曜日を上回るのは11日連続で、700人台は5月26日以来となった。直近7日間移動平均は前週比20.3%増の508.4人で、感染状況が最も深刻なステージ4の水準となった。
西村氏は「緊急事態宣言を解除した際に人流は当然増えるものと想定している」と述べ、30日に開催された関係閣僚会議で示された多くのシミュレーションで(1日の新規)感染者が1000人を超えて行くとの結果であったと指摘した。
一方、「重症者の数はかなり低く抑えられ、足元で東京の重症者数も急激に増えていない」との認識も示した。

●県内新たに17人感染 緊急事態宣言1週間 福井県 6/30
県独自の緊急事態宣言発出から1週間。福井県は30日、新型コロナウイルスに県内で新たに10代から70代の男女合わせて17人が感染したと発表した。どこでも感染の可能性がある状態になりつつあるとして、予防の徹底を呼び掛けている。
新規感染者の内訳は福井市9人、坂井市5人、敦賀市1人、あわら市1人、小浜市1人。このうち6人は福井市中心部の飲食店関連で、感染者の累計は172人になり、関連する店は3つ増えて31店舗になっている。
1日あたりの感染者は、以前は福井市中心部の飲食店関連が7割程度だったが、29日までの2日間では4割程度に減っていて、県は中心部だけでなく県内のどこでも感染の可能性がある状態になりつつあるとしている。
県独自の緊急事態宣言発出から1週間での新規感染者の累計は108人となっていて、県が警戒を強めるよう呼び掛けている。

●人生の緊急事態宣言 真率かつ軽妙な50歳独身女“苦悶”の記 6/30
芸歴29年。いつの間にやら、芸人としての仕事は減り。旦那も子供も彼氏もいないプライベート。潮目を変えんと、一念発起で計画したカナダ留学もコロナ禍で直前に頓挫。そして気づけば50歳……。人生そのものが、全方位的緊急事態に陥った著者による、書下ろしエッセイ。
留学するつもりで住居を引き払っていたので家なき子に。転がり込んだ妹の家で、可愛かったはずの甥姪の素顔に幻滅。思わず叱ると妹に叱られ、「お粗相をした座敷犬」のように過ごした居候生活。仕事がほぼ消滅し、募る不安と向き合わないよう「気を張ってゴロゴロしていた」昨年の緊急事態宣言下の生活。元ヘビースモーカーという意外性と、吸うのは己を戒めるためという独特の喫煙理論。バッシングされた度重なる遅刻の理由として辿り着いた、時間認識能力の欠如の考察。感情表現の苦手を克服せず放置したせいで、いつしか腐っていた喜びセンサー……。徒然なるままに綴られた、自らに対する観察は、過ぎる卑屈も虚飾もなく、実に俯瞰的。「神のように無から不安を生み出すことができる」といった軽妙な筆致で「人を好きになる前に死にたくない」「今、子供は欲しくないけど、いつか欲しくなったらどうしよう」といった、心の憂色と取っ組み合いし続ける。
相方・大久保佳代子に対する心情の吐露もあくまで正直。先に売れた自分の後で、大久保が売れた時の嬉しさ。あっという間に追い抜かれた時の焦り。幼馴染ゆえ、盆暮れの地元の集まりでも顔を合わせて、お互いうんざり。しかしゴシップになるので、「あっちが来るなら行かない」とは言わず。その代わり、誰にも気づかれず、光の速さで「なんだよ、いるのかよ」と目で会話する。こういう時、コンビだなと思うそうだ。芸人の肌感覚が伝わる、なるほどなエピソードである。
自分の性格、容姿、健康、人間関係、仕事、老後と悩みは尽きないが、とりあえず引っ張り出した結論は「ひん曲がったなりに、ナチュラルに生きてみよう」。独身50代女性でなくとも、誰もがどこかで共鳴必至。孤高とまぬけの、心地いい喫水線がここに。
 
 
 

 

●沖縄の緊急事態宣言は「解除できる状況ではない」と国の専門家組織 7/1
厚生労働省に新型コロナ対策を助言する専門家組織の脇田隆字座長(国立感染症研究所長)は30日の記者会見で、沖縄の新規感染者数が高い水準にあり、減少速度が鈍化している点を踏まえ「緊急事態宣言などの強い対策を解除できる状況ではない」との見解を示した。
脇田氏は、沖縄は夜間の滞留人口(主要な繁華街にいた人の数)が増加傾向にあると説明し「酒類の提供制限があるにもかかわらず、遅い時間に繁華街の人流がある」と指摘。
「対策が必要だが、このまま同じ対策を続けて本当に効果が得られるのか。なかなか難しいところがある」と述べた。
北部や宮古・八重山地域で改善が見られる一方、那覇や本島中南部など都市部の感染は依然として多い。脇田氏は「状況はそれほど改善していない」と話し、「今後の動向に注視が必要だ」と強調した。
直近1週間(6月23日〜29日)の人口10万人当たり新規感染者の全国平均は、8・25人。県内は33・31人と高いが、同9日〜15日は62・42人に上っていた。
専門家組織は、東京で新規感染者数が増加に転じていることなどに言及し「各地への影響が強く懸念される」と、対策の徹底を促している。 

●政府の有識者会議 沖縄の緊急事態宣言の前倒し解除に否定的な見解 7/1
新型コロナウイルスの対策について話しあう政府の有識者会議が先月30日開かれ、
今月11日までとする沖縄県の緊急事態宣言については、前倒しして解除することに否定的な見解を示しました。
国立感染症研究所脇田隆字所長『沖縄が非常にまだ感染状況、レベルが高くて、減少が鈍化してきている』
座長を務める国立感染症研究所の脇田所長は、北部や離島地域では感染状況の改善がみられるものの、那覇市など本島中南部地域では若い世代を中心に流行が続いているとして、沖縄県の緊急事態宣言を前倒しして解除することに否定的な見解を示しました。
さらに、酒類を提供する飲食店に対し休業要請が出ているのにも関わらず夜の繁華街へ人の流れが戻りつつあることも指摘し、「このまま同じ対策を続けて本当に効果が得られるのか難しいところがある」と新たな対策の必要性も示唆しました。

●緊急事態宣言への移行含め「来週判断」 首相 7/1
菅義偉首相は1日、新型コロナウイルス特別措置法に基づき10都道府県に適用している蔓延(まんえん)防止等重点措置について「継続するか、取りやめるか、あるいは緊急事態宣言か。そういうことを来週にでも決めなければならない状況だ」と語り、緊急事態宣言への移行も含め、来週に判断する考えを示した。官邸で記者団に語った。
首相は東京五輪の観客上限に関しては、重点措置をめぐる政府判断の後に5者協議で決まるとの見通しを示した。「政府では緊急事態や蔓延防止、そうしたものを延長する、しないの方向性を決める。それを受けて5者協議で決められる」と語った。
無観客となる可能性については「無観客もありうるということを(既に)私から明言している。国民の安全・安心を最優先にする中で対応していく」と述べた。

●首都圏で蔓延防止延長 政府調整 東京は緊急事態宣言も 7/1
政府は、新型コロナウイルス特別措置法に基づき10都道府県に発令している蔓延(まんえん)防止等重点措置に関し、首都圏の1都3県について7月11日の期限で解除せず、延長する方向で調整に入った。複数の政府関係者が30日、明らかにした。東京都は同日、714人の新規感染者数を確認。11日連続で前週と同じ曜日を上回った。政府は感染状況を見極めた上で、来週中に判断する。
1都3県のうち東京都に関しては、感染再拡大(リバウンド)が鮮明になっており、状況次第では緊急事態宣言の再発令も視野に入りそうだ。重点措置の延長や宣言の発令となれば、7月23日に開幕する東京五輪と重なり、無観客開催が現実味を帯びる。
菅義偉首相は30日、新型コロナ対策の関係閣僚会議で「東京の新規感染者数は増加傾向にある」と述べた。田村憲久厚生労働相は厚労省の会合で「東京は夜間の滞留人口が急増している。病床の使用率も上がってきている」と危機感を示した。
現在、重点措置が適用されているのは首都圏1都3県に加え、北海道、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡の6道府県。

●政府、首都圏のまん延防止延長へ調整 東京は緊急事態宣言も議論 7/1
政府は新型コロナウイルス感染症対策として10都道府県に適用しているまん延防止等重点措置について、首都圏4都県で11日の期限を延長する方向で最終調整に入った。感染が再び拡大しているためで、単純に延長するだけでなく、東京限定で緊急事態宣言に移行するなど措置を強めることも議論されている。
事情に詳しい複数の政府関係者が明らかにした。まん延防止措置の解除見送りは、東京五輪・パラリンピックの観客取り扱いに影響する。政府内では無観客を支持する声も出ている。
東京都の6月30日の新規感染者は714人と11日連続で前週を上回り、直近7日間移動平均は前週比20.3%増の508.4人。感染状況のレベルは最も深刻なステージ4の水準となった。
西村康稔経済再生相によると、同日の関係閣僚会議では東京の新規感染者数が今後1000人を超えるシミュレーションが複数示された。政府関係者の1人はロイターに対し、「11日の解除は難しい。単純延長か緊急事態発動かの議論だ」と語った。
政府は7月8日までにまん延防止措置の解除・延長を判断する見通し。感染状況や病床の逼迫度合いを見極めながら、12日以降の対応を詰める。
複数の政府関係者によると、防止措置を最低2週間延長する案のほか、東京都だけに絞って緊急事態宣言を再発令する案が出ている。病床逼迫程度が悪化すれば、緊急事態宣言の発動は免れないとの声もある。
まん延防止の解除見送りにより、7月23日に開会式を控える東京五輪・パラリンピックの観客上限は見直しが不可避となる。これまで五輪組織委員会は観客上限について収容能力の50%かつ1万人以下との基準を示してきたが、まん延防止が解除できないなら「50%かつ5000人以下との一般的な大規模イベント規制に準じる必要がある」(西村再生相)ためだ。
関係者の1人によると、政府内には無観客開催もやむを得ないとの見方も浮上しはじめている。共同通信によると、公明党の山口那津男代表は1日、都内で記者団に対し、「無観客も視野に入れた上で、(政府は)機を逃さず国民に発信してもらいたい」と述べた。

●“無観客五輪に現実味” 東京の感染者数、ステージ4に 7/1
新型コロナウイルスの感染「第5波」が襲来している。政府は10都道府県に発令している蔓延(まんえん)防止等重点措置に関し、首都圏の1都3県は11日の期限で解除せず、延長する方向だ。東京都については緊急事態宣言の再発令も視野に入る状況で、23日に開幕する東京五輪の無観客開催が現実味を帯びてきた。
菅義偉首相は6月30日、新型コロナ対策の関係閣僚会議で「東京の新規感染者数は増加傾向にある」と述べた。田村憲久厚生労働相は厚労省の会合で「東京は夜間の滞留人口が急増している。病床の使用率も上がってきている」と危機感を示した。
東京では30日の新規感染者が714人まで増えた。直近7日間を平均した1日当たりの人数は508・4人となり、政府の対策分科会が掲げるステージ4(爆発的感染拡大)の水準になった。
厚生労働省に対策を助言する専門家組織によると、都内の病床使用率は上昇傾向で、会合では「現在の速度で流行拡大が続くと7月後半までに確保病床が逼迫(ひっぱく)する」「東京五輪期間に感染拡大が加速すれば8月以降に病床使用率が限界に近づく」との専門家の試算が示された。
先週末に「東京が下げ止まるかが重点措置の延長の可否に影響する」と指摘していた首相周辺は「厳しい状況になってきた」と述べた。政府筋は「宣言発令の検討もあり得る」と語った。
東京ほどではないが、五輪競技会場を抱える埼玉、千葉、神奈川の3県でも新規感染者数が増加している。
国内のワクチン接種は6月29日時点で4300万回を突破した。65歳以上の1回接種率は6割を超えており、感染の比率も減少傾向だが、感染の中心となっている20〜30代への接種はまだ限定的だ。
首相は6月21日、「宣言が必要になった場合は無観客も辞さない」と明言した。現在の政府基準では、重点措置適用中の地域での大規模イベントは「定員50%以内で最大5000人」を上限に認めている。ただ、重点措置が延長されても、「最大1万人としている五輪の観客数上限を5000人に切り替えるのは実務的に難しい」(官邸筋)とされる。
決断のときは迫る。

●東京、感染爆発迫る…五輪開幕時に緊急事態宣言の可能性も 7/1
今年7月23日に開幕する東京五輪・パラリンピック期間中、東京で緊急事態に準ずる「まん延防止等重点措置」が施行される可能性が高くなった。
毎日新聞は「政府が新型コロナウイルス対策で10都道府県に7月11日までの期限で適用している、まん延防止等重点措置について、東京都などで延長する調整に入った」と30日付で報じた。同措置が2〜4週間延長された場合、東京に厳しい防疫対策が施行される中で五輪が開幕することになる。同措置が適用されれば、飲食店の営業時間制限なども実施される。
日本政府がまん延防止等重点措置の延長を検討しているのは、東京の感染状況が当初の予想より深刻であるためだ。東京は29日一日の新規感染者が476人を記録し、10日連続で前週の同じ曜日を上回る感染者が発生した。東京は緊急事態宣言が解除された21日の新規感染者数は236人だったが、23日には619人に急増し、平日は400〜600人台、週末は300人台を維持している。日本政府は東京での感染状況が「爆発的な感染拡大」を意味するステージ4に迫っているとみている。
菅義偉首相は前日の自民党役員会で「首都圏は(新規感染者数が)やや増加傾向にあり、必要な対策を機動的に講じたい」と述べた。新型コロナ政策を任されている西村康稔経済再生担当相も記者会見で「感染者が増えれば、緊急事態宣言なり、まん延防止措置で感染を抑える」と強調した。
まん延防止等重点措置が延長されれば、五輪期間中の観客の規模も問題になる。日本政府は同措置が解除されることを条件に、収容定員の50%の範囲内で最大1万人まで国内観客を受け入れる方針を決めた。ただでさえ五輪に対する世論が良くない中、「無観客」開催に対する要求がさらに高まるものとみられる。同紙は「菅首相はまん延防止措置下の五輪観客数について、プロ野球と同じく最大5000人にしたい考えだ。しかし厚生労働省と内閣官房で『無観客にせざるを得ない』との意見が強い」とし、調整は難航する可能性があると報じた。日本政府は今月8日、まん延防止等重点措置の延長を決定する予定だ。
一方、東京五輪の練習のため来日する外国選手団に対する防疫対策も大幅に強化される。今月中旬に来日したウガンダ選手団の中で、インド発の変異ウイルスであるデルタ株が確認され、遅れて対策作りに乗り出したのだ。読売新聞は同日、「海外選手らに感染者が判明した場合、一緒に合宿するコーチや他の選手ら全員をいったん隔離して、練習の停止を求めることを(ホストタウン向けの指針に)明記する」と報じた。濃厚接触者ではないことが確認され、陰性判定を受けた場合は、練習を再開できる。

●吉村知事 ワクチン配分は全国一律公平でなく「緊急事態宣言地域に」 7/1
大阪府の吉村洋文知事が6月30日、ツイッターに新規投稿し、国から自治体への新型コロナワクチンの供給が滞っている問題を巡り、「緊急事態宣言が出される地域に先行配分すべき」と「戦略的」に配分するよう求めた。大阪市は6月30日、国からの米ファイザー製ワクチンの提供が追い付かないとして、個別接種を行う医療機関向けへの供給を7月から制限すると発表している。
吉村知事は、大阪市のワクチン供給制限に関するニュースを引用し、「同様の懸念は府内他の自治体からも寄せられている。国のワクチン供給量とスピードに限りがあるなら、供給方法は戦略的に行うべき。緊急事態宣言が出される地域に先行配分すべき。消火器の数が限られるなら、消火器のホースは出火元に向けるべき。延焼を防ぐことにも繋がる。」とツイートした。
その後も「全国の接種能力が国のワクチン供給スピードを上回れば、一定の制限が必要になるのは仕方ない。その時、全国一律公平にスピードダウンすべきか、火事が起きやすいエリアはスピードダウンさせないか。まさに国家戦略。後者は批判は多いと思うが、消火器は火災現場に向けるべき。」と重ねて投稿した。

●神戸 酒類提供飲食店でクラスター 宣言解除後初 7/1
神戸市は、酒類を提供する飲食店の店員と客のあわせて8人が先月26日までに新型コロナウイルスに相次いで感染したことが確認され、クラスターが発生したと発表しました。先月21日に緊急事態宣言が解除されて以降、神戸市内の酒類を提供する飲食店でクラスターが発生したのは初めてです。
神戸市によりますと、クラスターが確認された店では手や指の消毒を行い、アクリル板で飛まつの拡散を防止するなど感染対策をしたうえで、兵庫県の要請に応じて、営業時間を短縮し酒類の提供を午後7時までの2時間としていました。
飲食店では先月23日に店員1人の感染が確認されたため、翌24日から休業し、ほかの店員や客も検査を受けたところ、あわせて8人の感染が確認されたということです。
神戸市によりますと、先月21日に緊急事態宣言が解除されて以降、市内の酒類を提供する飲食店で、クラスターが発生したのは初めてです。
神戸市は今月11日までまん延防止等重点措置の対象地域に指定されていて、市では「緊急事態宣言が解除されてたといっても油断することなく、感染対策を徹底してほしい」と呼びかけています。

●再び禁酒令?緊急事態は避けたい政府「もう酒停止しか」 7/1
新型コロナウイルスの感染再拡大が続く東京都で、飲食店での「酒類提供の禁止」が再び焦点となっている。緊急事態宣言が解除された先月21日以降は午後7時までの酒類提供が解禁され、繁華街での人出が増加。政府と都は危機感を強めており、専門家の意見も聞いたうえで判断する方針だ。
「酒類の提供が可能な午後7時までの繁華街の滞留人口だけでなく、感染リスクがより高い深夜帯の滞留人口も急増している」
1日に開かれた都のモニタリング会議。東京都医学総合研究所の西田淳志・社会健康医学研究センター長はそう危機感を示した。
人出の増加はデータからも明らかだ。NTTドコモの携帯電話の位置情報から滞在人口を推定する統計データをもとに、6月28〜30日の午後5時から日付が変わるまでの都内の繁華街6カ所の人出を、緊急事態宣言が解除される前の同じ曜日にあたる同月14〜16日と比較。6カ所すべてで増えており、JR新橋駅東側の「コリドー街」と呼ばれる飲食店街を含む銀座の周辺で、増加率19%と最も高かった。ついでJR上野駅近くが11%、JR池袋駅西口が10%増えた。渋谷のセンター街は7%増、歌舞伎町と六本木交差点はいずれも6%増だった。
感染の急所とされる飲食に関 ・・・
 
 
 

 

●菅首相 “緊急事態宣言下での五輪無観客開催ありうる” 7/2
東京で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、菅総理はオリンピックについて緊急事態宣言下の場合には“無観客開催はありうる”という考えを強調しました。
「『緊急事態宣言の時はどうですか』という質問内容だったと思います。そうしたときに、無観客もありうるということを私から明言しています」(菅義偉首相)
菅総理は、以前述べた“緊急事態宣言下での無観客開催はありうる”という考えに変わりないと強調し、最終的には政府と東京都、IOC=国際オリンピック委員会などによる“5者協議”で決めるとしました。
東京の感染拡大が続いていることから、政府は1都3県に出されている「まん延防止等重点措置」を期限の11日以降も延長する方向で調整に入っています。
東京オリンピックの期間中“まん延防止措置”が適用される可能性が強まったことから、組織委員会幹部は観客について、いまの1万人を上限とする計画のほか、無観客、会場の規模に応じて無観客・5000人を上限とする案等の検討を進めていると明らかにしています。

●“緊急事態宣言”“重点措置”延長に消極的ではない 厚労相  7/2
新型コロナウイルスの感染状況が悪化している東京について、田村厚生労働大臣は、記者会見で「緊急事態宣言の発令やまん延防止等重点措置の延長に消極的なわけではない」と述べ爆発的な感染を起こさないために必要な対応をとる考えを強調しました。
東京都内では、新型コロナウイルスの感染状況が悪化していて今月11日が期限となっているまん延防止等重点措置の扱いが焦点となっています。
これについて田村厚生労働大臣は、記者会見で「ワクチン接種が進んだ場合、重症者は今までより増加ペースを抑えられるだろうが、中等症の病床がひっ迫する可能性がある。病床の状況を踏まえ、専門家に議論してもらわないといけない」と述べました。
そのうえで「緊急事態宣言の発令やまん延防止等重点措置の延長に戸惑っていたり、消極的であったりするわけではない。必要があって、効果があるのであれば、やろうという思いはある」と述べ、爆発的な感染を起こさないために必要な対応をとる考えを強調しました。

●緊急事態やまん延防止、感染状況や専門家の意見踏まえ判断 7/2
加藤勝信官房長官は2日の閣議後の会見で、11日までを期限とし一部地域に発令されている緊急事態宣言やまん延防止等重点措置は、感染状況や医療提供体制、専門家の意見を踏まえ総合的に慎重に判断すると述べた。
東京オリンピック大会の観客については、大会組織委員会など5者協議で協議されることになっており、「国民の安心・安全を最優先に、その時の措置などの状況を踏まえ、適切な判断がなされてくと思う」との認識を示した。
また、フランス検察当局が、中国新疆ウイグル自治区での人権問題を巡り、ユニクロのフランス法人を含む衣料品小売り4社に対する捜査を開始したことについて、「日本企業の正当な経済活動が確保されるよう引き続き関連の情報収集をし、個別の状況に応じて適切に対応するというのが基本的な考え方」と発言した。
一方、米国務省が1日、世界各国の人身売買に関する報告書で、日本の外国人技能実習制度を問題視したという報道について、この報告書に関して政府として意見を述べることはしないとした上で、人身取引は「重大な人権侵害で、政府は関係省庁と連携し、人身取引対策をしっかり取り組む」考えを明らかにした。 

●田村厚労相、緊急事態宣言の効果ない場合「それよりきつい手はない」 7/2
田村憲久厚生労働相は2日の記者会見で、新型コロナウイルス感染拡大を巡り、緊急事態宣言発令中の沖縄県で若者の人出が増えているなどとして「若い方にも理解をいただき、リスクの高い行動を避けるようお願いしなければならない」と要請した。コロナ禍の長期化を踏まえ、専門家から若者の理解が得られる方策の必要性が指摘されているとした。
東京都などで感染増加傾向が見られる首都圏での緊急事態宣言発令の是非について「(発令して)効果がなければ、次に打つ手は、もうそれよりきつい手はない」と指摘。同宣言などの措置を含め効果的な対応が必要だとして「どのような状況で、どのような対策を打てばいいかを考えなければならない」と語った。
田村氏は2日に1回目のワクチン接種を受けると明らかにした。中央府省庁の国家公務員らを対象にした職場枠を活用する。

●緊急事態宣言解除後の東京都の週末の人出  7/2
2021年6月20日に東京都を含む9都道府県で緊急事態宣言が解除され、まん延防止等重点措置へ移行されました。今回は緊急事態宣言解除後の東京都の土日の人出を調査しました。
各エリアの緊急事態宣言解除後の土日の人出を前週同曜日と比較しました。
【期間】
2021/6/19(土)、2021/6/20(日)前週同曜日
2021/6/26(土)、2021/6/27(日)緊急事態宣言解除後
【エリア】
渋谷センター街 /  新宿歌舞伎町 / 原宿 / 銀座
【時間帯】
6時台〜23時台
 渋谷センター街の土曜日の人出
宣言解除後、初の土曜日は前週同曜日と比較して15%増加しています。
時間帯別では18時台〜23時台が25%増加と夜の人出が増加傾向です。
 渋谷センター街の日曜日の人出
日曜日は13%減少していました。特に減少していたのは12時台〜17時台で18%減少です。
 新宿歌舞伎町の土曜日の人出
8%減少しています。時間帯別では18時台〜23時台が最も減少しており、14%減少です。
 新宿歌舞伎町の日曜日の人出
日曜日は23%増加しています。時間帯別では12時台〜17時台で30%人出が増加していました。
 原宿の土曜日の人出
29%増加しています。時間帯別では6時〜11時台の人出が52%増加していました。
 原宿の日曜日の人出
6%増加しています。18時台〜23時台の人出が最も増加しており43%増加でした。
 銀座の土曜日の人出
6%増加しています。最も増加している時間帯は12時台〜17時台で8%増加でした。
 銀座の日曜日の人出
1%減少とほぼ変わりありません。12時台〜17時台で4%減少していました。
東京23区の外出時間を緊急事態宣言解除後の土日と前週同曜日で比較しました。
【期間】
2021/6/19(土)、2021/6/20(日)前週同曜日
2021/6/26(土)、2021/6/27(日)緊急事態宣言解除後
【エリア】
東京23区
【滞在場所】
自宅、職場以外
 ●東京23区の1日の平均外出時間
土曜日の1日の平均外出時間は前週同曜日と比較し、33分増加しています。一方日曜日は変わりありませんでした。
まとめ
・渋谷センター街の緊急事態宣言解除後の人出は土曜日15%増加、日曜日13%減少。
・新宿歌舞伎町の緊急事態宣言解除後の人出は土曜日8%減少、日曜日23%増加。
・原宿の緊急事態宣言解除後の人出は土曜日29%増加、日曜日6%増加。
・銀座の緊急事態宣言解除後の人出は土曜日6%増加、日曜日1%減少。
・東京23区の1日の平均外出時間は緊急事態宣言解除後、土曜日33分増加、日曜日変わりなし。

●コロナ禍と新語、流行語 「3密」から「うっせぇわ」へ  7/2
コロナ禍の影響が続く。健康や医療はもちろん、政治、経済、スポーツ、文化、暮らしなど広い範囲に及ぶ。「言葉」もそのひとつだろう。
続々誕生、コロナ関連の硬い新語や流行語
「社会問題に関係する硬派の新語、流行語が、これだけまとめて出たのは非常に珍しい例です」
梅花女子大学の米川明彦名誉教授は、この1年半のコロナ禍を振り返る。長年、流行語や若者言葉など俗語の研究を続けている。1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災でもこんなことはなかった。「しかし、耳で聞いてすぐに分からない言葉が多すぎます。高齢者を含め多くの人が共有できるものではありません」
クラスター、オーバーシュート、ワーケーションなど外来語が増えた。外来語だけでなく、最近多用される「人流」という漢語、「打ち手」という和語も「注射する人」という意味ではこれまで聞いたことのなかった言葉だ。「コロナ禍」も聞いただけでは分かりにくく、話し言葉としては抵抗があるという。数少ない傑作が「3密」。日本人が好きな「3」を取り入れ、スローガンにはもってこいだった。今では使われなくなったが、「アベノマスク」も皮肉が利いていると評価した。
昨年の夏頃、すでに大量のコロナ関連語が社会にあふれていた。100近くの語を7月の特集記事で紹介した。読売新聞オンラインでも掲載している。
昨年の「ユーキャン新語・流行語大賞」はコロナ関連が席巻した。
年間大賞は「3密」。トップテンには「アベノマスク」「アマビエ」「オンライン○○」「Go Toキャンペーン」などが入った。「新しい生活様式」「おうち時間」「クラスター」「自粛警察」「濃厚接触者」なども候補に挙がるなど、コロナ関連語のオンパレードである。
コロナ関連の印象深い言葉は、その後も相次いで登場している。
「路上飲み」「越境飲み」「変異株」「まん延防止(まんぼう)」「マスク会食」「人流」「打ち手」「職域接種」「第三者認証」など枚挙にいとまがない。
共通項は「場違い感」…気になる「人流」「打ち手」「豪奢品」
違和感を覚えるコロナ関連の言葉がいくつかあり、その理由を考えてきた。「新しい生活様式」「おうち時間」「夜の街」などだ。「新しい生活様式」は昨春、専門家が突然発表した。「おうち時間」はすっかり定着した感がある。「夜の街」は今ではあまり使われなくなったが、違和感の度合いは突出していた。
共通しているのは、従来使われていた場面などとの食い違い、いわば「場違い感」だ。「生活様式」はもともと、学術用語。広辞苑は「生物の生活の仕方。生息場所や行動、栄養の摂取法、繁殖の仕方などを総合的にとらえる場合にいう」と説明している。手洗いやマスクなどの「生活習慣」を指すには大げさな感じがする。逆に「おうち」は、子どもの言葉という印象が強い。知事らが、記者会見など公の場で使うことはあまりなかったはずだ。ニュース番組で、「夜の街」が頻出した際には、「昭和歌謡のような雰囲気の言葉」という指摘もあった。これも記者会見やニュース番組で耳にする語ではなかったのではと思う。次第に「夜の繁華街」などに言い換えられるようになった。
最近気になるのは「人流」。主な国語辞典を調べてみたが、採録されていない。「物流」に対する専門用語として使われていたようだが、特に話し言葉では分かりにくい。「人の流れ」で通じるだろう。「打ち手」は、一般に、打つという動作をする人のこと(日本国語大辞典)。鉄砲、太鼓、ばくちなどについて使われてきたが、注射に用いたのが新しさであり、違和感の原因だろう。ただ、こちらは良い言い換えが思い浮かばない。デパートの営業規制の際に使われた「 豪奢品(非常にぜいたくな品)」も気になった。
いずれも不意打ちのように現れ、聞いている人を戸惑わせる。米川名誉教授が危惧するのが、コミュニケーションへの影響だ。広い世代が共有できない言葉はこれを妨げる。専門家が分かればいいというものではない。特に困っているのが手話を使っている人。手話は手の動きだけでなく表情が重要だ。マスクで口元が隠れ、コミュニケーションが十分に取れない。
「重要なのは伝えることではなく、通じ合うこと。相手を理解したい、相手からも理解されたいという思いがコミュニケーションを支えています。この思いがないと、言葉は独りよがりで、自己満足的なものになっていきます」 ・・・

●オリンピックを控え、東京で新型コロナの新規感染者が660人発生 7/2
東京で2日の一日間に660人の新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)の新規感染者が新たに確認された。五輪が3週間後に迫っているが、感染者は減っていない。
日本のNHKの報道によると、東京の一日における新規感染者数は13日連続で前週同曜日よりもさらに高い数値を記録している。2日の新規感染者数は660人を記録し、1日の新規感染者数は673人だった。
東京都は新規感染者が1日で500人以上発生した場合、まん延防止等重点措置より深刻な緊急事態宣言が必要な状況だとしている。
さらにこの日、東京都で新たに確認されたデルタ変異株の感染者は63人と確認された。このうち、27人を除いては感染経路が伝えられておらず、さらなる拡散が懸念されている。
東京都当局の関係者は「(新型コロナ感染者数の)増加傾向は変わらず予測不可能な状況」とし「拡散防止のため、週末には不必要な外出の自制をお願いする」と述べた。
現在、日本は東京五輪の開幕が迫っている中、感染拡大が深刻化し、大会中に競技場に入場客を受け入れるかどうかが再び議論されている。
特に来る8日には日本政府、東京都、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)が出席する「5者協議」で無観客オリンピックの進行可否などを論議する計画だ。
これに先立ち、日本政府はオリンピックの競技が行われる競技場で定員の50%以内、最大1万人(開幕式は2万人)までの観客を入場させるることを決めたが、感染者数が増えているだけに、方針を修正する可能性が高いという。
東京都の小池百合子都知事はこの日の定例記者会見で「無観客を軸に考える必要があるのではないかと思う」と述べた。
 
 
 

 

●河野大臣「詳細を知らない」 緊急事態宣言下の離島出張 7/3
沖縄総合事務局の吉住啓作局長が、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言の対象だった5月に、来島自粛を求めていた北大東村や久米島町へ相次いで出張したことなどについて、河野太郎沖縄担当相は2日の会見で「詳細を全然知らない」とし、「総合事務局にお尋ねいただきたい」と明言を避けた。

●吉住・沖縄総合事務局長、緊急事態宣言発令中に離島出張 沖縄 7/3
沖縄総合事務局の吉住啓作局長が、新型コロナウイルスの緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象だった5月に、来島自粛を求めていた久米島町と北大東村へ出張していたことが2日までに分かった。同局が制作している沖縄観光PRサイト「オキナワンパールズ」で使用する写真の撮影や情報収集が目的だった。専門家は、医療体制が脆弱な離島にウイルスを持ち込めば、医療崩壊につながりかねないと指摘している。
2日、本紙の取材に応じた吉住氏は「批判が出ることも承知していたが、不要不急の出張ではない。この時期に取り組むべき大切な公務だった」と述べ、判断は妥当だったと強調した。
吉住氏は久米島町に、緊急事態宣言下だった5月26、27日、事務局職員2人と訪問した。町は来島自粛を求めたが、吉住氏から複数回申し出があったため、感染防止対策の徹底や大田治雄町長と面談しないことを条件に受け入れに応じた。町職員が文化財や史跡約10カ所を案内したという。
町の関係者は、観光PRにつながる部分もあり受け入れたものの国の機関からの申し出は断りづらかったとし「時期的には訪問を控えてほしかった」と述べた。
吉住氏は6月上旬、竹富町と宮古島市にも訪問を打診したが、両市町は緊急事態宣言を理由に断った。
北大東村へはまん延防止等重点措置の対象期間だった5月19、20日に訪問。宮城光正村長とも面談した。
吉住氏は「沖縄の経済を戻すには、観光業の復活が鍵」だとし、観光地競争が予想される9月までに、サイトに全41市町村の情報を載せる意義を強調した。その上で「質の高い観光と観光客誘致のため、5月からラストスパートで準備する必要があった」と訴えた。
群星沖縄臨床研修センター長の徳田安春医師は、感染症に対する備えが脆弱な離島にウイルスを持ち込めば、医療崩壊につながりかねないと問題視し、「国民に自粛を求める側の国の重役として不適切な判断だった」と苦言を呈した。
河野太郎沖縄担当相は2日の会見で記者団の質問に「詳細を知らない。総合事務局に聞いてほしい」と述べるにとどめた。

●五輪開催で感染爆発する可能性?4度目の緊急事態宣言に効果はあるか? 7/3
変異ウイルスの影響が小さく、人の流れがこれ以上増加せず、五輪の影響がなかったとしても7月中に1日の新規感染者数は1000人を超えるーー。厚労省のクラスター対策班のメンバーで京都大学准教授の古瀬祐気さんがこのようなシナリオ分析を発表した。五輪の影響が大きくなれば、感染爆発が起きるのか。このまま感染拡大が続けば、4度目の緊急事態宣言を発出するしかないのか。BuzzFeed Newsは古瀬さんに話を聞いた。
――現在の感染状況について、どのように分析していますか?
リバウンドは始まってきていると思います。しかし、このリバウンドの波が今後大きくなっていくのかどうかはわかりません。現在はリバウンドの兆候が見えていますが、これは緊急事態宣言が解除され重点措置へと移行し、感染対策が少し緩んだことによる影響かもしれません。現在は人流が増えつつありますが、もしかすると、ある一定のラインに達したところで頭打ちになる可能性もあります今後の推移については、現状では判断が難しい状況です。
――6月30日に公表された「6〜9月東京における流行プロジェクション」というシナリオ分析では、変異ウイルスの影響が小さく、人の流れがこれ以上増加せず、五輪の影響がなかったとしても7月中に1日の新規感染者数は1000人を超えると分析しています。しかし、これは、かなり楽観的ではないでしょうか?五輪がこのまま開催された場合にはどのようになると考えていますか?
2つのポイントがあります。1つ目が人流と感染拡大の関係性についてです。時折、「人流が増えたからといって感染者数が増えるとは限らない」という批判をされる方がいますが、これはおっしゃる通りです。我々、専門家も人の流れが増えただけで感染者数が増加するとは考えていません。感染症は人から人へうつります。そして、人と出会う頻度が高くなれば感染する確率も上がります。ですが、誰が毎日何人と会っているのかを知る術を私たちは持ち合わせていません。そうした動向を分析するための代替的な指標が人流です。
――オリンピックについては組織委員会や東京都などが開催期間中の人流を減らす作戦を練っています。まだ決定していないものもありますが、今後様々な対策を講じるはずです。では、そのような対策によって人流が減れば感染拡大は起こらないのでしょうか?
人流はあくまで代替指標であり、感染拡大につながるのは人と人との接触機会です。例えば電車に乗る人の数など人流が減ったとしても、開催期間中に宅飲みなども含めて飲み会など接触機会が増えて感染が拡大することを専門家は危惧しています。人流の増加が抑えられたとしても、飲み会や会食など、人と接触する頻度がどの程度増えるのかはわかりません。ですが、五輪を開催すれば、おそらく減ることはないでしょう。よって、五輪開催によって感染拡大が加速される可能性があります。2つ目は五輪の有無よりも前にその後の感染状況は決まっているということです。五輪を開催すれば感染拡大する可能性があることは間違いありませんが、感染状況はかけ算なのでその時点で街中に感染者がどれだけいるかが重要な因子となります。つまり、五輪開催期間中の感染状況は、「その時点での感染状況×五輪の影響」で決まります。五輪による影響が大きく出そうだということは、五輪開催前の段階で街中に感染者がたくさんいるということを指します。ですから、五輪が始まるその時にはこの夏にどの程度感染拡大し得るのか、波の大きさを決定する根元の部分はほぼ決まっていると考えてよいでしょう。
――シナリオ分析では人流の増加が7月以降も続く場合、7月下旬から8月中旬頃に爆発的な感染拡大の可能性があるとしています。6月30日のアドバイザリーボード(厚労省の専門家助言組織)では緊急事態宣言の解除前と比べて東京の夜間の滞留人口が18.1%、昼間の滞留人口が8.3%増加していると報告がされていますが、爆発的な感染拡大というシナリオに近づいていると思いますか?
可能性はもちろんあります。ですが、その可能性がどの程度あるのかということについては今後、人流がどのように推移していくか次第です。現時点で、どの程度の確率で爆発的な感染拡大が起きるのかといったことはわかりません。
――シナリオ分析では五輪開催による人流増加は5%と見積もられています。これは、観客などだけでなく五輪開催によって増えるあらゆる人の動きという定義でしょうか?
はい。ただし、この5%という数字については、強い根拠があるわけではなく、あくまで1つのシナリオです。緊急事態宣言がある場合とない場合では、人流は10%〜20%変化します。ですので、その半分くらいが妥当ではないかと考えました。ちなみに昨年8月に帰省などで増えた人流も5%程度でした。
――この数字はかなり低く見積もられていませんか?
ここには市民の皆さんへ期待を込めた部分もあります。今年の夏に感染拡大するリスクは繰り返し発信されています。このような発信を受けて、一人ひとりが行動を変えてほしい。そのような願いを込めた数字です。
――五輪は開催するけれども皆さんの行動は制限してください、という矛盾したメッセージの問題があると専門家有志も6月18日の提言で言及しています。この問題はどう解決していくべきなのでしょうか?
これは非常に難しいポイントです。五輪の報道を見た人々が、感染対策を不要だと勘違いしたり、あるいはきちんと対策を守ることが馬鹿らしいと感じてしまわないような報道がなされることを願います。
――今年に入り、ほぼ常に緊急事態宣言もしくは重点措置、あるいは時短営業といった制限が課されています。自粛疲れのようなものもピークに達しつつあると思いますが、緊急事態宣言を再び発した場合、効果はあると思いますか?
その緊急事態宣言の内容にもよりますが、基本的には緊急事態宣言の効果はあるということが我々の研究でもわかっています。3回目の緊急事態宣言が発出された際には、正直どこまで効果を発揮するのか不安な面もありました。ですが、どのような対策を講じるか次第でその効果も変化します。1回目はまだわからないことが多いこともあり、緊急事態宣言が非常に強い効果を発揮しました。2回目の宣言では、1回目ほどではありませんでしたが実効再生産数は0.8程度下がっています。3回目の宣言では、2回目の宣言の内容に加えてお酒の提供禁止という対策をプラスしたことで効果を発揮したと分析しています。もしも、もう一度緊急事態宣言を出す場合、3回目と同じ内容でどの程度効果を発揮するかはわかりません。ですが、一定程度効果があることは間違いありません。
――すでにお酒の提供禁止というカードはきってしまいました。もしも、もう一度宣言を出す場合、その効果を高めるために、お酒の提供禁止という方法以外にはどのような選択肢があり得るのでしょうか?
具体的な選択肢についてはわかりません。ただし、重点措置の中で各都道府県が実施している飲食店でお酒を提供する場合の人数制限は良い方法だと思います。これよりもさらに強い対策となると、現在の特措法の範囲内でできることは限られています。また、電車の本数を減らすといったことすれば、かえって人が密集してしまう可能性もあるため慎重に検討する必要があります。

●水晶浜と竹波海水浴場の海開きは7月9日に延期 福井県 7/3
新型コロナウイルス感染拡大により県独自の緊急事態宣言が出されたことを受け、福井県美浜町の竹波区は7月3日に予定していた水晶浜海水浴場と竹波海水浴場の海開き式を7月9日に延期する。
6月末に町との協議で決めた。同区の澤田忠義区長(61)は「宣言の対象は県全体。延期は致し方ない」と話した。
両海水浴場の海開きは2年ぶりで、感染防止を呼び掛ける看板の設置やシャワーの定期的な消毒などの対策を講じる予定。

●添乗員は見たコロナ禍の「密告ツアー」の修羅場 7/3
コロナ禍で旅行業界は苦境の真っ只中にある。外出自粛の要請は長引き、観光地から人の姿が消えて久しい。夏本番を迎え、旅心をかき立てられている人も多いことだろう。そんな厳しい状況にある旅行業界は、以前よりアクシデントが日常茶飯事であり、そのしわ寄せはすべて添乗員に行ってしまう。
理不尽なのは客だけではなく、旅行代理店、土産店などで働く“ギョーカイ人”も同様だという。67歳の現役派遣添乗員の梅村達氏の著書『旅行業界グラグラ日誌』より、現場での抱腹絶倒なエピソードを一部抜粋し再構成のうえ紹介する。
2019(令和元)年までの旅行業界およびその関連業界は、順風満帆という言葉そのままのイケイケ状態であった。海外から日本を訪れる観光客数は、直近の数年にわたって右肩上がりを続けていた。その状況を見こんで土産物業者が施設を拡充したり、ホテルが続々とオープンしたりと、業界は拡大の一途をたどっていた。
京都などの有名観光地においては、外国人ツーリストたちでひしめき合う状況が、ごく普通の光景となっていた。私も添乗業務で、京都の清水寺をしばしば訪れる。いつ行っても外国人だらけというのが、近年の清水寺事情である。
京都はまた修学旅行の、定番中の定番コースでもある。外国人たちに加えて、修学旅行の大集団に遭遇しようものなら、添乗員は大変なことになってしまう。団体ツアーで清水寺へ行くには、観光バスの駐車場から寺へと続く参道を、5分ほど歩かなければならない。その両軍団で大にぎわいの参道ともなると、心理的に5分が遥かなる道のりとなってしまうのだ。
満員電車なみの人ごみの中を、40人もの集団を引き連れて歩く様子を、想像していただきたい。参加者の中から迷子が出ることも、珍しいことではない。そんなことになったら、添乗員は冷や汗ものだ。
周囲はおびただしい人だらけで、騒音に取り囲まれて、迷子からかかってきたケータイの声も、ろくろく聞き取ることもできない。迷子を見つけるまで、イヤな汗が流れ続ける。
それは何も清水寺に限ったことではない。名にしおう観光地ともなれば、多かれ少なかれそのような添乗員泣かせのことが、繰り広げられている。観光大国となりつつあるニッポンの、狂騒曲の1コマなのである。
業界のイケイケ気分は、2020年の東京オリンピック開催決定で、いやが上にも盛り上がる一方であった。ところが新型コロナウイルスの世界的な感染大流行(パンデミック)によって、状況は一変してしまう。わが世の春を謳歌していた業界は、急にハシゴをはずされて、転落の一途を余儀なくされてしまった。
平和産業たる旅行業界の被害は甚大で、業界内のあらゆる企業が惨憺たる事態におちいってしまった。その中で仕事を得ている添乗員もまた、もちろん例外ではない。半年ほど仕事は、完全にストップ。それでもコロナの勢いが下火になって、国内ツアーの添乗業務は、秋頃からじょじょに復活し始めた。けれども海外ツアーは2020年の末現在、仕事再開の目処はまったく立っていない。
それに対して添乗員たちは、大別すると次の2つの処し方で、厄難をやり過ごそうとしている。まず大方は国内の添乗業務にスライドし、海外ツアーの復活を待つことにするという対処の仕方だ。
一方これを機に、転職してしまった人も少なくない。その人たちも、2通りに分類される。 とりあえずは様子見で、別の仕事についているというグループ。そしてこの騒動を潮に、すっぱりと添乗員から足を洗ってしまった人たちだ。添乗員というのは、収入が不安定な浮草稼業である。今回の感染症の大流行で、改めて寄る辺なき脆弱な職業ということを、身をもって思い知らされた。
そこでダメージを受けた業界を救済するという目的で、政府のキモ入りで「Go Toトラベル」事業がスタートした。
国の支援を受けて秋口になって、ぼちぼちと国内ツアーは復活してきた。私も2020年10月の終わり頃から、添乗業務を再開するようになった。といっても相変わらず疫病に罹患する人は多く、出発するツアーも、まばらではあったが。
私の乗った観光バスが、高速道路を走る。対向車線に目をやれば、観光バスとすれちがうことは、ほとんどなかった。サービスエリアに立ち寄っても、他のバスは滅多にいなかった。
観光地や土産物店に寄っても、同じことである。本来ならば1年で最もにぎわいを見せる紅葉シーズンに、団体ツアーの客足はいまひとつであった。
それでも秋が深まるにつれて、ツアーの参加者がぽつりぽつりと増えてきた。ひじょうにありがたいことなのであるが、困ったことも起こった。
バス内のトラブルでもっとも多いのが、ケータイに関するものである。大声でしゃべる、長時間にわたって会話をするなどの迷惑行為が、まれにある。次に多いのが、リクライニングシートを倒すことで起きるもめごとだ。たいていはシートを倒すことは禁止と言うと、収まるものである。
だが知り合いの添乗員のバス内では、女性どうしが髪をつかみあうケンカにまで発展したこともあったという。
はやり病が収束を見せない中でのバスツアーでは、新種のトラブルが出現した。
ウイルスに対する意識は、人さまざまである。見えない敵に対して過剰に反応する人がいる一方で、ほとんど気にかけないという人もいる。
感染にのほほんとしたグループが、話に花を咲かせている。それに対して意識が対極的で、かつ気性の激しい人が注意をした。そうして言い合いになってしまい、バス内の雰囲気が悪くなってしまったことがあった。
またコロナ禍のバス内では原則、食べることは禁止となっていた。けれども移動時間の長い折など、ビスケットなどの音の出ない食べ物を、こっそりと口にしのばせる人もいたりする。それを見つけて、私に知らせに来る人がいた。
マスクを一時的にはずして、食べ物をつまむぐらい、個人的には目クジラを立てるようなことではないと思う。立場上、ツアーの参加者を前にして決して言うことはできないことであるが。
だが、そういう場合に添乗員が何も行動を示さないと、確実にクレーム沙汰になってしまう。そこでなるべくやんわりと、隠れ食いをした人に注意するようにした。
そのようなことが何度もくり返されると、本来ならば愉しむために参加しているバス旅行が、いつしか密告ツアーめいた趣になってしまうのが、そら恐ろしかった。 

●緊急事態宣言解除後 新規感染者 20代で増加 7/3
新型コロナウイルスによる京都府の緊急事態宣言が先月21日で解除されたあと、府内では、20代の新規感染者が増加していることが分かりました。京都府がホームページで公表しているデータを分析したところ、宣言最終日の先月20日の直近10日間の新規感染者は204人、宣言解除直後の先月21日からの10日間の新規感染者は136人で、新規感染者は34%減少しています。一方、新規感染者を年代別で見ますと、60歳以上は宣言解除直前の57人から宣言解除後に13人となり8割近く減少したのをはじめ、各年代で新規感染者が減少していますが、20代だけは2人増加しました。また40代はわずか2人減少しただけで、全体的に若い世代で減少が少ないことが分かりました。この分析結果に対し京都府は、変異株は感染力が強く引き続き予防対策を徹底してほしい。特に自分自身が感染しないことはもちろん、家族や友人に感染させないためにも、マスクの着用や手洗い、また3密にならない工夫を心掛けてほしいと話しています。

●3日の横浜市 101人感染、市立中クラスター拡大 7/3
新型コロナウイルス感染症を巡り、横浜市は3日、10歳未満〜80代の男女101人の感染を新たに確認したと発表した。重症1人、中等症4人、軽症89人、無症状6人、調査中1人で、うち70人の感染経路が不明。
市内の接待を伴う飲食店では従業員1人の感染が新たに判明。同店では従業員4人の感染が確認されており、市は新たなクラスター(感染者集団)と認定した。同店従業員約40人が検査を実施中という。
既に確認されているクラスター関連でも感染者が拡大。市立中学校では教師1人の感染が新たに分かり、感染者は計13人となり、市内の不動産関連の事業所では従業員1人の感染が新たに判明し、計8人となった。

●国内で1881人感染、9人死亡 東京はステージ4相当 7/3
国内で3日、新たに1881人の新型コロナウイルス感染が確認された。東京716人、神奈川254人、千葉157人、大阪148人など。厚生労働省が同日までに公表した6指標では、東京は人口10万人当たりの新規感染者数など三つの指標がステージ4(爆発的感染拡大)相当だった。
死者は北海道と千葉で各2人などの報告があり、計9人だった。厚労省によると、重症者は501人で前日より10人減少した。
東京の感染者数は前週の土曜日より大幅に増加。感染状況を示す指標では、新規感染者数に加えて療養者数と感染経路不明の割合についての指標がステージ4相当だった。
 
 
 

 

●宮古島「来島控えて」 東京や大阪の緊急事態宣言明けで観光客が増加 7/4
沖縄県宮古島市の座喜味一幸市長は1日、市役所で会見し、県外から多くの観光客が来島していることを踏まえ「県内に緊急事態宣言が出ている間は、観光を目的とした来島を控えてほしい」と呼び掛けた。
市によると、東京都や大阪府などに発令されていた緊急事態宣言の解除以降、多くの観光客が来島しており、飲食店では行列も見られる。
座喜味市長は、変異株の「デルタ株」が島内に持ち込まれて感染が再拡大する懸念があるとし「やむを得ず来島する場合は事前にPCR検査を受けるか、空港での受検に協力してほしい」と呼び掛けた。
市民には、不要不急の島外への移動自粛やワクチン接種への協力を求めた。

●五輪目前、再宣言不可避の見方 政府など無観客含め調整へ 7/4
新型コロナウイルス感染が再拡大する東京都に関し、東京五輪直前にも緊急事態宣言の再発令に踏み切らざるを得ないとの見方が強まっている。専門家は今月中旬には感染者がさらに増えると分析。8日には国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が来日予定で、政府、大会組織委員会、都などは早ければ週後半にも五輪の在り方について、無観客とすることを含め調整を急ぐ。
田村憲久厚生労働相は2日の記者会見で、東京の扱いに関し「宣言発令、まん延防止等重点措置の延長に消極的ではない。必要があり効くならやろうという思いはある」と述べ、宣言再発令を否定しなかった。
内閣官房資料(1日時点)によると、東京の10万人当たりの直近1週間の新規感染者数は26人。宣言発令の目安となるステージ4相当(感染爆発)に達しており、なお増加傾向にある。
厚労省の専門家会議には、今月中旬に都内の新規感染者は1000人を超えるとの分析が示されている。同会議メンバーは「宣言を出すか出さないかではなく、今の焦点はいつ出すかだ」と指摘。「増えてから宣言を出すのでは遅い。早くすべきだ」と訴える。
判断の遅れは医療提供体制の逼迫(ひっぱく)につながりかねない。政府関係者は「たとえ今は病床に余裕があっても、感染者が増えれば保健所などがパンクする」と懸念を示した。
政府は8日に、11日が期限の東京都、埼玉、千葉、神奈川各県への重点措置の延長と、それ以外の6道府県の解除を決定する方向だが、感染がさらに加速すれば五輪開幕前や開催中の宣言再発令は現実味を帯びる。沖縄県は宣言延長の可能性もある。
こうした流れを見越してか、組織委の橋本聖子会長は2日の記者会見で、五輪に関し「無観客も覚悟しながら対応できるようにしたい」と言及。東京都の小池百合子知事も会見で「無観客も軸として考える必要がある」と足並みをそろえた。政府高官は「菅義偉首相は観客の有無にこだわっていない」と明かす。バッハ会長来日に合わせた5者協議で対応が決まる見通しだ。
一方、政府は東京の感染状況の悪化に伴い、飲食店での「酒類の提供を再び停止する」との姿勢を一時示したが、具体化していない。小池知事の入院による都の「トップ不在」も影響したとみられる。
今後の感染対策の在り方をめぐっては、政府内に飲食店へのさらなる打撃を懸念する声が根強く、対策強化を求める専門家との調整が難航する可能性もある。

●感染再拡大 ワクチンの戦略的配分を 7/4
国から自治体への新型コロナウイルスワクチンの供給が滞っている。千葉市や神戸市などでは新規予約を一時停止する事態になっている。
ワクチンが不足しているなら、政府は感染リスクが高く、接種体制が整っている地域に優先供給する「戦略的配分」も検討すべきだ。
大阪府の吉村洋文知事は2日、河野太郎ワクチン担当相と面会し、「リスクの高いエリアに早く供給していくことが国家的に必要だ」と訴えた。首都圏の1都3県の知事も感染リスクの高い地域への重点配分を国に要望した。
国はこうした意見に耳を傾け、感染阻止のあらゆる手段を講じなければいけない。
河野ワクチン担当相は「ワクチンは不足しているわけではない」としてきたが、接種の加速化に供給が追い付いていない。職場接種の再開も見込めない。
すでに配分したワクチンが一部の自治体や医療機関で、接種予定がなく「在庫」になっている可能性もある。都市部では新型コロナウイルス感染症の再拡大が強く懸念されており、未使用分を蓄えておく余裕はないはずだ。国は精査の結果を示してもらいたい。
東京都では3日、新規感染者数が716人に上った。感染拡大の傾向は顕著で、7月中には1千人を超えるとの試算もある。
政府は1都3県で7月11日まで適用されている蔓延(まんえん)防止等重点措置を1カ月程度、延長する方向で調整を行っている。
しかし、延長だけでは不十分だ。緊急事態宣言が重点措置へ移行して感染者数が増えたのだ。これまでにない対策を取らなければ改善は見込めまい。
感染拡大の背景に感染力の強いインド由来の変異株「デルタ株」の存在がある。関東地方では流行の30%前後を占めるとされる。7月半ばには50%を超え、従来株から置き換わる可能性がある。
大阪府では4月、従来株が英国由来の変異株に置き換わる過程で急激な感染拡大に襲われた。同じことが首都圏でも起こりうる。
良いニュースもある。1回でもワクチンを接種した高齢者は6割を超えた。新規感染者に占める65歳以上の高齢者の割合は着実に減ってきている。ワクチンはデルタ株にも有効だ。
都市部で流行を抑えられれば周辺地域への伝播(でんぱ)も防げる。

●子どもたちに“大切”なものは?コロナ禍で疲弊する先生たちの緊急事態宣言 7/4
2020年春、学校から子どもたちの歓声が消えた。すべての始まりは2月27日、当時の安倍晋三首相が“休校宣言”をしたこと。突然の“宣言”により3ヵ月に渡って学校での学びが止まった。休校期間中の5月から取材を進め、現場で目にしたのは先の見えない感染対策と増える教師の負担だった。「まさか、こんな日が来るとは」と誰もがそんな思いを抱えていた。
ソーシャルディスタンスに膨大な消毒作業、楽しかったはずの給食もただ黙々と食べるだけに。教育現場では、子どものケアをするにつれて、教師の仕事量は増え、“働き方改革”どころではなくなっていく。子どもたちにとって“大切”なことは何だろう。教師が子どもたちに出来ることは何なのか。3度目の緊急事態宣言が明けた今、コロナ禍であぶり出された、学校が本当に大切にするべきことに迫っていく。
子どもも大人も、みんな悩んだ
埼玉県新座市立野寺小学校の本格的な1学期は、入学式と共に2020年6月1日から始まった。児童数は650人(取材時)。全員が手洗いを済ませてから、それぞれの教室に行き、着席する。闘い続けたコロナ禍の1学期。取材当時は4年1組の担任だった平澤英子先生は教壇に立った。感染対策のため、この日は午前と午後に分かれての分散登校。クラスの半分が揃った4年1組で平澤先生が開口一番、子どもたちにこの3カ月は大人も先生も悩み、そして悩むことは悪くないことだと伝えた。
「これほど大人が悩んでいる姿を見るというのは初めてだったのではないでしょうか。おうちの人も社会全体でも。世界中の人が初めてのことで、非常に悩んでどうしたらいいんだろうって。いろいろなことを試し、うまくいかなければ、もっとどうしたらいいのだろう。そういう3カ月だったと思います。でも試してみる、うまくいかない、また試してみるというのは、学校生活で今までやってきたことと実は同じ」しばらくは午前と午後に分かれての分散授業が続くため、平澤先生は会えない友達へのメッセージをホワイトボードに残そうと提案。「どうしたらクラスの絆を保てるか」を懸命に考えたアイデアだった。
初日の子どもたちの様子を振り返るが、先生たちの感傷も一瞬。待っていたのは児童の座席一つ一つの消毒作業やトイレの清掃。やらねばならないたくさんの仕事を後回しにしての作業だった。そんな中でも、平澤先生が一番大切にしていたのは子どもたちとの「日記」だった。「放課後の仕事の中で私はこの日記を見るのが一番楽しい時間です」とほほ笑む。
嬉しかったことや楽しかったことだけでなく、悲しかったこと、不安や相談など子どもたちの喜怒哀楽が詰まっている。そして、日記には必ず返信を添えていた。「久しぶりの給食が静かすぎて寂しかった」と書いた子には「本当にそう思います」と返し、「分散登校中の寂しさを克服した」という子には笑顔のマークで応える。しかし、そんな大切な時間が危機に瀕していた。
教育現場で一番大事な仕事は何?
先生たちの出勤は早い人で早朝。朝6時や6時半に出勤する人もいた。まだ幼い子がいて、早く帰らざるを得ない先生の早朝出勤は当たり前だった。毎日夜9時近くまで残業が続く平澤先生も、朝7時半には出勤している。
学校に着くと教室に向かい、そこからは息つく暇もないほど仕事が押し寄せた。集金、小さなトラブル処理、子どもたちの健康管理など仕事は山積み。それでも、仕事をこなしながら子どもたちの顔を見て、コミュニケーションをしっかりと取っていた。「先生は先生の中でもベテラン」「学校を支えている人」「みんなに優しくて、怒るときは叱ってくれるし、面白いし、いろいろ教えてくれる」と子どもたちからも人気者の平澤先生。
平澤先生の授業は、先生自身が考え出したアイデアで楽しい授業を心掛けてきた。子どもたち同士、互いに教え合う“ミニ先生”も学習指導要領が変わるずっと前から続けてきた。子どもたちに任せることは時間がかかることも分かっていたが、これらが子どもたちの自主性を育むことを平澤先生は実感していた。2020年から小学校の学習指導要領は大きく変わり、児童の好奇心を伸ばし、自ら関わらせることで問題解決能力を育もうとするアクティブラーニングの実施やそれに伴う評価基準の見直しなど、授業の準備や成績をつける時間が膨大に膨れ上がった。一方で、働き方改革の流れで残業時間は月45時間に制限。やらなくていいところを積極的になくすため、この学校では「学級だより」を月2回という基準にし、回数を減らしたりするなど、教師の負担になる業務を見直しているという。しかし、その方針は大切な何かを失っていくようだと平澤先生は感じていた。
「日記」は大切なコミュニケーション
ある日、1日の終わりに読んだ日記には、男の子から先生へのお願いが書かれていた。その内容は、「自分の発表を友達にきちんと聞いてもらうのはとても難しいです。先生も解決に協力をお願いします」といった相談だった。男の子にとってみんなの前では言えなかったこと。だからこそ、平澤先生はこの時間を大切にしているが、21時が近づくと、校長先生から帰宅を促される。自宅に帰るとすでに家族は夕食を終えていた。夫や娘とも時間が合わず、一人の夕食もすっかり慣れてしまった。
平澤先生が教師になったきっかけは2人の娘が生まれたとき。育児をする中で小学校教育がいかに大切かを知ったことがきっかけだった。そして、30歳を過ぎてから初めて教壇に立った。平澤先生の2人の娘に「先生になりたい?」と尋ねると「思わない」と即答。「楽しそうだけど大変そう。土日も学校に行くので、結局好きなんだよね」と話す。
日記に書かれていた相談事は、翌日の朝の会で切り出され、解決に至った。「話の聞き方」について話し始めた平澤先生。「自分が発表していたら、急におしゃべりが始まって聞いてくれなくなったらどうする?想像してください」と子どもたちにイメージさせ、「ちょっとイヤな気持ちになる」「僕のときだけ聞いてくれないのかな」「ムカつく」「悪いことしたのかな」とどんな風に感じたのか発言してもらい、“自分事”と捉えてもらった。先生が自分の相談事に向き合ってくれると、きっと書いた本人の心にはいつまでも残り続ける。
自分を守るための「働き方改革」
一方で若手の先生にとってコロナ禍での教室は「過酷」の一言だった。取材当時2年1組担任の石川静香先生は、走り続けるような1日を送っていた。お昼は後ろで児童たちを見守るように給食を食べる石川先生。この位置は子どもたちの視界からいなくなる場所でもあり、ふと、疲れた表情を見せる瞬間もあった。
「授業数も多いし、気を配らなきゃいけない子の数も多いので、いろいろなことがおろそかになる」と石川先生はこぼす。「コロナがいつか終わるという気持ちで今、頑張れている?」と問うと、「本当それですよね。戻らなかったら困る。もう結構しんどいですよ。あと1カ月かな、みたいな」と話した。石川先生は17時30分までに学校から出ると決めている。教師になる夢を胸に、故郷の山形から出てきたときには思いもしないことだった。しかし今は、それが自分を守る唯一の方法だと考えている。
周りの先生のことを聞くと「働き過ぎです。我々の仕事は、やろうと思ったらいくらでもできる。でも、自分で区切りをつけないとずっと働けるんです。夜中の12時まで。私の行動だって働き方改革の一つじゃないかなと、定時ちょっと過ぎに帰るって」と訴えた。教師の働き方を変えるには思い切った行動を起こさないと変わらず、「本当に国レベルで変わらないと。経済的に世界も危機的な状況を迎えたにも関わらず、学校制度って変わったりとか緩まったりとかしなかったわけじゃないですか。もう無理なんじゃないかな」と諦めの言葉を口にした。
勤務時間の削減を求められる一方で、減らない仕事。そんな中、またしても新たな仕事が生まれた。集金時に出納簿を作るという仕事。教師たちからもさまざまな意見が飛び出したが、教育委員会からの「指導」という名の決定事項で、事実上、聞き入れるしかなかった。
「子どものため」の仕事は大事だけど…
野寺小では、月に1度、早く帰ることを習慣づけるため、全員17時30分までに退勤するという独自に設けたルールがある。平澤先生も従うが、時間までに仕事が終わらず、慌てる先生の姿も。本来の退勤時間は17時30分。しかし仕事は終わらず、家に持ち帰る先生もいた。さらに、学校が休みの日も出勤。休日出勤は最小限にするよう言われているが、児童の個人情報が詰まったパソコンなどもあり、持ち帰れない仕事も少なくない。
「休日を全部休んだら平日が苦しいかな」と話す平澤先生。休日出勤していた別の先生も「電車とバスだとノートを持ち帰れない。成績も持ち帰れないし、テストも持ち帰りたくないし。(成績表を盗まれたら)こっちが被害者でも、教師は加害者になっちゃう」と複雑な心境を明かす。平日は少しでも子どもたちといたいと思えば思うほど、休日に仕事が押し出される。矛盾に満ちた日々に、平澤先生ほどのベテランでさえも心と体の限界を迎えていた。仕事や授業時間も増え、コロナ禍で雑務が増え、普通の業務でさえ終わらないのだ。
「働き方改革とか、そういう意味で言うとコロナ以前の問題。コロナでいろいろ考えましたけど、根本的に変えないとダメだと思っています。昔からの書類もあって何も減らさないまま、ずっと増え続けている。例えば、『日記を減らすとかできない?』と言われるんですけど、学級通信も日記も私にとっては減らしてはいけない部分。優先順位として子どもとつながる、おとなしい子でも何か私に思ったこととかなんでも書けたりして、それは減らしたくない部分なんです」(平澤先生)そこで、少しでも力になろうと先生のピンチを知った保護者たちが動き出した。本来の仕事に集中してほしいと放課後の消毒作業をかってでた。教師や保護者、その善意の上にしか成り立たない教育とは一体何なのか。
教師たちは「このままでいいはずがない」と改革を模索し始めた。本当に大事なことをするために減らせる仕事は何なのか。事務作業、集金、連絡網などどうしたら仕事が軽減できるか、教師として大切な仕事は何なのか話し合った。「みんな働き過ぎ」と言っていた石川先生は、「大事にしなきゃいけないことはいっぱいある」と主張し、担任の役割は「子どもたちの変化に気付くこと」だと話した。「働きすぎ」と言いながらも、自分の食事時間を削って、ごはんがなかなか食べられない子どもをケアするなど気配りは細やか。身長が伸びた子が授業を受けやすいよう、椅子の高さも調整していた。
さまざまな雑務が増える一方で、子どもたちの楽しみは減っていった。プールは中止され、音楽の授業も歌は歌えない。そんな中、先生たちはなんとか子どもたちに楽しい経験をさせたいと社会科見学を計画した。校長先生の許可も下り、学校らしい日々が戻ってくるはずだったが、新座市の定例校長会議で教育委員会から告げられたのは「12月までの郊外活動は承認しない」こと。先生たちが準備していた社会科見学もできなくなった。
子どもにも先生にも「エール」を!
子どもたちに何一つ楽しみを作ってあげられなかった1学期。そこで平澤先生は、子どもたちと“ドロケイ”で遊ぶ際にwithコロナのルールを独自に作ることを提案。接触せずにどう楽しめるのか、子どもたちはアイデアを出し合った。遊び終わって教室に戻ると早速ルールの改良に着手。どうすればもっといいルールが出来るか、子どもたちは意見を出していく。
いつだって子どもたちは日々、成長している。別の日も教室に置いていたペンをきれいに整頓してくれたのを見て「うれしい。誰かが揃えてくれると疲れが飛ぶというか、ありがたい」と平澤先生はほほ笑む。9月18日、あまりに短く、長かった1学期の終業式を迎えた。この1学期を通して平澤先生が心に残ったエピソードを語り始めた。黒板には少し開かれたドアの向こうから見える地球が描かれている。
「地球に住んでいる子どもたち、親も含めて、こんなに格差があるんだと知ったと思います。ちょっと地球を世界、他の国ってどうなっているんだろう、地球ってどうなっているんだろうと扉を開けた学期かなと思っています」成績表を渡すのも一人一人目を見て話しながら渡す。未曽有の災いの中、教師たちは精一杯のエールを子どもたちに送り続けた。でも、本当は先生もエールが欲しかったのかもしれない。
平澤先生が見ていたのは一学期、最後の日記。その中には「一学期、楽しかった」と書かれていた。それは子どもから先生の最大のエールだ。  

●五輪中の緊急宣言「あり得る」 厚労相、無観客も想定 7/4
田村憲久厚生労働相は4日のBS朝日番組で、今月下旬からの東京五輪期間中に、新型コロナウイルス緊急事態宣言を東京都などに発令する可能性に関し「国民の健康、命が大事だから、当然あり得る」と述べた。無観客での実施が想定されることにも言及した。
ただ「緊急事態宣言を出せば自動的に(感染者数が)減るというものではない」として、効果的なタイミングや打ち出す施策を踏まえて検討を進める考えを示した。
五輪の観客を巡っては「再び東京で発令されれば、無観客ということも当然想定される」とし、大会組織委員会や東京都などと協議する見通しを明らかにした。
 
 
 

 

●緊急事態宣言解除 感染対策しつつも行動範囲広がる 7/5
新型コロナウイルスに対する不安・ストレス度
定点指標の「直近1週間の不安度」は7p減の35%、「将来に対する不安度」は6p減の48%、「直近1週間のストレス度」は、4p減の42%といずれも先月より減少。不安度、ストレス度ともに今年の最低値であり、特に不安度は著しく低下。<図1>項目別の不安度も、先月に続きほぼ全項目において減少した。「重症患者増加による病床逼迫」「日本の経済が悪くなる」「他人に感染させてしまう」「感染がわかったあとの周囲の反応」「家族が感染する」に対する不安の低下が目立つ。 <図2>緊急事態宣言が解除されたこと、64歳以下の人へワクチン接種、集団・職域接種なども開始されたことが影響したとうかがえる。
外出条件と外出時期
国内の範囲を問わず自由に外出できる条件としては、「ワクチン接種の進行状況による」と「感染者数の減少による」が拮抗している。男性は「ワクチン接種の進行状況による」、女性は「感染者数の減少による」とした人が多い。<図3>また、気がねなく外出できる時期を行先別に聴取し、5割を超える人が「外出可能」とする時期を確認した。年内中に外出可能としたのは「飲食店」「アウトレットモール・ショッピングモール・百貨店」「家族に会う」「友人・知人・恋人に会う」など。年明けすぐには「水族館・動物園・植物園」「県境を越えない国内観光旅行」「スポーツジム」「温泉・スパ・スーパー銭湯・サウナ」など。年明けまで期間がかかるのは、国内旅行、屋内・屋外大型集客イベント、密になりやすい施設であった。
コロナ前と比べた外出に対する気持ちの変化
コロナ禍により”行きたいと感じる気持ちが強まった”外出先は、「県境を越える国内観光旅行」31%、「友人・知人・恋人に会う」28%、「飲食店」27%など。体験や経験を代替手段で楽しめない(満足できない)のは、 「県境を越える国内観光旅行」29%、 「友人・知人・恋人に会う」22%、 「海外観光旅行」21%である。 <図5>コロナ禍に外出した際の気づきとして、人が少なくて安心、ゆったりできる、マスク着用率の高さ、消毒液設置や換気のよさ、フットマークなどソーシャルディスタンスへの対応など感染予防対策が多くあがった。また、近くてもこれまで足を運んだことのない所へ行って良かった、など新たな発見を楽しんでいる。<図6>代替手段のない国内旅行や友人などとの飲食を切望している様子が見受けられ、感染対策を講じていることを実際に見て安心している人も多いことから、感染対策を徹底したところへ、人々は足を向けると推察される。

●リンクアンドコミュニケーション 7/5
緊急事態宣言期間中は、自炊のメニューが10品/月程度増加
論文の結果を基に試算すると、緊急事態宣言期間中の1ケ月の平日(※)で自炊のメニューが10.1品増えており、在宅ワークを行っているひとは4.2品/月多いことが分かりました。一方、子どもと関わる時間が5時間以上増えた人では、5.9品/月減少、また、うつの傾向がある人はより少なく、14.3品/月減少という結果でした。
※ 本研究で定義される『緊急事態宣言期間』は2020年4月7日〜5月13日であり、緊急事態宣言前(2020年1月1日〜4月6日)と比較した結果を示しています。ここでは、緊急事態宣言前に、自炊のメニューを毎日10品食べていた人を基準として試算しています。
「在宅ワーク」を行っている女性は、月に野菜106g、果物65gの摂取量が多い。一方で「子育て時間」が5時間以上増加した女性や45歳未満の人では減少傾向
論文の結果をもとに試算すると(※2)、全対象者の結果では、緊急事態宣言期間中に野菜の摂取量が1ヵ月あたり261g(レタス0.8個分 ※3) 増加していました。
「在宅ワーク」を行っている人は78g/月(レタス0.2個分)多く、なかでも在宅ワークを行っている女性では、106g/月(レタス0.3個分)多いという結果でした。一方で、「子育て時間」が5時間以上増えた人のなかでも、女性および45歳未満の人では220〜271g/月の減少傾向がみられました。「うつ傾向がある」人では、さらに少なく月に324g(レタス0.9個分)減少という結果でした。
今回の結果により、女性は生活様式の変化により、野菜の摂取量に影響を受けやすい可能性があることが分かりました。
果物の摂取量については(※4)、「在宅ワーク」を行っている人は、全体で59g/月(バナナ0.4本分)、女性では在宅ワークを行っている全対象者よりも少し多く、65 g/月多いという結果でした。男性では、統計学的に有意な差は見られませんでした。女性は食事の質が良くなり、男性よりも在宅ワークの恩恵を受けた可能性があります。
一方で、「子育て時間」が5時間以上増えた人の果物の摂取量も、野菜と同様に減少傾向がみられ、1ヵ月あたり78g(バナナ0.5本分) 減少したことが分かりました。女性と45歳未満の人では、野菜の摂取量と同じく減少していました。これらの人は、緊急事態宣言期間中に育児に費やす時間が増え、野菜と果物の摂取量に影響があったのかもしれません。
また、うつ傾向がある人でも野菜と同じく減少していることが分かりました。
お菓子の摂取頻度は、「一般社員・職員」が4%、「契約・嘱託・派遣社員」が7%増加
菓子類の摂取頻度について、緊急事態宣言前と緊急事態宣言期間中の平日の摂取頻度を比較したところ、緊急事態宣言前よりも4%増加していました。なかでも「一般社員・職員」、および「契約・嘱託・派遣社員」の摂取頻度が増加していました。その他の「管理職」や「自営業」においは統計学的な有意差はみられませんでした。一概には言えませんが、「一般社員・職員」と「契約・嘱託・派遣社員」は、よりお菓子を摂りやすい環境にあったのかもしれません。

今回の調査では、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言期間中の食生活の変化を、健康アプリ利用者のデータを用いて調査したところ、緊急事態宣言期間中の在宅ワークが野菜や果物など摂取頻度の増加しており、全体的に食生活の質が向上したことがわかりました。しかしながら、育児時間の増加や、管理職や自営業以外の人、さらにはうつ傾向がある人の食生活においては、マイナスの影響を及ぼした可能性があるため、注意する必要があるかもしれません。

●北海道の新たな感染28人、死亡5人…五輪マラソン無観客の対策 7/5
5日、北海道全体の新たな新型コロナウイルス感染確認は28人でした。別に再陽性が1人います。5人が亡くなりました。
傾向を見る一つの目安の前週の同じ曜日(28日月曜日27人)を1人上回りました。
新たな感染確認28人の内訳は、札幌市20人(別に再陽性1人)、旭川市なし、函館市なし、小樽市なし、その他の北海道発表8人でした。その他の北海道発表8人の振興局ごとの内訳は、石狩1人、胆振1人、上川1人、オホーツク4人、釧路1人でした。北海道は午後6時すぎからクラスターの発生、拡大の状況などを説明する予定です。
こうした中、鈴木知事は5日午前、東京オリンピック組織委員会の佐藤広・副事務総長、森泰夫・大会運営局次長と会談しました。この会談で鈴木知事は、札幌市で開催されるマラソンと競歩について“観戦自粛”の呼びかけを基本とし、さらにな無観客を目指した沿道対策を求めました。また、東京都が「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」などの対象となった場合の観客について、無観客を含めた措置を地方会場も統一してとることなどを求めました。これに対し佐藤・副事務総長は「地元の意見を尊重して、最大限、感染対策に努めたい」と話したということです。このあと6日には、北海道と札幌市、それに組織委員会による実務者会議が開かれ、マラソンと競歩の観客の感染対策について協議されることになっています。

●1都3県“まん延防止”1か月程度延長軸に 7/5
今月11日が期限となっている首都圏の1都3県へのまん延防止等重点措置について政府は、東京オリンピック閉会後までの1か月程度、延長する案を軸に検討しています。
重点措置について政府高官が「東京オリンピックが終わるまでは延長しないといけない」と語るなど、政府は東京など1都3県について来月8日の閉会式後まで1か月程度延長する案を軸に検討しています。
大阪など6つの道府県については11日の期限で解除となる公算が大きくなっています。
期限を延長する場合、酒の提供を再び禁止するかが焦点です。総理周辺は「新規感染者が増えている以上禁止するべきだ」と述べる一方、政府関係者は「飲食店も酒の提供を再開して一服している。時短営業をより徹底するべきだ」と話すなど意見が分かれています。
また、沖縄県への緊急事態宣言を延長するかについて政府高官は「ステージ4の指標もあり、まん延防止等重点措置への移行は難しい」と指摘する一方、「地元の経済界からは解除してほしいとの声も根強い」として慎重に判断する考えを示しました。 

●コロナ禍で「日本の正規雇用」33万人も増えた訳 7/5
長引くコロナによって「日本の雇用環境」も厳しい状況が続いている。厚生労働省は「コロナに起因する解雇者」が10万8121人(6月25日時点)に達したと発表した。また、帝国データバンクによると、コロナ関連倒産が2020年2月からの累計で1700社以上にのぼる。しかし、コロナ禍の1年間における「雇用環境の変化」を3つの指標で読みとくと、意外な事実が浮かび上がった。
コロナ禍で「正規」雇用者の数は増えている
まずは「労働力調査」(総務省)から、雇用の実態をコロナ前後で比較しよう。
   コロナ禍の1年間で労働市場はどう変化したか
       正規職員・従業員  非正規   完全失業者数
   2019年度   3516万人   2163万人   162万人
   2020年度   3549万人   2066万人   198万人
コロナ禍の1年で完全失業者数が36万人増加した。「コロナ不況」の影響が顕著にあらわれている。就業者数の減少は宿泊業、飲食サービス業が37万人で最多。製造業は19万人減、卸売業、小売業が12万人減となっている。これまでも繰り返し報じられてきた失業の事実だが、人を相手にするサービス業への影響の深刻さを数字が示している。
そして非正規の職員・従業員は97万人減少しているが、これは明らかに業績悪化に伴う雇い止めなどの結果だろう。
意外なのは「正規」が33万人も増加した点である。完全失業者が198万人にのぼる一方で、なぜ、正規の職員・従業員が増えたのか。
正規の増加、内訳をみてみよう。
   2020年度の正規雇用数の前年度比の増減
             男性      女性
   全体       −4万人    +36万人
   うち15−64歳 −9万人    +36万人
   うち65歳以上 +6万人    +1万人
つまり、正規職員・従業員数増加の牽引役は、15-64歳の女性だった。では、15-64歳女性の正規がなぜ36万人も増えたのか。そのカギはコロナ禍の長期化にあった。
産業別の就業者数をみると、「医療福祉」が868万人で17万人(男女計)と最大の増加を示している。このうち自営と役員を除く女性の正規雇用者増加は12万人だった。
さらに、2021年5月分を見ると、「医療福祉」の就業者数は892万人にまで増え、前年同月比で51万人の大幅増となっている。このうち女性の正規雇用者は374万人で、前年同月の351万人よりも19万人増えているのだ。
コロナ禍の長期化で人手不足が顕著となった看護師や介護関連など、医療、介護現場で女性の正規雇用が大幅に増えたものとみられる。
有効求人倍率(求職者1人につき、何件の求人があるかを表す数値)のデータを見ると、2020年度は、医師・薬剤師等2.20倍、保健師、助産師、看護師1.99倍、医療技術者2.63倍など、医療関係は全体(職業計1.01倍)を大きく上回っている。逼迫する医療現場のニーズが、正規雇用を増やしたのだろう。
2割の病院が「離職率2割超」
ただ、正規雇用の看護職員の離職率が20%を超える病院は21.2%(2019年度、日本看護協会調べ)にのぼり、また、人口10万人当たりの就業看護師数でみると、全国平均963.8人に対し、コロナ感染者数の多い東京は792.3人しかいない(2018年末現在、衛生行政報告例)。「夜勤などハードな勤務内容ゆえ慢性的に人手不足だったが、コロナで拍車がかかった。そこにワクチン接種の人材も必要となり、需給は逼迫している」(医療業界関係者)。
これは介護現場についても同じことが言える。介護サービス職の有効求人倍率は3.37倍で、全業種平均の0.94倍を大きく上回っている(2021年5月)。「医療福祉」分野で女性の正規雇用が増えた背景には、切実な人手不足状況があるのだ。
コロナによって正規雇用者の数が増加したことがわかったが、「賃金」はどのように変化したのだろうか。
都道府県別の賃金の状況を見てみよう。ここで用いるのは「零和2年 賃金構造基本統計調査」(厚労省)である。なお、ここでいう「賃金」とは、毎年6月を基準とした給与額(残業代等を除く)を指す。
全国平均は30万7700円で、コロナ前の2019年の30万6000円よりも1700円(0.6%)アップした。都道府県別(男女計)の状況をみると、上位は次のとおり。
   1東京都  37万3600円  
   2神奈川県 33万5200円  
   3大阪府  32万 400円  
   4愛知県  31万4100円  
   5京都府  31万 800円  
全国計を上回ったのはこの5都府県のみである。なお、2019年比でプラスとなったのは、この中では京都のみである。下位は以下のとおり。
   47青森県  24万 500円  
   46岩手県  24万5900円  
   45秋田県  24万6700円  
   44宮崎県  24万8500円  
   43山形県  25万1900円  
最も多い東京都と、最も少ない青森県では13万3100円もの開きがあり、その格差は1.55倍となっている。ただ、下位5県はいずれも2019年比で上昇。格差は若干だが縮小している。
東京の有効求人倍率はコロナで大きく低下
求人状況はどうなっているだろうか。2020年4月の全国平均は1.30倍だったが、2021年4月は1.09倍にまで低下した。都道府県別の状況も同じだが、21年4月の上位は下記のとおり。
   1 福井県 1.77 
   2 岡山県 1.42 
   2 島根県 1.42 
   4 富山県 1.38 
   5 香川県 1.35 
   5 石川県 1.35 
   5 秋田県 1.35 
有効求人倍率で見ると、地方が大健闘している。福井県は地場産業の眼鏡産業をはじめ繊維、電子・デバイスなど製造工場が多く、恒常的に有効求人倍率が高い県である。一方、大都市への通勤者が多い周辺県の数値は概して低めだ。
   47沖縄県  0.71 
   46神奈川県 0.76 
   45千葉県  0.85 
   44滋賀県  0.91
   43兵庫県  0.93
ちなみに東京都は1.14。全国平均を何とか上回ったが、前年の1.69に比べ大幅にダウンした。
産業別の賃金格差もコロナ前後で拡大している。コロナ前の2019年とコロナ禍の2020年で男性の業種別賃金を比較してみた。2020年、最多は金融業・保険業の47万9200円で、最少は宿泊業、飲食サービス業の27万8200円だった。前者は前年比で3.8%のプラスとなった一方、後者は0.18%のマイナスとなり、両者の差は拡大した。
   コロナ前後で「業種別」賃金はどう変化したか
                           2019年      2020年
   1位 金融業、保険業           46万1700円    47万9200円
   2位 教育、学習支援業         45万1900円    42万9400円
   3位 学術研究、専門・技術サービス業 41万6100円  42万0900円
      |
   12位 宿泊業、飲食サービス業     27万8700円    27万8200円
宿泊業、飲食業は、コロナ前から賃金面でも低い水準だったが、コロナが追い打ちとなった。
コロナが変えた「雇用のあり方」
雇用環境をめぐっては男女間、正規・非正規間、業種間などさまざまな形で格差がある。コロナがそれら格差の改善の契機となるのか、さらなる深刻化を招いてしまうのか。
個人の働き方といったミクロな視点から、業種別・地域別の人材需要といったマクロな視点まで、「雇用のあり方」が大きく変化する中で、現状を踏まえた「格差是正」政策の必要性が高まっている。
 
 
 

 

●沖縄県の専門家「まん延防止に移行すべき」 緊急事態11日の終了前に提言 7/6
沖縄県の新型コロナウイルス専門家会議が5日、県庁で開かれ、緊急事態宣言を予定通り11日で終了し、県が地域別に制限内容を判断できる「まん延防止等重点措置」に移行するべきとの意見で一致した。同時に、感染者数が1週間で1日当たりの平均が80人を超えれば緊急事態宣言を発令するべきとの考えもまとめた。
専門家会議の提案を受け、玉城デニー知事が経済界などから意見を聞き取った上で宣言の終了と重点措置の適用を国に要請するかを判断する。
藤田次郎座長(琉球大学大学院教授)は会議後の会見で「離島では感染が減り、自治体によってワクチン接種に差がある」と述べ、地域の状況に合わせた規制内容を決められる重点措置の必要性を説明した。
会議では県外からの水際対策が重要との意見も相次いだと説明。藤田座長は専門家会議の意見として知事に対し(1)宣言や重点措置が出ている地域からの不要不急の来県を避ける(2)来県する場合には事前PCR検査を受ける(3)ワクチンを接種している場合はある程度の行動をしてよい−の3点をメッセージとして発信するよう求めた。
5日の新規感染者は28人。直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は全国最多が続いていたが、28・10人で全国で2番目となった。最多は東京都の29・16人で、全国平均は8・77人。
市町村別では那覇市が16人で最多だった。感染経路は家庭内が6人で最も多く職場内、友人・知人、その他がそれぞれ1人だった。
米軍関係の感染は4日の発表が4人、5日の発表が2人で計6人。合計1461人となった。

●時短拒否4店に都が過料25万円 裁判所決定は全国初 7/6
東京都は6日、緊急事態宣言下で、改正特別措置法45条に基づく営業時間短縮命令に応じなかった飲食店4店舗に対して、裁判所がそれぞれに過料25万円を決定したと発表した。都は決定が確認できたのは全国初としている。
4店舗は1〜3月の緊急事態宣言発令中に午後8時までの時短命令を拒否。都が3月29日、過料を科すための手続きを裁判所に通知した。決定は非公開のため、裁判所に文書交付を申請し確認したという。
裁判所の決定理由には「態様や程度、命令違反による影響などの事情を総合的に判断」との記載があった。都は、店舗の特定につながるとして管轄の裁判所を明らかにしていない。

●所定外給与、5月20.7%増 前年の緊急事態宣言の反動 7/6
厚生労働省が6日発表した毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、5月の1人当たりの現金給与総額は前年同月比1.9%増の27万3777円だった。前年同月を上回るのは3カ月連続。このうち残業代など所定外給与は1万7486円と同20.7%増加した。増加幅は比較可能な2013年1月以降で最大だった。
20年5月は新型コロナウイルスの初の緊急事態宣言が発令されている時期で、その反動が大きく出た。所定外給与の増加幅を産業別にみると「生活関連サービス業、娯楽業」が51.9%で最大だった。「教育、学習支援業」(39.0%)、「製造業」(37.8%)、「不動産・物品賃貸業」(37.3%)と続いた。
基本給を示す所定内給与は24万5086円で0.8%増、ボーナスなど特別に支払われた給与が1万1205円で1.0%増だった。労働時間の回復が給与の持ち直しにつながっている。
ただ新型コロナ前の19年5月と比較すると現金給与総額などはマイナスで、厚労省は感染拡大前の賃金水準には戻りきっていないとみている。 ・・・

●緊急事態宣言中の沖縄に五輪事前合宿で初の海外選手団  7/6
東京オリンピックに向けて沖縄市で事前合宿を行うフランスのバレーボールの代表チームが沖縄県に入りました。全国で唯一緊急事態宣言が出ている沖縄県に、事前合宿のために海外から選手団が訪れるのは初めてです。
フランスのバレーボール男子の代表チーム21人は、6日午前11時ごろ那覇空港に到着しました。選手などは入国の際、新型コロナウイルスについて検査を受けて、全員、陰性が確認されています。選手などは感染防止対策で、ほかの乗客と分かれて到着ロビーに姿を見せました。このあと選手などは十分な間隔を取りながら、事前合宿を行う沖縄市内の宿泊施設に入りました。
全国で唯一緊急事態宣言が出ている沖縄県に、事前合宿のために海外から選手などが訪れるのは今回が初めてです。チームは今月19日まで合宿を行い、選手たちは原則、毎日検査を求められるほか、宿泊施設と練習会場の行き来のほかは外出が認められないということです。
一方、新型コロナウイルスの影響で、沖縄市は、当初予定していた子どもたちとの交流イベントをすべてオンラインに切り替えて実施することにしています。県によりますと、県内では東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿が5つの市町村で行われ、5か国から100人以上が訪れる予定になっています。
宿泊先のホテルは感染対策を徹底しています。国などが定めたガイドラインに基づき、選手などは、一般客と接触しないよう裏口から出入りし、業務用のエレベーターを使用します。客室は1つのフロアを代表チームの専用にし、食事会場も貸し切りにします。選手などはホテル内で、自分の部屋のあるフロアと食事会場しか行き来できないなど行動が厳しく制限されています。
食事の提供など選手などと直接接触するスタッフ40人は毎日、間接的に接触するスタッフは3日に1回、検査を受け、陰性であることを確認します。
ホテルは感染防止対策を徹底する一方で、食事会場に卓球台やテーブルゲームを用意するなど、外出ができない選手などが少しでも快適に滞在できるよう工夫を凝らしています。
フランスの選手などを受け入れるオキナワグランメールリゾートの林百希 総支配人代行は「新型コロナウイルスの影響で修学旅行がキャンセルになるなど、売り上げが大きく落ち込んでいます。厳しい状況が続いているので、フランスの代表チームが滞在してくれるのは大変ありがたいです。ただ、フランスの皆さんは外に出られないので、少しでも沖縄で思い出を作ってもらえるよう、楽しい雰囲気でお迎えできたらと思います」と話していました。

●融通の利かない「シフト制」 コロナ禍で副業探しに苦労  7/6
居酒屋やコンビニの店員など勤務日時(シフト)が一定期間ごとに変動する「シフト制労働者」が、副業探しで苦戦している。コロナ禍で休業が続出するなどしてシフトの調整が複雑化、労働者に伝えられる時期が遅れ、新たな仕事のスケジュールと合わせにくいためだ。休業補償が出ず生活困難に陥るシフト制の「穴」は社会問題化したが、生活維持のための副業さえ難しいという課題も浮かび上がっている。(山田晃史)
「シフトの融通が利くアルバイトはあまりなく、探すのが大変」
東京ディズニーリゾートのショーに出演する契約社員の女性は、仕事が激減した今、副業探しの難しさを痛感している。本業のシフトは1週間分ずつ小刻みに決まり、分かるのは早くて2週間前。女性が副業探しで相手方に、本業のシフト決定のスケジュールを伝えると「もっと早く決めてもらえないと、こちらのシフトが組めない」と断られることが多い。
今の仕事は週5日の勤務日がコロナ禍で週2〜3日に減った。会社からの休業補償では収入減を補えず、シフトが出た後でも探せる1日限りの派遣の仕事で食いつなぐ。「働ける日に仕事があるとは限らず不安定」と語った。
従業員の一部が加入する労働組合なのはなユニオンは今春闘で、兼業しやすい環境整備のためシフトの運用改善を要求。運営会社のオリエンタルランド(千葉県浦安市)は取材に「働きやすい環境の整備を進めており、従業員の要望を踏まえて今後も改善していく」(広報)と答えた。
シフト制労働者が多い飲食業界は、休業や時短が続出してシフト調整が複雑化したことなどから決定が遅れることが多く、労組にはシフト伝達を早める要望が相次ぐ。団体交渉している飲食店ユニオンの尾林哲矢氏は「団交ならば会社の運用を変えられる」と話す。
厚生労働省によると、在職しながら別のアルバイトなどを探す動きは全国でみられ、担当者は「シフト減や休業長期化で収入が減り、その補填のため」と説明。全国労働組合総連合の仲野智非正規センター事務局長も「バイト先の争奪戦が起きている」と話す。特に高齢者は副業も見つからない事態が起きている。
シフト制労働に詳しい川口智也弁護士は「非正規のシフト制労働者はもともとの時給も安く、副業に追い込まれる構図。副業せずに済む補償の充実が必要」と指摘する。

●コロナ禍からの回復で「危険な乖離」発生=IMF専務理事 7/6
国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は5日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)からの回復過程で、富裕国と発展途上国との間に「危険な乖離」が生じていると警告した。
パリ平和フォーラムで、米国など富裕国の力強い成長は「良いニュース」だが、途上国では低水準のワクチン接種率が阻害要因になっていると指摘。「これは成長の統一性に加え、世界の安定性および安全性に危機をもたらしている」と述べた。
同フォーラムに参加した世界貿易機関(WTO)のオコンジョイウェアラ事務局長も同様の懸念を表明。ラテンアメリカ、中東、アフリカなどワクチン接種率が低い地域では成長が非常に低調になる「K字型の回復」について警鐘を鳴らした。

●コロナ禍で人気のハンバーガー店についての意識調査 7/6
コロナ禍でも好調なハンバーガー店についての意識調査(有効回答数1,000名)を2021年6月16日〜6月21日に実施しました。
コロナ禍でも大手ハンバーガーチェーンは好調、新規ハンバーガー業態の出店も相次いでいます。このような状況下のもと、消費者はハンバーガー店を普段どのようにお使いになっているのか、意識調査を実施しました。その結果、丼ものから中華や定食まで、数あるファーストフードの中で70%の方がハンバーガー店を「最も利用する」と回答しています。その理由として、「安くて美味しい」、「手軽だから」、「女性でも入りやすいから」と利便性の高さで選ぶ方が多く、コロナ以前と比べてハンバーガー店の利用率は27%増加しています。コロナ前はイートインが主流でしたがコロナ禍ではテイクアウト利用が増え、主に一人での利用が41%、家族との利用が54%という結果となりました。利用時間は74%とランチ帯が多いものの、夕食がハンバーガーでも抵抗ない70%と、利用時間の幅も広がっています。すでに国民食となったハンバーガーですが、その勢いはまだまだ続きそうです。
調査結果
1:最もよく利用するファーストフードは圧倒的にハンバーガーが1位で70%
2:コロナ禍でハンバーガー店の利用が増えた27%
ハンバーガー店は20代会社員から最も支持を得ていました。20代の学生になると丼ものの利用率が上昇します。テイクアウト利用と家族利用の増加からか、コロナ前後の比較では既婚者の方がコロナ禍で利用が増えたと回答しています。すべての設問で年代、性別、職業、既婚・未婚で集計しています。ご連絡をいただければ、すべての調査結果をお送りいたします。
3:夕食のハンバーガーに抵抗なし70%
全体の70%は夕飯にハンバーガーも抵抗なし、どちらかというと抵抗なしと捉えていますが、既婚者でお子様がいらっしゃる家庭では「栄養のバランスが気になる」といった理由から控える方もいらっしゃいました。しかし既婚者でも66%の方は抵抗なしと回答しています。
4:コロナ前はイートインが主流も、コロナ後はテイクアウト利用が激増74%
5:モバイルオーダー(事前決済)に浸透の兆し、30代40代に広がる
今回の調査結果では、コロナ前とコロナ禍で比較すると、ハンバーガー店の利用実態が大きく変化したことがわかりました。テイクアウト利用はコロナ前で44%でしたがコロナ禍では74%と大きく増加し、デリバリーの利用は微増にとどまりましたが、事前決済も全体の9%もの方に利用経験があり、特に30代と40代で広がりが見られます。本調査ではこれ以外に、一人当たりの購入金額や許容できる提供時間、好きなパティの種類やバンズの種類、好きなサイドメニューや一緒に注文する飲料など全33問で回答を得て、年代別、性別、職業別、既婚・未婚別に集計しています。

●コロナ禍が世界の観光業に与える損失「2年間で4兆ドル」 7/6
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに伴い、海外旅行業界が崩壊したことによる世界経済への損害は、2020年と2021年を合わせると4兆ドルに上る可能性があることが、国連の新しい報告書で明らかになった。
これほどの損失額が推定されたのは、新型コロナウイルス感染症が観光業界に直接もたらした影響に加え、観光業界と密接なつながりを持つ他の分野への波及効果が存在するからだ。国をまたいだ観光客が急減したことで、2020年は2兆4000億ドルの損失が生じた。2021年も同規模の損失が出る可能性がある、と国連報告書は警告している。回復の度合いは、世界全体でワクチン接種がどのくらい進むかによって大きく左右されるという。
報告書の指摘によると、現在は先進国の大半で観光業界の損失が減少している一方で、多くの発展途上国で状況が悪化している。その原因はワクチン格差だ。フランスやドイツ、スイス、英国、米国など、ワクチン接種率が高い国々では、観光業界が比較的早く回復すると見込まれている。しかし、海外旅行がパンデミック前の水準に戻るのは、早くても2023年というのが専門家の見方だ。
報告書による2021年の推定損失額は、観光客のさまざまな減少パターンと、ワクチン接種率を念頭に置いた3つのシナリオをベースに弾き出された。2021年の観光客を75%減と想定した最も厳しいシナリオでは、世界の損失額は2兆4000億ドルになる。このシナリオが現実となった場合に壊滅的な打撃を受けかねないのが、観光業に依存する多数の国々だ。たとえばトルコは、観光業がGDP(国内総生産)の5%を占めている。
報告書の予測によれば、最悪のシナリオが現実となった場合、トルコの観光業は、需要が330億ドル落ち込む計算だ。飲食業、小売業、通信業、運輸業といった関連分野の損失が加われば、GDP減少額は930億ドルと、その3倍になる。観光客の減少で、実質GDPはおよそ9%減となるが、実際には経済刺激策によって、その一部は相殺されると報告書は述べている。
観光業に依存する他国に目を向けてみると、エクアドルも、最悪のシナリオが実現した場合に最も大きな打撃を受ける見込みで、GDPは9%減少する。また、南アフリカのGDPも約8%減になると見られている。

●最も楽観的なシナリオでも7月中に1日の感染数は1000人を超える 7/6
2021年6月30日に開催された第41回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードでは、東京都の感染状況と今後の見通しが議論の中心でした。
図1は、京都大学大学院教授の西浦博先生らの研究データです。東京都の報告日別感染者数の推移に基づく短期予測(今週先週比1.1、1.2、1.3 が継続した場合)を示したものですが、1.1倍の場合でも7月末には1日の感染者数が1000人に達しています。現況は1.2倍ほどで推移していますが、この場合では7月末に1日1500人を超える報告数が予想されています。最悪の1.3倍の場合は、ご覧いただけるように7月末には1日2000人を優に超える感染者数が出ることが見込まれています。
また、西浦先生らは東京都の病床リアルタイムプロジェクションの結果も出しています。これは、流行の時間発展について、特に確保病床・重症病床と流行の関係の見込みについてリアルタイムで把握することを目的に検討されたものです。ここではリアルタイムプロジェクションの結果を示しますが、以下の4点になります。
1.流行の拡大速度は接触率の増大に依存する
2.感染は0〜39歳が多いが、入院は40〜59歳が最多になる
3.重症患者数で見ても4年齢群の中で40〜59歳代が最多となる見込み
4.現在の速度で拡大が続くと、7月後半までに重症患者病床よりも確保病床の方が先にひっ迫する可能性が高い
「1」は、人流の増加と感染者数の増加の関係から見えてくるものです。東京都は現在、繁華街での人流が増加を続けており、特に夜の時間帯が顕著であることを考えると今後、感染者数の増加スピードが加速するリスクがあります。
「2」は年齢別に見た今後の見通しで、感染者数は40歳未満の若い人に多い一方、入院は40歳代から59歳が最多になると予想されています。「3」も関連していますが、重症者もこの年代が最多と見込まれています。東京都北区保健所の前田秀雄先生が提出された資料である東京都の年齢別に見た感染者数の推移を見ると、直近では10歳代の割合が増えてきています(図2)。中学校や高校でのクラスターが発生していることも背景にありますが、10歳代に対する対策強化も急がれます。
「4」は医療者にとってはとても懸念される予測となります。「重症患者病床よりも確保病床の方が先にひっ迫する」とは、軽症や中等症の患者が急増して、その受け入れ施設の容量を超えてしまう危険があるということです。都内の確保病床数は6000床とも言われていますが、実際は3000床を超えると現場がひっ迫すると見られています。この3000床を超えることのないように、人流の増加を抑えていくことが急務と言えます。
インドで初めて確認された変異ウイルスであるデルタ株の影響も懸念されています。図3は、国立感染症研究所の鈴木基先生が提出された資料ですが、 L452R変異ウイルスによる感染・伝播性の増加を示したものです。ご覧のように、感染のしやすさは、アルファ株の実効再生産を1とすると関東で56.1%増加しています。関西は38.2%の増加です。
デルタ株の最大の脅威は、この感染・伝搬性の増加にあります。英国で初めて確認されたアルファ株の時も感染・伝搬性の増加が脅威でしたが、デルタ株はそれを上回っていることに留意しなければなりません。

●東京都で593人が新型コロナ感染 7月6日発表、週平均600人台に上昇 7/6
東京都は7月6日、新型コロナウイルスの感染者が593人報告されたと発表した。1週間前と比べると117人増加しており、前の週の同じ曜日を上回るのは17日連続。直近7日間を平均した1日当たりの新規感染者数は600人台に上昇して602・3人で、前週比は121・7%。70代男性1人の死亡も確認された。
都は6月30日以降、政府の対策分科会が示すステージ4(爆発的感染拡大)の水準が続いている。都の担当者は「急激まではいかないが、感染は確実に広まっている。市中感染のリスクは高まっている」との認識を示した。
新規感染者のうち、65歳以上の高齢者は24人。感染経路が不明なのは388人だった。入院患者は前日から3人増の1677人、うち重症者は6人増えて63人。累計は死者が2241人、感染者が17万7436人。
福井県は7月8日まで独自の「福井県緊急事態宣言」を発令。国の緊急事態宣言対象地域とまん延防止等重点措置対象地域との往来は控えるよう求め、その他の地域は慎重に判断するよう呼び掛けている。全国の緊急事態宣言、まん延防止措置の対象地域は以下の通り。
【緊急事態宣言】沖縄県(7月11日まで)
【まん延防止等重点措置】北海道、埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県(7月11日まで)

●まん延防止、延長する考えの埼玉県知事 病床使用率が上昇 7/6
埼玉県は5日、新型コロナウイルスの専門家会議を開き、さいたま、川口両市を措置区域とし、11日に期限を迎えるまん延防止等重点措置について協議した。大野元裕知事は「これで解除とはならないというコンセンサス(合意)を得た」とし、デルタ株の増加や東京由来の感染拡大を踏まえ、12日以降も措置を継続する必要があるとの考えを示した。
県内では6月13日から19日の1週間の新規感染者の合計は484人(1日当たり69・1人)だったが、6月20日から26日の週は641人(同91・6人)、6月27日から7月3日の週は721人(同103人)と漸増傾向にある。また、7月4日時点の確保病床使用率は19・6%(326人/1666床)、うち重症は12・8%(21人/164床)。国の指標でまん延防止等重点措置を出す目安のステージ3(感染急増)相当を下回っているが、6月下旬以降、新規感染者の増加に伴って病床使用率は上昇に転じている。
知事は県内の感染動向について、県南部の陽性者の多くの感染源が東京由来で、家庭内感染と同等まで増えていると指摘。また、デルタ株(インド株)など未知の要素の懸念についても触れ「措置区域の継続か、広げるかはあと数日間、状況を見ましょうという意見があった」とし、近く専門家会議を再度開き、状況を分析したいとした。
会議に出席した金井忠男会長は「東京に接しているわが県は、今後ともまん延防止等重点措置を継続する必要性がある。東京都がどういう措置を取るのかを見るのは非常に重要」と述べた。 
 
 
 

 

●沖縄県 緊急事態宣言から「重点措置」への移行を政府に要請  7/7
沖縄県は、今月11日に期限を迎える緊急事態宣言について、地域によって感染状況が異なってきているとして、
全国で唯一、沖縄県に出されている緊急事態宣言は、4日後の今月11日に期限を迎えます。
沖縄県は7日午後、対策本部会議を開き、新規感染者数に高止まりの傾向がみられるものの地域によって感染状況が異なってきているとして、政府に対して、地域を絞って重点的に対策を行う「まん延防止等重点措置」への移行を要請することを決め、要請しました。
重点措置への移行にあたっては、新規感染者数やワクチンの接種率を踏まえて対象地域を指定したうえで、外出自粛の要請や飲食店に対する営業時間の短縮要請は継続する方向です。
一方、酒の提供については、今月25日まで自粛を継続したうえで、26日以降は認証を受けた店舗のみ夜7時までの提供を認める案と、4連休を含む今月21日からの5日間に期間を絞って提供の自粛を求める案が検討されています。
玉城知事は、記者団に対し「これまで頑張ってこられた県民の皆様の心情を考慮すると、減少傾向が続いているこの時期にいったん緊急事態宣言を解除し、重点措置に移行したい。厳しめの対処方針を継続すべきと考えている」と述べました。

●「緊急事態宣言」解除後最多 新型コロナウイルス 北海道67人感染 7/7
北海道内では7日、新たに67人の感染が確認されました。50人を超えるのは緊急事態宣言解除後初めてです。札幌市は先月26日以来の30人台です。感染経路不明は21人です。時短要請が出ている旭川市5人、石狩管内4人です。このほか、函館市やオホーツク管内で9人となっています。
新たなクラスターも確認されています。旭川市の会社で6人、函館市の学生寮で13人。
直近1週間の10万人あたりの感染者数は、札幌が7.8人、全道で5.0人、感染状況を示す国の指標の「ステージ3」の15人を大きく下回っています。
病床使用率は6日時点で札幌で17.2%と「ステージ3」の20%を下回りました。全道では15.9%となっています。
道内の7日の感染者数は67人で緊急事態宣言最終日の6月20日以来の50人超えとなりました。

●緊急事態宣言を感染拡大特別警報に切り替え 福井 7/7
杉本知事は7日、新型コロナウイルス感染症に関する臨時の記者会見を開き、県内の新規感染者が減少していることなどから、県独自の緊急事態宣言を9日から一段階下の感染拡大特別警報に切り替えると発表した。特別警報の期間は7月22日までの2週間。
知事は会見で直近1週間の新規感染者数は減ったものの、病床の占有率は依然として特別警報レベルで厳しい状況にあるとして、引き続き会話や会食の際はマスク着用を徹底することや職場内での感染対策を改めて徹底するよう呼び掛けた。
また6月21日から続く福井市順化地区の感染対策特別地域の指定を解除し、今後は同地区の飲食店などの事業者を支援するクーポン券を発行するなど、経済回復に向けた事業に取り組む方針を示した。必要な財源については県の6月補正予算案に盛り込むとしている。

●吉村知事 コロナ禍の女性支援窓口設ける 7/7
吉村洋文大阪府知事が7日、府庁で定例会見にのぞみ、コロナ禍の女性支援のために、事前予約不要の相談窓口を設けることを明かした。14日からスタートするとしている。
吉村知事はコロナ禍において、「女性は雇用・収入の面で男性より減っている」とし、「収入が減った、なくなった」という女性が31%、男性は25%との調査結果を示した。
吉村知事は大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)に相談窓口を設けることを述べ、「事前予約は不要です。1人で悩まずに、ふらっとお気軽に立ち寄ってほしい。カウンセラーが常駐している。1人で悩まずどんどん相談に来てほしい。コロナ禍の相談どんなことでも受け付ける。悩んでいるのはお1人だけではない。同じ悩みを抱えている方とも交流できる」などと述べた。SNSでも受け付けていくという。

●東京都に緊急事態宣言、また出るのか どうなる閣僚会議 7/7
10都道府県に11日までの期限で出されている新型コロナ対応の「まん延防止等重点措置」の扱いについて、政府は7日午後に関係閣僚会議を開いて政府案を固める。首都圏4都県の重点措置を延長する案を軸に調整しているが、感染状況が悪化する東京都への緊急事態宣言を求める声もある。東京のコロナ対応は7月23日に開幕する五輪のあり方にも大きく影響するため、注目が集まっている。
菅義偉首相は6日にも関係閣僚と対応を協議したが、方針が固まらず7日の再協議となった。政府関係者は「首相や官房長官は重点措置派だが、専門家との調整にあたる西村康稔経済再生相が、宣言に言及している」と話す。
閣僚会議の前には、厚生労働省の専門家組織(アドバイザリーボード)の会合も開かれる。専門家が感染状況をどう分析し、どのようなメッセージを発するのかを踏まえ、閣僚らは政府案を固める方針だ。
その専門家組織の一員で、政府案を諮問される「基本的対処方針分科会」の尾身茂会長は7日午前の衆院厚労委員会でこう語った。「オリパラの期間を含めた7月の初めから9月にかけての2、3カ月は、これまでの日本のコロナ対策の取り組みの中でも最も重要な時期の一つだ」
政府内では、東京の感染状況について、専門家が厳しい認識を示すのではないかとの予測が広がる。今のところ政府関係者の間では、東京など首都圏4都県について「重点措置を1カ月以上延長する案が有力」とされているが、専門家が緊急事態宣言を念頭に置いた発言をすれば、政府方針にも大きな影響を及ぼす。

●田崎史郎氏、東京に緊急事態宣言の可能性を明かす… 7/7
7日放送のTBS系「ひるおび!」(月〜金曜・午前10時25分)では、11日に1都3県でまん延防止等重点措置の解除期限を迎えることを報じた。
政治ジャーナリストの田崎史郎氏は、今後の新型コロナの対策として「東京に緊急事態宣言の可能性も出てきた」とパネルに提示。
理由を「政府としては、まだまん延防止等重点措置でいきたいということ考え方なんですね。しかし尾身先生を中心に専門家の方が、東京は緊急事態宣言にした方がいいんじゃないかという話が出てきて」と政府分科会からの意向があると説明。
もし、東京に宣言が発令された場合でも「3県の方はまだ落ち着いていて、増え方が激しいのは東京なので、東京に緊急事態宣言で3県にはまん延防止等重点措置という考え」と3県では現在の対策が継続される可能性が高いとした。
また緊急事態宣言が出された場合の期間については「1か月程度」とし、その上で「オリンピックの間を全てカバーするくらい。まん延防止等重点措置下の五輪なのか、あるいは緊急事態宣言下の五輪なのかということです。(まん延防止等重点措置だとしても)1か月はどっちみちやるつもりで、どちらかとなって来た」とした。
これまでの政府の方針を「(まん延防止等重点措置でという)そういう方向だったですね、実際」と明かし、「(尾身会長が)そういうお考えだということが、政府には伝えられるということ。(菅首相は)どうしたものかと思っていて、今日の5大臣会合で、はたして尾身先生のご理解が得られるのかどうかということを中心に話し合われると思う」と話した。

●東京都で新たに920人のコロナ感染を確認 7/7
新型コロナウイルスの感染拡大に伴うまん延防止等重点措置が続く東京都内で、7日、新たに920人の感染が確認されました。
6月30日(水)と比べ206人増加しました。1日の感染者が900人を上回るのは5月13日の1010人以来です。
都内の感染者は、18日連続で、前の週の同じ曜日の人数を上回り、リバウンド傾向が顕著となっています。直近7日間の感染者数の平均は631.7人で、前の週の124.3%となりました。
一方、新たに3人の死亡が確認されたほか、重症者は1人減って62人でした。

●東京新たに920人感染に「千人超えで東京五輪開会を迎える事態になりそう」 7/7
前東京都知事で国際政治学者の舛添要一氏(72)が自身のツイッターに新規投稿。東京都が7日、新型コロナウイルスの感染者が新たに920人報告されたと発表したことに、コメントした。
900人超は5月13日の1010人以来となった。舛添氏は「驚いてしまうが、本日の東京都のコロナ感染者は920人、先週の水曜日より206人増加」と伝え、「感染者千人超えで東京五輪開会を迎える事態になりそうである」と懸念した。
また「デルタ株の感染も拡大している」と指摘。都内は11日までまん延防止等重点措置の対象期間となっているが、新規感染者数の増加傾向が続いている。「蔓延防止等重点措置の延長どころか、緊急事態宣言再発令も必要な状態になりつつある」とつづった。

●「まん延防止」延長なら酒類停止を 東京都、政府に要望 7/7
東京都は7日、新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」を延長する場合、飲食店の酒類提供を原則停止するなど感染対策の強化を政府に要望した。東京では6日までの新規感染者数が17日連続で前の週の同じ曜日を上回るなど、再び感染拡大している。酒類提供の制限を強める必要があると判断した。
政府は11日を期限として、東京など10都道府県に重点措置、沖縄県に緊急事態宣言を適用中だ。重点措置の対象区域の飲食店は一定の条件を満たせば午後7時まで酒類を提供できる。都は現在、政府より厳しい独自基準を設け、1組2人以内、滞在時間を90分以内として酒類提供を認めている。
都はこのほか、重症者が増えている50代など中高年層へのワクチン接種促進や、飲食店への協力金支給に充てる財政措置の継続なども要望した。 

●雇用の回復、地域で明暗 緊急事態宣言が影響か 7/7
雇用の指標として厚生労働省が毎月発表する「有効求人倍率」をめぐり、新型コロナ対策の緊急事態宣言が繰り返される地域とそれ以外の地域で、回復具合に差が出始めている。営業自粛要請などが地域経済の足かせになっていることをデータが裏付けている形だ。
求人倍率は、求職者1人に対し、求人が何件あるかを示す。有効求人倍率(季節調整値)の全国平均は2019年12月には1・57倍あった。これが20年4〜5月に全国が対象になった1回目の緊急事態宣言を経て、同10月には1・04倍まで低下。都道府県別の倍率も軒並み下がり、20年中はほぼ横ばいで推移した。
21年の都道府県別の有効求人倍率(就業地別)は、動きが2極化している。
1月以降、宣言や「まん延防止等重点措置」が断続的に出ている東京都と大阪府。5月を昨年10月と比べると、東京は0・05ポイント、大阪は0・03ポイントそれぞれ悪化し、まだ底が見えない。同様に宣言や重点措置の対象になった愛知、福岡、沖縄などの地域も回復は0・1ポイント未満と小幅だ。
一方、今年に入ってからは宣言の対象になっていない地域では、数値が大きく回復したところがある。例えば、福井県は昨年10月から0・25ポイント、秋田県は0・28ポイント改善し、コロナ禍前の水準を取り戻す勢いだ。
5月の倍率が1・81倍で全国トップだった福井県は今年、警戒を呼びかける県独自の「緊急事態宣言」を2回出したが、飲食店に酒類の提供自粛などは求めていない。県によると、県内の製造業も求人意欲を取り戻しているという。
企業の採用意欲を表す新規求人数に宣言や重点措置が与える影響を厚労省も注視している。田中誠二職業安定局長は6月29日の記者会見で、「コロナ感染が経済活動に与えている影響を通じ、労働需要にも影響を与えている可能性が考えられる」と語った。
厚労省は、休業手当を払って雇用を維持した企業を支援する雇用調整助成金の拡充などを続けてきた。だがコロナ禍が長引くにつれ、財源不足を心配する声も上がり始めている。
第一生命経済研究所の新家義貴・主席エコノミストは都道府県による差が出ている状況について「緊急事態宣言などが地域の雇用に影響を与えているのは明らかだ」と指摘する。コロナ禍が長引く地域ほど苦しい事業所が増えているとして、「ワクチン接種を進め、感染の早期収束をすることが必要だ」と訴える。

●コロナ禍の社内コミュニケーション 課題だと思う相手は?情報共有が遅い 7/7
人材紹介事業を展開するエイトシークエンスは7月6日、「コロナ禍の社内コミュニケーション課題に関する調査」の結果を発表した。課題だと感じるものの1位は「社内での情報共有が遅い」、課題だと感じる相手の1位は「上司」だった。
課題だと感じるものの1位は「社内での情報共有が遅い」(31.7%)、2位に「部門間・事業所間の連携がうまくいかない」(24.8%)、3位に「職場(業務以外)のことを気軽に相談できない」(21.5%)が続いた。同社は「コロナ禍によるリモートワークの拡大や、食事をしながら会話をする場面が減ったことにより、業務外のコミュニケーション機会が失われ課題を感じるのではないか」と分析している。
課題だと感じる相手で最も多かったのは「上司」(32.8%)で、「同僚」(24.2%)、「社長」(19.5%)が続いた。性年代別でみると、20代女性の約半数(49.2%)が「上司」と答えており、ほかの性年代よりも課題を感じていることが分かった。
社内・社外問わず、相談できる相手が欲しいと感じるかを聞いたところ、全体の51.0%が「感じる」と回答した。性年代別でみると「感じる」と回答した割合が最も高かったのは20代女性の60.7%だった。
不満を聞いてもらえる・相談できる相手として最も多い回答は「同僚」(34.7%)で、次いで「友人」(24.8%)、「上司」(24.0%)の順になっている。性年代別でみると、20〜30代女性は「家族」という回答割合が高くなっており、50代男性の4割以上、30代男性の3割以上は「相談できる相手がいない」という回答だった。
どのような相談相手が欲しいと思うかを聞いたところ、1位は「人として尊敬できる」(49.0%)、2位は「的確なアドバイスをくれる」(46.3%)、3位は「聞き上手である」(32.2%)だった。「相談相手が欲しいとは思わない」と答えた人は、50代女性で7.7%、30代女性で13.6%と全体平均(22.0%)より低い。
アンケートは5月7〜10日に、従業員規模5〜300人の企業で働く全国の20〜50代男女600人を対象に、Webアンケート方式で実施された。

●コロナ禍1年の家計消費の変化−ウィズコロナとポストコロナの考察 7/7
1 コロナ禍の個人消費の推移
コロナ禍が始まり1年余りが経過した。あらためて個人消費を振り返ると、国内で緊急事態宣言が初めて発出された2020年4・5月の落ち込みは、リーマンショックや東日本大震災後を大幅に上回るものであった[図表1]。
   [図表1]消費者動向指数(CTIマクロ)
その後は経済活動の再開を受けて大幅に改善したが、感染再拡大で再び下向きに、改善すれば上向きになることを繰り返しており、足元では未だコロナ前の水準には戻っていない。なお、感染者数は格段に増えているにも関わらず、感染拡大第一波と比べて第二波や第三波による消費の落ち込みは浅い。これは緊急事態宣言発出区域や店舗施設の営業自粛要請が限定的であることに加えて、感染防止対策の習慣化や気の緩みなどから生活者の感染不安が弱まり、人流が減りにくくなっているためだ。
2 家計消費の内訳の変化
コロナ禍で外出が自粛され、非接触志向が高まることで、旅行や外食などの外出型消費や接触を伴う対面型サービスの消費が大幅に減る一方、出前やテレワーク関連製品など巣ごもり消費が活発化している。コロナ禍で大きく変化した消費領域について見ていく。
   [図表2]新型コロナで大きな変化が見られる主な支出品目(二人以上世帯、対前年同月実質増減率%)
1/食〜外食需要の中食・内食シフト
総務省「家計調査」によると二人以上世帯では、外食費が減少する一方、パスタや即席麺、冷凍食品などの利便性の高い食品の他、生鮮肉、チーズ、油脂・調味料、各種酒類、出前などの支出額は増加している[図表2a]。つまり、家での食事回数が増えたことで、手軽に食べられる需要とともに、食事の質を高めたい需要の両面が増しているようだ。なお、出前やテイクアウトなどの中食市場は、コロナ前から利便性重視志向の高い単身世帯や共働き世帯が増える中で拡大傾向にあったが、コロナ禍で対応する飲食店が増えたことで、消費者にとってサービスとしての魅力が高まり、一層需要が増しているようだ。ワクチンにより集団免疫が獲得され、行動制限が緩和されたポストコロナでは、外食需要は自ずと回復基調を示すだろう。しかし、テレワークの浸透で人の流れが変わったため、オフィス街の昼食や飲み会需要などはコロナ前の水準には戻りにくい。既に一部の外食チェーンでは駅前から郊外へ出店戦略を変える動きがあるが、今後はコンビニエンスストアなど他業態の店舗立地も変わる可能性がある。
2/旅行・レジャー〜効果大のGoTo
旅行やレジャーはコロナ禍で大きな打撃を受けている。一方で、政府の「GoToトラベルキャンペーン」の効果で、昨年の夏から秋にかけて、宿泊料やパック旅行費は大幅に回復し、2020年10月の宿泊料は前年同月比+約3割を示した[図表2b]。なお、交通費を含むパック旅行費と比べて宿泊料単体の回復基調が強いのはコロナ禍においては自家用車などのセルフ手段を利用して近場へ旅行し、宿泊施設だけを利用する「マイクロツーリズム」志向が高いためだ。レジャーでは、2020年6月頃は休業要請が早期に緩和された美術館や博物館などの文化施設が、いち早く回復基調を示した。その後、夏にかけて、映画館や遊園地の営業も再開され、追随する動きを示している。ポストコロナでは旅行やレジャーの需要は自ずと戻り始めるだろう。また、現在停止されているGoToトラベルが再開されるのならば、キャンペーン期間では劇的な回復も期待できる。一方でコロナ前から、旅行やレジャーなどの従来産業では、デジタル化の進展で娯楽の多様化が進み、価値観も変化する中で、「若者の旅行離れ」が指摘されていたように、若い世代の相対的な興味関心の低下が課題であった。よって、中長期的に需要を獲得していくためには引き続き創意工夫が必要だ。
3/デジタル関連
(1) テレワーク需要の高まり
在宅勤務によるテレワークの浸透により、パソコンや家具の支出額は前年同月を上回る月が多い[図表2c]。夏頃のピークは、「特別定額給付金」や夏の賞与が後押したものと見られる。なお、10月のピークは前年同月に消費税率引き上げによる反動減が生じたために、2020年10月はプラスに振れやすい影響であり、比較的値の張る品目で同様の動きが確認されている。パソコンや家具などは耐久消費財であり、購入後の数年は需要に落ち着きが見られるだろう。しかし、ポストコロナでは働き方が変わることで、今後も一定のサイクルでの需要増が期待できる。また、現在のところ、全国的には必ずしも大きな潮流ではないが、郊外居住やリフォームなどの住み替え需要に伴って家具や家電、自動車などの需要増が生まれる可能性もある。 一方、オフィスへの出勤が減ることで、背広服はおおむね前年同月を下回る。昨年4月の落ち込みは▲79.9%と大きいが、これは入学式などの各種式典が軒並み中止・延期となった影響もあるだろう。ポストコロナではオフィス着の需要は弱い回復基調を示す可能性はあるが、依然として厳しい状況が続くと見られる。テレワークの影響に加えて、コロナ前から、クールビスなどオフィス着のカジュアル化という流れもあった。現在、アパレルメーカーではリラックス感のあるテレワーク仕様のオフィス着のラインナップを増やしたり、雑貨や食品の販売も始めるなど需要を模索する動き、ECサイトやSNSでの情報発信に積極的な動きもある。今後ともアパレル市場では製品ラインナップの工夫やリアル店舗のネット化といった流れは強まるだろう。
(2) 巣ごもりでデジタル娯楽需要増
巣ごもり生活で楽しみやすいゲームや電子書籍などのデジタル娯楽では支出額の増加が目立つ(図表略)。特にゲーム機は子どもの生活と連動しており、全国一斉休校が要請された2020年3月や感染再拡大で帰省自粛が呼びかけられた8月(夏休み)などに特に増えている。また、電子書籍や映像・音楽ソフト、アプリなどの支出額はいずれも前年同月を上回る。支出額は感染状況と必ずしも連動しないが、これは、デジタル化の進展でコロナ前からデジタル娯楽の需要は増していた上に、コロナ禍による需要増が加わったためだろう。コロナ禍は働き方だけでなく、消費行動のデジタル化も加速させている。ポストコロナでもデジタル娯楽の需要には伸長の余地がある。今後はシニアにもスマートフォンの利用が拡大することで幅広い層の需要が期待できる。
4/その他
その他、コロナ禍の特徴的な動きとして、マスク着用や外出自粛の影響でファンデーションや口紅などのメイクアップ用品の支出額が減少している。ただし、これらはマスク着用が不要となれば直ちに回復基調を示すだろう。また、家で過ごす時間が増えたためか、ペット関連の支出額が増えている。なお、一般社団法人ペットフード協会の調査によると、2020年の犬や猫の新規飼育者の飼育頭数は前年より増加し、増加率も以前より大きい。ポストコロナでは郊外居住に伴ってペット需要が増す可能性もある。
3 今後の消費はワクチン接種が鍵
2020年の個人消費は、食やテレワーク関連製品などの巣ごもり消費に支えられた。また、企業ではオンライン対応をはじめとした新領域への展開、業態転換の工夫など様々な創意工夫が見られた。一方でオンラインによるサービス提供は単価が下がる傾向があり、コロナ禍では対面を組み合わせた付加価値の高いサービスの提供にも制限がある。また、様々な工夫があっても、やはり従来から支出額の大きな旅行などの外出型消費の大幅な減少が個人消費全体へ与える影響は大きい。すでにイスラエルや米国などワクチン接種の進む他国では、外出型の消費がコロナ前の水準に迫る勢いで回復傾向を示している。日本においてもワクチン接種がいかに早期に進むかが、今後の個人消費回復の鍵だ。

●子どもに笑顔を コロナ禍、弁当配布のボランティア団体へ寄付増加 7/7
愛知県蟹江町で子ども食堂を運営するボランティア団体「ONiGiRi(おにぎり)」は、コロナ禍にあっても、子どものいる家庭を対象に、食料無料配布や、弁当を作って配達するなど活動を休止させることなく支援を続けてきた。「自分たちができることで、誰かの助けになれたら」と地道に活動する姿に、地元の人らから寄付があるなど賛同の輪が広がっている。
2018年に発足したおにぎりは、子育て中の母親らが参加し子ども食堂や被災地支援を展開。新型コロナウイルス感染拡大により学校が休校になると、昼食付きで子どもたちを預かったり、フードバンクから提供された食料を無料配布したりしてきた。
「コロナ禍で収入が減った家庭があったり、親が医療従事者で一人で留守番をする子どもがいたりする。ごはんを食べたい子どもや、食事の提供があると助かる親は多い」と、代表の加藤裕子さん(41)は言う。昨秋からは、同町内などで希望する家庭の子ども向けに弁当を作り、週2回ほど無料で配達している。30食限定としているが、申し込みが多く毎回60〜70食ほど提供しているという。
必要な食材などは寄付でまかなったりしているが、地元の人らからの寄付の申し出が増えている。7月2日には、同町のウェブ制作業、丹羽征太郎さん(41)が「必要な方に使ってほしい」と、1箱50枚入りのマスク1500箱を提供した。販売用に海外から仕入れたものだが、余剰分の置き場に困っていたところ、知り合いで同町の住宅リフォーム会社員、戸谷澪佐さん(59)から寄付を提案されたという。戸谷さんはSNSなどでおにぎりの活動を知り、「頑張っておられる姿を見て、何か協力できたらと思っていた」と話す。マスクは食料と一緒に配布するなどして活用していくという。
加藤さんは「多くのご支援に感謝し、いただいた温かい気持ちがつながっていったらうれしい。一人でも多くの子どもたちが笑顔になれるよう、私たちも笑顔で活動を続けていきたい」と話す。団体は年内に法人化を目指すとしている。

●東京に緊急事態宣言発令 政府調整 7/7
政府が新型コロナウイルス特別措置法に基づき蔓延(まんえん)防止等重点措置を適用している東京都に対し、緊急事態宣言を発令する方向で調整に入ったことが7日、分かった。複数の政府関係者が明らかにした。23日に開会式が行われる東京五輪は、原則無観客で行われる公算が大きくなった。東京都に宣言が発令されれば、これで4回目となる。
政府は現在、10都道府県に対し11日を期限として重点措置を適用している。千葉、神奈川、埼玉の首都圏3県については重点措置の期限を延長し、残りの6道府県については解除する方向で検討している。緊急事態宣言が発令されている沖縄県については、重点措置に移行する方向で調整している。
菅義偉首相は7日夕、関係閣僚と協議した上で、最終的な方針を固める。

●小池知事「緊急事態宣言、必要な段階」だけど...五輪は「安全に・・・」  7/7
新型コロナウイルスの感染拡大で、7日に発表された東京都内の新規感染者数が8週間ぶりに900人を超えたことを受け、小池百合子知事は同日、都庁で、緊急事態宣言について「必要な段階なのかな」と述べた。一方、東京五輪については「コロナ対策を進めながら、安全に開かれるように進めていきたい」とし、緊急事態宣言と重なる見込みが強まる中でも開催への意欲をにじませた。記者団の取材に答えた。
7日の都内の新規感染者数は920人で、前週の水曜日より206人増加し、18日連続で前週の同じ曜日を上回った。
小池知事は「状況はとても厳しいです。一方で、重症者数、重症の世代などはこれまでとちょっと様相が違う。50代や中高年に的を当てたような対策が必要になってくる」との認識を表明。政府が8日に東京へ緊急事態宣言を出す手続きを進めることに触れ、「ここのところ上昇が続いておりますので、これらの措置も必要な段階なのかな」と述べた。
感染拡大を受けて、五輪の開催中止を求める声もあるが、小池知事は「とても厳しい状況ではございますけれども、これまでも2020大会の準備を、そしてまたコロナ対策、さまざま進めてまいりました。コロナ対策を進めながら、安全に開かれるように進めていきたいと思います」と語った。
 
 
 

 

●東京に緊急事態宣言を発令へ、8月22日まで 東京五輪、無観客で調整  7/8
政府は8日夕、東京都に4度目の新型コロナウイルス緊急事態宣言を12日から発令すると決定する。11日を期限としていた沖縄県の宣言は延長する。埼玉、神奈川、千葉、大阪の4府県のまん延防止等重点措置も延長する。いずれも8月22日まで。専門家らによる午前の基本的対処方針分科会に西村康稔経済再生担当相が方針を諮り、了承を求める。
北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県の重点措置は11日で解除する見通し。分科会の了承が得られれば、午後に開かれる衆参両院の議院運営委員会に西村氏が報告し、菅義偉首相が夕方の新型コロナ感染症対策本部で表明する。その後、首相は記者会見に臨み、判断の理由などを説明する。
東京の宣言発令に伴い、23日に開会式を迎える東京五輪の都内会場は無観客とする方向で調整する。政府、都、大会組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)などによる5者協議を8日にも開催し、最終決定する。
宣言対象地域では、酒類を提供する飲食店に対し引き続き休業を要請する。

●東京に4度目の緊急事態宣言へ 西村氏「できれば最後にしたい」 7/8
政府は8日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて東京都に4度目の緊急事態宣言を発令し、神奈川、埼玉、千葉各県へのまん延防止等重点措置の期限を延長するなどの手続きを始めた。国会でのやり取りや、首相会見の様子を随時、速報する。
14:45 宣言「必ず最後に」国民民主が注文
浅野哲氏(国民民主党)は、西村氏が緊急事態宣言について「できれば最後にしたい」と答弁したことに触れ、「この局面で『できれば』なんていう言葉を使ってほしくない。必ず最後にするという強い決意で過ごしてほしい」と注文した。西村氏は「『できれば』と申し上げたのは、イギリス、イスラエルでも若い方々を中心に感染が広がったり、入院者数が増えたりしているので」と海外での変異株の感染拡大が念頭にあったことを説明。ワクチンの効果に関するデータ分析を進めるとしつつ、「必ず効果はあります」とも強調した。
14:35 共産、五輪中止すべきに西村氏「IOCが判断と聞く」
塩川鉄也氏(共産党)は「五輪は中止の決断をすべきではないか」と問いただした。 西村氏は「開催権限はIOCが判断されると聞いている」と述べ、「世界的にみれば日本の感染は低く抑えられてるが、足下の医療提供体制を安定的なもの確保していくために、いわば先手、先手で緊急事態宣言を東京都に発出することにした」と説明した。
14:30 公明「五輪、無観客検討を」
佐藤英道氏(公明党)は「無観客を視野に入れて検討すべき」と迫った。 西村氏は、上限5000人、収容率50%以内の方針を踏まえて組織委などの5者協議で対応されるという認識を示した上で「例えば、夜間の無観客なども含めて、さまざまな検討がされると承知している」と述べた。
14:15 立民「政策の失敗」
青柳陽一郎氏(立憲民主党)は、東京五輪目前で、東京に緊急事態宣言を発令する状況になったことを「政策の失敗」と批判し、原因や責任の所在を尋ねた。西村担当相は「ハンマーアンドダンスという言葉があるが、感染が増えてくれば強い対策でそれを抑える。収まってくれば対策を解除する。機動的に対応すると申し上げてきた」とかわした。
14:15 西村氏、緊急事態宣言「できれば最後に」
福田達夫氏(自民党)から今後の見通しを問われ、西村氏は専門家に意見を求めているとした上で「毎回、最後にしたいと思っているが、今回特に、できれば最後にしたいという思いで緊急事態宣言の発出を諮問させていただいた」
14:00 西村担当相 休業要請応じない店に取引停止を要請
西村康稔担当相が衆院議会運営委員会で、政府の方針案を説明した。東京都については、感染者数の増加傾向やインド由来の変異株「デルタ株」への置き換わりが進んでいることに触れ、「先手先手で医療提供体制を確保する必要がある」と述べた。自粛要請が長期化することや、協力金を迅速に支給することへの要望を踏まえ、「飲食店への協力金の先渡しが可能となる仕組みの導入などをし、同時に酒類提供の停止を徹底するため、酒類販売事業者に対し、酒類提供停止を伴う休業要請等に応じない飲食店との酒類の取引を行わないよう要請する」と述べた。さらに特措法に基づく命令、罰則を厳正に適用するなど取り組みのさらなる強化を行うという。
午前 政府方針を専門家らが了承
東京都に4度目の新型コロナウイルス緊急事態宣言を12日から発令し、沖縄県の宣言や、埼玉、神奈川、千葉、大阪の4府県のまん延防止等重点措置を延長する政府方針を、専門家らによる基本的対処方針分科会が了承した。期限はいずれも8月22日まで。緊急事態宣言の対象となる東京、沖縄では、酒類を提供する飲食店の休業を要請。まん延防止措置が続く4府県では、現状は容認している酒類の提供を原則停止にし、感染状況などを踏まえて知事の判断で午後7時までの提供を認める緩和をできるとした。

