コロナ禍 4回目の緊急事態宣言 

政治の無策
「国民の皆さん 不要不急の外出を控えてください」
相変わらずの 要請 お願い頼り

7/12-8/22 4回目の緊急事態宣言 東京・沖縄
8/2-8/31 東京・沖縄 埼玉・千葉・神奈川・大阪 宣言域拡大 東京・沖縄は期間延長
収束が見られない 感染者増加

8/20 緊急事態宣言 7府県追加 期間延長
8/27 緊急事態宣言 8道県追加
 


まん延防止等重点措置 / 6/216/226/236/246/256/266/276/286/296/30・・・7/17/27/37/47/57/67/77/8東京に宣言7/97/107/11・・・
4回目の緊急事態宣言 / 7/127/137/147/157/167/177/187/197/20・・・
7/217/227/237/247/257/267/277/287/297/307/31・・・
8/18/2 [6都府県に拡大]8/38/48/58/68/78/88/9・8/10・・・
8/118/128/138/148/158/168/178/188/198/20 [13都府県]・・・
8/218/228/238/248/258/268/27 [21都道府県]8/288/298/308/31・・・
蔓延防止等重点措置ロックダウン・・・

コロナ禍拡大 緊急事態宣言「おまじない」
●期間 8/20-9/12 緊急事態宣言 13都府県に拡大・期間延長
緊急事態宣言・・・東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、沖縄
8/20 追加・・・茨城、栃木、群馬、静岡、京都、兵庫、福岡 (7府県)
まん延防止等重点措置・・・北海道、福島、石川、愛知、滋賀、熊本
8/20 追加・・・宮城、山梨、富山、岐阜、三重、岡山、広島、香川、愛媛、鹿児島 (10県)
●期間 8/27-9/12 緊急事態宣言 21都道府県に拡大
緊急事態宣言・・・東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、沖縄、茨城、栃木、群馬、静岡、京都、兵庫、福岡 (13府県)
8/27 追加・・・北海道、宮城、岐阜、愛知、三重、滋賀、岡山、広島 (8道県)
まん延防止等重点措置・・・福島、石川、熊本、山梨、富山、香川、愛媛、鹿児島 (8県)
8/27 追加・・・高知、佐賀、宮崎、長崎 (4県)
 
 

 

●緊急事態宣言延長 国は躊躇せず予算投入を 6/21
新型コロナウイルス感染拡大に伴い10都道府県に発令されていた緊急事態宣言は20日で、沖縄県を除く9都道府県で解除された。一方で、人口10万人当たりの新規感染者数の全国ワーストが続く沖縄県は21日から7月11日まで、3週間の宣言延長期間に入ることとなった。
県内は学校の休校措置は明けるが、酒類提供店や飲食店には引き続き休業・時短営業が求められる。県をまたぐ往来の自粛も継続し、基幹産業の観光事業者は厳しさが続く。ここを乗り切るには、事業者や家計を支援する思い切った財政出動が必要だ。
県民が払ってきた努力を無にしないため、搭乗前PCR検査や陰性証明の義務化といった、ウイルスの移入を水際で食い止める感染防止策の徹底も急がれる。政府は約30兆円を前年度から繰り越しており、財源は十分にある。安全安心の確立のため、躊躇(ちゅうちょ)なく予算を投じることだ。
4月にまん延防止等重点措置に入って以来、飲食店の時短要請が長く続いている。時短要請に応じずに営業を続ける店舗もあり、事業者の間に不公平感も生じている。
営業の自由は過度に制約されるべきではない。一方で、高齢者などリスクの高い人への感染を防ぎ、救える命をきちんと救うという公共の福祉の観点から、コロナ対策に穴があってもいけない。医療体制が逼迫(ひっぱく)して必要な医療が受けられなくなる事態を避けるために、県民一致した取り組みが今しばらく必要だ。
取り組みへの協力を得るには、コロナ対策で打撃を受ける人たちへの補償や支援を十分に行うことだ。国は感染者の多い地域に対し、地方創生臨時交付金の増額や雇用調整助成金特例措置の延長を講じるなど、必要な財源をしっかりと担保してもらいたい。
観光最盛期の夏場を前に、7月11日の期限までに宣言を終えたいというのが業界の強い意向だ。観光客を安心して迎えるために、ゴールデンウイークの人流増加が感染拡大を招いた事態の再来は絶対に防がなければならない。
専門家でつくる新型コロナ対策分科会は、沖縄や離島に出発する前のPCR検査を航空会社が乗客に勧めるよう提起している。政府が東京五輪参加者への検査や外部との接触制限など対策を徹底して開催すると言うならば、国内の移動にも同様の対策を導入すれば感染は抑えられる。
感染防止対策と合わせ、ワクチン接種を加速させることが重要だ。県内の65歳以上の高齢者で1回目のワクチン接種を終えた割合(19日時点)は37・78%で、全国平均の44・33%を下回っている。
警察官や保育士、教員など、感染リスクにさらされながら社会基盤を支えているエッセンシャルワーカーへの接種も優先度が高い。広域接種会場の設置や職域接種の推進により、接種完了時期を早める取り組みが求められる。

●飲食店 悩みつつも前へ 6/21
新型コロナウイルス緊急事態宣言が21日、沖縄を除く全国9都道府県で解除された。都内では人数や時間などを制限すれば、酒類の提供も可能になる。新潟県魚沼市(小出)出身で東京・お茶の水でワインバルを経営する柳瀬浩栄さん(58)は、休業していた店を約2カ月ぶりに再開することを決めた。「制限はあっても店を開けられるだけでうれしい」と笑顔を見せる。ただ、ウイルス禍で「都心の風景が変わり始めている」と、憂いは消えない。先を見据えて悩む日々は続く。
柳瀬さんはお茶の水のオフィス街に「葡萄酒場ICHIGOYA」を構えて17年になる。11人入れば満席の小さな店だ。
4月末、3回目となる緊急事態宣言の発令に伴い、酒の提供ができなくなった。悩んだ末、「食事はワインと一緒に楽しんでもらいたい」と休業を決めた。昨年からこの事態を想定して融資を受けており、売り上げがなくなっても当面はやり繰りできることも決断を後押しした。
休業中も毎日店に来ているが、客との会話がなくなり、物寂しい日々が続いた。最近はインターネットで魚沼のローカルラジオを聞くのが楽しみだ。「新潟の情報が手に入るのはありがたい。今はラジオが友達」と笑う。
一方で、近隣では「我慢できずに」解除を前にして酒の提供を始めた店もある。その気持ちも痛いほど分かる。それでも「決まりはしっかり守りたい」と繰り返す。
休業中はテークアウトの充実などメニューの研究に取り組んだ。なかなか先が見えず「魚沼に帰ろうか」と頭をよぎったこともあったが、17日に宣言解除が決まり、胸をなで下ろした。
ただ、気がかりはある。店の常連客の多くは在宅勤務を続けているためだ。休業前に「久しぶりに出社したが、いつものメンバーがそろわないから行けない」と言われたことがあった。今後もテレワークが続くと、仕事帰りの客が来なくなるかもしれないという不安は拭えない。
都の調査では、4月時点で都内企業の56・6%がテレワークを導入。規模別でみると、従業員300人以上の大企業では8割近くが実施している。
都心から事務所を移す企業も出始め、繁華街や問屋街での飲食店の閉店も相次ぐ。日夜、人の流れが絶えず、夜遅くまで飲食店の明かりがともる都心の風景は変わり始めている。
「今までのやり方では駄目かもしれない。どうすればいいのか」。それでも、同世代の常連客や新潟県出身者など、店を支えてくれた客を大事にしていく気持ちは変わらない。
柳瀬さんは前を向く。「時代に合わせてやっていくのが仕事だ」

●コロナ緊急事態宣言の解除初日 施設再開、酒類提供自粛を緩和 6/21
10都道府県で発令された新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が21日、沖縄を除いて解除された。リバウンドが懸念される中、飲食店の酒類提供自粛などの制限が緩和され、休館していた施設などが再開する。
宣言から移行する7都道府県と首都圏3県の計10都道府県は、まん延防止等重点措置を適用。酒類提供は、人数や提供・滞在時間の条件付きとなり、自治体によって条件の内容が分かれた。
宣言最終日の20日、NTTドコモがまとめた午後3時時点の人出は、全国の主要駅や繁華街計95地点のうち、78地点で前週13日から増えた。解除が決まり、外出抑制効果が薄れた可能性もある。

●7都道府県、まん延防止等重点措置に 緊急事態宣言から移行 6/21
政府は、新型コロナウイルス対策として10都道府県に発令していた緊急事態宣言について、沖縄を除き期限の20日をもって解除した。このうち、東京や大阪など7都道府県は21日から宣言に準じた「まん延防止等重点措置」に移行。期限は宣言延長の沖縄を含め7月11日まで。政府は東京五輪・パラリンピック開催を見据え、リバウンド(感染再拡大)阻止に全力を挙げる。
西村康稔経済再生担当相は20日のNHK番組で、宣言解除地域の感染状況に関し、「(新規感染者が)増えてくれば対策を強化するしかない。病床の状況をよく見ながら、ちゅうちょなく緊急事態宣言の発動を考えたい」と述べた。
既に重点措置を適用中の5県のうち、首都圏の埼玉、千葉、神奈川は期限を7月11日まで延長する一方、岐阜、三重は解除。6月21日以降の重点措置の対象地域は計10都道府県となった。
宣言から重点措置への移行は初めて。対象は北海道、東京、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡の7都道府県。飲食店には午後8時までの営業時間短縮を要請。感染対策の徹底を条件に午後7時までの酒類提供を認める。ただ、知事の判断で制限を設けることも可能だ。岡山と広島は移行せず全面解除した。
重点措置の対象地域で、知事は時短を要請・命令できる。従わない事業者には20万円以下の過料を科す。

●緊急事態宣言解除 21日からまん延防止等重点措置に伴う対策 6/21
1か月余りにわたった緊急事態宣言は20日で解除され、21日から、まん延防止等重点措置に伴う対策が講じられます。
21日から来月11日までの期間、道は札幌市をまん延防止等重点措置の対象地域とし、通院や食料の買い出しなどを除いて不要不急の外出や移動を控えるよう要請を続けます。
市内の飲食店などには、午後8時までの営業時間の短縮を引き続き要請したうえで、同一グループの入店を原則4人以内とし、アクリル板を設置するなど一定の要件を満たせば、酒類の提供を午前11時から午後7時まで可能とし、要件を満たさない店では提供を行わないよう要請しています。
さらに、緊急事態宣言で「特定措置区域」に指定してきた石狩地方、小樽市、旭川市は「経過区域」として、飲食店などで営業を午後9時まで、酒類の提供は午前11時から午後8時までに短縮するよう要請しています。
また札幌市以外の市町村では、感染のリスクを避けられない場合、不要不急の外出や移動を控え、札幌市との不要不急の行き来は控えるよう要請しています。
【対策の詳細】
21日から来月11日までの期間、札幌市をまん延防止等重点措置の対象地域とします。
《札幌市》
札幌市内では、通院や食料の買い出しなどを除き不要不急の外出や移動を控えるよう要請を続け、不要不急の都道府県間の移動は、極力控えるよう要請しています。
飲食店などには、午後8時までの営業時間の短縮を引き続き要請したうえで、一定の要件を満たせば酒類の提供を午前11時から午後7時まで可能とし、要件を満たさない店では提供を行わないよう要請しています。
提供を可能とする要件は、同一グループの入店を原則4人以内とし、アクリル板の設置や、消毒や換気の徹底、2時間程度を目安とした滞在時間の制限や、大声での会話を避けるよう注意喚起を行うことなどです。
カラオケも利用しないよう要請しています。
イベントでは、人数の上限を5000人とすることなどを要請し、感染予防が徹底できない場合は、無観客やオンライン配信に加え、延期または中止を検討するよう要請しています。
学校では、運動会や体育祭、修学旅行などの行事を中止や延期、縮小することや、部活動は原則休止として、全国大会や全道大会につながる活動に限ることなどを要請しています。
ショッピングセンターなど建物の床面積の合計が1000平方メートルを超える大規模な施設では、生活必需品を除いて営業を午後8時までに短縮するよう要請しています。
事業者には、テレワークなどの徹底や、事業の継続に必要な場合を除き午後8時以降の勤務を抑制するなどの協力を依頼しています。
道と市の公共施設は原則、休館とします。
《石狩地方・小樽市・旭川市》
さらに緊急事態宣言のもとで札幌市とともに「特定措置区域」に指定してきた石狩地方、小樽市、旭川市は、「経過区域」として、飲食店などで、営業を午後9時まで、酒類の提供は午前11時から午後8時までに短縮するよう要請し、カラオケも利用しないよう要請しています。
《札幌市以外の市町村》
札幌市以外の市町村では、感染のリスクを避けられない場合、不要不急の外出や移動を控え、札幌市との不要不急の行き来は控えるよう要請しています。
不要不急の都道府県間の移動も、極力控えるよう要請しています。
イベントでは、人数の上限を「5000人」、または「収容人数の50%以内」のいずれか大きいほうとすることなどを要請し、感染予防が徹底できない場合は、無観客やオンライン配信に加え、延期または中止を検討するよう要請しています。
学校では、部活動は活動を厳選し感染対策を徹底したうえで実施し、難しい場合は休止することなどを要請しています。
事業者には、テレワークの徹底などに協力するよう依頼しています。
【支援金】
まん延防止等重点措置の対象地域となる札幌市で、時短要請に応じた飲食店などには、中小企業で売り上げに応じて1日あたり3万円から10万円、大企業で売り上げの減少額に応じて1日あたり最大20万円を支給します。
また、札幌市で時短要請に応じたショッピングセンターなどの大規模な施設では、施設に対し時短を行った部分の面積1000平方メートルごとに1日あたり最大20万円を、施設の一部を借りて営業するテナントなどには100平方メートルごとに1日あたり最大2万円を支給します。
さらに「経過区域」となる石狩地方、小樽市、旭川市で、時短要請に応じた飲食店などには、中小企業で、売り上げに応じて1日あたり2万5000円から7万5000円、大企業で、売り上げの減少額に応じて1日あたり最大20万円を支給します。

●21年5月の受診者数 11%増 緊急事態宣言下の受診控えはやや緩和 6/21
東京都や大阪府などで3回目の緊急事態宣言が出された2021年5月の医療機関受診者は前年同月比で11%増、コロナ以前の19年5月と比べると11%減だった。20年5月は1回目の緊急事態宣言が発令され、未曽有の事態に外出自粛する人が多かった。21年5月は前年同月よりも受診者数は増えており、緊急事態宣言下での受診控えはやや緩和されたといえそうだ。ただ、コロナ以前まで受診者数が回復していないことも確認された。
緊急事態宣言実施区域に指定された東京都、京都府、大阪府、兵庫県の5月の受診動向をみると、4都府県とも前年同月から受診者数は増加していた。東京都は17%増、京都府は7%増、大阪府は11%増、兵庫県は10%増だった。
これをコロナ以前の19年5月と比較すると、大阪府は11%減となり、緊急事態宣言実施区域の中で最も減少率の低い地域だった。ちなみに東京都は16%減、京都府は18%減、兵庫県は14%――だった。「大阪府は3月後半から新規感染者数の増加が始まり、5月にかけて新規感染者数の高止まりが続くなど、長期に渡って感染拡大の影響を受けた地域だが、医療機関の受診という側面での影響は他県と比べて大きかったという事実は見受けられなかった」。
全国の5月の受診動向を診療科別にみると、小児科は前年同月比で59%の大幅増となった。ただ、この大幅増は、小児科で20年5月に前年同月比50%以上の大幅減という受診抑制の影響を最も強く受けたことの反動でもある。同じく20年5月に受診抑制の影響が大きかった耳鼻咽喉科の21年5月の受診者数は前年同月比22%増となった。
これをコロナ以前の19年5月と比較すると小児科は25%減、耳鼻咽喉科は30%減で、依然として厳しい状況が続いている。
緊急事態宣言下に救命救急科の受診者数が減少する傾向がみられていたが、21年5月も19年5月比で31%減とすべての診療科の中で最も減少幅が大きかった。「医療現場のひっ迫具合を反映した結果かもしれない」。 

●広島県は緊急事態宣言解除 繰り返される自粛要請 6/21
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が21日に解除されたことを受け、広島県内の公共施設などが再開している。しかし県は依然、広島・東広島・廿日市の3つの市の飲食店に営業時間の短縮などを求めている。去年から繰り返される「時短要請」や「酒類販売」への厳しい制限に飲食店やその関係先からは悲痛な叫びが聞こえてくる。
広島テレビ・大江芳樹記者「広島市の動物園も営業を再開した。来園者を前にサル山のヒヒたちも元気いっぱい」広島市の安佐動物公園に、活気が戻ってきた。ゴールデンウイークの終盤の5月8日に休園して以来の再開。開園直後から親子連れなどが次々と訪れ、久しぶりに子どもたちの歓声が響いた。
子ども「フラミンゴ、フラミンゴ」
女性「娘がずっと来たがっていたので来られてよかった。キリンとかゾウが見られたらいいかな」
男性「きょう開園日っていうことなので狙って来た。子どもすごい喜んでいるので楽しい」
男の子「シロクマ…じゃないサイ!強そうだった」
広島テレビ・古江正彦記者「緊急事態宣言が解除されたことを受けて、原爆資料館はおよそ1か月半ぶりに再開された」原爆資料館も5月9日以来の再開。午前8時半の開館時間は通常通りで、入館する人数に制限は設けず、予約の必要もない。
観光客(長野市から)「昨日の夕方来て1泊して21日朝になるのを楽しみにして」
一方で苦境が続くのが飲食関連の業界。この酒の卸売り会社は、およそ1か月ぶりに飲食店への配達を再開した。
住田・青田裕治取締役「(緊急事態宣言が)長いなって思っていたんだが、今はもう楽しみ。でも(酒の提供が)午後7時までなので寂しいっていう半々」県が独自の集中対策とする、広島など3つの市での営業時間短縮の要請。広島市中心部では休業要請を含め、すでに40日を超える。繰り返される飲食店への「時短要請」や「酒の販売」への厳しい要請。営業を再開しても十分な客足は見込めず、不安が募る。
宵酔・古賀良暢さん「要請にしたがっても(酒類提供は)7時(まで)なので。前回の7時までの時はほとんど客が来なかったので。またお店に来るのかなという不安なところはある」1か月間休業していた、広島市内の和食店。協力金を申請せず、通常の営業に戻しての再開も考えたが、結論は営業時間短縮の要請受け入れ。しかし、繰り返され長期化する自粛の要請は、我慢の限界を超えている。
やま音・山根英輝店長「エリアは仕方ない部分はあるかもしれないが営業時間、酒類を提供する時間は厳しいというのは正直思う。何回もこのような休業・再開・休業・再開というのは正直しんどいし、本当に早めにこういう状況は終わらせてほしい」かたや、飲食店への時短要請が解除となった福山市。このホテルでは21日にビアホールが営業を始める。
広島テレビ・村田俊平記者「こちらのビアホールは営業開始に向けスタッフが最終確認をしている」例年の営業開始は5月だが、今年は緊急事態宣言を受けて1か月以上遅れての開店となった。そして新たに始めるのが「ワクチン割引」。接種の証明書を提示すれば、料金を800円割引する。
福山ニューキャッスルホテル・グランメゾンビアホール・山下弘藏店長「今までコロナで自粛している鬱憤を少しでも晴らしていただくというか楽しんでいただければ」いたちごっこの様に繰り返される感染拡大と、自粛要請。ワクチン接種という妙薬に大きな後れを取った日本の現実。

●飲食店、3割超が「廃業検討」 緊急事態宣言解除も先行き厳しく 6/21
東京商工リサーチが21日発表した新型コロナウイルスに関するアンケート調査結果によると、「廃業を検討する可能性がある」と答えた飲食店が33.9%に上った。前回4月調査から3.5ポイントの増加。感染防止策で東京都などに発令された緊急事態宣言が解除され、21日から条件付きで酒類提供が認められたが、先行きはなお厳しそうだ。
廃業検討の可能性があるとの回答は、飲食店のほか、宿泊業、結婚式場や劇場など生活関連サービス業で3割を超えた。商工リサーチは「宿泊や飲食などの対面型サービスはコロナ収束後も売り上げが大きく伸びるとは考えにくい」として、経営不安は当面拭えないとの見方を示した。

●酒類提供「やっと再開」 響く乾杯、飲食店に笑顔 6/21
新型コロナウイルスの感染対策をめぐり、東京都などで21日、「まん延防止等重点措置」が始まった。来店客の店内滞在時間の制限など条件付きながら久しぶりの酒類提供。繁華街では「乾杯」の声が響き、飲食店店主らは「やっと再開できた」と笑みを浮かべた。
「お客さまに会えるのは素直にうれしい」。東京・神田の立ち飲み屋オーナー、市道仁さん(46)は笑顔を見せた。緊急事態宣言が出た4月25日に休業。都の協力金などで生計を立ててきた。
都は重点措置で、客の滞在時間「90分以内」、同一グループの入店「2人まで」などの条件を設けた。市道さんは「回転率が上がり、売り上げ増につながる」と前向きに受け止める一方、酒類提供が午後7時までとされたことには「2次会向けの店はやっていけない」と憤った。
東京・新橋の居酒屋では、同僚と訪れたサラリーマンらが「乾杯」と声を上げた。久しぶりに元同僚と飲みに出たという女性会社員(49)は「観客を1万人入れて五輪を開催するのはいいのに、居酒屋には制限を課すのはおかしい」と首をかしげた。
同一グループは「4人以内」との条件が付いた京都府。鴨川の夏の風物詩「川床」を構える飲食店「先斗町魯ビン」(京都市)では、宣言発出で酒類提供を中断して以来、約2カ月ぶりにビールサーバーに水を通した。メンテナンス会社から「(重点措置を機に)営業再開した店舗の対応に追われ、時間通りに行けない」との連絡が入ったという。オーナーの市田絢也さん(40)は「お客さんに感染対策を呼び掛けるなどして、営業していきたい」と意気込んだ。
和食店「みます屋おくどはん」(同市)を同僚と2人で訪れた20代の女性会社員は「数カ月ぶりでうれしい」と笑顔。ただ、宣言解除後も街の雰囲気に変化を感じないといい、「営業時間も同じだし、(宣言中に)お酒を出してもよかったのではないか」と話した。

●緊急事態宣言解除で観光施設など営業再開 6/21
道内各地では札幌との不要不急の行き来を控えることなどが求められていますが、緊急事態宣言の解除でさまざまな活動を再開する動きが広がっています。
登別市の「のぼりべつクマ牧場」は、北海道に緊急事態宣言が出されたため先月17日から臨時休園をしていましたが、宣言の解除を受けて21日午前9時半に営業を再開しました。クマ牧場によりますと、21日午前中に訪れた人は例年の4割程度だということですが、訪れた観光客は大人のクマにエサをあげたり、1歳の子グマを眺めたりして楽しんでいました。愛知県から訪れた男性は「すごくかわいくて、来ることができてよかった。私たちが感染予防に努めながら許容範囲内で出かけることができればいいと思う」と話していました。のぼりべつクマ牧場総務課の吉田廣勝係長は「まだまだコロナの感染が収まっていない状況なので、マスクや消毒を徹底したうえで来園してほしい」と話していました。
「札幌もいわ山ロープウェイ」を運行する札幌振興公社は、北海道に緊急事態宣言が出された先月16日から、ロープウエーをはじめ、レストランや土産物店などをすべて休業していましたが、21日、ひと月ぶりに営業を再開しました。ロープウエーのチケット売り場には、午前11時半の運行再開前から待ちかねた人たちが訪れ、チケットを買い求めていました。
函館市本町の居酒屋「いか清」では、緊急事態宣言の期間中は営業時間を短縮していましたが、解除を受けて21日からは営業時間を通常どおりの午後5時から午前0時までに戻しました。今月はスルメイカ漁が解禁され、例年であればこの店でも売り上げが伸びる時期だということですが、緊急事態宣言の影響でことしは例年に比べて売り上げが半分ほどに落ち込んでいるということです。宣言の解除を受けて、函館市では21日から午後7時以降も酒類の提供が可能になり、この店にも予約が入っているということですが、店からは客足の回復に期待する一方、感染が拡大することへの不安の声も聞かれました。「いか清本店」の室田秀文店長は「営業時間が通常どおりに戻りお客さんも徐々に増えると思いますが、多くの人が来て従業員に感染しないか不安もあります。感染対策を徹底しながら営業を続けていきたいと思います」と話していました。

●宣言の延長に必要な275億円 補正予算案をあす審議 沖縄県議会 6/21
沖縄県議会は21日、議会運営委員会(當間盛夫委員長)を開き、22日に玉城デニー知事が追加で提案する第10次補正予算案を審議することを決めた。新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言延長に必要な約275億円が対象。これに伴い、予定していた22日からの代表質問と、25日からの一般質問を、それぞれ日程を変更する。
代表質問は6月24、25日の2日間、一般質問は、28から30日と、7月1日の計4日間実施する。
第10次補正予算案については、緊急事態宣言延長前の20日に審議するよう県が求めていたが、与野党で意見がまとまらず、日程が決まっていなかった。

●緊急事態宣言解除・まん延防止措置に移行で福知山城2カ月ぶりに再開 6/21
京都府に発令されていた新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除され、21日から「まん延防止等重点措置」(7月11日まで)に移行した。重点措置地域に指定されなかった福知山市では、酒類の提供が午後8時30分まで認められ、これを機に営業を再開する飲食店が多い。ようやく再開する観光施設もあり、20日には来店客や来館者を受け入れる準備に追われた。
内記一丁目の福知山城が21日、約2カ月ぶりに開館し、さっそく観光客らが訪れた。同時入場50人という制限はあるが、横山晋館長(60)は「ようやく再開することができ、とてもうれしい。感染対策をしたうえで、来館者をしっかりもてなしたい」と喜んでいる。
城は、3度目の緊急事態宣言が発令された4月25日から休館。閉館していた多くの公共施設が、5月31日に利用可能になったが、城は市外から多くの誘客が見込まれるため、再開が見送られていた。
休館中は、「城は開いているのか」といった問い合わせが一日に2、3件、多い日で10件ほどあったという。遠方から訪れて現地で休館を知り、諦めて帰る人もいて、「とても心苦しかった」と横山館長は話す。
一方で、いつ開館しても良いように、職員たちは登城坂の落ち葉拾い、植え込みの草刈りなどをして、周辺の環境美化に努めたほか、普段はなかなか手が回らない倉庫の整理などもした。
また再開に合わせ、登城坂に「明智光秀が築いた城下町福知山」「麒麟のいるまち福知山」と書かれたのぼり旗2種類計9基を、新たに設置。いずれも光秀の家紋の桔梗紋があしらわれていて、来館者を出迎えた。
横山館長は「約2カ月間もお待たせし、申し訳ありません。安心安全に配慮し、城を見ていただけるようにするので、市内観光も楽しんでもらえれば」と話している。
市佐藤太清記念美術館も、同時入場40人の制限を設け、同日から開けている。城、美術館はいずれも火曜日休館。

●緊急事態宣言最終日の20日 多くの地点で人出増加 6/21
東京や大阪など9の都道府県では緊急事態宣言が解除されましたが、20日、日曜日の人出は多くの地点で前の4週間の土日の平均よりも増加しました。
NHKは、IT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使って、20日まで緊急事態宣言が出されていた9都道府県と、宣言が続く沖縄県で主な地点の人の数を分析しました。
分析した時間は、日中が午前6時から午後6時まで、夜間が午後6時から翌日の午前0時までです。それによりますと、20日は多くの地点で前の4週間の土曜日、日曜日の平均よりも増加しました。
各地点の増加率は、渋谷スクランブル交差点付近で日中は25%、夜間は33%、東京駅付近で日中は1%、夜間は11%、大阪梅田駅付近で日中は23%、夜間は19%、神戸市の三ノ宮駅付近で日中は13%、夜間は21%、京都駅付近で日中は17%、夜間は10%、札幌駅付近で日中は2%、夜間は13%、岡山駅付近で日中は34%、夜間は40%、博多駅付近で日中は27%、夜間は17%でした。名古屋駅付近は日中は12%増加しましたが、夜間は2%減少、広島駅付近は日中は12%、夜間は5%それぞれ減少しました。緊急事態宣言が続く沖縄県では、那覇市の県庁前駅付近で日中は18%、夜間は19%それぞれ減少しました。
 
 
 

 

●酒解禁の東京、大阪 夜の人出微増 緊急事態宣言の沖縄は減 6/22
東京や大阪など7都道府県で、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言から蔓延(まんえん)防止等重点措置に移行した21日、酒類の提供が約2カ月ぶりに解禁された。宣言解除による影響が心配されたが、東京や大阪の繁華街では夜の人出は前週と比べて微増にとどまった。一方、緊急事態宣言の発令が継続している沖縄では、夜の人出は減少した。
システム会社「アグープ」によるスマートフォンの位置情報を基にしたデータの分析を用い、東京・新橋、大阪・ミナミ、沖縄・国際通りの3カ所で、21日と前週の14日の午後5時以降の人出を比較した。
重点措置に移行した地域では、飲食店での酒類提供も条件付きで7時まで認められるようになった。
21日午後9時台の人出は、前週と比較し、新橋で118・1%、ミナミで109・6%と微増。重点措置への移行で一部の制限が緩和されたものの、慎重な行動を取った人が多かったとみられる。一方、緊急事態宣言が7月11日まで延長された沖縄では、21日午後7時台には前週の83・6%、9時台も84・0%と、人出は減少していた。

●大阪 緊急事態宣言解除も医療現場からは「第5波」を警戒する声  6/22
一時、危機的な状況に陥った大阪の医療提供態勢は、重症病床の運用率がおよそ35%となるなど改善されつつあります。しかし、インドで確認された変異ウイルスの感染拡大の兆しが見えるほか、PCR検査の数も減っていないことから、医療現場からは「第5波」の発生を警戒する声が上がっています。
新型コロナの中等症の患者を受け入れている大阪市立十三市民病院では、4月下旬から先月上旬のピーク時には、70床のうち61床が埋まり、受け入れはほぼ限界の状態が続いていましたが、現在、入院患者数は、23人にまで減少しています。それでも病院では今も病床数をピーク時と同じ、70床を確保しています。背景にあるのが第5波への備えです。西口幸雄病院長が、重視しているのが、症状を訴えるなどしてPCR検査に訪れる人の数が減少していない実態です。
大阪府内の新型コロナの検査件数は、日によって変動はあるものの、1週間単位でみると、今月第1週は1日当たりおよそ1万件、第2週は1日当たりおよそ1万1100件、第3週は1日当たりおよそ1万0300件と、いずれも1万件を超えています。
3月に2度目の緊急事態宣言が解除された際にも、入院患者は減ったものの検査に訪れる人が特に若い世代で増えるなど、今と類似した状況だったとしています。
さらに大阪など各地で人出が増えていることが、感染の再拡大につながりかねないとして、西口病院長は「今の状況は、前回の宣言が解除された3月の状況とよく似ている。前回はイギリス変異株で感染者が大幅に増えたが、今回もインド変異株の影響で今後、同じように感染の急拡大が起きることを心配している。ワクチンもまだ十分に接種が進んでいない状況で、『第5波』は来ると思っている」と警戒を強めています。
そのうえで「今後、万が一、感染が拡大したときに備え、常に病床を確保し、受け皿になろうとしているが、やはり、人の流れを抑えないと感染拡大は防げない。解除後も、ワクチンが行き渡るまでは今までどおり、手洗いやマスク着用、3密を避けこととに注意してもらいたい」と呼びかけています。

●緊急事態宣言解除後初の夜「喜びと不安」広島 6/22
どんたく本店末永正店長 「うちのお店に足を運んでいただけるような状況になってきたということに関しては大変ありがたく思います。これからも頑張っていかないといけないなという気持ちも新たになっております」
緊急事態宣言が解除されて初めての夜。広島市中心部の飲食店では21日約1カ月半ぶりの営業再開にむけ準備が進められていました。ただ、県が広島市と東広島市・廿日市市の飲食店に対し、来月11日まで営業や酒類の提供時間を短縮するよう要請。このお店の営業も午後8時で終了したということです。
末永店長 「完全解除というわけではないので、今後のことを踏まえた上では不安がいっぱいといった状況ですね、今の状況、コロナ禍で感染を防ぐということに関して言えば、必要なのかなと思う」
こちらのお好み焼き店も午後8時までの時短で営業を再開。
利用客 「待ちわびとった、全然飲んでないからQ:どうですかお店で飲むビールは?最高ですね、最高です」
久々に外で飲めるお酒に喜ぶ利用者がいる一方、店長の思いは複雑です。
お好み焼き・鉄板焼き 勝ちゃん田崎勝議店長 「やっぱり時間が短すぎますね、せめて10時ぐらいまでとかに伸ばしてもらえればよかったと思うんですけど、サラリーマンさんは仕事が今終わって、終わってすぐもうお酒が飲めないという感じが多いので…」
お店を再開しても「稼ぎ時」の時間帯は営業できないからです。
店長 「とにかく早くコロナが収束して、お客さんが戻ってきてくれて、日常の生活ができるようにみんなが協力してこの飲み屋街が復活して活気が戻ればいいなと思います」
一方、県の要請をうけない福山市。多くの店が通常通りに営業を再開しました。
高橋勇介記者リポート 「緊急事態宣言が解除され福山市のホテルではビアホールがオープンしています」
本来なら先月10日から営業するはずでしたが、緊急事態宣言などで延期され、21日、2年ぶりにオープンしました。席数を例年の3分の1に減らしたほか料理やお酒をワゴンで運ぶサービスを追加するなど新型コロナ対策を行っています。そしてこんなサービスも…
福山ニューキャッスルホテル荒木良安総支配人 「ワクチンの接種完了された方にも割引をさせていただくというご用意もさせていただいております。2回のワクチン接種を終えた人には通常5000円の料金を4200円にする「ワクチン割り引き」も始めました。」
利用客 「飲める人にとってはとてもいいんじゃないですかねこんなパネルがあって感染防止の対策にはなってますし」「安心感がありますねやはりたのしくのめてうれしいですね」
福山ニューキャッスルホテル荒木良安総支配人 「感染対策を万全にいたしましてお客様をお迎えさせていただいておりますのでどうぞご安心してお越しいただきましてホテルの料理、ドリンクをお楽しみいただきたいと思います」
このビアホールは9月末まで営業する予定です。

●沖縄慰霊の日前夜祭 緊急事態宣言で関係者のみ参列 犠牲者追悼 6/22
太平洋戦争末期の沖縄戦で犠牲となった人を悼む「慰霊の日」(23日)に開かれる沖縄全戦没者追悼式の前夜祭が22日、糸満市摩文仁(まぶに)の沖縄平和祈念堂であった。沖縄県には新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令中で、関係者のみが参列。76年前の犠牲者を追悼して平和を祈った。
前夜祭では、平和の祈りが世界の「七つの海」を渡って響くようにとの思いを込めて「平和の鐘」が7回鳴らされ、主催する公益財団法人「沖縄協会」の関係者ら約10人が黙とうした。 日没後には平和祈念公園の「平和の礎(いしじ)」に刻まれた日米など5カ国・地域の犠牲者をしのんで、公園内で5本のサーチライトが「平和の光の柱」として夜空に向かって放たれた。

●緊急事態宣言解除 大阪 天王寺動物園が営業再開 6/22
緊急事態宣言の解除を受け、休園が続いていた大阪の天王寺動物園は22日から営業を再開しました。
天王寺動物園は、緊急事態宣言を受け4月24日からおよそ2か月にわたって休園していましたが、解除されたため22日から営業を再開しました。
22日は家族連れなどが訪れ、ホッキョクグマの展示場の前では久しぶりに見る姿に「かわいい」と言いながら写真を撮る様子も見られました。
動物園では、感染防止策として入り口での検温や休日の入園制限を実施しているほか、人気動物の展示エリアでは職員を配置するなどして密にならないよう呼びかけています。
三重県から家族で訪れた42歳の女性は、「動物園に行きたいとずっと言っていた5歳の息子が、走り回っている姿を見て、連れてこられてよかったなと思いました」と話していました。
天王寺動物園の向井猛 園長は、「再開して素直にうれしいです。休園中は動画を配信していましたが、実際に来園して動物たちのダイナミックな姿を見てもらうことで動物園としての役割を果たせると思います。感染対策にも引き続き力を入れたいです」と話していました。

●解除後の意識は?観光客や市民も気の緩み無し 第5波へ警戒 鳥取県 6/22
新型コロナの第4波が収まりつつある中、緊急事態宣言がほとんどの地域で解除されました。人々の新型コロナに対する意識に変化はあったのでしょうか?
勝部正隆記者 「鳥取砂丘です。県内屈指の観光地は御覧のように観光客の姿がほとんど見られません」
2回目までの緊急事態宣言では、解除後の気の緩みが指摘され、その後の感染再拡大の要因ともなりました。今回はどうなのでしょうか?数少ない砂丘の観光客にマイクを向けると…。
観光客 「不安がずっと続くことになると思う」「車の中にも入れているし、カバンの中にも消毒液を入れて持って歩いている。私の周りの人はそんなに緩んでいないと思う」
一方鳥取空港。東京から鳥取に到着した人達は・・・。
Q宣言解除前と解除後に東京で街の変化はあったのか?
搭乗客 「人の動きは変わっていないという印象がある」
Q自身に気の緩みは?
搭乗客 「マスクとか手指消毒は心がけてやっている」
地元・鳥取市内でも聞きました。
市民 「鳥取の人は感染の拡大を警戒しているように感じる」「また前のようになって出かけにくくなったりしないように、自身は注意を心がけている。このまま感染者が減っていって夏のお祭りができるようになるとうれしい」
忍び寄る第5波の脅威・・・。緊急事態宣言は解除されたとはいえ、これまでとは異なり、今のところ人の流れや意識に変化は小さいようです。

●「緊急事態宣言」から「まん延防止」へ 酒類提供で繁華街にぎわう 兵庫県 6/22
20日までで緊急事態宣言が解除され、21日から神戸市などの飲食店では条件付きで酒類の提供が可能になっています。兵庫県では21日から神戸市など15の市や町に「まん延防止等重点措置」が適用されました。
対象地域で酒類を提供する飲食店への要請は休業から時短営業に緩和され、繁華街では外食を楽しむ人の姿が多く見られました。兵庫県は酒類の提供は平日限定で午後7時まで、1グループ4人以下などの条件を付けています。 「まん延防止等重点措置」は、7月11日までの予定です。  
 
 
 

 

●沖縄慰霊の日 緊急事態宣言下、平和へ誓い新た 6/23
沖縄は23日、太平洋戦争末期の沖縄戦犠牲者を悼む「慰霊の日」を迎えた。76年前のこの日、多数の住民を巻き込んだ地上戦の末、旧日本軍の組織的戦闘が終結したとされる。糸満市摩文仁の平和祈念公園では県主催の「沖縄全戦没者追悼式」が開かれ、参列者は平和への誓いを新たにした。
式には遺族代表や玉城デニー知事らが参列し、犠牲者に黙とう。知事は平和宣言で、米軍普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古への移設反対の立場から「来年本土復帰50年という節目を迎えるに当たり、目に見える形で過重な基地負担の解消を図ってほしい」と訴えた。
菅義偉首相はビデオメッセージで「基地負担の軽減に向け、一つ一つ、確実に結果を出していく」と決意を述べた。
同県には新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発令されており、2年連続で式の規模を縮小した。参列者は昨年の約160人を大幅に下回る36人にとどめ、菅首相の招待も見送った。式では同県宮古島市立西辺中学校2年の上原美春さん(13)が平和の詩を朗読した。
国籍や軍民を問わず、沖縄戦の戦没者名を刻んだ石碑「平和の礎(いしじ)」には41人が追加刻銘され、2021年度の総数は24万1632人となった。
沖縄戦は1945年3月26日、米軍が沖縄・慶良間諸島に上陸して始まり、同年6月23日、旧日本軍の司令官が自決し組織的戦闘が終結したとされる。日米双方で計20万人超が死亡し、うち一般住民の犠牲者は推計約9万4千人に上る。

●千葉・南房総で海水浴場開設へ 緊急事態宣言で中止の可能性も 6/23
昨年、千葉県内で開設が中止された海水浴場について、南房総市は22日、今夏は8カ所で開設すると発表した。安房地域は館山市も開設を決め、鴨川市、鋸南町は開設する方向で準備を進めている。山武市など九十九里海岸沿いでは中止する自治体が相次いでおり、地域で対応が分かれた。
南房総市によると、最も早い和田浦は7月17日、最も人出の多い岩井は同20日、塩浦や南千倉など5カ所は同23日に開設する。いずれも開設期間は31日間。ただし、新たに緊急事態宣言が都や千葉県に出された場合や、ライフセーバーに感染者が出た場合などは、開設期間中でも開設中止とする可能性があるとしている。また、2019年に開設した多田良北浜と豊岡の2カ所はライフセーバーが準備できず、開設を見送った。
同市の19年の海水浴客の入り込み客数は、県内では勝浦市に次いで2番目に多い13万8623人。20年は海水浴場の開設は中止したものの、海岸を巡回した監視員が確認したところ、7月23日から8月23日までの間、5万6555人の利用が確認されたという。
会見した石井裕市長は「観光事業者を中心に景気が落ち込んでおり、昨年5万人が訪れた現状も踏まえ、開設という判断に至った」と話した。
安房地域3市1町の19年の海水浴場の入り込み客数は約31万5000人と県内の地域別では最も多かった。館山市は7月22日から8月22日まで市内4カ所で開設する。

●嵐・二宮和也 緊急事態宣言下に秋田県の「妻の実家」里帰り 6/23
嵐のメンバーで俳優の二宮和也(38)が公私ともに充実した日々を過ごしている。嵐の活動は昨年末をもって休止となったが、二宮は冠番組「ニノさん」(日本テレビ)を継続しており、3月には、2019年に結婚した元フリーアナウンサーのAさん(40)との間に待望の第一子(長女)が誕生したことを発表。4月から配信が始まった二宮和也のユーチューブ「ジャにのちゃんねる」の登録者数はすでに250万人を超えた。同チャンネルには、事務所後輩の中丸雄一(KAT-TUN)、山田涼介(Hey! Say! JUMP)、菊池風磨(Sexy Zone)ら、二宮と気の合うメンバーが集結している。6月17日は、二宮の38歳のバースデーだったが、午後8時から同チャンネルで「緊急生配信!!!! 祝!二宮和也誕生日!!」と題して、二宮の誕生日を祝う様子が生配信され、多くのファンの祝福を受けた。
その翌日――。6月18日から、二宮は妻の生まれ故郷である秋田県秋田市に妻子を連れて里帰りしていた。
6月18日に妻と生後3カ月の愛娘とともに秋田入りした二宮。妻の実家に娘を預けると二宮がハンドルを握り、2人きりでドライブデート。ショッピングモールでベビー用品などを買い求め、途中で二宮が好きなマクドナルドでドライブスルーを利用するなど、人目につきやすい東京都内では不可能なのんびりデートを満喫した。
翌19日は二宮がジャニーズに入所してちょうど25年の記念日。大勢のファンがSNS等で祝福したが、その日も二宮の姿は秋田にあった。
「Aさんのお宅を身内の方が訪問していたようで、ご自宅前には車が駐車されていました。夜遅くまで電気がついていて、周辺に聞こえるぐらいの笑い声が響いていましたよ」(近隣住民)
2晩をAさんの実家で過ごし、帰京したのは6月20日だった。「父の日」にあわせ、Aさんの父に孫娘をお披露目するためにこの日を選んだのかもしれない。
ただ当時、東京都には緊急事態宣言が出されており、不要不急の外出や県をまたぐ移動の自粛が強く要請されていた。また、秋田県の佐竹敬久知事は6月11日に、県民に向けてこんな切実なメッセージを出していた。
〈県外との不要不急の往来については、十分に控えていただければ幸いです。デルタ株が県内に入り込みますと、非常に深刻な状況になりますので、県外、特に東京都等との往来は十分に注意するよう、重ねてお願いします〉
二宮の行動について、ジャニーズ事務所に見解を尋ねたが、回答はなかった。
6月23日(水)16時配信の「週刊文春 電子版」および6月24日(木)発売の「週刊文春」では、二宮とAさんの秋田での様子や、二宮が憧れる同事務所の先輩・木村拓哉(48)との関係などについて、5ページ(グラビア含む)にわたって報じている。

●“過度の疲労”小池知事が入院 コロナ対応に影響は 6/23
過度の疲労により、今週いっぱい公務を離れると発表した東京都の小池知事。コロナ対策などへの影響はあるのでしょうか。
22日夜、突然発表された東京都の小池知事の「静養」。「過度の疲労」により、27日日曜日まで公務を離れることが決まりました。
自民党・石破元幹事長「そりゃあ大変だったと思いますよ。知事さん1人しかいないわけだしね。首都東京だしね。コロナはあるわ、オリンピックはあるわ、パラリンピックはあるわ。それはもう普通の人だったら、倒れてますよね。よく小池さん、ここまでやれてきたなと思いますけど」
加藤官房長官「大変驚きましたが、しっかりと静養をして公務に復帰されることを祈念をしているところであります」
また、こんな話も…。
自民党・森山国対委員長「長年大事にしてこられた愛犬が失われたということもあり、非常におつらいお気持ちもおありになったんだろうなと」
さらに、25日に告示となる都議会議員選挙を巡って、小池知事が特別顧問を務める「都民ファーストの会」との間でオリンピック・パラリンピックを巡る、“意見のズレ”が指摘されるなど、心労が絶えない日々が続いていたとみられます。
丸川オリンピック・パラリンピック担当大臣「きっと無理して頑張ってらっしゃったのかと思います」
22日の小池知事、体調が思わしくありませんでした。声がかすれる様子が度々、見られました。この約4時間後、小池知事は都内の病院に検査入院しました。
都関係者「一見して分かるほど、かなり疲労している様子でした。仕事人間なので、毎週末出てきて幹部で打ち合わせをしていますが、静養もやむを得ないほどの体調だったのだと思います」
新型コロナウイルスの感染は確認されていないということですが、万が一、静養が長くなった場合には、都民への協力を求める「発信力」を心配する声も上がっています。
大会組織委員会・橋本会長「まずはしっかり回復に専念頂いて、また、本大会に向けて一緒にラストスパートを切りたいと思っております」
オリンピック開幕まであと30日。現在、公務は多羅尾副知事が代理を務めています。
 
 
 

 

●まん延防止と沖縄の緊急事態、来月8日までに解除の可否判断 6/24
政府は、新型コロナウイルス対策として東京や大阪など10都道府県に適用している「まん延防止等重点措置」と沖縄県に発令中の緊急事態宣言について、来月8日までに解除の可否を判断する方向だ。宣言と重点措置の期限はいずれも来月11日。飲食店への休業や営業時間短縮の要請などにかかわるため、一定の周知期間を設けることにした。
これに関し、自民党の森山裕国会対策委員長は23日、衆参両院の議院運営委員会を来月8日に開き、今回の宣言と重点措置の取り扱いについて政府から説明を受けるとの見通しを示した。
来月23日に開幕する東京五輪は、会場の観客数上限を1万人とすることが決まっている。大会組織委員会などは、今後の感染状況によっては無観客とすることも視野に入れている。

●東京、3カ月ぶり転出超過 緊急事態宣言影響か―総務省 6/24
総務省は24日、5月の住民基本台帳人口移動報告を発表した。東京都からの転出者が転入者を661人上回り、3カ月ぶりに転出超過となった。新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言の発令が影響したとみられる。
都内へ転入した人は前年同月比26.7%増の2万8535人、転出した人は同23.7%増の2万9196人。1回目の緊急事態宣言が発令されていた昨年5月、都では外国人を含む集計を始めた2013年7月以降初めて転出超過を記録。進学や就職に伴う人の移動が多い今年3、4月は転入超過だった。
一方、東京圏(東京、埼玉、千葉、神奈川4都県)では、3884人の転入超過だった。

●福井県が県独自の「緊急事態宣言」を発令 7月8日まで 6/24
福井県は、拡大するコロナ感染を受けて、県独自の「緊急事態宣言」を発令した。期間は、6月24日から7月8日まで2週間。

●緊急事態宣言受け運休していた知床の観光船 夏の運航再開 6/24
北海道に緊急事態宣言が出たことを受け運休していた知床の観光船が、運航を再開しています。
観光船「おーろら」は毎年、冬の間はオホーツク海の流氷観光を行い、春から秋にかけては世界自然遺産の知床半島をめぐります。
道内に緊急事態宣言が出たため先月16日から1か月運休していましたが、今月19日から夏の運航を再開しています。
船内は、消毒や室内の換気を徹底するなど感染対策をとっていて、23日は、道内外の観光客50人あまりが乗り込みました。
船は、斜里町ウトロを出港し、切り立った崖のそばをゆっくりと進み、オホーツク海に注ぐカムイワッカの滝や知床岬をめぐりました。
野生のヒグマやイルカも姿を現し、観光客は知床の雄大な海からの景色を写真に撮っていました。
友人2人と訪れた岐阜県の60代の女性は「知床は最高です。知床岬が見られたし天気も良かったです。イルカも見ました。また来たいです」と話していました。
「おーろら」の運航会社の大木俊和船舶部長は「感染防止対策をしていますのでコロナ禍で疲れた心身を知床の大自然で癒やしに来てください」と話していました。
知床の観光船は10月下旬まで運航します。

●記憶の継承、世代を超えて 緊急事態宣言下の慰霊の日 戦没者に祈り 6/24
戦後76年を迎えた「慰霊の日」の23日、沖縄全戦没者追悼式(主催・県、県議会)が糸満市摩文仁の県平和祈念公園であった。新型コロナウイルス緊急事態宣言下で、式典の規模は大幅に縮小。冷たい雨が降る梅雨空の下、園内の平和の礎や市米須の魂魄(こんぱく)の塔には、癒えることのない悲しみを胸に手を合わせる戦争体験者や遺族の姿が絶えなかった。県内は20万人を超える戦争犠牲者を悼み、世代を超えて継承と平和を誓う静かな祈りに包まれた。
式典参列者は、新型コロナ対策で昨年の161人からさらに少ない36人。県民は参加できなかったが、それでも会場の外から100人余の人々が傘を差して見守った。朝から断続的に続いた雨は式典が始まると激しさを増し、正午の時報に合わせた黙とう時は、会場テントに打ち付ける雨の音だけが響いた。
玉城デニー知事の平和宣言に聞き入り、中学生の平和の詩に何度もうなずいた比嘉ハツ子さん(83)。菅義偉首相のあいさつになると ・・・

●早くも第5波? “司令塔”小池知事不在の影響は 6/24
感染者が4日連続で前の週の同じ曜日を上回った東京。早くもリバウンドの兆候が。
日に日に警戒感は高まっています。
感染力の高いインド型の変異ウイルス。京都大学の西浦教授らは、東京オリンピックが開幕する7月23日には国内で7割近くを占めるという試算をまとめました。
同じく「まん延防止措置」に移行した大阪府。感染者は100人前後を行き来しています。
新たに1人の感染が確認されたウガンダ共和国の選手団。PCR検査に携わっていた大阪府泉佐野市の職員4人も濃厚接触者の疑いがあるとして自宅待機となっています。
東京は増加傾向が続きます。
感染状況を分析するモニタリング会議。新規陽性者数は2週続けて増加となっています。インド型の変異ウイルス「デルタ株」については、3.2%だったものが1週間で8.2%と倍増しました。
“司令塔”不在のなか、代役を任された多羅尾副知事が人流の抑制を呼び掛けました。
疲労で入院した小池都知事。長年の盟友も心配していました。弁護士で、小池知事就任時から側近として支えてきた若狭勝弁護士。そのタフさを間近で見てきました。
また、愛犬を失ったことも追い打ちとなったようです。

●再び緊急事態宣言になるのか! 東京でリバウンド、来週に700〜800人? 6/24
新型コロナ緊急事態宣言下での東京オリンピックになるのではないかと心配されているが、東京ではリバウンドが始まり、早ければ来週にも緊急事態という危機的状況になってきた。ゲスト解説の国際医療福祉大・松本哲哉特任教授が指摘した。
新規感染者は先週16日(2021年6月)に500人を超えてからは、土曜日をのぞいて前週の同じ曜日より増え続けていて、きのう23日は619人と124%となった。
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「(まん延防止等重点措置に移行後は)東京は7日平均で10%増ぐらいだったんですけど、今週に入って120%と、増え方に加速がついてきているのが気になりますね」
松本教授は「横ばいくらいかなと思っていたら、上昇に転じていますね。前回の緊急事態宣言が出されたときは、新規感染者数だけでいえば、1日あたり700〜800人なので、来週にはそれに近い数になってしまう可能性が出てきました」と危惧する。
しかも、今回のリバウンドは、感染力が従来型の2・5倍といわれるインド型が主流だ。京都大の西浦博教授は「すでにインド型の抑え込みに失敗している」と見ていて、厚生労働省アドバイザリーボードは「東京オリンピックの開会式のころは、インド型が68・9%になっているだろう」と予想している。その時、高齢者の2回目接種はまだ完了していない。
松本教授「ワクチン接種が進んでいるイギリスでも、インド型で再び感染者が増え始めています。重症者は減っていますが、イギリスより遅れている日本は、感染者も重症者も増えそうです」
今週末には、緊急事態宣言へ引き上げが検討されることになりそうだ。

●緊急事態宣言が発令された場合「皆さん慣れてるし…効果があるんだろうか」 6/24
元衆院議員でタレントの東国原英夫(63)が24日、TBS系情報番組「ゴゴスマ〜GOGO!Smile!〜」(月〜金曜後1・55)に出演。大阪府の感染者が今後増えてくる可能性があると危惧する場面があった。
番組では、東京都に比べて、大阪府、京都府、兵庫県などの関西地域の新規感染者が減ってきているということを紹介した。
東国原は「関西もインド株の影響で、もうちょっとリバウンドしていくんじゃないかな」と推測。「ましてや、まん延防止措置等々で吉村知事は、お酒の提供を辞めようと思ってたんですが、色々あってお酒の提供することになりましたよね。こういうところで、大阪もちょっと危ないんじゃないかなと思いますよね」と危惧した。
また「感染対策してくださいっていっても(国民は)聞かないと思います」と私見を語った。その理由を「みんな疲れてるし、皆さん慣れてるし『重症化しなきゃいいんじゃないかな、ワクチン打てば重症化しないでしょ』っていう考えはまん延してますからね」と説明。「もう一回きつくですね、緊急事態宣言という時に、どれぐらいの効果があるんだろうか」と疑問を呈していた。  
 
 
 

 

●東京に4度目の緊急事態宣言「十分念頭に」 田村厚労相 6/25
東京での感染再拡大をめぐって、田村厚労大臣は4度目の緊急事態宣言の可能性があるとの認識を示しました。
「より感染拡大の可能性があれば、緊急事態(宣言)というものも我々は再度、発令することも十分に念頭に置いております」(田村厚労相)
田村厚労大臣はワクチンの接種が十分でない中でのさらなる感染拡大に懸念を示したうえで、4度目の緊急事態宣言について「十分念頭に置いている」と述べました。また、東京では、時短要請に応じず午後8時以降にも酒を提供する飲食店が増えているとして、都などに対して「しっかりと対応をいただかなければならない」と注文を付けました。
一方、西村大臣も東京について、さらに感染が拡大すれば「酒類の提供を再び停止することも考えないといけない」と話しました。

●田村厚労相「再び緊急事態宣言もありうる」 6/25
新型コロナウイルスの感染者が東京都で増加していることを受け、田村厚生労働大臣は、再び、緊急事態宣言もありうるとの考えを示しました。
「より感染拡大の可能性があれば緊急事態というものを我々は、再度、発動することも十分念頭に置いております」―田村大臣は、このように述べ、専門家の意見を聞きながら対応していくとしました。
一方、成田空港で感染が確認された東京オリンピック・ウガンダ選手団の男性はインドで確認されたデルタ株だったことが分かりました。
ホストタウンの泉佐野市の職員らが濃厚接触者に認定されましたが、田村大臣は、「バブルに入る選手と自治体職員が、そもそも接触してもらっては困る」と自治体に改めて周知する考えを示しました。
厚労省は、検疫で選手らの感染が判明した場合、濃厚接触の疑いがある人を別の専用バスで合宿先まで運ぶことを検討しています。

●東京の緊急事態「感染拡大なら再発令」 厚労相が言及 6/25
田村憲久厚生労働相は25日の閣議後の記者会見で、東京都の新型コロナウイルス感染者数を巡り「感染拡大の可能性があれば、緊急事態宣言を再度発令することも十分念頭に置いている」と述べた。ワクチン接種が進んでいるものの「国民全体に行き渡っているわけではない。感染が拡大する可能性はある」と危機感を示した。
田村氏は時短要請にもかかわらず夜遅くまで営業する飲食店があり、人流も増加していると指摘し、「都道府県にしっかりと対応していただかなければならない」と求めた。
東京都の24日の新規感染者数は570人。前週の同じ曜日を上回る傾向が続いている。東京は緊急事態宣言解除後の21日にまん延防止等重点措置に移行したばかり。まん延防止は7月11日に期限を迎える。

●新型コロナ急拡大で「危機的な状況」 福井県 6/25
福井県は6月24日、新型コロナウイルスの新規感染者が急増しているとして、発令中の「感染拡大警報」を2段階引き上げ、3度目となる独自の「緊急事態宣言」を出した。同日発表の新規感染者は2日連続で25人確認され、福井市中心部の飲食店関連は117人に拡大した。マスクなしの会食が感染拡大の要因とみて、会話時のマスク着用や職場内での感染対策の再徹底を求めている。期間は7月8日まで。
県は20日に「感染拡大注意報」から「警報」へ引き上げてからわずか4日で、「特別警報」を越えて警戒度最高レベルの「緊急事態」を出す事態となった。
24日は新たに10歳未満〜80代の福井市15人、越前市5人、鯖江市3人、あわら市と越前町各1人の感染が発表された。同日時点の直近1週間の新規感染者数は128人で、県指標の緊急事態レベル(115人以上)を超えた。確保病床(304床)の占有率は41・4%(126床)で、緊急事態レベル35%程度(100〜110床)を上回った。
宣言を出した後、記者団の取材に応じた杉本達治知事は「急激に感染者が増えており危機的な状況」と強調。県民には会話時のマスク着用を強く求めた上で「市中にまん延している状況にはない。7月8日までに危機を脱していきたい」と述べた。
県は対策本部会議を開き、消費喚起事業「GoToイート」について新規販売を6月28日以降停止するとした。購入済みの食事券は利用できる。県内の宿泊旅行代金を割り引く「ふくいdeお得キャンペーン」は28日以降の新規予約分を割引対象外とし、7月2日までのキャンセル料は県が補填する。飲食店や衣料品店などで使える電子クーポン「ふく割」の発行は予定通り6月25日から始める。
今後も感染拡大が続いた場合は、午後8時以降の外出自粛、酒類提供の停止―などの対策を積極的に実施する。マスク着用の徹底のほか、県をまたぐ移動を慎重に判断するよう県民に求めることも確認した。
前回の緊急事態発令期間は4月22日〜5月13日。

●田村厚労相「緊急事態宣言再発令も念頭」 「デルタプラス」国内で37例確認  6/25
田村厚労相は、東京の感染者が増加していることを受け、感染拡大の可能性があれば、緊急事態宣言を再発令することも念頭に置いていることを明らかにした。
田村厚労相「より感染拡大の可能性があれば、緊急事態を再度発令することも十分念頭に置いている」
田村大臣は、夜間の人出が増加している傾向があり、感染が増えていくおそれは認識しているとしたうえで、感染拡大の可能性があれば、緊急事態宣言を再発令することも十分念頭に置いていると述べた。
一方、インド型変異ウイルスがさらに変異した「デルタプラス」の国内感染者が、6月21日時点で、37例確認されていることがわかった。
加藤官房長官が明らかにしたもので、「現時点で、感染や重症度はデルタ株と異なることを示す証拠はないと報告がなされている」としている。

●田村厚労相“東京でより感染拡大なら緊急事態宣言も念頭に” 6/25
まん延防止等重点措置が出されている東京について、田村厚生労働大臣は、夜間の滞留人口の増加が続いている可能性が高いと指摘し、さらに感染が拡大する可能性があれば、緊急事態宣言を出すことも念頭に厳しい対応が必要だという認識を示しました。
東京都内では24日、新たに570人の新型コロナウイルスの感染が確認され、2日連続で前の週の同じ曜日から100人以上増加しました。
田村厚生労働大臣は、閣議のあとの記者会見で、東京の状況について「夜間の滞留人口が、緊急事態宣言を解除する以前から増えていて、そのまま増加が続いている可能性が高い。感染が増えていくおそれは認識している」と指摘しました。
そのうえで「より感染が拡大する可能性があれば、緊急事態宣言を再度発令することも十分に念頭に置いている。まだワクチンの接種が国民全体に行きわたっているわけではないので、感染拡大の可能性はある。厳しい対応を念頭に置いて、対策を組まないといけない」と述べました。

●“感染拡大なら 再度の緊急事態宣言も念頭に” 田村厚労相  6/25
まん延防止等重点措置が出されている東京について、田村厚生労働大臣は、夜間の滞留人口の増加が続いている可能性が高いと指摘し、さらに感染が拡大する可能性があれば、緊急事態宣言を出すことも念頭に厳しい対応が必要だという認識を示しました。
東京都内では24日、新たに570人の新型コロナウイルスの感染が確認され、2日連続で前の週の同じ曜日から100人以上増加しました。
田村厚生労働大臣は、閣議のあとの記者会見で、東京の状況について「夜間の滞留人口が、緊急事態宣言を解除する以前から増えていて、そのまま増加が続いている可能性が高い。感染が増えていくおそれは認識している」と指摘しました。
そのうえで「より感染が拡大する可能性があれば、緊急事態宣言を再度発令することも十分に念頭に置いている。まだワクチンの接種が国民全体に行きわたっているわけではないので、感染拡大の可能性はある。厳しい対応を念頭に置いて、対策を組まないといけない」と述べました。
 
 
 

 

●テーマパークや動物園などが土日の営業再開、初めての土曜日 6/26
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が解除された地域では26日、緊急事態宣言解除後、初めての土曜日を迎え、テーマパークや動物園が入場者数を厳しくしながら土日などの営業を再開した。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは大阪府がまん延防止等重点措置に移行したことを受けて、およそ2カ月ぶりに土日・祝日の営業を再開。入場者は、平日と同様5000人に制限するという。
愛知県名古屋市の東山動植物園でも土日祝日の営業が再開。当日の混雑によっては、入園制限をする場合があるとしている。

●緊急事態宣言中の休業要請に応じず…34の飲食店に過料通知 愛知県 6/26
愛知県は25日、34の飲食店について、30万円以下の過料に処すよう裁判所に通知しました。愛知県は25日、緊急事態宣言中に酒類を提供し休業要請に応じていなかった34の飲食店について、法律に基づき30万円以下の過料に処すべきとして裁判所に通知しました。
このうち半数が名古屋市の店です。
5つの店が休業要請に応じず、県が送付した「命令通知書」を受け取らなかったということです。5つの店には今回過料を科すことができておらず、愛知県は「まん延防止措置」に基づき、引き続き休業を要請するとしています。

●“路上飲み”緊急事態宣言解除で増える…「飲み足りなくて」  6/26
6月21日、北海道が「緊急事態宣言」から「まん延防止等重点措置」に移行して目立ち始めたのが、いわゆる「路上飲み」です。それに伴うトラブルも発生しています。路上飲みの実態に迫りました。6月21日、北海道内は「まん延防止等重点措置」に移行し、酒類の提供が再開されました。しかし、それも午後7時まで。飲食店も午後8時には閉店します。
食事をしていた人「飲み足りなさがあります。私は2次会にすぐ行きたいなと思いましたけど、我慢だなという感じです」
食事をしていた人「飲み足りなさはありますね。どこか営業していればいいなと思い、ふらふらしてるんですけど。みんな、そうじゃないですかね」
そんな中、目立つようになってきたのが…。
三上侑希 記者「札幌市中央区の大通公園では、酒のようなものを飲んでいる人たちが見受けられます」
小売店で買った酒類を屋外で飲む、いわゆる「路上飲み」です。
札幌市では感染リスクがあるとして、路上飲みの自粛を呼び掛け、警備員が巡回していますが…。
路上飲みをしていた人「時短営業で飲食店は午後8時までなので、店の中にいられない。緊急事態宣言が解除されて、緊張感なく外で飲んでいる感じです」
札幌市によりますと、大通公園などで2人以上で酒を飲んでいる人に声掛けをした件数は、6月21日から24日までの4日間で59件。
緊急事態宣言期間中の、6月14日から20日までの1週間の22件を、大きく上回っています。
路上飲みをしていた人「ビアガーデンで飲んでいた。飲む場所がなく、やむを得ず避難してきている。路上飲みをしたくてしてるわけじゃないんですよね」
トラブルも発生しています。6月24日午後6時ごろ、大通公園で通行人の男性が、路上飲みをしていた男に暴行を受け病院に運ばれました。
警戒が緩む中で増える路上飲み。「まん延防止等重点措置」は7月11日まで続きます。

●東京新たに562人感染で懸念「五輪開催時に緊急事態宣言を再発令?」 6/25
前東京都知事で国際政治学者の舛添氏が25日、自身の公式ツイッターで、新規感染者数が再び増加している都内の新型コロナウイルス感染状況について持論をつづった。
東京都は25日、感染者が新たに562人報告されたと発表。3日連続で前週の同じ曜日から100人以上増加しており、東京五輪開幕を28日後に控え、急激なリバウンドが懸念される状況となっている。
舛添氏は「本日の東京都のコロナ感染者562人、先週の金曜日よりも109人増加。感染者が減少せずに、じわじわと増えて行くという嫌な展開だ」と感染者数増加に触れ、「このまま行けば、東京五輪開催時に緊急事態宣言を再発令することになりかねない」と懸念。
そして、この日告示された任期満了に伴う東京都議選(7月4日投開票)に触れ、「人出も増えている。そのような中での都議選、選挙運動で感染を拡大させてはならない」と警鐘を鳴らした。

●緊急事態宣言解除後、初の週末も…各地で人出が大幅増加 札幌 6/26
25日、沖縄を除き9つの都道府県で緊急事態宣言が解除されてから初の金曜日を迎えた。夜の各地の人出は、先週と比べてほとんどの地点で大幅に増加していたことがわかった。
25日午後9時台の各地の人出は一週間前と比べて東京・渋谷センター街で35.2%、秋葉原で27%、池袋と銀座で24%増えていた。また、札幌・すすきので55.5%、大阪・なんばで44.3%、梅田で35%、福岡・中州川端で36.9%と大幅に増加していた。
一方、緊急事態宣言の続く沖縄・那覇の国際通りでも60.5%、牧志では20.3%と大幅に増えていた。 

●緊急事態宣言解除後初の土曜 天神の人出は? 6/26
きょうは3度目の緊急事態宣言が解除されて、初めての週末です。
福岡市天神では昼過ぎ、晴天も手伝ってか買い物客など多くの人が行き交う姿が見られました。
街行く人は「人出が少し多いような気がする。以前よりは緊迫感がないような感じだ」「やっぱちょっと増えてますよね結構。経済のことを考えると、まん延防止措置は解除したほうがいいかなとは思うが、この人出をみると不安を覚えますね」などと話していました。
福岡県には来月11日まで「まん延防止等重点措置」が出されていますが、国に解除の前倒しを要請するかどうかについて、服部知事は25日に「週明けにも判断する」と話しています。

●緊急事態宣言解除後、初の週末も…各地で人出が大幅増加 6/26
25日、沖縄を除き9つの都道府県で緊急事態宣言が解除されてから初の金曜日を迎えた。夜の各地の人出は、先週と比べてほとんどの地点で大幅に増加していた。
25日午後9時台の各地の人出は一週間前と比べて東京・渋谷センター街で35.2%、秋葉原で27%、池袋と銀座で24%増えていた。また、札幌・すすきので55.5%、大阪・なんばで44.3%、梅田で35%、福岡・中州川端で36.9%と大幅に増加していた。
一方、緊急事態宣言の続く沖縄・那覇の国際通りでも60.5%、牧志では20.3%と大幅に増えていた。

●人あふれる渋谷「コロナ前くらい」 宣言解除後の初週末 6/26
新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が9都道府県で解除後、初の週末となった26日は、各地で人があふれた。
東京・渋谷駅前、午後1時半。スクランブル交差点では、横断歩道の外まで広がって歩く人も。ハチ公像前のベンチも待ち合わせの人らで埋まっていた。
センター街のラーメン店の男性店員は2日に1回、客の呼び込みのため店の前で様子を眺めている。「最初の緊急事態宣言の時はゴーストタウンみたいだった。今は外国人観光客をのぞいた日本人の数は、コロナ前くらいに戻ってるんじゃないか」。一方、この状況を懸念する声も上がる。交差点近くの衣料品店の女性店員(28)は「人が増えるにつれて緊張感が緩んでいる。マスクを付けずに騒ぐ人も出始め、感染者が増えないか心配」と話す。
この日の東京都の新規感染者は534人。26日までの1週間の総人数を前週と比べると126%となり、増加傾向を示している。
 
 
 

 

●「必要なら緊急事態宣言も」 西村氏、東京の感染者増で 6/27
新型コロナウイルス対応を担当する西村康稔経済再生相は27日のNHK番組で、新型コロナの感染者が東京で増加傾向であることを受け、「必要となれば、まん延防止等重点措置をやっている地域に緊急事態宣言を発出することも、ちゅうちょすることなく機動的にやるべきだ」と述べた。
東京都の新規感染者数は26日に534人に上り、7日連続で前週の同じ曜日を上回った。西村氏は「東京、首都圏で減少傾向から増加傾向が明らかに顕著になってきている」と指摘。その上で、緊急事態宣言の発出可能性に触れた。
東京都は宣言解除を受け、一定の要件を満たした店舗に酒類提供を認めている。この措置について、西村氏は「さらに強い対策を検討していかなければいけない」とも述べ、酒類提供の再停止に言及した。
緊急事態宣言をめぐっては、田村憲久厚生労働相も25日の閣議後会見で、「感染拡大の可能性があれば、十分念頭に置いている」と述べている。

●緊急事態、東京再宣言も 酒類提供再停止を検討―西村担当相 6/27
西村康稔経済再生担当相は27日のNHK番組で、新型コロナウイルス感染再拡大の兆候が見られる東京都などに対し、今後の推移によっては再び緊急事態宣言を発令する可能性を示唆した。「必要となれば、まん延防止等重点措置を出している地域に緊急事態宣言を発出することも、ちゅうちょなく機動的にやるべきだ」と語った。
西村氏は東京の感染状況について「増加傾向が顕著になってきた。高い警戒感を持って専門家、都と連携し分析を進めている」と説明。高齢者の感染は減少しつつあるとする一方、「活動が活発な20代、30代の感染をどう抑えるかが課題になっている」と指摘した。同時に「ここで抑えるには強い対策を取ることもやむを得ない。飲食店での酒の提供を停止することも含め検討しないといけない」と述べ、酒類提供の再停止などを検討する考えを示した。

●緊急事態宣言の福井県内、週末人出はいつも通り 6/27
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、3度目の緊急事態宣言が出ている福井県内は6月26日、初の週末を迎えた。JR福井駅周辺や観光地は普段と変わらない人出が見られた。県は同日の会見で「日頃の活動をことさら中止する必要はないが、感染予防対策は徹底してほしい」と呼び掛けた。
福井市のJR福井駅には午前中からキャリーバッグを携えた観光客らが降り立ち、いつもの週末と変わらぬ光景。駅西口でのイベントに来たという坂井市の40代女性は「自粛の雰囲気はそれほどないのでは」と話した。前回の緊急事態発令期間(4月22日〜5月13日)と比べ「危険という感じがあまりしない」(あわら市の10代女性)といった声も。宣言が発令されていることを知らない県外客もいた。
各地の観光地は宣言前と比べて目立った落ち込みはないようだ。勝山市の福井県立恐竜博物館にはこの日、約1600人が来館した。昨年6月に予約制にして以降の土日曜の数字と変わらず、竹内利寿館長は「影響はほとんどない」と話した。
嶺南地域では6月5日以降、感染者は確認されていない。美浜、若狭両町にまたがる三方五湖有料道路レインボーラインの山頂公園も普段通りの人出といい、粟根渉支配人は「宣言以降の予約キャンセルはない」と話す。
窪田裕行県健康福祉部長は会見で「緊急事態宣言は県として最大限のメッセージ。感染対策も最大限にしてほしい」とあらためて注意を促した。緊急事態宣言は7月8日まで。

●緊急事態宣言中の喫煙習慣の変化は  6/27
去年春の緊急事態宣言中の喫煙習慣の変化を大阪国際がんセンターの研究チームが調べたところ、一人暮らしや在宅勤務をしている人、それに、収入の減り幅が大きい人ほど、喫煙本数が増える傾向にあったことがわかりました。
大阪国際がんセンターの小山史穂子主査らの研究グループは去年4月から5月にかけての緊急事態宣言中の喫煙習慣の変化をアンケート形式で調べました。
回答した大阪府内に住むおよそ4万人のうち、もともと喫煙習慣があった人は5000人あまりで、緊急事態宣言中の喫煙本数の変化を尋ねたところ、本数に変化がなかった人は44.8%、増えた人は32.1%、逆に、減った人は11.3%、禁煙した人は11.9%でした。
喫煙本数が増えた人について仕事や生活の状況を詳しく分析すると、在宅勤務をしていた人はしていなかった人に比べて、1.29倍、一人暮らしの人は、4人以上で暮らしている人と比べて、1.23倍、喫煙本数が増えた人が多かったことがわかりました。
また、収入と喫煙状況の関係を調べると、収入の減り幅が大きかった人ほど、喫煙本数が増えた人が多くなる傾向だったということです。
小山主査は「喫煙はコロナの重症化リスクを高めることがわかっている。生活状況と喫煙状況の変化や因果関係を継続的に調査、分析する必要がある」と話していました。

●宮古への来島者、増加傾向/緊急事態宣言 6/27
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が9都道府県で解除され、初の週末となった26日、宮古空港には多くの観光客が降り立った。ロビーにはレンタカー業者が並び、家族連れらが手続きを行っていた。沖縄県は全国で唯一、緊急事態宣言が発出されているが、来島者は増加傾向になっている。
東京や大阪など9都道府県は20日に緊急事態宣言が解除された。一方で沖縄は医療提供体制がひっ迫していることから7月11日まで宣言が延長されている。
航空会社の関係者は「先週に比べると、利用客は少しずつ増えている。ただ、劇的に変わったわけではなく、コロナ前の水準にはまだまだ戻っていない」と述べた。
ホテルの関係者は「緊急事態宣言解除のニュースが出始めてからは予約が増え続けている。宿泊する観光客は先週より多くなっている」と語った。
レンタカーの各店舗はコロナ前と比べ、保有台数を減らしていることもあるが、予約はほぼ埋まっている状態という。あるレンタカー店では「緊急事態宣言の解除と夏に向けての繁忙期ということもあり、予約は100%に近い。どこの店も同じだと思う」と話した。
26日は雷注意報が出されるなど悪天候となったこともあり、観光客に人気の前浜ビーチでも人出はまばらだった。マリンレジャー事業者は「宣言が解除されて観光客が増えることを予想していたが、この天気では仕方ない。晴れれば人は増えると思う」と期待した。

●緊急事態宣言解除後 初めての土曜日 飲食店に喜びの声  6/27
緊急事態宣言の解除後初めての週末を迎え、大阪市内の飲食店では酒類の提供が出来ることに喜びの声が聞かれました。
大阪府では、全ての市でまん延防止等重点措置に移行していて、感染対策の規準を満たした飲食店に対し「入店を1組2人までとする」などの条件で、午後7時までの酒類の提供を認めています。
宣言中、要請に従い酒の提供をせずに営業していた大阪市内の串カツ店では先週の土曜日と比べて、売り上げは約1.5倍になったということです。
串かつだるま 道頓堀店 橋優作主任「(忙しさを)かみしめながらきょうは一日働かせていただいた。(要請を)しっかり守りながら、お客様に気持ちよく飲食してほしいと思っています」
訪れた客は…「家で飲むことが多かったので、外で飲めるようになったのは嬉しいですね」
まん延防止措置は、7月11日まで適用されます。
 
 
 

 

●宣言解除の理由を聞いた与党議員の返答に「それは違うのでは」 6/28
昭和大医学部客員教授の二木芳人氏が28日、フジテレビ系「めざまし8」(月〜金曜・午前8時)に生出演した。番組では、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者が8日連続で前週の同じ曜日を上回り、再び増加の傾向が見られることを報じた。
二木氏は「リバウンドというのは、ある程度抑え込んだ上で再び増えてくるという意味でしょうから。そういう意味で、抑え込みが少し足りなかったですよね」と宣言解除が少し早かったと指摘。
宣言解除を「このタイミングで良かったのかと、ある与党の方にお伺いした」ところ、「要するに皆さんもう我慢ができなくなって宣言下でも人出が増え、お店でも少しずつお酒を提供されたりしているので、誰もが守らないルールならやっても仕方がないと表現された方がいる」と返答があったいい、「それは違うのではないでしょうかと」と伝えたという。
その上で「やっぱり、みんなである程度もう少し頑張ると。守ってもらうための方策を打たなければいけなかったのに、守ってもらえないからやめてしまうのであれば、せっかく特措法を変えた意味もほとんどありませんよね。ですから、私はこのタイミングで解除して規制を弱めたことは、人々にこういう気持ちにさせてしまった大きな要因だと思う」と話した。

●橋下徹氏 緊急事態宣言の新たな基準づくりに言及 6/28
元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏(51)が28日、フジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月〜金曜前8・00)に出演し、緊急事態宣言の再発令の基準について言及した。
田村憲久厚生労働相は25日の記者会見で、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が増加傾向にあることに関し、感染が拡大すれば「緊急事態宣言を再度発令することも十分念頭に置いている」と述べた。ワクチン接種が進んでいる最中であることを踏まえ「感染拡大の可能性はある」と改めて注意を促した。
橋下氏は、ワクチン接種が進んでいることを踏まえ「(再発令の)基準を専門家が緩めるのか、緩めるっていう言葉はちょっと語弊がありますかね。ワクチン接種率が高まっていくんであれば、今までのような感染者数や重症者数ではない基準をつくるべきだという議論を専門家でやってもらう必要があると思う」と自身の考えを述べた。

●坂上忍、西村経済再生相の言及に「また国民に我慢を強いる方向の対策」 6/28
28日放送のフジテレビ系「バイキングMORE」(月〜金曜・午前11時55分)では、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者が8日連続で前週の同じ曜日を上回り、再び増加の傾向が見られることを報じた。
番組では、西村康稔経済再生相が人流を抑えるために酒類の提供停止や、緊急事態宣言の発出をちゅうちょなくやるべきと言及したことを伝えた。
MCの坂上忍は「先手を打つことの大切さというのは、これまで散々言ってきたことであって。ただ、この状況下でまたお酒というか、国民に我慢を強いる方向の対策となってしまうと、納得感を得るには結構なハードルかなと思う」と話した。

●「土産物店は背水の陣」 緊急事態明け、京都の観光地は人出回復鈍く 6/28
新型コロナウイルス対応で京都府などに発令されていた3度目の緊急事態宣言解除後、初の週末を迎えた26日、京都市内各地で、買い物や観光を楽しむ人たちの姿が見られた。市中心部の繁華街がにぎわう一方、まん延防止等重点措置の期間中とあって観光地の人出回復は鈍く、観光事業者は、夏休みなどでの需要拡大に期待を込める。
世界遺産・清水寺(東山区)周辺では、家族連れや修学旅行生が散策などを楽しんでいた。家族4人で訪れた愛知県の会社員の男性(40)は「緊急事態宣言も解除されたので比較的近い京都に来た。久しぶりの旅行を楽しみたい」と話した。
土産物店店主の男性(68)は「人出は週末で例年の3割程度」としつつ、「長いトンネルの先に少し光が見えてきた」と来月11日までの重点措置の終了に期待する。
ただ、周辺にはシャッターを下ろし、休業を続ける店も残る。男性は「GoToトラベルの停止期間は繰り返し延長され、協力金もない土産物店は背水の陣だ」と訴える。
嵐山地区も例年ほどの人出は見られず、渡月橋を行き交う観光客の姿は少なかったが、繁華街の四条河原町周辺は多くの買い物客で混雑した。

●玉川徹氏、感染リバウンドで緊急事態宣言に言及 6/28
28日放送のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・午前8時)では、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者が8日連続で前週の同じ曜日を上回り、再び増加の傾向が見られることを報じた。
コメンテーターで同局社員の玉川徹氏は、田村憲久厚生労働相が4度目の緊急事態宣言の可能性に言及したことを受け「菅総理はオリンピックをどうしても成功させたいという立場に立って考えると、緊急事態宣言をどうするのか、ものすごく難しいと思いますよ」と推察。
現状について「感染者が増えてきていて、人流も増えて減る要素がないわけですね」とし、「そう考えると、今後感染者が増えることは間違いないだろう」と今後リバウンドが進むことを懸念。
また、五輪開始までに「ワクチン接種も進んでいますけど、7月23日までに65歳以上の人たちが免疫を持っているか。2回打ち終わっても、すぐには完璧な免疫はできないわけですから」と危機感を示し、続けて「重症者も遅れて増えるわけで。早めに緊急事態宣言を出すということになると、何で解除したのって話にもなりかねないし。オリンピック期間中に緊急事態宣言が出ているとなると。緊急事態宣言ですから、海外からすると、宣言が出ている時にオリンピックをやるの、という話にもなるし。難しいと思いますよ」と話した。 
 
 
 

 

●緊急事態宣言延長の沖縄で夜間の人出が大幅増 那覇空港駅は119%増 6/29
新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の延長から1週間が経過した。沖縄県内の27日と1週間前の人出を比べると、沖縄都市モノレールの那覇空港駅で119・8%増、県庁前駅で85・9%増など夜の人出が軒並み増加し、長引く自粛に気の緩みが見え隠れする。28日午後、那覇市の国際通りには荷物を手に歩く観光客とみられる人の姿もあり、県民から「感染者が増加しないか心配だ」と不安の声も聞こえた。
厚生労働省にビッグデータなどを提供する「Agoop(アグープ)」(東京)の27日と1週間前の20日のデータを基に分析すると、午後9時台平均の人出は、那覇空港駅で119・8%増となった。県庁前駅で85・9%増、国際通りで15・6%増、牧志駅で12・9%増だった。
午後3時台平均の人出は国際通りで50%増、県庁前駅で2・5%増。一方、牧志駅で19・5%減、那覇空港駅で0・8%減となった。
28日午後4時ごろ、国際通りにはキャリーバッグや土産物袋を手に歩く人の姿が見られた。土産物店の従業員の女性(68)=那覇市=は「宣言延長したことで感染者が減れば、国際通りにも活気が戻ってくる。今は人通りが少なくて寂しい」と悲しげな表情を見せた。
パレットくもじに立ち寄った保育士の女性(22)=那覇市=は「観光客は以前より増えたように思う。宣言が明けたら県民も外に出るので、感染者が増加に転じないか心配だ。気兼ねなく出歩ける生活に早く戻りたい」と述べた。
帰宅のためバス停にいた事務職の女性(24)=浦添市=は「ランニングや音楽鑑賞など、人と接触しない方法でストレスを発散している。工夫してコロナ禍を乗り越えたい」と語った。
県は県民に対し、都道府県間の移動や不要不急の外出を控えるよう呼び掛けている。県外からの来県も自粛するよう求めている。玉城デニー知事は28日の会見で、緊急事態宣言発令以降の人の流れについて「週を重ねると少しずつ人の動きが出てきている。改めて気を引き締めていかなければならない」と協力を求めた。

●緊急事態宣言の発令時期見極め 田村厚労相 6/29
田村憲久厚生労働相は29日の記者会見で、新型コロナウイルスのリバウンド(感染再拡大)が指摘されている東京都への緊急事態宣言発令について「(前回の)宣言を解除してからまだ日がたっていない。またすぐに出すことが果たして効果としてどうか、よくよく分析をしなければならない」と述べ、効果的な発令時期を見極めるべきだとの認識を示した。
都内で夜間の人流が増えていることについては、重症者が遅れて増えてくることへの警戒感を示しつつ、「緊急事態措置を漫然とお願いしただけで本当に夜間の滞在人口が減るのかも考えなければならない」と述べ、慎重に対応を検討する考えを示した。

●「第3回緊急事態宣言・まん延防止等重点措置について、どう思う?」 6/29
〜「効果あった」4割超、一方で身近な店舗の廃業や倒産を「知っている」8割弱、休業・時短への支援や補償のさらなる充実を求める声が多数という結果に〜
紀尾井町戦略研究所は、月に2回程度、「Yahoo!クラウドソーシング」を活用し、時事関係のトピックを中心としたWeb調査を行っています。
東京や大阪など10都道府県では、長期に渡り緊急事態宣言が発令されました。また、5県では「まん延防止等重点措置」が適用されてきました。これらの措置について、18歳以上の男女1,000人に聞きました(2021年6月19日現在)。
• 3回目の緊急事態宣言の効果については、「十分効果があった」「ある程度効果があった」と感じる人は全体の42.7%、「全く効果がなかった」「あまり効果がなかった」と感じる人は全体の56.7%であった。大きな差はないものの、効果を疑問視する人の割合が多少上回った。
• 感染拡大を抑えるための措置としては、「事業者の休業・時短に対する支援を手厚くした方が良い」と いう回答が42.3%、「個人の外出禁止等も命じることができるようにしたほうが良い」という回答が32.6%であった。なお、「法規制で事業者や個人の行動を抑制すべきではない」という回答は10.6%と比較的低割合であり、手段は分かれるものの、感染拡大防止のためであればある程度強い制限があってもやむを得ないと考える人が大半であることがわかった。
• 店舗の休業・時短営業に関する補償としては、「十分・ある程度手厚い」が31.7%に対し、「不十分・ あまり十分ではない」が64.8%と、さらなる補償の必要性を感じている人の割合が倍以上という結果になった。また、そのタイミングについても、「直ちに(6月中)」が61.3%と圧倒的に多く、7月中の13.7%や8月中の7.5%を大きく引き離した。
• 休業要請に応じた店舗が廃業や倒産をした例を知っているかという問いに関しては、実に78.4%が知っていると回答し、大多数が身近なところで事業者の経営難を目の当たりにしている現状が明らかとなった。
• 感染を防止しつつ店舗の倒産を防ぐための措置としては、「時短・休業への補償をさらに充実させる」が39.4%と最も多かったが、テイクアウト・デリバリー・キャッシュレス等の非接触型ビジネスの導入支援が29.9%、通常の感染症予防対策の強化が23.6%と、他の対策の割合もそれなりに高かった。解決策に決定打がなく、複合的な措置の必要性を人々が感じている状況が、垣間見える結果となった。

●再び“緊急事態”あるのか否か 飲食店、新たな対策 6/29
東京都の感染者数がリバウンド傾向にあるなか、厚生労働大臣からは再び緊急事態宣言を出すことについて慎重論も出ています。にぎわいを取り戻しつつある飲食店もワクチン接種を進めるなど新たな対策に乗り出しました。
店には少しずつ活気がもどりつつありました。東京・町田にある居酒屋では、この状況下ならではの新たなメニューを開発しました。2500円で定食かおつまみ3品の60分飲み放題を始め、人気となっています。
店を1人で切り盛りする藤崎さんはもう一つ対策を打っていました。それは新型コロナのワクチン接種です。45才の藤崎さんはなぜ、いち早くワクチンを接種できたのでしょうか。都の対策リーダーに登録し、チェックに受かると接種できます。
それでも客足は以前の10分の1ほど。厨房には栓が開けられない酒樽が置かれていました。
日に日に増加傾向が顕著となりつつあるなか、“緊急事態宣言”再発出については慎重な意見が多くあります。
東京・町田市にある居酒屋では酒類停止となっても左右されないように、9月に向けて居酒屋からイワシ料理店にリニューアルする予定です。
緊急事態宣言の効果について、あるデータも示されています。筑波大の倉橋教授らの試算では対策がない場合、インドで見つかったデルタ株の感染力を考えると都内の感染者は急増するとしています。
5月の緊急事態宣言程度の対策を講じた場合は200人程度に抑制されるとしています。

●小売業販売5月は前年比8.2%増、緊急事態の反動で自動車など好調 6/29
経済産業省が29日公表した5月の商業動態統計速報によると、小売業販売額(全店ベース)は前年比8.2%増となり3カ月連続で増加した。新型コロナウイルスの感染拡大により昨年は1回目の緊急事態宣言が発動されており、その反動による自動車販売増などが全体を押し上げた。
ただ、今年4月末から3回目の宣言が発動された影響で、プラス幅は4月の11.9%から縮小している。コロナ禍前の2019年5月との比較では5.3%の減少となっている。
ロイターが集計した民間予想の中央値は同7.9%増だった。
業種別では、自動車が前年比36.4%増、燃料が同34.4%増、織物・衣服が同16.7%増、百貨店など各種商品が同16.4%増だった。石油製品の価格上昇や、前年は百貨店などの休業・営業時間短縮で販売が落ち込んでいた衣類などの反動増が寄与した。一方、昨年は内食需要が高まっていた飲食料品は同0.2%減となった。
業態別では百貨店が前年比58.8%増と大きく伸びた。もっとも、19年同月との比較では43.0%減少している。
コンビニエンスストアはおにぎりやサラダが好調で同5.3%増だった。ドラッグストアが同1.8%増、家電量販店は同0.7%増だった。家電は昨年給付金支給により好調だった影響で増加率が小幅にとどまっている。

●きょうも東京“増加”で再宣言は?官邸・閣僚の思惑 6/29
増え続ける東京の感染者に官邸関係者は再びの緊急事態宣言も可能性としてあると話します。政府が期待をかけるワクチンについても大臣から気になる発言がありました。
「緊急事態宣言」から「まん延防止等重点措置」に緩和されて9日目です。東京の感染者は増え続けています。
29日に発表された感染者は476人。先週の火曜日の22日より41人増え、10日連続で前の週の同じ曜日を上回りました。
西村経済再生大臣は想定済みとしていますが、そもそも東京では感染者が減りきらないままの宣言解除です。まん延防止措置も来月11日に期限を迎えます。
官邸関係者は再びの緊急事態宣言も「可能性としてはある」としています。
田村厚生労働大臣は時期を慎重に見極めるべきとしています。
何しろ、来月23日には東京オリンピックの開幕式です。
政府が期待をかけるのはワクチンですが、接種の加速を目指して始まったばかりの職域接種は今月25日に受け付けを一時休止。
政府関係者によりますと、受け付けは再開しない方向で調整中です。すでに受け付けている分で、モデルナ製ワクチンは使い切る見込みだということです。
 
 
 

 

●首都圏で蔓延防止延長 政府調整 東京は緊急事態宣言も 6/30
政府は、新型コロナウイルス特別措置法に基づき10都道府県に発令している蔓延(まんえん)防止等重点措置に関し、首都圏の1都3県について7月11日の期限で解除せず、延長する方向で調整に入った。複数の政府関係者が30日、明らかにした。東京都は同日、714人の新規感染者数を確認。11日連続で前週と同じ曜日を上回った。政府は感染状況を見極めた上で、来週中に判断する。
1都3県のうち東京都に関しては、感染再拡大(リバウンド)が鮮明になっており、状況次第では緊急事態宣言の再発令も視野に入りそうだ。重点措置の延長や宣言の発令となれば、7月23日に開幕する東京五輪と重なり、無観客開催が現実味を帯びる。
菅義偉首相は30日、新型コロナ対策の関係閣僚会議で「東京の新規感染者数は増加傾向にある」と述べた。田村憲久厚生労働相は厚労省の会合で「東京は夜間の滞留人口が急増している。病床の使用率も上がってきている」と危機感を示した。
現在、重点措置が適用されているのは首都圏1都3県に加え、北海道、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡の6道府県。

●緊急事態宣言やまん延防止措置、状況みて機動的に活用=西村再生相 6/30
西村康稔経済再生相は30日、都内で新型コロナウイルスの抗原検査の現場を視察した後に記者会見し、感染が増加傾向にある東京都などについて、国民の命を守るため、状況をみて緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を機動的に活用すると述べた。
<多くのシミュレーションで感染者数は1000人超へ>
東京都など10都道府県に適用されているまん延防止等重点措置は7月11日が期限となっているものの、東京など首都圏は新規感染者数が再増加傾向にあり、政府の判断が注目されている。
東京都は30日、新たに714人の新型コロナウイルス感染が確認されたと発表。前週の同じ曜日を上回るのは11日連続で、700人台は5月26日以来となった。直近7日間移動平均は前週比20.3%増の508.4人で、感染状況が最も深刻なステージ4の水準となった。
西村氏は「緊急事態宣言を解除した際に人流は当然増えるものと想定している」と述べ、30日に開催された関係閣僚会議で示された多くのシミュレーションで(1日の新規)感染者が1000人を超えて行くとの結果であったと指摘した。
一方、「重症者の数はかなり低く抑えられ、足元で東京の重症者数も急激に増えていない」との認識も示した。

●県内新たに17人感染 緊急事態宣言1週間 福井県 6/30
県独自の緊急事態宣言発出から1週間。福井県は30日、新型コロナウイルスに県内で新たに10代から70代の男女合わせて17人が感染したと発表した。どこでも感染の可能性がある状態になりつつあるとして、予防の徹底を呼び掛けている。
新規感染者の内訳は福井市9人、坂井市5人、敦賀市1人、あわら市1人、小浜市1人。このうち6人は福井市中心部の飲食店関連で、感染者の累計は172人になり、関連する店は3つ増えて31店舗になっている。
1日あたりの感染者は、以前は福井市中心部の飲食店関連が7割程度だったが、29日までの2日間では4割程度に減っていて、県は中心部だけでなく県内のどこでも感染の可能性がある状態になりつつあるとしている。
県独自の緊急事態宣言発出から1週間での新規感染者の累計は108人となっていて、県が警戒を強めるよう呼び掛けている。

●人生の緊急事態宣言 真率かつ軽妙な50歳独身女“苦悶”の記 6/30
芸歴29年。いつの間にやら、芸人としての仕事は減り。旦那も子供も彼氏もいないプライベート。潮目を変えんと、一念発起で計画したカナダ留学もコロナ禍で直前に頓挫。そして気づけば50歳……。人生そのものが、全方位的緊急事態に陥った著者による、書下ろしエッセイ。
留学するつもりで住居を引き払っていたので家なき子に。転がり込んだ妹の家で、可愛かったはずの甥姪の素顔に幻滅。思わず叱ると妹に叱られ、「お粗相をした座敷犬」のように過ごした居候生活。仕事がほぼ消滅し、募る不安と向き合わないよう「気を張ってゴロゴロしていた」昨年の緊急事態宣言下の生活。元ヘビースモーカーという意外性と、吸うのは己を戒めるためという独特の喫煙理論。バッシングされた度重なる遅刻の理由として辿り着いた、時間認識能力の欠如の考察。感情表現の苦手を克服せず放置したせいで、いつしか腐っていた喜びセンサー……。徒然なるままに綴られた、自らに対する観察は、過ぎる卑屈も虚飾もなく、実に俯瞰的。「神のように無から不安を生み出すことができる」といった軽妙な筆致で「人を好きになる前に死にたくない」「今、子供は欲しくないけど、いつか欲しくなったらどうしよう」といった、心の憂色と取っ組み合いし続ける。
相方・大久保佳代子に対する心情の吐露もあくまで正直。先に売れた自分の後で、大久保が売れた時の嬉しさ。あっという間に追い抜かれた時の焦り。幼馴染ゆえ、盆暮れの地元の集まりでも顔を合わせて、お互いうんざり。しかしゴシップになるので、「あっちが来るなら行かない」とは言わず。その代わり、誰にも気づかれず、光の速さで「なんだよ、いるのかよ」と目で会話する。こういう時、コンビだなと思うそうだ。芸人の肌感覚が伝わる、なるほどなエピソードである。
自分の性格、容姿、健康、人間関係、仕事、老後と悩みは尽きないが、とりあえず引っ張り出した結論は「ひん曲がったなりに、ナチュラルに生きてみよう」。独身50代女性でなくとも、誰もがどこかで共鳴必至。孤高とまぬけの、心地いい喫水線がここに。
 
 
 

 

●沖縄の緊急事態宣言は「解除できる状況ではない」と国の専門家組織 7/1
厚生労働省に新型コロナ対策を助言する専門家組織の脇田隆字座長(国立感染症研究所長)は30日の記者会見で、沖縄の新規感染者数が高い水準にあり、減少速度が鈍化している点を踏まえ「緊急事態宣言などの強い対策を解除できる状況ではない」との見解を示した。
脇田氏は、沖縄は夜間の滞留人口(主要な繁華街にいた人の数)が増加傾向にあると説明し「酒類の提供制限があるにもかかわらず、遅い時間に繁華街の人流がある」と指摘。
「対策が必要だが、このまま同じ対策を続けて本当に効果が得られるのか。なかなか難しいところがある」と述べた。
北部や宮古・八重山地域で改善が見られる一方、那覇や本島中南部など都市部の感染は依然として多い。脇田氏は「状況はそれほど改善していない」と話し、「今後の動向に注視が必要だ」と強調した。
直近1週間(6月23日〜29日)の人口10万人当たり新規感染者の全国平均は、8・25人。県内は33・31人と高いが、同9日〜15日は62・42人に上っていた。
専門家組織は、東京で新規感染者数が増加に転じていることなどに言及し「各地への影響が強く懸念される」と、対策の徹底を促している。 

●政府の有識者会議 沖縄の緊急事態宣言の前倒し解除に否定的な見解 7/1
新型コロナウイルスの対策について話しあう政府の有識者会議が先月30日開かれ、
今月11日までとする沖縄県の緊急事態宣言については、前倒しして解除することに否定的な見解を示しました。
国立感染症研究所脇田隆字所長『沖縄が非常にまだ感染状況、レベルが高くて、減少が鈍化してきている』
座長を務める国立感染症研究所の脇田所長は、北部や離島地域では感染状況の改善がみられるものの、那覇市など本島中南部地域では若い世代を中心に流行が続いているとして、沖縄県の緊急事態宣言を前倒しして解除することに否定的な見解を示しました。
さらに、酒類を提供する飲食店に対し休業要請が出ているのにも関わらず夜の繁華街へ人の流れが戻りつつあることも指摘し、「このまま同じ対策を続けて本当に効果が得られるのか難しいところがある」と新たな対策の必要性も示唆しました。

●緊急事態宣言への移行含め「来週判断」 首相 7/1
菅義偉首相は1日、新型コロナウイルス特別措置法に基づき10都道府県に適用している蔓延(まんえん)防止等重点措置について「継続するか、取りやめるか、あるいは緊急事態宣言か。そういうことを来週にでも決めなければならない状況だ」と語り、緊急事態宣言への移行も含め、来週に判断する考えを示した。官邸で記者団に語った。
首相は東京五輪の観客上限に関しては、重点措置をめぐる政府判断の後に5者協議で決まるとの見通しを示した。「政府では緊急事態や蔓延防止、そうしたものを延長する、しないの方向性を決める。それを受けて5者協議で決められる」と語った。
無観客となる可能性については「無観客もありうるということを(既に)私から明言している。国民の安全・安心を最優先にする中で対応していく」と述べた。

●首都圏で蔓延防止延長 政府調整 東京は緊急事態宣言も 7/1
政府は、新型コロナウイルス特別措置法に基づき10都道府県に発令している蔓延(まんえん)防止等重点措置に関し、首都圏の1都3県について7月11日の期限で解除せず、延長する方向で調整に入った。複数の政府関係者が30日、明らかにした。東京都は同日、714人の新規感染者数を確認。11日連続で前週と同じ曜日を上回った。政府は感染状況を見極めた上で、来週中に判断する。
1都3県のうち東京都に関しては、感染再拡大(リバウンド)が鮮明になっており、状況次第では緊急事態宣言の再発令も視野に入りそうだ。重点措置の延長や宣言の発令となれば、7月23日に開幕する東京五輪と重なり、無観客開催が現実味を帯びる。
菅義偉首相は30日、新型コロナ対策の関係閣僚会議で「東京の新規感染者数は増加傾向にある」と述べた。田村憲久厚生労働相は厚労省の会合で「東京は夜間の滞留人口が急増している。病床の使用率も上がってきている」と危機感を示した。
現在、重点措置が適用されているのは首都圏1都3県に加え、北海道、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡の6道府県。

●政府、首都圏のまん延防止延長へ調整 東京は緊急事態宣言も議論 7/1
政府は新型コロナウイルス感染症対策として10都道府県に適用しているまん延防止等重点措置について、首都圏4都県で11日の期限を延長する方向で最終調整に入った。感染が再び拡大しているためで、単純に延長するだけでなく、東京限定で緊急事態宣言に移行するなど措置を強めることも議論されている。
事情に詳しい複数の政府関係者が明らかにした。まん延防止措置の解除見送りは、東京五輪・パラリンピックの観客取り扱いに影響する。政府内では無観客を支持する声も出ている。
東京都の6月30日の新規感染者は714人と11日連続で前週を上回り、直近7日間移動平均は前週比20.3%増の508.4人。感染状況のレベルは最も深刻なステージ4の水準となった。
西村康稔経済再生相によると、同日の関係閣僚会議では東京の新規感染者数が今後1000人を超えるシミュレーションが複数示された。政府関係者の1人はロイターに対し、「11日の解除は難しい。単純延長か緊急事態発動かの議論だ」と語った。
政府は7月8日までにまん延防止措置の解除・延長を判断する見通し。感染状況や病床の逼迫度合いを見極めながら、12日以降の対応を詰める。
複数の政府関係者によると、防止措置を最低2週間延長する案のほか、東京都だけに絞って緊急事態宣言を再発令する案が出ている。病床逼迫程度が悪化すれば、緊急事態宣言の発動は免れないとの声もある。
まん延防止の解除見送りにより、7月23日に開会式を控える東京五輪・パラリンピックの観客上限は見直しが不可避となる。これまで五輪組織委員会は観客上限について収容能力の50%かつ1万人以下との基準を示してきたが、まん延防止が解除できないなら「50%かつ5000人以下との一般的な大規模イベント規制に準じる必要がある」(西村再生相)ためだ。
関係者の1人によると、政府内には無観客開催もやむを得ないとの見方も浮上しはじめている。共同通信によると、公明党の山口那津男代表は1日、都内で記者団に対し、「無観客も視野に入れた上で、(政府は)機を逃さず国民に発信してもらいたい」と述べた。

●“無観客五輪に現実味” 東京の感染者数、ステージ4に 7/1
新型コロナウイルスの感染「第5波」が襲来している。政府は10都道府県に発令している蔓延(まんえん)防止等重点措置に関し、首都圏の1都3県は11日の期限で解除せず、延長する方向だ。東京都については緊急事態宣言の再発令も視野に入る状況で、23日に開幕する東京五輪の無観客開催が現実味を帯びてきた。
菅義偉首相は6月30日、新型コロナ対策の関係閣僚会議で「東京の新規感染者数は増加傾向にある」と述べた。田村憲久厚生労働相は厚労省の会合で「東京は夜間の滞留人口が急増している。病床の使用率も上がってきている」と危機感を示した。
東京では30日の新規感染者が714人まで増えた。直近7日間を平均した1日当たりの人数は508・4人となり、政府の対策分科会が掲げるステージ4(爆発的感染拡大)の水準になった。
厚生労働省に対策を助言する専門家組織によると、都内の病床使用率は上昇傾向で、会合では「現在の速度で流行拡大が続くと7月後半までに確保病床が逼迫(ひっぱく)する」「東京五輪期間に感染拡大が加速すれば8月以降に病床使用率が限界に近づく」との専門家の試算が示された。
先週末に「東京が下げ止まるかが重点措置の延長の可否に影響する」と指摘していた首相周辺は「厳しい状況になってきた」と述べた。政府筋は「宣言発令の検討もあり得る」と語った。
東京ほどではないが、五輪競技会場を抱える埼玉、千葉、神奈川の3県でも新規感染者数が増加している。
国内のワクチン接種は6月29日時点で4300万回を突破した。65歳以上の1回接種率は6割を超えており、感染の比率も減少傾向だが、感染の中心となっている20〜30代への接種はまだ限定的だ。
首相は6月21日、「宣言が必要になった場合は無観客も辞さない」と明言した。現在の政府基準では、重点措置適用中の地域での大規模イベントは「定員50%以内で最大5000人」を上限に認めている。ただ、重点措置が延長されても、「最大1万人としている五輪の観客数上限を5000人に切り替えるのは実務的に難しい」(官邸筋)とされる。
決断のときは迫る。

●東京、感染爆発迫る…五輪開幕時に緊急事態宣言の可能性も 7/1
今年7月23日に開幕する東京五輪・パラリンピック期間中、東京で緊急事態に準ずる「まん延防止等重点措置」が施行される可能性が高くなった。
毎日新聞は「政府が新型コロナウイルス対策で10都道府県に7月11日までの期限で適用している、まん延防止等重点措置について、東京都などで延長する調整に入った」と30日付で報じた。同措置が2〜4週間延長された場合、東京に厳しい防疫対策が施行される中で五輪が開幕することになる。同措置が適用されれば、飲食店の営業時間制限なども実施される。
日本政府がまん延防止等重点措置の延長を検討しているのは、東京の感染状況が当初の予想より深刻であるためだ。東京は29日一日の新規感染者が476人を記録し、10日連続で前週の同じ曜日を上回る感染者が発生した。東京は緊急事態宣言が解除された21日の新規感染者数は236人だったが、23日には619人に急増し、平日は400〜600人台、週末は300人台を維持している。日本政府は東京での感染状況が「爆発的な感染拡大」を意味するステージ4に迫っているとみている。
菅義偉首相は前日の自民党役員会で「首都圏は(新規感染者数が)やや増加傾向にあり、必要な対策を機動的に講じたい」と述べた。新型コロナ政策を任されている西村康稔経済再生担当相も記者会見で「感染者が増えれば、緊急事態宣言なり、まん延防止措置で感染を抑える」と強調した。
まん延防止等重点措置が延長されれば、五輪期間中の観客の規模も問題になる。日本政府は同措置が解除されることを条件に、収容定員の50%の範囲内で最大1万人まで国内観客を受け入れる方針を決めた。ただでさえ五輪に対する世論が良くない中、「無観客」開催に対する要求がさらに高まるものとみられる。同紙は「菅首相はまん延防止措置下の五輪観客数について、プロ野球と同じく最大5000人にしたい考えだ。しかし厚生労働省と内閣官房で『無観客にせざるを得ない』との意見が強い」とし、調整は難航する可能性があると報じた。日本政府は今月8日、まん延防止等重点措置の延長を決定する予定だ。
一方、東京五輪の練習のため来日する外国選手団に対する防疫対策も大幅に強化される。今月中旬に来日したウガンダ選手団の中で、インド発の変異ウイルスであるデルタ株が確認され、遅れて対策作りに乗り出したのだ。読売新聞は同日、「海外選手らに感染者が判明した場合、一緒に合宿するコーチや他の選手ら全員をいったん隔離して、練習の停止を求めることを(ホストタウン向けの指針に)明記する」と報じた。濃厚接触者ではないことが確認され、陰性判定を受けた場合は、練習を再開できる。

●吉村知事 ワクチン配分は全国一律公平でなく「緊急事態宣言地域に」 7/1
大阪府の吉村洋文知事が6月30日、ツイッターに新規投稿し、国から自治体への新型コロナワクチンの供給が滞っている問題を巡り、「緊急事態宣言が出される地域に先行配分すべき」と「戦略的」に配分するよう求めた。大阪市は6月30日、国からの米ファイザー製ワクチンの提供が追い付かないとして、個別接種を行う医療機関向けへの供給を7月から制限すると発表している。
吉村知事は、大阪市のワクチン供給制限に関するニュースを引用し、「同様の懸念は府内他の自治体からも寄せられている。国のワクチン供給量とスピードに限りがあるなら、供給方法は戦略的に行うべき。緊急事態宣言が出される地域に先行配分すべき。消火器の数が限られるなら、消火器のホースは出火元に向けるべき。延焼を防ぐことにも繋がる。」とツイートした。
その後も「全国の接種能力が国のワクチン供給スピードを上回れば、一定の制限が必要になるのは仕方ない。その時、全国一律公平にスピードダウンすべきか、火事が起きやすいエリアはスピードダウンさせないか。まさに国家戦略。後者は批判は多いと思うが、消火器は火災現場に向けるべき。」と重ねて投稿した。

●神戸 酒類提供飲食店でクラスター 宣言解除後初 7/1
神戸市は、酒類を提供する飲食店の店員と客のあわせて8人が先月26日までに新型コロナウイルスに相次いで感染したことが確認され、クラスターが発生したと発表しました。先月21日に緊急事態宣言が解除されて以降、神戸市内の酒類を提供する飲食店でクラスターが発生したのは初めてです。
神戸市によりますと、クラスターが確認された店では手や指の消毒を行い、アクリル板で飛まつの拡散を防止するなど感染対策をしたうえで、兵庫県の要請に応じて、営業時間を短縮し酒類の提供を午後7時までの2時間としていました。
飲食店では先月23日に店員1人の感染が確認されたため、翌24日から休業し、ほかの店員や客も検査を受けたところ、あわせて8人の感染が確認されたということです。
神戸市によりますと、先月21日に緊急事態宣言が解除されて以降、市内の酒類を提供する飲食店で、クラスターが発生したのは初めてです。
神戸市は今月11日までまん延防止等重点措置の対象地域に指定されていて、市では「緊急事態宣言が解除されてたといっても油断することなく、感染対策を徹底してほしい」と呼びかけています。

●再び禁酒令?緊急事態は避けたい政府「もう酒停止しか」 7/1
新型コロナウイルスの感染再拡大が続く東京都で、飲食店での「酒類提供の禁止」が再び焦点となっている。緊急事態宣言が解除された先月21日以降は午後7時までの酒類提供が解禁され、繁華街での人出が増加。政府と都は危機感を強めており、専門家の意見も聞いたうえで判断する方針だ。
「酒類の提供が可能な午後7時までの繁華街の滞留人口だけでなく、感染リスクがより高い深夜帯の滞留人口も急増している」
1日に開かれた都のモニタリング会議。東京都医学総合研究所の西田淳志・社会健康医学研究センター長はそう危機感を示した。
人出の増加はデータからも明らかだ。NTTドコモの携帯電話の位置情報から滞在人口を推定する統計データをもとに、6月28〜30日の午後5時から日付が変わるまでの都内の繁華街6カ所の人出を、緊急事態宣言が解除される前の同じ曜日にあたる同月14〜16日と比較。6カ所すべてで増えており、JR新橋駅東側の「コリドー街」と呼ばれる飲食店街を含む銀座の周辺で、増加率19%と最も高かった。ついでJR上野駅近くが11%、JR池袋駅西口が10%増えた。渋谷のセンター街は7%増、歌舞伎町と六本木交差点はいずれも6%増だった。
感染の急所とされる飲食に関 ・・・
 
 
 

 

●菅首相 “緊急事態宣言下での五輪無観客開催ありうる” 7/2
東京で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、菅総理はオリンピックについて緊急事態宣言下の場合には“無観客開催はありうる”という考えを強調しました。
「『緊急事態宣言の時はどうですか』という質問内容だったと思います。そうしたときに、無観客もありうるということを私から明言しています」(菅義偉首相)
菅総理は、以前述べた“緊急事態宣言下での無観客開催はありうる”という考えに変わりないと強調し、最終的には政府と東京都、IOC=国際オリンピック委員会などによる“5者協議”で決めるとしました。
東京の感染拡大が続いていることから、政府は1都3県に出されている「まん延防止等重点措置」を期限の11日以降も延長する方向で調整に入っています。
東京オリンピックの期間中“まん延防止措置”が適用される可能性が強まったことから、組織委員会幹部は観客について、いまの1万人を上限とする計画のほか、無観客、会場の規模に応じて無観客・5000人を上限とする案等の検討を進めていると明らかにしています。

●“緊急事態宣言”“重点措置”延長に消極的ではない 厚労相  7/2
新型コロナウイルスの感染状況が悪化している東京について、田村厚生労働大臣は、記者会見で「緊急事態宣言の発令やまん延防止等重点措置の延長に消極的なわけではない」と述べ爆発的な感染を起こさないために必要な対応をとる考えを強調しました。
東京都内では、新型コロナウイルスの感染状況が悪化していて今月11日が期限となっているまん延防止等重点措置の扱いが焦点となっています。
これについて田村厚生労働大臣は、記者会見で「ワクチン接種が進んだ場合、重症者は今までより増加ペースを抑えられるだろうが、中等症の病床がひっ迫する可能性がある。病床の状況を踏まえ、専門家に議論してもらわないといけない」と述べました。
そのうえで「緊急事態宣言の発令やまん延防止等重点措置の延長に戸惑っていたり、消極的であったりするわけではない。必要があって、効果があるのであれば、やろうという思いはある」と述べ、爆発的な感染を起こさないために必要な対応をとる考えを強調しました。

●緊急事態やまん延防止、感染状況や専門家の意見踏まえ判断 7/2
加藤勝信官房長官は2日の閣議後の会見で、11日までを期限とし一部地域に発令されている緊急事態宣言やまん延防止等重点措置は、感染状況や医療提供体制、専門家の意見を踏まえ総合的に慎重に判断すると述べた。
東京オリンピック大会の観客については、大会組織委員会など5者協議で協議されることになっており、「国民の安心・安全を最優先に、その時の措置などの状況を踏まえ、適切な判断がなされてくと思う」との認識を示した。
また、フランス検察当局が、中国新疆ウイグル自治区での人権問題を巡り、ユニクロのフランス法人を含む衣料品小売り4社に対する捜査を開始したことについて、「日本企業の正当な経済活動が確保されるよう引き続き関連の情報収集をし、個別の状況に応じて適切に対応するというのが基本的な考え方」と発言した。
一方、米国務省が1日、世界各国の人身売買に関する報告書で、日本の外国人技能実習制度を問題視したという報道について、この報告書に関して政府として意見を述べることはしないとした上で、人身取引は「重大な人権侵害で、政府は関係省庁と連携し、人身取引対策をしっかり取り組む」考えを明らかにした。 

●田村厚労相、緊急事態宣言の効果ない場合「それよりきつい手はない」 7/2
田村憲久厚生労働相は2日の記者会見で、新型コロナウイルス感染拡大を巡り、緊急事態宣言発令中の沖縄県で若者の人出が増えているなどとして「若い方にも理解をいただき、リスクの高い行動を避けるようお願いしなければならない」と要請した。コロナ禍の長期化を踏まえ、専門家から若者の理解が得られる方策の必要性が指摘されているとした。
東京都などで感染増加傾向が見られる首都圏での緊急事態宣言発令の是非について「(発令して)効果がなければ、次に打つ手は、もうそれよりきつい手はない」と指摘。同宣言などの措置を含め効果的な対応が必要だとして「どのような状況で、どのような対策を打てばいいかを考えなければならない」と語った。
田村氏は2日に1回目のワクチン接種を受けると明らかにした。中央府省庁の国家公務員らを対象にした職場枠を活用する。

●緊急事態宣言解除後の東京都の週末の人出  7/2
2021年6月20日に東京都を含む9都道府県で緊急事態宣言が解除され、まん延防止等重点措置へ移行されました。今回は緊急事態宣言解除後の東京都の土日の人出を調査しました。
各エリアの緊急事態宣言解除後の土日の人出を前週同曜日と比較しました。
【期間】
2021/6/19(土)、2021/6/20(日)前週同曜日
2021/6/26(土)、2021/6/27(日)緊急事態宣言解除後
【エリア】
渋谷センター街 /  新宿歌舞伎町 / 原宿 / 銀座
【時間帯】
6時台〜23時台
 渋谷センター街の土曜日の人出
宣言解除後、初の土曜日は前週同曜日と比較して15%増加しています。
時間帯別では18時台〜23時台が25%増加と夜の人出が増加傾向です。
 渋谷センター街の日曜日の人出
日曜日は13%減少していました。特に減少していたのは12時台〜17時台で18%減少です。
 新宿歌舞伎町の土曜日の人出
8%減少しています。時間帯別では18時台〜23時台が最も減少しており、14%減少です。
 新宿歌舞伎町の日曜日の人出
日曜日は23%増加しています。時間帯別では12時台〜17時台で30%人出が増加していました。
 原宿の土曜日の人出
29%増加しています。時間帯別では6時〜11時台の人出が52%増加していました。
 原宿の日曜日の人出
6%増加しています。18時台〜23時台の人出が最も増加しており43%増加でした。
 銀座の土曜日の人出
6%増加しています。最も増加している時間帯は12時台〜17時台で8%増加でした。
 銀座の日曜日の人出
1%減少とほぼ変わりありません。12時台〜17時台で4%減少していました。
東京23区の外出時間を緊急事態宣言解除後の土日と前週同曜日で比較しました。
【期間】
2021/6/19(土)、2021/6/20(日)前週同曜日
2021/6/26(土)、2021/6/27(日)緊急事態宣言解除後
【エリア】
東京23区
【滞在場所】
自宅、職場以外
 ●東京23区の1日の平均外出時間
土曜日の1日の平均外出時間は前週同曜日と比較し、33分増加しています。一方日曜日は変わりありませんでした。
まとめ
・渋谷センター街の緊急事態宣言解除後の人出は土曜日15%増加、日曜日13%減少。
・新宿歌舞伎町の緊急事態宣言解除後の人出は土曜日8%減少、日曜日23%増加。
・原宿の緊急事態宣言解除後の人出は土曜日29%増加、日曜日6%増加。
・銀座の緊急事態宣言解除後の人出は土曜日6%増加、日曜日1%減少。
・東京23区の1日の平均外出時間は緊急事態宣言解除後、土曜日33分増加、日曜日変わりなし。

●コロナ禍と新語、流行語 「3密」から「うっせぇわ」へ  7/2
コロナ禍の影響が続く。健康や医療はもちろん、政治、経済、スポーツ、文化、暮らしなど広い範囲に及ぶ。「言葉」もそのひとつだろう。
続々誕生、コロナ関連の硬い新語や流行語
「社会問題に関係する硬派の新語、流行語が、これだけまとめて出たのは非常に珍しい例です」
梅花女子大学の米川明彦名誉教授は、この1年半のコロナ禍を振り返る。長年、流行語や若者言葉など俗語の研究を続けている。1995年の阪神・淡路大震災や2011年の東日本大震災でもこんなことはなかった。「しかし、耳で聞いてすぐに分からない言葉が多すぎます。高齢者を含め多くの人が共有できるものではありません」
クラスター、オーバーシュート、ワーケーションなど外来語が増えた。外来語だけでなく、最近多用される「人流」という漢語、「打ち手」という和語も「注射する人」という意味ではこれまで聞いたことのなかった言葉だ。「コロナ禍」も聞いただけでは分かりにくく、話し言葉としては抵抗があるという。数少ない傑作が「3密」。日本人が好きな「3」を取り入れ、スローガンにはもってこいだった。今では使われなくなったが、「アベノマスク」も皮肉が利いていると評価した。
昨年の夏頃、すでに大量のコロナ関連語が社会にあふれていた。100近くの語を7月の特集記事で紹介した。読売新聞オンラインでも掲載している。
昨年の「ユーキャン新語・流行語大賞」はコロナ関連が席巻した。
年間大賞は「3密」。トップテンには「アベノマスク」「アマビエ」「オンライン○○」「Go Toキャンペーン」などが入った。「新しい生活様式」「おうち時間」「クラスター」「自粛警察」「濃厚接触者」なども候補に挙がるなど、コロナ関連語のオンパレードである。
コロナ関連の印象深い言葉は、その後も相次いで登場している。
「路上飲み」「越境飲み」「変異株」「まん延防止(まんぼう)」「マスク会食」「人流」「打ち手」「職域接種」「第三者認証」など枚挙にいとまがない。
共通項は「場違い感」…気になる「人流」「打ち手」「豪奢品」
違和感を覚えるコロナ関連の言葉がいくつかあり、その理由を考えてきた。「新しい生活様式」「おうち時間」「夜の街」などだ。「新しい生活様式」は昨春、専門家が突然発表した。「おうち時間」はすっかり定着した感がある。「夜の街」は今ではあまり使われなくなったが、違和感の度合いは突出していた。
共通しているのは、従来使われていた場面などとの食い違い、いわば「場違い感」だ。「生活様式」はもともと、学術用語。広辞苑は「生物の生活の仕方。生息場所や行動、栄養の摂取法、繁殖の仕方などを総合的にとらえる場合にいう」と説明している。手洗いやマスクなどの「生活習慣」を指すには大げさな感じがする。逆に「おうち」は、子どもの言葉という印象が強い。知事らが、記者会見など公の場で使うことはあまりなかったはずだ。ニュース番組で、「夜の街」が頻出した際には、「昭和歌謡のような雰囲気の言葉」という指摘もあった。これも記者会見やニュース番組で耳にする語ではなかったのではと思う。次第に「夜の繁華街」などに言い換えられるようになった。
最近気になるのは「人流」。主な国語辞典を調べてみたが、採録されていない。「物流」に対する専門用語として使われていたようだが、特に話し言葉では分かりにくい。「人の流れ」で通じるだろう。「打ち手」は、一般に、打つという動作をする人のこと(日本国語大辞典)。鉄砲、太鼓、ばくちなどについて使われてきたが、注射に用いたのが新しさであり、違和感の原因だろう。ただ、こちらは良い言い換えが思い浮かばない。デパートの営業規制の際に使われた「 豪奢品(非常にぜいたくな品)」も気になった。
いずれも不意打ちのように現れ、聞いている人を戸惑わせる。米川名誉教授が危惧するのが、コミュニケーションへの影響だ。広い世代が共有できない言葉はこれを妨げる。専門家が分かればいいというものではない。特に困っているのが手話を使っている人。手話は手の動きだけでなく表情が重要だ。マスクで口元が隠れ、コミュニケーションが十分に取れない。
「重要なのは伝えることではなく、通じ合うこと。相手を理解したい、相手からも理解されたいという思いがコミュニケーションを支えています。この思いがないと、言葉は独りよがりで、自己満足的なものになっていきます」 ・・・

●オリンピックを控え、東京で新型コロナの新規感染者が660人発生 7/2
東京で2日の一日間に660人の新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)の新規感染者が新たに確認された。五輪が3週間後に迫っているが、感染者は減っていない。
日本のNHKの報道によると、東京の一日における新規感染者数は13日連続で前週同曜日よりもさらに高い数値を記録している。2日の新規感染者数は660人を記録し、1日の新規感染者数は673人だった。
東京都は新規感染者が1日で500人以上発生した場合、まん延防止等重点措置より深刻な緊急事態宣言が必要な状況だとしている。
さらにこの日、東京都で新たに確認されたデルタ変異株の感染者は63人と確認された。このうち、27人を除いては感染経路が伝えられておらず、さらなる拡散が懸念されている。
東京都当局の関係者は「(新型コロナ感染者数の)増加傾向は変わらず予測不可能な状況」とし「拡散防止のため、週末には不必要な外出の自制をお願いする」と述べた。
現在、日本は東京五輪の開幕が迫っている中、感染拡大が深刻化し、大会中に競技場に入場客を受け入れるかどうかが再び議論されている。
特に来る8日には日本政府、東京都、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)が出席する「5者協議」で無観客オリンピックの進行可否などを論議する計画だ。
これに先立ち、日本政府はオリンピックの競技が行われる競技場で定員の50%以内、最大1万人(開幕式は2万人)までの観客を入場させるることを決めたが、感染者数が増えているだけに、方針を修正する可能性が高いという。
東京都の小池百合子都知事はこの日の定例記者会見で「無観客を軸に考える必要があるのではないかと思う」と述べた。
 
 
 

 

●河野大臣「詳細を知らない」 緊急事態宣言下の離島出張 7/3
沖縄総合事務局の吉住啓作局長が、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言の対象だった5月に、来島自粛を求めていた北大東村や久米島町へ相次いで出張したことなどについて、河野太郎沖縄担当相は2日の会見で「詳細を全然知らない」とし、「総合事務局にお尋ねいただきたい」と明言を避けた。

●吉住・沖縄総合事務局長、緊急事態宣言発令中に離島出張 沖縄 7/3
沖縄総合事務局の吉住啓作局長が、新型コロナウイルスの緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象だった5月に、来島自粛を求めていた久米島町と北大東村へ出張していたことが2日までに分かった。同局が制作している沖縄観光PRサイト「オキナワンパールズ」で使用する写真の撮影や情報収集が目的だった。専門家は、医療体制が脆弱な離島にウイルスを持ち込めば、医療崩壊につながりかねないと指摘している。
2日、本紙の取材に応じた吉住氏は「批判が出ることも承知していたが、不要不急の出張ではない。この時期に取り組むべき大切な公務だった」と述べ、判断は妥当だったと強調した。
吉住氏は久米島町に、緊急事態宣言下だった5月26、27日、事務局職員2人と訪問した。町は来島自粛を求めたが、吉住氏から複数回申し出があったため、感染防止対策の徹底や大田治雄町長と面談しないことを条件に受け入れに応じた。町職員が文化財や史跡約10カ所を案内したという。
町の関係者は、観光PRにつながる部分もあり受け入れたものの国の機関からの申し出は断りづらかったとし「時期的には訪問を控えてほしかった」と述べた。
吉住氏は6月上旬、竹富町と宮古島市にも訪問を打診したが、両市町は緊急事態宣言を理由に断った。
北大東村へはまん延防止等重点措置の対象期間だった5月19、20日に訪問。宮城光正村長とも面談した。
吉住氏は「沖縄の経済を戻すには、観光業の復活が鍵」だとし、観光地競争が予想される9月までに、サイトに全41市町村の情報を載せる意義を強調した。その上で「質の高い観光と観光客誘致のため、5月からラストスパートで準備する必要があった」と訴えた。
群星沖縄臨床研修センター長の徳田安春医師は、感染症に対する備えが脆弱な離島にウイルスを持ち込めば、医療崩壊につながりかねないと問題視し、「国民に自粛を求める側の国の重役として不適切な判断だった」と苦言を呈した。
河野太郎沖縄担当相は2日の会見で記者団の質問に「詳細を知らない。総合事務局に聞いてほしい」と述べるにとどめた。

●五輪開催で感染爆発する可能性?4度目の緊急事態宣言に効果はあるか? 7/3
変異ウイルスの影響が小さく、人の流れがこれ以上増加せず、五輪の影響がなかったとしても7月中に1日の新規感染者数は1000人を超えるーー。厚労省のクラスター対策班のメンバーで京都大学准教授の古瀬祐気さんがこのようなシナリオ分析を発表した。五輪の影響が大きくなれば、感染爆発が起きるのか。このまま感染拡大が続けば、4度目の緊急事態宣言を発出するしかないのか。BuzzFeed Newsは古瀬さんに話を聞いた。
――現在の感染状況について、どのように分析していますか?
リバウンドは始まってきていると思います。しかし、このリバウンドの波が今後大きくなっていくのかどうかはわかりません。現在はリバウンドの兆候が見えていますが、これは緊急事態宣言が解除され重点措置へと移行し、感染対策が少し緩んだことによる影響かもしれません。現在は人流が増えつつありますが、もしかすると、ある一定のラインに達したところで頭打ちになる可能性もあります今後の推移については、現状では判断が難しい状況です。
――6月30日に公表された「6〜9月東京における流行プロジェクション」というシナリオ分析では、変異ウイルスの影響が小さく、人の流れがこれ以上増加せず、五輪の影響がなかったとしても7月中に1日の新規感染者数は1000人を超えると分析しています。しかし、これは、かなり楽観的ではないでしょうか?五輪がこのまま開催された場合にはどのようになると考えていますか?
2つのポイントがあります。1つ目が人流と感染拡大の関係性についてです。時折、「人流が増えたからといって感染者数が増えるとは限らない」という批判をされる方がいますが、これはおっしゃる通りです。我々、専門家も人の流れが増えただけで感染者数が増加するとは考えていません。感染症は人から人へうつります。そして、人と出会う頻度が高くなれば感染する確率も上がります。ですが、誰が毎日何人と会っているのかを知る術を私たちは持ち合わせていません。そうした動向を分析するための代替的な指標が人流です。
――オリンピックについては組織委員会や東京都などが開催期間中の人流を減らす作戦を練っています。まだ決定していないものもありますが、今後様々な対策を講じるはずです。では、そのような対策によって人流が減れば感染拡大は起こらないのでしょうか?
人流はあくまで代替指標であり、感染拡大につながるのは人と人との接触機会です。例えば電車に乗る人の数など人流が減ったとしても、開催期間中に宅飲みなども含めて飲み会など接触機会が増えて感染が拡大することを専門家は危惧しています。人流の増加が抑えられたとしても、飲み会や会食など、人と接触する頻度がどの程度増えるのかはわかりません。ですが、五輪を開催すれば、おそらく減ることはないでしょう。よって、五輪開催によって感染拡大が加速される可能性があります。2つ目は五輪の有無よりも前にその後の感染状況は決まっているということです。五輪を開催すれば感染拡大する可能性があることは間違いありませんが、感染状況はかけ算なのでその時点で街中に感染者がどれだけいるかが重要な因子となります。つまり、五輪開催期間中の感染状況は、「その時点での感染状況×五輪の影響」で決まります。五輪による影響が大きく出そうだということは、五輪開催前の段階で街中に感染者がたくさんいるということを指します。ですから、五輪が始まるその時にはこの夏にどの程度感染拡大し得るのか、波の大きさを決定する根元の部分はほぼ決まっていると考えてよいでしょう。
――シナリオ分析では人流の増加が7月以降も続く場合、7月下旬から8月中旬頃に爆発的な感染拡大の可能性があるとしています。6月30日のアドバイザリーボード(厚労省の専門家助言組織)では緊急事態宣言の解除前と比べて東京の夜間の滞留人口が18.1%、昼間の滞留人口が8.3%増加していると報告がされていますが、爆発的な感染拡大というシナリオに近づいていると思いますか?
可能性はもちろんあります。ですが、その可能性がどの程度あるのかということについては今後、人流がどのように推移していくか次第です。現時点で、どの程度の確率で爆発的な感染拡大が起きるのかといったことはわかりません。
――シナリオ分析では五輪開催による人流増加は5%と見積もられています。これは、観客などだけでなく五輪開催によって増えるあらゆる人の動きという定義でしょうか?
はい。ただし、この5%という数字については、強い根拠があるわけではなく、あくまで1つのシナリオです。緊急事態宣言がある場合とない場合では、人流は10%〜20%変化します。ですので、その半分くらいが妥当ではないかと考えました。ちなみに昨年8月に帰省などで増えた人流も5%程度でした。
――この数字はかなり低く見積もられていませんか?
ここには市民の皆さんへ期待を込めた部分もあります。今年の夏に感染拡大するリスクは繰り返し発信されています。このような発信を受けて、一人ひとりが行動を変えてほしい。そのような願いを込めた数字です。
――五輪は開催するけれども皆さんの行動は制限してください、という矛盾したメッセージの問題があると専門家有志も6月18日の提言で言及しています。この問題はどう解決していくべきなのでしょうか?
これは非常に難しいポイントです。五輪の報道を見た人々が、感染対策を不要だと勘違いしたり、あるいはきちんと対策を守ることが馬鹿らしいと感じてしまわないような報道がなされることを願います。
――今年に入り、ほぼ常に緊急事態宣言もしくは重点措置、あるいは時短営業といった制限が課されています。自粛疲れのようなものもピークに達しつつあると思いますが、緊急事態宣言を再び発した場合、効果はあると思いますか?
その緊急事態宣言の内容にもよりますが、基本的には緊急事態宣言の効果はあるということが我々の研究でもわかっています。3回目の緊急事態宣言が発出された際には、正直どこまで効果を発揮するのか不安な面もありました。ですが、どのような対策を講じるか次第でその効果も変化します。1回目はまだわからないことが多いこともあり、緊急事態宣言が非常に強い効果を発揮しました。2回目の宣言では、1回目ほどではありませんでしたが実効再生産数は0.8程度下がっています。3回目の宣言では、2回目の宣言の内容に加えてお酒の提供禁止という対策をプラスしたことで効果を発揮したと分析しています。もしも、もう一度緊急事態宣言を出す場合、3回目と同じ内容でどの程度効果を発揮するかはわかりません。ですが、一定程度効果があることは間違いありません。
――すでにお酒の提供禁止というカードはきってしまいました。もしも、もう一度宣言を出す場合、その効果を高めるために、お酒の提供禁止という方法以外にはどのような選択肢があり得るのでしょうか?
具体的な選択肢についてはわかりません。ただし、重点措置の中で各都道府県が実施している飲食店でお酒を提供する場合の人数制限は良い方法だと思います。これよりもさらに強い対策となると、現在の特措法の範囲内でできることは限られています。また、電車の本数を減らすといったことすれば、かえって人が密集してしまう可能性もあるため慎重に検討する必要があります。

●水晶浜と竹波海水浴場の海開きは7月9日に延期 福井県 7/3
新型コロナウイルス感染拡大により県独自の緊急事態宣言が出されたことを受け、福井県美浜町の竹波区は7月3日に予定していた水晶浜海水浴場と竹波海水浴場の海開き式を7月9日に延期する。
6月末に町との協議で決めた。同区の澤田忠義区長(61)は「宣言の対象は県全体。延期は致し方ない」と話した。
両海水浴場の海開きは2年ぶりで、感染防止を呼び掛ける看板の設置やシャワーの定期的な消毒などの対策を講じる予定。

●添乗員は見たコロナ禍の「密告ツアー」の修羅場 7/3
コロナ禍で旅行業界は苦境の真っ只中にある。外出自粛の要請は長引き、観光地から人の姿が消えて久しい。夏本番を迎え、旅心をかき立てられている人も多いことだろう。そんな厳しい状況にある旅行業界は、以前よりアクシデントが日常茶飯事であり、そのしわ寄せはすべて添乗員に行ってしまう。
理不尽なのは客だけではなく、旅行代理店、土産店などで働く“ギョーカイ人”も同様だという。67歳の現役派遣添乗員の梅村達氏の著書『旅行業界グラグラ日誌』より、現場での抱腹絶倒なエピソードを一部抜粋し再構成のうえ紹介する。
2019(令和元)年までの旅行業界およびその関連業界は、順風満帆という言葉そのままのイケイケ状態であった。海外から日本を訪れる観光客数は、直近の数年にわたって右肩上がりを続けていた。その状況を見こんで土産物業者が施設を拡充したり、ホテルが続々とオープンしたりと、業界は拡大の一途をたどっていた。
京都などの有名観光地においては、外国人ツーリストたちでひしめき合う状況が、ごく普通の光景となっていた。私も添乗業務で、京都の清水寺をしばしば訪れる。いつ行っても外国人だらけというのが、近年の清水寺事情である。
京都はまた修学旅行の、定番中の定番コースでもある。外国人たちに加えて、修学旅行の大集団に遭遇しようものなら、添乗員は大変なことになってしまう。団体ツアーで清水寺へ行くには、観光バスの駐車場から寺へと続く参道を、5分ほど歩かなければならない。その両軍団で大にぎわいの参道ともなると、心理的に5分が遥かなる道のりとなってしまうのだ。
満員電車なみの人ごみの中を、40人もの集団を引き連れて歩く様子を、想像していただきたい。参加者の中から迷子が出ることも、珍しいことではない。そんなことになったら、添乗員は冷や汗ものだ。
周囲はおびただしい人だらけで、騒音に取り囲まれて、迷子からかかってきたケータイの声も、ろくろく聞き取ることもできない。迷子を見つけるまで、イヤな汗が流れ続ける。
それは何も清水寺に限ったことではない。名にしおう観光地ともなれば、多かれ少なかれそのような添乗員泣かせのことが、繰り広げられている。観光大国となりつつあるニッポンの、狂騒曲の1コマなのである。
業界のイケイケ気分は、2020年の東京オリンピック開催決定で、いやが上にも盛り上がる一方であった。ところが新型コロナウイルスの世界的な感染大流行(パンデミック)によって、状況は一変してしまう。わが世の春を謳歌していた業界は、急にハシゴをはずされて、転落の一途を余儀なくされてしまった。
平和産業たる旅行業界の被害は甚大で、業界内のあらゆる企業が惨憺たる事態におちいってしまった。その中で仕事を得ている添乗員もまた、もちろん例外ではない。半年ほど仕事は、完全にストップ。それでもコロナの勢いが下火になって、国内ツアーの添乗業務は、秋頃からじょじょに復活し始めた。けれども海外ツアーは2020年の末現在、仕事再開の目処はまったく立っていない。
それに対して添乗員たちは、大別すると次の2つの処し方で、厄難をやり過ごそうとしている。まず大方は国内の添乗業務にスライドし、海外ツアーの復活を待つことにするという対処の仕方だ。
一方これを機に、転職してしまった人も少なくない。その人たちも、2通りに分類される。 とりあえずは様子見で、別の仕事についているというグループ。そしてこの騒動を潮に、すっぱりと添乗員から足を洗ってしまった人たちだ。添乗員というのは、収入が不安定な浮草稼業である。今回の感染症の大流行で、改めて寄る辺なき脆弱な職業ということを、身をもって思い知らされた。
そこでダメージを受けた業界を救済するという目的で、政府のキモ入りで「Go Toトラベル」事業がスタートした。
国の支援を受けて秋口になって、ぼちぼちと国内ツアーは復活してきた。私も2020年10月の終わり頃から、添乗業務を再開するようになった。といっても相変わらず疫病に罹患する人は多く、出発するツアーも、まばらではあったが。
私の乗った観光バスが、高速道路を走る。対向車線に目をやれば、観光バスとすれちがうことは、ほとんどなかった。サービスエリアに立ち寄っても、他のバスは滅多にいなかった。
観光地や土産物店に寄っても、同じことである。本来ならば1年で最もにぎわいを見せる紅葉シーズンに、団体ツアーの客足はいまひとつであった。
それでも秋が深まるにつれて、ツアーの参加者がぽつりぽつりと増えてきた。ひじょうにありがたいことなのであるが、困ったことも起こった。
バス内のトラブルでもっとも多いのが、ケータイに関するものである。大声でしゃべる、長時間にわたって会話をするなどの迷惑行為が、まれにある。次に多いのが、リクライニングシートを倒すことで起きるもめごとだ。たいていはシートを倒すことは禁止と言うと、収まるものである。
だが知り合いの添乗員のバス内では、女性どうしが髪をつかみあうケンカにまで発展したこともあったという。
はやり病が収束を見せない中でのバスツアーでは、新種のトラブルが出現した。
ウイルスに対する意識は、人さまざまである。見えない敵に対して過剰に反応する人がいる一方で、ほとんど気にかけないという人もいる。
感染にのほほんとしたグループが、話に花を咲かせている。それに対して意識が対極的で、かつ気性の激しい人が注意をした。そうして言い合いになってしまい、バス内の雰囲気が悪くなってしまったことがあった。
またコロナ禍のバス内では原則、食べることは禁止となっていた。けれども移動時間の長い折など、ビスケットなどの音の出ない食べ物を、こっそりと口にしのばせる人もいたりする。それを見つけて、私に知らせに来る人がいた。
マスクを一時的にはずして、食べ物をつまむぐらい、個人的には目クジラを立てるようなことではないと思う。立場上、ツアーの参加者を前にして決して言うことはできないことであるが。
だが、そういう場合に添乗員が何も行動を示さないと、確実にクレーム沙汰になってしまう。そこでなるべくやんわりと、隠れ食いをした人に注意するようにした。
そのようなことが何度もくり返されると、本来ならば愉しむために参加しているバス旅行が、いつしか密告ツアーめいた趣になってしまうのが、そら恐ろしかった。 

●緊急事態宣言解除後 新規感染者 20代で増加 7/3
新型コロナウイルスによる京都府の緊急事態宣言が先月21日で解除されたあと、府内では、20代の新規感染者が増加していることが分かりました。京都府がホームページで公表しているデータを分析したところ、宣言最終日の先月20日の直近10日間の新規感染者は204人、宣言解除直後の先月21日からの10日間の新規感染者は136人で、新規感染者は34%減少しています。一方、新規感染者を年代別で見ますと、60歳以上は宣言解除直前の57人から宣言解除後に13人となり8割近く減少したのをはじめ、各年代で新規感染者が減少していますが、20代だけは2人増加しました。また40代はわずか2人減少しただけで、全体的に若い世代で減少が少ないことが分かりました。この分析結果に対し京都府は、変異株は感染力が強く引き続き予防対策を徹底してほしい。特に自分自身が感染しないことはもちろん、家族や友人に感染させないためにも、マスクの着用や手洗い、また3密にならない工夫を心掛けてほしいと話しています。

●3日の横浜市 101人感染、市立中クラスター拡大 7/3
新型コロナウイルス感染症を巡り、横浜市は3日、10歳未満〜80代の男女101人の感染を新たに確認したと発表した。重症1人、中等症4人、軽症89人、無症状6人、調査中1人で、うち70人の感染経路が不明。
市内の接待を伴う飲食店では従業員1人の感染が新たに判明。同店では従業員4人の感染が確認されており、市は新たなクラスター(感染者集団)と認定した。同店従業員約40人が検査を実施中という。
既に確認されているクラスター関連でも感染者が拡大。市立中学校では教師1人の感染が新たに分かり、感染者は計13人となり、市内の不動産関連の事業所では従業員1人の感染が新たに判明し、計8人となった。

●国内で1881人感染、9人死亡 東京はステージ4相当 7/3
国内で3日、新たに1881人の新型コロナウイルス感染が確認された。東京716人、神奈川254人、千葉157人、大阪148人など。厚生労働省が同日までに公表した6指標では、東京は人口10万人当たりの新規感染者数など三つの指標がステージ4(爆発的感染拡大)相当だった。
死者は北海道と千葉で各2人などの報告があり、計9人だった。厚労省によると、重症者は501人で前日より10人減少した。
東京の感染者数は前週の土曜日より大幅に増加。感染状況を示す指標では、新規感染者数に加えて療養者数と感染経路不明の割合についての指標がステージ4相当だった。
 
 
 

 

●宮古島「来島控えて」 東京や大阪の緊急事態宣言明けで観光客が増加 7/4
沖縄県宮古島市の座喜味一幸市長は1日、市役所で会見し、県外から多くの観光客が来島していることを踏まえ「県内に緊急事態宣言が出ている間は、観光を目的とした来島を控えてほしい」と呼び掛けた。
市によると、東京都や大阪府などに発令されていた緊急事態宣言の解除以降、多くの観光客が来島しており、飲食店では行列も見られる。
座喜味市長は、変異株の「デルタ株」が島内に持ち込まれて感染が再拡大する懸念があるとし「やむを得ず来島する場合は事前にPCR検査を受けるか、空港での受検に協力してほしい」と呼び掛けた。
市民には、不要不急の島外への移動自粛やワクチン接種への協力を求めた。

●五輪目前、再宣言不可避の見方 政府など無観客含め調整へ 7/4
新型コロナウイルス感染が再拡大する東京都に関し、東京五輪直前にも緊急事態宣言の再発令に踏み切らざるを得ないとの見方が強まっている。専門家は今月中旬には感染者がさらに増えると分析。8日には国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が来日予定で、政府、大会組織委員会、都などは早ければ週後半にも五輪の在り方について、無観客とすることを含め調整を急ぐ。
田村憲久厚生労働相は2日の記者会見で、東京の扱いに関し「宣言発令、まん延防止等重点措置の延長に消極的ではない。必要があり効くならやろうという思いはある」と述べ、宣言再発令を否定しなかった。
内閣官房資料(1日時点)によると、東京の10万人当たりの直近1週間の新規感染者数は26人。宣言発令の目安となるステージ4相当(感染爆発)に達しており、なお増加傾向にある。
厚労省の専門家会議には、今月中旬に都内の新規感染者は1000人を超えるとの分析が示されている。同会議メンバーは「宣言を出すか出さないかではなく、今の焦点はいつ出すかだ」と指摘。「増えてから宣言を出すのでは遅い。早くすべきだ」と訴える。
判断の遅れは医療提供体制の逼迫(ひっぱく)につながりかねない。政府関係者は「たとえ今は病床に余裕があっても、感染者が増えれば保健所などがパンクする」と懸念を示した。
政府は8日に、11日が期限の東京都、埼玉、千葉、神奈川各県への重点措置の延長と、それ以外の6道府県の解除を決定する方向だが、感染がさらに加速すれば五輪開幕前や開催中の宣言再発令は現実味を帯びる。沖縄県は宣言延長の可能性もある。
こうした流れを見越してか、組織委の橋本聖子会長は2日の記者会見で、五輪に関し「無観客も覚悟しながら対応できるようにしたい」と言及。東京都の小池百合子知事も会見で「無観客も軸として考える必要がある」と足並みをそろえた。政府高官は「菅義偉首相は観客の有無にこだわっていない」と明かす。バッハ会長来日に合わせた5者協議で対応が決まる見通しだ。
一方、政府は東京の感染状況の悪化に伴い、飲食店での「酒類の提供を再び停止する」との姿勢を一時示したが、具体化していない。小池知事の入院による都の「トップ不在」も影響したとみられる。
今後の感染対策の在り方をめぐっては、政府内に飲食店へのさらなる打撃を懸念する声が根強く、対策強化を求める専門家との調整が難航する可能性もある。

●感染再拡大 ワクチンの戦略的配分を 7/4
国から自治体への新型コロナウイルスワクチンの供給が滞っている。千葉市や神戸市などでは新規予約を一時停止する事態になっている。
ワクチンが不足しているなら、政府は感染リスクが高く、接種体制が整っている地域に優先供給する「戦略的配分」も検討すべきだ。
大阪府の吉村洋文知事は2日、河野太郎ワクチン担当相と面会し、「リスクの高いエリアに早く供給していくことが国家的に必要だ」と訴えた。首都圏の1都3県の知事も感染リスクの高い地域への重点配分を国に要望した。
国はこうした意見に耳を傾け、感染阻止のあらゆる手段を講じなければいけない。
河野ワクチン担当相は「ワクチンは不足しているわけではない」としてきたが、接種の加速化に供給が追い付いていない。職場接種の再開も見込めない。
すでに配分したワクチンが一部の自治体や医療機関で、接種予定がなく「在庫」になっている可能性もある。都市部では新型コロナウイルス感染症の再拡大が強く懸念されており、未使用分を蓄えておく余裕はないはずだ。国は精査の結果を示してもらいたい。
東京都では3日、新規感染者数が716人に上った。感染拡大の傾向は顕著で、7月中には1千人を超えるとの試算もある。
政府は1都3県で7月11日まで適用されている蔓延(まんえん)防止等重点措置を1カ月程度、延長する方向で調整を行っている。
しかし、延長だけでは不十分だ。緊急事態宣言が重点措置へ移行して感染者数が増えたのだ。これまでにない対策を取らなければ改善は見込めまい。
感染拡大の背景に感染力の強いインド由来の変異株「デルタ株」の存在がある。関東地方では流行の30%前後を占めるとされる。7月半ばには50%を超え、従来株から置き換わる可能性がある。
大阪府では4月、従来株が英国由来の変異株に置き換わる過程で急激な感染拡大に襲われた。同じことが首都圏でも起こりうる。
良いニュースもある。1回でもワクチンを接種した高齢者は6割を超えた。新規感染者に占める65歳以上の高齢者の割合は着実に減ってきている。ワクチンはデルタ株にも有効だ。
都市部で流行を抑えられれば周辺地域への伝播(でんぱ)も防げる。

●子どもたちに“大切”なものは?コロナ禍で疲弊する先生たちの緊急事態宣言 7/4
2020年春、学校から子どもたちの歓声が消えた。すべての始まりは2月27日、当時の安倍晋三首相が“休校宣言”をしたこと。突然の“宣言”により3ヵ月に渡って学校での学びが止まった。休校期間中の5月から取材を進め、現場で目にしたのは先の見えない感染対策と増える教師の負担だった。「まさか、こんな日が来るとは」と誰もがそんな思いを抱えていた。
ソーシャルディスタンスに膨大な消毒作業、楽しかったはずの給食もただ黙々と食べるだけに。教育現場では、子どものケアをするにつれて、教師の仕事量は増え、“働き方改革”どころではなくなっていく。子どもたちにとって“大切”なことは何だろう。教師が子どもたちに出来ることは何なのか。3度目の緊急事態宣言が明けた今、コロナ禍であぶり出された、学校が本当に大切にするべきことに迫っていく。
子どもも大人も、みんな悩んだ
埼玉県新座市立野寺小学校の本格的な1学期は、入学式と共に2020年6月1日から始まった。児童数は650人(取材時)。全員が手洗いを済ませてから、それぞれの教室に行き、着席する。闘い続けたコロナ禍の1学期。取材当時は4年1組の担任だった平澤英子先生は教壇に立った。感染対策のため、この日は午前と午後に分かれての分散登校。クラスの半分が揃った4年1組で平澤先生が開口一番、子どもたちにこの3カ月は大人も先生も悩み、そして悩むことは悪くないことだと伝えた。
「これほど大人が悩んでいる姿を見るというのは初めてだったのではないでしょうか。おうちの人も社会全体でも。世界中の人が初めてのことで、非常に悩んでどうしたらいいんだろうって。いろいろなことを試し、うまくいかなければ、もっとどうしたらいいのだろう。そういう3カ月だったと思います。でも試してみる、うまくいかない、また試してみるというのは、学校生活で今までやってきたことと実は同じ」しばらくは午前と午後に分かれての分散授業が続くため、平澤先生は会えない友達へのメッセージをホワイトボードに残そうと提案。「どうしたらクラスの絆を保てるか」を懸命に考えたアイデアだった。
初日の子どもたちの様子を振り返るが、先生たちの感傷も一瞬。待っていたのは児童の座席一つ一つの消毒作業やトイレの清掃。やらねばならないたくさんの仕事を後回しにしての作業だった。そんな中でも、平澤先生が一番大切にしていたのは子どもたちとの「日記」だった。「放課後の仕事の中で私はこの日記を見るのが一番楽しい時間です」とほほ笑む。
嬉しかったことや楽しかったことだけでなく、悲しかったこと、不安や相談など子どもたちの喜怒哀楽が詰まっている。そして、日記には必ず返信を添えていた。「久しぶりの給食が静かすぎて寂しかった」と書いた子には「本当にそう思います」と返し、「分散登校中の寂しさを克服した」という子には笑顔のマークで応える。しかし、そんな大切な時間が危機に瀕していた。
教育現場で一番大事な仕事は何?
先生たちの出勤は早い人で早朝。朝6時や6時半に出勤する人もいた。まだ幼い子がいて、早く帰らざるを得ない先生の早朝出勤は当たり前だった。毎日夜9時近くまで残業が続く平澤先生も、朝7時半には出勤している。
学校に着くと教室に向かい、そこからは息つく暇もないほど仕事が押し寄せた。集金、小さなトラブル処理、子どもたちの健康管理など仕事は山積み。それでも、仕事をこなしながら子どもたちの顔を見て、コミュニケーションをしっかりと取っていた。「先生は先生の中でもベテラン」「学校を支えている人」「みんなに優しくて、怒るときは叱ってくれるし、面白いし、いろいろ教えてくれる」と子どもたちからも人気者の平澤先生。
平澤先生の授業は、先生自身が考え出したアイデアで楽しい授業を心掛けてきた。子どもたち同士、互いに教え合う“ミニ先生”も学習指導要領が変わるずっと前から続けてきた。子どもたちに任せることは時間がかかることも分かっていたが、これらが子どもたちの自主性を育むことを平澤先生は実感していた。2020年から小学校の学習指導要領は大きく変わり、児童の好奇心を伸ばし、自ら関わらせることで問題解決能力を育もうとするアクティブラーニングの実施やそれに伴う評価基準の見直しなど、授業の準備や成績をつける時間が膨大に膨れ上がった。一方で、働き方改革の流れで残業時間は月45時間に制限。やらなくていいところを積極的になくすため、この学校では「学級だより」を月2回という基準にし、回数を減らしたりするなど、教師の負担になる業務を見直しているという。しかし、その方針は大切な何かを失っていくようだと平澤先生は感じていた。
「日記」は大切なコミュニケーション
ある日、1日の終わりに読んだ日記には、男の子から先生へのお願いが書かれていた。その内容は、「自分の発表を友達にきちんと聞いてもらうのはとても難しいです。先生も解決に協力をお願いします」といった相談だった。男の子にとってみんなの前では言えなかったこと。だからこそ、平澤先生はこの時間を大切にしているが、21時が近づくと、校長先生から帰宅を促される。自宅に帰るとすでに家族は夕食を終えていた。夫や娘とも時間が合わず、一人の夕食もすっかり慣れてしまった。
平澤先生が教師になったきっかけは2人の娘が生まれたとき。育児をする中で小学校教育がいかに大切かを知ったことがきっかけだった。そして、30歳を過ぎてから初めて教壇に立った。平澤先生の2人の娘に「先生になりたい?」と尋ねると「思わない」と即答。「楽しそうだけど大変そう。土日も学校に行くので、結局好きなんだよね」と話す。
日記に書かれていた相談事は、翌日の朝の会で切り出され、解決に至った。「話の聞き方」について話し始めた平澤先生。「自分が発表していたら、急におしゃべりが始まって聞いてくれなくなったらどうする?想像してください」と子どもたちにイメージさせ、「ちょっとイヤな気持ちになる」「僕のときだけ聞いてくれないのかな」「ムカつく」「悪いことしたのかな」とどんな風に感じたのか発言してもらい、“自分事”と捉えてもらった。先生が自分の相談事に向き合ってくれると、きっと書いた本人の心にはいつまでも残り続ける。
自分を守るための「働き方改革」
一方で若手の先生にとってコロナ禍での教室は「過酷」の一言だった。取材当時2年1組担任の石川静香先生は、走り続けるような1日を送っていた。お昼は後ろで児童たちを見守るように給食を食べる石川先生。この位置は子どもたちの視界からいなくなる場所でもあり、ふと、疲れた表情を見せる瞬間もあった。
「授業数も多いし、気を配らなきゃいけない子の数も多いので、いろいろなことがおろそかになる」と石川先生はこぼす。「コロナがいつか終わるという気持ちで今、頑張れている?」と問うと、「本当それですよね。戻らなかったら困る。もう結構しんどいですよ。あと1カ月かな、みたいな」と話した。石川先生は17時30分までに学校から出ると決めている。教師になる夢を胸に、故郷の山形から出てきたときには思いもしないことだった。しかし今は、それが自分を守る唯一の方法だと考えている。
周りの先生のことを聞くと「働き過ぎです。我々の仕事は、やろうと思ったらいくらでもできる。でも、自分で区切りをつけないとずっと働けるんです。夜中の12時まで。私の行動だって働き方改革の一つじゃないかなと、定時ちょっと過ぎに帰るって」と訴えた。教師の働き方を変えるには思い切った行動を起こさないと変わらず、「本当に国レベルで変わらないと。経済的に世界も危機的な状況を迎えたにも関わらず、学校制度って変わったりとか緩まったりとかしなかったわけじゃないですか。もう無理なんじゃないかな」と諦めの言葉を口にした。
勤務時間の削減を求められる一方で、減らない仕事。そんな中、またしても新たな仕事が生まれた。集金時に出納簿を作るという仕事。教師たちからもさまざまな意見が飛び出したが、教育委員会からの「指導」という名の決定事項で、事実上、聞き入れるしかなかった。
「子どものため」の仕事は大事だけど…
野寺小では、月に1度、早く帰ることを習慣づけるため、全員17時30分までに退勤するという独自に設けたルールがある。平澤先生も従うが、時間までに仕事が終わらず、慌てる先生の姿も。本来の退勤時間は17時30分。しかし仕事は終わらず、家に持ち帰る先生もいた。さらに、学校が休みの日も出勤。休日出勤は最小限にするよう言われているが、児童の個人情報が詰まったパソコンなどもあり、持ち帰れない仕事も少なくない。
「休日を全部休んだら平日が苦しいかな」と話す平澤先生。休日出勤していた別の先生も「電車とバスだとノートを持ち帰れない。成績も持ち帰れないし、テストも持ち帰りたくないし。(成績表を盗まれたら)こっちが被害者でも、教師は加害者になっちゃう」と複雑な心境を明かす。平日は少しでも子どもたちといたいと思えば思うほど、休日に仕事が押し出される。矛盾に満ちた日々に、平澤先生ほどのベテランでさえも心と体の限界を迎えていた。仕事や授業時間も増え、コロナ禍で雑務が増え、普通の業務でさえ終わらないのだ。
「働き方改革とか、そういう意味で言うとコロナ以前の問題。コロナでいろいろ考えましたけど、根本的に変えないとダメだと思っています。昔からの書類もあって何も減らさないまま、ずっと増え続けている。例えば、『日記を減らすとかできない?』と言われるんですけど、学級通信も日記も私にとっては減らしてはいけない部分。優先順位として子どもとつながる、おとなしい子でも何か私に思ったこととかなんでも書けたりして、それは減らしたくない部分なんです」(平澤先生)そこで、少しでも力になろうと先生のピンチを知った保護者たちが動き出した。本来の仕事に集中してほしいと放課後の消毒作業をかってでた。教師や保護者、その善意の上にしか成り立たない教育とは一体何なのか。
教師たちは「このままでいいはずがない」と改革を模索し始めた。本当に大事なことをするために減らせる仕事は何なのか。事務作業、集金、連絡網などどうしたら仕事が軽減できるか、教師として大切な仕事は何なのか話し合った。「みんな働き過ぎ」と言っていた石川先生は、「大事にしなきゃいけないことはいっぱいある」と主張し、担任の役割は「子どもたちの変化に気付くこと」だと話した。「働きすぎ」と言いながらも、自分の食事時間を削って、ごはんがなかなか食べられない子どもをケアするなど気配りは細やか。身長が伸びた子が授業を受けやすいよう、椅子の高さも調整していた。
さまざまな雑務が増える一方で、子どもたちの楽しみは減っていった。プールは中止され、音楽の授業も歌は歌えない。そんな中、先生たちはなんとか子どもたちに楽しい経験をさせたいと社会科見学を計画した。校長先生の許可も下り、学校らしい日々が戻ってくるはずだったが、新座市の定例校長会議で教育委員会から告げられたのは「12月までの郊外活動は承認しない」こと。先生たちが準備していた社会科見学もできなくなった。
子どもにも先生にも「エール」を!
子どもたちに何一つ楽しみを作ってあげられなかった1学期。そこで平澤先生は、子どもたちと“ドロケイ”で遊ぶ際にwithコロナのルールを独自に作ることを提案。接触せずにどう楽しめるのか、子どもたちはアイデアを出し合った。遊び終わって教室に戻ると早速ルールの改良に着手。どうすればもっといいルールが出来るか、子どもたちは意見を出していく。
いつだって子どもたちは日々、成長している。別の日も教室に置いていたペンをきれいに整頓してくれたのを見て「うれしい。誰かが揃えてくれると疲れが飛ぶというか、ありがたい」と平澤先生はほほ笑む。9月18日、あまりに短く、長かった1学期の終業式を迎えた。この1学期を通して平澤先生が心に残ったエピソードを語り始めた。黒板には少し開かれたドアの向こうから見える地球が描かれている。
「地球に住んでいる子どもたち、親も含めて、こんなに格差があるんだと知ったと思います。ちょっと地球を世界、他の国ってどうなっているんだろう、地球ってどうなっているんだろうと扉を開けた学期かなと思っています」成績表を渡すのも一人一人目を見て話しながら渡す。未曽有の災いの中、教師たちは精一杯のエールを子どもたちに送り続けた。でも、本当は先生もエールが欲しかったのかもしれない。
平澤先生が見ていたのは一学期、最後の日記。その中には「一学期、楽しかった」と書かれていた。それは子どもから先生の最大のエールだ。  

●五輪中の緊急宣言「あり得る」 厚労相、無観客も想定 7/4
田村憲久厚生労働相は4日のBS朝日番組で、今月下旬からの東京五輪期間中に、新型コロナウイルス緊急事態宣言を東京都などに発令する可能性に関し「国民の健康、命が大事だから、当然あり得る」と述べた。無観客での実施が想定されることにも言及した。
ただ「緊急事態宣言を出せば自動的に(感染者数が)減るというものではない」として、効果的なタイミングや打ち出す施策を踏まえて検討を進める考えを示した。
五輪の観客を巡っては「再び東京で発令されれば、無観客ということも当然想定される」とし、大会組織委員会や東京都などと協議する見通しを明らかにした。
 
 
 

 

●緊急事態宣言解除 感染対策しつつも行動範囲広がる 7/5
新型コロナウイルスに対する不安・ストレス度
定点指標の「直近1週間の不安度」は7p減の35%、「将来に対する不安度」は6p減の48%、「直近1週間のストレス度」は、4p減の42%といずれも先月より減少。不安度、ストレス度ともに今年の最低値であり、特に不安度は著しく低下。<図1>項目別の不安度も、先月に続きほぼ全項目において減少した。「重症患者増加による病床逼迫」「日本の経済が悪くなる」「他人に感染させてしまう」「感染がわかったあとの周囲の反応」「家族が感染する」に対する不安の低下が目立つ。 <図2>緊急事態宣言が解除されたこと、64歳以下の人へワクチン接種、集団・職域接種なども開始されたことが影響したとうかがえる。
外出条件と外出時期
国内の範囲を問わず自由に外出できる条件としては、「ワクチン接種の進行状況による」と「感染者数の減少による」が拮抗している。男性は「ワクチン接種の進行状況による」、女性は「感染者数の減少による」とした人が多い。<図3>また、気がねなく外出できる時期を行先別に聴取し、5割を超える人が「外出可能」とする時期を確認した。年内中に外出可能としたのは「飲食店」「アウトレットモール・ショッピングモール・百貨店」「家族に会う」「友人・知人・恋人に会う」など。年明けすぐには「水族館・動物園・植物園」「県境を越えない国内観光旅行」「スポーツジム」「温泉・スパ・スーパー銭湯・サウナ」など。年明けまで期間がかかるのは、国内旅行、屋内・屋外大型集客イベント、密になりやすい施設であった。
コロナ前と比べた外出に対する気持ちの変化
コロナ禍により”行きたいと感じる気持ちが強まった”外出先は、「県境を越える国内観光旅行」31%、「友人・知人・恋人に会う」28%、「飲食店」27%など。体験や経験を代替手段で楽しめない(満足できない)のは、 「県境を越える国内観光旅行」29%、 「友人・知人・恋人に会う」22%、 「海外観光旅行」21%である。 <図5>コロナ禍に外出した際の気づきとして、人が少なくて安心、ゆったりできる、マスク着用率の高さ、消毒液設置や換気のよさ、フットマークなどソーシャルディスタンスへの対応など感染予防対策が多くあがった。また、近くてもこれまで足を運んだことのない所へ行って良かった、など新たな発見を楽しんでいる。<図6>代替手段のない国内旅行や友人などとの飲食を切望している様子が見受けられ、感染対策を講じていることを実際に見て安心している人も多いことから、感染対策を徹底したところへ、人々は足を向けると推察される。

●リンクアンドコミュニケーション 7/5
緊急事態宣言期間中は、自炊のメニューが10品/月程度増加
論文の結果を基に試算すると、緊急事態宣言期間中の1ケ月の平日(※)で自炊のメニューが10.1品増えており、在宅ワークを行っているひとは4.2品/月多いことが分かりました。一方、子どもと関わる時間が5時間以上増えた人では、5.9品/月減少、また、うつの傾向がある人はより少なく、14.3品/月減少という結果でした。
※ 本研究で定義される『緊急事態宣言期間』は2020年4月7日〜5月13日であり、緊急事態宣言前(2020年1月1日〜4月6日)と比較した結果を示しています。ここでは、緊急事態宣言前に、自炊のメニューを毎日10品食べていた人を基準として試算しています。
「在宅ワーク」を行っている女性は、月に野菜106g、果物65gの摂取量が多い。一方で「子育て時間」が5時間以上増加した女性や45歳未満の人では減少傾向
論文の結果をもとに試算すると(※2)、全対象者の結果では、緊急事態宣言期間中に野菜の摂取量が1ヵ月あたり261g(レタス0.8個分 ※3) 増加していました。
「在宅ワーク」を行っている人は78g/月(レタス0.2個分)多く、なかでも在宅ワークを行っている女性では、106g/月(レタス0.3個分)多いという結果でした。一方で、「子育て時間」が5時間以上増えた人のなかでも、女性および45歳未満の人では220〜271g/月の減少傾向がみられました。「うつ傾向がある」人では、さらに少なく月に324g(レタス0.9個分)減少という結果でした。
今回の結果により、女性は生活様式の変化により、野菜の摂取量に影響を受けやすい可能性があることが分かりました。
果物の摂取量については(※4)、「在宅ワーク」を行っている人は、全体で59g/月(バナナ0.4本分)、女性では在宅ワークを行っている全対象者よりも少し多く、65 g/月多いという結果でした。男性では、統計学的に有意な差は見られませんでした。女性は食事の質が良くなり、男性よりも在宅ワークの恩恵を受けた可能性があります。
一方で、「子育て時間」が5時間以上増えた人の果物の摂取量も、野菜と同様に減少傾向がみられ、1ヵ月あたり78g(バナナ0.5本分) 減少したことが分かりました。女性と45歳未満の人では、野菜の摂取量と同じく減少していました。これらの人は、緊急事態宣言期間中に育児に費やす時間が増え、野菜と果物の摂取量に影響があったのかもしれません。
また、うつ傾向がある人でも野菜と同じく減少していることが分かりました。
お菓子の摂取頻度は、「一般社員・職員」が4%、「契約・嘱託・派遣社員」が7%増加
菓子類の摂取頻度について、緊急事態宣言前と緊急事態宣言期間中の平日の摂取頻度を比較したところ、緊急事態宣言前よりも4%増加していました。なかでも「一般社員・職員」、および「契約・嘱託・派遣社員」の摂取頻度が増加していました。その他の「管理職」や「自営業」においは統計学的な有意差はみられませんでした。一概には言えませんが、「一般社員・職員」と「契約・嘱託・派遣社員」は、よりお菓子を摂りやすい環境にあったのかもしれません。

今回の調査では、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言期間中の食生活の変化を、健康アプリ利用者のデータを用いて調査したところ、緊急事態宣言期間中の在宅ワークが野菜や果物など摂取頻度の増加しており、全体的に食生活の質が向上したことがわかりました。しかしながら、育児時間の増加や、管理職や自営業以外の人、さらにはうつ傾向がある人の食生活においては、マイナスの影響を及ぼした可能性があるため、注意する必要があるかもしれません。

●北海道の新たな感染28人、死亡5人…五輪マラソン無観客の対策 7/5
5日、北海道全体の新たな新型コロナウイルス感染確認は28人でした。別に再陽性が1人います。5人が亡くなりました。
傾向を見る一つの目安の前週の同じ曜日(28日月曜日27人)を1人上回りました。
新たな感染確認28人の内訳は、札幌市20人(別に再陽性1人)、旭川市なし、函館市なし、小樽市なし、その他の北海道発表8人でした。その他の北海道発表8人の振興局ごとの内訳は、石狩1人、胆振1人、上川1人、オホーツク4人、釧路1人でした。北海道は午後6時すぎからクラスターの発生、拡大の状況などを説明する予定です。
こうした中、鈴木知事は5日午前、東京オリンピック組織委員会の佐藤広・副事務総長、森泰夫・大会運営局次長と会談しました。この会談で鈴木知事は、札幌市で開催されるマラソンと競歩について“観戦自粛”の呼びかけを基本とし、さらにな無観客を目指した沿道対策を求めました。また、東京都が「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」などの対象となった場合の観客について、無観客を含めた措置を地方会場も統一してとることなどを求めました。これに対し佐藤・副事務総長は「地元の意見を尊重して、最大限、感染対策に努めたい」と話したということです。このあと6日には、北海道と札幌市、それに組織委員会による実務者会議が開かれ、マラソンと競歩の観客の感染対策について協議されることになっています。

●1都3県“まん延防止”1か月程度延長軸に 7/5
今月11日が期限となっている首都圏の1都3県へのまん延防止等重点措置について政府は、東京オリンピック閉会後までの1か月程度、延長する案を軸に検討しています。
重点措置について政府高官が「東京オリンピックが終わるまでは延長しないといけない」と語るなど、政府は東京など1都3県について来月8日の閉会式後まで1か月程度延長する案を軸に検討しています。
大阪など6つの道府県については11日の期限で解除となる公算が大きくなっています。
期限を延長する場合、酒の提供を再び禁止するかが焦点です。総理周辺は「新規感染者が増えている以上禁止するべきだ」と述べる一方、政府関係者は「飲食店も酒の提供を再開して一服している。時短営業をより徹底するべきだ」と話すなど意見が分かれています。
また、沖縄県への緊急事態宣言を延長するかについて政府高官は「ステージ4の指標もあり、まん延防止等重点措置への移行は難しい」と指摘する一方、「地元の経済界からは解除してほしいとの声も根強い」として慎重に判断する考えを示しました。 

●コロナ禍で「日本の正規雇用」33万人も増えた訳 7/5
長引くコロナによって「日本の雇用環境」も厳しい状況が続いている。厚生労働省は「コロナに起因する解雇者」が10万8121人(6月25日時点)に達したと発表した。また、帝国データバンクによると、コロナ関連倒産が2020年2月からの累計で1700社以上にのぼる。しかし、コロナ禍の1年間における「雇用環境の変化」を3つの指標で読みとくと、意外な事実が浮かび上がった。
コロナ禍で「正規」雇用者の数は増えている
まずは「労働力調査」(総務省)から、雇用の実態をコロナ前後で比較しよう。
   コロナ禍の1年間で労働市場はどう変化したか
       正規職員・従業員  非正規   完全失業者数
   2019年度   3516万人   2163万人   162万人
   2020年度   3549万人   2066万人   198万人
コロナ禍の1年で完全失業者数が36万人増加した。「コロナ不況」の影響が顕著にあらわれている。就業者数の減少は宿泊業、飲食サービス業が37万人で最多。製造業は19万人減、卸売業、小売業が12万人減となっている。これまでも繰り返し報じられてきた失業の事実だが、人を相手にするサービス業への影響の深刻さを数字が示している。
そして非正規の職員・従業員は97万人減少しているが、これは明らかに業績悪化に伴う雇い止めなどの結果だろう。
意外なのは「正規」が33万人も増加した点である。完全失業者が198万人にのぼる一方で、なぜ、正規の職員・従業員が増えたのか。
正規の増加、内訳をみてみよう。
   2020年度の正規雇用数の前年度比の増減
             男性      女性
   全体       −4万人    +36万人
   うち15−64歳 −9万人    +36万人
   うち65歳以上 +6万人    +1万人
つまり、正規職員・従業員数増加の牽引役は、15-64歳の女性だった。では、15-64歳女性の正規がなぜ36万人も増えたのか。そのカギはコロナ禍の長期化にあった。
産業別の就業者数をみると、「医療福祉」が868万人で17万人(男女計)と最大の増加を示している。このうち自営と役員を除く女性の正規雇用者増加は12万人だった。
さらに、2021年5月分を見ると、「医療福祉」の就業者数は892万人にまで増え、前年同月比で51万人の大幅増となっている。このうち女性の正規雇用者は374万人で、前年同月の351万人よりも19万人増えているのだ。
コロナ禍の長期化で人手不足が顕著となった看護師や介護関連など、医療、介護現場で女性の正規雇用が大幅に増えたものとみられる。
有効求人倍率(求職者1人につき、何件の求人があるかを表す数値)のデータを見ると、2020年度は、医師・薬剤師等2.20倍、保健師、助産師、看護師1.99倍、医療技術者2.63倍など、医療関係は全体(職業計1.01倍)を大きく上回っている。逼迫する医療現場のニーズが、正規雇用を増やしたのだろう。
2割の病院が「離職率2割超」
ただ、正規雇用の看護職員の離職率が20%を超える病院は21.2%(2019年度、日本看護協会調べ)にのぼり、また、人口10万人当たりの就業看護師数でみると、全国平均963.8人に対し、コロナ感染者数の多い東京は792.3人しかいない(2018年末現在、衛生行政報告例)。「夜勤などハードな勤務内容ゆえ慢性的に人手不足だったが、コロナで拍車がかかった。そこにワクチン接種の人材も必要となり、需給は逼迫している」(医療業界関係者)。
これは介護現場についても同じことが言える。介護サービス職の有効求人倍率は3.37倍で、全業種平均の0.94倍を大きく上回っている(2021年5月)。「医療福祉」分野で女性の正規雇用が増えた背景には、切実な人手不足状況があるのだ。
コロナによって正規雇用者の数が増加したことがわかったが、「賃金」はどのように変化したのだろうか。
都道府県別の賃金の状況を見てみよう。ここで用いるのは「零和2年 賃金構造基本統計調査」(厚労省)である。なお、ここでいう「賃金」とは、毎年6月を基準とした給与額(残業代等を除く)を指す。
全国平均は30万7700円で、コロナ前の2019年の30万6000円よりも1700円(0.6%)アップした。都道府県別(男女計)の状況をみると、上位は次のとおり。
   1東京都  37万3600円  
   2神奈川県 33万5200円  
   3大阪府  32万 400円  
   4愛知県  31万4100円  
   5京都府  31万 800円  
全国計を上回ったのはこの5都府県のみである。なお、2019年比でプラスとなったのは、この中では京都のみである。下位は以下のとおり。
   47青森県  24万 500円  
   46岩手県  24万5900円  
   45秋田県  24万6700円  
   44宮崎県  24万8500円  
   43山形県  25万1900円  
最も多い東京都と、最も少ない青森県では13万3100円もの開きがあり、その格差は1.55倍となっている。ただ、下位5県はいずれも2019年比で上昇。格差は若干だが縮小している。
東京の有効求人倍率はコロナで大きく低下
求人状況はどうなっているだろうか。2020年4月の全国平均は1.30倍だったが、2021年4月は1.09倍にまで低下した。都道府県別の状況も同じだが、21年4月の上位は下記のとおり。
   1 福井県 1.77 
   2 岡山県 1.42 
   2 島根県 1.42 
   4 富山県 1.38 
   5 香川県 1.35 
   5 石川県 1.35 
   5 秋田県 1.35 
有効求人倍率で見ると、地方が大健闘している。福井県は地場産業の眼鏡産業をはじめ繊維、電子・デバイスなど製造工場が多く、恒常的に有効求人倍率が高い県である。一方、大都市への通勤者が多い周辺県の数値は概して低めだ。
   47沖縄県  0.71 
   46神奈川県 0.76 
   45千葉県  0.85 
   44滋賀県  0.91
   43兵庫県  0.93
ちなみに東京都は1.14。全国平均を何とか上回ったが、前年の1.69に比べ大幅にダウンした。
産業別の賃金格差もコロナ前後で拡大している。コロナ前の2019年とコロナ禍の2020年で男性の業種別賃金を比較してみた。2020年、最多は金融業・保険業の47万9200円で、最少は宿泊業、飲食サービス業の27万8200円だった。前者は前年比で3.8%のプラスとなった一方、後者は0.18%のマイナスとなり、両者の差は拡大した。
   コロナ前後で「業種別」賃金はどう変化したか
                           2019年      2020年
   1位 金融業、保険業           46万1700円    47万9200円
   2位 教育、学習支援業         45万1900円    42万9400円
   3位 学術研究、専門・技術サービス業 41万6100円  42万0900円
      |
   12位 宿泊業、飲食サービス業     27万8700円    27万8200円
宿泊業、飲食業は、コロナ前から賃金面でも低い水準だったが、コロナが追い打ちとなった。
コロナが変えた「雇用のあり方」
雇用環境をめぐっては男女間、正規・非正規間、業種間などさまざまな形で格差がある。コロナがそれら格差の改善の契機となるのか、さらなる深刻化を招いてしまうのか。
個人の働き方といったミクロな視点から、業種別・地域別の人材需要といったマクロな視点まで、「雇用のあり方」が大きく変化する中で、現状を踏まえた「格差是正」政策の必要性が高まっている。
 
 
 

 

●沖縄県の専門家「まん延防止に移行すべき」 緊急事態11日の終了前に提言 7/6
沖縄県の新型コロナウイルス専門家会議が5日、県庁で開かれ、緊急事態宣言を予定通り11日で終了し、県が地域別に制限内容を判断できる「まん延防止等重点措置」に移行するべきとの意見で一致した。同時に、感染者数が1週間で1日当たりの平均が80人を超えれば緊急事態宣言を発令するべきとの考えもまとめた。
専門家会議の提案を受け、玉城デニー知事が経済界などから意見を聞き取った上で宣言の終了と重点措置の適用を国に要請するかを判断する。
藤田次郎座長(琉球大学大学院教授)は会議後の会見で「離島では感染が減り、自治体によってワクチン接種に差がある」と述べ、地域の状況に合わせた規制内容を決められる重点措置の必要性を説明した。
会議では県外からの水際対策が重要との意見も相次いだと説明。藤田座長は専門家会議の意見として知事に対し(1)宣言や重点措置が出ている地域からの不要不急の来県を避ける(2)来県する場合には事前PCR検査を受ける(3)ワクチンを接種している場合はある程度の行動をしてよい−の3点をメッセージとして発信するよう求めた。
5日の新規感染者は28人。直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は全国最多が続いていたが、28・10人で全国で2番目となった。最多は東京都の29・16人で、全国平均は8・77人。
市町村別では那覇市が16人で最多だった。感染経路は家庭内が6人で最も多く職場内、友人・知人、その他がそれぞれ1人だった。
米軍関係の感染は4日の発表が4人、5日の発表が2人で計6人。合計1461人となった。

●時短拒否4店に都が過料25万円 裁判所決定は全国初 7/6
東京都は6日、緊急事態宣言下で、改正特別措置法45条に基づく営業時間短縮命令に応じなかった飲食店4店舗に対して、裁判所がそれぞれに過料25万円を決定したと発表した。都は決定が確認できたのは全国初としている。
4店舗は1〜3月の緊急事態宣言発令中に午後8時までの時短命令を拒否。都が3月29日、過料を科すための手続きを裁判所に通知した。決定は非公開のため、裁判所に文書交付を申請し確認したという。
裁判所の決定理由には「態様や程度、命令違反による影響などの事情を総合的に判断」との記載があった。都は、店舗の特定につながるとして管轄の裁判所を明らかにしていない。

●所定外給与、5月20.7%増 前年の緊急事態宣言の反動 7/6
厚生労働省が6日発表した毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、5月の1人当たりの現金給与総額は前年同月比1.9%増の27万3777円だった。前年同月を上回るのは3カ月連続。このうち残業代など所定外給与は1万7486円と同20.7%増加した。増加幅は比較可能な2013年1月以降で最大だった。
20年5月は新型コロナウイルスの初の緊急事態宣言が発令されている時期で、その反動が大きく出た。所定外給与の増加幅を産業別にみると「生活関連サービス業、娯楽業」が51.9%で最大だった。「教育、学習支援業」(39.0%)、「製造業」(37.8%)、「不動産・物品賃貸業」(37.3%)と続いた。
基本給を示す所定内給与は24万5086円で0.8%増、ボーナスなど特別に支払われた給与が1万1205円で1.0%増だった。労働時間の回復が給与の持ち直しにつながっている。
ただ新型コロナ前の19年5月と比較すると現金給与総額などはマイナスで、厚労省は感染拡大前の賃金水準には戻りきっていないとみている。 ・・・

●緊急事態宣言中の沖縄に五輪事前合宿で初の海外選手団  7/6
東京オリンピックに向けて沖縄市で事前合宿を行うフランスのバレーボールの代表チームが沖縄県に入りました。全国で唯一緊急事態宣言が出ている沖縄県に、事前合宿のために海外から選手団が訪れるのは初めてです。
フランスのバレーボール男子の代表チーム21人は、6日午前11時ごろ那覇空港に到着しました。選手などは入国の際、新型コロナウイルスについて検査を受けて、全員、陰性が確認されています。選手などは感染防止対策で、ほかの乗客と分かれて到着ロビーに姿を見せました。このあと選手などは十分な間隔を取りながら、事前合宿を行う沖縄市内の宿泊施設に入りました。
全国で唯一緊急事態宣言が出ている沖縄県に、事前合宿のために海外から選手などが訪れるのは今回が初めてです。チームは今月19日まで合宿を行い、選手たちは原則、毎日検査を求められるほか、宿泊施設と練習会場の行き来のほかは外出が認められないということです。
一方、新型コロナウイルスの影響で、沖縄市は、当初予定していた子どもたちとの交流イベントをすべてオンラインに切り替えて実施することにしています。県によりますと、県内では東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿が5つの市町村で行われ、5か国から100人以上が訪れる予定になっています。
宿泊先のホテルは感染対策を徹底しています。国などが定めたガイドラインに基づき、選手などは、一般客と接触しないよう裏口から出入りし、業務用のエレベーターを使用します。客室は1つのフロアを代表チームの専用にし、食事会場も貸し切りにします。選手などはホテル内で、自分の部屋のあるフロアと食事会場しか行き来できないなど行動が厳しく制限されています。
食事の提供など選手などと直接接触するスタッフ40人は毎日、間接的に接触するスタッフは3日に1回、検査を受け、陰性であることを確認します。
ホテルは感染防止対策を徹底する一方で、食事会場に卓球台やテーブルゲームを用意するなど、外出ができない選手などが少しでも快適に滞在できるよう工夫を凝らしています。
フランスの選手などを受け入れるオキナワグランメールリゾートの林百希 総支配人代行は「新型コロナウイルスの影響で修学旅行がキャンセルになるなど、売り上げが大きく落ち込んでいます。厳しい状況が続いているので、フランスの代表チームが滞在してくれるのは大変ありがたいです。ただ、フランスの皆さんは外に出られないので、少しでも沖縄で思い出を作ってもらえるよう、楽しい雰囲気でお迎えできたらと思います」と話していました。

●融通の利かない「シフト制」 コロナ禍で副業探しに苦労  7/6
居酒屋やコンビニの店員など勤務日時(シフト)が一定期間ごとに変動する「シフト制労働者」が、副業探しで苦戦している。コロナ禍で休業が続出するなどしてシフトの調整が複雑化、労働者に伝えられる時期が遅れ、新たな仕事のスケジュールと合わせにくいためだ。休業補償が出ず生活困難に陥るシフト制の「穴」は社会問題化したが、生活維持のための副業さえ難しいという課題も浮かび上がっている。(山田晃史)
「シフトの融通が利くアルバイトはあまりなく、探すのが大変」
東京ディズニーリゾートのショーに出演する契約社員の女性は、仕事が激減した今、副業探しの難しさを痛感している。本業のシフトは1週間分ずつ小刻みに決まり、分かるのは早くて2週間前。女性が副業探しで相手方に、本業のシフト決定のスケジュールを伝えると「もっと早く決めてもらえないと、こちらのシフトが組めない」と断られることが多い。
今の仕事は週5日の勤務日がコロナ禍で週2〜3日に減った。会社からの休業補償では収入減を補えず、シフトが出た後でも探せる1日限りの派遣の仕事で食いつなぐ。「働ける日に仕事があるとは限らず不安定」と語った。
従業員の一部が加入する労働組合なのはなユニオンは今春闘で、兼業しやすい環境整備のためシフトの運用改善を要求。運営会社のオリエンタルランド(千葉県浦安市)は取材に「働きやすい環境の整備を進めており、従業員の要望を踏まえて今後も改善していく」(広報)と答えた。
シフト制労働者が多い飲食業界は、休業や時短が続出してシフト調整が複雑化したことなどから決定が遅れることが多く、労組にはシフト伝達を早める要望が相次ぐ。団体交渉している飲食店ユニオンの尾林哲矢氏は「団交ならば会社の運用を変えられる」と話す。
厚生労働省によると、在職しながら別のアルバイトなどを探す動きは全国でみられ、担当者は「シフト減や休業長期化で収入が減り、その補填のため」と説明。全国労働組合総連合の仲野智非正規センター事務局長も「バイト先の争奪戦が起きている」と話す。特に高齢者は副業も見つからない事態が起きている。
シフト制労働に詳しい川口智也弁護士は「非正規のシフト制労働者はもともとの時給も安く、副業に追い込まれる構図。副業せずに済む補償の充実が必要」と指摘する。

●コロナ禍からの回復で「危険な乖離」発生=IMF専務理事 7/6
国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は5日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)からの回復過程で、富裕国と発展途上国との間に「危険な乖離」が生じていると警告した。
パリ平和フォーラムで、米国など富裕国の力強い成長は「良いニュース」だが、途上国では低水準のワクチン接種率が阻害要因になっていると指摘。「これは成長の統一性に加え、世界の安定性および安全性に危機をもたらしている」と述べた。
同フォーラムに参加した世界貿易機関(WTO)のオコンジョイウェアラ事務局長も同様の懸念を表明。ラテンアメリカ、中東、アフリカなどワクチン接種率が低い地域では成長が非常に低調になる「K字型の回復」について警鐘を鳴らした。

●コロナ禍で人気のハンバーガー店についての意識調査 7/6
コロナ禍でも好調なハンバーガー店についての意識調査(有効回答数1,000名)を2021年6月16日〜6月21日に実施しました。
コロナ禍でも大手ハンバーガーチェーンは好調、新規ハンバーガー業態の出店も相次いでいます。このような状況下のもと、消費者はハンバーガー店を普段どのようにお使いになっているのか、意識調査を実施しました。その結果、丼ものから中華や定食まで、数あるファーストフードの中で70%の方がハンバーガー店を「最も利用する」と回答しています。その理由として、「安くて美味しい」、「手軽だから」、「女性でも入りやすいから」と利便性の高さで選ぶ方が多く、コロナ以前と比べてハンバーガー店の利用率は27%増加しています。コロナ前はイートインが主流でしたがコロナ禍ではテイクアウト利用が増え、主に一人での利用が41%、家族との利用が54%という結果となりました。利用時間は74%とランチ帯が多いものの、夕食がハンバーガーでも抵抗ない70%と、利用時間の幅も広がっています。すでに国民食となったハンバーガーですが、その勢いはまだまだ続きそうです。
調査結果
1:最もよく利用するファーストフードは圧倒的にハンバーガーが1位で70%
2:コロナ禍でハンバーガー店の利用が増えた27%
ハンバーガー店は20代会社員から最も支持を得ていました。20代の学生になると丼ものの利用率が上昇します。テイクアウト利用と家族利用の増加からか、コロナ前後の比較では既婚者の方がコロナ禍で利用が増えたと回答しています。すべての設問で年代、性別、職業、既婚・未婚で集計しています。ご連絡をいただければ、すべての調査結果をお送りいたします。
3:夕食のハンバーガーに抵抗なし70%
全体の70%は夕飯にハンバーガーも抵抗なし、どちらかというと抵抗なしと捉えていますが、既婚者でお子様がいらっしゃる家庭では「栄養のバランスが気になる」といった理由から控える方もいらっしゃいました。しかし既婚者でも66%の方は抵抗なしと回答しています。
4:コロナ前はイートインが主流も、コロナ後はテイクアウト利用が激増74%
5:モバイルオーダー(事前決済)に浸透の兆し、30代40代に広がる
今回の調査結果では、コロナ前とコロナ禍で比較すると、ハンバーガー店の利用実態が大きく変化したことがわかりました。テイクアウト利用はコロナ前で44%でしたがコロナ禍では74%と大きく増加し、デリバリーの利用は微増にとどまりましたが、事前決済も全体の9%もの方に利用経験があり、特に30代と40代で広がりが見られます。本調査ではこれ以外に、一人当たりの購入金額や許容できる提供時間、好きなパティの種類やバンズの種類、好きなサイドメニューや一緒に注文する飲料など全33問で回答を得て、年代別、性別、職業別、既婚・未婚別に集計しています。

●コロナ禍が世界の観光業に与える損失「2年間で4兆ドル」 7/6
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに伴い、海外旅行業界が崩壊したことによる世界経済への損害は、2020年と2021年を合わせると4兆ドルに上る可能性があることが、国連の新しい報告書で明らかになった。
これほどの損失額が推定されたのは、新型コロナウイルス感染症が観光業界に直接もたらした影響に加え、観光業界と密接なつながりを持つ他の分野への波及効果が存在するからだ。国をまたいだ観光客が急減したことで、2020年は2兆4000億ドルの損失が生じた。2021年も同規模の損失が出る可能性がある、と国連報告書は警告している。回復の度合いは、世界全体でワクチン接種がどのくらい進むかによって大きく左右されるという。
報告書の指摘によると、現在は先進国の大半で観光業界の損失が減少している一方で、多くの発展途上国で状況が悪化している。その原因はワクチン格差だ。フランスやドイツ、スイス、英国、米国など、ワクチン接種率が高い国々では、観光業界が比較的早く回復すると見込まれている。しかし、海外旅行がパンデミック前の水準に戻るのは、早くても2023年というのが専門家の見方だ。
報告書による2021年の推定損失額は、観光客のさまざまな減少パターンと、ワクチン接種率を念頭に置いた3つのシナリオをベースに弾き出された。2021年の観光客を75%減と想定した最も厳しいシナリオでは、世界の損失額は2兆4000億ドルになる。このシナリオが現実となった場合に壊滅的な打撃を受けかねないのが、観光業に依存する多数の国々だ。たとえばトルコは、観光業がGDP(国内総生産)の5%を占めている。
報告書の予測によれば、最悪のシナリオが現実となった場合、トルコの観光業は、需要が330億ドル落ち込む計算だ。飲食業、小売業、通信業、運輸業といった関連分野の損失が加われば、GDP減少額は930億ドルと、その3倍になる。観光客の減少で、実質GDPはおよそ9%減となるが、実際には経済刺激策によって、その一部は相殺されると報告書は述べている。
観光業に依存する他国に目を向けてみると、エクアドルも、最悪のシナリオが実現した場合に最も大きな打撃を受ける見込みで、GDPは9%減少する。また、南アフリカのGDPも約8%減になると見られている。

●最も楽観的なシナリオでも7月中に1日の感染数は1000人を超える 7/6
2021年6月30日に開催された第41回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードでは、東京都の感染状況と今後の見通しが議論の中心でした。
図1は、京都大学大学院教授の西浦博先生らの研究データです。東京都の報告日別感染者数の推移に基づく短期予測(今週先週比1.1、1.2、1.3 が継続した場合)を示したものですが、1.1倍の場合でも7月末には1日の感染者数が1000人に達しています。現況は1.2倍ほどで推移していますが、この場合では7月末に1日1500人を超える報告数が予想されています。最悪の1.3倍の場合は、ご覧いただけるように7月末には1日2000人を優に超える感染者数が出ることが見込まれています。
また、西浦先生らは東京都の病床リアルタイムプロジェクションの結果も出しています。これは、流行の時間発展について、特に確保病床・重症病床と流行の関係の見込みについてリアルタイムで把握することを目的に検討されたものです。ここではリアルタイムプロジェクションの結果を示しますが、以下の4点になります。
1.流行の拡大速度は接触率の増大に依存する
2.感染は0〜39歳が多いが、入院は40〜59歳が最多になる
3.重症患者数で見ても4年齢群の中で40〜59歳代が最多となる見込み
4.現在の速度で拡大が続くと、7月後半までに重症患者病床よりも確保病床の方が先にひっ迫する可能性が高い
「1」は、人流の増加と感染者数の増加の関係から見えてくるものです。東京都は現在、繁華街での人流が増加を続けており、特に夜の時間帯が顕著であることを考えると今後、感染者数の増加スピードが加速するリスクがあります。
「2」は年齢別に見た今後の見通しで、感染者数は40歳未満の若い人に多い一方、入院は40歳代から59歳が最多になると予想されています。「3」も関連していますが、重症者もこの年代が最多と見込まれています。東京都北区保健所の前田秀雄先生が提出された資料である東京都の年齢別に見た感染者数の推移を見ると、直近では10歳代の割合が増えてきています(図2)。中学校や高校でのクラスターが発生していることも背景にありますが、10歳代に対する対策強化も急がれます。
「4」は医療者にとってはとても懸念される予測となります。「重症患者病床よりも確保病床の方が先にひっ迫する」とは、軽症や中等症の患者が急増して、その受け入れ施設の容量を超えてしまう危険があるということです。都内の確保病床数は6000床とも言われていますが、実際は3000床を超えると現場がひっ迫すると見られています。この3000床を超えることのないように、人流の増加を抑えていくことが急務と言えます。
インドで初めて確認された変異ウイルスであるデルタ株の影響も懸念されています。図3は、国立感染症研究所の鈴木基先生が提出された資料ですが、 L452R変異ウイルスによる感染・伝播性の増加を示したものです。ご覧のように、感染のしやすさは、アルファ株の実効再生産を1とすると関東で56.1%増加しています。関西は38.2%の増加です。
デルタ株の最大の脅威は、この感染・伝搬性の増加にあります。英国で初めて確認されたアルファ株の時も感染・伝搬性の増加が脅威でしたが、デルタ株はそれを上回っていることに留意しなければなりません。

●東京都で593人が新型コロナ感染 7月6日発表、週平均600人台に上昇 7/6
東京都は7月6日、新型コロナウイルスの感染者が593人報告されたと発表した。1週間前と比べると117人増加しており、前の週の同じ曜日を上回るのは17日連続。直近7日間を平均した1日当たりの新規感染者数は600人台に上昇して602・3人で、前週比は121・7%。70代男性1人の死亡も確認された。
都は6月30日以降、政府の対策分科会が示すステージ4(爆発的感染拡大)の水準が続いている。都の担当者は「急激まではいかないが、感染は確実に広まっている。市中感染のリスクは高まっている」との認識を示した。
新規感染者のうち、65歳以上の高齢者は24人。感染経路が不明なのは388人だった。入院患者は前日から3人増の1677人、うち重症者は6人増えて63人。累計は死者が2241人、感染者が17万7436人。
福井県は7月8日まで独自の「福井県緊急事態宣言」を発令。国の緊急事態宣言対象地域とまん延防止等重点措置対象地域との往来は控えるよう求め、その他の地域は慎重に判断するよう呼び掛けている。全国の緊急事態宣言、まん延防止措置の対象地域は以下の通り。
【緊急事態宣言】沖縄県(7月11日まで)
【まん延防止等重点措置】北海道、埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県(7月11日まで)

●まん延防止、延長する考えの埼玉県知事 病床使用率が上昇 7/6
埼玉県は5日、新型コロナウイルスの専門家会議を開き、さいたま、川口両市を措置区域とし、11日に期限を迎えるまん延防止等重点措置について協議した。大野元裕知事は「これで解除とはならないというコンセンサス(合意)を得た」とし、デルタ株の増加や東京由来の感染拡大を踏まえ、12日以降も措置を継続する必要があるとの考えを示した。
県内では6月13日から19日の1週間の新規感染者の合計は484人(1日当たり69・1人)だったが、6月20日から26日の週は641人(同91・6人)、6月27日から7月3日の週は721人(同103人)と漸増傾向にある。また、7月4日時点の確保病床使用率は19・6%(326人/1666床)、うち重症は12・8%(21人/164床)。国の指標でまん延防止等重点措置を出す目安のステージ3(感染急増)相当を下回っているが、6月下旬以降、新規感染者の増加に伴って病床使用率は上昇に転じている。
知事は県内の感染動向について、県南部の陽性者の多くの感染源が東京由来で、家庭内感染と同等まで増えていると指摘。また、デルタ株(インド株)など未知の要素の懸念についても触れ「措置区域の継続か、広げるかはあと数日間、状況を見ましょうという意見があった」とし、近く専門家会議を再度開き、状況を分析したいとした。
会議に出席した金井忠男会長は「東京に接しているわが県は、今後ともまん延防止等重点措置を継続する必要性がある。東京都がどういう措置を取るのかを見るのは非常に重要」と述べた。 
 
 
 

 

●沖縄県 緊急事態宣言から「重点措置」への移行を政府に要請  7/7
沖縄県は、今月11日に期限を迎える緊急事態宣言について、地域によって感染状況が異なってきているとして、
全国で唯一、沖縄県に出されている緊急事態宣言は、4日後の今月11日に期限を迎えます。
沖縄県は7日午後、対策本部会議を開き、新規感染者数に高止まりの傾向がみられるものの地域によって感染状況が異なってきているとして、政府に対して、地域を絞って重点的に対策を行う「まん延防止等重点措置」への移行を要請することを決め、要請しました。
重点措置への移行にあたっては、新規感染者数やワクチンの接種率を踏まえて対象地域を指定したうえで、外出自粛の要請や飲食店に対する営業時間の短縮要請は継続する方向です。
一方、酒の提供については、今月25日まで自粛を継続したうえで、26日以降は認証を受けた店舗のみ夜7時までの提供を認める案と、4連休を含む今月21日からの5日間に期間を絞って提供の自粛を求める案が検討されています。
玉城知事は、記者団に対し「これまで頑張ってこられた県民の皆様の心情を考慮すると、減少傾向が続いているこの時期にいったん緊急事態宣言を解除し、重点措置に移行したい。厳しめの対処方針を継続すべきと考えている」と述べました。

●「緊急事態宣言」解除後最多 新型コロナウイルス 北海道67人感染 7/7
北海道内では7日、新たに67人の感染が確認されました。50人を超えるのは緊急事態宣言解除後初めてです。札幌市は先月26日以来の30人台です。感染経路不明は21人です。時短要請が出ている旭川市5人、石狩管内4人です。このほか、函館市やオホーツク管内で9人となっています。
新たなクラスターも確認されています。旭川市の会社で6人、函館市の学生寮で13人。
直近1週間の10万人あたりの感染者数は、札幌が7.8人、全道で5.0人、感染状況を示す国の指標の「ステージ3」の15人を大きく下回っています。
病床使用率は6日時点で札幌で17.2%と「ステージ3」の20%を下回りました。全道では15.9%となっています。
道内の7日の感染者数は67人で緊急事態宣言最終日の6月20日以来の50人超えとなりました。

●緊急事態宣言を感染拡大特別警報に切り替え 福井 7/7
杉本知事は7日、新型コロナウイルス感染症に関する臨時の記者会見を開き、県内の新規感染者が減少していることなどから、県独自の緊急事態宣言を9日から一段階下の感染拡大特別警報に切り替えると発表した。特別警報の期間は7月22日までの2週間。
知事は会見で直近1週間の新規感染者数は減ったものの、病床の占有率は依然として特別警報レベルで厳しい状況にあるとして、引き続き会話や会食の際はマスク着用を徹底することや職場内での感染対策を改めて徹底するよう呼び掛けた。
また6月21日から続く福井市順化地区の感染対策特別地域の指定を解除し、今後は同地区の飲食店などの事業者を支援するクーポン券を発行するなど、経済回復に向けた事業に取り組む方針を示した。必要な財源については県の6月補正予算案に盛り込むとしている。

●吉村知事 コロナ禍の女性支援窓口設ける 7/7
吉村洋文大阪府知事が7日、府庁で定例会見にのぞみ、コロナ禍の女性支援のために、事前予約不要の相談窓口を設けることを明かした。14日からスタートするとしている。
吉村知事はコロナ禍において、「女性は雇用・収入の面で男性より減っている」とし、「収入が減った、なくなった」という女性が31%、男性は25%との調査結果を示した。
吉村知事は大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)に相談窓口を設けることを述べ、「事前予約は不要です。1人で悩まずに、ふらっとお気軽に立ち寄ってほしい。カウンセラーが常駐している。1人で悩まずどんどん相談に来てほしい。コロナ禍の相談どんなことでも受け付ける。悩んでいるのはお1人だけではない。同じ悩みを抱えている方とも交流できる」などと述べた。SNSでも受け付けていくという。

●東京都に緊急事態宣言、また出るのか どうなる閣僚会議 7/7
10都道府県に11日までの期限で出されている新型コロナ対応の「まん延防止等重点措置」の扱いについて、政府は7日午後に関係閣僚会議を開いて政府案を固める。首都圏4都県の重点措置を延長する案を軸に調整しているが、感染状況が悪化する東京都への緊急事態宣言を求める声もある。東京のコロナ対応は7月23日に開幕する五輪のあり方にも大きく影響するため、注目が集まっている。
菅義偉首相は6日にも関係閣僚と対応を協議したが、方針が固まらず7日の再協議となった。政府関係者は「首相や官房長官は重点措置派だが、専門家との調整にあたる西村康稔経済再生相が、宣言に言及している」と話す。
閣僚会議の前には、厚生労働省の専門家組織(アドバイザリーボード)の会合も開かれる。専門家が感染状況をどう分析し、どのようなメッセージを発するのかを踏まえ、閣僚らは政府案を固める方針だ。
その専門家組織の一員で、政府案を諮問される「基本的対処方針分科会」の尾身茂会長は7日午前の衆院厚労委員会でこう語った。「オリパラの期間を含めた7月の初めから9月にかけての2、3カ月は、これまでの日本のコロナ対策の取り組みの中でも最も重要な時期の一つだ」
政府内では、東京の感染状況について、専門家が厳しい認識を示すのではないかとの予測が広がる。今のところ政府関係者の間では、東京など首都圏4都県について「重点措置を1カ月以上延長する案が有力」とされているが、専門家が緊急事態宣言を念頭に置いた発言をすれば、政府方針にも大きな影響を及ぼす。

●田崎史郎氏、東京に緊急事態宣言の可能性を明かす… 7/7
7日放送のTBS系「ひるおび!」(月〜金曜・午前10時25分)では、11日に1都3県でまん延防止等重点措置の解除期限を迎えることを報じた。
政治ジャーナリストの田崎史郎氏は、今後の新型コロナの対策として「東京に緊急事態宣言の可能性も出てきた」とパネルに提示。
理由を「政府としては、まだまん延防止等重点措置でいきたいということ考え方なんですね。しかし尾身先生を中心に専門家の方が、東京は緊急事態宣言にした方がいいんじゃないかという話が出てきて」と政府分科会からの意向があると説明。
もし、東京に宣言が発令された場合でも「3県の方はまだ落ち着いていて、増え方が激しいのは東京なので、東京に緊急事態宣言で3県にはまん延防止等重点措置という考え」と3県では現在の対策が継続される可能性が高いとした。
また緊急事態宣言が出された場合の期間については「1か月程度」とし、その上で「オリンピックの間を全てカバーするくらい。まん延防止等重点措置下の五輪なのか、あるいは緊急事態宣言下の五輪なのかということです。(まん延防止等重点措置だとしても)1か月はどっちみちやるつもりで、どちらかとなって来た」とした。
これまでの政府の方針を「(まん延防止等重点措置でという)そういう方向だったですね、実際」と明かし、「(尾身会長が)そういうお考えだということが、政府には伝えられるということ。(菅首相は)どうしたものかと思っていて、今日の5大臣会合で、はたして尾身先生のご理解が得られるのかどうかということを中心に話し合われると思う」と話した。

●東京都で新たに920人のコロナ感染を確認 7/7
新型コロナウイルスの感染拡大に伴うまん延防止等重点措置が続く東京都内で、7日、新たに920人の感染が確認されました。
6月30日(水)と比べ206人増加しました。1日の感染者が900人を上回るのは5月13日の1010人以来です。
都内の感染者は、18日連続で、前の週の同じ曜日の人数を上回り、リバウンド傾向が顕著となっています。直近7日間の感染者数の平均は631.7人で、前の週の124.3%となりました。
一方、新たに3人の死亡が確認されたほか、重症者は1人減って62人でした。

●東京新たに920人感染に「千人超えで東京五輪開会を迎える事態になりそう」 7/7
前東京都知事で国際政治学者の舛添要一氏(72)が自身のツイッターに新規投稿。東京都が7日、新型コロナウイルスの感染者が新たに920人報告されたと発表したことに、コメントした。
900人超は5月13日の1010人以来となった。舛添氏は「驚いてしまうが、本日の東京都のコロナ感染者は920人、先週の水曜日より206人増加」と伝え、「感染者千人超えで東京五輪開会を迎える事態になりそうである」と懸念した。
また「デルタ株の感染も拡大している」と指摘。都内は11日までまん延防止等重点措置の対象期間となっているが、新規感染者数の増加傾向が続いている。「蔓延防止等重点措置の延長どころか、緊急事態宣言再発令も必要な状態になりつつある」とつづった。

●「まん延防止」延長なら酒類停止を 東京都、政府に要望 7/7
東京都は7日、新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」を延長する場合、飲食店の酒類提供を原則停止するなど感染対策の強化を政府に要望した。東京では6日までの新規感染者数が17日連続で前の週の同じ曜日を上回るなど、再び感染拡大している。酒類提供の制限を強める必要があると判断した。
政府は11日を期限として、東京など10都道府県に重点措置、沖縄県に緊急事態宣言を適用中だ。重点措置の対象区域の飲食店は一定の条件を満たせば午後7時まで酒類を提供できる。都は現在、政府より厳しい独自基準を設け、1組2人以内、滞在時間を90分以内として酒類提供を認めている。
都はこのほか、重症者が増えている50代など中高年層へのワクチン接種促進や、飲食店への協力金支給に充てる財政措置の継続なども要望した。 

●雇用の回復、地域で明暗 緊急事態宣言が影響か 7/7
雇用の指標として厚生労働省が毎月発表する「有効求人倍率」をめぐり、新型コロナ対策の緊急事態宣言が繰り返される地域とそれ以外の地域で、回復具合に差が出始めている。営業自粛要請などが地域経済の足かせになっていることをデータが裏付けている形だ。
求人倍率は、求職者1人に対し、求人が何件あるかを示す。有効求人倍率(季節調整値)の全国平均は2019年12月には1・57倍あった。これが20年4〜5月に全国が対象になった1回目の緊急事態宣言を経て、同10月には1・04倍まで低下。都道府県別の倍率も軒並み下がり、20年中はほぼ横ばいで推移した。
21年の都道府県別の有効求人倍率(就業地別)は、動きが2極化している。
1月以降、宣言や「まん延防止等重点措置」が断続的に出ている東京都と大阪府。5月を昨年10月と比べると、東京は0・05ポイント、大阪は0・03ポイントそれぞれ悪化し、まだ底が見えない。同様に宣言や重点措置の対象になった愛知、福岡、沖縄などの地域も回復は0・1ポイント未満と小幅だ。
一方、今年に入ってからは宣言の対象になっていない地域では、数値が大きく回復したところがある。例えば、福井県は昨年10月から0・25ポイント、秋田県は0・28ポイント改善し、コロナ禍前の水準を取り戻す勢いだ。
5月の倍率が1・81倍で全国トップだった福井県は今年、警戒を呼びかける県独自の「緊急事態宣言」を2回出したが、飲食店に酒類の提供自粛などは求めていない。県によると、県内の製造業も求人意欲を取り戻しているという。
企業の採用意欲を表す新規求人数に宣言や重点措置が与える影響を厚労省も注視している。田中誠二職業安定局長は6月29日の記者会見で、「コロナ感染が経済活動に与えている影響を通じ、労働需要にも影響を与えている可能性が考えられる」と語った。
厚労省は、休業手当を払って雇用を維持した企業を支援する雇用調整助成金の拡充などを続けてきた。だがコロナ禍が長引くにつれ、財源不足を心配する声も上がり始めている。
第一生命経済研究所の新家義貴・主席エコノミストは都道府県による差が出ている状況について「緊急事態宣言などが地域の雇用に影響を与えているのは明らかだ」と指摘する。コロナ禍が長引く地域ほど苦しい事業所が増えているとして、「ワクチン接種を進め、感染の早期収束をすることが必要だ」と訴える。

●コロナ禍の社内コミュニケーション 課題だと思う相手は?情報共有が遅い 7/7
人材紹介事業を展開するエイトシークエンスは7月6日、「コロナ禍の社内コミュニケーション課題に関する調査」の結果を発表した。課題だと感じるものの1位は「社内での情報共有が遅い」、課題だと感じる相手の1位は「上司」だった。
課題だと感じるものの1位は「社内での情報共有が遅い」(31.7%)、2位に「部門間・事業所間の連携がうまくいかない」(24.8%)、3位に「職場(業務以外)のことを気軽に相談できない」(21.5%)が続いた。同社は「コロナ禍によるリモートワークの拡大や、食事をしながら会話をする場面が減ったことにより、業務外のコミュニケーション機会が失われ課題を感じるのではないか」と分析している。
課題だと感じる相手で最も多かったのは「上司」(32.8%)で、「同僚」(24.2%)、「社長」(19.5%)が続いた。性年代別でみると、20代女性の約半数(49.2%)が「上司」と答えており、ほかの性年代よりも課題を感じていることが分かった。
社内・社外問わず、相談できる相手が欲しいと感じるかを聞いたところ、全体の51.0%が「感じる」と回答した。性年代別でみると「感じる」と回答した割合が最も高かったのは20代女性の60.7%だった。
不満を聞いてもらえる・相談できる相手として最も多い回答は「同僚」(34.7%)で、次いで「友人」(24.8%)、「上司」(24.0%)の順になっている。性年代別でみると、20〜30代女性は「家族」という回答割合が高くなっており、50代男性の4割以上、30代男性の3割以上は「相談できる相手がいない」という回答だった。
どのような相談相手が欲しいと思うかを聞いたところ、1位は「人として尊敬できる」(49.0%)、2位は「的確なアドバイスをくれる」(46.3%)、3位は「聞き上手である」(32.2%)だった。「相談相手が欲しいとは思わない」と答えた人は、50代女性で7.7%、30代女性で13.6%と全体平均(22.0%)より低い。
アンケートは5月7〜10日に、従業員規模5〜300人の企業で働く全国の20〜50代男女600人を対象に、Webアンケート方式で実施された。

●コロナ禍1年の家計消費の変化−ウィズコロナとポストコロナの考察 7/7
1 コロナ禍の個人消費の推移
コロナ禍が始まり1年余りが経過した。あらためて個人消費を振り返ると、国内で緊急事態宣言が初めて発出された2020年4・5月の落ち込みは、リーマンショックや東日本大震災後を大幅に上回るものであった[図表1]。
   [図表1]消費者動向指数(CTIマクロ)
その後は経済活動の再開を受けて大幅に改善したが、感染再拡大で再び下向きに、改善すれば上向きになることを繰り返しており、足元では未だコロナ前の水準には戻っていない。なお、感染者数は格段に増えているにも関わらず、感染拡大第一波と比べて第二波や第三波による消費の落ち込みは浅い。これは緊急事態宣言発出区域や店舗施設の営業自粛要請が限定的であることに加えて、感染防止対策の習慣化や気の緩みなどから生活者の感染不安が弱まり、人流が減りにくくなっているためだ。
2 家計消費の内訳の変化
コロナ禍で外出が自粛され、非接触志向が高まることで、旅行や外食などの外出型消費や接触を伴う対面型サービスの消費が大幅に減る一方、出前やテレワーク関連製品など巣ごもり消費が活発化している。コロナ禍で大きく変化した消費領域について見ていく。
   [図表2]新型コロナで大きな変化が見られる主な支出品目(二人以上世帯、対前年同月実質増減率%)
1/食〜外食需要の中食・内食シフト
総務省「家計調査」によると二人以上世帯では、外食費が減少する一方、パスタや即席麺、冷凍食品などの利便性の高い食品の他、生鮮肉、チーズ、油脂・調味料、各種酒類、出前などの支出額は増加している[図表2a]。つまり、家での食事回数が増えたことで、手軽に食べられる需要とともに、食事の質を高めたい需要の両面が増しているようだ。なお、出前やテイクアウトなどの中食市場は、コロナ前から利便性重視志向の高い単身世帯や共働き世帯が増える中で拡大傾向にあったが、コロナ禍で対応する飲食店が増えたことで、消費者にとってサービスとしての魅力が高まり、一層需要が増しているようだ。ワクチンにより集団免疫が獲得され、行動制限が緩和されたポストコロナでは、外食需要は自ずと回復基調を示すだろう。しかし、テレワークの浸透で人の流れが変わったため、オフィス街の昼食や飲み会需要などはコロナ前の水準には戻りにくい。既に一部の外食チェーンでは駅前から郊外へ出店戦略を変える動きがあるが、今後はコンビニエンスストアなど他業態の店舗立地も変わる可能性がある。
2/旅行・レジャー〜効果大のGoTo
旅行やレジャーはコロナ禍で大きな打撃を受けている。一方で、政府の「GoToトラベルキャンペーン」の効果で、昨年の夏から秋にかけて、宿泊料やパック旅行費は大幅に回復し、2020年10月の宿泊料は前年同月比+約3割を示した[図表2b]。なお、交通費を含むパック旅行費と比べて宿泊料単体の回復基調が強いのはコロナ禍においては自家用車などのセルフ手段を利用して近場へ旅行し、宿泊施設だけを利用する「マイクロツーリズム」志向が高いためだ。レジャーでは、2020年6月頃は休業要請が早期に緩和された美術館や博物館などの文化施設が、いち早く回復基調を示した。その後、夏にかけて、映画館や遊園地の営業も再開され、追随する動きを示している。ポストコロナでは旅行やレジャーの需要は自ずと戻り始めるだろう。また、現在停止されているGoToトラベルが再開されるのならば、キャンペーン期間では劇的な回復も期待できる。一方でコロナ前から、旅行やレジャーなどの従来産業では、デジタル化の進展で娯楽の多様化が進み、価値観も変化する中で、「若者の旅行離れ」が指摘されていたように、若い世代の相対的な興味関心の低下が課題であった。よって、中長期的に需要を獲得していくためには引き続き創意工夫が必要だ。
3/デジタル関連
(1) テレワーク需要の高まり
在宅勤務によるテレワークの浸透により、パソコンや家具の支出額は前年同月を上回る月が多い[図表2c]。夏頃のピークは、「特別定額給付金」や夏の賞与が後押したものと見られる。なお、10月のピークは前年同月に消費税率引き上げによる反動減が生じたために、2020年10月はプラスに振れやすい影響であり、比較的値の張る品目で同様の動きが確認されている。パソコンや家具などは耐久消費財であり、購入後の数年は需要に落ち着きが見られるだろう。しかし、ポストコロナでは働き方が変わることで、今後も一定のサイクルでの需要増が期待できる。また、現在のところ、全国的には必ずしも大きな潮流ではないが、郊外居住やリフォームなどの住み替え需要に伴って家具や家電、自動車などの需要増が生まれる可能性もある。 一方、オフィスへの出勤が減ることで、背広服はおおむね前年同月を下回る。昨年4月の落ち込みは▲79.9%と大きいが、これは入学式などの各種式典が軒並み中止・延期となった影響もあるだろう。ポストコロナではオフィス着の需要は弱い回復基調を示す可能性はあるが、依然として厳しい状況が続くと見られる。テレワークの影響に加えて、コロナ前から、クールビスなどオフィス着のカジュアル化という流れもあった。現在、アパレルメーカーではリラックス感のあるテレワーク仕様のオフィス着のラインナップを増やしたり、雑貨や食品の販売も始めるなど需要を模索する動き、ECサイトやSNSでの情報発信に積極的な動きもある。今後ともアパレル市場では製品ラインナップの工夫やリアル店舗のネット化といった流れは強まるだろう。
(2) 巣ごもりでデジタル娯楽需要増
巣ごもり生活で楽しみやすいゲームや電子書籍などのデジタル娯楽では支出額の増加が目立つ(図表略)。特にゲーム機は子どもの生活と連動しており、全国一斉休校が要請された2020年3月や感染再拡大で帰省自粛が呼びかけられた8月(夏休み)などに特に増えている。また、電子書籍や映像・音楽ソフト、アプリなどの支出額はいずれも前年同月を上回る。支出額は感染状況と必ずしも連動しないが、これは、デジタル化の進展でコロナ前からデジタル娯楽の需要は増していた上に、コロナ禍による需要増が加わったためだろう。コロナ禍は働き方だけでなく、消費行動のデジタル化も加速させている。ポストコロナでもデジタル娯楽の需要には伸長の余地がある。今後はシニアにもスマートフォンの利用が拡大することで幅広い層の需要が期待できる。
4/その他
その他、コロナ禍の特徴的な動きとして、マスク着用や外出自粛の影響でファンデーションや口紅などのメイクアップ用品の支出額が減少している。ただし、これらはマスク着用が不要となれば直ちに回復基調を示すだろう。また、家で過ごす時間が増えたためか、ペット関連の支出額が増えている。なお、一般社団法人ペットフード協会の調査によると、2020年の犬や猫の新規飼育者の飼育頭数は前年より増加し、増加率も以前より大きい。ポストコロナでは郊外居住に伴ってペット需要が増す可能性もある。
3 今後の消費はワクチン接種が鍵
2020年の個人消費は、食やテレワーク関連製品などの巣ごもり消費に支えられた。また、企業ではオンライン対応をはじめとした新領域への展開、業態転換の工夫など様々な創意工夫が見られた。一方でオンラインによるサービス提供は単価が下がる傾向があり、コロナ禍では対面を組み合わせた付加価値の高いサービスの提供にも制限がある。また、様々な工夫があっても、やはり従来から支出額の大きな旅行などの外出型消費の大幅な減少が個人消費全体へ与える影響は大きい。すでにイスラエルや米国などワクチン接種の進む他国では、外出型の消費がコロナ前の水準に迫る勢いで回復傾向を示している。日本においてもワクチン接種がいかに早期に進むかが、今後の個人消費回復の鍵だ。

●子どもに笑顔を コロナ禍、弁当配布のボランティア団体へ寄付増加 7/7
愛知県蟹江町で子ども食堂を運営するボランティア団体「ONiGiRi(おにぎり)」は、コロナ禍にあっても、子どものいる家庭を対象に、食料無料配布や、弁当を作って配達するなど活動を休止させることなく支援を続けてきた。「自分たちができることで、誰かの助けになれたら」と地道に活動する姿に、地元の人らから寄付があるなど賛同の輪が広がっている。
2018年に発足したおにぎりは、子育て中の母親らが参加し子ども食堂や被災地支援を展開。新型コロナウイルス感染拡大により学校が休校になると、昼食付きで子どもたちを預かったり、フードバンクから提供された食料を無料配布したりしてきた。
「コロナ禍で収入が減った家庭があったり、親が医療従事者で一人で留守番をする子どもがいたりする。ごはんを食べたい子どもや、食事の提供があると助かる親は多い」と、代表の加藤裕子さん(41)は言う。昨秋からは、同町内などで希望する家庭の子ども向けに弁当を作り、週2回ほど無料で配達している。30食限定としているが、申し込みが多く毎回60〜70食ほど提供しているという。
必要な食材などは寄付でまかなったりしているが、地元の人らからの寄付の申し出が増えている。7月2日には、同町のウェブ制作業、丹羽征太郎さん(41)が「必要な方に使ってほしい」と、1箱50枚入りのマスク1500箱を提供した。販売用に海外から仕入れたものだが、余剰分の置き場に困っていたところ、知り合いで同町の住宅リフォーム会社員、戸谷澪佐さん(59)から寄付を提案されたという。戸谷さんはSNSなどでおにぎりの活動を知り、「頑張っておられる姿を見て、何か協力できたらと思っていた」と話す。マスクは食料と一緒に配布するなどして活用していくという。
加藤さんは「多くのご支援に感謝し、いただいた温かい気持ちがつながっていったらうれしい。一人でも多くの子どもたちが笑顔になれるよう、私たちも笑顔で活動を続けていきたい」と話す。団体は年内に法人化を目指すとしている。

●東京に緊急事態宣言発令 政府調整 7/7
政府が新型コロナウイルス特別措置法に基づき蔓延(まんえん)防止等重点措置を適用している東京都に対し、緊急事態宣言を発令する方向で調整に入ったことが7日、分かった。複数の政府関係者が明らかにした。23日に開会式が行われる東京五輪は、原則無観客で行われる公算が大きくなった。東京都に宣言が発令されれば、これで4回目となる。
政府は現在、10都道府県に対し11日を期限として重点措置を適用している。千葉、神奈川、埼玉の首都圏3県については重点措置の期限を延長し、残りの6道府県については解除する方向で検討している。緊急事態宣言が発令されている沖縄県については、重点措置に移行する方向で調整している。
菅義偉首相は7日夕、関係閣僚と協議した上で、最終的な方針を固める。

●小池知事「緊急事態宣言、必要な段階」だけど...五輪は「安全に・・・」  7/7
新型コロナウイルスの感染拡大で、7日に発表された東京都内の新規感染者数が8週間ぶりに900人を超えたことを受け、小池百合子知事は同日、都庁で、緊急事態宣言について「必要な段階なのかな」と述べた。一方、東京五輪については「コロナ対策を進めながら、安全に開かれるように進めていきたい」とし、緊急事態宣言と重なる見込みが強まる中でも開催への意欲をにじませた。記者団の取材に答えた。
7日の都内の新規感染者数は920人で、前週の水曜日より206人増加し、18日連続で前週の同じ曜日を上回った。
小池知事は「状況はとても厳しいです。一方で、重症者数、重症の世代などはこれまでとちょっと様相が違う。50代や中高年に的を当てたような対策が必要になってくる」との認識を表明。政府が8日に東京へ緊急事態宣言を出す手続きを進めることに触れ、「ここのところ上昇が続いておりますので、これらの措置も必要な段階なのかな」と述べた。
感染拡大を受けて、五輪の開催中止を求める声もあるが、小池知事は「とても厳しい状況ではございますけれども、これまでも2020大会の準備を、そしてまたコロナ対策、さまざま進めてまいりました。コロナ対策を進めながら、安全に開かれるように進めていきたいと思います」と語った。
 
 
 

 

●東京に緊急事態宣言を発令へ、8月22日まで 東京五輪、無観客で調整  7/8
政府は8日夕、東京都に4度目の新型コロナウイルス緊急事態宣言を12日から発令すると決定する。11日を期限としていた沖縄県の宣言は延長する。埼玉、神奈川、千葉、大阪の4府県のまん延防止等重点措置も延長する。いずれも8月22日まで。専門家らによる午前の基本的対処方針分科会に西村康稔経済再生担当相が方針を諮り、了承を求める。
北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県の重点措置は11日で解除する見通し。分科会の了承が得られれば、午後に開かれる衆参両院の議院運営委員会に西村氏が報告し、菅義偉首相が夕方の新型コロナ感染症対策本部で表明する。その後、首相は記者会見に臨み、判断の理由などを説明する。
東京の宣言発令に伴い、23日に開会式を迎える東京五輪の都内会場は無観客とする方向で調整する。政府、都、大会組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)などによる5者協議を8日にも開催し、最終決定する。
宣言対象地域では、酒類を提供する飲食店に対し引き続き休業を要請する。

●東京に4度目の緊急事態宣言へ 西村氏「できれば最後にしたい」 7/8
政府は8日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて東京都に4度目の緊急事態宣言を発令し、神奈川、埼玉、千葉各県へのまん延防止等重点措置の期限を延長するなどの手続きを始めた。国会でのやり取りや、首相会見の様子を随時、速報する。
14:45 宣言「必ず最後に」国民民主が注文
浅野哲氏(国民民主党)は、西村氏が緊急事態宣言について「できれば最後にしたい」と答弁したことに触れ、「この局面で『できれば』なんていう言葉を使ってほしくない。必ず最後にするという強い決意で過ごしてほしい」と注文した。西村氏は「『できれば』と申し上げたのは、イギリス、イスラエルでも若い方々を中心に感染が広がったり、入院者数が増えたりしているので」と海外での変異株の感染拡大が念頭にあったことを説明。ワクチンの効果に関するデータ分析を進めるとしつつ、「必ず効果はあります」とも強調した。
14:35 共産、五輪中止すべきに西村氏「IOCが判断と聞く」
塩川鉄也氏(共産党)は「五輪は中止の決断をすべきではないか」と問いただした。 西村氏は「開催権限はIOCが判断されると聞いている」と述べ、「世界的にみれば日本の感染は低く抑えられてるが、足下の医療提供体制を安定的なもの確保していくために、いわば先手、先手で緊急事態宣言を東京都に発出することにした」と説明した。
14:30 公明「五輪、無観客検討を」
佐藤英道氏(公明党)は「無観客を視野に入れて検討すべき」と迫った。 西村氏は、上限5000人、収容率50%以内の方針を踏まえて組織委などの5者協議で対応されるという認識を示した上で「例えば、夜間の無観客なども含めて、さまざまな検討がされると承知している」と述べた。
14:15 立民「政策の失敗」
青柳陽一郎氏(立憲民主党)は、東京五輪目前で、東京に緊急事態宣言を発令する状況になったことを「政策の失敗」と批判し、原因や責任の所在を尋ねた。西村担当相は「ハンマーアンドダンスという言葉があるが、感染が増えてくれば強い対策でそれを抑える。収まってくれば対策を解除する。機動的に対応すると申し上げてきた」とかわした。
14:15 西村氏、緊急事態宣言「できれば最後に」
福田達夫氏(自民党)から今後の見通しを問われ、西村氏は専門家に意見を求めているとした上で「毎回、最後にしたいと思っているが、今回特に、できれば最後にしたいという思いで緊急事態宣言の発出を諮問させていただいた」
14:00 西村担当相 休業要請応じない店に取引停止を要請
西村康稔担当相が衆院議会運営委員会で、政府の方針案を説明した。東京都については、感染者数の増加傾向やインド由来の変異株「デルタ株」への置き換わりが進んでいることに触れ、「先手先手で医療提供体制を確保する必要がある」と述べた。自粛要請が長期化することや、協力金を迅速に支給することへの要望を踏まえ、「飲食店への協力金の先渡しが可能となる仕組みの導入などをし、同時に酒類提供の停止を徹底するため、酒類販売事業者に対し、酒類提供停止を伴う休業要請等に応じない飲食店との酒類の取引を行わないよう要請する」と述べた。さらに特措法に基づく命令、罰則を厳正に適用するなど取り組みのさらなる強化を行うという。
午前 政府方針を専門家らが了承
東京都に4度目の新型コロナウイルス緊急事態宣言を12日から発令し、沖縄県の宣言や、埼玉、神奈川、千葉、大阪の4府県のまん延防止等重点措置を延長する政府方針を、専門家らによる基本的対処方針分科会が了承した。期限はいずれも8月22日まで。緊急事態宣言の対象となる東京、沖縄では、酒類を提供する飲食店の休業を要請。まん延防止措置が続く4府県では、現状は容認している酒類の提供を原則停止にし、感染状況などを踏まえて知事の判断で午後7時までの提供を認める緩和をできるとした。

●緊急事態宣言、「またか」 落胆と諦め、航空も失望大きく 小売り・飲食 7/8
政府が新型コロナウイルスの感染再拡大が続く東京都に4回目の緊急事態宣言を発令する方針を固めた7日夜、営業時間短縮などを強いられる見通しの百貨店や飲食店の間では、「またか」と落胆と諦めの声が広がった。
人の移動も制限される見込みで、夏休み需要を当て込んでいた航空大手は「ショックだ」と失望を隠し切れない様子だ。
都では6月下旬に宣言がまん延防止等重点措置に切り替えられ、時間や人数の制限付きながらようやく酒類の提供が認められてまだ2週間余り。再度の提供禁止の可能性に、居酒屋大手は「客観的な根拠を示してほしい」と悲痛な叫びを上げた。
都内の百貨店では「緊急事態とまん延防止措置の違いが分からない」「要請の内容が分からず不安だ」と、具体的な対応方針が見えないことへの警戒が強まる。
航空業界は、東京五輪・パラリンピック開催に伴う7月22日からの4連休や、夏休みに人気の沖縄路線で利用増加を見込んでいたが、先行きが暗転。大手幹部は「また苦しい(利用)状況になるかもしれない」とため息をついた。 

●橋下徹氏 4度目の緊急事態宣言に「僕はもうさっぱり分からない」  7/8
元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏(51)が8日、フジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月〜金曜前8・00)に出演。政府が東京都に4度目の新型コロナウイルス緊急事態宣言を発令する方針を固めたことに言及した。
政府は8日夕に東京都の緊急事態宣言を12日から発令すると決定する。11日を期限としていた沖縄県の宣言は延長する。埼玉、神奈川、千葉、大阪の4府県のまん延防止等重点措置も延長する。いずれも8月22日まで。北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県の重点措置は11日で解除する見通し。東京の宣言発令に伴い、23日に開会式を迎える東京五輪の都内会場は無観客とする方向で調整する。
橋下氏は「僕はもうさっぱり分からないという立場です」と言い、「英国は今、1日当たり2万7000人、2万8000人の感染者数です。それでも社会経済活動は完全に再開していこうという発想なんです、ジョンソン首相がそういうふうに舵を切りました。それは死者数とか重症者数がすごい抑えられているんですよ、ワクチンの効果によって。だから、僕は、日本でもね、そういう議論を専門家にしてもらいたいなと思って」と話した。その上で「はっきり言ってそのあたりの情報が分からないんですよ。今、日本の重症者数や死者数の伸びがどうなのか。特に感染者数のうち高齢者の65歳以上の割合が1割切っているという報道も聞いてますから、重症者化リスクが下がるんだったら、そんなに伸びないんだったら、ある意味、感染者数ってものは容認していかないと」とした。
そして「例えばインフルエンザなんかですね、今コロナでインフルエンザの数が抑えられていますけど、普通は毎年毎年、1000万人の感染者数がインフルエンザで出ているんですよね。でも大騒ぎしないのは死者も重症者もワクチンとか薬で抑えられているからなんです」とし、「だからそのあたりの議論を専門家でやってもらいたいと思うんです。感染者数ばっかりに注目するのは違うんじゃないかと思うんですけどね」と自身の見解を述べた。

●東京都への4度目の緊急事態宣言、分科会が了承  7/8
政府の新型コロナウイルスに関する基本的対処方針分科会は8日、「まん延防止等重点措置」を適用している東京都に4度目の緊急事態宣言を発令する案を妥当と判断した。政府は同日夕に対策本部を開き、正式決定する。
沖縄県の緊急事態宣言と埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県の重点措置は継続する。期間はいずれも12日から8月22日まで。
北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県に適用している重点措置は、期限の11日で解除する。政府は8日夕に対策本部を開き、正式決定する。
西村経済再生相は分科会で東京都への宣言発令について「先手先手で医療提供体制を確保する必要がある」と述べた。

●東京に緊急事態宣言へ、五輪後の8月22日まで−分科会が了承 7/8
新型コロナウイルスの感染者が増加する東京都で、政府は4回目の緊急事態宣言を発令する。12日から8月22日まで。東京五輪は緊急事態宣言下で開催することになる。
専門家による基本的対処方針分科会で了承されたと西村康稔経済再生担当相が明らかにした。夕方の対策本部で決定し、菅義偉首相が午後7時からの記者会見で政府の対応を説明する。
ワクチン接種が先行する他国の経済活動が回復の兆しを見せる中、日本では首都のコロナ感染者が急増し、緊急事態宣言が再発令される事態となった。東京五輪・パラリンピックへの影響に加え、消費への下押し圧力となることは避けられず、衆院解散の時期や自民党総裁選の行方も左右しそうだ。東京では6月20日に緊急事態宣言を解除し、まん延防止等重点措置に移行していた。
11日が期限のまん延防止等重点措置は埼玉、千葉、神奈川、大阪で延長し、北海道、愛知、京都、兵庫、福岡は解除する。沖縄県も緊急事態宣言を延長する。 
宣言の対象地域では、飲食店に酒類の提供停止を要請。協力金の先渡しが可能となる仕組みも導入する。販売業者にも要請に応じない店とは取引しないよう求める。
航空会社と旅行会社には、利用者に事前のPCR検査を勧めるよう協力を依頼する。夏休み期間中の感染拡大を抑えるため、羽田空港や大阪・伊丹空港などから北海道と沖縄に向かう乗客は、希望すれば無料で検査が受けられるようにする。
菅義偉首相は7日夜、「万全の体制を取って感染を抑えていきたい」と話した。五輪・パラリンピックの観客数の上限については、政府の対応を踏まえた上で大会組織委員会などとの5者協議で決めると述べた。
東京五輪は23日から8月8日まで開催され、緊急事態宣言やまん延防止措置が大会期間と重なった場合には、無観客も含めて検討することになっている。菅首相もこれまで、緊急事態宣言発令時は「無観客もあり得る」との認識を示していた。
都内の7日の感染者数は920人(前日593人)と、5月13日(1010人)以来の水準だった。
緊急事態宣言が発令されると報じられたことを受け、旅客需要が低迷すると懸念された空運や陸運株が売られ、東京株式相場は続落した。TOPIXは午前9時5分時点で前日比3.03ポイント(0.2%)安の1934.65。
伊藤忠総研の武田淳チーフエコノミストは、五輪の無観客開催を予想した上で、観客の消費やコロナ明けを期待した娯楽需要への悪影響を指摘。一方、ワクチン接種が進むにつれて消費は回復するとみており、7−9月期の実質国内総生産(GDP)への影響は「かなり限定的になる」との見方を示した。

●東京に4回目の「緊急事態宣言」分科会が了承 対策本部で決定へ  7/8
新型コロナウイルスの感染の再拡大が続く東京都について、専門家でつくる分科会は、7月12日から8月22日まで、4回目の緊急事態宣言を出すことを了承しました。政府は、夕方の対策本部で決定することにしていて、菅総理大臣が今夜記者会見して、宣言を出す理由などを説明し、国民に協力を呼びかけることにしています。
沖縄県を対象にした緊急事態宣言と、東京や大阪など10の都道府県に適用されているまん延防止等重点措置の期限を3日後に控え、8日午前、感染症などの専門家でつくる政府の「基本的対処方針分科会」が開かれました。
西村経済再生担当大臣は、東京都については、感染の再拡大に歯止めがかからないことから、7月12日から8月22日まで、4回目となる緊急事態宣言を出すとともに、沖縄県に出されている宣言も8月22日まで延長する方針を諮りました。
7月23日に開幕する東京オリンピックは、開催期間すべてが宣言の時期に含まれます。
西村大臣は、東京に宣言を出す理由について「きのうの新規陽性者数が920人となるなど継続的に増加し、最近1週間の10万人当たりの人数も30人を超え『ステージ4』相当になっている。重症者や入院調整中の人の数も増加し、先手先手で医療提供体制を確保する必要がある」と説明しました。その上で、飲食店に対し、酒類の提供を停止し、営業時間を午後8時までに短縮するよう要請するとして「協力金の先渡しが可能となる仕組みを導入し、支給の迅速化に向けて、必要な取り組みを進めたい」と述べました。また、酒類を販売する事業者に対し、提供停止に応じない飲食店との取り引きを行わないよう要請する考えも示しました。さらに、宣言が出されている地域のイベントの開催制限については、会場の収容定員の50%までか、5000人のいずれか少ない方を上限とし、時間は原則午後9時までとする基準を維持する方針を示しました。一方、まん延防止等重点措置は埼玉、千葉、神奈川と大阪の4府県では、8月22日まで延長し、北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県は7月11日の期限をもって解除する方針を示しました。そして、重点措置の適用地域でも、原則、酒類の提供停止を要請する方針を示しました。西村大臣は「デルタ株による感染拡大とワクチン接種のスピード競争という状況の中でワクチン接種を着実に進める。ワクチンが行き渡るまで、命や健康を守ることを第1に、先手先手で機動的に対策を講じ感染拡大を抑えていきたい」と述べました。分科会では、こうした政府の方針について議論が行われ、了承されました。
「基本的対処方針分科会」の尾身茂会長は、会合のあと報道陣の取材に応じ、東京に緊急事態宣言を出すなどとした政府が示した方針を了承したと述べました。そのうえで「東京都に宣言を出すことに専門家が合意したのは、1日の感染者数が900人を超えたからというより、インドで確認された変異ウイルス『デルタ株』が広がってきていることや、40代50代を中心に重症化する人や入院する人が多いといった、これまでとは明らかに違う傾向が見えてきているためだ。このまま感染が拡大すれば、この傾向はさらに加速し、早晩、またしても医療のひっ迫が起きてしまう。これから夏休みや4連休、お盆休み、さらにはオリンピックがあると、人の流れが集中してしまう。オリンピックのために宣言を行うわけではないが、今の早いうちからしっかりと対策を行い、医療のひっ迫を防がねばならない」と強調しました。さらに尾身会長は「飲食店をはじめ、多くの人が厳しい状況になり、ご苦労をおかけするということを行政も専門家も十分理解して対策を行う必要がある。検査の充実やワクチン接種、飲食店の認証制度など、国が進めるべきことが十分なスピードで行われていない。お願いする以上、それに見合うか、それ以上にしっかりと対策を進める姿勢を国や自治体が見せないと、多くの人の協力は得られない」と話しています。
西村経済再生担当大臣は、分科会のあと記者団に対し、酒類の提供停止の要請などに応じない飲食店への対応について「特別措置法に基づいて、要請や命令、過料を厳格に対応していく。すでに過料を科されている店舗もあるが、要請に応じなければ、何度でも手続きをとることも含め、自治体と連携して、厳しく対応していく」と述べました。そして、分科会では、沖縄の取り扱いをめぐって、最も多くの時間が割かれたとして「玉城知事からも『まん延防止等重点措置に』と要望をいただいたが、感染者数や医療の状況が『ステージ4』であり、宣言を継続する結論となった。改善が一層進めば、期限を待たず解除がありうるということが分科会として確認された」と説明しました。そのうえで「沖縄は、夏は観光客も多くにぎわう時期で、本当に大切な時期を厳しい措置で対じすることになり、県民の皆さんの心情もよく分かる。何とか感染拡大を抑え、早期に改善していけるよう協力をお願いしたいし、国としても応援したい」と述べました。そして、西村大臣は「緊急事態宣言のたびに、私自身は『もう最後にしたい』と思っているが、特に今回は、できれば最後にしたいという気持ちを強く持っている。ワクチン接種を進めながら感染拡大を抑え、医療提供体制を安定的なものにしていきたい」と述べました。
これを受けて、政府は、衆参両院の議院運営委員会に報告し、質疑を行った上で、午後5時から開かれる対策本部で正式に決定することにしています。そして、8日午後7時をめどに菅総理大臣が記者会見し、東京に宣言を出す理由などを説明し、国民に理解と協力を呼びかけることにしています。
日本医師会の釜萢常任理事は、分科会のあと記者団に対し、緊急事態宣言について「非常に長期にわたるが、夏休みの県境を越えた移動の機会の大きい時期をしっかりカバーするという意味では必要だと思う。影響が極めて大きいので、状況が改善して解除の方向にもっていけるのであれば、しっかりと判断しなければならない」と述べました。一方、宣言の期間中に東京オリンピックが開催されることについて「このような状況で、国民に対するメッセージ性が矛盾したものにならないように、しっかりと手当てが必要だという議論になった」と述べました。
経済の専門家として分科会の委員を務める、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの竹森理事長は「苦渋の決断というか、東京で増えている感染が日本全国に広まるのではないかという意識から出た措置だった。国民の協力をどう促すかや、長い自粛が続いており『いつまでやるんだ』というフラストレーションに、どう対応していくかが重要な議論だった」と述べました。また、東京オリンピックの観客の扱いをめぐり「東京会場で無観客にする選択肢はあるかもしれないが、普通の野球やサッカーの試合で5000人を入れているのに、なぜオリンピックだけなしにしなければいけないのか、話が両立しない。無観客で突っ込みたいのなら、ほかのスポーツの試合も無観客にすればいい」と述べました。

●野党 五輪開幕前に臨時国会召集を要求 緊急事態宣言見通しで  7/8
緊急事態宣言の発出中に、東京オリンピックが開催される見通しとなったことから、野党側は、感染者の急増など、不測の事態に備える必要があるとして、今月23日のオリンピック開幕前に臨時国会を召集するよう与党側に求めました。
政府は、東京都に、今月12日から来月22日まで、4回目となる緊急事態宣言を出す方針で、今月23日に開幕する東京オリンピックは宣言の期間中に開催される見通しです。
これを受けて、立憲民主党、共産党、国民民主党の国会対策委員長らが会談し、国会としても感染者の急増など不測の事態に備える必要があるとして、開幕前に、臨時国会を召集すべきだという認識で一致しました。
そして、立憲民主党の安住国会対策委員長が、自民党の森山国会対策委員長と会談して臨時国会召集を求めたのに対し、森山氏は持ち帰って検討する考えを示しました。
また安住氏は、8日午後開かれる衆参両院の議院運営委員会に菅総理大臣が出席して質疑を行うよう求めたのに対し、森山氏は、否定的な考えを伝えました。
自民党の森山国会対策委員長は、記者団に対し「きのうも閉会中審査を行い、きょうも議院運営委員会を開くので、閉会中でも国会としてスピーディーに対応できる。臨時国会の召集は極めて慎重にと思っている」と述べました。
立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「国家の浮沈に関わるような事態だ。国民に自粛を求めておきながら東京オリンピックはやりますという、こんなねじれたことをやりながら国会で議論しないことは政治不信につながる」と述べ、与党側が拒否すれば、憲法の規定に基づいて、臨時国会の召集を求めていく考えを示しました。また、IOCのバッハ会長の来日に関連し「場合によっては国会に来てもらう必要も出てくる。なぜオリンピックを開くのか聞きたいし、ただ単に日の丸の旗を振って迎えるような環境では全くない」と述べました。

●「正直長い」沖縄の緊急事態宣言継続方針に知事  7/8
沖縄県の玉城デニー知事は8日、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が8月22日まで継続される方向となったことについて、報道陣に対し、「正直ちょっと長いなと思う」と述べた。県は8日午後の対策本部会議で、延長期間の対応を協議する方針。
玉城知事は7日、西村経済再生相に対し、宣言を期限の11日で解除し、「まん延防止等重点措置」に移行するよう要請していた。受け入れられなかったことを報道陣に問われ、「夏休み、オリンピックもあり、日数をかけて改善を行っていかないと、東京の感染再拡大が沖縄にも影響してしまうと考えたのではないか」と述べるにとどめた。
県は現在、県内の飲食店に対し、酒類の提供自粛と午後8時までの営業時間短縮を要請している。
一方、重点措置が解除される見通しの福岡県の服部誠太郎知事は8日、解除後について、飲食店への時短要請を取り下げる意向を改めて示した。報道陣の取材に対し、「私権の制限を伴う強い措置は必要ないと思う」と語った。

●沖縄 緊急事態宣言延長を了承 対策本部開き 対処方針策定急ぐ  7/8
沖縄県に出している緊急事態宣言の期間を、8月22日まで延長する政府の方針を、専門家でつくる分科会が了承しました。沖縄県は8日午後、対策本部会議を開き、現在の対策を継続する方向で、対処方針の策定を急ぐことにしています。
沖縄県に出している緊急事態宣言の期間を、8月22日まで延長する政府の方針を専門家でつくる分科会が了承しました。
分科会の冒頭で西村経済再生担当大臣は、新規感染者数の減少のスピードが落ちていること、重症者用の病床使用率が50%を超えて、厳しい状況であること、夏のシーズンを迎え、人々の活動や移動が活発になることなどを緊急事態宣言の期間を延長する理由にあげました。
沖縄県は、地域によって感染状況が異なってきているとして、政府に対して地域を絞って重点的に対策を行う「まん延防止等重点措置」への移行を7日要請しましたが、受け入れられなかった形です。
県に出されている緊急事態宣言は、ことし5月23日に始まって、6月21日から3週間、延長され、今回の延長で宣言の期間が3か月に及ぶことになります。
県は8日午後対策本部会議を開き、対処方針の策定を急ぐことにしています。

●「緊急事態宣言」大規模商業施設には休業要請出さない方向で調整  7/8
4度目の緊急事態宣言が出される見通しとなった東京都では、酒類提供については中止を要請する一方、映画館や百貨店など大規模商業施設については、現状のままとする方向で調整が進められていることがわかった。
東京都では、まん延防止等重点措置が7月11日に期限を迎えるが、感染状況などから、8月22日まで緊急事態宣言が出される見通しとなった。
関係者によると、国と都の協議の結果、期間中、飲食店には原則として酒類の提供の中止を要請し、できない場合は休業を要請するよう調整しているという。
その一方で、映画館や百貨店など大規模商業施設については、休業要請は出さず、現在の措置を継続する方向で調整していることもわかった。

●東京都 デパートなどへの休業要請しない方向 4回目の宣言で  7/8
東京都は、今回・4回目の緊急事態宣言のもとでは、前回の宣言で行ったデパートなど大規模施設への休業要請は実施しない方向で調整しています。
都内で、新型コロナウイルスの感染の再拡大に歯止めがかからない中、政府は4回目となる緊急事態宣言を出す方針です。
都は、新たな宣言の期間中に講じる措置の内容を検討していて、今回はデパートや映画館など大規模施設への休業要請は実施しない方向で調整しています。
大規模施設に対しては、ことし4月25日からの3回目の緊急事態宣言で全面的な休業を要請し、再延長された先月1日から20日までは土日のみの休業要請や時短の要請に切り替えました。
現在は、まん延防止等重点措置のもとで営業時間を短縮するよう要請していて、4回目の宣言のもとでは休業要請は行わないものの時短要請を継続する方向です。
一方、酒を伴う飲食の場で感染リスクを抑えるため、前回の宣言のときと同様に飲食店に対しては酒を提供しないよう要請する方針で、政府の方針を踏まえて具体的な措置の策定を急いでいます。
東京都の小池知事は、4回目の緊急事態宣言のもとで飲食店に対して酒の提供の停止を求める方針について「そこが急所と考えているか」と記者団から問われたのに対して「いくつも急所がある。いかに実効性を上げるかということも重要だ。総合的に考えていきたい」と述べました。

●東京 緊急事態宣言で“酒提供なし”再要請へ 実効性の確保課題  7/8
4回目の緊急事態宣言が出される見通しとなった東京都は、前回の宣言のときと同様に飲食店に酒を提供しないよう要請する方向で調整しています。ただ、たび重なる時短や休業の要請に応じない店も増えていて、実効性の確保が課題となります。
東京都内では、7日、感染確認が900人を超えるなど再拡大に歯止めがかからず、政府は、4回目となる緊急事態宣言を出す方針で、8日の対策本部で正式に決定します。
都は、新たな宣言の期間中に講じる対策として、6月20日までの3回目の宣言のときと同様に飲食店に酒を提供しないよう要請する方向で調整しています。また、提供しない店には午後8時までの時短営業を求める方針です。ただ、これまでのたび重なる時短や休業の要請で飲食店の経営はさらに厳しくなっていて、応じない店も増えていることから実効性を確保できるかが課題となります。
また、開幕が2週間後に迫った東京オリンピックは、緊急事態宣言が出されるなかでの開催となる見通しです。無観客とする案も検討されているものの、都民や事業者に制約を求めるなかで開催の方針を維持することに多くの支持が得られるかは不透明です。

●古市憲寿氏 4度目の緊急事態宣言「出すんだったら、五輪はやめれば」 7/8
社会学者の古市憲寿氏(36)が8日、フジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月〜金曜前8・00)に出演。政府が東京都に4度目の新型コロナウイルス緊急事態宣言を12日から発令する方針を固めたことに言及した。
政府は、まん延防止等重点措置を延長する当初方針から転換した。23日に開会式を迎える東京五輪の都内の会場を無観客とする方向で調整する。沖縄県の緊急事態宣言は延長する。埼玉、神奈川、千葉、大阪の各府県のまん延防止等重点措置は延長する見通し。いずれも8月22日が期限。条件付きで午後7時まで容認していた重点措置の地域での酒類提供は原則停止とする。
古市氏は「緊急事態宣言は重い宣言だと思いますよ。やっぱり飲食店の方をはじめ個人の自由を制限するわけじゃないですか。民主主義、自由主義のこの日本において、それを制限するってすごい重いこと。重いことをするにもかかわらず五輪をするってチグハグだと思う」と指摘。そして「本当に国が緊急事態だと思っているなら、東京都が今のこの状態を緊急事態だと思っているならば五輪はやめるべきでしょっていう…緊急事態中にもかかわらず五輪をするっていうのは、僕個人として納得できないし」と言い、「僕は五輪できると思うんです。できると思うんですけど、緊急事態宣言を出すんだったら、じゃあ五輪はやめればって思っちゃいますね」と自身の考えを述べた。 
 
 
 

 

●菅首相が会見 東京に4度目の緊急事態宣言 7/8
沖縄県の緊急事態宣言は延長
司会:ただ今より菅内閣総理大臣の記者会見を行います。初めに菅総理から発言がございます。それでは総理、よろしくお願いいたします。
菅:今月3日、静岡県熱海市で発生した土石流は、これまでに9名の方の死亡が確認されるなど甚大な被害が発生をしております。また、国内各地でも被害が発生しています。亡くなられた方々のご冥福をお祈りをするとともに、被害に遭われた全ての皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。熱海市では現在も20名を超える方々の安否が確認できていないとの報告を受けており、警察、消防、海上保安庁、自衛隊が2000名を超える態勢で懸命に救助活動に当たっております。引き続き速やかな救助と被災者の支援に全力を挙げてまいります。
先ほど新型コロナ対策本部を開催し、東京都に緊急事態宣言を発出すること、沖縄県の緊急事態宣言は延長することとし、期間をそれぞれ8月22日までとすること、まん延防止等重点措置については埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府について8月22日まで延長し、北海道、愛知県、京都府、兵庫県、福岡県について7月11日をもって終了することを決定いたしました。
感染者数は明らかな増加に転じている
4月の初旬より措置を続けてまいりましたが、この間、ワクチンの接種が大幅に進展をし、全国の多くの地域において新規感染者の減少が続いております。重症者数も大幅に減少し、医療の現場からは負担が軽減されてきたという声も聞こえてきます。自衛隊および医療従事者の皆さんに心より感謝を申し上げます。
こうした中でも、残念ながら首都圏においては感染者の数は明らかな増加に転じています。その要因の1つが人流の高止まりに加えて、新たな変異株であるデルタ株の影響であり、アルファ株の1.5倍の感染力があるとも指摘されています。デルタ株が急速に拡大することが懸念をされます。
一方で感染状況には、従来とは異なる明らかな変化が見られています。東京では重症化リスクが高いとされる高齢者のワクチン接種が70%に達する中、一時は20%を超えていた感染者に占める高齢者の割合は5%程度までに低下しています。それに伴い重症者用の病床利用率も30%台で推移するなど、新規感染者が増加する中にあっても重症者の数や病床の利用率は低い水準にとどまっております。
しかしながら東京の感染拡大は全国に広がりうるものであります。夏休みやお盆の中で多くの人が地方へ移動することが予想されます。ワクチン接種が大きく進み、新型コロナとの闘いにも区切りが見えてきた中で、ここで再度、東京を起点とする感染拡大を起こすことは絶対に避けなければなりません。そうした思いで、先手先手で予防的措置を講ずることとし、東京都に緊急事態宣言を今ひとたび発出する判断をいたしました。措置の期間はお盆明けの8月22日までといたしますが、ワクチンの効果がさらに明らかとなり、病床の状況などに改善が見られる場合には前倒しで解除をすることも判断をいたします。
前回の宣言を解除してから3週間で再び宣言に至り、国民の皆さまにさまざまなご負担をお掛けすることは大変申し訳ない思いであります。しかしながらこの期間を乗り越えて、必ず安心の日常を取り戻すとの決意で取り組んでまいります。
具体的には東京・沖縄では、飲食による感染リスクをあらためて封じ込めるために、飲食店における酒類の提供を一律に停止いたします。まん延防止措置の対象となる地域でも酒類の提供は原則停止とし、地域の状況に応じて判断をいたします。飲食店に対する協力金の支給の遅れもあり、営業や時間の短縮や酒類の提供のルールにご協力いただけない店舗が増えているとのご指摘もあります。
飲食店への協力金事前支払いを可能に
また、多くの飲食店にとってお酒の提供が営業を続ける上での死活問題となっているという声も耳にします。支給の遅れが経営問題に直結することがないように、これまでの協力金を簡易な審査で速やかに支給するとともに、今後の措置にご協力いただける飲食店に対しては協力金を事前に支払うことを可能とします。
同時に、今後、各都府県において飲食店への見回りを拡大し、対策の実効性を高めてまいります。お酒を伴う飲食はどうしてもマスクを外す時間が長くなり、大きな声での会話も避けられません。飲食店の皆さんには度重なるお願いに大変申し訳なく思いますが、いま一度、何とぞご協力をお願い申し上げます。
また、東京では20代から50代の感染者が急増し、40代・50代では重症者も増えています。職場や家庭内の感染も顕著になっています。マスク、手洗い、3密の回避という基本的な感染対策を徹底し、とりわけ会話の際にはマスクを着用するようお願いをいたします。
全国の津々浦々でワクチン接種の加速が進んでいます。自衛隊や医療などの関係者のご尽力により、今や世界でも最もスピードで接種が行われているといわれています。1週間の接種回数は900万回を超えています。本格的な接種が始まってから2カ月余りで累計の回数は5400万回を超え、すでに高齢者の72%、全国民の27%が1回の接種を終えています。
先行してワクチン接種が進められた国々ではワクチンを1回接種した方の割合が人口の4割に達した辺りから、感染者の減少傾向が明確になったとの指摘もあります。今のペースで進めば今月末には希望する高齢者の2回の接種は完了し、一度でも接種した人の数は全国民の4割に達する見通しであります。
接種が円滑に進むよう努める
一方、予想を上回るペースで接種が進む中で、一部の自治体などからワクチンが足りないとの声が聞かれます。全体として全国の自治体には先月までに9000万回のファイザー社のワクチンが人口に応じて配分されております。そのうち4000万回分が使用されずに在庫となっていると見込まれます。その上で7月から9月には毎月2500万回分が配分されます。このため在庫を合わせて活用していただければ、1日120万回程度のペースで接種を続けていくことが可能です。ワクチンの配分方法についても来月から、接種の進む市町村に多く配分できるよう見直しを行うこととし、また、配分量をできるだけ早期にお示しすることによって、接種が円滑に進むように努めてまいります。
加えて、モデルナ社のワクチンがこれまでに1400万回分確保され、9月までに3600万回分が追加されます。これを活用した企業や大学などの接種についても、先週までに200万回の接種が行われました。受け付けた申請の精査を速やかに行い、確実に対応してまいります。多くの皆さまに大変なご心配をお掛けしましたが、このように9月までに希望される全ての国民に接種が可能となる2億2000万回分の十分な量が確保されております。速やかに接種に万全を尽くしてまいります。
オリンピックの開幕まであと2週間です。緊急事態宣言の下で異例の開催となりました。海外から選手団、大会関係者が順次、入国しています。入国前に2回、入国時の検査に加え、入国後も選手は毎日、検査を行っており、ウイルスの国内への流入を徹底して防いでまいります。選手や大会関係者の多くはワクチン接種を済ませており、行動は指定されたホテルと事前に提出された外出先に限定をされ、一般の国民の皆さんと接触することがないように管理されます。
東京大会について、私はこれまで、緊急事態宣言となれば無観客も辞さない、このように申し上げてきました。そうした中で、このあとの組織委員会、東京都、IOCなどとの5者協議において観客の取り扱いが決められる予定です。世界で40億人がテレビを通じて視聴するといわれるオリンピック・パラリンピックには、世界中の人々の心を1つにする力があります。新型コロナという大きな困難に直面する今だからこそ、世界が1つになれることを、そして全人類の努力と英知によって難局を乗り越えていけることを、東京から発信をしたいと思います。
また、東京は史上初めてパラリンピックを二度、開催する都市となります。障害のある方もない方も、お年寄りも若者も、みんなが助け合って共に生きるという共生社会の実現に向けた心のバリアフリーの精神をしっかり伝えたいと思います。
歴史に残る大会を実現したい
今回の大会は多くの制約があり、これまでの大会と異なりますが、だからこそ安心・安全な大会を成功させ、未来を生きる子供たちに夢と希望を与える、歴史的な、歴史に残る大会を実現したいと思います。
昨年来、一進一退の感染対策が続き、国民の皆さまにはその度にご迷惑をお掛けしてまいりました。未知の敵との闘いは私にとっても心が休まるときはありません。しかし、ワクチンによって、変異株であっても発症や重症化を大きく防ぐことができます。治療薬の開発も進んでいます。今、必要なことは、感染を抑えながら1人でも多くの方にワクチンを接種していただくことです。それによって新型コロナとの闘いに終止符を打って、安心できる日常を必ず取り戻すことができると信じています。皆さま方のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

●記者質問
司会:それでは、これから皆さまよりご質問をいただきます。尾身会長におかれましては所定の位置にお進みください。ご質問の内容によりまして、尾身会長にもご説明いただきます。指名を受けられました方はお近くのスタンドマイクにお進みいただきまして、所属とお名前を明らかにしていただいた上で、1問ずつご質問をお願いいたします。まず、幹事社からご質問をいただきます。北海道新聞、佐藤さん、どうぞ。
対策はタイミングが遅く、内容も不十分だったのでは
北海道新聞:北海道新聞の佐藤です。総理にお伺いします。東京は4度目の緊急事態宣言です。国内では、まん延防止措置や緊急事態が解除されない状況が実に3カ月続いています。総理は毎回、感染を抑え込むと訴えていますが、約束は果たされず、いつまでこんな生活がだらだら続くのかと、国民の疲労や不信感はピークに達しています。政府のこの間の対策は、感染拡大の見通しの甘さから1つ1つのタイミングが遅く、内容も不十分だったのではないでしょうか。自らの責任と併せて認識を伺います。
また、度重なる宣言でその効果が薄れていると思いますが、今回の対策で実効性は十分なのか、今回が最後の宣言と言い切れるのか、お示しください。さらに、いつになったらわれわれは普通の生活に戻れるのか、その見通しを総理の言葉で国民に語ってください。よろしくお願いします。
菅:まず、今年に入って二度の緊急事態宣言をお願いをしておりますが、毎回、感染者数や病床の状況、ここについて判断を行い、飲食を中心にできる限り的を絞って早期に感染をピークアウトさせる、そのために取り組んできました。その中で国民の皆さんや事業者の方々には大変ご迷惑をお掛けし、また、ご協力を賜っておりますことに感謝を申し上げます。
こうした一進一退の状況から脱して、感染対策の決め手となるのがワクチンだと思っています。7月末までには希望する65歳以上の高齢者の皆さんに2回接種、全国で終えられる、その予定であります。また、これ、世界を見てみましても、世界は日本よりもはるかに厳しいロックダウンを行う、そして外出禁止、罰金、そうした厳しい状況にあっても、何回となく同じことを繰り返してきているということも事実じゃないでしょうか。まさにそういう意味で、ワクチンを接種することによって、かつての日常を取り戻すことができるというふうに思っています。
ですから、東京の新規感染者、今、増加をしています。高齢者の感染や重症者が少ない、こうしたことは明らかに高齢者の皆さんに接種を始めていますから、そこは大きく変わっていることだというふうに思っています。また、東京から全国に飛び火をすることがないように、大変、心苦しい判断でありましたけれども、今回、緊急事態宣言を発出をさせていただきました。こうしてワクチン接種が進み、効果が現れるまで、全国的な感染爆発を防ぐための措置としてご理解をいただきたいというふうに思います。
1日も早く4割に到達することも大事
諸外国の例を見ても、全人口の約4割に1回接種が達した辺りから、まさにこの感染者というのは減少傾向になっているということが明確になっています。こうした日常を取り戻すためには、1日も早くこの4割に到達することも大事だというふうに思います。7月中にはぜひそこを目指していきたい、こういうふうに思っています。
北海道新聞:最後の宣言と言い切れるのかどうか質問してるんですけれども。
司会:追加のご質問はお控えください。
菅:常に私自身は、今までこの感染対策を行ってきましたけど、ワクチンというのは今回初めてです。世界はこのワクチンによって、かつての日常を取り戻している国が出始めています。ですからワクチン接種を最優先で行っているところであります。そのことによって大きく変わるだろうと、そこは強い信念を持って今やっています。
先生もよろしいですか。
この1〜2カ月は最も重要な山場の1つ
尾身:せっかくですので、今、総理からのご指名がありましたので。私は今回、国が東京に対して緊急事態宣言を発出するという諮問を、われわれの専門家のほうに出されたわけですけど、私たちはこれに賛同いたしました。その理由は大きく分けて、私は、背景といいますか、4つあったと思います。
1つ目は、これからのこの7月、8月、この1〜2カ月というのは、私は、今まで1年半以上にわたって行ったわれわれのコロナ対策、取り組みの中で、最も重要な山場の1つだと思います。それが1つですね。それから、もう総理もおっしゃったように、今、感染性の強いと思われるデルタ株の置き換わりがもう着実に進んでいるということがあります。
それからワクチンがもう非常に効果を、高齢者を中心に出てきておりますけれども、1つだけ、われわれの懸念、今なぜ緊急事態宣言を発出するのがいいかと思った1つの大きな理由は、実は高齢者の重症化というのは比較的、今、ワクチンのおかげで少し抑えられていますが、実はこれ、おそらくデルタ株の影響だと思いますが、40代、50代の比較的若い年齢層の重症化、それから入院する、実際に人工呼吸器を使うような人が、今までの第3波、第4波には見られなかったことがあります。
従って今回は、総理おっしゃったように、たぶん私は、これを最後のということに期待します。これから何があるか分かりませんけど、ワクチンがだんだん進んでいますので、その前に、この1〜2カ月の間に、何としてもこの40代、50代の、これがかなりスピードが高いふうに、入院患者数、重症者数が増えていますので、この期間になんとかして、これが、感染がさらに拡大して医療の逼迫、このまま放っておくとそうなる蓋然性がかなり高いとわれわれは判断しています。そういう意味で今回、国のほうがこういう判断をしていただいたことに対して、今日もそれについては全員一致で合意したということだと思います。
司会:それでは続きまして、産経新聞、杉本さん、どうぞ。
無観客でも五輪の意義はあるのか
産経新聞:産経新聞の杉本です。よろしくお願いいたします。東京オリンピック・パラリンピックについてお伺いいたします。総理はこれまで、緊急事態宣言が発令されれば無観客を辞さないというお考えを示されてきました。先ほど、総理、冒頭発言でオリンピックの意義について、世界が1つになれること、人類の努力と英知によって、コロナを乗り越えられることを発信するというふうにおっしゃったと思うんですけれども、無観客であったとしてもこうした意義というのはあるというふうにお考えでしょうか。
併せまして、7カ月後になりますけれども、来年2月には中国の北京で冬のオリンピックが開催されます。おそらく中国政府は、中国の政治システムがコロナに勝利した証であるというふうな宣伝をする場としてオリンピックを利用するということも考えられると思いますけれども、その前に自由主義国家である日本がオリンピックを開催するということがどのようなメッセージを持つというふうに総理はお考えになりますでしょうか。よろしくお願いします。
菅:まず東京大会の意義について2つ申し上げたいと思います。やはり1つ目は新型コロナの中での安心・安全な大会の実現、まさに人類が困難に直面する中にあって、今だからこそ世界が1つになれる、力を合わせてこの難局を乗り越えている、こうしたことをやはり世界に発信するいい機会だというふうに思います。
それと2つ目はやはりパラリンピックです。64年の東京オリンピックの際に、初めてパラリンピック競技、パラリンピックという名称がそのところから使われた。そういう意味で歴史的な大会でありました。そして障害者の皆さんはその大会の中で社会進出というものをしようという、1つの大きな契機になったと、これ、いわれてきています。
世界に発信できる最高の機会
そういう中で、このコロナの厳しい中で、障害のある人もない人も、また、お年寄りも若い人も、この、共に助け合うという共生社会、その実現に向けて、まさに心のバリアフリー、こうしたものをやはり世界に発信するということは極めて大事だというふうに思っています。
それと、今度の大会というのは、これからどうするかということを5者会議で決めるわけですけれども、世界で40億人の人がテレビでこのオリンピック・パラリンピックを視聴する、こういわれております。そうした意味合いにおいて、この大会というのは世界に発信できる最高の機会になる、このようにも思っております。
G7の先般のサミットにおいて、この宣言にも明記されていますけれども、日本だからこそこういうときにオリンピック・パラリンピック、これを開催できる、成功を皆さん祈るという、そうした趣旨も宣言の中に書き込まれております。そういう意味においては、各国の期待にもしっかり応えられる、そういう大会にしたいと、こういうふうに思っています。
司会:それでは、これより幹事社以外の方からご質問を頂きたいと思います。ご質問を希望される方は挙手をお願いいたします。こちらで指名をさせていただきますので、マイクにお進みください。なるべく多くの方にご質問いただくためにも、質問は1問ずつ簡潔にお願いしたいと思います。ご協力をお願いいたします。それでは、日本テレビの山崎さん、どうぞ。
感染者が増加した場合の責任をどう考える?
日本テレビ:日本テレビの山崎です。先ほど、総理は東京オリンピック・パラリンピックについて異例の大会になるとおっしゃいました。緊急事態宣言下の開催になりますけれども、総理は前回の会見で、東京大会について、国民の安全・安心を守るのは総理としての私の仕事ですから、私が責任を持って行うと明言しました。こういう緊急事態宣言下の開催となるわけですが、感染者が増加した場合の責任について、総理はどのように考えていますか。
菅:まず、緊急事態宣言の中でこれから大会を迎えるわけであります。そうした中に、今回、緊急事態宣言の中に大きな成果を上げてきていたのが、やはり酒類の停止です。飲食店の酒類の停止、ここは大きな成果を、この感染拡大防止については上げてきているというふうに思っています。
そうした中で、まず、この緊急事態宣言の中でありますから、そうしたことは当然、酒類は停止になります。また、まん延防止措置のそれぞれの自治体についても、この首都、3県ですか、東京以外の、そうしたところにもこれが適用されるというふうに思っています。
こうしたことの中で、やはり安全・安心ということについて、コロナの感染拡大措置というものも含めて、こうしたいろいろな対応、あるいはこれ、人流も多くなるんじゃないかといわれていますけれども、これは交通規制あるいはテレワーク、これはだいぶ前から徹底して行ってきていることですけれども、こうしたことによって、安全・安心の大会を実現できると、こういうふうに思っています。
司会:続きまして、それでは奥の列、新潟日報の横山さん、どうぞ。
地方で混乱が起きていることへの受け止めを
新潟日報:新潟日報の横山と申します。よろしくお願いします。新型コロナウイルスのワクチンの供給についてお伺いします。国からのファイザー製のワクチン供給の見通しが立たないことから、新潟県内でもワクチン接種の予約を一時停止したり延期したりする市町村が出ています。首長からは、現場は大混乱になっている、国の見込み違いだと厳しい声も上がっています。また、県民の間にもいつ打てるのかと不安が広がっています。総理はワクチンの接種を先ほどからやっぱり早く進めたいとおっしゃっておられますけれども、こうした中で、地方でこれだけ混乱が起きているということについて、率直にどのように受け止めておられるのかお聞かせください。
また、先ほどワクチンの配分量を早期に示すとおっしゃいましたが、これも一刻も早く示してほしいと多くの自治体が思っていると思います。具体的にいつごろお示しになる予定でしょうか。よろしくお願いいたします。
菅:まず、希望する国民の皆さんにできる限り早くワクチン接種を行うべく、全国でワクチン接種が加速しています。先ほど申し上げましたけれども、先進国の中でも最も速いスピードだといわれています。
一方、予想を上回るペースで接種が進む中で、一部の自治体からワクチンが足りないと不安の声も聞かれております。先ほど申し上げましたけれども、全国にこの6月末までに9000万回のファイザーのワクチンについては、それぞれの人口割で配らせていただいています。そして6月いっぱいの中で接種が5000万を超えていますけれども、それ以外の約4000万回分については自治体にあるというふうに思っています。
ただ、これ2回ですから、2回のワクチンが入らないと接種しないとか、いろんなこれ、事情があろうというふうに思います。そうしたことに対して、7月に、いつに何個行くということを、これを明確にしまして、そして8月からも早く進んでいるところには傾斜配分するとか、そうしたことも示して、混乱のないようにしたいというふうに思っています。
ただ、おかげさまで毎日130〜140万回で増えている、そういう状況の中で皆さんにご協力、接種をしていただいていることには感謝申し上げたいというふうに思います。
司会:それではドワンゴの七尾さん、どうぞ。
なぜ五輪だけは許されるのか
ドワンゴ:連日お疲れさまです。よろしくお願いします。すいません、ようやく抽選で会見に参加できまして、質問がやや長くなりますが、お許しください。
音楽ファン、アーティストが心待ちにしておりました「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2021」がやむなく中止となりました。4回目の緊急事態宣言で、イベントや文化祭、修学旅行など、学校の行事の中止も多くなると思われます。それぞれ主催者や参加者が感染リスクを最小限にするための努力を進めてきた中で、なぜ五輪だけは許されるのか、こうした率直な疑問や怒りに対して総理はどうお答えになるのでしょうか。
また昨年、特別定額給付金1人10万円の支給を実施しましたが、今は経済的にも精神的にもはるかに厳しく、多くの国民は我慢してきたと思います。前回、執行に掛かった総額は約13兆円といわれておりますが、昨年度、未執行の予算30兆円を残しております。国民への再度の支給について、お考えをお聞きします。よろしくお願いします。
菅:まず、ご指摘のイベントですけれども、野外音楽フェスとしてはまさに最大級であって、若い方を中心に大変楽しみにされている、そういうふうに承知しています。中止になったことは大変残念に思います。他方、このイベントの開催制限については、東京オリンピック・パラリンピック大会も実は同様の取り扱いであります。緊急事態宣言の下では午後9時以降は無観客での開催をお願いする、そういう、9時以降はなっていますので、こうした点についてはご理解をいただきたいというふうに思います。
日常を取り戻せるように全力を挙げる
ですから、これからどのような体制で東京オリンピック・パラリンピック大会を開催するかというのは、5者の方でこれから決められる予定であります。ただ、私自身も、この緊急事態宣言が発した際には、それは無観客も辞さないということを申し上げています。そういう中で、5者の中でどのような大会にするかということは決まっていくだろうというふうに思います。いずれにしろ、感染の抑制とワクチン接種、全力で取り組んで、1日も早く、かつての日常を取り戻すことができるように全力を挙げるのが私の仕事だというふうに思っています。
また、その10万円の件でありますけども、コロナの中で大変な影響を受けている方、そうした方にはさまざまな支援策、人件費や資金繰りなどのこの支援だとか、あるいは雇用調整の助成金だとか、いろんな対策の中、少しでもそうしたコロナ禍の中で、厳しい状況の方にはお手伝いを国として対応するというのは、これは当然のことでありますので、そうした形で行っております。
コロナによっていろんな方が影響を受けていると思いますけども、そうしたことで支援をさせていただきたい、いただいているというのが今の実情であります。
司会:それでは日本経済新聞、重田さん、どうぞ。
経済対策の編成を指示する考えは
日本経済新聞:日本経済新聞の重田です。よろしくお願いします。経済対策についてお伺いしたいと思います。今回、6週間という宣言の、長期の発令となりまして、経済への目配り、これが不可欠になるかと思います。与党内なんですけれども、この夏にでも経済対策の骨格をまとめるべきだとの声があります。総理は月内にもその編成を指示されるお考えはありますでしょうか。同時にコロナで打撃を受けた家計や企業にどういった対策が必要であるのか。また、想定する規模感なども併せて教えていただきたいと思います。
菅:まずは新型コロナの影響を受けていらっしゃる方をしっかりお支えするというのは、これが最優先だというふうに思っています。資金繰りの支援だとか雇調金による人件費の支援、飲食店への協力金、そうしたことは早急にやっていきたいというふうに思います。
日本経済でこれ申し上げれば、昨年度の税収、先日、発表されましたけれども、最も高い水準になっています。さらに今年度の経済成長率は3.7%になる、こうした試算が示されており、今年度中にGDPでコロナ前の水準を上回る見通しになるだろうという見通しもあります。さらにワクチン接種を加速されることによって、経済にも大きな良い影響が出るというふうに思っています。
こうした中で新型コロナが国民の皆さんの日常の生活に影響することに十分、目配りをしながら、当然、強い経済というものを、ぜひともこれ、大きな目標に掲げていますから、そうした強い経済をつくり、成長できるようなこの国にしたいというふうに思っています。いずれにしろ、経済の状況を見ながら臨機応変に、そこはしっかり対応するという、そういう中で、常にこの経済対策というのは頭の中に入れながら取り組んでおります。
司会:続きまして、それでは、じゃあNHK、長内さん、どうぞ。
次の衆院選までに内閣改造を行う考えは
NHK:NHKの長内と申します。よろしくお願いします。先の東京都議会議員選挙を受けて、自民党内からはさまざまな意見も出ているわけですけども、総理、次の衆議院選挙までに内閣改造を行うお考えはありますでしょうか。
菅:党内にいろんな声があるということは私自身も承知をしています。そういう中で私、常に最優先ということを申し上げていますのは、コロナ、コロナ対策を最優先に私自身は取り組んでいきたいと、そういうふうに思っています。それと同時に私自身の任期、総裁としての任期、さらにまた政治家としての衆議院の任期、そうしたことも当然、間近に来るわけでありますから、そうした全体を考えながら政策としてさまざまなことを巡らせながら取り組んでいきたいというふうに思っております。
司会:それでは再び奥の列、じゃあTribunnewsのスシロさん、どうぞ。
VIP関係者にも適用されるのか
Tribunnews:よろしくお願いします。インドネシアのTribunnewsのスシロと申します。今月6日から新しい水際対策に係る新たな措置が決定されました。例えばインドネシアの場合は10日間、検疫の必要があります。この法律は五輪の関係者含めて、VIP関係者も適用されますでしょうか。それから、特には、VIP関係者は海外からだいたい何カ国来る予定でしょうか。よろしくお願いします。
菅:まず、海外から日本に来る選手や大会関係者については、入国前に2回、入国時に検査を行い、入国後3日間は毎日、検査を実施、選手はその後も毎日、検査を実施することになっています。さらにデルタ株などの流行を受けて、インドネシアなどからの一般の入国者に対しては、今言われましたように、水際対策が強化されています。こうしたことを踏まえて、これらの国からの選手ならびに関係者は、入国前7日間および入国後3日間は毎日、検査を行い、チーム以外の方と接触を行わないというルールが新たに導入されました。こうした厳しい措置を採っていることを前提に、五輪関係者の方には一般の入国者とは別のルールを適用しております。引き続き安心・安全の大会を実現できるよう、水際対策をしっかりやっていきたい、このように思います。
司会:それではジャパンタイムズ、杉山さん。
文大統領と日韓首脳会談を行う考えは
ジャパンタイムズ:ジャパンタイムズの杉山です。総理にお伺いします。韓国の文在寅大統領が五輪に合わせ訪日する意向だと一部で報道されていますが、総理として文大統領と日韓首脳会談を行いたいというお考えでしょうか。また、行うのであればなんらかの前提条件を求めるのでしょうか。
菅:まず開会式への韓国からの出席者についてはまだ決定していないと、こういうふうに承知しています。その上で申し上げれば、現在の日韓関係っていうのはまさに旧朝鮮半島出身の労働者問題、あるいは慰安婦問題などによって非常に厳しい状況にあるというふうに思っています。日韓両国のこうした懸案を解決するためには、やはり韓国が責任を持って対応していく、このことが重要だと思います。引き続き韓国側に適切な対応を強く求めていくという立場に変わりはありません。ただ、その上で訪日される場合は、外交上、丁寧に対応するということは、ここは当然のことだというふうに認識をしています。
司会:それでは共同通信、吉浦さん、どうぞ。
どうなれば安心・安全な大会と言えるのか
共同通信:共同通信の吉浦です。よろしくお願いします。東京五輪、パラリンピックについて重ねてお聞きします。先ほど総理は安心・安全な大会を成功されるとの決意を表明されました。この東京大会、どのような状況を実現すれば、この安心・安全な大会をできたと言えるのでしょうか。その具体的な判断基準について総理の認識をお聞きします。
菅:まず、安心・安全な大会の実現に向けて、選手や大会関係者の徹底した検査や行動管理、こうしたことを行うことによって、ウイルスの国内への流入を、まずは防ぎたいというふうに思ってます。これによって選手が安心して大会に参加できるように、入国する選手や大会関係者によって、国内の感染状況に影響が及ぶ、こうしたことがないように、ここはしっかりしたいというふうに思っています。
さらに今回の大会が人流を引き起こし感染拡大につながる、こうしたことは絶対避けなきゃならないというように思っています。先ほど申し上げましたけど、これ、1年以上前から、例えば首都高の料金を1000円上げるだとか、この交通の規制、あるいはこれ、船もそうですけども、オリンピック期間中の着岸、接岸ですか、そうしたことに対しての対応とか、そしてテレワークについてもオリンピックという、これだけやるうちの、これは準備して進めてますから、そういう目でテレワーク、交通量の規制、大会のときの人流というのは現在よりも極めて抑えられている、そういう見通しの中で行うことになっております。ですから、そういう中でそうしたリスクが侵入されなかったと、感染拡大を阻止をした、そうした結果というのは大事だというふうに思っています。
司会:それでは、では、ラジオ日本の伊藤さん、いかがでしょうか。
東京の65歳以下の接種希望者に接種する考えは
ラジオ日本:ラジオ日本の伊藤です。総理にお尋ねします。先ほどいただいた資料を見ても分かりますように、ワクチンの加速化が、東京でも高齢者の感染者が少ないということはワクチンの効果だと思います。そこでお尋ねしたいんですけれども、例えば今、今回は東京への緊急事態ですので、特に65歳以下の50代、40代、30代の方々に対して、今この各自治体に分散されている、あるいは確保されているワクチンを、例えば河野ワクチン担当大臣にコントロールしていただいて、例えばワクチンはあるけど接種希望者が少ない自治体もあるわけですね。そういうものを例えば、東京のそういう65歳以下の接種を希望する方に接種するようなお考えはございますか。お願いします。
菅:まず、ワクチン接種の基本ですけども、やはり基本的には全国一律で最も重症化するといわれる65歳以上により中心にやるべき。これは会長の尾身先生から、そうした専門家からのご指摘の中で、65歳以上の方の2回を優先をするようにという、これは全国の各都道府県にお願いをさせていただいています。そして、おかげさまで1回目の65歳以上の方で接種した方は71%まで今、なってます。2回打った方は40%です。
そういう状況を見るにつれて、全国で1741市町村あるんですけども、そういう中で高齢者の皆さんは7月いっぱいで打っていただける。そういう予定で今、順調に進んでます。まず高齢者が最優先。その中で地方のものを都会にと、これ、都会の自治体の首長も言ってらっしゃる方いて、新聞等で報道されてますけども、まずはここは全国一律に65歳以上の方はお願いをして、あと、やはりどうしても東京とか大都市圏から感染リスクが地方は多いですから、そういう中で職域接種、または大学での接種、そうしたことを私ども考えて、今、接種させていただいているということであります。
今、東京の中でも、もうすでに64歳以下の人に接種券を発送してるところもありますんで、そういうところについては、自衛隊の接種会場でも受け付けもしてますんで、そういうところで来ていただいて、進めていただければというふうに、接種していただければというふうに思っています。
司会:それではテレビ東京、篠原さん、どうぞ。
アストラゼネカ製を選択肢に入れる考えは
テレビ東京:テレビ東京、篠原です。先ほどもお話ありましたが、自治体でワクチンの予約のキャンセルなどが相次いでおります。こうした事態に対処するために、現在、国内では認可されているものの接種が始まっていないアストラゼネカ製のワクチンを国内で接種することについて、これを選択肢に入れる考えはありますでしょうか。
菅:アストラゼネカ社のワクチンを臨時接種で使用することについて、厚労省の審議会において、諸外国における状況などを踏まえながら、わが国においての利用、その状況について検討されているところであって、まだ結論は出てないというふうに思っています。
こうした専門家による議論の動向を注視しながら、まずは9月までに全国民のワクチンがファイザーとモデルナ、ここについては2億2000万回分用意してますので、ここで今、進めてきていますので、ここでまず、そこは使い切っていきたい、このように思っております。
あと、いずれにしろそういう中で、アストラゼネカについては、厚労省の審議会というんですか。そうした中での結論見る中で考えていきたいと思います。海外によっては60歳以上とかいろいろな状況があるようですから、そうしたことを厚労省の中でもしっかり、海外の情報を集める中で今、これから審議することだろうというふうに思っています。
司会:それでは大変恐縮ですが、あと2問とさせていただきます。それでは、毎日新聞の小山さん、どうぞ。
他県の会場についてはどう考えているのか
毎日新聞:毎日新聞の小山です。よろしくお願いします。五輪の観客数について伺います。先ほど来から会見を聞いていますと、東京都については無観客という総理のお考えだと思いますけれども、他県の会場についてはどうお考えでしょうか。もちろん、このあとの5者協議で決まるということは分かっているんですが、総理が国民の安心・安全に責任を持つと言っている以上、総理のお考えを国民が知りたいと思っていると思います。総理としての方針をここでお示しすることはできませんでしょうか。
菅:まず、これまで私、申し上げてきましたけども、緊急事態宣言になれば、無観客もこれは辞さない、こういうことを申し上げてます。こうした中で観客の扱いについては、今、5者協議、これからですか。行われて、方向性が出されるというように思います。ただ、緊急事態宣言、まん延防止のときのルールがあります。そこのルールに合った形の中で決められていくんだろうというふうに思っています。緊急事態宣言でも5000人とか、そういうルール作ってますから、そういう中で決めていくだろうというふうに思っています。
司会:それでは最後に国際メディアから、アラブニュースのアズハリさん、どうぞ。
国土強靱化対策に取り組んでいる
アラブニュース・ジャパン:(英語)。先週の熱海での土砂災害のように、気候変動や環境汚染、また、人的要因が大自然災害につながりました。菅政権はこれまでも地域の活性化とインフラ整備を重視をしてこられましたが、今後、どのようなダイシコウハ、オネガイ、オカレ、すいません、行いたいでしょうか。ありがとう。
菅:近年は災害が頻発化し、激甚化する中で、政府としては国土強靱化、ここにしっかり取り組んでおります。こうした中で、中小河川だとか遊水池の整備だとか、またインフラの老朽化、こうしたことを、防災・減災に対して政府を挙げて国土強靱化対策にしっかり取り組んでいるところであります。そして地方の活性化という中で、私自身はやはり観光、農業、そうしたものを中心に地方の所得を引き上げていきたい、こうしたところに取り組んでいるところであります。しっかりやっていきたいと思います。
司会:それでは、ただ今挙手されていただいております皆さまにおかれましては大変恐縮でございますけれども、このあと1問をメールでお送りいただきたいと思います。後日、回答を総理より書面にてお返しさせていただくとともに、ホームページで公開をさせていただきます。どうぞご理解とご協力をよろしくお願いいたします。それでは、以上をもちまして本日の記者会見を終了させていただきます。ご協力ありがとうございました。 

●菅首相会見 宣言は予防的措置のため 五輪・パラ開催の意義強調  7/8
東京都に4回目の緊急事態宣言を出すと決定したことを受けて、菅総理大臣は記者会見し、東京から全国への感染拡大を防ぐために先手先手で予防的措置を講じるためだと説明し、理解を求めました。また東京オリンピック・パラリンピックについて、「人類の努力と英知によって難局を乗り越えていけることを東京から発信したい」と開催の意義を強調しました。
この中で菅総理大臣は、東京都に4回目となる緊急事態宣言を出すと決定したことについて、「東京の感染拡大は全国に広がりうるものだ。ここで再度、東京を起点とする感染拡大を起こすことは、絶対に避けなければならない」と指摘しました。
そのうえで、「先手先手で予防的措置を講じ、東京都に緊急事態宣言を今ひとたび発出する判断をした。ワクチンの効果がさらに明らかになり、病床の状況などに改善が見られる場合には、前倒しで解除することも判断する」と述べました。
そして、「前回の宣言を解除してから3週間で再び宣言に至り、国民の皆様に、さまざまな負担をかけることは大変申し訳ない思いだ。この期間を乗り越えて、安心の日常を必ず取り戻すという決意で取り組んでいく」と述べ、理解を求めました。
またワクチン接種について、先行して接種が進められた国々では、1回接種した人の割合が人口の4割に達したあたりから感染者の減少傾向が明確になったという指摘もあるとしたうえで、「今のペースで進めば今月末には希望する高齢者の2回の接種は完了し、1度でも接種した人の数は全国民の4割に達する見通しだ」と述べました。
そして、全国の自治体には、先月までに9000万回分のファイザーのワクチンが配分され、そのうち4000万回が在庫となっていることが見込まれるとして、在庫を合わせて活用すれば、一日120万回程度のペースで接種を続けることが可能だと説明しました。
そのうえで、接種が進む市町村に多く配分できるよう見直し、配分量を早期に示すほか、企業や大学などの接種も申請の精査を速やかに行い、対応していく考えを示しました。
一方、東京オリンピック・パラリンピックについて菅総理大臣は、緊急事態宣言のもとでの異例の開催となると指摘し、「これまで、緊急事態宣言となれば無観客も辞さないと申し上げてきた」と述べたうえで、このあと開かれる組織委員会、東京都、IOC=国際オリンピック委員会などとの5者会談において、観客の取り扱いが決められると説明しました。
そして「新型コロナという大きな困難に直面する今だからこそ、世界が一つになれること、そして人類の努力と英知によって難局を乗り越えていけることを東京から発信したい。安心・安全な大会を成功させ、未来を生きる子どもたちに夢と希望を与える、歴史に残る大会を実現したい」と述べて、開催の意義を強調しました。
一方、「どのような状況を実現すれば、安心・安全な東京大会が開催できたと言えるのか」と質問されたのに対し「東京大会が人流を引き起こし、感染拡大につながることは、絶対避けなければならない。ウイルスに侵入されず、感染拡大を阻止したという結果は大事だ」と述べました。
また、韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領が東京大会に合わせて日本を訪れた場合、首脳会談を行う考えはあるかと問われたのに対して、開会式への韓国からの出席者はまだ決定していないとしたうえで「大統領が日本を訪れる場合は、外交上、丁寧に対応することは当然のことだと認識している」と述べました。

●4回目の緊急事態宣言 東京都の措置内容 施設別 7/8
4回目の緊急事態宣言の期間中に東京都が行う「緊急事態措置」についてまとめました。
酒やカラオケ設備を提供する「遊興施設」には、法律に基づいて休業要請を行います。提供しない場合は感染を防ぐ対策を行うよう要請するとともに、午後8時まで営業時間を短縮するよう要請します。対象になるのはキャバレー、ナイトクラブ、ダンスホール、スナック、バー、パブなどです。
また、酒やカラオケ設備を提供する「飲食店」にも、宅配やテイクアウトのサービスは除いて、法律に基づいて休業要請を行います。提供しない場合は感染を防ぐ対策を行うよう要請するとともに、宅配やテイクアウトのサービスは除いて、午後8時まで営業時間を短縮するよう要請します。対象になるのは居酒屋を含む飲食店、喫茶店などです。
酒やカラオケ設備を提供する「結婚式場」には、法律に基づいて休業を要請します。提供しない場合は営業時間を午後8時までに短縮するよう要請します。開催時間については最大で1時間半とし、収容人員については50人または定員の50%の小さいほうにするよう、都独自に協力を依頼します。
「劇場」や「博物館」、「運動施設」などは、法律に基づいて、人数の上限は5000人で、定員の50%以内とするよう要請します。イベントを開催する場合は営業時間を午後9時までにするよう要請します。
イベント開催以外の場合は、床面積の合計が1000平方メートルを超える施設は午後8時までにするよう法律に基づいて要請し、1000平方メートル以下の施設には都独自に午後8時までの時短への協力を依頼します。また、感染を防ぐ対策を行うよう要請するほか、酒とカラオケ設備の提供の自粛や、利用者による酒の持ち込みを認めないことも要請します。
対象になるのは劇場、観覧場、映画館、プラネタリウム、演芸場、集会場、公会堂、展示場、貸会議室、文化会館、多目的ホール、ホテルの集会用の部分、旅館の集会用の部分、体育館、スケート場、水泳場、屋内テニス場、柔剣道場、ボウリング場、野球場、ゴルフ場、陸上競技場、屋外テニス場、ゴルフ練習場、バッティング練習場、スポーツクラブ、ホットヨガ、ヨガスタジオ、テーマパーク、遊園地、博物館、美術館、科学館、記念館、水族館、動物園、植物園などです。
「商業施設」や「遊興施設」などでは、床面積の合計が1000平方メートルを超える施設に、生活必需品の販売やサービスを除いて、法律に基づいて午後8時までの営業時間の短縮を要請します。1000平方メートル以下の施設には、都独自に午後8時までの営業時間の短縮の協力を依頼します。また、感染を防ぐ対策を行うよう要請するほか、酒とカラオケ設備の提供の自粛や利用者による酒の持ち込みを認めないことも要請します。
要請や協力依頼の対象になるのは大規模小売店、ショッピングセンター、百貨店、マージャン店、パチンコ屋、ゲームセンター、個室ビデオ店、個室付浴場業に係る公衆浴場、射的場、勝馬投票券発売所、場外車券売場、スーパー銭湯、ネイルサロン、エステティック業、リラクゼーション業などです。
幼稚園や小学校、中学校、高校、大学、それに保育所や介護老人保健施設などには、感染リスクの高い活動を制限することや、遠隔授業の活用など効果的な授業を実施することに協力を依頼します。
葬祭場には、酒の提供やカラオケ設備の使用を自粛するよう協力を依頼します。酒については施設への持ち込みを認めないことも求めます。
図書館は入場の整理を行うよう協力を依頼します。
「遊興施設」のうちネットカフェ、マンガ喫茶など、「商業施設」のうち銭湯、理容店、美容店、質屋、貸衣装屋、クリーニング店などには入場の整理への協力を依頼するとともに、酒の提供とカラオケ設備の使用を自粛するよう協力を依頼します。酒については施設への持ち込みを認めないことも求めます。
自動車教習所や学習塾などにはオンラインの活用への協力を依頼します。
このほかイベントの開催については、主催者に対して、人数の上限は5000人で定員の50%以内とすること、開催時間を午後9時までに短縮すること、それに業種ごとのガイドラインを順守し、参加者に直行・直帰の呼びかけを徹底するよう要請します。
職場への出勤については、テレワークの活用や休暇を取得することなどによって出勤者の7割削減を目指すよう要請します。また、事業の継続に必要な場合を除いて、従業員は午後8時までに仕事を終えて帰宅させるよう要請します。
都民に対しては、日中も含めて医療機関への通院や生活必需品の買い出し、必要な職場への出勤、屋外での散歩など、生活や健康の維持に必要な場合を除いて、原則として外出しないよう、法律に基づいて要請します。そのうえで、午後8時以降の不要不急の外出自粛、混雑している場所や時間を避けて行動すること、不要不急の帰省や旅行など都道府県をまたぐ移動を極力控えること、路上や公園などで集団で酒を飲むことなど、感染リスクが高い行動の自粛を徹底するよう要請します。
東京都の小池知事は8日夜、臨時の記者会見を開きました。このなかで、小池知事は「今回の緊急事態宣言は国の強い危機感のもとで発出されるものであり、都としても国と危機意識を共有する。人の流れの抑制や基本的な感染防止対策の徹底に向けて、実効性のある一層強力な措置を講じていく」と述べました。また、小池知事は「都のモニタリング会議では、感染が再拡大し、若年層や中年層の入院患者が増加し、重症患者も増えていて、特に50代が顕著だという分析をいただいた。夜間の繁華街の滞留人口も増加傾向にあり、午後8時を過ぎたハイリスクの時間帯を含めて依然として高い水準での推移となっている。さらに感染力が強いと言われるデルタ株も増加していて、流行の主体に置き換わることも想定されている。この影響で新規陽性者数のさらなる増加も危惧される。事態はより切迫しており、何としてでもこれ以上の感染拡大を止めなければならない」と述べました。そのうえで、小池知事は「都民の命や健康を守るための3つの柱は、第一に飲食店の対策を強化すること。第二に重症者が増えている50代に的を当てた、いわば『50代問題』への重点的な対応。第三にワクチン接種の推進だ。この3つの柱の対策を徹底的にやり抜いていく」と強調しました。

●東京に4回目の緊急事態宣言 首相「先手で予防的措置」 7/8
政府は8日夕、新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長・菅義偉首相)の会合を開き、東京都に4回目となる緊急事態宣言の発令を決めた。沖縄県への宣言と首都圏3県、大阪府への「まん延防止等重点措置」は延長する。期間はいずれも12日から8月22日まで。宣言下で行われる東京五輪(7月23日〜8月8日)は首都圏1都3県で全会場の無観客開催が決まった。
東京は感染再拡大が止まらず、お盆休みも含めた対策強化が必要と判断した。首相は8日夜、首相官邸で記者会見し、東京への宣言発令について「再度感染拡大を起こすことは絶対に避けなければならない。先手先手で予防的措置を講ずる」と説明。「国民にさまざまな負担をかけることは、大変申し訳ない思いだ」と述べる一方、ワクチンの効果などを見極めた上で宣言を「前倒しで解除することも判断する」と語った。
東京五輪に関し「全人類の努力と英知で難局を乗り越えていけることを東京から発信したい」と強調。「安心安全な大会を成功させ、歴史に残る大会を実現したい」と表明した。
宣言下では、プロ野球などの大規模イベントは、人数上限5000人かつ収容率50%の制限があり、午後9時までの時間短縮も求められる。これを踏まえ、政府や大会組織委員会、東京都、国際オリンピック委員会(IOC)などによる5者協議や関係自治体との協議会が8日夜に開かれ、東京都と埼玉、千葉、神奈川3県での全会場の無観客開催で合意した。
宣言対象の東京と沖縄では、飲食店に対して酒類提供停止と午後8時までの営業時間短縮を要請する。重点措置の区域でも酒類提供を原則停止とし、知事の判断で緩和できるようにする。首相は「(要請に応じる)飲食店に対しては協力金を事前に支払うことを可能とする」と語った。
一方、北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県に適用中の重点措置は7月11日をもって解除する。

●菅総理、東京に4度目の「緊急事態宣言」発出を表明 来月22日まで 7/8
菅総理は8日、政府対策本部会議で東京都に対し「緊急事態宣言」を発出する考えを示した。4度目となる緊急事態宣言の期間は今月12日から来月22日までの6週間になる方針。
また、沖縄県で続いている「緊急事態宣言」や埼玉・千葉・神奈川・大阪に適用されている「まん延防止等重点措置」は来月22日まで延長し、北海道・愛知・京都・兵庫・福岡については今月11日で解除する方針を示している。
会見で菅総理は「ワクチンの接種回数が5400万回を超えた」と報告。高齢者のおよそ7割、全国民の3割が1回の接種を終えたと明かした。
政府が示した基本的対処方針では、宣言の対象地域だけでなく、まん延防止等重点措置の適用地域でも飲食店に原則として酒類の提供を行わないよう求めている。その上で、政府は4回目の緊急事態宣言の発出に当たって、酒類の提供停止などに応じた飲食店に協力金の先渡しを図ると発表。一方、要請に応じない飲食店に対して、西村大臣は命令や罰則を厳格に適用する考えを示すとともに、酒の販売事業者に対し、取引の停止を求める方針を示している。

●東京に4度目の緊急事態宣言 五輪は1都3県で無観客に 7/8
日本政府は8日、新型コロナウイルスの感染対策のため、東京都に4度目の緊急事態宣言を出すと決め発表した。期間は12日から8月22日まで。これを受け、今月23日開幕の東京オリンピックは、都内と近隣3県では無観客で開催することを、関係5者が協議で決定した。
沖縄県に出されている緊急事態宣言も来月22日まで延長する。東京オリンピックは、すべての競技と式典が緊急事態宣言下で行われることになる。
8日夜に記者会見した菅義偉首相は、「ワクチンの接種が大幅に進展し、全国の多くの地域で新規感染者の減少が続いている」、「残念ながら首都圏では感染者数は明らかな増加に転じている。要因は人流の高止まりに加え、新たな変異株のデルタ株の影響だ」と説明。
「東京の感染拡大は全国に広がり得る。(中略)夏休みやお盆で、多くの人が地方に移動することが予想される。新型コロナとの闘いに区切りが見えてきた中で、東京を起点とする感染拡大は絶対に避けなければならない。先手先手で予防的措置を講ずることとし、東京都に緊急事態宣言を今ひとたび発出する判断をした」と述べた。
また、ワクチン接種の効果がさらに明らかになり、病床の状況に改善が見られれば、前倒しで解除するとした。
現在、まん延防止等重点措置が適用されている埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県は、来月22日まで適用を延長する。一方、北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県は、今月11日で重点措置を解除する。
菅首相は会見で、緊急事態宣言が出される東京都と沖縄県では、飲食店での酒類の提供を一律に停止するとした。また、重点措置が出ている地域でも、酒類の提供は原則停止とし、地域の状況に応じて判断すると述べた。
五輪については
東京オリンピックが2週間後に迫る中、東京都では新型ウイルスの感染者が改めて増えている。8日は896人、前日の7日は920人だった。8日まで19日連続で、前の週の同じ曜日を上回っている。感染がさらに拡大することを懸念し、東京オリンピック・パラリンピックの延期や中止を求める声は、幅広い層から出ている。菅首相は東京大会の開催について、「緊急事態宣言の中で異例の開催となる」と認めたうえで、「ウイルスの国内流入を徹底して防いでいく」と決意を述べた。観客については、「緊急事態宣言となれば無観客も辞さないと言ってきた。このあとの5者協議で観客の取り扱いが決まる予定だ」と述べた。また、「世界で40億人がテレビを通じて視聴するといわれるオリンピック・パラリンピックには、世界中の人々の心を1つにする力がある。新型コロナという大きな困難に直面する今だからこそ、世界が1つになれることを、そして人類の努力と英知によって難局を乗り越えていけることを、東京から発信していきたい」と思いを語った。そして、「今回の大会は多くの制約がありこれまでと異なるが、だからこそ安心安全な大会を成功させ、未来を生きる子供たちに夢と希望を与える歴史的な大会を実現したい」と話した。
観客はどうなる
8日には、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が来日した。同日夜、大会組織委員会、政府、東京都、国際パラリンピック委員会(IPC)の代表の大会関係5者による協議にオンラインで臨んだ。協議では、会場に観客を入れるのかどうかが話し合われた。終了後、丸川珠代五輪相は、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県で開催される競技について、無観客で開催することが決まったと発表した。また、宮城、福島、静岡の3県で行われる競技は、会場の収容人数の50%か1万人のいずれか少ない方まで、観客を入れて実施すると述べた。大会組織委の橋本聖子会長は、「極めて限定された形を余儀なくされるのは大変残念。チケット購入者、地域の皆さんに大変申し訳ない」と、謝罪した。東京オリンピックは7月23日〜8月8日、パラリンピックは8月24日〜9月5日の日程で開催が予定されている。
日本の感染状況
日本では4月に、感染の第4波が発生し、感染者が増加した。ただ、新型ウイルスの流行が始まってからの感染者数は比較的少なく、死者も1万4900人ほどとなっている。7日の新規感染者数は2180人だった。うち920人は東京都で確認され、前の週の同じ曜日の714人から大きく増えた。1010人を記録した5月13日以来の多さとなった。日本のワクチン接種事業は展開が遅く、これまでに接種を完了した人は国民の約15%にとどまっている。デルタ変異株の脅威も高まっている。東京都と大阪府では特に感染者が増えている。政府は7月末までに、65歳以上の高齢者のワクチン接種を完了させたい意向だ。菅首相は8日の会見で、「全国の津々浦々で接種が進んでいる。今や世界で最もスピードのある接種が行われていると言われている」との見解を示した。そのうえで、「一部の自治体などからはワクチンが足りないとの声が出ている」、「ワクチンの配分方法を見直し、配分量を早期に示すことで、接種が円滑に進むように努めていく」とした。さらに、「9月までに希望するすべての国民に接種可能となる2億2000万回分が確保できている」と説明した。日本は現在、イギリスを含む159カ国からの外国人の入国を禁止している。
国民はオリンピックを望んでいるのか
東京オリンピック・パラリンピックに反対の人は多い。先月下旬の朝日新聞の世論調査では、開催の「中止」か「再び延期」がよいと答えた人は計60%に上った。朝日新聞は5月に社説で、中止すべきだと訴えた。予定されていたパブリックビューイングは中止され、企業は世論の反対を懸念して、オリンピック関連の広告を出すのをためらっている。

●東京都に4回目の緊急事態宣言、コロナ感染拡大で再び酒類提供停止要請  7/8
東京都は8日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う4回目の緊急事態宣言が12日から発令されるのを受け、同日以降、再び飲食店に酒類提供の全面停止などを要請する感染防止策を発表した。対象は都内全域で8月22日まで。
都の対策は、酒類やカラオケ設備を提供する飲食店などには休業を要請し、提供をやめる場合には午後8時までの営業時間短縮を求める内容。現行のまん延防止等重点措置では、2人以下の客に限って午後7時までの酒類提供を認めている。酒類提供の全面停止要請は、6月20日まで発令されていた前回の緊急宣言以来となる。
そのほかは現状のまん延防止等重点措置の要請内容とほぼ同じで、百貨店などの大規模商業施設などには、午後8時までの時短営業を要請。イベント開催の人数上限は5000人とする。
宣言期間中、都の要請に全面協力した事業者には事業規模に応じた協力金として、飲食店は1店舗あたり168万〜840万円などを、大規模施設は1000平方メートル当たり1日最大20万円などを支給する方針。都は7月8日、協力金支給のため5118億円の補正予算を専決処分した。
小池百合子知事は同日夜の対策本部会議で「飲食店への対策やワクチン接種の推進などの対策で、これ以上の感染拡大を何としても食い止めていく」と強調した。

●「緊急事態宣言」と「まん延防止等重点措置」どう違う?  7/8
まん延防止等重点措置の対象となっている東京都で新型コロナウイルスの感染が拡大し、政府は8日、対策本部の会合で、東京に12日から、4度目となる緊急事態宣言を発令することを決めた。沖縄県の緊急事態宣言や、神奈川、埼玉、千葉、大阪の4府県のまん延防止措置は延長する。「緊急事態宣言」と「まん延防止措置」。そもそも何がどう違うのか。目的や対象地域、制限の内容、できること・できないことの線引きなど、気になる点を整理した。
首都圏の状況
東京都…7月11日までまん延防止措置、12日から8月22日まで緊急事態宣言
神奈川県、埼玉県、千葉県…8月22日まで「まん延防止措置」延長
対策 緊急事態なら休業も、まん延防止は時短のみ
今回の政府方針では、まん延防止の対象地域で、条件付きで認めてきた酒類提供を原則停止とし、知事が制限を緩和すると判断した場合のみ条件付きで午後7時まで提供できる仕組みに変えた。緊急事態宣言の対象地域では、酒類を提供する飲食店には休業要請が出される。政府は、酒類の販売事業者に対しても、休業要請等に応じない飲食店との取引をしないよう求める。緊急事態宣言では、飲食店などに対し、休業や営業時間短縮の命令や要請ができる。一方、まん延防止措置では休業の命令や要請はできず、営業時間短縮のみとなる。具体的な命令、要請の内容は、政府が取りまとめる「基本的対処方針」の内容を基本とした上で、各都道府県の知事が地域の状況を踏まえて対策の上乗せをする。基本的対処方針の内容は変更を重ねている。
対象地域 緊急事態は都道府県全域、まん延防止は一部地域
緊急事態宣言は各都道府県全域が対象になるのに対し、まん延防止措置は特定の地域内で感染を抑え込むことを目的とし、知事が指定した地域のみが対象になる。例えば、東京都は檜原村と奥多摩町、島しょ部はまん延防止措置の対象外だが、緊急事態宣言になれば、全域が対象地域となる。
大規模イベント観客制限
プロスポーツなどの大規模イベントの観客は、緊急事態宣言でもまん延防止措置でも同じで、「5000人」か「会場収容人数の50%」の少ない方が上限となる。どちらも解除後1カ月程度の経過措置では「1万人」か「会場収容人数の50%」の少ない方が適用される。まん延防止措置解除後に上限1万人とする経過措置は、6月16日に開かれた政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会で新たに了承された。この上限1万人を東京五輪・パラリンピック大会に適用するかどうかは、議論があったが、東京に緊急事態宣言が発令されることを受け、都内を無観客とするなどの調整が行われている。
命令違反の罰則は?
知事は時短営業や休業の要請を拒んだ飲食店などに命令を出すことができ、命令に応じない場合は行政罰が科される。罰の重さには差があり、緊急事態宣言は30万円以下の過料、まん延防止措置は20万円以下の過料だ。
発令、適用のタイミングは?
医療提供体制の逼迫具合や新規感染者数を示す指標をもとに4段階で区分される感染状況が発令、適用の目安になっており、緊急事態宣言は最も深刻な「ステージ4(爆発的感染拡大)」、まん延防止措置は「ステージ3(感染急増)」で出される。ただ、機械的に発令、適用されるわけではなく、政府が専門家の意見を踏まえて最終判断している。6月15日時点の指標では、大阪府は入院率と人口10万人当たりの療養者数がステージ4相当だったが、20日まででの緊急事態宣言解除が決まった。
緊急事態宣言、まん延防止措置を巡る課題
休業や営業時間短縮の命令、要請を巡っては、線引きが曖昧になり、内容に納得できない業界団体が行政に抗議するケースもある。東京都に対する緊急事態宣言が延長された5月には、劇場や演芸場の営業が条件付きで認められた一方、映画館は休業要請のままとなり、映画館の関係者が都庁前で無言の抗議デモを行った。こうした線引きには、都庁内からも「説明が難しい」という声が漏れていた。まん延防止措置の対象地域の絞り込みでも、線引きが課題になった。市町村ごとの指定が可能で、地域の感染状況に合わせたきめ細かな対応ができるが、線引きの結果、同じ駅周辺の繁華街で対象になる区域と、ならない区域が混在する事態も起きた。東京都に4月12日からまん延防止措置が適用された際には、JR三鷹駅北側の武蔵野市が対象となる一方、南側の三鷹市は対象から外れ、時短営業要請は武蔵野市内の店なら午後8時、三鷹市内なら午後9時と時差が生まれた。適用初日には「つい三鷹市側に来てしまう」と明かす客もいた。時短営業などの要請の実効性にも課題がある。実効性は、命令に違反した場合の罰則と、要請に応じた事業者への協力金の支払いによって担保されているが、5月には飲食店経営者から「時短要請に協力したいが、できない」という声が聞かれた。東京都などで時短協力金の支給が遅れていたからだ。5月下旬時点では、3月8〜31日分の未支給率が東京都で45.8%、神奈川県で51.0%だった。
効果は?
社会経済活動を強く制限する緊急事態宣言の方が、人の流れを抑制する効果が強い可能性を示すデータはあるものの、宣言期間が長引いた場合に抑制効果が薄れていく傾向もみられる。厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」で、東京都医学総合研究所の西田淳志・社会健康医学研究センター長が提出した主な繁華街の滞留人口の分析結果によると、東京都では4月12日のまん延防止措置の適用直後より、同月25日の緊急事態宣言発令直後の方が大幅に減少した。この分析は、衛星利用測位システム(GPS)を活用し、繁華街にレジャー目的で滞留したとみられる人口を推定している。東京都では、4月の緊急事態宣言直前に90万人を超えていた午後2〜4時の滞留人口が、宣言後には一時的に50万人台にまで下がった。ただ、6月13日までの分析では「5週連続で繁華街滞留人口が増加。夜間・昼間ともに宣言前の水準にまで戻りつつあり、宣言解除後はさらに増加する可能性」と指摘された。  

●バッハ会長、緊急事態宣言知らなかった?「どういうことか、うかがいたい」  7/8
国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は8日夜、東京五輪の観客受け入れを決める5者会議の冒頭で、「緊急事態宣言はどういうことなのか。それが五輪・パラリンピックにどのようなインパクトをもたらすのか、お話をうかがいたい」と発言した。バッハ氏は4月の記者会見で、東京に3度目の緊急事態宣言が出されることについて「東京五輪とは関係がない」と発言して世論の反発を招いていた。
5者会議には、丸川珠代五輪相、東京都の小池百合子知事、大会組織委員会の橋本聖子会長らが出席。バッハ氏の発言は公開された会議冒頭で飛び出した。
5者協議などの結果、都内と埼玉、千葉、神奈川の3県で行われる競技は無観客とする一方、宮城、福島、静岡の競技は収容人数50%、あるいは1万人以内の小さい方で実施することが決まった。
 
 
 

 

●京大・藤井聡教授が4度目緊急事態宣言で菅首相をボロカス批判 7/9
政府は8日、新型コロナウイルス特別措置法に基づき、東京都に4度目となる緊急事態宣言の発令を決定。すでに出されていた沖縄への宣言と埼玉、千葉、神奈川、大阪に適用中のまん延防止等重点措置の延長も決めた。期間は12日から来月22日まで。かねて宣言に伴う副作用≠懸念してきた京都大学大学院の藤井聡教授(52)は政府の方針が示されると、「もうマジでついて行けません」と自身のツイッターに投稿。その真意を明かした――。
東京都はこの日、896人が新たに新型コロナに感染したと発表。19日連続で前の週の同じ曜日を上回った。政府は今後、医療提供体制のひっ迫を招きかねないと判断し、4度目となる緊急事態宣言の発令を決定した。飲食店での酒類提供は原則禁止とする。
菅義偉首相は会見で、デルタ株による感染拡大に懸念を示し「東京を起点とする感染拡大は絶対に避けなければならない。先手先手で予防措置を講じることにした」と説明した。
今回の政府の方針が報じられると、藤井氏は自身のツイッターで「もうマジでついて行けません」と投稿。続けて「菅が馬鹿な理由」として、1だったら五輪ヤメロ2だったらもっと補償シロ3これまでの宣言基準と全然違う4ワクチン何のために打ってきたんだ――と4点を挙げ、「コロナ禍の原因はコロナじゃなく菅さんだったのです」と斬り捨てた。
取材に応じた藤井氏は、最大の問題点として「緊急事態宣言というものは、要件が満たされた場合に出されないといけない。今回は要件がこれまでと全く違う段階で出しており、政治家の政治的な目的のために行政を歪めた形になっている。私の友人も言っていたが、これは暴挙でファシズム的政策である」と批判。「メディアや法律家は徹底批判すべき問題です」と指摘した。
そのうえで、宣言の発令による国民感情についてこう言及した。
「まず国民感情的に一番腹が立つのは、宣言を出すならオリンピックもやめろよってことですよ。水際対策どころかズルズルに外国人を入れてるのに、いろんなイベントを緊急事態ということで中止にさせてる。どれだけダブルスタンダードや、って話ですよ。治外法権を自分で作っているようなもので、国民感情としては大きなポイントですよね」
藤井氏はかねて、コロナ感染死者数がさざ波<激xルであるのはデータ上明らかで、ゼロコロナ社会を求めるあまり、経済を犠牲にするのは日本全体が滅びると主張している。
コロナ感染死だけでなく、倒産や失業といった経済的被害による、うつ病や自殺者の増加もすべて検討したうえで、被害が最も小さくなるようなベストウェイを模索すべきだとして、緊急事態宣言の発令には否定的な立場を取ってきた。
それだけに「劇薬ですさまじい副作用があるから補償を徹底すべきなのに、何も補償を決めないまま発出だけを決めた。さざ波にすらなっていないのに予兆だけで宣言を出して、店がつぶれて、自殺する人が増えるなんてバカな話はない。実質的な国民の生命と財産に対する危機という点で極めて深刻だ」と怒りをにじませた。
さらに、藤井氏はワクチン接種についても言及した。
「中には嬉々として打っている人もいるだろうが、ワクチンはみんな嫌々打っているわけです。副作用もあって怖いし、熱が出る人もいる。それを辛抱して打つのは、五輪をはじめとした社会がちゃんと動くため、緊急事態宣言を避けたいため。医療崩壊さえ起こさなければ緊急事態宣言なんてやらなくていいし、これだとワクチンを打っている意味がない」
緊急事態なのに東京五輪は開催という矛盾≠抱えながら、都民は6週間の我慢を強いられることになる。

●緊急事態宣言下の五輪、有効な感染対策は「中止」では 7/9
政府が東京都に4度目の緊急事態宣言を発令する。宣言期間は東京五輪の開催期間と丸かぶりで、感染拡大防止のための最終手段というより、何がなんでも五輪を開催するための宣言なのは見え見えだ。これが安倍晋三前首相、菅義偉現首相が再三繰り返してきた「人類がコロナに打ち勝った証しとしての五輪」と言えるのか。今、最も効果的な感染防止策は「五輪中止宣言」ではないのか。
「言い出しっぺ」は安倍前首相
五輪を「コロナに打ち勝った証し」と言い始めたのは、安倍晋三前首相だった。昨年3月16日の先進7カ国(G7)首脳とのテレビ電話会議で、併せて「完全な形で実施したい」と述べ、各国の支持を得たという。安倍氏は同月23日の参院予算委員会でも「全ての参加国が万全な状態で参加できることが重要だ」「(コロナを)克服した証しとして五輪を開催したい」と述べた。五輪の1年延期が決まったのは、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長と電話会談した翌24日。同日の会見でも「打ち勝った証しとして」と発言した。
後を継いだ菅氏も昨年10月、国会での所信表明で「人類がウイルスに打ち勝った証しとして(五輪を)開催する決意だ」と語った。今年3月21日の自民党大会でも同じフレーズを繰り返した。4月の日米首脳会談では使わず、「世界の団結の象徴」に表現を変えたが、帰国後、このことを衆院本会議で野党議員に追及されると「打ち勝った証しとして五輪を実現するとの決意に何ら変わりない」と答えた。
安倍氏が言い出した昨年3月は、国内の1日当たりの新規感染者数が2桁で推移していた時期。振り返ると、まだ楽観論もあった。大阪大発の医療ベンチャー「アンジェス」が同月、国産ワクチンの開発着手を発表。早ければ昨年中に実用化され、今夏に接種が行き渡る観測が出ていた。新型インフルエンザ治療薬「アビガン」が新型コロナ肺炎の特効薬になるとの期待もあった。
実現しなかった感染防止「楽観プラン」
一方、政府は当初から、PCR検査を抑えつつ濃厚接触者をたどるクラスター対策に重点化。各国で爆発的に患者が増える中、患者数を比較的抑えた時期でもあった。安倍氏は昨年5月、最初の緊急事態宣言解除を決めた際の記者会見で「わずか1カ月半で流行をほぼ収束させることができた。『日本モデル』の力を示した」と胸を張った。
しかし、楽観プランは現実にならなかった。アンジェスのワクチン実用化は来年以降になる見通しが強まっている。政府は米ファイザー社など海外製薬会社製ワクチンの確保も手間取り、接種ペースは先進国の中でも遅れが目立つ。接種に当たる地方自治体からは供給不足に恨み節が上がる。
昨秋から年明けにかけては患者数の1000人超が常態化した。政府が東京など1都3県に2度目の緊急事態宣言を出したのは、今年1月7日。それから半年で、まん延防止等重点措置の適用と宣言再発令を2度繰り返す事態に陥っている。
緊急事態宣言下の五輪は、むしろ「コロナに打ち勝てなかった証し」ではないのか。首都圏の複数の医療機関で在宅医療を中心に手がける木村知医師は「現状でコロナに打ち勝ったと言える要素はない。菅氏は、五輪を開催しても爆発的に患者が増えなければ、勝ったと言うつもりなのだろうか。緊急事態宣言を出すほど感染者が増えているのに、リスクを増やす五輪を開催するのは意味が分からない」と憤る。

●緊急事態宣言で「異例の五輪」と菅首相 「安全安心」と矛盾だらけ 7/9
政府が東京都への4度目の新型コロナウイルス緊急事態宣言発令を決定し、23日開幕の東京五輪は宣言下で開催されることが決まった。首相が繰り返してきた「安全安心の五輪」を、宣言下で実施できるのか。野党からは「矛盾だ」との批判が噴出する。お盆や帰省の時期も控え、宣言中に感染再拡大を招く懸念もぬぐえない。
「説得力なし」
首相は8日の記者会見で、宣言下の五輪を「異例の開催」と認めつつ「コロナという困難に直面する今だからこそ、世界が一つになれることを発信する良い機会だ」と意義を強調した。
一方、8日の衆院議院運営委員会では、立憲民主党の青柳陽一郎氏が「コロナに打ち勝ってもいない。『安全安心な五輪』も説得力がない」と批判。共産党の志位和夫委員長は記者会見で「酒を出すな、外出するな、運動会、夏祭り、花火大会も全部中止だと(国民に)求めながら、五輪だけやるというのは矛盾した態度だ」と指摘した。
そもそも緊急事態宣言は、コロナの感染状況が国民生活や経済に甚大な影響を及ぼす恐れがある危機的な状況下だと判断し、発令する。首相は6月の党首討論で五輪に関し「国民の命と安全を守るのは私の責務だから、そうでなければできない」と発言したが、感染状況が悪化しても開催ありきの姿勢は堅持。官邸幹部は先の先進7カ国首脳会議(G7サミット)の結果を受け「各国の支持を得た国際公約」と別の開催理由を挙げる。
疑義あり
これまで政府は、感染拡大防止への強い決意を示しながら、再拡大を抑えられない負の流れを繰り返してきた。
6月の宣言解除の際、首相は「何より警戒すべきは大きなリバウンドだ」と強調した。だが、都市部を中心に人の流れが増加。首相が「切り札」と位置付けるワクチン接種も、自治体や企業で加速し始めたタイミングで供給が追いつかなくなり、政府自らブレーキをかける形になった。
西村康稔経済再生担当相は8日の参院議運委で「人出が増え(酒類提供の自粛)要請に応じない店も出てくる中で感染が拡大している」と説明したが、立民の吉川沙織氏は「宣言解除の判断が適切だったのか疑義がある」と指摘した。
軌道修正余儀なく
五輪の観客問題では、世論の動向が首相の判断に影響を与えた可能性が高い。
首相は観客入りにこだわっていたが、4日投開票の東京都議選では、中止や無観客開催を訴えた勢力が過半数を獲得。公明党の山口那津男代表が「無観客をベースにした方がよい」と明言し、大会組織委員会の森喜朗前会長が「無観客だっていい」と語るなど、外堀は埋まっていった。政府高官は「国民の総意みたいなものだから流れにさおさすことも大事だ」と軌道修正を認める。
ただ、無観客開催でも感染拡大の懸念は消えない。五輪後にはお盆や帰省時期を迎え、同時に感染力が強い変異株のデルタ株(インド株)への置き換わりが進むとみられている。政府の基本的対処方針分科会メンバーの舘田一博・東邦大教授は8日、記者団に「気の緩みや慣れなどの重なりを考えると、かなり厳しい状況になっていく」と警鐘を鳴らした。

●キャンセル、減便を警戒 緊急事態宣言、夏休み直撃―観光・運輸業界 7/9
政府が8日、新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて東京都に4回目となる緊急事態宣言の発令を決め、観光・運輸業界に衝撃が広がった。宣言期間は12日から8月22日までと「書き入れ時」である夏休みを直撃。これに合わせ東京五輪も都内の会場は全て無観客で開催されることが決まった。各社は旅行のキャンセル、航空減便といった動きがどこまで広がるか警戒を強めている。
「旅行の申し込みは徐々に回復していたが、緊急事態宣言で間違いなく大きな影響を受ける」。日本旅行業協会で国内旅行を担当する高橋広行副会長(JTB会長)は8日の記者会見でこう話し、必要があればキャンセル発生時の補償などの支援策を政府に求めていく考えを明らかにした。
旅行大手の幹部は「宣言期間中は東京を発着するツアーは中止になるのではないか。予約が減った分は政府の雇用調整助成金などを活用して乗り切るしかない」と対応に苦慮。別の同業大手関係者は、沖縄での宣言延長について「沖縄は夏の国内旅行の定番中の定番だ。非常に手痛い」と肩を落とした。都内の大手ホテルの社員は「五輪を見る予定だったお客さまが予約をキャンセルするのではないか」と心配げに話す。
日本航空は8日、国内線の運航について事業計画比で7月後半に約700便、8月前半には3300便を減らすと発表したが、東京や沖縄の緊急事態の影響は反映していない。さらなる減便を迫られる公算が大きく、関係者は「苦しいところだ」と打ち明ける。全日本空輸は近く、宣言の影響を踏まえた運航計画を発表する予定だ。
JR東日本は今月後半に新幹線と在来線特急で臨時列車の運行を決めている。4連休や五輪期間の移動が減ることで、関係者は「少なからず(利用や収入への)影響は出てくるだろう」と話した。JR東海も21〜31日に東海道新幹線の臨時列車を運転する予定だが、状況次第で計画の見直しを迫られそうだ。

●東京で緊急事態宣言、酒類提供を一律停止 7/9
1 規制強化の内容は?
菅義偉首相が7月8日、緊急事態宣言の発令を発表するとともに「(宣言を発令する)東京、沖縄では、感染リスクを封じ込めるために飲食店における酒類の提供を一律に停止する」と表明した。「まん延防止等重点措置」の対象となる神奈川や大阪など4府県でも、酒類の提供は原則停止する(知事の判断で午後7時までは提供できる)。これまで東京都のまん延防止措置の地域では、1組2人までを対象とした酒類の提供を認め、オーダーは午前11時〜午後7時の間までとし、滞在時間は90分以内にするよう要請していた。店舗の営業時間については、これまでと同じく午後8時までとなっている。西村康稔経済財政・再生相は同日、飲食店での酒類提供を強化する方法を提示。酒類の提供を停止せず、休業要請にも応じない店との取引はやめるよう、酒類の販売業者に促すという。休業要請に応じない飲食店の情報を金融機関に教える方針も示したが、行き過ぎているなどと指摘を受け、7月9日に撤回することとなった。
2 酒類の提供制限を強化する理由は?
西村大臣は7月8日、時短営業の要請などこれまでの取り組みに対して「協力している飲食店からは(時短営業などを行っていない飲食店に客が集まりにぎわっていることに)不公平感を抱いている声が多数ある」と指摘した。協力している店舗は早期に支援していく一方で、協力しない店には改正新型インフルエンザ等対策特別措置法で定めた命令や罰則を実施することに加え、上記のように取引業者にも働きかけ「メリハリをつけて公平に対応していく」とした。
3 店でお酒を出さないことが、感染抑制に有効な理由は?
菅首相は7月8日、「お酒を伴う飲食は、どうしてもマスクを外す時間が長くなる」などとリスクを訴えた。政府はこれまでも飲酒の影響で気分が高揚し、注意力が低下したり、大声になりやすいことなどを理由として、飲食を伴った集まりが感染リスクを高めると説明してきた。ただ、酒席がどれだけ感染拡大に影響してきたのか、見えにくいとの指摘もある。これに対して厚生労働省の専門家組織であるアドバイザリーボードは7月7日、酒の出る会食に複数回参加した人は新型コロナに感染しやすくなるとの分析結果を公表。過去2週間のうちに、酒の出る3人以上の会食に2回以上参加した人は、それ以下の回数の人に比べて約5倍感染しやすかったという。
4 協力しない飲食店への罰則は?
緊急事態宣言の対象地域では、特措法に基づいて休業を要請・命令できる。命令に従わない店には30万円以下の過料を科すことが可能。また、まん延防止措置の対象地域では命令に従わなければ20万円以下の過料が科される可能性がある。 これらは従来と変わらない。
5 一度罰則を受けたら、もう罰則は受けない?
東京都ではこれまで過料が科せられたケースが4件ある。西村大臣は7月8日の会見で「過料がなされても引き続き要請に従ってもらえない場合はさらに命令を行い、過料の手続きを行うというように、繰り返し対応していく」と述べた。
6 協力している飲食店への支援状況は?
現在、休業や時短の要請に従った飲食店には、感染拡大防止協力金が支給されている。今回の緊急事態宣言の発令を受けて、東京都では7月12日〜8月22日までの間、前年または前々年の1日当たりの売上高に応じて、中小事業者を対象に1店舗につき1日あたり4万〜10万円、大企業は売上高の減少額に応じて、同上限20万円を支給するよう変更する予定だ。懸念されているのは支払いの時期。協力金は緊急事態宣言の期間外でも、金額を変更しながら支給されてきたが、支払いにかなりの日数を要している。東京都の支給決定率は、2021年4月1日〜11日の期間で78%、4月12日〜5月11日では36%にとどまっている(7月8日時点、店舗数ベース)。5月12日以降の協力金については、受け付けもまだ始まっていない状況だ。支払いの遅延はコロナ禍前の営業実態の証明や、申請書類に不備があった際の差し戻しが原因になっていた。そこで、7月8日の会見で西村大臣は、今回の協力金を巡り、過去の支給を受けている飲食店については、酒類の提供を自粛する旨の誓約書を提出することを条件に、1日あたり4万円を一律で先行して支給する考えを明らかにした。
7 酒類販売業者への支援は?
国や東京都は、緊急事態宣言やまん延防止措置に伴う飲食店休業などの影響を受けた酒類販売業者を含む中小企業・個人事業者に、売り上げの減少額に応じた支援を打ち出してきた。ただ、都は、酒類提供を続けた飲食店との取引停止要請を巡る新たな支援について「まだ国から具体的な指針が来ていないので、現時点で決まっていることはない」としている。
8 酒類販売業者などの反応は?
都内の酒類販売業者などでつくる東京小売酒販組合の吉田燕F理事長は「これまでも長期にわたって大きな打撃を受けており、(酒類提供が一律停止となることで)赤字状態に追い打ちがかかる」と話す。組合に加盟している酒店からは「酒の提供を続けている飲食店から『今回の要請に応じて取引を中止するのであれば今後の関係も見直す』と言われた」といった連絡もあったといい、影響がコロナ収束後にも及ぶ可能性を懸念。政府に対して、要請の見直しと支援の充実を求めた。大手ビール会社からは「業務用の売り上げは(新型コロナの流行が始まった)昨年もボロボロだったが、今年はそれをさらに下回る状況にある。今回の宣言発令で一層厳しくなる」「全国に宣言が拡大することがなければいいが」と先行きを懸念する声が聞かれた。今回の一律停止を受けて、飲食店への影響を不安視するメーカーの意見は多い。キリンビールの布施孝之社長は7月9日の記者会見で、個人的な意見としたうえで「外食の苦しみは当然分かっている。確かに飲食店は感染ルートの1つだと思うが、家庭や職場における(感染ルートの)分析を説明しない中で、飲食店は行動規制が強くなっている。行政の要請に従う気持ちはあっても、これだけ長く続くと経営が立ち行かない。皆、資金繰りに奔走している。心配しているのは外食産業に携わる従業員が400万人以上いることだ。どんどん離職する傾向も出ていて、雇用と食文化の維持が難しくなっている。新型コロナの感染拡大を防ぐため規制は必要だが、それに見合う補助とのバランスをうまくかじ取りしてもらいたい」と述べた。
9 コンビニエンスストアなど、個人に対する酒類の販売への影響は?
東京都の担当者は「現時点でコンビニなどでの酒類の販売自粛要請は検討していない」と話す。一方で、飲食店が時短営業をする中で散見される路上飲みに関しては「自粛のポスターをコンビニに掲示してもらえるようお願いするなどの対策は引き続き行っていく」としている。
10 法的には今回の酒類提供への規制強化の要請に問題はない?
憲法が専門の慶応義塾大学大学院法務研究科の横大道聡教授は「特措法45条2項で定められている都道府県知事が使用制限などを要請することができる施設は、学校や社会福祉施設、興行場のほか、多数が利用する施設とされている」と指摘。そのうえで「入場を伴う施設が要請の対象とされている中で、どうして飲食店に酒類を販売する業者への要請が可能なのか。今回のようなやり方はそもそも想定されていない。政令によって今回の要請措置を追加するとしたら、委任の限度を超え違法ではないか」と疑問を呈す。加えて、「今回の要請は、法律の根拠のない要請ということになるが、酒類の販売業免許を出す国税庁などとの関係で、事実上は強制のように機能する可能性が高い」と指摘。「飲食店で酒類を提供することが感染の拡大に寄与しているというのであれば、きちっと証拠を示したうえで個別の法律をつくって規制することが筋ではないか」と強調している。

●東京都に4回目の緊急事態宣言 暮らしはどうなる 7/9
政府は、東京都に4回目となる緊急事態宣言を出すことを決めました。東京オリンピックは、開催期間すべてが宣言の時期に含まれることになり、新たな感染拡大につながらないよう対策に万全を期すことにしています。私たちの暮らしはどうなるのでしょうか。新型コロナウイルス対策で、政府は、東京都に対し、7月12日から8月22日まで、4回目となる緊急事態宣言を出すとともに、沖縄県に出されている宣言も8月22日まで延長することを決定しました。また、まん延防止等重点措置について、埼玉、千葉、神奈川と大阪の4府県では、8月22日まで延長する一方、北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県は、11日の期限をもって解除することを決めました。政府は、飲食店での感染対策を強化するため、酒の提供停止を要請するとともに営業時間の短縮要請に応じた事業者への協力金を先渡しできる仕組みを導入し、支給を迅速化するなど、実効性を高めたいとしています。
東京都 酒提供の飲食店に休業要請
東京都は、8日夜、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、7月12日から8月22日までの4回目となる緊急事態宣言のもとで実施する措置を決定しました。それによりますと、酒やカラオケ設備を提供する飲食店などに対しては休業を要請します。提供しない場合は午後8時までの時短営業を要請します。都は、6月21日から、利用を1グループ2人まで、滞在時間を90分までなどの制限を設けて酒の提供を認めていましたが、3週間で、再び提供の停止を求めることになります。一方、床面積の合計が1000平方メートルを超える大規模施設に対しては休業要請は行わず、引き続き時短営業を要請します。時間は、デパートやゲームセンターなど、客が自由に出入りできる施設は午後8時まで、劇場や展示場などの施設がイベントを開催する場合や、映画館は午後9時までです。このほか、イベントについては、開催時間を午後9時までとしたうえで、人数の上限は5000人で、定員の50%以内とするよう要請します。さらに、都民に対しては、日中も含めた不要不急の外出と移動を自粛し、特に帰省や旅行などの都道府県をまたぐ移動は極力、控えるよう求めます。
デパート各社
東京都に緊急事態宣言が出されることを受けたデパート各社の対応です。三越伊勢丹、松屋、東急百貨店は、都内の店舗については現在、午後8時までとしている営業時間については変更せず、宣言が出される週明け12日・月曜日からレストランなどでの酒の提供は中止するということです。高島屋、そごう・西武、京王百貨店、東武百貨店、小田急百貨店は具体的な対応は検討中としていますが、酒の提供の中止を含めて東京都の要請に沿って対応する方針だとしています。
外食チェーン
東京都に緊急事態宣言が出されたあとの外食チェーン各社の対応をまとめました。対応は、いずれも都内の店舗についてです。
ファミレス
まず、ファミリーレストランです。最大手の「すかいらーくホールディングス」は、展開している「ガスト」や「バーミヤン」の営業時間を午後8時までとし、アルコールの提供は終日、休止します。「デニーズ」も同様で、午後8時に閉店し、アルコールの提供を終日、とりやめます。「サイゼリヤ」のほか、「ロイヤルホスト」や「てんや」を展開する「ロイヤルホールディングス」は、政府や東京都の要請に沿って対応する方向で検討しているということです。
牛丼チェーン
続いて、牛丼チェーンです。「すき家」、「吉野家」、それに「松屋」は、店内での飲食は午前5時から午後8時まで、それ以外の時間帯は持ち帰りでの営業を行うとしています。アルコールの提供はいずれも終日、休止します。
大手居酒屋チェーン各社
東京都に緊急事態宣言が出されることを受けた大手居酒屋チェーン各社の対応です。外食チェーンのコロワイドは、国や東京都の要請に従うとしていて、都内の焼き肉店やレストランでは営業時間を短縮するとしています。また、「甘太郎」など都内にある居酒屋の店舗は、休業を検討中だとしていて、詳細について調整を進めています。ワタミも要請に従い、都内にある「ミライザカ」や「三代目鳥メロ」など、70店舗の居酒屋を休業します。このほか、「庄や」などを展開する大庄グループや、「串カツ田中」は対応を検討中だとしています。 

●「東京は焼け野原だ」ウーバー配達員が緊急事態宣言下に見たもの 7/9
新型コロナウイルス禍で収入はゼロ、所持金は300円あまり。追い詰められた28歳の男性が選んだのは、東京への「出稼ぎ」だった。初めて緊急事態宣言が出された1カ月間、料理宅配サービス「ウーバーイーツ」の配達員として自転車をこぎ続けた男性は「2020年の東京は焼け野原だ」と感じたという。疾走する自転車から見えた景色はどんなものだったのだろうか。
男性は、青柳拓さん。大学で映画を学んだあと、地元の山梨県で映像製作の仕事や運転代行のアルバイトをしながら映画を作る機会をうかがっていた。しかし、新型コロナの感染拡大で仕事がなくなり、収入がゼロに。地元にはほかに仕事がなく、出稼ぎを決意した。「何よりお金がなく、稼がないといけませんでした。もちろん人がいなくなった東京にも興味がありました。自由に動ける自転車配達員の視点から記録すれば、何か見えてくるのではないかと考え、撮影を始めました」
緊急事態宣言下の20年4〜5月の東京。スマートフォンや小型カメラを使って自身や身近な風景の撮影を続けた。それをまとめたドキュメンタリー映画「東京自転車節」が、今年7月10日に公開される。疾走感あふれる配達員の視点と、青柳さんの独白を中心に描かれている。
ウーバーイーツは、配達員が個人事業主として契約する料理配達サービス。配達員は企業ロゴの入ったバッグを購入し、さらに自転車などの装備品は全て自前で用意する必要がある。日本では16年9月にサービスを開始したが、新型コロナによる外出自粛の影響で需要が急拡大し、配達員を始める人も増えた。配達員は気軽になれて好きな時間に働ける一方で、個人事業主のため就業中に事故に遭っても労災保険が適用されないことや、装備費用の負担が重いことが問題点として指摘されている。
青柳さんはこう振り返る。「実は最初は、配達員に憧れもあったんです。人の流れが途絶えた東京で人と人をつなぐような、都市に血を通わすイメージがあった。でも、実際は『置き配』という配達する商品を玄関前に置くケースがほとんどで、お客さんと顔を合わすこともありませんでした。誰の役に立ったのかすらわからない。自分はシステムの一部になっているだけなんだと気付きました」
青柳さんの違和感は次第にウーバーの「システム」に向けられていく。 ・・・
 
 
 

 

●4度目の緊急事態宣言、都民嘆き 発令決定後、初の土曜 7/10
東京都を対象に4度目となる新型コロナウイルスの緊急事態宣言発令決定後、初めての土曜日を迎えた10日、都内の観光地や繁華街では、終わりの見えない自粛生活に「ストレスがたまる」と嘆く声や、宣言の効果に懐疑的な声が聞かれた。宣言下で開かれる東京五輪には複雑な心境をのぞかせた。
例年なら、朝から観光客でにぎわう東京・浅草。土産物店「オカダヤ」の店長菊地洋子さん(76)は「宣言は仕方ないが、観光客が減ると思うので痛手。常連客で何とか持ちこたえているが、まだまだ踏ん張らないといけない」と話した。
宣言の期限は23日に開会式を迎える東京五輪期間を含めた来月22日まで。

●4度目緊急事態宣言に「守っている人とやけくその人が…」 7/10
タレントのビートたけし(74)が10日、TBS「新・情報7daysニュースキャスター」(土曜後10・00)に生出演。政府が東京都に4度目の発令を決定した新型コロナウイルスの緊急事態宣言について言及した。
政府は12日から8月22日までの緊急事態宣言再発令を決定。TBSがある赤坂まで移動してきたたけしは「やけくそになっているよ。赤坂の街を通ってきたらマスクしないでガブガブ飲んでいる人がいて。こりゃダメだなあ。ちゃんとしている人と、やけくそになっている人も店も…」とコメント。
たけしは「来週から(手を上下に広げて)こんなになっちゃうんじゃない?これまで通り、ちゃんと守っている人と、そんなことどうでもいいって言う人と。人によって考え方が全然違ってきちゃって怖いよ」とコロナ禍での感染対策に関する人々の意識の差を嘆いていた。

●緊急事態宣言直前の週末 東京・渋谷は多くの若者や買い物客 7/10
12日、東京都に4回目の緊急事態宣言が出される直前の週末を迎えましたが、東京・渋谷では若者や買い物客の姿が多くみられました。
東京都に4回目の緊急事態宣言が出される直前の週末となった10日、JR渋谷駅前では、午前中から多くの若者や買い物客が商業施設や飲食店などに向かう姿が見られました。
都内に住む20歳の大学3年生の女性は「宮城県で行われるオリンピックの女子サッカーの試合のチケットが当たりましたが、緊急事態宣言が出るので観戦には行かずに払い戻しすることにしました。残念ですが、大規模なロックフェスティバルも中止となっているので、しかたないと思います。これから就職活動ですが、何回も緊急事態宣言が繰り返されると影響が出ないか心配です」と話していました。
また、35歳の会社員の男性は「緊急事態宣言はもう4回目なので、生活は変わらないと思います。夏休みは特に予定は入れていないので、これまでどおり感染対策をしながら過ごします」と話していました。
高校1年生の男子生徒は「部活の試合が中止になってしまい残念です。夏休みは緊急事態宣言中になりますが、遊びたいというのが正直な気持ちです」と話していました。

●4度目の緊急事態で希薄に?都内の人出、一部で増加 7/10
9日夜の都内の繁華街の人出は、4度目の緊急事態宣言の発出が決まったにもかかわらず、1週間前と比べて大きくは減少していないことが分かりました。
携帯電話の位置情報のデータによりますと、午後8時台の各地の人出は1週間前に比べて渋谷センター街で2.3%、新宿・歌舞伎町で13.5%、赤坂で10.3%減少した一方、新橋で8.5%、六本木で8.7%、銀座で3.2%増加しました。
12日からの緊急事態宣言に伴って、東京都は飲食店に対して酒類の提供をしないように求めることになりますが、前回の宣言期間で夜の人出が減少していないことから、規制の実効性が問われています。

●東京の人出 多くの地点で前週より増加 「まん延防止」地域でも  7/10
4回目の緊急事態宣言が出されることが決まった東京や、まん延防止等重点措置が延長される地域では、9日の人出が多くの地点で1週間前より増加しました。
NHKは、IT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使って、東京や沖縄などの主な地点の人の数を分析しました。
分析した時間は、日中が午前6時から午後6時まで、夜間が午後6時から翌日の午前0時までです。
それによりますと、9日、東京の人出は1週間前と比べて多くの地点で増加しています。
各地点の増加率は、渋谷スクランブル交差点付近で日中は37%・夜間は13%、東京駅付近で日中は3%・夜間は2%でした。
一方、緊急事態宣言の延長が決まった沖縄では、那覇市の県庁前駅付近で日中は9%、夜間は34%減少しました。
まん延防止等重点措置が延長される埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県では、さいたま市の大宮駅付近で日中は10%・夜間は7%、横浜駅付近で日中は5%・夜間は21%、大阪梅田駅付近で日中は3%・夜間は7%、それぞれ増加しました。
一方、千葉駅付近では日中が13%、夜間は2%減少しました。 

●北海道も一転、五輪無観客で開催 再発令の東京との往来懸念 7/10
東京五輪・パラリンピック組織委員会は9日夜、札幌ドームで行われる五輪のサッカー男女1次リーグを全て無観客で開催すると発表した。
同日午後に、日中に始まるセッション(時間帯)は収容人数の50%以内で最大1万人の観客を入れて実施すると発表したが、急きょ決定を覆した。これにより、新型コロナウイルス禍の東京五輪は全42会場の約8割が集まる首都圏1都3県のほか、北海道も無観客開催となった。
北海道の鈴木直道知事は、緊急事態宣言再発令が決まった東京都など、首都圏との往来を防ぐのが困難であるのが理由とした。東京、埼玉、千葉、神奈川の観客が北海道を訪れないよう組織委に対策を求めたが、実効性の担保が無理だと判断。「道民の安心安全を最優先した判断と理解してほしい」と語った。
札幌市でのマラソン、競歩は沿道での観戦自粛を要請する。
組織委は10日、五輪の観客上限制限に伴うチケットの再抽選結果を公表した。再抽選の対象は、北海道のサッカーが外れ、宮城県のサッカーと福島県でのソフトボールと野球のうち、チケット購入者が観客上限を超えている計4セッション(時間帯)だけとなった。
公式サイトのマイチケットで「有効」と表示されれば、そのまま観戦できる。抽選に漏れた場合は「無効」と示される。有効のチケットでも20日午前までは払い戻しを受け付ける。無観客となった会場や抽選に外れた場合は自動的に払い戻しとなる。

●緊急事態宣言に無観客五輪、大誤算の「菅シナリオ」 7/10
7月4日に投票が行われた都議会選挙は、多くの専門家の予測とは異なり、自民党と公明党は合計しても過半数には届かなかった。逆に都民ファーストが盛り返し、議席は減らしたものの、自民党と拮抗する第2党の地位を確保した。獲得議席数は、都民31(−14)、自民33(+8)、公明23(±0)、共産19(+1)、立民15(+7)、維新1(±0)、生活者ネットワーク1(±0)、無所属4(−1)である。
議席増でも「敗北感」の自民、議席減でも「健闘」とされる都民ファ
自民党の伸び悩みは、コロナ対策失敗と東京五輪開催強行の責任を菅政権が背負うことになったことにある。とくに選挙期間中に、自治体や職場に届けるべきワクチンが不足し、接種予約を取り消さざるをえなくなるような失態を演じたことが大きな打撃になった。コロナ感染の惨状は東京の話なのだが、小池都知事は自らの入院で話題をそらせ、その責任を上手く逃れたし、また、東京五輪については、主催者にもかかわらず目立たないようにして、批判の矢が飛んで来ないように知恵を働かせている。投票率は42.39%と、過去2番目の低さであったが、これに助けられたのが公明党で、当落線上の候補がギリギリで滑り込み、山口代表が言うように「奇跡的に」全員当選を果たしたのである。立憲民主党と共産党は議席を上積みしたが、それは両党間の選挙協力が功を奏した結果である。しかし、来たるべき衆議院選挙で大躍進を遂げるほどの伸びは見せていない。
「総選挙で勝利」への戦略が揺らぎ始めた菅政権
選挙の帰趨を決めたのは無党派層であり、都民ファーストの会が最大の受け皿になり、自民党にはあまり流れていない。これでは複数候補を立てた自民党が共倒れになるのは当然である。自民党の弱体化を感じざるをえない。菅政権になって、主要選挙における自民党の戦歴は芳しくない。1月24日の山形県知事選、3月21日の千葉県知事選、4月25日の国会補選(衆院北海道2区、参院長野、参院広島)、6月20日の静岡県知事選と自民党は全敗している。コロナ感染を収束させ、東京五輪を成功させて、人心を変え、支持率を上げて衆議院選挙を勝利するという菅首相の戦略が根本から揺らぎ始めている。
期待と裏腹、増える感染者
新型コロナウイルスについては、東京都では、菅首相の期待とは逆に感染が急拡大しており、7月7日のコロナ感染者は920人と先週の水曜日より206人増加して、人々を仰天させた。900人を超えるのは5月13日以来である。しかも、感染は全国にも波及しており、全国では2191人と、6月10日以来の2000人超という数字が出てしまった。大阪府が151人、北海道が67人、沖縄県が58人と各地で高い数字になっている。7月8日も東京都の感染者は896人と高い水準にあり、増加幅も拡大している。全国では2246人と増え、全国に拡大していることも懸念される。この1つの原因は、変異ウイルスのデルタ株(インド型)の市中感染が広まっていることにあると考えられる。世界でも、今やデルタ株が主流になっているが、感染力の強いことが特色であり、その感染速度とワクチン接種スピードとの競争が繰り広げられている。残念ながら、先述したように、日本では供給不足から接種にブレーキがかかっており、深刻な事態に陥る危険性がある。感染者が1000人を超える状態で東京五輪開会を迎える事態になりそうであり、大会期間中に2000人を超すと予測する専門家もいる。東京都などのまん延防止等重点措置の期限である7月11日を前に、政府はその後の対応を検討してきたが、感染の驚くべき急拡大を受けて、7月8日、東京都に8月22日まで緊急事態宣言を発令することを決めた。沖縄県についても緊急事態宣言を継続することにした。また、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府はまん延防止等重点措置を延長する。北海道、愛知県、京都県、兵庫県、福岡県は、措置を11日で解除する。
900億円見込んだチケット収入はほぼゼロに、損失は国民の税金から
そのような緊迫した状況の中、8日午後、IOCのバッハ会長が来日した。最悪のタイミングである。東京への4度目の緊急事態宣言発令が決まり、専門家は第5波の到来を危惧している。しかも、訪問先に挙げている広島は大雨に直撃され、山陽新幹線も運休されるなど大きな被害が出ている。熱海の土石流災害現場での救出活動も続けられており、多くの人たちにとって、五輪どころではない状況である。バッハ会長には、日本の現状を正しく認識してもらいたいと思う。到着後、夜にはバッハ会長はオンラインで5者協議に臨んだが、協議の結果、首都圏の全会場で無観客とすることが決まった。そこまでやるのなら、静岡県、福島県、宮城県も、つまり全会場で無観客にすべきである。首都圏のコロナ陽性者が都外の競技会場に行くことによって感染を広げる可能性が高まるからである。会場外での移動のときもそうである。無症状の陽性者がいるというウイルス特質を考慮すべきであろう。チケット収入は900億円を見込んでいたが、それはほぼゼロとなってしまう。開催都市との契約では、IOCは責任を負ったり、賠償をしたりしないという「不平等条約」となっているので、その損失は日本国民の税金でカバーすることになる。まさに踏んだり蹴ったりである。
華やかさのない五輪に
海外から見ると、緊急事態宣言下での五輪開催は、常軌を逸したものである。世界では、この種の宣言が発せられると、都市封鎖(ロックダウン)が行われるということであり、警察官が街角に立って許可無く外出する者を取り締まることになる。生活必需品を扱う店以外は営業停止となり、多くの人が集まる大型イベントは中止になる。今回の緊急事態宣言発令は、都議選での事実上の「敗北」の結果に神経質になった自民党政権が、感染急拡大という事態に過剰に反応したものである。感染拡大を止めることができずに、最悪の場合、五輪中止に追い込まれるという事態を避けなければ、先述した菅戦略が水泡に帰してしまうからである。政府のコロナ対策の失敗が厳しく問われることになり、民意は離反し、支持率は下がってしまう。「菅義偉では選挙は戦えない」というムードが自民党内に広まると、早期退陣も視野に入ってくる。そこで、極めて異常な状況での、異常な五輪となり、そこには華やかさの欠片もないことになる。世界ではデルタ型の変異株の感染拡大に危機感が強まっている。WHOによると、6日時点で、104の国や地域に感染が拡大している。たとえばインドネシアではデルタ株の影響もあって7日のコロナ感染者は3万4379人にのぼり、死者も1000人を超え、現地在住の日本人もこれまでに12人が死亡している。
フランスでは、3つの地域で、デルタ株の比率が50%を超え、危機感を募らせているフランス政府は、規制強化に乗り出す方針である。フランス人が楽しみにしている夏のバカンスさえ台無しになると言われている。マクロン大統領は、次期開催地がパリなので来日する予定であるが、支持率が低下し、先の地方選挙でも大敗するなど苦しい政権運営が続いている。五輪のために来日することは、大統領にとっては何の利点もないようである。日本でもデルタ株が急速に広がっており、全国で304人の感染が確認されている。最多が東京都で61人、次いで千葉県の48人、神奈川県の41人、大阪府の31人、愛知県の27人などとなっている。この変異ウイルスの感染拡大状況を注意して見る必要がある。ファイザーやモデルナなどのワクチンは、変異株に対しても有効であり、接種の加速化が求められる。ところで、8月22日まで緊急事態宣言となると、東京の飲食業界などは壊滅的な被害を受けることになる。酒類の提供ができなくなれば、店を閉めざるをえないという経営者の声が相次いでいる。休業協力金も不十分であり、しかもその支払いも遅れているとなれば、背に腹は代えられないとして規制破りの店が増えそうである。
東京五輪には、3兆円もの経費がかかっている。それを考えれば、雀の涙程度の補償でよいはずはない。33兆円という五輪の経済効果、インバウンドの高まりが声高に喧伝されてきたため、積極的に設備投資を行った企業も多い。しかし、パンデミックですべてが裏目に出てしまった。これは誰の責任でもなく、台風や地震などの自然災害と同じで、政府が救いの手を差し伸べるしかない。しかし、残念ながら、政府が十全に機能しているとは思えないのが、日本の現状である。ヨーロッパは今、サッカー欧州選手権で盛り上がっている。11日に決勝戦が行われるが、開催地のイギリスでは観客数などの制限を大幅に解除している。ジョンソン首相は19日にコロナ規制を全面解除する。デルタ株の感染拡大はあるものの、ワクチン接種が順調に進んでいることを念頭に、「いつまでも規制は続けられない。新型コロナウイルスとの共存を図る」と明言している。しかし、このサッカー選手権で感染拡大が起こるようなことがあれば、大規模スポーツイベント開催に対して逆風が吹くことになる。そして、東京での感染がさらに拡大すれば、中止という選択肢が浮上してくるかもしれない。いずれにしても、歴史に残る異常な大会となることは間違いない。

●氷業者が存続の危機に 東京 4回目の緊急事態宣言で  7/10
新型コロナウイルスの感染拡大で東京都に4回目の緊急事態宣言が出されることを受けて、飲食店などに氷を販売する事業者は厳しい状況に追い込まれています。
東京・中央区にある創業73年の氷の卸売り会社は、製氷メーカーから仕入れた氷を専用の機械を使って切り分け、飲食店やホテル、イベント業者などおよそ700店舗に販売しています。
飲食店などに対する時短営業や休業要請の影響で去年春から売り上げは半減したうえ、取り引き先の1割ほどが廃業したということです。
およそ20人いる従業員の一部を休ませたり、国の助成金を活用したりして雇用を維持してきましたが、12日から東京都に再び緊急事態宣言が出されることで、経営状況はさらに厳しくなるとみています。
氷の需要が急増する夏場は年間売り上げの半分近くを占める“かき入れ時”ですが、緊急事態宣言のもと酒を提供する飲食店などに再び休業要請が出されるうえ、大型イベントの中止が相次ぎ、先行きが見通せないといいます。
「中央冷凍産業」の伊藤弘光社長(46)は「感染状況を踏まえれば緊急事態宣言は致し方ない部分もあるが、経営的には大きな痛手で心が折れる。この夏を乗り越えられるか、会社の存続が危ぶまれる状況だ」と話していました。

●緊急事態宣言への対応まとめ 居酒屋 外食チェーン デパート  7/10
東京都に緊急事態宣言が出されることを受けた、大手居酒屋チェーン各社、外食チェーン各社、デパート各社の対応をまとめました。
外食チェーンのコロワイドは、国や東京都の要請に従うとしていて、都内の焼き肉店やレストランでは営業時間を短縮するとしています。「甘太郎」など都内にある居酒屋の店舗は、休業を検討中だとしていて、詳細について調整を進めています。ワタミは要請に従い、都内にある「ミライザカ」や「三代目鳥メロ」など70店舗の居酒屋を休業するほか、「白木屋」など展開するモンテローザも、都内にある200店舗余りを休業します。「庄や」などを展開する大庄グループや「串カツ田中」は対応を検討中だとしています。
最大手の「すかいらーくホールディングス」が展開している「ガスト」や「バーミヤン」の営業時間を午後8時までとし、アルコールの提供は終日休止します。「デニーズ」も同様で、午後8時に閉店し、アルコールの提供を終日とりやめます。「ロイヤルホスト」や「てんや」を展開する「ロイヤルホールディングス」もレストランは午後8時に閉店し、アルコールの提供は休止するとしています。「サイゼリヤ」は、政府や東京都の要請に沿った対応を検討しているということです。
「すき家」「吉野家」「松屋」は、店内での飲食は午前5時から午後8時まで、それ以外の時間帯は持ち帰りでの営業を行うとしています。アルコールの提供はいずれも終日休止します。
三越伊勢丹、松屋、東急百貨店、東武百貨店は、都内の店舗については現在午後8時までとしている営業時間については変更せず、宣言が出される今月12日月曜日からレストランなどでの酒の提供は中止するということです。高島屋、そごう・西武、京王百貨店、小田急百貨店は具体的な対応は検討中としていますが、酒の提供の中止を含めて東京都の要請に沿って対応する方針だとしています。

●「オリンピックむり!」と張り紙の立川相互病院長 7/10
新型コロナウイルスの感染者を受け入れ、「オリンピックむり!」と窓ガラスに張り紙を掲示している立川相互病院(東京都立川市)の高橋雅哉院長(58)が9日、本紙の取材に「無観客でリスクが少しは減ると思うが、コロナ禍に猛暑が重なる時期。開催反対の意思は変わらない」と語った。
「医療は限界 五輪やめて! もうカンベン オリンピックむり!」との紙を張りだしたのは4月30日。院長が発案し、院内会議で了承された。「感染状況は五輪延期を決めた昨年3月より悪いのに、再延期や中止にならないまま開催が近づき、おかしいと考えた」と話す。
張り紙は会員制交流サイト(SNS)で批判もあったが、地元からは好意的に受け取られたという。五輪開幕への動きが進む状況に「人の流れを抑える緊急事態宣言と、(選手や大会関係者ら)海外から数万人が来る五輪は根本的に矛盾する」と批判する。
病院では昨年4月のコロナ患者受け入れ後、中途採用できた看護師は例年の3分の1の5人。新型コロナの入院患者は6月末に2人まで減ったが、再び増えて12人と、現時点で稼働できる16床に迫る。「開催されたら、災害が起きたと思って対応する。五輪関係者が搬送されても、一般と同じように受け入れる」と決意する。
 
 
 

 

●首都圏・大阪・沖縄で酒停止 実効性が課題 東京12日から緊急事態宣言 7/11
政府は12日、新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」が適用されている東京都に4度目となる緊急事態宣言を発令する。
宣言を延長する沖縄県とともに、飲食店に酒提供の一律停止を求める。重点措置を継続する埼玉、千葉、神奈川、大阪4府県も飲食店の酒提供を原則停止とする。
東京、沖縄の宣言、4府県の重点措置の期限はいずれも8月22日。東京五輪(7月23日〜8月8日)やお盆休みの期間が含まれ、人の移動による感染再拡大が懸念されることから、事業者や国民に対策の徹底を改めて呼び掛ける。
政府が重視するのが飲食店などでの感染対策だ。現在の重点措置下の首都圏4都県などでは条件付きで午後7時までの酒類提供が認められてきたが、東京都は酒類やカラオケを提供する飲食店に休業要請する。
重点措置区域の酒提供は週明け以降、原則停止となり、知事の判断で緩和できるようにした。酒を出さない場合でも、午後8時までの営業時間短縮を引き続き求める。
酒の提供停止要請をめぐっては、従わない飲食店が少なくない。いかに協力を得るかが課題となる。
政府は飲食店に支給する協力金について、誓約書提出を条件に先払いできるようにする。協力金を申請しても支給まで時間がかかり、要請を拒む店舗があったためだ。また、酒の販売業者には、要請に応じない店との取引を行わないよう求める。都府県の命令に従わない事業者には過料を科す。
北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県に適用中の重点措置については、7月11日の期限で解除する。 

●小池知事の「50代問題」対策 東京で「最後の緊急事態宣言」は?  7/11
4度目の緊急事態宣言の発令が決まった東京都。新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、小池百合子知事が対策の1つとして打ち出したのが「50代問題」対策だ。感染者数が全国で最多の東京では、入院患者も重症患者も世代別で50代が最も多くなっているためだ。東京五輪の開幕が23日に迫る中、「何としても最後の緊急事態宣言に」と話した小池知事。50代問題の対策で感染者抑止をできるのか。
50代 入院、重症患者が最多
「高齢者のワクチン接種の効果もあるように思うが、陽性者数も入院患者数も高齢者層から50代に移ってきている。フェーズが変わって50代が最も多い状況にあるわけで、まさに『50代問題』と言っても過言ではない」
東京に緊急事態宣言が発令されることが決まった8日夜、小池知事は臨時会見で、「都民の命・健康を守る3つの柱」として、1飲食店対策の強化250代問題への重点的な対応3ワクチン接種の推進ーを打ち出した。
柱の対策の1つとして、50代問題を上げたのは、50代の入院患者数、重症患者数が増えているためだ。
年代別の入院患者数1673人(7日時点)のうち、50代は355人で全体の21%。60代(188人)、70代(155人)を大きく上回った。年代別の重症患者数62人(7日時点)でも、60代が12人、70代が17人だったのに対し、50代が全体の37%を占めて最多だった。
基礎疾患多く
小池氏は「50代の重症者は、男性の方が多い。心疾患、糖尿病、肝機能障害などの基礎疾患をお持ちの方、高血圧、高コレステロール、メタボの方も多い。さらに喫煙歴のある方も重症化のリスクが高いと、このような指摘がある。特に注意が必要になる」と指摘した。
さらに感染経路について「職場また飲食店で感染して(家庭に)持ち込んでいるという可能性が高い」。50代は基礎疾患を持つ人が増え、働き盛りで会食などをする機会も多いことから入院、重症者が増えているとの認識を示した。その上で、テレワークの徹底や、商談、打ち合わせなどでのオンラインの推進、飲食やお茶をする際は、小人数、小声、短時間の徹底を呼び掛けた。
翌9日の定例会見でも、小池氏は50代問題の対策の重要性を繰り返し「高齢者のワクチン接種は、7月中には希望する全ての方々の接種は完了するという予定だ。50歳代に対してのワクチンの接種を集中的に進めていく」とし、国に必要なワクチンの供給確保を求めた。
さらに「ワクチンが皆さんに行き渡るまでの間というのは、これまで通りの基本的な感染防止対策の徹底、それから人流の抑制ということが大事になっていく。一方でワクチンの接種のスピードを(いかに)上げていくかと、この両方でいくしかない」とし、「何としてでも最後の緊急事態宣言にしていく。そのためにも、皆さん一人ひとりの行動、これが鍵になってそして未来を作っていく」と呼び掛けた。
「安全、安心な五輪進める」
23日からは東京都、神奈川、千葉、埼玉の1都3県を無観客にしての異例の形で東京五輪が始まる。無観客とはいえ、五輪の開催は感染者の増加につながらないのか。
9日の記者会見では、記者から「感染状況や医療提供体制がさらに悪化したとしても、今後の大会中止の判断ということは、あり得ないのか」と質問が出た。
小池氏は「コロナ禍で世界中がうつむいてきた、この中でスポーツの力を持って、世界中40億人の方がご覧になる」とした上で、「そういう意味で安全・安心な大会を進めていくことについては、IOCも、またその後のパラリンピックのIPCも、国、組織委員会、そして当然私どもも同じ思いでございます」と東京五輪の意義を強調した。

●杉村太蔵、東京の緊急事態宣言に「憲法違反だと思います」… 7/11
元衆院議員でタレントの杉村太蔵が11日、TBS系「サンデー・ジャポン」(日曜・午前9時54分)にコメンテーターとしてリモート出演した。
番組では、東京都のまん延防止等重点措置が11日に期限を迎え、12日から4度目の緊急事態宣言が発出されることを報じた。
MCの「爆笑問題」太田光から「(これまでの緊急事態宣言は)若い人が動き回って高齢者にうつすのを防ぐために人流を止めるというのがあったけど、ワクチンが普及する中で今までと同じ緊急事態宣言を出す意味を、もう少し深く説明して欲しい」と菅義偉総理に詳しい説明を求める発言を受け、「菅総理の会見を見たけど、そこの説明が全くないでしょ」同調。「(7日に)920人の感染者が出た時も、60歳以上の感染者はわずか60数名ですよ。ワクチンの効果が出ている。7月に入ってから、亡くなっている方はずっと一ケタですよ」と熱く語り、「この状態で緊急事態宣言を出すって、僕は憲法違反だと思いますよ」と主張した。

●東京に4度目の「緊急事態宣言」8月22日まで 7/11
菅義偉総理は8日、東京に4回目の「緊急事態宣言」を発出、首都圏の千葉、埼玉、神奈川と大阪の4府県に対しては「まん延防止等重点措置」を延長。沖縄県についても「緊急事態宣言」を延長すると発表した。いずれも8月22日まで。東京の「緊急事態宣言」は7月12日からスタートする。
菅総理は「新型コロナウイルス感染症は全国的には減少しているが、東京を中心とする首都圏は6月末以降、感染者数の増加が続いている」とし、「変異株の影響も考慮する」とし「再び全国への感染拡大を波及させないためにも対策を強化する必要がある」とした。
これにより、五輪開催を強行するには東京・千葉・埼玉・神奈川の4都県での五輪競技は「少なくとも完全無観客でなければ国民の理解を得るのは程遠い状況になる」との見方が強まっている。
ネット上では「緊急事態なんだったら、まずオリンピックなんて出来ない。普通に考えたらフェスも中止ならオリンピックだって同じだし、緊急事態宣言出すならオリンピックだって出来ない。なぜオリンピックだけ強行しようとするのか全く理解できない。税金は国民のために正しく使ってほしい」「各地で聖火リレーやオリンピックなんてやっている場合ではないと思う」。
「何故政治家や彼らと懇意にしている特定企業や五輪選手の為に国民や国内企業が我慢しなければならないのか。五輪には応援どころか憎しみしかない」「学校では一生に一度の体育祭や文化祭ができない。でも五輪はやる。本当に理不尽だし、これじゃあ感染者数も減らない」などなど開催そのものに厳しい声が相次いでいる。5者協議での観戦の取り扱いが注視される。

●“宣言”が出る東京や“まん延防止”の4府県 夜間の人出増加  7/11
4回目の緊急事態宣言が出されることが決まった東京や、まん延防止等重点措置が延長される埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県では、10日の人出が夜間中心に1週間前より増加しました。
NHKは、IT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て、個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使って、東京や沖縄などの主な地点の人の数を分析しました。
分析した時間は、日中が午前6時から午後6時まで、夜間が午後6時から翌日の午前0時までです。
それによりますと、10日の東京の人出は1週間前と比べて、渋谷スクランブル交差点付近で日中は27%、夜間は48%、東京駅付近では日中が1%、夜間は10%それぞれ増加しました。
また緊急事態宣言の延長が決まった沖縄でも、那覇市の県庁前駅付近で日中は11%、夜間は80%増加しました。
このほか、「まん延防止等重点措置」が延長される埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県では、さいたま市の大宮駅付近で日中は3%、夜間は15%、横浜駅付近で日中は1%、夜間は28%、大阪梅田駅付近で日中は4%、夜間は9%増えました。また千葉駅付近では日中が1%減ったものの、夜間は12%増加しました。

●4回目の「緊急事態」…急増するデルタ株の脅威 7/11
(高島)東京に出される4回目の緊急事態宣言で感染拡大を抑えられるのか、感染症がご専門の水野泰孝さんにお話を伺います。
東京のきょうの感染者は950人ということで、1000人に迫るような勢いです。水野さん、それに伴って重症者が増えている、ここが気になりますね。いかがでしょうか?
(水野さん)東京都の重症者数ですけども、今ワクチンが高齢者の方にかなり進んでいます。ですので重症者の中でもこれまでは60代70代の方が非常に多かったところがその高齢者の割合が減ってきてるというところは朗報だと思います。ただその一方で、40代50代の方の重症者の割合が増えている所、ここが懸念されるところでして、特に最近のデルタ株は若年者でも重症化する可能性があるといわれてますので、この辺が懸念されることだと思います。
(板倉)今回の主な対策をまとめました。まず飲食店についてですが、これは前回同様、酒類の提供の停止を求めます。これに応じない場合はお酒を卸している業者に対して取り引きしないよう求めるということなんです。また百貨店などについては、午後8時までの時短を要請するとしていまして、イベントについては観客を5000人までとするなどとなっています。
(高島)水野さん、今回の対策全体的にご覧になっていかがですか?
(水野さん)これまでの対策とそれほど変わってないような印象はあります。ただ、今月の終わりに迎える東京オリンピックがありますので、このあたりを見据えたところなのかなと思います。あとは、私の実際に診療している現場の印象なんですけども、今ワクチン接種が非常に進んでますので、おそらく保健所では、このワクチン接種の業務でかなり逼迫してるところが影響してるからかなと思うんですけれども、これまでと同じような積極的な疫学調査が少し緩くなってるような印象を持っています。特にこれまでは保健所から直接濃厚接触者の依頼をかなり受けてたんですけども、最近では保健所からというよりかは、各職場とか、あるいはご家庭から検査をしてほしいという依頼が非常に増えてますのでこの辺りの早期の発見、それから早期の検査、早めの対策。この辺が望まれるかなとは考えてます。
(高島)何度も繰り返される緊急事態宣言ですが、1回目のときは、1週間平均の感染者が約7人で解除されました。それが2回目になりますと301人で解除。そして3回目は388人で解除ということで、下がりきる前に解除されたからでしょうか、次の宣言に入る間隔も短くなってきています。閑歳さん、わずか3週間で再び緊急事態宣言ということになりましたけど、どのようにご覧なってますか?
(「Zaim」代表 閑歳さん)東京では前回の緊急事態宣言からの期間があまりにも短くて、また、ワクチンの接種の進捗も相まって、人流が十分に下がらないのではないかというふうに危惧しています。
(高島)本当ですよね。早かったですね、やはり「オリンピックを有観客でやりたい。だったら整合性をとってこの辺りでも解除しなければ」と、そう考えたのかなというふうにも感じてしまいますね。
(閑歳さん)そうですね。家計簿を分析すると、ワクチン接種が先行している65歳以上の方たちの経済活動が非常に伸びているような状況というのが見えてきています。例えば、今年の5月末と6月末の1週間で比べると、65歳未満の方の旅行費用というのは微増ぐらいなんですが、65歳以上になりますと約4倍以上に増えているような状況というのが見て取れています。
(高島)まさしくワクチンの安心感なのかなという感じがしますが、水野さん、65歳以上の方は、たぶんワクチンを2回打たれた方だと思うんですけれども、お店で飲食される方というのもいろいろ増えていると、この辺りいかがですか。
(水野さん)この感染症というのは、マスクなしで会話をする機会で感染が起こりますので、その辺りしっかり対策をしていただくということが大事です。それから、ワクチンは1回だけですとなかなか変異株に対しては効果が十分ではありませんので、しっかりと2回打って頂いて、さらにそれから2、3週間してからしっかりと免疫がつくということを認識しておく必要がある思います。
(高島)そして心配なのがデルタ株です。東京でも昨日、デルタ株の感染者が過去最多となるなど増えてきています。これまでと同じような対策で、感染拡大に歯止めをかけることできるんでしょうか。
(水野さん)感染対策としては、先ほど申し上げましたけども、飛沫ですよね。マスクなしでの会話の機会を減らすことには変わりません。ただ最近、私のところでもこのデルタ株の患者さんを何人か拝見してるんですけども、これまでは大人数で長時間で飲食の機会を持たれた方が感染するのが目立ってたんですけども、こういったデルタ株の方は、少人数で短時間でも飲食の機会があった。それでも陽性になってるという方が目立っておりますので、このあたりはしっかりとした対策をする必要があるかなという風に考えています。
(高島)一方の緊急事態宣言中に開催されることとなりました東京オリンピックです。東京など1都3県と北海道では無観客での開催が決まっていましたが、きょう福島も無観客にすると発表がありました。水野さんこの感染リスクという点では「無観客」についていかがでしょうか。
(水野さん)人人感染する感染症ですので、人が集まる機会が減ればリスクは減ると思います。ただその一方で、これはお客さんだけの問題じゃなくて関係者の方ですね。この関係者の方でもほぼ数万人がいるという風に伺ってますので、こういった周りへの対策もしっかりと必要かなというのは考えてます。

●昼飲み族で浅草賑わう「こうやって飲めるの最後」12日から緊急事態宣言 7/11
東京都は12日から8月22日まで、4度目の新型コロナウイルス緊急事態宣言期間に入る。感染再拡大を踏まえ、お盆や夏休みの人流を抑制したい考えだが、「宣言慣れ」も懸念され、効果は不透明だ。11日、観光客でにぎわう東京の下町・浅草は昼から酔客でにぎわった。通称「ホッピー通り」こと公園本通りには生ホッピーや生ビールをゴクゴクと豪快にあおる昼飲み族が大挙して押しかけた。
「こうやって飲めるのは11日が最後だからね」「東京五輪は自宅でテレビかぁ」「12日から緊急事態も4度目、飲まないとやってらんない」とヤケ気味で乾杯を繰り返す。中には「内緒でお酒の飲める店だってあるでしょ。そういうところを探すよ」と、酒を求める声も上がったが、ホッピー通りの居酒屋「浅草なつの」夏野丈太郎店主(49)は「12日から8月22日の期限まで休みます。とにかくコロナを封じないといけない。他の店主さんも悩みに悩んで店を閉めると…ここが踏ん張りどころです」と唇をかみしめる。
仲見世通りの土産物店では「もうこの1年、どうしていいのか分からない中、店を開いてきた。12日からも開け続けますよ」とため息まじり。それでも「日本国内に住む外国人が『国の親戚や友人に送るんだ』とまとめ買いしてくれることもあって、ありがたいね」と、わずかのインバウンドの効果にも感謝する、夕方からはゴロゴロと雷鳴がとどろき、激しい雨に見舞われた。浅草を訪れた人々は、足早に帰路を急いでいた。
道路占拠で台東区から立ち退きを指導された伝法院の商店街も緊急事態宣言に予定を狂わされた。商店街存続の署名活動も順調で「ニュースを見てくれた人がわざわざ北海道とか九州から訪ねにきてくれる。ありがたい」と浅草伝法院商栄会の西林宏章会長(59)は話す。すでに1万人以上の署名が集まり、早ければ12日にも区に提出するはずだったが、緊急事態発令でいったんは署名提出を見送った。「区とけんかするつもりはない。この署名をきっかけに和解できる点をみつけたい」と西林会長は話した。
 
 
 

 

●東京、4度目の緊急事態宣言スタート…五輪終盤に感染者1500人の危機  7/12
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都は12日から8月22日まで4度目となる緊急事態宣言に入った。宣言中には、東京五輪の開催期間(7月23日ー8月8日)がすべて含まれる。政府や東京都は、飲食店の酒類提供を再び停止し、人流の抑制を呼び掛けて感染の抑制を図るが、夜間の人手は減っておらず、インド由来のデルタ株の影響で五輪期間の終盤には1日当たりの感染者が1500人に達するのではとの懸念も出ている。(デジタル編集部)
繁華街に深夜まで人流
「昨日、夜遅い時間まで記者会見を行わせていただいて、その後、私も都庁を出た後も繁華街などを見て回った。雨がそぼ降るにも関わらず、かなり多くの方々が出ていた。路上でバーを開いてるような方などもあった」 東京都の小池百合子知事は9日の定例記者会見で、緊急事態宣言の発令が決まった8日夜に都内の繁華街を周り、人流の多さに危機感を感じたと明かした。小池氏が人流の多さを指摘したのは、今後東京の感染者が急激に増えると懸念されるためだ。8日に都のモニタリング会議で行われた専門家の報告によると、7日間平均の新規陽性者は、7日時点で約625人となり、約503人だった1週間前の6月30日と比べて1.24倍に。「感染が再拡大している」と指摘された。さらにこのままの増加が続けば、五輪開幕後となる3週間後の7月28日には今の1.91倍の1日当たり約1192人に。五輪が終盤に差しかかった4週間後の8月4日には今の2.36倍のおよそ1478人になり、「第3波における年始とほぼ同レベルの新規陽性者数になる」という。
短期間に急激に感染者増の恐れ
都内では感染力が強いインド由来の変異株「L452R」の感染割合が増え始めており「さらなる人流の増加やL452Rの影響によって増加比がさらに上昇すると予測値はさらに増加し、第3波を超える急激な感染拡大の危険が高くなる」という。また専門家からは、都内の深夜帯の滞留人口は第4波に突入した3月末頃と同じ高い水準にあり、「第4波よりも早いペースで感染状況が悪化する可能性がある」との見方が示された。つまりこれまで以上に短期間に急激に感染が広がることが懸念されている。こうした状況を受け、小池氏は「今まで以上に、不要不急の外出、緊急事態宣言へとまたレベルが上がるので、人流を抑制すること、特に夜間の人流を抑えていく必要がある」と訴えた。
「安全・安心な五輪」は可能なのか…
ただこうした呼び掛けは、どこまで効果があるのか。既に緊急事態宣言は4回目となって「宣言慣れ」が指摘されるほか、今回は夏休みと重なっていて旅行などで人流の増加が懸念される。加えて首都圏では東京と、埼玉、神奈川、千葉の1都3県は無観客とはいうものの五輪が開催される。日本人選手が活躍すれば気分が高揚した人たちが夜に繁華街に繰り出したり、「五輪が開かれるのだからもう外出を我慢する必要はない」と考えたりする人が出てくる可能性もある。五輪について小池氏は「安全・安心な大会を開催をするということは極めて重要」とした上で、「世界の様相はコロナによって大きく変わった。そういう中でオリンピックという大会を、国際的な大会を行っていくということは、色々前例の無いことばかりになろうかと思う」と述べ、無観客開催についてこう語った。「(前回の東京五輪は)私自身、小学校だったが、テレビでアベベ選手が走り抜けるシーンをいまだに覚えている。今の放送技術などによって、色々な見せ方、楽しみ方を、東京だからできたという技術も工夫しながら作る。世界に同時に配信し、テレビを通じて繋がっていくことが、世界の連帯感、一体感を醸し出す、それらの意味で初めての大会になるのではないか」 無観客で五輪を開催する一方で、人流を抑え、1日1000人超が懸念される東京の感染を抑止することができるのか。東京にとって大切な4度目の緊急事態宣言の期間が始まった。

●通勤ラッシュに変化なく「電車は満員」…東京に4回目「緊急事態」  7/12
新型コロナウイルス感染拡大に伴う4回目の緊急事態宣言が12日、東京都に発令された。政府や都は出勤者の削減を目指しているが、都内の主要駅では初日の朝、宣言前とほぼ変わらない人出がみられた。
この日は沖縄県に対する緊急事態宣言と、神奈川、埼玉、千葉、大阪の4府県への「まん延防止等重点措置」も延長された。期間はいずれも8月22日まで。
4回目の緊急事態宣言初日、職場などに向かう人たち(12日午前8時41分、東京都中央区で)4回目の緊急事態宣言初日、職場などに向かう人たち(12日午前8時41分、東京都中央区で)
東京都中央区の都営地下鉄大江戸線の勝どき駅では12日朝、マスク姿の通勤客らが途切れることなく改札から職場へと向かっていた。墨田区の女性会社員(22)は「電車は満員で、普段より混んでいるような気がした」と話した。川崎市の男性会社員(63)は「宣言がマンネリ化していて効果があるのか」と首をかしげた。
読売新聞がNTTドコモの「モバイル空間統計」のデータを利用し、12日午前8時台の都内の主要駅周辺の人出を、重点措置期間中の1週間前の月曜日(7月5日)と比較したところ、東京駅で0・5%減、新宿駅2・2%減、品川駅3・5%減で、ほぼ横ばいだった。3回目の宣言後初めての月曜日(4月26日)と比較しても、東京駅4・3%増、新宿駅1・3%増、品川駅0・6%増で、人出の大きな変化はみられなかった。
今回の宣言に伴い、都内では12日から酒類を提供する飲食店に休業が要請される。酒類を提供しない店には引き続き、午後8時までの営業時間短縮が求められる。

●4回目の宣言初日 変わらぬ通勤風景「またか、という感じ」 7/12
新型コロナウイルス感染者の増加を受け、東京都に4回目の緊急事態宣言が出された12日の朝、東京駅前はマスク姿の通勤者が行き交い、宣言前と変わらない光景が見られた。
広告会社に勤める吹上卓也さん(40)は、数カ月前から電車通勤をやめ、自宅のある東京都墨田区から自転車で会社に通っている。「緊急事態宣言に慣れきってしまって社内でも話題に上がらない。またか、という感じ」と感想を漏らした。宣言の期間が東京オリンピックと重なることについて「五輪も自粛ムードで、本当にやるのかと疑わしくなるくらい盛り上がりに欠ける」と首をひねった。
品川区から通う事務職の60代女性の会社では、これまでもテレワークを推奨していたが、宣言が出たことで改めて徹底するよう社内に周知したという。女性は「知人と対面で会えない期間が続くことに困っている。(宣言だけでは)感染拡大を防ぐのに何が足りないのかよく分からない。科学的根拠を示してほしい」と嘆いた。
一方、千葉県市川市から勤め先に向かっていた男性(60)は「(感染が拡大している中では)宣言もやらざるを得ない。五輪もやることに変わりないのだから、(反対しても)どうしようもない」と現状を受け入れた。
政府は宣言を延長する沖縄県とともに、「まん延防止等重点措置」を適用していた東京都に4回目の宣言を発令し、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県はまん延防止措置を延長した。いずれも期限は8月22日まで。

●東京、4度目の緊急事態宣言 実効性が課題に 7/12
東京は、12日から、4度目となる緊急事態宣言に入りました。飲食店に対しては、再び、酒の提供停止が要請されています。
「もう4度目ですよね。あまり(効果は)期待できないですよね。やはり、五輪がかなり影響してると思う。開催するためには」(60代会社員)
「飲む人はどこでも飲むし、やってるお店は宣言関係なくやってるところはやってるし」(50代会社員)
12日から来月22日までとなる今回の緊急事態宣言で、東京都は、飲食店に対し、酒を提供する場合は休業を要請し、提供しない場合は午後8時までの時短営業を要請します。
一方で、前回、4月に出した緊急事態宣言の際には、デパートや映画館、博物館などに休業要請が行われましたが、今回は、時短要請にとどまっています。また、前回は「無観客」を要請されたイベントや劇場についても、観客を5000人以下、かつ定員の半分以下としたうえで開催が認められます。
ただ、東京都の新たな感染者数は、直近の7日間平均で、一日当たり733.9人と、前回の宣言が出された時期を上回る形で増加しています。前回の第4波をもたらしたイギリス型の変異ウイルスよりも1.5倍ほど感染力の高いとされるインド型のデルタ株が増える中、宣言の実効性が課題です。
「4度目の緊急事態宣言初日となったきょう、松屋銀座はこれまでどおりオープンしました」(記者)
都内の百貨店も対応に追われています。松屋銀座では営業時間はこれまでと変わらないものの酒類の提供停止要請にともない、ビアガーデンでのアルコールの提供を中止することにしました。このビアガーデンは先月末に始めたばかりで、今月21日からはスタート時間を前倒ししてランチ営業を始めます。
「アルコールが出せないことは残念ではございますけれども、安全安心な環境を継続するということを第一に、あくまで前向きに捉えたい」(松屋銀座 柏木雄一食品担当部長)

●東京都 きょうから再び緊急事態宣言 五輪控え抑え込み課題  7/12
東京都は12日から4回目となる緊急事態宣言の期間に入り、酒を提供する飲食店に対して休業を要請します。オリンピックの開幕が来週に迫る中、宣言のもとでの強い対策に理解と協力を得ながら大会の成否にも関わる感染の抑え込みができるかが課題となります。
東京都は12日から4回目となる緊急事態宣言の期間に入り、前回・3回目の宣言が解除されてから1か月もたたないうちに再び宣言が出されることになります。
今回の宣言で、都は酒やカラオケ設備を提供する飲食店に対しては休業を、提供しない場合は午後8時までの時短営業を要請します。
都はこのほか都民に対して日中も含めた不要不急の外出と移動を自粛し、特に帰省や旅行などの都道府県をまたぐ移動は極力控えるよう求めます。
オリンピックの開幕は来週の金曜日・23日に迫っていて、宣言のもとでの強い対策に理解と協力を得ながら大会の成否にも関わる感染の抑え込みができるかが課題となります。

●12日から4度目の緊急事態宣言 東京 614人感染 22日連続で上回る  7/12
新型コロナウイルスの感染が再び拡大している東京都では、12日から、4度目となる緊急事態宣言の期間に入る。
都内では11日、新たに614人の感染が確認され、年代別では、20代が208人と最も多く、30代の119人とあわせると感染者全体の半数以上を占めている。
1日の感染者数としては、22日連続で前の週の同じ曜日を上回っている。また、そのほかに神奈川県が389人、千葉県が183人、大阪府が167人、埼玉県が163人などとなっている。
感染拡大が止まらない東京都では、7月12日から8月22日までの6週間、4度目となる緊急事態宣言の期間に入る。この間、酒類やカラオケを提供する飲食店などに休業を要請し、酒類を提供しない飲食店には、午後8時までの営業時間の短縮を求める。百貨店などの大規模商業施設には休業を求めず、午後8時までの時短要請を継続する。

●東京に緊急事態宣言 酒提供停止要請 実効性どう高めるか 7/12
東京都は、12日から4回目の緊急事態宣言の期間に入りました。政府は、飲食店での感染対策を強化するため、宣言を延長した沖縄県とあわせて酒の提供停止を要請することにしていて、実効性をどう高めるかが課題となります。
東京都は、12日から4回目の緊急事態宣言の期間に入り、沖縄県でも宣言が延長され、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県では、まん延防止等重点措置が延長され期間は、いずれも来月22日までとなります。
来週23日から来月8日まで東京オリンピックが開かれ、その後はお盆休みが控えているため、政府は、人の移動が多くなることによる感染拡大や、変異ウイルスの広がりが懸念されるとして、対策の徹底を呼びかけています。
とりわけ、飲食店での感染対策を強化するため、宣言の対象の東京と沖縄では、酒の提供停止を要請し、重点措置を延長した4府県でも酒の提供を原則停止し、知事の判断で緩和できるようにします。
加藤官房長官は、11日、NHKの番組「日曜討論」で「飲食店では酒を提供しないと経営に本当に影響がある。協力金の先渡しも含め、協力して頂ける状況を作ることに努力したい」と述べていて、対策の実効性をどう高めるかが課題となります。
一方で、政府は、ワクチンの接種率を高めることで重症化リスクを低減させ、感染を抑え込みたい考えで、病床の状況などに改善が見られる場合には、期限前の宣言の解除も検討する方針です。

●東京4度目“緊急事態宣言”に「意味薄い」 五輪中1000人超 感染予測も  7/12
新型コロナウイルスの感染が再拡大する東京都で、4度目となる緊急事態宣言が12日に発令され、千葉・神奈川・埼玉・大阪の4府県は、まん延防止等重点措置が延長された。期間は、8月22日までとなる。
12日朝の品川駅では、通勤する人などから、前回の宣言解除から、およそ3週間での再発令に効果を疑問視する声などが聞かれた。
会社員(40代)「(宣言の)意味が薄くなっている。もう慣れちゃってて、緊急事態っていう気はみんなしていない」
事務職(20代)「(まん延防止等重点措置の時との違いは?)電車もまあまあ混んでいるし、全然変わらない気がする。この間の(宣言を)解除した意味あったのかな」
会社員(50代)「(4度目の宣言発令となるが?)今回はさすがにないと思っていたのでショック」
先週の東京都の専門家会議では、今のペースで新規感染者数が増えれば、オリンピック期間中に1,000人を超えるとの分析が示されている。緊急事態宣言の期間中、東京都は飲食店に午後8時までの時短営業を求め、酒類の提供自粛を求めるほか、これができない店舗については休業を要請する。

●「ただただ上から目線でお願いしますじゃ国民も我慢し切れません」 7/12
12日放送の日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月〜金曜・午後1時55分)では、新型コロナウイルスの新規感染者数が22日連続で前週を上回り、8月22日までの緊急事態宣言発出となった東京都の様子を伝えた。
コメンテーターでリモート出演の俳優・梅沢富美男は「今日、車で(局まで)来ましたけど、車も多いですし、人がたくさん出てましたね」とコメント。
その上で「それはやはり、国が(感染者数や病床使用率が)このくらいまで来たら解除しますよと言ってくれれば、こうなったら解除しますから我慢して下さいと言ってくれるんならいいけど、ただただ、お願いしますと。上から目線で。それじゃあ、国民も我慢し切れませんから。国にそのことをお願いしても無理だと思います」と厳しい口調で訴えていた。

●酒販業界「世間知らずだ」、政府に反発 規制強化が悪循環の恐れ 7/12
新型コロナウイルス特別措置法に基づき東京都に4回目の緊急事態宣言が12日発令されたが、規制が強化された飲食店や酒類販売業界などの反発が強まっている。今回から政府が酒の卸売業者に、酒類提供を続ける飲食店との取引を自粛するよう要請したためだ。ただ、飲食業界だけが狙い撃ち≠ウれる不信感や反発から、酒類を提供する店は増えているとの指摘もあり、規制強化が悪循環に陥っている恐れもある。
「信頼関係で成り立っているのに(店から酒を)頼まれて断るなんてできない。考えた人間はよっぽど世間知らずだ」。東京都新宿区の業務用酒販店「佐々木酒店」の佐々木実社長(66)はそう憤る。
内閣官房と国税庁は8日、問題店舗との取引を止めるよう、卸売業者に文書で要請した。佐々木氏によると、飲食店は納品に訪れる卸売業者に店の鍵を預けるほど、普段から強い信頼関係がある。いくら政府の要請でも、強制力のない今回の措置に「従う業者はいないだろうね」と話す。
全国小売酒販組合中央会も9日に政府宛の抗議文を発表。取引停止に対する補償がなく、注文を断れば顧客を失う恐れがあるからだ。水口尚人事務局長も「無理筋の依頼に応じてほしいとはいえない」と、会員に対して特段の働きかけはしない方針だ。
業界の慣習を無視した政府の対応を疑問視する声は金融業界からも出ている。西村康稔経済再生担当相は8日に問題店舗の情報を取引金融機関に流し、順守を働き掛けてもらう方針を表明したが批判が噴出、翌日に撤回した。ある銀行関係者は「飲食店目線があまりにも弱い」とあきれる。
一方で政府の意向に反し、営業する飲食店は増えているとみられる。飲食店の法律問題に詳しい石ア冬貴弁護士は「肌感覚だが中小店の半数くらいは営業を続けている印象だ」と語る。過料を払ってでも営業した方が有利なことも多く、隣の店がやっているからと営業再開に踏み切るケースが目立つという。石ア氏は「罰則を強化して補償を充実させるなど、正直者が損をしない仕組みづくりが必要だ」と話している。

●「帰省や旅行控えて」緊急事態宣言・「まん延防止」の対象区域 青森県 7/12
東京都の緊急事態宣言などを受けて三村知事は対象区域の人たちに夏休みやお盆の時期の県内への帰省や旅行を控えるよう呼びかけました。
県は東京・沖縄対象の緊急事態宣言と4府県対象のまん延防止等重点措置を受けて危機対策本部会議を開きました。
会議では三村知事が宣言や措置の期間中、対象区域との不要不急の往来を控えるよう県民などに改めて呼びかけました。
「(対象区域の人は)夏休みやお盆における青森県への帰省や旅行などを控えていただくことをお願いせざるを得ない」
会議では県内全ての医療圏域で病床使用率がステージ3の基準の20%を下回っていることが報告されました。一方、県は変異ウイルスの割合が高まっているほか感染経路不明の新しい感染者が増えているとして感染対策の継続を呼びかけました。

●玉城知事、ワクチン確保訴え 沖縄の緊急事態宣言、再延長期間に入る 7/12
沖縄県は12日から8月22日まで、新型コロナウイルス緊急事態宣言の再延長期間に入った。5月23日の発令以来、沖縄に宣言が出される期間は3カ月に及ぶことになる。感染状況の改善やワクチン接種の加速化などで、県は7月中の前倒し解除を目指す姿勢を打ち出している。宣言期間中の酒類提供店舗への休業要請や、飲食店への営業時間短縮要請は継続する。
玉城デニー知事は11日、全国知事会新型コロナウイルス緊急対策本部会議にオンラインで参加した。玉城知事は感染対策の切り札となるワクチン接種の加速化に向け、3カ所目となる広域接種センターの設置に向け「早期のワクチンの必要量の確保を国に強く働き掛けてほしい」と訴えた。
県内では那覇市の県立武道館と宜野湾市の沖縄コンベンションセンターの2カ所に広域接種センターを開設、接種券がある18歳以上の全県民が接種を受けられる。県は那覇市の那覇クルーズターミナルにも広域接種センターを設置し、15日から開所する予定だったが、ワクチンの供給不足で遅れる可能性が出ている。
再延長が決まった緊急事態宣言について「長期にわたることで県民、業界には負担を掛けている」と述べ、改めて早期解除に向けて感染防止対策に徹底して取り組む考えを示した。

●「とにかく我慢してくれ、絞りに絞ってくれと言われても耐えられない」 7/12
12日放送の日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月〜金曜・午後1時55分)では、新型コロナウイルスの新規感染者数が22日連続で前週を上回り、8月22日までの緊急事態宣言発出となった東京都の様子を伝えた。
宮根誠司キャスターは「単に日にちだけ決めちゃって緊急事態宣言というのはなかなか、耐えられないと思う」と話すと、「例えば、感染者数がこれくらいだったら、こういう解除をするとか、病床がこれくらい空いたら、こういう解除をするよとか、ロードマップがないと、とにかく22日まで皆さん我慢してくれ、絞りに絞ってくれと言われてもたまらないですよね」と厳しい表情で続けていた。

●“西村発言”に怒り心頭の飲食店が決起! 「自公以外に投票」ポスター 7/12
12日から東京都では4度目の緊急事態宣言が発効し、飲食店には営業時間短縮及び休業や酒類提供の原則停止が求められる。政府の無策ともいうべき状況に怒り心頭の飲食店に、決起を求める呼びかけが広がっている。
ネット上で拡散されているポスターがある。
「当店はしっかり感染防止対策をしています。不公平な『緊急事態宣言』には断固反対します。秋の総選挙では、自民党と公明党以外に投票します。お客様もご協力ください」。賛同する店はプリントアウトし、店先に掲示するようお願いされている。
きっかけは元日本マイクロソフト社長・成毛眞氏のSNSでの投稿だ。
「(政府は)もはやグダグダなのだから、秋の総選挙は都議選以上の波乱が起こるだろう。政党名を書く比例代表区で自民党は大崩れするのではなかろうか。それに乗じて東京の飲食店は統一ポスターを用意するべきだ」「飲食店は自分たちが激怒していることを効果的に表現しないとダメ」などと8日に呼びかけた。
これにホリエモンこと堀江貴文氏(48)が賛同。堀江氏が外部講師を務める「堀江政経塾」塾長で、昨年の都知事選にも出馬していた斉藤健一郎氏(40)も呼応し、同塾が主体的に動いている。
さらに西村康稔経済再生担当相(58)が政府の要請に応じない飲食店に対し、「金融機関から働きかけを行っていただく」と発言したのも飲食店の怒りに拍車をかけている。 
自身も飲食店経営者だった斉藤氏は「経済の循環を止めてまで、飲食店を閉める必要があるかについては甚だ疑問。多くの飲食店が非常に苦しんでいる姿を見てきた。(自公への投票NOは)政府への批判ではない。自民党が強過ぎるがゆえに乱暴な政策が通ってしまう。西村大臣の発言も一種の油断からきている。与党の支援者がポスター掲示してくれた方が本意でもある。ぜひ政府与党には緊張感を持ってほしい」と話した。
賛同の声は着実に広がっており、目標は都内5万店への掲示。政府、自民党に怒りのメッセージとして、届くのか。

●都内バス会社 緊急事態宣言と五輪無観客で二重苦 7/12
東京の老舗バス会社「はとバス」は、東京都に12日から4回目の緊急事態宣言が出され、オリンピックも無観客となったことで、期待していた観光需要が見込めず二重苦に陥っています。
オリンピック・パラリンピックの大会期間中、会場への関係者の輸送を担う計画もありますが、社員の一部は休業せざるを得ない状況だということです。
東京・大田区に本社がある老舗バス会社の「はとバス」は、東京都が12日から4回目の緊急事態宣言の期間に入るのを受けて、都内を発着するほぼすべてのツアーを運休することになり、キャンセルなどの対応に追われています。
会社では、緊急事態宣言が出されるたびにすべてのツアーを運休していましたが、今回は、感染対策を施した屋根のないオープン型のバスで、途中下車せずに都内の観光地を巡る1コースだけは、運行を継続するということです。
また、オリンピックで1都3県の会場が無観客となったことで、大会期間中に期待していた観光需要も見込めなくなりました。
会社によりますと、緊急事態宣言が断続的に出されているため、ことしに入ってから110台のバスの多くがツアーのために稼働できない状態が続いています。
ワクチンの大規模接種会場への送迎バスを運行しているほか、オリンピック・パラリンピックの大会期間中に会場への関係者の輸送を担う計画もありますが、社員の一部は休業せざるを得ない状況だということです。
はとバス広報室の本田寛奈さんは「ワクチン接種が始まり、夏休みに旅行需要が回復するかと思っていたところで再び緊急事態宣言が出たので、非常に悲しいです。感染状況を踏まえればしかたないとは思います」と話していました。

●菅官邸の崩壊加速!ワクチン頼みの失敗、五輪観客で迷走、宣言の連発 7/12
ワクチン頼みの失敗、五輪観客の有無で迷走、緊急事態宣言の連発など、菅首相の求心力はかなり低下してきているようだ。それに加えて、お友達人事、地元の市長選に首相秘書官人事と、抑えが効いていないトラブルが散見される。すでに菅官邸の崩壊も始まっているようだ。
「ここに来て空気が変わった感じがする。菅さんがどこまで持つのか、心配になってきた」
そう話すのは、自民党のある閣僚経験者だ。どういうことなのか? 
「何が何でもワクチン頼みで来たのは間違っておらず、感染状況に落ち着きが見られるとされる『2回目接種40%』にできるだけ早く到達したいという狙いがあったわけですが、供給が滞ってしまった。五輪に観客を入れるか否かは、橋本組織委会長が有観客にこだわりすぎて開幕2週間前でやっと決着というドタバタで、“最後にしたい”と菅さんが言う緊急事態宣言は連発しすぎて効果はそう多くは望めない。なかなか今後の展望が描けない印象がありますね」
橋本氏の立場で言うなら、森喜朗会長が突如退場して火中の栗を拾うように就任したポストでなかなか見せ場が作れない中、計7回におよぶ五輪出場歴を持つ会長として選手目線で主張できるのが「有観客」だったということだろう。
それはともかく、東京に限って言えば、今年、緊急事態宣言と「まん延防止等重点措置」が出ていない日を見つける方が難しいほどだ。
その一方で、コロナや五輪関連ほど目立たないにしても、その求心力が問われるような出来事がいくつか起こっている。例えば、都議選直後に山口泰明選対委員長が引退・不出馬を表明したことについて、記者がこう解説する。
「山口さんは会見の席上、70歳で一区切りと言っていましたが、去年、菅政権ができた時から引退はほぼ既定路線でした。菅さんと山口さんは当選同期で昵懇の間柄。山口さんが地盤を譲ることになる次男を菅事務所で受け入れて秘書として経験を積ませるなどもしてきました。山口さんは選対トップのポストを解散総選挙まで続けると言いますが、これも菅さんのお友達人事の悪いところ。負けても責任を取る必要のない人が仕切る選挙にはヌルい空気が流れがちで、足をすくわれかねません」
国会議員も秘書も、“菅さんは本気で選挙に勝つ気でいるのか”と言う人は少なくないという。文字通り菅首相の求心力は下がる一方のようだが、横浜市長選に現職が4選を狙って出馬の見込みだというニュースもまた、「菅さん、大丈夫なの?」の声を増幅させている。
「横浜市と言えばもちろん、菅さんのお膝元。現職に対して一旦鈴をつけたのは菅さん本人で、菅さんの盟友・小此木一郎氏が閣僚を辞任して出馬することで収めようとしたのに、いわば“菅裁定”に現職が公然と反旗を翻したというわけです。仮に現職が出馬辞退に追い込まれたり、出馬して小此木氏が圧勝したりしても、地元すら抑えられない人が国家の将来をどう担っていくのかという批判はずっとつきまとい続けるでしょう」(同)
加えて、足元の首相秘書官人事をめぐっても混乱があった。6日の閣議で、首相秘書官の上限を7人から8人に増やすことを決めた上で、昨年末まで秘書官を務めていた新田章文氏を再び起用する人事を発表している。
政治部デスクによると、「新田氏は2006年から菅さんの秘書を務め、去年9月の政権発足時から首相秘書官に起用されましたが、財務省の寺岡光博氏と交代する形で今年1月1日付で辞職していました。寺岡氏は新田氏と共に菅さんの官房長官時代に秘書官を務めた人物で、将来の財務次官と言われていますが、菅さんとしては不満だった。新田氏は耳に痛いことも直言するタイプで、“to doレポート”を去年、首相に提出したのが疎んじられて交代させられたと言われてきた中で、今回呼び戻されることになったのはかなり異例のことです」
菅首相は8日の会見で、東京都の緊急事態宣言期間中に開催する東京五輪について「安全安心」をアピールしたが、開催に伴って新型コロナの新規感染者が増えるリスクや自身の責任については言及しなかった。
小泉首相時代に北朝鮮の金正日総書記とのトップ会談を演出した、田中均元外務省審議官はツイッターで、と厳しく批判している。小泉氏にも、田中氏にも毀誉褒貶はつきまとうが、菅会見の虚しさを的確にとらえたメッセージではなかったか。
先ほどのデスクに菅政権の今後を占ってもらうと、「選挙に無類の強さを誇った安倍政権下では、ロクに活動していなくても勝てたような候補がおり、『魔の3回生』などと言われる議員たちもその一例です。来る総選挙で彼らが勝ち残れないことがあっても、強力な野党がいない限りそれなりの数字は立つはずで、首相のまま今年を乗り切ることは可能でしょう」
そして、「ただ……」として、こう続ける。
「年が明けて新型コロナ感染拡大を制御できていなかったり、閣僚のスキャンダルが取り沙汰されたりすれば、7月の参院選前に“菅さんでは戦えない”という空気が出てきて、選挙前に退陣し、選挙の顔として期待される人物が総理総裁の座に就くというシナリオも十分にあります。菅さんは官房長官時代には、良く言えば塩対応、悪く言えば人をバカにしたとしか見えない対応を繰り返し、それでも難局を乗り切ってきたのですが、首相になっても同じトーンで、“丁寧に説明しない”感じが国民の顰蹙を買っていますね。令和おじさんとか秋田のいちご農家から徒手空拳で上京して……といったエピソードで獲得していた好感度はすでに剥がれ落ちてしまいました」
菅官邸の崩壊はすでに始まりつつあると言えるかもしれない。 

●緊急事態宣言「効果ない」56%、政府の対応「評価」は28%…  7/12
東京都に発令された4度目の緊急事態宣言について、読売新聞社が9〜11日に実施した全国世論調査では、効果を疑問視する声が半数を超えた。宣言が感染拡大防止に効果があると「思う」は38%で、「思わない」の56%を下回った。
新型コロナを巡るこれまでの政府の対応を「評価する」は28%(前回6月4〜6日調査27%)で、厳しい見方が続いている。ワクチン接種を巡る政府対応についても「評価する」は36%と低く、「評価しない」が59%に上った。

●東京の4回目緊急事態宣言 急激な感染拡大や病床ひっ迫の懸念  7/12
東京都で3回目の緊急事態宣言が解除されてからわずか3週間で4回目の宣言が出された背景には、新型コロナウイルスの感染者数が十分に減らないまま、1週間当たりの感染者数が前の週の1.2倍前後になる状態が2週間以上続き、急激な拡大が懸念される状況になっていることや、数週間で、入院者数が確保している病床数を超えて医療がひっ迫するような事態が想定されていることがあります。これまでの感染拡大では、国や自治体が対策を強める判断が遅れたと指摘されていることから、政府の分科会はことし4月、感染拡大の兆しを早期に捉えて強い対策を講じるための指標を示しました。指標では、2週間から4週間で都道府県が最大限確保する病床が満床に達することが想定される場合には強い対策を行うべきだとしていて、夜間の人出が増加し、感染者の直近1週間の数が前の週を大きく上回る事態が2週間以上続く場合、特に早期の対策が必要だとしています。
夜間の人出 高い水準で推移
これに照らして東京都の状況を見ると、繁華街などでの夜間の人出は、前回、4月25日に3回目の緊急事態宣言が出された直後は減りましたが、大型連休明けから5週連続で徐々に増加し、6月21日の解除直後には1週間で1.2倍となり、引き続き高い水準で推移しています。
前週との感染者数の比較 増加が顕著
1週間当たりの感染者数を前の週と比較すると、東京都では、6月末以降は前の週の1.2倍前後になる状態が2週間以上続き、12日の時点では1.29倍となるなど増加が顕著となっています。1日の感染者数は、第3波のあとでは3月上旬に1週間の平均で250人まで下がりましたが、第4波のあとでは6月15日に、1週間の平均で375人までしか下がらない状態から増加に転じており、起点が高く、その分、感染拡大の波が大きくなることが懸念されています。
病床は3週間余りでひっ迫のおそれ
さらに、緊急事態宣言など強い対策が打たれなかった場合、病床は今から3週間余りでひっ迫するおそれがあるとする試算も出されています。今月7日に厚生労働省の専門家会合で京都大学の古瀬祐気特定准教授が示したシミュレーションでは、強い対策が打たれなかった場合、東京都では今月下旬には1日の感染者数が2000人を超え、来月初旬には、入院者数が都が確保しているおよそ6000の病床を超えるとしています。政府の分科会の尾身茂会長は、4回目の緊急事態宣言を出すことが決まった今月8日の会見で、感染力の強いインドで確認された変異ウイルス「デルタ株」が首都圏で3割以上を占めると推定され、急速に置き換わりが進んでいること、東京都ではワクチン接種が進む高齢者で重症者数の増加が抑えられている一方で、ワクチン接種が進んでいない40代、50代の重症者数がことし春の感染拡大の「第4波」のピーク時を上回って増加していること、そして、これから4連休や夏休み、東京オリンピックなど地域を越える人の移動が急増するタイミングが集中していることなど、懸念材料を示しました。そのうえで「ワクチン接種の効果があらわれるのはまだ先で、このまま感染が広がれば、医療がひっ迫する蓋然性が高い」と述べて危機感を示しました。
第4波 人工呼吸器足りなくなった病院
新型コロナの中等症の患者を受け入れている大阪府内の病院がNHKの取材に応じ、感染の第4波の際、一時、入院患者の3分の1にあたるおよそ20人の症状が悪化して人工呼吸器などが足りなくなり、使用する対象をより症状の重い患者に絞り込まざるをえない状況に追い込まれたと明らかにしました。大阪・東大阪市にある市立東大阪医療センターは、新型コロナウイルスの中等症の患者を中心にこれまで700人以上、受け入れてきました。病院によりますと第4波では呼吸状態が悪化した患者が次々と運び込まれ、一時、60床あるコロナ病床の3分の1にあたる数の患者が人工呼吸器が必要な状態になったということです。しかし、重症患者に対応するICU=集中治療室は4床しかなく、ほかの病院に転院させることも困難で、病院は対象の患者を絞り込まざるをえないとして人工呼吸器を使う基準を引き上げて対応しました。具体的には、酸素マスクで従来の倍の量の酸素を入れても血中の酸素の値が93%以下の場合で、より呼吸の状態が悪い患者に人工呼吸器を使うことにしました。その上で、病院の医師らが議論してより治療効果を期待できる人が対象となるよう、75歳未満の人や肺の機能に大きな問題がないかなど、5つの指標を設けたということです。こうした指標を目安に、患者や家族と話し合ったうえで、人工呼吸器をつけるかどうか判断したということです。大阪では第4波の際、重症病床の運用率が100%を超えるなど医療が破綻の危機に直面しました。こうした中で、限られた人工呼吸器などをどの患者に優先して使うのか、それぞれの医療機関に委ねられているのが実情です。
市立東大阪医療センターの辻井正彦院長は重症化しても人工呼吸器を希望しない患者もいて結果的に、装着を希望したのにできなかった患者はいなかったとしたうえで「患者側が希望したとはいえ、ふだんであれば人工呼吸器をつける状態の人がつけないまま亡くなっていく状況に、携わったスタッフは非常につらい思いをした。さらに患者が増えていれば優先すべき人にもつけられず死亡するケースが出ていたかもしれない」と話しています。
病院の対応 詳細
大阪・東大阪市の市立東大阪医療センターは中等症の患者を中心に受け入れていますが、感染の第4波では、すでに呼吸状態が悪化した患者が次々と運び込まれてきました。病院では、従来は、酸素を5リットル投与しても血中の酸素の値が93%以下の場合に人工呼吸器を装着する対応をとってきました。しかし、第4波では運び込まれた時点で酸素の投与量が5リットルを超えている患者が多く、従来の基準で運用すると、入院患者の3分の1にあたるおよそ20人に人工呼吸器が必要となります。人工呼吸器を装着した患者は、薬の投与や状態の観察など24時間体制の高度な管理が欠かせず、ICU=集中治療室での治療が必要ですが、中等症の患者を受け入れてきたこの病院では、コロナの重症患者用に確保できたICUは4床で、さらに、機材やスタッフも足りずに対応できない状況に直面しました。大阪府内のほかの病院でも、重症病床が不足し、転院させることも難しい中、病院は人工呼吸器を使う患者を絞り込まざるをえないとして、従来の基準の倍の、10リットルの酸素を投与しても血中の酸素の値が93%以下の患者を対象とするよう、基準を引き上げました。さらに病院は、より治療効果を期待できる人が対象となるよう、75歳未満の人や、肺の機能に大きな問題がないか、それに日常生活の動作に支障がないか、など人工呼吸器を装着するかどうかの判断に5つの指標を設けました。病院のこれまでの治療の経験ではこの指標に当てはまる患者は人工呼吸器を装着しても、抜管ができずに寝たきりになるなど、治療後の経過が良くない可能性が高いということです。病院では、患者や家族に説明して希望を聞き取り、十分に話し合ったうえで、人工呼吸器をつけるかどうか判断したということです。病院によりますと、人工呼吸器の装着を希望しなかった患者には、代わりに、患者の鼻に装着して大量の酸素を送る「ネーザルハイフロー」と呼ばれる特殊な装置を使った治療を行ったということです。人工呼吸器よりも救命率は下がりますが、気管挿管をしないため装着していても会話ができるほか、ICUではない通常の病床で治療を受けられるということです。
欧州では “年齢優先も”
新型コロナウイルスの感染が拡大し、重症患者が次々に病院に搬送される状況になった場合、入院を受け入れる優先度をどのように決めるべきか、各国では悩みを抱えながら基準を決めた運用が行われています。中には、治療が功を奏する可能性が高い患者や若い患者に医療資源を優先的に配分するべきだという考え方を示しているところもあります。その1つがスウェーデンで、厚生労働省出身で2013年までスウェーデン大使を務めた渡邉芳樹さんによりますと、首都ストックホルムで最大の病院「カロリンスカ大学病院」では新型コロナウイルスの感染が広がる中で、ICU=集中治療室で受け入れる患者は80歳未満が原則で、70代では機能不全の臓器が1つ以下、60代では2つ以下の患者に限られ、基準を満たさない場合は積極的な治療は行わず、痛みや苦しさを取るケアを行っていたということです。また、イギリスでは去年、各国で感染拡大が起きた当初、NICE=国立保健医療研究所がガイドラインを策定し、持病の有無や介助の必要度などに応じて患者の状態を9段階で評価する指標を使って、集中治療を受ける優先順位を決めることを推奨しました。この中では、行動への支援やさらに介助が必要な患者では、救命救急医療を行うメリットがあるかは不確実だとしました。しかし、入院の優先度などの基準に詳しい名古屋大学医学部の葛谷雅文教授はこの指標は、患者を救命できる可能性とは関係せず、この指標のみを使った判断には慎重になるべきという批判もあったということです。現在のガイドラインではこうした内容が取り除かれています。
専門家「年齢によって優先順位 反対」
新型コロナウイルスの感染拡大で医療がひっ迫した時の入院や治療の際の優先度について日本国内でも複数の学会が考え方を示していますが、年齢で分ける考え方は採用していません。日本救急医学会などは6月考え方を示し、急速に重症化する緊急性の高い患者がいち早く入院できるよう患者の状態を緊急性に応じて4つに分けて血液検査や医学的な診断の結果をもとに判定するとしています。また、日本老年医学会が去年8月に示した提言では高齢者が人生の最終段階まで望む医療を受けられるようにすべきで、年齢だけを基準に人工呼吸器の装着など治療を行うかどうか決めることは避けるべきだとしています。この提言をとりまとめた名古屋大学医学部の老年内科の葛谷雅文教授は「学会としては年齢によって優先順位を決めることには明確に反対の立場だ」と話しています。提言の中では、医学的に治療の効果が見込まれない場合は、人工呼吸器の治療自体が大きな負担になることもあるため、行わないこともあるとしていますが、それ以外の場合は、本人が希望しない限り、人工呼吸器の装着などの治療を開始して効果があるかどうか確認し、効果が見込まれない場合に限って治療を差し控えることが原則だとしています。ただ、日本の医療現場ではいったん始めた治療を中断することは難しいため、葛谷教授は呼吸器の装着が必要になる際や治療の効果が見込めない場合にどのような医療やケアを望むか事前に家族や医師と話し合っておく「アドバンス・ケア・プランニング」を行うべきだと指摘しています。葛谷教授は「新型コロナでは家族からも隔離されて急激に症状が悪化し、あっという間に意思疎通できなくなる場合がある。40代や50代の比較的若い世代でも最悪の場合は死に至る感染症だという認識を持って話し合っておくと、治療方針や入院の判断をする際にスムーズな意思決定につながる。ぜひ家族やかかりつけ医と話し合ってもらいたい」と話しています。
 
 
 

 

●繁華街の人出 減少傾向 4度目“緊急事態宣言”12日夜の東京  7/13
4度目の緊急事態宣言が出された東京都内の12日夜の繁華街の人出は、1週間前と比べて、多くの地点で減少していた。
ソフトバンクの子会社「Agoop」のデータによると、12日午後8時時点の都内の人出は、1週間前と比べて、渋谷センター街で11.9%減少していた。
また、新宿・歌舞伎町では5.2%減っていたほか、銀座で18.0%、新橋で2.2%、赤坂で5.9%、それぞれ減少していた。
一方、六本木は16.8%増加していたが、都内の夜の繁華街の人出は、1週間前と比べて、多くの地点で減少傾向だった。

●4回目の宣言も感染者は「2週間先以降の減少は見られない可能性が」 7/13
テレビ朝日の玉川徹氏が13日、コメンテーターを務める同局系「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・午前8時)にスタジオ生出演した。
番組では、12日から東京都に4度目の緊急事態宣言が発出されたことを特集した。スタジオでは、2回目と3回目の緊急事態宣言発出直後の人出の変化を紹介。渋谷センター街、新宿駅で2回目、3回目は減少したが、今回は、渋谷で0・6パーセント、新宿で0・4パーセント増えたことが分かった。
こうした結果に玉川氏は「落ちて欲しいなと思ったんですが」とした上で「変わらないってことになると、2週間先以降の減少は見られない可能性がありますよね、感染者の」と案じていた。

●「奇跡的に電車から人が消えた」。東京都の英語ツイートに批判相次ぎ削除 7/13
東京都の公式Twitterに批判が相次いでいる。緊急事態宣言で、満員電車から「奇跡的に人が消えた」という内容を投稿したところ「嘘だ」などと指摘されているのだ。
このツイートは、東京都の英語アカウント「Tokyo Gov」が7月13日に投稿したもの。都が運営する情報発信サイト「TOKYO UPDATES」が5月14日に掲載した記事を紹介するもので、英語で「東京のラッシュ・アワーは世界的に有名ですが、COVID-19による緊急事態宣言下で奇跡的に姿を消した」と呟かれていた。すし詰めの満員電車と、2020年4月に撮影されたとするガランとした電車内の写真が並べられる、スライドショー形式の動画も添付されていた。
このツイートが投稿されると、批判が相次いだ。東京都内で撮ったとみられる駅や電車内の写真とともに、英語で「嘘だ」と指摘するものや、「そうだね、消えたね」と皮肉るコメントもあった。
日本語でも、「通勤時間帯は電車混んでいます」「普通に満員だ」といった指摘が寄せられた。
批判が寄せられているツイートだが、リンク先の記事は違う内容となっている。冒頭は、「幻だったラッシュ解消を目の当たりにして、東京人は驚いた」などと緊急事態宣言で通勤時間帯の光景が様変わりしたとしているが、後段で「東京の人流は戻り始めている。緊急事態宣言の発令下でも、通勤電車は再び混みあっている」と指摘する。
そして、新型コロナをきっかけに、通勤や仕事のあり方が変わる可能性と、コロナ前に戻るケースを挙げ、「前進と後退を分ける分岐点、分水嶺はどこにあるのか――。残念ながら、その答えを筆者は持ち合わせていない」などと締めくくる内容だ。
「Tokyo Gov」のツイートは、この記事から「ラッシュが消えた」とする前半部分のみを取り出して紹介したため、「嘘をついている」と捉えられた可能性がある。
このツイートは13日夕方までに削除された。東京都政策調整課の担当者は「2020年4月の写真だと明記していたが、今、山手線がここまで空いているという印象を与えかねない投稿だった」と話している。削除の経緯についてもTwitterで説明するという。
ちなみに、都内の電車の混雑率は、実際どの程度変化しているのだろうか。 国土交通省鉄道局が「都市鉄道の混雑率調査結果」を公表している。
ここで公表されている混雑率とは、各車両の定員に対し、どれくらい乗客がいるかを指す。100%で「定員乗車」となり、座席につくか、吊革につかまるか、ドア付近の柱につかまることができる状態だ。
それによると令和2年度(2020年4月〜2021年3月末)の実績は、もっとも混み合う1時間の平均で、東京圏で107%。その前年度は163%だから確かに混雑度は減っている。
また、テレワークや時差出勤が呼びかけられる前の混雑度を100とした場合、記事で紹介されている2020年4月、つまり初めての緊急事態宣言が出された直後は、首都圏では30台まで大幅に下がっている。
では直近はどうか。緊急事態宣言中にあたる2021年6月の実績では、2019年6月第1週の混み具合を100とした場合、東京駅(JR東日本)で49、日本橋駅(東京メトロ)で55、大手町駅(東京都交通局)で58となっている。コロナ前の半分かやや多いという具合だった。

●軽井沢「客足回復」傾向も… 東京“緊急事態宣言”でキャンセル多数 7/13
感染者が急増している東京都には、12日、4度目の緊急事態宣言が出されました。客足が戻りつつあった軽井沢のホテルでは、すでに予約のキャンセルが出ていて、今後の影響を懸念しています。
東京から多くの観光客が訪れる軽井沢。自粛の反動や高齢者を中心にワクチン接種が進んだこともあり、客足は回復傾向でした。
しかし、再び東京都で感染者が増加。12日から来月22日まで緊急事態宣言が出ました。
東京から「東京でずっと『自粛生活』だったので、少しだけリフレッシュしようと」「(宣言中に旅行)ちょっと申し訳ない感じがあるかな…」
こちらのホテルも夏の観光シーズンの予約は好調で、コロナ感染拡大前のおととしの水準まで戻っていました。しかし、宣言が出たことで70件近くキャンセルとなりました。
旧軽井沢ホテル音羽ノ森・鈴木社長「一番の繁忙期を迎えるときに緊急事態宣言が出てしまったかと。なんとなく予測はついていたが非常に残念」
軽井沢旅館組合は夏のシーズンに安心して客に来てもらおうと、先月から従業員を対象にワクチンの職域接種を進めてきただけに落胆は大きいようです。
鈴木社長「(安心して客を)迎えられる態勢を進めたにも関わらず、お客さんが減ってしまうと残念な思い。早く感染者数が減って、一日でも早く緊急事態宣言が外れることを祈っている」

●緊急事態宣言受け海水浴場開設を中止 南房総 千葉県 7/13
南房総市は12日、今夏の海水浴場の開設を中止することを発表した。東京都に4度目の緊急事態宣言が発令されるなど、新型コロナウイルス感染症が拡大している中、海水浴場には県内外から多くの来訪者が予想され、安全・安心な運営が難しいと判断した。
例年同市では、市内10か所に海水浴場を開設。今夏は、富浦地区の多田良北浜、豊岡を除く8か所で開設する予定だった。
開設に伴い、感染防止対策ガイドラインを策定し、海水浴場の閉鎖基準を設けており、今回このうちの「東京都や千葉県に緊急事態宣言が発令される場合」に当てはまったため、検討した結果、開設中止を決めた。
海水浴場が不開設となったため、海岸では万全な監視体制が取れず、安全が確保できないとして、担当の同市観光プロモーション課では「遊泳は控えてください」と呼び掛けている。
石井裕市長は「毎年多くの皆さまに楽しんでいただいている海水浴のため、苦渋の決断となりますが、何とぞご理解くださいますよう、お願いします」とコメントしている。

●東京へ4回目の「緊急事態宣言」 飲食店の酒類提供、6都府県のルール 7/13
1都3県を中心に新型コロナウイルスの感染者数が再び拡大している。政府は7月12日、東京に4度目となる緊急事態宣言を発出。宣言下にある東京と沖縄の飲食店については、時短営業に加え、一律で酒類提供の停止も要請されている。まん延防止等重点措置(以下、「まん延防止措置」)については、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県で8月22日まで延長。北海道、愛知、京都、兵庫、福岡の5道府県は、11日で解除となった。
東京はまん延防止措置延長から一転、緊急事態宣言発令へ
11日が期限となっていた東京のまん延防止措置は、当初、首都圏の感染拡大等を背景に延長すると見られていたが、緊急事態宣言の発令へと方針を変えた。都内では1日の新規感染者数が900人を超える日も出てきており、お盆休みの移動などによる全国的な拡大を懸念して、まん延防止措置から緊急事態宣言に移行することになった。感染者数が増加傾向にある首都圏の3県と大阪についても、引き続きまん延防止措置が適用される。沖縄は、政府にまん延防止措置への移行を要請していたものの、医療提供体制等の状況から緊急事態宣言を延長する形となった。期限はいずれも8月22日までとなっており、東京五輪開催期間やお盆などを含む。ワクチンの効果や病床の状況によっては、前倒し解除もあるとしているが、飲食店には引き続き時短営業や酒類提供の制限が要請されており、その影響は計り知れない。一方、以前から支給の遅れが指摘されている飲食店への協力金に関して、政府は7月12日からの酒類提供停止要請に協力する飲食店に限り、7月以降分の協力金の事前支払いを実施すると発表。「過去に協力金を受給した事業者は、誓約書の提出のみで『先渡し』を行う」としているが、申請受付時期などは現時点で明らかになっていない。
緊急事態宣言・まん延防止措置中の酒類提供ルールは?
政府は、緊急事態宣言やまん延防止措置が適用される地域の飲食店に対し、20時までの時短営業を要請している。酒類提供については、東京、沖縄は一律停止。まん延防止措置の対象地域についても原則、酒類提供は停止だが、知事の判断により一定要件を満たした場合は、19時まで提供可能となる。緊急事態宣言及びまん延防止措置が適用されている地域の酒類提供方針は、下記の通りだ。
東京都 ・・・7月11日までのまん延防止措置期間中は、感染対策等の条件を満たした飲食店に限り、2人以内・90分以内であれば酒類の提供が可能だった。しかし、緊急事態宣言期間中の現在は、酒類提供を一律で停止するよう要請されている。・・・対象地域:都内全域 / 酒類提供:停止
沖縄県 ・・・緊急事態宣言が延長される沖縄県では、引き続き酒類提供が停止となる。・・・対象地域:県内全域 / 酒類提供:停止
埼玉県 ・・・12日以降も酒類提供の要件に変更はなく、引き続き県の認証を受けている店舗にのみ許可される方針だ。・・・まん延防止措置対象地域:さいたま市・川口市 / 酒類提供:「彩の国『新しい生活様式』安心宣言飲食店+(プラス)」認証済みの店舗は、11時〜19時まで酒類の提供が可能。1人、または同居家族のみのグループに限る。
千葉県 ・・・まん延防止措置の延長前後で酒類の提供要件に変化はないが、12日以降、まん延防止措置の適用地域が変わる。・・・まん延防止措置対象地域:千葉市・市川市・船橋市・松戸市・成田市・習志野市・柏市・市原市・浦安市 / 酒類提供:11時〜19時まで。1グループ2人・滞在時間90分以内に限る。
神奈川県 ・・・12日以降、まん延防止措置の対象地域が縮小されるとともに、酒類提供の条件として「マスク飲食実施店」の認証が加わる。・・・まん延防止措置対象地域:横浜市・川崎市・相模原市・厚木市 /  酒類提供:「マスク飲食実施店」の認証を受けている店舗に限り、11時〜19時まで提供可能。滞在時間90分以内・1グループ4人以内、または同居家族であることが条件。
大阪府 ・・・まん延防止措置が適用される区域に変更はないが、酒類の提供条件が「2人以内」から「4人以内」へと緩和される。・・・まん延防止措置対象地域:大阪市・堺市・岸和田市など33市 / 酒類提供:原則自粛だが、ゴールドステッカーステッカー認証店では、11時〜19時まで提供可能。同一グループ原則4人以内(同居家族は除く)に限る。

●沖縄県立博物館・美術館が再開 緊急事態宣言も感染対策徹底 7/13
緊急事態宣言に伴い休館していた県立博物館美術館が県の新たな対処方針を踏まえ13日から再開した。
那覇市の県立博物館・美術館5月に緊急事態宣言が出されて以降、休館が続いていましたが12日から宣言が再延長されたのに伴い策定された県の対処方針に基づき13日から再開された。
再開に合わせ企画展も始まりベトナム戦争の従軍取材で知られる石川文洋さんの写真展は国を二分されたベトナムの住民が戦場を逃げ惑う様子など戦争に巻き込まれる残酷さを伝えている。
県立博物館・美術館では感染対策を講じながら作品に触れる機会を設けていきたいとしている。

●宣言など“指標の見直しを” 新規感染者数は重視すべきでない 福岡市 7/13
福岡県内で感染のリバウンドの兆候が見られるなか、福岡市の高島市長は、緊急事態宣言などを発令する場合の指標について見直す必要があると主張しました。
高島市長「これまでのような新規陽性者の数ではなく、病床の稼働率や重症病床の稼働率という医療崩壊につながりかねない部分のKPI(指標)を重視していく」
高島市長は13日の定例会見で、緊急事態宣言など私権の制限を伴う要請をする際の指標について、1日あたりの新規感染者数は重視すべきではないと述べました。
その理由として、市内の高齢者の半数にあたる約18万人が2回目のワクチン接種を終えるなど高齢者へのワクチン接種が進んだことで、感染者が増えてもすぐには病床使用率の増加などにつながらないとの考えを述べました。
県内の1日あたりの感染者は12日まで5日連続で前の週を上回っていますが、県によりますと、7月の感染者のうち60代以上が占める割合は以前に比べ減少傾向にあるということです。

●「政府要請に従うのは、ばかばかしくなった」 酒提供の店増える  7/13
四度目となる新型コロナウイルス緊急事態宣言が都内に発令された十二日、多摩地域の飲食店街では酒類提供の停止や時短営業の要請に応じない店が目立ち始めた。八月二十二日までの宣言で夏休み中の集客が見込めなくなった観光地からは、ワクチン接種が進んで観光客が戻ることを祈る声が漏れた。
「政府の要請に従うのはもうばかばかしくなった」
JR吉祥寺駅近くの「ハモニカ横丁」(武蔵野市)で複数の居酒屋を経営する男性は、今回は大半の店で通常営業を続けることにした。前回の宣言下で酒の提供を続けた店に客が流れており「要請に応えていてはじり貧になる」と判断した。「吉祥寺で三、四割の店は要請を拒否するのでは」とみる。
一方、同市の吉祥寺通り沿いで「食事とお酒カヤシマ」を経営する佐藤孝一さん(68)は、酒類提供中止と午後八時までの時短営業に応じる。売り上げはコロナ前の約半分だが「協力金を含めれば何とか乗り切れそう」と話した。同時に「今回ばかりは従えないという飲食店も多い。ぎりぎりの状態なんです」と訴える。
立川市の居酒屋「餃子のさんくみ 立川本店」も要請に従うが、店長の大西広紀さん(32)は「売り上げは全然」と明かす。要請に応じない店にも「それぞれ事情がある。仕方がない」と理解を示す。後で撤回したが、要請順守を取引金融機関から働き掛けてもらうとした西村康稔経済再生担当相の発言には「いじめですよね」と憤った。
八王子市の高尾山では、登山を楽しむ人の姿はまばらで、閑散としていた。都内で最も標高の高いビアガーデン「高尾山ビアマウント」は、十二日から酒類提供を停止。山頂近くで「やまびこ茶屋」を経営する松村高雄さん(71)は「ワクチンが行き渡って十一月ごろには何とか人出が戻ってくれたら」と話した。
青梅市御岳山の武蔵御嶽神社近くで食堂と土産物販売の「駒鳥売店」を営む馬場欣哉さん(67)は「夏休みは一番の書き入れ時なので残念だ」と肩を落とした。加盟する御岳山商店組合は「森の妖精」と呼ばれるレンゲショウマの花が見頃となる七月〜九月に予定していた各種イベントを宣言期間中すべて中止した。 
 