●緊急事態宣言、「またか」 落胆と諦め、航空も失望大きく 小売り・飲食 7/8
政府が新型コロナウイルスの感染再拡大が続く東京都に4回目の緊急事態宣言を発令する方針を固めた7日夜、営業時間短縮などを強いられる見通しの百貨店や飲食店の間では、「またか」と落胆と諦めの声が広がった。
人の移動も制限される見込みで、夏休み需要を当て込んでいた航空大手は「ショックだ」と失望を隠し切れない様子だ。
都では6月下旬に宣言がまん延防止等重点措置に切り替えられ、時間や人数の制限付きながらようやく酒類の提供が認められてまだ2週間余り。再度の提供禁止の可能性に、居酒屋大手は「客観的な根拠を示してほしい」と悲痛な叫びを上げた。
都内の百貨店では「緊急事態とまん延防止措置の違いが分からない」「要請の内容が分からず不安だ」と、具体的な対応方針が見えないことへの警戒が強まる。
航空業界は、東京五輪・パラリンピック開催に伴う7月22日からの4連休や、夏休みに人気の沖縄路線で利用増加を見込んでいたが、先行きが暗転。大手幹部は「また苦しい(利用)状況になるかもしれない」とため息をついた。 

●橋下徹氏 4度目の緊急事態宣言に「僕はもうさっぱり分からない」  7/8
元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏(51)が8日、フジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月〜金曜前8・00)に出演。政府が東京都に4度目の新型コロナウイルス緊急事態宣言を発令する方針を固めたことに言及した。
政府は8日夕に東京都の緊急事態宣言を12日から発令すると決定する。11日を期限としていた沖縄県の宣言は延長する。埼玉、神奈川、千葉、大阪の4府県のまん延防止等重点措置も延長する。いずれも8月22日まで。北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県の重点措置は11日で解除する見通し。東京の宣言発令に伴い、23日に開会式を迎える東京五輪の都内会場は無観客とする方向で調整する。
橋下氏は「僕はもうさっぱり分からないという立場です」と言い、「英国は今、1日当たり2万7000人、2万8000人の感染者数です。それでも社会経済活動は完全に再開していこうという発想なんです、ジョンソン首相がそういうふうに舵を切りました。それは死者数とか重症者数がすごい抑えられているんですよ、ワクチンの効果によって。だから、僕は、日本でもね、そういう議論を専門家にしてもらいたいなと思って」と話した。その上で「はっきり言ってそのあたりの情報が分からないんですよ。今、日本の重症者数や死者数の伸びがどうなのか。特に感染者数のうち高齢者の65歳以上の割合が1割切っているという報道も聞いてますから、重症者化リスクが下がるんだったら、そんなに伸びないんだったら、ある意味、感染者数ってものは容認していかないと」とした。
そして「例えばインフルエンザなんかですね、今コロナでインフルエンザの数が抑えられていますけど、普通は毎年毎年、1000万人の感染者数がインフルエンザで出ているんですよね。でも大騒ぎしないのは死者も重症者もワクチンとか薬で抑えられているからなんです」とし、「だからそのあたりの議論を専門家でやってもらいたいと思うんです。感染者数ばっかりに注目するのは違うんじゃないかと思うんですけどね」と自身の見解を述べた。

●東京都への4度目の緊急事態宣言、分科会が了承  7/8
政府の新型コロナウイルスに関する基本的対処方針分科会は8日、「まん延防止等重点措置」を適用している東京都に4度目の緊急事態宣言を発令する案を妥当と判断した。政府は同日夕に対策本部を開き、正式決定する。
沖縄県の緊急事態宣言と埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県の重点措置は継続する。期間はいずれも12日から8月22日まで。
北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県に適用している重点措置は、期限の11日で解除する。政府は8日夕に対策本部を開き、正式決定する。
西村経済再生相は分科会で東京都への宣言発令について「先手先手で医療提供体制を確保する必要がある」と述べた。

●東京に緊急事態宣言へ、五輪後の8月22日まで−分科会が了承 7/8
新型コロナウイルスの感染者が増加する東京都で、政府は4回目の緊急事態宣言を発令する。12日から8月22日まで。東京五輪は緊急事態宣言下で開催することになる。
専門家による基本的対処方針分科会で了承されたと西村康稔経済再生担当相が明らかにした。夕方の対策本部で決定し、菅義偉首相が午後7時からの記者会見で政府の対応を説明する。
ワクチン接種が先行する他国の経済活動が回復の兆しを見せる中、日本では首都のコロナ感染者が急増し、緊急事態宣言が再発令される事態となった。東京五輪・パラリンピックへの影響に加え、消費への下押し圧力となることは避けられず、衆院解散の時期や自民党総裁選の行方も左右しそうだ。東京では6月20日に緊急事態宣言を解除し、まん延防止等重点措置に移行していた。
11日が期限のまん延防止等重点措置は埼玉、千葉、神奈川、大阪で延長し、北海道、愛知、京都、兵庫、福岡は解除する。沖縄県も緊急事態宣言を延長する。 
宣言の対象地域では、飲食店に酒類の提供停止を要請。協力金の先渡しが可能となる仕組みも導入する。販売業者にも要請に応じない店とは取引しないよう求める。
航空会社と旅行会社には、利用者に事前のPCR検査を勧めるよう協力を依頼する。夏休み期間中の感染拡大を抑えるため、羽田空港や大阪・伊丹空港などから北海道と沖縄に向かう乗客は、希望すれば無料で検査が受けられるようにする。
菅義偉首相は7日夜、「万全の体制を取って感染を抑えていきたい」と話した。五輪・パラリンピックの観客数の上限については、政府の対応を踏まえた上で大会組織委員会などとの5者協議で決めると述べた。
東京五輪は23日から8月8日まで開催され、緊急事態宣言やまん延防止措置が大会期間と重なった場合には、無観客も含めて検討することになっている。菅首相もこれまで、緊急事態宣言発令時は「無観客もあり得る」との認識を示していた。
都内の7日の感染者数は920人(前日593人)と、5月13日(1010人)以来の水準だった。
緊急事態宣言が発令されると報じられたことを受け、旅客需要が低迷すると懸念された空運や陸運株が売られ、東京株式相場は続落した。TOPIXは午前9時5分時点で前日比3.03ポイント(0.2%)安の1934.65。
伊藤忠総研の武田淳チーフエコノミストは、五輪の無観客開催を予想した上で、観客の消費やコロナ明けを期待した娯楽需要への悪影響を指摘。一方、ワクチン接種が進むにつれて消費は回復するとみており、7−9月期の実質国内総生産(GDP)への影響は「かなり限定的になる」との見方を示した。

●東京に4回目の「緊急事態宣言」分科会が了承 対策本部で決定へ  7/8
新型コロナウイルスの感染の再拡大が続く東京都について、専門家でつくる分科会は、7月12日から8月22日まで、4回目の緊急事態宣言を出すことを了承しました。政府は、夕方の対策本部で決定することにしていて、菅総理大臣が今夜記者会見して、宣言を出す理由などを説明し、国民に協力を呼びかけることにしています。
沖縄県を対象にした緊急事態宣言と、東京や大阪など10の都道府県に適用されているまん延防止等重点措置の期限を3日後に控え、8日午前、感染症などの専門家でつくる政府の「基本的対処方針分科会」が開かれました。
西村経済再生担当大臣は、東京都については、感染の再拡大に歯止めがかからないことから、7月12日から8月22日まで、4回目となる緊急事態宣言を出すとともに、沖縄県に出されている宣言も8月22日まで延長する方針を諮りました。
7月23日に開幕する東京オリンピックは、開催期間すべてが宣言の時期に含まれます。
西村大臣は、東京に宣言を出す理由について「きのうの新規陽性者数が920人となるなど継続的に増加し、最近1週間の10万人当たりの人数も30人を超え『ステージ4』相当になっている。重症者や入院調整中の人の数も増加し、先手先手で医療提供体制を確保する必要がある」と説明しました。その上で、飲食店に対し、酒類の提供を停止し、営業時間を午後8時までに短縮するよう要請するとして「協力金の先渡しが可能となる仕組みを導入し、支給の迅速化に向けて、必要な取り組みを進めたい」と述べました。また、酒類を販売する事業者に対し、提供停止に応じない飲食店との取り引きを行わないよう要請する考えも示しました。さらに、宣言が出されている地域のイベントの開催制限については、会場の収容定員の50%までか、5000人のいずれか少ない方を上限とし、時間は原則午後9時までとする基準を維持する方針を示しました。一方、まん延防止等重点措置は埼玉、千葉、神奈川と大阪の4府県では、8月22日まで延長し、北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県は7月11日の期限をもって解除する方針を示しました。そして、重点措置の適用地域でも、原則、酒類の提供停止を要請する方針を示しました。西村大臣は「デルタ株による感染拡大とワクチン接種のスピード競争という状況の中でワクチン接種を着実に進める。ワクチンが行き渡るまで、命や健康を守ることを第1に、先手先手で機動的に対策を講じ感染拡大を抑えていきたい」と述べました。分科会では、こうした政府の方針について議論が行われ、了承されました。
「基本的対処方針分科会」の尾身茂会長は、会合のあと報道陣の取材に応じ、東京に緊急事態宣言を出すなどとした政府が示した方針を了承したと述べました。そのうえで「東京都に宣言を出すことに専門家が合意したのは、1日の感染者数が900人を超えたからというより、インドで確認された変異ウイルス『デルタ株』が広がってきていることや、40代50代を中心に重症化する人や入院する人が多いといった、これまでとは明らかに違う傾向が見えてきているためだ。このまま感染が拡大すれば、この傾向はさらに加速し、早晩、またしても医療のひっ迫が起きてしまう。これから夏休みや4連休、お盆休み、さらにはオリンピックがあると、人の流れが集中してしまう。オリンピックのために宣言を行うわけではないが、今の早いうちからしっかりと対策を行い、医療のひっ迫を防がねばならない」と強調しました。さらに尾身会長は「飲食店をはじめ、多くの人が厳しい状況になり、ご苦労をおかけするということを行政も専門家も十分理解して対策を行う必要がある。検査の充実やワクチン接種、飲食店の認証制度など、国が進めるべきことが十分なスピードで行われていない。お願いする以上、それに見合うか、それ以上にしっかりと対策を進める姿勢を国や自治体が見せないと、多くの人の協力は得られない」と話しています。
西村経済再生担当大臣は、分科会のあと記者団に対し、酒類の提供停止の要請などに応じない飲食店への対応について「特別措置法に基づいて、要請や命令、過料を厳格に対応していく。すでに過料を科されている店舗もあるが、要請に応じなければ、何度でも手続きをとることも含め、自治体と連携して、厳しく対応していく」と述べました。そして、分科会では、沖縄の取り扱いをめぐって、最も多くの時間が割かれたとして「玉城知事からも『まん延防止等重点措置に』と要望をいただいたが、感染者数や医療の状況が『ステージ4』であり、宣言を継続する結論となった。改善が一層進めば、期限を待たず解除がありうるということが分科会として確認された」と説明しました。そのうえで「沖縄は、夏は観光客も多くにぎわう時期で、本当に大切な時期を厳しい措置で対じすることになり、県民の皆さんの心情もよく分かる。何とか感染拡大を抑え、早期に改善していけるよう協力をお願いしたいし、国としても応援したい」と述べました。そして、西村大臣は「緊急事態宣言のたびに、私自身は『もう最後にしたい』と思っているが、特に今回は、できれば最後にしたいという気持ちを強く持っている。ワクチン接種を進めながら感染拡大を抑え、医療提供体制を安定的なものにしていきたい」と述べました。
これを受けて、政府は、衆参両院の議院運営委員会に報告し、質疑を行った上で、午後5時から開かれる対策本部で正式に決定することにしています。そして、8日午後7時をめどに菅総理大臣が記者会見し、東京に宣言を出す理由などを説明し、国民に理解と協力を呼びかけることにしています。
日本医師会の釜萢常任理事は、分科会のあと記者団に対し、緊急事態宣言について「非常に長期にわたるが、夏休みの県境を越えた移動の機会の大きい時期をしっかりカバーするという意味では必要だと思う。影響が極めて大きいので、状況が改善して解除の方向にもっていけるのであれば、しっかりと判断しなければならない」と述べました。一方、宣言の期間中に東京オリンピックが開催されることについて「このような状況で、国民に対するメッセージ性が矛盾したものにならないように、しっかりと手当てが必要だという議論になった」と述べました。
経済の専門家として分科会の委員を務める、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの竹森理事長は「苦渋の決断というか、東京で増えている感染が日本全国に広まるのではないかという意識から出た措置だった。国民の協力をどう促すかや、長い自粛が続いており『いつまでやるんだ』というフラストレーションに、どう対応していくかが重要な議論だった」と述べました。また、東京オリンピックの観客の扱いをめぐり「東京会場で無観客にする選択肢はあるかもしれないが、普通の野球やサッカーの試合で5000人を入れているのに、なぜオリンピックだけなしにしなければいけないのか、話が両立しない。無観客で突っ込みたいのなら、ほかのスポーツの試合も無観客にすればいい」と述べました。

●野党 五輪開幕前に臨時国会召集を要求 緊急事態宣言見通しで  7/8
緊急事態宣言の発出中に、東京オリンピックが開催される見通しとなったことから、野党側は、感染者の急増など、不測の事態に備える必要があるとして、今月23日のオリンピック開幕前に臨時国会を召集するよう与党側に求めました。
政府は、東京都に、今月12日から来月22日まで、4回目となる緊急事態宣言を出す方針で、今月23日に開幕する東京オリンピックは宣言の期間中に開催される見通しです。
これを受けて、立憲民主党、共産党、国民民主党の国会対策委員長らが会談し、国会としても感染者の急増など不測の事態に備える必要があるとして、開幕前に、臨時国会を召集すべきだという認識で一致しました。
そして、立憲民主党の安住国会対策委員長が、自民党の森山国会対策委員長と会談して臨時国会召集を求めたのに対し、森山氏は持ち帰って検討する考えを示しました。
また安住氏は、8日午後開かれる衆参両院の議院運営委員会に菅総理大臣が出席して質疑を行うよう求めたのに対し、森山氏は、否定的な考えを伝えました。
自民党の森山国会対策委員長は、記者団に対し「きのうも閉会中審査を行い、きょうも議院運営委員会を開くので、閉会中でも国会としてスピーディーに対応できる。臨時国会の召集は極めて慎重にと思っている」と述べました。
立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「国家の浮沈に関わるような事態だ。国民に自粛を求めておきながら東京オリンピックはやりますという、こんなねじれたことをやりながら国会で議論しないことは政治不信につながる」と述べ、与党側が拒否すれば、憲法の規定に基づいて、臨時国会の召集を求めていく考えを示しました。また、IOCのバッハ会長の来日に関連し「場合によっては国会に来てもらう必要も出てくる。なぜオリンピックを開くのか聞きたいし、ただ単に日の丸の旗を振って迎えるような環境では全くない」と述べました。

●「正直長い」沖縄の緊急事態宣言継続方針に知事  7/8
沖縄県の玉城デニー知事は8日、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が8月22日まで継続される方向となったことについて、報道陣に対し、「正直ちょっと長いなと思う」と述べた。県は8日午後の対策本部会議で、延長期間の対応を協議する方針。
玉城知事は7日、西村経済再生相に対し、宣言を期限の11日で解除し、「まん延防止等重点措置」に移行するよう要請していた。受け入れられなかったことを報道陣に問われ、「夏休み、オリンピックもあり、日数をかけて改善を行っていかないと、東京の感染再拡大が沖縄にも影響してしまうと考えたのではないか」と述べるにとどめた。
県は現在、県内の飲食店に対し、酒類の提供自粛と午後8時までの営業時間短縮を要請している。
一方、重点措置が解除される見通しの福岡県の服部誠太郎知事は8日、解除後について、飲食店への時短要請を取り下げる意向を改めて示した。報道陣の取材に対し、「私権の制限を伴う強い措置は必要ないと思う」と語った。

●沖縄 緊急事態宣言延長を了承 対策本部開き 対処方針策定急ぐ  7/8
沖縄県に出している緊急事態宣言の期間を、8月22日まで延長する政府の方針を、専門家でつくる分科会が了承しました。沖縄県は8日午後、対策本部会議を開き、現在の対策を継続する方向で、対処方針の策定を急ぐことにしています。
沖縄県に出している緊急事態宣言の期間を、8月22日まで延長する政府の方針を専門家でつくる分科会が了承しました。
分科会の冒頭で西村経済再生担当大臣は、新規感染者数の減少のスピードが落ちていること、重症者用の病床使用率が50%を超えて、厳しい状況であること、夏のシーズンを迎え、人々の活動や移動が活発になることなどを緊急事態宣言の期間を延長する理由にあげました。
沖縄県は、地域によって感染状況が異なってきているとして、政府に対して地域を絞って重点的に対策を行う「まん延防止等重点措置」への移行を7日要請しましたが、受け入れられなかった形です。
県に出されている緊急事態宣言は、ことし5月23日に始まって、6月21日から3週間、延長され、今回の延長で宣言の期間が3か月に及ぶことになります。
県は8日午後対策本部会議を開き、対処方針の策定を急ぐことにしています。

●「緊急事態宣言」大規模商業施設には休業要請出さない方向で調整  7/8
4度目の緊急事態宣言が出される見通しとなった東京都では、酒類提供については中止を要請する一方、映画館や百貨店など大規模商業施設については、現状のままとする方向で調整が進められていることがわかった。
東京都では、まん延防止等重点措置が7月11日に期限を迎えるが、感染状況などから、8月22日まで緊急事態宣言が出される見通しとなった。
関係者によると、国と都の協議の結果、期間中、飲食店には原則として酒類の提供の中止を要請し、できない場合は休業を要請するよう調整しているという。
その一方で、映画館や百貨店など大規模商業施設については、休業要請は出さず、現在の措置を継続する方向で調整していることもわかった。

●東京都 デパートなどへの休業要請しない方向 4回目の宣言で  7/8
東京都は、今回・4回目の緊急事態宣言のもとでは、前回の宣言で行ったデパートなど大規模施設への休業要請は実施しない方向で調整しています。
都内で、新型コロナウイルスの感染の再拡大に歯止めがかからない中、政府は4回目となる緊急事態宣言を出す方針です。
都は、新たな宣言の期間中に講じる措置の内容を検討していて、今回はデパートや映画館など大規模施設への休業要請は実施しない方向で調整しています。
大規模施設に対しては、ことし4月25日からの3回目の緊急事態宣言で全面的な休業を要請し、再延長された先月1日から20日までは土日のみの休業要請や時短の要請に切り替えました。
現在は、まん延防止等重点措置のもとで営業時間を短縮するよう要請していて、4回目の宣言のもとでは休業要請は行わないものの時短要請を継続する方向です。
一方、酒を伴う飲食の場で感染リスクを抑えるため、前回の宣言のときと同様に飲食店に対しては酒を提供しないよう要請する方針で、政府の方針を踏まえて具体的な措置の策定を急いでいます。
東京都の小池知事は、4回目の緊急事態宣言のもとで飲食店に対して酒の提供の停止を求める方針について「そこが急所と考えているか」と記者団から問われたのに対して「いくつも急所がある。いかに実効性を上げるかということも重要だ。総合的に考えていきたい」と述べました。

●東京 緊急事態宣言で“酒提供なし”再要請へ 実効性の確保課題  7/8
4回目の緊急事態宣言が出される見通しとなった東京都は、前回の宣言のときと同様に飲食店に酒を提供しないよう要請する方向で調整しています。ただ、たび重なる時短や休業の要請に応じない店も増えていて、実効性の確保が課題となります。
東京都内では、7日、感染確認が900人を超えるなど再拡大に歯止めがかからず、政府は、4回目となる緊急事態宣言を出す方針で、8日の対策本部で正式に決定します。
都は、新たな宣言の期間中に講じる対策として、6月20日までの3回目の宣言のときと同様に飲食店に酒を提供しないよう要請する方向で調整しています。また、提供しない店には午後8時までの時短営業を求める方針です。ただ、これまでのたび重なる時短や休業の要請で飲食店の経営はさらに厳しくなっていて、応じない店も増えていることから実効性を確保できるかが課題となります。
また、開幕が2週間後に迫った東京オリンピックは、緊急事態宣言が出されるなかでの開催となる見通しです。無観客とする案も検討されているものの、都民や事業者に制約を求めるなかで開催の方針を維持することに多くの支持が得られるかは不透明です。

●古市憲寿氏 4度目の緊急事態宣言「出すんだったら、五輪はやめれば」 7/8
社会学者の古市憲寿氏(36)が8日、フジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月〜金曜前8・00)に出演。政府が東京都に4度目の新型コロナウイルス緊急事態宣言を12日から発令する方針を固めたことに言及した。
政府は、まん延防止等重点措置を延長する当初方針から転換した。23日に開会式を迎える東京五輪の都内の会場を無観客とする方向で調整する。沖縄県の緊急事態宣言は延長する。埼玉、神奈川、千葉、大阪の各府県のまん延防止等重点措置は延長する見通し。いずれも8月22日が期限。条件付きで午後7時まで容認していた重点措置の地域での酒類提供は原則停止とする。
古市氏は「緊急事態宣言は重い宣言だと思いますよ。やっぱり飲食店の方をはじめ個人の自由を制限するわけじゃないですか。民主主義、自由主義のこの日本において、それを制限するってすごい重いこと。重いことをするにもかかわらず五輪をするってチグハグだと思う」と指摘。そして「本当に国が緊急事態だと思っているなら、東京都が今のこの状態を緊急事態だと思っているならば五輪はやめるべきでしょっていう…緊急事態中にもかかわらず五輪をするっていうのは、僕個人として納得できないし」と言い、「僕は五輪できると思うんです。できると思うんですけど、緊急事態宣言を出すんだったら、じゃあ五輪はやめればって思っちゃいますね」と自身の考えを述べた。 
 
 
 

 

●菅首相が会見 東京に4度目の緊急事態宣言 7/8
沖縄県の緊急事態宣言は延長
司会:ただ今より菅内閣総理大臣の記者会見を行います。初めに菅総理から発言がございます。それでは総理、よろしくお願いいたします。
菅:今月3日、静岡県熱海市で発生した土石流は、これまでに9名の方の死亡が確認されるなど甚大な被害が発生をしております。また、国内各地でも被害が発生しています。亡くなられた方々のご冥福をお祈りをするとともに、被害に遭われた全ての皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。熱海市では現在も20名を超える方々の安否が確認できていないとの報告を受けており、警察、消防、海上保安庁、自衛隊が2000名を超える態勢で懸命に救助活動に当たっております。引き続き速やかな救助と被災者の支援に全力を挙げてまいります。
先ほど新型コロナ対策本部を開催し、東京都に緊急事態宣言を発出すること、沖縄県の緊急事態宣言は延長することとし、期間をそれぞれ8月22日までとすること、まん延防止等重点措置については埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府について8月22日まで延長し、北海道、愛知県、京都府、兵庫県、福岡県について7月11日をもって終了することを決定いたしました。
感染者数は明らかな増加に転じている
4月の初旬より措置を続けてまいりましたが、この間、ワクチンの接種が大幅に進展をし、全国の多くの地域において新規感染者の減少が続いております。重症者数も大幅に減少し、医療の現場からは負担が軽減されてきたという声も聞こえてきます。自衛隊および医療従事者の皆さんに心より感謝を申し上げます。
こうした中でも、残念ながら首都圏においては感染者の数は明らかな増加に転じています。その要因の1つが人流の高止まりに加えて、新たな変異株であるデルタ株の影響であり、アルファ株の1.5倍の感染力があるとも指摘されています。デルタ株が急速に拡大することが懸念をされます。
一方で感染状況には、従来とは異なる明らかな変化が見られています。東京では重症化リスクが高いとされる高齢者のワクチン接種が70%に達する中、一時は20%を超えていた感染者に占める高齢者の割合は5%程度までに低下しています。それに伴い重症者用の病床利用率も30%台で推移するなど、新規感染者が増加する中にあっても重症者の数や病床の利用率は低い水準にとどまっております。
しかしながら東京の感染拡大は全国に広がりうるものであります。夏休みやお盆の中で多くの人が地方へ移動することが予想されます。ワクチン接種が大きく進み、新型コロナとの闘いにも区切りが見えてきた中で、ここで再度、東京を起点とする感染拡大を起こすことは絶対に避けなければなりません。そうした思いで、先手先手で予防的措置を講ずることとし、東京都に緊急事態宣言を今ひとたび発出する判断をいたしました。措置の期間はお盆明けの8月22日までといたしますが、ワクチンの効果がさらに明らかとなり、病床の状況などに改善が見られる場合には前倒しで解除をすることも判断をいたします。
前回の宣言を解除してから3週間で再び宣言に至り、国民の皆さまにさまざまなご負担をお掛けすることは大変申し訳ない思いであります。しかしながらこの期間を乗り越えて、必ず安心の日常を取り戻すとの決意で取り組んでまいります。
具体的には東京・沖縄では、飲食による感染リスクをあらためて封じ込めるために、飲食店における酒類の提供を一律に停止いたします。まん延防止措置の対象となる地域でも酒類の提供は原則停止とし、地域の状況に応じて判断をいたします。飲食店に対する協力金の支給の遅れもあり、営業や時間の短縮や酒類の提供のルールにご協力いただけない店舗が増えているとのご指摘もあります。
飲食店への協力金事前支払いを可能に
また、多くの飲食店にとってお酒の提供が営業を続ける上での死活問題となっているという声も耳にします。支給の遅れが経営問題に直結することがないように、これまでの協力金を簡易な審査で速やかに支給するとともに、今後の措置にご協力いただける飲食店に対しては協力金を事前に支払うことを可能とします。
同時に、今後、各都府県において飲食店への見回りを拡大し、対策の実効性を高めてまいります。お酒を伴う飲食はどうしてもマスクを外す時間が長くなり、大きな声での会話も避けられません。飲食店の皆さんには度重なるお願いに大変申し訳なく思いますが、いま一度、何とぞご協力をお願い申し上げます。
また、東京では20代から50代の感染者が急増し、40代・50代では重症者も増えています。職場や家庭内の感染も顕著になっています。マスク、手洗い、3密の回避という基本的な感染対策を徹底し、とりわけ会話の際にはマスクを着用するようお願いをいたします。
全国の津々浦々でワクチン接種の加速が進んでいます。自衛隊や医療などの関係者のご尽力により、今や世界でも最もスピードで接種が行われているといわれています。1週間の接種回数は900万回を超えています。本格的な接種が始まってから2カ月余りで累計の回数は5400万回を超え、すでに高齢者の72%、全国民の27%が1回の接種を終えています。
先行してワクチン接種が進められた国々ではワクチンを1回接種した方の割合が人口の4割に達した辺りから、感染者の減少傾向が明確になったとの指摘もあります。今のペースで進めば今月末には希望する高齢者の2回の接種は完了し、一度でも接種した人の数は全国民の4割に達する見通しであります。
接種が円滑に進むよう努める
一方、予想を上回るペースで接種が進む中で、一部の自治体などからワクチンが足りないとの声が聞かれます。全体として全国の自治体には先月までに9000万回のファイザー社のワクチンが人口に応じて配分されております。そのうち4000万回分が使用されずに在庫となっていると見込まれます。その上で7月から9月には毎月2500万回分が配分されます。このため在庫を合わせて活用していただければ、1日120万回程度のペースで接種を続けていくことが可能です。ワクチンの配分方法についても来月から、接種の進む市町村に多く配分できるよう見直しを行うこととし、また、配分量をできるだけ早期にお示しすることによって、接種が円滑に進むように努めてまいります。
加えて、モデルナ社のワクチンがこれまでに1400万回分確保され、9月までに3600万回分が追加されます。これを活用した企業や大学などの接種についても、先週までに200万回の接種が行われました。受け付けた申請の精査を速やかに行い、確実に対応してまいります。多くの皆さまに大変なご心配をお掛けしましたが、このように9月までに希望される全ての国民に接種が可能となる2億2000万回分の十分な量が確保されております。速やかに接種に万全を尽くしてまいります。
オリンピックの開幕まであと2週間です。緊急事態宣言の下で異例の開催となりました。海外から選手団、大会関係者が順次、入国しています。入国前に2回、入国時の検査に加え、入国後も選手は毎日、検査を行っており、ウイルスの国内への流入を徹底して防いでまいります。選手や大会関係者の多くはワクチン接種を済ませており、行動は指定されたホテルと事前に提出された外出先に限定をされ、一般の国民の皆さんと接触することがないように管理されます。
東京大会について、私はこれまで、緊急事態宣言となれば無観客も辞さない、このように申し上げてきました。そうした中で、このあとの組織委員会、東京都、IOCなどとの5者協議において観客の取り扱いが決められる予定です。世界で40億人がテレビを通じて視聴するといわれるオリンピック・パラリンピックには、世界中の人々の心を1つにする力があります。新型コロナという大きな困難に直面する今だからこそ、世界が1つになれることを、そして全人類の努力と英知によって難局を乗り越えていけることを、東京から発信をしたいと思います。
また、東京は史上初めてパラリンピックを二度、開催する都市となります。障害のある方もない方も、お年寄りも若者も、みんなが助け合って共に生きるという共生社会の実現に向けた心のバリアフリーの精神をしっかり伝えたいと思います。
歴史に残る大会を実現したい
今回の大会は多くの制約があり、これまでの大会と異なりますが、だからこそ安心・安全な大会を成功させ、未来を生きる子供たちに夢と希望を与える、歴史的な、歴史に残る大会を実現したいと思います。
昨年来、一進一退の感染対策が続き、国民の皆さまにはその度にご迷惑をお掛けしてまいりました。未知の敵との闘いは私にとっても心が休まるときはありません。しかし、ワクチンによって、変異株であっても発症や重症化を大きく防ぐことができます。治療薬の開発も進んでいます。今、必要なことは、感染を抑えながら1人でも多くの方にワクチンを接種していただくことです。それによって新型コロナとの闘いに終止符を打って、安心できる日常を必ず取り戻すことができると信じています。皆さま方のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

●記者質問
司会:それでは、これから皆さまよりご質問をいただきます。尾身会長におかれましては所定の位置にお進みください。ご質問の内容によりまして、尾身会長にもご説明いただきます。指名を受けられました方はお近くのスタンドマイクにお進みいただきまして、所属とお名前を明らかにしていただいた上で、1問ずつご質問をお願いいたします。まず、幹事社からご質問をいただきます。北海道新聞、佐藤さん、どうぞ。
対策はタイミングが遅く、内容も不十分だったのでは
北海道新聞:北海道新聞の佐藤です。総理にお伺いします。東京は4度目の緊急事態宣言です。国内では、まん延防止措置や緊急事態が解除されない状況が実に3カ月続いています。総理は毎回、感染を抑え込むと訴えていますが、約束は果たされず、いつまでこんな生活がだらだら続くのかと、国民の疲労や不信感はピークに達しています。政府のこの間の対策は、感染拡大の見通しの甘さから1つ1つのタイミングが遅く、内容も不十分だったのではないでしょうか。自らの責任と併せて認識を伺います。
また、度重なる宣言でその効果が薄れていると思いますが、今回の対策で実効性は十分なのか、今回が最後の宣言と言い切れるのか、お示しください。さらに、いつになったらわれわれは普通の生活に戻れるのか、その見通しを総理の言葉で国民に語ってください。よろしくお願いします。
菅:まず、今年に入って二度の緊急事態宣言をお願いをしておりますが、毎回、感染者数や病床の状況、ここについて判断を行い、飲食を中心にできる限り的を絞って早期に感染をピークアウトさせる、そのために取り組んできました。その中で国民の皆さんや事業者の方々には大変ご迷惑をお掛けし、また、ご協力を賜っておりますことに感謝を申し上げます。
こうした一進一退の状況から脱して、感染対策の決め手となるのがワクチンだと思っています。7月末までには希望する65歳以上の高齢者の皆さんに2回接種、全国で終えられる、その予定であります。また、これ、世界を見てみましても、世界は日本よりもはるかに厳しいロックダウンを行う、そして外出禁止、罰金、そうした厳しい状況にあっても、何回となく同じことを繰り返してきているということも事実じゃないでしょうか。まさにそういう意味で、ワクチンを接種することによって、かつての日常を取り戻すことができるというふうに思っています。
ですから、東京の新規感染者、今、増加をしています。高齢者の感染や重症者が少ない、こうしたことは明らかに高齢者の皆さんに接種を始めていますから、そこは大きく変わっていることだというふうに思っています。また、東京から全国に飛び火をすることがないように、大変、心苦しい判断でありましたけれども、今回、緊急事態宣言を発出をさせていただきました。こうしてワクチン接種が進み、効果が現れるまで、全国的な感染爆発を防ぐための措置としてご理解をいただきたいというふうに思います。
1日も早く4割に到達することも大事
諸外国の例を見ても、全人口の約4割に1回接種が達した辺りから、まさにこの感染者というのは減少傾向になっているということが明確になっています。こうした日常を取り戻すためには、1日も早くこの4割に到達することも大事だというふうに思います。7月中にはぜひそこを目指していきたい、こういうふうに思っています。
北海道新聞:最後の宣言と言い切れるのかどうか質問してるんですけれども。
司会:追加のご質問はお控えください。
菅:常に私自身は、今までこの感染対策を行ってきましたけど、ワクチンというのは今回初めてです。世界はこのワクチンによって、かつての日常を取り戻している国が出始めています。ですからワクチン接種を最優先で行っているところであります。そのことによって大きく変わるだろうと、そこは強い信念を持って今やっています。
先生もよろしいですか。
この1〜2カ月は最も重要な山場の1つ
尾身:せっかくですので、今、総理からのご指名がありましたので。私は今回、国が東京に対して緊急事態宣言を発出するという諮問を、われわれの専門家のほうに出されたわけですけど、私たちはこれに賛同いたしました。その理由は大きく分けて、私は、背景といいますか、4つあったと思います。
1つ目は、これからのこの7月、8月、この1〜2カ月というのは、私は、今まで1年半以上にわたって行ったわれわれのコロナ対策、取り組みの中で、最も重要な山場の1つだと思います。それが1つですね。それから、もう総理もおっしゃったように、今、感染性の強いと思われるデルタ株の置き換わりがもう着実に進んでいるということがあります。
それからワクチンがもう非常に効果を、高齢者を中心に出てきておりますけれども、1つだけ、われわれの懸念、今なぜ緊急事態宣言を発出するのがいいかと思った1つの大きな理由は、実は高齢者の重症化というのは比較的、今、ワクチンのおかげで少し抑えられていますが、実はこれ、おそらくデルタ株の影響だと思いますが、40代、50代の比較的若い年齢層の重症化、それから入院する、実際に人工呼吸器を使うような人が、今までの第3波、第4波には見られなかったことがあります。
従って今回は、総理おっしゃったように、たぶん私は、これを最後のということに期待します。これから何があるか分かりませんけど、ワクチンがだんだん進んでいますので、その前に、この1〜2カ月の間に、何としてもこの40代、50代の、これがかなりスピードが高いふうに、入院患者数、重症者数が増えていますので、この期間になんとかして、これが、感染がさらに拡大して医療の逼迫、このまま放っておくとそうなる蓋然性がかなり高いとわれわれは判断しています。そういう意味で今回、国のほうがこういう判断をしていただいたことに対して、今日もそれについては全員一致で合意したということだと思います。
司会:それでは続きまして、産経新聞、杉本さん、どうぞ。
無観客でも五輪の意義はあるのか
産経新聞:産経新聞の杉本です。よろしくお願いいたします。東京オリンピック・パラリンピックについてお伺いいたします。総理はこれまで、緊急事態宣言が発令されれば無観客を辞さないというお考えを示されてきました。先ほど、総理、冒頭発言でオリンピックの意義について、世界が1つになれること、人類の努力と英知によって、コロナを乗り越えられることを発信するというふうにおっしゃったと思うんですけれども、無観客であったとしてもこうした意義というのはあるというふうにお考えでしょうか。
併せまして、7カ月後になりますけれども、来年2月には中国の北京で冬のオリンピックが開催されます。おそらく中国政府は、中国の政治システムがコロナに勝利した証であるというふうな宣伝をする場としてオリンピックを利用するということも考えられると思いますけれども、その前に自由主義国家である日本がオリンピックを開催するということがどのようなメッセージを持つというふうに総理はお考えになりますでしょうか。よろしくお願いします。
菅:まず東京大会の意義について2つ申し上げたいと思います。やはり1つ目は新型コロナの中での安心・安全な大会の実現、まさに人類が困難に直面する中にあって、今だからこそ世界が1つになれる、力を合わせてこの難局を乗り越えている、こうしたことをやはり世界に発信するいい機会だというふうに思います。
それと2つ目はやはりパラリンピックです。64年の東京オリンピックの際に、初めてパラリンピック競技、パラリンピックという名称がそのところから使われた。そういう意味で歴史的な大会でありました。そして障害者の皆さんはその大会の中で社会進出というものをしようという、1つの大きな契機になったと、これ、いわれてきています。
世界に発信できる最高の機会
そういう中で、このコロナの厳しい中で、障害のある人もない人も、また、お年寄りも若い人も、この、共に助け合うという共生社会、その実現に向けて、まさに心のバリアフリー、こうしたものをやはり世界に発信するということは極めて大事だというふうに思っています。
それと、今度の大会というのは、これからどうするかということを5者会議で決めるわけですけれども、世界で40億人の人がテレビでこのオリンピック・パラリンピックを視聴する、こういわれております。そうした意味合いにおいて、この大会というのは世界に発信できる最高の機会になる、このようにも思っております。
G7の先般のサミットにおいて、この宣言にも明記されていますけれども、日本だからこそこういうときにオリンピック・パラリンピック、これを開催できる、成功を皆さん祈るという、そうした趣旨も宣言の中に書き込まれております。そういう意味においては、各国の期待にもしっかり応えられる、そういう大会にしたいと、こういうふうに思っています。
司会:それでは、これより幹事社以外の方からご質問を頂きたいと思います。ご質問を希望される方は挙手をお願いいたします。こちらで指名をさせていただきますので、マイクにお進みください。なるべく多くの方にご質問いただくためにも、質問は1問ずつ簡潔にお願いしたいと思います。ご協力をお願いいたします。それでは、日本テレビの山崎さん、どうぞ。
感染者が増加した場合の責任をどう考える?
日本テレビ:日本テレビの山崎です。先ほど、総理は東京オリンピック・パラリンピックについて異例の大会になるとおっしゃいました。緊急事態宣言下の開催になりますけれども、総理は前回の会見で、東京大会について、国民の安全・安心を守るのは総理としての私の仕事ですから、私が責任を持って行うと明言しました。こういう緊急事態宣言下の開催となるわけですが、感染者が増加した場合の責任について、総理はどのように考えていますか。
菅:まず、緊急事態宣言の中でこれから大会を迎えるわけであります。そうした中に、今回、緊急事態宣言の中に大きな成果を上げてきていたのが、やはり酒類の停止です。飲食店の酒類の停止、ここは大きな成果を、この感染拡大防止については上げてきているというふうに思っています。
そうした中で、まず、この緊急事態宣言の中でありますから、そうしたことは当然、酒類は停止になります。また、まん延防止措置のそれぞれの自治体についても、この首都、3県ですか、東京以外の、そうしたところにもこれが適用されるというふうに思っています。
こうしたことの中で、やはり安全・安心ということについて、コロナの感染拡大措置というものも含めて、こうしたいろいろな対応、あるいはこれ、人流も多くなるんじゃないかといわれていますけれども、これは交通規制あるいはテレワーク、これはだいぶ前から徹底して行ってきていることですけれども、こうしたことによって、安全・安心の大会を実現できると、こういうふうに思っています。
司会:続きまして、それでは奥の列、新潟日報の横山さん、どうぞ。
地方で混乱が起きていることへの受け止めを
新潟日報:新潟日報の横山と申します。よろしくお願いします。新型コロナウイルスのワクチンの供給についてお伺いします。国からのファイザー製のワクチン供給の見通しが立たないことから、新潟県内でもワクチン接種の予約を一時停止したり延期したりする市町村が出ています。首長からは、現場は大混乱になっている、国の見込み違いだと厳しい声も上がっています。また、県民の間にもいつ打てるのかと不安が広がっています。総理はワクチンの接種を先ほどからやっぱり早く進めたいとおっしゃっておられますけれども、こうした中で、地方でこれだけ混乱が起きているということについて、率直にどのように受け止めておられるのかお聞かせください。
また、先ほどワクチンの配分量を早期に示すとおっしゃいましたが、これも一刻も早く示してほしいと多くの自治体が思っていると思います。具体的にいつごろお示しになる予定でしょうか。よろしくお願いいたします。
菅:まず、希望する国民の皆さんにできる限り早くワクチン接種を行うべく、全国でワクチン接種が加速しています。先ほど申し上げましたけれども、先進国の中でも最も速いスピードだといわれています。
一方、予想を上回るペースで接種が進む中で、一部の自治体からワクチンが足りないと不安の声も聞かれております。先ほど申し上げましたけれども、全国にこの6月末までに9000万回のファイザーのワクチンについては、それぞれの人口割で配らせていただいています。そして6月いっぱいの中で接種が5000万を超えていますけれども、それ以外の約4000万回分については自治体にあるというふうに思っています。
ただ、これ2回ですから、2回のワクチンが入らないと接種しないとか、いろんなこれ、事情があろうというふうに思います。そうしたことに対して、7月に、いつに何個行くということを、これを明確にしまして、そして8月からも早く進んでいるところには傾斜配分するとか、そうしたことも示して、混乱のないようにしたいというふうに思っています。
ただ、おかげさまで毎日130〜140万回で増えている、そういう状況の中で皆さんにご協力、接種をしていただいていることには感謝申し上げたいというふうに思います。
司会:それではドワンゴの七尾さん、どうぞ。
なぜ五輪だけは許されるのか
ドワンゴ:連日お疲れさまです。よろしくお願いします。すいません、ようやく抽選で会見に参加できまして、質問がやや長くなりますが、お許しください。
音楽ファン、アーティストが心待ちにしておりました「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2021」がやむなく中止となりました。4回目の緊急事態宣言で、イベントや文化祭、修学旅行など、学校の行事の中止も多くなると思われます。それぞれ主催者や参加者が感染リスクを最小限にするための努力を進めてきた中で、なぜ五輪だけは許されるのか、こうした率直な疑問や怒りに対して総理はどうお答えになるのでしょうか。
また昨年、特別定額給付金1人10万円の支給を実施しましたが、今は経済的にも精神的にもはるかに厳しく、多くの国民は我慢してきたと思います。前回、執行に掛かった総額は約13兆円といわれておりますが、昨年度、未執行の予算30兆円を残しております。国民への再度の支給について、お考えをお聞きします。よろしくお願いします。
菅:まず、ご指摘のイベントですけれども、野外音楽フェスとしてはまさに最大級であって、若い方を中心に大変楽しみにされている、そういうふうに承知しています。中止になったことは大変残念に思います。他方、このイベントの開催制限については、東京オリンピック・パラリンピック大会も実は同様の取り扱いであります。緊急事態宣言の下では午後9時以降は無観客での開催をお願いする、そういう、9時以降はなっていますので、こうした点についてはご理解をいただきたいというふうに思います。
日常を取り戻せるように全力を挙げる
ですから、これからどのような体制で東京オリンピック・パラリンピック大会を開催するかというのは、5者の方でこれから決められる予定であります。ただ、私自身も、この緊急事態宣言が発した際には、それは無観客も辞さないということを申し上げています。そういう中で、5者の中でどのような大会にするかということは決まっていくだろうというふうに思います。いずれにしろ、感染の抑制とワクチン接種、全力で取り組んで、1日も早く、かつての日常を取り戻すことができるように全力を挙げるのが私の仕事だというふうに思っています。
また、その10万円の件でありますけども、コロナの中で大変な影響を受けている方、そうした方にはさまざまな支援策、人件費や資金繰りなどのこの支援だとか、あるいは雇用調整の助成金だとか、いろんな対策の中、少しでもそうしたコロナ禍の中で、厳しい状況の方にはお手伝いを国として対応するというのは、これは当然のことでありますので、そうした形で行っております。
コロナによっていろんな方が影響を受けていると思いますけども、そうしたことで支援をさせていただきたい、いただいているというのが今の実情であります。
司会:それでは日本経済新聞、重田さん、どうぞ。
経済対策の編成を指示する考えは
日本経済新聞:日本経済新聞の重田です。よろしくお願いします。経済対策についてお伺いしたいと思います。今回、6週間という宣言の、長期の発令となりまして、経済への目配り、これが不可欠になるかと思います。与党内なんですけれども、この夏にでも経済対策の骨格をまとめるべきだとの声があります。総理は月内にもその編成を指示されるお考えはありますでしょうか。同時にコロナで打撃を受けた家計や企業にどういった対策が必要であるのか。また、想定する規模感なども併せて教えていただきたいと思います。
菅:まずは新型コロナの影響を受けていらっしゃる方をしっかりお支えするというのは、これが最優先だというふうに思っています。資金繰りの支援だとか雇調金による人件費の支援、飲食店への協力金、そうしたことは早急にやっていきたいというふうに思います。
日本経済でこれ申し上げれば、昨年度の税収、先日、発表されましたけれども、最も高い水準になっています。さらに今年度の経済成長率は3.7%になる、こうした試算が示されており、今年度中にGDPでコロナ前の水準を上回る見通しになるだろうという見通しもあります。さらにワクチン接種を加速されることによって、経済にも大きな良い影響が出るというふうに思っています。
こうした中で新型コロナが国民の皆さんの日常の生活に影響することに十分、目配りをしながら、当然、強い経済というものを、ぜひともこれ、大きな目標に掲げていますから、そうした強い経済をつくり、成長できるようなこの国にしたいというふうに思っています。いずれにしろ、経済の状況を見ながら臨機応変に、そこはしっかり対応するという、そういう中で、常にこの経済対策というのは頭の中に入れながら取り組んでおります。
司会:続きまして、それでは、じゃあNHK、長内さん、どうぞ。
次の衆院選までに内閣改造を行う考えは
NHK:NHKの長内と申します。よろしくお願いします。先の東京都議会議員選挙を受けて、自民党内からはさまざまな意見も出ているわけですけども、総理、次の衆議院選挙までに内閣改造を行うお考えはありますでしょうか。
菅:党内にいろんな声があるということは私自身も承知をしています。そういう中で私、常に最優先ということを申し上げていますのは、コロナ、コロナ対策を最優先に私自身は取り組んでいきたいと、そういうふうに思っています。それと同時に私自身の任期、総裁としての任期、さらにまた政治家としての衆議院の任期、そうしたことも当然、間近に来るわけでありますから、そうした全体を考えながら政策としてさまざまなことを巡らせながら取り組んでいきたいというふうに思っております。
司会:それでは再び奥の列、じゃあTribunnewsのスシロさん、どうぞ。
VIP関係者にも適用されるのか
Tribunnews:よろしくお願いします。インドネシアのTribunnewsのスシロと申します。今月6日から新しい水際対策に係る新たな措置が決定されました。例えばインドネシアの場合は10日間、検疫の必要があります。この法律は五輪の関係者含めて、VIP関係者も適用されますでしょうか。それから、特には、VIP関係者は海外からだいたい何カ国来る予定でしょうか。よろしくお願いします。
菅:まず、海外から日本に来る選手や大会関係者については、入国前に2回、入国時に検査を行い、入国後3日間は毎日、検査を実施、選手はその後も毎日、検査を実施することになっています。さらにデルタ株などの流行を受けて、インドネシアなどからの一般の入国者に対しては、今言われましたように、水際対策が強化されています。こうしたことを踏まえて、これらの国からの選手ならびに関係者は、入国前7日間および入国後3日間は毎日、検査を行い、チーム以外の方と接触を行わないというルールが新たに導入されました。こうした厳しい措置を採っていることを前提に、五輪関係者の方には一般の入国者とは別のルールを適用しております。引き続き安心・安全の大会を実現できるよう、水際対策をしっかりやっていきたい、このように思います。
司会:それではジャパンタイムズ、杉山さん。
文大統領と日韓首脳会談を行う考えは
ジャパンタイムズ:ジャパンタイムズの杉山です。総理にお伺いします。韓国の文在寅大統領が五輪に合わせ訪日する意向だと一部で報道されていますが、総理として文大統領と日韓首脳会談を行いたいというお考えでしょうか。また、行うのであればなんらかの前提条件を求めるのでしょうか。
菅:まず開会式への韓国からの出席者についてはまだ決定していないと、こういうふうに承知しています。その上で申し上げれば、現在の日韓関係っていうのはまさに旧朝鮮半島出身の労働者問題、あるいは慰安婦問題などによって非常に厳しい状況にあるというふうに思っています。日韓両国のこうした懸案を解決するためには、やはり韓国が責任を持って対応していく、このことが重要だと思います。引き続き韓国側に適切な対応を強く求めていくという立場に変わりはありません。ただ、その上で訪日される場合は、外交上、丁寧に対応するということは、ここは当然のことだというふうに認識をしています。
司会:それでは共同通信、吉浦さん、どうぞ。
どうなれば安心・安全な大会と言えるのか
共同通信:共同通信の吉浦です。よろしくお願いします。東京五輪、パラリンピックについて重ねてお聞きします。先ほど総理は安心・安全な大会を成功されるとの決意を表明されました。この東京大会、どのような状況を実現すれば、この安心・安全な大会をできたと言えるのでしょうか。その具体的な判断基準について総理の認識をお聞きします。
菅:まず、安心・安全な大会の実現に向けて、選手や大会関係者の徹底した検査や行動管理、こうしたことを行うことによって、ウイルスの国内への流入を、まずは防ぎたいというふうに思ってます。これによって選手が安心して大会に参加できるように、入国する選手や大会関係者によって、国内の感染状況に影響が及ぶ、こうしたことがないように、ここはしっかりしたいというふうに思っています。
さらに今回の大会が人流を引き起こし感染拡大につながる、こうしたことは絶対避けなきゃならないというように思っています。先ほど申し上げましたけど、これ、1年以上前から、例えば首都高の料金を1000円上げるだとか、この交通の規制、あるいはこれ、船もそうですけども、オリンピック期間中の着岸、接岸ですか、そうしたことに対しての対応とか、そしてテレワークについてもオリンピックという、これだけやるうちの、これは準備して進めてますから、そういう目でテレワーク、交通量の規制、大会のときの人流というのは現在よりも極めて抑えられている、そういう見通しの中で行うことになっております。ですから、そういう中でそうしたリスクが侵入されなかったと、感染拡大を阻止をした、そうした結果というのは大事だというふうに思っています。
司会:それでは、では、ラジオ日本の伊藤さん、いかがでしょうか。
東京の65歳以下の接種希望者に接種する考えは
ラジオ日本:ラジオ日本の伊藤です。総理にお尋ねします。先ほどいただいた資料を見ても分かりますように、ワクチンの加速化が、東京でも高齢者の感染者が少ないということはワクチンの効果だと思います。そこでお尋ねしたいんですけれども、例えば今、今回は東京への緊急事態ですので、特に65歳以下の50代、40代、30代の方々に対して、今この各自治体に分散されている、あるいは確保されているワクチンを、例えば河野ワクチン担当大臣にコントロールしていただいて、例えばワクチンはあるけど接種希望者が少ない自治体もあるわけですね。そういうものを例えば、東京のそういう65歳以下の接種を希望する方に接種するようなお考えはございますか。お願いします。
菅:まず、ワクチン接種の基本ですけども、やはり基本的には全国一律で最も重症化するといわれる65歳以上により中心にやるべき。これは会長の尾身先生から、そうした専門家からのご指摘の中で、65歳以上の方の2回を優先をするようにという、これは全国の各都道府県にお願いをさせていただいています。そして、おかげさまで1回目の65歳以上の方で接種した方は71%まで今、なってます。2回打った方は40%です。
そういう状況を見るにつれて、全国で1741市町村あるんですけども、そういう中で高齢者の皆さんは7月いっぱいで打っていただける。そういう予定で今、順調に進んでます。まず高齢者が最優先。その中で地方のものを都会にと、これ、都会の自治体の首長も言ってらっしゃる方いて、新聞等で報道されてますけども、まずはここは全国一律に65歳以上の方はお願いをして、あと、やはりどうしても東京とか大都市圏から感染リスクが地方は多いですから、そういう中で職域接種、または大学での接種、そうしたことを私ども考えて、今、接種させていただいているということであります。
今、東京の中でも、もうすでに64歳以下の人に接種券を発送してるところもありますんで、そういうところについては、自衛隊の接種会場でも受け付けもしてますんで、そういうところで来ていただいて、進めていただければというふうに、接種していただければというふうに思っています。
司会:それではテレビ東京、篠原さん、どうぞ。
アストラゼネカ製を選択肢に入れる考えは
テレビ東京:テレビ東京、篠原です。先ほどもお話ありましたが、自治体でワクチンの予約のキャンセルなどが相次いでおります。こうした事態に対処するために、現在、国内では認可されているものの接種が始まっていないアストラゼネカ製のワクチンを国内で接種することについて、これを選択肢に入れる考えはありますでしょうか。
菅:アストラゼネカ社のワクチンを臨時接種で使用することについて、厚労省の審議会において、諸外国における状況などを踏まえながら、わが国においての利用、その状況について検討されているところであって、まだ結論は出てないというふうに思っています。
こうした専門家による議論の動向を注視しながら、まずは9月までに全国民のワクチンがファイザーとモデルナ、ここについては2億2000万回分用意してますので、ここで今、進めてきていますので、ここでまず、そこは使い切っていきたい、このように思っております。
あと、いずれにしろそういう中で、アストラゼネカについては、厚労省の審議会というんですか。そうした中での結論見る中で考えていきたいと思います。海外によっては60歳以上とかいろいろな状況があるようですから、そうしたことを厚労省の中でもしっかり、海外の情報を集める中で今、これから審議することだろうというふうに思っています。
司会:それでは大変恐縮ですが、あと2問とさせていただきます。それでは、毎日新聞の小山さん、どうぞ。
他県の会場についてはどう考えているのか
毎日新聞:毎日新聞の小山です。よろしくお願いします。五輪の観客数について伺います。先ほど来から会見を聞いていますと、東京都については無観客という総理のお考えだと思いますけれども、他県の会場についてはどうお考えでしょうか。もちろん、このあとの5者協議で決まるということは分かっているんですが、総理が国民の安心・安全に責任を持つと言っている以上、総理のお考えを国民が知りたいと思っていると思います。総理としての方針をここでお示しすることはできませんでしょうか。
菅:まず、これまで私、申し上げてきましたけども、緊急事態宣言になれば、無観客もこれは辞さない、こういうことを申し上げてます。こうした中で観客の扱いについては、今、5者協議、これからですか。行われて、方向性が出されるというように思います。ただ、緊急事態宣言、まん延防止のときのルールがあります。そこのルールに合った形の中で決められていくんだろうというふうに思っています。緊急事態宣言でも5000人とか、そういうルール作ってますから、そういう中で決めていくだろうというふうに思っています。
司会:それでは最後に国際メディアから、アラブニュースのアズハリさん、どうぞ。
国土強靱化対策に取り組んでいる
アラブニュース・ジャパン:(英語)。先週の熱海での土砂災害のように、気候変動や環境汚染、また、人的要因が大自然災害につながりました。菅政権はこれまでも地域の活性化とインフラ整備を重視をしてこられましたが、今後、どのようなダイシコウハ、オネガイ、オカレ、すいません、行いたいでしょうか。ありがとう。
菅:近年は災害が頻発化し、激甚化する中で、政府としては国土強靱化、ここにしっかり取り組んでおります。こうした中で、中小河川だとか遊水池の整備だとか、またインフラの老朽化、こうしたことを、防災・減災に対して政府を挙げて国土強靱化対策にしっかり取り組んでいるところであります。そして地方の活性化という中で、私自身はやはり観光、農業、そうしたものを中心に地方の所得を引き上げていきたい、こうしたところに取り組んでいるところであります。しっかりやっていきたいと思います。
司会:それでは、ただ今挙手されていただいております皆さまにおかれましては大変恐縮でございますけれども、このあと1問をメールでお送りいただきたいと思います。後日、回答を総理より書面にてお返しさせていただくとともに、ホームページで公開をさせていただきます。どうぞご理解とご協力をよろしくお願いいたします。それでは、以上をもちまして本日の記者会見を終了させていただきます。ご協力ありがとうございました。 

●菅首相会見 宣言は予防的措置のため 五輪・パラ開催の意義強調  7/8
東京都に4回目の緊急事態宣言を出すと決定したことを受けて、菅総理大臣は記者会見し、東京から全国への感染拡大を防ぐために先手先手で予防的措置を講じるためだと説明し、理解を求めました。また東京オリンピック・パラリンピックについて、「人類の努力と英知によって難局を乗り越えていけることを東京から発信したい」と開催の意義を強調しました。
この中で菅総理大臣は、東京都に4回目となる緊急事態宣言を出すと決定したことについて、「東京の感染拡大は全国に広がりうるものだ。ここで再度、東京を起点とする感染拡大を起こすことは、絶対に避けなければならない」と指摘しました。
そのうえで、「先手先手で予防的措置を講じ、東京都に緊急事態宣言を今ひとたび発出する判断をした。ワクチンの効果がさらに明らかになり、病床の状況などに改善が見られる場合には、前倒しで解除することも判断する」と述べました。
そして、「前回の宣言を解除してから3週間で再び宣言に至り、国民の皆様に、さまざまな負担をかけることは大変申し訳ない思いだ。この期間を乗り越えて、安心の日常を必ず取り戻すという決意で取り組んでいく」と述べ、理解を求めました。
またワクチン接種について、先行して接種が進められた国々では、1回接種した人の割合が人口の4割に達したあたりから感染者の減少傾向が明確になったという指摘もあるとしたうえで、「今のペースで進めば今月末には希望する高齢者の2回の接種は完了し、1度でも接種した人の数は全国民の4割に達する見通しだ」と述べました。
そして、全国の自治体には、先月までに9000万回分のファイザーのワクチンが配分され、そのうち4000万回が在庫となっていることが見込まれるとして、在庫を合わせて活用すれば、一日120万回程度のペースで接種を続けることが可能だと説明しました。
そのうえで、接種が進む市町村に多く配分できるよう見直し、配分量を早期に示すほか、企業や大学などの接種も申請の精査を速やかに行い、対応していく考えを示しました。
一方、東京オリンピック・パラリンピックについて菅総理大臣は、緊急事態宣言のもとでの異例の開催となると指摘し、「これまで、緊急事態宣言となれば無観客も辞さないと申し上げてきた」と述べたうえで、このあと開かれる組織委員会、東京都、IOC=国際オリンピック委員会などとの5者会談において、観客の取り扱いが決められると説明しました。
そして「新型コロナという大きな困難に直面する今だからこそ、世界が一つになれること、そして人類の努力と英知によって難局を乗り越えていけることを東京から発信したい。安心・安全な大会を成功させ、未来を生きる子どもたちに夢と希望を与える、歴史に残る大会を実現したい」と述べて、開催の意義を強調しました。
一方、「どのような状況を実現すれば、安心・安全な東京大会が開催できたと言えるのか」と質問されたのに対し「東京大会が人流を引き起こし、感染拡大につながることは、絶対避けなければならない。ウイルスに侵入されず、感染拡大を阻止したという結果は大事だ」と述べました。
また、韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領が東京大会に合わせて日本を訪れた場合、首脳会談を行う考えはあるかと問われたのに対して、開会式への韓国からの出席者はまだ決定していないとしたうえで「大統領が日本を訪れる場合は、外交上、丁寧に対応することは当然のことだと認識している」と述べました。

●4回目の緊急事態宣言 東京都の措置内容 施設別 7/8
4回目の緊急事態宣言の期間中に東京都が行う「緊急事態措置」についてまとめました。
酒やカラオケ設備を提供する「遊興施設」には、法律に基づいて休業要請を行います。提供しない場合は感染を防ぐ対策を行うよう要請するとともに、午後8時まで営業時間を短縮するよう要請します。対象になるのはキャバレー、ナイトクラブ、ダンスホール、スナック、バー、パブなどです。
また、酒やカラオケ設備を提供する「飲食店」にも、宅配やテイクアウトのサービスは除いて、法律に基づいて休業要請を行います。提供しない場合は感染を防ぐ対策を行うよう要請するとともに、宅配やテイクアウトのサービスは除いて、午後8時まで営業時間を短縮するよう要請します。対象になるのは居酒屋を含む飲食店、喫茶店などです。
酒やカラオケ設備を提供する「結婚式場」には、法律に基づいて休業を要請します。提供しない場合は営業時間を午後8時までに短縮するよう要請します。開催時間については最大で1時間半とし、収容人員については50人または定員の50%の小さいほうにするよう、都独自に協力を依頼します。
「劇場」や「博物館」、「運動施設」などは、法律に基づいて、人数の上限は5000人で、定員の50%以内とするよう要請します。イベントを開催する場合は営業時間を午後9時までにするよう要請します。
イベント開催以外の場合は、床面積の合計が1000平方メートルを超える施設は午後8時までにするよう法律に基づいて要請し、1000平方メートル以下の施設には都独自に午後8時までの時短への協力を依頼します。また、感染を防ぐ対策を行うよう要請するほか、酒とカラオケ設備の提供の自粛や、利用者による酒の持ち込みを認めないことも要請します。
対象になるのは劇場、観覧場、映画館、プラネタリウム、演芸場、集会場、公会堂、展示場、貸会議室、文化会館、多目的ホール、ホテルの集会用の部分、旅館の集会用の部分、体育館、スケート場、水泳場、屋内テニス場、柔剣道場、ボウリング場、野球場、ゴルフ場、陸上競技場、屋外テニス場、ゴルフ練習場、バッティング練習場、スポーツクラブ、ホットヨガ、ヨガスタジオ、テーマパーク、遊園地、博物館、美術館、科学館、記念館、水族館、動物園、植物園などです。
「商業施設」や「遊興施設」などでは、床面積の合計が1000平方メートルを超える施設に、生活必需品の販売やサービスを除いて、法律に基づいて午後8時までの営業時間の短縮を要請します。1000平方メートル以下の施設には、都独自に午後8時までの営業時間の短縮の協力を依頼します。また、感染を防ぐ対策を行うよう要請するほか、酒とカラオケ設備の提供の自粛や利用者による酒の持ち込みを認めないことも要請します。
要請や協力依頼の対象になるのは大規模小売店、ショッピングセンター、百貨店、マージャン店、パチンコ屋、ゲームセンター、個室ビデオ店、個室付浴場業に係る公衆浴場、射的場、勝馬投票券発売所、場外車券売場、スーパー銭湯、ネイルサロン、エステティック業、リラクゼーション業などです。
幼稚園や小学校、中学校、高校、大学、それに保育所や介護老人保健施設などには、感染リスクの高い活動を制限することや、遠隔授業の活用など効果的な授業を実施することに協力を依頼します。
葬祭場には、酒の提供やカラオケ設備の使用を自粛するよう協力を依頼します。酒については施設への持ち込みを認めないことも求めます。
図書館は入場の整理を行うよう協力を依頼します。
「遊興施設」のうちネットカフェ、マンガ喫茶など、「商業施設」のうち銭湯、理容店、美容店、質屋、貸衣装屋、クリーニング店などには入場の整理への協力を依頼するとともに、酒の提供とカラオケ設備の使用を自粛するよう協力を依頼します。酒については施設への持ち込みを認めないことも求めます。
自動車教習所や学習塾などにはオンラインの活用への協力を依頼します。
このほかイベントの開催については、主催者に対して、人数の上限は5000人で定員の50%以内とすること、開催時間を午後9時までに短縮すること、それに業種ごとのガイドラインを順守し、参加者に直行・直帰の呼びかけを徹底するよう要請します。
職場への出勤については、テレワークの活用や休暇を取得することなどによって出勤者の7割削減を目指すよう要請します。また、事業の継続に必要な場合を除いて、従業員は午後8時までに仕事を終えて帰宅させるよう要請します。
都民に対しては、日中も含めて医療機関への通院や生活必需品の買い出し、必要な職場への出勤、屋外での散歩など、生活や健康の維持に必要な場合を除いて、原則として外出しないよう、法律に基づいて要請します。そのうえで、午後8時以降の不要不急の外出自粛、混雑している場所や時間を避けて行動すること、不要不急の帰省や旅行など都道府県をまたぐ移動を極力控えること、路上や公園などで集団で酒を飲むことなど、感染リスクが高い行動の自粛を徹底するよう要請します。
東京都の小池知事は8日夜、臨時の記者会見を開きました。このなかで、小池知事は「今回の緊急事態宣言は国の強い危機感のもとで発出されるものであり、都としても国と危機意識を共有する。人の流れの抑制や基本的な感染防止対策の徹底に向けて、実効性のある一層強力な措置を講じていく」と述べました。また、小池知事は「都のモニタリング会議では、感染が再拡大し、若年層や中年層の入院患者が増加し、重症患者も増えていて、特に50代が顕著だという分析をいただいた。夜間の繁華街の滞留人口も増加傾向にあり、午後8時を過ぎたハイリスクの時間帯を含めて依然として高い水準での推移となっている。さらに感染力が強いと言われるデルタ株も増加していて、流行の主体に置き換わることも想定されている。この影響で新規陽性者数のさらなる増加も危惧される。事態はより切迫しており、何としてでもこれ以上の感染拡大を止めなければならない」と述べました。そのうえで、小池知事は「都民の命や健康を守るための3つの柱は、第一に飲食店の対策を強化すること。第二に重症者が増えている50代に的を当てた、いわば『50代問題』への重点的な対応。第三にワクチン接種の推進だ。この3つの柱の対策を徹底的にやり抜いていく」と強調しました。

●東京に4回目の緊急事態宣言 首相「先手で予防的措置」 7/8
政府は8日夕、新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長・菅義偉首相)の会合を開き、東京都に4回目となる緊急事態宣言の発令を決めた。沖縄県への宣言と首都圏3県、大阪府への「まん延防止等重点措置」は延長する。期間はいずれも12日から8月22日まで。宣言下で行われる東京五輪(7月23日〜8月8日)は首都圏1都3県で全会場の無観客開催が決まった。
東京は感染再拡大が止まらず、お盆休みも含めた対策強化が必要と判断した。首相は8日夜、首相官邸で記者会見し、東京への宣言発令について「再度感染拡大を起こすことは絶対に避けなければならない。先手先手で予防的措置を講ずる」と説明。「国民にさまざまな負担をかけることは、大変申し訳ない思いだ」と述べる一方、ワクチンの効果などを見極めた上で宣言を「前倒しで解除することも判断する」と語った。
東京五輪に関し「全人類の努力と英知で難局を乗り越えていけることを東京から発信したい」と強調。「安心安全な大会を成功させ、歴史に残る大会を実現したい」と表明した。
宣言下では、プロ野球などの大規模イベントは、人数上限5000人かつ収容率50%の制限があり、午後9時までの時間短縮も求められる。これを踏まえ、政府や大会組織委員会、東京都、国際オリンピック委員会(IOC)などによる5者協議や関係自治体との協議会が8日夜に開かれ、東京都と埼玉、千葉、神奈川3県での全会場の無観客開催で合意した。
宣言対象の東京と沖縄では、飲食店に対して酒類提供停止と午後8時までの営業時間短縮を要請する。重点措置の区域でも酒類提供を原則停止とし、知事の判断で緩和できるようにする。首相は「(要請に応じる)飲食店に対しては協力金を事前に支払うことを可能とする」と語った。
一方、北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県に適用中の重点措置は7月11日をもって解除する。

●菅総理、東京に4度目の「緊急事態宣言」発出を表明 来月22日まで 7/8
菅総理は8日、政府対策本部会議で東京都に対し「緊急事態宣言」を発出する考えを示した。4度目となる緊急事態宣言の期間は今月12日から来月22日までの6週間になる方針。
また、沖縄県で続いている「緊急事態宣言」や埼玉・千葉・神奈川・大阪に適用されている「まん延防止等重点措置」は来月22日まで延長し、北海道・愛知・京都・兵庫・福岡については今月11日で解除する方針を示している。
会見で菅総理は「ワクチンの接種回数が5400万回を超えた」と報告。高齢者のおよそ7割、全国民の3割が1回の接種を終えたと明かした。
政府が示した基本的対処方針では、宣言の対象地域だけでなく、まん延防止等重点措置の適用地域でも飲食店に原則として酒類の提供を行わないよう求めている。その上で、政府は4回目の緊急事態宣言の発出に当たって、酒類の提供停止などに応じた飲食店に協力金の先渡しを図ると発表。一方、要請に応じない飲食店に対して、西村大臣は命令や罰則を厳格に適用する考えを示すとともに、酒の販売事業者に対し、取引の停止を求める方針を示している。

●東京に4度目の緊急事態宣言 五輪は1都3県で無観客に 7/8
日本政府は8日、新型コロナウイルスの感染対策のため、東京都に4度目の緊急事態宣言を出すと決め発表した。期間は12日から8月22日まで。これを受け、今月23日開幕の東京オリンピックは、都内と近隣3県では無観客で開催することを、関係5者が協議で決定した。
沖縄県に出されている緊急事態宣言も来月22日まで延長する。東京オリンピックは、すべての競技と式典が緊急事態宣言下で行われることになる。
8日夜に記者会見した菅義偉首相は、「ワクチンの接種が大幅に進展し、全国の多くの地域で新規感染者の減少が続いている」、「残念ながら首都圏では感染者数は明らかな増加に転じている。要因は人流の高止まりに加え、新たな変異株のデルタ株の影響だ」と説明。
「東京の感染拡大は全国に広がり得る。(中略)夏休みやお盆で、多くの人が地方に移動することが予想される。新型コロナとの闘いに区切りが見えてきた中で、東京を起点とする感染拡大は絶対に避けなければならない。先手先手で予防的措置を講ずることとし、東京都に緊急事態宣言を今ひとたび発出する判断をした」と述べた。
また、ワクチン接種の効果がさらに明らかになり、病床の状況に改善が見られれば、前倒しで解除するとした。
現在、まん延防止等重点措置が適用されている埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県は、来月22日まで適用を延長する。一方、北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県は、今月11日で重点措置を解除する。
菅首相は会見で、緊急事態宣言が出される東京都と沖縄県では、飲食店での酒類の提供を一律に停止するとした。また、重点措置が出ている地域でも、酒類の提供は原則停止とし、地域の状況に応じて判断すると述べた。
五輪については
東京オリンピックが2週間後に迫る中、東京都では新型ウイルスの感染者が改めて増えている。8日は896人、前日の7日は920人だった。8日まで19日連続で、前の週の同じ曜日を上回っている。感染がさらに拡大することを懸念し、東京オリンピック・パラリンピックの延期や中止を求める声は、幅広い層から出ている。菅首相は東京大会の開催について、「緊急事態宣言の中で異例の開催となる」と認めたうえで、「ウイルスの国内流入を徹底して防いでいく」と決意を述べた。観客については、「緊急事態宣言となれば無観客も辞さないと言ってきた。このあとの5者協議で観客の取り扱いが決まる予定だ」と述べた。また、「世界で40億人がテレビを通じて視聴するといわれるオリンピック・パラリンピックには、世界中の人々の心を1つにする力がある。新型コロナという大きな困難に直面する今だからこそ、世界が1つになれることを、そして人類の努力と英知によって難局を乗り越えていけることを、東京から発信していきたい」と思いを語った。そして、「今回の大会は多くの制約がありこれまでと異なるが、だからこそ安心安全な大会を成功させ、未来を生きる子供たちに夢と希望を与える歴史的な大会を実現したい」と話した。
観客はどうなる
8日には、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が来日した。同日夜、大会組織委員会、政府、東京都、国際パラリンピック委員会(IPC)の代表の大会関係5者による協議にオンラインで臨んだ。協議では、会場に観客を入れるのかどうかが話し合われた。終了後、丸川珠代五輪相は、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県で開催される競技について、無観客で開催することが決まったと発表した。また、宮城、福島、静岡の3県で行われる競技は、会場の収容人数の50%か1万人のいずれか少ない方まで、観客を入れて実施すると述べた。大会組織委の橋本聖子会長は、「極めて限定された形を余儀なくされるのは大変残念。チケット購入者、地域の皆さんに大変申し訳ない」と、謝罪した。東京オリンピックは7月23日〜8月8日、パラリンピックは8月24日〜9月5日の日程で開催が予定されている。
日本の感染状況
日本では4月に、感染の第4波が発生し、感染者が増加した。ただ、新型ウイルスの流行が始まってからの感染者数は比較的少なく、死者も1万4900人ほどとなっている。7日の新規感染者数は2180人だった。うち920人は東京都で確認され、前の週の同じ曜日の714人から大きく増えた。1010人を記録した5月13日以来の多さとなった。日本のワクチン接種事業は展開が遅く、これまでに接種を完了した人は国民の約15%にとどまっている。デルタ変異株の脅威も高まっている。東京都と大阪府では特に感染者が増えている。政府は7月末までに、65歳以上の高齢者のワクチン接種を完了させたい意向だ。菅首相は8日の会見で、「全国の津々浦々で接種が進んでいる。今や世界で最もスピードのある接種が行われていると言われている」との見解を示した。そのうえで、「一部の自治体などからはワクチンが足りないとの声が出ている」、「ワクチンの配分方法を見直し、配分量を早期に示すことで、接種が円滑に進むように努めていく」とした。さらに、「9月までに希望するすべての国民に接種可能となる2億2000万回分が確保できている」と説明した。日本は現在、イギリスを含む159カ国からの外国人の入国を禁止している。
国民はオリンピックを望んでいるのか
東京オリンピック・パラリンピックに反対の人は多い。先月下旬の朝日新聞の世論調査では、開催の「中止」か「再び延期」がよいと答えた人は計60%に上った。朝日新聞は5月に社説で、中止すべきだと訴えた。予定されていたパブリックビューイングは中止され、企業は世論の反対を懸念して、オリンピック関連の広告を出すのをためらっている。

●東京都に4回目の緊急事態宣言、コロナ感染拡大で再び酒類提供停止要請  7/8
東京都は8日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う4回目の緊急事態宣言が12日から発令されるのを受け、同日以降、再び飲食店に酒類提供の全面停止などを要請する感染防止策を発表した。対象は都内全域で8月22日まで。
都の対策は、酒類やカラオケ設備を提供する飲食店などには休業を要請し、提供をやめる場合には午後8時までの営業時間短縮を求める内容。現行のまん延防止等重点措置では、2人以下の客に限って午後7時までの酒類提供を認めている。酒類提供の全面停止要請は、6月20日まで発令されていた前回の緊急宣言以来となる。
そのほかは現状のまん延防止等重点措置の要請内容とほぼ同じで、百貨店などの大規模商業施設などには、午後8時までの時短営業を要請。イベント開催の人数上限は5000人とする。
宣言期間中、都の要請に全面協力した事業者には事業規模に応じた協力金として、飲食店は1店舗あたり168万〜840万円などを、大規模施設は1000平方メートル当たり1日最大20万円などを支給する方針。都は7月8日、協力金支給のため5118億円の補正予算を専決処分した。
小池百合子知事は同日夜の対策本部会議で「飲食店への対策やワクチン接種の推進などの対策で、これ以上の感染拡大を何としても食い止めていく」と強調した。

●「緊急事態宣言」と「まん延防止等重点措置」どう違う?  7/8
まん延防止等重点措置の対象となっている東京都で新型コロナウイルスの感染が拡大し、政府は8日、対策本部の会合で、東京に12日から、4度目となる緊急事態宣言を発令することを決めた。沖縄県の緊急事態宣言や、神奈川、埼玉、千葉、大阪の4府県のまん延防止措置は延長する。「緊急事態宣言」と「まん延防止措置」。そもそも何がどう違うのか。目的や対象地域、制限の内容、できること・できないことの線引きなど、気になる点を整理した。
首都圏の状況
東京都…7月11日までまん延防止措置、12日から8月22日まで緊急事態宣言
神奈川県、埼玉県、千葉県…8月22日まで「まん延防止措置」延長
対策 緊急事態なら休業も、まん延防止は時短のみ
今回の政府方針では、まん延防止の対象地域で、条件付きで認めてきた酒類提供を原則停止とし、知事が制限を緩和すると判断した場合のみ条件付きで午後7時まで提供できる仕組みに変えた。緊急事態宣言の対象地域では、酒類を提供する飲食店には休業要請が出される。政府は、酒類の販売事業者に対しても、休業要請等に応じない飲食店との取引をしないよう求める。緊急事態宣言では、飲食店などに対し、休業や営業時間短縮の命令や要請ができる。一方、まん延防止措置では休業の命令や要請はできず、営業時間短縮のみとなる。具体的な命令、要請の内容は、政府が取りまとめる「基本的対処方針」の内容を基本とした上で、各都道府県の知事が地域の状況を踏まえて対策の上乗せをする。基本的対処方針の内容は変更を重ねている。
対象地域 緊急事態は都道府県全域、まん延防止は一部地域
緊急事態宣言は各都道府県全域が対象になるのに対し、まん延防止措置は特定の地域内で感染を抑え込むことを目的とし、知事が指定した地域のみが対象になる。例えば、東京都は檜原村と奥多摩町、島しょ部はまん延防止措置の対象外だが、緊急事態宣言になれば、全域が対象地域となる。
大規模イベント観客制限
プロスポーツなどの大規模イベントの観客は、緊急事態宣言でもまん延防止措置でも同じで、「5000人」か「会場収容人数の50%」の少ない方が上限となる。どちらも解除後1カ月程度の経過措置では「1万人」か「会場収容人数の50%」の少ない方が適用される。まん延防止措置解除後に上限1万人とする経過措置は、6月16日に開かれた政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会で新たに了承された。この上限1万人を東京五輪・パラリンピック大会に適用するかどうかは、議論があったが、東京に緊急事態宣言が発令されることを受け、都内を無観客とするなどの調整が行われている。
命令違反の罰則は?
知事は時短営業や休業の要請を拒んだ飲食店などに命令を出すことができ、命令に応じない場合は行政罰が科される。罰の重さには差があり、緊急事態宣言は30万円以下の過料、まん延防止措置は20万円以下の過料だ。
発令、適用のタイミングは?
医療提供体制の逼迫具合や新規感染者数を示す指標をもとに4段階で区分される感染状況が発令、適用の目安になっており、緊急事態宣言は最も深刻な「ステージ4(爆発的感染拡大)」、まん延防止措置は「ステージ3(感染急増)」で出される。ただ、機械的に発令、適用されるわけではなく、政府が専門家の意見を踏まえて最終判断している。6月15日時点の指標では、大阪府は入院率と人口10万人当たりの療養者数がステージ4相当だったが、20日まででの緊急事態宣言解除が決まった。
緊急事態宣言、まん延防止措置を巡る課題
休業や営業時間短縮の命令、要請を巡っては、線引きが曖昧になり、内容に納得できない業界団体が行政に抗議するケースもある。東京都に対する緊急事態宣言が延長された5月には、劇場や演芸場の営業が条件付きで認められた一方、映画館は休業要請のままとなり、映画館の関係者が都庁前で無言の抗議デモを行った。こうした線引きには、都庁内からも「説明が難しい」という声が漏れていた。まん延防止措置の対象地域の絞り込みでも、線引きが課題になった。市町村ごとの指定が可能で、地域の感染状況に合わせたきめ細かな対応ができるが、線引きの結果、同じ駅周辺の繁華街で対象になる区域と、ならない区域が混在する事態も起きた。東京都に4月12日からまん延防止措置が適用された際には、JR三鷹駅北側の武蔵野市が対象となる一方、南側の三鷹市は対象から外れ、時短営業要請は武蔵野市内の店なら午後8時、三鷹市内なら午後9時と時差が生まれた。適用初日には「つい三鷹市側に来てしまう」と明かす客もいた。時短営業などの要請の実効性にも課題がある。実効性は、命令に違反した場合の罰則と、要請に応じた事業者への協力金の支払いによって担保されているが、5月には飲食店経営者から「時短要請に協力したいが、できない」という声が聞かれた。東京都などで時短協力金の支給が遅れていたからだ。5月下旬時点では、3月8〜31日分の未支給率が東京都で45.8%、神奈川県で51.0%だった。
効果は?
社会経済活動を強く制限する緊急事態宣言の方が、人の流れを抑制する効果が強い可能性を示すデータはあるものの、宣言期間が長引いた場合に抑制効果が薄れていく傾向もみられる。厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」で、東京都医学総合研究所の西田淳志・社会健康医学研究センター長が提出した主な繁華街の滞留人口の分析結果によると、東京都では4月12日のまん延防止措置の適用直後より、同月25日の緊急事態宣言発令直後の方が大幅に減少した。この分析は、衛星利用測位システム(GPS)を活用し、繁華街にレジャー目的で滞留したとみられる人口を推定している。東京都では、4月の緊急事態宣言直前に90万人を超えていた午後2〜4時の滞留人口が、宣言後には一時的に50万人台にまで下がった。ただ、6月13日までの分析では「5週連続で繁華街滞留人口が増加。夜間・昼間ともに宣言前の水準にまで戻りつつあり、宣言解除後はさらに増加する可能性」と指摘された。  

●バッハ会長、緊急事態宣言知らなかった?「どういうことか、うかがいたい」  7/8
国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は8日夜、東京五輪の観客受け入れを決める5者会議の冒頭で、「緊急事態宣言はどういうことなのか。それが五輪・パラリンピックにどのようなインパクトをもたらすのか、お話をうかがいたい」と発言した。バッハ氏は4月の記者会見で、東京に3度目の緊急事態宣言が出されることについて「東京五輪とは関係がない」と発言して世論の反発を招いていた。
5者会議には、丸川珠代五輪相、東京都の小池百合子知事、大会組織委員会の橋本聖子会長らが出席。バッハ氏の発言は公開された会議冒頭で飛び出した。
5者協議などの結果、都内と埼玉、千葉、神奈川の3県で行われる競技は無観客とする一方、宮城、福島、静岡の競技は収容人数50%、あるいは1万人以内の小さい方で実施することが決まった。
 
 
 

 

●京大・藤井聡教授が4度目緊急事態宣言で菅首相をボロカス批判 7/9
政府は8日、新型コロナウイルス特別措置法に基づき、東京都に4度目となる緊急事態宣言の発令を決定。すでに出されていた沖縄への宣言と埼玉、千葉、神奈川、大阪に適用中のまん延防止等重点措置の延長も決めた。期間は12日から来月22日まで。かねて宣言に伴う副作用≠懸念してきた京都大学大学院の藤井聡教授(52)は政府の方針が示されると、「もうマジでついて行けません」と自身のツイッターに投稿。その真意を明かした――。
東京都はこの日、896人が新たに新型コロナに感染したと発表。19日連続で前の週の同じ曜日を上回った。政府は今後、医療提供体制のひっ迫を招きかねないと判断し、4度目となる緊急事態宣言の発令を決定した。飲食店での酒類提供は原則禁止とする。
菅義偉首相は会見で、デルタ株による感染拡大に懸念を示し「東京を起点とする感染拡大は絶対に避けなければならない。先手先手で予防措置を講じることにした」と説明した。
今回の政府の方針が報じられると、藤井氏は自身のツイッターで「もうマジでついて行けません」と投稿。続けて「菅が馬鹿な理由」として、1だったら五輪ヤメロ2だったらもっと補償シロ3これまでの宣言基準と全然違う4ワクチン何のために打ってきたんだ――と4点を挙げ、「コロナ禍の原因はコロナじゃなく菅さんだったのです」と斬り捨てた。
取材に応じた藤井氏は、最大の問題点として「緊急事態宣言というものは、要件が満たされた場合に出されないといけない。今回は要件がこれまでと全く違う段階で出しており、政治家の政治的な目的のために行政を歪めた形になっている。私の友人も言っていたが、これは暴挙でファシズム的政策である」と批判。「メディアや法律家は徹底批判すべき問題です」と指摘した。
そのうえで、宣言の発令による国民感情についてこう言及した。
「まず国民感情的に一番腹が立つのは、宣言を出すならオリンピックもやめろよってことですよ。水際対策どころかズルズルに外国人を入れてるのに、いろんなイベントを緊急事態ということで中止にさせてる。どれだけダブルスタンダードや、って話ですよ。治外法権を自分で作っているようなもので、国民感情としては大きなポイントですよね」
藤井氏はかねて、コロナ感染死者数がさざ波<激xルであるのはデータ上明らかで、ゼロコロナ社会を求めるあまり、経済を犠牲にするのは日本全体が滅びると主張している。
コロナ感染死だけでなく、倒産や失業といった経済的被害による、うつ病や自殺者の増加もすべて検討したうえで、被害が最も小さくなるようなベストウェイを模索すべきだとして、緊急事態宣言の発令には否定的な立場を取ってきた。
それだけに「劇薬ですさまじい副作用があるから補償を徹底すべきなのに、何も補償を決めないまま発出だけを決めた。さざ波にすらなっていないのに予兆だけで宣言を出して、店がつぶれて、自殺する人が増えるなんてバカな話はない。実質的な国民の生命と財産に対する危機という点で極めて深刻だ」と怒りをにじませた。
さらに、藤井氏はワクチン接種についても言及した。
「中には嬉々として打っている人もいるだろうが、ワクチンはみんな嫌々打っているわけです。副作用もあって怖いし、熱が出る人もいる。それを辛抱して打つのは、五輪をはじめとした社会がちゃんと動くため、緊急事態宣言を避けたいため。医療崩壊さえ起こさなければ緊急事態宣言なんてやらなくていいし、これだとワクチンを打っている意味がない」
緊急事態なのに東京五輪は開催という矛盾≠抱えながら、都民は6週間の我慢を強いられることになる。

●緊急事態宣言下の五輪、有効な感染対策は「中止」では 7/9
政府が東京都に4度目の緊急事態宣言を発令する。宣言期間は東京五輪の開催期間と丸かぶりで、感染拡大防止のための最終手段というより、何がなんでも五輪を開催するための宣言なのは見え見えだ。これが安倍晋三前首相、菅義偉現首相が再三繰り返してきた「人類がコロナに打ち勝った証しとしての五輪」と言えるのか。今、最も効果的な感染防止策は「五輪中止宣言」ではないのか。
「言い出しっぺ」は安倍前首相
五輪を「コロナに打ち勝った証し」と言い始めたのは、安倍晋三前首相だった。昨年3月16日の先進7カ国(G7)首脳とのテレビ電話会議で、併せて「完全な形で実施したい」と述べ、各国の支持を得たという。安倍氏は同月23日の参院予算委員会でも「全ての参加国が万全な状態で参加できることが重要だ」「(コロナを)克服した証しとして五輪を開催したい」と述べた。五輪の1年延期が決まったのは、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長と電話会談した翌24日。同日の会見でも「打ち勝った証しとして」と発言した。
後を継いだ菅氏も昨年10月、国会での所信表明で「人類がウイルスに打ち勝った証しとして(五輪を)開催する決意だ」と語った。今年3月21日の自民党大会でも同じフレーズを繰り返した。4月の日米首脳会談では使わず、「世界の団結の象徴」に表現を変えたが、帰国後、このことを衆院本会議で野党議員に追及されると「打ち勝った証しとして五輪を実現するとの決意に何ら変わりない」と答えた。
安倍氏が言い出した昨年3月は、国内の1日当たりの新規感染者数が2桁で推移していた時期。振り返ると、まだ楽観論もあった。大阪大発の医療ベンチャー「アンジェス」が同月、国産ワクチンの開発着手を発表。早ければ昨年中に実用化され、今夏に接種が行き渡る観測が出ていた。新型インフルエンザ治療薬「アビガン」が新型コロナ肺炎の特効薬になるとの期待もあった。
実現しなかった感染防止「楽観プラン」
一方、政府は当初から、PCR検査を抑えつつ濃厚接触者をたどるクラスター対策に重点化。各国で爆発的に患者が増える中、患者数を比較的抑えた時期でもあった。安倍氏は昨年5月、最初の緊急事態宣言解除を決めた際の記者会見で「わずか1カ月半で流行をほぼ収束させることができた。『日本モデル』の力を示した」と胸を張った。
しかし、楽観プランは現実にならなかった。アンジェスのワクチン実用化は来年以降になる見通しが強まっている。政府は米ファイザー社など海外製薬会社製ワクチンの確保も手間取り、接種ペースは先進国の中でも遅れが目立つ。接種に当たる地方自治体からは供給不足に恨み節が上がる。
昨秋から年明けにかけては患者数の1000人超が常態化した。政府が東京など1都3県に2度目の緊急事態宣言を出したのは、今年1月7日。それから半年で、まん延防止等重点措置の適用と宣言再発令を2度繰り返す事態に陥っている。
緊急事態宣言下の五輪は、むしろ「コロナに打ち勝てなかった証し」ではないのか。首都圏の複数の医療機関で在宅医療を中心に手がける木村知医師は「現状でコロナに打ち勝ったと言える要素はない。菅氏は、五輪を開催しても爆発的に患者が増えなければ、勝ったと言うつもりなのだろうか。緊急事態宣言を出すほど感染者が増えているのに、リスクを増やす五輪を開催するのは意味が分からない」と憤る。

●緊急事態宣言で「異例の五輪」と菅首相 「安全安心」と矛盾だらけ 7/9
政府が東京都への4度目の新型コロナウイルス緊急事態宣言発令を決定し、23日開幕の東京五輪は宣言下で開催されることが決まった。首相が繰り返してきた「安全安心の五輪」を、宣言下で実施できるのか。野党からは「矛盾だ」との批判が噴出する。お盆や帰省の時期も控え、宣言中に感染再拡大を招く懸念もぬぐえない。
「説得力なし」
首相は8日の記者会見で、宣言下の五輪を「異例の開催」と認めつつ「コロナという困難に直面する今だからこそ、世界が一つになれることを発信する良い機会だ」と意義を強調した。
一方、8日の衆院議院運営委員会では、立憲民主党の青柳陽一郎氏が「コロナに打ち勝ってもいない。『安全安心な五輪』も説得力がない」と批判。共産党の志位和夫委員長は記者会見で「酒を出すな、外出するな、運動会、夏祭り、花火大会も全部中止だと(国民に)求めながら、五輪だけやるというのは矛盾した態度だ」と指摘した。
そもそも緊急事態宣言は、コロナの感染状況が国民生活や経済に甚大な影響を及ぼす恐れがある危機的な状況下だと判断し、発令する。首相は6月の党首討論で五輪に関し「国民の命と安全を守るのは私の責務だから、そうでなければできない」と発言したが、感染状況が悪化しても開催ありきの姿勢は堅持。官邸幹部は先の先進7カ国首脳会議(G7サミット)の結果を受け「各国の支持を得た国際公約」と別の開催理由を挙げる。
疑義あり
これまで政府は、感染拡大防止への強い決意を示しながら、再拡大を抑えられない負の流れを繰り返してきた。
6月の宣言解除の際、首相は「何より警戒すべきは大きなリバウンドだ」と強調した。だが、都市部を中心に人の流れが増加。首相が「切り札」と位置付けるワクチン接種も、自治体や企業で加速し始めたタイミングで供給が追いつかなくなり、政府自らブレーキをかける形になった。
西村康稔経済再生担当相は8日の参院議運委で「人出が増え(酒類提供の自粛)要請に応じない店も出てくる中で感染が拡大している」と説明したが、立民の吉川沙織氏は「宣言解除の判断が適切だったのか疑義がある」と指摘した。
軌道修正余儀なく
五輪の観客問題では、世論の動向が首相の判断に影響を与えた可能性が高い。
首相は観客入りにこだわっていたが、4日投開票の東京都議選では、中止や無観客開催を訴えた勢力が過半数を獲得。公明党の山口那津男代表が「無観客をベースにした方がよい」と明言し、大会組織委員会の森喜朗前会長が「無観客だっていい」と語るなど、外堀は埋まっていった。政府高官は「国民の総意みたいなものだから流れにさおさすことも大事だ」と軌道修正を認める。
ただ、無観客開催でも感染拡大の懸念は消えない。五輪後にはお盆や帰省時期を迎え、同時に感染力が強い変異株のデルタ株(インド株)への置き換わりが進むとみられている。政府の基本的対処方針分科会メンバーの舘田一博・東邦大教授は8日、記者団に「気の緩みや慣れなどの重なりを考えると、かなり厳しい状況になっていく」と警鐘を鳴らした。

●キャンセル、減便を警戒 緊急事態宣言、夏休み直撃―観光・運輸業界 7/9
政府が8日、新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて東京都に4回目となる緊急事態宣言の発令を決め、観光・運輸業界に衝撃が広がった。宣言期間は12日から8月22日までと「書き入れ時」である夏休みを直撃。これに合わせ東京五輪も都内の会場は全て無観客で開催されることが決まった。各社は旅行のキャンセル、航空減便といった動きがどこまで広がるか警戒を強めている。
「旅行の申し込みは徐々に回復していたが、緊急事態宣言で間違いなく大きな影響を受ける」。日本旅行業協会で国内旅行を担当する高橋広行副会長(JTB会長)は8日の記者会見でこう話し、必要があればキャンセル発生時の補償などの支援策を政府に求めていく考えを明らかにした。
旅行大手の幹部は「宣言期間中は東京を発着するツアーは中止になるのではないか。予約が減った分は政府の雇用調整助成金などを活用して乗り切るしかない」と対応に苦慮。別の同業大手関係者は、沖縄での宣言延長について「沖縄は夏の国内旅行の定番中の定番だ。非常に手痛い」と肩を落とした。都内の大手ホテルの社員は「五輪を見る予定だったお客さまが予約をキャンセルするのではないか」と心配げに話す。
日本航空は8日、国内線の運航について事業計画比で7月後半に約700便、8月前半には3300便を減らすと発表したが、東京や沖縄の緊急事態の影響は反映していない。さらなる減便を迫られる公算が大きく、関係者は「苦しいところだ」と打ち明ける。全日本空輸は近く、宣言の影響を踏まえた運航計画を発表する予定だ。
JR東日本は今月後半に新幹線と在来線特急で臨時列車の運行を決めている。4連休や五輪期間の移動が減ることで、関係者は「少なからず(利用や収入への)影響は出てくるだろう」と話した。JR東海も21〜31日に東海道新幹線の臨時列車を運転する予定だが、状況次第で計画の見直しを迫られそうだ。

●東京で緊急事態宣言、酒類提供を一律停止 7/9
1 規制強化の内容は?
菅義偉首相が7月8日、緊急事態宣言の発令を発表するとともに「(宣言を発令する)東京、沖縄では、感染リスクを封じ込めるために飲食店における酒類の提供を一律に停止する」と表明した。「まん延防止等重点措置」の対象となる神奈川や大阪など4府県でも、酒類の提供は原則停止する(知事の判断で午後7時までは提供できる)。これまで東京都のまん延防止措置の地域では、1組2人までを対象とした酒類の提供を認め、オーダーは午前11時〜午後7時の間までとし、滞在時間は90分以内にするよう要請していた。店舗の営業時間については、これまでと同じく午後8時までとなっている。西村康稔経済財政・再生相は同日、飲食店での酒類提供を強化する方法を提示。酒類の提供を停止せず、休業要請にも応じない店との取引はやめるよう、酒類の販売業者に促すという。休業要請に応じない飲食店の情報を金融機関に教える方針も示したが、行き過ぎているなどと指摘を受け、7月9日に撤回することとなった。
2 酒類の提供制限を強化する理由は?
西村大臣は7月8日、時短営業の要請などこれまでの取り組みに対して「協力している飲食店からは(時短営業などを行っていない飲食店に客が集まりにぎわっていることに)不公平感を抱いている声が多数ある」と指摘した。協力している店舗は早期に支援していく一方で、協力しない店には改正新型インフルエンザ等対策特別措置法で定めた命令や罰則を実施することに加え、上記のように取引業者にも働きかけ「メリハリをつけて公平に対応していく」とした。
3 店でお酒を出さないことが、感染抑制に有効な理由は?
菅首相は7月8日、「お酒を伴う飲食は、どうしてもマスクを外す時間が長くなる」などとリスクを訴えた。政府はこれまでも飲酒の影響で気分が高揚し、注意力が低下したり、大声になりやすいことなどを理由として、飲食を伴った集まりが感染リスクを高めると説明してきた。ただ、酒席がどれだけ感染拡大に影響してきたのか、見えにくいとの指摘もある。これに対して厚生労働省の専門家組織であるアドバイザリーボードは7月7日、酒の出る会食に複数回参加した人は新型コロナに感染しやすくなるとの分析結果を公表。過去2週間のうちに、酒の出る3人以上の会食に2回以上参加した人は、それ以下の回数の人に比べて約5倍感染しやすかったという。
4 協力しない飲食店への罰則は?
緊急事態宣言の対象地域では、特措法に基づいて休業を要請・命令できる。命令に従わない店には30万円以下の過料を科すことが可能。また、まん延防止措置の対象地域では命令に従わなければ20万円以下の過料が科される可能性がある。 これらは従来と変わらない。
5 一度罰則を受けたら、もう罰則は受けない?
東京都ではこれまで過料が科せられたケースが4件ある。西村大臣は7月8日の会見で「過料がなされても引き続き要請に従ってもらえない場合はさらに命令を行い、過料の手続きを行うというように、繰り返し対応していく」と述べた。
6 協力している飲食店への支援状況は?
現在、休業や時短の要請に従った飲食店には、感染拡大防止協力金が支給されている。今回の緊急事態宣言の発令を受けて、東京都では7月12日〜8月22日までの間、前年または前々年の1日当たりの売上高に応じて、中小事業者を対象に1店舗につき1日あたり4万〜10万円、大企業は売上高の減少額に応じて、同上限20万円を支給するよう変更する予定だ。懸念されているのは支払いの時期。協力金は緊急事態宣言の期間外でも、金額を変更しながら支給されてきたが、支払いにかなりの日数を要している。東京都の支給決定率は、2021年4月1日〜11日の期間で78%、4月12日〜5月11日では36%にとどまっている(7月8日時点、店舗数ベース)。5月12日以降の協力金については、受け付けもまだ始まっていない状況だ。支払いの遅延はコロナ禍前の営業実態の証明や、申請書類に不備があった際の差し戻しが原因になっていた。そこで、7月8日の会見で西村大臣は、今回の協力金を巡り、過去の支給を受けている飲食店については、酒類の提供を自粛する旨の誓約書を提出することを条件に、1日あたり4万円を一律で先行して支給する考えを明らかにした。
7 酒類販売業者への支援は?
国や東京都は、緊急事態宣言やまん延防止措置に伴う飲食店休業などの影響を受けた酒類販売業者を含む中小企業・個人事業者に、売り上げの減少額に応じた支援を打ち出してきた。ただ、都は、酒類提供を続けた飲食店との取引停止要請を巡る新たな支援について「まだ国から具体的な指針が来ていないので、現時点で決まっていることはない」としている。
8 酒類販売業者などの反応は?
都内の酒類販売業者などでつくる東京小売酒販組合の吉田燕F理事長は「これまでも長期にわたって大きな打撃を受けており、(酒類提供が一律停止となることで)赤字状態に追い打ちがかかる」と話す。組合に加盟している酒店からは「酒の提供を続けている飲食店から『今回の要請に応じて取引を中止するのであれば今後の関係も見直す』と言われた」といった連絡もあったといい、影響がコロナ収束後にも及ぶ可能性を懸念。政府に対して、要請の見直しと支援の充実を求めた。大手ビール会社からは「業務用の売り上げは(新型コロナの流行が始まった)昨年もボロボロだったが、今年はそれをさらに下回る状況にある。今回の宣言発令で一層厳しくなる」「全国に宣言が拡大することがなければいいが」と先行きを懸念する声が聞かれた。今回の一律停止を受けて、飲食店への影響を不安視するメーカーの意見は多い。キリンビールの布施孝之社長は7月9日の記者会見で、個人的な意見としたうえで「外食の苦しみは当然分かっている。確かに飲食店は感染ルートの1つだと思うが、家庭や職場における(感染ルートの)分析を説明しない中で、飲食店は行動規制が強くなっている。行政の要請に従う気持ちはあっても、これだけ長く続くと経営が立ち行かない。皆、資金繰りに奔走している。心配しているのは外食産業に携わる従業員が400万人以上いることだ。どんどん離職する傾向も出ていて、雇用と食文化の維持が難しくなっている。新型コロナの感染拡大を防ぐため規制は必要だが、それに見合う補助とのバランスをうまくかじ取りしてもらいたい」と述べた。
9 コンビニエンスストアなど、個人に対する酒類の販売への影響は?
東京都の担当者は「現時点でコンビニなどでの酒類の販売自粛要請は検討していない」と話す。一方で、飲食店が時短営業をする中で散見される路上飲みに関しては「自粛のポスターをコンビニに掲示してもらえるようお願いするなどの対策は引き続き行っていく」としている。
10 法的には今回の酒類提供への規制強化の要請に問題はない?
憲法が専門の慶応義塾大学大学院法務研究科の横大道聡教授は「特措法45条2項で定められている都道府県知事が使用制限などを要請することができる施設は、学校や社会福祉施設、興行場のほか、多数が利用する施設とされている」と指摘。そのうえで「入場を伴う施設が要請の対象とされている中で、どうして飲食店に酒類を販売する業者への要請が可能なのか。今回のようなやり方はそもそも想定されていない。政令によって今回の要請措置を追加するとしたら、委任の限度を超え違法ではないか」と疑問を呈す。加えて、「今回の要請は、法律の根拠のない要請ということになるが、酒類の販売業免許を出す国税庁などとの関係で、事実上は強制のように機能する可能性が高い」と指摘。「飲食店で酒類を提供することが感染の拡大に寄与しているというのであれば、きちっと証拠を示したうえで個別の法律をつくって規制することが筋ではないか」と強調している。

●東京都に4回目の緊急事態宣言 暮らしはどうなる 7/9
政府は、東京都に4回目となる緊急事態宣言を出すことを決めました。東京オリンピックは、開催期間すべてが宣言の時期に含まれることになり、新たな感染拡大につながらないよう対策に万全を期すことにしています。私たちの暮らしはどうなるのでしょうか。新型コロナウイルス対策で、政府は、東京都に対し、7月12日から8月22日まで、4回目となる緊急事態宣言を出すとともに、沖縄県に出されている宣言も8月22日まで延長することを決定しました。また、まん延防止等重点措置について、埼玉、千葉、神奈川と大阪の4府県では、8月22日まで延長する一方、北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県は、11日の期限をもって解除することを決めました。政府は、飲食店での感染対策を強化するため、酒の提供停止を要請するとともに営業時間の短縮要請に応じた事業者への協力金を先渡しできる仕組みを導入し、支給を迅速化するなど、実効性を高めたいとしています。
東京都 酒提供の飲食店に休業要請
東京都は、8日夜、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、7月12日から8月22日までの4回目となる緊急事態宣言のもとで実施する措置を決定しました。それによりますと、酒やカラオケ設備を提供する飲食店などに対しては休業を要請します。提供しない場合は午後8時までの時短営業を要請します。都は、6月21日から、利用を1グループ2人まで、滞在時間を90分までなどの制限を設けて酒の提供を認めていましたが、3週間で、再び提供の停止を求めることになります。一方、床面積の合計が1000平方メートルを超える大規模施設に対しては休業要請は行わず、引き続き時短営業を要請します。時間は、デパートやゲームセンターなど、客が自由に出入りできる施設は午後8時まで、劇場や展示場などの施設がイベントを開催する場合や、映画館は午後9時までです。このほか、イベントについては、開催時間を午後9時までとしたうえで、人数の上限は5000人で、定員の50%以内とするよう要請します。さらに、都民に対しては、日中も含めた不要不急の外出と移動を自粛し、特に帰省や旅行などの都道府県をまたぐ移動は極力、控えるよう求めます。
デパート各社
東京都に緊急事態宣言が出されることを受けたデパート各社の対応です。三越伊勢丹、松屋、東急百貨店は、都内の店舗については現在、午後8時までとしている営業時間については変更せず、宣言が出される週明け12日・月曜日からレストランなどでの酒の提供は中止するということです。高島屋、そごう・西武、京王百貨店、東武百貨店、小田急百貨店は具体的な対応は検討中としていますが、酒の提供の中止を含めて東京都の要請に沿って対応する方針だとしています。
外食チェーン
東京都に緊急事態宣言が出されたあとの外食チェーン各社の対応をまとめました。対応は、いずれも都内の店舗についてです。
ファミレス
まず、ファミリーレストランです。最大手の「すかいらーくホールディングス」は、展開している「ガスト」や「バーミヤン」の営業時間を午後8時までとし、アルコールの提供は終日、休止します。「デニーズ」も同様で、午後8時に閉店し、アルコールの提供を終日、とりやめます。「サイゼリヤ」のほか、「ロイヤルホスト」や「てんや」を展開する「ロイヤルホールディングス」は、政府や東京都の要請に沿って対応する方向で検討しているということです。
牛丼チェーン
続いて、牛丼チェーンです。「すき家」、「吉野家」、それに「松屋」は、店内での飲食は午前5時から午後8時まで、それ以外の時間帯は持ち帰りでの営業を行うとしています。アルコールの提供はいずれも終日、休止します。
大手居酒屋チェーン各社
東京都に緊急事態宣言が出されることを受けた大手居酒屋チェーン各社の対応です。外食チェーンのコロワイドは、国や東京都の要請に従うとしていて、都内の焼き肉店やレストランでは営業時間を短縮するとしています。また、「甘太郎」など都内にある居酒屋の店舗は、休業を検討中だとしていて、詳細について調整を進めています。ワタミも要請に従い、都内にある「ミライザカ」や「三代目鳥メロ」など、70店舗の居酒屋を休業します。このほか、「庄や」などを展開する大庄グループや、「串カツ田中」は対応を検討中だとしています。 

●「東京は焼け野原だ」ウーバー配達員が緊急事態宣言下に見たもの 7/9
新型コロナウイルス禍で収入はゼロ、所持金は300円あまり。追い詰められた28歳の男性が選んだのは、東京への「出稼ぎ」だった。初めて緊急事態宣言が出された1カ月間、料理宅配サービス「ウーバーイーツ」の配達員として自転車をこぎ続けた男性は「2020年の東京は焼け野原だ」と感じたという。疾走する自転車から見えた景色はどんなものだったのだろうか。
男性は、青柳拓さん。大学で映画を学んだあと、地元の山梨県で映像製作の仕事や運転代行のアルバイトをしながら映画を作る機会をうかがっていた。しかし、新型コロナの感染拡大で仕事がなくなり、収入がゼロに。地元にはほかに仕事がなく、出稼ぎを決意した。「何よりお金がなく、稼がないといけませんでした。もちろん人がいなくなった東京にも興味がありました。自由に動ける自転車配達員の視点から記録すれば、何か見えてくるのではないかと考え、撮影を始めました」
緊急事態宣言下の20年4〜5月の東京。スマートフォンや小型カメラを使って自身や身近な風景の撮影を続けた。それをまとめたドキュメンタリー映画「東京自転車節」が、今年7月10日に公開される。疾走感あふれる配達員の視点と、青柳さんの独白を中心に描かれている。
ウーバーイーツは、配達員が個人事業主として契約する料理配達サービス。配達員は企業ロゴの入ったバッグを購入し、さらに自転車などの装備品は全て自前で用意する必要がある。日本では16年9月にサービスを開始したが、新型コロナによる外出自粛の影響で需要が急拡大し、配達員を始める人も増えた。配達員は気軽になれて好きな時間に働ける一方で、個人事業主のため就業中に事故に遭っても労災保険が適用されないことや、装備費用の負担が重いことが問題点として指摘されている。
青柳さんはこう振り返る。「実は最初は、配達員に憧れもあったんです。人の流れが途絶えた東京で人と人をつなぐような、都市に血を通わすイメージがあった。でも、実際は『置き配』という配達する商品を玄関前に置くケースがほとんどで、お客さんと顔を合わすこともありませんでした。誰の役に立ったのかすらわからない。自分はシステムの一部になっているだけなんだと気付きました」
青柳さんの違和感は次第にウーバーの「システム」に向けられていく。 ・・・
 
 
 

 

●4度目の緊急事態宣言、都民嘆き 発令決定後、初の土曜 7/10
東京都を対象に4度目となる新型コロナウイルスの緊急事態宣言発令決定後、初めての土曜日を迎えた10日、都内の観光地や繁華街では、終わりの見えない自粛生活に「ストレスがたまる」と嘆く声や、宣言の効果に懐疑的な声が聞かれた。宣言下で開かれる東京五輪には複雑な心境をのぞかせた。
例年なら、朝から観光客でにぎわう東京・浅草。土産物店「オカダヤ」の店長菊地洋子さん(76)は「宣言は仕方ないが、観光客が減ると思うので痛手。常連客で何とか持ちこたえているが、まだまだ踏ん張らないといけない」と話した。
宣言の期限は23日に開会式を迎える東京五輪期間を含めた来月22日まで。

●4度目緊急事態宣言に「守っている人とやけくその人が…」 7/10
タレントのビートたけし(74)が10日、TBS「新・情報7daysニュースキャスター」(土曜後10・00)に生出演。政府が東京都に4度目の発令を決定した新型コロナウイルスの緊急事態宣言について言及した。
政府は12日から8月22日までの緊急事態宣言再発令を決定。TBSがある赤坂まで移動してきたたけしは「やけくそになっているよ。赤坂の街を通ってきたらマスクしないでガブガブ飲んでいる人がいて。こりゃダメだなあ。ちゃんとしている人と、やけくそになっている人も店も…」とコメント。
たけしは「来週から(手を上下に広げて)こんなになっちゃうんじゃない?これまで通り、ちゃんと守っている人と、そんなことどうでもいいって言う人と。人によって考え方が全然違ってきちゃって怖いよ」とコロナ禍での感染対策に関する人々の意識の差を嘆いていた。

●緊急事態宣言直前の週末 東京・渋谷は多くの若者や買い物客 7/10
12日、東京都に4回目の緊急事態宣言が出される直前の週末を迎えましたが、東京・渋谷では若者や買い物客の姿が多くみられました。
東京都に4回目の緊急事態宣言が出される直前の週末となった10日、JR渋谷駅前では、午前中から多くの若者や買い物客が商業施設や飲食店などに向かう姿が見られました。
都内に住む20歳の大学3年生の女性は「宮城県で行われるオリンピックの女子サッカーの試合のチケットが当たりましたが、緊急事態宣言が出るので観戦には行かずに払い戻しすることにしました。残念ですが、大規模なロックフェスティバルも中止となっているので、しかたないと思います。これから就職活動ですが、何回も緊急事態宣言が繰り返されると影響が出ないか心配です」と話していました。
また、35歳の会社員の男性は「緊急事態宣言はもう4回目なので、生活は変わらないと思います。夏休みは特に予定は入れていないので、これまでどおり感染対策をしながら過ごします」と話していました。
高校1年生の男子生徒は「部活の試合が中止になってしまい残念です。夏休みは緊急事態宣言中になりますが、遊びたいというのが正直な気持ちです」と話していました。

●4度目の緊急事態で希薄に?都内の人出、一部で増加 7/10
9日夜の都内の繁華街の人出は、4度目の緊急事態宣言の発出が決まったにもかかわらず、1週間前と比べて大きくは減少していないことが分かりました。
携帯電話の位置情報のデータによりますと、午後8時台の各地の人出は1週間前に比べて渋谷センター街で2.3%、新宿・歌舞伎町で13.5%、赤坂で10.3%減少した一方、新橋で8.5%、六本木で8.7%、銀座で3.2%増加しました。
12日からの緊急事態宣言に伴って、東京都は飲食店に対して酒類の提供をしないように求めることになりますが、前回の宣言期間で夜の人出が減少していないことから、規制の実効性が問われています。

●東京の人出 多くの地点で前週より増加 「まん延防止」地域でも  7/10
4回目の緊急事態宣言が出されることが決まった東京や、まん延防止等重点措置が延長される地域では、9日の人出が多くの地点で1週間前より増加しました。
NHKは、IT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使って、東京や沖縄などの主な地点の人の数を分析しました。
分析した時間は、日中が午前6時から午後6時まで、夜間が午後6時から翌日の午前0時までです。
それによりますと、9日、東京の人出は1週間前と比べて多くの地点で増加しています。
各地点の増加率は、渋谷スクランブル交差点付近で日中は37%・夜間は13%、東京駅付近で日中は3%・夜間は2%でした。
一方、緊急事態宣言の延長が決まった沖縄では、那覇市の県庁前駅付近で日中は9%、夜間は34%減少しました。
まん延防止等重点措置が延長される埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県では、さいたま市の大宮駅付近で日中は10%・夜間は7%、横浜駅付近で日中は5%・夜間は21%、大阪梅田駅付近で日中は3%・夜間は7%、それぞれ増加しました。
一方、千葉駅付近では日中が13%、夜間は2%減少しました。 

●北海道も一転、五輪無観客で開催 再発令の東京との往来懸念 7/10
東京五輪・パラリンピック組織委員会は9日夜、札幌ドームで行われる五輪のサッカー男女1次リーグを全て無観客で開催すると発表した。
同日午後に、日中に始まるセッション(時間帯)は収容人数の50%以内で最大1万人の観客を入れて実施すると発表したが、急きょ決定を覆した。これにより、新型コロナウイルス禍の東京五輪は全42会場の約8割が集まる首都圏1都3県のほか、北海道も無観客開催となった。
北海道の鈴木直道知事は、緊急事態宣言再発令が決まった東京都など、首都圏との往来を防ぐのが困難であるのが理由とした。東京、埼玉、千葉、神奈川の観客が北海道を訪れないよう組織委に対策を求めたが、実効性の担保が無理だと判断。「道民の安心安全を最優先した判断と理解してほしい」と語った。
札幌市でのマラソン、競歩は沿道での観戦自粛を要請する。
組織委は10日、五輪の観客上限制限に伴うチケットの再抽選結果を公表した。再抽選の対象は、北海道のサッカーが外れ、宮城県のサッカーと福島県でのソフトボールと野球のうち、チケット購入者が観客上限を超えている計4セッション(時間帯)だけとなった。
公式サイトのマイチケットで「有効」と表示されれば、そのまま観戦できる。抽選に漏れた場合は「無効」と示される。有効のチケットでも20日午前までは払い戻しを受け付ける。無観客となった会場や抽選に外れた場合は自動的に払い戻しとなる。

●緊急事態宣言に無観客五輪、大誤算の「菅シナリオ」 7/10
7月4日に投票が行われた都議会選挙は、多くの専門家の予測とは異なり、自民党と公明党は合計しても過半数には届かなかった。逆に都民ファーストが盛り返し、議席は減らしたものの、自民党と拮抗する第2党の地位を確保した。獲得議席数は、都民31(−14)、自民33(+8)、公明23(±0)、共産19(+1)、立民15(+7)、維新1(±0)、生活者ネットワーク1(±0)、無所属4(−1)である。
議席増でも「敗北感」の自民、議席減でも「健闘」とされる都民ファ
自民党の伸び悩みは、コロナ対策失敗と東京五輪開催強行の責任を菅政権が背負うことになったことにある。とくに選挙期間中に、自治体や職場に届けるべきワクチンが不足し、接種予約を取り消さざるをえなくなるような失態を演じたことが大きな打撃になった。コロナ感染の惨状は東京の話なのだが、小池都知事は自らの入院で話題をそらせ、その責任を上手く逃れたし、また、東京五輪については、主催者にもかかわらず目立たないようにして、批判の矢が飛んで来ないように知恵を働かせている。投票率は42.39%と、過去2番目の低さであったが、これに助けられたのが公明党で、当落線上の候補がギリギリで滑り込み、山口代表が言うように「奇跡的に」全員当選を果たしたのである。立憲民主党と共産党は議席を上積みしたが、それは両党間の選挙協力が功を奏した結果である。しかし、来たるべき衆議院選挙で大躍進を遂げるほどの伸びは見せていない。
「総選挙で勝利」への戦略が揺らぎ始めた菅政権
選挙の帰趨を決めたのは無党派層であり、都民ファーストの会が最大の受け皿になり、自民党にはあまり流れていない。これでは複数候補を立てた自民党が共倒れになるのは当然である。自民党の弱体化を感じざるをえない。菅政権になって、主要選挙における自民党の戦歴は芳しくない。1月24日の山形県知事選、3月21日の千葉県知事選、4月25日の国会補選(衆院北海道2区、参院長野、参院広島)、6月20日の静岡県知事選と自民党は全敗している。コロナ感染を収束させ、東京五輪を成功させて、人心を変え、支持率を上げて衆議院選挙を勝利するという菅首相の戦略が根本から揺らぎ始めている。
期待と裏腹、増える感染者
新型コロナウイルスについては、東京都では、菅首相の期待とは逆に感染が急拡大しており、7月7日のコロナ感染者は920人と先週の水曜日より206人増加して、人々を仰天させた。900人を超えるのは5月13日以来である。しかも、感染は全国にも波及しており、全国では2191人と、6月10日以来の2000人超という数字が出てしまった。大阪府が151人、北海道が67人、沖縄県が58人と各地で高い数字になっている。7月8日も東京都の感染者は896人と高い水準にあり、増加幅も拡大している。全国では2246人と増え、全国に拡大していることも懸念される。この1つの原因は、変異ウイルスのデルタ株(インド型)の市中感染が広まっていることにあると考えられる。世界でも、今やデルタ株が主流になっているが、感染力の強いことが特色であり、その感染速度とワクチン接種スピードとの競争が繰り広げられている。残念ながら、先述したように、日本では供給不足から接種にブレーキがかかっており、深刻な事態に陥る危険性がある。感染者が1000人を超える状態で東京五輪開会を迎える事態になりそうであり、大会期間中に2000人を超すと予測する専門家もいる。東京都などのまん延防止等重点措置の期限である7月11日を前に、政府はその後の対応を検討してきたが、感染の驚くべき急拡大を受けて、7月8日、東京都に8月22日まで緊急事態宣言を発令することを決めた。沖縄県についても緊急事態宣言を継続することにした。また、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府はまん延防止等重点措置を延長する。北海道、愛知県、京都県、兵庫県、福岡県は、措置を11日で解除する。
900億円見込んだチケット収入はほぼゼロに、損失は国民の税金から
そのような緊迫した状況の中、8日午後、IOCのバッハ会長が来日した。最悪のタイミングである。東京への4度目の緊急事態宣言発令が決まり、専門家は第5波の到来を危惧している。しかも、訪問先に挙げている広島は大雨に直撃され、山陽新幹線も運休されるなど大きな被害が出ている。熱海の土石流災害現場での救出活動も続けられており、多くの人たちにとって、五輪どころではない状況である。バッハ会長には、日本の現状を正しく認識してもらいたいと思う。到着後、夜にはバッハ会長はオンラインで5者協議に臨んだが、協議の結果、首都圏の全会場で無観客とすることが決まった。そこまでやるのなら、静岡県、福島県、宮城県も、つまり全会場で無観客にすべきである。首都圏のコロナ陽性者が都外の競技会場に行くことによって感染を広げる可能性が高まるからである。会場外での移動のときもそうである。無症状の陽性者がいるというウイルス特質を考慮すべきであろう。チケット収入は900億円を見込んでいたが、それはほぼゼロとなってしまう。開催都市との契約では、IOCは責任を負ったり、賠償をしたりしないという「不平等条約」となっているので、その損失は日本国民の税金でカバーすることになる。まさに踏んだり蹴ったりである。
華やかさのない五輪に
海外から見ると、緊急事態宣言下での五輪開催は、常軌を逸したものである。世界では、この種の宣言が発せられると、都市封鎖(ロックダウン)が行われるということであり、警察官が街角に立って許可無く外出する者を取り締まることになる。生活必需品を扱う店以外は営業停止となり、多くの人が集まる大型イベントは中止になる。今回の緊急事態宣言発令は、都議選での事実上の「敗北」の結果に神経質になった自民党政権が、感染急拡大という事態に過剰に反応したものである。感染拡大を止めることができずに、最悪の場合、五輪中止に追い込まれるという事態を避けなければ、先述した菅戦略が水泡に帰してしまうからである。政府のコロナ対策の失敗が厳しく問われることになり、民意は離反し、支持率は下がってしまう。「菅義偉では選挙は戦えない」というムードが自民党内に広まると、早期退陣も視野に入ってくる。そこで、極めて異常な状況での、異常な五輪となり、そこには華やかさの欠片もないことになる。世界ではデルタ型の変異株の感染拡大に危機感が強まっている。WHOによると、6日時点で、104の国や地域に感染が拡大している。たとえばインドネシアではデルタ株の影響もあって7日のコロナ感染者は3万4379人にのぼり、死者も1000人を超え、現地在住の日本人もこれまでに12人が死亡している。
フランスでは、3つの地域で、デルタ株の比率が50%を超え、危機感を募らせているフランス政府は、規制強化に乗り出す方針である。フランス人が楽しみにしている夏のバカンスさえ台無しになると言われている。マクロン大統領は、次期開催地がパリなので来日する予定であるが、支持率が低下し、先の地方選挙でも大敗するなど苦しい政権運営が続いている。五輪のために来日することは、大統領にとっては何の利点もないようである。日本でもデルタ株が急速に広がっており、全国で304人の感染が確認されている。最多が東京都で61人、次いで千葉県の48人、神奈川県の41人、大阪府の31人、愛知県の27人などとなっている。この変異ウイルスの感染拡大状況を注意して見る必要がある。ファイザーやモデルナなどのワクチンは、変異株に対しても有効であり、接種の加速化が求められる。ところで、8月22日まで緊急事態宣言となると、東京の飲食業界などは壊滅的な被害を受けることになる。酒類の提供ができなくなれば、店を閉めざるをえないという経営者の声が相次いでいる。休業協力金も不十分であり、しかもその支払いも遅れているとなれば、背に腹は代えられないとして規制破りの店が増えそうである。
東京五輪には、3兆円もの経費がかかっている。それを考えれば、雀の涙程度の補償でよいはずはない。33兆円という五輪の経済効果、インバウンドの高まりが声高に喧伝されてきたため、積極的に設備投資を行った企業も多い。しかし、パンデミックですべてが裏目に出てしまった。これは誰の責任でもなく、台風や地震などの自然災害と同じで、政府が救いの手を差し伸べるしかない。しかし、残念ながら、政府が十全に機能しているとは思えないのが、日本の現状である。ヨーロッパは今、サッカー欧州選手権で盛り上がっている。11日に決勝戦が行われるが、開催地のイギリスでは観客数などの制限を大幅に解除している。ジョンソン首相は19日にコロナ規制を全面解除する。デルタ株の感染拡大はあるものの、ワクチン接種が順調に進んでいることを念頭に、「いつまでも規制は続けられない。新型コロナウイルスとの共存を図る」と明言している。しかし、このサッカー選手権で感染拡大が起こるようなことがあれば、大規模スポーツイベント開催に対して逆風が吹くことになる。そして、東京での感染がさらに拡大すれば、中止という選択肢が浮上してくるかもしれない。いずれにしても、歴史に残る異常な大会となることは間違いない。

●氷業者が存続の危機に 東京 4回目の緊急事態宣言で  7/10
新型コロナウイルスの感染拡大で東京都に4回目の緊急事態宣言が出されることを受けて、飲食店などに氷を販売する事業者は厳しい状況に追い込まれています。
東京・中央区にある創業73年の氷の卸売り会社は、製氷メーカーから仕入れた氷を専用の機械を使って切り分け、飲食店やホテル、イベント業者などおよそ700店舗に販売しています。
飲食店などに対する時短営業や休業要請の影響で去年春から売り上げは半減したうえ、取り引き先の1割ほどが廃業したということです。
およそ20人いる従業員の一部を休ませたり、国の助成金を活用したりして雇用を維持してきましたが、12日から東京都に再び緊急事態宣言が出されることで、経営状況はさらに厳しくなるとみています。
氷の需要が急増する夏場は年間売り上げの半分近くを占める“かき入れ時”ですが、緊急事態宣言のもと酒を提供する飲食店などに再び休業要請が出されるうえ、大型イベントの中止が相次ぎ、先行きが見通せないといいます。
「中央冷凍産業」の伊藤弘光社長(46)は「感染状況を踏まえれば緊急事態宣言は致し方ない部分もあるが、経営的には大きな痛手で心が折れる。この夏を乗り越えられるか、会社の存続が危ぶまれる状況だ」と話していました。

●緊急事態宣言への対応まとめ 居酒屋 外食チェーン デパート  7/10
東京都に緊急事態宣言が出されることを受けた、大手居酒屋チェーン各社、外食チェーン各社、デパート各社の対応をまとめました。
外食チェーンのコロワイドは、国や東京都の要請に従うとしていて、都内の焼き肉店やレストランでは営業時間を短縮するとしています。「甘太郎」など都内にある居酒屋の店舗は、休業を検討中だとしていて、詳細について調整を進めています。ワタミは要請に従い、都内にある「ミライザカ」や「三代目鳥メロ」など70店舗の居酒屋を休業するほか、「白木屋」など展開するモンテローザも、都内にある200店舗余りを休業します。「庄や」などを展開する大庄グループや「串カツ田中」は対応を検討中だとしています。
最大手の「すかいらーくホールディングス」が展開している「ガスト」や「バーミヤン」の営業時間を午後8時までとし、アルコールの提供は終日休止します。「デニーズ」も同様で、午後8時に閉店し、アルコールの提供を終日とりやめます。「ロイヤルホスト」や「てんや」を展開する「ロイヤルホールディングス」もレストランは午後8時に閉店し、アルコールの提供は休止するとしています。「サイゼリヤ」は、政府や東京都の要請に沿った対応を検討しているということです。
「すき家」「吉野家」「松屋」は、店内での飲食は午前5時から午後8時まで、それ以外の時間帯は持ち帰りでの営業を行うとしています。アルコールの提供はいずれも終日休止します。
三越伊勢丹、松屋、東急百貨店、東武百貨店は、都内の店舗については現在午後8時までとしている営業時間については変更せず、宣言が出される今月12日月曜日からレストランなどでの酒の提供は中止するということです。高島屋、そごう・西武、京王百貨店、小田急百貨店は具体的な対応は検討中としていますが、酒の提供の中止を含めて東京都の要請に沿って対応する方針だとしています。

●「オリンピックむり!」と張り紙の立川相互病院長 7/10
新型コロナウイルスの感染者を受け入れ、「オリンピックむり!」と窓ガラスに張り紙を掲示している立川相互病院(東京都立川市)の高橋雅哉院長(58)が9日、本紙の取材に「無観客でリスクが少しは減ると思うが、コロナ禍に猛暑が重なる時期。開催反対の意思は変わらない」と語った。
「医療は限界 五輪やめて! もうカンベン オリンピックむり!」との紙を張りだしたのは4月30日。院長が発案し、院内会議で了承された。「感染状況は五輪延期を決めた昨年3月より悪いのに、再延期や中止にならないまま開催が近づき、おかしいと考えた」と話す。
張り紙は会員制交流サイト(SNS)で批判もあったが、地元からは好意的に受け取られたという。五輪開幕への動きが進む状況に「人の流れを抑える緊急事態宣言と、(選手や大会関係者ら)海外から数万人が来る五輪は根本的に矛盾する」と批判する。
病院では昨年4月のコロナ患者受け入れ後、中途採用できた看護師は例年の3分の1の5人。新型コロナの入院患者は6月末に2人まで減ったが、再び増えて12人と、現時点で稼働できる16床に迫る。「開催されたら、災害が起きたと思って対応する。五輪関係者が搬送されても、一般と同じように受け入れる」と決意する。
 
 
 

 

●首都圏・大阪・沖縄で酒停止 実効性が課題 東京12日から緊急事態宣言 7/11
政府は12日、新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」が適用されている東京都に4度目となる緊急事態宣言を発令する。
宣言を延長する沖縄県とともに、飲食店に酒提供の一律停止を求める。重点措置を継続する埼玉、千葉、神奈川、大阪4府県も飲食店の酒提供を原則停止とする。
東京、沖縄の宣言、4府県の重点措置の期限はいずれも8月22日。東京五輪(7月23日〜8月8日)やお盆休みの期間が含まれ、人の移動による感染再拡大が懸念されることから、事業者や国民に対策の徹底を改めて呼び掛ける。
政府が重視するのが飲食店などでの感染対策だ。現在の重点措置下の首都圏4都県などでは条件付きで午後7時までの酒類提供が認められてきたが、東京都は酒類やカラオケを提供する飲食店に休業要請する。
重点措置区域の酒提供は週明け以降、原則停止となり、知事の判断で緩和できるようにした。酒を出さない場合でも、午後8時までの営業時間短縮を引き続き求める。
酒の提供停止要請をめぐっては、従わない飲食店が少なくない。いかに協力を得るかが課題となる。
政府は飲食店に支給する協力金について、誓約書提出を条件に先払いできるようにする。協力金を申請しても支給まで時間がかかり、要請を拒む店舗があったためだ。また、酒の販売業者には、要請に応じない店との取引を行わないよう求める。都府県の命令に従わない事業者には過料を科す。
北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県に適用中の重点措置については、7月11日の期限で解除する。 