 
 

 

●緊急事態宣言2日目 13日の都内の人出は減少 7/14
4度目の緊急事態宣言に入ってから2日目の13日夜、東京・六本木では前の週に比べて3割ほど人出が減っていました。
携帯電話の位置情報のデータによりますと、午後9時台の東京都内の人出は緊急事態宣言が出される前の1週間前と比べて渋谷センター街で10%、六本木で27%、新橋で25%、歌舞伎町で7%減っていました。
赤坂でも5%減っていて、銀座ではほぼ横ばいでした。
午後3時台の人出も1週間前に比べて六本木で18%、新橋で14%、歌舞伎町で17%減っていました。
渋谷センター街や赤坂、銀座ではほぼ横ばいでした。

●政府が「酒の取引停止」の依頼撤回。“脅し”で失った信頼、宣言の実効性 7/14
東京に4度目の緊急事態宣言が発出される中、内閣官房がコロナ対策として出した2つの「依頼」に批判が相次ぎ、いずれも数日で撤回に追い込まれた。第5波の到来も警戒される一方、「自粛」や「要請」を呼びかける政府への信頼が一層揺らぐ事態に陥っている。いずれの「依頼」も緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の下で、酒類の提供を続ける飲食店をめぐるものだった。十分な財政支援を伴わない要請であり、関係団体は「承服できない」と抗議。与党内からも批判が噴出した。野党からは法的根拠に拠らない「脅し」「圧力」に当たるのではとの指摘も出ている。
「法的根拠ない」指摘、内閣官房の2つの「依頼」とは……
1 「金融機関から飲食店へ遵守の働きかけを」→1日で撤回
2つの依頼の内容について、まずは経緯をおさえておこう。
1つ目は7月8日付けで、発出元は西村担当相が所管する内閣官房の新型コロナ感染症対策推進室(コロナ対策室)。
酒類の提供を続ける飲食店に対し、飲食店に融資をする金融機関から酒類提供の停止要請を順守するよう働きかけてもらいたいと各府省庁から金融機関に依頼するよう内閣官房コロナ対策室が求める内容だった。
この方針は、西村担当相が8日の記者会見で表明したが「金融機関による優越的地位の濫用になるのでは」など、与野党から批判が噴出した。
9日午前、菅義偉首相は西村担当相の方針表明について「どういう発言をされたか承知していない」と述べていたが、午後になって加藤勝信官房長官が「方針撤回」を表明した。
こうした経緯から「政府内での“詰め”がなされないまま、西村担当相が独断で表明したものでは」という憶測も広がったが、国民民主党の山尾志桜里衆院議員が12日、内閣官房の依頼文書を公表。内閣官房のコロナ対策室だけではなく金融庁、財務省、経済産業省とも事前や調整や検討をしていたことが明らかになった。
国民民主党の玉木雄一郎党首は「本来中小零細企業を助けるべき政府系金融機関も使って、ある種の脅しと締め付けを要請しようとしていたわけだ。しかも法的根拠はない」と批判している。
「衝撃的なのは、金融庁監督局だけでなく、財務省の政策金融課や経産省の中小企業庁金融課が依頼の名宛人として入っていること。つまり、本来中小零細企業を助けるべき政府系金融機関も使って、ある種の脅しと締め付けを要請しようとしていたわけだ。しかも法的根拠はないのに。どうかしている。」— 玉木雄一郎(国民民主党代表)
2 「酒販業者は酒提供する飲食店と取引停止を」→6日で撤回
2つ目は同じく7月8日付けの依頼だが、発出元には内閣官房コロナ対策室に加えて国税庁酒税課も名を連ねている。
依頼先は「酒類中央団体協議会各組合」。つまり、飲食店などに酒類を販売する事業者の業界団体に向けたもの。
内容は、酒販業者に対し、酒類の提供停止に従わない飲食店には「酒類の取引を停止するようお願いします」と呼びかけるものだ。これも西村担当相が8日の新型コロナ対策分科会や記者会見で明らかにしていた。
これついても山尾氏は「法的根拠はありません」と指摘。そもそも、この依頼内容は資本主義・自由市場経済の大前提である契約の自由や、憲法が保証する営業の自由を脅かすおそれがあり、違憲の可能性も取り沙汰されている。
新型コロナ特措法5条では、コロナ対策について「国民の自由と権利に制限が加えられるとき」であっても「対策を実施するため必要最小限のものでなければならない」と定めている。
政府は13日午前の時点で、「酒類の取引停止」の依頼を取り下げる方針はなかったようだ。麻生太郎財務相はこの日の会見で「卸先はいっぱいある。買う方だってどこから買ったっていい。やめますと言われたら他の所に変えればいいだけのこと」と発言。強制力を伴わない要請として、撤回しない方針を示していた。
ただ、与党内からは「現場の事情をよく理解されていない発言だなと強く思いました」(自民党・森山裕国対委員長)など批判が出た。
こうした反応を受けて、政府は13日午後「酒類の取引停止」の依頼を正式に撤回した。
加えて、酒類の取引停止の発出元の一つだった国税庁は13日、職員7人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。NHKニュースによると、7人はいずれも東京都のまん延防止等重点措置期間中に3人以上が参加する飲み会に参加していたという。
酒販業者の団体「承服できない」「商慣習の常識から言っても困難」
政府からの要請に怒りがにじむ抗議をしたのが、飲食店との板挟みとなった、飲食店に酒類を卸す酒販業者だ。
全国約5万軒の酒類小売業者が加盟する業界団体の一つ「全国小売酒販組合中央会」は9日付けで酒類の取引停止への抗議声明を発表した。
酒販業者もまた、コロナ禍で業績が悪化している。こうした中での「依頼」に、中央会側は抗議声明で「安心・ 安全な国民生活を取り戻すことに協力することは当然」としながらも、得意先からの注文を拒否することは長年培ってきたお客様との信頼関係を棄損する引き金となり得る」と指摘。
その上で「財政的支援が何ら担保されないまま、傘下組合員に一方的に協力を求めることは承服できない」「『酒類の取引停止』に対する補償もない中で毅然とした対応をとることは、商慣習の常識から言っても困難」と、政府に対して早急な見直しを求めていた。
西村担当相「閣僚会合で事務方が説明」と明かす
西村担当相は13日の会見で、金融機関から飲食店へ酒提供停止については「何とか感染を抑えたい、できるだけ多くの方にご協力いただきたいという強い思いからではあったが、趣旨を十分に伝えきれず反省している」と述べ、融資を制限する趣旨ではなかったと釈明。辞任は否定した。
一方で西村担当相は金融機関などへの依頼や酒類取引停止について、菅首相も出席した官邸での関係閣僚間の会合(5大臣会合)で閣僚間の議論に入る前に事務方から感染状況などとともに説明がなされたと明かした。閣僚間では依頼についての議論はなかったと述べた。
ただ、そうなると9日朝に菅首相が述べた「発言を承知していない」という発言と齟齬があるのではという疑問が生じる。
加藤勝信官房長官は13日午前の会見で「『発言そのものを承知してない』ということを言われたと認識している」と釈明した。西村担当相も13日の会見で同様の内容を述べている。閣内で調整した内容だろう。
誰も止められなかったのか?
撤回されたとはいえ、飲食店を狙い撃ちするかのような政府方針が相次いで出されたことは飲食店側の心を折りかねない。
これまで要請を守ってきた店でも、今年に入って緊急事態宣言が相次いだことや、協力金の振り込みが遅れたことで追い詰められて“苦肉の営業”をする店もある。感染対策を施した上で、「お一人様」であれば酒を提供する店も出てきている。
そこへきて、今回批判が相次いだ政府方針をめぐる混乱だ。
第5波の到来が警戒される中、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の下で「自粛」「要請」を呼びかける政府への信頼が一層失われる事態を招いたことは、「最後の切り札」であるはずの緊急事態宣言のメッセージ性や実効性をさらに損なうおそれもある。
「違憲」の可能性も考えられると指摘の出るような方針に、そもそも最初からストップをかけることはできなかったのか。
立憲民主党、日本共産党、国民民主党の野党3党は4度目の緊急事態宣言に伴う事業者への新たな補償を議論するためにも、臨時国会の召集を求めている。
国会では14日、15日に内閣委員会で閉会中審査が開かれる。野党は西村担当相を追及する方針だ。

●日医会長、4度目の緊急事態宣言発令を評価 7/14
日本医師会の中川俊男会長は14日の記者会見で、政府が東京都に4度目となる緊急事態宣言を発令したことについて「英断だ。(宣言を)出すべきだと私は思っていた」と評価した。
一方で、度重なる発令で慣れが生じ、これまでのような人流抑制効果が得られない可能性があるとして、政府に対し「いろんなメッセージ発信をしていただきたい」と求めた。

●「運動会は中止でも五輪はOK」チグハグな緊急事態宣言が日本を潰す 7/14
悪化し続ける日本経済の「ワニの口」
政府は東京都に通算4度目となる緊急事態宣言を発令、12日より適用した。期間は8月22日までの42日間となる。4月25日から6月20日までの約2カ月間を経て、3週間ぶりの緊急事態宣言である。なお、1月8日から3月7日も緊急事態宣言期間だった。
そうではない期間もまん延防止等重点措置期間が敷かれていたので、要するに2021年の日本経済は常に足枷を付けた歩みを強いられている。片や、海外に目をやると英国ではサッカー欧州選手権(EURO2020)の決勝が7月11日に6万人以上を収容したスタジアムで開催され、ウィンブルドン選手権も多数の観客を入れて実施されている。
しかも映像を見る限りほとんどマスクはしていない。米国のメジャーリーグの試合でも似たような光景だ。ワクチン接種率に差があるとはいえ、感染者数やそれに伴う重症者・死者数が桁違いに多い欧米との格差に愕然とするばかりである。ここまでくると「格差が大きい」というよりも「住む世界が違う」という形容の方がしっくりくる。
年初の緊急事態宣言発令時、筆者は「『失われた40年になりかねない』2度目の緊急事態宣言が残す禍根 『貯蓄が正義』で日本経済が凍り付く」と題し、貯蓄・投資(IS)バランスを用いて今後の先行きを案じた。
具体的には「ワニの口」のように開いた「民間部門の超・貯蓄過剰と政府部門の超・貯蓄不足」という構図が常態化し、「貯蓄が正義」という観念が強まる中、賃金はおろか金利も物価も半永久的に上がらない経済がいよいよ固定化するのではないかと危惧した。
図表1は2021年1-3月期までの日本のISバランスだが、「ワニの口」は家計部門の貯蓄過剰を主因としてさらに開いてしまった。
エビデンスのないコロナ対策と失望感の影響
年初の時点では、まさか状況が悪化するとは思いもしなかったが、国内に目をやれば相応の施策が打たれているのは確かである。
7月12日から8月22日までの42日間という期間は当初設定としては4度目にして最長であり、相変わらず一部業種(とりわけ飲食業)に感染源を帰責させようとする根拠不明の対策が展開されている。
同時期に重なった東京五輪は基本的に無観客開催が決定しているが、サッカーや野球などのプロスポーツは有観客で開催されていることを思えば、理解の難しい決定である。また、即時撤回こそされたものの、一部閣僚から金融機関をも巻き込んだ飲食店締め上げも示唆され、その波紋はまだ収まっていないようにも見える。
どうみても半年前と比較して社会全体に猜疑心が充満しており、端的に言えば雰囲気は悪くなっている。なお、切り札だったはずのワクチン接種は順調に進んでいたものの、「実は在庫がない」という事実が露呈し、ここでも失望感が生じている。
猜疑心が「民間部門の貯蓄過剰」を招いている
かかる状況下、家計・企業といった民間部門の消費・投資意欲は再び落ち込むことはあっても盛り上がることは考えにくい。
いくら感染防止に協力しても、その対価が「感染者が増えたので自粛しろ」という状況が繰り返されており、「今後も何があるか分からない」という猜疑心を政策当局に抱く向きは多いのではないか。
一般的に予測可能性が低い時に消費や投資が盛り上がることはない。ISバランスにおける「民間部門の貯蓄過剰」は膨れ上がった猜疑心の結果ではないだろうか。
例えば、4月末の緊急事態宣言は「短期集中」と銘打たれたが平然と約2カ月も続いた。宣言期間の延期は常態化しており、「どうせ今回も8月22日で終わるはずがない」という思惑はくすぶる。
為政者の言葉が信用できないと判断した場合、消費・投資を控えて貯蓄を積み上げるという防衛的な行動に出るのが合理的である。英国の例を見ても分かるように、ワクチン接種が進んでも重症者や死亡者は減るが、感染者の根絶はできない。
人口1400万人を擁する首都東京の医療体制が60人程度の重症者で崩壊する(らしい)現状を打開しなければ、日本だけ半永久的に経済活動の抑制を続けざるを得なくなる。医療資源の最適配分という話はどうなったのだろうか。
完全に“アテ”がはずれた日本の軽微な行動規制
日本は欧米と比べて感染状況が軽微だったこともあり、緩い行動規制が慢性的に継続してきた。これはグーグル社の公表する「COVID-19 Community Mobility Reports」を見ると良く分かる。
パンデミック以前よりも著しく行動制限されていた時期に目をやると、その期間や深度のいずれをとっても欧米ほどではなく、日本では総じて「日常が続いてきた」ように見える(図表2)。
にもかかわらず、冒頭見たように、マクロ経済全体で見れば、「民間部門の貯蓄過剰」が積み上がり、政府部門が必死でそれを穴埋めし、「ワニの口」が拡大している。軽微な行動規制は景気に配慮した政策でもあったはずだが、完全にアテが外れた格好である。
こうした状況に関して「軽微な行動規制が感染収束を妨げ規制が却って長引いた」という批判をよく見かけるが、筆者は腑に落ちない。
欧米は日常を取り戻した今ですら緊急事態宣言下の日本より感染状況が桁違いに悪い。例えば人口10万人当たりの感染者数(7月10日時点)は米国が1万225人、英国が7524人であるのに対し、日本は648人である。
軽微な行動規制のせいで日本の感染状況だけが悲惨ならば、中途半端な政策が収束を遅延させているという批判も当てはまるし、それで「民間部門の貯蓄過剰」が積み上がるというのも分かる。だが、事実は異なる。
ちなみに、米国も「民間部門の貯蓄過剰」がいまだ続いてはいるが、ピークはあくまで2020年4〜6月期であり、年間を通じて一方的に貯蓄が積み上がり続けるという状況にはない。
「貯蓄は正義」という日本人の防衛本能
結局、「軽微な行動規制が感染収束を妨げ規制が却って長引いた」ことが問題なのではなく、その都度割り当てられる軽微な行動規制に一貫性がないことが問題なのではないか。例えば「学校の運動会は駄目だが、五輪は可能」「満員電車はOKだが、飲食店の席は間引け」といった状況を合理的に説明できる者はいないだろう。
こうした根拠不明の手綱さばきが当たり前になってしまうと、家計や企業のような経済主体は何を基準に消費・投資計画を構築すべきか分からなくなる。
「COVID-19 Community Mobility Reports」が示す移動傾向はそれほどコロナ以前と変わっていないのに、ISバランスにおける「民間部門の貯蓄過剰」が拡大の一途にあるのは、猜疑心が膨らんだ結果、「貯蓄が正義」という防衛本能が発揮されたからではないか。
パンデミック終息後にも影響は残るか
世界的に見れば、ワクチン接種率を高め、重症者・死亡者の水準を抑制し、行動制限を解除するというアプローチが現状における唯一無二の出口戦略と見受けられる。
緊急事態宣言を乱発し、その都度、細かな行動規制をかければ民間部門の猜疑心は増し、貯蓄に依存する日本経済の体質は不変のままだろう。少なくとも過去1年はそうだったように見える。
問題は、パンデミックが完全終息しても、民間部門が抱く為政者への猜疑心が抱かれたままになり、消費・投資意欲はさして回復せずに景気浮揚もままならないという状況に至ることである。日本経済は元々「民間部門の貯蓄過剰」が常態化している国だけに、その度合いが一段と強まることは相当に懸念される。
前回のコラムで筆者は「2020年に出現した極端な姿(※貯蓄過剰)は経済活動制限という特殊な政策の結果であり、永続性を期待するものではない」と述べたが、残念ながら、状況は変わらないどころか悪化している。
「民間部門の貯蓄過剰」は90年代後半から継続する日本の「失われた20年」を象徴する現象である。パンデミック対応を経て民間部門に植え付けられた猜疑心が「民間部門の貯蓄過剰」を一段とたきつけ、「失われた30年」ないし「失われた40年」への遠因とならないことを祈るばかりである。

●4度目の緊急事態宣言で迷走続く菅政権 “心のゆらぎ”が招く悲劇 7/14
人は常に合理的な行動をとるとは限らず、時に説明のつかない行動に出るもの。そんな“ありのままの人間”が動かす経済や金融の実態を読み解くのが「行動経済学」だ。今起きている旬なニュースを切り取り、その背景や人々の心理を、行動経済学の第一人者である法政大学大学院教授・真壁昭夫氏が解説するシリーズ「行動経済学で読み解く金融市場の今」。第26回は、“迷走”が続く菅政権のコロナ対応について分析する。

前回の緊急事態宣言を解除してからわずか3週間、東京都では4度目となる緊急事態宣言が発令された。カレンダーを見返すと、今年に入ってから「緊急事態宣言(1月8日〜3月21日)」→「まん延防止等重点措置(4月12日〜24日)」→「緊急事態宣言(4月25日〜6月20日)」→「まん延防止等重点措置(6月21日〜7月11日)」、そしてまたもや緊急事態宣言と“解除しては再び宣言発令”という「迷走」を繰り返してきた。
昨年から続くコロナ禍で人々の自粛疲れも限界に達するなか、切り札のはずのワクチン接種もここに来て供給不足が指摘されるなど、国民の不平・不満が高まるのも当然といった状況にある。各種報道やネットの書き込みなどを見ると、「ここに来てまだ酒もダメ、イベントも中止。生きる楽しみを奪われ続けているのに、東京五輪だけはやるなんて」、「怒りを通し越して呆れる」、「もう疲れた、ついて行けない」といった言葉が目立つ。
何かと“敵視”されてきた飲食店からも、「酒がダメというエビデンスもないのに、“とにかく酒を提供するな”では生き地獄だ」という声が聞かれ、菅政権がギリギリまでこだわった東京五輪の「有観客」も結局断念し、「生で観戦できない上に海外からの観光客需要も無くなって、やる意味あるの?」といった声で溢れている。
現状、安倍晋三前首相時代から何度も繰り返されてきた「安全・安心な大会」、「コロナに打ち勝った証し」とは全くかけ離れており、一体どれだけ「迷走」を繰り返せばいいのか。
株価を見ても、菅義偉首相が緊急事態宣言を発表した翌日(7月9日)の日経平均株価は一時600円超も急落し、2万8000円を割り込んだ。週明けに株価は持ち直したとはいえ、このタイミングでの宣言発出は世界の投資家からもそっぽを向かれた格好である。
一体なぜこんな対応ばかり繰り返しているのか。菅政権の心理的背景を読み解くと、これこそ「心理のゆらぎ」としか言いようがない。為政者としては、コロナ禍で景気が悪くなることにどうにも耐えられない「強迫観念」に駆られる一方で、コロナ禍でも好調な企業からの大きな声は聞こえてこない。するとますます「景気の悪化を何とかして欲しい」という声ばかりが大きく聞こえてきて、その声に捉われる「強迫観念拡大の法則」に陥ってしまう。そのため、感染抑制が実現できたわけでもないのに、すぐ宣言解除してしまうのだ。
“一兎”も追えていない政権
7月4日の都議選では、自民党は過去2番目に少ない議席数となり、目前に東京五輪を控えるなか秋には総選挙も予定され、政権としては「これ以上の失策は許されない」という“恐怖”に駆られる。そして、“緊急事態宣言を解除して何としても景気回復を急ぎたい”という判断に傾き、またしても感染拡大という事態を招いてしまうのである。
いわば、心の中では常に「経済」と「命(コロナ対策)」の天秤がゆらいでいる状態で、「経済」の天秤を重くした結果、宣言を解除し、感染拡大を招いている格好ではないだろうか。
さらに、ワクチン接種が始まり、一時は接種率が上がって感染も減少傾向が見られたことから、為政者の心には“これでコントロールできる”と思い込む「コントロールイリュージョン」が生じた。しかし、それはやはり“幻想”で、実際にはワクチンの供給不足など「目詰まり」を起こしてまだ広く行き渡ってはいない。
その結果、ますます「経済」と「命」の天秤がゆらぎ、どちらを重くすれば良いのか分からなくなってしまう。日本中がコロナに振り回されるなか、本来、一番振り回されてはいけないはずの国のリーダーが混乱している――行動経済学的な観点で見ていくと、そんな「心のゆらぎ」が透けてくるのだ。
菅首相は7月8日の会見で、「先手、先手で予防的措置を講ずる」と発言したが、ここまでの対応を見ると、むしろ「後手後手」としか言いようがない。少なくとも事態を常に冷静に見て的確な判断を下してきた、とは評価できないだろう。
英ロンドンから帰国した知人によると、「日本の緊急事態宣言は甘すぎる」という。ロックダウン(都市封鎖)が行なわれたロンドンでは、街角の商店から卵や小麦粉といった必需品まで消えた。ロックダウンによって売る側や買う人だけでなく、一時は商品の流通まで止まったために、店頭から消えてしまったそうだ。それでもロンドンでは再び感染が拡大しているというから、一筋縄ではいかないようである。
欧米や中国などの事例を見ても明らかなように、政策は「二兎」を追っても上手く機能しない。ところが、わが国の対策を見ていると、「経済」と「命」を両天秤にかけて、結局はどっちつかずで一兎も追えていない。これこそ目先の損失をとりあえず回避したいという「近視眼的損失回避」であり、残念ながら長期的な視点は見えてこない。
短期的な痛みを伴いつつも、一方を優先して徹底的に対策したうえで、もうひとつの課題を解決していかなければ、どちらも根本的な解決には至らないだろう。現状では「命」が最優先なのは言うまでもないが、その判断でゆらいでいる日本は本当に“悲劇”としか言いようがない。
 
 
 

 

●大阪知事 感染状況「ステージ4」で緊急事態要請も 7/15
大阪府の吉村洋文知事は15日、国の分科会が示す新型コロナウイルスの感染状況の指標が最も深刻な「ステージ4」の水準になれば、政府に緊急事態宣言を要請する可能性に言及した。吉村氏は府庁内で記者団の取材に対し、宣言要請について「ステージ4が視野に入れば当然考えられる」と述べた。大阪府には「まん延防止等重点措置」が適用されている。
大阪府の15日の新規感染者は324人で、感染の拡大傾向が鮮明になっている。人口10万人あたりの直近1週間の新規感染者数は15日時点で「ステージ3」(15人以上)の17.14人となった。「ステージ4」(25人以上)の基準を1日平均の新規感染者数でみると315人となる。吉村氏は「1つの数字がステージ4に達したからすぐ(宣言要請)ということにはならない」とも述べた。
このほかの国の分科会の指標では、15日時点の確保病床に対する病床使用率は17.6%、重症病床使用率も11.7%で、「ステージ4」(50%以上)の水準を大きく下回っている。府のスクリーニング検査では15日時点で157人が変異ウイルスのインド型(デルタ型)の感染疑いがあることが判明しており、府は警戒を強めている。

●埼玉 新型コロナ328人感染 緊急事態宣言解除後最多 7/15
埼玉県内では、新たに328人が新型コロナウイルスに感染していたことが確認されました。
埼玉県内で1日に感染が発表される人の数が300人を超えるのはことし1月30日以来で、埼玉県内に出されていた2回目の緊急事態宣言がことし3月に解除されてから、最も多くなりました。
内訳は、埼玉県の発表が215人、さいたま市が49人、川口市が37人、越谷市が15人、川越市が12人となっています。
また、さいたま市は13日、感染を発表した人のうち、1人について取り下げると発表しました。
これで埼玉県内で感染が発表されたのは、あわせて4万8784人となりました。
また、さいたま市は新型コロナウイルスに感染し、県内の医療機関に入院していた80代の女性が死亡したと発表し、これで埼玉県内で感染が確認され、死亡したのは841人となりました。

●日航、8月に追加減便 全日空も、緊急事態宣言で 7/15
日本航空は15日、8月の国内線の運航について、新たに約4000便減らすと発表した。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、東京都に4度目の緊急事態宣言が発令されたことなどを受け、予約の伸びが鈍化しているため。全日本空輸も8月1〜22日にかけて、国内線で計約5800の減便を決めた。
主な減便対象は羽田―福岡や沖縄発着路線など。日航は今年度の事業計画に比べた8月の運航率が73%。全日空はコロナ禍前に策定した昨年度の事業計画と比べ、8月1〜22日で65%となる。

●「この状況が続くと緊急事態宣言の前倒し解除厳しくなる」 沖縄県 7/15
沖縄県が15日に発表した新型コロナウイルスの新規感染者は60人で、2日連続で前の週の同じ曜日を25人上回りました。感染再拡大の懸念が強まっています。
新たに感染が確認されたのは60人で、前の週の同じ曜日より25人多くなっています。
14日も前の週と比べて25人上回っていて、国の指標でステージ3に下がっていた1週間の新規感染者数は再びステージ4に悪化しました。
県保健医療部・糸数医療技監『緊急事態宣言の早期解除に向けて今取り組んでいるところだが、この状況が続くと非常に厳しくなると認識している』
県は新型コロナウイルスに感染した80代から90代の男女4人が亡くなっていたことを発表し、県内の死者の累計は215人となりました。

●高橋洋一氏が緊急事態宣言発出の背景を解説 「小池さんがうまかった」 7/15
経済学者の高橋洋一(65)が14日、自身の公式ユーチューブチャンネル「高橋洋一チャンネル」を更新し4度目の緊急事態宣言の舞台裏について持論を述べた。
「何で緊急事態宣言を出した?」との質問に高橋氏は「不思議だよね。緊急事態宣言というのは本来の趣旨だったら医療崩壊させちゃいけないから。重症者がすごく増えてるとか死者が増えてる時には仕方がない。それ以外の時にやっちゃったのが今回」と指摘した。
続けて「要するに感染者数は増えてるけど、ほとんどは若者だから。若者は交通事故と比べると死亡のリスクというのは交通事故よりはるかに低い。交通事故より低いのに感染者が増えてるからと言って緊急事態宣言するのは交通事故を恐れて交通をストップするのと同じようなもんでしょ」と皮肉を交えて語った。
「リスクがないのに感染者が増えたからやっちゃったというのが大間違い。(ワクチンで)60歳以上になると感染者、死者、重症者も減ってる。ワクチンがうまくいってることを理由にすれば感染者は増えてるけど、ここは緊急事態宣言をする必要はないってはっきり言えたレベル」と断言した。
それでも緊急事態宣言発令されたのは「まあ小池さんがうまかった」と小池都知事の存在を指摘。「小池さんがうまいこと狸寝入りして都議選勝っちゃったでしょ。都議選勝ったあとすぐ二階さんと山口さん公明党の(所に)ばーっと走って『選挙の話だ』って言ってるんだけど緊急事態宣言(五輪)無観客って言ってるんだよ。(なんで緊急事態宣言を出したい?)都民ファーストの公約で緊急無観客ってずっと言ってる(から)。だから緊急事態宣言をさせると無観客にすぐなるからそれを狙ったわけ」と話した。
続けて「だからその後すぐ尾身さんの所も行ってる。これは素早い。政府の方は都議選で負けてオタオタしている隙にサーッと回っちゃってそこで根回しが終わっちゃった。急転直下、小池さんにやられて緊急事態宣言無観客って話になっちゃった。役所のほうは『えー』って慌てて十分な検討なしでやっちゃったって世界」と小池都知事にしてやられたと推察した。
高橋氏は「合理的な判断ができなくなってる人がいて小池さんはそこの所に働きかけて自分の政治的プレステージ、立場を非常に上げたというところじゃないですか」と話した。

●「緊急事態宣言のマンネリ化」に陥った東京…居酒屋も明け方まで営業 7/15
新型コロナの拡大で東京に4度目の緊急事態が下された翌日である13日午前8時30分、新橋駅広場は出勤ラッシュで込み合った。列をなして職場へ向かう会社員の姿から新型コロナの拡大防止に向けた緊急事態が発令中という雰囲気は見当たらなかった。ある男性会社員は「同僚どうしで『緊急事態宣言のマンネリ化』という表現を使うほど緊急事態に慣れすぎた」と話した。
東京の緊急事態は来月22日までだ。この日を基準に東京都民は今年の86%を緊急事態と準緊急事態である「まん延防止等重点措置」の状況で送ることになった。特別措置が下されない平時は24日に過ぎない。NTTドコモの携帯電話位置情報分析によると、緊急事態初日である12日、東京駅・新宿駅・渋谷駅・新橋駅・銀座駅など主な都心の人波は2週間前に比べて2%減少にとどまった。1度目と2度目の緊急事態にはこの地域の人波はそれぞれ29%、20%減少した。
日本政府の酒類提供中止要請を正面から拒否する飲食店も増加している。会社員が会食場所として好む新橋歓楽街には営業制限時間である午後8時以降にも酒を売る店が少なくなかった。「11時まで営業」「明け方5時まで酒を売ります」と堂々と書いて貼った店もあった。飲食店主人はこれ以上持ちこたえられないと口をそろえた。日本政府が休業要請に従う店に補助金を支給するが、金額も少なく支給時期も遅すぎるということだ。
これに先立った3回の緊急事態の時は政府方針を忠実に従った中野区の老舗居酒屋「第二力酒蔵」も今回は店をオープンした。黒田店長はテレビ東京とのインタビューで「営業をしなければ従業員の30%を解雇しなければならない」と訴えた。
専門家はすでに東京で新型コロナの第5次流行が始まったと見ている。13日、東京では830人の新規感染者が発生した。24日連続で感染者が1週間前と同じ曜日より増えた。まだ新型コロナワクチンを接種できない40〜50代を中心に重症患者が急増する傾向だ。
唯一安心できるのは大きく上がったワクチン接種率だ。14日、オックスフォード大学の統計サイト「アワー・ワールド・イン・データ」によると、韓国と日本の新型コロナワクチンの1回目の接種率(12日基準)はそれぞれ30.46%と30.45%でほぼ同じだった。日本のワクチン接種率が韓国と同じ水準になったのは初めてだ。2回目の接種率は日本が18.6%で韓国をリードしている。全国民が打つワクチンを確保した日本は、6月に入って連日一日接種回数が100万回を上回っている。NHKによると、12日基準で1回目の接種回数は3851万回だ。日本人3人に1人は少なくともワクチンを1回打ったということだ。2回目の接種まで合わせた累計接種回数は6199万回だ。

●東京は「状況自体が分からず、守るべき規範自体が分からなくなってる」 7/15
芥川賞作家の平野啓一郎氏が15日、自身のツイッターを更新。緊急事態宣言下の東京都の現状を嘆いた。
この日、「政府のコロナ対策が混乱を極め、五輪のために例外を作りまくってるので、マンボウなのか、緊急事態宣言なのか、要するに今は何をして良くて、何をしてはいけないのか、状況自体が分からず、守るべき規範自体が分からなくなってる」と厳しい筆致でつづった平野氏。
23日に迫った東京五輪開幕を前に首都の混乱ぶりを憂えていた。

●札幌市・秋元市長 今週の感染状況次第で「まん延防止措置」の再適用 7/15
札幌市の秋元市長は、「緊急事態宣言」も頭に入れて道と協議していかなければならないと述べました。
「いったん解除した『まん延防止措置』の再適用を要請するとか、さらにそれを超えていくような緊急事態なども頭に入れながら北海道とも協議を進めていかなければならない」(札幌市・秋元克広市長)
秋元市長は記者会見でこのように述べ、今週の感染状況次第では「緊急事態宣言」の要請を道と協議する考えを示しました。
札幌市内の飲食店は、今週から午後9時までの時短営業が要請されていますが、「時短営業は緩和する状況にはない」と述べました。

●人流の抑制が進まないことを懸念、日医会長-緊急事態宣言発令は「英断」 7/15
日本医師会の中川俊男会長は14日の記者会見で、東京都の新型コロナウイルス感染症の新規陽性者数が13日時点で830人となり、「24日連続で前の週を上回っている」ことなどを挙げて、感染再拡大の兆候があることへの懸念を示した。
東京都への4回目となる緊急事態宣言発令については、「英断だと思う。出すべきだと思っていたので評価したい」としつつも、繰り返される緊急事態宣言に慣れてしまったため、人流の抑制が進まないことを心配しており、いろんなメッセージを発信してほしいなどと話した。
この日の会見では松本吉郎常任理事から、医師の労働時間短縮への取り組みなどを評価する「医療機関勤務環境評価センター」の設置準備について、厚生労働省の2021年度の委託事業を受託したと発表があった。22年4月のセンター設置に向けた準備事業として、サーベイヤーの選出や講習会の実施、資格付与などに向けて具体的な整備を進める。
松本常任理事 また、「医師の働き方改革の推進に関する検討会」での議論について松本常任理事は、医師の時間外・休日労働が年960時間を超える医療機関の、23年度末までの労働時間短縮計画の作成および取り組み実施が、新型コロナウイルス感染症に対応する医療機関もある中、配慮すべきとの意見を踏まえて、努力義務になったことを「かねてから指摘してきた問題点だったので評価する」とした。

●都の緊急事態宣言、実効再生産数20%以上の減少必要 7/15
東京都では4度目となる緊急事態宣言が7月12日から発出されたが、実効再生産数の相対的減少が10%減にとどまれば、今後も新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症者数は増え続け、9月初めには250人を超える――。
京都大学大学院教授の西浦博氏らによるプロジェクションが7月14日の厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(座長:脇田隆字・国立感染症研究所所長)に提出された。新規陽性者数や入院患者数も含めて減少に転じさせるためには、20%以上の実効再生産数の減少が必要という推計。重症化率が高い高齢者のワクチン接種が進み、楽観論もある中、実効再生産数を減らさなければ予断を許さない厳しい状況が続くことを示すデータだ(資料は、厚労省のホームページ)。
西浦氏らは、東京都ではデルタ株が占める割合が7月17日には50%を超え、7月23日の東京五輪開会式時点では61.5%を占めるとの推計も提示。西浦氏は「実効再生産数は少なくとも一時的に増加することが見込まれる。デルタ株への置き換えに伴う実効再生産数の増大を加味してでも、20%減は少なくとも確保しないといけないという条件は、結構厳しい見通し」と危機感を募らせる。「実効再生産数が減らないことも、十分に想定しないといけない」。
40、50代の重症者増の影響大
西浦氏らは、宣言前の東京都の実効再生産数を、1.2(最新推定感染日付6月28日時点)と想定。緊急事態宣言で実効再生産数が10%、20%、30%それぞれ相対的に減少したと仮定して、新規陽性者数、入院患者数、重症者数について、9月5日までのプロジェクションを行った。デルタ株への置き換わり、年齢群内や年齢群間の伝播、ワクチン接種による効果など、さまざまな要因を加味している。デルタ株の実効再生産数は、従来株の1.9倍と推定。
実効再生産数が20%減の場合、重症者数は、8月上旬には130人強で頭打ちになるものの、130人超えが9月に入ってからも続くと推計。30%減であれば7月末に100人を超えるものの、その後は減少に転じ、9月上旬には70人を下回る見込みだ。年代別に見ると、40、50代の重症者数が多いが、60代以上でも実効再生産数が10%減にとどまり、新規感染者数が増えれば、それに伴い重症者も増える。
医療者へのワクチン接種でクラスター発生を抑制
西浦氏らは7月14日のアドバイザリーボードに、2020年11月から2021年6月までの医療従事者のワクチン接種とクラスター発生の関連を分析した暫定結果も公表した。VRS上、医療従事者の接種率は6月には100%を超えるが、6月以降は100%と仮定。高齢者への接種は始まったばかりの時期であるため、その影響は加味していない。
その結果、医療施設については164件、高齢者施設では155件、医療従事者へのワクチン先行接種によりそれぞれ抑制されたと推定された。
西浦氏は、「今回、推定された数値は、医療従事者の接種によって、本人以外の誰かの防御効果が見られるという、いわゆる間接的効果と呼ばれるもの。それがクラスター発生にまで派生していることを示す結果だ。医療機関や高齢者施設でクラスターが減るのは、先行接種の賜物と言える」と見る。
「今後、高齢者自身の接種による直接的効果と人口レベルの接種により、適切に流行が制御されている限りは、これらのクラスターはまだまだ減るものと期待される」と述べ、今後、この点についての観察と推定を進めていく予定だという。

●コロナ対応“日本の敗北” 4度目の緊急事態宣言 7/15
東京五輪の開会式(23日)が迫るなか、東京都に4度目の新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発令され、東京五輪は、首都圏1都3県と、北海道、福島県では「無観客」開催となった。欧米に比べて、新型コロナの新規感染者数が桁違いに少ない現状での判断に、五輪参加を見送るアスリートや、混乱を批判する海外メディアもある。評論家の八幡和郎氏が、東京五輪を見据えた、わが国の「コロナ対応」について考察した。
月刊「正論」8月号で、「武漢ウイルスとの戦い 日本は敗北したのか」という対談を、元厚労省医系技官で医師の木村盛世氏(感染免疫学)と行った。
私は「昨年と今年の2年間での経済の落ち込みは、感染の規模が桁違いな欧米並みだから『日本の敗北』」と申し上げた。
「五輪中止」や、「無観客」開催を主張してきた医師会などは、政府を追い込んで得意満面だろう。東京都医師会の尾崎治夫会長や、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長らの顔が浮かぶ。
欧米に比べたらさざ波のような状況でも、「医療崩壊しかねない」として緊急事態宣言が発令された。自分たちの論理を押しつけて、庶民の暮らしを苦しめ、五輪を「無観客」にしたのが、自分たちであることこそ恥じるべきだ。
日本の入院医療体制は、軽症とか終末期の患者を長く入院させて儲かるようになっており、以前から「危機対応に向かない」と危惧されていた。
だが、いざとなったら、医療界はこれまでの枠組みを超えた対応をすると思われてきたのに、完全に期待外れだった。重症者用ベッド数をほとんど増やさず、休みはいつものように取るので、医療が逼迫(ひっぱく)しただけだ。
飲食業、特に酒を出すのが諸悪の根源という怪しげな「医学的な見地」から、政府の方針決定の主導権を握り、足腰が弱く、恵まれない環境から這い上がってきた人も多いこの業界いじめを続けた。「規制が長くなると飽きられる」「公平を考えて負担を広く国民が分担すべき」「休業補償だけでは人材は長く確保できない」といった指摘にも耳を貸さなかった。
私は、最も営業縮小すべき業種は医療界だと思う。コロナ禍で世界的に通常医療は縮小されている。感染防止のためにも、医療機関通いは減らすべきだ。海外では医療資源確保のために、コロナと関係ない部門は診療時間を減らし、ワクチン接種も含めたコロナ対応に回していた。
ところが、日本ではワクチン接種で政府が「医師独占範囲の再検討」をチラつかせるまで動かなかった。
しかも、医療従事者らは、世界で類例を見ない「最優先でのワクチン接種」をお手盛りでした。厚労省推計で約300万人だったのに、各医療機関に判断させたら2倍近くの500万人以上になったのは、さまざまな意味で「不適切な人々」が含まれていることを示唆する数字だ。
ワクチン接種の遅れの理由はいろいろあるが、ワクチンへの「特異な不信感」が流布されている面もある。医学界でも同調する人たちがいて、主流派の人々もまともに戦わないので、子宮頸がんワクチンの接種が進まず、年間3000人の死者と子宮を失う女性を積み上げている。
コロナ・ワクチンの承認を急ぐために、昨年11月に法律改正を行ったのだが、立憲民主党や共産党の要求による付帯決議で縛りをかけられた。これが遅れの最大の原因であることをマスコミが報じないのも残念だ。 

●4回目の「緊急事態宣言」…あなたは何を思いましたか? 7/15
モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「ONE MORNING」。7月12日(月)の放送では、メッセージテーマ「4回目の緊急事態宣言……あなたは何を思いましたか?」に寄せられたメッセージの一部を紹介します。新型コロナウイルスの感染が拡大している東京都では、7月12日(月)に4度目となる緊急事態宣言が発令されました。期間は8月22日(日)までの6週間。また、すでに沖縄県に発令されていた緊急事態宣言も、8月22日(日)までの再延長が決定。県は期間中、酒類やカラオケを提供する店舗への休業要請を継続し、大型商業施設への時短要請も継続しています。そこで今回は、リスナーから寄せられた「緊急事態宣言」についての意見を紹介しました。
正直、「ああ……またか」といった感じで、まったく驚かなくなりました。緊急事態宣言を出しては解除し、また宣言を出すといった無限ループ。ただでさえ我慢をしているのに、飲食店だけがターゲットにされているのも納得がいかないです。このままだと、コロナを本当に終息させる気がないのでは? と思ってしまいます。でも前向きに捉えて生活していくしかなさそうですね……。
沖縄県北部の観光地エリアに住んでいます。沖縄県は、ずっと緊急事態宣言が発令中ですが、飲み屋さんが開いていない状況で、飲食店はテイクアウトばかり。そんななかでも梅雨明けに合わせて、県外からの観光客が増えている気がします。幹線にはレンタカーが増えていますし、県南部から北部にマリンスポーツを楽しみに来られる方や、マスクをしていない在沖米軍の米兵さん、そのご家族も見かけます。沖縄は都会に比べて人口密度が低いことに間違いありませんが、逆に立ち入る場所が限られているので人も集中しています。
大学生です。正直、「もう疲れた……」というのが本音です。去年から今まで大学で受けた授業は1つもなく、実習も中止。サークルの引退公演も、前回の緊急事態宣言で1ヵ月前に中止になってしまいました。友達とも会わず、家で1人で授業を受けて、外出はバイトだけです。バイトで多くのお客さんと接するたびに、どうしてこれが許されて、自分の大学生活は我慢ばかりなんだろう……と思ってしまいます。
飲食店ばかりに負担をかけすぎ! そもそも、緊急事態宣言に慣れてしまって守れない人が増えているなかで、宣言を出す意味ってあるの?
介護関係の仕事をしています。緊急事態宣言だろうが、まん延防止等重点措置だろうが、何も変わらずに仕事をしています。何が緊急事態で、何が普通なのか、もうわかりません。介護関係なのに、コロナワクチンの予約が取れたのも最近です。
先週末、用事があって都内に出たのですが、路上飲みをしているグループを数組見かけました。お酒が入っているせいもあってか、距離を空けて歩いている私にも聞こえるくらいの大声でマスクをせずにしゃべっていて、横を通り過ぎるのが怖かったです。緊急事態宣言が再び東京に発令され、お店でお酒が提供されなくなっても、このような路上飲みがなくならない限りは、感染拡大を止めることはできないのかなと感じました。宣言を出すのであれば、もう少し厳しい制限を設ける必要があるのではないかと思います。
緊急事態宣言。もはや効果は疑問ですが、発令されれば制限に従わざるを得ないところもあるので……。そのせいで子どもたちの貴重な経験や、さまざまな業種の人々の暮らしが失われたり、おびやかされていると考えると、とても耐えられません。政府が守ろうとしている“暮らし”とは、一体誰のものなのでしょうか……?
4度目の発令も「やっぱりね」みたいな感覚ですし、経済的にもかなり厳しいところもあるので、感染対策をおこたらずに外食・娯楽を楽しめればいいのでは?
東京都で感染が拡大しているから宣言を出したのに、「宣言慣れ」とか「自粛疲れ」とか言われると、正直、都外の人間が我慢をして感染者を減らしても意味がないのかな……と思ってしまいます。
酒類提供店との取引を停止するように、販売事業者へ要請したけど……要は「あいつと仲良くしたらお前のこともイジメるからな」っていうことでしょ? これ、やり方がやばいよね……。
緊急事態宣言……乱暴な言い方ですが、宣言を出さなければならないのは、良識のない大人たちの行動に対してだと思います。子どもたちは飲みにいったり、路上で宴会をするわけでもありません。子どもたちのスポーツの大会や演奏会、発表会などができず、学校生活で我慢を強いられ、被害を受けているのは子どもたちです。飲食店の問題ばかりが取り上げられていますが、まずは子どもたちのことを考え、大人たちの行動をあらためることが重要だと思います。国の判断にも言いたいことはありますが、私たちにも責任があると思います。
大阪で子どもにスポーツを教えています。市の公共施設や学校の体育館でおこなっているので、緊急事態宣言中はずっとお休みでした。子どもたちのモチベーションも下がってしまい、やめていく子も増えました。もちろん私の収入もゼロになります。収入が減ったので外出もしません。緊急事態宣言で生活が何も変わらない人も多いと思いますが、一方で、収入がまったくなくなる人もいるのです。
私は子ども園に勤務しているので、都心にいる母のところに娘を連れて出かけるのは控えています。もし自分が感染したら、勤務先は休園することに。200人以上の在園児のご家族、職員に迷惑をかけてしまうことになります。でも、ずっと我慢してきたのに疲れてきました。この夏は「都心の母のところに安心して行けるはず」と頑張ってきたので、4度目の緊急事態宣言となり落胆しています。一人ひとり、もう少し周囲を思いやって行動してみませんか?
 
 
 

 

●神奈川県、緊急事態宣言要請も検討 感染者急増、県独自の発令も視野 7/16
神奈川県内の新型コロナウイルス感染者急増を受け、県が「まん延防止等重点措置」対象区域の全県拡大や政府への「緊急事態宣言」発令要請を検討していることが15日、複数の関係者への取材で分かった。
近く対策本部会議を開き、対応を協議する。
15日の県内の新規感染者数は403人で、1月28日以来、約半年ぶりに400人を上回った。最近は300人を超える日が多く、感染状況を示す6指標の一つの新規感染者数は今月14日、緊急事態宣言発令の目安となるステージ4(爆発的感染拡大)に悪化した。
県は重点措置が再延長された12日以降、対象区域を横浜、川崎、相模原、厚木の4市に縮小した。しかし、広範囲で感染者が急増していることから対象区域の全県拡大や緊急事態宣言の発令要請を検討し、国などと調整を進めている。
状況によっては県独自の緊急事態宣言発令も視野に入れているという。

●神奈川が緊急事態宣言要請検討 15日に403人感染 五輪控え人流増考慮 7/16
神奈川県が新型コロナウイルス感染拡大を受け、政府に緊急事態宣言の発令を要請する方向で検討に入った。県関係者が16日、明らかにした。近く対策本部会議を開き、対応を協議する。東京オリンピック(五輪)の開催を控え、人流の増加を考慮したとみられる。
県内では15日、403人の感染が新たに確認された。1日当たりの感染者発表数が400人を超えるのは、1月28日以来で約半年ぶりだった。7月に入って300人を超える日が続き、直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数はステージ4(爆発的感染拡大)となった。
県はまん延防止等重点措置が延長された12日以降、対象区域を横浜、川崎、相模原、厚木の4市に縮小していた。

●聖火台の観覧自粛を呼びかけ 緊急事態宣言を受け 7/16
オリンピック開催期間中、東京の臨海部に聖火がともされます。組織委員会はこの聖火台周辺での観覧自粛を呼び掛けました。オリンピックの聖火は開会式後に臨海部にある夢の大橋に設置される聖火台に移され、ともされることになっています。
臨海部にはスポーツクライミングなどの競技会場が集まっていて聖火台周辺では大会期間中、複数のイベントが開かれるほか、飲食なども提供される計画でした。しかし、東京都に緊急事態宣言が発令されたことを受け、組織委員会は聖火台の観覧自粛を呼び掛けることを決めました。
人が集まらないように聖火台を囲うように柵が設置され、期間中は警備員を配置して分散するように声掛けを行うということです。

●埼玉南部、「東京由来」の感染増加…緊急事態宣言の再発令要請も  7/16
埼玉県内が新型コロナウイルス感染の「第5波」に入ったとみられる中、県が、現在はさいたま、川口の2市としている「まん延防止等重点措置」の適用区域を、拡大する方向で検討している。特に東京都に近接する県南部で「東京由来」とみられる感染者が増加していることが背景にある。県は今後の感染状況次第では、県内でも東京と同様、緊急事態宣言の再発令要請も辞さない考えだ。
県内では15日、328人の新規感染者が確認され、半年前の1月22日の358人に次ぐ多さとなった。
大野知事は15日夜、県幹部と感染状況について協議した。終了後、出席者の一人は「感染拡大のスピードが速い。目に見える形で強い措置を講じる必要がある」と語った。
県が最も懸念しているのが、感染者が2日連続で1000人を超えた東京への通勤・通学などに起因する感染の増加だ。「東京由来」は6月下旬以降、感染源として最多の「家庭内」に匹敵する水準に近づいている。6月17〜23日の1週間に114人だった感染者は、同24〜30日には147人(前週比29%増)、7月1〜7日には184人(同25%増)と急増している。
実際、東京に近接し、ベッドタウンとして都内との人の往来が多い県南部(戸田、朝霞、志木、和光、新座、ふじみ野市など)の感染者の増加が顕著だ。1日あたりの平均感染者数は、和光市で5月1日〜6月20日の2・06人から、6月21日〜7月6日には2・94人と、42%増加した。ふじみ野市でも1・90人から2・63人と、38%増となった。
県は東京との往来を控えるよう県民に求めるが、都内から一番遠いふじみ野市でも東武東上線で池袋まで片道約30分で行き来でき、県庁内でも「生活・経済圏が重なっており、無理なお願いだ」との声が上がっている。東京で感染して持ち帰ってくるケースも多いとみられ、県幹部は「東京から感染が染み出している」と危機感を示す。
県は重点措置区域の拡大を軸に感染状況などを注視する構えだが、県内だけでの対策では限界があることも露呈しつつある。首都圏一体での対策が不可欠として、感染拡大に歯止めがかからなければ、政府に対する緊急事態宣言の再発令要請に踏み切る構えだ。
県は16日、専門家の意見を聞く考えだが、措置強化となれば県民らの負担はさらに重くのしかかることになり、感染対策との間で難しい判断を迫られそうだ。
 

 

●神奈川県、22日に独自の「宣言」…政府との水面下の調整折り合わず  7/17
神奈川県は16日、新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」の対象地域を、現在の横浜、川崎、相模原、厚木4市から、清川村を除く県内全域(32市町)に拡大し、飲食店での酒提供全面停止を求める独自の「神奈川版緊急事態宣言」を発令することを決めた。22日から適用する。期間は、重点措置と同じ8月22日までの予定。
東京五輪開幕を前に、人の流れを抑制するために強い対策が必要と判断した。当初、政府に緊急事態宣言の発令を要請することを検討していたが、関係者によると、政府側との水面下の調整で折り合わず、見送ったという。ただ、この日県庁で開かれた対策本部会議では、感染状況が悪化すれば改めて要請を検討するとした。
県内の新規感染者は16日に446人が確認され、2日連続で400人を超えた。

●緊急事態宣言発令! 職場の人間関係を気にするのは愚の骨頂である 7/17
新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかかりません。東京には4度目の緊急事態宣言が発令されました。そのような中、私たちの生活がまた脅かされるのではないかと不安視する声も聞かれています。今、職場の人間関係で気を付けるべきことは何でしょうか。
今回は、精神科医でベストセラー作家の樺沢紫苑さんに、良質な「職場の人間関係」を築くためのヒントについて伺います。近著に「今日がもっと楽しくなる行動最適化大全」(KADOKAWA)があります。
職場の人間関係で悩んでいる人は非常に多く、ビジネスパーソンのストレスの9割は人間関係ともいわれています。逆にいえば、職場の人間関係さえうまくいけば、日々、楽しく仕事ができるようになります。樺沢さんは次のように解説します。
「人間関係をもっとシンプルに考えてみましょう。実は職場の人間関係は重要ではないのです。職場にあなたを攻撃したり、嫌がらせをしたりする『攻撃星人』が一人でもいると、ものすごく憂鬱(ゆううつ)な気分になるでしょう。職場の人間関係は極めて重要だと考える人が多いのですが、実は、あなたの人生においてさほど重要ではないのです」(樺沢さん)
「実際、私の交友関係をみると、職場で知り合ってから現在まで10年以上交友がある人は一人もいません。職場の人間関係とは『場』に関連付けられた、一時的で一過性の人間関係です。仮にあなたが会社を辞めた場合、ストーカーのように追いかけてくることはありません。攻撃星人は会社から一歩出れば、アカの他人です」
しかし、対処方法は簡単ではありません。職場での不快な出来事は確実に焼き付けられて苦しむ人が少なくないからです。樺沢さんは「今はいない攻撃星人のことで意識を奪われているとしたならば、あなた自身で招き入れているのと同じだ」と言います。
「心理学の『対人関係療法』では、最も重要な人間関係は家族や恋人、パートナーです。次に重要なのは友人。重要度が低いのが職場の人と解釈されています。これを比率で表すと『5対3対2』となります。つまり、家族や友人との人間関係が安定していれば、人間関係の8割は安定しているということです」
「そう考えれば、職場の人間関係が多少ガタガタしても、会社を辞める必要など全くないのです。職場の人間関係に注意を奪われる暇があるのなら、家族や友人をもっと大切にしましょう。そして、家族や友人と交流する時間を増やし、こうした癒やしの時間を通して、ストレスを発散すればいいいです」
次のような、ユダヤ教の教えがあります。「10人の人がいるとしたら、そのうちの1人はどんなことがあってもあなたを批判する。あなたを嫌ってくるし、こちらもその人のことを好きになれない。そして、10人のうちの2人は互いに全てを受け入れ合える親友になれる。残りの7人はどちらでもない人々だ」というものです。
「これは4000年前から伝わるユダヤ人の知恵ですが、私はこの教えを知る前から、自分の経験に基づいて同じことをセミナーで話していました。10人いたら、あなたを嫌う人は1人、あなたを好きな人は2人、どちらでもない人が残りの7人です。あなたの会社や所属しているグループを見ても、ほぼこの割合ではないでしょうか」
「重要なのは、どこの職場、チーム、コミュニティーに移動しても『自分を嫌う人』『ソリの合わない人』は必ずいるということです。また、よく観察すると、その2倍以上の味方、自分の応援者がいるのです。これを私は『好意の1対2対7の法則』と呼んでいます。10人全てから嫌われることもなければ、10人全てから好かれることもありません」
不思議なことに、多くの人は「みんなと仲良くしなければならない」と思い込んでいます。実際は、みんなと仲良くする必要などないことがよく分かります。
「会社は『仕事をする場所』であって、『仲良しグループ』をつくる場ではありません。最低限の仕事に差し支えのないコミュニケーションがあれば十分。仕事上のドライな関係でいいのです。もちろん、何人かの気の合う人と仲良くするのはよいと思います。しかし、無理に全員と仲良くする必要など全くないのです」
「私は自分を嫌う人がいた場合、『ああ、10人に1人がここにいたのか』と思うだけで、スルーします。たくさんの人と会えば会うほど、一定の確率で出現する攻撃星人。あなたの精神エネルギーと大切な時間は、あなたを嫌う人のためではなく、あなたにとって大切な人のために使うべきなのです」
新型コロナウイルスの影響で、私たちの日常は大きく変化しました。さて、職場の人間関係で気を付けるべきことは何でしょうか。嫌な相手には「ありがとう!」と声をかけ、満面の笑みでスポイルしましょう。この機会に、必要な行動を学んでみませんか。

●“緊急事態”初金曜の人出 夜の繁華街は減少 7/17
東京に4度目の緊急事態宣言が出されて最初の金曜日夜の繁華街の人出は、1週間前よりも減少しました。
携帯電話の位置情報のデータによりますと、16日午後8時台の都内の繁華街の人出は1週間前に比べて渋谷センター街で5.9%、新宿・歌舞伎町で13.5%、新橋で21.5%、六本木で20%減少しました。
一方、午後3時台の人出は羽田空港国内線ターミナルで7.6%、東京駅で1.2%増加しました。
東京では3日連続で新型コロナの新規感染者数が1000人を超えていて、分科会の尾身会長は夏休み中の県境を越える移動を控えるよう呼びかけています。
 

 

●2度目の緊急事態前より人出は30%増 福岡、気掛かりな第5波 7/18
福岡県へのまん延防止等重点措置が解除されて初の週末となった17日、福岡市の繁華街は買い物やレジャーを楽しむ人でにぎわいを見せた。「日常」が戻りつつあることを歓迎する声が上がる一方、感染者数のリバウンドへの懸念が拭えず、不安の声も聞かれた。
福岡市・天神の公園を3カ月ぶりに孫と訪れた同市の竹道雄さん(75)は、重点措置の解除まではなるべく外出を控えた。孫(5)が滑り台で遊ぶ姿を見て「孫もストレスがたまっていたはず。外遊びができてうれしい」とほほ笑んだ。
JR博多駅前で友人と昼食を済ませた北九州市小倉北区の男性会社員(36)は、飲食店街に活気が戻ってきたことを歓迎しながらも「テーブルに仕切り板がない店も多い印象。感染拡大の第5波が来ないか、気掛かりだ」と話した。
NTTドコモのデータ解析によると、天神周辺の17日午後3時現在の人出は、感染拡大前と比べ11・2%減だった一方、2度目の緊急事態宣言が福岡県に出される前の今年1月7日と比べると30・8%増だった。

●五輪後、2400人感染も「それくらいなら大丈夫」 開催中止の選択肢なし  7/18
新型コロナウイルス緊急事態宣言下での東京五輪開幕まで1週間を切った。東京都では17日まで4日連続で新規感染者が1000人を超えるなど、感染状況は明らかに悪化傾向にあり、大会の中止を求める世論は根強い。だが政府には、状況次第で中止を検討する考えは既になく、このまま開幕を迎える方針だ。
菅義偉首相は16日、政府の東京五輪・パラリンピック競技大会推進本部の会合で「安全安心の大会の実現に向けて最後まで高い緊張感を持って取り組んでほしい」と話した。17日の読売テレビ番組では「たとえ無観客でも、感動を世界に届ける。難局を乗り越えられると発信することに意義がある」と強調した。
15日に開かれた都のモニタリング会議では、新規感染者の増加が今のペースで続けば、五輪閉幕直後の8月11日には直近1週間平均で約2400人に達するとの試算が示された。だが政府高官は「それくらいなら大丈夫。中止はない」と意に介さなかった。
五輪開催については、東京が3度目の緊急事態宣言下にあった6月2日の時点で、政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長が「今の状況でやるのは、普通はない」と指摘していた。首相も「国民の命と安全を守るのは私の責務。守れなくなったらやらないのは当然」と、中止の可能性を否定しなかった。
だが、それ以降、首相は記者会見などで、どのような感染状況になれば中止を検討するのかといった明確な判断基準を示すことはなかった。
元日弁連会長の宇都宮健児弁護士は15日、インターネットで集めた大会中止を求める45万超の署名を首相ら宛てに提出した。
この署名を受け、加藤勝信官房長官は16日の会見で「安全安心な大会」を実現する方針を改めて強調した。感染状況が一段と悪化した場合、大会期間中でも中止があり得るかとの問いには「大事なことは足元の感染に対してしっかりと対応し、ワクチン接種を進めることだ」と話すにとどめた。

●真の緊急事態宣言が必要 大阪大名誉教授・加地伸行 7/18
新型コロナ禍の日々、患者が増えて多数となると「緊急事態宣言」発令。しばらくしてそれの解除、また発令、また解除…ということの繰り返し。人々はそれに慣れてきて「緊急事態宣言」が出ても、あ、そう、といった程度の感じ。なんとも真剣さに欠けている。もしこの事態が、例えば、武器による日本への攻撃であるとすると、現行の「緊急事態宣言」などという柔(やわ)な話ですむであろうか。そういう国家有事のときは、日本を除き、一般国家では、まずは戒厳令、そして軍の動員となるのが普通である。しかし、日本ではそれができない。
なぜか。答えは実は、みながよく知っている。すなわち、先の大戦に敗れ、勝利者のアメリカら占領軍によって現憲法を押しつけられ、軍を持つことができなくなり、当然、戒厳令も消滅させられた。さて現代。日本周辺の諸国政府は、自己の政権維持に必死である。例えば中国。習近平国家主席は自己擁護に全力を尽くしている。担う政権の期限が来れば、素直にその地位を他者に譲れば済むものを、あらゆる手段を使って習政権の維持を図っている。
彼らの手法は同一。例えば生活が苦しくなり、政府批判の声が高まってくると、周辺の外国にその原因があると言い立て、政権への不満を外国批判に曲(ま)げ向け、悪のすべての原因をそこへ集中させてゆく。その典型として<尖閣諸島を日本は不法占領している>と猛宣伝することであろう。もちろん実力行使もしてくる。そのとき、日本政府はどうするのか。まともな方策はあるのか。おそらく「話し合いを続けよう」という柔な話が関の山。それでは屁(へ)の突っ張りにもならない。相手はわが国の領土に上陸してくる可能性がある。
とすれば、コロナ禍の今なればこそ政府の「緊急事態宣言」の実質化を行うべきである。すなわちまず戒厳令に関する法整備を行うことである。大正12(1923)年、関東大震災のとき、東京府(当時)、そして、神奈川・千葉・埼玉の3県に対して、政府は緊急勅令に基づく、いわゆる「行政戒厳」を宣告した。すなわち、平時の行政権・司法権の一部を停止し、それを軍の司令官に委(ゆだ)ねたのである。当然、現自衛隊を正式に軍として法律で規定すべきである。
かつて存在した日本軍も戒厳令も、勝者となった占領軍によって廃止されたが、日本をまともな国家として立て直すには、軍と戒厳令が必要なのではないか。今、コロナ禍の中にあればこそ、一致協力して必要とする法を整備すべきではないのか。現行の「緊急事態宣言」には真の強制力がなく、出したり引っ込めたりされている姿は、無惨(むざん)。日本人は団結が得意。その特性の下、法整備をすべきだ。
『孫子』九地に曰(いわ)く、その舟を同じくして〔川を〕済(わた)るに当(あた)り、風に遇(あ)ふや、その相(あ)ひ救(たす)くること左右の手のごとし、と。 

●緊急事態宣言で“テレワーク疲れ”の傾向 「孤独感」「疎外感」感じる人も 7/18
緊急事態宣言で政府が出勤者数の7割削減を求めるなか、“テレワーク疲れ”の傾向が調査で明らかになった。
今月1100人を対象に行った調査によると、週に3回以上テレワークをした人の割合は42.4%で、去年5月に調査を始めてから最も低い割合になった。テレワークで「効率が上がった」「やや上がった」と答えた人の割合は、去年5月以降増加傾向だったが初めて減少。また「テレワークの課題」として「孤独感」や「疎外感」を挙げた人が2割にのぼり、1割台だった去年から増加した。
調査をした日本生産性本部は、働く人に「テレワーク疲れ」が広がっていて、今後新型コロナの感染が拡大してもテレワークが大きく進む可能性は低いとみている。

●4度目「緊急事態宣言」初の週末 東京の人出は・・・ 7/18
東京で4度目の緊急事態宣言が出て初めての土曜日となった17日、東京の街の人出はおおむね減少しました。
17日午後3時の人出を前の週の土曜日と比べたところ、渋谷センター街でマイナス28.4パーセント、お台場でマイナス19.5パーセント、浅草でマイナス15.7パーセント、新橋駅でマイナス15.1パーセントなどと、おおむね減少しています。
一方、代々木公園がプラス44.2パーセントと大幅に増加。また、秋葉原駅でプラス5.5パーセント、原宿駅でプラス3.6パーセントなどと、わずかに増えている地点もありました。

●4度目緊急宣言後初の土曜、東京の人出は軒並み増加 7/18
新型コロナウイルスの感染拡大防止をめぐり12日から4回目の緊急事態宣言が発令された東京都内で、発令後初の土曜日となった17日の人出が、今年1月の2回目、4月の3回目の緊急事態宣言直後の週末と比べて軒並み増加したことが、システム会社「アグープ」が公表したスマートフォンの位置情報を基にした人出データの分析で分かった。
アグープのデータ分析によると、JR新宿駅周辺では、今月17日午後0時台の人出の平均が、2回目の緊急事態宣言が発令されて初の土曜日だった1月9日の同時間帯に比べて1.3倍だった。お台場では1.7倍、東京メトロ銀座駅周辺も1.2倍となっていた。
4月25日に3回目の緊急事態宣言が発令されて初の土曜日となった5月1日の同時間帯をみても、新宿駅周辺では1.5倍。お台場では2.3倍と特に著しく、銀座駅周辺で1.6倍となった。
都内では感染者数の増加に歯止めがかかっていない。今月23日に開会式が行われる東京五輪を前に、すでに人流抑制が難しくなっている状況が浮かぶ。

●菅内閣の支持率35%は過去最低 7割近くが「緊急事態宣言に効果なし」 7/18
共同通信社が17、18両日に実施した全国電話世論調査によると、菅内閣の支持率は35.9%で前回6月調査から8.1ポイント下落し、昨年9月の内閣発足以降最低となった。不支持率は49.8%で菅内閣として最も高く、支持率を13.9ポイント上回った。東京五輪・パラリンピックにより新型コロナウイルス感染が拡大する不安を聞いたところ、「ある程度」を含め「不安を感じている」との回答が計87.0%に上った。
政府が東京都に発令した4度目の新型コロナ緊急事態宣言について「効果があると思う」は29.4%、「効果があると思わない」は67.9%だった。酒類を提供する飲食店との取引停止要請を巡る混乱に関し「首相に責任があると思う」は72.3%。西村康稔経済再生担当相について「辞任するべきだ」は26.1%だった。

●観光業界、消えた夏の特需 4度目緊急事態に五輪無観客…「補償を」 7/18
東京都に発令された4度目となる新型コロナウイルスの緊急事態宣言(8月22日まで)が、疲弊した観光業界に追い打ちをかけている。4度目の宣言は、書き入れ時の夏休みシーズンや23日〜8月8日の東京五輪を直撃。五輪は大部分の競技会場で無観客開催となることも響き、都内のホテルでは観客らのキャンセルが相次いだ。大会延期となった昨年に続き、今年も消えた「夏の特需」。耐えかねた関係者らは国に強く補償を求めている。
「今年こそオリンピックが業績回復のきっかけになると思ったのに…」
五輪の競技会場や施設が集中する東京・有明周辺にあるホテルの担当者は、そう漏らした。
例年は7、8月は全約300室が満室続きだが、コロナ禍に突入した昨年は半分以下の客足に。そして期待をして臨んだ今夏。無観客開催が今月8日に決定すると、9、10の両日にそれぞれ数百件ずつの予約キャンセルの電話がかかってきたという。
都内で十数店舗を展開するホテルチェーン代表の男性も「どこの店舗でもキャンセルが続出している」とため息をつく。訪日客(インバウンド)の利用が多かったことから、昨年2月以降は客室稼働率が3割未満の状況。五輪特需を期待していただけに、残念な気持ちは大きい。
男性によると、観光地と違って都内のホテルはインバウンドや地方の客が中心のため、とりわけダメージが大きいという。「補償がなければ経営維持はもうできない」と語った。
本来は五輪から恩恵を受けるはずだった「オフィシャルパートナー」も例外ではない。観戦チケット付きの公式ツアーを販売していたKNT―CTホールディングス、JTB、東武トップツアーズの旅行会社3社は無観客開催決定後、ツアーの中止と返金を発表した。直前の中止のため、宿泊先のホテルのキャンセル料を負担しなければならない恐れがあるという。
8日に行われた日本旅行業協会(JATA)の記者会見でも、補償を求める声が相次いだ。高橋広行副会長(JTB会長)は旅行会社側に観戦ツアーのキャンセル料負担が発生した場合、「国に補償を求めていくことも考えたい」とした。
菊間潤吾副会長(ワールド航空サービス会長)は「観光業界には補償が全くない」と語気を強めた。さらに昨夏と違って今年は政府の観光支援策「Go To トラベル」が完全に停止されているため、より厳しい状況となることが予想される。「補償とセットでなければ、これ以上は耐えられない」
一方、国は雇用調整助成金など既存の支援策の活用を繰り返し求めている。観光庁幹部は「ホテルには営業自粛や時間短縮を求めておらず、飲食店同様に補償するのは難しい」と説明。さらに「打撃を受けている業界は他にもあり、観光業界を認めればそちらも認めなくてはならなくなる。状況が厳しいのは重々承知しているが、歯を食いしばってほしい」と語った。 

●消費調査に見る、コロナ禍前に戻った消費、沈んだままの消費 7/18
個人消費は、2020年4月から5月にかけて急激に減少した。新型コロナウイルスの感染第1波拡大に対応して人々外出を自粛したほか、1回目の緊急事態宣言発令により広範な業種で企業活動が制限されたためだ。消費総合指数を見ても、2020年5月の個人消費はコロナ禍前の平均的な水準を一気に15%程度下回っている。
緊急事態宣言が解除された後、個人消費は急回復したが、2021年に入り伸び悩んでいる。年初は感染第3波と2回目の緊急事態宣言の影響、春頃は感染第4波と3回目の緊急事態宣言の影響が表れたためだ。今年の個人消費は、コロナ禍前を5%程度下回る水準で低迷している。
見方を変えれば、昨年の個人消費は緊急事態宣言の発令・解除で大きく振れたが、今年の個人消費は宣言発令でもさほど落ち込まず、逆に宣言解除でもさほど回復せず、一進一退で低迷している。その背景としては、家計や企業が感染再拡大を懸念して一定の活動自粛を続けている影響があろう。また、需要・供給の構造が変化し、いわゆるニューノーマル(新常態)を迎えている可能性も考えられる。
個人消費の現状を把握する上では、その内訳の動向を見る必要がある。以下、家計調査を用いて2人以上世帯における消費支出額の項目別、品目別の変化を確認してみよう。
比較するのは5月の消費支出額だ。今年5月の消費支出額は、1回目の緊急事態宣言で急激に落ち込んだ昨年5月を2万9046円、率にして11.5%上回った。だが、コロナ禍前の2019年5月を1万9838円、率にして6.6%下回ったままだ。
なお、2019年5月は10連休効果で例年よりも消費支出額が上振れた点に注意する必要がある。そこで、以下ではコロナ禍前の5月データとして2017年から2019年の3カ年平均を用いる。すると、今年5月の消費支出額は3カ年平均を7358円、率にして2.6%下回ったままだ。
過半数の消費項目でコロナ禍前を上回ったが・・・
内訳を見ると、コロナ禍前を上回ったのが全59項目のうち32項目で、過半数を占めたものの、一部の項目が低迷し、全体の消費支出額を押し下げた。
以下、(1)今年5月の消費支出額がコロナ禍前の3カ年平均を大きく上回った項目、(2)昨年5月に一旦落ち込んだ後、コロナ禍前の水準並みへ戻った項目、(3)コロナ禍前を大きく下回ったままの項目、の3種類に整理してみよう。
(1)コロナ禍前を大きく上回った項目
今年5月の消費支出額がコロナ禍前の3カ年平均を大きく上回った主な項目としては、「他の諸雑費」「仕送り金」「自動車等購入」「調理食品」「肉類」「家庭用耐久財」「教養娯楽用耐久財」が挙げられる。
このうち、「他の諸雑費」は婚礼関係費が今年5月にかなり強く、コロナ禍直後に延期された分が挙行された可能性がある。ただ、家計調査は調査対象世帯数が少ないため、サンプルに偏り(バイアス)が生じている可能性もある。
また、「自動車等購入」はコロナ禍直後に外出自粛や減産・営業休止の影響で先送りされた分が購入に至った可能性もあるが、新車販売台数と比してかなり強く、サンプルバイアスの影響が大きいとみられる。
素直に喜べない「仕送り金」の増加
以上のように、今年5月の消費支出は複数のサンプルバイアスが重なり上振れた側面がある。ただし、実勢として強い項目もある。「仕送り金」は2年連続の増加だ。品目別に見ると国内遊学仕送り金が強い。学生のアルバイト機会縮小などを背景に親からの支援が増加したとみられ、手放しで喜べるわけではないものの、学生の消費縮小を抑えていよう。
「調理食品」も2年連続の増加だ。外出自粛や外食店営業縮小の影響が表れているとみられる。品目別では、昨年のコロナ禍直後は弁当の伸びが目立ったが、今年は総菜等の増加が目立つ。
「肉類」は昨年に大きく増加し、今年は減少したものの小幅にとどまった。品目別に見ても全般に同様の傾向だ。価格変化が影響した可能性もある。
「家庭用耐久財」及び「教養娯楽用耐久財」はともに2年連続で増加した。品目別ではパソコン、テレビ、電気洗濯機、他の冷暖房用器具が好調で、全般にテレワークなど在宅機会の増加が影響したとみられる。
テレビについては、地デジ切り替えから約10年が経過し、更新需要が出始めている可能性もある。他の冷暖房用器具については空気清浄機など換気需要の増加を反映している可能性がある。なお、昨年かなり強かったエアコンは、特需が一服した模様で、今年落ち込んでいる。
(2)一旦落ち込んだ後、元の水準並みへ戻った項目
昨年5月に一旦落ち込んだ後、コロナ禍前の元の水準並みへ戻った主な項目としては、「保健医療サービス」「設備修繕・維持」「自動車等維持」「月謝類」「授業料等」が挙げられる。
「保健医療サービス」は、出産入院料を除く全品目で昨年減、今年増となった。特に歯科診療代が顕著だ。昨年のコロナ禍直後は感染への不安から不急の治療を回避する動きが出たものの、感染症の対策や理解が進んだ今年は通院機会が回復していると思われる。なお、医科診療代は支出の戻りが鈍い。
スポーツや音楽などの習い事は戻らず
「設備修繕・維持」も全般に昨年減、今年増となった。昨年は不急の工事を回避する動きが出たものの、今年は回復した。なお、火災・地震保険料は2年連続の増加で、災害増により保険料率が上昇した影響が大きいとみられる。
「自動車等維持」も全般に昨年減、今年増となった。ガソリン代が顕著で、需要変動もあろうが、ガソリン価格変動の影響が大きいだろう。
「月謝類」は全品目において昨年減、今年増となった。昨年は習い事を控える動きが生じたものの、今年は回復した。ただし、回復度合いには濃淡があり、自動車教習所等はコロナ禍前を上回るものの、スポーツ月謝や音楽月謝等は下回ったままだ。
(3)コロナ禍前を大きく下回ったままの項目
コロナ禍前を大きく下回ったままの主な項目としては、「外食」「パック旅行費」「交際費」「交通」「こづかい(使途不明)」「他の教養娯楽サービス」「洋服」「宿泊料」が挙げられる。
「外食」は全般に昨年減、今年増となったが、戻りが弱いままだ。外出自粛や営業制限により一時的に需要が縮小しているほか、テレワーク普及により構造的に需要が低迷していると考えられる。最も支出額が落ち込んだ他の主食的外食の内訳は不明だが、定食などの需要が低迷しているのではないか。
飲酒代は2年連続の減少で、変化率でみればコロナ禍前対比で約9割減と最も厳しい。感染症対策による外出自粛や営業時間縮小、酒類提供制限が影響したとみられるほか、構造的な需要縮小もあろう。テレワーク普及を機に、会社関連の宴会が縮小している上に、プライベートでもしがらみ的な飲み会が減っている。なお、学校給食は昨年大幅に減少した後、今年回復しており、休校措置の解除が影響したとみられる。
2年連続で減少している「こづかい」
「パック旅行」及び「宿泊料」も昨年減、今年増となったが、戻りが弱いままだ。旅行自粛の影響が表れていよう。「パック旅行」の内訳は国内旅行と海外旅行があるが、海外旅行の支出額が2年連続でゼロ円を記録した。
「他の教養娯楽サービス」も昨年減、今年増となったが、戻りが弱いままだ。品目別にみると、インターネット接続料が増加したものの、入場・観覧・ゲーム代が全般に落ち込んでおり、外出機会縮小に伴う需要シフトを象徴的に反映している。
「交際費」も昨年減、今年増となったが、戻りが鈍いままだ。贈与金が低迷しており、親戚や友人知人等と接する機会の減少を反映している。
「こづかい(使途不明)」は2年連続の減少だ。特徴的なのは、昨年よりも今年の減少幅がより大きい点だ。世帯主こづかいが落ち込んでおり、外出機会縮小に加え、昨年末や今年夏の賞与減少等が影響しているのだろう。
「洋服」も昨年減、今年増となったが、戻りが鈍いままだ。品目別では、背広服が2年連続で減少しており、テレワーク普及の影響が表れていよう。
「交通」も昨年減、今年増となったが、やはり戻りが鈍いままだ。品目別では、鉄道運賃や有料道路料、航空運賃が落ち込んでおり、県境をまたぐ長距離移動の機会縮小を反映している。また、通勤用の定期代が落ち込んでおり、テレワーク普及の影響とみられる。
感染終息でもコロナ前に戻りきらない品目も
低迷している項目・品目は概して外出自粛や営業制限の影響が色濃いとみられる。ワクチン普及等により感染が収束すれば、個人消費は基本的には回復するだろう。ただし、外食、洋服、交通など一部品目の低迷は、テレワーク普及など構造的な側面もあるとみられる。感染が収束しても、新常態の定着で戻り切らない品目もあろう。 
 

 

●海の家からは不安の声…神奈川県で独自の緊急事態宣言初めての週末 7/19
神奈川県で独自の緊急事態宣言が出されて初めての週末、海の家では酒類の提供停止がふたたび求められることに対し不安の声をあげている。
神奈川県は新型コロナウイルスの感染の急拡大を受け16日に県独自の緊急事態宣言を出している。22日から来月22日までは県内のほぼ全域で酒類の提供停止が求めらる。
去年、海水浴場が開設されなかったため2年ぶりの営業となった江の島近くにある海の家からは「マイナススタートで迎えていますので、アルコールが出せなくなるとマイナス幅が重くのしかかるのかなと思います」(AJITO宍戸哲也オーナー)と不安の声が上がっている。
オープン前から機材のメンテナンスなどで費用がかさむなか、1カ月に渡って酒類を提供できないのは、影響が大きいという。

●4度目の緊急事態宣言、医療者でも評価分かれる 7/19
政府が、東京都に今月12日から来月22日まで4度目の緊急事態宣言を発令(沖縄県に出されている緊急事態宣言についても延長)したことについて、m3.com会員に尋ねたところ、宣言の時期・対象地域ともに回答が分散し、評価が分かれる結果となった。また、「そもそも緊急事態宣言を出す必要はない」も一定の回答数が集まった。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対し、どのような対策をとるべきか、医師の間でも意見が分かれている状況が浮き彫りとなった。
Q 緊急事態宣言を出す時期に ついて、どう思いますか。
医師・医師以外の33.3%〜41.9%が「遅すぎる」と回答する一方で、33.3%〜34.7%が「妥当」と回答した。また、16.5%〜19.7%が「そもそも緊急事態宣言を出す必要はない」と回答した。
Q 緊急事態宣言を出す地域について、どう思いますか。
医師・医師以外ともに、最も多い回答が「妥当」で36.2%〜41.2%、次いで僅差で「東京・沖縄以外に広げるべき」で28.5〜34.3%となった。また、14.1%〜17.9%が「そもそも緊急事態宣言を出すべきではない」と回答した。
Q 新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言について、お考えをお寄せください。
・先月、東京都の感染が増えていたのに緊急事態宣言解除をしたことが問題です。[勤務医]
・信頼関係に頼った診療には限界を感じる部分もある。[勤務医]
・残念ですが、国民が政府を信頼していない、結果、蔓延を防止できない。強引なオリンピック開催は響きます。[勤務医]
・もっと治療の現場かあらの発信をした方が良いと思う。政治家も一般の人も現場が分からないだろうから。[勤務医]
・みんな慣れてきている。違うやり方を考えた方が良い。[勤務医]
・基本的に政策が間違っている。オリンピックをやるなら、ワクチン接種を早急にやるべきだった。老人よりも青壮年を優先するべきだった。東京都民はいうことを聞かなくなってきている。自粛ではなく、罰則で行くべきではないか。[勤務医]
・安易に何回も緊急事態宣言を出しすぎてしまったため、実効性がなくなってしまった。
これは、医療体制を整える準備をしてこなかった自治体と、恐怖感をあおりすぎていたメディアの責任だと思う。[勤務医]
・納得できる理論的・実証的根拠が無い限り、経済を後退させさらに若者の心や身体の健康を蝕むだけ。[開業医]
・変異株が多くなって、従来株より感染性も病原性も高くなっていることが分かっているのに、対応方針が変わっていないことが理解できない。[開業医]
・そもそも3月の段階でさっさと東京・大阪のロックダウンをしていれば良かったと思う。[薬剤師]
・テレビや新聞を読まず、興味のあるSNSなどしか見ず、華のあるインフルエンサーの情報しか受け取らない。そんな人々に最も出したい緊急事態宣言が、まず伝わらない。[その他医療従事者]

●知事「五輪は家族以外との大人数・長時間観戦慎重に」新型コロナ 三重 7/19
三重県では19日、新たに7人の新型コロナウイルスへの感染が確認されました。1日あたりの感染者が10人を下回るのは、7月12日以来7日ぶりです。
感染がわかったのは、津市や鈴鹿市などに住む20代から50代までの男女7人です。
伊賀市の20代男性は、7月16日に喉に違和感を覚えたため、17日、検査を受けて陽性が判明しました。男性は17日まで県内の会社に出勤していたことから、県は職場の同僚ら8人と別居親族を含めた家族など9人の検査を進めています。
三重県の19日時点での病床使用率は17.7%で、累計の感染者は5451人です。
7月16日と17日の感染者数が、県が定める感染拡大の予兆の基準「17人以上が2日連続」を上回ったことを受けて、鈴木知事は臨時会見を開き、東京オリンピックについて家族以外での大人数・長時間での観戦は慎重に検討するなど改めての感染対策を県民に求めました。
また、この1週間での感染の傾向が30代以下の若い世代と外国籍とみられる人が半数を超えていると分析したうえで、病床がひっ迫した状況にないことなどを理由に「直ちに強い措置を講じる状況ではない」としています。

●首都圏の飲食店利用客 前回の宣言期間の平均より3割増  7/19
東京に4回目の緊急事態宣言が出されてから18日までの1週間に首都圏の1都3県で飲食店を利用した人は、ことし4月下旬からの3回目の宣言が出ていた期間の平均と比べて30%多くなったという民間の調査がまとまりました。
飲食店に予約や顧客管理のシステムを提供する東京のIT企業「トレタ」は、首都圏の1都3県にあるおよそ3000店の来店客数などを調べています。
それによりますと、18日までの1週間の来店客数は東京に3回目の緊急事態宣言が出されていた期間の平均と比べて30.2%多くなりました。
時間帯別に見ると、利用が最も多い「午後5時から午後8時」がプラス35.2%、昼食の時間を含む「午前11時から午後3時」がプラス12%でした。
一方、前の週との比較では、11.5%減りました。
時間帯別に見ると、「午後5時から午後8時」がマイナス14.4%、昼食の時間を含む「午前11時から午後3時」がマイナス5.9%で、東京に4回目の緊急事態宣言が出されたことにともなって来店客数は減っています。

●東京都 感染急拡大 7日間平均1000人超に 第3波の1月以来の水準  7/19
東京都に4回目の緊急事態宣言が出されてから19日で1週間となります。都内では感染の急拡大が続いていて、18日までの7日間平均は1000人を超えて、第3波のことし1月以来の水準となっています。
都内の7日間平均は377.7人だった6月19日以降、18日まで、29日連続で上昇しています。
1週間前の今月12日に4回目の緊急事態宣言が出されて以降も感染の急拡大が続いていて、12日時点で756.7人だったのが、17日に1000人を超えて1012.0人、18日は1068.3人になりました。
1000人を超えるのは、第3波のことし1月以来です。
また、7日間平均の前の週からの増加を見ると、17日が140.5%、18日が145.6%でした。
140%以上となるのも第3波のことし1月以来で、増加のペースが加速しています。
第3波では、ピーク時に7日間平均が1861.1人、前の週からの増加が207.1%となるなど急速に感染が拡大し、入院患者が急増して医療提供体制がひっ迫しました。
加藤官房長官は午前の記者会見で「厚生労働省の専門家会合では、首都圏の感染状況について、夜間、昼間とも滞留人口が増加しており、東京を中心に少なくとも当面は感染の拡大が懸念されるなどの評価、分析がなされている。引き続き、感染状況や医療のひっ迫状況をしっかり注視しながら、緊張感を持って、各都道府県ともよく連携をとりながら感染対策に対応していく必要がある」と述べました。

●専門家「感染増の要因しかない 深刻な状態だと認識を」 7/19
東京都で4回目の緊急事態宣言が出されてから19日で1週間がたちました。こうしたなかでも感染が拡大し続けている現状について、国際医療福祉大学の松本哲哉教授は「これから夏休み、オリンピックと感染が増える要因しかなく、かなり深刻な状態だと、もう1度、認識してほしい」と訴えました。
【都内の感染 1日3000人近くの可能性も】
まず松本教授は都内で、このところ1000人を上回る感染者数となる日が続き、18日までの7日間平均も1000人を超えていることについて「緊急事態宣言下でありながら感染者数が加速度的に増えている。多くの人たちが緊急事態に慣れてしまい、感染対策を呼びかけても行動に抑制がかかっていない」と指摘しました。そのうえで「これから夏休み、それにオリンピックと考えると、感染者数が増える要因しかなく、減る要因がない。今回が一番大きな波になり、1日3000人近くまで増える可能性も覚悟して、かなり深刻な状態だともう1度、認識してほしい」と危機感を示しました。
【「デルタ株」影響 職場や学校でのクラスター懸念】
また、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」の影響で、職場や学校などでのクラスターも増えていると指摘します。松本教授は「今回の感染拡大では職場や、これまで少なかった学校などでのクラスターも増えている。感染力が強いというのは、その人が持つウイルスの量が相当多くなっていることだと考えてもよく、最近は3密ではなく、2密や1密でも感染しやすくなっている。私たちの外来でも思い当たることがないという方もかなりいるし、若い人の重症例も増えている」と話していました。
【五輪テレビ観戦にも注意を】
そのうえで、開幕を控えた東京オリンピックの期間中も感染防止策の徹底が必要だと訴えます。松本教授は「無観客でも集団で飲食しながらテレビでオリンピックを見るということになれば、結局、感染が起こりやすい状況に変わりはない。なるべく多人数で集まらないこと、大声を上げて近い距離で話をする機会を作らないことが大事だ。多くの人が集まることは避け、家でオリンピックを応援するよう徹底してほしい」と話していました。

●緊急事態宣言は意味をなさない東京、1週間前に比べて感染者数45%増加 7/19
東京五輪を4日後に控えた状況で開催地東京の新型コロナウイルス感染拡大の勢いが衰えない。
NHKによると19日、東京都の新型コロナウイルス新規感染者数は727人と集計された。1週間前の同じ曜日に比べて225人(44.8%)増えた水準だ。東京都では30日連続で1日当たり感染者数が前週の同じ日の感染者数を上回っている状況だ。最近の1週間で東京都における感染者数は45.4%増加した。
東京では14日から18日までの5日間で1日当たり感染者数は1000人を超えた。1週間の平均感染者数は19日で1100人を超え、前週比で45.4%増えた。4回目となる緊急事態宣言を発出した今月12日、東京都における1週間の平均感染者数は756人だったが、17日には1000人を超えた。19日には1068人となり、第3波流行時の今年1月以降最多となった。
既存のウイルスよりも伝播力が強いデルタ変異株が感染拡大に勢いをつけているという分析だ。新型コロナウイルス重症患者のほとんどは、ワクチン接種率が低い50代以下の若年層がほとんどだ。先月中旬までは国立競技場の近くの病院の病床使用率は30%程度だったが、入院患者が増えたことで19日午前には70%に達し、医療崩壊が懸念されている。
また、日本政府による防疫対策が効果をもたらしていないという点も問題として指摘されている。昨年から今まで4回にわたって緊急事態宣言を発出したせいで、国民の疲労度も増しているという説明だ。国際医療福祉大学の松本哲哉教授は「多くの人が緊急事態宣言に慣れて、感染対策を訴えても(距離を置く)行動につながらなかった」と評価した。
夏休みや東京五輪開幕など感染が増える状況しか残されていないという憂慮も出ている。松本哲哉教授は「新規感染者数が1日3000人に増える可能性も覚悟しなければならない」とし「かなり深刻な状況であることをもう一度認識してほしい」と防疫措置を遵守することを促した。

●小池知事の「観客上限は政府の方針に沿って」発言 政府に判断丸投げ 7/19
東京に4回目の緊急事態宣言が発令されるなか、東京五輪は「無観客」で強行開催される。政治家は国民に根拠なき楽観論を振りまいて開催へ“特攻”していった。
国民を危険に追い込んだ政治家と五輪貴族は、「祭が始まれば、そんな怒りなど忘れるさ」とタカをくくっている。だからこそ、その亡国の発言をきちんと記録しておかなければならない。
昨年3月24日、当時の安倍晋三・首相はトーマス・バッハIOC(国際オリンピック委員会)会長との会談で五輪の1年延期方針を決め、「人類が新型コロナに打ち勝った証として、完全な形で開催する」と語った。
小池百合子・東京都知事も言動の無責任さでは負けていない。昨年3月には安倍氏の「完全な形」発言を「ここは安倍総理の考え方と共通している」と支持していたが、感染拡大で旗色が悪くなると次々に責任転嫁発言を繰り出した。
東京が3回目の緊急事態宣言下にあった今年5月に米国政府が日本への渡航中止勧告を出すと、「アメリカの委員会が『東京オリンピック・パラリンピックについては問題ない』というメッセージを出していると聞いている」と米国五輪委員会の“お墨付き”を理由に開催は可能との見方を示した。
さらに、6月に政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂・会長ら専門家有志が「無観客開催が望ましい」と提言すると、政府に判断を丸投げするような次の発言をした。
「観客の上限は政府の方針に沿って決める」
その小池氏の後見人的存在の二階俊博・自民党幹事長も五輪を混乱させた。今年初めには、
「スポーツ振興を図ることは国民の健康にもつながる。『(五輪を)開催しない』という考えを聞いてみたいくらいだ」
「選手は観客がいたほうが良いに決まっている」
と言っていたかと思うと、4月の菅首相の訪米直前に「『これ以上、とても無理だ』ということであれば、すぱっとやめなければならない」と中止論をぶち上げ、その後も会場での酒の提供禁止や無観客開催に言及してきた。
一見、民意に敏感なように見えるが、「五輪に失敗したら菅首相だけに責任を負わせるための予防線。五輪を政局に利用している」(自民党ベテラン議員)との見方が有力だ。

●都内感染急拡大 7日間平均で1000人超 第3波以来の水準 7/19
東京都に4回目の緊急事態宣言が出されてから19日で1週間となります。都内では新型コロナウイルスの感染の急拡大が続いていて、18日までの7日間平均は1000人を超えて、第3波のことし1月以来の水準となっています。
都内の7日間平均は、377.7人だった先月19日以降、今月18日まで29日連続で上昇しています。
1週間前の今月12日に4回目の緊急事態宣言が出されて以降も感染の急拡大が続いていて、12日時点で756.7人だったのが、17日1000人を超えて1012.0人、18日は1068.3人になりました。
1000人を超えるのは、第3波のことし1月以来です。
また、7日間平均の前の週からの増加を見ると、17日が140.5%、18日が145.6%でした。
140%以上となるのも、第3波のことし1月以来で、増加のペースが加速しています。
第3波では、ピーク時に7日間平均が1861.1人、前の週からの増加が207.1%となるなど、急速に感染が拡大し、入院患者が急増して医療提供体制がひっ迫しました。

●五輪5日前に選手村の選手2人が初めて感染確認… 7/19
23日の東京五輪開幕を5日後に控え、選手村でさらに2人の選手が新型コロナウイルス感染判定を受けた。選手村で出場選手の感染が確認されたのは初めて。東京を中心に日本国内の感染者が4千人に迫るなど新型コロナの拡散も続いている。
東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会は18日、「選手村に滞在する選手2人が新型コロナの検査で陽性判定を受けた」と発表した。選手村に滞在している選手の中では、初めてコロナ感染が判明した事例だ。これに先立つ16日、海外から入国した五輪関係者が新型コロナ感染の判定を受け、選手村内で初の感染者が発生してから2日後のことだ。
日本当局と大会組織委員会は徹底した新型コロナ防疫を誓っているが、五輪開幕(23日)を数日後に控え、相次いで感染者が発生し、選手村内の防疫に穴が開いたのではないかという懸念が高まっている。
組織委員会は、個人情報を理由に今回陽性判定を受けた人の国籍や性別、年齢などは明らかにしなかった。組織委員会の関係者は「3人とも同じ国の出身で、同じ種目に参加している」とし「彼らの部屋に隔離されており、食事も配達される」と述べたとAFP通信が伝えた。選手村は出場選手と関係者など6700人を収容できる。
組織委員会はこの日、選手2人を含め五輪関係者のうち10人が新たに陽性判定を受けたと明らかにした。残りの8人は、大会関係者5人、マスコミ関係者2人、組織委の委託業務職員1人。組織委員会が明らかにした五輪関連の感染者は計55人に増えた。
また、ウガンダの重量挙げ選手のジュリアス・セチトレコ選手(20)が今月16日、大阪のキャンプを離脱し、日本の防疫当局の懸念を生んでいる。ウガンダ代表チームは日本入国当時、2人がコロナ感染の判定を受けたからだ。彼は宿舎に「ウガンダでの生活が厳しいため日本で働きたい」という内容のメモを残したという。
日本国内の新型コロナ感染も拡散傾向が続いている。NHKの集計によると、17日午後6時30分現在の新規感染者は3886人で、東京など全国10の広域地域で緊急事態が発効されていた5月27日(4134人)以降、最も多い。新規感染者が3千人を上回ったのも、14日以降4日続いている。
東京都の場合、この日の新規感染者は前日より139人増えた1410人。前週の同じ曜日に比べ新規感染者が28日連続で増加し、1月21日(1471人)からの6カ月で最多となった。今月12日から4回目の緊急事態宣言が発効した東京のほか、神奈川県(539人)、埼玉県(318人)、千葉県(244人)の首都圏3県が、居住人口に対して新規感染者数が緊急事態宣言のレベルを超え、緊急事態に準ずる強化された防疫対策を実施している。この日までの日本の累積感染者は83万9109人、総死亡者数は1万559人となった。

●18日の人出 東京や大阪では3回目宣言期間より増加 7/19
新型コロナウイルスの感染の急拡大が続く中、18日日曜日の東京や大阪の人出は、4月から6月にかけて出された3回目の宣言の期間の土日、祝日平均を大きく上回りました。
NHKは、IT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て、個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使って、各地の主な地点の人の数を分析しました。
分析した時間は、日中が午前6時から午後6時まで、夜間が午後6時から翌日の午前0時までです。
18日の人出を3回目の宣言が出ていた期間の土日、祝日の平均と比べたところ、東京では渋谷スクランブル交差点付近で日中は47%、夜間は50%増加しました。
東京駅付近では日中は6%減りましたが、夜間は7%増加。
大阪梅田駅付近では日中は130%増加とおよそ2.3倍に、夜間も136%増加とおよそ2.4倍となりました。
一方、前の4週間の土日の平均と比べたところ、5月から緊急事態宣言が続いている沖縄では那覇市の県庁前駅付近で日中は26%増加、夜間も72%増加しました。
このほかまん延防止等重点措置が延長されている埼玉、千葉、神奈川では、大宮駅付近で日中は13%、夜間は35%それぞれ減少、千葉駅付近も日中は6%、夜間は28%それぞれ減少、横浜駅付近も日中は3%、夜間は6%、それぞれ減少しました。

●1000人規模のものも…!政治家たちの「駆け込みパーティ」現場 7/19
4回目の緊急事態宣言が発令される4日前の7月8日。東京・芝公園(港区)にある東京プリンスホテルの大広間に、多数の人が集まっていた。この日開催されたのは、『宏池会と語る会』。自民党・岸田文雄前政調会長の派閥の政治資金パーティである。
「会費は一人2万円。入り口にサーモセンサーが設置されていたり、会場で消毒液の使用を何度も促(うなが)されるなど、たしかに感染防止対策は行われていました。しかし、会が始まる直前の夕方5時半過ぎには、ホテルのエントランスは黒山の人だかりとなっていた。おそらく1000人近くは出席していたのではないでしょうか」(出席者)
同じ7月8日には、石破茂氏の派閥『水月会』も都内のホテルで政治資金パーティを開催していた。12日の緊急事態宣言の発令前に、各派閥が駆け込みでカネ集めのためのパーティを開催したのだ。
この前日の7日に緊急事態宣言発令の方針が報じられ、全国で飲食店を始めとする多くの人が悲鳴をあげていた。
7月14日、岸田派議員の秘書4人が新型コロナ陽性になったと報じられた。この4人は、それぞれ岸田氏や馬場成志参院議員など別々の議員の秘書で、彼らが一堂に会した、このパーティでのクラスターの可能性が高い。国民の苦しみを無視し、自分たちの手で感染を広げているのだ。
国民の声などまるで聞く気がないのは、感染症対策のトップも同じである。東京・永田町(千代田区)の「憲政記念館」。7月5日、ここの講堂で、『鳩山二郎政経セミナー』なる政治資金パーティがひっそりと開かれていた。そこに現れたのは、田村憲久厚労相だ。出席者が話す。
「これは衆院議員の鳩山二郎氏の政治資金パーティで、100名ほどが出席していたと思います。この会のゲストスピーカーとして田村氏が招かれたのですが、講演テーマは『新型コロナ対策について』でした。多数の人を一室に集めて、コロナ対策について話すという、まるでブラックジョークのような催しでした」
田村氏も、バレたらまずいと考えたのだろう。SPに囲まれながら、会場の正面玄関ではなく、裏口からこっそり出入りしていた。
田村氏の事務所に話を聞くと、「講演等で政府の政策を説明することは差し支えない旨を官房長官に確認し、了承を得て、講演した」と答えた。政治ジャーナリストの角谷浩一氏が語る。
「講演の依頼があっても、感染拡大を防ぐ陣頭指揮をとるはずの厚労相である以上、知恵を尽くすべきでしょう。リモートで講演をする、ビデオメッセージにするなど、いくらでもやり方はあったはずです。派閥のパーティにしても、秋に衆院選を控え、資金集めをしなくてはならないので、背に腹は代えられないということでしょう。しかし、飲食店を始めとする国民のほうが疲弊、困窮しています。自分たちの都合は押し通し、国民には犠牲を強いる。あまりに身勝手なのではないでしょうか」
自分たちの都合で、パーティも五輪も強行する。そのツケを支払わされるのは、常に国民なのだ。

●内閣支持率39.0%に下落 ワクチン接種順調でない70.5% FNN・産経合同世論調査 7/19
問1 菅内閣を支持するか、支持しないか?
1.支持する 39.0% 2.支持しない 55.5% 3.わからない・言えない 5.5%
問2 どの政党を支持するか?
1.自民党 36.3%
2.立憲民主党 8.0%
3.公明党 2.4%
4.共産党 3.7%
5.日本維新の会 2.2%
6.国民民主党 0.7%
7.社民党 0.7%
8.れいわ新選組 0.3%
9.嵐の党 0.0%
10.その他の政党 0.4%
11.支持政党はない 41.0%
12.わからない・言えない 4.2%
問3 政府の新型コロナウイルス対策を評価するか、しないか?
1.評価する 30.4% 2.評価しない 63.8% 3.わからない・言えない 5.8%
問4 政府は、東京に4回目の緊急事態宣言を発令し、埼玉・千葉・神奈川・大阪のまん延防止等重点措置と、沖縄の緊急事態宣言を、8月22日まで延長した。この決定をどう考えるか?
1.妥当だと思う 38.8%
2.もっと厳しくするべきだと思う 44.8%
3.もっと緩和するべきだと思う 12.7%
4.わからない・言えない 3.7%
問5 政府は、酒類の提供を続ける飲食店対策として、金融機関への働きかけの要請や、酒類の販売業者への取引停止の要請を行ったが、撤回した。当初の要請をどう思うか?
1.妥当だったと思う 22.9% 2.妥当だったと思わない 74.2% 3.わからない・言えない 2.9%
問6 東京オリンピックは、開会式やほとんどの競技を無観客で開催することになったが、どう思うか?
1.妥当だと思う 39.4%
2.観客を制限して入れるべきだと思う 24.4%
3.中止すべきだと思う 35.4%
4.わからない・言えない 0.8%
問7東京オリンピック・パラリンピックで、海外から来る選手や関係者に関する感染拡大防止策をどう思うか?
1.とても効果があると思う 2.6%
2.ある程度効果があると思う 40.6%
3.あまり効果はないと思う 40.5%
4.まったく効果はないと思う 14.3%
5.わからない・言えない 2.1%
問8 23日に開幕する東京オリンピックを楽しみにしているか?
1.楽しみにしている 47.2% 2.楽しみにしていない 49.2% 3.わからない・言えない 3.6%
問9 政府による新型コロナウイルスワクチン接種の進捗状況をどう思うか?
1.順調に進んでいる 26.5% 2.順調に進んでいない 70.5% 3.わからない・言えない 3.0%
問10 ワクチン接種について、どう考えるか?
1.接種を受けるつもりだ 31.3%
2.すでに接種を受けた 48.8%
3.様子を見て接種を受けるか判断する 15.6%
4.接種は受けない 4.2%
5.わからない・言えない 0.1%
問11 国内での「ワクチンパスポート」、接種証明書の利用について、どう考えるか。
1.商業施設や飲食店・旅行など、国内で幅広く利用できるようにすべきだ 50.3%
2.国内での利用は限定的にすべきだ 30.4%
3.国内で利用できるようにすべきでない 14.1%
4.わからない・言えない 5.3%
問12 秋までに行われる衆議院選挙の比例代表で、どの政党に投票しようと思うか?
1.自民党 32.3%
2.立憲民主党 10.8%
3.公明党 3.1%
4.共産党 4.6%
5.日本維新の会 2.8%
6.国民民主党 1.0%
7.社民党 0.9%
8.れいわ新選組 0.4%
9.嵐の党 0.0%
10.その他の政党 2.3%
11.投票には行かない 6.3%
12.わからない・言えない 35.6%
問13 次の首相には誰がふさわしいと思うか。
1.安倍晋三 8.7%
2.石破茂 16.0%
3.枝野幸男 5.5%
4.加藤勝信 0.4%
5.岸田文雄 3.2%
6.河野太郎 18.1%
7.小泉進次郎 8.5%
8.下村博文 0.1%
9.菅義偉 9.1%
10.西村康稔 0.2%
11.野田聖子 0.8%
12.茂木敏充 1.0%
13.この中にはいない 20.7%
14.わからない・言えない 7.7%

FNN・産経合同世論調査 / 全国の18歳以上の1179人 / 期間:2021年7月17〜18日
 

 

●デヴィ夫人 無観客五輪「日本だけがへっぴり腰」と口撃 7/20
タレントのデヴィ夫人(81)が16日、東京都内でセレブパーティーを開いていたことが分かった。4回目の緊急事態宣言下でパーティー当日は東京の新型コロナウイルス感染者が3日連続で1000人を超え、感染拡大が鮮明な中での開催だった。デヴィ夫人は開幕(23日)目前の東京五輪が無観客で開催されることに「最低」と憤慨ツイートも放ったばかり。荒ぶる貴婦人の胸中は――。
複数の知人によると、デヴィ夫人は16日、都内の結婚式場兼レストラン店「T」で、セレブパーティーを開催した。
「デヴィさんは5〜7月にチャリティーパーティーを主催しています。例年は都内のホテルですが、今年はT。昼夜2部制でした」(知人)
会費は昼の部2万2000円、夜の部2万7000円。東京は12日から4度目の緊急事態宣言下で、16日は新型コロナの感染者が1271人報告されて3日連続の1000人超えとなった中での開催だった。
デヴィ夫人は昨年大みそかから今年正月にかけて、都内で90人規模のカウントダウンパーティーを開催。SNS上で波紋を呼んでいただけに、今回は感染対策により配慮したようだ。
「300人収容の広間で、出席者は100人超だったようです」(前出の知人)
パーティーの模様を撮った写真も入手。円卓にパーティションはない。食事中はさすがにノーマスクだった。
「都内の飲食店は午後8時までの時短を求められていることもあって、夜の部は午後4時開始・午後8時終了に前倒ししたようです」(同)
デヴィ夫人は19日、取材に対し、今回のパーティー開催について「4度目の緊急事態宣言が政府の方針として決まったのは最近で、私たちの招待状はだいぶ前に送付しており、イベントをキャンセルしたり延期したりはできません」と経緯を説明。「私たちの生活範囲内から感染者は一人も出ておらず、昨年、5回のイベントを開きましたが、感染者は一人も出ておりません」と主張した。
確固とした信念を持っての開催だったことは、パーティー2日後の18日の東京五輪に関するツイートから読み取れる。夫人は「オリンピックを無観客でするなんて最低」「世界の祭典を堂々と開催すべき。IOCバッハ会長に失礼な事をするのは日本人の恥。コロナに負けず、今や国家と国民が一致団結してオリンピックを成功させ日本ここにありと世界に発信すべき」としていた。
そこで東京五輪の開催是非についても改めて見解を求めたところ、「大いに賛成です。また、有観客にするべきだと思っております」と回答。「オリンピック競技場はオープン・エアです。PCR検査、検温、消毒、マスク、座席は一人置きで座れば、何の問題も起きないはず」とした。その上で「世界のスポーツ大会でも有観客が当たり前の中、日本だけが、へっぴり腰。軟弱すぎます」と訴えた。
確かに大谷の活躍で沸く米国のメジャーリーグや、テニスの全英オープン、サッカーの欧州選手権は有観客開催で盛り上がった。日本だけ≠ヘともかく、一部の主要国で人流の規制緩和が始まっているのは事実だ。
デヴィ夫人と意見やスタンスの違いはあるが、五輪の有観客派も少なくない。サッカーU―24日本代表主将のDF吉田麻也(32=サンプドリア)、五輪選手村村長の川淵三郎氏(元日本サッカー協会会長)、そしてIOC会長であるバッハ氏が声を上げている。各界の著名人では脳科学者の茂木健一郎氏、元総務相で現パソナ会長の竹中平蔵氏、元衆院議員でタレントの杉村太蔵らがいる。
緊急事態宣言下のパーティー開催と五輪に関する発言は再び波紋を招くだろうが、デヴィ夫人にひるむ様子はない。「日本人の意気を見せるときです」と最後も強気に結んだ。

●日本で新型コロナ急増…1週間前より55%増加 7/20
東京五輪開幕を4日後に控えた19日、日本国内の新型コロナウイルス感染者が急増している。
NHKによるとこの日午後6時30分基準で日本の新型コロナウイルス新規感染者数は2329人と集計された。1週間前の同じ曜日と比較すると54.9%増えた水準だ。
これにより日本国内の累積感染者数は84万4539人、死亡者は12人増加し1万5075人になった。
五輪開催都市の東京でも新型コロナウイルスの感染拡大傾向は相変わらずだ。この日東京では727人の新規感染者が報告された。これは1週間前より44.8%増加した数値だ。
1週間前の同じ曜日と比較した東京の新規感染者は先月20日からこの日まで30日連続で増加傾向を見せた。
日本政府が新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するため緊急事態宣言を発令したが効果は現れていない。
共同通信が17〜18日に日本の有権者を対象に実施した世論調査で、回答者の67.9%は東京で4回目の発令となった緊急事態宣言が感染拡大を防止する効果がないと答えた。
また、回答者の87.0%は東京五輪・パラリンピックが開催される場合、新型コロナウイルスの感染が再拡大するという不安を感じていると明らかにした。

●山下、橋本、丸川、森、バッハ…「亡国五輪」に誘った関係者の妄言集 7/20
東京に4回目の緊急事態宣言が発令されるなか、東京五輪は「無観客」で強行開催される。政治家や五輪貴族たちは、国民に根拠なき楽観論を振りまいて開催へ“特攻”していった。そんな彼らの“亡国の発言”をきちんと記録しておく必要があるだろう。
五輪に向けて調整に懸命なアスリートを自分たちの「保身の楯」に使っているのがJOC(日本オリンピック委員会)や組織委員会の首脳たちだ。
山下泰裕・JOC会長は会見(6月28日)で「一部の選手に心ないメッセージが届いている」としたうえで、国民にこう呼びかけた。
「叩くんだったらJOCとその会長の私を叩いて」
五輪開催に対する不安と不満の矛先が何の責任もない選手に向けられていることを批判し、選手を守っているつもりかもしれない。
だが、JOCや組織委員会が国民の不安に正面から向き合い、解消する努力をしてこなかった結果、国民の一部はどうしようもない怒りを選手に訴えるという間違った方向に向けた。そうした事態を招いた責任を棚に上げて「叩くならJOCと私」とは悲劇のヒーロー気取りでしかない。
「選手を楯」に開催を正当化する発想は組織委員会の森喜朗氏の次の発言からもわかる。
「無観客だっていいじゃない。お客さんのために五輪があるわけじゃない」
組織委副会長を務める遠藤利明・元五輪相の政治資金パーティー(7月6日)でそう語り、「やっぱり一生懸命努力してきたアスリート(のためにある)」と続けた。
選手たちはオリンピズムをわかっていない人が組織委の会長をやっていたのかと暗澹とした気持ちになったはずだ。
五輪は、「文化・国籍などさまざまな差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献する」(JOCのHPより)ことを目的としている。
それを“アスリートのために五輪を開いてやる”と言わんばかりの森氏の発言は、開催の不満が一層選手に向けられかねない。
競泳の池江璃花子選手らにSNSなどで出場辞退を迫る書き込みが行なわれたことに、「アスリートが責められるべきじゃない」と言う橋本聖子・現組織委員会会長は、こうも話した。
「選手が“ぜひやりたい”とすら言えない状況にある」
アスリートを五輪開催正当化に利用する発想が“父”と慕う森氏と同根である。
国民の「平和の祭典」に対する期待をしぼませた発言は多い。
丸川珠代・五輪相は、今年3月には「厳しい生活を続けている国民の皆さまの理解を得る」と語ったが、4月になると「IOC(国際オリンピック委員会)のコーツ調整委員長の『必ず開催する』という言葉は非常に心強く思っている」と語り、IOCに責任転嫁してみせた。
さらに、政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂・会長が国会で「パンデミックの中での五輪開催は普通ではない」と証言するとこう批判してのけた。
「全く別の地平から見てきた言葉をそのまま言ってもなかなか通じづらい」
国民には尾身証言のほうが実感に近い。丸川氏は自分が“国民とは全く別の地平”に立って開催を推進していることを自ら白状したに等しい。
IOC幹部たちも開催国の国民の気持ちを逆なでする発言を残してきた。トーマス・バッハ会長は東京で緊急事態宣言が発出された場合の開催についてこう語っていた。
「(緊急事態宣言は)五輪とは関係ない」
ジョン・コーツ副会長はもっとはっきり、「緊急事態宣言下での開催? 答えはイエスだ」と発言。IOCの古参委員でオリンピック放送機構会長を務めるディック・パウンド氏は「アルマゲドンが起きない限り大会は開催される」と言い切った。
こうした発言で国民の心は五輪から離れ、無観客開催決定で東京は五輪の“ロケ地”となった。
「テレビでも十分感動できる」
西村康稔・経済再生相はNHKの番組でそう語ったが、国民全員テレビで見るなら東京で開催する意味はない。
政治家や五輪貴族たちの無責任な言葉によって、国民は逆に五輪不信と感染への不安を募らせている。この国の政治家が五輪強行で日本の「コロナ敗戦」を覆い隠そうとしているとしか見えないのだ。

●緊急事態宣言も影響か…お盆期間中の新幹線・指定席予約で96%と微減 7/20
JR東海はお盆期間中の東海道新幹線の指定席の予約状況について、東京での緊急事態宣言の影響などで、去年より20%以上下回っていると明らかにしました。
JR東海によりますと、8月6日から17日までのお盆期間中、東海道新幹線の指定席はおよそ29万席の予約が入っています。
これは去年の同時期より少ない96パーセントにあたり、新型コロナウイルスの影響を受ける前の2019年と比べると8割ほど減少しているということです。
去年より予約数が減っていることについて、JR東海は「東京で緊急事態宣言が出されていることが一定の影響を与えたとみられる」としています。
一方、在来線特急の予約状況は2万席で、前年比112パーセントと増えています。

●劇場版「鬼滅の刃」4連休にまた上映 緊急事態宣言でも東京では売り切れ 7/20
「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が、またスクリーンに戻ってくる。2021年7月22日〜29日の期間限定で、全国383の映画館で上映される。
2020年10月16日に公開されて以降、半年以上に及ぶ超ロングランで劇場では上映されてきた。その後、ほとんどの劇場で公開終了し、ブームも落ち着いてきたかと思いきや、再上映の予約が始まるとたちまち売り切れの人気ぶりだ。
同作品は上映期間が長かったこともあり、すでに何度も劇場に足を運んで鑑賞した人も多い。21年5月24日には、国内史上初となる興行収入400億円を突破した。米国でも2021年4月23日に映画が公開に。4月30日から5月2日の週末にかけて、全米でトップになるほど、海外でも高く評価されている。
大人気作品が再び映画館で見られることもあり、チケットはすでに争奪戦となっているところも。「TOHOシネマズ」では、上映2日前から鑑賞チケットの予約ができる。公開日の21年7月22日分は、7月20日の0時から予約が受け付け開始になった。記者がTOHOシネマズの公式サイトを確認すると、21年7月20日13時時点で、六本木、錦糸町、渋谷、新宿、池袋など都内の映画館ではすでに「売り切れ」の表示が出ている。
ツイッターには、無事にチケットが取れて安堵する人や、見たかった回が売り切れていて悔しがる人の書き込みがあった。いずれも、未だに続く人気ぶりに驚く人が多い。また、劇場版「鬼滅の刃」は、地上波での放送も決まっている。21年9月25日夜21時から、フジテレビ系の土曜プレミアムで、全編ノーカットで放送予定だ。あと少し待てばテレビで見られるのに、とつぶやく人も。
世間では公開初日7月22日からちょうど4連休がスタートする。夏休みに入った学生も多く、映画館は混雑しそうだ。
 
 
 

 

●コロナ自粛は若者にとって「イベント」だった?「宣言」繰り返すうちに関心なし 7/21
4度目の緊急事態宣言入った東京だが、人流抑制の効果は期待できなさそうだ。AERA 2021年7月26日号で、宣言の自粛効果は「1度しか利かない」と専門家は指摘する。
57日に及んだ3度目の緊急事態宣言が解除されてから、わずか22日後の再発出だった。7月12日、東京都は4度目となる緊急事態宣言期間に突入。8月22日まで、計42日間の長丁場だ。五輪開会式を挟む7月の4連休も、お盆休みも、子どもたちの夏休みの大半も緊急事態宣言下に置かれることとなる。だが、感染拡大防止の「肝」とされる人流抑制に、宣言はもはや役に立たないかもしれない。
国内の旅行需要回復は、緊急事態宣言発出が決まってもなお堅調だ。全日空では緊急事態宣言発出が決まる前の段階で、7月22〜25日の4連休に前年同期比2倍の国内線利用者を見込み、連休初日と最終日、さらにお盆休みのピーク日には全国で1日10万人が利用する見通しを示していた。緊急事態宣言の影響は「精査中」としているが、宣言発出が決まった8〜11日の4日間でお盆シーズンの国内線予約数は約2万人増えたという。
街の声を聞いても、「宣言不発」が顕著に表れている。宣言初日、7月12日の新宿・歌舞伎町の夜は、これまでと変わらぬ明るさだった。都では酒類やカラオケ設備を提供する飲食店には休業を要請。提供をやめる場合には午後8時までの時短営業を求めているが、夜11時を回っても多くの店のネオンが輝いている。客引きの女性によると「先週とあまり変わっていない」。
すでにおなじみの光景となった「路上飲み」をするグループもあちこちにいる。歌舞伎町一番街に面したシネシティ広場(旧コマ劇場前広場)では、計120人ほどがたむろしていた。なかには奇声をあげながら缶チューハイを一気飲みしたり、霧吹きのように口から酒を噴き出したりして大笑いしている10人ほどのグループもいる。
20代の男女4人に話を聞くと、3人は緊急事態宣言が出ていることすら知らなかった。唯一「知っている」と答えた大学生の女性もこう話す。
「『またか』としか思わない。今年の初めごろまでは自粛してストレスをためていたけれど、もう気にならなくなりました。宣言が出たからといって何か行動を変えることはないですね」
慶応義塾大学大学院の小幡績准教授(行動ファイナンス)は、緊急事態宣言にもはや人流を抑制する効果はないとして、こう指摘する。
「昨年4月、最初の宣言のときは未知のウイルスに対する『恐怖』から皆が行動を自粛しました。けれど、恐怖で行動を支配するのは『ジョーカー』で1度しか使えない。2度目からは『脅し』が利かなくなって自粛効果がなくなりました」
さらに、最初の宣言時には若者が自粛を「イベント」として消費した側面もあるという。
「『コロナ自粛』がいわば目新しいトレンドで、若者もイベントとして積極的に参加した。ただ、2度、3度と繰り返すうちに関心を持たなくなりました」(小幡准教授)

●東京都で新たに1832人のコロナ感染確認 7/21
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う4回目の緊急事態宣言が出されている東京都内で、21日、新たに1832人の感染が確認されました。都内の感染者は、2日連続で1000人を超えました。
1日の感染者が1800人を超えるのは、第3波に見舞われた1月16日以来、およそ半年ぶりです。直近7日間の感染者数の平均は1277.6人で、前の週の155.2%となりました。一方、新たに4人の死亡が確認されたほか、重症者は4人増えて64人でした。

●東京都で1832人の新型コロナ感染確認、専門家は感染急拡大を懸念 7/21
東京都は21日、新たに1832人(前日1387人)の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。1800人を超えるのは1月16日(1839人)以来。
発表によると、感染者の直近7日間移動平均は1277.6人(同1180.0人)で前週比155.2%(同149.3%)となった。重症者は64人(同60人)。
年代別の感染者数は20代が577人で最も多く、30代が410人、40代が294人で続いた。20−30代が全体の54%を占めた一方、ワクチン接種が進んでいる60代以上の割合は6%にとどまっている。
政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長は20日、日本テレビの番組で、8月第1週には東京で1日当たりの感染者数が3000人近くまで増加するとの見通しを示した。その上で「医療のひっ迫が起きてくる可能性が極めて高い」と指摘した。
21日の都のモニタリング会議では専門家が、現在のペースで感染拡大が続いた場合、1週間平均の新規感染者数は2週間後の8月3日に1日当たり約2598人になると予測。変異株への置き換わりが進み、増加比がさらに上昇すれば「2週間を待たずに第3波をはるかに超える危機的な感染状況になる」と分析した。第3波のピーク時は1日当たり約1816人。

●「緊急事態」下の4連休、沖縄へ観光客戻る兆し 7/21
新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言下で4連休を控える中、観光客が一定戻る兆しがある。航空関係者によると、連休の予約は前年同期比で8割からほぼ横ばい。宣言延長でキャンセルは出ているものの、「Go To トラベル」が始まった昨年の同時期と比べると減少幅は大きくない。レンタカーも少人数での予約も一定数ある。一方、政府が実施する沖縄便の搭乗者への無料PCR検査が始まったが、予約数は国も県も把握していない。観光業界からは実効性のある水際対策を求める声が上がる。
航空関係者によると、22日からの4連休の予約状況は、前年同時期と比較して8割程度という。「主要マーケットの東京に緊急事態宣言が出された影響が大きく、昨年よりも伸び悩んでいる」(関係者)。別の関係者は「予約の伸びは鈍化しているが、予約は前年並みか若干多い程度」という。
だが、昨年の同時期は、県をまたぐ移動自粛が全面解除され、観光客が回復基調にあった状況を踏まえると、緊急事態宣言下の今年は昨年比で航空便の予約数に大きな減少幅は見られない。
レンタカー業界の関係者によると、宣言延長でファミリーなど団体客向けのワゴン車のキャンセルは出ているが、若者の利用が多い小型車は予約が比較的入っているという。
新型コロナウイルスの新規感染者数が県内で154人に急増した20日、玉城デニー知事は「第5波に突入した」との強い危機感を示した。ただ、観光事業者は「(宿泊など)予約が完全にゼロになったわけでなく、宣言下でも一定の往来はあるだろう」とみる。
沖縄に向かう航空機の搭乗者のうち、希望者を対象に出発地での無料PCR検査が同日始まったが、予約数は国も県も把握していないといい、どれだけ実効性が担保できるかは不透明だ。
ある航空業界関係者は「検査の協力を呼び掛けることはできるが、実際に出発地で受けてきたかどうかを確認することは民間だけではできない。行政がチェックする体制を整えてほしい」と話す。
沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長は「データなどを根拠に、感染拡大の要因を明確にした上で対策を講じてほしい」と要望する。その上で、出発地での無料PCR検査の周知徹底や、那覇空港での抗原検査体制の早期構築を求めた。

●「第3波はるかに超える危機的状況も」東京都モニタリング会議  7/21
東京都のモニタリング会議で、専門家は第3波を上回るペースで感染が急拡大していると指摘したうえで「増加比がさらに上昇すると2週間を待たずに第3波をはるかに超える危機的な感染状況になる」と述べ、強い懸念を示しました。
週に1度、開かれている都のモニタリング会議は21日が55回目で、東京オリンピックの開幕前、最後の会議です。
このなかで、専門家は、都内の感染状況と医療提供体制をいずれも4段階のうち最も高い警戒レベルで維持しました。
新規陽性者の7日間平均は、20日時点でおよそ1170人でこの1週間で1.5倍になり、専門家は、「第3波を上回るペースで感染が急拡大していて、拡大の速度が上がり続けている」と説明しました。
そして、今の増加比が継続した場合、7日間平均は、7月27日にはおよそ1743人、8月3日にはおよそ2598人となり、第3波でのピークでこれまでで最も多い1月のおよそ1816人を大きく上回るとしています。
専門家は、「変異ウイルスへの置き換わりが進み、増加比がさらに上昇すると感染拡大が急速に進み、2週間を待たずに第3波をはるかに超える危機的な感染状況になる」と述べ、強い懸念を示しました。
一方、専門家は20日時点で、入院患者は2388人とおよそ1か月で倍増したほか、重症の患者が60人と高い値で推移していると説明しました。
そして、「新規陽性者が増加し続ければ、医療提供体制がひっ迫の危機に直面する。入院医療、宿泊および自宅療養の危機管理体制の準備が急務だ」と指摘しました。
専門家「医療側は恐怖感」
モニタリング会議のあと東京都医師会の猪口正孝副会長は医療提供体制について、「第3波を超えるような感染状況になってくると、入院患者数も第3波を簡単に超える。そのときには、重症患者があとから遅れて増えてくる」と述べました。そのうえで「中等症の患者をみている医師と重症患者をみている医師は重なっているため、重症患者も増えると非常に厳しくなる。医療側は、第3波の前の去年12月半ばをイメージするくらいの恐怖感を持っている」と述べ、医療のひっ迫に強い危機感を示しました。
小池知事「事態はより切迫 強い危機感を共有」
モニタリング会議のあと、小池知事は記者団に対し、「きょうから多くの学校で夏休みを迎え、あすからは4連休で、オリンピックも始まる。例年だと旅行や帰省のシーズンだが、感染力の強い変異株に置き換わりつつあるという局面で、事態がより切迫する中で、これまで以上に強い危機感を皆さんと共有しなければならない」と述べました。そのうえで「『危機だ、危機だ』と聞き飽きたかもしれないが、極めて重要な状況にある。皆さんがどういう行動をとり、人の流れがどうなるのかが重要で、この夏を最後のステイホームにしていきたい」と呼びかけました。また、21日のモニタリング会議では、4回目の緊急事態宣言に入ってから、都内の繁華街の滞留人口が減少しているという専門家の分析が示されました。これについて小池知事は「雰囲気的には『もう協力しない』というイメージが報道されているように私は受け止めているが、実際は皆さんに協力いただいている」と述べました。そして、「デルタ株の影響などを考慮すると、少なくとも前回の緊急事態宣言時と同じように夜間滞留人口を減少させる必要がある。酒についても飲食店に協力いただき、利用客にもいろいろと自粛いただいており、そういったこともこれからの数字にあらわれてくると思う」と述べました。また小池知事は、モデルナのワクチンについて20日、田村厚生労働大臣が、早ければ来年はじめから、追加で5000万回分の供給を受ける契約を結んだと明らかにしたことについて、「来年のごちそうよりも今のごはんがほしいというのが率直なところだ」と述べ、自治体に対して速やかに十分な量のワクチンを供給するよう引き続き国に要望していく考えを示しました。
インドで確認「L452R」変異ウイルス陽性率拡大も
インドで確認された「L452R」の変異があるウイルスかどうかを調べるスクリーニング検査の結果、今月11日までの1週間で都内の陽性率は前の週より9ポイント上昇して30.5%となりました。4週連続で上昇しています。また、今月18日までの1週間では速報値ながら陽性率は39%を超えていて、さらに拡大しています。専門家は、イギリスで見つかった「N501Y」の変異があるウイルスの陽性率の推移と比較すると、「L452R」の変異があるウイルスは、3週間ほど早いペースで30%を超えたと指摘しました。そのうえで「陽性率の上昇ペースから見てもL452Rの変異があるウイルスが市中に広がりつつある。このウイルスへの置き換わりが急速に進んでいる状況のため引き続き十分警戒する必要がある」と指摘しました。
都内のコロナ病床 5967床に
都内で新型コロナウイルスの入院患者数が増加する中、東京都は中等症の患者向けの病床を85床新たに確保し、都内全体の新型コロナの病床は5967床になったと明らかにしました。これで中等症向けの病床は5575床に増え、重症患者向けは変わらず392床となっています。21日のモニタリング会議で示された都内の感染状況と医療提供体制についての分析結果です。
専門家の分析 感染状況は
新たな感染の確認は、20日時点で7日間平均が1170.0人となり、前回・今月14日時点の817.1人よりおよそ352人増加しました。専門家は、「先月21日の387人から、わずか1か月で1000人の大台を超えていて第3波を上回るペースで感染が急拡大している」と指摘しています。増加比は前の週のおよそ149%で、前回よりも18ポイント上昇しました。今月19日までの1週間に感染が確認された人の年代別の割合は、20代が31.9%で、3週連続で30%を超え、最も多くなりました。次いで30代が20.8%、40代が17.0%、50代が11.7%、10代が7.6%、10歳未満が4.5%、60代が3.8%、70代が1.5%、80代が1.0%、90代以上が0.2%でした。先月以降、50代以下で全体のおよそ90%を占めています。一方、65歳以上の高齢者は、今週は286人で前の週より73人増えましたが、割合は0.4ポイント減って3.7%でした。
感染経路がわかっている人では、同居する人からの感染が54.1%と最も多く、次いで職場が18.7%、保育園や学校、それに高齢者施設や病院といった施設での感染が7.8%、会食は6.2%でした。
今週は、施設での感染が前の週から1.6ポイント増え、特に、保育園や小学校、塾などでの感染が複数報告され、年代別では10歳未満が前の週から4.7ポイント増えて27.4%、10代では6.4ポイント増えて19.7%でした。
また、会食での感染は今週も60代以下のそれぞれの世代で発生していて、専門家は「友人や同僚との会食による感染は職場や家庭内での感染のきっかけとなることがある。連休や夏休み、それにオリンピック観戦などでの飲み会は、オンラインを活用するなどの工夫が求められる。特に、ふだん会っていない人との会食は避ける必要がある」と指摘しています。
「感染の広がりを反映する指標」とされる、感染経路がわからない人の7日間平均は20日時点で720.7人で、前の週からおよそ218人増え、6週連続して増加しています。
また、増加比は、20日時点で149.7%と前回から18.9ポイント上昇し7週連続して増加しました。
専門家は「第3波のピーク直前のころと同じ速度で感染が拡大している。さらなる拡大を防ぐためにはこれまで以上に徹底的に人の流れの増加を抑制し、感染防止対策を実行する必要がある」と警戒を呼びかけました。
感染経路がわからない人の割合はおよそ62%で前の週と比べて横ばいでした。
年代別では、20代から60代で50%を超えていて、特に、行動が活発な20代と30代では60%台後半と高く、専門家は、「保健所の積極的疫学調査でいつ、どこで感染したのか分からないとする陽性者が増加している。速やかに濃厚接触者の検査を行う体制の強化が必要である」と指摘しています。
入院患者 約1か月で倍増
検査の陽性率の7日間平均は、20日時点で10.2%となり、前の週の今月14日時点から3ポイント上昇しました。10%を超えるのは、半年前の1月20日以来です。入院患者は、20日時点で2388人と今月14日の時点より365人増加しました。専門家は、「およそ1か月で倍増した」と指摘したうえで、「今後、さらなる人流の増加や変異株の影響などで新規陽性者が増加し続ければ、医療提供体制がひっ迫の危機に直面する」と指摘しています。
入院患者を年代別にみると、60代以下が全体のおよそ86%を占めていて、専門家は、「先月上旬の65%前後から上昇傾向だ」と分析しています。年代別にみると、40代と50代がそれぞれ全体のおよそ21%、30代以下も全体のおよそ34%を占めています。
専門家は「先月以降、若年、中年層を中心とした新規陽性者数の急速な増加に伴い、入院患者も急増している。この状況が続けば若年・中年層の中等症患者が増加し、遅れて重症患者が増加する可能性がある」と指摘しました。そのうえで、「人との接触の機会を減らし、基本的な対策を徹底し、ワクチン接種は予防効果が期待されることを啓発する必要がある」としています。
都の基準で集計した20日時点の重症患者は、今月14日時点より6人増えて60人で、専門家は「高い値で推移している」と指摘しました。男女別では、男性48人、女性12人です。また、年代別では、60代が17人と最も多く、次いで、50代が16人、70代が14人、40代が10人、30代が2人、80代が1人でした。専門家は「重症患者の75%は60代以下だ。今週は10歳未満と30代でも新たな重症例が発生している。肥満や喫煙歴がある人は若年であっても重症化リスクが高い」と指摘しました。
このほか、人工呼吸器かECMOの治療がまもなく必要になる可能性が高い状態の人は20日時点で203人で、今月14日時点より20人増えました。また、今月19日までの1週間では、新型コロナウイルスに感染した14人が亡くなりました。このうち10人は70代以上でした。
「自宅療養患者が非常に増えている」強い危機感
モニタリング会議では、20日時点で陽性となった人の療養状況が報告されました。今月14日時点と比べると、自宅で療養している人は1816人増えて3657人と、倍近くに増えています。また、都が確保したホテルなどで療養している人は73人増えて1769人、医療機関に入院するか、ホテルや自宅で療養するか調整中の人は367人増えて1671人でした。入院患者数も含めた療養状況を示す4つすべての項目が増加していて、これらをあわせた「療養が必要な人」全体の数は9485人で、今月14日時点の6864人のおよそ1.4倍になりました。モニタリング会議に出席した東京都医師会の猪口正孝副会長は「入院だけでなく、ホテルもなかなか厳しい状況になってきているほか、自宅で療養する患者が非常に増えてきている。宿泊療養、自宅療養を全部、医療として見ていかなければいけない状況だ」と述べ、強い危機感を示しました。
「強い警戒感で緊密に連携し対応」官房長官
加藤官房長官は午後の記者会見で「東京都のモニタリング会議では、専門家から、新規陽性者数の増加比が継続すると第3波のピーク時を大きく上回るとの機械的な試算も紹介されたと承知している。東京都とは、感染状況や医療提供体制のほか、すでに実施している対策の効果なども含め、認識の共有化を図っており、引き続き、強い警戒感を持って、感染状況などを注視し、専門家の意見も踏まえつつ、緊密に連携して対応していく」と述べました。

●感染拡大の東京「2週間待たず危機的状況」 7/21
新型コロナウイルスの感染拡大が続く東京都は、分析会議を開き、専門家は、変異株の影響などで、「2週間を待たずに第3波をはるかに超える危機的な感染状況になる」と警鐘を鳴らしました。
国立国際医療研究センター・大曲貴夫医師「変異株への置き換わりが進み、増加比がさらに上昇すると感染拡大が急速に進み、2週間を待たずに、第3波をはるかに超える危機的な感染の状況になります」
都内の感染者は、前回のおよそ817人から、1170人に急増し、増加比も149%に上昇しました。専門家は、爆発的な感染拡大が起きた「第3波を上回るペースで感染が急拡大している」として、今のペースが続けば、2週間後には1日あたりおよそ2598人となり、第3波のピークを大きく上回ると指摘しました。
入院患者も6月下旬から倍増して2388人となり、感染拡大が続けば、「医療体制がひっ迫の危機に直面する」と危機感を示しました。
また、感染力の強いデルタ株への置き換わりも急速に進み、陽性率は30.5%となりました。感染状況の悪化を受け、小池知事は、「22日からの4連休や、夏休みの旅行やレジャーは控えて欲しい」と呼びかけました。
一方、東京オリンピック関係者の感染状況については、空港検疫で0.06%、スクリーニング検査で0.02%と、感染者の割合は、「低く抑えられている」と報告されました。

●新型コロナ感染拡大で 2週間後2598人に 東京都の専門家会議  7/21
今のペースで新型コロナウイルスの感染拡大が続くと、東京都内の感染者数が、2週間後には、過去最多の2,598人に達するとの分析が示された。
21日午後に開かれた東京都の専門家会議では、新規感染者数の7日間平均は1,170人で、前回のおよそ1.5倍にのぼっているとの分析結果が示された。
そのうえで、このままでは2週間後の8月3日には、1日の感染者数が2,598人に達し、過去最多の2,520人を上回るという。

●全国の新規感染者 前週比1.53倍 東京のデルタ株 約60%と推定  7/21
東京オリンピックの開幕や4連休を前に、新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合が開かれ、感染が急拡大する東京都など首都圏や再拡大に転じた沖縄県など、各地の感染や医療体制の状況について分析が行われました。
会合で示された資料によりますと、新規感染者数は20日までの1週間では前の週と比べて、全国では1.53倍と大きく増加していて、緊急事態宣言が出されている。東京都では1.49倍、先週まで減少が続いていた沖縄県でも1.67倍と再拡大に転じました。また、まん延防止等重点措置が適用されている地域でも、大阪府で1.89倍、埼玉県で1.87倍、千葉県で1.39倍、神奈川県で1.38倍と急増傾向となっています。
このほか、北海道で1.54倍、兵庫県で1.94倍、京都府で1.74倍、福岡県で1.53倍などと各地で感染が急拡大しています。
現在の感染状況を、人口10万人当たりの直近1週間の新規感染者数で見ると、東京都が59.33人、沖縄県が38.47人、神奈川県が33.20人、埼玉県が26.93人、千葉県が26.67人と感染状況が最も深刻な「ステージ4」の目安の25人を超えていて、大阪府が23.91人、鳥取県が18.35人、石川県が17.49人、それに全国でも18.25人と、「ステージ3」の目安の15人を超えています。
また感染力の強いインドで確認された変異ウイルス「デルタ株」は、東京都ではすでに感染全体のおよそ60%を占めるに至ったと推定されていて、会合では急速に拡大する「デルタ株」の広がりを前提とした対策や、連休やオリンピック開催などで人の移動が増えるなどして、感染が拡大するリスクをどう抑えるかなどについて議論が行われました。
田村厚生労働大臣は、専門家会合の冒頭「新規感染者の数が伸びていて、その多くが首都圏だ。中でも東京は夜間の滞留人口が緊急事態措置に入る前から若干下がっていて、そろそろ効果が出てくる時にもかかわらず、感染が伸びている」と指摘しました。そのうえで「東京中心に感染の拡大がみられ、感染者が倍々で増えていくと、どれだけ病床を確保し、ワクチンを打っていても、病床のひっ迫が予想される。リスクの高い行動をどう防いでいくか考えていかないといけない」と述べました。
日本医師会の中川会長は、記者会見で「すでに『第5波』が進行していると考えており、しかも感染者数が最も多かった『第3波』を超える懸念がある。感染力が強い変異株による急拡大の危険性がある今、改めて、基本的な感染対策の徹底をお願いしたい」と述べました。

●「聞き飽きたかもしれないが…」 東京感染拡大、小池知事が危機感 7/21
東京都は21日、都内で新型コロナウイルスの感染者が新たに1832人確認されたと発表した。感染者が1800人を超えるのは1月16日(1839人)以来で、水曜としては過去最多。直近7日間の平均は1277・6人で、前週比155・2%と増加ペースがさらに上がっており、東京オリンピックの開幕を前に感染拡大に歯止めが掛からなくなっている。
21日に開かれた都モニタリング会議では、現在のペースで感染が広がれば、都内の新規感染者の7日間平均が五輪期間中の8月3日には約2598人になるという推計値が公表された。国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長は「増加比がさらに上昇すると、2週間を待たずに第3波をはるかに超える危機的な感染状況になる」と強い警戒感を示した。
都内の新型コロナ入院患者は20日時点で2388人。前週から約18%増加し、50代以下が7割超を占めている。都の基準で集計した21日時点の重症者は64人で、重症者数は新規感染者の増加に遅れて増えることから医療提供体制の逼迫(ひっぱく)が懸念されている。市中感染の広がりを示す検査陽性率も19日時点で10・2%になり、半年ぶりに10%を超えた。
小池百合子知事は「夏休みが始まり、22日から4連休もあって感染が一層拡大する恐れがある。もう危機だ、危機だと聞き飽きたかもしれないが、いま極めて重要な状況にある」と呼び掛けた。

●和歌山県もコロナ第5波 知事、4連休に注意促す 7/21
仁坂吉伸知事は21日、和歌山県内の新型コロナウイルス感染状況について、11日から第5波に入っているという認識を示した。感染力が強いとされるインド由来の変異株「デルタ株」による感染拡大の恐れがあるといい、22日からの4連休を前に注意を呼び掛けている。
直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、東京都では6月下旬から急増し、19日現在「感染爆発段階」(ステージ4)の基準25人を大きく上回る55・3人となった。大阪府も22・9人、全国でも17・2人と「感染急増段階」(ステージ3)の基準15人を超えている。
県内の感染者数も7月10日は1・2人だったが、11日から増加傾向になり、19日は3・9人となっている。とりわけ和歌山市は7・6人まで上昇している。
福祉保健部の野尻孝子技監は、今後の感染拡大の度合いについて、県民の行動やワクチンの接種状況、保健医療行政の対策によるとした一方、過去の状況を踏まえると「この上昇具合は大きな波につながる可能性がある。大阪でもステージ4に近い数字になっている。かなり危機感を持って対応しないといけない」との見方を示した。
「デルタ株」については、県内ではすでに3人の感染が国の機関で確定している。さらに、まだ確定ではないが、県や和歌山市の検査で、6人の疑い例がある。この9人は4家族にまたがっていることから、今後「デルタ株」の拡大が推測されるという。
一方、県は7月1日以降に分かった県内感染者68人の推定感染経路を分析した。県外からが最も多い22人、家族からが16人、職場・学校からが13人、不明11人などとなった。県外からのうち大阪由来が19人でほとんどを占めた。
推定される感染機会については職場などでの会話が20人、家族など共同生活によるものが14人、飲食が13人などとなった。
仁坂知事は「オリンピックを大画面などで見るために飲食店に集まって、酒などを飲んで盛り上がるケースがよくあるが、感染リスクが高いのでやめてほしい。飲食店にもお願いしたい」と強調。県内への帰省については、さまざまな事情を考慮し、県内への移動の全面自粛は求めないが「慎重な行動を取ってほしい」と改めて求めた。
県は、第5波に入った11日以降の県内感染者44人のうち、ワクチンを2回接種した人はいなかったことも明らかにした。
1回接種した人が数人いたほかは、ほとんどが未接種だったという。優先的に接種された医療従事者の感染者はおらず、60代は2人、70代以上1人だけだった。20日現在の県内の入院者は41人で、重症者はいない。
仁坂知事は「明らかにワクチンが効いている。重症化しやすいお年寄りから接種せよと言った政府は正しかった。若い人もデルタ株は危ない。予約が難しくなっているが、機会は残っている。接種した方が安全で、人に迷惑を掛けない」と話した。

●「3度目の緊急事態宣言は感染拡大を抑制した」新型コロナのデータ分析 7/21
政府は東京五輪開催中を含む8月22日(日)まで、東京都と沖縄県を対象に緊急事態宣言を発出中だ。特集『新型コロナとデータ分析〜4度目の緊急事態宣言は何をもたらすのか?』の3回目では、感染事例のビッグデータから2度目(1月13日〜2月28日)と3度目(4月25日〜6月20日)の緊急事態宣言の効果、および現在と今後の感染拡大の可能性を考察する。
現在、政府は東京都と沖縄県を対象に、東京五輪の開催中を含む8月22日まで4度目の緊急事態宣言を発出中である。以前から東京五輪や緊急事態宣言には「東京五輪を開催するにもかかわらず、感染拡大防止のために国民には外出自粛を呼びかけるのか」「また飲食店を狙い撃ちするのか」などの批判があった。
昨今では、東京五輪の中止を求めるオンライン上の署名が45万を超え、政府の「酒提供飲食店への取引停止問題」に批判が集まり、撤回にいたるなど問題が露呈している(※1、2)。このような状況に対する不満は東京五輪の開催を目前にしてかつてないほど高まっているように見える(※3)。実際、東京都民の「外出自粛率」は低下傾向にあるという報道もある(※4)。
一方で、直近の3度目の緊急事態宣言はどうだったのか。株式会社JX通信社 取締役兼CXO 細野雄紀氏は6月29日(火)にLedge.ai編集部のインタビュー取材に応じ、2度目と3度目の緊急事態宣言は質的に異なると分析し、3度目の緊急事態宣言について「データを見る限り、明確に感染増加を抑制したと言えます」と話した。
2度目の緊急事態宣言は新規感染者数がピーク時に発出した。仮に緊急事態宣言を発出しなかったとしても、減少傾向に転じていた可能性が高い。緊急事態宣言を発出してから1週間で減少傾向に転じていたが、緊急事態宣言の影響だけではすぐにこのような影響が起きることは本来あり得ないと指摘し、緊急事態宣言で減少傾向に転じたとは言いづらいと語る。
3度目の緊急事態宣言は新規感染者数が増加傾向にある途中で発出した。実際に発出してから約1週間後のゴールデンウィーク(GW)中に感染拡大のピークが訪れ、順調に減少傾向に転じていった。政府はGWという人流が活発になると思われる時期を見据え、緊急事態宣言を発出したと考えられる。
細野氏は3度目の緊急事態宣言について「おそらく、さらに1週間前に発出していたほうが効果はあったと思います」としつつも、「人の交流の機会や頻度が減り、47都道府県で新規感染者数がぐんと減りました。緊急事態宣言は人の心理に関係なく効果があったと思います」と話した。
政府や東京都などは、3度目の緊急事態宣言では「人流抑制」を重視していた(※5)。飲食店は午後8時までの時短要請、酒類提供やカラオケ設備を持つ飲食店は休業要請、百貨店やショッピングセンター、量販店、映画館など1000平方メートルを超える大型施設は休業要請を強いられた。
細野氏は政府による飲食店への対応について「(政府による対応の)正しさは何で決まるのか。非常に難しい問題」としつつも、データ分析の観点から「弊社が見ているデータでは飲食店とオフィスの2つが大きな感染源になっていました。感染者数を減らすという意味では妥当に見えます」と語る(※7)。
細野氏は「3度目の緊急事態宣言中は多くの飲食店が時短営業や休業を余儀なくされました。直近では、家族内や飲食店以外の事業所、オフィスなどの感染事例がメインになってきました」と話している。
映画館や美術館などへの対応については「表面的に見ると、なぜそこまでする必要があるのかという話もあると思います。しかし、(映画館や美術館などの)目的地に行くついでに寄り道するケースもあります。人流抑制の観点で言うと、行動の目的そのものをなくした効果が現れたと考えるほうが自然でしょう」と述べた。
細野氏が指摘するとおり、緊急事態宣言における政府の対応をどう評価するのかは「非常に難しい問題」だ。たとえば、飲食店などはただでさえ来店客が減少すると言われる状況で、休業や時短営業を余儀なくされると、最悪のケースとしては廃業や倒産を避けられないケースも考えられる(※8)。
実際、株式会社東京商工リサーチによると、7月2日の16時時点で新型コロナウイルス関連の経営破たんは全国で累計1650件(倒産1558件、弁護士一任・準備中92件)。飲食業は最多の296件におよぶ(※9)。ここでは「あくまでデータ分析的には正しい」という表現に留めたい。
また、著者としては冒頭で触れたような矛盾や問題を抱えた現状を踏まえると、今回の4度目の緊急事態宣言が過去と同じような感染拡大防止の効果を望めるかは疑問と言わざるを得ない、と補足しておきたい。
人口が少ない都道府県「火種はどこにあるかわからない状況」
今回の取材では、地域別における新型コロナウイルス感染事例のビッグデータをもとに、現在と今後の感染拡大の可能性についても話を聞いた。まずは人口が多い東京都と大阪府から見ていこう。
東京都は千代田区を中心に都心部でまんべんなく感染報告が上がっている。
大阪府はオフィス街や飲食店などが密集する繁華街でキタ(北区)とミナミ(中央区)に感染事例が集中している。なお、これらの図の感染事例には家やマンションなど、クローズドなコミュニティは含まれていない。
主に感染拡大するのはオフィスや飲食店などオープンなコミュニティとされる。感染事例が多い場所は単に人口が密集しているだけではなく、オフィスや飲食店など人と人が会う目的地があるかどうかが大きく影響しているのではないか、と細野氏は分析する。
「家庭内の感染だけなら、短期間で感染拡大は収束するでしょう。しかし、実際はそうではありません。オープンなコミュニティをいかに抑制していくのかが感染抑止には重要です。だからこそ、『人流抑制』といった考え方も生まれていくのではないか」
一方で、東京都や大阪府以外の地域ではどのような特徴があるのか。人口が多い都道府県ほど増加したり減少したりといった急激な変化は起こりづらいのに対し、人口が少ない都道府県は些細なきっかけで急増する傾向があるという。
たとえば、沖縄県では去年7月の緊急事態宣言下において、わずか約1週間で人口10万人あたり100人の陽性者が発生した。現在も依然と高い水準に留まっている。
細野氏は「現在は3度目の緊急事態宣言が明けてから、全国的には減少傾向ないしは横ばい傾向です。一方で、6月15日頃には山梨県、6月29日頃には秋田県など、特定の地域が増加傾向にあるという箇所が少しずつ出てきています。(人口が少ない都道府県においては、感染拡大が起こりうる)火種はどこにあるかわからない状況です」と語った。 

●東京都 休業命令違反の飲食店60店舗に対し 裁判所に過料求める  7/21
6月までの3回目の緊急事態宣言中に、法律に基づいた休業の命令に違反したとして、東京都は裁判所に対して都内の60の飲食店に過料を科すよう求めました。
東京都は、ことし4月から6月20日までの3回目の緊急事態宣言のもとで、酒を提供する飲食店に休業を要請し、応じなかった店に対して新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づいて休業の命令を出しました。
しかし、都によりますと、命令に応じたのは2店舗だけで、応じなかった60の店は休業せずに酒の提供を続けていたことを確認したということです。
このため都は、行政の秩序を考えると看過できないと判断し、21日に行政罰として30万円以下の過料を科すよう、裁判所に求める通知を出しました。
都は「特措法の手続きを適切に執行した。飲食店の方は苦しいところがあると思うが、大多数の店は応じていただいているので、なんとかご理解とご協力をお願いしたい」としています。
 

 

●羽田空港、4連休初日の朝は多くの人で賑わう 東京から脱出する動きも 7/22
東京オリンピックの開会式に伴って、一部の祝日が移動したことによる4連休に突入した。4連休初日となる7月22日の朝6時過ぎの羽田空港は、4連休を使って旅行に出かける人の姿で賑わっていた。緊急事態宣言下では、今まで最も多い空港利用者になっている。
緊急事態宣言が発令後も新規予約がキャンセルを上回る
今までは緊急事態宣言が発令されることで、国内線利用者は新規予約もよりもキャンセルが上回り、予約数が減少していた。しかし今回は、これまでの緊急事態宣言下では初めて、7月12日の緊急事態宣言発令以降、各航空会社ではキャンセルよりも新規予約の方が上回る異例の状態となっている。品川駅から羽田空港へ向かう京浜急行でも座れない人も出ており、電車が到着するたびに改札口では多くの人が降りている光景が見られ、JALやスカイマークが出発する第1ターミナル、ANAが出発する第2ターミナルともに朝6時の段階で混雑していた。
午前中の便は満席もしくは満席に近い予約が入っている。朝食レストランも行列
実際に羽田空港の発着案内版を見ても、午前中を中心に多くの便が満席もしくは満席に近い予約が入っている表示がされていた。まさに緊急事態宣言中では異例の状況である。朝6時台にもかかわらず、羽田空港内の朝食が食べられるレストランには行列ができていた。
幅広い世代の利用者の姿。高齢者の姿も以前に比べて増えた。ANAでは昨年と比べて約1.3倍、2年前に比べると5〜6割程度
全体の傾向としては、これまでは家族連れや若い人などが多く見られていたが、羽田空港で取材をしている中で感じたこととしては、高齢者の姿も以前に比べると多く見られ、年代を問わず羽田空港から出発する旅行者や帰省客の姿が見られた。ANAによると7月19日時点で今回の4連休(7月22日〜25日)の予約はピーク日で最大1日8万5000人の利用者になる見込みで、昨年の4連休と比べて約1.3倍、コロナ前の2年前と比べると約5〜6割程度の利用者となっている。
窮屈な東京から4連休中だけでも脱出したい旅行者も多い
今回4連休に国内旅行をする人に取材をしたなかで、多く聞かれたのが窮屈な東京から脱出をしたいという声だった。東京都は7月12日から再び緊急事態宣言が再発令されたことで飲食店のお酒の提供自粛、東京五輪開催に伴う首都高速の1000円アップ(乗用車が中心)や交通規制による渋滞の拡大、更に1日あたりの東京都内の新規感染者数が1000人を超えるなど、大幅に増えたことで都内で4連休を過ごすよりは、コロナ対策をした上で、人との接触は最小限にしながら旅行に出て羽根を伸ばしたいという声もあった。
オリンピック無観客で観戦チケットの返金見込んで旅行に行く人も
一方、東京オリンピックの観戦チケットを持っていた人が、無観客開催になったことで、観戦することができず、東京にいる必要がなくなったこと、更に後日返金される予定で観戦チケットの代金が返金されることを見込んで、無観客開催が決まった7月8日以降に国内旅行を予約した人も確認できた。観戦チケットの返金額が数万円の人もいれば、なかには開会式を含めて100万円以上が返金対象になった人もいる。海外旅行に自由に出かけることができない中で、都内でも五輪モードを感じることができない。新型コロナウイルスの観戦者が拡大している東京にいるよりも、仕事も4日間休みになることで、東京を離れてゆっくり過ごしたいということから緊急事態宣言が発令されてから旅行を計画する人も出た。今回、緊急事態宣言発令後にキャンセル数よりも新規予約数が上回ったようだ。東京オリンピックの開会式も目前で、五輪関係者や要人の県を跨いだ移動をしている姿がメディアで報道されていることも、政府や自治体が自粛を呼びかけても説得力がないという声も聞かれた。
旅行に出かける人の意識も変化。安価で受けられるPCR検査が大人気
ただ旅行に出かける人の意識も変わっている。数日前から都内の2000円前後でPCR検査ができるセンターには長い行列ができ、予約も取れない日も出ているなどワクチン接種を終えていない世代も、旅行先、帰省先に迷惑をかけない為に積極的に検査を受ける人が増えたほか、高齢者を中心にワクチンの2回接種を終えて2週間以上が経過したことで、緊急事態宣言中ではあるが、予定通りに出かける決断をした人も増えている。旅行者自身も感染予防の対策をした上で出かけている人が日を追うごとに増加している。
沖縄方面は台風の影響で旅行取りやめの人も
現在、台風が沖縄県に接近している影響で、羽田から那覇、宮古島、石垣島、久米島、下地島への直行便が22日は全便欠航、23日も那覇行きは午前中に那覇空港発着する便のほとんどが欠航するほか、離島への便は23日も全便欠航の路線も出る見込みだ。予約の段階では22日出発のほぼ全便が満席の状況になっていたことから、午前中だけでも数千人単位で利用者が減ったことで、保安検査場前の大混雑にはならなかったが、それでも羽田空港内は大きな荷物を持った旅行客の姿が多く見られた。特定の方面というよりは、全方面で混雑している。
7月23日の東京オリンピックの開会式のテレビ観戦も、自宅ではなく旅先や帰省先で観る人も多くなりそうだ。

●東京21日の人出 昼夜とも3回目の宣言期間中平均より増加 7/22
東京の21日、水曜日の人出は、ことし4月下旬からの3回目の緊急事態宣言が出ていた期間の平均と比べて日中、夜間とも増加となりました。
NHKはIT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使い、主な地点の人出を調べました。
まず、21日、水曜日の東京の人出を、3回目の緊急事態宣言が出されていたことし4月25日から6月20日までの平日の平均と比較します。
それによりますと、渋谷スクランブル交差点付近が日中は21%、夜間は43%、東京駅付近で日中は3%、夜間は38%といずれも増加となりました。
続いて前の4週間の平日の平均と比較します。
東京では、渋谷スクランブル交差点付近は日中は4%、夜間は16%、東京駅付近で日中はマイナス10%、夜間は20%でした。
一方、緊急事態宣言が延長された沖縄の人出は、那覇市の県庁前駅付近で日中はマイナス30%、夜間はマイナス43%と大幅に減少しました。
また、まん延防止等重点措置が延長された埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県の21日の人出は、さいたま市の大宮駅付近では日中はマイナス1%、夜間は36%、千葉駅付近で日中は30%、夜間は62%、横浜駅付近で日中はマイナス9%、夜間は6%、大阪・梅田駅付近は日中は7%、夜間は21%でした。

●緊急事態宣言下の4連休初日 空、鉄道の人出増  7/22
新型コロナウイルスの感染拡大が続き、首都圏に緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置が出されている中、オリンピック開幕を23日に控え、4連休の初日を迎えた。
高速道路は激しい渋滞となったほか、東京駅では旅行に向かう様子が見られた。
22日午前9時半ごろのJR東京駅の東海道新幹線のホーム。コロナ禍前より人出は少ないものの、感染防止をしたうえで旅行に向かうといった家族連れなどが見られた。小田原に向かう家族連れ「ホテル内で過ごせるところで、連休を過ごそうかと思って」
羽田空港の国内線は、2020年の同じ時期より利用者が増え、帰省する家族連れなどの姿が見られた。熊本に帰省する家族連れ「実家の父と母もワクチン接種が済んでいて、会おうと」
また、東京・八王子市の高尾山では、朝から多くの人が訪れ、登山を楽しんでいた。普段より、人出は多いという。
一方、海の日の22日、神奈川・藤沢市の海水浴場では、コロナ禍前よりは少ないものの、海水浴を楽しむ人の姿が見られた。訪れた人「(かき氷を)1年ぶりくらいに食べたので、すごくおいしく感じます」
高速道路は、各地で朝から激しい渋滞となっていて、午前11時時点の中央道下りが、小仏トンネル付近を先頭に40kmの渋滞となっている。

●東京の感染1日3千人に現実味 滞るワクチンが頼みの綱 7/22
東京都内で新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、1日あたりの感染者数が3千人を超えるとの見通しが強まっている。きっかけは、政府の対策分科会の尾身茂会長による発言。実際に感染者数は「疫学的に異常」と言われた年末年始に似た上昇ペースを見せており、3千人を超える状況下でオリンピックが開催される事態が現実味を帯びてきた。
「3千人を超えても驚きはない」 ある都幹部は21日、来週以降の感染状況について淡々と語った。同日に確認された感染者数は1832人に上り、1月16日以来の1800人超え。前日20日の1387人から急増していたが、この幹部は「21日に2千人を超えてもおかしくないと思っていた」と明かす。
7月14日に約2カ月ぶりに1千人を超えて以降、上昇ペースを早める都内の感染者数。担当者は「加速度的に感染者数が上昇していった年明けの状況に似ている」とみる。年明けは、1月5日に1315人の感染が確認されると、6日に1640人に跳ね上がり、7日には過去最多の2520人に達していた。
この担当者は21日夜、記者団に「明日、明後日に2千人に到達するのか」と問われると、「こんなに早くこのレベルに達するとは思わなかった。可能性はあるかもしれない」と述べ、予想外の上昇ペースに驚きを隠さなかった。
ただ、感染力の強い変異株(デルタ株)が広がる都内の感染者数は、2千人超えではとどまらないとの見方が強まっている。尾身氏が20日、日本テレビの報道番組で、8月第1週には過去最多の3千人近くまで増加するとの見通しを示したためだ。
実際に、12日に出された緊急事態宣言による減少効果はいまだ見えず、22日から4連休を迎える都内では、感染者数を減らす要素はほとんど見当たらない。
4連休の前日となった21日の都心では、都の要請を守らずに酒類を提供する居酒屋に客が殺到。都の担当者は「我慢できずに外出している若者が多いのでは」とみる。
いっこうに見えない感染拡大の収束。打開策が見当たらないなか、頼みの綱は接種が滞っているワクチンだ。
小池百合子知事は21日、記者団に「ワクチンを本当に爆速で打ちたい」と語った上でこうぼやいた。
「区市町村がいったん進めようとしていたのをいま、キャンセルせざるを得なくなっている。東京として集中的に打っていくことがいま、感染者数の拡大に少しでも歯止めをかけられるんじゃないか」 

●21日の東京の人出 3回目“宣言”期間の平均比で昼夜とも増加  7/22
東京の21日の人出は、ことし4月下旬からの3回目の緊急事態宣言が出ていた期間の平均と比べて日中、夜間とも増加となりました。
NHKは、IT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使い、主な地点の人出を調べました。
まず21日水曜日の東京の人出を、3回目の緊急事態宣言が出されていたことし4月25日から6月20日までの平日の平均と比較します。
それによりますと、渋谷スクランブル交差点付近が日中は21%、夜間は43%、東京駅付近で日中は3%、夜間は38%といずれも増加となりました。
続いて前の4週間の平日の平均と比較します。
東京では、渋谷スクランブル交差点付近は日中は4%、夜間は16%、東京駅付近で日中はマイナス10%、夜間は20%でした。
一方、緊急事態宣言が延長された沖縄の人出は、那覇市の県庁前駅付近で日中はマイナス30%、夜間はマイナス43%と大幅に減少しました。
また、まん延防止等重点措置が延長された埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県の21日の人出は、さいたま市の大宮駅付近では日中はマイナス1%、夜間は36%、千葉駅付近で日中は30%、夜間は62%、横浜駅付近で日中はマイナス9%、夜間は6%、大阪・梅田駅付近は日中は7%、夜間は21%でした。

●東京 新型コロナ 1979人感染 前週木曜より671人増 7/22
東京都内では22日、新たに1979人の感染が確認され、1週間前の木曜日より671人増えました。感染の急拡大に歯止めがかかっていません。入院患者は、ことし2月以来、2500人を超え、都は医療提供体制のひっ迫が危惧されるとしています。
東京都は22日、都内で新たに10歳未満から100歳以上までの男女あわせて1979人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。都内では21日、第3波のことし1月以来、1800人を超えましたが、22日は21日よりさらに147人多くなりました。また、1週間前の木曜日より671人増えています。22日までの7日間平均は1373.4人で、前の週の155.7%となり、感染の急拡大に歯止めがかかっていません。
都の担当者は「緊急事態宣言の効果が来週以降、どう出てくるか注視している。さらに大幅に増加するかはわからないが、少なくとも大きく減ることはないだろうと認識している」としています。
22日の1979人の年代別は10歳未満が95人、10代が159人、20代が658人、30代が399人、40代が314人、50代が246人、60代が56人、70代が38人、80代が11人、90代が2人、100歳以上が1人です。感染経路がわかっている729人の内訳は、「家庭内」が最も多く406人、「職場内」が109人、「施設内」が70人、「会食」が40人などとなっています。
また、東京オリンピック関連では、選手村に滞在する外国籍の競技関係者3人と選手2人、選手村以外で委託業者の日本人1人のあわせて6人の感染も確認されました。
これで都内で感染が確認されたのは19万5041人になりました。
一方、22日時点で入院している人は21日より78人増えて2544人で、ことし2月11日以来、2500人を超えました。「現在確保している病床に占める割合」は42.6%です。都の基準で集計した22日時点の重症の患者は21日より1人増えて65人で、重症患者用の病床の16.6%を使用しています。
都の担当者は「入院患者は新規陽性者の確認から少し遅れて増えてくる傾向がある。いまの急拡大のもとではさらに増加すると思われ、今後の医療提供体制のひっ迫を危惧している。重症の患者は、ワクチンの効果で高齢者の感染者が減っているため抑えられている部分はあるが、今後、増加が懸念され、安心できる状況ではない」と話していました。22日、死亡が確認された人はいませんでした。

●22日の人出、5割弱で増加 東京も、夏休みが影響か 7/22
NTTドコモがまとめた22日午後3時時点の人出は、全国の主要駅や繁華街計95地点のうち5割弱の44地点で前の休日の18日から増えた。新型コロナウイルス感染拡大で12日から緊急事態宣言が再発令された東京都は、人出が増えた地点が目立った。夏休みが本格化したことが影響したとみられる。
東京都は12地点のうち8地点が18日と比べて増えた。銀座は新型コロナ感染拡大前(昨年1月18日〜2月14日)の休日平均と比べると4.0%減だったが、今月18日の9.7%減から5.7ポイント上がった。渋谷センター街は5.3ポイント下がった。

●デルタ株3割、増加比は150%。新型コロナ、東京都の4連休直前データ 7/22
7月21日、東京都では新型コロナウイルスの新規陽性者が、新たに1832人確認されました。1800人を超えるのは1月以来です。
4度目の緊急事態宣言が発令されてから10日が過ぎていますが、残念ながらその効果はいまだに見えていません。
7月21日の段階では、東京都が連日発表している新規陽性者数は増加を続けています。東京都の都心部における人出の減り方も、日中・夜間ともにこれまでの宣言直後と比べて鈍くなっています。
感染収束への要となるワクチンの接種が進んできたとはいえ、7月21日の段階で1度以上ワクチンを接種した人の割合は全国で約35%。東京都に限れば約33%です。集団免疫にはまだ足りません。
感染力が高いとされているデルタ株の影響なども加味すると、現状のままでは自然と感染者数が減っていくことはかなり難しいといえるでしょう。
リスクとは1かゼロかはっきりしているものではなく、少しずつ積み上がっていくものです。何か1つリスクを取る分、あらためてリスクを下げるための対策もしっかりやってみませんか?
「三密」は、できる限り避けられていますか?
人に会う時には、マスクをしっかり着用できていますか?
いつも手洗いに気をつけていますか?
感染対策の基本を振り返るとともに、東京の現状を9つのデータで冷静に見極めていきましょう。
東京の主要繁華街の滞留人口は若干減ってはいますが、過去3回の緊急事態宣言と比較すると、減り方が鈍くなっています。
東京都の新規陽性者の7日間平均は、7月20日段階で1170人。増加比は149%で、このペースで感染が広がれば4週間後には約5倍の5000人規模になる計算です。
検査陽性率は上昇を続けており、7月20日には10%を超えています。
感染者の6割が30代以下。40代以上は割合こそ減って見えますが、4月後半からの緊急事態宣言以降、陽性者数が最小となった6月上旬に比べて、母数となる陽性者数は倍近くに。
高リスクとされる65歳以上の高齢者の新規陽性者の「割合」は減り続けています。ただし、割合は少なくても「数」はやや増加傾向にあります。
新規陽性者のうち、無症状者の割合は14%程度。つまり、86%が有症状です。「若者は感染しても無症状や軽症が多い」と言われますが、ある程度の人には一定の症状が現れていると言えます。
重症者の数を見ると、40代、50代が増えています。また、4月以降はこれまでほぼ見られなかった20代や30代の重症者も複数名確認されています。感染者が拡大すれば、いかに若者が重症化しにくいとはいえ、一定の割合で中等症以上の患者が現れる可能性は高いと考えられます。
今後の感染者増の指標ともなる「発熱等相談件数」はピークがまだ見えず、増加を続けています。今後も感染者数の増加が予想されます。
デルタ株の割合は、7月5日〜11日の段階で30%を超えました。アルファ株からの置き換わりが進んでいます。

●“宣言”の東京、“まん延防止”大阪から…4連休初日の金沢に観光客大挙 7/22
東京と沖縄に緊急事態宣言、大阪などにまん延防止が出された状況で22日から4連休がスタートしました。石川県内には多くの観光客が訪れています。
リポート「4連休初日の今日、金沢駅はこれだけの観光客で埋め尽くされています」
22日からスタートした4連休。JR金沢駅は大きな荷物をもった観光客であふれていました。
東京からの観光客「昨日検査で陰性だったので大丈夫かなと思って」「レンタカーで人と触れ合わないようなコースを考えたい」「思ったより人が多かったので怖いですね」「なるべく人ごみにいかないようにしたいと思います」
人気の観光地、近江町市場では…。
リポート「午後1時の近江町市場です。通路は人でいっぱいで人気の飲食店には行列ができています」
昼時の近江町市場はどの店にも列・列・列。海鮮を目当てにやってきた観光客で賑わいました。
東京からの観光客「(緊急事態宣言前に)予約しちゃったので迷ったんですけど来ました」「感染対策ばっちりして楽しみたいな」
大阪からの観光客「(まん延防止は)あんまり気にしていない」「大阪より人が多いかもしれない」

●4連休、にぎわう行楽地「やっと旅行」 東京脱出の動き 7/22
東京五輪の開会式にあわせて実現した4連休が22日始まった。本来なら五輪モードにシフトするはずが、コロナ禍で外出自粛が呼びかけられ、競技も原則無観客に。都県境をまたぐ移動自粛が呼びかけられる中、五輪と関係なく連休を楽しもうという人々で行楽地はにぎわい、東京から「脱出」しようという動きもみられた。
東京・羽田空港の国内線ターミナルは、朝から大きなバッグを携えた家族連れなどの姿が目立った。
「感染者が増え、海外の人も多く入ってくる。できれば、都内を避けたい」。大学生の男性(19)は五輪前に帰省しようと考えていたという。東京・晴海の選手村近くに自宅があるという会社員女性(34)は「騒がしい都内から離れたいと思っていた」と話した。
北海道に帰省する都内の会社員男性(38)はテレビで開会式を見る予定だ。「無観客なら旅先で見ても変わらないですよね」。この日は羽田発の便が混雑し、予約率は日本航空が約80%ほどとみられ、全日空は午前中だけで約95%にのぼった。
高速道路も都外に向かう車などで、下り線を中心に混雑した。日本道路交通情報センターによると、中央道は藤野PA(神奈川県)を先頭に約46キロの渋滞が発生。関越道の東松山IC(埼玉県)から約41キロ、東名高速の伊勢原JCT(神奈川県)から約38キロの渋滞が起きた。
東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏4都県の知事は、都県境を越える移動を極力控えるよう呼びかける共同メッセージを21日に公表した。だが、実際には人の動きが活発になり、各地の行楽地もにぎわった。
埼玉県白岡市にある東武動物公園内の夏季限定のプールには親子連れなどが集まった。家族4人で訪れたという30代女性は「子どもも遊びが限られて飽きてきている。暑いので近場で遊べたらと思って来た。感染には気をつけながら楽しみたい」と話した。
首都圏を避けて、各地に足を運ぶ動きもみられた。
JR新大阪駅。神奈川県から友人に会いにきたという大学院生の女性(25)は「東京は五輪で人がたくさん集まりそうなので、大阪に来ようと思って」。友人と大阪市内を観光するが、マスクは着用し、騒がないなど可能な限りの感染対策をするつもりだという。
海水浴客でにぎわった和歌山県白浜町。同町にある白良荘グランドホテルによると、4連休中は関西からの観光客を中心に満室に。岐阜県高山市の平湯温泉も多くの宿泊客が訪れ、地元観光協会の小林正和・前会長によると22〜24日はどこの旅館も盛況で、利用者からは「1年間旅行をせず、やっと来られた」という声が聞かれたという。
九州の玄関口・JR博多駅(福岡市)もこの日は人波が絶えなかった。仙台市の会社員男性(66)は九州を旅行するといい、「連休で、五輪もやるのに『外出を控えよ』というのはちぐはぐだ」と話した。
広島市の看護師の女性(36)は北九州市の実家に帰省するため福岡県へ。博多駅に着いて「こんなに人が多いと思わなかった」と驚いたという。「またすぐ感染爆発しそうな中で『本当に五輪をするの?』といまだに思う。観客が入れる状況になってから開催した方が選手にとっても良かったのでは」
旅行大手のJTBのまとめでは、夏休み(7月20日〜8月31日)の国内旅行者数は4千万人で、昨年比5・3%増となる見通しだ。ただ、コロナ禍前の19年と比べると44・8%の減少で、「大きく回復に転じているわけではない」としている。

●大手居酒屋、コロナ禍で千店減 飲み会少なく厳しい経営 7/22
居酒屋の店舗数が激減している。東京商工リサーチによると、大手居酒屋チェーンを展開する上場企業14社の店舗数は新型コロナウイルスの感染拡大前と比べて約千店減った。飲み会需要の減少が長期化したことが主な要因だ。今夏は緊急事態宣言による酒類の提供停止や、東京五輪の無観客開催も影響しそうで、経営環境は極めて厳しい。
東京商工リサーチが14社の店舗数を調査したところ、コロナ前の2019年12月末は計7200店だったが、今年3月末には6152店となった。減少率は14%超。微増の串カツ田中ホールディングスを除く13社が都市部を中心に店舗を減らした。

●4連休初日 コロナ禍&五輪開催でどう過ごす? 7/22
今年は東京オリンピックの関係で祝日が移動になり、7月22日が「海の日」、そして開会式が行われる23日が「スポーツの日」となりました。土日まで含め4連休という方も多いのではないでしょうか?オリンピック、そして、コロナ禍での連休をどう過ごすかうかがいました。
鹿児島中央駅では午前中から、旅行かばんやスーツケースを持った人たちの姿が多くみられました。
おみやげの紙袋を写真に収めていたこちらの2人。神奈川から訪れたといいます。
(神奈川から)「阿久根大島に行く。きょう」
(神奈川から)「コロナ前に、海外とか行ってたけど行けなくなっちゃったので、そこから行ってなかったです。楽しいです!」
また、こちらの男性は兵庫からのひとり旅だといいます。
(兵庫から)「お城めぐりで来たんです。九州をずっとまわっていく。鹿児島から、博多まで。」
天文館では、鹿児島名物のかき氷、「白熊」の専門店に列ができていました。一方、鹿児島市内の公園も、朝から多くの親子連れでにぎわっていました。コロナ禍で、県外には出ない判断をする人も多いようです。
(30代・男性)「子供が2人とも小さいので、リスクがあるかなと思って控えています。なので近場で、なるべく外で遊ぶというところですかね」
(30代・女性)「1年以上自粛が続くともう、外に行く思考はなくなりますね。鹿児島で楽しめることをしようかなと。自宅でオリンピックでも見ようかなと思っています」
一方、鹿児島空港は、東京や大阪など首都圏から到着する便では、旅行客の姿は見られたものの、特に混雑はありませんでした。
(東京から)「桜島を見るのと、指宿で砂風呂に入ろうかと」「釜蓋神社に行く」
(東京から)「感染予防してきました」
鹿児島県では、夏休み期間中の新型コロナの感染拡大を防ぐため、22日から羽田空港と伊丹空港で行われている、民間のPCR検査の費用の一部負担をはじめました。羽田と鹿児島、奄美、伊丹と鹿児島など、5つの航空路線の利用客が、専用サイトで予約してPCR検査を受けた場合、7900円の費用のうち5900円を県が負担します。PCR検査の費用負担は、8月31日までです。

●鉄道グループが「カレー」 コロナ禍の“路線変更” 7/22
売り上げを回復する起爆剤となるのでしょうか。鉄道のグループ会社が仕掛けたのは、まさにスパイシーな「カレー作戦」です。
京成線が走る千葉県市川市。コロナ禍の今、ファミリー層に人気だというカレー店が、駅近くのショッピングモールにあります。
フードコートの一角に去年8月にオープンした、その名も「100時間カレー」。
全国展開するチェーン店で、自慢のカレーはその名の通り、100時間以上かけて作った、深みのある濃厚なルーが特徴です。かつて、カレーの激戦区、東京・神田でグランプリに輝いたことも。
家族連れや女性客もターゲットにしたという欧風カレー。
女性客:「シチューのような深みのあるカレー。すごくおいしかった。卵のカレー食べたけど、見た目がすごくきれいだから、次は野菜を食べようかなと」
最近、このカレーチェーン店に異業種が続々と参入しているといいます。
「100時間カレー」直営アークス・素谷滋専務:「1カ月以内に出店ラッシュで、5店舗ほど追加で出店が決まっている」
実は、先ほどのショッピングモールの店舗を運営しているのは、京成電鉄が100%出資する子会社です。この1年で、千葉県内に3店舗をオープン。なぜ、鉄道業界が「畑違い」ともいえる、カレー専門店を始めたのでしょうか。
「100時間カレー」運営、イウォレ京成・東原光陽社長:「私たち京成グループは、鉄道、バスも含めて、成田空港へ移動するお客様の輸送を担っている点もあり、空港の旅客は100%近く減っている。被害はかなり大きい」
コロナ禍で利用者が激減した成田空港と東京を結ぶ京成線は、乗降人数が3割近くも減少。さらに、子会社が空港内や沿線に展開しているレストランなどでも、売り上げが大幅にダウン。
そこで、ファミリー層にも支持されているカレー店に活路を見出したといいます。
「100時間カレー」運営、イウォレ京成・東原光陽社長:「アフターコロナを見据えての出店。確実に収益が見込めて、なおかつ海外のお客様が来ないと困るという状況ではなく、国内の市場に向けた店を増やしていくことで、できるだけ安定的な経営ができるようにしていきたいと」

●大きな打撃に…WeLove山陰キャンペーン コロナ拡大で新規受付停止 7/22
来週月曜日から一部を除き新規の受付を停止すると発表された山陰限定の誘客割引企画WeLove山陰キャンペーン。恩恵が大きかっただけに大きな打撃となっている。鳥取市のゴルフ場、鳥取カントリークラブ。連休初日のきょうも朝から多くのゴルファーが汗を流していた。このゴルフ場はWeLove山陰キャンペーンの対象施設で、キャンペーンを使うと3000円が割引される。
ゴルファー:週に一回くらいは来ている。WeLoveは大きい。半額だからね。
ここでは今年3月から6月のゴルフ客が去年の同じ時期より約3割増加した。
支配人:約9割がWeLoveを利用しています。
宿泊で最大5千円割引などコロナ禍でも山陰の人限定で両県相互に地域の誘客を図るWeLove山陰キャンペーン。感染拡大をうけ島根県の人が県内で利用する場合をのぞき26日から新規予約を停止する事態となった。
支配人:ゴルフ場としては非常に痛い。影響がある。
来週月曜日の受付停止までに駆け込み需要を期待するがきょう午前中には予約の電話が1本しかなかった。
支配人:8月には枠に空きがある。あと3、4日の間に申し込んでほしい。
恩恵の大きかったキャンペーン、受付停止は連休の観光地に大きな痛手となっている。

●きょうから4連休も…コロナ感染拡大で観光客はまばら 鳥取市 米子市 7/22
きょうからはじまった4連休。両県で新型コロナの感染急拡大が続く中、初日の観光地の人出は様々。
観光客:もう少し多いと思った。
きょう日中の鳥取砂丘。連休初日にしては観光客はまばら。
鳥取砂丘ビジターセンター前田武志館長:例年の大型連休と比べると3割程度。駐車場にも空きが目立ちますし。
コロナ禍前の同じ時期には1日1万人程度が訪れていたという鳥取砂丘。連休初日の人出はその3割程度。観光客の約6割を占める県外客が感染の再拡大をうけ減少したことが原因とみられている。
米子市の皆生海岸「皆生温泉海遊ビーチ」。海の日のきょうオープンしたのが海上アスレチック。感染急拡大と重なる中、主催者の想定を上回る賑わいとなった。
子ども:めちゃくちゃ楽しいです。滑り台とか楽しかった。
しかし大人は。
大人:人となるべく離れるように。県外には出られないので地場の海に遊びに来たという感じ。
アスレチックは事前受付制で人数制限などで感染対策。過ごし方に注意をはらいながらの連休スタートとなった。

●東京都で1979人の新型コロナ感染確認、1都3県の感染拡大続く 7/22
東京都は22日、新たに1979人(前日1832人)の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。1日の感染者数としては1月15日(2044人)以来の多さ。
発表によると、感染者の直近7日間移動平均は1373.4人(同1277.6人)で前週比155.7%(同155.2%)となった。重症者は65人(同64人)。
首都圏では感染拡大に歯止めがかからない。NHKは、神奈川県で631人の新規感染が確認されたと報じた。前日の522人から大幅に増え、1月以来の高水準。共同通信によると、埼玉県では510人(前日は381人)が感染。県のデータによれば500人を超えるのは1月以来。千葉県の感染者数は共同によると343人で、2日連続で300人を超えた。

●愛知も感染拡大 2日連続100超 「五輪はテレビで」 7/22
東海3県では22日、計187人の新型コロナウイルス感染が発表された。3県とも前週の同じ曜日と比べて大きく増加している。
愛知県は146人で、2日連続で100人を超えた。140人を超えたのは、愛知県にも緊急事態宣言が出ていた6月11日以来となる。また、高齢者1人の死亡が確認された。
県によると、21日時点の患者820人のうち、228人が入院し、134人が宿泊療養施設に入所。347人が自宅で療養しているという。
県は23日に開幕する東京五輪について、「飲食店などで多くの人が集まって競技を観戦すれば、感染リスクの拡大につながる」などとして、自宅のテレビで少人数で応援するよう呼びかけている。
岐阜県では14人の感染が発表された。県によると、感染力の強い変異株(デルタ株)の疑いがある変異ウイルスも新たに2人から見つかった。三重県の感染者は27人だった。

●神奈川県で635人、埼玉県で510人の新規感染者 首都圏で感染拡大 7/22
首都圏で新型コロナの感染が急拡大している。
神奈川県できょうこれまでに635人が新型コロナウイルスに感染したことが確認された。神奈川県で1日の新規感染者が600人を超えたのは1月22日以来、半年ぶりとなる。
埼玉県では510人の新型コロナウイルスへの感染者が確認された。1日の感染者が500人を超えるのは、過去最多となった582人の感染者が確認された1月16日以来。
また、千葉県では、きょう新たに343人の感染が確認されている。 

●コロナ感染再拡大を警戒 連休や夏休みで 広島 7/22
連休や夏休みでの新型コロナ感染再拡大に警戒感が高まっています。
高橋勇介記者「福山駅前に設置されたPCR臨時スポットにはスーツケース姿の人が目立ちます」
JR福山駅前に設置されたのはPCR検査キットを無料で配布する会場です。連休や夏休みに入り多くの人が移動するため感染拡大を警戒し設けられました。
大阪から帰省「感染対策しててもかかっちゃうこともあるんでちゃんとうつさないように」
広島県健康福祉局 妹尾克佳主査「(PCR検査と)ワクチンの接種と予防を組み合わせてもらいながら感染防止に努めてもらいたい」
一方、広島駅前のデパートでは・・・
長崎奈美記者「こちらではデパートの買い物のついでにワクチンを打つことができます」
福屋広島駅前店に設置された新型コロナワクチンの集団接種会場。駅からも近く足を運びやすいため広島市は幅広い年代に訪れてほしいと呼びかけています。
接種した人「買い物ついでに接種できるしこういう場所が増えてもいいのでは」
接種した人には館内の店舗で使えるクーポン券も配布されていました。広島市では24日から一部会場に限り64歳以下の一般接種予約もスタートします。

●新型コロナウイルス 山陰両県で感染拡大…両県で新たに31人感染 7/22
新型コロナの感染拡大に歯止めがかからない。山陰両県では21日の検査で新たに31人の感染が確認された。
このうち島根県では、雲南市で8人、松江市で6人、安来市で5人、出雲市で1人と計20人の感染が確認された。累計の感染者数は645人となった。
このうち、5人の感染が確認された安来市では緊急の記者会見を開いた。安来市田中武夫市長:「5人の中の1人は安来市立病院の職員であることが判明しました」安来市立病院の病棟に勤務する職員一人の感染を発表した。感染した職員は同居する家族が通う、学校あるいは職場で感染者が出たことから今月18日から自宅待機をしていて、20日に病院内でPCR検査を受け陽性が判明した。
職員はすでに2回、新型コロナワクチンの接種を受けていたという。安来市立病院では、訪問介護や訪問リハビリは、26日(月曜日)まで停止するが、外来・入院患者の受け入れは継続することにしている。一方、鳥取県内では米子保健所管内で10人、さらに倉吉市で1人の感染が新たに確認された。累計の感染者数は626人となった。
米子保健所管内では9人がこれまでの陽性者の濃厚接触者か、接触者としてPCR検査を受け陽性が判明した。また、このうちの4人はPCR検査で一度は陰性と診断されたが、その後症状がでて、再検査を受け陽性が判明したという。鳥取県では7月に入ってからの感染者数がこれで146人となり、ひと月の感染者数として過去最多を更新し続けている。また、現在入院中の1人の患者が重症だという。

●トヨタの国内工場、一部生産停止 ベトナム感染拡大で部品供給停滞 7/22
トヨタ自動車は22日、ベトナムでの新型コロナウイルス感染拡大で、海外からの部品供給が滞り、子会社のトヨタ車体富士松工場(愛知県刈谷市)の一部生産を合計5日間停止すると発表した。影響台数は約3千台。
ミニバンの「アルファード」や「ヴェルファイア」「ノア」「ヴォクシー」「エスクァイア」を生産する第2ラインが対象。7月29、30日、8月2〜4日に稼働を止める。
ベトナムでは新型コロナの感染拡大が続いており、市民の行動が制限されている。ベトナム以外の東南アジア各国でも感染に歯止めがかかっていない。

●コロナ発生源巡るWHO再調査要請に中国反発 7/22
中国は新型コロナウイルスが湖北省武漢のウイルス研究所から流出したとする説には証拠がないとして、発生源を巡る世界保健機関(WHO)の再調査要請に反発した。
バイデン米大統領はワクチン接種を受けていない住民の間で感染が急増しているとして、より多くの国民に接種を強く要請した。テキサス州のデータでは、新型コロナ死者の大部分はワクチン未接種者であることが示された。
シンガポールはクラスターの発生が確認されたマリーナベイ・サンズのカジノを2週間閉鎖する。
ベトナムのハノイ市当局は、外出禁止令が出ているホーチミンなど南部地域から到着する旅行者について、22日から隔離施設への収容を命じた。隔離期間は不明。
タイの新規感染者数は22日に1万3655人と、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が発生して以来で最多を記録した。
韓国の新規感染者数は過去最多の1842人。保健当局は中東で海賊対策に当たっていた海軍の駆逐艦での270人の感染を加えた。乗組員は20日に帰国した。この船での感染者と入国者の感染症例を除いた国内の新規感染者は1533人で、前日の1726人から減少した。
オーストラリアのクイーンズランド州は感染拡大リスクを抑制するため、ニューサウスウェールズ州との境界を23日午前1時に閉鎖すると州首相がツイッターで明らかにした。ニューサウスウェールズ州のシドニーでは、1日当たりの感染者数が22日に124人に上り、6月半ばに始まった現在の流行期では最多を記録。増加が続くと予想されている。
インドのコロナ感染死者数は実際には130万から500万人のレンジである可能性がある。最も控えめな予想でも、これまで世界最多の米国の死者数の2倍強。これらの数値は研究モデルや地元当局のデータから導き出されたもので、同国の公式集計の3倍から10倍のレンジ。
米ジョンズ・ホプキンズ大学とブルームバーグの集計データによると、世界の新型コロナ感染者数は1億9200万人、死者数は412万人をそれぞれ超えた。ブルームバーグのワクチントラッカーによれば、世界のワクチン接種は計37億1000万回を上回った。
 

 

●1都3県の感染者、2日連続3000人超 感染拡大で五輪開催  7/23
東京五輪は新型コロナウイルス感染拡大の中で開幕を迎える。東京都や神奈川、埼玉、千葉の1都3県の新規感染者数の合計が2日連続で3000人を超えた。1月の「第3波」のピークに迫る勢いだ。専門家は「自宅で亡くなる人が出る事態は避けたい」と医療体制の逼迫を懸念。改めて不要不急の外出を控えるように呼び掛ける。(小坂井文彦、藤川大樹、神谷円香)
インド株の影響で半年ぶり水準
22日の1都3県の新規感染者の合計は3463人。3000人超は約半年ぶりの水準だ。感染力の強いデルタ株(インド株)の影響で、過去最多の4327人(1月9日)を超す可能性も出てきた。感染状況を示す指標のうち最初に数値が上がるのが「人口10万人当たりの直近1週間の新規感染者数」だ。東京は6月30日に、最も深刻な「ステージ4」の目安(25人)を突破。緊急事態宣言が出た今月12日には、約37・94人に増えた。神奈川は14日にステージ4に達した。県はまん延防止等重点措置の範囲を拡大するなどの対策を取ったが改善せず、22日には37・35人に悪化。埼玉、千葉両県も19日にステージ4になった。東京は20日時点で、重症者用病床の使用率もステージ4になった。
夜間人口増加
厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」によると、緊急事態宣言が発令中の東京では夜間の滞留人口が減っているものの、前回の宣言時と比べると減り方は緩やかだ。神奈川、千葉は横ばい。埼玉では増加が続いている。複数のメンバーから、3県にも緊急事態宣言が必要だとの声が出ている。酒類を提供する飲食店に休業要請が出ている東京から3県に越境している可能性も指摘される。前田秀雄・東京都北区保健所長は「東京に隣接しているところは同じようにしておかないと、人流が減らない」と話す。
進まぬ40、50代のワクチン接種
20日時点で、全国の高齢者約62%が2回のワクチン接種を終えた。その効果から現在の「第5波」では、これまでより高齢者の重症者が少ない。そのため楽観視する市民もいるが、専門家は警鐘を鳴らす。「40代、50代の重症者数は第3波を超えた。それほど死者が出ないからまだ緊迫感がないが、今までで最大の感染だ」と前田氏。ワクチン接種の進まない東京の40〜50代の重症者は、7月に入り20人前後で推移している。20〜30代の入院患者も増えている。感染が収まらなければ、入院できずに自宅療養になる患者が出る。国際医療福祉大の和田耕治教授は「40〜50代が医療にかかれずに亡くなるのは避けたい」と語る。新規感染者を抑えるには人との接触機会を減らせるかがカギになる。和田氏は「市民はもう何も聞いてくれないと言う人もいるが、リスクを伝えていくのが僕たちの仕事だ」と話す。

●島根県で新たに10人の感染を確認 東部の感染拡大続く 7/23
新型コロナ、島根県内で新たに10人の感染が確認された。安来市で5人、松江市で2人、雲南市で2人、出雲市で1人。島根県内では4日連続の二けた確認で感染者の累計は655人となった。県東部での感染確認が続いていて2ケタの確認は4日連続。

●美浦所属の調教師1人が新型コロナ感染、隔離され療養措置 7/23
JRAは22日、美浦トレセン所属の調教師1人が新型コロナウイルスに感染したことを発表した。当該調教師は現在、隔離されたうえで療養措置となっている。JRA報道室は「今後は所轄保健所などと連携し、感染拡大の防止に取り組んでまいります」とし、24日以降の中央競馬については「引き続き感染拡大防止の措置を徹底しつつ開催いたします」とコメントした。

●テレワーク「効率上がった」 新型コロナ感染拡大後 初の減少に 7/23
新型コロナウイルスの感染拡大以降、導入が進むテレワークについて、仕事の効率が上がったと感じている人の割合が初めて減少に転じたとする民間の調査がまとまりました。
この調査は、日本生産性本部が感染拡大後の働き方や意識の変化を調べるために去年5月から行っていて、今回で6回目となります。
今月上旬にインターネットを通じて行い、1100人が回答した今回の調査では、自宅でテレワークをしている人に「仕事の効率が上がったか」尋ねたところ、「上がった」「やや上がった」と答えた人の割合が合わせて50%で、前回・ことし4月の調査から9ポイント減って初めて減少に転じました。
また、「自宅での勤務に満足しているか」の問いには、「満足」「どちらかと言うと満足」が70%で、前回の75%から減少しています。
これについて、調査した日本生産性本部の柿岡明上席研究員は、感染拡大から1年以上が過ぎ、働く人の間で孤独を感じるなどのいわゆる“テレワーク疲れ”が起きているのでないかと指摘したうえで「企業経営者は働く人の心の健康に配慮することが必要だ」と話しています。

●新型コロナ 東京は感染拡大加速 「宣言」各地も感染急拡大 7/23
新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、東京都では緊急事態宣言が出されている中でも、オリンピックの開幕を前に、感染拡大のペースが上がり続けていて、首都圏の3県や大阪府、沖縄県などでも感染が急拡大しています。NHKは各地の自治体で発表された感染者数を元に、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。
全国
全国では、先月24日までの1週間では前の週と比べて0.94倍と、6週連続で新規感染者数が減少していましたが、今月1日は1.04倍、今月8日は1.16倍、今月15日は1.41倍、22日まででは1.56倍と、4週連続で増加し、感染が拡大するペースが上がっています。1日当たりの新規感染者数は、およそ3823人となっています。
緊急事態宣言の地域
4回目の緊急事態宣言が出されている東京都は、先月中旬までは5週連続で減少していましたが、先月下旬から増加に転じました。今月8日までの1週間では前の週の1.27倍、今月15日は1.33倍、22日まででは1.56倍と5週連続で増加し、感染が拡大するペースも上がり続けています。1日当たりの新規感染者数はおよそ1373人と、先週よりおよそ490人増え、人口あたりの感染者数は全国で最も高い水準となっています。緊急事態宣言が継続している沖縄県では、今月8日までの1週間では前の週の0.78倍だったのが今月15日は1.09倍と再び増加に転じ、22日まででは1.92倍と感染が急拡大しています。1日当たりの新規感染者数はおよそ105人で、人口あたりの感染者数は東京都に次いで高い水準となっています。
重点措置適用の地域
「まん延防止等重点措置」が適用されている首都圏の3県と大阪府でも感染が急拡大しています。神奈川県は、今月8日までの1週間では前の週の1.15倍、今月15日は1.45倍、22日まででは1.43倍と感染が拡大するペースが速い状態が続き、1日当たりの新規感染者数はおよそ492人となっています。埼玉県は、今月8日までの1週間では前の週の1.32倍、今月15日は1.48倍、22日まででは1.74倍と感染拡大のペースが上がっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ328人となっています。千葉県は、今月8日までの1週間では前の週の1.22倍、今月15日は1.28倍、22日まででは1.40倍と感染拡大のペースが上がっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ265人となっています。大阪府は、先月下旬から今月上旬は新規感染者数は横ばいの状況でしたが、今月8日までの1週間では前の週の1.28倍と増加に転じました。その後、今月15日は1.78倍、22日まででは1.58倍と急速な感染拡大となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ341人となっています。
重点措置解除の自治体
今月11日を期限に重点措置が解除された地域でも、新規感染者数の増加のペースが上がっているところがあります。北海道は、今月8日までの1週間では前の週の1.22倍、今月15日は1.52倍、22日まででは1.65倍と増加のペースが上がっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ103人となっています。京都府は、今月8日までの1週間では前の週の1.13倍、今月15日は1.68倍、22日まででは1.80倍と増加のペースが上がっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ51人となっています。兵庫県は、今月8日までの1週間では前の週の1.36倍、今月15日は1.77倍、22日まででは1.89倍と増加のペースが上がっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ102人となっています。
新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「全国で感染拡大の第5波に入ってきていることが見えてきている。感染者数が増えると、一定の割合で重症例が出て、50代以下でも亡くなる人が増えてくることを考えておかなければならない。第5波では、感染力が強い変異ウイルス『デルタ株』の影響もあり、第4波の関西で見られたような急激なまん延、医療現場のひっ迫が、もう一度全国で起きてもおかしくない状況になりつつある。大きな感染の波は作らないという決意を持って、1人1人が感染を防ぐ行動をしないといけない」と述べました。そしてオリンピックが開催される東京の状況については「東京では緊急事態宣言が出されてからまもなく2週間になるが、まだ宣言の効果は見られず、増加が止まらない心配な状況になっている。緊急事態宣言でも感染が収まらないことが見えてきた場合には、さらに強い対策をちゅうちょなく取る覚悟が必要になってくるだろう」と話しています。その上でオリンピックについて「本当に重い決断として、無観客での開催を決めたので、競技場の周りに集まって騒いでしまうと、効果が薄れてしまう。競技場の周りでの飲食、酒を飲むような機会があると、感染を広げるリスクを高めることになりかねないので、家でいつもいる人と、テレビを通して応援してほしい」と訴えました。

●「五輪やるのに、酒は悪者?」 開会式会場から2kmの歌舞伎町では 7/23
東京オリンピックの開会式が開かれた23日、国立競技場から約2キロしか離れていない全国屈指の繁華街、新宿・歌舞伎町を歩くとシャッターが下ろされ「臨時休業」などの張り紙がある店が目に付いた。東京都に4回目の緊急事態宣言が出ているため、夜になっても明かりのつかない飲食店ビルが目立った。
「五輪の雰囲気なんて全然感じませんよ」。歌舞伎町で創業58年目のしゃぶしゃぶ・すき焼き店「米新」を営む橋本徹さん(58)は、開会式が始まった午後8時ごろ、のれんを静かに店内にしまった。新型コロナウイルスの問題が起こる前は深夜まで営業していたが、この日も時短要請に応じて早々に店を閉めた。
店は客足が以前の約10分の1に減ったという。ワクチン接種が進んで客足が戻ることを期待したものの「自宅で酒を飲む人が増え、更に客が減るのではないか。こんな状況の中で競技をしなければならない選手が一番可哀そうだが、私たちも我慢を続けるしかない」とため息をついた。
ただ、午後9時近くになっても、まばらではあるものの街を訪れる人の流れは途切れない。「アルコールOK」「24時まで営業中」などと客を呼び込む店もある。路上に座り込み、缶チューハイを片手に話し込む男女の姿もあった。
飲食店で働く男性(21)は「五輪もやっているのに酒を提供するなというのは違和感がある。消毒などの対策もしている。酒を悪者にしないでほしい」と話した。

●「全国で第5波に入ってきている」新型コロナ 感染急拡大  7/23
新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、東京都では緊急事態宣言が出されている中でも、オリンピックの開幕を前に感染拡大のペースが上がり続けていて、首都圏の3県や大阪府、沖縄県などでも感染が急拡大しています。
NHKは各地の自治体で発表された感染者数を元に、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。
全国では、先月24日までの1週間では前の週と比べて0.94倍と、6週連続で新規感染者数が減少していましたが、今月1日は1.04倍、今月8日は1.16倍、今月15日は1.41倍、22日まででは1.56倍と、4週連続で増加し、感染が拡大するペースが上がっています。
1日当たりの新規感染者数はおよそ3823人となっています。
緊急事態宣言下の東京・沖縄で感染急拡大
4回目の緊急事態宣言が出されている東京都は、先月中旬までは5週連続で減少していましたが、先月下旬から増加に転じました。今月8日までの1週間では前の週の1.27倍、今月15日は1.33倍、22日まででは1.56倍と5週連続で増加し、感染が拡大するペースも上がり続けています。1日当たりの新規感染者数はおよそ1373人と、先週よりおよそ490人増え、人口当たりの感染者数は全国で最も高い水準となっています。緊急事態宣言が継続している沖縄県では、今月8日までの1週間では前の週の0.78倍だったのが、今月15日は1.09倍と再び増加に転じ、22日まででは1.92倍と感染が急拡大しています。1日当たりの新規感染者数はおよそ105人で人口当たりの感染者数は東京都に次いで高い水準となっています。
重点措置適用の首都圏3県と大阪府でも感染拡大ペース上がる
「まん延防止等重点措置」が適用されている首都圏の3県と大阪府でも感染が急拡大しています。神奈川県は今月8日までの1週間では前の週の1.15倍、今月15日は1.45倍、22日まででは1.43倍と感染が拡大するペースが速い状態が続き、1日当たりの新規感染者数はおよそ492人となっています。埼玉県は今月8日までの1週間では前の週の1.32倍、今月15日は1.48倍、22日まででは1.74倍と感染拡大のペースが上がっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ328人となっています。千葉県は今月8日までの1週間では前の週の1.22倍、今月15日は1.28倍、22日まででは1.40倍と感染拡大のペースが上がっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ265人となっています。大阪府は先月下旬から今月上旬は新規感染者数は横ばいの状況でしたが、今月8日までの1週間では前の週の1.28倍と増加に転じました。その後、今月15日は1.78倍、22日まででは1.58倍と急速な感染拡大となっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ341人となっています。
重点措置解除された自治体でも感染者増加
今月11日を期限に重点措置が解除された地域でも、新規感染者数の増加のペースが上がっているところがあります。北海道は今月8日までの1週間では前の週の1.22倍、今月15日は1.52倍、22日まででは1.65倍と増加のペースが上がっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ103人となっています。京都府は今月8日までの1週間では前の週の1.13倍、今月15日は1.68倍、22日まででは1.80倍と増加のペースが上がっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ51人となっています。兵庫県は、今月8日までの1週間では前の週の1.36倍、今月15日は1.77倍、22日まででは1.89倍と増加のペースが上がっていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ102人となっています。
専門家「第5波に入ってきている」
新型コロナウイルス対策に当たる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「全国で感染拡大の第5波に入ってきていることが見えてきている。感染者数が増えると、一定の割合で重症例が出て、50代以下でも亡くなる人が増えてくることを考えておかなければならない。第5波では、感染力が強い変異ウイルス『デルタ株』の影響もあり、第4波の関西で見られたような急激なまん延、医療現場のひっ迫がもう一度全国で起きてもおかしくない状況になりつつある。大きな感染の波は作らないという決意を持って一人一人が感染を防ぐ行動をしないといけない」と述べました。そして、オリンピックが開催される東京の状況については「東京では緊急事態宣言が出されてからまもなく2週間になるが、まだ宣言の効果は見られず、増加が止まらない心配な状況になっている。緊急事態宣言でも感染が収まらないことが見えてきた場合には、さらに強い対策をちゅうちょなく取る覚悟が必要になってくるだろう」と話しています。そのうえで、オリンピックについて「本当に重い決断として、無観客での開催を決めたので競技場の周りに集まって騒いでしまうと、効果が薄れてしまう。競技場の周りでの飲食、酒を飲むような機会があると、感染を広げるリスクを高めることになりかねないので、家でいつもいる人とテレビを通して応援してほしい」と訴えました。

●感染拡大防止 五輪は自宅で応援 連休中の移動控えて 7/23
東京オリンピックの開会式が行われる国立競技場の周辺や各地の行楽地では、多くの人でにぎわう様子が見られますが、専門家は、首都圏を中心に広がる新型コロナウイルスの感染が、全国各地に拡大することを防ぐため、オリンピックは自宅で楽しむとともに、県境を越えた移動をできるだけ控えるよう求めています。
東京都などを中心に各地で新型コロナウイルスの感染拡大が続き、22日、全国の感染者はことし5月以来、2か月ぶりに5000人を超えましたが、23日は、東京オリンピックの開会式が行われる国立競技場の周辺や各地の行楽地でも人出が多くなっていて、さらなる感染拡大が懸念されています。
政府の分科会の尾身茂会長は、今月16日、東京などで拡大する感染が各地に広がるのを防ぐため、4連休や夏休み、お盆、東京オリンピック・パラリンピックなど、人出が増える機会が集中するこれからの2か月間が「感染対策における山場だ」として、対策の徹底を求める談話を出しています。
談話では、東京オリンピックについて、応援は自宅で行い、広場や路上、飲食店などでの大人数の応援を控えることや、ふだん会わない人との会食や、大人数や長時間に及ぶ会食を控えるよう訴えています。
また、県境を越える移動をできるだけ控え、帰省先の高齢者がすでに2回のワクチン接種を済ませている場合でも、帰省の2週間前から感染予防対策を十分に行った上で会うよう求めています。
政府分科会のメンバーで東邦大学の舘田一博教授は「オリンピックが始まり、スタジアムの周りでたくさんの人が集まっている様子を見ると、連休でもあるし、外に出てもいいんじゃないかというメッセージが伝わってしまう。非常に厳しい感染状況に繋がってしまう可能性が高まっている。医療現場でのひっ迫の度合いが高まっていることを考えて、もうしばらく我慢して欲しい。オリンピックは家でいつもいる人と応援し、県境を越える移動をなるべく控えて欲しい」と訴えました。

●選手村で“検査キット不足”発覚…感染拡大止まらず 7/23
東京都では23日、新たに1359人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。検査数が下がる連休中とはいえ、34日連続で、前の週の同じ曜日を上回りました。重症者は22日より3人増えて、68人。年代別では、65歳以上の高齢者は37人、一方、20代が最多で、492人となっています。
医療現場は、依然、厳しい状況から抜け出せていません。昭和大学病院では、新型コロナの入院患者25人のうち、21人が50代以下です。
昭和大学病院・相良博典病院長「一番多いのは、若年者の感染からの家庭内感染。若い人たちが、どこで感染してきているかは、よくわからない。やはり人出、人流だと思う。もっと増えてくるだろうなと。我々の施設もそうだが、ベッドをちゃんと用意しておかないと、厳しい状況下になってくると不安を感じている。患者の数が減ってくる要素は厳しい。夏休み、オリンピックが開始したことを踏まえて、患者の数はまだ上がってくると思う」
昭和大学病院は、東京オリンピックに医師と看護師を派遣しています。八木医師は、そのうちの一人で、トライアスロンの会場で、医療責任者を務めます。
昭和大学病院・八木正晴医師「医学的なことだけ考えれば、ここまで大規模な大会は、感染対策上は明らかにありえない話。多少変な形でも、オリンピックを一回やるというのもわかる。折衷案として無観客の状態があるが、その方向でも、ある程度できるなら、やるのはしょうがないかなと」
大会組織委員会によりますと、新たに19人の感染が確認されました。そのうち3人は、海外の選手です。これで、選手を含む、大会関係者などの陽性者は、合わせて110人となりました。また、選手村で行われている検査ですが、検査キットが不足し、一部の選手で、毎日、検査が行えなかったことがわかりました。大会組織委員会は、時間を工夫して行うことで、プレーブックに定められた回数の検査を行ったということです。24日に検査キットが大量に届くので、必要な本数を、くまなく配布するとしています。
昭和大学病院・八木正晴医師「2週間後、1カ月後が非常に怖い。その時にどうなっているのかという不安はある。もちろんゼロは難しいかもしれないが、誰も感染しないで大会を終えたい」

●大学でクラスターが発生、授業以外で感染拡大か 滋賀の新型コロナ 7/23
滋賀県は23日、新型コロナウイルスに感染して県内の医療機関に入院していた70代男性が死亡し、新たに10歳未満〜60代の男女14人が感染したと発表した。県内での感染確認は計5764人、死者は計92人となった。20日発表の新規感染者のうち、大津市の女性1人が追加の検査で陰性と判断されたなどとして取り下げた。
新規感染者は居住地別に大津市6人、草津市3人など。4人は大津市のびわこ成蹊スポーツ大の学生で、19日以降に感染が確認された学生は県外を含め計12人となり、県はクラスター(感染者集団)と認定した。県によると、授業以外の活動で感染が広がったとみられ、これまでに29人が検査を受け、17人は陰性と判明した。同大学は、濃厚接触を疑われる学生・教職員を自宅待機としているなどの対応をホームページで発表した。
草津市は23日、市立こども園の園児1人の感染が確認され、同園を24日から26日まで休園すると発表した。

●感染爆発か、乗り切るか 連休と東京五輪が重なる首都圏の勝負の時 7/23
緊急事態宣言中に始まった4連休と東京五輪。現在、首都圏は新規感染者数の拡大が止まらないが、これからどうなってしまうのか?新型コロナウイルス感染症対策分科会構成員で、東京2020大会における新型コロナウイルス対策のための専門家ラウンドテーブル座長なども務めた、川崎市健康安全研究所所長の岡部信彦さんに聞きました。
――東京は7月20日時点で新規感染者数の報告が1387人、1週間前より557人増えています(その後、22日現在で1979人)。やはり急増していますが、現状をどう見ていますか?
増えるということ自体は想定内といえば想定内です。ショックだったのは、昨日(20日)、埼玉県の会議にオンラインで出たのですが、埼玉の感染者数は急上昇しているという報告を受けました。倍加速度(感染者の数が倍になるスピード)がものすごく速くなっています。神奈川や千葉も似たような状況です。全国的に見るとそうでもないのですが、現在、新型コロナの流行は首都圏を中心とした問題になっています。2009年の新型インフルエンザの流行の時も思いましたが、感染症はやはり人が密集している大都市が最も大きな問題になるのですね。
――7月12日に東京に出された緊急事態宣言の効果が出るのはもう少し後だということでしょうか?
そうですね。今の感染状況は、緊急事態宣言があろうがなかろうが、オリンピックがあろうがなかろうが関係なく増えているわけです。緊急事態宣言による何らかの効果があるかないかは1〜2週間たってからなので、今週末から来週くらいの状況を見る必要があるでしょう。
――宣言が出てからの人の流れはどうでしょう?
今日(7月21日)の厚労省のアドバイザリーボードに出された東京都医学総合研究所社会健康医学研究センターの西田淳志先生の資料を見ると、緊急事態宣言が出されたあたりから、東京の繁華街の人の流れは落ちています。緊急事態宣言のアナウンス効果なのか、「新規感染者が1000人を超えた」となって「大変だ」と思ったのか。自浄作用と考えたいのですが......。雨や雷のせいもあるかもしれませんし、日中の方がより強く落ちているのは夏休みになった影響もあるかもしれません。一方、東京の実効再生産数(1人当たりの二次感染者数。1を超えると感染者は増加に転じる)は上がっています。夜間の繁華街の人口は下がっていることは、感染症を見る立場からはありがたいことです。今は感染者の報告者数は増えていますが、それに伴って、実効再生産数や新規感染者が下がってくるかどうか。1、2週間後にその効果が見えてくるかどうかを注目しています。
――では明るい兆しも見えているということですか。
明るいとまではまだ言えないけれど、期待感も一方ではある、ということです。ところが、緊急事態宣言が延長された沖縄の繁華街の人の流れは増えています。
――沖縄が増えているのは、やはり夏休みの旅行者の影響でしょうか?
沖縄は緊急事態宣言後、新規感染者報告はずっと減っていたのです。ところが、夜間の人の流れが増えてきたのを追いかけるように、感染者報告も上昇に転じています。そして実効再生産数も1を超えて、増えてきています。増加のきっかけは県外からの来訪者のようですが、その後の増加は沖縄県内での広がりと分析されています。神奈川は、夜間の人流もじわっと増えているし、新規感染者や実効再生産数も増えています。神奈川版緊急事態宣言を出すと知事が表明してから人の流れは少しだけ減っているのですが、それほど下がってはいません。「人の流れは感染者の増加と直接関係ない」という人もいますが、確かに人の流れと感染者数はほぼ一致しています。千葉は少し下がっています。埼玉は日中の人の流れは減っていますが、夜は上がっています。そして実行再生産数も新規感染者報告数も急増しています。昨日(20日)埼玉の会議に出たところ、感染経路として飲食店・会食が再びじわっと増えているとの状況が示されました。東京で感染した人が自宅のある埼玉で感染を広げているというパターンです。データを見てみると、京浜東北線や東武東上線など東京とつながる沿線沿いで見事に増えています。
――各自治体で微妙に傾向が違いますね。
そうです。例えば、北海道の新規感染者は一度大きく下がった後に、最近また増えています。道知事はじめ関係者はピリピリしていると思います。そして、人の流れも高止まりで、下がっているとはとてもいえない状況です。22日から4連休がありますが、沖縄や北海道はこれまで必ず連休などの後に新規感染者数が上がっています。観光客の影響はあると言えるでしょう。観光地としてはお気の毒ですが、道外の人に来てもらいたいけれど、来てもらいたくない、というジレンマを抱えていると思います。
――東京は期待が持てるかもしれないということでしたが、医療はもち堪えられるでしょうか?
この春の大阪も、みんなが「これはまずい」と思った時から少し遅れて医療が逼迫しました。東京は今、その警戒感と緊張感がある時期です。
――東京の医師たちのSNSでのつぶやきを聞いていると、徐々に医療が逼迫してきたという声が増えています。
第一線で働く現場の医師の感覚は一番重要です。「逼迫」と「忙しい」は違うのですね。「逼迫」とはコロナの患者を診ているところだけが忙しいのではありません。病院全体として普通の患者さんを受け入れられない、あるいは病院外で地域の入院の調整を行っている担当者が、あちこちに入院先を問い合わせても引受先がなくなってきているという状況です。たとえば病床が10床空いている時に、2床ずつ5日間にわたって入院を受け入れている状況なら問題はないのですが、そこに5人急に入ると、たとえ空床があったとしても人手にいっぺんに負担がかかり、緊張は高まり、逼迫感が出てくると思います。また、病棟は3床空いていたとしても、人工呼吸器を管理できるスタッフは7床にかかりきり、などという状況も逼迫感につながります。一般の人は「逼迫」というと病棟パンパンに患者さんがいることを思い描くでしょうけれど、そうではないし、数字だけでのことではないのです。幸いに致死率は以前より改善してきています。対処法や治療法が進んできて、高齢者の患者数が少なくなっているからです。高齢者のワクチン接種が進んで、高齢の患者が減ってきていること、高齢者施設でのクラスターが減少していることなどが理由だと考えられます。そうなると、患者さんの命が危険になることは減ってきています。これはとても良いことです。しかし、今度は別の負担が増えてきます。ある知り合いの医師が少し前の会議の最中に「これからECMO(体外式膜型人工肺)を2人の患者で回さないといけないので」と途中で会議を離れられましたが、20代と50代の患者さんでした。それ自体ももちろん大変なことなのですが、何より20代と50代だと、医療現場も「絶対に助けなければならない」というプレッシャーが強くなります。年齢によって手を抜くというわけではありませんが、70代、80代を治療する時とは意識が違ってくると思います。このように人数だけでは測れない負担の重さがあります。「治せる」ということ自体は良いことなのですが、かなりの手をかけて何とか治せそうな人が10床の病棟に10人入ったら、医療者の肉体的心理的負担は重くなります。そして、感染者が大きく増えてくると、高齢者に比べて割合が少ないとしても、重症、中等症者の絶対数も増えます。
――病床が足りなくなるというデータは見えていないですか?
現時点での首都圏では数字としてはまだなんとかなっていると思います。
――年齢層が若返ったことによる負担感の強まりがあるということですね。
40代、50代を中心に重症者の中で若い人の総数が増えているわけで、一人にかける治療の懸命さがそれは違ってくる。お年寄りは尊厳をもって見送ることも医師の仕事のうちになります。僕は小児科で長いあいだ診療をやっていましたが、子どもの患者を諦めるということはほとんどありませんでした。患者が若返っている今の新型コロナの医療は、今まで以上に「救う治療」、より「できる限りの手を尽くす医療」になるでしょう。
――そんな状況の中で、東京で人の流れが減っているのは、心配されていた最後の切り札「緊急事態宣言」の効果が現れているということでしょうか?
天気のせいかもしれない、夏休みのせいかもしれません。しかし多くの人の「このままではやばいかも......」という気持ちが反映されているのであってほしいと思います。いま、感染リスクが高いとされている若い世代は、重症になればどのような光景になるかということは、テレビのニュースで見るぐらいで、現実感がないと思います。怖くはあるけれど、現実に自分に起こり得ることとは考えられないと思います。しかも、今、感染者数が多くなっているとはいえ、インフルエンザのようにすぐそばにいる人が次々とかかるような状況ではないので、「自分もかかるかもしれない」という危機意識は少ないでしょう。でも、「東京の新規感染者数が1000人を超えて2000人に届きそうだ」という数字を見れば、「これはこのままではまずい」と思うことがあるのではないでしょうか?ニュース番組で繁華街に遊びにきている人のインタビューを見ていると、「みんな遊びにきているからいいと思いました」などと言っていますが、心の中ではどこか少しまずいかなと思っている部分があるように見えます。それが現実的に数字が上がってくると、「これはさすがにまずい」という意識を強める人が増えてくるのではないかと思います。もちろんそれに反発する人もいるでしょうけれど。
――アドバイザリーボードの西浦博先生、古瀬祐気先生の予測はかなり悲観的でしたが、最後の切り札の削減効果は出ていると考えてよろしいですか?
僕は期待したい。不安になることも、不信感を持つ必要もないけれど、自分や大切な人を守るために警戒感は持ってもらいたいわけです。僕はまだ人の自然な善意や良識を期待したい。
――しかし、今日(21日)から東京五輪の予選競技が始まり、明日(22日)から4連休が始まり、23日には東京五輪の開幕式もあります。テレビも新聞も五輪モードになってきました。この空気が感染対策に与える影響をどう見ていますか?
テレビは様変わりしていますね。新聞もすっかり五輪紙面になっています。
――4連休だからでしょうけれども、今日の夜から旅行に出かける人で満席の航空便も多いです。効果が出始めるか、というところで、五輪開催、連休、夏休みと人の動きを促すイベントが目白押しです。
それは常々言っているように、動くこと自体は止められないですが、空いている所に空いている時間に行ってほしいのです。2020年のお花見の時期に言ったことと一緒ですね。家族だけで人の少ないところに行くならば、感染のリスクは下げられる。「お花見」は楽しめる。お墓参りも静かにできる。要は、みんなで集まってつるまないでくれと言いたいのですね。この1年半、みんなこの感染症についてよく学んできましたから、安全に楽しむ方法はわかってきているはずです。それが昨年と大きく違うところです。
――東京五輪について改めて聞きます。残念ながら感染者がかなり増えて、医療が逼迫する事態になったら、始まっても中止すべきという考えに変わりはないですか?
それは選択肢の中に入れるべきだと思います。その選択肢は全くないとすべきではない。本当に中止するかどうかは、大会運営上の問題など色々な問題があると思いますし、判断には色々な要素が絡むと思います。でも医療に携わる者からすれば、その選択は常にあるべきです。
――始まったからと言って、感染状況が悪化しているのになし崩しに終わりまで続けるということはあってはならないということですね。
でもそれは逆もあり得るのです。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が「感染状況が改善したら観客を入れてくれ」と言いましたね。あれも、「感染状況がよくなれば、そうできるといいですね」と答えてもいい。そこからチケットを売ったりしなければいけないでしょうから、運営上は有観客に切り替えるのは難しいかもしれませんね。ただ、それは同時に増え過ぎたら中止も考えなければいけないということです。バッハ会長がどういうニュアンスで言ったか、英文でのスピーチを見ていないのでわかりません。「I hope(〜が望ましい)」と言ったのか、「It should be(〜すべきだ)」と言ったのかでもかなり違うと思います。感染症とマスギャザリング(大勢が集まること)の関係に長くかかわってきた者として、「感染症が国内で大流行し深刻なダメージが生じる(生じそうな)状況では、マスギャザリングの中止も事前に念頭に置いておくべきだ」という考えは変わりません。
――とは言え、緊急事態宣言中に開催するわけですね。
重症者の発生が急増し、医療がこれを支えきれなくなるような状態では、中止という選択を取らざるを得ないと思います。 ・・・ 