●小池知事の「50代問題」対策 東京で「最後の緊急事態宣言」は?  7/11
4度目の緊急事態宣言の発令が決まった東京都。新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、小池百合子知事が対策の1つとして打ち出したのが「50代問題」対策だ。感染者数が全国で最多の東京では、入院患者も重症患者も世代別で50代が最も多くなっているためだ。東京五輪の開幕が23日に迫る中、「何としても最後の緊急事態宣言に」と話した小池知事。50代問題の対策で感染者抑止をできるのか。
50代 入院、重症患者が最多
「高齢者のワクチン接種の効果もあるように思うが、陽性者数も入院患者数も高齢者層から50代に移ってきている。フェーズが変わって50代が最も多い状況にあるわけで、まさに『50代問題』と言っても過言ではない」
東京に緊急事態宣言が発令されることが決まった8日夜、小池知事は臨時会見で、「都民の命・健康を守る3つの柱」として、1飲食店対策の強化250代問題への重点的な対応3ワクチン接種の推進ーを打ち出した。
柱の対策の1つとして、50代問題を上げたのは、50代の入院患者数、重症患者数が増えているためだ。
年代別の入院患者数1673人(7日時点)のうち、50代は355人で全体の21%。60代(188人)、70代(155人)を大きく上回った。年代別の重症患者数62人(7日時点)でも、60代が12人、70代が17人だったのに対し、50代が全体の37%を占めて最多だった。
基礎疾患多く
小池氏は「50代の重症者は、男性の方が多い。心疾患、糖尿病、肝機能障害などの基礎疾患をお持ちの方、高血圧、高コレステロール、メタボの方も多い。さらに喫煙歴のある方も重症化のリスクが高いと、このような指摘がある。特に注意が必要になる」と指摘した。
さらに感染経路について「職場また飲食店で感染して(家庭に)持ち込んでいるという可能性が高い」。50代は基礎疾患を持つ人が増え、働き盛りで会食などをする機会も多いことから入院、重症者が増えているとの認識を示した。その上で、テレワークの徹底や、商談、打ち合わせなどでのオンラインの推進、飲食やお茶をする際は、小人数、小声、短時間の徹底を呼び掛けた。
翌9日の定例会見でも、小池氏は50代問題の対策の重要性を繰り返し「高齢者のワクチン接種は、7月中には希望する全ての方々の接種は完了するという予定だ。50歳代に対してのワクチンの接種を集中的に進めていく」とし、国に必要なワクチンの供給確保を求めた。
さらに「ワクチンが皆さんに行き渡るまでの間というのは、これまで通りの基本的な感染防止対策の徹底、それから人流の抑制ということが大事になっていく。一方でワクチンの接種のスピードを(いかに)上げていくかと、この両方でいくしかない」とし、「何としてでも最後の緊急事態宣言にしていく。そのためにも、皆さん一人ひとりの行動、これが鍵になってそして未来を作っていく」と呼び掛けた。
「安全、安心な五輪進める」
23日からは東京都、神奈川、千葉、埼玉の1都3県を無観客にしての異例の形で東京五輪が始まる。無観客とはいえ、五輪の開催は感染者の増加につながらないのか。
9日の記者会見では、記者から「感染状況や医療提供体制がさらに悪化したとしても、今後の大会中止の判断ということは、あり得ないのか」と質問が出た。
小池氏は「コロナ禍で世界中がうつむいてきた、この中でスポーツの力を持って、世界中40億人の方がご覧になる」とした上で、「そういう意味で安全・安心な大会を進めていくことについては、IOCも、またその後のパラリンピックのIPCも、国、組織委員会、そして当然私どもも同じ思いでございます」と東京五輪の意義を強調した。

●杉村太蔵、東京の緊急事態宣言に「憲法違反だと思います」… 7/11
元衆院議員でタレントの杉村太蔵が11日、TBS系「サンデー・ジャポン」(日曜・午前9時54分)にコメンテーターとしてリモート出演した。
番組では、東京都のまん延防止等重点措置が11日に期限を迎え、12日から4度目の緊急事態宣言が発出されることを報じた。
MCの「爆笑問題」太田光から「(これまでの緊急事態宣言は)若い人が動き回って高齢者にうつすのを防ぐために人流を止めるというのがあったけど、ワクチンが普及する中で今までと同じ緊急事態宣言を出す意味を、もう少し深く説明して欲しい」と菅義偉総理に詳しい説明を求める発言を受け、「菅総理の会見を見たけど、そこの説明が全くないでしょ」同調。「(7日に)920人の感染者が出た時も、60歳以上の感染者はわずか60数名ですよ。ワクチンの効果が出ている。7月に入ってから、亡くなっている方はずっと一ケタですよ」と熱く語り、「この状態で緊急事態宣言を出すって、僕は憲法違反だと思いますよ」と主張した。

●東京に4度目の「緊急事態宣言」8月22日まで 7/11
菅義偉総理は8日、東京に4回目の「緊急事態宣言」を発出、首都圏の千葉、埼玉、神奈川と大阪の4府県に対しては「まん延防止等重点措置」を延長。沖縄県についても「緊急事態宣言」を延長すると発表した。いずれも8月22日まで。東京の「緊急事態宣言」は7月12日からスタートする。
菅総理は「新型コロナウイルス感染症は全国的には減少しているが、東京を中心とする首都圏は6月末以降、感染者数の増加が続いている」とし、「変異株の影響も考慮する」とし「再び全国への感染拡大を波及させないためにも対策を強化する必要がある」とした。
これにより、五輪開催を強行するには東京・千葉・埼玉・神奈川の4都県での五輪競技は「少なくとも完全無観客でなければ国民の理解を得るのは程遠い状況になる」との見方が強まっている。
ネット上では「緊急事態なんだったら、まずオリンピックなんて出来ない。普通に考えたらフェスも中止ならオリンピックだって同じだし、緊急事態宣言出すならオリンピックだって出来ない。なぜオリンピックだけ強行しようとするのか全く理解できない。税金は国民のために正しく使ってほしい」「各地で聖火リレーやオリンピックなんてやっている場合ではないと思う」。
「何故政治家や彼らと懇意にしている特定企業や五輪選手の為に国民や国内企業が我慢しなければならないのか。五輪には応援どころか憎しみしかない」「学校では一生に一度の体育祭や文化祭ができない。でも五輪はやる。本当に理不尽だし、これじゃあ感染者数も減らない」などなど開催そのものに厳しい声が相次いでいる。5者協議での観戦の取り扱いが注視される。

●“宣言”が出る東京や“まん延防止”の4府県 夜間の人出増加  7/11
4回目の緊急事態宣言が出されることが決まった東京や、まん延防止等重点措置が延長される埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県では、10日の人出が夜間中心に1週間前より増加しました。
NHKは、IT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て、個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使って、東京や沖縄などの主な地点の人の数を分析しました。
分析した時間は、日中が午前6時から午後6時まで、夜間が午後6時から翌日の午前0時までです。
それによりますと、10日の東京の人出は1週間前と比べて、渋谷スクランブル交差点付近で日中は27%、夜間は48%、東京駅付近では日中が1%、夜間は10%それぞれ増加しました。
また緊急事態宣言の延長が決まった沖縄でも、那覇市の県庁前駅付近で日中は11%、夜間は80%増加しました。
このほか、「まん延防止等重点措置」が延長される埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県では、さいたま市の大宮駅付近で日中は3%、夜間は15%、横浜駅付近で日中は1%、夜間は28%、大阪梅田駅付近で日中は4%、夜間は9%増えました。また千葉駅付近では日中が1%減ったものの、夜間は12%増加しました。

●4回目の「緊急事態」…急増するデルタ株の脅威 7/11
(高島)東京に出される4回目の緊急事態宣言で感染拡大を抑えられるのか、感染症がご専門の水野泰孝さんにお話を伺います。
東京のきょうの感染者は950人ということで、1000人に迫るような勢いです。水野さん、それに伴って重症者が増えている、ここが気になりますね。いかがでしょうか?
(水野さん)東京都の重症者数ですけども、今ワクチンが高齢者の方にかなり進んでいます。ですので重症者の中でもこれまでは60代70代の方が非常に多かったところがその高齢者の割合が減ってきてるというところは朗報だと思います。ただその一方で、40代50代の方の重症者の割合が増えている所、ここが懸念されるところでして、特に最近のデルタ株は若年者でも重症化する可能性があるといわれてますので、この辺が懸念されることだと思います。
(板倉)今回の主な対策をまとめました。まず飲食店についてですが、これは前回同様、酒類の提供の停止を求めます。これに応じない場合はお酒を卸している業者に対して取り引きしないよう求めるということなんです。また百貨店などについては、午後8時までの時短を要請するとしていまして、イベントについては観客を5000人までとするなどとなっています。
(高島)水野さん、今回の対策全体的にご覧になっていかがですか?
(水野さん)これまでの対策とそれほど変わってないような印象はあります。ただ、今月の終わりに迎える東京オリンピックがありますので、このあたりを見据えたところなのかなと思います。あとは、私の実際に診療している現場の印象なんですけども、今ワクチン接種が非常に進んでますので、おそらく保健所では、このワクチン接種の業務でかなり逼迫してるところが影響してるからかなと思うんですけれども、これまでと同じような積極的な疫学調査が少し緩くなってるような印象を持っています。特にこれまでは保健所から直接濃厚接触者の依頼をかなり受けてたんですけども、最近では保健所からというよりかは、各職場とか、あるいはご家庭から検査をしてほしいという依頼が非常に増えてますのでこの辺りの早期の発見、それから早期の検査、早めの対策。この辺が望まれるかなとは考えてます。
(高島)何度も繰り返される緊急事態宣言ですが、1回目のときは、1週間平均の感染者が約7人で解除されました。それが2回目になりますと301人で解除。そして3回目は388人で解除ということで、下がりきる前に解除されたからでしょうか、次の宣言に入る間隔も短くなってきています。閑歳さん、わずか3週間で再び緊急事態宣言ということになりましたけど、どのようにご覧なってますか?
(「Zaim」代表 閑歳さん)東京では前回の緊急事態宣言からの期間があまりにも短くて、また、ワクチンの接種の進捗も相まって、人流が十分に下がらないのではないかというふうに危惧しています。
(高島)本当ですよね。早かったですね、やはり「オリンピックを有観客でやりたい。だったら整合性をとってこの辺りでも解除しなければ」と、そう考えたのかなというふうにも感じてしまいますね。
(閑歳さん)そうですね。家計簿を分析すると、ワクチン接種が先行している65歳以上の方たちの経済活動が非常に伸びているような状況というのが見えてきています。例えば、今年の5月末と6月末の1週間で比べると、65歳未満の方の旅行費用というのは微増ぐらいなんですが、65歳以上になりますと約4倍以上に増えているような状況というのが見て取れています。
(高島)まさしくワクチンの安心感なのかなという感じがしますが、水野さん、65歳以上の方は、たぶんワクチンを2回打たれた方だと思うんですけれども、お店で飲食される方というのもいろいろ増えていると、この辺りいかがですか。
(水野さん)この感染症というのは、マスクなしで会話をする機会で感染が起こりますので、その辺りしっかり対策をしていただくということが大事です。それから、ワクチンは1回だけですとなかなか変異株に対しては効果が十分ではありませんので、しっかりと2回打って頂いて、さらにそれから2、3週間してからしっかりと免疫がつくということを認識しておく必要がある思います。
(高島)そして心配なのがデルタ株です。東京でも昨日、デルタ株の感染者が過去最多となるなど増えてきています。これまでと同じような対策で、感染拡大に歯止めをかけることできるんでしょうか。
(水野さん)感染対策としては、先ほど申し上げましたけども、飛沫ですよね。マスクなしでの会話の機会を減らすことには変わりません。ただ最近、私のところでもこのデルタ株の患者さんを何人か拝見してるんですけども、これまでは大人数で長時間で飲食の機会を持たれた方が感染するのが目立ってたんですけども、こういったデルタ株の方は、少人数で短時間でも飲食の機会があった。それでも陽性になってるという方が目立っておりますので、このあたりはしっかりとした対策をする必要があるかなという風に考えています。
(高島)一方の緊急事態宣言中に開催されることとなりました東京オリンピックです。東京など1都3県と北海道では無観客での開催が決まっていましたが、きょう福島も無観客にすると発表がありました。水野さんこの感染リスクという点では「無観客」についていかがでしょうか。
(水野さん)人人感染する感染症ですので、人が集まる機会が減ればリスクは減ると思います。ただその一方で、これはお客さんだけの問題じゃなくて関係者の方ですね。この関係者の方でもほぼ数万人がいるという風に伺ってますので、こういった周りへの対策もしっかりと必要かなというのは考えてます。

●昼飲み族で浅草賑わう「こうやって飲めるの最後」12日から緊急事態宣言 7/11
東京都は12日から8月22日まで、4度目の新型コロナウイルス緊急事態宣言期間に入る。感染再拡大を踏まえ、お盆や夏休みの人流を抑制したい考えだが、「宣言慣れ」も懸念され、効果は不透明だ。11日、観光客でにぎわう東京の下町・浅草は昼から酔客でにぎわった。通称「ホッピー通り」こと公園本通りには生ホッピーや生ビールをゴクゴクと豪快にあおる昼飲み族が大挙して押しかけた。
「こうやって飲めるのは11日が最後だからね」「東京五輪は自宅でテレビかぁ」「12日から緊急事態も4度目、飲まないとやってらんない」とヤケ気味で乾杯を繰り返す。中には「内緒でお酒の飲める店だってあるでしょ。そういうところを探すよ」と、酒を求める声も上がったが、ホッピー通りの居酒屋「浅草なつの」夏野丈太郎店主(49)は「12日から8月22日の期限まで休みます。とにかくコロナを封じないといけない。他の店主さんも悩みに悩んで店を閉めると…ここが踏ん張りどころです」と唇をかみしめる。
仲見世通りの土産物店では「もうこの1年、どうしていいのか分からない中、店を開いてきた。12日からも開け続けますよ」とため息まじり。それでも「日本国内に住む外国人が『国の親戚や友人に送るんだ』とまとめ買いしてくれることもあって、ありがたいね」と、わずかのインバウンドの効果にも感謝する、夕方からはゴロゴロと雷鳴がとどろき、激しい雨に見舞われた。浅草を訪れた人々は、足早に帰路を急いでいた。
道路占拠で台東区から立ち退きを指導された伝法院の商店街も緊急事態宣言に予定を狂わされた。商店街存続の署名活動も順調で「ニュースを見てくれた人がわざわざ北海道とか九州から訪ねにきてくれる。ありがたい」と浅草伝法院商栄会の西林宏章会長(59)は話す。すでに1万人以上の署名が集まり、早ければ12日にも区に提出するはずだったが、緊急事態発令でいったんは署名提出を見送った。「区とけんかするつもりはない。この署名をきっかけに和解できる点をみつけたい」と西林会長は話した。
 
 
 

 

●東京、4度目の緊急事態宣言スタート…五輪終盤に感染者1500人の危機  7/12
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都は12日から8月22日まで4度目となる緊急事態宣言に入った。宣言中には、東京五輪の開催期間(7月23日ー8月8日)がすべて含まれる。政府や東京都は、飲食店の酒類提供を再び停止し、人流の抑制を呼び掛けて感染の抑制を図るが、夜間の人手は減っておらず、インド由来のデルタ株の影響で五輪期間の終盤には1日当たりの感染者が1500人に達するのではとの懸念も出ている。(デジタル編集部)
繁華街に深夜まで人流
「昨日、夜遅い時間まで記者会見を行わせていただいて、その後、私も都庁を出た後も繁華街などを見て回った。雨がそぼ降るにも関わらず、かなり多くの方々が出ていた。路上でバーを開いてるような方などもあった」 東京都の小池百合子知事は9日の定例記者会見で、緊急事態宣言の発令が決まった8日夜に都内の繁華街を周り、人流の多さに危機感を感じたと明かした。小池氏が人流の多さを指摘したのは、今後東京の感染者が急激に増えると懸念されるためだ。8日に都のモニタリング会議で行われた専門家の報告によると、7日間平均の新規陽性者は、7日時点で約625人となり、約503人だった1週間前の6月30日と比べて1.24倍に。「感染が再拡大している」と指摘された。さらにこのままの増加が続けば、五輪開幕後となる3週間後の7月28日には今の1.91倍の1日当たり約1192人に。五輪が終盤に差しかかった4週間後の8月4日には今の2.36倍のおよそ1478人になり、「第3波における年始とほぼ同レベルの新規陽性者数になる」という。
短期間に急激に感染者増の恐れ
都内では感染力が強いインド由来の変異株「L452R」の感染割合が増え始めており「さらなる人流の増加やL452Rの影響によって増加比がさらに上昇すると予測値はさらに増加し、第3波を超える急激な感染拡大の危険が高くなる」という。また専門家からは、都内の深夜帯の滞留人口は第4波に突入した3月末頃と同じ高い水準にあり、「第4波よりも早いペースで感染状況が悪化する可能性がある」との見方が示された。つまりこれまで以上に短期間に急激に感染が広がることが懸念されている。こうした状況を受け、小池氏は「今まで以上に、不要不急の外出、緊急事態宣言へとまたレベルが上がるので、人流を抑制すること、特に夜間の人流を抑えていく必要がある」と訴えた。
「安全・安心な五輪」は可能なのか…
ただこうした呼び掛けは、どこまで効果があるのか。既に緊急事態宣言は4回目となって「宣言慣れ」が指摘されるほか、今回は夏休みと重なっていて旅行などで人流の増加が懸念される。加えて首都圏では東京と、埼玉、神奈川、千葉の1都3県は無観客とはいうものの五輪が開催される。日本人選手が活躍すれば気分が高揚した人たちが夜に繁華街に繰り出したり、「五輪が開かれるのだからもう外出を我慢する必要はない」と考えたりする人が出てくる可能性もある。五輪について小池氏は「安全・安心な大会を開催をするということは極めて重要」とした上で、「世界の様相はコロナによって大きく変わった。そういう中でオリンピックという大会を、国際的な大会を行っていくということは、色々前例の無いことばかりになろうかと思う」と述べ、無観客開催についてこう語った。「(前回の東京五輪は)私自身、小学校だったが、テレビでアベベ選手が走り抜けるシーンをいまだに覚えている。今の放送技術などによって、色々な見せ方、楽しみ方を、東京だからできたという技術も工夫しながら作る。世界に同時に配信し、テレビを通じて繋がっていくことが、世界の連帯感、一体感を醸し出す、それらの意味で初めての大会になるのではないか」 無観客で五輪を開催する一方で、人流を抑え、1日1000人超が懸念される東京の感染を抑止することができるのか。東京にとって大切な4度目の緊急事態宣言の期間が始まった。

●通勤ラッシュに変化なく「電車は満員」…東京に4回目「緊急事態」  7/12
新型コロナウイルス感染拡大に伴う4回目の緊急事態宣言が12日、東京都に発令された。政府や都は出勤者の削減を目指しているが、都内の主要駅では初日の朝、宣言前とほぼ変わらない人出がみられた。
この日は沖縄県に対する緊急事態宣言と、神奈川、埼玉、千葉、大阪の4府県への「まん延防止等重点措置」も延長された。期間はいずれも8月22日まで。
4回目の緊急事態宣言初日、職場などに向かう人たち(12日午前8時41分、東京都中央区で)4回目の緊急事態宣言初日、職場などに向かう人たち(12日午前8時41分、東京都中央区で)
東京都中央区の都営地下鉄大江戸線の勝どき駅では12日朝、マスク姿の通勤客らが途切れることなく改札から職場へと向かっていた。墨田区の女性会社員(22)は「電車は満員で、普段より混んでいるような気がした」と話した。川崎市の男性会社員(63)は「宣言がマンネリ化していて効果があるのか」と首をかしげた。
読売新聞がNTTドコモの「モバイル空間統計」のデータを利用し、12日午前8時台の都内の主要駅周辺の人出を、重点措置期間中の1週間前の月曜日(7月5日)と比較したところ、東京駅で0・5%減、新宿駅2・2%減、品川駅3・5%減で、ほぼ横ばいだった。3回目の宣言後初めての月曜日(4月26日)と比較しても、東京駅4・3%増、新宿駅1・3%増、品川駅0・6%増で、人出の大きな変化はみられなかった。
今回の宣言に伴い、都内では12日から酒類を提供する飲食店に休業が要請される。酒類を提供しない店には引き続き、午後8時までの営業時間短縮が求められる。

●4回目の宣言初日 変わらぬ通勤風景「またか、という感じ」 7/12
新型コロナウイルス感染者の増加を受け、東京都に4回目の緊急事態宣言が出された12日の朝、東京駅前はマスク姿の通勤者が行き交い、宣言前と変わらない光景が見られた。
広告会社に勤める吹上卓也さん(40)は、数カ月前から電車通勤をやめ、自宅のある東京都墨田区から自転車で会社に通っている。「緊急事態宣言に慣れきってしまって社内でも話題に上がらない。またか、という感じ」と感想を漏らした。宣言の期間が東京オリンピックと重なることについて「五輪も自粛ムードで、本当にやるのかと疑わしくなるくらい盛り上がりに欠ける」と首をひねった。
品川区から通う事務職の60代女性の会社では、これまでもテレワークを推奨していたが、宣言が出たことで改めて徹底するよう社内に周知したという。女性は「知人と対面で会えない期間が続くことに困っている。(宣言だけでは)感染拡大を防ぐのに何が足りないのかよく分からない。科学的根拠を示してほしい」と嘆いた。
一方、千葉県市川市から勤め先に向かっていた男性(60)は「(感染が拡大している中では)宣言もやらざるを得ない。五輪もやることに変わりないのだから、(反対しても)どうしようもない」と現状を受け入れた。
政府は宣言を延長する沖縄県とともに、「まん延防止等重点措置」を適用していた東京都に4回目の宣言を発令し、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県はまん延防止措置を延長した。いずれも期限は8月22日まで。

●東京、4度目の緊急事態宣言 実効性が課題に 7/12
東京は、12日から、4度目となる緊急事態宣言に入りました。飲食店に対しては、再び、酒の提供停止が要請されています。
「もう4度目ですよね。あまり(効果は)期待できないですよね。やはり、五輪がかなり影響してると思う。開催するためには」(60代会社員)
「飲む人はどこでも飲むし、やってるお店は宣言関係なくやってるところはやってるし」(50代会社員)
12日から来月22日までとなる今回の緊急事態宣言で、東京都は、飲食店に対し、酒を提供する場合は休業を要請し、提供しない場合は午後8時までの時短営業を要請します。
一方で、前回、4月に出した緊急事態宣言の際には、デパートや映画館、博物館などに休業要請が行われましたが、今回は、時短要請にとどまっています。また、前回は「無観客」を要請されたイベントや劇場についても、観客を5000人以下、かつ定員の半分以下としたうえで開催が認められます。
ただ、東京都の新たな感染者数は、直近の7日間平均で、一日当たり733.9人と、前回の宣言が出された時期を上回る形で増加しています。前回の第4波をもたらしたイギリス型の変異ウイルスよりも1.5倍ほど感染力の高いとされるインド型のデルタ株が増える中、宣言の実効性が課題です。
「4度目の緊急事態宣言初日となったきょう、松屋銀座はこれまでどおりオープンしました」(記者)
都内の百貨店も対応に追われています。松屋銀座では営業時間はこれまでと変わらないものの酒類の提供停止要請にともない、ビアガーデンでのアルコールの提供を中止することにしました。このビアガーデンは先月末に始めたばかりで、今月21日からはスタート時間を前倒ししてランチ営業を始めます。
「アルコールが出せないことは残念ではございますけれども、安全安心な環境を継続するということを第一に、あくまで前向きに捉えたい」(松屋銀座 柏木雄一食品担当部長)

●東京都 きょうから再び緊急事態宣言 五輪控え抑え込み課題  7/12
東京都は12日から4回目となる緊急事態宣言の期間に入り、酒を提供する飲食店に対して休業を要請します。オリンピックの開幕が来週に迫る中、宣言のもとでの強い対策に理解と協力を得ながら大会の成否にも関わる感染の抑え込みができるかが課題となります。
東京都は12日から4回目となる緊急事態宣言の期間に入り、前回・3回目の宣言が解除されてから1か月もたたないうちに再び宣言が出されることになります。
今回の宣言で、都は酒やカラオケ設備を提供する飲食店に対しては休業を、提供しない場合は午後8時までの時短営業を要請します。
都はこのほか都民に対して日中も含めた不要不急の外出と移動を自粛し、特に帰省や旅行などの都道府県をまたぐ移動は極力控えるよう求めます。
オリンピックの開幕は来週の金曜日・23日に迫っていて、宣言のもとでの強い対策に理解と協力を得ながら大会の成否にも関わる感染の抑え込みができるかが課題となります。

●12日から4度目の緊急事態宣言 東京 614人感染 22日連続で上回る  7/12
新型コロナウイルスの感染が再び拡大している東京都では、12日から、4度目となる緊急事態宣言の期間に入る。
都内では11日、新たに614人の感染が確認され、年代別では、20代が208人と最も多く、30代の119人とあわせると感染者全体の半数以上を占めている。
1日の感染者数としては、22日連続で前の週の同じ曜日を上回っている。また、そのほかに神奈川県が389人、千葉県が183人、大阪府が167人、埼玉県が163人などとなっている。
感染拡大が止まらない東京都では、7月12日から8月22日までの6週間、4度目となる緊急事態宣言の期間に入る。この間、酒類やカラオケを提供する飲食店などに休業を要請し、酒類を提供しない飲食店には、午後8時までの営業時間の短縮を求める。百貨店などの大規模商業施設には休業を求めず、午後8時までの時短要請を継続する。

●東京に緊急事態宣言 酒提供停止要請 実効性どう高めるか 7/12
東京都は、12日から4回目の緊急事態宣言の期間に入りました。政府は、飲食店での感染対策を強化するため、宣言を延長した沖縄県とあわせて酒の提供停止を要請することにしていて、実効性をどう高めるかが課題となります。
東京都は、12日から4回目の緊急事態宣言の期間に入り、沖縄県でも宣言が延長され、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県では、まん延防止等重点措置が延長され期間は、いずれも来月22日までとなります。
来週23日から来月8日まで東京オリンピックが開かれ、その後はお盆休みが控えているため、政府は、人の移動が多くなることによる感染拡大や、変異ウイルスの広がりが懸念されるとして、対策の徹底を呼びかけています。
とりわけ、飲食店での感染対策を強化するため、宣言の対象の東京と沖縄では、酒の提供停止を要請し、重点措置を延長した4府県でも酒の提供を原則停止し、知事の判断で緩和できるようにします。
加藤官房長官は、11日、NHKの番組「日曜討論」で「飲食店では酒を提供しないと経営に本当に影響がある。協力金の先渡しも含め、協力して頂ける状況を作ることに努力したい」と述べていて、対策の実効性をどう高めるかが課題となります。
一方で、政府は、ワクチンの接種率を高めることで重症化リスクを低減させ、感染を抑え込みたい考えで、病床の状況などに改善が見られる場合には、期限前の宣言の解除も検討する方針です。

●東京4度目“緊急事態宣言”に「意味薄い」 五輪中1000人超 感染予測も  7/12
新型コロナウイルスの感染が再拡大する東京都で、4度目となる緊急事態宣言が12日に発令され、千葉・神奈川・埼玉・大阪の4府県は、まん延防止等重点措置が延長された。期間は、8月22日までとなる。
12日朝の品川駅では、通勤する人などから、前回の宣言解除から、およそ3週間での再発令に効果を疑問視する声などが聞かれた。
会社員(40代)「(宣言の)意味が薄くなっている。もう慣れちゃってて、緊急事態っていう気はみんなしていない」
事務職(20代)「(まん延防止等重点措置の時との違いは?)電車もまあまあ混んでいるし、全然変わらない気がする。この間の(宣言を)解除した意味あったのかな」
会社員(50代)「(4度目の宣言発令となるが?)今回はさすがにないと思っていたのでショック」
先週の東京都の専門家会議では、今のペースで新規感染者数が増えれば、オリンピック期間中に1,000人を超えるとの分析が示されている。緊急事態宣言の期間中、東京都は飲食店に午後8時までの時短営業を求め、酒類の提供自粛を求めるほか、これができない店舗については休業を要請する。

●「ただただ上から目線でお願いしますじゃ国民も我慢し切れません」 7/12
12日放送の日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月〜金曜・午後1時55分)では、新型コロナウイルスの新規感染者数が22日連続で前週を上回り、8月22日までの緊急事態宣言発出となった東京都の様子を伝えた。
コメンテーターでリモート出演の俳優・梅沢富美男は「今日、車で(局まで)来ましたけど、車も多いですし、人がたくさん出てましたね」とコメント。
その上で「それはやはり、国が(感染者数や病床使用率が)このくらいまで来たら解除しますよと言ってくれれば、こうなったら解除しますから我慢して下さいと言ってくれるんならいいけど、ただただ、お願いしますと。上から目線で。それじゃあ、国民も我慢し切れませんから。国にそのことをお願いしても無理だと思います」と厳しい口調で訴えていた。

●酒販業界「世間知らずだ」、政府に反発 規制強化が悪循環の恐れ 7/12
新型コロナウイルス特別措置法に基づき東京都に4回目の緊急事態宣言が12日発令されたが、規制が強化された飲食店や酒類販売業界などの反発が強まっている。今回から政府が酒の卸売業者に、酒類提供を続ける飲食店との取引を自粛するよう要請したためだ。ただ、飲食業界だけが狙い撃ち≠ウれる不信感や反発から、酒類を提供する店は増えているとの指摘もあり、規制強化が悪循環に陥っている恐れもある。
「信頼関係で成り立っているのに(店から酒を)頼まれて断るなんてできない。考えた人間はよっぽど世間知らずだ」。東京都新宿区の業務用酒販店「佐々木酒店」の佐々木実社長(66)はそう憤る。
内閣官房と国税庁は8日、問題店舗との取引を止めるよう、卸売業者に文書で要請した。佐々木氏によると、飲食店は納品に訪れる卸売業者に店の鍵を預けるほど、普段から強い信頼関係がある。いくら政府の要請でも、強制力のない今回の措置に「従う業者はいないだろうね」と話す。
全国小売酒販組合中央会も9日に政府宛の抗議文を発表。取引停止に対する補償がなく、注文を断れば顧客を失う恐れがあるからだ。水口尚人事務局長も「無理筋の依頼に応じてほしいとはいえない」と、会員に対して特段の働きかけはしない方針だ。
業界の慣習を無視した政府の対応を疑問視する声は金融業界からも出ている。西村康稔経済再生担当相は8日に問題店舗の情報を取引金融機関に流し、順守を働き掛けてもらう方針を表明したが批判が噴出、翌日に撤回した。ある銀行関係者は「飲食店目線があまりにも弱い」とあきれる。
一方で政府の意向に反し、営業する飲食店は増えているとみられる。飲食店の法律問題に詳しい石ア冬貴弁護士は「肌感覚だが中小店の半数くらいは営業を続けている印象だ」と語る。過料を払ってでも営業した方が有利なことも多く、隣の店がやっているからと営業再開に踏み切るケースが目立つという。石ア氏は「罰則を強化して補償を充実させるなど、正直者が損をしない仕組みづくりが必要だ」と話している。

●「帰省や旅行控えて」緊急事態宣言・「まん延防止」の対象区域 青森県 7/12
東京都の緊急事態宣言などを受けて三村知事は対象区域の人たちに夏休みやお盆の時期の県内への帰省や旅行を控えるよう呼びかけました。
県は東京・沖縄対象の緊急事態宣言と4府県対象のまん延防止等重点措置を受けて危機対策本部会議を開きました。
会議では三村知事が宣言や措置の期間中、対象区域との不要不急の往来を控えるよう県民などに改めて呼びかけました。
「(対象区域の人は)夏休みやお盆における青森県への帰省や旅行などを控えていただくことをお願いせざるを得ない」
会議では県内全ての医療圏域で病床使用率がステージ3の基準の20%を下回っていることが報告されました。一方、県は変異ウイルスの割合が高まっているほか感染経路不明の新しい感染者が増えているとして感染対策の継続を呼びかけました。

●玉城知事、ワクチン確保訴え 沖縄の緊急事態宣言、再延長期間に入る 7/12
沖縄県は12日から8月22日まで、新型コロナウイルス緊急事態宣言の再延長期間に入った。5月23日の発令以来、沖縄に宣言が出される期間は3カ月に及ぶことになる。感染状況の改善やワクチン接種の加速化などで、県は7月中の前倒し解除を目指す姿勢を打ち出している。宣言期間中の酒類提供店舗への休業要請や、飲食店への営業時間短縮要請は継続する。
玉城デニー知事は11日、全国知事会新型コロナウイルス緊急対策本部会議にオンラインで参加した。玉城知事は感染対策の切り札となるワクチン接種の加速化に向け、3カ所目となる広域接種センターの設置に向け「早期のワクチンの必要量の確保を国に強く働き掛けてほしい」と訴えた。
県内では那覇市の県立武道館と宜野湾市の沖縄コンベンションセンターの2カ所に広域接種センターを開設、接種券がある18歳以上の全県民が接種を受けられる。県は那覇市の那覇クルーズターミナルにも広域接種センターを設置し、15日から開所する予定だったが、ワクチンの供給不足で遅れる可能性が出ている。
再延長が決まった緊急事態宣言について「長期にわたることで県民、業界には負担を掛けている」と述べ、改めて早期解除に向けて感染防止対策に徹底して取り組む考えを示した。

●「とにかく我慢してくれ、絞りに絞ってくれと言われても耐えられない」 7/12
12日放送の日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月〜金曜・午後1時55分)では、新型コロナウイルスの新規感染者数が22日連続で前週を上回り、8月22日までの緊急事態宣言発出となった東京都の様子を伝えた。
宮根誠司キャスターは「単に日にちだけ決めちゃって緊急事態宣言というのはなかなか、耐えられないと思う」と話すと、「例えば、感染者数がこれくらいだったら、こういう解除をするとか、病床がこれくらい空いたら、こういう解除をするよとか、ロードマップがないと、とにかく22日まで皆さん我慢してくれ、絞りに絞ってくれと言われてもたまらないですよね」と厳しい表情で続けていた。

●“西村発言”に怒り心頭の飲食店が決起! 「自公以外に投票」ポスター 7/12
12日から東京都では4度目の緊急事態宣言が発効し、飲食店には営業時間短縮及び休業や酒類提供の原則停止が求められる。政府の無策ともいうべき状況に怒り心頭の飲食店に、決起を求める呼びかけが広がっている。
ネット上で拡散されているポスターがある。
「当店はしっかり感染防止対策をしています。不公平な『緊急事態宣言』には断固反対します。秋の総選挙では、自民党と公明党以外に投票します。お客様もご協力ください」。賛同する店はプリントアウトし、店先に掲示するようお願いされている。
きっかけは元日本マイクロソフト社長・成毛眞氏のSNSでの投稿だ。
「(政府は)もはやグダグダなのだから、秋の総選挙は都議選以上の波乱が起こるだろう。政党名を書く比例代表区で自民党は大崩れするのではなかろうか。それに乗じて東京の飲食店は統一ポスターを用意するべきだ」「飲食店は自分たちが激怒していることを効果的に表現しないとダメ」などと8日に呼びかけた。
これにホリエモンこと堀江貴文氏(48)が賛同。堀江氏が外部講師を務める「堀江政経塾」塾長で、昨年の都知事選にも出馬していた斉藤健一郎氏(40)も呼応し、同塾が主体的に動いている。
さらに西村康稔経済再生担当相(58)が政府の要請に応じない飲食店に対し、「金融機関から働きかけを行っていただく」と発言したのも飲食店の怒りに拍車をかけている。 
自身も飲食店経営者だった斉藤氏は「経済の循環を止めてまで、飲食店を閉める必要があるかについては甚だ疑問。多くの飲食店が非常に苦しんでいる姿を見てきた。(自公への投票NOは)政府への批判ではない。自民党が強過ぎるがゆえに乱暴な政策が通ってしまう。西村大臣の発言も一種の油断からきている。与党の支援者がポスター掲示してくれた方が本意でもある。ぜひ政府与党には緊張感を持ってほしい」と話した。
賛同の声は着実に広がっており、目標は都内5万店への掲示。政府、自民党に怒りのメッセージとして、届くのか。

●都内バス会社 緊急事態宣言と五輪無観客で二重苦 7/12
東京の老舗バス会社「はとバス」は、東京都に12日から4回目の緊急事態宣言が出され、オリンピックも無観客となったことで、期待していた観光需要が見込めず二重苦に陥っています。
オリンピック・パラリンピックの大会期間中、会場への関係者の輸送を担う計画もありますが、社員の一部は休業せざるを得ない状況だということです。
東京・大田区に本社がある老舗バス会社の「はとバス」は、東京都が12日から4回目の緊急事態宣言の期間に入るのを受けて、都内を発着するほぼすべてのツアーを運休することになり、キャンセルなどの対応に追われています。
会社では、緊急事態宣言が出されるたびにすべてのツアーを運休していましたが、今回は、感染対策を施した屋根のないオープン型のバスで、途中下車せずに都内の観光地を巡る1コースだけは、運行を継続するということです。
また、オリンピックで1都3県の会場が無観客となったことで、大会期間中に期待していた観光需要も見込めなくなりました。
会社によりますと、緊急事態宣言が断続的に出されているため、ことしに入ってから110台のバスの多くがツアーのために稼働できない状態が続いています。
ワクチンの大規模接種会場への送迎バスを運行しているほか、オリンピック・パラリンピックの大会期間中に会場への関係者の輸送を担う計画もありますが、社員の一部は休業せざるを得ない状況だということです。
はとバス広報室の本田寛奈さんは「ワクチン接種が始まり、夏休みに旅行需要が回復するかと思っていたところで再び緊急事態宣言が出たので、非常に悲しいです。感染状況を踏まえればしかたないとは思います」と話していました。

●菅官邸の崩壊加速!ワクチン頼みの失敗、五輪観客で迷走、宣言の連発 7/12
ワクチン頼みの失敗、五輪観客の有無で迷走、緊急事態宣言の連発など、菅首相の求心力はかなり低下してきているようだ。それに加えて、お友達人事、地元の市長選に首相秘書官人事と、抑えが効いていないトラブルが散見される。すでに菅官邸の崩壊も始まっているようだ。
「ここに来て空気が変わった感じがする。菅さんがどこまで持つのか、心配になってきた」
そう話すのは、自民党のある閣僚経験者だ。どういうことなのか? 
「何が何でもワクチン頼みで来たのは間違っておらず、感染状況に落ち着きが見られるとされる『2回目接種40%』にできるだけ早く到達したいという狙いがあったわけですが、供給が滞ってしまった。五輪に観客を入れるか否かは、橋本組織委会長が有観客にこだわりすぎて開幕2週間前でやっと決着というドタバタで、“最後にしたい”と菅さんが言う緊急事態宣言は連発しすぎて効果はそう多くは望めない。なかなか今後の展望が描けない印象がありますね」
橋本氏の立場で言うなら、森喜朗会長が突如退場して火中の栗を拾うように就任したポストでなかなか見せ場が作れない中、計7回におよぶ五輪出場歴を持つ会長として選手目線で主張できるのが「有観客」だったということだろう。
それはともかく、東京に限って言えば、今年、緊急事態宣言と「まん延防止等重点措置」が出ていない日を見つける方が難しいほどだ。
その一方で、コロナや五輪関連ほど目立たないにしても、その求心力が問われるような出来事がいくつか起こっている。例えば、都議選直後に山口泰明選対委員長が引退・不出馬を表明したことについて、記者がこう解説する。
「山口さんは会見の席上、70歳で一区切りと言っていましたが、去年、菅政権ができた時から引退はほぼ既定路線でした。菅さんと山口さんは当選同期で昵懇の間柄。山口さんが地盤を譲ることになる次男を菅事務所で受け入れて秘書として経験を積ませるなどもしてきました。山口さんは選対トップのポストを解散総選挙まで続けると言いますが、これも菅さんのお友達人事の悪いところ。負けても責任を取る必要のない人が仕切る選挙にはヌルい空気が流れがちで、足をすくわれかねません」
国会議員も秘書も、“菅さんは本気で選挙に勝つ気でいるのか”と言う人は少なくないという。文字通り菅首相の求心力は下がる一方のようだが、横浜市長選に現職が4選を狙って出馬の見込みだというニュースもまた、「菅さん、大丈夫なの?」の声を増幅させている。
「横浜市と言えばもちろん、菅さんのお膝元。現職に対して一旦鈴をつけたのは菅さん本人で、菅さんの盟友・小此木一郎氏が閣僚を辞任して出馬することで収めようとしたのに、いわば“菅裁定”に現職が公然と反旗を翻したというわけです。仮に現職が出馬辞退に追い込まれたり、出馬して小此木氏が圧勝したりしても、地元すら抑えられない人が国家の将来をどう担っていくのかという批判はずっとつきまとい続けるでしょう」(同)
加えて、足元の首相秘書官人事をめぐっても混乱があった。6日の閣議で、首相秘書官の上限を7人から8人に増やすことを決めた上で、昨年末まで秘書官を務めていた新田章文氏を再び起用する人事を発表している。
政治部デスクによると、「新田氏は2006年から菅さんの秘書を務め、去年9月の政権発足時から首相秘書官に起用されましたが、財務省の寺岡光博氏と交代する形で今年1月1日付で辞職していました。寺岡氏は新田氏と共に菅さんの官房長官時代に秘書官を務めた人物で、将来の財務次官と言われていますが、菅さんとしては不満だった。新田氏は耳に痛いことも直言するタイプで、“to doレポート”を去年、首相に提出したのが疎んじられて交代させられたと言われてきた中で、今回呼び戻されることになったのはかなり異例のことです」
菅首相は8日の会見で、東京都の緊急事態宣言期間中に開催する東京五輪について「安全安心」をアピールしたが、開催に伴って新型コロナの新規感染者が増えるリスクや自身の責任については言及しなかった。
小泉首相時代に北朝鮮の金正日総書記とのトップ会談を演出した、田中均元外務省審議官はツイッターで、と厳しく批判している。小泉氏にも、田中氏にも毀誉褒貶はつきまとうが、菅会見の虚しさを的確にとらえたメッセージではなかったか。
先ほどのデスクに菅政権の今後を占ってもらうと、「選挙に無類の強さを誇った安倍政権下では、ロクに活動していなくても勝てたような候補がおり、『魔の3回生』などと言われる議員たちもその一例です。来る総選挙で彼らが勝ち残れないことがあっても、強力な野党がいない限りそれなりの数字は立つはずで、首相のまま今年を乗り切ることは可能でしょう」
そして、「ただ……」として、こう続ける。
「年が明けて新型コロナ感染拡大を制御できていなかったり、閣僚のスキャンダルが取り沙汰されたりすれば、7月の参院選前に“菅さんでは戦えない”という空気が出てきて、選挙前に退陣し、選挙の顔として期待される人物が総理総裁の座に就くというシナリオも十分にあります。菅さんは官房長官時代には、良く言えば塩対応、悪く言えば人をバカにしたとしか見えない対応を繰り返し、それでも難局を乗り切ってきたのですが、首相になっても同じトーンで、“丁寧に説明しない”感じが国民の顰蹙を買っていますね。令和おじさんとか秋田のいちご農家から徒手空拳で上京して……といったエピソードで獲得していた好感度はすでに剥がれ落ちてしまいました」
菅官邸の崩壊はすでに始まりつつあると言えるかもしれない。 

●緊急事態宣言「効果ない」56%、政府の対応「評価」は28%…  7/12
東京都に発令された4度目の緊急事態宣言について、読売新聞社が9〜11日に実施した全国世論調査では、効果を疑問視する声が半数を超えた。宣言が感染拡大防止に効果があると「思う」は38%で、「思わない」の56%を下回った。
新型コロナを巡るこれまでの政府の対応を「評価する」は28%(前回6月4〜6日調査27%)で、厳しい見方が続いている。ワクチン接種を巡る政府対応についても「評価する」は36%と低く、「評価しない」が59%に上った。

●東京の4回目緊急事態宣言 急激な感染拡大や病床ひっ迫の懸念  7/12
東京都で3回目の緊急事態宣言が解除されてからわずか3週間で4回目の宣言が出された背景には、新型コロナウイルスの感染者数が十分に減らないまま、1週間当たりの感染者数が前の週の1.2倍前後になる状態が2週間以上続き、急激な拡大が懸念される状況になっていることや、数週間で、入院者数が確保している病床数を超えて医療がひっ迫するような事態が想定されていることがあります。これまでの感染拡大では、国や自治体が対策を強める判断が遅れたと指摘されていることから、政府の分科会はことし4月、感染拡大の兆しを早期に捉えて強い対策を講じるための指標を示しました。指標では、2週間から4週間で都道府県が最大限確保する病床が満床に達することが想定される場合には強い対策を行うべきだとしていて、夜間の人出が増加し、感染者の直近1週間の数が前の週を大きく上回る事態が2週間以上続く場合、特に早期の対策が必要だとしています。
夜間の人出 高い水準で推移
これに照らして東京都の状況を見ると、繁華街などでの夜間の人出は、前回、4月25日に3回目の緊急事態宣言が出された直後は減りましたが、大型連休明けから5週連続で徐々に増加し、6月21日の解除直後には1週間で1.2倍となり、引き続き高い水準で推移しています。
前週との感染者数の比較 増加が顕著
1週間当たりの感染者数を前の週と比較すると、東京都では、6月末以降は前の週の1.2倍前後になる状態が2週間以上続き、12日の時点では1.29倍となるなど増加が顕著となっています。1日の感染者数は、第3波のあとでは3月上旬に1週間の平均で250人まで下がりましたが、第4波のあとでは6月15日に、1週間の平均で375人までしか下がらない状態から増加に転じており、起点が高く、その分、感染拡大の波が大きくなることが懸念されています。
病床は3週間余りでひっ迫のおそれ
さらに、緊急事態宣言など強い対策が打たれなかった場合、病床は今から3週間余りでひっ迫するおそれがあるとする試算も出されています。今月7日に厚生労働省の専門家会合で京都大学の古瀬祐気特定准教授が示したシミュレーションでは、強い対策が打たれなかった場合、東京都では今月下旬には1日の感染者数が2000人を超え、来月初旬には、入院者数が都が確保しているおよそ6000の病床を超えるとしています。政府の分科会の尾身茂会長は、4回目の緊急事態宣言を出すことが決まった今月8日の会見で、感染力の強いインドで確認された変異ウイルス「デルタ株」が首都圏で3割以上を占めると推定され、急速に置き換わりが進んでいること、東京都ではワクチン接種が進む高齢者で重症者数の増加が抑えられている一方で、ワクチン接種が進んでいない40代、50代の重症者数がことし春の感染拡大の「第4波」のピーク時を上回って増加していること、そして、これから4連休や夏休み、東京オリンピックなど地域を越える人の移動が急増するタイミングが集中していることなど、懸念材料を示しました。そのうえで「ワクチン接種の効果があらわれるのはまだ先で、このまま感染が広がれば、医療がひっ迫する蓋然性が高い」と述べて危機感を示しました。
第4波 人工呼吸器足りなくなった病院
新型コロナの中等症の患者を受け入れている大阪府内の病院がNHKの取材に応じ、感染の第4波の際、一時、入院患者の3分の1にあたるおよそ20人の症状が悪化して人工呼吸器などが足りなくなり、使用する対象をより症状の重い患者に絞り込まざるをえない状況に追い込まれたと明らかにしました。大阪・東大阪市にある市立東大阪医療センターは、新型コロナウイルスの中等症の患者を中心にこれまで700人以上、受け入れてきました。病院によりますと第4波では呼吸状態が悪化した患者が次々と運び込まれ、一時、60床あるコロナ病床の3分の1にあたる数の患者が人工呼吸器が必要な状態になったということです。しかし、重症患者に対応するICU=集中治療室は4床しかなく、ほかの病院に転院させることも困難で、病院は対象の患者を絞り込まざるをえないとして人工呼吸器を使う基準を引き上げて対応しました。具体的には、酸素マスクで従来の倍の量の酸素を入れても血中の酸素の値が93%以下の場合で、より呼吸の状態が悪い患者に人工呼吸器を使うことにしました。その上で、病院の医師らが議論してより治療効果を期待できる人が対象となるよう、75歳未満の人や肺の機能に大きな問題がないかなど、5つの指標を設けたということです。こうした指標を目安に、患者や家族と話し合ったうえで、人工呼吸器をつけるかどうか判断したということです。大阪では第4波の際、重症病床の運用率が100%を超えるなど医療が破綻の危機に直面しました。こうした中で、限られた人工呼吸器などをどの患者に優先して使うのか、それぞれの医療機関に委ねられているのが実情です。
市立東大阪医療センターの辻井正彦院長は重症化しても人工呼吸器を希望しない患者もいて結果的に、装着を希望したのにできなかった患者はいなかったとしたうえで「患者側が希望したとはいえ、ふだんであれば人工呼吸器をつける状態の人がつけないまま亡くなっていく状況に、携わったスタッフは非常につらい思いをした。さらに患者が増えていれば優先すべき人にもつけられず死亡するケースが出ていたかもしれない」と話しています。
病院の対応 詳細
大阪・東大阪市の市立東大阪医療センターは中等症の患者を中心に受け入れていますが、感染の第4波では、すでに呼吸状態が悪化した患者が次々と運び込まれてきました。病院では、従来は、酸素を5リットル投与しても血中の酸素の値が93%以下の場合に人工呼吸器を装着する対応をとってきました。しかし、第4波では運び込まれた時点で酸素の投与量が5リットルを超えている患者が多く、従来の基準で運用すると、入院患者の3分の1にあたるおよそ20人に人工呼吸器が必要となります。人工呼吸器を装着した患者は、薬の投与や状態の観察など24時間体制の高度な管理が欠かせず、ICU=集中治療室での治療が必要ですが、中等症の患者を受け入れてきたこの病院では、コロナの重症患者用に確保できたICUは4床で、さらに、機材やスタッフも足りずに対応できない状況に直面しました。大阪府内のほかの病院でも、重症病床が不足し、転院させることも難しい中、病院は人工呼吸器を使う患者を絞り込まざるをえないとして、従来の基準の倍の、10リットルの酸素を投与しても血中の酸素の値が93%以下の患者を対象とするよう、基準を引き上げました。さらに病院は、より治療効果を期待できる人が対象となるよう、75歳未満の人や、肺の機能に大きな問題がないか、それに日常生活の動作に支障がないか、など人工呼吸器を装着するかどうかの判断に5つの指標を設けました。病院のこれまでの治療の経験ではこの指標に当てはまる患者は人工呼吸器を装着しても、抜管ができずに寝たきりになるなど、治療後の経過が良くない可能性が高いということです。病院では、患者や家族に説明して希望を聞き取り、十分に話し合ったうえで、人工呼吸器をつけるかどうか判断したということです。病院によりますと、人工呼吸器の装着を希望しなかった患者には、代わりに、患者の鼻に装着して大量の酸素を送る「ネーザルハイフロー」と呼ばれる特殊な装置を使った治療を行ったということです。人工呼吸器よりも救命率は下がりますが、気管挿管をしないため装着していても会話ができるほか、ICUではない通常の病床で治療を受けられるということです。
欧州では “年齢優先も”
新型コロナウイルスの感染が拡大し、重症患者が次々に病院に搬送される状況になった場合、入院を受け入れる優先度をどのように決めるべきか、各国では悩みを抱えながら基準を決めた運用が行われています。中には、治療が功を奏する可能性が高い患者や若い患者に医療資源を優先的に配分するべきだという考え方を示しているところもあります。その1つがスウェーデンで、厚生労働省出身で2013年までスウェーデン大使を務めた渡邉芳樹さんによりますと、首都ストックホルムで最大の病院「カロリンスカ大学病院」では新型コロナウイルスの感染が広がる中で、ICU=集中治療室で受け入れる患者は80歳未満が原則で、70代では機能不全の臓器が1つ以下、60代では2つ以下の患者に限られ、基準を満たさない場合は積極的な治療は行わず、痛みや苦しさを取るケアを行っていたということです。また、イギリスでは去年、各国で感染拡大が起きた当初、NICE=国立保健医療研究所がガイドラインを策定し、持病の有無や介助の必要度などに応じて患者の状態を9段階で評価する指標を使って、集中治療を受ける優先順位を決めることを推奨しました。この中では、行動への支援やさらに介助が必要な患者では、救命救急医療を行うメリットがあるかは不確実だとしました。しかし、入院の優先度などの基準に詳しい名古屋大学医学部の葛谷雅文教授はこの指標は、患者を救命できる可能性とは関係せず、この指標のみを使った判断には慎重になるべきという批判もあったということです。現在のガイドラインではこうした内容が取り除かれています。
専門家「年齢によって優先順位 反対」
新型コロナウイルスの感染拡大で医療がひっ迫した時の入院や治療の際の優先度について日本国内でも複数の学会が考え方を示していますが、年齢で分ける考え方は採用していません。日本救急医学会などは6月考え方を示し、急速に重症化する緊急性の高い患者がいち早く入院できるよう患者の状態を緊急性に応じて4つに分けて血液検査や医学的な診断の結果をもとに判定するとしています。また、日本老年医学会が去年8月に示した提言では高齢者が人生の最終段階まで望む医療を受けられるようにすべきで、年齢だけを基準に人工呼吸器の装着など治療を行うかどうか決めることは避けるべきだとしています。この提言をとりまとめた名古屋大学医学部の老年内科の葛谷雅文教授は「学会としては年齢によって優先順位を決めることには明確に反対の立場だ」と話しています。提言の中では、医学的に治療の効果が見込まれない場合は、人工呼吸器の治療自体が大きな負担になることもあるため、行わないこともあるとしていますが、それ以外の場合は、本人が希望しない限り、人工呼吸器の装着などの治療を開始して効果があるかどうか確認し、効果が見込まれない場合に限って治療を差し控えることが原則だとしています。ただ、日本の医療現場ではいったん始めた治療を中断することは難しいため、葛谷教授は呼吸器の装着が必要になる際や治療の効果が見込めない場合にどのような医療やケアを望むか事前に家族や医師と話し合っておく「アドバンス・ケア・プランニング」を行うべきだと指摘しています。葛谷教授は「新型コロナでは家族からも隔離されて急激に症状が悪化し、あっという間に意思疎通できなくなる場合がある。40代や50代の比較的若い世代でも最悪の場合は死に至る感染症だという認識を持って話し合っておくと、治療方針や入院の判断をする際にスムーズな意思決定につながる。ぜひ家族やかかりつけ医と話し合ってもらいたい」と話しています。
 
 
 

 

●繁華街の人出 減少傾向 4度目“緊急事態宣言”12日夜の東京  7/13
4度目の緊急事態宣言が出された東京都内の12日夜の繁華街の人出は、1週間前と比べて、多くの地点で減少していた。
ソフトバンクの子会社「Agoop」のデータによると、12日午後8時時点の都内の人出は、1週間前と比べて、渋谷センター街で11.9%減少していた。
また、新宿・歌舞伎町では5.2%減っていたほか、銀座で18.0%、新橋で2.2%、赤坂で5.9%、それぞれ減少していた。
一方、六本木は16.8%増加していたが、都内の夜の繁華街の人出は、1週間前と比べて、多くの地点で減少傾向だった。

●4回目の宣言も感染者は「2週間先以降の減少は見られない可能性が」 7/13
テレビ朝日の玉川徹氏が13日、コメンテーターを務める同局系「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・午前8時)にスタジオ生出演した。
番組では、12日から東京都に4度目の緊急事態宣言が発出されたことを特集した。スタジオでは、2回目と3回目の緊急事態宣言発出直後の人出の変化を紹介。渋谷センター街、新宿駅で2回目、3回目は減少したが、今回は、渋谷で0・6パーセント、新宿で0・4パーセント増えたことが分かった。
こうした結果に玉川氏は「落ちて欲しいなと思ったんですが」とした上で「変わらないってことになると、2週間先以降の減少は見られない可能性がありますよね、感染者の」と案じていた。

●「奇跡的に電車から人が消えた」。東京都の英語ツイートに批判相次ぎ削除 7/13
東京都の公式Twitterに批判が相次いでいる。緊急事態宣言で、満員電車から「奇跡的に人が消えた」という内容を投稿したところ「嘘だ」などと指摘されているのだ。
このツイートは、東京都の英語アカウント「Tokyo Gov」が7月13日に投稿したもの。都が運営する情報発信サイト「TOKYO UPDATES」が5月14日に掲載した記事を紹介するもので、英語で「東京のラッシュ・アワーは世界的に有名ですが、COVID-19による緊急事態宣言下で奇跡的に姿を消した」と呟かれていた。すし詰めの満員電車と、2020年4月に撮影されたとするガランとした電車内の写真が並べられる、スライドショー形式の動画も添付されていた。
このツイートが投稿されると、批判が相次いだ。東京都内で撮ったとみられる駅や電車内の写真とともに、英語で「嘘だ」と指摘するものや、「そうだね、消えたね」と皮肉るコメントもあった。
日本語でも、「通勤時間帯は電車混んでいます」「普通に満員だ」といった指摘が寄せられた。
批判が寄せられているツイートだが、リンク先の記事は違う内容となっている。冒頭は、「幻だったラッシュ解消を目の当たりにして、東京人は驚いた」などと緊急事態宣言で通勤時間帯の光景が様変わりしたとしているが、後段で「東京の人流は戻り始めている。緊急事態宣言の発令下でも、通勤電車は再び混みあっている」と指摘する。
そして、新型コロナをきっかけに、通勤や仕事のあり方が変わる可能性と、コロナ前に戻るケースを挙げ、「前進と後退を分ける分岐点、分水嶺はどこにあるのか――。残念ながら、その答えを筆者は持ち合わせていない」などと締めくくる内容だ。
「Tokyo Gov」のツイートは、この記事から「ラッシュが消えた」とする前半部分のみを取り出して紹介したため、「嘘をついている」と捉えられた可能性がある。
このツイートは13日夕方までに削除された。東京都政策調整課の担当者は「2020年4月の写真だと明記していたが、今、山手線がここまで空いているという印象を与えかねない投稿だった」と話している。削除の経緯についてもTwitterで説明するという。
ちなみに、都内の電車の混雑率は、実際どの程度変化しているのだろうか。 国土交通省鉄道局が「都市鉄道の混雑率調査結果」を公表している。
ここで公表されている混雑率とは、各車両の定員に対し、どれくらい乗客がいるかを指す。100%で「定員乗車」となり、座席につくか、吊革につかまるか、ドア付近の柱につかまることができる状態だ。
それによると令和2年度(2020年4月〜2021年3月末)の実績は、もっとも混み合う1時間の平均で、東京圏で107%。その前年度は163%だから確かに混雑度は減っている。
また、テレワークや時差出勤が呼びかけられる前の混雑度を100とした場合、記事で紹介されている2020年4月、つまり初めての緊急事態宣言が出された直後は、首都圏では30台まで大幅に下がっている。
では直近はどうか。緊急事態宣言中にあたる2021年6月の実績では、2019年6月第1週の混み具合を100とした場合、東京駅(JR東日本)で49、日本橋駅(東京メトロ)で55、大手町駅(東京都交通局)で58となっている。コロナ前の半分かやや多いという具合だった。

●軽井沢「客足回復」傾向も… 東京“緊急事態宣言”でキャンセル多数 7/13
感染者が急増している東京都には、12日、4度目の緊急事態宣言が出されました。客足が戻りつつあった軽井沢のホテルでは、すでに予約のキャンセルが出ていて、今後の影響を懸念しています。
東京から多くの観光客が訪れる軽井沢。自粛の反動や高齢者を中心にワクチン接種が進んだこともあり、客足は回復傾向でした。
しかし、再び東京都で感染者が増加。12日から来月22日まで緊急事態宣言が出ました。
東京から「東京でずっと『自粛生活』だったので、少しだけリフレッシュしようと」「(宣言中に旅行)ちょっと申し訳ない感じがあるかな…」
こちらのホテルも夏の観光シーズンの予約は好調で、コロナ感染拡大前のおととしの水準まで戻っていました。しかし、宣言が出たことで70件近くキャンセルとなりました。
旧軽井沢ホテル音羽ノ森・鈴木社長「一番の繁忙期を迎えるときに緊急事態宣言が出てしまったかと。なんとなく予測はついていたが非常に残念」
軽井沢旅館組合は夏のシーズンに安心して客に来てもらおうと、先月から従業員を対象にワクチンの職域接種を進めてきただけに落胆は大きいようです。
鈴木社長「(安心して客を)迎えられる態勢を進めたにも関わらず、お客さんが減ってしまうと残念な思い。早く感染者数が減って、一日でも早く緊急事態宣言が外れることを祈っている」

●緊急事態宣言受け海水浴場開設を中止 南房総 千葉県 7/13
南房総市は12日、今夏の海水浴場の開設を中止することを発表した。東京都に4度目の緊急事態宣言が発令されるなど、新型コロナウイルス感染症が拡大している中、海水浴場には県内外から多くの来訪者が予想され、安全・安心な運営が難しいと判断した。
例年同市では、市内10か所に海水浴場を開設。今夏は、富浦地区の多田良北浜、豊岡を除く8か所で開設する予定だった。
開設に伴い、感染防止対策ガイドラインを策定し、海水浴場の閉鎖基準を設けており、今回このうちの「東京都や千葉県に緊急事態宣言が発令される場合」に当てはまったため、検討した結果、開設中止を決めた。
海水浴場が不開設となったため、海岸では万全な監視体制が取れず、安全が確保できないとして、担当の同市観光プロモーション課では「遊泳は控えてください」と呼び掛けている。
石井裕市長は「毎年多くの皆さまに楽しんでいただいている海水浴のため、苦渋の決断となりますが、何とぞご理解くださいますよう、お願いします」とコメントしている。

●東京へ4回目の「緊急事態宣言」 飲食店の酒類提供、6都府県のルール 7/13
1都3県を中心に新型コロナウイルスの感染者数が再び拡大している。政府は7月12日、東京に4度目となる緊急事態宣言を発出。宣言下にある東京と沖縄の飲食店については、時短営業に加え、一律で酒類提供の停止も要請されている。まん延防止等重点措置(以下、「まん延防止措置」)については、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県で8月22日まで延長。北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県は、11日で解除となった。
東京はまん延防止措置延長から一転、緊急事態宣言発令へ
11日が期限となっていた東京のまん延防止措置は、当初、首都圏の感染拡大等を背景に延長すると見られていたが、緊急事態宣言の発令へと方針を変えた。都内では1日の新規感染者数が900人を超える日も出てきており、お盆休みの移動などによる全国的な拡大を懸念して、まん延防止措置から緊急事態宣言に移行することになった。感染者数が増加傾向にある首都圏の3県と大阪についても、引き続きまん延防止措置が適用される。沖縄は、政府にまん延防止措置への移行を要請していたものの、医療提供体制等の状況から緊急事態宣言を延長する形となった。期限はいずれも8月22日までとなっており、東京五輪開催期間やお盆などを含む。ワクチンの効果や病床の状況によっては、前倒し解除もあるとしているが、飲食店には引き続き時短営業や酒類提供の制限が要請されており、その影響は計り知れない。一方、以前から支給の遅れが指摘されている飲食店への協力金に関して、政府は7月12日からの酒類提供停止要請に協力する飲食店に限り、7月以降分の協力金の事前支払いを実施すると発表。「過去に協力金を受給した事業者は、誓約書の提出のみで『先渡し』を行う」としているが、申請受付時期などは現時点で明らかになっていない。
緊急事態宣言・まん延防止措置中の酒類提供ルールは?
政府は、緊急事態宣言やまん延防止措置が適用される地域の飲食店に対し、20時までの時短営業を要請している。酒類提供については、東京、沖縄は一律停止。まん延防止措置の対象地域についても原則、酒類提供は停止だが、知事の判断により一定要件を満たした場合は、19時まで提供可能となる。緊急事態宣言及びまん延防止措置が適用されている地域の酒類提供方針は、下記の通りだ。
東京都 ・・・7月11日までのまん延防止措置期間中は、感染対策等の条件を満たした飲食店に限り、2人以内・90分以内であれば酒類の提供が可能だった。しかし、緊急事態宣言期間中の現在は、酒類提供を一律で停止するよう要請されている。・・・対象地域:都内全域 / 酒類提供:停止
沖縄県 ・・・緊急事態宣言が延長される沖縄県では、引き続き酒類提供が停止となる。・・・対象地域:県内全域 / 酒類提供:停止
埼玉県 ・・・12日以降も酒類提供の要件に変更はなく、引き続き県の認証を受けている店舗にのみ許可される方針だ。・・・まん延防止措置対象地域:さいたま市・川口市 / 酒類提供:「彩の国『新しい生活様式』安心宣言飲食店+(プラス)」認証済みの店舗は、11時〜19時まで酒類の提供が可能。1人、または同居家族のみのグループに限る。
千葉県 ・・・まん延防止措置の延長前後で酒類の提供要件に変化はないが、12日以降、まん延防止措置の適用地域が変わる。・・・まん延防止措置対象地域:千葉市・市川市・船橋市・松戸市・成田市・習志野市・柏市・市原市・浦安市 / 酒類提供:11時〜19時まで。1グループ2人・滞在時間90分以内に限る。
神奈川県 ・・・12日以降、まん延防止措置の対象地域が縮小されるとともに、酒類提供の条件として「マスク飲食実施店」の認証が加わる。・・・まん延防止措置対象地域:横浜市・川崎市・相模原市・厚木市 /  酒類提供:「マスク飲食実施店」の認証を受けている店舗に限り、11時〜19時まで提供可能。滞在時間90分以内・1グループ4人以内、または同居家族であることが条件。
大阪府 ・・・まん延防止措置が適用される区域に変更はないが、酒類の提供条件が「2人以内」から「4人以内」へと緩和される。・・・まん延防止措置対象地域:大阪市・堺市・岸和田市など33市 / 酒類提供:原則自粛だが、ゴールドステッカーステッカー認証店では、11時〜19時まで提供可能。同一グループ原則4人以内(同居家族は除く)に限る。

●沖縄県立博物館・美術館が再開 緊急事態宣言も感染対策徹底 7/13
緊急事態宣言に伴い休館していた県立博物館美術館が県の新たな対処方針を踏まえ13日から再開した。
那覇市の県立博物館・美術館5月に緊急事態宣言が出されて以降、休館が続いていましたが12日から宣言が再延長されたのに伴い策定された県の対処方針に基づき13日から再開された。
再開に合わせ企画展も始まりベトナム戦争の従軍取材で知られる石川文洋さんの写真展は国を二分されたベトナムの住民が戦場を逃げ惑う様子など戦争に巻き込まれる残酷さを伝えている。
県立博物館・美術館では感染対策を講じながら作品に触れる機会を設けていきたいとしている。

●宣言など“指標の見直しを” 新規感染者数は重視すべきでない 福岡市 7/13
福岡県内で感染のリバウンドの兆候が見られるなか、福岡市の高島市長は、緊急事態宣言などを発令する場合の指標について見直す必要があると主張しました。
高島市長「これまでのような新規陽性者の数ではなく、病床の稼働率や重症病床の稼働率という医療崩壊につながりかねない部分のKPI(指標)を重視していく」
高島市長は13日の定例会見で、緊急事態宣言など私権の制限を伴う要請をする際の指標について、1日あたりの新規感染者数は重視すべきではないと述べました。
その理由として、市内の高齢者の半数にあたる約18万人が2回目のワクチン接種を終えるなど高齢者へのワクチン接種が進んだことで、感染者が増えてもすぐには病床使用率の増加などにつながらないとの考えを述べました。
県内の1日あたりの感染者は12日まで5日連続で前の週を上回っていますが、県によりますと、7月の感染者のうち60代以上が占める割合は以前に比べ減少傾向にあるということです。

●「政府要請に従うのは、ばかばかしくなった」 酒提供の店増える  7/13
四度目となる新型コロナウイルス緊急事態宣言が都内に発令された十二日、多摩地域の飲食店街では酒類提供の停止や時短営業の要請に応じない店が目立ち始めた。八月二十二日までの宣言で夏休み中の集客が見込めなくなった観光地からは、ワクチン接種が進んで観光客が戻ることを祈る声が漏れた。
「政府の要請に従うのはもうばかばかしくなった」
JR吉祥寺駅近くの「ハモニカ横丁」(武蔵野市)で複数の居酒屋を経営する男性は、今回は大半の店で通常営業を続けることにした。前回の宣言下で酒の提供を続けた店に客が流れており「要請に応えていてはじり貧になる」と判断した。「吉祥寺で三、四割の店は要請を拒否するのでは」とみる。
一方、同市の吉祥寺通り沿いで「食事とお酒カヤシマ」を経営する佐藤孝一さん(68)は、酒類提供中止と午後八時までの時短営業に応じる。売り上げはコロナ前の約半分だが「協力金を含めれば何とか乗り切れそう」と話した。同時に「今回ばかりは従えないという飲食店も多い。ぎりぎりの状態なんです」と訴える。
立川市の居酒屋「餃子のさんくみ 立川本店」も要請に従うが、店長の大西広紀さん(32)は「売り上げは全然」と明かす。要請に応じない店にも「それぞれ事情がある。仕方がない」と理解を示す。後で撤回したが、要請順守を取引金融機関から働き掛けてもらうとした西村康稔経済再生担当相の発言には「いじめですよね」と憤った。
八王子市の高尾山では、登山を楽しむ人の姿はまばらで、閑散としていた。都内で最も標高の高いビアガーデン「高尾山ビアマウント」は、十二日から酒類提供を停止。山頂近くで「やまびこ茶屋」を経営する松村高雄さん(71)は「ワクチンが行き渡って十一月ごろには何とか人出が戻ってくれたら」と話した。
青梅市御岳山の武蔵御嶽神社近くで食堂と土産物販売の「駒鳥売店」を営む馬場欣哉さん(67)は「夏休みは一番の書き入れ時なので残念だ」と肩を落とした。加盟する御岳山商店組合は「森の妖精」と呼ばれるレンゲショウマの花が見頃となる七月〜九月に予定していた各種イベントを宣言期間中すべて中止した。 
 
 
 

 

●緊急事態宣言2日目 13日の都内の人出は減少 7/14
4度目の緊急事態宣言に入ってから2日目の13日夜、東京・六本木では前の週に比べて3割ほど人出が減っていました。
携帯電話の位置情報のデータによりますと、午後9時台の東京都内の人出は緊急事態宣言が出される前の1週間前と比べて渋谷センター街で10%、六本木で27%、新橋で25%、歌舞伎町で7%減っていました。
赤坂でも5%減っていて、銀座ではほぼ横ばいでした。
午後3時台の人出も1週間前に比べて六本木で18%、新橋で14%、歌舞伎町で17%減っていました。
渋谷センター街や赤坂、銀座ではほぼ横ばいでした。

●政府が「酒の取引停止」の依頼撤回。“脅し”で失った信頼、宣言の実効性 7/14
東京に4度目の緊急事態宣言が発出される中、内閣官房がコロナ対策として出した2つの「依頼」に批判が相次ぎ、いずれも数日で撤回に追い込まれた。第5波の到来も警戒される一方、「自粛」や「要請」を呼びかける政府への信頼が一層揺らぐ事態に陥っている。いずれの「依頼」も緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の下で、酒類の提供を続ける飲食店をめぐるものだった。十分な財政支援を伴わない要請であり、関係団体は「承服できない」と抗議。与党内からも批判が噴出した。野党からは法的根拠に拠らない「脅し」「圧力」に当たるのではとの指摘も出ている。
「法的根拠ない」指摘、内閣官房の2つの「依頼」とは……
1 「金融機関から飲食店へ遵守の働きかけを」→1日で撤回
2つの依頼の内容について、まずは経緯をおさえておこう。
1つ目は7月8日付けで、発出元は西村担当相が所管する内閣官房の新型コロナ感染症対策推進室(コロナ対策室)。
酒類の提供を続ける飲食店に対し、飲食店に融資をする金融機関から酒類提供の停止要請を順守するよう働きかけてもらいたいと各府省庁から金融機関に依頼するよう内閣官房コロナ対策室が求める内容だった。
この方針は、西村担当相が8日の記者会見で表明したが「金融機関による優越的地位の濫用になるのでは」など、与野党から批判が噴出した。
9日午前、菅義偉首相は西村担当相の方針表明について「どういう発言をされたか承知していない」と述べていたが、午後になって加藤勝信官房長官が「方針撤回」を表明した。
こうした経緯から「政府内での“詰め”がなされないまま、西村担当相が独断で表明したものでは」という憶測も広がったが、国民民主党の山尾志桜里衆院議員が12日、内閣官房の依頼文書を公表。内閣官房のコロナ対策室だけではなく金融庁、財務省、経済産業省とも事前や調整や検討をしていたことが明らかになった。
国民民主党の玉木雄一郎党首は「本来中小零細企業を助けるべき政府系金融機関も使って、ある種の脅しと締め付けを要請しようとしていたわけだ。しかも法的根拠はない」と批判している。
「衝撃的なのは、金融庁監督局だけでなく、財務省の政策金融課や経産省の中小企業庁金融課が依頼の名宛人として入っていること。つまり、本来中小零細企業を助けるべき政府系金融機関も使って、ある種の脅しと締め付けを要請しようとしていたわけだ。しかも法的根拠はないのに。どうかしている。」— 玉木雄一郎(国民民主党代表)
2 「酒販業者は酒提供する飲食店と取引停止を」→6日で撤回
2つ目は同じく7月8日付けの依頼だが、発出元には内閣官房コロナ対策室に加えて国税庁酒税課も名を連ねている。
依頼先は「酒類中央団体協議会各組合」。つまり、飲食店などに酒類を販売する事業者の業界団体に向けたもの。
内容は、酒販業者に対し、酒類の提供停止に従わない飲食店には「酒類の取引を停止するようお願いします」と呼びかけるものだ。これも西村担当相が8日の新型コロナ対策分科会や記者会見で明らかにしていた。
これついても山尾氏は「法的根拠はありません」と指摘。そもそも、この依頼内容は資本主義・自由市場経済の大前提である契約の自由や、憲法が保証する営業の自由を脅かすおそれがあり、違憲の可能性も取り沙汰されている。
新型コロナ特措法5条では、コロナ対策について「国民の自由と権利に制限が加えられるとき」であっても「対策を実施するため必要最小限のものでなければならない」と定めている。
政府は13日午前の時点で、「酒類の取引停止」の依頼を取り下げる方針はなかったようだ。麻生太郎財務相はこの日の会見で「卸先はいっぱいある。買う方だってどこから買ったっていい。やめますと言われたら他の所に変えればいいだけのこと」と発言。強制力を伴わない要請として、撤回しない方針を示していた。
ただ、与党内からは「現場の事情をよく理解されていない発言だなと強く思いました」(自民党・森山裕国対委員長)など批判が出た。
こうした反応を受けて、政府は13日午後「酒類の取引停止」の依頼を正式に撤回した。
加えて、酒類の取引停止の発出元の一つだった国税庁は13日、職員7人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。NHKニュースによると、7人はいずれも東京都のまん延防止等重点措置期間中に3人以上が参加する飲み会に参加していたという。
酒販業者の団体「承服できない」「商慣習の常識から言っても困難」
政府からの要請に怒りがにじむ抗議をしたのが、飲食店との板挟みとなった、飲食店に酒類を卸す酒販業者だ。
全国約5万軒の酒類小売業者が加盟する業界団体の一つ「全国小売酒販組合中央会」は9日付けで酒類の取引停止への抗議声明を発表した。
酒販業者もまた、コロナ禍で業績が悪化している。こうした中での「依頼」に、中央会側は抗議声明で「安心・ 安全な国民生活を取り戻すことに協力することは当然」としながらも、得意先からの注文を拒否することは長年培ってきたお客様との信頼関係を棄損する引き金となり得る」と指摘。
その上で「財政的支援が何ら担保されないまま、傘下組合員に一方的に協力を求めることは承服できない」「『酒類の取引停止』に対する補償もない中で毅然とした対応をとることは、商慣習の常識から言っても困難」と、政府に対して早急な見直しを求めていた。
西村担当相「閣僚会合で事務方が説明」と明かす
西村担当相は13日の会見で、金融機関から飲食店へ酒提供停止については「何とか感染を抑えたい、できるだけ多くの方にご協力いただきたいという強い思いからではあったが、趣旨を十分に伝えきれず反省している」と述べ、融資を制限する趣旨ではなかったと釈明。辞任は否定した。
一方で西村担当相は金融機関などへの依頼や酒類取引停止について、菅首相も出席した官邸での関係閣僚間の会合(5大臣会合)で閣僚間の議論に入る前に事務方から感染状況などとともに説明がなされたと明かした。閣僚間では依頼についての議論はなかったと述べた。
ただ、そうなると9日朝に菅首相が述べた「発言を承知していない」という発言と齟齬があるのではという疑問が生じる。
加藤勝信官房長官は13日午前の会見で「『発言そのものを承知してない』ということを言われたと認識している」と釈明した。西村担当相も13日の会見で同様の内容を述べている。閣内で調整した内容だろう。
誰も止められなかったのか?
撤回されたとはいえ、飲食店を狙い撃ちするかのような政府方針が相次いで出されたことは飲食店側の心を折りかねない。
これまで要請を守ってきた店でも、今年に入って緊急事態宣言が相次いだことや、協力金の振り込みが遅れたことで追い詰められて“苦肉の営業”をする店もある。感染対策を施した上で、「お一人様」であれば酒を提供する店も出てきている。
そこへきて、今回批判が相次いだ政府方針をめぐる混乱だ。
第5波の到来が警戒される中、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の下で「自粛」「要請」を呼びかける政府への信頼が一層失われる事態を招いたことは、「最後の切り札」であるはずの緊急事態宣言のメッセージ性や実効性をさらに損なうおそれもある。
「違憲」の可能性も考えられると指摘の出るような方針に、そもそも最初からストップをかけることはできなかったのか。
立憲民主党、日本共産党、国民民主党の野党3党は4度目の緊急事態宣言に伴う事業者への新たな補償を議論するためにも、臨時国会の召集を求めている。
国会では14日、15日に内閣委員会で閉会中審査が開かれる。野党は西村担当相を追及する方針だ。

●日医会長、4度目の緊急事態宣言発令を評価 7/14
日本医師会の中川俊男会長は14日の記者会見で、政府が東京都に4度目となる緊急事態宣言を発令したことについて「英断だ。(宣言を)出すべきだと私は思っていた」と評価した。
一方で、度重なる発令で慣れが生じ、これまでのような人流抑制効果が得られない可能性があるとして、政府に対し「いろんなメッセージ発信をしていただきたい」と求めた。

●「運動会は中止でも五輪はOK」チグハグな緊急事態宣言が日本を潰す 7/14
悪化し続ける日本経済の「ワニの口」
政府は東京都に通算4度目となる緊急事態宣言を発令、12日より適用した。期間は8月22日までの42日間となる。4月25日から6月20日までの約2カ月間を経て、3週間ぶりの緊急事態宣言である。なお、1月8日から3月7日も緊急事態宣言期間だった。
そうではない期間もまん延防止等重点措置期間が敷かれていたので、要するに2021年の日本経済は常に足枷を付けた歩みを強いられている。片や、海外に目をやると英国ではサッカー欧州選手権(EURO2020)の決勝が7月11日に6万人以上を収容したスタジアムで開催され、ウィンブルドン選手権も多数の観客を入れて実施されている。
しかも映像を見る限りほとんどマスクはしていない。米国のメジャーリーグの試合でも似たような光景だ。ワクチン接種率に差があるとはいえ、感染者数やそれに伴う重症者・死者数が桁違いに多い欧米との格差に愕然とするばかりである。ここまでくると「格差が大きい」というよりも「住む世界が違う」という形容の方がしっくりくる。
年初の緊急事態宣言発令時、筆者は「『失われた40年になりかねない』2度目の緊急事態宣言が残す禍根 『貯蓄が正義』で日本経済が凍り付く」と題し、貯蓄・投資(IS)バランスを用いて今後の先行きを案じた。
具体的には「ワニの口」のように開いた「民間部門の超・貯蓄過剰と政府部門の超・貯蓄不足」という構図が常態化し、「貯蓄が正義」という観念が強まる中、賃金はおろか金利も物価も半永久的に上がらない経済がいよいよ固定化するのではないかと危惧した。
図表1は2021年1-3月期までの日本のISバランスだが、「ワニの口」は家計部門の貯蓄過剰を主因としてさらに開いてしまった。
エビデンスのないコロナ対策と失望感の影響
年初の時点では、まさか状況が悪化するとは思いもしなかったが、国内に目をやれば相応の施策が打たれているのは確かである。
7月12日から8月22日までの42日間という期間は当初設定としては4度目にして最長であり、相変わらず一部業種(とりわけ飲食業)に感染源を帰責させようとする根拠不明の対策が展開されている。
同時期に重なった東京五輪は基本的に無観客開催が決定しているが、サッカーや野球などのプロスポーツは有観客で開催されていることを思えば、理解の難しい決定である。また、即時撤回こそされたものの、一部閣僚から金融機関をも巻き込んだ飲食店締め上げも示唆され、その波紋はまだ収まっていないようにも見える。
どうみても半年前と比較して社会全体に猜疑心が充満しており、端的に言えば雰囲気は悪くなっている。なお、切り札だったはずのワクチン接種は順調に進んでいたものの、「実は在庫がない」という事実が露呈し、ここでも失望感が生じている。
猜疑心が「民間部門の貯蓄過剰」を招いている
かかる状況下、家計・企業といった民間部門の消費・投資意欲は再び落ち込むことはあっても盛り上がることは考えにくい。
いくら感染防止に協力しても、その対価が「感染者が増えたので自粛しろ」という状況が繰り返されており、「今後も何があるか分からない」という猜疑心を政策当局に抱く向きは多いのではないか。
一般的に予測可能性が低い時に消費や投資が盛り上がることはない。ISバランスにおける「民間部門の貯蓄過剰」は膨れ上がった猜疑心の結果ではないだろうか。
例えば、4月末の緊急事態宣言は「短期集中」と銘打たれたが平然と約2カ月も続いた。宣言期間の延期は常態化しており、「どうせ今回も8月22日で終わるはずがない」という思惑はくすぶる。
為政者の言葉が信用できないと判断した場合、消費・投資を控えて貯蓄を積み上げるという防衛的な行動に出るのが合理的である。英国の例を見ても分かるように、ワクチン接種が進んでも重症者や死亡者は減るが、感染者の根絶はできない。
人口1400万人を擁する首都東京の医療体制が60人程度の重症者で崩壊する(らしい)現状を打開しなければ、日本だけ半永久的に経済活動の抑制を続けざるを得なくなる。医療資源の最適配分という話はどうなったのだろうか。
完全に“アテ”がはずれた日本の軽微な行動規制
日本は欧米と比べて感染状況が軽微だったこともあり、緩い行動規制が慢性的に継続してきた。これはグーグル社の公表する「COVID-19 Community Mobility Reports」を見ると良く分かる。
パンデミック以前よりも著しく行動制限されていた時期に目をやると、その期間や深度のいずれをとっても欧米ほどではなく、日本では総じて「日常が続いてきた」ように見える(図表2)。
にもかかわらず、冒頭見たように、マクロ経済全体で見れば、「民間部門の貯蓄過剰」が積み上がり、政府部門が必死でそれを穴埋めし、「ワニの口」が拡大している。軽微な行動規制は景気に配慮した政策でもあったはずだが、完全にアテが外れた格好である。
こうした状況に関して「軽微な行動規制が感染収束を妨げ規制が却って長引いた」という批判をよく見かけるが、筆者は腑に落ちない。
欧米は日常を取り戻した今ですら緊急事態宣言下の日本より感染状況が桁違いに悪い。例えば人口10万人当たりの感染者数(7月10日時点)は米国が1万225人、英国が7524人であるのに対し、日本は648人である。
軽微な行動規制のせいで日本の感染状況だけが悲惨ならば、中途半端な政策が収束を遅延させているという批判も当てはまるし、それで「民間部門の貯蓄過剰」が積み上がるというのも分かる。だが、事実は異なる。
ちなみに、米国も「民間部門の貯蓄過剰」がいまだ続いてはいるが、ピークはあくまで2020年4〜6月期であり、年間を通じて一方的に貯蓄が積み上がり続けるという状況にはない。
「貯蓄は正義」という日本人の防衛本能
結局、「軽微な行動規制が感染収束を妨げ規制が却って長引いた」ことが問題なのではなく、その都度割り当てられる軽微な行動規制に一貫性がないことが問題なのではないか。例えば「学校の運動会は駄目だが、五輪は可能」「満員電車はOKだが、飲食店の席は間引け」といった状況を合理的に説明できる者はいないだろう。
こうした根拠不明の手綱さばきが当たり前になってしまうと、家計や企業のような経済主体は何を基準に消費・投資計画を構築すべきか分からなくなる。
「COVID-19 Community Mobility Reports」が示す移動傾向はそれほどコロナ以前と変わっていないのに、ISバランスにおける「民間部門の貯蓄過剰」が拡大の一途にあるのは、猜疑心が膨らんだ結果、「貯蓄が正義」という防衛本能が発揮されたからではないか。
パンデミック終息後にも影響は残るか
世界的に見れば、ワクチン接種率を高め、重症者・死亡者の水準を抑制し、行動制限を解除するというアプローチが現状における唯一無二の出口戦略と見受けられる。
緊急事態宣言を乱発し、その都度、細かな行動規制をかければ民間部門の猜疑心は増し、貯蓄に依存する日本経済の体質は不変のままだろう。少なくとも過去1年はそうだったように見える。
問題は、パンデミックが完全終息しても、民間部門が抱く為政者への猜疑心が抱かれたままになり、消費・投資意欲はさして回復せずに景気浮揚もままならないという状況に至ることである。日本経済は元々「民間部門の貯蓄過剰」が常態化している国だけに、その度合いが一段と強まることは相当に懸念される。
前回のコラムで筆者は「2020年に出現した極端な姿(※貯蓄過剰)は経済活動制限という特殊な政策の結果であり、永続性を期待するものではない」と述べたが、残念ながら、状況は変わらないどころか悪化している。
「民間部門の貯蓄過剰」は90年代後半から継続する日本の「失われた20年」を象徴する現象である。パンデミック対応を経て民間部門に植え付けられた猜疑心が「民間部門の貯蓄過剰」を一段とたきつけ、「失われた30年」ないし「失われた40年」への遠因とならないことを祈るばかりである。

●4度目の緊急事態宣言で迷走続く菅政権 “心のゆらぎ”が招く悲劇 7/14
人は常に合理的な行動をとるとは限らず、時に説明のつかない行動に出るもの。そんな“ありのままの人間”が動かす経済や金融の実態を読み解くのが「行動経済学」だ。今起きている旬なニュースを切り取り、その背景や人々の心理を、行動経済学の第一人者である法政大学大学院教授・真壁昭夫氏が解説するシリーズ「行動経済学で読み解く金融市場の今」。第26回は、“迷走”が続く菅政権のコロナ対応について分析する。

前回の緊急事態宣言を解除してからわずか3週間、東京都では4度目となる緊急事態宣言が発令された。カレンダーを見返すと、今年に入ってから「緊急事態宣言(1月8日〜3月21日)」→「まん延防止等重点措置(4月12日〜24日)」→「緊急事態宣言(4月25日〜6月20日)」→「まん延防止等重点措置(6月21日〜7月11日)」、そしてまたもや緊急事態宣言と“解除しては再び宣言発令”という「迷走」を繰り返してきた。
昨年から続くコロナ禍で人々の自粛疲れも限界に達するなか、切り札のはずのワクチン接種もここに来て供給不足が指摘されるなど、国民の不平・不満が高まるのも当然といった状況にある。各種報道やネットの書き込みなどを見ると、「ここに来てまだ酒もダメ、イベントも中止。生きる楽しみを奪われ続けているのに、東京五輪だけはやるなんて」、「怒りを通し越して呆れる」、「もう疲れた、ついて行けない」といった言葉が目立つ。
何かと“敵視”されてきた飲食店からも、「酒がダメというエビデンスもないのに、“とにかく酒を提供するな”では生き地獄だ」という声が聞かれ、菅政権がギリギリまでこだわった東京五輪の「有観客」も結局断念し、「生で観戦できない上に海外からの観光客需要も無くなって、やる意味あるの?」といった声で溢れている。
現状、安倍晋三前首相時代から何度も繰り返されてきた「安全・安心な大会」、「コロナに打ち勝った証し」とは全くかけ離れており、一体どれだけ「迷走」を繰り返せばいいのか。
株価を見ても、菅義偉首相が緊急事態宣言を発表した翌日(7月9日)の日経平均株価は一時600円超も急落し、2万8000円を割り込んだ。週明けに株価は持ち直したとはいえ、このタイミングでの宣言発出は世界の投資家からもそっぽを向かれた格好である。
一体なぜこんな対応ばかり繰り返しているのか。菅政権の心理的背景を読み解くと、これこそ「心理のゆらぎ」としか言いようがない。為政者としては、コロナ禍で景気が悪くなることにどうにも耐えられない「強迫観念」に駆られる一方で、コロナ禍でも好調な企業からの大きな声は聞こえてこない。するとますます「景気の悪化を何とかして欲しい」という声ばかりが大きく聞こえてきて、その声に捉われる「強迫観念拡大の法則」に陥ってしまう。そのため、感染抑制が実現できたわけでもないのに、すぐ宣言解除してしまうのだ。
“一兎”も追えていない政権
7月4日の都議選では、自民党は過去2番目に少ない議席数となり、目前に東京五輪を控えるなか秋には総選挙も予定され、政権としては「これ以上の失策は許されない」という“恐怖”に駆られる。そして、“緊急事態宣言を解除して何としても景気回復を急ぎたい”という判断に傾き、またしても感染拡大という事態を招いてしまうのである。
いわば、心の中では常に「経済」と「命(コロナ対策)」の天秤がゆらいでいる状態で、「経済」の天秤を重くした結果、宣言を解除し、感染拡大を招いている格好ではないだろうか。
さらに、ワクチン接種が始まり、一時は接種率が上がって感染も減少傾向が見られたことから、為政者の心には“これでコントロールできる”と思い込む「コントロールイリュージョン」が生じた。しかし、それはやはり“幻想”で、実際にはワクチンの供給不足など「目詰まり」を起こしてまだ広く行き渡ってはいない。
その結果、ますます「経済」と「命」の天秤がゆらぎ、どちらを重くすれば良いのか分からなくなってしまう。日本中がコロナに振り回されるなか、本来、一番振り回されてはいけないはずの国のリーダーが混乱している――行動経済学的な観点で見ていくと、そんな「心のゆらぎ」が透けてくるのだ。
菅首相は7月8日の会見で、「先手、先手で予防的措置を講ずる」と発言したが、ここまでの対応を見ると、むしろ「後手後手」としか言いようがない。少なくとも事態を常に冷静に見て的確な判断を下してきた、とは評価できないだろう。
英ロンドンから帰国した知人によると、「日本の緊急事態宣言は甘すぎる」という。ロックダウン(都市封鎖)が行なわれたロンドンでは、街角の商店から卵や小麦粉といった必需品まで消えた。ロックダウンによって売る側や買う人だけでなく、一時は商品の流通まで止まったために、店頭から消えてしまったそうだ。それでもロンドンでは再び感染が拡大しているというから、一筋縄ではいかないようである。
欧米や中国などの事例を見ても明らかなように、政策は「二兎」を追っても上手く機能しない。ところが、わが国の対策を見ていると、「経済」と「命」を両天秤にかけて、結局はどっちつかずで一兎も追えていない。これこそ目先の損失をとりあえず回避したいという「近視眼的損失回避」であり、残念ながら長期的な視点は見えてこない。
短期的な痛みを伴いつつも、一方を優先して徹底的に対策したうえで、もうひとつの課題を解決していかなければ、どちらも根本的な解決には至らないだろう。現状では「命」が最優先なのは言うまでもないが、その判断でゆらいでいる日本は本当に“悲劇”としか言いようがない。
 
 
 

 

●大阪知事 感染状況「ステージ4」で緊急事態要請も 7/15
大阪府の吉村洋文知事は15日、国の分科会が示す新型コロナウイルスの感染状況の指標が最も深刻な「ステージ4」の水準になれば、政府に緊急事態宣言を要請する可能性に言及した。吉村氏は府庁内で記者団の取材に対し、宣言要請について「ステージ4が視野に入れば当然考えられる」と述べた。大阪府には「まん延防止等重点措置」が適用されている。
大阪府の15日の新規感染者は324人で、感染の拡大傾向が鮮明になっている。人口10万人あたりの直近1週間の新規感染者数は15日時点で「ステージ3」(15人以上)の17.14人となった。「ステージ4」(25人以上)の基準を1日平均の新規感染者数でみると315人となる。吉村氏は「1つの数字がステージ4に達したからすぐ(宣言要請)ということにはならない」とも述べた。
このほかの国の分科会の指標では、15日時点の確保病床に対する病床使用率は17.6%、重症病床使用率も11.7%で、「ステージ4」(50%以上)の水準を大きく下回っている。府のスクリーニング検査では15日時点で157人が変異ウイルスのインド型(デルタ型)の感染疑いがあることが判明しており、府は警戒を強めている。

●埼玉 新型コロナ328人感染 緊急事態宣言解除後最多 7/15
埼玉県内では、新たに328人が新型コロナウイルスに感染していたことが確認されました。
埼玉県内で1日に感染が発表される人の数が300人を超えるのはことし1月30日以来で、埼玉県内に出されていた2回目の緊急事態宣言がことし3月に解除されてから、最も多くなりました。
内訳は、埼玉県の発表が215人、さいたま市が49人、川口市が37人、越谷市が15人、川越市が12人となっています。
また、さいたま市は13日、感染を発表した人のうち、1人について取り下げると発表しました。
これで埼玉県内で感染が発表されたのは、あわせて4万8784人となりました。
また、さいたま市は新型コロナウイルスに感染し、県内の医療機関に入院していた80代の女性が死亡したと発表し、これで埼玉県内で感染が確認され、死亡したのは841人となりました。

●日航、8月に追加減便 全日空も、緊急事態宣言で 7/15
日本航空は15日、8月の国内線の運航について、新たに約4000便減らすと発表した。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、東京都に4度目の緊急事態宣言が発令されたことなどを受け、予約の伸びが鈍化しているため。全日本空輸も8月1〜22日にかけて、国内線で計約5800の減便を決めた。
主な減便対象は羽田―福岡や沖縄発着路線など。日航は今年度の事業計画に比べた8月の運航率が73%。全日空はコロナ禍前に策定した昨年度の事業計画と比べ、8月1〜22日で65%となる。

●「この状況が続くと緊急事態宣言の前倒し解除厳しくなる」 沖縄県 7/15
沖縄県が15日に発表した新型コロナウイルスの新規感染者は60人で、2日連続で前の週の同じ曜日を25人上回りました。感染再拡大の懸念が強まっています。
新たに感染が確認されたのは60人で、前の週の同じ曜日より25人多くなっています。
14日も前の週と比べて25人上回っていて、国の指標でステージ3に下がっていた1週間の新規感染者数は再びステージ4に悪化しました。
県保健医療部・糸数医療技監『緊急事態宣言の早期解除に向けて今取り組んでいるところだが、この状況が続くと非常に厳しくなると認識している』
県は新型コロナウイルスに感染した80代から90代の男女4人が亡くなっていたことを発表し、県内の死者の累計は215人となりました。

●高橋洋一氏が緊急事態宣言発出の背景を解説 「小池さんがうまかった」 7/15
経済学者の高橋洋一(65)が14日、自身の公式ユーチューブチャンネル「高橋洋一チャンネル」を更新し4度目の緊急事態宣言の舞台裏について持論を述べた。
「何で緊急事態宣言を出した?」との質問に高橋氏は「不思議だよね。緊急事態宣言というのは本来の趣旨だったら医療崩壊させちゃいけないから。重症者がすごく増えてるとか死者が増えてる時には仕方がない。それ以外の時にやっちゃったのが今回」と指摘した。
続けて「要するに感染者数は増えてるけど、ほとんどは若者だから。若者は交通事故と比べると死亡のリスクというのは交通事故よりはるかに低い。交通事故より低いのに感染者が増えてるからと言って緊急事態宣言するのは交通事故を恐れて交通をストップするのと同じようなもんでしょ」と皮肉を交えて語った。
「リスクがないのに感染者が増えたからやっちゃったというのが大間違い。(ワクチンで)60歳以上になると感染者、死者、重症者も減ってる。ワクチンがうまくいってることを理由にすれば感染者は増えてるけど、ここは緊急事態宣言をする必要はないってはっきり言えたレベル」と断言した。
それでも緊急事態宣言発令されたのは「まあ小池さんがうまかった」と小池都知事の存在を指摘。「小池さんがうまいこと狸寝入りして都議選勝っちゃったでしょ。都議選勝ったあとすぐ二階さんと山口さん公明党の(所に)ばーっと走って『選挙の話だ』って言ってるんだけど緊急事態宣言(五輪)無観客って言ってるんだよ。(なんで緊急事態宣言を出したい?)都民ファーストの公約で緊急無観客ってずっと言ってる(から)。だから緊急事態宣言をさせると無観客にすぐなるからそれを狙ったわけ」と話した。
続けて「だからその後すぐ尾身さんの所も行ってる。これは素早い。政府の方は都議選で負けてオタオタしている隙にサーッと回っちゃってそこで根回しが終わっちゃった。急転直下、小池さんにやられて緊急事態宣言無観客って話になっちゃった。役所のほうは『えー』って慌てて十分な検討なしでやっちゃったって世界」と小池都知事にしてやられたと推察した。
高橋氏は「合理的な判断ができなくなってる人がいて小池さんはそこの所に働きかけて自分の政治的プレステージ、立場を非常に上げたというところじゃないですか」と話した。

●「緊急事態宣言のマンネリ化」に陥った東京…居酒屋も明け方まで営業 7/15
新型コロナの拡大で東京に4度目の緊急事態が下された翌日である13日午前8時30分、新橋駅広場は出勤ラッシュで込み合った。列をなして職場へ向かう会社員の姿から新型コロナの拡大防止に向けた緊急事態が発令中という雰囲気は見当たらなかった。ある男性会社員は「同僚どうしで『緊急事態宣言のマンネリ化』という表現を使うほど緊急事態に慣れすぎた」と話した。
東京の緊急事態は来月22日までだ。この日を基準に東京都民は今年の86%を緊急事態と準緊急事態である「まん延防止等重点措置」の状況で送ることになった。特別措置が下されない平時は24日に過ぎない。NTTドコモの携帯電話位置情報分析によると、緊急事態初日である12日、東京駅・新宿駅・渋谷駅・新橋駅・銀座駅など主な都心の人波は2週間前に比べて2%減少にとどまった。1度目と2度目の緊急事態にはこの地域の人波はそれぞれ29%、20%減少した。
日本政府の酒類提供中止要請を正面から拒否する飲食店も増加している。会社員が会食場所として好む新橋歓楽街には営業制限時間である午後8時以降にも酒を売る店が少なくなかった。「11時まで営業」「明け方5時まで酒を売ります」と堂々と書いて貼った店もあった。飲食店主人はこれ以上持ちこたえられないと口をそろえた。日本政府が休業要請に従う店に補助金を支給するが、金額も少なく支給時期も遅すぎるということだ。
これに先立った3回の緊急事態の時は政府方針を忠実に従った中野区の老舗居酒屋「第二力酒蔵」も今回は店をオープンした。黒田店長はテレビ東京とのインタビューで「営業をしなければ従業員の30%を解雇しなければならない」と訴えた。
専門家はすでに東京で新型コロナの第5次流行が始まったと見ている。13日、東京では830人の新規感染者が発生した。24日連続で感染者が1週間前と同じ曜日より増えた。まだ新型コロナワクチンを接種できない40〜50代を中心に重症患者が急増する傾向だ。
唯一安心できるのは大きく上がったワクチン接種率だ。14日、オックスフォード大学の統計サイト「アワー・ワールド・イン・データ」によると、韓国と日本の新型コロナワクチンの1回目の接種率(12日基準)はそれぞれ30.46%と30.45%でほぼ同じだった。日本のワクチン接種率が韓国と同じ水準になったのは初めてだ。2回目の接種率は日本が18.6%で韓国をリードしている。全国民が打つワクチンを確保した日本は、6月に入って連日一日接種回数が100万回を上回っている。NHKによると、12日基準で1回目の接種回数は3851万回だ。日本人3人に1人は少なくともワクチンを1回打ったということだ。2回目の接種まで合わせた累計接種回数は6199万回だ。

●東京は「状況自体が分からず、守るべき規範自体が分からなくなってる」 7/15
芥川賞作家の平野啓一郎氏が15日、自身のツイッターを更新。緊急事態宣言下の東京都の現状を嘆いた。
この日、「政府のコロナ対策が混乱を極め、五輪のために例外を作りまくってるので、マンボウなのか、緊急事態宣言なのか、要するに今は何をして良くて、何をしてはいけないのか、状況自体が分からず、守るべき規範自体が分からなくなってる」と厳しい筆致でつづった平野氏。
23日に迫った東京五輪開幕を前に首都の混乱ぶりを憂えていた。

●札幌市・秋元市長 今週の感染状況次第で「まん延防止措置」の再適用 7/15
札幌市の秋元市長は、「緊急事態宣言」も頭に入れて道と協議していかなければならないと述べました。
「いったん解除した『まん延防止措置』の再適用を要請するとか、さらにそれを超えていくような緊急事態なども頭に入れながら北海道とも協議を進めていかなければならない」(札幌市・秋元克広市長)
秋元市長は記者会見でこのように述べ、今週の感染状況次第では「緊急事態宣言」の要請を道と協議する考えを示しました。
札幌市内の飲食店は、今週から午後9時までの時短営業が要請されていますが、「時短営業は緩和する状況にはない」と述べました。

●人流の抑制が進まないことを懸念、日医会長-緊急事態宣言発令は「英断」 7/15
日本医師会の中川俊男会長は14日の記者会見で、東京都の新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数が13日時点で830人となり、「24日連続で前の週を上回っている」ことなどを挙げて、感染再拡大の兆候があることへの懸念を示した。
東京都への4回目となる緊急事態宣言発令については、「英断だと思う。出すべきだと思っていたので評価したい」としつつも、繰り返される緊急事態宣言に慣れてしまったため、人流の抑制が進まないことを心配しており、いろんなメッセージを発信してほしいなどと話した。
この日の会見では松本吉郎常任理事から、医師の労働時間短縮への取り組みなどを評価する「医療機関勤務環境評価センター」の設置準備について、厚生労働省の2021年度の委託事業を受託したと発表があった。22年4月のセンター設置に向けた準備事業として、サーベイヤーの選出や講習会の実施、資格付与などに向けて具体的な整備を進める。
松本常任理事 また、「医師の働き方改革の推進に関する検討会」での議論について松本常任理事は、医師の時間外・休日労働が年960時間を超える医療機関の、23年度末までの労働時間短縮計画の作成および取り組み実施が、新型コロナウイルス感染症に対応する医療機関もある中、配慮すべきとの意見を踏まえて、努力義務になったことを「かねてから指摘してきた問題点だったので評価する」とした。

●都の緊急事態宣言、実効再生産数20%以上の減少必要 7/15
東京都では4度目となる緊急事態宣言が7月12日から発出されたが、実効再生産数の相対的減少が10%減にとどまれば、今後も新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症者数は増え続け、9月初めには250人を超える――。
京都大学大学院教授の西浦博氏らによるプロジェクションが7月14日の厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(座長:脇田隆字・国立感染症研究所所長)に提出された。新規陽性者数や入院患者数も含めて減少に転じさせるためには、20%以上の実効再生産数の減少が必要という推計。重症化率が高い高齢者のワクチン接種が進み、楽観論もある中、実効再生産数を減らさなければ予断を許さない厳しい状況が続くことを示すデータだ(資料は、厚労省のホームページ)。
西浦氏らは、東京都ではデルタ株が占める割合が7月17日には50%を超え、7月23日の東京五輪開会式時点では61.5%を占めるとの推計も提示。西浦氏は「実効再生産数は少なくとも一時的に増加することが見込まれる。デルタ株への置き換えに伴う実効再生産数の増大を加味してでも、20%減は少なくとも確保しないといけないという条件は、結構厳しい見通し」と危機感を募らせる。「実効再生産数が減らないことも、十分に想定しないといけない」。
40、50代の重症者増の影響大
西浦氏らは、宣言前の東京都の実効再生産数を、1.2(最新推定感染日付6月28日時点)と想定。緊急事態宣言で実効再生産数が10%、20%、30%それぞれ相対的に減少したと仮定して、新規陽性者数、入院患者数、重症者数について、9月5日までのプロジェクションを行った。デルタ株への置き換わり、年齢群内や年齢群間の伝播、ワクチン接種による効果など、さまざまな要因を加味している。デルタ株の実効再生産数は、従来株の1.9倍と推定。
実効再生産数が20%減の場合、重症者数は、8月上旬には130人強で頭打ちになるものの、130人超えが9月に入ってからも続くと推計。30%減であれば7月末に100人を超えるものの、その後は減少に転じ、9月上旬には70人を下回る見込みだ。年代別に見ると、40、50代の重症者数が多いが、60代以上でも実効再生産数が10%減にとどまり、新規感染者数が増えれば、それに伴い重症者も増える。
医療者へのワクチン接種でクラスター発生を抑制
西浦氏らは7月14日のアドバイザリーボードに、2020年11月から2021年6月までの医療従事者のワクチン接種とクラスター発生の関連を分析した暫定結果も公表した。VRS上、医療従事者の接種率は6月には100%を超えるが、6月以降は100%と仮定。高齢者への接種は始まったばかりの時期であるため、その影響は加味していない。
その結果、医療施設については164件、高齢者施設では155件、医療従事者へのワクチン先行接種によりそれぞれ抑制されたと推定された。
西浦氏は、「今回、推定された数値は、医療従事者の接種によって、本人以外の誰かの防御効果が見られるという、いわゆる間接的効果と呼ばれるもの。それがクラスター発生にまで派生していることを示す結果だ。医療機関や高齢者施設でクラスターが減るのは、先行接種の賜物と言える」と見る。
「今後、高齢者自身の接種による直接的効果と人口レベルの接種により、適切に流行が制御されている限りは、これらのクラスターはまだまだ減るものと期待される」と述べ、今後、この点についての観察と推定を進めていく予定だという。

●コロナ対応“日本の敗北” 4度目の緊急事態宣言 7/15
東京五輪の開会式(23日)が迫るなか、東京都に4度目の新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発令され、東京五輪は、首都圏1都3県と、北海道、福島県では「無観客」開催となった。欧米に比べて、新型コロナの新規感染者数が桁違いに少ない現状での判断に、五輪参加を見送るアスリートや、混乱を批判する海外メディアもある。評論家の八幡和郎氏が、東京五輪を見据えた、わが国の「コロナ対応」について考察した。
月刊「正論」8月号で、「武漢ウイルスとの戦い 日本は敗北したのか」という対談を、元厚労省医系技官で医師の木村盛世氏(感染免疫学)と行った。
私は「昨年と今年の2年間での経済の落ち込みは、感染の規模が桁違いな欧米並みだから『日本の敗北』」と申し上げた。
「五輪中止」や、「無観客」開催を主張してきた医師会などは、政府を追い込んで得意満面だろう。東京都医師会の尾崎治夫会長や、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長らの顔が浮かぶ。
欧米に比べたらさざ波のような状況でも、「医療崩壊しかねない」として緊急事態宣言が発令された。自分たちの論理を押しつけて、庶民の暮らしを苦しめ、五輪を「無観客」にしたのが、自分たちであることこそ恥じるべきだ。
日本の入院医療体制は、軽症とか終末期の患者を長く入院させて儲かるようになっており、以前から「危機対応に向かない」と危惧されていた。
だが、いざとなったら、医療界はこれまでの枠組みを超えた対応をすると思われてきたのに、完全に期待外れだった。重症者用ベッド数をほとんど増やさず、休みはいつものように取るので、医療が逼迫(ひっぱく)しただけだ。
飲食業、特に酒を出すのが諸悪の根源という怪しげな「医学的な見地」から、政府の方針決定の主導権を握り、足腰が弱く、恵まれない環境から這い上がってきた人も多いこの業界いじめを続けた。「規制が長くなると飽きられる」「公平を考えて負担を広く国民が分担すべき」「休業補償だけでは人材は長く確保できない」といった指摘にも耳を貸さなかった。
私は、最も営業縮小すべき業種は医療界だと思う。コロナ禍で世界的に通常医療は縮小されている。感染防止のためにも、医療機関通いは減らすべきだ。海外では医療資源確保のために、コロナと関係ない部門は診療時間を減らし、ワクチン接種も含めたコロナ対応に回していた。
ところが、日本ではワクチン接種で政府が「医師独占範囲の再検討」をチラつかせるまで動かなかった。
しかも、医療従事者らは、世界で類例を見ない「最優先でのワクチン接種」をお手盛りでした。厚労省推計で約300万人だったのに、各医療機関に判断させたら2倍近くの500万人以上になったのは、さまざまな意味で「不適切な人々」が含まれていることを示唆する数字だ。
ワクチン接種の遅れの理由はいろいろあるが、ワクチンへの「特異な不信感」が流布されている面もある。医学界でも同調する人たちがいて、主流派の人々もまともに戦わないので、子宮頸がんワクチンの接種が進まず、年間3000人の死者と子宮を失う女性を積み上げている。
コロナ・ワクチンの承認を急ぐために、昨年11月に法律改正を行ったのだが、立憲民主党や共産党の要求による付帯決議で縛りをかけられた。これが遅れの最大の原因であることをマスコミが報じないのも残念だ。 

●4回目の「緊急事態宣言」…あなたは何を思いましたか? 7/15
モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「ONE MORNING」。7月12日(月)の放送では、メッセージテーマ「4回目の緊急事態宣言……あなたは何を思いましたか?」に寄せられたメッセージの一部を紹介します。新型コロナウイルスの感染が拡大している東京都では、7月12日(月)に4度目となる緊急事態宣言が発令されました。期間は8月22日(日)までの6週間。また、すでに沖縄県に発令されていた緊急事態宣言も、8月22日(日)までの再延長が決定。県は期間中、酒類やカラオケを提供する店舗への休業要請を継続し、大型商業施設への時短要請も継続しています。そこで今回は、リスナーから寄せられた「緊急事態宣言」についての意見を紹介しました。
正直、「ああ……またか」といった感じで、まったく驚かなくなりました。緊急事態宣言を出しては解除し、また宣言を出すといった無限ループ。ただでさえ我慢をしているのに、飲食店だけがターゲットにされているのも納得がいかないです。このままだと、コロナを本当に終息させる気がないのでは? と思ってしまいます。でも前向きに捉えて生活していくしかなさそうですね……。
沖縄県北部の観光地エリアに住んでいます。沖縄県は、ずっと緊急事態宣言が発令中ですが、飲み屋さんが開いていない状況で、飲食店はテイクアウトばかり。そんななかでも梅雨明けに合わせて、県外からの観光客が増えている気がします。幹線にはレンタカーが増えていますし、県南部から北部にマリンスポーツを楽しみに来られる方や、マスクをしていない在沖米軍の米兵さん、そのご家族も見かけます。沖縄は都会に比べて人口密度が低いことに間違いありませんが、逆に立ち入る場所が限られているので人も集中しています。
大学生です。正直、「もう疲れた……」というのが本音です。去年から今まで大学で受けた授業は1つもなく、実習も中止。サークルの引退公演も、前回の緊急事態宣言で1ヵ月前に中止になってしまいました。友達とも会わず、家で1人で授業を受けて、外出はバイトだけです。バイトで多くのお客さんと接するたびに、どうしてこれが許されて、自分の大学生活は我慢ばかりなんだろう……と思ってしまいます。
飲食店ばかりに負担をかけすぎ! そもそも、緊急事態宣言に慣れてしまって守れない人が増えているなかで、宣言を出す意味ってあるの?
介護関係の仕事をしています。緊急事態宣言だろうが、まん延防止等重点措置だろうが、何も変わらずに仕事をしています。何が緊急事態で、何が普通なのか、もうわかりません。介護関係なのに、コロナワクチンの予約が取れたのも最近です。
先週末、用事があって都内に出たのですが、路上飲みをしているグループを数組見かけました。お酒が入っているせいもあってか、距離を空けて歩いている私にも聞こえるくらいの大声でマスクをせずにしゃべっていて、横を通り過ぎるのが怖かったです。緊急事態宣言が再び東京に発令され、お店でお酒が提供されなくなっても、このような路上飲みがなくならない限りは、感染拡大を止めることはできないのかなと感じました。宣言を出すのであれば、もう少し厳しい制限を設ける必要があるのではないかと思います。
緊急事態宣言。もはや効果は疑問ですが、発令されれば制限に従わざるを得ないところもあるので……。そのせいで子どもたちの貴重な経験や、さまざまな業種の人々の暮らしが失われたり、おびやかされていると考えると、とても耐えられません。政府が守ろうとしている“暮らし”とは、一体誰のものなのでしょうか……?
4度目の発令も「やっぱりね」みたいな感覚ですし、経済的にもかなり厳しいところもあるので、感染対策をおこたらずに外食・娯楽を楽しめればいいのでは?
東京都で感染が拡大しているから宣言を出したのに、「宣言慣れ」とか「自粛疲れ」とか言われると、正直、都外の人間が我慢をして感染者を減らしても意味がないのかな……と思ってしまいます。
酒類提供店との取引を停止するように、販売事業者へ要請したけど……要は「あいつと仲良くしたらお前のこともイジメるからな」っていうことでしょ? これ、やり方がやばいよね……。
緊急事態宣言……乱暴な言い方ですが、宣言を出さなければならないのは、良識のない大人たちの行動に対してだと思います。子どもたちは飲みにいったり、路上で宴会をするわけでもありません。子どもたちのスポーツの大会や演奏会、発表会などができず、学校生活で我慢を強いられ、被害を受けているのは子どもたちです。飲食店の問題ばかりが取り上げられていますが、まずは子どもたちのことを考え、大人たちの行動をあらためることが重要だと思います。国の判断にも言いたいことはありますが、私たちにも責任があると思います。
大阪で子どもにスポーツを教えています。市の公共施設や学校の体育館でおこなっているので、緊急事態宣言中はずっとお休みでした。子どもたちのモチベーションも下がってしまい、やめていく子も増えました。もちろん私の収入もゼロになります。収入が減ったので外出もしません。緊急事態宣言で生活が何も変わらない人も多いと思いますが、一方で、収入がまったくなくなる人もいるのです。
私は子ども園に勤務しているので、都心にいる母のところに娘を連れて出かけるのは控えています。もし自分が感染したら、勤務先は休園することに。200人以上の在園児のご家族、職員に迷惑をかけてしまうことになります。でも、ずっと我慢してきたのに疲れてきました。この夏は「都心の母のところに安心して行けるはず」と頑張ってきたので、4度目の緊急事態宣言となり落胆しています。一人ひとり、もう少し周囲を思いやって行動してみませんか?
 
 
 

 

●神奈川県、緊急事態宣言要請も検討 感染者急増、県独自の発令も視野 7/16
神奈川県内の新型コロナウイルス感染者急増を受け、県が「まん延防止等重点措置」対象区域の全県拡大や政府への「緊急事態宣言」発令要請を検討していることが15日、複数の関係者への取材で分かった。
近く対策本部会議を開き、対応を協議する。
15日の県内の新規感染者数は403人で、1月28日以来、約半年ぶりに400人を上回った。最近は300人を超える日が多く、感染状況を示す6指標の一つの新規感染者数は今月14日、緊急事態宣言発令の目安となるステージ4(爆発的感染拡大)に悪化した。
県は重点措置が再延長された12日以降、対象区域を横浜、川崎、相模原、厚木の4市に縮小した。しかし、広範囲で感染者が急増していることから対象区域の全県拡大や緊急事態宣言の発令要請を検討し、国などと調整を進めている。
状況によっては県独自の緊急事態宣言発令も視野に入れているという。

●神奈川が緊急事態宣言要請検討 15日に403人感染 五輪控え人流増考慮 7/16
神奈川県が新型コロナウイルス感染拡大を受け、政府に緊急事態宣言の発令を要請する方向で検討に入った。県関係者が16日、明らかにした。近く対策本部会議を開き、対応を協議する。東京オリンピック(五輪)の開催を控え、人流の増加を考慮したとみられる。
県内では15日、403人の感染が新たに確認された。1日当たりの感染者発表数が400人を超えるのは、1月28日以来で約半年ぶりだった。7月に入って300人を超える日が続き、直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数はステージ4(爆発的感染拡大)となった。
県はまん延防止等重点措置が延長された12日以降、対象区域を横浜、川崎、相模原、厚木の4市に縮小していた。

●聖火台の観覧自粛を呼びかけ 緊急事態宣言を受け 7/16
オリンピック開催期間中、東京の臨海部に聖火がともされます。組織委員会はこの聖火台周辺での観覧自粛を呼び掛けました。オリンピックの聖火は開会式後に臨海部にある夢の大橋に設置される聖火台に移され、ともされることになっています。
臨海部にはスポーツクライミングなどの競技会場が集まっていて聖火台周辺では大会期間中、複数のイベントが開かれるほか、飲食なども提供される計画でした。しかし、東京都に緊急事態宣言が発令されたことを受け、組織委員会は聖火台の観覧自粛を呼び掛けることを決めました。
人が集まらないように聖火台を囲うように柵が設置され、期間中は警備員を配置して分散するように声掛けを行うということです。

●埼玉南部、「東京由来」の感染増加…緊急事態宣言の再発令要請も  7/16
埼玉県内が新型コロナウイルス感染の「第5波」に入ったとみられる中、県が、現在はさいたま、川口の2市としている「まん延防止等重点措置」の適用区域を、拡大する方向で検討している。特に東京都に近接する県南部で「東京由来」とみられる感染者が増加していることが背景にある。県は今後の感染状況次第では、県内でも東京と同様、緊急事態宣言の再発令要請も辞さない考えだ。
県内では15日、328人の新規感染者が確認され、半年前の1月22日の358人に次ぐ多さとなった。
大野知事は15日夜、県幹部と感染状況について協議した。終了後、出席者の一人は「感染拡大のスピードが速い。目に見える形で強い措置を講じる必要がある」と語った。
県が最も懸念しているのが、感染者が2日連続で1000人を超えた東京への通勤・通学などに起因する感染の増加だ。「東京由来」は6月下旬以降、感染源として最多の「家庭内」に匹敵する水準に近づいている。6月17〜23日の1週間に114人だった感染者は、同24〜30日には147人(前週比29%増)、7月1〜7日には184人(同25%増)と急増している。
実際、東京に近接し、ベッドタウンとして都内との人の往来が多い県南部(戸田、朝霞、志木、和光、新座、ふじみ野市など)の感染者の増加が顕著だ。1日あたりの平均感染者数は、和光市で5月1日〜6月20日の2・06人から、6月21日〜7月6日には2・94人と、42%増加した。ふじみ野市でも1・90人から2・63人と、38%増となった。
県は東京との往来を控えるよう県民に求めるが、都内から一番遠いふじみ野市でも東武東上線で池袋まで片道約30分で行き来でき、県庁内でも「生活・経済圏が重なっており、無理なお願いだ」との声が上がっている。東京で感染して持ち帰ってくるケースも多いとみられ、県幹部は「東京から感染が染み出している」と危機感を示す。
県は重点措置区域の拡大を軸に感染状況などを注視する構えだが、県内だけでの対策では限界があることも露呈しつつある。首都圏一体での対策が不可欠として、感染拡大に歯止めがかからなければ、政府に対する緊急事態宣言の再発令要請に踏み切る構えだ。
県は16日、専門家の意見を聞く考えだが、措置強化となれば県民らの負担はさらに重くのしかかることになり、感染対策との間で難しい判断を迫られそうだ。
 

 

●神奈川県、22日に独自の「宣言」…政府との水面下の調整折り合わず  7/17
神奈川県は16日、新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」の対象地域を、現在の横浜、川崎、相模原、厚木4市から、清川村を除く県内全域(32市町)に拡大し、飲食店での酒提供全面停止を求める独自の「神奈川版緊急事態宣言」を発令することを決めた。22日から適用する。期間は、重点措置と同じ8月22日までの予定。
東京五輪開幕を前に、人の流れを抑制するために強い対策が必要と判断した。当初、政府に緊急事態宣言の発令を要請することを検討していたが、関係者によると、政府側との水面下の調整で折り合わず、見送ったという。ただ、この日県庁で開かれた対策本部会議では、感染状況が悪化すれば改めて要請を検討するとした。
県内の新規感染者は16日に446人が確認され、2日連続で400人を超えた。

●緊急事態宣言発令! 職場の人間関係を気にするのは愚の骨頂である 7/17
新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかかりません。東京には4度目の緊急事態宣言が発令されました。そのような中、私たちの生活がまた脅かされるのではないかと不安視する声も聞かれています。今、職場の人間関係で気を付けるべきことは何でしょうか。
今回は、精神科医でベストセラー作家の樺沢紫苑さんに、良質な「職場の人間関係」を築くためのヒントについて伺います。近著に「今日がもっと楽しくなる行動最適化大全」(KADOKAWA)があります。
職場の人間関係で悩んでいる人は非常に多く、ビジネスパーソンのストレスの9割は人間関係ともいわれています。逆にいえば、職場の人間関係さえうまくいけば、日々、楽しく仕事ができるようになります。樺沢さんは次のように解説します。
「人間関係をもっとシンプルに考えてみましょう。実は職場の人間関係は重要ではないのです。職場にあなたを攻撃したり、嫌がらせをしたりする『攻撃星人』が一人でもいると、ものすごく憂鬱(ゆううつ)な気分になるでしょう。職場の人間関係は極めて重要だと考える人が多いのですが、実は、あなたの人生においてさほど重要ではないのです」(樺沢さん)
「実際、私の交友関係をみると、職場で知り合ってから現在まで10年以上交友がある人は一人もいません。職場の人間関係とは『場』に関連付けられた、一時的で一過性の人間関係です。仮にあなたが会社を辞めた場合、ストーカーのように追いかけてくることはありません。攻撃星人は会社から一歩出れば、アカの他人です」
しかし、対処方法は簡単ではありません。職場での不快な出来事は確実に焼き付けられて苦しむ人が少なくないからです。樺沢さんは「今はいない攻撃星人のことで意識を奪われているとしたならば、あなた自身で招き入れているのと同じだ」と言います。
「心理学の『対人関係療法』では、最も重要な人間関係は家族や恋人、パートナーです。次に重要なのは友人。重要度が低いのが職場の人と解釈されています。これを比率で表すと『5対3対2』となります。つまり、家族や友人との人間関係が安定していれば、人間関係の8割は安定しているということです」
「そう考えれば、職場の人間関係が多少ガタガタしても、会社を辞める必要など全くないのです。職場の人間関係に注意を奪われる暇があるのなら、家族や友人をもっと大切にしましょう。そして、家族や友人と交流する時間を増やし、こうした癒やしの時間を通して、ストレスを発散すればいいいです」
次のような、ユダヤ教の教えがあります。「10人の人がいるとしたら、そのうちの1人はどんなことがあってもあなたを批判する。あなたを嫌ってくるし、こちらもその人のことを好きになれない。そして、10人のうちの2人は互いに全てを受け入れ合える親友になれる。残りの7人はどちらでもない人々だ」というものです。
「これは4000年前から伝わるユダヤ人の知恵ですが、私はこの教えを知る前から、自分の経験に基づいて同じことをセミナーで話していました。10人いたら、あなたを嫌う人は1人、あなたを好きな人は2人、どちらでもない人が残りの7人です。あなたの会社や所属しているグループを見ても、ほぼこの割合ではないでしょうか」
「重要なのは、どこの職場、チーム、コミュニティーに移動しても『自分を嫌う人』『ソリの合わない人』は必ずいるということです。また、よく観察すると、その2倍以上の味方、自分の応援者がいるのです。これを私は『好意の1対2対7の法則』と呼んでいます。10人全てから嫌われることもなければ、10人全てから好かれることもありません」
不思議なことに、多くの人は「みんなと仲良くしなければならない」と思い込んでいます。実際は、みんなと仲良くする必要などないことがよく分かります。
「会社は『仕事をする場所』であって、『仲良しグループ』をつくる場ではありません。最低限の仕事に差し支えのないコミュニケーションがあれば十分。仕事上のドライな関係でいいのです。もちろん、何人かの気の合う人と仲良くするのはよいと思います。しかし、無理に全員と仲良くする必要など全くないのです」
「私は自分を嫌う人がいた場合、『ああ、10人に1人がここにいたのか』と思うだけで、スルーします。たくさんの人と会えば会うほど、一定の確率で出現する攻撃星人。あなたの精神エネルギーと大切な時間は、あなたを嫌う人のためではなく、あなたにとって大切な人のために使うべきなのです」
新型コロナウイルスの影響で、私たちの日常は大きく変化しました。さて、職場の人間関係で気を付けるべきことは何でしょうか。嫌な相手には「ありがとう!」と声をかけ、満面の笑みでスポイルしましょう。この機会に、必要な行動を学んでみませんか。

●“緊急事態”初金曜の人出 夜の繁華街は減少 7/17
東京に4度目の緊急事態宣言が出されて最初の金曜日夜の繁華街の人出は、1週間前よりも減少しました。
携帯電話の位置情報のデータによりますと、16日午後8時台の都内の繁華街の人出は1週間前に比べて渋谷センター街で5.9%、新宿・歌舞伎町で13.5%、新橋で21.5%、六本木で20%減少しました。
一方、午後3時台の人出は羽田空港国内線ターミナルで7.6%、東京駅で1.2%増加しました。
東京では3日連続で新型コロナの新規感染者数が1000人を超えていて、分科会の尾身会長は夏休み中の県境を越える移動を控えるよう呼びかけています。
 

 

●2度目の緊急事態前より人出は30%増 福岡、気掛かりな第5波 7/18
福岡県へのまん延防止等重点措置が解除されて初の週末となった17日、福岡市の繁華街は買い物やレジャーを楽しむ人でにぎわいを見せた。「日常」が戻りつつあることを歓迎する声が上がる一方、感染者数のリバウンドへの懸念が拭えず、不安の声も聞かれた。
福岡市・天神の公園を3カ月ぶりに孫と訪れた同市の竹道雄さん(75)は、重点措置の解除まではなるべく外出を控えた。孫(5)が滑り台で遊ぶ姿を見て「孫もストレスがたまっていたはず。外遊びができてうれしい」とほほ笑んだ。
JR博多駅前で友人と昼食を済ませた北九州市小倉北区の男性会社員(36)は、飲食店街に活気が戻ってきたことを歓迎しながらも「テーブルに仕切り板がない店も多い印象。感染拡大の第5波が来ないか、気掛かりだ」と話した。
NTTドコモのデータ解析によると、天神周辺の17日午後3時現在の人出は、感染拡大前と比べ11・2%減だった一方、2度目の緊急事態宣言が福岡県に出される前の今年1月7日と比べると30・8%増だった。

●五輪後、2400人感染も「それくらいなら大丈夫」 開催中止の選択肢なし  7/18
新型コロナウイルス緊急事態宣言下での東京五輪開幕まで1週間を切った。東京都では17日まで4日連続で新規感染者が1000人を超えるなど、感染状況は明らかに悪化傾向にあり、大会の中止を求める世論は根強い。だが政府には、状況次第で中止を検討する考えは既になく、このまま開幕を迎える方針だ。
菅義偉首相は16日、政府の東京五輪・パラリンピック競技大会推進本部の会合で「安全安心の大会の実現に向けて最後まで高い緊張感を持って取り組んでほしい」と話した。17日の読売テレビ番組では「たとえ無観客でも、感動を世界に届ける。難局を乗り越えられると発信することに意義がある」と強調した。
15日に開かれた都のモニタリング会議では、新規感染者の増加が今のペースで続けば、五輪閉幕直後の8月11日には直近1週間平均で約2400人に達するとの試算が示された。だが政府高官は「それくらいなら大丈夫。中止はない」と意に介さなかった。
五輪開催については、東京が3度目の緊急事態宣言下にあった6月2日の時点で、政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長が「今の状況でやるのは、普通はない」と指摘していた。首相も「国民の命と安全を守るのは私の責務。守れなくなったらやらないのは当然」と、中止の可能性を否定しなかった。
だが、それ以降、首相は記者会見などで、どのような感染状況になれば中止を検討するのかといった明確な判断基準を示すことはなかった。
元日弁連会長の宇都宮健児弁護士は15日、インターネットで集めた大会中止を求める45万超の署名を首相ら宛てに提出した。
この署名を受け、加藤勝信官房長官は16日の会見で「安全安心な大会」を実現する方針を改めて強調した。感染状況が一段と悪化した場合、大会期間中でも中止があり得るかとの問いには「大事なことは足元の感染に対してしっかりと対応し、ワクチン接種を進めることだ」と話すにとどめた。

●真の緊急事態宣言が必要 大阪大名誉教授・加地伸行 7/18
新型コロナ禍の日々、患者が増えて多数となると「緊急事態宣言」発令。しばらくしてそれの解除、また発令、また解除…ということの繰り返し。人々はそれに慣れてきて「緊急事態宣言」が出ても、あ、そう、といった程度の感じ。なんとも真剣さに欠けている。もしこの事態が、例えば、武器による日本への攻撃であるとすると、現行の「緊急事態宣言」などという柔(やわ)な話ですむであろうか。そういう国家有事のときは、日本を除き、一般国家では、まずは戒厳令、そして軍の動員となるのが普通である。しかし、日本ではそれができない。
なぜか。答えは実は、みながよく知っている。すなわち、先の大戦に敗れ、勝利者のアメリカら占領軍によって現憲法を押しつけられ、軍を持つことができなくなり、当然、戒厳令も消滅させられた。さて現代。日本周辺の諸国政府は、自己の政権維持に必死である。例えば中国。習近平国家主席は自己擁護に全力を尽くしている。担う政権の期限が来れば、素直にその地位を他者に譲れば済むものを、あらゆる手段を使って習政権の維持を図っている。
彼らの手法は同一。例えば生活が苦しくなり、政府批判の声が高まってくると、周辺の外国にその原因があると言い立て、政権への不満を外国批判に曲(ま)げ向け、悪のすべての原因をそこへ集中させてゆく。その典型として<尖閣諸島を日本は不法占領している>と猛宣伝することであろう。もちろん実力行使もしてくる。そのとき、日本政府はどうするのか。まともな方策はあるのか。おそらく「話し合いを続けよう」という柔な話が関の山。それでは屁(へ)の突っ張りにもならない。相手はわが国の領土に上陸してくる可能性がある。
とすれば、コロナ禍の今なればこそ政府の「緊急事態宣言」の実質化を行うべきである。すなわちまず戒厳令に関する法整備を行うことである。大正12(1923)年、関東大震災のとき、東京府(当時)、そして、神奈川・千葉・埼玉の3県に対して、政府は緊急勅令に基づく、いわゆる「行政戒厳」を宣告した。すなわち、平時の行政権・司法権の一部を停止し、それを軍の司令官に委(ゆだ)ねたのである。当然、現自衛隊を正式に軍として法律で規定すべきである。
かつて存在した日本軍も戒厳令も、勝者となった占領軍によって廃止されたが、日本をまともな国家として立て直すには、軍と戒厳令が必要なのではないか。今、コロナ禍の中にあればこそ、一致協力して必要とする法を整備すべきではないのか。現行の「緊急事態宣言」には真の強制力がなく、出したり引っ込めたりされている姿は、無惨(むざん)。日本人は団結が得意。その特性の下、法整備をすべきだ。
『孫子』九地に曰(いわ)く、その舟を同じくして〔川を〕済(わた)るに当(あた)り、風に遇(あ)ふや、その相(あ)ひ救(たす)くること左右の手のごとし、と。 

●緊急事態宣言で“テレワーク疲れ”の傾向 「孤独感」「疎外感」感じる人も 7/18
緊急事態宣言で政府が出勤者数の7割削減を求めるなか、“テレワーク疲れ”の傾向が調査で明らかになった。
今月1100人を対象に行った調査によると、週に3回以上テレワークをした人の割合は42.4%で、去年5月に調査を始めてから最も低い割合になった。テレワークで「効率が上がった」「やや上がった」と答えた人の割合は、去年5月以降増加傾向だったが初めて減少。また「テレワークの課題」として「孤独感」や「疎外感」を挙げた人が2割にのぼり、1割台だった去年から増加した。
調査をした日本生産性本部は、働く人に「テレワーク疲れ」が広がっていて、今後新型コロナの感染が拡大してもテレワークが大きく進む可能性は低いとみている。

●4度目「緊急事態宣言」初の週末 東京の人出は・・・ 7/18
東京で4度目の緊急事態宣言が出て初めての土曜日となった17日、東京の街の人出はおおむね減少しました。
17日午後3時の人出を前の週の土曜日と比べたところ、渋谷センター街でマイナス28.4パーセント、お台場でマイナス19.5パーセント、浅草でマイナス15.7パーセント、新橋駅でマイナス15.1パーセントなどと、おおむね減少しています。
一方、代々木公園がプラス44.2パーセントと大幅に増加。また、秋葉原駅でプラス5.5パーセント、原宿駅でプラス3.6パーセントなどと、わずかに増えている地点もありました。

●4度目緊急宣言後初の土曜、東京の人出は軒並み増加 7/18
新型コロナウイルスの感染拡大防止をめぐり12日から4回目の緊急事態宣言が発令された東京都内で、発令後初の土曜日となった17日の人出が、今年1月の2回目、4月の3回目の緊急事態宣言直後の週末と比べて軒並み増加したことが、システム会社「アグープ」が公表したスマートフォンの位置情報を基にした人出データの分析で分かった。
アグープのデータ分析によると、JR新宿駅周辺では、今月17日午後0時台の人出の平均が、2回目の緊急事態宣言が発令されて初の土曜日だった1月9日の同時間帯に比べて1.3倍だった。お台場では1.7倍、東京メトロ銀座駅周辺も1.2倍となっていた。
4月25日に3回目の緊急事態宣言が発令されて初の土曜日となった5月1日の同時間帯をみても、新宿駅周辺では1.5倍。お台場では2.3倍と特に著しく、銀座駅周辺で1.6倍となった。
都内では感染者数の増加に歯止めがかかっていない。今月23日に開会式が行われる東京五輪を前に、すでに人流抑制が難しくなっている状況が浮かぶ。

●菅内閣の支持率35%は過去最低 7割近くが「緊急事態宣言に効果なし」 7/18
共同通信社が17、18両日に実施した全国電話世論調査によると、菅内閣の支持率は35.9%で前回6月調査から8.1ポイント下落し、昨年9月の内閣発足以降最低となった。不支持率は49.8%で菅内閣として最も高く、支持率を13.9ポイント上回った。東京五輪・パラリンピックにより新型コロナウイルス感染が拡大する不安を聞いたところ、「ある程度」を含め「不安を感じている」との回答が計87.0%に上った。
政府が東京都に発令した4度目の新型コロナ緊急事態宣言について「効果があると思う」は29.4%、「効果があると思わない」は67.9%だった。酒類を提供する飲食店との取引停止要請を巡る混乱に関し「首相に責任があると思う」は72.3%。西村康稔経済再生担当相について「辞任するべきだ」は26.1%だった。

●観光業界、消えた夏の特需 4度目緊急事態に五輪無観客…「補償を」 7/18
東京都に発令された4度目となる新型コロナウイルスの緊急事態宣言(8月22日まで)が、疲弊した観光業界に追い打ちをかけている。4度目の宣言は、書き入れ時の夏休みシーズンや23日〜8月8日の東京五輪を直撃。五輪は大部分の競技会場で無観客開催となることも響き、都内のホテルでは観客らのキャンセルが相次いだ。大会延期となった昨年に続き、今年も消えた「夏の特需」。耐えかねた関係者らは国に強く補償を求めている。
「今年こそオリンピックが業績回復のきっかけになると思ったのに…」
五輪の競技会場や施設が集中する東京・有明周辺にあるホテルの担当者は、そう漏らした。
例年は7、8月は全約300室が満室続きだが、コロナ禍に突入した昨年は半分以下の客足に。そして期待をして臨んだ今夏。無観客開催が今月8日に決定すると、9、10の両日にそれぞれ数百件ずつの予約キャンセルの電話がかかってきたという。
都内で十数店舗を展開するホテルチェーン代表の男性も「どこの店舗でもキャンセルが続出している」とため息をつく。訪日客(インバウンド)の利用が多かったことから、昨年2月以降は客室稼働率が3割未満の状況。五輪特需を期待していただけに、残念な気持ちは大きい。
男性によると、観光地と違って都内のホテルはインバウンドや地方の客が中心のため、とりわけダメージが大きいという。「補償がなければ経営維持はもうできない」と語った。
本来は五輪から恩恵を受けるはずだった「オフィシャルパートナー」も例外ではない。観戦チケット付きの公式ツアーを販売していたKNT―CTホールディングス、JTB、東武トップツアーズの旅行会社3社は無観客開催決定後、ツアーの中止と返金を発表した。直前の中止のため、宿泊先のホテルのキャンセル料を負担しなければならない恐れがあるという。
8日に行われた日本旅行業協会(JATA)の記者会見でも、補償を求める声が相次いだ。高橋広行副会長(JTB会長)は旅行会社側に観戦ツアーのキャンセル料負担が発生した場合、「国に補償を求めていくことも考えたい」とした。
菊間潤吾副会長(ワールド航空サービス会長)は「観光業界には補償が全くない」と語気を強めた。さらに昨夏と違って今年は政府の観光支援策「Go To トラベル」が完全に停止されているため、より厳しい状況となることが予想される。「補償とセットでなければ、これ以上は耐えられない」
一方、国は雇用調整助成金など既存の支援策の活用を繰り返し求めている。観光庁幹部は「ホテルには営業自粛や時間短縮を求めておらず、飲食店同様に補償するのは難しい」と説明。さらに「打撃を受けている業界は他にもあり、観光業界を認めればそちらも認めなくてはならなくなる。状況が厳しいのは重々承知しているが、歯を食いしばってほしい」と語った。 

●消費調査に見る、コロナ禍前に戻った消費、沈んだままの消費 7/18
個人消費は、2020年4月から5月にかけて急激に減少した。新型コロナウイルスの感染第1波拡大に対応して人々外出を自粛したほか、1回目の緊急事態宣言発令により広範な業種で企業活動が制限されたためだ。消費総合指数を見ても、2020年5月の個人消費はコロナ禍前の平均的な水準を一気に15%程度下回っている。
緊急事態宣言が解除された後、個人消費は急回復したが、2021年に入り伸び悩んでいる。年初は感染第3波と2回目の緊急事態宣言の影響、春頃は感染第4波と3回目の緊急事態宣言の影響が表れたためだ。今年の個人消費は、コロナ禍前を5%程度下回る水準で低迷している。
見方を変えれば、昨年の個人消費は緊急事態宣言の発令・解除で大きく振れたが、今年の個人消費は宣言発令でもさほど落ち込まず、逆に宣言解除でもさほど回復せず、一進一退で低迷している。その背景としては、家計や企業が感染再拡大を懸念して一定の活動自粛を続けている影響があろう。また、需要・供給の構造が変化し、いわゆるニューノーマル(新常態)を迎えている可能性も考えられる。
個人消費の現状を把握する上では、その内訳の動向を見る必要がある。以下、家計調査を用いて2人以上世帯における消費支出額の項目別、品目別の変化を確認してみよう。
比較するのは5月の消費支出額だ。今年5月の消費支出額は、1回目の緊急事態宣言で急激に落ち込んだ昨年5月を2万9046円、率にして11.5%上回った。だが、コロナ禍前の2019年5月を1万9838円、率にして6.6%下回ったままだ。
なお、2019年5月は10連休効果で例年よりも消費支出額が上振れた点に注意する必要がある。そこで、以下ではコロナ禍前の5月データとして2017年から2019年の3カ年平均を用いる。すると、今年5月の消費支出額は3カ年平均を7358円、率にして2.6%下回ったままだ。
過半数の消費項目でコロナ禍前を上回ったが・・・
内訳を見ると、コロナ禍前を上回ったのが全59項目のうち32項目で、過半数を占めたものの、一部の項目が低迷し、全体の消費支出額を押し下げた。
以下、(1)今年5月の消費支出額がコロナ禍前の3カ年平均を大きく上回った項目、(2)昨年5月に一旦落ち込んだ後、コロナ禍前の水準並みへ戻った項目、(3)コロナ禍前を大きく下回ったままの項目、の3種類に整理してみよう。
(1)コロナ禍前を大きく上回った項目
今年5月の消費支出額がコロナ禍前の3カ年平均を大きく上回った主な項目としては、「他の諸雑費」「仕送り金」「自動車等購入」「調理食品」「肉類」「家庭用耐久財」「教養娯楽用耐久財」が挙げられる。
このうち、「他の諸雑費」は婚礼関係費が今年5月にかなり強く、コロナ禍直後に延期された分が挙行された可能性がある。ただ、家計調査は調査対象世帯数が少ないため、サンプルに偏り(バイアス)が生じている可能性もある。
また、「自動車等購入」はコロナ禍直後に外出自粛や減産・営業休止の影響で先送りされた分が購入に至った可能性もあるが、新車販売台数と比してかなり強く、サンプルバイアスの影響が大きいとみられる。
素直に喜べない「仕送り金」の増加
以上のように、今年5月の消費支出は複数のサンプルバイアスが重なり上振れた側面がある。ただし、実勢として強い項目もある。「仕送り金」は2年連続の増加だ。品目別に見ると国内遊学仕送り金が強い。学生のアルバイト機会縮小などを背景に親からの支援が増加したとみられ、手放しで喜べるわけではないものの、学生の消費縮小を抑えていよう。
「調理食品」も2年連続の増加だ。外出自粛や外食店営業縮小の影響が表れているとみられる。品目別では、昨年のコロナ禍直後は弁当の伸びが目立ったが、今年は総菜等の増加が目立つ。
「肉類」は昨年に大きく増加し、今年は減少したものの小幅にとどまった。品目別に見ても全般に同様の傾向だ。価格変化が影響した可能性もある。
「家庭用耐久財」及び「教養娯楽用耐久財」はともに2年連続で増加した。品目別ではパソコン、テレビ、電気洗濯機、他の冷暖房用器具が好調で、全般にテレワークなど在宅機会の増加が影響したとみられる。
テレビについては、地デジ切り替えから約10年が経過し、更新需要が出始めている可能性もある。他の冷暖房用器具については空気清浄機など換気需要の増加を反映している可能性がある。なお、昨年かなり強かったエアコンは、特需が一服した模様で、今年落ち込んでいる。
(2)一旦落ち込んだ後、元の水準並みへ戻った項目
昨年5月に一旦落ち込んだ後、コロナ禍前の元の水準並みへ戻った主な項目としては、「保健医療サービス」「設備修繕・維持」「自動車等維持」「月謝類」「授業料等」が挙げられる。
「保健医療サービス」は、出産入院料を除く全品目で昨年減、今年増となった。特に歯科診療代が顕著だ。昨年のコロナ禍直後は感染への不安から不急の治療を回避する動きが出たものの、感染症の対策や理解が進んだ今年は通院機会が回復していると思われる。なお、医科診療代は支出の戻りが鈍い。
スポーツや音楽などの習い事は戻らず
「設備修繕・維持」も全般に昨年減、今年増となった。昨年は不急の工事を回避する動きが出たものの、今年は回復した。なお、火災・地震保険料は2年連続の増加で、災害増により保険料率が上昇した影響が大きいとみられる。
「自動車等維持」も全般に昨年減、今年増となった。ガソリン代が顕著で、需要変動もあろうが、ガソリン価格変動の影響が大きいだろう。
「月謝類」は全品目において昨年減、今年増となった。昨年は習い事を控える動きが生じたものの、今年は回復した。ただし、回復度合いには濃淡があり、自動車教習所等はコロナ禍前を上回るものの、スポーツ月謝や音楽月謝等は下回ったままだ。
(3)コロナ禍前を大きく下回ったままの項目
コロナ禍前を大きく下回ったままの主な項目としては、「外食」「パック旅行費」「交際費」「交通」「こづかい(使途不明)」「他の教養娯楽サービス」「洋服」「宿泊料」が挙げられる。
「外食」は全般に昨年減、今年増となったが、戻りが弱いままだ。外出自粛や営業制限により一時的に需要が縮小しているほか、テレワーク普及により構造的に需要が低迷していると考えられる。最も支出額が落ち込んだ他の主食的外食の内訳は不明だが、定食などの需要が低迷しているのではないか。
飲酒代は2年連続の減少で、変化率でみればコロナ禍前対比で約9割減と最も厳しい。感染症対策による外出自粛や営業時間縮小、酒類提供制限が影響したとみられるほか、構造的な需要縮小もあろう。テレワーク普及を機に、会社関連の宴会が縮小している上に、プライベートでもしがらみ的な飲み会が減っている。なお、学校給食は昨年大幅に減少した後、今年回復しており、休校措置の解除が影響したとみられる。
2年連続で減少している「こづかい」
「パック旅行」及び「宿泊料」も昨年減、今年増となったが、戻りが弱いままだ。旅行自粛の影響が表れていよう。「パック旅行」の内訳は国内旅行と海外旅行があるが、海外旅行の支出額が2年連続でゼロ円を記録した。
「他の教養娯楽サービス」も昨年減、今年増となったが、戻りが弱いままだ。品目別にみると、インターネット接続料が増加したものの、入場・観覧・ゲーム代が全般に落ち込んでおり、外出機会縮小に伴う需要シフトを象徴的に反映している。
「交際費」も昨年減、今年増となったが、戻りが鈍いままだ。贈与金が低迷しており、親戚や友人知人等と接する機会の減少を反映している。
「こづかい(使途不明)」は2年連続の減少だ。特徴的なのは、昨年よりも今年の減少幅がより大きい点だ。世帯主こづかいが落ち込んでおり、外出機会縮小に加え、昨年末や今年夏の賞与減少等が影響しているのだろう。
「洋服」も昨年減、今年増となったが、戻りが鈍いままだ。品目別では、背広服が2年連続で減少しており、テレワーク普及の影響が表れていよう。
「交通」も昨年減、今年増となったが、やはり戻りが鈍いままだ。品目別では、鉄道運賃や有料道路料、航空運賃が落ち込んでおり、県境をまたぐ長距離移動の機会縮小を反映している。また、通勤用の定期代が落ち込んでおり、テレワーク普及の影響とみられる。
感染終息でもコロナ前に戻りきらない品目も
低迷している項目・品目は概して外出自粛や営業制限の影響が色濃いとみられる。ワクチン普及等により感染が収束すれば、個人消費は基本的には回復するだろう。ただし、外食、洋服、交通など一部品目の低迷は、テレワーク普及など構造的な側面もあるとみられる。感染が収束しても、新常態の定着で戻り切らない品目もあろう。 
 

 

●海の家からは不安の声…神奈川県で独自の緊急事態宣言初めての週末 7/19
神奈川県で独自の緊急事態宣言が出されて初めての週末、海の家では酒類の提供停止がふたたび求められることに対し不安の声をあげている。
神奈川県は新型コロナウイルスの感染の急拡大を受け16日に県独自の緊急事態宣言を出している。22日から来月22日までは県内のほぼ全域で酒類の提供停止が求めらる。
去年、海水浴場が開設されなかったため2年ぶりの営業となった江の島近くにある海の家からは「マイナススタートで迎えていますので、アルコールが出せなくなるとマイナス幅が重くのしかかるのかなと思います」(AJITO宍戸哲也オーナー)と不安の声が上がっている。
オープン前から機材のメンテナンスなどで費用がかさむなか、1カ月に渡って酒類を提供できないのは、影響が大きいという。

●4度目の緊急事態宣言、医療者でも評価分かれる 7/19
政府が、東京都に今月12日から来月22日まで4度目の緊急事態宣言を発令(沖縄県に出されている緊急事態宣言についても延長)したことについて、m3.com会員に尋ねたところ、宣言の時期・対象地域ともに回答が分散し、評価が分かれる結果となった。また、「そもそも緊急事態宣言を出す必要はない」も一定の回答数が集まった。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対し、どのような対策をとるべきか、医師の間でも意見が分かれている状況が浮き彫りとなった。
Q 緊急事態宣言を出す時期に ついて、どう思いますか。
医師・医師以外の33.3%〜41.9%が「遅すぎる」と回答する一方で、33.3%〜34.7%が「妥当」と回答した。また、16.5%〜19.7%が「そもそも緊急事態宣言を出す必要はない」と回答した。
Q 緊急事態宣言を出す地域について、どう思いますか。
医師・医師以外ともに、最も多い回答が「妥当」で36.2%〜41.2%、次いで僅差で「東京・沖縄以外に広げるべき」で28.5〜34.3%となった。また、14.1%〜17.9%が「そもそも緊急事態宣言を出すべきではない」と回答した。
Q 新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言について、お考えをお寄せください。
・先月、東京都の感染が増えていたのに緊急事態宣言解除をしたことが問題です。[勤務医]
・信頼関係に頼った診療には限界を感じる部分もある。[勤務医]
・残念ですが、国民が政府を信頼していない、結果、蔓延を防止できない。強引なオリンピック開催は響きます。[勤務医]
・もっと治療の現場かあらの発信をした方が良いと思う。政治家も一般の人も現場が分からないだろうから。[勤務医]
・みんな慣れてきている。違うやり方を考えた方が良い。[勤務医]
・基本的に政策が間違っている。オリンピックをやるなら、ワクチン接種を早急にやるべきだった。老人よりも青壮年を優先するべきだった。東京都民はいうことを聞かなくなってきている。自粛ではなく、罰則で行くべきではないか。[勤務医]
・安易に何回も緊急事態宣言を出しすぎてしまったため、実効性がなくなってしまった。
これは、医療体制を整える準備をしてこなかった自治体と、恐怖感をあおりすぎていたメディアの責任だと思う。[勤務医]
・納得できる理論的・実証的根拠が無い限り、経済を後退させさらに若者の心や身体の健康を蝕むだけ。[開業医]
・変異株が多くなって、従来株より感染性も病原性も高くなっていることが分かっているのに、対応方針が変わっていないことが理解できない。[開業医]
・そもそも3月の段階でさっさと東京・大阪のロックダウンをしていれば良かったと思う。[薬剤師]
・テレビや新聞を読まず、興味のあるSNSなどしか見ず、華のあるインフルエンサーの情報しか受け取らない。そんな人々に最も出したい緊急事態宣言が、まず伝わらない。[その他医療従事者]

●知事「五輪は家族以外との大人数・長時間観戦慎重に」新型コロナ 三重 7/19
三重県では19日、新たに7人の新型コロナウイルスへの感染が確認されました。1日あたりの感染者が10人を下回るのは、7月12日以来7日ぶりです。
感染がわかったのは、津市や鈴鹿市などに住む20代から50代までの男女7人です。
伊賀市の20代男性は、7月16日に喉に違和感を覚えたため、17日、検査を受けて陽性が判明しました。男性は17日まで県内の会社に出勤していたことから、県は職場の同僚ら8人と別居親族を含めた家族など9人の検査を進めています。
三重県の19日時点での病床使用率は17.7%で、累計の感染者は5451人です。
7月16日と17日の感染者数が、県が定める感染拡大の予兆の基準「17人以上が2日連続」を上回ったことを受けて、鈴木知事は臨時会見を開き、東京オリンピックについて家族以外での大人数・長時間での観戦は慎重に検討するなど改めての感染対策を県民に求めました。
また、この1週間での感染の傾向が30代以下の若い世代と外国籍とみられる人が半数を超えていると分析したうえで、病床がひっ迫した状況にないことなどを理由に「直ちに強い措置を講じる状況ではない」としています。

●首都圏の飲食店利用客 前回の宣言期間の平均より3割増  7/19
東京に4回目の緊急事態宣言が出されてから18日までの1週間に首都圏の1都3県で飲食店を利用した人は、ことし4月下旬からの3回目の宣言が出ていた期間の平均と比べて30%多くなったという民間の調査がまとまりました。
飲食店に予約や顧客管理のシステムを提供する東京のIT企業「トレタ」は、首都圏の1都3県にあるおよそ3000店の来店客数などを調べています。
それによりますと、18日までの1週間の来店客数は東京に3回目の緊急事態宣言が出されていた期間の平均と比べて30.2%多くなりました。
時間帯別に見ると、利用が最も多い「午後5時から午後8時」がプラス35.2%、昼食の時間を含む「午前11時から午後3時」がプラス12%でした。
一方、前の週との比較では、11.5%減りました。
時間帯別に見ると、「午後5時から午後8時」がマイナス14.4%、昼食の時間を含む「午前11時から午後3時」がマイナス5.9%で、東京に4回目の緊急事態宣言が出されたことにともなって来店客数は減っています。

●東京都 感染急拡大 7日間平均1000人超に 第3波の1月以来の水準  7/19
東京都に4回目の緊急事態宣言が出されてから19日で1週間となります。都内では感染の急拡大が続いていて、18日までの7日間平均は1000人を超えて、第3波のことし1月以来の水準となっています。
都内の7日間平均は377.7人だった6月19日以降、18日まで、29日連続で上昇しています。
1週間前の今月12日に4回目の緊急事態宣言が出されて以降も感染の急拡大が続いていて、12日時点で756.7人だったのが、17日に1000人を超えて1012.0人、18日は1068.3人になりました。
1000人を超えるのは、第3波のことし1月以来です。
また、7日間平均の前の週からの増加を見ると、17日が140.5%、18日が145.6%でした。
140%以上となるのも第3波のことし1月以来で、増加のペースが加速しています。
第3波では、ピーク時に7日間平均が1861.1人、前の週からの増加が207.1%となるなど急速に感染が拡大し、入院患者が急増して医療提供体制がひっ迫しました。
加藤官房長官は午前の記者会見で「厚生労働省の専門家会合では、首都圏の感染状況について、夜間、昼間とも滞留人口が増加しており、東京を中心に少なくとも当面は感染の拡大が懸念されるなどの評価、分析がなされている。引き続き、感染状況や医療のひっ迫状況をしっかり注視しながら、緊張感を持って、各都道府県ともよく連携をとりながら感染対策に対応していく必要がある」と述べました。

●専門家「感染増の要因しかない 深刻な状態だと認識を」 7/19
東京都で4回目の緊急事態宣言が出されてから19日で1週間がたちました。こうしたなかでも感染が拡大し続けている現状について、国際医療福祉大学の松本哲哉教授は「これから夏休み、オリンピックと感染が増える要因しかなく、かなり深刻な状態だと、もう1度、認識してほしい」と訴えました。
【都内の感染 1日3000人近くの可能性も】
まず松本教授は都内で、このところ1000人を上回る感染者数となる日が続き、18日までの7日間平均も1000人を超えていることについて「緊急事態宣言下でありながら感染者数が加速度的に増えている。多くの人たちが緊急事態に慣れてしまい、感染対策を呼びかけても行動に抑制がかかっていない」と指摘しました。そのうえで「これから夏休み、それにオリンピックと考えると、感染者数が増える要因しかなく、減る要因がない。今回が一番大きな波になり、1日3000人近くまで増える可能性も覚悟して、かなり深刻な状態だともう1度、認識してほしい」と危機感を示しました。
【「デルタ株」影響 職場や学校でのクラスター懸念】
また、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」の影響で、職場や学校などでのクラスターも増えていると指摘します。松本教授は「今回の感染拡大では職場や、これまで少なかった学校などでのクラスターも増えている。感染力が強いというのは、その人が持つウイルスの量が相当多くなっていることだと考えてもよく、最近は3密ではなく、2密や1密でも感染しやすくなっている。私たちの外来でも思い当たることがないという方もかなりいるし、若い人の重症例も増えている」と話していました。
【五輪テレビ観戦にも注意を】
そのうえで、開幕を控えた東京オリンピックの期間中も感染防止策の徹底が必要だと訴えます。松本教授は「無観客でも集団で飲食しながらテレビでオリンピックを見るということになれば、結局、感染が起こりやすい状況に変わりはない。なるべく多人数で集まらないこと、大声を上げて近い距離で話をする機会を作らないことが大事だ。多くの人が集まることは避け、家でオリンピックを応援するよう徹底してほしい」と話していました。

●緊急事態宣言は意味をなさない東京、1週間前に比べて感染者数45%増加 7/19
東京五輪を4日後に控えた状況で開催地東京の新型コロナウイルス感染拡大の勢いが衰えない。
NHKによると19日、東京都の新型コロナウイルス新規感染者数は727人と集計された。1週間前の同じ曜日に比べて225人(44.8%)増えた水準だ。東京都では30日連続で1日当たり感染者数が前週の同じ日の感染者数を上回っている状況だ。最近の1週間で東京都における感染者数は45.4%増加した。
東京では14日から18日までの5日間で1日当たり感染者数は1000人を超えた。1週間の平均感染者数は19日で1100人を超え、前週比で45.4%増えた。4回目となる緊急事態宣言を発出した今月12日、東京都における1週間の平均感染者数は756人だったが、17日には1000人を超えた。19日には1068人となり、第3波流行時の今年1月以降最多となった。
既存のウイルスよりも伝播力が強いデルタ変異株が感染拡大に勢いをつけているという分析だ。新型コロナウイルス重症患者のほとんどは、ワクチン接種率が低い50代以下の若年層がほとんどだ。先月中旬までは国立競技場の近くの病院の病床使用率は30%程度だったが、入院患者が増えたことで19日午前には70%に達し、医療崩壊が懸念されている。
また、日本政府による防疫対策が効果をもたらしていないという点も問題として指摘されている。昨年から今まで4回にわたって緊急事態宣言を発出したせいで、国民の疲労度も増しているという説明だ。国際医療福祉大学の松本哲哉教授は「多くの人が緊急事態宣言に慣れて、感染対策を訴えても(距離を置く)行動につながらなかった」と評価した。
夏休みや東京五輪開幕など感染が増える状況しか残されていないという憂慮も出ている。松本哲哉教授は「新規感染者数が1日3000人に増える可能性も覚悟しなければならない」とし「かなり深刻な状況であることをもう一度認識してほしい」と防疫措置を遵守することを促した。

●小池知事の「観客上限は政府の方針に沿って」発言 政府に判断丸投げ 7/19
東京に4回目の緊急事態宣言が発令されるなか、東京五輪は「無観客」で強行開催される。政治家は国民に根拠なき楽観論を振りまいて開催へ“特攻”していった。
国民を危険に追い込んだ政治家と五輪貴族は、「祭が始まれば、そんな怒りなど忘れるさ」とタカをくくっている。だからこそ、その亡国の発言をきちんと記録しておかなければならない。
昨年3月24日、当時の安倍晋三・首相はトーマス・バッハIOC(国際オリンピック委員会)会長との会談で五輪の1年延期方針を決め、「人類が新型コロナに打ち勝った証として、完全な形で開催する」と語った。
小池百合子・東京都知事も言動の無責任さでは負けていない。昨年3月には安倍氏の「完全な形」発言を「ここは安倍総理の考え方と共通している」と支持していたが、感染拡大で旗色が悪くなると次々に責任転嫁発言を繰り出した。
東京が3回目の緊急事態宣言下にあった今年5月に米国政府が日本への渡航中止勧告を出すと、「アメリカの委員会が『東京オリンピック・パラリンピックについては問題ない』というメッセージを出していると聞いている」と米国五輪委員会の“お墨付き”を理由に開催は可能との見方を示した。
さらに、6月に政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂・会長ら専門家有志が「無観客開催が望ましい」と提言すると、政府に判断を丸投げするような次の発言をした。
「観客の上限は政府の方針に沿って決める」
その小池氏の後見人的存在の二階俊博・自民党幹事長も五輪を混乱させた。今年初めには、
「スポーツ振興を図ることは国民の健康にもつながる。『(五輪を)開催しない』という考えを聞いてみたいくらいだ」
「選手は観客がいたほうが良いに決まっている」
と言っていたかと思うと、4月の菅首相の訪米直前に「『これ以上、とても無理だ』ということであれば、すぱっとやめなければならない」と中止論をぶち上げ、その後も会場での酒の提供禁止や無観客開催に言及してきた。
一見、民意に敏感なように見えるが、「五輪に失敗したら菅首相だけに責任を負わせるための予防線。五輪を政局に利用している」(自民党ベテラン議員)との見方が有力だ。

●都内感染急拡大 7日間平均で1000人超 第3波以来の水準 7/19
東京都に4回目の緊急事態宣言が出されてから19日で1週間となります。都内では新型コロナウイルスの感染の急拡大が続いていて、18日までの7日間平均は1000人を超えて、第3波のことし1月以来の水準となっています。
都内の7日間平均は、377.7人だった先月19日以降、今月18日まで29日連続で上昇しています。
1週間前の今月12日に4回目の緊急事態宣言が出されて以降も感染の急拡大が続いていて、12日時点で756.7人だったのが、17日1000人を超えて1012.0人、18日は1068.3人になりました。
1000人を超えるのは、第3波のことし1月以来です。
また、7日間平均の前の週からの増加を見ると、17日が140.5%、18日が145.6%でした。
140%以上となるのも、第3波のことし1月以来で、増加のペースが加速しています。
第3波では、ピーク時に7日間平均が1861.1人、前の週からの増加が207.1%となるなど、急速に感染が拡大し、入院患者が急増して医療提供体制がひっ迫しました。

●五輪5日前に選手村の選手2人が初めて感染確認… 7/19
23日の東京五輪開幕を5日後に控え、選手村でさらに2人の選手が新型コロナウイルス感染判定を受けた。選手村で出場選手の感染が確認されたのは初めて。東京を中心に日本国内の感染者が4千人に迫るなど新型コロナの拡散も続いている。
東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会は18日、「選手村に滞在する選手2人が新型コロナの検査で陽性判定を受けた」と発表した。選手村に滞在している選手の中では、初めてコロナ感染が判明した事例だ。これに先立つ16日、海外から入国した五輪関係者が新型コロナ感染の判定を受け、選手村内で初の感染者が発生してから2日後のことだ。
日本当局と大会組織委員会は徹底した新型コロナ防疫を誓っているが、五輪開幕(23日)を数日後に控え、相次いで感染者が発生し、選手村内の防疫に穴が開いたのではないかという懸念が高まっている。
組織委員会は、個人情報を理由に今回陽性判定を受けた人の国籍や性別、年齢などは明らかにしなかった。組織委員会の関係者は「3人とも同じ国の出身で、同じ種目に参加している」とし「彼らの部屋に隔離されており、食事も配達される」と述べたとAFP通信が伝えた。選手村は出場選手と関係者など6700人を収容できる。
組織委員会はこの日、選手2人を含め五輪関係者のうち10人が新たに陽性判定を受けたと明らかにした。残りの8人は、大会関係者5人、マスコミ関係者2人、組織委の委託業務職員1人。組織委員会が明らかにした五輪関連の感染者は計55人に増えた。
また、ウガンダの重量挙げ選手のジュリアス・セチトレコ選手(20)が今月16日、大阪のキャンプを離脱し、日本の防疫当局の懸念を生んでいる。ウガンダ代表チームは日本入国当時、2人がコロナ感染の判定を受けたからだ。彼は宿舎に「ウガンダでの生活が厳しいため日本で働きたい」という内容のメモを残したという。
日本国内の新型コロナ感染も拡散傾向が続いている。NHKの集計によると、17日午後6時30分現在の新規感染者は3886人で、東京など全国10の広域地域で緊急事態が発効されていた5月27日(4134人)以降、最も多い。新規感染者が3千人を上回ったのも、14日以降4日続いている。
東京都の場合、この日の新規感染者は前日より139人増えた1410人。前週の同じ曜日に比べ新規感染者が28日連続で増加し、1月21日(1471人)からの6カ月で最多となった。今月12日から4回目の緊急事態宣言が発効した東京のほか、神奈川県(539人)、埼玉県(318人)、千葉県(244人)の首都圏3県が、居住人口に対して新規感染者数が緊急事態宣言のレベルを超え、緊急事態に準ずる強化された防疫対策を実施している。この日までの日本の累積感染者は83万9109人、総死亡者数は1万559人となった。

●18日の人出 東京や大阪では3回目宣言期間より増加 7/19
新型コロナウイルスの感染の急拡大が続く中、18日日曜日の東京や大阪の人出は、4月から6月にかけて出された3回目の宣言の期間の土日、祝日平均を大きく上回りました。
NHKは、IT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て、個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使って、各地の主な地点の人の数を分析しました。
分析した時間は、日中が午前6時から午後6時まで、夜間が午後6時から翌日の午前0時までです。
18日の人出を3回目の宣言が出ていた期間の土日、祝日の平均と比べたところ、東京では渋谷スクランブル交差点付近で日中は47%、夜間は50%増加しました。
東京駅付近では日中は6%減りましたが、夜間は7%増加。
大阪梅田駅付近では日中は130%増加とおよそ2.3倍に、夜間も136%増加とおよそ2.4倍となりました。
一方、前の4週間の土日の平均と比べたところ、5月から緊急事態宣言が続いている沖縄では那覇市の県庁前駅付近で日中は26%増加、夜間も72%増加しました。
このほかまん延防止等重点措置が延長されている埼玉、千葉、神奈川では、大宮駅付近で日中は13%、夜間は35%それぞれ減少、千葉駅付近も日中は6%、夜間は28%それぞれ減少、横浜駅付近も日中は3%、夜間は6%、それぞれ減少しました。

●1000人規模のものも…!政治家たちの「駆け込みパーティ」現場 7/19
4回目の緊急事態宣言が発令される4日前の7月8日。東京・芝公園(港区)にある東京プリンスホテルの大広間に、多数の人が集まっていた。この日開催されたのは、『宏池会と語る会』。自民党・岸田文雄前政調会長の派閥の政治資金パーティである。
「会費は一人2万円。入り口にサーモセンサーが設置されていたり、会場で消毒液の使用を何度も促(うなが)されるなど、たしかに感染防止対策は行われていました。しかし、会が始まる直前の夕方5時半過ぎには、ホテルのエントランスは黒山の人だかりとなっていた。おそらく1000人近くは出席していたのではないでしょうか」(出席者)
同じ7月8日には、石破茂氏の派閥『水月会』も都内のホテルで政治資金パーティを開催していた。12日の緊急事態宣言の発令前に、各派閥が駆け込みでカネ集めのためのパーティを開催したのだ。
この前日の7日に緊急事態宣言発令の方針が報じられ、全国で飲食店を始めとする多くの人が悲鳴をあげていた。
7月14日、岸田派議員の秘書4人が新型コロナ陽性になったと報じられた。この4人は、それぞれ岸田氏や馬場成志参院議員など別々の議員の秘書で、彼らが一堂に会した、このパーティでのクラスターの可能性が高い。国民の苦しみを無視し、自分たちの手で感染を広げているのだ。
国民の声などまるで聞く気がないのは、感染症対策のトップも同じである。東京・永田町(千代田区)の「憲政記念館」。7月5日、ここの講堂で、『鳩山二郎政経セミナー』なる政治資金パーティがひっそりと開かれていた。そこに現れたのは、田村憲久厚労相だ。出席者が話す。
「これは衆院議員の鳩山二郎氏の政治資金パーティで、100名ほどが出席していたと思います。この会のゲストスピーカーとして田村氏が招かれたのですが、講演テーマは『新型コロナ対策について』でした。多数の人を一室に集めて、コロナ対策について話すという、まるでブラックジョークのような催しでした」
田村氏も、バレたらまずいと考えたのだろう。SPに囲まれながら、会場の正面玄関ではなく、裏口からこっそり出入りしていた。
田村氏の事務所に話を聞くと、「講演等で政府の政策を説明することは差し支えない旨を官房長官に確認し、了承を得て、講演した」と答えた。政治ジャーナリストの角谷浩一氏が語る。
「講演の依頼があっても、感染拡大を防ぐ陣頭指揮をとるはずの厚労相である以上、知恵を尽くすべきでしょう。リモートで講演をする、ビデオメッセージにするなど、いくらでもやり方はあったはずです。派閥のパーティにしても、秋に衆院選を控え、資金集めをしなくてはならないので、背に腹は代えられないということでしょう。しかし、飲食店を始めとする国民のほうが疲弊、困窮しています。自分たちの都合は押し通し、国民には犠牲を強いる。あまりに身勝手なのではないでしょうか」
自分たちの都合で、パーティも五輪も強行する。そのツケを支払わされるのは、常に国民なのだ。

●内閣支持率39.0%に下落 ワクチン接種順調でない70.5% FNN・産経合同世論調査 7/19
問1 菅内閣を支持するか、支持しないか?
1.支持する 39.0% 2.支持しない 55.5% 3.わからない・言えない 5.5%
問2 どの政党を支持するか?
1.自民党 36.3%
2.立憲民主党 8.0%
3.公明党 2.4%
4.共産党 3.7%
5.日本維新の会 2.2%
6.国民民主党 0.7%
7.社民党 0.7%
8.れいわ新選組 0.3%
9.嵐の党 0.0%
10.その他の政党 0.4%
11.支持政党はない 41.0%
12.わからない・言えない 4.2%
問3 政府の新型コロナウイルス対策を評価するか、しないか?
1.評価する 30.4% 2.評価しない 63.8% 3.わからない・言えない 5.8%
問4 政府は、東京に4回目の緊急事態宣言を発令し、埼玉・千葉・神奈川・大阪のまん延防止等重点措置と、沖縄の緊急事態宣言を、8月22日まで延長した。この決定をどう考えるか?
1.妥当だと思う 38.8%
2.もっと厳しくするべきだと思う 44.8%
3.もっと緩和するべきだと思う 12.7%
4.わからない・言えない 3.7%
問5 政府は、酒類の提供を続ける飲食店対策として、金融機関への働きかけの要請や、酒類の販売業者への取引停止の要請を行ったが、撤回した。当初の要請をどう思うか?
1.妥当だったと思う 22.9% 2.妥当だったと思わない 74.2% 3.わからない・言えない 2.9%
問6 東京オリンピックは、開会式やほとんどの競技を無観客で開催することになったが、どう思うか?
1.妥当だと思う 39.4%
2.観客を制限して入れるべきだと思う 24.4%
3.中止すべきだと思う 35.4%
4.わからない・言えない 0.8%
問7東京オリンピック・パラリンピックで、海外から来る選手や関係者に関する感染拡大防止策をどう思うか?
1.とても効果があると思う 2.6%
2.ある程度効果があると思う 40.6%
3.あまり効果はないと思う 40.5%
4.まったく効果はないと思う 14.3%
5.わからない・言えない 2.1%
問8 23日に開幕する東京オリンピックを楽しみにしているか?
1.楽しみにしている 47.2% 2.楽しみにしていない 49.2% 3.わからない・言えない 3.6%
問9 政府による新型コロナウイルスワクチン接種の進捗状況をどう思うか?
1.順調に進んでいる 26.5% 2.順調に進んでいない 70.5% 3.わからない・言えない 3.0%
問10 ワクチン接種について、どう考えるか?
1.接種を受けるつもりだ 31.3%
2.すでに接種を受けた 48.8%
3.様子を見て接種を受けるか判断する 15.6%
4.接種は受けない 4.2%
5.わからない・言えない 0.1%
問11 国内での「ワクチンパスポート」、接種証明書の利用について、どう考えるか。
1.商業施設や飲食店・旅行など、国内で幅広く利用できるようにすべきだ 50.3%
2.国内での利用は限定的にすべきだ 30.4%
3.国内で利用できるようにすべきでない 14.1%
4.わからない・言えない 5.3%
問12 秋までに行われる衆議院選挙の比例代表で、どの政党に投票しようと思うか?
1.自民党 32.3%
2.立憲民主党 10.8%
3.公明党 3.1%
4.共産党 4.6%
5.日本維新の会 2.8%
6.国民民主党 1.0%
7.社民党 0.9%
8.れいわ新選組 0.4%
9.嵐の党 0.0%
10.その他の政党 2.3%
11.投票には行かない 6.3%
12.わからない・言えない 35.6%
問13 次の首相には誰がふさわしいと思うか。
1.安倍晋三 8.7%
2.石破茂 16.0%
3.枝野幸男 5.5%
4.加藤勝信 0.4%
5.岸田文雄 3.2%
6.河野太郎 18.1%
7.小泉進次郎 8.5%
8.下村博文 0.1%
9.菅義偉 9.1%
10.西村康稔 0.2%
11.野田聖子 0.8%
12.茂木敏充 1.0%
13.この中にはいない 20.7%
14.わからない・言えない 7.7%

FNN・産経合同世論調査 / 全国の18歳以上の1179人 / 期間:2021年7月17〜18日
 

 

●デヴィ夫人 無観客五輪「日本だけがへっぴり腰」と口撃 7/20
タレントのデヴィ夫人(81)が16日、東京都内でセレブパーティーを開いていたことが分かった。4回目の緊急事態宣言下でパーティー当日は東京の新型コロナウイルス感染者が3日連続で1000人を超え、感染拡大が鮮明な中での開催だった。デヴィ夫人は開幕(23日)目前の東京五輪が無観客で開催されることに「最低」と憤慨ツイートも放ったばかり。荒ぶる貴婦人の胸中は――。
複数の知人によると、デヴィ夫人は16日、都内の結婚式場兼レストラン店「T」で、セレブパーティーを開催した。
「デヴィさんは5〜7月にチャリティーパーティーを主催しています。例年は都内のホテルですが、今年はT。昼夜2部制でした」(知人)
会費は昼の部2万2000円、夜の部2万7000円。東京は12日から4度目の緊急事態宣言下で、16日は新型コロナの感染者が1271人報告されて3日連続の1000人超えとなった中での開催だった。
デヴィ夫人は昨年大みそかから今年正月にかけて、都内で90人規模のカウントダウンパーティーを開催。SNS上で波紋を呼んでいただけに、今回は感染対策により配慮したようだ。
「300人収容の広間で、出席者は100人超だったようです」(前出の知人)
パーティーの模様を撮った写真も入手。円卓にパーティションはない。食事中はさすがにノーマスクだった。
「都内の飲食店は午後8時までの時短を求められていることもあって、夜の部は午後4時開始・午後8時終了に前倒ししたようです」(同)
デヴィ夫人は19日、取材に対し、今回のパーティー開催について「4度目の緊急事態宣言が政府の方針として決まったのは最近で、私たちの招待状はだいぶ前に送付しており、イベントをキャンセルしたり延期したりはできません」と経緯を説明。「私たちの生活範囲内から感染者は一人も出ておらず、昨年、5回のイベントを開きましたが、感染者は一人も出ておりません」と主張した。
確固とした信念を持っての開催だったことは、パーティー2日後の18日の東京五輪に関するツイートから読み取れる。夫人は「オリンピックを無観客でするなんて最低」「世界の祭典を堂々と開催すべき。IOCバッハ会長に失礼な事をするのは日本人の恥。コロナに負けず、今や国家と国民が一致団結してオリンピックを成功させ日本ここにありと世界に発信すべき」としていた。
そこで東京五輪の開催是非についても改めて見解を求めたところ、「大いに賛成です。また、有観客にするべきだと思っております」と回答。「オリンピック競技場はオープン・エアです。PCR検査、検温、消毒、マスク、座席は一人置きで座れば、何の問題も起きないはず」とした。その上で「世界のスポーツ大会でも有観客が当たり前の中、日本だけが、へっぴり腰。軟弱すぎます」と訴えた。
確かに大谷の活躍で沸く米国のメジャーリーグや、テニスの全英オープン、サッカーの欧州選手権は有観客開催で盛り上がった。日本だけ≠ヘともかく、一部の主要国で人流の規制緩和が始まっているのは事実だ。
デヴィ夫人と意見やスタンスの違いはあるが、五輪の有観客派も少なくない。サッカーU―24日本代表主将のDF吉田麻也(32=サンプドリア)、五輪選手村村長の川淵三郎氏(元日本サッカー協会会長)、そしてIOC会長であるバッハ氏が声を上げている。各界の著名人では脳科学者の茂木健一郎氏、元総務相で現パソナ会長の竹中平蔵氏、元衆院議員でタレントの杉村太蔵らがいる。
緊急事態宣言下のパーティー開催と五輪に関する発言は再び波紋を招くだろうが、デヴィ夫人にひるむ様子はない。「日本人の意気を見せるときです」と最後も強気に結んだ。

●日本で新型コロナ急増…1週間前より55%増加 7/20
東京五輪開幕を4日後に控えた19日、日本国内の新型コロナウイルス感染者が急増している。
NHKによるとこの日午後6時30分基準で日本の新型コロナウイルス新規感染者数は2329人と集計された。1週間前の同じ曜日と比較すると54.9%増えた水準だ。
これにより日本国内の累積感染者数は84万4539人、死亡者は12人増加し1万5075人になった。
五輪開催都市の東京でも新型コロナウイルスの感染拡大傾向は相変わらずだ。この日東京では727人の新規感染者が報告された。これは1週間前より44.8%増加した数値だ。
1週間前の同じ曜日と比較した東京の新規感染者は先月20日からこの日まで30日連続で増加傾向を見せた。
日本政府が新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するため緊急事態宣言を発令したが効果は現れていない。
共同通信が17〜18日に日本の有権者を対象に実施した世論調査で、回答者の67.9%は東京で4回目の発令となった緊急事態宣言が感染拡大を防止する効果がないと答えた。
また、回答者の87.0%は東京五輪・パラリンピックが開催される場合、新型コロナウイルスの感染が再拡大するという不安を感じていると明らかにした。

●山下、橋本、丸川、森、バッハ…「亡国五輪」に誘った関係者の妄言集 7/20
東京に4回目の緊急事態宣言が発令されるなか、東京五輪は「無観客」で強行開催される。政治家や五輪貴族たちは、国民に根拠なき楽観論を振りまいて開催へ“特攻”していった。そんな彼らの“亡国の発言”をきちんと記録しておく必要があるだろう。
五輪に向けて調整に懸命なアスリートを自分たちの「保身の楯」に使っているのがJOC(日本オリンピック委員会)や組織委員会の首脳たちだ。
山下泰裕・JOC会長は会見(6月28日)で「一部の選手に心ないメッセージが届いている」としたうえで、国民にこう呼びかけた。
「叩くんだったらJOCとその会長の私を叩いて」
五輪開催に対する不安と不満の矛先が何の責任もない選手に向けられていることを批判し、選手を守っているつもりかもしれない。
だが、JOCや組織委員会が国民の不安に正面から向き合い、解消する努力をしてこなかった結果、国民の一部はどうしようもない怒りを選手に訴えるという間違った方向に向けた。そうした事態を招いた責任を棚に上げて「叩くならJOCと私」とは悲劇のヒーロー気取りでしかない。
「選手を楯」に開催を正当化する発想は組織委員会の森喜朗氏の次の発言からもわかる。
「無観客だっていいじゃない。お客さんのために五輪があるわけじゃない」
組織委副会長を務める遠藤利明・元五輪相の政治資金パーティー(7月6日)でそう語り、「やっぱり一生懸命努力してきたアスリート(のためにある)」と続けた。
選手たちはオリンピズムをわかっていない人が組織委の会長をやっていたのかと暗澹とした気持ちになったはずだ。
五輪は、「文化・国籍などさまざまな差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献する」(JOCのHPより)ことを目的としている。
それを“アスリートのために五輪を開いてやる”と言わんばかりの森氏の発言は、開催の不満が一層選手に向けられかねない。
競泳の池江璃花子選手らにSNSなどで出場辞退を迫る書き込みが行なわれたことに、「アスリートが責められるべきじゃない」と言う橋本聖子・現組織委員会会長は、こうも話した。
「選手が“ぜひやりたい”とすら言えない状況にある」
アスリートを五輪開催正当化に利用する発想が“父”と慕う森氏と同根である。
国民の「平和の祭典」に対する期待をしぼませた発言は多い。
丸川珠代・五輪相は、今年3月には「厳しい生活を続けている国民の皆さまの理解を得る」と語ったが、4月になると「IOC(国際オリンピック委員会)のコーツ調整委員長の『必ず開催する』という言葉は非常に心強く思っている」と語り、IOCに責任転嫁してみせた。
さらに、政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂・会長が国会で「パンデミックの中での五輪開催は普通ではない」と証言するとこう批判してのけた。
「全く別の地平から見てきた言葉をそのまま言ってもなかなか通じづらい」
国民には尾身証言のほうが実感に近い。丸川氏は自分が“国民とは全く別の地平”に立って開催を推進していることを自ら白状したに等しい。
IOC幹部たちも開催国の国民の気持ちを逆なでする発言を残してきた。トーマス・バッハ会長は東京で緊急事態宣言が発出された場合の開催についてこう語っていた。
「(緊急事態宣言は)五輪とは関係ない」
ジョン・コーツ副会長はもっとはっきり、「緊急事態宣言下での開催? 答えはイエスだ」と発言。IOCの古参委員でオリンピック放送機構会長を務めるディック・パウンド氏は「アルマゲドンが起きない限り大会は開催される」と言い切った。
こうした発言で国民の心は五輪から離れ、無観客開催決定で東京は五輪の“ロケ地”となった。
「テレビでも十分感動できる」
西村康稔・経済再生相はNHKの番組でそう語ったが、国民全員テレビで見るなら東京で開催する意味はない。
政治家や五輪貴族たちの無責任な言葉によって、国民は逆に五輪不信と感染への不安を募らせている。この国の政治家が五輪強行で日本の「コロナ敗戦」を覆い隠そうとしているとしか見えないのだ。

●緊急事態宣言も影響か…お盆期間中の新幹線・指定席予約で96%と微減 7/20
JR東海はお盆期間中の東海道新幹線の指定席の予約状況について、東京での緊急事態宣言の影響などで、去年より20%以上下回っていると明らかにしました。
JR東海によりますと、8月6日から17日までのお盆期間中、東海道新幹線の指定席はおよそ29万席の予約が入っています。
これは去年の同時期より少ない96パーセントにあたり、新型コロナウイルスの影響を受ける前の2019年と比べると8割ほど減少しているということです。
去年より予約数が減っていることについて、JR東海は「東京で緊急事態宣言が出されていることが一定の影響を与えたとみられる」としています。
一方、在来線特急の予約状況は2万席で、前年比112パーセントと増えています。

●劇場版「鬼滅の刃」4連休にまた上映 緊急事態宣言でも東京では売り切れ 7/20
「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が、またスクリーンに戻ってくる。2021年7月22日〜29日の期間限定で、全国383の映画館で上映される。
2020年10月16日に公開されて以降、半年以上に及ぶ超ロングランで劇場では上映されてきた。その後、ほとんどの劇場で公開終了し、ブームも落ち着いてきたかと思いきや、再上映の予約が始まるとたちまち売り切れの人気ぶりだ。
同作品は上映期間が長かったこともあり、すでに何度も劇場に足を運んで鑑賞した人も多い。21年5月24日には、国内史上初となる興行収入400億円を突破した。米国でも2021年4月23日に映画が公開に。4月30日から5月2日の週末にかけて、全米でトップになるほど、海外でも高く評価されている。
大人気作品が再び映画館で見られることもあり、チケットはすでに争奪戦となっているところも。「TOHOシネマズ」では、上映2日前から鑑賞チケットの予約ができる。公開日の21年7月22日分は、7月20日の0時から予約が受け付け開始になった。記者がTOHOシネマズの公式サイトを確認すると、21年7月20日13時時点で、六本木、錦糸町、渋谷、新宿、池袋など都内の映画館ではすでに「売り切れ」の表示が出ている。
ツイッターには、無事にチケットが取れて安堵する人や、見たかった回が売り切れていて悔しがる人の書き込みがあった。いずれも、未だに続く人気ぶりに驚く人が多い。また、劇場版「鬼滅の刃」は、地上波での放送も決まっている。21年9月25日夜21時から、フジテレビ系の土曜プレミアムで、全編ノーカットで放送予定だ。あと少し待てばテレビで見られるのに、とつぶやく人も。
世間では公開初日7月22日からちょうど4連休がスタートする。夏休みに入った学生も多く、映画館は混雑しそうだ。
 
 
 

 

●コロナ自粛は若者にとって「イベント」だった?「宣言」繰り返すうちに関心なし 7/21
4度目の緊急事態宣言入った東京だが、人流抑制の効果は期待できなさそうだ。AERA 2021年7月26日号で、宣言の自粛効果は「1度しか利かない」と専門家は指摘する。
57日に及んだ3度目の緊急事態宣言が解除されてから、わずか22日後の再発出だった。7月12日、東京都は4度目となる緊急事態宣言期間に突入。8月22日まで、計42日間の長丁場だ。五輪開会式を挟む7月の4連休も、お盆休みも、子どもたちの夏休みの大半も緊急事態宣言下に置かれることとなる。だが、感染拡大防止の「肝」とされる人流抑制に、宣言はもはや役に立たないかもしれない。
国内の旅行需要回復は、緊急事態宣言発出が決まってもなお堅調だ。全日空では緊急事態宣言発出が決まる前の段階で、7月22〜25日の4連休に前年同期比2倍の国内線利用者を見込み、連休初日と最終日、さらにお盆休みのピーク日には全国で1日10万人が利用する見通しを示していた。緊急事態宣言の影響は「精査中」としているが、宣言発出が決まった8〜11日の4日間でお盆シーズンの国内線予約数は約2万人増えたという。
街の声を聞いても、「宣言不発」が顕著に表れている。宣言初日、7月12日の新宿・歌舞伎町の夜は、これまでと変わらぬ明るさだった。都では酒類やカラオケ設備を提供する飲食店には休業を要請。提供をやめる場合には午後8時までの時短営業を求めているが、夜11時を回っても多くの店のネオンが輝いている。客引きの女性によると「先週とあまり変わっていない」。
すでにおなじみの光景となった「路上飲み」をするグループもあちこちにいる。歌舞伎町一番街に面したシネシティ広場(旧コマ劇場前広場)では、計120人ほどがたむろしていた。なかには奇声をあげながら缶チューハイを一気飲みしたり、霧吹きのように口から酒を噴き出したりして大笑いしている10人ほどのグループもいる。
20代の男女4人に話を聞くと、3人は緊急事態宣言が出ていることすら知らなかった。唯一「知っている」と答えた大学生の女性もこう話す。
「『またか』としか思わない。今年の初めごろまでは自粛してストレスをためていたけれど、もう気にならなくなりました。宣言が出たからといって何か行動を変えることはないですね」
慶応義塾大学大学院の小幡績准教授(行動ファイナンス)は、緊急事態宣言にもはや人流を抑制する効果はないとして、こう指摘する。
「昨年4月、最初の宣言のときは未知のウイルスに対する『恐怖』から皆が行動を自粛しました。けれど、恐怖で行動を支配するのは『ジョーカー』で1度しか使えない。2度目からは『脅し』が利かなくなって自粛効果がなくなりました」
さらに、最初の宣言時には若者が自粛を「イベント」として消費した側面もあるという。
「『コロナ自粛』がいわば目新しいトレンドで、若者もイベントとして積極的に参加した。ただ、2度、3度と繰り返すうちに関心を持たなくなりました」(小幡准教授)

●東京都で新たに1832人のコロナ感染確認 7/21
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う4回目の緊急事態宣言が出されている東京都内で、21日、新たに1832人の感染が確認されました。都内の感染者は、2日連続で1000人を超えました。
1日の感染者が1800人を超えるのは、第3波に見舞われた1月16日以来、およそ半年ぶりです。直近7日間の感染者数の平均は1277.6人で、前の週の155.2%となりました。一方、新たに4人の死亡が確認されたほか、重症者は4人増えて64人でした。

●東京都で1832人の新型コロナ感染確認、専門家は感染急拡大を懸念 7/21
東京都は21日、新たに1832人(前日1387人)の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。1800人を超えるのは1月16日(1839人)以来。
発表によると、感染者の直近7日間移動平均は1277.6人(同1180.0人)で前週比155.2%(同149.3%)となった。重症者は64人(同60人)。
年代別の感染者数は20代が577人で最も多く、30代が410人、40代が294人で続いた。20−30代が全体の54%を占めた一方、ワクチン接種が進んでいる60代以上の割合は6%にとどまっている。
政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長は20日、日本テレビの番組で、8月第1週には東京で1日当たりの感染者数が3000人近くまで増加するとの見通しを示した。その上で「医療のひっ迫が起きてくる可能性が極めて高い」と指摘した。
21日の都のモニタリング会議では専門家が、現在のペースで感染拡大が続いた場合、1週間平均の新規感染者数は2週間後の8月3日に1日当たり約2598人になると予測。変異株への置き換わりが進み、増加比がさらに上昇すれば「2週間を待たずに第3波をはるかに超える危機的な感染状況になる」と分析した。第3波のピーク時は1日当たり約1816人。

●「緊急事態」下の4連休、沖縄へ観光客戻る兆し 7/21
新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言下で4連休を控える中、観光客が一定戻る兆しがある。航空関係者によると、連休の予約は前年同期比で8割からほぼ横ばい。宣言延長でキャンセルは出ているものの、「Go To トラベル」が始まった昨年の同時期と比べると減少幅は大きくない。レンタカーも少人数での予約も一定数ある。一方、政府が実施する沖縄便の搭乗者への無料PCR検査が始まったが、予約数は国も県も把握していない。観光業界からは実効性のある水際対策を求める声が上がる。
航空関係者によると、22日からの4連休の予約状況は、前年同時期と比較して8割程度という。「主要マーケットの東京に緊急事態宣言が出された影響が大きく、昨年よりも伸び悩んでいる」(関係者)。別の関係者は「予約の伸びは鈍化しているが、予約は前年並みか若干多い程度」という。
だが、昨年の同時期は、県をまたぐ移動自粛が全面解除され、観光客が回復基調にあった状況を踏まえると、緊急事態宣言下の今年は昨年比で航空便の予約数に大きな減少幅は見られない。
レンタカー業界の関係者によると、宣言延長でファミリーなど団体客向けのワゴン車のキャンセルは出ているが、若者の利用が多い小型車は予約が比較的入っているという。
新型コロナウイルスの新規感染者数が県内で154人に急増した20日、玉城デニー知事は「第5波に突入した」との強い危機感を示した。ただ、観光事業者は「(宿泊など)予約が完全にゼロになったわけでなく、宣言下でも一定の往来はあるだろう」とみる。
沖縄に向かう航空機の搭乗者のうち、希望者を対象に出発地での無料PCR検査が同日始まったが、予約数は国も県も把握していないといい、どれだけ実効性が担保できるかは不透明だ。
ある航空業界関係者は「検査の協力を呼び掛けることはできるが、実際に出発地で受けてきたかどうかを確認することは民間だけではできない。行政がチェックする体制を整えてほしい」と話す。
沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長は「データなどを根拠に、感染拡大の要因を明確にした上で対策を講じてほしい」と要望する。その上で、出発地での無料PCR検査の周知徹底や、那覇空港での抗原検査体制の早期構築を求めた。

●「第3波はるかに超える危機的状況も」東京都モニタリング会議  7/21
東京都のモニタリング会議で、専門家は第3波を上回るペースで感染が急拡大していると指摘したうえで「増加比がさらに上昇すると2週間を待たずに第3波をはるかに超える危機的な感染状況になる」と述べ、強い懸念を示しました。
週に1度、開かれている都のモニタリング会議は21日が55回目で、東京オリンピックの開幕前、最後の会議です。
このなかで、専門家は、都内の感染状況と医療提供体制をいずれも4段階のうち最も高い警戒レベルで維持しました。
新規陽性者の7日間平均は、20日時点でおよそ1170人でこの1週間で1.5倍になり、専門家は、「第3波を上回るペースで感染が急拡大していて、拡大の速度が上がり続けている」と説明しました。
そして、今の増加比が継続した場合、7日間平均は、7月27日にはおよそ1743人、8月3日にはおよそ2598人となり、第3波でのピークでこれまでで最も多い1月のおよそ1816人を大きく上回るとしています。
専門家は、「変異ウイルスへの置き換わりが進み、増加比がさらに上昇すると感染拡大が急速に進み、2週間を待たずに第3波をはるかに超える危機的な感染状況になる」と述べ、強い懸念を示しました。
一方、専門家は20日時点で、入院患者は2388人とおよそ1か月で倍増したほか、重症の患者が60人と高い値で推移していると説明しました。
そして、「新規陽性者が増加し続ければ、医療提供体制がひっ迫の危機に直面する。入院医療、宿泊および自宅療養の危機管理体制の準備が急務だ」と指摘しました。
専門家「医療側は恐怖感」
モニタリング会議のあと東京都医師会の猪口正孝副会長は医療提供体制について、「第3波を超えるような感染状況になってくると、入院患者数も第3波を簡単に超える。そのときには、重症患者があとから遅れて増えてくる」と述べました。そのうえで「中等症の患者をみている医師と重症患者をみている医師は重なっているため、重症患者も増えると非常に厳しくなる。医療側は、第3波の前の去年12月半ばをイメージするくらいの恐怖感を持っている」と述べ、医療のひっ迫に強い危機感を示しました。
小池知事「事態はより切迫 強い危機感を共有」
モニタリング会議のあと、小池知事は記者団に対し、「きょうから多くの学校で夏休みを迎え、あすからは4連休で、オリンピックも始まる。例年だと旅行や帰省のシーズンだが、感染力の強い変異株に置き換わりつつあるという局面で、事態がより切迫する中で、これまで以上に強い危機感を皆さんと共有しなければならない」と述べました。そのうえで「『危機だ、危機だ』と聞き飽きたかもしれないが、極めて重要な状況にある。皆さんがどういう行動をとり、人の流れがどうなるのかが重要で、この夏を最後のステイホームにしていきたい」と呼びかけました。また、21日のモニタリング会議では、4回目の緊急事態宣言に入ってから、都内の繁華街の滞留人口が減少しているという専門家の分析が示されました。これについて小池知事は「雰囲気的には『もう協力しない』というイメージが報道されているように私は受け止めているが、実際は皆さんに協力いただいている」と述べました。そして、「デルタ株の影響などを考慮すると、少なくとも前回の緊急事態宣言時と同じように夜間滞留人口を減少させる必要がある。酒についても飲食店に協力いただき、利用客にもいろいろと自粛いただいており、そういったこともこれからの数字にあらわれてくると思う」と述べました。また小池知事は、モデルナのワクチンについて20日、田村厚生労働大臣が、早ければ来年はじめから、追加で5000万回分の供給を受ける契約を結んだと明らかにしたことについて、「来年のごちそうよりも今のごはんがほしいというのが率直なところだ」と述べ、自治体に対して速やかに十分な量のワクチンを供給するよう引き続き国に要望していく考えを示しました。
インドで確認「L452R」変異ウイルス陽性率拡大も
インドで確認された「L452R」の変異があるウイルスかどうかを調べるスクリーニング検査の結果、今月11日までの1週間で都内の陽性率は前の週より9ポイント上昇して30.5%となりました。4週連続で上昇しています。また、今月18日までの1週間では速報値ながら陽性率は39%を超えていて、さらに拡大しています。専門家は、イギリスで見つかった「N501Y」の変異があるウイルスの陽性率の推移と比較すると、「L452R」の変異があるウイルスは、3週間ほど早いペースで30%を超えたと指摘しました。そのうえで「陽性率の上昇ペースから見てもL452Rの変異があるウイルスが市中に広がりつつある。このウイルスへの置き換わりが急速に進んでいる状況のため引き続き十分警戒する必要がある」と指摘しました。
都内のコロナ病床 5967床に
都内で新型コロナウイルスの入院患者数が増加する中、東京都は中等症の患者向けの病床を85床新たに確保し、都内全体の新型コロナの病床は5967床になったと明らかにしました。これで中等症向けの病床は5575床に増え、重症患者向けは変わらず392床となっています。21日のモニタリング会議で示された都内の感染状況と医療提供体制についての分析結果です。
専門家の分析 感染状況は
新たな感染の確認は、20日時点で7日間平均が1170.0人となり、前回・今月14日時点の817.1人よりおよそ352人増加しました。専門家は、「先月21日の387人から、わずか1か月で1000人の大台を超えていて第3波を上回るペースで感染が急拡大している」と指摘しています。増加比は前の週のおよそ149%で、前回よりも18ポイント上昇しました。今月19日までの1週間に感染が確認された人の年代別の割合は、20代が31.9%で、3週連続で30%を超え、最も多くなりました。次いで30代が20.8%、40代が17.0%、50代が11.7%、10代が7.6%、10歳未満が4.5%、60代が3.8%、70代が1.5%、80代が1.0%、90代以上が0.2%でした。先月以降、50代以下で全体のおよそ90%を占めています。一方、65歳以上の高齢者は、今週は286人で前の週より73人増えましたが、割合は0.4ポイント減って3.7%でした。
感染経路がわかっている人では、同居する人からの感染が54.1%と最も多く、次いで職場が18.7%、保育園や学校、それに高齢者施設や病院といった施設での感染が7.8%、会食は6.2%でした。
今週は、施設での感染が前の週から1.6ポイント増え、特に、保育園や小学校、塾などでの感染が複数報告され、年代別では10歳未満が前の週から4.7ポイント増えて27.4%、10代では6.4ポイント増えて19.7%でした。
また、会食での感染は今週も60代以下のそれぞれの世代で発生していて、専門家は「友人や同僚との会食による感染は職場や家庭内での感染のきっかけとなることがある。連休や夏休み、それにオリンピック観戦などでの飲み会は、オンラインを活用するなどの工夫が求められる。特に、ふだん会っていない人との会食は避ける必要がある」と指摘しています。
「感染の広がりを反映する指標」とされる、感染経路がわからない人の7日間平均は20日時点で720.7人で、前の週からおよそ218人増え、6週連続して増加しています。
また、増加比は、20日時点で149.7%と前回から18.9ポイント上昇し7週連続して増加しました。
専門家は「第3波のピーク直前のころと同じ速度で感染が拡大している。さらなる拡大を防ぐためにはこれまで以上に徹底的に人の流れの増加を抑制し、感染防止対策を実行する必要がある」と警戒を呼びかけました。
感染経路がわからない人の割合はおよそ62%で前の週と比べて横ばいでした。
年代別では、20代から60代で50%を超えていて、特に、行動が活発な20代と30代では60%台後半と高く、専門家は、「保健所の積極的疫学調査でいつ、どこで感染したのか分からないとする陽性者が増加している。速やかに濃厚接触者の検査を行う体制の強化が必要である」と指摘しています。
入院患者 約1か月で倍増
検査の陽性率の7日間平均は、20日時点で10.2%となり、前の週の今月14日時点から3ポイント上昇しました。10%を超えるのは、半年前の1月20日以来です。入院患者は、20日時点で2388人と今月14日の時点より365人増加しました。専門家は、「およそ1か月で倍増した」と指摘したうえで、「今後、さらなる人流の増加や変異株の影響などで新規陽性者が増加し続ければ、医療提供体制がひっ迫の危機に直面する」と指摘しています。
入院患者を年代別にみると、60代以下が全体のおよそ86%を占めていて、専門家は、「先月上旬の65%前後から上昇傾向だ」と分析しています。年代別にみると、40代と50代がそれぞれ全体のおよそ21%、30代以下も全体のおよそ34%を占めています。
専門家は「先月以降、若年、中年層を中心とした新規陽性者数の急速な増加に伴い、入院患者も急増している。この状況が続けば若年・中年層の中等症患者が増加し、遅れて重症患者が増加する可能性がある」と指摘しました。そのうえで、「人との接触の機会を減らし、基本的な対策を徹底し、ワクチン接種は予防効果が期待されることを啓発する必要がある」としています。
都の基準で集計した20日時点の重症患者は、今月14日時点より6人増えて60人で、専門家は「高い値で推移している」と指摘しました。男女別では、男性48人、女性12人です。また、年代別では、60代が17人と最も多く、次いで、50代が16人、70代が14人、40代が10人、30代が2人、80代が1人でした。専門家は「重症患者の75%は60代以下だ。今週は10歳未満と30代でも新たな重症例が発生している。肥満や喫煙歴がある人は若年であっても重症化リスクが高い」と指摘しました。
このほか、人工呼吸器かECMOの治療がまもなく必要になる可能性が高い状態の人は20日時点で203人で、今月14日時点より20人増えました。また、今月19日までの1週間では、新型コロナウイルスに感染した14人が亡くなりました。このうち10人は70代以上でした。
「自宅療養患者が非常に増えている」強い危機感
モニタリング会議では、20日時点で陽性となった人の療養状況が報告されました。今月14日時点と比べると、自宅で療養している人は1816人増えて3657人と、倍近くに増えています。また、都が確保したホテルなどで療養している人は73人増えて1769人、医療機関に入院するか、ホテルや自宅で療養するか調整中の人は367人増えて1671人でした。入院患者数も含めた療養状況を示す4つすべての項目が増加していて、これらをあわせた「療養が必要な人」全体の数は9485人で、今月14日時点の6864人のおよそ1.4倍になりました。モニタリング会議に出席した東京都医師会の猪口正孝副会長は「入院だけでなく、ホテルもなかなか厳しい状況になってきているほか、自宅で療養する患者が非常に増えてきている。宿泊療養、自宅療養を全部、医療として見ていかなければいけない状況だ」と述べ、強い危機感を示しました。
「強い警戒感で緊密に連携し対応」官房長官
加藤官房長官は午後の記者会見で「東京都のモニタリング会議では、専門家から、新規陽性者数の増加比が継続すると第3波のピーク時を大きく上回るとの機械的な試算も紹介されたと承知している。東京都とは、感染状況や医療提供体制のほか、すでに実施している対策の効果なども含め、認識の共有化を図っており、引き続き、強い警戒感を持って、感染状況などを注視し、専門家の意見も踏まえつつ、緊密に連携して対応していく」と述べました。

●感染拡大の東京「2週間待たず危機的状況」 7/21
新型コロナウイルスの感染拡大が続く東京都は、分析会議を開き、専門家は、変異株の影響などで、「2週間を待たずに第3波をはるかに超える危機的な感染状況になる」と警鐘を鳴らしました。
国立国際医療研究センター・大曲貴夫医師「変異株への置き換わりが進み、増加比がさらに上昇すると感染拡大が急速に進み、2週間を待たずに、第3波をはるかに超える危機的な感染の状況になります」
都内の感染者は、前回のおよそ817人から、1170人に急増し、増加比も149%に上昇しました。専門家は、爆発的な感染拡大が起きた「第3波を上回るペースで感染が急拡大している」として、今のペースが続けば、2週間後には1日あたりおよそ2598人となり、第3波のピークを大きく上回ると指摘しました。
入院患者も6月下旬から倍増して2388人となり、感染拡大が続けば、「医療体制がひっ迫の危機に直面する」と危機感を示しました。
また、感染力の強いデルタ株への置き換わりも急速に進み、陽性率は30.5%となりました。感染状況の悪化を受け、小池知事は、「22日からの4連休や、夏休みの旅行やレジャーは控えて欲しい」と呼びかけました。
一方、東京オリンピック関係者の感染状況については、空港検疫で0.06%、スクリーニング検査で0.02%と、感染者の割合は、「低く抑えられている」と報告されました。

●新型コロナ感染拡大で 2週間後2598人に 東京都の専門家会議  7/21
今のペースで新型コロナウイルスの感染拡大が続くと、東京都内の感染者数が、2週間後には、過去最多の2,598人に達するとの分析が示された。
21日午後に開かれた東京都の専門家会議では、新規感染者数の7日間平均は1,170人で、前回のおよそ1.5倍にのぼっているとの分析結果が示された。
そのうえで、このままでは2週間後の8月3日には、1日の感染者数が2,598人に達し、過去最多の2,520人を上回るという。

●全国の新規感染者 前週比1.53倍 東京のデルタ株 約60%と推定  7/21
東京オリンピックの開幕や4連休を前に、新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合が開かれ、感染が急拡大する東京都など首都圏や再拡大に転じた沖縄県など、各地の感染や医療体制の状況について分析が行われました。
会合で示された資料によりますと、新規感染者数は20日までの1週間では前の週と比べて、全国では1.53倍と大きく増加していて、緊急事態宣言が出されている。東京都では1.49倍、先週まで減少が続いていた沖縄県でも1.67倍と再拡大に転じました。また、まん延防止等重点措置が適用されている地域でも、大阪府で1.89倍、埼玉県で1.87倍、千葉県で1.39倍、神奈川県で1.38倍と急増傾向となっています。
このほか、北海道で1.54倍、兵庫県で1.94倍、京都府で1.74倍、福岡県で1.53倍などと各地で感染が急拡大しています。
現在の感染状況を、人口10万人当たりの直近1週間の新規感染者数で見ると、東京都が59.33人、沖縄県が38.47人、神奈川県が33.20人、埼玉県が26.93人、千葉県が26.67人と感染状況が最も深刻な「ステージ4」の目安の25人を超えていて、大阪府が23.91人、鳥取県が18.35人、石川県が17.49人、それに全国でも18.25人と、「ステージ3」の目安の15人を超えています。
また感染力の強いインドで確認された変異ウイルス「デルタ株」は、東京都ではすでに感染全体のおよそ60%を占めるに至ったと推定されていて、会合では急速に拡大する「デルタ株」の広がりを前提とした対策や、連休やオリンピック開催などで人の移動が増えるなどして、感染が拡大するリスクをどう抑えるかなどについて議論が行われました。
田村厚生労働大臣は、専門家会合の冒頭「新規感染者の数が伸びていて、その多くが首都圏だ。中でも東京は夜間の滞留人口が緊急事態措置に入る前から若干下がっていて、そろそろ効果が出てくる時にもかかわらず、感染が伸びている」と指摘しました。そのうえで「東京中心に感染の拡大がみられ、感染者が倍々で増えていくと、どれだけ病床を確保し、ワクチンを打っていても、病床のひっ迫が予想される。リスクの高い行動をどう防いでいくか考えていかないといけない」と述べました。
日本医師会の中川会長は、記者会見で「すでに『第5波』が進行していると考えており、しかも感染者数が最も多かった『第3波』を超える懸念がある。感染力が強い変異株による急拡大の危険性がある今、改めて、基本的な感染対策の徹底をお願いしたい」と述べました。

●「聞き飽きたかもしれないが…」 東京感染拡大、小池知事が危機感 7/21
東京都は21日、都内で新型コロナウイルスの感染者が新たに1832人確認されたと発表した。感染者が1800人を超えるのは1月16日(1839人)以来で、水曜としては過去最多。直近7日間の平均は1277・6人で、前週比155・2%と増加ペースがさらに上がっており、東京オリンピックの開幕を前に感染拡大に歯止めが掛からなくなっている。
21日に開かれた都モニタリング会議では、現在のペースで感染が広がれば、都内の新規感染者の7日間平均が五輪期間中の8月3日には約2598人になるという推計値が公表された。国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長は「増加比がさらに上昇すると、2週間を待たずに第3波をはるかに超える危機的な感染状況になる」と強い警戒感を示した。
都内の新型コロナ入院患者は20日時点で2388人。前週から約18%増加し、50代以下が7割超を占めている。都の基準で集計した21日時点の重症者は64人で、重症者数は新規感染者の増加に遅れて増えることから医療提供体制の逼迫(ひっぱく)が懸念されている。市中感染の広がりを示す検査陽性率も19日時点で10・2%になり、半年ぶりに10%を超えた。
小池百合子知事は「夏休みが始まり、22日から4連休もあって感染が一層拡大する恐れがある。もう危機だ、危機だと聞き飽きたかもしれないが、いま極めて重要な状況にある」と呼び掛けた。

●和歌山県もコロナ第5波 知事、4連休に注意促す 7/21
仁坂吉伸知事は21日、和歌山県内の新型コロナウイルス感染状況について、11日から第5波に入っているという認識を示した。感染力が強いとされるインド由来の変異株「デルタ株」による感染拡大の恐れがあるといい、22日からの4連休を前に注意を呼び掛けている。
直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、東京都では6月下旬から急増し、19日現在「感染爆発段階」(ステージ4)の基準25人を大きく上回る55・3人となった。大阪府も22・9人、全国でも17・2人と「感染急増段階」(ステージ3)の基準15人を超えている。
県内の感染者数も7月10日は1・2人だったが、11日から増加傾向になり、19日は3・9人となっている。とりわけ和歌山市は7・6人まで上昇している。
福祉保健部の野尻孝子技監は、今後の感染拡大の度合いについて、県民の行動やワクチンの接種状況、保健医療行政の対策によるとした一方、過去の状況を踏まえると「この上昇具合は大きな波につながる可能性がある。大阪でもステージ4に近い数字になっている。かなり危機感を持って対応しないといけない」との見方を示した。
「デルタ株」については、県内ではすでに3人の感染が国の機関で確定している。さらに、まだ確定ではないが、県や和歌山市の検査で、6人の疑い例がある。この9人は4家族にまたがっていることから、今後「デルタ株」の拡大が推測されるという。
一方、県は7月1日以降に分かった県内感染者68人の推定感染経路を分析した。県外からが最も多い22人、家族からが16人、職場・学校からが13人、不明11人などとなった。県外からのうち大阪由来が19人でほとんどを占めた。
推定される感染機会については職場などでの会話が20人、家族など共同生活によるものが14人、飲食が13人などとなった。
仁坂知事は「オリンピックを大画面などで見るために飲食店に集まって、酒などを飲んで盛り上がるケースがよくあるが、感染リスクが高いのでやめてほしい。飲食店にもお願いしたい」と強調。県内への帰省については、さまざまな事情を考慮し、県内への移動の全面自粛は求めないが「慎重な行動を取ってほしい」と改めて求めた。
県は、第5波に入った11日以降の県内感染者44人のうち、ワクチンを2回接種した人はいなかったことも明らかにした。
1回接種した人が数人いたほかは、ほとんどが未接種だったという。優先的に接種された医療従事者の感染者はおらず、60代は2人、70代以上1人だけだった。20日現在の県内の入院者は41人で、重症者はいない。
仁坂知事は「明らかにワクチンが効いている。重症化しやすいお年寄りから接種せよと言った政府は正しかった。若い人もデルタ株は危ない。予約が難しくなっているが、機会は残っている。接種した方が安全で、人に迷惑を掛けない」と話した。

●「3度目の緊急事態宣言は感染拡大を抑制した」新型コロナのデータ分析 7/21
政府は東京五輪開催中を含む8月22日(日)まで、東京都と沖縄県を対象に緊急事態宣言を発出中だ。特集『新型コロナとデータ分析〜4度目の緊急事態宣言は何をもたらすのか?』の3回目では、感染事例のビッグデータから2度目(1月13日〜2月28日)と3度目(4月25日〜6月20日)の緊急事態宣言の効果、および現在と今後の感染拡大の可能性を考察する。
現在、政府は東京都と沖縄県を対象に、東京五輪の開催中を含む8月22日まで4度目の緊急事態宣言を発出中である。以前から東京五輪や緊急事態宣言には「東京五輪を開催するにもかかわらず、感染拡大防止のために国民には外出自粛を呼びかけるのか」「また飲食店を狙い撃ちするのか」などの批判があった。
昨今では、東京五輪の中止を求めるオンライン上の署名が45万を超え、政府の「酒提供飲食店への取引停止問題」に批判が集まり、撤回にいたるなど問題が露呈している(※1、2)。このような状況に対する不満は東京五輪の開催を目前にしてかつてないほど高まっているように見える(※3)。実際、東京都民の「外出自粛率」は低下傾向にあるという報道もある(※4)。
一方で、直近の3度目の緊急事態宣言はどうだったのか。株式会社JX通信社 取締役兼CXO 細野雄紀氏は6月29日(火)にLedge.ai編集部のインタビュー取材に応じ、2度目と3度目の緊急事態宣言は質的に異なると分析し、3度目の緊急事態宣言について「データを見る限り、明確に感染増加を抑制したと言えます」と話した。
2度目の緊急事態宣言は新規感染者数がピーク時に発出した。仮に緊急事態宣言を発出しなかったとしても、減少傾向に転じていた可能性が高い。緊急事態宣言を発出してから1週間で減少傾向に転じていたが、緊急事態宣言の影響だけではすぐにこのような影響が起きることは本来あり得ないと指摘し、緊急事態宣言で減少傾向に転じたとは言いづらいと語る。
3度目の緊急事態宣言は新規感染者数が増加傾向にある途中で発出した。実際に発出してから約1週間後のゴールデンウィーク(GW)中に感染拡大のピークが訪れ、順調に減少傾向に転じていった。政府はGWという人流が活発になると思われる時期を見据え、緊急事態宣言を発出したと考えられる。
細野氏は3度目の緊急事態宣言について「おそらく、さらに1週間前に発出していたほうが効果はあったと思います」としつつも、「人の交流の機会や頻度が減り、47都道府県で新規感染者数がぐんと減りました。緊急事態宣言は人の心理に関係なく効果があったと思います」と話した。
政府や東京都などは、3度目の緊急事態宣言では「人流抑制」を重視していた(※5)。飲食店は午後8時までの時短要請、酒類提供やカラオケ設備を持つ飲食店は休業要請、百貨店やショッピングセンター、量販店、映画館など1000平方メートルを超える大型施設は休業要請を強いられた。
細野氏は政府による飲食店への対応について「(政府による対応の)正しさは何で決まるのか。非常に難しい問題」としつつも、データ分析の観点から「弊社が見ているデータでは飲食店とオフィスの2つが大きな感染源になっていました。感染者数を減らすという意味では妥当に見えます」と語る(※7)。
細野氏は「3度目の緊急事態宣言中は多くの飲食店が時短営業や休業を余儀なくされました。直近では、家族内や飲食店以外の事業所、オフィスなどの感染事例がメインになってきました」と話している。
映画館や美術館などへの対応については「表面的に見ると、なぜそこまでする必要があるのかという話もあると思います。しかし、(映画館や美術館などの)目的地に行くついでに寄り道するケースもあります。人流抑制の観点で言うと、行動の目的そのものをなくした効果が現れたと考えるほうが自然でしょう」と述べた。
細野氏が指摘するとおり、緊急事態宣言における政府の対応をどう評価するのかは「非常に難しい問題」だ。たとえば、飲食店などはただでさえ来店客が減少すると言われる状況で、休業や時短営業を余儀なくされると、最悪のケースとしては廃業や倒産を避けられないケースも考えられる(※8)。
実際、株式会社東京商工リサーチによると、7月2日の16時時点で新型コロナウイルス関連の経営破たんは全国で累計1650件(倒産1558件、弁護士一任・準備中92件)。飲食業は最多の296件におよぶ(※9)。ここでは「あくまでデータ分析的には正しい」という表現に留めたい。
また、著者としては冒頭で触れたような矛盾や問題を抱えた現状を踏まえると、今回の4度目の緊急事態宣言が過去と同じような感染拡大防止の効果を望めるかは疑問と言わざるを得ない、と補足しておきたい。
人口が少ない都道府県「火種はどこにあるかわからない状況」
今回の取材では、地域別における新型コロナウイルス感染事例のビッグデータをもとに、現在と今後の感染拡大の可能性についても話を聞いた。まずは人口が多い東京都と大阪府から見ていこう。
東京都は千代田区を中心に都心部でまんべんなく感染報告が上がっている。
大阪府はオフィス街や飲食店などが密集する繁華街でキタ(北区)とミナミ(中央区)に感染事例が集中している。なお、これらの図の感染事例には家やマンションなど、クローズドなコミュニティは含まれていない。
主に感染拡大するのはオフィスや飲食店などオープンなコミュニティとされる。感染事例が多い場所は単に人口が密集しているだけではなく、オフィスや飲食店など人と人が会う目的地があるかどうかが大きく影響しているのではないか、と細野氏は分析する。
「家庭内の感染だけなら、短期間で感染拡大は収束するでしょう。しかし、実際はそうではありません。オープンなコミュニティをいかに抑制していくのかが感染抑止には重要です。だからこそ、『人流抑制』といった考え方も生まれていくのではないか」
一方で、東京都や大阪府以外の地域ではどのような特徴があるのか。人口が多い都道府県ほど増加したり減少したりといった急激な変化は起こりづらいのに対し、人口が少ない都道府県は些細なきっかけで急増する傾向があるという。
たとえば、沖縄県では去年7月の緊急事態宣言下において、わずか約1週間で人口10万人あたり100人の陽性者が発生した。現在も依然と高い水準に留まっている。
細野氏は「現在は3度目の緊急事態宣言が明けてから、全国的には減少傾向ないしは横ばい傾向です。一方で、6月15日頃には山梨県、6月29日頃には秋田県など、特定の地域が増加傾向にあるという箇所が少しずつ出てきています。(人口が少ない都道府県においては、感染拡大が起こりうる)火種はどこにあるかわからない状況です」と語った。 

●東京都 休業命令違反の飲食店60店舗に対し 裁判所に過料求める  7/21
6月までの3回目の緊急事態宣言中に、法律に基づいた休業の命令に違反したとして、東京都は裁判所に対して都内の60の飲食店に過料を科すよう求めました。
東京都は、ことし4月から6月20日までの3回目の緊急事態宣言のもとで、酒を提供する飲食店に休業を要請し、応じなかった店に対して新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づいて休業の命令を出しました。
しかし、都によりますと、命令に応じたのは2店舗だけで、応じなかった60の店は休業せずに酒の提供を続けていたことを確認したということです。
このため都は、行政の秩序を考えると看過できないと判断し、21日に行政罰として30万円以下の過料を科すよう、裁判所に求める通知を出しました。
都は「特措法の手続きを適切に執行した。飲食店の方は苦しいところがあると思うが、大多数の店は応じていただいているので、なんとかご理解とご協力をお願いしたい」としています。
 

 

●羽田空港、4連休初日の朝は多くの人で賑わう 東京から脱出する動きも 7/22
東京オリンピックの開会式に伴って、一部の祝日が移動したことによる4連休に突入した。4連休初日となる7月22日の朝6時過ぎの羽田空港は、4連休を使って旅行に出かける人の姿で賑わっていた。緊急事態宣言下では、今まで最も多い空港利用者になっている。
緊急事態宣言が発令後も新規予約がキャンセルを上回る
今までは緊急事態宣言が発令されることで、国内線利用者は新規予約もよりもキャンセルが上回り、予約数が減少していた。しかし今回は、これまでの緊急事態宣言下では初めて、7月12日の緊急事態宣言発令以降、各航空会社ではキャンセルよりも新規予約の方が上回る異例の状態となっている。品川駅から羽田空港へ向かう京浜急行でも座れない人も出ており、電車が到着するたびに改札口では多くの人が降りている光景が見られ、JALやスカイマークが出発する第1ターミナル、ANAが出発する第2ターミナルともに朝6時の段階で混雑していた。
午前中の便は満席もしくは満席に近い予約が入っている。朝食レストランも行列
実際に羽田空港の発着案内版を見ても、午前中を中心に多くの便が満席もしくは満席に近い予約が入っている表示がされていた。まさに緊急事態宣言中では異例の状況である。朝6時台にもかかわらず、羽田空港内の朝食が食べられるレストランには行列ができていた。
幅広い世代の利用者の姿。高齢者の姿も以前に比べて増えた。ANAでは昨年と比べて約1.3倍、2年前に比べると5〜6割程度
全体の傾向としては、これまでは家族連れや若い人などが多く見られていたが、羽田空港で取材をしている中で感じたこととしては、高齢者の姿も以前に比べると多く見られ、年代を問わず羽田空港から出発する旅行者や帰省客の姿が見られた。ANAによると7月19日時点で今回の4連休(7月22日〜25日)の予約はピーク日で最大1日8万5000人の利用者になる見込みで、昨年の4連休と比べて約1.3倍、コロナ前の2年前と比べると約5〜6割程度の利用者となっている。
窮屈な東京から4連休中だけでも脱出したい旅行者も多い
今回4連休に国内旅行をする人に取材をしたなかで、多く聞かれたのが窮屈な東京から脱出をしたいという声だった。東京都は7月12日から再び緊急事態宣言が再発令されたことで飲食店のお酒の提供自粛、東京五輪開催に伴う首都高速の1000円アップ(乗用車が中心)や交通規制による渋滞の拡大、更に1日あたりの東京都内の新規感染者数が1000人を超えるなど、大幅に増えたことで都内で4連休を過ごすよりは、コロナ対策をした上で、人との接触は最小限にしながら旅行に出て羽根を伸ばしたいという声もあった。
オリンピック無観客で観戦チケットの返金見込んで旅行に行く人も
一方、東京オリンピックの観戦チケットを持っていた人が、無観客開催になったことで、観戦することができず、東京にいる必要がなくなったこと、更に後日返金される予定で観戦チケットの代金が返金されることを見込んで、無観客開催が決まった7月8日以降に国内旅行を予約した人も確認できた。観戦チケットの返金額が数万円の人もいれば、なかには開会式を含めて100万円以上が返金対象になった人もいる。海外旅行に自由に出かけることができない中で、都内でも五輪モードを感じることができない。新型コロナウイルスの観戦者が拡大している東京にいるよりも、仕事も4日間休みになることで、東京を離れてゆっくり過ごしたいということから緊急事態宣言が発令されてから旅行を計画する人も出た。今回、緊急事態宣言発令後にキャンセル数よりも新規予約数が上回ったようだ。東京オリンピックの開会式も目前で、五輪関係者や要人の県を跨いだ移動をしている姿がメディアで報道されていることも、政府や自治体が自粛を呼びかけても説得力がないという声も聞かれた。
旅行に出かける人の意識も変化。安価で受けられるPCR検査が大人気
ただ旅行に出かける人の意識も変わっている。数日前から都内の2000円前後でPCR検査ができるセンターには長い行列ができ、予約も取れない日も出ているなどワクチン接種を終えていない世代も、旅行先、帰省先に迷惑をかけない為に積極的に検査を受ける人が増えたほか、高齢者を中心にワクチンの2回接種を終えて2週間以上が経過したことで、緊急事態宣言中ではあるが、予定通りに出かける決断をした人も増えている。旅行者自身も感染予防の対策をした上で出かけている人が日を追うごとに増加している。
沖縄方面は台風の影響で旅行取りやめの人も
現在、台風が沖縄県に接近している影響で、羽田から那覇、宮古島、石垣島、久米島、下地島への直行便が22日は全便欠航、23日も那覇行きは午前中に那覇空港発着する便のほとんどが欠航するほか、離島への便は23日も全便欠航の路線も出る見込みだ。予約の段階では22日出発のほぼ全便が満席の状況になっていたことから、午前中だけでも数千人単位で利用者が減ったことで、保安検査場前の大混雑にはならなかったが、それでも羽田空港内は大きな荷物を持った旅行客の姿が多く見られた。特定の方面というよりは、全方面で混雑している。
7月23日の東京オリンピックの開会式のテレビ観戦も、自宅ではなく旅先や帰省先で観る人も多くなりそうだ。

●東京21日の人出 昼夜とも3回目の宣言期間中平均より増加 7/22
東京の21日、水曜日の人出は、ことし4月下旬からの3回目の緊急事態宣言が出ていた期間の平均と比べて日中、夜間とも増加となりました。
NHKはIT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使い、主な地点の人出を調べました。
まず、21日、水曜日の東京の人出を、3回目の緊急事態宣言が出されていたことし4月25日から6月20日までの平日の平均と比較します。
それによりますと、渋谷スクランブル交差点付近が日中は21%、夜間は43%、東京駅付近で日中は3%、夜間は38%といずれも増加となりました。
続いて前の4週間の平日の平均と比較します。
東京では、渋谷スクランブル交差点付近は日中は4%、夜間は16%、東京駅付近で日中はマイナス10%、夜間は20%でした。
一方、緊急事態宣言が延長された沖縄の人出は、那覇市の県庁前駅付近で日中はマイナス30%、夜間はマイナス43%と大幅に減少しました。
また、まん延防止等重点措置が延長された埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県の21日の人出は、さいたま市の大宮駅付近では日中はマイナス1%、夜間は36%、千葉駅付近で日中は30%、夜間は62%、横浜駅付近で日中はマイナス9%、夜間は6%、大阪・梅田駅付近は日中は7%、夜間は21%でした。

●緊急事態宣言下の4連休初日 空、鉄道の人出増  7/22
新型コロナウイルスの感染拡大が続き、首都圏に緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置が出されている中、オリンピック開幕を23日に控え、4連休の初日を迎えた。
高速道路は激しい渋滞となったほか、東京駅では旅行に向かう様子が見られた。
22日午前9時半ごろのJR東京駅の東海道新幹線のホーム。コロナ禍前より人出は少ないものの、感染防止をしたうえで旅行に向かうといった家族連れなどが見られた。小田原に向かう家族連れ「ホテル内で過ごせるところで、連休を過ごそうかと思って」
羽田空港の国内線は、2020年の同じ時期より利用者が増え、帰省する家族連れなどの姿が見られた。熊本に帰省する家族連れ「実家の父と母もワクチン接種が済んでいて、会おうと」
また、東京・八王子市の高尾山では、朝から多くの人が訪れ、登山を楽しんでいた。普段より、人出は多いという。
一方、海の日の22日、神奈川・藤沢市の海水浴場では、コロナ禍前よりは少ないものの、海水浴を楽しむ人の姿が見られた。訪れた人「(かき氷を)1年ぶりくらいに食べたので、すごくおいしく感じます」
高速道路は、各地で朝から激しい渋滞となっていて、午前11時時点の中央道下りが、小仏トンネル付近を先頭に40kmの渋滞となっている。

●東京の感染1日3千人に現実味 滞るワクチンが頼みの綱 7/22
東京都内で新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、1日あたりの感染者数が3千人を超えるとの見通しが強まっている。きっかけは、政府の対策分科会の尾身茂会長による発言。実際に感染者数は「疫学的に異常」と言われた年末年始に似た上昇ペースを見せており、3千人を超える状況下でオリンピックが開催される事態が現実味を帯びてきた。
「3千人を超えても驚きはない」 ある都幹部は21日、来週以降の感染状況について淡々と語った。同日に確認された感染者数は1832人に上り、1月16日以来の1800人超え。前日20日の1387人から急増していたが、この幹部は「21日に2千人を超えてもおかしくないと思っていた」と明かす。
7月14日に約2カ月ぶりに1千人を超えて以降、上昇ペースを早める都内の感染者数。担当者は「加速度的に感染者数が上昇していった年明けの状況に似ている」とみる。年明けは、1月5日に1315人の感染が確認されると、6日に1640人に跳ね上がり、7日には過去最多の2520人に達していた。
この担当者は21日夜、記者団に「明日、明後日に2千人に到達するのか」と問われると、「こんなに早くこのレベルに達するとは思わなかった。可能性はあるかもしれない」と述べ、予想外の上昇ペースに驚きを隠さなかった。
ただ、感染力の強い変異株(デルタ株)が広がる都内の感染者数は、2千人超えではとどまらないとの見方が強まっている。尾身氏が20日、日本テレビの報道番組で、8月第1週には過去最多の3千人近くまで増加するとの見通しを示したためだ。
実際に、12日に出された緊急事態宣言による減少効果はいまだ見えず、22日から4連休を迎える都内では、感染者数を減らす要素はほとんど見当たらない。
4連休の前日となった21日の都心では、都の要請を守らずに酒類を提供する居酒屋に客が殺到。都の担当者は「我慢できずに外出している若者が多いのでは」とみる。
いっこうに見えない感染拡大の収束。打開策が見当たらないなか、頼みの綱は接種が滞っているワクチンだ。
小池百合子知事は21日、記者団に「ワクチンを本当に爆速で打ちたい」と語った上でこうぼやいた。
「区市町村がいったん進めようとしていたのをいま、キャンセルせざるを得なくなっている。東京として集中的に打っていくことがいま、感染者数の拡大に少しでも歯止めをかけられるんじゃないか」 

●21日の東京の人出 3回目“宣言”期間の平均比で昼夜とも増加  7/22
東京の21日の人出は、ことし4月下旬からの3回目の緊急事態宣言が出ていた期間の平均と比べて日中、夜間とも増加となりました。
NHKは、IT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使い、主な地点の人出を調べました。
まず21日水曜日の東京の人出を、3回目の緊急事態宣言が出されていたことし4月25日から6月20日までの平日の平均と比較します。
それによりますと、渋谷スクランブル交差点付近が日中は21%、夜間は43%、東京駅付近で日中は3%、夜間は38%といずれも増加となりました。
続いて前の4週間の平日の平均と比較します。
東京では、渋谷スクランブル交差点付近は日中は4%、夜間は16%、東京駅付近で日中はマイナス10%、夜間は20%でした。
一方、緊急事態宣言が延長された沖縄の人出は、那覇市の県庁前駅付近で日中はマイナス30%、夜間はマイナス43%と大幅に減少しました。
また、まん延防止等重点措置が延長された埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県の21日の人出は、さいたま市の大宮駅付近では日中はマイナス1%、夜間は36%、千葉駅付近で日中は30%、夜間は62%、横浜駅付近で日中はマイナス9%、夜間は6%、大阪・梅田駅付近は日中は7%、夜間は21%でした。

●東京 新型コロナ 1979人感染 前週木曜より671人増 7/22
東京都内では22日、新たに1979人の感染が確認され、1週間前の木曜日より671人増えました。感染の急拡大に歯止めがかかっていません。入院患者は、ことし2月以来、2500人を超え、都は医療提供体制のひっ迫が危惧されるとしています。
東京都は22日、都内で新たに10歳未満から100歳以上までの男女あわせて1979人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。都内では21日、第3波のことし1月以来、1800人を超えましたが、22日は21日よりさらに147人多くなりました。また、1週間前の木曜日より671人増えています。22日までの7日間平均は1373.4人で、前の週の155.7%となり、感染の急拡大に歯止めがかかっていません。
都の担当者は「緊急事態宣言の効果が来週以降、どう出てくるか注視している。さらに大幅に増加するかはわからないが、少なくとも大きく減ることはないだろうと認識している」としています。
22日の1979人の年代別は10歳未満が95人、10代が159人、20代が658人、30代が399人、40代が314人、50代が246人、60代が56人、70代が38人、80代が11人、90代が2人、100歳以上が1人です。感染経路がわかっている729人の内訳は、「家庭内」が最も多く406人、「職場内」が109人、「施設内」が70人、「会食」が40人などとなっています。
また、東京オリンピック関連では、選手村に滞在する外国籍の競技関係者3人と選手2人、選手村以外で委託業者の日本人1人のあわせて6人の感染も確認されました。
これで都内で感染が確認されたのは19万5041人になりました。
一方、22日時点で入院している人は21日より78人増えて2544人で、ことし2月11日以来、2500人を超えました。「現在確保している病床に占める割合」は42.6%です。都の基準で集計した22日時点の重症の患者は21日より1人増えて65人で、重症患者用の病床の16.6%を使用しています。
都の担当者は「入院患者は新規陽性者の確認から少し遅れて増えてくる傾向がある。いまの急拡大のもとではさらに増加すると思われ、今後の医療提供体制のひっ迫を危惧している。重症の患者は、ワクチンの効果で高齢者の感染者が減っているため抑えられている部分はあるが、今後、増加が懸念され、安心できる状況ではない」と話していました。22日、死亡が確認された人はいませんでした。

●22日の人出、5割弱で増加 東京も、夏休みが影響か 7/22
NTTドコモがまとめた22日午後3時時点の人出は、全国の主要駅や繁華街計95地点のうち5割弱の44地点で前の休日の18日から増えた。新型コロナウイルス感染拡大で12日から緊急事態宣言が再発令された東京都は、人出が増えた地点が目立った。夏休みが本格化したことが影響したとみられる。
東京都は12地点のうち8地点が18日と比べて増えた。銀座は新型コロナ感染拡大前(昨年1月18日〜2月14日)の休日平均と比べると4.0%減だったが、今月18日の9.7%減から5.7ポイント上がった。渋谷センター街は5.3ポイント下がった。

●デルタ株3割、増加比は150%。新型コロナ、東京都の4連休直前データ 7/22
7月21日、東京都では新型コロナウイルスの新規陽性者が、新たに1832人確認されました。1800人を超えるのは1月以来です。
4度目の緊急事態宣言が発令されてから10日が過ぎていますが、残念ながらその効果はいまだに見えていません。
7月21日の段階では、東京都が連日発表している新規陽性者数は増加を続けています。東京都の都心部における人出の減り方も、日中・夜間ともにこれまでの宣言直後と比べて鈍くなっています。
感染収束への要となるワクチンの接種が進んできたとはいえ、7月21日の段階で1度以上ワクチンを接種した人の割合は全国で約35%。東京都に限れば約33%です。集団免疫にはまだ足りません。
感染力が高いとされているデルタ株の影響なども加味すると、現状のままでは自然と感染者数が減っていくことはかなり難しいといえるでしょう。
リスクとは1かゼロかはっきりしているものではなく、少しずつ積み上がっていくものです。何か1つリスクを取る分、あらためてリスクを下げるための対策もしっかりやってみませんか?
「三密」は、できる限り避けられていますか?
人に会う時には、マスクをしっかり着用できていますか?
いつも手洗いに気をつけていますか?
感染対策の基本を振り返るとともに、東京の現状を9つのデータで冷静に見極めていきましょう。
東京の主要繁華街の滞留人口は若干減ってはいますが、過去3回の緊急事態宣言と比較すると、減り方が鈍くなっています。
東京都の新規陽性者の7日間平均は、7月20日段階で1170人。増加比は149%で、このペースで感染が広がれば4週間後には約5倍の5000人規模になる計算です。
検査陽性率は上昇を続けており、7月20日には10%を超えています。
感染者の6割が30代以下。40代以上は割合こそ減って見えますが、4月後半からの緊急事態宣言以降、陽性者数が最小となった6月上旬に比べて、母数となる陽性者数は倍近くに。
高リスクとされる65歳以上の高齢者の新規陽性者の「割合」は減り続けています。ただし、割合は少なくても「数」はやや増加傾向にあります。
新規陽性者のうち、無症状者の割合は14%程度。つまり、86%が有症状です。「若者は感染しても無症状や軽症が多い」と言われますが、ある程度の人には一定の症状が現れていると言えます。
重症者の数を見ると、40代、50代が増えています。また、4月以降はこれまでほぼ見られなかった20代や30代の重症者も複数名確認されています。感染者が拡大すれば、いかに若者が重症化しにくいとはいえ、一定の割合で中等症以上の患者が現れる可能性は高いと考えられます。
今後の感染者増の指標ともなる「発熱等相談件数」はピークがまだ見えず、増加を続けています。今後も感染者数の増加が予想されます。
デルタ株の割合は、7月5日〜11日の段階で30%を超えました。アルファ株からの置き換わりが進んでいます。

●“宣言”の東京、“まん延防止”大阪から…4連休初日の金沢に観光客大挙 7/22
東京と沖縄に緊急事態宣言、大阪などにまん延防止が出された状況で22日から4連休がスタートしました。石川県内には多くの観光客が訪れています。
リポート「4連休初日の今日、金沢駅はこれだけの観光客で埋め尽くされています」
22日からスタートした4連休。JR金沢駅は大きな荷物をもった観光客であふれていました。
東京からの観光客「昨日検査で陰性だったので大丈夫かなと思って」「レンタカーで人と触れ合わないようなコースを考えたい」「思ったより人が多かったので怖いですね」「なるべく人ごみにいかないようにしたいと思います」
人気の観光地、近江町市場では…。
リポート「午後1時の近江町市場です。通路は人でいっぱいで人気の飲食店には行列ができています」
昼時の近江町市場はどの店にも列・列・列。海鮮を目当てにやってきた観光客で賑わいました。
東京からの観光客「(緊急事態宣言前に)予約しちゃったので迷ったんですけど来ました」「感染対策ばっちりして楽しみたいな」
大阪からの観光客「(まん延防止は)あんまり気にしていない」「大阪より人が多いかもしれない」

●4連休、にぎわう行楽地「やっと旅行」 東京脱出の動き 7/22
東京五輪の開会式にあわせて実現した4連休が22日始まった。本来なら五輪モードにシフトするはずが、コロナ禍で外出自粛が呼びかけられ、競技も原則無観客に。都県境をまたぐ移動自粛が呼びかけられる中、五輪と関係なく連休を楽しもうという人々で行楽地はにぎわい、東京から「脱出」しようという動きもみられた。
東京・羽田空港の国内線ターミナルは、朝から大きなバッグを携えた家族連れなどの姿が目立った。
「感染者が増え、海外の人も多く入ってくる。できれば、都内を避けたい」。大学生の男性(19)は五輪前に帰省しようと考えていたという。東京・晴海の選手村近くに自宅があるという会社員女性(34)は「騒がしい都内から離れたいと思っていた」と話した。
北海道に帰省する都内の会社員男性(38)はテレビで開会式を見る予定だ。「無観客なら旅先で見ても変わらないですよね」。この日は羽田発の便が混雑し、予約率は日本航空が約80%ほどとみられ、全日空は午前中だけで約95%にのぼった。
高速道路も都外に向かう車などで、下り線を中心に混雑した。日本道路交通情報センターによると、中央道は藤野PA(神奈川県)を先頭に約46キロの渋滞が発生。関越道の東松山IC(埼玉県)から約41キロ、東名高速の伊勢原JCT(神奈川県)から約38キロの渋滞が起きた。
東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏4都県の知事は、都県境を越える移動を極力控えるよう呼びかける共同メッセージを21日に公表した。だが、実際には人の動きが活発になり、各地の行楽地もにぎわった。
埼玉県白岡市にある東武動物公園内の夏季限定のプールには親子連れなどが集まった。家族4人で訪れたという30代女性は「子どもも遊びが限られて飽きてきている。暑いので近場で遊べたらと思って来た。感染には気をつけながら楽しみたい」と話した。
首都圏を避けて、各地に足を運ぶ動きもみられた。
JR新大阪駅。神奈川県から友人に会いにきたという大学院生の女性(25)は「東京は五輪で人がたくさん集まりそうなので、大阪に来ようと思って」。友人と大阪市内を観光するが、マスクは着用し、騒がないなど可能な限りの感染対策をするつもりだという。
海水浴客でにぎわった和歌山県白浜町。同町にある白良荘グランドホテルによると、4連休中は関西からの観光客を中心に満室に。岐阜県高山市の平湯温泉も多くの宿泊客が訪れ、地元観光協会の小林正和・前会長によると22〜24日はどこの旅館も盛況で、利用者からは「1年間旅行をせず、やっと来られた」という声が聞かれたという。
九州の玄関口・JR博多駅(福岡市)もこの日は人波が絶えなかった。仙台市の会社員男性(66)は九州を旅行するといい、「連休で、五輪もやるのに『外出を控えよ』というのはちぐはぐだ」と話した。
広島市の看護師の女性(36)は北九州市の実家に帰省するため福岡県へ。博多駅に着いて「こんなに人が多いと思わなかった」と驚いたという。「またすぐ感染爆発しそうな中で『本当に五輪をするの?』といまだに思う。観客が入れる状況になってから開催した方が選手にとっても良かったのでは」
旅行大手のJTBのまとめでは、夏休み(7月20日〜8月31日)の国内旅行者数は4千万人で、昨年比5・3%増となる見通しだ。ただ、コロナ禍前の19年と比べると44・8%の減少で、「大きく回復に転じているわけではない」としている。

●大手居酒屋、コロナ禍で千店減 飲み会少なく厳しい経営 7/22
居酒屋の店舗数が激減している。東京商工リサーチによると、大手居酒屋チェーンを展開する上場企業14社の店舗数は新型コロナウイルスの感染拡大前と比べて約千店減った。飲み会需要の減少が長期化したことが主な要因だ。今夏は緊急事態宣言による酒類の提供停止や、東京五輪の無観客開催も影響しそうで、経営環境は極めて厳しい。
東京商工リサーチが14社の店舗数を調査したところ、コロナ前の2019年12月末は計7200店だったが、今年3月末には6152店となった。減少率は14%超。微増の串カツ田中ホールディングスを除く13社が都市部を中心に店舗を減らした。

●4連休初日 コロナ禍&五輪開催でどう過ごす? 7/22
今年は東京オリンピックの関係で祝日が移動になり、7月22日が「海の日」、そして開会式が行われる23日が「スポーツの日」となりました。土日まで含め4連休という方も多いのではないでしょうか?オリンピック、そして、コロナ禍での連休をどう過ごすかうかがいました。
鹿児島中央駅では午前中から、旅行かばんやスーツケースを持った人たちの姿が多くみられました。
おみやげの紙袋を写真に収めていたこちらの2人。神奈川から訪れたといいます。
(神奈川から)「阿久根大島に行く。きょう」
(神奈川から)「コロナ前に、海外とか行ってたけど行けなくなっちゃったので、そこから行ってなかったです。楽しいです!」
また、こちらの男性は兵庫からのひとり旅だといいます。
(兵庫から)「お城めぐりで来たんです。九州をずっとまわっていく。鹿児島から、博多まで。」
天文館では、鹿児島名物のかき氷、「白熊」の専門店に列ができていました。一方、鹿児島市内の公園も、朝から多くの親子連れでにぎわっていました。コロナ禍で、県外には出ない判断をする人も多いようです。
(30代・男性)「子供が2人とも小さいので、リスクがあるかなと思って控えています。なので近場で、なるべく外で遊ぶというところですかね」
(30代・女性)「1年以上自粛が続くともう、外に行く思考はなくなりますね。鹿児島で楽しめることをしようかなと。自宅でオリンピックでも見ようかなと思っています」
一方、鹿児島空港は、東京や大阪など首都圏から到着する便では、旅行客の姿は見られたものの、特に混雑はありませんでした。
(東京から)「桜島を見るのと、指宿で砂風呂に入ろうかと」「釜蓋神社に行く」
(東京から)「感染予防してきました」
鹿児島県では、夏休み期間中の新型コロナの感染拡大を防ぐため、22日から羽田空港と伊丹空港で行われている、民間のPCR検査の費用の一部負担をはじめました。羽田と鹿児島、奄美、伊丹と鹿児島など、5つの航空路線の利用客が、専用サイトで予約してPCR検査を受けた場合、7900円の費用のうち5900円を県が負担します。PCR検査の費用負担は、8月31日までです。

●鉄道グループが「カレー」 コロナ禍の“路線変更” 7/22
売り上げを回復する起爆剤となるのでしょうか。鉄道のグループ会社が仕掛けたのは、まさにスパイシーな「カレー作戦」です。
京成線が走る千葉県市川市。コロナ禍の今、ファミリー層に人気だというカレー店が、駅近くのショッピングモールにあります。
フードコートの一角に去年8月にオープンした、その名も「100時間カレー」。
全国展開するチェーン店で、自慢のカレーはその名の通り、100時間以上かけて作った、深みのある濃厚なルーが特徴です。かつて、カレーの激戦区、東京・神田でグランプリに輝いたことも。
家族連れや女性客もターゲットにしたという欧風カレー。
女性客:「シチューのような深みのあるカレー。すごくおいしかった。卵のカレー食べたけど、見た目がすごくきれいだから、次は野菜を食べようかなと」
最近、このカレーチェーン店に異業種が続々と参入しているといいます。
「100時間カレー」直営アークス・素谷滋専務:「1カ月以内に出店ラッシュで、5店舗ほど追加で出店が決まっている」
実は、先ほどのショッピングモールの店舗を運営しているのは、京成電鉄が100%出資する子会社です。この1年で、千葉県内に3店舗をオープン。なぜ、鉄道業界が「畑違い」ともいえる、カレー専門店を始めたのでしょうか。
「100時間カレー」運営、イウォレ京成・東原光陽社長:「私たち京成グループは、鉄道、バスも含めて、成田空港へ移動するお客様の輸送を担っている点もあり、空港の旅客は100%近く減っている。被害はかなり大きい」
コロナ禍で利用者が激減した成田空港と東京を結ぶ京成線は、乗降人数が3割近くも減少。さらに、子会社が空港内や沿線に展開しているレストランなどでも、売り上げが大幅にダウン。
そこで、ファミリー層にも支持されているカレー店に活路を見出したといいます。
「100時間カレー」運営、イウォレ京成・東原光陽社長:「アフターコロナを見据えての出店。確実に収益が見込めて、なおかつ海外のお客様が来ないと困るという状況ではなく、国内の市場に向けた店を増やしていくことで、できるだけ安定的な経営ができるようにしていきたいと」

●大きな打撃に…WeLove山陰キャンペーン コロナ拡大で新規受付停止 7/22
来週月曜日から一部を除き新規の受付を停止すると発表された山陰限定の誘客割引企画WeLove山陰キャンペーン。恩恵が大きかっただけに大きな打撃となっている。鳥取市のゴルフ場、鳥取カントリークラブ。連休初日のきょうも朝から多くのゴルファーが汗を流していた。このゴルフ場はWeLove山陰キャンペーンの対象施設で、キャンペーンを使うと3000円が割引される。
ゴルファー:週に一回くらいは来ている。WeLoveは大きい。半額だからね。
ここでは今年3月から6月のゴルフ客が去年の同じ時期より約3割増加した。
支配人:約9割がWeLoveを利用しています。
宿泊で最大5千円割引などコロナ禍でも山陰の人限定で両県相互に地域の誘客を図るWeLove山陰キャンペーン。感染拡大をうけ島根県の人が県内で利用する場合をのぞき26日から新規予約を停止する事態となった。
支配人:ゴルフ場としては非常に痛い。影響がある。
来週月曜日の受付停止までに駆け込み需要を期待するがきょう午前中には予約の電話が1本しかなかった。
支配人:8月には枠に空きがある。あと3、4日の間に申し込んでほしい。
恩恵の大きかったキャンペーン、受付停止は連休の観光地に大きな痛手となっている。

●きょうから4連休も…コロナ感染拡大で観光客はまばら 鳥取市 米子市 7/22
きょうからはじまった4連休。両県で新型コロナの感染急拡大が続く中、初日の観光地の人出は様々。
観光客:もう少し多いと思った。
きょう日中の鳥取砂丘。連休初日にしては観光客はまばら。
鳥取砂丘ビジターセンター前田武志館長:例年の大型連休と比べると3割程度。駐車場にも空きが目立ちますし。
コロナ禍前の同じ時期には1日1万人程度が訪れていたという鳥取砂丘。連休初日の人出はその3割程度。観光客の約6割を占める県外客が感染の再拡大をうけ減少したことが原因とみられている。
米子市の皆生海岸「皆生温泉海遊ビーチ」。海の日のきょうオープンしたのが海上アスレチック。感染急拡大と重なる中、主催者の想定を上回る賑わいとなった。
子ども:めちゃくちゃ楽しいです。滑り台とか楽しかった。
しかし大人は。
大人:人となるべく離れるように。県外には出られないので地場の海に遊びに来たという感じ。
アスレチックは事前受付制で人数制限などで感染対策。過ごし方に注意をはらいながらの連休スタートとなった。

●東京都で1979人の新型コロナ感染確認、1都3県の感染拡大続く 7/22
東京都は22日、新たに1979人(前日1832人)の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。1日の感染者数としては1月15日(2044人)以来の多さ。
発表によると、感染者の直近7日間移動平均は1373.4人(同1277.6人)で前週比155.7%(同155.2%)となった。重症者は65人(同64人)。
首都圏では感染拡大に歯止めがかからない。NHKは、神奈川県で631人の新規感染が確認されたと報じた。前日の522人から大幅に増え、1月以来の高水準。共同通信によると、埼玉県では510人(前日は381人)が感染。県のデータによれば500人を超えるのは1月以来。千葉県の感染者数は共同によると343人で、2日連続で300人を超えた。

●愛知も感染拡大 2日連続100超 「五輪はテレビで」 7/22
東海3県では22日、計187人の新型コロナウイルス感染が発表された。3県とも前週の同じ曜日と比べて大きく増加している。
愛知県は146人で、2日連続で100人を超えた。140人を超えたのは、愛知県にも緊急事態宣言が出ていた6月11日以来となる。また、高齢者1人の死亡が確認された。
県によると、21日時点の患者820人のうち、228人が入院し、134人が宿泊療養施設に入所。347人が自宅で療養しているという。
県は23日に開幕する東京五輪について、「飲食店などで多くの人が集まって競技を観戦すれば、感染リスクの拡大につながる」などとして、自宅のテレビで少人数で応援するよう呼びかけている。
岐阜県では14人の感染が発表された。県によると、感染力の強い変異株(デルタ株)の疑いがある変異ウイルスも新たに2人から見つかった。三重県の感染者は27人だった。

●神奈川県で635人、埼玉県で510人の新規感染者 首都圏で感染拡大 7/22
首都圏で新型コロナの感染が急拡大している。
神奈川県できょうこれまでに635人が新型コロナウイルスに感染したことが確認された。神奈川県で1日の新規感染者が600人を超えたのは1月22日以来、半年ぶりとなる。
埼玉県では510人の新型コロナウイルスへの感染者が確認された。1日の感染者が500人を超えるのは、過去最多となった582人の感染者が確認された1月16日以来。
また、千葉県では、きょう新たに343人の感染が確認されている。 

●コロナ感染再拡大を警戒 連休や夏休みで 広島 7/22
連休や夏休みでの新型コロナ感染再拡大に警戒感が高まっています。
高橋勇介記者「福山駅前に設置されたPCR臨時スポットにはスーツケース姿の人が目立ちます」
JR福山駅前に設置されたのはPCR検査キットを無料で配布する会場です。連休や夏休みに入り多くの人が移動するため感染拡大を警戒し設けられました。
大阪から帰省「感染対策しててもかかっちゃうこともあるんでちゃんとうつさないように」
広島県健康福祉局 妹尾克佳主査「(PCR検査と)ワクチンの接種と予防を組み合わせてもらいながら感染防止に努めてもらいたい」
一方、広島駅前のデパートでは・・・
長崎奈美記者「こちらではデパートの買い物のついでにワクチンを打つことができます」
福屋広島駅前店に設置された新型コロナワクチンの集団接種会場。駅からも近く足を運びやすいため広島市は幅広い年代に訪れてほしいと呼びかけています。
接種した人「買い物ついでに接種できるしこういう場所が増えてもいいのでは」
接種した人には館内の店舗で使えるクーポン券も配布されていました。広島市では24日から一部会場に限り64歳以下の一般接種予約もスタートします。

●新型コロナウイルス 山陰両県で感染拡大…両県で新たに31人感染 7/22
新型コロナの感染拡大に歯止めがかからない。山陰両県では21日の検査で新たに31人の感染が確認された。
このうち島根県では、雲南市で8人、松江市で6人、安来市で5人、出雲市で1人と計20人の感染が確認された。累計の感染者数は645人となった。
このうち、5人の感染が確認された安来市では緊急の記者会見を開いた。安来市田中武夫市長:「5人の中の1人は安来市立病院の職員であることが判明しました」安来市立病院の病棟に勤務する職員一人の感染を発表した。感染した職員は同居する家族が通う、学校あるいは職場で感染者が出たことから今月18日から自宅待機をしていて、20日に病院内でPCR検査を受け陽性が判明した。
職員はすでに2回、新型コロナワクチンの接種を受けていたという。安来市立病院では、訪問介護や訪問リハビリは、26日(月曜日)まで停止するが、外来・入院患者の受け入れは継続することにしている。一方、鳥取県内では米子保健所管内で10人、さらに倉吉市で1人の感染が新たに確認された。累計の感染者数は626人となった。
米子保健所管内では9人がこれまでの陽性者の濃厚接触者か、接触者としてPCR検査を受け陽性が判明した。また、このうちの4人はPCR検査で一度は陰性と診断されたが、その後症状がでて、再検査を受け陽性が判明したという。鳥取県では7月に入ってからの感染者数がこれで146人となり、ひと月の感染者数として過去最多を更新し続けている。また、現在入院中の1人の患者が重症だという。

●トヨタの国内工場、一部生産停止 ベトナム感染拡大で部品供給停滞 7/22
トヨタ自動車は22日、ベトナムでの新型コロナウイルス感染拡大で、海外からの部品供給が滞り、子会社のトヨタ車体富士松工場(愛知県刈谷市)の一部生産を合計5日間停止すると発表した。影響台数は約3千台。
ミニバンの「アルファード」や「ヴェルファイア」「ノア」「ヴォクシー」「エスクァイア」を生産する第2ラインが対象。7月29、30日、8月2〜4日に稼働を止める。
ベトナムでは新型コロナの感染拡大が続いており、市民の行動が制限されている。ベトナム以外の東南アジア各国でも感染に歯止めがかかっていない。

●コロナ発生源巡るWHO再調査要請に中国反発 7/22
中国は新型コロナウイルスが湖北省武漢のウイルス研究所から流出したとする説には証拠がないとして、発生源を巡る世界保健機関(WHO)の再調査要請に反発した。
バイデン米大統領はワクチン接種を受けていない住民の間で感染が急増しているとして、より多くの国民に接種を強く要請した。テキサス州のデータでは、新型コロナ死者の大部分はワクチン未接種者であることが示された。
シンガポールはクラスターの発生が確認されたマリーナベイ・サンズのカジノを2週間閉鎖する。
ベトナムのハノイ市当局は、外出禁止令が出ているホーチミンなど南部地域から到着する旅行者について、22日から隔離施設への収容を命じた。隔離期間は不明。
タイの新規感染者数は22日に1万3655人と、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が発生して以来で最多を記録した。
韓国の新規感染者数は過去最多の1842人。保健当局は中東で海賊対策に当たっていた海軍の駆逐艦での270人の感染を加えた。乗組員は20日に帰国した。この船での感染者と入国者の感染症例を除いた国内の新規感染者は1533人で、前日の1726人から減少した。
オーストラリアのクイーンズランド州は感染拡大リスクを抑制するため、ニューサウスウェールズ州との境界を23日午前1時に閉鎖すると州首相がツイッターで明らかにした。ニューサウスウェールズ州のシドニーでは、1日当たりの感染者数が22日に124人に上り、6月半ばに始まった現在の流行期では最多を記録。増加が続くと予想されている。
インドのコロナ感染死者数は実際には130万から500万人のレンジである可能性がある。最も控えめな予想でも、これまで世界最多の米国の死者数の2倍強。これらの数値は研究モデルや地元当局のデータから導き出されたもので、同国の公式集計の3倍から10倍のレンジ。
米ジョンズ・ホプキンズ大学とブルームバーグの集計データによると、世界の新型コロナ感染者数は1億9200万人、死者数は412万人をそれぞれ超えた。ブルームバーグのワクチントラッカーによれば、世界のワクチン接種は計37億1000万回を上回った。
 

 

●1都3県の感染者、2日連続3000人超 感染拡大で五輪開催  7/23
東京五輪は新型コロナウイルス感染拡大の中で開幕を迎える。東京都や神奈川、埼玉、千葉の1都3県の新規感染者数の合計が2日連続で3000人を超えた。1月の「第3波」のピークに迫る勢いだ。専門家は「自宅で亡くなる人が出る事態は避けたい」と医療体制の逼迫を懸念。改めて不要不急の外出を控えるように呼び掛ける。(小坂井文彦、藤川大樹、神谷円香)
インド株の影響で半年ぶり水準
22日の1都3県の新規感染者の合計は3463人。3000人超は約半年ぶりの水準だ。感染力の強いデルタ株(インド株)の影響で、過去最多の4327人(1月9日)を超す可能性も出てきた。感染状況を示す指標のうち最初に数値が上がるのが「人口10万人当たりの直近1週間の新規感染者数」だ。東京は6月30日に、最も深刻な「ステージ4」の目安(25人)を突破。緊急事態宣言が出た今月12日には、約37・94人に増えた。神奈川は14日にステージ4に達した。県はまん延防止等重点措置の範囲を拡大するなどの対策を取ったが改善せず、22日には37・35人に悪化。埼玉、千葉両県も19日にステージ4になった。東京は20日時点で、重症者用病床の使用率もステージ4になった。
夜間人口増加
厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」によると、緊急事態宣言が発令中の東京では夜間の滞留人口が減っているものの、前回の宣言時と比べると減り方は緩やかだ。神奈川、千葉は横ばい。埼玉では増加が続いている。複数のメンバーから、3県にも緊急事態宣言が必要だとの声が出ている。酒類を提供する飲食店に休業要請が出ている東京から3県に越境している可能性も指摘される。前田秀雄・東京都北区保健所長は「東京に隣接しているところは同じようにしておかないと、人流が減らない」と話す。
進まぬ40、50代のワクチン接種
20日時点で、全国の高齢者約62%が2回のワクチン接種を終えた。その効果から現在の「第5波」では、これまでより高齢者の重症者が少ない。そのため楽観視する市民もいるが、専門家は警鐘を鳴らす。「40代、50代の重症者数は第3波を超えた。それほど死者が出ないからまだ緊迫感がないが、今までで最大の感染だ」と前田氏。ワクチン接種の進まない東京の40〜50代の重症者は、7月に入り20人前後で推移している。20〜30代の入院患者も増えている。感染が収まらなければ、入院できずに自宅療養になる患者が出る。国際医療福祉大の和田耕治教授は「40〜50代が医療にかかれずに亡くなるのは避けたい」と語る。新規感染者を抑えるには人との接触機会を減らせるかがカギになる。和田氏は「市民はもう何も聞いてくれないと言う人もいるが、リスクを伝えていくのが僕たちの仕事だ」と話す。

●島根県で新たに10人の感染を確認 東部の感染拡大続く 7/23
新型コロナ、島根県内で新たに10人の感染が確認された。安来市で5人、松江市で2人、雲南市で2人、出雲市で1人。島根県内では4日連続の二けた確認で感染者の累計は655人となった。県東部での感染確認が続いていて2ケタの確認は4日連続。

●美浦所属の調教師1人が新型コロナ感染、隔離され療養措置 7/23
JRAは22日、美浦トレセン所属の調教師1人が新型コロナウイルスに感染したことを発表した。当該調教師は現在、隔離されたうえで療養措置となっている。JRA報道室は「今後は所轄保健所などと連携し、感染拡大の防止に取り組んでまいります」とし、24日以降の中央競馬については「引き続き感染拡大防止の措置を徹底しつつ開催いたします」とコメントした。

●テレワーク「効率上がった」 新型コロナ感染拡大後 初の減少に 7/23
新型コロナウイルスの感染拡大以降、導入が進むテレワークについて、仕事の効率が上がったと感じている人の割合が初めて減少に転じたとする民間の調査がまとまりました。
この調査は、日本生産性本部が感染拡大後の働き方や意識の変化を調べるために去年5月から行っていて、今回で6回目となります。
今月上旬にインターネットを通じて行い、1100人が回答した今回の調査では、自宅でテレワークをしている人に「仕事の効率が上がったか」尋ねたところ、「上がった」「やや上がった」と答えた人の割合が合わせて50%で、前回・ことし4月の調査から9ポイント減って初めて減少に転じました。
また、「自宅での勤務に満足しているか」の問いには、「満足」「どちらかと言うと満足」が70%で、前回の75%から減少しています。
これについて、調査した日本生産性本部の柿岡明上席研究員は、感染拡大から1年以上が過ぎ、働く人の間で孤独を感じるなどのいわゆる“テレワーク疲れ”が起きているのでないかと指摘したうえで「企業経営者は働く人の心の健康に配慮することが必要だ」と話しています。

●新型コロナ 東京は感染拡大加速 「宣言」各地も感染急拡大 7/23
新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、東京都では緊急事態宣言が出されている中でも、オリンピックの開幕を前に、感染拡大のペースが上がり続けていて、首都圏の3県や大阪府、沖縄県などでも感染が急拡大しています。NHKは各地の自治体で発表された感染者数を元に、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。
全国
全国では、先月24日までの1週間では前の週と比べて0.94倍と、6週連続で新規感染者数が減少していましたが、今月1日は1.04倍、今月8日は1.16倍、今月15日は1.41倍、22日まででは1.56倍と、4週連続で増加し、感染が拡大するペースが上がっています。1日当たりの新規感染者数は、およそ3823人となっています。
緊急事態宣言の地域
4回目の緊急事態宣言が出されている東京都は、先月中旬までは5週連続で減少していましたが、先月下旬から増加に転じました。今月8日までの1週間では前の週の1.27倍、今月15日は1.33倍、22日まででは1.56倍と5週連続で増加し、感染が拡大するペースも上がり続けています。1日当たりの新規感染者数はおよそ1373人と、先週よりおよそ490人増え、人口あたりの感染者数は全国で最も高い水準となっています。緊急事態宣言が継続している沖縄県では、今月8日までの1週間では前の週の0.78倍だったのが今月15日は1.09倍と再び増加に転じ、22日まででは1.92倍と感染が急拡大しています。1日当たりの新規感染者数はおよそ105人で、人口あたりの感染者数は東京都に次いで高い水準となっています。
重点措置適用の地域
「まん延防止等重点措置」が適用されている首都圏の3県と大阪府でも感染が急拡大しています。神奈川県は、今月8日までの1週間では前の週の1.15倍、今月15日は1.45倍、22日まででは1.43倍と感染が拡大するペースが速い状態が続き、1日当たりの新規感染者数はおよそ492人となっています。埼玉県は、今月8日までの1週間では前の週の1.32倍、今月15日は1.48倍、22日まででは1.74倍と感染拡大のペースが上がっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ328人となっています。千葉県は、今月8日までの1週間では前の週の1.22倍、今月15日は1.28倍、22日まででは1.40倍と感染拡大のペースが上がっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ265人となっています。大阪府は、先月下旬から今月上旬は新規感染者数は横ばいの状況でしたが、今月8日までの1週間では前の週の1.28倍と増加に転じました。その後、今月15日は1.78倍、22日まででは1.58倍と急速な感染拡大となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ341人となっています。
重点措置解除の自治体
今月11日を期限に重点措置が解除された地域でも、新規感染者数の増加のペースが上がっているところがあります。北海道は、今月8日までの1週間では前の週の1.22倍、今月15日は1.52倍、22日まででは1.65倍と増加のペースが上がっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ103人となっています。京都府は、今月8日までの1週間では前の週の1.13倍、今月15日は1.68倍、22日まででは1.80倍と増加のペースが上がっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ51人となっています。兵庫県は、今月8日までの1週間では前の週の1.36倍、今月15日は1.77倍、22日まででは1.89倍と増加のペースが上がっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ102人となっています。
新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「全国で感染拡大の第5波に入ってきていることが見えてきている。感染者数が増えると、一定の割合で重症例が出て、50代以下でも亡くなる人が増えてくることを考えておかなければならない。第5波では、感染力が強い変異ウイルス『デルタ株』の影響もあり、第4波の関西で見られたような急激なまん延、医療現場のひっ迫が、もう一度全国で起きてもおかしくない状況になりつつある。大きな感染の波は作らないという決意を持って、1人1人が感染を防ぐ行動をしないといけない」と述べました。そしてオリンピックが開催される東京の状況については「東京では緊急事態宣言が出されてからまもなく2週間になるが、まだ宣言の効果は見られず、増加が止まらない心配な状況になっている。緊急事態宣言でも感染が収まらないことが見えてきた場合には、さらに強い対策をちゅうちょなく取る覚悟が必要になってくるだろう」と話しています。その上でオリンピックについて「本当に重い決断として、無観客での開催を決めたので、競技場の周りに集まって騒いでしまうと、効果が薄れてしまう。競技場の周りでの飲食、酒を飲むような機会があると、感染を広げるリスクを高めることになりかねないので、家でいつもいる人と、テレビを通して応援してほしい」と訴えました。

●「五輪やるのに、酒は悪者?」 開会式会場から2kmの歌舞伎町では 7/23
東京オリンピックの開会式が開かれた23日、国立競技場から約2キロしか離れていない全国屈指の繁華街、新宿・歌舞伎町を歩くとシャッターが下ろされ「臨時休業」などの張り紙がある店が目に付いた。東京都に4回目の緊急事態宣言が出ているため、夜になっても明かりのつかない飲食店ビルが目立った。
「五輪の雰囲気なんて全然感じませんよ」。歌舞伎町で創業58年目のしゃぶしゃぶ・すき焼き店「米新」を営む橋本徹さん(58)は、開会式が始まった午後8時ごろ、のれんを静かに店内にしまった。新型コロナウイルスの問題が起こる前は深夜まで営業していたが、この日も時短要請に応じて早々に店を閉めた。
店は客足が以前の約10分の1に減ったという。ワクチン接種が進んで客足が戻ることを期待したものの「自宅で酒を飲む人が増え、更に客が減るのではないか。こんな状況の中で競技をしなければならない選手が一番可哀そうだが、私たちも我慢を続けるしかない」とため息をついた。
ただ、午後9時近くになっても、まばらではあるものの街を訪れる人の流れは途切れない。「アルコールOK」「24時まで営業中」などと客を呼び込む店もある。路上に座り込み、缶チューハイを片手に話し込む男女の姿もあった。
飲食店で働く男性(21)は「五輪もやっているのに酒を提供するなというのは違和感がある。消毒などの対策もしている。酒を悪者にしないでほしい」と話した。