●ベトナム、主要3都市で外出制限 コロナ感染拡大、連日5000人規模 7/23
ベトナム政府は、4月下旬に再燃した新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ハノイ、ホーチミン、ダナンの主要3都市に、市民の外出制限措置を導入した。昨年からの感染者は累計7万人を超え、死者は約370人。政府は厳格な制限措置で流行を抑え込みたい考えだが、1日当たりの新規感染者は連日5000人前後に達し、収束の兆しは見えていない。
ホーチミンでは今月9日、不要不急の外出を禁止し、違反者に罰金を科すなど厳しい規制が始まった。19日にはホーチミンを含めた南部のほぼ全域に適用範囲が拡大された。
工場の操業は、敷地内に寝泊まりするスペースを用意して労働者を合宿させるか、近隣に確保したホテルに労働者を宿泊させ、専用車両で工場との間を輸送することを条件とした。対応できない工場は、操業休止となった。
北部に位置する首都ハノイでは19日、不要不急の外出を避け、自宅にとどまるよう市民に要請。事務所に通勤する人は、全従業員の半数に抑えることになった。中部のダナンでも22日、市民に買い物や職場への出勤などを除いて外出自粛を求め、タクシーや公共交通機関が運休となった。
比較的早い段階から新型コロナを封じ込めてきたベトナムだが、ロン保健相は今回の流行について、「これまでより長期にわたり、一段と深刻な影響を及ぼす」と懸念。感染力の強いインド由来のデルタ株の広がりに強い危機感を示しており、厳格な制限措置とともにワクチン接種を急ぐ考えを強調している。

●新型コロナ感染拡大の南部から出稼ぎ労働者たちが脱出 7/23
出稼ぎ労働者が全国で最多の商都ホーチミン市だが、4月末から広がった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の国内第4波の影響により、経済活動が深刻なダメージを受けて雇用状況も悪化している。
工場の操業停止や各種営業施設の閉鎖により失業を余儀なくされた多くの人々が、公共交通機関の運行停止を含む厳しいロックダウン(都市封鎖)が始まったことをきっかけに、この地を脱出して故郷に向かう光景が各地で見られる。
中には、貧しいためバイクがなく、徒歩や自転車で帰省を試みる人々の姿もある。最近、ある一家が自転車2台に乗って、出稼ぎ先の東南部地方ドンナイ省から、約1300kmも離れた北中部地方ゲアン省に向かっている様子が紹介され、国民から同情の声があがっていた。
ボー・タイン・ビンさん(男性・28歳)は、母親(51歳)、姉(30歳)、姪(12歳)の一家4人で5年前にドンナイ省チャンボム郡に移り住み、工場労働者として生計を立てていた。しかし、新型コロナの影響で今年4月から全員が失業。
7月9日にドンナイ省がロックダウンされることが決まり、一家はその夜帰省を決意した。手持ちのお金は僅かで、バイクもないが、「ここから脱出しないと、もう生きていけない」と感じたビンさんは自転車での帰省を開始。ビンさんが母を、姉が姪っ子をそれぞれ自転車の後ろに乗せて北へ北へと進んだ。
一家は出発から10日後の昼、ドンナイ省から約300km離れた南中部沿岸地方ニントゥアン省ニンフオック郡フオックザン町の検問所で呼び止められた。事情を聞いた検問所のスタッフは一様に同情し、お金を出し合って一家のために食品や飲料を購入。さらに、インターネットで一家の支援を呼び掛けた。
すると、投稿を読んだ人々から多くの寄付金が集まった。同日午後には地元住民に同省ファンラン市タップチャム駅まで送ってもらい、列車で故郷に向けて出発し21日に到着した。あのまま自転車で北進を続けていたら、あと40日はかかるところを大幅に時間短縮できたことになる。
ビンさんは、「1日約30kmずつ進んでいた。旅の途中で多くの人々から食べ物をおすそ分けしてもらった。検問所では担当者に配慮してもらい、通行を認めてもらった。私たちには自転車があったが、リュックサックを背負って長距離を歩いて帰省する人々もいた。私たち家族は恵まれている」と、感謝の気持ちを述べた。
また11日には、労働者47人が南中部沿岸地方カインホア省を出発し、徒歩で約400km離れた同地方クアンガイ省に向かった。一行は出発地から約50km進んだニンホア村で保護され、通報を受けたカインホア省軍事指揮部が車両を動員して、一行を故郷まで送り届けた。

●韓国 感染拡大歯止めかからず ソウルなどの規制措置延長  7/23
韓国では新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、韓国政府は25日までとしていたソウルなど首都圏でとられている最も厳しいレベルの規制措置を、2週間延長すると発表しました。
韓国ではインドで確認された変異ウイルスのデルタ株が広がりを見せていて、ソウルなどの首都圏で、会食などの私的な会合を午後6時以降、2人までに制限するなど、最も厳しいレベルの規制措置がとられています。
しかし、22日の感染者は全国で1630人と、これまでで3番目に多くなり、感染拡大に歯止めがかかっていません。
地域別で見ると、首都ソウルが520人、隣接するキョンギ(京畿)道が415人など、全体の63%が首都圏に集中しています。
このため韓国政府は23日に開かれた対策会議で、25日までとしていた首都圏の規制措置をさらに2週間延長することを決めました。
政府は延長の期間内で感染拡大のスピードを抑えたいとしていますが、今後も広がり続ける場合、規制のさらなる強化を検討するとしています。
チョン・ヘチョル行政安全相は「感染拡大の勢いを抑えるためには私的な会合や移動を減らすほかない。夏の休暇時期で感染の拡大が大きく懸念される」と述べて、感染対策措置の徹底を呼びかけました。

●新型コロナ感染再拡大、ユーロ圏景気回復のリスク=ECB総裁 7/23
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は22日、新型コロナウイルス感染再拡大がユーロ圏の景気回復に対するリスクになる恐れがあると懸念を示した。
ECBはこの日に開いた理事会で、政策金利の据え置きを決定すると同時に、一段と長期的な支援の可能性も示唆した。
ラガルド総裁は理事会後の記者会見で、ECBは経済に対するリスクは「おおむね均衡している」との見方を変えていないとしながらも、見通しは引き続き、感染状況のほか、ワクチン接種の進展に依存していると指摘。「経済の大きな部分の活動が再開されたことで、サービス部門の力強い回復が支援されている。ただ、新型コロナのデルタ変異株の感染拡大で、観光業と接客業を中心にサービス部門の回復が鈍化する恐れがある」と懸念を示した。
その上で、ECBが6月に公表したスタッフ予想は、感染拡大抑制措置の一部が第3、第4・四半期まで継続されるとの見通しに基づいていたと述べた。
欧州でも感染力が強いデルタ変異株が主流になりつつあり、ワクチン接種率が比較的高い国でも感染が再拡大している。
 

 

●北海道 118人感染 7月6回目の3ケタ…「緊急事態」解除後2番目に並ぶ  7/24
北海道内で7月24日、新たに新型コロナウイルスの感染者が118人確認されました。100人を超えるのは2日ぶりで、21日連続で前週の同じ曜日を上回りました。7月2番目に並ぶ数となりました。
死者は3日ぶりに確認されていません。感染者は札幌市88人、北海道発表分26人、旭川市4人です。
北海道全体で1週間前の土曜日111人から7人(+約6%)増加しました。「まん延防止等重点措置」の解除から13日目。21日続けて前週を上回り、7月に入って100人を超えるのは6回目。増加傾向が顕著になっています。
北海道全体の使用病床数は7月23日で327床と前日から25床増え、北海道独自の警戒ステージ4の目安「350床」に近づいてきています。
感染力が強いとされるインド型の変異ウイルス・デルタ株疑いは、北海道発表分で1人、札幌市発表分で5人確認され、計6人となりました。
これで北海道内では「感染」と「疑い」計312人となりました。
政府は「緊急事態宣言」を東京都に4度目の発令、沖縄県を延長し、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府の「まん延防止等重点措置」を延長。北海道、愛知県、京都府、兵庫県、福岡県は12日に解除しました。
北海道は12日から8月22日までを「夏の再拡大防止特別対策」期間とし、「まん延防止等重点措置」の適用を20日に要請。札幌市の「不要不急の外出自粛」、札幌市との「往来自粛」、飲食店には午後9時までの時短要請をし、酒類の提供は一定の要件を満たした場合に午後8時までとする要請をしています。
北海道内の感染者は、計42912人となりました。

●東京の感染者数、過去最多に近づく 第3波と異なる事情 7/24
新型コロナウイルスの感染急拡大が続く東京都で、過去最多だった冬の第3波を間もなく超える可能性が出てきている。感染者数は当時に近づきつつあるが、感染状況や医療提供体制では大きく異なる点が少なくない。1日あたりの新規感染者数が約半年ぶりに2千人に迫った7月22日と、過去最多の2520人の感染が確認された1月7日の状況を比べてみた。
「まさに、状況は危機的であって極めて深刻」
1月7日夜の臨時会見。小池百合子知事は、コロナ禍における現状をそう表現した。政府はこの日、首都圏1都3県に2度目となる緊急事態宣言を発出。前日の6日に都内で確認された感染者数は1640人で、これまでの過去最多を287人上回った。それだけでも驚異的だったのに、翌7日には一気に2520人まで跳ね上がった。
ただ、感染者数の跳ね上がり方以上に危機的な状況に直面していた。
1月7日の感染者2520人のうち、65歳以上の高齢者は264人(速報値)。1979人の感染が確認された7月22日の66人を大きく上回る。当時、重症化しやすい高齢者のワクチン接種はまだ始まっておらず、高齢者への感染が広がれば広がるほど、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)が強まる危険性があった。
実際に1月7日時点での重症患者数は121人と、7月22日時点の65人のほぼ2倍だ。入院患者数も1月7日が3154人に上り、7月22日の2544人を大きく上回る。一方で、確保していたコロナ患者用の病床は当時4千床で、現在の5976床を大きく下回っており、コロナ禍最大の医療危機が迫っていた。
ほかにも懸念材料はあった。自宅療養者だ。1月7日時点で5319人に達し、1カ月前の4・7倍に急増。入院先を調整している間に亡くなった人も相次ぎ、厚生労働省によると、昨年12月からの約2カ月間で、都内で計8人が自宅療養中に亡くなっていた。
自宅療養者は第5波の今回も1月7日並みに高まりつつある。7月22日時点で4512人に上り、1週間前よりも2375人増加。入院に至らない若者らの感染が多いことも背景にあるが、自宅療養者の体調管理が大きな課題になってくる。
都医師会の猪口正孝副会長は「療養者のフォローアップ体制をさらに強化し、できる限り自宅療養中の重症化を防ぐ必要がある」と指摘した上で、病床の逼迫についてもこう懸念する。
「感染者が第3波を超えるような状態になってくると、入院患者数は第3波を簡単に超えてくるだろう」

●新型コロナ、全国で4215人の感染を確認 7/24
新型コロナウイルスについて、全国できのう新たに4215人の感染が確認されました。
感染の拡大が続く東京都では、きのう新たに1359人の感染が発表されました。1日の感染発表が1000人を超えるのは4日連続で、34日連続で前の週の同じ曜日を上回りました。年代別では20代が492人と最も多く、20代と30代で半数以上を占めています。
また、神奈川県で652人、埼玉県で401人、大阪府で379人の感染が発表されています。
全国の重症者は前の日から39人増えて431人でした。また、8人の死亡が発表されています。

●迫る東京の医療崩壊…都の在宅患者は1カ月で6233人増! 7/24
東京都の23日の新型コロナウイルス新規感染者数は1359人。4日連続で1000人を超えた。感染急拡大に伴い、患者(入院、宿泊療養、自宅療養、入院・療養等調整中)も急増している。6月23日は3552人だったが、23日は1万1957人。1カ月で3倍超、8405人も増えている。このうち、入院中は2558人に過ぎず、在宅患者が7641人(自宅療養5172人、調整中2469人)と、1カ月で6233人も増えている。
在宅患者が増えるのは、入院しづらくなっているからだ。政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は21日、「入院調整で困っている人、自宅で(療養して)いる人も増えている」と発言。世田谷区広報もきのう、〈病院やホテルの確保がもはや困難になっている〉とツイッターで区民に注意喚起した。
このままでは過去最悪の医療崩壊を招きかねない。
第3波に襲われた1月、新規感染者数は過去最多の2520人を記録。患者数は2万人に迫り、在宅患者数は1万5000人に上った。このため、必要な医療を受けられない事態に陥ってしまった。警察庁によると、1月の陽性者の自宅死は都内が14人で全国最多だった。自宅で倒れ、今月17日に病院で死亡した都内の40代男性は、死亡後検査で陽性だった。
足元では1日1000人ペースで患者が増えている。アッという間に第3波水準だ。都は第3波時と比べて病床を約2400床増やし、現在は6406床を確保している。23日時点の病床使用率は39.9%(2558人/6406床)とステージ3(感染急増)にとどまっているが、ステージ4(爆発的感染拡大)まで10ポイントほどしか余裕はない。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)は言う。
「第3波では、1月後半以降は人流増加につながるイベントが少ないこともあって、感染者数は減少し、医療提供体制の逼迫も解消されました。今回は、夏休みや五輪が重なり、人の動きは活発になる。感染力が強いインド株(デルタ株)が流行の主流化している。第3波以上の深刻な事態も考えられます」
菅首相は「国民の命と健康を守れなければ、(東京五輪を)やらないのは当然だ」と明言していたが、医療崩壊が起きたら、「五輪中止」を本当に決断する覚悟があるのか。

●都内 新型コロナ 1128人感染 1000人超は5日連続 7/24
東京都では、24日、都内で新たに1128人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。1週間前の土曜日よりは282人減ったものの、1日に1000人を超えるのはこれで5日連続です。重症患者は74人で、70人を超えるのは先月2日以来となっています。
東京都は、24日、都内で新たに10歳未満から90代までの男女あわせて1128人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1週間前の土曜日より282人減ったものの、1日に1000人を超えるのはこれで5日連続となります。24日までの7日間平均は、1345.7人で、前の週の133%となり、感染の急拡大が続いています。24日の1128人の年代別は10歳未満が60人、10代が96人、20代が380人、30代が251人、40代が167人、50代が115人、60代が34人、70代が16人、80代が7人、90代が2人です。これで都内で感染が確認されたのは19万7528人になりました。
一方、都の基準で集計したきょう時点の重症の患者は23日より6人増えて74人でした。重症患者は今週に入って増加傾向が続いていて、70人を超えるのは先月2日以来です。24日は死亡した人の発表はなく、都内で感染して死亡した人は2277人のままです。

●全国高校野球神奈川大会 東海大相模選手コロナ感染 出場辞退 7/24
ことしのセンバツ高校野球で優勝した相模原市の東海大相模高校が、現在行われている夏の全国高校野球神奈川大会の登録メンバーに、新型コロナウイルスへの感染が確認された人が出たとして、準々決勝まで進んでいた県大会への出場を辞退したことが分かりました。
これは24日、神奈川県高等学校野球連盟が明らかにしました。それによりますと、東海大相模高校から、登録メンバーのうち、17人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたため、野球部の活動が禁止になったとして、出場を辞退する申し出があったということです。これにより、24日に予定されていた全国高校野球神奈川大会準々決勝で、東海大相模高校と対戦する予定だった藤沢翔陵高校は不戦勝となりました。東海大相模高校は、相模原市にある私立高校で、昭和38年の開校と同時に野球部も創部され、夏の甲子園では2回の優勝を果たしているほか、センバツ大会でも平成12年と平成23年に続き、ことしの春も優勝していて、春夏連覇への期待がかかっていました。
東海大相模高校によりますと、21日、野球部の寮で生活していた部員1人が体調不良を訴え、22日にPCR検査を受けたところ、新型コロナウイルスへの感染が確認されたということです。これを受けて23日、寮生を中心に40人余りについて検査したところ、新たに部員20人と教員1人のあわせて21人の感染が確認され、このうち17人は、夏の全国高校野球神奈川大会の登録メンバーでした。感染経路はまだわかっていないということですが、学校では今後、寮生以外の部員についても検査を進めていくことにしています。
ことしの春も含め、これまでに4度の甲子園優勝を果たし、この夏での退任を表明している門馬敬治監督は「大会を辞退することになり、関係者の皆様に深くおわび申し上げます。保健所と連絡を取りながら、生徒への対応を最優先に、感染拡大を防ぐことに全力を注いでいます」とコメントしています。
東海大相模高校野球部となじみの深い地元の寿司店からは、突然の大会辞退を悲しむ声が聞かれました。学校の近くにある寿司店「六ちゃん」は野球部員には通常の3倍の量の海鮮丼を特別な価格で提供するなど、長年、部を応援してきました。この夏で退任する門馬敬治監督も高校生のころから常連の1人だということで、店主の紅林秋男さんは、けさも、氷70キロを持って学校に差し入れにいったということです。しかし、選手が誰もおらず、おかしいと思っていたところ、出場の辞退を知ったということです。紅林さんは「ショックで頭が真っ白になり、監督や選手のことを思うと、かわいそうでつらい。試合に負けたのではなく、コロナに負けてしまったので、こんな終わり方はない。コロナは本当に人生をむちゃくちゃにするつくづく恐ろしいものだ」と心を痛めていました。 

●協力金、本当に「先払い」? ちぐはぐ対応、飲食店憤り―東京 7/24
新型コロナウイルスの感染再拡大により4度目の緊急事態宣言が出ている東京都内では、宣言が発令された7月12日以降、営業時間短縮要請などに応じる飲食店に対し、協力金を速やかに支給する「先払い」制度が導入された。ところが、この支給を急ぐあまり、5、6月分の申請受け付けが後回しになる事態が生じている。飲食店からは「子供だましだ」と怒りの声が上がっている。
先払い制度は、長引く休業や時短要請で苦境が続く飲食店への協力金支給が遅いとの批判を受け、今回の緊急事態宣言発令に先立ち政府が導入を決定。誓約書の提出を条件に、先払い分として日額4万円を一律支給し、足りない場合は審査を経て追加支給する。速やかな支給により、要請を拒む飲食店をなくしていくのが狙いだ。
これを受け、都は宣言が発令された7月12日〜8月8日分の協力金について、申請期間をこれまでより2カ月程度前倒しし、7月19日から受け付けを開始した。しかし、この作業を優先するため、5月12日〜6月20日分の申請開始日は当初予定していた7月15日から同26日に延期。6月21日〜7月11日分については、いつから申請を受け付けるかすら決まっておらず、先払い制度によって逆転現象が生じた格好だ。
都はこれまで、申請システムの改善や人員増により、申請書の受理後、平均約5日後には支給できる態勢を構築。ただ「複数の協力金の申請期間が重なると、事業者側も混乱し、結果的に支給の遅れにつながる」と釈明する。
これに対し、都の休業要請に応じている中野区の居酒屋経営者は「これまでの協力金も出ていないのに、まるで子供だましではないか」と批判。「酒を提供しているのに協力金を受け取っている店もある。矛盾を正してほしい」と憤った。

●都職員が不要不急の外出自粛呼びかけ 若者からは… 7/24
東京オリンピックが開幕し、人出の増加が懸念されるなか、都の職員が不要不急の外出を自粛するよう呼びかけを行いました。若者からは「人出が減らないのは気が緩んでいるからではないか」とか、「オリンピックはやるのに外出を控えてほしいというのは筋が違うと思う」といった声も聞かれました。
開催都市の東京都に緊急事態宣言が出されるなかオリンピックは開幕しましたが、都内では感染拡大が続いています。
オリンピックは都内の会場では無観客ですが、23日夜の開会式では国立競技場の周辺に大勢の人が訪れたり、24日も競技を見る人が沿道に多く集まったりするなど、人出の増加が懸念されています。
こうしたなか、都の職員などが24日午後、東京・表参道で不要不急の外出を自粛するよう道行く若者などに呼びかけました。
職員たちは「変異ウイルスが流行している。味覚の異常や脱毛などの後遺症に苦しんでいる人も多くいる」と訴えていました。
部活動の帰りだという女子高校生は、「なかなか人出が減らないのは緊急事態宣言が出ていても気が緩んでいるからではないか」と話していました。
また、感染対策のためしばらく会食を控えているという25歳の会社員の男性は「髪を切る目的で出てきたがもう帰る。オリンピックはやるのに一般の人は外出を控えてほしいというのは筋が違う。大会があるとお祭り騒ぎになり気が緩むのではないか」と話していました。

●東京都の1週間の新規感染者が1万人目前 1日平均は1345人に 7/24
東京都福祉保健局ウェブサイト発表の速報値を独自集計した結果によると、日曜日からの1週間(7月18日〜24日)で確認された東京都の新型コロナウイルス新規感染者は計9420人でした。計7084人だった前週(7月11〜17日)との比較では133%となりました。
今週、最も感染者の確認数が多かったのは木曜の1979人。次いで水曜の1832人、火曜の1387人と続きました。1日平均は1345.7人で、前週(計7084人/平均1012人)との比較では133%と4週連続で増加しました。
東京都は12日から4度目の緊急事態宣言が発令中。また23日、東京2020オリンピックが開幕しました。感染拡大が続いています。引き続き、感染対策を徹底しましょう。

●郡山の酒類提供飲食店に営業時間短縮要請 7月26日から福島県 7/24
福島県郡山市での新型コロナウイルス感染拡大に歯止めが掛からない状況を受け、福島県県は同市にある酒類などを提供する飲食店に対し、26日から8月16日まで、新型コロナ対応の改正特別措置法に基づく営業時間の短縮を要請する。24日、県庁で県新型コロナ対策本部員会議を開き、郡山市での集中対策を決定した。同市はJR東北新幹線や東北自動車道がある交通の要衝で、県は感染者が増加傾向にある首都圏からの影響を受ける可能性が高いと判断し、より強い対策に乗り出す。
時短要請の対象はスナックなどの接待を伴う飲食店、居酒屋などの酒類を提供する飲食店でカラオケ店などを含む。県は約1450店舗が対象とみている。要請に応じた店舗に協力金を支給する。前年度か前々年度の1日当たりの売上高から算定し、1日当たり中小企業は2万5000円から7万5000円まで、大企業は最大20万円を支給する。国の地方創生臨時交付金を財源とする方向で調整する。期間前でも営業時間を短縮した場合は交付し、休業する場合も対象とする。
郡山市民には26日から8月15日まで、不要不急の外出自粛を求める。同市以外の県民には引き続き、基本的な感染対策の徹底、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象など感染拡大地域との不要不急の往来自粛などを呼び掛ける。
郡山市では7月に入り、新型コロナのクラスター(感染者集団)が4件発生。人口10万人当たりの直近1週間(17日〜23日)の新規感染者数は18・38人で、政府の分科会が示すステージ3(感染急増)の指標「15人」を上回っている。品川萬里市長が24日、内堀雅雄知事に対策を要請した。
内堀知事は対策本部員会議終了後の記者会見で、首都圏からの感染拡大の影響に加え、感染力の強い変異株「デルタ株」の可能性が高い「L452R」の確認が県内で相次いでいる点を踏まえ「感染拡大を早く沈静化させ、感染防止と地域経済の維持・再生を両立させたい」と対策への協力を求めた。
県内では郡山市の他、南相馬市にある酒類などを提供する飲食店に対し県が営業時間の短縮を8月1日まで要請している。

●「お家芸」柔道は金・銀で発進…コロナに振り回された「内定」選手たち 7/24
東京オリンピックは24日に日本の「お家芸」柔道が始まり、男子60キロ級の高藤直寿が金、女子48キロ級の渡名喜風南が銀と、2つのメダルを獲得した。
柔道を統括する全日本柔道連盟(全柔連)は、オリンピックの1年延期という事態に直面し、内定選手の扱いに最も苦慮した競技団体の一つだ。
新型コロナウイルス感染拡大が深刻化する直前の2020年2月27日、14階級のうち内定していた13階級の選手のお披露目記者会見を行った。残る男子66キロ級は4月の全日本選抜体重別選手権(福岡)に阿部一二三と丸山城志郎が出場し、すべての選手が決まるはずだった。だが3月下旬、オリンピックは1年延期になった。
体重別選手権も延期となり、内定選手をどう扱うかという議論を始めた矢先の4月には、全柔連内で職員が次々にコロナ感染して事務局が機能不全となり、66キロ級の決定と代表内定者の扱いは宙に浮いた形となった。
強化委員会では「内定維持」派と「内定白紙」派との議論が出て、結論は出なかった。時間をかけたチームワークの醸成やアスリートの経験値が重視されることもある競技とは性格が異なるのが、個人の格闘技だ。その時点で一番強い選手を代表に、という考えは正論でもあった。
内定白紙の可能性も排除されないと知らされた選手からは、いら立ちの声も出た。男子60キロ級で内定していた高藤直寿は当時、自身のツイッターでこうつぶやいていた。
「代表選考やり直しとかなったら流石に無理。単純に一度決まった選手と決められなかった選手が試合するのはメンタル面でアンフェアだし。先に内定もらったのが不利になるのはおかしい」
陸上のマラソンや水泳など他の主要競技では、早い時期に内定選手の維持を打ち出したが、柔道が内定白紙もやむなしと考えた背景には、この競技が持つ特殊な事情があった。
男子が初めて男子の正式種目となった1964年東京大会以来、参加したすべてのオリンピック夏季大会で金メダルを積み上げてきた歴史がある。「お家芸」との枕詞がつきまとい、金以外はメダルではないと公然と言い切る風土がある。
全柔連の「強化システムに関する内規」では、その最初の「目的」の項でこう書かれている。
「オリンピックと世界選手権で金メダルを獲得すること」「全階級でメダル、その内複数の金メダルを獲得すること」「日本を代表し金メダルを獲得できる可能性のある選手を選考する」とにかく「金メダル」という言葉が並ぶ。
五輪代表選手の選考基準として直近2年間の大会の成績や内容がポイント化され、選考資料となる。2020年夏という前提が崩れた時、内定の扱いの判断は難しかった。
結局、全柔連は2020年5月、コロナ禍で大会が開けない状況などを加味して、すでに決まっている13階級の選手を変更しないことを決定。男子66キロ級は同年12月の決定戦で阿部が丸山を破って決着した。
「自分の弱さが最後に出た」と涙ぐんだ渡名喜。「みんなに支えてもらった結果です。開催していただいたおかげです」と金メダルの高藤。
長い時間を待ち続けた選手たちのオリンピックが幕を開けた。

●島根県、5日間で計71人感染 24日は7人、新型コロナ 7/24
島根県は24日、新たに7人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。居住地は出雲、雲南両市各3人、益田市1人。この5日間の感染発表は計71人となっている。
県感染症対策室によると、出雲市の1人を除き、6人はいずれもこれまでの感染者と接触があり、関連の検査で判明したという。雲南市の2人、出雲、益田両市の各1人は1回目の検査で陰性だったが、発熱などの症状が出たため2回目の検査で陽性が確認された。
感染者との接触が確認されていない出雲市の1人は、7日以降に感染拡大地域の県外へ移動していたという。21日に38度台の発熱があり、23日に医療機関を受診して陽性が分かった。全員が軽症で、不特定多数との接触はないという。
県内での感染確認は12日連続で、7月の感染発表は計109人となった。24日午前10時時点で入院者は98人で、確保病床(324床)の使用率は30・2%となっている。重症者はいない。県は感染状況について、「県内で広域的に発生しているが、接触者を幅広く検査して感染拡大を封じ込めている段階」とし、引き続き検査を進めていくとしている。

●米でコロナ感染拡大再び 一部州でワクチン接種加速 7/24
米国で新型コロナウイルスの感染が再び拡大している。新規感染に占めるインド型(デルタ型)の割合は8割を超え、17日連続で感染者が増えた。ワクチン接種が遅れる一部の州では感染拡大に危機感が高まり、接種ペースが上昇している。
米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、22日の新規感染者数は約5万5000人。ブラジルやインドネシア、英国を上回り世界最多だった。7日移動平均では約4万4000人となり17日連続で増加した。
背景にはデルタ型の急速な広がりと、ワクチン接種割合が低い地域での感染拡大がある。米疾病対策センター(CDC)のワレンスキー所長はデルタ型が「信じられないほどの早さで広がっている」と指摘する。デルタ型が9割を超える地域もあるという。
英オックスフォード大の研究者らがつくる「アワー・ワールド・イン・データ」などによると、少なくとも1回接種を受けた人の割合は全米で56%。最も割合が低い南部ミシシッピ州(38%)を含め、南部や中西部など約30州が全米平均を下回る。
感染拡大は接種が遅れる地域で目立つ。ミシシッピ州は22日、新規感染者数が約1200人と1週間前に比べ2倍に増えた。同テキサス州(50%)や同アーカンソー州(45%)も2倍、同アラバマ州(42%)は6割増となった。
「ワクチン未接種者の間でパンデミックが起きている」(ワレンスキー氏)という現状を受け、一部の州では接種ペースが上昇している。1日の接種回数(人口100人当たり)をみると、これまで相対的に遅れていたアーカンソー州やフロリダ州、ミズーリ州、ネバダ州、テキサス州などが全米平均を上回り始めた。
全米でみると、1日当たりのワクチン接種回数に下げ止まりの兆しが出ている。22日は7日移動平均で約53万回だった。7月中旬から1日50万回台のペースが続いている。
ワクチン接種に消極的な地域の多くは共和党の地盤に重なる。感染者数の急増を止めようと、共和党の首長や議員らも接種を呼びかけている。
「ワクチンは命を救っている」。フロリダ州のデサンティス知事は21日、ワクチンの効果を訴えた。州内の95%以上の入院患者は「完全に接種を終えていないか、未接種だ」とも語った。同氏は5月、州内の企業が顧客にワクチン証明を求めることを禁ずる法案に署名していた。
アーカンソー州のハッチンソン知事もワクチンの懸念を払拭するため、州内を回って説明会を開く。共和党のマコネル上院院内総務も20日、「できるだけ早く接種をしてほしい。そうでなければ秋にはまた昨年に経験したような状態に戻ってしまう」と訴えた。

●アメリカ 再びマスク着用義務化の動き「デルタ株」が急拡大  7/24
インドで確認された変異した新型コロナウイルスの感染が拡大しているアメリカでは、各地で再び、マスクの着用を義務化したり推奨したりする動きが出ています。
アメリカCDC=疾病対策センターによりますと、アメリカでは、インドで確認された変異ウイルスの「デルタ株」が急速に拡大し、感染例のおよそ83%を占めると推定されています。
22日に発表された1日に報告される感染者の数の7日間平均は、3万7674人と、前の週に比べ52.5%増え、入院した人は3521人で32.2%の増加となっています。
アメリカ政府はワクチンの接種が最も重要な対策だとして接種を呼びかけていますが、1日当たりの接種回数はピーク時のおよそ8分の1にまで減少し、接種率は伸び悩んでいます。
こうした中、西部カリフォルニア州のロサンゼルスでワクチンを接種した人も含めた屋内でのマスク着用が義務づけられるなど、追加の感染対策として、再び、マスクの着用を義務化したり、推奨したりする動きが相次いでいます。
CDCのガイドラインはワクチンの接種を終えた人は原則としてマスクの着用は必要ないとしていますが、アメリカの複数のメディアはバイデン政権がマスク着用の推奨について検討を始めたと伝えています。
CDCのワレンスキー所長は22日の会見で、現時点でガイドラインの変更は必要ないという考えを示しましたが、変異ウイルスが拡大する中、マスクの着用をめぐる議論が活発になっています。
インドで確認された変異したウイルスのデルタ株への感染が拡大する中、マスクの着用を再び義務づける動きが出てきていることについて、ロサンゼルスからニューヨークを訪れている男性は「後悔するより、安全を優先したほうがいいと思うので、ワクチンを接種した人にもマスクの着用を求めることには賛成です」と理解を示しました。
また、アイオワ州から最近、ニューヨークに移り住んだという男性は「デルタ株のことは心配です。ワクチンの接種は終えましたが、屋内ではいまでもマスクをつけるようにしています」と念を入れた対策をしていると話していました。

●韓国、コロナ新規感染者1629人…非首都圏にも拡大 7/24
韓国の中央防疫対策本部が24日0時を基準に一日の新型コロナウイルス新規感染者数を1629人、累計感染者数を18万7362人と明らかにした。
前日の新規感染者数(1630人)とほぼ同じで、2日連続で1600人台となった。一日の新規感染者数は7日(1212人)から18日連続で1000人台の4けた。新規感染者の感染経路は国内発生が1573人、海外からの入国が56人だった。
首都圏の感染拡大が続く中、最近は非首都圏でも感染者も増え、全国的な大流行に向かう可能性が高まっている。
 

 

●五輪警備の機動隊員、感染者は計6人に…共用の洗面所・トイレで感染か  7/25
警視庁は25日、東京五輪・パラリンピックの警備で派遣された兵庫県警機動隊の20〜30歳代の男性隊員2人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。24日にも4人の感染が判明しており、同隊の感染者は計6人となった。別の同僚隊員3人も簡易検査で陽性が確認されており、今後、医療機関で検査を受ける。
発表によると、6人はいずれも東京都府中市内の警察施設の同じフロアの個室に宿泊し、19日と22日に都内の競技会場で警備にあたっていた。共用の洗面所やトイレで感染が広がった可能性があるという。

●大会関係者で新たに10人陽性、選手は2人…計132人に  7/25
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は25日、ボートのオランダ選手と自転車のドイツ選手の2人を含め、新たに10人が新型コロナウイルス検査で陽性と判定されたと発表した。組織委は24日に公表したアスリートはエクアドルの選手で、国が既に公表していたとして同日の陽性判定者を16人に修正した。
組織委が7月1日以降に公表した大会関係者の陽性者は、計132人となった。

●札幌市 80人感染 3日連続80人以上 クラスター拡大 7/25
札幌市は7月25日、新たに新型コロナウイルスの感染者80(ほか再陽性2人)人を確認したと発表しました。
感染者は非公表含む10代から60代の80人(ほか再陽性2人)。82人だった前週の日曜日から2人減少ですが、3日連続で80人以上となっています。
感染力が強いとされるインド型変異ウイルス・デルタ株は「感染疑い」が新たに14人確認されました。
これで札幌市内でのデルタ株疑いは、計245人(うち8人確定)となりました。
1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は、「26.85人」と「緊急事態宣言」の目安となる「25人」を5日連続で上回り、増加しています。
使用病床数は7月24日時点ですぐに対応できる543床中151床で約28%と横ばいで、病院以外の宿泊療養施設や自宅待機者は24日時点で計587人と前日から33人増えています。
ススキノの接待を伴う飲食店、いわゆる"夜の街"関連は新たに1店舗3人が確認され、304店舗1148人となりました。
80人中、半数を超える46人の感染経路が不明で、重症者は前日と変わらず3人です。
政府は「緊急事態宣言」を東京都に4度目の発令、沖縄県を延長し、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府の「まん延防止等重点措置」を延長。北海道、愛知県、京都府、兵庫県、福岡県は12日に解除しました。
北海道は12日から8月22日までを「夏の再拡大防止特別対策」期間とするとともに20日に「まん延防止等重点措置」の適用を国に要請しました。
適用を前に22日から「感染リスクが回避できない場合」という条件を外し、札幌市の「外出自粛」や「札幌市との往来自粛」、札幌市の飲食店での「時短要請」継続、公共施設の原則休館など独自の対策に取り組んでいます。

●村井宮城県知事がサッカー有観客批判に猛反論 7/25
村井嘉浩宮城県知事が25日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」に生出演。東京五輪の無観客問題を巡るダブルスタンダード≠厳しく批判した。
東京五輪の観客問題については新型コロナウイルスの感染が拡大しているとして、東京の小池都知事ら開催地各県の知事が直前に無観客での実施を決定した。村井知事はこの流れに強く反発。「命を最優先するのは当然ですが、一番問題なのは他の競技と切り分けていること」と鋭く持論を展開した。
村井知事が指摘したのは有観客での試合開催が続くプロ野球との違いだ。東京五輪日本代表である侍ジャパンと国内球団の強化試合も、有観客で行われ続けている。
同知事は「宮城県で(プロ野球の)オールスターゲームがありました(7月17日=楽天生命)。仙台の中心部で1万5000人の人が集まって、しかもお酒が飲めたんですよね。今日も侍ジャパンの強化試合が仙台の中心部(楽天生命)で、仙台駅から2キロの距離でやっているわけです。これも、お酒が飲めるわけですよ。1万5000人集めて」と説明。続けて「これはいいんだけれども、(五輪のサッカー競技は)仙台から離れた利府という場所で行われる。5万人のスタジアムに3000人とか5000人しか入らない。お酒は飲まない。(それでも)『これはだめだ』という主張をされると、私はとても納得できない」ときっぱり言い切った。
その上で「オリンピックを楽しみにしている方も、野球を楽しみにしている方も同じ対応をされるべき。私は政治運動をされているように見えた、コアで動いている方たちが」と主催者の東京都や組織委、政府を暗に指して強い憤りを示した。
宮城県では同県・利府町の宮城スタジアムで東京五輪のサッカー競技が有観客で開幕している。隣県知事や各医師会は新型コロナウイルスの感染拡大を招くとして無観客を要望したが、村井知事はブレずに有観客での実施を判断。賛否両論が巻き起こっていた。

●「県民割」開始見通せず 福島県、コロナ感染再拡大で延期 7/25
内堀雅雄知事は24日の臨時記者会見で、県民が県内の旅館やホテルに宿泊する際の費用を補助する「県民割プラス」について、開始時期を見通せないとの認識を示した。
県は当初、今月14日にスタートする方針だったが、新型コロナウイルスの感染再拡大に伴って延期を決めた。南相馬市に加えて24日には郡山市での集中対策の実施を決めたほか、デルタ株も県内で拡大しつつあり、内堀知事は「発動させたい思いはあるが『今、いつから』とは言いづらい状況だ」と述べた。

●東海大相模17人コロナ感染で出場辞退…甲子園春夏連覇消えた 7/25
第103回全国高校野球選手権(8月9日から17日間、甲子園)の地方大会は24日、27大会で86試合が行われた。今春のセンバツで優勝した東海大相模は出場登録メンバー17人が新型コロナウイルスに感染したことを受け、神奈川大会への出場を辞退した。この日予定されていた藤沢翔陵との準々決勝は不戦敗となり、今夏限りで退任する門馬敬治監督(51)は思わぬ形でユニホームを脱ぐことになった。25日は25大会で65試合が行われる。
思わぬ形で、史上8校目の甲子園春夏連覇の夢が破れた。出場登録メンバー20人中、17人が新型コロナウイルスに感染。無念の出場辞退となった門馬監督は「このたびは本校野球部で新型コロナウイルス感染による多数の陽性者を発生させてしまいましたことを深くおわび申し上げます」と謝罪した。
学校によると、21日にベンチ入りする寮生1人が発熱による体調不良を訴え、病院では「熱中症の疑い」と診断された。自宅に戻った後、PCR検査を受診。藤嶺藤沢との5回戦に勝った22日の夕方に感染が確認された。23日に寮生36人がPCR検査を受け、同日夜に21人の陽性が確認された。指導者1人を含む、計22人の集団感染を受け、この日予定されていた藤沢翔陵との準々決勝を辞退。昨年から感染対策を徹底してきても、恐れる事態は起きてしまった。
センバツでは、今秋ドラフト候補に挙がるエース左腕の石田隼都(3年)を中心に10年ぶりの優勝を飾った。今夏の神奈川大会でも8強入りし、19年春から続く県内連勝記録を45に伸ばしていた。春夏合わせて4度の日本一に導き、今夏限りでの退任を表明していた門馬監督は見えない敵に「最後の夏」を突然奪われた形だ。
悔やんでも悔やみきれない幕切れ。門馬監督は「管轄の相模原市保健所と連絡を取りながら、最優先で生徒への対応を行っております。健康状態を把握しながら状況を見守り、さらなる感染拡大を防ぐことに全力を注いでおります」と話した。コロナ感染による辞退が相次いでおり、日本高野連も八田英二会長名の文書で、都道府県高野連に感染防止対策の徹底を要請した。

●RSウイルス感染症 青森県内で流行/7月上旬の罹患者、過去最多 7/25
乳幼児に肺炎を起こすこともあるRSウイルス感染症が青森県でも流行している。7月上旬の罹患(りかん)者は県が統計を取り始めた2004年以来、この時期としては過去最多となった。医療関係者は背景として、新型コロナウイルス感染防止のため手指消毒などの対策が徹底されたため、RSウイルスの感染者が減り、免疫を持っていない子どもが増えた。保育所などにウイルスが入ると感染が拡大する−と分析している。
RSウイルスは2歳ごろまでにほとんどの人が感染する。初期はせきや発熱など風邪のような症状が出る。生涯にわたって感染を繰り返すが、徐々に免疫がつき、感染しにくくなる。今年は全国的に流行している。
毎年夏から秋にかけて増え始めるが、県の資料によると今年は3、4月ごろから増加。県内に42カ所ある定点医療機関から報告される感染者数は直近の第27週(7月5〜11日)で、1医療機関当たり平均1.05人となり、20年の0.0人、19年の0.14人、18年の0.62人を大きく上回り過去最多となった。その前週(6月28日〜7月4日)も1医療機関当たり2.10人と過去最多だった。
弘前市の「あらいこどもクリニック」では4月末ごろから感染者が目立ち始め、5月連休後からは急速に増えた。5、6月に同クリックの病児保育で預かった子ども100〜120人のうち、約8割はRSウイルスだった。7月になってやや落ち着いてきたという。
荒井宏治院長は、今年の流行の原因として、新型コロナ感染拡大の影響を指摘する。行動制限や手指消毒、マスク着用などの感染対策によって、昨年はほとんどRSウイルスに感染する子どもがいなかった。集団免疫が低下したため、今年になって爆発的に流行した−と説明。「赤ちゃんが感染すると呼吸障害が起こるなど危険なことがある。家族に風邪症状の人がいれば、早めにかかりつけ医を受診してほしい」と話した。
RSウイルスは、主に飛沫(ひまつ)や接触によって感染し、時として重症化すると乳幼児の突然死の誘因となることもある。予防には手洗いやうがい、「せきエチケット」の徹底、人混みへの外出を避けることが大事とされる。

●菅首相が国賓級のおもてなしでワクチン前倒し要請もファイザーはスルー 7/25
菅義偉首相は東京オリンピックの開会式(7月23日)にあわせて来日した10を超える国や機関、企業のトップらと会談し、3日間のマラソン外交を終えた。
中でも東京・元赤坂の迎賓館に招くという国賓級のおもてなしで迎えたのは、新型コロナウイルスワクチンを世界に供給する米製薬大手ファイザーのブーラCEOだ。
ブーラ氏はIOC(国際オリンピック委員会)にワクチンを無償提供したことなどから、開会式に出席。菅首相は23日午前、河野太郎ワクチン担当相も同席した上で、10月以降に予定している供給分の前倒しを要請したとされる。その会談はどのようなものだったのか。政府関係者がこう明かす。
「官邸ではなく迎賓館で食事を取りながらのおもてなし会談で、国賓級の扱いでした。官邸が会談前から盛んにメディアに会談について吹聴していたので『ワクチン前倒し供給を要請』のニュースが一斉に報じられましたが、実質は『選手団に対する4万人分のワクチン無償支援』に対する首相からの御礼と例の不毛な『安全安心な大会への決意』を述べたことが、メインでした。日本のコロナ感染状況などのレクもブーラ氏にしていました」
では、肝心の「ワクチン供給前倒し」の結果はどうなったのか?
「菅首相から言及はしたものの、『引き続き実務担当者同士で』と軽くあしらわれたと聞いています。菅首相、河野大臣の2人がかりでブーラ氏と交渉し、何をやっているのか、と失望の声が官邸から出ています。ファイザーに足元をみられているということでしょう」(同前)
新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、ワクチン供給も一部の自治外で滞る中、政府や自民党内では「そもそも野党のせいだ」という声が相次いでいる。
こうした声に反応した立憲民主党は、公式Twitterで「ワクチン遅れたのは野党のせい?」としてQA式のツイートを7月16日に連投し、「違います。政府の責任です」などと持論を展開した。
だが、野党はこれまで国会で何をしてきたのかについては改めて検証してみる必要がある。
AERAdot.で「菅首相は戦犯に間違いないが、立憲、共産党もポンコツ過ぎたワクチン国会」(6月17日付)と報じたとおり、立憲や共産党がワクチンの国内治験にこだわり、欧米各国で行われていたワクチンの緊急使用に猛反対したことが接種の遅れにつながっていることは既に知られているところだ。
「ワクチン交渉は非公表なのでこれまで報じられていませんが、実は立憲民主党所属議員の軽率な国会での言動がファイザーの怒りを買い、ワクチン供給の遅れに一役買ったという重い事実があるのです」(官邸周辺者)
問題となったのは、立憲民主党・柚木道義衆院議員が今年2月12日の衆議院予算委員会での以下の発言だという。
「ワクチン確保が後手後手に回ってきてるんじゃないかと指摘もある中で、私はぜひ、3社以外でロシア製ワクチン、中国製ワクチンも含めて確保に努めるべき」
当時、政府はファイザーと供給量や時期を巡りギリギリの交渉や駆け引きを行っていたという。
「この国会発言を知ったファイザー幹部は激怒。『我々のワクチンは世界が求めているものだ。日本以外に求めているところはいくらでもある』『国会という公式の場で、中国やロシアから供給を受けるなどという議論がなされているのであれば、日本の態度は理解した』として態度を硬化してしまったのです。難しい交渉が一層紛糾し、供給の遅れに繋がったという経緯があります」(同前)
仮にも柚木衆院議員が提案したとおりに中国製やロシア製ワクチンを確保できたとして、成果は出たかは、甚だ怪しいだろう。中国製ワクチンはデルタ株には有効性が低下するとされ、またロシア製ワクチンはEUでもまだ承認されていない状態だ。仮に確保しても日本国内ではほとんど活用できないということになりかねない。結局、野党の国会提案がワクチン確保の足を大いに引っ張ることとなったというのだ。
さらに立憲民主党政調会長代行の川内博史衆院議員が21日、自身のツイッターに「陛下が開会式で『大会の中止』を宣言されるしか、最早止める手立ては無い」と投稿。「天皇の政治利用」という批判が相次ぎ、投稿はその後、削除された。
「政府も政府だが、立憲の国会議員の言動も軽すぎる」(野党の衆院議員)
「戦犯」はいったい、誰なのか、冷静に読み解くことも必要だろう。  
五輪開催後も連日、選手村などから感染者が出ており、東京都内の感染者は1000人超えが続いている。
大会組織委員会で感染症対策にあたる専門家の円卓会議で座長を務める岡部信彦・川崎市健康安全研究所長は、朝日新聞の取材に対し、「新型コロナウイルス感染が拡大し、『第4波』に見舞われた際の大阪府のように、東京都で入院すべき人が入院できないような状況になったら大会の中止も考えるべきだ」などと訴えている。
政治のせいでワクチンという「ゲームチェンジャー」の確保が中途半端なまま、これ以上、国民が翻弄されることのないよう祈るばかりだ。

●東京の人出 五輪前比で日中は減少も夜間は増加 7/25
4連休3日目の24日、東京・渋谷などの人出はオリンピック開会前の1週間前と比べて日中は減少した一方で、夜間は増加しました。
NHKはIT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使い、主な地点の人の数を調べました。
調査した時間は日中が午前6時から午後6時まで、夜間が午後6時から翌日の午前0時までです。
まず、4回目の緊急事態宣言が出ている東京の24日の人出を、3回目の宣言の期間だった4月25日から先月20日までの土日、祝日の平均と比較してみると、渋谷スクランブル交差点付近では日中は48%、夜間は62%ぞれぞれ増加しました。
東京駅付近では日中は7%増加、夜間は18%増加しました。
また、オリンピックが始まる前の1週間前との比較では、渋谷スクランブル交差点付近では日中が1%の減少、夜間は11%の増加、東京駅付近では日中は13%の減少、夜間は7%の増加となり、いずれも夜間が増加しました。
まん延防止等重点措置が延長されている埼玉、千葉、神奈川、大阪では1週間前と比べて大宮駅付近で日中は5%、夜間は11%ぞれぞれ増加した一方、千葉駅付近で日中は25%、夜間は6%それぞれ減少したほか、横浜駅付近で日中は25%、夜間は18%それぞれ減少、大阪梅田駅付近で日中は7%、夜間は2%それぞれ減少しました。
緊急事態宣言が延長されている沖縄では1週間前と比べて那覇市の県庁前駅付近で日中は31%の増加、夜間は26%の増加でした。

●東京都内 新型コロナ1763人感染 市中に多くの感染者いる 7/25
東京都内では25日、新たに1763人が新型コロナウイルスに感染していることが確認され、1週間前の日曜日より755人増え、日曜日としてはこれまでで最も多くなりました。都の担当者は「跳ね上がっていて、4連休の最終日にこれだけの数が報告されたということは、市中にかなり多くの感染者がいる状況だ」と強い危機感を示し、不要不急の外出や都や県をまたぐ移動を自粛するなど、人と人との接触を避けて欲しいと改めて呼びかけています。
東京都は25日、都内で新たに10歳未満から100歳以上までの男女あわせて1763人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。
1週間前の日曜日より755人増え、日曜日としてはこれまでで最も多くなりました。1日の感染確認が1000人を超えるのはこれで6日連続です。また25日までの7日間平均は1453.6人で、前の週の136.1%となり、感染の急拡大が続いています。
都の担当者は「通常、連休のときは休診している医療機関が多いため、感染者が減っていくが、きょうは跳ね上がっている。感染力が強いデルタ株への置き換わりが影響している」と分析しています。そのうえで「4連休の最終日にこれだけの数が報告されたということは、市中にかなり多くの感染者がいる状況だ」と強い危機感を示し、今も緊急事態宣言が続いているとして、不要不急の外出や都や県をまたぐ移動を自粛するなど、人と人との接触を避けて欲しいと改めて呼びかけています。
25日の1763人の年代別は10歳未満が82人、10代が166人、20代が574人、30代が368人、40代が305人、50代が183人、60代が49人、70代が20人、80代が12人、90代が3人、100歳以上が1人です。感染経路がわかっている664人の内訳は「家庭内」が最も多く387人、「職場内」が93人、「施設内」が66人「会食」が25人などとなっています。
東京オリンピック関連では外国人の競技関係者3人、外国人の選手2人、日本人の競技関係者1人、日本人の委託業者1人のあわせて7人の感染が確認されました。
これで都内で感染が確認されたのは19万9291人になりました。
一方、25日時点で入院している人は24日より6人減って2632人で「現在確保している病床に占める割合」は44.1%です。都の基準で集計した25日時点の重症の患者は24日より2人減って72人で、重症患者用の病床の18.4%を使用しています。また25日、死亡が確認された人はいませんでした。

●4連休最終日、東京都心に人出 続く感染拡大、市民に不満も 7/25
4連休の最終日となった25日、東京の繁華街や観光地は新型コロナの緊急事態宣言下にもかかわらず、多くの人でにぎわった。東京五輪の一方、不自由な生活を強いられる都民からは不満の声が。感染拡大も続き、都内の新たな感染者は日曜日で過去最多の1763人。全国でも5千人を超えた。小池百合子知事は「自宅で家族と、少人数で熱い応援を選手に送ってほしい」と、人出の抑制に協力を呼び掛けた。
五輪のメインスタジアムとなる国立競技場周辺を家族4人で散策した足立区の自営業の男性(31)は「周囲と五輪の話題になることもないし、そこまで盛り上がっている雰囲気はないね」と苦笑い。

●北海道111人感染 新型コロナ感染再拡大続く 22日連続「前週」上回る 7/25
北海道内では7月25日、111人が新型コロナウイルスに感染したことが確認されました。依然、感染拡大傾向が続いています。
北海道内で7月25日、感染が確認されたのは札幌市で80人、旭川市で9人など合わせて111人です。
感染力が強いとされるインド型変異ウイルス、デルタ株に感染した疑いがある患者は札幌市で14人、旭川市で7人確認されていて、感染拡大の一因となっています。
北海道内では7月4日以降、22日連続で前の週の同じ曜日を上回る新規感染者が確認されていて、北海道では夏休みやお盆期間の8月22日まで、札幌市で不要不急の外出自粛を要請するなど、感染拡大防止に協力を求めています。

●小池都知事と菅首相 “感染防ぎ社会生活 実効性高い対策を”  7/25
東京都の小池知事は菅総理大臣と会談し、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎながら社会生活を取り戻せるよう、より実効性の高い対策を進めていくことを確認しました。
小池知事は25日午後、総理大臣公邸を訪れて、およそ1時間、菅総理大臣と会談し、新型コロナウイルス対策などについて意見を交わしました。
会談のあと、小池知事は都庁で記者団に対し「より実効性の高い対策の展開が必要なので、感染の拡大を防ぎながら社会生活を取り戻す方向性で、さまざま工夫しながら進めていこうと情報交換と意見交換をした」と述べました。
そのうえで、小池知事は、ワクチン接種が進み高齢者の重症化や死亡例が減っているとして「今の感染者は若い世代が圧倒的に多い。医療資源を圧迫することなく、感染した方々の健康を守りつつ進めていく」と述べ、若い世代への対策を充実させる考えを菅総理大臣に伝えたことを明らかにしました。
一方、25日の会談では東京オリンピック・パラリンピックについても話題に上ったということで、小池知事は「オリンピックの開催が非常にスムーズにいっており、パラリンピックに向けても円滑な運営になるようにしていこうと共通の認識を確認した」と述べました。
競泳の女子400メートル個人メドレーで大橋悠依選手が、スケートボードの男子ストリートで堀米雄斗選手が、それぞれ金メダルを獲得したことについて、東京都の小池知事は記者団に対し「大変うれしく思う。これからも皆さんには自宅で家族と少人数で、ぜひ熱い応援を選手に送っていただきたい」と述べました。
 
 
 

 

●時短要請などの協力金 支給順番が逆転も “先渡し”で東京都  7/26
東京都は今の緊急事態宣言に伴う時短要請などの協力金を一部今週から先渡しする一方、以前の要請分の中には申請受け付けが始まっていないものもあり、支給の順番が逆転することになります。
東京都は、今月12日からの緊急事態宣言のもとで時短営業などを行った飲食店への協力金を、一部今週から先渡しします。
都の要請に全面的に応じることを誓約した場合、要請の期間中に先に支給する仕組みです。今回から導入され、先週受け付けが始まりました。
一方で、先月21日から今月11日までのまん延防止等重点措置に伴う要請分については受け付け開始時期がまだ決まっていません。
また、これより前のことし5月12日から6月20日までの3回目の宣言に伴う要請分の申請は26日午後から受け付けが始まります。その結果、要請の時期と支給の順番が逆転することになります。
都は「国が先渡しを速やかに行うよう求めているため、その手続きを優先している。態勢をさらに強化し、これまでの要請分もなるべく早く支給できるよう作業を急ぐとともに、事業者が混乱しないよう丁寧に説明したい」としています。

●行き先見えない新型コロナ“出口戦略” 専門家が危機感 7/26
ついに始まった東京五輪・パラリンピック。東京を中心に10万人近い選手、大会関係者、メディア関係者などが集結する中、依然として東京都の新規感染者は1日1000人を超え続けている。
Twitterアカウント「手を洗う救急医Taka」としても知られる、新型コロナワクチン公共情報タスクフォース(CoV-Navi)副代表で医師・木下喬弘氏は「緊急事態宣言の実効性がものすごく落ちている」と危機感を示す。
「緊急事態宣言中でも、人流が減っていない。今、東京都の1日の新規感染者数が1000人を超えているが、この数字に世論があまり反応していない状況だ。昨年12月31日に、初めて東京の感染者数が1000人を超えた。そこでようやく『ちょっとヤバい』という空気感が出て、2週間後ぐらいに感染数が減っていった。それを考えるともう新規感染者が1000人というレベルでは、感覚が麻痺していて、3000人を超えたところで『ヤバい』という空気が出始めるのではないか。そこから感染者数が下がり始める流れを考えると、本当に1日5000人感染、6000人感染までいくと思う」
イギリスでは、新たな変異ウイルスに対応するべく、9月から高齢者や医療従事者などを対象に3回目のワクチン接種も始まる予定だ。今後、日本でも3回目のワクチン接種が必要になってくるのだろうか。木下氏は「最初1年ぐらいは『3回目は要らない』と思っていた」と述べる。
「僕が要らないと思っていたのは、根拠があった。(ワクチンの)抗体価の推移を見ていると減衰はしていくが、半年でもかなり高い数値を保っていて、1年ぐらいはけっこう防御力が残るという結果が出ていた。しかし、かなり強い伝染力を持つデルタ型が出てきた。しかも、免疫逃避と言って、ワクチンも効きにくくなっていくことがわかった。イギリスでは、デルタ型に対しても90%近い有効性が示されているが、イスラエルでは、64%だった」
「この差は何かというと、イスラエルは早くからワクチンを打ち始めているので、抗体価が下がってきている。少し期間が経ってくるとデルタ型に対する有効性はこれぐらいになってしまう。そうすると、いずれ3回目のワクチン接種が必要になる可能性も出てくる」
ここでネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「3回目のブースター(ワクチン)はデルタ型用になるのか?」と質問。木下氏は「それは正直読めない」といい、「そもそもベータ型用のワクチンを作ろうと、治験までやっていた。しかし、今ベータ型は流行っていない。開発してすぐに打つのであれば、デルタ型用のワクチンいいという話になっている」と明かした。
さらに、木下氏の回答を聞いたひろゆき氏は「秋にデルタ型用のワクチンができても、すでに別の変異型が流行っている可能性もあるということか?」と確認。木下氏は「その可能性もある」とした上で、新型コロナウイルスの感染を増強する抗体(ADE)に言及する。
「今、デルタ型専用のワクチンを出そうする動きもあるが、それは慎重になるべきだと思う。これまでと少し違うワクチンなので、例えば、ADEといって、抗体依存性(感染)増強の現象が否定できない。これはワクチンを打つことで中和抗体という、出来の悪い抗体ができてしまって、余計にコロナを重症化させてしまう。デング熱で起きたような副反応が出てくる可能性はゼロではない」
「焦って治験を中途半端にしてゴーサインを出してしまうと、手痛いしっぺ返しを食らう。そのあたりのバランスはかなり難しい。やはり一定の治験をやったあとに出したほうがいい。そうすると時間がかかり、その間にまた違う変異型が出てくることも起こり得る状況だ」
海外に目を向けると、イギリスではマスク着用義務や飲食店の人数制限など、多くの規制がすでに撤廃されている。日本でも、26日からワクチンパスポートの申請受付が開始されたが、企業がどのように使うか、方針は決まっていない。
木下氏は「日本ではワクチン反対派がいる。国としては指導しにくいだろう。そうは言っても経済を再開しないとヤバいので、個々の企業や団体、飲食店、イベント開催者などから『ワクチンを接種した証明があったら入っていいよ』と、民間が自主的に独自ルールを出す可能性が一番高いと思う」とコメント。
木下氏の見解を聞いたひろゆき氏は「ワクチン接種をしたかどうか民間が確認する手段は、政府じゃないと作れないのではないか」と疑問を浮かべる。
「フランスの場合、ワクチンパスポートは国が提供したアプリで、指定のQRコードをスマートフォンで読み込めた人が『ワクチンを打った人』もしくは『48時間以内に陰性証明をもらった人』だ。これが、レストランなどで『食事をしてもいいよ』という証明になる。国が主導しない限り、そういった形のチェックはできないと思う」
ワクチン接種が進む中、議論され始めた新型コロナの出口戦略。感染の再拡大を抑え経済を回復させるためにも、正しい知識を広め、国民に方針を示す必要がありそうだ。

●感染拡大の傾向「5月連休後のパターンと一緒」 沖縄で209人 7/26
沖縄県は25日、新たに10歳未満〜90代の男女209人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。6月5日以来、約1カ月半ぶりに感染者が200人を超えた。先週の日曜日と比べると139人増え、約3倍となった。新規感染者が前週の同じ曜日を上回るのは13日連続。新たに3人の死亡も確認され、累計死亡者は231人になった。
新規感染者209人を年代別に見ると、20代46人、30代43人、10代35人と特に若い世代を中心に感染が広がっている。感染拡大の傾向について、県の糸数公医療技監は「5月の大型連休を境に、若い世代で感染が広がったパターンと一緒」と類似点を指摘。今後の見通しについては「(感染の)山の高さは想定できない。山を高くしないよう、感染を押さえ込みたい」とした。
また糸数医療技監は、県内で感染者が急増している状況を踏まえ「陽性となった際の療養先は医師の指示で決定しており、必ずしも希望する病院に入れない場合もある」と強調。「『家から近い病院を』『あの病院は嫌だ』など、希望を全部受け入れるのは困難」と理解を求めた。
死亡した3人は、うるま市の80代女性と那覇市の90代男性。残る1人の居住地や年代性別は家族の意向で非公表だった。
感染経路が追えたのは93人で家族内が52人と最多。直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者は53・47人で全国2番目に高い。日曜で米軍関係の報告はなかった。

●トヨタ、コロナ禍で東南アジアでの生産影響拡大−国内工場にも波及 7/26
トヨタ自動車の国内外の工場稼働に東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大の影響が広がってきた。
トヨタ広報担当の橋本史織氏によると、新型コロナ感染拡大の影響で仕入れ先の工場が稼働停止になったことで部品に欠品が発生し、タイの3工場を20−21日から稼働停止している。祝日を含めて28日まで停止する見通しとなっており、それ以降の稼働は状況を見て判断していくという。
トヨタは、東南アジアではコロナ感染拡大を受けた都市封鎖(ロックダウン)の措置が取られたマレーシアで6月1日から生産と販売を停止している。橋本氏によると、工場の稼働は現在も止まっている。タイとマレーシアの工場停止による生産への影響台数は明らかにしていない。
また、コロナ感染拡大でベトナムの仕入れ先の工場が停止したことで部品供給が不足するため、子会社のトヨタ車体の富士松工場(愛知県刈谷市)の第2ラインを29日から8月4日のうち5日間停止する。約3000台の生産に影響が出るという。

●在外邦人の支援は重要な経済戦略〜コロナ感染の急拡大するアジア諸国 7/26
同胞である在外邦人の安全の確保と支援を
ASEAN諸国は、日本の貿易相手としては、アメリカ、中国に次ぐ貿易額を持つ重要なパートナーである。我が国の今後の経済、政治の戦略的にも、重要な地域、国であることは間違いない。こうしたASEAN諸国との貿易や経済、文化の繋がりを支えているのは、我々の同胞である在外邦人の人たちである。「海外に住むのは自己責任だ」と支援が不要だと批判する意見もあるが、それは非常に一面的な捉え方であり、今後の我が国の国際的な地位を安定的に維持するためにも、まず同胞である在外邦人の安全の確保と支援が重要である。
タイ8万人、マレーシア3万人、インドネシア1万8千人・・・
外務省の資料によれば、2017年10月の段階で、在外邦人はタイに約8万人、マレーシア約3万人、ベトナム約2万3千人、インドネシア約1万8千人、フィリピン約1万7千人が在留している。企業拠点数は、タイ約5千9百、マレーシア約1千2百、ベトナム2千百、インドネシア約2千、フィリピン約1千4百となっている。インドネシアでの新型コロナの感染拡大と医療崩壊は、国内でも報道され、関心を集めている。しかし、タイ、ミャンマー、マレーシアなど他のASEAN諸国でも感染拡大が止まらず、感染者数が急増し、現地の医療体制がひっ迫した状況となりつつある。すでに日本人の死亡も報告されている。その大きな影響を受けているのが、これらの国に駐在、滞在している日本人とその家族だ。
緊急帰国用の臨時便も必要に
インドネシアでは、在外邦人の緊急避難用に7月21日と25日に日本への臨時便が運航されたが、予約が殺到し、さらに航空券代の15万円から20万円程度に加えて待機施設や検査の費用が自己負担であったために、帰国費用が40万円から50万円と高額になった。そのため、多くの批判が寄せられたため、日本政府は26日と28日にも臨時便を運航し、その際には手続きの簡略化と待機施設や検査の費用を政府負担とすると発表した。しかし、1便当たりの乗客定員は200名ほどで、4便合わせても1千名分に過ぎない。タイからの帰国便に関しては、日本航空、全日空、タイ国際航空などが運航しているが、いずれもすでに8月半ばまで予約がいっぱいの状況だ。大手企業や政府系機関の中には、駐在員やその家族の一時帰国を決めているところも出てきている。一方、タイに生産拠点を持つ中小企業経営者のように、「大企業と異なり、情報も少なく、生産現場も日本人スタッフがいないと動かない。帰国させたのはやまやまだが、難しい」というのが現状だ。また、大企業の従業員でも「家族の帰国指示が本社から出たが、駐在員はそのままだ」と言う。臨時便の運航について、タイの航空会社関係者は、「今後、帰国を希望する日本人が増加することが予想されるが、その場合、タイから日本への乗客はいるが、日本からタイはほぼカラの状態。増便といっても、航空会社にとっての負担は大きい。民間企業としては限界がある」と言う。新型コロナの感染拡大は、インドネシアだけではなく、隣国のタイ、マレーシア、ミャンマーなどでも深刻化しており、在外邦人の緊急帰国やワクチン接種の要望は大きくなっている。今後、インドネシアだけではなく、周辺国の状況が悪化すれば、邦人救出のために、政府が支援しての臨時便の運航が必要となる。しかし、それだけの航空機の運航や、国内空港での受け入れ態勢を整えることは現実的ではない。
現地でのワクチン接種の可能性
在外邦人の間からは、日本大使館や日本人学校などでのワクチン接種の実施を求める声も出ている。ツイッター上では、「#在外邦人の現地日本大使館でのワクチン接種を希望します」というタグで、多くの投稿が寄せられている。日本政府は、在外邦人の帰国ワクチン接種のインターネット予約を7月19日に開始した。日本に一時帰国してワクチン接種を行うことを希望する人たちに対して、成田空港と羽田空港に特設会場を設けるというものだ。この帰国ワクチン接種の対象者は、在外邦人で住民票を持たない接種時に満12歳以上の者となっており、在外邦人でも日本に住民票がある者や、帰国時に転入届を出した場合は対象外となる。しかし、帰国の費用は大きく、個人、企業への負担も大きい。さらにインドネシアやタイには、日本企業の製造拠点などが数多く存在し、駐在員が帰国できないケースも多い。現実的な解決方法として、在外大使館や日本人学校などを会場として、在外邦人へのワクチン接種ができないかという提案が、、「#在外邦人の現地日本大使館でのワクチン接種を希望します」である。実際、ベトナムではフランス大使館が18歳以上のフランス国民と配偶者などを対象にワクチン接種を始めているほか、タイではオーストラリア大使館やフィリピン大使館でもそれぞれの自国民に対するワクチン接種を開始している。
在外邦人の子供たちの教育機会の保障も
タイ・バンコクの日本人学校には小学校、中学校を合わせて約1千人の児童、生徒が2019年には在籍していた。インドネシア・ジャカルタの日本人学校にも、約1千人が在籍していた。そのほかにも、ASEAN諸国では、多くの小中学生が現地で学んでいるが、各国の新型コロナウイルス感染拡大によって、その多くがオンライン授業だけになり、さらに状況の悪化によって、帰国を余儀なくされている。今後、各国からの家族の帰国を勧告する企業などが増加し、こうした子供たちが日本に帰国する事態が起こるものと思われる。こうした子供たちの教育機会の保障も重要なこととなる。国内の小中学校へのスムーズな受け入れなども、政府、自治体などの支援が必要だ。さらに、海外の日本人学校への支援も重要となる。事態が鎮静化し、再び家族帯同での海外駐在が可能になった時のためにも、日本人学校の継続は、邦人の教育や日本企業の海外進出のために重要である。
在外邦人の支援は、我が国の経済戦略の一つ
日本の貿易額でみると、アメリカ、中国、ASEAN諸国がほぼ20%ずつという割合になっている。その経済活動は、大企業の駐在員だけではなく、中小企業の駐在員、個人事業主など多くの人たちによって支えられている。東京オリンピック・パラリンピックが開催され、選手たちの活躍に注目が集まり、訪日外国人選手団や関係者への対応などが話題になる。もちろん、それも重要である。しかし、危機的状況に直面している我が国同胞である在外邦人に対する支援も迅速な対応が必要な重要課題である。近年、海外転勤を好まない若い世代が増加している。大企業においても、海外事業を担う人材の確保に苦慮している。仮に、今回、在外邦人への支援が手薄であれば、今後、さらに海外転勤を望まない人が増加する可能性もある。経済界のとっても、大きな問題である。さらに今後も経済発展が期待できるASEAN諸国での我が国の経済活動を維持するためにも、政府による積極的な在外邦人への支援が必要になっている。これは、我が国の経済戦略の一つと言える。緊急帰国への支援と在外大使館などでのワクチン接種の実施など、新型コロナウイルス感染拡大が危機的な状況にある諸国の在外邦人への早急なる支援が求められる。

●東京五輪が開幕 千葉市では“喜ぶ声”と“感染拡大を懸念する声” 7/26
23日に開幕した東京2020オリンピック。競技会場のある幕張メッセ近くの海浜幕張駅では、開幕を喜ぶ声が聞かれた一方、新型コロナの感染拡大を懸念する声も聞かれました。
街の人「コロナ禍で、ずっと自粛で国民も沈んでると思う。そういう人をTVなど家の中で元気づけて、日本に活気を取り戻せるような大会になってほしい」
街の人「(Q.東京五輪開幕について)楽しみにしている、すごく」「(Q.新型コロナについては)絶対拡大してしまうので、それは残念。本当はみんなで盛り上がっていきたいが、コロナを抑える必要があり、もどかしい」
街の人「(Q.注目の競技は)幕張メッセで開催されている競技については、特に関心があって、注目していきたい」「(Q.どんな大会になれば)選手がこれから1か月にわたって活躍する中で、いろいろな感動を日本全国、世界人々にあたえてくれると思うので、そういったところを期待しつつ、しっかりと応援もしていければいいなと思う」
県内では、千葉市の幕張メッセで、レスリング・フェンシング・テコンドーの3競技が、そして一宮町の釣ヶ崎海岸では、五輪初となサーフィンが開催されます。

●昨年度予算の繰越金、30兆円超の見通し…コロナ対応補正で過去最大に  7/26
国の2020年度予算のうち、21年度への繰越金が過去最大の30兆円超に達する見通しとなった。新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、巨額の補正予算を3度組んだが、総額の5分の1前後が執行されずに持ち越された。
例年は5兆円以下に収まることが多く、これまでで最大だった東日本大震災直後の12年度の7・6兆円を大きく上回る。20年度の一般会計の歳出総額は、3度の補正予算によってコロナ禍前に編成した当初予算(102・7兆円)に比べて1・7倍の175・7兆円に膨らんでいた。
国の予算は、年度内に使い切る「単年度主義」が原則で、財政法は、自然災害などやむを得ない理由に限って翌年度に繰り越すことを認めている。秋の衆院選を控え、与党からは繰越金の活用を視野に入れた大型経済対策を求める声が一段と強まる公算が大きい。
2020年度予算の繰越額が過去最大の30兆円超に達する。新型コロナウイルスの収束が見通せない中、与党は歳出増への圧力を強めるとみられ、財政再建に向けた「予算正常化」とどう両立させるかが問われる。
財務省幹部は、「コロナ禍は何が起こるのか予想できないことの連続。国民に安心してもらうため、十分な予算を手当てする必要があった」と説明する。
繰越金が最も多かったのは、実質無利子・無担保融資を行う官民金融機関の資金繰り支援の予算で、約6・4兆円になる見通しだ。コロナで業績が悪化した企業に対する政府系金融機関の融資が想定ほど伸びなかった。地方創生臨時交付金も、5兆円程度を繰り越す予定だ。営業時間の短縮要請に応じた飲食店を支援する協力金の原資が主な用途となるが、都道府県が担う給付作業が追い付かなかった。
このほか、医療機関がコロナ患者を受け入れる病床の確保に必要な費用などに充てる「緊急包括支援交付金」(1・5兆円)、感染拡大に伴って事業を中止している「Go To トラベル」(1・3兆円)なども繰越額が多かった。
政府内では、多額の繰越金は「一時的なもの」との見方が強いものの、専門家は「毎年のように続けば、査定や使い道のチェックも甘くなる」と懸念する。
すでに、度重なる補正予算の編成などで、国の財政状態は一段と悪化している。国と地方の長期債務残高は21年度末に、主要国で最悪の水準となる1209兆円まで膨らむ見通しだ。
景気回復に向けた大型の経済対策として、与党内では「30兆円規模」などへの期待が飛び交い、国債の増発を懸念する財務省は警戒を強めている。慶応大の土居丈朗教授は「繰越金を有効活用し、歳出の拡大につながる補正予算はできるだけ抑制するべきだ」と指摘している。

●相次ぐ食品値上げで消費マインドに冷や水 原因はコロナ禍からの経済回復 7/26
食用油や小麦粉といった食品の値上げが相次いでいる。中国での需要増加などを受けて原料高となっており、企業努力でコストを吸収するのは困難な状況だ。輸入牛肉の価格も上昇しており、家計が圧迫され、消費マインドの回復の足かせになりかねないとの懸念も広がっている。
食用油、砂糖、小麦、輸入牛肉......
家庭用食用油大手の日清オイリオグループ、J−オイルミルズ、昭和産業の3社は8月、家庭用食用油を1キログラム当たり50円以上値上げする。5月末時点で大豆が前年同期比8割高、菜種が9割高と国際相場が高騰しているためだ。
コロナ禍からいち早く経済が回復した中国で需要が拡大しているのが直接の要因で、中期的にも世界的な人口増加による需要増で、価格は高水準で推移する可能性がある。
各食用油メーカーは業務用でも値上げ。キューピーと味の素は、油を原料に使うマヨネーズを、7月出荷分から最大10%値上げしている。
家庭用小麦粉も、日清製粉グループの日清フーズ、ニップン(旧日本製粉)、昭和産業が7月から、1.5〜4%程度値上げ。3社は家庭用パスタも2〜8%値上げを表明している(実施時期は社により異なる)。
国内消費の約9割を占める輸入小麦は、政府が買い上げた上で民間企業に売り渡しており、4月の政府による価格引き上げが時間差で反映されるものだ。大豆の価格高騰につられる形で小麦の国際的な相場も上がっているほか、中国が豚の飼料用で積極的な買い注文を入れたことなども影響している。
製糖最大手のDM三井製糖ホールディングスの傘下2社が7月15日から、砂糖の出荷価格を1キログラム当たり6円(約3%)引き上げている。1月に続き今年2回目。天候不順やコロナ禍による輸送網の混乱で、主要産地のタイやインドからの供給が減るとの思惑などから、ニューヨーク市場の先物取引で4年ぶりの高値を付けており、そうした動きを背景に、現物も値上がり。
このため、日本のメーカーも製品価格に転嫁を余儀なくされたという。メーカーから仕入れる卸業者から、飲料メーカーや製菓会社に価格上昇の影響が今後、どこまで広がっていくか、関係者は注視している。
米国産牛肉も上がっている。冷凍ばら肉の卸売価格は4〜5月には前年同月比1.7倍程度に高騰した。干魃に見舞われた豪州産の供給が減ったことで米国産に需要が集中したところに、コロナ禍から経済が回復してきた米国や中国で需要が伸びたためだ。
スーパーなどの店頭では豪州産が姿を消し、米国産がジワリ、値上がりしている。外食などはコロナ禍で営業自粛などとダブルパンチだが、コロナの影響が大きすぎ、牛肉価格上昇だけの影響は、逆に見えにくくなっている。
原因は経済の急回復、労働人口減に物流、天候も
値上がりを国際的な統計で確認しておくと、国連がまとめる食料価格指数(2014〜16年=100)は21年5月、127.8と、12か月連続上昇を記録。1年前からは4割上昇したことになり、2011年9月以来、約10年ぶりの高水準となった。
この指数は穀物や食肉、乳製品などの国際取引価格から算出され、世界の食料全体の値動きを示す。6月は3.2ポイントダウンの124.6と、1年ぶりの低下になったが、なお高水準だ。
こうした価格上昇の理由は、個々の品目について一部説明したが、整理すると、コロナ禍から経済回復しつつある中国をはじめ米国などの需要回復が最大の要因だ。これに、コロナ禍による移動制限で農作業の担い手である外国人労働者が一部の国で不足し、生産に支障が出たり、同様に物流網が混乱してモノが流れなかったり、物流費が上昇している――なども影響している。豪州の牛肉など天候の影響を受けた品目もある。
ただ、食用だけでは説明できない要因も指摘される。たとえば、環境対策でディーゼル燃料に大豆や菜種の植物油を活用するケースが増えているし、トウモロコシやサトウキビから作るバイオエタノールも、ガソリンと混ぜてエコ燃料として使われる。このため、景気変動や天候の影響といった一過性の要因とは別に「構造的に需給が逼迫(ひっぱく)する可能性がある」(大手食用油メーカー)との指摘もある。
コロナ禍のためであれ、他の要因であれ、食品の値上がりは、世界では途上国を、国内でも低所得層を直撃するだけに、その動向から目が離せない。

●2021夏のボーナス 7/26
今夏ボーナスにコロナ禍の影響
日本の労働環境や全ての”働く”という価値観が変化した、新型コロナウイルスの感染拡大というパンデミックを受け、2020年9月に厚生労働省の調査によって、民間企業による夏のボーナス支給額は2年連続で減少しているというデータが発表されました。新型コロナの感染拡大により、ボーナスの支給廃止や減額の傾向がある中、この度Job総研が実施した「2021 夏のボーナス実態調査」では、その支給額や、昨年と比較した際の平均支給額、またその増減などについて、コロナ禍によるボーナス支給の変化を調査しました。
前年比ボーナス額が減少
全体の65.6%が今夏ボーナス「支給あり」と回答し、その中でもメーカー勤務34.4%、IT関連企業15.0%がと、他業界より「支給あり」の回答が目立つ結果になりました。また、昨夏と今夏のボーナス額について具体的金額の回答集計の結果、昨夏87.2万円、今夏81.3万円となり昨夏ボーナス支給額より6万円減少した回答結果となりました。
コロナ禍で約7割が今夏からボーナス廃止
今夏のボーナス支給とコロナ禍の影響については、大きく影響した27.5%、少し影響した26.6%と半数以上が大なり小なりコロナ禍の影響を受けていると回答しました。また、今夏ボーナスの支給がなかった方の中で、昨夏ボーナスの支給があった方は65.8%で、今年になってコロナ禍の影響を受けて支給廃止になっている回答結果になりました。
今夏ボーナスに過半数が納得
全体を通して今夏ボーナス支給についての納得度は、納得できる28.2%、やや納得25.8%で全体の過半数を上回る54.0%が納得したと回答し、納得できない19.6%、あまり納得できない26.4%で合算した46%が納得できなかったと回答しました。「コロナ禍が影響したことから、ボーナス支給の廃止や減額にも納得した」など、コロナ禍の影響に対するコメントも多かった背景から、ボーナス支給の有無に関わらず納得度が過半数を上回ったとみられます。
回答者自由記述コメントまとめ
・会社の事業自体がコロナ禍の影響を受けて厳しい中でのボーナス支給はありがたかったけどこの先が不安。
・コロナ禍でリストラはあったが、外資系のためその分残ったスタッフに給料、賞与は手厚くなった。
・コロナで影響を受けているので夏ボーナスの支給廃止は仕方がない。
・ボーナス水準は、業績が悪い中でもまずます維持されたが、コロナ禍で残業規制が厳しく年収は減少
まとめ
今回実施した「2021夏のボーナス実態調査」では、全体的にコロナの影響があったという回答が目立ち、昨夏ボーナス支給額と比較すると、約7割がボーナス支給廃止と回答し、平均支給額も6万円減少という結果になりましたが、6割が納得と回答する結果になりました。
また、上記以外の自由記述でも多くのコメントがあり、ボーナスや年収にコロナが影響していることがわかるコメントが目立ち、今後のコロナ禍による社会情勢の変化やそれに対する身の振り方への懸念など、自身のキャリアについて不安視するコメントが多数寄せられました。 

●東京 コロナ感染急拡大続く 4連休は五輪で人出増加も… 7/26
4回目の緊急事態宣言の期間に入り2週間となった東京都。26日は新たに1429人の新型コロナウイルスへの感染が確認され、1週間前の月曜日の2倍近くに増えるとともに、月曜日としてはこれまでで最も多くなりました。
25日までの4連休、東京オリンピックの開会式が行われた国立競技場の周辺や競技会場がある湾岸エリアなどで人出が増えたことが分かり、専門家は「競技を見守ることが今できる『おもてなし』で、自宅で応援してもらいたい」と話しています。
月曜最多の感染確認
東京都内では26日、男女合わせて1429人の新型コロナウイルスへの感染が確認されました。727人だった1週間前の月曜日と比べると、2倍近くの増加となりました。さらに月曜日は比較的、感染確認が少ない傾向にありますが、最多だった1月11日の1252人を上回りこれまでで最も多くなりました。1日の感染確認が1000人を超えるのは7日連続です。これで都内で感染が確認されたのは20万人を超えて、20万720人となりました。
“インド型”変異ウイルスの感染確認も最多
また、都内ではインドで確認された「L452R」の変異があるウイルスに新たに940人の感染が確認され、1日に発表される人数としては最多だった今月21日の681人より250人以上増え、こちらも最も多くなりました。
4連休 人はどこに集まった?
きのう・25日までの4連休、都内ではどこに人が集まったのか。ビッグデータを分析した結果、東京オリンピックの開会式が行われた国立競技場の周辺や競技会場がある湾岸エリアなどで人出が増えたことが分かりました。NHKは、NTTドコモが携帯電話の基地局からプライバシーを保護した形で集めたビッグデータを使って、この4連休の午後3時台の都内の人の動きを分析し、前の週の土日といずれも平均値で比較しました。データは日頃から国内で携帯電話を利用しているユーザーに限られていて、東京オリンピック・パラリンピックのために来日している選手や関係者は含まれていません。分析は東京都内を500メートル四方に区分けして行っていて、人出が5%以上増えた地点はオレンジ色に、5%以上減った地点は水色にしています。その結果、開会式が行われた新宿区にある国立競技場の周辺や、競泳や体操の競技会場などがある湾岸エリア、それに羽田空港の周辺では多くの地点で人出が増えていました。NHKの取材でも、東京オリンピックの開会式前後に国立競技場の周辺に多くの人が訪れている様子が確認されていて、人の密集を懸念する声も聞かれていました。一方、JR渋谷駅周辺では9%減少するなど23区内の多くの地点で人出は増えていませんでした。
専門家「無観客の意味がない 自宅で応援を」
25日までの4連休、開会式が行われた国立競技場や競技会場周辺で人出の増加が見られたことについて、政府の分科会メンバーで川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「無観客としたのは選手や関係者の間でのクラスターを食い止めることだけが目的ではなく、観客が集まってみんなで盛り上がって応援することで、その後、国内に感染が広がってしまうのを防ぐためだ。競技会場周辺に集まってしまっては無観客にした意味がなく、爆発的な感染拡大はパラリンピックの開催にも影響を与えかねない。開催国は選手たちに競う場を提供するのが役目であり、競技を見守ることが今、私たちにできる『おもてなし』だ。会場の生の熱気に触れる楽しみはなくなるけれど、いつも一緒にいる人たちと自宅で応援してもらいたい」と話していました。
ワクチン 全人口の約36%が1回接種
一方、ワクチンの接種状況はどうなっているのか。政府が26日に公表した最新の状況によりますと、国内で少なくとも1回、新型コロナウイルスのワクチンを接種した人は合わせて4625万210人で、全人口の36.38%となっています。また、2回目の接種を終えた人は3147万6719人で、全人口の24.76%となります。全人口にはワクチン接種の対象年齢に満たない子どもも含みます。これらのデータは各地域からシステムに入力された人数に基づくもので、職域接種などによって実際はこれ以上に接種が進んでいる可能性があり、今後、増加することがあります。

●五輪開幕4連休 東京都から各地への移動 前週比20%以上増 7/26
25日までの4連休に緊急事態宣言中の東京都から全国各地にどれだけ人が移動したのかビッグデータを分析した結果、前の週の土日と比べて20%以上増え、10の県では東京から移動してきた人が2倍以上になったことがわかりました。NHKは、NTTドコモが携帯電話の基地局からプライバシーを保護した形で集めたビッグデータを使って、この4連休について緊急事態宣言中の東京都と他の道府県との移動を分析しました。
【流出は20%増】 その結果、東京からほかの道府県に移動した人は前の週の土日と比べて1日平均で20%増加しました。
【遠方の地方で大幅増加】 では、東京からどこに向かったのか。移動先を分析すると、沖縄県を除くすべての道府県で増加していて、このうち10の県では2倍以上、率にして100%以上の増加となりました。最も増加したのは和歌山県で121%、次いで福井県が115%、石川県と富山県が113%、鳥取県が112%、島根県が110%、滋賀県が106%、新潟県が104%、香川県と徳島県が102%でした。4連休であることに加えてオリンピックが始まったももの、都内では無観客となったこと、ワクチンの接種が進み里帰りをした人もいたことなどが背景として考えられます。
【近郊、都市部は増加小さく】 また、増加率が小さかったのは、神奈川県が3%、千葉県と埼玉県が5%、茨城県が25%、宮城県が26%、愛知県が31%などで、ふだんから東京との行き来が多い近郊の地域や都市部が多くなりました。一方、東京都と同じく緊急事態宣言が続いている沖縄県は唯一、36%の減少となり、台風の影響もあったとみられます。
【都への流入は減少】 また、ほかの道府県から東京に移動した人は2%減少しました。

●緊急宣言の人出抑制効果薄まる 東京駅は10%減どまり 7/26
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言は、回を重ねるごとに人出を抑制する効果が薄まっている。東京都で4回目の宣言開始から2週間を前にした25日の人出は、1回目の宣言開始前の昨年3月(日曜日平均)に比べ、JR東京駅で10%減にとどまった。ソフトバンク子会社「Agoop(アグープ)」のデータから午後9時台の人出を抽出した。
昨年3月の日曜日平均の人出と、1〜4回目の宣言開始から約2週間後の日曜日の人出を東京駅で比較。宣言1回目の昨年4月は昨年3月に比べ65%減。減少幅は2回目の今年1月に42%減、3回目の5月に33%減、4回目の今月25日には10%減となった。

●稲垣えみ子「もはや緊急事態が日常 『いつか』はない気持ち・・・」 7/26
元朝日新聞記者でアフロヘア−がトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。

東京に再び緊急事態宣言。前回の解除から3週間。もはや緊急事態が日常。言語矛盾。一体どっちが現実なのだろう。五輪はやるということなので、ならば日常かと思えば緊急事態だとおっしゃる。で、五輪以外のことは自粛してねと。従わなければ罰を与えますと。もはや東京はSF的パラレルワールド、あるいは中世の暗黒時代のようだ。
何(いず)れにしても、最初に宣言が出た時のような、皆が力を合わせて自粛すればその先に光が見えるのだというフィクションは気づけばもうどこにも見当たらない。今にして思えば、もはや懐かしく甘酸っぱい思い出のようだ。なぜあのようなフィクションを皆が信じたのか不思議ですらある。もしかすると最初からそんなフィクションは存在せず、ただ皆がそのように信じたかっただけなのかもしれない。確かに当時の首相は「2週間でピークアウト可能」とおっしゃったが、彼とて一人の人間。責めることはできない。あれから1年以上経った今も我らは何も乗り切れず光も見えぬまま。乗り切っても乗り切っても黒い山。
でもうんざりしていたって現実は何も変わらない。ここはもう、自分は生涯緊急事態の中を生きるのかもと覚悟したほうがいいように思えてきた。その上で何をなすべきかを考える。何しろ人の一生は一度きり。毎日が正念場と思わねばならぬ。
私が一つ決めたのは、もう「コロナが落ち着いたら」という約束はやめようということだ。これは散々使われたセリフだが、もはや「宝くじで1億円当たったら」みたいな空虚な社交辞令に思える。そんな空文を繰り出す暇があったら、実のあることを考えたい。
困難の中でも知恵を使い心を使い、やるべきこともやりたいことも先送りせずやる努力をしたい。いつか、はない。あるのは今のみ。これまでの経験を生かし、気をつけるべきことはしっかり気をつければ不可能はないというのが、この度の五輪に臨む政府の姿勢であろう。そこから学べることは学び取りたいと思う。

●新型コロナ 4連休 医師往診に4000件超の相談殺到  7/26
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、夜間や休日に医師の往診を行っている民間の会社には、この4連休中発熱した患者などからの依頼が殺到し、4000件以上の相談が寄せられたことがわかりました。
首都圏を中心に複数の医療機関と連携して夜間や休日に医師の往診を行っている会社では電話などで依頼を受けると登録している医師が患者の自宅を訪れて診察や薬の処方を行い、新型コロナへの感染が疑われる場合は、PCR検査も実施します。
会社によりますと、今月22日から25日までの4連休中発熱した患者などから寄せられた往診の相談は、全国で4000件以上、首都圏の1都3県だけでもおよそ2500件に上るということです。
1日当たりの件数は、第3波の年末年始や第4波の5月の大型連休を上回っていて、電話による問診で往診が必要と判断した患者に医師が手分けして診察にあたったということです。
また、PCR検査を行った首都圏の患者のウイルスを調べたところ、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」の割合は、先月27日までの1週間は19%でしたが、今月4日までは24%、今月11日までは33%、今月18日までの1週間では55%と半数を超え、急速に置き換わりが進んでいるということです。
この会社を立ち上げ、自身で往診も行っている医師の菊池亮さんは、最近の感染者の傾向について40代から50代の患者が重症化するケースが目立っているほか、会食などの明らかなリスク行動をとっていないのに感染するケースが複数確認されデルタ株の感染力の強さを感じていると話しました。
菊池医師は、往診の相談が殺到したことについて「感染者が増加しているのに加えこうした感染状況に対する不安感から微熱の症状でも相談するケースが増えているのではないか」と分析したうえで「オリンピックも始まって気の緩みやすい時期ですが、感染者の増加傾向は今後も続いていくとみられます。感染対策を改めて徹底するようお願いしたい」と話していました。
この会社では、東京都の委託を受けて新型コロナウイルスに感染した自宅療養者の診療も行っています。東京オリンピックの開会式が開かれた23日の夜には、自宅療養を続けている都内の50代の夫婦の自宅を訪れました。この5日前に夫が発症し、翌日、妻も発症して感染が確認されたということで、医師は到着すると防護服に着替えてから部屋に入りました。そして、血液中の酸素の状態をみる「パルスオキシメーター」の値や肺の状態を診た結果、発熱は続いていたものの、肺炎の可能性は低いと判断し、経過観察としたということです。

●新型コロナ 茨城で新たに86人、ステージ3「感染拡大状態」に 7/26
茨城県と水戸市は26日、新型コロナウイルス感染者が県内で新たに計86人確認されたと発表した。県内の感染者は累計1万1611人となった。
県と市によると、86人のうち陽性者との濃厚接触による感染とみられる人が46人、感染経路が分からない人が40人。
県独自のコロナ対策判断指標のうち、26日の時点で1日当たりの陽性者数(直近1週間平均)が66.7人、感染経路不明の陽性者数(同)が28.7人となり、ともに2番目に深刻なステージ3(感染拡大状態)に上がった。ステージ3になるのは、それぞれ5月20日、4月28日以来。
市町村別の感染者数は、つくば市23人、常総市9人、守谷市8人、筑西市7人、つくばみらい市4人、水戸市3人、古河市3人、下妻市3人、鉾田市3人、龍ケ崎市3人、結城市2人、東海村2人、県外2人、阿見町2人、神栖市2人、行方市2人、潮来市2人、常陸大宮市1人、取手市1人、桜川市1人、境町1人、坂東市1人、土浦市1人。
県内感染者が増加していることについて、県感染症対策課は「県南・県西地域を中心に増え、1つの固まりでなくいろいろな場所で感染者が出ている」と説明している。
新たに計43人が退院、退所、自宅療養終了など回復し、回復者は累計1万718人となった。

●新型コロナ 中等症でも急速に悪化 重症に転じるケース相次ぐ  7/26
新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、首都圏の患者の治療にあたる大学病院では、中等症で入院した患者が数日後、重症に転じるケースが相次いでいます。医師は「重症はこれまでと比べて少ないと言われるが、実は重症という氷山の下に中等症が大勢いて、いつ悪化するか分からず、警戒を緩められない」と訴えています。
川越市にある、埼玉医科大学総合医療センターは、重症と中等症の患者の治療にあたっていて、先週以降、ほかの病院で症状が悪化した患者が連日運ばれてきています。
24日時点で、13人が入院していて、30代から50代の若い世代で10人を占め、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」に感染していた患者は11人にのぼっています。
症状が重い順に「重症」「中等症」「軽症」となりますが、医療現場では、「中等症」は、酸素の吸入が必要なほど症状が悪化した「中等症2」と、それ以外の「中等症1」に分類されます。
この病院ではこれまでのところ、「重症」は2人、「中等症2」は7人ですが、重症の2人は入院時は中等症だったものが重症化したということです。
50代の男性患者は、入院後、「中等症2」のレベルまで症状が悪化しましたが、治療の結果、持ち直すことができたということです。
男性は「熱がものすごく高くなり、つらかった。コロナには二度とかかりたくない」と話していました。
感染症科の岡秀昭教授は「中等症2は、よく誤解されるが、海外では重症に分類するところもあり、酸素を吸わないといけない、人工呼吸器の一歩手前の状態となる。今は重症が少ないと言われるが、実は重症という氷山の下に、中等症2が予備軍のように大勢いるというのが第5波の特徴だ。中等症2で入院した患者が、わずか数日で悪化し、生命維持装置が必要になるケースもあり、警戒を緩められない」と訴えています。
重症度は4段階に分類
厚生労働省によりますと、新型コロナの対応にあたる医療現場では、重症度について、「重症」「中等症2」「中等症1」「軽症」の4段階に分類しています。
このうち、「中等症2」は、血液中の酸素の数値が93%以下になり、呼吸不全が生じている状態で、人工呼吸器の装着を検討する段階だとしています。
これは、人工呼吸器や人工心肺装置=ECMOを装着した「重症」に次いで重い症状に分類されています。
「中等症2」にまで一時悪化した男性は
今月上旬、埼玉医科大学総合医療センターに入院した50代の男性は、感染力が強い、インドで確認された変異ウイルス「デルタ株」への感染が確認されました。
男性はワクチンは接種しておらず、最初は軽症と診断されましたが、基礎疾患があったため、入院することになりました。
その後、徐々に肺炎が広がり、血液中の酸素の数値も悪化し、入院からおよそ1週間後、酸素マスクをつけざるをえなくなり、「中等症2」の状態にまで悪化しました。
その後、集中的に治療を行った結果、なんとか持ち直し、医師が質問する形式で取材に応じてくれました。
男性は「仕事中に急に寒気がして休憩室で倒れ込んでしまった。39度以上の熱が出て、とにかくつらかった。入院中は不安でたまらず、コロナには二度とかかりたくない」と話していました。
男性は、医師から回復傾向にあると告げられると、ほっとした表情を浮かべていました。
治療を担当した感染症科の岡秀昭教授は「この患者は入院して7日目に呼吸状態が悪化して中等症2になった。軽症で入院した人が、1週間後には中等症2になったり、重症になるかもしれない。きょうの重症者の人数を見て大丈夫だと判断されると、現場としては後手後手になってしまうと言わざるをえない」と話しています。
 

 

●東京都 新型コロナ 2人死亡 新たに2848人の感染確認 過去最多 7/27
東京都は27日、都内で新たに10歳未満から100歳以上までの男女合わせて2848人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1週間前の火曜日の倍以上となり、過去最多となりました。1日に2000人を超えるのは、第3波のことし1月15日以来です。27日までの7日間平均は1762.6人で前の週の149.4%となり、感染の急拡大に歯止めがかかりません。これで、都内で感染が確認されたのは20万3568人となりました。一方、都の基準で集計した27日時点の重症の患者は26日より4人増えて82人でした。重症者が80人を超えるのは、ことし5月18日以来です。また、都は、感染が確認された60代の女性と50代の男性が死亡したことを明らかにしました。これで、都内で感染して死亡した人は2279人になりました。
田村厚労相「思いを一つに 命守ることに協力を」
田村厚生労働大臣は記者団に対し「世界中で『デルタ株』により感染が急拡大し、東京も『デルタ株』に置き換わりつつある状況なので、感染者数が一定程度増えることはウイルスの性質上あり得ることだと思う」と指摘しました。そのうえで「緊急事態措置を発令しているにもかかわらず、要請に応じずアルコールを出している店が散見されるが、酒を出す店は開かないということを守っていただきたい。オリンピックのアスリートも制約の中で試合に出て頑張っている。思いを一つにして感染をなんとか抑え、命を守ることに協力いただきたい」と述べました。
過去最多 都内の街の人は
27日、都内で、過去最多となる2848人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたことを受けて、渋谷駅前で話を聞きました。このうち、ワクチン接種の帰り道だという50代の女性は「ただ、びっくりで驚いています。人流を減らそうとしていますが効果が現れていないと感じますし、改めて、手洗いやマスクの着用など、周囲の人にも注意するように言っていきたいです」と話していました。また、仕事帰りの70代の男性は「緊急事態宣言中なのにこれだけ人が出ているともっと感染者が増えてもおかしくないと感じます。外出を制限するなどより強い政策をとらないと、感染は止まらないのではないかと思います」と話していました。一方、20代の男性は「自分たち若い世代は行事ができなくなって我慢している中で、オリンピックをやっているなら外出してもいいのではと思う人もいるのではないかと感じます」と話していました。
専門家「人の動きを抑える対策を」
東京都内で27日、新たに新型コロナウイルスの感染が確認された人が過去最多となったことについて、新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで東邦大学の舘田一博教授は「緊急事態宣言が出されて2週間がたち、これまでであれば感染者数が減ってくる時期に過去最多の感染者数となったことは緊急事態宣言の効果が出ていないということだ。いまの感染者数は2週間前に感染した人であり、人の流れが減っていないことを考えると、感染者数はさらに増える可能性がある」と指摘しました。感染が急速に拡大している要因としては、「4連休や東京オリンピックの開幕、それに夏休みなどで濃厚接触の機会が増えているほか、感染力の高いデルタ株への置き換えが急速に進んでいることが背景にあると考えられる。都内ではすでに2000人以上が入院先が決まっておらず、このまま感染者数が増えるといつ医療体制がひっ迫してもおかしくない状況だ」としています。そして、今後、必要な対策については、「東京の感染者数の増加は今後、全国に拡大する恐れがある。現時点のワクチン接種が十分に進んでいない状況ではより強い対策が必要で、飲食店だけではなくほかの業種の店舗の営業の自粛を検討するなど、人の動きをより抑える対策を早めに打つことが重要だ」と話していました。
厚労省 幹部「感染者の増加 想定より早い」
厚生労働省の幹部の1人は「インドで確認された変異ウイルスの『デルタ株』の感染が広がっているので、感染者がこれくらいまで増えることは想定内だったが、予想していたより早かった。緊急事態宣言が出て2週間になるので、本来なら効果が出てくる時期だが、以前のようには効かなくなってきている。オリンピックの盛り上がりも人流の増加につながっている印象で、感染者はさらに増えるのではないか」と話しています。また、別の幹部は「数字は重く受け止めている。夏休みを迎え、旅行などで人流が増える時期なので、一層の注意が必要だ。重症者も増えて医療への負荷が高まっているので、感染対策の基本を守ってもらえるよう、どうにかして国民の協力を得て感染を抑え込んでいくしかない」と話しています。別の幹部は「もともとこうなることを想定して、不要不急の外出を控えるよう国民にお願いしてきたが、対策の積み上げがうまくいかなかった。政府への信頼がなく、どんなメッセージを出しても共感を得るのが難しくなっている」と話しています。
立民 福山幹事長「衝撃的 下降すべきが最多」
立憲民主党の福山幹事長は、記者会見で「緊急事態宣言が出され、本来ならば感染者数が下降していくべき時に最多になるというのは衝撃的だ。先の4連休の影響に加え、オリンピックでたくさんの人出もあり、今後どのような形で感染が広がっていくのか極めて心配だ。政府は専門家会合を開くとともに、今の考えを国民に説明する必要があり、対策を強く求めたい」と述べました。

●新型コロナ、東京都で2848人 過去最多 7/27
東京都は27日、新型コロナウイルスの感染者が新たに2848人報告されたと発表した。これまで最多だった今年1月7日の2520人を大きく超えた。重症者は82人だった。

●東京都の“発熱相談” 爆発的に感染拡大した第3波を超え最多に  7/27
新型コロナウイルスの感染の疑いがある人に医療機関を紹介する東京都の「発熱相談センター」への相談が、これまでで最も多かった第3波を上回りました。相談が増えると感染確認も増える傾向があることから、都は警戒を強めています。
東京都は、かかりつけ医がいない人で発熱など新型コロナウイルスの感染の疑いがある人に対し「発熱相談センター」を通じて受診できる医療機関を紹介しています。
相談件数の7日間平均はおよそ1000件だった6月下旬から増加が続いていて、25日時点では2724件となりました。
感染が爆発的に拡大した第3波でピークだったことし1月4日の2676件を上回っていて、これまでで最も高い水準です。
1日ごとの件数を見るとと、おとといまでの4連休は、22日が3589件、23日が3386件、24日が3192件、25日が3323件といずれも3000件を超えました。
これまでに3000件を超えたのはことし1月3日の3239件だけで、この4連休中に相談が急増していて、都は警戒を強めています。
都の担当者は「連休中に相談できる医療機関が少なかったことに加えて感染が拡大していることが相談の増加につながったと見ている。発熱相談が増えると感染確認も増える傾向がある。市中でまん延している状況なので、基本的な対策を徹底して外出は控えてほしい」と呼びかけています。

●東京、2カ月連続人口流出 7/27
総務省が27日公表した6月の人口移動報告(外国人を含む)によると、東京都からの転出者は転入者を583人上回り、2カ月連続で人口流出を示す「転出超過」となった。東京都には6月20日まで新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令されており、転出入に影響した可能性がある。
東京都への転入者は2万9224人で、昨年6月比0.6%増。転出者は2万9807人で8.9%増だった。
埼玉、千葉、神奈川の3県を含む「東京圏」でみると、転入者が転出者を3106人上回った。3県とも転入者の方が多く、超過数は埼玉1362人、千葉1062人、神奈川1265人だった。

●感染急拡大で都がコロナ病床確保を要請 通常診療制限も 7/27
新型コロナウイルスの新規感染者数が連日1000人を超え、感染が急拡大していることを受け、東京都が都内の医療機関に対し、通常診療の制限も視野にコロナ病床を確保するよう要請したことがわかりました。
東京都では、7日間平均の新規感染者数がきのう時点で1500人を超え、入院患者数も、この1か月で倍増するなどしていて、専門家は「今後、医療提供体制が危機に直面する」と指摘しています。
東京都がきのう付けで都内の医療機関に送った通知は、コロナ患者用の病床をさらに確保するよう要請するもので、救急医療の縮小や停止、予定手術の延期、診療機能の縮小など通常診療の制限も検討するよう求めています。東京都が現在、確保しているコロナ病床は5967床ですが、これを来月6日までに計画の最大数にあたる6406床まで増やしたい考えで、あすにも、医療機関向けに説明会を開催する方針です。

●小池知事「じわっと重症者が増えている 若い人にワクチンを」 7/27
感染の急拡大が続く新型コロナウイルスへの対応について、東京都の小池知事は記者団に対し「病床の確保を進めている。じわっと重症者が増えているのが気になる。ただ、26日も感染者のうち65歳以上の占める割合は2%で、要は若い人に早くワクチンを打ってもらうことが重要だ」と述べました。
そのうえで、オリンピックの選手や関係者の感染確認が相次いでいることについて「組織委員会が発表する数字のだいたい半分は日本の関係者ということで、あれを足し上げて毎日、報道するのはどういう意味があるのかと思っている」と述べました。

●医師が証言「羽田空港関係者の感染が増加」の悲鳴 7/27
日本人選手が続々と金銀銅のメダルを獲得し、2度目の東京五輪の歴史を刻んでいる。その一方、東京都の新規感染者数が連日1000人を優に超える中、医療現場が逼迫してきている。都内の入院患者は7月上旬の1500人台からわずか4週間足らずで2700人台に急増。保健所で入院先を決めきれず、都に入院調整が持ち込まれる1日当たり件数も1カ月前の50件から184件へと3.7倍も増えた。東京都の検査の陽性率も10%を超え、感染爆発のステージ4を示している。危機感が高まる中、五輪関係者の感染拡大も問題になっている。東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会によると、7月1日以降の累計感染者数が148人にのぼる事態となっている(7月26日時点)。こうした中、今度は海外から大会関係者を迎え入れる玄関口、空港従業員の感染者の増加が懸念され始めた。羽田空港近くの病院に勤務するある医師は「羽田空港従業員の新型コロナ感染患者が増えている」と証言する。羽田空港は、成田空港と並び、東京五輪の選手団や大会関係者らを大勢迎え入れている。
空港の第一線で活動する人が感染
この医師は羽田空港のある東京都大田区内の総合病院でワクチン外来や発熱外来を担当している。医師によれば、7月上中旬から、羽田空港内のレストラン従業員や、帰国者を案内するグランドスタッフなど空港の第一線で活動する人々の間で新型コロナ感染患者が増えているという。医師は26日、筆者の取材に対し、こう話した。「私が発熱外来に入った7月中旬、3人の方をPCR検査したら2人が陽性でした。うち1人が羽田空港で働いている方でした。その前の週から明らかに陽性者数が増えていて、毎日1人はPCR検査で陽性が見つかっていました。羽田空港関係者の割合が多いというのは看護師からも聞いています」この空港近くの総合病院で、空港関係者のコロナ患者が増え始めたのは、ちょうど海外からメディアや選手団、大会関係者らが羽田空港に既に本格的に到着していた時期と重なる。菅首相は7月26日に発売された月刊誌『Hanada』のインタビューの中で、東京五輪開催によって新型コロナの感染が拡大するとの批判について、「ワクチン接種者数が極めて順調に増えているため、その懸念はあたらないと思う」と述べた。これに対し、この医師は「時期的に東京五輪に伴う人流増加で、羽田空港関係者の感染が増えていると考えられます」と指摘する。筆者が羽田空港のある大田区感染症対策課に電話取材したところ、11日当たりの新規感染者は7月1日時点では23人だったが、7月20日時点では3倍近くの68人に増えている。なお、筆者は、羽田空港近くにある複数の他の病院にも電話取材を試みたが、電話が通じなかったり、電話が通じても患者の守秘義務を理由に断られたりした。
羽田空港の「バブル方式」はこんなにも緩い
そもそも政府や東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会は、新型コロナの感染拡大防止策である「バブル方式」の脆弱さも、多く指摘されてきた。「バブル方式」は、海外からの選手や大会関係者を一般市民と接触させないというもの。菅首相も「選手、関係者は一般国民と交わらない」と強調してきた。しかし、このバブルは選手団入国時の羽田空港で事実上、崩壊している。筆者は海外選手団の来日がピークを迎えていた16日、彼らが到着する羽田空港第3ターミナル国際線到着ロビーを取材している。到着ロビーを訪れると、狭い場所で人がごった返していた。数え切れないほどの大勢の英国とアメリカの選手団が筆者の目の前をゆっくりと歩いて通り過ぎて行った。選手団はスタンション(仕切り棒)でつながれた青いベルト2本の間を進んでいった。それが選手団にとっての導線(通路)になっていた。しかし、すぐその隣には、スーツケースを引いて歩く一般客の姿も多く見かけられた。筆者が想像していた「バブル方式」とは正直かなりかけ離れていた。ベルトを越えて違うレーンを歩いてはだめよ、といった単なる便宜上の区分程度の分け方だった。
また、スタンションで仕切られたベルトの導線は、視覚障がい者用の誘導ブロックを通すため、ところどころ繋がっておらず、途切れている。このため、選手団が通った後すぐに一般客が同じ場所を通るという「入り交じり」が生じていた。到着ゲート前にある交通案内所の受付の女性としばらく雑談した。十分に打ち解けてから「これで本当にバブルと言えるのでしょうか」と問うと、「紐一本の仕切りですからね。こんなに近くで同じ空気も吸っていますし」と心配そうな表情で話した。この女性はモデルナのワクチンをまだ1回しか接種していないという。「こんな近くで働いているのに、ワクチンがまだ一回とは雇用者責任が問われますね」と問うと、女性は「ええ」と苦笑するばかりだ。この受付女性が心配する理由はよく理解できるだろう。新型コロナはエアロゾル(空気中に浮遊する固体や液体の粒子のこと)によって感染することが分かっているからだ。感染症の専門家はウイルスを含むエアロゾルを吸い込みやすくなる3密(密閉、密集、密接)に注意するよう呼び掛けている。本来は、水族館にあるような水槽で囲まれるような選手団専用の通路があればよいのだが、それは羽田空港では物理的に無理だ。海外のスポーツイベントでもバブル方式は採用されているが、そちらはどうなっているのか。今年1月にエジプトで行われたハンドボール男子の世界選手権が参考になる。朝日新聞の2月9日の記事によると、ハンドボールの日本代表団が「空路でカイロ入りすると、滑走路にはすでにバスが待っていた。数歩で乗り込むと、ホテルまで運ばれた」という。「空港に着いてから、バブル以外の場所は、ほぼ踏んでいないですね」。ハンドボール日本代表の主将、土井レミイ杏利はこう明かしている。日本の「バブル方式」はエジプトと比べて、あまりにも緩い。残念ながら、羽田空港関係者に感染者が増えているとの証言にも納得感がある。
大田区には保健所が1カ所しかない
夏休みや五輪を迎え、羽田空港以外でも人の移動や接触が増えている。お盆の帰省シーズンになれば人流は加速するだろう。「人口70万人余りを抱える大田区には、保健所が1つしかない。PCR検査も感染経路の追跡も全然追い付いていない。猛暑による熱中症対策も大変だ。正直、オリンピックどころではない。過労などでメンタルがやられている医療従事者も多い」。前述の医師はこう強く訴えた。医療提供体制が逼迫する中、こうした状況を直視せず、五輪を強行し続けるのは、無謀というほかない。その行為のツケを払うのは、現場の医療従事者であり、一般の国民だ。「何が何でも五輪開催」ではなく、人々の命と安全と健康が何よりも最優先ということを、日本政府と国際オリンピック委員会は本当に理解できているのだろうか。

●コロナ拡大 深刻な東京 開催中の五輪は中止を 小池書記局長 7/27
日本共産党の小池晃書記局長は26日、国会内で記者会見し、東京都内の新型コロナウイルスの新規感染者数が25日に日曜日では過去最大の1763人を記録した事態への認識を問われ、病床使用率が44%に達するなど医療ひっ迫が起きているとして、「このままでは東京をはじめ首都圏で医療崩壊という事態になりかねない深刻な状況にある」と述べ、改めて開催中の五輪の中止を求めました。
小池氏は、東京都の重症者の病床使用率は18%とされているが、「重症者」について都の基準では人工呼吸器やECMO(体外式膜型人工肺)を使用している場合に限定しているが、国の基準ではICU(集中治療室)やHCU(高度治療室)で治療を受けている患者も含めていると指摘。「25日の東京都の『重症者』72人は、国の基準に当てはめると678人になる。重症病床使用率もすでにステージ4=感染爆発だ」と述べました。
また、医療機関からも「ベッドが満杯に近い」「入院させられない」などの声が寄せられ、自宅療養者も急増しているとして、「東京では医療ひっ迫がすでに起きている」との認識を重ねて示しました。
小池氏は、日本共産党の志位和夫委員長が22日に「命を守ることを最優先にする立場を揺るがず貫き、開会途中でも中止を決断することを求め続ける」との声明を発表したことに言及。「いまの感染状況を考えれば、声明発表時点よりもさらに深刻になっている」と強調しました。
また、「政府の中からも『東京都で入院すべき人が入院できないような状況になったら大会の中止も考えるべきだ』との発言が出ているが、重症者が入院できなくなる事態になったら、手遅れだ」と指摘。五輪選手など関係者に153人もの感染者が出ていることも示し、「(感染から守る)『バブル』の崩壊は明らかだ」として、「この深刻な事態のもとで、命を最優先にし、コロナ対策に全力を集中すべきだという立場から、五輪の中止を、そして徹底した感染対策、ワクチンの安全で迅速な接種、大規模なPCR検査、十分な補償、医療機関に対する全面的で強力な支援を強く求めていきたい」と表明しました。

●千葉県で感染確認最多 急拡大の状況は 7/27
千葉県では26日、過去最多となる509人の感染が確認されたと発表されました。1週間前の19日月曜日より275人増え、26日までの1週間の平均は前の週の1.37倍と、感染の急拡大が続いています。今月23日時点でのPCR検査の陽性率は、10.65%で1週間前より3ポイント以上、1か月前より6ポイント以上高くなっています。
26日時点で入院中の人は重症者21人を含む590人で、専用病床の使用率は46.3%となっています。自宅療養中の人は1461人、入院やホテル療養の調整中の人は247人で、これを1週間前と比較すると、入院している人は1.1倍、自宅療養中の人は1.8倍、調整中の人は1.5倍に増えています。また1か月前と比較すると、入院中の人は1.6倍、自宅療養中の人は5.5倍、調整中の人は2.1倍に増えています。
千葉県のまとめによりますと、人口10万人あたりの26日までの直近1週間の新規感染者の数は、県全体では36.22人ですが、特に東京都に隣接する県北西部では、増加傾向が目立っています。
船橋市が54.87人、市川市が52.32人、柏市が43.32人などとなっていて、政府の分科会が最も深刻な「ステージ4」の目安としている25人を大きく上回っています。これは1週間前と比較すると10人以上、1か月前との比較では30人から40人程度それぞれ増えている状況です。
県北西部の病床使用率は県内で最も厳しい状況で、先週21日時点ですでに50%を超えていて、その後、さらにひっ迫した状態が進んでいるおそれがあります。

●日本選手団関係者“初の陽性”…五輪中感染拡大続く 7/27
オリンピックの一方で、感染拡大が続いています。
“月曜最多”東京1492人感染
東京都・小池百合子知事:「おうちでオリンピックを応援するということが結局、人流を抑えていくなど、色んな効果につながることを期待しています」26日、東京都で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は1429人で、先週月曜日より、702人増えました。月曜日としては過去最多となり、これで7日連続の1000人超えです。重症の患者は、前の日から6人増えて、78人。入院患者は、前の日より85人増え、2717人となっています。
日本選手団関係者“初の陽性”
大会関係者の感染も相次いでいます。組織委員会は、新たに海外の選手3人を含む、16人の感染を発表しました。また、日本選手団の関係者1人が、新型コロナの検査で、陽性となったことが分かりました。大会期間中に、日本選手団の関係者の感染が判明したのは、初めてです。
千葉県職員“深夜会食”で2人感染
東京だけではありません。千葉県で26日、一日あたりの感染者としては、過去最多となる509人の感染が確認されました。その千葉県では、県の職員ら6人が、16日の午後8時半から17日の午前0時ごろまで、市川市内のカラオケ店で飲酒を伴う会食をしていたことが明らかとなりました。また、このうち2人は、新型コロナへの感染が確認されました。他の4人については、26日の時点で、体調不良は訴えていないということです。6人が会食した日を含め、市川市の飲食店などには、県から営業時間短縮の要請が出されています。

●感染拡大の埼玉6市町、警戒区域に追加 緊急事態宣言の要請も検討 7/27
大野元裕知事は26日、臨時の記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大傾向にある飯能、狭山、入間、桶川、幸手各市と宮代町の5市1町を新たに県独自の「警戒区域」に指定したと発表した。警戒区域は20日に指定された坂戸、吉川両市と合わせ、計7市1町となった。確保病床使用率は6月末は20%を切っていたが、新規感染者の増加とともに上昇を続け、25日時点で47・4%(789人/1666床)。国が緊急事態宣言を出す目安とする指標「ステージ4(感染爆発)=50%以上」に迫っている。
知事は「急増の状況は連休も変わりない。全体を押し上げる要因として、東京から来たものが、今度は県内で横に広がりつつある。現在、緊急事態宣言の要請も含めて庁内で検討している」と述べ、近く、専門家会議を開き、現在の感染動向や対応などについて意見を聞くとした。
県が独自に指定する「警戒区域」は、地域的な陽性者の集中防止と市中感染防止、クラスター(感染者集団)対策のため設けられた措置。市町村の1週間の人口10万人当たりの新規陽性者数が1日でも15人以上となった場合などの条件を満たした場合に指定し、専門家会議にまん延防止等重点措置の措置区域指定の可否などを諮問する。
県内では7月20日から8月22日まで、さいたま、川口、川越、所沢、春日部、草加、越谷、蕨、戸田、朝霞、志木、和光、新座、八潮、富士見、三郷、鶴ケ島、ふじみ野各市と伊奈、三芳両町の計20市町を、まん延防止等重点措置区域に指定。さらに20日から坂戸、吉川両市を警戒区域に指定し、同措置区域とならないよう注意を呼び掛けてきた。
20〜26日の1週間の県内新規陽性者は計2849人(1日平均407人)。22日には1月以来、半年ぶりに500人を超え、過去3番目に多い510人となった。

●沖縄で350人超コロナ感染 過去最多を更新 リバウンド急拡大 7/27
沖縄県内で27日、新型コロナウイルスの新規感染者が速報値で350人を超える見通しであることが分かった。複数の関係者が明らかにした。県内の1日当たり報告の過去最多(5月29日の335人)を上回る数となる。
前週の同じ曜日(7月20日)の新規感染者は154人で、2倍以上の急増。玉城デニー知事は26日の記者会見で「感染がリバウンド(再拡大)し、急拡大に転じている」とし、警戒を呼び掛けていた。 

●千葉県で新たに405人感染 28日にも緊急事態宣言を政府に要請へ  7/27
千葉県内では27日、新たに405人の新型コロナウイルスへの感染が確認された。熊谷俊人知事は、感染者の増加を受け、28日にも政府に緊急事態宣言を要請する考えを示した。
また県は、いずれも県内在住の80代男性患者と70代女性患者が死亡したと発表した。男性が別の疾患のため入院していた病院でクラスター(感染者集団)が発生していたという。
県によると、新たな感染者のうち、1人が重症、11人が中等症。
浦安市では同日までに、保育園「ポピンズナーサリースクール浦安」で園児ら5人、「ボーラバレエスタジオ」で生徒の小中学生ら6人の感染が分かり、県はクラスターが発生したと判断した。また千葉市若葉区では、クラスターが確認されていた幼稚園で新たに園児20人の感染が判明。園内の感染者は計67人となった。

●東京都のコロナ新規感染最多 政府の対策手詰まり 7/27
東京都の27日の新型コロナウイルス新規感染者数が過去最多の2848人となった。政府が東京都に12日から緊急事態宣言を発令して2週間以上が経過したが、感染力が強いインド型変異株(デルタ株)の蔓延(まんえん)もあり、効果が表れる兆しはない。対策は手詰まりに陥っており、ワクチン効果と、危機感を背景にした国民の行動変容に期待するしかない状況だ。
「国民の皆さんにおかれては、不要不急の外出は避け、五輪はテレビなどで観戦してほしい」
菅義偉首相は27日、記者団にこう語り、外出自粛を重ねて呼びかけた。「おかげさまで人流は減少している」とも述べたが、感染減という効果にはつながっていない。
対策の柱である飲食店の酒類制限も行き詰まりが明瞭だ。田村憲久厚生労働相は27日、記者団に「要請に応じずアルコールを出している店が散見される」として改めて協力を求めたが、金融機関や酒販事業者を通じた「働きかけ」方針が猛反発で撤回に追い込まれた一件もあり、協力は得られにくくなっている。政府関係者からは「もう打つ手がない」との声も漏れる。
宣言に準じた蔓延防止等重点措置を適用中の首都圏3県でも感染拡大が続いており、病床使用率の指標は最も深刻な「ステージ4」に迫る。政府は宣言への移行を含め対応を迫られているが、「重症者は減っている」(政権幹部)と否定的な見方もなお強い。

●東京の新規感染者数が2848人…「緊急事態宣言って何」の声 7/27
7月27日、東京都の新型コロナウイルス新規感染者数が2848人になったと報じられた。ネットで波紋を呼んでいる。
東京都は26日に新たな感染者数が1429人と報じられたばかり。これは前週月曜日のおよそ2倍もの数であり、驚く声が。しかし翌日の27日、『時事通信』によると東京都の新規感染者数は2848人に。これまでの最多は1月7日の2,520人だったため、300人以上も上回ることとなったという。
今月12日、東京都に緊急事態宣言が発令された。今回で4度目となるが、そんななか新規感染者数は過去最多に――。そのためネットでは「緊急事態宣言って何?」と疑問視する声が上がっている。
《今ってさぁ緊急事態宣言出てるんだよね?》《もう緊急事態宣言とか意味ないじゃん》《こりゃ緊急事態宣言ださなきゃいけないね!…えっ?もう出てるの????》《緊急事態宣言って何なんだろう…》
小池百合子都知事(69)は昨年12月、東京五輪について「人類が一丸となって、このコロナに打ち勝った証として(中略)皆様と『プラスワン』の日々を積み重ね、大会を成功に導いていきたい」と発言。さらに今月15日には『Bloomberg』の取材に対して「東京五輪は、世界が新型コロナ感染症が引き起こした問題に立ち向かおうと団結する中、希望の光となる極めて重要なイベントだ」と語っている。
しかし打ち勝った証も、希望の光も、まだまだ遠いところにあるようだ。

●東京から帰省した30代女性陽性 岐阜県内で18人感染、半数は経路不明 7/27
岐阜県と岐阜市は27日、県内8市町などで計18人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。新規感染者が10人を上回るのは2日連続。感染者数は累計9482人となった。
新規感染者18人のうち、9人の感染経路が分かっていない。
東京都の30代女性は県内の実家に帰省中に体調が悪くなり、検査の結果、陽性が判明した。県は、帰省について慎重に判断し、特に緊急事態宣言の対象地域を含む感染拡大地域からの帰省は自粛するよう求めている。
26日時点の入院患者は71人で、病床使用率は前日比0・9ポイント減の9・1%。
新たに確認したクラスター(感染者集団)や拡大したクラスターはなかった。
岐阜市の職場関連を巡る10人のクラスターは、新たな感染者が確認されず終息した。
新規感染者の居住地別では、岐阜市7人、大垣市、羽島市、可児市が各2人、多治見市、各務原市、瑞穂市、羽島郡笠松町、東京都が各1人。年代別は10歳未満と10代が各1人、20代9人、30代と40代が各2人、50代、60代、70代が各1人。 
 

 

●官房長官“首都圏3県 宣言の要請出されれば速やかに検討” 7/28
新型コロナウイルス対策をめぐり加藤官房長官は、午前の記者会見で、首都圏の3県では新規感染者数が増加していることから、感染状況などの認識を共有しているとして、緊急事態宣言を発出するよう要請が出されれば、速やかに検討する考えを示しました。
この中で、加藤官房長官は、緊急事態宣言が出されている東京に加えて、首都圏の埼玉、千葉、神奈川の3県では、新規感染者数の増加が続いていることから、27日、関係閣僚で、強い警戒感を共有したと説明しました。
そのうえで、千葉県の熊谷知事が、緊急事態宣言の発出を政府に要請する考えを示していることについて「千葉県を含む3県との間で、感染状況や医療提供体制の状況のほか、対策の効果なども含め、認識の共有化を図っている。仮に要請が出されれば、速やかに検討を行い、基本的対処方針にのっとって判断していくことになる」と述べました。
そして、飲酒を伴う会合や、大人数、長時間の会合を控えるほか、東京オリンピックは自宅で観戦するなど、不要不急の外出を自粛するよう、改めて協力を呼びかけました。
また、記者団からオリンピックへの影響を質問されたのに対し「東京都の夜間の滞留人口を見ると、前回の緊急事態措置の際と比べて、緩やかな減少となっているものの、減少が続いている。海外から来日した選手や大会関係者に重症者が生じたという報道にも接しているわけではない」と述べ、引き続き、対策に万全を期す考えを示しました。

●国会 緊急事態宣言の実効性や五輪開催での感染対策などで論戦  7/28
東京都内の新型コロナウイルスの感染者が過去最多となるなか、国会では28日、閉会中審査が行われ、緊急事態宣言の実効性を高めるための方策や、オリンピックの開催に伴う感染対策などについて論戦が交わされる見通しです。
国会では28日、衆議院内閣委員会で閉会中審査が開催され、河野規制改革担当大臣や西村経済再生担当大臣らが出席し、新型コロナウイルス対策などについて与野党の質疑が行われます。
この中で、与党側は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の実効性を高めるための方策について政府の見解をただすことにしているほか、世界的な感染拡大が続くなかで、オリンピックを開催する意義や大会に伴う感染対策を改めて説明するよう求めることにしています。
一方、野党側は飲食店への協力金の支給の遅れが、時短などの自粛要請の効果の低下を招いているとして改善を求めるほか、オリンピック関係者の外出ルールが十分に守られていないなど、感染対策は問題が多いと追及する方針で、論戦が交わされる見通しです。

●首都圏3県、宣言要請へ調整 コロナ感染急拡大で  7/28
埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県は28日、新型コロナウイルス感染の急拡大を受け、緊急事態宣言の発令を政府に要請する調整に入った。神奈川県の黒岩祐治知事は「いつ、どんな形で国に要望するのか調整している」と報道陣に述べた。「3県ではなく、国との調整だ。国がどう判断するかの調整が行われている」として、政府の対応次第だとの認識も示した。
加藤勝信官房長官は記者会見で「要請が出れば、速やかに検討して判断する」と述べた。
埼玉県の大野元裕知事も「政府や千葉、神奈川両県と協議している。可否を含めて調整の最終段階だ」と語った。

●「コロナ慣れ」「自粛疲れ」が明らかに、企業の出勤率は上昇傾向 7/28
緊急事態宣言が繰り返されるほど出勤率が上昇していく傾向
緊急事態宣言が発出されても、出勤率が減少していないことが、IoTを活用した企業の入退出データの集計で明らかになった。
株式会社フォトシンス(Photosynth)が、全国の累計5000社以上の企業に導入している「Akerun入退室管理システム」のIoTデータを集計したところ、2020年3月2日を100とした場合、各週の1日当たりの出勤者数の割合は、東京都では、1回目(2020年4月7日〜5月25日)の緊急事態宣言時には30.4%と大幅に減少したものの、2回目(2021年1月8日〜3月21日)の緊急事態宣言時には48.5%と増加。3回目(2021年4月25日〜6月20日)には54.4%とさらに増加したことがわかった。
また、2回目や3回目の宣言発出時の出勤率は、緊急事態宣言が解除されている期間と比較して若干減少するが、それほど大きな差がないことも浮き彫りになった。
そして、この状況は、4回目の緊急事態宣言が発出されている現在も変わらない。最新の集計となる7月18日からの1週間における出勤率は58.5%と、むしろ上昇傾向にある。
世間では、「宣言慣れ」「コロナ慣れ」「自粛疲れ」などといった言葉が使われているが、緊急事態宣言が発出されても、出勤率が減少しないという状況が生まれていることが、このデータからも明らかになっている。
同様の結果は、東京都以外でも見られている。
いずれも東京都の緊急事態宣言発出のタイミングでの集計だが、大阪府の出勤率は、1回目には34.9%だったものが、2回目は57.2%、3回目は50.9%と増加。東京都と大阪府を除く、45道府県での出勤者数は、1回目が49.1%と、もともと高い水準を示していたが、2回目にはさらに増加し62.3%となり、3回目には67.8%と、いずれも、コロナ前の約3分の2の水準で高止まりしている。
出勤者数の7割削減の要請も実態は遠い
東京都では、4回目となる緊急事態宣言を、7月12日〜8月22日までを期間で、発出している最中だが、その前後の期間のデータを、もう少し詳しく見てみよう。
これによると、東京では、緊急事態宣言発出前の6月27日の週には59.6%、7月4日の週には59.7%となっていたが、緊急事態宣言が発出された7月11日の週には57.7%と若干減少。だが、7月18日の週は58.5%となっており、最新週では、緊急事態宣言発出前の水準に戻っている。
また、大阪では、それぞれ59.1%、57.4%、57.0%、59.2%と、こちらも依然として高い水準で推移している。
さらに、東京、大阪以外の全国では、6月27日の週で72.4%と、出勤率は高い水準となっており、その後も72.4%、72.5%、74.1%と、週を追うごとに微増している。
政府では、在宅勤務(テレワーク)の活用などによる出勤者数の7割削減を経団連などを通じて要請、東京都でも週3日、社員の7割以上のテレワークを実施した中小企業に奨励金を支給するなどの施策を講じている。しかし、そうした目標に対して実態は大きな乖離がある状況だ。

●東京 過去最多2848人感染 全国も2カ月ぶり7000人超  7/28
東京都では27日、過去最多となる2,848人の新型コロナウイルスへの感染が確認された。また、全国の感染者数は、2カ月ぶりに7,000人を超えた。
27日、東京都では、新たに2,848人の感染が確認され、これまで最多だった1月7日の2,520人を300人以上上回り、過去最多となった。都の担当者は、「これだけ感染が広がっていると、まだ増える」としている。一方、都の幹部は、オリンピック開幕後の人出は減っているとして、「オリンピックが悪い影響をしているとは思わない」との考えを示した。
このほか、沖縄県で354人、埼玉県で593人の感染が確認され、ともにこれまでで最多となった。
全国では、7,626人の感染と、13人の死亡が確認されている。
一方、405人の感染が確認された千葉県の熊谷知事は、27日夕方、県内の感染状況が悪化していることから、緊急事態宣言を要請する考えを示した。神奈川県、埼玉県と意見交換し、共通認識を持ったうえで、要請の手続きに入りたいとしている。

●感染拡大、五輪に沸く東京で居酒屋「通常営業」再開…「酒提供」続出 7/28
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う4回目の緊急事態宣言で、酒類を提供する飲食店に休業要請が出された東京。だが、東京五輪の開幕を“機”に通常営業を再開し、酒を出している店がある。なぜ要請を受け入れず、店を開けたのか。店主らに思いを聞いた。

東京・江戸川区の居酒屋。午後8時過ぎに店をのぞくと、多くの客でにぎわっていた。入り口の貼り紙には、こう書かれていた。
「再開しました」
この店は、今年1月の2回目の緊急事態宣言の時からずっと店を閉めていたが、7月中旬に通常営業を再開した。
男性店長は「喜んでくれるお客さんや卸売業者がたくさんいますが、批判されることも覚悟しています」としたうえで、再開の理由をこう話した。
「家賃や人件費などをあわせると協力金ではぜんぜん足りず、資金を少しずつ切り崩しながら耐えてきました。ただ、ずっと休業し続けることはできないので、いつ再開を決断するか悩んでいました。五輪が近づく中で、いくら批判されても開催に向かう国や都の姿勢を見て、従業員とも話し合い再開することにしました。飲食店は悪者扱いするのに、五輪だと何をどう批判されても『安全、安心の〜』としか言わないんですから、もう苦しい思いをして要請に従う筋合いはないというのが本音です。自分たちで感染対策を頑張りながら営業を続けるつもりです」
「ワクチン打ち終わったし」
江東区の狭い路地にある居酒屋も、7月20日からなじみの客に限定する形で通常営業を再開した。60代の女性店主は、
「緊急事態であれだけ人が集まるオリンピックをやって良くて、常連さんばかりのお店がダメなんてバカな話はないと思って、営業自粛をやめました。私も高齢のお客さんもワクチン打ち終わってるしね。もう協力金も申請しません。お客さんあっての商売で、いつまでも閉めてたらお客さんが離れちゃうからね」
常連だという男性客(61)は、「バッハさん(IOCのバッハ会長)の接待は堂々とやれるんだから、もう誰も言うこと聞かないよ」と笑う。
台東区で、休業要請を受け入れず営業を続けてきた居酒屋経営者の男性のもとに、7月上旬、近所の飲食店主が訪ねて来た。
「うちも再開することにした。いろいろ悪かった」
この店主は今年2月ごろ、街のイメージが悪くなるため「営業をやめたほうがいい」と忠告してきたことがあったという。
居酒屋経営者は言う。
「(謝罪は)お金の面で限界だってことでした。ワクチン接種が広まるのを待つつもりだったけどあまりに遅いので、五輪もやることだし店を開けますと。結局、協力金だけじゃやっていけない店は、営業再開が早いか遅いかの違いだけだと思うんですよ。この一帯も、同じ事情で開ける店がどんどん増えてきています。店と従業員を守るなら、いつか決断しないといけない時が来るので、言い方は悪いですが国がなし崩しで五輪をやったことは、飲食店にはいいきっかけなんです」
処分を受け続けるのか…
27日には感染者が過去最多となる2848人となった東京。感染拡大に歯止めがかからぬ状況の中で、酒を出す店に厳しい視線を向ける人も少なくない。ただ、五輪開催によって、営業自粛要請の効力がさらに薄まったのは事実のようだ。
居酒屋経営者は、こう本音を漏らす。「ニュースを見るとマスクをしていない選手や、繁華街に飲みに行った関係者もいるみたいですが、処分されないみたいですね。小池(都知事)さんも、こういう五輪の問題には何も言わないんですよね……。私たち飲食業は、これでも処分を受け続けるんでしょうか」

●尾身会長「医療ひっ迫すでに起き始めてる」衆院内閣委員会が閉会中審査 7/28
衆院内閣委員会は28日午後、閉会中審査を開いた。東京都で新規感染者が過去最多を更新するなど、歯止めがかからない新型コロナウイルスの対策や東京五輪の対応、ワクチン接種状況などについて質疑された。河野太郎行政改革担当相、西村康稔経済再生担当相らが出席した。
13:00 内閣委員会始まる
午後1時、内閣委員会が始まり、最初に自民党の中山展宏氏が質問に立った。ワクチン接種の状況ついて尋ねると、河野氏は9月末までにファイザーとモデルナを合わせて、「2億2000万回が順調に行けば供給される予定だ。10月から11月にかけて希望する国民の皆様へのワクチン接種を完了したい」と述べた。
13:25 東京の感染者「今日も増える」西村氏
立憲民主の玄葉光一郎氏が質問にたった。東京都で感染者数が過去最多を更新するなど、緊急事態宣言の効果が薄れてきていることについて、西村氏は「連休中、検査件数が週明け一気に行われている事情もあると思うが、今日も東京、かなり増えるのではないか」との見通しを示した。神奈川、千葉、埼玉の3県についても「連休中にたまっていた(検査の)分が今日、明日(結果として)出てくるのではということがある」と説明した。7月に入って人出が非常に増えていることが影響しているといい、「特に夜間の人流が増え、飲食の機会が増えたことが背景にあると思う」と述べた。菅義偉首相が27日に五輪中止はないとした理由に「人流が減っている」ことを挙げた点を問われると、西村氏は「東京は若干の減少傾向だ」とする一方で、今年春の緊急事態宣言に比べると「減少幅は緩やかだ」とした。
14:00 尾身氏「東京で医療ひっ迫すでに起き始めている」
立憲民主の柚木道義氏が質問にたち、東京都の新規感染者が過去最多を更新したことについて質問した。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は「接触の機会が緊急事態宣言で徐々に減っている。しかし、期待されるレベルには残念ながら至っていない」と指摘した。東京都内では入院患者だけでなく、宿泊や自宅療養する人が増えているため、「医療のひっ迫というものがすでに起き始めているというのが我々の認識。日本の社会が危機感を共有することが非常に重要だ」と述べた。
14:30 西村氏も「現時点でもかなり(医療は)ひっ迫している」
共産の塩川鉄也氏も質問で重ねて、東京都の医療崩壊について、政府の認識をただした。西村氏は「中等症から重症化する40代、50代の入院者が増えたことを踏まえた対応を東京都が行っている」と指摘した上で「現時点でもかなりひっ迫しているが、コロナ対応と一般の医療が両立できるよう、感染拡大を抑えることに全力を挙げていきたい」と述べた。塩川氏は「助ける命も助けられないかもしれない時期に五輪が開かれている。五輪は国内の人流を促進して感染を拡大する可能性がある」と指摘。「人流抑制といって国民に自粛を求めながら、世界最大の祭典を行うのは大きな矛盾で、国民の協力を得られないのでは」と質問した。西村氏は、無観客競技や、来日関係者の削減、時差出勤や首都高速の値上げなどを挙げた上で「これまでの緊急事態宣言時に比べると、(感染者の)落ち幅は少ないが一定の減少をみている。国民のみなさんに協力してもらって何とか感染を抑えていかないといけない」と述べた。

●「五輪なのに我慢無理」 感染者最多更新で東京の街は 7/28
五輪のメダルラッシュにわく東京都で27日、新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多の2848人となった。4度目の緊急事態宣言から2週間。収まらない感染拡大を、街の人々はどう受け止めるのか。
渋谷駅前にあるビル壁面の電光掲示板。「過去最多」のニュースが表示された直後、メダル獲得のニュースに切り替わっていく。
「ヤバい。今までより増え方がえぐい」。千葉市から通勤する女性会社員(20)は、こう驚いていた。日を追うごとに在宅勤務が形骸化し、電車が混雑するようになったと感じる。「五輪でお祭りムードなのに『感染防止のため我慢を』というのは無理があったんじゃないか」と言う。
渋谷区に住む男性会社員(33)も「いつかこうなると思っていた。『頑張っても感染者数は減らない』と、みんな諦めているんじゃないか」と話した。
時短営業となってから、多くの飲食店は午後7時〜8時の時間帯、夕食にありつこうとするサラリーマンで満席だという。「宣言も4回目。みんな慣れてきている。これ以上の我慢はできないと思う」。若年層にワクチン接種が浸透するのはまだ先と考えている。「若者に優先的に接種させるという話もあったけど、今は五輪一色ですよね……」
「五輪だけ特別扱い」の声も
過去最多のこの日の感染者の半数以上は、20〜30代。世田谷区に住む会社員の女性(22)は「また若者が悪者にされるのかな」とため息をつく。五輪による人の動きを念頭に、「私たちは旅行や帰省を1年以上我慢しているのに、五輪だけ特別扱いは納得できない」と不満を口にした。
「まさかこんなに増えるなんて」とショックを受けていたのは、近くに住む自営業、福本厚子さん(62)。若い世代への接種が思うように進んでいないことが気がかりだ。「いざとなれば、高齢者は家にこもることもできる。仕事などで外に出ざるをえない若い人に優先して接種するべきだったのでは」と話した。
JR新橋駅(港区)前は、サラリーマンや子ども連れらで混雑し、マスクをせずに話し込む人の姿も見られた。中には「家で我慢する方が損」という人も。
会社員の笹原雄司さん(37)は職域接種でワクチンを2回接種し、周囲にも感染した人はいない。「今まで通りの対策をしていたら感染しないかな」という一方で、現状について「コロナの怖さはわかっているけど、行動を変えるのは難しいのかも」と話す。
江東区に住む自営業の女性(69)は、地元で五輪の関連施設が建っていく様子を見守ってきた。五輪が始まると、「ステイホームは終わった」と感じ、これまでよりも外出する機会が増えたという。「五輪を応援したい思いと、早く感染拡大が収束してほしいという思いがある」と語った。
コロナ禍の中で、度重なる営業時間の短縮や酒類提供の自粛が求められてきた飲食店。店主らは、この事態に何を思うのか。
飲食店「先が見えない」
「最近の感染状況から拡大は予想していたが、まさかこんなに急に増えるとは。先が見えません」
1千円で酔える「せんべろ」の街として有名な赤羽一番街商店街(北区)にある居酒屋の男性店主(33)はこう嘆く。
感染拡大を収束させるため、昨年4月の1回目の宣言以降、都の要請には全て応じてきた。ただ、コロナ禍前に比べれば売り上げは半分ほどに落ち込み、現在は休業中だ。「要請に応じない店への対応や五輪での感染予防対策がずさんだったのではないか。こっちがいくら頑張っても、意味がないのは本当に残念だ」
五輪関連の陽性79人 組織委幹部「逆風ますます」
東京都内で1日あたり過去最多の2848人の感染者が確認されたことを受け、東京オリンピック(五輪)大会組織委員会の幹部は「五輪に対する逆風はますます厳しくなるだろう。気を引き締めないといけない」と述べた。
競技開始から1週間が経過した東京五輪。組織委は27日の記者会見で、26日時点で約3万8千人が来日し、うち新型コロナの陽性者は79人と説明。「その他のコミュニティーと比べ、何か重大な被害がもたらされているものではない」との認識を示した。
選手や選手に近い関係者は、毎日検査を受けるよう求められており、国際オリンピック委員会の広報担当者は会見の中で検査件数は24万件にのぼり、「提出済みの検体の分析はほぼ100%終えている」と強調した。現状、五輪関係者のクラスター(感染者集団)などは確認されていないが、別の組織委幹部は「五輪がどんな影響を与えているか、我々も分からない。感染者数は2週間前の投影と言われており、この数字が五輪開幕前のものだと信じたい」と話す。

●「コロナ感染爆発がアスリートのせいにされる」 医師が政府を糾弾 7/28
緊迫の度合いを増してきた。東京五輪で日本勢のメダルラッシュが続く中、27日は東京都で新たに2848人の新型コロナウイルス感染が確認された。過去最多を更新し、緊急事態宣言下にもかかわらず感染拡大に歯止めがかからない状況だ。五輪関係者も例外ではなく、大会組織委員会は検査で選手2人を含む7人が陽性だったことを発表。感染症に詳しい現役医師は今後「1日5000人」規模の感染者を想定しつつ、コロナ禍と五輪が結びつけられることを危惧している。
衝撃的な数字だった。東京都が発表した新規感染者2848人は1週間前の同じ曜日の倍以上で、1月7日の2520人を上回り過去最多を更新。緊急事態宣言下にもかかわらず感染拡大に歯止めがかからない状況が続いている。
ただ、23日に開会式を迎えた五輪はこの日も柔道やソフトボール、重量挙げ、新競技のサーフィンで日本勢がメダルを獲得。ほとんどの会場で無観客開催となったが、列島は大いに盛り上がっており、多くの国民が選手の活躍に注目している。ただ、コロナ禍は五輪関係者も例外ではない。組織委は新たに選手2人を含む7人が検査で陽性になったことを明らかにした。そのうち選手村からは1日最多4人の感染が判明し、組織委が1日以降に発表した陽性者は計160人となった。
五輪期間中の感染者急増で大会への影響も懸念される中、医療ガバナンス研究所副理事長で内科医の上昌広氏(52)は現状を「予想通りですよね。夏場の定期的な流行の時期にデルタ株がかぶっているので、五輪を開催していても、そうでなくても(感染者は)増えていると思いますよ」と分析する。
上氏によれば、感染者数こそ違うものの上昇カーブ≠ヘ昨夏と同じ傾向にあるという。
昨年は6月末から8月上旬まで増加が続いた。そうしたことを踏まえ「デルタ株の感染力によってはピークがさらに後ろにずれ込み、感染者が増加する期間が長くなるかもしれませんが(状況は)昨年と全く一緒。そして(昨年のデータをもとに)比例配分してみると7月末から8月上旬にかけて感染者は倍近くになるでしょうね」と、このペースが続けば1日5000人規模の感染者が確認されてもおかしくないというのだ。
しかし、上氏はあくまで季節的な流行であり、五輪開催が要因とは考えにくいと強調する。「閉会のころに感染者が減ってきたら、きっと五輪のせいにされるんですよ。『やっぱり、五輪をやったから悪いんだ』と。それではアスリートがかわいそうですよ。五輪の影響なんて微々たるもの。他の都市も同じように増えているのが根拠です。五輪のせいなんて濡れ衣≠フ可能性が高い」
かねて9、10月の秋開催を提言してきた上氏は「五輪をやったから悪い≠ナはなくて、この時期にやるのを決めた人たちが悪いんですよ。それが一番の問題で、専門家や政府がそのことを何らわびずに『国民が気を緩めた』とか言っているのは本末転倒。あなたたちが何を言っているのかということ」と痛烈に批判した。
菅義偉首相はこの日、「強い警戒感を持って感染防止に当たっていく」と話した上で、東京五輪中止の可能性は否定したが…。さらなる感染の拡大が選手たちの活躍に水を差さないことを祈るばかりだ。

●コロナ感染拡大とオリンピックの関連性 組織委 明言避ける  7/28
新型コロナウイルスの感染者が急拡大する中、感染拡大と東京オリンピックの関連性について、大会組織委員会の広報責任者は28日の会見で「専門家がオープンなところで議論している」と述べるにとどめ、明言を避けました。
東京オリンピックが開催される中、都内では27日、過去最多となる2848人の感染が確認され、急拡大に歯止めがかかっていません。
こうした中、組織委員会の高谷正哲スポークスパーソンは28日の会見で、感染拡大と東京オリンピックの関連性について問われると「感染者の増加は心が痛むが、専門家がオープンなところで幅広く議論しているものと理解している」と述べるにとどめ、明言を避けました。
そのうえで「検査を繰り返し行っているほか、関係者の行動も制限しており、大会関係の感染者数は抑えられている。大会の選手も都民、国民の皆さまにとっても、安全で安心な大会になるようコミットしていく」と述べ、引き続き対策の徹底に取り組む考えを強調しました。
一方、IOC=国際オリンピック委員会のマーク・アダムス広報責任者は「大会の関係者と国民はバブル方式で隔離できている。関係者は2回のワクチン接種も受けているし、陽性率も低い」と述べ、大会の関係者を起因とした感染拡大の可能性については否定的な考えを示しました。

●東京の新規感染3177人 全国も最多、9000人超に 7/28
東京都は28日、新型コロナウイルスの感染者が新たに3177人確認されたと発表した。2日連続で過去最多を更新し、全国の新規感染者も初めて9000人を超えた。首都圏の感染拡大が目立ち、埼玉、千葉、神奈川の3県はそれぞれ870人、577人、1051人で、いずれも最多。感染力が強いインド型(デルタ型)と呼ばれる変異ウイルスの拡大が背景にある。
首都圏の4都県合計は5675人。感染拡大の「第3波」でピークだった1月9日の4327人に比べ3割多い。
3県は28日、国に緊急事態宣言を要請する方向で調整を継続。西村康稔経済財政・再生相は同日の衆院内閣委員会で「(3県から)正式な要請があれば速やかに検討し、機動的に対応したい」と述べ、29日にも3県知事と会談する予定を明らかにした。
都内の感染者は累計20万6745人となった。直近1週間平均の新規感染者は約1954人で、前週(約1277人)の153.0%だった。重症者は前日より2人減り80人だった。新たに6人が死亡し、累計の死者数は2285人となった。
都内の新規感染者を年代別にみると、20代が1078人と最も多く、30代が680人、40代が485人で続いた。重症化リスクの高い65歳以上の高齢者は95人だった。

●東京、連日最多更新の3177人 医療提供体制、五輪に懸念 7/28
東京都は28日、新型コロナウイルスの感染者が新たに3177人報告されたと発表した。27日の2848人を上回り、2日連続で過去最多を更新した。6人の死亡も確認された。今月12日からの緊急事態宣言期間が2週間を経過後もワクチン未接種の世代を中心に拡大が続いてピークが見えない状況。医療提供体制や東京五輪への影響に懸念が強まりそう。
直近7日間を平均した1日当たりの感染者数も1954.7人に達し、1月11日の1861.1人を上回って過去最多となった。21日に開かれた都のモニタリング会議では専門家が五輪期間中の8月3日時点の7日間平均を約2600人と試算している。

●西村経財相、3県への緊急事態宣言「要請あれば対応」 7/28
西村康稔経済財政・再生相は28日の衆院内閣委員会で、埼玉、千葉、神奈川の3県への新型コロナウイルスの緊急事態宣言について「正式な要請があれば速やかに検討し、機動的に対応したい」と述べた。29日にも3県の知事と会い、宣言発令の要請を受ける予定だと明かした。
西村氏は全国的な感染拡大に触れ「極めて強い危機感を有している」と話した。患者の状況に関し「高齢者の重症化はワクチンでかなり抑えられている一方、酸素吸入が必要な40〜50代の入院が増えている」と説明した。
感染抑制のため、飲食店への休業要請に伴う協力金の早期給付に取り組んでいると強調した。「早ければ今月中にも支給が開始できる」と話した。
新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、東京都の感染拡大で「医療の逼迫がすでに起き始めている」と強調した。
入院者数に加え入院待ちや自宅療養の人も増えていると指摘した。感染を防ぐには、こうした状況を「市民に十分に理解してもらい危機感を共有することが重要だ」と語った。
自民党の中山展宏氏、立憲民主党の玄葉光一郎氏、柚木道義氏の質問に答えた。

●首相、関係閣僚と協議 全国のコロナ感染過去最多で 7/28
菅義偉首相は28日夕、新型コロナウイルスの全国の感染者数が過去最多を更新したのを受け、首相官邸で田村憲久厚生労働相ら関係閣僚と協議し、感染状況を分析した。東京都でも28日の感染者数が3177人と、2日連続で過去最多となった。
政府は8月22日まで都に緊急事態宣言を発令している。宣言に準じる「まん延防止等重点措置」の対象となっている埼玉、千葉、神奈川3県の知事は宣言発令を政府に要請する検討をしている。
これに関連し、西村康稔経済財政・再生相は7月28日の衆院内閣委員会で、3県から要請があった場合は「速やかに検討し、必要なら機動的に対応したい」と述べた。

●大阪府、28日の新規感染798人 2日連続で700人台 7/28
大阪府は28日、新型コロナウイルスの新たな感染者を798人確認したと発表した。2日連続で700人を超えた。年齢別では、20〜30代の感染者は396人でほぼ半数を占めた。60代以上の感染者は全体の5%にあたる40人だった。新たな死者は確認されなかった。
28日時点の重症者は前日から5人増の67人。確保病床(587床)に対する使用率は11.4%となった。すぐに使える「実運用病床」(312床)に対する使用率は21.5%。PCR検査などを計1万2143件実施し、陽性率は6.6%だった。
10歳未満から60代の男女8人がインド型(デルタ型)に感染していたことも判明した。府によると、8人に海外への渡航歴はない。国立感染症研究所などの確定検査でデルタ型の感染が判明したのは府内で計78人となった。

●感染拡大受け知事 時短要請も視野 栃木県 7/28
栃木県内の新型コロナウイルス感染の拡大傾向を受け、福田富一知事は二十七日の定例記者会見で「夏休み期間であっても、県民への外出自粛や酒類を提供する飲食店の営業時間の短縮を要請することもありえる」と危機感を示した。
県によると、直近一週間(二十六日まで)の新規感染者は前週の一・六倍。このまま推移すると、八月上旬には緊急事態宣言の水準に達するとした。県のスクリーニング検査では変異株(L452R)は四割(十九〜二十五日)を超え、感染力が強いとされる変異株への置き換わりが拡大要因の一つとみられる。
一回目のワクチン接種後十四日以上経過した人で、少なくとも八人の感染が確認されたことも明らかにし、接種後も感染防止を徹底するよう注意を呼び掛けた。

●自宅療養のコロナ感染者 東京で1か月前の5.7倍に増加 7/28
新型コロナウイルスに感染し自宅で療養している人は今月21日時点で全国で1万人を超え、東京都では4000人余りと前の週の2倍、1か月前の5倍余りに増えたことが、厚生労働省のまとめで分かりました。
厚生労働省は都道府県ごとの病床の使用率や患者の療養先について最新の状況をまとめました。
それによりますと、今月21日時点で自宅で療養している人は全国で1万717人で、前の週よりおよそ4900人増えています。
東京都では4068人で前の週のおよそ2倍、1か月近く前の6月23日時点と比べると5.7倍に増加しています。神奈川県では2241人で前の週の1.5倍、1か月前の3倍に、千葉県では792人で、前の週の1.7倍、1か月前の3倍余りに、埼玉県では1104人で、前の週の2.7倍、1か月前と比べると10倍以上に急増しています。
また、ホテルなどの宿泊施設で療養している人は全国で6364人で前の週より1600人余り増え、1か月前の2倍になっています。
入院が必要と判断されたものの受け入れ先を調整中の人も先月末から増加傾向となっていて全国で201人と、前の週より35人増えました。
厚生労働省は「20代から40代の若い世代の新規感染者が多いことが自宅療養者数が増えている要因と考えられる。このまま感染者が増えていくと入院や療養先の調整が遅れてくる可能性があり、医療への負担が懸念される」としています。
自宅療養者の往診にあたる医師は、症状の重い患者を在宅のまま治療せざるをえなくなる事態になるのではないかと危機感を強めています。
東京都は自宅療養者の往診やオンライン診療を行う体制作りを進めていて、今月1日現在、都内54の地区医師会のうち21の医師会と民間の時間外救急センターが参加しています。
このうち、世田谷区の玉川医師会では地域の3つの医療機関が輪番で自宅療養者からの相談や診療にあたっています。
これまでは電話相談1件のみでしたが、4連休明けの26日、初めて往診の依頼があったということです。
対応した『ふくろうクリニック等々力』の山口潔院長によりますと、薬が切れてしまったので処方してほしいという患者でしたが、訪ねてみると1週間熱下がらないと話し、肺炎の症状もあったため中等症と診断して入院することになったということです。
山口院長は「感染者数を考えると今後、自宅療養者からの相談の件数が増えることや、第4波のときの大阪のように入院できない人を在宅で治療せざるをえなくなる事態になることが非常に懸念される。在宅でも酸素投与や点滴はできるが、病院での治療と比べて圧倒的に手間がかかり限界もある。地域のかかりつけ医は新型コロナの診断をしたことはあっても治療の経験はほとんどなく、十分に対応できるか心配している」と話しています。
東京都によりますと、自宅療養者の往診やオンライン診療など対応件数は先月までは1日平均5件ほどでしたが、今月7日までの1週間は1日10件ほどとなっており、その後はさらに増加傾向だということです。
感染の拡大で自宅療養者も増えるとみられることから、ほかの地区医師会にも協力を呼びかけることにしています。

●政府 40代・50代のワクチン接種積極的進め感染拡大防止を  7/28
東京都では27日、過去最多の新型コロナウイルスの感染者が確認されました。政府は40代や50代など感染が増えている世代へのワクチン接種を積極的に進めるとともに、先に承認された治療薬も活用するなどして、医療のひっ迫やさらなる感染拡大を防ぎたい考えです。
新型コロナウイルス対策で緊急事態宣言が出されている東京都では27日、過去最多となる2848人の新型コロナウイルスの新規感染者が確認されました。
こうした中、菅総理大臣は総理大臣官邸で関係閣僚とおよそ1時間半、対応を協議したあと、記者団に対し「デルタ株の割合も急速に増加しており、まずは4連休の人の流れも含めて分析をしていく。各自治体と連携しながら、強い警戒感をもって、感染防止にあたっていく」と述べました。
政府は、入院患者が増えている40代や50代など感染が増えている世代へのワクチン接種を積極的に進めるとともに、先に承認された治療薬も活用して重症化を防ぎ、医療提供体制への負荷を軽減したいとしています。
そして、感染力の強い変異ウイルスが急速に広がっていることを踏まえ、東京オリンピックは自宅でテレビで観戦するよう求めるなど、不要不急の外出の自粛を改めて呼びかけて人の流れを抑制するほか、自治体と連携して飲食店の見回りを行うなど、対策の徹底を図ることで、さらなる感染拡大を防ぎたい考えです。

●東京の感染急拡大「若者が、赤信号みんなで渡れば…になっている」 7/28
おぎやはぎの矢作兼が28日、フジテレビ「バイキングMORE」に出演。東京都の新型コロナウイルスの感染急拡大について「赤信号、みんなで渡れば怖くない状態になっている」と話した。
司会を務める俳優の坂上忍が夏休み中のため、この日は矢作が司会を担当した。
28日の東京都は新規感染者数が2848人と前週から倍増。医療もひっ迫している。4度目の緊急事態宣言発出から2週間たったが、その効果は見られない。
菅義偉首相は28日、記者団に「車の制限であるとか、テレワークとか、皆さんのおかげさまによりまして、人流は減少している。(五輪中止の)心配はないと思っている」明言。一方で「テレビなどで観戦してほしい」と呼びかけた。
元AKBの高橋みなみは「菅首相の話を聞いてると、言葉が足りないなって思っちゃう。これだけ感染者数が増えている中で、大丈夫だよって言われても、何が大丈夫なのって思っちゃうし、ずっと不要不急の外出は控えて下さいとかテレワークだとか、言っていることが変わらないので、いま私たちがどうすればいいのかっていう答えを力強く言葉で示してほしい」と求めた。
矢作は「相当のカリスマが出て来ないと難しいよね」とリーダーシップが発揮できていない首相のふがいなさを表現。その結果として「若者とか見ていると、『赤信号、みんなで渡れば怖くない』状態になっているよね。みんな飲み始めてるからもういいやっていうね」と語った。

●コロナ拡大は青天井!4連休「発熱相談」連日3000件超で感染爆発の予兆 7/28
あっさりワースト記録を突破だ。27日の東京の新規感染者は2848人。1月7日の2520人を大幅に上回り、過去最多を更新した。前週の同曜日比2倍を軽く超え、感染拡大は青天井の勢い。この先も減る要因は見当たらない。東京五輪のメダルラッシュにうつつを抜かしている場合じゃない。
まん延防止等重点措置から4度目の緊急事態宣言に切り替わって2週間余。過去最多の感染は、宣言前夜の“駆け込み宴会”などの人流激増が反映したとみられる。さらに宣言後も、4連休に五輪開幕と懸念材料が目白押し。感染拡大に歯止めがかかりそうにない。
気になるのは、都の「発熱相談センター」への相談件数だ。
22日から25日までの4連休はいずれも1日3000件を超えた。これまで3000件超は、たった1回だけ。今年1月3日の3239件のみだった。
4日連続3000件超は前例のない異例の数字。相談件数は今後の感染の増減を見通す先行指標とされ、過去にない感染大爆発の前兆と考えた方がいい。
「8月前半4000人」の最悪試算よりハイペース
1日当たり新規感染者4000人の大台も現実味を帯びてきた。京大ウイルス・再生医科学研究所の古瀬祐気特定准教授が今月7日の厚労省アドバイザリーボードの会合で報告した試算によれば、「強い対策」がなければ、7月下旬に2000人、8月初めに3000人、10日ごろには4000人に達するとしている。27日の段階で3000人に迫るペースは、この“最悪試算”をはるかに凌駕しているのだ。
「強い対策」とは、アナウンス効果により、実効再生産数を20%低下、対策の実施によりさらに20%低下させるレベルの対策を指す。しかし、宣言発令から2週間経ち、新規感染者は連日、前週同曜日比2倍前後の勢いで増えている。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)が言う。
「4度目の緊急事態宣言は『強い対策』には程遠く、焼け石に水にしかならなかった。宣言のアナウンス効果は、もともと薄れていた上に、五輪開催という矛盾したメッセージによって、完全に相殺されています。報道も五輪ばかり。このまま五輪を続行し、ハイペースの感染拡大が続けば、病床は一気に埋まり、必要な医療が提供できない事態になりかねません」
東京の入院率は約20%。コロナ患者の10人に2人しか満足な治療が受けられない状況だ。この先、新規感染者が4000人、5000人と増えていけば、間違いなく助かる命も助からなくなる。
27日のぶら下がり会見で、菅首相は東京五輪を中止する選択肢について「人流は減っていますし、それはありません」と断言した。命を犠牲にしてでも五輪を続けるつもりのようだ。
コロナの疑い前週の1.6倍
1日当たりの新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多となる中、救急患者の受け入れ先がすぐに決まらないケースが増えている。
総務省消防庁は27日、「救急搬送困難事案」が、19〜25日の1週間に全国52の消防で2202件あったと発表した。前週より43%多く、3週連続の増加。うち、37度以上の発熱や呼吸困難などの症状があり、新型コロナウイルス感染が疑われる事案は698件で、前週の1.6倍と大幅に増えた。
1週間の件数が2000件を超えるのは今年5月3〜9日以来。地域別では、東京消防庁が1121件と最多で、前週から34%増だった。

●東京オリンピックの危機:無観客でも感染爆発 7/28
いきなり「記録更新」となりました。7月27日、東京は1日当たり感染者数2846人、過去最高であった2021年1月7日、真冬のピーク2520人を300人以上も超える大変残念な「1位更新」となってしまいました。しかし、このレコードは長く続かないでしょう。というのもいまピークに向かって急坂を駆け上っている最中だからで、早ければ、この記事がリリースされる7月28日、記録が更新される可能性があると考えられます。
実は本稿の予定稿は以下のような書き出しで準備していました。
7月25日、東京都は日曜日の新型コロナウイルス感染者数として「過去最多」の1763人を記録しました。五輪期間中のレコード、オリンピック記録です・・・。
それどころではなくなってしまいました。
前の週の日、月、火曜日が各々1008人、727人、1180人、感染は「比」で伝播します。
単純に日曜日の増加率約1.7を掛けてやれば月曜は1271人、火曜は2063人と、週前半の感染者増加数推移がおおよそ見当がつきます。
本来なら感染が穏やかなこの時期に2000人を超える「新記録」が出る可能性、小中学生でも予測ができる数字でした。
果たして、蓋を開けてみると月曜日の感染者は・・・1429人。
小中学生方式の単純な比(線形外挿)で考えた1271人よよりはるかに多い1.96倍の感染者数を記録しました。
そして火曜日の感染者が・・・2848人、あっさりと記録を更新、ほとんど3000人に手の届く数字です。
倍々ゲームというか、高等学校で習う指数増加に近いことが分かります。正味で「五輪第5波」と呼ぶべき急激なピークが形成されつつある。
これを日本全国のデータでみると、さらに状態が悪そうです。
今回の五輪第5波、現時点までのピークは「開会式」直前の7月22日に5395人を記録しています。
ところが、7月25日は日曜日だというのに5020人、前の日曜日7月18日が3103人ですから、日本全体でも1.6倍という急激な感染増加の真っ最中にある。
7月19日の全国感染者数が2328人ですから、やはり等比的に考えれば3766人程度の感染が予測されましたが、蓋を開けてみれば4692人。
前の週の2倍超え、東京より日本全国の方が、限られたスポット比較ですが、感染者増加比に加速が掛かっていました。
蓋を開けてみると、火曜日の全国感染者数7401人。やはり1週間前の3755人の1.97倍。万のオーダーに乗るのも時間の問題と思われます。
本来なら、とてもではないですが五輪何のという情勢ではありません。さてしかし、この感染はどこまで、どれくらい伸びるのでしょう?
それを考えるうえでは「ワクチン接種率」を検討するのが一番の早道です。
一度でもワクチンを打っていれば、新型コロナへの罹患率は著しく下げることができる。その観点から、もう一つ浮かび上がってきたのが「オリンピック・アスリートのワクチン未接種」問題です。
ワクチン未接種の五輪選手問題
今回の新型コロナウイルス感染症ワクチン、特に成功しているmRNAワクチンについては、重篤な副作用は非常に少数しか報告されていません。
接種直後に死亡した例は、7月7日現在で453ケース。その中で「明らかにワクチン接種と因果性がある」と認められたのは1件だけ。
451件は「関係があるともないとも言えない」。要するにわけが分からないということになっています。
それはそうでしょう。「ワクチン接種が原因」と認定されれば、予防接種法に基づいて国が賠償せねばなりません。
数千万円に上る賠償金です。おいそれとは認可できないという役所的な事情も分からないわけではありません。
しかし、逆に言うと、それまで全く健康でぴんぴんしていた人が、特に病気でもないのに「予防のため」にワクチンを打ったら、次の日に亡くなった・・・。
医者は「自然死」だという。統計的にも特に死亡率は上がってみえないなどと正当化して見せる。その実、保証金など一切支払われない・・・そういう状況にあるわけです。
この状況は「最後のひと藁」問題として国際的にも論じられており、稿を改めて取り上げる予定です。
基礎体力の落ちている高齢者などは、ワクチン接種が引き金を引いて「自然死」してしまい、何の保証もされない制度状況にあることは、注意しておいてよい点です。
「そんなことありませんよ、ワクチンは十分安全です。それは打てば、最初はインフルエンザに罹ったような状況になります。注射をしたところは腫れますし、脇の下が腫れたり腕が上げにくい状況がしばらく続いたりするけれど、その程度・・・」
確かに「その程度」と多くの人は思うでしょう。しかし「左手が上がらなくなる状況が数日続く」といった状況を徹底して忌避したいと思う人も世の中には存在している。
オリンピック・アスリートは、その少数の例外に相当します。
競技によって千差万別ですが、100分の1秒といったタイムの差を競って、全世界で「その専門」の選手たちがしのぎを削っている。
そうした中で、五輪選手の座を競っている最中のアスリート、あるいは、オリンピック出場を射止め、本番に向けてあらゆる体調をベストに整えようとしている選手たちが、わざわざ「まずもって必ず、数日インフルエンザ同様の症状が出、数日は片手が上げられなくなる」ワクチン接種をしてくるか・・・? 
実際、ワクチンを打ちたくないというアスリートの声は報じられており、それを「懸命に説得する」各国五輪委員会という、もう一つの構図が浮かび上がってきます。
未接種者すべてが「感染の伸びしろ」
米国のオリパラ委員会の医療責任者は7月23日、米国代表選手613人のうち、約100人がワクチン未接種であることを明らかにしました。
IOCは東京オリンピックに参加しているアスリートの「約85%がワクチン接種済」と「推定」していますが、大会関係者、その他を含めた母集団で、いったいどのような数字になるのかは、率直に言って全く分かりません。
「『ほぼ』全員が一度は接種している『と確信している』」など、およそ歯切れのいい話にはなっていない。
選手総数約1万1000人強、来日関係者数5.3万人を念頭に置くと85%の既接種でも15%は未接種。
つまり、選手だけでも1700人、関係者を含めれば約8000人の「未接種者」が、わざわざ、感染拡大のるつぼ状況にある「夏風邪ピーク期」の東京そして日本に終結してきている。
大会開始わずか3日ですでに132人の感染者は1.7%ほど。すでに上昇している「バブル内」の感染率を考え、未接種者の数を念頭におけば、急増しても何の不思議もない。
同じことが日本人全体にも言えます。
政府は7月19日現在の、ワクチン接種済ならびに未接種の人口割合を、年齢と地域にわけて発表しました。
本質的に重要な部分だけ抜き出せば
◎日本全国に未接種の人は「8600万人強」存在する
◎そのうち、65歳未満の「若中年層に限定すれば7900万人強」
つまり、東京五輪で約8000人の未接種関係者がいるのに対して、日本全国では8000万人、1万倍の規模で「感染オリンピック」の記録が出されようとしていることになる。
いまや入院者、重症者の6〜7割は「20〜30代」と「40〜50代」が占めるようになり、ワクチン接種率の上がった65歳以上は横ばいの状態は見せていますが決して患者数は増えていない。
これに対して、正確な統計は知りようもありませんが、五輪関係者は一般的に「高齢者」ではなく「若年層」「中年層」つまり、いまのデルタ系変異株が感染者数を伸ばしている最中の「新患層」と重なっている可能性が高い。
要するに、五輪関係者も、日本人全体も、これから2週間ほどの間、相当規模の感染拡大が正味で懸念されることになります。
ちなみに、2020年から21年にかけての冬の「第3波」、春から連休にかけての「第4波」では各々30万人規模の患者数拡大と6000人規模の死者が出ました。
物理屋の好きな「フェルミ算」で、1億2000万人あるいは8000万人の未接種者に対して30万人の感染と6000人の死者を先ほどの「小中学生方式」つまり「線形」で考えれば、母数の0.25%とか0.375%が感染し、そのうち2%程度の致死率となるので、早い話、2万人に1人が亡くなる計算です。
そう考えると、いやな計算になりますが「東京オリンピックで来日し、五輪で感染したことで命を落とす人」が2.5人程度いても、こんな荒っぽい計算ですら不思議でないことが分かります。
こういう「線形外挿」は、実は「下限評価」などに用いるのに便利です。先ほども「最低これくらいの感染増」と見込んでいたら、よほどそれより多かった。
「東京オリンピックのために来日して、コロナに感染し、それで命を落とす人」の「下限」が2〜3人程度いる・・・というあまり考えたくない話ですが、子供でも分かる計算でリスクを評価してみました。
はっきりと一段ギアを上げた予防対策にシフトしないと、前回までと桁の違う被害を食い止めるのは困難でしょう。有効性に根拠を持った施策が必須です。

●コロナ感染拡大の中の東京五輪、閉会式はバーチャルで行うべき 7/28
<開催には賛否両論があった今回の大会だが、閉会式で説得力のあるメッセージを発信できれば評価は改善するかも>
アメリカでは今回の感染拡大を「第4波」という言い方で呼んでいます。ニューヨーク・タイムズのまとめによれば、7月26日の新規陽性者は5万6000人を超えており、14日前と比較すると44%の増加となっています。
私の住むニュージャージー州でも、一時は1日あたりの新規陽性者が100人以下まで下がったのですが、7月27日の発表では792人と増えています。この「第4波」の特徴ですが、全体が拡大傾向なのはデルタ株の感染力が強いという要因があります。また、ワクチン接種率の低い州での感染が深刻であり、それ以外の地域でも重症者の多くはワクチン未接種の人たちです。
バイデン大統領としては、7月4日の独立記念日までに、最低1回でもワクチンを接種した人の率を70%の水準にまで持っていって「ウィルスからの独立」を宣言するはずでした。また、これを前提にマスク義務化を止めて経済をフル稼働させつつあったわけです。ですが、接種率が急降下する中で「第4波」が拡大し、その目論見は外れた形です。
現時点では、少なくとも日本とアメリカに関して言えば、ワクチン接種が思うように進まないところを、デルタ株に「つけ込まれた」形で、現状に至っていると言えます。
そんな中で、東京では夏季五輪が進行中です。この大会ですが、菅総理は「中止の選択肢はない」などと、断定的な言い方をしています。ですが、この先仮に、
「東京の医療が逼迫して、五輪開催の都市間契約で約束された医療サービス提供が不可能」となった場合や、「選手村を中心に顕著なクラスターが発生し、開催都市東京の医療提供体制を逼迫させる」という状況になった場合は、期間中における中止という可能性は排除できないと思います。
その一方で、仮にそこまで深刻な状況に至らずに、苦しみながらも踏みとどまる可能性もあると思います。その場合でも、決して「人類がコロナに打ち勝った」というような思い上がったメッセージは出せません。

●尾身会長「すでに医療ひっ迫」東京感染急増 現場では…  7/28
過去最多の3177人となった28日の東京都の新規感染者数。感染拡大に歯止めがかからず、医療体制のひっ迫への危機感が広がっています。東京都の医療体制の現状をまとめました。
尾身会長「医療のひっ迫がすでに起き始めている」
28日、政府の分科会の尾身会長は、衆議院内閣委員会で「夜間の滞留人口は、繁華街などでは少しずつ減ってきているが、期待されるレベルには残念ながら至っていない」と指摘しました。そのうえで、尾身会長は、入院患者や高濃度の酸素吸入を必要とする人、それに自宅や宿泊施設で療養している人などが増えていると指摘し「医療のひっ迫がすでに起き始めているというのが、われわれの認識だ」と述べました。そして「もう少し急激に、人流や接触の機会を下げる必要がある。入院のひっ迫に関する指標を市民に十分理解していただき、日本の社会みんなが危機感を共有することが、今、非常に重要だ」と述べました。
中等症患者 受け入れの病院「キャパオーバー」
中等症の患者を受け入れている都内の病院では、用意した病床を上回る患者が入院するなど、対応に追われています。東京 杉並区にある「河北総合病院」は、新型コロナウイルスの患者に対応する基幹病院の1つで、本院と近くにある分院で中等症までの患者を受け入れています。病院では新型コロナの患者のために43床を確保していますが、1週間ほど前から入院患者が増え、28日の時点では46人が入院しています。家庭内で感染するケースも多いため、家族は同じ病室に入院してもらうなどして対応しているということです。年代別では、30代までの若い世代が全体の3分の2を占めているほか、40代や50代の患者が重症化して別の病院に転院するケースもあるということです。また、1歳未満の赤ちゃんも6人入院し、感染を防ぐガウンを着た看護師がだっこしてミルクを与えるなどしていて、入院患者の増加で、業務の負担も増しているということです。この病院の発熱外来には連日20人以上が訪れていて、検査した人のおよそ4割が陽性と確認された日もありました。
河北総合病院の杉村洋一院長は「7月の初めくらいまでは35人から40人だったが、ここ2週間ほどは43床が満床になり、1週間くらい前からは入りきらなくなった。感染力が強く、潜伏期間も長い変異株の患者が増えていて、40代、50代が重症化して人工呼吸器を付けるケースも増えている。キャパオーバーの状況はしばらく続くのではないかと思う」と話しました。さらに「いま一番注意しているのは院内感染を起こさないこと。この状況で院内感染が起こると医療崩壊に直結するので、これから治療や検査で入院が決まっている人は、極力感染するような場所には行かないでほしい。難しいが、人流を抑える努力をして、若い人には今までよりも自分たちにリスクが増えていることを知ってもらいたい」と話していました。
都「通常医療の制限も検討を」 医療機関「都民に説明を」
都内の入院患者数は、27日時点で2864人と1か月前の倍近くになったほか、病床の使用率も上昇し、48%になりました。こうした中、東京都は新型コロナウイルスの患者を受け入れている医療機関を対象に説明会を開き、通常医療の制限も検討してさらに病床を確保するよう要請しました。医療機関からは「通常医療を制限するなら都が都民に対してしっかり説明してほしい」などという懸念の声が出されたということです。都は「現在、確保している病床」の5967床を、来月6日をめどに「最大で確保できる」としている6406床まで増やしたいとしています。
大学病院「一般診療に影響が出かねない」
都の要請を受け、東京 文京区の東京医科歯科大学附属病院では、病床の確保についてどう対応するか、28日朝、病院の幹部などを集めてオンライン会議が開かれました。会議では、28日の時点で、中等症の患者が21人、重症の患者が4人、それぞれ入院していて、中等症の病床が満床状態になっていることが報告されました。こうしたことから、これまでは変異ウイルスの患者の病室について、イギリスで確認された変異ウイルス「アルファ株」と、感染力が強いインドで広がった「デルタ株」の患者などで分けていましたが、感染が急拡大している今、病室を分けるのをいったんやめ、同じにすることで、病室を空けて患者をより多く受け入れる体制を取ることを決めました。
病院が撮影した映像では、デルタ株を意味する「L452R」という貼り紙がされた病室に、看護師らが慌ただしく出入りして対応に当たっていました。この病院では、重症患者はまだ受け入れられるものの、さらに感染の急拡大が続き、重症患者も増えていけば、一般診療に影響が出かねないと危機感を強めています。東京医科歯科大学附属病院の小池竜司副病院長は「患者は爆発的に増えている。変異株の型で病室を分けるという必要度よりも、患者を収容するということを優先せざるをえないのでご理解いただきたい」と話しています。
救急搬送困難なケース急増
救急患者を受け入れる医療機関がすぐに決まらない「搬送困難」なケースも、7月に入り急増しています。総務省消防庁のまとめによりますと、今月25日までの1週間では2202件と3週連続で増加し、前の週(18日まで)の1週間の1545件と比べると1.4倍になっています。このうち、新型コロナウイルスの感染が疑われるケースは698件で、前の週までの1週間と比べて1.6倍に急増しています。総務省消防庁は「地域にもよるが、医療機関の選定や患者の搬送に時間がかかる状況がすでに発生し、データからは病床がひっ迫する兆しも見えている。よりいっそう新型コロナウイルスの感染対策をとってほしい」としています。
東京都の自宅療養者 1か月前の5倍以上に
一方で、自宅療養している人の人数も1か月前と比べ急増しています。今月21日時点で全国で1万人を超え、東京都では4000人余りと、1か月前の5倍余りに増えたことが厚生労働省のまとめで分かりました。
厚生労働省のまとめ(今月21日時点)
全国 1万717人 前の週(5809人)よりおよそ4900人増えています。
東京都 4068人 前の週(1839人)のおよそ2倍、1か月近く前の6月23日時点(711人)と比べると5.7倍に増加しています。
神奈川県 2241人 前の週(1468人)の1.5倍、1か月前(746人)の3倍に
千葉県 792人 前の週(470人)の1.7倍、1か月前(251人)の3倍余りに
埼玉県 1104人 前の週(410人)の2.7倍、1か月前(108人)と比べると10倍以上に急増しています。
往診の医師「在宅では十分に治療できるか心配」
自宅療養者の往診にあたる医師も危機感を強めています。世田谷区にある『ふくろうクリニック等々力』の山口潔院長によりますと、26日に往診した自宅療養の患者が「1週間熱が下がらない」と話し、肺炎の症状もあったため中等症と診断して入院することになったということです。山口院長は「在宅でも酸素投与や点滴はできるが、病院での治療と比べて圧倒的に手間がかかり限界もある。地域のかかりつけ医は新型コロナの診断をしたことはあっても治療の経験はほとんどなく、十分に対応できるか心配している」と話しています。感染の拡大で自宅療養者も増えると見られることから、ほかの地区医師会にも協力を呼びかけることにしています。

●想像超える拡大に危機感 「五輪で緩み」指摘も―東京都 7/28
東京都の新型コロナウイルス感染者が28日、2日連続で過去最多を更新し、3177人を記録した。これまでピークだった1月の「第3波」より死者や重症者が少ないことから、小池百合子知事や都幹部は「中身が違う」などと都民らの不安解消に躍起だ。しかし、緊急事態宣言発令から2週間たっても感染拡大が続く現状に危機感も募らせており、「東京五輪が気の緩みにつながってる」との指摘が出ている。
「いたずらに不安をあおらないでほしい」。都福祉保健局の吉村憲彦局長は、新規感染者が2848人となった27日、報道各社に異例の呼び掛けを行った。ワクチン接種による高齢の重症者の減少や病床拡充を挙げ、「第3波とは本質的に異なる」と語った。一方で「今週大きな数字が出ると覚悟していたが、2500人を超えるとは想像できなかった」と厳しい表情を見せた。
翌28日、局長の発言について記者団から問われた小池氏は「今は陽性者数だけの問題ではない。ワクチンがあるかないかの違いはしっかり伝えてほしいという趣旨だと思う」と述べた。ただ感染力が強いインド由来の変異株が拡大する中、今後の接種の進展は不透明だ。都内では、停止を求められている酒類提供を続ける飲食店や、路上飲みも多数見られる。
熱戦が続く五輪の影響を懸念する声もある。ある幹部は、人出が大きく減らない現状に「五輪をやっていることが、外出自粛とは逆のメッセージに受け取られている」と指摘。「今、仮に対策を強化しても反感を買うだけだ」と頭を抱える。
手詰まり感が漂う中、小池氏は26日から3日連続で感染者数の発表前に退庁。28日は「ぜひ不要不急の外出を控えてください」と記者団に言い残し、都庁を後にした。

●専門家「経験ない拡大」指摘 首都圏の75%が変異株か 7/28
新型コロナウイルス対策を厚生労働省に助言する専門家組織(アドバイザリーボード)は28日、会合を開き、東京都を中心とする首都圏だけでなく、全国の多くの地域で感染者が増加傾向にあり、「これまでに経験したことのない感染拡大となっている」と指摘した。
東京都に対する4回目の緊急事態宣言から2週間が経ったが、人出の減少幅は前回より小さく、効果は薄い。感染力が強い変異株(デルタ株)が、推定で首都圏の新規感染の75%を占めるようになり、今後も感染拡大が続くと懸念されている。
27日までの1週間の新規感染者は人口10万人あたりで、東京が88・63人。前週より1・49倍に増えた。各地で増加率は高く、北海道1・35倍、埼玉県1・58倍、千葉県1・48倍、神奈川県1・37倍、愛知県1・46倍、大阪府1・52倍、福岡県2・20倍、沖縄県2・15倍となっている。全国平均でも1・54倍だった。
東京都医学総合研究所は、3回目と4回目の緊急事態宣言で、繁華街の滞留人口を比較。宣言後2週間で、3回目は昼間(正午〜午後6時)は36・0%、夜間(午後6時〜午前0時)は48・2%減っていた。しかし今回は、昼間で13・7%減、夜間で18・9%減と2分の1以下の減り幅にとどまっている。
デルタ株の疑いがある「L452R」の変異があるウイルスに感染した人は26日までに、全国のPCRスクリーニング検査で7153人を確認した。8割が首都圏だった。前週の4349人から急増している。
専門家組織の脇田隆字座長は会合後の記者会見で、緊急事態宣言について、「効果が出ているとは言いがたい」と指摘。医療への負荷が高まっているとし、「このままの状況が続けば、通常であれば助かる命も助からない状況になることも強く懸念される。こうした危機感を行政と市民が共有できていないことが現在の最大の問題」と述べた。
 

 

●東京都 感染急拡大で若い世代にワクチン接種促すなど対策検討 7/29
東京都内では28日、感染確認が初めて3000人を超え、急拡大が止まりません。都は、事態を打開するカギは若い世代の感染を食い止めることだとして、ワクチン接種を促すなど新たな対策も検討したい考えです。
都内では、28日、これまでで最も多い3177人の感染が確認され、2日連続で過去最多を更新しました。3000人を超えるのは初めてです。緊急事態宣言が出されてから2週間がたちますが、効果はまだみられず、急拡大が止まりません。
28日の3177人のうちワクチンの接種が進んでいる高齢者の割合はおよそ3%なのに対して、20代と30代をあわせると55%あまりを占めていて、若い世代で感染が拡大しています。都は、事態を打開するカギは若い世代の感染を食い止めることだとして、外出自粛などの呼びかけを続けるほか、ワクチン接種を促すなど新たな対策も検討したい考えです。
ただ、緊急事態宣言は今回で4回目で、長引く自粛要請に理解が得られにくくなっているほか、若い世代は接種に対する抵抗感が根強いとも指摘されていて、感染が急拡大する厳しい局面で効果的な対策を打ち出せるかが課題です。

●コロナ急拡大 対策を練り直さねば  7/29
東京都を中心とする首都圏で新型コロナウイルスの感染が急拡大している。緊急事態宣言が歯止めになっていない。感染拡大防止に何が足りないのか、政府は早急に対策を練り直すべきだ。
東京都の一日の新規感染者数が年始の「第三波」を上回り、神奈川、千葉、埼玉三県でも急増している。二十八日に開かれた厚生労働省の専門家会議は、急激な感染者増を「これまでに経験したことのない感染拡大」と指摘した。
都市部の感染拡大は地方にも波及する。沖縄県や北海道はすでに増加に転じた。人の流れが増えるお盆の時期を前に、実効性ある対策を講じなければならない。
菅義偉首相は、感染拡大に伴い東京五輪・パラリンピックを中止する可能性について「人流も減っている」と否定した。
四度目の宣言発令後、人出は確かに減っているが、以前の発令時に比べれば減り方は鈍い。専門家会議によると、東京の夜間の人出の減りは前回発令後二週間と比べると今回は二分の一以下にとどまる。人出は減っていないというのが国民の実感だろう。
人々の間で「コロナ疲れ」が広がり、政府の対策に不安が募っているのに、首相の説明は危機感を欠き、五輪優先の姿勢すら透けて見える。あまりにも不誠実だ。
専門家会議が最も懸念するのは医療の逼迫(ひっぱく)だ。
高齢者へのワクチン接種が進み重症者や死亡者は減っているが、国民全体の二回接種率は三割程度にとどまる。感染抑え込みの効果はまだ期待できる状況ではない。
感染者が急増する東京では、自宅療養や入院待ちなどが九千人を超えた。現役世代でも入院できずに重症化や死亡するケースが増えないか心配だ。
重症化しやすいといわれるインド型のデルタ株への置き換わりも進む。病床と医療人材の確保をさらに進める必要がある。
飲食店での感染拡大を防ぐには飲食店側の協力が不可欠だが、政府は金融機関や酒類卸業者を通じて圧力をかけようとして激しい反発を招いた。どうしたら飲食店の協力が得られるのか、過去の振る舞いを猛省しつつ、実効性ある対策を検討し直すべきだ。
神奈川、千葉、埼玉三県は緊急事態宣言発令を要請する方針だ。政府は、より住民に近い自治体とも危機感を共有すべきである。

●コロナ感染急拡大 楽観捨て対策に本腰を 7/29
全国の新型コロナウイルスの新規感染者数は28日、9500人を超えて過去最多となった。東京都では連日の過去最多更新で3千人台に達した。加速する感染拡大に対し、政府は楽観姿勢を改め、これ以上の拡大を食い止めるために積極的な対策を講じなくてはならない。
東京と同様に過去最多の感染者数となった埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県は近く緊急事態宣言を政府に要請、発令される方向だ。4都県で全国の感染者数の約6割を占めている現状から見ればこの動きは遅過ぎる。
北海道、大阪府、沖縄県など各地で感染者の増加が顕著だ。もはや首都圏だけの感染拡大ではない。地方の危機感を重く受け止め、政府は必要な支援や対策を進める必要がある。
専門家が先月末に示した東京五輪期間中の感染拡大シミュレーションがある。感染力の強いインド由来のデルタ株拡大の影響などで、都内の新規感染者が8月に3千人を超える可能性が指摘されていた。
このシナリオが前倒しで現実化しているのは深刻。東京都に発令された4回目の緊急事態宣言の効果が薄いことは明白だ。
年代別に見ればワクチン接種が進んだ65歳以上の新規感染者は少なく、未接種の50代以下が多い傾向がある。都の担当者は若い世代の重症化リスクの低さを強調して、医療逼迫(ひっぱく)の状況は生じていないとした。
昨日の衆院内閣委員会では政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長が「医療の逼迫が既に起き始めているというのがわれわれの認識だ」と強い危機感を示した。感染者数の増加が医療現場に及ぼす影響が小さいはずはないだろう。
菅義偉首相は気になる発言をしている。治療薬の確保やワクチン接種の効果を強調するとともに述べた「人の流れは減っている。心配はない」という極めて楽観的な見解だ。
根底に感染拡大への危機感の希薄さがあるとすれば問題だ。日本よりワクチン接種率が高い国々でも感染の再拡大が起きている。国民の気の緩みを誘いかねないメッセージは厳に避けなければならない。
菅首相と小池百合子都知事が口をそろえて東京五輪のテレビ観戦を呼び掛けている。そんな訴えだけで人出が抑制されるとは到底思えない。
都内の繁華街の人出は宣言後にやや減少しているとはいうものの、過去の宣言時と比べて減り方は小さいという。夏休みが始まり、無観客とはいえ五輪競技の熱戦が繰り広げられる都内では、高揚した気分の広がりもあって人出の抑制はますます難しくなっているのではないか。
感染のピークが見通せないまま、お盆の帰省や夏休みの家族旅行シーズンを迎える。政府が明確なメッセージを打ち出すとともに、各自治体と連携して強力な対策を取らない限り、この感染急拡大は止められない。

●東京五輪 「こういう時には撤退するよっていうラインを示す必要がある」 7/29
元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏(52)が29日、フジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月〜金曜前8・00)に出演。新型コロナウイルスの感染拡大による東京五輪への影響について言及した。
東京都では28日に新型コロナウイルスの感染者が新たに3177人報告された。27日の2848人を上回り、初の3000人台となって2日連続で過去最多を更新。6人の死亡も確認された。今月12日からの緊急事態宣言期間が2週間を経過後もワクチン未接種が多い世代を中心になお拡大が続いてピークが見えず、医療提供体制や開催中の東京五輪への影響に懸念が強まっている。
橋下氏は「僕は、五輪と感染者数はダイレクトにつながっていないというような立場なんですけど」とした上で、「それでもやっぱり撤退ライン…、僕は五輪を中止にしてほしくないんですけど、こういう時には撤退するよっていうラインを示す必要があると思うんですよ。医療現場で本当に大変な状況になって五輪どころではないというところがあると思うんでね。そういうラインを示さずにとにかく五輪に突き進むっていうのは過去に戦争で撤退ラインを決めずにどんどん突き進んでいって敗戦した結果とか、そういうことを学んでいないのか。東日本大震災の時にも想定外っていうものを置いてはいけないってことを僕ら散々学んだのに。撤退ラインをきっちり置いて、そこを超えないように国家運営していくのが政治の役割だと思う」と自身の見解を述べた。
そして、具体的撤退ラインについては「医療崩壊のところだと思う。新規感染者数だけではなくて、医療現場がとてもじゃないけど今五輪やれるような状況じゃないっていうラインを越えれば五輪はやるべきじゃないと思う。ただ僕はそうならないように国家運営をしていくと。その撤退ラインを示していないから、みんな新規感染者数だけで不安にかられてしまう。医療崩壊のところが撤退ラインだと思う」と話した。さらに「僕は五輪はこのまま選手を応援してなんとか閉幕まで迎えてもらいたいと思うんですが、ただ国民感情に配慮することなく政治が突っ走ると今後国民は政府の言うことを聞かなくなると思う」と指摘し、「飲食店にしたって国民全体も。そうならないためにもこのラインを越えたら五輪はできない。このラインを越えないように一生懸命やるよと。そこは医療崩壊だと思う」と述べた。

●専門家「これが感染爆発…今は断る勇気を」 7/29
新型コロナウイルスの新規感染者は、28日、東京都で3177人確認され、感染拡大が止まりません。感染症の専門家は「これがオーバーシュート」と危機感を募らせ、感染拡大を止めるためには、飲み会や人が集まる機会には「今はやめようと断る勇気を」と呼びかけています。厚生労働省の専門家会議(アドバイザリーボード)のメンバーで公衆衛生が専門の、国際医療福祉大学の和田耕治教授はツイッターで、「これがいつか起こると恐れていたオーバーシュート(感染爆発)です。ここがピークかもわかりません」と危機感を募らせ、「この1年半で都内で感染する可能性は今が一番高い」と注意を呼びかけました。28日午前、現状と今後の見通し、私たちがとるべき行動について聞きました。
──現状をどうみていますか?この局面で私たちはどう行動すればよいのでしょうか?
感染者数が減らなくて困っています。今後も増える局面です。その中では「皆で感染拡大を止めよう」と思っていただくのが大事だと思います。1つのゴールとして、感染者を減らすというような方向でやりましょうという考えです。オリンピックのテレビ観戦も、家族以外との接触を減らして、家での時間を過ごすことは、感染拡大を止める上で有効だと思います。オリンピック開催には反対している人もいますけれど、(感染を抑制する)目的は人それぞれでいいと思うんです。今、オリンピックもあるし、今後、お盆があるし。お盆は、帰省したり、例えば初盆でお墓参りしたいとか、平穏に過ごしたいと思う方は多いでしょう。人によって、感染抑制を目指すのは五輪を無事に行うためにとか、自分とか周りの人が感染しないために、とか、お盆を平穏に過ごしたいとか、何か自分の大切にすること、目的を選びやすい、よいタイミングだと思います。それぞれが何らかの目的で感染が減るのを見るためには、少なくとも今後1週間なり10日間、人との接触の機会を減らしてもらう、普段会わない人とは会わない、一緒に住んでいる家族との接触にとどめるということを続けてほしい。自分のためもあるけど、誰か、とか何かのために、だと、意外に行動を変えたり、何かをやめたりできるものなんです。ダイエットや禁煙もそうですよね。
──専門家として、次に打つべき手は考えているのでしょうか?
基本は接触を減らしていただくということです。以前は8割の接触減ということがありました。海外でよく行われている取り組みで、日本でまだ実施されていないのが、家族以外の人が集まる際の人数制限でしょうか。「何人以上で集まるのは控えて」と具体的な数で示すのかどうか。ただ、オリンピックはやっているのにと言われてしまうかもしれない。実際の感染は、小規模で日常の場で起きているのですが、その違いをきちんと説明しないといけない。大きな影響をうけるのはお葬式、結婚式です。海外でも政府が少し緩めた基準をやむなく示していますが、そういう厳しい段階にあります。
──都内の繁華街、人流は一定程度減っている。その中でも、一部、飲み会で集まる人が居続けているということなのでしょうか?
そうですね、飲み会だけでなく、日常の小規模な接触が起きている、繁華街だけでなく、さまざまな場所で日常の場面で感染が起きているわけです。だから誰もが安全ではない、ということ。今は、接触機会を減らしてもらう、家にいていただくタイミング。五輪のため、お盆のため、家族のため、自分の「何かのため」を決めて、家にいてほしいなと思います。
──飲み会を約束している、という人もいると思います。
そうですね。飲み会を明日予定している、田舎に帰ろうと予定している人は、今はやめる、ということが大事なんですね。そこに行くことで、ほかの人に感染させるとしたら……今は、あなたが感染する可能性、誰かを感染させる可能性が、新型コロナウイルスが見つかってからのこの1年半の中で一番高いです。
──自分が無症状でも、実は気がつかないうちにウイルスをもっていて、それを明日、会う人にうつす可能性が一番ある時期なんだと自覚するということですね。
そうです。特に東京はそうです。
──問題は、その我慢はいつまですべきなのか?人流が減ってから感染者が減るまでに以前は2週間ほどでしたが、前回の流行時の大阪をみても、5週間ぐらいかかりました。
そうなんです。やはり(デルタ株は)増えやすいから感染者がなかなか減らない。人流の減り方が足りないんです。その前、6月中旬以降から人流が増えてきた積み上がりがある。今は、もう一段減らさなくてはいけない。飲み会や会社の集まりで感染した例もあります。そういうものに参加しないということだと思います。断る勇気というか。今はやめようと言える勇気というのは、すごく、今、大事だと思います。「今やめましょう」というのは、すごく合理的な判断だと思う。またおちついたら開催すればいいと考えていただいて。
──いつまで感染拡大は続くのか。1〜2週間か?
それは約束できないが、オリンピック閉会式の8月8日までには、今より少ない(新規感染者の)人数をみたいと思っているんです。そこまででだめなら、お盆は、全国で厳しい対策を打つ必要が出てしまう。
──今、外出自粛を踏ん張らないと、いつまでも感染者は減らないと。
はい。そういう局面なんです。とても難しいが。
──若い人も油断できない。
デルタ株だと若い年代も感染が増えています。油断できない。デルタ株に置き換わってきているから、どの年代も注意していただく必要があります。各自がまずは命を守る行動をしてください。

●五輪続け国民の命守れるのか 7/29
新型コロナウイルスの新規感染者数が、東京都で初めて3千人を超えて過去最高を更新するなど異常なペースで急増しています。都は都内の医療機関に対し、通常医療を制限してコロナ病床の確保を求める通知を出しています。都内では医療崩壊が起こりつつあると言えます。こうした危機的な状況にもかかわらず、菅義偉首相は東京五輪中止の選択肢は「ない」と断言しました。国民の命と安全を守れなくなれば五輪はやらないと述べていた自らの国会での答弁にも反するものです。首相にはこの事態にどう対処するのか国民と国会に説明する責任があります。
都の通知(26日付)は、感染状況などを分析・評価する都モニタリング会議が「(新型コロナ)入院患者数は6月下旬から約1か月で倍増しており、今後、新規感染者数が急速に増加すれば、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)の危機に直面する」と指摘していることを紹介し、コロナ病床の確保を要請しました。
そのために「通常医療の制限」を視野に入れた「病床の転用」を求め、具体例として救急医療の縮小・停止、予定手術の延期、一部診療科の停止、診療機能の縮小―を挙げました。東京の医療がかつてない機能不全に陥りつつあることを示しています。
東京では4回目となる緊急事態宣言が12日に始まってから2週間が過ぎ、本来であれば効果が出てくる時期とされているのに、なぜ感染が急拡大しているのか。感染力の強いデルタ株の広がりに加え、「政府への信頼がなく、どんなメッセージを出しても共感を得るのが難しくなっている」(厚生労働省幹部)との声が報じられています(27日のNHKニュース)。
信頼も共感も得られないのは、菅政権が五輪を続けながら、国民には外出を控えるように呼び掛ける矛盾したメッセージを出しているからに他なりません。感染状況の悪化は、首都圏全体から全国に波及しつつあります。
菅首相は、27日に東京でそれまでの最多となる2848人の新規感染者が出たことに関し「(五輪)中止の選択肢はないのか」と記者から問われ、「人流も減っているし、そこはない」と明言しました。
しかし、政府の新型コロナ対策分科会の舘田一博東邦大学教授は「今の感染者数は2週間前に感染した人であり、人の流れが減っていないことを考えると感染者数はさらに増える可能性がある」(同前)と指摘します。首相は人流減少の理由として「車の制限」と「テレワーク」を挙げましたが、本当にそれで減っているのか。明確な根拠を示さないのは無責任です。
菅首相は6月9日の国会での党首討論で、日本共産党の志位和夫委員長の質問に対し「国民の命と安全を守るのは私の責務だ。守れなくなったら(五輪を)やらないのは当然」と述べています。今はまさに「国民の命と安全を守れなくなっている」事態ではないのか。そうであれば首相は国会での言明通り五輪中止を決断すべきです。
共産、立民、国民、社民の野党は憲法に基づき、共同で臨時国会の開催を菅政権に求めています。一刻も早く国会を開き、コロナと五輪の問題を徹底的に審議し、首相も国民の不安や疑問に応えて説明する必要があります。

●五輪競技中継し深夜営業の飲食店も 都200人態勢で見回りへ  7/29
新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、東京の繁華街では、都の要請に応じず酒を提供し、深夜まで営業している飲食店もあります。この中にはオリンピックの中継を流して多くの客で密状態になっている店もあり、東京都は飲食店の見回りを行い、酒を提供しないことなどを求めることにしています。
東京都は、7月12日からの緊急事態宣言を受け、飲食店に対し酒の提供をせず、夜8時までの時短営業を要請しています。
またオリンピックについて、国や都は不要不急の外出を自粛して自宅でテレビ観戦するよう呼びかけています。
しかし東京・渋谷の繁華街では、店の前に「オリンピック放映中」という貼り紙をするなどして酒を提供しながら営業を続けている店もあり、多くの客が訪れています。
このうち深夜12時まで営業している飲食店では、28日夜はオリンピック、サッカー男子の日本の試合をモニターで流し、多くの客が酒を飲みながら店の外まで聞こえるほど大きな歓声があがっていました。
この店の店長は「都から出される協力金は十分ではなく、自分でどうにかするしかない。店を閉めて倒産するのではなく、開けて生き残る方を選んだ。感染がさらに拡大しても、営業を続けるしかない」と話していました。
一方、渋谷にあるスポーツバー「Fields」では、都の要請に従って酒を提供せず、毎日午後8時に店を閉めています。
28日はサッカーの試合を店で見たいという電話が入っていましたが、店長の田中守さんが来店を断っていました。
田中さんは「行政に従わない店もあるが、経営者がそれぞれ決断したと理解している。自分の店がルールに従っている中で、感染が拡大し、むなしく感じる」と話していました。
都は緊急事態宣言後、最大で1日200人が飲食店の見回りを行う態勢をとっていて、感染が急拡大する中、酒を提供しないことや時短営業を求めることにしています。

●感染者“過去最多”に「報道で不安あおらないで」 局長が異例の説明 7/29
東京都で28日、新型コロナウイルスの感染者が新たに3177人確認された。初めて3000人を超え、きのうの2848人に続き連日で過去最多を更新した。
この感染者数の増加を都はどのようにみているのか。テレビ朝日社会部の油田隼武記者は「まず4連休明けであること、そして変異株が広がっていることから、都庁の幹部は『覚悟はしていた』と話していた。都庁側としては、人流が減少しているというデータがある。一番心配するのは医療提供体制の崩壊だが、コロナ患者用の病床数が確保できていること、感染者が若年化していて高齢者が減っていることから、幹部は『すぐ医療を圧迫するものではない』としていて、過去最多という数字は出ているが、強気な発言は目立っている」と説明する。
2848人の感染が確認された27日は、記者向けに行われる都の担当者の感染状況のレクの前に、局長が取材に応じたという。「これは非常に珍しいこと。この囲み取材で局長がどんな話をしたかというと、我々に対して『いたずらに不安をあおらないでほしい』と。1月とは違う状況だということを繰り返し話していた。『今すぐにどうなるものではないので、報道で不安をあおらないでくれ』という話だった」。
とはいえ、感染拡大のスピードは早く、別の幹部からは「以前、大阪の医療が崩壊というような状況になったが、そうならないように最善を尽くさないといけない」「今のタイミングで感染者が増えていくのは、オリンピックのせいだとなりかねないんじゃないか」という心配の声があがっているという。
今年1月にも都の感染者数は2000人を超えたが、都は現在はワクチン接種が進んでいるなど、当時とは異なる状況だと説明する。また、感染者数は2週間前の状況を反映するとされているが、今から2週間前はまだオリンピックが始まっておらず、局長も「今の数字はオリンピックが直接影響している数字ではない」と見解を述べたという。
今後の見通しについては、「ここがピークだとは思っていない」というのが都の考えだ。一方で、見るべき指標は感染者数だけではないといい、油田記者は「感染者は一番わかりやすい指標で、数字にびっくりして自粛しなきゃいけないとか、自分の感染対策を考えるという意味では大事だと思う。ただ、入院者数や重症者数などいろんな指標を見て総合的に判断しているので、いろいろな報道を注視したほうがいいと思う」とした。

●感染者の急増 社会で危機感の共有を 7/29
新型コロナの感染者が全国で急拡大している。東京都では2日連続で過去最多を更新し、ついに3千人を超えた。周辺3県でも政府に緊急事態宣言の発出を求める動きがある。
高齢者の感染はおおむね抑えられているものの、入院が必要な患者や重症者の中心が働き盛りの世代に移り、ベッドは確実に埋まりつつある。世界各地で勢力を広げるデルタ株への置き換わりが、国内でも進む。
人の動きが活発になる夏休み期間と重なり、感染症の専門家や医療現場からはこれまで以上の危機感が示されている。
ところがその危機感が、国、自治体、そして国民の間で共有されているとは言い難い。
たとえば菅首相である。不要不急の外出を避けるよう呼びかける一方で、おととい東京五輪への影響を問われると「人流は減少している。心配ない」と答えた。しかし減少幅は過去の宣言時に比べて小さく、場所によってはむしろ増加している。
都合のいい事実だけを切り取った発言は不信を深めるだけだ。これまでも楽観論を振りまいては抑え込みに失敗してきた首相だけに看過できない。
東京都の福祉保健局長は、医療提供体制に問題はないとの認識を示し、「いたずらに不安をあおるようなことはしていただきたくない」と述べた。
だが都は26日付で、コロナ病床確保のため、救急医療の縮小や手術の延期などの検討を医療機関に要請している。なぜ黒を白と言いくるめるような話をするのか。人々が抱く不安、医療従事者の切迫感とのずれは明らかだ。小池百合子都知事も局長と同じ見解なのか。
政府・都は外出自粛や移動の抑制を求めながら、五輪という巨大イベントを強行し、祝祭気分を醸し出してきた。この矛盾がさまざまな場面で噴出。繰り返される宣言への慣れや、酒類の提供停止をめぐる失政への反発も重なって、行政の要請に協力しようという意識は極めて希薄になっている。
自分たちの振る舞いによって、自分たちの言葉が市民に届かない。まずその自覚を持ち、これまでの判断ミスを反省したうえで、状況の改善に当たらねばならない。五輪についても、首相が国会で表明した「国民の命と健康を守っていくのが開催の前提条件」という約束にたがわぬ対応をとる必要がある。
高齢者の様子を見ても、ワクチンが行き渡れば一定の効果が期待できる。それまで死者や重症者を最小限にとどめ、通常医療に支障をきたすことなくこの難局を乗り切る。そのために何より求められるのは、社会全体で認識の共有を図ることだ。

●埼玉県、緊急宣言を要請へ 入院調整など強化するも 7/29
埼玉県は28日、新型コロナウイルスの専門家会議を開き、感染者の増加ペースが速まっていることから、政府に対し、緊急事態宣言を要請することについて意見を求めた。近く県の対策本部会議を開き決定し、正式に要請する。大野元裕知事は会議で「病床確保や保健所、入院調整体制の強化を図っているが、これ以上感染が拡大する場合は重大な支障が生じる可能性がある」と述べ、一層の対策強化が必要だとした。県内の28日の新規感染者は870人となり、27日の593人を大幅に上回り、2日連続で過去最多を更新した。
会議では専門家に対し、現在の県内の感染動向と必要な対応を諮問。県内の28日の新規感染者は870人で、前週21日の381人から1週間で倍以上に増加。1月以来、半年ぶりに過去最多を更新した27日の593人を大幅に上回り、2日連続で過去最多を更新した。県内では20日から8月22日まで、20市町を措置区域に指定し、まん延防止等重点措置による感染防止策が行われているが、日ごとに新規感染者は急増し、ペースも速まっている。
22〜28日の1週間の新規感染者数は計3617人(1日平均516・7人)で、2度目の緊急事態宣言が出された直後の1月中旬を上回って推移。新規感染者の増加とともに県内確保病床使用率も上昇を続け、27日時点で51・4%(857人/1668床)、うち重症病床使用率は23・6%(39人/165床)となっている。
感染力が強いとされるインド由来のデルタ株の陽性率速報は19〜25日の1週間が47・4%。前週(12〜18日)の36・6%から大幅に上昇し、半数近くがデルタ株に置き換わっている。

●日本「ロックダウン」の現実味 新型コロナ急拡大に「打つ手なし」 7/29
新型コロナウイルスの感染者数が急拡大している。2021年7月28日には東京でついに3177人と初の3000人を突破した。4度目の緊急事態宣言が発令されているにもかかわらず、感染者数は増える一方だ。
全国の感染者も9583人となり過去最大。五輪と同時進行で、コロナ感染者数も新記録を樹立した格好だ。これまでの対策を続けるだけで、いまや異次元レベルになりつつある感染爆発に対応できるのだろうか。
交通遮断、店の営業停止、住民は外出禁止
諸外国がコロナに「ロックダウン」(都市封鎖)で対応していることはよく知られている。それに対し、日本は「緊急事態宣言」にとどまっている。「ロックダウン」になると、通常、特定の都市・地域への人の出入りが規制(禁止)される。カミユの名作『ペスト』が有名だ。アルジェリアの小さな港町オラン。ある日、ネズミの大量死が見つかる。ペストだとわかって町は封鎖。交通機関はストップし、電話や郵便も規制される。外部の世界から隔絶された住民たちはいらだちと孤立感を深める。医療体制は混乱し、生活必需品は高騰、そして毎日のように増えていく死者・・・。これは文学作品だが、コロナ禍では現実になった。コロナの発生地、中国・武漢市はいち早くロックダウン。他都市との往来が遮断され、食料品は宅配に。その後も欧州各地で類似の対策が取られたて。ロックダウンは、一義的には、他都市との交通・交流の制限を指すことが多い。住民の行動を規制する場合は、同時に「外出禁止令」が発令される。勝手に外出することができない。英国やフランスでは一時、生活必需品の買い出しなどを除いて外出が禁じられ、違反者には罰金が科せられた。このように交通遮断だけでなく、店舗の営業停止や、住民の外出禁止なども含めて「ロックダウン」と称されることが多い。
規制の大半は「要請」どまり
非常時に、公権力が一般市民の私権を法律で制限するという意味では、緊急事態宣言、ロックダウン、外出禁止令は似ている。違いは強制力。日本の緊急事態宣言は、諸外国のロックダウンや外出禁止令に比べると、規制が緩い。様々な規制の大半は、「要請」にとどまり、「罰則規定」がない。東京新聞によると、日本の緊急事態宣言は、改正新型インフル特別措置法(新型コロナ特措法)に基づき、首相が対象区域と期間を定めて発令する。それを受けて都道府県知事が、住民に外出自粛や、イベントの開催制限などを要請、指示することができる。「要請」は相手に対してのお願い。「指示」には法的な履行義務が生じるが、罰則はない。臨時の医療施設を開く目的で、土地・建物を同意なしに使用したり、政府への医薬品売り渡しに応じなかったりした場合には罰則もあるが、強制力がある措置は限られる。「海外のような強い強制力での抑止は法律上は難しい」のが日本の現状だという。法規制の違いは、それぞれの国の歴史や憲法、国民意識とも関連する。産経新聞によると、「日本も戦前の大日本帝国憲法には国家緊急権の規定があったが、現行憲法には存在しない。戦争の反省から国家の暴走を防ぐ意識が働いたとされる。このため日本では戦後、大災害など有事の際は個別の法律を新設、改正して対応してきた経緯がある」。
「切れるカードは、なくなってきている」
東京では4度目の緊急事態宣言ということもあり、緊張感が薄れ、昼夜の人出はあまり減っていない。これまでの宣言と違って、宣言後に感染者が急増しているのが今回の大きな特徴だ。神奈川、千葉、埼玉でも一気に感染者が増えてきた。感染力の強いデルタ株が75%を占めるようになっているという。全国の感染者の多くは若い世代に移っている。しかし、64歳以下のワクチン2回接種率は26日現在、まだ2%台。多くの国民が、無防備のまま猛威を振るうデルタ株にさらされている。当面、全国の感染者数は急増していくことが確実な情勢だ。共同通信によると、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は28日、「医療の逼迫が既に起き始めているというのがわれわれの認識だ」と語り、政府に求められる対応について、「人々にしっかりと危機感を共有してもらえるメッセージの出し方と、感染状況にふさわしい効果的な対策を打つということだ」と語ったという。「効果的な対策」とはどのようなものが想定されるのか。これまでよりも強制力が強いものになるのか。テレ朝newsは28日、東京都の小池百合子知事は繰り返しステーホームを呼び掛けているが、手詰まり感は否めないとし、「切れるカードは、なくなってきている」という政府高官の声を伝えている。
法律がなくてもできる
感染症専門医の中には、法律はなくても実質的なロックダウンはできると主張する人もいる。神戸大学病院感染症内科の岩田健太郎教授は28日、幻冬舎オンラインで、著書『僕が「PCR」原理主義に反対する理由』(集英社インターナショナル、2020年12月刊)の一部を抜粋・再編集し、概ね以下のように説明している。「日本には外出を規制する法律がない。だからロックダウンはできない」。そんなことを言う人がいます。しかしそれは間違いです。法律上、「外出をするな」とか「店は閉めろ」といったことを強制できないのは事実ですが、それは重箱の隅をつつく議論で、本質的な問題ではありません。日本でもロックダウンはできます。「この地域に入らないでください」「この地域から出ないでください」「この地域に住んでいる人は外出しないでください」「罰則はないけれど、協力してください」。国がそう言い続けるのがロックダウンです。感染を終息させるという目的において、ロックダウンは最もパワフルな対策です。その効果には絶大なものがあります。短期間のうちに感染を抑え込むためには、できるかぎり完全に近い形で人の動きを止めなければならない。「狭く強く短く」がロックダウンを成功させる要件です。
岩田さんの主張と、尾身会長の発言はなんとなく重なるところがある。まだ「打つ手はある」というものだ。それを政府に求めている。ただし、東京では五輪を開催中。そのことが事態を複雑にし、より強いコロナ対策を打ち出しづらくしている。
ヤフー「みんなの意見」は、「五輪期間中に感染が拡大、政府の対策に効果はあると思う?」というアンケートを実施中だが、28日現在、96%の人が「効果はない」と答えている。