●「全国で第5波に入ってきている」新型コロナ 感染急拡大  7/23
新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、東京都では緊急事態宣言が出されている中でも、オリンピックの開幕を前に感染拡大のペースが上がり続けていて、首都圏の3県や大阪府、沖縄県などでも感染が急拡大しています。
NHKは各地の自治体で発表された感染者数を元に、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。
全国では、先月24日までの1週間では前の週と比べて0.94倍と、6週連続で新規感染者数が減少していましたが、今月1日は1.04倍、今月8日は1.16倍、今月15日は1.41倍、22日まででは1.56倍と、4週連続で増加し、感染が拡大するペースが上がっています。
1日当たりの新規感染者数はおよそ3823人となっています。
緊急事態宣言下の東京・沖縄で感染急拡大
4回目の緊急事態宣言が出されている東京都は、先月中旬までは5週連続で減少していましたが、先月下旬から増加に転じました。今月8日までの1週間では前の週の1.27倍、今月15日は1.33倍、22日まででは1.56倍と5週連続で増加し、感染が拡大するペースも上がり続けています。1日当たりの新規感染者数はおよそ1373人と、先週よりおよそ490人増え、人口当たりの感染者数は全国で最も高い水準となっています。緊急事態宣言が継続している沖縄県では、今月8日までの1週間では前の週の0.78倍だったのが、今月15日は1.09倍と再び増加に転じ、22日まででは1.92倍と感染が急拡大しています。1日当たりの新規感染者数はおよそ105人で人口当たりの感染者数は東京都に次いで高い水準となっています。
重点措置適用の首都圏3県と大阪府でも感染拡大ペース上がる
「まん延防止等重点措置」が適用されている首都圏の3県と大阪府でも感染が急拡大しています。神奈川県は今月8日までの1週間では前の週の1.15倍、今月15日は1.45倍、22日まででは1.43倍と感染が拡大するペースが速い状態が続き、1日当たりの新規感染者数はおよそ492人となっています。埼玉県は今月8日までの1週間では前の週の1.32倍、今月15日は1.48倍、22日まででは1.74倍と感染拡大のペースが上がっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ328人となっています。千葉県は今月8日までの1週間では前の週の1.22倍、今月15日は1.28倍、22日まででは1.40倍と感染拡大のペースが上がっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ265人となっています。大阪府は先月下旬から今月上旬は新規感染者数は横ばいの状況でしたが、今月8日までの1週間では前の週の1.28倍と増加に転じました。その後、今月15日は1.78倍、22日まででは1.58倍と急速な感染拡大となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ341人となっています。
重点措置解除された自治体でも感染者増加
今月11日を期限に重点措置が解除された地域でも、新規感染者数の増加のペースが上がっているところがあります。北海道は今月8日までの1週間では前の週の1.22倍、今月15日は1.52倍、22日まででは1.65倍と増加のペースが上がっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ103人となっています。京都府は今月8日までの1週間では前の週の1.13倍、今月15日は1.68倍、22日まででは1.80倍と増加のペースが上がっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ51人となっています。兵庫県は、今月8日までの1週間では前の週の1.36倍、今月15日は1.77倍、22日まででは1.89倍と増加のペースが上がっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ102人となっています。
専門家「第5波に入ってきている」
新型コロナウイルス対策に当たる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「全国で感染拡大の第5波に入ってきていることが見えてきている。感染者数が増えると、一定の割合で重症例が出て、50代以下でも亡くなる人が増えてくることを考えておかなければならない。第5波では、感染力が強い変異ウイルス『デルタ株』の影響もあり、第4波の関西で見られたような急激なまん延、医療現場のひっ迫がもう一度全国で起きてもおかしくない状況になりつつある。大きな感染の波は作らないという決意を持って一人一人が感染を防ぐ行動をしないといけない」と述べました。そして、オリンピックが開催される東京の状況については「東京では緊急事態宣言が出されてからまもなく2週間になるが、まだ宣言の効果は見られず、増加が止まらない心配な状況になっている。緊急事態宣言でも感染が収まらないことが見えてきた場合には、さらに強い対策をちゅうちょなく取る覚悟が必要になってくるだろう」と話しています。そのうえで、オリンピックについて「本当に重い決断として、無観客での開催を決めたので競技場の周りに集まって騒いでしまうと、効果が薄れてしまう。競技場の周りでの飲食、酒を飲むような機会があると、感染を広げるリスクを高めることになりかねないので、家でいつもいる人とテレビを通して応援してほしい」と訴えました。

●感染拡大防止 五輪は自宅で応援 連休中の移動控えて 7/23
東京オリンピックの開会式が行われる国立競技場の周辺や各地の行楽地では、多くの人でにぎわう様子が見られますが、専門家は、首都圏を中心に広がる新型コロナウイルスの感染が、全国各地に拡大することを防ぐため、オリンピックは自宅で楽しむとともに、県境を越えた移動をできるだけ控えるよう求めています。
東京都などを中心に各地で新型コロナウイルスの感染拡大が続き、22日、全国の感染者はことし5月以来、2か月ぶりに5000人を超えましたが、23日は、東京オリンピックの開会式が行われる国立競技場の周辺や各地の行楽地でも人出が多くなっていて、さらなる感染拡大が懸念されています。
政府の分科会の尾身茂会長は、今月16日、東京などで拡大する感染が各地に広がるのを防ぐため、4連休や夏休み、お盆、東京オリンピック・パラリンピックなど、人出が増える機会が集中するこれからの2か月間が「感染対策における山場だ」として、対策の徹底を求める談話を出しています。
談話では、東京オリンピックについて、応援は自宅で行い、広場や路上、飲食店などでの大人数の応援を控えることや、ふだん会わない人との会食や、大人数や長時間に及ぶ会食を控えるよう訴えています。
また、県境を越える移動をできるだけ控え、帰省先の高齢者がすでに2回のワクチン接種を済ませている場合でも、帰省の2週間前から感染予防対策を十分に行った上で会うよう求めています。
政府分科会のメンバーで東邦大学の舘田一博教授は「オリンピックが始まり、スタジアムの周りでたくさんの人が集まっている様子を見ると、連休でもあるし、外に出てもいいんじゃないかというメッセージが伝わってしまう。非常に厳しい感染状況に繋がってしまう可能性が高まっている。医療現場でのひっ迫の度合いが高まっていることを考えて、もうしばらく我慢して欲しい。オリンピックは家でいつもいる人と応援し、県境を越える移動をなるべく控えて欲しい」と訴えました。

●選手村で“検査キット不足”発覚…感染拡大止まらず 7/23
東京都では23日、新たに1359人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。検査数が下がる連休中とはいえ、34日連続で、前の週の同じ曜日を上回りました。重症者は22日より3人増えて、68人。年代別では、65歳以上の高齢者は37人、一方、20代が最多で、492人となっています。
医療現場は、依然、厳しい状況から抜け出せていません。昭和大学病院では、新型コロナの入院患者25人のうち、21人が50代以下です。
昭和大学病院・相良博典病院長「一番多いのは、若年者の感染からの家庭内感染。若い人たちが、どこで感染してきているかは、よくわからない。やはり人出、人流だと思う。もっと増えてくるだろうなと。我々の施設もそうだが、ベッドをちゃんと用意しておかないと、厳しい状況下になってくると不安を感じている。患者の数が減ってくる要素は厳しい。夏休み、オリンピックが開始したことを踏まえて、患者の数はまだ上がってくると思う」
昭和大学病院は、東京オリンピックに医師と看護師を派遣しています。八木医師は、そのうちの一人で、トライアスロンの会場で、医療責任者を務めます。
昭和大学病院・八木正晴医師「医学的なことだけ考えれば、ここまで大規模な大会は、感染対策上は明らかにありえない話。多少変な形でも、オリンピックを一回やるというのもわかる。折衷案として無観客の状態があるが、その方向でも、ある程度できるなら、やるのはしょうがないかなと」
大会組織委員会によりますと、新たに19人の感染が確認されました。そのうち3人は、海外の選手です。これで、選手を含む、大会関係者などの陽性者は、合わせて110人となりました。また、選手村で行われている検査ですが、検査キットが不足し、一部の選手で、毎日、検査が行えなかったことがわかりました。大会組織委員会は、時間を工夫して行うことで、プレーブックに定められた回数の検査を行ったということです。24日に検査キットが大量に届くので、必要な本数を、くまなく配布するとしています。
昭和大学病院・八木正晴医師「2週間後、1カ月後が非常に怖い。その時にどうなっているのかという不安はある。もちろんゼロは難しいかもしれないが、誰も感染しないで大会を終えたい」

●大学でクラスターが発生、授業以外で感染拡大か 滋賀の新型コロナ 7/23
滋賀県は23日、新型コロナウイルスに感染して県内の医療機関に入院していた70代男性が死亡し、新たに10歳未満〜60代の男女14人が感染したと発表した。県内での感染確認は計5764人、死者は計92人となった。20日発表の新規感染者のうち、大津市の女性1人が追加の検査で陰性と判断されたなどとして取り下げた。
新規感染者は居住地別に大津市6人、草津市3人など。4人は大津市のびわこ成蹊スポーツ大の学生で、19日以降に感染が確認された学生は県外を含め計12人となり、県はクラスター(感染者集団)と認定した。県によると、授業以外の活動で感染が広がったとみられ、これまでに29人が検査を受け、17人は陰性と判明した。同大学は、濃厚接触を疑われる学生・教職員を自宅待機としているなどの対応をホームページで発表した。
草津市は23日、市立こども園の園児1人の感染が確認され、同園を24日から26日まで休園すると発表した。

●感染爆発か、乗り切るか 連休と東京五輪が重なる首都圏の勝負の時 7/23
緊急事態宣言中に始まった4連休と東京五輪。現在、首都圏は新規感染者数の拡大が止まらないが、これからどうなってしまうのか?新型コロナウイルス感染症対策分科会構成員で、東京2020大会における新型コロナウイルス対策のための専門家ラウンドテーブル座長なども務めた、川崎市健康安全研究所所長の岡部信彦さんに聞きました。
――東京は7月20日時点で新規感染者数の報告が1387人、1週間前より557人増えています(その後、22日現在で1979人)。やはり急増していますが、現状をどう見ていますか?
増えるということ自体は想定内といえば想定内です。ショックだったのは、昨日(20日)、埼玉県の会議にオンラインで出たのですが、埼玉の感染者数は急上昇しているという報告を受けました。倍加速度(感染者の数が倍になるスピード)がものすごく速くなっています。神奈川や千葉も似たような状況です。全国的に見るとそうでもないのですが、現在、新型コロナの流行は首都圏を中心とした問題になっています。2009年の新型インフルエンザの流行の時も思いましたが、感染症はやはり人が密集している大都市が最も大きな問題になるのですね。
――7月12日に東京に出された緊急事態宣言の効果が出るのはもう少し後だということでしょうか?
そうですね。今の感染状況は、緊急事態宣言があろうがなかろうが、オリンピックがあろうがなかろうが関係なく増えているわけです。緊急事態宣言による何らかの効果があるかないかは1〜2週間たってからなので、今週末から来週くらいの状況を見る必要があるでしょう。
――宣言が出てからの人の流れはどうでしょう?
今日(7月21日)の厚労省のアドバイザリーボードに出された東京都医学総合研究所社会健康医学研究センターの西田淳志先生の資料を見ると、緊急事態宣言が出されたあたりから、東京の繁華街の人の流れは落ちています。緊急事態宣言のアナウンス効果なのか、「新規感染者が1000人を超えた」となって「大変だ」と思ったのか。自浄作用と考えたいのですが......。雨や雷のせいもあるかもしれませんし、日中の方がより強く落ちているのは夏休みになった影響もあるかもしれません。一方、東京の実効再生産数(1人当たりの二次感染者数。1を超えると感染者は増加に転じる)は上がっています。夜間の繁華街の人口は下がっていることは、感染症を見る立場からはありがたいことです。今は感染者の報告者数は増えていますが、それに伴って、実効再生産数や新規感染者が下がってくるかどうか。1、2週間後にその効果が見えてくるかどうかを注目しています。
――では明るい兆しも見えているということですか。
明るいとまではまだ言えないけれど、期待感も一方ではある、ということです。ところが、緊急事態宣言が延長された沖縄の繁華街の人の流れは増えています。
――沖縄が増えているのは、やはり夏休みの旅行者の影響でしょうか?
沖縄は緊急事態宣言後、新規感染者報告はずっと減っていたのです。ところが、夜間の人の流れが増えてきたのを追いかけるように、感染者報告も上昇に転じています。そして実効再生産数も1を超えて、増えてきています。増加のきっかけは県外からの来訪者のようですが、その後の増加は沖縄県内での広がりと分析されています。神奈川は、夜間の人流もじわっと増えているし、新規感染者や実効再生産数も増えています。神奈川版緊急事態宣言を出すと知事が表明してから人の流れは少しだけ減っているのですが、それほど下がってはいません。「人の流れは感染者の増加と直接関係ない」という人もいますが、確かに人の流れと感染者数はほぼ一致しています。千葉は少し下がっています。埼玉は日中の人の流れは減っていますが、夜は上がっています。そして実行再生産数も新規感染者報告数も急増しています。昨日(20日)埼玉の会議に出たところ、感染経路として飲食店・会食が再びじわっと増えているとの状況が示されました。東京で感染した人が自宅のある埼玉で感染を広げているというパターンです。データを見てみると、京浜東北線や東武東上線など東京とつながる沿線沿いで見事に増えています。
――各自治体で微妙に傾向が違いますね。
そうです。例えば、北海道の新規感染者は一度大きく下がった後に、最近また増えています。道知事はじめ関係者はピリピリしていると思います。そして、人の流れも高止まりで、下がっているとはとてもいえない状況です。22日から4連休がありますが、沖縄や北海道はこれまで必ず連休などの後に新規感染者数が上がっています。観光客の影響はあると言えるでしょう。観光地としてはお気の毒ですが、道外の人に来てもらいたいけれど、来てもらいたくない、というジレンマを抱えていると思います。
――東京は期待が持てるかもしれないということでしたが、医療はもち堪えられるでしょうか?
この春の大阪も、みんなが「これはまずい」と思った時から少し遅れて医療が逼迫しました。東京は今、その警戒感と緊張感がある時期です。
――東京の医師たちのSNSでのつぶやきを聞いていると、徐々に医療が逼迫してきたという声が増えています。
第一線で働く現場の医師の感覚は一番重要です。「逼迫」と「忙しい」は違うのですね。「逼迫」とはコロナの患者を診ているところだけが忙しいのではありません。病院全体として普通の患者さんを受け入れられない、あるいは病院外で地域の入院の調整を行っている担当者が、あちこちに入院先を問い合わせても引受先がなくなってきているという状況です。たとえば病床が10床空いている時に、2床ずつ5日間にわたって入院を受け入れている状況なら問題はないのですが、そこに5人急に入ると、たとえ空床があったとしても人手にいっぺんに負担がかかり、緊張は高まり、逼迫感が出てくると思います。また、病棟は3床空いていたとしても、人工呼吸器を管理できるスタッフは7床にかかりきり、などという状況も逼迫感につながります。一般の人は「逼迫」というと病棟パンパンに患者さんがいることを思い描くでしょうけれど、そうではないし、数字だけでのことではないのです。幸いに致死率は以前より改善してきています。対処法や治療法が進んできて、高齢者の患者数が少なくなっているからです。高齢者のワクチン接種が進んで、高齢の患者が減ってきていること、高齢者施設でのクラスターが減少していることなどが理由だと考えられます。そうなると、患者さんの命が危険になることは減ってきています。これはとても良いことです。しかし、今度は別の負担が増えてきます。ある知り合いの医師が少し前の会議の最中に「これからECMO(体外式膜型人工肺)を2人の患者で回さないといけないので」と途中で会議を離れられましたが、20代と50代の患者さんでした。それ自体ももちろん大変なことなのですが、何より20代と50代だと、医療現場も「絶対に助けなければならない」というプレッシャーが強くなります。年齢によって手を抜くというわけではありませんが、70代、80代を治療する時とは意識が違ってくると思います。このように人数だけでは測れない負担の重さがあります。「治せる」ということ自体は良いことなのですが、かなりの手をかけて何とか治せそうな人が10床の病棟に10人入ったら、医療者の肉体的心理的負担は重くなります。そして、感染者が大きく増えてくると、高齢者に比べて割合が少ないとしても、重症、中等症者の絶対数も増えます。
――病床が足りなくなるというデータは見えていないですか?
現時点での首都圏では数字としてはまだなんとかなっていると思います。
――年齢層が若返ったことによる負担感の強まりがあるということですね。
40代、50代を中心に重症者の中で若い人の総数が増えているわけで、一人にかける治療の懸命さがそれは違ってくる。お年寄りは尊厳をもって見送ることも医師の仕事のうちになります。僕は小児科で長いあいだ診療をやっていましたが、子どもの患者を諦めるということはほとんどありませんでした。患者が若返っている今の新型コロナの医療は、今まで以上に「救う治療」、より「できる限りの手を尽くす医療」になるでしょう。
――そんな状況の中で、東京で人の流れが減っているのは、心配されていた最後の切り札「緊急事態宣言」の効果が現れているということでしょうか?
天気のせいかもしれない、夏休みのせいかもしれません。しかし多くの人の「このままではやばいかも......」という気持ちが反映されているのであってほしいと思います。いま、感染リスクが高いとされている若い世代は、重症になればどのような光景になるかということは、テレビのニュースで見るぐらいで、現実感がないと思います。怖くはあるけれど、現実に自分に起こり得ることとは考えられないと思います。しかも、今、感染者数が多くなっているとはいえ、インフルエンザのようにすぐそばにいる人が次々とかかるような状況ではないので、「自分もかかるかもしれない」という危機意識は少ないでしょう。でも、「東京の新規感染者数が1000人を超えて2000人に届きそうだ」という数字を見れば、「これはこのままではまずい」と思うことがあるのではないでしょうか?ニュース番組で繁華街に遊びにきている人のインタビューを見ていると、「みんな遊びにきているからいいと思いました」などと言っていますが、心の中ではどこか少しまずいかなと思っている部分があるように見えます。それが現実的に数字が上がってくると、「これはさすがにまずい」という意識を強める人が増えてくるのではないかと思います。もちろんそれに反発する人もいるでしょうけれど。
――アドバイザリーボードの西浦博先生、古瀬祐気先生の予測はかなり悲観的でしたが、最後の切り札の削減効果は出ていると考えてよろしいですか?
僕は期待したい。不安になることも、不信感を持つ必要もないけれど、自分や大切な人を守るために警戒感は持ってもらいたいわけです。僕はまだ人の自然な善意や良識を期待したい。
――しかし、今日(21日)から東京五輪の予選競技が始まり、明日(22日)から4連休が始まり、23日には東京五輪の開幕式もあります。テレビも新聞も五輪モードになってきました。この空気が感染対策に与える影響をどう見ていますか?
テレビは様変わりしていますね。新聞もすっかり五輪紙面になっています。
――4連休だからでしょうけれども、今日の夜から旅行に出かける人で満席の航空便も多いです。効果が出始めるか、というところで、五輪開催、連休、夏休みと人の動きを促すイベントが目白押しです。
それは常々言っているように、動くこと自体は止められないですが、空いている所に空いている時間に行ってほしいのです。2020年のお花見の時期に言ったことと一緒ですね。家族だけで人の少ないところに行くならば、感染のリスクは下げられる。「お花見」は楽しめる。お墓参りも静かにできる。要は、みんなで集まってつるまないでくれと言いたいのですね。この1年半、みんなこの感染症についてよく学んできましたから、安全に楽しむ方法はわかってきているはずです。それが昨年と大きく違うところです。
――東京五輪について改めて聞きます。残念ながら感染者がかなり増えて、医療が逼迫する事態になったら、始まっても中止すべきという考えに変わりはないですか?
それは選択肢の中に入れるべきだと思います。その選択肢は全くないとすべきではない。本当に中止するかどうかは、大会運営上の問題など色々な問題があると思いますし、判断には色々な要素が絡むと思います。でも医療に携わる者からすれば、その選択は常にあるべきです。
――始まったからと言って、感染状況が悪化しているのになし崩しに終わりまで続けるということはあってはならないということですね。
でもそれは逆もあり得るのです。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が「感染状況が改善したら観客を入れてくれ」と言いましたね。あれも、「感染状況がよくなれば、そうできるといいですね」と答えてもいい。そこからチケットを売ったりしなければいけないでしょうから、運営上は有観客に切り替えるのは難しいかもしれませんね。ただ、それは同時に増え過ぎたら中止も考えなければいけないということです。バッハ会長がどういうニュアンスで言ったか、英文でのスピーチを見ていないのでわかりません。「I hope(〜が望ましい)」と言ったのか、「It should be(〜すべきだ)」と言ったのかでもかなり違うと思います。感染症とマスギャザリング(大勢が集まること)の関係に長くかかわってきた者として、「感染症が国内で大流行し深刻なダメージが生じる(生じそうな)状況では、マスギャザリングの中止も事前に念頭に置いておくべきだ」という考えは変わりません。
――とは言え、緊急事態宣言中に開催するわけですね。
重症者の発生が急増し、医療がこれを支えきれなくなるような状態では、中止という選択を取らざるを得ないと思います。 ・・・ 

●ベトナム、主要3都市で外出制限 コロナ感染拡大、連日5000人規模 7/23
ベトナム政府は、4月下旬に再燃した新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ハノイ、ホーチミン、ダナンの主要3都市に、市民の外出制限措置を導入した。昨年からの感染者は累計7万人を超え、死者は約370人。政府は厳格な制限措置で流行を抑え込みたい考えだが、1日当たりの新規感染者は連日5000人前後に達し、収束の兆しは見えていない。
ホーチミンでは今月9日、不要不急の外出を禁止し、違反者に罰金を科すなど厳しい規制が始まった。19日にはホーチミンを含めた南部のほぼ全域に適用範囲が拡大された。
工場の操業は、敷地内に寝泊まりするスペースを用意して労働者を合宿させるか、近隣に確保したホテルに労働者を宿泊させ、専用車両で工場との間を輸送することを条件とした。対応できない工場は、操業休止となった。
北部に位置する首都ハノイでは19日、不要不急の外出を避け、自宅にとどまるよう市民に要請。事務所に通勤する人は、全従業員の半数に抑えることになった。中部のダナンでも22日、市民に買い物や職場への出勤などを除いて外出自粛を求め、タクシーや公共交通機関が運休となった。
比較的早い段階から新型コロナを封じ込めてきたベトナムだが、ロン保健相は今回の流行について、「これまでより長期にわたり、一段と深刻な影響を及ぼす」と懸念。感染力の強いインド由来のデルタ株の広がりに強い危機感を示しており、厳格な制限措置とともにワクチン接種を急ぐ考えを強調している。

●新型コロナ感染拡大の南部から出稼ぎ労働者たちが脱出 7/23
出稼ぎ労働者が全国で最多の商都ホーチミン市だが、4月末から広がった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の国内第4波の影響により、経済活動が深刻なダメージを受けて雇用状況も悪化している。
工場の操業停止や各種営業施設の閉鎖により失業を余儀なくされた多くの人々が、公共交通機関の運行停止を含む厳しいロックダウン(都市封鎖)が始まったことをきっかけに、この地を脱出して故郷に向かう光景が各地で見られる。
中には、貧しいためバイクがなく、徒歩や自転車で帰省を試みる人々の姿もある。最近、ある一家が自転車2台に乗って、出稼ぎ先の東南部地方ドンナイ省から、約1300kmも離れた北中部地方ゲアン省に向かっている様子が紹介され、国民から同情の声があがっていた。
ボー・タイン・ビンさん(男性・28歳)は、母親(51歳)、姉(30歳)、姪(12歳)の一家4人で5年前にドンナイ省チャンボム郡に移り住み、工場労働者として生計を立てていた。しかし、新型コロナの影響で今年4月から全員が失業。
7月9日にドンナイ省がロックダウンされることが決まり、一家はその夜帰省を決意した。手持ちのお金は僅かで、バイクもないが、「ここから脱出しないと、もう生きていけない」と感じたビンさんは自転車での帰省を開始。ビンさんが母を、姉が姪っ子をそれぞれ自転車の後ろに乗せて北へ北へと進んだ。
一家は出発から10日後の昼、ドンナイ省から約300km離れた南中部沿岸地方ニントゥアン省ニンフオック郡フオックザン町の検問所で呼び止められた。事情を聞いた検問所のスタッフは一様に同情し、お金を出し合って一家のために食品や飲料を購入。さらに、インターネットで一家の支援を呼び掛けた。
すると、投稿を読んだ人々から多くの寄付金が集まった。同日午後には地元住民に同省ファンラン市タップチャム駅まで送ってもらい、列車で故郷に向けて出発し21日に到着した。あのまま自転車で北進を続けていたら、あと40日はかかるところを大幅に時間短縮できたことになる。
ビンさんは、「1日約30kmずつ進んでいた。旅の途中で多くの人々から食べ物をおすそ分けしてもらった。検問所では担当者に配慮してもらい、通行を認めてもらった。私たちには自転車があったが、リュックサックを背負って長距離を歩いて帰省する人々もいた。私たち家族は恵まれている」と、感謝の気持ちを述べた。
また11日には、労働者47人が南中部沿岸地方カインホア省を出発し、徒歩で約400km離れた同地方クアンガイ省に向かった。一行は出発地から約50km進んだニンホア村で保護され、通報を受けたカインホア省軍事指揮部が車両を動員して、一行を故郷まで送り届けた。

●韓国 感染拡大歯止めかからず ソウルなどの規制措置延長  7/23
韓国では新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、韓国政府は25日までとしていたソウルなど首都圏でとられている最も厳しいレベルの規制措置を、2週間延長すると発表しました。
韓国ではインドで確認された変異ウイルスのデルタ株が広がりを見せていて、ソウルなどの首都圏で、会食などの私的な会合を午後6時以降、2人までに制限するなど、最も厳しいレベルの規制措置がとられています。
しかし、22日の感染者は全国で1630人と、これまでで3番目に多くなり、感染拡大に歯止めがかかっていません。
地域別で見ると、首都ソウルが520人、隣接するキョンギ(京畿)道が415人など、全体の63%が首都圏に集中しています。
このため韓国政府は23日に開かれた対策会議で、25日までとしていた首都圏の規制措置をさらに2週間延長することを決めました。
政府は延長の期間内で感染拡大のスピードを抑えたいとしていますが、今後も広がり続ける場合、規制のさらなる強化を検討するとしています。
チョン・ヘチョル行政安全相は「感染拡大の勢いを抑えるためには私的な会合や移動を減らすほかない。夏の休暇時期で感染の拡大が大きく懸念される」と述べて、感染対策措置の徹底を呼びかけました。

●新型コロナ感染再拡大、ユーロ圏景気回復のリスク=ECB総裁 7/23
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は22日、新型コロナウイルス感染再拡大がユーロ圏の景気回復に対するリスクになる恐れがあると懸念を示した。
ECBはこの日に開いた理事会で、政策金利の据え置きを決定すると同時に、一段と長期的な支援の可能性も示唆した。
ラガルド総裁は理事会後の記者会見で、ECBは経済に対するリスクは「おおむね均衡している」との見方を変えていないとしながらも、見通しは引き続き、感染状況のほか、ワクチン接種の進展に依存していると指摘。「経済の大きな部分の活動が再開されたことで、サービス部門の力強い回復が支援されている。ただ、新型コロナのデルタ変異株の感染拡大で、観光業と接客業を中心にサービス部門の回復が鈍化する恐れがある」と懸念を示した。
その上で、ECBが6月に公表したスタッフ予想は、感染拡大抑制措置の一部が第3、第4・四半期まで継続されるとの見通しに基づいていたと述べた。
欧州でも感染力が強いデルタ変異株が主流になりつつあり、ワクチン接種率が比較的高い国でも感染が再拡大している。
 

 

●北海道 118人感染 7月6回目の3ケタ…「緊急事態」解除後2番目に並ぶ  7/24
北海道内で7月24日、新たに新型コロナウイルスの感染者が118人確認されました。100人を超えるのは2日ぶりで、21日連続で前週の同じ曜日を上回りました。7月2番目に並ぶ数となりました。
死者は3日ぶりに確認されていません。感染者は札幌市88人、北海道発表分26人、旭川市4人です。
北海道全体で1週間前の土曜日111人から7人(+約6%)増加しました。「まん延防止等重点措置」の解除から13日目。21日続けて前週を上回り、7月に入って100人を超えるのは6回目。増加傾向が顕著になっています。
北海道全体の使用病床数は7月23日で327床と前日から25床増え、北海道独自の警戒ステージ4の目安「350床」に近づいてきています。
感染力が強いとされるインド型の変異ウイルス・デルタ株疑いは、北海道発表分で1人、札幌市発表分で5人確認され、計6人となりました。
これで北海道内では「感染」と「疑い」計312人となりました。
政府は「緊急事態宣言」を東京都に4度目の発令、沖縄県を延長し、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府の「まん延防止等重点措置」を延長。北海道、愛知県、京都府、兵庫県、福岡県は12日に解除しました。
北海道は12日から8月22日までを「夏の再拡大防止特別対策」期間とし、「まん延防止等重点措置」の適用を20日に要請。札幌市の「不要不急の外出自粛」、札幌市との「往来自粛」、飲食店には午後9時までの時短要請をし、酒類の提供は一定の要件を満たした場合に午後8時までとする要請をしています。
北海道内の感染者は、計42912人となりました。

●東京の感染者数、過去最多に近づく 第3波と異なる事情 7/24
新型コロナウイルスの感染急拡大が続く東京都で、過去最多だった冬の第3波を間もなく超える可能性が出てきている。感染者数は当時に近づきつつあるが、感染状況や医療提供体制では大きく異なる点が少なくない。1日あたりの新規感染者数が約半年ぶりに2千人に迫った7月22日と、過去最多の2520人の感染が確認された1月7日の状況を比べてみた。
「まさに、状況は危機的であって極めて深刻」
1月7日夜の臨時会見。小池百合子知事は、コロナ禍における現状をそう表現した。政府はこの日、首都圏1都3県に2度目となる緊急事態宣言を発出。前日の6日に都内で確認された感染者数は1640人で、これまでの過去最多を287人上回った。それだけでも驚異的だったのに、翌7日には一気に2520人まで跳ね上がった。
ただ、感染者数の跳ね上がり方以上に危機的な状況に直面していた。
1月7日の感染者2520人のうち、65歳以上の高齢者は264人(速報値)。1979人の感染が確認された7月22日の66人を大きく上回る。当時、重症化しやすい高齢者のワクチン接種はまだ始まっておらず、高齢者への感染が広がれば広がるほど、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)が強まる危険性があった。
実際に1月7日時点での重症患者数は121人と、7月22日時点の65人のほぼ2倍だ。入院患者数も1月7日が3154人に上り、7月22日の2544人を大きく上回る。一方で、確保していたコロナ患者用の病床は当時4千床で、現在の5976床を大きく下回っており、コロナ禍最大の医療危機が迫っていた。
ほかにも懸念材料はあった。自宅療養者だ。1月7日時点で5319人に達し、1カ月前の4・7倍に急増。入院先を調整している間に亡くなった人も相次ぎ、厚生労働省によると、昨年12月からの約2カ月間で、都内で計8人が自宅療養中に亡くなっていた。
自宅療養者は第5波の今回も1月7日並みに高まりつつある。7月22日時点で4512人に上り、1週間前よりも2375人増加。入院に至らない若者らの感染が多いことも背景にあるが、自宅療養者の体調管理が大きな課題になってくる。
都医師会の猪口正孝副会長は「療養者のフォローアップ体制をさらに強化し、できる限り自宅療養中の重症化を防ぐ必要がある」と指摘した上で、病床の逼迫についてもこう懸念する。
「感染者が第3波を超えるような状態になってくると、入院患者数は第3波を簡単に超えてくるだろう」

●新型コロナ、全国で4215人の感染を確認 7/24
新型コロナウイルスについて、全国できのう新たに4215人の感染が確認されました。
感染の拡大が続く東京都では、きのう新たに1359人の感染が発表されました。1日の感染発表が1000人を超えるのは4日連続で、34日連続で前の週の同じ曜日を上回りました。年代別では20代が492人と最も多く、20代と30代で半数以上を占めています。
また、神奈川県で652人、埼玉県で401人、大阪府で379人の感染が発表されています。
全国の重症者は前の日から39人増えて431人でした。また、8人の死亡が発表されています。

●迫る東京の医療崩壊…都の在宅患者は1カ月で6233人増! 7/24
東京都の23日の新型コロナウイルス新規感染者数は1359人。4日連続で1000人を超えた。感染急拡大に伴い、患者(入院、宿泊療養、自宅療養、入院・療養等調整中)も急増している。6月23日は3552人だったが、23日は1万1957人。1カ月で3倍超、8405人も増えている。このうち、入院中は2558人に過ぎず、在宅患者が7641人(自宅療養5172人、調整中2469人)と、1カ月で6233人も増えている。
在宅患者が増えるのは、入院しづらくなっているからだ。政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は21日、「入院調整で困っている人、自宅で(療養して)いる人も増えている」と発言。世田谷区広報もきのう、〈病院やホテルの確保がもはや困難になっている〉とツイッターで区民に注意喚起した。
このままでは過去最悪の医療崩壊を招きかねない。
第3波に襲われた1月、新規感染者数は過去最多の2520人を記録。患者数は2万人に迫り、在宅患者数は1万5000人に上った。このため、必要な医療を受けられない事態に陥ってしまった。警察庁によると、1月の陽性者の自宅死は都内が14人で全国最多だった。自宅で倒れ、今月17日に病院で死亡した都内の40代男性は、死亡後検査で陽性だった。
足元では1日1000人ペースで患者が増えている。アッという間に第3波水準だ。都は第3波時と比べて病床を約2400床増やし、現在は6406床を確保している。23日時点の病床使用率は39.9%(2558人/6406床)とステージ3(感染急増)にとどまっているが、ステージ4(爆発的感染拡大)まで10ポイントほどしか余裕はない。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)は言う。
「第3波では、1月後半以降は人流増加につながるイベントが少ないこともあって、感染者数は減少し、医療提供体制の逼迫も解消されました。今回は、夏休みや五輪が重なり、人の動きは活発になる。感染力が強いインド株(デルタ株)が流行の主流化している。第3波以上の深刻な事態も考えられます」
菅首相は「国民の命と健康を守れなければ、(東京五輪を)やらないのは当然だ」と明言していたが、医療崩壊が起きたら、「五輪中止」を本当に決断する覚悟があるのか。

●都内 新型コロナ 1128人感染 1000人超は5日連続 7/24
東京都では、24日、都内で新たに1128人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。1週間前の土曜日よりは282人減ったものの、1日に1000人を超えるのはこれで5日連続です。重症患者は74人で、70人を超えるのは先月2日以来となっています。
東京都は、24日、都内で新たに10歳未満から90代までの男女あわせて1128人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1週間前の土曜日より282人減ったものの、1日に1000人を超えるのはこれで5日連続となります。24日までの7日間平均は、1345.7人で、前の週の133%となり、感染の急拡大が続いています。24日の1128人の年代別は10歳未満が60人、10代が96人、20代が380人、30代が251人、40代が167人、50代が115人、60代が34人、70代が16人、80代が7人、90代が2人です。これで都内で感染が確認されたのは19万7528人になりました。
一方、都の基準で集計したきょう時点の重症の患者は23日より6人増えて74人でした。重症患者は今週に入って増加傾向が続いていて、70人を超えるのは先月2日以来です。24日は死亡した人の発表はなく、都内で感染して死亡した人は2277人のままです。

●全国高校野球神奈川大会 東海大相模選手コロナ感染 出場辞退 7/24
ことしのセンバツ高校野球で優勝した相模原市の東海大相模高校が、現在行われている夏の全国高校野球神奈川大会の登録メンバーに、新型コロナウイルスへの感染が確認された人が出たとして、準々決勝まで進んでいた県大会への出場を辞退したことが分かりました。
これは24日、神奈川県高等学校野球連盟が明らかにしました。それによりますと、東海大相模高校から、登録メンバーのうち、17人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたため、野球部の活動が禁止になったとして、出場を辞退する申し出があったということです。これにより、24日に予定されていた全国高校野球神奈川大会準々決勝で、東海大相模高校と対戦する予定だった藤沢翔陵高校は不戦勝となりました。東海大相模高校は、相模原市にある私立高校で、昭和38年の開校と同時に野球部も創部され、夏の甲子園では2回の優勝を果たしているほか、センバツ大会でも平成12年と平成23年に続き、ことしの春も優勝していて、春夏連覇への期待がかかっていました。
東海大相模高校によりますと、21日、野球部の寮で生活していた部員1人が体調不良を訴え、22日にPCR検査を受けたところ、新型コロナウイルスへの感染が確認されたということです。これを受けて23日、寮生を中心に40人余りについて検査したところ、新たに部員20人と教員1人のあわせて21人の感染が確認され、このうち17人は、夏の全国高校野球神奈川大会の登録メンバーでした。感染経路はまだわかっていないということですが、学校では今後、寮生以外の部員についても検査を進めていくことにしています。
ことしの春も含め、これまでに4度の甲子園優勝を果たし、この夏での退任を表明している門馬敬治監督は「大会を辞退することになり、関係者の皆様に深くおわび申し上げます。保健所と連絡を取りながら、生徒への対応を最優先に、感染拡大を防ぐことに全力を注いでいます」とコメントしています。
東海大相模高校野球部となじみの深い地元の寿司店からは、突然の大会辞退を悲しむ声が聞かれました。学校の近くにある寿司店「六ちゃん」は野球部員には通常の3倍の量の海鮮丼を特別な価格で提供するなど、長年、部を応援してきました。この夏で退任する門馬敬治監督も高校生のころから常連の1人だということで、店主の紅林秋男さんは、けさも、氷70キロを持って学校に差し入れにいったということです。しかし、選手が誰もおらず、おかしいと思っていたところ、出場の辞退を知ったということです。紅林さんは「ショックで頭が真っ白になり、監督や選手のことを思うと、かわいそうでつらい。試合に負けたのではなく、コロナに負けてしまったので、こんな終わり方はない。コロナは本当に人生をむちゃくちゃにするつくづく恐ろしいものだ」と心を痛めていました。 

●協力金、本当に「先払い」? ちぐはぐ対応、飲食店憤り―東京 7/24
新型コロナウイルスの感染再拡大により4度目の緊急事態宣言が出ている東京都内では、宣言が発令された7月12日以降、営業時間短縮要請などに応じる飲食店に対し、協力金を速やかに支給する「先払い」制度が導入された。ところが、この支給を急ぐあまり、5、6月分の申請受け付けが後回しになる事態が生じている。飲食店からは「子供だましだ」と怒りの声が上がっている。
先払い制度は、長引く休業や時短要請で苦境が続く飲食店への協力金支給が遅いとの批判を受け、今回の緊急事態宣言発令に先立ち政府が導入を決定。誓約書の提出を条件に、先払い分として日額4万円を一律支給し、足りない場合は審査を経て追加支給する。速やかな支給により、要請を拒む飲食店をなくしていくのが狙いだ。
これを受け、都は宣言が発令された7月12日〜8月8日分の協力金について、申請期間をこれまでより2カ月程度前倒しし、7月19日から受け付けを開始した。しかし、この作業を優先するため、5月12日〜6月20日分の申請開始日は当初予定していた7月15日から同26日に延期。6月21日〜7月11日分については、いつから申請を受け付けるかすら決まっておらず、先払い制度によって逆転現象が生じた格好だ。
都はこれまで、申請システムの改善や人員増により、申請書の受理後、平均約5日後には支給できる態勢を構築。ただ「複数の協力金の申請期間が重なると、事業者側も混乱し、結果的に支給の遅れにつながる」と釈明する。
これに対し、都の休業要請に応じている中野区の居酒屋経営者は「これまでの協力金も出ていないのに、まるで子供だましではないか」と批判。「酒を提供しているのに協力金を受け取っている店もある。矛盾を正してほしい」と憤った。

●都職員が不要不急の外出自粛呼びかけ 若者からは… 7/24
東京オリンピックが開幕し、人出の増加が懸念されるなか、都の職員が不要不急の外出を自粛するよう呼びかけを行いました。若者からは「人出が減らないのは気が緩んでいるからではないか」とか、「オリンピックはやるのに外出を控えてほしいというのは筋が違うと思う」といった声も聞かれました。
開催都市の東京都に緊急事態宣言が出されるなかオリンピックは開幕しましたが、都内では感染拡大が続いています。
オリンピックは都内の会場では無観客ですが、23日夜の開会式では国立競技場の周辺に大勢の人が訪れたり、24日も競技を見る人が沿道に多く集まったりするなど、人出の増加が懸念されています。
こうしたなか、都の職員などが24日午後、東京・表参道で不要不急の外出を自粛するよう道行く若者などに呼びかけました。
職員たちは「変異ウイルスが流行している。味覚の異常や脱毛などの後遺症に苦しんでいる人も多くいる」と訴えていました。
部活動の帰りだという女子高校生は、「なかなか人出が減らないのは緊急事態宣言が出ていても気が緩んでいるからではないか」と話していました。
また、感染対策のためしばらく会食を控えているという25歳の会社員の男性は「髪を切る目的で出てきたがもう帰る。オリンピックはやるのに一般の人は外出を控えてほしいというのは筋が違う。大会があるとお祭り騒ぎになり気が緩むのではないか」と話していました。

●東京都の1週間の新規感染者が1万人目前 1日平均は1345人に 7/24
東京都福祉保健局ウェブサイト発表の速報値を独自集計した結果によると、日曜日からの1週間(7月18日〜24日)で確認された東京都の新型コロナウイルス新規感染者は計9420人でした。計7084人だった前週(7月11〜17日)との比較では133%となりました。
今週、最も感染者の確認数が多かったのは木曜の1979人。次いで水曜の1832人、火曜の1387人と続きました。1日平均は1345.7人で、前週(計7084人/平均1012人)との比較では133%と4週連続で増加しました。
東京都は12日から4度目の緊急事態宣言が発令中。また23日、東京2020オリンピックが開幕しました。感染拡大が続いています。引き続き、感染対策を徹底しましょう。

●郡山の酒類提供飲食店に営業時間短縮要請 7月26日から福島県 7/24
福島県郡山市での新型コロナウイルス感染拡大に歯止めが掛からない状況を受け、福島県県は同市にある酒類などを提供する飲食店に対し、26日から8月16日まで、新型コロナ対応の改正特別措置法に基づく営業時間の短縮を要請する。24日、県庁で県新型コロナ対策本部員会議を開き、郡山市での集中対策を決定した。同市はJR東北新幹線や東北自動車道がある交通の要衝で、県は感染者が増加傾向にある首都圏からの影響を受ける可能性が高いと判断し、より強い対策に乗り出す。
時短要請の対象はスナックなどの接待を伴う飲食店、居酒屋などの酒類を提供する飲食店でカラオケ店などを含む。県は約1450店舗が対象とみている。要請に応じた店舗に協力金を支給する。前年度か前々年度の1日当たりの売上高から算定し、1日当たり中小企業は2万5000円から7万5000円まで、大企業は最大20万円を支給する。国の地方創生臨時交付金を財源とする方向で調整する。期間前でも営業時間を短縮した場合は交付し、休業する場合も対象とする。
郡山市民には26日から8月15日まで、不要不急の外出自粛を求める。同市以外の県民には引き続き、基本的な感染対策の徹底、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象など感染拡大地域との不要不急の往来自粛などを呼び掛ける。
郡山市では7月に入り、新型コロナのクラスター(感染者集団)が4件発生。人口10万人当たりの直近1週間(17日〜23日)の新規感染者数は18・38人で、政府の分科会が示すステージ3(感染急増)の指標「15人」を上回っている。品川萬里市長が24日、内堀雅雄知事に対策を要請した。
内堀知事は対策本部員会議終了後の記者会見で、首都圏からの感染拡大の影響に加え、感染力の強い変異株「デルタ株」の可能性が高い「L452R」の確認が県内で相次いでいる点を踏まえ「感染拡大を早く沈静化させ、感染防止と地域経済の維持・再生を両立させたい」と対策への協力を求めた。
県内では郡山市の他、南相馬市にある酒類などを提供する飲食店に対し県が営業時間の短縮を8月1日まで要請している。

●「お家芸」柔道は金・銀で発進…コロナに振り回された「内定」選手たち 7/24
東京オリンピックは24日に日本の「お家芸」柔道が始まり、男子60キロ級の高藤直寿が金、女子48キロ級の渡名喜風南が銀と、2つのメダルを獲得した。
柔道を統括する全日本柔道連盟(全柔連)は、オリンピックの1年延期という事態に直面し、内定選手の扱いに最も苦慮した競技団体の一つだ。
新型コロナウイルス感染拡大が深刻化する直前の2020年2月27日、14階級のうち内定していた13階級の選手のお披露目記者会見を行った。残る男子66キロ級は4月の全日本選抜体重別選手権(福岡)に阿部一二三と丸山城志郎が出場し、すべての選手が決まるはずだった。だが3月下旬、オリンピックは1年延期になった。
体重別選手権も延期となり、内定選手をどう扱うかという議論を始めた矢先の4月には、全柔連内で職員が次々にコロナ感染して事務局が機能不全となり、66キロ級の決定と代表内定者の扱いは宙に浮いた形となった。
強化委員会では「内定維持」派と「内定白紙」派との議論が出て、結論は出なかった。時間をかけたチームワークの醸成やアスリートの経験値が重視されることもある競技とは性格が異なるのが、個人の格闘技だ。その時点で一番強い選手を代表に、という考えは正論でもあった。
内定白紙の可能性も排除されないと知らされた選手からは、いら立ちの声も出た。男子60キロ級で内定していた高藤直寿は当時、自身のツイッターでこうつぶやいていた。
「代表選考やり直しとかなったら流石に無理。単純に一度決まった選手と決められなかった選手が試合するのはメンタル面でアンフェアだし。先に内定もらったのが不利になるのはおかしい」
陸上のマラソンや水泳など他の主要競技では、早い時期に内定選手の維持を打ち出したが、柔道が内定白紙もやむなしと考えた背景には、この競技が持つ特殊な事情があった。
男子が初めて男子の正式種目となった1964年東京大会以来、参加したすべてのオリンピック夏季大会で金メダルを積み上げてきた歴史がある。「お家芸」との枕詞がつきまとい、金以外はメダルではないと公然と言い切る風土がある。
全柔連の「強化システムに関する内規」では、その最初の「目的」の項でこう書かれている。
「オリンピックと世界選手権で金メダルを獲得すること」「全階級でメダル、その内複数の金メダルを獲得すること」「日本を代表し金メダルを獲得できる可能性のある選手を選考する」とにかく「金メダル」という言葉が並ぶ。
五輪代表選手の選考基準として直近2年間の大会の成績や内容がポイント化され、選考資料となる。2020年夏という前提が崩れた時、内定の扱いの判断は難しかった。
結局、全柔連は2020年5月、コロナ禍で大会が開けない状況などを加味して、すでに決まっている13階級の選手を変更しないことを決定。男子66キロ級は同年12月の決定戦で阿部が丸山を破って決着した。
「自分の弱さが最後に出た」と涙ぐんだ渡名喜。「みんなに支えてもらった結果です。開催していただいたおかげです」と金メダルの高藤。
長い時間を待ち続けた選手たちのオリンピックが幕を開けた。

●島根県、5日間で計71人感染 24日は7人、新型コロナ 7/24
島根県は24日、新たに7人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。居住地は出雲、雲南両市各3人、益田市1人。この5日間の感染発表は計71人となっている。
県感染症対策室によると、出雲市の1人を除き、6人はいずれもこれまでの感染者と接触があり、関連の検査で判明したという。雲南市の2人、出雲、益田両市の各1人は1回目の検査で陰性だったが、発熱などの症状が出たため2回目の検査で陽性が確認された。
感染者との接触が確認されていない出雲市の1人は、7日以降に感染拡大地域の県外へ移動していたという。21日に38度台の発熱があり、23日に医療機関を受診して陽性が分かった。全員が軽症で、不特定多数との接触はないという。
県内での感染確認は12日連続で、7月の感染発表は計109人となった。24日午前10時時点で入院者は98人で、確保病床(324床)の使用率は30・2%となっている。重症者はいない。県は感染状況について、「県内で広域的に発生しているが、接触者を幅広く検査して感染拡大を封じ込めている段階」とし、引き続き検査を進めていくとしている。

●米でコロナ感染拡大再び 一部州でワクチン接種加速 7/24
米国で新型コロナウイルスの感染が再び拡大している。新規感染に占めるインド型(デルタ型)の割合は8割を超え、17日連続で感染者が増えた。ワクチン接種が遅れる一部の州では感染拡大に危機感が高まり、接種ペースが上昇している。
米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、22日の新規感染者数は約5万5000人。ブラジルやインドネシア、英国を上回り世界最多だった。7日移動平均では約4万4000人となり17日連続で増加した。
背景にはデルタ型の急速な広がりと、ワクチン接種割合が低い地域での感染拡大がある。米疾病対策センター(CDC)のワレンスキー所長はデルタ型が「信じられないほどの早さで広がっている」と指摘する。デルタ型が9割を超える地域もあるという。
英オックスフォード大の研究者らがつくる「アワー・ワールド・イン・データ」などによると、少なくとも1回接種を受けた人の割合は全米で56%。最も割合が低い南部ミシシッピ州(38%)を含め、南部や中西部など約30州が全米平均を下回る。
感染拡大は接種が遅れる地域で目立つ。ミシシッピ州は22日、新規感染者数が約1200人と1週間前に比べ2倍に増えた。同テキサス州(50%)や同アーカンソー州(45%)も2倍、同アラバマ州(42%)は6割増となった。
「ワクチン未接種者の間でパンデミックが起きている」(ワレンスキー氏)という現状を受け、一部の州では接種ペースが上昇している。1日の接種回数(人口100人当たり)をみると、これまで相対的に遅れていたアーカンソー州やフロリダ州、ミズーリ州、ネバダ州、テキサス州などが全米平均を上回り始めた。
全米でみると、1日当たりのワクチン接種回数に下げ止まりの兆しが出ている。22日は7日移動平均で約53万回だった。7月中旬から1日50万回台のペースが続いている。
ワクチン接種に消極的な地域の多くは共和党の地盤に重なる。感染者数の急増を止めようと、共和党の首長や議員らも接種を呼びかけている。
「ワクチンは命を救っている」。フロリダ州のデサンティス知事は21日、ワクチンの効果を訴えた。州内の95%以上の入院患者は「完全に接種を終えていないか、未接種だ」とも語った。同氏は5月、州内の企業が顧客にワクチン証明を求めることを禁ずる法案に署名していた。
アーカンソー州のハッチンソン知事もワクチンの懸念を払拭するため、州内を回って説明会を開く。共和党のマコネル上院院内総務も20日、「できるだけ早く接種をしてほしい。そうでなければ秋にはまた昨年に経験したような状態に戻ってしまう」と訴えた。

●アメリカ 再びマスク着用義務化の動き「デルタ株」が急拡大  7/24
インドで確認された変異した新型コロナウイルスの感染が拡大しているアメリカでは、各地で再び、マスクの着用を義務化したり推奨したりする動きが出ています。
アメリカCDC=疾病対策センターによりますと、アメリカでは、インドで確認された変異ウイルスの「デルタ株」が急速に拡大し、感染例のおよそ83%を占めると推定されています。
22日に発表された1日に報告される感染者の数の7日間平均は、3万7674人と、前の週に比べ52.5%増え、入院した人は3521人で32.2%の増加となっています。
アメリカ政府はワクチンの接種が最も重要な対策だとして接種を呼びかけていますが、1日当たりの接種回数はピーク時のおよそ8分の1にまで減少し、接種率は伸び悩んでいます。
こうした中、西部カリフォルニア州のロサンゼルスでワクチンを接種した人も含めた屋内でのマスク着用が義務づけられるなど、追加の感染対策として、再び、マスクの着用を義務化したり、推奨したりする動きが相次いでいます。
CDCのガイドラインはワクチンの接種を終えた人は原則としてマスクの着用は必要ないとしていますが、アメリカの複数のメディアはバイデン政権がマスク着用の推奨について検討を始めたと伝えています。
CDCのワレンスキー所長は22日の会見で、現時点でガイドラインの変更は必要ないという考えを示しましたが、変異ウイルスが拡大する中、マスクの着用をめぐる議論が活発になっています。
インドで確認された変異したウイルスのデルタ株への感染が拡大する中、マスクの着用を再び義務づける動きが出てきていることについて、ロサンゼルスからニューヨークを訪れている男性は「後悔するより、安全を優先したほうがいいと思うので、ワクチンを接種した人にもマスクの着用を求めることには賛成です」と理解を示しました。
また、アイオワ州から最近、ニューヨークに移り住んだという男性は「デルタ株のことは心配です。ワクチンの接種は終えましたが、屋内ではいまでもマスクをつけるようにしています」と念を入れた対策をしていると話していました。

●韓国、コロナ新規感染者1629人…非首都圏にも拡大 7/24
韓国の中央防疫対策本部が24日0時を基準に一日の新型コロナウイルス新規感染者数を1629人、累計感染者数を18万7362人と明らかにした。
前日の新規感染者数(1630人)とほぼ同じで、2日連続で1600人台となった。一日の新規感染者数は7日(1212人)から18日連続で1000人台の4けた。新規感染者の感染経路は国内発生が1573人、海外からの入国が56人だった。
首都圏の感染拡大が続く中、最近は非首都圏でも感染者も増え、全国的な大流行に向かう可能性が高まっている。
 

 

●五輪警備の機動隊員、感染者は計6人に…共用の洗面所・トイレで感染か  7/25
警視庁は25日、東京五輪・パラリンピックの警備で派遣された兵庫県警機動隊の20〜30歳代の男性隊員2人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。24日にも4人の感染が判明しており、同隊の感染者は計6人となった。別の同僚隊員3人も簡易検査で陽性が確認されており、今後、医療機関で検査を受ける。
発表によると、6人はいずれも東京都府中市内の警察施設の同じフロアの個室に宿泊し、19日と22日に都内の競技会場で警備にあたっていた。共用の洗面所やトイレで感染が広がった可能性があるという。

●大会関係者で新たに10人陽性、選手は2人…計132人に  7/25
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は25日、ボートのオランダ選手と自転車のドイツ選手の2人を含め、新たに10人が新型コロナウイルス検査で陽性と判定されたと発表した。組織委は24日に公表したアスリートはエクアドルの選手で、国が既に公表していたとして同日の陽性判定者を16人に修正した。
組織委が7月1日以降に公表した大会関係者の陽性者は、計132人となった。

●札幌市 80人感染 3日連続80人以上 クラスター拡大 7/25
札幌市は7月25日、新たに新型コロナウイルスの感染者80(ほか再陽性2人)人を確認したと発表しました。
感染者は非公表含む10代から60代の80人(ほか再陽性2人)。82人だった前週の日曜日から2人減少ですが、3日連続で80人以上となっています。
感染力が強いとされるインド型変異ウイルス・デルタ株は「感染疑い」が新たに14人確認されました。
これで札幌市内でのデルタ株疑いは、計245人(うち8人確定)となりました。
1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は、「26.85人」と「緊急事態宣言」の目安となる「25人」を5日連続で上回り、増加しています。
使用病床数は7月24日時点ですぐに対応できる543床中151床で約28%と横ばいで、病院以外の宿泊療養施設や自宅待機者は24日時点で計587人と前日から33人増えています。
ススキノの接待を伴う飲食店、いわゆる"夜の街"関連は新たに1店舗3人が確認され、304店舗1148人となりました。
80人中、半数を超える46人の感染経路が不明で、重症者は前日と変わらず3人です。
政府は「緊急事態宣言」を東京都に4度目の発令、沖縄県を延長し、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府の「まん延防止等重点措置」を延長。北海道、愛知県、京都府、兵庫県、福岡県は12日に解除しました。
北海道は12日から8月22日までを「夏の再拡大防止特別対策」期間とするとともに20日に「まん延防止等重点措置」の適用を国に要請しました。
適用を前に22日から「感染リスクが回避できない場合」という条件を外し、札幌市の「外出自粛」や「札幌市との往来自粛」、札幌市の飲食店での「時短要請」継続、公共施設の原則休館など独自の対策に取り組んでいます。

●村井宮城県知事がサッカー有観客批判に猛反論 7/25
村井嘉浩宮城県知事が25日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」に生出演。東京五輪の無観客問題を巡るダブルスタンダード≠厳しく批判した。
東京五輪の観客問題については新型コロナウイルスの感染が拡大しているとして、東京の小池都知事ら開催地各県の知事が直前に無観客での実施を決定した。村井知事はこの流れに強く反発。「命を最優先するのは当然ですが、一番問題なのは他の競技と切り分けていること」と鋭く持論を展開した。
村井知事が指摘したのは有観客での試合開催が続くプロ野球との違いだ。東京五輪日本代表である侍ジャパンと国内球団の強化試合も、有観客で行われ続けている。
同知事は「宮城県で(プロ野球の)オールスターゲームがありました(7月17日=楽天生命)。仙台の中心部で1万5000人の人が集まって、しかもお酒が飲めたんですよね。今日も侍ジャパンの強化試合が仙台の中心部(楽天生命)で、仙台駅から2キロの距離でやっているわけです。これも、お酒が飲めるわけですよ。1万5000人集めて」と説明。続けて「これはいいんだけれども、(五輪のサッカー競技は)仙台から離れた利府という場所で行われる。5万人のスタジアムに3000人とか5000人しか入らない。お酒は飲まない。(それでも)『これはだめだ』という主張をされると、私はとても納得できない」ときっぱり言い切った。
その上で「オリンピックを楽しみにしている方も、野球を楽しみにしている方も同じ対応をされるべき。私は政治運動をされているように見えた、コアで動いている方たちが」と主催者の東京都や組織委、政府を暗に指して強い憤りを示した。
宮城県では同県・利府町の宮城スタジアムで東京五輪のサッカー競技が有観客で開幕している。隣県知事や各医師会は新型コロナウイルスの感染拡大を招くとして無観客を要望したが、村井知事はブレずに有観客での実施を判断。賛否両論が巻き起こっていた。

●「県民割」開始見通せず 福島県、コロナ感染再拡大で延期 7/25
内堀雅雄知事は24日の臨時記者会見で、県民が県内の旅館やホテルに宿泊する際の費用を補助する「県民割プラス」について、開始時期を見通せないとの認識を示した。
県は当初、今月14日にスタートする方針だったが、新型コロナウイルスの感染再拡大に伴って延期を決めた。南相馬市に加えて24日には郡山市での集中対策の実施を決めたほか、デルタ株も県内で拡大しつつあり、内堀知事は「発動させたい思いはあるが『今、いつから』とは言いづらい状況だ」と述べた。

●東海大相模17人コロナ感染で出場辞退…甲子園春夏連覇消えた 7/25
第103回全国高校野球選手権(8月9日から17日間、甲子園)の地方大会は24日、27大会で86試合が行われた。今春のセンバツで優勝した東海大相模は出場登録メンバー17人が新型コロナウイルスに感染したことを受け、神奈川大会への出場を辞退した。この日予定されていた藤沢翔陵との準々決勝は不戦敗となり、今夏限りで退任する門馬敬治監督(51)は思わぬ形でユニホームを脱ぐことになった。25日は25大会で65試合が行われる。
思わぬ形で、史上8校目の甲子園春夏連覇の夢が破れた。出場登録メンバー20人中、17人が新型コロナウイルスに感染。無念の出場辞退となった門馬監督は「このたびは本校野球部で新型コロナウイルス感染による多数の陽性者を発生させてしまいましたことを深くおわび申し上げます」と謝罪した。
学校によると、21日にベンチ入りする寮生1人が発熱による体調不良を訴え、病院では「熱中症の疑い」と診断された。自宅に戻った後、PCR検査を受診。藤嶺藤沢との5回戦に勝った22日の夕方に感染が確認された。23日に寮生36人がPCR検査を受け、同日夜に21人の陽性が確認された。指導者1人を含む、計22人の集団感染を受け、この日予定されていた藤沢翔陵との準々決勝を辞退。昨年から感染対策を徹底してきても、恐れる事態は起きてしまった。
センバツでは、今秋ドラフト候補に挙がるエース左腕の石田隼都(3年)を中心に10年ぶりの優勝を飾った。今夏の神奈川大会でも8強入りし、19年春から続く県内連勝記録を45に伸ばしていた。春夏合わせて4度の日本一に導き、今夏限りでの退任を表明していた門馬監督は見えない敵に「最後の夏」を突然奪われた形だ。
悔やんでも悔やみきれない幕切れ。門馬監督は「管轄の相模原市保健所と連絡を取りながら、最優先で生徒への対応を行っております。健康状態を把握しながら状況を見守り、さらなる感染拡大を防ぐことに全力を注いでおります」と話した。コロナ感染による辞退が相次いでおり、日本高野連も八田英二会長名の文書で、都道府県高野連に感染防止対策の徹底を要請した。

●RSウイルス感染症 青森県内で流行/7月上旬の罹患者、過去最多 7/25
乳幼児に肺炎を起こすこともあるRSウイルス感染症が青森県でも流行している。7月上旬の罹患(りかん)者は県が統計を取り始めた2004年以来、この時期としては過去最多となった。医療関係者は背景として、新型コロナウイルス感染防止のため手指消毒などの対策が徹底されたため、RSウイルスの感染者が減り、免疫を持っていない子どもが増えた。保育所などにウイルスが入ると感染が拡大する−と分析している。
RSウイルスは2歳ごろまでにほとんどの人が感染する。初期はせきや発熱など風邪のような症状が出る。生涯にわたって感染を繰り返すが、徐々に免疫がつき、感染しにくくなる。今年は全国的に流行している。
毎年夏から秋にかけて増え始めるが、県の資料によると今年は3、4月ごろから増加。県内に42カ所ある定点医療機関から報告される感染者数は直近の第27週(7月5〜11日)で、1医療機関当たり平均1.05人となり、20年の0.0人、19年の0.14人、18年の0.62人を大きく上回り過去最多となった。その前週(6月28日〜7月4日)も1医療機関当たり2.10人と過去最多だった。
弘前市の「あらいこどもクリニック」では4月末ごろから感染者が目立ち始め、5月連休後からは急速に増えた。5、6月に同クリックの病児保育で預かった子ども100〜120人のうち、約8割はRSウイルスだった。7月になってやや落ち着いてきたという。
荒井宏治院長は、今年の流行の原因として、新型コロナ感染拡大の影響を指摘する。行動制限や手指消毒、マスク着用などの感染対策によって、昨年はほとんどRSウイルスに感染する子どもがいなかった。集団免疫が低下したため、今年になって爆発的に流行した−と説明。「赤ちゃんが感染すると呼吸障害が起こるなど危険なことがある。家族に風邪症状の人がいれば、早めにかかりつけ医を受診してほしい」と話した。
RSウイルスは、主に飛沫(ひまつ)や接触によって感染し、時として重症化すると乳幼児の突然死の誘因となることもある。予防には手洗いやうがい、「せきエチケット」の徹底、人混みへの外出を避けることが大事とされる。

●菅首相が国賓級のおもてなしでワクチン前倒し要請もファイザーはスルー 7/25
菅義偉首相は東京オリンピックの開会式(7月23日)にあわせて来日した10を超える国や機関、企業のトップらと会談し、3日間のマラソン外交を終えた。
中でも東京・元赤坂の迎賓館に招くという国賓級のおもてなしで迎えたのは、新型コロナウイルスワクチンを世界に供給する米製薬大手ファイザーのブーラCEOだ。
ブーラ氏はIOC(国際オリンピック委員会)にワクチンを無償提供したことなどから、開会式に出席。菅首相は23日午前、河野太郎ワクチン担当相も同席した上で、10月以降に予定している供給分の前倒しを要請したとされる。その会談はどのようなものだったのか。政府関係者がこう明かす。
「官邸ではなく迎賓館で食事を取りながらのおもてなし会談で、国賓級の扱いでした。官邸が会談前から盛んにメディアに会談について吹聴していたので『ワクチン前倒し供給を要請』のニュースが一斉に報じられましたが、実質は『選手団に対する4万人分のワクチン無償支援』に対する首相からの御礼と例の不毛な『安全安心な大会への決意』を述べたことが、メインでした。日本のコロナ感染状況などのレクもブーラ氏にしていました」
では、肝心の「ワクチン供給前倒し」の結果はどうなったのか?
「菅首相から言及はしたものの、『引き続き実務担当者同士で』と軽くあしらわれたと聞いています。菅首相、河野大臣の2人がかりでブーラ氏と交渉し、何をやっているのか、と失望の声が官邸から出ています。ファイザーに足元をみられているということでしょう」(同前)
新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、ワクチン供給も一部の自治外で滞る中、政府や自民党内では「そもそも野党のせいだ」という声が相次いでいる。
こうした声に反応した立憲民主党は、公式Twitterで「ワクチン遅れたのは野党のせい?」としてQA式のツイートを7月16日に連投し、「違います。政府の責任です」などと持論を展開した。
だが、野党はこれまで国会で何をしてきたのかについては改めて検証してみる必要がある。
AERAdot.で「菅首相は戦犯に間違いないが、立憲、共産党もポンコツ過ぎたワクチン国会」(6月17日付)と報じたとおり、立憲や共産党がワクチンの国内治験にこだわり、欧米各国で行われていたワクチンの緊急使用に猛反対したことが接種の遅れにつながっていることは既に知られているところだ。
「ワクチン交渉は非公表なのでこれまで報じられていませんが、実は立憲民主党所属議員の軽率な国会での言動がファイザーの怒りを買い、ワクチン供給の遅れに一役買ったという重い事実があるのです」(官邸周辺者)
問題となったのは、立憲民主党・柚木道義衆院議員が今年2月12日の衆議院予算委員会での以下の発言だという。
「ワクチン確保が後手後手に回ってきてるんじゃないかと指摘もある中で、私はぜひ、3社以外でロシア製ワクチン、中国製ワクチンも含めて確保に努めるべき」
当時、政府はファイザーと供給量や時期を巡りギリギリの交渉や駆け引きを行っていたという。
「この国会発言を知ったファイザー幹部は激怒。『我々のワクチンは世界が求めているものだ。日本以外に求めているところはいくらでもある』『国会という公式の場で、中国やロシアから供給を受けるなどという議論がなされているのであれば、日本の態度は理解した』として態度を硬化してしまったのです。難しい交渉が一層紛糾し、供給の遅れに繋がったという経緯があります」(同前)
仮にも柚木衆院議員が提案したとおりに中国製やロシア製ワクチンを確保できたとして、成果は出たかは、甚だ怪しいだろう。中国製ワクチンはデルタ株には有効性が低下するとされ、またロシア製ワクチンはEUでもまだ承認されていない状態だ。仮に確保しても日本国内ではほとんど活用できないということになりかねない。結局、野党の国会提案がワクチン確保の足を大いに引っ張ることとなったというのだ。
さらに立憲民主党政調会長代行の川内博史衆院議員が21日、自身のツイッターに「陛下が開会式で『大会の中止』を宣言されるしか、最早止める手立ては無い」と投稿。「天皇の政治利用」という批判が相次ぎ、投稿はその後、削除された。
「政府も政府だが、立憲の国会議員の言動も軽すぎる」(野党の衆院議員)
「戦犯」はいったい、誰なのか、冷静に読み解くことも必要だろう。  
五輪開催後も連日、選手村などから感染者が出ており、東京都内の感染者は1000人超えが続いている。
大会組織委員会で感染症対策にあたる専門家の円卓会議で座長を務める岡部信彦・川崎市健康安全研究所長は、朝日新聞の取材に対し、「新型コロナウイルス感染が拡大し、『第4波』に見舞われた際の大阪府のように、東京都で入院すべき人が入院できないような状況になったら大会の中止も考えるべきだ」などと訴えている。
政治のせいでワクチンという「ゲームチェンジャー」の確保が中途半端なまま、これ以上、国民が翻弄されることのないよう祈るばかりだ。

●東京の人出 五輪前比で日中は減少も夜間は増加 7/25
4連休3日目の24日、東京・渋谷などの人出はオリンピック開会前の1週間前と比べて日中は減少した一方で、夜間は増加しました。
NHKはIT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使い、主な地点の人の数を調べました。
調査した時間は日中が午前6時から午後6時まで、夜間が午後6時から翌日の午前0時までです。
まず、4回目の緊急事態宣言が出ている東京の24日の人出を、3回目の宣言の期間だった4月25日から先月20日までの土日、祝日の平均と比較してみると、渋谷スクランブル交差点付近では日中は48%、夜間は62%ぞれぞれ増加しました。
東京駅付近では日中は7%増加、夜間は18%増加しました。
また、オリンピックが始まる前の1週間前との比較では、渋谷スクランブル交差点付近では日中が1%の減少、夜間は11%の増加、東京駅付近では日中は13%の減少、夜間は7%の増加となり、いずれも夜間が増加しました。
まん延防止等重点措置が延長されている埼玉、千葉、神奈川、大阪では1週間前と比べて大宮駅付近で日中は5%、夜間は11%ぞれぞれ増加した一方、千葉駅付近で日中は25%、夜間は6%それぞれ減少したほか、横浜駅付近で日中は25%、夜間は18%それぞれ減少、大阪梅田駅付近で日中は7%、夜間は2%それぞれ減少しました。
緊急事態宣言が延長されている沖縄では1週間前と比べて那覇市の県庁前駅付近で日中は31%の増加、夜間は26%の増加でした。

●東京都内 新型コロナ1763人感染 市中に多くの感染者いる 7/25
東京都内では25日、新たに1763人が新型コロナウイルスに感染していることが確認され、1週間前の日曜日より755人増え、日曜日としてはこれまでで最も多くなりました。都の担当者は「跳ね上がっていて、4連休の最終日にこれだけの数が報告されたということは、市中にかなり多くの感染者がいる状況だ」と強い危機感を示し、不要不急の外出や都や県をまたぐ移動を自粛するなど、人と人との接触を避けて欲しいと改めて呼びかけています。
東京都は25日、都内で新たに10歳未満から100歳以上までの男女あわせて1763人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。
1週間前の日曜日より755人増え、日曜日としてはこれまでで最も多くなりました。1日の感染確認が1000人を超えるのはこれで6日連続です。また25日までの7日間平均は1453.6人で、前の週の136.1%となり、感染の急拡大が続いています。
都の担当者は「通常、連休のときは休診している医療機関が多いため、感染者が減っていくが、きょうは跳ね上がっている。感染力が強いデルタ株への置き換わりが影響している」と分析しています。そのうえで「4連休の最終日にこれだけの数が報告されたということは、市中にかなり多くの感染者がいる状況だ」と強い危機感を示し、今も緊急事態宣言が続いているとして、不要不急の外出や都や県をまたぐ移動を自粛するなど、人と人との接触を避けて欲しいと改めて呼びかけています。
25日の1763人の年代別は10歳未満が82人、10代が166人、20代が574人、30代が368人、40代が305人、50代が183人、60代が49人、70代が20人、80代が12人、90代が3人、100歳以上が1人です。感染経路がわかっている664人の内訳は「家庭内」が最も多く387人、「職場内」が93人、「施設内」が66人「会食」が25人などとなっています。
東京オリンピック関連では外国人の競技関係者3人、外国人の選手2人、日本人の競技関係者1人、日本人の委託業者1人のあわせて7人の感染が確認されました。
これで都内で感染が確認されたのは19万9291人になりました。
一方、25日時点で入院している人は24日より6人減って2632人で「現在確保している病床に占める割合」は44.1%です。都の基準で集計した25日時点の重症の患者は24日より2人減って72人で、重症患者用の病床の18.4%を使用しています。また25日、死亡が確認された人はいませんでした。

●4連休最終日、東京都心に人出 続く感染拡大、市民に不満も 7/25
4連休の最終日となった25日、東京の繁華街や観光地は新型コロナの緊急事態宣言下にもかかわらず、多くの人でにぎわった。東京五輪の一方、不自由な生活を強いられる都民からは不満の声が。感染拡大も続き、都内の新たな感染者は日曜日で過去最多の1763人。全国でも5千人を超えた。小池百合子知事は「自宅で家族と、少人数で熱い応援を選手に送ってほしい」と、人出の抑制に協力を呼び掛けた。
五輪のメインスタジアムとなる国立競技場周辺を家族4人で散策した足立区の自営業の男性(31)は「周囲と五輪の話題になることもないし、そこまで盛り上がっている雰囲気はないね」と苦笑い。

●北海道111人感染 新型コロナ感染再拡大続く 22日連続「前週」上回る 7/25
北海道内では7月25日、111人が新型コロナウイルスに感染したことが確認されました。依然、感染拡大傾向が続いています。
北海道内で7月25日、感染が確認されたのは札幌市で80人、旭川市で9人など合わせて111人です。
感染力が強いとされるインド型変異ウイルス、デルタ株に感染した疑いがある患者は札幌市で14人、旭川市で7人確認されていて、感染拡大の一因となっています。
北海道内では7月4日以降、22日連続で前の週の同じ曜日を上回る新規感染者が確認されていて、北海道では夏休みやお盆期間の8月22日まで、札幌市で不要不急の外出自粛を要請するなど、感染拡大防止に協力を求めています。

●小池都知事と菅首相 “感染防ぎ社会生活 実効性高い対策を”  7/25
東京都の小池知事は菅総理大臣と会談し、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎながら社会生活を取り戻せるよう、より実効性の高い対策を進めていくことを確認しました。
小池知事は25日午後、総理大臣公邸を訪れて、およそ1時間、菅総理大臣と会談し、新型コロナウイルス対策などについて意見を交わしました。
会談のあと、小池知事は都庁で記者団に対し「より実効性の高い対策の展開が必要なので、感染の拡大を防ぎながら社会生活を取り戻す方向性で、さまざま工夫しながら進めていこうと情報交換と意見交換をした」と述べました。
そのうえで、小池知事は、ワクチン接種が進み高齢者の重症化や死亡例が減っているとして「今の感染者は若い世代が圧倒的に多い。医療資源を圧迫することなく、感染した方々の健康を守りつつ進めていく」と述べ、若い世代への対策を充実させる考えを菅総理大臣に伝えたことを明らかにしました。
一方、25日の会談では東京オリンピック・パラリンピックについても話題に上ったということで、小池知事は「オリンピックの開催が非常にスムーズにいっており、パラリンピックに向けても円滑な運営になるようにしていこうと共通の認識を確認した」と述べました。
競泳の女子400メートル個人メドレーで大橋悠依選手が、スケートボードの男子ストリートで堀米雄斗選手が、それぞれ金メダルを獲得したことについて、東京都の小池知事は記者団に対し「大変うれしく思う。これからも皆さんには自宅で家族と少人数で、ぜひ熱い応援を選手に送っていただきたい」と述べました。
 
 
 

 

●時短要請などの協力金 支給順番が逆転も “先渡し”で東京都  7/26
東京都は今の緊急事態宣言に伴う時短要請などの協力金を一部今週から先渡しする一方、以前の要請分の中には申請受け付けが始まっていないものもあり、支給の順番が逆転することになります。
東京都は、今月12日からの緊急事態宣言のもとで時短営業などを行った飲食店への協力金を、一部今週から先渡しします。
都の要請に全面的に応じることを誓約した場合、要請の期間中に先に支給する仕組みです。今回から導入され、先週受け付けが始まりました。
一方で、先月21日から今月11日までのまん延防止等重点措置に伴う要請分については受け付け開始時期がまだ決まっていません。
また、これより前のことし5月12日から6月20日までの3回目の宣言に伴う要請分の申請は26日午後から受け付けが始まります。その結果、要請の時期と支給の順番が逆転することになります。
都は「国が先渡しを速やかに行うよう求めているため、その手続きを優先している。態勢をさらに強化し、これまでの要請分もなるべく早く支給できるよう作業を急ぐとともに、事業者が混乱しないよう丁寧に説明したい」としています。

●行き先見えない新型コロナ“出口戦略” 専門家が危機感 7/26
ついに始まった東京五輪・パラリンピック。東京を中心に10万人近い選手、大会関係者、メディア関係者などが集結する中、依然として東京都の新規感染者は1日1000人を超え続けている。
Twitterアカウント「手を洗う救急医Taka」としても知られる、新型コロナワクチン公共情報タスクフォース(CoV-Navi)副代表で医師・木下喬弘氏は「緊急事態宣言の実効性がものすごく落ちている」と危機感を示す。
「緊急事態宣言中でも、人流が減っていない。今、東京都の1日の新規感染者数が1000人を超えているが、この数字に世論があまり反応していない状況だ。昨年12月31日に、初めて東京の感染者数が1000人を超えた。そこでようやく『ちょっとヤバい』という空気感が出て、2週間後ぐらいに感染数が減っていった。それを考えるともう新規感染者が1000人というレベルでは、感覚が麻痺していて、3000人を超えたところで『ヤバい』という空気が出始めるのではないか。そこから感染者数が下がり始める流れを考えると、本当に1日5000人感染、6000人感染までいくと思う」
イギリスでは、新たな変異ウイルスに対応するべく、9月から高齢者や医療従事者などを対象に3回目のワクチン接種も始まる予定だ。今後、日本でも3回目のワクチン接種が必要になってくるのだろうか。木下氏は「最初1年ぐらいは『3回目は要らない』と思っていた」と述べる。
「僕が要らないと思っていたのは、根拠があった。(ワクチンの)抗体価の推移を見ていると減衰はしていくが、半年でもかなり高い数値を保っていて、1年ぐらいはけっこう防御力が残るという結果が出ていた。しかし、かなり強い伝染力を持つデルタ型が出てきた。しかも、免疫逃避と言って、ワクチンも効きにくくなっていくことがわかった。イギリスでは、デルタ型に対しても90%近い有効性が示されているが、イスラエルでは、64%だった」
「この差は何かというと、イスラエルは早くからワクチンを打ち始めているので、抗体価が下がってきている。少し期間が経ってくるとデルタ型に対する有効性はこれぐらいになってしまう。そうすると、いずれ3回目のワクチン接種が必要になる可能性も出てくる」
ここでネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「3回目のブースター(ワクチン)はデルタ型用になるのか?」と質問。木下氏は「それは正直読めない」といい、「そもそもベータ型用のワクチンを作ろうと、治験までやっていた。しかし、今ベータ型は流行っていない。開発してすぐに打つのであれば、デルタ型用のワクチンいいという話になっている」と明かした。
さらに、木下氏の回答を聞いたひろゆき氏は「秋にデルタ型用のワクチンができても、すでに別の変異型が流行っている可能性もあるということか?」と確認。木下氏は「その可能性もある」とした上で、新型コロナウイルスの感染を増強する抗体(ADE)に言及する。
「今、デルタ型専用のワクチンを出そうする動きもあるが、それは慎重になるべきだと思う。これまでと少し違うワクチンなので、例えば、ADEといって、抗体依存性(感染)増強の現象が否定できない。これはワクチンを打つことで中和抗体という、出来の悪い抗体ができてしまって、余計にコロナを重症化させてしまう。デング熱で起きたような副反応が出てくる可能性はゼロではない」
「焦って治験を中途半端にしてゴーサインを出してしまうと、手痛いしっぺ返しを食らう。そのあたりのバランスはかなり難しい。やはり一定の治験をやったあとに出したほうがいい。そうすると時間がかかり、その間にまた違う変異型が出てくることも起こり得る状況だ」
海外に目を向けると、イギリスではマスク着用義務や飲食店の人数制限など、多くの規制がすでに撤廃されている。日本でも、26日からワクチンパスポートの申請受付が開始されたが、企業がどのように使うか、方針は決まっていない。
木下氏は「日本ではワクチン反対派がいる。国としては指導しにくいだろう。そうは言っても経済を再開しないとヤバいので、個々の企業や団体、飲食店、イベント開催者などから『ワクチンを接種した証明があったら入っていいよ』と、民間が自主的に独自ルールを出す可能性が一番高いと思う」とコメント。
木下氏の見解を聞いたひろゆき氏は「ワクチン接種をしたかどうか民間が確認する手段は、政府じゃないと作れないのではないか」と疑問を浮かべる。
「フランスの場合、ワクチンパスポートは国が提供したアプリで、指定のQRコードをスマートフォンで読み込めた人が『ワクチンを打った人』もしくは『48時間以内に陰性証明をもらった人』だ。これが、レストランなどで『食事をしてもいいよ』という証明になる。国が主導しない限り、そういった形のチェックはできないと思う」
ワクチン接種が進む中、議論され始めた新型コロナの出口戦略。感染の再拡大を抑え経済を回復させるためにも、正しい知識を広め、国民に方針を示す必要がありそうだ。

●感染拡大の傾向「5月連休後のパターンと一緒」 沖縄で209人 7/26
沖縄県は25日、新たに10歳未満〜90代の男女209人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。6月5日以来、約1カ月半ぶりに感染者が200人を超えた。先週の日曜日と比べると139人増え、約3倍となった。新規感染者が前週の同じ曜日を上回るのは13日連続。新たに3人の死亡も確認され、累計死亡者は231人になった。
新規感染者209人を年代別に見ると、20代46人、30代43人、10代35人と特に若い世代を中心に感染が広がっている。感染拡大の傾向について、県の糸数公医療技監は「5月の大型連休を境に、若い世代で感染が広がったパターンと一緒」と類似点を指摘。今後の見通しについては「(感染の)山の高さは想定できない。山を高くしないよう、感染を押さえ込みたい」とした。
また糸数医療技監は、県内で感染者が急増している状況を踏まえ「陽性となった際の療養先は医師の指示で決定しており、必ずしも希望する病院に入れない場合もある」と強調。「『家から近い病院を』『あの病院は嫌だ』など、希望を全部受け入れるのは困難」と理解を求めた。
死亡した3人は、うるま市の80代女性と那覇市の90代男性。残る1人の居住地や年代性別は家族の意向で非公表だった。
感染経路が追えたのは93人で家族内が52人と最多。直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者は53・47人で全国2番目に高い。日曜で米軍関係の報告はなかった。

●トヨタ、コロナ禍で東南アジアでの生産影響拡大−国内工場にも波及 7/26
トヨタ自動車の国内外の工場稼働に東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大の影響が広がってきた。
トヨタ広報担当の橋本史織氏によると、新型コロナ感染拡大の影響で仕入れ先の工場が稼働停止になったことで部品に欠品が発生し、タイの3工場を20−21日から稼働停止している。祝日を含めて28日まで停止する見通しとなっており、それ以降の稼働は状況を見て判断していくという。
トヨタは、東南アジアではコロナ感染拡大を受けた都市封鎖(ロックダウン)の措置が取られたマレーシアで6月1日から生産と販売を停止している。橋本氏によると、工場の稼働は現在も止まっている。タイとマレーシアの工場停止による生産への影響台数は明らかにしていない。
また、コロナ感染拡大でベトナムの仕入れ先の工場が停止したことで部品供給が不足するため、子会社のトヨタ車体の富士松工場(愛知県刈谷市)の第2ラインを29日から8月4日のうち5日間停止する。約3000台の生産に影響が出るという。

●在外邦人の支援は重要な経済戦略〜コロナ感染の急拡大するアジア諸国 7/26
同胞である在外邦人の安全の確保と支援を
ASEAN諸国は、日本の貿易相手としては、アメリカ、中国に次ぐ貿易額を持つ重要なパートナーである。我が国の今後の経済、政治の戦略的にも、重要な地域、国であることは間違いない。こうしたASEAN諸国との貿易や経済、文化の繋がりを支えているのは、我々の同胞である在外邦人の人たちである。「海外に住むのは自己責任だ」と支援が不要だと批判する意見もあるが、それは非常に一面的な捉え方であり、今後の我が国の国際的な地位を安定的に維持するためにも、まず同胞である在外邦人の安全の確保と支援が重要である。
タイ8万人、マレーシア3万人、インドネシア1万8千人・・・
外務省の資料によれば、2017年10月の段階で、在外邦人はタイに約8万人、マレーシア約3万人、ベトナム約2万3千人、インドネシア約1万8千人、フィリピン約1万7千人が在留している。企業拠点数は、タイ約5千9百、マレーシア約1千2百、ベトナム2千百、インドネシア約2千、フィリピン約1千4百となっている。インドネシアでの新型コロナの感染拡大と医療崩壊は、国内でも報道され、関心を集めている。しかし、タイ、ミャンマー、マレーシアなど他のASEAN諸国でも感染拡大が止まらず、感染者数が急増し、現地の医療体制がひっ迫した状況となりつつある。すでに日本人の死亡も報告されている。その大きな影響を受けているのが、これらの国に駐在、滞在している日本人とその家族だ。
緊急帰国用の臨時便も必要に
インドネシアでは、在外邦人の緊急避難用に7月21日と25日に日本への臨時便が運航されたが、予約が殺到し、さらに航空券代の15万円から20万円程度に加えて待機施設や検査の費用が自己負担であったために、帰国費用が40万円から50万円と高額になった。そのため、多くの批判が寄せられたため、日本政府は26日と28日にも臨時便を運航し、その際には手続きの簡略化と待機施設や検査の費用を政府負担とすると発表した。しかし、1便当たりの乗客定員は200名ほどで、4便合わせても1千名分に過ぎない。タイからの帰国便に関しては、日本航空、全日空、タイ国際航空などが運航しているが、いずれもすでに8月半ばまで予約がいっぱいの状況だ。大手企業や政府系機関の中には、駐在員やその家族の一時帰国を決めているところも出てきている。一方、タイに生産拠点を持つ中小企業経営者のように、「大企業と異なり、情報も少なく、生産現場も日本人スタッフがいないと動かない。帰国させたのはやまやまだが、難しい」というのが現状だ。また、大企業の従業員でも「家族の帰国指示が本社から出たが、駐在員はそのままだ」と言う。臨時便の運航について、タイの航空会社関係者は、「今後、帰国を希望する日本人が増加することが予想されるが、その場合、タイから日本への乗客はいるが、日本からタイはほぼカラの状態。増便といっても、航空会社にとっての負担は大きい。民間企業としては限界がある」と言う。新型コロナの感染拡大は、インドネシアだけではなく、隣国のタイ、マレーシア、ミャンマーなどでも深刻化しており、在外邦人の緊急帰国やワクチン接種の要望は大きくなっている。今後、インドネシアだけではなく、周辺国の状況が悪化すれば、邦人救出のために、政府が支援しての臨時便の運航が必要となる。しかし、それだけの航空機の運航や、国内空港での受け入れ態勢を整えることは現実的ではない。
現地でのワクチン接種の可能性
在外邦人の間からは、日本大使館や日本人学校などでのワクチン接種の実施を求める声も出ている。ツイッター上では、「#在外邦人の現地日本大使館でのワクチン接種を希望します」というタグで、多くの投稿が寄せられている。日本政府は、在外邦人の帰国ワクチン接種のインターネット予約を7月19日に開始した。日本に一時帰国してワクチン接種を行うことを希望する人たちに対して、成田空港と羽田空港に特設会場を設けるというものだ。この帰国ワクチン接種の対象者は、在外邦人で住民票を持たない接種時に満12歳以上の者となっており、在外邦人でも日本に住民票がある者や、帰国時に転入届を出した場合は対象外となる。しかし、帰国の費用は大きく、個人、企業への負担も大きい。さらにインドネシアやタイには、日本企業の製造拠点などが数多く存在し、駐在員が帰国できないケースも多い。現実的な解決方法として、在外大使館や日本人学校などを会場として、在外邦人へのワクチン接種ができないかという提案が、、「#在外邦人の現地日本大使館でのワクチン接種を希望します」である。実際、ベトナムではフランス大使館が18歳以上のフランス国民と配偶者などを対象にワクチン接種を始めているほか、タイではオーストラリア大使館やフィリピン大使館でもそれぞれの自国民に対するワクチン接種を開始している。
在外邦人の子供たちの教育機会の保障も
タイ・バンコクの日本人学校には小学校、中学校を合わせて約1千人の児童、生徒が2019年には在籍していた。インドネシア・ジャカルタの日本人学校にも、約1千人が在籍していた。そのほかにも、ASEAN諸国では、多くの小中学生が現地で学んでいるが、各国の新型コロナウイルス感染拡大によって、その多くがオンライン授業だけになり、さらに状況の悪化によって、帰国を余儀なくされている。今後、各国からの家族の帰国を勧告する企業などが増加し、こうした子供たちが日本に帰国する事態が起こるものと思われる。こうした子供たちの教育機会の保障も重要なこととなる。国内の小中学校へのスムーズな受け入れなども、政府、自治体などの支援が必要だ。さらに、海外の日本人学校への支援も重要となる。事態が鎮静化し、再び家族帯同での海外駐在が可能になった時のためにも、日本人学校の継続は、邦人の教育や日本企業の海外進出のために重要である。
在外邦人の支援は、我が国の経済戦略の一つ
日本の貿易額でみると、アメリカ、中国、ASEAN諸国がほぼ20%ずつという割合になっている。その経済活動は、大企業の駐在員だけではなく、中小企業の駐在員、個人事業主など多くの人たちによって支えられている。東京オリンピック・パラリンピックが開催され、選手たちの活躍に注目が集まり、訪日外国人選手団や関係者への対応などが話題になる。もちろん、それも重要である。しかし、危機的状況に直面している我が国同胞である在外邦人に対する支援も迅速な対応が必要な重要課題である。近年、海外転勤を好まない若い世代が増加している。大企業においても、海外事業を担う人材の確保に苦慮している。仮に、今回、在外邦人への支援が手薄であれば、今後、さらに海外転勤を望まない人が増加する可能性もある。経済界のとっても、大きな問題である。さらに今後も経済発展が期待できるASEAN諸国での我が国の経済活動を維持するためにも、政府による積極的な在外邦人への支援が必要になっている。これは、我が国の経済戦略の一つと言える。緊急帰国への支援と在外大使館などでのワクチン接種の実施など、新型コロナウイルス感染拡大が危機的な状況にある諸国の在外邦人への早急なる支援が求められる。

●東京五輪が開幕 千葉市では“喜ぶ声”と“感染拡大を懸念する声” 7/26
23日に開幕した東京2020オリンピック。競技会場のある幕張メッセ近くの海浜幕張駅では、開幕を喜ぶ声が聞かれた一方、新型コロナの感染拡大を懸念する声も聞かれました。
街の人「コロナ禍で、ずっと自粛で国民も沈んでると思う。そういう人をTVなど家の中で元気づけて、日本に活気を取り戻せるような大会になってほしい」
街の人「(Q.東京五輪開幕について)楽しみにしている、すごく」「(Q.新型コロナについては)絶対拡大してしまうので、それは残念。本当はみんなで盛り上がっていきたいが、コロナを抑える必要があり、もどかしい」
街の人「(Q.注目の競技は)幕張メッセで開催されている競技については、特に関心があって、注目していきたい」「(Q.どんな大会になれば)選手がこれから1か月にわたって活躍する中で、いろいろな感動を日本全国、世界人々にあたえてくれると思うので、そういったところを期待しつつ、しっかりと応援もしていければいいなと思う」
県内では、千葉市の幕張メッセで、レスリング・フェンシング・テコンドーの3競技が、そして一宮町の釣ヶ崎海岸では、五輪初となサーフィンが開催されます。

●昨年度予算の繰越金、30兆円超の見通し…コロナ対応補正で過去最大に  7/26
国の2020年度予算のうち、21年度への繰越金が過去最大の30兆円超に達する見通しとなった。新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、巨額の補正予算を3度組んだが、総額の5分の1前後が執行されずに持ち越された。
例年は5兆円以下に収まることが多く、これまでで最大だった東日本大震災直後の12年度の7・6兆円を大きく上回る。20年度の一般会計の歳出総額は、3度の補正予算によってコロナ禍前に編成した当初予算(102・7兆円)に比べて1・7倍の175・7兆円に膨らんでいた。
国の予算は、年度内に使い切る「単年度主義」が原則で、財政法は、自然災害などやむを得ない理由に限って翌年度に繰り越すことを認めている。秋の衆院選を控え、与党からは繰越金の活用を視野に入れた大型経済対策を求める声が一段と強まる公算が大きい。
2020年度予算の繰越額が過去最大の30兆円超に達する。新型コロナウイルスの収束が見通せない中、与党は歳出増への圧力を強めるとみられ、財政再建に向けた「予算正常化」とどう両立させるかが問われる。
財務省幹部は、「コロナ禍は何が起こるのか予想できないことの連続。国民に安心してもらうため、十分な予算を手当てする必要があった」と説明する。
繰越金が最も多かったのは、実質無利子・無担保融資を行う官民金融機関の資金繰り支援の予算で、約6・4兆円になる見通しだ。コロナで業績が悪化した企業に対する政府系金融機関の融資が想定ほど伸びなかった。地方創生臨時交付金も、5兆円程度を繰り越す予定だ。営業時間の短縮要請に応じた飲食店を支援する協力金の原資が主な用途となるが、都道府県が担う給付作業が追い付かなかった。
このほか、医療機関がコロナ患者を受け入れる病床の確保に必要な費用などに充てる「緊急包括支援交付金」(1・5兆円)、感染拡大に伴って事業を中止している「Go To トラベル」(1・3兆円)なども繰越額が多かった。
政府内では、多額の繰越金は「一時的なもの」との見方が強いものの、専門家は「毎年のように続けば、査定や使い道のチェックも甘くなる」と懸念する。
すでに、度重なる補正予算の編成などで、国の財政状態は一段と悪化している。国と地方の長期債務残高は21年度末に、主要国で最悪の水準となる1209兆円まで膨らむ見通しだ。
景気回復に向けた大型の経済対策として、与党内では「30兆円規模」などへの期待が飛び交い、国債の増発を懸念する財務省は警戒を強めている。慶応大の土居丈朗教授は「繰越金を有効活用し、歳出の拡大につながる補正予算はできるだけ抑制するべきだ」と指摘している。

●相次ぐ食品値上げで消費マインドに冷や水 原因はコロナ禍からの経済回復 7/26
食用油や小麦粉といった食品の値上げが相次いでいる。中国での需要増加などを受けて原料高となっており、企業努力でコストを吸収するのは困難な状況だ。輸入牛肉の価格も上昇しており、家計が圧迫され、消費マインドの回復の足かせになりかねないとの懸念も広がっている。
食用油、砂糖、小麦、輸入牛肉......
家庭用食用油大手の日清オイリオグループ、J−オイルミルズ、昭和産業の3社は8月、家庭用食用油を1キログラム当たり50円以上値上げする。5月末時点で大豆が前年同期比8割高、菜種が9割高と国際相場が高騰しているためだ。
コロナ禍からいち早く経済が回復した中国で需要が拡大しているのが直接の要因で、中期的にも世界的な人口増加による需要増で、価格は高水準で推移する可能性がある。
各食用油メーカーは業務用でも値上げ。キューピーと味の素は、油を原料に使うマヨネーズを、7月出荷分から最大10%値上げしている。
家庭用小麦粉も、日清製粉グループの日清フーズ、ニップン(旧日本製粉)、昭和産業が7月から、1.5〜4%程度値上げ。3社は家庭用パスタも2〜8%値上げを表明している(実施時期は社により異なる)。
国内消費の約9割を占める輸入小麦は、政府が買い上げた上で民間企業に売り渡しており、4月の政府による価格引き上げが時間差で反映されるものだ。大豆の価格高騰につられる形で小麦の国際的な相場も上がっているほか、中国が豚の飼料用で積極的な買い注文を入れたことなども影響している。
製糖最大手のDM三井製糖ホールディングスの傘下2社が7月15日から、砂糖の出荷価格を1キログラム当たり6円(約3%)引き上げている。1月に続き今年2回目。天候不順やコロナ禍による輸送網の混乱で、主要産地のタイやインドからの供給が減るとの思惑などから、ニューヨーク市場の先物取引で4年ぶりの高値を付けており、そうした動きを背景に、現物も値上がり。
このため、日本のメーカーも製品価格に転嫁を余儀なくされたという。メーカーから仕入れる卸業者から、飲料メーカーや製菓会社に価格上昇の影響が今後、どこまで広がっていくか、関係者は注視している。
米国産牛肉も上がっている。冷凍ばら肉の卸売価格は4〜5月には前年同月比1.7倍程度に高騰した。干魃に見舞われた豪州産の供給が減ったことで米国産に需要が集中したところに、コロナ禍から経済が回復してきた米国や中国で需要が伸びたためだ。
スーパーなどの店頭では豪州産が姿を消し、米国産がジワリ、値上がりしている。外食などはコロナ禍で営業自粛などとダブルパンチだが、コロナの影響が大きすぎ、牛肉価格上昇だけの影響は、逆に見えにくくなっている。
原因は経済の急回復、労働人口減に物流、天候も
値上がりを国際的な統計で確認しておくと、国連がまとめる食料価格指数(2014〜16年=100)は21年5月、127.8と、12か月連続上昇を記録。1年前からは4割上昇したことになり、2011年9月以来、約10年ぶりの高水準となった。
この指数は穀物や食肉、乳製品などの国際取引価格から算出され、世界の食料全体の値動きを示す。6月は3.2ポイントダウンの124.6と、1年ぶりの低下になったが、なお高水準だ。
こうした価格上昇の理由は、個々の品目について一部説明したが、整理すると、コロナ禍から経済回復しつつある中国をはじめ米国などの需要回復が最大の要因だ。これに、コロナ禍による移動制限で農作業の担い手である外国人労働者が一部の国で不足し、生産に支障が出たり、同様に物流網が混乱してモノが流れなかったり、物流費が上昇している――なども影響している。豪州の牛肉など天候の影響を受けた品目もある。
ただ、食用だけでは説明できない要因も指摘される。たとえば、環境対策でディーゼル燃料に大豆や菜種の植物油を活用するケースが増えているし、トウモロコシやサトウキビから作るバイオエタノールも、ガソリンと混ぜてエコ燃料として使われる。このため、景気変動や天候の影響といった一過性の要因とは別に「構造的に需給が逼迫(ひっぱく)する可能性がある」(大手食用油メーカー)との指摘もある。
コロナ禍のためであれ、他の要因であれ、食品の値上がりは、世界では途上国を、国内でも低所得層を直撃するだけに、その動向から目が離せない。

●2021夏のボーナス 7/26
今夏ボーナスにコロナ禍の影響
日本の労働環境や全ての”働く”という価値観が変化した、新型コロナウイルスの感染拡大というパンデミックを受け、2020年9月に厚生労働省の調査によって、民間企業による夏のボーナス支給額は2年連続で減少しているというデータが発表されました。新型コロナの感染拡大により、ボーナスの支給廃止や減額の傾向がある中、この度Job総研が実施した「2021 夏のボーナス実態調査」では、その支給額や、昨年と比較した際の平均支給額、またその増減などについて、コロナ禍によるボーナス支給の変化を調査しました。
前年比ボーナス額が減少
全体の65.6%が今夏ボーナス「支給あり」と回答し、その中でもメーカー勤務34.4%、IT関連企業15.0%がと、他業界より「支給あり」の回答が目立つ結果になりました。また、昨夏と今夏のボーナス額について具体的金額の回答集計の結果、昨夏87.2万円、今夏81.3万円となり昨夏ボーナス支給額より6万円減少した回答結果となりました。
コロナ禍で約7割が今夏からボーナス廃止
今夏のボーナス支給とコロナ禍の影響については、大きく影響した27.5%、少し影響した26.6%と半数以上が大なり小なりコロナ禍の影響を受けていると回答しました。また、今夏ボーナスの支給がなかった方の中で、昨夏ボーナスの支給があった方は65.8%で、今年になってコロナ禍の影響を受けて支給廃止になっている回答結果になりました。
今夏ボーナスに過半数が納得
全体を通して今夏ボーナス支給についての納得度は、納得できる28.2%、やや納得25.8%で全体の過半数を上回る54.0%が納得したと回答し、納得できない19.6%、あまり納得できない26.4%で合算した46%が納得できなかったと回答しました。「コロナ禍が影響したことから、ボーナス支給の廃止や減額にも納得した」など、コロナ禍の影響に対するコメントも多かった背景から、ボーナス支給の有無に関わらず納得度が過半数を上回ったとみられます。
回答者自由記述コメントまとめ
・会社の事業自体がコロナ禍の影響を受けて厳しい中でのボーナス支給はありがたかったけどこの先が不安。
・コロナ禍でリストラはあったが、外資系のためその分残ったスタッフに給料、賞与は手厚くなった。
・コロナで影響を受けているので夏ボーナスの支給廃止は仕方がない。
・ボーナス水準は、業績が悪い中でもまずます維持されたが、コロナ禍で残業規制が厳しく年収は減少
まとめ
今回実施した「2021夏のボーナス実態調査」では、全体的にコロナの影響があったという回答が目立ち、昨夏ボーナス支給額と比較すると、約7割がボーナス支給廃止と回答し、平均支給額も6万円減少という結果になりましたが、6割が納得と回答する結果になりました。
また、上記以外の自由記述でも多くのコメントがあり、ボーナスや年収にコロナが影響していることがわかるコメントが目立ち、今後のコロナ禍による社会情勢の変化やそれに対する身の振り方への懸念など、自身のキャリアについて不安視するコメントが多数寄せられました。 

●東京 コロナ感染急拡大続く 4連休は五輪で人出増加も… 7/26
4回目の緊急事態宣言の期間に入り2週間となった東京都。26日は新たに1429人の新型コロナウイルスへの感染が確認され、1週間前の月曜日の2倍近くに増えるとともに、月曜日としてはこれまでで最も多くなりました。
25日までの4連休、東京オリンピックの開会式が行われた国立競技場の周辺や競技会場がある湾岸エリアなどで人出が増えたことが分かり、専門家は「競技を見守ることが今できる『おもてなし』で、自宅で応援してもらいたい」と話しています。
月曜最多の感染確認
東京都内では26日、男女合わせて1429人の新型コロナウイルスへの感染が確認されました。727人だった1週間前の月曜日と比べると、2倍近くの増加となりました。さらに月曜日は比較的、感染確認が少ない傾向にありますが、最多だった1月11日の1252人を上回りこれまでで最も多くなりました。1日の感染確認が1000人を超えるのは7日連続です。これで都内で感染が確認されたのは20万人を超えて、20万720人となりました。
“インド型”変異ウイルスの感染確認も最多
また、都内ではインドで確認された「L452R」の変異があるウイルスに新たに940人の感染が確認され、1日に発表される人数としては最多だった今月21日の681人より250人以上増え、こちらも最も多くなりました。
4連休 人はどこに集まった?
きのう・25日までの4連休、都内ではどこに人が集まったのか。ビッグデータを分析した結果、東京オリンピックの開会式が行われた国立競技場の周辺や競技会場がある湾岸エリアなどで人出が増えたことが分かりました。NHKは、NTTドコモが携帯電話の基地局からプライバシーを保護した形で集めたビッグデータを使って、この4連休の午後3時台の都内の人の動きを分析し、前の週の土日といずれも平均値で比較しました。データは日頃から国内で携帯電話を利用しているユーザーに限られていて、東京オリンピック・パラリンピックのために来日している選手や関係者は含まれていません。分析は東京都内を500メートル四方に区分けして行っていて、人出が5%以上増えた地点はオレンジ色に、5%以上減った地点は水色にしています。その結果、開会式が行われた新宿区にある国立競技場の周辺や、競泳や体操の競技会場などがある湾岸エリア、それに羽田空港の周辺では多くの地点で人出が増えていました。NHKの取材でも、東京オリンピックの開会式前後に国立競技場の周辺に多くの人が訪れている様子が確認されていて、人の密集を懸念する声も聞かれていました。一方、JR渋谷駅周辺では9%減少するなど23区内の多くの地点で人出は増えていませんでした。
専門家「無観客の意味がない 自宅で応援を」
25日までの4連休、開会式が行われた国立競技場や競技会場周辺で人出の増加が見られたことについて、政府の分科会メンバーで川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「無観客としたのは選手や関係者の間でのクラスターを食い止めることだけが目的ではなく、観客が集まってみんなで盛り上がって応援することで、その後、国内に感染が広がってしまうのを防ぐためだ。競技会場周辺に集まってしまっては無観客にした意味がなく、爆発的な感染拡大はパラリンピックの開催にも影響を与えかねない。開催国は選手たちに競う場を提供するのが役目であり、競技を見守ることが今、私たちにできる『おもてなし』だ。会場の生の熱気に触れる楽しみはなくなるけれど、いつも一緒にいる人たちと自宅で応援してもらいたい」と話していました。
ワクチン 全人口の約36%が1回接種
一方、ワクチンの接種状況はどうなっているのか。政府が26日に公表した最新の状況によりますと、国内で少なくとも1回、新型コロナウイルスのワクチンを接種した人は合わせて4625万210人で、全人口の36.38%となっています。また、2回目の接種を終えた人は3147万6719人で、全人口の24.76%となります。全人口にはワクチン接種の対象年齢に満たない子どもも含みます。これらのデータは各地域からシステムに入力された人数に基づくもので、職域接種などによって実際はこれ以上に接種が進んでいる可能性があり、今後、増加することがあります。

●五輪開幕4連休 東京都から各地への移動 前週比20%以上増 7/26
25日までの4連休に緊急事態宣言中の東京都から全国各地にどれだけ人が移動したのかビッグデータを分析した結果、前の週の土日と比べて20%以上増え、10の県では東京から移動してきた人が2倍以上になったことがわかりました。NHKは、NTTドコモが携帯電話の基地局からプライバシーを保護した形で集めたビッグデータを使って、この4連休について緊急事態宣言中の東京都と他の道府県との移動を分析しました。
【流出は20%増】 その結果、東京からほかの道府県に移動した人は前の週の土日と比べて1日平均で20%増加しました。
【遠方の地方で大幅増加】 では、東京からどこに向かったのか。移動先を分析すると、沖縄県を除くすべての道府県で増加していて、このうち10の県では2倍以上、率にして100%以上の増加となりました。最も増加したのは和歌山県で121%、次いで福井県が115%、石川県と富山県が113%、鳥取県が112%、島根県が110%、滋賀県が106%、新潟県が104%、香川県と徳島県が102%でした。4連休であることに加えてオリンピックが始まったももの、都内では無観客となったこと、ワクチンの接種が進み里帰りをした人もいたことなどが背景として考えられます。
【近郊、都市部は増加小さく】 また、増加率が小さかったのは、神奈川県が3%、千葉県と埼玉県が5%、茨城県が25%、宮城県が26%、愛知県が31%などで、ふだんから東京との行き来が多い近郊の地域や都市部が多くなりました。一方、東京都と同じく緊急事態宣言が続いている沖縄県は唯一、36%の減少となり、台風の影響もあったとみられます。
【都への流入は減少】 また、ほかの道府県から東京に移動した人は2%減少しました。

●緊急宣言の人出抑制効果薄まる 東京駅は10%減どまり 7/26
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言は、回を重ねるごとに人出を抑制する効果が薄まっている。東京都で4回目の宣言開始から2週間を前にした25日の人出は、1回目の宣言開始前の昨年3月(日曜日平均)に比べ、JR東京駅で10%減にとどまった。ソフトバンク子会社「Agoop(アグープ)」のデータから午後9時台の人出を抽出した。
昨年3月の日曜日平均の人出と、1〜4回目の宣言開始から約2週間後の日曜日の人出を東京駅で比較。宣言1回目の昨年4月は昨年3月に比べ65%減。減少幅は2回目の今年1月に42%減、3回目の5月に33%減、4回目の今月25日には10%減となった。

●稲垣えみ子「もはや緊急事態が日常 『いつか』はない気持ち・・・」 7/26
元朝日新聞記者でアフロヘア−がトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。

東京に再び緊急事態宣言。前回の解除から3週間。もはや緊急事態が日常。言語矛盾。一体どっちが現実なのだろう。五輪はやるということなので、ならば日常かと思えば緊急事態だとおっしゃる。で、五輪以外のことは自粛してねと。従わなければ罰を与えますと。もはや東京はSF的パラレルワールド、あるいは中世の暗黒時代のようだ。
何(いず)れにしても、最初に宣言が出た時のような、皆が力を合わせて自粛すればその先に光が見えるのだというフィクションは気づけばもうどこにも見当たらない。今にして思えば、もはや懐かしく甘酸っぱい思い出のようだ。なぜあのようなフィクションを皆が信じたのか不思議ですらある。もしかすると最初からそんなフィクションは存在せず、ただ皆がそのように信じたかっただけなのかもしれない。確かに当時の首相は「2週間でピークアウト可能」とおっしゃったが、彼とて一人の人間。責めることはできない。あれから1年以上経った今も我らは何も乗り切れず光も見えぬまま。乗り切っても乗り切っても黒い山。
でもうんざりしていたって現実は何も変わらない。ここはもう、自分は生涯緊急事態の中を生きるのかもと覚悟したほうがいいように思えてきた。その上で何をなすべきかを考える。何しろ人の一生は一度きり。毎日が正念場と思わねばならぬ。
私が一つ決めたのは、もう「コロナが落ち着いたら」という約束はやめようということだ。これは散々使われたセリフだが、もはや「宝くじで1億円当たったら」みたいな空虚な社交辞令に思える。そんな空文を繰り出す暇があったら、実のあることを考えたい。
困難の中でも知恵を使い心を使い、やるべきこともやりたいことも先送りせずやる努力をしたい。いつか、はない。あるのは今のみ。これまでの経験を生かし、気をつけるべきことはしっかり気をつければ不可能はないというのが、この度の五輪に臨む政府の姿勢であろう。そこから学べることは学び取りたいと思う。

●新型コロナ 4連休 医師往診に4000件超の相談殺到  7/26
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、夜間や休日に医師の往診を行っている民間の会社には、この4連休中発熱した患者などからの依頼が殺到し、4000件以上の相談が寄せられたことがわかりました。
首都圏を中心に複数の医療機関と連携して夜間や休日に医師の往診を行っている会社では電話などで依頼を受けると登録している医師が患者の自宅を訪れて診察や薬の処方を行い、新型コロナへの感染が疑われる場合は、PCR検査も実施します。
会社によりますと、今月22日から25日までの4連休中発熱した患者などから寄せられた往診の相談は、全国で4000件以上、首都圏の1都3県だけでもおよそ2500件に上るということです。
1日当たりの件数は、第3波の年末年始や第4波の5月の大型連休を上回っていて、電話による問診で往診が必要と判断した患者に医師が手分けして診察にあたったということです。
また、PCR検査を行った首都圏の患者のウイルスを調べたところ、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」の割合は、先月27日までの1週間は19%でしたが、今月4日までは24%、今月11日までは33%、今月18日までの1週間では55%と半数を超え、急速に置き換わりが進んでいるということです。
この会社を立ち上げ、自身で往診も行っている医師の菊池亮さんは、最近の感染者の傾向について40代から50代の患者が重症化するケースが目立っているほか、会食などの明らかなリスク行動をとっていないのに感染するケースが複数確認されデルタ株の感染力の強さを感じていると話しました。
菊池医師は、往診の相談が殺到したことについて「感染者が増加しているのに加えこうした感染状況に対する不安感から微熱の症状でも相談するケースが増えているのではないか」と分析したうえで「オリンピックも始まって気の緩みやすい時期ですが、感染者の増加傾向は今後も続いていくとみられます。感染対策を改めて徹底するようお願いしたい」と話していました。
この会社では、東京都の委託を受けて新型コロナウイルスに感染した自宅療養者の診療も行っています。東京オリンピックの開会式が開かれた23日の夜には、自宅療養を続けている都内の50代の夫婦の自宅を訪れました。この5日前に夫が発症し、翌日、妻も発症して感染が確認されたということで、医師は到着すると防護服に着替えてから部屋に入りました。そして、血液中の酸素の状態をみる「パルスオキシメーター」の値や肺の状態を診た結果、発熱は続いていたものの、肺炎の可能性は低いと判断し、経過観察としたということです。

●新型コロナ 茨城で新たに86人、ステージ3「感染拡大状態」に 7/26
茨城県と水戸市は26日、新型コロナウイルス感染者が県内で新たに計86人確認されたと発表した。県内の感染者は累計1万1611人となった。
県と市によると、86人のうち陽性者との濃厚接触による感染とみられる人が46人、感染経路が分からない人が40人。
県独自のコロナ対策判断指標のうち、26日の時点で1日当たりの陽性者数(直近1週間平均)が66.7人、感染経路不明の陽性者数(同)が28.7人となり、ともに2番目に深刻なステージ3(感染拡大状態)に上がった。ステージ3になるのは、それぞれ5月20日、4月28日以来。
市町村別の感染者数は、つくば市23人、常総市9人、守谷市8人、筑西市7人、つくばみらい市4人、水戸市3人、古河市3人、下妻市3人、鉾田市3人、龍ケ崎市3人、結城市2人、東海村2人、県外2人、阿見町2人、神栖市2人、行方市2人、潮来市2人、常陸大宮市1人、取手市1人、桜川市1人、境町1人、坂東市1人、土浦市1人。
県内感染者が増加していることについて、県感染症対策課は「県南・県西地域を中心に増え、1つの固まりでなくいろいろな場所で感染者が出ている」と説明している。
新たに計43人が退院、退所、自宅療養終了など回復し、回復者は累計1万718人となった。

●新型コロナ 中等症でも急速に悪化 重症に転じるケース相次ぐ  7/26
新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、首都圏の患者の治療にあたる大学病院では、中等症で入院した患者が数日後、重症に転じるケースが相次いでいます。医師は「重症はこれまでと比べて少ないと言われるが、実は重症という氷山の下に中等症が大勢いて、いつ悪化するか分からず、警戒を緩められない」と訴えています。
川越市にある、埼玉医科大学総合医療センターは、重症と中等症の患者の治療にあたっていて、先週以降、ほかの病院で症状が悪化した患者が連日運ばれてきています。
24日時点で、13人が入院していて、30代から50代の若い世代で10人を占め、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」に感染していた患者は11人にのぼっています。
症状が重い順に「重症」「中等症」「軽症」となりますが、医療現場では、「中等症」は、酸素の吸入が必要なほど症状が悪化した「中等症2」と、それ以外の「中等症1」に分類されます。
この病院ではこれまでのところ、「重症」は2人、「中等症2」は7人ですが、重症の2人は入院時は中等症だったものが重症化したということです。
50代の男性患者は、入院後、「中等症2」のレベルまで症状が悪化しましたが、治療の結果、持ち直すことができたということです。
男性は「熱がものすごく高くなり、つらかった。コロナには二度とかかりたくない」と話していました。
感染症科の岡秀昭教授は「中等症2は、よく誤解されるが、海外では重症に分類するところもあり、酸素を吸わないといけない、人工呼吸器の一歩手前の状態となる。今は重症が少ないと言われるが、実は重症という氷山の下に、中等症2が予備軍のように大勢いるというのが第5波の特徴だ。中等症2で入院した患者が、わずか数日で悪化し、生命維持装置が必要になるケースもあり、警戒を緩められない」と訴えています。
重症度は4段階に分類
厚生労働省によりますと、新型コロナの対応にあたる医療現場では、重症度について、「重症」「中等症2」「中等症1」「軽症」の4段階に分類しています。
このうち、「中等症2」は、血液中の酸素の数値が93%以下になり、呼吸不全が生じている状態で、人工呼吸器の装着を検討する段階だとしています。
これは、人工呼吸器や人工心肺装置=ECMOを装着した「重症」に次いで重い症状に分類されています。
「中等症2」にまで一時悪化した男性は
今月上旬、埼玉医科大学総合医療センターに入院した50代の男性は、感染力が強い、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」への感染が確認されました。
男性はワクチンは接種しておらず、最初は軽症と診断されましたが、基礎疾患があったため、入院することになりました。
その後、徐々に肺炎が広がり、血液中の酸素の数値も悪化し、入院からおよそ1週間後、酸素マスクをつけざるをえなくなり、「中等症2」の状態にまで悪化しました。
その後、集中的に治療を行った結果、なんとか持ち直し、医師が質問する形式で取材に応じてくれました。
男性は「仕事中に急に寒気がして休憩室で倒れ込んでしまった。39度以上の熱が出て、とにかくつらかった。入院中は不安でたまらず、コロナには二度とかかりたくない」と話していました。
男性は、医師から回復傾向にあると告げられると、ほっとした表情を浮かべていました。
治療を担当した感染症科の岡秀昭教授は「この患者は入院して7日目に呼吸状態が悪化して中等症2になった。軽症で入院した人が、1週間後には中等症2になったり、重症になるかもしれない。きょうの重症者の人数を見て大丈夫だと判断されると、現場としては後手後手になってしまうと言わざるをえない」と話しています。
 

 

●東京都 新型コロナ 2人死亡 新たに2848人の感染確認 過去最多 7/27
東京都は27日、都内で新たに10歳未満から100歳以上までの男女合わせて2848人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1週間前の火曜日の倍以上となり、過去最多となりました。1日に2000人を超えるのは、第3波のことし1月15日以来です。27日までの7日間平均は1762.6人で前の週の149.4%となり、感染の急拡大に歯止めがかかりません。これで、都内で感染が確認されたのは20万3568人となりました。一方、都の基準で集計した27日時点の重症の患者は26日より4人増えて82人でした。重症者が80人を超えるのは、ことし5月18日以来です。また、都は、感染が確認された60代の女性と50代の男性が死亡したことを明らかにしました。これで、都内で感染して死亡した人は2279人になりました。
田村厚労相「思いを一つに 命守ることに協力を」
田村厚生労働大臣は記者団に対し「世界中で『デルタ株』により感染が急拡大し、東京も『デルタ株』に置き換わりつつある状況なので、感染者数が一定程度増えることはウイルスの性質上あり得ることだと思う」と指摘しました。そのうえで「緊急事態措置を発令しているにもかかわらず、要請に応じずアルコールを出している店が散見されるが、酒を出す店は開かないということを守っていただきたい。オリンピックのアスリートも制約の中で試合に出て頑張っている。思いを一つにして感染をなんとか抑え、命を守ることに協力いただきたい」と述べました。
過去最多 都内の街の人は
27日、都内で、過去最多となる2848人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたことを受けて、渋谷駅前で話を聞きました。このうち、ワクチン接種の帰り道だという50代の女性は「ただ、びっくりで驚いています。人流を減らそうとしていますが効果が現れていないと感じますし、改めて、手洗いやマスクの着用など、周囲の人にも注意するように言っていきたいです」と話していました。また、仕事帰りの70代の男性は「緊急事態宣言中なのにこれだけ人が出ているともっと感染者が増えてもおかしくないと感じます。外出を制限するなどより強い政策をとらないと、感染は止まらないのではないかと思います」と話していました。一方、20代の男性は「自分たち若い世代は行事ができなくなって我慢している中で、オリンピックをやっているなら外出してもいいのではと思う人もいるのではないかと感じます」と話していました。
専門家「人の動きを抑える対策を」
東京都内で27日、新たに新型コロナウイルスの感染が確認された人が過去最多となったことについて、新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで東邦大学の舘田一博教授は「緊急事態宣言が出されて2週間がたち、これまでであれば感染者数が減ってくる時期に過去最多の感染者数となったことは緊急事態宣言の効果が出ていないということだ。いまの感染者数は2週間前に感染した人であり、人の流れが減っていないことを考えると、感染者数はさらに増える可能性がある」と指摘しました。感染が急速に拡大している要因としては、「4連休や東京オリンピックの開幕、それに夏休みなどで濃厚接触の機会が増えているほか、感染力の高いデルタ株への置き換えが急速に進んでいることが背景にあると考えられる。都内ではすでに2000人以上が入院先が決まっておらず、このまま感染者数が増えるといつ医療体制がひっ迫してもおかしくない状況だ」としています。そして、今後、必要な対策については、「東京の感染者数の増加は今後、全国に拡大する恐れがある。現時点のワクチン接種が十分に進んでいない状況ではより強い対策が必要で、飲食店だけではなくほかの業種の店舗の営業の自粛を検討するなど、人の動きをより抑える対策を早めに打つことが重要だ」と話していました。
厚労省 幹部「感染者の増加 想定より早い」
厚生労働省の幹部の1人は「インドで確認された変異ウイルスの『デルタ株』の感染が広がっているので、感染者がこれくらいまで増えることは想定内だったが、予想していたより早かった。緊急事態宣言が出て2週間になるので、本来なら効果が出てくる時期だが、以前のようには効かなくなってきている。オリンピックの盛り上がりも人流の増加につながっている印象で、感染者はさらに増えるのではないか」と話しています。また、別の幹部は「数字は重く受け止めている。夏休みを迎え、旅行などで人流が増える時期なので、一層の注意が必要だ。重症者も増えて医療への負荷が高まっているので、感染対策の基本を守ってもらえるよう、どうにかして国民の協力を得て感染を抑え込んでいくしかない」と話しています。別の幹部は「もともとこうなることを想定して、不要不急の外出を控えるよう国民にお願いしてきたが、対策の積み上げがうまくいかなかった。政府への信頼がなく、どんなメッセージを出しても共感を得るのが難しくなっている」と話しています。
立民 福山幹事長「衝撃的 下降すべきが最多」
立憲民主党の福山幹事長は、記者会見で「緊急事態宣言が出され、本来ならば感染者数が下降していくべき時に最多になるというのは衝撃的だ。先の4連休の影響に加え、オリンピックでたくさんの人出もあり、今後どのような形で感染が広がっていくのか極めて心配だ。政府は専門家会合を開くとともに、今の考えを国民に説明する必要があり、対策を強く求めたい」と述べました。

●新型コロナ、東京都で2848人 過去最多 7/27
東京都は27日、新型コロナウイルスの感染者が新たに2848人報告されたと発表した。これまで最多だった今年1月7日の2520人を大きく超えた。重症者は82人だった。

●東京都の“発熱相談” 爆発的に感染拡大した第3波を超え最多に  7/27
新型コロナウイルスの感染の疑いがある人に医療機関を紹介する東京都の「発熱相談センター」への相談が、これまでで最も多かった第3波を上回りました。相談が増えると感染確認も増える傾向があることから、都は警戒を強めています。
東京都は、かかりつけ医がいない人で発熱など新型コロナウイルスの感染の疑いがある人に対し「発熱相談センター」を通じて受診できる医療機関を紹介しています。
相談件数の7日間平均はおよそ1000件だった6月下旬から増加が続いていて、25日時点では2724件となりました。
感染が爆発的に拡大した第3波でピークだったことし1月4日の2676件を上回っていて、これまでで最も高い水準です。
1日ごとの件数を見るとと、おとといまでの4連休は、22日が3589件、23日が3386件、24日が3192件、25日が3323件といずれも3000件を超えました。
これまでに3000件を超えたのはことし1月3日の3239件だけで、この4連休中に相談が急増していて、都は警戒を強めています。
都の担当者は「連休中に相談できる医療機関が少なかったことに加えて感染が拡大していることが相談の増加につながったと見ている。発熱相談が増えると感染確認も増える傾向がある。市中でまん延している状況なので、基本的な対策を徹底して外出は控えてほしい」と呼びかけています。

●東京、2カ月連続人口流出 7/27
総務省が27日公表した6月の人口移動報告(外国人を含む)によると、東京都からの転出者は転入者を583人上回り、2カ月連続で人口流出を示す「転出超過」となった。東京都には6月20日まで新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令されており、転出入に影響した可能性がある。
東京都への転入者は2万9224人で、昨年6月比0.6%増。転出者は2万9807人で8.9%増だった。
埼玉、千葉、神奈川の3県を含む「東京圏」でみると、転入者が転出者を3106人上回った。3県とも転入者の方が多く、超過数は埼玉1362人、千葉1062人、神奈川1265人だった。

●感染急拡大で都がコロナ病床確保を要請 通常診療制限も 7/27
新型コロナウイルスの新規感染者数が連日1000人を超え、感染が急拡大していることを受け、東京都が都内の医療機関に対し、通常診療の制限も視野にコロナ病床を確保するよう要請したことがわかりました。
東京都では、7日間平均の新規感染者数がきのう時点で1500人を超え、入院患者数も、この1か月で倍増するなどしていて、専門家は「今後、医療提供体制が危機に直面する」と指摘しています。
東京都がきのう付けで都内の医療機関に送った通知は、コロナ患者用の病床をさらに確保するよう要請するもので、救急医療の縮小や停止、予定手術の延期、診療機能の縮小など通常診療の制限も検討するよう求めています。東京都が現在、確保しているコロナ病床は5967床ですが、これを来月6日までに計画の最大数にあたる6406床まで増やしたい考えで、あすにも、医療機関向けに説明会を開催する方針です。

●小池知事「じわっと重症者が増えている 若い人にワクチンを」 7/27
感染の急拡大が続く新型コロナウイルスへの対応について、東京都の小池知事は記者団に対し「病床の確保を進めている。じわっと重症者が増えているのが気になる。ただ、26日も感染者のうち65歳以上の占める割合は2%で、要は若い人に早くワクチンを打ってもらうことが重要だ」と述べました。
そのうえで、オリンピックの選手や関係者の感染確認が相次いでいることについて「組織委員会が発表する数字のだいたい半分は日本の関係者ということで、あれを足し上げて毎日、報道するのはどういう意味があるのかと思っている」と述べました。

●医師が証言「羽田空港関係者の感染が増加」の悲鳴 7/27
日本人選手が続々と金銀銅のメダルを獲得し、2度目の東京五輪の歴史を刻んでいる。その一方、東京都の新規感染者数が連日1000人を優に超える中、医療現場が逼迫してきている。都内の入院患者は7月上旬の1500人台からわずか4週間足らずで2700人台に急増。保健所で入院先を決めきれず、都に入院調整が持ち込まれる1日当たり件数も1カ月前の50件から184件へと3.7倍も増えた。東京都の検査の陽性率も10%を超え、感染爆発のステージ4を示している。危機感が高まる中、五輪関係者の感染拡大も問題になっている。東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会によると、7月1日以降の累計感染者数が148人にのぼる事態となっている(7月26日時点)。こうした中、今度は海外から大会関係者を迎え入れる玄関口、空港従業員の感染者の増加が懸念され始めた。羽田空港近くの病院に勤務するある医師は「羽田空港従業員の新型コロナ感染患者が増えている」と証言する。羽田空港は、成田空港と並び、東京五輪の選手団や大会関係者らを大勢迎え入れている。
空港の第一線で活動する人が感染
この医師は羽田空港のある東京都大田区内の総合病院でワクチン外来や発熱外来を担当している。医師によれば、7月上中旬から、羽田空港内のレストラン従業員や、帰国者を案内するグランドスタッフなど空港の第一線で活動する人々の間で新型コロナ感染患者が増えているという。医師は26日、筆者の取材に対し、こう話した。「私が発熱外来に入った7月中旬、3人の方をPCR検査したら2人が陽性でした。うち1人が羽田空港で働いている方でした。その前の週から明らかに陽性者数が増えていて、毎日1人はPCR検査で陽性が見つかっていました。羽田空港関係者の割合が多いというのは看護師からも聞いています」この空港近くの総合病院で、空港関係者のコロナ患者が増え始めたのは、ちょうど海外からメディアや選手団、大会関係者らが羽田空港に既に本格的に到着していた時期と重なる。菅首相は7月26日に発売された月刊誌『Hanada』のインタビューの中で、東京五輪開催によって新型コロナの感染が拡大するとの批判について、「ワクチン接種者数が極めて順調に増えているため、その懸念はあたらないと思う」と述べた。これに対し、この医師は「時期的に東京五輪に伴う人流増加で、羽田空港関係者の感染が増えていると考えられます」と指摘する。筆者が羽田空港のある大田区感染症対策課に電話取材したところ、11日当たりの新規感染者は7月1日時点では23人だったが、7月20日時点では3倍近くの68人に増えている。なお、筆者は、羽田空港近くにある複数の他の病院にも電話取材を試みたが、電話が通じなかったり、電話が通じても患者の守秘義務を理由に断られたりした。
羽田空港の「バブル方式」はこんなにも緩い
そもそも政府や東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会は、新型コロナの感染拡大防止策である「バブル方式」の脆弱さも、多く指摘されてきた。「バブル方式」は、海外からの選手や大会関係者を一般市民と接触させないというもの。菅首相も「選手、関係者は一般国民と交わらない」と強調してきた。しかし、このバブルは選手団入国時の羽田空港で事実上、崩壊している。筆者は海外選手団の来日がピークを迎えていた16日、彼らが到着する羽田空港第3ターミナル国際線到着ロビーを取材している。到着ロビーを訪れると、狭い場所で人がごった返していた。数え切れないほどの大勢の英国とアメリカの選手団が筆者の目の前をゆっくりと歩いて通り過ぎて行った。選手団はスタンション(仕切り棒)でつながれた青いベルト2本の間を進んでいった。それが選手団にとっての導線(通路)になっていた。しかし、すぐその隣には、スーツケースを引いて歩く一般客の姿も多く見かけられた。筆者が想像していた「バブル方式」とは正直かなりかけ離れていた。ベルトを越えて違うレーンを歩いてはだめよ、といった単なる便宜上の区分程度の分け方だった。
また、スタンションで仕切られたベルトの導線は、視覚障がい者用の誘導ブロックを通すため、ところどころ繋がっておらず、途切れている。このため、選手団が通った後すぐに一般客が同じ場所を通るという「入り交じり」が生じていた。到着ゲート前にある交通案内所の受付の女性としばらく雑談した。十分に打ち解けてから「これで本当にバブルと言えるのでしょうか」と問うと、「紐一本の仕切りですからね。こんなに近くで同じ空気も吸っていますし」と心配そうな表情で話した。この女性はモデルナのワクチンをまだ1回しか接種していないという。「こんな近くで働いているのに、ワクチンがまだ一回とは雇用者責任が問われますね」と問うと、女性は「ええ」と苦笑するばかりだ。この受付女性が心配する理由はよく理解できるだろう。新型コロナはエアロゾル(空気中に浮遊する固体や液体の粒子のこと)によって感染することが分かっているからだ。感染症の専門家はウイルスを含むエアロゾルを吸い込みやすくなる3密(密閉、密集、密接)に注意するよう呼び掛けている。本来は、水族館にあるような水槽で囲まれるような選手団専用の通路があればよいのだが、それは羽田空港では物理的に無理だ。海外のスポーツイベントでもバブル方式は採用されているが、そちらはどうなっているのか。今年1月にエジプトで行われたハンドボール男子の世界選手権が参考になる。朝日新聞の2月9日の記事によると、ハンドボールの日本代表団が「空路でカイロ入りすると、滑走路にはすでにバスが待っていた。数歩で乗り込むと、ホテルまで運ばれた」という。「空港に着いてから、バブル以外の場所は、ほぼ踏んでいないですね」。ハンドボール日本代表の主将、土井レミイ杏利はこう明かしている。日本の「バブル方式」はエジプトと比べて、あまりにも緩い。残念ながら、羽田空港関係者に感染者が増えているとの証言にも納得感がある。
大田区には保健所が1カ所しかない
夏休みや五輪を迎え、羽田空港以外でも人の移動や接触が増えている。お盆の帰省シーズンになれば人流は加速するだろう。「人口70万人余りを抱える大田区には、保健所が1つしかない。PCR検査も感染経路の追跡も全然追い付いていない。猛暑による熱中症対策も大変だ。正直、オリンピックどころではない。過労などでメンタルがやられている医療従事者も多い」。前述の医師はこう強く訴えた。医療提供体制が逼迫する中、こうした状況を直視せず、五輪を強行し続けるのは、無謀というほかない。その行為のツケを払うのは、現場の医療従事者であり、一般の国民だ。「何が何でも五輪開催」ではなく、人々の命と安全と健康が何よりも最優先ということを、日本政府と国際オリンピック委員会は本当に理解できているのだろうか。

●コロナ拡大 深刻な東京 開催中の五輪は中止を 小池書記局長 7/27
日本共産党の小池晃書記局長は26日、国会内で記者会見し、東京都内の新型コロナウイルスの新規感染者数が25日に日曜日では過去最大の1763人を記録した事態への認識を問われ、病床使用率が44%に達するなど医療ひっ迫が起きているとして、「このままでは東京をはじめ首都圏で医療崩壊という事態になりかねない深刻な状況にある」と述べ、改めて開催中の五輪の中止を求めました。
小池氏は、東京都の重症者の病床使用率は18%とされているが、「重症者」について都の基準では人工呼吸器やECMO(体外式膜型人工肺)を使用している場合に限定しているが、国の基準ではICU(集中治療室)やHCU(高度治療室)で治療を受けている患者も含めていると指摘。「25日の東京都の『重症者』72人は、国の基準に当てはめると678人になる。重症病床使用率もすでにステージ4=感染爆発だ」と述べました。
また、医療機関からも「ベッドが満杯に近い」「入院させられない」などの声が寄せられ、自宅療養者も急増しているとして、「東京では医療ひっ迫がすでに起きている」との認識を重ねて示しました。
小池氏は、日本共産党の志位和夫委員長が22日に「命を守ることを最優先にする立場を揺るがず貫き、開会途中でも中止を決断することを求め続ける」との声明を発表したことに言及。「いまの感染状況を考えれば、声明発表時点よりもさらに深刻になっている」と強調しました。
また、「政府の中からも『東京都で入院すべき人が入院できないような状況になったら大会の中止も考えるべきだ』との発言が出ているが、重症者が入院できなくなる事態になったら、手遅れだ」と指摘。五輪選手など関係者に153人もの感染者が出ていることも示し、「(感染から守る)『バブル』の崩壊は明らかだ」として、「この深刻な事態のもとで、命を最優先にし、コロナ対策に全力を集中すべきだという立場から、五輪の中止を、そして徹底した感染対策、ワクチンの安全で迅速な接種、大規模なPCR検査、十分な補償、医療機関に対する全面的で強力な支援を強く求めていきたい」と表明しました。

●千葉県で感染確認最多 急拡大の状況は 7/27
千葉県では26日、過去最多となる509人の感染が確認されたと発表されました。1週間前の19日月曜日より275人増え、26日までの1週間の平均は前の週の1.37倍と、感染の急拡大が続いています。今月23日時点でのPCR検査の陽性率は、10.65%で1週間前より3ポイント以上、1か月前より6ポイント以上高くなっています。
26日時点で入院中の人は重症者21人を含む590人で、専用病床の使用率は46.3%となっています。自宅療養中の人は1461人、入院やホテル療養の調整中の人は247人で、これを1週間前と比較すると、入院している人は1.1倍、自宅療養中の人は1.8倍、調整中の人は1.5倍に増えています。また1か月前と比較すると、入院中の人は1.6倍、自宅療養中の人は5.5倍、調整中の人は2.1倍に増えています。
千葉県のまとめによりますと、人口10万人あたりの26日までの直近1週間の新規感染者の数は、県全体では36.22人ですが、特に東京都に隣接する県北西部では、増加傾向が目立っています。
船橋市が54.87人、市川市が52.32人、柏市が43.32人などとなっていて、政府の分科会が最も深刻な「ステージ4」の目安としている25人を大きく上回っています。これは1週間前と比較すると10人以上、1か月前との比較では30人から40人程度それぞれ増えている状況です。
県北西部の病床使用率は県内で最も厳しい状況で、先週21日時点ですでに50%を超えていて、その後、さらにひっ迫した状態が進んでいるおそれがあります。

●日本選手団関係者“初の陽性”…五輪中感染拡大続く 7/27
オリンピックの一方で、感染拡大が続いています。
“月曜最多”東京1492人感染
東京都・小池百合子知事:「おうちでオリンピックを応援するということが結局、人流を抑えていくなど、色んな効果につながることを期待しています」26日、東京都で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は1429人で、先週月曜日より、702人増えました。月曜日としては過去最多となり、これで7日連続の1000人超えです。重症の患者は、前の日から6人増えて、78人。入院患者は、前の日より85人増え、2717人となっています。
日本選手団関係者“初の陽性”
大会関係者の感染も相次いでいます。組織委員会は、新たに海外の選手3人を含む、16人の感染を発表しました。また、日本選手団の関係者1人が、新型コロナの検査で、陽性となったことが分かりました。大会期間中に、日本選手団の関係者の感染が判明したのは、初めてです。
千葉県職員“深夜会食”で2人感染
東京だけではありません。千葉県で26日、一日あたりの感染者としては、過去最多となる509人の感染が確認されました。その千葉県では、県の職員ら6人が、16日の午後8時半から17日の午前0時ごろまで、市川市内のカラオケ店で飲酒を伴う会食をしていたことが明らかとなりました。また、このうち2人は、新型コロナへの感染が確認されました。他の4人については、26日の時点で、体調不良は訴えていないということです。6人が会食した日を含め、市川市の飲食店などには、県から営業時間短縮の要請が出されています。

●感染拡大の埼玉6市町、警戒区域に追加 緊急事態宣言の要請も検討 7/27
大野元裕知事は26日、臨時の記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大傾向にある飯能、狭山、入間、桶川、幸手各市と宮代町の5市1町を新たに県独自の「警戒区域」に指定したと発表した。警戒区域は20日に指定された坂戸、吉川両市と合わせ、計7市1町となった。確保病床使用率は6月末は20%を切っていたが、新規感染者の増加とともに上昇を続け、25日時点で47・4%(789人/1666床)。国が緊急事態宣言を出す目安とする指標「ステージ4(感染爆発)=50%以上」に迫っている。
知事は「急増の状況は連休も変わりない。全体を押し上げる要因として、東京から来たものが、今度は県内で横に広がりつつある。現在、緊急事態宣言の要請も含めて庁内で検討している」と述べ、近く、専門家会議を開き、現在の感染動向や対応などについて意見を聞くとした。
県が独自に指定する「警戒区域」は、地域的な陽性者の集中防止と市中感染防止、クラスター(感染者集団)対策のため設けられた措置。市町村の1週間の人口10万人当たりの新規陽性者数が1日でも15人以上となった場合などの条件を満たした場合に指定し、専門家会議にまん延防止等重点措置の措置区域指定の可否などを諮問する。
県内では7月20日から8月22日まで、さいたま、川口、川越、所沢、春日部、草加、越谷、蕨、戸田、朝霞、志木、和光、新座、八潮、富士見、三郷、鶴ケ島、ふじみ野各市と伊奈、三芳両町の計20市町を、まん延防止等重点措置区域に指定。さらに20日から坂戸、吉川両市を警戒区域に指定し、同措置区域とならないよう注意を呼び掛けてきた。
20〜26日の1週間の県内新規陽性者は計2849人(1日平均407人)。22日には1月以来、半年ぶりに500人を超え、過去3番目に多い510人となった。

●沖縄で350人超コロナ感染 過去最多を更新 リバウンド急拡大 7/27
沖縄県内で27日、新型コロナウイルスの新規感染者が速報値で350人を超える見通しであることが分かった。複数の関係者が明らかにした。県内の1日当たり報告の過去最多(5月29日の335人)を上回る数となる。
前週の同じ曜日(7月20日)の新規感染者は154人で、2倍以上の急増。玉城デニー知事は26日の記者会見で「感染がリバウンド(再拡大)し、急拡大に転じている」とし、警戒を呼び掛けていた。 

●千葉県で新たに405人感染 28日にも緊急事態宣言を政府に要請へ  7/27
千葉県内では27日、新たに405人の新型コロナウイルスへの感染が確認された。熊谷俊人知事は、感染者の増加を受け、28日にも政府に緊急事態宣言を要請する考えを示した。
また県は、いずれも県内在住の80代男性患者と70代女性患者が死亡したと発表した。男性が別の疾患のため入院していた病院でクラスター(感染者集団)が発生していたという。
県によると、新たな感染者のうち、1人が重症、11人が中等症。
浦安市では同日までに、保育園「ポピンズナーサリースクール浦安」で園児ら5人、「ボーラバレエスタジオ」で生徒の小中学生ら6人の感染が分かり、県はクラスターが発生したと判断した。また千葉市若葉区では、クラスターが確認されていた幼稚園で新たに園児20人の感染が判明。園内の感染者は計67人となった。

●東京都のコロナ新規感染最多 政府の対策手詰まり 7/27
東京都の27日の新型コロナウイルス新規感染者数が過去最多の2848人となった。政府が東京都に12日から緊急事態宣言を発令して2週間以上が経過したが、感染力が強いインド型変異株(デルタ株)の蔓延(まんえん)もあり、効果が表れる兆しはない。対策は手詰まりに陥っており、ワクチン効果と、危機感を背景にした国民の行動変容に期待するしかない状況だ。
「国民の皆さんにおかれては、不要不急の外出は避け、五輪はテレビなどで観戦してほしい」
菅義偉首相は27日、記者団にこう語り、外出自粛を重ねて呼びかけた。「おかげさまで人流は減少している」とも述べたが、感染減という効果にはつながっていない。
対策の柱である飲食店の酒類制限も行き詰まりが明瞭だ。田村憲久厚生労働相は27日、記者団に「要請に応じずアルコールを出している店が散見される」として改めて協力を求めたが、金融機関や酒販事業者を通じた「働きかけ」方針が猛反発で撤回に追い込まれた一件もあり、協力は得られにくくなっている。政府関係者からは「もう打つ手がない」との声も漏れる。
宣言に準じた蔓延防止等重点措置を適用中の首都圏3県でも感染拡大が続いており、病床使用率の指標は最も深刻な「ステージ4」に迫る。政府は宣言への移行を含め対応を迫られているが、「重症者は減っている」(政権幹部)と否定的な見方もなお強い。

●東京の新規感染者数が2848人…「緊急事態宣言って何」の声 7/27
7月27日、東京都の新型コロナウイルス新規感染者数が2848人になったと報じられた。ネットで波紋を呼んでいる。
東京都は26日に新たな感染者数が1429人と報じられたばかり。これは前週月曜日のおよそ2倍もの数であり、驚く声が。しかし翌日の27日、『時事通信』によると東京都の新規感染者数は2848人に。これまでの最多は1月7日の2,520人だったため、300人以上も上回ることとなったという。
今月12日、東京都に緊急事態宣言が発令された。今回で4度目となるが、そんななか新規感染者数は過去最多に――。そのためネットでは「緊急事態宣言って何?」と疑問視する声が上がっている。
《今ってさぁ緊急事態宣言出てるんだよね?》《もう緊急事態宣言とか意味ないじゃん》《こりゃ緊急事態宣言ださなきゃいけないね!…えっ?もう出てるの????》《緊急事態宣言って何なんだろう…》
小池百合子都知事(69)は昨年12月、東京五輪について「人類が一丸となって、このコロナに打ち勝った証として(中略)皆様と『プラスワン』の日々を積み重ね、大会を成功に導いていきたい」と発言。さらに今月15日には『Bloomberg』の取材に対して「東京五輪は、世界が新型コロナ感染症が引き起こした問題に立ち向かおうと団結する中、希望の光となる極めて重要なイベントだ」と語っている。
しかし打ち勝った証も、希望の光も、まだまだ遠いところにあるようだ。

●東京から帰省した30代女性陽性 岐阜県内で18人感染、半数は経路不明 7/27
岐阜県と岐阜市は27日、県内8市町などで計18人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。新規感染者が10人を上回るのは2日連続。感染者数は累計9482人となった。
新規感染者18人のうち、9人の感染経路が分かっていない。
東京都の30代女性は県内の実家に帰省中に体調が悪くなり、検査の結果、陽性が判明した。県は、帰省について慎重に判断し、特に緊急事態宣言の対象地域を含む感染拡大地域からの帰省は自粛するよう求めている。
26日時点の入院患者は71人で、病床使用率は前日比0・9ポイント減の9・1%。
新たに確認したクラスター(感染者集団)や拡大したクラスターはなかった。
岐阜市の職場関連を巡る10人のクラスターは、新たな感染者が確認されず終息した。
新規感染者の居住地別では、岐阜市7人、大垣市、羽島市、可児市が各2人、多治見市、各務原市、瑞穂市、羽島郡笠松町、東京都が各1人。年代別は10歳未満と10代が各1人、20代9人、30代と40代が各2人、50代、60代、70代が各1人。 
 

 

●官房長官“首都圏3県 宣言の要請出されれば速やかに検討” 7/28
新型コロナウイルス対策をめぐり加藤官房長官は、午前の記者会見で、首都圏の3県では新規感染者数が増加していることから、感染状況などの認識を共有しているとして、緊急事態宣言を発出するよう要請が出されれば、速やかに検討する考えを示しました。
この中で、加藤官房長官は、緊急事態宣言が出されている東京に加えて、首都圏の埼玉、千葉、神奈川の3県では、新規感染者数の増加が続いていることから、27日、関係閣僚で、強い警戒感を共有したと説明しました。
そのうえで、千葉県の熊谷知事が、緊急事態宣言の発出を政府に要請する考えを示していることについて「千葉県を含む3県との間で、感染状況や医療提供体制の状況のほか、対策の効果なども含め、認識の共有化を図っている。仮に要請が出されれば、速やかに検討を行い、基本的対処方針にのっとって判断していくことになる」と述べました。
そして、飲酒を伴う会合や、大人数、長時間の会合を控えるほか、東京オリンピックは自宅で観戦するなど、不要不急の外出を自粛するよう、改めて協力を呼びかけました。
また、記者団からオリンピックへの影響を質問されたのに対し「東京都の夜間の滞留人口を見ると、前回の緊急事態措置の際と比べて、緩やかな減少となっているものの、減少が続いている。海外から来日した選手や大会関係者に重症者が生じたという報道にも接しているわけではない」と述べ、引き続き、対策に万全を期す考えを示しました。

●国会 緊急事態宣言の実効性や五輪開催での感染対策などで論戦  7/28
東京都内の新型コロナウイルスの感染者が過去最多となるなか、国会では28日、閉会中審査が行われ、緊急事態宣言の実効性を高めるための方策や、オリンピックの開催に伴う感染対策などについて論戦が交わされる見通しです。
国会では28日、衆議院内閣委員会で閉会中審査が開催され、河野規制改革担当大臣や西村経済再生担当大臣らが出席し、新型コロナウイルス対策などについて与野党の質疑が行われます。
この中で、与党側は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の実効性を高めるための方策について政府の見解をただすことにしているほか、世界的な感染拡大が続くなかで、オリンピックを開催する意義や大会に伴う感染対策を改めて説明するよう求めることにしています。
一方、野党側は飲食店への協力金の支給の遅れが、時短などの自粛要請の効果の低下を招いているとして改善を求めるほか、オリンピック関係者の外出ルールが十分に守られていないなど、感染対策は問題が多いと追及する方針で、論戦が交わされる見通しです。

●首都圏3県、宣言要請へ調整 コロナ感染急拡大で  7/28
埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県は28日、新型コロナウイルス感染の急拡大を受け、緊急事態宣言の発令を政府に要請する調整に入った。神奈川県の黒岩祐治知事は「いつ、どんな形で国に要望するのか調整している」と報道陣に述べた。「3県ではなく、国との調整だ。国がどう判断するかの調整が行われている」として、政府の対応次第だとの認識も示した。
加藤勝信官房長官は記者会見で「要請が出れば、速やかに検討して判断する」と述べた。
埼玉県の大野元裕知事も「政府や千葉、神奈川両県と協議している。可否を含めて調整の最終段階だ」と語った。

●「コロナ慣れ」「自粛疲れ」が明らかに、企業の出勤率は上昇傾向 7/28
緊急事態宣言が繰り返されるほど出勤率が上昇していく傾向
緊急事態宣言が発出されても、出勤率が減少していないことが、IoTを活用した企業の入退出データの集計で明らかになった。
株式会社フォトシンス(Photosynth)が、全国の累計5000社以上の企業に導入している「Akerun入退室管理システム」のIoTデータを集計したところ、2020年3月2日を100とした場合、各週の1日当たりの出勤者数の割合は、東京都では、1回目(2020年4月7日〜5月25日)の緊急事態宣言時には30.4%と大幅に減少したものの、2回目(2021年1月8日〜3月21日)の緊急事態宣言時には48.5%と増加。3回目(2021年4月25日〜6月20日)には54.4%とさらに増加したことがわかった。
また、2回目や3回目の宣言発出時の出勤率は、緊急事態宣言が解除されている期間と比較して若干減少するが、それほど大きな差がないことも浮き彫りになった。
そして、この状況は、4回目の緊急事態宣言が発出されている現在も変わらない。最新の集計となる7月18日からの1週間における出勤率は58.5%と、むしろ上昇傾向にある。
世間では、「宣言慣れ」「コロナ慣れ」「自粛疲れ」などといった言葉が使われているが、緊急事態宣言が発出されても、出勤率が減少しないという状況が生まれていることが、このデータからも明らかになっている。
同様の結果は、東京都以外でも見られている。
いずれも東京都の緊急事態宣言発出のタイミングでの集計だが、大阪府の出勤率は、1回目には34.9%だったものが、2回目は57.2%、3回目は50.9%と増加。東京都と大阪府を除く、45道府県での出勤者数は、1回目が49.1%と、もともと高い水準を示していたが、2回目にはさらに増加し62.3%となり、3回目には67.8%と、いずれも、コロナ前の約3分の2の水準で高止まりしている。
出勤者数の7割削減の要請も実態は遠い
東京都では、4回目となる緊急事態宣言を、7月12日〜8月22日までを期間で、発出している最中だが、その前後の期間のデータを、もう少し詳しく見てみよう。
これによると、東京では、緊急事態宣言発出前の6月27日の週には59.6%、7月4日の週には59.7%となっていたが、緊急事態宣言が発出された7月11日の週には57.7%と若干減少。だが、7月18日の週は58.5%となっており、最新週では、緊急事態宣言発出前の水準に戻っている。
また、大阪では、それぞれ59.1%、57.4%、57.0%、59.2%と、こちらも依然として高い水準で推移している。
さらに、東京、大阪以外の全国では、6月27日の週で72.4%と、出勤率は高い水準となっており、その後も72.4%、72.5%、74.1%と、週を追うごとに微増している。
政府では、在宅勤務(テレワーク)の活用などによる出勤者数の7割削減を経団連などを通じて要請、東京都でも週3日、社員の7割以上のテレワークを実施した中小企業に奨励金を支給するなどの施策を講じている。しかし、そうした目標に対して実態は大きな乖離がある状況だ。

●東京 過去最多2848人感染 全国も2カ月ぶり7000人超  7/28
東京都では27日、過去最多となる2,848人の新型コロナウイルスへの感染が確認された。また、全国の感染者数は、2カ月ぶりに7,000人を超えた。
27日、東京都では、新たに2,848人の感染が確認され、これまで最多だった1月7日の2,520人を300人以上上回り、過去最多となった。都の担当者は、「これだけ感染が広がっていると、まだ増える」としている。一方、都の幹部は、オリンピック開幕後の人出は減っているとして、「オリンピックが悪い影響をしているとは思わない」との考えを示した。
このほか、沖縄県で354人、埼玉県で593人の感染が確認され、ともにこれまでで最多となった。
全国では、7,626人の感染と、13人の死亡が確認されている。
一方、405人の感染が確認された千葉県の熊谷知事は、27日夕方、県内の感染状況が悪化していることから、緊急事態宣言を要請する考えを示した。神奈川県、埼玉県と意見交換し、共通認識を持ったうえで、要請の手続きに入りたいとしている。

●感染拡大、五輪に沸く東京で居酒屋「通常営業」再開…「酒提供」続出 7/28
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う4回目の緊急事態宣言で、酒類を提供する飲食店に休業要請が出された東京。だが、東京五輪の開幕を“機”に通常営業を再開し、酒を出している店がある。なぜ要請を受け入れず、店を開けたのか。店主らに思いを聞いた。

東京・江戸川区の居酒屋。午後8時過ぎに店をのぞくと、多くの客でにぎわっていた。入り口の貼り紙には、こう書かれていた。
「再開しました」
この店は、今年1月の2回目の緊急事態宣言の時からずっと店を閉めていたが、7月中旬に通常営業を再開した。
男性店長は「喜んでくれるお客さんや卸売業者がたくさんいますが、批判されることも覚悟しています」としたうえで、再開の理由をこう話した。
「家賃や人件費などをあわせると協力金ではぜんぜん足りず、資金を少しずつ切り崩しながら耐えてきました。ただ、ずっと休業し続けることはできないので、いつ再開を決断するか悩んでいました。五輪が近づく中で、いくら批判されても開催に向かう国や都の姿勢を見て、従業員とも話し合い再開することにしました。飲食店は悪者扱いするのに、五輪だと何をどう批判されても『安全、安心の〜』としか言わないんですから、もう苦しい思いをして要請に従う筋合いはないというのが本音です。自分たちで感染対策を頑張りながら営業を続けるつもりです」
「ワクチン打ち終わったし」
江東区の狭い路地にある居酒屋も、7月20日からなじみの客に限定する形で通常営業を再開した。60代の女性店主は、
「緊急事態であれだけ人が集まるオリンピックをやって良くて、常連さんばかりのお店がダメなんてバカな話はないと思って、営業自粛をやめました。私も高齢のお客さんもワクチン打ち終わってるしね。もう協力金も申請しません。お客さんあっての商売で、いつまでも閉めてたらお客さんが離れちゃうからね」
常連だという男性客(61)は、「バッハさん(IOCのバッハ会長)の接待は堂々とやれるんだから、もう誰も言うこと聞かないよ」と笑う。
台東区で、休業要請を受け入れず営業を続けてきた居酒屋経営者の男性のもとに、7月上旬、近所の飲食店主が訪ねて来た。
「うちも再開することにした。いろいろ悪かった」
この店主は今年2月ごろ、街のイメージが悪くなるため「営業をやめたほうがいい」と忠告してきたことがあったという。
居酒屋経営者は言う。
「(謝罪は)お金の面で限界だってことでした。ワクチン接種が広まるのを待つつもりだったけどあまりに遅いので、五輪もやることだし店を開けますと。結局、協力金だけじゃやっていけない店は、営業再開が早いか遅いかの違いだけだと思うんですよ。この一帯も、同じ事情で開ける店がどんどん増えてきています。店と従業員を守るなら、いつか決断しないといけない時が来るので、言い方は悪いですが国がなし崩しで五輪をやったことは、飲食店にはいいきっかけなんです」
処分を受け続けるのか…
27日には感染者が過去最多となる2848人となった東京。感染拡大に歯止めがかからぬ状況の中で、酒を出す店に厳しい視線を向ける人も少なくない。ただ、五輪開催によって、営業自粛要請の効力がさらに薄まったのは事実のようだ。
居酒屋経営者は、こう本音を漏らす。「ニュースを見るとマスクをしていない選手や、繁華街に飲みに行った関係者もいるみたいですが、処分されないみたいですね。小池(都知事)さんも、こういう五輪の問題には何も言わないんですよね……。私たち飲食業は、これでも処分を受け続けるんでしょうか」

●尾身会長「医療ひっ迫すでに起き始めてる」衆院内閣委員会が閉会中審査 7/28
衆院内閣委員会は28日午後、閉会中審査を開いた。東京都で新規感染者が過去最多を更新するなど、歯止めがかからない新型コロナウイルスの対策や東京五輪の対応、ワクチン接種状況などについて質疑された。河野太郎行政改革担当相、西村康稔経済再生担当相らが出席した。
13:00 内閣委員会始まる
午後1時、内閣委員会が始まり、最初に自民党の中山展宏氏が質問に立った。ワクチン接種の状況ついて尋ねると、河野氏は9月末までにファイザーとモデルナを合わせて、「2億2000万回が順調に行けば供給される予定だ。10月から11月にかけて希望する国民の皆様へのワクチン接種を完了したい」と述べた。
13:25 東京の感染者「今日も増える」西村氏
立憲民主の玄葉光一郎氏が質問にたった。東京都で感染者数が過去最多を更新するなど、緊急事態宣言の効果が薄れてきていることについて、西村氏は「連休中、検査件数が週明け一気に行われている事情もあると思うが、今日も東京、かなり増えるのではないか」との見通しを示した。神奈川、千葉、埼玉の3県についても「連休中にたまっていた(検査の)分が今日、明日(結果として)出てくるのではということがある」と説明した。7月に入って人出が非常に増えていることが影響しているといい、「特に夜間の人流が増え、飲食の機会が増えたことが背景にあると思う」と述べた。菅義偉首相が27日に五輪中止はないとした理由に「人流が減っている」ことを挙げた点を問われると、西村氏は「東京は若干の減少傾向だ」とする一方で、今年春の緊急事態宣言に比べると「減少幅は緩やかだ」とした。
14:00 尾身氏「東京で医療ひっ迫すでに起き始めている」
立憲民主の柚木道義氏が質問にたち、東京都の新規感染者が過去最多を更新したことについて質問した。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は「接触の機会が緊急事態宣言で徐々に減っている。しかし、期待されるレベルには残念ながら至っていない」と指摘した。東京都内では入院患者だけでなく、宿泊や自宅療養する人が増えているため、「医療のひっ迫というものがすでに起き始めているというのが我々の認識。日本の社会が危機感を共有することが非常に重要だ」と述べた。
14:30 西村氏も「現時点でもかなり(医療は)ひっ迫している」
共産の塩川鉄也氏も質問で重ねて、東京都の医療崩壊について、政府の認識をただした。西村氏は「中等症から重症化する40代、50代の入院者が増えたことを踏まえた対応を東京都が行っている」と指摘した上で「現時点でもかなりひっ迫しているが、コロナ対応と一般の医療が両立できるよう、感染拡大を抑えることに全力を挙げていきたい」と述べた。塩川氏は「助ける命も助けられないかもしれない時期に五輪が開かれている。五輪は国内の人流を促進して感染を拡大する可能性がある」と指摘。「人流抑制といって国民に自粛を求めながら、世界最大の祭典を行うのは大きな矛盾で、国民の協力を得られないのでは」と質問した。西村氏は、無観客競技や、来日関係者の削減、時差出勤や首都高速の値上げなどを挙げた上で「これまでの緊急事態宣言時に比べると、(感染者の)落ち幅は少ないが一定の減少をみている。国民のみなさんに協力してもらって何とか感染を抑えていかないといけない」と述べた。

●「五輪なのに我慢無理」 感染者最多更新で東京の街は 7/28
五輪のメダルラッシュにわく東京都で27日、新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多の2848人となった。4度目の緊急事態宣言から2週間。収まらない感染拡大を、街の人々はどう受け止めるのか。
渋谷駅前にあるビル壁面の電光掲示板。「過去最多」のニュースが表示された直後、メダル獲得のニュースに切り替わっていく。
「ヤバい。今までより増え方がえぐい」。千葉市から通勤する女性会社員(20)は、こう驚いていた。日を追うごとに在宅勤務が形骸化し、電車が混雑するようになったと感じる。「五輪でお祭りムードなのに『感染防止のため我慢を』というのは無理があったんじゃないか」と言う。
渋谷区に住む男性会社員(33)も「いつかこうなると思っていた。『頑張っても感染者数は減らない』と、みんな諦めているんじゃないか」と話した。
時短営業となってから、多くの飲食店は午後7時〜8時の時間帯、夕食にありつこうとするサラリーマンで満席だという。「宣言も4回目。みんな慣れてきている。これ以上の我慢はできないと思う」。若年層にワクチン接種が浸透するのはまだ先と考えている。「若者に優先的に接種させるという話もあったけど、今は五輪一色ですよね……」
「五輪だけ特別扱い」の声も
過去最多のこの日の感染者の半数以上は、20〜30代。世田谷区に住む会社員の女性(22)は「また若者が悪者にされるのかな」とため息をつく。五輪による人の動きを念頭に、「私たちは旅行や帰省を1年以上我慢しているのに、五輪だけ特別扱いは納得できない」と不満を口にした。
「まさかこんなに増えるなんて」とショックを受けていたのは、近くに住む自営業、福本厚子さん(62)。若い世代への接種が思うように進んでいないことが気がかりだ。「いざとなれば、高齢者は家にこもることもできる。仕事などで外に出ざるをえない若い人に優先して接種するべきだったのでは」と話した。
JR新橋駅(港区)前は、サラリーマンや子ども連れらで混雑し、マスクをせずに話し込む人の姿も見られた。中には「家で我慢する方が損」という人も。
会社員の笹原雄司さん(37)は職域接種でワクチンを2回接種し、周囲にも感染した人はいない。「今まで通りの対策をしていたら感染しないかな」という一方で、現状について「コロナの怖さはわかっているけど、行動を変えるのは難しいのかも」と話す。
江東区に住む自営業の女性(69)は、地元で五輪の関連施設が建っていく様子を見守ってきた。五輪が始まると、「ステイホームは終わった」と感じ、これまでよりも外出する機会が増えたという。「五輪を応援したい思いと、早く感染拡大が収束してほしいという思いがある」と語った。
コロナ禍の中で、度重なる営業時間の短縮や酒類提供の自粛が求められてきた飲食店。店主らは、この事態に何を思うのか。
飲食店「先が見えない」
「最近の感染状況から拡大は予想していたが、まさかこんなに急に増えるとは。先が見えません」
1千円で酔える「せんべろ」の街として有名な赤羽一番街商店街(北区)にある居酒屋の男性店主(33)はこう嘆く。
感染拡大を収束させるため、昨年4月の1回目の宣言以降、都の要請には全て応じてきた。ただ、コロナ禍前に比べれば売り上げは半分ほどに落ち込み、現在は休業中だ。「要請に応じない店への対応や五輪での感染予防対策がずさんだったのではないか。こっちがいくら頑張っても、意味がないのは本当に残念だ」
五輪関連の陽性79人 組織委幹部「逆風ますます」
東京都内で1日あたり過去最多の2848人の感染者が確認されたことを受け、東京オリンピック(五輪)大会組織委員会の幹部は「五輪に対する逆風はますます厳しくなるだろう。気を引き締めないといけない」と述べた。
競技開始から1週間が経過した東京五輪。組織委は27日の記者会見で、26日時点で約3万8千人が来日し、うち新型コロナの陽性者は79人と説明。「その他のコミュニティーと比べ、何か重大な被害がもたらされているものではない」との認識を示した。
選手や選手に近い関係者は、毎日検査を受けるよう求められており、国際オリンピック委員会の広報担当者は会見の中で検査件数は24万件にのぼり、「提出済みの検体の分析はほぼ100%終えている」と強調した。現状、五輪関係者のクラスター(感染者集団)などは確認されていないが、別の組織委幹部は「五輪がどんな影響を与えているか、我々も分からない。感染者数は2週間前の投影と言われており、この数字が五輪開幕前のものだと信じたい」と話す。

●「コロナ感染爆発がアスリートのせいにされる」 医師が政府を糾弾 7/28
緊迫の度合いを増してきた。東京五輪で日本勢のメダルラッシュが続く中、27日は東京都で新たに2848人の新型コロナウイルス感染が確認された。過去最多を更新し、緊急事態宣言下にもかかわらず感染拡大に歯止めがかからない状況だ。五輪関係者も例外ではなく、大会組織委員会は検査で選手2人を含む7人が陽性だったことを発表。感染症に詳しい現役医師は今後「1日5000人」規模の感染者を想定しつつ、コロナ禍と五輪が結びつけられることを危惧している。
衝撃的な数字だった。東京都が発表した新規感染者2848人は1週間前の同じ曜日の倍以上で、1月7日の2520人を上回り過去最多を更新。緊急事態宣言下にもかかわらず感染拡大に歯止めがかからない状況が続いている。
ただ、23日に開会式を迎えた五輪はこの日も柔道やソフトボール、重量挙げ、新競技のサーフィンで日本勢がメダルを獲得。ほとんどの会場で無観客開催となったが、列島は大いに盛り上がっており、多くの国民が選手の活躍に注目している。ただ、コロナ禍は五輪関係者も例外ではない。組織委は新たに選手2人を含む7人が検査で陽性になったことを明らかにした。そのうち選手村からは1日最多4人の感染が判明し、組織委が1日以降に発表した陽性者は計160人となった。
五輪期間中の感染者急増で大会への影響も懸念される中、医療ガバナンス研究所副理事長で内科医の上昌広氏(52)は現状を「予想通りですよね。夏場の定期的な流行の時期にデルタ株がかぶっているので、五輪を開催していても、そうでなくても(感染者は)増えていると思いますよ」と分析する。
上氏によれば、感染者数こそ違うものの上昇カーブ≠ヘ昨夏と同じ傾向にあるという。
昨年は6月末から8月上旬まで増加が続いた。そうしたことを踏まえ「デルタ株の感染力によってはピークがさらに後ろにずれ込み、感染者が増加する期間が長くなるかもしれませんが(状況は)昨年と全く一緒。そして(昨年のデータをもとに)比例配分してみると7月末から8月上旬にかけて感染者は倍近くになるでしょうね」と、このペースが続けば1日5000人規模の感染者が確認されてもおかしくないというのだ。
しかし、上氏はあくまで季節的な流行であり、五輪開催が要因とは考えにくいと強調する。「閉会のころに感染者が減ってきたら、きっと五輪のせいにされるんですよ。『やっぱり、五輪をやったから悪いんだ』と。それではアスリートがかわいそうですよ。五輪の影響なんて微々たるもの。他の都市も同じように増えているのが根拠です。五輪のせいなんて濡れ衣≠フ可能性が高い」
かねて9、10月の秋開催を提言してきた上氏は「五輪をやったから悪い≠ナはなくて、この時期にやるのを決めた人たちが悪いんですよ。それが一番の問題で、専門家や政府がそのことを何らわびずに『国民が気を緩めた』とか言っているのは本末転倒。あなたたちが何を言っているのかということ」と痛烈に批判した。
菅義偉首相はこの日、「強い警戒感を持って感染防止に当たっていく」と話した上で、東京五輪中止の可能性は否定したが…。さらなる感染の拡大が選手たちの活躍に水を差さないことを祈るばかりだ。

●コロナ感染拡大とオリンピックの関連性 組織委 明言避ける  7/28
新型コロナウイルスの感染者が急拡大する中、感染拡大と東京オリンピックの関連性について、大会組織委員会の広報責任者は28日の会見で「専門家がオープンなところで議論している」と述べるにとどめ、明言を避けました。
東京オリンピックが開催される中、都内では27日、過去最多となる2848人の感染が確認され、急拡大に歯止めがかかっていません。
こうした中、組織委員会の高谷正哲スポークスパーソンは28日の会見で、感染拡大と東京オリンピックの関連性について問われると「感染者の増加は心が痛むが、専門家がオープンなところで幅広く議論しているものと理解している」と述べるにとどめ、明言を避けました。
そのうえで「検査を繰り返し行っているほか、関係者の行動も制限しており、大会関係の感染者数は抑えられている。大会の選手も都民、国民の皆さまにとっても、安全で安心な大会になるようコミットしていく」と述べ、引き続き対策の徹底に取り組む考えを強調しました。
一方、IOC=国際オリンピック委員会のマーク・アダムス広報責任者は「大会の関係者と国民はバブル方式で隔離できている。関係者は2回のワクチン接種も受けているし、陽性率も低い」と述べ、大会の関係者を起因とした感染拡大の可能性については否定的な考えを示しました。

●東京の新規感染3177人 全国も最多、9000人超に 7/28
東京都は28日、新型コロナウイルスの感染者が新たに3177人確認されたと発表した。2日連続で過去最多を更新し、全国の新規感染者も初めて9000人を超えた。首都圏の感染拡大が目立ち、埼玉、千葉、神奈川の3県はそれぞれ870人、577人、1051人で、いずれも最多。感染力が強いインド型(デルタ型)と呼ばれる変異ウイルスの拡大が背景にある。
首都圏の4都県合計は5675人。感染拡大の「第3波」でピークだった1月9日の4327人に比べ3割多い。
3県は28日、国に緊急事態宣言を要請する方向で調整を継続。西村康稔経済財政・再生相は同日の衆院内閣委員会で「(3県から)正式な要請があれば速やかに検討し、機動的に対応したい」と述べ、29日にも3県知事と会談する予定を明らかにした。
都内の感染者は累計20万6745人となった。直近1週間平均の新規感染者は約1954人で、前週(約1277人)の153.0%だった。重症者は前日より2人減り80人だった。新たに6人が死亡し、累計の死者数は2285人となった。
都内の新規感染者を年代別にみると、20代が1078人と最も多く、30代が680人、40代が485人で続いた。重症化リスクの高い65歳以上の高齢者は95人だった。

●東京、連日最多更新の3177人 医療提供体制、五輪に懸念 7/28
東京都は28日、新型コロナウイルスの感染者が新たに3177人報告されたと発表した。27日の2848人を上回り、2日連続で過去最多を更新した。6人の死亡も確認された。今月12日からの緊急事態宣言期間が2週間を経過後もワクチン未接種の世代を中心に拡大が続いてピークが見えない状況。医療提供体制や東京五輪への影響に懸念が強まりそう。
直近7日間を平均した1日当たりの感染者数も1954.7人に達し、1月11日の1861.1人を上回って過去最多となった。21日に開かれた都のモニタリング会議では専門家が五輪期間中の8月3日時点の7日間平均を約2600人と試算している。

●西村経財相、3県への緊急事態宣言「要請あれば対応」 7/28
西村康稔経済財政・再生相は28日の衆院内閣委員会で、埼玉、千葉、神奈川の3県への新型コロナウイルスの緊急事態宣言について「正式な要請があれば速やかに検討し、機動的に対応したい」と述べた。29日にも3県の知事と会い、宣言発令の要請を受ける予定だと明かした。
西村氏は全国的な感染拡大に触れ「極めて強い危機感を有している」と話した。患者の状況に関し「高齢者の重症化はワクチンでかなり抑えられている一方、酸素吸入が必要な40〜50代の入院が増えている」と説明した。
感染抑制のため、飲食店への休業要請に伴う協力金の早期給付に取り組んでいると強調した。「早ければ今月中にも支給が開始できる」と話した。
新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、東京都の感染拡大で「医療の逼迫がすでに起き始めている」と強調した。
入院者数に加え入院待ちや自宅療養の人も増えていると指摘した。感染を防ぐには、こうした状況を「市民に十分に理解してもらい危機感を共有することが重要だ」と語った。
自民党の中山展宏氏、立憲民主党の玄葉光一郎氏、柚木道義氏の質問に答えた。

●首相、関係閣僚と協議 全国のコロナ感染過去最多で 7/28
菅義偉首相は28日夕、新型コロナウイルスの全国の感染者数が過去最多を更新したのを受け、首相官邸で田村憲久厚生労働相ら関係閣僚と協議し、感染状況を分析した。東京都でも28日の感染者数が3177人と、2日連続で過去最多となった。
政府は8月22日まで都に緊急事態宣言を発令している。宣言に準じる「まん延防止等重点措置」の対象となっている埼玉、千葉、神奈川3県の知事は宣言発令を政府に要請する検討をしている。
これに関連し、西村康稔経済財政・再生相は7月28日の衆院内閣委員会で、3県から要請があった場合は「速やかに検討し、必要なら機動的に対応したい」と述べた。

●大阪府、28日の新規感染798人 2日連続で700人台 7/28
大阪府は28日、新型コロナウイルスの新たな感染者を798人確認したと発表した。2日連続で700人を超えた。年齢別では、20〜30代の感染者は396人でほぼ半数を占めた。60代以上の感染者は全体の5%にあたる40人だった。新たな死者は確認されなかった。
28日時点の重症者は前日から5人増の67人。確保病床(587床)に対する使用率は11.4%となった。すぐに使える「実運用病床」(312床)に対する使用率は21.5%。PCR検査などを計1万2143件実施し、陽性率は6.6%だった。
10歳未満から60代の男女8人がインド型(デルタ型)に感染していたことも判明した。府によると、8人に海外への渡航歴はない。国立感染症研究所などの確定検査でデルタ型の感染が判明したのは府内で計78人となった。

●感染拡大受け知事 時短要請も視野 栃木県 7/28
栃木県内の新型コロナウイルス感染の拡大傾向を受け、福田富一知事は二十七日の定例記者会見で「夏休み期間であっても、県民への外出自粛や酒類を提供する飲食店の営業時間の短縮を要請することもありえる」と危機感を示した。
県によると、直近一週間(二十六日まで)の新規感染者は前週の一・六倍。このまま推移すると、八月上旬には緊急事態宣言の水準に達するとした。県のスクリーニング検査では変異株(L452R)は四割(十九〜二十五日)を超え、感染力が強いとされる変異株への置き換わりが拡大要因の一つとみられる。
一回目のワクチン接種後十四日以上経過した人で、少なくとも八人の感染が確認されたことも明らかにし、接種後も感染防止を徹底するよう注意を呼び掛けた。

●自宅療養のコロナ感染者 東京で1か月前の5.7倍に増加 7/28
新型コロナウイルスに感染し自宅で療養している人は今月21日時点で全国で1万人を超え、東京都では4000人余りと前の週の2倍、1か月前の5倍余りに増えたことが、厚生労働省のまとめで分かりました。
厚生労働省は都道府県ごとの病床の使用率や患者の療養先について最新の状況をまとめました。
それによりますと、今月21日時点で自宅で療養している人は全国で1万717人で、前の週よりおよそ4900人増えています。
東京都では4068人で前の週のおよそ2倍、1か月近く前の6月23日時点と比べると5.7倍に増加しています。神奈川県では2241人で前の週の1.5倍、1か月前の3倍に、千葉県では792人で、前の週の1.7倍、1か月前の3倍余りに、埼玉県では1104人で、前の週の2.7倍、1か月前と比べると10倍以上に急増しています。
また、ホテルなどの宿泊施設で療養している人は全国で6364人で前の週より1600人余り増え、1か月前の2倍になっています。
入院が必要と判断されたものの受け入れ先を調整中の人も先月末から増加傾向となっていて全国で201人と、前の週より35人増えました。
厚生労働省は「20代から40代の若い世代の新規感染者が多いことが自宅療養者数が増えている要因と考えられる。このまま感染者が増えていくと入院や療養先の調整が遅れてくる可能性があり、医療への負担が懸念される」としています。
自宅療養者の往診にあたる医師は、症状の重い患者を在宅のまま治療せざるをえなくなる事態になるのではないかと危機感を強めています。
東京都は自宅療養者の往診やオンライン診療を行う体制作りを進めていて、今月1日現在、都内54の地区医師会のうち21の医師会と民間の時間外救急センターが参加しています。
このうち、世田谷区の玉川医師会では地域の3つの医療機関が輪番で自宅療養者からの相談や診療にあたっています。
これまでは電話相談1件のみでしたが、4連休明けの26日、初めて往診の依頼があったということです。
対応した『ふくろうクリニック等々力』の山口潔院長によりますと、薬が切れてしまったので処方してほしいという患者でしたが、訪ねてみると1週間熱下がらないと話し、肺炎の症状もあったため中等症と診断して入院することになったということです。
山口院長は「感染者数を考えると今後、自宅療養者からの相談の件数が増えることや、第4波のときの大阪のように入院できない人を在宅で治療せざるをえなくなる事態になることが非常に懸念される。在宅でも酸素投与や点滴はできるが、病院での治療と比べて圧倒的に手間がかかり限界もある。地域のかかりつけ医は新型コロナの診断をしたことはあっても治療の経験はほとんどなく、十分に対応できるか心配している」と話しています。
東京都によりますと、自宅療養者の往診やオンライン診療など対応件数は先月までは1日平均5件ほどでしたが、今月7日までの1週間は1日10件ほどとなっており、その後はさらに増加傾向だということです。
感染の拡大で自宅療養者も増えるとみられることから、ほかの地区医師会にも協力を呼びかけることにしています。

●政府 40代・50代のワクチン接種積極的進め感染拡大防止を  7/28
東京都では27日、過去最多の新型コロナウイルスの感染者が確認されました。政府は40代や50代など感染が増えている世代へのワクチン接種を積極的に進めるとともに、先に承認された治療薬も活用するなどして、医療のひっ迫やさらなる感染拡大を防ぎたい考えです。
新型コロナウイルス対策で緊急事態宣言が出されている東京都では27日、過去最多となる2848人の新型コロナウイルスの新規感染者が確認されました。
こうした中、菅総理大臣は総理大臣官邸で関係閣僚とおよそ1時間半、対応を協議したあと、記者団に対し「デルタ株の割合も急速に増加しており、まずは4連休の人の流れも含めて分析をしていく。各自治体と連携しながら、強い警戒感をもって、感染防止にあたっていく」と述べました。
政府は、入院患者が増えている40代や50代など感染が増えている世代へのワクチン接種を積極的に進めるとともに、先に承認された治療薬も活用して重症化を防ぎ、医療提供体制への負荷を軽減したいとしています。
そして、感染力の強い変異ウイルスが急速に広がっていることを踏まえ、東京オリンピックは自宅でテレビで観戦するよう求めるなど、不要不急の外出の自粛を改めて呼びかけて人の流れを抑制するほか、自治体と連携して飲食店の見回りを行うなど、対策の徹底を図ることで、さらなる感染拡大を防ぎたい考えです。

●東京の感染急拡大「若者が、赤信号みんなで渡れば…になっている」 7/28
おぎやはぎの矢作兼が28日、フジテレビ「バイキングMORE」に出演。東京都の新型コロナウイルスの感染急拡大について「赤信号、みんなで渡れば怖くない状態になっている」と話した。
司会を務める俳優の坂上忍が夏休み中のため、この日は矢作が司会を担当した。
28日の東京都は新規感染者数が2848人と前週から倍増。医療もひっ迫している。4度目の緊急事態宣言発出から2週間たったが、その効果は見られない。
菅義偉首相は28日、記者団に「車の制限であるとか、テレワークとか、皆さんのおかげさまによりまして、人流は減少している。(五輪中止の)心配はないと思っている」明言。一方で「テレビなどで観戦してほしい」と呼びかけた。
元AKBの高橋みなみは「菅首相の話を聞いてると、言葉が足りないなって思っちゃう。これだけ感染者数が増えている中で、大丈夫だよって言われても、何が大丈夫なのって思っちゃうし、ずっと不要不急の外出は控えて下さいとかテレワークだとか、言っていることが変わらないので、いま私たちがどうすればいいのかっていう答えを力強く言葉で示してほしい」と求めた。
矢作は「相当のカリスマが出て来ないと難しいよね」とリーダーシップが発揮できていない首相のふがいなさを表現。その結果として「若者とか見ていると、『赤信号、みんなで渡れば怖くない』状態になっているよね。みんな飲み始めてるからもういいやっていうね」と語った。

●コロナ拡大は青天井!4連休「発熱相談」連日3000件超で感染爆発の予兆 7/28
あっさりワースト記録を突破だ。27日の東京の新規感染者は2848人。1月7日の2520人を大幅に上回り、過去最多を更新した。前週の同曜日比2倍を軽く超え、感染拡大は青天井の勢い。この先も減る要因は見当たらない。東京五輪のメダルラッシュにうつつを抜かしている場合じゃない。
まん延防止等重点措置から4度目の緊急事態宣言に切り替わって2週間余。過去最多の感染は、宣言前夜の“駆け込み宴会”などの人流激増が反映したとみられる。さらに宣言後も、4連休に五輪開幕と懸念材料が目白押し。感染拡大に歯止めがかかりそうにない。
気になるのは、都の「発熱相談センター」への相談件数だ。
22日から25日までの4連休はいずれも1日3000件を超えた。これまで3000件超は、たった1回だけ。今年1月3日の3239件のみだった。
4日連続3000件超は前例のない異例の数字。相談件数は今後の感染の増減を見通す先行指標とされ、過去にない感染大爆発の前兆と考えた方がいい。
「8月前半4000人」の最悪試算よりハイペース
1日当たり新規感染者4000人の大台も現実味を帯びてきた。京大ウイルス・再生医科学研究所の古瀬祐気特定准教授が今月7日の厚労省アドバイザリーボードの会合で報告した試算によれば、「強い対策」がなければ、7月下旬に2000人、8月初めに3000人、10日ごろには4000人に達するとしている。27日の段階で3000人に迫るペースは、この“最悪試算”をはるかに凌駕しているのだ。
「強い対策」とは、アナウンス効果により、実効再生産数を20%低下、対策の実施によりさらに20%低下させるレベルの対策を指す。しかし、宣言発令から2週間経ち、新規感染者は連日、前週同曜日比2倍前後の勢いで増えている。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。
「4度目の緊急事態宣言は『強い対策』には程遠く、焼け石に水にしかならなかった。宣言のアナウンス効果は、もともと薄れていた上に、五輪開催という矛盾したメッセージによって、完全に相殺されています。報道も五輪ばかり。このまま五輪を続行し、ハイペースの感染拡大が続けば、病床は一気に埋まり、必要な医療が提供できない事態になりかねません」
東京の入院率は約20%。コロナ患者の10人に2人しか満足な治療が受けられない状況だ。この先、新規感染者が4000人、5000人と増えていけば、間違いなく助かる命も助からなくなる。
27日のぶら下がり会見で、菅首相は東京五輪を中止する選択肢について「人流は減っていますし、それはありません」と断言した。命を犠牲にしてでも五輪を続けるつもりのようだ。
コロナの疑い前週の1.6倍
1日当たりの新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多となる中、救急患者の受け入れ先がすぐに決まらないケースが増えている。
総務省消防庁は27日、「救急搬送困難事案」が、19〜25日の1週間に全国52の消防で2202件あったと発表した。前週より43%多く、3週連続の増加。うち、37度以上の発熱や呼吸困難などの症状があり、新型コロナウイルス感染が疑われる事案は698件で、前週の1.6倍と大幅に増えた。
1週間の件数が2000件を超えるのは今年5月3〜9日以来。地域別では、東京消防庁が1121件と最多で、前週から34%増だった。

●東京オリンピックの危機:無観客でも感染爆発 7/28
いきなり「記録更新」となりました。7月27日、東京は1日当たり感染者数2846人、過去最高であった2021年1月7日、真冬のピーク2520人を300人以上も超える大変残念な「1位更新」となってしまいました。しかし、このレコードは長く続かないでしょう。というのもいまピークに向かって急坂を駆け上っている最中だからで、早ければ、この記事がリリースされる7月28日、記録が更新される可能性があると考えられます。
実は本稿の予定稿は以下のような書き出しで準備していました。
7月25日、東京都は日曜日の新型コロナウイルス感染者数として「過去最多」の1763人を記録しました。五輪期間中のレコード、オリンピック記録です・・・。
それどころではなくなってしまいました。
前の週の日、月、火曜日が各々1008人、727人、1180人、感染は「比」で伝播します。
単純に日曜日の増加率約1.7を掛けてやれば月曜は1271人、火曜は2063人と、週前半の感染者増加数推移がおおよそ見当がつきます。
本来なら感染が穏やかなこの時期に2000人を超える「新記録」が出る可能性、小中学生でも予測ができる数字でした。
果たして、蓋を開けてみると月曜日の感染者は・・・1429人。
小中学生方式の単純な比(線形外挿)で考えた1271人よよりはるかに多い1.96倍の感染者数を記録しました。
そして火曜日の感染者が・・・2848人、あっさりと記録を更新、ほとんど3000人に手の届く数字です。
倍々ゲームというか、高等学校で習う指数増加に近いことが分かります。正味で「五輪第5波」と呼ぶべき急激なピークが形成されつつある。
これを日本全国のデータでみると、さらに状態が悪そうです。
今回の五輪第5波、現時点までのピークは「開会式」直前の7月22日に5395人を記録しています。
ところが、7月25日は日曜日だというのに5020人、前の日曜日7月18日が3103人ですから、日本全体でも1.6倍という急激な感染増加の真っ最中にある。
7月19日の全国感染者数が2328人ですから、やはり等比的に考えれば3766人程度の感染が予測されましたが、蓋を開けてみれば4692人。
前の週の2倍超え、東京より日本全国の方が、限られたスポット比較ですが、感染者増加比に加速が掛かっていました。
蓋を開けてみると、火曜日の全国感染者数7401人。やはり1週間前の3755人の1.97倍。万のオーダーに乗るのも時間の問題と思われます。
本来なら、とてもではないですが五輪何のという情勢ではありません。さてしかし、この感染はどこまで、どれくらい伸びるのでしょう?
それを考えるうえでは「ワクチン接種率」を検討するのが一番の早道です。
一度でもワクチンを打っていれば、新型コロナへの罹患率は著しく下げることができる。その観点から、もう一つ浮かび上がってきたのが「オリンピック・アスリートのワクチン未接種」問題です。
ワクチン未接種の五輪選手問題
今回の新型コロナウイルス感染症ワクチン、特に成功しているmRNAワクチンについては、重篤な副作用は非常に少数しか報告されていません。
接種直後に死亡した例は、7月7日現在で453ケース。その中で「明らかにワクチン接種と因果性がある」と認められたのは1件だけ。
451件は「関係があるともないとも言えない」。要するにわけが分からないということになっています。
それはそうでしょう。「ワクチン接種が原因」と認定されれば、予防接種法に基づいて国が賠償せねばなりません。
数千万円に上る賠償金です。おいそれとは認可できないという役所的な事情も分からないわけではありません。
しかし、逆に言うと、それまで全く健康でぴんぴんしていた人が、特に病気でもないのに「予防のため」にワクチンを打ったら、次の日に亡くなった・・・。
医者は「自然死」だという。統計的にも特に死亡率は上がってみえないなどと正当化して見せる。その実、保証金など一切支払われない・・・そういう状況にあるわけです。
この状況は「最後のひと藁」問題として国際的にも論じられており、稿を改めて取り上げる予定です。
基礎体力の落ちている高齢者などは、ワクチン接種が引き金を引いて「自然死」してしまい、何の保証もされない制度状況にあることは、注意しておいてよい点です。
「そんなことありませんよ、ワクチンは十分安全です。それは打てば、最初はインフルエンザに罹ったような状況になります。注射をしたところは腫れますし、脇の下が腫れたり腕が上げにくい状況がしばらく続いたりするけれど、その程度・・・」
確かに「その程度」と多くの人は思うでしょう。しかし「左手が上がらなくなる状況が数日続く」といった状況を徹底して忌避したいと思う人も世の中には存在している。
オリンピック・アスリートは、その少数の例外に相当します。
競技によって千差万別ですが、100分の1秒といったタイムの差を競って、全世界で「その専門」の選手たちがしのぎを削っている。
そうした中で、五輪選手の座を競っている最中のアスリート、あるいは、オリンピック出場を射止め、本番に向けてあらゆる体調をベストに整えようとしている選手たちが、わざわざ「まずもって必ず、数日インフルエンザ同様の症状が出、数日は片手が上げられなくなる」ワクチン接種をしてくるか・・・? 
実際、ワクチンを打ちたくないというアスリートの声は報じられており、それを「懸命に説得する」各国五輪委員会という、もう一つの構図が浮かび上がってきます。
未接種者すべてが「感染の伸びしろ」
米国のオリパラ委員会の医療責任者は7月23日、米国代表選手613人のうち、約100人がワクチン未接種であることを明らかにしました。
IOCは東京オリンピックに参加しているアスリートの「約85%がワクチン接種済」と「推定」していますが、大会関係者、その他を含めた母集団で、いったいどのような数字になるのかは、率直に言って全く分かりません。
「『ほぼ』全員が一度は接種している『と確信している』」など、およそ歯切れのいい話にはなっていない。
選手総数約1万1000人強、来日関係者数5.3万人を念頭に置くと85%の既接種でも15%は未接種。
つまり、選手だけでも1700人、関係者を含めれば約8000人の「未接種者」が、わざわざ、感染拡大のるつぼ状況にある「夏風邪ピーク期」の東京そして日本に終結してきている。
大会開始わずか3日ですでに132人の感染者は1.7%ほど。すでに上昇している「バブル内」の感染率を考え、未接種者の数を念頭におけば、急増しても何の不思議もない。
同じことが日本人全体にも言えます。
政府は7月19日現在の、ワクチン接種済ならびに未接種の人口割合を、年齢と地域にわけて発表しました。
本質的に重要な部分だけ抜き出せば
◎日本全国に未接種の人は「8600万人強」存在する
◎そのうち、65歳未満の「若中年層に限定すれば7900万人強」
つまり、東京五輪で約8000人の未接種関係者がいるのに対して、日本全国では8000万人、1万倍の規模で「感染オリンピック」の記録が出されようとしていることになる。
いまや入院者、重症者の6〜7割は「20〜30代」と「40〜50代」が占めるようになり、ワクチン接種率の上がった65歳以上は横ばいの状態は見せていますが決して患者数は増えていない。
これに対して、正確な統計は知りようもありませんが、五輪関係者は一般的に「高齢者」ではなく「若年層」「中年層」つまり、いまのデルタ系変異株が感染者数を伸ばしている最中の「新患層」と重なっている可能性が高い。
要するに、五輪関係者も、日本人全体も、これから2週間ほどの間、相当規模の感染拡大が正味で懸念されることになります。
ちなみに、2020年から21年にかけての冬の「第3波」、春から連休にかけての「第4波」では各々30万人規模の患者数拡大と6000人規模の死者が出ました。
物理屋の好きな「フェルミ算」で、1億2000万人あるいは8000万人の未接種者に対して30万人の感染と6000人の死者を先ほどの「小中学生方式」つまり「線形」で考えれば、母数の0.25%とか0.375%が感染し、そのうち2%程度の致死率となるので、早い話、2万人に1人が亡くなる計算です。
そう考えると、いやな計算になりますが「東京オリンピックで来日し、五輪で感染したことで命を落とす人」が2.5人程度いても、こんな荒っぽい計算ですら不思議でないことが分かります。
こういう「線形外挿」は、実は「下限評価」などに用いるのに便利です。先ほども「最低これくらいの感染増」と見込んでいたら、よほどそれより多かった。
「東京オリンピックのために来日して、コロナに感染し、それで命を落とす人」の「下限」が2〜3人程度いる・・・というあまり考えたくない話ですが、子供でも分かる計算でリスクを評価してみました。
はっきりと一段ギアを上げた予防対策にシフトしないと、前回までと桁の違う被害を食い止めるのは困難でしょう。有効性に根拠を持った施策が必須です。

●コロナ感染拡大の中の東京五輪、閉会式はバーチャルで行うべき 7/28
<開催には賛否両論があった今回の大会だが、閉会式で説得力のあるメッセージを発信できれば評価は改善するかも>
アメリカでは今回の感染拡大を「第4波」という言い方で呼んでいます。ニューヨーク・タイムズのまとめによれば、7月26日の新規陽性者は5万6000人を超えており、14日前と比較すると44%の増加となっています。
私の住むニュージャージー州でも、一時は1日あたりの新規陽性者が100人以下まで下がったのですが、7月27日の発表では792人と増えています。この「第4波」の特徴ですが、全体が拡大傾向なのはデルタ株の感染力が強いという要因があります。また、ワクチン接種率の低い州での感染が深刻であり、それ以外の地域でも重症者の多くはワクチン未接種の人たちです。
バイデン大統領としては、7月4日の独立記念日までに、最低1回でもワクチンを接種した人の率を70%の水準にまで持っていって「ウィルスからの独立」を宣言するはずでした。また、これを前提にマスク義務化を止めて経済をフル稼働させつつあったわけです。ですが、接種率が急降下する中で「第4波」が拡大し、その目論見は外れた形です。
現時点では、少なくとも日本とアメリカに関して言えば、ワクチン接種が思うように進まないところを、デルタ株に「つけ込まれた」形で、現状に至っていると言えます。
そんな中で、東京では夏季五輪が進行中です。この大会ですが、菅総理は「中止の選択肢はない」などと、断定的な言い方をしています。ですが、この先仮に、
「東京の医療が逼迫して、五輪開催の都市間契約で約束された医療サービス提供が不可能」となった場合や、「選手村を中心に顕著なクラスターが発生し、開催都市東京の医療提供体制を逼迫させる」という状況になった場合は、期間中における中止という可能性は排除できないと思います。
その一方で、仮にそこまで深刻な状況に至らずに、苦しみながらも踏みとどまる可能性もあると思います。その場合でも、決して「人類がコロナに打ち勝った」というような思い上がったメッセージは出せません。

●尾身会長「すでに医療ひっ迫」東京感染急増 現場では…  7/28
過去最多の3177人となった28日の東京都の新規感染者数。感染拡大に歯止めがかからず、医療体制のひっ迫への危機感が広がっています。東京都の医療体制の現状をまとめました。
尾身会長「医療のひっ迫がすでに起き始めている」
28日、政府の分科会の尾身会長は、衆議院内閣委員会で「夜間の滞留人口は、繁華街などでは少しずつ減ってきているが、期待されるレベルには残念ながら至っていない」と指摘しました。そのうえで、尾身会長は、入院患者や高濃度の酸素吸入を必要とする人、それに自宅や宿泊施設で療養している人などが増えていると指摘し「医療のひっ迫がすでに起き始めているというのが、われわれの認識だ」と述べました。そして「もう少し急激に、人流や接触の機会を下げる必要がある。入院のひっ迫に関する指標を市民に十分理解していただき、日本の社会みんなが危機感を共有することが、今、非常に重要だ」と述べました。
中等症患者 受け入れの病院「キャパオーバー」
中等症の患者を受け入れている都内の病院では、用意した病床を上回る患者が入院するなど、対応に追われています。東京 杉並区にある「河北総合病院」は、新型コロナウイルスの患者に対応する基幹病院の1つで、本院と近くにある分院で中等症までの患者を受け入れています。病院では新型コロナの患者のために43床を確保していますが、1週間ほど前から入院患者が増え、28日の時点では46人が入院しています。家庭内で感染するケースも多いため、家族は同じ病室に入院してもらうなどして対応しているということです。年代別では、30代までの若い世代が全体の3分の2を占めているほか、40代や50代の患者が重症化して別の病院に転院するケースもあるということです。また、1歳未満の赤ちゃんも6人入院し、感染を防ぐガウンを着た看護師がだっこしてミルクを与えるなどしていて、入院患者の増加で、業務の負担も増しているということです。この病院の発熱外来には連日20人以上が訪れていて、検査した人のおよそ4割が陽性と確認された日もありました。
河北総合病院の杉村洋一院長は「7月の初めくらいまでは35人から40人だったが、ここ2週間ほどは43床が満床になり、1週間くらい前からは入りきらなくなった。感染力が強く、潜伏期間も長い変異株の患者が増えていて、40代、50代が重症化して人工呼吸器を付けるケースも増えている。キャパオーバーの状況はしばらく続くのではないかと思う」と話しました。さらに「いま一番注意しているのは院内感染を起こさないこと。この状況で院内感染が起こると医療崩壊に直結するので、これから治療や検査で入院が決まっている人は、極力感染するような場所には行かないでほしい。難しいが、人流を抑える努力をして、若い人には今までよりも自分たちにリスクが増えていることを知ってもらいたい」と話していました。
都「通常医療の制限も検討を」 医療機関「都民に説明を」
都内の入院患者数は、27日時点で2864人と1か月前の倍近くになったほか、病床の使用率も上昇し、48%になりました。こうした中、東京都は新型コロナウイルスの患者を受け入れている医療機関を対象に説明会を開き、通常医療の制限も検討してさらに病床を確保するよう要請しました。医療機関からは「通常医療を制限するなら都が都民に対してしっかり説明してほしい」などという懸念の声が出されたということです。都は「現在、確保している病床」の5967床を、来月6日をめどに「最大で確保できる」としている6406床まで増やしたいとしています。
大学病院「一般診療に影響が出かねない」
都の要請を受け、東京 文京区の東京医科歯科大学附属病院では、病床の確保についてどう対応するか、28日朝、病院の幹部などを集めてオンライン会議が開かれました。会議では、28日の時点で、中等症の患者が21人、重症の患者が4人、それぞれ入院していて、中等症の病床が満床状態になっていることが報告されました。こうしたことから、これまでは変異ウイルスの患者の病室について、イギリスで確認された変異ウイルス「アルファ株」と、感染力が強いインドで広がった「デルタ株」の患者などで分けていましたが、感染が急拡大している今、病室を分けるのをいったんやめ、同じにすることで、病室を空けて患者をより多く受け入れる体制を取ることを決めました。
病院が撮影した映像では、デルタ株を意味する「L452R」という貼り紙がされた病室に、看護師らが慌ただしく出入りして対応に当たっていました。この病院では、重症患者はまだ受け入れられるものの、さらに感染の急拡大が続き、重症患者も増えていけば、一般診療に影響が出かねないと危機感を強めています。東京医科歯科大学附属病院の小池竜司副病院長は「患者は爆発的に増えている。変異株の型で病室を分けるという必要度よりも、患者を収容するということを優先せざるをえないのでご理解いただきたい」と話しています。
救急搬送困難なケース急増
救急患者を受け入れる医療機関がすぐに決まらない「搬送困難」なケースも、7月に入り急増しています。総務省消防庁のまとめによりますと、今月25日までの1週間では2202件と3週連続で増加し、前の週(18日まで)の1週間の1545件と比べると1.4倍になっています。このうち、新型コロナウイルスの感染が疑われるケースは698件で、前の週までの1週間と比べて1.6倍に急増しています。総務省消防庁は「地域にもよるが、医療機関の選定や患者の搬送に時間がかかる状況がすでに発生し、データからは病床がひっ迫する兆しも見えている。よりいっそう新型コロナウイルスの感染対策をとってほしい」としています。
東京都の自宅療養者 1か月前の5倍以上に
一方で、自宅療養している人の人数も1か月前と比べ急増しています。今月21日時点で全国で1万人を超え、東京都では4000人余りと、1か月前の5倍余りに増えたことが厚生労働省のまとめで分かりました。
厚生労働省のまとめ(今月21日時点)
全国 1万717人 前の週(5809人)よりおよそ4900人増えています。
東京都 4068人 前の週(1839人)のおよそ2倍、1か月近く前の6月23日時点(711人)と比べると5.7倍に増加しています。
神奈川県 2241人 前の週(1468人)の1.5倍、1か月前(746人)の3倍に
千葉県 792人 前の週(470人)の1.7倍、1か月前(251人)の3倍余りに
埼玉県 1104人 前の週(410人)の2.7倍、1か月前(108人)と比べると10倍以上に急増しています。
往診の医師「在宅では十分に治療できるか心配」
自宅療養者の往診にあたる医師も危機感を強めています。世田谷区にある『ふくろうクリニック等々力』の山口潔院長によりますと、26日に往診した自宅療養の患者が「1週間熱が下がらない」と話し、肺炎の症状もあったため中等症と診断して入院することになったということです。山口院長は「在宅でも酸素投与や点滴はできるが、病院での治療と比べて圧倒的に手間がかかり限界もある。地域のかかりつけ医は新型コロナの診断をしたことはあっても治療の経験はほとんどなく、十分に対応できるか心配している」と話しています。感染の拡大で自宅療養者も増えると見られることから、ほかの地区医師会にも協力を呼びかけることにしています。

●想像超える拡大に危機感 「五輪で緩み」指摘も―東京都 7/28
東京都の新型コロナウイルス感染者が28日、2日連続で過去最多を更新し、3177人を記録した。これまでピークだった1月の「第3波」より死者や重症者が少ないことから、小池百合子知事や都幹部は「中身が違う」などと都民らの不安解消に躍起だ。しかし、緊急事態宣言発令から2週間たっても感染拡大が続く現状に危機感も募らせており、「東京五輪が気の緩みにつながってる」との指摘が出ている。
「いたずらに不安をあおらないでほしい」。都福祉保健局の吉村憲彦局長は、新規感染者が2848人となった27日、報道各社に異例の呼び掛けを行った。ワクチン接種による高齢の重症者の減少や病床拡充を挙げ、「第3波とは本質的に異なる」と語った。一方で「今週大きな数字が出ると覚悟していたが、2500人を超えるとは想像できなかった」と厳しい表情を見せた。
翌28日、局長の発言について記者団から問われた小池氏は「今は陽性者数だけの問題ではない。ワクチンがあるかないかの違いはしっかり伝えてほしいという趣旨だと思う」と述べた。ただ感染力が強いインド由来の変異株が拡大する中、今後の接種の進展は不透明だ。都内では、停止を求められている酒類提供を続ける飲食店や、路上飲みも多数見られる。
熱戦が続く五輪の影響を懸念する声もある。ある幹部は、人出が大きく減らない現状に「五輪をやっていることが、外出自粛とは逆のメッセージに受け取られている」と指摘。「今、仮に対策を強化しても反感を買うだけだ」と頭を抱える。
手詰まり感が漂う中、小池氏は26日から3日連続で感染者数の発表前に退庁。28日は「ぜひ不要不急の外出を控えてください」と記者団に言い残し、都庁を後にした。

●専門家「経験ない拡大」指摘 首都圏の75%が変異株か 7/28
新型コロナウイルス対策を厚生労働省に助言する専門家組織(アドバイザリーボード)は28日、会合を開き、東京都を中心とする首都圏だけでなく、全国の多くの地域で感染者が増加傾向にあり、「これまでに経験したことのない感染拡大となっている」と指摘した。
東京都に対する4回目の緊急事態宣言から2週間が経ったが、人出の減少幅は前回より小さく、効果は薄い。感染力が強い変異株(デルタ株)が、推定で首都圏の新規感染の75%を占めるようになり、今後も感染拡大が続くと懸念されている。
27日までの1週間の新規感染者は人口10万人あたりで、東京が88・63人。前週より1・49倍に増えた。各地で増加率は高く、北海道1・35倍、埼玉県1・58倍、千葉県1・48倍、神奈川県1・37倍、愛知県1・46倍、大阪府1・52倍、福岡県2・20倍、沖縄県2・15倍となっている。全国平均でも1・54倍だった。
東京都医学総合研究所は、3回目と4回目の緊急事態宣言で、繁華街の滞留人口を比較。宣言後2週間で、3回目は昼間(正午〜午後6時)は36・0%、夜間(午後6時〜午前0時)は48・2%減っていた。しかし今回は、昼間で13・7%減、夜間で18・9%減と2分の1以下の減り幅にとどまっている。
デルタ株の疑いがある「L452R」の変異があるウイルスに感染した人は26日までに、全国のPCRスクリーニング検査で7153人を確認した。8割が首都圏だった。前週の4349人から急増している。
専門家組織の脇田隆字座長は会合後の記者会見で、緊急事態宣言について、「効果が出ているとは言いがたい」と指摘。医療への負荷が高まっているとし、「このままの状況が続けば、通常であれば助かる命も助からない状況になることも強く懸念される。こうした危機感を行政と市民が共有できていないことが現在の最大の問題」と述べた。
 

 

●東京都 感染急拡大で若い世代にワクチン接種促すなど対策検討 7/29
東京都内では28日、感染確認が初めて3000人を超え、急拡大が止まりません。都は、事態を打開するカギは若い世代の感染を食い止めることだとして、ワクチン接種を促すなど新たな対策も検討したい考えです。
都内では、28日、これまでで最も多い3177人の感染が確認され、2日連続で過去最多を更新しました。3000人を超えるのは初めてです。緊急事態宣言が出されてから2週間がたちますが、効果はまだみられず、急拡大が止まりません。
28日の3177人のうちワクチンの接種が進んでいる高齢者の割合はおよそ3%なのに対して、20代と30代をあわせると55%あまりを占めていて、若い世代で感染が拡大しています。都は、事態を打開するカギは若い世代の感染を食い止めることだとして、外出自粛などの呼びかけを続けるほか、ワクチン接種を促すなど新たな対策も検討したい考えです。
ただ、緊急事態宣言は今回で4回目で、長引く自粛要請に理解が得られにくくなっているほか、若い世代は接種に対する抵抗感が根強いとも指摘されていて、感染が急拡大する厳しい局面で効果的な対策を打ち出せるかが課題です。

●コロナ急拡大 対策を練り直さねば  7/29
東京都を中心とする首都圏で新型コロナウイルスの感染が急拡大している。緊急事態宣言が歯止めになっていない。感染拡大防止に何が足りないのか、政府は早急に対策を練り直すべきだ。
東京都の一日の新規感染者数が年始の「第三波」を上回り、神奈川、千葉、埼玉三県でも急増している。二十八日に開かれた厚生労働省の専門家会議は、急激な感染者増を「これまでに経験したことのない感染拡大」と指摘した。
都市部の感染拡大は地方にも波及する。沖縄県や北海道はすでに増加に転じた。人の流れが増えるお盆の時期を前に、実効性ある対策を講じなければならない。
菅義偉首相は、感染拡大に伴い東京五輪・パラリンピックを中止する可能性について「人流も減っている」と否定した。
四度目の宣言発令後、人出は確かに減っているが、以前の発令時に比べれば減り方は鈍い。専門家会議によると、東京の夜間の人出の減りは前回発令後二週間と比べると今回は二分の一以下にとどまる。人出は減っていないというのが国民の実感だろう。
人々の間で「コロナ疲れ」が広がり、政府の対策に不安が募っているのに、首相の説明は危機感を欠き、五輪優先の姿勢すら透けて見える。あまりにも不誠実だ。
専門家会議が最も懸念するのは医療の逼迫(ひっぱく)だ。
高齢者へのワクチン接種が進み重症者や死亡者は減っているが、国民全体の二回接種率は三割程度にとどまる。感染抑え込みの効果はまだ期待できる状況ではない。
感染者が急増する東京では、自宅療養や入院待ちなどが九千人を超えた。現役世代でも入院できずに重症化や死亡するケースが増えないか心配だ。
重症化しやすいといわれるインド型のデルタ株への置き換わりも進む。病床と医療人材の確保をさらに進める必要がある。
飲食店での感染拡大を防ぐには飲食店側の協力が不可欠だが、政府は金融機関や酒類卸業者を通じて圧力をかけようとして激しい反発を招いた。どうしたら飲食店の協力が得られるのか、過去の振る舞いを猛省しつつ、実効性ある対策を検討し直すべきだ。
神奈川、千葉、埼玉三県は緊急事態宣言発令を要請する方針だ。政府は、より住民に近い自治体とも危機感を共有すべきである。

●コロナ感染急拡大 楽観捨て対策に本腰を 7/29
全国の新型コロナウイルスの新規感染者数は28日、9500人を超えて過去最多となった。東京都では連日の過去最多更新で3千人台に達した。加速する感染拡大に対し、政府は楽観姿勢を改め、これ以上の拡大を食い止めるために積極的な対策を講じなくてはならない。
東京と同様に過去最多の感染者数となった埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県は近く緊急事態宣言を政府に要請、発令される方向だ。4都県で全国の感染者数の約6割を占めている現状から見ればこの動きは遅過ぎる。
北海道、大阪府、沖縄県など各地で感染者の増加が顕著だ。もはや首都圏だけの感染拡大ではない。地方の危機感を重く受け止め、政府は必要な支援や対策を進める必要がある。
専門家が先月末に示した東京五輪期間中の感染拡大シミュレーションがある。感染力の強いインド由来のデルタ株拡大の影響などで、都内の新規感染者が8月に3千人を超える可能性が指摘されていた。
このシナリオが前倒しで現実化しているのは深刻。東京都に発令された4回目の緊急事態宣言の効果が薄いことは明白だ。
年代別に見ればワクチン接種が進んだ65歳以上の新規感染者は少なく、未接種の50代以下が多い傾向がある。都の担当者は若い世代の重症化リスクの低さを強調して、医療逼迫(ひっぱく)の状況は生じていないとした。
昨日の衆院内閣委員会では政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長が「医療の逼迫が既に起き始めているというのがわれわれの認識だ」と強い危機感を示した。感染者数の増加が医療現場に及ぼす影響が小さいはずはないだろう。
菅義偉首相は気になる発言をしている。治療薬の確保やワクチン接種の効果を強調するとともに述べた「人の流れは減っている。心配はない」という極めて楽観的な見解だ。
根底に感染拡大への危機感の希薄さがあるとすれば問題だ。日本よりワクチン接種率が高い国々でも感染の再拡大が起きている。国民の気の緩みを誘いかねないメッセージは厳に避けなければならない。
菅首相と小池百合子都知事が口をそろえて東京五輪のテレビ観戦を呼び掛けている。そんな訴えだけで人出が抑制されるとは到底思えない。
都内の繁華街の人出は宣言後にやや減少しているとはいうものの、過去の宣言時と比べて減り方は小さいという。夏休みが始まり、無観客とはいえ五輪競技の熱戦が繰り広げられる都内では、高揚した気分の広がりもあって人出の抑制はますます難しくなっているのではないか。
感染のピークが見通せないまま、お盆の帰省や夏休みの家族旅行シーズンを迎える。政府が明確なメッセージを打ち出すとともに、各自治体と連携して強力な対策を取らない限り、この感染急拡大は止められない。

●東京五輪 「こういう時には撤退するよっていうラインを示す必要がある」 7/29
元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏(52)が29日、フジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月〜金曜前8・00)に出演。新型コロナウイルスの感染拡大による東京五輪への影響について言及した。
東京都では28日に新型コロナウイルスの感染者が新たに3177人報告された。27日の2848人を上回り、初の3000人台となって2日連続で過去最多を更新。6人の死亡も確認された。今月12日からの緊急事態宣言期間が2週間を経過後もワクチン未接種が多い世代を中心になお拡大が続いてピークが見えず、医療提供体制や開催中の東京五輪への影響に懸念が強まっている。
橋下氏は「僕は、五輪と感染者数はダイレクトにつながっていないというような立場なんですけど」とした上で、「それでもやっぱり撤退ライン…、僕は五輪を中止にしてほしくないんですけど、こういう時には撤退するよっていうラインを示す必要があると思うんですよ。医療現場で本当に大変な状況になって五輪どころではないというところがあると思うんでね。そういうラインを示さずにとにかく五輪に突き進むっていうのは過去に戦争で撤退ラインを決めずにどんどん突き進んでいって敗戦した結果とか、そういうことを学んでいないのか。東日本大震災の時にも想定外っていうものを置いてはいけないってことを僕ら散々学んだのに。撤退ラインをきっちり置いて、そこを超えないように国家運営していくのが政治の役割だと思う」と自身の見解を述べた。
そして、具体的撤退ラインについては「医療崩壊のところだと思う。新規感染者数だけではなくて、医療現場がとてもじゃないけど今五輪やれるような状況じゃないっていうラインを越えれば五輪はやるべきじゃないと思う。ただ僕はそうならないように国家運営をしていくと。その撤退ラインを示していないから、みんな新規感染者数だけで不安にかられてしまう。医療崩壊のところが撤退ラインだと思う」と話した。さらに「僕は五輪はこのまま選手を応援してなんとか閉幕まで迎えてもらいたいと思うんですが、ただ国民感情に配慮することなく政治が突っ走ると今後国民は政府の言うことを聞かなくなると思う」と指摘し、「飲食店にしたって国民全体も。そうならないためにもこのラインを越えたら五輪はできない。このラインを越えないように一生懸命やるよと。そこは医療崩壊だと思う」と述べた。

●専門家「これが感染爆発…今は断る勇気を」 7/29
新型コロナウイルスの新規感染者は、28日、東京都で3177人確認され、感染拡大が止まりません。感染症の専門家は「これがオーバーシュート」と危機感を募らせ、感染拡大を止めるためには、飲み会や人が集まる機会には「今はやめようと断る勇気を」と呼びかけています。厚生労働省の専門家会議(アドバイザリーボード)のメンバーで公衆衛生が専門の、国際医療福祉大学の和田耕治教授はツイッターで、「これがいつか起こると恐れていたオーバーシュート(感染爆発)です。ここがピークかもわかりません」と危機感を募らせ、「この1年半で都内で感染する可能性は今が一番高い」と注意を呼びかけました。28日午前、現状と今後の見通し、私たちがとるべき行動について聞きました。
──現状をどうみていますか?この局面で私たちはどう行動すればよいのでしょうか?
感染者数が減らなくて困っています。今後も増える局面です。その中では「皆で感染拡大を止めよう」と思っていただくのが大事だと思います。1つのゴールとして、感染者を減らすというような方向でやりましょうという考えです。オリンピックのテレビ観戦も、家族以外との接触を減らして、家での時間を過ごすことは、感染拡大を止める上で有効だと思います。オリンピック開催には反対している人もいますけれど、(感染を抑制する)目的は人それぞれでいいと思うんです。今、オリンピックもあるし、今後、お盆があるし。お盆は、帰省したり、例えば初盆でお墓参りしたいとか、平穏に過ごしたいと思う方は多いでしょう。人によって、感染抑制を目指すのは五輪を無事に行うためにとか、自分とか周りの人が感染しないために、とか、お盆を平穏に過ごしたいとか、何か自分の大切にすること、目的を選びやすい、よいタイミングだと思います。それぞれが何らかの目的で感染が減るのを見るためには、少なくとも今後1週間なり10日間、人との接触の機会を減らしてもらう、普段会わない人とは会わない、一緒に住んでいる家族との接触にとどめるということを続けてほしい。自分のためもあるけど、誰か、とか何かのために、だと、意外に行動を変えたり、何かをやめたりできるものなんです。ダイエットや禁煙もそうですよね。
──専門家として、次に打つべき手は考えているのでしょうか?
基本は接触を減らしていただくということです。以前は8割の接触減ということがありました。海外でよく行われている取り組みで、日本でまだ実施されていないのが、家族以外の人が集まる際の人数制限でしょうか。「何人以上で集まるのは控えて」と具体的な数で示すのかどうか。ただ、オリンピックはやっているのにと言われてしまうかもしれない。実際の感染は、小規模で日常の場で起きているのですが、その違いをきちんと説明しないといけない。大きな影響をうけるのはお葬式、結婚式です。海外でも政府が少し緩めた基準をやむなく示していますが、そういう厳しい段階にあります。
──都内の繁華街、人流は一定程度減っている。その中でも、一部、飲み会で集まる人が居続けているということなのでしょうか?
そうですね、飲み会だけでなく、日常の小規模な接触が起きている、繁華街だけでなく、さまざまな場所で日常の場面で感染が起きているわけです。だから誰もが安全ではない、ということ。今は、接触機会を減らしてもらう、家にいていただくタイミング。五輪のため、お盆のため、家族のため、自分の「何かのため」を決めて、家にいてほしいなと思います。
──飲み会を約束している、という人もいると思います。
そうですね。飲み会を明日予定している、田舎に帰ろうと予定している人は、今はやめる、ということが大事なんですね。そこに行くことで、ほかの人に感染させるとしたら……今は、あなたが感染する可能性、誰かを感染させる可能性が、新型コロナウイルスが見つかってからのこの1年半の中で一番高いです。
──自分が無症状でも、実は気がつかないうちにウイルスをもっていて、それを明日、会う人にうつす可能性が一番ある時期なんだと自覚するということですね。
そうです。特に東京はそうです。
──問題は、その我慢はいつまですべきなのか?人流が減ってから感染者が減るまでに以前は2週間ほどでしたが、前回の流行時の大阪をみても、5週間ぐらいかかりました。
そうなんです。やはり(デルタ株は)増えやすいから感染者がなかなか減らない。人流の減り方が足りないんです。その前、6月中旬以降から人流が増えてきた積み上がりがある。今は、もう一段減らさなくてはいけない。飲み会や会社の集まりで感染した例もあります。そういうものに参加しないということだと思います。断る勇気というか。今はやめようと言える勇気というのは、すごく、今、大事だと思います。「今やめましょう」というのは、すごく合理的な判断だと思う。またおちついたら開催すればいいと考えていただいて。
──いつまで感染拡大は続くのか。1〜2週間か?
それは約束できないが、オリンピック閉会式の8月8日までには、今より少ない(新規感染者の)人数をみたいと思っているんです。そこまででだめなら、お盆は、全国で厳しい対策を打つ必要が出てしまう。
──今、外出自粛を踏ん張らないと、いつまでも感染者は減らないと。
はい。そういう局面なんです。とても難しいが。
──若い人も油断できない。
デルタ株だと若い年代も感染が増えています。油断できない。デルタ株に置き換わってきているから、どの年代も注意していただく必要があります。各自がまずは命を守る行動をしてください。

●五輪続け国民の命守れるのか 7/29
新型コロナウイルスの新規感染者数が、東京都で初めて3千人を超えて過去最高を更新するなど異常なペースで急増しています。都は都内の医療機関に対し、通常医療を制限してコロナ病床の確保を求める通知を出しています。都内では医療崩壊が起こりつつあると言えます。こうした危機的な状況にもかかわらず、菅義偉首相は東京五輪中止の選択肢は「ない」と断言しました。国民の命と安全を守れなくなれば五輪はやらないと述べていた自らの国会での答弁にも反するものです。首相にはこの事態にどう対処するのか国民と国会に説明する責任があります。
都の通知(26日付)は、感染状況などを分析・評価する都モニタリング会議が「(新型コロナ)入院患者数は6月下旬から約1か月で倍増しており、今後、新規感染者数が急速に増加すれば、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)の危機に直面する」と指摘していることを紹介し、コロナ病床の確保を要請しました。
そのために「通常医療の制限」を視野に入れた「病床の転用」を求め、具体例として救急医療の縮小・停止、予定手術の延期、一部診療科の停止、診療機能の縮小―を挙げました。東京の医療がかつてない機能不全に陥りつつあることを示しています。
東京では4回目となる緊急事態宣言が12日に始まってから2週間が過ぎ、本来であれば効果が出てくる時期とされているのに、なぜ感染が急拡大しているのか。感染力の強いデルタ株の広がりに加え、「政府への信頼がなく、どんなメッセージを出しても共感を得るのが難しくなっている」(厚生労働省幹部)との声が報じられています(27日のNHKニュース)。
信頼も共感も得られないのは、菅政権が五輪を続けながら、国民には外出を控えるように呼び掛ける矛盾したメッセージを出しているからに他なりません。感染状況の悪化は、首都圏全体から全国に波及しつつあります。
菅首相は、27日に東京でそれまでの最多となる2848人の新規感染者が出たことに関し「(五輪)中止の選択肢はないのか」と記者から問われ、「人流も減っているし、そこはない」と明言しました。
しかし、政府の新型コロナ対策分科会の舘田一博東邦大学教授は「今の感染者数は2週間前に感染した人であり、人の流れが減っていないことを考えると感染者数はさらに増える可能性がある」(同前)と指摘します。首相は人流減少の理由として「車の制限」と「テレワーク」を挙げましたが、本当にそれで減っているのか。明確な根拠を示さないのは無責任です。
菅首相は6月9日の国会での党首討論で、日本共産党の志位和夫委員長の質問に対し「国民の命と安全を守るのは私の責務だ。守れなくなったら(五輪を)やらないのは当然」と述べています。今はまさに「国民の命と安全を守れなくなっている」事態ではないのか。そうであれば首相は国会での言明通り五輪中止を決断すべきです。
共産、立民、国民、社民の野党は憲法に基づき、共同で臨時国会の開催を菅政権に求めています。一刻も早く国会を開き、コロナと五輪の問題を徹底的に審議し、首相も国民の不安や疑問に応えて説明する必要があります。

●五輪競技中継し深夜営業の飲食店も 都200人態勢で見回りへ  7/29
新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、東京の繁華街では、都の要請に応じず酒を提供し、深夜まで営業している飲食店もあります。この中にはオリンピックの中継を流して多くの客で密状態になっている店もあり、東京都は飲食店の見回りを行い、酒を提供しないことなどを求めることにしています。
東京都は、7月12日からの緊急事態宣言を受け、飲食店に対し酒の提供をせず、夜8時までの時短営業を要請しています。
またオリンピックについて、国や都は不要不急の外出を自粛して自宅でテレビ観戦するよう呼びかけています。
しかし東京・渋谷の繁華街では、店の前に「オリンピック放映中」という貼り紙をするなどして酒を提供しながら営業を続けている店もあり、多くの客が訪れています。
このうち深夜12時まで営業している飲食店では、28日夜はオリンピック、サッカー男子の日本の試合をモニターで流し、多くの客が酒を飲みながら店の外まで聞こえるほど大きな歓声があがっていました。
この店の店長は「都から出される協力金は十分ではなく、自分でどうにかするしかない。店を閉めて倒産するのではなく、開けて生き残る方を選んだ。感染がさらに拡大しても、営業を続けるしかない」と話していました。
一方、渋谷にあるスポーツバー「Fields」では、都の要請に従って酒を提供せず、毎日午後8時に店を閉めています。
28日はサッカーの試合を店で見たいという電話が入っていましたが、店長の田中守さんが来店を断っていました。
田中さんは「行政に従わない店もあるが、経営者がそれぞれ決断したと理解している。自分の店がルールに従っている中で、感染が拡大し、むなしく感じる」と話していました。
都は緊急事態宣言後、最大で1日200人が飲食店の見回りを行う態勢をとっていて、感染が急拡大する中、酒を提供しないことや時短営業を求めることにしています。

●感染者“過去最多”に「報道で不安あおらないで」 局長が異例の説明 7/29
東京都で28日、新型コロナウイルスの感染者が新たに3177人確認された。初めて3000人を超え、きのうの2848人に続き連日で過去最多を更新した。
この感染者数の増加を都はどのようにみているのか。テレビ朝日社会部の油田隼武記者は「まず4連休明けであること、そして変異株が広がっていることから、都庁の幹部は『覚悟はしていた』と話していた。都庁側としては、人流が減少しているというデータがある。一番心配するのは医療提供体制の崩壊だが、コロナ患者用の病床数が確保できていること、感染者が若年化していて高齢者が減っていることから、幹部は『すぐ医療を圧迫するものではない』としていて、過去最多という数字は出ているが、強気な発言は目立っている」と説明する。
2848人の感染が確認された27日は、記者向けに行われる都の担当者の感染状況のレクの前に、局長が取材に応じたという。「これは非常に珍しいこと。この囲み取材で局長がどんな話をしたかというと、我々に対して『いたずらに不安をあおらないでほしい』と。1月とは違う状況だということを繰り返し話していた。『今すぐにどうなるものではないので、報道で不安をあおらないでくれ』という話だった」。
とはいえ、感染拡大のスピードは早く、別の幹部からは「以前、大阪の医療が崩壊というような状況になったが、そうならないように最善を尽くさないといけない」「今のタイミングで感染者が増えていくのは、オリンピックのせいだとなりかねないんじゃないか」という心配の声があがっているという。
今年1月にも都の感染者数は2000人を超えたが、都は現在はワクチン接種が進んでいるなど、当時とは異なる状況だと説明する。また、感染者数は2週間前の状況を反映するとされているが、今から2週間前はまだオリンピックが始まっておらず、局長も「今の数字はオリンピックが直接影響している数字ではない」と見解を述べたという。
今後の見通しについては、「ここがピークだとは思っていない」というのが都の考えだ。一方で、見るべき指標は感染者数だけではないといい、油田記者は「感染者は一番わかりやすい指標で、数字にびっくりして自粛しなきゃいけないとか、自分の感染対策を考えるという意味では大事だと思う。ただ、入院者数や重症者数などいろんな指標を見て総合的に判断しているので、いろいろな報道を注視したほうがいいと思う」とした。

●感染者の急増 社会で危機感の共有を 7/29
新型コロナの感染者が全国で急拡大している。東京都では2日連続で過去最多を更新し、ついに3千人を超えた。周辺3県でも政府に緊急事態宣言の発出を求める動きがある。
高齢者の感染はおおむね抑えられているものの、入院が必要な患者や重症者の中心が働き盛りの世代に移り、ベッドは確実に埋まりつつある。世界各地で勢力を広げるデルタ株への置き換わりが、国内でも進む。
人の動きが活発になる夏休み期間と重なり、感染症の専門家や医療現場からはこれまで以上の危機感が示されている。
ところがその危機感が、国、自治体、そして国民の間で共有されているとは言い難い。
たとえば菅首相である。不要不急の外出を避けるよう呼びかける一方で、おととい東京五輪への影響を問われると「人流は減少している。心配ない」と答えた。しかし減少幅は過去の宣言時に比べて小さく、場所によってはむしろ増加している。
都合のいい事実だけを切り取った発言は不信を深めるだけだ。これまでも楽観論を振りまいては抑え込みに失敗してきた首相だけに看過できない。
東京都の福祉保健局長は、医療提供体制に問題はないとの認識を示し、「いたずらに不安をあおるようなことはしていただきたくない」と述べた。
だが都は26日付で、コロナ病床確保のため、救急医療の縮小や手術の延期などの検討を医療機関に要請している。なぜ黒を白と言いくるめるような話をするのか。人々が抱く不安、医療従事者の切迫感とのずれは明らかだ。小池百合子都知事も局長と同じ見解なのか。
政府・都は外出自粛や移動の抑制を求めながら、五輪という巨大イベントを強行し、祝祭気分を醸し出してきた。この矛盾がさまざまな場面で噴出。繰り返される宣言への慣れや、酒類の提供停止をめぐる失政への反発も重なって、行政の要請に協力しようという意識は極めて希薄になっている。
自分たちの振る舞いによって、自分たちの言葉が市民に届かない。まずその自覚を持ち、これまでの判断ミスを反省したうえで、状況の改善に当たらねばならない。五輪についても、首相が国会で表明した「国民の命と健康を守っていくのが開催の前提条件」という約束にたがわぬ対応をとる必要がある。
高齢者の様子を見ても、ワクチンが行き渡れば一定の効果が期待できる。それまで死者や重症者を最小限にとどめ、通常医療に支障をきたすことなくこの難局を乗り切る。そのために何より求められるのは、社会全体で認識の共有を図ることだ。

●埼玉県、緊急宣言を要請へ 入院調整など強化するも 7/29
埼玉県は28日、新型コロナウイルスの専門家会議を開き、感染者の増加ペースが速まっていることから、政府に対し、緊急事態宣言を要請することについて意見を求めた。近く県の対策本部会議を開き決定し、正式に要請する。大野元裕知事は会議で「病床確保や保健所、入院調整体制の強化を図っているが、これ以上感染が拡大する場合は重大な支障が生じる可能性がある」と述べ、一層の対策強化が必要だとした。県内の28日の新規感染者は870人となり、27日の593人を大幅に上回り、2日連続で過去最多を更新した。
会議では専門家に対し、現在の県内の感染動向と必要な対応を諮問。県内の28日の新規感染者は870人で、前週21日の381人から1週間で倍以上に増加。1月以来、半年ぶりに過去最多を更新した27日の593人を大幅に上回り、2日連続で過去最多を更新した。県内では20日から8月22日まで、20市町を措置区域に指定し、まん延防止等重点措置による感染防止策が行われているが、日ごとに新規感染者は急増し、ペースも速まっている。
22〜28日の1週間の新規感染者数は計3617人(1日平均516・7人)で、2度目の緊急事態宣言が出された直後の1月中旬を上回って推移。新規感染者の増加とともに県内確保病床使用率も上昇を続け、27日時点で51・4%(857人/1668床)、うち重症病床使用率は23・6%(39人/165床)となっている。
感染力が強いとされるインド由来のデルタ株の陽性率速報は19〜25日の1週間が47・4%。前週(12〜18日)の36・6%から大幅に上昇し、半数近くがデルタ株に置き換わっている。

●日本「ロックダウン」の現実味 新型コロナ急拡大に「打つ手なし」 7/29
新型コロナウイルスの感染者数が急拡大している。2021年7月28日には東京でついに3177人と初の3000人を突破した。4度目の緊急事態宣言が発令されているにもかかわらず、感染者数は増える一方だ。
全国の感染者も9583人となり過去最大。五輪と同時進行で、コロナ感染者数も新記録を樹立した格好だ。これまでの対策を続けるだけで、いまや異次元レベルになりつつある感染爆発に対応できるのだろうか。
交通遮断、店の営業停止、住民は外出禁止
諸外国がコロナに「ロックダウン」(都市封鎖)で対応していることはよく知られている。それに対し、日本は「緊急事態宣言」にとどまっている。「ロックダウン」になると、通常、特定の都市・地域への人の出入りが規制(禁止)される。カミユの名作『ペスト』が有名だ。アルジェリアの小さな港町オラン。ある日、ネズミの大量死が見つかる。ペストだとわかって町は封鎖。交通機関はストップし、電話や郵便も規制される。外部の世界から隔絶された住民たちはいらだちと孤立感を深める。医療体制は混乱し、生活必需品は高騰、そして毎日のように増えていく死者・・・。これは文学作品だが、コロナ禍では現実になった。コロナの発生地、中国・武漢市はいち早くロックダウン。他都市との往来が遮断され、食料品は宅配に。その後も欧州各地で類似の対策が取られたて。ロックダウンは、一義的には、他都市との交通・交流の制限を指すことが多い。住民の行動を規制する場合は、同時に「外出禁止令」が発令される。勝手に外出することができない。英国やフランスでは一時、生活必需品の買い出しなどを除いて外出が禁じられ、違反者には罰金が科せられた。このように交通遮断だけでなく、店舗の営業停止や、住民の外出禁止なども含めて「ロックダウン」と称されることが多い。
規制の大半は「要請」どまり
非常時に、公権力が一般市民の私権を法律で制限するという意味では、緊急事態宣言、ロックダウン、外出禁止令は似ている。違いは強制力。日本の緊急事態宣言は、諸外国のロックダウンや外出禁止令に比べると、規制が緩い。様々な規制の大半は、「要請」にとどまり、「罰則規定」がない。東京新聞によると、日本の緊急事態宣言は、改正新型インフル特別措置法(新型コロナ特措法)に基づき、首相が対象区域と期間を定めて発令する。それを受けて都道府県知事が、住民に外出自粛や、イベントの開催制限などを要請、指示することができる。「要請」は相手に対してのお願い。「指示」には法的な履行義務が生じるが、罰則はない。臨時の医療施設を開く目的で、土地・建物を同意なしに使用したり、政府への医薬品売り渡しに応じなかったりした場合には罰則もあるが、強制力がある措置は限られる。「海外のような強い強制力での抑止は法律上は難しい」のが日本の現状だという。法規制の違いは、それぞれの国の歴史や憲法、国民意識とも関連する。産経新聞によると、「日本も戦前の大日本帝国憲法には国家緊急権の規定があったが、現行憲法には存在しない。戦争の反省から国家の暴走を防ぐ意識が働いたとされる。このため日本では戦後、大災害など有事の際は個別の法律を新設、改正して対応してきた経緯がある」。
「切れるカードは、なくなってきている」
東京では4度目の緊急事態宣言ということもあり、緊張感が薄れ、昼夜の人出はあまり減っていない。これまでの宣言と違って、宣言後に感染者が急増しているのが今回の大きな特徴だ。神奈川、千葉、埼玉でも一気に感染者が増えてきた。感染力の強いデルタ株が75%を占めるようになっているという。全国の感染者の多くは若い世代に移っている。しかし、64歳以下のワクチン2回接種率は26日現在、まだ2%台。多くの国民が、無防備のまま猛威を振るうデルタ株にさらされている。当面、全国の感染者数は急増していくことが確実な情勢だ。共同通信によると、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は28日、「医療の逼迫が既に起き始めているというのがわれわれの認識だ」と語り、政府に求められる対応について、「人々にしっかりと危機感を共有してもらえるメッセージの出し方と、感染状況にふさわしい効果的な対策を打つということだ」と語ったという。「効果的な対策」とはどのようなものが想定されるのか。これまでよりも強制力が強いものになるのか。テレ朝newsは28日、東京都の小池百合子知事は繰り返しステーホームを呼び掛けているが、手詰まり感は否めないとし、「切れるカードは、なくなってきている」という政府高官の声を伝えている。
法律がなくてもできる
感染症専門医の中には、法律はなくても実質的なロックダウンはできると主張する人もいる。神戸大学病院感染症内科の岩田健太郎教授は28日、幻冬舎オンラインで、著書『僕が「PCR」原理主義に反対する理由』(集英社インターナショナル、2020年12月刊)の一部を抜粋・再編集し、概ね以下のように説明している。「日本には外出を規制する法律がない。だからロックダウンはできない」。そんなことを言う人がいます。しかしそれは間違いです。法律上、「外出をするな」とか「店は閉めろ」といったことを強制できないのは事実ですが、それは重箱の隅をつつく議論で、本質的な問題ではありません。日本でもロックダウンはできます。「この地域に入らないでください」「この地域から出ないでください」「この地域に住んでいる人は外出しないでください」「罰則はないけれど、協力してください」。国がそう言い続けるのがロックダウンです。感染を終息させるという目的において、ロックダウンは最もパワフルな対策です。その効果には絶大なものがあります。短期間のうちに感染を抑え込むためには、できるかぎり完全に近い形で人の動きを止めなければならない。「狭く強く短く」がロックダウンを成功させる要件です。
岩田さんの主張と、尾身会長の発言はなんとなく重なるところがある。まだ「打つ手はある」というものだ。それを政府に求めている。ただし、東京では五輪を開催中。そのことが事態を複雑にし、より強いコロナ対策を打ち出しづらくしている。
ヤフー「みんなの意見」は、「五輪期間中に感染が拡大、政府の対策に効果はあると思う?」というアンケートを実施中だが、28日現在、96%の人が「効果はない」と答えている。

●全国最多9500人超…「重症は瀕死です」医療現場と一般のギャップ 7/29
東京の新型コロナウイルス感染者が初めて3000人を超えるなど、1都3県で過去最多となりました。この3県にも緊急事態宣言が拡大される方向に。一方、現場の医師は、医療現場と一般の人たちとの認識に「ギャップ」があると指摘します。
東京で初の感染者3000人超も「ピンと来ない…」
初めて3000人を超えた東京の感染者。
ホテル業(20代)「いまいち数字が大きすぎてピンと来ないってのは感じてます」
会社員(20代)「今や『3密』っていう言葉も死語になってんじゃないかなくらい」
会社員(20代)「私自身、休みはサウナ行くので、全体的に意識は、最初に緊急事態宣言出されたときより圧倒的に(意識が)低い」
直近7日間の感染者数の平均は1954.7人で、前の週の153%に。新たに、50代から90代まで6人の死亡も確認されました。
28日、全国で9500人以上の感染者が確認されました。感染の急拡大が止まらない状況に、この日の夜、厚労省アドバイザリーボードの脇田座長は──
脇田座長「(全国的に)これまでに経験したことがない感染拡大という評価。連休による影響がありますので、今後さらに報告者数が上積みされる可能性もある」
──宣言の効果について
脇田座長「宣言発出してから2週間経過しているが、その効果が出ているとは言いがたい。人流減少しているのは確かにあるが、前回の緊急事態宣言の減少と比べると、まだ到底そこには及ばない」
人出の減少スピードが遅いため、今後も感染者数がなかなか減らない危機的な状況にあると指摘。また会議では、だいたいいまのペースで感染者数の増加が続くと、およそ1か月後には都内の一日の新規感染者数が1万人を超えるとの新たなシミュレーションも示されました。
記者「総理、東京都で3000人、全国で8000人を超える感染者が確認されました。どう対応しますか?」
記者「国民にメッセージを出す必要はお感じになりませんか?」
菅総理は無言のまま官邸を後にしました。一方、東京の小池知事は。
──感染者数3000人という報道もありますが?
小池知事「皆様方にはぜひ不要不急の外出を控えてください。(東京商工会議所に)テレワークの徹底をお願いしました。このように皆さんのお力を得て抑えこんでいきたいと思います」
さらなる問いかけには答えませんでした。
「第5波」は東京の周辺でも。神奈川県では1051人と初めて4桁となったほか、埼玉県では870人、千葉県では577人といずれも過去最多となりました。
“感染激増状態”3県が緊急事態宣言を要請へ
神奈川・黒岩知事「きのう700人ってだけでも驚いたんですが、一気に1000人(台に)。感染激増状態に入っていることが改めて確認できてしまったわけでして、大変大きな衝撃を受けております」
千葉・熊谷知事「千葉県の感染状況は非常に急激な増加傾向が続いております。東京やその周辺の地域を見ても、いよいよ危機的水準に達しつつあると考えておりますので」
29日、神奈川・千葉・埼玉の3県でそろって国に対して緊急事態宣言を要請する方針に。政府は、30日にも宣言の発出を決定する方向で検討しています。
また、あわせて大阪に緊急事態宣言を発出することや、北海道にまん延防止等重点措置を適用することも検討していて、感染状況などを見ながら慎重に判断する方針です。
医療現場と一般の人たちの認識に「ギャップ」
28日午後、政府分科会の尾身茂会長が訴えたのは、医療体制に対する専門家の危機感です。
尾身会長「実は医療のひっ迫というものがすでに起こり始めているというのが我々の認識であります」
入院患者や重症者の数が増えていること以外にも──
尾身会長「入院調整をする人が増えている。宿泊療養をしている人が増えている。自宅で療養している人も急増しているんですね。一般の人々にまだ十分にその危機感が伝わってない」
埼玉県内の『埼玉医科大学総合医療センター』では、28日、集中治療室で人工呼吸器をつけた患者の治療が行われていました。
「こちらが今入院している患者さんで、42歳、56歳、46歳、ほとんどが40〜60代の患者さんです」
治療にあたる医師の岡秀昭教授は──
岡秀昭教授「一部楽観論としては、重症者が少ない、高齢者がワクチン接種を終えているから大丈夫という意見がありますが、現場の感覚はそうではありません」
医療現場と一般の人たちとの認識に「ギャップ」があると指摘します。
岡秀昭教授「重症は瀕死(ひんし)、海外でいうとクリティカル。一般の方は重い肺炎があるのを重症だと思っている。だから一段階か二段階ずれている」
岡教授によると、「重い肺炎」と思われがちな重症とは、実際には、自力での呼吸ができず人工呼吸器が必要な状態で、その手前の「中等症」についても、高熱や呼吸不全などの重い症状があり、現場では大きな負担に。そのため、重症者の数だけを見て判断することは、医療現場のひっ迫状況を見誤る可能性があるといいます。
岡秀昭教授「私が管轄している内科で使える中等症・重症の病床数は23です。その病床が本日の段階で20床、埋まっています。第3波のときは(緊急事態)宣言が効いてきて患者が減っていった。これから増えてくるんですよね、そこに正直、絶望感がある」
感染のピークが見えない現状に、政府分科会のメンバーは──
政府分科会・舘田一博教授「飲食やお酒を抑えることに集中しているが、それをより広い範囲で、商業施設を含めて営業の自粛等々を考えていくなり、より強いメッセージを発していく必要も考えていかなければいけない」

●官房長官、コロナ感染拡大「医療体制を確保」 7/29
加藤勝信官房長官は29日の記者会見で、新型コロナウイルスの全国的な感染拡大に関し「医療体制を確保し、保健所の機能の拡充を図っていく。総合的な対応が必要だ」との認識を示した。
同時に「感染防止対策を徹底し、ワクチン接種に全力で取り組む」と強調。ワクチン接種の進展に伴い、感染状況に明らかな変化が見られるとして「接種が十分に進んだ後の適切な感染防止対策の在り方についても検討していく」と語った。

●120人コロナ感染、拡大止まらず 28日の静岡県内 東部で半数 7/29
静岡県内で28日、新たに120人の新型コロナウイルス感染者が確認された。過去3番目の多さで、120人の感染確認は5月15日以来。東部地域がほぼ半数の58人を占め、特に沼津市や三島市などの駿東田方地域、下田市などの賀茂地域で感染拡大が止まらない。県は両地域の住民に「日常の仕事や買い物以外では外出を控えてほしい」と呼び掛けた。
県によると、県全体の直近1週間の人口10万人当たり新規感染者数は14・8人。7月下旬以降、右肩上がりで、国が示す感染状況のステージ3(感染急増)の基準(15人以上)に迫る。
一方で28日時点の重症者は2人で、前回120人だった時の7人に比べ少ない。県は「重症化しやすい高齢者の間でワクチン接種が進んだ効果」とみている。高齢者の感染割合も5月中旬の10%台中盤から1桁まで減少した。若い世代の感染抑制をどう図るかが今後の鍵となる。
県は85人の新規感染者を発表した。既にクラスター(感染者集団)に認定された磐田市の学校で3人、下田市のバー「COCO だっけ」と接待を伴う飲食店「ナイトパブ・ONE・TWO・THREE」で各1人。同市の拡大検査では25、26日で651検体を採取し、11件の陽性を確認した。
浜松市は16人の感染を発表した。うち市内の学校の部活動関連クラスターが2人、磐田市の学校クラスターの関係者が1人。静岡市は19人の新規感染を発表。清水区の製造業の事業所関連クラスターは、市外の従業員5人の陽性が判明し、計13人になった。
県内の累計感染者数は1万488人(再陽性者を含め1万489人)となった。

●尾身会長「下げる要素あまりない」… 首都圏の感染急拡大  7/29
29日に開かれた参院内閣委員会の閉会中審査で、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、首都圏などでの新たな新型コロナ感染者の急増に対し「大変な危機感を感じています。この感染を下げる要素があまりありません」と強調した。
感染拡大を進める要因として、「コロナ疲れ」や感染力の強い変異株「デルタ株」への置き換わりとともに「夏休み、お盆、さらにオリンピック」と列挙し、東京五輪の開催が人出の増加に影響している懸念を指摘。「最大の危機は、社会一般の中で危機感が共有されていないことだと思います」とも述べた。対策が進まない場合、「早晩、医療逼迫が今よりもさらに深刻になる」と訴え、自宅療養中に重症化する患者が出てくる恐れを想定して対策する必要性にも言及した。
五輪中止やパラリンピックの有観客開催の是非について問われると、自らの判断の表明は避けつつ、「(東京の新規感染者数が3000人を超えた)この時期を逃さないで、明確な強いメッセージを出していただければと思います」と政府に注文した。
いずれも立憲民主党の杉尾秀哉氏の質問に答えた。
政府からのメッセージを巡っては、菅義偉首相は28日、感染の急拡大を受けた取材対応を拒否した。官邸側は「本日はお答えする内容がない」(首相秘書官)と説明した。

●新型コロナ 関西でも感染急拡大 各府県が警戒強める 7/29
関西の2府4県では新型コロナウイルスの感染が急拡大しています。大阪府の吉村知事は、国の方針を注視しつつ、府として、軽症・中等症の病床か、重症病床のいずれかの使用率が50%に上った時点で、緊急事態宣言の発出を要請する考えのほか、兵庫県は、まん延防止等重点措置の適用を求めるなど、各府県では警戒を強めています。
関西の2府4県で28日に発表された新型コロナの新たな感染者は、あわせて1354人で、このうち、大阪の感染者は798人と、2日連続で700人を超えたほか京都は175人と、これまでで最も多くなりました。
こうした状況について、大阪府の吉村知事は「増加の速度は首都圏とほぼ同じ状況で、東京で起きていることは、大阪でも時間をおいて起きてくる」と強い危機感を示しました。
そして、国の方針を注視しつつ、府として、軽症・中等症の病床か、重症病床のいずれかの使用率が50%に上った時点で、緊急事態宣言の発出を要請する考えを示しました。
また、兵庫県は、集中的な対策を講じる必要があるとして、28日、国に対し、まん延防止等重点措置の対象地域に指定するよう要請しました。
さらに、関西圏の自治体でつくる「関西広域連合」は29日に新型コロナの対策本部会議を開いて対応を協議するなど、各府県では、さらなる感染拡大への警戒を強めていて、府県民に重ねて対策の徹底を強く呼びかけています。

●新型コロナ 福島で80人、感染拡大 7/29
福島県は28日、10歳未満〜80代の男女80人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。感染者の内訳は福島、郡山、いわきの3市が各23人で、クラスター(感染者集団)を中心に急拡大している。県内の感染者は計5499人。
県内の1日当たりの公表数としては5月12日の95人に次いで過去2番目に多い。確保病床の使用率は48・6%で、ステージ4(爆発的感染拡大)の目安の50%に迫る。
福島市内の居酒屋で25〜27日に利用客と従業員計8人、いわき市の児童施設で25〜27日に利用者と職員計7人の陽性が確認され、県はそれぞれクラスターと認定。月別のクラスター発生は19件で、4月と並んで最多となった。うち飲食店関係が15件を占める。
県は28日、福島、いわき両市の酒類を提供する飲食店などに31日から8月22日まで、営業時間の短縮を要請すると決めた。午後8時〜午前5時の営業自粛を求め、酒類提供は午前11時〜午後7時に限る。対象は計約2800店舗で、売上高に応じ協力金を支給する。
既に時短営業を要請している南相馬、郡山両市のうち、南相馬は感染者が減少したことから予定通り今月31日で終了する。

●五輪会場の自治体関係者ら 感染拡大に危機感「有観客が影響」 静岡  7/29
東京五輪が日本人選手のメダル獲得で盛り上がる一方で、全国の新型コロナウイルス感染者が、一日として過去最多を更新した。自転車競技が有観客で行われている静岡県東部でも二十八日、新たな感染確認が相次ぎ、自治体関係者らは危機感を強めている。 (篠塚辰徳、渡辺陽太郎)
「有観客に踏み切った影響は当然ある」。ロードレースのコースの御殿場市でビジネスホテルを経営する男性は話す。開催日の今月二十四、二十五日は沿道に多くの観客が集まり、ホテルにも首都圏の客が多かったという。「コロナ禍で迎える怖さはあったが、経営は苦しく難しい判断だった」
マウンテンバイクとトラックの開催地、伊豆市。市オリンピック・パラリンピック推進課の森嶋哲男課長は「さらに感染拡大すれば無観客になる恐れがある。それだけは避けたい」と話す。
競技開催日、市は会場へのシャトルバスが発着する伊豆箱根鉄道修善寺駅に「おもてなしエリア」を設営し観客に記念品やうちわを渡している。既に終了したマウンテンバイクでは多くの客が喜んで受け取り、地域のPRに手応えを感じていたところだった。
森嶋課長は「日本人のメダルが期待される来月実施のトラックや市内の児童・生徒が観戦予定のパラへの影響が心配」と話した。
沼津市は今月、既に複数のクラスター(感染者集団)が発生、一日二桁の感染者が出る日が頻繁にある。JR沼津駅前ではボランティアが五輪の観客を案内しており、頼重秀一市長は会見で「受け入れる側は感染防止のガイドラインを順守する。来られる方も居住自治体の出しているガイドラインを順守してほしい」と訴えた。

●公明代表「次の一手を」 首都圏のコロナ感染拡大 7/29
公明党の山口那津男代表は29日の党会合で、埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県が新型コロナウイルスの緊急事態宣言の発令要請に向けた準備を進めていることをめぐり、政府に早急な対応を求めた。「自治体から要請があれば、専門家の意見を踏まえ、速やかに次の一手、実効性のある一手を政府として決めてほしい」と述べた。
感染拡大が続く大阪府の現状にも触れ「大阪がどうなるかも気になるところだ」と指摘。ワクチン接種については「供給の見通しが立ってきた。現場と政府、都道府県が密に連携し、着実に進んでいくように後押ししたい」と語った。
北側一雄中央幹事会長は記者会見で、首都圏3県への緊急事態宣言に関し「発出はやむを得ないのではないか」と話した。

●菅首相 国民へのメッセージ 「きょう確認して説明」感染拡大で  7/29
新型コロナウイルス対応で、菅総理大臣は、29日朝、総理大臣官邸に入る際、記者団から、感染拡大が続く中、国民へのメッセージはないかと問われ「きょう確認してから説明する」と述べました。
緊急事態宣言が出されている東京都では、28日、2日連続で過去最多の新規感染者が確認され、まん延防止等重点措置が適用されている、埼玉、千葉、神奈川の3県でも新規感染者がこれまでで最も多くなりました。
菅総理大臣は、29日朝、総理大臣官邸に入る際、記者団から「全国で感染拡大が続いているが、国民にメッセージはないか」と声をかけられ「きょう確認してから説明する」と述べました。
政府は、埼玉、千葉、神奈川の3県では感染が急拡大しているとして、直近の感染状況なども見極め、緊急事態宣言を出すことも検討していて、方針が固まれば、30日にも、正式に決定することにしています。

●福岡との往来自粛を コロナ感染拡大踏まえ県要請 7/29
佐賀県は28日、10歳未満〜90歳以上の男女19人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。
感染者の増加傾向や、その感染経路の分析を踏まえて県は、福岡県への不要不急の往来と会食を自粛するよう県民に求めた。同県での行動歴などがある人が、感染するケースが増えているためだという。これまで示していた首都圏の1都3県への往来と会食の自粛も引き続き求める。
甲斐直美・県健康福祉部長らによると、今月1〜27日の感染者計100人のうち、これまでの感染者と関係がない人は36人。このうち発症前に福岡県での行動歴がある人や、行動歴がある人との接触があるケースが計24人にのぼったという。福岡県発表の感染者数は急増しており28日に405人となっている。
甲斐部長は「(福岡県に関係する)こういった感染を起点にして家庭内や職場での感染につながっている状況がある」と指摘した。
これまでは福岡県との往来や会食については「特に警戒する」よう求めてきており、自粛までは踏み込んでいなかった。

●「第5波」感染拡大 新型コロナウイルス 札幌市150人台見込み 7/29
関係者によりますと、新型コロナウイルスの29日の感染確認は、札幌市で150人台となる見込みであることがわかりました。今月最多を更新する見通しで「第5波」の感染拡大が続いています。

●東京、五輪後に4532人の恐れ「経験のない爆発的な感染に向かっている」 7/29
東京都の新型コロナウイルスのモニタリング会議が29日あり、現状のペースで感染拡大が続いた場合、直近1週間平均の新規感染者数は、東京五輪終了後の8月11日には1日当たり約4532人に達するとの試算が報告された。都内の感染者は2日連続で最多を更新し、3000人台を突破しているが、さらに悪化する懸念がある。大曲貴夫・国際感染症センター長は、「これまで経験したことのない爆発的な感染拡大に向かっている。現在の新規陽性者の増加比が継続することは早急に回避しなければならない」と訴えた。
報告によると、新規感染者数(1週間当たり)は7月20日時点の約1170人から、28日時点では約1936人と大幅に増加。このままの増加比が継続すると、1週間後の五輪終盤の8月4日には1日当たり2962人と「通常の医療も含めた医療体制がひっ迫した第3波のピーク時を大きく上回る」とし、8月11日には同4532人となり「医療提供体制が危機に瀕するので早急に回避しなければならない」と訴えた。
東京都医師会の猪口正孝副会長は、現時点の都内の医療提供体制について、約1カ月前から入院患者数が倍増したことに触れ「逼迫は始まっています。真っただ中と言ってもいいような状況」と報告した。五輪開会式前後の22〜24日の4連休に関しては、「特に連休中の入院調整は極めて厳しく、翌日以降の調整に繰り越し、自宅待機を余儀なくされる事例が多数生じました」と言及。入院調整が難しい状況は連休後も続いており、今後さらに難航することが予想されるという。
PCR検査などの陽性率は16.9%で、1週間前の10.2%から大幅に上昇。猪口氏は、検査を受けておらず、行政が把握できていない感染者が増えている恐れを指摘し「発熱やせき、たん、倦怠感などの症状がある場合は、かかりつけ医に電話相談するなど、早期にPCR検査を受ける必要がある」とした。  

●飲食店の41%が東京オリンピック開催に「賛成」も、感染拡大に不安を 7/29
調査概要
調査対象:飲食店(飲食店経営者・運営者)
回答数:495名
調査期間:2021/6/29〜6/30
調査方法:インターネット調査
回答者について
本調査にご協力いただいた回答者のうち70.7%が1店舗のみを運営しております。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は54.3%(首都圏の飲食店の割合は72.4%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測されます。
調査結果について
88.9%の飲食店が協力金を「申請済み」も、4月分以降をいまだ受給できない店舗が多数
新型コロナウイルスの世界的な流行が収まらない中、7月23日より東京オリンピック・パラリンピックが開催されてます。しかし、開催地となる東京では一日の新規感染者数が1,000人を超えるなど、7月現在も深刻な感染拡大が続いている状況です。今回は、こうした異例の状況下で開催されることへの様々な意見や懸念について調査するため、アンケートを実施いたしました。なお、本アンケートの実施時(6/29〜6/30)は、東京都、大阪府、北海道、愛知県、京都府、兵庫県、福岡県の7都道府県にまん延防止等重点措置が適用されていた期間であり、制限付きで酒類提供の停止が解除されていました。また当時、東京オリンピック・パラリンピック会場における観客の動員に関しては未定であり、現在(7月下旬)の状況とは異なることをご考慮ください。
最初に、2021/5の経営状況について、コロナによる影響を受ける前の2019年同月と比較してもらったところ、「2019年5月より70%以上減った」との回答が最も多く、37.8%。次いで、「50%減った(10.5%)」、「60%減った(10.3%)」と続きました。この結果から、飲食店の58.6%が「2019年同月より50%以上減った」と回答したことがわかります。
4月の売上について同様の調査を行った際は、「2019年同月より50%以上減った」との回答が52.1%だったことから、飲食店への長引く時短営業や酒類提供の停止要請などが、深刻な売上の低迷をもたらしていることは明らかです。
次に、これまで営業時間短縮要請に伴う感染拡大防止協力金の申請をしたことがあるか聞いてみると、9割近くが「申請したことがある(88.9%)」と回答しました。
さらに「申請したことがある」と回答した人に対し、現時点での協力金の支給状況について尋ねたところ、全国の最多は「2021年3月までの要請期間分が振り込まれている」で、36.8%。続く回答は、「4月までの要請期間分(33.2%)」、「2月までの要請期間分(12.3%)」となりました。
一方、都道府県別に見ると、埼玉県では「5月までの要請期間分(38.1%)」との回答が最も多く、支給スピードの速さが表れる結果に。自治体の多くは要請期間終了からおよそ1ヶ月以上かかって申請受付を開始するケースが多い中、埼玉県では常に要請期間終了の翌日から受付をスタートしており、こうした迅速な対応が功を奏しているものとみられます。
こうした中、東京オリンピック・パラリンピックが開催されることについて、どう感じているか尋ねたところ、「中止するべき」との回答が29.3%と最多に。しかし、続く「賛成(22.8%)」、「無観客での開催なら賛成(18.4%)」を合わせると、41.2%は概ね賛成の意思を示していることもわかります。本アンケート実施時点において、東京オリンピック・パラリンピック会場における観客の動員に関しては未定でした
また、開催期間中の営業意向を複数回答で聞いたところ、最も多かったのは「通常通り営業する(77.4%)」との回答。次いで「自主的に時短営業を行う(13.7%)」、「テイクアウト販売、デリバリーを強化して営業する(7.1%)」と続きました。また、通常通り営業するとしながらも、「アルコールの提供は自粛する」との回答もあり、各店舗で様々な営業のスタイルが検討されていた様子も見えてきます。本アンケート実施後の7月12日から、一部地域に緊急事態宣言が発令されました(8月22日まで)。これにより7月下旬現在は、各地の飲食店に酒類提供の停止などが要請されています
続いて、本アンケートに協力いただいた回答者本人に、新型コロナウイルスの1回目のワクチンを接種したか聞くと、「まだ接種していないが、今後接種する意向(61%)」との回答が最も多く寄せられる結果に。続く回答は、「接種するか検討中(16.4%)」、「接種する意向はない(13.5%)」となり、ワクチンの接種に一定の懸念を抱いている人が少なからずいることも明白となりました。
次に、東京オリンピック・パラリンピックの開催にあたり、店舗の営業を行ううえで最も懸念されるのはどのようなことか尋ねたところ、感染の再拡大による様々な影響を不安視する声を中心に、以下のような回答が寄せられました。
回答抜粋
   人流増加、感染者増加による緊急事態宣言の再発令と、酒類の提供停止要請
・感染拡大すると思われるので、緊急事態宣言がまた発令されるだろう。またお酒の提供が出来なくなるのでは(神奈川県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・感染状況の悪化による、緊急事態宣言の再発令。とにかく、アルコール販売停止だけは勘弁していただきたい(東京都/フランス料理/2店舗)
※本アンケート実施後の7月12日から、一部地域に緊急事態宣言が発令されました(8月22日まで)。これにより7月下旬現在、各地の飲食店に酒類提供の停止などが要請されています
   客足が落ちることによる売上の減少
・感染拡大による再緊急事態宣言や、まん延防止の時短営業要請で通常営業が出来なくなれば、売上減少が懸念される(埼玉県/フランス料理/1店舗)
・TV観戦による在宅時間の増加で需要が減少し、売上が低下すること(神奈川県/和食/3〜5店舗)
   節度を守らない客が増えること
・単に酒飲んで酔っ払って騒ぎたいだけの人々が街に溢れて、ルール無視で入店してくるかもしれないという懸念(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・お祭り騒ぎで、変にはしゃぐ人たちに巻き込まれないようにしたい(東京都/カフェ/1店舗)
   外国人客の増加による諸問題
・海外からのお客様が、感染防止ルールを理解できずに守らないこと(東京都/中華/1店舗)
・海外からの来訪者による新たな変異株の発生(千葉県/カフェ/1店舗)
   東京オリンピック・パラリンピックについて
中止または延期するべき
・飲食店には時短営業やアルコール提供を自粛するように要請したのに、オリパラならば安全安心で選手村や施設にはアルコールOKなどおかしい事ばかりです。今すぐオリパラは中止にすべき(埼玉県/フランス料理/1店舗)
こうまでしてやる理由を明確に示してほしい
・開催するにあたって納得のいく理由(人命や国民の日常生活を犠牲にしてでも開催しなければならない理由)を説明してほしい(東京都/カフェ/1店舗)
国民の安全を第一に考えてほしい
・国民の健康とオリンピック開催の意義を、今一度冷静に天秤にかけていただきたい(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
「開催自体は仕方ない」との見解から――
万全の感染防止対策を講じてほしい
・オリンピックで来日した人達をしっかり隔離し、外出の規制を徹底してほしい(神奈川県/カフェ/1店舗)
開催会場は無観客の状態にするべき
・開催するのであれば、今の状況からして無観客でやるべき(東京都/フランス料理/1店舗)
(本アンケート実施時点6/29〜6/30において、東京オリンピック・パラリンピック会場における観客の動員に関しては未定でした)
一方、開催にあたって一定の理解を示す声のほか、諦めの感情を示す声なども見受けられました。
・東京オリンピック・パラリンピックが決まった時は、まさか誰もこんな状況になるとは思ってなかったと思います。今できる事を全うして、無事に開催して頂けたらと思います(神奈川県/ラーメン/2店舗)
・やるも地獄、やらぬも地獄。正解などどこにもないと思います(東京都/バー/1店舗)

●東京都で新たに3865人の感染確認 過去最多 2日連続の3000人超 7/29
東京都で29日、新型コロナウイルスの感染者が新たに3865人確認された。28日の3177人を上回り、3日連続で過去最多を更新した。
感染が確認されたのは10歳未満から100歳以上の3865人で、直近7日間の1日あたりの平均は2224.1人と、前週(1373.4人)に対して161.9%となった。年代別で見ると20代が最も多い1417人、次いで30代が782人で、重症化リスクが高い65歳以上の高齢者は105人だった。
重症の患者は前日から1人増えて81人となった。また、3人の死亡が確認された。

●東京都 新型コロナ 新たに3865人感染確認 3日連続過去最多更新  7/29
東京都は、29日、都内で過去最多となる3865人が新型コロナウイルスに感染していることを新たに確認したと発表しました。都内では、28日、はじめて3000人を超え、3177人の感染が確認されましたが、29日はさらに688人多くなりました。これで、3日連続で過去最多を更新しました。
また、29日の3865人は、1週間前の木曜日の倍近くに増えていて、これまでにないスピードで感染が拡大しています。一方、都の基準で集計した29日時点の重症の患者は28日より1人増えて81人でした。

●感染者 初の全国1万人超 “経験ない急速な感染拡大” 専門家 7/29
東京・3865人、神奈川・1169人、沖縄・392人。29日も新型コロナウイルスの感染確認の発表が過去最多となったところが相次ぎ、感染者は全国で初めて1万人を超えました。“これまでに経験のない急速な感染拡大になっている”現在の感染状況がこう分析される中、専門家は「危機感の共有」を指摘しています。
全国の感染発表 初の1万人超
新型コロナウイルスは各地でこれまでにないスピードで感染が拡大していて、29日の発表は全国で初めて1万人を超えました。一日の感染発表が過去最多を更新するのは2日連続です。また、全国で14人の死亡が発表されたほか、重症者は539人で28日から17人増加しています。
首都圏. 東京・神奈川はきょうも最多
東京都 / 過去最多となる3865人の感染確認が発表され、初めて3000人を超えた28日よりさらに688人増えました。これで3日連続で過去最多を更新し1週間前の木曜日の倍近くに増えました。
神奈川県 / 1164人の感染確認が発表され、一日の感染者数は2日連続で1000人を超え過去最多を更新しました。
埼玉県 / 864人の感染確認が発表され、2日連続で800人を超えこれまでで2番目に多くなりました。
千葉県 / 576人の感染確認が発表され、過去最多だった28日の577人とほぼ同じ水準で2日連続で500人を超えました。また、1週間前の木曜日よりも233人増えました。
関西. 大阪は5月11日以来の900人超
大阪府 / 932人の感染確認が発表されました。一日の感染者数が900人を超えるのは5月11日以来で、先週の木曜日の倍以上に上っています。
兵庫県 / 280人の感染確認が発表されました。
京都府 / 164人の感染確認が発表されました。
専門家“危機感共有を”
「これまでに経験のない急速な感染拡大になっている」28日夜の厚生労働省の専門家会合は現在の感染状況についてこう分析しました。そして緊急事態宣言などによる人出の減少が限定的で、感染力が強い変異ウイルス「デルタ株」への置き換わりも進み、東京ではすでに一般医療への影響が起きているとして「このままの状況が続けば通常であれば助かる命も助からない状況になることも強く懸念される」と危機感を示しました。さらに「こうした危機感を行政と市民が共有できていないことが最大の課題だ」と指摘しました。
脇田座長「危機的状況 市民に共有されていないことが問題」
厚生労働省の専門家会合のあと会見した脇田隆字座長は「東京都は緊急事態宣言が出されてから2週間経過しているが、その効果が出ているとは言い難い。人流は減少しているが前回の宣言時と比べると緩やかで減少幅も小さく、きょうの会合ではこのままではなかなか感染者数を減らすまでには至らないのではという議論があった。今の状況は単純に感染者数が増えているだけではなく、すでに一般医療への影響が始まっていて危機的な状況だということが十分に市民に共有されていないことがいちばんの問題だ。市民に協力してもらえるようなメッセージを発信することが重要だ」と話していました。
尾身会長「最大の危機は社会で危機感が共有されないこと」
政府の分科会の尾身会長は参議院内閣委員会で、現状では感染を減少させる要素がほとんどないとして、社会全体で危機感が共有されなければ早晩、医療のひっ迫が深刻になると強い危機感を示しました。この中で尾身会長は感染状況について「今、この感染を下げる要素があまりないが上げる要素はたくさんある。一般の市民が『コロナ慣れ』していること、デルタ株の感染力が強くなっていること、夏休みやお盆、さらにオリンピックだ」と指摘しました。そのうえで「最大の危機は社会で危機感が共有されてないことだ。このまま共有されなければ、感染はさらに拡大し早晩、医療のひっ迫がさらに深刻になる」と強い危機感を示しました。そして「この1年半で最も厳しい状況にある。東京の感染者数が3000人を超えたこの時期を逃さないで、今まで以上に強いメッセージを出してほしい」と政府に求めました。
“危機感共有” 政府に求められることは?
「危機感が共有されていない」と専門家が指摘していることについて政府には何が求められるか、政治部・瀧川学記者の解説です。尾身会長が指摘したように感染対策が長期間に及び、国民が宣言慣れしていることは否定できないと思います。繁華街での人出が政府が期待するほど減っていないことはその表れの一つと言えますし、ある政府関係者も「正直、何か新しい対策を講じるのは難しい」と漏らしていました。そうした中で、緊急事態宣言の効果をあげていくためには、国民が納得し感染対策の徹底などに協力しようと思えるメッセージを出すことが欠かせません。今回の宣言はこれまでとは何がどう異なるのか、どんな対策をとっていつごろまでに何を目指すのかといったことをより明確に説明することが求められると思います。
“宣言” 埼玉 千葉 神奈川 大阪を追加
そして、政府は、東京都と沖縄県に出されている緊急事態宣言について埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県を追加する方針を固めました。期間は来月2日から31日までとし、東京と沖縄の宣言の期限もこれにあわせて延長する方針です。菅総理大臣は午後5時ごろから、総理大臣官邸で西村経済再生担当大臣や田村厚生労働大臣らと会談しました。その結果、緊急事態宣言の対象地域に埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県を追加する方針を固め、与党側に伝えました。
“まん延防止措置” 北海道 石川 京都 兵庫 福岡に適用
また、北海道、石川、京都、兵庫、福岡の5道府県に新たにまん延防止等重点措置を適用する方針です。期間は、いずれも来月2日から31日までとし、来月22日までとなっている東京と沖縄の宣言の期限もこれにあわせて延長する方針です。政府は、こうした方針を30日、感染症などの専門家でつくる「基本的対処方針分科会」に諮ったうえで対策本部で正式に決定することにしています。
 