●全国最多9500人超…「重症は瀕死です」医療現場と一般のギャップ 7/29
東京の新型コロナウイルス感染者が初めて3000人を超えるなど、1都3県で過去最多となりました。この3県にも緊急事態宣言が拡大される方向に。一方、現場の医師は、医療現場と一般の人たちとの認識に「ギャップ」があると指摘します。
東京で初の感染者3000人超も「ピンと来ない…」
初めて3000人を超えた東京の感染者。
ホテル業(20代)「いまいち数字が大きすぎてピンと来ないってのは感じてます」
会社員(20代)「今や『3密』っていう言葉も死語になってんじゃないかなくらい」
会社員(20代)「私自身、休みはサウナ行くので、全体的に意識は、最初に緊急事態宣言出されたときより圧倒的に(意識が)低い」
直近7日間の感染者数の平均は1954.7人で、前の週の153%に。新たに、50代から90代まで6人の死亡も確認されました。
28日、全国で9500人以上の感染者が確認されました。感染の急拡大が止まらない状況に、この日の夜、厚労省アドバイザリーボードの脇田座長は──
脇田座長「(全国的に)これまでに経験したことがない感染拡大という評価。連休による影響がありますので、今後さらに報告者数が上積みされる可能性もある」
──宣言の効果について
脇田座長「宣言発出してから2週間経過しているが、その効果が出ているとは言いがたい。人流減少しているのは確かにあるが、前回の緊急事態宣言の減少と比べると、まだ到底そこには及ばない」
人出の減少スピードが遅いため、今後も感染者数がなかなか減らない危機的な状況にあると指摘。また会議では、だいたいいまのペースで感染者数の増加が続くと、およそ1か月後には都内の一日の新規感染者数が1万人を超えるとの新たなシミュレーションも示されました。
記者「総理、東京都で3000人、全国で8000人を超える感染者が確認されました。どう対応しますか?」
記者「国民にメッセージを出す必要はお感じになりませんか?」
菅総理は無言のまま官邸を後にしました。一方、東京の小池知事は。
──感染者数3000人という報道もありますが?
小池知事「皆様方にはぜひ不要不急の外出を控えてください。(東京商工会議所に)テレワークの徹底をお願いしました。このように皆さんのお力を得て抑えこんでいきたいと思います」
さらなる問いかけには答えませんでした。
「第5波」は東京の周辺でも。神奈川県では1051人と初めて4桁となったほか、埼玉県では870人、千葉県では577人といずれも過去最多となりました。
“感染激増状態”3県が緊急事態宣言を要請へ
神奈川・黒岩知事「きのう700人ってだけでも驚いたんですが、一気に1000人(台に)。感染激増状態に入っていることが改めて確認できてしまったわけでして、大変大きな衝撃を受けております」
千葉・熊谷知事「千葉県の感染状況は非常に急激な増加傾向が続いております。東京やその周辺の地域を見ても、いよいよ危機的水準に達しつつあると考えておりますので」
29日、神奈川・千葉・埼玉の3県でそろって国に対して緊急事態宣言を要請する方針に。政府は、30日にも宣言の発出を決定する方向で検討しています。
また、あわせて大阪に緊急事態宣言を発出することや、北海道にまん延防止等重点措置を適用することも検討していて、感染状況などを見ながら慎重に判断する方針です。
医療現場と一般の人たちの認識に「ギャップ」
28日午後、政府分科会の尾身茂会長が訴えたのは、医療体制に対する専門家の危機感です。
尾身会長「実は医療のひっ迫というものがすでに起こり始めているというのが我々の認識であります」
入院患者や重症者の数が増えていること以外にも──
尾身会長「入院調整をする人が増えている。宿泊療養をしている人が増えている。自宅で療養している人も急増しているんですね。一般の人々にまだ十分にその危機感が伝わってない」
埼玉県内の『埼玉医科大学総合医療センター』では、28日、集中治療室で人工呼吸器をつけた患者の治療が行われていました。
「こちらが今入院している患者さんで、42歳、56歳、46歳、ほとんどが40〜60代の患者さんです」
治療にあたる医師の岡秀昭教授は──
岡秀昭教授「一部楽観論としては、重症者が少ない、高齢者がワクチン接種を終えているから大丈夫という意見がありますが、現場の感覚はそうではありません」
医療現場と一般の人たちとの認識に「ギャップ」があると指摘します。
岡秀昭教授「重症は瀕死(ひんし)、海外でいうとクリティカル。一般の方は重い肺炎があるのを重症だと思っている。だから一段階か二段階ずれている」
岡教授によると、「重い肺炎」と思われがちな重症とは、実際には、自力での呼吸ができず人工呼吸器が必要な状態で、その手前の「中等症」についても、高熱や呼吸不全などの重い症状があり、現場では大きな負担に。そのため、重症者の数だけを見て判断することは、医療現場のひっ迫状況を見誤る可能性があるといいます。
岡秀昭教授「私が管轄している内科で使える中等症・重症の病床数は23です。その病床が本日の段階で20床、埋まっています。第3波のときは(緊急事態)宣言が効いてきて患者が減っていった。これから増えてくるんですよね、そこに正直、絶望感がある」
感染のピークが見えない現状に、政府分科会のメンバーは──
政府分科会・舘田一博教授「飲食やお酒を抑えることに集中しているが、それをより広い範囲で、商業施設を含めて営業の自粛等々を考えていくなり、より強いメッセージを発していく必要も考えていかなければいけない」

●官房長官、コロナ感染拡大「医療体制を確保」 7/29
加藤勝信官房長官は29日の記者会見で、新型コロナウイルスの全国的な感染拡大に関し「医療体制を確保し、保健所の機能の拡充を図っていく。総合的な対応が必要だ」との認識を示した。
同時に「感染防止対策を徹底し、ワクチン接種に全力で取り組む」と強調。ワクチン接種の進展に伴い、感染状況に明らかな変化が見られるとして「接種が十分に進んだ後の適切な感染防止対策の在り方についても検討していく」と語った。

●120人コロナ感染、拡大止まらず 28日の静岡県内 東部で半数 7/29
静岡県内で28日、新たに120人の新型コロナウイルス感染者が確認された。過去3番目の多さで、120人の感染確認は5月15日以来。東部地域がほぼ半数の58人を占め、特に沼津市や三島市などの駿東田方地域、下田市などの賀茂地域で感染拡大が止まらない。県は両地域の住民に「日常の仕事や買い物以外では外出を控えてほしい」と呼び掛けた。
県によると、県全体の直近1週間の人口10万人当たり新規感染者数は14・8人。7月下旬以降、右肩上がりで、国が示す感染状況のステージ3(感染急増)の基準(15人以上)に迫る。
一方で28日時点の重症者は2人で、前回120人だった時の7人に比べ少ない。県は「重症化しやすい高齢者の間でワクチン接種が進んだ効果」とみている。高齢者の感染割合も5月中旬の10%台中盤から1桁まで減少した。若い世代の感染抑制をどう図るかが今後の鍵となる。
県は85人の新規感染者を発表した。既にクラスター(感染者集団)に認定された磐田市の学校で3人、下田市のバー「COCO だっけ」と接待を伴う飲食店「ナイトパブ・ONE・TWO・THREE」で各1人。同市の拡大検査では25、26日で651検体を採取し、11件の陽性を確認した。
浜松市は16人の感染を発表した。うち市内の学校の部活動関連クラスターが2人、磐田市の学校クラスターの関係者が1人。静岡市は19人の新規感染を発表。清水区の製造業の事業所関連クラスターは、市外の従業員5人の陽性が判明し、計13人になった。
県内の累計感染者数は1万488人(再陽性者を含め1万489人)となった。

●尾身会長「下げる要素あまりない」… 首都圏の感染急拡大  7/29
29日に開かれた参院内閣委員会の閉会中審査で、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、首都圏などでの新たな新型コロナ感染者の急増に対し「大変な危機感を感じています。この感染を下げる要素があまりありません」と強調した。
感染拡大を進める要因として、「コロナ疲れ」や感染力の強い変異株「デルタ株」への置き換わりとともに「夏休み、お盆、さらにオリンピック」と列挙し、東京五輪の開催が人出の増加に影響している懸念を指摘。「最大の危機は、社会一般の中で危機感が共有されていないことだと思います」とも述べた。対策が進まない場合、「早晩、医療逼迫が今よりもさらに深刻になる」と訴え、自宅療養中に重症化する患者が出てくる恐れを想定して対策する必要性にも言及した。
五輪中止やパラリンピックの有観客開催の是非について問われると、自らの判断の表明は避けつつ、「(東京の新規感染者数が3000人を超えた)この時期を逃さないで、明確な強いメッセージを出していただければと思います」と政府に注文した。
いずれも立憲民主党の杉尾秀哉氏の質問に答えた。
政府からのメッセージを巡っては、菅義偉首相は28日、感染の急拡大を受けた取材対応を拒否した。官邸側は「本日はお答えする内容がない」(首相秘書官)と説明した。

●新型コロナ 関西でも感染急拡大 各府県が警戒強める 7/29
関西の2府4県では新型コロナウイルスの感染が急拡大しています。大阪府の吉村知事は、国の方針を注視しつつ、府として、軽症・中等症の病床か、重症病床のいずれかの使用率が50%に上った時点で、緊急事態宣言の発出を要請する考えのほか、兵庫県は、まん延防止等重点措置の適用を求めるなど、各府県では警戒を強めています。
関西の2府4県で28日に発表された新型コロナの新たな感染者は、あわせて1354人で、このうち、大阪の感染者は798人と、2日連続で700人を超えたほか京都は175人と、これまでで最も多くなりました。
こうした状況について、大阪府の吉村知事は「増加の速度は首都圏とほぼ同じ状況で、東京で起きていることは、大阪でも時間をおいて起きてくる」と強い危機感を示しました。
そして、国の方針を注視しつつ、府として、軽症・中等症の病床か、重症病床のいずれかの使用率が50%に上った時点で、緊急事態宣言の発出を要請する考えを示しました。
また、兵庫県は、集中的な対策を講じる必要があるとして、28日、国に対し、まん延防止等重点措置の対象地域に指定するよう要請しました。
さらに、関西圏の自治体でつくる「関西広域連合」は29日に新型コロナの対策本部会議を開いて対応を協議するなど、各府県では、さらなる感染拡大への警戒を強めていて、府県民に重ねて対策の徹底を強く呼びかけています。

●新型コロナ 福島で80人、感染拡大 7/29
福島県は28日、10歳未満〜80代の男女80人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。感染者の内訳は福島、郡山、いわきの3市が各23人で、クラスター(感染者集団)を中心に急拡大している。県内の感染者は計5499人。
県内の1日当たりの公表数としては5月12日の95人に次いで過去2番目に多い。確保病床の使用率は48・6%で、ステージ4(爆発的感染拡大)の目安の50%に迫る。
福島市内の居酒屋で25〜27日に利用客と従業員計8人、いわき市の児童施設で25〜27日に利用者と職員計7人の陽性が確認され、県はそれぞれクラスターと認定。月別のクラスター発生は19件で、4月と並んで最多となった。うち飲食店関係が15件を占める。
県は28日、福島、いわき両市の酒類を提供する飲食店などに31日から8月22日まで、営業時間の短縮を要請すると決めた。午後8時〜午前5時の営業自粛を求め、酒類提供は午前11時〜午後7時に限る。対象は計約2800店舗で、売上高に応じ協力金を支給する。
既に時短営業を要請している南相馬、郡山両市のうち、南相馬は感染者が減少したことから予定通り今月31日で終了する。

●五輪会場の自治体関係者ら 感染拡大に危機感「有観客が影響」 静岡  7/29
東京五輪が日本人選手のメダル獲得で盛り上がる一方で、全国の新型コロナウイルス感染者が、一日として過去最多を更新した。自転車競技が有観客で行われている静岡県東部でも二十八日、新たな感染確認が相次ぎ、自治体関係者らは危機感を強めている。 (篠塚辰徳、渡辺陽太郎)
「有観客に踏み切った影響は当然ある」。ロードレースのコースの御殿場市でビジネスホテルを経営する男性は話す。開催日の今月二十四、二十五日は沿道に多くの観客が集まり、ホテルにも首都圏の客が多かったという。「コロナ禍で迎える怖さはあったが、経営は苦しく難しい判断だった」
マウンテンバイクとトラックの開催地、伊豆市。市オリンピック・パラリンピック推進課の森嶋哲男課長は「さらに感染拡大すれば無観客になる恐れがある。それだけは避けたい」と話す。
競技開催日、市は会場へのシャトルバスが発着する伊豆箱根鉄道修善寺駅に「おもてなしエリア」を設営し観客に記念品やうちわを渡している。既に終了したマウンテンバイクでは多くの客が喜んで受け取り、地域のPRに手応えを感じていたところだった。
森嶋課長は「日本人のメダルが期待される来月実施のトラックや市内の児童・生徒が観戦予定のパラへの影響が心配」と話した。
沼津市は今月、既に複数のクラスター(感染者集団)が発生、一日二桁の感染者が出る日が頻繁にある。JR沼津駅前ではボランティアが五輪の観客を案内しており、頼重秀一市長は会見で「受け入れる側は感染防止のガイドラインを順守する。来られる方も居住自治体の出しているガイドラインを順守してほしい」と訴えた。

●公明代表「次の一手を」 首都圏のコロナ感染拡大 7/29
公明党の山口那津男代表は29日の党会合で、埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県が新型コロナウイルスの緊急事態宣言の発令要請に向けた準備を進めていることをめぐり、政府に早急な対応を求めた。「自治体から要請があれば、専門家の意見を踏まえ、速やかに次の一手、実効性のある一手を政府として決めてほしい」と述べた。
感染拡大が続く大阪府の現状にも触れ「大阪がどうなるかも気になるところだ」と指摘。ワクチン接種については「供給の見通しが立ってきた。現場と政府、都道府県が密に連携し、着実に進んでいくように後押ししたい」と語った。
北側一雄中央幹事会長は記者会見で、首都圏3県への緊急事態宣言に関し「発出はやむを得ないのではないか」と話した。

●菅首相 国民へのメッセージ 「きょう確認して説明」感染拡大で  7/29
新型コロナウイルス対応で、菅総理大臣は、29日朝、総理大臣官邸に入る際、記者団から、感染拡大が続く中、国民へのメッセージはないかと問われ「きょう確認してから説明する」と述べました。
緊急事態宣言が出されている東京都では、28日、2日連続で過去最多の新規感染者が確認され、まん延防止等重点措置が適用されている、埼玉、千葉、神奈川の3県でも新規感染者がこれまでで最も多くなりました。
菅総理大臣は、29日朝、総理大臣官邸に入る際、記者団から「全国で感染拡大が続いているが、国民にメッセージはないか」と声をかけられ「きょう確認してから説明する」と述べました。
政府は、埼玉、千葉、神奈川の3県では感染が急拡大しているとして、直近の感染状況なども見極め、緊急事態宣言を出すことも検討していて、方針が固まれば、30日にも、正式に決定することにしています。

●福岡との往来自粛を コロナ感染拡大踏まえ県要請 7/29
佐賀県は28日、10歳未満〜90歳以上の男女19人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。
感染者の増加傾向や、その感染経路の分析を踏まえて県は、福岡県への不要不急の往来と会食を自粛するよう県民に求めた。同県での行動歴などがある人が、感染するケースが増えているためだという。これまで示していた首都圏の1都3県への往来と会食の自粛も引き続き求める。
甲斐直美・県健康福祉部長らによると、今月1〜27日の感染者計100人のうち、これまでの感染者と関係がない人は36人。このうち発症前に福岡県での行動歴がある人や、行動歴がある人との接触があるケースが計24人にのぼったという。福岡県発表の感染者数は急増しており28日に405人となっている。
甲斐部長は「(福岡県に関係する)こういった感染を起点にして家庭内や職場での感染につながっている状況がある」と指摘した。
これまでは福岡県との往来や会食については「特に警戒する」よう求めてきており、自粛までは踏み込んでいなかった。

●「第5波」感染拡大 新型コロナウイルス 札幌市150人台見込み 7/29
関係者によりますと、新型コロナウイルスの29日の感染確認は、札幌市で150人台となる見込みであることがわかりました。今月最多を更新する見通しで「第5波」の感染拡大が続いています。

●東京、五輪後に4532人の恐れ「経験のない爆発的な感染に向かっている」 7/29
東京都の新型コロナウイルスのモニタリング会議が29日あり、現状のペースで感染拡大が続いた場合、直近1週間平均の新規感染者数は、東京五輪終了後の8月11日には1日当たり約4532人に達するとの試算が報告された。都内の感染者は2日連続で最多を更新し、3000人台を突破しているが、さらに悪化する懸念がある。大曲貴夫・国際感染症センター長は、「これまで経験したことのない爆発的な感染拡大に向かっている。現在の新規陽性者の増加比が継続することは早急に回避しなければならない」と訴えた。
報告によると、新規感染者数(1週間当たり)は7月20日時点の約1170人から、28日時点では約1936人と大幅に増加。このままの増加比が継続すると、1週間後の五輪終盤の8月4日には1日当たり2962人と「通常の医療も含めた医療体制がひっ迫した第3波のピーク時を大きく上回る」とし、8月11日には同4532人となり「医療提供体制が危機に瀕するので早急に回避しなければならない」と訴えた。
東京都医師会の猪口正孝副会長は、現時点の都内の医療提供体制について、約1カ月前から入院患者数が倍増したことに触れ「逼迫は始まっています。真っただ中と言ってもいいような状況」と報告した。五輪開会式前後の22〜24日の4連休に関しては、「特に連休中の入院調整は極めて厳しく、翌日以降の調整に繰り越し、自宅待機を余儀なくされる事例が多数生じました」と言及。入院調整が難しい状況は連休後も続いており、今後さらに難航することが予想されるという。
PCR検査などの陽性率は16.9%で、1週間前の10.2%から大幅に上昇。猪口氏は、検査を受けておらず、行政が把握できていない感染者が増えている恐れを指摘し「発熱やせき、たん、倦怠感などの症状がある場合は、かかりつけ医に電話相談するなど、早期にPCR検査を受ける必要がある」とした。  

●飲食店の41%が東京オリンピック開催に「賛成」も、感染拡大に不安を 7/29
調査概要
調査対象:飲食店(飲食店経営者・運営者)
回答数:495名
調査期間:2021/6/29〜6/30
調査方法:インターネット調査
回答者について
本調査にご協力いただいた回答者のうち70.7%が1店舗のみを運営しております。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は54.3%(首都圏の飲食店の割合は72.4%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測されます。
調査結果について
88.9%の飲食店が協力金を「申請済み」も、4月分以降をいまだ受給できない店舗が多数
新型コロナウイルスの世界的な流行が収まらない中、7月23日より東京オリンピック・パラリンピックが開催されてます。しかし、開催地となる東京では一日の新規感染者数が1,000人を超えるなど、7月現在も深刻な感染拡大が続いている状況です。今回は、こうした異例の状況下で開催されることへの様々な意見や懸念について調査するため、アンケートを実施いたしました。なお、本アンケートの実施時(6/29〜6/30)は、東京都、大阪府、北海道、愛知県、京都府、兵庫県、福岡県の7都道府県にまん延防止等重点措置が適用されていた期間であり、制限付きで酒類提供の停止が解除されていました。また当時、東京オリンピック・パラリンピック会場における観客の動員に関しては未定であり、現在(7月下旬)の状況とは異なることをご考慮ください。
最初に、2021/5の経営状況について、コロナによる影響を受ける前の2019年同月と比較してもらったところ、「2019年5月より70%以上減った」との回答が最も多く、37.8%。次いで、「50%減った(10.5%)」、「60%減った(10.3%)」と続きました。この結果から、飲食店の58.6%が「2019年同月より50%以上減った」と回答したことがわかります。
4月の売上について同様の調査を行った際は、「2019年同月より50%以上減った」との回答が52.1%だったことから、飲食店への長引く時短営業や酒類提供の停止要請などが、深刻な売上の低迷をもたらしていることは明らかです。
次に、これまで営業時間短縮要請に伴う感染拡大防止協力金の申請をしたことがあるか聞いてみると、9割近くが「申請したことがある(88.9%)」と回答しました。
さらに「申請したことがある」と回答した人に対し、現時点での協力金の支給状況について尋ねたところ、全国の最多は「2021年3月までの要請期間分が振り込まれている」で、36.8%。続く回答は、「4月までの要請期間分(33.2%)」、「2月までの要請期間分(12.3%)」となりました。
一方、都道府県別に見ると、埼玉県では「5月までの要請期間分(38.1%)」との回答が最も多く、支給スピードの速さが表れる結果に。自治体の多くは要請期間終了からおよそ1ヶ月以上かかって申請受付を開始するケースが多い中、埼玉県では常に要請期間終了の翌日から受付をスタートしており、こうした迅速な対応が功を奏しているものとみられます。
こうした中、東京オリンピック・パラリンピックが開催されることについて、どう感じているか尋ねたところ、「中止するべき」との回答が29.3%と最多に。しかし、続く「賛成(22.8%)」、「無観客での開催なら賛成(18.4%)」を合わせると、41.2%は概ね賛成の意思を示していることもわかります。本アンケート実施時点において、東京オリンピック・パラリンピック会場における観客の動員に関しては未定でした
また、開催期間中の営業意向を複数回答で聞いたところ、最も多かったのは「通常通り営業する(77.4%)」との回答。次いで「自主的に時短営業を行う(13.7%)」、「テイクアウト販売、デリバリーを強化して営業する(7.1%)」と続きました。また、通常通り営業するとしながらも、「アルコールの提供は自粛する」との回答もあり、各店舗で様々な営業のスタイルが検討されていた様子も見えてきます。本アンケート実施後の7月12日から、一部地域に緊急事態宣言が発令されました(8月22日まで)。これにより7月下旬現在は、各地の飲食店に酒類提供の停止などが要請されています
続いて、本アンケートに協力いただいた回答者本人に、新型コロナウイルスの1回目のワクチンを接種したか聞くと、「まだ接種していないが、今後接種する意向(61%)」との回答が最も多く寄せられる結果に。続く回答は、「接種するか検討中(16.4%)」、「接種する意向はない(13.5%)」となり、ワクチンの接種に一定の懸念を抱いている人が少なからずいることも明白となりました。
次に、東京オリンピック・パラリンピックの開催にあたり、店舗の営業を行ううえで最も懸念されるのはどのようなことか尋ねたところ、感染の再拡大による様々な影響を不安視する声を中心に、以下のような回答が寄せられました。
回答抜粋
   人流増加、感染者増加による緊急事態宣言の再発令と、酒類の提供停止要請
・感染拡大すると思われるので、緊急事態宣言がまた発令されるだろう。またお酒の提供が出来なくなるのでは(神奈川県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・感染状況の悪化による、緊急事態宣言の再発令。とにかく、アルコール販売停止だけは勘弁していただきたい(東京都/フランス料理/2店舗)
※本アンケート実施後の7月12日から、一部地域に緊急事態宣言が発令されました(8月22日まで)。これにより7月下旬現在、各地の飲食店に酒類提供の停止などが要請されています
   客足が落ちることによる売上の減少
・感染拡大による再緊急事態宣言や、まん延防止の時短営業要請で通常営業が出来なくなれば、売上減少が懸念される(埼玉県/フランス料理/1店舗)
・TV観戦による在宅時間の増加で需要が減少し、売上が低下すること(神奈川県/和食/3〜5店舗)
   節度を守らない客が増えること
・単に酒飲んで酔っ払って騒ぎたいだけの人々が街に溢れて、ルール無視で入店してくるかもしれないという懸念(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・お祭り騒ぎで、変にはしゃぐ人たちに巻き込まれないようにしたい(東京都/カフェ/1店舗)
   外国人客の増加による諸問題
・海外からのお客様が、感染防止ルールを理解できずに守らないこと(東京都/中華/1店舗)
・海外からの来訪者による新たな変異株の発生(千葉県/カフェ/1店舗)
   東京オリンピック・パラリンピックについて
中止または延期するべき
・飲食店には時短営業やアルコール提供を自粛するように要請したのに、オリパラならば安全安心で選手村や施設にはアルコールOKなどおかしい事ばかりです。今すぐオリパラは中止にすべき(埼玉県/フランス料理/1店舗)
こうまでしてやる理由を明確に示してほしい
・開催するにあたって納得のいく理由(人命や国民の日常生活を犠牲にしてでも開催しなければならない理由)を説明してほしい(東京都/カフェ/1店舗)
国民の安全を第一に考えてほしい
・国民の健康とオリンピック開催の意義を、今一度冷静に天秤にかけていただきたい(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
「開催自体は仕方ない」との見解から――
万全の感染防止対策を講じてほしい
・オリンピックで来日した人達をしっかり隔離し、外出の規制を徹底してほしい(神奈川県/カフェ/1店舗)
開催会場は無観客の状態にするべき
・開催するのであれば、今の状況からして無観客でやるべき(東京都/フランス料理/1店舗)
(本アンケート実施時点6/29〜6/30において、東京オリンピック・パラリンピック会場における観客の動員に関しては未定でした)
一方、開催にあたって一定の理解を示す声のほか、諦めの感情を示す声なども見受けられました。
・東京オリンピック・パラリンピックが決まった時は、まさか誰もこんな状況になるとは思ってなかったと思います。今できる事を全うして、無事に開催して頂けたらと思います(神奈川県/ラーメン/2店舗)
・やるも地獄、やらぬも地獄。正解などどこにもないと思います(東京都/バー/1店舗)

●東京都で新たに3865人の感染確認 過去最多 2日連続の3000人超 7/29
東京都で29日、新型コロナウイルスの感染者が新たに3865人確認された。28日の3177人を上回り、3日連続で過去最多を更新した。
感染が確認されたのは10歳未満から100歳以上の3865人で、直近7日間の1日あたりの平均は2224.1人と、前週(1373.4人)に対して161.9%となった。年代別で見ると20代が最も多い1417人、次いで30代が782人で、重症化リスクが高い65歳以上の高齢者は105人だった。
重症の患者は前日から1人増えて81人となった。また、3人の死亡が確認された。

●東京都 新型コロナ 新たに3865人感染確認 3日連続過去最多更新  7/29
東京都は、29日、都内で過去最多となる3865人が新型コロナウイルスに感染していることを新たに確認したと発表しました。都内では、28日、はじめて3000人を超え、3177人の感染が確認されましたが、29日はさらに688人多くなりました。これで、3日連続で過去最多を更新しました。
また、29日の3865人は、1週間前の木曜日の倍近くに増えていて、これまでにないスピードで感染が拡大しています。一方、都の基準で集計した29日時点の重症の患者は28日より1人増えて81人でした。

●感染者 初の全国1万人超 “経験ない急速な感染拡大” 専門家 7/29
東京・3865人、神奈川・1169人、沖縄・392人。29日も新型コロナウイルスの感染確認の発表が過去最多となったところが相次ぎ、感染者は全国で初めて1万人を超えました。“これまでに経験のない急速な感染拡大になっている”現在の感染状況がこう分析される中、専門家は「危機感の共有」を指摘しています。
全国の感染発表 初の1万人超
新型コロナウイルスは各地でこれまでにないスピードで感染が拡大していて、29日の発表は全国で初めて1万人を超えました。一日の感染発表が過去最多を更新するのは2日連続です。また、全国で14人の死亡が発表されたほか、重症者は539人で28日から17人増加しています。
首都圏. 東京・神奈川はきょうも最多
東京都 / 過去最多となる3865人の感染確認が発表され、初めて3000人を超えた28日よりさらに688人増えました。これで3日連続で過去最多を更新し1週間前の木曜日の倍近くに増えました。
神奈川県 / 1164人の感染確認が発表され、一日の感染者数は2日連続で1000人を超え過去最多を更新しました。
埼玉県 / 864人の感染確認が発表され、2日連続で800人を超えこれまでで2番目に多くなりました。
千葉県 / 576人の感染確認が発表され、過去最多だった28日の577人とほぼ同じ水準で2日連続で500人を超えました。また、1週間前の木曜日よりも233人増えました。
関西. 大阪は5月11日以来の900人超
大阪府 / 932人の感染確認が発表されました。一日の感染者数が900人を超えるのは5月11日以来で、先週の木曜日の倍以上に上っています。
兵庫県 / 280人の感染確認が発表されました。
京都府 / 164人の感染確認が発表されました。
専門家“危機感共有を”
「これまでに経験のない急速な感染拡大になっている」28日夜の厚生労働省の専門家会合は現在の感染状況についてこう分析しました。そして緊急事態宣言などによる人出の減少が限定的で、感染力が強い変異ウイルス「デルタ株」への置き換わりも進み、東京ではすでに一般医療への影響が起きているとして「このままの状況が続けば通常であれば助かる命も助からない状況になることも強く懸念される」と危機感を示しました。さらに「こうした危機感を行政と市民が共有できていないことが最大の課題だ」と指摘しました。
脇田座長「危機的状況 市民に共有されていないことが問題」
厚生労働省の専門家会合のあと会見した脇田隆字座長は「東京都は緊急事態宣言が出されてから2週間経過しているが、その効果が出ているとは言い難い。人流は減少しているが前回の宣言時と比べると緩やかで減少幅も小さく、きょうの会合ではこのままではなかなか感染者数を減らすまでには至らないのではという議論があった。今の状況は単純に感染者数が増えているだけではなく、すでに一般医療への影響が始まっていて危機的な状況だということが十分に市民に共有されていないことがいちばんの問題だ。市民に協力してもらえるようなメッセージを発信することが重要だ」と話していました。
尾身会長「最大の危機は社会で危機感が共有されないこと」
政府の分科会の尾身会長は参議院内閣委員会で、現状では感染を減少させる要素がほとんどないとして、社会全体で危機感が共有されなければ早晩、医療のひっ迫が深刻になると強い危機感を示しました。この中で尾身会長は感染状況について「今、この感染を下げる要素があまりないが上げる要素はたくさんある。一般の市民が『コロナ慣れ』していること、デルタ株の感染力が強くなっていること、夏休みやお盆、さらにオリンピックだ」と指摘しました。そのうえで「最大の危機は社会で危機感が共有されてないことだ。このまま共有されなければ、感染はさらに拡大し早晩、医療のひっ迫がさらに深刻になる」と強い危機感を示しました。そして「この1年半で最も厳しい状況にある。東京の感染者数が3000人を超えたこの時期を逃さないで、今まで以上に強いメッセージを出してほしい」と政府に求めました。
“危機感共有” 政府に求められることは?
「危機感が共有されていない」と専門家が指摘していることについて政府には何が求められるか、政治部・瀧川学記者の解説です。尾身会長が指摘したように感染対策が長期間に及び、国民が宣言慣れしていることは否定できないと思います。繁華街での人出が政府が期待するほど減っていないことはその表れの一つと言えますし、ある政府関係者も「正直、何か新しい対策を講じるのは難しい」と漏らしていました。そうした中で、緊急事態宣言の効果をあげていくためには、国民が納得し感染対策の徹底などに協力しようと思えるメッセージを出すことが欠かせません。今回の宣言はこれまでとは何がどう異なるのか、どんな対策をとっていつごろまでに何を目指すのかといったことをより明確に説明することが求められると思います。
“宣言” 埼玉 千葉 神奈川 大阪を追加
そして、政府は、東京都と沖縄県に出されている緊急事態宣言について埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県を追加する方針を固めました。期間は来月2日から31日までとし、東京と沖縄の宣言の期限もこれにあわせて延長する方針です。菅総理大臣は午後5時ごろから、総理大臣官邸で西村経済再生担当大臣や田村厚生労働大臣らと会談しました。その結果、緊急事態宣言の対象地域に埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県を追加する方針を固め、与党側に伝えました。
“まん延防止措置” 北海道 石川 京都 兵庫 福岡に適用
また、北海道、石川、京都、兵庫、福岡の5道府県に新たにまん延防止等重点措置を適用する方針です。期間は、いずれも来月2日から31日までとし、来月22日までとなっている東京と沖縄の宣言の期限もこれにあわせて延長する方針です。政府は、こうした方針を30日、感染症などの専門家でつくる「基本的対処方針分科会」に諮ったうえで対策本部で正式に決定することにしています。
 

 

●政府分科会 4府県“宣言”追加 5道府県“まん延防止”適用了承  7/30
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、専門家でつくる分科会は「緊急事態宣言」の対象地域に埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県を追加するほか、北海道、石川、兵庫、京都、福岡の5道府県に「まん延防止等重点措置」を適用し、期間はいずれも来月2日から31日までとするとともに、東京と沖縄の宣言の期限もこれにあわせて延長する政府の方針を了承しました。
新型コロナウイルス対策をめぐり30日午前、感染症などの専門家でつくる政府の「基本的対処方針分科会」が開かれました。
この中で、西村経済再生担当大臣は「全国の新規陽性者数はきのう1万人を超え東京都で3865人といずれも過去最多となり、非常に高い水準の報告が続いている。首都圏の3県からは緊急事態措置を要請された。東京とあわせて首都圏で面的に一体的に強い取り組みを実施することで感染を何としても抑えていく。大阪でも医療機関の負荷が増大してきていて、より強い措置を講じていく」と述べました。
そのうえで東京都と沖縄県に出されている「緊急事態宣言」の対象地域に埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県を追加し、北海道、石川、兵庫、京都、福岡の5道府県には「まん延防止等重点措置」を適用する方針を諮りました。また、重点措置の適用地域では原則、飲食店に酒の提供停止を要請する方針を示しました。
そして期間はいずれも来月2日から31日までとするとともに、来月22日までとなっている東京と沖縄の宣言の期限もこれにあわせて延長する方針を説明しました。
西村大臣は「この夏は都道府県を越えた移動にはできるだけ慎重を期していただき、どうしても移動する場合は小規模分散型で検査を受けていただくことをお願いしたい。東京オリンピックは家族やいつもいる仲間と少人数で、自宅で応援や観戦をしていただき、路上や広場での大人数での応援や飲食は控えていただくことをお願いしたい」と呼びかけました。
分科会では、こうした政府の方針について議論が行われ了承されました。
これを受けて政府は衆参両院の議院運営委員会に報告し、質疑を行ったうえで午後5時から開かれる対策本部で正式に決定することにしています。
そして菅総理大臣は30日午後7時をめどに記者会見し「緊急事態宣言」の対象地域を追加することなどを説明し、国民に理解と協力を呼びかける見通しです。
尾身会長「現状の危機感が共有されていない」
「基本的対処方針分科会」の尾身茂会長は、会合のあと報道陣の取材に応じ、緊急事態宣言の対象地域に、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県を追加するなどとした政府が示した方針を了承したと述べました。そのうえで「現状の危機感が社会に共有されていない。いま何が起きているのか、どうして医療がひっ迫しているのかということを含めて、政府と自治体、専門家がワンボイスで強いメッセージを出すことが重要だ。特にいまは危機的な状況にある。これまで対策をお願いしてきたことが必ずしも十分にできていなかったから今の状況にある。やるべきことをしっかりと徹底して行うことが必要だ」と強調しました。そして、取るべき対策として3つの柱があるとして「ふだん、あまり会わない家族以外の人と、飲食の場や飲食以外の機会でも大人数で接触する機会が増え、感染が拡大していることは間違いない。オリンピックを自宅で見ることを含め、接触機会をなるべく避けることを徹底してもらいたい。また、少しでも具合が悪いと思ったらPCR検査や抗原検査などいつでも気軽に検査を受けてもらえる体制を構築することが必要だ。さらに医療のひっ迫に対応するため訪問看護や在宅医療、開業しているクリニックなど地域の方たちに、今まで以上にコロナ対応に関与してもらうことが必要だ」と述べました。
西村大臣「医療ひっ迫で極めて強い危機感を共有」
西村経済再生担当大臣は分科会のあと記者団に対し「足元の感染状況や医療提供体制の状況に極めて強い危機感が示された。特に医療については40代と50代で入院する人が増加している。このまま毎日これだけの感染者の数が続けば医療がひっ迫し、救える命も救えなくなるという極めて強い危機感が多くの先生方から示され、そのことを共有した」と述べました。そのうえで「ワクチン接種が進めばどういったことが可能になるのかや、いわゆる出口の指標の在り方についても検討していくべきだという議論が出た。ただ、足元でこれだけの感染者が出ているので、まずは感染や医療の状況について国民に正確な情報をしっかりと伝え、政府や自治体で対策を徹底し実効性を上げていくことの重要性について指摘を多数いただいた」と述べました。
全国知事会 飯泉会長「ロックダウン 法整備検討を」
分科会のあと全国知事会の飯泉会長は記者団に対し「火事で例えれば、燃え盛っている。それをどう食い止めるか、あらゆる手段を使っていくべきだ。日本ではロックダウンができないが、それを考えるべきだという話が分科会ではあった。海外でやっているような、あるエリアで人流を本当に止めるための法整備を検討する段階にきたのではないかと思う」と述べました。
分科会委員 竹森理事長「感染を防ぐことに全力」
経済の専門家として分科会の委員を務める、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの竹森理事長は記者団に対し「ワクチン接種が進んでいると言うが、ワクチンと感染状況は違う。相当、危機的な状況になる可能性があることを考え、まずは感染を防ぐことに全力を注ぐべきではないかという認識でまとまった」と述べました。そのうえで「東京の事態が急激に悪くなり、新たにとれる政策として何があるかを詰め切れていない。飲食の場などに対し有力な歯止めがかけられておらず、新しい法的な措置などを設けることが必要かどうか、今後のデータを見ながら判断しなければならないだろう」と述べました。
加藤官房長官「宣言解除に向けた道筋示したい」
加藤官房長官は閣議のあとの記者会見で「緊急事態宣言などが長期に及び、飲食店や関係事業者、国民の皆さんに大変なご負担をおかけしている。そうした中で、感染対策を効果的、持続的なものにしていくためには、対策の必要性だけではなく、今後の見通しも可能なかぎり示し、ご協力をお願いしていくことが重要だ」と述べました。そのうえで「ワクチン接種が進む中で、感染状況にも明らかな変化が見られている。高齢者の入院や重症化が抑えられており、今後、40代、50代以下の接種が進めば、同様の改善効果が期待される。接種が進展する中で、感染状況や医療提供体制の状況をどのように適切に評価していくのか、専門家のご意見も伺いながら、分析、検討を進め、緊急事態宣言の解除に向けた道筋を示していきたい」と述べました。
田村厚労相「ワクチン接種もう一段進むまでは協力を」
田村厚生労働大臣は閣議のあとの記者会見で「緊急事態措置を出したにもかかわらず感染が急激に伸びているのは大変危機的な状況だ。いつまでも協力をお願いし続けるのは無理だというのは重々分かってはいるが、ワクチン接種がもう一段進むまでは、どうかご理解、ご協力をいただきたい」と述べました。また「40代と50代が重症者のボリュームゾーンになっているが、この世代のワクチン接種は高齢者と同じように進んでいるわけではなく、まだ1か月くらいはかかる。8月いっぱいは何とか感染リスクの高い行動は控えていただきたい」と述べました。
丸川五輪相「宣言延長 大会とは全く別」
丸川オリンピック・パラリンピック担当大臣は閣議のあとの記者会見で、記者団から今後の大会運営などへの影響について問われたのに対し「緊急事態宣言の延長などについては、大会とは全く別に社会全体の感染状況を踏まえて行われるものと承知している」と述べました。
立民 安住国対委員長「国会で早急に議論すべき」
立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に対し「感染をここまで広げた政府の政治責任は重く、菅内閣全体で責任をとってもらわないといけない。感染はすでに東京から地方に広がり始めていて、このまま見過ごせば全国で医療崩壊が起きかねない。また、パラリンピックへの対応をどうするのかなどもあり国会を開いて早急に議論すべきだ」と述べました。

●日本、新型コロナ新規感染者1万人超え…緊急事態宣言拡大 7/30
東京オリンピック(五輪)の最中、日本で新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)が急速に拡大し、緊急事態宣言発令地域が大幅に拡大される。
30日、共同通信やNHKによると、日本政府はこの日夕方、新型コロナ対策本部会議を開き、神奈川・埼玉・千葉の首都圏3県と関西地域の中心地・大阪府に緊急事態発令を決定する。
発令期間は来月2日から31日まで。日本の緊急事態宣言は、外出自粛や飲食店の営業時間の制限、在宅勤務の拡大などを骨子とする。
すでに緊急事態宣言が発令されている東京都と沖縄県の発令期間は、来月22日までから同月31日までに延長される。
これにより、来月24日に開幕する東京パラリンピックも緊急事態発令期間に開催されることになった。
NHKによると、前日、日本全国で新たに確認された新型コロナ感染者は1万699人で、新規感染者が初めて1万人を超えた。
23日の五輪開幕後、日本では新型コロナが急速に広がっている。
新型コロナの新規感染者は開幕日に4225人から前日1万699人に、153%急増した。
競技が多く行われる東京都では、3865人が感染し、3日連続で過去最多を更新した。
東京五輪には200カ国以上の選手や関係者が約8万人集まっているため「爆発的感染」への不安が高まっている。
五輪出場選手をはじめとする大会関係者、ジャーナリスト、委託業務スタッフなどから感染者も発生している。東京五輪関連の感染者は合計193人となった。
しかし、河野太郎ワクチン担当相は、AP通信とのインタビューで五輪参加者から一般市民に新型コロナが感染したという証拠はないと述べた。

●「手洗い、消毒、マスクと、できることを続けるしかない」拡大する新規感染 7/30
過去最多を連続更新した新型コロナウイルスの新規感染者数。政府は神奈川、埼玉、千葉の首都圏3県と大阪府に対し緊急事態宣言の発出を、東京、沖縄の期間延長の方針を固めた。
現場で患者の対応にあたってきた愛知医科大学病院循環器内科助教の後藤礼司医師は「東京都の1日の新規感染者数も、おそらく5000人程度は行くのではないかと予測されていると思う。高齢者のワクチン接種が進んでいるので重症化率のところではまだチャンスがあるかもしれないし、波を慎重に見ていく必要があるのではないかと思うが、やはり“数の病気”である以上、いい傾向ではない」と話す。
東京都の福祉保健局は27日、「(メディアは)いたずらに不安を煽らないようにしていただければ。重症化率は極めて低い。医療に対する圧迫は、数字上とは若干違うかなという印象を持っている」として、前回のピーク時とは状況が変化していることを指摘。一方、都医師会の猪口正孝副会長は29日のモニタリング会議の席上、「入院患者数や重症患者数に余力があるように見えるが、これは決してそういうことではない」と警鐘を鳴らしている。
後藤医師は「ワクチン接種が進み、重症者数が少なくなってくれば経済活動も再開ができるようになるので、重症化率の部分を見たいという意見もあると思うが、慌ててデータの解釈をして、安易に言葉に出しすぎるのは問題だ。未接種の方々の間で感染が拡大すれば病床は逼迫してしまうし、入院先が隔離病棟でなければ、他の人へも感染を広げてしまう可能性がある。さらに偽陽性でも隔離されることがあるので、感染リスクの高いところで2週間近くベッドを埋めるということにもなる。仮に致死率が1%だとすると、感染者が1人であれば死ぬ可能性は極めて低いが、感染者が100人出れば1人は亡くなるわけだし、感染者が100万人、1000万人…にとなれば、それに連れて死亡者数も増えていくわけだ。重症化の指標を見るのももちろん大事だが、やはり新規感染者数も大事だ」と指摘。
また、「“確保病床の使用率”という数字がよく出てくるが、重症の人を診るための箱は確保されていても、スタッフ全員が人工呼吸器を扱えるわけではないなど、マンパワーやハードによって、実態としての病床数は少なくなる。そういう中で使用率を見ても、医療機関には雲泥の差があるということだ。特に東京は重症の人を診るための箱の数はすごく多い。それでも大学病院などICUをたくさん持っているようなところの先生方が“苦しい”“厳しい”と言っているということは、確実にそういう状況にあるということだと思う。夏場には重度の熱中症の方々もやってくるし、医療を回すための余裕、そして感染者数が増えてくる1週間、2週間後というタイムラグも踏まえた上で、ICUの占有率を見ていかないと、これから先に重症化した方々にとっては悲劇になってしまう」と懸念を示した。
さらに繁華街などの人出について菅総理は27日、「車の制限だとかテレワーク、そしてまさに皆さんのおかげさまによって人流は減少している」とコメント。加藤官房長官も「ここ1、2週間、夜の滞留人口を見るかぎりは、減ってきているというのは明らかではないだろうか」と話しているが、実態を正しく反映していないのではないかとの声は後をたたない。
後藤医師は「20代や働き盛りの30代の感染が多いのは今までも変わらないし、行動変容がメッセージとして届いていないということもあると思う。“緊急だ”というのを一体何回出すんだ、“ここが山だ”と言うが、一体何回山が続いているのか、ということだろう。それでも有病率が数%なので残りの人たちにはわからないが、罹った人たちは“やっぱりこの病気大変だった。罹らなきゃよかった”と言っている。やはり感染しないに越したことはないし、飲食店からの異議も多く、時短・休業要請には応じないということになってきているので、ここは個々人が自分の行動を見直す。結局、個人レベルではしっかり手洗いをし、消毒をし、狭いところではマスクを付けるということを、慌てず騒がず繰り返しなさいということだ」と話していた。

●東京都の「不安煽らないで」に「煽ってるのは都知事」の大合唱 7/30
「いたずらに不安をあおることはしていただきたくない」
東京都で新型コロナウイルスの感染者数が2848人を記録した7月27日。当時の過去最多となる新規感染者数だったが、『共同通信』によると都の吉村憲彦福祉保健局長は冒頭のようにコメントしたという。しかし、ネットでは「煽ってるのは都知事だろ」との声が相次いでいる。
《「不安煽らないで」って都知事が一番不安煽ってた》《いたずらに不安をあおってきた張本人が小池都知事》《小池都知事のほうだと思いますよ。こう見た感じ、アラートを発するお仕事しかしてないですよね》
では、小池百合子都知事(69)の言動を振り返ってみよう。新型コロナウイルスが猛威を奮い始めた昨年3月25日、小池都知事は「ライブハウスなどの利用を自粛するように」と発言。しかし、「補償等については、税金を投入することが本当に正しいのか議論があるところだと思う」と続けた。その「自粛を要請しても補償はなし」との姿勢に、飲食業などさまざまな業種が不安を覚える事態となった。
その2ヵ月半後となる6月2日、小池都知事は『東京アラート』を発動。しかし感染拡大に対する具体策を発表しなかったため、「都庁が赤色に変わっただけ」との声が日に日に増えていくことに。また7月2日には会見で「“夜の街”要注意」とのボードを掲げたが、《フリップ芸》との揶揄が。さらに「夜の街のスティグマ(差別や偏見に伴う負のイメージ)を助長するのでは」と危惧する声も上がっていた。
そして対策が整わないなか、同月15日には緊急記者会見を開き「新型コロナウイルスの警戒レベルを4段階のうち最も高い“感染が拡大している”に引き上げる」と発表したのだ。
対策が不十分。そして言動の不一致
同年12月17日に小池都知事は、『年末年始コロナ特別警報』を発出。しかし医療機関には病床の確保を、飲食店には時短営業を、そして都民には会食を控えるよう“お願い”。またしても具体的な対策の発表がなかったため、《「やばいよ やばいよ」と言うだけ》《名称だけだった東京アラートと変わらない印象》といった声が上がっていた。
そして今年に入っても、小池都知事は“不安煽り”を止めていない。4月23日には「街頭の照明を伴う看板やネオン、イルミネーションなどを20時以降は停止するよう要請する」と会見で話したため、《電気消したら集まらないだろうって…都民は蛾ですか?》と効果を疑問視する声が。《街の明かりが減り、犯罪が増えるのでは。女性の帰宅など特に心配です》と危惧する声もあった。
また同日、小池都知事は「徹底した人流の抑制や感染リスクが高い施設への適切な対応などが必要」として、国交省と各鉄道事業者に“間引き運転”を要請。しかし減便した分、主要駅は通勤や通学でいっそう混雑することに。そうして“3密”を作り出した。いっぽうで、かつて“満員電車ゼロ”との公約を掲げていたため「そもそも公約を守れていない」との再批判もなされた。
そして今月18日には東京五輪にちなんで、IOCのトーマス・バッハ会長(67)の歓迎会を開催。そこには森喜朗氏(84)や丸川珠代五輪相(50)ら40人ほどが参加していたと報じられている。小池都知事はこれまで「大人数で集まらないように」と何度も呼びかけていたため、言動の不一致にウンザリする声もあった。
「COVID19との戦いで金メダルを取りたい」
また都は「不安を煽らないで」というが、専門家からも厳しい現実を指摘する声が上がっている。
『NHK NEWS WEB』によると今月21日に開かれた東京都のモニタリング会議で専門家は「新規陽性者が増加し続ければ、医療提供体制がひっ迫の危機に直面する」「医療側は、第3波の前の去年12月半ばをイメージするくらいの恐怖感を持っている」と強い危機感を示したという。
そして冒頭の会見当日、都民の不安はさらに煽られることに。コロナ禍で小池劇場をいくつも上演してきた小池都知事だが、『共同通信』によると感染者数が発表された夕方時点で既に退庁。「取材対応はなかった」と伝えられたのだ。そのためネットでは、こんな声が上がっている。
《説明責任を果たさず退庁!今こそ、都庁に泊まりこんででも都民の命を守ることに死にものぐるいで対応すべき》《毎日毎日、あんなにしゃしゃり出てきた小池百合子はどこで何してんの?出てくるのは今じゃないの?お得意のフリップとか標語とかカルタとか振りかざして感染防止に努めるんじゃないの?どれもこれも役立たずだったけど》《小池百合子、逃げ足の速さと気配の消し方卓越してる》
7月24日、東京五輪に際して「ぜひ東京大会はCOVID19との戦いで金メダルを取りたいと思います」と話していた都知事。しかし、表彰台はまだ遠いのかもしれない。

●小池都知事 若者にワクチン接種要請も「そもそも予約できない」と批判噴出 7/30
東京都の新型コロナウイルス感染拡大がとまらない。7月28日には3177人の新規感染者が発表され、初めて3000人超えを記録。翌日の29日も3865人の感染が確認され、27日から3日連続で最多を更新した。
緊急事態宣言下であるにも関わらず収束のめどが立たないなか、都の新型コロナ対策を陣頭指揮している小池百合子都知事(69)による“状況が分かっていない”要請に批判が殺到している。
NHKによると、28日に小池都知事は都庁で報道陣の取材に応じ、「ワクチンを受けた高齢の人たちの感染はぐっと下がっていて、逆にワクチンを受けておらず重症や中等症になる若い世代が増えている」と現在の状況を説明。
さらに「不要不急の外出自粛を徹底し基本的な感染対策を守ってほしい。ワクチンを若い人にも打ってほしい。若い人たちの行動がカギを握っているので、ぜひ、ご協力いただきたい」と呼びかけたという。
若年層へのワクチン接種を要請した小池都知事だが、東京都ではワクチンを打ちたくても打てない現状がある。
例えば優先接種者ではない16歳から39歳の対象者、想定9万5千人が住んでいる豊島区のホームページには、《8月1日(日曜)に新規予約を再開します。現在、国から全国の自治体に供給されるワクチンの供給が大幅に減少し、本区への配分量も想定以上に削減されたことから、7月9日(金)から7月末までの間、ワクチン接種(個別接種、集団接種、巡回接種)の新規予約を一時的に停止いたします》と記されおり、国からの供給が減ったことにより、まだ予約が始まってすらいない。
さらに「TBS NEWS」によると、自衛隊が運営する東京都の大規模接種センターも29日に募集された3万人分の新規予約枠が1時間2分で定員に達しており、容易に予約できる状況ではない。
このような実態と乖離した小池都知事の要望に、SNS上では「打てる体制が出来ていない」との批判が相次いだ。
《打ちたくても打てないという状況知らないんだろうね》《いや。カギを握ってるのは小池さんやスガさんなのよ。若い人たちまでワクチンを届けなさいよ。打ちたくても打てない。なんでも若者のせいにするなよ》《どっちかと言うと早く打たせて欲しいんだけど》《そもそも打ちたくても予約できないんだよなぁ》

●東京の緊急事態宣言を8月末に延長、4府県追加へ−分科会が了承 7/30
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は東京都と沖縄県に発令している緊急事態宣言を8月末まで延長する。当初の期限は同月22日までの予定だった。
対象地域には神奈川、千葉、埼玉の首都圏3県と大阪府を追加する。専門家による基本的対処方針分科会で了承されたと西村康稔経済再生担当相が明らかにした。夕方の対策本部で決定し、菅義偉首相は午後7時から記者会見する。
西村氏は、ワクチンについて「8月下旬には接種状況が現在の欧米並みになることが見込まれる」として、接種が幅広く行き届くまでは厳しい措置を続ける意向を示した。夏休み期間の感染拡大を防ぐため、羽田空港など主要空港から北海道・沖縄に向かう人に加え、福岡便の搭乗者にも無料検査を実施するという。
五輪開催中の東京は12日から宣言下にあり、都は酒類の提供停止を要請している。ただ、29日の感染者数は3865人(前日3177人)と3日連続で過去最多を更新。周辺地域でも感染が広がっており、神奈川県では2日連続で1000人を超えた。
菅首相は29日夜、官邸で記者団に「強い危機感を持って対応している」と述べた。東京五輪と感染拡大の因果関係について問われた際は、「水際対策をしっかりやっている」と否定した。 
伊藤忠総研の武田淳チーフエコノミストは、緊急事態宣言の影響力は薄れてきており、対象地域を拡大しても「さほど効果は出ない」と指摘。経済活動も大きく抑制されないことから「日本経済への影響は限定的で、大きくマイナスになることはない」との見方を示した。

●緊急事態宣言、計6都府県に拡大…厚労相「新たな恐ろしい局面」と危機感  7/30
政府は30日午前、新型コロナウイルス対策の専門家らによる基本的対処方針分科会を開き、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県に新たに緊急事態宣言を発令する方針を示し、了承された。同日夕の政府対策本部で正式決定する。期間は8月2日から31日まで。宣言の対象は、すでに発令中の東京都と沖縄県を合わせ、6都府県に拡大する。
田村厚生労働相は分科会で、新規感染者数が急増していることについて「今までとは違った新たな恐ろしい局面に入ってきている」と危機感を示した。
政府は現在、首都圏3県と大阪府に対し、宣言に準じた対策が可能となる「まん延防止等重点措置」を適用している。いずれも新規感染者数が宣言の目安となる「ステージ4」に達し、医療機関の負担が増大していることを考慮した。東京と沖縄も、8月22日までの期限を31日まで延長する。宣言の対象地域では引き続き、酒類を提供する飲食店に休業を要請する。
一方、感染が急増している北海道、京都、兵庫、石川、福岡の5道府県には重点措置を新たに適用する。期間は8月2日から31日まで。重点措置の地域では、原則として酒類の提供停止を求める。現在は一定の感染対策をとった店では、知事の判断で酒類の提供を例外的に認めているが、今回の基本的対処方針改定案では「感染が下降傾向にある場合」にしか認めず、条件をより厳しくした。
期限について、政府内には当初、8月22日までとする案があった。西村経済再生相は分科会で、「現役世代にもワクチン接種が進むことによる効果を見極めるため、31日までとしたい」と説明した。
政府は、8月末に全人口のうちワクチンを2回打った人の割合が4〜5割に達すると見込んでいる。現在、40、50歳代の重症化が増えており、8月中にこの世代のワクチン接種が進めば、感染状況の改善が期待できるというわけだ。
政府は30日夕の政府対策本部で正式決定する。同日夜に菅首相が記者会見を開き、国民に理解を求める。

●4府県に緊急事態宣言、5道府県に重点措置へ 7/30
政府は7月30日、基本的対処方針分科会(会長:尾身茂・地域医療機能推進機構〔JCHO〕理事長)を開いて現在東京都と沖縄県に出している緊急事態宣言を埼玉、千葉、神奈川各県と大阪府に拡大、まん延防止等重点措置を北海道、京都府と石川、兵庫、福岡各県に出すことを諮問、了承を得た。同日午後に衆参両院の議院運営委員会での説明を経て政府対策本部で正式に決定する。期間は8月31日までで、同月22日までだった東京都、沖縄県の緊急事態宣言も合わせて8月31日まで延長する。
沖縄県は5月23日から、東京都は7月12日から緊急事態宣言が継続中。埼玉、千葉、神奈川各県は4月20日から、大阪府は6月21日からまん延防止等重点措置が継続中だったが、感染拡大に歯止めがかからず、より強い措置に移行することになる。西村康稔経済再生担当相は分科会冒頭、「非常に高い水準での感染報告が続いている。東京では6月以降人流が増加し活発な活動が行われていた結果と考えている。デルタ株への置き換わりが進む中、極めて強い危機感を持っている」と述べた。東京都の感染状況は新規陽性者数、入院者数とも国の基準でステージIVが続き、埼玉、千葉、神奈川各県も同様の状況となっていることから「面的に、一体的に強い取り組みを実施することで感染を抑えていきたい」と述べた。
関西についても、大阪府で新規陽性者数と入院者数がステージIVで医療への負荷が増しており、京都府、兵庫県も新規陽性者数が増加しているため「大阪と合わせて関西圏一体となった取り組みをしたい」と述べた。沖縄県は6月後半から7月にかけていったん新規陽性者数が減少したが、その後また急増し、北海道と石川、福岡両県も増加傾向にあると説明した。
期間を8月31日までと長く取ったことについては、高齢者へのワクチン接種が進んだため重症患者が減ってきていることを踏まえ、「現役世代へのワクチン接種が進むことの効果を見極めるために1カ月間としたい」と説明。現役世代への接種が進むことで一定の改善効果が期待できるとして、「地域における感染状況や医療提供体制を適切に評価するために、40代、50代の接種状況と合わせて医療提供体制の負荷に着目した分析、検討を進めていきたい」と述べた。
田村憲久厚生労働大臣は、「危惧しているのは、緊急事態宣言から2週間以上経っての急激な新規感染者の伸びだ。人流自体は確かに以前ほど下がっていないが、増えているわけでもない、こういう中で伸びている。これまでとは違う恐ろしい局面に入っている」と危機感をあらわにした。
分科会終了後に取材に応じた 東邦大学微生物・感染症学教授の舘田一博氏は、「(東京都への)緊急事態宣言の発出後、2週間を過ぎてもこれだけ感染者数が増加していることを考えると、人流に関しては少しずつ減少していることが確認されているものの、その効果はやはり残念ながら限定的であったと考えざるを得ない」と述べ、「現時点で既に1週間、2週間先のことも決まっているので、今のような増加がしばらくは続くと考えないといけない」と厳しい状況が続くと見通した。
東京都については、「爆発的な感染者数の増大が見られている」と危機感を示し、死亡者数についてはまだ増えていないものの、重症例やその予備軍が確実に増加しており、ワクチン接種が十分に行き渡っていない40、50代の重症例の増加を懸念した。
こうした認識の下、舘田氏は、7月30日に改定される基本的対処方針では、酒類や飲食店をターゲットにした対策が強化されるが、協力が得られなくなっている状況を踏まえ、「今後も感染者数の増加が続くのであれば、デパートを含めた商業施設等の営業自粛も含めてお願いしなければいけないと個人的には思う」とより強い対策の必要性を訴えた。さらに、「今後、緊急事態措置の内容の見直しを行う可能性も、(政府は)考慮していると理解している」と述べた。
会議では、対象地域の拡大と基本的対処方針の改定内容については、特に意見が出なかったという。ただ、全国的な感染の広がりが見られていることから、しっかりと解析を続けながら、必要に応じて全国に展開するようなことも考えていくべきなどの複数の意見が出た。五輪については、今の感染増大に直接はリンクしてはいないが、間接的に矛盾したメッセージになって、それが人の動きの増加につながっているのではないかという意見があったという。

●コロナ感染者過去最多/危機感共有し対策徹底を 7/30
新型コロナウイルス感染の「第5波」の拡大に歯止めがかからない。きのうは全国で1日としては初めて1万人を超す新規感染者が確認された。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置下の首都圏1都3県で感染者の約6割を占めたことは、そうした対策がもはや限界に来ていることを示している。このままでは、感染爆発が地方に広がる恐れが現実味を帯びてくる。
感染者急増の要因は、感染力の強いインド由来のデルタ株が、ワクチン未接種者が多い20〜50代を直撃していることにある。人の流れの減少幅が、前回の緊急事態宣言時より小さいことも大きい。
問題は、そうした状況にもかかわらず、政府、自治体、国民の間で危機感を共有できていないことだ。
政府の感染症対策分科会の尾身茂会長はきのうの参院内閣委員会の閉会中審査で、危機感が共有されない状況が続けば感染がさらに拡大し、「いずれ医療体制が深刻化する」と警告を発した。
尾身氏は政府に強いメッセージを発信することも求めたが、菅義偉首相の最近の発言からは強い危機感は伝わってこない。小池百合子都知事も同様だ。
都内では、1月の第3波よりも高齢者の感染の割合が減っている。重症者も少ない。感染者数だけを取り上げることを疑問視する声がある一方で、感染者が増えれば中等症や重症の患者が増加するリスクは高まる。手術の延期などコロナ以外の治療にも影響を与えており、医療現場は再び逼迫(ひっぱく)しつつある。決して楽観できない。
懸念されるのは、首都圏の感染爆発が地方に及ぶことだ。東北でも福島、宮城をはじめ感染者が増加傾向にある。学校は夏休みに入っており、お盆には県境をまたぐ移動の増加が予想される。各県は帰省や旅行を控えるよう強く呼び掛けるべきだ。
国民の間には、自粛疲れや相次ぐ宣言への慣れがある。政府や都が不要不急の外出自粛や移動の抑制を求める一方で、東京五輪の開催に踏み切ったことが矛盾したメッセージと受け取られ、要請に協力しようという意識の低下につながっている面は否めない。
菅首相が感染対策の切り札とするワクチン接種も鈍化している。経済活動の制限をこれ以上広げることも、経済の疲弊ぶりを考えると難しいものがある。尾身氏が「今の感染を下げる要素はあまりない」と言うように、八方ふさがりな状況にある。
だからといって、手をこまねいているわけにはいかない。不要不急の外出を避け、人との接触を極力減らし、マスクの着用や手洗いを励行する。感染対策の基本を徹底し、ワクチン接種が行き渡るのを待つ。自らの身を守るには、現状ではそれが最善の策であることを再認識し、実践するしかない。

●デルタ株が働き盛りを直撃して新規感染者1万人突破 7/30
新型コロナウイルスの中でも感染力が高いインド由来のデルタ型変異株(デルタ株)が首都圏で爆発的に広がり、全国的にも感染が急拡大して収まる気配がない。29日の東京都の新規感染者は初めて3000人を超えた28日よりもさらに増えて過去最多を更新。全国では1万人を初めて超え、累計では90万人を突破してしまった。感染の中心は20〜40代の活動的な人や働き盛り。専門家は相次いで「これまでに経験したことのない感染拡大」「医療逼迫(ひっぱく)が深刻化する」と指摘するなど、強い危機感を表明し、そろって新たな強い対策の必要性を求めている。
厚生労働省や東京都によると、東京都の29日の新規感染者は3865人で、前日の3177人より増えて4000人に迫っている。首都圏を中心に感染者は全国的に増え、29日深夜までに1万693人を数えた。感染者は8月に向けさらに増える勢いだ。政府は7月12日に東京都に4度目となる緊急事態宣言を発令したが、同月初めには2000人以下を下回っていた国内の新規感染者数は中旬に3000人を超え、22日に5000人を超えた。首都圏の急拡大に引っ張られる形で28日には9000人を超えていた。
厚労省専門家組織の28日の会合で示された資料によると、27日までの1週間の新規感染者は人口10万人あたり東京が88.63人。59.33人だった前週より1.49倍に増えていた。このほか、福岡県が2.20倍、沖縄県が2.15倍、大阪府が1.52倍。首都圏だけでなく全国的な感染急拡大が続いていた。そして全国の新規感染者がまだ確定しない29日の夕方の段階で既に1万人を突破した。こうした事態を重視した政府は同日夜、緊急事態宣言の対象地域に埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県を追加する方針を決めた。30日中に正式に決める。
厚労省のほか、多くの専門家は感染者の急拡大の背景には感染力が高いデルタ株のまん延があるとみている。国立感染症研究所は首都圏での新規感染者の70%以上をデルタ株が占めると推計し、その割合は今後さらに増加し、全国にまん延するのは確実とみている。
感染者が最も多い東京都の状況について、厚労省の専門家組織は28日の会合で「20〜40代を中心に急速な感染拡大が続いている」と分析。一方、ワクチン接種が進んでいる65歳以上の新規感染者はわずか約3%にまで低下している。これらのことから、東京都だけでなく全国的にワクチン接種が終わらず活動性が高く、言わば働き盛りの若い人や壮年層を感染力が高いデルタ株ウイルスが襲っている状況とみている。
同組織はまた、重症者も40〜50代を中心に増加しているとし、「これまでに経験したことのない感染拡大」「熱中症などで救急搬送増加するなど一般医療の負荷も増加する中でこのままの状況が続けば、通常では助かる命も助からない状況になることも強く懸念される」などと強い危機感を示した。
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、28日の衆院内閣委員会の閉会中審査で「医療の逼迫(ひっぱく)が既に起き始めているというのがわれわれの認識だ」と述べた。参院内閣委員会の閉会中審査でも29日、「今の最大の危機は社会一般の中で危機感が共有されていないことだ。共有されなければいずれ医療逼迫は深刻化する」「今の感染を下げる要素があまりない」などと発言し「今まで以上に明確な強いメッセージを出してほしい」などと訴えた。
また、日本感染症学会理事長で、厚労省専門家組織メンバーでもある舘田一博・東邦大学教授は同組織会合に先立って28日午後、日本記者クラブで記者会見した。この中で現在東京都に発令されている緊急事態宣言について「効果は限定的」などと指摘し、(感染拡大を食い止めるためには)これまでの宣言内容とは異なる何らかの強い対策が必要との認識を示した。
舘田教授はまた、ワクチン接種率は60%程度で頭打ちになるイスラエルや米国のデータを示し、日本も同様の傾向になる可能性を指摘して接種率向上が課題である、などと述べた。このほか、ワクチン接種後はデルタ株に対しても少しは効果が減衰するものの確実に中和抗体ができるデータも示して接種の重要性を強調している。

●「このままいけば週に1000人も」感染者急増の新潟県 7/30
新潟県内でも感染が急拡大している新型コロナウイルス。直近の感染状況をふまえ、県福祉保健部の松本晴樹部長が新潟県の状況について29日会見しました。
県内の感染状況については、県外からの人流などで拡大し、夜の人出は県独自の「警報」発令前と変化がないといいます。週ごとの感染者の増え方をみると直近2週間で、1.5倍程度に増えていることから、もしこのまま増えていくと仮定すると、8月最終週には1週間の感染者数が1000人程度になるのではと推計されるということです。
県内の病床利用率は、「警報」発令時の2倍程度になっていて、中等症は3分の1以下といいます。7月28日時点の病床利用率は、22.3%(入院患者124名/555床)、重症者は2人です。
高齢者のワクチン接種が進んできているものの、このまま増えていくと中等症も増えてくると予想されるため、8月下旬には病床がひっ迫してくる可能性があり、このままのペースで1か月増えてくるとしたら、医療機関は危機的だといいます。
感染者の年代別では60代、70代の高齢者が少なくなっている一方で、20代が多くなっています。
地域別の感染者数は、新潟市に多く偏っていて直近の感染者数のおよそ半数が新潟市です。30代以下の半分以上は感染の発端が県外由来です。
県によるとワクチン接種の実績で1回目を接種した12歳以上の人は県民の約4割になったため、接種を加速できるよう取り組んでいるということです。
特にワクチン接種をして欲しいのは肥満の人、優先接種の対象にもなっているBMI30以上の人、糖尿病、BMIの数値が大きい人は接種をよびかけている。肥満の人が重症化しやすい傾向は県内でもみられていて、体中の脂肪の細胞が太っていると肺が圧迫されやすくなるなどと、肺炎が進むとリスクが高まるといいます。
飲み会をして熱がある場合は、すぐ受診をしてほしいとよびかけています。
変異ウイルスは、18歳以下でも熱が出るため、風邪だと思っていたら新型コロナだったという例がよくあるといいます。
子どもから大人へ感染するケースが増えているので、子どもが発熱したら、受診をしてほしい。また感染力の強いデルタ株は、接していた時間が短くても感染するリスクが高いため、警戒してほしいといいます。
県は30日午後、対策本部会議を開きます。

●神奈川、埼玉、千葉、大阪への宣言発令決定 東京、沖縄も延長へ  7/30
政府は30日夕、新型コロナウイルスの感染が急拡大する埼玉、千葉、神奈川、大阪4府県への緊急事態宣言発令を決定する。いずれも8月2日からで、期限は同31日。東京都と沖縄県の期限も同31日まで延長する。菅義偉首相は30日午後7時から記者会見を開く。東京五輪の開催中に宣言の対象地域や期間を拡大する異例の事態。発令への手続きや菅首相の会見などを速報する。
17:15 4府県への緊急事態宣言が決定
菅首相が新型コロナウイルス対策本部で、8月2日から神奈川、埼玉、千葉の3県と大阪府への緊急事態宣言発令を表明した。東京都と沖縄県に出ている宣言は延長する。いずれも8月31日まで。
16:45 都内の感染者数3300人
東京都はこの日の新規感染者数が3300人だったと発表した。3日連続で3000人台となり、感染拡大に歯止めがかかっていない。
15:00 小池知事 情報発信「しっかり対応」
専門家から五輪が人流を増加させる一因になっているとの懸念が出ていることについて、東京都の小池百合子知事は五輪のテレビの視聴率が20%を超えているとして「オリンピックはそういう意味でステイホームに一役買っているし、またそれが選手への声援にもつながっていると思う」と強調した。また東京の新規感染者数が3日連続で過去最多を更新する中、小池百合子知事が感染者数の発表前に都庁から退庁していることについて、記者が「即日メッセージを発信する必要がなかったのか」と質問。小池知事は「私は適宜適切に、そのタイミングで、きょうもこうやってお伝えもしている。しっかりと対応している」と答えた。
14:50 野党議員「ツイッターの発信も五輪だけ」と批判
参院議院運営委員会では、共産党の山添拓氏が、首相の危機意識の欠如を巡り、首相の最近のツイッターについて言及。「23日から今日まで30回のツイートのうち20回が五輪関係、しかもほとんどがメダル獲得のお祝い、それも金メダルだけだ。感染拡大についてつぶやきさえないのは理解し難い」と批判した。西村氏はツイッターについては直接触れず、「記者会見で、菅総理自身ご自身の言葉で国民にしっかり呼び掛けてもらいたい」と重ねて求めた。
14:35 小池知事、東京の安全安心「確保に努めている」
小池百合子知事は記者会見で、新規感染者数の過去最多更新が続く東京の状況について、「安全安心は確保できているというお立場か」と問われ、「その確保に努めているところであります」と答えた。当初、記者に「東京は安心安全な状況と言えるのか」と問われた際には、「言える」とも「言えない」とも答えず、新型コロナ用の病床や宿泊療養施設の拡充、自宅療養を支える体制の強化の都の努力に触れた上で変異株「デルタ株」の感染力の強さを強調。「都民のみなさまの協力をいただき、東京都としての安全安心を守っていく」と答えた。記者が知事の認識を確認し直すと、「努めているところ」と述べた。
14:30 西村担当相「総理なりの表現で危機感共有」
衆院に続き開かれた参院議員運営委員会では、立憲民主党の吉川沙織氏が「首相の危機感」をただした。西村康稔担当相に「全国で新規感染者が1万人を超える危機的状況になっても総理は国会報告に出席しない。社会に危機感が共有されていない要因のひとつとして、総理自身が国民に対してメッセージを正面から伝えていないことがあるのではないか」と追及した。西村氏は「感染状況や病床状況が危機的であることを私もいろんな形で伝え、共有している」と説明。「総理なりの表現方法ではあるが、危機感を共有し表明していると思う」と反論し、「本日の記者会見でも、総理の言葉で今の状況をしっかりと国民のみなさんによびかけてもらいたい」と述べた。
13:00 西村担当相「五輪で高揚し外出」に危機感
衆院議院運営委員会が始まった。西村康稔担当相は東京五輪の影響について「オリンピックを自宅で観戦していただいて、20日以降、人流は減ってきている」とした上で、「日本人選手の活躍や、オリンピックならではの感動、嬉しい思いは持っていますが、そのままの高揚した感覚で外出してしまうと、感染力の強いデルタ株はちょっとした隙で感染を広げてしまう」と述べ、感染防止における五輪の悪影響への危機感を示した。立憲民主党の原口一博氏に「五輪の撤退戦略、撤退ラインはお持ちか。国民の命と暮らしを賭けに使わないでほしい」と問われて、答弁した。

●「救えなくなる」「疲労ピーク」医療現場は崩壊寸前 沖縄コロナ急拡大 7/30
新型コロナウイルスの急速な感染拡大で29日の新規感染者は過去最多を更新し、入院患者は434人に上る。繰り返される医療体制の危機に、治療に当たる沖縄県内医療機関は「患者を救いたくても救えない状況になる。勘弁してほしい」と、これまでにない危機感を募らせる。
コロナの軽症・中等症患者の治療に当たる北中城村の中部徳洲会病院。感染拡大で、救急車で運ばれてくる患者や一般患者も、熱がある場合はすべて感染を疑わなければならない状況となった。以前の診療より手間や時間がかかる上、常に緊張感が漂う。
重症患者の場合は、対応できる医療機関に送っているが、担当者は「今後転院先が満床になると、ここで対応しなければならない可能性もある。人工呼吸器や人工心肺装置ECMO(エクモ)はあっても、経験を積んだ人でなければ対応は難しい」と話した。
治療に当たる一方、感染者数の急増でさらなる病床確保やワクチン接種など多くの依頼が舞い込む。「現場にどんどん負担が増え、精神的・肉体的にも疲労はピークではないか。先が見えない。手が回らず患者を救えなくなる状況が既に始まっている。県民一人一人が真剣に考えてもらいたい」と切実に訴えた。
那覇市立病院は5月下旬から一般診療を一部制限し、コロナ患者の受け入れ病床を拡大した。今後も現在の病床数を継続する方針だ。予定手術の延期や来院を控えてもらう事例もあり、担当者は「一般の治療を全くやらないわけにはいかない。一般診療の制限が長引いており、慎重に対応する必要がある。当面は確保している病床で推移を見る」と語った。

●7市の飲食店に時短要請 栃木県、新型コロナ感染者急増受け 7/30
新型コロナウイルス感染者の急増を受け、県は29日、対策本部会議を開き、警戒度レベルを「ステージ3(まん延防止等重点措置)」へ引き上げ、感染拡大が深刻な宇都宮、足利、栃木、佐野、日光、小山、真岡の7市の飲食店に対し、午後8時までの営業時間の短縮を要請することを決めた。期間は8月2日〜22日で、要請に応じる飲食店には協力金を支給する。県民に対しては不要不急の外出や都道府県をまたぐ移動の自粛などを求める。
29日の県内の新規感染者数は142人となり、3日連続で100人を超えた。累計感染者数は8034人で、7千人を超えた6月30日から約1カ月で千人以上増加したことになる。感染拡大の「第5波」に歯止めがかからず、福田富一(ふくだとみかず)知事は会議後の会見で「年末年始の第3波以上の状況」と危機感を示し、今回の要請について「(感染力の強い)デルタ株への置き換わりが急速に進み、医療機関への負荷が高まっていることを踏まえて決断した」と理解を求めた。
時短要請では営業時間は午前5時〜午後8時、酒類の提供は午前11時〜午後7時とするよう求める。7市は直近の人口10万人当たりの1週間の新規感染者数が15人以上であることなどから対象となった。
協力金の支給額は、中小企業は1日当たりの売り上げに応じて52万5千円〜157万5千円、大企業は420万円以内。申請の受付期間は12日から9月30日。
福田知事は、今回の対策で感染者を抑えられない場合、国に「まん延防止等重点措置」の適用を要請するとした上で「そうなれば今回以上の制限を要請せざるを得なくなる。感染の増加を阻止するために、ご協力をお願いする」と訴えた。

●東海3県新型コロナ30日感染者数 愛知229人 岐阜34人 三重33人 7/30
東海3県が30日に発表した新型コロナウイルスの感染者数は、合わせて296人でした。  
愛知県は229人で、このうち名古屋市が95人、岡崎市が6人、一宮市が9人、豊田市が11人、豊橋市が10人で、そのほかが98人でした。愛知県は3日連続、200人を超えています。
岐阜県は34人で、2日ぶりに30人を超えました。
三重県は33人で、3日連続30人を超えています。

●東京都 新型コロナ 2人死亡 3300人感染確認 3日連続で3000人超  7/30
東京都は30日、都内で新たに3300人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。3日連続で3000人を超えたほか、7日間平均の増加比は29日より上昇して180%を超え、これまでにないスピードで感染が拡大しています。また、都は、感染が確認された2人が死亡したことを明らかにしました。
東京都は30日、都内で新たに10歳未満から90代までの男女合わせて3300人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。29日の3865人に次いで過去2番目に多く、1日の感染確認が3000人を超えるのは3日連続です。また、1週間前の金曜日より1941人増えました。30日までの7日間平均は、2500人を超えて2501.4人で、前の週からの増加比は29日よりさらに上昇し、180.5%となり、これまでにないスピードで感染が拡大しています。
これで都内で感染が確認されたのは、21万人を超えて、21万3910人となりました。一方、都の基準で集計した30日時点の重症の患者は、29日より7人増えて88人でした。また、都は、感染が確認された80代の男性2人が死亡したことを明らかにしました。これで都内で感染して死亡した人は2290人になりました。
東京都の小池知事は記者会見で、都内の感染確認が連日、過去最多を更新していることについて「極めて切迫した状態だ」という認識を示したうえで、隣接する3県に緊急事態宣言が出されることを踏まえ「都や県の境を越える移動を連携して慎むことで効果を出していきたい」と述べました。この中で小池知事は、都内の感染確認が連日、過去最多を更新していることについて「極めて切迫した状態だ」と述べました。そして「大きな要因のひとつがデルタ株だ。専門家によれば感染力はこれまでより2倍近く強い」と述べました。そのうえで「専門家からは繁華街の滞留人口を減少させる必要があるという指摘があった。医療提供体制は大変厳しいが、第3波と第4波では質が違うという指摘もあり、質の変化に迅速に対応していくことが必要だ」と述べました。
さらに小池知事は、隣接する3県に緊急事態宣言が出されることを踏まえ「都や県の境を越える移動を連携して慎むことで効果を出していきたい。基本的にはステイホームでお願いしたい」と述べ、1都3県で足並みをそろえて協力を呼びかけて感染を抑え込みたいという考えを示しました。

●小池知事 「私はしっかり対応」 コロナ感染、3日連続最多も発表前に退庁  7/30
東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が3日連続で過去最多を更新する中、小池百合子知事は感染者数の発表前に都庁から退庁している。30日の記者会見では、記者が「即日メッセージを発信する必要がなかったのか」と質問。小池知事は「私は適宜適切に、そのタイミングで、きょうもこうやってお伝えもしている。しっかりと対応している」と答えた。
小池知事は都庁への入庁時や退庁時に報道陣の取材に対応している。ただ、1月以来の過去最多となる新規感染者数2848人が発表された今月27日は、発表の1時間40分ほど前に報道陣に「失礼します」とだけ声を掛けて退庁。翌28日の退庁時は、初めての3000人超えとなる3177人の発表15分前に報道陣の前に現れ、「質問は1問だけ」と通告。「不要不急の外出を控えて」などと述べるにとどまり、約30秒で取材対応を打ち切った。
29日の退庁時は約1分20秒、「若いから大丈夫と思わないようにして」などと呼び掛けたが、取材に応じたタイミングは、3日連続の最多更新となる新規感染者数の3865人が発表される約30分前だった。ただ、この日は、都のモニタリング会議終了後にも約37分間、取材に応じていた。

●新規感染者の9%、ワクチン接種後に感染 東京・港区調べ 7/30
東京都港区のみなと保健所は6月16日から7月21日に届け出のあった新型コロナウイルス感染者1478人のうち、9%にあたる131人がワクチン接種後の感染だったとの調査結果をまとめた。このうち、8割は1回目の接種後に感染していた。区は「十分な感染予防効果を得るには2回目の接種から2週間程度かかる。マスク着用や手指消毒を怠らないでほしい」としている。
131人の接種後の感染者のうち、111人(8%)が1回目の接種後、20人(1%)は2回目の接種後の感染だった。年代別では30代が31人と最も多く、40代の27人、20代の24人が続いた。感染経路が判明したケースでは「1回目の職域接種後に会食した会社員や家族内感染が目立った」(みなと保健所の松本加代所長)。
1回の接種だけで安心してしまう人もいるとみて、保健所は接種後も感染予防が必要なことを注意喚起するリーフレットを作成し、ホームページにも掲載した。松本所長は「自由にダウンロードして接種後に配布するなど活用してもらえれば」と話している。

●東京8月感染者2万5千人超の衝撃試算 それでも菅首相は心ここにあらず 7/30
「爆発的」という言葉がピッタリだ。29日、都内で確認された新型コロナウイルス感染者は3865人と、3日連続で過去最多をあっさり更新。全国では1万697人が確認された。1日1万人超えは初めて。この感染急拡大でも、国のトップはコロナ以外で頭がいっぱいのようで……。
初めて都内感染者が3000人を超えた28日、官邸で記者団に「どう対応するか」と問われた菅首相は無言のままスルー。取材拒否の理由を官邸側は「本日はお答えする内容がない」と説明したという。「官僚原稿」がなければ何も答えられないのだろうか。
まるで菅首相は感染爆発にも他人事だが、五輪強行で「楽観バイアス」が広がり、感染者は今後さらに増えていくと多くの専門家が予測している。
都内の新規感染者の直近7日間平均は、29日時点で前週比1.61倍に急増。28日の厚労省「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」に京大の西浦博教授が提出した資料によると、前週比1.7倍で増えていった場合、8月26日には都内の感染者数は2万5000人を超える。1.4倍に抑えられても1万人以上に達するという。
感染拡大ペースは“8割おじさん”の最悪シナリオに迫っているのに、菅首相は上の空。頭の中は今、コロナ対策より五輪と地元の選挙でいっぱいだといわれている。
地元・横浜市長選のためなら冗舌
菅首相は29日、横浜市内の新聞折り込み広告と一緒に配られたタウン誌に登場。横浜市長選(8月8日告示・22日投開票)に出馬する小此木前国家公安委員長との対談で、「小此木さんの覚悟を全面的に支援します」と初めて支持を鮮明にした。国民に話すことはなくても、選挙のためなら冗舌になるのだ。
小此木家と先代の秘書を務めていた菅首相との縁は深い。しかし、小此木氏はカジノ誘致反対を掲げて出馬。推進派の菅首相は、カジノ誘致を進める現職の林市長を支援するとの臆測もあった。
「支持率下落の焦りがあるのでしょう。お膝元の市長選で負けたら一気に求心力を失い、党内で“菅降ろし”が勃発しかねない。林市長よりも小此木さんの方が勝てる見込みがあると判断し、全面支援を表明したようです。腹心の和泉補佐官を使って、地元ゼネコンに小此木支援の依頼もしている。ただ、『今さらカジノ反対の小此木はやれない』と、林支援を続ける構えを見せるゼネコンも複数ある。かつては菅総理の意向は地元で絶対でしたが、その神通力に陰りが見え始めています」(神奈川県政関係者)
側近も使ってシャカリキ
側近で神奈川選出の坂井学官房副長官にも、菅首相の名代として地元を回らせているようだが、副長官は本来、官邸と国会のパイプ役。
「感染拡大で大変な時に地元選挙にかまけている場合か!」と、地元からも党からも総スカンだ。
「現職総理が、地方選で特定の候補にここまで肩入れするのは異例です。タウン誌にも登場し、もし負けたらどうするつもりなのか。勝ったとしても、カジノはどうするのか、説明責任が問われます。そもそも自民党市議団は自主投票となり、小此木一本化でまとめきれなかった点にも、菅首相の力の衰えを感じる。コロナ感染拡大で神奈川県にも緊急事態宣言を出すことも決まり、宣言下の選挙になることも逆風でしょう」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
「貧すれば鈍する」を地で行く展開となりそうだ。

●オリンピック 選手3人含む27人がコロナ感染 2日連続最多更新  7/30
東京オリンピックに出場するため海外から来日した選手3人を含む、合わせて27人が新たに新型コロナウイルスに感染したことが分かりました。大会組織委員会がPCR検査で陽性が判明したと30日発表したもので、2日連続で過去最多を更新しました。
組織委員会は30日、海外から来日した選手3人が新型コロナウイルスの検査で陽性反応を示したと発表しました。このうち、アメリカの陸上選手を含む2人は選手村に滞在しているということです。また、選手村に滞在する海外からの大会関係者1人のほか、選手村以外の場所で滞在している大会関係者3人や、日本在住のボランティア4人の感染も確認され、国内と海外合わせて27人の感染が明らかになりました。組織委員会が発表を始めた7月1日以降最も多くなり、2日連続で過去最多を更新しました。
東京オリンピックの大会組織委員会は、新型コロナウイルスのPCR検査で陽性が判明した大会の関係者を、7月1日から発表していますが、大会8日目の30日までに感染が確認されたのは、国内と海外合わせて220人に上っています。このうち、海外から来日した選手は23人で、出場を辞退する人が相次いでいます。また、日本在住の選手の感染は30日までに確認されていません。
このほか、組織委員会の委託業者が110人、大会関係者が65人、メディア関係者が12人、ボランティアが6人、組織委員会の職員が4人となっています。  

●五輪大会関連の新型コロナ感染者2日続けて1日あたり最多更新 7/30
東京五輪・パラリンピック組織委員会は30日、大会関連の関係者で海外からの選手3人を含め、新たに27人が新型コロナウイルス検査で陽性となったことを発表した。内訳は選手3人、大会関係者4人、業務委託スタッフ15人、メディア関係者1人、ボランティア関係者4人。選手2人と大会関係者1人の3人が東京・晴海の選手村に滞在していた。
組織委が公表を始めた7月1日からの陽性者は、累計225人で200人以上を記録した。29日に1日としては最多の24人の感染者を確認していたが、2日続けて最多を更新した。28日時点で大会関連の海外からの入国者は3万9853人に上った。

●コロナ陽性の五輪関係者が無断外出…「コロナをばら撒きに行ってる」 7/30
東京五輪のボート競技の審判で、新型コロナウイルスに感染し宿泊療養施設に滞在していた2人が無断外出していたことが30日、テレビ朝日によって報じられ、波紋が広がっている。
29日には、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が3865人で、過去最多を更新。人々の不安が高まるなか、ネット上では「陽性の五輪審判員2人」「無断外出」がツイッタートレンド入りし物議を醸している。
ネット上では「バブルどころじゃないね。五輪関係の陽性者まで表を歩いてるよ」「陽性の五輪審判員2人が無断外出とかガバガバすぎるよ」「審判がそんなルールも守れないでどうするの」「開いた口がふさがらない」「陽性で無断外出とか コロナをばら撒きに行ってるみたいなもんやん」などの声が上がっている。

●9人死亡 過去最多1万744人感染確認 7/30
30日は、これまでに全国で1万744人の感染が発表されていて、1日の発表としては、これまでで最も多くなりました。また、千葉県で2人、東京都で2人、栃木県で1人、沖縄県で1人、石川県で1人、神奈川県で1人、静岡県で1人の合わせて9人の死亡の発表がありました。
国内で感染が確認された人は、空港の検疫などを含め91万4065人、クルーズ船の乗客・乗員が712人で、合わせて91万4777人となっています。亡くなった人は、国内で感染が確認された人が1万5184人、クルーズ船の乗船者が13人の合わせて1万5197人です。
空港などの検疫での感染確認は3482人(16)、中国からのチャーター機で帰国した人と、国の職員や検疫官などの感染は合わせて173人です。
厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、30日時点で626人(87)となっています。
一方、症状が改善して退院した人などは、30日時点で、国内で感染が確認された人が83万1087人、クルーズ船の乗客・乗員が659人の、合わせて83万1746人となっています。
また、28日には速報値で、1日に4万9892件のPCR検査などが行われました。
[()内は30日の新たな感染者数です。]

●かつての“熱狂”はなくても〜無観客のオリンピックが示す価値  7/30
直前に決まった無観客開催。開会式担当者の相次ぐスキャンダル。1年の延期を経て東京オリンピックは暗雲漂う中で幕を開けた。その厚い雲を吹き飛ばすようなアスリートたちの躍進によって、オリンピックへの厳しい見方は薄らいだように見える。しかし、コロナ禍で開催されている初めてのオリンピックは、かつての大会で見たことない光景の連続だ。感染して棄権を余儀なくされる選手、そもそも日本に来ることすらかなわない選手たち。そして、歓声のない会場。開幕から1週間、57年ぶりのオリンピックで目にしたものは。
失われた大歓声
武道の聖地 日本武道館。観客用の受付や手荷物確認所として設置されたテントが無人のまま並んでいる。直前に無観客が決まったため撤去する時間がなかったという。入り口に日傘を差した女性の姿があった。
柔道会場を訪れた女性「柔道をどうしても見たいと思ってチケットを申し込んでいたんですけど、当たらなかったんです。結局無観客になりましたがせめて近くに来てみようと思って」
女性は寂しそうに笑ったあと、会場に向かって「がんばれー」と小さくつぶやいた。
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、無観客での開催はやむをえない決断だった。ただ、やるせない思いを抱えた人たちもいるのだろう。開会式が行われた国立競技場の周辺には「雰囲気を感じたい」と多くの人が訪れた。
公道を使って行われた自転車競技でも同様の光景が見られた。
会場を訪れていた、1984年ロサンゼルスオリンピックのレスリング金メダリスト、富山英明さんは観客の大切さを語ってくれた。「自分は満員の会場で、その場にいる人と一緒に喜びや悔しさを共有できたことが一番の財産になった。そういう盛り上がりには欠けるし、選手にとっても残念なことだ」
“神聖な場所で2人だけ”
無観客のオリンピックで、印象的だったシーンがある。
24日に日本選手の第1号となる金メダルを獲得した、柔道の高藤直寿選手。7分を超える決勝の激闘を終えると、喜びをあらわにする前にまず相手に歩み寄り、相手の手を掲げて健闘をたたえた。
高藤選手「無観客の中で、相手の息の音も聞こえる、その感じがしびれましたね。メダルを取ったときも歓声がなく、しんとしていて、自然とお互いをたたえ合うことができました。神聖な場所で2人だけで戦えたということを誇りに思います」
観客のいないオリンピックだからこそ、あらためて感じたスポーツマンシップ。ほかの競技の会場でも、選手や関係者が次々に口にしたのは「大会が開催されたことへの感謝の言葉」だ。コロナに覆われた社会では、スポーツができることは、もはや当たり前ではない。
トップ選手 不在の中で
コロナの影響は選手が棄権や欠場を余儀なくされるなど競技そのものへも広がっている。
26日まで行われた射撃の女子スキート。世界ランキング1位、イギリスのアンバー・ヒル選手は日本に向かう直前の今月20日に新型コロナに感染。棄権を余儀なくされた。
23歳のヒル選手は自身のSNSで「5年間のトレーニングと準備の後、昨夜陽性が告げられ、私の心は粉々になった」と悲痛な思いをつづった。
もちろん、感染した選手が競技に出場すれば、さらなる感染拡大を招く恐れがあるため、運営側の判断は間違っていない。だが、これがコロナ禍のオリンピックの現実だ。
スポーツ紙の記者「彼女の欠場は大きな問題でナンバー1が抜け、ほかの選手には簡単な状況になった」
しかし、現場で取材していたフィンランドのテレビ局の記者はこうも言った。「彼女の欠場は悲しいが、数年たてば誰が欠場したかということより誰がメダルを取ったかの方が記憶に残るだろう」
新型コロナによる欠場はほかの競技にも広がっている。
ゴルフ男子では世界ランキング1位でことしの全米オープンを制したスペインのジョン・ラーム選手などトップ選手が相次いで欠場。テニス女子でも新星として注目されたアメリカの17歳、コーリ・ガウフ選手が欠場した。
選手たちは日本での滞在中、毎日検査を義務づけられ、陽性反応を示した場合、選手が競技に復帰できるようになるには最短で7日かかると大会組織委員会は説明している。
感染が判明したあとに選手が競技に復帰したケースもある。22日の日本との初戦を欠場したサッカー男子の南アフリカの選手2人は25日のフランス戦で復帰した。
しかし、日程がタイトな個人競技では、感染すれば大会からの「1発アウト」を意味するのが現状だ。
感染対策“実質不可能”の声も
大会に欠かせないとされてきた「安全安心」にも疑念が生まれている。関係者が会場でマスクを外していたり、外出して複数で食事をしていたりとルール違反が連日、確認されているのだ。
柔道の会場では、連日、海外選手やコーチが興奮した様子でマスクを外し、大声で叫ぶ姿が目撃され、現場のスタッフが「Wear a Mask」と書いた紙を持ち、注意して回っている。
それでもマスクを外す人たちは一向に減らない。
別の屋内競技の会場で働く女性スタッフによると、注意を繰り返しても素直に聞いてくれる人ばかりではなく、限られた人数ですべての人の違反を取り締まるのは実質、不可能だという。さらに選手と海外メディアなどの関係者が接触することもしばしばあり、“バブル”が成立していないのではないかと感じている。
大会の女性スタッフ「これだけの規模の大会で文化や習慣の違う人たちの行動を完全に縛りつけることは難しい。クラスターが起こらないよう、全力を尽くすけれど、この状況で大会を始めてしまった以上、感染が広がってしまう可能性はあると思います」
感染拡大 専門家「危機感の共有を」
新型コロナの都内の感染者数は初めて1日3000人を超え、感染拡大に歯止めがかからない。競技大会での感染対策に詳しい専門家は、「もはや選手が感染しても入院できなくなるかもしれない」と警鐘を鳴らす。
四柳病院長「現場で選手を含めた大会関係者1人1人が対策を徹底するほかない。東京は危機的状況にある中でオリンピックをやっているんだということを選手に理解してもらい、ルールの順守を求めなくてはならない」
“意義のある問題提起”
かつてない環境で開催されているオリンピックで、新たな意義を見いだそうという動きや、問題提起にも注目が集まっている。
体操女子の予選に登場したドイツチームはレオタードではなく、全身を覆うボディスーツを着用した。女性アスリートの盗撮被害や、性的な目的で画像が拡散されることへ抗議した形だ。
ドイツの体操協会はSNSで「体操の性的な問題について女子アスリートが不安になることなく美しさを示すため」と発信。「その日に何を着たいかで決める」という選手に選択肢があることこそが大切だという考えで、女性アスリートのユニフォームのあり方を考えるきっかけとなった。
今大会でIOC=国際オリンピック委員会は、オリンピック憲章の規定を一部緩和し、競技の前後に選手が人種差別などへの抗議の意思を示すことを認めた。
オリンピックでは、これまでこうした抗議はいっさい認められていなかったが、去年、世界中で大きく広がった「ブラック・ライブズ・マター」運動を機に条件付きではあるが、初めてルールが変更された。
サッカー女子ではさっそく、選手たちが相次いでピッチに片ひざをついて抗議。イギリスチームの監督は「ひざをつく行為は、社会の不正義、不平等に対する平和的な抗議の象徴だ」と話した。
そして、8月2日にはウエイトリフティング女子の87キロを超えるクラスにニュージーランドの43歳で、トランスジェンダーのローレル・ハバード選手が出場する。IOCは条件をクリアすれば女性に性別を変更した選手の出場を認めているが、実際にこの条件をクリアして、トランスジェンダーの選手がオリンピックに出場するのは初めてだ。
しかし、「生物学的な優位性は変わらない」といった根強い批判もつきまとう。選手の性自認の問題は、社会全体での議論が不可欠で、これからのスポーツ界が避けては通れない問題でもある。
その難しい問題の最初の一歩が、この東京オリンピックになる。
異例ずくめの大会だからこそ
まもなく折り返しを迎える東京オリンピック。観客の不在、有力選手の棄権、感染対策のほころび。東京の感染拡大に歯止めはかからず状況が厳しさを増す中で、最後まで走り抜くことができるのか、予断を許さない。
その中でも、全力を尽くすアスリートたちが放つ輝きや、感謝の気持ち、そして相手をたたえる姿勢は、私たちに大切なものを思い出させてくれた。
異例ずくめの大会だからこそ、かつてない何かが見えてくるのではないか。東京大会が示す「オリンピックの価値」を探し続けたい。  

●コロナ禍にあえぐ沖縄から見える「この国の未来」 7/30
コロナ禍に迎えた2度目の夏。沖縄には、いつもの夏の賑わいはない。名護市から取材を続けるノンフィクションライターが見た沖縄には、この国のこれからが凝縮されていたー。
7月29日、新型コロナウイルス新規感染者数は、東京で3865人、沖縄で392人と過去最多を記録した。人口比で換算すると、沖縄の「392人」は東京での「3750人」に等しい。沖縄県の状況は極めて深刻だ。沖縄は、政府の無策によって、拡大するコロナ禍の被害に遭い続けてきた。
5月からずっと休業している
東京に4度目の緊急事態宣言が発出された7月12日、沖縄では5月23日以来の緊急事態宣言がさらに延長された。五輪開幕時に沖縄の「緊急事態」は丸2ヵ月経過していたのだ。2ヵ月間ずっと「緊急事態宣言下」にあって経済活動を止められてきた沖縄県民。「それなのに」感染は再拡大した。観光が主な産業である沖縄にとって、この夏休み期間のダメージは計り知れない。
那覇市内で居酒屋を経営する男性は、行政からの協力要請を受け、雇用調整助成金なども利用して従業員に給料を払いながら、5月からずっと臨時休業を続けている。
「明らかにオリンピックに合わせた緊急事態宣言延長ですよね。沖縄の医療現場を守るためには仕方がないことかな、と思いますけど、何ヵ月も店を開けられないのは、やはり苦しいです。でもね、ウチなんかまだよいほうです。取引先の酒屋さんなんか、なんの補償もなく頑張ってます。そういうところにも手当てが必要じゃないでしょうか」
ところが政府は、苦しんでいる人たちに対して、真逆のことをやる。西村康稔コロナ対策担当大臣の、酒類を悪者にして飲食店を「制圧」しようとした発言は、飲食業界にとっては忘れられない「暴言」だろう。沖縄県中部の、昼営業の飲食店を経営する男性はこういう。
「沖縄の場合、一番必要なのは、県外から来られるお客さんの、出発地の空港でのPCR検査(渡航前検査)のはずです。でもそれがこの1年数ヵ月間、全然できていないと思います。細田(博之)元官房長官の発言なんか、ひどかったですよね。玉城デニー知事が上京して、渡航前検査に政府の支援がほしいと政府・与党の関係者に直訴したとき、まるでバカにした返答をしました。あれは、沖縄県民全体に対する言葉だと感じました」
5月19日「国に頼るなんて、沖縄らしくない」細田博之元官房長官は、そう言い放った。沖縄での感染拡大を「バカじゃないか」とまで言ったのだ。
政府は、ようやく形ばかりの「支援策」を始めた。水際対策の基本「出発地検査」(沖縄及び北海道への渡航前のPCRまたは抗原検査)を、8月31日までの夏休み期間限定で、希望者が無料で受けられるようにしたのだ。ただしこれも、羽田、成田、伊丹、関空、福岡の5空港のみ。沖縄への直行便は、他にもいろんな空港から飛んでいる。対策は十分とは言い難い。お粗末な「水際対策」でお茶を濁されたのでは、ただでさえ政府の理不尽な政策に苦しめられてきた沖縄県民はたまったものではない。
米軍基地の感染爆発を抱える沖縄
さらに、細田発言の中で看過できない部分がある。発言の終盤に出てくる「(新型コロナウイルスは)旅行者が持って来るに決まってるんだから。米軍が持って来るわけでもないだろうし」という「私見」だ。これを聞いたとき、多くの沖縄県民が怒りを覚えたことは言うまでもない。
沖縄の感染状況で見過ごしてはならない厄介な存在が、まさに米軍基地なのだ。在沖縄米軍関係者に感染が急増していることはかねてより指摘されている。(「米軍でデルタ株流行か」沖縄県が見解 – 琉球新報デジタル)
そもそも沖縄の嘉手納空軍基地や東京の横田基地などには、常に多くの米軍関係者が降り立ち、日本の検疫と関係なく、基地のフェンスの外に自由に出ていく。このことは、日本国憲法よりも上位に位置すると皮肉られる日米地位協定で許されている。つまり、米軍関係の感染者がフェンスの外に出たとしても、どんな行動をとったのか、沖縄県民とどこで接触したのかといった点を含め、一切がブラックボックスなのだ。
沖縄の新規感染者が354人になった27日には、その数字とは「別に」米軍関係の新規感染者が19人判明したことが発表されている。沖縄に駐留する米兵・軍属及び家族の正確な人数は発表されていない。が、およそ5〜6万人と推定される。仮に6万人として人口比換算をすると、在沖米軍関係の「19人」は、東京の「4420人」に等しく、恐ろしい感染者数である。
昨年7月の独立記念日、沖縄中部で米軍関係者がお祭り騒ぎをしてクラスターが発生した。今後も、軍関係者がフェンス外でどんな行動をしたかまったく不明な状況が続くかと思うと、県民の感染不安は募るばかりだ。
日本政府が、この沖縄の状況を知らぬはずはない。そのうえで、飛び出した細田元官房長官の暴言は「沖縄差別」「沖縄いじめ」としか思えない。
「この世の地獄を集めた」と形容される地上戦の沖縄戦。その直後から27年間続いた人権蹂躙そのものの米軍統治時代。そして復帰後も、広大な土地を米軍が占有し続け、治外法権の理不尽な状態に置かれ続けている。
子どもの貧困問題ひとつをとっても、沖縄戦・米軍統治時代から地続きの沖縄ならではの問題がある。つまり、全国一律の手法ではなく、沖縄に対しては、独自の丁寧な手当のあり方が模索されるべきなのに、現在の政府・与党関係者には、沖縄の歴史と向き合った上で本気で問題解決を図ろうとする真摯さが欠けている。
米軍基地の存在が常に「脅威」であり続けている沖縄の、現在の基幹産業は「観光」だ。飲食業のみならず、ダイビングショップなどのマリンサービス、ホテル、タクシー等観光産業では、3ヵ月もの緊急事態宣言下で満足な補償もなく喘いでいる。
沖縄北部のタクシー運転士はこう嘆く。
「会社には、行政から多少の支援があるみたいですけど、運転手は出勤日数減らされてるだけです。わたしなんか出勤しないと収入はゼロの契約ですから、次の仕事を探すことを考えてますよ」
那覇市内の飲食店経営者は、こう話していた。
「東京では時短協力金がなかなか支払われなくて苦しいという話も聞きますが、沖縄では行政の人たちは頑張ってると思います。ウチもそれでなんとか食いつないでいます。しかし、ダイビングサービスの経営者なんかまったく補償もないのに、お客さんが減っているわけです。そういう人への手当てを政府がなんとかしてくれ、と言いたいです」
戦争と平和について学ぶ場も危機に
沖縄には、戦争と平和についての学びの場として貴重な資料館や美術館がいくつもあるが、どこも窮地に立たされている。糸満市の「ひめゆり平和祈念資料館」や、那覇市の「不屈館」では、チャリティーライブをして寄付金を募ったり、クラウドファンディングで支援を得たり、と苦境を乗り越えてきた。丸木位里・俊夫妻の「沖縄戦の図」シリーズなどを所蔵展示していることで知られる宜野湾市の「佐喜眞美術館」関係者は、厳しい実情を語っている。
「コロナ禍で、修学旅行のキャンセルが相次ぎました。入場料収入が激減し、大きなダメージを受けてます。ほんとにギリギリのところまで来ています。そろそろウチもクラファンを考えないといけないかもしれません」
コロナ禍で苦しいのは、もちろん沖縄だけではない。が、米軍基地の約7割を「引き受けさせられている」この地の不安は、他県とは異なっている。独自の感染対策、経済対策が必要だろう。しかし政府は、コロナ禍に乗じて辺野古新基地建設ゴリ押し工事を加速させる気満々だ。
昨年4月、沖縄本島南部地域の「沖縄戦犠牲者の遺骨まじりの土砂」を辺野古埋め立て用に使う計画が明らかになった。沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表・具志堅隆松さんらが中心になって、計画中止を訴えている。今年3月と6月にはハンガーストライキをするなど、必死の訴えをしているのだ。
「遺骨の眠る土地を掘り起こして、その土砂を米軍基地を造るために海に投げ入れるなんて、戦没者を二度殺すようなものです。国による死者への冒涜(ぼうとく)を絶対に許すわけにはいきません」(具志堅さん)
3月には東京・永田町の首相官邸前でも、沖縄出身者が単独でハンストを決行した。座り込みは4月まで続いた。県内メディアは大きく報道し、活動への共感は県民の間に広がっている。が、全国メディアの報道はあまり多くない。具志堅さんらは、8月15日の戦没者追悼式に合わせ、会場になる東京・日本武道館近隣でのハンストも考えているという。
政府は、沖縄の世論をねじ伏せたい
菅義偉首相自身が事実誤認と印象操作によって、コロナ療養者のための宿泊施設を用意できていないのは沖縄県の失策のせいだと喧伝しようとしたことがある。
あるいは、県政与党議員だったはずの赤嶺昇県議会議長が、PCR検査の拡充ができないまま感染拡大に至ったのは玉城デニー知事の失策のせいだと喧伝しようとしたこともある。
菅首相は、新基地建設推進政策に歯向かう沖縄の世論をなんとかしてねじ伏せたい。そのための「沖縄の民意分断工作」を、官房長官時代から絶えずしかけてきた。故・翁長雄志前知事との会談で、普天間基地が出来た歴史的経緯などを説明されたとき、「私は戦後生まれなので、歴史の話をされても困ります」と返した。
菅義偉という人は、歴史に学ぶことをしない。沖縄と向き合う際に最低限必要な真摯さを著しく欠いている。政府はコロナ禍に乗じて「沖縄いじめ」を加速させており、その度合いはますます酷くなっているのだ。
沖縄からは、この国の狂った姿がくっきりと見える。この苦境は、いずれ沖縄だけでなく全国に広がってしまうのではないだろうか。ここ沖縄から見る日本の未来は、けっして明るいものではない。
 

 

●コロナ感染拡大と五輪は本当に無関係か? 特例入国、穴だらけバブル 7/31
東京で4000人弱、全国では1万人超と感染者数が過去最多を更新したコロナ禍。だが、感染急増と東京五輪との因果関係については、菅義偉首相は「人流は減っている」、小池百合子都知事は「テレビ観戦によりステイホームが進んだ」などと否定。国際オリンピック委員会(IOC)の広報部長に至っては「五輪はパラレルワールド(並行世界)」と述べ、感染拡大に責任はないと強調した。本当に五輪と感染増に関係はないのか。
30日までに五輪関係者225人の感染が判明
当初から直接的影響として懸念されていたのは、五輪関係者来日による感染拡大だ。
選手・関係者は今年1月から、空港到着後の隔離など政府の水際対策に縛られずに特例として入国している。この特例入国者の数は1月から6月までに3551人に上る。内閣官房によると、その中から2月の1人を皮切りに6月末までに計6人の感染が見つかっている。7月1日以降は3万9000人超が特例入国。大会組織委員会によると、30日までに225人の感染が判明している。
ところが、感染者の国籍や感染したウイルスの種類などの詳細は、大会組織委員会がプライバシーを盾に公表していない。濃厚接触者の有無もよく分からず、詳細な情報が出てくるのは、各国のオリンピック委員会や母国のメディアが報じた場合だけだ。
選手村がオープンしたのは7月13日。内閣官房は、IOCや組織委が定めた規則集(プレーブック)を「選手や関係者が、順守することを前提にしている」(担当者)のが特例入国だとして、感染拡大につながっていないと説明する。
守られぬプレーブック
ところが、プレーブックが確実に守られているかというと、そうではない。五輪開会前から、選手村やホテルというバブルの中で過ごすはずの選手・関係者が、街の中で過ごす姿は何度も目撃されている。開会式では、マスクをつけず入場する姿がテレビで映され、ネットでは都内観光をする選手の姿の報告もある。だが、IOCなどの処分は聞こえてこない。一方で、空港での入国手続きは選手らの来日増加に合わせて、緩められた。選手らは、空港の検疫で陰性が確認されてから入国の手続きが行われていた。ところが、入国のピークに備えて今月7日からは混雑緩和のために検査結果が出る前に入国手続きを終え、空港内の待機施設で待つことになった。
穴だらけの五輪バブル
こうしたバブルについて立憲民主党の逢坂誠二コロナ対策本部長は「穴だらけだ」と厳しく批判する。同氏は、6月28日に菅義偉首相が羽田空港の水際対策を視察した後、現地を確認した。すると「荷物を受け取るターンテーブルは選手も一般客も一緒だった」。選手らが検疫から入国審査、税関と進む場所もテープで仕切られているだけで、「動線が分けられているわけではない」。選手村で毎日行われる抗原検査も実態は不明だ。逢坂氏は「もう手遅れかもしれない」と危機感を募らせている。こうした実態からすれば、五輪と感染拡大の直接的関係が全くないとは言い切れないのではないか。元厚生労働省医系技官で医師の木村盛世さんは「人が増えて動けば、感染が拡大するのは当たり前のこと。逆に、人の動きが止まれば、社会と経済が止まる」と指摘する。では、感染者の増加が止まらない現状でできることはないのか。木村さんは「こうなった以上、感染者の受け入れ態勢など、医療のキャパシティー(能力)を上げるしかない」と訴える。
「華やかな祝祭」が人の心を開放的に
五輪が感染増を招いたと思わせる理由は他にもある。国民の心理に及ぼす影響だ。東京女子大の広瀬弘忠名誉教授(災害・リスク心理学)は「五輪は華やかな祝祭という側面があり、開催地の人たちの心を開放的にさせる。長らく外出を控えてきた人たちも我慢を緩め、出掛けてしまうこともあったはず」とみる。「開幕後は各競技の報道が増えた一方、コロナ関連のニュースは減った。メダルラッシュでその傾向がより強まった。結果的に人びとがコロナを意識する機会が以前より減り、自粛の意識も弱まることになった。心理面で『楽観バイアス』がかかった」
菅首相「人流減」、小池知事「在宅率増」…国民の心緩ませる
そんな中だからこそ、危機感を高めるメッセージを出すべきなのに、菅首相は27日に「人流は減っている」と楽観論を振りまき、小池知事も29日に「(五輪の自宅観戦が増えたことで)ステイホーム(在宅)率が上がっている」と発言。IOCのマーク・アダムス広報部長は「(五輪は)パラレルワールドみたいなもの。われわれが東京で感染を広げていることはない」と述べた。広瀬氏は「五輪開催で国民の心が緩む中、それに拍車を掛けるような発言が相次いでいる。全く理解できない」と切り捨てる。
緊急事態宣言のたび人流抑制効果薄れ…
そもそも一連の楽観論はうのみにできない。根拠が乏しいようにすら思える。携帯電話の位置情報から滞在人口を分析するソフトバンクの子会社「アグープ」のデータによれば、東京都に4回目の緊急事態宣言が出てから2週間ほどたった25日、JR東京駅の人出は最初の宣言前の昨年3月に比べて10%減にとどまった。1回目の宣言の昨年4月は65%減、2回目の今年1月は42%減、3回目の同5月は33%減なので、宣言を出すたびに人流抑制の効果が大きく薄れていることがよく表れている。
ブルーインパルス、ロードレース観衆で「密」
これだけでも「人流は減っている」と楽観できないのは明らかだが、五輪開催によって「密」になるほどの人出も生じている。例えば開会式があった23日には、五輪の空気を味わおうとする人たちが国立競技場周辺に殺到したほか、上空のブルーインパルスの写真を撮る見物人の密集状態もできた。翌24日にも、自転車のロードレースの選手たちが駆け抜けた三鷹市内では、スマートフォンを向ける観衆が肩を寄せ合うほど集まった。「在宅率が高い」という小池氏の発言も怪しい。同氏は「テレビの視聴率が如実に示している」と述べており、「高い視聴率=高い在宅率」と言いたいようだが、ビデオリサーチ社が公表する関東地区の世帯視聴率を見ると、開会式こそ56・4%だったが、時折20%台を記録するも多くは10%台。「誰もがいつも自宅で五輪中継にかぶりつき」とは程遠い。
矛盾するメッセージやめ、国民の疑問に答えて
政府・都などが「五輪ありき、五輪だけ特別扱い」という姿勢を見せてきた影響も見逃せない。元厚生労働官僚で神戸学院大の中野雅至教授(行政学)は「飲食店に対する締め付けや乏しい支援などで政府や都に不信が募っているのに、さらに矛盾を思わせるメッセージを出せば信頼感が失われる。国民に何か協力をお願いしようにも耳を貸してもらえなくなる」と話す。南部義典・元慶応大講師(政治学)は「結局のところ、菅氏や小池氏が楽観論を触れ回るのは自分自身に大丈夫と言い聞かせたいだけじゃないのか」とみる。必要なのは、そんなことではない。「今はどんな状況か、国民はどんな不安を抱いているか、きちんと直視すべきだ。その上で毎日、記者団のぶら下がり取材や会見に応じ、国民の疑問に答えながら国民へのお願いを伝えていく。こうした真摯な姿勢がない限り、国民の協力は得られないし、感染拡大は止められない」

●第5波鮮明に 全国1万2千人超感染、4日連続最多 7/31
新型コロナウイルスの新規感染者が31日、全国で1万2342人となり、4日連続で過去最多を更新した。東京都では4058人で過去最多となったほか、大阪府でも1040人が確認されるなど、感染の急拡大に歯止めがかからず、新型コロナ禍の「第5波」が鮮明となっている。今後、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)も懸念される。
東京都では最多だった7月29日の3865人を上回り、初めて4千人を超えた。6月20日に3度目の緊急事態宣言が全面解除されたころから感染者の増加傾向が続き、ここ数日は急激に感染が拡大。直近7日間を平均した1日当たりの新規感染者数は2920人となり、前週の2倍以上になった。
7月12日からの4度目の宣言は8月31日までの延長が決まったが、今回の宣言はこれまで感染者数の抑制にはつながっていない。繁華街の人出はやや減少しているものの、感染力の強いインド由来のデルタ株の影響が指摘されている。
若年層での感染拡大も顕著だ。初の4千人台となった東京の感染者の年代別内訳は、20代が1484人と最も多く、30代が887人と続く。30代までの感染者は2878人となり、全体の7割を超えた。
入院患者は3200人を上回り、自宅療養者も初めて1万人を超えた。
一方、2日から4度目の緊急事態宣言が発令される大阪府では、7月31日に1040人の新規感染者が発表された。千人を超えるのは5月8日以来だ。同じく2日から宣言が発令される神奈川県や埼玉県でも7月31日に千人を超え、過去最多となった。このほか沖縄県や京都府など計10都府県で過去最多を更新した。
全国の死者は東京で3人、北海道、青森、茨城などで各1人の計9人が報告された。厚生労働省によると、重症者は41人増えて667人となった。

●1日の感染者数が1万人突破した日、夜11時にも銀座の飲食店は大賑わい 7/31
裏通りに入ると明るいネオンの下で酒を手に大騒ぎしているグループが目の前に現れた。幅2メートルほどの道を挟んで大型の飲食店や居酒屋がいくつも営業していた。店ごとに置かれた数十のテーブルに空きはなかった。夜になっても28度を下回らない熱帯夜にもかかわらず、エアコンの風がとどかない路上のテーブルもほぼ満席だった。29日夜11時頃、東京銀座の新幹線高架下近くの裏通りの風景だ。
今月12日に緊急事態宣言が発令された東京都では飲食店の営業時間が夜8時までに制限されている。酒類の販売も事実上禁止された。コロナの感染拡大を防ぐためだ。
ところがこの日、東京都心の各地ではこれを無視して営業を続ける店、さらにそれらの店に集まる客たちの姿を簡単に目にすることができた。営業を続けるいくつかの店に客が集中するため却って密になったようだ。有楽町駅周辺で主に魚を提供するある飲食店でも従業員が注文を受け、訪れる客たちを案内するため忙しく動き回っていた。従業員に「営業時間の制限はないのか」と質問したところ、「毎日朝5時まで営業している」と説明した。事実上の24時間営業だった。
この日は日本全国でコロナの感染者がはじめて1万人(1万692人)を突破した。東京都だけで3865人だ。武道館で柔道の取材を終えてから都内を回ったところ、その理由がわかるような気がした。
大通りはどこも暗かったが、少し裏道に入ると完全に違った世界になっていた。主要な繁華街はどこもよく似た状況だった。サラリーマンがよく訪れる新橋駅周辺では通常と同じく客引きたちが通行人に声を掛けていた。周辺に止まったタクシーからは様々な国から来た外国人たちが降りてバーや居酒屋に向かった。夜の地下鉄にはビールの空き缶や酔い潰れて眠る人も目についた。
「もはや緊急事態宣言には効果がなくなった」と医療関係者や市民は口をそろえる。これを「オリンピックの影響」と指摘する声もある。東京新聞は「オリンピック開催が感染防止の分かれ道」という表現を使った。日本医療法人協会の太田圭洋副会長は「オリンピックを開催することと感染拡大防止は矛盾したメッセージになっている」と指摘する。ただでさえ強圧的な感染対策への疲労感が広まっている状況で、オリンピックのため感染対策も効果が出ないというのだ。
オリンピックの選手や関係者を「感染源」として不安視する声も高まっている。実際に大会組織委員会が「感染対策のルールを守ってほしい」と要請する回数も増えた。プレスセンターに向かう際、ADカードに向かう周囲からの視線も徐々に厳しくなっているように感じる。オリンピックがこのように厄介者になるとは誰も想像さえできなかっただろう。

●新型コロナウイルスの感染拡大止まらず…愛知は4日連続の200人超 7/31
31日に確認された新型コロナウイルスの新規感染者です。愛知県は31日、新たに286人の感染が確認されました。うち名古屋市は134人で、愛知は4日連続の200人超えです。岐阜県は18人、三重県は44人です。

●「医療ひっ迫の現状を伝えたい」愛知医療従事者が五輪中止を訴え街頭デモ 7/31
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、愛知の医療従事者らが31日、東京オリンピックの中止を訴えてデモを行いました。
「医療崩壊が首都圏を中心に広がっている中でオリンピックを続けている場合なんでしょうか」(愛知県医労連)
デモを行ったのは、医療従事者らからなる愛知県医労連です。
名古屋市の金山総合駅でのデモは今回7回目です。
新型コロナ患者の増加で医療体制がひっ迫する現状を踏まえ、東京オリンピックよりも感染対策に力を入れるべきだとして、大会の中止を訴えました。
「今ここで五輪をやめることでみんなにどれだけコロナ対策が大変かの現状の厳しさを伝えることができると思う」(愛知県医療介護福祉労働組合連合会 原真理子さん)
この日のデモでは、コロナ禍で体験したことを手紙に書いてもらうよう通行人に求めました。医療崩壊の危機を訴えるため、8月に、集まった手紙の内容を発表するということです。
東京では31日、新規感染者が初めて4000人を超え、愛知では287人の感染が確認されています。

●「応援せずにはいられない」 反対の多い東京五輪に心を開く日本人 7/31
コロナ禍で開催されている東京五輪。感染拡大が続く中、大会中止を叫ぶ声はやむ気配がないが、あちらこちらで温かい声援が聞こえてくる。ファンは、規制をくぐり公道でアスリートを励まし、大会グッズを買い求めている。そのかいあってか、日本は大会前半にゴールドラッシュの快進撃を見せた。大会8日目(7月30日)終了時点で、日本は17個の金メダルに輝いている。
新型コロナウイルスの感染対策のため、ほぼすべてのイベントが無観客となり、公道での競技には近づかないよう要請されている。それでも、五輪を一目見ようと、ファンらは大会の現場に出現している。
「走っている選手を見ると、『がんばれ』っていうふうに思ってしまいます」と話したのは、IT関係の専門職に就いている40代のファン。自宅から飛び出し、雨の中で女子のトライアスロンを観戦した。
「開会式まで、疑問に思っていたところはありました」と明かしたこのファンは、「競技が始まると『やってよかったかな』と思うようになりました。パラリンピックまで安全に開催できるといいなと思います」と話している。
東京五輪は世界中から数万のアスリート、役員とメディア関係者を一堂に集め、23日に開幕した。しかし、新型コロナウイルス感染拡大のため、五輪は緊急事態下の東京で進行し、ファンは会場から閉め出され、増加する感染者数に国民の不安は募っている。
それでも開会式当日、会場の国立競技場周辺には数千の人々が群がり、式の雰囲気に浸るとともに打ち上げられた花火に見入っていた。その数は五輪反対のデモ参加者をはるかに上回っていた。
「爆発的に忙しい」
開会式テレビ生中継の東京での平均世帯視聴率は50パーセントを超えていた。販売店や大会組織委員会の関係者によると、東京大会の関連グッズの需要も急上昇しているという。
組織委の飯沼ひかりマーケティング局主事は、開会式を契機にグッズ店舗は「爆発的に忙しくなってきた」と明かし、東京五輪関連商品を売るための特設店舗は、客不足でいったんは閉鎖したものの、現在は再開していると述べた。
売り上げ増加の傾向は「都内で特に顕著」だとしており、売上高は明かさなかったものの、Tシャツやマグカップ、タオルなどが人気という。
人々の気持ちの変化は、自国の選手たちの大活躍と無関係ではないだろう。日本競泳女子初となる2冠を達成した大橋悠依をはじめ、13歳の女子スケートボーダーの西矢椛、柔道の阿部詩と阿部一二三きょうだい、卓球種目で中国の独占に終止符を打った水谷隼と伊藤美誠、女子ソフトボールチームなど、多くの日本勢が金メダルを獲得した。
奈良女子大学のスポーツ社会学研究者、石坂友司准教授によると、日本人選手が試合後のコメントで「喜びの爆発より、相手を考え、この場を準備してくれた人々への感謝を伝えている」ことが、抑制の効いた盛り上がりとなり、大会に対する反発を和らげる一助になっている可能性があると指摘した。
「あえてうれしい」
すべての人たちに気持ちの変化があったわけではない。今でも多くの人々がウイルスのリスクを心配している。東京都のコロナ新規感染者の数は、29日の時点で3日連続過去最高を更新していた。
日本経済新聞に26日に掲載された世論調査によると、今でも31パーセントの人々が大会は延期か中止されるべきだったと考えている。それでも約70パーセント近くは、何らかの形での開催を支持している。
インド出身で、現在お台場に住んでいるチンタン・マクワナさんは、近所で行われる競技を見に集まった人の群れに不安を感じ、「人はコロナがあると忘れている。こちらに住んでいる人にとっては、以前よりとても怖いです」と語った。
臨海部のお台場には27日、当局の規制にもかかわらず数百人が集まり、雨の中で女子トライアスロンの選手を応援していた。
ほとんどがマスクを着け、応援は拍手だけにとどめており、離れた場所から声援を上げる人もいた。
近所に住む60代のファンは、競技に臨む選手に「がんばってー、がんばってー」と声を掛け、「にわかファンですけど、見られてうれしいです。子どもに自慢します」と笑った。
「いろんなことがあって、いろんなことが言われたけれど、ここに合わせてきた選手たちを応援してあげたいと思います」

●CNN記者が見た感染増「五輪無関係は考え難い」 7/31
アメリカCNNの東京支局長がANNの取材に応じ、オリンピック開幕後に感染が急拡大していることについて「大会の影響がないと考えるのは難しい」と語りました。
2019年から特派員を務めるブレイク・エシッグさん。30日には都内でオリンピック関連のピンバッジを販売している男性を取材しました。
CNN東京支局、ブレイク・エシッグ記者:「コロナの感染拡大は売り上げに影響していますか?」
五輪ピンバッジ収集家・代美ツァフリルさん:「普通の状況なら行列ができていると思います。コロナで海外の観光客もいなければ地元の人も出てこない」
エシッグ記者は、日本に住む人がオリンピックをどう見ているのかをテーマに取材を進めていて、コロナ禍での大会について「観客も熱狂もなく、様々な面で不十分だ」と話しました。
また、開幕後の感染急増の原因がデルタ株か大会かを判断するには時期尚早としながらも、「大会の影響がないと考えるのは難しい」との見解を示しました。
CNN東京支局、ブレイク・エシッグ記者:「(取材した医療従事者らによると)五輪を開催したことで国民にこの危機はそれほどでもないという感触を与えた。その結果、人出は増え、仕事に行ったり、レストランで飲酒して感染が蔓延(まんえん)しているのが問題です」
また、エシッグ記者は大会ボランティアの行動範囲やワクチン接種率の低さを問題視しています。
CNN東京支局、ブレイク・エシッグ記者:「(バブルを)行き来する人がいてワクチン接種率が低いなか、たった一人が火種になりかねない状況なのです。それが最大の懸念です」

●東京五輪の開催に対する受け止めに変化の兆し 7/31
国内で新型コロナウイルス感染者の増加に歯止めがかからない中、東京五輪の開催に対する受け止めに変化の兆しが出ている。背景にあるのは、連日の日本選手のメダルラッシュだ。
日本は30日までに五輪競技で金メダルを15個獲得し、中国に次ぐ2位につけている。新種目のスケートボード(ストリート)は男女とも優勝を飾り、柔道は阿部兄妹の快挙を含め金メダル8個、体操の男子個人総合では橋本大輝選手が初めての五輪で金を手にした。
東京都の感染者数は、29日に3865人となり3日連続で過去最高を更新するなど、拡大ペースは依然として深刻だ。だが、ソーシャルメディアの投稿を分析すると、五輪への否定的な声に比べて、テレビやスマホの画面越しに応援する日本選手への肯定的なコメントが増えてきているのがわかる。
開幕以降、ツイッター上では「五輪中止」を叫ぶ声以外に、選手のメダル獲得を喜ぶツイート、開会式当日に東京の空を彩った航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」によるパフォーマンス、そして開会式当日の花火などの投稿が目立つ。
日本テレビとJX通信社の分析によると、ツイッター上では感染拡大を懸念してネガティブなコメントが依然として大半を占めるが、開会式前日の22日に3割未満だったポジティブなコメントは、27日までに4割を超えた。
また、共同通信によると、国際オリンピック委員会(IOC)などが日本語を含む9カ国語で展開する公式サイトやアプリを通じたデータ通信量は、2016年のリオデジャネイロ五輪の2倍に達している。中でも日本や米国、インドからのアクセスが多いという。
開幕後の週明け26日午後、お台場にある大会ロゴが入ったTシャツなどの五輪公式グッズを販売する店舗は平日にもかかわらずにぎわいを見せていた。
親戚や家族へのお土産にキーホルダーなどを購入したという都内在住の武内幹夫さん(44)は、「どちらかというと五輪心配派だったが、始まってみたら逆にこれがなかったら寂しかったかもしれない」と心境の変化を口にした。
武内さんはスケートボードや体操などをテレビ観戦したという。3歳になる娘が大きくなった時に、キーホルダーを見せながら東京大会の思い出を伝えたいと話した。
二つの考え
選手を応援したい気持ちと感染拡大への懸念が共存しているとの見方もある。開催前に代々木公園でのパブリックビューイングサイト建設中止をネットで訴えた日本在住の経営コンサルタント、ロッシェル・カップ氏は「二つの考えは矛盾しない」と電話取材で述べた。
奈良女子大学の石坂友司准教授(スポーツ社会学)は、国民感情は開幕前と大きく変わっていないと指摘する。コロナ禍での五輪開催に否定的だった人は「いまだに開催するべきではないと思っているし、今からでも間に合うのであれば中止するべきだと思っている」という。
ただ、五輪に肯定的な意見を公言しやすくなったことは大きな変化だという。これまでは、コロナ禍での五輪をポジティブに考えられない状況があったため、選手を応援したいという気持ちを表に出しづらい雰囲気だった。しかし、過剰にはしゃぐことなく淡々と活躍する選手たちの姿が多くの人の心を捉えていると説明した。

●大阪新型コロナ1040人の感染確認 デルタ株感染拡大力はメガトン級 7/31
大阪府は31日、新たに1040人が新型コロナウイルスに感染、亡くなった人は0人と発表しました。1日の新規感染者が1000人を超えるのは、5月8日以来です。また東京オリンピック開催中の東京都では、過去最多の4058人の感染が確認されました。
大阪府新規感染者数の推移(死者数) 7月30日(金)882人(0人)/ 7月29日(木)932人(2人)/ 7月28日(水)798人(0人)/ 7月27日(火)741人(0人)/ 7月26日(月)374人(1人)/ 7月25日(日)471人(1人)/ 7月24日(土)283人(1人)
8月2日から4度目の緊急事態宣言が適用される大阪府では、酒類を提供する府内の飲食店などに対しては休業を要請するとともに、提供しない場合は営業時間を午後8時までの短縮、また百貨店などの大規模商業施設には午後8時までの時短営業を要請します。
吉村知事はツイッターに「特に飲食店の皆様には負担続きで申し訳ありません。せめてゴールドステッカー店舗はとも思いますが、法律上できません」と投稿し、2日からの緊急事態宣言の適用に理解と協力を呼び掛けるとともに、「デルタ株の感染拡大力は別格です。その強さはメガトン級です」と記し、感染対策の徹底を呼びかけています。

●警戒度引き上げ 栃木県内7市で時短要請 店主ら「複雑な思い」 7/31
新型コロナウイルスの急激な感染拡大を受け30日から栃木県の警戒度レベルが国のまん延防止等重点措置に相当するステージ3に引き上げられました。
7つ市の飲食店には8月2日から営業時間の短縮要請が出され、稼ぎ時と重なる時期の再びの事態に苦しい現状を訴える声が聞こえました。
県は30日から総合的な警戒度レベルを国のまん延防止等重点措置に相当する県版ステージ3に引き上げました。
警戒度の引き上げに伴い直近一週間の新規感染者数が特に多い宇都宮市など県内7市の飲食店に8月2日から営業時間を午前5時から午後8時までに短縮、酒類の提供は午前11時から午後7時までとするよう要請します。
対象地域の1つで県内有数の観光地・日光市にある飲食店 栞(しおり)です。
世界遺産の二社一寺へ続くメインロード沿いにあり湯葉など地元の名物を使った料理が人気で新型コロナウイルス感染が拡大する前は国内外から多くの観光客が訪れました。
以降は、テイクアウトやSNSでの発信に力を入れ地元の人からも好評を得ていました。
この週末には市内のイベント用に大口の注文がありましたが、急きょイベントが中止になりキャンセルになりました。
一方、宇都宮市の中心街にある宇都宮屋台横丁では、午後4時ごろからおよそ20ある店の店主を集めて運営会社が時短要請の内容などを伝えました。
宇都宮屋台横丁では要請に協力した上で希望する店は通常より早い時間から営業することを決めました。
鉄板焼きやからあげがうりの店では、来週からはこれまでより2時間早い午後4時に営業を始めることにしました。
最近はようやくコロナ禍の前の6、7割ほどまで客の数が戻ってきた矢先、再びの時短要請に理解を示しながらも思いは複雑です。
あたしッ亭 鈴木泰子 店主:「またか、という感じ。仕方ないが、一度時間を短縮して客が離れてしまったら戻るのには時間がかかる。」

●中国、デルタ株じわり ワクチン普及でも「検査・隔離」 7/31
新型コロナ禍を抑え込んでいた中国本土で、外国から入り込んだとみられるデルタ株の感染がじわりと広がっている。中国政府は、これまで効果を上げてきた大規模なPCR検査と隔離の体制で迎え撃つが、夏休みの旅行シーズンの時期もあって対応に苦慮しており、7月31日午前までに10省・直轄市・自治区の20都市以上で合わせて260人を超える感染が確認されている。
今回感染が拡大しているデルタ株は、7月20日に江蘇省南京市の国際空港周辺で発覚した感染者から初めて検出された。市衛生当局は、入国時の検疫で搭乗者の感染が判明しているロシアからの国際便の機内清掃の担当者を通じて広がったとみている。同市の感染者は30日までに200人近くになり、当局は空港と3万人以上が住む周辺の街を封鎖。約920万人の全住民のPCR検査を3巡させている。
中国本土での市中感染は1年以上にわたって、散発的な発生をこうした検査や封鎖、濃厚接触者らの徹底的な隔離の組み合わせで抑え込む状態が続いており、拡大の範囲も一定の地域にとどまるケースが多い。
ただ、今回は感染力が強いとされるデルタ株が、学校が夏休みに入って多くの旅行者でにぎわう空港を通じて広がった。経由便で南京空港に数時間だけ滞在した人が感染した例もあり、その後の旅先からさらに別の場所へと拡散。湖南省では世界遺産のある観光地・張家界市の劇場や常徳市の観光船などでの集団感染がわかり、陝西省西安市では感染者が訪れた兵馬俑(へいばよう)の博物館が臨時閉鎖された。広東省や湖南省、四川省などで地域の封鎖や全住民のPCR検査が次々に実施されている。

●9人死亡 1万2341人感染確認 7/31
31日はこれまでに全国で1万2341人の感染が発表されています。また、東京都で3人、北海道で1人、青森県で1人、茨城県で1人、埼玉県で1人、神奈川県で1人、静岡県で1人の合わせて9人の死亡の発表がありました。
国内で感染が確認された人は空港の検疫などを含め92万6405人、クルーズ船の乗客・乗員が712人で、合わせて92万7117人となっています。
亡くなった人は国内で感染が確認された人が1万5193人、クルーズ船の乗船者が13人の合わせて1万5206人です。
厚生労働省によりますと新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、31日時点で667人(+41)となっています。
一方、症状が改善して退院した人などは、31日時点で、国内で感染が確認された人が83万4967人、クルーズ船の乗客・乗員が659人の合わせて83万5626人となっています。また、29日には速報値で1日に6万4322件のPCR検査などが行われました。
厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、31日時点で667人となりました。30日から41人増加しています。一方、症状が改善して退院した人などは、国内で感染した人が83万4967人、クルーズ船の乗客・乗員が659人の合わせて83万5626人となっています。また、29日には速報値で1日に6万4322件のPCR検査などが行われました。
厚生労働省によりますと、31日までにフィリピンやインドネシアなどから成田空港などに到着した男女14人が、空港の検疫所で新型コロナウイルスに感染していたことが新たに確認されました。空港と港の検疫で感染が確認されたのは、合わせて3496人となりました。

●緊急事態宣言2日から 週末の大阪は 7/31
新型コロナウイルス対策で、8月2日から大阪に緊急事態宣言が、兵庫と京都にまん延防止等重点措置が適用されます。JRが一部の路線で最終電車を早めるなど、人出の抑制に向けた措置が各地で行われます。
8月2日から、大阪に緊急事態宣言が、兵庫と京都にまん延防止等重点措置が適用されることになり、3府県は、対象となる飲食店などへの酒類の提供停止の要請などを決定しました。
人出の抑制に向けた措置として、JR西日本は、宣言の期間中、大阪環状線で最終電車を繰り上げて、大阪駅と天王寺駅を出発する最終電車を最大で16分早めることを決めました。
大阪府に緊急事態宣言が出される前の最後の週末となった31日、大阪・梅田では買い物客などの姿が見られました。
従業員が相次いで新型コロナウイルスに感染していたことが確認された阪神梅田本店は、31日と8月1日の2日間、臨時休業することになりました。
これまでに感染が確認された従業員は67人となっているということで、店の入り口には休業を知らせる紙が張り出されていました。
子どもを連れた30代の夫婦は、「医療系の仕事をしているので感染が増えていると日々感じているが、緊急事態宣言にも慣れてしまっている面があると思う」と話していました。
会社員の70代の男性は、「みんな緩んでいるからここでもう一度引き締めないといけない。制限に慣れてしまっているのでこうした宣言が出ることで引き締めることができるのではないか」と話していました。
 
 
 

 

●神奈川も2日から緊急事態宣言 黒岩知事「医療崩壊直前の現実」 8/1
新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、県内で2日、政府による緊急事態宣言が発令される。1日の新規感染者数は1258人と、5日連続で千人を超えた。黒岩祐治知事は「宣言は何としても避けたかったシナリオだが、医療崩壊直前の状態に直面している現実を分かってほしい」と呼び掛けている。
県内では清川村を除く全32市町を対象区域に「まん延防止等重点措置」が適用されているが、2日から緊急事態宣言が発令。宣言期間は31日までで、酒類またはカラオケ設備を提供する飲食店などには休業を要請する。ただ、これまでの要請に応じて提供を停止している大半の店舗には引き続き時短営業を求める。
知事は1日、記者団の取材に「救急車を呼んでも来ない、来たとしても運ぶ所がないという事態が目の前に迫っている。その危機意識を共有してほしい」と述べ、若年層を中心に人流抑制への協力を求めた。

●「夏の需要が完全になくなった」 緊急事態宣言拡大 宿泊、運輸業界に嘆き 8/1
2日から大阪府など4府県への緊急事態宣言発令と5道府県に「蔓延(まんえん)防止等重点措置」が適用されることで、夏の書き入れ時を迎えた観光、運輸業界に打撃となりそうだ。全国知事会が都道府県をまたいだ旅行を原則中止するよう呼び掛けるなど、逆風も強まる。国内旅行は増加の兆しもあっただけに、出ばなをくじかれた格好だ。
「これで、夏休みの旅行シーズンの需要が完全になくなった」
関西圏や首都圏を中心にホテルチェーンを展開する阪急阪神ホテルズ(大阪市)は肩を落とす。大阪新阪急ホテルなど大阪市内や東京都内の直営5ホテルを順次、31日まで休業することを決めた。緊急事態宣言を受けた休業はすでに4度目。「『また休業か』という気持ちだ」と嘆く。
観光庁が7月30日発表した国内宿泊施設の客室稼働率(6月、速報値)は、28・7%。今年に入ってから20〜30%台と低空飛行を続けている。
ただ、緊急事態宣言の拡大前には、今夏の国内旅行人数は前年比5・3%増の4千万人との推計(JTB)もあるなど改善傾向も見せ始めていた。それだけに冷や水を浴びせられた状況になっている。
クラブツーリズムは、宣言が発令される4府県を8月2日以降に発着する添乗員付きツアーの原則中止を決めた。消費者側でも、予定していた旅行を見直す動きも予想される。
運輸業界の打撃も大きい。JR西日本は7月30日、今期の連結業績予想を下方修正し、2期連続の最終赤字になるとした。坪根英慈常務執行役員は「(お盆などの)『書き入れ時』に緊急事態宣言が発令されるというのは痛い」。
主力の山陽新幹線の利用は、コロナ禍前と比べ、3割程度の水準にとどまる。当初、8月には回復に転じると予想していたが、後ズレする見込みだ。坪根氏は緊急事態宣言の影響について「まだ織り込み切れていない部分もある」とし、業績がさらに下振れする可能性も示唆した。

●県境またぐ旅行中止求める 緊急事態宣言拡大受け全国知事会 8/1
緊急事態宣言などの地域や期間の拡大を受けて、全国知事会は、感染の急拡大への対応などを協議し、県境をまたぐ旅行や帰省の原則中止を求めることを決めた。
全国知事会会長・飯泉嘉門徳島県知事「(感染者が)3日連続で1万人超え。第5波というより、感染爆発といっても過言でない状況。正念場を迎えている」
鳥取県・平井伸治知事「感染力の強さは異次元。前例踏襲の対策では、絶対に乗り切れない」
愛媛県・中村時広知事「大変心苦しいが、夏の帰省はもう一度考えていただきたい」
協議では、夏休みやお盆など、人の移動が増える時期の感染急拡大への危機感が相次いで表明され、都道府県をまたぐ旅行や帰省の原則中止や、自粛を求め、やむを得ない場合は、事前のPCR検査を受けるよう呼びかけることで一致した。
しかし、緊急事態宣言の全国への拡大については、賛否が分かれた。
ワクチン接種をめぐっては、不安定な供給への不満が噴出したほか、接種率などを制限解除の目安とする「出口戦略」についても、検討・発信するよう政府に求めている。

●杉本知事「全国一斉に緊急事態宣言を発令すべき」・・・全国知事会で提案 8/1
新型コロナ感染拡大防止の対策について、杉本知事は1日に開かれた全国知事会で、全国一斉の緊急事態宣言を政府が再び発令するよう提案した。
全国44都道府県の知事がオンラインで意見を交わした。国の緊急事態宣言は2日から31日まで首都圏と大阪、沖縄の6都府県に拡大して発令されるが、杉本知事は都道府県単位の対策だけで感染を抑えることは極めて難しいと言及。去年4月と同様、全国を対象とした緊急事態宣言の発令の検討を政府に求めるべきとした。
このほか、移動の自粛や会話の際のマスク着用も国として強く求めることも提案した。これらの意見は全国知事会として近く政府に提言する。

●緊急事態宣言で閉鎖 きょうで最後の海水浴場にぎわう 千葉  8/1
緊急事態宣言の対象地域に千葉県が追加されることを受けて、千葉県内では開設されていたすべての海水浴場が2日、閉鎖されます。ただ、ことし最後の開設となる館山市の海水浴場は、8月1日も多くの客でにぎわっていました。
千葉県内ではことし、合わせて11の海水浴場が開設されていますが、緊急事態宣言の対象地域への追加を受け、8月2日から閉鎖されます。
このうち館山市では、7月22日から4か所で開設されていましたが、すべて閉鎖されることになり、ことしの海水浴場の開設は8月1日で最後となります。
このうち館山駅から近い北条海水浴場は、午前9時すぎには、一部の駐車場が満車になり、多くの家族連れなどでにぎわっていました。
海水浴に訪れた60代の女性は「海水浴場が閉まるのは知りませんでしたが、感染が拡大しているのでしかたがないと思います」と話していました。
千葉県内で閉鎖される海水浴場では、ライフセーバーによるパトロールなどの安全対策を続けることを検討していますが、自治体や県は「監視のない海は非常に危険なので泳がないでほしい」と呼びかけています。

●緊急事態宣言の拡大「1週間遅い」 現場の医師が悲痛 8/1
1日、東京で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者数は3058人で、先週日曜日の先月25日に比べて約1.7倍に増えています。31日の4058人は下回ったものの、これで5日連続で3000人を越えました。重症者は31日から6人増えて101人となっています。
今月1日の感染者数を年代別に見てみると、20代と30代が圧倒的に多く、この2つの世代で半分以上占めています。
そして、気になるのはワクチンの接種です。先月30日の発表で65歳以上の約73%が2回目を終えているものの、人口全体で見ると約28%にとどまっています。予約が取りにくいという状況も続いています。
こうしたなか、都内の自宅療養者数は約1カ月前から10倍以上に急増し、31日に初めて1万人を超えました。今月2日からは緊急事態宣言の対象地域が6都府県に拡大されます。

●大阪で感染1000人超 2日から緊急事態宣言 8/1
31日に確認された新型コロナウイルスの新たな感染者は、大阪で1000人を超え、関西2府4県で合わせて1706人となりました。
感染の急拡大に歯止めがかからない中で、2日から大阪に緊急事態宣言が、兵庫と京都にまん延防止等重点措置が適用されることになり、各府県は感染対策の徹底を強く呼びかけています。
31日に発表された新型コロナの新たな感染者は、大阪が1040人、兵庫が329人、京都が199人、奈良が59人滋賀が45人、和歌山が34人で、関西2府4県で合わせて1706人となりました。
大阪で1日あたりの新たな感染者が1000人を超えるのは、3回目の緊急事態宣言が出されていた5月8日以来です。
このほか、兵庫で5日連続で250人を上回ったほか、京都では過去最多となる199人となるなど、各地で感染の急拡大に歯止めがかかっていません。
一方、感染して亡くなった人の発表はありませんでした。
こうした中、2日から今月末まで、大阪に緊急事態宣言が、兵庫と京都にまん延防止等重点措置が適用されます。
各府県は、対象となる飲食店への酒類の提供停止などを通して、飲食の場での感染リスクや人出の抑制につなげて感染拡大を食い止めたい考えで、措置への協力と、感染対策の徹底を強く呼びかけています。

●緊急事態宣言前日の大阪 串カツ店「酒出せずきつい」 8/1
大阪府に4度目の緊急事態宣言が発令される前日となった1日午後、大阪・ミナミにある串カツチェーン「串かつだるま道頓堀店」には、カップルや家族連れらが続々と訪れた。2日からは酒類を提供する店には休業が要請され、同店では酒類の提供を取りやめる予定だ。客らは名残惜しそうに、名物の串カツとビールを楽しんだ。
午後1時過ぎ、店内は大勢の客でにぎわっていた。出張と観光を兼ねて東京都内から大阪を訪れたという女性(38)は「外でお酒を飲むのは久しぶりなのでおいしい」と笑顔をみせつつも、「対策をしていてもどこで感染するか分からないし、最初の(宣言が出た)時期と比べるとコロナ慣れみたいなものはある」と話した。
「感染者数が増えていたので(宣言が)出るかと思ってはいたが、明日から酒が提供できなくなるのはきつい」。同店の中嶋隆晴店長(38)は肩を落とす。ここ最近の売り上げは、飲食店に酒類の提供停止が要請された3度目の宣言時(4月25日〜6月20日)と比べると、約1・5倍に回復していたという。
夏休みやお盆を迎えるこの時期は観光客が増え、例年ならば稼ぎ時。さらなる売り上げ増も期待されたが、酒が提供できなければ客足は遠のく。「先が見えない。うちも助成金などを使ってやってきているが、体力のない店はだいぶ苦しいはず」
同店は、大阪府が感染対策を取っている店を認証する「ゴールドステッカー」を取得し、営業時間の短縮や酒類の提供自粛などの要請に応じてきたが、要請に従わず、深夜まで酒類の提供を続ける飲食店もある。中嶋店長は「行政は飲食店をひとくくりにせず、ステッカーを取得して協力している店には時間を限定して酒の提供を認めるなど、差別化が必要ではないか」と訴えた。

●緊急事態宣言前に 休業決めた飲食店からは戸惑いの声 8/1
新型コロナウイルスの感染急拡大で、2日から緊急事態宣言が適用される大阪では、酒類を提供する飲食店などには休業が要請されます。休業を決めた飲食店からは、戸惑いの声が聞かれました。
新型コロナウイルスの感染急拡大を受けて、2日から、大阪には緊急事態宣言が、兵庫と京都にまん延防止等重点措置が適用され、大阪府は、酒を提供する府内の飲食店などに休業を要請するとともに、提供しない場合も営業時間を午後8時までに短縮するよう要請します。
大阪・ミナミにある焼き肉店は、多くの人が夏休みに入るお盆までに客足が増えると見込んで仕入れを済ませていましたが、要請に応じ、2日からの休業を決めました。
休業要請の期間は今月末までで、1日のうちに客に提供できなかった肉などは、廃棄せざるを得なくなるということです。
焼き肉店の店主、高島太さんは、「振り回されるのも、もう勘弁してほしいというのが本心です。焼き肉店なので、『肉とごはんが出せればいい』という声もありますが、肉に酒は付き物で酒を出せないのは痛いので休業せざるを得ません。早く普通の形で営業できるよう感染が収まってほしいです」と話していました。

●札幌市162人感染 前週から倍増 …半数以上の"経路不明"  8/1
札幌市は8月1日、新たに新型コロナウイルスの感染者が162人(他再陽性1人)確認されたと発表しました。死者の発表はありません。
感染者は非公表含む10代から80代の162人(他再陽性1人)。5日連続で100人を上回り、80人だった前の週の日曜日から約2倍に増加。緊急事態宣言解除後で2番目の数となりました。
感染力が強いとされるインド型変異ウイルス・デルタ株の「感染疑い」は35人確認されました。
札幌市内でのデルタ株疑いは、計585人(うち8人確定)です。
1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は、「50.3人」と「緊急事態宣言」の目安となる「25人」を12日連続で上回り、増加しています。
使用病床数は7月31日時点ですぐに対応できる543床中209床で約38%、病院以外の宿泊療養施設や自宅待機者は31日時点で計915人と前日から157人増え、900人を超えました。
新たなクラスターは確認されず、既存クラスターが拡大しています。
ススキノの接待を伴う飲食店、いわゆる"夜の街"関連は6人確認され、311店舗1182人となりました。
162人中、半数を超える88人の感染経路が不明で、重症者は前日から1人減り4人となりました。
政府は「緊急事態宣言」を東京都、沖縄県を延長したうえで、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府を追加、北海道、石川県、京都府、兵庫県、福岡県に「まん延防止等重点措置」を適用することを決めました。期間は8月2日から31日までです。
北海道は2日から札幌市をまん延防止措置の区域とし、飲食店での「酒類の提供を終日自粛」要請をし、時短要請を1時間繰り上げ午後8時までとします。外出自粛、往来自粛要請に加え、公共施設の原則休館も継続します。
札幌市は市営地下鉄と市電の終電を約20分から30分繰り上げる対策を5日から開始。小中学校などでの修学旅行は9月以降への延期を要請。公共施設は市民の健康維持や子どもの健全な成長促進の観点から特に必要な施設を除き、原則休館とします。

●バッハ高笑い!?東京五輪「やってよかった」が77%も! 8/1
一向に収まらない新型コロナウイルスの影響に加え、開会式のドタバタもあって開催前は否定的な声が圧倒的に多かった東京五輪。しかし、いざ開幕してみれば日本選手団が過去最多の金メダル数を獲得する大活躍となり、無観客でも大いに盛り上がっている。
開幕前の6月にとった本誌のアンケートでは、「東京五輪は楽しみですか?」という質問に対し、半数以上の人が「興味がない」「最後まで楽しめない」と回答していた。
東京五輪は楽しみですか? (6月23日〜25日調べ)
楽しみ:16%
今は楽しみではないが、始まれば楽しめそう:31%
最後まで楽しめないと思う:30%
興味がない:23%
しかし、開幕後のいま「東京五輪は開催して良かったと思いますか?」とアンケートをしたところ、実に77%の人が開催してよかったと回答。世論はすっかり逆転してしまったことがわかる。
東京五輪は開催して良かったと思いますか? (7月27日〜7月30日調べ)
はい:77%
いいえ:23%
開催してよかったと思う理由としては、「最初は反対でしたがやっぱり見てしまう。選手の頑張りには感動します。日本の政治や委員会の人選は選手に関係ないから」「コロナ禍で明るいニュースもなかったが、選手の素晴らしい活躍のお陰で家族みんなで盛り上がれたため」といった声が寄せられた。
東京五輪開催後、新型コロナウイルスはかつてないほど感染拡大しているが、五輪開催への否定的な声はさほど高まっていない。結果的には、トーマス・バッハIOC会長が言った「日本の方は大会が始まれば歓迎してくれると思う」のとおりになってしまったとも……。
阿部一二三、詩選手の兄妹金メダル、西矢椛選手の最年少金メダル、水谷隼・伊藤美誠ペアの卓球悲願の初金メダル、ソフトボールの13年ぶり金メダルなど……これだけ朗報が続けば、世論が変わるのも無理はないだろう。
五輪の盛り上がりとコロナ禍の収束、どちらかを選ぶなんてできない!?
 

 

●2日から関東の3県に緊急事態宣言 8/2
関東地方では2日から、緊急事態宣言の対象地域に神奈川・埼玉・千葉の3県が加わり、県民に不要不急の外出を自粛するとともに、飲食店などに対して酒類の提供を終日自粛するよう要請しています。
新型コロナウイルスの感染者の発表は、1日、東京都で3058人と5日連続で3000人を超えたほか、神奈川県で過去3番目に多い1258人、埼玉県で899人、千葉県で767人、茨城県で202人と、埼玉・千葉・茨城はいずれも過去2番目に多くなりました。
感染の急拡大で、関東地方では2日から緊急事態宣言の対象地域が広がり、東京に神奈川、埼玉、千葉の3県が加わりました。
期限はいずれも今月31日までで、県民に不要不急の外出を自粛するとともに、県内全域の飲食店などに酒類の提供を終日自粛し、営業時間を午後8時までとするよう要請しています。
緊急事態宣言の対象地域に加わることについて、神奈川県の黒岩知事は1日、「まん延防止等重点措置が続いてきた中で感染者が増えているのは、外出の抑制などを十分に守ってもらえていないことがあると思う。県内は医療崩壊直前の状況で、救急車を呼んでも来ない、来ても動かない、運ぶところがない、そういう事態が目の前に迫っている」と訴えました。
また、埼玉県の大野知事も「医療機関を圧迫し、ほかの医療にもしわ寄せが出かねない危機的な状況だ。保健所への応援など態勢を強化したい」と述べました。

●埼玉・千葉・神奈川・大阪に緊急事態宣言、31日まで…全域で酒提供停止 8/2
政府は2日、新型コロナウイルス対策として、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県に緊急事態宣言を発令した。対象地域は、発令中の東京都、沖縄県と合わせ、計6都府県に拡大した。北海道、石川、京都、兵庫、福岡の5道府県には、新たに「まん延防止等重点措置」を適用した。期間はいずれも31日まで。
菅首相は1日、首相公邸で厚生労働省幹部らから最新の感染状況について報告を受けた。
新たに緊急事態宣言の対象地域となった千葉、埼玉、大阪の3府県では、全域を対象に、酒を提供する飲食店に休業を要請し、それ以外の飲食店にも午後8時までの営業時間短縮を要請する。カラオケ店の休業も要請する。
これまで独自の対策を進めてきた神奈川県では、飲食店への時短営業と酒類提供停止の要請を県全域に拡大する。
重点措置の対象地域では、午後8時までの時短要請に加え、原則として酒の提供停止を求める。「感染が下落傾向にある場合」に感染対策など一定の要件を満たす店に限り、知事の判断で午後7時まで酒の提供を認める。
県などは、自治体の要請に応じない店舗もあるため、飲食店への見回りを強化するほか、路上や公園での集団による飲酒自粛の呼びかけも強化する。
政府は、不要不急の外出自粛やテレワークへの協力も呼びかけるほか、東京五輪は自宅での観戦を呼びかける。ワクチン接種では、今月下旬には全国民の4割が2回目の接種を終えることを目指す。新規感染者の多くを占める若年層への働きかけも強める考えだ。

●小池知事「都県境を超えないで」 緊急事態宣言、2日から1都3県に拡大  8/2
東京都の小池百合子知事は1日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、2日から東京に加え、埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県も緊急事態宣言の期間に入ることについて「都県境を越えないように、テレワークの徹底をしていただきたい」と呼び掛けた。都庁で全国知事会に出席した後、報道陣の取材に応じた。
東京都の感染者数はこの日、3058人となり、5日連続で3000人を超えた。感染者数の発表15分前に報道陣の前に姿を見せた小池氏は1都3県に緊急事態宣言が拡大することについて「これで宣言でそろいました。毎日300万人が、基本的に出勤と通学で、動いています。通学の部分が、夏休みがないとしても、出勤の部分はテレワークを徹底していただく」として都県境を越えないように求めた。
一方で、小池氏は、これに先立つ都内の視察先での取材で、東京五輪の開催継続の意思を示し「陽性となる大会関係者の半数は国内。海外というよりは国内の感染対策をしっかりとすることに尽きる」と述べた。

●緊急事態宣言 きょうから6都府県に拡大 5道府県に重点措置  8/2
緊急事態宣言の対象地域は2日から、首都圏の3県と大阪が加わり6都府県に拡大されました。政府は、感染力の強い変異ウイルス「デルタ株」の広がりで、これまでとは局面が異なるとして、国民と危機意識を共有し、感染の抑え込みにつなげたい考えです。
新型コロナウイルス対策で、緊急事態宣言の対象地域は2日から、東京と沖縄に、埼玉、千葉、神奈川の首都圏の3県と大阪が加わり、6都府県に拡大されました。
また、北海道、石川、兵庫、京都、福岡の5道府県には、まん延防止等重点措置が適用され、期間は、東京と沖縄の宣言の期限も延長され、いずれも8月31日までです。
東京都では、1日に、日曜日としては初めて3000人を超えるなど、新たな感染者は全国で4日続けて1万人を超えました。
感染急拡大の抑え込みには一刻の猶予も許されないとして全国知事会は、1日、お盆の帰省も含め夏休み中の都道府県をまたぐ旅行や移動は原則中止・延期するよう強く呼びかけることなどを国に求めることを決めました。政府は、感染力の強い変異ウイルス「デルタ株」の広がりで、これまでとは局面が異なるとしていて、田村厚生労働大臣もリスクの高い行動を控えるよう、理解と協力を呼びかけました。
宣言の対象地域では、飲食店に酒の提供停止を要請するとともに、重点措置の適用地域でも、原則、酒の提供停止を要請し、提供できる条件を厳しくするなど感染対策を徹底することにしています。また、羽田や伊丹などの空港から北海道や沖縄、福岡に向かう便を利用する人に無料でPCR検査を実施するなど国民と危機意識を共有し、感染の抑え込みにつなげたい考えです。

●緊急事態宣言、首都圏・大阪に発令 6都府県に拡大、月末まで 8/2
政府は2日、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言を埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県に発令した。宣言に準じた「まん延防止等重点措置」から切り替わった。期限は今月末まで。宣言対象は発令中の東京都、沖縄県と合わせ6都府県に拡大した。
北海道、石川、京都、兵庫、福岡の5道府県には新たに重点措置を適用。期限は同じく今月末まで。宣言、重点措置の地域では、飲食店に午後8時までの営業時間短縮を要請する。酒類提供は、宣言下では一律停止。重点措置の区域では原則停止とし、「感染が下降傾向」の場合に限り、一定の感染対策を講じることなどを条件に午後7時まで認める。
自治体の要請に応じない店舗も目立つため、見回りを強化し、実効性向上に取り組む。路上や公園での飲酒の自粛も引き続き求める。
夏休みを迎える中、政府は人の流れの増加が感染拡大につながることを警戒。不要不急の外出自粛やテレワークへの協力も呼び掛ける。東京五輪は自宅でテレビなどで観戦するよう求める。若い世代へのワクチン接種に力を入れ、今月末までに全国民の4割が2回接種を終えることを目指す。

●2日から大阪に「緊急事態」兵庫 京都に「まん延防止措置」 8/2
新型コロナウイルス対策で2日から、大阪に緊急事態宣言が、兵庫と京都に、まん延防止等重点措置が適用されました。3府県では、今月31日までの期間中、集中的な対策を講じることで、これ以上の感染拡大を食い止めたい考えで、府県民への呼びかけを強めていく方針です。
関西の2府4県で1日発表された新型コロナの新たな感染者は、大阪が890人、兵庫が317人、京都が166人、奈良が77人、滋賀が44人、和歌山が33人のあわせて1527人で、6日連続で1000人を超えました。
感染拡大に歯止めがかからない中、2日から大阪に緊急事態宣言が、兵庫と京都に、まん延防止等重点措置が適用され3府県は、対象となる飲食店などへの、酒類の提供停止要請などの措置に踏み切りました。
これに関連して、大阪府の吉村知事は、「感染対策を徹底して、第5波をできるだけ低い山にしていかなくてはいけない。『またか』『何度も同じことではないか』と思われるかも知れないが、今が非常に重要な時期なので、ぜひ協力をお願いしたい」と述べました。
また、1日就任した兵庫県の斎藤知事は、全国知事会のオンライン会議で、「お盆に帰省する人も多いが、同窓会や、友達と集まって飲みに行くのはがまんし、家で家族と過ごしましょうというメッセージを具体的に伝えていきたい」と述べました。
3府県では、今月31日までの期間中、集中的な対策を講じることで、これ以上の感染拡大を食い止めたい考えで、府県民への呼びかけをいっそう強めていく方針です。

●緊急事態、大阪など6都府県に拡大 変わらぬ通勤風景 8/2
新型コロナウイルスの緊急事態宣言が2日、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県に適用された。すでに適用されていた東京都と沖縄県と合わせ、対象は6都府県に広がった。期間は31日まで。自治体は飲食店に営業時間の短縮や酒類提供の停止を要請するなどして感染拡大を抑える。
宣言に準じる措置をとれる「まん延防止等重点措置」も2日から31日まで、北海道、石川、京都、兵庫、福岡の5道府県に適用される。5道府県は感染状況が改善するまで対象地域で酒類提供の停止を求める。北海道は札幌市、石川県は金沢市、京都府は京都市、兵庫県は神戸市など15市町、福岡県は福岡市など22市町村を対象地域に指定した。
日本全体の新規感染者は1日まで4日連続で1万人を超え、感染が急拡大している。宣言や重点措置の適用自治体は時短営業などの要請を通じて人流を抑える狙いだ。ただ、2日朝の主要駅などの通勤風景に大きな変化は見られない。
ドコモ・インサイトマーケティング(東京・豊島)の位置情報データにもとづき、午前8時台の人出を前週月曜日の7月26日と比較した。さいたま市の大宮駅西口周辺は3%減、千葉駅周辺は7%減、大阪市の梅田周辺は5%減だった。横浜駅周辺は15%増えた。東京都の丸の内周辺も1%増えた。
全国知事会は1日、政府に対する新型コロナ対策の緊急提言とともに、国民向けのメッセージをまとめた。夏休みシーズンは都道府県境をまたぐ旅行・帰省を原則として中止・延期するよう訴えた。

●新型コロナ新規感染が5日連続で200人を超えて… 愛知 8/2
全国で新型コロナの感染拡大が続く中、愛知県の大村知事は、夏休み中の県をまたぐ旅行や帰省について、改めて自粛するよう求めました。
「夏休み期間中、都道府県をまたぐ移動帰省旅行はやめていただきたい。オリンピックのパブリックビューイングのようなものも、やめていただきたい」(愛知県 大村秀章知事)
全国では2日から「緊急事態宣言」の対象地域に、首都圏の3県と大阪が追加され、6都府県に拡大。
また、北海道や福岡など5道府県には「まん延防止等重点措置」が適用されました。
愛知県は、新規感染者数が5日連続で200人を超えていて、まん延防止等重点措置の適用申請をするかどうかについて、大村知事は「今週は特に入院患者数に注視し、客観的数値に基づいて対応していきたい」と話しました。

●国内線予約は「Go To」並み 宣言対象拡大も旅行需要ねばり強さ 8/2
2日から新型コロナウイルスの緊急事態宣言の適用対象が従来の東京都、沖縄県に、神奈川、千葉、埼玉の3県と大阪府を加えた6都府県に拡大し、旅行関連業界では「またか」と、需要減への懸念が相次いでいる。しかし全国でみれば予約キャンセルの動きは控えめで、空の便ではピーク時の国内線予約状況が政府の観光支援策「Go To トラベル」で需要が盛り上がった時期と同規模を維持。粘り強い旅行関連需要について専門家は「ワクチン接種の拡大などで移動することへの抵抗感が減った」と分析している。
「夏休みの旅行計画を今の時期に考える人が多い。それだけに(適用拡大で)予約の延期が出てくるかも…」。旅行大手日本旅行の担当者は緊急事態宣言の悪影響を懸念する。お盆期間の予約状況は現在、前年比98%と回復傾向にあるだけに不安は大きい。
ワクチン接種者に対する独自の割引サービスを実施している旅行会社ビッグホリデーの担当者も、「もともと入っている少ない予約までキャンセルになってしまうのでは」と懸念する。
実際に緊急事態宣言の対象となった神奈川県箱根町の箱根ハイランドホテルでは、50部屋程度のキャンセルが出たという。予約客に対し、事前に酒類提供の停止を伝えたところ、取りやめられたケースも相次いだ。予約担当者は「8月の予約はあきらめている」と肩を落とす。
ただ、旅行客や帰省客らを乗せる航空便や鉄道の全国的な予約状況をみれば、感染拡大は懸念材料ではあるものの、現時点での影響は限定的なようだ。
ANAホールディングスによると、6〜15日のお盆期間の国内線予約件数は、前年同期比で3割以上伸びている。特にピーク時の1日9万件以上という件数は「Go To トラベル」期間中だった昨年11月の連休時と同規模という。
同社の福澤一郎専務は7月30日の令和3年4〜6月期決算会見で「(国民が)PCR検査などを積極的に受けながら国内移動しているのかなと思う。予約動向は低下することなく進んでいる」と説明した。
鉄道でも、JR東日本が発表した新幹線の予約席数を昨年と比較すると、北海道が28%増、東北48%増、上越33%増など軒並み回復しており、広報担当者は「深刻な状況ではない」とした。
航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏は、現在の感染拡大について「予断を許さない」とする一方、「東京にいても感染リスクはある。それならばワクチン接種の拡大などもあり、感染状況が悪い地域を避けて旅行をするとの判断になっているのだろう」と話す。

●もう限界を超えた「緊急事態宣言で感染を抑える」という仕組み〜 8/2
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月2日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。東京と沖縄に加え、新たに埼玉、千葉、神奈川、大阪が対象地域となる緊急事態宣言、また、北海道、石川、京都、兵庫、福岡の5道府県に適用されるまん延防止等重点措置について解説した。
新型コロナウイルス対策で東京と沖縄に発令されている緊急事態宣言は、8月2日から埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県と大阪も対象地域となる。また、北海道、石川、京都、兵庫、福岡の5道府県には、まん延防止等重点措置を適用。いずれも期間は8月31日までとなる。
飯田)対象地域が拡大、まん延防止等重点措置も5道府県に適用ということです。
須田)緊急事態宣言などの措置によって人流を抑え、感染を抑えるという仕組みが、もう限界を超えているのではないでしょうか。これについては、分科会の尾身会長も認めているところです。緊急事態宣言を発出することで、どれくらい抑えられるのかという目処がついていないではないですか。そういうなかで、これをやることの意味があるのだろうか。
飯田)そうですね。
須田)ワクチン接種には一定以上の効果が認められていて、本来であれば、心配されていた高齢者の感染も防ぐことができたし、重症化を抑えることもできた。いま中心となっているのは若い人たちということになるのだけれども、若い人たちへのワクチン接種がいつになるのか、そのスケジュールの目処についても、きちんと情報を出すべきですが、その辺りとの整合性がなかなか出て来ません。
飯田)抑えるための緊急事態宣言は出ても、「ワクチンが進めば」というところが見えて来ませんよね。
須田)飲食店に対する休業要請は、あくまでも要請ですから、それに従うか従わないかという問題がある。あるいは、アルコール類の提供自粛についても、局長通達のようなものしか出ていなくて、法律になっていない。どこまで強制力が持てるのか。東京では、それに従わない店がどんどん出ていて、人がたくさん入り、売上も上がっている。そうなると、要請に従っている店と従っていない店に差が出て、不公平感が生まれている。これに対して、どう対応するのかという具体策が何もない。都道府県にもなければ、国にもないという状況で、「出したのだから勝手にやれ」と、どこか突き放したような感じになっていますよね。
飯田)そうすると、「もう勝手にやるぞ」という人たちが増えてしまいますよね。
須田)そういうところに危機感を覚えたのでしょう。ここに来て全国知事会は「ロックダウン」のような強い措置の検討を盛り込んだ緊急提言をまとめましたが、「ロックダウン」といきなり言われてもと。
飯田)都市封鎖とも言われますが。
須田)強制力を伴ってやるのであれば、いまの法の枠組みのなかではできません。具体的に言えば、それをやろうとした場合、憲法違反になってしまう。特に憲法22条の、形式的には職業選択の自由なのだけれども、実質的には経済活動の自由ですから、そこに抵触してしまうのです。そこの整合性も考えないで、知事会は「ロックダウンを」と言う。その辺りをどう考えているのでしょうか。
飯田)そうですよね。いまの法体系のなかで、もしそれをやって具体的に不利益を被ったとなると、提訴できることになりますからね。そのときの宛先はどこなのかということで、都道府県知事がその相手になるのか、その覚悟があるのかと。
須田)一方で数日前に、アメリカのニューヨークのマンハッタンでレストランを経営している人と少し話をしたのです。やはり営業自粛を要請されて、「どうしようか」と迷っていたら、いきなり100万ドルが振り込まれて来たというのです。
飯田)そうなのですか。
須田)そして、余ったら返してくださいと。
飯田)前渡し方式ですか。
須田)前渡し方式で、十分過ぎるほどの額です。そうすると、「十分な補償を受けたから、やめておこう」となる。補償が不十分で金額的にもわずかであり、未だに振り込まれていないというのが日本の状況です。7月分は前倒しだけれども、それまでの分はどうしたらいいのかと。
飯田)営業の自由は当然、合衆国憲法にもあるし、そこの部分は徹底していますね。
須田)その辺り、日本政府は何をやっても「帯に短し襷に長し」のような状況になっているのではないでしょうか。

●緊急宣言発令の4府県、通勤客の大きな減少見られず…  8/2
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は2日、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県で緊急事態宣言を発令した。すでに発令中の東京都、沖縄県と合わせ、対象地域を6都府県に拡大した。北海道、石川、京都、兵庫、福岡の5道府県には「まん延防止等重点措置」を適用した。期間はいずれも31日まで。政府は人流抑制のためテレワークを推進しているが、2日朝の4府県の主要駅で通勤客の大きな減少は見られなかった。
緊急事態宣言下の都府県は、酒またはカラオケ設備を提供する飲食店に休業要請を行い、それ以外の飲食店には営業時間短縮(午後8時まで)を要請する。
読売新聞がNTTドコモの「モバイル空間統計」のデータを利用し、2日午前7時台の人出を1週間前の月曜日(7月26日)と比較したところ、梅田駅(大阪市)は4・3%減、千葉駅(千葉市)は3・8%減となったが、横浜駅(横浜市)は0・9%増、大宮駅(さいたま市)も微増だった。
緊急事態宣言が拡大された初日、多くの通勤客が行き交う横浜駅(2日午前8時3分、横浜市西区で)=大石健登撮影緊急事態宣言が拡大された初日、多くの通勤客が行き交う横浜駅(2日午前8時3分、横浜市西区で)=大石健登撮影
横浜駅では2日朝、職場に向かうマスク姿の会社員らが途切れることなく改札を出入りしていた。
駅近くに勤務先がある東京都港区の会社員(23)は、「宣言が出ても人は全然減っていない。効果が薄まっているのではないか」と首をかしげた。川崎市の会社員(53)は「これまでの発令は中途半端。一度発令したなら、感染が大幅に減るまで継続してほしい。治療薬の開発にも力を入れてほしい」と話していた。
大阪駅も、通勤客で混雑していた。大阪府豊中市の会社員男性(69)は「時差出勤で午前10時過ぎに電車に乗ったが、通勤客らで満員だった」と話し、大阪市浪速区の看護師女性(40)は「もう多くの人に外出を自粛する気持ちがなくなっていると感じる。医療現場は大変で、効果がある対策をしてほしい」と訴えた。
大宮駅前のホテルには2日朝、テレワークプランの利用客が訪れた。感染拡大に伴って、客室を最大11時間利用できるプランの予約が増え、7月は120件ほど利用があった。2日は午前10時までに予約が5件あり、担当者は「宣言がまた発令されて利用客が増えるかもしれない。感染対策を徹底して部屋を提供したい」と話した。
千葉駅近くにある飲食店は、宣言期間中は夜の営業をやめ、ランチの時間帯だけ店を開けることにした。経営者(43)は「コンパクトな営業で人件費を抑えながらやっていくしかない」と語った。2日から夜の休業を検討している千葉市の飲食店主は「客足が減っていたので、宣言が出て夜の休業に踏ん切りがついた」とため息をついた。

●緊急事態宣言 6都府県に拡大 海水浴場閉鎖も 「慣れちゃった感じもある」 8/2
新型コロナウイルスの感染拡大で、2日から緊急事態宣言の対象に、神奈川・千葉・埼玉・大阪が追加され、東京・沖縄とあわせ、6都府県に拡大した。
緊急事態宣言が発令された神奈川・横浜市のJR桜木町駅前では2日朝、いつもと変わらない出勤風景が見られた。
街ゆく人は「人の多さは普段と変わらないのかなって。宣言自体に意味はあるのかなと疑問を持ちますけど」、「慣れちゃった感じもあるので、用事のないときは家にいようかなと思う」などと話した。
千葉県では緊急事態宣言にともない、県内の海水浴場が閉鎖された。
千葉市のいなげの浜海水浴場は、波打ち際の水遊びなどは可能だが、遊泳は禁止された。
訪れた人は「泳ぐつもりで水着とか全部持ってきたのに、泳げなくて残念」、「海でいっぱい泳ぎたかった」などと話した。
緊急事態宣言の対象は、2日から6都府県に拡大し、北海道・石川・京都・兵庫・福岡には「まん延防止等重点措置」が適用され、期間はいずれも8月31日までとなっている。

●新型コロナ感染拡大で御前崎市の海水浴場が閉鎖 静岡県 8/2
新型コロナウイルスの感染が県内でも拡大する中、御前崎市の海水浴場が8月2日から一時閉鎖されました。
記者「御前崎の海水浴場です。朝から閉場を告知する掲示が行われています」
御前崎市の「マリンパーク御前崎海水浴場」は7月17日、2年ぶりにオープンしたものの、8月2日から一時閉鎖されました。市などが定めた新型コロナ感染防止対策のガイドラインに沿って、県の警戒レベルが「5」に引き上げられたことから対応しました。夏本番の書き入れ時に閉鎖となったことに観光協会の担当者も落胆の色を隠せません。
御前崎市観光協会「2年ぶりの開場ということで御前崎の海水浴場を楽しんでいただけると期待していましたが、ここにきて閉場ということで大変残念に思っています」
閉鎖中の海水浴場は更衣室やシャワー室などが利用できなくなるほか、場内に流す音楽もやめます。一方で、ライフガードは置き、水難事故を防ぐ対策にあたります。海水浴場の再開は県の警戒レベルが「4」に引き下げられた時点を予定しています。

●東京都 新型コロナ 2195人感染確認 月曜日としては過去最多  8/2
東京都は、2日、都内で新たに2195人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。月曜日としてはこれまでで最も多くなり、感染の急激な拡大が続いています。
東京都は、2日都内で新たに10歳未満から90代までの男女合わせて2195人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1週間前より766人増えて、月曜日としてはこれまでで最も多くなり、感染の急激な拡大が続いています。2日までの7日間平均は3214.4人で、前の週の206.9%となり、これまでにないスピードで感染の急激な拡大が進んでいます。これで都内で感染が確認されたのは、22万3221人となりました。
一方、都の基準で集計した2日時点の重症の患者は1日より13人増えて、114人でした。110人を超えるのはことし2月7日以来です。また、2日都内で死亡が確認された人はいませんでした。
東京都の基準で集計した2日時点の重症の患者が1日より13人増えて114人だったことについて、小池知事は都庁で記者団に対し、「重症者は、感染者の増加から遅れて出てくると言われている。40代と50代が重症者の多くを占めていて、共通しているのが、糖尿病や高血圧、ぜんそくや肥満といった症状をもともと抱えていることだ。また、ほとんどがワクチンを接種していない人だ」述べました。そのうえで、「40代と50代で、まだ接種を受けていない方々には、ワクチン接種をできるだけ早くお願いしたい」と呼びかけました。また、2日から、緊急事態宣言の対象地域に神奈川・埼玉・千葉の3県が加わったことについて、小池知事は、「1都3県で緊急事態宣言という形でベースが共通になった。ぜひ都や県の境を越えるような移動を避けていただき、また、基本的にとても強いウイルスであるという認識のもとで基本的な感染防止対策を家族そろって講じていただきたい」と述べました。さらに、事業者に対しては、「テレワークの徹底に加えて、仕事場でのマスクの着用なども徹底してお願い申し上げる」と呼びかけました。

●陽性率19%、「異常」上回る東京 収束「予想つかず」 8/2
東京都内での新型コロナウイルスの感染状況を示す指標が軒並み、異常とも言える数字に跳ね上がっている。1週間平均の新規感染者数は3千人を超え、市中での感染の広がりを示す陽性率は19・5%に達した。いずれも「疫学的に異常」と言われた年明けの数字をはるかに上回る。都は、至るところにウイルスが広がっている状態とみて注意を呼びかける。
「休みの日にこれだけの人数。市中にかなり感染が広がっているんだろうなという実感はある。こういう状況がいつになったら収まるのか予測がつかない」
都の担当者は日曜日だった1日、都内の感染状況についてそう嘆いた。この日の新規感染者は3058人に上り、5日連続で3千人を超えた。これまでで日曜日の最多だった1763人(7月25日)を大幅に上回った。
7月上旬から到来が指摘されてきた都内での「第5波」。これまでの変異株よりも感染力が強い変異株(デルタ株)の流行が今回の波の要因とみられるが、その波はこれまでとは比較にならないほど巨大化し、これまでの経験にない異次元の波の様相を呈しつつある。
感染拡大の程度を表す1週間平均の新規感染者数は3105人(1日時点)と、7月1日(523人)の約6倍に達する。感染者数の増加ペースを示す新規感染者数の前週比も214%に上り、「疫学的に異常」と指摘された年明けのピークだった207%(1月10日)を超えた。
 

 

●五輪選手の新型コロナ感染は抑制、東京都の感染者急増でも 8/3
東京都内で新型コロナウイルスの新規感染者数が感染力の強いデルタ株の影響で急増しているが、東京五輪関係者の感染はこれまでのところ比較的抑制されている。
東京五輪・パラリンピック組織委員会が2日公表した資料によると、新型コロナに感染した大会関係者は276人だった。このうち1万1000人以上が参加している選手の感染者は24人にとどまる。大会関係者に40万回以上実施されたPCR検査の陽性率はわずか0.02%だ。
国際オリンピック委員会(IOC)広報担当のマーク・アダムス氏は2日、「選手と大会関係者、一般の人々の間には隔たりがある」と記者団に語った。東京大会では外部との接触を遮断する「バブル方式」を採用しており、 「リスクをゼロにすることはできないが、可能な限りそのリスクを減らすことができる」との見方を示した。
感染が確認された大会関係者のうち、最も多いのは大会業務を委託する事業者らの144人、次いでIOC関係者らの83人だ。組織委員会は、より詳細な感染状況については公表していない。
大会関係者の感染動向は、7月31日に過去最大の4058人の感染者を記録した東京都内での急増とは対照的だ。大都市圏を中心に感染の急拡大が見られる中、政府は東京都と沖縄県に発令中の緊急事態宣言を8月末まで延長するとともに、神奈川、千葉、埼玉の首都圏3県と大阪府を対象地域に追加した。
東京都の陽性率は7日間平均が19.5%(7月30日時点)と、7月中にほぼ4倍に上昇した。高齢者へのワクチン接種を先行する中、20−30代の若年層中心に感染が急拡大。7月の入院者数は月末までに倍増して3000人を超え、病床使用率は50%に迫っている。

●東京都の健康観察「限界に近い」、自宅療養1万2000人超 8/3
新型コロナウイルス感染者の急増に伴い、東京都では自宅療養者がこの約1カ月で12倍に増え、2日時点で過去最多を4日連続で更新し12161人となった。比較的症状の軽い若い世代が中心だが、容体急変の恐れがあり、救急搬送される療養者もいる。保健所は健康観察に追われ、業務逼迫の要因になっている。(岡本太)
都内の新型コロナ患者は約1カ月前の7月1日、入院は1557人、都が準備したホテルでの宿泊療養は1176人、自宅療養は1006人だった。
だが、感染の急拡大とともに自宅療養が急増。30日に第三波のピークだった9442人(1月18日)を超えて9793人となり、31日には10000人を突破。2日時点で入院が約2倍の3231人、宿泊療養も1769人で約1・5倍となったが、自宅療養の伸びが際立っている。
都によると、高齢者のワクチン接種が進み、感染の中心が若い世代に移行。以前よりすぐに入院となる人の割合は少ないが、子育てや介護などで家庭を離れられず、自宅療養を希望する人が多くなったという。
ただ軽症の若い世代でも療養中に容体が急変するリスクはある。7月上旬に横浜市の40代男性が、5月には京都市で20代男性が、ともに自宅療養中に容体の急変で死亡。都内でも1月に自宅療養の50代女性が亡くなった。
このため、保健所は本人に定期的に電話などで体調を確認し、都も1月以降、自宅療養者のフォローアップセンターを拡充。血中の酸素飽和度を測るパルスオキシメーターを貸与し、65歳未満の自宅療養者の健康観察を引き受けた。
しかし、療養者の急増で都のセンターに余力がなくなり、7月28日以降は観察対象を30歳未満に引き下げた。保健所に負担が集中するが、都の担当者は「対応する看護師の確保はワクチン接種などで需要が高く、なかなか見つからない。都も限界に近い」と説明する。
都内の医師会も、地域の医師が往診などの体制を構築するが、今の増加ペースが続くと、対応しきれなくなる可能性が高まっている。都モニタリング会議の専門家メンバーで、国立国際医療研究センターの大曲貴夫医師は「安全安心な自宅療養のためには、コロナを診てこなかった開業医などの協力が不可欠だ」と話すが、一般診療とのバランスなどもあり、体制づくりは容易でないという。
都の担当者は「療養者が今後も増え続ければ、対応は一層難しくなる。とにかく感染者を減らさないと」と危機感を募らせる。

●東京都で新たに3709人の感染確認 前週火曜日から861人増 8/3
きょう東京都が確認した新型コロナウイルスの新たな感染者は3709人だった。感染が確認されたのは10歳未満から100歳以上の3709人。直近7日間の1日あたりの平均は3337人で、前の週と比べて189.3%。年代別では20代が最も多い1208人、次いで30代が852人で、重症化リスクが高い65歳以上の高齢者は115人。重症の患者は前の日から2人減り112人となった。また、50代から80代の男女7人の死亡が確認された。

●東京は3709人…拡大傾向止まらぬ新型コロナ 東海3県で新規感染者378人 8/3
東海3県では3日、新たに378人に新型コロナウイルスの感染が確認されました。愛知県が257人、このうち名古屋市が81人です。岐阜県は54人、三重県は67人です。東京都は3709人でした。

●東京アラート、勝負の3週間…「脅し文句」のインフレ化がもたらした負の側面 8/3
2日、東京都が確認した新型コロナウイルスの新たな感染者は2195人だった。先週の同曜日から766人増え、月曜日としては初めて2000人を超えた。重症の患者は前日から13人増えて114人になった。
ワクチン未接種世代における感染者数の増加に、BuzzFeed Japan News副編集長で『ルポ風営法改正』の著者・神庭亮介氏は「国民の危機感が薄らいでいる」と指摘する。
「脅し文句がインフレ化している。昨年から政府が『今が正念場だ』『瀬戸際だ』『勝負の3週間だ』と言い続けた結果、“オオカミ少年”状態になって、国民の感覚が麻痺してしまった。間違いなく今が最大の危機なのに、危機感が薄らいだまま、ここまで感染者が増えてしまった」(神庭亮介氏・以下同)
その上で神庭氏は、昨年6月に東京都が行った「東京アラート」に言及。新型コロナ感染への注意を呼びかけるために、お台場のレインボーブリッジを赤くライトアップさせた施策だ。
「当時の都内の新規感染者数は30人ほどだった。現在と比較するとかなり少ない。一斉休校や映画館の休業など、コロナ初期の段階で切らなくていいカードをたくさん切った結果、一番のピンチに危機感が伝わりにくくなってしまった」
そんな中、大阪市の松井一郎市長は7月30日、大阪府などに新型コロナ対応の緊急事態宣言が出されても「8月に予定されている市立中学校4校の修学旅行は実施する」と発表。「オリンピックもやっている。一生の思い出に残る行事は実施したい」と述べ、注目が集まっている。実際に生徒は全員出発前にPCR検査を行い、陰性の生徒だけが参加するという。松井市長の提言について、神庭氏は「感染対策としては良くない」とした上で「筋は通っている」と話す。
「『オリンピックもやっているから、修学旅行もやります』という松井市長の方針は感染対策としてはダメだが、少なくとも論理的には首尾一貫しており、筋が通っている。『オリンピックはやるけど、飲食や旅行は我慢してね』というのは矛盾したメッセージで、国民に危機感が伝わらない。日本中の人が『オリンピックもやってるし、別にいいじゃん』と一斉に緩和方向に動いたことで、感染拡大に拍車がかかった面は否めないのでは」
「もちろん、すべてが政府のせい、オリンピックのせいではない。単に意識が低くて路上飲みをしている人もたくさんいるだろう。医療現場のひっ迫が加速すると、新型コロナ患者の対応だけではなく、交通事故や熱中症など一般の患者にも手が回らなくなってしまう。感染拡大を防ぐため、今は複数人での会食を避けてほしい。一方で、ワクチンの効果は確実に出ている。政府や自治体は、高齢者以外の中年層、若年層への接種をさらに加速させる必要がある」

●大阪新型コロナ1079人の感染確認 急増!軽症・中等症患者 医療の現場は… 8/3
大阪府は3日、新たに1079人が新型コロナウイルスに感染、亡くなった人は 0人と発表しました。また東京オリンピック開催中の東京都では3709人の感染が確認されました。
大阪府新規感染者数の推移(死者数)
8月 2日(月)448人(1人)
8月 1日(日)890人(0人)
7月31日(土)1040人(0人)
7月30日(金)882人(0人)
7月29日(木)932人(2人)
7月28日(水)798人(0人)
7月27日(火)741人(0人)
大阪府も感染の急拡大を迎え、軽症・中等症の患者が増えているなか、医療の現場は…大阪・此花区にある大阪暁明館病院。3日に撮影されたコロナ患者の専用フロアです。防護服姿の看護師が映っていますが、落ち着いている様子です。話を聞くと…。
大阪暁明館病院 西岡崇浩事務長「現状は第4波と比べると…圧倒的に症状が軽い人が多い。」
大阪暁明館病院は、軽症・中等症の患者を受け入れている病院です。負担は重くないといえ、現在9床ある病床に8人が入院しています。大阪府の軽症・中等症患者数はこの1か月で3倍以上に増え、2日時点で1140人に上っています。府の要請を受け、暁明館病院は来週には受け入れ病床を17床まで増やす予定です。
西岡「17床となるとまた急性期を狭めなければならない可能性もあるが、できるだけそうならないように采配したい」
しかし、現在の第5波には懸念を示します。
西岡「(感染者の)母数が増えると、重症化する人も正比例で増えることが懸念されます」

●日本が史上最多メダルも……東京五輪が飲食店を追い詰める4つの理由 8/3
4度目の緊急事態宣言が延長に
2021年7月30日に菅義偉首相が、東京都や沖縄県に発出されていた緊急事態宣言の期間を8月22日から8月31日に延長すると発表しました。あわせて埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府に対して、8月2日から31日まで緊急事態宣言を発出するとしています。
東京都に関していえば、2021年1月8日に2度目となる緊急事態宣言、4月12日からまん延防止等重点措置、4月25日から3度目の緊急事態宣言、6月21日からまん延防止等重点措置、7月12日から4回目の緊急事態宣言となりました。
これらの期間中、国や自治体が行う感染症対策は、飲食業界に対する施策が中心となっており、飲食店に対する時短営業、および、酒類提供の制限や禁止ばかり。東京都の飲食店は2020年11月28日からの時短営業要請からずっと非常事態のもとに置かれてきました。東京都の飲食店は実に8ヶ月以上もの長い間、営業を制限されてきたのです。
東京五輪が開幕
東京都に緊急事態宣言が発出され、飲食店の経営がより一層逼迫している一方で、大きな賑わいをみせているのが東京五輪。東京五輪の開会式は7月23日に開催されました。競技はそれよりも前の7月21日から開始されており、閉会式の当日8月8日まで続きます。
東京五輪は昨年の開催が1年延期となりましたが、新型コロナウイルスが猛威をふるう中で、本当に開催できるのかと危ぶまれていました。開催地の東京都は2020年末からずっと非常事態となっていたはずですが、気が付いてみれば、科学的な根拠や納得のいく説明もないまま、東京五輪が開始されています。
日本が史上最多のメダルを獲得しているのは非常に喜ばしいことです。ただ、飲食業界の関係者にとっては複雑な思いがあります。なぜならば、国や自治体は飲食店に理不尽なほど厳しい措置をとっていますが、東京五輪には呆れるくらい寛容で、納得いかないと感じているからです。
当記事では東京五輪が飲食店に及ぼしている好ましくない影響について述べていきます。
なお、アスリートを非難することは目的にしていません。私はアスリートをリスペクトしており、アスリートが真摯に打ち込む姿に感動や勇気をもらい、心を打たれることも多々あることを述べておきます。
ステイホームの呼びかけ
東京五輪中の人流が増加しているか、減少しているかについては、様々なデータや見方があるので、まだ判然としません。ただ、菅首相や小池百合子都知事がステイホームや外出自粛を呼びかけ、自宅での東京五輪観戦を強く勧めているのは紛れもない事実です。
ただでさえ飲食店は、酒類提供の制限やディナーの時短営業によって売上が減少しています。ここでさらに外出自粛が叫ばれてはたまりません。外食を控えようとする雰囲気が醸成されてしまい、飲食店に訪れる客がますます減る可能性があるからです。
協力金は、酒類提供の制限や時短営業を補償するものとして提供されています。これらに加えて外出しないようにもアナウンスするのであれば、協力金の金額を増額しなければ辻褄が合わないのではないでしょうか。
関係者の行動が悪い手本に
東京五輪関係者のマナーがよくないので、飲食店にも悪い影響を及ぼすのではないかと危惧しています。オリンピック委員会が開会式でマスクをしなかった人々を問題視しなかったり、関係者が選手村で路上飲みをして警察沙汰になったりと、プレイブックにも違反する行為が平然と行われています。
東京五輪という大きな舞台で、マスク着用を蔑ろにしたり、路上飲みを咎められなかったりすれば、飲食店に飛沫防止を求めたり、酒類提供を制限したりする正当性が失われてしまうでしょう。飲食店では推奨されている施策が、東京五輪では問題ないとされるのであれば、科学的な一貫性を失います。
国と自治体は、オリンピック委員会と同じではありません。しかし、東京五輪が行われているのは日本であり、東京都です。飲食店に求められていることが、東京五輪でも同じように求められないのであれば、政府や東京都の施策は自己矛盾をはらむことになります。
お祭りムードの弊害
東京五輪が開始されてから、テレビやインターネットでは東京五輪の話題で一色となっています。特に放送時間が決まっているテレビではその傾向が著しく、情報番組やワイドショー、さらには堅い報道番組でさえ、日本人アスリートの競技結果だけでは飽き足らず、東京五輪で起きた些末なことまでを面白おかしく取り上げ、無邪気に騒いでいます。
専門家ではないコメンテーターが一家言をもつことの是非はさておいて、テレビの出演者が視聴者に対して、国や自治体が行う新型コロナウイルスの対策について問題を喚起することは、問題が忘れ去れないという意味で非常に重要です。しかし、現在ではそれさえも機能していないように思います。
東京五輪の開始前であれば、テレビでは国や自治体の施策を精査したり、東京五輪の安全性を検証したりしていました。しかし東京五輪が始まった今では、アスリートのインタビューや密着取材に時間を割いており、新型コロナウイルスの施策について議論する時間がだいぶ減少したように思います。
本来であれば国や自治体の動きを監視するのが、メディアの責務。しかしそれが、東京五輪によるお祭りムードによってなおざりになるとすれば、東京五輪は感動よりも弊害をもたらすことになるのではないでしょうか。
そして、その弊害の主な対象となるのは施策のターゲットにされている飲食業界に他なりません。
2016年における全国の飲食店数は約45万店、飲食店の従事者数は約319万人にも上り(いずれとも総務省統計局から)、2019年における外食産業の市場規模は26兆円(日本フードサービス協会から)を誇ります。
日本の根幹産業のひとつである飲食業界が国や自治体の施策によって逼迫した状況に置かれていることを鑑みれば、メディアは、特に報道を自称するメディアであれば、飲食店に対する施策の効果について多くの時間を割くべきではないでしょうか。
東京五輪後のツケ
最も憂慮していることは東京五輪のツケを飲食店が支払わされることです。東京都における4度目の緊急事態宣言は7月12日から発出されているので、効果が現れるのは2週間後である7月26日くらいから。しかし、7月26日からはむしろ、新型コロナウイルスの感染が急拡大しています。
つまり、飲食店に対する時短営業や酒類提供の制限は効果がないことを意味しており、国や自治体による施策の無意味さを物語っているのです。
直近の8月2日における新規感染者数2195人のうち、感染経路が判明している795人の内訳は、家庭内が最も多くて468人、職場内が136人、施設内が48人、会食が43人。決して飲食店における会食が多いわけではありません。
新型コロナウイルスの新規感染者数は増加の一途を辿っており、菅首相が頼みとするワクチン接種も不確定要素に満たされています。
したがって、8月31日で終わりを迎える緊急事態宣言がさらに延長されたり、まん延防止等重点措置にスウィッチしたりする可能性は高いでしょう。そうなれば、引き続き飲食店に対する時短営業や酒類提供の制限が続くと考えられます。
帝国データバンクによれば、新型コロナウイルス関連による倒産で、業種別の最多は飲食店。
飲食店は苛烈な状況にさらされているだけに、東京五輪のツケまで負わされるのであれば、国や自治体はより手厚い協力金や補償を打ち出すべきです。
国や自治体への不信感
国や自体は東京五輪の開催に向けてアクセルを思い切り踏みしめながら、国民には自粛を呼びかけるというブレーキを同時に踏んでいます。これでは国民はどうすればよいのかわかりません。態度やメッセージに説得力や一貫性がないので、国民は国や自治体に対して信用や信頼がもてるはずがないでしょう。
菅首相は安全で安心の東京五輪を開催すると述べました。しかし、感染が爆発したり、飲食店に対する規制を強めたりすることが、安全で安心なのでしょうか。
全力を尽くし、感動を与えてくれているアスリートには何の罪もありません。それだけに、東京五輪にまつわる国や自治体の施策や態度には憤りすら覚えるところです。

●「五輪がステイホームに効果あり」小池知事が豪語も人出増加中の矛盾 8/3
小池百合子都知事(69)が7月30日、「五輪は視聴率20%だから、ステイホームに役立っている」と会見で豪語した。ネットでは呆れ返る声が上がっている。
さかのぼること同月29日。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長(72)は国会で、東京五輪が人出の増加に影響するのではと懸念していた。すると30日、小池都知事は定例会見でこう話した。
「このところ、視聴率で20%を稼げるコンテンツっていうのは、なかなか無いというのがテレビ業界の方でも感じて、考えておられること。(中略)ステイホームに繋がっているということが考えられる」
さらに「ですから、オリンピックはそういう意味でステイホームに一役かっているし、またそれが選手への声援にも繋がっているというふうに思います」と続けた。
視聴率を持ち出し、“五輪効果”を讃えた小池都知事。しかし東京五輪の開会式から5日後となる先月28日、東京都の新規感染者数は3177人を記録。以降5日間は毎日3000人を突破しており、31日には4058人もの新規感染者が確認されている。
さらに『NHK NEWS』によると同月30日、東京都の人出は「オリンピックの開幕前で3回目の宣言が出ていた期間の平日の平均と比べ、日中、夜間とも増加」していたという。「東京五輪はステイホームに一役かっている」とは、言えそうにはない状況だ。
それでも8月1日、小池都知事に“援軍“が登場した。東京五輪・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長だ。
『東スポweb』によると武藤事務総長は東京五輪と新型コロナの感染拡大に言及し「菅総理は因果関係はないと否定している。東京都の小池知事も五輪の人流増加を否定している。視聴率が上がって、むしろステイホーム率が上がっている」とコメント。そして「いろいろな意見があるが、菅総理、小池知事と同じ立場で考えている」と会見で話したという。
しかし、ネットでは非難轟々の様子。「五輪は視聴率がいいからステイホームに役立っている説」に対して「根拠ゼロ」との異論が噴出している。
《え、視聴率が科学的根拠なん?マジかよこんなん言ってる知事やから、東京がずっと増え続けてるんちゃうん?》
《この視聴率は「世帯視聴率」で、「世帯内の各個人」がステイホームしていることは保証されていない》
《視聴率が上がると在宅率が上がると同義する根拠は何か》
《結局オリンピックの成功か否かは視聴率で決められるようですわ》
20%の視聴率を注視する小池都知事と武藤事務総長。しかし、残りの80%は視野に入っているだろうか?