 

●政府分科会 4府県“宣言”追加 5道府県“まん延防止”適用了承  7/30
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、専門家でつくる分科会は「緊急事態宣言」の対象地域に埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県を追加するほか、北海道、石川、兵庫、京都、福岡の5道府県に「まん延防止等重点措置」を適用し、期間はいずれも来月2日から31日までとするとともに、東京と沖縄の宣言の期限もこれにあわせて延長する政府の方針を了承しました。
新型コロナウイルス対策をめぐり30日午前、感染症などの専門家でつくる政府の「基本的対処方針分科会」が開かれました。
この中で、西村経済再生担当大臣は「全国の新規陽性者数はきのう1万人を超え東京都で3865人といずれも過去最多となり、非常に高い水準の報告が続いている。首都圏の3県からは緊急事態措置を要請された。東京とあわせて首都圏で面的に一体的に強い取り組みを実施することで感染を何としても抑えていく。大阪でも医療機関の負荷が増大してきていて、より強い措置を講じていく」と述べました。
そのうえで東京都と沖縄県に出されている「緊急事態宣言」の対象地域に埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県を追加し、北海道、石川、兵庫、京都、福岡の5道府県には「まん延防止等重点措置」を適用する方針を諮りました。また、重点措置の適用地域では原則、飲食店に酒の提供停止を要請する方針を示しました。
そして期間はいずれも来月2日から31日までとするとともに、来月22日までとなっている東京と沖縄の宣言の期限もこれにあわせて延長する方針を説明しました。
西村大臣は「この夏は都道府県を越えた移動にはできるだけ慎重を期していただき、どうしても移動する場合は小規模分散型で検査を受けていただくことをお願いしたい。東京オリンピックは家族やいつもいる仲間と少人数で、自宅で応援や観戦をしていただき、路上や広場での大人数での応援や飲食は控えていただくことをお願いしたい」と呼びかけました。
分科会では、こうした政府の方針について議論が行われ了承されました。
これを受けて政府は衆参両院の議院運営委員会に報告し、質疑を行ったうえで午後5時から開かれる対策本部で正式に決定することにしています。
そして菅総理大臣は30日午後7時をめどに記者会見し「緊急事態宣言」の対象地域を追加することなどを説明し、国民に理解と協力を呼びかける見通しです。
尾身会長「現状の危機感が共有されていない」
「基本的対処方針分科会」の尾身茂会長は、会合のあと報道陣の取材に応じ、緊急事態宣言の対象地域に、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県を追加するなどとした政府が示した方針を了承したと述べました。そのうえで「現状の危機感が社会に共有されていない。いま何が起きているのか、どうして医療がひっ迫しているのかということを含めて、政府と自治体、専門家がワンボイスで強いメッセージを出すことが重要だ。特にいまは危機的な状況にある。これまで対策をお願いしてきたことが必ずしも十分にできていなかったから今の状況にある。やるべきことをしっかりと徹底して行うことが必要だ」と強調しました。そして、取るべき対策として3つの柱があるとして「ふだん、あまり会わない家族以外の人と、飲食の場や飲食以外の機会でも大人数で接触する機会が増え、感染が拡大していることは間違いない。オリンピックを自宅で見ることを含め、接触機会をなるべく避けることを徹底してもらいたい。また、少しでも具合が悪いと思ったらPCR検査や抗原検査などいつでも気軽に検査を受けてもらえる体制を構築することが必要だ。さらに医療のひっ迫に対応するため訪問看護や在宅医療、開業しているクリニックなど地域の方たちに、今まで以上にコロナ対応に関与してもらうことが必要だ」と述べました。
西村大臣「医療ひっ迫で極めて強い危機感を共有」
西村経済再生担当大臣は分科会のあと記者団に対し「足元の感染状況や医療提供体制の状況に極めて強い危機感が示された。特に医療については40代と50代で入院する人が増加している。このまま毎日これだけの感染者の数が続けば医療がひっ迫し、救える命も救えなくなるという極めて強い危機感が多くの先生方から示され、そのことを共有した」と述べました。そのうえで「ワクチン接種が進めばどういったことが可能になるのかや、いわゆる出口の指標の在り方についても検討していくべきだという議論が出た。ただ、足元でこれだけの感染者が出ているので、まずは感染や医療の状況について国民に正確な情報をしっかりと伝え、政府や自治体で対策を徹底し実効性を上げていくことの重要性について指摘を多数いただいた」と述べました。
全国知事会 飯泉会長「ロックダウン 法整備検討を」
分科会のあと全国知事会の飯泉会長は記者団に対し「火事で例えれば、燃え盛っている。それをどう食い止めるか、あらゆる手段を使っていくべきだ。日本ではロックダウンができないが、それを考えるべきだという話が分科会ではあった。海外でやっているような、あるエリアで人流を本当に止めるための法整備を検討する段階にきたのではないかと思う」と述べました。
分科会委員 竹森理事長「感染を防ぐことに全力」
経済の専門家として分科会の委員を務める、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの竹森理事長は記者団に対し「ワクチン接種が進んでいると言うが、ワクチンと感染状況は違う。相当、危機的な状況になる可能性があることを考え、まずは感染を防ぐことに全力を注ぐべきではないかという認識でまとまった」と述べました。そのうえで「東京の事態が急激に悪くなり、新たにとれる政策として何があるかを詰め切れていない。飲食の場などに対し有力な歯止めがかけられておらず、新しい法的な措置などを設けることが必要かどうか、今後のデータを見ながら判断しなければならないだろう」と述べました。
加藤官房長官「宣言解除に向けた道筋示したい」
加藤官房長官は閣議のあとの記者会見で「緊急事態宣言などが長期に及び、飲食店や関係事業者、国民の皆さんに大変なご負担をおかけしている。そうした中で、感染対策を効果的、持続的なものにしていくためには、対策の必要性だけではなく、今後の見通しも可能なかぎり示し、ご協力をお願いしていくことが重要だ」と述べました。そのうえで「ワクチン接種が進む中で、感染状況にも明らかな変化が見られている。高齢者の入院や重症化が抑えられており、今後、40代、50代以下の接種が進めば、同様の改善効果が期待される。接種が進展する中で、感染状況や医療提供体制の状況をどのように適切に評価していくのか、専門家のご意見も伺いながら、分析、検討を進め、緊急事態宣言の解除に向けた道筋を示していきたい」と述べました。
田村厚労相「ワクチン接種もう一段進むまでは協力を」
田村厚生労働大臣は閣議のあとの記者会見で「緊急事態措置を出したにもかかわらず感染が急激に伸びているのは大変危機的な状況だ。いつまでも協力をお願いし続けるのは無理だというのは重々分かってはいるが、ワクチン接種がもう一段進むまでは、どうかご理解、ご協力をいただきたい」と述べました。また「40代と50代が重症者のボリュームゾーンになっているが、この世代のワクチン接種は高齢者と同じように進んでいるわけではなく、まだ1か月くらいはかかる。8月いっぱいは何とか感染リスクの高い行動は控えていただきたい」と述べました。
丸川五輪相「宣言延長 大会とは全く別」
丸川オリンピック・パラリンピック担当大臣は閣議のあとの記者会見で、記者団から今後の大会運営などへの影響について問われたのに対し「緊急事態宣言の延長などについては、大会とは全く別に社会全体の感染状況を踏まえて行われるものと承知している」と述べました。
立民 安住国対委員長「国会で早急に議論すべき」
立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に対し「感染をここまで広げた政府の政治責任は重く、菅内閣全体で責任をとってもらわないといけない。感染はすでに東京から地方に広がり始めていて、このまま見過ごせば全国で医療崩壊が起きかねない。また、パラリンピックへの対応をどうするのかなどもあり国会を開いて早急に議論すべきだ」と述べました。

●日本、新型コロナ新規感染者1万人超え…緊急事態宣言拡大 7/30
東京オリンピック(五輪)の最中、日本で新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)が急速に拡大し、緊急事態宣言発令地域が大幅に拡大される。
30日、共同通信やNHKによると、日本政府はこの日夕方、新型コロナ対策本部会議を開き、神奈川・埼玉・千葉の首都圏3県と関西地域の中心地・大阪府に緊急事態発令を決定する。
発令期間は来月2日から31日まで。日本の緊急事態宣言は、外出自粛や飲食店の営業時間の制限、在宅勤務の拡大などを骨子とする。
すでに緊急事態宣言が発令されている東京都と沖縄県の発令期間は、来月22日までから同月31日までに延長される。
これにより、来月24日に開幕する東京パラリンピックも緊急事態発令期間に開催されることになった。
NHKによると、前日、日本全国で新たに確認された新型コロナ感染者は1万699人で、新規感染者が初めて1万人を超えた。
23日の五輪開幕後、日本では新型コロナが急速に広がっている。
新型コロナの新規感染者は開幕日に4225人から前日1万699人に、153%急増した。
競技が多く行われる東京都では、3865人が感染し、3日連続で過去最多を更新した。
東京五輪には200カ国以上の選手や関係者が約8万人集まっているため「爆発的感染」への不安が高まっている。
五輪出場選手をはじめとする大会関係者、ジャーナリスト、委託業務スタッフなどから感染者も発生している。東京五輪関連の感染者は合計193人となった。
しかし、河野太郎ワクチン担当相は、AP通信とのインタビューで五輪参加者から一般市民に新型コロナが感染したという証拠はないと述べた。

●「手洗い、消毒、マスクと、できることを続けるしかない」拡大する新規感染 7/30
過去最多を連続更新した新型コロナウイルスの新規感染者数。政府は神奈川、埼玉、千葉の首都圏3県と大阪府に対し緊急事態宣言の発出を、東京、沖縄の期間延長の方針を固めた。
現場で患者の対応にあたってきた愛知医科大学病院循環器内科助教の後藤礼司医師は「東京都の1日の新規感染者数も、おそらく5000人程度は行くのではないかと予測されていると思う。高齢者のワクチン接種が進んでいるので重症化率のところではまだチャンスがあるかもしれないし、波を慎重に見ていく必要があるのではないかと思うが、やはり“数の病気”である以上、いい傾向ではない」と話す。
東京都の福祉保健局は27日、「(メディアは)いたずらに不安を煽らないようにしていただければ。重症化率は極めて低い。医療に対する圧迫は、数字上とは若干違うかなという印象を持っている」として、前回のピーク時とは状況が変化していることを指摘。一方、都医師会の猪口正孝副会長は29日のモニタリング会議の席上、「入院患者数や重症患者数に余力があるように見えるが、これは決してそういうことではない」と警鐘を鳴らしている。
後藤医師は「ワクチン接種が進み、重症者数が少なくなってくれば経済活動も再開ができるようになるので、重症化率の部分を見たいという意見もあると思うが、慌ててデータの解釈をして、安易に言葉に出しすぎるのは問題だ。未接種の方々の間で感染が拡大すれば病床は逼迫してしまうし、入院先が隔離病棟でなければ、他の人へも感染を広げてしまう可能性がある。さらに偽陽性でも隔離されることがあるので、感染リスクの高いところで2週間近くベッドを埋めるということにもなる。仮に致死率が1%だとすると、感染者が1人であれば死ぬ可能性は極めて低いが、感染者が100人出れば1人は亡くなるわけだし、感染者が100万人、1000万人…にとなれば、それに連れて死亡者数も増えていくわけだ。重症化の指標を見るのももちろん大事だが、やはり新規感染者数も大事だ」と指摘。
また、「“確保病床の使用率”という数字がよく出てくるが、重症の人を診るための箱は確保されていても、スタッフ全員が人工呼吸器を扱えるわけではないなど、マンパワーやハードによって、実態としての病床数は少なくなる。そういう中で使用率を見ても、医療機関には雲泥の差があるということだ。特に東京は重症の人を診るための箱の数はすごく多い。それでも大学病院などICUをたくさん持っているようなところの先生方が“苦しい”“厳しい”と言っているということは、確実にそういう状況にあるということだと思う。夏場には重度の熱中症の方々もやってくるし、医療を回すための余裕、そして感染者数が増えてくる1週間、2週間後というタイムラグも踏まえた上で、ICUの占有率を見ていかないと、これから先に重症化した方々にとっては悲劇になってしまう」と懸念を示した。
さらに繁華街などの人出について菅総理は27日、「車の制限だとかテレワーク、そしてまさに皆さんのおかげさまによって人流は減少している」とコメント。加藤官房長官も「ここ1、2週間、夜の滞留人口を見るかぎりは、減ってきているというのは明らかではないだろうか」と話しているが、実態を正しく反映していないのではないかとの声は後をたたない。
後藤医師は「20代や働き盛りの30代の感染が多いのは今までも変わらないし、行動変容がメッセージとして届いていないということもあると思う。“緊急だ”というのを一体何回出すんだ、“ここが山だ”と言うが、一体何回山が続いているのか、ということだろう。それでも有病率が数%なので残りの人たちにはわからないが、罹った人たちは“やっぱりこの病気大変だった。罹らなきゃよかった”と言っている。やはり感染しないに越したことはないし、飲食店からの異議も多く、時短・休業要請には応じないということになってきているので、ここは個々人が自分の行動を見直す。結局、個人レベルではしっかり手洗いをし、消毒をし、狭いところではマスクを付けるということを、慌てず騒がず繰り返しなさいということだ」と話していた。

●東京都の「不安煽らないで」に「煽ってるのは都知事」の大合唱 7/30
「いたずらに不安をあおることはしていただきたくない」
東京都で新型コロナウイルスの感染者数が2848人を記録した7月27日。当時の過去最多となる新規感染者数だったが、『共同通信』によると都の吉村憲彦福祉保健局長は冒頭のようにコメントしたという。しかし、ネットでは「煽ってるのは都知事だろ」との声が相次いでいる。
《「不安煽らないで」って都知事が一番不安煽ってた》《いたずらに不安をあおってきた張本人が小池都知事》《小池都知事のほうだと思いますよ。こう見た感じ、アラートを発するお仕事しかしてないですよね》
では、小池百合子都知事(69)の言動を振り返ってみよう。新型コロナウイルスが猛威を奮い始めた昨年3月25日、小池都知事は「ライブハウスなどの利用を自粛するように」と発言。しかし、「補償等については、税金を投入することが本当に正しいのか議論があるところだと思う」と続けた。その「自粛を要請しても補償はなし」との姿勢に、飲食業などさまざまな業種が不安を覚える事態となった。
その2ヵ月半後となる6月2日、小池都知事は『東京アラート』を発動。しかし感染拡大に対する具体策を発表しなかったため、「都庁が赤色に変わっただけ」との声が日に日に増えていくことに。また7月2日には会見で「“夜の街”要注意」とのボードを掲げたが、《フリップ芸》との揶揄が。さらに「夜の街のスティグマ(差別や偏見に伴う負のイメージ)を助長するのでは」と危惧する声も上がっていた。
そして対策が整わないなか、同月15日には緊急記者会見を開き「新型コロナウイルスの警戒レベルを4段階のうち最も高い“感染が拡大している”に引き上げる」と発表したのだ。
対策が不十分。そして言動の不一致
同年12月17日に小池都知事は、『年末年始コロナ特別警報』を発出。しかし医療機関には病床の確保を、飲食店には時短営業を、そして都民には会食を控えるよう“お願い”。またしても具体的な対策の発表がなかったため、《「やばいよ やばいよ」と言うだけ》《名称だけだった東京アラートと変わらない印象》といった声が上がっていた。
そして今年に入っても、小池都知事は“不安煽り”を止めていない。4月23日には「街頭の照明を伴う看板やネオン、イルミネーションなどを20時以降は停止するよう要請する」と会見で話したため、《電気消したら集まらないだろうって…都民は蛾ですか?》と効果を疑問視する声が。《街の明かりが減り、犯罪が増えるのでは。女性の帰宅など特に心配です》と危惧する声もあった。
また同日、小池都知事は「徹底した人流の抑制や感染リスクが高い施設への適切な対応などが必要」として、国交省と各鉄道事業者に“間引き運転”を要請。しかし減便した分、主要駅は通勤や通学でいっそう混雑することに。そうして“3密”を作り出した。いっぽうで、かつて“満員電車ゼロ”との公約を掲げていたため「そもそも公約を守れていない」との再批判もなされた。
そして今月18日には東京五輪にちなんで、IOCのトーマス・バッハ会長(67)の歓迎会を開催。そこには森喜朗氏(84)や丸川珠代五輪相(50)ら40人ほどが参加していたと報じられている。小池都知事はこれまで「大人数で集まらないように」と何度も呼びかけていたため、言動の不一致にウンザリする声もあった。
「COVID19との戦いで金メダルを取りたい」
また都は「不安を煽らないで」というが、専門家からも厳しい現実を指摘する声が上がっている。
『NHK NEWS WEB』によると今月21日に開かれた東京都のモニタリング会議で専門家は「新規陽性者が増加し続ければ、医療提供体制がひっ迫の危機に直面する」「医療側は、第3波の前の去年12月半ばをイメージするくらいの恐怖感を持っている」と強い危機感を示したという。
そして冒頭の会見当日、都民の不安はさらに煽られることに。コロナ禍で小池劇場をいくつも上演してきた小池都知事だが、『共同通信』によると感染者数が発表された夕方時点で既に退庁。「取材対応はなかった」と伝えられたのだ。そのためネットでは、こんな声が上がっている。
《説明責任を果たさず退庁!今こそ、都庁に泊まりこんででも都民の命を守ることに死にものぐるいで対応すべき》《毎日毎日、あんなにしゃしゃり出てきた小池百合子はどこで何してんの?出てくるのは今じゃないの?お得意のフリップとか標語とかカルタとか振りかざして感染防止に努めるんじゃないの?どれもこれも役立たずだったけど》《小池百合子、逃げ足の速さと気配の消し方卓越してる》
7月24日、東京五輪に際して「ぜひ東京大会はCOVID19との戦いで金メダルを取りたいと思います」と話していた都知事。しかし、表彰台はまだ遠いのかもしれない。

●小池都知事 若者にワクチン接種要請も「そもそも予約できない」と批判噴出 7/30
東京都の新型コロナウイルス感染拡大がとまらない。7月28日には3177人の新規感染者が発表され、初めて3000人超えを記録。翌日の29日も3865人の感染が確認され、27日から3日連続で最多を更新した。
緊急事態宣言下であるにも関わらず収束のめどが立たないなか、都の新型コロナ対策を陣頭指揮している小池百合子都知事(69)による“状況が分かっていない”要請に批判が殺到している。
NHKによると、28日に小池都知事は都庁で報道陣の取材に応じ、「ワクチンを受けた高齢の人たちの感染はぐっと下がっていて、逆にワクチンを受けておらず重症や中等症になる若い世代が増えている」と現在の状況を説明。
さらに「不要不急の外出自粛を徹底し基本的な感染対策を守ってほしい。ワクチンを若い人にも打ってほしい。若い人たちの行動がカギを握っているので、ぜひ、ご協力いただきたい」と呼びかけたという。
若年層へのワクチン接種を要請した小池都知事だが、東京都ではワクチンを打ちたくても打てない現状がある。
例えば優先接種者ではない16歳から39歳の対象者、想定9万5千人が住んでいる豊島区のホームページには、《8月1日(日曜)に新規予約を再開します。現在、国から全国の自治体に供給されるワクチンの供給が大幅に減少し、本区への配分量も想定以上に削減されたことから、7月9日(金)から7月末までの間、ワクチン接種(個別接種、集団接種、巡回接種)の新規予約を一時的に停止いたします》と記されおり、国からの供給が減ったことにより、まだ予約が始まってすらいない。
さらに「TBS NEWS」によると、自衛隊が運営する東京都の大規模接種センターも29日に募集された3万人分の新規予約枠が1時間2分で定員に達しており、容易に予約できる状況ではない。
このような実態と乖離した小池都知事の要望に、SNS上では「打てる体制が出来ていない」との批判が相次いだ。
《打ちたくても打てないという状況知らないんだろうね》《いや。カギを握ってるのは小池さんやスガさんなのよ。若い人たちまでワクチンを届けなさいよ。打ちたくても打てない。なんでも若者のせいにするなよ》《どっちかと言うと早く打たせて欲しいんだけど》《そもそも打ちたくても予約できないんだよなぁ》

●東京の緊急事態宣言を8月末に延長、4府県追加へ−分科会が了承 7/30
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は東京都と沖縄県に発令している緊急事態宣言を8月末まで延長する。当初の期限は同月22日までの予定だった。
対象地域には神奈川、千葉、埼玉の首都圏3県と大阪府を追加する。専門家による基本的対処方針分科会で了承されたと西村康稔経済再生担当相が明らかにした。夕方の対策本部で決定し、菅義偉首相は午後7時から記者会見する。
西村氏は、ワクチンについて「8月下旬には接種状況が現在の欧米並みになることが見込まれる」として、接種が幅広く行き届くまでは厳しい措置を続ける意向を示した。夏休み期間の感染拡大を防ぐため、羽田空港など主要空港から北海道・沖縄に向かう人に加え、福岡便の搭乗者にも無料検査を実施するという。
五輪開催中の東京は12日から宣言下にあり、都は酒類の提供停止を要請している。ただ、29日の感染者数は3865人(前日3177人)と3日連続で過去最多を更新。周辺地域でも感染が広がっており、神奈川県では2日連続で1000人を超えた。
菅首相は29日夜、官邸で記者団に「強い危機感を持って対応している」と述べた。東京五輪と感染拡大の因果関係について問われた際は、「水際対策をしっかりやっている」と否定した。 
伊藤忠総研の武田淳チーフエコノミストは、緊急事態宣言の影響力は薄れてきており、対象地域を拡大しても「さほど効果は出ない」と指摘。経済活動も大きく抑制されないことから「日本経済への影響は限定的で、大きくマイナスになることはない」との見方を示した。

●緊急事態宣言、計6都府県に拡大…厚労相「新たな恐ろしい局面」と危機感  7/30
政府は30日午前、新型コロナウイルス対策の専門家らによる基本的対処方針分科会を開き、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県に新たに緊急事態宣言を発令する方針を示し、了承された。同日夕の政府対策本部で正式決定する。期間は8月2日から31日まで。宣言の対象は、すでに発令中の東京都と沖縄県を合わせ、6都府県に拡大する。
田村厚生労働相は分科会で、新規感染者数が急増していることについて「今までとは違った新たな恐ろしい局面に入ってきている」と危機感を示した。
政府は現在、首都圏3県と大阪府に対し、宣言に準じた対策が可能となる「まん延防止等重点措置」を適用している。いずれも新規感染者数が宣言の目安となる「ステージ4」に達し、医療機関の負担が増大していることを考慮した。東京と沖縄も、8月22日までの期限を31日まで延長する。宣言の対象地域では引き続き、酒類を提供する飲食店に休業を要請する。
一方、感染が急増している北海道、京都、兵庫、石川、福岡の5道府県には重点措置を新たに適用する。期間は8月2日から31日まで。重点措置の地域では、原則として酒類の提供停止を求める。現在は一定の感染対策をとった店では、知事の判断で酒類の提供を例外的に認めているが、今回の基本的対処方針改定案では「感染が下降傾向にある場合」にしか認めず、条件をより厳しくした。
期限について、政府内には当初、8月22日までとする案があった。西村経済再生相は分科会で、「現役世代にもワクチン接種が進むことによる効果を見極めるため、31日までとしたい」と説明した。
政府は、8月末に全人口のうちワクチンを2回打った人の割合が4〜5割に達すると見込んでいる。現在、40、50歳代の重症化が増えており、8月中にこの世代のワクチン接種が進めば、感染状況の改善が期待できるというわけだ。
政府は30日夕の政府対策本部で正式決定する。同日夜に菅首相が記者会見を開き、国民に理解を求める。

●4府県に緊急事態宣言、5道府県に重点措置へ 7/30
政府は7月30日、基本的対処方針分科会(会長:尾身茂・地域医療機能推進機構〔JCHO〕理事長)を開いて現在東京都と沖縄県に出している緊急事態宣言を埼玉、千葉、神奈川各県と大阪府に拡大、まん延防止等重点措置を北海道、京都府と石川、兵庫、福岡各県に出すことを諮問、了承を得た。同日午後に衆参両院の議院運営委員会での説明を経て政府対策本部で正式に決定する。期間は8月31日までで、同月22日までだった東京都、沖縄県の緊急事態宣言も合わせて8月31日まで延長する。
沖縄県は5月23日から、東京都は7月12日から緊急事態宣言が継続中。埼玉、千葉、神奈川各県は4月20日から、大阪府は6月21日からまん延防止等重点措置が継続中だったが、感染拡大に歯止めがかからず、より強い措置に移行することになる。西村康稔経済再生担当相は分科会冒頭、「非常に高い水準での感染報告が続いている。東京では6月以降人流が増加し活発な活動が行われていた結果と考えている。デルタ株への置き換わりが進む中、極めて強い危機感を持っている」と述べた。東京都の感染状況は新規陽性者数、入院者数とも国の基準でステージIVが続き、埼玉、千葉、神奈川各県も同様の状況となっていることから「面的に、一体的に強い取り組みを実施することで感染を抑えていきたい」と述べた。
関西についても、大阪府で新規陽性者数と入院者数がステージIVで医療への負荷が増しており、京都府、兵庫県も新規陽性者数が増加しているため「大阪と合わせて関西圏一体となった取り組みをしたい」と述べた。沖縄県は6月後半から7月にかけていったん新規陽性者数が減少したが、その後また急増し、北海道と石川、福岡両県も増加傾向にあると説明した。
期間を8月31日までと長く取ったことについては、高齢者へのワクチン接種が進んだため重症患者が減ってきていることを踏まえ、「現役世代へのワクチン接種が進むことの効果を見極めるために1カ月間としたい」と説明。現役世代への接種が進むことで一定の改善効果が期待できるとして、「地域における感染状況や医療提供体制を適切に評価するために、40代、50代の接種状況と合わせて医療提供体制の負荷に着目した分析、検討を進めていきたい」と述べた。
田村憲久厚生労働大臣は、「危惧しているのは、緊急事態宣言から2週間以上経っての急激な新規感染者の伸びだ。人流自体は確かに以前ほど下がっていないが、増えているわけでもない、こういう中で伸びている。これまでとは違う恐ろしい局面に入っている」と危機感をあらわにした。
分科会終了後に取材に応じた 東邦大学微生物・感染症学教授の舘田一博氏は、「(東京都への)緊急事態宣言の発出後、2週間を過ぎてもこれだけ感染者数が増加していることを考えると、人流に関しては少しずつ減少していることが確認されているものの、その効果はやはり残念ながら限定的であったと考えざるを得ない」と述べ、「現時点で既に1週間、2週間先のことも決まっているので、今のような増加がしばらくは続くと考えないといけない」と厳しい状況が続くと見通した。
東京都については、「爆発的な感染者数の増大が見られている」と危機感を示し、死亡者数についてはまだ増えていないものの、重症例やその予備軍が確実に増加しており、ワクチン接種が十分に行き渡っていない40、50代の重症例の増加を懸念した。
こうした認識の下、舘田氏は、7月30日に改定される基本的対処方針では、酒類や飲食店をターゲットにした対策が強化されるが、協力が得られなくなっている状況を踏まえ、「今後も感染者数の増加が続くのであれば、デパートを含めた商業施設等の営業自粛も含めてお願いしなければいけないと個人的には思う」とより強い対策の必要性を訴えた。さらに、「今後、緊急事態措置の内容の見直しを行う可能性も、(政府は)考慮していると理解している」と述べた。
会議では、対象地域の拡大と基本的対処方針の改定内容については、特に意見が出なかったという。ただ、全国的な感染の広がりが見られていることから、しっかりと解析を続けながら、必要に応じて全国に展開するようなことも考えていくべきなどの複数の意見が出た。五輪については、今の感染増大に直接はリンクしてはいないが、間接的に矛盾したメッセージになって、それが人の動きの増加につながっているのではないかという意見があったという。

●コロナ感染者過去最多/危機感共有し対策徹底を 7/30
新型コロナウイルス感染の「第5波」の拡大に歯止めがかからない。きのうは全国で1日としては初めて1万人を超す新規感染者が確認された。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置下の首都圏1都3県で感染者の約6割を占めたことは、そうした対策がもはや限界に来ていることを示している。このままでは、感染爆発が地方に広がる恐れが現実味を帯びてくる。
感染者急増の要因は、感染力の強いインド由来のデルタ株が、ワクチン未接種者が多い20〜50代を直撃していることにある。人の流れの減少幅が、前回の緊急事態宣言時より小さいことも大きい。
問題は、そうした状況にもかかわらず、政府、自治体、国民の間で危機感を共有できていないことだ。
政府の感染症対策分科会の尾身茂会長はきのうの参院内閣委員会の閉会中審査で、危機感が共有されない状況が続けば感染がさらに拡大し、「いずれ医療体制が深刻化する」と警告を発した。
尾身氏は政府に強いメッセージを発信することも求めたが、菅義偉首相の最近の発言からは強い危機感は伝わってこない。小池百合子都知事も同様だ。
都内では、1月の第3波よりも高齢者の感染の割合が減っている。重症者も少ない。感染者数だけを取り上げることを疑問視する声がある一方で、感染者が増えれば中等症や重症の患者が増加するリスクは高まる。手術の延期などコロナ以外の治療にも影響を与えており、医療現場は再び逼迫(ひっぱく)しつつある。決して楽観できない。
懸念されるのは、首都圏の感染爆発が地方に及ぶことだ。東北でも福島、宮城をはじめ感染者が増加傾向にある。学校は夏休みに入っており、お盆には県境をまたぐ移動の増加が予想される。各県は帰省や旅行を控えるよう強く呼び掛けるべきだ。
国民の間には、自粛疲れや相次ぐ宣言への慣れがある。政府や都が不要不急の外出自粛や移動の抑制を求める一方で、東京五輪の開催に踏み切ったことが矛盾したメッセージと受け取られ、要請に協力しようという意識の低下につながっている面は否めない。
菅首相が感染対策の切り札とするワクチン接種も鈍化している。経済活動の制限をこれ以上広げることも、経済の疲弊ぶりを考えると難しいものがある。尾身氏が「今の感染を下げる要素はあまりない」と言うように、八方ふさがりな状況にある。
だからといって、手をこまねいているわけにはいかない。不要不急の外出を避け、人との接触を極力減らし、マスクの着用や手洗いを励行する。感染対策の基本を徹底し、ワクチン接種が行き渡るのを待つ。自らの身を守るには、現状ではそれが最善の策であることを再認識し、実践するしかない。

●デルタ株が働き盛りを直撃して新規感染者1万人突破 7/30
新型コロナウイルスの中でも感染力が高いインド由来のデルタ型変異株(デルタ株)が首都圏で爆発的に広がり、全国的にも感染が急拡大して収まる気配がない。29日の東京都の新規感染者は初めて3000人を超えた28日よりもさらに増えて過去最多を更新。全国では1万人を初めて超え、累計では90万人を突破してしまった。感染の中心は20〜40代の活動的な人や働き盛り。専門家は相次いで「これまでに経験したことのない感染拡大」「医療逼迫(ひっぱく)が深刻化する」と指摘するなど、強い危機感を表明し、そろって新たな強い対策の必要性を求めている。
厚生労働省や東京都によると、東京都の29日の新規感染者は3865人で、前日の3177人より増えて4000人に迫っている。首都圏を中心に感染者は全国的に増え、29日深夜までに1万693人を数えた。感染者は8月に向けさらに増える勢いだ。政府は7月12日に東京都に4度目となる緊急事態宣言を発令したが、同月初めには2000人以下を下回っていた国内の新規感染者数は中旬に3000人を超え、22日に5000人を超えた。首都圏の急拡大に引っ張られる形で28日には9000人を超えていた。
厚労省専門家組織の28日の会合で示された資料によると、27日までの1週間の新規感染者は人口10万人あたり東京が88.63人。59.33人だった前週より1.49倍に増えていた。このほか、福岡県が2.20倍、沖縄県が2.15倍、大阪府が1.52倍。首都圏だけでなく全国的な感染急拡大が続いていた。そして全国の新規感染者がまだ確定しない29日の夕方の段階で既に1万人を突破した。こうした事態を重視した政府は同日夜、緊急事態宣言の対象地域に埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県を追加する方針を決めた。30日中に正式に決める。
厚労省のほか、多くの専門家は感染者の急拡大の背景には感染力が高いデルタ株のまん延があるとみている。国立感染症研究所は首都圏での新規感染者の70%以上をデルタ株が占めると推計し、その割合は今後さらに増加し、全国にまん延するのは確実とみている。
感染者が最も多い東京都の状況について、厚労省の専門家組織は28日の会合で「20〜40代を中心に急速な感染拡大が続いている」と分析。一方、ワクチン接種が進んでいる65歳以上の新規感染者はわずか約3%にまで低下している。これらのことから、東京都だけでなく全国的にワクチン接種が終わらず活動性が高く、言わば働き盛りの若い人や壮年層を感染力が高いデルタ株ウイルスが襲っている状況とみている。
同組織はまた、重症者も40〜50代を中心に増加しているとし、「これまでに経験したことのない感染拡大」「熱中症などで救急搬送増加するなど一般医療の負荷も増加する中でこのままの状況が続けば、通常では助かる命も助からない状況になることも強く懸念される」などと強い危機感を示した。
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、28日の衆院内閣委員会の閉会中審査で「医療の逼迫(ひっぱく)が既に起き始めているというのがわれわれの認識だ」と述べた。参院内閣委員会の閉会中審査でも29日、「今の最大の危機は社会一般の中で危機感が共有されていないことだ。共有されなければいずれ医療逼迫は深刻化する」「今の感染を下げる要素があまりない」などと発言し「今まで以上に明確な強いメッセージを出してほしい」などと訴えた。
また、日本感染症学会理事長で、厚労省専門家組織メンバーでもある舘田一博・東邦大学教授は同組織会合に先立って28日午後、日本記者クラブで記者会見した。この中で現在東京都に発令されている緊急事態宣言について「効果は限定的」などと指摘し、(感染拡大を食い止めるためには)これまでの宣言内容とは異なる何らかの強い対策が必要との認識を示した。
舘田教授はまた、ワクチン接種率は60%程度で頭打ちになるイスラエルや米国のデータを示し、日本も同様の傾向になる可能性を指摘して接種率向上が課題である、などと述べた。このほか、ワクチン接種後はデルタ株に対しても少しは効果が減衰するものの確実に中和抗体ができるデータも示して接種の重要性を強調している。

●「このままいけば週に1000人も」感染者急増の新潟県 7/30
新潟県内でも感染が急拡大している新型コロナウイルス。直近の感染状況をふまえ、県福祉保健部の松本晴樹部長が新潟県の状況について29日会見しました。
県内の感染状況については、県外からの人流などで拡大し、夜の人出は県独自の「警報」発令前と変化がないといいます。週ごとの感染者の増え方をみると直近2週間で、1.5倍程度に増えていることから、もしこのまま増えていくと仮定すると、8月最終週には1週間の感染者数が1000人程度になるのではと推計されるということです。
県内の病床利用率は、「警報」発令時の2倍程度になっていて、中等症は3分の1以下といいます。7月28日時点の病床利用率は、22.3%(入院患者124名/555床)、重症者は2人です。
高齢者のワクチン接種が進んできているものの、このまま増えていくと中等症も増えてくると予想されるため、8月下旬には病床がひっ迫してくる可能性があり、このままのペースで1か月増えてくるとしたら、医療機関は危機的だといいます。
感染者の年代別では60代、70代の高齢者が少なくなっている一方で、20代が多くなっています。
地域別の感染者数は、新潟市に多く偏っていて直近の感染者数のおよそ半数が新潟市です。30代以下の半分以上は感染の発端が県外由来です。
県によるとワクチン接種の実績で1回目を接種した12歳以上の人は県民の約4割になったため、接種を加速できるよう取り組んでいるということです。
特にワクチン接種をして欲しいのは肥満の人、優先接種の対象にもなっているBMI30以上の人、糖尿病、BMIの数値が大きい人は接種をよびかけている。肥満の人が重症化しやすい傾向は県内でもみられていて、体中の脂肪の細胞が太っていると肺が圧迫されやすくなるなどと、肺炎が進むとリスクが高まるといいます。
飲み会をして熱がある場合は、すぐ受診をしてほしいとよびかけています。
変異ウイルスは、18歳以下でも熱が出るため、風邪だと思っていたら新型コロナだったという例がよくあるといいます。
子どもから大人へ感染するケースが増えているので、子どもが発熱したら、受診をしてほしい。また感染力の強いデルタ株は、接していた時間が短くても感染するリスクが高いため、警戒してほしいといいます。
県は30日午後、対策本部会議を開きます。

●神奈川、埼玉、千葉、大阪への宣言発令決定 東京、沖縄も延長へ  7/30
政府は30日夕、新型コロナウイルスの感染が急拡大する埼玉、千葉、神奈川、大阪4府県への緊急事態宣言発令を決定する。いずれも8月2日からで、期限は同31日。東京都と沖縄県の期限も同31日まで延長する。菅義偉首相は30日午後7時から記者会見を開く。東京五輪の開催中に宣言の対象地域や期間を拡大する異例の事態。発令への手続きや菅首相の会見などを速報する。
17:15 4府県への緊急事態宣言が決定
菅首相が新型コロナウイルス対策本部で、8月2日から神奈川、埼玉、千葉の3県と大阪府への緊急事態宣言発令を表明した。東京都と沖縄県に出ている宣言は延長する。いずれも8月31日まで。
16:45 都内の感染者数3300人
東京都はこの日の新規感染者数が3300人だったと発表した。3日連続で3000人台となり、感染拡大に歯止めがかかっていない。
15:00 小池知事 情報発信「しっかり対応」
専門家から五輪が人流を増加させる一因になっているとの懸念が出ていることについて、東京都の小池百合子知事は五輪のテレビの視聴率が20%を超えているとして「オリンピックはそういう意味でステイホームに一役買っているし、またそれが選手への声援にもつながっていると思う」と強調した。また東京の新規感染者数が3日連続で過去最多を更新する中、小池百合子知事が感染者数の発表前に都庁から退庁していることについて、記者が「即日メッセージを発信する必要がなかったのか」と質問。小池知事は「私は適宜適切に、そのタイミングで、きょうもこうやってお伝えもしている。しっかりと対応している」と答えた。
14:50 野党議員「ツイッターの発信も五輪だけ」と批判
参院議院運営委員会では、共産党の山添拓氏が、首相の危機意識の欠如を巡り、首相の最近のツイッターについて言及。「23日から今日まで30回のツイートのうち20回が五輪関係、しかもほとんどがメダル獲得のお祝い、それも金メダルだけだ。感染拡大についてつぶやきさえないのは理解し難い」と批判した。西村氏はツイッターについては直接触れず、「記者会見で、菅総理自身ご自身の言葉で国民にしっかり呼び掛けてもらいたい」と重ねて求めた。
14:35 小池知事、東京の安全安心「確保に努めている」
小池百合子知事は記者会見で、新規感染者数の過去最多更新が続く東京の状況について、「安全安心は確保できているというお立場か」と問われ、「その確保に努めているところであります」と答えた。当初、記者に「東京は安心安全な状況と言えるのか」と問われた際には、「言える」とも「言えない」とも答えず、新型コロナ用の病床や宿泊療養施設の拡充、自宅療養を支える体制の強化の都の努力に触れた上で変異株「デルタ株」の感染力の強さを強調。「都民のみなさまの協力をいただき、東京都としての安全安心を守っていく」と答えた。記者が知事の認識を確認し直すと、「努めているところ」と述べた。
14:30 西村担当相「総理なりの表現で危機感共有」
衆院に続き開かれた参院議員運営委員会では、立憲民主党の吉川沙織氏が「首相の危機感」をただした。西村康稔担当相に「全国で新規感染者が1万人を超える危機的状況になっても総理は国会報告に出席しない。社会に危機感が共有されていない要因のひとつとして、総理自身が国民に対してメッセージを正面から伝えていないことがあるのではないか」と追及した。西村氏は「感染状況や病床状況が危機的であることを私もいろんな形で伝え、共有している」と説明。「総理なりの表現方法ではあるが、危機感を共有し表明していると思う」と反論し、「本日の記者会見でも、総理の言葉で今の状況をしっかりと国民のみなさんによびかけてもらいたい」と述べた。
13:00 西村担当相「五輪で高揚し外出」に危機感
衆院議院運営委員会が始まった。西村康稔担当相は東京五輪の影響について「オリンピックを自宅で観戦していただいて、20日以降、人流は減ってきている」とした上で、「日本人選手の活躍や、オリンピックならではの感動、嬉しい思いは持っていますが、そのままの高揚した感覚で外出してしまうと、感染力の強いデルタ株はちょっとした隙で感染を広げてしまう」と述べ、感染防止における五輪の悪影響への危機感を示した。立憲民主党の原口一博氏に「五輪の撤退戦略、撤退ラインはお持ちか。国民の命と暮らしを賭けに使わないでほしい」と問われて、答弁した。

●「救えなくなる」「疲労ピーク」医療現場は崩壊寸前 沖縄コロナ急拡大 7/30
新型コロナウイルスの急速な感染拡大で29日の新規感染者は過去最多を更新し、入院患者は434人に上る。繰り返される医療体制の危機に、治療に当たる沖縄県内医療機関は「患者を救いたくても救えない状況になる。勘弁してほしい」と、これまでにない危機感を募らせる。
コロナの軽症・中等症患者の治療に当たる北中城村の中部徳洲会病院。感染拡大で、救急車で運ばれてくる患者や一般患者も、熱がある場合はすべて感染を疑わなければならない状況となった。以前の診療より手間や時間がかかる上、常に緊張感が漂う。
重症患者の場合は、対応できる医療機関に送っているが、担当者は「今後転院先が満床になると、ここで対応しなければならない可能性もある。人工呼吸器や人工心肺装置ECMO(エクモ)はあっても、経験を積んだ人でなければ対応は難しい」と話した。
治療に当たる一方、感染者数の急増でさらなる病床確保やワクチン接種など多くの依頼が舞い込む。「現場にどんどん負担が増え、精神的・肉体的にも疲労はピークではないか。先が見えない。手が回らず患者を救えなくなる状況が既に始まっている。県民一人一人が真剣に考えてもらいたい」と切実に訴えた。
那覇市立病院は5月下旬から一般診療を一部制限し、コロナ患者の受け入れ病床を拡大した。今後も現在の病床数を継続する方針だ。予定手術の延期や来院を控えてもらう事例もあり、担当者は「一般の治療を全くやらないわけにはいかない。一般診療の制限が長引いており、慎重に対応する必要がある。当面は確保している病床で推移を見る」と語った。

●7市の飲食店に時短要請 栃木県、新型コロナ感染者急増受け 7/30
新型コロナウイルス感染者の急増を受け、県は29日、対策本部会議を開き、警戒度レベルを「ステージ3(まん延防止等重点措置)」へ引き上げ、感染拡大が深刻な宇都宮、足利、栃木、佐野、日光、小山、真岡の7市の飲食店に対し、午後8時までの営業時間の短縮を要請することを決めた。期間は8月2日〜22日で、要請に応じる飲食店には協力金を支給する。県民に対しては不要不急の外出や都道府県をまたぐ移動の自粛などを求める。
29日の県内の新規感染者数は142人となり、3日連続で100人を超えた。累計感染者数は8034人で、7千人を超えた6月30日から約1カ月で千人以上増加したことになる。感染拡大の「第5波」に歯止めがかからず、福田富一(ふくだとみかず)知事は会議後の会見で「年末年始の第3波以上の状況」と危機感を示し、今回の要請について「(感染力の強い)デルタ株への置き換わりが急速に進み、医療機関への負荷が高まっていることを踏まえて決断した」と理解を求めた。
時短要請では営業時間は午前5時〜午後8時、酒類の提供は午前11時〜午後7時とするよう求める。7市は直近の人口10万人当たりの1週間の新規感染者数が15人以上であることなどから対象となった。
協力金の支給額は、中小企業は1日当たりの売り上げに応じて52万5千円〜157万5千円、大企業は420万円以内。申請の受付期間は12日から9月30日。
福田知事は、今回の対策で感染者を抑えられない場合、国に「まん延防止等重点措置」の適用を要請するとした上で「そうなれば今回以上の制限を要請せざるを得なくなる。感染の増加を阻止するために、ご協力をお願いする」と訴えた。

●東海3県新型コロナ30日感染者数 愛知229人 岐阜34人 三重33人 7/30
東海3県が30日に発表した新型コロナウイルスの感染者数は、合わせて296人でした。  
愛知県は229人で、このうち名古屋市が95人、岡崎市が6人、一宮市が9人、豊田市が11人、豊橋市が10人で、そのほかが98人でした。愛知県は3日連続、200人を超えています。
岐阜県は34人で、2日ぶりに30人を超えました。
三重県は33人で、3日連続30人を超えています。

●東京都 新型コロナ 2人死亡 3300人感染確認 3日連続で3000人超  7/30
東京都は30日、都内で新たに3300人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。3日連続で3000人を超えたほか、7日間平均の増加比は29日より上昇して180%を超え、これまでにないスピードで感染が拡大しています。また、都は、感染が確認された2人が死亡したことを明らかにしました。
東京都は30日、都内で新たに10歳未満から90代までの男女合わせて3300人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。29日の3865人に次いで過去2番目に多く、1日の感染確認が3000人を超えるのは3日連続です。また、1週間前の金曜日より1941人増えました。30日までの7日間平均は、2500人を超えて2501.4人で、前の週からの増加比は29日よりさらに上昇し、180.5%となり、これまでにないスピードで感染が拡大しています。
これで都内で感染が確認されたのは、21万人を超えて、21万3910人となりました。一方、都の基準で集計した30日時点の重症の患者は、29日より7人増えて88人でした。また、都は、感染が確認された80代の男性2人が死亡したことを明らかにしました。これで都内で感染して死亡した人は2290人になりました。
東京都の小池知事は記者会見で、都内の感染確認が連日、過去最多を更新していることについて「極めて切迫した状態だ」という認識を示したうえで、隣接する3県に緊急事態宣言が出されることを踏まえ「都や県の境を越える移動を連携して慎むことで効果を出していきたい」と述べました。この中で小池知事は、都内の感染確認が連日、過去最多を更新していることについて「極めて切迫した状態だ」と述べました。そして「大きな要因のひとつがデルタ株だ。専門家によれば感染力はこれまでより2倍近く強い」と述べました。そのうえで「専門家からは繁華街の滞留人口を減少させる必要があるという指摘があった。医療提供体制は大変厳しいが、第3波と第4波では質が違うという指摘もあり、質の変化に迅速に対応していくことが必要だ」と述べました。
さらに小池知事は、隣接する3県に緊急事態宣言が出されることを踏まえ「都や県の境を越える移動を連携して慎むことで効果を出していきたい。基本的にはステイホームでお願いしたい」と述べ、1都3県で足並みをそろえて協力を呼びかけて感染を抑え込みたいという考えを示しました。

●小池知事 「私はしっかり対応」 コロナ感染、3日連続最多も発表前に退庁  7/30
東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が3日連続で過去最多を更新する中、小池百合子知事は感染者数の発表前に都庁から退庁している。30日の記者会見では、記者が「即日メッセージを発信する必要がなかったのか」と質問。小池知事は「私は適宜適切に、そのタイミングで、きょうもこうやってお伝えもしている。しっかりと対応している」と答えた。
小池知事は都庁への入庁時や退庁時に報道陣の取材に対応している。ただ、1月以来の過去最多となる新規感染者数2848人が発表された今月27日は、発表の1時間40分ほど前に報道陣に「失礼します」とだけ声を掛けて退庁。翌28日の退庁時は、初めての3000人超えとなる3177人の発表15分前に報道陣の前に現れ、「質問は1問だけ」と通告。「不要不急の外出を控えて」などと述べるにとどまり、約30秒で取材対応を打ち切った。
29日の退庁時は約1分20秒、「若いから大丈夫と思わないようにして」などと呼び掛けたが、取材に応じたタイミングは、3日連続の最多更新となる新規感染者数の3865人が発表される約30分前だった。ただ、この日は、都のモニタリング会議終了後にも約37分間、取材に応じていた。

●新規感染者の9%、ワクチン接種後に感染 東京・港区調べ 7/30
東京都港区のみなと保健所は6月16日から7月21日に届け出のあった新型コロナウイルス感染者1478人のうち、9%にあたる131人がワクチン接種後の感染だったとの調査結果をまとめた。このうち、8割は1回目の接種後に感染していた。区は「十分な感染予防効果を得るには2回目の接種から2週間程度かかる。マスク着用や手指消毒を怠らないでほしい」としている。
131人の接種後の感染者のうち、111人(8%)が1回目の接種後、20人(1%)は2回目の接種後の感染だった。年代別では30代が31人と最も多く、40代の27人、20代の24人が続いた。感染経路が判明したケースでは「1回目の職域接種後に会食した会社員や家族内感染が目立った」(みなと保健所の松本加代所長)。
1回の接種だけで安心してしまう人もいるとみて、保健所は接種後も感染予防が必要なことを注意喚起するリーフレットを作成し、ホームページにも掲載した。松本所長は「自由にダウンロードして接種後に配布するなど活用してもらえれば」と話している。

●東京8月感染者2万5千人超の衝撃試算 それでも菅首相は心ここにあらず 7/30
「爆発的」という言葉がピッタリだ。29日、都内で確認された新型コロナウイルス感染者は3865人と、3日連続で過去最多をあっさり更新。全国では1万697人が確認された。1日1万人超えは初めて。この感染急拡大でも、国のトップはコロナ以外で頭がいっぱいのようで……。
初めて都内感染者が3000人を超えた28日、官邸で記者団に「どう対応するか」と問われた菅首相は無言のままスルー。取材拒否の理由を官邸側は「本日はお答えする内容がない」と説明したという。「官僚原稿」がなければ何も答えられないのだろうか。
まるで菅首相は感染爆発にも他人事だが、五輪強行で「楽観バイアス」が広がり、感染者は今後さらに増えていくと多くの専門家が予測している。
都内の新規感染者の直近7日間平均は、29日時点で前週比1.61倍に急増。28日の厚労省「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」に京大の西浦博教授が提出した資料によると、前週比1.7倍で増えていった場合、8月26日には都内の感染者数は2万5000人を超える。1.4倍に抑えられても1万人以上に達するという。
感染拡大ペースは“8割おじさん”の最悪シナリオに迫っているのに、菅首相は上の空。頭の中は今、コロナ対策より五輪と地元の選挙でいっぱいだといわれている。
地元・横浜市長選のためなら冗舌
菅首相は29日、横浜市内の新聞折り込み広告と一緒に配られたタウン誌に登場。横浜市長選(8月8日告示・22日投開票)に出馬する小此木前国家公安委員長との対談で、「小此木さんの覚悟を全面的に支援します」と初めて支持を鮮明にした。国民に話すことはなくても、選挙のためなら冗舌になるのだ。
小此木家と先代の秘書を務めていた菅首相との縁は深い。しかし、小此木氏はカジノ誘致反対を掲げて出馬。推進派の菅首相は、カジノ誘致を進める現職の林市長を支援するとの臆測もあった。
「支持率下落の焦りがあるのでしょう。お膝元の市長選で負けたら一気に求心力を失い、党内で“菅降ろし”が勃発しかねない。林市長よりも小此木さんの方が勝てる見込みがあると判断し、全面支援を表明したようです。腹心の和泉補佐官を使って、地元ゼネコンに小此木支援の依頼もしている。ただ、『今さらカジノ反対の小此木はやれない』と、林支援を続ける構えを見せるゼネコンも複数ある。かつては菅総理の意向は地元で絶対でしたが、その神通力に陰りが見え始めています」(神奈川県政関係者)
側近も使ってシャカリキ
側近で神奈川選出の坂井学官房副長官にも、菅首相の名代として地元を回らせているようだが、副長官は本来、官邸と国会のパイプ役。
「感染拡大で大変な時に地元選挙にかまけている場合か!」と、地元からも党からも総スカンだ。
「現職総理が、地方選で特定の候補にここまで肩入れするのは異例です。タウン誌にも登場し、もし負けたらどうするつもりなのか。勝ったとしても、カジノはどうするのか、説明責任が問われます。そもそも自民党市議団は自主投票となり、小此木一本化でまとめきれなかった点にも、菅首相の力の衰えを感じる。コロナ感染拡大で神奈川県にも緊急事態宣言を出すことも決まり、宣言下の選挙になることも逆風でしょう」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
「貧すれば鈍する」を地で行く展開となりそうだ。

●オリンピック 選手3人含む27人がコロナ感染 2日連続最多更新  7/30
東京オリンピックに出場するため海外から来日した選手3人を含む、合わせて27人が新たに新型コロナウイルスに感染したことが分かりました。大会組織委員会がPCR検査で陽性が判明したと30日発表したもので、2日連続で過去最多を更新しました。
組織委員会は30日、海外から来日した選手3人が新型コロナウイルスの検査で陽性反応を示したと発表しました。このうち、アメリカの陸上選手を含む2人は選手村に滞在しているということです。また、選手村に滞在する海外からの大会関係者1人のほか、選手村以外の場所で滞在している大会関係者3人や、日本在住のボランティア4人の感染も確認され、国内と海外合わせて27人の感染が明らかになりました。組織委員会が発表を始めた7月1日以降最も多くなり、2日連続で過去最多を更新しました。
東京オリンピックの大会組織委員会は、新型コロナウイルスのPCR検査で陽性が判明した大会の関係者を、7月1日から発表していますが、大会8日目の30日までに感染が確認されたのは、国内と海外合わせて220人に上っています。このうち、海外から来日した選手は23人で、出場を辞退する人が相次いでいます。また、日本在住の選手の感染は30日までに確認されていません。
このほか、組織委員会の委託業者が110人、大会関係者が65人、メディア関係者が12人、ボランティアが6人、組織委員会の職員が4人となっています。  

●五輪大会関連の新型コロナ感染者2日続けて1日あたり最多更新 7/30
東京五輪・パラリンピック組織委員会は30日、大会関連の関係者で海外からの選手3人を含め、新たに27人が新型コロナウイルス検査で陽性となったことを発表した。内訳は選手3人、大会関係者4人、業務委託スタッフ15人、メディア関係者1人、ボランティア関係者4人。選手2人と大会関係者1人の3人が東京・晴海の選手村に滞在していた。
組織委が公表を始めた7月1日からの陽性者は、累計225人で200人以上を記録した。29日に1日としては最多の24人の感染者を確認していたが、2日続けて最多を更新した。28日時点で大会関連の海外からの入国者は3万9853人に上った。

●コロナ陽性の五輪関係者が無断外出…「コロナをばら撒きに行ってる」 7/30
東京五輪のボート競技の審判で、新型コロナウイルスに感染し宿泊療養施設に滞在していた2人が無断外出していたことが30日、テレビ朝日によって報じられ、波紋が広がっている。
29日には、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が3865人で、過去最多を更新。人々の不安が高まるなか、ネット上では「陽性の五輪審判員2人」「無断外出」がツイッタートレンド入りし物議を醸している。
ネット上では「バブルどころじゃないね。五輪関係の陽性者まで表を歩いてるよ」「陽性の五輪審判員2人が無断外出とかガバガバすぎるよ」「審判がそんなルールも守れないでどうするの」「開いた口がふさがらない」「陽性で無断外出とか コロナをばら撒きに行ってるみたいなもんやん」などの声が上がっている。

●9人死亡 過去最多1万744人感染確認 7/30
30日は、これまでに全国で1万744人の感染が発表されていて、1日の発表としては、これまでで最も多くなりました。また、千葉県で2人、東京都で2人、栃木県で1人、沖縄県で1人、石川県で1人、神奈川県で1人、静岡県で1人の合わせて9人の死亡の発表がありました。
国内で感染が確認された人は、空港の検疫などを含め91万4065人、クルーズ船の乗客・乗員が712人で、合わせて91万4777人となっています。亡くなった人は、国内で感染が確認された人が1万5184人、クルーズ船の乗船者が13人の合わせて1万5197人です。
空港などの検疫での感染確認は3482人(16)、中国からのチャーター機で帰国した人と、国の職員や検疫官などの感染は合わせて173人です。
厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、30日時点で626人(87)となっています。
一方、症状が改善して退院した人などは、30日時点で、国内で感染が確認された人が83万1087人、クルーズ船の乗客・乗員が659人の、合わせて83万1746人となっています。
また、28日には速報値で、1日に4万9892件のPCR検査などが行われました。
[()内は30日の新たな感染者数です。]

●かつての“熱狂”はなくても〜無観客のオリンピックが示す価値  7/30
直前に決まった無観客開催。開会式担当者の相次ぐスキャンダル。1年の延期を経て東京オリンピックは暗雲漂う中で幕を開けた。その厚い雲を吹き飛ばすようなアスリートたちの躍進によって、オリンピックへの厳しい見方は薄らいだように見える。しかし、コロナ禍で開催されている初めてのオリンピックは、かつての大会で見たことない光景の連続だ。感染して棄権を余儀なくされる選手、そもそも日本に来ることすらかなわない選手たち。そして、歓声のない会場。開幕から1週間、57年ぶりのオリンピックで目にしたものは。
失われた大歓声
武道の聖地 日本武道館。観客用の受付や手荷物確認所として設置されたテントが無人のまま並んでいる。直前に無観客が決まったため撤去する時間がなかったという。入り口に日傘を差した女性の姿があった。
柔道会場を訪れた女性「柔道をどうしても見たいと思ってチケットを申し込んでいたんですけど、当たらなかったんです。結局無観客になりましたがせめて近くに来てみようと思って」
女性は寂しそうに笑ったあと、会場に向かって「がんばれー」と小さくつぶやいた。
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、無観客での開催はやむをえない決断だった。ただ、やるせない思いを抱えた人たちもいるのだろう。開会式が行われた国立競技場の周辺には「雰囲気を感じたい」と多くの人が訪れた。
公道を使って行われた自転車競技でも同様の光景が見られた。
会場を訪れていた、1984年ロサンゼルスオリンピックのレスリング金メダリスト、富山英明さんは観客の大切さを語ってくれた。「自分は満員の会場で、その場にいる人と一緒に喜びや悔しさを共有できたことが一番の財産になった。そういう盛り上がりには欠けるし、選手にとっても残念なことだ」
“神聖な場所で2人だけ”
無観客のオリンピックで、印象的だったシーンがある。
24日に日本選手の第1号となる金メダルを獲得した、柔道の高藤直寿選手。7分を超える決勝の激闘を終えると、喜びをあらわにする前にまず相手に歩み寄り、相手の手を掲げて健闘をたたえた。
高藤選手「無観客の中で、相手の息の音も聞こえる、その感じがしびれましたね。メダルを取ったときも歓声がなく、しんとしていて、自然とお互いをたたえ合うことができました。神聖な場所で2人だけで戦えたということを誇りに思います」
観客のいないオリンピックだからこそ、あらためて感じたスポーツマンシップ。ほかの競技の会場でも、選手や関係者が次々に口にしたのは「大会が開催されたことへの感謝の言葉」だ。コロナに覆われた社会では、スポーツができることは、もはや当たり前ではない。
トップ選手 不在の中で
コロナの影響は選手が棄権や欠場を余儀なくされるなど競技そのものへも広がっている。
26日まで行われた射撃の女子スキート。世界ランキング1位、イギリスのアンバー・ヒル選手は日本に向かう直前の今月20日に新型コロナに感染。棄権を余儀なくされた。
23歳のヒル選手は自身のSNSで「5年間のトレーニングと準備の後、昨夜陽性が告げられ、私の心は粉々になった」と悲痛な思いをつづった。
もちろん、感染した選手が競技に出場すれば、さらなる感染拡大を招く恐れがあるため、運営側の判断は間違っていない。だが、これがコロナ禍のオリンピックの現実だ。
スポーツ紙の記者「彼女の欠場は大きな問題でナンバー1が抜け、ほかの選手には簡単な状況になった」
しかし、現場で取材していたフィンランドのテレビ局の記者はこうも言った。「彼女の欠場は悲しいが、数年たてば誰が欠場したかということより誰がメダルを取ったかの方が記憶に残るだろう」
新型コロナによる欠場はほかの競技にも広がっている。
ゴルフ男子では世界ランキング1位でことしの全米オープンを制したスペインのジョン・ラーム選手などトップ選手が相次いで欠場。テニス女子でも新星として注目されたアメリカの17歳、コーリ・ガウフ選手が欠場した。
選手たちは日本での滞在中、毎日検査を義務づけられ、陽性反応を示した場合、選手が競技に復帰できるようになるには最短で7日かかると大会組織委員会は説明している。
感染が判明したあとに選手が競技に復帰したケースもある。22日の日本との初戦を欠場したサッカー男子の南アフリカの選手2人は25日のフランス戦で復帰した。
しかし、日程がタイトな個人競技では、感染すれば大会からの「1発アウト」を意味するのが現状だ。
感染対策“実質不可能”の声も
大会に欠かせないとされてきた「安全安心」にも疑念が生まれている。関係者が会場でマスクを外していたり、外出して複数で食事をしていたりとルール違反が連日、確認されているのだ。
柔道の会場では、連日、海外選手やコーチが興奮した様子でマスクを外し、大声で叫ぶ姿が目撃され、現場のスタッフが「Wear a Mask」と書いた紙を持ち、注意して回っている。
それでもマスクを外す人たちは一向に減らない。
別の屋内競技の会場で働く女性スタッフによると、注意を繰り返しても素直に聞いてくれる人ばかりではなく、限られた人数ですべての人の違反を取り締まるのは実質、不可能だという。さらに選手と海外メディアなどの関係者が接触することもしばしばあり、“バブル”が成立していないのではないかと感じている。
大会の女性スタッフ「これだけの規模の大会で文化や習慣の違う人たちの行動を完全に縛りつけることは難しい。クラスターが起こらないよう、全力を尽くすけれど、この状況で大会を始めてしまった以上、感染が広がってしまう可能性はあると思います」
感染拡大 専門家「危機感の共有を」
新型コロナの都内の感染者数は初めて1日3000人を超え、感染拡大に歯止めがかからない。競技大会での感染対策に詳しい専門家は、「もはや選手が感染しても入院できなくなるかもしれない」と警鐘を鳴らす。
四柳病院長「現場で選手を含めた大会関係者1人1人が対策を徹底するほかない。東京は危機的状況にある中でオリンピックをやっているんだということを選手に理解してもらい、ルールの順守を求めなくてはならない」
“意義のある問題提起”
かつてない環境で開催されているオリンピックで、新たな意義を見いだそうという動きや、問題提起にも注目が集まっている。
体操女子の予選に登場したドイツチームはレオタードではなく、全身を覆うボディスーツを着用した。女性アスリートの盗撮被害や、性的な目的で画像が拡散されることへ抗議した形だ。
ドイツの体操協会はSNSで「体操の性的な問題について女子アスリートが不安になることなく美しさを示すため」と発信。「その日に何を着たいかで決める」という選手に選択肢があることこそが大切だという考えで、女性アスリートのユニフォームのあり方を考えるきっかけとなった。
今大会でIOC=国際オリンピック委員会は、オリンピック憲章の規定を一部緩和し、競技の前後に選手が人種差別などへの抗議の意思を示すことを認めた。
オリンピックでは、これまでこうした抗議はいっさい認められていなかったが、去年、世界中で大きく広がった「ブラック・ライブズ・マター」運動を機に条件付きではあるが、初めてルールが変更された。
サッカー女子ではさっそく、選手たちが相次いでピッチに片ひざをついて抗議。イギリスチームの監督は「ひざをつく行為は、社会の不正義、不平等に対する平和的な抗議の象徴だ」と話した。
そして、8月2日にはウエイトリフティング女子の87キロを超えるクラスにニュージーランドの43歳で、トランスジェンダーのローレル・ハバード選手が出場する。IOCは条件をクリアすれば女性に性別を変更した選手の出場を認めているが、実際にこの条件をクリアして、トランスジェンダーの選手がオリンピックに出場するのは初めてだ。
しかし、「生物学的な優位性は変わらない」といった根強い批判もつきまとう。選手の性自認の問題は、社会全体での議論が不可欠で、これからのスポーツ界が避けては通れない問題でもある。
その難しい問題の最初の一歩が、この東京オリンピックになる。
異例ずくめの大会だからこそ
まもなく折り返しを迎える東京オリンピック。観客の不在、有力選手の棄権、感染対策のほころび。東京の感染拡大に歯止めはかからず状況が厳しさを増す中で、最後まで走り抜くことができるのか、予断を許さない。
その中でも、全力を尽くすアスリートたちが放つ輝きや、感謝の気持ち、そして相手をたたえる姿勢は、私たちに大切なものを思い出させてくれた。
異例ずくめの大会だからこそ、かつてない何かが見えてくるのではないか。東京大会が示す「オリンピックの価値」を探し続けたい。  

●コロナ禍にあえぐ沖縄から見える「この国の未来」 7/30
コロナ禍に迎えた2度目の夏。沖縄には、いつもの夏の賑わいはない。名護市から取材を続けるノンフィクションライターが見た沖縄には、この国のこれからが凝縮されていたー。
7月29日、新型コロナウイルス新規感染者数は、東京で3865人、沖縄で392人と過去最多を記録した。人口比で換算すると、沖縄の「392人」は東京での「3750人」に等しい。沖縄県の状況は極めて深刻だ。沖縄は、政府の無策によって、拡大するコロナ禍の被害に遭い続けてきた。
5月からずっと休業している
東京に4度目の緊急事態宣言が発出された7月12日、沖縄では5月23日以来の緊急事態宣言がさらに延長された。五輪開幕時に沖縄の「緊急事態」は丸2ヵ月経過していたのだ。2ヵ月間ずっと「緊急事態宣言下」にあって経済活動を止められてきた沖縄県民。「それなのに」感染は再拡大した。観光が主な産業である沖縄にとって、この夏休み期間のダメージは計り知れない。
那覇市内で居酒屋を経営する男性は、行政からの協力要請を受け、雇用調整助成金なども利用して従業員に給料を払いながら、5月からずっと臨時休業を続けている。
「明らかにオリンピックに合わせた緊急事態宣言延長ですよね。沖縄の医療現場を守るためには仕方がないことかな、と思いますけど、何ヵ月も店を開けられないのは、やはり苦しいです。でもね、ウチなんかまだよいほうです。取引先の酒屋さんなんか、なんの補償もなく頑張ってます。そういうところにも手当てが必要じゃないでしょうか」
ところが政府は、苦しんでいる人たちに対して、真逆のことをやる。西村康稔コロナ対策担当大臣の、酒類を悪者にして飲食店を「制圧」しようとした発言は、飲食業界にとっては忘れられない「暴言」だろう。沖縄県中部の、昼営業の飲食店を経営する男性はこういう。
「沖縄の場合、一番必要なのは、県外から来られるお客さんの、出発地の空港でのPCR検査(渡航前検査)のはずです。でもそれがこの1年数ヵ月間、全然できていないと思います。細田(博之)元官房長官の発言なんか、ひどかったですよね。玉城デニー知事が上京して、渡航前検査に政府の支援がほしいと政府・与党の関係者に直訴したとき、まるでバカにした返答をしました。あれは、沖縄県民全体に対する言葉だと感じました」
5月19日「国に頼るなんて、沖縄らしくない」細田博之元官房長官は、そう言い放った。沖縄での感染拡大を「バカじゃないか」とまで言ったのだ。
政府は、ようやく形ばかりの「支援策」を始めた。水際対策の基本「出発地検査」(沖縄及び北海道への渡航前のPCRまたは抗原検査)を、8月31日までの夏休み期間限定で、希望者が無料で受けられるようにしたのだ。ただしこれも、羽田、成田、伊丹、関空、福岡の5空港のみ。沖縄への直行便は、他にもいろんな空港から飛んでいる。対策は十分とは言い難い。お粗末な「水際対策」でお茶を濁されたのでは、ただでさえ政府の理不尽な政策に苦しめられてきた沖縄県民はたまったものではない。
米軍基地の感染爆発を抱える沖縄
さらに、細田発言の中で看過できない部分がある。発言の終盤に出てくる「(新型コロナウイルスは)旅行者が持って来るに決まってるんだから。米軍が持って来るわけでもないだろうし」という「私見」だ。これを聞いたとき、多くの沖縄県民が怒りを覚えたことは言うまでもない。
沖縄の感染状況で見過ごしてはならない厄介な存在が、まさに米軍基地なのだ。在沖縄米軍関係者に感染が急増していることはかねてより指摘されている。(「米軍でデルタ株流行か」沖縄県が見解 – 琉球新報デジタル)
そもそも沖縄の嘉手納空軍基地や東京の横田基地などには、常に多くの米軍関係者が降り立ち、日本の検疫と関係なく、基地のフェンスの外に自由に出ていく。このことは、日本国憲法よりも上位に位置すると皮肉られる日米地位協定で許されている。つまり、米軍関係の感染者がフェンスの外に出たとしても、どんな行動をとったのか、沖縄県民とどこで接触したのかといった点を含め、一切がブラックボックスなのだ。
沖縄の新規感染者が354人になった27日には、その数字とは「別に」米軍関係の新規感染者が19人判明したことが発表されている。沖縄に駐留する米兵・軍属及び家族の正確な人数は発表されていない。が、およそ5〜6万人と推定される。仮に6万人として人口比換算をすると、在沖米軍関係の「19人」は、東京の「4420人」に等しく、恐ろしい感染者数である。
昨年7月の独立記念日、沖縄中部で米軍関係者がお祭り騒ぎをしてクラスターが発生した。今後も、軍関係者がフェンス外でどんな行動をしたかまったく不明な状況が続くかと思うと、県民の感染不安は募るばかりだ。
日本政府が、この沖縄の状況を知らぬはずはない。そのうえで、飛び出した細田元官房長官の暴言は「沖縄差別」「沖縄いじめ」としか思えない。
「この世の地獄を集めた」と形容される地上戦の沖縄戦。その直後から27年間続いた人権蹂躙そのものの米軍統治時代。そして復帰後も、広大な土地を米軍が占有し続け、治外法権の理不尽な状態に置かれ続けている。
子どもの貧困問題ひとつをとっても、沖縄戦・米軍統治時代から地続きの沖縄ならではの問題がある。つまり、全国一律の手法ではなく、沖縄に対しては、独自の丁寧な手当のあり方が模索されるべきなのに、現在の政府・与党関係者には、沖縄の歴史と向き合った上で本気で問題解決を図ろうとする真摯さが欠けている。
米軍基地の存在が常に「脅威」であり続けている沖縄の、現在の基幹産業は「観光」だ。飲食業のみならず、ダイビングショップなどのマリンサービス、ホテル、タクシー等観光産業では、3ヵ月もの緊急事態宣言下で満足な補償もなく喘いでいる。
沖縄北部のタクシー運転士はこう嘆く。
「会社には、行政から多少の支援があるみたいですけど、運転手は出勤日数減らされてるだけです。わたしなんか出勤しないと収入はゼロの契約ですから、次の仕事を探すことを考えてますよ」
那覇市内の飲食店経営者は、こう話していた。
「東京では時短協力金がなかなか支払われなくて苦しいという話も聞きますが、沖縄では行政の人たちは頑張ってると思います。ウチもそれでなんとか食いつないでいます。しかし、ダイビングサービスの経営者なんかまったく補償もないのに、お客さんが減っているわけです。そういう人への手当てを政府がなんとかしてくれ、と言いたいです」
戦争と平和について学ぶ場も危機に
沖縄には、戦争と平和についての学びの場として貴重な資料館や美術館がいくつもあるが、どこも窮地に立たされている。糸満市の「ひめゆり平和祈念資料館」や、那覇市の「不屈館」では、チャリティーライブをして寄付金を募ったり、クラウドファンディングで支援を得たり、と苦境を乗り越えてきた。丸木位里・俊夫妻の「沖縄戦の図」シリーズなどを所蔵展示していることで知られる宜野湾市の「佐喜眞美術館」関係者は、厳しい実情を語っている。
「コロナ禍で、修学旅行のキャンセルが相次ぎました。入場料収入が激減し、大きなダメージを受けてます。ほんとにギリギリのところまで来ています。そろそろウチもクラファンを考えないといけないかもしれません」
コロナ禍で苦しいのは、もちろん沖縄だけではない。が、米軍基地の約7割を「引き受けさせられている」この地の不安は、他県とは異なっている。独自の感染対策、経済対策が必要だろう。しかし政府は、コロナ禍に乗じて辺野古新基地建設ゴリ押し工事を加速させる気満々だ。
昨年4月、沖縄本島南部地域の「沖縄戦犠牲者の遺骨まじりの土砂」を辺野古埋め立て用に使う計画が明らかになった。沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表・具志堅隆松さんらが中心になって、計画中止を訴えている。今年3月と6月にはハンガーストライキをするなど、必死の訴えをしているのだ。
「遺骨の眠る土地を掘り起こして、その土砂を米軍基地を造るために海に投げ入れるなんて、戦没者を二度殺すようなものです。国による死者への冒涜(ぼうとく)を絶対に許すわけにはいきません」(具志堅さん)
3月には東京・永田町の首相官邸前でも、沖縄出身者が単独でハンストを決行した。座り込みは4月まで続いた。県内メディアは大きく報道し、活動への共感は県民の間に広がっている。が、全国メディアの報道はあまり多くない。具志堅さんらは、8月15日の戦没者追悼式に合わせ、会場になる東京・日本武道館近隣でのハンストも考えているという。
政府は、沖縄の世論をねじ伏せたい
菅義偉首相自身が事実誤認と印象操作によって、コロナ療養者のための宿泊施設を用意できていないのは沖縄県の失策のせいだと喧伝しようとしたことがある。
あるいは、県政与党議員だったはずの赤嶺昇県議会議長が、PCR検査の拡充ができないまま感染拡大に至ったのは玉城デニー知事の失策のせいだと喧伝しようとしたこともある。
菅首相は、新基地建設推進政策に歯向かう沖縄の世論をなんとかしてねじ伏せたい。そのための「沖縄の民意分断工作」を、官房長官時代から絶えずしかけてきた。故・翁長雄志前知事との会談で、普天間基地が出来た歴史的経緯などを説明されたとき、「私は戦後生まれなので、歴史の話をされても困ります」と返した。
菅義偉という人は、歴史に学ぶことをしない。沖縄と向き合う際に最低限必要な真摯さを著しく欠いている。政府はコロナ禍に乗じて「沖縄いじめ」を加速させており、その度合いはますます酷くなっているのだ。
沖縄からは、この国の狂った姿がくっきりと見える。この苦境は、いずれ沖縄だけでなく全国に広がってしまうのではないだろうか。ここ沖縄から見る日本の未来は、けっして明るいものではない。
 

 

●コロナ感染拡大と五輪は本当に無関係か? 特例入国、穴だらけバブル 7/31
東京で4000人弱、全国では1万人超と感染者数が過去最多を更新したコロナ禍。だが、感染急増と東京五輪との因果関係については、菅義偉首相は「人流は減っている」、小池百合子都知事は「テレビ観戦によりステイホームが進んだ」などと否定。国際オリンピック委員会(IOC)の広報部長に至っては「五輪はパラレルワールド(並行世界)」と述べ、感染拡大に責任はないと強調した。本当に五輪と感染増に関係はないのか。
30日までに五輪関係者225人の感染が判明
当初から直接的影響として懸念されていたのは、五輪関係者来日による感染拡大だ。
選手・関係者は今年1月から、空港到着後の隔離など政府の水際対策に縛られずに特例として入国している。この特例入国者の数は1月から6月までに3551人に上る。内閣官房によると、その中から2月の1人を皮切りに6月末までに計6人の感染が見つかっている。7月1日以降は3万9000人超が特例入国。大会組織委員会によると、30日までに225人の感染が判明している。
ところが、感染者の国籍や感染したウイルスの種類などの詳細は、大会組織委員会がプライバシーを盾に公表していない。濃厚接触者の有無もよく分からず、詳細な情報が出てくるのは、各国のオリンピック委員会や母国のメディアが報じた場合だけだ。
選手村がオープンしたのは7月13日。内閣官房は、IOCや組織委が定めた規則集(プレーブック)を「選手や関係者が、順守することを前提にしている」(担当者)のが特例入国だとして、感染拡大につながっていないと説明する。
守られぬプレーブック
ところが、プレーブックが確実に守られているかというと、そうではない。五輪開会前から、選手村やホテルというバブルの中で過ごすはずの選手・関係者が、街の中で過ごす姿は何度も目撃されている。開会式では、マスクをつけず入場する姿がテレビで映され、ネットでは都内観光をする選手の姿の報告もある。だが、IOCなどの処分は聞こえてこない。一方で、空港での入国手続きは選手らの来日増加に合わせて、緩められた。選手らは、空港の検疫で陰性が確認されてから入国の手続きが行われていた。ところが、入国のピークに備えて今月7日からは混雑緩和のために検査結果が出る前に入国手続きを終え、空港内の待機施設で待つことになった。
穴だらけの五輪バブル
こうしたバブルについて立憲民主党の逢坂誠二コロナ対策本部長は「穴だらけだ」と厳しく批判する。同氏は、6月28日に菅義偉首相が羽田空港の水際対策を視察した後、現地を確認した。すると「荷物を受け取るターンテーブルは選手も一般客も一緒だった」。選手らが検疫から入国審査、税関と進む場所もテープで仕切られているだけで、「動線が分けられているわけではない」。選手村で毎日行われる抗原検査も実態は不明だ。逢坂氏は「もう手遅れかもしれない」と危機感を募らせている。こうした実態からすれば、五輪と感染拡大の直接的関係が全くないとは言い切れないのではないか。元厚生労働省医系技官で医師の木村盛世さんは「人が増えて動けば、感染が拡大するのは当たり前のこと。逆に、人の動きが止まれば、社会と経済が止まる」と指摘する。では、感染者の増加が止まらない現状でできることはないのか。木村さんは「こうなった以上、感染者の受け入れ態勢など、医療のキャパシティー(能力)を上げるしかない」と訴える。
「華やかな祝祭」が人の心を開放的に
五輪が感染増を招いたと思わせる理由は他にもある。国民の心理に及ぼす影響だ。東京女子大の広瀬弘忠名誉教授(災害・リスク心理学)は「五輪は華やかな祝祭という側面があり、開催地の人たちの心を開放的にさせる。長らく外出を控えてきた人たちも我慢を緩め、出掛けてしまうこともあったはず」とみる。「開幕後は各競技の報道が増えた一方、コロナ関連のニュースは減った。メダルラッシュでその傾向がより強まった。結果的に人びとがコロナを意識する機会が以前より減り、自粛の意識も弱まることになった。心理面で『楽観バイアス』がかかった」
菅首相「人流減」、小池知事「在宅率増」…国民の心緩ませる
そんな中だからこそ、危機感を高めるメッセージを出すべきなのに、菅首相は27日に「人流は減っている」と楽観論を振りまき、小池知事も29日に「(五輪の自宅観戦が増えたことで)ステイホーム(在宅)率が上がっている」と発言。IOCのマーク・アダムス広報部長は「(五輪は)パラレルワールドみたいなもの。われわれが東京で感染を広げていることはない」と述べた。広瀬氏は「五輪開催で国民の心が緩む中、それに拍車を掛けるような発言が相次いでいる。全く理解できない」と切り捨てる。
緊急事態宣言のたび人流抑制効果薄れ…
そもそも一連の楽観論はうのみにできない。根拠が乏しいようにすら思える。携帯電話の位置情報から滞在人口を分析するソフトバンクの子会社「アグープ」のデータによれば、東京都に4回目の緊急事態宣言が出てから2週間ほどたった25日、JR東京駅の人出は最初の宣言前の昨年3月に比べて10%減にとどまった。1回目の宣言の昨年4月は65%減、2回目の今年1月は42%減、3回目の同5月は33%減なので、宣言を出すたびに人流抑制の効果が大きく薄れていることがよく表れている。
ブルーインパルス、ロードレース観衆で「密」
これだけでも「人流は減っている」と楽観できないのは明らかだが、五輪開催によって「密」になるほどの人出も生じている。例えば開会式があった23日には、五輪の空気を味わおうとする人たちが国立競技場周辺に殺到したほか、上空のブルーインパルスの写真を撮る見物人の密集状態もできた。翌24日にも、自転車のロードレースの選手たちが駆け抜けた三鷹市内では、スマートフォンを向ける観衆が肩を寄せ合うほど集まった。「在宅率が高い」という小池氏の発言も怪しい。同氏は「テレビの視聴率が如実に示している」と述べており、「高い視聴率=高い在宅率」と言いたいようだが、ビデオリサーチ社が公表する関東地区の世帯視聴率を見ると、開会式こそ56・4%だったが、時折20%台を記録するも多くは10%台。「誰もがいつも自宅で五輪中継にかぶりつき」とは程遠い。
矛盾するメッセージやめ、国民の疑問に答えて
政府・都などが「五輪ありき、五輪だけ特別扱い」という姿勢を見せてきた影響も見逃せない。元厚生労働官僚で神戸学院大の中野雅至教授(行政学)は「飲食店に対する締め付けや乏しい支援などで政府や都に不信が募っているのに、さらに矛盾を思わせるメッセージを出せば信頼感が失われる。国民に何か協力をお願いしようにも耳を貸してもらえなくなる」と話す。南部義典・元慶応大講師(政治学)は「結局のところ、菅氏や小池氏が楽観論を触れ回るのは自分自身に大丈夫と言い聞かせたいだけじゃないのか」とみる。必要なのは、そんなことではない。「今はどんな状況か、国民はどんな不安を抱いているか、きちんと直視すべきだ。その上で毎日、記者団のぶら下がり取材や会見に応じ、国民の疑問に答えながら国民へのお願いを伝えていく。こうした真摯な姿勢がない限り、国民の協力は得られないし、感染拡大は止められない」

●第5波鮮明に 全国1万2千人超感染、4日連続最多 7/31
新型コロナウイルスの新規感染者が31日、全国で1万2342人となり、4日連続で過去最多を更新した。東京都では4058人で過去最多となったほか、大阪府でも1040人が確認されるなど、感染の急拡大に歯止めがかからず、新型コロナ禍の「第5波」が鮮明となっている。今後、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)も懸念される。
東京都では最多だった7月29日の3865人を上回り、初めて4千人を超えた。6月20日に3度目の緊急事態宣言が全面解除されたころから感染者の増加傾向が続き、ここ数日は急激に感染が拡大。直近7日間を平均した1日当たりの新規感染者数は2920人となり、前週の2倍以上になった。
7月12日からの4度目の宣言は8月31日までの延長が決まったが、今回の宣言はこれまで感染者数の抑制にはつながっていない。繁華街の人出はやや減少しているものの、感染力の強いインド由来のデルタ株の影響が指摘されている。
若年層での感染拡大も顕著だ。初の4千人台となった東京の感染者の年代別内訳は、20代が1484人と最も多く、30代が887人と続く。30代までの感染者は2878人となり、全体の7割を超えた。
入院患者は3200人を上回り、自宅療養者も初めて1万人を超えた。
一方、2日から4度目の緊急事態宣言が発令される大阪府では、7月31日に1040人の新規感染者が発表された。千人を超えるのは5月8日以来だ。同じく2日から宣言が発令される神奈川県や埼玉県でも7月31日に千人を超え、過去最多となった。このほか沖縄県や京都府など計10都府県で過去最多を更新した。
全国の死者は東京で3人、北海道、青森、茨城などで各1人の計9人が報告された。厚生労働省によると、重症者は41人増えて667人となった。

●1日の感染者数が1万人突破した日、夜11時にも銀座の飲食店は大賑わい 7/31
裏通りに入ると明るいネオンの下で酒を手に大騒ぎしているグループが目の前に現れた。幅2メートルほどの道を挟んで大型の飲食店や居酒屋がいくつも営業していた。店ごとに置かれた数十のテーブルに空きはなかった。夜になっても28度を下回らない熱帯夜にもかかわらず、エアコンの風がとどかない路上のテーブルもほぼ満席だった。29日夜11時頃、東京銀座の新幹線高架下近くの裏通りの風景だ。
今月12日に緊急事態宣言が発令された東京都では飲食店の営業時間が夜8時までに制限されている。酒類の販売も事実上禁止された。コロナの感染拡大を防ぐためだ。
ところがこの日、東京都心の各地ではこれを無視して営業を続ける店、さらにそれらの店に集まる客たちの姿を簡単に目にすることができた。営業を続けるいくつかの店に客が集中するため却って密になったようだ。有楽町駅周辺で主に魚を提供するある飲食店でも従業員が注文を受け、訪れる客たちを案内するため忙しく動き回っていた。従業員に「営業時間の制限はないのか」と質問したところ、「毎日朝5時まで営業している」と説明した。事実上の24時間営業だった。
この日は日本全国でコロナの感染者がはじめて1万人(1万692人)を突破した。東京都だけで3865人だ。武道館で柔道の取材を終えてから都内を回ったところ、その理由がわかるような気がした。
大通りはどこも暗かったが、少し裏道に入ると完全に違った世界になっていた。主要な繁華街はどこもよく似た状況だった。サラリーマンがよく訪れる新橋駅周辺では通常と同じく客引きたちが通行人に声を掛けていた。周辺に止まったタクシーからは様々な国から来た外国人たちが降りてバーや居酒屋に向かった。夜の地下鉄にはビールの空き缶や酔い潰れて眠る人も目についた。
「もはや緊急事態宣言には効果がなくなった」と医療関係者や市民は口をそろえる。これを「オリンピックの影響」と指摘する声もある。東京新聞は「オリンピック開催が感染防止の分かれ道」という表現を使った。日本医療法人協会の太田圭洋副会長は「オリンピックを開催することと感染拡大防止は矛盾したメッセージになっている」と指摘する。ただでさえ強圧的な感染対策への疲労感が広まっている状況で、オリンピックのため感染対策も効果が出ないというのだ。
オリンピックの選手や関係者を「感染源」として不安視する声も高まっている。実際に大会組織委員会が「感染対策のルールを守ってほしい」と要請する回数も増えた。プレスセンターに向かう際、ADカードに向かう周囲からの視線も徐々に厳しくなっているように感じる。オリンピックがこのように厄介者になるとは誰も想像さえできなかっただろう。

●新型コロナウイルスの感染拡大止まらず…愛知は4日連続の200人超 7/31
31日に確認された新型コロナウイルスの新規感染者です。愛知県は31日、新たに286人の感染が確認されました。うち名古屋市は134人で、愛知は4日連続の200人超えです。岐阜県は18人、三重県は44人です。

●「医療ひっ迫の現状を伝えたい」愛知医療従事者が五輪中止を訴え街頭デモ 7/31
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、愛知の医療従事者らが31日、東京オリンピックの中止を訴えてデモを行いました。
「医療崩壊が首都圏を中心に広がっている中でオリンピックを続けている場合なんでしょうか」(愛知県医労連)
デモを行ったのは、医療従事者らからなる愛知県医労連です。
名古屋市の金山総合駅でのデモは今回7回目です。
新型コロナ患者の増加で医療体制がひっ迫する現状を踏まえ、東京オリンピックよりも感染対策に力を入れるべきだとして、大会の中止を訴えました。
「今ここで五輪をやめることでみんなにどれだけコロナ対策が大変かの現状の厳しさを伝えることができると思う」(愛知県医療介護福祉労働組合連合会 原真理子さん)
この日のデモでは、コロナ禍で体験したことを手紙に書いてもらうよう通行人に求めました。医療崩壊の危機を訴えるため、8月に、集まった手紙の内容を発表するということです。
東京では31日、新規感染者が初めて4000人を超え、愛知では287人の感染が確認されています。

●「応援せずにはいられない」 反対の多い東京五輪に心を開く日本人 7/31
コロナ禍で開催されている東京五輪。感染拡大が続く中、大会中止を叫ぶ声はやむ気配がないが、あちらこちらで温かい声援が聞こえてくる。ファンは、規制をくぐり公道でアスリートを励まし、大会グッズを買い求めている。そのかいあってか、日本は大会前半にゴールドラッシュの快進撃を見せた。大会8日目(7月30日)終了時点で、日本は17個の金メダルに輝いている。
新型コロナウイルスの感染対策のため、ほぼすべてのイベントが無観客となり、公道での競技には近づかないよう要請されている。それでも、五輪を一目見ようと、ファンらは大会の現場に出現している。
「走っている選手を見ると、『がんばれ』っていうふうに思ってしまいます」と話したのは、IT関係の専門職に就いている40代のファン。自宅から飛び出し、雨の中で女子のトライアスロンを観戦した。
「開会式まで、疑問に思っていたところはありました」と明かしたこのファンは、「競技が始まると『やってよかったかな』と思うようになりました。パラリンピックまで安全に開催できるといいなと思います」と話している。
東京五輪は世界中から数万のアスリート、役員とメディア関係者を一堂に集め、23日に開幕した。しかし、新型コロナウイルス感染拡大のため、五輪は緊急事態下の東京で進行し、ファンは会場から閉め出され、増加する感染者数に国民の不安は募っている。
それでも開会式当日、会場の国立競技場周辺には数千の人々が群がり、式の雰囲気に浸るとともに打ち上げられた花火に見入っていた。その数は五輪反対のデモ参加者をはるかに上回っていた。
「爆発的に忙しい」
開会式テレビ生中継の東京での平均世帯視聴率は50パーセントを超えていた。販売店や大会組織委員会の関係者によると、東京大会の関連グッズの需要も急上昇しているという。
組織委の飯沼ひかりマーケティング局主事は、開会式を契機にグッズ店舗は「爆発的に忙しくなってきた」と明かし、東京五輪関連商品を売るための特設店舗は、客不足でいったんは閉鎖したものの、現在は再開していると述べた。
売り上げ増加の傾向は「都内で特に顕著」だとしており、売上高は明かさなかったものの、Tシャツやマグカップ、タオルなどが人気という。
人々の気持ちの変化は、自国の選手たちの大活躍と無関係ではないだろう。日本競泳女子初となる2冠を達成した大橋悠依をはじめ、13歳の女子スケートボーダーの西矢椛、柔道の阿部詩と阿部一二三きょうだい、卓球種目で中国の独占に終止符を打った水谷隼と伊藤美誠、女子ソフトボールチームなど、多くの日本勢が金メダルを獲得した。
奈良女子大学のスポーツ社会学研究者、石坂友司准教授によると、日本人選手が試合後のコメントで「喜びの爆発より、相手を考え、この場を準備してくれた人々への感謝を伝えている」ことが、抑制の効いた盛り上がりとなり、大会に対する反発を和らげる一助になっている可能性があると指摘した。
「あえてうれしい」
すべての人たちに気持ちの変化があったわけではない。今でも多くの人々がウイルスのリスクを心配している。東京都のコロナ新規感染者の数は、29日の時点で3日連続過去最高を更新していた。
日本経済新聞に26日に掲載された世論調査によると、今でも31パーセントの人々が大会は延期か中止されるべきだったと考えている。それでも約70パーセント近くは、何らかの形での開催を支持している。
インド出身で、現在お台場に住んでいるチンタン・マクワナさんは、近所で行われる競技を見に集まった人の群れに不安を感じ、「人はコロナがあると忘れている。こちらに住んでいる人にとっては、以前よりとても怖いです」と語った。
臨海部のお台場には27日、当局の規制にもかかわらず数百人が集まり、雨の中で女子トライアスロンの選手を応援していた。
ほとんどがマスクを着け、応援は拍手だけにとどめており、離れた場所から声援を上げる人もいた。
近所に住む60代のファンは、競技に臨む選手に「がんばってー、がんばってー」と声を掛け、「にわかファンですけど、見られてうれしいです。子どもに自慢します」と笑った。
「いろんなことがあって、いろんなことが言われたけれど、ここに合わせてきた選手たちを応援してあげたいと思います」

●CNN記者が見た感染増「五輪無関係は考え難い」 7/31
アメリカCNNの東京支局長がANNの取材に応じ、オリンピック開幕後に感染が急拡大していることについて「大会の影響がないと考えるのは難しい」と語りました。
2019年から特派員を務めるブレイク・エシッグさん。30日には都内でオリンピック関連のピンバッジを販売している男性を取材しました。
CNN東京支局、ブレイク・エシッグ記者:「コロナの感染拡大は売り上げに影響していますか?」
五輪ピンバッジ収集家・代美ツァフリルさん:「普通の状況なら行列ができていると思います。コロナで海外の観光客もいなければ地元の人も出てこない」
エシッグ記者は、日本に住む人がオリンピックをどう見ているのかをテーマに取材を進めていて、コロナ禍での大会について「観客も熱狂もなく、様々な面で不十分だ」と話しました。
また、開幕後の感染急増の原因がデルタ株か大会かを判断するには時期尚早としながらも、「大会の影響がないと考えるのは難しい」との見解を示しました。
CNN東京支局、ブレイク・エシッグ記者:「(取材した医療従事者らによると)五輪を開催したことで国民にこの危機はそれほどでもないという感触を与えた。その結果、人出は増え、仕事に行ったり、レストランで飲酒して感染が蔓延(まんえん)しているのが問題です」
また、エシッグ記者は大会ボランティアの行動範囲やワクチン接種率の低さを問題視しています。
CNN東京支局、ブレイク・エシッグ記者:「(バブルを)行き来する人がいてワクチン接種率が低いなか、たった一人が火種になりかねない状況なのです。それが最大の懸念です」

●東京五輪の開催に対する受け止めに変化の兆し 7/31
国内で新型コロナウイルス感染者の増加に歯止めがかからない中、東京五輪の開催に対する受け止めに変化の兆しが出ている。背景にあるのは、連日の日本選手のメダルラッシュだ。
日本は30日までに五輪競技で金メダルを15個獲得し、中国に次ぐ2位につけている。新種目のスケートボード(ストリート)は男女とも優勝を飾り、柔道は阿部兄妹の快挙を含め金メダル8個、体操の男子個人総合では橋本大輝選手が初めての五輪で金を手にした。
東京都の感染者数は、29日に3865人となり3日連続で過去最高を更新するなど、拡大ペースは依然として深刻だ。だが、ソーシャルメディアの投稿を分析すると、五輪への否定的な声に比べて、テレビやスマホの画面越しに応援する日本選手への肯定的なコメントが増えてきているのがわかる。
開幕以降、ツイッター上では「五輪中止」を叫ぶ声以外に、選手のメダル獲得を喜ぶツイート、開会式当日に東京の空を彩った航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」によるパフォーマンス、そして開会式当日の花火などの投稿が目立つ。
日本テレビとJX通信社の分析によると、ツイッター上では感染拡大を懸念してネガティブなコメントが依然として大半を占めるが、開会式前日の22日に3割未満だったポジティブなコメントは、27日までに4割を超えた。
また、共同通信によると、国際オリンピック委員会(IOC)などが日本語を含む9カ国語で展開する公式サイトやアプリを通じたデータ通信量は、2016年のリオデジャネイロ五輪の2倍に達している。中でも日本や米国、インドからのアクセスが多いという。
開幕後の週明け26日午後、お台場にある大会ロゴが入ったTシャツなどの五輪公式グッズを販売する店舗は平日にもかかわらずにぎわいを見せていた。
親戚や家族へのお土産にキーホルダーなどを購入したという都内在住の武内幹夫さん(44)は、「どちらかというと五輪心配派だったが、始まってみたら逆にこれがなかったら寂しかったかもしれない」と心境の変化を口にした。
武内さんはスケートボードや体操などをテレビ観戦したという。3歳になる娘が大きくなった時に、キーホルダーを見せながら東京大会の思い出を伝えたいと話した。
二つの考え
選手を応援したい気持ちと感染拡大への懸念が共存しているとの見方もある。開催前に代々木公園でのパブリックビューイングサイト建設中止をネットで訴えた日本在住の経営コンサルタント、ロッシェル・カップ氏は「二つの考えは矛盾しない」と電話取材で述べた。
奈良女子大学の石坂友司准教授(スポーツ社会学)は、国民感情は開幕前と大きく変わっていないと指摘する。コロナ禍での五輪開催に否定的だった人は「いまだに開催するべきではないと思っているし、今からでも間に合うのであれば中止するべきだと思っている」という。
ただ、五輪に肯定的な意見を公言しやすくなったことは大きな変化だという。これまでは、コロナ禍での五輪をポジティブに考えられない状況があったため、選手を応援したいという気持ちを表に出しづらい雰囲気だった。しかし、過剰にはしゃぐことなく淡々と活躍する選手たちの姿が多くの人の心を捉えていると説明した。

●大阪新型コロナ1040人の感染確認 デルタ株感染拡大力はメガトン級 7/31
大阪府は31日、新たに1040人が新型コロナウイルスに感染、亡くなった人は0人と発表しました。1日の新規感染者が1000人を超えるのは、5月8日以来です。また東京オリンピック開催中の東京都では、過去最多の4058人の感染が確認されました。
大阪府新規感染者数の推移(死者数) 7月30日(金)882人(0人)/ 7月29日(木)932人(2人)/ 7月28日(水)798人(0人)/ 7月27日(火)741人(0人)/ 7月26日(月)374人(1人)/ 7月25日(日)471人(1人)/ 7月24日(土)283人(1人)
8月2日から4度目の緊急事態宣言が適用される大阪府では、酒類を提供する府内の飲食店などに対しては休業を要請するとともに、提供しない場合は営業時間を午後8時までの短縮、また百貨店などの大規模商業施設には午後8時までの時短営業を要請します。
吉村知事はツイッターに「特に飲食店の皆様には負担続きで申し訳ありません。せめてゴールドステッカー店舗はとも思いますが、法律上できません」と投稿し、2日からの緊急事態宣言の適用に理解と協力を呼び掛けるとともに、「デルタ株の感染拡大力は別格です。その強さはメガトン級です」と記し、感染対策の徹底を呼びかけています。

●警戒度引き上げ 栃木県内7市で時短要請 店主ら「複雑な思い」 7/31
新型コロナウイルスの急激な感染拡大を受け30日から栃木県の警戒度レベルが国のまん延防止等重点措置に相当するステージ3に引き上げられました。
7つ市の飲食店には8月2日から営業時間の短縮要請が出され、稼ぎ時と重なる時期の再びの事態に苦しい現状を訴える声が聞こえました。
県は30日から総合的な警戒度レベルを国のまん延防止等重点措置に相当する県版ステージ3に引き上げました。
警戒度の引き上げに伴い直近一週間の新規感染者数が特に多い宇都宮市など県内7市の飲食店に8月2日から営業時間を午前5時から午後8時までに短縮、酒類の提供は午前11時から午後7時までとするよう要請します。
対象地域の1つで県内有数の観光地・日光市にある飲食店 栞(しおり)です。
世界遺産の二社一寺へ続くメインロード沿いにあり湯葉など地元の名物を使った料理が人気で新型コロナウイルス感染が拡大する前は国内外から多くの観光客が訪れました。
以降は、テイクアウトやSNSでの発信に力を入れ地元の人からも好評を得ていました。
この週末には市内のイベント用に大口の注文がありましたが、急きょイベントが中止になりキャンセルになりました。
一方、宇都宮市の中心街にある宇都宮屋台横丁では、午後4時ごろからおよそ20ある店の店主を集めて運営会社が時短要請の内容などを伝えました。
宇都宮屋台横丁では要請に協力した上で希望する店は通常より早い時間から営業することを決めました。
鉄板焼きやからあげがうりの店では、来週からはこれまでより2時間早い午後4時に営業を始めることにしました。
最近はようやくコロナ禍の前の6、7割ほどまで客の数が戻ってきた矢先、再びの時短要請に理解を示しながらも思いは複雑です。
あたしッ亭 鈴木泰子 店主:「またか、という感じ。仕方ないが、一度時間を短縮して客が離れてしまったら戻るのには時間がかかる。」

●中国、デルタ株じわり ワクチン普及でも「検査・隔離」 7/31
新型コロナ禍を抑え込んでいた中国本土で、外国から入り込んだとみられるデルタ株の感染がじわりと広がっている。中国政府は、これまで効果を上げてきた大規模なPCR検査と隔離の体制で迎え撃つが、夏休みの旅行シーズンの時期もあって対応に苦慮しており、7月31日午前までに10省・直轄市・自治区の20都市以上で合わせて260人を超える感染が確認されている。
今回感染が拡大しているデルタ株は、7月20日に江蘇省南京市の国際空港周辺で発覚した感染者から初めて検出された。市衛生当局は、入国時の検疫で搭乗者の感染が判明しているロシアからの国際便の機内清掃の担当者を通じて広がったとみている。同市の感染者は30日までに200人近くになり、当局は空港と3万人以上が住む周辺の街を封鎖。約920万人の全住民のPCR検査を3巡させている。
中国本土での市中感染は1年以上にわたって、散発的な発生をこうした検査や封鎖、濃厚接触者らの徹底的な隔離の組み合わせで抑え込む状態が続いており、拡大の範囲も一定の地域にとどまるケースが多い。
ただ、今回は感染力が強いとされるデルタ株が、学校が夏休みに入って多くの旅行者でにぎわう空港を通じて広がった。経由便で南京空港に数時間だけ滞在した人が感染した例もあり、その後の旅先からさらに別の場所へと拡散。湖南省では世界遺産のある観光地・張家界市の劇場や常徳市の観光船などでの集団感染がわかり、陝西省西安市では感染者が訪れた兵馬俑(へいばよう)の博物館が臨時閉鎖された。広東省や湖南省、四川省などで地域の封鎖や全住民のPCR検査が次々に実施されている。

●9人死亡 1万2341人感染確認 7/31
31日はこれまでに全国で1万2341人の感染が発表されています。また、東京都で3人、北海道で1人、青森県で1人、茨城県で1人、埼玉県で1人、神奈川県で1人、静岡県で1人の合わせて9人の死亡の発表がありました。
国内で感染が確認された人は空港の検疫などを含め92万6405人、クルーズ船の乗客・乗員が712人で、合わせて92万7117人となっています。
亡くなった人は国内で感染が確認された人が1万5193人、クルーズ船の乗船者が13人の合わせて1万5206人です。
厚生労働省によりますと新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、31日時点で667人(+41)となっています。
一方、症状が改善して退院した人などは、31日時点で、国内で感染が確認された人が83万4967人、クルーズ船の乗客・乗員が659人の合わせて83万5626人となっています。また、29日には速報値で1日に6万4322件のPCR検査などが行われました。
厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、31日時点で667人となりました。30日から41人増加しています。一方、症状が改善して退院した人などは、国内で感染した人が83万4967人、クルーズ船の乗客・乗員が659人の合わせて83万5626人となっています。また、29日には速報値で1日に6万4322件のPCR検査などが行われました。
厚生労働省によりますと、31日までにフィリピンやインドネシアなどから成田空港などに到着した男女14人が、空港の検疫所で新型コロナウイルスに感染していたことが新たに確認されました。空港と港の検疫で感染が確認されたのは、合わせて3496人となりました。

●緊急事態宣言2日から 週末の大阪は 7/31
新型コロナウイルス対策で、8月2日から大阪に緊急事態宣言が、兵庫と京都にまん延防止等重点措置が適用されます。JRが一部の路線で最終電車を早めるなど、人出の抑制に向けた措置が各地で行われます。
8月2日から、大阪に緊急事態宣言が、兵庫と京都にまん延防止等重点措置が適用されることになり、3府県は、対象となる飲食店などへの酒類の提供停止の要請などを決定しました。
人出の抑制に向けた措置として、JR西日本は、宣言の期間中、大阪環状線で最終電車を繰り上げて、大阪駅と天王寺駅を出発する最終電車を最大で16分早めることを決めました。
大阪府に緊急事態宣言が出される前の最後の週末となった31日、大阪・梅田では買い物客などの姿が見られました。
従業員が相次いで新型コロナウイルスに感染していたことが確認された阪神梅田本店は、31日と8月1日の2日間、臨時休業することになりました。
これまでに感染が確認された従業員は67人となっているということで、店の入り口には休業を知らせる紙が張り出されていました。
子どもを連れた30代の夫婦は、「医療系の仕事をしているので感染が増えていると日々感じているが、緊急事態宣言にも慣れてしまっている面があると思う」と話していました。
会社員の70代の男性は、「みんな緩んでいるからここでもう一度引き締めないといけない。制限に慣れてしまっているのでこうした宣言が出ることで引き締めることができるのではないか」と話していました。
 
 
 

 

●神奈川も2日から緊急事態宣言 黒岩知事「医療崩壊直前の現実」 8/1
新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、県内で2日、政府による緊急事態宣言が発令される。1日の新規感染者数は1258人と、5日連続で千人を超えた。黒岩祐治知事は「宣言は何としても避けたかったシナリオだが、医療崩壊直前の状態に直面している現実を分かってほしい」と呼び掛けている。
県内では清川村を除く全32市町を対象区域に「まん延防止等重点措置」が適用されているが、2日から緊急事態宣言が発令。宣言期間は31日までで、酒類またはカラオケ設備を提供する飲食店などには休業を要請する。ただ、これまでの要請に応じて提供を停止している大半の店舗には引き続き時短営業を求める。
知事は1日、記者団の取材に「救急車を呼んでも来ない、来たとしても運ぶ所がないという事態が目の前に迫っている。その危機意識を共有してほしい」と述べ、若年層を中心に人流抑制への協力を求めた。

●「夏の需要が完全になくなった」 緊急事態宣言拡大 宿泊、運輸業界に嘆き 8/1
2日から大阪府など4府県への緊急事態宣言発令と5道府県に「蔓延(まんえん)防止等重点措置」が適用されることで、夏の書き入れ時を迎えた観光、運輸業界に打撃となりそうだ。全国知事会が都道府県をまたいだ旅行を原則中止するよう呼び掛けるなど、逆風も強まる。国内旅行は増加の兆しもあっただけに、出ばなをくじかれた格好だ。
「これで、夏休みの旅行シーズンの需要が完全になくなった」
関西圏や首都圏を中心にホテルチェーンを展開する阪急阪神ホテルズ(大阪市)は肩を落とす。大阪新阪急ホテルなど大阪市内や東京都内の直営5ホテルを順次、31日まで休業することを決めた。緊急事態宣言を受けた休業はすでに4度目。「『また休業か』という気持ちだ」と嘆く。
観光庁が7月30日発表した国内宿泊施設の客室稼働率(6月、速報値)は、28・7%。今年に入ってから20〜30%台と低空飛行を続けている。
ただ、緊急事態宣言の拡大前には、今夏の国内旅行人数は前年比5・3%増の4千万人との推計(JTB)もあるなど改善傾向も見せ始めていた。それだけに冷や水を浴びせられた状況になっている。
クラブツーリズムは、宣言が発令される4府県を8月2日以降に発着する添乗員付きツアーの原則中止を決めた。消費者側でも、予定していた旅行を見直す動きも予想される。
運輸業界の打撃も大きい。JR西日本は7月30日、今期の連結業績予想を下方修正し、2期連続の最終赤字になるとした。坪根英慈常務執行役員は「(お盆などの)『書き入れ時』に緊急事態宣言が発令されるというのは痛い」。
主力の山陽新幹線の利用は、コロナ禍前と比べ、3割程度の水準にとどまる。当初、8月には回復に転じると予想していたが、後ズレする見込みだ。坪根氏は緊急事態宣言の影響について「まだ織り込み切れていない部分もある」とし、業績がさらに下振れする可能性も示唆した。

●県境またぐ旅行中止求める 緊急事態宣言拡大受け全国知事会 8/1
緊急事態宣言などの地域や期間の拡大を受けて、全国知事会は、感染の急拡大への対応などを協議し、県境をまたぐ旅行や帰省の原則中止を求めることを決めた。
全国知事会会長・飯泉嘉門徳島県知事「(感染者が)3日連続で1万人超え。第5波というより、感染爆発といっても過言でない状況。正念場を迎えている」
鳥取県・平井伸治知事「感染力の強さは異次元。前例踏襲の対策では、絶対に乗り切れない」
愛媛県・中村時広知事「大変心苦しいが、夏の帰省はもう一度考えていただきたい」
協議では、夏休みやお盆など、人の移動が増える時期の感染急拡大への危機感が相次いで表明され、都道府県をまたぐ旅行や帰省の原則中止や、自粛を求め、やむを得ない場合は、事前のPCR検査を受けるよう呼びかけることで一致した。
しかし、緊急事態宣言の全国への拡大については、賛否が分かれた。
ワクチン接種をめぐっては、不安定な供給への不満が噴出したほか、接種率などを制限解除の目安とする「出口戦略」についても、検討・発信するよう政府に求めている。

●杉本知事「全国一斉に緊急事態宣言を発令すべき」・・・全国知事会で提案 8/1
新型コロナ感染拡大防止の対策について、杉本知事は1日に開かれた全国知事会で、全国一斉の緊急事態宣言を政府が再び発令するよう提案した。
全国44都道府県の知事がオンラインで意見を交わした。国の緊急事態宣言は2日から31日まで首都圏と大阪、沖縄の6都府県に拡大して発令されるが、杉本知事は都道府県単位の対策だけで感染を抑えることは極めて難しいと言及。去年4月と同様、全国を対象とした緊急事態宣言の発令の検討を政府に求めるべきとした。
このほか、移動の自粛や会話の際のマスク着用も国として強く求めることも提案した。これらの意見は全国知事会として近く政府に提言する。

●緊急事態宣言で閉鎖 きょうで最後の海水浴場にぎわう 千葉  8/1
緊急事態宣言の対象地域に千葉県が追加されることを受けて、千葉県内では開設されていたすべての海水浴場が2日、閉鎖されます。ただ、ことし最後の開設となる館山市の海水浴場は、8月1日も多くの客でにぎわっていました。
千葉県内ではことし、合わせて11の海水浴場が開設されていますが、緊急事態宣言の対象地域への追加を受け、8月2日から閉鎖されます。
このうち館山市では、7月22日から4か所で開設されていましたが、すべて閉鎖されることになり、ことしの海水浴場の開設は8月1日で最後となります。
このうち館山駅から近い北条海水浴場は、午前9時すぎには、一部の駐車場が満車になり、多くの家族連れなどでにぎわっていました。
海水浴に訪れた60代の女性は「海水浴場が閉まるのは知りませんでしたが、感染が拡大しているのでしかたがないと思います」と話していました。
千葉県内で閉鎖される海水浴場では、ライフセーバーによるパトロールなどの安全対策を続けることを検討していますが、自治体や県は「監視のない海は非常に危険なので泳がないでほしい」と呼びかけています。

●緊急事態宣言の拡大「1週間遅い」 現場の医師が悲痛 8/1
1日、東京で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者数は3058人で、先週日曜日の先月25日に比べて約1.7倍に増えています。31日の4058人は下回ったものの、これで5日連続で3000人を越えました。重症者は31日から6人増えて101人となっています。
今月1日の感染者数を年代別に見てみると、20代と30代が圧倒的に多く、この2つの世代で半分以上占めています。
そして、気になるのはワクチンの接種です。先月30日の発表で65歳以上の約73%が2回目を終えているものの、人口全体で見ると約28%にとどまっています。予約が取りにくいという状況も続いています。
こうしたなか、都内の自宅療養者数は約1カ月前から10倍以上に急増し、31日に初めて1万人を超えました。今月2日からは緊急事態宣言の対象地域が6都府県に拡大されます。

●大阪で感染1000人超 2日から緊急事態宣言 8/1
31日に確認された新型コロナウイルスの新たな感染者は、大阪で1000人を超え、関西2府4県で合わせて1706人となりました。
感染の急拡大に歯止めがかからない中で、2日から大阪に緊急事態宣言が、兵庫と京都にまん延防止等重点措置が適用されることになり、各府県は感染対策の徹底を強く呼びかけています。
31日に発表された新型コロナの新たな感染者は、大阪が1040人、兵庫が329人、京都が199人、奈良が59人滋賀が45人、和歌山が34人で、関西2府4県で合わせて1706人となりました。
大阪で1日あたりの新たな感染者が1000人を超えるのは、3回目の緊急事態宣言が出されていた5月8日以来です。
このほか、兵庫で5日連続で250人を上回ったほか、京都では過去最多となる199人となるなど、各地で感染の急拡大に歯止めがかかっていません。
一方、感染して亡くなった人の発表はありませんでした。
こうした中、2日から今月末まで、大阪に緊急事態宣言が、兵庫と京都にまん延防止等重点措置が適用されます。
各府県は、対象となる飲食店への酒類の提供停止などを通して、飲食の場での感染リスクや人出の抑制につなげて感染拡大を食い止めたい考えで、措置への協力と、感染対策の徹底を強く呼びかけています。

●緊急事態宣言前日の大阪 串カツ店「酒出せずきつい」 8/1
大阪府に4度目の緊急事態宣言が発令される前日となった1日午後、大阪・ミナミにある串カツチェーン「串かつだるま道頓堀店」には、カップルや家族連れらが続々と訪れた。2日からは酒類を提供する店には休業が要請され、同店では酒類の提供を取りやめる予定だ。客らは名残惜しそうに、名物の串カツとビールを楽しんだ。
午後1時過ぎ、店内は大勢の客でにぎわっていた。出張と観光を兼ねて東京都内から大阪を訪れたという女性(38)は「外でお酒を飲むのは久しぶりなのでおいしい」と笑顔をみせつつも、「対策をしていてもどこで感染するか分からないし、最初の(宣言が出た)時期と比べるとコロナ慣れみたいなものはある」と話した。
「感染者数が増えていたので(宣言が)出るかと思ってはいたが、明日から酒が提供できなくなるのはきつい」。同店の中嶋隆晴店長(38)は肩を落とす。ここ最近の売り上げは、飲食店に酒類の提供停止が要請された3度目の宣言時(4月25日〜6月20日)と比べると、約1・5倍に回復していたという。
夏休みやお盆を迎えるこの時期は観光客が増え、例年ならば稼ぎ時。さらなる売り上げ増も期待されたが、酒が提供できなければ客足は遠のく。「先が見えない。うちも助成金などを使ってやってきているが、体力のない店はだいぶ苦しいはず」
同店は、大阪府が感染対策を取っている店を認証する「ゴールドステッカー」を取得し、営業時間の短縮や酒類の提供自粛などの要請に応じてきたが、要請に従わず、深夜まで酒類の提供を続ける飲食店もある。中嶋店長は「行政は飲食店をひとくくりにせず、ステッカーを取得して協力している店には時間を限定して酒の提供を認めるなど、差別化が必要ではないか」と訴えた。

●緊急事態宣言前に 休業決めた飲食店からは戸惑いの声 8/1
新型コロナウイルスの感染急拡大で、2日から緊急事態宣言が適用される大阪では、酒類を提供する飲食店などには休業が要請されます。休業を決めた飲食店からは、戸惑いの声が聞かれました。
新型コロナウイルスの感染急拡大を受けて、2日から、大阪には緊急事態宣言が、兵庫と京都にまん延防止等重点措置が適用され、大阪府は、酒を提供する府内の飲食店などに休業を要請するとともに、提供しない場合も営業時間を午後8時までに短縮するよう要請します。
大阪・ミナミにある焼き肉店は、多くの人が夏休みに入るお盆までに客足が増えると見込んで仕入れを済ませていましたが、要請に応じ、2日からの休業を決めました。
休業要請の期間は今月末までで、1日のうちに客に提供できなかった肉などは、廃棄せざるを得なくなるということです。
焼き肉店の店主、高島太さんは、「振り回されるのも、もう勘弁してほしいというのが本心です。焼き肉店なので、『肉とごはんが出せればいい』という声もありますが、肉に酒は付き物で酒を出せないのは痛いので休業せざるを得ません。早く普通の形で営業できるよう感染が収まってほしいです」と話していました。

●札幌市162人感染 前週から倍増 …半数以上の"経路不明"  8/1
札幌市は8月1日、新たに新型コロナウイルスの感染者が162人(他再陽性1人)確認されたと発表しました。死者の発表はありません。
感染者は非公表含む10代から80代の162人(他再陽性1人)。5日連続で100人を上回り、80人だった前の週の日曜日から約2倍に増加。緊急事態宣言解除後で2番目の数となりました。
感染力が強いとされるインド型変異ウイルス・デルタ株の「感染疑い」は35人確認されました。
札幌市内でのデルタ株疑いは、計585人(うち8人確定)です。
1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は、「50.3人」と「緊急事態宣言」の目安となる「25人」を12日連続で上回り、増加しています。
使用病床数は7月31日時点ですぐに対応できる543床中209床で約38%、病院以外の宿泊療養施設や自宅待機者は31日時点で計915人と前日から157人増え、900人を超えました。
新たなクラスターは確認されず、既存クラスターが拡大しています。
ススキノの接待を伴う飲食店、いわゆる"夜の街"関連は6人確認され、311店舗1182人となりました。
162人中、半数を超える88人の感染経路が不明で、重症者は前日から1人減り4人となりました。
政府は「緊急事態宣言」を東京都、沖縄県を延長したうえで、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府を追加、北海道、石川県、京都府、兵庫県、福岡県に「まん延防止等重点措置」を適用することを決めました。期間は8月2日から31日までです。
北海道は2日から札幌市をまん延防止措置の区域とし、飲食店での「酒類の提供を終日自粛」要請をし、時短要請を1時間繰り上げ午後8時までとします。外出自粛、往来自粛要請に加え、公共施設の原則休館も継続します。
札幌市は市営地下鉄と市電の終電を約20分から30分繰り上げる対策を5日から開始。小中学校などでの修学旅行は9月以降への延期を要請。公共施設は市民の健康維持や子どもの健全な成長促進の観点から特に必要な施設を除き、原則休館とします。

●バッハ高笑い!?東京五輪「やってよかった」が77%も! 8/1
一向に収まらない新型コロナウイルスの影響に加え、開会式のドタバタもあって開催前は否定的な声が圧倒的に多かった東京五輪。しかし、いざ開幕してみれば日本選手団が過去最多の金メダル数を獲得する大活躍となり、無観客でも大いに盛り上がっている。
開幕前の6月にとった本誌のアンケートでは、「東京五輪は楽しみですか?」という質問に対し、半数以上の人が「興味がない」「最後まで楽しめない」と回答していた。
東京五輪は楽しみですか? (6月23日〜25日調べ)
楽しみ:16%
今は楽しみではないが、始まれば楽しめそう:31%
最後まで楽しめないと思う:30%
興味がない:23%
しかし、開幕後のいま「東京五輪は開催して良かったと思いますか?」とアンケートをしたところ、実に77%の人が開催してよかったと回答。世論はすっかり逆転してしまったことがわかる。
東京五輪は開催して良かったと思いますか? (7月27日〜7月30日調べ)
はい:77%
いいえ:23%
開催してよかったと思う理由としては、「最初は反対でしたがやっぱり見てしまう。選手の頑張りには感動します。日本の政治や委員会の人選は選手に関係ないから」「コロナ禍で明るいニュースもなかったが、選手の素晴らしい活躍のお陰で家族みんなで盛り上がれたため」といった声が寄せられた。
東京五輪開催後、新型コロナウイルスはかつてないほど感染拡大しているが、五輪開催への否定的な声はさほど高まっていない。結果的には、トーマス・バッハIOC会長が言った「日本の方は大会が始まれば歓迎してくれると思う」のとおりになってしまったとも……。
阿部一二三、詩選手の兄妹金メダル、西矢椛選手の最年少金メダル、水谷隼・伊藤美誠ペアの卓球悲願の初金メダル、ソフトボールの13年ぶり金メダルなど……これだけ朗報が続けば、世論が変わるのも無理はないだろう。
五輪の盛り上がりとコロナ禍の収束、どちらかを選ぶなんてできない!?
 

 

●2日から関東の3県に緊急事態宣言 8/2
関東地方では2日から、緊急事態宣言の対象地域に神奈川・埼玉・千葉の3県が加わり、県民に不要不急の外出を自粛するとともに、飲食店などに対して酒類の提供を終日自粛するよう要請しています。
新型コロナウイルスの感染者の発表は、1日、東京都で3058人と5日連続で3000人を超えたほか、神奈川県で過去3番目に多い1258人、埼玉県で899人、千葉県で767人、茨城県で202人と、埼玉・千葉・茨城はいずれも過去2番目に多くなりました。
感染の急拡大で、関東地方では2日から緊急事態宣言の対象地域が広がり、東京に神奈川、埼玉、千葉の3県が加わりました。
期限はいずれも今月31日までで、県民に不要不急の外出を自粛するとともに、県内全域の飲食店などに酒類の提供を終日自粛し、営業時間を午後8時までとするよう要請しています。
緊急事態宣言の対象地域に加わることについて、神奈川県の黒岩知事は1日、「まん延防止等重点措置が続いてきた中で感染者が増えているのは、外出の抑制などを十分に守ってもらえていないことがあると思う。県内は医療崩壊直前の状況で、救急車を呼んでも来ない、来ても動かない、運ぶところがない、そういう事態が目の前に迫っている」と訴えました。
また、埼玉県の大野知事も「医療機関を圧迫し、ほかの医療にもしわ寄せが出かねない危機的な状況だ。保健所への応援など態勢を強化したい」と述べました。

●埼玉・千葉・神奈川・大阪に緊急事態宣言、31日まで…全域で酒提供停止 8/2
政府は2日、新型コロナウイルス対策として、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県に緊急事態宣言を発令した。対象地域は、発令中の東京都、沖縄県と合わせ、計6都府県に拡大した。北海道、石川、京都、兵庫、福岡の5道府県には、新たに「まん延防止等重点措置」を適用した。期間はいずれも31日まで。
菅首相は1日、首相公邸で厚生労働省幹部らから最新の感染状況について報告を受けた。
新たに緊急事態宣言の対象地域となった千葉、埼玉、大阪の3府県では、全域を対象に、酒を提供する飲食店に休業を要請し、それ以外の飲食店にも午後8時までの営業時間短縮を要請する。カラオケ店の休業も要請する。
これまで独自の対策を進めてきた神奈川県では、飲食店への時短営業と酒類提供停止の要請を県全域に拡大する。
重点措置の対象地域では、午後8時までの時短要請に加え、原則として酒の提供停止を求める。「感染が下落傾向にある場合」に感染対策など一定の要件を満たす店に限り、知事の判断で午後7時まで酒の提供を認める。
県などは、自治体の要請に応じない店舗もあるため、飲食店への見回りを強化するほか、路上や公園での集団による飲酒自粛の呼びかけも強化する。
政府は、不要不急の外出自粛やテレワークへの協力も呼びかけるほか、東京五輪は自宅での観戦を呼びかける。ワクチン接種では、今月下旬には全国民の4割が2回目の接種を終えることを目指す。新規感染者の多くを占める若年層への働きかけも強める考えだ。

●小池知事「都県境を超えないで」 緊急事態宣言、2日から1都3県に拡大  8/2
東京都の小池百合子知事は1日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、2日から東京に加え、埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県も緊急事態宣言の期間に入ることについて「都県境を越えないように、テレワークの徹底をしていただきたい」と呼び掛けた。都庁で全国知事会に出席した後、報道陣の取材に応じた。
東京都の感染者数はこの日、3058人となり、5日連続で3000人を超えた。感染者数の発表15分前に報道陣の前に姿を見せた小池氏は1都3県に緊急事態宣言が拡大することについて「これで宣言でそろいました。毎日300万人が、基本的に出勤と通学で、動いています。通学の部分が、夏休みがないとしても、出勤の部分はテレワークを徹底していただく」として都県境を越えないように求めた。
一方で、小池氏は、これに先立つ都内の視察先での取材で、東京五輪の開催継続の意思を示し「陽性となる大会関係者の半数は国内。海外というよりは国内の感染対策をしっかりとすることに尽きる」と述べた。

●緊急事態宣言 きょうから6都府県に拡大 5道府県に重点措置  8/2
緊急事態宣言の対象地域は2日から、首都圏の3県と大阪が加わり6都府県に拡大されました。政府は、感染力の強い変異ウイルス「デルタ株」の広がりで、これまでとは局面が異なるとして、国民と危機意識を共有し、感染の抑え込みにつなげたい考えです。
新型コロナウイルス対策で、緊急事態宣言の対象地域は2日から、東京と沖縄に、埼玉、千葉、神奈川の首都圏の3県と大阪が加わり、6都府県に拡大されました。
また、北海道、石川、兵庫、京都、福岡の5道府県には、まん延防止等重点措置が適用され、期間は、東京と沖縄の宣言の期限も延長され、いずれも8月31日までです。
東京都では、1日に、日曜日としては初めて3000人を超えるなど、新たな感染者は全国で4日続けて1万人を超えました。
感染急拡大の抑え込みには一刻の猶予も許されないとして全国知事会は、1日、お盆の帰省も含め夏休み中の都道府県をまたぐ旅行や移動は原則中止・延期するよう強く呼びかけることなどを国に求めることを決めました。政府は、感染力の強い変異ウイルス「デルタ株」の広がりで、これまでとは局面が異なるとしていて、田村厚生労働大臣もリスクの高い行動を控えるよう、理解と協力を呼びかけました。
宣言の対象地域では、飲食店に酒の提供停止を要請するとともに、重点措置の適用地域でも、原則、酒の提供停止を要請し、提供できる条件を厳しくするなど感染対策を徹底することにしています。また、羽田や伊丹などの空港から北海道や沖縄、福岡に向かう便を利用する人に無料でPCR検査を実施するなど国民と危機意識を共有し、感染の抑え込みにつなげたい考えです。

●緊急事態宣言、首都圏・大阪に発令 6都府県に拡大、月末まで 8/2
政府は2日、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言を埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県に発令した。宣言に準じた「まん延防止等重点措置」から切り替わった。期限は今月末まで。宣言対象は発令中の東京都、沖縄県と合わせ6都府県に拡大した。
北海道、石川、京都、兵庫、福岡の5道府県には新たに重点措置を適用。期限は同じく今月末まで。宣言、重点措置の地域では、飲食店に午後8時までの営業時間短縮を要請する。酒類提供は、宣言下では一律停止。重点措置の区域では原則停止とし、「感染が下降傾向」の場合に限り、一定の感染対策を講じることなどを条件に午後7時まで認める。
自治体の要請に応じない店舗も目立つため、見回りを強化し、実効性向上に取り組む。路上や公園での飲酒の自粛も引き続き求める。
夏休みを迎える中、政府は人の流れの増加が感染拡大につながることを警戒。不要不急の外出自粛やテレワークへの協力も呼び掛ける。東京五輪は自宅でテレビなどで観戦するよう求める。若い世代へのワクチン接種に力を入れ、今月末までに全国民の4割が2回接種を終えることを目指す。

●2日から大阪に「緊急事態」兵庫 京都に「まん延防止措置」 8/2
新型コロナウイルス対策で2日から、大阪に緊急事態宣言が、兵庫と京都に、まん延防止等重点措置が適用されました。3府県では、今月31日までの期間中、集中的な対策を講じることで、これ以上の感染拡大を食い止めたい考えで、府県民への呼びかけを強めていく方針です。
関西の2府4県で1日発表された新型コロナの新たな感染者は、大阪が890人、兵庫が317人、京都が166人、奈良が77人、滋賀が44人、和歌山が33人のあわせて1527人で、6日連続で1000人を超えました。
感染拡大に歯止めがかからない中、2日から大阪に緊急事態宣言が、兵庫と京都に、まん延防止等重点措置が適用され3府県は、対象となる飲食店などへの、酒類の提供停止要請などの措置に踏み切りました。
これに関連して、大阪府の吉村知事は、「感染対策を徹底して、第5波をできるだけ低い山にしていかなくてはいけない。『またか』『何度も同じことではないか』と思われるかも知れないが、今が非常に重要な時期なので、ぜひ協力をお願いしたい」と述べました。
また、1日就任した兵庫県の斎藤知事は、全国知事会のオンライン会議で、「お盆に帰省する人も多いが、同窓会や、友達と集まって飲みに行くのはがまんし、家で家族と過ごしましょうというメッセージを具体的に伝えていきたい」と述べました。
3府県では、今月31日までの期間中、集中的な対策を講じることで、これ以上の感染拡大を食い止めたい考えで、府県民への呼びかけをいっそう強めていく方針です。

●緊急事態、大阪など6都府県に拡大 変わらぬ通勤風景 8/2
新型コロナウイルスの緊急事態宣言が2日、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県に適用された。すでに適用されていた東京都と沖縄県と合わせ、対象は6都府県に広がった。期間は31日まで。自治体は飲食店に営業時間の短縮や酒類提供の停止を要請するなどして感染拡大を抑える。
宣言に準じる措置をとれる「まん延防止等重点措置」も2日から31日まで、北海道、石川、京都、兵庫、福岡の5道府県に適用される。5道府県は感染状況が改善するまで対象地域で酒類提供の停止を求める。北海道は札幌市、石川県は金沢市、京都府は京都市、兵庫県は神戸市など15市町、福岡県は福岡市など22市町村を対象地域に指定した。
日本全体の新規感染者は1日まで4日連続で1万人を超え、感染が急拡大している。宣言や重点措置の適用自治体は時短営業などの要請を通じて人流を抑える狙いだ。ただ、2日朝の主要駅などの通勤風景に大きな変化は見られない。
ドコモ・インサイトマーケティング(東京・豊島)の位置情報データにもとづき、午前8時台の人出を前週月曜日の7月26日と比較した。さいたま市の大宮駅西口周辺は3%減、千葉駅周辺は7%減、大阪市の梅田周辺は5%減だった。横浜駅周辺は15%増えた。東京都の丸の内周辺も1%増えた。
全国知事会は1日、政府に対する新型コロナ対策の緊急提言とともに、国民向けのメッセージをまとめた。夏休みシーズンは都道府県境をまたぐ旅行・帰省を原則として中止・延期するよう訴えた。

●新型コロナ新規感染が5日連続で200人を超えて… 愛知 8/2
全国で新型コロナの感染拡大が続く中、愛知県の大村知事は、夏休み中の県をまたぐ旅行や帰省について、改めて自粛するよう求めました。
「夏休み期間中、都道府県をまたぐ移動帰省旅行はやめていただきたい。オリンピックのパブリックビューイングのようなものも、やめていただきたい」(愛知県 大村秀章知事)
全国では2日から「緊急事態宣言」の対象地域に、首都圏の3県と大阪が追加され、6都府県に拡大。
また、北海道や福岡など5道府県には「まん延防止等重点措置」が適用されました。
愛知県は、新規感染者数が5日連続で200人を超えていて、まん延防止等重点措置の適用申請をするかどうかについて、大村知事は「今週は特に入院患者数に注視し、客観的数値に基づいて対応していきたい」と話しました。

●国内線予約は「Go To」並み 宣言対象拡大も旅行需要ねばり強さ 8/2
2日から新型コロナウイルスの緊急事態宣言の適用対象が従来の東京都、沖縄県に、神奈川、千葉、埼玉の3県と大阪府を加えた6都府県に拡大し、旅行関連業界では「またか」と、需要減への懸念が相次いでいる。しかし全国でみれば予約キャンセルの動きは控えめで、空の便ではピーク時の国内線予約状況が政府の観光支援策「Go To トラベル」で需要が盛り上がった時期と同規模を維持。粘り強い旅行関連需要について専門家は「ワクチン接種の拡大などで移動することへの抵抗感が減った」と分析している。
「夏休みの旅行計画を今の時期に考える人が多い。それだけに(適用拡大で)予約の延期が出てくるかも…」。旅行大手日本旅行の担当者は緊急事態宣言の悪影響を懸念する。お盆期間の予約状況は現在、前年比98%と回復傾向にあるだけに不安は大きい。
ワクチン接種者に対する独自の割引サービスを実施している旅行会社ビッグホリデーの担当者も、「もともと入っている少ない予約までキャンセルになってしまうのでは」と懸念する。
実際に緊急事態宣言の対象となった神奈川県箱根町の箱根ハイランドホテルでは、50部屋程度のキャンセルが出たという。予約客に対し、事前に酒類提供の停止を伝えたところ、取りやめられたケースも相次いだ。予約担当者は「8月の予約はあきらめている」と肩を落とす。
ただ、旅行客や帰省客らを乗せる航空便や鉄道の全国的な予約状況をみれば、感染拡大は懸念材料ではあるものの、現時点での影響は限定的なようだ。
ANAホールディングスによると、6〜15日のお盆期間の国内線予約件数は、前年同期比で3割以上伸びている。特にピーク時の1日9万件以上という件数は「Go To トラベル」期間中だった昨年11月の連休時と同規模という。
同社の福澤一郎専務は7月30日の令和3年4〜6月期決算会見で「(国民が)PCR検査などを積極的に受けながら国内移動しているのかなと思う。予約動向は低下することなく進んでいる」と説明した。
鉄道でも、JR東日本が発表した新幹線の予約席数を昨年と比較すると、北海道が28%増、東北48%増、上越33%増など軒並み回復しており、広報担当者は「深刻な状況ではない」とした。
航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏は、現在の感染拡大について「予断を許さない」とする一方、「東京にいても感染リスクはある。それならばワクチン接種の拡大などもあり、感染状況が悪い地域を避けて旅行をするとの判断になっているのだろう」と話す。

●もう限界を超えた「緊急事態宣言で感染を抑える」という仕組み〜 8/2
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月2日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。東京と沖縄に加え、新たに埼玉、千葉、神奈川、大阪が対象地域となる緊急事態宣言、また、北海道、石川、京都、兵庫、福岡の5道府県に適用されるまん延防止等重点措置について解説した。
新型コロナウイルス対策で東京と沖縄に発令されている緊急事態宣言は、8月2日から埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県と大阪も対象地域となる。また、北海道、石川、京都、兵庫、福岡の5道府県には、まん延防止等重点措置を適用。いずれも期間は8月31日までとなる。
飯田)対象地域が拡大、まん延防止等重点措置も5道府県に適用ということです。
須田)緊急事態宣言などの措置によって人流を抑え、感染を抑えるという仕組みが、もう限界を超えているのではないでしょうか。これについては、分科会の尾身会長も認めているところです。緊急事態宣言を発出することで、どれくらい抑えられるのかという目処がついていないではないですか。そういうなかで、これをやることの意味があるのだろうか。
飯田)そうですね。
須田)ワクチン接種には一定以上の効果が認められていて、本来であれば、心配されていた高齢者の感染も防ぐことができたし、重症化を抑えることもできた。いま中心となっているのは若い人たちということになるのだけれども、若い人たちへのワクチン接種がいつになるのか、そのスケジュールの目処についても、きちんと情報を出すべきですが、その辺りとの整合性がなかなか出て来ません。
飯田)抑えるための緊急事態宣言は出ても、「ワクチンが進めば」というところが見えて来ませんよね。
須田)飲食店に対する休業要請は、あくまでも要請ですから、それに従うか従わないかという問題がある。あるいは、アルコール類の提供自粛についても、局長通達のようなものしか出ていなくて、法律になっていない。どこまで強制力が持てるのか。東京では、それに従わない店がどんどん出ていて、人がたくさん入り、売上も上がっている。そうなると、要請に従っている店と従っていない店に差が出て、不公平感が生まれている。これに対して、どう対応するのかという具体策が何もない。都道府県にもなければ、国にもないという状況で、「出したのだから勝手にやれ」と、どこか突き放したような感じになっていますよね。
飯田)そうすると、「もう勝手にやるぞ」という人たちが増えてしまいますよね。
須田)そういうところに危機感を覚えたのでしょう。ここに来て全国知事会は「ロックダウン」のような強い措置の検討を盛り込んだ緊急提言をまとめましたが、「ロックダウン」といきなり言われてもと。
飯田)都市封鎖とも言われますが。
須田)強制力を伴ってやるのであれば、いまの法の枠組みのなかではできません。具体的に言えば、それをやろうとした場合、憲法違反になってしまう。特に憲法22条の、形式的には職業選択の自由なのだけれども、実質的には経済活動の自由ですから、そこに抵触してしまうのです。そこの整合性も考えないで、知事会は「ロックダウンを」と言う。その辺りをどう考えているのでしょうか。
飯田)そうですよね。いまの法体系のなかで、もしそれをやって具体的に不利益を被ったとなると、提訴できることになりますからね。そのときの宛先はどこなのかということで、都道府県知事がその相手になるのか、その覚悟があるのかと。
須田)一方で数日前に、アメリカのニューヨークのマンハッタンでレストランを経営している人と少し話をしたのです。やはり営業自粛を要請されて、「どうしようか」と迷っていたら、いきなり100万ドルが振り込まれて来たというのです。
飯田)そうなのですか。
須田)そして、余ったら返してくださいと。
飯田)前渡し方式ですか。
須田)前渡し方式で、十分過ぎるほどの額です。そうすると、「十分な補償を受けたから、やめておこう」となる。補償が不十分で金額的にもわずかであり、未だに振り込まれていないというのが日本の状況です。7月分は前倒しだけれども、それまでの分はどうしたらいいのかと。
飯田)営業の自由は当然、合衆国憲法にもあるし、そこの部分は徹底していますね。
須田)その辺り、日本政府は何をやっても「帯に短し襷に長し」のような状況になっているのではないでしょうか。

●緊急宣言発令の4府県、通勤客の大きな減少見られず…  8/2
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は2日、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県で緊急事態宣言を発令した。すでに発令中の東京都、沖縄県と合わせ、対象地域を6都府県に拡大した。北海道、石川、京都、兵庫、福岡の5道府県には「まん延防止等重点措置」を適用した。期間はいずれも31日まで。政府は人流抑制のためテレワークを推進しているが、2日朝の4府県の主要駅で通勤客の大きな減少は見られなかった。
緊急事態宣言下の都府県は、酒またはカラオケ設備を提供する飲食店に休業要請を行い、それ以外の飲食店には営業時間短縮(午後8時まで)を要請する。
読売新聞がNTTドコモの「モバイル空間統計」のデータを利用し、2日午前7時台の人出を1週間前の月曜日(7月26日)と比較したところ、梅田駅(大阪市)は4・3%減、千葉駅(千葉市)は3・8%減となったが、横浜駅(横浜市)は0・9%増、大宮駅(さいたま市)も微増だった。
緊急事態宣言が拡大された初日、多くの通勤客が行き交う横浜駅(2日午前8時3分、横浜市西区で)=大石健登撮影緊急事態宣言が拡大された初日、多くの通勤客が行き交う横浜駅(2日午前8時3分、横浜市西区で)=大石健登撮影
横浜駅では2日朝、職場に向かうマスク姿の会社員らが途切れることなく改札を出入りしていた。
駅近くに勤務先がある東京都港区の会社員(23)は、「宣言が出ても人は全然減っていない。効果が薄まっているのではないか」と首をかしげた。川崎市の会社員(53)は「これまでの発令は中途半端。一度発令したなら、感染が大幅に減るまで継続してほしい。治療薬の開発にも力を入れてほしい」と話していた。
大阪駅も、通勤客で混雑していた。大阪府豊中市の会社員男性(69)は「時差出勤で午前10時過ぎに電車に乗ったが、通勤客らで満員だった」と話し、大阪市浪速区の看護師女性(40)は「もう多くの人に外出を自粛する気持ちがなくなっていると感じる。医療現場は大変で、効果がある対策をしてほしい」と訴えた。
大宮駅前のホテルには2日朝、テレワークプランの利用客が訪れた。感染拡大に伴って、客室を最大11時間利用できるプランの予約が増え、7月は120件ほど利用があった。2日は午前10時までに予約が5件あり、担当者は「宣言がまた発令されて利用客が増えるかもしれない。感染対策を徹底して部屋を提供したい」と話した。
千葉駅近くにある飲食店は、宣言期間中は夜の営業をやめ、ランチの時間帯だけ店を開けることにした。経営者(43)は「コンパクトな営業で人件費を抑えながらやっていくしかない」と語った。2日から夜の休業を検討している千葉市の飲食店主は「客足が減っていたので、宣言が出て夜の休業に踏ん切りがついた」とため息をついた。

●緊急事態宣言 6都府県に拡大 海水浴場閉鎖も 「慣れちゃった感じもある」 8/2
新型コロナウイルスの感染拡大で、2日から緊急事態宣言の対象に、神奈川・千葉・埼玉・大阪が追加され、東京・沖縄とあわせ、6都府県に拡大した。
緊急事態宣言が発令された神奈川・横浜市のJR桜木町駅前では2日朝、いつもと変わらない出勤風景が見られた。
街ゆく人は「人の多さは普段と変わらないのかなって。宣言自体に意味はあるのかなと疑問を持ちますけど」、「慣れちゃった感じもあるので、用事のないときは家にいようかなと思う」などと話した。
千葉県では緊急事態宣言にともない、県内の海水浴場が閉鎖された。
千葉市のいなげの浜海水浴場は、波打ち際の水遊びなどは可能だが、遊泳は禁止された。
訪れた人は「泳ぐつもりで水着とか全部持ってきたのに、泳げなくて残念」、「海でいっぱい泳ぎたかった」などと話した。
緊急事態宣言の対象は、2日から6都府県に拡大し、北海道・石川・京都・兵庫・福岡には「まん延防止等重点措置」が適用され、期間はいずれも8月31日までとなっている。

●新型コロナ感染拡大で御前崎市の海水浴場が閉鎖 静岡県 8/2
新型コロナウイルスの感染が県内でも拡大する中、御前崎市の海水浴場が8月2日から一時閉鎖されました。
記者「御前崎の海水浴場です。朝から閉場を告知する掲示が行われています」
御前崎市の「マリンパーク御前崎海水浴場」は7月17日、2年ぶりにオープンしたものの、8月2日から一時閉鎖されました。市などが定めた新型コロナ感染防止対策のガイドラインに沿って、県の警戒レベルが「5」に引き上げられたことから対応しました。夏本番の書き入れ時に閉鎖となったことに観光協会の担当者も落胆の色を隠せません。
御前崎市観光協会「2年ぶりの開場ということで御前崎の海水浴場を楽しんでいただけると期待していましたが、ここにきて閉場ということで大変残念に思っています」
閉鎖中の海水浴場は更衣室やシャワー室などが利用できなくなるほか、場内に流す音楽もやめます。一方で、ライフガードは置き、水難事故を防ぐ対策にあたります。海水浴場の再開は県の警戒レベルが「4」に引き下げられた時点を予定しています。

●東京都 新型コロナ 2195人感染確認 月曜日としては過去最多  8/2
東京都は、2日、都内で新たに2195人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。月曜日としてはこれまでで最も多くなり、感染の急激な拡大が続いています。
東京都は、2日都内で新たに10歳未満から90代までの男女合わせて2195人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1週間前より766人増えて、月曜日としてはこれまでで最も多くなり、感染の急激な拡大が続いています。2日までの7日間平均は3214.4人で、前の週の206.9%となり、これまでにないスピードで感染の急激な拡大が進んでいます。これで都内で感染が確認されたのは、22万3221人となりました。
一方、都の基準で集計した2日時点の重症の患者は1日より13人増えて、114人でした。110人を超えるのはことし2月7日以来です。また、2日都内で死亡が確認された人はいませんでした。
東京都の基準で集計した2日時点の重症の患者が1日より13人増えて114人だったことについて、小池知事は都庁で記者団に対し、「重症者は、感染者の増加から遅れて出てくると言われている。40代と50代が重症者の多くを占めていて、共通しているのが、糖尿病や高血圧、ぜんそくや肥満といった症状をもともと抱えていることだ。また、ほとんどがワクチンを接種していない人だ」述べました。そのうえで、「40代と50代で、まだ接種を受けていない方々には、ワクチン接種をできるだけ早くお願いしたい」と呼びかけました。また、2日から、緊急事態宣言の対象地域に神奈川・埼玉・千葉の3県が加わったことについて、小池知事は、「1都3県で緊急事態宣言という形でベースが共通になった。ぜひ都や県の境を越えるような移動を避けていただき、また、基本的にとても強いウイルスであるという認識のもとで基本的な感染防止対策を家族そろって講じていただきたい」と述べました。さらに、事業者に対しては、「テレワークの徹底に加えて、仕事場でのマスクの着用なども徹底してお願い申し上げる」と呼びかけました。

●陽性率19%、「異常」上回る東京 収束「予想つかず」 8/2
東京都内での新型コロナウイルスの感染状況を示す指標が軒並み、異常とも言える数字に跳ね上がっている。1週間平均の新規感染者数は3千人を超え、市中での感染の広がりを示す陽性率は19・5%に達した。いずれも「疫学的に異常」と言われた年明けの数字をはるかに上回る。都は、至るところにウイルスが広がっている状態とみて注意を呼びかける。
「休みの日にこれだけの人数。市中にかなり感染が広がっているんだろうなという実感はある。こういう状況がいつになったら収まるのか予測がつかない」
都の担当者は日曜日だった1日、都内の感染状況についてそう嘆いた。この日の新規感染者は3058人に上り、5日連続で3千人を超えた。これまでで日曜日の最多だった1763人(7月25日)を大幅に上回った。
7月上旬から到来が指摘されてきた都内での「第5波」。これまでの変異株よりも感染力が強い変異株(デルタ株)の流行が今回の波の要因とみられるが、その波はこれまでとは比較にならないほど巨大化し、これまでの経験にない異次元の波の様相を呈しつつある。
感染拡大の程度を表す1週間平均の新規感染者数は3105人(1日時点)と、7月1日(523人)の約6倍に達する。感染者数の増加ペースを示す新規感染者数の前週比も214%に上り、「疫学的に異常」と指摘された年明けのピークだった207%(1月10日)を超えた。
 

 

●五輪選手の新型コロナ感染は抑制、東京都の感染者急増でも 8/3
東京都内で新型コロナウイルスの新規感染者数が感染力の強いデルタ株の影響で急増しているが、東京五輪関係者の感染はこれまでのところ比較的抑制されている。
東京五輪・パラリンピック組織委員会が2日公表した資料によると、新型コロナに感染した大会関係者は276人だった。このうち1万1000人以上が参加している選手の感染者は24人にとどまる。大会関係者に40万回以上実施されたPCR検査の陽性率はわずか0.02%だ。
国際オリンピック委員会(IOC)広報担当のマーク・アダムス氏は2日、「選手と大会関係者、一般の人々の間には隔たりがある」と記者団に語った。東京大会では外部との接触を遮断する「バブル方式」を採用しており、 「リスクをゼロにすることはできないが、可能な限りそのリスクを減らすことができる」との見方を示した。
感染が確認された大会関係者のうち、最も多いのは大会業務を委託する事業者らの144人、次いでIOC関係者らの83人だ。組織委員会は、より詳細な感染状況については公表していない。
大会関係者の感染動向は、7月31日に過去最大の4058人の感染者を記録した東京都内での急増とは対照的だ。大都市圏を中心に感染の急拡大が見られる中、政府は東京都と沖縄県に発令中の緊急事態宣言を8月末まで延長するとともに、神奈川、千葉、埼玉の首都圏3県と大阪府を対象地域に追加した。
東京都の陽性率は7日間平均が19.5%(7月30日時点)と、7月中にほぼ4倍に上昇した。高齢者へのワクチン接種を先行する中、20−30代の若年層中心に感染が急拡大。7月の入院者数は月末までに倍増して3000人を超え、病床使用率は50%に迫っている。

●東京都の健康観察「限界に近い」、自宅療養1万2000人超 8/3
新型コロナウイルス感染者の急増に伴い、東京都では自宅療養者がこの約1カ月で12倍に増え、2日時点で過去最多を4日連続で更新し12161人となった。比較的症状の軽い若い世代が中心だが、容体急変の恐れがあり、救急搬送される療養者もいる。保健所は健康観察に追われ、業務逼迫の要因になっている。(岡本太)
都内の新型コロナ患者は約1カ月前の7月1日、入院は1557人、都が準備したホテルでの宿泊療養は1176人、自宅療養は1006人だった。
だが、感染の急拡大とともに自宅療養が急増。30日に第三波のピークだった9442人(1月18日)を超えて9793人となり、31日には10000人を突破。2日時点で入院が約2倍の3231人、宿泊療養も1769人で約1・5倍となったが、自宅療養の伸びが際立っている。
都によると、高齢者のワクチン接種が進み、感染の中心が若い世代に移行。以前よりすぐに入院となる人の割合は少ないが、子育てや介護などで家庭を離れられず、自宅療養を希望する人が多くなったという。
ただ軽症の若い世代でも療養中に容体が急変するリスクはある。7月上旬に横浜市の40代男性が、5月には京都市で20代男性が、ともに自宅療養中に容体の急変で死亡。都内でも1月に自宅療養の50代女性が亡くなった。
このため、保健所は本人に定期的に電話などで体調を確認し、都も1月以降、自宅療養者のフォローアップセンターを拡充。血中の酸素飽和度を測るパルスオキシメーターを貸与し、65歳未満の自宅療養者の健康観察を引き受けた。
しかし、療養者の急増で都のセンターに余力がなくなり、7月28日以降は観察対象を30歳未満に引き下げた。保健所に負担が集中するが、都の担当者は「対応する看護師の確保はワクチン接種などで需要が高く、なかなか見つからない。都も限界に近い」と説明する。
都内の医師会も、地域の医師が往診などの体制を構築するが、今の増加ペースが続くと、対応しきれなくなる可能性が高まっている。都モニタリング会議の専門家メンバーで、国立国際医療研究センターの大曲貴夫医師は「安全安心な自宅療養のためには、コロナを診てこなかった開業医などの協力が不可欠だ」と話すが、一般診療とのバランスなどもあり、体制づくりは容易でないという。
都の担当者は「療養者が今後も増え続ければ、対応は一層難しくなる。とにかく感染者を減らさないと」と危機感を募らせる。

●東京都で新たに3709人の感染確認 前週火曜日から861人増 8/3
きょう東京都が確認した新型コロナウイルスの新たな感染者は3709人だった。感染が確認されたのは10歳未満から100歳以上の3709人。直近7日間の1日あたりの平均は3337人で、前の週と比べて189.3%。年代別では20代が最も多い1208人、次いで30代が852人で、重症化リスクが高い65歳以上の高齢者は115人。重症の患者は前の日から2人減り112人となった。また、50代から80代の男女7人の死亡が確認された。

●東京は3709人…拡大傾向止まらぬ新型コロナ 東海3県で新規感染者378人 8/3
東海3県では3日、新たに378人に新型コロナウイルスの感染が確認されました。愛知県が257人、このうち名古屋市が81人です。岐阜県は54人、三重県は67人です。東京都は3709人でした。

●東京アラート、勝負の3週間…「脅し文句」のインフレ化がもたらした負の側面 8/3
2日、東京都が確認した新型コロナウイルスの新たな感染者は2195人だった。先週の同曜日から766人増え、月曜日としては初めて2000人を超えた。重症の患者は前日から13人増えて114人になった。
ワクチン未接種世代における感染者数の増加に、BuzzFeed Japan News副編集長で『ルポ風営法改正』の著者・神庭亮介氏は「国民の危機感が薄らいでいる」と指摘する。
「脅し文句がインフレ化している。昨年から政府が『今が正念場だ』『瀬戸際だ』『勝負の3週間だ』と言い続けた結果、“オオカミ少年”状態になって、国民の感覚が麻痺してしまった。間違いなく今が最大の危機なのに、危機感が薄らいだまま、ここまで感染者が増えてしまった」(神庭亮介氏・以下同)
その上で神庭氏は、昨年6月に東京都が行った「東京アラート」に言及。新型コロナ感染への注意を呼びかけるために、お台場のレインボーブリッジを赤くライトアップさせた施策だ。
「当時の都内の新規感染者数は30人ほどだった。現在と比較するとかなり少ない。一斉休校や映画館の休業など、コロナ初期の段階で切らなくていいカードをたくさん切った結果、一番のピンチに危機感が伝わりにくくなってしまった」
そんな中、大阪市の松井一郎市長は7月30日、大阪府などに新型コロナ対応の緊急事態宣言が出されても「8月に予定されている市立中学校4校の修学旅行は実施する」と発表。「オリンピックもやっている。一生の思い出に残る行事は実施したい」と述べ、注目が集まっている。実際に生徒は全員出発前にPCR検査を行い、陰性の生徒だけが参加するという。松井市長の提言について、神庭氏は「感染対策としては良くない」とした上で「筋は通っている」と話す。
「『オリンピックもやっているから、修学旅行もやります』という松井市長の方針は感染対策としてはダメだが、少なくとも論理的には首尾一貫しており、筋が通っている。『オリンピックはやるけど、飲食や旅行は我慢してね』というのは矛盾したメッセージで、国民に危機感が伝わらない。日本中の人が『オリンピックもやってるし、別にいいじゃん』と一斉に緩和方向に動いたことで、感染拡大に拍車がかかった面は否めないのでは」
「もちろん、すべてが政府のせい、オリンピックのせいではない。単に意識が低くて路上飲みをしている人もたくさんいるだろう。医療現場のひっ迫が加速すると、新型コロナ患者の対応だけではなく、交通事故や熱中症など一般の患者にも手が回らなくなってしまう。感染拡大を防ぐため、今は複数人での会食を避けてほしい。一方で、ワクチンの効果は確実に出ている。政府や自治体は、高齢者以外の中年層、若年層への接種をさらに加速させる必要がある」

●大阪新型コロナ1079人の感染確認 急増!軽症・中等症患者 医療の現場は… 8/3
大阪府は3日、新たに1079人が新型コロナウイルスに感染、亡くなった人は 0人と発表しました。また東京オリンピック開催中の東京都では3709人の感染が確認されました。
大阪府新規感染者数の推移(死者数)
8月 2日(月)448人(1人)
8月 1日(日)890人(0人)
7月31日(土)1040人(0人)
7月30日(金)882人(0人)
7月29日(木)932人(2人)
7月28日(水)798人(0人)
7月27日(火)741人(0人)
大阪府も感染の急拡大を迎え、軽症・中等症の患者が増えているなか、医療の現場は…大阪・此花区にある大阪暁明館病院。3日に撮影されたコロナ患者の専用フロアです。防護服姿の看護師が映っていますが、落ち着いている様子です。話を聞くと…。
大阪暁明館病院 西岡崇浩事務長「現状は第4波と比べると…圧倒的に症状が軽い人が多い。」
大阪暁明館病院は、軽症・中等症の患者を受け入れている病院です。負担は重くないといえ、現在9床ある病床に8人が入院しています。大阪府の軽症・中等症患者数はこの1か月で3倍以上に増え、2日時点で1140人に上っています。府の要請を受け、暁明館病院は来週には受け入れ病床を17床まで増やす予定です。
西岡「17床となるとまた急性期を狭めなければならない可能性もあるが、できるだけそうならないように采配したい」
しかし、現在の第5波には懸念を示します。
西岡「(感染者の)母数が増えると、重症化する人も正比例で増えることが懸念されます」

●日本が史上最多メダルも……東京五輪が飲食店を追い詰める4つの理由 8/3
4度目の緊急事態宣言が延長に
2021年7月30日に菅義偉首相が、東京都や沖縄県に発出されていた緊急事態宣言の期間を8月22日から8月31日に延長すると発表しました。あわせて埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府に対して、8月2日から31日まで緊急事態宣言を発出するとしています。
東京都に関していえば、2021年1月8日に2度目となる緊急事態宣言、4月12日からまん延防止等重点措置、4月25日から3度目の緊急事態宣言、6月21日からまん延防止等重点措置、7月12日から4回目の緊急事態宣言となりました。
これらの期間中、国や自治体が行う感染症対策は、飲食業界に対する施策が中心となっており、飲食店に対する時短営業、および、酒類提供の制限や禁止ばかり。東京都の飲食店は2020年11月28日からの時短営業要請からずっと非常事態のもとに置かれてきました。東京都の飲食店は実に8ヶ月以上もの長い間、営業を制限されてきたのです。
東京五輪が開幕
東京都に緊急事態宣言が発出され、飲食店の経営がより一層逼迫している一方で、大きな賑わいをみせているのが東京五輪。東京五輪の開会式は7月23日に開催されました。競技はそれよりも前の7月21日から開始されており、閉会式の当日8月8日まで続きます。
東京五輪は昨年の開催が1年延期となりましたが、新型コロナウイルスが猛威をふるう中で、本当に開催できるのかと危ぶまれていました。開催地の東京都は2020年末からずっと非常事態となっていたはずですが、気が付いてみれば、科学的な根拠や納得のいく説明もないまま、東京五輪が開始されています。
日本が史上最多のメダルを獲得しているのは非常に喜ばしいことです。ただ、飲食業界の関係者にとっては複雑な思いがあります。なぜならば、国や自治体は飲食店に理不尽なほど厳しい措置をとっていますが、東京五輪には呆れるくらい寛容で、納得いかないと感じているからです。
当記事では東京五輪が飲食店に及ぼしている好ましくない影響について述べていきます。
なお、アスリートを非難することは目的にしていません。私はアスリートをリスペクトしており、アスリートが真摯に打ち込む姿に感動や勇気をもらい、心を打たれることも多々あることを述べておきます。
ステイホームの呼びかけ
東京五輪中の人流が増加しているか、減少しているかについては、様々なデータや見方があるので、まだ判然としません。ただ、菅首相や小池百合子都知事がステイホームや外出自粛を呼びかけ、自宅での東京五輪観戦を強く勧めているのは紛れもない事実です。
ただでさえ飲食店は、酒類提供の制限やディナーの時短営業によって売上が減少しています。ここでさらに外出自粛が叫ばれてはたまりません。外食を控えようとする雰囲気が醸成されてしまい、飲食店に訪れる客がますます減る可能性があるからです。
協力金は、酒類提供の制限や時短営業を補償するものとして提供されています。これらに加えて外出しないようにもアナウンスするのであれば、協力金の金額を増額しなければ辻褄が合わないのではないでしょうか。
関係者の行動が悪い手本に
東京五輪関係者のマナーがよくないので、飲食店にも悪い影響を及ぼすのではないかと危惧しています。オリンピック委員会が開会式でマスクをしなかった人々を問題視しなかったり、関係者が選手村で路上飲みをして警察沙汰になったりと、プレイブックにも違反する行為が平然と行われています。
東京五輪という大きな舞台で、マスク着用を蔑ろにしたり、路上飲みを咎められなかったりすれば、飲食店に飛沫防止を求めたり、酒類提供を制限したりする正当性が失われてしまうでしょう。飲食店では推奨されている施策が、東京五輪では問題ないとされるのであれば、科学的な一貫性を失います。
国と自治体は、オリンピック委員会と同じではありません。しかし、東京五輪が行われているのは日本であり、東京都です。飲食店に求められていることが、東京五輪でも同じように求められないのであれば、政府や東京都の施策は自己矛盾をはらむことになります。
お祭りムードの弊害
東京五輪が開始されてから、テレビやインターネットでは東京五輪の話題で一色となっています。特に放送時間が決まっているテレビではその傾向が著しく、情報番組やワイドショー、さらには堅い報道番組でさえ、日本人アスリートの競技結果だけでは飽き足らず、東京五輪で起きた些末なことまでを面白おかしく取り上げ、無邪気に騒いでいます。
専門家ではないコメンテーターが一家言をもつことの是非はさておいて、テレビの出演者が視聴者に対して、国や自治体が行う新型コロナウイルスの対策について問題を喚起することは、問題が忘れ去れないという意味で非常に重要です。しかし、現在ではそれさえも機能していないように思います。
東京五輪の開始前であれば、テレビでは国や自治体の施策を精査したり、東京五輪の安全性を検証したりしていました。しかし東京五輪が始まった今では、アスリートのインタビューや密着取材に時間を割いており、新型コロナウイルスの施策について議論する時間がだいぶ減少したように思います。
本来であれば国や自治体の動きを監視するのが、メディアの責務。しかしそれが、東京五輪によるお祭りムードによってなおざりになるとすれば、東京五輪は感動よりも弊害をもたらすことになるのではないでしょうか。
そして、その弊害の主な対象となるのは施策のターゲットにされている飲食業界に他なりません。
2016年における全国の飲食店数は約45万店、飲食店の従事者数は約319万人にも上り(いずれとも総務省統計局から)、2019年における外食産業の市場規模は26兆円(日本フードサービス協会から)を誇ります。
日本の根幹産業のひとつである飲食業界が国や自治体の施策によって逼迫した状況に置かれていることを鑑みれば、メディアは、特に報道を自称するメディアであれば、飲食店に対する施策の効果について多くの時間を割くべきではないでしょうか。
東京五輪後のツケ
最も憂慮していることは東京五輪のツケを飲食店が支払わされることです。東京都における4度目の緊急事態宣言は7月12日から発出されているので、効果が現れるのは2週間後である7月26日くらいから。しかし、7月26日からはむしろ、新型コロナウイルスの感染が急拡大しています。
つまり、飲食店に対する時短営業や酒類提供の制限は効果がないことを意味しており、国や自治体による施策の無意味さを物語っているのです。
直近の8月2日における新規感染者数2195人のうち、感染経路が判明している795人の内訳は、家庭内が最も多くて468人、職場内が136人、施設内が48人、会食が43人。決して飲食店における会食が多いわけではありません。
新型コロナウイルスの新規感染者数は増加の一途を辿っており、菅首相が頼みとするワクチン接種も不確定要素に満たされています。
したがって、8月31日で終わりを迎える緊急事態宣言がさらに延長されたり、まん延防止等重点措置にスウィッチしたりする可能性は高いでしょう。そうなれば、引き続き飲食店に対する時短営業や酒類提供の制限が続くと考えられます。
帝国データバンクによれば、新型コロナウイルス関連による倒産で、業種別の最多は飲食店。
飲食店は苛烈な状況にさらされているだけに、東京五輪のツケまで負わされるのであれば、国や自治体はより手厚い協力金や補償を打ち出すべきです。
国や自治体への不信感
国や自体は東京五輪の開催に向けてアクセルを思い切り踏みしめながら、国民には自粛を呼びかけるというブレーキを同時に踏んでいます。これでは国民はどうすればよいのかわかりません。態度やメッセージに説得力や一貫性がないので、国民は国や自治体に対して信用や信頼がもてるはずがないでしょう。
菅首相は安全で安心の東京五輪を開催すると述べました。しかし、感染が爆発したり、飲食店に対する規制を強めたりすることが、安全で安心なのでしょうか。
全力を尽くし、感動を与えてくれているアスリートには何の罪もありません。それだけに、東京五輪にまつわる国や自治体の施策や態度には憤りすら覚えるところです。

●「五輪がステイホームに効果あり」小池知事が豪語も人出増加中の矛盾 8/3
小池百合子都知事(69)が7月30日、「五輪は視聴率20%だから、ステイホームに役立っている」と会見で豪語した。ネットでは呆れ返る声が上がっている。
さかのぼること同月29日。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長(72)は国会で、東京五輪が人出の増加に影響するのではと懸念していた。すると30日、小池都知事は定例会見でこう話した。
「このところ、視聴率で20%を稼げるコンテンツっていうのは、なかなか無いというのがテレビ業界の方でも感じて、考えておられること。(中略)ステイホームに繋がっているということが考えられる」
さらに「ですから、オリンピックはそういう意味でステイホームに一役かっているし、またそれが選手への声援にも繋がっているというふうに思います」と続けた。
視聴率を持ち出し、“五輪効果”を讃えた小池都知事。しかし東京五輪の開会式から5日後となる先月28日、東京都の新規感染者数は3177人を記録。以降5日間は毎日3000人を突破しており、31日には4058人もの新規感染者が確認されている。
さらに『NHK NEWS』によると同月30日、東京都の人出は「オリンピックの開幕前で3回目の宣言が出ていた期間の平日の平均と比べ、日中、夜間とも増加」していたという。「東京五輪はステイホームに一役かっている」とは、言えそうにはない状況だ。
それでも8月1日、小池都知事に“援軍“が登場した。東京五輪・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長だ。
『東スポweb』によると武藤事務総長は東京五輪と新型コロナの感染拡大に言及し「菅総理は因果関係はないと否定している。東京都の小池知事も五輪の人流増加を否定している。視聴率が上がって、むしろステイホーム率が上がっている」とコメント。そして「いろいろな意見があるが、菅総理、小池知事と同じ立場で考えている」と会見で話したという。
しかし、ネットでは非難轟々の様子。「五輪は視聴率がいいからステイホームに役立っている説」に対して「根拠ゼロ」との異論が噴出している。
《え、視聴率が科学的根拠なん?マジかよこんなん言ってる知事やから、東京がずっと増え続けてるんちゃうん?》
《この視聴率は「世帯視聴率」で、「世帯内の各個人」がステイホームしていることは保証されていない》
《視聴率が上がると在宅率が上がると同義する根拠は何か》
《結局オリンピックの成功か否かは視聴率で決められるようですわ》
20%の視聴率を注視する小池都知事と武藤事務総長。しかし、残りの80%は視野に入っているだろうか?

●デルタ株感染拡大「鼻がマスクから出てますよ」注意にピリッとする 8/3
作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は、新型コロナウイルスの感染が急拡大する今の状況について。

新型コロナウイルス・デルタ株の感染拡大で、都内に暮らす者としては、今までと違う種類の緊張を強いられている。身近な人が感染した、亡くなったという声を聞くようになってきた。先日は、ワクチンを2回接種した後にデルタ株に感染したという方の話を聞いた。ワクチンの効果で重症化しないと言われてはいるけれど、ワクチンを打ったのに感染なんて……と本人の落胆はとてもとても大きい。
陽性者とすれちがっただけでも、エアロゾルを吸い込めば感染することもあるデルタ株。しかもここがピークとは思えない勢いで、陽性者が増えているなかで、日常の景色が少しずつ変わっていくのを感じる。
先日、マスクなしでランニングしている人に、「マスクしろ!」と怒鳴っている人がいた。その強い口調に、「はぁ?」と苛立ち、ランナーが立ち止まる。怒鳴っている人の口からも、マスクなしランナーの口からも、エアロゾルがブワーワワワワーと広がりコンクリートからの熱風が漂うのが見えるような気持ちになる。周りの人は見てません、聞こえていないというふうに足早に2人から距離を置きたく、立ち去る。私もその1人。ピリピリした空気からはできるだけ早く逃げたい。とはいえ私も最近、鼻マスクのスタッフには「鼻が出てますよ」と言うようになった。注意するほうもされるほうも、一瞬ピリッとする。
東京都の自宅療養者は先週1万人を超えた。無症状者だけではなく、入院の調整がつかないために「待っている」人もいる。今年1月から5月まで、陽性が確定していたのに医療にかかれず自宅で亡くなった人は120人を超えたことが発表されている。今夏、さらに自宅での死者が増えてしまうことは、今の現実からは免れないだろう。欧米のように、トラックにご遺体袋が積まれる映像を見なくても、十分に医療は逼迫し、私たちの安心・安全は既に大きく奪われている。
6月1日から日本女医会の青木正美医師らと「私たちが止めるしかない東京オリパラ」というオンラインでの抗議リレーを、週1で行っている。今まで50人以上の女性たちが出演し、オリパラに反対する理由を語ってきた。前回は五輪がスタートして初めての回で、ジャーナリストの西村カリンさんが出演し、選手村の状況や、来日した海外の記者とのやりとりについて話してくれた。
西村さんは、「3千人程度の感染者数(先週の東京の状況)は、ヨーロッパからみたらうらやましいくらい少なくみえる」と話した。ヨーロッパであれば一日数万人の感染が普通だからだ。でもそれはもちろん、誰でもどこでも24時間無料で行政検査できるからこそ出てきたリアルな感染者数だ。日本はPCR検査を24時間誰でもどこでも無料で受けられない珍しい「先進国」であることを海外の記者に伝えると誰もが驚くと、西村さんは話してくれた。だけれどそれは「下界」の話。自分には関係ないことと、五輪の内側の人たちは日々の行事を粛々と進行している。
近々東京の感染者数は1万人を超すという人もいるが、毎日ほぼ1万人くらいしか検査していない東京で、1万人の陽性者が数字として出ることは、今のところ考えにくい。本当の数字が全く見えないのが今の日本の怖さなのかもしれない。
先日、銀座を歩いた。五輪関係者の車や地方から来たパトカーや、都内で見たことのない地方の観光バスを見た。コロナ以前は中国人富裕層でにぎわっていたGINZA SIXの前に東京五輪関係者のシールをつけたバンが止まっていた。どんな人が戻ってくるのかなとしばらく見ていたが、10分以上経っても誰も戻ってこなかった。お買い物しているのかもしれないが、人混みの銀座にも普通に遊びにこられる五輪関係者であれば、バブルなんて本当に意味がないよねと実感する。
東京五輪開催とデルタ株の感染急増が同時期に始まった。「都内の人出は五輪のおかげで減っている」と総理も都知事も言っているが、人出が減っている具体的な根拠も数字も出てこない。先日、千円値上げした高速道路を初めて使ったが、そりゃそうでしょ、というくらいに空いていた。これをみて「人出が減った」と総理は思っているのだろうか。下の道が激混みしているのをご存じないのだろうか。
こんな状況になって、ダイヤモンド・プリンセス号のことを、最近よく考える。海に浮かんだ巨大な船で、適切な医療が行われず亡くなった方もいた。3711人全員のPCR検査がすぐに行われたわけではなく、既に息苦しさを訴えていた75歳の男性は検査もしてもらえずに、高熱が出ても「手一杯」と診療を断られ、1週間後に下船して入院したが一月後に亡くなった話は、何度聞いても胸が痛い。
あの時からPCR検査を速やかに!との声は強くあったが、政府が集めた専門家たちは「PCR検査を求める人々が病院に大挙して医療崩壊になる」とか「人々がパニックになってしまう」などと言い、熱が出ても4日間は自宅で待機と通院を制し、コロナ対策というより「パニック封じ」に力を入れているように見えた。
そんなことがずっと続いてきた1年半だった。ダイヤモンド・プリンセス号で夫を亡くされた方の悲しい訴えが、この国にコロナ対策の最初の一歩だったように私は記憶する。そしてその時から、状況は悪化するばかりだ。感染者は船に閉じ込めて出さなければいい、人々がパニックにならないように情報はコントロールすればいい。五輪で盛り上がれば不満も薄まるだろう。日本に暮らす私たちは、一部の「エライ人」をのぞいてみんなダイヤモンド・プリンセス号に乗せられているのかもしれない。
早く船を下りて、自由な空気を吸って、マスクなしで思い切り飲んで食べておしゃべりして走りたい。こんな時に五輪にお金と人と時間を使う判断をした政治家が舵を取る船は、やっぱり危険だ。

●重症以外は原則“自宅療養” 政府の方針転換に波紋 8/3
新型コロナウイルスの感染者のうち「重症者や重症化リスクの高い患者以外は自宅療養を基本とする」という政府の新たな方針が波紋を広げています。都内では1万2000人を超える自宅療養者、その「厳しい現実」を取材しました。
2度目の夏を迎え、感染対策は新たな局面を迎えています。
田村厚生労働大臣「在宅を含めて対応せざるを得ない。それは『感染者の数』と『病床』を考えると、それくらいフェーズが変わってきている」
政府は中等症以上は「原則入院」としてきた方針を見直し、重症者や重症化リスクの高い患者以外は「自宅療養」を基本とすることを明らかにしました。
田村厚生労働大臣「重症化された方々が家でおられて、すぐに医療機関に行けるということ、病床を常に確保しておくことが重要で」
急増する感染者に対し、病床確保を目的とした、この方針転換。菅総理は3日午後、医療関係者らと面会しました。
菅総理大臣「身近で頼る存在である地域の診療所におかれては、往診やオンライン診療によってこうした患者の状況を把握して頂き、適切な医療を提供して頂きますようにお願いを致します」
政府は自宅療養者の病状を丁寧に確認するよう、往診の診療報酬を拡充させる方針で、医療関係者らに協力を求めました。
日本医師会・中川俊男会長「医師が判断して、これは入院が必要だということになれば、もちろん入院でいいと確認したので、それは全国の皆さん、心配していると思うが、大丈夫なので安心して頂きたい」
東京都の病床使用率は50%を超え、自宅療養者は1カ月前の12倍に急増し、1万人を超えました。
東京都・小池百合子知事「きのうの政府の新しい方針に伴って、自宅などでの療養される方にさらに改善策を講じるということで、きのうからも担当局の方に必要な対応をするように指示をしています」
野党からは強い批判の声も上がっています。
立憲民主党・枝野代表「自宅療養というのは言葉だけで、“自宅放棄”としか言いようがないと言わざるを得ないという、とんでもない状況が生まれています」
身近に迫る、自宅療養。果たして、現状はどうなっているのでしょうか。
自宅療養する女性(31)「上司の方も『実は体調が悪いんだ』みたいな感じで言っていて、熱を測った時に37.5度が出てたので、2人でちょっとヤバいかもしれないと思って」
新宿区に住む美容室勤務の女性(31)。微熱があり、同じ美容師の上司とともに先月28日に陽性と判定されました。
現在、自宅療養6日目です。陽性が判明した日に、保健所から自宅療養するよう指示がありました。
自宅療養する女性「『10日間とりあえず自宅で休んでて下さい』みたいな感じの内容。メールが届いて。しんどいですけど、自分自身が呼吸ができるし、ホテルの方に移動したいとか、そういう気持ちはなかったですね」
女性は食料のたくわえもあり、自由が利く自宅療養でも問題はないと感じていました。ただ、熱が急に上がるなど体調は安定せず、不安も感じています。
自宅療養する女性「自宅療養中の人に向けての窓口というのがあるんですけど、全然つながらないんですよね、電話しても。せきが急にひどくなったりとか呼吸が苦しくなる時がたまにあって、恐怖・不安はあります」

●小池都知事「自宅療養 改善策を講じたい」 政府方針に対応 8/3
新型コロナウイルスの感染者の急拡大が東京都内の医療体制を急速に逼迫(ひっぱく)させています。東京都で8月3日に新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は3709人で、これまでで3番目に多い感染者数という高い水準が続いています。
感染の拡大に伴って懸念されるのが自宅療養者の急増です。東京都内の自宅療養者は3日時点で1万4019人と過去最多を更新しています。こうした中、政府が入院の基準について、対象を「重症者と重症化リスクが高い人に限る」という新たな方針を示しました。これまで原則入院となっていた高齢者・基礎疾患のある人・中等症の患者は、原則として「自宅療養」になります。田村厚労相はこの新しい方針について「フェーズが変わり、在宅での対応を考えざるを得ない状況。必要な時に入院できる病床を確保することが重要。病床の余力を持つ対応をしていく」と説明しています。
東京都の小池知事は、新型コロナの感染者のうち「重症者以外は自宅療養が基本」という政府の方針に対し、自宅療養者への改善策を講じたいと話しました。動画でご覧ください。

●特措法改正「議論すべき時期」 新型コロナ感染急拡大で―小池都知事 8/3
東京都の小池百合子知事は3日、新型コロナウイルス対策の特別措置法をめぐり、「課題が浮き彫りになっている。さまざまな法改正などの必要性も含めて議論すべき時期に来ているのではないか」と述べた。埼玉、千葉、神奈川各県とのテレビ会議で語った。
小池氏は、現行の特措法に基づく感染拡大防止策について「緊急事態宣言下を何度も経験したが、常にお願いベースになっている」と指摘。都内で感染が急拡大する中、「これまで以上に人の流れの抑制が必要になる」と述べ、対策の実効性を高める必要があるとの認識を示した。
全国知事会は1日にまとめた国への提言で、強制力を伴う「ロックダウン(都市封鎖)のような手法の在り方」の検討に言及した。

●“宣言”で中華街は閑古鳥「人出8割減」 8/3
東京では3日、3709人の感染者が確認され、新型コロナウイルスの急拡大は収束の兆しが見えません。政府は中等症でも重症化リスクが少ない患者は原則、自宅療養とすることを決めました。
横浜中華街。例年、夏休みは多くの家族連れなどでにぎわうといいますが。
横浜中華街萬來行大通り店販売員・足立亮介さん「(中華街の人出は)正直言うと8割ほど減っています」
土産物店にとって1年の中でもかき入れ時だというこの時期。しかし、6都府県に拡大された「緊急事態宣言」の影響で人出が減り。
足立亮介さん「売り上げ的にも正直なところ、かなりのダメージが出ております。(例年と比べて)半分ぐらいは下がっています」
宣言初日の2日、過去最多となった神奈川県の感染者数。3日も1298人の感染が確認され、これで7日連続の1000人超えに。
神奈川県民「急激に2倍3倍に跳ね上がったので、やっぱりちょっと怖いなと」
かつてない感染の急拡大。3日、埼玉では1053人、沖縄では467人と過去最多の感染が確認されました。そして東京都では、新たに3709人の感染が判明し、火曜日としては過去最多となりました。
さらに感染者が急増している茨城県では、大井川知事が国に緊急事態宣言を要請したということです。
選手やメディアなど大会関係者の感染も連日、明らかになる中。大会関係者用のパスをぶら下げた男性、実は。
NTT東日本関東病院・佐々江龍一郎医師「オリンピックの(海外の)報道局の方の、医療の施設に行かせていただきます」
都内の病院に勤務する佐々江医師。通常の診療に加え、週末は、オリンピックで来日した海外メディアのため、プレスセンター内の医務室で働いているといいます。しかしここでも。
佐々江龍一郎医師「特殊な時期ではありますよね。(患者がコロナ疑いの場合)必要だったらやっぱり防護服も着ますし」
感染拡大の余波。さらに政府は2日、かつてない感染の急拡大を受け、中等症でも重症化リスクの低い患者は、原則、入院せず自宅療養とする方針に転換しましたが、その方針について3日午後、菅総理大臣は、日本医師会などに協力を要請しました。

●コロナ感染者急増、茨城県が国に緊急事態宣言要請 8/3
新型コロナウイルス感染急拡大を受け、茨城県の大井川和彦知事は3日、臨時会見し、県独自の緊急事態宣言を6日から県内全域に発令すると発表した。期間は19日まで。県独自の宣言発令は1月以来2度目。併せて、国の緊急事態宣言の適用を要請したことも明らかにした。
県独自の判断指標は3日現在、4項目中3項目が最も深刻なステージ4となり、県は全体の対策ステージを同日、初めて4に引き上げた。当面、県独自の宣言に基づく措置で感染抑止に取り組みながら、国の宣言適用を受けてさらなる対策強化を図りたい考え。
大井川知事は、前段のまん延防止等重点措置を飛び越して緊急事態宣言を要請したことについて、「感染のスピードが速く、早急に強力なブレーキを踏むべき。順番にこだわらず、緊急事態宣言を発令すべき状況と考えた」と説明。国の宣言の効果として、酒類などを提供する飲食店の休業要請などを挙げ、「県独自の宣言を大幅に上回る措置が取れる」と期待した。
前回の県独自の緊急事態宣言は第3波時の1月18日〜2月23日に発令された。今回の独自宣言では、7月30日から「感染拡大市町村」に指定する県南、県西などの16市町を対象とする不要不急の外出自粛要請や、飲食店の午後8時までの営業時間短縮要請、他都道府県との往来自粛要請、部活動の制限などの措置を全県に拡大する。
併せて、アクアワールド県大洗水族館やいばらきフラワーパーク、袋田の滝観瀑台などの県有施設を原則休館とする。県立の美術館や図書館は感染対策を取った上で開館を継続する。また、開設中の海水浴場(阿字ケ浦、平磯、大洗サンビーチ)の閉鎖をひたちなか市と大洗町に要請した。
大井川知事は「このまま感染拡大が続くと確保している医療体制の崩壊が現実になる」と訴え、県民に対策への協力を求めた。一方で県外住民に対しても「今年の夏休みは茨城に遊びに来ないで。帰省も控えてほしい」と呼び掛けた。
県内ではデルタ株を含む変異株が主体の第5波急拡大に伴い、独自の判断指標のうち新規陽性者数と経路不明者数に加え、病床稼働数が3日、289床に増えステージ4となった。
独自に感染拡大市町村としていた、人口1万人当たりの新規陽性者数(直近1週間)が1.5人以上の自治体は、県北県央も含めた37市町村に拡大した。

●「重症患者以外は自宅療養」…政府の “医療崩壊” 同然の発表 8/3
日本医師会の中川俊男会長は8月3日、菅首相との面会で「全国的な緊急事態宣言の発令により、例外なく県境を越えないなどの強力な感染防止対策が必要だ」と要請した。共同通信が報じている。
「五輪開催地の中心である東京は現在、感染者数がこれまでにないほど膨れ上がっています。7月31日の東京都の新規感染者数は4058人と過去最多を記録。
治療やワクチン接種だけでなく、五輪の医療チームに職員を派遣する病院もあることから、現場はすでに限界。“医療崩壊” を防ぐために、医師会は強い要請に踏み切ったのでしょう」(医療ジャーナリスト)
政府の予想を大きく上回ることとなった、五輪の裏の “第5波”。田村憲久厚生労働相は8月3日の記者会見で、高齢者や基礎疾患がある人が自宅療養となる可能性があるとの見解を示した。これまでは原則入院だったが「比較的症状が軽く、リスクがそれほど高くない人は在宅も含めて対応せざるを得ない」とした。
大阪府の吉村洋文知事はこの発表をうけ、同日開かれた会見で「医療支援体制の整備とセットであるべきだ。ここが抜けたままの原則自宅療養は非常にリスクが高い」と指摘した。
「高齢者や基礎疾患を持っている人でも、症状が軽ければ、今後、自宅療養になる可能性があるとの認識を示しています。しかし、万全な支援体制のない自宅療養は、よけいに重症化する患者を増やしてしまうリスクがあります」(前出・医療ジャーナリスト)
これについて、ネットでは「五輪をやっている場合じゃない」という意見が殺到している。
《五輪で選手たちから感動をもらっているのは間違いない。でも、人命が優先されないのであればいますぐにでもやめるべき》《なんか、五輪がきっかけで感染爆発したのをごまかそうとしている感じがする》
「安心・安全の五輪」……この言葉を、菅首相はいまどう受け止めているのだろうか。

●自宅療養増加の東京、大阪の医療崩壊「再現」懸念 8/3
新型コロナウイルスの感染者が急増し感染第5波を迎えている東京都で、春の第4波で医療崩壊を招いた大阪府の「再現」が危惧されている。専門家は比較材料の一つに自宅療養者の増加を挙げ、今後の推移に注意を呼びかける。政府は自宅療養を基本とする方針を打ち出したが、高齢者に加え呼吸困難や肺炎の症状がある人も自宅療養となる可能性があり容体急変への対応が焦点となる。都は病院や宿泊療養など、全体の受け皿で医療崩壊を防ぐ考えだ。
「自宅療養者が増えると必要なケアを受けられない人が出てくるし、管理に人手が割かれ入院調整など自治体の他の業務を圧迫する恐れもある。医療崩壊の兆しとみており、このままだと大阪の二の舞いになりかねない」。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏はこう指摘する。
さらに、「限界を超えると坂を転がり落ちるように膨れ上がり、悪循環に陥ってしまう」と今後の動向にも警鐘を鳴らした。
都内の自宅療養者は1万2千人を超えている。すでに第3波のピークを大きく上回り、連日過去最多を更新中だ。入院や宿泊療養の待機などを含めれば2万人近い可能性もある。都内の保健所長は「体調確認の業務が増加し、入院調整などに影響が出始めた」と明かす。
大阪府は3月以降の第4波で医療崩壊に直面した。4月13日に新規感染者が1千人を超え同規模が約3週間継続。重症者は5月4日に最大449人まで増え、重症病床だけでは収容しきれなくなった。
当時、自宅療養者は最大1万5千人を超え、病状悪化後も医療を受けられないまま19人が死亡。保健所の業務逼迫(ひっぱく)が一因で、感染者と連絡を取る前に亡くなる事例もあったという。自宅療養者の数だけ見れば、都内の水準はこれに近づきつつあるか、すでに上回っている。
ただ、当時と異なるのはワクチンの存在だ。65歳以上の高齢者の約4分の3には行き渡った。都の担当者は「今の自宅療養者は若・中年層が中心で、重症になった高齢者が自宅でバタバタと亡くなる事態は考えにくい」と語る。政府が重症者以外は原則自宅療養とし往診などで対応する新方針をまとめたのもこうした背景がある。
都は「今後の在り方として理解はできる」(担当者)としつつも、現時点では自宅より宿泊療養施設を優先する。看護師が常駐し、病状が悪化した際に医師が駆け付けるシステムも整っているからだ。
現在、都内に宿泊療養施設は3千人分あるが、看護師不足のため半数程度しか稼働していない。都は今後、看護師の確保を進めるなど宿泊療養施設の稼働率を高め、必要な自宅療養者の受け皿にするとともに、重症者らへの対応に専念できるよう医療機関の負担を軽減していく方針だ。
 

 

●東京 新型コロナ新たに3709人感染確認 過去3番目の多さ 8/4
東京都内では3日、これまでで3番目に多い3709人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。また、自宅で療養している人は2日より一気に2000人近く増えて1万4000人余りになりました。この1か月で13倍近くに急増していて、都は「これだけ多くなるとフォローするのがかなり厳しい。職員の増員を進めている」としています。
東京都は3日、都内で新たに10歳未満から100歳以上までの男女合わせて3709人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。一日に確認された人数としてはこれまでで3番目に多くなりました。また、1週間前より861人増えて、火曜日としては初めて3000人を超えて、これまでで最も多くなりました。3日までの7日間平均は3337.4人で、前の週の189.3%となり、感染の急激な拡大が続いています。また、陽性率は2日時点で20%を超えて20.1%になりました。
3日の3709人の年代別は、10歳未満が157人、10代が321人、20代が1208人、30代が852人、40代が590人、50代が404人、60代が102人、70代が44人、80代が22人、90代が8人、100歳以上が1人です。感染経路がわかっている1337人の内訳は、「家庭内」が最も多く768人、次いで、「職場内」が258人、「会食」が66人、「施設内」が59人などとなっています。
都の担当者は「感染拡大が続いていて、家庭、職場という日常の場面での感染が多い。職場の席が近かったり、会議で一緒だったり、または一緒に車で移動して感染したケースもある。都民と事業者には、会議はオンラインで行い、移動する車でもマスクをして会話は控えるなど対策をお願いしたい」と話していました。
東京オリンピック関連では、外国人が競技関係者4人、選手が1人、メディア1人、日本人が委託業者2人、競技関係者が1人、ボランティア1人の合わせて10人の感染が確認されました。
これで都内で感染が確認されたのは、22万6930人となりました。
一方、3日時点で入院している人は2日より120人増えて3351人で、「現在確保している病床に占める割合」は56.2%です。これまでで最も多かった第3波の1月12日の3427人に迫っています。都の基準で集計した3日時点の重症の患者は2日より2人減って112人です。重症患者用の病床の28.6%を使用しています。そして、自宅で療養している人は、3日時点で2日より1858人増えて1万4019人になりました。1か月前の13倍近くに急増しています。
都の担当者は「これだけ多くなると医療相談や健康観察にあたる都のフォローアップセンターも対応がかなり厳しい。職員の増員を進めている」としています。また、都は、感染が確認された50代から80代までの男女合わせて7人が死亡したことを明らかにしました。これで、都内で死亡した人は2300人になりました。

●1都3県共同メッセージ 旅行や帰省は中止 ワクチン接種を 8/4
首都圏で感染の急拡大が続くなか、1都3県は共同メッセージをまとめ、旅行、帰省の原則中止や積極的なワクチン接種への協力を呼びかけました。
東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県の知事は、3日夜、オンラインで会議を開き、新型コロナウイルス対策を協議しました。この中で、1都3県で確認された新規陽性者は先月31日までの1週間に合わせて3万6484人に上り、2週前の3倍近くに増加したことが示されました。そして、変異ウイルスの影響でこれまでにない急激なスピードで感染が広がっているとして、対策の徹底を呼びかける共同メッセージをまとめました。この中では、すべての都民・県民に対し、旅行や帰省は原則中止か延期することや、都と県の境を越える移動は極力控えること、それに積極的なワクチン接種を呼びかけています。また、20代と30代に対しては、感染者のおよそ半数を占め、会食を通じた感染が多く見られるとして、いわゆる路上飲みや大人数での飲食などはやめるよう呼びかけています。さらに、40代と50代に対しては、重症化リスクが高く、入院する人が特に増えているとして、対策を徹底するとともに、少しでも症状があればすぐに相談するよう求めています。
東京都の小池知事は会議の中で、新型コロナウイルス対策の特別措置法について「コロナとのたたかいにおいて、緊急事態宣言を何度も経験してきたが、都民・国民の行動を、どのようにして理解してもらいながら制限していくのかはいつも『お願いベース』になっている」と述べました。そのうえで「現状がいろいろ動いている中で、現行の特措法の課題も改めて浮き彫りになっていると痛切に感じている。法改正など、必要性も含めて議論すべき時期にきていると感じている」と述べました。こうした発言について、会議のあと、小池知事は記者団に対し「皆さんからは『お願いばかりだ』という話で、これだけ長引くと、なかなか効果が得られない状況も続いている」と述べました。また、記者団が「一部で『ロックダウン』=都市封鎖の導入の議論が出ているが、どう考えているか」と質問したのに対し、小池知事は「前から言われていることで、そうなるとおおもとのところにたどり着く。幅広く課題はあり、本質の話をすべきだということはかねてから申し上げている」と述べました。
首都圏の1都3県の知事によるオンラインの会議の後、神奈川県の黒岩知事は「いま感染が広がっているデルタ株はこれまでのものとは根本的に違い、感染力が非常に強い。甘く見ないでもらいたい」と述べました。また、「外出自粛や人流の抑制にご協力をいただけないと感染者がさらに増加する。いざというときに救急医療が受けられず、みなさんの命を助けることができなくなりかねない。県民の皆さんには、8月末まで最後の我慢をお願いしたい」と話していました。
首都圏の1都3県の知事によるテレビ会議で、千葉県の熊谷知事は県内で直近1週間の新規感染者の一日当たりの平均が700人余りとなり、前の週のおよそ2倍のペースで増えていることを説明したうえで「一番注視しているのは酸素投与が必要な症状の重い中等症患者の状況で、日に日に増加している。また、いよいよ重症者も増えてくる局面に入った。病床確保の計画も最大のレベルに変更し、救急患者の入院の受け入れを制限しなければならない」と危機感を示しました。そのうえで「1都3県以外の地域に医療提供体制のダメージを与えないためにも、都県をまたぐ旅行や帰省は原則中止、または延期してほしい。ワクチンの接種率が着実に前進しているので、確実にステージが変わっていくことを目に見える形で発信していきたい」と述べて、県民に協力を求めるために今後の見通しについて十分な説明が必要だという考えを示しました。会議のあと熊谷知事は記者団の取材に対し「さらに病床がひっ迫し、コロナを含めて最善の医療を受けられない患者が出てくることが想定されるので、県民1人1人が感染防止対策をして、そうした患者をつくらないことが重要だ。自身の行動が誰かの命に直結していることを受け止めていただいて予定の見直しを行い、行動にも細心の注意を払ってほしい」と呼びかけました。
首都圏の1都3県の知事によるテレビ会議で、埼玉県の大野知事は「直近1週間の新規陽性者が初めて6000人を超えるなどきわめて深刻な状況だ。さらに感染者の増加のペースがあまりに速いため、医療機関の人のやりくりがついてきておらず、無理やりやろうとするとコロナ以外の医療が崩壊する可能性が出てきている。医療を危機に直面させないためには中年層を重症化させないことが急務だ。首都圏全体で警戒レベルを高めていきたい」と述べていました。

●東京コロナ感染1万人も視野、全国での緊急事態宣言議論を-尾身氏 8/4
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は4日、東京都の新規感染者が1日当たり1万人に達することもあり得るとの認識を示した。衆院厚生労働委員会で発言した。
尾身氏は、足元の感染急拡大が「一般の人の心理にどう影響するか、なかなか読めない」と述べた上で、デルタ株の状況が急に変わることもなく、いろいろな幅がある中で「1万人になるということもある」と語った。
東京都では3日、3709人のコロナ感染を確認。先月31日には4058人と過去最多を更新した。
緊急事態宣言を全国に広げるべきかという質問に対して尾身氏は、「当然議論の対象にすべきもの」と指摘。さらに「宣言を出して何をやるかという議論も並行して進めるべきだ」と語った。
政府は東京と沖縄県に対する宣言を31日まで延長するとともに、対象地域に神奈川、千葉、埼玉の首都圏3県と大阪府を追加した。

●入院制限に野党が「人災」と批判、病床確保と在宅体制拡充と政府説明 8/4
新型コロナウイルスに感染した重症者以外を原則自宅療養とする方針について、与野党から批判や懸念の声が相次いでいる。田村憲久厚生労働相は4日、最悪の事態を想定した重症者病床の確保と在宅での医療体制拡充のためだと理解を求めた。
衆院厚生労働委員会で立憲民主党の長妻昭副代表は、必要な人が入院できない状況になっているのは政府による「人災だ」と非難し、謝罪を求めた。
田村氏は感染が急拡大する現状を「緊急事態に入りつつある」とした上で、感染者の急増で宿泊施設の確保が追い付かない場合に備え、「在宅で悪化した時にちゃんと対応できる体制を組む」ことが必要だと強調。入院の制限は「平時」の対応ではなく、制限が必要でない状況となれば「方針を元に戻す」と語った。
また、公明党の高木美智代氏は「酸素吸入が必要な中等症の患者を自宅で診るなんてことはあり得ない」と指摘した上で、「撤回も含めて検討し直してほしい」と述べた。田村氏は「中等症もいろんな方々がいる。呼吸管理されている方が入院しないことはあり得ない」と患者の状況を考慮する考えを示した。
菅義偉首相は2日の閣僚会議で、重症者と重症化リスクの高い人は確実に入院させる一方、それ以外は自宅での療養を基本とする新たな方針を示した。自宅療養の場合も地域の診療所が往診やオンライン診療で状況を把握し、症状が悪化した場合には入院する体制を整える考えで、3日には日本医師会などに協力を要請した。
都内では感染が急拡大しており、3日は3709人(前日2195人)の感染者を確認。年代別では20代が1208人で最も多く、20−30代で全体の55%を占めた。一方で65歳以上の高齢者は3%にとどまっている。
都が確保しているコロナ用の病床は5967床で、入院者数は3351人で使用率は5割に達している。重症者用の392床には、112人が入院している。

●感染拡大の原因 法改正議論より医療体制の供給拡大をなぜ言わない 8/4
東京五輪が開催されているが、東京都をはじめ各地で新型コロナウイルスの感染者が増えている。「五輪の開催で気が緩んだ」「五輪関係者の入国で水際対策が甘かった」などの指摘もあるが、現状の感染拡大と五輪は関係があるのか。
「気が緩んだ」というのは、客観的に計測しようがないので検証不能だが、「五輪関係者の入国のため」というのは、五輪関係者に明確なクラスター(感染者集団)が発生しておらず、関係はないといえるだろう。
現在の感染拡大は日本だけでなく、世界でも起きているので、感染力の強い変異株によるものと考えられる。ちなみに、昨年1月からこれまで人口当たり新規感染者数について、日本と先進7カ国(G7)の相関係数(1が最大)をとると、0・35〜0・68となっており、日本の新規感染者数は世界とかなりの程度連動している。
五輪期間といっても、感染傾向は従来通りであり、特に五輪の影響とは思えない。なお、G7では、日本はカナダ、ドイツとともに人口当たり新規感染者数、死亡者数は低位である。
世界で新規感染者数を増やしているのはデルタ株である。実際、東京の新規感染者も大半はデルタ株となっている。感染力が従来のものに比べて高いのは事実であるが、感染症ウイルスの経験則によれば、感染力の高いものは致死力は反比例するようにそれほど高くない。
デルタ株の致死率はまだデータではっきりと検証されていないが、従来のワクチンはほとんど同様に効果があることなどを基礎知識として理解しておいたほうがいいだろう。
そうした中、政府は8月2日から31日まで、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県に新たに緊急事態宣言を発令した。対象はすでに発令中の東京都と沖縄県を合わせ6都府県に拡大された。さらに、北海道、京都、兵庫、石川、福岡の5道府県は蔓延(まんえん)防止等重点措置を新たに適用した。
期限を8月31日としたのは、同月末までに全人口のうちワクチンを2回打った人の割合が4〜5割に達すると見込まれているためで、現役世代のワクチン接種を見極めたいとしている。
7月30日の政府分科会において、欧米のロックダウン(都市封鎖)のような強い措置を実施するための法改正も必要との意見が出たという。今後の検討課題だというが、こうした意見は1年以上前に言うべきだった。
ちなみに、こうした議論は、過去のインフルエンザ等特別措置法の制定時にも議論された。私権は憲法上認められているので、それを制限するには憲法に緊急事態宣言の根拠規定がないとできないということだった。こうした過去の経緯も無視して、再び議論するつもりなのだろうか。
そんな議論より、医療機関がコロナ患者を受け入れる病床の確保に必要な費用などに充てる「緊急包括支援交付金」約1兆5000億円の予算措置の未消化などを議論すべきではないか。分科会は、医療体制の供給拡大について何も言わずに、社会経済活動を抑制することしか言わないのか。

●日医会長「爆発的拡大で…」“全国規模”宣言を要請 8/4
3日、東京都で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は、3709人でした。
過去3番目の多さで、火曜日としては最多です。また、自宅療養をしている人は1万4019人で、1カ月で約13倍に急増しています。
菅義偉総理大臣は、医師会や病院関係者と面会し、重症者や重症化リスクの高い人以外を自宅療養とするなどの新たな政府方針に関し、支援強化の協力を要請しました。
一方、日本医師会の中川会長は、菅総理に対し、「より強力な感染防止対策が全国規模で必要だ」と要請しました。
日本医師会中川会長「第5波が爆発的に拡大し、医療提供体制は、急速に逼迫(ひっぱく)しつつある。全国への緊急事態宣言の発出を検討して頂きたい」

●新型コロナ 全国1万2072人感染 8県で過去最多更新 8/4
新型コロナウイルスについて、3日は新たに全国で1万2072人の感染が発表されました。
東京都は3日、新たに3709人の感染を発表しました。1日の感染者の発表で火曜日としては過去最多です。直近7日間平均でみた新規感染者数はおよそ3330人で、先週と比べると、およそ1.9倍に増えています。
緊急事態宣言の対象地域では、埼玉県が1053人、沖縄県が467人で、ともに過去最多を更新しました。このほか福島県、新潟県など、あわせて8県で過去最多を更新していて、全国で感染が拡大しています。
JNNのまとめでは、3日発表された感染者は全国で1万2072人。死者は10人。全国で入院している重症者は前の日から50人増えて754人となっています。

●全国の新型コロナ感染者 1万2000人超 茨城も「緊急事態宣言」要請へ 8/4
3日、全国で確認された新型コロナウイルスの新規感染者は1万2,013人にのぼり、過去2番目の多さとなった。
東京都では、新たに3,709人の感染が明らかになった。火曜日に3,000人を超えるのは初めてで、陽性率は20.1%と第3波を上回る高さ。感染力の強いインド型変異ウイルス「デルタ株」は、新たに1,049人確認されている。
一方、197人の感染が発表された茨城県は、感染拡大を受けて県独自の緊急事態宣言を8月6日から発令し、加えて、政府に緊急事態宣言の適用を要請した。また、埼玉県で1,053人、沖縄県で467人、群馬県で148人など、7つの県で新規感染者が過去最多となった。
3日、全国では過去2番目に多い1万2,013人の感染が確認された。

●新型コロナ 感染拡大続く関西 8/4
3日、関西で発表された新型コロナウイルスの新たな感染者は、あわせて1898人となりました。感染拡大に歯止めがかからず、各府県では、感染対策を徹底するよう呼びかけています。
関西の2府4県で、3日に発表された新型コロナの新たな感染者は、大阪が1079人、兵庫が441人、京都が190人、滋賀がこれまでで最も多い79人、奈良が76人、和歌山が33人で、あわせて1898人でした。
いずれの府県でも感染者の数が前の週の同じ曜日を上回る状態が1週間以上続き、感染の拡大に歯止めがかかっていません。
一方、感染して亡くなった人の発表はありませんでした。
また、阪急阪神百貨店などを傘下に持つ「エイチ・ツー・オー リテイリング」は新型コロナの集団感染=クラスターが発生している大阪・北区にある「阪神梅田本店」で、新たに18人の従業員の感染が確認されたことを明らかにしました。
感染が確認された従業員はあわせて115人に上り、感染者の9割近くが食品売り場のある1階と地下1階に集中しているということで、会社は販売体制が整わないとして、4日も食品売り場の休業を続けることに決めました。
感染が拡大していることから各府県では、不要不急の外出を控えるなど感染対策を徹底するよう呼びかけています。

●県境またぐ移動で感染拡大か いわきで急増、市長と知事が言及 8/4
福島県いわき市の新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。地理的条件上、関東圏との経済的な結び付きが強く、企業活動や観光などで人と人との接触の多さが感染の広がりに拍車を掛けている。感染者が激増する1都3県から北関東、北関東から東北へと感染の波が押し寄せているとみられる。
「県境をまたぐ移動が感染拡大を招いている」。清水敏男いわき市長は2日の臨時記者会見で表情をこわばらせ、「(関東圏など)感染拡大地域との往来は控えてほしい」と訴えた。
市の調査によると、7月の感染者で感染経路が不明な人のうち約4割が県外を含む市外の人との接触があった。県外から仕事で訪れたり、観光や合宿などで滞在する人の感染確認が目立ったという。
内堀雅雄知事も2日の記者会見で「福島は北関東と文字通り地続きで、直接の影響を受けやすい」と指摘した。感染力の強いデルタ株の猛威と合わせ、いわき市で急激に感染が広まった要因の一つに「関東との距離的な近さ」を挙げた。
いわき市と県境をまたいで隣接する茨城県は3日、緊急事態宣言の対象地域への追加を政府に要請。栃木県も福島県と同じ2日にまん延防止措置の適用を求めた。3県とも7月下旬に感染が急拡大し、歯止めがかからなくなった。
2日時点でいわき市の直近1週間の10万人当たり新規陽性者数は74・18人。県対策本部は「これ以上の感染を食い止めるためにも不要不急の外出は避け、基本的な感染対策を徹底してほしい」と改めて市民に呼び掛ける。

●“ナースみんなが限界” 感染拡大で看護師などから投稿相次ぐ  8/4
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、ネット上には、看護師などから医療現場の厳しい状況を訴える投稿が相次いでいます。投稿者の1人が投稿に込めた思いを語ってくれました。
「もう、嘘でしょっ?ってぐらい発熱した若年層が押しかけて来ています…」「最後の1人を受け入れて、文字通り満床です」「保健所の方から病床をあと2、3床増やして欲しいと打診が来ました。きっとどの病院も言われてる」
この1週間ほど、同様の投稿が相次いでいます。
「長時間の防護服とN95マスクが暑すぎてキツイ。汗が尋常じゃない。暑さと忙しさで体力が限界つきそう」
このツイートを投稿をした看護師の女性が取材に応じてくれました。
女性は感染拡大が続く現状について「デルタ株の感染威力が強く、恐怖を感じています。去年と違い、若い方の感染がとにかく目立っています。コロナは身近にあります。『自分は感染しないだろう』と安易に考えないでほしい。ワクチンやコロナについての正しい情報に基づいて行動するようにしてほしい」としています。
そのうえで「家族にもなかなか会えず、退職していく看護師も多いです。忙しすぎて疲労困ぱいで仲間どうしで声を掛け合うことも少なくなってきました。ツイートに対しての返信もあり、そのことばで患者さんに向き合い頑張ることができています。今、至る所に人が集まる様子を見かけますが、『救えるはずの命を救えない』ようなことが起きないようにしてほしいです」と訴えていました。

●東京五輪金メダル効果、日本株に吉と出るか−コロナ感染急拡大が重し 8/4
東京五輪は数カ月にわたり、レンジ取引が続く日本の株式相場に影を落としてきた。新型コロナウイルスの感染急拡大が懸念される一方、五輪でのメダル獲得がコロナ禍を乗り切る上で精神的な支えになると期待する人もいる。
パラリンピック前の大会終了まで残り1週間を切る中、五輪自体は成功と見なされる可能性が高まっている。日本代表選手が獲得した金メダル数は既に過去最多を更新、コロナ絡みの混乱は最小限に抑えられている。
ただ、株式相場の見通しはまちまちだ。メダル獲得数が多ければ通常押し上げられる日本株がワクチン接種進展に伴って向こう数カ月に上昇するのか、アナリストの意見は分かれている。新型コロナの感染者急増とその対応への国民の失望が政治不安につながり、日本株のアンダーパフォーマンスが悪化するとの見方もある。
例年なら、金メダルラッシュは市場にプラスに働くはずだ。三井住友DSアセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストはリポートで、1968年のメキシコ大会以降、日本の金メダル獲得数が2桁に達した全ての大会で、日経平均株価は大会期間中に上昇したと指摘した。
しかし、今回の大会は前例のないコロナ感染拡大の真っただ中で開催され、効果がますます薄れる緊急事態宣言に国民の間では自粛疲れが広がっている。秋の総選挙に先立つ自民党総裁選を9月に控えた菅義偉首相は、コロナ禍における「安心・安全な東京大会」の開催に賭けてきた。
松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「今五輪を開催していて、その間に感染が拡大している。そうなると菅政権が感染のコントロールに失敗したとのイメージが付いてしまう」と述べた。
こうしたイメージが秋の相場反発を想定したシナリオにもたらす意味合いについて、一部投資家は警鐘を鳴らしている。日経平均の年初来上昇率は1%未満と、ブルームバーグが把握する先進国市場の株価指標で最悪の部類のパフォーマンスだ。
T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジストは「最悪のケースでは、エコノミストは秋の経済回復シナリオを書き換える可能性が高くなる。国民目線では五輪に消極的な中で開催し、菅政権の支持率はより下がる可能性があり、日本株には重し」となり得ると予想した。
ただ、約1400万人の人口を抱える東京のコロナ関連死者数は7月29日までの1週間で計5人にとどまり、東京も世界の他の首都同様にコロナと共生していくようになるとの見方もある。
セゾン投信運用部の瀬下哲雄運用部長は、「ワイドショーとかは別だが、重症者や死亡者の数の方が目線として強いと思う。去年と比べれば全然違う」と述べた。
ワクチン接種の広がりで、65歳以上の国民の75%が2回の接種を完了。世論調査はなお多くが進展状況に不満を持っていることを示しているものの、現在の非常事態宣言が8月末に終了するまでに、全人口の40%強が2回の接種を終えると政府は予想している。
SMBC日興証券の圷正嗣チーフ株式ストラテジストと安田光株式ストラテジストはリポートで、「国内においても9月頃から視界が晴れ始める」と想定。早ければ9月までにワクチンを2回接種した人口の割合が50%を突破するとの予測に加え、選挙前に刺激策が発動される可能性を挙げ、「9月から10−12月期にかけて内需が回復するシナリオを描けよう」との見方を示した。

●「病床逼迫しない」から自宅療養拡大へ急転換 見通し甘い政府 8/4
新型コロナウイルス感染の急拡大を受けて、政府は入院対象を重症者や中等症のうち重症化リスクの高い患者らに限定し、自宅療養を基本とする新たな方針を打ち出した。ワクチン接種の進展を理由に「新規感染者が増えても病床は逼迫ひっぱくしない」としていた甘い想定は崩れ、野党は「医療の放棄だ」と批判を強める。
医師がいくらいても追いつかない…
菅義偉首相は3日、官邸で日本医師会の中川俊男会長ら医療関係団体の代表と面会し「急激な感染拡大でも医療提供態勢を確保し、誰もが症状に応じて必要な医療を行うことができるよう方針転換した」と説明。自宅療養者の状況を、往診やオンライン診療で把握して適切な医療を提供するよう協力を求めた。中川氏は面会後、記者団に「感染が爆発的に増えていくと、(医師が)いくらいても追いつかないことは現実になる。頑張れるだけ頑張ると言うしかない」と悲壮感を漂わせた。
政府・与党に楽観論がまん延
政府の唐突な方針転換は、この時期の病床逼迫に備えていなかったことの表れだ。高齢者へのワクチン接種の進展によって、重症者は減るとみていた。感染力が強いデルタ株への置き換わりにより、7月に入って新規感染者が増え続けても、政府・与党内では「これからは感染者数でなく重症者や死亡者数を見るべきだ」(自民党幹部)などの楽観論が支配的だった。首相も記者会見で、東京の状況に関し「人工呼吸器が必要な重症者数は1月と比較して半分。病床使用率も2割程度に抑えられている」と説明していた。しかし、7月下旬の4連休後、さらに感染者数は急増。29日には初めて全国の新規感染者数が1万人を超えた。政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長は28日の段階で「医療の逼迫が既に起き始めている」と明言。デルタ株は若い人でも重症化リスクがあり、感染者が増えれば重症者も増えるのは「必然的」(中川氏)だったのだ。
それでも「病床は足りている」
方針転換に追い込まれても、政府内にはなお楽観論が漂う。政権幹部の一人は逼迫の理由を「軽症者や無症状者をどんどん入院させているからだ」と指摘。別の幹部は「症状に応じて回転させれば病床は足りている」と語る。だが、新方針は運用を誤れば入院の遅れや病状の悪化を招き、患者の命の危険を高めかねない。昨年春に厚生労働省がコロナの受診の目安を「37.5度以上の熱が4日以上」と示した際は、基準に満たない人が検査を受けられない例が続出し、軽症者が重症化したり死に至ったりすることもあった。加藤勝信官房長官は3日の記者会見で「そうした懸念も踏まえて対応していく必要がある」と強調。別の政府高官は「自宅療養者の健康観察は、保健所だけでは限界がある」と医療機関との連携強化を課題に挙げる。政府の対応に、立憲民主党の枝野幸男代表は3日の党会合で「『自宅療養』というのは言葉だけで『自宅放棄』と言わざるを得ない。とんでもない状況が生まれている」と医療の放棄だと批判。共産党の志位和夫委員長はツイッターで「首相自身が『医療崩壊』を事実上認めた」と指摘した。

●「菅首相は何も分かっていない」 重症以外は「自宅療養」は命取りに… 8/4
コロナ禍の拡大が止まらず、病床が逼迫していく中、政府は2日、重症者や重症化の恐れのある人以外は、原則自宅療養とする方針を決めた。これまでもなかなか入院できず、自宅にいる間に亡くなるケースも多々あったのに、さらに入院治療を遠ざけるというわけだ。「自助」の言葉が大好きな菅義偉首相らしい国民への仕打ちだが、厳しい現実から目をそらそうと、ルールの方を都合よく変えていいのか。
自宅療養で父親が…
「政府は何をやっているのかと思う。自宅療養中に一気に重症化すれば、命取りになるのに…」。コロナ感染で父親を亡くした東京都内の50代男性は憤る。父親が亡くなったのは最初の緊急事態宣言下の昨年春。せきと熱が出るようになり、地元の病院を受診。もらった解熱剤でいったん熱は下がったが、1、2日で症状がぶり返した。救急搬送された病院でPCR検査を受けて陽性判定が出た。即入院かと思われたが、いったん自宅に帰された後、保健所側は自宅療養を指示。家族は何度も「父をすぐに入院させてほしい」と必死に頼んだが拒まれ、担当者は「症状が重い人から入院させている」と言うだけだったという。しかし、3日ほどで父の容体は急変した。別の病院に救急搬送されたときにはすでに、人工呼吸器が必要なほど重症化しており、父は1週間後に息を引き取った。陽性判定が出てからあっけない死だった。男性は「感染が判明しながら当初入院を断られた父と、付き添った家族がどんなに不安だったか。保健所は電話のやりとりで、父親の症状をどう判断していたのかいまだに分からない。放置されたようなもの。救急搬送されたときに入院できていたら、助かったんじゃないかと思っている」と振り返る。
政府方針で続発の恐れ
こうしたケースを続発させる恐れがあるのが、新たな政府の入院方針だ。これまでは、呼吸器に症状がない軽症でも基礎疾患がある場合や、肺炎や呼吸困難がある中等症以上が入院の対象だった。今後は中等症でも、重症化リスクが低いと判定された人は、原則自宅療養となる。家庭内感染の恐れや自宅療養が困難な事情があると判断された場合には宿泊療養になる。いずれも感染急拡大中の地域が対象となる。この方針転換の背景にあるのは病床の不足だ。デルタ株の広がりで新規感染者は1日1万人に達する日が続く。厚生労働省結核感染症課の担当者は「適切に病床を確保するため」と説明。国が近く全都道府県に通知し、各自治体が地域の実情に沿って判断することになる。国は自宅療養に備え血中酸素濃度を測る「パルスオキシメーター」の配備を進める。重症化の恐れをつかみやすくするという。
重症化「見極め簡単ではない」
ただ、そもそも肺炎を起こし呼吸が苦しいような症状の患者を、医療を受けられない自宅で療養させるのは危険ではないのか。国際医療福祉大の高橋和郎教授(感染症学)は「菅首相は場当たり的で何も分かっていない」とあきれる。「酸素投与が必要かどうかによって中等症も1と2のレベルに分かれるが、1から2までは進行スピードが速い。2まで重症化すれば挿管手術が必要になり、手当てが遅れたら命は危険になる。重症化の見極めは簡単ではない。現場は基礎疾患の有無や症状の変化など今まで以上に丁寧にみていかなければならない」と語った。

●福島県いわきの児童施設クラスター50人に拡大 新型コロナ、2人判明 8/4
県は3日、いわき市の児童施設で発生し、48人の感染が確認された県内106件目のクラスター(感染者集団)は調査の結果、7月31日と今月1日に陽性判明の2人が含まれることが分かり、50人に拡大したと発表した。
県といわき市によると、いずれも同市の別の児童施設で発生した96件目は9人、飲食店での宴会で発生した102件目は11人、イベント施設の104件目は7人、接待を伴う飲食店の94件目は20人に拡大した。また、聖光学院高ハンドボール部などの合同練習に伴う99件目は13人に広がった。

●阪神梅田本店のクラスター128人に 阪急うめだ本店でも34人の感染確認 8/4
クラスターが発生した大阪梅田の阪神百貨店で新たに13人の新型コロナウイルスの感染が判明し、感染者は計128人となりました。また、阪急百貨店でもこれまでに34人の感染が確認されています。
大阪市北区にある阪神梅田本店では、販売員の間でクラスターが発生したことから、7月31日から2日間全館臨時休業し、8月2日からは地下1階と1階の食品売り場を除いて営業を再開しています。
運営するエイチ・ツー・オーリテイリングによると、新たに従業員13人の感染が判明し、感染者は計128人となりました。
3日までに「感染が心配」や「原因について教えてほしい」といった客からの問い合わせが1000件以上相次いでいるということです。
5日以降の営業については、従業員約2000人に実施したPCR検査の結果を考慮し、決定するとしています。
また阪急百貨店でも、これまでに34人の感染が確認されていますが、感染経路は不明で現在、クラスターには認定されていないということです。阪急百貨店では消毒を徹底したうえ、通常通り営業しています。

●新型コロナの影響 1860社が倒産 飲食店など中心にさらに増加か  8/4
新型コロナウイルスの影響で倒産した企業の数は、3日までで1860社となりました。ことしに入って増加傾向が続いていて、調査会社は緊急事態宣言の延長や拡大の影響で、飲食店などを中心にさらに倒産が増加するおそれがあると指摘しています。
信用調査会社の「帝国データバンク」のまとめによりますと、新型コロナウイルスの影響で破産などの手続きを取って倒産した企業や事業を停止して法的整理の準備に入った企業は個人事業主を含めて去年2月から3日までの累計で1860社になりました。
業種別では「飲食店」が311社と最も多く、「建設・工事業」が185社、「ホテル・旅館」が101社、「食品卸」が97社などとなっています。
倒産が発生した月ごとでは、ことし3月が177社と最も多く、次いでことし4月が168社などとことしに入って増加傾向が続いています。
帝国データバンクは「飲食店などの倒産に伴い、店の修繕や建設を請け負う事業者などが連鎖的に倒産するケースも増えている。夏のレジャーシーズンに緊急事態宣言が延長・拡大されたことで、今後さらなる倒産の増加につながるおそれがある」と話しています。

●1日の感染者600人に近づく可能性も 沖縄で467人感染 1人死亡 8/4
沖縄県は3日、新型コロナウイルスに10歳未満から80代までの467人が感染し、1人が死亡したと発表した。1日の感染者数では過去最多で、先週火曜日の354人から1・32倍に増加している。療養者3106人や直近1週間の新規感染者2603人も過去最多となった。政府は3日、中等症患者のうち、重症化リスクの低い人は自宅療養とする方針を決めたが、県は現時点で国の方針に変更する予定はなく、国からの通知を受けて対応を検討するという。 
新規陽性者のうち、20代が117人で30代が76人、10代が75人、40代が63人、10歳未満が54人と若い年代で感染が目立っている。推定感染経路が確定したのは171人で、家族内が99人で最も多く、友人知人25人、職場と施設内が各15人、飲食11人だった。直近1週間平均の感染経路が不明な症例は58・4%となっており、感染急拡大に比例して割合が増加しているという。直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者は170・68で全国最多を継続している。
糸数公医療技監は「先週1週間の感染者が2400人程度だったことを基にすると、今週は1日の感染者が600人に近づくことも想定しないといけない」と話し、増加傾向が止まらないことを懸念した。
入院患者は531人で、重症7人、中等症335人。県内医療機関の病床数は、3日時点で流行第4波を上回る716床確保している。現在は軽症者も受け入れているが、患者が増え続けることを想定し、症状が改善した患者を宿泊療養ホテルに移動させたり、自宅に戻したりすることで、病床を確保していくという。

●全国の新型コロナ感染者 1万2000人超 茨城も「緊急事態宣言」要請へ 8/4
3日、全国で確認された新型コロナウイルスの新規感染者は1万2,013人にのぼり、過去2番目の多さとなった。
東京都では、新たに3,709人の感染が明らかになった。火曜日に3,000人を超えるのは初めてで、陽性率は20.1%と第3波を上回る高さ。感染力の強いインド型変異ウイルス「デルタ株」は、新たに1,049人確認されている。
一方、197人の感染が発表された茨城県は、感染拡大を受けて県独自の緊急事態宣言を8月6日から発令し、加えて、政府に緊急事態宣言の適用を要請した。
また、埼玉県で1,053人、沖縄県で467人、群馬県で148人など、7つの県で新規感染者が過去最多となった。
3日、全国では過去2番目に多い1万2,013人の感染が確認された。

●夏の帰省「自粛」に反発 実効性に疑問も―新型コロナ 8/4
新型コロナウイルスの感染拡大下で2度目となる夏休みシーズン。全国知事会は都道府県境をまたぐ帰省の中止・延期を要請する提言をまとめたが、インターネット交流サイト(SNS)上では反発が相次ぎ、感染症対策の専門家も実効性を疑問視する。
知事会は1日、国への提言で「人流が増加する夏休み本番を控え、抑え込みに一刻の猶予も許さない状況にある」と指摘。帰省の抑制に加え、ロックダウン(都市封鎖)のような強い措置の検討も求めた。
これが報じられると、ツイッター上では「何のための高齢者へのワクチン接種か」「なぜ県境を越えた帰省は中止で、国境を越えた五輪はやるのか」と批判が相次いだ。
横浜市の女性会社員(45)は、都内に住む70代の両親が接種を終え、自らも近く2度目を受けるため、「2年ぶりに顔を合わせたい」と月末の帰省を楽しみにする。外出自粛が求められる緊急事態宣言の対象地域だが、「五輪は開催しているのに、自分たちの生活が制限されるのは納得がいかない」と不満を隠さない。
昭和大の二木芳人客員教授(感染症学)は「ワクチンは重症化を予防するが、接種しても感染リスクは残る」と説明。移動抑制の必要性を認めつつ、宣言下でも感染者は増えているため、「(知事会の)緩い要望では効果がないのでは」と疑問を投げ掛けた。  

●東京都 新型コロナ 4166人感染確認 過去最多 先週より989人増  8/4
東京都は4日、都内で新たに4166人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1日の発表としては先月31日の4058人を上回り、これまでで最も多くなりました。1週間前からは989人増えていて、感染の急激な拡大が止まりません。
一方、都の基準で集計した4日時点の重症の患者は3日より3人増えて115人でした。

●中等症間患者の急変や重症化に対応できるか 政府新方針 8/4
政府は、新型コロナウイルス感染症の中等症患者を自宅療養させる方針に転換したのに合わせ、自宅での急変に備えた施策を打ち出した。だが、課題は多い。急変対策の柱は、保健所や地域の医師らによる在宅患者の健康管理強化だ。だが、東京都内の保健所は既に自宅療養者の支援や入院調整に忙殺されている。コロナ対策を厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」の一員で、東京都北区保健所長の前田秀雄氏は「政府方針は寝耳に水。保健所にとっては困難な内容だ」と本紙の取材に語った。
デルタ株は無症状や軽症者が短期間に悪化するケースがある。前田氏は「支援が必要な陽性者が増えた場合、対応は難しい。突然重症化し、亡くなる方が発生する懸念も大きい」と話す。入院基準見直しの必要を強調する政府にも「今の入院患者は症状が重く、自宅療養が難しい人。『軽症だけど念のため入院させておこう』という対応はしていない」と疑問を示した。政府は在宅コロナ患者の往診などの診療報酬の上乗せも決めた。医師らの意欲を高め、患者が在宅医療を受けやすくする狙いだ。しかし、往診の担い手が急に増える保証はない。症状の悪化が把握できたとしても、厚労省の集計によると、7月28日時点で入院の必要があるのに、受け入れ先が未定の都内の患者は既に202人。迅速な入院が確保されているとは言えない。
重症化を防ぐため、在宅患者にも抗体カクテル療法を積極的に実施することも掲げた。だが、確保量が十分か、迅速に配送できるか不安が残る。最後の手段となる救急搬送にも影響が出ている。総務省消防庁の集計では、7月26日〜8月1日、患者の搬送先がすぐに決まらない救急搬送困難事案が全国で2376件あり、前週比で8%増だった。

●「医療崩壊を政府が実質的に認めた形」 新型コロナ入院対象者の方針転換 8/4
政府が2日に新型コロナウイルスの入院対象者について原則重症者に絞り込むと方針転換をし、与党内や各自治体、医療現場から反発の声が上がっている。
政府の方針では中等症の中でも重症者リスクが高い患者に対しては引き続き入院対象とするが、感染拡大が続くなか、自宅療養者が増加するのは確実だ。東京都の自宅療養者数は3日時点で過去最多の1万4019人で1か月前の約13倍となっている。
4日の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)に出演した同局のコメンテーター・玉川徹氏は「医療崩壊を政府が実質的に認めた形。政府は早晩、重症者でも入院できなくなることを視野に入れていると思う」としたうえで、菅義偉首相が進めるとしている新治療薬「抗体カクテル」の供給量について「政府は今の段階から米国と交渉し、今以上に輸入できるように早急にやってほしい」と訴えた。
野党も強く反発し、立憲民主党の枝野幸男代表は3日、「自宅療養というのは言葉だけで、自宅放棄としか言いようがない」と猛批判している。

●中等症は自宅療養という方針で、医療崩壊は防げるのか? 8/4
中程度の肺炎を発症して酸素吸入が必要な患者を自宅療養させるという案を菅内閣が提案しています。目的はただ1つ、デルタ株を中心とした新型コロナウイルスの感染拡大が悪化した場合に、コロナ病床があふれて助かる命を助けることができない、つまり俗に言う医療崩壊を防止するためです。
ですが、仮に中等症から症状が憎悪(悪化)した場合に入院が遅れたり、在宅のために必要な薬剤投与ができない事例が発生して、救命できるはずの患者が死亡するようでは、医療崩壊の防止にはなりません。
政府もそんなことは分かっているのだと思いますが、日本の世論には重大な懸念が広がっています。ここは、リスクコミュニケーションの大きな分岐点だと思います。以下、3点について丁寧な説明を行う必要があると思います。
アメリカは医学生も投入
1つ目は、病床確保の問題です。2020年の1月、中国の湖北省武漢では突貫工事でコロナ専用病院を建設していました。今から思えば、あれは感染爆発による中等症治療のためのもので合理的な判断であったことが分かります。2020年の3月から4月には、アメリカのニューヨークでは、公園にテントを張ったり、軍の病院船を回航させたり、軍の工兵部隊が突貫工事で見本市会場を病床に改造したりしていました。これもコロナ病床確保のためでした。
こうした臨時の対策を日本政府は選択しませんでした。おそらく、病院の建設基準が厳格であるなど、法律や制度の問題として不可能だったのだと思います。仮にそうであれば、厳しい規制それ自体が人命を守るためであることを説明し、国民に理解を求めるべきだと思います。
2つ目は、医療従事者の確保の問題です。アメリカの場合は、感染拡大が厳しい状況になると、あらゆる専門の医師だけでなく、医科大学院の学生、外国の医師免許保有者まで現場に投入しました。また、余裕のある州から臨時に要員を融通することもしました。この8月に入った時点でも、最悪の状態に陥ったルイジアナ州には、連邦政府から災害対策の枠組みで医師33名が急派されています。
自宅療養の場合にも、医療従事者がどうケアしてゆくのか、要員の問題はついて回ります。例えば、人工呼吸器の設定と管理はどうするのか、血中酸素濃度が異常値となったら自動的に治療もしくは入院ができる体制は取れるのか、それ以前に急速に容体が悪化する兆候を見逃さないために、医師や看護師をどう巡回させるのかといった問題は重要です。
医師や看護師については、ワクチン接種の要員確保が問題となっています。ですが、おそらく増加が予想される在宅療養者のモニター、巡回診療といった診療行為は、簡単な研修で有資格者を拡大できるようなものではありません。どう要員を充当するのか、具体的な計画の説明が必要です。
あくまでも通常診療は守るのか
3つ目は、通常診療への影響です。アメリカの場合は、感染爆発が起きてコロナ病床があふれた場合は、通常診療のためのICUを閉めてコロナ患者に回してきました。おそらく、それによってコロナ以外の患者で救命ができなかったケースもあると思われます。ですが、治療が遅れると、軽症から一気に容体が悪化して数日内に死亡する可能性のあるコロナ患者は、あくまで優先するというのが社会的な判断となっています。
日本はこの考え方を取っていません。今回の自宅療養によりベッドを確保するという方針は、コロナの重症者に向けてベッドを空けるためと説明されています。ですが、同時にあくまで通常診療を守り、民間の病院で対応不能なところにはコロナ患者を回さないという「現状」を維持するという判断も含まれています。
これは厚労省や医師会が漠然と変革を嫌っており、政治家はこれに流されているという説明で済ませてはいけないと思います。法律や制度の問題として、変えられないものは変えられないということであり、それでも変えるということならば、世論と政治が真剣な対話をしなくてはなりません。
中等症の自宅療養については、国会で批判されたことから、田村厚労相は「見直す」として方針撤回を匂わせています。仮に本当に見直しをして、感染爆発が悪化しても中等症患者を100%入院させるのであれば、今度こそ通常診療の現状維持を諦めることになります。それならば、問題を直視した真剣な議論が必要です。

●自宅療養、容体急変に懸念 「中等症」でもリスク高く―医療崩壊回避へ転換 8/4
新型コロナウイルス感染者の急増を受け、政府は3日、入院を重症患者や重症化リスクの高い患者に限る方針を日本医師会などに伝えた。過去にない感染爆発に直面し、病床を確保するため方針転換を強いられた。ただ、自宅療養者の容体が急変する事例も相次いでおり、感染者の病状をきめ細かく管理できるかが課題となる。
「急激な感染拡大でも医療提供体制を確保し、症状に応じて必要な医療ができるよう方針を転換した」。菅義偉首相は3日、日医の中川俊男会長らと首相官邸で会い、軽症者だけでなく重症化リスクが低い中等症患者も基本的に自宅療養とする政府方針を説明。入院できない患者のケアに各地の診療所の協力を呼び掛けた。
政府が入院絞り込みに踏み切ったのは、新型コロナ「第5波」が前例のない広がりを見せているためだ。2日時点の内閣官房資料によると、東京都の陽性率は19.8%。その他の地域でも10%超の指標が目立ち、感染症専門家が「異常な数値。市中感染がまん延している状態」と指摘するほど。全国の重症者数も7月下旬以降は増加傾向にある。西村康稔経済再生担当相は3日の記者会見で、「この状況が続けば適切な医療が受けられず、救える命も救えない状況になりかねない」と危機感をあらわにした。
現在、感染者の多数を占める30代以下では、無症状や軽症がほとんどとされる。ただ、自宅療養中に呼吸困難を伴う中等症へと悪化するケースもある。新型コロナに感染した経験を持つ医療関係者は、「分類上は中等症とされたが、実際は息をするのもやっとだった。あれで自宅療養だったらどうなっていたか」と振り返る。
爆発的な第5波に自宅療養で対応するには、症状の丁寧な観察が欠かせない。政府は往診やオンライン診療などを通じ、自宅療養者の状況把握に努める考え。診療報酬も拡充し、医師への幅広い協力を求める。ただ「開業医でも新型コロナ診療に抵抗感を示す向きもある」(政府関係者)。各地の保健所も新規感染者の急増で負担が増しつつあり、患者の容体の変化に対応できなければ、結果的に医療崩壊の状態に陥りかねない。
ここにきて政府が自宅療養を前面に打ち出す必要に迫られたのは、新型コロナ患者向けの病床の上積みが進んでいないことの裏返しでもある。与党からも政府方針に戸惑いが出ている。公明党の山口那津男代表は3日、首相と昼食を共にした際、「もう少し対応できる病床を増やすとか、マンパワーを増やすとか、中等症に丁寧な対応をお願いしたい」と注文を付けた。

●重症者が減っても…感染者急増で医療崩壊の危機 医師会会長「感染の嵐」 8/4
オリンピック開催中の東京を中心に全国で感染拡大が止まらない。尾崎治夫・東京都医師会会長は「重症患者が増えなくても感染急増で医療崩壊」と警告する。
――東京都の新規感染者数が過去最多を更新し続けている。7月29日までの1週間平均は2224.1人で、その前週の平均の1.6倍以上になった。これまでにないスピードの増え方だ。
4度目の緊急事態宣言が出ているにもかかわらず感染が急拡大しているのは、ウイルスがより感染力の強い変異株に置き換わりつつあるのに、人の流れが十分に減っていないからです。変異株「デルタ株」の感染力は、従来のウイルス株より2倍近く、第4波で流行した「アルファ株」より1.5倍程度強いとされています。都内では少なくともウイルスの半数がデルタ株に置き換わっています。それに対し、人流は今回の緊急事態宣言の前に比べ2割程度しか減っていません。デルタ株の感染力を考えれば5割以上減らないと感染拡大は防げません。人流が十分に減らない原因はオリンピック開催と、政治家の発言です。これまでの努力を結実させているアスリートの方たちをみれば、開催にも良い面はあったと思います。しかし、新型コロナウイルス対策にとっては負の側面ばかりです。都民をはじめ国民は、自分たちの盆踊りやイベントも中止になっているのにオリンピックは開催されている現状をみて、「オリンピックが開けるなら出歩いてもいいだろう」という心境になっている方が少なからずいると推測できます。しかも、菅義偉首相や小池百合子都知事は、「人流は減少している。心配はない」「高齢者のワクチン接種が進んでおり、(都内が医療崩壊寸前になった)第3波の時とは状況が異なる」などと発言しています。それを聞けば、国民がますます「ならば自粛しなくていい」と思っても仕方ないでしょう。確かに高齢者のワクチン接種は進んでいます。しかし、40代や50代も重症化します。都のモニタリング会議や政府の分科会の専門家は皆、医療体制の逼迫の危険性を訴えています。政府や都の責任者は専門家の声にきちんと耳を傾けるべきです。
――吉村憲彦・都福祉保健局長は27日、「医療提供体制がにっちもさっちもいかなくなる現状はない」と記者団に説明した。
現場を丹念に見てほしいと思います。数字だけ見れば、新型コロナウイルス患者の受け入れベッドが5967床あるのに対し29日の入院患者は3039人、うち重症患者受け入れベッドは392床、入院は81人ですから、余裕があるようにみえます。しかし、かつてない勢いで感染者が急増しているために入院の受け入れが間に合わなくなっています。感染者用ベッドが30床あってうち15床空いている病院が、今日1日で新規に15人受け入れられるかといえば、それは難しい。医師や看護師ら医療従事者が足りないからです。政府や都は、重症者が減ってきているから医療提供体制は逼迫しないと言いますが、そんなことはありません。最近、中等症の患者が増えてきています。中等症でも酸素投与の必要な人がいて、容体が悪化すれば人工呼吸器などで対応しなければならないために医療従事者は目を離せず、中等症とは言え、医療機関への負荷は小さくありません。都内では入院先が見つからない感染者が増えています。入院先や、宿泊療養施設での療養を調整中のため、自宅で待機している人が29日現在、5575人に達しています。
――都は医療機関に対し、救急医療や一般診療を縮小したり手術を延期したりするなど通常医療を制限することも視野に入れて、新型コロナ感染症患者の受け入れが可能になるような医療提供の確保を要請した。
都は少し前まで都医師会と一緒に、都内の医療体制を守り、新型コロナウイルスにも他の医療にも対応しようとしてきたのに、都は最近、方向転換したようにみえます。医療は新型コロナウイルス感染症の治療だけのために必要なのではありません。今の季節、高齢者を中心に熱中症で具合の悪くなる人が増えています。早く適切に対処しなければ命にかかわりますが、通常医療を制限すれば、熱中症患者の受け入れができなくなる恐れがあります。都内では実際に、救急搬送が必要な患者さんについて、救急隊が5カ所の医療機関に受け入れを要請するなどしても搬送先が決まらない件数が急増しています。20日には過去7日間の平均で62.0件だったのが、28日には同93.3件と1.5倍になりました。また、かなり進行した状態でがんが見つかる患者さんも増えてきています。昨年来、検診を受けるのを控えていた人が少なくないからです。こういった方たちも、早く治療をしなければ手遅れになります。糖尿病や高血圧といった生活習慣病などはふだんからきちんとコントロールしておかないと、新型コロナウイルスに感染した時に重症化しやすくなります。医療政策は目先のことだけをみてとるのではなく、幅広く総合的に目配りし、科学的に判断した上で決めるべきです。
――内閣府によると65歳以上の高齢者のワクチン接種率は30日現在、2回終了が73.1%、1回接種は85.7%に達した。
若者も含めた接種対象者全体でみれば2回終了した人は3割、1回も4割程度にすぎません。国民が広くワクチン接種を終えたのでかなり安心できる、という話ができるのは早くても10月か11月でしょう。今はそんな話ができる状況ではありません。それなのに、高齢者のワクチン接種が進んだから第3波とは違う、といった誤ったメッセージを政治家らは出している。
今は安心できるどころか、全国に感染の嵐が吹き荒れるのを防げるかどうかの瀬戸際です。

●マック、スタバのコロナ公開情報でグラフ作成 → 第5波のえぐさ可視化 8/4
新型コロナウイルスの感染者数が公的機関から毎日発表される中、マクドナルドとスターバックスの店舗における感染報告をもとにしたグラフが注目されています。コンビニ勢力図などデータを可視化した話題をSNSに発表しているツイッターユーザーのにゃんこそば(@ShinagawaJP)さんが作成したもので、デルタ株の流行を要因とする第5波のすさまじさを示します。ファストフードやコーヒーのチェーン店からみるコロナ禍という視点に「わかりやすい」「市街地での感染度合いを測る上で興味深い」「マックは世の中を客観視するのに便利な存在」などとSNSユーザーが反応しています。
全国の店舗数はマックが2928(2021年6月)、スタバが1655(2021年6月)。HPで従業員の感染やそれに伴う店舗の一時休業の情報を公開しており、そのデータに着目しました。今年1月1日から7月末までの感染報告件数を集計し、マックでは一時休店率と昼間人口密度の関係を探りました。
グラフが伝えるのは、第3、第4を凌駕する第5波のすさまじさ。特に7月下旬からのグラフの跳ね上がりから爆発的増加(オーバーシュート)がうかがえ、「悪化の事態をつかめる」「感染対策が徹底しているチェーン店(でこの数字)だからこそ、感染力が凄まじいことが分かる」とネット上では驚きを持って受け止められています。同一店舗での重複を除外すると、これまでにマックは764店舗(26%)、スタバは361店舗(22%)で従業員の陽性報告が出ているそうです。
人口密度が高い順にマック店舗を100店ずつグループ化し、1度でも感染休店した店舗の割合を集計すると、人口密集地ほど休店率が高く、大都市の繁華街では50%に迫りました。もともと人口当たりの陽性者数は昼間人口密度に比例しており、マックも同じ傾向であることが確認されたことになります。にゃんこそばさんに聞きました。
―マックとスタバを選んだのは、情報公開や店舗数の面からでしょうか
「従業員の感染防止対策や、感染者発生時の閉店・消毒・再開のオペレーションが定型化されており、その内容がWebサイトで開示されています。店舗数の多さに加え、感染症対策の質や内容が全国均一であると思われるため、感染拡大状況を測る指標にふさわしいと考えました。注意しなければいけないのは、このグラフの見方です。両チェーンの休店数は全国の新規感染者数の推移と連動していて、今のところ特殊な動きはしていません。飲食店が市中に感染を広げているとか、マックやスタバが危険である、と解釈するのは早計です」
―グラフから何が読み取れますか
「ここ3週間ほど、全国の新規感染者数は前週比1.4倍(+40%)ほどで推移しており、マックやスタバの休店数も似たような傾向を示していました。それが7月27日ごろから急増し、今ではマック、スタバに限らず、多くの飲食・小売チェーンで臨時休業が相次いでいます。デルタ株の強い感染力がたびたび報じられていますが、店舗の臨時休業数を見ても明らかで、まさに今、感染拡大の真っ只中にあることを実感させられます。昼間の人口密度が高いエリアほど休店率が高いことも浮き彫りになっています。多くの人が集まる市街地ほど、市中感染のリスクが高いのではないかと考えられます」
―8月に入ってから状況は
「グラフを作成した7月30日以降、両チェーンの新規休店数は頭打ちになっています。今後の予測は統計・感染症の専門家に委ねたいところですが、市街地の人出が7月中旬から減少に転じていることを考えると、第5波についてはそろそろ山を越えてほしいという思いです」
―マック、スタバに限らず、接客業の人は不安と背中合わせで働いています
「第5波においても、「飲酒を伴う会食」の危険性が強調され、SNSでは「感染は自業自得」「会食しなければ感染しない」といった声も目にします。接客業における感染拡大と全国の感染拡大との相関性を示すことで、デルタ株の感染リスクの高さを可視化したいという思いで一連のグラフを作成しました」
―企業の危機管理は公開情報から読み取れますか
「安心して食事を楽しんでもらえるよう飲食チェーンは感染症対策に力を入れており、マック、スタバもWebサイトに感染拡大防止の取り組みを掲載しています。手洗い、アルコール消毒といった通り一遍の内容にとどまらず、休店・再開のお知らせ、従業員の衛生管理、購入時の接触を軽減できるサービスなどが非常にわかりやすく紹介されています。飲食店としての使命と安心・安全を両立させるという意気込みが伝わってきます」
―にゃんこそばさんの周囲でも飲食店は
「生活圏内でも飲食チェーンやスーパー、駅ビルのテナントで陽性者が発生し、1〜2日ほど休業するという事案を目にするようになりました。これまで以上に、目に見えない感染症がすぐそこに迫っているということを実感しています」
 

 

●三重で過去最多の74人が新型コロナに 中学校の運動部では新たなクラスター 8/5
三重県は4日、県内で過去最多となる未就学児から80代までの男女74人が、新たに新型コロナウイルスに感染したと発表しました。
新たに感染が確認されたのは、津市で19人、四日市市で18人、松阪市で12人、鈴鹿市で7人など合わせて74人です。
4月に発表された1日の感染者数72人を2人上回り、過去最多となりました。
このうち、これまでに6人の感染者が確認されていた四日市市内の中学校の運動部では、所属する生徒1人の感染が新たに確認されています。この運動部での感染者はこれで7人となり、三重県と四日市市で感染者の接触状況や関連性を調べた結果、県内89例目のクラスターが発生したと発表しました。
またクラスターが発生している津市内の通所の福祉施設では、新たに職員2人の感染が確認され、この施設での感染者は8人となりました。
なお、4日時点の病床使用率は37.2%で、重症者用病床の使用率は8%となっています。
ワクチン接種については、3日時点で1回目の接種を終えた人の接種率は36.6%、2回目を終えた人の接種率は27.7%となっています。

●東京都 新型コロナ感染確認 初の5000人超 最多の見通し 8/5
東京都内で5日、新たに新型コロナウイルスの感染が確認された人は初めて5000人を超え、過去最多となる見通しであることが関係者への取材でわかりました。
4166人が確認された前日に続いて過去最多を更新するほか、1週間前の木曜日から一気に1000人以上の増加となります。
都の専門家は「これまで経験したことのない爆発的な感染拡大が進んでいる。この状況は有事そのもので、『現実のもの』としてみんなで共有する必要がある」と述べ、強い危機感を示しています。

●“爆発的感染拡大 2週間後には1万人超も” 都モニタリング会議  8/5
東京都のモニタリング会議で、専門家は「経験したことのない爆発的な感染拡大が進行している」としたうえで、今の増加ペースが続けば2週間後には新規陽性者の7日間平均が1万人を超えるおそれがあるという予測を示しました。また「入院患者や自宅療養者が急増していて医療提供体制がひっ迫している」として、緊急時の体制へ移行する必要があると指摘しました。
会議の中で専門家は、都内の感染状況と医療提供体制をいずれも4段階のうち最も高い警戒レベルで維持しました。
そして、新規陽性者の7日間平均は4日時点でおよそ3443人と、1か月余りで7倍近くに急増していると説明し、専門家は「これまで経験したことのない爆発的な感染拡大が進行している」と指摘しました。
また、今の増加比が継続した場合、7日間平均は1週間後の今月11日には1.78倍の6129人、2週間後の今月18日には3.17倍の1万909人に上ると予測し「危機感を現実のものとして共有する必要がある」と強調しました。
一方、4日時点で入院患者は3399人、重症患者は115人といずれも大きく増加し、専門家は「救急医療や予定手術などの通常医療の制限も含めて医療提供体制がひっ迫した状況にある」と指摘しました。
さらに、人工呼吸器などによる治療がまもなく必要になる患者も高い値で推移していることを説明し「急激な重症患者の増加は医療提供体制の危機を招く」と述べました。
また、入院患者だけでなく自宅療養者と入院か療養かなどを調整中の人も急増していることから「体調の悪化を早期に把握し速やかに受診できる仕組みなどのフォローアップ体制をさらに強化し、自宅療養中の重症化を予防する必要がある」としています。
そして「入院医療、宿泊療養および自宅療養の体制を緊急時の体制へ移行する必要がある」と指摘しました。
小池知事「限られた医療資源を最大限活用」
モニタリング会議のあと小池知事は記者団に対し、都内の医療提供体制について「緊急対応として入院重点医療機関を重症・中等症と軽症・中等症に役割を明確化する。ホテルでの宿泊療養施設も重点化し、大変増えている自宅療養者のフォローアップ体制をしっかり拡充していく」と述べました。そのうえで「これからも医療機関や東京都医師会、保健所など関連するすべての方々と強固な連携を図る。医療資源は限られているので、それを最大限活用して医療提供体制の充実を図っていく。真に医療ケアが必要な方々に入院していただけるような体制をとっていく」と述べました。
専門家「この状況は有事そのもの」
モニタリング会議のあと国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は記者団に対し「新規陽性者数は本当に増加が急激で、われわれも未経験というぐらいの数を見ている。広がり自体も本当に爆発的な感染拡大の状況だ」と述べました。そのうえで「この状況は健康危機と言うか有事そのもので、現実のものとしてみんなで共有する必要がある。この病気は、かかって苦しい目にあわないとつらさがなかなかわからないが本当に大変だ。われわれの身の回りに『自分も感染する』というリスクが来ており、いかにかからずに済むのかその方法をいま一度確認して身を守っていただきたい」と述べました。
都医師会副会長「療養者数増え続ければ持たなくなる」
モニタリング会議のあと東京都医師会の猪口正孝副会長は記者団に対し、都内の医療提供体制について「東京の医療機関のいろいろな特徴を生かしながら自宅療養をいかに安全に見ていくかや、宿泊療養とうまく連携しながら東京ならではの体制をとっていこうと考えている」と述べました。一方で「この体制も療養者数が増え続ければいずれ持たなくなると思う。その時にわれわれが対応できるかというのは甚だ不安があり、ぜひ新規陽性者数を減らすことをお願いしたい」と述べました。
人工呼吸器などの治療必要の可能性高い人が最多に
都内では、入院患者のうち、人工呼吸器などによる治療がまもなく必要になる可能性が高い状態の人が、これまでで最も多い318人に上っています。都の専門家は、毎週、行われるモニタリング会議で、医療機関で集中的な管理が行われている「重症患者に準じる患者」の人数を公表しています。このうち、人工呼吸器またはECMOによる治療がまもなく必要になる可能性が高い状態の患者は、4日時点で318人となりました。1週間前の先月28日から58人増加し、これまでで最も多くなりました。318人のうち、およそ半数の154人は鼻から高濃度の酸素を大量に送り込む「ネーザルハイフロー」という装置を使った治療が行われているということです。専門家は、こうした患者が高い水準で推移していることから、重症患者がさらに増加するおそれがあるとしています。専門家は「人工呼吸器の離脱までは長期間を要するため、ICUなどの病床の不足が危惧される」と述べ、危機感を示しました。
都内感染状況と医療提供体制 専門家の分析結果
5日のモニタリング会議で示された都内の感染状況と医療提供体制についての分析結果です。
感染状況
新たな感染の確認は、4日時点で7日間平均が3443.3人となり、前回・先月28日時点の1936.4人よりおよそ1500人増加しました。専門家は「大きく増加し、予測を上回る値だ。6月30日のおよそ503人から、わずか5週間で7倍近くに急増した」と指摘しました。増加比は前の週のおよそ178%で、およそ153%だった前回よりも25ポイント上昇しました。専門家は「感染拡大がさらに勢いを増している。2週間後の今月18日の予測値は1万909人だ。この危機感を『現実のもの』としてみんなで共有する必要がある」と述べました。今月2日までの1週間に感染が確認された人の年代別の割合は、20代が35.9%と最も多く、5週連続で30%を超えました。
6月中旬以降、50代以下で全体の90%以上を占めていて、専門家は「若年層を含めたあらゆる世代が感染リスクがあるという意識をより一層強く持つよう啓発する必要がある」と指摘しています。一方、比較的抑えられていた高齢者の感染者数が再び増加し始めていることが報告されました。具体的には、65歳以上の高齢者は今週は596人で、309人だった前の週の2倍近くに増えています。
感染経路が分かっている人では、同居する人からの感染が61%と最も多く、次いで職場が13.7%、保育園や学校、それに高齢者施設や病院といった施設での感染が5.6%、会食は5.2%でした。
専門家は「感染に気付かずにウイルスが持ち込まれ、職場、施設、家庭内など多岐にわたる場面で感染が確認されている」と述べました。また、「新宿の複数の大規模商業施設で数十人規模のクラスターが発生していて、多くの人が集まる施設での感染防止対策を今まで以上に徹底する必要がある。オリンピックの競技場の周辺や沿道に大勢の人が集まり、応援する姿が見られている。屋外であっても密集、密接して大声で応援することは感染リスクが高いことを啓発する必要がある」と述べました。
「感染の広がりを反映する指標」とされる、感染経路が分からない人の7日間平均は4日時点で2240人で、前の週からおよそ1000人増え、8週連続して増加しています。
また、増加比は、4日時点で179.8%と前回から22.4ポイント上昇し9週連続で増加しました。
専門家は「さらなる拡大を防ぐためには人流を十分に減少させ、これまで以上に徹底的に感染防止対策を実行する必要がある」と警戒を呼びかけました。
感染経路が分からない人の割合はおよそ66%で前の週より3ポイント上昇しました。
感染経路が分からない人の割合は40代では60%を超えていて、さらに、行動が活発な20代と30代では70%を超えています。
専門家は「感染経路が追えない潜在的な感染拡大が生じている。基本的な感染防止対策を徹底して行うことが必要だ」と指摘しています。

●東京都の感染「2週間後に週平均1万人に」 専門家試算 8/5
東京都は5日、新型コロナウイルス対応のモニタリング会議を開き、「重症患者を含む入院患者、療養者が急増し、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)した状況にある」として、「入院医療、宿泊・自宅療養を緊急時の体制へ移行する必要がある」との専門家のコメントを公表した。
1週間平均の新規感染者数が3千人以上に上る都内の感染状況の現状については、感染力の強い変異株(デルタ株)への置き換わりが急速に進み、「経験したことのない爆発的な感染拡大が進行している」と分析した。
会議で示された1週間平均の新規感染者数は3443人で、前週の1936人から1・78倍に急増。国立国際医療研究センターの大曲貴夫氏は、この増加率が続くと11日には週平均の新規感染者数が6129人、2週間後の18日には1万909人に増えるとの試算を示し、「都民の1千人に1人が毎日感染する計算になる。この危機感を現実のものとして共有する必要がある」と訴えた。
都内の入院患者数は3399人(4日時点)と、前週よりも404人増加。過去最多だった3427人(1月12日)に迫りつつある。重症患者数も115人に上り、前週の80人から大幅に増えた。
保健所で入院先を決めきれず、都に入院調整が持ち込まれる件数(1日あたり)は450件と、前週の270件から大幅に増えた。都医師会の猪口正孝副会長によると、翌日以降に調整が繰り越されるほか、自宅での待機を余儀なくされている事例が多数生じているという。
感染者数の急増に伴い、全体の療養者数は2万9703人に上り、前週の1万6344人から急増した。特に自宅療養者数は1万4783人と前週から倍増。猪口氏は会議で「自宅での体調悪化を早期に把握し、速やかに受診できる仕組みのフォローアップ体制をさらに強化し、自宅療養中の重症化を予防する必要がある」と指摘した。
猪口氏はこの日の会議で、入院医療、宿泊・自宅療養の緊急時の体制について、患者の症状に応じた入院、転院を進めるため、コロナ患者向けの入院医療機関の役割を重症・中等症者向けと、中等症・軽症者向けとに明確化したうえで、宿泊療養施設に酸素吸入できる医療機器を配備するなどして、宿泊療養施設にも医療機能をもたせることを想定していると説明した。
会議では、感染力の強い変異株(デルタ株)について、都の検査に占める割合は7月25日までの1週間で64・6%に上り、前週の46・2%から置き換わりがさらに進んだことも報告された。
都内の主要繁華街での人出も落ちきっていない。会議で示された都医学総合研究所の調査結果によると、7月12日に4度目の緊急事態宣言が出た3週間後のレジャー目的の滞留人口は、宣言直前の1週間前と比べて、夜間が22・5%、感染リスクの高い深夜帯(午後10時〜午前0時)が20・8%減少した。ただ、直近1週間では夜間は前週比3・6%と微減にとどまり、昼間は横ばいで推移しているという。
同研究所の西田淳志センター長は「繁華街の滞留人口を減少させるとともに、人と人との接触を極力減らすためステイホーム率を徹底して高めていくことが必要」と指摘した。
小池百合子知事は会議で「お盆を控えているが、原則、旅行・帰省は中止または延期してステイホームを徹底してほしい」と呼びかけた。

●変異株、欧米も急増 新型コロナ感染2億人超 8/5
米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、新型コロナウイルスの累計の感染者が4日(日本時間5日)、世界全体で2億人を超えた。1月26日に1億人に到達してから半年余りで倍増した。感染力の強いインド由来の変異株(デルタ株)が猛威を振るっており、ワクチン接種が進んでいる欧米などでも感染者が急増している。
1日あたりの新規感染者数(7日間平均)は6月下旬から増加に転じ、世界は再び感染拡大の局面に入っている。死者は世界全体で425万人を超えている。
国別の累計感染者数を同大の集計でみると、米国(3533万人)が最も多く、インド(3176万人)、ブラジル(2002万人)、ロシアとフランス(627万人)と続く。
米国では成人の60・7%がワクチン接種を完了したが、デルタ株は接種完了者の間でも感染が広がることが判明。新規感染者数は再び増えており、特に深刻な南部フロリダ州では1日あたりの新規感染者数(7日間平均)が2日時点で2万2千人を超えた。CNNテレビによると入院患者数も1万1千人を超えて過去最多となり、集中治療室(ICU)の病床使用率は86・5%に達している。
世界保健機関(WHO)が発表した先週1週間(7月26日〜8月1日)の世界全体の新規感染者数は前週比で400万人超増加し、このうち南米・北米と欧州が計222万人と半数以上を占めた。前週比37%増だった中東・北アフリカを管轄する東地中海地域事務局管内と同33%増だった日本を含む西太平洋地域事務局管内の拡大が目立つ。
デルタ株は135カ国・地域に拡大。182カ国・地域で確認された英国由来のアルファ株に取って代わる勢いで広がっている。

●「経験したことがないような桁違いな増加」8県にまん延防止、分科会が了承  8/5
政府は5日、新型コロナウイルスの感染が広がっている福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の8県に「まん延防止等重点措置」を適用することを決める。また、感染拡大地域での療養方針を巡り、田村厚生労働相は同日、「中等症患者は原則入院」との見解を示した。
政府は5日午前、専門家でつくる基本的対処方針分科会を開いた。8県に重点措置を適用する案を提示し、了承された。同日午後に政府対策本部(本部長・菅首相)を開き、正式決定する。8県への重点措置の適用期間は8日から今月31日まで。
重点措置の適用地域では、飲食店に午後8時までの営業時間短縮要請に加え、原則として酒の提供停止を求める。「感染が下落傾向にある場合」に感染対策など一定の要件を満たす場合に限り、知事の判断で午後7時まで酒の提供を認める。
基本的対処方針分科会であいさつする西村経済再生相(5日午前、東京都千代田区で)=高橋美帆撮影基本的対処方針分科会であいさつする西村経済再生相(5日午前、東京都千代田区で)=高橋美帆撮影
西村経済再生相は分科会で、「新規陽性者数が、経験したことがないような、極めて速い、桁違いな増加をしている」と述べた。
8県では、新規感染者数が静岡、愛知を除く6県で、国の指標で最も深刻な「ステージ4」に相当する。

田村厚労相は5日午前の参院厚生労働委員会の閉会中審査で、新型コロナウイルスの感染拡大地域に適用する新たな療養方針では、中等症患者は原則入院との基準を強調した。
田村氏は「中等症は原則入院」と明言したうえで、「医師が比較的重症化リスクが低いと判断した方は自宅で対応いただく」と説明した。
新療養方針を巡っては、政府の説明不足から「中等症でも入院できない」との見方が一時広がり、与党内からも「方針を見直すべきだ」などの反発が出ていた。このため、田村氏は入院に関する基準を明確化することで、軌道修正を図ったとみられる。

●重点措置8県追加を諮問 政府、分科会に「けた違いな増加」 8/5
政府は5日午前、新型コロナウイルスの基本的対処方針分科会を開き、コロナ特措法に基づく「蔓延(まんえん)防止等重点措置」の適用対象に福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の8県を追加する方針を専門家に示した。期間は8日から31日まで。了承が得られれば衆参両院への報告を経て、夕方の政府対策本部で決定する。
分科会で西村康稔経済再生担当相は、感染者数について「全国多くの地域でこれまで経験したことがないような、極めて速いけた違いな急速な増加をしている」と危機感を表明した。
感染力の強いインド由来のデルタ株の蔓延や、クラスター(感染者集団)が百貨店や理美容、学習塾など従来みられなかった場所でも発生している状況に言及し、「これまで以上に人と人の距離をとらなければいけない」と強調した。外出は少人数とし、買い物は混雑する時間帯を避けることや、帰省や旅行を極力控え、やむを得ない場合も事前に検査を受けることなどを呼び掛けた。
重点措置では緊急事態宣言に準じた措置を取ることができる。適用地域では原則として飲食店に酒類提供の停止を要請し、知事の判断で、一定の条件を満たした場合に限り午後7時までの提供も可能とする。
重点措置の適用対象は現在の北海道、京都、福岡など5道府県から13道府県に拡大する。緊急事態宣言は埼玉、千葉、東京、神奈川、大阪、沖縄の6都府県に発令されている。

●青森でもデルタ株の疑い、急増 8/5
青森県は4日、7月の陽性判明者27人、8月の陽性判明者1人から、デルタ株とみられる「L452R」の変異ウイルスを検出したと発表した。L452Rの感染者の割合は、県の推計を含めると、7月で少なくとも32%、8月で少なくとも44%を占める。
県感染症対策コーディネーターの大西基喜医師は県内の感染状況について、▽7月下旬から感染者が増加▽県外由来や感染経路不明の感染者が全域で増加▽若年者の感染が目立つ▽デルタ株の割合が急増している――などと指摘。「従来株では考えられない増え方で、県内も8月中にはデルタ株に完全に置き換わるだろう。学校が始まると急激に増加する可能性がある」と危機感を示した。
また海外の事例からデルタ株に対するワクチンの効果が低下しているとして、「重症化予防は認められるようなのでワクチンは必要だが、打っても感染対策を取ってほしい。個人の防御はもちろん、イベントを含めた人が集まる機会を減らすことが必要」と話した。
県は4日、16人の新型コロナウイルス感染を確認したと明らかにした。八戸市の40代男性は市内の運動施設で感染したとみられ、これまでに陽性が判明している4人と合わせ、県はクラスターが発生したと判断。市内の小学校で発生したクラスターとも関連があるという。

●まん延防止、熊本市を対象区域に 8/5
熊本県の蒲島郁夫知事は5日、政府が新型コロナウイルス「まん延防止等重点措置」の適用を決めたことを受け、感染者増加が著しい熊本市を対象区域とする意向を明らかにした。県が感染対策の徹底を確認した「認証店」を含む市内全ての飲食店に対し、酒類提供の終日自粛や午後8時までの営業時間短縮を要請する。期間は8日から31日まで。

●専門家組織「経験したことない感染拡大」 九州、全国上回る増加率 8/5
新型コロナウイルス対策を厚生労働省に助言する専門家組織は4日、会合を開き、全国で新規感染者数の過去最多が相次ぐ感染状況を「経験したことのない感染拡大が続いている。重症者数も急速に増大し、死亡例も増加に転じる可能性がある」と分析した。緊急事態宣言が6都府県に出されているが、感染力の強いインド由来デルタ株の猛威は収まらず、さらなる感染拡大に強い危機感を示した。
会合で示された資料によると、3日までの直近1週間の感染者数は、前週に比べて全国で2・09倍に増えた。特に九州の増加ペースが加速しており、大分3・60倍▽佐賀3・56倍▽熊本3・01倍▽福岡2・79倍▽長崎2・77倍▽宮崎2・50倍▽鹿児島1・98倍−と、6県で全国の増加率を上回った。東京は1・89倍で、感染急拡大が地方に広がっている実態がうかがえる。
会合では、全国の新規感染者数も報告された。3日までの直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、沖縄が約179人、東京が約167人、神奈川が約102人と、3都県が100人を超えた。九州でも、福岡が約59人、熊本は約28人で、ステージ4(爆発的感染拡大)相当の25人以上を上回った。
首都圏や沖縄県では医療提供体制が逼迫(ひっぱく)している。東京都では20〜50代を中心に入院者が増え、特に40〜50代で人工呼吸器や人工心肺装置を使う重症者が増加。病床使用率は50・4%(2日時点)、重症者用病床の使用率は69・6%(同)に達する。熱中症などで救急搬送が増える中、一般医療の制限も発生している。沖縄県でも病床使用率が74・9%(同)、重症者用病床の使用率が74・7%(同)と厳しい状況にある。
一方、九州では病床使用率が福岡県で25・3%(1日時点)、熊本県では29・3%(2日時点)。ともにステージ3(感染急増)の目安20%以上を上回るが、首都圏や沖縄県に比べると、まだ余裕がある。こうした地域に遅れて、九州でも病床が不足することが懸念されている。
背景には、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などの対象地域では、人出が減少傾向にあるものの、感染抑制につながっていない実情がある。その原因とみられるデルタ株は九州でも置き換わりが進み、福岡県の新規陽性者に占める割合は85%(2日時点)に上ると国立感染症研究所は推計している。
会合では感染者の入院を制限する政府の新たな方針も議論された。記者会見した座長の脇田隆字国立感染症研究所長は「重症者や中等症でも重症化リスクの高い人が確実に入院できる体制を確保しつつ、訪問看護やリモート診療などの医療資源を最大限に活用し、重症化に迅速に対応できる体制の整備が必要だ」と語った。

●東京都で連日感染者数最多…“五輪ドンチャン騒ぎ” に「政府の無策」批判 8/5
8月5日、東京都内で新たに新型コロナウイルスの感染が確認された人は5000人を超え、過去最多となる見通しだという。NHKが報じている。
東京都内は4日も4166人の新規感染者が確認され、過去最多を更新したばかり。しかし、5000人を超えるともなると、約1000人増の更新となる。
五輪が始まってから、感染者は増加の一途をたどる。小池百合子都知事をはじめ、政府はワクチンの接種を励行しているが、菅義偉首相が掲げた「安心・安全の五輪」には程遠い状況だ。
「現在は緊急事態宣言下で、飲食店の営業時間も制限されています。しかし、五輪中継などを深夜まで放送する飲食店も……。サッカーの準決勝・日本対スペインがおこなわれた8月3日は、渋谷が大勢の若者で賑わっていたといいます」(スポーツ紙記者)
ネットでは、緊急事態宣言下でも五輪に盛り上がる若者を批判しつつ、政府の “無策” ぶりに厳しい声が寄せられている。
《そりゃ何回も緊急事態宣言出してたらこうなるよ。みんなの気が緩んだ時に五輪なんてやるんだもん》
《自粛してないことは批判されるべき。ただ、それ以上にあまりにも政府が無策すぎる。ワールドカップで毎度のように渋谷でドンチャン騒ぎが起こることは政治家も知っているはず。何か防御策考えられなかったのかな?》
《五輪後も感染者は跳ね上がるばかりでしょうね。あと何回緊急事態宣言が発令されることやら》
“お祭り騒ぎ” に関わっていない人でも、感染している人はたくさんいる。政府には迅速かつ誠実な対応を求めるばかりだ。

●まん延防止等重点措置 8県を追加 今月8日〜31日 政府が決定  8/5
新型コロナウイルス対策で、政府はまん延防止等重点措置の適用地域に福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の8県を追加し、期間は今月8日から31日までとすることを決めました。
政府は5日夕方、総理大臣官邸で新型コロナウイルス対策本部を開き、菅総理大臣のほか西村経済再生担当大臣や田村厚生労働大臣らが出席しました。
そして感染状況の悪化を受けて「まん延防止等重点措置」の適用地域に福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の8県を追加し、期間は今月8日から31日までとすることを決めました。
これによって重点措置の適用地域は北海道、石川、兵庫、京都、福岡の5道府県から、13道府県に拡大されることになります。
政府は、重点措置の適用地域では飲食店での酒の提供を原則、停止するなどの対策を徹底するとともに、医療提供体制の確保に取り組むことにしています。
そして、変異ウイルスの広がりに危機感をもって対応する必要があるとして、国民に対し基本的な感染対策の徹底のほか不要不急の外出の自粛や、お盆の時期の帰省や旅行は極力控えることなどを粘り強く呼びかけることにしています。
菅首相「経験したことのない感染拡大」
菅総理大臣は政府の対策本部で「首都圏をはじめ多くの地域でこれまでに経験したことのない感染拡大が進んでいる。感染力の強い『デルタ株』への置き換わりが急速に進み、東京では9割に達し、多くの地域で7、8割に達していると言われている。感染者数の急速な増加に伴い、これまで低く抑えられていた重症者数も増加しつつある」と指摘しました。そのうえで、まん延防止等重点措置の適用地域では飲食店での酒の提供を原則停止し、テレワークの実施や不要不急の外出自粛を徹底する考えを強調しました。そして菅総理大臣は「『デルタ株』は従来と比較にならない感染力を持つと言われており、国民の皆様には感染リスクに特に注意して行動し、夏休み期間も不要不急の外出や帰省、旅行は極力控えていただくようお願いする」と述べました。
前週との比較で分かる急拡大
新型コロナウイルスの新たな感染者は、5日に全国で1万5000人を超えて1日の発表