●デルタ株感染拡大「鼻がマスクから出てますよ」注意にピリッとする 8/3
作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は、新型コロナウイルスの感染が急拡大する今の状況について。

新型コロナウイルス・デルタ株の感染拡大で、都内に暮らす者としては、今までと違う種類の緊張を強いられている。身近な人が感染した、亡くなったという声を聞くようになってきた。先日は、ワクチンを2回接種した後にデルタ株に感染したという方の話を聞いた。ワクチンの効果で重症化しないと言われてはいるけれど、ワクチンを打ったのに感染なんて……と本人の落胆はとてもとても大きい。
陽性者とすれちがっただけでも、エアロゾルを吸い込めば感染することもあるデルタ株。しかもここがピークとは思えない勢いで、陽性者が増えているなかで、日常の景色が少しずつ変わっていくのを感じる。
先日、マスクなしでランニングしている人に、「マスクしろ!」と怒鳴っている人がいた。その強い口調に、「はぁ?」と苛立ち、ランナーが立ち止まる。怒鳴っている人の口からも、マスクなしランナーの口からも、エアロゾルがブワーワワワワーと広がりコンクリートからの熱風が漂うのが見えるような気持ちになる。周りの人は見てません、聞こえていないというふうに足早に2人から距離を置きたく、立ち去る。私もその1人。ピリピリした空気からはできるだけ早く逃げたい。とはいえ私も最近、鼻マスクのスタッフには「鼻が出てますよ」と言うようになった。注意するほうもされるほうも、一瞬ピリッとする。
東京都の自宅療養者は先週1万人を超えた。無症状者だけではなく、入院の調整がつかないために「待っている」人もいる。今年1月から5月まで、陽性が確定していたのに医療にかかれず自宅で亡くなった人は120人を超えたことが発表されている。今夏、さらに自宅での死者が増えてしまうことは、今の現実からは免れないだろう。欧米のように、トラックにご遺体袋が積まれる映像を見なくても、十分に医療は逼迫し、私たちの安心・安全は既に大きく奪われている。
6月1日から日本女医会の青木正美医師らと「私たちが止めるしかない東京オリパラ」というオンラインでの抗議リレーを、週1で行っている。今まで50人以上の女性たちが出演し、オリパラに反対する理由を語ってきた。前回は五輪がスタートして初めての回で、ジャーナリストの西村カリンさんが出演し、選手村の状況や、来日した海外の記者とのやりとりについて話してくれた。
西村さんは、「3千人程度の感染者数(先週の東京の状況)は、ヨーロッパからみたらうらやましいくらい少なくみえる」と話した。ヨーロッパであれば一日数万人の感染が普通だからだ。でもそれはもちろん、誰でもどこでも24時間無料で行政検査できるからこそ出てきたリアルな感染者数だ。日本はPCR検査を24時間誰でもどこでも無料で受けられない珍しい「先進国」であることを海外の記者に伝えると誰もが驚くと、西村さんは話してくれた。だけれどそれは「下界」の話。自分には関係ないことと、五輪の内側の人たちは日々の行事を粛々と進行している。
近々東京の感染者数は1万人を超すという人もいるが、毎日ほぼ1万人くらいしか検査していない東京で、1万人の陽性者が数字として出ることは、今のところ考えにくい。本当の数字が全く見えないのが今の日本の怖さなのかもしれない。
先日、銀座を歩いた。五輪関係者の車や地方から来たパトカーや、都内で見たことのない地方の観光バスを見た。コロナ以前は中国人富裕層でにぎわっていたGINZA SIXの前に東京五輪関係者のシールをつけたバンが止まっていた。どんな人が戻ってくるのかなとしばらく見ていたが、10分以上経っても誰も戻ってこなかった。お買い物しているのかもしれないが、人混みの銀座にも普通に遊びにこられる五輪関係者であれば、バブルなんて本当に意味がないよねと実感する。
東京五輪開催とデルタ株の感染急増が同時期に始まった。「都内の人出は五輪のおかげで減っている」と総理も都知事も言っているが、人出が減っている具体的な根拠も数字も出てこない。先日、千円値上げした高速道路を初めて使ったが、そりゃそうでしょ、というくらいに空いていた。これをみて「人出が減った」と総理は思っているのだろうか。下の道が激混みしているのをご存じないのだろうか。
こんな状況になって、ダイヤモンド・プリンセス号のことを、最近よく考える。海に浮かんだ巨大な船で、適切な医療が行われず亡くなった方もいた。3711人全員のPCR検査がすぐに行われたわけではなく、既に息苦しさを訴えていた75歳の男性は検査もしてもらえずに、高熱が出ても「手一杯」と診療を断られ、1週間後に下船して入院したが一月後に亡くなった話は、何度聞いても胸が痛い。
あの時からPCR検査を速やかに!との声は強くあったが、政府が集めた専門家たちは「PCR検査を求める人々が病院に大挙して医療崩壊になる」とか「人々がパニックになってしまう」などと言い、熱が出ても4日間は自宅で待機と通院を制し、コロナ対策というより「パニック封じ」に力を入れているように見えた。
そんなことがずっと続いてきた1年半だった。ダイヤモンド・プリンセス号で夫を亡くされた方の悲しい訴えが、この国にコロナ対策の最初の一歩だったように私は記憶する。そしてその時から、状況は悪化するばかりだ。感染者は船に閉じ込めて出さなければいい、人々がパニックにならないように情報はコントロールすればいい。五輪で盛り上がれば不満も薄まるだろう。日本に暮らす私たちは、一部の「エライ人」をのぞいてみんなダイヤモンド・プリンセス号に乗せられているのかもしれない。
早く船を下りて、自由な空気を吸って、マスクなしで思い切り飲んで食べておしゃべりして走りたい。こんな時に五輪にお金と人と時間を使う判断をした政治家が舵を取る船は、やっぱり危険だ。

●重症以外は原則“自宅療養” 政府の方針転換に波紋 8/3
新型コロナウイルスの感染者のうち「重症者や重症化リスクの高い患者以外は自宅療養を基本とする」という政府の新たな方針が波紋を広げています。都内では1万2000人を超える自宅療養者、その「厳しい現実」を取材しました。
2度目の夏を迎え、感染対策は新たな局面を迎えています。
田村厚生労働大臣「在宅を含めて対応せざるを得ない。それは『感染者の数』と『病床』を考えると、それくらいフェーズが変わってきている」
政府は中等症以上は「原則入院」としてきた方針を見直し、重症者や重症化リスクの高い患者以外は「自宅療養」を基本とすることを明らかにしました。
田村厚生労働大臣「重症化された方々が家でおられて、すぐに医療機関に行けるということ、病床を常に確保しておくことが重要で」
急増する感染者に対し、病床確保を目的とした、この方針転換。菅総理は3日午後、医療関係者らと面会しました。
菅総理大臣「身近で頼る存在である地域の診療所におかれては、往診やオンライン診療によってこうした患者の状況を把握して頂き、適切な医療を提供して頂きますようにお願いを致します」
政府は自宅療養者の病状を丁寧に確認するよう、往診の診療報酬を拡充させる方針で、医療関係者らに協力を求めました。
日本医師会・中川俊男会長「医師が判断して、これは入院が必要だということになれば、もちろん入院でいいと確認したので、それは全国の皆さん、心配していると思うが、大丈夫なので安心して頂きたい」
東京都の病床使用率は50%を超え、自宅療養者は1カ月前の12倍に急増し、1万人を超えました。
東京都・小池百合子知事「きのうの政府の新しい方針に伴って、自宅などでの療養される方にさらに改善策を講じるということで、きのうからも担当局の方に必要な対応をするように指示をしています」
野党からは強い批判の声も上がっています。
立憲民主党・枝野代表「自宅療養というのは言葉だけで、“自宅放棄”としか言いようがないと言わざるを得ないという、とんでもない状況が生まれています」
身近に迫る、自宅療養。果たして、現状はどうなっているのでしょうか。
自宅療養する女性(31)「上司の方も『実は体調が悪いんだ』みたいな感じで言っていて、熱を測った時に37.5度が出てたので、2人でちょっとヤバいかもしれないと思って」
新宿区に住む美容室勤務の女性(31)。微熱があり、同じ美容師の上司とともに先月28日に陽性と判定されました。
現在、自宅療養6日目です。陽性が判明した日に、保健所から自宅療養するよう指示がありました。
自宅療養する女性「『10日間とりあえず自宅で休んでて下さい』みたいな感じの内容。メールが届いて。しんどいですけど、自分自身が呼吸ができるし、ホテルの方に移動したいとか、そういう気持ちはなかったですね」
女性は食料のたくわえもあり、自由が利く自宅療養でも問題はないと感じていました。ただ、熱が急に上がるなど体調は安定せず、不安も感じています。
自宅療養する女性「自宅療養中の人に向けての窓口というのがあるんですけど、全然つながらないんですよね、電話しても。せきが急にひどくなったりとか呼吸が苦しくなる時がたまにあって、恐怖・不安はあります」

●小池都知事「自宅療養 改善策を講じたい」 政府方針に対応 8/3
新型コロナウイルスの感染者の急拡大が東京都内の医療体制を急速に逼迫(ひっぱく)させています。東京都で8月3日に新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は3709人で、これまでで3番目に多い感染者数という高い水準が続いています。
感染の拡大に伴って懸念されるのが自宅療養者の急増です。東京都内の自宅療養者は3日時点で1万4019人と過去最多を更新しています。こうした中、政府が入院の基準について、対象を「重症者と重症化リスクが高い人に限る」という新たな方針を示しました。これまで原則入院となっていた高齢者・基礎疾患のある人・中等症の患者は、原則として「自宅療養」になります。田村厚労相はこの新しい方針について「フェーズが変わり、在宅での対応を考えざるを得ない状況。必要な時に入院できる病床を確保することが重要。病床の余力を持つ対応をしていく」と説明しています。
東京都の小池知事は、新型コロナの感染者のうち「重症者以外は自宅療養が基本」という政府の方針に対し、自宅療養者への改善策を講じたいと話しました。動画でご覧ください。

●特措法改正「議論すべき時期」 新型コロナ感染急拡大で―小池都知事 8/3
東京都の小池百合子知事は3日、新型コロナウイルス対策の特別措置法をめぐり、「課題が浮き彫りになっている。さまざまな法改正などの必要性も含めて議論すべき時期に来ているのではないか」と述べた。埼玉、千葉、神奈川各県とのテレビ会議で語った。
小池氏は、現行の特措法に基づく感染拡大防止策について「緊急事態宣言下を何度も経験したが、常にお願いベースになっている」と指摘。都内で感染が急拡大する中、「これまで以上に人の流れの抑制が必要になる」と述べ、対策の実効性を高める必要があるとの認識を示した。
全国知事会は1日にまとめた国への提言で、強制力を伴う「ロックダウン(都市封鎖)のような手法の在り方」の検討に言及した。

●“宣言”で中華街は閑古鳥「人出8割減」 8/3
東京では3日、3709人の感染者が確認され、新型コロナウイルスの急拡大は収束の兆しが見えません。政府は中等症でも重症化リスクが少ない患者は原則、自宅療養とすることを決めました。
横浜中華街。例年、夏休みは多くの家族連れなどでにぎわうといいますが。
横浜中華街萬來行大通り店販売員・足立亮介さん「(中華街の人出は)正直言うと8割ほど減っています」
土産物店にとって1年の中でもかき入れ時だというこの時期。しかし、6都府県に拡大された「緊急事態宣言」の影響で人出が減り。
足立亮介さん「売り上げ的にも正直なところ、かなりのダメージが出ております。(例年と比べて)半分ぐらいは下がっています」
宣言初日の2日、過去最多となった神奈川県の感染者数。3日も1298人の感染が確認され、これで7日連続の1000人超えに。
神奈川県民「急激に2倍3倍に跳ね上がったので、やっぱりちょっと怖いなと」
かつてない感染の急拡大。3日、埼玉では1053人、沖縄では467人と過去最多の感染が確認されました。そして東京都では、新たに3709人の感染が判明し、火曜日としては過去最多となりました。
さらに感染者が急増している茨城県では、大井川知事が国に緊急事態宣言を要請したということです。
選手やメディアなど大会関係者の感染も連日、明らかになる中。大会関係者用のパスをぶら下げた男性、実は。
NTT東日本関東病院・佐々江龍一郎医師「オリンピックの(海外の)報道局の方の、医療の施設に行かせていただきます」
都内の病院に勤務する佐々江医師。通常の診療に加え、週末は、オリンピックで来日した海外メディアのため、プレスセンター内の医務室で働いているといいます。しかしここでも。
佐々江龍一郎医師「特殊な時期ではありますよね。(患者がコロナ疑いの場合)必要だったらやっぱり防護服も着ますし」
感染拡大の余波。さらに政府は2日、かつてない感染の急拡大を受け、中等症でも重症化リスクの低い患者は、原則、入院せず自宅療養とする方針に転換しましたが、その方針について3日午後、菅総理大臣は、日本医師会などに協力を要請しました。

●コロナ感染者急増、茨城県が国に緊急事態宣言要請 8/3
新型コロナウイルス感染急拡大を受け、茨城県の大井川和彦知事は3日、臨時会見し、県独自の緊急事態宣言を6日から県内全域に発令すると発表した。期間は19日まで。県独自の宣言発令は1月以来2度目。併せて、国の緊急事態宣言の適用を要請したことも明らかにした。
県独自の判断指標は3日現在、4項目中3項目が最も深刻なステージ4となり、県は全体の対策ステージを同日、初めて4に引き上げた。当面、県独自の宣言に基づく措置で感染抑止に取り組みながら、国の宣言適用を受けてさらなる対策強化を図りたい考え。
大井川知事は、前段のまん延防止等重点措置を飛び越して緊急事態宣言を要請したことについて、「感染のスピードが速く、早急に強力なブレーキを踏むべき。順番にこだわらず、緊急事態宣言を発令すべき状況と考えた」と説明。国の宣言の効果として、酒類などを提供する飲食店の休業要請などを挙げ、「県独自の宣言を大幅に上回る措置が取れる」と期待した。
前回の県独自の緊急事態宣言は第3波時の1月18日〜2月23日に発令された。今回の独自宣言では、7月30日から「感染拡大市町村」に指定する県南、県西などの16市町を対象とする不要不急の外出自粛要請や、飲食店の午後8時までの営業時間短縮要請、他都道府県との往来自粛要請、部活動の制限などの措置を全県に拡大する。
併せて、アクアワールド県大洗水族館やいばらきフラワーパーク、袋田の滝観瀑台などの県有施設を原則休館とする。県立の美術館や図書館は感染対策を取った上で開館を継続する。また、開設中の海水浴場(阿字ケ浦、平磯、大洗サンビーチ)の閉鎖をひたちなか市と大洗町に要請した。
大井川知事は「このまま感染拡大が続くと確保している医療体制の崩壊が現実になる」と訴え、県民に対策への協力を求めた。一方で県外住民に対しても「今年の夏休みは茨城に遊びに来ないで。帰省も控えてほしい」と呼び掛けた。
県内ではデルタ株を含む変異株が主体の第5波急拡大に伴い、独自の判断指標のうち新規陽性者数と経路不明者数に加え、病床稼働数が3日、289床に増えステージ4となった。
独自に感染拡大市町村としていた、人口1万人当たりの新規陽性者数(直近1週間)が1.5人以上の自治体は、県北県央も含めた37市町村に拡大した。

●「重症患者以外は自宅療養」…政府の “医療崩壊” 同然の発表 8/3
日本医師会の中川俊男会長は8月3日、菅首相との面会で「全国的な緊急事態宣言の発令により、例外なく県境を越えないなどの強力な感染防止対策が必要だ」と要請した。共同通信が報じている。
「五輪開催地の中心である東京は現在、感染者数がこれまでにないほど膨れ上がっています。7月31日の東京都の新規感染者数は4058人と過去最多を記録。
治療やワクチン接種だけでなく、五輪の医療チームに職員を派遣する病院もあることから、現場はすでに限界。“医療崩壊” を防ぐために、医師会は強い要請に踏み切ったのでしょう」(医療ジャーナリスト)
政府の予想を大きく上回ることとなった、五輪の裏の “第5波”。田村憲久厚生労働相は8月3日の記者会見で、高齢者や基礎疾患がある人が自宅療養となる可能性があるとの見解を示した。これまでは原則入院だったが「比較的症状が軽く、リスクがそれほど高くない人は在宅も含めて対応せざるを得ない」とした。
大阪府の吉村洋文知事はこの発表をうけ、同日開かれた会見で「医療支援体制の整備とセットであるべきだ。ここが抜けたままの原則自宅療養は非常にリスクが高い」と指摘した。
「高齢者や基礎疾患を持っている人でも、症状が軽ければ、今後、自宅療養になる可能性があるとの認識を示しています。しかし、万全な支援体制のない自宅療養は、よけいに重症化する患者を増やしてしまうリスクがあります」(前出・医療ジャーナリスト)
これについて、ネットでは「五輪をやっている場合じゃない」という意見が殺到している。
《五輪で選手たちから感動をもらっているのは間違いない。でも、人命が優先されないのであればいますぐにでもやめるべき》《なんか、五輪がきっかけで感染爆発したのをごまかそうとしている感じがする》
「安心・安全の五輪」……この言葉を、菅首相はいまどう受け止めているのだろうか。

●自宅療養増加の東京、大阪の医療崩壊「再現」懸念 8/3
新型コロナウイルスの感染者が急増し感染第5波を迎えている東京都で、春の第4波で医療崩壊を招いた大阪府の「再現」が危惧されている。専門家は比較材料の一つに自宅療養者の増加を挙げ、今後の推移に注意を呼びかける。政府は自宅療養を基本とする方針を打ち出したが、高齢者に加え呼吸困難や肺炎の症状がある人も自宅療養となる可能性があり容体急変への対応が焦点となる。都は病院や宿泊療養など、全体の受け皿で医療崩壊を防ぐ考えだ。
「自宅療養者が増えると必要なケアを受けられない人が出てくるし、管理に人手が割かれ入院調整など自治体の他の業務を圧迫する恐れもある。医療崩壊の兆しとみており、このままだと大阪の二の舞いになりかねない」。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏はこう指摘する。
さらに、「限界を超えると坂を転がり落ちるように膨れ上がり、悪循環に陥ってしまう」と今後の動向にも警鐘を鳴らした。
都内の自宅療養者は1万2千人を超えている。すでに第3波のピークを大きく上回り、連日過去最多を更新中だ。入院や宿泊療養の待機などを含めれば2万人近い可能性もある。都内の保健所長は「体調確認の業務が増加し、入院調整などに影響が出始めた」と明かす。
大阪府は3月以降の第4波で医療崩壊に直面した。4月13日に新規感染者が1千人を超え同規模が約3週間継続。重症者は5月4日に最大449人まで増え、重症病床だけでは収容しきれなくなった。
当時、自宅療養者は最大1万5千人を超え、病状悪化後も医療を受けられないまま19人が死亡。保健所の業務逼迫(ひっぱく)が一因で、感染者と連絡を取る前に亡くなる事例もあったという。自宅療養者の数だけ見れば、都内の水準はこれに近づきつつあるか、すでに上回っている。
ただ、当時と異なるのはワクチンの存在だ。65歳以上の高齢者の約4分の3には行き渡った。都の担当者は「今の自宅療養者は若・中年層が中心で、重症になった高齢者が自宅でバタバタと亡くなる事態は考えにくい」と語る。政府が重症者以外は原則自宅療養とし往診などで対応する新方針をまとめたのもこうした背景がある。
都は「今後の在り方として理解はできる」(担当者)としつつも、現時点では自宅より宿泊療養施設を優先する。看護師が常駐し、病状が悪化した際に医師が駆け付けるシステムも整っているからだ。
現在、都内に宿泊療養施設は3千人分あるが、看護師不足のため半数程度しか稼働していない。都は今後、看護師の確保を進めるなど宿泊療養施設の稼働率を高め、必要な自宅療養者の受け皿にするとともに、重症者らへの対応に専念できるよう医療機関の負担を軽減していく方針だ。
 

 

●東京 新型コロナ新たに3709人感染確認 過去3番目の多さ 8/4
東京都内では3日、これまでで3番目に多い3709人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。また、自宅で療養している人は2日より一気に2000人近く増えて1万4000人余りになりました。この1か月で13倍近くに急増していて、都は「これだけ多くなるとフォローするのがかなり厳しい。職員の増員を進めている」としています。
東京都は3日、都内で新たに10歳未満から100歳以上までの男女合わせて3709人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。一日に確認された人数としてはこれまでで3番目に多くなりました。また、1週間前より861人増えて、火曜日としては初めて3000人を超えて、これまでで最も多くなりました。3日までの7日間平均は3337.4人で、前の週の189.3%となり、感染の急激な拡大が続いています。また、陽性率は2日時点で20%を超えて20.1%になりました。
3日の3709人の年代別は、10歳未満が157人、10代が321人、20代が1208人、30代が852人、40代が590人、50代が404人、60代が102人、70代が44人、80代が22人、90代が8人、100歳以上が1人です。感染経路がわかっている1337人の内訳は、「家庭内」が最も多く768人、次いで、「職場内」が258人、「会食」が66人、「施設内」が59人などとなっています。
都の担当者は「感染拡大が続いていて、家庭、職場という日常の場面での感染が多い。職場の席が近かったり、会議で一緒だったり、または一緒に車で移動して感染したケースもある。都民と事業者には、会議はオンラインで行い、移動する車でもマスクをして会話は控えるなど対策をお願いしたい」と話していました。
東京オリンピック関連では、外国人が競技関係者4人、選手が1人、メディア1人、日本人が委託業者2人、競技関係者が1人、ボランティア1人の合わせて10人の感染が確認されました。
これで都内で感染が確認されたのは、22万6930人となりました。
一方、3日時点で入院している人は2日より120人増えて3351人で、「現在確保している病床に占める割合」は56.2%です。これまでで最も多かった第3波の1月12日の3427人に迫っています。都の基準で集計した3日時点の重症の患者は2日より2人減って112人です。重症患者用の病床の28.6%を使用しています。そして、自宅で療養している人は、3日時点で2日より1858人増えて1万4019人になりました。1か月前の13倍近くに急増しています。
都の担当者は「これだけ多くなると医療相談や健康観察にあたる都のフォローアップセンターも対応がかなり厳しい。職員の増員を進めている」としています。また、都は、感染が確認された50代から80代までの男女合わせて7人が死亡したことを明らかにしました。これで、都内で死亡した人は2300人になりました。

●1都3県共同メッセージ 旅行や帰省は中止 ワクチン接種を 8/4
首都圏で感染の急拡大が続くなか、1都3県は共同メッセージをまとめ、旅行、帰省の原則中止や積極的なワクチン接種への協力を呼びかけました。
東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県の知事は、3日夜、オンラインで会議を開き、新型コロナウイルス対策を協議しました。この中で、1都3県で確認された新規陽性者は先月31日までの1週間に合わせて3万6484人に上り、2週前の3倍近くに増加したことが示されました。そして、変異ウイルスの影響でこれまでにない急激なスピードで感染が広がっているとして、対策の徹底を呼びかける共同メッセージをまとめました。この中では、すべての都民・県民に対し、旅行や帰省は原則中止か延期することや、都と県の境を越える移動は極力控えること、それに積極的なワクチン接種を呼びかけています。また、20代と30代に対しては、感染者のおよそ半数を占め、会食を通じた感染が多く見られるとして、いわゆる路上飲みや大人数での飲食などはやめるよう呼びかけています。さらに、40代と50代に対しては、重症化リスクが高く、入院する人が特に増えているとして、対策を徹底するとともに、少しでも症状があればすぐに相談するよう求めています。
東京都の小池知事は会議の中で、新型コロナウイルス対策の特別措置法について「コロナとのたたかいにおいて、緊急事態宣言を何度も経験してきたが、都民・国民の行動を、どのようにして理解してもらいながら制限していくのかはいつも『お願いベース』になっている」と述べました。そのうえで「現状がいろいろ動いている中で、現行の特措法の課題も改めて浮き彫りになっていると痛切に感じている。法改正など、必要性も含めて議論すべき時期にきていると感じている」と述べました。こうした発言について、会議のあと、小池知事は記者団に対し「皆さんからは『お願いばかりだ』という話で、これだけ長引くと、なかなか効果が得られない状況も続いている」と述べました。また、記者団が「一部で『ロックダウン』=都市封鎖の導入の議論が出ているが、どう考えているか」と質問したのに対し、小池知事は「前から言われていることで、そうなるとおおもとのところにたどり着く。幅広く課題はあり、本質の話をすべきだということはかねてから申し上げている」と述べました。
首都圏の1都3県の知事によるオンラインの会議の後、神奈川県の黒岩知事は「いま感染が広がっているデルタ株はこれまでのものとは根本的に違い、感染力が非常に強い。甘く見ないでもらいたい」と述べました。また、「外出自粛や人流の抑制にご協力をいただけないと感染者がさらに増加する。いざというときに救急医療が受けられず、みなさんの命を助けることができなくなりかねない。県民の皆さんには、8月末まで最後の我慢をお願いしたい」と話していました。
首都圏の1都3県の知事によるテレビ会議で、千葉県の熊谷知事は県内で直近1週間の新規感染者の一日当たりの平均が700人余りとなり、前の週のおよそ2倍のペースで増えていることを説明したうえで「一番注視しているのは酸素投与が必要な症状の重い中等症患者の状況で、日に日に増加している。また、いよいよ重症者も増えてくる局面に入った。病床確保の計画も最大のレベルに変更し、救急患者の入院の受け入れを制限しなければならない」と危機感を示しました。そのうえで「1都3県以外の地域に医療提供体制のダメージを与えないためにも、都県をまたぐ旅行や帰省は原則中止、または延期してほしい。ワクチンの接種率が着実に前進しているので、確実にステージが変わっていくことを目に見える形で発信していきたい」と述べて、県民に協力を求めるために今後の見通しについて十分な説明が必要だという考えを示しました。会議のあと熊谷知事は記者団の取材に対し「さらに病床がひっ迫し、コロナを含めて最善の医療を受けられない患者が出てくることが想定されるので、県民1人1人が感染防止対策をして、そうした患者をつくらないことが重要だ。自身の行動が誰かの命に直結していることを受け止めていただいて予定の見直しを行い、行動にも細心の注意を払ってほしい」と呼びかけました。
首都圏の1都3県の知事によるテレビ会議で、埼玉県の大野知事は「直近1週間の新規陽性者が初めて6000人を超えるなどきわめて深刻な状況だ。さらに感染者の増加のペースがあまりに速いため、医療機関の人のやりくりがついてきておらず、無理やりやろうとするとコロナ以外の医療が崩壊する可能性が出てきている。医療を危機に直面させないためには中年層を重症化させないことが急務だ。首都圏全体で警戒レベルを高めていきたい」と述べていました。

●東京コロナ感染1万人も視野、全国での緊急事態宣言議論を-尾身氏 8/4
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は4日、東京都の新規感染者が1日当たり1万人に達することもあり得るとの認識を示した。衆院厚生労働委員会で発言した。
尾身氏は、足元の感染急拡大が「一般の人の心理にどう影響するか、なかなか読めない」と述べた上で、デルタ株の状況が急に変わることもなく、いろいろな幅がある中で「1万人になるということもある」と語った。
東京都では3日、3709人のコロナ感染を確認。先月31日には4058人と過去最多を更新した。
緊急事態宣言を全国に広げるべきかという質問に対して尾身氏は、「当然議論の対象にすべきもの」と指摘。さらに「宣言を出して何をやるかという議論も並行して進めるべきだ」と語った。
政府は東京と沖縄県に対する宣言を31日まで延長するとともに、対象地域に神奈川、千葉、埼玉の首都圏3県と大阪府を追加した。

●入院制限に野党が「人災」と批判、病床確保と在宅体制拡充と政府説明 8/4
新型コロナウイルスに感染した重症者以外を原則自宅療養とする方針について、与野党から批判や懸念の声が相次いでいる。田村憲久厚生労働相は4日、最悪の事態を想定した重症者病床の確保と在宅での医療体制拡充のためだと理解を求めた。
衆院厚生労働委員会で立憲民主党の長妻昭副代表は、必要な人が入院できない状況になっているのは政府による「人災だ」と非難し、謝罪を求めた。
田村氏は感染が急拡大する現状を「緊急事態に入りつつある」とした上で、感染者の急増で宿泊施設の確保が追い付かない場合に備え、「在宅で悪化した時にちゃんと対応できる体制を組む」ことが必要だと強調。入院の制限は「平時」の対応ではなく、制限が必要でない状況となれば「方針を元に戻す」と語った。
また、公明党の高木美智代氏は「酸素吸入が必要な中等症の患者を自宅で診るなんてことはあり得ない」と指摘した上で、「撤回も含めて検討し直してほしい」と述べた。田村氏は「中等症もいろんな方々がいる。呼吸管理されている方が入院しないことはあり得ない」と患者の状況を考慮する考えを示した。
菅義偉首相は2日の閣僚会議で、重症者と重症化リスクの高い人は確実に入院させる一方、それ以外は自宅での療養を基本とする新たな方針を示した。自宅療養の場合も地域の診療所が往診やオンライン診療で状況を把握し、症状が悪化した場合には入院する体制を整える考えで、3日には日本医師会などに協力を要請した。
都内では感染が急拡大しており、3日は3709人(前日2195人)の感染者を確認。年代別では20代が1208人で最も多く、20−30代で全体の55%を占めた。一方で65歳以上の高齢者は3%にとどまっている。
都が確保しているコロナ用の病床は5967床で、入院者数は3351人で使用率は5割に達している。重症者用の392床には、112人が入院している。

●感染拡大の原因 法改正議論より医療体制の供給拡大をなぜ言わない 8/4
東京五輪が開催されているが、東京都をはじめ各地で新型コロナウイルスの感染者が増えている。「五輪の開催で気が緩んだ」「五輪関係者の入国で水際対策が甘かった」などの指摘もあるが、現状の感染拡大と五輪は関係があるのか。
「気が緩んだ」というのは、客観的に計測しようがないので検証不能だが、「五輪関係者の入国のため」というのは、五輪関係者に明確なクラスター(感染者集団)が発生しておらず、関係はないといえるだろう。
現在の感染拡大は日本だけでなく、世界でも起きているので、感染力の強い変異株によるものと考えられる。ちなみに、昨年1月からこれまで人口当たり新規感染者数について、日本と先進7カ国(G7)の相関係数(1が最大)をとると、0・35〜0・68となっており、日本の新規感染者数は世界とかなりの程度連動している。
五輪期間といっても、感染傾向は従来通りであり、特に五輪の影響とは思えない。なお、G7では、日本はカナダ、ドイツとともに人口当たり新規感染者数、死亡者数は低位である。
世界で新規感染者数を増やしているのはデルタ株である。実際、東京の新規感染者も大半はデルタ株となっている。感染力が従来のものに比べて高いのは事実であるが、感染症ウイルスの経験則によれば、感染力の高いものは致死力は反比例するようにそれほど高くない。
デルタ株の致死率はまだデータではっきりと検証されていないが、従来のワクチンはほとんど同様に効果があることなどを基礎知識として理解しておいたほうがいいだろう。
そうした中、政府は8月2日から31日まで、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県に新たに緊急事態宣言を発令した。対象はすでに発令中の東京都と沖縄県を合わせ6都府県に拡大された。さらに、北海道、京都、兵庫、石川、福岡の5道府県は蔓延(まんえん)防止等重点措置を新たに適用した。
期限を8月31日としたのは、同月末までに全人口のうちワクチンを2回打った人の割合が4〜5割に達すると見込まれているためで、現役世代のワクチン接種を見極めたいとしている。
7月30日の政府分科会において、欧米のロックダウン(都市封鎖)のような強い措置を実施するための法改正も必要との意見が出たという。今後の検討課題だというが、こうした意見は1年以上前に言うべきだった。
ちなみに、こうした議論は、過去のインフルエンザ等特別措置法の制定時にも議論された。私権は憲法上認められているので、それを制限するには憲法に緊急事態宣言の根拠規定がないとできないということだった。こうした過去の経緯も無視して、再び議論するつもりなのだろうか。
そんな議論より、医療機関がコロナ患者を受け入れる病床の確保に必要な費用などに充てる「緊急包括支援交付金」約1兆5000億円の予算措置の未消化などを議論すべきではないか。分科会は、医療体制の供給拡大について何も言わずに、社会経済活動を抑制することしか言わないのか。

●日医会長「爆発的拡大で…」“全国規模”宣言を要請 8/4
3日、東京都で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は、3709人でした。
過去3番目の多さで、火曜日としては最多です。また、自宅療養をしている人は1万4019人で、1カ月で約13倍に急増しています。
菅義偉総理大臣は、医師会や病院関係者と面会し、重症者や重症化リスクの高い人以外を自宅療養とするなどの新たな政府方針に関し、支援強化の協力を要請しました。
一方、日本医師会の中川会長は、菅総理に対し、「より強力な感染防止対策が全国規模で必要だ」と要請しました。
日本医師会中川会長「第5波が爆発的に拡大し、医療提供体制は、急速に逼迫(ひっぱく)しつつある。全国への緊急事態宣言の発出を検討して頂きたい」

●新型コロナ 全国1万2072人感染 8県で過去最多更新 8/4
新型コロナウイルスについて、3日は新たに全国で1万2072人の感染が発表されました。
東京都は3日、新たに3709人の感染を発表しました。1日の感染者の発表で火曜日としては過去最多です。直近7日間平均でみた新規感染者数はおよそ3330人で、先週と比べると、およそ1.9倍に増えています。
緊急事態宣言の対象地域では、埼玉県が1053人、沖縄県が467人で、ともに過去最多を更新しました。このほか福島県、新潟県など、あわせて8県で過去最多を更新していて、全国で感染が拡大しています。
JNNのまとめでは、3日発表された感染者は全国で1万2072人。死者は10人。全国で入院している重症者は前の日から50人増えて754人となっています。

●全国の新型コロナ感染者 1万2000人超 茨城も「緊急事態宣言」要請へ 8/4
3日、全国で確認された新型コロナウイルスの新規感染者は1万2,013人にのぼり、過去2番目の多さとなった。
東京都では、新たに3,709人の感染が明らかになった。火曜日に3,000人を超えるのは初めてで、陽性率は20.1%と第3波を上回る高さ。感染力の強いインド型変異ウイルス「デルタ株」は、新たに1,049人確認されている。
一方、197人の感染が発表された茨城県は、感染拡大を受けて県独自の緊急事態宣言を8月6日から発令し、加えて、政府に緊急事態宣言の適用を要請した。また、埼玉県で1,053人、沖縄県で467人、群馬県で148人など、7つの県で新規感染者が過去最多となった。
3日、全国では過去2番目に多い1万2,013人の感染が確認された。

●新型コロナ 感染拡大続く関西 8/4
3日、関西で発表された新型コロナウイルスの新たな感染者は、あわせて1898人となりました。感染拡大に歯止めがかからず、各府県では、感染対策を徹底するよう呼びかけています。
関西の2府4県で、3日に発表された新型コロナの新たな感染者は、大阪が1079人、兵庫が441人、京都が190人、滋賀がこれまでで最も多い79人、奈良が76人、和歌山が33人で、あわせて1898人でした。
いずれの府県でも感染者の数が前の週の同じ曜日を上回る状態が1週間以上続き、感染の拡大に歯止めがかかっていません。
一方、感染して亡くなった人の発表はありませんでした。
また、阪急阪神百貨店などを傘下に持つ「エイチ・ツー・オー リテイリング」は新型コロナの集団感染=クラスターが発生している大阪・北区にある「阪神梅田本店」で、新たに18人の従業員の感染が確認されたことを明らかにしました。
感染が確認された従業員はあわせて115人に上り、感染者の9割近くが食品売り場のある1階と地下1階に集中しているということで、会社は販売体制が整わないとして、4日も食品売り場の休業を続けることに決めました。
感染が拡大していることから各府県では、不要不急の外出を控えるなど感染対策を徹底するよう呼びかけています。

●県境またぐ移動で感染拡大か いわきで急増、市長と知事が言及 8/4
福島県いわき市の新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。地理的条件上、関東圏との経済的な結び付きが強く、企業活動や観光などで人と人との接触の多さが感染の広がりに拍車を掛けている。感染者が激増する1都3県から北関東、北関東から東北へと感染の波が押し寄せているとみられる。
「県境をまたぐ移動が感染拡大を招いている」。清水敏男いわき市長は2日の臨時記者会見で表情をこわばらせ、「(関東圏など)感染拡大地域との往来は控えてほしい」と訴えた。
市の調査によると、7月の感染者で感染経路が不明な人のうち約4割が県外を含む市外の人との接触があった。県外から仕事で訪れたり、観光や合宿などで滞在する人の感染確認が目立ったという。
内堀雅雄知事も2日の記者会見で「福島は北関東と文字通り地続きで、直接の影響を受けやすい」と指摘した。感染力の強いデルタ株の猛威と合わせ、いわき市で急激に感染が広まった要因の一つに「関東との距離的な近さ」を挙げた。
いわき市と県境をまたいで隣接する茨城県は3日、緊急事態宣言の対象地域への追加を政府に要請。栃木県も福島県と同じ2日にまん延防止措置の適用を求めた。3県とも7月下旬に感染が急拡大し、歯止めがかからなくなった。
2日時点でいわき市の直近1週間の10万人当たり新規陽性者数は74・18人。県対策本部は「これ以上の感染を食い止めるためにも不要不急の外出は避け、基本的な感染対策を徹底してほしい」と改めて市民に呼び掛ける。

●“ナースみんなが限界” 感染拡大で看護師などから投稿相次ぐ  8/4
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、ネット上には、看護師などから医療現場の厳しい状況を訴える投稿が相次いでいます。投稿者の1人が投稿に込めた思いを語ってくれました。
「もう、嘘でしょっ?ってぐらい発熱した若年層が押しかけて来ています…」「最後の1人を受け入れて、文字通り満床です」「保健所の方から病床をあと2、3床増やして欲しいと打診が来ました。きっとどの病院も言われてる」
この1週間ほど、同様の投稿が相次いでいます。
「長時間の防護服とN95マスクが暑すぎてキツイ。汗が尋常じゃない。暑さと忙しさで体力が限界つきそう」
このツイートを投稿をした看護師の女性が取材に応じてくれました。
女性は感染拡大が続く現状について「デルタ株の感染威力が強く、恐怖を感じています。去年と違い、若い方の感染がとにかく目立っています。コロナは身近にあります。『自分は感染しないだろう』と安易に考えないでほしい。ワクチンやコロナについての正しい情報に基づいて行動するようにしてほしい」としています。
そのうえで「家族にもなかなか会えず、退職していく看護師も多いです。忙しすぎて疲労困ぱいで仲間どうしで声を掛け合うことも少なくなってきました。ツイートに対しての返信もあり、そのことばで患者さんに向き合い頑張ることができています。今、至る所に人が集まる様子を見かけますが、『救えるはずの命を救えない』ようなことが起きないようにしてほしいです」と訴えていました。

●東京五輪金メダル効果、日本株に吉と出るか−コロナ感染急拡大が重し 8/4
東京五輪は数カ月にわたり、レンジ取引が続く日本の株式相場に影を落としてきた。新型コロナウイルスの感染急拡大が懸念される一方、五輪でのメダル獲得がコロナ禍を乗り切る上で精神的な支えになると期待する人もいる。
パラリンピック前の大会終了まで残り1週間を切る中、五輪自体は成功と見なされる可能性が高まっている。日本代表選手が獲得した金メダル数は既に過去最多を更新、コロナ絡みの混乱は最小限に抑えられている。
ただ、株式相場の見通しはまちまちだ。メダル獲得数が多ければ通常押し上げられる日本株がワクチン接種進展に伴って向こう数カ月に上昇するのか、アナリストの意見は分かれている。新型コロナの感染者急増とその対応への国民の失望が政治不安につながり、日本株のアンダーパフォーマンスが悪化するとの見方もある。
例年なら、金メダルラッシュは市場にプラスに働くはずだ。三井住友DSアセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストはリポートで、1968年のメキシコ大会以降、日本の金メダル獲得数が2桁に達した全ての大会で、日経平均株価は大会期間中に上昇したと指摘した。
しかし、今回の大会は前例のないコロナ感染拡大の真っただ中で開催され、効果がますます薄れる緊急事態宣言に国民の間では自粛疲れが広がっている。秋の総選挙に先立つ自民党総裁選を9月に控えた菅義偉首相は、コロナ禍における「安心・安全な東京大会」の開催に賭けてきた。
松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「今五輪を開催していて、その間に感染が拡大している。そうなると菅政権が感染のコントロールに失敗したとのイメージが付いてしまう」と述べた。
こうしたイメージが秋の相場反発を想定したシナリオにもたらす意味合いについて、一部投資家は警鐘を鳴らしている。日経平均の年初来上昇率は1%未満と、ブルームバーグが把握する先進国市場の株価指標で最悪の部類のパフォーマンスだ。
T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジストは「最悪のケースでは、エコノミストは秋の経済回復シナリオを書き換える可能性が高くなる。国民目線では五輪に消極的な中で開催し、菅政権の支持率はより下がる可能性があり、日本株には重し」となり得ると予想した。
ただ、約1400万人の人口を抱える東京のコロナ関連死者数は7月29日までの1週間で計5人にとどまり、東京も世界の他の首都同様にコロナと共生していくようになるとの見方もある。
セゾン投信運用部の瀬下哲雄運用部長は、「ワイドショーとかは別だが、重症者や死亡者の数の方が目線として強いと思う。去年と比べれば全然違う」と述べた。
ワクチン接種の広がりで、65歳以上の国民の75%が2回の接種を完了。世論調査はなお多くが進展状況に不満を持っていることを示しているものの、現在の非常事態宣言が8月末に終了するまでに、全人口の40%強が2回の接種を終えると政府は予想している。
SMBC日興証券の圷正嗣チーフ株式ストラテジストと安田光株式ストラテジストはリポートで、「国内においても9月頃から視界が晴れ始める」と想定。早ければ9月までにワクチンを2回接種した人口の割合が50%を突破するとの予測に加え、選挙前に刺激策が発動される可能性を挙げ、「9月から10−12月期にかけて内需が回復するシナリオを描けよう」との見方を示した。

●「病床逼迫しない」から自宅療養拡大へ急転換 見通し甘い政府 8/4
新型コロナウイルス感染の急拡大を受けて、政府は入院対象を重症者や中等症のうち重症化リスクの高い患者らに限定し、自宅療養を基本とする新たな方針を打ち出した。ワクチン接種の進展を理由に「新規感染者が増えても病床は逼迫ひっぱくしない」としていた甘い想定は崩れ、野党は「医療の放棄だ」と批判を強める。
医師がいくらいても追いつかない…
菅義偉首相は3日、官邸で日本医師会の中川俊男会長ら医療関係団体の代表と面会し「急激な感染拡大でも医療提供態勢を確保し、誰もが症状に応じて必要な医療を行うことができるよう方針転換した」と説明。自宅療養者の状況を、往診やオンライン診療で把握して適切な医療を提供するよう協力を求めた。中川氏は面会後、記者団に「感染が爆発的に増えていくと、(医師が)いくらいても追いつかないことは現実になる。頑張れるだけ頑張ると言うしかない」と悲壮感を漂わせた。
政府・与党に楽観論がまん延
政府の唐突な方針転換は、この時期の病床逼迫に備えていなかったことの表れだ。高齢者へのワクチン接種の進展によって、重症者は減るとみていた。感染力が強いデルタ株への置き換わりにより、7月に入って新規感染者が増え続けても、政府・与党内では「これからは感染者数でなく重症者や死亡者数を見るべきだ」(自民党幹部)などの楽観論が支配的だった。首相も記者会見で、東京の状況に関し「人工呼吸器が必要な重症者数は1月と比較して半分。病床使用率も2割程度に抑えられている」と説明していた。しかし、7月下旬の4連休後、さらに感染者数は急増。29日には初めて全国の新規感染者数が1万人を超えた。政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長は28日の段階で「医療の逼迫が既に起き始めている」と明言。デルタ株は若い人でも重症化リスクがあり、感染者が増えれば重症者も増えるのは「必然的」(中川氏)だったのだ。
それでも「病床は足りている」
方針転換に追い込まれても、政府内にはなお楽観論が漂う。政権幹部の一人は逼迫の理由を「軽症者や無症状者をどんどん入院させているからだ」と指摘。別の幹部は「症状に応じて回転させれば病床は足りている」と語る。だが、新方針は運用を誤れば入院の遅れや病状の悪化を招き、患者の命の危険を高めかねない。昨年春に厚生労働省がコロナの受診の目安を「37.5度以上の熱が4日以上」と示した際は、基準に満たない人が検査を受けられない例が続出し、軽症者が重症化したり死に至ったりすることもあった。加藤勝信官房長官は3日の記者会見で「そうした懸念も踏まえて対応していく必要がある」と強調。別の政府高官は「自宅療養者の健康観察は、保健所だけでは限界がある」と医療機関との連携強化を課題に挙げる。政府の対応に、立憲民主党の枝野幸男代表は3日の党会合で「『自宅療養』というのは言葉だけで『自宅放棄』と言わざるを得ない。とんでもない状況が生まれている」と医療の放棄だと批判。共産党の志位和夫委員長はツイッターで「首相自身が『医療崩壊』を事実上認めた」と指摘した。

●「菅首相は何も分かっていない」 重症以外は「自宅療養」は命取りに… 8/4
コロナ禍の拡大が止まらず、病床が逼迫していく中、政府は2日、重症者や重症化の恐れのある人以外は、原則自宅療養とする方針を決めた。これまでもなかなか入院できず、自宅にいる間に亡くなるケースも多々あったのに、さらに入院治療を遠ざけるというわけだ。「自助」の言葉が大好きな菅義偉首相らしい国民への仕打ちだが、厳しい現実から目をそらそうと、ルールの方を都合よく変えていいのか。
自宅療養で父親が…
「政府は何をやっているのかと思う。自宅療養中に一気に重症化すれば、命取りになるのに…」。コロナ感染で父親を亡くした東京都内の50代男性は憤る。父親が亡くなったのは最初の緊急事態宣言下の昨年春。せきと熱が出るようになり、地元の病院を受診。もらった解熱剤でいったん熱は下がったが、1、2日で症状がぶり返した。救急搬送された病院でPCR検査を受けて陽性判定が出た。即入院かと思われたが、いったん自宅に帰された後、保健所側は自宅療養を指示。家族は何度も「父をすぐに入院させてほしい」と必死に頼んだが拒まれ、担当者は「症状が重い人から入院させている」と言うだけだったという。しかし、3日ほどで父の容体は急変した。別の病院に救急搬送されたときにはすでに、人工呼吸器が必要なほど重症化しており、父は1週間後に息を引き取った。陽性判定が出てからあっけない死だった。男性は「感染が判明しながら当初入院を断られた父と、付き添った家族がどんなに不安だったか。保健所は電話のやりとりで、父親の症状をどう判断していたのかいまだに分からない。放置されたようなもの。救急搬送されたときに入院できていたら、助かったんじゃないかと思っている」と振り返る。
政府方針で続発の恐れ
こうしたケースを続発させる恐れがあるのが、新たな政府の入院方針だ。これまでは、呼吸器に症状がない軽症でも基礎疾患がある場合や、肺炎や呼吸困難がある中等症以上が入院の対象だった。今後は中等症でも、重症化リスクが低いと判定された人は、原則自宅療養となる。家庭内感染の恐れや自宅療養が困難な事情があると判断された場合には宿泊療養になる。いずれも感染急拡大中の地域が対象となる。この方針転換の背景にあるのは病床の不足だ。デルタ株の広がりで新規感染者は1日1万人に達する日が続く。厚生労働省結核感染症課の担当者は「適切に病床を確保するため」と説明。国が近く全都道府県に通知し、各自治体が地域の実情に沿って判断することになる。国は自宅療養に備え血中酸素濃度を測る「パルスオキシメーター」の配備を進める。重症化の恐れをつかみやすくするという。
重症化「見極め簡単ではない」
ただ、そもそも肺炎を起こし呼吸が苦しいような症状の患者を、医療を受けられない自宅で療養させるのは危険ではないのか。国際医療福祉大の高橋和郎教授(感染症学)は「菅首相は場当たり的で何も分かっていない」とあきれる。「酸素投与が必要かどうかによって中等症も1と2のレベルに分かれるが、1から2までは進行スピードが速い。2まで重症化すれば挿管手術が必要になり、手当てが遅れたら命は危険になる。重症化の見極めは簡単ではない。現場は基礎疾患の有無や症状の変化など今まで以上に丁寧にみていかなければならない」と語った。

●福島県いわきの児童施設クラスター50人に拡大 新型コロナ、2人判明 8/4
県は3日、いわき市の児童施設で発生し、48人の感染が確認された県内106件目のクラスター(感染者集団)は調査の結果、7月31日と今月1日に陽性判明の2人が含まれることが分かり、50人に拡大したと発表した。
県といわき市によると、いずれも同市の別の児童施設で発生した96件目は9人、飲食店での宴会で発生した102件目は11人、イベント施設の104件目は7人、接待を伴う飲食店の94件目は20人に拡大した。また、聖光学院高ハンドボール部などの合同練習に伴う99件目は13人に広がった。

●阪神梅田本店のクラスター128人に 阪急うめだ本店でも34人の感染確認 8/4
クラスターが発生した大阪梅田の阪神百貨店で新たに13人の新型コロナウイルスの感染が判明し、感染者は計128人となりました。また、阪急百貨店でもこれまでに34人の感染が確認されています。
大阪市北区にある阪神梅田本店では、販売員の間でクラスターが発生したことから、7月31日から2日間全館臨時休業し、8月2日からは地下1階と1階の食品売り場を除いて営業を再開しています。
運営するエイチ・ツー・オーリテイリングによると、新たに従業員13人の感染が判明し、感染者は計128人となりました。
3日までに「感染が心配」や「原因について教えてほしい」といった客からの問い合わせが1000件以上相次いでいるということです。
5日以降の営業については、従業員約2000人に実施したPCR検査の結果を考慮し、決定するとしています。
また阪急百貨店でも、これまでに34人の感染が確認されていますが、感染経路は不明で現在、クラスターには認定されていないということです。阪急百貨店では消毒を徹底したうえ、通常通り営業しています。

●新型コロナの影響 1860社が倒産 飲食店など中心にさらに増加か  8/4
新型コロナウイルスの影響で倒産した企業の数は、3日までで1860社となりました。ことしに入って増加傾向が続いていて、調査会社は緊急事態宣言の延長や拡大の影響で、飲食店などを中心にさらに倒産が増加するおそれがあると指摘しています。
信用調査会社の「帝国データバンク」のまとめによりますと、新型コロナウイルスの影響で破産などの手続きを取って倒産した企業や事業を停止して法的整理の準備に入った企業は個人事業主を含めて去年2月から3日までの累計で1860社になりました。
業種別では「飲食店」が311社と最も多く、「建設・工事業」が185社、「ホテル・旅館」が101社、「食品卸」が97社などとなっています。
倒産が発生した月ごとでは、ことし3月が177社と最も多く、次いでことし4月が168社などとことしに入って増加傾向が続いています。
帝国データバンクは「飲食店などの倒産に伴い、店の修繕や建設を請け負う事業者などが連鎖的に倒産するケースも増えている。夏のレジャーシーズンに緊急事態宣言が延長・拡大されたことで、今後さらなる倒産の増加につながるおそれがある」と話しています。

●1日の感染者600人に近づく可能性も 沖縄で467人感染 1人死亡 8/4
沖縄県は3日、新型コロナウイルスに10歳未満から80代までの467人が感染し、1人が死亡したと発表した。1日の感染者数では過去最多で、先週火曜日の354人から1・32倍に増加している。療養者3106人や直近1週間の新規感染者2603人も過去最多となった。政府は3日、中等症患者のうち、重症化リスクの低い人は自宅療養とする方針を決めたが、県は現時点で国の方針に変更する予定はなく、国からの通知を受けて対応を検討するという。 
新規陽性者のうち、20代が117人で30代が76人、10代が75人、40代が63人、10歳未満が54人と若い年代で感染が目立っている。推定感染経路が確定したのは171人で、家族内が99人で最も多く、友人知人25人、職場と施設内が各15人、飲食11人だった。直近1週間平均の感染経路が不明な症例は58・4%となっており、感染急拡大に比例して割合が増加しているという。直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者は170・68で全国最多を継続している。
糸数公医療技監は「先週1週間の感染者が2400人程度だったことを基にすると、今週は1日の感染者が600人に近づくことも想定しないといけない」と話し、増加傾向が止まらないことを懸念した。
入院患者は531人で、重症7人、中等症335人。県内医療機関の病床数は、3日時点で流行第4波を上回る716床確保している。現在は軽症者も受け入れているが、患者が増え続けることを想定し、症状が改善した患者を宿泊療養ホテルに移動させたり、自宅に戻したりすることで、病床を確保していくという。

●全国の新型コロナ感染者 1万2000人超 茨城も「緊急事態宣言」要請へ 8/4
3日、全国で確認された新型コロナウイルスの新規感染者は1万2,013人にのぼり、過去2番目の多さとなった。
東京都では、新たに3,709人の感染が明らかになった。火曜日に3,000人を超えるのは初めてで、陽性率は20.1%と第3波を上回る高さ。感染力の強いインド型変異ウイルス「デルタ株」は、新たに1,049人確認されている。
一方、197人の感染が発表された茨城県は、感染拡大を受けて県独自の緊急事態宣言を8月6日から発令し、加えて、政府に緊急事態宣言の適用を要請した。
また、埼玉県で1,053人、沖縄県で467人、群馬県で148人など、7つの県で新規感染者が過去最多となった。
3日、全国では過去2番目に多い1万2,013人の感染が確認された。

●夏の帰省「自粛」に反発 実効性に疑問も―新型コロナ 8/4
新型コロナウイルスの感染拡大下で2度目となる夏休みシーズン。全国知事会は都道府県境をまたぐ帰省の中止・延期を要請する提言をまとめたが、インターネット交流サイト(SNS)上では反発が相次ぎ、感染症対策の専門家も実効性を疑問視する。
知事会は1日、国への提言で「人流が増加する夏休み本番を控え、抑え込みに一刻の猶予も許さない状況にある」と指摘。帰省の抑制に加え、ロックダウン(都市封鎖)のような強い措置の検討も求めた。
これが報じられると、ツイッター上では「何のための高齢者へのワクチン接種か」「なぜ県境を越えた帰省は中止で、国境を越えた五輪はやるのか」と批判が相次いだ。
横浜市の女性会社員(45)は、都内に住む70代の両親が接種を終え、自らも近く2度目を受けるため、「2年ぶりに顔を合わせたい」と月末の帰省を楽しみにする。外出自粛が求められる緊急事態宣言の対象地域だが、「五輪は開催しているのに、自分たちの生活が制限されるのは納得がいかない」と不満を隠さない。
昭和大の二木芳人客員教授(感染症学)は「ワクチンは重症化を予防するが、接種しても感染リスクは残る」と説明。移動抑制の必要性を認めつつ、宣言下でも感染者は増えているため、「(知事会の)緩い要望では効果がないのでは」と疑問を投げ掛けた。  

●東京都 新型コロナ 4166人感染確認 過去最多 先週より989人増  8/4
東京都は4日、都内で新たに4166人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1日の発表としては先月31日の4058人を上回り、これまでで最も多くなりました。1週間前からは989人増えていて、感染の急激な拡大が止まりません。
一方、都の基準で集計した4日時点の重症の患者は3日より3人増えて115人でした。

●中等症間患者の急変や重症化に対応できるか 政府新方針 8/4
政府は、新型コロナウイルス感染症の中等症患者を自宅療養させる方針に転換したのに合わせ、自宅での急変に備えた施策を打ち出した。だが、課題は多い。急変対策の柱は、保健所や地域の医師らによる在宅患者の健康管理強化だ。だが、東京都内の保健所は既に自宅療養者の支援や入院調整に忙殺されている。コロナ対策を厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」の一員で、東京都北区保健所長の前田秀雄氏は「政府方針は寝耳に水。保健所にとっては困難な内容だ」と本紙の取材に語った。
デルタ株は無症状や軽症者が短期間に悪化するケースがある。前田氏は「支援が必要な陽性者が増えた場合、対応は難しい。突然重症化し、亡くなる方が発生する懸念も大きい」と話す。入院基準見直しの必要を強調する政府にも「今の入院患者は症状が重く、自宅療養が難しい人。『軽症だけど念のため入院させておこう』という対応はしていない」と疑問を示した。政府は在宅コロナ患者の往診などの診療報酬の上乗せも決めた。医師らの意欲を高め、患者が在宅医療を受けやすくする狙いだ。しかし、往診の担い手が急に増える保証はない。症状の悪化が把握できたとしても、厚労省の集計によると、7月28日時点で入院の必要があるのに、受け入れ先が未定の都内の患者は既に202人。迅速な入院が確保されているとは言えない。
重症化を防ぐため、在宅患者にも抗体カクテル療法を積極的に実施することも掲げた。だが、確保量が十分か、迅速に配送できるか不安が残る。最後の手段となる救急搬送にも影響が出ている。総務省消防庁の集計では、7月26日〜8月1日、患者の搬送先がすぐに決まらない救急搬送困難事案が全国で2376件あり、前週比で8%増だった。

●「医療崩壊を政府が実質的に認めた形」 新型コロナ入院対象者の方針転換 8/4
政府が2日に新型コロナウイルスの入院対象者について原則重症者に絞り込むと方針転換をし、与党内や各自治体、医療現場から反発の声が上がっている。
政府の方針では中等症の中でも重症者リスクが高い患者に対しては引き続き入院対象とするが、感染拡大が続くなか、自宅療養者が増加するのは確実だ。東京都の自宅療養者数は3日時点で過去最多の1万4019人で1か月前の約13倍となっている。
4日の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)に出演した同局のコメンテーター・玉川徹氏は「医療崩壊を政府が実質的に認めた形。政府は早晩、重症者でも入院できなくなることを視野に入れていると思う」としたうえで、菅義偉首相が進めるとしている新治療薬「抗体カクテル」の供給量について「政府は今の段階から米国と交渉し、今以上に輸入できるように早急にやってほしい」と訴えた。
野党も強く反発し、立憲民主党の枝野幸男代表は3日、「自宅療養というのは言葉だけで、自宅放棄としか言いようがない」と猛批判している。

●中等症は自宅療養という方針で、医療崩壊は防げるのか? 8/4
中程度の肺炎を発症して酸素吸入が必要な患者を自宅療養させるという案を菅内閣が提案しています。目的はただ1つ、デルタ株を中心とした新型コロナウイルスの感染拡大が悪化した場合に、コロナ病床があふれて助かる命を助けることができない、つまり俗に言う医療崩壊を防止するためです。
ですが、仮に中等症から症状が憎悪(悪化)した場合に入院が遅れたり、在宅のために必要な薬剤投与ができない事例が発生して、救命できるはずの患者が死亡するようでは、医療崩壊の防止にはなりません。
政府もそんなことは分かっているのだと思いますが、日本の世論には重大な懸念が広がっています。ここは、リスクコミュニケーションの大きな分岐点だと思います。以下、3点について丁寧な説明を行う必要があると思います。
アメリカは医学生も投入
1つ目は、病床確保の問題です。2020年の1月、中国の湖北省武漢では突貫工事でコロナ専用病院を建設していました。今から思えば、あれは感染爆発による中等症治療のためのもので合理的な判断であったことが分かります。2020年の3月から4月には、アメリカのニューヨークでは、公園にテントを張ったり、軍の病院船を回航させたり、軍の工兵部隊が突貫工事で見本市会場を病床に改造したりしていました。これもコロナ病床確保のためでした。
こうした臨時の対策を日本政府は選択しませんでした。おそらく、病院の建設基準が厳格であるなど、法律や制度の問題として不可能だったのだと思います。仮にそうであれば、厳しい規制それ自体が人命を守るためであることを説明し、国民に理解を求めるべきだと思います。
2つ目は、医療従事者の確保の問題です。アメリカの場合は、感染拡大が厳しい状況になると、あらゆる専門の医師だけでなく、医科大学院の学生、外国の医師免許保有者まで現場に投入しました。また、余裕のある州から臨時に要員を融通することもしました。この8月に入った時点でも、最悪の状態に陥ったルイジアナ州には、連邦政府から災害対策の枠組みで医師33名が急派されています。
自宅療養の場合にも、医療従事者がどうケアしてゆくのか、要員の問題はついて回ります。例えば、人工呼吸器の設定と管理はどうするのか、血中酸素濃度が異常値となったら自動的に治療もしくは入院ができる体制は取れるのか、それ以前に急速に容体が悪化する兆候を見逃さないために、医師や看護師をどう巡回させるのかといった問題は重要です。
医師や看護師については、ワクチン接種の要員確保が問題となっています。ですが、おそらく増加が予想される在宅療養者のモニター、巡回診療といった診療行為は、簡単な研修で有資格者を拡大できるようなものではありません。どう要員を充当するのか、具体的な計画の説明が必要です。
あくまでも通常診療は守るのか
3つ目は、通常診療への影響です。アメリカの場合は、感染爆発が起きてコロナ病床があふれた場合は、通常診療のためのICUを閉めてコロナ患者に回してきました。おそらく、それによってコロナ以外の患者で救命ができなかったケースもあると思われます。ですが、治療が遅れると、軽症から一気に容体が悪化して数日内に死亡する可能性のあるコロナ患者は、あくまで優先するというのが社会的な判断となっています。
日本はこの考え方を取っていません。今回の自宅療養によりベッドを確保するという方針は、コロナの重症者に向けてベッドを空けるためと説明されています。ですが、同時にあくまで通常診療を守り、民間の病院で対応不能なところにはコロナ患者を回さないという「現状」を維持するという判断も含まれています。
これは厚労省や医師会が漠然と変革を嫌っており、政治家はこれに流されているという説明で済ませてはいけないと思います。法律や制度の問題として、変えられないものは変えられないということであり、それでも変えるということならば、世論と政治が真剣な対話をしなくてはなりません。
中等症の自宅療養については、国会で批判されたことから、田村厚労相は「見直す」として方針撤回を匂わせています。仮に本当に見直しをして、感染爆発が悪化しても中等症患者を100%入院させるのであれば、今度こそ通常診療の現状維持を諦めることになります。それならば、問題を直視した真剣な議論が必要です。

●自宅療養、容体急変に懸念 「中等症」でもリスク高く―医療崩壊回避へ転換 8/4
新型コロナウイルス感染者の急増を受け、政府は3日、入院を重症患者や重症化リスクの高い患者に限る方針を日本医師会などに伝えた。過去にない感染爆発に直面し、病床を確保するため方針転換を強いられた。ただ、自宅療養者の容体が急変する事例も相次いでおり、感染者の病状をきめ細かく管理できるかが課題となる。
「急激な感染拡大でも医療提供体制を確保し、症状に応じて必要な医療ができるよう方針を転換した」。菅義偉首相は3日、日医の中川俊男会長らと首相官邸で会い、軽症者だけでなく重症化リスクが低い中等症患者も基本的に自宅療養とする政府方針を説明。入院できない患者のケアに各地の診療所の協力を呼び掛けた。
政府が入院絞り込みに踏み切ったのは、新型コロナ「第5波」が前例のない広がりを見せているためだ。2日時点の内閣官房資料によると、東京都の陽性率は19.8%。その他の地域でも10%超の指標が目立ち、感染症専門家が「異常な数値。市中感染がまん延している状態」と指摘するほど。全国の重症者数も7月下旬以降は増加傾向にある。西村康稔経済再生担当相は3日の記者会見で、「この状況が続けば適切な医療が受けられず、救える命も救えない状況になりかねない」と危機感をあらわにした。
現在、感染者の多数を占める30代以下では、無症状や軽症がほとんどとされる。ただ、自宅療養中に呼吸困難を伴う中等症へと悪化するケースもある。新型コロナに感染した経験を持つ医療関係者は、「分類上は中等症とされたが、実際は息をするのもやっとだった。あれで自宅療養だったらどうなっていたか」と振り返る。
爆発的な第5波に自宅療養で対応するには、症状の丁寧な観察が欠かせない。政府は往診やオンライン診療などを通じ、自宅療養者の状況把握に努める考え。診療報酬も拡充し、医師への幅広い協力を求める。ただ「開業医でも新型コロナ診療に抵抗感を示す向きもある」(政府関係者)。各地の保健所も新規感染者の急増で負担が増しつつあり、患者の容体の変化に対応できなければ、結果的に医療崩壊の状態に陥りかねない。
ここにきて政府が自宅療養を前面に打ち出す必要に迫られたのは、新型コロナ患者向けの病床の上積みが進んでいないことの裏返しでもある。与党からも政府方針に戸惑いが出ている。公明党の山口那津男代表は3日、首相と昼食を共にした際、「もう少し対応できる病床を増やすとか、マンパワーを増やすとか、中等症に丁寧な対応をお願いしたい」と注文を付けた。

●重症者が減っても…感染者急増で医療崩壊の危機 医師会会長「感染の嵐」 8/4
オリンピック開催中の東京を中心に全国で感染拡大が止まらない。尾崎治夫・東京都医師会会長は「重症患者が増えなくても感染急増で医療崩壊」と警告する。
――東京都の新規感染者数が過去最多を更新し続けている。7月29日までの1週間平均は2224.1人で、その前週の平均の1.6倍以上になった。これまでにないスピードの増え方だ。
4度目の緊急事態宣言が出ているにもかかわらず感染が急拡大しているのは、ウイルスがより感染力の強い変異株に置き換わりつつあるのに、人の流れが十分に減っていないからです。変異株「デルタ株」の感染力は、従来のウイルス株より2倍近く、第4波で流行した「アルファ株」より1.5倍程度強いとされています。都内では少なくともウイルスの半数がデルタ株に置き換わっています。それに対し、人流は今回の緊急事態宣言の前に比べ2割程度しか減っていません。デルタ株の感染力を考えれば5割以上減らないと感染拡大は防げません。人流が十分に減らない原因はオリンピック開催と、政治家の発言です。これまでの努力を結実させているアスリートの方たちをみれば、開催にも良い面はあったと思います。しかし、新型コロナウイルス対策にとっては負の側面ばかりです。都民をはじめ国民は、自分たちの盆踊りやイベントも中止になっているのにオリンピックは開催されている現状をみて、「オリンピックが開けるなら出歩いてもいいだろう」という心境になっている方が少なからずいると推測できます。しかも、菅義偉首相や小池百合子都知事は、「人流は減少している。心配はない」「高齢者のワクチン接種が進んでおり、(都内が医療崩壊寸前になった)第3波の時とは状況が異なる」などと発言しています。それを聞けば、国民がますます「ならば自粛しなくていい」と思っても仕方ないでしょう。確かに高齢者のワクチン接種は進んでいます。しかし、40代や50代も重症化します。都のモニタリング会議や政府の分科会の専門家は皆、医療体制の逼迫の危険性を訴えています。政府や都の責任者は専門家の声にきちんと耳を傾けるべきです。
――吉村憲彦・都福祉保健局長は27日、「医療提供体制がにっちもさっちもいかなくなる現状はない」と記者団に説明した。
現場を丹念に見てほしいと思います。数字だけ見れば、新型コロナウイルス患者の受け入れベッドが5967床あるのに対し29日の入院患者は3039人、うち重症患者受け入れベッドは392床、入院は81人ですから、余裕があるようにみえます。しかし、かつてない勢いで感染者が急増しているために入院の受け入れが間に合わなくなっています。感染者用ベッドが30床あってうち15床空いている病院が、今日1日で新規に15人受け入れられるかといえば、それは難しい。医師や看護師ら医療従事者が足りないからです。政府や都は、重症者が減ってきているから医療提供体制は逼迫しないと言いますが、そんなことはありません。最近、中等症の患者が増えてきています。中等症でも酸素投与の必要な人がいて、容体が悪化すれば人工呼吸器などで対応しなければならないために医療従事者は目を離せず、中等症とは言え、医療機関への負荷は小さくありません。都内では入院先が見つからない感染者が増えています。入院先や、宿泊療養施設での療養を調整中のため、自宅で待機している人が29日現在、5575人に達しています。
――都は医療機関に対し、救急医療や一般診療を縮小したり手術を延期したりするなど通常医療を制限することも視野に入れて、新型コロナ感染症患者の受け入れが可能になるような医療提供の確保を要請した。
都は少し前まで都医師会と一緒に、都内の医療体制を守り、新型コロナウイルスにも他の医療にも対応しようとしてきたのに、都は最近、方向転換したようにみえます。医療は新型コロナウイルス感染症の治療だけのために必要なのではありません。今の季節、高齢者を中心に熱中症で具合の悪くなる人が増えています。早く適切に対処しなければ命にかかわりますが、通常医療を制限すれば、熱中症患者の受け入れができなくなる恐れがあります。都内では実際に、救急搬送が必要な患者さんについて、救急隊が5カ所の医療機関に受け入れを要請するなどしても搬送先が決まらない件数が急増しています。20日には過去7日間の平均で62.0件だったのが、28日には同93.3件と1.5倍になりました。また、かなり進行した状態でがんが見つかる患者さんも増えてきています。昨年来、検診を受けるのを控えていた人が少なくないからです。こういった方たちも、早く治療をしなければ手遅れになります。糖尿病や高血圧といった生活習慣病などはふだんからきちんとコントロールしておかないと、新型コロナウイルスに感染した時に重症化しやすくなります。医療政策は目先のことだけをみてとるのではなく、幅広く総合的に目配りし、科学的に判断した上で決めるべきです。
――内閣府によると65歳以上の高齢者のワクチン接種率は30日現在、2回終了が73.1%、1回接種は85.7%に達した。
若者も含めた接種対象者全体でみれば2回終了した人は3割、1回も4割程度にすぎません。国民が広くワクチン接種を終えたのでかなり安心できる、という話ができるのは早くても10月か11月でしょう。今はそんな話ができる状況ではありません。それなのに、高齢者のワクチン接種が進んだから第3波とは違う、といった誤ったメッセージを政治家らは出している。
今は安心できるどころか、全国に感染の嵐が吹き荒れるのを防げるかどうかの瀬戸際です。

●マック、スタバのコロナ公開情報でグラフ作成 → 第5波のえぐさ可視化 8/4
新型コロナウイルスの感染者数が公的機関から毎日発表される中、マクドナルドとスターバックスの店舗における感染報告をもとにしたグラフが注目されています。コンビニ勢力図などデータを可視化した話題をSNSに発表しているツイッターユーザーのにゃんこそば(@ShinagawaJP)さんが作成したもので、デルタ株の流行を要因とする第5波のすさまじさを示します。ファストフードやコーヒーのチェーン店からみるコロナ禍という視点に「わかりやすい」「市街地での感染度合いを測る上で興味深い」「マックは世の中を客観視するのに便利な存在」などとSNSユーザーが反応しています。
全国の店舗数はマックが2928(2021年6月)、スタバが1655(2021年6月)。HPで従業員の感染やそれに伴う店舗の一時休業の情報を公開しており、そのデータに着目しました。今年1月1日から7月末までの感染報告件数を集計し、マックでは一時休店率と昼間人口密度の関係を探りました。
グラフが伝えるのは、第3、第4を凌駕する第5波のすさまじさ。特に7月下旬からのグラフの跳ね上がりから爆発的増加(オーバーシュート)がうかがえ、「悪化の事態をつかめる」「感染対策が徹底しているチェーン店(でこの数字)だからこそ、感染力が凄まじいことが分かる」とネット上では驚きを持って受け止められています。同一店舗での重複を除外すると、これまでにマックは764店舗(26%)、スタバは361店舗(22%)で従業員の陽性報告が出ているそうです。
人口密度が高い順にマック店舗を100店ずつグループ化し、1度でも感染休店した店舗の割合を集計すると、人口密集地ほど休店率が高く、大都市の繁華街では50%に迫りました。もともと人口当たりの陽性者数は昼間人口密度に比例しており、マックも同じ傾向であることが確認されたことになります。にゃんこそばさんに聞きました。
―マックとスタバを選んだのは、情報公開や店舗数の面からでしょうか
「従業員の感染防止対策や、感染者発生時の閉店・消毒・再開のオペレーションが定型化されており、その内容がWebサイトで開示されています。店舗数の多さに加え、感染症対策の質や内容が全国均一であると思われるため、感染拡大状況を測る指標にふさわしいと考えました。注意しなければいけないのは、このグラフの見方です。両チェーンの休店数は全国の新規感染者数の推移と連動していて、今のところ特殊な動きはしていません。飲食店が市中に感染を広げているとか、マックやスタバが危険である、と解釈するのは早計です」
―グラフから何が読み取れますか
「ここ3週間ほど、全国の新規感染者数は前週比1.4倍(+40%)ほどで推移しており、マックやスタバの休店数も似たような傾向を示していました。それが7月27日ごろから急増し、今ではマック、スタバに限らず、多くの飲食・小売チェーンで臨時休業が相次いでいます。デルタ株の強い感染力がたびたび報じられていますが、店舗の臨時休業数を見ても明らかで、まさに今、感染拡大の真っ只中にあることを実感させられます。昼間の人口密度が高いエリアほど休店率が高いことも浮き彫りになっています。多くの人が集まる市街地ほど、市中感染のリスクが高いのではないかと考えられます」
―8月に入ってから状況は
「グラフを作成した7月30日以降、両チェーンの新規休店数は頭打ちになっています。今後の予測は統計・感染症の専門家に委ねたいところですが、市街地の人出が7月中旬から減少に転じていることを考えると、第5波についてはそろそろ山を越えてほしいという思いです」
―マック、スタバに限らず、接客業の人は不安と背中合わせで働いています
「第5波においても、「飲酒を伴う会食」の危険性が強調され、SNSでは「感染は自業自得」「会食しなければ感染しない」といった声も目にします。接客業における感染拡大と全国の感染拡大との相関性を示すことで、デルタ株の感染リスクの高さを可視化したいという思いで一連のグラフを作成しました」
―企業の危機管理は公開情報から読み取れますか
「安心して食事を楽しんでもらえるよう飲食チェーンは感染症対策に力を入れており、マック、スタバもWebサイトに感染拡大防止の取り組みを掲載しています。手洗い、アルコール消毒といった通り一遍の内容にとどまらず、休店・再開のお知らせ、従業員の衛生管理、購入時の接触を軽減できるサービスなどが非常にわかりやすく紹介されています。飲食店としての使命と安心・安全を両立させるという意気込みが伝わってきます」
―にゃんこそばさんの周囲でも飲食店は
「生活圏内でも飲食チェーンやスーパー、駅ビルのテナントで陽性者が発生し、1〜2日ほど休業するという事案を目にするようになりました。これまで以上に、目に見えない感染症がすぐそこに迫っているということを実感しています」
 

 

●三重で過去最多の74人が新型コロナに 中学校の運動部では新たなクラスター 8/5
三重県は4日、県内で過去最多となる未就学児から80代までの男女74人が、新たに新型コロナウイルスに感染したと発表しました。
新たに感染が確認されたのは、津市で19人、四日市市で18人、松阪市で12人、鈴鹿市で7人など合わせて74人です。
4月に発表された1日の感染者数72人を2人上回り、過去最多となりました。
このうち、これまでに6人の感染者が確認されていた四日市市内の中学校の運動部では、所属する生徒1人の感染が新たに確認されています。この運動部での感染者はこれで7人となり、三重県と四日市市で感染者の接触状況や関連性を調べた結果、県内89例目のクラスターが発生したと発表しました。
またクラスターが発生している津市内の通所の福祉施設では、新たに職員2人の感染が確認され、この施設での感染者は8人となりました。
なお、4日時点の病床使用率は37.2%で、重症者用病床の使用率は8%となっています。
ワクチン接種については、3日時点で1回目の接種を終えた人の接種率は36.6%、2回目を終えた人の接種率は27.7%となっています。

●東京都 新型コロナ感染確認 初の5000人超 最多の見通し 8/5
東京都内で5日、新たに新型コロナウイルスの感染が確認された人は初めて5000人を超え、過去最多となる見通しであることが関係者への取材でわかりました。
4166人が確認された前日に続いて過去最多を更新するほか、1週間前の木曜日から一気に1000人以上の増加となります。
都の専門家は「これまで経験したことのない爆発的な感染拡大が進んでいる。この状況は有事そのもので、『現実のもの』としてみんなで共有する必要がある」と述べ、強い危機感を示しています。

●“爆発的感染拡大 2週間後には1万人超も” 都モニタリング会議  8/5
東京都のモニタリング会議で、専門家は「経験したことのない爆発的な感染拡大が進行している」としたうえで、今の増加ペースが続けば2週間後には新規陽性者の7日間平均が1万人を超えるおそれがあるという予測を示しました。また「入院患者や自宅療養者が急増していて医療提供体制がひっ迫している」として、緊急時の体制へ移行する必要があると指摘しました。
会議の中で専門家は、都内の感染状況と医療提供体制をいずれも4段階のうち最も高い警戒レベルで維持しました。
そして、新規陽性者の7日間平均は4日時点でおよそ3443人と、1か月余りで7倍近くに急増していると説明し、専門家は「これまで経験したことのない爆発的な感染拡大が進行している」と指摘しました。
また、今の増加比が継続した場合、7日間平均は1週間後の今月11日には1.78倍の6129人、2週間後の今月18日には3.17倍の1万909人に上ると予測し「危機感を現実のものとして共有する必要がある」と強調しました。
一方、4日時点で入院患者は3399人、重症患者は115人といずれも大きく増加し、専門家は「救急医療や予定手術などの通常医療の制限も含めて医療提供体制がひっ迫した状況にある」と指摘しました。
さらに、人工呼吸器などによる治療がまもなく必要になる患者も高い値で推移していることを説明し「急激な重症患者の増加は医療提供体制の危機を招く」と述べました。
また、入院患者だけでなく自宅療養者と入院か療養かなどを調整中の人も急増していることから「体調の悪化を早期に把握し速やかに受診できる仕組みなどのフォローアップ体制をさらに強化し、自宅療養中の重症化を予防する必要がある」としています。
そして「入院医療、宿泊療養および自宅療養の体制を緊急時の体制へ移行する必要がある」と指摘しました。
小池知事「限られた医療資源を最大限活用」
モニタリング会議のあと小池知事は記者団に対し、都内の医療提供体制について「緊急対応として入院重点医療機関を重症・中等症と軽症・中等症に役割を明確化する。ホテルでの宿泊療養施設も重点化し、大変増えている自宅療養者のフォローアップ体制をしっかり拡充していく」と述べました。そのうえで「これからも医療機関や東京都医師会、保健所など関連するすべての方々と強固な連携を図る。医療資源は限られているので、それを最大限活用して医療提供体制の充実を図っていく。真に医療ケアが必要な方々に入院していただけるような体制をとっていく」と述べました。
専門家「この状況は有事そのもの」
モニタリング会議のあと国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は記者団に対し「新規陽性者数は本当に増加が急激で、われわれも未経験というぐらいの数を見ている。広がり自体も本当に爆発的な感染拡大の状況だ」と述べました。そのうえで「この状況は健康危機と言うか有事そのもので、現実のものとしてみんなで共有する必要がある。この病気は、かかって苦しい目にあわないとつらさがなかなかわからないが本当に大変だ。われわれの身の回りに『自分も感染する』というリスクが来ており、いかにかからずに済むのかその方法をいま一度確認して身を守っていただきたい」と述べました。
都医師会副会長「療養者数増え続ければ持たなくなる」
モニタリング会議のあと東京都医師会の猪口正孝副会長は記者団に対し、都内の医療提供体制について「東京の医療機関のいろいろな特徴を生かしながら自宅療養をいかに安全に見ていくかや、宿泊療養とうまく連携しながら東京ならではの体制をとっていこうと考えている」と述べました。一方で「この体制も療養者数が増え続ければいずれ持たなくなると思う。その時にわれわれが対応できるかというのは甚だ不安があり、ぜひ新規陽性者数を減らすことをお願いしたい」と述べました。
人工呼吸器などの治療必要の可能性高い人が最多に
都内では、入院患者のうち、人工呼吸器などによる治療がまもなく必要になる可能性が高い状態の人が、これまでで最も多い318人に上っています。都の専門家は、毎週、行われるモニタリング会議で、医療機関で集中的な管理が行われている「重症患者に準じる患者」の人数を公表しています。このうち、人工呼吸器またはECMOによる治療がまもなく必要になる可能性が高い状態の患者は、4日時点で318人となりました。1週間前の先月28日から58人増加し、これまでで最も多くなりました。318人のうち、およそ半数の154人は鼻から高濃度の酸素を大量に送り込む「ネーザルハイフロー」という装置を使った治療が行われているということです。専門家は、こうした患者が高い水準で推移していることから、重症患者がさらに増加するおそれがあるとしています。専門家は「人工呼吸器の離脱までは長期間を要するため、ICUなどの病床の不足が危惧される」と述べ、危機感を示しました。
都内感染状況と医療提供体制 専門家の分析結果
5日のモニタリング会議で示された都内の感染状況と医療提供体制についての分析結果です。
感染状況
新たな感染の確認は、4日時点で7日間平均が3443.3人となり、前回・先月28日時点の1936.4人よりおよそ1500人増加しました。専門家は「大きく増加し、予測を上回る値だ。6月30日のおよそ503人から、わずか5週間で7倍近くに急増した」と指摘しました。増加比は前の週のおよそ178%で、およそ153%だった前回よりも25ポイント上昇しました。専門家は「感染拡大がさらに勢いを増している。2週間後の今月18日の予測値は1万909人だ。この危機感を『現実のもの』としてみんなで共有する必要がある」と述べました。今月2日までの1週間に感染が確認された人の年代別の割合は、20代が35.9%と最も多く、5週連続で30%を超えました。
6月中旬以降、50代以下で全体の90%以上を占めていて、専門家は「若年層を含めたあらゆる世代が感染リスクがあるという意識をより一層強く持つよう啓発する必要がある」と指摘しています。一方、比較的抑えられていた高齢者の感染者数が再び増加し始めていることが報告されました。具体的には、65歳以上の高齢者は今週は596人で、309人だった前の週の2倍近くに増えています。
感染経路が分かっている人では、同居する人からの感染が61%と最も多く、次いで職場が13.7%、保育園や学校、それに高齢者施設や病院といった施設での感染が5.6%、会食は5.2%でした。
専門家は「感染に気付かずにウイルスが持ち込まれ、職場、施設、家庭内など多岐にわたる場面で感染が確認されている」と述べました。また、「新宿の複数の大規模商業施設で数十人規模のクラスターが発生していて、多くの人が集まる施設での感染防止対策を今まで以上に徹底する必要がある。オリンピックの競技場の周辺や沿道に大勢の人が集まり、応援する姿が見られている。屋外であっても密集、密接して大声で応援することは感染リスクが高いことを啓発する必要がある」と述べました。
「感染の広がりを反映する指標」とされる、感染経路が分からない人の7日間平均は4日時点で2240人で、前の週からおよそ1000人増え、8週連続して増加しています。
また、増加比は、4日時点で179.8%と前回から22.4ポイント上昇し9週連続で増加しました。
専門家は「さらなる拡大を防ぐためには人流を十分に減少させ、これまで以上に徹底的に感染防止対策を実行する必要がある」と警戒を呼びかけました。
感染経路が分からない人の割合はおよそ66%で前の週より3ポイント上昇しました。
感染経路が分からない人の割合は40代では60%を超えていて、さらに、行動が活発な20代と30代では70%を超えています。
専門家は「感染経路が追えない潜在的な感染拡大が生じている。基本的な感染防止対策を徹底して行うことが必要だ」と指摘しています。

●東京都の感染「2週間後に週平均1万人に」 専門家試算 8/5
東京都は5日、新型コロナウイルス対応のモニタリング会議を開き、「重症患者を含む入院患者、療養者が急増し、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)した状況にある」として、「入院医療、宿泊・自宅療養を緊急時の体制へ移行する必要がある」との専門家のコメントを公表した。
1週間平均の新規感染者数が3千人以上に上る都内の感染状況の現状については、感染力の強い変異株(デルタ株)への置き換わりが急速に進み、「経験したことのない爆発的な感染拡大が進行している」と分析した。
会議で示された1週間平均の新規感染者数は3443人で、前週の1936人から1・78倍に急増。国立国際医療研究センターの大曲貴夫氏は、この増加率が続くと11日には週平均の新規感染者数が6129人、2週間後の18日には1万909人に増えるとの試算を示し、「都民の1千人に1人が毎日感染する計算になる。この危機感を現実のものとして共有する必要がある」と訴えた。
都内の入院患者数は3399人(4日時点)と、前週よりも404人増加。過去最多だった3427人(1月12日)に迫りつつある。重症患者数も115人に上り、前週の80人から大幅に増えた。
保健所で入院先を決めきれず、都に入院調整が持ち込まれる件数(1日あたり)は450件と、前週の270件から大幅に増えた。都医師会の猪口正孝副会長によると、翌日以降に調整が繰り越されるほか、自宅での待機を余儀なくされている事例が多数生じているという。
感染者数の急増に伴い、全体の療養者数は2万9703人に上り、前週の1万6344人から急増した。特に自宅療養者数は1万4783人と前週から倍増。猪口氏は会議で「自宅での体調悪化を早期に把握し、速やかに受診できる仕組みのフォローアップ体制をさらに強化し、自宅療養中の重症化を予防する必要がある」と指摘した。
猪口氏はこの日の会議で、入院医療、宿泊・自宅療養の緊急時の体制について、患者の症状に応じた入院、転院を進めるため、コロナ患者向けの入院医療機関の役割を重症・中等症者向けと、中等症・軽症者向けとに明確化したうえで、宿泊療養施設に酸素吸入できる医療機器を配備するなどして、宿泊療養施設にも医療機能をもたせることを想定していると説明した。
会議では、感染力の強い変異株(デルタ株)について、都の検査に占める割合は7月25日までの1週間で64・6%に上り、前週の46・2%から置き換わりがさらに進んだことも報告された。
都内の主要繁華街での人出も落ちきっていない。会議で示された都医学総合研究所の調査結果によると、7月12日に4度目の緊急事態宣言が出た3週間後のレジャー目的の滞留人口は、宣言直前の1週間前と比べて、夜間が22・5%、感染リスクの高い深夜帯(午後10時〜午前0時)が20・8%減少した。ただ、直近1週間では夜間は前週比3・6%と微減にとどまり、昼間は横ばいで推移しているという。
同研究所の西田淳志センター長は「繁華街の滞留人口を減少させるとともに、人と人との接触を極力減らすためステイホーム率を徹底して高めていくことが必要」と指摘した。
小池百合子知事は会議で「お盆を控えているが、原則、旅行・帰省は中止または延期してステイホームを徹底してほしい」と呼びかけた。

●変異株、欧米も急増 新型コロナ感染2億人超 8/5
米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、新型コロナウイルスの累計の感染者が4日(日本時間5日)、世界全体で2億人を超えた。1月26日に1億人に到達してから半年余りで倍増した。感染力の強いインド由来の変異株(デルタ株)が猛威を振るっており、ワクチン接種が進んでいる欧米などでも感染者が急増している。
1日あたりの新規感染者数(7日間平均)は6月下旬から増加に転じ、世界は再び感染拡大の局面に入っている。死者は世界全体で425万人を超えている。
国別の累計感染者数を同大の集計でみると、米国(3533万人)が最も多く、インド(3176万人)、ブラジル(2002万人)、ロシアとフランス(627万人)と続く。
米国では成人の60・7%がワクチン接種を完了したが、デルタ株は接種完了者の間でも感染が広がることが判明。新規感染者数は再び増えており、特に深刻な南部フロリダ州では1日あたりの新規感染者数(7日間平均)が2日時点で2万2千人を超えた。CNNテレビによると入院患者数も1万1千人を超えて過去最多となり、集中治療室(ICU)の病床使用率は86・5%に達している。
世界保健機関(WHO)が発表した先週1週間(7月26日〜8月1日)の世界全体の新規感染者数は前週比で400万人超増加し、このうち南米・北米と欧州が計222万人と半数以上を占めた。前週比37%増だった中東・北アフリカを管轄する東地中海地域事務局管内と同33%増だった日本を含む西太平洋地域事務局管内の拡大が目立つ。
デルタ株は135カ国・地域に拡大。182カ国・地域で確認された英国由来のアルファ株に取って代わる勢いで広がっている。

●「経験したことがないような桁違いな増加」8県にまん延防止、分科会が了承  8/5
政府は5日、新型コロナウイルスの感染が広がっている福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の8県に「まん延防止等重点措置」を適用することを決める。また、感染拡大地域での療養方針を巡り、田村厚生労働相は同日、「中等症患者は原則入院」との見解を示した。
政府は5日午前、専門家でつくる基本的対処方針分科会を開いた。8県に重点措置を適用する案を提示し、了承された。同日午後に政府対策本部(本部長・菅首相)を開き、正式決定する。8県への重点措置の適用期間は8日から今月31日まで。
重点措置の適用地域では、飲食店に午後8時までの営業時間短縮要請に加え、原則として酒の提供停止を求める。「感染が下落傾向にある場合」に感染対策など一定の要件を満たす場合に限り、知事の判断で午後7時まで酒の提供を認める。
基本的対処方針分科会であいさつする西村経済再生相(5日午前、東京都千代田区で)=高橋美帆撮影基本的対処方針分科会であいさつする西村経済再生相(5日午前、東京都千代田区で)=高橋美帆撮影
西村経済再生相は分科会で、「新規陽性者数が、経験したことがないような、極めて速い、桁違いな増加をしている」と述べた。
8県では、新規感染者数が静岡、愛知を除く6県で、国の指標で最も深刻な「ステージ4」に相当する。

田村厚労相は5日午前の参院厚生労働委員会の閉会中審査で、新型コロナウイルスの感染拡大地域に適用する新たな療養方針では、中等症患者は原則入院との基準を強調した。
田村氏は「中等症は原則入院」と明言したうえで、「医師が比較的重症化リスクが低いと判断した方は自宅で対応いただく」と説明した。
新療養方針を巡っては、政府の説明不足から「中等症でも入院できない」との見方が一時広がり、与党内からも「方針を見直すべきだ」などの反発が出ていた。このため、田村氏は入院に関する基準を明確化することで、軌道修正を図ったとみられる。

●重点措置8県追加を諮問 政府、分科会に「けた違いな増加」 8/5
政府は5日午前、新型コロナウイルスの基本的対処方針分科会を開き、コロナ特措法に基づく「蔓延(まんえん)防止等重点措置」の適用対象に福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の8県を追加する方針を専門家に示した。期間は8日から31日まで。了承が得られれば衆参両院への報告を経て、夕方の政府対策本部で決定する。
分科会で西村康稔経済再生担当相は、感染者数について「全国多くの地域でこれまで経験したことがないような、極めて速いけた違いな急速な増加をしている」と危機感を表明した。
感染力の強いインド由来のデルタ株の蔓延や、クラスター(感染者集団)が百貨店や理美容、学習塾など従来みられなかった場所でも発生している状況に言及し、「これまで以上に人と人の距離をとらなければいけない」と強調した。外出は少人数とし、買い物は混雑する時間帯を避けることや、帰省や旅行を極力控え、やむを得ない場合も事前に検査を受けることなどを呼び掛けた。
重点措置では緊急事態宣言に準じた措置を取ることができる。適用地域では原則として飲食店に酒類提供の停止を要請し、知事の判断で、一定の条件を満たした場合に限り午後7時までの提供も可能とする。
重点措置の適用対象は現在の北海道、京都、福岡など5道府県から13道府県に拡大する。緊急事態宣言は埼玉、千葉、東京、神奈川、大阪、沖縄の6都府県に発令されている。

●青森でもデルタ株の疑い、急増 8/5
青森県は4日、7月の陽性判明者27人、8月の陽性判明者1人から、デルタ株とみられる「L452R」の変異ウイルスを検出したと発表した。L452Rの感染者の割合は、県の推計を含めると、7月で少なくとも32%、8月で少なくとも44%を占める。
県感染症対策コーディネーターの大西基喜医師は県内の感染状況について、▽7月下旬から感染者が増加▽県外由来や感染経路不明の感染者が全域で増加▽若年者の感染が目立つ▽デルタ株の割合が急増している――などと指摘。「従来株では考えられない増え方で、県内も8月中にはデルタ株に完全に置き換わるだろう。学校が始まると急激に増加する可能性がある」と危機感を示した。
また海外の事例からデルタ株に対するワクチンの効果が低下しているとして、「重症化予防は認められるようなのでワクチンは必要だが、打っても感染対策を取ってほしい。個人の防御はもちろん、イベントを含めた人が集まる機会を減らすことが必要」と話した。
県は4日、16人の新型コロナウイルス感染を確認したと明らかにした。八戸市の40代男性は市内の運動施設で感染したとみられ、これまでに陽性が判明している4人と合わせ、県はクラスターが発生したと判断。市内の小学校で発生したクラスターとも関連があるという。

●まん延防止、熊本市を対象区域に 8/5
熊本県の蒲島郁夫知事は5日、政府が新型コロナウイルス「まん延防止等重点措置」の適用を決めたことを受け、感染者増加が著しい熊本市を対象区域とする意向を明らかにした。県が感染対策の徹底を確認した「認証店」を含む市内全ての飲食店に対し、酒類提供の終日自粛や午後8時までの営業時間短縮を要請する。期間は8日から31日まで。

●専門家組織「経験したことない感染拡大」 九州、全国上回る増加率 8/5
新型コロナウイルス対策を厚生労働省に助言する専門家組織は4日、会合を開き、全国で新規感染者数の過去最多が相次ぐ感染状況を「経験したことのない感染拡大が続いている。重症者数も急速に増大し、死亡例も増加に転じる可能性がある」と分析した。緊急事態宣言が6都府県に出されているが、感染力の強いインド由来デルタ株の猛威は収まらず、さらなる感染拡大に強い危機感を示した。
会合で示された資料によると、3日までの直近1週間の感染者数は、前週に比べて全国で2・09倍に増えた。特に九州の増加ペースが加速しており、大分3・60倍▽佐賀3・56倍▽熊本3・01倍▽福岡2・79倍▽長崎2・77倍▽宮崎2・50倍▽鹿児島1・98倍−と、6県で全国の増加率を上回った。東京は1・89倍で、感染急拡大が地方に広がっている実態がうかがえる。
会合では、全国の新規感染者数も報告された。3日までの直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、沖縄が約179人、東京が約167人、神奈川が約102人と、3都県が100人を超えた。九州でも、福岡が約59人、熊本は約28人で、ステージ4(爆発的感染拡大)相当の25人以上を上回った。
首都圏や沖縄県では医療提供体制が逼迫(ひっぱく)している。東京都では20〜50代を中心に入院者が増え、特に40〜50代で人工呼吸器や人工心肺装置を使う重症者が増加。病床使用率は50・4%(2日時点)、重症者用病床の使用率は69・6%(同)に達する。熱中症などで救急搬送が増える中、一般医療の制限も発生している。沖縄県でも病床使用率が74・9%(同)、重症者用病床の使用率が74・7%(同)と厳しい状況にある。
一方、九州では病床使用率が福岡県で25・3%(1日時点)、熊本県では29・3%(2日時点)。ともにステージ3(感染急増)の目安20%以上を上回るが、首都圏や沖縄県に比べると、まだ余裕がある。こうした地域に遅れて、九州でも病床が不足することが懸念されている。
背景には、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などの対象地域では、人出が減少傾向にあるものの、感染抑制につながっていない実情がある。その原因とみられるデルタ株は九州でも置き換わりが進み、福岡県の新規陽性者に占める割合は85%(2日時点)に上ると国立感染症研究所は推計している。
会合では感染者の入院を制限する政府の新たな方針も議論された。記者会見した座長の脇田隆字国立感染症研究所長は「重症者や中等症でも重症化リスクの高い人が確実に入院できる体制を確保しつつ、訪問看護やリモート診療などの医療資源を最大限に活用し、重症化に迅速に対応できる体制の整備が必要だ」と語った。

●東京都で連日感染者数最多…“五輪ドンチャン騒ぎ” に「政府の無策」批判 8/5
8月5日、東京都内で新たに新型コロナウイルスの感染が確認された人は5000人を超え、過去最多となる見通しだという。NHKが報じている。
東京都内は4日も4166人の新規感染者が確認され、過去最多を更新したばかり。しかし、5000人を超えるともなると、約1000人増の更新となる。
五輪が始まってから、感染者は増加の一途をたどる。小池百合子都知事をはじめ、政府はワクチンの接種を励行しているが、菅義偉首相が掲げた「安心・安全の五輪」には程遠い状況だ。
「現在は緊急事態宣言下で、飲食店の営業時間も制限されています。しかし、五輪中継などを深夜まで放送する飲食店も……。サッカーの準決勝・日本対スペインがおこなわれた8月3日は、渋谷が大勢の若者で賑わっていたといいます」(スポーツ紙記者)
ネットでは、緊急事態宣言下でも五輪に盛り上がる若者を批判しつつ、政府の “無策” ぶりに厳しい声が寄せられている。
《そりゃ何回も緊急事態宣言出してたらこうなるよ。みんなの気が緩んだ時に五輪なんてやるんだもん》
《自粛してないことは批判されるべき。ただ、それ以上にあまりにも政府が無策すぎる。ワールドカップで毎度のように渋谷でドンチャン騒ぎが起こることは政治家も知っているはず。何か防御策考えられなかったのかな?》
《五輪後も感染者は跳ね上がるばかりでしょうね。あと何回緊急事態宣言が発令されることやら》
“お祭り騒ぎ” に関わっていない人でも、感染している人はたくさんいる。政府には迅速かつ誠実な対応を求めるばかりだ。

●まん延防止等重点措置 8県を追加 今月8日〜31日 政府が決定  8/5
新型コロナウイルス対策で、政府はまん延防止等重点措置の適用地域に福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の8県を追加し、期間は今月8日から31日までとすることを決めました。
政府は5日夕方、総理大臣官邸で新型コロナウイルス対策本部を開き、菅総理大臣のほか西村経済再生担当大臣や田村厚生労働大臣らが出席しました。
そして感染状況の悪化を受けて「まん延防止等重点措置」の適用地域に福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の8県を追加し、期間は今月8日から31日までとすることを決めました。
これによって重点措置の適用地域は北海道、石川、兵庫、京都、福岡の5道府県から、13道府県に拡大されることになります。
政府は、重点措置の適用地域では飲食店での酒の提供を原則、停止するなどの対策を徹底するとともに、医療提供体制の確保に取り組むことにしています。
そして、変異ウイルスの広がりに危機感をもって対応する必要があるとして、国民に対し基本的な感染対策の徹底のほか不要不急の外出の自粛や、お盆の時期の帰省や旅行は極力控えることなどを粘り強く呼びかけることにしています。
菅首相「経験したことのない感染拡大」
菅総理大臣は政府の対策本部で「首都圏をはじめ多くの地域でこれまでに経験したことのない感染拡大が進んでいる。感染力の強い『デルタ株』への置き換わりが急速に進み、東京では9割に達し、多くの地域で7、8割に達していると言われている。感染者数の急速な増加に伴い、これまで低く抑えられていた重症者数も増加しつつある」と指摘しました。そのうえで、まん延防止等重点措置の適用地域では飲食店での酒の提供を原則停止し、テレワークの実施や不要不急の外出自粛を徹底する考えを強調しました。そして菅総理大臣は「『デルタ株』は従来と比較にならない感染力を持つと言われており、国民の皆様には感染リスクに特に注意して行動し、夏休み期間も不要不急の外出や帰省、旅行は極力控えていただくようお願いする」と述べました。
前週との比較で分かる急拡大
新型コロナウイルスの新たな感染者は、5日に全国で1万5000人を超えて1日の発表としては過去最多となるなど、連日、過去最多を更新しています。4日までの1週間の全国の新規感染者数は、前の週と比べて1.96倍と、急激に増加しています。今回、新たにまん延防止重点措置の対象地域に追加される8県でも、福島県で2.28倍、茨城県が2.28倍、栃木県で2.16倍、群馬県で3.40倍、静岡県で1.72倍、愛知県で1.97倍、滋賀県で2.53倍、熊本県で2.65倍と1週間前の2倍前後、なかには3倍を超えているところもあり、感染が急拡大していることが分かります。
人口10万人あたりの感染者数は
また、現在の感染状況を人口10万人あたりの直近1週間の感染者数でみてみると、福島県が33.42人、茨城県が49.69人、栃木県が45.86人、群馬県が43.31人、静岡県が25.41人、愛知県が23.56人、滋賀県が29.56人、熊本県が32.15人となっていて、感染状況が最も深刻な「ステージ4」の目安の25人を超えるか、それに迫る数字となっていて、感染状況が悪化していることを示しています。
西村経済再生相 “全国で経験ない桁違いの感染拡大”
西村経済再生担当大臣は5日午前に開かれた「基本的対処方針分科会」のあと記者団に対し「全国に緊急事態宣言を出すくらい非常に厳しい状況にあるというご意見をいただいた。これまで経験したことのない桁違いの感染拡大であり、対策を徹底していく必要があるという強い危機感を共有した」と述べました。そのうえで「まん延防止等重点措置になる地域では、地域をかぎってではあるが酒類やカラオケの停止など緊急事態宣言と同等の厳しい措置をお願いすることになる。新規陽性者の数を抑えないと医療提供体制の負荷が高まっていくので、都道府県と連携して対策を徹底していきたい」と述べました。
尾身会長「全国に緊急事態宣言の意見も」
「基本的対処方針分科会」の尾身茂会長は会合のあと報道陣の取材に応じ、まん延防止等重点措置の適用地域に8県を追加するとした政府の方針を了承したと述べました。そのうえで「基本的に賛成はしたが一部の委員からは感染状況が下火にならない今の危機的な状況で、多くの市民に危機意識を共有してもらうためにも全国を対象にした緊急事態宣言を出すべきという意見もあった。ただ、宣言が出ている地域でさえ必ずしも接触の機会が減ったり人出が下がっていたりするわけでもなく十分な効果が出ていない。しっかりとメッセージを出し、対策をしなければ単に宣言の対象地域を拡大してもしかたがないという考えもあった」と説明しました。また、尾身会長は取るべき対策について「ワクチン接種を進めることには議論の余地がない。また、少しでも具合が悪くなったら遠慮せずに検査をできる体制をつくるため、検査のキャパシティーを徹底的に強化することも重要だ。さらに医療関係者にもう一歩の努力をしてもらい、訪問診療の強化などを進めてもらう必要がある。こうした対策を進め政府にはわかりやすく納得感のあるメッセージを出してもらわなければいけない。感染がどんどん拡大している状況に歯止めをかけないと、ロックダウンのような対策を可能にする法整備さえ議論しなければならなくなってきてしまう」と述べ、強い危機感を示しました。
公明 山口代表 “医療体制保持など政府を挙げ対応を”
公明党の山口代表は党の中央幹事会で「デルタ株が猛威をふるいつつある状況なので、医療体制をしっかり保持しワクチン接種も着実に進めていけるよう政府を挙げて対応にあたってもらいたい。政府・与党として国民の不安を解消し、期待に応えられるよう全力を挙げていきたい」と述べました。

●西浦博・京大教授 新型コロナ感染爆発と医療逼迫の危機 8/5
新型コロナウイルスの感染が急加速しています。新規感染者が1週間で倍増する流行はどこまで広がるのか、医療体制は維持できるのか、新たな懸念点はどこにあるのか。数理・統計モデルを使った感染症数理疫学が専門の西浦博・京都大学教授に聞きました。
――全国の新規感染者数が1日1万人を超える日が続いています。今後、感染者数はどう推移していくのでしょうか。
西浦 すでに流行が始まっているのは緊急事態宣言やまん延防止等重点措置となっている首都圏や近畿圏、福岡県、北海道といった大都市圏です。東京都や大阪府などでは1週間で感染者が2倍に増えるといった、これまでにみたことのないようなスピードで流行が拡大しています。愛知県はまだ対象外ですが、感染者が急増しており、流行が始まるのは確実とみられます。大都市圏以外でも流行が始まる兆しがみえています。東京との人の行き来が多い茨城県や群馬県ではすでに感染者がかなり増加していますし、石川県、新潟県などの北陸地方、広島県や岡山県といった中国地方でも増加局面に入ってきています。
――第4波は大阪から全国に広がりました。今回は東京から全国に広がっていっているとみられますか。
西浦 そうですね。まず都内で、ウイルスが、これまでより感染性の高くなった「デルタ株」への置き換わりが進みました。感染性は感染しやすさのことです。都内で増えたデルタ株が各地に波及し、地方で起きたクラスターは、ほぼ100%デルタ株によるものになってきています。
――東京の感染者数の今後の変化について、7月28日の厚生労働省の専門家会議では3種類のシミュレーションを提示しておられました。どのシナリオで増えていきそうですか。
西浦 東京では1週間で感染者数が2倍になっています。残念ながら、1人の感染者が何人に感染させるかという「実効再生産数」もほぼ2に近くなっています。このままのスピードで感染が拡大すれば、8月中にも都内の1日の新規感染者数が1万人を超えるような、実効再生産数1.7のシナリオよりさらに急速に流行が拡大する恐れがあります。
――なぜこのようなスピードで感染が拡大しているのでしょうか。
西浦 人の流れが思ったように減らないという要素もありますが、主にはデルタ株が原因だと考えています。デルタ株は既存のウイルスに比べ、一定期間内の感染者の増加速度を押し上げます。既存のウイルスがデルタ株に置き換わると、どこの国でも急峻(きゅうしゅん)に感染者数が増えています。まだ置き換わりの途中だと考えられますので、このままの対策では、しばらく継続的に感染者が増えていくと思います。
――第4波では、大阪で医療崩壊が起きました。医療崩壊の影響の受け方が、感染者の年代によって異なるそうですね。
西浦 4月以降5月上旬にかけ、大阪府内では感染者が爆発的に増え、医療崩壊しました。第4波で亡くなった方が大阪で約1200人いましたが、そのうちの2桁台の感染者は自宅で亡くなり、900人は入院中に人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO)を装着せずに亡くなりました。ベッドがいっぱいで入院できないか、あるいは、入院はできたものの、人工呼吸器などや医療従事者が不足していたりして積極的治療ができずに亡くなった感染者がかなりいたということです。ところで、この期間の年代別の重症者数と重症化率をみると、重症患者の実数は全年代で増えているのに、重症化率は、40代や50代では上がっているのに対し、60代以降は逆に下がっています。これをどう解釈するか。重症化の最大リスクは年齢ですから、自然に60代以降の重症化率が下がったとは考えられません。大阪の場合、自力では十分に呼吸できず、人工呼吸器などをつけるために気管に挿管した人や、集中治療室(ICU)での治療を受けた人を「重症」として数えています。ですから、60代以降、とくに重症化率の低下割合の大きい80代以降は、積極的な治療を受けることができないまま看取(みと)らざるを得なかった感染者が相当いた、つまり「命の選択」が起きていた可能性があると解釈するのがもっとも自然ではないでしょうか。
――東京など首都圏でこのまま感染者が増え続けると、第4波の際に大阪で起きたような医療崩壊が起きるのでしょうか。
西浦 第4波の大阪とはだいぶ異なった状況になると思います。いま、重症化リスクのもっとも高い高齢者の8割近くが2回のワクチン接種を終えました。そのお陰で、第4波の大阪ほどは重症患者が急増していません。一方で、中等症や軽症の患者さんのために確保してある一般病床(コロナ一般病床)が逼迫しており、なかなか入院できなくなっています。すると中等症や軽症の感染者の早期治療ができなくなり、重症化を防ぐのが難しくなります。ワクチンの効果とは別に、昨年に比べて重症化する人が減っている背景には治療の進展があるからです。中等症の場合、「レムデシビル」(抗ウイルス薬)や「デキサメタゾン」(ステロイド剤)を使うことでかなり重症化を防ぐことができます。また、軽症患者にも使える薬が登場しました。菅義偉首相が会見で「(軽症者や中等症者の)重症化リスクを7割減らす画期的な治療薬」と紹介した、「カシリビマブ」と「イムデビマブ」という2種類の中和抗体を組み合わせた「抗体カクテル療法」で、先月19日に特例承認されました。しかしいずれも点滴などで投与するため、入院していないとほぼ使えません。医療が逼迫して早期入院ができなくなると、ワクチン接種率が高齢者より低く、高齢者に次いで重症化リスクの高い40〜50代の中で、重症化する人が増えてくる恐れがあります。
――猛暑日が続く中、とくに高齢者が重症化しやすい熱中症も増えてきています。医療の逼迫により新型コロナウイルス以外の病気の治療への影響も心配されています。
西浦 コロナ一般病床は、日々の救急医療を担っている総合病院の救急に確保されていることが多いので、ここの病床が逼迫すると、コロナ以外のあらゆる救急診療も逼迫してくる恐れがあります。季節柄多い、熱中症患者さんの中でも、高齢者で症状の重い方は、発熱を伴うなど新型コロナウイルスとの見分けが難しいことが少なくありません。しかも、高齢の方はかなり重くなるまで自覚症状のない場合が少なくなく、早急に手当てをしないと命にかかわることもあります。一方で、乳幼児に多い、RSウイルス感染症が、6月下旬以降、3週連続で過去最多の感染者数を更新し続けています。こちらも発熱や咳(せき)といった症状が出るため新型コロナウイルスとの鑑別が難しいです。しかも、初めて感染した乳幼児は症状が重くなりやすく、肺炎や気管支炎を起こすことも少なくいません。とくに1歳未満の乳児の肺炎の約半分はRSウイルス感染症が原因だとみられています。こういった、新型コロナウイルス感染症との見分けが難しい患者が増えている中で、救急医療が逼迫すると、数字に表れる以上の影響が出る恐れがあります。救急隊が搬送先を探す際に、新型コロナウイルス感染症の疑いがあるというだけで搬送を断られる可能性が高くなり、なかなか搬送先を見つけられずに、ふだんより搬送に時間がかかり、その結果として次に救急搬送が必要な人のところに行く時間が遅れる、という事態が生じます。コロナ一般病床に余裕があれば、新型コロナウイルス感染症との鑑別が難しい患者さんも受け入れてもらえますが、コロナ一般病床が逼迫するとそれが難しくなるために、もっと早く病院に搬送され、適切な診断を受けて、治療を受けていれば助かった熱中症の方やRSウイルス感染症の子どもへの治療が手遅れになるという状況に陥りかねません。

●「どこで感染してもおかしくない」 感染者5000人超に危機感 東京 8/5
東京都が発表した新型コロナウイルスの新規感染者数が初めて5000人を超えた5日、都内では感染拡大の速さに「怖い」「どこで感染してもおかしくない」と懸念する声が聞かれた。
東京・銀座を訪れていた港区の自営業松井明美さん(63)は「怖いことだ。もう止まらないと思う」と危機感をあらわに。重症化リスクの低い患者は自宅療養を基本とする政府の新方針についても「かなりひどい話。政府が国民を守っていない形が表れている」と憤った。
千葉県流山市のスタイリストの女性(64)は「ペースがすごく速い。身近に迫っていて、どこで感染してもおかしくない」と不安を口にした。
若者や家族連れでにぎわうJR原宿駅周辺。世田谷区の大学生上田鈴花さん(21)は感染者数が5000人を超えたことに「本当ですか」と驚きを隠せない。2回目のワクチンを打ち終わったら遠出しようと考えていたというが、「さすがに怖いので行くかどうか考えます」と話した。一方、友人と買い物に来た渋谷区の会社員の女性(24)は「いずれ超えると思っていた。特に驚きはない」と淡々と語った。 

●東京都 新型コロナ 過去最多の5042人感染確認 5000人超は初  8/5
東京都内では5日、一日の発表としてはこれまでで最も多い5042人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。5000人を超えるのは初めてで、2日連続で過去最多を更新しました。また都は感染が確認された1人が死亡したことを明らかにしました。
東京都は5日、都内で新たに10歳未満から100歳以上までの男女合わせて5042人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。一日の発表としては、これまでで最も多かった4日の4166人を上回り、初めて5000人を超えました。過去最多を更新するのは2日連続です。5日の5042人は、1週間前の木曜日から1177人増えています。5日までの7日間平均は3646.9人で、前の週の164.0%となりました。
都の専門家は「これまで経験したことのない爆発的な感染拡大だ」として、強い危機感を示しています。
都の担当者は「相変わらず若い世代の感染者が多いが、『自分は感染しても症状が軽いから大丈夫』などと考えている若者が多いという印象がある。若者でも重症化する可能性があり、最悪の場合、自分が感染して、うつした相手が亡くなる可能性もあることまで考えて、基本的な対策の徹底を心がけてほしい」と呼びかけています。
5日の5042人のうち感染経路がわかっている1799人の内訳は、「家庭内」が最も多く1125人、「職場内」が284人、「施設内」が116人、「会食」が72人などとなっています。
東京オリンピック関連では、外国人が委託業者1人、競技関係者1人、メディア1人、日本人が委託業者2人、競技関係者1人の、合わせて6人の感染が確認されました。
これで都内で感染が確認されたのは23万6138人となりました。
一方、5日時点で入院している人は4日より16人減って3383人で、「現在確保している病床に占める割合」は56.7%です。都の基準で集計した5日時点の重症の患者は4日より20人増えて135人で、重症患者用の病床の34.4%を使用しています。重症の患者が130人を超えるのはことし2月1日以来です。また都は、感染が確認された60代の男性1人が死亡したことを明らかにしました。これで都内で死亡した人は2302人になりました。
一日の感染者数5000人超とは
東京都で新型コロナウイルスへの感染が確認された人が5日、一日の発表としては初めて5000人を超えました。新型コロナウイルスの感染が始まってから1年半以上がたつ中で、一日に発表される新規感染者数が5000人を超えたのは全国でも5日を含めて47日間しかなく、東京都という1つの自治体だけで5000人を超える事態になったのは初めてで、現在の感染拡大がこれまでにない規模になっていることを示しています。全国で一日に発表される新規感染者数が初めて5000人を超えたのは感染の第3波のことし1月6日で、第3波では1月22日までに5000人を超えたのは14日間でした。また、感染の第4波では4月21日から5月21日までの間に21日間、感染の第5波では先月22日以降、5日も含めて12日間となっています。東京都では現在、検査を受けた人のうち陽性と判定される陽性率が20%を超え、これまでにない感染拡大を示す状況になっていますが、先週後半からは夜間の人出が増加に転じていて厚生労働省の専門家会合は当面は感染拡大の継続が避けられないとしています。
「L452R」変異ウイルス 過去最多2444人確認
東京都は5日、都内で1日の発表としてはこれまでで最も多い2444人がインドで確認された「L452R」の変異があるウイルスに感染していることを確認したと発表しました。また、陽性と確認された割合は初めて80%を超えて82.4%となり、これまでで最も高くなりました。5日の2444人のうち感染経路がわかっているのは487人で、家庭内が284人、職場内が70人、会食が32人、施設内が7人などとなっています。これでこの変異ウイルスへの感染が都内で確認されたのは、1万2768人になりました。
小池知事「デルタ株は非常に厳しい」
5日、都内で過去最多の5042人の感染が確認されたことについて、東京都の小池知事は、都庁で記者団に対し「準備はしていたが、デルタ株は非常に厳しい。一般の方々の会話の中でも『知り合いが感染した』といったことが交わされるようになっており、自分事として捉えていただく以外にない。改めて注意喚起をしっかりしていきたい」と述べました。
厚生労働省幹部「想像を超える感染力」
厚生労働省の幹部の1人は「これまではワクチン接種さえ進めばどうにかなるというイメージだったが、デルタ株の感染力が当初の想像を上回っていて2週間たたずに都内の1日の新規感染者が1万人を超えてくることも十分に考えられる。国民の行動が大きく変わらないかぎり、欧米の一部のように接種を事実上義務化するか、ロックダウンのような強い対策を取ることも検討しなくてはならない状況だ」と話していました。ほかの幹部は「新規感染者の数が倍、その倍というような増え方をしていて恐怖を覚えるスピードだ。専門家が示すどのデータを見ても感染者が減る要素がなく、今までがまるで練習だったように思えるほど全く次元の違う段階に入ってきたと受け止めている。当分は家族など身近な人にしか会わないなど、一人一人に対策を強化してもらう以外打つ手がない」と話しています。また、別の幹部は「この状況を重く受け止めている。確保できる病床には限界があるので感染が拡大する元を絶たなければならない。ただ、国民に対して何をするのもだめだと伝えても理解は得られないので、感染リスクが特に高い行動に絞って自粛を求めるなどメリハリをつけて呼びかけていくしかない」と話していました。

●都内の重症病床“感染拡大続けば今月中に満床”西浦教授ら試算 8/5
東京都の新型コロナウイルスの今後の感染状況について、京都大学の西浦博教授のグループがシミュレーションを行い、このまま感染拡大が続けば、今月中には都内の重症病床がいっぱいになるおそれがあるとする結果を公表しました。
これは、西浦教授が4日、厚生労働省の専門家会合で示したものです。グループは、感染拡大が続いた場合、東京都の1日の新規感染者数がどうなるかについて、前の週の同じ曜日と比べて何倍になっているかのデータを使って今月2日時点で試算を行いました。その結果、増加のペースを最近のデータに合わせて「1.7倍」とした場合、今月12日には1日の感染者が1万人を超え、今月26日には3万人を超えるという計算となりました。また、これより高いペースだった先週の「2.2倍」が続いた場合は今月17日に3万人に達するという計算になったほか、逆にペースが落ちて「1.2倍」となった場合でも来月4日には1万人を超えるという結果になりました。
病床のひっ迫状況についても試算を行っています。試算では1人が何人に感染させるかを示す実効再生産数を、感染力の強いデルタ株の影響を考慮していまより高い「1.7」と想定し、東京都の今後の重症者数の推移を計算しました。その結果、実効再生産数の減少が10%にとどまると仮定した場合、重症患者の数は8月20日におよそ399人となり、都が確保している392床を超える計算となりました。また、ことし4月からの緊急事態宣言と同等の効果として実効再生産数が30%減少となった場合でも重症患者の数は増え続け、8月中旬には都が確保している重症病床の50%に達し、9月6日には400人を超える結果となりました。一方、実効再生産数を50%減少させることができた場合は、重症患者の数は150人を超えることはありませんでした。西浦教授は「オリンピックが開催される中、行動の自粛を求めるのは矛盾があり、メッセージが届きにくく人流が十分に減っていない。人と人との接触を減らして、感染者数を一気に減らさないといけない状況だ」と話しています。

●「1000人に1人が毎日感染」東京で新規感染5000人超 8/5
まん延防止等重点措置の対象地域の拡大が決定されました。追加されたのは福島・茨城・栃木・群馬・静岡・愛知・滋賀・熊本で、期間は今月8日から31日までです。酒類の提供停止など、緊急事態宣言と同様の厳しい措置が要請されます。新型コロナ感染拡大のピークはいまだみえません。新規感染者数は5日、首都圏のほか、熊本・沖縄で過去最多を更新。全国でも1万5000人を超え、過去最多となりました。
東京や大阪では、大規模商業施設で数十人規模の感染が発生しています。伊勢丹新宿店では、先月29日から今月4日までに81人。若者が多く訪れるルミネエスト新宿では、先月22日から今月4日までに72人の感染が発覚しました。大阪の阪神梅田本店では、先月26日から今月4日までに138人の感染が明らかになっています。伊勢丹新宿店と阪神梅田本店では、食品売り場の従業員の感染が目立ちました。専門家は地下街の危険性を指摘します。関西福祉大学・勝田吉彰教授:「人口密度・人流・換気、この3つです。デパートに買い物しに来る人たち、ターミナルを移動するなかで、ちょっと立ち寄って夕食を買う人たち、通りすがる人たち、様々な属性を持った人すべてが通るのが地下街。その結果として生じる高い密度が原因」
東京都で確認された新規感染者は5042人で、2日連続で過去最多を大幅に更新しています。都のモニタリング会議の試算によりますと、今のペースで感染が拡大すると、2週間後には、感染者の7日間平均が1万909人に上るということです。国立国際医療研究センター・大曲貴夫医師:「およそですが、都民の1000人に1人が毎日感染する計算。この危機感を現実のものとして、皆で共有する必要がある」政府が今週打ち出した“入院制限”とも指摘される方針転換を受け、東京都が、退院の基準を変更していたことが分かりました。関係者によりますと、都は4日、入院患者について、医師の判断で自宅療養や宿泊療養に移すよう、病院に伝えたということです。ただ、自宅療養者が増えれば、体調が急変しても適切な医療が受けられない懸念が強まります。立憲民主党・石橋通宏参院議員:「救える命が救えなくなるでしょ、自宅療養で。そのことを皆さん心配しているんじゃないですか」田村憲久厚生労働大臣:「東京だって医療に携わる方々のマンパワーは限界がある。無尽蔵に生まれてこないんです。無尽蔵はあり得ませんから。今、現場も我々も必死になって色々なことを検討させて頂いている」
 
 
 

 

●「東京五輪は感染拡大の原因ではない」なぜ菅首相は明言できるのか 8/6
尾身茂会長「最も今までの中で重要な危機に直面」
8月2日、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県に「緊急事態宣言」が発令され、東京都と沖縄県に発令中の同宣言も延長された。北海道など5道府県に対しては「まん延防止等重点措置」が適用された。期間はいずれも2日から31日までである。これらは、7月30日に政府の新型コロナウイルス感染症対策本部会議で決まった。会議後、菅義偉首相は記者会見で、「首都圏や関西圏の多くの地域でこれまで経験したことのないスピードで感染が拡大している。病床が逼迫する恐れがある」と話し、東京オリンピック(7月23日〜8月8日)の開催については「感染拡大の原因になっていない」と強調しながらも、「自宅のテレビで声援を送っていただきたい」と国民に求めた。一方、記者会見に同席した新型コロナ分科会の尾身茂会長は「非常に急激な感染拡大に日本社会がどのように対応するのか。最も今までの中で重要な危機に直面している」と語った。菅首相は東京五輪と感染拡大は「無関係」と明言した。しかし、本当に関係ないのだろうか。
都内では「お酒が飲めます」と貼り出す飲食店も目立つ
都内ではオリンピック開催前日の7月22日に1979人の感染者を記録した後、27日(2848人)、28日(3177人)、29日(3865人)、30日(3300人)、31日(4058人)とうなぎ上りに感染者が増えた。全国でも感染者は増え、29日に10698人と1万人を突破し、30日(10743人)、31日(12340人)と1万人台が続いた。この感染者の急増は、オリンピックの開催で国民の気分が高揚して新型コロナに対する危機感が薄れた結果だと、沙鴎一歩は考えている。夏休みも重なり、人々は「世界中から何万人もの選手や関係者が集まってオリンピックをやるぐらいだから問題はないだろう」と判断されたのだろう。事実、五輪会場のオリンピックスタジアム(国立競技場、新宿区)の周辺では記念撮影に興じる人たちの姿が見られる。人が街中に繰り出すのに合わせて、都内では自粛を求められているアルコールを出す飲食店も目立つ。
デルタ株の感染力の高さで「局面が変わった」
五輪会場に足を運ばなくとも、自宅のテレビ観戦で日本の選手やチームが金メダルを獲得するシーンを目にすると、晴れ晴れしくなるし、彼らが「支えてくれたみんなのおかげです」と涙声で語ると、テレビを見ているこちらも思わず涙がこみ上げてくる。その意味でオリンピックは新型コロナ禍で落ち込んだ私たちの心に潤いを与え、癒やしてくれる。いい気分転換になる。しかし、世界最大の祭典である五輪は私たちを夢中にさせるあまり、危機感を喪失させる。直接的には「無観客」「バブル開催」で感染が避けられても、間接的には間違いなく感染の拡大につながる。五輪開催が感染拡大に無関係とは言えないはずだ。大切なのは、オリンピックに夢中になって失いかける危機感を保つバランス感覚だろう。物事には必ず、良い面と悪い面がある。五輪も同じである。厳しい状況の背景には、インド由来の変異ウイルス「デルタ株」(L452R)の感染力の高さがある。アメリカのCDC(疾病対策センター)によると、デルタ株の感染力は1人が5人〜9.5人に感染させる可能性があり、従来の新型コロナに比べかなり高い。空気感染する「水ぼうそう」のウイルスと同じぐらいの感染力に匹敵するという。さらにCDCは、重症化したり、死亡したりするリスクが高くなる傾向にあり、ワクチンを接種した人でも接種をしていない人と同じように感染を広げる可能性を指摘。「感染の局面が変わった」と注意を呼びかけている。
「行動変容につながるメッセージを打ち出せ」と朝日社説
7月31日付の朝日新聞の社説は「菅首相や小池百合子都知事は今こそ、専門家や医療現場の強い危機感を正面から受け止め、国民の行動変容につながるメッセージを打ち出さねばならない」と冒頭で主張し、最後にこう訴える。「根拠なき楽観を排し、言葉を尽くして現状を説明して国民に協力を求めるべき時だ。首相にその先頭に立つ覚悟があるのかが、問われている」見出しも「宣言地域拡大 根拠なき楽観と決別を」である。緊急事態宣言を出す感染状況のなかで、オリンピックを開催する。「楽観」というよりも異常である。菅首相には現状を一歩引いた鳥の目で俯瞰してほしい。朝日社説は指摘する。「政府は当初、新たな措置に慎重だった。感染者が増えても、ワクチン接種のおかげで、重症化しやすい高齢者は大幅に減り、重症者は抑えられているというわけだ。しかし、ここ数日の感染者の急増に押され、判断を一転させた。そのこと自体、現状認識や見通しの甘さを如実に示している」この朝日社説の指摘は正しいと思う。菅政権の現状認識と見通しは甘過ぎる。甘いから緊急事態宣言の地域の延長や拡大など小手先の対策しか取れないのである。どう考えても国民は緊急事態宣言に慣れ、緊張感には結び付かない。しかも感染の拡大につながるオリンピックまで開催してしまった。
菅首相は五輪開催国の義務と責任を自覚しているのか
続く8月1日付の朝日社説は「五輪折り返し 安全・安心を見直して」との見出しを掲げ、「問題は、持てる力を存分に発揮できる環境を、主催する側が物心両面で用意しているかだ」と指摘し、「パンデミック下で強行されたことで調整不足の選手が多く、記録は総じて低調だ。加えて周囲に感染者が出て、本番直前の練習の自粛を余儀なくされたというケースも出ている」と書く。パンデミックという非常事態のなかで開催されている東京五輪は、否応なしに今後のオリンピック史に残るだろう。多くの反対意見を押し切って開催した以上、菅政権は覚悟を持つべきだ。「持てる力を存分に発揮できる環境」を用意することは、開催国日本の義務であり、責任である。朝日社説は指摘する。「ウイルスが国外から持ちこまれるのも、日本から国外に広がるのも防ぐ。その約束はどこまで果たされているか。立派な行動規範をつくっても守られなければ意味がない。違反行為に対する罰則も含め、大会開催の条件とされたものがうやむやになってはいないか」東京五輪の開催に強く反対し、「中止の決断を首相に求める」(見出し)と5月26日付で掲載した朝日社説らしい指摘である。朝日社説は「他にも選手・関係者を乗せる専用バスの運行トラブルや弁当の大量廃棄など、招致時のアピールポイントだった運営能力や大会の理念そのものに疑問符がつくことが、開会後も相次ぐ」とも指摘し、最後にこう主張する。「祭典を開催する側の姿勢と責任は、最後まで問われ続ける」繰り返すが、菅首相には義務と責任を自覚してもらいたいと思う。
「新しい視点から実態に応じた手法に切り替えろ」と読売社説
7月29日付の読売新聞の社説は書き出しで「東京都で新型コロナウイルスの感染者数が過去最多を記録するなど、コロナ禍は重大な局面を迎えた。これ以上の感染爆発につながらぬよう対策を一層強化する必要がある」と主張し、こう呼びかける。「ただ、これまでと異なる特徴も表れている。冷静に状況を見極め、新しい視点から実態に応じた手法に切り替える時機ではないか」WHO(世界保健機関)がパンデミックを宣言したのが、昨年の3月11日。あれから1年半近くがたち、感染の状況は変化している。新たな局面に応じて対策を切り替えるのは当然である。読売社説はこれまでと異なる感染の特徴を挙げる。「感染者の中心は若年層で、都内では30歳代以下が全体の7割を占める」「ワクチンの接種が進む65歳以上は、感染者の割合が全体の3%程度で、コロナ禍が始まって以来の低水準にある。全体の重症者数も第3波の半分程度だ。死者数がゼロの日も増えている」「40〜50歳代の重症者が増え、病床の逼迫が心配されている」若者中心の感染増で、高齢者の感染が少なく、重症者数も抑えられているとは言え、楽観はできない。相手は人類が初めて遭遇した新型ウイルスである。感染者の数が増えれば、それに応じて重症者や死者の人数も増えてくる。この重症者と死者の増加は、感染者数の増加から遅れて現れるため注意が欠かせない。
重要なのは、影響を認めつつ、対策を検討することだ
「緊急事態拡大 緩みは五輪のせいではない」と見出しを立てた7月31日付の読売社説には驚かされた。東京オリンピックでの日本勢の快進撃を具体的に挙げた後、「気がかりなのは、新型コロナの感染状況だ」と書き、「一部には、こうした感染拡大と五輪開催を結びつける意見があるが、筋違いだろう」と指摘する。読売社説は無関係の根拠として「今大会は、感染防止を最優先に、大半が無観客で開催されている。これまで、競技会場や選手村で大きな集団感染は起きていない。無観客という苦渋の選択が奏功していると言えよう」と書くが、「無観客」は分科会の尾身会長ら専門家の求めであり、当初、菅首相は有観客に固執し無観客に反対していた。競技会場や選手村での集団感染についても本当に発生していないのか、疑問である。それに読売社説は、世界最大の祭典が人々の気分を高揚させ、危機感を喪失させる危険性については一言も触れていない。五輪は4年に一度の世界規模のイベントだ。それが行われていれば、軽はずみな行動が増えてしまうというのは仕方ない。重要なのは、影響を認めつつ、対策を検討することではないだろうか。

●デルタ株“1つの起点から全国拡大か” 国立感染症研究所が分析  8/6
国内でも主流になっている新型コロナウイルスの「デルタ株」について、国立感染症研究所が遺伝子のデータをもとにどう広がったか分析したところ、海外から首都圏に流入した1つの起点から全国に広がったとみられることがわかりました。
国立感染症研究所は、感染力の強い変異ウイルスデルタ株について、感染した人から採取したウイルスの遺伝子を解析してどう広がったか分析した結果を4日、厚生労働省の専門家会合に示しました。
それによりますと現在、全国各地に広がっているデルタ株の系統で最も初期のものは、ことし5月18日に首都圏で海外渡航歴がない人から検出されたウイルスだったと分かり、さらに調べると、これとよく似たウイルスが4月16日に空港の検疫で見つかっていたということです。
国立感染症研究所は海外から流入した1つの起点から首都圏を中心に拡大し、その後、全国規模で拡散したと推定されるとしています。
一方で、ことし5月ごろ関東や関西、中部、九州などで確認されていた、海外から流入したとみられるデルタ株のクラスターの多くは大きな感染拡大につながらず、7月初旬ごろまでにはほぼ収まったとみられるということです。
国立感染症研究所の脇田隆字所長は、「これまでの国内の流行でも、やはり1つの起点から全国に拡大していて、今回も同じことが起きている可能性がある」と話しています。
デルタ株 首都圏では感染全体のほぼ90%か
感染力が強い変異した新型コロナウイルス「デルタ株」は、首都圏ではすでに感染全体のほぼ90%、関西でも60%余りを占めるなど、急速に置き換わりが進んでいるとする推定の結果を、国立感染症研究所がまとめました。
国立感染症研究所が民間の検査会社7社の「変異株スクリーニング検査」のデータを基に、デルタ株でみられる「L452R」の変異が含まれたウイルスが、どれくらいの割合を占めているか推定した結果を4日、厚生労働省の専門家会合で示しました。
それによりますと、東京都ではデルタ株などがすでに90%、神奈川県、埼玉県、千葉県を含めた首都圏の1都3県でも89%を占め、今月下旬にはほぼすべて置き換わるとしています。
また大阪府、京都府、兵庫県の関西の2府1県では、先月上旬までは少ない状態でしたが、急速に広がって63%となっていて、今月下旬には80%を超えるとしています。
さらに沖縄県で89%、福岡県で85%などと、各地で置き換わりが進んでいて、入院患者が急増し、医療のひっ迫につながっていると指摘されています。
専門家会合の脇田隆字座長は「デルタ株は感染力が従来のウイルスの2倍程度で、従来と同じ対策を同じ程度の強さで講じても制御が困難だ。感染が急拡大している地域では人流を抑えるだけでなく、人と人との接触機会の削減を行うしかない」と話しています。

●「まん延防止措置」8県を追加 東京などへの「宣言」との対策の違いは? 8/6
新型コロナウイルス感染症対策として首相が発出する「緊急事態宣言」。昨年4月、そして今年1月、4月に続き、7月12日からは4回目となる宣言が発出されています。東京都、沖縄県に加え、8月2日からは首都圏3県と大阪府も追加。さらに8月5日には北海道や京都など5道府県で適用中の「まん延防止等重点措置」に愛知、静岡、熊本など8県を追加することが決まりました。ニュースでよく耳にする緊急事態宣言とまん延防止等重点措置とは、どのようなものでどんな感染防止対策が盛り込まれているのでしょうか。
Q:そもそも政府の「緊急事態宣言」って?
新型コロナウイルス感染症対策として首相が発出する「緊急事態宣言」。昨年4月、そして今年1月、4月に続き、7月12日からは4回目となる宣言が発出されています。東京都、沖縄県に加え、8月2日からは首都圏3県と大阪府も追加。さらに8月5日には北海道や京都など5道府県で適用中の「まん延防止等重点措置」に愛知、静岡、熊本など8県を追加することが決まりました。ニュースでよく耳にする緊急事態宣言とまん延防止等重点措置とは、どのようなものでどんな感染防止対策が盛り込まれているのでしょうか。
Q:対象地域はどこ? どう決まるの?
政府は宣言を出す際に(1)期間(2)区域(3)緊急事態の概要、をそれぞれ示す必要があります。宣言の内容や具体的な対策は「基本的対処方針」に記され、各都道府県はそれを踏まえて対策を実施します。宣言を出したり内容を変更したりする場合は、専門家らで構成する政府の「基本的対処方針分科会」(会長:尾身茂氏)に諮って意見を聞く手続きが必要です。
3回目の宣言は、4月25日に東京、大阪、兵庫、京都の4都府県を対象に発出された後、対象地域の追加や延長がなされ、6月20日には沖縄県を除いて東京、大阪など9都道府県で解除されました。
しかし、東京では新規感染者が再び増加に転じ、インド由来の「デルタ株」への置き換わりが進んでいたことなどから、解除から3週間後の7月12日に再発出されました。沖縄県とともに8月22日までが期限でしたが、東京で7月後半に連日3000人台を記録するなど急激な感染拡大が続いたため宣言を8月31日まで延長し、対象区域も埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県と大阪府まで拡大することになりました。現在、計6都府県で宣言が発出されています。
Q:今回の宣言ではどんな対策が取られるの?
今回の緊急事態宣言は、期間中に東京五輪(7月23日〜8月8日)をはじめ、4連休や夏休み、お盆が控え、人びとの移動や活動が活発になることが予想されるため、「先手先手で予防的措置を講じる」(菅義偉首相)ことを目的に発出が決まりました。
感染防止対策としては、3回目の宣言と同様に飲食店における酒類の提供を停止することが大きな柱です。具体的には、
酒類やカラオケを提供する飲食店に対して休業要請(それ以外の飲食店は午後8時までの営業時間短縮を要請)
床面積が計1000平方メートルを超える大型商業施設に対して午後8時までの営業時間短縮を要請
大規模イベントは上限5000人かつ収容率50%以下で開催要請
などの対策が盛り込まれています。
大型商業施設への対策をめぐっては、例えば沖縄県では土日中心の休業要請を行うなど、知事の判断で対策を上乗せすることができるとしています。
また、日中を含む不要不急の外出自粛や、不要不急の帰省・旅行など都道府県間の移動も極力控えることを求めています。やむを得ず外出する場合も、家族や普段行動をともにしている仲間と少人数で出かけることをや、混雑している場所や時間を極力避けることが強調されています。
Q:「まん延防止等重点措置」の対象地域は?
まん延防止等重点措置とは、緊急事態宣言を出す状況に至らないよう、急激な感染拡大が見られる地域に絞って集中的な対策を行う措置で、対象となった都道府県は、その都道府県内でエリアを指定し、飲食店への時短営業要請などを行うことができます。緊急事態宣言を解除した地域での適用も想定しています。
東京以外の埼玉、千葉、神奈川の首都圏3県と大阪府には8月22日まで重点措置が適用されることになっていましたが、この4府県は8月2日から緊急事態宣言に移行しました。同時に重点措置は北海道、石川、京都、兵庫、福岡の5道府県が対象になり、さらに8月8日からは福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の8県が追加。重点措置の対象区域は計13道府県となります。期間はいずれも8月31日までです。
Q:重点措置の地域ではどんな対策が取られるの?
重点措置の対象となった道府県内の指定エリアでは、飲食店に対して午後8時までの時短営業を要請します。さらに酒類提供は原則停止となります。ただし「感染が下降傾向」の状況で「一定の要件」を満たした店については、知事の判断で午後7時まで酒類提供を可能にするなどの対策の緩和が行えるとしています。
そのほか、日中も含めた不要不急の外出の自粛や、緊急事態宣言の地域との往来など都道府県間の移動を極力控えるよう求めています。

●コロナ感染者 1万5000人超 緊急事態宣言 全国へ拡大「考えていない」  8/6
新型コロナウイルスの新規感染者が初めて1万5,000人を超える中、菅首相は、全国に緊急事態宣言を出す考えがないことを示した。
5日、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者は5,042人。先週木曜日からおよそ1,100人増加し、初めて5,000人を超えた。
また、重症者は135人。新たに死亡が確認されたのは1人だった。
東京と隣接する4県などでも、新規感染者が過去最多に。
全国では1万5,259人の感染が確認され、初めて1万5,000人を超えた。
こうした状況を受け、政府は5日、5つの道府県に適用されている、まん延防止等重点措置について、新たに福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の8県を追加することを決定。
一方、すでに、まん延防止措置が適用されている福岡県では、感染者が2日連続で700人を超え、県は政府に対し、緊急事態宣言の適用を要請した。
福岡県・服部知事「今の陽性者の伸びは、今まで経験したことのない、感染の爆発的な拡大を示している」
全国で感染が急拡大する中、5日に行われた政府の分科会では、一部の専門家から「全国に緊急事態宣言を出した方がいい」という意見も上がったという。
菅首相「全国的に(宣言を出す)ということは考えていない」
一方、政府が公表したワクチンの接種回数は5日、9,800万回を超え、少なくとも1回目の接種を終えた人は全体の45.2%。
2回目の接種を完了した人は32.1%となっている。

●東京 コロナ感染者5000人超え 爆発的な感染拡大続く 8/6
東京都は5日、新型コロナウイルスの感染者が新たに5042人報告されたと発表した。4日の4166人を超えて2日連続で過去最多を更新し、初の5千人台に上って爆発的な感染拡大の傾向が続いている。直近7日間を平均した1日当たりの新規感染者数は3646・9人に上昇して過去最多。前週比は164%となった。入院患者や自宅療養者が急増し、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)が始まっている。入院患者のうち重症者は20人増の135人。
国内では新たに1万5263人の感染者が確認され、過去最多を更新。初めて1万5千人を超えた。東京以外に神奈川1846人、埼玉1235人、千葉942人、山梨67人、熊本127人、沖縄648人と、6県が過去最多を更新した。

●福島県、新型コロナ106人感染 いわき、福島のクラスター拡大 8/6
県は5日、県内で新たに106人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。4日に陽性と判明し、感染確認は延べ6222人となった。
いわき市が4日に発表した市内の児童施設のクラスター(感染者集団)で新たに児童1人の感染が確認され、クラスターは計7人に拡大した。福島市の遊技場でも新たに利用者2人の陽性が判明し、計8人となった。
106人の内訳は、いわき市56人、郡山市15人、伊達市8人、福島市と三春町各5人、須賀川市4人、南相馬市3人、喜多方市と二本松市各2人、田村市、国見町、小野町、広野町、富岡町、埼玉県各1人。36人の感染経路が不明。
4日現在の入院者数は重症11人を含む388人。162人が宿泊療養中で、自宅療養者は過去最多を更新する183人。102人が療養先調整中。同日までに29人が退院し、9人が宿泊療養施設をふk退所した。

●医療体制の逼迫「時間の問題」 福岡県、デルタ株感染拡大に焦り 8/6
新型コロナウイルス感染が急拡大している福岡県。5日には2日連続で700人を超える感染者が確認され、県は政府に4回目となる緊急事態宣言の発令を要請した。県の推計では週明けには確保病床使用率が5割を超える見通しで、医療提供体制逼迫(ひっぱく)の懸念も高まっている。
「今まで経験したことのないような感染の急拡大がみられ『デルタ株』の感染力により、病床が埋まる早さも加速度的になる恐れがある」。福岡県の服部誠太郎知事は5日の臨時記者会見で強い危機感を示した。
4日時点の確保病床使用率は33・6%だが、知事は「今の状況が続くと8月9日には50%以上の『ステージ4』(感染爆発)の段階に至ることが見込まれる」と説明。県独自の「福岡コロナ警報」を「警報」から「特別警報」に引き上げ、美術館や図書館などの県有施設を6日以降、順次閉鎖すると発表した。緊急事態宣言が発令されれば、県内全域で酒類を提供する飲食店に休業を要請し、それ以外の飲食店にも午後8時までに営業時間を短縮するよう求める方針だ。
「このままでは早晩、オーバーする」と危機感をあらわにするのは、福岡大学病院(福岡市城南区)の石倉宏恭・ECMO(エクモ)センター長。センターでは人工心肺装置「ECMO」で重症患者を治療するが、重症用ベッドは4床のうち1床、中等症用ベッドは8床のうち6床が埋まる。中等症用のうち男性用は満床だ。センターは急きょ一般病床を減らし、コロナ病床に転換することにした。
7月以降の「第5波」では患者の若年化が目立つといい、中等症の6人中40代以下が4人。「デルタ株」の拡大が要因とみられ、石倉センター長は「連休に人の動きが増えれば感染爆発する。救急医療への影響も避けられない」と危惧する。
深刻な感染拡大で医療が逼迫する沖縄県に6月14〜20日、支援に入った同センターの星野耕大(こうた)医師は「福岡が沖縄のようになるのは時間の問題だ」と話す。病床が不足する沖縄本島では入院できるようになるまで酸素投与しながら待機してもらう「入院待機ステーション」が公共施設に設置され、離島では患者を本島にヘリコプターで搬送せざるを得ないケースもあったという。
福岡県では患者の症状に合わせたトリアージ(優先順位付け)も喫緊の課題となっている。現状は、保健所が感染者から症状を聞き取って入院や宿泊療養、自宅療養のどれが適当か判断するが、福岡県内で入院先を調整する「新型コロナウイルス感染症調整本部」の本部長、上野道雄医師は「感染者数が増える中、トリアージが保健所に大きな負担となっている」と指摘。「特に中等症の患者をどう処遇するか判断するのは難しく、自宅療養となってもその後に容体が急変して病院に搬送されればそれだけ現場に負担がいく。かかりつけ医がトリアージに関われるような枠組みの構築が急務だ」と強調する。

●静岡県「まん延防止」初の適用 県東部と静岡・浜松を対象検討 8/6
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う「まん延防止等重点措置」の静岡県内初適用を受け、県は5日、感染が広がっている県東部と政令市(静岡市・浜松市)を対象地域にする検討に入った。県対策本部(本部長・川勝平太知事)は6日、本部員会議を開いて方針を決める。
県内の新規感染者数は4日、202人で初めて200人を超え、過去最高を更新した。このうち浜松市は54人で、市の過去最高になり、市独自の感染拡大警戒宣言を発令した。
まん延防止措置の県内への適用について、川勝知事は4日、「県の考え方とも一致する。国、市町と調整のうえ6日中には本部員会議を開催し、方針を決定する」とコメントを発表した。
県の専門家会議(座長、倉井華子・静岡がんセンター感染症内科部長)は、国の指標による警戒区分をステージ3(感染急増)から最も深刻な4(感染爆発)へ引き上げることで一致。専門家の意見を踏まえ、県はまん延防止措置か緊急事態宣言を国に要請する予定だった。
県によると、3日午後5時現在で自宅療養者は549人、入院などの調整中で自宅待機している人は156人。4日正午現在で、県内の宿泊療養施設(6施設、療養者用客室735室)に292人が入居している。
病床占有率(4日正午現在)は県全体で38・4%。地域別で東部53・8%、中部37・1%、西部27・3%に達している。また、新型コロナワクチンの接種を2回とも終えた人は3日現在で24・96%にとどまる。
県は7月29日から、全都道府県への不要不急の往来自粛を県民に求めている。会話しながらの食事は感染リスクを伴うため、同居の家族以外の人と食事をする際、「食事は黙って」「会話は必ずマスク着用を」と要請。全国的に中学校や高校の部活動での感染例があると注意喚起している。社員寮や共同生活の場で感染が拡大していることから、従業員が共同で利用する場所での感染防止対策の徹底を呼びかけている。

●さいたま市の感染者、爆発的に増加…前週の3倍超  8/6
埼玉県さいたま市の清水勇人市長は5日の定例会見で、新型コロナウイルスの感染が爆発的に増加しているとして、「これまでにない非常に強い危機感を持っている。入院患者の増加が続くと、一般医療への影響が増えると強く懸念している。帰省や旅行など県境をまたぐ移動を極力控え、家族以外の人との会食を避けてほしい」と呼び掛けた。
市保健所によると、市内居住者の感染者は3日現在、計1万1260人。先週1週間の新規感染者は1145人で、初めて千人を超え、前の週の3倍を超えた。清水市長は感染状況を踏まえ、保健所の体制強化を表明。看護師の資格を持つ職員2人を含む12人の職員を新たに配置して、約100人体制になるという。
東京五輪の開催が感染拡大に影響したかについて、清水市長は「人流の増加は開幕前から始まり、無観客開催のため大きな影響はない」とした。間接的な影響の有無を問われ、「つながっている側面もないわけではないが、家庭で見ている人もいるので、プラス面とマイナス面と両方がある」とも述べた。 
 

 

●過去最多、全国で1万5753人が感染 6県で最多更新 8/7
国内の新型コロナウイルスの感染者は7日午後8時現在で新たに1万5753人が確認され、過去最多を更新した。1万5千人を超えるのは3日連続。重症者も6日時点で1068人と前日より48人増加した。お盆休みの時期を迎えたが、感染拡大の傾向は収まっていない。
この日最多の東京都は過去2番目の4566人。自宅療養者数は1万8444人で、前日から408人増えた。入院患者数は3485人となり過去最多に。
このほか緊急事態宣言が出されている地域や、まん延防止等重点措置の対象地域となっているところを中心に感染が拡大。埼玉県(1449人)、千葉県(1075人)、山梨県(79人)、静岡県(236人)、滋賀県(117人)、熊本県(151人)で過去最多を更新した。
こうした中、8日から8県で重点措置が新たに適用される。これらの地域の主要駅の人出を1週間前と比較すると、おおむね減少傾向が見られた。
NTTドコモの携帯電話の位置情報から推計したデータによると、愛知県の名古屋駅周辺の午後1時台の人出が1週間前に比べて3%増だった以外は、福島県のいわき駅周辺で13%減、熊本県の熊本駅周辺で11%減、群馬県の高崎駅周辺で8%減、滋賀県の大津駅周辺で6%減、静岡県の静岡駅周辺と茨城県の水戸駅周辺はいずれも5%減った。栃木県の宇都宮駅周辺はほぼ変化がなかった。
一方、東京駅は7日午前10時台の人出は前週比で約15%増。東京都と同様に宣言が出ている大阪府の新大阪駅周辺は3%増だった。

●東京都 7日の新規感染者4566人 8/7
7日、新たに確認された新型コロナの感染者は、4566人となり、6日に続いて4500人を超えてしまいました。また、重症者も150人に増えています。
このところの感染者は過去最多となった5日の5042人を含め、4日連続で4000人以上と、爆発的に感染が拡大している状況となっています。
年代別では最も多い20代が1467人、次いで30代は982人、40代は675人となりました。重症者は6日から9人増えて150人となり、感染者の増加に伴い、重症者も増えています。

●東京感染者 来週には一日1万人超か 試算 8/7
東京都の新型コロナウイルスの感染者数の増加に歯止めがかからない中、一日の新規感染者数が来週には、1万人を超えるとする京都大学の西浦博教授らのシミュレーションが公表されました。
今月4日の厚生労働省の専門家会議に示された西浦教授らのシミュレーションでは、新規感染者が、今のペースとほぼ同じで、前の週の1.7倍で増えると、今月12日には一日の感染者数が1万1000人を超えるということです。
さらに、今月24日には、2万3000人を超え、今月26日には3万人を超え、緊急事態宣言の期限の31日には、4万人を上回ると予測しています。
また、これより高い前の週の2.2倍のペースが続いた場合は、今月17日には3万人に達する予測となっています。
一方で、対策の効果が出て人流が減るなどし、増加のペースが前の週の1.2倍に抑えられた場合でも、8月21日には7000人を超えると予測されます。
シミュレーションを行った西浦教授は、「このまま流行が拡大すると自宅で苦しむ方や命を落とす人が増えてしまいます」と危機感を募らせています。
「手洗い、マスク、ディスタンス(人との距離)の3つで、大幅にリスクが下がります。また、しばらくはいつも会わない人に会わない、集団で屋内で集まる会合をしない、いかないことをすることで、リスクを下げることができます」と話しています。
そして、「皆で協力をして、一旦切り抜けた上で予防接種を進め、未来について話していけるものと思います。ご協力をお願いします」と改めて呼びかけました。

●舛添要一氏「対応は後手後手だ」 東京新規感染者4566人に私見 8/7
前東京都知事で国際政治学者の舛添要一氏(72)が7日、ツイッターに新規投稿。新型コロナウイルス新規感染者数が増えている要因を分析した上で、「政府や都の対応は後手後手だ」と批判した。
新規感染者は、感染力の強いインド由来のデルタ株の影響もあり、増加ペースが加速している。舛添氏は「本日の東京都のコロナ感染者4566人、重症者150人と急拡大」と伝え、「緊急事態宣言馴れ、自粛疲れもあるが、デルタ株の感染力の強さが大きな要因だ」と記した。
続けて「東京では若い世代へのワクチン接種が進んでいない。しかも、このウイルスは3回目の接種が必要なくらいに厄介な変異を遂げている」と懸念を示し、「政府や都の対応は後手後手だ」と指摘した。
フォロワーらからは、南米ペルー由来とされる「ラムダ株」が国内で確認されたことを心配する声や、「批判ばかりやね!後手後手なんて国民でも分かっとるわ!今の現状をどうしたら良くなるか前向きな考えを出来んのあんたは!」「では、どうするべきかと?」など、具体策を求めるコメントも寄せられている。

●帰省本格化、地方への波及懸念 コロナ感染、医療逼迫も 8/7
新型コロナウイルスの感染が全国的に拡大する中、夏休みの本格的な帰省シーズンが7日始まった。専門家は都道府県をまたぐ移動の自粛を求めるが、交通機関の予約状況は昨年より増加。医療逼迫を懸念する地方では感染の波及に危機感が高まっている。政府は8日、新たにまん延防止等重点措置を8県に適用。東京など6都府県への緊急事態宣言と同じ31日が期限となる。人の流れが抑え込めない状況で、確実に解除できるのかは見通せない。
東京都で7日に確認された新規感染者数は過去2番目に多い4566人。入院患者のうち重症者は6日に比べて9人増え150人となった。

●猪瀬直樹氏がコロナ感染急増で尾身会長「五輪の影響ある」発言に反論 8/7
菅義偉首相が8月6日、広島市内で記者会見し、東京五輪と新型コロナウイルス感染急拡大の関連性について「これまでのところ五輪が感染拡大につながっているとの考え方はしていない」と話し、波紋を呼んでいる。
元東京都知事で作家の猪瀬直樹氏も4日、自身のツイッターを更新。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が都内を中心に感染者が急増していることについて、「オリンピックが人々の意識(気の緩み)に与えた影響はある」と発言したことを厳しく批判していた。
猪瀬氏は4日の衆院厚生労働委員会で尾身氏が発言した記事を貼り付け、「以下の尾身発言、エビデンスのない、科学的根拠とは無縁の発言ですね」とツイートした。記事によると、尾身氏は感染拡大の理由の一つにデルタ株の影響を挙げた上で、「長い間の自粛で人々がコロナ慣れして、緊急事態宣言のインパクトがない」と指摘。「政治のリーダーのメッセージが、必ずしも一体感のある強い明確なメッセージではなかった」と述べたとしている。
SNS、ネット上では、「この方は状況に対する分析力が本当に足りない人ですね。エビデンスはずいぶん後にしか検証できないし、その時には遅きに失している。状況を正しく理解し、判断するのが必要です。オリンピックが感染を直接広げている事は判断できないとは思うが、やっている事への不公平感や気のゆるみは大いにあることはエビデンスがなくても判断できる」という意見がある一方で、「尾身会長の言っていることは正しいと思うけど、確かにエビデンスは無いことだし、専門家として政府に医学的、科学的なアドバイスする立場なのを考えると個人的な憶測であり不適切な発言だと思う。まぁ言っていることは正しいと思いますがね」と猪瀬氏の意見に理解を示す意見も見られた。
「猪瀬さんは自分が東京都知事の時に東京五輪を誘致したことも発言の背景にあると思います。ただ、政府や自治体が緊急事態宣言で不要不急の外出を控えるように呼びかけているにも関わらず、東京五輪が開催されているので切迫感がないのは事実です。国民が不信感で耳を傾けなくなっている。これから感染爆発が起きても不思議ではない」(都庁職員)
猪瀬直樹氏は6月に自身のツイッターを更新した際も、波紋を呼んだ。「東京五輪開催反対を言う人たちは、五輪が始まると日本選手の活躍が気になって仕方ない、と気持ちが変化したことに気づくだろう。でもそれはごくふつうの健全な感情で少しも後ろめたいものではない」と持論を展開した上で、「僕が言いたいのは、自分の意識の深層に想い致すことなく、軽薄に意見らしきものを述べる愚かしさだ」と綴った。東京五輪の開催に反対する人たちを「愚か」と表現したことに、批判の声が殺到する事態となった。
コメント欄には、東京都の副知事を務めていた2012年7月に「誤解する人がいるので言う。2020東京五輪は神宮の国立競技場を改築するがほとんど40年前の五輪施設をそのまま使うので世界一カネのかからない五輪なのです」(現在は削除されて閲覧できない)とツイートしたことが取り上げられ、「世界一金のかからない五輪とかいっていた元知事さんはtweet消したようですが、そのことについてご自身の意識の深層になにか想うことはないのですか?」など猪瀬氏の言行不一致を指摘する多くの書き込みが見られた。
東京五輪は8日に閉会式を迎える。因果関係は証明されていないが、コロナ感染が急増していることは確かだ。これから感染爆発の恐れがある事実に目を向けなければいけない。

●福島県内99人感染 県7日発表分 過去最悪のペースで増加 8/7
福島県は県内で99人の新型コロナウイルス感染が確認されたと7日、発表した。99人の陽性は6日に判明した。直近1週間(7月31日〜8月6日)の新規感染者数は644人で過去最多を更新。感染力の強い変異株「デルタ株」の影響が顕著となった7月中旬以降、1週間単位の新規感染者数は右肩上がりで増え続けており、月別で最多だった5月を上回るペースで拡大している。
感染急拡大に伴い医療提供体制への負荷が深刻化する中、8日からいわき市へのまん延防止等重点措置の適用、同市以外の58市町村での県独自の集中対策が開始。31日まで県民を挙げて感染防止に取り組む。県幹部は「危機的な感染急拡大を抑え込む正念場」と位置付ける。
1週間の新規感染者数は3週前(7月10日〜16日)が97人で、2週前(7月17日〜23日)は前週比122%の118人、1週前(7月24日〜30日)には同396%の467人と急拡大した。直近1週間(7月31日〜8月6日)も同138%の644人を数え、伸びがやや緩やかになったものの依然として増え続け、高止まりの状態にある。
直近1週間の新規感染者数の1日平均は92人。1カ月に換算すると2852人に上り、月別で過去最多だった5月(1179人)の2倍を超える過去最悪のペースとなっている。
6日判明分の99人は1日当たりの発表数で過去3番目に多い。6日現在の病床使用率は前日から変わらず73.6%。全療養者数(858人)、自宅療養者数(274人)もそれぞれ最多を更新した。県は入院治療を原則としてきたが、病床逼迫(ひっぱく)に伴い自宅療養に振り向けるケースが相次いでいる。
いわき市へのまん延防止等重点措置では、県が市内の飲食店に終日の酒類提供自粛を要請。58市町村を対象とした集中対策では、酒類を提供する飲食店への営業時間短縮を求めている。全県民に不要不急の外出自粛を呼び掛けている。
県内の感染者は累計6400人。6日判明分の99人のうち34人は感染経路が分かっていない。

●感染拡大する中でのお盆に…新型コロナ 東海3県で新規感染者609人 8/7
東海3県では7日、新たに609人が新型コロナウイルスに感染したことがわかりました。愛知県で459人、岐阜県で67人、三重県で83人となっています。また、愛知県と岐阜県でそれぞれ1人の死亡が確認されています。
県をまたぐ不要不急の移動自粛が呼び掛けられた中でのお盆休みスタート。東海道新幹線は自由席の乗車率が最高でも100パーセントと、目立った混雑はみられませんでした。
JR東海によりますと、お盆休み期間中の指定席の予約は、コロナ前の2019年から8割減で、去年とほぼ同じ状況だとということです。
新幹線の利用者は「夫が単身赴任なので会いに行く」「出張でこちらに来ていたので帰る。コロナがあるので東京での乗り換えが怖い」などと話しました。
また、東海3県の高速道路には午後5時半現在、目立った渋滞はありません。
一方、中部国際空港発着の国内線予約者数は、去年のお盆と比べ、日本航空がおよそ1割減ったのに対し、全日空は約1割増えているということです。

●コロナ感染急拡大のお盆 観光地 岐阜 高山では不安の声も  8/7
新型コロナウイルスの感染が全国的に急拡大する中、お盆休みの期間を迎えた高山市中心部の観光地では不安の声も聞かれました。
江戸時代の風情が残る岐阜県高山市の中心部の古い町並みでは、7日午前中、マスク姿の観光客が歩いている様子がまばらにみられました。
せんべい店の40代の男性は「皆さん緊急事態宣言などに慣れてきている感じがあって、少しは人が動くと予想しています。迎える側は感染のこわさもありますが、商売としては来てもらわないと困る部分もあり難しいです」と話していました。
人力車を運営する50代の男性は「感染が増えてきているのでこわい部分がありますが、多少売り上げが上がればいいかなと思ってます」と話していました。
千葉県から観光で訪れたという20代の男性会社員は「それぞれのお店ではアルコール消毒や検温などしっかり対策されているので、地元の人には迷惑をかけないように行動します」と話していました。
高山市中心部の旅館やホテルでつくる組合によりますと、去年に比べて宿泊の予約状況は改善しているものの、新型コロナの感染が全国的に急拡大している影響で、一部でキャンセルが出ているということです。

●運動会で感染拡大か…学校でクラスター発生し8人感染 富山  8/7
新型コロナウイルス、県内で8月7日新たに46人の感染が確認されました。また、富山市内の学校で、新たなクラスターが確認されました。新たに感染が確認されたのは、富山市、高岡市など県内8つの市と町、それに東京都などに住む46人です。また、県と富山市は富山市内の学校で新たにクラスターが確認されたと発表しました。この学校では8月7日までに関係者8人の感染が確認されています。8人は10代から20代の女性だということです。県と富山市は、先月30日にこの学校の体育館で開かれた運動会で感染が広がったとみて関係者あわせて205人の検査を急いでいます。また、8月6日クラスターが発表された富山市の会社で新たに5人の感染が確認されました。この会社の感染者は12人に上っています。県内の累計の感染者は2534人、入院または調整中が196人重症者は4人となっています。

●京都271人感染、京都市中心に南部で拡大 新型コロナ、7日夜発表 8/7
京都府と京都市は6日、男女271人が、新たに新型コロナウイルスに感染したと発表した。府内の感染者数は計1万9917人となった。
府発表分は77人。居住地別では宇治市25人、八幡市6人、城陽市、長岡京市、京田辺市各5人、京都市、亀岡市、木津川市、精華町各4人、舞鶴市、井手町各3人、向日市、京丹後市各2人、宮津市、南丹市、宇治田原町、与謝野町、北海道各1人。
京都市発表分は194人。

●広島県で117人感染、1人死亡 7日新型コロナ 8/7
広島県内で7日、新たに117人の新型コロナウイルス感染が発表された。100人超えは2日連続。呉市は1人の死亡を公表し、県内の死者の累計は180人となった。
新規感染者の居住地別は、広島市70人、福山市22人、三原市12人、尾道市3人、竹原市、府中町各2人、呉市、廿日市市、府中市、東広島市、熊野町、京都府各1人。症状別は軽症が105人、無症状が12人だった。
広島市では、新規感染者が5月29日以来70日ぶりに70人以上となった。70人の年代別は、10歳未満4人、10代12人、20代17人、30代13人、40代10人、50代11人、60代3人。70代以上はゼロだった。
福山市の22人の内訳は、10代3人、20代5人、30代3人、40代1人、50代3人、60代6人、70代1人。軽症20人で、無症状が2人。市は、市内の事業所で5人の感染が確認されたとしてクラスターと認定した。
呉市の1人は20代で、無症状。3日にクラスターと認定した海上保安大学校の研修生で、同校の感染者は累計12人。また、公表済みの感染者のうち、入院していた1人が死亡したと発表した。市内での死者は計13人となった。
このほかの6市1町と京都府の計24人は広島県が発表した。年代別は、10歳未満3人、10代7人、20代4人、30代3人、40代2人、50代3人、60代2人。70代以上はゼロだった。
県は、東広島市内の事業所で新たなクラスター(感染者集団)を認定した。これまでに同市在住の3人と県外に住む出張者5人の職員計8人が陽性となった。

●「菅首相の頼みの綱」ワクチン接種率が上がるほど感染拡大する第5波 8/7
東京五輪のさなか、第1波〜4波を大きく上回る規模の新型コロナ第5波の感染爆発に襲われている。デルタ株の影響などいくつかの要因が挙げられているが、統計データ分析家の本川裕氏は「ワクチン接種率の高い国ほど再び感染拡大しています。接種したことで人々の気が緩み、安心感から行動抑制が効かなくなっている」と警鐘を鳴らす――。
過去の第1〜4波を超える第5波の感染爆発
東京オリンピック開催中のさなか、最近になって、過去の第1波〜4波を大きく上回る規模の新型コロナ第5波の感染爆発に襲われている。医療崩壊への対策として政府が打ち出した「中等症患者の入院制限方針」に対して国民や与野党からは激しい批判が寄せられている。
こうした第5波の感染爆発の背景としては以下のような6原因が挙げられている。
1] 感染力の高いデルタ株の影響 / 感染力が1.5倍ともいわれるデルタ株への置き換わりが第5波の感染爆発の主犯とする説が支配的である。
2] コロナ疲れによる危機感の減退 / 政府が発出する緊急事態宣言も「またか」と国民には真剣に受け止められず、公共機関や商業施設への厳しい休業要請もないこともあって感染抑制効果が限定的である。
3] ワクチン接種による気のゆるみ / 高齢者へのワクチン接種が進み安心感から行動抑制が効かなくなっている。ワクチン接種が未完了の65歳未満層や若年層も自分が感染しても高齢の父母まで巻き込む可能性は低くなり、自己責任だけだからと気が緩んでいる。
4] ブレークスルー感染 / ワクチン接種した人にも感染してしまう事例が多く報告されている。
5] オリンピック開催の影響 / オリンピック開催で心理的な抑制が効かず、行政側も整合性からイベント等の制限を強制しにくくなっている。
6] 民間検査の急増による感染発見率の上昇 / 自費の民間検査が普及してきて感染が判明する割合が上昇している。
今回は、内外のデータを観察すると2コロナ疲れによる危機感の減退、3ワクチン接種による気のゆるみ、特に3の要因が大きいということを明らかにしたいと思う。
ワクチン接種で死亡者数レベルが過去最低レベルで推移している
新型コロナ関連のデータの基本は、新規感染者数と感染死亡者数(陽性者のうち死亡するに至った者の数)である。
日本の両データの推移を見てみると(図表1参照)、明らかに5波に及ぶ感染拡大が認められる。第5波の特徴は何といっても感染者数の多さである。第3波と第4波のピークでは一日当たりの新規感染者数が6000人のレベルであったのに対して、第5波ではすでに1万人を大きく超えており、また、ピークが見通せない状況である。
第5波のもうひとつの大きな特徴は、これまでの波と異なって死亡者数の拡大が伴っていない点である。死亡者数の拡大は感染者数の拡大からかなり遅れるのが通例であるので、これから上昇に転じるという恐れがないとはいえないが、波形から判断すると決定的な差が生じていると見ざるを得ない。以下でふれる欧米の推移を考え合わせても、死亡者数の低減はまず間違いがないだろう。
これは、人口比のワクチン完全接種率(部分接種ではなく必要回数打ち終わった割合)のカーブからも、ワクチン接種が進んでいる影響であることは確かであろう。わが国では高齢者を優先して接種を進め、重症化や死亡につながりやすい高齢者に限っては2回の完全接種率は約8割に達している。これが死亡者数の低下をもたらしているのである。
テレビや新聞では感染者数のグラフはやたらと登場するのに死亡者数のグラフはほとんど見られない。しかし、著名人や身近な人の死亡事例が目につかなくなっていることから国民はこの点を実感し始めており、それが気のゆるみにつながっている点は否定できないのである。
一方、死亡者数の低減は政府や自治体も理解はしており、国民の行動抑制につながる強硬なコロナ対策が打ち出されない背景となっていると考えられる。
自粛要請に応じ続けた国民の危機感は減退し、第5波の感染爆発
次に、日本の状況を先取りしていると思われる欧米の状況を見てみよう。
図表1には、欧州と米国の感染者数と死亡者数の推移を日本と同じ形式で掲げた。欧州の最新波は第4波、米国の最新波は日本と同じ第5波であるが、ともに、感染者数は拡大しても死亡者数はほとんど過去最低レベルを維持している点が特徴となっている。
日本と比べると第1波における死亡者数のレベルが欧米では非常に大きかったという点が見逃せない。これが、欧米諸国ではロックダウンという強制的な行動抑制の政策をとらせた大きな理由であった点は確認しておく必要がある。
これに対して、日本は、強制手段というより自粛要請というかたちでコロナ対策を打ってきたのも、第1〜2波における死亡者数レベルの低さによっていることは言うまでもなかろう。しかし、それがかえって、徐々に国民の危機感の減退につながり、第3波以降の感染者数や死亡者数が第1〜2波より大きくなる状況を許し、さらに第5波の感染爆発にまで尾を引いているともいえるのである。
なお、欧米でも、日本ほどではないにしても、ワクチン接種が進むにつれて感染者数は再び大きく増加している点には注意が必要である。ワクチン接種は、感染予防効果や重症化予防効果があるが、気のゆるみ効果が感染予防効果を上回って感染拡大にむすびついている点に日本も欧米も一緒なのである。
最近の感染拡大は、なお、米国ではピークに達したかどうか定かではないが、欧州ではどうやらピークをむかえているようである。ヨーロッパで感染者数の増加が頭打ちとなった理由としては、夏休みに入ったためとも集団免疫が獲得されてきたからとも論議されているようだ。
ワクチン接種率の高い国ほど、感染拡大に見舞われている
欧米各国では、6月以降、ワクチン接種の進展とそれが功を奏したと見られる死亡率の低レベル維持を受けて、コロナ対策の行動規制の緩和に相次いで乗り出している。死亡率が上昇しないのに、政府としては、日本と比較してもかなりのストレスを国民に与えてきたこれまでの行動抑制策は維持しがたくなってきたのが理由だろう。
一方、民間での気のゆるみを象徴的に示した映像としては、7月上旬にはサッカー欧州選手権でイングランド代表の試合があるたびに、マスクなしのサポーターらがロンドンの一部の街頭を埋め尽くす状況が日本でも報道された。
感染者数が急増する中、死者数は比較的低く推移しているため、ワクチン接種の進展が効果をあげていると判断した英政府は7月19日にイングランドで残っていた行動規制をほぼすべて撤廃した。この英政府の判断に対し、世界各国の専門家が連名で英医学誌『ランセット』に「危険で非倫理的な実験に乗り出している」と批判する書簡を寄せ、再考を促したという(毎日新聞2021.7.31)。
国民意識を考慮した政府の政策に対して専門家が苦言を呈するという構図はわが国でも何回も目にしているものだ。
上にも述べたように、これまでかなり厳しい行動抑制を国民に強いてきた政策は、ワクチン接種の進展と死亡者数の低減を受けて維持しがたくなっているのが実情であろう。
こうした点をはっきり示すデータとして、図表2には、各国におけるワクチン接種率と感染者数の再拡大の程度との相関を示した図を掲げた。
図表2からは、ワクチン接種が進んでいる国ほど大きな感染再拡大に見舞われていることが見て取れる。ワクチン接種が2割以下とあまり進んでいないロシアやウクライナの感染拡大は2〜4倍のレベルにとどまっているのに対して、5割以上の接種率のオランダ、英国では14〜18倍の大きな感染拡大が起こっているのである。
デルタ株を「感染爆発の真犯人」に仕立て上げたのは誰か
この相関図における日本の位置としては、おおむね、右上がりの曲線という傾向線上にあり、倍率は5倍とそれほど大きくないものの、実は、いったん感染が大きく収まっていない状態からの再拡大であるため、感染爆発が過去の波を超える状態に至っていると理解できるのである。
欧米や日本の最近の感染拡大については、感染力の高いデルタ株の浸透によると見なすのが各国でも通例となっているようであるが、ワクチン接種が進んでいるほど感染が大きく拡大しているというこうした事実を知ると、むしろ、行動抑制の解除につながるワクチン接種そのものが真犯人だと考えざるを得ない。
デルタ株が感染爆発の真犯人とされているのは、報道上で安直に枕詞にしやすい点のほか、国民を行動抑制へ向け説得できていないというコロナ対策の不備をつかれたくないため、国民の心理的な要因をあげたくない政府の意向も影響していると見ざるをえない。
第5波は、全国の都道府県で一斉に感染が急拡大している状況
最後に、見方を変えて、都道府県別の感染推移の状況から、真相を探ってみよう。
図表3では、主な都道府県の人口10万人当たりの新規感染者数の推移を追った。
図表3は、これまでの5波にわたる感染拡大が各都道府県でどのように起こったかを示してくれている。第5波の特徴として、これまでの波と異なる点は、一斉に感染が拡大している点である。
第3波では北海道や大阪が先行し東京など首都圏や愛知などが追いかけた。第4波では沖縄や大阪が先行し、北海道や沖縄(再)が追いかけ、東京など首都圏はそれほどの感染拡大ではなかった。
第5波の特徴は、やや東京が先行したものの、ほとんど全国一斉に感染爆発が起っている点にある。
理由として考えられるのは、過去と異なって地域的な事情ではなく全国的な事情が働いているからと見るのが妥当だろう。そうだとすると全国統一的に地域ごとに大きな遅速なく進められているワクチン接種以外には考えられない。
厚労省の専門家会合(2021.8.4)では国立感染症研究所の推計では新規感染者のうちデルタ株に感染した人が占める割合は、8月初旬の時点で、関東で約90%、関西で約60%に達したことが明らかにされた。この地域差はインド等からの流入が早かったかどうかによっているとされる(東京新聞2021.8.5)。
しかし、デルタ株のこうした地域差は感染拡大の時期的な同時性とは矛盾する。関東で感染規模を増長したことは確かながら、デルタ株を第5波自体の主犯とする見方は退けられよう。
直近で子供の誕生日があった世帯の感染率は誕生日のない世帯の1.6倍
ワクチン接種による気のゆるみを第5波の真犯人とするここでの主張は、あまりに心理的要因に重きを置きすぎた説だとの批判もあろう。しかし、感染症の拡大にとって心理的な影響は非常に大きいのである。
2020年1月〜11月にかけての米国300万世帯のデータを分析した研究によると、直近2週間に誕生日を迎えた人がいる世帯では、そうでない世帯よりコロナ感染リスクが1.3倍高かった。また、子どもが誕生日の場合はさらに感染リスクが1.6倍になっていたという。誕生日パーティを開くこと、特に子どもがいる場合はそうだということがこうした結果につながったと見られる。
ワクチン接種の進展が感染リスクを抑える以上に、心理的な効果で感染リスクを増したとしても不思議はないのである。

●中国デルタ株感染拡大は抑え込めるか? 8/7
中国ではデルタ株による感染が南京空港から始まり192ヵ所に広がって緊急対応に追われている。関係都市住民の全員にPCR検査をし、無症状者も隔離入院させているが、果たして抑え込めるか、現状を考察する。
中国で突如デルタ株感染拡大
7月10日、江蘇省南京市にある南京禄口空港に着陸したモスクワ発のCA910便にコロナ患者7人が乗っていたことが、着陸直後の空港でのPCR検査で判明した。乗客はみな濃厚接触者とみなされて隔離されて隔離施設に送り込まれたが、7月20日の定期的な空港従業員全員のPCR検査を行ったところ、機内清掃員17人が陽性であることがわかった。CA910便内の清掃は、いつものように防護服を着た清掃員たちが行ったのだったが、どうやら防護服を脱ぐときに注意が行き届かなかったらしい。CA910の乗客の中の感染者が持っていたウイルスがインド由来のデルタ株の強力なものであったことも手伝い、清掃員に移ってしまったようだ。これらの清掃員たちは国際便の清掃だけでなく国内便の清掃にも携わっている清掃会社の従業員たちで、おまけに清掃員の多くは南京市に住んでいるため、10日間にわたって家族や知人・友人にも接しており、デルタ株のコロナ感染が一気に広がっていった。
感染者の動線追跡
7月20日から8月1日24時までの感染ルートを「人民日報」の電子版である「人民網」のアプリが以下のように描いて公表している。あまりに長いのでこのページに収まり切れないため、4分割していることをお許し願いたい。
   図1:「人民網」のアプリに見る南京禄口空港から発生したデルタ株感染者の動線
少しだけ説明すると、この時点で南京市内では215人の感染が確認されたが、空港を利用したかあるいは接触した者が江蘇省揚州にある麻雀屋さんに遊びに行って、そこでクラスターを生ぜしめている。その内の一人(64歳の女性)は南京市から揚州に行っているが、その際「感染状況」などが書いてあるQRコードを自分自身のではなく友人の健康コードを借りて持参していたため、コロナ感染をしていることが発見されなかったという。揚州におけるワクチン接種率は18歳から59歳までは70%以上で、60歳以上は40%未満という逆転現象が起きている。中国は外部で活発に動き回る若者の方が感染媒体となる可能性が高いことから、若者から先に接種を始めるという方針を採用しているからだ。この64歳の女性は実はワクチンを接種しておらず、かつ高齢者は麻雀遊びなどで暇つぶしをする者が多いので、4万件以上ある揚州市の麻雀荘は全て一時的閉鎖を命ぜられた。南京禄口空港から遼寧省大連に飛んだ者もおり、そういった人が張家界や四川省成都など、次から次へとデルタ株を運んで行くケースもある。
中国全土17の省市に拡大し、全員PCR検査し、無症状者も隔離入院
かくして現時点では17の省市地区にわたって感染が広がり、中国政府はそれらの地区の全ての住民に対してPCR検査を徹底させ、陽性と判定すれば全員を隔離入院させている。たとえば南京市の場合は、7月21日に南京市市民930万人全員のPCR検査を指示して実行し、隠れている陽性患者を絞り出している。7月29日には3回目のPCR検査に入った。水害があったばかりの河南省鄭州市でも全員にPCR検査を行っており、張家界も同様だ。8月6日15時におけるコロナ感染ハイリスク・中リスク区域は192ヵ所になっている。検査技師が足りない地区に関しては、全国から医療関係者を派遣し、一気に検査が終わるようなシステムで動いている。陽性と判定されれば無症状者でも隔離入院させ、濃厚接触者は特定施設に隔離されて確実に陰性が確認されるまで観察を続ける。このルールは、2020年2月に中国工程院の院士で伝染病の専門家である鍾南山の「無症状者も、いつ突然重症化するか分からないので、必ず医師がいる隔離病棟に入院させなければならない」などの進言に基づいて規定され、その後改善を重ねながら守られている。
中国のコロナ対策基本ルール
中国のコロナ対策は、現時点では基本的に2021年5月14日に改正された『新型冠状病毒肺炎防控方案(コロナウイルス肺炎防御方案) 第八版』に基づいて運営されている。李克強国務院総理や孫春蘭副総理を始め国家衛生健康委員会が中心となり、すべての中央行政省庁の代表から構成される「国務院コロナウイルス肺炎疫情聯合防疫機構総合組」が総合的情報に基づいて定期的に条例を改正し発布していく。
根幹は以下の二つ。
全員のPCR検査を徹底させること。
無症状者や軽症者だけでなく、濃厚接触者を含めて、全て隔離して医療機関に移送し観察を徹底させること。
日本のようにPCR検査をできるだけ避け、感染者全員を医療機関に隔離入院させず自宅療養を重視するというようなことは絶対にしない。日本のやり方は、ひたすらコロナ感染拡大に寄与するだけで、中国のコロナ対策政策から見ると「日本の感染拡大は絶対に収まらない」ということになるかもしれない。少なくともコロナ対策分科会の(尾身)会長が知らされていなかったようなコロナ政策が、数名の打ち合わせによって朝改暮令的に、行き当たりばったりで出されるようなシステムとは違う。濃厚接触者もすべて拾い上げて隔離観察するという徹底ぶりだ。だから14億人もの人口を抱えながら、散発的に起きるいくつかの地域における感染発生以外は、平均的には新規発生者数は一桁か二桁程度に抑えることができていた。
なぜ南京だったのか――北京空港には着陸させないルール
昨年3月19日から中国では海外から直接北京空港に着陸することを禁止しており、3月20日は「モスクワ‐北京」のフライトCA910は北京ではなく天津空港に着陸するように変更されていた。7月4日になると天津以外に石家庄、瀋陽、蘭州、鄭州、南京・・・などが着陸候補地として指定された。今般もモスクワ発北京着のはずのフライトCA910は、天津や石家庄、瀋陽など、北京に近い空港に着陸の打診をしたが、どこも受け入れず拒否されたので、最終的に唯一承諾してくれた南京禄口空港に着陸することになったわけだ。
中国全土の新規感染者数状況
8月6日現在の中国全土における新規感染者数を国家衛生健康委員会のデータから拾い上げ以下のようにグラフ化してみた。中国で発見された新規感染者数の中には、海外から乗り入れたフライトの乗客の中にいた(空港検疫で発見された)陽性者数と、中国国内におけるPCR検査で発見された陽性者数の両方があるが、下記に示す数値は、乗客陽性者数を除いたデータである。
   図2:中国本土国内における新規感染者数の推移
6日に少し減ってはいるものの、まだ増加中であることがわかる。拡散がどこまで行くのかに関しては、しばらく観察していかなければならないが、以下のような事例は参考になるだろう。
広州の場合
6月2日のコラム<中国広州で発生したコロナ新規感染者への対処に見る中国の姿勢>に書いたように、5月21日にデルタ株感染者が発見されたが(24日にデルタ株と確定)、その感染は広州市の近隣で収まり、6月18日に最後の感染者が発見された後、170人の感染で抑え込むことができた。6月26日に安全宣言が出され、7月8日には最後の患者が退院した。この事例から見られるように、たとえデルタ株でも、他地域に拡散していなければ抑え込むことができるという事は分かっている。
台湾の事例
台湾で今年4月末に中華航空のパイロットが感染していたことから始まって、隔離先として使っていたホテル従業員に感染し、市中感染したことがあった。このとき台北市の柯文哲市長が、鍾南山が提案した野戦病院式の「方艙(ほうそう)病院」という「臨時医療施設」設営を指示した。これにより台湾のコロナ拡大第二波は、一か月間ほどで一気に収束している。柯文哲はもともと台湾大学の医学者なので、PCR検査も徹底させ、実に科学的だ。第二波ではデルタ株も相当入っていたので、感染を収束させる手段としてよい事例となるだろう。
果たして収束するのか?
8月5日に開かれた記者会見で、国家衛生健康委員会は、南京禄口空港発のデルタ株感染拡大に関して「2〜3の潜伏期間で基本的に収束させることができる」と発言している。潜伏期間を最大2週間と見積もった場合、概ね4〜6週間後には収束しているだろうと推測したことになる。果たして今後どうなるか――。台湾も大陸本土も、「PCR検査の徹底」と「無症状感染者を含めたすべてのコロナ感染者の隔離入院」を基本原則として拡散を抑制してきた。この基本原則を絶対に守らない日本のコロナ対策は、果たして成功するのか否か。日本政府が、日本国民の命を最優先する政策に転換するために、中国や台湾の事例が役立つことを願い、考察を試みた。
 

 

●国内感染、新たに1万4472人 6日連続で1万人超 新型コロナ 8/8
国内では8日、新たに1万4472人の新型コロナウイルス感染が確認された。
1日当たりの感染者数が1万人を上回るのは6日連続で、感染拡大に歯止めがかからない状態が続いている。
全国で新たに確認された死者は9人。重症者は1138人で、前日から70人増えた。
東京都の新規感染者は4066人で、前週の日曜日と比べ1008人増加した。1日当たりの感染者数は5日連続で4000人を超えた。都基準による重症者は151人で前日から1人増えた。
茨城(299人)、京都(333人)、鹿児島(104人)の各府県で過去最多を更新。大阪府では1164人の陽性が判明し、6日連続で1000人を超えた。
群馬県は8日、3〜5日に公表した新規陽性者のうち計63人が実際は陰性だったと訂正した。PCR検査を行った民間検査会社が、陰性だった検体を陽性と誤って判定していたという。 

●国内で1万4472人感染、6日連続1万人超…東京の直近1週間平均4000人台 8/8
国内の新型コロナウイルスの感染者は8日、全都道府県と空港検疫で新たに1万4472人確認された。1万人以上は6日連続で、感染拡大が続いている。死者は9人、重症者は前日より70人増えて1138人となった。
東京都では、4066人の感染を確認した。1日当たりの感染者が4000人を超えるのは5日連続。1週間前から1008人増え、日曜日として過去最多となった。直近1週間の平均新規感染者は前週(3105人)から30%増の4037人で、初めて4000人台となった。入院患者も3517人となり、2日連続で最多を更新した。重症者は1人増の151人だった。
茨城、京都、鹿児島の3府県で新規感染者がこれまでで最も多かった。

●東京五輪 コロナ拡大の中で閉会…他国選手と肩組む姿少なく 8/8
第32回夏季オリンピック東京大会は8日、東京都新宿区の国立競技場で閉会式を行い、17日間の日程を終えた。1964年以来2度目の東京大会は新型コロナウイルス感染症により史上初めて1年延期され、会場のある9都道県のうち6都道県で無観客開催となった。期間中も大会の内外で感染は止まらず、検査陽性により棄権を余儀なくされる選手もいた。開催地の財政的負担や酷暑で相次いだ日程変更も含め、五輪の負の側面が強調された大会となった。
蒸し暑さの残る午後8時に閉会式はスタート。盛大に花火が打ち上がったが、観客は入っておらず、大会関係者や報道陣の拍手だけがまばらに響いた。
205の国・地域ごとに入場した開会式と異なり、全選手団の旗と旗手が一斉に登場。その後、選手たちは自由な順番で入場した。ごちゃまぜで入場する方式は、1964年の前回東京大会の閉会式で定着し、平和の象徴として以降の五輪に引き継がれた。
ただ今回は、新型コロナ対策で周囲との「社会的距離」を取るように呼び掛けられているせいか、他国選手と肩を組んで歩くなどの場面は少なく、自国の選手たちで記念撮影をするなどして楽しんでいた。
競技終了の2日後には選手村を離れなくてはならないルールもあり、閉会式の参加選手は約4500人で、過去大会よりは少なかったとみられる。
それでも入場行進後、音楽やダンスが行われたステージの周りで選手が「密」に。うだるような暑さでマスクを外す選手も少なくなかった。マスクの義務化など選手の行動規範「プレーブック」を作ったものの徹底はできず、暑さにも苦しめられた大会を象徴するような光景だった。
コロナ禍ならではの取り組みも。五輪旗は小池百合子東京都知事から国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長に返され、次の開催地パリのイダルゴ市長に手渡された。通常、閉会式では次回開催地を紹介するステージがあるが、今回はパリのエッフェル塔やノートルダム大聖堂と中継をつないで行われた。
閉会のあいさつで大会組織委員会の橋本聖子会長はボランティアや医療従事者に感謝を伝えた後、「アスリートとスポーツの力によって未来への扉が開かれた。スポーツには世界と未来を変える力がある。この力がパリ大会につながれていくと信じている」と述べた。
バッハ会長は「パンデミック(世界的大流行)が始まってから全世界が一つになった」と大会を自画自賛した。
大会中も開催への論争がうずまいた異例の五輪。最後に太陽をモチーフにした聖火台が花びらのように開いた状態から元の球体に戻り、聖火は消えていった。

●コロナ禍の東京オリンピック開催 都民の受け止めは  8/8
東京・臨海部に設けられた東京オリンピックの聖火台の周辺では、新型コロナウイルスの感染が拡大する中で開かれた大会について、さまざまな声が聞かれました。
東京 江東区にある「夢の大橋」に設けられた聖火台の聖火は、8日の閉会式の途中で消されることになっていて、現地での観覧は感染拡大を防ぐため自粛が呼びかけられてきました。
近くに住む30代の女性は、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で開催された大会について、「対策がとられたと聞いているので、大会で感染が拡大したとは思いません。開催前はもやもやしたものがありましたが、新型コロナで沈んでいる中で、テレビでオリンピックを観戦できたのは元気の材料になったと思います」と話していました。
一方、20代の男性は「お祭りで舞い上がってしまい、コロナの感染者が増えてしまったところはあるのではないか」と話し、大会が人々の行動に影響したと感じていました。
また70代の女性は「選手の頑張りを見ると開催できてよかったと思います。一方でオリンピックには税金が使われていて、今後、当然その負担がかかってくるわけですから、率直に言うと心配です」と話していました。

●東京オリンピック閉会式始まる 国論二分、異例ずくめの大会に幕 8/8
第32回オリンピック競技大会東京大会(東京五輪)は8日、閉会式が国立競技場(東京都新宿区)で無観客で始まった。新型コロナウイルスの感染拡大で史上初の1年延期となり、東京都に緊急事態宣言が出て大半の会場が無観客となるなど、異例ずくめの大会だった。
選手たちが国籍や人種などの違いを超えて競い合い、認め合うスポーツマンシップや日本勢の活躍で、開催前の世論の逆風はある程度和らいだ。一方、期間中に新規感染者が急増し、五輪との関係が指摘されるなど、国論を二分したままだった。
大会は不参加の北朝鮮を除く205の国・地域(ロシアは個人資格での参加)と難民選手団合わせて選手約1万1千人が参加。日本は史上最多の金メダル27個を獲得し、銀14個、銅17個を合わせた総メダル数58個も史上最多だった。大半の会場は無観客だった。
大会組織委員会によると、7月1日以降の選手や大会関係者の新型コロナ検査の陽性者は430人だった。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長や菅義偉首相らは五輪と国内のコロナ感染拡大の関係を否定。バッハ会長はこの日のIOC総会で「五輪は適切な時期に開催したと自信を持って言える。選手もそれを感謝している」と述べた。医療の専門家らからは「国民の意識に間接的な影響を与えた」との指摘が出ている。
東京パラリンピックは24日に開幕する。観客の扱いは政府、東京都、組織委、国際パラリンピック委員会(IPC)、IOCの5者協議で決める。関係者の間には、有観客は難しいとの見方が広がっている。
半年後の22年2月には北京で冬季五輪が開催される。次回の夏季五輪は24年にパリ、次々回は28年にロサンゼルス(米国)で開催される。

●オリンピック 新型コロナ メディア関係者など新たに26人感染  8/8
東京オリンピックのため海外から来日したメディア関係者など合わせて26人が新たに新型コロナウイルスに感染したことが分かりました。大会17日目の8日、大会組織委員会は合わせて26人が新型コロナウイルスの検査で陽性反応を示したと発表し、感染が確認されました。このうち、海外から来日した人はメディア関係者が5人、大会関係者が1人、委託業者が1人の合わせて7人でした。海外のメディア関係者5人はいずれも来日後14日間の隔離期間を経たあとで、これまでの累計では合わせて25人になりました。また、日本在住の人は、組織委員会の職員が1人、ボランティアが3人、委託業者が15人の合わせて19人でした。選手や選手村の中での感染者はいませんでした。これでオリンピックに関連した感染者の累計は国内と海外合わせて430人となりました。

●五輪コロナ感染拡大に影響か…バッハ会長「数字的な裏付けない」一蹴  8/8
東京五輪は、期間中に感染者が急増した新型コロナウイルス対策、暑さを考慮した競技日程の急な変更など、最後まで対応に追われた。国際オリンピック委員会(IOC)と大会組織委員会は一様に成功を強調するが、疑問や不満は残った。
「新型コロナ対策は効果的で、うまくいった」。閉幕を2日後に控えた6日、一足先に大会を総括する記者会見に臨んだIOCのバッハ会長は胸を張った。組織委によると、7月1日〜8月7日に五輪関係者で確認された感染者は計404人。選手やメディアなどを対象に実施しているPCR検査の陽性率は0・02%にとどまる。中村英正・大会開催統括は7日の記者会見で「陽性率の低さは、安全な空間が確保された1つのエビデンスだ」と評価。「史上最も困難な大会」と振り返りつつ「スケジュール通りに行うことができたのは、運営が成功した証左だと思う」と述べた。
一方、大会開催による全国の感染拡大への間接的な影響は不明だが、国内の専門家からは、感染防止の呼び掛けと五輪のお祭りムードが「矛盾したメッセージとなり、人々に危機感が伝わらない要因になっている」との指摘がある。IOCや組織委はこうした声に否定的だ。バッハ氏は「五輪が間接的に感染拡大に影響したという主張には、数字的な裏付けがない」と一蹴。IOCにコロナ対策を助言する独立専門家パネルのブライアン・マクロスキー博士も五輪で人々の気持ちが緩んだという「科学的な根拠はない」と強調した。
感染防止のため、海外からの大会関係者は行動が厳しく制限されたが、抜け穴も目立った。組織委は7日時点で、8人の参加資格証を剝奪したほか、一時効力停止が8人、厳重注意が16人に上ると公表した。剝奪のうち2人は、観光目的で選手村を出たジョージアの選手。ただ、6日未明にもオーストラリアの選手がビールを買いに出掛けたが、IOCは「オーストラリアオリンピック委員会が迅速に対応した」とするのみ。実際、都内の繁華街では大会関係者の姿が多く目撃されており、ルール運用に不公平感が残る。
コロナ禍の前は「最大のリスク課題」だった暑さ対策は、懸念が以前から出ていたにもかかわらず、土壇場での変更が相次いだ。7日早朝のマラソン女子決勝の1時間繰り上げが決まったのは前日夜。6日の女子サッカー決勝は日中から夜に変更され、この影響で日本がメキシコと対戦した男子サッカー3位決定戦も前倒しになった。体調を調整する選手への負担は大きく、直前の変更は「正直ありえない」(サッカーの久保建英選手)との苦言も漏れた。これに対し、中村氏は「最後の最後までフレキシブルに対応してきた」と強調する半面、もっと早く決められなかったのかという声には「選手の立場でもう少し早く決められなかったのか、というのはある。真摯に今後の大会運営で考えていかなければ」と反省の弁を口にした。

●コロナ感染急増、政権に打撃 菅首相、危機感伝えきれず 五輪閉幕 8/8
8日閉幕の東京五輪。
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言下で、菅義偉首相は競技のほぼ全てを無観客とするなど「安全・安心の大会」実現を目指したが、国内は爆発的な感染急増が止まらない。国民に危機感を伝えきれないまま、医療崩壊などの事態を招けば、政権への打撃は避けられない。
「これまでに経験したことのない感染拡大が進んでいる」。首相は5日、政府の新型コロナ対策本部でこう訴えた。その一方で、首相はこの日も含めて連日のように、日本選手の金メダル獲得をツイッターで祝福。自民党内からは「はしゃいでいるように見える」(中堅)との不満が漏れる。
コロナ禍の五輪開催に、国民の視線は厳しい。首相は6日の記者会見で「五輪が感染拡大につながっているという考え方はしていない」と影響を否定したが、政府による帰省の自粛、飲食店の酒提供停止などの呼び掛けが、理解を得られにくくなっているのは明らかだ。政府分科会の尾身茂会長も「五輪をやるということが人々の意識に与えた影響はあるのではないか」と指摘した。
大会中、感染力の強いデルタ株の猛威は全国に波及し、陽性者は累計で100万人を突破。首相は緊急事態宣言の拡大・延長に追い込まれた。政府関係者は「東京は危ない状況だ。このまま行けば重症者や死者が増える」と警鐘を鳴らし、一部の専門家は全国への宣言発令を求める。
五輪の祝祭ムードを政権浮揚につなげ、衆院選や自民党総裁選を乗り切る―。そんな首相の目算は感染拡大で狂った。菅内閣の支持率は過去最低水準に落ち込み、好転する兆しは見えない。
この間、重症者ら以外は自宅療養を基本とする政府の新方針は、与党の反発を受けて「中等症も原則入院」と説明の修正に追い込まれた。首相が切り札と位置付けるワクチン接種も、都市部などでは予約が取りづらい状況が続く。
政権内で五輪開催の評価は定まらない。「世界中のアスリートが頑張っているのを見て、やれてよかった」(河野太郎規制改革担当相)との声がある一方、自民党幹部は「五輪が盛り上がるほど、『なぜワクチン接種が進まないのか』という批判になる」と懸念を隠さない。
野党は「五輪を政治利用しようという考えが愚かだ」(立憲民主党幹部)と対決姿勢を強める。
24日には東京パラリンピックが始まる。官邸幹部は「淡々とやるだけだ」と中止論を否定。政府は近く、大会組織委員会や東京都などとの5者協議を開き、観客の扱いを決めるが、31日が期限の緊急事態宣言は再延長の可能性も取り沙汰されており、五輪同様に無観客となる公算が大きい。 

●札幌市 感染者195人 デルタ株疑い67人 入院"以外"の患者 1500人超え 8/8
札幌市は8月8日、新たに新型コロナウイルスの感染者が195人(うち再陽性1人)確認されたと発表しました。
感染者は非公表含む10代から80代の195人(うち再陽性1人)。200人を下回りましたが、前の週の日曜日から約1.2倍に増加しました。
感染力が強いとされるインド型変異ウイルス・デルタ株の「感染疑い」は67人確認されました。
札幌市内でのデルタ株疑いは、計1164人(うち18人確定)です。
1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は、「69.75人」と「緊急事態宣言」の目安となる「25人」を19日連続で上回り、増加しています。
使用病床数は8月7日時点ですぐに対応できる557床中234床で約42%、病院以外の宿泊療養施設や自宅待機者は6日時点で計1520人と1500人を超え、7日連続で1000人を超えました。
これまでのクラスターも拡大しています。ススキノの接待を伴う飲食店、いわゆる"夜の街"関連は新たに1店舗と8人確認され、319店舗1226人となりました。
195人中、約半数の91人の感染経路が不明で、重症者は前日と変わらず8人です。
政府は「緊急事態宣言」を東京都、沖縄県を延長したうえで、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府を追加、北海道、石川県、京都府、兵庫県、福岡県に「まん延防止等重点措置」を2日から適用しました。期間は31日までです。さらに茨城や愛知県など8県を追加することを決めました。
北海道は2日から札幌市をまん延防止措置の区域とし、飲食店での「酒類の提供を終日自粛」要請をし、時短要請を1時間繰り上げ午後8時までとします。
外出自粛、往来自粛要請に加え、公共施設の原則休館も継続します。
札幌市は市営地下鉄と市電の終電を約20分から30分繰り上げる対策を5日から開始。小中学校などでの修学旅行は9月以降への延期を要請。公共施設は市民の健康維持や子どもの健全な成長促進の観点から特に必要な施設を除き、原則休館とします。

●新型コロナ新たに28人から確認 6日連続の20人超え クラスター拡大も 山形 8/8
新型コロナウイルスについて、山形県は8日新たに28人の感染を発表。感染者が20人を超える発表は6日連続。
山形県が8日午前11時に発表した内容によると、新たな感染確認は山形市が15人、寒河江市が4人、村山市が3人、天童市が2人、東根市、尾花沢市、山辺町、鶴岡市が1人の男女あわせて28人。28人のうち26人が50代以下。
山形市の15人のうち30代から40代の男女4人は、クラスターが発生した山形市の「ソニー生命保険株式会社山形支社」の関連。
20人を超える感染発表は6日連続で、累計の感染者は2359人。入院中は69人、うち重症は2人。新たに発表された死者はいない。宿泊療養は48人、在宅療養は73人。入院などの調整中は51人。
病床占有率は新庄市の県立新庄病院が最も高く66、7%、次いで県立中央病院の40、4%、県全体では29.1%となっている。
一方、山形市は感染力が強い「デルタ型」の疑いのある「L452R」変異のある検体が新たに1件確認されたと発表。この検体は山形市で今月上旬に発症した感染者のもの。山形県内で「L452R」変異が確認されたのはこれを含め79件で、このうち14件が「デルタ株」と確認されている。

●新型コロナ 東京都4日連続4千人超 自宅療養の1人死亡 8/8
東京都内では、7日、これまでで2番目に多い4566人が新型コロナウイルスに感染していることが確認され、4日連続で4000人を超えました。また、50代の女性が自宅療養中に容体が急変して、搬送された病院で亡くなりました。今回の第5波で自宅療養中に死亡した人を都が把握したのは初めてです。
東京都は、7日、都内で新たに10歳未満から100歳以上の男女あわせて4566人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。
これまでで2番目に多く、一日の感染確認が4000人を超えるのは4日連続です。
1週間前の土曜日より508人増えました。
7日までの7日間平均は3893.0人で、前の週の133.3%となり感染の急拡大が続いています。
7日の4566人の年代別は、10歳未満が208人、10代が418人、20代が1467人、30代が982人、40代が675人、50代が543人、60代が161人、70代が63人、80代が39人、90代が9人、100歳以上が1人です。
感染経路がわかっている1673人の内訳は、「家庭内」が最も多く1065人、「職場内」が244人、「施設内」が81人、「会食」が56人などとなっています。
東京オリンピック関連では7人の感染が確認されました。内訳は、外国人が競技関係者1人、メディア関係者1人で、日本人が組織委員会で2人、委託業者2人、ボランティア1人です。
これで都内で感染が確認されたのは、24万5219人となりました。
一方、7日時点で入院している人は3485人になりました。
6日より102人増え、ことし1月12日の3427人を超えて過去最多となりました。
「現在確保している病床に占める割合」は58.4%です。
また、都の基準で集計した7日時点の重症の患者は6日より9人増えて、150人でした。
150人以上となるのはことし1月28日以来で、重症患者用の病床の38.3%を使用しています。
都内の重症患者は増加傾向が続いていて、今月1日に100人を超えたあと、1週間もたたないうちに50人近く増えました。
最も多かったことし1月20日の160人に迫っています。
都の担当者は「感染者が第3波のピークの倍近くになっていて、それに伴って入院患者と重症患者が増えている。感染者の増加から、少し遅れて増えるので、今後、さらに増える可能性が高い」と話しています。
そのうえで、「『医療体制のひっ迫が始まっている』と専門家も指摘している。感染者を少しでも減らすことが入院患者と重症患者を減らすことにつながる。連休やお盆休みもステイホームしていただき、会食など感染リスクがある行動を控えてほしい」と話しています。
このほか、このところ増え続けている自宅で療養している人は、6日よりさらに408人増えて1万8444人となり、過去最多を更新しました。
また、都は、感染が確認された50代の女性2人と60代の女性1人、それに70代の男性1人のあわせて4人が死亡したことを明らかにしました。
このうち50代の女性1人は、今月2日に陽性がわかり、自宅療養をしていたということです。
自宅療養を始めて4日目の今月5日になって容体が急変して、搬送された病院で亡くなったということです。
今回の第5波で自宅療養中に死亡した人を都が把握したのは初めてで、都の担当者は「これだけ自宅療養者が増えると体調が急変する人のフォローアップが重要になる。フォローアップ体制の拡充をはかる必要がある」と話しています。
これで都内で感染して死亡した人は2310人になりました。

●8日の川崎市 410人感染、クラスター拡大相次ぐ 8/8
新型コロナウイルス感染症を巡り、川崎市は8日、10歳未満〜90代の男女410人の感染が新たに確認されたと発表した。重症1人、中等症5人、軽症380人、無症状24人。260人の感染経路が不明という。市発表の感染者は、累計2万2240人となった。
年代別では20代が109人で最多。30代と40代が各77人、50代61人、10代34人、10歳未満27人、60代15人、90代4人、70代と80代が各3人だった。
居住地別では川崎区が110人、宮前区が50人、中原区が42人、多摩区が40人、高津区が37人、幸区が27人、麻生区が23人、横浜市が48人、都内が15人、藤沢市が7人、茅ケ崎市が3人、相模原市・横須賀市・平塚市・鎌倉市・厚木市・大和市・伊勢原市・福島県が各1人。
川崎市によると、クラスター(感染者集団)関連では、職員と利用者の計10人が感染していた幸区のデイサービス施設で、新たに職員1人が陽性となった。多摩区の有料老人ホームでも利用者2人と職員1人の陽性が判明し、感染者数は計9人となった。
感染経路が分かっている150人のうち家庭内感染は99人、陽性者の接触者は51人だった。

●計236人感染 7日の静岡県内、2日連続で最多更新 連休中の拡大懸念 8/8
静岡県内で7日、新たに236人の新型コロナウイルス感染が確認された。200人を超えるのは2日連続で、6日の224人を上回り過去最多となった。県は7月下旬の4連休中に感染が広まったとみて、7日からの3連休による感染拡大を懸念。「一人一人の行動がまん延防止等重点措置の延長につながる可能性もある。不要不急の外出は控えてほしい」と改めて対策の徹底を求めた。
沼津市では7日までに、新たなクラスター(感染者集団)が発生した。クラスターは事業所で、従業員計6人の陽性が判明した。居住地別の感染者数は沼津市29人、焼津市16人、磐田市13人など。
静岡市は新たに43人の感染を確認した。うち2人は市広報課の女性職員。同市の直近1週間の人口10万人当たり感染者数は27・78人となり、過去最多だった今年1月14日の26・91人を上回った。
浜松市は56人の新規感染者を公表。1日の感染者数として最多となった。このうち8人は、市内の学習塾クラスター関連だった。
県内の累計感染者数は1万2051人(再陽性者を含め1万2052人)となった。

●中央卸売市場で発生のクラスター拡大…新型コロナ 石川県 8/8
石川県では新たに55人が新型コロナウイルスに感染しました。
石川県は8日午前10時までに422件の検査を行い、このうち55人の感染を確認しました。内訳は感染経路が分からない人が23人、濃厚接触者などが26人となっています。
クラスター関連は金沢市中央卸売市場関係が2人、子どもが通う福祉施設関係が4人です。感染者は累計で5732人となりました。

●まん延防止等重点措置 きょうから拡大 不要不急の外出自粛を  8/8
新型コロナウイルス対策で、まん延防止等重点措置の適用地域が、8日から拡大されました。政府は、全国規模の感染拡大を抑えるため、拠点となる地域での対策を強化するとともに、引き続き、不要不急の外出自粛などを粘り強く呼びかける方針です。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、8日から、まん延防止等重点措置の適用地域に、福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の8県が追加され、重点措置の適用地域は13の道府県に拡大されました。
また、首都圏の1都3県と大阪府、沖縄県には緊急事態宣言が出されていて、期間は、宣言と重点措置のいずれも今月31日までとなっています。
こうした中、東京では、7日、これまでで2番目に多い4500人あまりの感染が確認されるなど、新たな感染者は、全国で1万5000人を超え、1日の発表としては4日連続で最も多くなりました。
政府は、全国規模の感染拡大を抑えるため、宣言や重点措置により、拠点となる地域での対策を強化することにしており、飲食店の営業時間の短縮や、酒の提供停止などを徹底するとともに、医療提供体制の確保を進めることにしています。
さらに、人の流れを可能なかぎり抑制する必要があるとして、引き続き、不要不急の外出自粛や、お盆の時期の帰省や旅行を極力控えることなどを粘り強く呼びかける方針です。

●楽観論一転、対策後手に デルタ株猛威も人出減らず 8/8
東京都内の新型コロナウイルスの新規感染者は5日に5000人を突破し、医療逼迫(ひっぱく)は深刻さを増している。
都は症状の軽い人の退院を促す病床確保策を示したが、後手の対応が続く。デルタ株の拡大に加え、人出を十分抑え切れておらず、専門家は新規感染者が18日に1万人超になると予測。「ワクチン効果」による楽観論から一転、厳しい現状を突き付けられている。
「入院すべき人ができない状態に陥った」。都内の感染症指定医療機関の医師は、病床が埋まる窮状を訴えた。入院患者は7日現在3485人で確保病床の半数を超え、国指標のステージ4に。都基準の重症者は7月中旬に60人前後で推移していたが、わずか半月で150人に増え、過去最多の160人(1月20日)に近づく。この医師は「デルタ株の脅威を国も都も甘く見ていた」と憤る。
重症者は6月下旬に30人台までに減り、都も国と同様、高齢者へのワクチン接種の成果と自信を深めた。ちょうどその時期、小池百合子知事が過労で入院。「知事が不安がるネガティブな情報は避けられ、楽観論が広がった」(都幹部)。
小池氏は7月1日の復帰後、高齢者に代わり重症者の中心となった50代に「積極的なワクチン接種が必要」と訴えるようになった。都幹部は「それ自体は正しいが、若者がコロナを人ごとと捉えてしまった」と話す。現在は30代以下が感染者の7割を占め、重症化例も出ている。
都内には同12日から緊急事態宣言が出ているが、大規模商業施設への休業要請には踏み込んでいない。業界の反発に加え、協力金の国の補助率が大幅に下がったためだ。緩い措置とデルタ株の台頭、そうした中で迎えた東京五輪。お祭りムードと相まって、宣言の効果は限定的となった。
五輪閉幕後はお盆が控える。小池氏は今月6日の記者会見で「お盆休みは人と人との接触を劇的に減らす」と強調し、外出や帰省、旅行の自粛を改めて求めた。都幹部は「当然そうしてもらいたい」としながらも「いったん緩んだ空気はそう簡単には戻らない」と厳しい見方を示した。 

●帰省シーズン静かなスタート 県など感染拡大防止呼び掛け 8/8
新型コロナウイルスの感染「第5波」が全国に広がる中、お盆休みの帰省シーズンを迎えた。県境を越えた人の流れが活発化し、さらなる感染拡大が懸念されるが、3連休初日の7日、新潟県内の鉄道や高速道は目立った混雑はなかった。県などはJR新潟駅などで帰省客に向けて感染防止策の徹底を呼び掛けた。
感染力の強いデルタ株が猛威をふるうさなかの帰省シーズン入り。県内でも感染者が特に多い新潟市では、県独自の特別警報が発令中だ。
JR新潟駅では、昨年同様に新幹線の空席が目立った。JR東日本によると、7日午後4時現在の上越新幹線下り列車の自由席乗車率は最大60%だった。
新幹線ホームでは、マスク姿の家族連れらが大きな荷物を抱え、降り立った。1年ぶりに帰省した東京都稲城市、会社員男性(43)は「両親が2回目のワクチン接種を終えたので、帰省すると決めた」と話す。新潟市秋葉区の実家に向かう東京都板橋区、大学生女性(19)は事前にPCR検査を受けて帰郷。「友達には帰ると伝えていない。向こうが会いたくないかなと思って」と実家でゆっくり過ごすという。
新潟駅では改札を出てきた帰省客らに向けて県と新潟市の職員が「ふるさと新潟にお越しの皆様へ」と記したボードを掲げ、「不要不急の外出を控えてください」と感染拡大防止への協力を呼び掛けた。
長岡市の関越道越後川口サービスエリアでも、同様にのぼりやパネルを設置した。東京から車で家族旅行に訪れた運送業男性(35)は「長女が来年高校生になるので、家族の思い出作りは今年が最後。不安もあるけど、予防しながら楽しみたい」と語った。

●長崎県内でコロナ感染者55人 クラスター拡大 8/8
7日、長崎県内では新たに55人の新型コロナ陽性者が発表されました。内訳は長崎市で16人、佐世保市で18人、長与町で7人、時津町で4人、諫早市、大村市、島原市で各2人、雲仙市、西海市、東彼杵町、川棚町で各1人です。
長崎市では6日に5人のクラスターが発表された瓊浦高校空手部で新たに13人の部員の感染が判明し、クラスターは18人に拡大しました。長崎市尾上町のJR九州ホテル長崎は7日、所属する従業員でフロントスタッフ1人の感染が判明したと発表しました。フロントスタッフは5日の勤務後から喉に違和感を感じ、休みだった6日の朝に倦怠感、夕方37.7℃の発熱があり、7日にPCR検査で陽性が判明しました。フロントデスクにはアクリル板を設置し、マスクを着用して業務に当たっていたため、保健所から客や従業員に濃厚接触者はいないと判断されたということです。感染が判明したフロントスタッフが業務に当たるフロント周りや事務所、ロッカーなどは消毒を済ませ、営業を継続しています。
西彼・長与町の県立大学シーボルト校は、3日から5日にかけて学生7人の感染が判明したと発表しました。感染者は全員、過去2週間の県外移動はありません。
県が発表した長与町の7人のうち3人は、10代の男子学生と10代と20代の女子学生です。
佐世保市は、保健福祉部に勤務する40代の男性職員2人の感染を発表しました。職員は、4日の勤務後から倦怠感や発熱の症状が続き、5日は自宅で過ごし、6日に検査を受け陽性が判明。もう1人の男性職員は、初発の職員の濃厚接触者で、6日の勤務後、発熱の症状があり、その日の検査で陽性が判明しました。2人とも過去2週間の県外移動はありません。佐世保市は、6日に庁舎の消毒を済ませたということです。
また、陸自相浦駐屯地で6日に感染が確認された20代の隊員の同僚で濃厚接触者だった10代と20代の男性隊員3人の感染が新たに判明しました。
6日に発表した佐世保市の事業所でのクラスターで新たに50代の男性1人の感染が判明し、クラスターは計6人になりました。
雲仙市で感染が確認された10代の男子学生は、5日に福岡県から市内の実家に帰省。その日の夜に発熱し検査を受け陽性が確認されました。
一方、6日に長崎県が感染ステージを4に引き上げお盆前後の緊急要請を出したことを受けて、長崎市は市の観光施設を10日から休館します。田上長崎市長:「この時期に接触を出来るだけ減らすことが今後の感染の広がりを防ぐ最大のポイントで、長期にわたる感染の拡大を防ぐことになる」。長崎市は、8月7日から23日まで、不要不急の県外との往来自粛や外出自粛、家族以外との会食を自粛する非常事態行動の徹底を呼びかけました。グラバー園や出島、ペンギン水族館など、県外からの利用者が多い市の観光施設など35施設を8月10日から23日まで休館します。8月7日から31日まで市主催のイベントは原則、中止や延期、無観客やリモートでの開催とします。
8月9日に開かれる平和祈念式典については、予定通り実施し、感染対策として、招待する大使などには、市民との接触を避けるため職員がアテンドし、ホテルで食事をとるよう感染拡大防止の協力を文書で求めているいうことです。また、6日までに市長を含む運営スタッフ約550人の抗原検査を終え、全員「陰性」だったということです。
8月15日の精霊流しについては、極力控えてほしいとした上で、「こも」や小さめの船を流すなど流し手が接触する機会を減らしてほしいと呼び掛けました。

●「欧米並みの大流行だ」コロナ感染拡大続く沖縄 医師が明かす現実 8/8
6日、国内の累計感染者数が100万人を超えた。首都圏では7日、東京の新規感染者が4日連続で4000人を超え、さらに埼玉では1449人、千葉で1075人の感染を確認、そのほか大阪、京都、静岡、三重、富山、福岡、鹿児島でも感染者が増加するなど全国的に感染が拡大している。
中でも深刻なのが沖縄だ。1日、沖縄県の玉城知事は「沖縄県内で確認される感染者数の人口比は全国でワースト。海外諸国ではロックダウン相当のレベルだ」と述べ、危機感をにじませていた。玉城知事の憂慮が的中するかのように、沖縄では8月4日から4日連続で新規感染者500人を超えた。
5月下旬に緊急事態宣言に入ったまま、まん延防止措置への移行もなく、ずっと緊急事態宣言が続いている沖縄。ニュース番組『ABEMA Prime』に出演した沖縄県立中部病院感染症内科・地域ケア科副部長の高山義浩氏は「沖縄では欧米並みの大流行の状況だ」と話す。
「ここのところ、1日あたりの新規陽性者数が600人前後で推移している。これは東京で言うと、6000人に該当する。しかも、まだ流行の勢いに衰えが見えない。流行を抑え込む施策も取れていない。まだまだ増えるだろう」(高山氏・以下同)
東京をはじめ首都圏では、40代、50代の重症化率が深刻になっているが、沖縄ではどのような状況なのだろうか。
「沖縄もやはり40代、50代のワクチン未接種者の重症化が多いと思う。この世代は体力があるので、すぐに亡くなってしまうことはないが、重症化して苦しんでいる患者が多い。今の新型コロナのインパクトは、死亡数で測るのではなく、重症者の数で見ていく必要があると思う。その上で、沖縄は、東京よりも深刻でコロナが大流行していると思ってほしい」
2カ月以上も緊急事態宣言を続けているのに、なぜ感染者が減らないのだろうか。高山氏は「緊急事態宣言は、同じような効果が毎回期待できるわけではない」と答える。
「緊急事態宣言を出した直後はある程度効く。しかし、出しっぱなしにしておけば、緩んでくるのは当然だ。仕方のない部分もあるが、宣言による感染者の減少は期待できない。あくまで自粛に協力できるムードをどのように作っていくのか。日本のコロナ対策はムードでやってきた。そして、今もまだムードで何とかしようとしている。それ自体が問題だ。もちろん自粛に協力いただいている方もいるが、『もう協力できないよ』と考えている若者たちにムードでなんとかしようとしても無理だ」

●コロナ感染者が続出中に「政治資金パーティー」を開いた「ある事情」 8/8
ホテルニューオータニ東京・鶴の間。最大2500人収容の宴会場だが、7月21日正午、そこに集まった人はまばらだった。
「盛山正仁を励ます会」。盛山氏は自民党岸田派所属の代議士だ。つまりこれは政治資金パーティーである。
「岸田派では、所属議員の秘書6名が派閥のパーティー後に次々と新型コロナウイルスに感染し、クラスターを起こしていました。そんな時にどうして? と開催を不安視する声が党内でも上がりました」(自民党関係者)
会場は取材お断り。そこで本誌がパーティー終了後に取材を申し込むと盛山氏の夫人が応じた。
「3月、6月と会が延期になっており、本日も延期を検討しましたが、9月に延期した場合、新型コロナウイルスの感染がさらに拡大するリスクがあると考慮し、開催に踏み切りました。参加人数は会場では35人、リモートでは170人です。全面リモートでの開催を考えたのですが、東京の熱心な支援者の要望でこの形式で開催となりました」
総選挙も近く、感染も止まらないので「今しかない」という事情のようだ。派内で感染が相次ぐ中、不安はなかったのか。
「会の開催に当たり、岸田先生からは『とにかく地味に、都のイベント開催基準に違反しないように』との言葉をいただきました」(盛山氏夫人)
夫人は、夕方から盛山議員とワクチン接種の予定があると言い残し去っていった。ワクチン接種後にパーティーを開いたほうが良かったかもしれない。

●「最後のとりで」救急医療の現場も病床ひっ迫 感染急拡大で  8/8
新型コロナウイルスの感染の急拡大は、救急医療の現場にも影響を及ぼしています。重症患者を受け入れている都内の病院では、新型コロナ以外の患者でも断らざるをえないケースも出ていて、医師は「コロナはもちろんそれ以外の病気やけがも迅速に医療を受けられない状況になりつつある。ひと事ではないことを知ってほしい」と訴えています。
東京 文京区の日本医科大学付属病院は、緊急性の高い重症患者に対応する3次救急の指定病院で、「最後のとりで」の役割を担い、新型コロナの患者も受け入れていますが、感染の急拡大で病床はひっ迫しています。
8月初めに9床だったコロナ患者用の重症病床を13床に増やして対応に当たっていますが、満床の状態が続いているということです。
6日は、午前中に重症化した30代のコロナ患者を別の病院から受け入れて満床となりましたが、高度救命救急センターのホットラインには、消防からコロナ患者の受け入れ要請が次々に入り、救急医が受け入れは難しいと伝えていました。
一方、一般の重症病床もコロナ患者への対応で半数以下の21床に減らしているため、コロナ以外の患者の受け入れを断らざるをえないケースも出ていて、この日は心筋梗塞の患者は受け入れたものの、けいれんを起こした患者は受け入れることができませんでした。
センターには、1日でふだんの6倍に当たる31件の要請がありましたが、受け入れられたのは8件にとどまったということです。
日本医科大学付属病院高度救命救急センターの横堀將司センター長は「受け入れ要請がこれほど来るのは、今までにないことで、ピークも見えない中戦々恐々としています。医療提供体制をさらに整えようとしていますが、人的資源にもかぎりがあります。コロナはもちろんそれ以外の病気やけがも迅速に医療を受けられない状況になりつつあり、ひと事ではないことを皆さんに知ってほしい。感染者数を減らすことでしかこの状況は改善しません。感染のリスクを減らすための行動をとってほしい」と訴えました。

●「ラムダ株を隠蔽」米メディアが報道…入国から17日後の判明に疑問噴出 8/8
東京都では新型コロナウイルスの感染者が、4日連続で4000人を超えるなど感染が急拡大している。インド由来のデルタ株が広まりつつあることから、政府は8月8日に福島、茨城、栃木など8県を「まん延防止等重点措置」の対象として追加した。
そんななか、南米・ペルーを由来とされるラムダ株の国内流入が確認されたのだ。各紙によると、ペルーに滞在歴のある30代女性が7月20日に羽田空港に到着し、検疫で陽性が判明。その後、国立感染症研究所の調査によりラムダ株と確認されたという。
「ラムダ株は昨年8月にペルーで初めて確認されました。WHOは変異株を『注目すべき変異株』(VOI)と『懸念される変異株』(VOC)に分類しています。今年6月、WHOはラムダ株を『注目すべき変異株』(VOI)に指定。いっぽう国立感染症研究所が7月に発表した報告では、国内でラムダ株の報告がなかったことからVOI、VOCのどちらにも位置付けませんでした」(全国紙記者)
外務省によれば水際対策として、ペルーからの入国者は「検疫所の宿泊施設での3日間待機(退所後、入国後14日目まで自宅等待機)」と指定している(8月2日時点)。
感染力の強さやワクチンの効き目など詳細がわかっていないラムダ株だが、国内初の感染確認を厚生労働省が明かしたのが8月6日だったというのだ。同省が正式に発表したものではなく、報道機関の取材によって判明。また国立感染症研究所での調査が、どれくらいの日数を要したかも明かされていない。
いっぽう米国ニュースサイト「デイリー・ビースト」は8月6日付で、《東京はオリンピック直前に命に関わる新しいCOVIDの変異株を隠蔽》と題した記事を配信。そこには、《国立感染症研究所の研究者はデイリー・ビーストに、ラムダ株は空港のチェックで発見されたと語った》と報じている。
さらに感染症専門医の忽那賢志氏が8月1日に「Yahoo!」へ寄稿した、《新型コロナ 南米で拡大しているラムダ型変異ウイルス 現時点で分かっていることは?》と題した記事には次のようにも綴られている。
《日本国内では2021年7月31日現在、まだラムダ型変異ウイルスの報告はありません(※本記事を投稿後、国立感染症研究所よりGISAIDに本邦1例目のラムダ型変異ウイルス感染事例が報告されました)》
7月23日に開幕し、8月8日に閉会式を迎えた東京五輪。ラムダ株が確認された30代女性の入国が五輪前だったことから、ネット上では「情報を隠していたのでは?」と訝しむ声が広がっている。
《7月20日? ん? なぜこのタイミングで公表?? なんでこんなに遅くなったのかな??》
《オリンピック直前、発表せず、隠蔽?》
《検疫で引っかかって水際で止めてるから大丈夫やと思うけど、この時期になって公表されるのは何かオリンピック関連の意図的な物を感じる》

●デルタ株蔓延で変わる感染経路 8/8
新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、インド由来のデルタ株への置き換わりが進み、今月初旬の段階で陽性例に占める割合は、関東で約90%、関西で約60%と推定されている。従来株やその後に置き換わった英国由来のアルファ株と比べ、デルタ株の感染力の強さは際立っており、クラスター(感染者集団)の発生状況や感染経路も変容。対策は一層の強化を迫られている。
「これまでクラスターがほとんどなかった百貨店や理美容、学習塾などでも発生している。百貨店では、人が多い地下や1階で多くの陽性者が出ている」
西村康稔経済再生担当相は、政府の基本的対処方針分科会でこう述べた。
コロナの感染拡大当初、クラスターが発生したのは飲食店やライブハウス、スポーツジムなど、いわゆる3密(密閉・密集・密接)の状況が中心だった。その後、高齢者施設などで増え、ワクチンの接種が進むにつれ、減少してきた。こうした状況にもデルタ株が影響を与えつつある。
阪神百貨店梅田本店(大阪市)では従業員の集団感染が発生、感染者数は計130人を超えた。当初は利用客らが立ち入らない店舗のバックヤードで感染が広がったとみられていたが、大阪市の松井一郎市長は保健所の調査結果を踏まえ、「客からの感染の可能性が高い」との見方を示した。
市は無症状の客が、マスクを正しく着けずに大声で会話したり、ウイルスが付いた手で何かを触ったりしたことで感染が広がった可能性を指摘。大阪府の吉村洋文知事は「デルタ株の感染拡大力の強さを物語っている。今までの接触の程度であれば感染しなかったものも感染するということだと思う」と語った。
国立感染症研究所などによると、デルタ株の感染力は従来株と比べ2倍、従来株より高いとされるアルファ株と比べ、1・5倍高い可能性が指摘されている。感染者1人からうつる人数を示す「再生産数」は5〜9・5で、季節性インフルエンザより高く、水ぼうそう(8・5)に匹敵。「最も感染力の強いウイルスの一つ」との見方もある。
また、感染研が厚生労働省に対策を助言する専門家組織に提出した資料では、感染者のウイルス量が、デルタ株は従来株に比べ1200倍で、増殖速度が速く感染早期に感染性が高い可能性があるとする中国のグループの研究が示された。
ただ、デルタ株独自の対策があるわけではない。
専門家組織は、マスクや手指衛生、人との距離の確保、換気といった基本的感染防止対策の強化を促し、「マスクについては、飛沫(ひまつ)防止効果の高い不織布(ふしょくふ)マスクなどの活用を推奨する」と呼びかけた。感染研所長で専門家組織の脇田隆字(たかじ)座長は商業施設を利用する際の対策について、「なるべく少人数で時間を短くして、混雑した場面を避けることが重要だ」と改めて訴えている。 

●40代50代のコロナ重症者が激増…各医療現場を取り巻く第5波の現実 8/8
新型コロナの感染再拡大で40代、50代の重症化が深刻になっている。東京都の小池知事は6日の会見で「40代50代の重症の方々の比率が高い」とコメント。同日、確認された重症者135人のうち、約6割が40代、50代だった。
この爆発的な感染拡大の原因はデルタ株の流行だ。ニュース番組『ABEMA Prime』では、最前線で治療にあたる医師6人がリモート出演。これまでの感染状況との決定的な違い、また医療ひっ迫の実情など、それぞれが直面している現実を聞いた。
現在の感染状況を現場の医師たちはどのように見ているのか。大阪大学医学部・感染制御学教授の忽那賢志氏は「高齢者が広くワクチンを接種したことで、高齢者の感染・重症化は減っている」と語る。
「私が働く大阪大学の病院では、ワクチンを打っていた40〜50代で重症化した人は、まだいない。しかし、40〜50代で、ワクチンを打っていない方々は、デルタ株の影響でより重症化しやすくなっている。現場の実感では、重症化している人はほとんどワクチンを打っていないか、運悪くワクチンの効果が出ていない間に重症化してしまった方ばかりだ。感染者が急激に増えた結果、遅れて今になって重症者数が増えてきているように感じる」(忽那氏)
荏原病院耳鼻咽喉科医長の木村百合香氏も「まだ40代、50代にはワクチンが行き渡っていない」といい、「ワクチンを打っていて重症化している人は少ない印象。やはりワクチンを打っていない人が重症化していると思う」と話す。40代、50代のコロナ患者が増える中、今回の第5波はこれまでと何が違うのだろうか。
「見た目の重症者数は、前の第3波の流行時とあまり変わらないように見受けられるかもしれないが、(重症者が)高齢者の場合、ある程度、最終的には合併症があったり、寝たきりであったり、緩和治療の形で、医療資源が投資されることなく亡くなる人もかなり多かった、しかし、40代、50代は人工呼吸器やエクモ(体外式膜型人工肺)など医療資源をすべて投入している。よって、医療資源をずっと使い続けることになる。今、私が働く病院はだいたい100名以上が入院しているが、その中で重症化する患者さんが非常に増えてきている。若くても、あれよあれよという間に酸素投与が必要になって、レスピレーター(人工呼吸器)が必要になる患者さんも多い。そろそろ、私どもの病院では受け入れを制限せざるを得ないような状況に来ている」(木村氏)
「普通の病院には100人分の人工呼吸器は当然ない。私どもの病院でも回せて10台だ。どの病院でも100床あるからといって、100床で人工呼吸器を使えるかというと、全くそんなことはない。数は限られているし、人工呼吸器を維持するには、従事しなければならないスタッフも非常に多い。だから、今の現場は非常にまずい状況だ」(木村氏)
人工呼吸器を患者に使う場合、2週間から1カ月程度は装着したままになる。つまり、10台しかない人工呼吸器で、1カ月間で助けられるのは最大約20人、最小で約10人だ。
去年、大規模なクラスター感染が発生した永寿総合病院は現在どのような状況なのだろうか。同病院のがん診療支援・緩和ケアセンター長の廣橋猛氏は「当時は、まだ第1波で相手がわからない状況だった。PCR検査もできず、治療もわからず、どんどん患者さんの具合が悪くなって、我々もすごく恐怖を感じていた」と過去を振り返る。
「私どもの病院は東京のど真ん中、上野の中心にある。第5波の感染が広がる中、普通に繁華街に今日(7月6日)も人がいっぱいいた。『大丈夫かな?』とかなり恐怖を感じながら歩く状況だ。(新型コロナ以外の病気で)一般治療で入院されている患者さんも多い。救急の患者さんも、通常の手術の患者さんも、全員PCR検査を行っているが、まったく予想していないところで『実はPCRで陽性だった』といったケースもあった。感染症に慣れている病院ならともかく、私どものような一般の病院は、非常に怖い思いをしながら、通常診療を行っている」(廣橋氏)
また、在宅医療の現状について、首都圏で最大規模の在宅医療を提供している医療法人社団悠翔会の理事長・診療部長の佐々木淳氏は「在宅医は、普段は基礎疾患がある方、通院が困難な要介護の人たちを定期的に診察する。今回は新型コロナにかかって普段は診ない若い患者さんたちを『自宅で診てくれ』と東京都や千葉県などから要請されて、今まさにその取り組みを始めたところだ」と話す。
去年末から今年初めにかけて、東京都の1日の新規感染者数が2000人を超えた頃、佐々木氏が診察に行っている介護施設や在宅医療の現場でクラスター感染が相次いだ。しかし、今は「凪のような穏やかな状態で、まったくクラスター感染が起きていない」という。なぜなのだろうか。
「在宅医療で普段診ている高齢者の介護施設、多疾患といった複数の病気を持った人たちの世界は今、クラスター感染は本当にない。なぜかというと、私たち医療介護従事者はみんなワクチンを打っているし、我々の患者たちは、95%ぐらいがワクチン接種を完了している。高齢者施設ではスクリーニングPCRという、感染していないかどうか定期的に全員のPCR検査をやる。たまに1人、陽性の人が見つかっても、全く広がっていない。以前は1人いたら何人も陽性だったのが、今はその人だけ。そんな状況でクラスター感染は起きない。だから私たちの世界は安全なバブルの内側という感じだ」
新型コロナ抑え込みのカギとなるワクチン。前述の忽那氏は「今回の第5波もワクチン接種が進んで、ここまでの流行にならなければ、一番良かった」と述べる。その上で「第5波がこれから落ちついたとして、その後、また次の大きな感染の波が来たときに、今回よりも重症者を少なく抑えるためには、やはりワクチン接種をどんどん進める必要がある」とワクチン接種の重要性に言及。
「日本の場合、諸外国より少し遅れてワクチン接種が開始されたので、長期的な抗体価の推移はない。しかし、抗体価で見ると下がってくると思う。ただ、ワクチンの効果は必ずしも抗体の数値と一致しないところがある。抗体は下がっているが免疫全体では保たれている可能性もある。追加接種が必要なのか、まだ議論(の余地)がある。海外の事例を参考にしながら、追加接種の検討をすべきだと思う」(忽那氏)
一方で、自治体によってはワクチン接種の予約ができず、10月、11月になるといったケースも発生している。ワクチン接種を担当する河野太郎大臣のブログには、9月中には希望者全員にワクチンが回るだけの数を確保しているとつづられているが、なぜ自治体によってこのような問題が出ているのだろうか。どこかに余剰ワクチンがあるのだろうか。
「このあたりは私も十分に把握できていない。ワクチンの数は保たれていても、本当に必要とされているところにちゃんと配分されておらず、どこかでワクチンが余っているのだと思う。ワクチンが、どこにどれくらいあるか、ある程度把握できて、融通が効く仕組みを作るべきだ」(忽那氏) 

●「かみつくならこっちやで」菅首相と小池都知事の五輪功労章授与に疑問の声 8/8
国際オリンピック委員会(IOC)トーマス・バッハ会長が8日、菅義偉首相と東京都の小池百合子知事に対し、五輪運動発展に寄与したことをたたえる「五輪オーダー」(功労章)で最高の金章を特例で授与すると発表したことを受け、「五輪功労章」「菅首相と小池都知事」がツイッターでトレンド入りした。
新型コロナウイルス感染拡大が収束せず、大会延期や中止を望む声が多かった中での開催だったこともあってか、首相と小池氏の受章に疑問視する声が相次いだ。「(2人が)何をした?」「国民の声を無視して強行したことが名誉になるのか」「ボランティアや医療従事者のみなさんにあげてください」といった投稿があった。
さらに「河村市長! かみつくならこっちやで」と、名古屋市の河村たかし市長の金メダルをかんだ問題に絡める投稿もあった。

●バッハ会長が菅首相と小池都知事に「最高勲章」 国民感情逆なで表彰 8/8
日本の国民感情を無視した意味不明の“叙勲”だ。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は8日、IOC総会で五輪運動の発展に寄与したことをたたえる「五輪オーダー」(功労章)で最高の金章を、特例で菅義偉首相と東京都の小池百合子知事に授与すると明らかにした。
これに対し、ネット上では驚きや怒りの声が続出している。「IOCからしたら功労者かもしれませんが日本国民からしたらこの2人は戦犯です」「国民を売ってIOCに貢献したというご褒美かな?」「日本をめちゃめちゃにしたで章」など辛らつな声が並び、祝福する人はほぼ皆無。さらには「ついでに二人を持って帰ってくれ。どう処分してもいいから」など、五輪閉会と同時に菅首相と小池都知事の退任を願う声もあった。
IOCにとって、コロナ禍での強行開催を推し進めた菅首相、そして開催にストップをかけなかった小池知事に対し、感謝は尽きないだろう。しかし、五輪開催中にコロナ感染者は急増。2人の勲章と引き換えに国民が負った傷はとてつもなく大きい。

●「国辱もの」IOCバッハ会長が菅首相&小池知事に『最高功労賞』授与 8/8
国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が8日のIOC総会で、菅義偉首相と東京都の小池百合子知事に特例で「五輪功労章」の最高章を授与することを明らかにしたことを受け、ネット上では「国辱もの」「吐き気がする」などと憤りの声が続出した。
2人に授与されるのは、五輪運動の発展に寄与したことをたたえる「五輪オーダー」(功労章)で最高の金章。しかし、開催反対や再延期を求める意見が約8割を占める中で行われた東京五輪の期間中、新型コロナウイルスの新規感染者数は爆発した。直接の関連性は不明だが、モヤモヤを抱える人も多い。
そうした微妙な状況にもかかわらず、バッハ会長が“ご褒美”を菅首相と小池知事に与える意向を示したことに対し、「本当に働いた人たちはこのニュース見てどう思うのかなぁ」「成功に寄与したのは色々と我慢した国民」などの指摘が噴出。「これは噛んでも舐めてもよいな。河村先生、お願いします」「こっち噛みに行ったらいいのに」と名古屋市の河村たかし市長の“出番”を求めるコメントもみられた。
 

 

●五輪期間中 コロナ感染急拡大 パラ控え感染の抑え込み課題 8/9
8日閉幕したオリンピックの期間中、開催都市の東京都では新型コロナウイルスの感染が急拡大し、半月後にパラリンピックの開幕を控えるなか感染を抑え込めるかが課題です。
先月23日に開幕し、8日、閉幕した東京オリンピックは、感染拡大で緊急事態宣言が出されるなか、東京など1都3県の会場は無観客になるなど、異例の大会となりました。
大会期間中、開催都市の東京都では、これまでにないスピードで感染が急拡大し、1日の感染確認は、8日までの5日連続で4000人を超えました。
また、7日間平均は、閉幕した8日時点で開幕した先月23日の2.9倍になりました。
さらに、入院患者は、7日、8日と、2日連続で過去最多を更新したほか、自宅療養者も急増していて、都の専門家は、医療提供体制がひっ迫していると指摘しています。
大会の開催が人出を誘発したという見方がある一方、小池知事は、「テレビで観戦した人も多く、ステイホームにつながった」と述べ、開催自体が人出の増加や感染の拡大につながってはいないという認識を示しています。
対策の効果が現れるにはおよそ2週間かかるとも言われていて、半月後の今月24日にはパラリンピックの開幕を控えるなか、感染を抑え込めるかが課題です。

●一言で言うと若い世代が多く、高齢者が一握り コロナ「第5波」 8/9
新型コロナウイルスの感染再拡大の傾向が兵庫県姫路市内で顕著となっている。7月下旬に「第5波」の流行が鮮明となり、8月は1日当たりの新規感染者数が7日に過去最多の49人に上るなど高い水準で推移する。夏休みやお盆の帰省時期を迎え、人流の増加も懸念される。第5波の特徴や求められる対策について、姫路市保健所長で医師でもある毛利好孝さんに聞いた。
――第5波の傾向は
一言で言うと若い世代の感染者が多く、高齢者が一握りになった。そのため、重症者は少ない。ただ、感染者数の増加に伴い、市内の宿泊療養施設はほぼ空きがなくなった。高熱や食欲の減退で衰弱した人が入院するケースもあり、病床は埋まってきている。
――感染拡大はデルタ株の影響か
デルタ株は感染力が強いとされるが、ここ最近は市内で1人の患者から大人数に広がった事例がなく、クラスター(感染者集団)も確認されていない。それよりも、若い世代の生活が徐々にコロナ禍前に戻り、行動範囲が広がっている影響が大きい。友人との食事などマスクを外して人と接する場面が増えると、感染リスクは高まる。
――政府が示した感染者の入院制限方針が混乱を生んだ
姫路市では以前から軽症、無症状の患者は原則、自宅や宿泊施設での療養としてきた。血中酸素濃度が低下している「中等症1」の場合は、基礎疾患があるなど重症化のリスクが高い患者の入院を優先し、呼吸不全のある「中等症2」や重症者は全員が入院となる。65歳以上は症状に関係なく入院としているが、感染者の増加により病床が逼迫(ひっぱく)してくると、この基準で入院の可否を判断する。
――自宅療養者への対応は
入院が必要かどうかを対面して見極めるため、保健師らのチームが近く35歳以上の在宅患者への訪問を始める。34歳以下でも必要と判断すれば足を運ぶ。さらに、夜間に急変した患者の搬送先として、市内の病院で一時受け入れを可能とする病床の確保も検討している。救急の搬送困難事案の解消にもつなげたい。
――お盆の時期に入る。注意点は
マスクの着用や手洗い、うがいの徹底は基本。帰省先では自身や相手がワクチン接種を終えていても、マスクは着けておく。複数人での食事の場では飲酒をして騒がず、食べ終えたらマスクを着用する。子どもはずっと家で過ごすのは難しいだろう。熱中症に気を付けつつ、密にならない屋外での気分転換を楽しんでもらいたい。
重症化防止へ医師往診、8月中旬にも/自宅療養者増で
新型コロナウイルスに感染した自宅療養者の重症化を防ぐため、姫路市医師会は市保健所と連携し、8月中旬にも患者の往診を始める。市内の自宅療養者は感染再拡大とともに増加しており、往診を症状悪化の早期発見につなげる狙いだ。
市によると、市内の自宅療養者数は感染第4波の5月上旬に最多の332人を記録。6月下旬に一時ゼロとなったが、7月下旬から再び右肩上がりとなり、8月6日時点で164人に上る。
往診に取り組むのは開業医ら約30人。市保健所から依頼を受けた患者宅を訪問し、症状の確認や薬の処方などを行う。市医師会の担当者は「症状が重くなる兆候に早く気付き、必要に応じて入院調整を保健所に働き掛けたい」とした。
市保健所の毛利好孝所長はこれまで自ら往診を担ってきたといい「医師会の協力はとても心強い」と話した。

●緊急事態宣言・まん延防止措置から1週間 感染拡大続く 8/9
8日、関西2府4県で発表された新型コロナウイルスの新たな感染者はあわせて2149人となり、5日連続で2000人を上回りました。
大阪に緊急事態宣言が、兵庫と京都にまん延防止等重点措置が適用されてから9日で1週間となりますが、感染の拡大は続いていて各府県は対策の徹底を改めて呼びかけています。
関西2府4県で8日、発表された新たな感染者は、大阪が1164人、兵庫が450人、京都が333人、滋賀が89人、奈良が88人、和歌山が25人のあわせて2149人で、5日連続で2000人を上回りました。
また、大阪で2人の死亡が発表されました。
8月2日に大阪には緊急事態宣言が、兵庫と京都にはまん延防止等重点措置が適用されてから1週間となります。
しかし、京都では初めて300人を超え過去最多を更新したほか、大阪でも6日連続で1000人を超える感染者となるなど関西各地で感染の急拡大が続いています。
各府県はこの連休やお盆の期間中、不要不急の外出を自粛し、都道府県をまたぐ移動は極力、控えるなど、対策を徹底するよう改めて呼びかけています。

●首相、帰省自粛呼びかけ 「極めて大事な時期」 8/9
菅義偉首相は9日、長崎市内での記者会見で、新型コロナウイルスの感染対策について「今週からお盆の時期を迎える。感染力の強い変異株により、かつてない感染拡大が進んでいる中で極めて大事な時期だ」と強調した。その上で「帰省、旅行も極力避けていただき、やむを得ないときは検査をしながら身近な人と小人数で行くなど若い人たちにも協力していただければ」と語った。
首相は新規感染者に占める30歳以下の割合が7割を超えているとして「若い人の対策が極めて大事だ」と指摘し、ツイッターや動画投稿サイト「ユーチューブ」でワクチン接種を呼びかけているとした。また、「若者から家庭への感染が広がっているという指摘がある。若者でも重症化のリスクが高まっているし、後遺症がある方も出てきている。若いから影響がないということではないということも認識いただきたい」と述べた。
首相はまた、総接種回数が1億回を超えたとし、65歳以上の高齢者の8割以上が2回接種を終えていること説明した。さらに「1日も早く2回接種を進めていくことが感染拡大、重症化防止に大いに効果がある。そうした目標を立てながら全力で取り組んでいる」と語った。
一方、東京都で新型コロナ特別措置法に基づく緊急事態宣言が発令されている中で長崎市を訪問した理由を問われ、「長崎と広島で起きた惨禍によってもたらされた苦しみを二度と起こしてはならない。首相として強い思いの下で東京は宣言下だが訪問し、(長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念)式典に参加した」と述べた。

●「五輪終わればコロナ一色」楽観論に懸けた政権、感染爆発に焦り 8/9
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言下で幕を開け、8日に幕を下ろした東京五輪。政治的には安倍晋三前首相が政権の求心力に、後継の菅義偉首相も次期衆院選への弾みにと、それぞれ位置付けた大会だった。日本勢のメダルラッシュに国民が沸くのと並行して、コロナ「第5波」の爆発的感染が列島を覆った。楽観シナリオで五輪に突き進んだ菅政権の支持率が回復する兆しは、まだ見えない。 (久知邦)
閉幕に先立ち、首相は国立競技場内で国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長から、五輪運動の発展に寄与したことをたたえる「五輪オーダー」(功労章)で最高の金章を授与された。午後8時からはマスク姿で秋篠宮さまと並んで閉会式に臨み、入場行進する各国の選手や大会関係者を見守り、健闘をねぎらった。
「安全安心の大会」(首相)の裏で、国内では1日の新規感染者数が1万5千人を超えるなど、かつて経験したことのない感染爆発が続く。6日の記者会見で、首相は「五輪が感染拡大につながっているという考え方はしていない」と強調したものの、感染を下火に向かわせるために政府が呼び掛ける自粛と行動変容が、国民の心に響いていないのは明らかだ。政府の感染症対策分科会の尾身茂会長は「五輪が人々の意識に与えた影響はあるのではないか」と指摘する。
東京大会前、首相は中止や再延期を進言する側近の声に耳を貸すことはなかった。「やめることは一番簡単。挑戦するのが政府の役割だ」。開幕直前の米紙ウォールストリート・ジャーナルのインタビューには、こう率直に心境を明かしている。
強気の源泉は、ワクチン接種の加速だった。感染力が強いデルタ株への懸念が高まっている中でも、欧米などの先行事例を基に「7月末には感染状況が好転する」との楽観論に懸けた。ところが−。
結果は、大会前に「予防的」に東京に発出した緊急事態宣言でも第5波の勢いは食い止められず、大会期間中、なりふり構わず宣言の対象地域を拡大せざるを得ない事態に。重症者も急増し、医療崩壊の危機が現実味を帯びる。最近まで「重症化しやすい高齢者の接種が進み、新規感染者数に一喜一憂する必要はない」としていた官邸関係者も、感染ピークが一向に見えない現状に焦りを隠せない。
「人類がウイルスに打ち勝った証し」として五輪の一定の成功をアピールし、祝祭ムードの追い風を受けて衆院解散・総選挙、自民党総裁選になだれ込む−。首相の基本戦略は、根本的な練り直しを迫られそうだ。五輪の1年延期が決まる前からの約1年半の間、政権支持率はウイルスの状況に直結して上下してきた。「感染状況がコントロール不能に陥り、出口が見えなくなっている」(政府関係者)現状で、解散権も含む首相の政治的求心力は相当傷ついている。
政府高官は「五輪を開いてよかった。『こんな時だから勇気づけられた』という声も聞く」と胸を張る。だが、首相が開催の前提条件とした「国民の命と健康を守る」ことが難しくなっている今、「五輪が終わればコロナ一色になる。このままでは選挙に大負けする」(自民関係者)との声も漏れ始めた。

●五輪閉幕 菅首相「開催国の責任果たした」国民に感謝の意示す  8/9
東京オリンピックの閉幕を受け、菅総理大臣は、総理大臣官邸のツイッターにビデオメッセージを投稿し、新型コロナウイルスの影響でさまざまな制約がある中、開催国の責任を果たし、パリ大会にバトンをつなぐことができたとして、感謝の意を示しました。
この中で、菅総理大臣は「新型コロナの中で開催が1年延期され、かつてないさまざまな制約のもとでの大会となったが、開催国としての責任を果たし、パリ大会へとバトンをつなぐことができた。国民の皆様のご理解とご協力のたまものであり、心より感謝申し上げる」と国民に感謝の意を示しました。
そのうえで「選手の皆さんの活躍により、すばらしい大会になった。快挙を成し遂げた選手、あと一歩届かず悔し涙を流した選手、すべての選手に大きな拍手を送りたい。そして、夢や希望、感動を、子どもや若者、世界の人々に届けてくれたことは、何物にもかえがたい未来への財産になった」と選手の活躍をたたえました。
そして「感染対策について、海外からは『厳しすぎる』との声もあったが『日本だからできた』と評価する声も聞かれた。大会関係者、医療関係者、ボランティアの方々、ご協力いただいたすべての皆さんに心から感謝を申し上げる。ありがとうございました」と述べました。

●新型コロナ 菅首相「不要不急の外出、帰省、旅行 極力避けて」  8/9
新型コロナウイルス対策をめぐり、菅総理大臣は、長崎市で記者会見し、若い世代で重症化のリスクが高まっているとして、不要不急の外出や、帰省、旅行を極力避けるなど、感染拡大防止への協力を呼びかけました。
この中で、菅総理大臣は、新型コロナウイルスの感染状況について「若者から家庭への感染が広がっているという指摘もある。若者でも重症化のリスクが高まっているほか、後遺症がある人も出てきている」と述べ、新規感染者が増えている若い世代への感染防止対策を進めることが重要だという認識を示しました。
そのうえで「今週からお盆の時期を迎えるが、感染力の強い変異株により、かつてない感染拡大が続いていて、極めて大事な時期だ。若いから影響がないということではないと認識し、不要不急の外出を控えてほしい。帰省、旅行も極力避け、やむを得ないときは、検査をしながら、身近な人と少人数で行くなど、若い人たちも感染拡大の防止にぜひ協力して頂きたい」と述べました。
また、ワクチン接種について「総接種回数は1億回を超えている。1日も早く、2回の接種を多くの国民に進めていくことが、感染拡大や重症化の防止に大いに効果がある」と述べました。

●新型コロナ ひたちなか・刑務所クラスター拡大、筑西の事業所も 茨城 8/9
茨城県と水戸市が9日に発表した新型コロナウイルス新規感染者計217人のうち、1人はひたちなか市の水戸刑務所の被収容者で、県によると、感染経路は不明。同刑務所内の感染者は被収容者計9人に拡大した。
筑西市内の事業所でも従業員1人の感染が判明し、同事業所内の感染者は従業員計11人に広がった。
水戸市の感染者の1人は市立小学校に勤務する教職員の女性。小学校は7月21日から夏季休業となっており、児童らとの接触はなかった。
 

 

●東京都で2612人感染 重症者が過去最多の176人に  8/10
東京都は10日、新型コロナウイルスの感染者が2612人、死者3人が確認されたと発表した。都内の累計患者数は25万4781人になった。このうち現在入院している重症患者は176人と、1月20日の160人を上回り過去最多を記録した。1週間平均の新規感染者数は3978.7人で、10日時点で前の週に比べ119.2%となった。
年代別では、20代が844人、30代が560人、40代が420人、50代が296人などとなっている。65歳以上の高齢者は103人だった。死亡したのは70代と80代の男性、90代の女性。
感染者3992人へのスクリーニング検査では、変異株「デルタ株」にみられる変異「L452R」が3364人で確認され、割合は約84.3%だった。

●東京都で新たに2612人の感染確認 8/10
新型コロナウイルスの深刻な感染拡大が続く東京都内で10日、新たに2612人の感染が確認されました。先週火曜日の3709人からは減少しましたが、15日連続で2000人を超えています。
直近7日間の感染者数の平均は3978.7人で、前の週との増加比は119.2パーセントとなり、感染の急拡大が続いています。一方、新たに3人の死亡が確認されました。
また重症者は19人増えて176人となり、1月の第3波のときのピークを上回って過去最多となっています。

●自宅療養で重症化 都内の患者 “120の医療機関 受け入れず”  8/10
新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、都内の自宅で療養していた50代の患者が重症化して救急搬送された際、およそ120の医療機関に受け入れを断られていたことがわかりました。
新型コロナに感染して自宅で療養している人は、9日時点で都内で1万7356人に上り、1か月前の11.4倍と急増しています。
都内に住む50代の男性は、8月上旬に発熱の症状が出て陽性と判明したあと自宅で療養していました。
しかし2日後には、呼吸の状態が悪くなるなど重症化し、救急搬送されましたが、およそ120の医療機関に受け入れを断られたということです。
そして搬送開始から5時間余りたって東京・文京区の日本医科大学付属病院で受け入れが決まり、入院しました。
この病院は緊急性の高い重症患者に対応する3次救急の指定病院ですが満床の状態が続いていて、消防やほかの病院から次々と要請が入っても断らざるを得ないケースが相次いでいるということです。
日本医科大学付属病院高度救命救急センターの横堀將司センター長は、「すぐに重症病床が埋まってしまう状況で、こんなに収容の依頼が多く来るというのは今までに経験がない。助かる命が助からなくなってくるという可能性を考えなくてはいけない。感染者数を減らさない限りこの状況は続く」と話していました。

●東京 40代〜50代の重症患者 第3波ピーク時の4倍近くに 8/10
新型コロナウイルスに感染して重症になった患者の数は、東京都内ではこれまでで最も多かった年末から年明けの感染拡大の「第3波」のピークを超え、過去最多の176人となりました。
第3波では60代以上の世代が重症患者の80%以上を占めましたが、今回の感染拡大では50代以下がおよそ70%を占め特に40代から50代の重症患者は第3波のピーク時の4倍近くになっています。
東京都によりますと、都の基準で集計した重症患者の数は、第3波のことし1月20日に160人と最も多くなったあと、3月中旬には37人まで減り、4月中旬までの1か月間は30人台から40人台が続きました。
その後、第4波によって重症患者も増加し、5月12日には86人となりましたが、医療体制が危機的な状況となった大阪府や兵庫県などに比べると重症患者数は少なく、6月下旬には37人にまで減りました。
ところが、先月以降は感染拡大の第5波で重症者数も増加傾向となり、特に先月下旬には60人台だったのが、この3週間ほどで176人と3倍近くに急増しています。
年代別に見ると、第3波では60代以上の世代が重症患者の80%以上を占めましたが、現在の感染拡大では50代以下がおよそ70%を占めています。
特に増えているのが、40代から50代の重症患者で、1月20日の時点では24人と全体の15%でしたが、9日の時点では94人と第3波のピーク時の3.9倍となり、全年代のうちの60%を占めています。
また、30代以下の重症患者は、1月20日にはいませんでしたがきのうの時点では、10代が1人、20代が4人、30代が10人となっています。
一方で60代以上の重症患者は1月20日には136人だったのが、ワクチン接種が進んでいることもあり、9日の時点では48人でした。

●小池知事、五輪関連の新型コロナは「全て想定の中」 8/10
東京都の小池百合子知事は10日、東京五輪が安全安心な大会として実行できたか問われ、「大会に関してのコロナは、全て想定の中に収まっている」と述べた。都庁で報道陣の取材に答えた。
東京五輪・パラリンピック組織委員会の発表によると、大会関連の新型コロナ検査の陽性者数は7月1日以降の累計で460人を超え、このうち300人超を国内在住者が占めた。
小池知事は「海外から来る方よりも、むしろ(五輪関係の業務を委託した)国内からの業者の方々をどうするのかだろうと思います。そこを一度整理した方がいい。間違ったイメージを与えてしまう」と語った。
また、大会期間中に都内の感染が急拡大したことは、五輪と関連付けずに「デルタ株の猛威ということに尽きる」と発言。入院先が見つからずに自宅にいる感染者らの増加に触れつつ、「エビデンスベースでしっかりと対応していきたい」と述べた。

●都の街中PCR、予兆つかめず コロナ「第5波」 8/10
新型コロナウイルスの感染拡大の予兆をつかむため、東京都が実施するモニタリング検査で「第5波」の爆発的な感染拡大を捕捉できなかったことが明らかになり、検査の在り方が問われている。6、7月の1週間ごとの検査数は約2万4千〜6千件で、陽性者の確認も最大20人程度にとどまる。専門家は「東京の人口規模を考えると検査数が少なく、予兆の把握という目的は現実的ではない」と指摘し、感染対策としての有効性に疑問を投げかける。
都は4月以降、有症状者らの感染を確認する行政検査とは別に、国と連携して繁華街などで無症状者のPCR検査を続けている。都の公表データによると、週ごとの検査件数と陽性者数から算出した陽性率は、7月第1週が0・05%で、その後0・10%、0・14%、0・27%と上昇。ただ、行政検査の新規感染者数や陽性率も同様に増加し、都の担当者は「モニタリング検査に、顕著な傾向は確認できなかった」と分析する。
4月下旬から5月上旬にかけて、1日当たり約1千人超の新規感染者が確認された第4波でも、陽性率にばらつきがあった。市中で無症状陽性者の割合が増える兆しがあれば、先手の対策を講じることも視野に入るが、「効果的な活用は難しい」(都担当者)。
課題となっているのが、検査件数の少なさだ。モニタリング検査で最多だったのは6月第4週の週約2万4千件で、7月は週約6千〜9千件にとどまった。陽性者数は6月第5週と7月第4週の20人が最多で、3人ということもあった。
発熱などの症状のない人に検査に協力してもらう必要があるが、感染の有無を確認するためだけに不特定多数の人が集まれば、検査地点ごとの傾向の正確性が揺らぎかねない。このため、都は実施場所を「繁華街、飲食店、事業所や駅前、空港など」として、具体的に示していない。
今月は実施場所の確保で検査数が増える見込みで、都は検査結果と第5波の推移を分析する考えだ。
市民の協力が得られない状況は、国のモニタリング検査でも浮き彫りになっている。国は夏休み中の感染防止対策として、羽田など主要空港から北海道と沖縄に向かう航空便の搭乗者に、無料のPCR検査や抗原検査を実施しているが、今月1日までの2週間の搭乗者約28万人のうち、検査を受けたのは約1万人(陽性17人)だった。
田村憲久厚生労働相は5日の参院厚労委員会で「感染の判明で生活に影響が出ることもあり、応じてもらうのが難しい。検査が根付く文化を作らなければならない」と述べた。
国際医療福祉大の和田耕治教授(公衆衛生学)は「無症状者の検査は『自分を守り、他人にうつさない』という目的であれば理にかなうが、地域の流行の兆候をつかむためとなるとコストを踏まえれば現実的ではない」と指摘。航空便利用者の検査も「陽性時のキャンセル料の補償などがなければ増えていかないだろう」との見方を示した。

●急増する自宅療養者 もし、自分がそうなってしまったら…  8/10
新型コロナウイルスの急速な感染拡大で東京都では10日、新たに2000人を超える感染が確認され、重症者は過去最多となりました。自宅療養の患者も増加していて、都内では重症化して救急搬送されたものの100を超える医療機関に受け入れを断られるケースも起きています。もし、自宅療養を余儀なくされたら…。家族への感染防止策や症状悪化の兆候に気付くポイントを、専門家に聞きました。
東京 重症者が過去最多
東京都内では10日、新たに2612人の新型コロナウイルスへの感染が確認され、1週間前の火曜日より1097人減りました。一方、都の基準で集計した10日時点の重症の患者は176人でした。第3波のことし1月20日の160人を上回り、これまでで最も多くなりました。このほか、緊急事態宣言が出ている地域では、神奈川県で1572人、埼玉県で1166人、千葉県で860人、大阪府で697人、沖縄県で332人の感染が新たに確認されました。
約120の医療機関に受け入れ断られるケースも
都内では症状が悪化しても入院先がすぐに見つからないケースも起きています。自宅で療養していた50代の患者が重症化して救急搬送された際、およそ120の医療機関に受け入れを断られていたことがわかりました。都内に住む50代の男性は、今月上旬に発熱の症状が出て陽性と判明したあと自宅で療養していました。しかし2日後には呼吸の状態が悪くなるなど重症化し救急搬送されましたが、およそ120の医療機関に受け入れを断られたということです。
「感染者数減らさないかぎりずっと続く」
そして搬送開始から5時間余りたって日本医科大学付属病院で受け入れが決まり、入院しました。この病院は緊急性の高い重症患者に対応する3次救急の指定病院ですが、満床の状態が続いていて、消防などから要請が入っても断らざるをえないケースが相次いでいるということです。日本医科大学付属病院高度救命救急センター 横堀將司センター長は「こんなにも収容の依頼が多く来るというのは今までに経験がなかったこと。助かる命が助からなくなってくる可能性は十分に考えなければいけない。感染者数を減らさないかぎりずっとこれは続く」と話しています。
自宅療養が急増 緊迫する保健所
都内では自宅で療養する人が9日の時点で1万7356人に上り、1か月前の11.4倍になりました。保健所では容体に変化がないか確認に追われています。東京 江戸川区の保健所ではほかの部署から応援を集め、通常の3倍の80人態勢で、体調の変化がないかや濃厚接触者がいないか確認しています。
職員が一人一人に電話をかけ、体温や症状の変化とともに区が貸し出した「パルスオキシメーター」を使って体内に酸素をどの程度、取り込めているか測定してもらい数値を聞き取っていました。それでも容体が悪化する人が相次ぎ、およそ1週間、自宅療養を続けていた60代の男性が血液中の酸素の数値が急激に悪化していることが分かり、保健師が医師と相談しながら受け入れ先の病院を探す場面もみられました。都に入院調整を依頼した結果、男性は入院できたということです。
江戸川区では、さらに感染が拡大すればこうした健康観察が難しくなり、容体が急激に悪化した人を察知できるか危機感を強めています。江戸川区健康部の天沼浩部長は「(療養者に)なかなか連絡がつかないケースもあり、容体が悪化したのではないか、部屋で倒れているのではないかと非常に緊張した状況になっている。急に容体が悪化することがあってはいけないので毎日健康状態を確認している。重症化してから入院となると非常にリスクが高く、これ以上、感染が増えてしまったら入院先がないという事態になりかねない」と話していました。
自宅療養 8つのポイント
もし、自宅での療養を余儀なくされた時、個人で何ができるのか。家族への感染を防ぐための対策や症状の悪化に気付くのに必要なことについて、感染症対策に詳しい国際医療福祉大学の松本哲哉教授に聞きました。松本教授は、東京都が作成した自宅療養者向けのハンドブックで紹介されている基本的な8つのポイントを最低限、守ってほしいと指摘しました。
部屋を分けること / 感染した人の世話をする人はできるだけ限られた人にすること / 感染した人や世話をする人はお互いにマスクをつけること / こまめに手を洗うこと / 日中はできるだけ換気をすること / 手のよく触れる共用部分を掃除・消毒すること / 汚れたリネン・衣類を洗濯するすること / ゴミは密閉して捨てることです。
すべて行うことが難しい場合、例えば「部屋を分けること」が難しい場合は、同じ部屋でも仕切りを置いたり過ごすエリアを分けて距離をとったりするなど、できるだけ工夫をしてほしいとしています。
症状悪化の兆候に気付くには
自宅療養中に症状が悪化し、治療が間に合わずに亡くなるケースも相次いでいます。こうした最悪の事態を防ぐためにどういったことに気をつければいいのか。松本教授は「肺炎の悪化に伴って呼吸状態が悪くなる兆候を見逃さないことが大事だ」と指摘します。兆候を読み取るためにできることとして「パルスオキシメーター」で血液中の酸素飽和度をこまめにはかり、急激に下がったり90%を切ったりした場合、すぐに保健所に相談することをあげています。「パルスオキシメーター」がない場合でも、肩で息をしていたり顔色が悪く唇が青ざめていたりする場合には呼吸状態が悪化している可能性があるとして、そうした状態を家族に気付いてもらうことなどが大事だとしています。
1人暮らしの療養では
1人暮らしで自宅での療養を余儀なくされた場合、どうすればいいのでしょうか。松本教授は「遠く離れている家族でも友人でもいいので、こまめに連絡を取り、連絡がなければ悪化したと早めに気付いてもらえる状態を築いておく必要があると思う。直接保健所に電話してもつながらず我慢している人もいるかもしれないが、さらに悪化すると救急車も呼べない状態になりかねないので、助けてもらえる人をある程度決めて事前に連絡しておくことが大事だ」と指摘しています。さらに松本教授は「自分が自宅療養することを想定して解熱鎮痛薬や飲料水、食料品などを蓄えておいてほしい」と、ふだんからの備えが大切だとしたうえで、備えがない場合には家族や友人に玄関の外まで食料品を届けてもらうことなどを勧めています。
ワクチン 50代以下への接種加速求める 知事会
こうした感染拡大を防ぐ切り札とされるのがワクチン接種。河野規制改革担当大臣は全国知事会とのオンラインの会議で、感染力の強い「デルタ株」の影響で感染が拡大しているとして、接種の推進に連携して取り組む考えを強調しました。この中で、河野規制改革担当大臣は「先月末に高齢者への2回のワクチン接種をおおむね完了することができた。高齢者が重症化しているケースが目に見えて減っているのは、皆様のおかげで接種がかなり速やかに行われたからだ」と述べました。そして「『デルタ株』の感染力が強く感染が拡大しているが、しっかりとワクチンを打って何とか重症化を抑えていきたい」と述べ、さらに接種を進めるため知事会と連携して取り組む考えを強調しました。これに対して全国知事会の飯泉会長は「経験したことのない『感染爆発』と言ってよく、まさに正念場を迎えている。なるべく早く希望する国民へのワクチン接種が進むよう、感染状況を踏まえてさまざまな工夫を凝らしてほしい」と述べ、50代以下への接種の加速化を求めました。
1回目接種は全人口の46%余
政府が10日に公表した最新の状況によりますと、国内で少なくとも1回、新型コロナウイルスのワクチンを接種した人は合わせて5962万9433人で全人口の46.9%となっています。2回目の接種を終えた人は4328万3582人で、全人口の34.0%となりました。また、高齢者で少なくとも1回ワクチンを接種した人は3109万6194人で高齢者全体の87.6%となりました。2回目の接種を終えた高齢者は2895万6774人で81.6%と、8割を超えています。全人口にはワクチン接種の対象年齢に満たない子どもも含みます。また、実際はこれ以上に接種が進んでいる可能性があり、今後、増加することがあります。

●東京都の感染、1日1万人の可能性 8/10
東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が数千人に上り、地方でも感染が拡大している。背景には、感染力が非常に高いデルタ株の登場があるとされる。このため、専門医は「欧州で起きたような、感染者が短期間に急増する『感染爆発』が日本で起きている。抜本的な対策が早急に必要だ」と訴えている。
期待できぬ人流抑制
「東京都と沖縄県に4回目の緊急事態宣言が発布されてから時間がたっても、期待されていた人流の抑制は限定的で、感染者数の増加が続いている。都の毎日の感染確認者が5千人を上回ったので、さすがに今後は、ショックを受けて行動を自制する人は出てくるだろう。それでも、東京五輪に加えて夏休みやお盆という人流を増やす要素があることを考えれば、現在のままで大幅な人流抑制は期待しにくい」東邦大学医学部教授で政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の委員でもある舘田一博氏(感染症)は、今後も楽観できる要素はないと分析し、「都の新規感染確認者が1日8千人から1万人に達する事態もあり得る。感染力が強く、最初に確認されたインドで大流行を起こした変異株の『デルタ株』が主流になった。患者数は累積するので、治療を必要とする患者は大幅に増大する。現在でも、パンクしかけている医療現場の逼迫(ひっぱく)度合いは深刻だ」と指摘する。
40〜50代の重症患者が増加
懸念の一つは、ワクチン接種の推進で高齢者の重症患者が減り、相対的に40〜50代の重症患者が数と比率の両面で増大していることだ。舘田教授は「この世代は、ある程度体力があり、社会復帰のニーズも高い。臨床現場では、できる限りの治療を求められるし、医療側も最後までサービスを提供する」と話す。このような状況では、患者1人が必要とする機材や人員などの医療資源はこれまでよりも増え、その分、医療現場の負担も大きくなる。第4波の大阪府などで起きかけた、必要な患者に必要な医療が提供できなくなる「医療崩壊」が起きる危険性が高まっている、と舘田教授は危惧する。
都市封鎖「ソフト版」を
対策として、集客力が高い大規模商業施設やレジャー施設の一定期間の休業、大規模イベントの中止など、より踏み込んだ人流抑制が必要だ、と舘田教授は考えている。「これまでの経緯から、飲食業に、これ以上の負担を求めるのは現実的ではない。できれば日常生活に不可欠な店舗以外は休んでもらい、国民全体に可能な限りの外出自粛を求める、欧米のロックダウン(都市封鎖)の『ソフト版』はどうだろうか。期間を2週間前後に限れば、感染拡大の勢いは止められるだろうし、国民にも受け入れてもらえるのではないだろうか」と言う。「将来的にはPCRなどによる感染の有無の検査と、ワクチン接種歴を確認できるワクチンパスポートを組み合わせて、行動範囲を拡大していくことも必要だろう。また、緊急事態宣言の対象も一気に全国に拡大することが選択肢になる」とみる。
医療者の悩み
当然、これらの措置を実施するには社会の理解が不可欠だ。この点について舘田教授は「政府から行動自粛などの感染対策を呼び掛ける強いメッセージを発信する必要があるが、十分にできなかった。五輪などでメッセージを相殺する動きも出たために、効果はとても十分ではない」と現状を評価する.その上で「五輪やパラリンピックの開催の可否を議論する立場ではないし、特にパラリンピックの選手には競技をしてもらいたい気持ちはある。しかし、一医療者としては、無観客開催が社会に与えるインパクトとメッセージは、感染対策に有効になることも否定し難い」と苦しい胸の内を明かした。

●「命救うためパラ中止を」感染急拡大で病院の対応余力限界に 8/10
首都圏での新型コロナウイルスの感染急拡大で、コロナ患者を受け入れる病院の対応余力が限界に近づきつつある。加えて、中等症患者を状態により入院か、自宅・宿泊療養に振り分ける政府の方針転換が、現場の対応をさらに難しくする恐れもある。 (渡部穣、望月衣塑子)
東京都板橋区の日本大学板橋病院は、4月にコロナ対応病床をそれまでの4倍以上に増やした。しかし現在の感染拡大で7割以上が埋まり、高橋悟院長は「病床は逼迫していると言っていい」と危惧する。同病院のコロナ病床は重症者用の集中治療室(ICU)6床と、中等症〜重症の患者を診る50床の計56床がある。6日時点で四十数床が使用中で、「ここ1、2週間でどんどん増えてきた」という。対応スタッフは全診療科から集めているが、「これ以上コロナ患者が増えると、看護師が足りなくなり、一般病床の受け入れに影響が出るかもしれない」。
中等症患者に関する国の方針変更は「コンセプトはいい」と前向きに捉えながらも、重症化リスクの見極めの難しさを理由に「実際に機能するかは難しい」とも。現場では、呼吸器が専門外の医師が入院の必要性を判断しなければいけないケースもあるという。高橋院長は「安全策を取って入院させればこれまでと変わらなくなるし、自宅で待機させて万が一のことがあった場合に誰が責任を取るのかという議論になる」と指摘した。
「今週からコロナ対応のため他の手術はほとんど中止になった。人命を考えるなら、パラリンピックは一刻も早く中止すべきだ」。コロナ患者を受け入れる都内の病院勤務の女性医師(50代)は、救える命が救えなくなっている現状に警鐘を鳴らす。この病院では、第3波のピークを迎えた1月、都の要望を受けコロナ病床を240床に拡大。しかし、五輪開催前からの感染急増で対応できる看護師が不足し、8月に入って150床まで受け入れた後は、新たな受け入れを止めざるを得なくなった。女性医師は「病床があっても、対応できる看護師の数が圧倒的に足りない。都が公表する受け入れ病床数は、現実的に受け入れ可能な数と必ずしもイコールになっていない」と話す。さらに今週からは、現在ごく一部継続している手術以外は、出産を除いて全て中止となり「命が確実に救えなくなっている」と危機感が募る。
中等症患者の入院判断については「現状、医師でない保健所職員が電話で聞き判断するが、基準の1つの血中酸素飽和度は時々の状況であっという間に変化する。軽症や中等症でも一気に重症化する恐れがあり、それを基準に自宅待機を求めるのはあまりに危険だ」と国の対応を批判した。

●即応病床「ずっと少ない」 検査結果待ちでも入院 8/10
新型コロナウイルスの感染が急速に広がる中、東京都が確保病床数の拡大を急いでいる。最大で見込む6406床を確保できれば、医療提供体制に余裕が生まれるとされているが、感染者としては扱われない検査結果待ちの「疑い患者」が確保病床に入るケースも多く、すでに「満床」が迫っているとの指摘もある。医療関係者は「感染者を即時に受け入れられる病床は『空床数』よりずっと少ない」と警鐘を鳴らす。
都が10日時点で新型コロナの感染者向けに確保している病床は5967床。7月以降の感染急拡大で、6月下旬には1500人前後だった入院患者は、今月10日には3594人に上り、病床使用率は6割を超える。
都は病床数の拡大に向け、7月26日に都内の医療機関に対し、救急医療の縮小や予定する手術の延期などによるコロナ病床の確保を要請。すでに確保している分と合わせ、最大で6406床まで拡大できれば、病床使用率は56%程度に落ち着く計算となる。
だが、医療現場ではその数字以上に病床の使用が進んでいる。PCR検査などの判定が確定する前の患者でも、陽性の疑いがあれば万全の感染防止対策が講じられた確保病床に入院させるケースがあるためだ。この場合、「新型コロナの入院患者」とは扱われず、都が公表する入院患者数にもカウントされない。
今月5日の都のモニタリング会議では、都内全域で1日当たり178人の「疑い患者」を確保病床に受け入れていることが報告された。昭和大学病院(品川区)の相良博典院長は「数字で見える以上に、現場は『満床』に近づいている」と訴える。
同院では38のコロナ病床のうち30床余りに患者を受け入れている。満床になるのは時間の問題で、増床の準備を進めているという。
病院が抱える医療スタッフ数に限りがあることも、「逼迫(ひっぱく)感」に拍車をかけている。人工心肺装置(ECMO)などを使用する重症患者には医師や看護師、臨床工学技士ら10人程度のスタッフが連携しながら対応する必要があり、入院患者が増えれば空床があっても受け入れられないケースが出てくる。
日本大学板橋病院(板橋区)は56床を確保しているが、病床が空いていても1日に対応できる患者数を上回り、搬送要請を断る事態が生じているという。高山忠輝病院長補佐は「病院内で調整しながら医療スタッフを確保しており、ぎりぎりの状態でやっている」と説明する。
都の担当者は「医療機関が1日に受け入れられる患者数には限度がある」との認識を示し、「確保病床数と、実際に病床が空いているかどうかは別の議論だ」と話した。
相良氏は「即時に受け入れられる病床は、都内全体でも非常に少ないのではないか」と指摘し、実際に即応可能な病床の確保を訴えている。

●新型コロナの感染源は地下街や地下鉄? 今こそ科学的な調査を 8/10
新型コロナウイルスの感染拡大で過去最悪と言ってもいい事態が到来している。
首都圏や近畿圏、あるいは札幌、福岡などの大都市圏で毎日、数千人規模の感染者や病人が続出しているという事実だ。
原因はいくつか挙げられるだろう。だが、最大の問題点は、これまで政府や専門家会議、東京都などが全力を傾注してコロナ対策に取り組んできたにもかかわらず、なぜ、現在のような完全爆発の現実を生み出したのかということだ。
かつて、東京都公害局に関係した専門家の一人は、次のように語っていた。
「医学関係の専門家に対策を“丸投げ”したことがそもそもの誤りだった。これまで政府や東京都はすべての責任を酒と飲食店にかぶせてきたが、それらの原因は全体のほんの数パーセントに過ぎない。今回、数千人規模の感染者が同時発生したことで、原因が飲食店や酒だけではないことがはっきりした。おそらく感染原因のひとつは、地下鉄や地下街で広がるウイルスに汚染された空気ではないか」
大都市圏の地下街や地下鉄では、1日に数十万、あるいは数百万人規模で歩行者や乗客が往来し、そこで吐き出される呼気の中には、微量のウイルスが含まれているとみられる。そのウイルスが空間などに少しずつ滞積。やがて飽和状態に達し、そこに感染力が既存株の1.5倍というデルタ株などが出現することによって、一挙に感染爆発の段階に突入したのではないか――という見方だ。
確かに大規模な感染拡大の兆候がみられる場所の中には、地下鉄や地下街に関係したとみられる立地が少なくない。大阪の梅田、東京の新宿や池袋などだ。地下鉄大江戸線の関係者にもクラスター(感染者集団)が発生したことがあった。
感染が拡大している都内は素通りしただけ。食事も取らなかったにもかかわらず、感染が確認されたという、ある地方在住者は「地下鉄を何度も乗り換えた」と語っていたといい、感染者が確認された百貨店の従業員は「地下街の食品売り場に勤務する関係者から感染者が何人も発生している」などと話していた。
地下鉄や地下街を漂う空気とそこに含まれる微量なウイルス――。いまだに詳しい感染メカニズムが分からない新型コロナウイルスの実態を明らかにするため、今こそ、あらためて科学的な分析が必要な時ではないだろうか。

●知事“札幌以外でも増加傾向 改めて感染対策徹底を” 8/10
鈴木知事は道の対策本部会議で、「感染拡大に歯止めがかからず、札幌市以外の地域でも新規感染者数が増加傾向が続いている」と危機感を示し、お盆の帰省を控えるなど道民に改めて感染対策の徹底を呼びかけました。
この中で、鈴木知事は道内の感染状況について、「全道の新規感染者数は300人を超える日が続いており、札幌市でも200人を超える日が多く、感染拡大に歯止めがかかっていない状況にある。札幌市が全道の7割を占め、全体を押し上げているが、その他の地域においても増加傾向が続いている」という認識を示しました。
その上で、鈴木知事は、「今週からお盆の時期に入り、帰省などを控えるようにお願いしているが、通常であれば移動も活発な時期となる。感染リスクが最も高まるため、最大限の警戒をしてほしい。自身はもとより、家族、友人の命と健康を守る行動を徹底してほしい。具体的には、都道府県をまたぐ往来を控えることや、家族など普段会う人と過ごすことを徹底してほしい」として、道民に感染対策の徹底を改めて呼びかけました。

●新型コロナ1166人 重症者数拡大で病床増加要請 埼玉県 8/10
県内では10日、新たに1166人の新型コロナウイルスの感染と2人の死亡が確認されています。
こうしたなか、重症者の数が急激に増加していることを受けて、県は重症者用の病床数を増やすよう、県内の各医療機関に要請しました。
県保健医療部によりますと、10日新たに確認された感染者は男女1166人で、1日あたりの感染者数は8日連続で1000人を超え、火曜日としては過去最多となりました。
確認された感染者のうち、10代の男女10人は学校で同じ部活動に所属していて、県では引き続き学校の濃厚接触者の調査を進めるとしています。
また、亡くなったのは40代と50代の男性2人で、基礎疾患があった40代の男性は、自宅療養中に容体が急変したため、救急搬送され入院していたということです。
一方、感染急拡大に伴い、県内の重症者数も9日の時点で91人と、過去最多の92人に迫る高い水準に達しています。
県医療整備課では今後の重症者数を推計した結果、9日後の今月19日には現在県内で確保している重症者向けの165床を上回ると予測しました。
これを受け、県内104の医療機関と調整し、今月19日までを目安に重症者用の病床数を46床増やし、211床とする体制に切り替えるよう、先ほど各医療機関に要請したということです。

●神奈川の感染者、累計10万人超 「感染爆発」に危機感 8/10
新型コロナウイルス感染症を巡り、神奈川県内で10日、1572人の感染が確認され、感染者の累計が10万人に達した。都道府県で10万人を超えたのは東京、大阪に次いで3番目。インド由来のデルタ株の拡大で感染者が急速に増加しており、県が危機感を強めている。
県内で初めて感染が確認されたのは昨年1月16日。今年4月15日に累計5万人に達するまで約1年3カ月かかったのに対し、その後10万人までは約4カ月と増加ペースが急加速している。

●三重県 新型コロナ感染拡大で飲食店への時短要請を検討へ  8/10
三重県の鈴木英敬知事は、連日の感染拡大を受け、飲食店への営業時間の短縮要請を検討する考えを示しました。
三重県では、感染拡大を受け8月6日に県独自の緊急警戒宣言を出し、県民に対して、県外への不要不急の移動を控えるよう求めています。
また、10日は新たに55人の感染が確認され、病床使用率が50%を超えたことから、知事は10日の会見で、飲食店への営業時間の短縮要請を検討する考えを示しました。
近く対策協議会を開き、医師らから意見を募る方針です。
また、まん延防止等重点措置についても、国に要請することを視野に10日から政府と情報交換を始めたということです。
鈴木知事は「即座に要請するわけではないが、機動的に対応していく」としています。

●大阪「天井見えない」感染増、東京と同水準まで拡大「想定の必要ある」  8/10
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が大阪府と首都圏3県に拡大され、1週間が経過した。全国で過去にない感染拡大となり、大阪府でも1日あたり新規感染者が春の「第4波」のピークを更新した。入院患者は急速に増加し、医療 逼迫ひっぱく の恐れも生じている。
9日の府内の新規感染者は995人。9日までの直近1週間の累計は7980人で、人口10万人あたりでは90人と「第4波」のピークと並んだ。前週からの増加比は1・4倍で、「どこまで増えるか、天井が見えない」(府幹部)状況だ。東京都では5日に1日の新規感染者が初めて5000人を突破。9日時点の直近1週間の人口10万人あたりの感染者数は207人と大阪の倍以上だ。感染力の強い変異ウイルス「デルタ株」は、首都圏で先行して置き換わりが進み、現在9割程度を占める。関西はまだ6割程度とされ、今後、割合がさらに増える可能性が高く、府健康医療部は「東京と同水準まで感染が拡大すると想定する必要がある」と警戒する。
入院患者はこの1週間で1・4倍に増え、ワクチンの普及で余裕があった病床も厳しくなってきた。9日現在、重症者が112人、軽症・中等症者が1677人。最大確保病床に対する病床使用率は重症(587床)の19・1%に対し、軽症・中等症(2531床)は66・3%で、1週間で約20ポイント上昇した。自宅療養者は6134人。第4波のピーク(約1万5000人)に比べると半分以下だが、宿泊療養者は2399人で第4波を超えている。療養用ホテル(4076室)の使用率は58・9%で、府は近く6000室まで増室するものの、収容力が不足すれば、自宅療養者が急増する恐れもある。
宣言による人出の抑制効果は思わしくない。ソフトバンク系列のIT企業「アグープ」のデータによると、JR大阪駅の人出は、宣言発令後、前週比1割程度しか減少していない。第4波で「まん延防止等重点措置」が適用されていた4月中旬と同じ水準で、当時は感染に歯止めがかからなかった。大阪府の吉村洋文知事は9日、西村経済再生相らとのテレビ会議後、「宣言下でも感染者が増え続けている」と懸念を示し、より強い対策の必要性に言及した。
勝田吉彰・関西福祉大教授(渡航医学)の話 「このままでは第4波のような医療が逼迫する事態も想定される。人出を減らすため、大型商業施設への休業要請も検討すべきだ」

●新型コロナ感染者増加傾向に 部活や事業所でクラスター 熊本 8/10
飲食店に営業時間の短縮や、酒類の提供停止を要請し対策を強めるなか、10日県が発表した新規感染者は90人と、8日から増加傾向となっています。
休日は診療を休む医療機関が多く、休み明けは確認数が少なくなる傾向からすると、感染拡大の勢いが止まっていないことが分かります。
感染者数を押し上げる要因のひとつとなるクラスターも、3件起きています。
熊本市では、東海大学熊本キャンパスでゴルフ部の学生男女9人が。
事業所では、20代から40代の従業員男女10人の感染が確認されています。
また大津町では、学童保育施設で職員と児童合わせ男女8人が感染しています。

●病床使用率50%超 5月以来「警戒基準4」4項目に拡大 鹿児島 8/10
鹿児島県が新型コロナウイルス感染者向けに確保する病床の使用率が9日時点で50.8%になり、最も深刻な「ステージ4(感染者爆発的拡大)」の目安50%を2カ月半ぶりに超えた。これで警戒基準の主要7項目のうち4項目が「4」の水準に達した。ステージ3(感染者急増)から4への引き上げについて、県は「項目数だけでは決めない。飲食店への営業時間短縮要請の効果も見極め判断する」としている。
病床使用率が50%を超えたのは5月10〜26日以来2度目。確保病床数は現在425床で、当時(378〜397床)より増えたが、感染者急増で医療提供体制の逼迫(ひっぱく)具合は進んでいる。
県は6日、警戒基準をステージ3に引き上げた。それに伴い、鹿児島市と種子島の飲食店に、9〜22日の時短営業を要請している。
ステージ4になると、飲食店や大規模施設に対する休業要請や独自の緊急事態宣言、不要不急の外出自粛要請などが想定される。
警戒基準の上げ下げは、主要7項目のほか、医師ら専門家の意見を考慮し、庁内でつくる対策本部会議が総合的に判断する。
一方で、県は「ステージ3相当」が目安とされる「まん延防止等重点措置」の適用要請を視野に政府と協議を進めている。

●沖縄県内のコロナ感染拡大で保健所の窓口業務が一時休止に 8/10
新型コロナウイルスの感染が拡大していることを受けて、中部保健所と南部保健所は感染経路などを調べる体制を強化するため、10日から今月13日まで一部の窓口業務を休止します。
県内では9日、月曜日としては過去最も多い332人の感染が確認されるなど、1日当たりの新規感染者の数が前の週の同じ曜日を上回る状況が続いています。
こうしたなか、中部保健所と南部保健所は感染経路や濃厚接触者を特定する「疫学調査」の体制を強化するため、飲食店の営業許可などを扱う生活衛生や食品衛生の分野など、4つの窓口業務を10日から一時休止すると発表しました。
窓口の一時休止は今月13日までの予定ですか、新型コロナウイルスの感染状況によっては延長する場合もあるとしています。

●加藤長官「五輪は感染拡大の直接的原因ではない」 8/10
東京オリンピックの開催期間中に、新型コロナウイルスの新規感染者が増えたことについて、加藤官房長官は「オリンピックは直接の原因ではない」と因果関係を否定しました。
「政府としては、オリンピックが現在の感染拡大の直接の原因となっているわけではないと考えております」(加藤勝信 官房長官)
加藤官房長官は、選手や大会関係者について定期的な検査や厳格な行動管理がされたと述べ、海外からの入国者およそ4万3000人の中に、新型コロナの重症者は1人もいないことを強調しました。
オリンピック開催による国民の気の緩みを指摘する声に対しては、「様々な見方があると思う」としたうえで、「開催期間中の東京の夜の人出が明らかに減少したことは事実」と述べ、この指摘に反論しました。

●「五輪開催 感染拡大の原因にはなっていない」丸川五輪相  8/10
8日閉幕した東京オリンピックについて、丸川担当大臣は記者会見で、大会では新型コロナウイルス対策の徹底を図ったとして、感染拡大にはつながっていないという認識を示しました。
この中で、丸川オリンピック・パラリンピック担当大臣は、8日閉幕した東京オリンピックについて「大会関係者、ボランティア、医療従事者の協力や尽力によって無事に大会を終えたことに心から感謝申し上げたい」と述べました。
そのうえで、オリンピックでの新型コロナウイルス対策について「選手や大会関係者への定期的な検査や厳格な行動管理、健康管理などの防疫上の措置を、組織委員会とも連携しながら徹底を図った。きのう時点で、海外からの入国者およそ4万3000人のうち、陽性者は累計151人で、重症者は出ておらず、オリンピックの開催は感染拡大の原因にはなっていないものと考えている」と指摘しました。
また、パラリンピックの観客の扱いについては、8月24日の開幕までに、組織委員会や東京都、IPC=国際パラリンピック委員会と協議して判断する考えを重ねて示しました。

●“丸川発言”に 「もうそんな事をおっしゃってる場合ではありません」 医師 8/10
新型コロナウイルス感染患者の対応にあたりながらTBS「Nスタ」(月〜金曜後3・49)など多くのテレビ番組にリモート出演を続けて現場の悲痛な声を訴え続けている「インターパーク倉持呼吸器内科」(栃木県宇都宮市)の倉持仁院長が10日、自身のツイッターを更新。丸川珠代五輪担当相(50)の発言を叱り飛ばした。
丸川大臣は10日に行われた閣議後の記者会見で、東京五輪期間中(7月23日〜8月8日)に新型コロナウイルスの感染者数が増加したことについて「五輪の開催は感染拡大の原因にはなっていないものと考えている」と発言。国民からは批判の声が相次いでいるが、倉持院長はそのことを報じるニュースを貼り付けた上で「もうそんな事をおっしゃってる場合ではありません」とバッサリ。「それはのちに科学的な方法で明らかになります。ハウス!とは言えませんので、、、、」と続けて静かに怒りをにじませた。
丸川大臣は国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(67)が東京五輪閉幕翌日の9日夕方に東京・銀座を散策した件についても「まず14日間しっかりと防疫措置の中で過ごしていただいているかということは重要なポイントだと思います。加えて不要不急であるかということは、これもしっかりご本人が判断すべきものであります」と語り、火に油を注いだ。

●新型コロナ感染拡大「お盆期間中の帰省 極力控えて」 8/10
新型コロナの感染拡大を受け、緊急事態宣言発令中の6都府県と担当大臣による会議が9日、開催されました。
西村康稔経済再生担当大臣は、9日のオンライン会議で「感染者の増加は、これまで経験したことがない高い水準。適切な医療を受けられなくなりかねない厳しい状況」と危機感を示しました。
そのうえで、6都府県の知事に対し、不要不急の外出自粛を呼びかけるよう要請し、特にお盆期間について「帰省による地方への移動を極力控えるよう呼びかけてほしい」と協力を求めました。
一方、知事側からはそれぞれの感染状況や独自の取り組みが報告されました。
会議終了後、記者団の取材に応じた熊谷千葉県知事によりますと、知事らは国に対し、1都3県にある大規模集客施設への休業要請を検討するよう求めましたが、西村大臣は各県の病床の状況で、それぞれの知事が判断すべきとの認識だったということです。
千葉県では7日、一日の新規感染者が過去最多を更新し、重症者用の病床は5割を超えるなど厳しい状況が続いています。千葉県 熊谷俊人知事「当初想定していた最悪の方向に進んでいるのは間違いない。できる限りこれ以上の感染拡大を防いでいかなければ、医療提供体制がもたない状況になる。感染の拡大を抑えられるように、県民への呼びかけと医療提供体制の更なる整備に取り組んでいきたい」

●入場は学校関係者のみ、演奏は可能に 夏の甲子園コロナ対策 8/10
兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で10日、開幕した第103回全国高校野球選手権では、今春の第93回選抜高校野球大会に続いて、新型コロナウイルスの拡大を防ぐため、さまざまな対策が施されている。
今春のセンバツでは1試合の観客の上限は1万人だった。新型コロナの感染拡大を受けて2年ぶりの夏の甲子園では入場者は学校関係者のみで、内野席に1校当たり2000人程度を認めている。
一方、ブラスバンドの演奏は、今春のセンバツでは禁止され録音した音源を使用したが、今大会は50人以内ならアルプス席での演奏が可能になった。
代表49校は大会前と初戦勝利後、準々決勝勝利後の最大3回PCR検査を実施する。コロナ感染者が発生した場合は緊急対策本部を設置し、個別事案と判断されれば、チームの初戦までは選手を入れ替えることができる。

●保健所に密着 浮かび上がる「第5波」の感染拡大経路 8/10
新型コロナウイルスが再び猛威をふるい、感染者への対応にあたる保健所は多忙を極めています。その業務に密着すると、第5波の感染がどのように広がっているのか、明らかになってきました。ひっきりなしに鳴り続ける電話。久留米市保健所の新型コロナ対策チームです。
保健師「何℃くらい?初めて熱が出た日、38℃くらいですね。」感染者やその接触者と連絡を取って、どのような行動をしたか調べたり、医療機関との調整などの業務に追われています。
久留米市保健所・田中浩之課長「こちらが保健師の島、医療調整。医療機関からの発生届をもとに、その人の処遇をどうするかドクターと話して決めている。」久留米市は7月中旬には感染者がゼロの日もありましたが、8月第1週は1週間で180人と急増。コロナ対策チームを通常の2倍の約40人に増やしましたが、業務は連日深夜まで及んでいます。
久留米市保健所・田中浩之課長「7月の下旬から5波の入り口で感染拡大、久留米でも感染拡大、なんとかやりくりしている」そこで見えてきた感染経路の一つが「職場」です。
保健師「一緒に働いた同僚を接触程度に応じて検査につなげるが、よいか」電話の相手はある飲食店の担当者。同僚が感染しました。同僚は38℃の発熱がありましたが、こうした症状が出る2日前から周囲に感染させるおそれがあるため、勤務が重なっていた人や、職場の感染対策を確認します。
保健師「出勤前の体温測定はしていますか、マスクの着用はしていますか。本人と一緒に働いていた人は4人で大丈夫ですかね。」聞き取った内容を医師と共有し、濃厚接触者などを特定していきます。
保健師「インカムとかレジとパソコン、共用物があって消毒が徹底されていない。」
医師「濃厚接触者はゼロで、接触者4人で。」共用して使う物がありましたが、マスクなど基本的な感染対策はできていたことから、職場の同僚4人は「濃厚接触者」ではなく、「接触者」となりました。「濃厚接触者」は感染者と最後に接触した日から2週間の自宅待機、「接触者」はPCR検査の陰性が確認されるまで、自宅待機が求められます。保健所が「接触者」の1人に連絡を取ると。
保健師「髪は違う日にしてくれないですかね、髪切るのは、陽性だったら、またそこから接触者、多くの人が検査の対象になる可能性があるので。」帰省するため、PCR検査の結果が出る前に美容室で髪を切りたいといいます。
保健師「お願いしたけれど、切りに行く法的効力ないので、接触者レベルで行動制限できない。必要性を説明して、あとはお願いになる。」外出自粛を呼びかけますが、理解を得るのは難しいといいます。そこにきて感染力の強いデルタ株が広がり、市中感染の増加が心配されています。
久留米市保健所・田中浩之課長「今回の特徴としては感染経路不明の割合が結構ある。どこで感染したか、分からないケースも結構出ている。」市中感染の増加にともない、ウイルスが家庭内に持ち込まれるおそれも強まっています。
保健師「体調はどんなですか、月曜夜に熱発ですね。」電話の相手は、この日感染が確認された未就学の男の子の母親です。最初に父親が感染し、同居するほかの4人を濃厚接触者として検査したところ、男の子の感染が確認されました。父親はホテル療養を希望しましたが、感染の急拡大で、すぐに調整がつきませんでした。数日間、自宅で隔離生活をし、その後、ようやくホテルに移れたということです。
保健師「同居家族は濃厚接触者になるが、もし発症したらと念頭に置いて家庭内でも隔離、家庭内でもマスクをする、換気をする、基本的なところを徹底してもらうよう伝えている。」ワクチン接種日本一を目指す久留米市では、すでに人口のおよそ半分が1回目の接種を終えています。感染者の6割が20代から30代で、いまのところ重症者はいません。医師でもある保健所の職員は、「ワクチンの効果が出ている」としながらも、油断をしないよう呼びかけています。
医師「ワクチンも100%防ぐものではないので、今回も2回打って感染した人もいるので油断はできない、従来通りの感染対策は必要かと思う。」過去に例のない感染者の増え方を見せている「第5波」。職場や家庭での感染拡大が増えていて、身の回りでの対策がいままで以上に必要になっています。

●強まるロックダウン論 感染防止手詰まり―「最後の手段」菅首相は慎重 8/10
新型コロナウイルス新規感染者の急増を受け、ロックダウン(都市封鎖)を可能にする法制度を日本でも導入すべきだとの声が専門家や自治体の間で強まってきた。現在の枠組みでは限定的な強制措置しか取れず、感染拡大に歯止めがかからないとの焦りからだ。菅義偉首相は慎重だが、自民党内からも検討を求める意見が出ている。
「ロックダウンを検討してほしい」。まん延防止等重点措置の地域拡大が決まった5日、政府の基本的対処方針分科会で専門家からこんな声が上がった。分科会の尾身茂会長は記者団に、感染を抑え込めなければ「ロックダウンの法制化さえ議論しなければいけなくなる」と語った。
全国知事会も「ロックダウンのような手法の在り方の検討」などを盛り込んだ緊急提言をまとめており、東京都の小池百合子知事は3日のテレビ会議で「法改正などの必要性も含めて議論すべき時期に来ているのではないか」と強調した。
ロックダウンは欧米を中心に取られてきた手法だが、営業禁止や交通機関停止など、国によって内容や強制力の強さは異なる。専門家も「厳密な定義はない」と語る。
新型コロナ対策の特別措置法は、罰則を科せる対象を事業者に休業や営業時間短縮を命じる場合に限定している。専門家や知事会は、ロックダウンの具体像を明確にしていないが、個人に対する罰則付きの外出自粛命令などが念頭にあるようだ。
ただ、政府はいまのところロックダウンには慎重だ。首相は先月30日の記者会見で「日本にロックダウンという手法はなじまない」と明言。「欧州ではロックダウンしても、なかなか出口は見えなかった。結果的にはワクチンだった」と述べ、「切り札」と位置付けるワクチン接種の推進に全力を挙げる考えだ。
背景には、「ロックダウンは経済への打撃になる」(政府関係者)との懸念があるとみられる。私権を制限する内容のため、政府高官は「強制力の強い法案を成立させるのは大変だ」と指摘する。このため、首相と公明党の山口那津男代表は3日の会談で、法整備に慎重な立場で一致した。
とはいえ、緊急事態宣言の効果は薄れつつあり、自民党内からもロックダウン導入は避けられないとの声が出始めている。下村博文政調会長は4日のテレビ番組で「なじまないから議論しないでいいとはならない」と述べ、消極的な首相に異論を唱えた。「新たな変異株でワクチンが効かなくなったときにどうするのか」として、「ワクチン一本やり」の姿勢にも疑問を投げ掛けた。
 
 
 

 

●丸川五輪相、加藤官房長官が「五輪開催は感染拡大の原因ではない」 8/11
丸川珠代五輪相が10日に行われた閣議後の会見で、五輪期間中に新型コロナウイルスの感染が拡大したことについて、「オリンピックの開催は感染拡大の原因にはなっていないものと考えている」と因果関係を否定。また、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(67)が帰国直前に東京・銀座を散策したことについては「14日間しっかりと防疫措置の中で過ごされていることが重要なポイント」「不要不急であるかどうかは、ご本人が判断すべきものであります」と語った。こうした発言が大きな波紋を呼んでいる。 
報道によると、五輪と感染拡大の因果関係について、丸川五輪相は海外から入国した選手や大会関係者約4万3000人のうち、9日時点で陽性者が計151人だったことなどを、「因果関係がない」根拠として挙げた。加藤勝信官房長官も同日に行った記者会見で、「政府としては、(五輪が)現在の(コロナ)感染拡大の直接の原因になっているわけではない」と説明。「東京の夜間滞留人口は減少した。多くの方が連日、日本人選手らの活躍を自宅で観戦し、応援したことの表れだ」と力説した。
「菅首相は東京五輪を安倍さんから引き継いだ政治的レガシー(遺産)にしたい。菅政権の功績にするためにも、コロナの感染拡大と五輪開催の因果関係を認めるわけにはいかない。丸川五輪相、加藤官房長官は菅首相に『右向け右』なので、『因果関係はない』で押し通すしかないのでしょう」(テレビの政治部記者)
思い描いていたシナリオは崩れた。自民党関係者は「東京五輪開催に反対の声は多かったが、いざ始まれば、日本人選手が活躍して国民の間で『五輪をやってよかった』という空気になるだろう」と大会前に話していた。だが、日本人選手がメダルラッシュで盛り上がるのと、コロナの感染者数が増え続ける中で菅首相が説明責任を果たさないまま、五輪開催に踏み切ったのは別問題だ。国民は冷静に見ている。
SNS、ネット上では「五輪開催のアナウンス効果は大きかったと思うよ。みんながみんな政府の言うことを聞かないし。五輪期間中に都市部や観光地の人流は下がるどころか上がる所も多かった。それに比例してコロナ感染者も爆発的に増えてまだまだ天井が見えない状況」、「因果関係を証明するのは難しいでしょうね。でも、感染拡大の一助にはなっていると思いますよ。結局人流を抑制するといっても五輪を開催していれば、何で五輪は移動していいんだってことになりますよ。もう政府のいう事を聞く国民は少ないでしょう」など冷ややかな声が多い。
前出の自民党関係者は「五輪開催中は日本人選手の活躍が政権批判の『風よけ』になっていたが、もうそういう空気ではない。多くの国民が政権に不信感を持ち、怒りが強まっている。コロナの感染者がさらに増えたら菅政権は持ちこたえられるか。末期的な状況を迎えていると思う」と危機感を口にする。
菅首相は9日に開催された長崎の平和祈念式典に出席。報道によると、「開催が1年延期され、様々な制約のもとでの大会となったが、開催国としての責任を果たして無事に終えることができた。選手の皆さん、大活躍だった。素晴らしい大会になった」と東京五輪の意義を強調したという。
コロナは感染拡大の一途をたどっている。東京五輪の競技会場で人混みができている光景を見ると、緊急事態宣言が抑止力になっているとは言い難い。国民の不安は膨らむばかりだ。

●福島県、デルタ株検出77% 57人感染確認、病床使用率8割超 8/11
県は10日、県内で57人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。9日に陽性と判明した。県内の感染確認は延べ6619人。県によると、インド由来の変異株「デルタ株」の可能性が高い「L452R」変異の検出率が77.0%に上っており、置き換わりが急速に進んでいる。
県によると、2〜8日に陽性と判明した655件中486件を検査したところ、374件がL452R変異で、前週(7月26日〜今月1日)に比べて7.9ポイント増加した。このうち227件を検査したいわき市保健所管内での検査では218件を占めており、検出率は96.0%。ゲノム解析の結果、新たに35件がデルタ株と確認され、計44件となった。
9日現在の新型コロナウイルスの入院者数は重症10人を含む416人で、病床使用率は83.9%と5月16日以来、約3カ月ぶりに8割を超えた。94人が宿泊療養、334人が自宅療養している。療養先調整中の37人を含めた療養者数は881人で過去最多を更新、人口10万人当たりの療養者数は47.72人となり、病床使用率、直近1週間(3〜9日)の新規陽性者数(32.39人)とともにステージ4(爆発的感染拡大)の水準を超えた状態が続いている。
57人の内訳は、いわき市28人、福島市8人、郡山市7人、会津若松市、須賀川市、喜多方市が各2人、相馬市、二本松市、本宮市、鏡石町、石川町、広野町が各1人。県外は2人。
57人の中には、福島市が9日に発表した福島東稜高の運動部でのクラスター(感染者集団)による感染者5人が含まれる。また、いわき市の児童施設(106件目)で新たに利用者1人が陽性と判明し、クラスターは計64人に拡大した。一方、14人の感染経路が不明。
県によると、9日までに18人が退院、21人が宿泊療養施設を退所し、9人の自宅療養を解除した。

●過去最多 85人新型コロナ感染 県内全域警戒強化を 愛媛 8/11
愛媛県は10日の検査の速報値として、新たに85人が新型コロナに感染したと発表した。県内の1日の感染者数としては3月の59人を大幅に上回り過去最多。
全国的に感染が急拡大する中、県内でも1日の感染者が30人を超える日が続き、感染は予断を許さない状況。
そして3連休が明けた10日の検査結果の速報値では、新たに85人の感染が確認された。県内の1日の感染者数としては3月25日発表の59人を大幅に上回り過去最多。
県は「県内全域で警戒を強めてほしい。特に松山市の人は、人との接触を控え、会食や帰省の予定の中止や見送りの検討を強くお願いしたい」などと感染回避行動の徹底を呼びかけている。
中村知事は、11日午後、臨時記者会見で、県独自の感染警戒レベルの引き上げなどについて言及するものとみられる。

●過去最多85人感染確認 松山市が突出の一方で全県にも拡大 愛媛 8/11
過去最多の感染者数確認となった愛媛県内の状況を詳しく見ていきます。
3連休明けの検査結果ということで感染者数の増加が心配されていましたが、過去最多の85人。
これまでで最も多かった3月下旬の59人を大きく上回りました。
3月の59人は第4波の発端となった松山市繁華街の大規模クラスターによるものでした。
第4波では、松山市の繁華街クラスターから感染が世代・地域を超えて愛媛県内全域に拡大しました。
3月下旬から5月前半と長期間にわたり、感染者数が2桁の状態が続くなど、第4波を乗り越えるまでに約2カ月と長い時間がかりました。
7月初めごろまでは愛媛県内の感染者は落ち着いた状態でしたが、7月下旬から徐々に拡大し、8月に入ってから急転、感染者は20人台後半から50人台となり、11日に過去最高の85人となりました。
その85人の感染者の内訳を見ると、松山市が36人と突出しています。
このうち新規が12人で、松山市内でも様々な場所で感染が確認されています。
中村知事「第4波の繁華街クラスターのような一部の局所的な場面で集中的な感染が確認されたものではありません。県内各地、全体ではありません、特に松山市では様々な場所で感染経路が不明な多数の事例が発生して、それぞれが感染を広げている状況にございます」
そして、知事が警戒感を強めていたのが新居浜市です。
11日に確認された15人のうち9人が新規の陽性確認でした。
新規の感染者が増えるということは、水面下での感染の広がりが懸念されます。
そのほか、大洲市や鬼北町など南予地域にも散発的に見られ、デルタ株中心の現在の感染状況は全県で注意が必要です。
続いて年代別では、85人の感染者のうち、20〜50代が7割を占め、働き盛りの世代の感染が多く確認されています。
クラスターは、現在、6事例が調査中で、西条市の事業所では新たに5人、松山市のホストクラブのクラスターで2人、その他は1人ずつ増えています。
愛媛県内の医療体制を見てみると、医療機関に入院している人は82人、重症患者は1人増えて5人、そして、自宅療養者は今回、入院調整中の方も含めて一気に73人増えて193人となり、医療現場の負担は減っていません。
中村知事はこうした現在の感染状況を第4波とは異なると警戒しています。
中村知事「県内の感染状況は、これまでとは完全に別の局面に突入した、と。第4波を上回る状況になってきていると言わざるを得ません。松山市だけ抜き出すとステージ4に入っている。本日から『感染対策期』に引き上げさせていただきます」

●県職員の出勤者5割削減…感染拡大特別警報出した富山県 8/11
新型コロナウイスの「感染拡大特別警報」を出した県は、11日から職員の出勤者を5割削減する取り組みを始めました。
これは、県が10日に出した感染拡大特別警報にあわせ、庁舎内や通勤時の交通機関などの密を避けるために行われるものです。
対象となるのは知事部局の職員およそ3600人のうち、コロナ対策や危機管理の担当者などを除くおよそ2000人です。
期間は11日から当面の間としていて、在宅勤務や時差出勤、休暇の取得により庁舎内の職員を通常の5割程度に抑えるということです。
県人事課 山本美稔子課長「各企業、民間業者も(出勤者削減の)取り組みが進んでいることと思うが、今回の警報が出され、県庁が取り組みを始めた事で県内にも広がっていけばと思う」
県が出勤者の削減をするのは、去年の全国の緊急事態宣言以来2度目です。

●富山県が感染拡大特別警報 まん延防止の要請検討 8/11
富山県は10日、県内で新型コロナウイルスの新規感染者や入院者の増加が続いているとして、独自の「感染拡大特別警報」を出した。独自の警戒レベルを現在のステージ2からステージ3に引き上げることや、緊急事態宣言に準じた「まん延防止等重点措置」の適用要請も早急に検討する。新田八朗知事は「これまで経験したことがない局面に入ってきた」と危機感を示し、感染防止策の徹底を強く求めた。
県は同日、35人の感染を確認したと発表し、県内の感染確認は計2649人となった。直近1週間平均の入院者数は9日時点で151・0人。警戒レベルの判断指標の基準となる140人未満を上回った。
県はステージ3が目前に迫っていると判断。医療提供体制が逼迫(ひっぱく)し、県民に強い自粛要請を行う事態を避けるため、今年5月以来となる特別警報を出した。
県民には県外からの帰省も含め、全都道府県との往来を自粛するとともに、県内外を問わず普段会っていない親戚や友人らとの会食を控えるようあらためて呼び掛けた。短時間でも会話の際はマスクを着用することも求めている。
県庁では11日から県職員の出勤者数を5割削減し、県営施設の感染防止対策を再徹底する。
新田知事は県庁で医療や経済、消費関連の有識者から意見を聞いた上で、コロナ対策本部会議を開き、特別警報を出すことを決めた。続いて県医師会の馬瀬大助会長と会見し、ステージ3になれば、不要不急の外出自粛を求めるほか、休業や営業時間短縮の要請も検討するとし「市中感染が急速に広がっている。高い緊張感を持ってほしい」と話した。
馬瀬会長は「ステージ3に移行すれば医療現場が苦しくなり、一般の診療ができなくなる。しっかり認識してもらいたい」と語った。

●コロナ感染爆発 危機感共有し対策徹底を 沖縄 8/11
沖縄で新型コロナウイルス感染が爆発的に拡大している。4日に602人が確認されて以降、8日まで1日当たりの感染者は連日500人を超え、高止まりが続く。4日からの1週間で感染者数は3601人に上る。10万人当たりの人口比の感染者数も再び全国ワーストだ。感染力の強い変異株、デルタ株に置き換わりが進む。
この第5波はコロナ禍が始まって以来、最悪の状況だ。外出自粛など県民による自制だけでは到底抑えられない。危機感を共有し、水際での人流制限など抜本的な封じ込めが必要だ。
6日に開催された県の感染症対策専門家会議では、コロナ病床の空きが一時的に2床にまでなったことが報告された。搬送先の調整のため救急隊員の現場滞在時間は延びている。県立南部医療センター・こども医療センターは予定入院も中止した。
第5波の特徴は、日々の感染者数のうち20〜30代の感染者数が高い割合を示すなど若年層が増えていることだ。
小児(0〜15歳)の入院も4月の2人から、7月は28人、8月は6日時点で9人と急増した。基礎疾患のある乳児が重症化する事例があり、妊婦の感染も拡大している。小児や妊婦への感染経路は家庭内感染がほとんどで、それぞれの医療体制も逼迫(ひっぱく)している。
県疫学統計・解析委員会によると、ワクチン接種率が高いほど感染者数が少なくなる相関があるといい、専門家はワクチン接種が感染者数を減らす有効な手段と見ている。一方、20〜30代の若い世代の接種は市町村別で進んでいない。琉球大学の職域接種でも、6日時点で予定の3割ほどしか学生が集まっていない。
感染急拡大の要因として、専門家会議の藤田次郎座長(琉球大学大学院教授)は観光客が沖縄に入って来ていることを挙げ、水際対策の重要性を指摘した。
7日からお盆休みの時期に入った。県外の鉄道や航空便の予約状況は2019年には及ばないが、コロナ禍の20年を上回る状況だ。お盆休みを利用して沖縄を訪れ、さらなる人流の増加も予想される。20日からは旧盆も始まる。
玉城デニー知事は県内の医療界と経済界、市町村の代表者と共に緊急共同メッセージを発表し、2週間の外出自粛などを呼び掛けた。しかし県民に求めるだけでは拡大を抑えられないのが現状だ。
空港など沖縄の玄関口を利用する人に対し、PCR検査を義務化するなど抜本的な対策が必要だ。県民がいくら自粛に取り組んでも県外からの人流に対処しなければ防ぎようがない。
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は「人々の意識に与えた影響はある」と、五輪による気の緩みと感染拡大の関連に言及した。政府は速やかに人流に抜本的に対処し、感染拡大を封じ込めなければならない。

●飲酒転落だけじゃない!テレ朝のユルユル<Rロナ対策をタレントが証言 8/11
ダブルスタンダードだ! テレビ朝日の東京五輪番組スタッフ10人が打ち上げの飲み会をカラオケ店で開いたことが10日、明らかになった。テレビ各局が緊急事態宣言下の飲み会は控えるよう報道する中、自分たちが自粛破り≠オたことがバレた格好だ。あり得ない失態に、有名女性タレントも同局のユルユルコロナ対策≠暴露するなど、バッシングの嵐が吹き荒れている。
「ビルの窓から人が落っこちたんだけど」目撃者が110番通報したのは、9日午前4時ごろだった。
テレ朝の発表や警視庁、複数の関係者の話を総合すると、テレ朝の東京五輪番組スタッフ10人は閉会式があった8日夜〜9日明け方まで、東京・渋谷のカラオケ店で打ち上げを開催。その1人の20代女性局員が酒に酔い、同店2階の窓から転落したという。
「五輪が終わった高揚感から気分がハジけ、自ら窓からダイブ≠オたとの仰天情報もありますが、詳細は不明です」(テレビ局関係者)
女性局員は左足を骨折するなどの重傷。都内の病院に救急搬送され、入院している。10人は、当該局員を含むスポーツ局局員6人と局外スタッフ4人。
テレ朝は「当社では従前より、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から宴席等を禁ずる社内ルールを設け、その遵守を徹底してまいりました。しかしこの度、不要不急の外出等の自粛を呼びかける立場にありながら著しく自覚を欠く行動があったことは大変遺憾であり、深く反省しています」との声明を発表して謝罪。SNS上では案の定、「ダブルスタンダード!」などと激しく批判されている。
もっとも、テレ朝のこういった姿勢は今に始まったことではない。例えば、朝の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」は五輪開幕前からコメンテーターの同局局員・玉川徹氏をはじめ五輪に否定的だったが、開幕が近づいた後は手のひら返しで好意的に取り上げ、SNS上で疑問視された。
ダブルスタンダードはほかにもある。ある有名女性タレントはこう憤った。
「番組に出させていただいて思うことはあります。カメラが回っている時はアクリル板とアクリル板の間に立つようスタッフさんに言われますが、回っていない時は出演者の方やスタッフさんたちはフツーにワーワーとしゃべっているなと」
対策が徹底されず、ユルユルなようだ。
「結局、視聴者に対する忖度でしかない。対策はやってるよ、と。視聴者からクレームがこないようにしているだけです」
今回の騒ぎがテレ朝だったのもポイントだ。
5日配信のデイリー新潮によれば、東京五輪では、NHKを除く民放各局が一日一日の中継権をめぐってあらかじめクジをして、当たった局がほぼ独占放送する体制になった。その恩恵にあずかったのがテレ朝だった。
金メダルを獲得した柔道や競泳などを中継し、世帯視聴率20%超を連発(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。五輪期間中の民放の視聴率争いでトップを独走した。
「五輪に批判的な番組が多かったテレ朝も狂喜乱舞したそうです。これで五輪番組スタッフ10人は調子に乗り、カラオケ店に繰り出したといわれています。浅はかというか」(前出関係者)
テレ朝局員によると、「局上層部が恐れているのは、10人の中から新型コロナの感染者が出ること」だという。
元TBSアナウンサーでフリーの吉川美代子アナはこの日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」で、一連の騒ぎについて「言っちゃいけないけど、バカですねとしか言いようがない」と斬り捨てた。

●「感染メルトダウン」状態でも自助を求めるカオス 反与党票が雪崩の恐れ 8/11
全国で1日の新規感染者数が1万4千人を超えて医療が逼迫(ひっぱく)する中、菅政権は中等症患者の一部も自宅療養とした。与野党から非難の声が一斉に上がっている。AERA 2021年8月16日−8月23日合併号では、混沌とする政府の現状を取材した。
「ここまで数字が跳ね上がると、感染爆発を止める有効な手段はないということは、政権内の誰もが分かっていますよ。だからこの間、専門家の意見を聞けるはずがない。まともに聞いていたらオリンピックをやりながら、コロナの感染拡大を防ぐなんて非科学的な芸当は絶対にできませんから」
取材に応じた厚生労働省の幹部は、今の状態は「メルトダウンした原発と同じで、拡大をくい止める有効な手段がない」と肩を落とした。
4日、全国で1日の新規感染者が1万4千人を突破。前代未聞のオーバーシュート(感染爆発)は止まる気配がない。それもこれも解散総選挙を前に、「オリンピックを開催さえすれば、政権支持率は回復する」という菅義偉首相の希望的楽観論が要因だということは、関係者の誰もが信じて疑わない。
2日前、政府は新型コロナウイルスの入院対象者を重症者に限定するという方針を発表。中等症でも一部の患者は自宅療養となり、公的医療の対象外に置かれる。野党幹部の一人は、「信じられない。政治が国民に命の選択を突きつけるのか」と憤る。この決定に面食らったのは、野党だけではない。与党自民党・公明党から反発の声が一気に噴き出した。
「これでは自民党支持者も離れる。コロナに打ち勝った証しどころか事実上の敗北宣言だ」(自民党議員)
「もしかすると総選挙では反与党票が雪崩を打つかもしれない」(公明党ベテラン議員)
驚くのは、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が、この政府の方針転換について事前に何の相談も受けていなかったということだ。4日の衆院厚労委員会での立憲民主党・早稲田夕季議員の質問で明らかになった。
尾身会長は答弁で、「この件に関しては、(事前に)とくに相談、議論をしたことはない」と断言。事実上、この決定の責任者である田村憲久・厚労相は、「病床のオペレーションの問題でありますので、それは政府が決める話でございます」と開き直った。しかし、政府のトップである菅首相は、その事実を把握していなかったと発言。田村大臣の言う「政府」とはいったい誰のことか。前出の厚労省の幹部は「確信犯」だと証言する。
「事前に尾身会長に相談していれば、当然反対される。反対を押し切って政府が決めたとなれば、それはそれで大問題となり今後、『専門家』という都合のいいお墨付きが通用しなくなる」とした上で、「オーバーシュートすれば医療体制が困難を極めることは、厚労省から政府に何度も説明していた。けれども、官邸はオーバーシュートしないという、かたくなな姿勢を貫いた。だから、医療逼迫(ひっぱく)が一段落した時に、医療体制の拡充に予算を投下し、病床の確保を急ぐという発想が早い段階で否定されたのです」
自民党総裁選、そして解散総選挙を前に、続投の意欲を燃やす菅首相は、東京都で感染者数「1万人」を超えても、「想定の範囲だ」と開き直るだろう。想定外と認めれば「コロナに負けた」と白旗を揚げることと同じだからだ。その途端、足元から「菅降ろし」の攻勢が始まる。
永田町では感染拡大を理由に、24日から始まるパラリンピックを中止し、国民に政権の危機管理能力と決断力を知らしめ、その直後に解散という噂も流れる。
与野党からの批判にさらされた菅首相だったが、首相官邸で4日、記者団に「今回の措置は必要な医療を受けられるようにするためで、理解してもらいたい」と述べ、「中等症の一部の患者も自宅療養」という方針は撤回しないと早々に宣言した。しかし、現実は「撤回しないのではなく、事実上、できない」のではないか。何が何でも国民の命を守るという姿勢と覚悟が感じられない。これが菅首相の言う「自助」の正体なのだろうか。

●宣言「出口」見通せず 大規模休業必要論も―デルタ株に手詰まり感・政府 8/11
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、今月末を期限とする緊急事態宣言の解除が見通せなくなってきた。「出口戦略」を描こうとした政府の思惑は崩れつつあり、関係自治体からは、大規模商業施設への休業要請など人出の抑制につながる強力な対策を求める声が相次いだ。デルタ株の猛威に感染がピークアウトする兆しは見えず、政府内には手詰まり感が漂う。
西村康稔経済再生担当相は10日の記者会見で「これまで経験したことのない桁違いの感染が継続している」と危機感を表明。40〜50歳代や若年層の重症者が増加しているのを念頭に「救える命を救えない状況になりかねない」と強調した。
宣言発令中の6都府県は感染が急拡大している。1日当たりの東京都の新規感染者が8月半ばには1万人を超えるとの予測も都モニタリング会議で示され、政府関係者は「宣言解除は無理かもしれない」との見方を示した。内閣官房資料によると、全国の重症者は1230人(9日時点)で、7月中旬の約3倍に跳ね上がった。
菅義偉首相はかねて「国民の4割がワクチン接種を1回終えると感染者が減少する」との見方を周囲に示してきた。ただ、4割超となった現在でも感染拡大が収まる気配は見られない。国民の多くが抗体を持ち流行が収束する「集団免疫」の達成も「当面は困難」との見方が政府内では強まっている。
政府はワクチン接種の進展に合わせ、宣言発令・解除の判断に当たり、重症者数や病床使用率といった新規感染者数以外の指標に軸足を移したい意向だった。感染症法上の位置付けも、季節性インフルエンザなどと同じ5類に変更すべきだとの意見が出ていたが、想定を超える変異株の猛威を踏まえ、感染症専門家は「まずは現在の第5波と真剣に向かい合うべきだ」と楽観的な見通しを戒める。
一方、宣言対象都府県の知事からは、飲食店への要請を中心とする感染対策の限界を指摘する声が上がる。大阪府の吉村洋文知事は9日、西村氏とのテレビ会議で「今まで通りのやり方でいいのか」と疑問を呈し、神奈川県の黒岩祐治知事は旅客機や電車の乗客数制限を提案。千葉県の熊谷俊人知事は会議後、記者団に首都圏全体で大規模施設の休業要請を検討すべきだとの考えを示した。
西村氏は10日の会見で感染対策強化に関し、「(自治体間の)考えに差がある。国としてよく調整し、対応していきたい」と述べるにとどめた。  

●新型コロナを5類感染症にすると医療現場はどうなるか? 8/11
「5類感染症」論
現在、新型コロナを季節性インフルエンザ並みの5類感染症にダウングレードすることが検討されています。これは、保健所・行政や入院病床の負担から生まれた議論であって、決して新型コロナが季節性インフルエンザ並みに軽症だというわけではありません。このテーマ、専門家の間でもかなり意見が分かれています。今すぐにでも5類感染症へという意見は「ウィズコロナ」、まだ早計だという意見は「感染の抑制・収束」を想定しているためです。「感染症法」では、症状の重症度や病原微生物の感染力などから、感染症を「1類〜5類感染症」の5段階と「新型インフルエンザ等感染症」「新感染症」「指定感染症」の3種類の合計8区分に分類しています(表)。
新型コロナは、症状がない陽性者を含めた入院勧告や就業制限、濃厚接触者や感染者の追跡などの対応が必要な、指定感染症の1〜2類相当として扱われてきました。2021年2月から「新型インフルエンザ等感染症(※)」という枠組みに変更され、これは感染症法における「特例枠」です。法改正に時間を要するため、柔軟に運用できるよう、新興感染症については特例枠が設けられています。
※現時点で「新型インフルエンザ等感染症」とは、新型インフルエンザ感染症、再興型インフルエンザ感染症、新型コロナウイルス感染症、再興型コロナウイルス感染症のことを指します。
5類感染症へのダウングレードについては賛否両論あるかと思いますが、日本全体で不幸せになる感染者が増えないよう運用しやすい枠組みにすることが重要です。みなさんが向いている未来はきっと同じ方向なので、丁寧な議論を重ねていただきたいところです。
個人的な意見を書くと、ワクチン接種がすすみ、国民の理解が得られるようであれば、どこかのタイミングで枠組みを変えることはありだと思います。ただ、「今すぐ一気に5類感染症にしましょう」ではなく、何を残して何を変えるかを話し合い、部分的な変更を検討すべきと考えます。
さて、もし今すぐ5類感染症にダウングレードすると、医療現場はどのようになるでしょうか。
保健所・行政の負担が軽減
5類感染症にすると、入院勧告や感染者の追跡が不要になります。現在、多くの保健所でおこなわれている療養者への電話や入院調整などの業務が軽減し、保健所・行政の負担が緩和されるでしょう。しかし一方で、国民に向けて自粛の要請が出せなくなります。特措法も適用できません。
感染者数の増加
5類感染症にすると、上述したように、保健所による入院勧告や感染者の追跡はなくなりますが、自宅待機要請・入院要請もできなくなることから、再生産数が高い変異ウイルスが相手では残念ながら全体の感染者数は増えると考えられます(ワクチンの接種がすすめばこの限りではありません)。
水面下で感染者数が増えると、残念ながら中等症者・重症者も増えるでしょう。これまでの欧米の感染者数・死者数をみると、政府が5類感染症論に慎重になるのは致し方ないことかと思います。
問題は、どのくらい増えるのかなかなか予測が難しいという点です。
医療従事者の負担は?
感染者数が増えれば、下気道に親和性が高い病原微生物であることから、両肺の肺炎を起こす患者さんの絶対数も比例して増えます。医療逼迫度は、単純に感染者数と入院を要する確率の積で決まりますので、感染拡大によっては全国のICUに人工呼吸器を装着された新型コロナ患者さんがたくさん入室するという事態が起こるかもしれません。ICUベッドが逼迫すると、外科手術や救急医療に差し障りがでてきます。
5類感染症に分類を変えたとしても、1年半以上も対峙している新型コロナに対する警戒感はそう変わりませんし、致死率が季節性インフルエンザよりはるかに高いことから(1)、現場運用としては個人防護具の装着やゾーニングは継続されるでしょう(季節性インフルエンザと同等でよいと通達が出ても現時点では現場は間違いなく反対します)。そのため、結局病院には「新型コロナ病床」を残さざるを得ないのが現実かと思います。
また、これまで新型コロナ確定例を診てこなかった病院で個人防護具を適切に着脱して毎日の入院ケアが可能かと言うと、なかなかハードルが高いと思っています。全国で院内クラスターの数も増えるかもしれません。
新型コロナ患者さんがいろいろな病院に分散されるため、短期的には新型コロナの診療で疲弊している病院の業務負担は減るでしょう。しかし、肺炎患者さんの絶対数が増えてくると、しばらくして急性期病院が多忙になるかもしれません。中規模の急性期病院が新型コロナだらけ、という事態に陥る可能性があります。
医療費の自己負担が増える
現在の枠組みでは医療費はすべて公費で負担されています。そのため、PCR検査を受けても、コロナ病棟に入院しても、高額な点滴治療を受けても、お金はかかりません。
しかし、5類感染症にした場合、検査費用(PCR検査、画像検査、血液検査など)、治療(例:レムデシビルは5日治療で約38万円の薬価)、酸素投与、人工呼吸管理などは最低3割負担の支払いになります。医療費が高額になるため、おそらく高額療養費制度を用いることになりますが、それでも「えっ、こんなに高いの!」とビックリする自己負担額になることは間違いありません。
特例として、新型コロナはしばらく公費で補うなどの例外を作ることができれば、この問題は解決するかもしれません。
まとめ
これまでにない感染力と致死性を持った感染症であるため、現行の枠組みでも形骸化している部分が多い新型コロナ。
波ごとに起こる医療逼迫を払拭するべく広く国民・医療機関に新型コロナを受け入れてもらう「5類感染症へのダウングレード」による感染者数増加が生む害と、現行のままの医療機関で診療して入院させられない新型コロナ患者さんを生んでしまう害の、どちらが日本にとってましかという話になります。
田村厚生労働大臣は「ワクチン接種がより進んだ場合に見直しを検討するような必要がある」とおっしゃっています。
もし5類感染症にダウングレードするにしても、全体の実効再生産数が明確に減る施策が稼働している状態で、部分的に5類感染症の方向へ寄せていく話し合いが肝要だと思います。あるいは制度的には現行のまま内容を5類感染症に近づける、などの案も考えられます。

●コロナ感染の保険金支払い急増、3か月で350億円超… 8/11
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う保険金の支払いが、今年4〜6月の3か月間で350億円を超えたことがわかった。影響が深刻になった昨年3月から今年3月までの支払総額は約481億円で、今年度は半年もかからずにこの金額を突破しそうだ。
国内生保42社が加盟する生命保険協会によると、今年4〜6月の新型コロナ感染に伴う保険金の支払総件数は10万6800件。内訳は死亡保険が4215件で計約248億円、入院給付金が10万2585件で計約103億円だった。
7月以降、感染力が従来株より強いデルタ株が広がり、新規感染者が急増しており、「保険金の支払いも急ピッチで増えている」(大手生保広報)という。
大手生保が発表した21年4〜6月期決算によると、コロナ関連の支払額は、最大手の日本生命保険が約74億円、住友生命保険が約34億円、明治安田生命保険が約28億円だった。
生保各社は、新型コロナを巡り、死亡した際の保険金や入院時の給付金だけでなく、病床の逼迫(ひっぱく)で自宅療養する感染者にも入院給付金を支払う特例措置を講じている。

●東京都 新型コロナ 4200人感染確認 重症者は最多更新197人に  8/11
新型コロナウイルスの感染の急拡大が続く東京都内では11日、新たに4200人の感染が確認されました。一方、都の基準で集計した11日時点の重症の患者は197人となり、10日に続いて過去最多を更新しました。また都は、感染が確認された30代と70代の男性2人が死亡したことを明らかにし、このうち30代の男性は自宅で療養中に亡くなったということです。
東京都は11日、都内で新たに10歳未満から100歳以上までの男女合わせて4200人が、新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。4000人を超えるのは3日前の今月8日以来です。1週間前の水曜日から34人増えて、水曜日としてはこれまでで最も多くなり、感染の急激な拡大が続いています。11日までの7日間平均は、3983.6人で、前の週の114.5%です。これで都内で感染が確認されたのは、25万8981人となりました。
一方、都の基準で集計した11日時点の重症の患者は、10日より21人増えて197人となりました。10日に続いて過去最多を更新し重症患者の増加が止まりません。今月1日は101人で、11日までに倍近くに増えています。都が、現在確保している重症患者用の病床の使用率は、第3波のことし1月31日以来50%を超えて50.3%になりました。
また、都は感染が確認された30代と70代の男性2人が死亡したことを明らかにしました。このうち30代の男性は自宅で療養していて健康観察を続けていましたが、容体が急変して亡くなったということです。これで都内で感染して死亡した人は2319人になりました。
都の基準で集計した重症患者が過去最多になったことについて、東京都の小池知事は記者団に対して「全体の感染者も増えてきていて、重症が200人に近い数字だ。医療機関からは通常の診療を断ったり、手術を先送りしたりするなどの事態に陥るという声を聞いている。きょうは重症者のうち、50代が3分の1を占めている。40代もきのうから一気に9人増えている。基礎疾患を持っている方やタバコを吸っている方も気をつけていただきたい」と述べました。

●東京 新型コロナ 4200人感染確認 自宅療養中の男性死亡  8/11
東京都内では11日新たに4200人の感染が確認され、感染の急拡大が続いているほか、都の基準で集計した11日時点の重症の患者は過去最多の197人となり、医療提供体制のひっ迫がさらに進んでいます。また、自宅で療養していた基礎疾患のない30代の男性が亡くなり、第5波で都が把握した自宅療養中の死亡は3人になりました。
東京都は、11日都内で新たに10歳未満から100歳以上までの男女合わせて4200人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。
4000人を超えるのは3日前の今月8日以来です。
1週間前の水曜日から34人増えて、水曜日としてはこれまでで最も多くなり、感染の急激な拡大が続いています。
11日までの7日間平均は、3983.6人で、前の週の114.5%です。
11日の4200人の年代別は、10歳未満が206人、10代が397人、20代が1262人、30代が867人、40代が727人、50代が485人、60代が146人、70代が55人、80代が43人、90代が9人、100歳以上が3人です。
感染経路がわかっている1541人の内訳は「家庭内」が最も多く936人、「職場内」が277人、「施設内」が99人、「会食」が41人などとなっています。
東京オリンピック関連では6人の感染が確認され、外国人の競技関係者が3人、日本人の組織委員会職員が2人、委託業者が1人です。
これで都内で感染が確認されたのは、25万8981人となりました。
一方、11日時点で入院している人は3667人と、10日より73人増え、5日連続で過去最多を更新しました。
「現在確保している病床に占める割合」は61.5%です。
また、都の基準で集計した11日時点の重症の患者は10日より21人増えて197人となりました。
10日に続いて過去最多を更新し重症患者の増加が止まりません。
今月1日は101人で、11日までに倍近くに増えています。
都が、現在確保している重症患者用の病床の使用率は、第3波のことし1月31日以来50%を超えて、50.3%になり、医療提供体制のひっ迫がさらに進んでいます。
重症患者の年代別は、10代が1人、20代が5人、30代が14人、40代が52人、50代が67人、60代が36人、70代が18人、80代が4人です。
40代と50代をあわせると全体のおよそ60%を占めています。
また、都は、感染が確認された30代と70代の男性2人が死亡したことを明らかにしました。
このうち30代の男性は先月28日に陽性と確認されたときには微熱があり軽症でした。
自宅で療養を続けていましたが今月6日に連絡が取れないことを不審に思った家族が自宅を訪ねたところ、すでに死亡していたということです。
保健所による毎日の健康観察では特段、体調の変化はなく、亡くなる前日の5日には不眠を訴えていたものの、そのほかにの異常は確認されなかったということで、都は、容体が急変したと見ています。
男性は1人暮らしで基礎疾患はなかったということです。
これで、今回の第5波で自宅療養中に亡くなった人で都が把握したのは3人になりました。
都の担当者は「前日まで体調が安定していた人が亡くなる状況だ。改めて、怖い病気だという危機意識を共有し、感染防止対策に取り組んでほしい」と話しています。
これで都内で感染して死亡した人は2319人になりました。

●「緊急事態」9月延長論浮上 対象地域拡大へ政府検討 8/11
政府は新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言をめぐり、対象地域の拡大を検討し、来週にも決める方向で調整している。31日としている期限の9月までの延長論も浮上する。東京都は4回目の宣言発令から12日で1カ月となるが、繰り返される対象拡大と期限延長。菅義偉(すが・よしひで)首相の言う「最後の宣言」はいつ終わるのか、国民に不満といらだちが募る。
追加検討地域は、蔓延(まんえん)防止等重点措置が適用中の13道府県が中心だ。内閣官房の資料(10日時点)によると、1週間の10万人当たりの新規感染者数は、13道府県全てでステージ4(爆発的感染拡大)。これらのうち病床使用率では福島、茨城、栃木、群馬、石川、京都、滋賀の7府県でステージ4となっている。
宣言の効果を見るには潜伏期間などを含め最低3週間は必要とされる。このため、拡大を来週決めた場合、追加地域の期限が9月になるのはほぼ確実だ。宣言発令中の6都府県でも感染拡大が続いており、地域の追加に合わせる形で、期限を延長するのは避けられそうもない。
田村憲久厚生労働相は11日、厚労省に助言する専門家組織の会合で「新規感染者数が常態的に1万人を超え全国的に感染が拡大している。東京は厳しい状況が続いており、東京の状況に近づいている自治体が続々と増えている」と危機感を示した。政府内には宣言の全国適用を求める声もあるが、関係閣僚からは「宣言を全国に出しても感染者は減らないだろう。何年も解除できない事態になりかねない」との声が漏れる。
重症者も増えており、10日時点の重症者は1332人と21日連続で増加した。インド由来の変異株(デルタ株)が猛威を振るう中、欧米ではワクチンを2回接種した人の割合が6割近くになっても、感染が止まらないという。
田村氏は11日のテレビ朝日番組で「日常としてコロナと付き合っていく時代になる」として、コロナ専用病院の開設を「早急に検討しなければならない」と述べた。コロナと共存する社会の在り方を示すのは急務となっている。

●専門家会合「多くの命を救えなくなるような危機的状況危惧」 8/11
新型コロナウイルスの感染者数が1週間以上連続して全国で1万人を超えるなど急激な感染拡大が続く中、対策について助言する厚生労働省の専門家会合が開かれました。現在の状況について、「もはや災害時の状況に近い局面を迎えている」として、医療のひっ迫で多くの命が救えなくなるという強い危機感を示したうえで、お盆などの帰省は延期し、すでにワクチンを接種した人を含めてマスクなどの基本的な感染対策を徹底する必要性を強調しました。
11日開かれた専門家会合では、全国の感染状況について、「全国のほぼすべての地域で新規感染者数が急速に増加し、これまでに経験したことのない感染拡大となっている」と分析しました。
そのうえで、これまで低く抑えられていた重症者数が急速に増加し、入院調整中の人の数も急速に増加するなど、首都圏を中心に公衆衛生や医療の体制が非常に厳しく、「もはや災害時の状況に近い局面を迎えている」と強い危機感を示しました。
地域別にみると、東京都では過去最大規模の感染拡大で入院患者、重症者ともに過去最多の水準となり、自宅療養の患者も急激に増加しているほか、新たな入院の受け入れ、救急搬送が困難なケースや、一般医療を制限する事態も起きているとしています。
また、埼玉県、千葉県、神奈川県でも重症病床の使用率が増加していて、東京では夜間の人出の減少も前回の緊急事態宣言時の水準には届かず、20代や30代だけでなく、重症化するリスクの高い40代や50代の割合も高くなっていて、首都圏では当面は感染拡大が続くと指摘しています。
沖縄県は人口あたりの感染者数が全国で最も高く、過去に例のない水準となっていて、入院患者数が急速に増加し、病床使用率が厳しい状況となっている一方、夜間の人出は減少に転じているとしています。
大阪府でも、急速な感染拡大が続き、入院者数や重症者数も増加していて、夜間の人出は減少に転じたものの依然多いため、感染拡大が続くことが予測されるとしています。
専門家会合は、感染力が強い変異ウイルス、デルタ株への置き換わりが進む中、緊急事態宣言などによる人出の減少は限定的で、これまでに経験したことのない感染拡大の局面を迎えているとしたうえで、医療体制の拡充も限界があるため重症者数の急速な増加で「多くの命が救えなくなるような危機的な状況さえ危惧される」と、これまでにない表現で強い危機感を示し、一刻も早く感染拡大を抑えることが必要だと訴えました。
そのうえで、専門家会合は、必要な対策としてお盆や夏休みにも県境を越える移動や外出を控え、帰省は延期を検討するよう求めました。
また、感染が飲食の場面だけでなく、商業施設や職場、学校などでも急速に広がっているとして、ワクチンを接種した人も含めてマスクの着用や消毒、人との距離の確保や換気などの基本的な対策を徹底すること、それに職場での会議は原則オンラインで行うことやテレワークの推進、症状のある人の出社自粛の徹底などを求めています。
さらに、最近承認された重症化を防ぐ効果が期待される抗体医薬の活用や、重症化に迅速に対応できる体制を早急に整備して、必要な医療を確保する必要性を指摘しました。
脇田座長「“災害医療に匹敵する状況”との意見も」
厚生労働省の専門会合のあと脇田隆字座長が会見し、医療体制の現状について、「非常に厳しい感染状況が続き、今後、新型コロナの医療と一般医療の両立ができるのか、両立が難しい場合にどちらを優先すべきかといった、これまでは出たことのない議論があった。当然、できるかぎり一般の医療も犠牲にせずにコロナの医療も進めていく体制を作らなければならないが、そのためには感染者をできるだけ減らす必要がある。すでに一部では、救急医療にアクセスできない危機的な状況にあり、『災害医療に匹敵する状況ではないか』と表現するメンバーも複数いた。専門家の危機感を一般の方々と共有できていない現状がある思う」と話していました。
そのうえで、「東京都内の夜間の滞留人口のデータ分析によると若い世代だけでなく、比較的、重症化のリスクが高い40代や50代の人流が多くなっている。新型コロナウイルスはインフルエンザとは違って感染した人の数%が死亡するような感染症で、致死率が低い病気ではない。自分や大切な家族を守るために感染リスクを避ける行動をとってほしい」と呼びかけました。

●感染歯止めかからず 専門家組織「災害時に近い局面」 8/11
新型コロナウイルス対策を厚生労働省に助言する専門家組織は11日の会合で、現在の感染状況について、首都圏を中心に「もはや災害時の状況に近い局面」だと強い危機感を示した。31都道府県で新規感染者数が最も深刻な「ステージ4(感染爆発)」に相当し、1週間前の23から急増。人の往来が増えるとみられるお盆の時期を前に、全国的な感染拡大に歯止めがかからない状態だ。
専門家組織は、急速な感染拡大で重症者や入院待ちの人も急増し、一般医療の制限や救急搬送が困難な事例も生じていると指摘。「多くの命が救えなくなるような危機的な状況さえ危惧される」として、お盆に県境をまたいだ移動や外出を控えるよう求めた。
10日までの1週間の新規感染者は全国で人口10万人あたり77・60人。前週の1・33倍となった。31都道府県が、ステージ4の指標となる25人を超えた。緊急事態宣言が出ている地域では、沖縄県247・83人、東京都200・06人、神奈川県140・27人、埼玉県119・66人、千葉県107・27人、大阪府86・25人で、いずれも前週より1・2〜1・4倍程度増えた。まん延防止等重点措置の対象地域でも、福岡県94・77人、京都府70・54人、茨城県61・29人、兵庫県51・45人、群馬県50・15人などほとんどで前週より増えた。
国立感染症研究所によると、1人が何人に感染させるかを表す「実効再生産数」は、全国的に上昇傾向が続き、全都道府県で1を上回っている。1を下回らなければ感染者数は減らない。
入院患者も増え、医療の逼迫(ひっぱく)が懸念される。病床使用率は、首都圏のほか沖縄県や福島県など少なくとも16都府県で5割を超えた。沖縄県86・3%、滋賀県81・0%、福島県79・2%、神奈川県69・1%など。重症者の病床使用率も、沖縄県78・2%、神奈川県75・9%、東京都72・5%など厳しくなっている。
東京都の今後については厳しい見通しが出た。西浦博・京都大教授らの予測では、インドで確認されて日本でも広がっているデルタ株の感染力などから実効再生産数を1・7と設定した場合、人出の抑制などで実効再生産数を30%下げられたとしても患者が増え続け、9月上旬には重症病床がすべて埋まる。入院患者と自宅療養者の合計は、8月下旬には確保病床の400%を超えるとした。
東京都医学総合研究所によると、都内の夜間(午後6時〜午前0時)の繁華街の人出は前週よりも4・5%減ったが、前回の緊急事態宣言の期間中で最も人出が少なかった時には及ばない。深夜(午後10時〜午前0時)の人出は前週より3・2%増加に転じていた。
英国で見つかったアルファ株と、デルタ株の感染者で症状を比べると、発熱、せき、頭痛、嗅覚(きゅうかく)・味覚障害の症状は、アルファ株よりもデルタ株の感染者に多い傾向があった。
デルタ株の置き換わりも進んでいる。国立感染症研究所は関東地方では約9割としてきたが、関西地方でも感染者の約8割を占めると推計した。デルタ株の疑いのあるウイルスに感染した人の10日までの累積は、PCRスクリーニング検査で2万5598人。前週の1・9倍だった。
田村憲久厚労相は、デルタ株の感染力は従来株より97%高くなっているとして、脅威を強調。「マスクだけでは駄目。換気をしっかりとしてほしい」と述べ、お盆の会食は避けるよう呼びかけた。
一方、会合ではワクチン接種の効果も示された。厚労省の6月の暫定集計では、未接種で感染した高齢者5387人のうち亡くなったのは232人(4・31%)だったが、2回接種した感染者112人では1人(0・89%)だった。1回接種した感染者857人では死亡は26人(3・03%)。報告漏れもあるため、数値は変わる可能性があるとしている。

●東京都、宿泊療養施設の活用足踏み 看護師不足、「準病院化」難航 8/11
新型コロナウイルスの感染拡大が続く東京都で、宿泊療養施設の活用が進んでいない。看護師不足を背景に、療養者は受け入れ可能人数の6割程度にとどまる。都は感染者や重症者の増加に伴う病床逼迫(ひっぱく)を受け、一部の宿泊施設を「準病院化」する緊急体制への移行を目指すが、実現に向けても看護師不足が懸念材料になっている。
「宿泊療養を増やしたいが、ホテルに配置する看護師の確保が非常に難しい。医療機関だけでなく人材派遣会社にも依頼して確保を急いでいるが、自宅療養への対応やワクチン接種など必要な場面が多く、奪い合いの状況だ」。都の担当者は現状をこう打ち明ける。
都は、基礎疾患があるなど自宅療養が難しい感染者を対象に宿泊療養を進めている。12日時点で確保したホテルは16施設、6240室。入所者の入れ替えには消毒作業などが欠かせないため、運用上の受け入れ上限は3210人と定めている。
これに対し、10日時点の宿泊療養者は1820人。「稼働率」は受け入れ可能人数の約6割、確保した部屋数の約3割にすぎない。背景にあるのが看護師の不足だ。
感染者が宿泊施設に入る際、看護師は健康観察を行う。対面で持病や服用薬を聞き取るほか、感染者の不安や健康相談に応じるなど1時間以上かかるケースも少なくない。看護師1人が1日に対面できるのは、4〜5人程度となる。
1施設につき、リーダーを含めて10人弱配置できれば1日500人前後の受け入れが可能だ。平均滞在日数は6日のため、フル稼働となる想定だった。ところが実際には看護師を十分に配置できず、1日100人前後の受け入れにとどまる。
都内では感染者や重症者の増加によって、病床が逼迫している。都は8月以降、医療崩壊を避けるための緊急体制に移行すると表明。柱の一つが、一部の宿泊施設の「準病院化」だ。酸素濃縮器を配備し医師の往診体制を整えるなど、医療機能を付加して病床を肩代わりする狙いがある。
ただ、これにも医療スタッフ、特に看護師の配置は欠かせない。都はどの程度の人員が必要になるか精査中だが、現段階の宿泊療養施設でさえ満足に配置できていない以上、難航は必至だ。都の担当者は「あらゆる関係機関に協力をお願いしてかき集める」と強調するが、準病院化は「絵に描いた餅」に終わる可能性もある。

●医療体制「もはや災害時」 帰省延期、対策徹底求める  8/11
新型コロナウイルス対策を助言する厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」は11日、首都圏などの医療提供体制について「もはや災害時に近い」との見解をまとめた。
今後は「多くの命が救えない危機的な状況さえ危惧される」と強い懸念を示し、お盆期間中の帰省延期やマスク着用など感染対策の徹底を国民に求めた。
専門家組織は、全国の新規感染者に関し、「急速なスピードで増加傾向が継続している」と指摘。東京都ではインド由来のデルタ株に感染した人の割合が新規感染者の95%に到達したと推計され、「ほぼ置き換わったと考えられる」とした。
専門家組織の座長を務める脇田隆字・国立感染症研究所長は記者会見で、24日開幕の東京パラリンピックについて「個人的には(無観客だった五輪と)同等が望ましいのではと思う」と述べた。
一方、厚労省によると、6月に報告された65歳以上の感染者のうち、ワクチン未接種者は5387人で、2回目を打ち終えた人は112人。致死率を比較すると、未接種者は4.31%だった一方、完了した人は0.89%と5分の1程度に低下した。脇田所長は「症例を積み重ねる必要があるが、ワクチンで重症化予防や死亡を抑える効果があると思われる」と指摘した。
10日までの1週間に確認された人口10万人当たりの新規感染者は、東京が200.06人、沖縄が247.83人と200人台となった。埼玉(119.66人)、千葉(107.27人)、神奈川(140.27人)の首都圏3県も100人を超え、大阪(86.25人)、福岡(94.77人)などと全国的な拡大傾向に歯止めがかかっていない。

●障害者施設で新たなクラスターか、陸自も拡大 過去最多の京都 8/11
京都府と京都市は11日、10歳未満から90代の341人が新たに新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日の感染者数としては過去最多。府内の感染者数は計2万969人となった。
府の発表分は174人で、初めて100人を超えた。感染経路不明は120人。中等症が2人で、ほかは調査中か軽症または無症状だった。居住地別では宇治市32人、亀岡市21人、八幡市16人、京田辺市と木津川市が各13人、京都市12人、城陽市と南丹市が各10人、向日市8人、舞鶴市、久御山町、精華町が各7人など。
南丹市の障害者施設「あけぼの学園」で職員と利用者10人が感染し、府はクラスター(感染者集団)が新たに発生したとみている。陸上自衛隊大久保駐屯地(宇治市)では感染者が5人増えて計15人となったほか、舞鶴市の病院でも5人増えて計11人となった。京都市の発表分は167人だった。

●「緊急事態」9月延長論浮上 対象地域拡大へ政府検討 8/11
政府は新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言をめぐり、対象地域の拡大を検討し、来週にも決める方向で調整している。31日としている期限の9月までの延長論も浮上する。東京都は4回目の宣言発令から12日で1カ月となるが、繰り返される対象拡大と期限延長。菅義偉(すが・よしひで)首相の言う「最後の宣言」はいつ終わるのか、国民に不満といらだちが募る。
追加検討地域は、蔓延(まんえん)防止等重点措置が適用中の13道府県が中心だ。内閣官房の資料(10日時点)によると、1週間の10万人当たりの新規感染者数は、13道府県全てでステージ4(爆発的感染拡大)。これらのうち病床使用率では福島、茨城、栃木、群馬、石川、京都、滋賀の7府県でステージ4となっている。
宣言の効果を見るには潜伏期間などを含め最低3週間は必要とされる。このため、拡大を来週決めた場合、追加地域の期限が9月になるのはほぼ確実だ。宣言発令中の6都府県でも感染拡大が続いており、地域の追加に合わせる形で、期限を延長するのは避けられそうもない。
田村憲久厚生労働相は11日、厚労省に助言する専門家組織の会合で「新規感染者数が常態的に1万人を超え全国的に感染が拡大している。東京は厳しい状況が続いており、東京の状況に近づいている自治体が続々と増えている」と危機感を示した。政府内には宣言の全国適用を求める声もあるが、関係閣僚からは「宣言を全国に出しても感染者は減らないだろう。何年も解除できない事態になりかねない」との声が漏れる。
重症者も増えており、10日時点の重症者は1332人と21日連続で増加した。インド由来の変異株(デルタ株)が猛威を振るう中、欧米ではワクチンを2回接種した人の割合が6割近くになっても、感染が止まらないという。
田村氏は11日のテレビ朝日番組で「日常としてコロナと付き合っていく時代になる」として、コロナ専用病院の開設を「早急に検討しなければならない」と述べた。コロナと共存する社会の在り方を示すのは急務となっている。

●コロナ感染「災害時に近い局面」 脇田座長 パラリンピック「無観客望ましい」 8/11
新型コロナウイルスの感染状況を分析し、厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」は11日、「感染者数の急速な増加に伴い、重症者数も急激に増加。医療提供体制が首都圏を中心に非常に厳しく、もはや災害時の状況に近い局面」との評価をまとめた。「多くの命が救えなくなる危機的な状況さえ危惧される」としている。(沢田千秋)
会合後の記者会見で、座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は「非常に厳しい議論があった」と切り出した。直近の全国の新規感染者数は前週比で約3割増えている。脇田氏は「過去最大の水準の更新が続き、全国的にほぼ全ての地域で新規感染者数が急速に増加している。これまで経験したことのない感染拡大」と強調した。
東京都内の入院調整中の患者は1万人を超えている。会合では「新型コロナと一般医療の両立は可能か、どちらを優先するか」という、これまでなかった議論が交わされたという。
都内の夜間の人の流れは減少傾向が続くが、前回宣言時の水準には届いていない。レジャー目的で繁華街に繰り出すのは若者だけでなく、重症化や入院リスクが高い40〜50代も多いという。脇田氏は「新型コロナは季節性インフルエンザと違い、一定程度は死亡する。自分と家族を守る行動を」と呼び掛けた。
24日にはパラリンピックが開幕する。見解を求められた脇田氏は「五輪も無観客だから、それと同じ状況が望ましいと個人的には考える。五輪を無観客でやって感染拡大している中、パラリンピックは有観客でできると、お勧めしたくない」と述べた。
これまでの会合では、尾身茂・政府分科会会長ら複数の専門家が会場に来ていたが、感染拡大を受け、座長以外は全員オンラインで参加した。

●過去最多更新 静岡県内288人感染 クラスターも相次ぐ 8/11
感染の拡大がさらに加速しています。8月11日の県内の新型コロナウイルスの新たな感染者は288人で過去最多を更新しました。帰省を前にPCR検査を受ける人が増えていますが、専門家は検査結果を過信しすぎないようにと呼びかけています。
県健康福祉部 後藤幹生参事「セルフロックダウン。自分の身を守るため家からは出ない」
専門家にここまで言わせるほどの尋常でないスピードで感染が広がっています。11日の新たな感染者を自治体別に見ますと、浜松市が65人、静岡市が50人、沼津市が28人などとなっています。浜松市、静岡市ともに1日あたりの感染者数が過去最多です。藤枝市内の学校の部活動で12人の感染が判明、富士市の接待を伴う飲食店「ティアラツー」で14人の感染が確認され、この2件が新たなクラスターと認定されました。
県健康福祉部 後藤幹生参事「4連休、3連休が続き人流が増えて感染がつながっていった」
これに加えていわば「落とし穴」となっているのがPCR検査の扱い方です。東京など首都圏ではお盆の帰省を前にPCR検査を受ける人が増えています。しかし、浜松市ではPCR検査が陰性だったので帰省した人が、帰省後に陽性と確認される例が今週から目立ち始めているということです。
浜松医療センター感染症管理特別顧問 矢野邦夫医師「PCR検査を帰省前にやって陰性だから安心して県内に戻ってくる人がいるが、PCR陰性はその日しか結果が保証されない。次の日は陽性になるかもしれない。流行地域、特に関東からの帰省はこの夏はやめていただきたい」
県は感染のピークはまだ先だとみて、換気や不織布マスクの着用、人と接する時間を減らすなどの対策を呼び掛けています。

●新型コロナ感染再拡大 お盆を前に大分県内の観光地は苦戦 8/11
新型コロナの変異ウイルスの感染が全国で拡大する中で迎えるお盆休みー。大分県内の観光地からは再び先行きに不安の声が上がっています。
コロナ禍前の大分県別府市にはこの時期、多くの観光客が訪れていましたが10日の鉄輪温泉街の人出はまばらでした。こうした状況に飲食店の関係者からは落胆する声も聞かれました。
飲食店関係者「あすからお盆休みにします。お客さんが全然いないから寂しいですね。昔に比べたら3分の1以下になっています。」
別府市の観光名所の一つ「海地獄」。7月の来場者数は去年の同じ時期に比べ1.7倍に増えましたが、今年の夏休みは例年の5割程度と苦戦を予想しています。
海地獄・矢野義広施設運営部長「例年に比べれば少ないですが徐々に皆様も出歩くようになりお客様も徐々に増えてきている。感染予防もしていますしお互いに気をつけながら旅行に来ていただきたい。」
今年のゴールデンウィーク明け以降、変異ウイルスが拡大した影響でおよそ1か月間休業を余儀なくされた別府市の「おにやまホテル」。8月は年間で最も予約が多い時期ですが、例年の3割程度にとどまっています。
客「今後も感染者が増えるかもしれないのできょう旅行に来ました。」「お盆の時期だと人の移動も多いので少し前のこの時期にしました。人もそこまで多くないので安心して過ごせました。」「露天風呂は人が空いていて貸し切りの状態でした。」
おにやまホテルでは客足が減少する中、今年の夏休みは例年にないある変化があると分析しています。
「どこからお見えになりましたか?」
客「別府です。県内の人は割引のプランがあって安く泊まれるから来ました。」
県民を対象に宿泊料金を最大で1泊5000円の割引と2000円の地域クーポン券が受け取れる「新しいおおいた旅割」。このプランを利用する県内客が増えていると話します。
衛藤昭治支配人「例年の夏休みは関東・関西・福岡のお客様がほとんどを占め、県内のお客様は2、3%に過ぎない傾向ですが今年は県内のお客様だけでも20%以上お見えですので旅割の効果が十分に発揮されている。」
ホテルではこの支援策の効果に今後も期待を寄せています。
衛藤昭治支配人「最近ワクチンの接種率もあがっていまして11月ぐらいからは通年のお客様の予約に期待してまずは県内の方から夏休み後半戦、是非お越しいただければ。」
一方、大分市の旅行会社オーシートラベル。8月の予約はコロナ禍前の2019年と比べ、およそ3割にまで落ち込んでいます。特に家族旅行の申し込みは、ほとんどない状況が続いているということです。
オーシートラベル企画部・吉岡秀樹課長「例年であれば家族連れのディズニーランドやUSJなどの申込みがありますが、引き続きコロナ禍ということで動きもなく各社とも苦戦をしている。」
このような中、県内の旅行会社でも「新しいおおいた旅割」の問い合わせが相次いでいますが、新規感染者の増加を危惧しています。
オーシートラベル企画部・吉岡秀樹課長「5月の時は新しいおおいた旅割がステージ2からステージ3へ状況が引き上げられたことによって利用が停止になりましたので何とかステージ2が維持されて新しいおおいた旅割が継続されることを祈るばかり。」
変異ウイルスの感染拡大が続く中、今年もコロナ禍で迎えるお盆休み。県内の観光地はまだまだ先行きが見通せない状況に見舞われています。 
 

 

●東京都 新型コロナ感染急拡大でさらなる病床確保は難航  8/12
東京都内では、新型コロナウイルスの感染の急拡大で入院患者が過去最多を更新し続けていて、都は病床をさらに増やすため調整を続けていますが、医療機関からは人員の確保が難しいなどといった厳しい声もあがっていて、さらなる病床の確保は難航しています。
11日の時点で、都内の入院患者は3667人となり、5日連続で過去最多を更新したほか、都の基準で集計した重症の患者も197人で過去最多となっています。
都は、新型コロナウイルスの患者を受け入れるための病床を現在、5967床確保していますが、さらにおよそ400床増やしてこれまでで最多となる6406床に引き上げたい考えです。
都は医療機関に対して、通常医療の制限を視野に、8月6日をメドとして病床の追加の確保を要請していましたが、11日の段階でまだ調整が続いています。
都によりますと、医療現場からは人員の確保が難しく通常の医療との両立ができなくなるなどといった厳しい声もあがり、さらなる病床の確保は難航しているということです。
都内の医療提供体制のひっ迫がさらに進むなか、専門家の中には「災害時と同じ状況だ」という声もあり、都は病床の確保を急ぐことにしています。

●東京都医師会などが自宅療養者支える課題で緊急会議 8/12
新型コロナウイルスに感染した自宅療養者が急増する中、東京都医師会などは緊急のオンライン会議を開き自宅療養者を支えるための課題について意見を交わしました。
新型コロナの感染拡大が続き自宅療養者が急増していることを受けて、東京都医師会は11日、都内の47の地区医師会や東京都、それに厚生労働省と緊急のオンライン会議を開きました。
この中で、東京都医師会は保健所が中心に行っている自宅療養者の健康観察や容体の悪化による入院の必要性の判断などを、発熱外来のある医療機関やかかりつけ医などにも可能な範囲で協力するよう求めました。
これに対し、地区医師会からは、入院が必要だと判断しても入院できない患者がいるので病床を増やしてほしいとか、入院患者に限って使用されている「抗体カクテル療法」という治療法を入院患者以外にも使用できるようにしてほしいといった意見が出されました。
会議のあと、東京都医師会の尾崎治夫会長は「課題は多いが自宅で重症化してそのままになってしまうようなことがないよう体制作りを進めたい」と話していました。

●全国の新規感染者、最多1万5812人…厚労省「医療体制は災害時に近い」  8/12
新型コロナウイルスの全国の新規感染者数は11日、1万5812人となり、過去最多となった。9府県でも過去最多を更新するなど、全国的に新規感染者数が急速に増加しており、厚生労働省の助言機関は同日、「これまでに経験したことのない感染拡大で、首都圏を中心に医療提供体制は災害時の状況に近い」と警鐘を鳴らした。
東京都では11日、新規感染者が4200人確認された。直近1週間の平均では前週から14・5%増えた。感染者の急速な増加に伴って重症者も急増しており、40歳、50歳代を中心に、都基準の重症者は197人と、2日連続で過去最多を更新した。
重症者向け病床の使用率は50・3%となり、都の関係者からは「医療従事者の確保も困難で、これ以上の重症者の増加に対応するのは難しくなっている」との声が上がっている。
新たな入院の受け入れや調整も困難になっている。自宅療養者は1か月前の約12倍にあたる1万9396人となった。
千葉、神奈川両県でも20歳、30歳代を中心に新規感染者が急増し、重症者数が過去最多を更新。重症病床使用率も上昇している。
大阪府でも、若い世代を中心に急速に新規感染者数が増加している。入院者、重症者ともに増加し、夜間の人出も多いため、感染拡大が続くことが予想される。
沖縄県では、10日までの1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は247・83人で全国最多で、過去に例のない水準。医療提供体制も全国で最も厳しい状況だ。
助言機関の座長を務める脇田隆字・国立感染症研究所長は「コロナの症状が出て救急車を呼んでも、入院できない状況になりつつある。一般医療の制限も生じている。自分や家族を守るため、感染リスクを避けることが必要だ」と訴えた。

●宣言1カ月で感染者5.5倍 専門家「下がる要素ない」 8/12
東京都での4回目の緊急事態宣言が始まって、12日で1カ月になる。これまでの宣言では期間中に人出が減り、感染者も減ったが、今回は人出がさほど減らず、変異ウイルスの猛威で感染者は異例の急増を続けている。感染は都市圏から地方に広がっており、効果は出ていない。
これまでの過去3回の緊急事態宣言では、宣言が出る前ごろから人々の自粛が始まって人出が減り、それに遅れて感染者も減る流れだった。過去3回の宣言開始日とその4週間後の感染者数(直近1週間平均)を比べると、2回目は約6割減、3回目は1割減だった。
一方、4回目となる今回。宣言開始日の感染者数(同)は757人なのに対し、4週間後は4135人と逆に約5・5倍増えた。感染力が強いデルタ株が広がったことが背景にある。厚生労働省の専門家組織は「これまでに経験したことのない感染拡大の局面」と危機感を示すが、浸透していないのが現状だ。
それを裏付けるように人出が減らない。NTTドコモの携帯電話の位置情報から推計したデータをもとに検証すると、都内の繁華街の人出は、宣言が回を重ねるごとにその減り方が鈍くなっていることがうかがえる。
感染者数が増加傾向にあるにもかかわらず、今年に入って出された2回目と3回目の宣言前後の人出の減り方は、昨年の1回目の時ほど顕著ではない。感染者の増加が著しい今回はさらに減り方が緩やかで、夏休みやお盆の帰省シーズンで都心の人口が減る例年の状況と、あまり変わらない傾向を示している。
都内の主な繁華街では、1回目の宣言後30日間の人出が、宣言前の30日間と比べて63・2%減ったが、今回の減り幅は9・4%にとどまった。都心近くの行楽地では40・3%から5・5%、JRの主要駅でも65・1%から7・9%とそれぞれ減り幅が縮小した。
一方、この夏に休暇や帰省で首都圏を離れる人は、昨年よりも増えている。今回の宣言が出てからの30日間をみると、居住地の東京、千葉、埼玉、神奈川の1都3県を離れ、ほかの道府県に滞在していた人(午後3時台)は、昨年の同期間と比べて22・5%増加。8月8日以降は150万人を超える日が続いている。
11日の厚労省の専門家組織は「お盆は県境を越えた移動、外出を控えて」と危機を訴えた。
一方、これまでと状況が違うのは、高齢者のワクチン接種が進んだ影響で、60歳以上の入院患者の割合が減っていることだ。3月は年齢別で4分の3を占めたが、現在は約2割。高齢者が減ったことで、7、8月の死者数も減っている。
政府が頼みの綱とするワクチン接種は、2回接種を終えた高齢者は82・3%(10日時点)に達しているが、全体(医療従事者を除く)では29・3%(東京26・3%)だ。
11日の専門家組織の会合で、京都大の西浦博教授は、今後の感染状況の試算を示した。現行と同じペースで増えていった場合、東京都では8月下旬に1日あたり1万人超、9月初めに2万人に達する見通しだという。お盆で検査数などは減るとの見方もある。専門家組織の舘田一博・東邦大教授は「感染者数はいったん下がるように見えて、その後また増える。下がる要素はない」と話した。

●福島県で91人感染 新型コロナ、高校運動部クラスター10人に拡大 8/12
県は11日、県内で91人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。10日に陽性と判明。県内の感染確認は延べ6710人となった。
福島東稜高の運動部で発生したクラスター(感染者集団)で新たに生徒3人の感染が確認され、計10人に拡大した。いわき市が10日発表した事業所(112件目)のクラスターについて、環境省が11日、同省発注事業に従事する関連企業と発表。事業所では新たに男性1人の感染が確認され、計9人となった。
91人の内訳はいわき市43人、郡山市11人、福島市10人、会津若松市7人、西郷村4人、須賀川市、南相馬市各3人など。32人の感染経路が分かっていない。
10日現在の入院者数は重症14人を含む397人。94人が宿泊療養中で、322人が自宅療養している。60人が療養先調整中。同日までに59人が退院、18人が宿泊療養施設を退所し、22人の自宅療養を解除した。

●沖縄のコロナ感染者数、1カ月で1万人超の可能性 8/12
沖縄県は11日、新たに10歳未満〜90代の男女638人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。1日当たりの新規感染者数では5日の648人に次いで2番目の多さで、先週の水曜日より36人増加。入院中や宿泊施設療養中などを含む療養者数は4840人となり、過去最多を更新した。
県内の累計感染者数は3万43人となった。同1万人から2万人を超えるまで74日かかったが、同2万人から3万人までは53日と大幅に短縮。県の糸数公医療技監は「感染力の強いデルタ株が要因で、これまでにない速さで広がっている。このまま収まらなければ1カ月で1万人を超える可能性がある」と警戒感を強めた。
直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は246・84人で全国最多の状況が続く。2番目に多い東京都は199・35人。
沖縄本島のコロナ病床占有率は重症用85%、中等症用93・8%、軽症用87・3%と逼迫(ひっぱく)が続いている。入院・療養調整中も1932人で過去最多を更新した。
県が1日から本島内で運用再開した、入院調整中に一時待機する「入院待機ステーション」は11日午後9時までに計70人が利用。10日だけで11人が利用した。自宅療養や宿泊療養施設で症状が悪化し救急搬送される患者で、酸素投与が必要な軽・中等症患者が対象。県は軽症者向け宿泊療養施設として、うるま市内のホテルを新たに確保し、12日から運用を始める。宿泊療養施設は県内7カ所目。
新規感染者638人で感染経路が追えたのは242人で家族内が最多124人。年代別では20代が143人で最も多く、30代119人、40代94人など。米軍関係は新たに21人の感染報告があった。

●帰省や旅行で感染者増加、知事「事態深刻」 岐阜県内123人感染 8/12
岐阜県で新型コロナウイルスの新規感染者が5月20日以来、83日ぶりに100人を超えた11日、古田肇知事は記者会見で「デルタ株の感染力が強く、事態は深刻だ」と危機感をあらわにした。県内はお盆シーズンを前に帰省や出張、旅行、レジャー関連による感染者が増加している。会員制交流サイト(SNS)も駆使してリスクの高い行動の自粛を促してきた県は、急拡大の局面を迎えた感染の第5波に対し、一段の対策強化を迫られている。
「せきや喉の違和感があったが、感染拡大地域から県内に帰省し、家族にも拡大した」「窓を閉め切ったままドライブをして、同乗者が発症」。県が運用し、感染状況や対策を伝えるツイッター「岐阜県公式・コロナNEWS」では、今夏の主な感染事例を紹介している。ツイッターではこのほか、単身赴任や大人数での旅行、ドライブなどによる感染が拡大したケースも取り上げ、「感染拡大地域からの帰省は自粛を」「体調不良時は行動をストップ」などと呼び掛けてきた。
県内では7月から今月5日までの感染者のうち、県外からの帰省や県外への旅行、出張が絡む感染者が約半数に上るが、古田知事は11日、「現在もその傾向の延長線上にある」と指摘。「去年の感染拡大と違い、ワクチン接種が進み、高齢の感染者は減少しているが、感染のスピードが速い」と強い警戒を示した。
古田知事は今後の対応について、「これまでと同様に、急速な変化に対して早めに手を打つ」として、県独自の非常事態宣言の発令のほか、国に対してはまん延防止等重点措置や緊急事態宣言の要請を視野に検討する方針を示した。「(13日にも開く)専門家会議ではさらに強化が必要な対策を議論する」とし、県民には「基本的な感染対策や感染を防ぐための行動をお願いしたい」と改めて呼び掛けた。

●東京都 新型コロナ 4200人感染確認 重症者は最多更新197人に  8/12
新型コロナウイルスの感染の急拡大が続く東京都内では11日、新たに4200人の感染が確認されました。一方、都の基準で集計した11日時点の重症の患者は197人となり、10日に続いて過去最多を更新しました。また都は、感染が確認された30代と70代の男性2人が死亡したことを明らかにし、このうち30代の男性は自宅で療養中に亡くなったということです。
東京都は11日、都内で新たに10歳未満から100歳以上までの男女合わせて4200人が、新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。4000人を超えるのは3日前の今月8日以来です。1週間前の水曜日から34人増えて、水曜日としてはこれまでで最も多くなり、感染の急激な拡大が続いています。11日までの7日間平均は、3983.6人で、前の週の114.5%です。これで都内で感染が確認されたのは、25万8981人となりました。
一方、都の基準で集計した11日時点の重症の患者は、10日より21人増えて197人となりました。10日に続いて過去最多を更新し重症患者の増加が止まりません。今月1日は101人で、11日までに倍近くに増えています。都が、現在確保している重症患者用の病床の使用率は、第3波のことし1月31日以来50%を超えて50.3%になりました。
また、都は感染が確認された30代と70代の男性2人が死亡したことを明らかにしました。このうち30代の男性は自宅で療養していて健康観察を続けていましたが、容体が急変して亡くなったということです。これで都内で感染して死亡した人は2319人になりました。
都の基準で集計した重症患者が過去最多になったことについて、東京都の小池知事は記者団に対して「全体の感染者も増えてきていて、重症が200人に近い数字だ。医療機関からは通常の診療を断ったり、手術を先送りしたりするなどの事態に陥るという声を聞いている。きょうは重症者のうち、50代が3分の1を占めている。40代もきのうから一気に9人増えている。基礎疾患を持っている方やタバコを吸っている方も気をつけていただきたい」と述べました。

●東京都 自宅療養者が急増 酸素投与まで症状が悪化しても  8/12
新型コロナウイルスの感染急拡大で都内では自宅で療養する人たちがこれまでで最も多い2万人を超え、急増しています。酸素の投与を行うまで症状が悪化しながらも、自宅で療養せざるをえない患者の姿がみられています。
首都圏を中心に複数の医療機関と連携して夜間や休日、医師に往診をしてもらっている会社では、東京都の委託を受けて登録する医師が新型コロナの自宅療養者を訪問し診療を行っています。
保健所から入院が必要と判断されたものの受け入れ先の調整がつかないケースが相次ぎ、8月に入ってからの1週間で往診した首都圏の自宅療養者のうち、肺炎などが悪化し酸素の投与が行われたのは35件あったということです。
このうち1人暮らしの40代の男性はおよそ1週間、療養が続いていて、往診中も激しくせきこむなど症状が悪化したため酸素の投与が行われたほか、60代の夫婦と40代の息子が感染したケースでは、息子ら2人が入院が必要な状態でしたが調整がつかず家族3人で自宅療養を続けていました。
第4波では大阪で高齢者を中心に自宅療養者が急増しましたが、第5波では基礎疾患のない30代や40代の患者で酸素を投与するまで症状が悪化したケースが相次でいるということです。
往診を行っている「ファストドクター」の代表、菊池亮医師は「これ以上、感染者数が増え続けると患者が適切な場所で適切な医療を受けられないといった状況になり、助けたい命が助けられないことも出てくるかもしれない。できるかぎりの医療を提供して守っていければと思うが、感染対策の徹底もお願いしたい」と話していました。
保健所が入院判断も1週間 調整つかず
東京都から委託を受けて医師が自宅療養者の往診を行う会社が撮影した映像には、酸素の投与を行うまで症状が悪化しながらも自宅で療養せざるをえない患者の姿がみられました。
都内で1人暮らしをしている40代の男性は新型コロナウイルスに感染し保健所から入院が必要と判断されましたが、調整がつかずおよそ1週間、自宅で療養を続けていました。
高熱が出て呼吸が苦しいと訴えていて医師が往診する間も時折、激しくせきこんでいました。
血液中の酸素の値をパルスオキシメーターで測定すると数値は90%前半に下がっていて、治療を始めなければ重症化につながりかねない状態だと判断されました。
このため「酸素濃縮装置」と呼ばれる医療機器を持ち込んで、患者の鼻にチューブをつけて酸素を投与し酸素の量を増やしていきました。すると、酸素の数値は持ち直していきました。
ただ、いつ症状が悪化するか分からず看護師が3時間ごとに電話などで状態の確認を行うことにしたということです。
往診した菊池亮医師は「激しい呼吸苦と40度の発熱もあり、かなり肺炎が進んでいることを疑わせる症状だった。入院調整中のようだがなかなか時間がかかっている状態で、致し方がない状況とは思うができるかぎり対応していきたい」と話していました。
一家全員が感染 入院必要も自宅で療養
都内で暮らす60代の夫婦と40代の息子の家族3人は一家全員が感染し、自宅で療養を続けています。
40代の息子は37度台の発熱があり、胸のあたりが気持ちが悪いと訴えていました。
60代の父親は症状は出ていませんが、60代の母親は39度の発熱と息苦しさを訴えていました。
息子と母親は時折、激しくせきこむ状態で気分が悪くて食事もとれないということです。
保健所からは母親と息子については入院が必要と判断されましたが、調整がつかず医師は応急措置として「酸素濃縮装置」で酸素を投与し点滴を行っていました。
60代の母親は血液中の酸素の値が80%後半に低下していて、40代の息子も数値が90%前半に下がっていました。
60代の父親は往診したスタッフに対して「3人で感染してしまい外にも出られないし、どうしたらいいかも分からなかった」と話していました。
往診した菊池亮医師は「入院が必要な患者が入院できなくて自宅にあふれているということになる。そういった患者にどのような医療支援をしていくか。患者は不安に押しつぶされそうになっている方も多くみられる。自分の病状がどれくらいのところにあり今後どうなっていくのか分からず、本当につらい状況で生活されていると思う。しっかり寄り添って心のケアも含めて治療していきたい」と話していました。

●新型コロナ「災害レベルの非常事態」 東京都の専門家が強い危機感 8/12
感染の拡大が止まりません。東京都の専門家からは「災害レベルで猛威を振るう非常事態」と、これまでにないほどの強い危機感が示されています。
東京・大手町にある自衛隊の大規模接種センター。新型コロナウイルスのワクチン接種のため、12日も大勢が訪れていました。東京都が12日、新たに発表した感染者は4989人。重症者は218人で過去最多となりました。重症者の年齢層は以前より低くなっていて、40代と50代が実に6割を占めています。
「まずワクチンもぜひ、若い方も打って頂きたい」(小池百合子都知事 先月28日)
「40代50代の接種を受けていない方々には、ワクチン接種をできるだけ早くお願いしたい」(小池百合子都知事 今月2日)
小池知事は重症化している40から50代のほとんどがワクチン未接種であるとして接種を呼びかけますが、12日、国の大規模接種センターに来ていた人に話を聞くと・・・
「(どの区でも)予約が取れる状況にしてから、言って欲しい。もう少し、(予約が)取りやすいようにして頂ければ」(40代 杉並区から来た人)
「予約がいっぱいで、区の接種もいっぱいですし、区の病院も予約が9月とか10月とかでないと受けられない状態」(50代 葛飾区から来た人)
そもそも住んでいる自治体で、なかなか接種の予約が取れないという声が多く聞かれました。ただ、感染拡大は待ったなしの状況です。
最新の感染状況を分析する東京都のモニタリング会議。専門家から出たのは、これまでに無い強い言葉でした。
「“災害レベル”で感染が猛威を振るう非常事態である。もはや災害時と同様に、自分の身は自分で守る。感染予防のための行動が必要な段階である」(国立国際医療研究センター 大曲貴夫 医師)
“災害レベル”の非常事態。7日間平均の新規感染者数が、この2週間で倍増しているとして、自分の身は自分で守る行動が必要と訴えました。
こうした中、12日に会見を行ったのは都内6の自治体の区長ら。現在はコロナ禍の中で最も深刻な状況であるとして、全国への感染拡大を防ぐため東京など「感染爆発エリア」へのワクチン重点配布を訴えました。また、入院待機中の陽性者に酸素投与を行う「酸素ステーション」の増設などを提言しました。(12日17:25)

●「東京の感染拡大 制御不能」 都のモニタリング会議 8/12
東京都のモニタリング会議で、専門家は「かつてないほどの速度で感染拡大が進み、制御不能な状況で、災害レベルで感染が猛威を振るう非常事態だ」と指摘したうえで「医療提供体制が深刻な機能不全に陥っている」として、極めて強い危機感を示しました。12日に開かれた会議の中で、専門家は、都内の感染状況と医療提供体制をいずれも4段階のうち最も高い警戒レベルで維持しました。新規陽性者の7日間平均は、11日時点でおよそ3934人と2週間で倍増していると説明し「かつてないほどの速度で感染拡大が進み、新規陽性者が急増しており、制御不能な状況だ」と指摘しました。
「災害時と同様 自分の身は自分で守る行動が必要な段階」
そのうえで「災害レベルで感染が猛威をふるう非常事態だ。もはや、災害時と同様に、自分の身は自分で守る感染予防のための行動が必要な段階だ」と述べました。また、11日時点で、入院患者は過去最多の3667人となり「都の入院調整本部では、翌日以降の調整への繰り越しや自宅での待機を余儀なくされる事例が多数生じている」と指摘しました。専門家は「特に重症患者の入院調整が困難になっている。自宅療養中に容体が悪化した患者の受け入れも難しくなっていて、自宅などでの体調の悪化を早期に把握し、速やかに受診できる体制をさらに強化し、自宅療養中の重症化を予防する必要がある」としています。
“危機感を現実のものとして共有する必要”
また、専門家は、11日時点で重症の患者が197人、人工呼吸器などによる治療がまもなく必要になる可能性が高い患者が461人と大幅に増加しているとして「ICUなどの病床の不足が危惧される」と述べました。そして「通常医療も含めて医療提供体制が深刻な機能不全に陥っている。さらなる重症患者の増加は医療提供体制の危機を招き、救命できる可能性がある多くの命を失うことになる」と述べ、極めて強い危機感を示したうえで、危機感を現実のものとして共有する必要があると強調しました。
人工呼吸器で治療の可能性の人 過去最多に
都内の入院患者のうち、人工呼吸器などによる治療がまもなく必要になる可能性が高い状態の人は、11日時点で過去最多の461人に上り、1週間で1.4倍に増加しています。都の専門家は毎週行われるモニタリング会議で、医療機関で集中的な管理が行われている「重症患者に準じる患者」の人数を公表しています。このうち、人工呼吸器またはECMOによる治療がまもなく必要になる可能性が高い状態の患者は、11日時点で過去最多の461人となりました。318人だった1週間前の今月4日から一気に140人以上増えて1.4倍に増加しました。過去最多を更新するのは2週連続です。461人のうち、およそ半数の236人は鼻から高濃度の酸素を大量に送り込む「ネーザルハイフロー」という装置を使った治療が行われているということです。
小池知事「人流 緊急事態宣言開始直前の5割に」
モニタリング会議のあと、東京都の小池知事は「まもなくお盆が始まるが、この期間中はステイホームを徹底し、旅行や帰省の中止延期をお願いしたい。人と人との接触をいかに減らしていくかが感染防止につながるので、人流を緊急事態宣言の開始直前の5割に削減することを徹底してほしい」と述べました。また「多くの人が利用する商業施設には、入場整理の徹底や客に短時間の利用を呼びかけていただくよう、お願いしている」と述べました。

●「災害レベルで感染猛威」 都が強い危機感 8/12
東京都は、新型コロナの感染状況を分析する会議を開き、専門家は、「災害レベルで感染が猛威を振るう非常事態」と、強い危機感を示しました。
国立国際医療研究センター・大曲貴夫医師「かつてないほどの速度で感染拡大が進み、制御不能な状況です。災害レベルで感染が猛威を振るう非常事態であります。災害時と同様に自分の身は自分で守る。感染予防のための行動が必要な段階であります」
東京都医師会・猪口正孝副会長「重症患者が急激に増加しており、医療提供体制が深刻な機能不全に陥っている。自宅における死亡者も複数発生しています」
感染者の7日間平均は、前回のおよそ3443人から、3934人に大きく増加、増加比も114%と依然として高い水準にあり、専門家は、「災害時と同様に、自分の身は自分で守る、感染予防のための行動が必要な段階」と指摘しました。
また、デルタ株の割合は、81.7%で、都内の感染は「デルタ株に置き換わった」と指摘しました。重症患者も、今月4日時点の115人から197人と大きく増加し、専門家は「医療提供体制が深刻な機能不全に陥っている」と強い危機感を示しています。
一方、繁華街の夜間のレジャー目的の人流は、重症化リスクの高い40歳から64歳の中高年層の割合が、最も高いと指摘されました。

●都内の人出、2週間は「宣言前の半分に」 分科会が提言 8/12
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は12日、感染拡大が深刻な東京都で今後2週間、集中的に対策を強化し、人出を緊急事態宣言が始まる直前の5割まで減らす必要があるとする緊急提言を公表した。尾身茂会長は、自宅療養者が急増し、入院調整も難しくなっているとして、「救える命が救えなくなるような状況になり始めている」と強い危機感を示した。
提言では、若年層だけでなく、ワクチン未接種で重症化リスクも高い中壮年層も外出が増えていると指摘し、国や自治体、一般市民に対し、短期集中の対策強化を求めている。人出の「5割減」は、1人が何人に感染させるかを示す「実効再生産数」が1を下回り、感染者数が減り始めると考えられる水準で、最低限必要という。尾身氏はすでに人出は「少しずつ下がってきている」とし、「人々に理解や協力してもらう」ためにこの割合にとどめたと説明した。
具体策として一般市民に、混雑した場所への外出機会の半減を求め、特に同居家族以外との飲食や会合、長時間・大人数が集まる場面などは避けるべきだと強調した。「5割減」の達成へ、百貨店の地下の食料品売り場やショッピングモールなどへの人出を「強力に抑制」することや、テレワークの強化も呼びかけた。
一方、リスクを抑えながら続けられる具体的なイベントや施設も明示。観客が声を出さないコンサートや演劇、映画館、公園や図書館などを挙げた。
また、人々からの協力を得るためにまずは国や自治体が動く必要があるとし、医療提供体制の強化も求めた。コロナ対応は「災害医療」だとして、コロナ治療に携わっていない医療機関や医療従事者らにも協力を要請すべきだとした。
すでにお盆の帰省シーズンに入っているが、尾身氏は政府と調整する中で提言がこのタイミングになったと説明。宣言が期限を迎える8月末までに効果を得るための「ぎりぎり最後のタイミングだ」と話した。
西村康稔経済再生相は「人流の抑制について提言を受け止めて対応したい」としながらも、「これまでも各自治体で上乗せの措置がなされている。知事らと緊密に連携したい」と述べるにとどめ、国主導の新たな対応には踏み込まなかった。

●東京にワクチン集中を 都内首長、与野党に緊急提言 8/12
新型コロナウイルスの感染者急増を受け、東京都世田谷区など6自治体の首長が12日、都庁で記者会見し、東京など感染拡大地域にワクチン供給を集中させることを求める緊急提言を発表した。
同日、自民党と立憲民主党に送付したという。
緊急提言では、ワクチン供給の集中に加え、急増する自宅療養者へのオンライン診療や抗体カクテル療法を可能とする制度整備、入院待ちの患者が酸素吸入できる施設の増設などを求めた。 

●コロナワクチン接種の若者にポイント付与 20〜30代、アプリで―東京都 8/12
東京都は12日、新型コロナウイルスワクチンを接種した20〜30代の若者に、スマートフォンアプリでポイントやクーポンを付与するキャンペーン事業を行う方針を明らかにした。都内の感染者の約7割は30代以下で、感染拡大の要因となっている。一方、各種調査で若者が接種をためらう傾向にあることから、都は「インセンティブ(動機付け)を与えることでワクチン接種を促進したい」としている。
都によると、都内在住の20〜30代の約340万人が対象になる。接種記録アプリに登録すると、決済アプリなどに協賛企業からポイントやクーポンが届く仕組みを想定。時期や内容の詳細は今後、検討する。都の8月補正予算案に開発費として2億5000万円を計上した。
都が2〜3月に行ったインターネット調査では、ワクチンを「必ず接種する」「おそらく接種する」と答えた割合は65歳以上の高齢者で86.5%だったが、若くなるほど低下し20代は62.0%だった。都はこうした結果も踏まえて、インターネット交流サイト(SNS)などを通じた啓発活動も展開するという。

●「制御不能」「災害レベル」感染拡大に専門家が強い危機感  8/12
「制御が不能な状況」「災害レベル」
「かつてないほどの速度で感染拡大が進み、新規陽性者数が急増しており制御が不能な状況であります」東京都の新型コロナウイルスモニタリング会議では、新規感染者の7日間平均が3934人になり、2週間で倍増、増加比は114%で、7週連続で100%を超えたとの分析が示された。「災害レベルで感染が猛威を振るう非常事態であります」国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、重ねて強い危機感を示したうえで「この危機感を現実のものとして皆で共有を」と訴えた。
10歳未満感染者増加、保育園、学童クラブでの対策を
感染経路別では、家庭内感染が約6割と最も多い一方で、10歳未満の施設内感染が前回の82人から189人に大きく増加。保育園、学童クラブ等での感染予防対策の徹底が必要、との指摘がだされた。
医療提供体制は深刻な機能不全
医療提供体制については、重症者が急激に増加しており、救急医療や予定手術等の通常医療も含めて医療提供体制が深刻な機能不全に陥っていて、今の感染状況が続くだけでも体制の維持が困難になる、と非常に厳しい現状が示された。
小池知事「抗体カクテル療法を宿泊療養でも」
「重症になる方は今のところは見ていない」注目が集まっている抗体カクテル療法について大曲センター長は、経験は非常に限られていると前置きしたうえで、リスクの高い患者に投与したところ重症になった人は見ていない、とする一方で、投与後は24時間経過観察の必要があり、投与による医療への負荷の重さも明らかにした。「抗体カクテルが上昇を抑えることに繋がれば、それは医療提供体制の負担を軽減することになる」小池知事は、この抗体カクテル療法を約120カ所の入院重点医療機関で実施できるよう薬剤を確保、都立公社病院で専用病床を20床確保、さらに一部の宿泊療養施設でも対応できるよう体制を整備する、と明らかにした。
入院とは手厚さが違う 自宅療養患者を診るために
「やっぱり入院しているのとはその手厚さとかいろいろ違いますので、いろいろやってはおりますけれどもなかなか手が届かないという部分が、まさに災害と言うのにふさわしい状況になってきます」東京都の感染者数の増加に比例して増え続けている自宅療養者。11日には、基礎疾患のない30代男性が自宅療養中に死亡している。東京都医師会の猪口正孝副会長は「自宅療養の患者さんを診るために、あらゆる手を尽くして考えられる方法いろいろ手つくしております」と、医療逼迫の中での自宅療養者対応の体制作りにも追われる現状を話した。
夜の繁華街、最も多いのは中高年
「夜間滞留人口を年齢階層別に分析すると中高年層の割合が最も高い」夜の繁華街を出歩いている人のうち、20時から22時は15歳から39歳が43%、40歳から64歳が49%、22時から24時は15歳から39歳が44%、40歳から64歳が47%、との分析が示され東京都医学総合研究所社会健康医学研究センターの西田淳志センター長は「若年層のみならず中高年層の一層の協力が必要」と指摘した。
「人流の5割削減を」
「人流の5割削減ということを、この間徹底してお願いしたい」不用不急の外出自粛や帰省・旅行の中止・延期とともに緊急事態宣言開始前の5割に人流を抑えるよう求めた小池知事。買い物についても、毎日行っている人は3日に1回、家族みんなでいかずに少人数にすること、などと話した。その一方で「ご協力をお願いするというのが我が国の法の立て付け」とも話し、強制力がないことの難しさを改めて滲ませた。
自分の身は自分で守る
「もはや、災害時と同様に、自分の身は自分で守る感染予防のための行動が必要な段階」感染状況、医療提供対策の両方で「災害」という言葉が使われたたが、私たちがまず出来るのは「出来るだけ人と会わず」「出来るだけ自宅にいる」。そして手洗い、消毒、マスクの正しい着用、これらを当たり前のこととして丁寧にくりかえしていくしかない。

●10人は東京や埼玉等訪れる…新型コロナ 富山県内“過去最多” 8/12
新型コロナウイルス、12日は県内では過去最多となる71人の感染が新たに確認されました。入院者数も初めて200人を超え、県は「このペースが続けば、独自の警戒レベルをステージ3に引き上げる可能性もある」としています。
12日感染が確認されたのは朝日町と舟橋村を除く13の市と町、それに、石川県と福岡県の10歳未満から70代までの男女合わせて71人です。
このうち、4人が肺炎などの症状を訴え中等症です。
1日に確認された感染者数は、5月23日と今月6日の64人を上回り過去最多となりました。
71人のうち9割が50代以下、なかでも20代と30代が半数近くを占めています。
また、県内在住の10人が東京都、埼玉県など感染が拡大している地域を訪れ、石川県と福岡県在住の2人は今月6日に来県しています。
累計の感染者数は2766人、新たに92人がインド由来のデルタ株の疑いがあることもわかりました。
入院者の数は初めて200人を超え、うち重症者は8人です。
県独自の警戒レベルは現在ステージ2ですが、重症病床稼働率を除いた3つの指標ではステージ3へ引き上げの基準を超えています。
県内の重症病床は36床あり、直近1週間で30%、11人を超えるとステージ3の基準に到達します。
県は、「このペースが続けば、ステージ3移行の可能性もある」とした上で、「お盆の時期だが、県境の移動は控え、普段あっていない人との会食は控えてほしい」と注意を呼びかけています。

●「自分は感染しない」40~50代で半数も…急増のミドル世代で危機感薄く 8/12
東京都などに4度目の緊急事態宣言が出て、12日で1か月が経過しました。新型コロナウイルスの感染は、収まるどころか急激な拡大のまっただ中にあります。そんな中、いま40代・50代の動向が大きなカギを握っています。
移り変わる「重症化する年代」
まず、最新の新型コロナウイルス感染状況をお伝えします。
11日、東京都では新たに4200人の感染が確認されました。水曜日としては過去最多となり、深刻な感染拡大が続いています。
また、新たに30代と70代、2人の死亡も確認されました。このうち30代の男性は、37度台前半の微熱があり、軽症と診断され、自宅療養をしていました。しかし、今月6日、男性と連絡が取れなくなった家族が自宅を訪ねたところ、死亡していたということです。
保健所は、健康状態を毎日確認していて、男性は死亡する前日に不眠を訴えていたということです。また、この男性は、「基礎疾患」もなく、「ワクチン接種歴」もなかったということです。
現在、都内の自宅療養者は1万9396人に上り、1か月前と比べ、およそ「12倍」に急増していています。東京都は、医師による往診など、フォロー体制の強化を進めています。
また、東京都では重症者も急増しており、11日は197人と、前日に続いて過去最多を更新しました。この重症者の年代ですが、第3波のピークだった今年1月20日と比べると、かなり変化しています。
1月20日時点では、重症者のほとんどが高齢者で、40代・50代は15%でした。それが、11日は、40代・50代が占める割合はおよそ「60%」になっていました。若い年代も重症化するようになってきています。
夜の繁華街にレジャー目的で…中年層が多い
12日、東京都で開かれた感染状況を分析する会議では、専門家が強い危機感を示しました。
国立国際医療研究センター・大曲貴夫医師「かつてないほどの速度で感染拡大が進み、新規陽性者数が急増しております。制御不能な状況であります」
東京都医師会・猪口正孝副会長「40代・50代を中心に、重症患者が急激に増加しており、救急医療や予定手術等の通常医療も含めて、医療提供体制が深刻な機能不全に陥っています」
特に、40代・50代の重症患者が急激に増えているということです。
11日に開かれた厚生労働省の専門家会議では、次のようなデータも示されました。都内の繁華街に、通勤通学を除いてレジャー目的で出歩いている人を、年代別の割合でみたグラフです。
午後8時から10時の時間帯をみてみると、40歳から64歳の中年層の方が、若者よりも多く出歩いていることがわかります。さらに遅い時間帯の午後10時から午前0時をみてみると、若者が増えてくるとはいえ、中年層が多いことがわかります。
直近でみても、若い世代より、中年層の割合がぐっと増えています。人流の増加というと、若い世代の方が多く出歩いているようなイメージが強いですが、そうではないようです。
「自分は感染しない」若い世代より危機感薄く
こうした中、40代・50代のコロナに対する危機意識について、興味深い調査結果が示されました。国際医療福祉大学が先月中旬、首都圏の1都3県の20代から60代の男女およそ3000人を対象に行ったアンケートです。
「自分が日常生活で新型コロナに感染すると思うか」と聞いたところ、「思わない」「あまり思わない」と答えた人は、30代では男女ともに40%台ですが、40代では男性52%、女性は48%と増え、さらに50代になると、男性は55%、女性は60%に。男女ともに40代・50代の方が、若い世代より危機感が比較的薄いという結果になりました。
また、知り合いに感染者が出た人では、「自分は感染するとは思わない」「あまり思わない」と答えた人が、20代・30代では男性32%、女性37%ですが、40代・50代では男性51%、女性56%と半数を超えています。身近に感染者がいる場合でも、ミドル世代は若い世代より、自分は感染しないと思っている人の割合が多い結果になっています。
調査を行った和田耕治教授は、「リスクを認識していないのか、それとも過信があるのか理由はわからない」としつつ、「ミドルの年代は、会社では管理職の人も多いので、しっかりと感染対策をして模範を示せば、周りにも良い影響が出るのではないか」と話しています。
経験値が高いからこそ、今まで通りのことをやっていれば大丈夫と思ってしまうかもしれませんが、新型コロナウイルスについては、わからないことが多いので、改めて感染対策を見直すことも大切です。
40代・50代と言えば、まさに社会の中核を担う世代ですが、その人たちが、いま最も入院や重症化が多い世代となっています。企業や家庭でも、責任ある立場で影響力が大きい年代だからこそ、自分は大丈夫と慢心せず、自分ごととして危機意識を共有したいと思います。

●国内の新規感染、過去最多の1万8888人…20府県で最多更新 8/12
国内の新型コロナウイルスの感染者は12日、全都道府県と空港検疫で新たに1万8888人確認され、これまでで最も多くなった。20府県で過去最多を更新しており、全国的に感染が急拡大している実態が鮮明になった。
新規感染者数が最多となったのは、宮城、福島、埼玉、新潟、富山、長野、静岡、愛知、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、岡山、福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島、沖縄の各府県。
大阪府では1654人の感染が判明し、最多更新は2日連続となった。1週間前より569人増加し、新規感染者の6割超を30歳代以下が占めた。
また、東京都の新規感染者4989人のうち、年代別で最多だったのは、20歳代の1490人。30歳代が1031人、40歳代が865人で続いた。65歳以上は3%に当たる161人だった。
死亡が確認されたのは50〜80歳代の男女6人で、このうち60歳代の男性は、6月下旬までにワクチンを2回接種していたという。

●新たにクラスター6件 岐阜県で122人感染「爆発的感染拡大」 8/12
岐阜県と岐阜市は12日、県内26市町などで新たに122人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。新規感染者数が100人を超えるのは2日連続で、県内の感染者は累計1万304人となった。県の直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は26・18人となり、国の基準でステージ4(爆発的感染拡大)の目安となる25人を5月27日以来、77日ぶりに超えた。
11日時点の病床使用率は前日比1・6ポイント増の29・8%で、国基準でステージ3(感染急増)の水準。12日時点の重症者は4人。県は13日に専門家会議を開催し、今後の対策を検討する。
県健康福祉部の堀裕行部長は「若年層でも酸素吸入が必要な中等症の患者が増えている。このまま感染者が増えれば、入院できない状態が起こりうる」と指摘。「感染のピークを少しでも低く、後ろ倒しにできるよう、いま一度、帰省や普段会わない人との食事などは控えてほしい」と警戒を呼び掛けた。
新たに6件のクラスター(感染者集団)を確認した。中津川市の大学の運動部関連では、部員2人とその家族4人の計6人の感染が判明した。愛知県の大学関連では運動部員と友人ら5人の感染が分かった。また、岐阜市の職場では一緒に運動をしていた13人のうち、5人の感染が判明した。この他、職場関連では多治見市で6人、羽島市、可児郡御嵩町で各5人の感染が分かった。
拡大したクラスターは6件。このうち、中津川市の飲食店関連では新たに5人の感染が分かり、計19人となった。県は引き続き、感染者の調査のため店名公表を求めている。岐阜市の病院では1人増えて計10人となった。終息したクラスターは1件。
新規感染者の居住地別は、岐阜市34人、大垣市13人、中津川市11人、多治見市10人、各務原市6人、関市、瑞穂市が各4人、羽島市、土岐市、山県市、本巣市、羽島郡岐南町、同郡笠松町が各3人、可児市、海津市、安八郡安八町、加茂郡七宗町が各2人、美濃市、恵那市、美濃加茂市、飛騨市、下呂市、養老郡養老町、揖斐郡大野町、本巣郡北方町、加茂郡白川町が各1人、愛知県3人、東京都が、大阪府が各1人。
年代別は10歳未満3人、10代13人、20代35人、30代25人、40代18人、50代16人、60代8人、70代3人、80代1人。
また、県は11日発表した感染者1人について、居住地を各務原市から本巣市に訂正した。

●茨城、放課後児童クラブでクラスターか 事業所でも感染拡大 8/12
茨城県は12日、県内の新型コロナウイルス新規感染者274人のうち6人はかすみがうら市内の放課後児童クラブの児童と明らかにした。また、常総市内の事業所では従業員4人の感染が新たに判明した。県はいずれについてもクラスター(感染者集団)発生の可能性があるとみている。
県によると、児童クラブでは既に児童、職員各1人の感染が確認されており、一連の感染者は8人に増えた。感染が判明した同事業所従業員は計5人となった。
また、クラスターが発生したつくば市内の大学バスケットボール部では学生1人の陽性が分かり、部活動での感染者は計31人となった。

●神奈川県 新型コロナ感染“災害レベルで医療崩壊しつつある” 8/12
神奈川県内では、新型コロナウイルスの感染の急拡大に歯止めがかからず、症状が悪化してもすぐに入院できない事態になっています。県や医療関係者は「もはや災害レベルで、通常の医療が崩壊しつつある」と危機感を強めています。
神奈川県では先月から感染の急激な拡大が続き、入院患者は11日の時点で1344人と1か月前のおよそ2.7倍に増えています。最初は軽症や無症状だった人が急激に悪化するケースも増えていて、すぐに使える病床の使用率は79%まで上がりました。中でも重症患者はこれまでで最多の182人に上っていて、病床の使用率は97%とほぼ満床の状態です。症状が悪化してもすぐに入院できないケースも増えていて、県は先週、新型コロナウイルスの患者を受け入れている186の医療機関に対し、病床を増やすとともに、延期ができる入院や手術については3か月程度延ばすよう要請しました。また、県の病院協会も11日、「これまで患者を受け入れていなかった病院も含めて、すべての病院で対応してほしい」と異例の提言を出しましたが、設備や人手の問題で、すぐに増やすのは難しいのが現状です。神奈川県医療危機対策統括官の阿南英明医師は、「今は災害レベルの患者発生状況で、われわれが守ろうとしてきた医療体制が崩れている。病院と相談しながら病床を増やす努力を日々続けていくが、それ以上に患者が増える状況を止めなければ、どうやっても受けきれない状況になってしまう」と話しています。
感染者の急増で症状が悪化してもすぐに病院にたどりつけない事態が相次いでいます。神奈川県では新型コロナの患者について、地域で受け入れ先が見つからない場合や、自宅療養中に悪化した場合は、県庁に設置した24時間態勢の医療危機対策本部で県内全域で受け入れ先を探しています。しかし、自宅などで療養中の患者が1万2000人を超え、容体が悪化する人も急増していることから、ホワイトボードに書かれた各病院の受け入れ可能な患者数の欄にはゼロが並んでいます。特に重症用の病床はほぼ満床の状態で、11日は担当の医師が重症化した50代の男性を受け入れてくれる病院を探して、電話をかけ続けていました。入院先がその日のうちに見つからない患者は、多い日は100人近くに上っていて、2か月前ならすぐに入院させていたような容体の人でも、できるだけ自宅療養を続けてもらっているといいます。担当の医師は、「重症患者はもう基本的に行くところがありません。一日に何度も電話して、たまたま空いたところになんとか受け入れてもらっているのが現状です。自宅で症状が悪化した人に、『もうちょっと自宅でがんばりましょう』と言わなければならないのがいちばんつらいです」と話していました。
感染の急拡大を受けて各地の病院では病床を増やしていますが、患者が増えるスピードがはるかに上回り、受け入れできない状態になっています。横浜市鶴見区にある「済生会横浜市東部病院」では、救命救急センターなどにあわせて22床のコロナ用病床を用意していましたが、感染拡大を受けて11日までに28床に増やしました。しかし、受け入れを求める電話が朝から相次いで、増やした病床はすぐに埋まり、日中だけで11件の要請を断らなければなりませんでした。影響は新型コロナ以外の救急医療にも及んでいます。新型コロナの治療には人手がかかることから、センターで受け入れることができるコロナ以外の救急患者は通常の半分以下になっていて、交通事故や急病などの患者を受けられないケースも出ているということです。清水正幸救命救急センター長は、「かなり患者さんの受け入れを断らざるをえない状況になっています。病院としては最大限病床を増やしていて、まだ感染拡大のピークが見えない中で、これから先どう対応するか頭を悩ませています」と話していました。

●収まらない感染拡大、東京五輪とのリンクもあるか 8/12
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月12日放送)に神戸大学大学院法学研究科教授でNPO法人インド太平洋問題研究所理事長の簑原俊洋が出演。8月11日に東京で確認された重症者数が1日当たりの過去最高を記録した新型コロナウイルスについて解説した。
8月11日に全国で確認された新型コロナウイルスの新規感染者、PCR陽性者は1万5800人を超えて1日当たり過去最多となった。また、東京都内では11日に4200人の感染が確認されている。11日時点での重症者数は197人となり、前日に続き過去最多を更新した。
飯田)4200人の内訳を見ると、20代〜30代が2129人となっています。このように数字ばかりが見出しに出て来るという感じは、どのようにご覧になりますか?
簑原)これだけ見ると恐ろしくなりますが、数字というのは、どのような形で提示するかということも大事です。コンテクストですね。「重症者が最多更新の197人」という数字を見ると、「大丈夫なのかな、これから先どのようになって行くのかな」と思いつつ、「死亡者が何人いるのか」という情報が欠けています。先ほど調べたところ、(東京都の)11日の死亡者は2人なのです。もちろん、2人の命は大きいのですが、他方で2021年2月くらいのピークの死亡者数が約40人だったということを考えると、全体的なコンテクストのなかに落とし込む必要があるのではないでしょうか。
簑原)個人的には、新規感染者のうち、「ワクチンを2回接種した人はどのくらいいるのか」ということも知りたいですね。私自身もワクチンを2回接種していますが、感染者の数字を下げるには、新聞の見出しにもありましたが、緊急事態宣言の延長ではなく、ワクチン接種をより早く行うということだと思います。
飯田)65歳以上のリスクが高いとされていましたが、11日の数字から見ても60歳以上の感染者は256人と、全体の数のなかで考えると割合としては相当少ない。この辺りの世代だと、2回目の接種がほぼ7割ほど終わっているということにもなります。そう考えるとワクチンの効果は数字に表れて来ていますよ。
簑原)罹ったとしても重症化しないというのは大きなことですので、ワクチン接種を急いで欲しいですね。
飯田)ワクチン接種の遅れと、それを取り戻すのにどこまでスピードを上げられるのか、この辺にかかって来るということですか?
簑原)そうだと思います。
簑原)オリンピックが終わり、新型コロナにどうしてもフォーカスしてしまいがちなのですが、他方で私が心配しているのは、日本経済に対する影響はどうなのかということです。国の借金が膨らんでいるというニュースも先日ありました。その辺りの実態はどうなっているのでしょうか。緊急事態宣言をすると、どうしても経済への影響も無視できないと思いますので、この辺りのバランスではないのかなとは思います。
飯田)「緊急事態宣言が出ます」というときは、飲食店などに中継に行ったりして、「こんなに困っています」ということをフォーカスする。他方で、いまのように緊急事態宣言が出続けているなかで感染者数が増えると、そこばかりがフォーカスされる。本来は経済とのバランスを見なければいけない。
簑原)何事もバランスが大事ではないでしょうか。
飯田)欧米と日本とでは、報じ方の違いのようなものはありますか?
簑原)東京の次にやるオリンピックはパリではないですか。報道される映像を観ていると、マスクをしない人が多くいます。
飯田)閉会式の映像などでもそうでしたね。
簑原)アメリカの映像を観ると、アメリカでもいまデルタ株で大変なことになっているのですが、「もうマスクはしないよ」という人もかなりいます。平常に戻りたいという気持ちも理解はできます。真夏にマスクというのもなかなか大変ではないですか。
飯田)普通にしんどいですよね。昨日(11日)のように36度、37度まで行くと。
簑原)外したくなりますよね。
飯田)その辺のキーとしてワクチンがあるはずなのですが、そこがなかなか。
簑原)オリンピックがあったので、期間中に自粛気分は湧いて来ませんよね。しかも日本がかなり健闘しましたし、金メダルも多く獲りました。そんななかで「普通になって来ているのだ」という気持ちになってしまったのではないでしょうか。その意味では、東京オリンピックとのリンクはあるのかも知れません。

●2日連続で過去最多、陸自のクラスター拡大 372人コロナ感染の京都 8/12
京都府と京都市は12日、未就学児から90代の372人が新たに新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日の感染者数としては2日連続で過去最多。調査中の人を除けば全員が軽症か無症状で、239人の感染経路が分かっていない。府内の感染者は計2万1341人となった。
京都市の発表分は227人。既に20人の感染が判明している陸上自衛隊桂駐屯地(西京区)で新たに1人の陽性が判明。市内の企業と運動教室でも、この日までに各6人の感染が分かり、市はクラスター(感染者集団)の発生とみている。
京都府の発表分は145人。居住地別では宇治市31人、亀岡市と木津川市各14人、舞鶴市と城陽市、南丹市各9人、京都市と八幡市、京田辺市各8人、向日市7人、長岡京市6人など。クラスターが発生している宇治市の陸上自衛隊大久保駐屯地で感染者が7人増え、計22人となった。南丹市の障害者施設「あけぼの学園」でも7人増えて計18人、舞鶴市の病院でも2人増えて計13人となった。

●兵庫と京都は緊急事態宣言“要請せず” 「まん延防止」で対応 8/12
兵庫県は12日、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、まん延防止等重点措置の対象区域を拡大すると決めました。
16日からは、丹波や淡路地域などでも飲食店に酒類の提供停止や午後8時までの営業を求めます。
国に緊急事態宣言の発出を要請することは見送りました。
兵庫・斎藤知事「まん延防止等重点措置の対応と緊急事態宣言の対応というのは内容にそこまで差異が無い。(国と)協議をしっかりしていくことが大事かなと」。
一方、京都府も、12日の新規感染者数が過去最多の372人となり、病床の使用率も7割を超える厳しい状況となっています。
12日の対策本部会議で西脇知事は、まん延防止等重点措置の対象区域に、これまでの京都市以外に南部の宇治市や向日市など7つの市を追加することを決めました。
京都府も緊急事態宣言の発出の要請については見送り、今後、国と協議を進めるとしています。

●過去最多の感染者数も【感染爆発】はお盆明け? 福島県 8/12
8月11日に福島県で新たに確認された新型コロナ感染者数は230人。過去最多の数となった。前の週の同じ曜日よりも増加する日が続くが、その拡大のスピードも顕著。
《8月の感染者数》7月下旬から感染者の増加が始まり8月2日に114人と初めて3桁の感染者を確認。それから、わずか10日間で2倍の230人と大幅に過去最多数を上回った。
《感染ルート》直近1週間の感染者も最多の718人。家庭内感染31・5%(226件)経路不明31・8%(228件)と合わせて6割を占めている。夏休み期間で自宅で一緒に過ごす時間が増えていて、家庭内での感染が増加している。※職場関係16・4%(118件)、知人7・7%(55件)、その他12・7%(91件)
《過去最多となった230人の内訳と感染状況を示す指標》いわき市だけで最も多い97人、郡山市36人、会津若松市29人、本宮市27人、福島市7人など。感染状況を示す指標は、病床使用率は確保病床を増やしたが66.2%。療養者数、新規陽性者数とともに依然として【ステージ4】の状況が続いている。
8月11日までに発生・拡大したクラスター
 会津若松市・つるが松窪病院 25人増えて31人に
 いわき市・福島労災病院 2人増えて23人に
 いわき市・事業所 2人増えて11人に
 県北管内の事業所 34人増え38人に
過去最多230人の感染者数に福島県民は…
 「ちょっとびっくりですよね。やっぱり」
 「どこ歩いてても、皆コロナなんじゃないかなみたいな」
 「短期間でこんなに増えているので、人も増えた影響なのかなって感じてます」
 「ここで抑えとかないと、また後々感染者が増えて、もっと大変になるんじゃないかというのがありますかね」
医療関係者の間には、これまでにない危機感が広がる
福島県医師会・佐藤武寿会長「福島県としての基本は入院だったんですけど、それもなかなか守れなくなる状態に近づいています。このまま続けば医療がひっ迫どころじゃなくて、もう破滅ですね」
“切り札”とされるワクチンを2回接種した医療関係者にも感染が広がったいわき市の病院クラスターには、変異ウイルスの影響があったと考えている。
福島県医師会・佐藤武寿会長「デルタ株はどうもワクチンの効果が期待されないんじゃないかということが言われていますけど、本当にまさにそれが事実だということを裏付けるような結果じゃないでしょうか」
その上で、感染はさらに拡大するとみている。
福島県医師会・佐藤武寿会長「ピークはこれからじゃないですか。人の移動がお盆を境にしてこれからあると思うんです。8月末がピークになるかもわかりません」

●感染者増加の小樽市と石狩地方も"まん延防止措置"の対象に 8/12
北海道は8月12日、新型コロナウイルスが北海道内で感染拡大していることを受けて、小樽市と石狩地方を、まん延防止等重点措置の対象地域へ追加する方針で検討しています。全道の外出自粛要請も強化する方針です。
北海道内では8月12日、新規感染者が480人と5月27日以来、77日ぶりに450人を超える感染者が確認されています。
関係者によりますと、こうした事態を受けて北海道は現在、札幌市を適用している「まん延防止等重点措置」を小樽市と石狩地方も対象地域へ追加する方針で市町村と協議しています。
また、北海道全域に対して「感染リスクを回避できない場合」不要不急の外出・移動を控えるよう求めていましたが、「感染リスクにこだわらず」不要不急の外出・移動の自粛へと強化する方針です。
北海道は、13日にも対策本部会議を開き決定する見込みです。
また、北海道は、新型コロナウイルスの専門家組織の会合で8月11日、北海道を緊急事態宣言の地域に追加し、9月まで延長する意見が専門家から出されたことなどを受けて、政府との協議を開始しています。

●大阪の新型コロナ新規陽性者は1654人、吉村知事「40代、50代は丸裸」 8/12
大阪府は8月12日、新型コロナウイルスの新規陽性者を1654人と発表(累計陽性者数は12万7294人)。また新たに報告された死亡者は4人で、累計死者数は2739人となった。
この日の検査数は1万6665件で、陽性率は9.9%。年代別に見ると20代が465人で突出しており、次いで30代が285人、40代が256人、10代が243人、50代が190人で、増加傾向にある未就学児も62人となった。現在入院中の重症者は129人で、重症病床使用率は40.3%。
市町村別に見ると、大阪市が622人ともっとも多く、堺市が117人、東大阪市が113人、吹田市が78人だった。また、この日確認された新規陽性者は前日より164人増え、2日連続で過去最多を更新することとなった。
急激な感染拡大について吉村知事はツイッターで「デルタ株の急拡大が続いています。『高齢者へのワクチンで重症者は少ないでしょ。』との意見もありますが、40代、50代は丸裸です。今後確実に重症者は増加します。患者が急増すると医療は対応できません。危機はそこにあります。感染しない努力をお願いします」と訴えた。

●8月の新規感染者の約6割が30代以下 三重県では若者に感染広がる 8/12
三重県でも気になる感染が…CBCテレビの集計では、8月に感染が確認された748人のうち、30代以下の人の占める割合が約6割に達しているほか、小・中・高校・大学に通う学生らの感染者が合わせて100人以上。若者への感染拡大が顕著となっています。
さらに、三重県では11日の感染者数が初めて100人を超えましたが、12日はこれをさらに上回り、過去最多の131人となりました。
この感染拡大に街の人は…
「やっぱり心配ですね。どんどん自分の周りにコロナが近づいてきたような気がして」(60代女性)
「最低限気を付けていれば、なんとか乗り越えられるかなと思う」(帰省している男子学生)

●服部知事「極めて深刻」 福岡県内のコロナ感染者 過去最多の1040人 8/12
福岡県の服部知事は、県内の感染者が過去最多の1040人に達したことを受けて、先ほど報道陣の取材に答えました
「爆発的な感染の拡大の様相を呈していて、極めて深刻な状況である」「このデルタ株というものの非常に感染力の強さというのが第一にあろうかと」「西村大臣と本日話をさせていただいた。大臣との話の中で、福岡県の危機的状況について危機感を持っているとのこと、あわせて政府としても今後の措置取り扱いについて鋭意検討を進めていると」

●感染者、15都府県が想定超え コロナ緊急時シナリオ破綻 8/12
新型コロナウイルスの新規感染者数が12日、福島、茨城など15都府県で1日当たりの最大想定感染者数を超えた。沖縄県は想定を63%、静岡県は57%上回った。各都道府県はこの想定数を基に緊急時の病床確保計画を作成。シナリオの基礎が破綻した形で、医療体制は非常に危険な状態といえる。収束の兆しは見えず、病床逼迫によって自宅療養者がさらに増加、急変リスクが拡大する恐れも出てきた。
12日の新規感染者数は1万8千人超で2日連続で過去最多となり、最多を更新した自治体は20府県に上る。政府はワクチン接種を感染対策の切り札とするが手詰まりとなっており、対策見直しが必至だ。

●新型コロナ新規感染者189人過去最多に 知事が臨時の会見で訴え 熊本 8/12
新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、帰省などで人の動きが活発になるお盆の時期を前に、蒲島知事が臨時の会見を開き、改めて不要不急の外出の自粛を求めました。
「感染が減少に転じるか、さらに増加するかは、まさにこの時期のお一人お一人の行動にかかっています」
熊本県には、今月8日から「まん延防止等重点措置」が適用されていますが、感染力の強いデルタ株の影響もあり、感染者数は増加傾向にあります。
11日までの1週間の新規感染者数は、869人で過去最多となり、人口10万人あたりの感染者数は49.7人で、緊急事態宣言が出された大阪府の7月末頃の数値に匹敵するレベルで、極めて深刻な状況です。
「今年のお盆は、それぞれのご家庭において穏やかに過ごしていただくようお願いします」(蒲島知事)
蒲島知事は、移動や会食の機会が増えると感染がさらに拡大する恐れがあるとして、不要不急の外出を控えるよう呼びかけました。
県内では12日新たに189人の感染が報告され、1日としては過去最多となっています。このうち、市町村別では熊本市が120人と最も多くなっています。 

●ワクチン接種してカラオケ…感染 新クラスター発生、埼玉1227人感染 8/12
埼玉県などは11日、新型コロナウイルスに感染していた1人の死亡と、新たに1227人の感染を確認したと発表した。県によると、感染者の内訳は、県発表が789人、さいたま市307人、川口市58人、川越市19人、越谷市54人。
これまでに確認された感染者は6万9675人(チャーター便帰国者含む)、死者は858人(11日午後7時現在)。
10日午後9時時点の重症者は102人、感染者の入院は1082人、ホテル療養555人、自宅療養1万1315人。退院・療養終了は5万1349人。
県によると、変異株感染者は2〜8日の1週間で3398人。いずれも海外渡航歴はなく、デルタ株に感染しているとみられる。変異株PCR検査実施率は48%で、陽性率は85・4%(前週73・8%)だった。
県管轄で詳細が判明したのは未就学児〜90代の男女677人。クラスター(感染者集団)関連では、県内障害者福祉施設で入所者2人が感染し、計27人になった。県内小中高校では10代女性の児童生徒6人が感染し、計16人になった。県内の食品加工工場では、同じアパートに住む外国籍の20代男性5人が感染した。会食関連では17人が感染したとみられ、そのうちカラオケを利用した70代男性1人はワクチン接種済みだった。
さいたま市によると、感染が判明したのは10歳未満〜90代の男女307人。4日の290人を上回り、同市の過去最高を更新した。50、60代男性2人は重症、8人が中等症。年代別では20〜50代が222人で約7割を占め、60〜90代は計15人だった。緑区の保育所で保育士1人、3〜5歳の園児11人の計12人が陽性だったとして、市はクラスターと認定した。施設名は非公表。対象者108人の検査で判明し、現在残りの4人が検査を予定している。他のクラスター関連では、陸上自衛隊大宮駐屯地で新たに自衛隊員7人の感染が判明、陽性者は計40人となった。
川口市によると、80代の女性が8日に死亡した。感染が判明したのは、未就学児から80代まで男女58人。
川越市によると、10歳未満〜50代の男女19人の感染を確認した。
越谷市によると、新たに感染が判明したのは、10歳未満〜70代の男女54人。

●感染再拡大の中国で「コロナとの共存」を訴える声が出てきた理由 8/12
中国で新型コロナウイルス・デルタ株の感染がじわじわ広がっている。国家衛生健康委員会の発表では、8月9日だけで新たな本土感染確定診断例(確診)は全国で108人。この3カ月以来、全国での新たな確診例が100を超えたのは初めてだという。
日本は東京都だけで1日数千人の新規感染者を数えているのだから、なんだ、たった100人か、と思うかもしれない。だが、そのわずかな感染者のために、中国は国民の生活と経済を犠牲にした徹底したロックダウンや全市民を対象としたPCR検査を実施して、「ゼロ感染」を目指している。
それでも感染者が出続けている、というのであれば、このデルタ株がいかに手ごわいウイルスであるか、ということではないか。そして、それ以上の感染力という噂のラムダ株の脅威は言わずもがなだろう。
懸念される水害被災地の感染拡大
中国における今回のデルタ株感染拡大の発端は、7月10日に南京国際空港に到着したロシアからの旅客機に新型コロナ感染者が搭乗していたことだった。7人の旅客が到着後の検査で陽性とわかり、速やかに隔離された。だが、そののち、7月20日までにこの機内の清掃にあたった清掃員9人のデルタ株感染が確認された。清掃員らは防護服を装着していたはずだが、着脱の時の不注意で感染した模様。彼らも感染が判明すると即、隔離されたが、それまでの間に感染は広がっていた。
7月21日から南京市は全民920万人を対象にPCR検査を開始し、南京市の感染者発生地域はすぐに封鎖された。それでもわずか10日ほどで感染は各地に飛び火、江蘇省、湖南省、河南省、湖北省などの20都市で累計200人以上に感染が広がった。
湖南省株洲市では8月2日から120万人の市民が3週間の外出自粛を求められた。観光シーズン真っ只中の張家界も、感染が拡大したため「休眠」状態となり、観光に訪れていた旅客はホテル内での待機を命じられた。張家界市で7月29日から8月10日までに確認された感染者は約50人に達している。
2020年初めのコロナ感染の恐怖の記憶がまだ残る湖北省武漢市では、約1100万人の全市民にPCR検査を実施した。北京では、ハイリスク地域との飛行機、高速鉄道の往来を一時停止する措置をとり、国際映画祭など大型イベントを延期した。
中国で今一番心配されているのは、大水害の傷跡がまだ癒えていない河南省鄭州の感染状況だ。8月8日に確認された新規の本土全体の感染者は94人だが、そのうち41人が河南省の感染者である。8月9日には108人の本土感染者が確認されたが、河南省が37人を占める。ほとんどが無症状だが、水害によって衛生状態が悪化し医療機関も完全に復旧していない鄭州市周辺で有症状の感染者が増え続ければ、大規模な感染爆発につながりかねない。河南省当局としては8月中にゼロ感染を目指すとしている。
鄭州市では、すべての小区(村)にロックダウン実施を通達し、人の流れを減少させ、市民の厳格な体温管理も行う、としている。各世帯に1通の外出許可証を配布し、1日1回、各世帯の1人だけに生活必需品購入のための外出を許可し、不必要な外出は禁ずる、という。
鄭州市の場合、全民に対するPCR検査も1回ではなく、一部市民はすでに3回目のPCR検査を受けている。だが、ある住民は「検査を受けるときに100人以上が密になり、そちらの方が感染リスクがあると思う」とメディアに不満をもらしていた。
コロナとの共存を訴える意見に多くの支持
中国がここまで徹底してゼロ・コロナにこだわるのは、来年(2022年)2月の北京冬季五輪を有観客で東京五輪よりも華々しく立派に開催したい、という野望もあろう。また中国製ワクチンの予防効果がファイザーやモデルナよりかなり低いという問題もある。中国のワクチン接種率は40%を超えているが、実のところ2回接種後も感染が確認された例は枚挙にいとまがない。結局、中国政府としては、ワクチン接種率に関係なく、大量PCR検査とロックダウンによる徹底管理方式を取らざるを得ない、ということになった。これは、日本は真似したくてもやれない。権威主義国家の暴力的なまでの統制力があってこそ可能な方式だ。
だが、最近になって中国で、この「ゼロ・コロナ」志向に疑問を呈する意見が出てきた。復旦大学附属華山医院感染科主任の張文宏が7月末、中国のSNSの微博で「“コロナと共存”の準備をする方がいい」と提言。これが、中国のネット民から強い支持を得た。
張文宏は、「世界は新型コロナ感染のコントロールに失敗しており、中国はウイルスとの共存を準備すべきだ。これまで経験したことは、最も困難なことではない。さらに困難なのは、長期にウイルスと共存する智慧を絞ることだ」という。張文宏は南京でデルタ株の感染が拡大していることを踏まえて、「ワクチンではウイルスは完全に防御できない。ただ重症化率を下げるだけなのだ」と訴えていた。
これに対し 元中国衛生部長の高強は人民日報への寄稿を通じて強烈に反駁した。高強は、世界でパンデミックが収まらないのは、英国や米国が感染者が増えているにもかかわらず、ワクチン接種率の高さに頼って、感染コントロール措置を解除したり緩和したりして、いわゆる「ウイルスと共存する」方向にあることが原因だ、と批判する。
さらに「ウイルスと共存など絶対にありえない。ウイルスと人類は、お前が死ぬか俺が死ぬかの関係でしかない」「驚くべきことに、私たち専門家の中にもデルタ株の脅威について語りながら、国家に“ウイルスとの長期共存”戦略を提案する人物がいる」として、名指しこそしなかったが張文宏を批判した。
張文宏の発言は、読みようによっては、徹底したロックダウンとPCR検査による今の中国当局の「ゼロ・コロナ」政策を批判しているようにも受け取れる。このことから、ネット民の中には「張文宏は政治的に危ないかもしれない」と心配する声も出ている。
大きすぎる経済的犠牲
中国が、権威主義体制の暴力性を利用した徹底的な管理コントロールによってゼロ・コロナ作戦を展開してきた中、突如こういう意見が現れネットで盛り上がる背景には、この中国方式の「コストの高さ」への懸念が表出してきたからだ。
昨年春から大規模なロックダウンを各地で繰り返し、どの国よりも早く新型コロナ肺炎の拡大を抑制できたことから、中国経済はどこよりも早くV字回復し、英米経済の回復と差をつけることができるという見立てが中国当局側にはあった。これは短期間のロックダウンでゼロ・コロナを達成した場合には可能だ。
だがデルタ株は、この体制の優位性を利用した圧倒的な対コロナ管理コントロール能力の壁を破って、再び中国国内で感染拡大し始めた。米国や日本などと比べると新規感染者数は非常に少ないものの、ゼロ感染政策を掲げる以上、これまでのように徹底的に公共活動や人的往来を抑制せざるをえない。この経済的コストは中国が想定するより大きかったようだ。
ウォール・ストリート・ジャーナル(8月11日付)が報じたところによれば、ゴールドマンサックスとモルガンスタンレーは、先週、中国の年間経済成長率予測をそれぞれ8.6%から8.3%へ、8.7%から8.2%へと下方修正した。
今のところ小幅の引き下げ幅だが、デルタ株がさらに強い感染力を示せば、さらなる経済への悪影響は避けられないとモルガンスタンレーなどは指摘している。
ゴールドマンサックスのデータによれば、8月初旬の1週間で中国100都市で交通渋滞が減少し、上海、南京、鄭州などの6大都市の地下鉄乗降率は前年同期比でおよそ12%減少したという。恒生銀行(中国)の主席エコノミスト王丹は、最新のデルタ株感染拡大によって中国低所得者の失業率が上昇し、その影響は農村地域で大きい、と指摘していた。
中国経済は今年8%以上の成長が見込まれると世界銀行なども予測していたが、中国政府が今年の全人代で打ち出した成長率目標は6%。中国政府は、ひょっとすると、こういう事態も想定していたのかもしれない。
ますます西側社会と切り離されていく
中国はこのままでは、米国などよりもわずかの感染者しか出していないにもかかわらず、欧米のどの国よりも経済を犠牲にする厳しい政策を自らに強いていくことになる。政策を見直すべきだ、という意見が出てきても当然かもしれない。
経済をとるか、ゼロ・コロナをとるか。だが、米メディアのラジオ・フリー・アジアによれば、張文宏を支持する意見がSNSなどで削除されているという。中国当局としては当面、「コロナと共存」路線に転換するつもりはなさそうだ。
もし、米国やその他の西側社会が、ワクチンの力で重症者や死者の増加を抑えつつも、ある程度の感染拡大を容認し、経済活動や人の往来を認める方向に動き、一方で中国がゼロ・コロナ政策を貫くならば、これは人的往来のデカップリングにもつながり、本当に中国の鎖国時代が到来するかもしれない。実際、中国は不要不急の出国を控えるようすでに国民に通達し、一部ではパスポートの更新を拒否されるビジネスマンや留学生もいるという。
中国が「ゼロ・コロナ」にこだわるのは、新型コロナの封じ込めが目的のように見えて、実は中国国民を西側社会から遠ざけ、その移動や動静をより厳しく管理したいという政治的な思惑があるのかもしれない。
日本の場合は、水際管理も国内管理もグダグダのまま五輪を開催するも、6割以上の国民が開催してよかったと感じ、ステイホームを呼びかけるも、もはや人出を抑えることはできない状況になっている。あげく、いっそコロナは季節性インフルエンザのようなものと考えてみようと、感染症としての危険度を2類相当から5類に変えるべきかという議論も始まっている。思えば、最初から、なし崩し的に「コロナと共生」だ。中国人から見れば相当クレイジーに見えるかもしれない。だが、人も気候もウイルスまでも、完全にコントロールしようとする中国共産党が支配する社会よりはまだ過ごしやすい世の中ではないか、と思ったりもするのだった。
 

 

●コロナ感染者急増 医療は「深刻な機能不全」 東京の重症者過去最多 8/13
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。菅義偉首相は緊急事態宣言地域の追加を決めた先月の記者会見で「ワクチン接種の効果が顕著に表れている」と東京都の重症者の少なさを強調したが、接種が進まない40〜50代を中心に重症者は急増。12日には218人と過去最多を更新した。50代以下は回復する人も多く、現状では死者は第3波と比べて少ないが、病床が埋まれば助かる命も助からなくなる。(小倉貞俊、小坂井文彦)
「制御不能、災害レベル」かつてない強い表現
「新規陽性者数が急増しており、制御不能な状況。災害レベルの非常事態だ」。12日の東京都のモニタリング会議の冒頭、国立国際医療研究センターの大曲貴夫医師は、かつてない強い表現で警戒感を示した。「もはや、災害時と同様に、自分の身は自分で守る『感染予防のための行動』が必要な段階だ」東京の新規感染者数の7日間平均は、11日時点で1日あたり3934人。2週間前の約2倍、前週の1・14倍だ。モニタリング会議で報告された試算では、今のペースが続けば、2週間後には1日あたり5113人になる。
「抗体カクテル療法」都内120病院で
東京の重症者数はこれまで、第3波の1月20日の160人がピークだった。第4波では90人以内だったが、現在の第5波では首相の記者会見翌日の7月31日に90人を超え、8月10日に最多を更新した。12日までの3日間は、毎日約20人ずつ増えている。死者数の目立った増加はない。都によると、死亡日別の過去最多は1月31日の38人。第3波は10人を超える日が珍しくなかったが、7月以降は6人以下で推移している。ただし、今後も死者が増えない保証はない。都医師会の猪口正孝副会長は「自宅療養中に容体が悪化したコロナ患者の搬送や受け入れが困難になっている」と指摘する。「救急医療や予定した手術など通常の医療も含め、医療提供体制は深刻な機能不全に陥った」と危機感を強める。小池百合子知事は12日、報道陣に対し、重症化を防ぐ効果がある新治療薬の「抗体カクテル療法」を、都内約120病院などで行える体制を整備したと説明した。それでも新規感染者が増え続ければ病床は埋まり、治療につなげられなくなる。
死者は目立った増加なし 重症者は全国でも急増
重症者は全国でも急増している。7月下旬は500人前後で推移していたが、8月11日時点では1404人で、過去最多の1413人(5月25日)に迫る。死者は第3波では100人を超える日も少なくなかったが、8月は20人以下で推移する。各地の医療提供体制も逼迫ひっぱくしている。厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」は11日の会合で「体制の拡充による対応には限界があり、多くの命が救えなくなるような危機的な状況さえ危惧される」と分析。「一刻も早く感染拡大を速やかに抑えることが必要だ」と警鐘を鳴らした。

●小池知事「コロナは災害、外出控えて」 東京の感染拡大「制御不能」で  8/13
東京都の小池百合子知事は13日、新型コロナウイルスの感染拡大で医療体制がひっ迫していることについて「外出を控えてください。今日もたくさんの人が出ておられますが、大雨もコロナも同じです。災害になります。よろしくお願いします」と呼び掛けた。都庁で記者団の質問に答えた。
都内の感染状況をめぐっては、12日に開かれたモニタリング会議で専門家が「制御不能な状況だ。災害レベルで感染が猛威を振るう非常事態」で、医療提供体制について「深刻な機能不全に陥っている」と報告した。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会も、昼夜問わず、人出を緊急事態宣言直前の7月前半と比べ5割減らす必要があるとしている。
こうした状況の中、小池知事は「お盆で、帰省については、先方へのさまざまな影響が及ばないように、まず中止をしていただくようにお願いします」と述べた。

●東京都 新型コロナ 5773人感染確認 過去最多 重症者も最多更新  8/13
東京都は13日、過去最多となる5773人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。5000人を上回るのは、5042人だった先週の木曜日以来、2回目です。1週間前の金曜日より1258人増えていて、感染の急速な拡大が続いています。
一方、都の基準で集計した13日時点の重症の患者は12日より9人増えて227人でした。4日連続で過去最多を更新し、重症患者の増加が止まりません。

●東京都、コロナ「入院待機ステーション」整備へ 搬送困難に対応 8/13
小池百合子東京知事は12日、新型コロナウイルスの感染拡大で逼迫(ひっぱく)が続く都内の医療を守るための体制強化など、新たな新型コロナ対策を発表した。救急搬送先の医療機関が見つからない事案を解消するため、救急隊から要請があった場合は必ず受け入れる「搬送困難対応入院待機ステーション」を新たに整備。自宅療養者のフォロー体制も強化する。
小池氏は12日の都モニタリング会議後、対策を明らかにした。都によると、同ステーションは都立・公社病院11カ所に計36の専用病床を設定し、受け入れ先が見つからない患者を受け入れる。病床は一般診療を制限して確保するという。急増する自宅療養者については、都医師会や地域の医師会と連携して訪問診療体制を強化する。
人の流れを下げるため、買い物を3日に1回にすることや商業施設の入場整理の徹底などを都民や事業者に呼び掛ける。小池氏は「お盆休みの時期は人の流れが大きく変化する。この機会を捉えて人と人との接触を劇的に減らしていく」と語った。
モニタリング会議では、新規感染者の直近7日間平均が11日時点で3933・9人と前週から約500人増加したことなどが報告され、感染状況、医療提供体制の警戒レベルはともに最も深刻を維持した。
また、都は12日、新型コロナ対策として総額1556億円の補正予算案を発表した。18日に開会予定の都議会臨時会に提出する。
20〜30代向けのワクチン接種促進事業には10億円を計上。接種者が登録できるアプリを開発し、ポイント付与や企業の割引サービスなどが受けられるようにする。ワクチンの安全性や有効性を伝えるウェブ広告や動画配信なども集中的に実施する。
売り上げが減少した中小企業や酒類販売事業者に支給している月次支援給付金については、延長や拡充するための費用として303億円を盛り込んだ。

●東京都 新型コロナ 5773人感染確認 過去最多 重症者も最多更新  8/13
東京都内では13日、過去最多となる5773人の感染が確認されたほか、都の基準で集計した13日時点の重症の患者は227人となり、4日連続で過去最多を更新しました。また、都は、感染が確認された50代から90代までの男女7人が死亡したことを明らかにしました。
東京都は13日、都内で新たに10歳未満から90代までの男女合わせて5773人が、新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。これまでで最も多かった先週・木曜日の5042人を超えて過去最多となりました。また、1週間前の金曜日より1258人増えていて、感染の急速な拡大が続いています。13日までの7日間平均は再び4000人を超えて4155.7人となりました。前の週の108.8%です。
一方、都の基準で集計した13日時点の重症の患者は12日より9人増えて227人でした。4日連続で過去最多を更新し、重症患者の増加が止まりません。また、都は、感染が確認された50代から90代までの男女7人が死亡したことを明らかにしました。これで都内で感染して死亡した人は2332人になりました。
東京都で、新型コロナウイルスの感染が確認された人が過去最多を更新する中、菅総理大臣は13日午後、総理大臣官邸で、西村経済再生担当大臣や田村厚生労働大臣ら関係閣僚と、1時間半余りにわたって、対応を協議しました。

●東京都で過去最多の5773人の陽性者。現実を知る、4つのデータ 8/13
8月13日、過去最多となる5773人(うち、65歳以上は203人)の新型コロナウイルス陽性者が報告された東京都。重症者数は12日の218人からさらに増加し、227人となった(都は、重症病床を392床確保している)。小池百合子東京都知事は13日午後2時から定例の記者会見を開き、ひっ迫する感染状況への危機感と感染対策の徹底を訴えた。緊急事態宣言下にありながらも感染者数に減少傾向がみられない東京都。多くの人が、度重なる自粛要請や新型コロナウイルスが流行している中での生活に慣れてしまっている側面もあるかもしれないが、都の感染状況の現状を知る上で重要な4つのデータを見て欲しい。
1.直近の感染者数の増加比は微増も、陽性率は20%超え
8月13日に5773人の陽性者が報告された東京都。直近1週間の移動平均は、4155.7人と前週比で108.8%だった。前週比が200%近くにまで上昇していた8月1週目と比較すると、増加比は落ち着いてきた。ただし、100%を上回っている以上、感染者数は増え続けてしまうため、まだ対策が不足している状況であることに変わりはない。また、検査数に対する陽性者数(陽性率)は20%以上と非常に高い状況が続いている。7月後半から検査数自体は増えている一方、陽性率が一向に下がらないことを考えると、日々報告されている陽性者数以上に補足しきれていない陽性者がいることが想定される。
2.重症者の6割は40代〜50代
陽性者の年代別データを見ると、20代〜30代の感染が目立つ。ただし、重症者数の内訳では40代〜50代が6割を占めている。高齢者に対するワクチンの接種が進んだことで、感染者数に対する重症者数の割合は少ないものの、20代などに比べてリスクが高く、ワクチン未接種者も多い40代〜50代の感染が広がれば、その分医療は圧迫される。なお、既往症として糖尿病や高血圧、気管支喘息、喫煙歴、肥満(BMIが30以上)の人はどの年代であっても重症化リスクは高いとされている。
3.重症化リスクの高い年代の夜間滞留人口が多い
東京都内の繁華街における年代別の夜の滞留率を見ると、現状の重症者の大半を占める中高年が高い割合を占めている。午後10時〜午前0時の深夜帯には、15歳〜39歳と40歳〜64歳の人口がほぼ同じ割合になるものの、午後6時〜午後8時の時間帯には中高年代の方が16%も高い。感染拡大を防ぐという意味では、年代に限らず人との接触を少なくすることが求められている状況ではあるが、若い世代がスケープゴートにされがちな中で、医療提供体制のひっ迫に直結する重症化しやすい年代の協力が求められているとも言えるだろう。
4.東京都の感染、デルタ株が8割超
感染力が従来のウイルスに比べて1.5倍ほど強いとされているデルタ株。東京都では、すでに陽性者の8割以上がデルタ株に置き換わっている状況だ。新型コロナウイルス感染症対策分科会の資料によると、デルタ株が主体になったとしても、感染拡大リスクが高い場面は依然として以下の場面だとしている。
1.普段から一緒にいない人(同居家族以外等)との飲食や会合。
2.長時間・大人数が集まる場面。
3.混雑した場所及び時間帯。
4.休憩室や喫煙所、更衣室でのマスクを外した会話。
ただし、感染力の高まりに伴い、これまではクラスターが発生していなかった場所でも、クラスターが発生しつつある状況が見えてきている。12日に開かれた政府分科会の尾身茂会長の記者会見では、百貨店などの地下食品売り場(いわゆるデパ地下)での感染が目立つとして、人出を抑制する必要があると訴えた。なお、13日の都の記者会見において、小池都知事は事業者に対してテレワークのさらなる実施やソーシャルディスタンスを1.2メートルから1.8メートルに拡大すること、さらに百貨店などの商業施設における滞留時間をできるだけ減少させるよう依頼する方針を語った。
ただし、営業の制限に対する追加の協力金の有無などについては、「施設の方との協力ということで進めているところでございます。事業者のみなさまにおかれましては、それらをしっかりと守っていくということも、コンプライアンス上必要な対策としてお取りになるのではないかと思います」(小池都知事)とした。
なお、13日の会見では、救急搬送の受け入れ先が見つからない場合に患者を搬送する「搬送困難対応入院待機ステーション」の新設や、宿泊療養施設の確保(16施設、約6200室)、一部の宿泊療養施設での抗体カクテル療法実施に向けた体制整備を進めていくことを報告。加えて、医療機関や宿泊施設の役割の明確化も進めていくとしている。

●抗体カクテル、宿泊療養でも コロナ感染拡大「最大級の危機」小池都知事 8/13
東京都の小池百合子知事は13日の定例記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない現状について「昨年コロナが襲ってきて以来の、まさに最大級、災害級の危機を迎えている」と述べ、都民に徹底した感染対策を求めた。その上で、感染者の重症化を防ぐ「抗体カクテル療法」の実施を医療機関に加え、宿泊療養施設に拡充する考えを示した。
抗体カクテル療法に関しては、都内約120カ所の入院重点医療機関に薬剤を常備する方針や、都立・公社病院で20床程度の専用病床を確保したことを説明。13日から一部の宿泊療養施設に医師を配置するなど、同療法を実施できる態勢を整えたことも明らかにした。小池氏は「ワクチン接種に抗体カクテル療法を加えた攻めの戦略で重症化を防いでいく」と語った。
小池氏は「(西日本で起きている)豪雨被害もコロナの被害も同じ災害だ」と指摘。「人流が増えれば結果として病床がふさがり、救える命も救えなくなる」と危機感を表し、帰省や旅行を含む外出の自粛を改めて都民に要請した。

●東京都 新型コロナ 7人死亡 過去最多5773人感染確認 8/13
東京都内では13日、過去最多となる5773人の感染が確認されたほか、都の基準で集計した13日時点の重症の患者は227人となり、4日連続で過去最多を更新しました。
また、自宅で療養していた50代の男性が亡くなり、第5波で都が把握した自宅療養中の死亡は4人になりました。
東京都は、13日都内で新たに10歳未満から90代までの男女あわせて5773人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。
これまでで最も多かった先週・木曜日の5042人を超えて過去最多となりました。
また、1週間前の金曜日より1258人増えていて、感染の急速な拡大が続いています。
13日までの7日間平均はふたたび4000人を超えて4155.7人となりました。
前の週の108.8%です。
都の担当者は「まだ感染拡大が続いている状況だ。人と接触すれば感染するリスクは高まる。どうしても外出する場合は短い時間、少人数にするようお願いしたい」と話しています。
13日の5773人の年代別は、10歳未満が276人、10代が526人、20代が1810人、30代が1189人、40代が955人、50代が689人、60代が188人、70代が76人、80代が50人、90代が14人です。
感染経路がわかっている2209人の内訳は「家庭内」が最も多く1401人、「職場内」が372人、「施設内」が115人、「会食」が56人などとなっています。
東京オリンピック・パラリンピックの関連では外国人の競技関係者が1人、日本人の委託業者が2人のあわせて3人の感染が確認されました。
一方、13日時点で入院している人は3727人と、12日より59人増え、7日連続で過去最多を更新しました。
「現在確保している病床に占める割合」は62.5%です。
また、都の基準で集計した13日時点の重症の患者は12日より9人増えて227人でした。
4日連続で過去最多を更新し、重症患者の増加が止まりません。
都が、現在確保している重症患者用の病床の使用率は57.9%となりました。
重症患者の年代別は、10代が1人、20代が6人、30代が21人、40代が50人、50代が82人、60代が39人、70代が23人、80代が5人です。
また、都は、感染が確認された50代から90代までの男女7人が死亡したことを明らかにしました。
このうち、50代の男性は自宅で療養中に倒れているのを同居する家族が見つけましたが、その後、死亡が確認されました。
男性は陽性と判明したとき、せきと熱の症状がありましたが、軽症だったということです。
都によりますと、男性には脂質異常症の基礎疾患があったということですが、保健所の毎日の観察では症状の悪化や呼吸障害の訴えはなかったということで、都は、症状が急変したと見ています。
第5波で都が把握した自宅療養中の死亡は4人になりました。
これで都内で感染して死亡した人は2332人になりました。

●新型コロナ 道内で454人感染確認 2日連続で450人超え 8/13
北海道では13日、新たに454人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表されました。道内の一日の感染確認が450人を超えるのは2日連続で、感染拡大に歯止めがかかっていません。
道内では、札幌市で再陽性の2人を含む248人、旭川市で41人、函館市で13人、小樽市で3人、十勝地方で35人、石狩地方で33人、釧路地方で16人、空知地方と胆振地方でそれぞれ14人、上川地方で7人、オホーツク地方で6人、渡島地方で5人、後志地方、日高地方、根室地方でそれぞれ2人、桧山地方で1人、それに道が「その他」として発表した道外の7人を含む12人の、合わせて454人の感染が確認されました。
札幌市や旭川市を中心に感染拡大が続いていて、道内の一日の感染確認が450人を超えるのは2日連続です。
1週間の新規感染者数は、道内全体で10万人あたり49.0人、札幌市で10万人あたり84.1人と、都道府県の感染状況を示す国のステージで最も深刻な「ステージ4」の目安となっている10万人あたり25人を大きく超えています。
13日、道内で新型コロナウイルスに関連する死者の発表はありませんでした。
これで、道内の感染者は札幌市ののべ3万681人を含むのべ4万8707人となり、死亡したのは1429人となっています。
一方、変異ウイルスのデルタ株について、新たに札幌市で98人、旭川市で19人、函館市で9人、道で7人、小樽市で1人の、合わせて134人が感染している疑いがあることが分かりました。
道内で、この変異ウイルスに感染している疑いがあると発表されたのは2303人で、感染が確定したのは168人となっています。
指標で見る道内の感染状況
12日時点の道内の感染状況を、政府の分科会が示す国の指標をもとに見ていきます。人口10万人あたりの直近1週間の新規感染者は13日時点の数字です。
病床使用率 / まず医療のひっ迫具合です。病床使用率はステージ3が20%以上、最も深刻な状況を示すステージ4は50%以上が目安となっているのに対し、道内は31.2%となっています。
入院率 / 入院率はステージ3が40%以下、ステージ4が25%以下が目安となっているのに対し、道内は18.9%となっています。
重症者病床使用率 / 重症者の病床使用率はステージ3が20%以上、ステージ4は50%以上が目安となっているのに対し、道内は11.5%となっています。
療養者数 / 人口10万人あたりの療養者数はステージ3が20人以上、ステージ4は30人以上が目安となっているのに対し、道内は63.0人となっています。
検査陽性率 / 直近1週間のPCR検査などの陽性率はステージ3が5%以上、ステージ4は10%以上が目安となっているのに対し、道内は9.5%となっています。
新規感染者数 / 人口10万人あたりの直近1週間の新規感染者はステージ3が15人以上、ステージ4は25人以上が目安となっているのに対し、13日時点で道内は49.0人となっています。
感染経路不明者の割合 / 感染経路が不明な人の割合はステージ3、ステージ4ともに50%が目安となっているのに対し、道内は42.8%となっています。

●札幌248人確認 旭川でことし最多 新型コロナ感染が全道に拡大 8/13
13日、北海道では新たに454人の感染が確認され、2日連続の400人超え、旭川ではことし最多の41人を数えました。亡くなった方はいませんでした。
・札幌市 248人(経路不明129人)
・旭川市 41人
・函館市 13人
・小樽市 3人
・十勝管内 35人
・石狩管内 33人
・・・
・その他 
この時間までに発表されている新たなクラスターは3件です。
直近1週間の10万人あたりの感染者数は、札幌が84.1人、全道が49.0人とどちらもステージ4・緊急事態宣言の目安となる25人を大きく上回っています。病床使用率は札幌で42.5%、全道で38.3%と札幌は緊急事態宣言の目安にかなり近づいています。日ごとの感染者数をカレンダーで見てみると、13日は先週の金曜日より170人以上増加。連日、増加傾向であることがわかります。7月の3連休から3週間、北海道の感染者数は454人と高止まりしています。

●13日は青森県内で45人の感染確認 クラスターが拡大 8/13
新型コロナウイルスの青森県内の感染状況についてです。新たな感染の確認は、3日連続で40人を超えています。
12日は42人で、13日は45人の感染が確認されました。感染が確認された人は合わせて3073人となりました。
青森県によりますと、新たに感染が確認されたのは、弘前保健所管内で13人、八戸市で11人、青森市で9人、三戸地方保健所管内で3人、むつ保健所管内で2人、五所川原保健所管内と上十三保健所管内でそれぞれ1人、それと青森県外の5人の合わせて45人です。
このうち、弘前保健所管内の障害者施設クラスターでは、新たに5人の感染が確認され、関連も含めた人数は21人となりました。
また、職場クラスター関連では、4人の感染が確認され、関連も含めた人数は11人となりました。八戸市の大学クラスターでは、県外の3人の感染が確認され、このクラスターは関連を含め20人に拡大しました。また、高校クラスターでは、上十三保健所管内の1人の感染を確認し、関連を含めた人数は28人となりました。
病床使用率は31.6%で、国の指標で感染者急増を表す「ステージ3」の20%を9日連続で超えています。

●クラスター発生と拡大も 12日は116人が感染 福島県 8/13
8月12日に福島県で感染が確認されたのは、いわき市46人・郡山市29人・福島市9人など、あわせて116人。
この116人とは別に、いわき市の児童施設ではこれまでに利用者など合わせて7人の感染が確認され、新たなクラスターとなった。
また県北保健所管内の事業所で発生したクラスターは、新たに1人の感染が確認され39人に拡大した。
8月の福島県内の感染者は1224人で、月別として最多だった5月の1179人をすでに上回り、爆発的に感染が拡大している。入院している人は重症の14人を含む398人で、病床の使用率は66.7%に悪化している。
福島県は県内全域に「非常事態宣言」を発令していて、お盆期間の帰省や旅行は中止するなど対策の徹底を呼び掛けている。

●感染拡大が続けば一般の救急搬送の受け入れ困難に 茨城 土浦  8/13
茨城県でも新型コロナウイルスの感染が急激に拡大する中、県南部の土浦市の病院では入院患者への対応と、新たな患者の診察の両方の負担が増しています。病院側は、感染の拡大が止まらなければ一般の救急搬送を受け入れられなくなると危機感を強めています。
土浦市にある土浦協同病院は、新型コロナウイルスに感染した患者の入院を県内でも特に多く受け入れています。
8月に入り、これまでのおよそ40床の専用病床は、ほぼ満床の日が続いてきました。
こうした入院患者への対応に加え、病院では、増え続ける新たな感染者の検査や診察の対応にも追われています。
連日、40人ほどの患者に肺のエックス線撮影など、重症化のリスクがないかの検査を行っていて、昼間、通常の診療を担当した医師や医療スタッフが、夕方から深夜1時ごろまで対応する日もあるということです。
さらに土浦協同病院では県の要請を受けて、13日から新型コロナ専用の病床をこれまでの倍に増やすことを決めました。
このため、感染拡大が止まらなければ、近いうちに重症患者の治療に使っている集中治療室がすべてコロナの患者で埋まり、一般の救急搬送を受け入れられなくなるおそれがあるということです。
土浦協同病院の河内敏行病院長は「今の対応は職員の負担が重く、毎日続ければ病院の態勢は破綻します。このままでは、すべてを新型コロナの対応に割くことになって、一般の救急対応を犠牲にせざるをえなくなります」と話しています。

●栃木県内、累計感染者1万人超え 新型コロナ「第5波」猛烈 8/13
栃木県と宇都宮市は13日、新たに174人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日当たりの発表数では過去2番目の多さで、累計感染者数は1万21人となった。感染力の強い変異株「デルタ株」の割合は約8割とほぼ置き換わっており、現在の「第5波」は猛烈な速さで感染者が増え続けている。全療養者数は1600人を超えて過去最多となり、自宅療養者や入院調整中は約1100人に上っている。県は医療崩壊が間近に迫っているとして、県民に感染防止対策の徹底を強く呼び掛けている。
7月27日に1日の新規感染者数が100人を超え、18日間の1日平均は130人。病床使用率は55.6%と医療提供体制が逼迫(ひっぱく)し、入院率も16.5%と下がり続けている。自宅療養者も急増し、容体が急変して死亡した事例も起きた。
県内での感染初確認は昨年2月22日。千人に達するまで約10カ月を要したが、年末年始の「第3波」で感染が爆発的に広がり、約1カ月で感染者は2千人増えた。2度目の緊急事態宣言発令を経て、新規感染者数は減少に転じた。
しかし変異株の流行で5月の「第4波」が発生。その後減少したものの、7月下旬以降、新たな変異株デルタ株の猛威で状況は一変した。感染急拡大を受け、8日から新型コロナウイルス特別措置法に基づく「まん延防止等重点措置」が適用された。
累計の死者数は13日時点で93人。厚生労働省のデータ(10日現在)によると、年代別では80代が28人(男性18人、女性10人)で最多。次いで70代23人(18人、5人)、90代以上18人(7人、11人)。このほか、60代男性7人、50代男性5人が亡くなった。4人以下の年代・性別は非公表。
13日の新規感染者は10歳未満〜80代の男女。これまでの感染者のうちデルタ株疑いは10歳未満〜60代の男女63人が確認された。鹿沼市と真岡市の事業所で県内97、98例目のクラスター(感染者集団)も発生した。
県と宇都宮市は同日、計238件を検査(委託の未集計分は除く)。累計検査件数は36万7216件、退院者8419人、入院者256人、宿泊療養者150人、自宅療養者948人、入院調整中221人、重症者17人。

●埼玉 大野知事 感染拡大で大規模商業施設に対策の強化要請  8/13
埼玉県は、緊急事態宣言が出たあとも感染拡大に歯止めがかからないことから、大規模な商業施設に対して、階ごとに人数の上限を設けるなど対策の強化を要請しました。
埼玉県では、今月2日から緊急事態宣言が出されていますが、一日に発表される感染者数は連日1000人を超え、13日は1696人と、2日連続で過去最多を更新するなど感染拡大に歯止めがかかっていません。
このため、県はこれまでの要請の内容をさらに強め、大型の小売店や百貨店などの大規模な商業施設に対して特定の階に一度に利用者が集中しないよう対策の強化を要請しました。
具体的にはこれまで、商業施設全体で入場する客の数を制限するよう求めていたのを改め、階ごとに人数の上限を設け、繁忙期の半分程度とするよう要請しています。
駐車場についても同じく繁忙期の半分程度の利用とするよう求めています。
また、学校の部活動については今月16日以降、大会やコンクールなどに出場する場合を除いて週2日以内にとどめることを求めています。
さらに、政府に対しては、人の流れを抑制する有効な措置を行えるよう1都3県で要請したということです。
大野知事は「これ以上感染拡大が続けば来週にも医療崩壊に直面する可能性が出てきている。今の状況を踏まえ改めて協力をお願いしたい」と述べました。

●神奈川県内の海水浴場すべて閉鎖へ 感染急拡大で人流抑制を  8/13
新型コロナウイルスの感染の急拡大を受けて、神奈川県藤沢市内の3つの海水浴場が8月16日から閉鎖されることになりました。これで神奈川県内の25の海水浴場はすべて閉鎖となります。
閉鎖されることになったのは、藤沢市の、片瀬東浜海水浴場片瀬西浜、鵠沼海水浴場、それに、辻堂海水浴場の3つの海水浴場です。
神奈川県内では、ことし、25ある海水浴場のうち、15の海水浴場が営業していましたが、8月2日に県が緊急事態宣言の対象に加えられたことなどを受けて、ほとんどの海水浴場が閉鎖となりました。
そして、営業を続けていた藤沢市内の3つの海水浴場も8月16日に閉鎖されることになり、神奈川県内では海水浴場はすべて閉鎖となります。
藤沢市や海水浴場の組合によると、海水浴場の閉鎖後も念のためライフガードは配置するということで、藤沢市観光課の木村嘉文課長は「感染者が爆発的に増え、県内医療もひっ迫している。人流を抑制したいので、皆さんに自制した行動をお願いしたい」と話していました。

●静岡・新型コロナ 新規感染者初の300人台 感染経路不明・調査中が56% 8/13
感染の拡大は続き、12日も過去最多を更新です。新型コロナの新規感染者は354人で、はじめて300人を上回りました。
静岡県内で確認された新型コロナの新規感染者は、浜松市で79人、静岡市で73人など過去最多の354人でした。7月下旬から急増し、11日の288人を大幅に上回っています。
また感染者354人のうち199人が、現時点で感染経路が不明または調査中となっています。病床使用率は県全体で5割を超え、県は「これ以上病床を増やすことは難しく危機的な状況」だとしています。
県などは医療体制を維持するためにも最大限の警戒と対策の徹底をするよう呼びかけています。

●長野県で初の100人超 新規感染者109人 2日連続で過去最多更新 8/13
13日、長野県内で新たに109人が新型コロナウイルスに感染したことがわかりました。1日の発表で100人を超えるのは初めてで、2日連続で過去最多を更新しました。

●大阪 歯止めかからぬ感染拡大 病床使用率も急上昇中 8/13
連日、過去最多の新規感染者を更新している新型コロナウイルスの感染拡大。医療体制の逼迫(ひっぱく)が続くなか、大阪府は患者を宿泊療養につなげる新たな仕組みを始めている。
宿泊療養に用されているホテルではー。「咳止めの薬とかもらってますか?もうなくなった。咳止めの薬を希望されるということですね」。対応するの医師の多根一之さん。
大阪府では、15の施設、約4000室を確保し、拠点となるホテルに2人の医師を配置して、24時間体制でオンライン診察を行う。看護師も常駐していて病状の急変にいち早く対応できる。
宿泊療養者の数は、感染状況が落ち着きを見せた6月末には約200人にまで減少したが、12日時点で2520人まで増え、使用率は6割を超えた。多根医師は「1か月先がピークだったら、また、4波に続く悲惨な状況になる可能性は十分にある」と危機感を訴える。
これまでの経験を生かして改善された仕組みもある。第4波の際は、宿泊療養の調整をスムーズに行えなかったことなどから、感染者が急増していたにも関わらず、確保した部屋の5割ほどしか使われなかった。
そこで府が7月から新たに導入したのが「療養者情報システム」だ。これは患者の情報やホテルの空室状況を一元管理できる。
大阪府健康医療部の西野誠理事は「保健所が宿泊療養の決定をしたあとに、本庁のほうに宿泊のオーダーが来るんです。その間にずっと人が介していって、その間メールでやりとりしていて、非常に時間がかかると…」と実情を語る。
これまでは、保健所で宿泊療養が必要と判断された後、府がホテルやタクシーを手配し、やり取りはメールで行っていた。そのため、手続きに手間がかかり、宿泊療養に入るまで一週間近くかかるケースもあった。
新しいシステムでは保健所が患者の情報を入力するだけで、自動的に手配が可能なため、府は当日か翌日には施設に入れるとしている。実際、システムを使用する豊中市保健所は、療養先が決まるまでのスピードが早くなったと実感している。
同市保健所の松岡太郎所長は「第4波の時は、一番ひどい時は一週間とかかったので、いざ入っていただく時には療養が明ける日だったり。そういうことでおしかりとか頂いたんですけど、そういう事態は避けられてる」と説明している。
ただ、連日1000人を超える感染者が確認される中、別の保健所で働く女性は「システムはすでにうまく稼動しなくなっている」と漏らす。ある職員は匿名で「もともとシステムって、導入するという一番の目的はその日に入力したら、その日に入所できるとホテルに。そういうことを謳ってたと思うんですね。もう今なんか、3日後とか、それも保証ないですよの話ですわ」
現在、府が確保している部屋の4割ほどは空いていますが、患者が使用した部屋の清掃が追い付かず、入所までに3日以上待つ場合もあるという。先の職員は「雪だるま式に入れない人が増えていって、そのクレームの一切合切、全部保健所で、余計に仕事増えてるんですわ。何が効率化になったんやろう、何が良くなったんやろう、だれが得したんやろうと考えたときにだれも得してないなというのが、現場の実感です」と不満をぶちまける。
こうした問題点を受け、吉村洋文知事は13日、「今、感染増えて確かに当日翌日というのは難しいのは実態としてあります。これを解消するために、40歳以上の方、僕らくらいの世代から上の世代の方やっぱり僕らより下の世代であっても、基礎疾患もっている人とか、そういったとこに絞り込みをかけることによって、ホテル療養のスピードを高めていきたいと思っている」と語ったうえで、8月中にホテルの部屋の数を約6000室に増やし、ホテル療養、自宅療養ともに往診などの医療体制を強化するという。

●広島県呉市で17人感染、13日新型コロナ 酒類提供店のクラスター拡大 8/13
広島県呉市は13日、市内で新たに園児や児童、10〜50代の計17人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。うち園児は1人、児童は4人。12日にクラスター(感染者集団)発生を認定した市内の酒類提供店の関係者は1人で、同店での感染確認は計16人となった。同市では12日に、市内の1日当たりで最多となる19人の感染を発表している。

●新型コロナ新規感染者207人過去最多 デルタ株の脅威 熊本 8/13
13日県内で新たに感染が報告された人数は、ついに200人を上回りました。3日連続で過去最多を更新しました。
13日県が発表した新型コロナの新たな感染者は、207人と1日に確認された感染者数としては過去最多です。207人のうち市町村別では、熊本市が127人と特に多くなっています。
「200人は想定の範囲内、250人までは考えていないので、これから数日間が勝負になる」と述べた木村副知事。
感染が拡大しているのは、先月下旬に人の流れが増えたことが原因だといいます。
一方で、先月29日から熊本市の飲食店に要請されている時短営業の効果が、来週頃から出るのではないかとみています。
ただ、「デルタ株」による急激な感染拡大に襲われていて、県の専門家会議は市中感染が起こりやすくなる可能性もあるとみて警戒を呼びかけています。
現在、県内の病床使用率は41.5%。熊本市だけでみると、60.6%と厳しい状況です。

●新型コロナ 宮崎県内で新たに63人感染 宮崎県 8/13
宮崎県内では13日、新型コロナウイルスの新たな感染者が第5波で最も多い63人確認されました。感染拡大に歯止めがかからない中、県は、宮崎市の飲食店などに出している営業時間短縮要請を全市町村に拡大すると発表しました。
新たな感染者は、居住地別で宮崎市が26人、日向市が9人、県外からの来訪者が8人、都城市が6人、新富町が5人、高鍋町が3人など、合わせて63人です。高鍋町の飲食店では、これまでに従業員5人の感染が確認され、県はクラスターが発生したと発表しました。従業員は休憩室でマスクをはずす場面があり、県は、症状があるのに勤務を続けていたことが感染拡大に繋がったとみています。県は、飲食店関係の感染が相次いでいるとして、宮崎市の飲食店などに出している営業時間短縮要請を14日から全市町村に拡大すると発表しました。期間は今月24日までで、午後8時以降は営業を行わないよう求めます。協力金は、それぞれの店舗の売り上げ規模に応じて支給されます。
河野俊嗣知事「この人の移動、同窓会や親族での集まりなど大人数での会合が想定されるような状況の中では、感染拡大リスクを可能な限り下げるという点にご理解とご協力をお願いします」
12日時点で重症者1人を含む53人が入院中、232人が宿泊施設や自宅で療養中となっています。

●沖縄コロナ、子育て世代で急拡大 感染者8割が40代以下 8/13
12日に新たな感染が確認された732人のうち、8割を40代以下が占め、子どもとその親に当たる世代で感染が急拡大している。玉城デニー知事は会見で「子どもを守るのは大人の責任だ。学校や保育所、家庭内で子どもたちを感染させないため、守る取り組みを進めていく」と強調した。保育所や放課後児童クラブなどへの抗原簡易キットの導入、学校PCR検査の保育所への拡充を発表し、感染予防の徹底も呼び掛けた。
732人の世代別内訳は、最多の20代が183人で、30代が142人、40代が98人、10歳未満が85人、10代が83人と続く。40代以下の感染は全体の80・7%となった。
推定感染経路が判明しているのは約4割の305人。内訳は家庭内192人、職場46人、施設内16人、友人知人39人、飲食7人、その他が5人。
県の糸数公医療技監は「かなりの急拡大だ。対策本部としても非常に危機感を持っている」と懸念を示した。
米軍関係は嘉手納基地とキャンプ・フォスター、トリイ通信施設で各3人、キャンプ・キンザーとキャンプ・コートニーで各2人、その他1人の計14人の感染が報告された。

●日本、新規陽性者1万8822人…「かつてない速度、制御不能」 8/13
日本の新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の一日の陽性判定者数が12日、再び最多記録を更新した。
12日、NHKによると、この日、日本の新型コロナ感染者が午後6時50分までに新たに1万8822人確認された。
これにより、日本の累積感染者は109万224人に増えた。死亡者は24人増え、1万5372人になった。
日本の一日の新規感染者は前日に続き2日連続で最多記録を更新した。最近一週間で新規感染者は10万3136人増加した。
この日、全国47都道府県中20府県で新規感染者最多記録を更新した。
首都・東京都はこの日、一日で4989人の感染者が報告された。前日の4200人に続き、2日連続で4000人を超えた。
東京都が新型コロナ感染拡大状況を分析するために開いたモニタリング会議では、専門家が「かつてないほどの速度で感染拡大が進み、制御不能な状況で、災害レベルでの感染が猛威を振るう緊急事態」と指摘した。

●新型コロナの感染拡大に警鐘「専門家曰く、災害レベル、制御不能」 8/13
元総合格闘家でタレントの高田延彦氏が13日までに自身のツイッターを更新。第5波とも言われる新型コロナウイルスの感染拡大について、コメントした。 この日、12日に東京都が確認した新たな感染者が4989人の上り、重症者の数が初めて200人を超えたという記事を貼り付けた高田氏。「専門家曰く、災害レベル、制御不能」と短い言葉で警鐘を鳴らしていた。

●「全国に緊急事態宣言」を提案 「いままでの政策、誰も聞いてくれない」 8/13
東京都医師会の尾崎治夫会長は13日、記者会見し、「あと1か月頑張ってもらえば、感染者が減る可能性が出てくるはずだから、こういう政策をとる。こうしたはっきりした出口戦略を示していただきたい」と政府に求めた。そのうえで、47都道府県のほとんどで実効再生産数(1人の患者が何人に感染させるか)が1を超えているとしたうえで、全国に緊急事態宣言を取るなどの措置が必要との認識を示した。
尾崎会長は「いまの医療機関、病院、診療所、現状は大変な状況になっている。色んな協力要請を医療機関にしているが、本当にいまは手いっぱい。ワクチンは打たないといけないし、通常の患者さんがたくさんいる」「救急患者さんもいまだから待ってくださいとは言えない」などと医療現場のひっ迫状況を強調。
新型コロナの感染拡大については「いままでのように東京を中心とする首都圏、大阪を中心とする近畿圏、福岡、北海道、沖縄という問題ではない。すでに全国的な広がりを見せている。従って、全国が災害に見舞われているという状況だと考えて、全国的な、なんらかの抑制措置を取らないといけないのではないかという考えも十分できる」と述べた。そして「その場合は、全国的な緊急事態宣言を出すとか」と緊急事態宣言の全国へ拡大するなどの措置が必要だと訴えた。
全国への適応ができない場合には、現在重症者が多い40代50代に対し、ワクチンの優先接種、テレワークなどにより人との接触を減らすことが大事だとも語った。
現在のコロナ対策については「いままで言っていたような政策はもう誰も言うことを聞いてくれない」と指摘。「去年の第1波の4月くらいの感じで、本当に人流を抑えられるようなことを(する必要がある)。いままでのコロナウイルスとは違う。新しいデルタ株のウイルスは違うタイプの恐いウイルスであるという認識のもとにもう一度仕切り直して政策展開をする必要がある」と述べた。

●全国の新型コロナ新規感染者が過去最多 8/13
感染拡大が止まらない。12日、新型コロナウイルスの感染者が全国で1万8,000人を初めて超え、過去最多となった。12日、全国では、これまでで最も多い1万8,863人の新たな感染と、24人の死亡が確認された。
東京都では、新たに4,989人の感染が確認され、先週木曜日の5,042人に続き、過去2番目の数となっている。また、重症者も218人と、初めて200人を上回ったほか、新たに6人の死亡が確認された。このうち60代の男性が、8月6日に陽性と診断され、10日に亡くなったが、6月に2回目のワクチン接種を終えていたという。2回目の接種を終えた人の死亡が都内で確認されたのは、初めて。
一方、各地でも感染拡大の傾向は続いていて、大阪府で1,654人、福岡県で1,040人など、あわせて20の府県で新規感染者数が過去最多となっている。

●31都道府県 最も深刻ステージ4 病床使用率5割超 16都府県 8/13
全国のほとんどの都道府県で、新型コロナウイルス感染症の感染爆発が発生しています。厚生労働省が11日までにまとめた感染状況の資料では、10日時点の新規感染者数が31都道府県で最も深刻な「ステージ4」に相当し、1週間前の23都道府県から激増。専門家らは感染状況について、「全国的にほぼすべての地域で新規感染者数が急速に増加しており、これまでに経験したことのない感染拡大」と指摘し、非常に強い危機感を示しました。国立感染症研究所によると、感染力の高いデルタ株は、関東地方で約9割、関西地方でも約8割に置き換わったとされ、今後も感染拡大が続く可能性が高いとみられています。
10日までの1週間の10万人あたりの新規感染者数は全国で77・6人。前週の58・54人の1・33倍となりました。41都道府県で前週を大きく上回る感染者数が確認され、31都道府県がステージ4となる国の指標の25人を超えました。
緊急事態宣言の対象地域はすべて、まん延防止等重点措置はほとんどの地域で前週よりも感染が拡大しています。
感染者数の急速な増加に伴い、重症者数も激増しています。東京都では、12日に218人と過去最多を3日連続で更新。これまで、菅義偉首相が会見などで繰り返してきた「ワクチンによって重症者が減少している」としてきた楽観論は、大きく崩れています。
重症者や入院待ちの患者は全国でも急増し、一般医療の制限や救急搬送が困難な事例も生じています。病床使用率は11日までの報告によると、首都圏を中心に大阪府や沖縄県など16都府県で5割超に。沖縄県では8割を超え、重症病床使用率も6割を占めます。首都圏の病床使用率は神奈川75・08%(重症病床使用率91・46%)、東京都55・7%(同78・3%)などと厳しさを増しています。
重症病床使用率は、首都圏や近畿圏などの7都府県で5割以上となり、専門家は「災害時の状況に近い局面」と分析します。宮城や石川、山梨、三重、香川、熊本など地方の各県でも病床はひっ迫しています。この状況をもたらしたのは、“自然災害”などではなく、菅政権の無為無策、“人災”です。緊急事態宣言下に東京五輪を強行開催し、矛盾したメッセージを発し続けたことで、人流拡大を防げませんでした。過去最悪の感染爆発を引き起こしながら、具体的な感染対策は講じず、国民の“自己責任”に転嫁する政府の無責任さは重大です。

●新型コロナ4府県で過去最多 兵庫・京都は措置対象地域拡大 8/13
関西2府4県では12日、新型コロナウイルスの新たな感染者が大阪と京都と滋賀、それに兵庫で過去最多を更新し、感染の急拡大が続いています。兵庫県と京都府では、まん延防止等重点措置の対象地域の拡大を決めるなど、各府県では感染対策のさらなる徹底を強く呼びかけています。
関西で12日発表された新たな感染者は、大阪が1654人、兵庫が728人、京都が372人、滋賀が164人、奈良が114人、和歌山が31人のあわせて3063人でこれまでで最も多くなりました。
1日の感染者数としては、大阪と京都、それに滋賀で2日連続で過去最多を更新し、兵庫でも過去最多となりました。
こうしたなか京都府と兵庫県は12日開いた対策本部会議で、まん延防止等重点措置の対象地域を拡大することを決定するとともに、今後、緊急事態宣言の発出も視野に、国と協議していくことを決めました。
各府県では、感染の急拡大に歯止めがかからない状況を受けて、お盆の期間中も不要不急の外出は自粛し、都道府県をまたぐ移動は極力控えるなど、感染対策をさらに徹底するよう強く呼びかけています。

●新型コロナ 新規感染者数1週間平均 42都道府県で感染拡大続く  8/13
新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、東京都では緊急事態宣言が出されて1か月余りたっても、過去最多の感染者数を更新する中での感染拡大が続いているほか、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出されている地域を含む42の都道府県で感染拡大が続いています。NHKは各地の自治体で発表された感染者数を元に、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。
全国
全国では、先月15日までの1週間では前の週と比べて1.41倍、先月22日は1.56倍、先月29日は1.69倍、今月5日は1.83倍、12日まででは1.24倍で、7週連続で増加していて感染者数が過去最多となっている中でもさらに拡大しています。1日当たりの新規感染者数はおよそ1万4728人となっていて、42の都道府県で感染拡大が続いています。
緊急事態宣言の地域
東京都は先月12日に緊急事態宣言が出されたあとも感染者が増加し、先月29日までの1週間では前の週の1.62倍、今月5日は1.64倍、12日まででは1.09倍と増加のペースはやや緩やかになったものの、8週連続で感染が拡大しています。1日当たりの新規感染者数は3976人と、先週よりおよそ330人増え、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数も199.93人と、厳しい感染状況となっています。5月23日から緊急事態宣言が続いている沖縄県では、先月中旬から再び増加に転じ先月29日までの1週間では前の週の2.19倍、今月5日は1.93倍、12日まででは1.19倍と5週連続で感染が拡大しています。1日当たりの新規感染者数はおよそ532人で、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は256.09人と全国で最も高くこれまで国内のどの地域でも経験したことのない規模の感染拡大が続いています。今月2日から緊急事態宣言が出されている首都圏の3県と大阪府でも増加のペースはやや緩やかになったものの、感染拡大が続いています。
神奈川県は先月29日までの1週間では前の週の1.52倍、今月5日は2.02倍、12日まででは1.22倍と7週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ1849人となっています。
埼玉県は先月29日までの1週間では前の週の1.73倍、今月5日は1.77倍、12日まででは1.30倍と8週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ1301人となっています。
千葉県は先月29日までの1週間では前の週の1.61倍、今月5日は1.90倍、12日まででは1.22倍と10週連続で感染が拡大していて1日当たりの新規感染者数はおよそ989人となっています。
大阪府は先月29日までの1週間では前の週の1.67倍、今月5日は1.67倍、12日まででは1.27倍と6週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ1205人となっています。
重点措置の地域
まん延防止等重点措置が適用されているほとんどの地域で感染拡大が続いています。
北海道は先月29日までの1週間では前の週の1.48倍、今月5日は1.81倍、12日まででは1.25倍で1日当たりの新規感染者数はおよそ347人となっています。
石川県は先月29日までの1週間では前の週の1.89倍、今月5日は1.19倍、12日まででは0.80倍で1日当たりの新規感染者数はおよそ70人となっています。
京都府は先月29日までの1週間では前の週の1.88倍、今月5日は2.06倍、12日まででは1.42倍で1日当たりの新規感染者数はおよそ283人となっています。
兵庫県は先月29日までの1週間では前の週の1.59倍、今月5日は2.11倍、12日まででは1.36倍で1日当たりの新規感染者数は466人となっています。
福岡県は先月29日までの1週間では前の週の2.62倍、今月5日は2.36倍、12日まででは1.37倍で1日当たりの新規感染者数はおよそ734人となっています。
今週から重点措置の地域
今週から新たに重点措置が適用された地域でも、感染拡大が続いています。
福島県は先月29日までの1週間では前の週の3.42倍、今月5日は1.84倍、12日まででは1.13倍で1日当たりの新規感染者数はおよそ103人となっています。
茨城県は先月29日までの1週間では前の週の1.82倍、今月5日は2.05倍、12日まででは1.20倍で1日当たりの新規感染者数はおよそ247人となっています。
栃木県は先月29日までの1週間では前の週の2.54倍、今月5日は1.70倍、12日まででは1.06倍で1日当たりの新規感染者数はおよそ133人となっています。
群馬県は先月29日までの1週間では前の週の3.24倍、今月5日は2.49倍、12日まででは1.14倍で、1日当たりの新規感染者数は136人となっています。
静岡県は先月29日までの1週間では前の週の2.00倍、今月5日は1.76倍、12日まででは1.65倍で、1日当たりの新規感染者数はおよそ235人となっています。
愛知県は先月29日までの1週間では前の週の1.62倍、今月5日は1.88倍、12日まででは1.56倍で1日当たりの新規感染者数はおよそ422人となっています。
滋賀県は先月29日までの1週間では前の週の2.13倍、今月5日は2.66倍、12日まででは1.68倍で1日当たりの新規感染者数はおよそ112人となっています。
熊本県は、先月29日までの1週間では前の週の4.83倍、今月5日は2.40倍、12日まででは1.44倍で1日当たりの新規感染者数は129人となっています。
政府分科会 舘田教授「お盆は移動控え、感染対策徹底を」
新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出されている地域以外でも感染が急激に増加し、全国的に第5波の感染爆発が見られているような状況だ。東京都ではPCR検査の陽性率が20%を超えていて、十分に検査されていない可能性もある。検査されていない人たちの間でさらに感染が広がっている可能性や来週、お盆明け以降に急激な増加として見られてくる可能性も考えておかないといけない」と指摘しました。
また、医療体制について「第4波のときに大阪や関西で非常に厳しい状況になったのと同じようなことがいま首都圏で見られ、全国的に非常に厳しい状況に向かいつつある。東京都ではこれまでにない重症者数になっていて、入院もままならない中で、重症化あるいは亡くなる人も出てくる状況になっていることを認識する必要がある。また、沖縄県では医療の供給体制がぜい弱な部分があり、重症患者が次第に増えてきている状況を考えると、医療のひっ迫から崩壊につながらないよういま対策しなければならない」と強調しました。
そのうえで舘田教授は「とにかくこの1週間、2週間が非常に大事な時期になる。百貨店など大規模商業施設を含めて人が集まる場所に対して休業要請をするなどして人の動きを止めることを考えておかないといけない。この1年半でいちばん厳しい状況になりつつあるということを共有していただいて、お盆はできるだけ移動を控え、自宅の周りの近場で過ごしてほしい。マスクを適切に使うことはもちろん、換気や人と人との距離を取る、人と接触する時間を短くする、これらの感染対策を徹底することが重要だ」と訴えました。

●新型コロナ感染2万人超え 自宅療養者への往診は?代行支援は?  8/13
新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。東京都は過去最多の5773人。全国でも初めて2万人を超え、1日の発表としては過去最多となりました。自宅療養者も急増する中、往診に当たる診療所や買い物などの代行を行っている自治体は、対応に追われています。
13日は午後8時現在、全国で20365人の感染が発表されました。5773人となった東京都のほか、神奈川県(2281人)、埼玉県(1696人)、千葉県(1089人)などでも過去最多を更新しました。
1週間平均で比較しても…
1週間平均での新規感染者数も全国で増え続けています。NHKは各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較しています。8月12日までの1週間では、前の週と比べて1.24倍となり、前週比が1倍を超える「増加」が7週間続いています。
東京の自宅療養者 2万人超え
急速な感染拡大が続く東京都内では、自宅で療養する人が12日、初めて2万人を超えました。1か月前の11.3倍に急増していて、入院の調整が難航し自宅での療養を余儀なくされる人も相次いでいます。今回の第5波では、自宅で療養中に亡くなる人が都が把握しているだけでもすでに3人いて、体調の急変に保健所や都のフォローアップセンターの対応が追いつかないケースも出ています。専門家は、都内の医療提供体制は「深刻な機能不全に陥っている」と指摘していて、救急患者の受け入れも困難となるなか、自宅療養者の体調の悪化を察知して、必要な医療を速やかに届けることが急務となっています。
訪問診療ならではの難しさも
自宅療養者への訪問診療を行っている医師は危機感を強めています。東京・板橋区で在宅医療を行う「板橋区役所前診療所」は、都の依頼を受けて新型コロナウイルスの自宅療養者の往診も行っています。ことし6月までの2か月間に対応したのは合わせて2件でしたが、先月の連休明けから一気に増え、今では多い日で1日10件にのぼるということです。自宅療養者の急増に対応するため、ふだん診ている患者のうち状態が安定している人には薬の処方のみを行うなどして訪問数を半分程に制限せざるをえなくなっているということですが、それでも追いつかないほど依頼が相次いでいるということです。診療所の鈴木陽一副院長は「感染が急拡大して自宅療養者が増えていくことは予想していたが、その渦中に入ってみるとかなり厳しい状況だ。通常の定期的な診療をある程度制限しないと自宅療養者を診ることができないが、なんとかしわ寄せが出ないようにしたい。在宅診療を20年近くやっているが、こぼれてしまう人がいるのではないかと心配している」と話しています。さらには、在宅で診察する難しさも。11日に保健所の依頼で訪問した患者のなかには、生後8か月の赤ちゃんがいました。家族3人全員が感染したということで、赤ちゃんは高熱と下痢が続いていますが、血液中の酸素飽和度をはかるパルスオキシメーターは届いていませんでした。医師は持ち合わせていたパルスオキシメーターを赤ちゃんの指にはめようとしましたがうまくいかず、測定することができませんでした。幸い、聴診では異常はなく呼吸も安定していたため、引き続き在宅で様子を見ることになりました。
また、60代の男性は血中の酸素飽和度の値が低く、聴診したところ肺炎を起こしている可能性が高いことがわかりました。糖尿病などの持病もあるため入院が必要だと判断して保健所に連絡しましたが、この日は受け入れ先が見つかりませんでした。医師は急きょ、自宅で酸素を吸入できる機器を手配しようとしますが、在庫が少なく届けることができても夜間になると言われ、別の会社に依頼してなんとか対応することができました。鈴木副院長は「肺の画像診断が行えないなど病院と同じようにはいかず、自分の判断が本当に正しいのか、難しいと感じる。入院していたら毎日定期的に脈拍や呼吸などの数値を確認するが、在宅では必ずしもそうではなく、急変した場合に誰が気付くのかという危うさがある」と指摘します。
さらに、自宅療養者の診察はそのつど新しい防護服を着て、診察が終わるとかばんや靴の裏まで消毒するなど感染対策を徹底しながら行います。保健所への連絡や薬の処方なども含めると1件当たり通常の訪問診療の倍以上の時間がかかるということです。鈴木副院長は「新型コロナはかぜとは違い、熱やせきも長く続くので自宅療養では不安があると思うし、そんななかで保健所に連絡がとりづらくなっていたり入院がしづらくなっていたりするので、なおさら不安になるのも理解できます。この暑さの中、体力は消耗するができるかぎり力を注いでいきたい」と話していました。
自治体の代行支援 希望者が急増
神奈川県海老名市では、市の職員が食料品を買い物したりゴミ出しを代行したりする支援を希望する人が急増しています。神奈川県では1日に発表される新型コロナウイルスの感染者が13日まで17日連続で1000人を超え、12日の時点で自宅で療養しているのは1万1900人余りにのぼります。
こうした中、神奈川県海老名市は自宅で療養している人のうち、家族の支援が得られない人を対象に、市の職員が食料品や日用品の買い物、ゴミ出しの代行の支援を行っています。12日は、自宅で療養している人から、飲み物の購入依頼が入り、担当者が市内のスーパーから牛乳などを届けていました。
対応職員増やし体制強化へ
海老名市は、県から提供されたリストをもとに6チーム、12人の職員が電話をかけていますが、支援の希望は増え続けているということです。体調の悪化を訴える人が救急搬送されたケースもあるということで市は対応する職員を増やして支援体制を強化する方針です。
海老名市危機管理課の志村政憲係長は、「容体の急変をおそれて、毎日電話をかけてほしいと希望する人も増えていて消防とも連携している。市民に寄り添った生活支援をしたい」と話していました。
舘田教授「この1年半でいちばん厳しい状況になりつつある」
新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、医療体制について「第4波のときに大阪や関西で非常に厳しい状況になったのと同じようなことがいま首都圏で見られ、全国的に非常に厳しい状況に向かいつつある。東京都ではこれまでにない重症者数になっていて、入院もままならない中で、重症化あるいは亡くなる人も出てくる状況になっていることを認識する必要がある。また、沖縄県では医療の供給体制がぜい弱な部分があり、重症患者が次第に増えてきている状況を考えると、医療のひっ迫から崩壊につながらないよういま対策しなければならない」と強調しました。
そのうえで舘田教授は「とにかくこの1週間、2週間が非常に大事な時期になる。百貨店など大規模商業施設を含めて人が集まる場所に対して休業要請をするなどして人の動きを止めることを考えておかないといけない。この1年半でいちばん厳しい状況になりつつあるということを共有していただいて、お盆はできるだけ移動を控え、自宅の周りの近場で過ごしてほしい。マスクを適切に使うことはもちろん、換気や人と人との距離を取る、人と接触する時間を短くする、これらの感染対策を徹底することが重要だ」と訴えました。

●政府、緊急事態の対象拡大を検討 月内解除は困難か 8/13
政府は13日、新型コロナウイルスの全国的な感染急増を受け、東京、大阪など6都府県に発令中の緊急事態宣言の対象地域拡大に向けた検討に入った。
自治体の状況を慎重に見極めつつ、来週にも可否を判断する。31日までの期限については、解除困難との見方が出ている。
菅義偉首相は13日、西村康稔経済再生担当相ら関係閣僚と首相官邸で協議した。その後、記者団に「東京の医療体制は極めて厳しい状況にある」と危機感を強調。不要不急の外出自粛などを改めて呼び掛けた。
内閣官房の資料(12日時点)によると、まん延防止等重点措置を適用中の13道府県では、人口10万人当たりの療養者数、10万人当たりの新規感染者数(直近1週間)の割合が、いずれも宣言発令の目安となる「ステージ4」相当となった。このうち茨城、福岡は既に、宣言発令を国に要請。京都、兵庫も要請を視野に、国と協議する方針だ。
宣言拡大について、政府内には「効果が見通せなければ意味がない」(関係者)などと慎重意見もある。これに対し、西村氏は12日、記者団に「必要となれば機動的に対応したい」と明言した。
宣言地域では依然、感染収束の兆しが見えない。東京の新規感染者数は13日、5773人と過去最多を更新。事態の深刻化は明らかで、政府関係者は「宣言の月内解除はかなり難しい」との認識を示した。
政府の新型コロナ対策分科会は12日、東京での人出半減などを求める緊急提言を公表した。これを受け、首相は13日、記者団に「商業施設などでの人流抑制にしっかり取り組みたい」と表明。今後、集中的に対策強化を図った上で、その効果を踏まえて宣言の扱いを決定する方針だ。 

●なぜ5割削減?「東京などの人出を5割削減」分科会提言の理由  8/13
新型コロナウイルスの感染が爆発的に増加し、医療のひっ迫が深刻化しています。危機的な状況を回避する必要があるとして、政府の分科会は、この2週間、東京都などで人出を7月前半に比べて5割減らすことなど、強い対策を求める緊急の提言を出しました。分科会はなぜ「5割削減」としたのか。科学文化部の水野雄太記者が解説します。
「5割削減」の意味は、“5月の減り方と同程度”
分科会が「人出を5割減らす」ことを求めたのには、とにかく急激に接触の機会を減らし、一刻も早く感染を減らす必要がある、ということがあります。このグラフは、東京の主な繁華街の人出の推移を、時間帯別に示したグラフです。この中の紫色の折れ線は、夜8時から10時の人出の推移です。今回の緊急事態宣言が出た7月前半と、今の時点を比べると、25%しか減っていません。これではもう感染は減らない状態だということです。分科会は、緊急事態宣言前の5割減らさないといけないとしています。これがどれくらいかというと、前回、4月に出された宣言のあと、最も大きく下がった5月上旬並みの人出まで減らすことを求めています。当時は大型連休の期間で大きく人出が減って、その後、5月中旬には1週間平均の感染者数も減少に転じました。今回もこの2週間で人出を5割減らし、なんとか感染を減少の方向に転じさせたいとしています。
コロナ以外の急病やけがも治療受けられないおそれ
いま、分科会の専門家は「救える命が救えなくなるような状況になりつつある」という、非常に差し迫った危機感をもっています。全国でも、当初は少ないと言われていた重症者が、過去最多に迫っていて、40代や50代、それよりさらに若い世代で亡くなる人も出てきています。首都圏、沖縄などでは自宅待機者が急激に増えて、治療を受けられないまま自宅で亡くなる人も実際に出てきています。さらに、コロナに感染していなくても、急病になったり事故でけがをしたりしても、治療が受けられないおそれがあります。東京で重症患者の治療にあたってきた、国立国際医療研究センターの森岡慎一郎医師は「いままでにないぐらい、そもそも入院ができない可能性が高いと思います。コロナになってしまって入院できたとしても、医療機器不足や医療者の不足から、十分な医療が受けられない可能性が出てきています」と話しています。
「混んでいる場所に行く機会を半分に」
自分や家族を守るために、何をすべきか。とにかく「人との接触を可能な限り減らす」ということです。感染力の強いデルタ株が主流になって、学習塾や“デパ地下”といった、これまでなかったようなところでも感染が起きています。お盆休みが始まっていますが、この期間に、県境を越える移動をしないだけでなく、できる限り外に出る機会を減らすことが必要になります。分科会の尾身会長は「混んでいる場所に行く機会を半分に」と呼びかけています。
いま、まさに「災害のような」段階に
ずっと対策が続いて「いつまで我慢すればいいんだ」と納得できない思いを持つ人も非常に多いと思います。しかし、爆発的な感染拡大で、すでにいま、誰にとっても、自分や周りの家族の身を守るためにも感染対策をとらないといけない、まさに「災害のような」段階に入ったと、専門家は警告しています。

●感染経路不明、増加の一途 リスク高い行動歴目立つ 8/13
新型コロナウイルス感染症をめぐっては、専門家が感染拡大の指標の一つとして、接触歴不明者の数と増加比に注目している。感染経路の特定は、効果的な感染対策にもつながるが、接触歴不明者数は増加の一途をたどり、現在は1日当たり約2500人に上る。専門家は「経路の追えない潜在的な感染拡大が生じている」と危機感を示す。
東京都では感染の広がりを反映するとともに、新たなクラスターが形成されている可能性を探るため、接触歴不明者の数と増加比を監視している。
都内では、3回目の緊急事態宣言が蔓延(まんえん)防止等重点措置に移行した直後の6月23日時点の7日平均で、接触歴不明者は1日当たり260・6人。それまでの過去最多だった第3波の1192・4人(1月11日時点)を下回っていた。
しかし、その後、不明者数は増加し、3週間後の7月14日時点では502人とほぼ倍増。さらに2週間後の同月28日時点では1246人に上った。
8月に入ってからも不明者数は増加を続け、11日時点で2484・6人。感染力の強いインド由来の変異株「デルタ株」の拡大で新規感染者数が激増したことが背景にあるが、感染経路を追えない不明者数の急増は想定を超える感染拡大のリスクをはらみ、国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は「厳重な警戒が必要」と危機感を示す。
都内の感染状況を分析する12日のモニタリング会議は「接触歴不明者の増加比が100%を超えることは感染拡大の指標となる」とコメント。不明者数が2カ月以上増え続け、増加比も100%を上回る水準で推移しているとして、徹底した人出の抑制と感染防止策を呼びかけている。
新規感染者に占める感染経路不明者の割合も高い水準にあり、11日時点で63・1%。感染状況をみる国の指標では50%を超えると、感染状況のステージ3(感染者急増)か4(爆発的感染拡大)に該当する。
また、国立国際医療研究センターの研究グループは5月22日から6月29日に同センターの病院に入院した患者のうち、感染経路が分かっていなかった22人について詳しく調査。64%にあたる14人に感染リスクの高い行動歴があったという。このうち、88%が飲食関連で、ほとんどがマスクを付けていなかったという。
こうした行動を取った理由を聞き取ったところ、「外食が感染のリスクだとは知らなかった」「仕事の後なら職員同士でマスクなしで話しても大丈夫だろう」といった回答があったという。
センターでは調査結果から、「感染には飲食が多くの事例で関係していることが分かった」とした上で、「感染防止に対する意識付けや十分な知識が不足しており、今後解決すべき課題といえる」としている。

●「全国に緊急事態宣言」を提案 東京都医師会・尾崎会長 8/13
東京都医師会の尾崎治夫会長は13日、記者会見し、「あと1か月頑張ってもらえば、感染者が減る可能性が出てくるはずだから、こういう政策をとる。こうしたはっきりした出口戦略を示していただきたい」と政府に求めた。そのうえで、47都道府県のほとんどで実効再生産数(1人の患者が何人に感染させるか)が1を超えているとしたうえで、全国に緊急事態宣言を取るなどの措置が必要との認識を示した。
尾崎会長は「いまの医療機関、病院、診療所、現状は大変な状況になっている。色んな協力要請を医療機関にしているが、本当にいまは手いっぱい。ワクチンは打たないといけないし、通常の患者さんがたくさんいる」「救急患者さんもいまだから待ってくださいとは言えない」などと医療現場のひっ迫状況を強調。
新型コロナの感染拡大については「いままでのように東京を中心とする首都圏、大阪を中心とする近畿圏、福岡、北海道、沖縄という問題ではない。すでに全国的な広がりを見せている。従って、全国が災害に見舞われているという状況だと考えて、全国的な、なんらかの抑制措置を取らないといけないのではないかという考えも十分できる」と述べた。そして「その場合は、全国的な緊急事態宣言を出すとか」と緊急事態宣言の全国へ拡大するなどの措置が必要だと訴えた。
全国への適応ができない場合には、現在重症者が多い40代50代に対し、ワクチンの優先接種、テレワークなどにより人との接触を減らすことが大事だとも語った。
現在のコロナ対策については「いままで言っていたような政策はもう誰も言うことを聞いてくれない」と指摘。「去年の第1波の4月くらいの感じで、本当に人流を抑えられるようなことを(する必要がある)。いままでのコロナウイルスとは違う。新しいデルタ株のウイルスは違うタイプの恐いウイルスであるという認識のもとにもう一度仕切り直して政策展開をする必要がある」と述べた。

●小池都知事、コロナは大雨と「結果として同じ災害」パラにも言及 8/13
東京都の小池百合子知事(69)は13日、都庁で定例会見を行い、現在の新型コロナウイルス感染拡大状況を「災害級」と位置付けた。
大雨の影響などで被災している人々に配慮したうえで「見えるか、見えないかの違い。雨粒が重なって水流になり、1人1人の行動によって人流が増える。結果として同じ災害」。感染が広がるデルタ株への国民や都民の意識を高める例えとして、「雨はお天道様の気象条件、コロナは私たちの意思があれば助かることが出来る。土砂降りが続いている中で、家の中が飽きたからといって傘もささずに外には出ていかない。(コロナは)見えないけれども、ものすごい雨。(デルタ株は)強さが違う」。注意喚起を呼び掛け、外出自粛などの基本対策を願った。
前日12日の重症者数は全国で1478人、東京都は218人で、いずれも過去最多。「昨年はじめからのコロナで、最大級、災害級。最大限のレベルで敵が違う。命を守る行動がつながるようにお願い致します」と語気を強めた。
また今月24日に開幕する東京パラリンピックにも言及した。今後、観客の有無に関しては検討されるが、学校連携感染プログラムに関して「パラリンピックの競技を強調してはいけないのでしょうが、はっきり言って感動しますよ。人間の挑戦のすごさ、サポートする人もいる。子どもたちに見せてあげたい。ただ、感染状況や学校の意見もありますので、話し合いながらになりますが」と前向きに検討する考えも示した。

●医療崩壊始まり、菅首相の目には力なし…最悪に向かって突き進む日本 8/13
「制御不能な状況」「災害レベルで感染が猛威をふるう非常事態」「災害時と同様に、自分の身は自分で守らなくてはならない」。12日に開かれた東京都の新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)モニタリング会議であふれた専門家たちの厳しい診断だ。日本の新型コロナ状況は手がつけられないほど悪化している。12日、東京だけで4989人の感染者が報告され、全国的には1万8822人が確認されて2万人に迫っている。東京だけで2万人を超える患者が病床を探せず自宅で療養するなど医療崩壊も現実化している。
「助かる命も助からなくなる」
13日、東京新聞によると、12日を基準として東京都で自宅療養中のコロナ患者は2万726人。東京都の重症患者は218人で歴代最多となっている。全国重症者数も1404人に達して過去最多だった1413人(5月25日)に迫っている。重症患者の大部分はまだワクチンを接種できていない40〜50代だと日本メディアは伝えた。自宅休養中に状態が悪化して救急車を呼んだが受け入れ先の病院が見つからず街をさまよう事例も続出している。13日、朝日新聞によると、千葉県など首都圏では今週以降、病院30〜60カ所に電話をかけないと病床を探すことができない状況が続いている。全国病院長会議では「通常では助かる命も助からなくなる」という切迫した診断が出てきた。
「緊急事態ではなく通常事態」
問題は現状を打開する方法が見つからないということだ。日本ではすでに全国47都道府県のうち東京を含む6都府県に新型コロナ防疫措置の最高段階である「緊急事態宣言」が発効されていて、京都など13道府県にはその下の段階である「まん延防止等重点措置」が実施されている。だが、オリンピック(五輪)によって「自粛の雰囲気」は完全になくなり、9日から15日までの長期連休「お盆休み」で帰省や休暇の人波も続いている。政府は緊急事態地域を大幅に拡大し、期間も現在の8月末から9月末まで延長する方案を考慮中だが、政府内ですらすでに「『緊急事態』ではなく『通常事態』」という自嘲まで出てきている状況だ。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は12日、現在日本内に危機感が共有されていないことを懸念しながら「東京都の人出を昼夜を問わず緊急事態宣言直前の7月前半に比べて5割減らす必要がある」と強い警告メッセージを出した。
「目に力がない」菅義偉首相の健康悪化が懸念
オリンピック(五輪)以降、新型コロナの爆発的拡大が予想されていたにもかかわらず開催を強行した菅義偉首相は口を閉じている。コロナ状況で完全な休暇は出すことができないが午前遅く出勤して午後早く退勤する「夏休みモード」で送っている。13日、読売新聞によると、菅首相は日曜日だった今年3月28日を最後に完全な休日を送ったことがなく、12日まで137日連続で執務に臨んでいる。菅首相と頻繁に対面する閣僚の間では「首相はやつれたように見える。目に力がなくなった」という話が出る。疲労が蓄積したためか、会議中にも懸案に集中できず拍子抜けするほど淡々とした面会になる場合も増加しているという。菅首相は1948年12月生まれで満72歳だ。読売新聞は安倍晋三前首相が新型コロナ状況で147日連続で執務した後、持病である潰瘍性大腸炎が悪化して退陣した事実を取り上げながら、過労による菅首相の健康悪化を心配した。

●コロナ感染「制御不能な状況」も、政府はロックダウン導入に慎重 8/13
五輪が閉幕した日本では新型コロナウイルスの感染が過去最悪のレベルで拡大している。自治体や自民党内などから欧州各国が行ったロックダウン(都市封鎖)のような強制措置を伴う対策の検討を求める動きもあるが、有権者の反応が不透明なこともあり、衆院選を目前に控える菅義偉首相は現時点で慎重な姿勢を崩していない。
昨年からのパンデミック(世界的大流行)で欧州各国が私権制限を伴う対策に踏み切ったのに対し、日本は不要不急の外出自粛を呼び掛けるなど強制力のない方法で臨んだ。人口が半分の英国は死者13万人、感染者600万人余りを記録しているのに対し、日本の死者数は約1万5000人、感染者数は約100万人だ。
局面が変わったのは各国で猛威を振るうデルタ株の感染拡大だ。東京に4回目の緊急事態宣言が発令されてから1カ月が経過したが、13日の新規感染者数は5773人、重症者数も227人といずれも過去最多を更新した。全国の感染者数も1万人超の日が続いている。
最大級・災害級の危機
国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、モニタリング会議で、「制御不能な状況」と指摘。小池百合子知事も13日の記者会見で「今まさに最大級、災害級の危機を迎えている」と話した。
政府は一連の緊急事態宣言で都道府県知事に対し事業者を規制する権限を与えたが、個人の活動を縛る仕組みはない。最近は飲食店に対し、アルコールの提供停止と午後8時までの営業時間短縮に重点的に取り組んできた。命令に違反した場合は30万円以下の過料を科す罰則規定もあるが、従わない飲食店も続出した。
全国知事会は1日にまとめた緊急提言で、デルタ株による感染再拡大が全国の多くの地域で急速に進んでいると指摘。徹底した対策を行うため、緊急事態宣言の機動的な発動や運用改善、さらに強い措置となる「ロックダウンのような手法のあり方」についても検討するよう求めた。自民党の下村博文政調会長も4日、BSフジの番組で緊急事態宣言について「だんだん効果がなくなりつつある」として、罰則を伴う外出禁止令の法制化を検討すべきだとの認識を示した。
JNNが7、8両日に行った世論調査によると、4回目となる現在の宣言について「あまり効果はない」「全く効果はない」との回答は合わせて76%。東京都などで実施している措置は「緩すぎる」とした人は49%、「妥当だ」が41%だった。
憲法の制約
占領下に制定された憲法が第22条で移転の自由を保障していることも、日本で強制的な措置に踏み切る障害とされてきた。一方で憲法は、国が公衆衛生の向上および増進に「努めなければならない」とも規定している。弁護士の永井幸寿氏は現行憲法下でもロックダウンの導入は可能だが、強い措置であることから法律の制定も必要となり、最後の手段として残すべきだと指摘する。他の方法をまずは模索すべきだとの考えだ。
政府は当面、現行法の枠組みで対応する方針だ。菅首相は7月30日の記者会見で、欧州など行われたロックダウンに関して解除後に見られる再度の感染拡大で「なかなか出口が見えなかった」と指摘し、日本では同様の手法は「なじまない」と語った。「ワクチンが明確に効くというのは日本でも結果が出ている」として、一日も早く、一人でも多くの国民が接種できるような体制を組むことが「一番大事だ」と話す。
新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長は12日、東京の人流を2週間で7月前半の約5割に削減するよう呼び掛ける提言を発表した。具体的にはデパートの地下食品売り場(デパ地下)やショッピングモールの人出を強力に抑制することなどを挙げた。コロナ治療に関わっていなかった医療機関に協力を求めるよう国や自治体に促した。

●コロナ治療の医療従事者、濃厚接触者の制限を緩和 8/13
新型コロナウイルスの治療にあたる医療従事者がワクチン接種を終えている場合、濃厚接触者と認定されても14日間の自宅待機を条件付きで緩和すると、厚生労働省が13日、都道府県などに通知した。東京都など感染が拡大する地域で医療の逼迫(ひっぱく)が深刻になる中、担い手を確保するねらいがある。
2回の接種後、効果が得られるとされる14日間が経過している必要がある。コロナ治療にあたっていれば、コロナ病棟に勤務していなくてもよい。症状がなく、業務前に毎日、PCR検査や抗原定量検査で陰性を確認することなどを条件に、勤務を可能にする。マスクや手指消毒などの基本的な感染対策の徹底や、通勤時に公共交通機関を使わないことなどを求める。「緊急的な対応」としている。
医療従事者の濃厚接触者の扱いは、厚労省の専門家組織が11日に議論。家族らが感染して医療従事者が濃厚接触者となり、現場から長く離脱すると、医療の提供に支障が出るとして、一定の条件のもと緩和するよう求める声が上がっていた。

●ついに… 新型コロナ感染、1日2万人超えに騒然 8/13
感染拡大の続く新型コロナウイルス。13日、東京都で過去最多となる5773人と発表されたほか、神奈川県で2281人など全国各地で最多の感染者数が次々と発表された。NHKは午後5時40分過ぎに「1日の感染者が2万人を超えた」とニュース速報を出し、SNSでは「2万人」がトレンドワードに。「1日で2万人がコロナにかかるとか、海外レベルになってて恐ろしすぎる」などの声が上がった。
ツイッターでは「新しく、2万人…なんだよねぇ」「年末年始の第3波でもピークで8000人に届いていなかったのを考えると、恐ろしい事態です」「1万人行ってから半月で2万人か。このペースなら来月は毎日5万人とかになりそう」「1日2万人出たら50日で100万人でしょ、いつかかってもおかしくないくらいやばくね」などのコメントが続々と。
また「2万人超えて対策が家出るなって一年半同じことしか言ってない。やる気がないなら辞めていただきたい。本気で国民の命と生活を優先し感染対策をやる意志のある人に変わってください」と有効な対策が出せない菅政権に厳しい声も突きつけられた。

●「感染拡大の反省がなければ、政治の声届かない」 8/13
国内で初めて新型コロナウイルス感染者が2万人確認された13日、菅義偉首相は、官邸で記者団の囲み取材に応じた。菅氏はこれまでの取り組みへの総括を求められたのに対し、「私自身、自己評価することは僭越だと思う」と評価を避けた。
記者は「感染拡大を招いたこれまでの総括や反省がなければ、国民に政治の声が届かない。これまでの取り組みを結果をどのように自己評価されていますか」と質問した。
これに対し、菅氏は「自己評価することは僭越だ」とした上で、「やはりワクチンだということで、人流の抑制と同時に、そうしたことをしっかり全力で取り組んできています」とこれまで進めてきたワクチン接種の取り組みを強調。「国民の皆さんに、大変ご不満があろうかと思いますけども、ワクチンでも10月の初旬までには、日本国民全員に2回、8割の希望する方に打てるような態勢も作っている。とにかく全力で取り組んできたい」と述べた。
また菅首相は「東京の医療体制は極めて厳しい」と危機感を示した。その上で「国民の命を守ることが政府の最大の責務」とし、自宅療養中の患者への酸素投与を可能とするために酸素ステーションの態勢を構築するよう関係閣僚に指示したことを明らかにした。
さらに「お盆休みは感染防止の大事な時期だ。帰省や旅行を極力避け、不要不急の外出をできるだけ控えてほしい」と述べたほか、「商業施設などの人流抑制にしっかり取り組む」と語った。
菅首相と記者団との主なやり取り
Q 本日、東京のコロナ感染者数が過去最多を更新した。全国のコロナ感染者数は本日、2万人をはじめて超えた。東京は重症者数も過去最多となり、専門家からは救える命も救えない状況になりつつあるという声が上がってる。政府の現状認識は?
A まず各地で、過去最大の感染者数が続いている。それに伴って、重症者数も増加をしている。東京の医療体制、極めて厳しい状況にあるというふうに思っている。そうした中にあって、国民の生命を守るこれが政府の最大の責務であります。そういう中で、関係閣僚と議論した。自宅にいる患者には、必ず連絡が取れるようにし、自治体と連携をして例えば酸素の投与が必要になった場合、酸素ステーションを設置して、そこで対処する。そうした体制を速やかに構築するように関係大臣に指示した。また、非常に重症化防止に効果があると言われる、新しい薬、中和抗体薬は医療機関の中で治療できるようにする。同時に、そのための集中的に使用できる拠点を作って、そこでも行うことができるように、そういう体制を近いうちに整備をする。昨日の分科会、尾身会長の提言を受けて、関係団体としっかり連携して、商業施設などによる人流の抑制はしっかり取り組んでいきたい。お盆休みの方が、多くいらっしゃる。そうした中にあって、感染を防止する極めて大事な時期でもある。国民の皆さんにはご不便をかけますけれども、帰省や旅行、極力避けていただいて、そして、不要不急の外出をできるだけ、控えていただくように、政府としてもお願いを申し上げたい。
Q 4回目の緊急事態宣言ですが、効果があまり出ていないが、人流を減らすことに関して、何か新たな対策というのは取らないのか。
A 今、私申し上げましたように、医療体制はしっかり態勢を議論して、そうしたことに全力を尽くす、必ずご自宅にいる方には、連絡を取れるような体制を自治体と連携してやっていく。重症化に非常に効果があるといわれる、この中和抗体薬、ここもしっかり対象の患者の皆さんには、投与できる、そうした体制を構築している。
Q 感染拡大を招いたこれまでの総括や反省がなければ、国民に政治の声が届かないと思います。これまでの取り組みと、その結果を総理ご自身、どのように自己評価するか。
A 私自身、自己評価することは僭越だと思う。政府がやってきている、例えばこのワクチン接種状況、高齢者には7月いっぱいで、全て投与する、ここを実現させいただいた。また1日100万回を目指すという約束をした。これも130万回とか、あるいはその企業職域などにはプラス20万回とか。そうした形で1人でも多くの方に1日も早く接種をする。それと同時に、世界でロックダウンをする、外出禁止に罰金かけても、なかなか守ることができなかったじゃないですか。それに対して対応するために、やはりワクチンだということで、人流の抑制と同時にしっかり全力で取り組んできています。国民の皆さんに、大変ご不満があろうかと思いますけども、ワクチンでも10月の初旬までには、日本国民全員に2回、8割の希望する方に打てるような体制も作ってますから。とにかく全力で取り組んできたい、このように思います。
 

 

●新型コロナ 東京都5094人感染確認 土曜日最多 8/14
東京都内では14日、5094人の感染が確認されたほか、都の基準で集計したきょう時点の重症の患者は245人で、過去最多を更新しました。都の担当者は「新規の感染者を一刻も早く減らさないと重症者も減らず、亡くなる人も出てくる可能性がある」としています。
東京都は、14日、都内で新たに10歳未満から100歳以上までの男女あわせて5094人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。5000人を超えるのは2日連続です。また、1週間前より528人増えて、土曜日としてはこれまでで最も多くなり、感染の急激な拡大が続いています。14日までの7日間平均は4231.1人となりました。前の週と比べて8.7%増えました。
都の担当者は「きのう、過去最多を更新し、きょうも5000人以上。こういう規模の感染者が続くと最多を更新しても『やっぱりな』と思ってしまうかもしれないが、とんでもない状況だと認識してほしい。新規の感染者を一刻も早く減らさないと重症者も減らず、亡くなる人もこれから出てくる可能性がある」と話しています。
14日の5094人の年代別は、10歳未満が271人、10代が468人、20代が1568人、30代が1079人、40代が824人、50代が583人、60代が164人、70代が63人、80代が49人、90代が24人、100歳以上が1人です。
感染経路がわかっている1941人の内訳は「家庭内」が最も多く1305人、「職場内」が270人、「施設内」が93人、「会食」が51人などとなっています。
このうち「会食」では、20代の会社員の女性が友人の家で5人で食事をし、5人全員の感染が確認されたケースが報告されています。
都の担当者は「早めのお盆で親戚の家に集まったり、友人と旅行に行ったりして感染したケースが実際に報告されている。旅行や帰省は控え、人との接触をなくすことに力を入れて対策をしてほしい」と話しています。
東京オリンピック・パラリンピックの関連では外国人のメディア関係者1人、日本人の委託業者1人のあわせて2人の感染が確認されました。
これで都内で感染が確認されたのは、27万4837人となりました。
一方、14日時点で入院している人は3762人で、13日より35人増え、8日連続で過去最多を更新しました。「現在確保している病床に占める割合」は63.0%です。
また、都の基準で集計した14日時点の重症の患者は13日より18人増えて245人で、5日連続で過去最多を更新しました。都が、現在確保している重症患者用の病床の使用率は62.5%となりました。

●東京都 保健所の業務ひっ迫で濃厚接触者などの調査を縮小 8/14
新型コロナウイルスの急激な感染拡大で保健所の業務がひっ迫しているため、東京都は、保健所が行う感染者の濃厚接触者などの調査の縮小を決めたことが関係者への取材で分かりました。各保健所は患者の健康管理により重点を置くとしています。
急激な感染拡大に伴い、入院調整が難航して自宅待機の患者が増え続けていて多くの保健所ではその対応に追われるなど、業務がひっ迫しています。
この状況を受けて、東京都は、各保健所では患者の病状や重症化リスクを把握して、速やかに適切な医療につなげることに重点を置き、濃厚接触者や感染経路を調べる積極的疫学調査は「優先度を考慮して効果的かつ効率的に行う」とした文書を今月10日付けで都内の保健所宛てに出していたことが分かりました。
都の関係者によりますと、積極的疫学調査の対象は、感染者と同居する家族のほか、学校、医療機関、それに高齢者施設などにとどめ、職場や会食などで感染した場合には、周囲への調査は行わないということです。
積極的疫学調査は、感染の可能性がある人に自宅で待機してもらうなど、大きなクラスターを作らない対策に役立てられてきましたが、感染の拡大に伴う業務のひっ迫で埼玉県も縮小を決めています。
こうした対応について東京の中央区保健所の吉川秀夫健康推進課長は「自宅療養で呼吸困難を訴える患者への対応で手一杯で、やむをえない判断だと思う」と話していました。

●福島県、新型コロナ116人感染 月別最多1224人、県計7056人 8/14
県は13日、県内で116人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。12日に陽性と判明した。8月の感染者数は1224人と、月別で最多だった5月の1179人を約2週間で上回った。
直近1週間(6〜12日)の人口10万人当たりの新規陽性者数は40.90人と初めて40人台に上り、急激な感染拡大に歯止めがかかっていない。
県内の感染確認は延べ7056人で、7000人を超えた。人口10万人当たりの療養者数は54.71人となり、過去最多を更新した。これで感染状況を示す七つの指標のうち、新規陽性者数と療養者数、病床使用率(66.7%)の三つがステージ4(爆発的な感染拡大)、入院率と重症者用病床使用率、PCR陽性率の三つがステージ3(感染者の急増)の水準にあり、危機的な状況が続いている。
12日現在の入院者数は重症14人を含む398人で、136人が宿泊療養中、321人が自宅療養している。療養先調整中の155人を含めた療養者数は、1010人に上っている。県は、感染力の強い変異株「デルタ株」の広がりやお盆期間前の人流の増加が感染拡大の背景にあるとして、県民に旅行や帰省の原則中止または延期を求めている。
陽性と判明した116人の内訳は、いわき市46人、郡山市29人、福島市9人、本宮市7人、会津若松市6人、二本松市3人、須賀川、南相馬、磐梯、西郷の各市町村が2人、大玉、会津坂下、会津美里、玉川、三春、広野の各町村が1人、県外2人。46人の感染経路が分かっていない。
県内117件目のクラスター(感染者集団)が発生した県北の事業所で従業員1人の感染が分かり、クラスターは計39人に拡大した。12日までに45人が退院、9人が宿泊療養施設を退所し、54人の自宅療養が解除された。

●新型コロナ 茨城、保育施設でクラスターか 園児ら感染者5人に 茨城県 8/14
茨城県は14日、県内の新型コロナウイルス感染状況の発表で、筑西市内の保育施設と常総市内の事業所で新たなクラスター(感染者集団)発生の可能性があるとの認識を示した。
県によると、保育施設では新たに園児1人の感染が分かり、施設内の感染者は職員3人を含む計5人に増えた。事業所でも新たに1人が陽性となり、従業員の感染は計5人となった。県はこの事業所について、「普段の生活の場でも接触が多いとみられる状況」と説明。
このほか、常総市内の高校では課外授業を受けていた生徒1人が陽性となり、授業参加生徒の感染は計7人となった。つくば市内の大学バスケットボール部でも感染者が1人増え、計32人に拡大した。

●大型商業施設のフロアに入場制限を 今、命の危機に直面…埼玉県 8/14
埼玉県は13日の新型コロナウイルス対策本部会議(書面開催)で、大型商業施設のフロアごとの入場制限徹底など、緊急事態宣言に伴う県内措置の強化を決めた。また、大野元裕知事ら首都圏1都3県知事は同日、人流抑制を強力に進めるため、基本的対処方針の変更を政府に要請した。県内は2日から31日まで、緊急事態宣言の対象区域となり、不要不急の外出自粛や酒類を提供する飲食店に休業を要請するなど感染拡大防止策を行っているが、13日には県内の新規陽性者が過去最多の1696人となるなど、感染拡大に歯止めがかかっていない。
大野知事は記者団に「私たちは今、命の危機に直面している。これ以上感染拡大が続く場合、医療崩壊につながる可能性が出てきている。県民、事業者には今の状況を考え、協力をお願いしたい」と危機感を強調した。
県は床面積1千平方メートル以上の1150店舗を対象に、新型コロナ特措法に基づき、一階(フロア)ごとに来店客らを繁忙期の半分程度となるよう、入場整理の徹底を求める。駐車場の利用も繁忙期の半分程度の台数を目安とし、駐車場整理の徹底も求める。
4都県知事が西村康稔経済再生担当相に提出した要請書では、12日の政府分科会の提言を受け、百貨店の食料品売り場やショッピングモールなどへの人出を強力に抑制するための有効な措置を実施できるよう、政府が基本的対処方針を変更するよう要請。人流抑制のため都道府県が新たに行う措置に、国が全面的財政措置を講じることや、都道府県間をまたぐ長距離移動を減らすため、航空機や鉄道など公共交通機関の利用抑制へ政府が策を講じることも盛り込まれた。
7日から13日の1週間の県内新規陽性者は9590人(1日平均1370人)。新規感染者急増に伴い、医療機関への負担も増しており、12日時点の県内確保病床使用率は68・7%(1159人/1688床)、うち重症者は62・9%(107人/170床)となっている。
一方、高田直芳県教育長は13日、児童生徒の感染が急増していることから、県立高校の夏休み中の部活動について、大会やコンクールに出場する場合を除き活動を現在の週4日以内から週2日以内とし、練習試合は禁止すると表明。市町村教委には県立学校に準じた対応を要請し、私立学校にも協力を求めるとした。 

●静岡県で318人 感染急拡大が続く 3日連続で300人超 8/14
新型コロナウイルスの感染者は、14日新たに318人確認されました。300人台は3日連続です。14日は、浜松市で71人、静岡市で65人など、合わせて318人の感染が確認されました。12日の354人、13日の379人に続いて、300人を超えるのは3日連続となります。
浜松市で起きている学習塾のクラスターは家族など2人の感染が新たに分かり、一連の感染者は2次感染も含めて57人となりました。
三島市の事業所では、合わせて5人の陽性者が判明し、県は新たなクラスターに認定しています。研修会に参加した従業員を中心に、感染が広がっているということです。
病床の使用率は、西部54.3パーセント、中部59.6パーセント、東部61.6パーセント、県全体で58.2パーセントとなっています。

●新型コロナ感染、初の100人超 デルタ株で拡大 長野県 8/14
長野県内で確認された感染者数が13日、109人に上り、1日あたりの人数としては初めて100人を超えた。県は感染力の強いデルタ株の拡大が要因とみている。県は、新たに諏訪圏域内で酒類を提供する飲食店に休業や営業時間短縮を要請することを決めた。
13日に県と長野、松本市が発表した新規感染者は、10歳未満〜80代の109人。84人だった12日を上回り、2日連続で過去最多の人数となった。県内の感染者数は延べ6037人(再陽性者を含む)。
13日の新規感染者の内訳は、重症1人、中等症2人で、ほかは軽症か無症状。県によると、13日夕時点で重症者は1人、中等症者は計44人という。
また、13日発表分のうち感染経路不明者は42人(39%)に上った。県が7〜13日に発表した感染者のうち、直近に県外との往来があったのは66人で、このうち20人が「帰省」を理由にしていた。県は、県外との往来も感染拡大の一因とみており、帰省を控えるよう呼びかけている。
13日発表の新規感染者には、今月上旬に伊那保健所管内であった宿泊施設での行事の参加者4人が含まれる。この行事では、すでに1人の感染を確認。計約50人の参加者全員が県外から訪れていたという。行事の中でマスクを外した時間帯もあったといい、検査が進められている。
また、松本市の感染者12人のうち4人は、これまで6人の感染が分かっていた同市内の高校の運動部の生徒。同部の感染者は計10人になった。
酒類を提供する飲食店を対象に、県が休業や時短の要請を新たに出すのは、諏訪、岡谷、茅野、下諏訪、富士見、原の6市町村。期間は16〜26日。要請に応じた場合、中小店舗なら売り上げ規模に応じて1日あたり2・5万〜7・5万円の協力金が支払われる。県は13日、諏訪圏域に対する県独自の感染警戒レベルを「5」(特別警報U)に引き上げた。

●連日の100人以上 長野県で感染者急増 前週353人→今週489人 8/14
14日、長野県内で新たに100人が新型コロナウイルスに感染したことがわかりました。1日あたりの新規感染者は2日連続で100人以上となりました。
県内でも感染拡大が止まりません。今週1週間(8月8日から14日)に発表された新規感染者は489人で前週の353人を大きく上回りました。12日に過去最多の84人が確認され、翌13日には初めて100人を超えました。
きょう14日発表の新規感染者100人のうち、感染経路不明は31人で3割以上を占めています。県外往来のある人は9人。県外在住者は13人で、「県外由来」とみられる感染も目立っています。懸念されるのは、こうした人との接触による、家庭内、職場内などでの感染拡大です。
阿部知事は13日、「これまでにない大きな新型コロナの波がきている」と強い危機感を示し、これまで以上に厳格な感染対策への協力を県民に求めるとともに、「県内への帰省、県外との往来はできるだけ控えてほしい」と呼びかけています。

●検査件数は過去最多2677件…新型コロナ 石川県で新規感染者86人 8/14
石川県は新たに86人が新型コロナに感染し、1人が死亡したと発表しました。検査件数は過去最多です。
新たに感染が確認されたのは金沢市や小松市などに住む1歳未満から70代までの男女86人です。内訳は感染経路が分からない人が31人。濃厚接触者などが45人。金沢市中央卸売市場関連のクラスターが10人です。検査件数は2677件と過去最多となりました。このうち金沢市中央卸売市場関連では382件の検査が行われ、そのほとんどが12日から始まった一斉PCR検査です。
県によりますと、一斉PCR検査の結果がまだ出ていない人は200人ほどいるということです。また、新たに1人の死亡が確認されました。県のモニタリング指標は新規感染者数と経路不明者数がステージ4となっています。 

●帰省した家族らがクラスター 岐阜県で123人感染 8/14
岐阜県と岐阜市は14日、県内27市町などで計123人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。新規感染者が100人を超えるのは4日連続。感染者は累計1万562人となった。
感染者のうち、20代は48人、10代は22人と若者が多く、30代以下は約8割を占めた。60代以上は2人だった。
13日時点の病床使用率は前日比4・8ポイント増の37・2%で、9日連続で上昇している。宿泊療養施設は318人が入所し、5月23日以来83日ぶりに300人を超えた。14日時点の重症者は4人のまま。
14日は新たにクラスター(感染者集団)3件を確認した。京都府と沖縄県から岐阜県内に帰省した人やその家族の計5人に感染が広がった。本巣市の職場関連では6人の感染が分かった。県によると、このうち5人は10人で食事会を開いていた。この他、瑞浪市の家族関連で5人が判明した。
県健康福祉部の堀裕行部長は「帰省や職場などで食事による感染が目立っている。このまま感染者が増え続ければ、入院できない事態が起こりうる。ここで感染の拡大を防いでいきたい」と強調した。
拡大したクラスターは8件。各務原市の保育園や関市の福祉施設では利用者の家族ら4人の感染が新たに分かり、計23人となった。多治見市の習い事教室を巡っては新たに4人の感染が判明し、計10人となった。
デルタ株の可能性がある「L452R変異株」の陽性者は新たに49人を確認し、計137人となった。
新規感染者の居住地別は、岐阜市23人、多治見市17人、各務原市13人、大垣市12人、中津川市6人、瑞穂市5人、美濃加茂市、可児市、郡上市が各4人、関市、羽島市、土岐市、羽島郡笠松町が各3人、山県市、羽島郡岐南町、安八郡安八町、可児郡御嵩町が各2人、美濃市、瑞浪市、恵那市、本巣市、海津市、養老郡養老町、安八郡輪之内町、加茂郡富加町、同郡七宗町、同郡八百津町が各1人。東京都、愛知県が各2人、北海道1人。
年代別は10歳未満6人、10代22人、20代48人、30代19人、40代15人、50代11人、60代、80代が各1人。

●学童保育所でクラスター拡大、過去最多179人感染 滋賀 8/14
滋賀県は14日、新たに10歳未満〜90歳以上の男女179人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日当たりの新規感染者数の過去最多(12日の164人)を更新した。中等症の1人以外は軽症か無症状。自宅療養者は前日から172人増えて、456人になった。県内での感染確認は計7505人。
居住地別では、大津市71人、草津市19人、東近江市17人など。クラスター(感染者集団)関連では、東近江市の学童保育所「能登川東こどもの家」で児童1人の感染が判明して計36人となった。
また、県はデルタ株の疑いがあるウイルスが県内の男女33人から新たに検出され、計363人になったと発表した。

●京都市内の高齢者施設でクラスター拡大、2人が中等症 8/14
京都府と京都市は14日、未就学児から90代以上の男女計378人が、新たに新型コロナウイルスに感染した、と発表した。238人の感染経路が分かっていない。症状は2人が中等症、301人が軽症か無症状で、75人が調査中。府内の感染者は2万2169人となった。
市発表分は229人で、居住地は市内219人のほか、宇治市5人、大阪府3人、京田辺市と滋賀県が各1人。既にクラスター(感染者集団)が発生している京都市内の高齢者施設で感染者が2人増え、計9人となった。13日までに8人の感染が判明している市内の運動施設で1人の感染が新たに分かった。
府発表分は149人。居住地は宇治市29人、亀岡市22人、舞鶴市19人、城陽市14人、長岡京市と八幡市が各12人、京都市8人、京田辺市と木津川市が各7人、向日市4人、精華町3人、大阪府と京丹後市が各2人、福知山市、綾部市、南丹市、大山崎町、久御山町、宇治田原町、与謝野町、神奈川県が各1人だった。クラスターが発生している陸上自衛隊大久保駐屯地(宇治市)で感染者が1人増え計25人、東舞鶴医誠会病院(舞鶴市)で6人増え計21人、障害者施設あけぼの学園(南丹市)で1人増えて計18人になった。

●京都刑務所のクラスター拡大、新たに高齢者施設でも 京都 8/14
京都府と京都市は13日、10歳未満から90歳以上の男女計450人が、新たに新型コロナウイルスに感染した、と発表した。1日当たりの新規感染者数が初めて400人を超え、3日連続で過去最多を更新した。272人の感染経路が分かっていない。症状は359人が軽症か無症状で、91人が調査中。府内の感染者は2万1791人となった。
市発表分は266人で、居住地は市内258人のほか、大阪府2人、宇治市と京田辺市、向日市、滋賀県、奈良県、千葉県が各1人。既にクラスター(感染者集団)が発生している京都刑務所(山科区)で職員1人の感染が分かり、感染者は計9人となった。13日までに7人が陽性となった市内の高齢者施設でクラスターの発生を認定した。
府発表分は184人。居住地は宇治市29人、亀岡市と長岡京市が各21人、城陽市19人、舞鶴市18人、京都市14人、八幡市13人、木津川市11人、京田辺市9人、向日市6人、久御山町4人、南丹市3人、福知山市と大山崎町、精華町、京丹波町、大阪府、神奈川県が各2人、綾部市と和束町、与謝野町、滋賀県が各1人だった。陸上自衛隊大久保駐屯地(宇治市)で感染者が2人増え計24人、東舞鶴医誠会病院(舞鶴市)で2人増え計15人になった。
また、府は6月28日〜8月1日の府内新規感染者のうち80人から、インド由来の変異株「デルタ株」を追加で確認した、と発表した。デルタ株の陽性判明は累計125人となった。

●陸自や病院などでクラスター拡大続く 新型コロナ・京都 8/14
京都府と京都市は14日、新たに男女計378人が、新たに新型コロナウイルスに感染した、と発表した。府内の感染者は2万2169人となった。
府発表分は149人。居住地は宇治市29人、亀岡市22人、舞鶴市19人、城陽市14人、長岡京市と八幡市が各12人、京都市8人、京田辺市と木津川市が各7人、向日市4人、精華町3人、大阪府と京丹後市が各2人、福知山市、綾部市、南丹市、大山崎町、久御山町、宇治田原町、与謝野町、神奈川県が各1人だった。クラスターが発生している陸上自衛隊大久保駐屯地(宇治市)で感染者が1人増え計25人、東舞鶴医誠会病院(舞鶴市)で6人増え計21人、障害者施設あけぼの学園(南丹市)で1人増えて計19人になった。市発表分は229人。

●新型コロナ感染爆発の大阪は…過去最多1828人確認 8/14
大阪府は14日、新たに1828人の新型コロナウイルスの感染を確認したと発表しました。年代別で最も多いのが20代の487人、次いで30代の329人、40代の277人、また未就学児は111人、就学児72人の感染が確認されています。亡くなった人は0人、重症者の患者は新たに基礎疾患のない40代男性3人を含む138人で、重症病床運用率は43.4%、また軽症・中等症の患者は1706人で病床運用率は71.5%となっています。
新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、関西の百貨店では、一部売り場への入場を制限する動きが広がっています。阪急うめだ本店では、政府の分科会の提言などを受け13日から、地下2階・地下1階にある食品売り場への入場を制限する対応を始めています。地下のフロア行きのエスカレーターなどを停止し、客は1階の特定の入り口からのみ食品売り場に入れるなどの措置をとっています。また高島屋大阪店も、地下1階の食料品売り場が混雑した場合、当面の間、入場制限を行うということです。

●大阪の医療体制、厳しさ増す 入院・宿泊療養を制限 8/14
大阪府の新型コロナウイルスの感染急拡大に歯止めがかからない。1日あたりの新規感染者は4日連続で1400人を上回った。病床の逼迫は加速しており、府は入院や宿泊療養施設の入所を制限する方向に舵(かじ)を切った。
府内の新規感染者は約2週間にわたり連日1千人を上回る。14日の新規感染者は1828人で、「第4波」のピーク時の1260人を大きく上回る。緊急事態宣言の下でも、感染収束の兆しは見えない。吉村洋文知事は13日、記者団の取材に「非常に厳しい状況だ。病床がなかなかもたなくなってくる」と語った。
14日時点の重症患者は前日より3人増の138人、最大確保病床の使用率は23・5%。軽症・中等症患者は68人増の1706人、病床使用率は67・3%にのぼる。府は感染拡大が続けば、軽症・中等症病床に続き、重症病床も逼迫してくると警戒する。
これまでは、早期治療で重症化と入院長期化を防ごうと幅広く入院や宿泊療養を受け入れてきたが、13日に方針を転換した。65歳以上は原則入院だったが、中等症以上か重症化リスクのある人に制限。入院の必要がない人は宿泊療養という原則も見直し、40歳以上やリスクのある人に絞る。
府幹部は「治療や健康観察が必要な人への対応が遅れないように入り口を絞らざるを得ない」と話す。ただ、増加が見込まれる自宅療養者の症状急変に十分対応できるのかという課題は残ったままだ。

●感染者の半数20代以下 コロナ第5波、東播でも拡大 8/14
新型コロナウイルス感染の「第5波」が、兵庫県の東播地域でも拡大している。7月以降の新規感染者は、ワクチン接種が進んでいない50代以下が9割を超え、特に20代以下が約半数を占める。8月1日にまん延防止等重点措置区域に含まれ、飲食店には時短営業と酒類提供禁止が要請されたが、若年層を中心に広がっている。お盆の帰省で人の移動が増える可能性があり、感染対策の徹底が求められる。(若林幹夫)
東播2市2町の直近1週間平均の新規感染者数を見ると、兵庫県に対して3度目となった緊急事態宣言の期間が終了した6月20日ごろは減少傾向だったが、7月に入り、再度増加に転じた。増加ペースは日を追うごとに大きくなっている。
感染予防に有効とされるワクチンについて、2市2町の接種状況は、7月末時点で65歳以上の高齢者はおおむね8割が2回目を終えたが、若年層の接種が本格化するのはこれから。第5波を含む7月1日〜8月12日、年代別の感染者は60代以上が6・8%と、第4波までと比べて大きく抑えられているのに対し、20代以下が49・8%を占める。
年代別では、20代=28・0%、50代=17・5%、30代=14・2%、10代=13・8%、40代=11・7%−と続く。
8月2週目の週明けは新規感染者数が一時的に減ったが、12日には88日ぶりに30人以上となる36人が確認された。発表される新規感染者のうち、半数以上の感染経路が分かっていない日もあり、感染への警戒が必要な状況は続く。

●新型コロナの感染拡大続く 新規感染者は46人 宮崎県 8/14
14日、宮崎県内で新型コロナウイルスへの感染が新たに46人確認されました。
新たに感染が確認されたのは10歳未満から60代までの男女あわせて46人です。居住地別では宮崎市が27人、日向市が5人、延岡市・三股町・日南市がそれぞれ2人などとなっています。新規感染者のうち家族や知人・同僚などとの接触で28人の感染が判明しました。いまのところ感染経路不明が13人で県外への訪問歴や来県者との接触がある人が5人となっています。インド由来の変異ウイルスデルタ株疑いが新たに27人確認されました。
県感染症対策室・有村公輔室長「これ以上の感染拡大を防ぐため原則日常生活圏内で過ごしていただいて家族などいつも身近にいる人以外との接触機会を極力減らしていただけるよう重ねてお願い申し上げます。」
13日時点で重症者1人を含む70人が入院しています。ホテルや自宅などで245人が療養しています。

●コロナ感染拡大 仮設病床整え自宅療養減らせ  8/14
爆発的な感染拡大が続いている。政府が先頭に立ち、自治体や医療関係者と連携して抑止に総力を挙げねばならない。
新型コロナウイルスの「第5波」は首都圏から各地に広がり、重症者は連日過去最多を更新している。入院先が見つからない自宅療養者が急増し、自宅での死亡も相次いでいる。
政府の新型コロナ対策分科会は、これまでコロナの診療に関わっていなかった医療機関にも協力を要請する提言を発表した。東京都など感染が拡大している地域では、人出を7月前半の5割に減らすことも求めている。
専門家は「災害級」「制御不能」と訴えているが、自粛を呼びかけるだけでは、効果は上がるまい。災害級なら災害級にふさわしい医療体制を構築する必要がある。
病床の 逼迫ひっぱく を回避し、適切な医療を受けられるようにすることが急務だ。自宅療養では、容体が急変した時に対応しにくく、家族らにうつす恐れもある。感染者は隔離するのが原則である。
ホテルなどの宿泊療養施設を拡充するとともに、仮設の医療施設を早急に設置すべきだ。
福井県は、体育館を100床の臨時医療施設として活用する計画を進めている。地元の医師会や看護協会、病院の協力で人員を確保し、緊急時に使う予定だ。
施設内の全体が見渡せるため、宿泊療養施設よりも少ない医療従事者で対応が可能だという。各自治体の参考となろう。
各医療機関は、さらなる病床の確保に努めることが大切だ。
改正感染症法は、厚生労働相と知事が医療機関に対し、協力の要請や勧告ができる規定を盛り込んでいる。政府と都道府県は、必要と判断した場合、法に基づく働きかけをためらってはならない。
神奈川県や沖縄県では、災害派遣医療チームの医師や看護師らが活動している。都道府県を越えて、医療従事者を迅速に派遣できる体制を整えることが重要だ。
治療薬は有効に活用したい。先月承認された「抗体カクテル療法」は、重症化の予防が期待できる。感染早期に使い、翌日に熱が下がったという報告も出ている。宿泊療養施設も含め、幅広く使えるようにしてもらいたい。
感染抑止には、ワクチン供給の目詰まりを解消し、若者や中高年への接種を円滑に進めることが不可欠だ。第5波では、若い世代でも重症化する例が目立っている。全ての人が自分の身を守るため、感染対策を徹底してほしい。

●日本で新型コロナの1日の新規感染者が2万人を突破… 8/14
日本国内の新型コロナの1日における新規感染者が2万人を超えるなど新型コロナの拡散傾向が強まると、日本政府が緊急事態宣言の発令地域拡大を検討していることが分かった。14日のNHKと共同通信などの報道によると、菅義偉首相は来週、緊急事態発令の拡大問題などを関係閣僚と協議するものとみられている。
すでに日本では現在、東京都をはじめ神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、沖縄県の6都府県に外出自制などを骨子とした緊急事態宣言が発令されている。しかし、全国的に新型コロナの新規感染者が急増すると、緊急事態宣言の発令地域拡大を求める声が高まっている。一部の広域自治体は、政府に緊急事態宣言の発令を要請しようとする動きを見せていると報道された。
NHKの集計によると、前日の日本全域における新型コロナの新規感染者は2万365人で、新型コロナの感染者集計以来初めて1日の感染者が2万人を超えた。地域別には東京都(5773人)、神奈川県(2281人)、埼玉県(1696人)、千葉県(1089人)など首都圏の新規感染者が1万839人で、全体の半分以上を占めた。また、新型コロナの重症患者も1478人と、史上最高値を記録した。
菅首相は前日の夕方、首相官邸で記者団に「東京の医療体制は非常に厳しい」とし、夏休みシーズンの旅行や帰省を自制するよう要請した。
また、重度化防止に効果があるとされる“抗体カクテル療法”を集中的に施行できる拠点を近く整備するという考えも伝えた。抗体カクテル療法とは、アメリカの製薬会社リジェネロン・ファーマシューティカルズがウイルスが細胞に感染するのを抑制する多様な中和抗体のうち、効果が優れていることで知られる「カシリビマブ」と「イムデビマブ」を組み合わせた治療剤を新型コロナ感染者に投与することを言う。あわせて、菅首相は自宅療養中の新型コロナ感染者に酸素を投与できるようにする「酸素ステーション」の構築も指示した。緊急事態宣言が発令された地域で新型コロナの拡散傾向が収まらないことについて「商業施設などの人波抑制のために確実に対処する」と強調した。
これに先立ち、日本政府に新型コロナに関する対策を助言する分科会は今月12日、「2週間、集中的な対策強化を通して、東京都などの人出を先月前半期比50%に減らす必要がある」と助言した。分科会は東京都をはじめとする緊急事態宣言発令地域からの外出を半減させ、感染の危険性が高い地域の人出を減らす対策が必要だと提案した。デパートや食品売り場、ショッピングモールなどの人出を強く抑えるべきだとも要請した。現在、東京のデパートでは主に地下1、2階にあり、地下鉄の駅とつながっている食品売場が相次いで営業を中止している。

●国内コロナ感染者、連日2万人超 34都道府県「爆発的拡大」 8/14
感染力が強いインド由来のデルタ株が猛威を振るう新型コロナは14日、国内で新たに感染者2万147人が確認され、2日連続で2万人を超えた。34都道府県で感染者が爆発的に拡大している様相だ。重症者数は前日から43人増えて全国1521人(13日時点)となり、2日連続で過去最多を更新。第5波の深刻さは刻々と増している。
都道府県別の感染者数は東京5094人、神奈川2356人、大阪1828人、埼玉1800人など。報告が最多となったのは茨城、栃木、埼玉、千葉、神奈川、山梨、三重、滋賀、大阪、香川、鹿児島、沖縄の計12府県に上った。死者は千葉5人など計18人となった。

●首相の発信「ミスリード」、パラ開催は「無理」 東京都医師会・尾崎治夫会長  8/14
新型コロナウイルスの急激な感染拡大が続く中、東京都医師会の尾崎治夫会長(69)が本紙のインタビューに応じた。「医師会として病院、診療所が一丸となり、コロナ診療に全力であたっている」とした上で、政府のコロナ対策や国会での与野党の議論を「もっとやることがあるはずだ」と指摘。東京五輪が感染増に影響したとの見方を示し、24日に開幕するパラリンピックについては「このような感染状況では無理だと思う」と開催に疑問を呈した。
――東京五輪が感染拡大に与えた影響を、どのように見るか。
直接的に感染を広げたり、日本の医療体制が逼迫ひっぱくしたりする原因にはならなかったようだ。ただ五輪は祭典なので、緩む方向に影響を与えたことは、否定はできない。間接的な感染者が増える原因にはなったと思う。
――都内の新規感染者数は、多い日には5000人に達している。
やはり、従来株よりデルタ株は感染力が強い。専門家は感染者数の増加を予測していたのに、国が国民に対し、医療体制への影響などの注意喚起を十分にしていなかった。菅義偉首相は「感染者は増えているけれども、高齢者がワクチンを打ち終わりつつあるから、重症者は増えない。亡くなる人が増えなければ、いいんだ」というメッセージしか出さなかった。頭にくるのはミスリードして、これだけ感染者や重症者を増やしながら、感染者を減らす対策をとっていない。あきらめムードで「ワクチンをどんどん打ちましょう」しか言わない。
――何が政治に欠けているのか。
感染拡大が始まって1年以上たつが、国は感染症と戦う体制をつくることができなかった。出口戦略を描くのは国の役割なのに、国民には「欲しがりません、勝つまでは」みたいな自粛要請をするだけ。国会も、どうすれば感染を抑えることができるか、人流を減らせるか、与野党含めてもっと真剣に議論するべきだ。東京などから対象外の地域に出掛ける人もおり、感染がどんどん広がっている。日本中に宣言を出し、人の流れを強力に防ぐ政策を打たないと、地方でもすぐに医療が駄目になる。
――パラリンピック開催の是非は。
まだワクチンを打っていない人が結構いる。パラ大会時に、感染状況は五輪の時よりも恐らく悪くなっている。五輪でバブル方式をやっても結構な感染者が出ており、それがさらに増えるかもしれない。東京では入院が難しい状態。このような状況で開催は無理だと思う。政治が決めることだが、医療サイドとしては「難しい」と判断するのが妥当ではないか。
 

 

●新型コロナ新たに20人 庄内地方で感染が拡大 若年層が中心 山形 8/15
新型コロナウイルスについて、山形県は15日、新たに20人の感染を発表。2ケタの感染発表は16日連続。
新たに感染が発表されたのは、鶴岡市が6人、酒田市が4人、県外在住が5人、山形市、上山市、天童市、河北町、大江町が1人の男女あわせて20人。
このうち大江町の20代女性が、14日にクラスターの発表があった山形市の「セカンドハウス彩祐結(あゆむ)嶋南の家North」の関連。
15日に発表された20人のうち16人が40歳未満で、引き続き若年層に感染が広がっている。また、半数の10人の感染経路が分かっていない。
県内の累計の感染者は2548人に。現在重症の7人を含む102人が入院している。宿泊・在宅療養は計182人で、入院調整中は20人。死者の発表はなかった。
病床占有率は県全体で43.0%と高い状態が続いている。

●福島県で121人の新型コロナ感染 病床使用率64・0% 8/15
福島県は県内で121人の新型コロナウイルス感染が確認されたと14日、発表した。121人の陽性は13日までに判明した。1日当たりの新規感染者数は3日連続で100人を超え、感染拡大に歯止めがかからない状況が続いている。県内の感染者は累計7177人となった。
13日現在の入院者は382人で、県の確保病床597床の使用率は64・0%(前日比2・7ポイント減)で、依然としてステージ4(爆発的感染拡大)の指標「50%以上」を大きく上回っている。入院者のうち重症者は13人。自宅療養者は358人、療養先調整中は155人となっている。
新規感染者121人のうち感染経路不明は45人だった。

●いわきのコロナ感染拡大歯止めかからず クラスター相次ぎ発生 福島県 8/15
いわき市の感染拡大は、歯止めがかからない状況だ。8月に入ってから14日までに12件のクラスター(感染者集団)が相次いで発生した。1日当たりの感染者数も40人前後の高い水準が続き、11日には過去最多の101人(市算定)が確認された。
直近1週間の人口10万人当たりの新規陽性者数は、13日現在で108.14人となっている。病床使用率は、受け入れ可能数を増やしたにもかかわらず、14日現在で74.03%となっている。いずれもステージ4(爆発的な感染拡大)の指標を大きく超える高い水準で推移している。
市では、行動抑制の効果が出るまで2週間程度かかるため、重点措置の効果が出始めるのは今月末ごろからとみている。担当者は「地域医療に影響が出かねない状況。繰り返し、行動自粛への協力を呼び掛けたい」としている。

●青森・岩手・秋田・山形・福島の感染者 8/15
青森56人
青森県などは14日、10歳未満から80歳以上の男女56人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。6人が感染経路不明。内訳は青森市20人、八戸市12人、弘前保健所管内10人など。県内の感染確認は計3129人。青森市の青森中央学院大の硬式野球部で、公表済みも含め12人のクラスターが起きたと認定された。寮生活などで感染したとみられる。八戸市の保育施設で同9人、むつ保健所管内の理美容店で同5人のクラスターも発生した。
岩手51人
岩手県と盛岡市は14日、10歳未満〜80代の男女51人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。内訳は奥州市6人、大船渡市4人、盛岡、一関、宮古、北上4市で各3人など。県内の感染確認は計2386人。基礎疾患のある65歳未満の患者1人の死亡も確認され、死者は計48人となった。奥州保健所管内の接待を伴う飲食店で同日までに10人の感染が判明し、県はクラスターが発生したと判断した。
秋田20人
秋田県と秋田市は14日、10〜60代の男女19人と年齢、性別非公表の1人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。県内の感染確認は計1174人。感染者の内訳は、秋田市6人、大館保健所管内5人、能代保健所管内3人、北秋田保健所管内と大仙保健所管内が各2人、横手保健所管内と秋田中央保健所(潟上市)管内が各1人。
山形29人
山形県と山形市は14日、幼児から70代までの男女29人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。内訳は山形市15人、小国町5人、酒田市3人など。県内の感染確認は計2528人。山形市の放課後デイサービス「セカンドハウス彩祐結 嶋南の家 North」で14日までに職員と児童計8人の感染が判明し、市は新たにクラスターが発生したと発表した。「L452R」変異株は新たに21件確認されて計161件となった。
福島121人
福島県は14日、10歳未満〜80代の男女121人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日当たりの感染確認としては12日発表の230人に次いで2番目に多い。内訳はいわき市55人、郡山市30人、福島市12人など。県内の感染確認は計7177人。いわき市内の児童施設と飲食店、事業所で計3件のクラスターが発生し、県内のこれまでのクラスターは計121件となった。いわき市の福島労災病院のクラスターは、新たに2人の陽性が判明し計25人に拡大した。入院患者は382人で病床使用率64%はステージ4(爆発的感染拡大)のまま。自宅療養者は358人、療養先調整中は155人。

●お盆明けにも医療崩壊…大野知事が危機感 埼玉県 8/15
埼玉県内の新型コロナウイルス新規感染者累計が14日までに7万4千人を超えた。全県民(約734万人)のおよそ100人に1人が感染した計算だ。1日の新規感染者はこの1カ月で5倍以上に増加、病床使用率も7割に迫っている。感染力の強いデルタ株(インド株)の影響が大きいとみられる。自宅療養者も1万人を超えており、県は重症化防止に向けた「抗体カクテル療法」の導入を視野に入れるが、収束はなお見通せていない。
「これ以上感染拡大し続ける場合、お盆明けの来週にも医療崩壊に直面する可能性が出てきている」。県の新型コロナ対策会議が開かれた13日、大野元裕知事は危機感を口にし、お盆期間の帰省や旅行の中止などを呼び掛けた。
1カ月前に当たる7月15日時点の確保病床使用率は30・1%(503人/1666床)、うち重症は14・5%(24人/165床)だった。県内には「まん延防止等重点措置」が出され、さいたま、川口の2市を措置区域とした感染拡大防止策が行われていた。同日の県内の新規感染者は328人だった。
だが県内の感染は急拡大に向かう。同22日の新規感染者は1月以来の500人超えとなる510人。同31日には初めて千人を超え1036人、8月13日は1696人と5倍以上に増加した。7月20日には同重点措置区域が県内20市町に拡大。これでも拡大傾向に歯止めはかからず、2日からは県内全域が対象の緊急事態宣言が出された。
確保病床使用率も高まっている。13日時点では69・7%(1177人/1689床)、うち重症が64・9%(111人/171床)となっており、約1カ月で使用率、人数とも倍以上となった。重症者数は今月10日に102人となり、最多を更新した。7月15日時点のホテル療養は450人、自宅療養は471人。13日時点ではそれぞれ624人、1万3059人と大幅に増えている。
県は今月6日、これまで保健所が実施してきた「積極的疫学調査」を縮小。行動歴をさかのぼり感染源を見つける業務を取りやめた。県保健医療政策課によると13日までに、庁内と市町村から最大133人の応援要員を県の13保健所に送り、発生届のあった翌日までに新規陽性者とのファーストコンタクトが取れる体制づくりを確保している。
デルタ株は2〜8日の1週間の陽性率が85・4%で、大多数が従来株から置き換わったとみられる。
国が公開するワクチン接種状況によると、13日時点で県の1回接種率は35・47%、2回接種率が26・88%。65歳以上はそれぞれ88・64%、83・03%だ。
県は新たに、重症化を防ぐ効果がある新治療薬の「抗体カクテル療法」の拠点整備を進める意向を示し、医療機関の逼迫(ひっぱく)を招く重症者の発生防止を目指すという。

●感染急増 保健所逼迫 追跡調査縮小の懸念も 新潟県 8/15
新潟県内の新型コロナウイルスの感染者が14日、5千人に達した。わずか2週間で千人という急激な増加となり、県内の各保健所は陽性者への聞き取りなどに日々追われる。しかし、このままのペースで感染拡大が続けば、濃厚接触者を追えない事態にもなりかねず、関係者は懸念を強めている。
県内は7月31日、累計の感染者が4千人に達し、2週間後の今月14日に5千人を超えた=グラフ参照=。感染者の増加に伴い、県内の保健所の負荷も高まっている。
感染が広がる長岡市や小千谷市などを管轄する長岡保健所は、普段は5人ほどの体制で陽性者への行動履歴や症状の聞き取りや、PCR検査の段取りなどをしている。
7月後半から感染者数が急増したため、他部署や別の保健所から応援をもらい、多い時は10人ほどで対応する。井上陽子次長は「どこの保健所も忙しくなってきて、応援をもらうのが難しくなっている」と語る。
12日に開かれた県の対策本部会議後、専門家は「このままのペースで拡大が続けば2週間後に1週間の患者数が1500人を超え、1日250人近くまで増える」との試算を示した。
新潟市保健所保健管理課の田辺博課長は「1日だけなら何とかなるかもしれないが、毎日となればかなりきつい」と吐露する。
県医療調整本部の担当者は「今は何とか対応できているが、試算通りの数字になれば保健所が陽性者を追えなくなる恐れがある」と指摘。現在は陽性者の行動歴を過去2週間分調べているが、人手が足りなくなれば最低限にとどめる必要も出てくるという。
感染拡大を抑えるためには、PCR検査などで、より早期の感染確認が欠かせない。帰省や県外への就職活動のため、自主的なPCR検査の利用需要も高まっている。
JR新潟駅南口近くの「にいがたPCR検査センター」は、1日100件の検査が可能だが、8月末までほぼ予約でいっぱいとなっている。
県も逼迫を招かぬよう、PCR検査態勢の拡充も進めている。1日100件の検体採取が可能な大規模PCRセンターを県内に3カ所設けているが、下越地方のセンターを10日から150人まで枠を増やした。
県福祉保健部の松本晴樹部長は「検査のキャパシティーが間に合うよう、適宜拡大していきたい」と話している。

●昼夜問わず外出自粛を 知事「医療逼迫が目前」 富山県 8/15
最高の警戒レベル「心から協力お願い」 新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、富山県は16日午前0時から県独自の警戒レベルを最も高い「ステージ3」に引き上げる。県民に昼夜を問わず不要不急の外出自粛を求める。「3」への引き上げは、昨年5月13日に県が警戒レベルや移行基準を定め、同15日に「2」へ引き下げて以来となる。14日に県庁で会見した新田八朗知事は「経験のない感染者の急増で医療提供体制が逼迫(ひっぱく)する目前となっている」と述べ、早期の収束に向けて県民に理解と協力を求めた。
新田知事は7月以降のクラスター(感染者集団)の約4割が飲食店などで発生していることを受け、「ステージ3」への移行に伴い、時短営業を要請する方針を示した。対象業種や要請期間、短縮時間、要請に応じた店舗に支払う協力金の支給額など概要は週明けの早い段階で国との協議が整い次第公表し、週内に実施する。酒類の提供自粛は求めない。
新田知事は協力金について「1月に時短要請をした際は一律(1日当たり)4万円としたが、最近は(他県では)売り上げ規模によって変わることがある」と述べ、金額に幅を持たせることを示唆した。関係者によると、1日2万5千円から7万5千円の幅とする方向で調整しており、営業時間の短縮は午後8時以降の営業自粛を求める方向で検討している。県内全域の約3千店が対象となり、20億円規模の予算は専決処分する見通しだ。
コロナ下で疲弊する飲食店に再び時短要請をすることについては、店舗を経営する友人から窮状をよく聞いているとし「店と利用する側両方がコロナを止めようという気持ちがないといけない。店には苦労をかけるが理解いただき、心からお願いしたい」と話した。
このほか、県民に対して、帰省した家族や普段会っていない親戚や友人と会食した場合、2週間は体温測定などの健康管理、勤務先や学校での感染防止の徹底を求め、ワクチン接種後も引き続きマスク着用などをあらためて要請した。事業者には職場や休憩室、社員寮での感染防止対策の再確認と従業員への周知徹底、在宅勤務や時差出勤の推進、出張のリモートへの切り替えなどを呼び掛けた。
県独自の警戒レベルは7月3日に最も低い「1」に引き下げられたが、感染の再拡大を受け、今月5日に「2」へ移行した。感染者の増加は止まらず、県は同10日に「感染拡大特別警報」を出したが、同12日の新規感染者数は1日当たり最多の71人となるなど、歯止めがかかっていない。
8割がデルタ株 対策本部会議では、8月の県内の感染者は約8割が「L452R変異株」と報告された。感染力の強いデルタ株とみられ、7月の3〜4割から急増した。
「ステージ3」移行の効果が出るまでは一定の期間が必要で、さらなる感染拡大が懸念される。新田知事は、より強力な措置が必要と考えられる場合、国にまん延防止等重点措置の適用を要請すると述べた。

●大学で発生したクラスター17人に拡大… 愛知で新規感染者698人 8/15
愛知県では14日、新たに698人が新型コロナウイルスに感染していることがわかりました。3日続けて600人を上回りました。
感染が判明したのは、10歳未満から80代の698人で、名古屋市が264人、一宮市が37人、豊田市が30人、岡崎市が20人、豊橋市が15人などとなっています。
名古屋市に住む10歳未満の女の子は、クラスターが発生した市内の保育施設を利用していて、関連する感染者は12人になりました。
豊田市の大学のクラスターでは、新たに学生2人の感染が確認されました。このクラスターは17人になりました。
岡崎市の大学の運動部のクラスターでは、新たに関係者の豊明市の10代男性に陽性が判明しました。
ほかにも豊橋市の医療機関や一宮市の事業所のクラスターでも、それぞれ1人ずつ新たに感染者が確認されています。
13日時点の病床使用率は29.7%で、重症者は26人です。

●三重県「まん延防止」を要請 新型コロナ拡大で政府に 8/15
三重県は14日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた「まん延防止等重点措置」の適用を政府に要請した。適用期間は未定で、酒類の提供停止などを求める重点措置の実施区域には7市8町を検討している。
県によると、鈴木英敬知事が14日午前、西村康稔経済再生担当相と電話で会談し、重点措置の適用を要請した。重点措置の適用を要請するのは2回目。感染者の急増や病床使用率の高さなどを踏まえて13日に要請を決めた。
県が検討している重点措置の実施区域は桑名、いなべ、木曽岬、東員、菰野、朝日、川越、四日市、鈴鹿、亀山、津、松阪、多気、明和、大台の各市町。桑名、四日市、鈴鹿、津、松阪の5保健所が管轄する全ての市町を対象とした。
これら5保健所管内では、直近2週間の人口10万人当たり感染者数が15人以上となっているほか、直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数が25人以上となっている。
鈴木知事は14日のぶら下がり会見で「(西村氏と)期間については特に話していない。大臣も急ぎ対応しなければならないというところに危機感を持っていた」と強調。政府には「早期に適用してもらうことを願う」と述べた。
県内の感染状況について「かつてない感染の拡大が命に関わっている非常に厳しい、極めて深刻な状況と考えている」と強調。重点措置の実施区域での要請内容は「前回よりも踏み込み、メニューを増やす。措置でやれることはおおむねやる」と説明した。
これに先立ち、県は13日夜、感染症の専門家や経済団体の代表らでつくる検討会議を開き、委員からまん延防止等重点措置の要請への意見を聞き取った。6委員からは「国へ要請すべき」との意見で一致したという。
会議は冒頭のあいさつと感染状況の説明を除いて非公開。委員からは「さらに感染が拡大する可能性があるので抑え込む必要がある」「事業者の心が折れないように支援をしてほしい」との声があった。

●兵庫県「まん延防止」16日から拡大 15市町→36市町 8/15
新型コロナウイルス感染の「第5波」が本格化する中、兵庫県は16日から、国のまん延防止等重点措置の措置区域を、現在の15市町から但馬地域を除く36市町に広げる。神戸、姫路市、阪神、東播磨地域で続けてきた酒類提供の禁止要請を丹波、淡路地域などに新たに適用する。31日まで。
これで措置区域は神戸市と阪神・播磨・丹波・淡路地域の計36市町になり、いずれも飲食店に対して酒類提供の禁止や午後8時までの時短営業を求める。
但馬の5市町(豊岡、養父、朝来市、香美、新温泉町)には、午後9時までの時短営業と、午後8時までの酒類提供を引き続き求める。
県内では、但馬以外のエリアで人口10万人当たりの感染者数が大幅に増えた。ほとんどの地域で感染状況を示す指標がステージ4(爆発的感染拡大)となっている。
13日午前0時時点の病床使用率は56・9%。重症病床の使用率は28・1%で、宿泊療養施設では48・8%に上る。

●急拡大、対応に苦慮も 移動自粛要請に来島者ら 奄美空港 鹿児島県 8/15
全国的に新型コロナウイルス感染が急拡大する中、お盆期間を迎えている。鹿児島県でも13日、県独自の緊急事態宣言が発令。奄美市笠利町の奄美空港では14日、例年ほどの混雑は見られないものの、観光客や帰省者を乗せた飛行機が次々と到着。県が不要不急の移動の自粛を呼びかける中、来島者らも急な感染拡大への対応に、苦慮した様子が見られた。
奄美空港の到着ロビーでは、大型のスーツケースを手にした家族連れや若者などの姿が目立った。出張で来た大阪府の男性(32)は「お盆でしかもこんな時期に本当は来たくなかったが、大事な客との打ち合わせで変更できなかった」と話した。
鹿児島便で降り立った男性は家族4人で来島し「どこから来たかはいいたくない」と述べ、PCR検査を受けて来たことを明かしつつも「鹿児島県(本土)は、大雨と感染拡大で大変なことになっている。(1カ月ほど前から予定していたにも関わらず)なぜ来たのか自分でもよくわからない」と言葉少なだった。
帰省する娘家族を迎えにきた笠利町の60代夫婦は「(県内感染者の)数日での急な拡大には驚いている。もっと早くにわかっていれば(自粛についても)対応もあるのだが…」と躊躇した様子で話した。
県は、夏休みやお盆期間を迎え県境を越える行動歴の感染者が増加していると指摘。メッセージでは、県外への不要不急の移動を自粛し、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象区域との往来を避けるよう呼び掛けている。
また県は、やむをえず来県する人についてはPCR検査の受検を要請。8月末までは県が利用料金の一部を負担。実施場所は羽田空港、伊丹空港などで、詳しくは県ホームページで確認できる。

●新型コロナ新規感染者 都内5094人 全国12府県で最多2万151人 8/15
14日に全国で確認された新型コロナウイルスの感染者は、2万151人で、2日連続で2万人を超えた。
14日に東京都で確認された新規感染者は5,094人で、先週土曜日(7日)の4,566人から528人増え、過去2番目に多い人数となった。
また、神奈川県で2,356人、埼玉県で1,800人、千葉県で1,272人など、いずれも過去最多を上回り、首都圏を中心に感染の拡大が続いている。
ほかにも大阪府で1,828人、沖縄県で752人など、12の府県で新規感染者数が最多となっている。
全国では、新たに2万151人の感染が確認され、2日連続で2万人を超えた。
また、死者は18人で、重症者は1,521人と、2日連続で最多となっている。

●感染拡大にも国会閉会を続けるなら「人災と言わざるを得ない」 8/15
国際医療福祉大学の松本哲哉教授が15日、「サンデーモーニング」に生出演した。
番組では、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が急速な感染拡大を受け、今後2週間は東京都の人流を「7月前半の約5割にする必要がある」と提言したことを報じた。その上で百貨店の地下食品売り場などの利用を控えるよう求めたほか、お盆の時期に帰省や旅行などが増えることを念頭に、県境を越える移動を自粛するよう呼びかけた。
出演者から感染の拡大にも国会が開いていないことに疑問の声が出た。司会の関口宏から国会を閉会している状況を聞かれた松本氏は「1日2万人の感染者が出て、東京でも自宅で療養されている方が相当な数2万人の方、そして1万数千人の方が入院調整中、本当に災害レベルの状況だと思います」とした上で「政府などがこのまま国会なども開かず、具体的な策もせずに見ていくのであれば人災と言わざるを得ない。これだけの状況を認識していただけるのであれば、早急に具体的に何らかの感染を抑える方の策もしっかり対応していただきたい」と提言していた。

●規模縮小で都戦没者追悼式実施 小池都知事 8/15
終戦から76年の15日、東京都は都庁で「戦没者追悼式」を行った。
式典には、小池百合子都知事や遺族代表者らが参列。新型コロナウイルス感染拡大により、昨年から参列者を約10分の1に減らしており、今年は90人が戦没者に献花を行った。また、昨年と同様にインターネット中継も実施された。
小池氏は、式冒頭で「東京都民を代表して、先の大戦で亡くなられた全ての御霊(みたま)に対し、謹んで哀悼の誠を捧げます」と式辞を述べた。また、新型コロナウイルスの感染拡大下で行われた東京五輪・パラリンピックの開催に触れ「このレガシーを糧に、難局を世界が一丸となって乗り越え、夢と希望にあふれた平和な世界を持続可能なものとして、未来の子供たちへと引き継いでいくことをお誓い申し上げます」と語った。
戦没者遺族代表であいさつを行った木村百合子さんは、生まれる前に父親がフィリピンルソン島で戦死。戦後76年を迎え、戦争を知らない世代が増えている中「以前、NHKが行った街頭インタビューで、8月15日は何の日と聞かれ、『分からない』とか『誰かの誕生日?』と答えた若者がいました。今日は、終戦記念日なのです」と訴え、世界の恒久平和を願った。

●感染拡大、ラムダ株の公表遅れも「求めがあっても臨時国会が開かれない」 8/15
フォトジャーナリストで海外、日本で貧困や災害、難民問題を取材している安田菜津紀さんが15日、TBS系「サンデーモーニング」(日曜前8・00)にリモート出演。東京都で14日に新型コロナウイルス感染者が新たに5094人報告されたことに言及した。
前日13日の5773人に次いで2番目に多い感染者で、13日と比べ、入院患者は35人増えて3762人、うち重症者は18人増の245人で、いずれも過去最多を更新した。死者の報告はなかった。直近7日間を平均した1日当たりの新規感染者は4231・1人と上昇し、前週比108・7%。自宅療養者は2万1729人で過去最多となっている。
安田さんは「30代であっても重い後遺症に苦しんでいる方もいるので、そういった意味でも非常に大きな懸念がある。この間、コロナ対策もそうですし、先日まで開催されていた五輪に関しても盛んに安心・安全っていうことが掲げられていたが、安心・安全というのは適切な情報共有がなされて初めて成り立つものでないかなと思う」と指摘。そして「今、こうやって重症者数が増えているっていうのはデルタ株が猛威をふるっているからだということだと思うんですが先日、国内でラムダ株という別の変異株が確認された。そのラムダ株が確認されたのが五輪関係者というのも最近になって公表された。公表の遅れって果たして防げなかったのか、人出の5割減少が今、警鐘として鳴らされているわけですけど、あのように大きな大会を開催していたということが真逆のメッセージにつながらなったか、いろんな疑問を問いたい中、国会が閉じたまま。求めがあっても臨時国会が開かれない。これだけの状況になっても、なお議論の場が狭められているということ自体、人命の軽視ではないかと思う」と自身の見解を述べた。

●コロナ無策の菅政権を追い込むワイドショー 厳しい番組とヌルい番組 8/15
「不安を煽ってばかり」と批判されるが、新型コロナウイルスの情報を幅広く取り上げ、感染拡大の危機を必死に訴えてきたのは、テレビのワイドショーである。来週には東京の新規感染者は1万人を超えそうで、コメンテーターは菅義偉首相の無為無策を批判し、感染症専門家はこの第5波がどこまで広がるのかを予測、リポーターは医療崩壊の現場から伝え、キャスターは「自分の命を守って」と声をからしている。
新型コロナの感染が始まった昨年冬、日本中が「ちょっと重いインフルエンザ」程度に考えていた時に、白鴎大の岡田晴恵教授や池袋大谷クリニックの大谷義夫院長を連日登場させて、「インフルとはまったく違う怖い病気。甘く見てはダメ!」と、いち早く警鐘を鳴らしたのもワイドショーだった。PCR検査をすべての人に実施すべきとキャンペーンを張り、中途半端な緊急事態宣言では感染に歯止めはかからないと指摘、ワクチン確保を急げとも主張した。菅首相はことごとく無視したが、ワイドショーが正しかったことはいまや明らかである。
ではいま、コロナ感染予防に役立つワイドショーはどれか。早くから力を入れてきたテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」に、やはり一日の長がある。お得意の羽鳥パネルの解説は要領よくまとめられていて、全国の感染者が8日連続で1万人を超えた翌日は、コロナ情報に1時間以上割いて、「重症者最多」「把握できない自宅死」「ロックダウン並み対策を」「沖縄は入院中止」などを次々に取り上げた。テレビ朝日コメンテーターの玉川徹が「モーニングショーを見ていらっしゃる方は、危機感を十分もってらっしゃると思います」と自画自賛したくなるのもわかる。
ところが、スポーツ局の大バカ社員が、五輪打ち上げ飲み会を開き、転落事故まで起こして、この実績に泥を塗ってしまった。コメンテーターの長嶋一茂もさぞ悔しいことだろう。
日本テレビ系「newsevery.」は、解説委員の小西美穂がコロナ最新情報を解説するのが定番となっていて、午後4時45分には東京都のその日の感染者数をどこよりも早く伝える。情報は早い。TBS系「Nスタ」もほぼ同じ内容である。
菅首相や厚生労働省に腹が立って仕方がないという向きは、フジテレビ系「バイキングMORE」がオススメ。ワイドショーのMCの中で、いま坂上忍が最も舌鋒鋭い。
逆に、ぬるいのはフジテレビ系「めざまし8」で、橋下徹の長広舌がうるさく、情報量は少ない。もともとエンタメ重視の日本テレビ系の「スッキリ」も、コロナより芸能ネタ優先である。

●感染急拡大に「若い世代の重症化も、これからかなり深刻になってくる」 8/15
国際医療福祉大の松本哲哉主任教授(感染症学)が15日、TBS系「サンデーモーニング」にリモート出演。東京都で14日に新型コロナウイルス感染者が新たに5094人報告されたことに言及した。
前日13日の5773人に次いで2番目に多い感染者で、13日と比べ、入院患者は35人増えて3762人、うち重症者は18人増の245人で、いずれも過去最多を更新した。死者の報告はなかった。直近7日間を平均した1日当たりの新規感染者は4231・1人と上昇し、前週比108・7%。自宅療養者は2万1729人で過去最多となっている。
松本氏は、感染の急拡大について「デルタ株の影響が大きいと思います。重症化リスクは海外のデータでも2倍から5倍というふうに言われていますし、やはり感染力が強いのでそれだけ感染者数もそれだけの規模に増えています。そうすると感染している人がかなり多く出ていて、さらに重症化するリスクが高いというデルタ株の影響が出てくると若い世代でも比較的に重症化する例が多くて40代、50代の方が今メインになっています。60代の方も減っているかっていうと決してそうではなく数から言えば実は増えています。そういうことを考えると今の状況は安心できる状況にありませんし、世代に関しては若い世代の重症化も、これからかなり深刻になってくるんじゃないかと思います」と自身の見解を述べた。

●「ゼロコロナって難しい。どう向き合っていくのかを考えていかないと」 8/15
歌手の西川貴教(50)が15日放送のフジテレビ「ワイドナショー」に出演。新型コロナウイルスの感染拡大の状況について見解を示した。
番組では、1日の新規感染者が全国で2万人を超えるなど、感染拡大が続く状況の中、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が東京五輪閉幕の翌9日夕に東京・銀座を散策し、人だかりができ、“銀ブラ騒動”に。丸川珠代五輪相は10日の記者会見で「不要不急であるかどうかは、しっかりご本人が判断すべきもの」と述べたなどとを取り上げた。
西川はバッハ氏の行動について「大会をしっかり運営していこうって現場で頑張ってらっしゃた方は、そういった大会の関係者であるような、着用物で電車乗ったりして、強い言葉で言われたりとかもあったんですって。そういった中でも、反論もせずに、ひたすら選手のために頑張って運営されていた。そういう人たちに対して、こういう行動されるっていうのはちょっと」と首をひねった。
そのうえで「政府の方もダブルスタンダートというか、どこ目指すんやろうと。ゼロコロナって難しい。どういうふうに向き合っていくのかを考えていかないと。感染者数がすごい増えているのはもちろん知ってる。でも、どういうふうに対応して、来年も再来年もこれを続けるの?って。そういうことを指針として決めていただかないと」と投げかけた。
社会学者の古市憲寿氏(36)も「ゼロは難しい」としたうえで「そろそろコロナとの付き合い方を考えたほうがいい」と指摘。「そんなに悲観していなくて、ワクチン接種が進んでいるので、10月の終わりとか11月ぐらいには希望する人みんな打てるようになると思う。ワクチン、打てる人は2回打った段階だったら、もうさすがに社会を止めてい置く合理性はなくなると思う。それでもワクチン打ちたくない人とか気を付ける人は気を付ければいいと思うが、社会みんなを止めておく根拠が薄くなる」と見解を示した。

●東京都、積極的疫学調査の規模縮小 コロナ急拡大で保健所に通知  8/15
東京都は15日、新型コロナウイルスの感染急拡大に伴う保健所業務の逼迫を受け、濃厚接触者や感染経路を詳しく調べる「積極的疫学調査」の規模を縮小する方針を都内の各保健所に通知したと明らかにした。通知は10日付。重症化リスクの高い人が多い医療機関や高齢者施設での事例の調査を優先させ、保健所の負担を軽減する狙い。
都によると、通知では積極的疫学調査について、「優先度を考慮して効果的、効率的に実施」と指示。患者のケアを重視するため、病状や重症化リスクを把握し、医療につなげることに重点を置くこととしている。
都の担当者は「優先順位を示しただけで、必要な検査は実施される」と話した。
埼玉県も6日から、保健所業務の逼迫を理由に積極的疫学調査の範囲を縮小している。
 
 
 

 

●東京で2962人感染、5人死亡 8/16
東京都は16日、新型コロナウイルスの感染者が新たに2962人報告されたと発表した。5人の死亡も確認された。直近7日間を平均した1日当たりの新規感染者数は16日時点で4275・0人となり、前週比は103・4%。
都内は緊急事態宣言の発令から1カ月以上が経過。繁華街の人出はやや減ったが、感染力が強いインド由来のデルタ株が急拡大し、感染者増に歯止めがかかっていない。

●東京都内 高齢者の感染 人数再び増加 重症患者も倍以上に  8/16
東京都内では、ワクチン接種が進んだことから感染者全体に占める高齢者の割合は大幅に下がっている一方、人数は再び増加しています。重症の患者も高齢世代の増加が見られ、専門家は危機感を示しています。
都内の65歳以上の感染者は、今月15日までの半月で2062人に上り、ことし5月以来2000人を超えていて、6月1か月間の2.4倍、7月の1.4倍です。
高齢者のワクチン接種が進んだことから、感染者全体に占める割合は今月は3.4%と最も高かったことし2月の25.2%から大幅に下がっていますが、感染の急拡大で人数は再び増加しています。
これに伴って高齢の世代の重症患者も増加しています。60代以上の重症患者は先月は30人前後で推移していたのが、今月15日時点では74人と一気に倍以上になりました。
都の専門家は「高齢者は重症化リスクが高く入院期間が長期化することもあるので、今後の陽性者の増加が危惧される」として危機感を示しています。

●東京都 ワクチン大規模接種 対象者を廃棄物処理業者などに拡大  8/16
東京都は新型コロナウイルスのワクチンの大規模接種会場で接種する対象者を廃棄物処理業や、理容や美容、それにバスやタクシーなどの運送業に従事する人に広げることになりました。
都は、現在16か所で新型コロナウイルスのワクチンの大規模接種会場を設けて学校関係者などに接種を行っています。
都は、こうした大規模接種会場での接種対象を、18日から、廃棄物処理業や理容や美容などの生活関連サービス、それにトラックやバス、タクシーなどの運送業に従事する人にも広げることになりました。
今回、新たに対象となる人たちの接種会場は、都庁の北と南の展望室と、港区南青山の民間ビル「WeWork乃木坂」の2階に新たに設けられる会場です。予約はインターネットで行います。 このほか、職域接種などでモデルナ製のワクチンを1回接種した人の中で、同じ会場で2回目の接種を受けることが難しくなった人も新たに対象にします。

●函館市で新型コロナ感染急拡大 今月はすでに先月の2倍超 8/16
函館市では、今月に入って新型コロナウイルスの感染が確認された人の数がすでに先月1か月の2倍を超え、感染が急拡大しています。市立函館保健所は「ほかの地域との往来で感染するケースがほとんどだ」として、感染拡大地域との往来を控えるよう呼びかけています。
函館市は16日、新たに市内で27人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。
一日に感染が確認された人の数が20人を超えるのは今月5日以来で、過去2番目に多くなっています。
これで市内で感染が確認された人の数は延べ1153人となりました。
今月に入って市内で感染が確認された人の数は200人に上り、すでに、92人だった先月1か月の2倍以上になるなど感染者の数が急激に増加していて、函館市内の直近1週間の新規感染者は10万人あたり39.3人と感染状況を示す国のステージで最も深刻な「ステージ4」の目安となっている10万人あたり25人を大きく超えています。
16日はクラスター=感染者の集団の確認も相次ぎ、このうち函館五稜郭病院では今月10日から15日にかけて看護師4人と患者10人の感染が確認されました。
病院によりますと、今月14日に呼吸器内科で勤務する女性看護師1人に発熱などの症状が見られたため、PCR検査を実施したところ陽性が確認されたということです。
その後、女性看護師と接触のあった職員や入院患者あわせておよそ150人に検査を行ったところ、呼吸器内科で勤務する看護師3人と入院患者9人の感染が確認されたほか、先週退院していた患者1人も感染が確認されたということです。
症状はいずれも軽症か無症状で、病院内で感染リスクの高いエリアと比較的安全なエリアを分ける「ゾーニング」を行って治療にあたっているということです。
病院は、16日から1週間新規の入院を停止するほか、一部の外来診療を停止することにしています。
また、市内ではこのほか学童保育所で5人、市内飲食店で8人の感染が確認されていて、市はそれぞれクラスターが発生したと発表しました。
市立函館保健所は「ほかの地域との往来で感染し、会社内などで広がるケースがほとんどを占めている。仕事や帰省など緊急事態宣言が出されている地域などに出かけることはその必要性についてもう一度考えてほしい。どうしてもという人以外は感染拡大地域との往来は控えてほしい」と話しています。
また、道は16日、新たに渡島地域で3人が感染していることが確認されたと発表しました。

●新型コロナの自宅療養者が急速に増加する中で… 保健業務 愛知 8/16
「南保健センターです」「息苦しい感じとか、どうですか」「症状が、ぶり返しやすいんですね」(職員)
絶え間なくかかってくる陽性者からの電話。
名古屋市南区の南保健センターでは、1日約10人の職員が自宅療養者の体温や酸素飽和度を記録するなど、健康管理を行っています。
「1時間弱で5人の新規の患者さんが発生しています。ここ1週間くらいは、ずっとこんな感じのペース」(保健師 岩瀬真実さん)
愛知県では新規感染者数の急拡大に伴い、自宅療養者の数も急速に増えていて、15日時点で3500人を超えています。このうち、南保健センターで受け持っているのは80人で、この1か月間で約10倍に。働き盛りの世代が中心だといいます。自宅療養者の体調が悪化して、入院が必要となった場合には、受け入れ先の病院を探しますが…。
「入院する病院が決まるまでに、時間がかかることも起こっている」(保健師 岩瀬真実さん)
南保健センターでは他にも濃厚接触者と特定された人のPCR検査も行っていて、その件数も大幅に増加。職員は息つく間もない業務が続いていて、自宅療養者の数がこのペースで増え続けた場合には、対応が遅れる可能性もあるということです。
「仕事中はコロナ対応に加えて、普段の保健所業務もあり手一杯。家に帰ったら何もできない、家事は全ておきざり」(保健師 岩瀬真実さん)

●新規感染者が過去最多を記録するなど厳しい状況の愛知県 8/16
「今週前半にも、これまでの数値を見て (まん延防止等)重点措置区域は、拡大する方向で検討したい」(大村秀章愛知県知事)
愛知県の大村知事は「まん延防止等重点措置」の対象区域を拡大する方針を示しました。
現在、名古屋市など12の市町村を対象区域に指定していますが、新規感染者が8月12日に過去最多の702人を記録するなど、愛知県内の厳しい感染状況を受け、直近の感染状況を踏まえて、拡大を決めるということです。

●16日新型コロナ感染者 愛知県567人 岐阜県116人 三重県108人 8/16
東海3県が16日に発表した新型コロナウイルスの感染者数は、合わせて791人でした。  
愛知県は567人で、このうち名古屋市が260人、岡崎市が25人、一宮市が21人、豊田市が44人、豊橋市が9人で、そのほかが208人でした。愛知県では前週の月曜日、8月9日の感染者数は255人でしたが、その2倍以上となりました。
岐阜県は116人、三重県は108人で、両県とも1日の感染者数が100人を超えるのは6日連続となります。

●陸自や病院、障害者施設でクラスター拡大 京都 8/16
京都府と京都市は16日、男女計321人が、新たに新型コロナウイルスに感染したと発表した。月曜の感染者数としては最多。府内の感染者は2万2904人となった。
府発表分は10歳未満から90代の95人で、61人の感染経路が不明だった。症状は中等症が1人、軽症・無症状56人、調査中38人。居住地は宇治市15人、亀岡市12人、長岡京市11人、城陽市10人、京都市7人、舞鶴市と向日市、木津川市が各6人、南丹市5人、綾部市と京田辺市、精華町が各4人、大山崎町2人、福知山市と京丹後市、京丹波町が各1人だった。
既にクラスター(感染者集団)が発生している陸上自衛隊大久保駐屯地(宇治市)で感染者が1人増え計26人、東舞鶴医誠会病院(舞鶴市)では5人増え計27人、障害者施設あけぼの学園(南丹市)でも4人増え計23人になった。京都市の発表分は226人だった。

●新型コロナ感染拡大続く 兵庫県「まん延防止」36市町に 8/16
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、兵庫県では、16日から、まん延防止等重点措置の対象地域が、36の市と町に拡大されました。対象地域の飲食店には、酒類の提供自粛などが要請され、県は、幅広い地域で感染拡大の抑え込みを図りたい考えです。
兵庫県内では、14日の土曜日が628人、15日の日曜日は517人の新型コロナの新たな感染者が確認されるなど、感染拡大が続いています。
こうした中、兵庫県は、16日から、まん延防止等重点措置の対象地域を、県北部の但馬地域を除く36の市と町に拡大しました。
対象地域の飲食店などには、営業時間を午後8時までとし、酒類の提供は自粛するよう要請が行われます。
県は、重点措置の期限となる今月末までの間に、幅広い地域で感染の抑え込みを図る一方、拡大に歯止めがかからない場合は、兵庫に緊急事態宣言が発出されることも視野に、国と協議を続けることにしています。
新たにまん延防止等重点措置の対象地域となった兵庫県洲本市のバーは、料理のテイクアウトを始めました。
ことし4月にオープンした洲本市にあるバー「バール ヴィア コスタ」は去年、新型コロナの影響で2度にわたってオープンを延期したほか、開店後も緊急事態宣言が出されて休業するなどの対応を取ってきました。
店の売り上げのおよそ6割が酒類だということで、今回、洲本市が新たにまん延防止等重点措置の対象地域となり、酒類の提供が禁止されることからいったんは休業も検討しました。
しかし、スタッフの雇用を守るため、夕方の1時間のみ店を開け、料理のテイクアウト販売を始めることにしました。
オーナーの井壷幸徳さんは「本来、この時期は観光客も多く、繁忙期ですが、暇な時期と比べても売り上げは悪い状況です。まん延防止等重点措置の対象となったのは、残念な気持ちでいっぱいですがしかたがありません。重点措置が終わったあとのことを考えスタッフや店のために営業を続けたいと思います」と話していました。

●コロナ感染急拡大で 「夏の甲子園」入場者をさらに制限へ 8/16
コロナ感染の急拡大を受けて夏の高校野球は、大会第5日目から学校関係者の入場をさらに制限すると、大会本部が発表しました。
これまで学校側の裁量で、学校関係者として行政関係者や知人なども入場が認められていましたが、第5日目からは生徒・保護者・教職員・野球部OB・OGなどに限定し、連絡先の管理を学校側に求めています。
また座席の間隔も、これまでより広く取るようにするということです。 

●沖縄本島の重症者病床すべて埋まる 要酸素投与の中等症病床も  8/16
沖縄県の沖縄本島では、新型コロナウイルスの感染拡大で、重症や酸素の投与が必要な中等症の患者向けの病床がすべて埋まる事態となり、医療提供体制が危機的な状況にさらされています。
沖縄県が15日発表した新型コロナウイルスの新規感染者数は661人で、先週の日曜日より87人多く、日曜日の発表数としては過去最多となりました。
感染状況の全国比較では、人口10万人当たりの感染者数が14日までの1週間で279.74人となり、全国で最悪の感染状況が続いています。
県内では15日の時点で、療養者数が5783人と5日連続で過去最多を更新しました。
また、649人が病院に入院していて、感染者用の病床の利用率は、県全体で83.4%となっています。
ただ、沖縄本島に限ると重症の患者や、酸素の投与が必要な中等症の患者向けの病床が、すべて埋まる事態になっているということで、医療提供体制が危機的な状況にさらされています。
県の対策本部では「自宅や宿泊施設で療養している患者の受診の調整も非常に困難な状況となっている。医療提供体制のひっ迫の状況を認識して不要不急の外出を控えていただきたい」と呼びかけています。

●「“消毒ガチ勢”だったのに…」情報発信するコロナ経験者の思い 8/16
感染拡大が止まらない新型コロナ。13日には東京都の新規感染者数が5000人を超えた。同日、ぶら下がり取材に応じた菅総理は、お盆の帰省や旅、不要不急の外出をできるだけ控えるよう呼びかけ。すでに感染した自宅療養者については「必ず連絡が取れるように、自治体と連携する」として、「酸素の投与が必要になった場合、酸素ステーションを設置する。その体制をこれから速やかに構築するように関係大臣に指示をした」と明かした。
そんな中、ネット上で“ある言葉”が広がりを見せている。それがハッシュタグ「#コロナ闘病中のみんなで話そう」だ。これは、新型コロナに感染した人々がTwitterで自らの体調や、自宅でどのように過ごしているかといった情報を発信。不安な毎日を過ごす中、自身にとってより身近な情報を得て、同じハッシュタグをつけたユーザーがお互いを励まし合うムーブメントになっている。
先月30日に感染し、自宅療養を続けていた10代の女性の投稿には、日々の体調の変化が赤裸々につづられている。
「腰、頭、喉が痛いです。発熱の前日から手の関節が痛かった記憶があります」
また、今月4日には「嗅覚が完全になくなった」と投稿。現在では体調も回復し、外出もできるようになったが、改めて新型コロナの恐ろしさを痛感しているという。
「夏休みも自粛して部活でもマスク付けて、手洗い消毒ガチ勢だった私が感染したの…もう運だよ…結局経路感染不明だし…」
SNSを通じて広がるつながりの輪。そんなつながりに「勇気づけられた」と話すのは、今月10日に新型コロナの陽性と診断されたアロエさん(仮名)だ。
「(ワクチンの)接種は早くて6月の頭ぐらいには2回目が終わっていました。それから2カ月くらいで感染してしまいました。今は自宅療養を続けています」
ワクチンを2回接種した後に感染したアロエさん。いわゆる“ブレークスルー感染”だ。「自治体などの支援も満足に受けられてない」と話す中、アロエさんはネットの力にすごく助けられているという。
「新型コロナにかかると『夜が怖い』という人が多いんです。夜になると呼吸がしにくくなるなど、みんな症状が悪化するので、そういう話が(周りで)なかなかできないから、Twitterくらいしか発散する場がない。そういう人がすごく多い。Twitterで自分と同じような状態だったけど、数日したら回復して良くなっているツイートを見ると、すごく励みになって、自分も勇気づけられます」
そして、アロエさん自身も療養中の食事の内容などをTwitterで発信。自分が勇気づけられたように、誰かの力になりたいと話す。
「コロナになって、やっぱり周りから差別偏見的な目があるんじゃないかと、いろいろ考えてしまって。コロナになった人じゃないと、このつらさや社会的な立場が分かち合えないと思います。私は幸い、実家で療養することができているので、コロナになっていても食欲が湧く、元気になるような食事を心がけています。そのメニューを写真でアップしたり、今は自宅療養3日目ですが、少しずつ何か経験で発信できることが増えればいいなと考えています」

●五輪と人出「印象論」主張の知事 期間中に高止まりした深夜の繁華街 8/16
東京都での新型コロナウイルスの感染拡大は、専門家に「制御不能な状況」と指摘されるレベルにまで至った。小池百合子知事は、東京オリンピック(五輪)の開催と人出の関係を否定し、五輪期間中に人出は減少したとの分析をアピールする。ただ、直近の感染者数をみると、五輪期間中に感染した人は、これまでにない大規模な人数に達したとみられる。
「印象論でおっしゃっている。こちらは人数がどうだったか確認している」「エピソード(出来事)ベースではなくエビデンス(証拠)ベースで語ることが重要だ」
13日の定例会見で、小池知事は強い口調でたたみかけた。前日にあった都のモニタリング会議で、国立国際医療研究センターの大曲貴夫氏が「競技場の周辺や沿道に多くの人が集まり応援する姿が見られた」と述べたことを問われた際だ。
緊急事態宣言下での自粛生活が長引く中、五輪開催によって人出が増え、感染拡大の要因になるとの見方に対し、小池知事はこれまで「五輪の視聴率は20%を超えており、ステイホームに一役買っている」と強調してきた。13日の会見でも「テレワークなどの推進もあり、ステイホームで応援して頂き視聴率も上がった」と改めて述べた。
さらに、都はこの日、小池知事の主張を後押しするデータを突如発表した。
五輪期間中の人出について、競技場周辺や都心部での大会前との人出を比較した調査結果だ。開閉会式や路上競技などで瞬間的に人出が増えた場所や時間帯はあったものの、大会期間全体としては大会前よりも人出は減少したと結論づけた。
だが一方で、感染リスクが高い深夜帯の繁華街での人出は、大会期間中に高止まりしていたとのデータもある。
都医学総合研究所の調査によると、7月12日に緊急事態宣言が出た4週間後(8月1〜7日)のレジャー目的の滞留人口は、宣言直前の1週間前と比べて17・6%減。同じ宣言直前の1週間前と比べた3週間後(7月25〜31日)の20・8%減よりも、減少率は下がった。

●コロナ下の東京パラ、専門家「できないとは言わないが」 8/16
24日開幕の東京パラリンピックについて、政府、東京都、大会組織委員会、国際パラリンピック委員会(IPC)の4者の代表者協議が16日、東京都内であり、すべての会場で一般の観客を入れないことを決めた。
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が出ている首都圏の会場に一般客を入れないことは、東京オリンピック(五輪)の閉幕時点で既定路線だった。さらに川勝平太知事が国に緊急事態宣言の適用を要請し、対象地域に追加される方向となった静岡県についても、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、有観客から方針転換した。学校連携観戦プログラムは「教育的な意味合いも大きい」と組織委などが実現の可能性を探っていたが、デルタ株の広がりなどもあり、自治体や学校設置者に判断を委ねる形を取った。
組織委は当初、五輪とパラリンピックで計900億円のチケット収入を見込んでいたが、ほとんどが無観客になったことで数百億円規模の赤字になるとの見立てもあり、大会後に都と国が協議する見通しだ。
そもそも、感染爆発が起きている首都圏でパラリンピックを開催できるのか。国際医療福祉大の松本哲哉教授(感染症学)は「できないとは言わないが、やるなら五輪の経験を生かし、さらに安全面を強化しなければならない」と話す。
選手を外部と隔離する「バブル」方式について、五輪では一部の選手が集まって飲酒するなど、感染リスクがある行動を抑制できていなかった点を挙げ、「監視態勢に不備があった」と指摘。「大規模なクラスターが起きて、五輪は失敗だと言われてもおかしくなかった。感染者が少なく収まったのは結果論だ」とみる。

●IPCパーソンズ会長が来日 東京パラ、観客の扱い協議 8/16
24日に開幕する東京パラリンピックに向けて、国際パラリンピック委員会(IPC)のパーソンズ会長が16日、羽田空港着の航空機で来日した。大会終了まで滞在する。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、観客の受け入れについて、政府、東京都、大会組織委員会、IPCは16日夜に代表者による協議を開き、方針を決定する予定。8日に閉幕した東京五輪は、大部分の会場が無観客で開催された。
パラリンピックは緊急事態宣言が発令されている東京都と埼玉、千葉両県は、一般観客を入れずに開催する方向となっている。「学校連携観戦プログラム」は実施する方向で調整している。

●緊急事態宣言の対象地域拡大 政府が今週前半にも検討  8/16
新型コロナウイルスの急激な感染拡大が各地で続き、重症者の数も増加していることを受けて、政府は、今週前半にも関係閣僚による会合を開いて緊急事態宣言の対象地域の拡大などを検討することにしています。
新型コロナウイルスの新規感染者数は15日、東京都内で、日曜日としては最も多い4295人となったほか、14日には10を超える府県で過去最多となるなど、各地で急激な感染拡大が続いています。
全国の重症者の数もきのう時点で1563人と、3日連続で最多を更新していて、菅総理大臣は、きのう、厚生労働省の樽見事務次官らから、各地の医療提供体制などについて、1時間近くにわたって報告を受けました。
政府は、今週前半にも、菅総理大臣と西村経済再生担当大臣、それに田村厚生労働大臣ら関係閣僚が会合を開き、感染状況や病床のひっ迫状況も踏まえ、東京や大阪など6都府県に出されている緊急事態宣言や、13道府県に出されている、まん延防止等重点措置の対象地域の拡大を検討することにしています。

●緊急事態宣言を9月半ばまで延長へ、3府県も追加−報道 8/16
政府が新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の期限を9月半ばまで延長する方向で調整に入った、と産経新聞電子版が複数の政府関係者の情報を基に報じた。
報道によると東京都などに加え、今月31日までを期限に「まん延防止等重点措置」を適用している京都府と兵庫、福岡両県にも新たに宣言を発令する方向で検討している。菅義偉首相は関係閣僚と対応を協議した上で、17日にも専門家でつくる基本的対処方針分科会に諮り、了承が得られれば同日の対策本部で正式決定する。
菅首相は16日、都内の感染抑制が「全国の感染拡大を抑えることにつながる」と述べ、都と連携して医療提供体制などの構築を進める考えを示した。重症化の防止効果がある抗体カクテル療法を行うことができる臨時施設を全国の拠点に整備するとも話した。全国約1000の病院で4000人に投与し、効果があったという。同療法による投薬を開始したホテル内の施設を小池百合子知事と共に視察後、記者団に語った。
7月12日に発令した4回目の緊急事態宣言は当初8月22日が期限だったが、感染拡大が続いたことから31日まで延長していた。16日に発表した都内の新規感染者数は2962人、重症者数は7日連続で過去最多となる268人だった。全国の1日当たり新規感染者数は13、14の両日に2万人を超えた。
宣言が延長されれば秋の政治日程にも影響を与える。共同通信によると、自民党は菅首相の総裁任期満了に伴う総裁選に関して「9月17日告示−29日投開票」を軸に検討に入っている。首相が先に衆院を解散すれば、総裁選は衆院選後に実施される見通しとも報じているが、同月半ばまで宣言が続けば5日の東京パラリンピック閉会直後の解散は困難となりそうだ。
菅内閣の支持率は時事通信が6−9日に行った世論調査で前月比0.3ポイント減の29.0%。政権運営が困難な「危険水域」といわれる3割を2カ月連続で下回った。

●宣言「9月12日まで延長」案 首相表明「酸素ステーション」とは 8/16
東京など6つの都府県に発令中の緊急事態宣言は、再び延長される見通し。延長幅は、9月12日までとする案が政府内で検討されている。菅首相は16日、小池知事らとともに、東京・港区のホテル内に設置された療養施設へ。重症化防止の効果がある「抗体カクテル療法」の実施状況などを視察したあと、そろって会見に臨み、今後の感染対策について話した。
菅義偉首相「まず東京の感染を抑えることが、全国の感染拡大を抑えることにつながる」
小池百合子都知事「国と連携を図ることが、都民の命、そして健康を守ることにつながってくる」
16日、東京都では、新たに2,962人の感染を確認。月曜日としては、最多の数字。全国の重症者も、前の日から40人増えて1,603人となり、4日連続で過去最多となるなど、感染の急拡大が止まらない。都内では、自宅療養者が、先週初めて2万人を突破。この危機的状況に、菅首相はある対策を打ち出した。
菅義偉首相「(自宅療養者への対策は?)例えば、酸素の投与が必要になった場合、酸素ステーションを設置して」
自宅療養者に酸素を投与するための「酸素ステーション」の整備。実は、神奈川県で、すでに運用が始まっていた。入院が必要な患者に対し、搬送先が決まるまでの間、応急処置として酸素投与をする緊急施設という位置づけ。
政府関係者は、「ポータブルの酸素を置いてやる。東京都のコロナ専用病院とか病床が空いてるんだよね。そういうところを活用するやり方もあるし、酸素缶を集めて、どこかの建物でやることもあるかも。今、東京都とも話をしている」と説明。
しかし専門家からは、懸念の声が上がっている。昭和大学・二木芳人客員教授「酸素投与は基本的に治療というより、患者さんの症状を緩和するだけの療法ですから、やはりそれだけでは不十分。必要な患者さんが行きつけるかどうかというところも大いに疑問ですよね」さらに、施設の開設により、医師や看護師不足が加速するおそれもあり、現状では、ある程度の治療ができる施設を増やすことが急務だと指摘する。
そこで浮上するのが、東京都では7月から設置が始まり、現在、沖縄県などで運用が始まっている「入院待機ステーション」。体育館や病院内の空き部屋を活用し、自宅療養などで容体が悪化した患者の入院先が見つからない時に、一時的な治療を行う、いわば野戦病院的施設。
政府は、緊急事態宣言の期限延長に加え、新たに京都府と兵庫県、福岡県を軸に、宣言の対象拡大も検討。17日に開く政府対策本部で、正式決定する方向。しかし...。
昭和大学・二木教授「(緊急事態宣言については?)ただ単に地域や期間を延長したというだけでは、私はほとんど今のタイミングでは効果が得られないと思う」
先週、菅首相は、いわゆるロックダウン(都市封鎖)について、「世界でロックダウンする、外出禁止に罰金かけても、なかなか守ることができなかったじゃないですか。やはりワクチンだということで、人流の抑制と同時に、そういったことに、しっかり全力で取り組んできています」と述べた。

●緊急事態宣言、9月半ばまで延長へ 京都、兵庫、福岡も追加 8/16
政府は、全国で新型コロナウイルスの新規感染者が急増しているのを受け、新型コロナ特別措置法に基づき東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県と大阪府、沖縄県に発令中の緊急事態宣言の期限を9月半ばまで延長する方向で調整に入った。また、今月31日までを期限に「蔓延(まんえん)防止等重点措置」を適用している京都府と兵庫、福岡両県にも新たに宣言を発令する方向で検討している。複数の政府関係者が16日、明らかにした。
菅義偉(すが・よしひで)首相は西村康稔経済再生担当相や田村憲久厚生労働相ら関係閣僚と対応を協議した上で、17日にも専門家でつくる基本的対処方針分科会(尾身茂会長)に諮り、了承が得られれば国会報告を経て同日の対策本部で正式決定する。
1日当たりの国内の新規感染者数は13日に初めて2万人を突破。7月29日に1万人を超えて以来、2週間余りで約2倍に達した。これに伴い、全国の自宅療養者数も今月11日午前0時時点で7万4063人となり、前の週(4日時点)から約2万8000人増加。人口10万人当たりの療養者数も33都道府県で政府の新型コロナ対策分科会が示すステージ4(爆発的感染拡大)となっている。
65歳以上のワクチン接種が広がり死者数は減少した一方、インド由来の変異株(デルタ株)が猛威を振るう中で若い世代の感染が急拡大。本来は入院が必要な患者が病床不足で入院できないケースが相次いでいる。政府は新たな感染者を抑え、病床確保を確実にするためには宣言延長が不可避と判断したとみられる。
政府は宣言延長に合わせ、北海道、福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、石川、滋賀、熊本の10道県に適用中の蔓延防止等重点措置についても9月半ばまで延長する見通しだ。

●緊急事態宣言は年内いっぱい延長か、ワクチン8割完了の11月までか… 8/16
やけのやんぱちなのか、ウィズコロナなのか。繁華街から人が消えず、新型コロナウイルスの感染爆発は収まる気配がない。6都府県に発令されている今月末が期限の緊急事態宣言も、もはや延長確実の情勢になってきた。いったい、いつまで延長されそうなのか。
感染状況がとりわけ深刻なのが東京都と沖縄県だ。直近1週間の10万人当たりの新規感染者数(14日現在)は212.76人と280.87人で、春に感染爆発したインドのピーク時198.5人を大きく上回っている。東京の15日の新規感染者数は4295人で、日曜日の最多を更新。都の基準による重症者数も6日連続の最多更新で、251人に増えた。沖縄も日曜としては過去最多の661人の感染が判明した。「専門家からは年内いっぱいの宣言延長を求める声が上がっています。政治的な理由でそれが厳しいというのであれば、菅首相が『全国民の8割接種完了』の目標時期に掲げる『10月から11月までの早い時期』まで延長する必要がある、との訴えもある。ですが、自民党総裁選と衆院選を控える中での長期延長は『出口なし』『打つ手なし』と認めるようなもの。9月末までの1カ月延長が現実的選択になりそうです。ただ、1カ月の延長で済むのかどうか。デルタ株の感染力は半端じゃない。再延長に追い込まれる恐れがあります」(厚労省関係者)
直近1週間の10万人当たりの新規感染者数がステージ4の目安となる25人以上を下回るのに、インドではピークから2カ月を要している。
翻って国内では35都道府県がステージ4、10県がステージ3レベル。感染拡大を抑え込んでいるのは秋田と徳島の両県だけだ。デルタ株が猛威を振るう第5波を、あと1カ月半で抑え込むのは、これまた楽観的過ぎるシナリオなのではないか。
感染者数の増減をグラフ化すると山形曲線を描くため、波に例えられる。第1波から第4波までは、2カ月ほどの範囲に収まり、山はおおむね左右対称。ピーク以前とピーク以降で1カ月ずつ分け合ってきた。しかし、7月12日に4回目の宣言が東京に発令されて1カ月が過ぎたが、第5波はいまだにピークは見えていない。
昭和大医学部客員教授の二木芳人氏(臨床感染症学)は言う。「今月中旬にはピークに達すると見ていますが、24日に開幕を控えるパラリンピックが感染状況にどう影響するか。宣言の期限を延長したり、対象を拡大したところで、現状では具体的な対策に乏しく、感染抑止効果はもはや期待できない。プロスポーツイベントの中止や遊興娯楽施設の休業など、不特定多数の人が集まる機会をなくした方がいい。目に見える形で強烈なメッセージを打ち出す必要があるのではないか」
懸念通り、東京五輪強行で感染爆発。失策をゴマカすためにまたも対策の小出し後出しでは、救われるはずの命がどんどん救われなくなる。

●緊急事態、静岡・兵庫・福岡など7府県追加 来月12日まで、東京など延長 8/16
政府は16日、新型コロナウイルス感染の急拡大を受け、緊急事態宣言の対象地域に茨城、栃木、群馬、静岡、京都、兵庫、福岡の7府県を追加する方針を固めた。期間は20日から9月12日まで。東京、大阪など6都府県に発令中の宣言も、月末までの期限をこれに合わせて延長。また、宮城など10県に「まん延防止等重点措置」を新たに適用する。17日に専門家らによる基本的対処方針分科会に諮った上で正式決定する。
菅義偉首相は16日、西村康稔経済再生担当相ら関係閣僚と首相官邸で協議。この後、記者団に「全国的に過去最大の感染拡大が続く中、宣言や重点措置について17日の分科会にかけることを決定した」と表明した。
首相は、ワクチン接種の加速化など「国民に影響がないようにするため全力で取り組んでいる」と説明。「目先のことの解決に向けて全力でやるのが私の責務だ」と強調した。
重点措置は現在、13道府県に適用中。このうち7府県を宣言に切り替え、残る6道県は継続する。
新たに重点措置を適用するのは、宮城、富山、山梨、岐阜、三重、岡山、広島、香川、愛媛、鹿児島の10県。期間は20日から9月12日まで。
これにより、宣言は13都府県、重点措置は16道県に、それぞれ拡大。全都道府県の約6割が宣言・重点措置の対象となる。
一方、全国的な感染拡大を踏まえ、日本医師会などは全国への宣言拡大の検討を求めているが、政府は慎重だ。首相周辺は「全国一律の宣言は考えていない」と断言した。
緊急事態宣言とまん延防止措置
【緊急事態宣言=13都府県に拡大】
6都府県を延長=東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、沖縄の期限を8月末から9月12日に
7府県を追加=茨城、栃木、群馬、静岡、京都、兵庫、福岡(まん延防止等重点措置から切り替え。9月12日まで)
【まん延防止等重点措置=16道県に拡大】
6道県を延長=北海道、福島、石川、愛知、滋賀、熊本の期限を8月末から9月12日に延長
10県を追加=宮城、富山、山梨、岐阜、三重、岡山、広島、香川、愛媛、鹿児島(9月12日まで)。

●コロナ急拡大でも入国者数緩和の報道 1日2000人が3500人に 8/16
緊急事態宣言の真っただ中で、新型コロナウイルスの水際作戦が少し緩和されたようだ。NHKによると、1日およそ2000人に抑えられていた入国者の上限について、国は、2021年8月16日からおよそ3500人に広げることにしたという。コロナ禍が最大級に拡大し、デルタ株に加えてラムダ株など新たな変異株の脅威も増しているだけに、インターネットで疑問の声も出ている。
このニュースはNHKが14日、「関係者によると」という形で報じた。東京オリンピックが閉幕して検疫の態勢に余裕ができたことや、海外にいる日本人の帰国需要が高まっていることなどが緩和の理由だという。
政府は今年3月以降、新型コロナウイルス対策を強化するため、入国者数の総数を、日本人と、在留資格がある外国人の再入国を含め、1日2000人以下に抑え、国際線を運航している航空会社に搭乗者数の制限を要請していた。
航空分野の情報を配信する「Aviation Wire」によると、ANA(全日空)とJAL(日本航空)は、国際線の1週間当たりの搭乗者数を1社当たり3400人に抑えてきたが、16日からは6100人ずつに緩和した。
海外の航空会社は、これまで1便あたり40人だったが、16日から31日までは同70人に緩和。9月1日から30日までは同80人となる見通しだという。
コロナ禍で経営的に苦しんできた航空会社にとっては、わずかとはいえ、収入増が見込める。
入国者を受け入れる日本国内では、かつてない勢いでコロナの感染者が増加している。海外から持ち込まれたデルタ株によるものだ。最近は、新たにペルーからの来日者が、中南米を中心に猛威を振るうラムダ株に感染していたことが明らかになったばかり。
海外から侵入してくる変異株に、最大級の警戒が要請されている時なのに、唐突に入国緩和が決まったことに対し、ネットでは疑問の声が出ている。
「緊急事態宣言なのに入国緩和はなぜ」「デパートは入場規制、海外からは入国緩和」「国民には自粛しろ、外出するなと言ってんのに」「ラムダ株も入国緩和」など違和感を訴える声が多い。
日本はすでに「ワクチンパスポート」を7月26日からスタートしている。新型コロナウイルスのワクチン接種を受けたことを証明するものだ。諸外国に入国しやすくなるが、利用可能な国はまだ多くはない。
こうした「緩和措置」は基本的に相互主義なので、日本から入国しやすい国を増やすには、日本側も受け入れ条件などを緩和する必要がある。このためネットでは、「入国緩和で、インバウンド経済を少しでも回したいのでしょう」などという見方も出ていた。
 

 

●東京で感染拡大収まらず 菅首相、小池都知事に「無能すぎる」と批判 8/17
小池百合子知事への風向きが変わってきている。感染拡大する新型コロナウイルスへの対応が大きな要因だろう。東京都内では8月16日、月曜では過去最多の2962人の新規感染者数が確認されたほか、重症者数は7日連続で過去最多の268人が確認された。
緊急事態宣言が出ているにもかかわらず、都内の光景には変化がみられる。駅では通勤ラッシュが珍しくなく、リモートワークが進んでいるとは言い切れない。飲食店は酒類の提供停止と午後8時までの時短営業が要請されているが、繁華街の映像が映し出されると、深夜まで営業している飲食店の数が見られ、20代の若者を中心に路上を行きかう人の数も多い。公園でも路上飲みの光景が見られる。
「緊急事態宣言が延長に次ぐ延長で効力がなくなってきている。十分な説明責任がないまま東京五輪を開催した代償は大きい。国民の間で政治不信が募り、国や東京都の呼びかけに耳を傾けなくなっている。飲食店の経営者に話を聞くと、『もう小池さんの話は聞いていられない。納得する説明もなく、我慢してくれの一点張り。それなら、なぜ政府と一緒に東京五輪開催に賛同したのか。これ以上我慢していたら店もつぶれてしまう』と話していました。菅首相だけでなく、小池都知事も都民の求心力を失ってきている状況です」(テレビ局の政治部記者)
小池都知事は13日に記者団からコロナの感染拡大で医療体制がひっ迫していることに質問が及ぶと、「外出を控えてください。今日もたくさんの人が出ておられますが、大雨もコロナも同じです。災害になります。よろしくお願いします」と呼び掛けた。だが、その災害と捉えたコロナ感染拡大の状況で、政府と共に東京五輪開催へ突き進んだ。この矛盾に対し、説明責任を果たしているだろうか。
12日の東京都のモニタリング会議では、国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長が五輪の影響について言及。「感染リスクが高いにもかかわらず、五輪競技場の周辺や沿道では、大勢の人が集まり、応援する姿が見られた。いま一度、屋外であっても密集・密接することは、感染リスクが高いことを啓発する必要がある」と警鐘を鳴らすと、小池都知事は真っ向から否定した。「大曲先生は印象論でおっしゃっている」とバッサリ。「交通需要マネジメントも人流抑制に役立った。数字にも表れている。テレワークの推進も図った。ライブサイトも見直し、ステイホームで応援していただいたからこそ、視聴率も上がった」と強調した上で、「エピソードベースではなくエビデンスベースで語ることが重要だ」と述べた。
この小池都知事の対応に対し、SNS、ネット上では、「テレワークは浸透していないし、テレビの視聴率が上がっただけの脆弱な根拠をエビデンスベースとか言うなよ。こんな人が都知事であることが恥ずかしい。菅さんも小池さんもやっていることは国民感情を逆なですることばかりで無能すぎる。そりゃ誰も言うことを聞かないよ(原文ママ)」、「都民や国民の自粛努力を、オリパラ強行開催で無にする。にもかかわらず、人流が〜、自粛慣れが〜、若者が〜、と悉く他人のせいにされては、協力する気も話を聞く気も無くなるのは、当然の事だとは思えないのでしょうかね、小池も菅も。逆ギレしたいのはこちらですよ(原文ママ)」など批判的なコメントが殺到する事態になった。
7月4日に投開票された都議会議員選挙では、小池都知事を支える地域政党・都民ファーストの会が自民とわずか2議席差の第2党。告示前の情勢調査などで「自民圧勝・都民ファ惨敗」との予測を覆す結果になった。告示直前に過労で入院したが、選挙終盤で公務に復帰した小池知事は最終日に都民ファ候補の応援に駆け付けて流れを変えた。「小池マジック」の健在ぶりを見せつけた。
ただ、前出の政治部記者は「都民ファーストの会が善戦したのは小池さんの力だけではない」と話す。
「あの時は東京五輪で観客を入れて開催することに前向きだった菅首相への怒りや不満で自民党が自滅した部分もあった。今は小池都知事に対しても国民の不信感が募っている。コロナ対策で正念場を迎えていることは間違いない」
小池都知事はこの逆境を乗り越えることができるか。

●東京都「疫学調査より重症患者対応を優先」保健所に指示 8/17
新型コロナウイルス感染者が爆発的に広がっている東京都が、各保健所に対し濃厚接触者の疫学調査ではなく重症患者に対する対応を優先するよう通知したと伝えられた。感染者の急増に対し職員が不足している保健所の現実を反映したもので、東京の新型コロナの状況が危険水位に達したことを示している。
産経新聞は、東京都が「新型コロナウイルスの感染急拡大に伴う保健所業務の逼迫を受け、濃厚接触者や感染経路を詳しく調べる『積極的疫学調査』の規模を縮小する方針を都内の各保健所に通知した」と16日報道した。感染者が急増して疫学調査に多くの時間がかかっている状況だが、今後は学校や高齢者施設など集団感染のリスクが高いところを中心に調査する計画だ。事実上、小規模感染の調査から手を引くということだ。
代わりに各保健所は、感染者の病状を調べ重症に進むリスクがある場合、医療機関に連結する業務に集中する方針だ。ここのところ、感染者は増えているが医療機関への入院が難しくなっており、治療を受けられないまま死亡する事例が出るなど、医療システムに対する不安が高まっている。時事通信は「都内の自宅療養者や入院・宿泊療養待ちの感染者は15日時点で3万5000人を超えた」と伝えた。
日本では緊急事態宣言など強力な防疫対策が施行されているが、東京を中心になかなか新型コロナの拡散傾向に歯止めがかかっていない。わずか1カ月前までは一日の新規感染者が1千人余りだった東京は、現在4千〜5千人台に増えている。13日には5773人で過去最高を記録し、15日も4295人で日曜日基準で最も多かった。
最近、日本全域で新型コロナ感染者が一日に2万人を記録し、日本政府は近いうちに緊急事態宣言の対象地域を拡大する方案を検討することにしたとNHKがこの日報道した。現在、東京、大阪など6都府県に緊急事態が宣言されており、13道府県に緊急事態に準ずる「まん延防止等重点措置」が下されている。

●東京の緊急事態宣言を9月12日まで延長、百貨店の入場制限徹底 8/17
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は東京都など6都府県に発令中の緊急事態宣言を9月12日まで延長する。京都、福岡など7府県も対象に追加する。
17日夕の政府対策本部で決定した。菅義偉首相は「最優先の課題は患者の命を救うための医療体制の構築だ」と述べ、ホテル療養も含めた最大限の病床上積みを行うと述べた。感染防止の徹底とワクチン接種と合わせ、3本柱で対策を進めるとも語った。
酒類の提供自粛に加え、百貨店など大型商業施設の入場制限の徹底や混雑した場所への外出機会の半減を呼び掛ける。7月12日に発令した4回目の緊急事態宣言は当初8月22日が期限だったが、31日まで延長していた。
感染力の強いデルタ株により、感染者数は全国的に拡大している。17日発表の都内の新規感染者数は4377人、重症者数は8日連続で過去最多の276人だった。
第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは宣言延長と対象地域拡大により、国内総生産(GDP)減少額は0.75兆円から1.2兆円程度に拡大すると試算。7−9月期のGDPを0.9%程度、年率換算で3.6%程度押し下げるとの見方を示した。

●新型コロナ 道内で発表された感染者の情報 8/17
旭川で2クラスター発生
旭川市は、市内で新たに新型コロナウイルスのクラスターが2つ発生したと発表しました。このうち、市内38例目となるクラスターは今月上旬に市内の飲食店で開かれた会食の会場で発生し、これまでに参加者9人の感染が確認されたということです。症状は、いずれも軽症または無症状だということです。また、市内の建設会社では、市内39例目となるクラスターが発生しました。従業員など5人の感染が確認されたということです。症状は、いずれも軽症か無症状だということです。
札幌 陸自でクラスター発生
札幌市は、札幌市中央区の陸上自衛隊駐屯地で市内384例目となるクラスターが発生したと発表しました。市によりますと、この駐屯地では20代から30代の職員あわせて10人の感染が確認されたということです。市は、濃厚接触したおそれがあるほかの職員11人についても順次、PCR検査を進めています。
北斗の事業所でクラスター発生
道は新たなクラスター1つが発生したと発表しました。発生したのは北斗市の事業所で、16日、20代から30代の従業員5人の感染が確認されました。症状はいずれも軽症だということです。道は濃厚接触したおそれのある人を把握できているとして、事業所の名前を公表していません。
函館 飲食店のクラスター拡大
函館市は、クラスターが発生している市内の飲食店で新たに5人の感染が確認されたと発表しました。これで、このクラスターに関連する感染者はあわせて13人となりました。
旭川 飲食店のクラスター拡大
旭川市では、市内37例目のクラスターが発生しているカラオケを伴う飲食店で新たに4人の感染が確認され、関連する感染者は客と従業員などあわせて15人となりました。
道発表の3クラスター拡大
道は、これまでに発生している3つのクラスターで新たな感染者が確認されたと発表しました。新たに感染が確認されたのは、苫小牧市で今月開かれた「全国高等学校選抜アイスホッケー大会」に参加していた教職員など1人です。これで、このクラスターに関連する感染者は生徒111人と教職員など11人、それに大会関係者など7人のあわせて129人となりました。また、北見市の事業所でも新たに従業員1人の感染が確認されました。これで、このクラスターに関連する感染者は、従業員あわせて6人となりました。さらに、釧路市の飲食店でも新たに利用客1人の感染が確認されました。これで、このクラスターに関連する感染者は、利用客11人と経営者1人のあわせて12人となりました。
札幌 2クラスターで新たな感染者
札幌市は、これまでに発生している2つのクラスターで新たな感染者が確認されたと発表しました。このうち、市内359例目のクラスターが発生しているコールセンターでは新たに従業員1人の感染が確認され、関連する感染者は従業員59人となりました。また、市内381例目のクラスターが発生しているスーパーでは新たに従業員1人の感染が確認され、関連する感染者は従業員16人となりました。
ススキノ関連 新たに2人
札幌市によりますと、繁華街・ススキノの接待を伴う飲食店に関連する感染者が新たに2人確認されたということです。これで、ススキノの接待を伴う飲食店に関連する感染者は336店舗の1289人となりました。
札幌 専門学校のクラスター収束
札幌市は、市内の専門学校で発生していた市内363例目のクラスターが収束したと発表しました。この専門学校では学生13人の感染が確認されていました。

●新型コロナ 胆振・日高地方でも感染拡大続く 8/17
胆振・日高地方では17日、新たにあわせて18人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。胆振地方では、1週間連続で1日の新規感染者がふた桁となるなど、感染が拡大しています。
道によりますと、17日、胆振地方で15人、日高地方で3人の感染が新たに確認されました。今月に入ってからの感染者数は、胆振地方が181人、日高地方が37人で、いずれも先月の感染者数をすでに上回っています。
胆振地方では、1週間連続でふた桁の感染が確認され、直近1週間の新規感染者が10万人あたり24.5人と、都道府県の感染状況を示す国のステージで最も深刻な「ステージ4」の目安となっている10万人あたり25人に迫っています。
また、今月14日までの1週間の新規感染者数を自治体別に見てみると、苫小牧市が58人で胆振全体の8割以上を占め、次いで室蘭市と新ひだか町が7人などとなっています。
感染拡大が続く中、道は、まん延防止等重点措置の対象地域である札幌市などと不要不急の往来を控えることや、マスクの着用や手洗いなど、基本的な感染対策の徹底を呼びかけています。

●松窪病院、感染48人に拡大 新型コロナ、福島労災病院は30人に 福島県 8/17
県が15、16の両日に発表した新型コロナウイルスの感染状況によれば、これまでに発生したクラスター(感染者集団)で感染者の増加が目立った。会津若松市のつるが松窪病院では、新たに患者13人と職員4人の感染が分かり、クラスターは計48人に広がった。
まん延防止等重点措置が適用されているいわき市では、福島労災病院のクラスターで新たに職員3人と患者2人が陽性となり、計30人となった。児童施設(県内119件目)では児童16人と職員1人の感染により計25人に拡大した。別の児童施設(108件目)、環境省発注事業の関連企業(112件目)でも感染者数が増えた。このほか、県北の事業所(117件目)が計42人、郡山市の事業所(122件目)が計9人にそれぞれ拡大した。

●古河の事業所でクラスタ― 常総の高校、水戸刑務所でも感染拡大 茨城県 8/17
茨城県と水戸市が17日に発表した新型コロナウイルス新規感染者計260人のうち、1人は古河市内の事業所の従業員で、同事業所内の感染者は従業員計7人(他県確認の1人含む)に広がった。県は新たなクラスター(感染者集団)発生の可能性があるとした。
感染が相次ぐ常総市内の高校では新たに生徒2人の感染が判明し、同校内の感染者は生徒計16人に拡大した。
水戸刑務所(ひたちなか市)でも新たに職員1人の感染が明らかになり、施設内の感染者は被収容者10人、職員5人の計15人に増加した。
かすみがうら市内の放課後児童クラブでも児童1人の感染が分かり、感染者は児童8人、職員1人の計9人に増えた。

●新型コロナ感染拡大 段階的な医療体制の強化示す 埼玉県 8/17
新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、県は17日専門家会議を開き、今後の感染拡大や医療ひっ迫に備え段階的に医療体制を強化する方針を示しました。
県内の感染者急増を受けて、17日の会議では、今後、新規陽性者と療養者の増加に合わせて、段階的に医療体制などを強化する県の方針が示されました。
まずは、現在の感染状況を受けて、自宅療養中の中等症患者に対する健康観察などにあたる協力医療機関を増やします。
また、複数自宅療養で症状が悪化した陽性者に対し、入院先が決まるまで一時的に受け入れ、酸素投与などを行う「酸素ステーション」を県内に設置する方針です。
そして、さらなる病床のひっ迫が想定される場合、手術の延期など一般医療の制限によって病床を確保することを検討しています。

●クラスター2校、部活で拡大 埼玉1634人感染… 埼玉県 8/17
埼玉県などは17日、新たに1634人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。新規感染者の内訳は県発表が1168人、さいたま市307人、川口市47人、川越市33人、越谷市79人。
これまでに確認された感染者は7万9376人(チャーター便帰国者含む)、死者は864人(17日午後6時現在)。
17日午後9時時点の重症者は125人、感染者の入院は1188人、宿泊療養627人、自宅療養1万5354人。退院・療養終了は5万6540人。
県によると、県管轄で詳細が判明したのは未就学児〜90代の男女854人。クラスター(感染者集団)関連では、県内の学校で同じ部活に所属する女子学生2人が感染し、計12人になった。県内の食品加工会社では4人が感染した。県内の学校で同じ部活に所属する男子学生4人が感染し、計6人になった。会食では12人、バーベキューでは2人が感染したとみられている。32人はワクチンを2回接種済みだった。
さいたま市によると、感染が判明したのは10歳未満〜90代の307人。13日発表の1人を取り下げた。重症1人、中等症は9人。ワクチンを2回接種して感染したのは10人だった。クラスター関連では、大宮双愛病院で、70代男性の陽性が新たに判明し、感染者数は計22人。男性は陽性患者と同室で、今月7日に退院後の14日に発症した。中等症で入院予定としている。陸上自衛隊大宮駐屯地で隊員1人の感染が判明し、感染者数は計49人となった。
川口市によると、感染が判明したのは10歳未満〜90代の男女47人。市上下水道局の50代男性職員の陽性が判明した。川越市によると、感染が判明したのは10歳未満〜80代の男女33人。
越谷市によると、感染が判明したのは未就学〜70代の男女79人。市市民活動支援課の女性職員、消防署蒲生分署の30代男性職員が新たに感染した。男性職員は救急業務に携わっており、濃厚接触者とされた職員2人はPCR検査待ちで自宅待機している。

●感染者急増で保健所の負担も急増 肩を落とす観光地 静岡県 8/17
感染者の急増で、保健所が通常業務に支障をきたすなど感染拡大が止まらない状況に、政府は緊急事態宣言の対象地域に静岡県を追加します。
保健所職員「健康観察のお電話です。体温はいかがですか」
過去最多を更新した静岡市の保健所です。自宅療養をする人への経過観察を担当する職員は7月まで5人以下でしたが、8月に入り倍以上に増やしました。職員約35人が交代で24時間365日対応していますが、負担が増す一方です。
静岡市保健所保健予防課 杉本嘉亀課長補佐「先週から爆発的に増えておりまして、当然、患者さんの発生とあわせてこちらの対応も夜遅くまで毎日増えているという状況」
新型コロナウイルス関連の業務が増え続け、医療費の助成手続きや予防接種の手配など、通常業務に対応する時間が無くなるほどだといいます。
静岡市保健所保健予防課 杉本嘉亀課長補佐兼係長「いつ終わるかわからないので、本当にみなさんからのご協力とご理解賜りながらこの状況を打破できるように頑張っていきたいと思います」
開幕が1週間後に迫る東京パラリンピックは、会場となる東京・埼玉・千葉・静岡が緊急事態宣言下となることを踏まえ、全ての会場を無観客とすることが決まりました。
県内の開催地の一つ、伊豆市では、新型コロナの感染が拡大する中、やむを得ないといった声が多く聞かれました。
伊豆市民「(無観客で)いいと思います。(五輪とは)状況が違います。今のほうが全然(感染者が)増えてきて」「その方がいいでしょ、だめでしょ。入れたら広がっちゃうから」
パラリンピックでは小中学生が競技を観戦する「学校連携観戦プログラム」は学校側の希望で実施できるとしていますが、県内では17日までに1校を除いてすべての小中学校が取りやめています。沼津市立の門池小学校は16日、最終的に中止を決めました。
沼津市立門池小学校 薬師神隆教頭「子どもたちの安心、安全を第一に考えると中止せざるを得なかった。(競技を)生で、五感で感じられることは重要だと思っていたので、残念に思っている」
門池小では今後、授業の中でパラリンピックについて学ぶ機会を作っていく考えです。
2020年の4月から5月に緊急事態宣言を経験した観光施設は、予想していたとはいえ、2回目の宣言の方針に肩を落としています。
下田海中水族館 鈴木博総支配人「やはり期待していた夏休み、後半とは言えどもお客様は減るだろうなということで、かなりショックを受けているのは事実です。時短なのか休業なのか、どのような要請が来るのか、今は想像ができていないですが、基本的には要請に従って対応する予定です」
様々な影響が予想される中、県民それぞれに命を守ることを最優先にコロナ対策に取り組む期間がはじまります。

●新潟県69人感染確認 町内会や保育園でも 新潟県 8/17
新潟県内では17日、新たに69人の新型コロナウイルス感染が確認されました。新潟市は感染者が家庭や職場などでさらに感染を拡大させるケースが目立つとして、対策の徹底を呼び掛けました。
新たに感染が確認されたのは69人です。このうち新潟市では45人で、中央区で15人、西区・秋葉区でそれぞれ8人などとなっています。その他の市町村では長岡市で5人、新発田市・小千谷市・南魚沼市でそれぞれ3人などとなっています。県内の感染者は累計5287人となりました。
新潟市東区と北区の10代と40代の合わせて5人は新潟市の音楽教室関連で、関連の感染者は40人にまで拡大しました。また、江南区の10歳未満の男の子と40代の新潟市職員2人は江南区の保育園の園児と職員で、この保育園の関連は4人になりました。
新潟市で17日に感染が確認された45人のうち34人は濃厚接触者で、多くが同居する家族や職場の関係者でした。
新潟保健衛生部 野島晶子部長「県外に出張に行っていたとか、県外往来のあった人と会っていたとか、(感染)リスクのある人がいたときに家庭内で感染が広がらないように気を付ける」
家庭内に感染のリスクがある人がいる場合、その人の入浴の順番を最後にしたり食事の時間をずらしたりといった工夫をしてほしいとしています。
一方で県によりますと、三条保健所管内にある町内会の関連で11人の感染が確認されています。町内会では行事やイベントを行っていないということですが、県は近所付き合いで感染が広がっているとみています。

●首都圏など県外往来、経路不明者から家族・職場の同僚に感染拡大 長野県 8/17
長野県は16日、直近1週間(8月9日〜15日)の新型コロナウイルスの発生状況を公表しました。
直近1週間の新規感染者数は565人で前週の360人を大幅に上回りました。県が示す感染速度は、全県で「激増」、圏域別では松本・南信州が「激増」、佐久・北アルプス・長野が「急増」となっています。
年代別では、最も多いのが20代で133人(23.5%)、続いて10代97人(17.1%)、40代96人(17.0%)、30代80人(14.2%)、50代71人(12.6%)、10歳未満39人(7.0%)、60代33人(6.0%)、70代9人(2.0%)、80歳以上7人(1.0%)です。
考えられる感染経路は、同居者間126人(26.8%)、同居外122人(26.0%)、不明101人(21.5%)、県外93人(19.8%)、飲食関連28人(6.0%)です。※調査中95人は母数から除く
県は、帰省や仕事などによる首都圏など県外との往来歴がある人の感染事例が多数確認されているほか、感染経路不明の人から家族や職場の同僚に感染が拡大するケースが続いているとして、今後のさらなる感染拡大を懸念しています。
基本的な感染対策の確認、徹底を求めるとともに、県外への往来はできるだけ控えてほしいと呼び掛けています。

●東京在住の人も…新型コロナ 過去最多の新規感染者78人 富山県 8/17
感染拡大が止まらない新型コロナウイルス。政府は、富山県にまん延防止等重点措置を適用する方針を固めました。そうした中、県内では、16日に続き17日も過去最多となる78人の感染が確認されました。
新たに感染が確認されたのは富山市、滑川市など9つの市と町や東京都に住む、10歳未満から90歳以上の78人です。1日の新規感染者が70人を上回るのは3日連続です。感染者の居住地別では富山市が最も多く43人。また、年代別では20代が最も多く全体の36%、10代から40代の感染者が全体のおよそ8割を占めています。
一方、感染経路別では家庭内感染が19人、これまでに感染した患者と接触があった人が21人、クラスター関連が1人、感染経路が分かっていない人が37人です。ところで、県立中央病院と南砺市民病院で職員が感染したことが分かりました。県立中央病院は20代の女性看護師で、濃厚接触者は同僚の看護師1人のみ、患者ではいないということです。また、南砺市民病院では職種は明らかにされていませんが職員1人が感染しました。職員と関りのあった職員や患者は77人いて、これまでの検査では全員が陰性と確認されています。
これで累計の感染者数は3114人、入院または入院調整中が561人、重症者は16日から3人増え10人となっています。

●福井県内コロナ感染者、3カ月足らずで倍増 累計2000人超 福井県 8/17
福井県内の新型コロナウイルスの累計感染者数が2千人を超え、8月16日時点で2031人となった。今年5月19日に千人を突破してから3カ月足らずで倍増し、特に7月中旬以降は感染力の強いインド由来のデルタ株の全国的な急拡大の影響を受けている。
県内の累計感染者数は、昨年3月の初確認から約1年2カ月後に千人に達し、その後約2カ月で1500人を超え、さらに3週間足らずで2千人を上回った。この間、英国由来のアルファ株を今年3月、デルタ株を7月に初確認。増加ペースの急加速は、ウイルスが全国と同様に変異株に置き換わってきたことが背景にある。
県内では、7月25日から23日連続で10人以上の感染が確認され、企業や飲食店、学校、こども園などでクラスター(感染者集団)が続発している。直近1週間の感染者数や病床占有率が、国の指標でステージ4(爆発的感染拡大)の水準を上回る状況もみられた。
過去最多となる43人が発表された8月3日、県は独自の「感染拡大特別警報」を発令。さらに、6日は4度目となる緊急事態宣言を出し、県境をまたぐ旅行や帰省の原則中止、延期を求めている。県内全域の飲食店に対して11〜24日の期間、営業時間を午後8時まで、酒類提供を同7時までとするよう要請している。

●岐阜県で最多324人感染「想定外の急増」 部活などでクラスター5件 岐阜県 8/17
岐阜県と岐阜市は17日、県内33市町などで計324人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。1日当たりの感染者数としては初めて300人を上回り、5月14日の155人を超えて過去最多となった。また、入院していた岐阜市の80代女性の死亡が確認された。感染者は累計1万1132人、死者は191人となった。古田肇知事は記者会見で「想定をはるかに超える急増」と強い危機感を示し、県民に感染対策の徹底や外出の半減をあらためて求めた。
直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、過去最高の54・01人。16日時点の入院患者は373人で、病床使用率は47・6%となった。重症者は2人。
新規感染者数の年代別は、20代が101人と最も多く、30代以下が全体の3分の2を占める。
新たに5件のクラスター(感染者集団)を確認した。岐阜市の飲食店に集まって会食した複数の親族の8人や、複数の親族などが集まって会食した岐阜市の家族ら7人の感染が判明。ほかに岐阜市の高校の部活動の11人、一緒に県外に出掛けた岐南町の職場の同僚ら6人、多治見市の同僚ら6人の感染が分かった。
拡大したクラスターは14件。うち岐阜市の山田病院では患者と職員各1人の感染が判明し25人、各務原市の高齢者福祉施設関連は1人増えて20人に広がった。
デルタ株の可能性がある「L452R変異株」の陽性者は新たに17人を確認し、計169人となった。
新規感染者の居住地別は岐阜市86人、各務原市33人、大垣市27人、多治見市24人、羽島市14人、美濃加茂市11人、中津川市、羽島郡岐南町が各10人、関市、瑞穂市が各9人、可児市8人、高山市、土岐市、羽島郡笠松町、愛知県が各7人、揖斐郡大野町6人、海津市、加茂郡坂祝町が各5人、本巣市、不破郡垂井町、本巣郡北方町が各4人、瑞浪市、恵那市、郡上市、東京都が各3人、飛騨市、養老郡養老町、安八郡神戸町、加茂郡富加町が各2人、下呂市、安八郡輪之内町、同郡安八町、揖斐郡揖斐川町、同郡池田町、加茂郡川辺町、長野県が各1人。
年代別は1歳未満1人、1歳〜10歳未満23人、10代51人、20代101人、30代42人、40代49人、50代37人、60代9人、70代5人、80代4人、90代2人。
また、県は16日発表の患者について、居住地を大阪府から郡上市に訂正した。

●浜松市で過去最多118人感染 新型コロナウイルス、初の3桁 8/17
浜松市は17日、新たに118人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。同市の1日当たりの感染者数としては13日の82人を上回り、過去最多を更新した。100人を超えたのは初めて。市によると、新規感染者のうちの1人は、クラスター(感染者集団)発生を認定した中区のカラオケバー「りんくるカフェ」関連だった。
同市では7月下旬から感染者が急増し、感染拡大に歯止めがかからない状態が続いている。 

●新型コロナ感染急拡大 愛知県「まん延防止」区域を39市町に拡大 愛知県 8/17
愛知県は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、「まん延防止等重点措置」の対象区域の自治体を、現在の12から39に拡大することが関係者への取材でわかりました。
愛知県は16日まで6日連続で、1日の新規感染者が500人を超える厳しい感染状況が続いています。
愛知県は現在、7月29日から8月4日までの感染状況で、人口10万人あたりの1週間平均の新規感染者数が25人以上の「ステージ4」にあたる名古屋市など、12の市町村を「まん延防止等重点措置」の対象区域に指定しています。
これを、8月21日から9月12日まで、「39の市町」に拡大することが関係者への取材でわかりました。
8月21日から「まん延防止等重点措置」の対象区域になる39の市町は、8月8日から指定されていた名古屋市、春日井市、江南市、大府市、尾張旭市、日進市、清須市、あま市、長久手市、東郷町、大治町の他、新たに追加される岡崎市、一宮市、瀬戸市、半田市、津島市、刈谷市、豊田市、蒲郡市、犬山市、常滑市、小牧市、稲沢市、東海市、知立市、高浜市、岩倉市、豊明市、愛西市、北名古屋市、豊山町、大口町、扶桑町、蟹江町、阿久比町、南知多町、美浜町、武豊町、東栄町です。
8月8日から当初、対象区域に指定されていた飛島村は、感染状況が改善されたため対象区域から外れます。
愛知県は重点措置の対象区域では、飲食店に酒類を提供しないことのほか、営業時間を午後8時までとするよう要請します。

●愛知・大村知事、緊急事態宣言を要請へ 感染激増「衝撃的な数値」 8/17
東海3県で17日、新たに確認された新型コロナウイルス感染者はいずれも過去最多を大幅に上回り、計1499人となった。岐阜では5月14日の155人から324人に倍増し、三重も208人と初めて200人を超えた。愛知では8月12日の703人から967人に激増し、大村秀章知事は記者会見で「衝撃的な数値。来るべきものが来たと受け止めている」と述べ、近く国に緊急事態宣言の発令を要請する考えを示した。
この日、政府が岐阜、三重を新たに「まん延防止等重点措置」の対象に加えたほか、既に対象となっている愛知でも措置の期限を同じ9月12日まで延長した。
愛知県は、重点措置区域を8月21日以降、県民の8割以上をカバーする39市町(現在は12市町村)に拡大する。16日現在、新規感染者数の7日間平均は4段階の指標で最も深刻な「ステージ4(感染爆発)」、入院患者数は2番目の「ステージ3(感染急増)」。大村知事は入院患者数の状況をみて、数日内にも国への宣言要請に踏み切る意向を示した。
岐阜県は、新規感染者の6割以上が感染力の強い変異株「デルタ株」と推定。古田肇知事は17日の記者会見で「感染者が想定をはるかに超えて急増している。自分や家族、友人の命に関わっていると再確認し、対策を講じてほしい」と危機感をあらわにした。
県は岐阜、大垣、各務原など15市町を重点措置区域とし、17日から飲食店に午後8時までの営業時間短縮を要請したほか、20日から酒類の提供停止も求める。17日まで1週間の新規感染者は「ステージ4」、15日現在の病床使用率は44・8%で「ステージ3」の状況だという。
三重県は重点措置区域を四日市や鈴鹿、津、松阪、伊賀など17市町と決め、酒類の提供禁止やカラオケ設備の利用停止、結婚式場の午後8時までの営業時間短縮などを求める。百貨店の食品売り場や大規模商業施設でも客の誘導などを要請する。鈴木英敬知事は「かつてない感染拡大で、対策に一刻の猶予もない。できる対策は全て行い、全県で取り組む」と強調した。

●障害者施設のクラスター拡大、高校課外活動でも感染広がる 京都府 8/17
京都府と京都市は17日、新たに10歳未満〜90代の男女計420人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日の発表数としては8月13日の450人に次ぎ、過去2番目の多さ。感染経路不明は275人で、症状は中等症2人、軽症242人、無症状42人、調査中が134人。府内の感染者は計2万3324人となった。
府発表分は203人。居住地は宇治市39人、亀岡市31人、木津川市20人、京田辺市18人、八幡市16人、城陽市15人、長岡京市13人、南丹市10人、久御山町9人、京都市と福知山市が各7人、向日市と精華町が各3人、綾部市、大山崎町、大阪府、兵庫県が各2人、舞鶴市、京丹後市、宇治田原町、京丹波町が各1人だった。
京都市発表分は217人。居住地は京都市206人、宇治市、向日市、長岡京市と大阪府、滋賀県が各2人、京田辺市が1人だった。
クラスター(感染者集団)関連は、既に24人の感染が判明している陸上自衛隊の桂駐屯地(京都市西京区)で新たに1人の陽性が判明。障害者施設あけぼの学園(南丹市)では2人の陽性が判明し感染者は計25人になった。そのほか高校の課外活動でも感染が広がった。

●宣言4回目の福岡 医師「災害レベルだ」 発熱外来の半数が陽性 福岡県 8/17
新型コロナウイルスの感染が急拡大している福岡県に4回目の緊急事態宣言が発令されることが17日、決まった。自宅療養者を含む患者数が8000人に迫る中、関係者は「爆発的感染に対応が追いついていない」と危機感をあらわにする。
「できればお盆前に判断してほしかった」。5日に宣言発令を政府に要請していた福岡県の服部誠太郎知事は17日の記者会見で、このタイミングでの宣言発令決定に不満を隠さなかった。県は同日、宣言期間中は県全域の飲食店に対し、酒類の提供自粛と午後8時までの営業時間の短縮を要請し、百貨店などの大型商業施設にも午後8時までの時短営業と、来客数が多くなる場合の入場制限などを求めると決めた。
知事が焦るのは、8月に入ってからの県内の急激な感染拡大に収束の兆しが見えないからだ。12日には過去最多の1040人の新規感染が確認され、17日も716人の感染が判明。デルタ株の流行で若い世代に感染が広がる中、自宅療養者数(待機も含む)は第4波のピークの4227人を大きく上回って15日現在、5380人に達した。入院(825人)、宿泊療養(1468人)と合わせた患者数は7673人に膨らむ。
一方、県内の病床使用率は16日現在60・7%に達し、過去最多ペースで増え続ける自宅療養者の容体急変に今後、対応できなくなる恐れもある。実際に福岡市内では、コロナ患者で搬送先が見つからない「救急搬送困難事案」が15日までの1週間で55件と、7月末の週の2・9倍に増えている。
医療現場の危機感は深刻だ。「うちの医院だけで1日に40〜50人の感染者が出た。デルタ株の影響だろうが、まさに災害レベルだ」。福岡市中央区の「とみた内科クリニック」理事長、富田直史医師は嘆く。平日は20〜30人、周囲の病院が閉じる休日には100人くらいが発熱外来を訪れるが、半数近くが陽性となり20〜30代が最も多いという。
陽性が判明しても、保健所から入院などの処遇が伝えられるのに時間がかかり、その間の患者をオンラインなどで診る機会も増えた。「(市から配布される血中酸素飽和度を測る)パルスオキシメーターが手元にない人もいて、問診で正確な状況を見極めるのは難しい」と打ち明ける。
追い詰められた末の緊急事態宣言だが効果は未知数だ。飲食店への酒類提供自粛や時短要請は、まん延防止等重点措置が適用されている22市町村では既に2日から始まっている対策で、県人口の4分の3以上を占めるこれらの地域にとって大きな変化はない。
テレワークなどによる人出抑制も欠かせないが、ソフトバンクの子会社「アグープ」の推計データによると、前回の宣言期間中、JR博多駅周辺の通勤時間帯の人出は、宣言前と比べ5〜15%減にとどまった。服部知事は記者会見で「職場でのクラスター(感染者集団)が多発している。出勤者7割の削減を目指し、出勤する場合も人との接触を減らす取り組みをしてほしい」と呼びかけた。 

●コロナ感染急拡大 今やるべきことは・・ 長崎県医師会に聞く 長崎県 8/17
長崎県内では初めて、一日の感染発表者数が100人を超えました。
長崎県医師会の森崎 正幸 会長は若い世代や、まだワクチンを打っていない人を中心に感染が広がっているとして、ワクチン接種の重要性を呼びかけています。
長崎県医師会は8月12日、長崎県内で新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない状況をきっかけに、医療危機的状況宣言を出しました。
長崎県医師会 森崎 正幸 会長 「今回、医療危機的状況宣言を出したのは、県北の病床がひっ迫したから」
15日午後7時時点での長崎県北医療圏の入院医療状況は、93の確保病床数に対して、入院患者は58人と病床の使用率は6割を超えています。
森崎 会長 「第4波は長崎医療圏で感染拡大が続いた。その後、佐世保の県北に移った。長崎が感染拡大が続いたときは、長崎の患者がオーバーフローした分は、県央、県南でも見てもらった。今回、違うのは、長崎医療圏、県北医療圏、県央圏、すべてである程度、感染者が出ている。補完し合うことが難しい」
第4波では、病院などで感染が拡大したのに対し、第5波では、職場や家庭内などで感染が広がっている状況に危機感を示しています。
森崎 会長 「高校生が感染して、お母さん お父さんに感染することも起きている。若者は症状が出にくいので無症状だけども、検査したら陽性だった、検査して陽性だったら、2日前は感染力が大きい。その時期に知らずにお母さんが接触して感染したということが、私の身近なところでもあっている」
100人を超える感染者が発表され、感染拡大の終わりが見えない中、森崎 会長は特に若い世代へのワクチン接種を進めていくことへの重要性を示しています。
森崎 会長 「コロナウイルスにり患すると、10日から14日間は隔離生活、職場にも出られない、学校生活もできない、しかも、周りを気にしないといけない。10日以上たっても後遺症など色々、悩まされる。後遺症については半年、1年続くともいわれている。後遺症を考えるとワクチンをどんどん若い人に打ってほしい」
森崎 会長は、第5波は、病院などで感染が拡大したこれまでと異なり、職場や家庭内などで感染が広がっている状況に強い危機感を示しています。
「助かる命を救えなくなる状況」が起こり始めているとして、ワクチンの接種とともに、基本的な感染防止対策の徹底も訴えています。

●コロナ感染者数過去最多で想定外の領域へ まん延防止措置延長 熊本県 8/17
新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。県の想定を超え、感染者が過去最多となりました。また政府は「まん延防止等重点措置」の期限を、来月12日まで延長します。
17日県が発表した新型コロナの新規感染者は、271人で16日より119人増え、1日の感染者数としては過去最多を更新しました。
木村副知事は先週、会見で次のように述べていました。
「200人は想定していたが、250人は想定していないので、ここ数日が・・・」(木村敬 副知事)
県が想定していなかった、1日の感染者数250人を超え。『病床使用率』は県がおよそ5割、熊本市は7割と厳しい状況が続いています。クラスターも発生しています。民間が運営する熊本市の放課後児童クラブで、児童・職員あわせて12人の感染が明らかになりました。
感染拡大が止まらないなか、政府は県内に今月8日から適用されている「まん延防止措置」について、今月31日までだった期限を、来月12日までに延長しています。

●鹿児島県にまん延防止適用 17日決定へ 鹿児島県 8/17
新型コロナウイルスの急激な感染拡大に歯止めがかからない鹿児島県に、政府の「まん延防止等重点措置」の適用が17日決定される見通しとなった。県は16日時点で要請していないものの、離島での感染者増なども考慮されたとみられる。塩田康一知事は同日夜、南日本新聞の取材に「正式に連絡はないが、対応してもらえるのであればありがたい」と述べ、感染防止対策を強化する考えを示した。県は対象とする市町村を、感染状況を踏まえて指定する方針。
まん延防止等重点措置適用により、知事は市区町村単位などに範囲を絞り、飲食店などへの営業時間短縮の要請・命令の権限を持つ。命令に応じなければ20万円以下の過料を科すことができる。塩田知事は取材に、正式な適用要請はしていないと明かした。県は「国からの連絡を受けて、対象の市町村を決める」としている。
重点措置の追加適用に、自民党の森山裕国対委員長(衆院鹿児島4区)は「離島を抱え、クラスター(感染者集団)も続発している。今抑えないと、まずいとの判断だろう」と述べた。
重点措置の適用要請を県に求めていた県医師会の池田琢哉会長は「抑止力として県民の心にも危機的状況を訴えられる。行政、医療界、県民が協力して新型コロナを抑え込んでいきたい」と話した。
塩田知事は、1日当たりの新規感染者数が100人を超えた8日、まん延防止等重点措置の適用を視野に政府と協議を始めたと明らかにし、感染者が急増する鹿児島市などを対象に想定しているとした。ただ、政府は飲食店への営業時間短縮による感染防止対策の効果見極めを求めており、県独自の「緊急事態宣言」を発令した13日も要請を見送っていた。

●クラスター発生の病院で入院患者64人死亡 沖縄県 うるま  8/17
沖縄県では、新型コロナウイルスの感染拡大で病床がひっ迫する中、うるま市の医療機関で大規模なクラスターが発生し、これまでに入院患者64人が死亡したことがわかりました。
沖縄県うるま市にある、うるま記念病院では、先月中旬、感染力が強いインドで確認された変異ウイルス「デルタ株」に職員が感染したことが分かり、その後、感染が急速に広がって、県内では過去最大規模のクラスターが発生しています。
沖縄県によりますと、これまでに入院患者173人、職員26人の、合わせて199人の感染が確認されていて、感染した入院患者のうち64人が死亡したということです。
病院によりますと、先月中旬に職員のほか入院患者でも感染が確認され、それ以降、感染者とそれ以外の患者の病室を分ける措置をとってきました。
しかし、先月30日までに5人の死亡が確認され、その後も感染した患者の死亡が相次いで、今月11日の時点では42人の死亡が確認されていたということです。
死亡した64人はほとんどが高齢の患者で、多くはこの病院で入院中に亡くなっていますが、一部は感染後にほかの病院に移ったあと死亡したケースもあるということです。
県内の医療体制がひっ迫していることから、多くの感染者をほかの医療機関に転院させることができず、病院では医師や看護師の応援を受けて院内で対応しています。
病院の担当者は「感染しなければ、まだまだこの病院で療養を続けていたはずの患者さんたちが亡くなり、本人やご家族に大変申し訳ない。収束に向けてできるかぎりの対応をとっていく」と話していました。

●「入院先ない」選択迫られる家族…宣言の拡大と延長 8/17
政府は17日、緊急事態宣言の対象地域に、茨城、栃木、群馬、静岡、京都、兵庫、福岡の7府県を追加することを決めました。また、“まん延防止等重点措置”が16道県に適用されます。すでに対象となっている地域も期限が延長され、来月12日までとなりました。
ただ、延長しても、その効果は未知数です。東京都で4度目の緊急事態宣言が出されてから、1カ月あまり経ちましたが、17日に東京都が確認した新型コロナウイルスの新たな感染者は4377人。火曜日としては過去最多です。
全国でも感染拡大は止まらず、大阪など18府県で過去最多。重症者も一日で43人増え、1646人となっています。そこで政府が取る対策について、菅総理は、こう述べました。
菅総理「“医療体制の構築”“感染防止の徹底”“ワクチン接種”を3本の柱として対策を進めていく」
感染防止策に位置付けるのが、従業員のクラスターが相次いで発生しているデパートなど、大型商業施設に対する入場制限の要請です。ただ、分科会の専門家からは、より踏み込んだ対策が必要との声も上がっています。
新型コロナ担当・西村大臣「これまで新型コロナウイルス感染症の患者の引き受けに消極的だった医療機関に対し、診療への参加を促す措置を検討すべきであるといった議論があった」
田村厚生労働大臣「ロックダウンのご意見を言われる方もいたけど、なかなかそういう強い措置というのは難しい。運用上でもできることがあるので、尾身会長が運用も含めて検討をしていこうと」
感染状況が最も深刻な沖縄県では、入院患者の2割が亡くなる病院クラスターも発生しています。長期入院の認知症患者を中心に受け入れているうるま記念病院。入院患者173人が感染し、64人が亡くなりました。また、職員26人の感染も確認されています。
沖縄県・糸数公医療技監「入院調整・医療がひっ迫している状況のなかで、そのまま施設内での療養を選択する人もいた。急変時の対応について、事前に主治医と話し合って、積極的に治療を行うかどうかに基づいて選択したと」
最初に感染が確認されたのは先月19日。翌日には、県が対策本部を立ち上げましたが、その時点で感染は広がっていたといいます。
沖縄県担当者「入院患者の多くは大部屋に寝たきりの状態で、個室がないためゾーニングが難しかった」
また、感染した患者の約9割は、2回のワクチン接種を終えていなかったということです。
感染拡大とともに増え続ける自宅療養者。東京都内に住む男性(39)は、10日夜に救急隊を呼んだものの、入院先が見つからず、翌日まで救急隊が酸素の投与を続けていました。男性は、肥満のほかに基礎疾患はないといいます。ボンベで酸素を送りますが、血中の酸素飽和度は94%。酸素濃縮器が届くまで、これでしのぐしかありません。5日経った16日、まだ入院先は見つかっていませんでした。駆け付けた母親から意識がもうろうとしていると連絡がありました。酸素濃縮器の投与量を最大にしていますが、酸素飽和度は90%と下がっていました。
東京都から2つの選択肢が示されました。医師が母親に、こう説明しました。
医師「本来だったら人工呼吸とかを考えるような状況。確約はできないけど、もしかしたら入院できるところが空くかもしれない。ただ、人工呼吸とかECMOとかはできない。そういう治療ができずに助けられない可能性もある。もう一つは、人工呼吸とかできるようなところで入院して、絶対、空くとは言えないけど、あしたにかけてみる。もう、ある意味、覚悟。お母さんにこんなこと言うなんて、医者人生で初めて。誰かがしっかり言わないと、やっぱりいけない。こんなの、いきなりお母さんに『考えろ』と言っても無理だよね」
母親「助かるなら何でもいい。助けてください」
家族の命がかかった難しい選択。母親は最終的に一日待って、人工呼吸器などをつけられる病院に入院することを選びましたが、結局、17日になっても入院先は見つかっていません。
ひなた在宅クリニック山王・田代和馬院長「多くの場合、酸素需要のある中等症IIの患者さんでも自宅療養を強いられている。SOSが届かない患者さんが現れたときに、我々の対応を受けることなく、誰にも気づかれないところで苦しみながら、命の危機にひんする方が出てくると危惧している」

●コロナ「第5波」でもテレワーク拡大せず 五輪の影響も限定的 8/17
新型コロナウイルス「第5波」に伴う7月からの緊急事態宣言や東京五輪の開催は、テレワーク実施率にほとんど影響しなかった――パーソル総合研究所が8月17日、こんな調査結果を発表した。
調査は五輪期間中の2021年7月30日から8月1日に、従業員10人以上の企業に勤める20〜59歳の男女2万5809人を対象に、インターネットで実施した。
正社員のテレワーク実施率は全国平均27.5%で、20年11月の前回調査から2.8ポイントの増加にとどまった。都道府県別では、緊急事態宣言中の東京都が47.3%で1位で、20年11月調査時より1.5ポイント増えたが、20年4月の最初の緊急事態宣言時と比べると1.8ポイント減っていた。
同社は「五輪開催・緊急事態宣言・感染爆発など出社の抑制につながりそうな条件がそろっていたが、正社員のテレワーク実施率はほぼ横ばいだった」と指摘。コロナ第5波に伴い、7月12日から東京都に緊急事態宣言が発令されたものの、テレワークへの効果は「極めて限定的」だったとみている。
テレワーク実施率を業種別で見ると、「情報通信業」が60%と最多、次いで税理士など「学術研究、専門・技術サービス業」が約41%、「金融業、保険業」が約36%だった。20年11月の調査から増加幅が最多だったのは「建設業」で約8ポイント増、次いで「金融業、保険業」が約6ポイント増、「情報通信業」が約4ポイント増だった。
テレワークを行っていない人に理由を聞いたところ、「テレワークできる業務ではない」が約47%と最多だった。20年3月の調査と比べると「テレワーク制度が整備されてない」は約10ポイント減少、「ICT環境が整備されていない」は約5ポイント減少し、テレワーク環境の整備は進んでいるようだ。

●止まない電話、入院先なく…感染急拡大で保健所限界 8/17
新型コロナウイルス感染拡大が続く東京都で、保健所の行動確認の電話に出ないケースが増加し、濃厚接触者や感染経路の特定が難航している。急増した自宅療養の患者のケアや見つからない入院先の調整にも人手が割かれる保健所。医療体制が「機能不全」、感染が「制御不能」と指摘された感染第5波まっただ中の都内の保健所を取材すると、負担が限界を迎えつつある現状が浮かんだ。
都内で過去最多の新規感染者が公表された今月13日。みなと保健所(港区)では午前8時半の始業とともに電話が鳴り始めた。
「症状はありますか?」電話を取った職員は区民の不安の声に応じていく。「毎日毎日対応しても一向に感染者は減らない。終わりのない戦いに職員の限界が来ている」。松本加代所長は嘆く。
みなと保健所には現在、1日約120〜130件の新型コロナ感染者発生届が医療機関から届く。職員は届け出をもとに、患者に電話をかけて入院調整や感染経路の把握などを行う。ただ、発生届は電話番号が間違っていたり、発症日が分からなかったりと不備も多い。「当該者住所 新橋のホテル(ホテル不明)」と書かれたものもあり、居場所が分からないこともしばしばだ。
感染者に若者の比率が増えたことで、電話に出ないケースも多くなった。つながらないときはショートメッセージで「警察とともに安否確認をします」などと送信すると返信がくることもあるという。

●丸川五輪相はワクチン接種率「把握してない」 これで東京パラ大丈夫?  8/17
東京都の新型コロナウイルス感染拡大が「災害級」と言われる中、重症化リスクを抱える選手もいるパラリンピックは安全に開催できるのか。東京五輪に引き続き、政府や大会組織委員会では再延期や中止を巡る議論がされず、東京パラリンピックは東京、埼玉、千葉、静岡の1都3県の全会場で原則無観客での開催が決まった。 
丸川珠代五輪相は16日の4者協議後、中止や再延期を議論しなかった理由を問われたが、「国内のイベント上限を収容率50%か5000人の少ない方で実施している」と、正面から答えなかった。ボッチャなど競技によっては呼吸器系の障害がある選手も少なくない。昨年7月には国際パラリンピック委員会(IPC)の医学委員会が車いすの選手に多い頸髄損傷が重症化リスクを高める可能性があるとも指摘。同じ競技でも選手の障害によってリスクはさまざまで、介助者と長い時間接触したり、手指消毒が難しかったりして、日常的な感染防止対策をとりにくい選手もいる。しかし重症化リスクを下げるワクチンの接種率について丸川氏や組織委の武藤敏郎事務総長は記者会見で「把握していない」と回答。組織委が医療や感染症の専門家を集めて、コロナ対策を話し合う「専門家ラウンドテーブル」も6月18日を最後に開かれていない。大会の「安全」を裏付ける科学的根拠は乏しい。
都の医療は逼迫している。五輪が開幕した7月23日に2558人だった入院者数は今月16日に3881人まで増加した。都オリンピック・パラリンピック準備局の担当者は「医療提供体制がさらに逼迫した場合、入院を受け入れてもらえるか懸念はあるが、入院できないような事態が起きないよう全力を尽くす」と、入院を確約できない状況だ。パラリンピックの選手は約4400人、来日する関係者は約1万2000人。武藤氏は「万一、入院が必要な選手が出た場合には地域医療に影響が出ないように対応する」と歯切れが悪かった。
一方、児童生徒らに観戦機会を提供する「学校連携観戦プログラム」は、自治体や学校が希望する場合に実施することで合意した。東京都の小池百合子知事は「子どもたちに共生社会という言葉だけでなく、目の前でそのことを体験するという機会を生かしてもらいたい」と話した。射撃競技が行われる埼玉県の大野元裕知事も共生社会の形成を掲げるパラリンピックの精神に基づき、「(招待観戦を)実施することはふさわしい」と判断したという。埼玉県は今後、6月時点で参加を希望していた県内2校に意向を確認する。

●東京五輪関係者から新型コロナの感染が拡大したということはない 8/17
東京都医師会副会長で「平成立石病院」理事長の猪口正孝氏が8月10日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。新型コロナ新規陽性者の現状について解説した。
飯田浩司アナウンサー)高齢者の方のワクチン接種が進んで、高齢の方の重症化や感染者は少なくなっていると言われていますが、実際のところはどうですか?
猪口)中等症、重症の方は割合としては少ないと思いますけれども、入院している患者さんは3500人を超えておりますので、トータルでは、かなりの入院患者数になっています。60代以下の感染者は95%くらいなのですけれども、入院している方で言いますと、50代以下が80%、最も重症の患者さんは50歳以下の方たちで、約60%以上です。
飯田)50歳以下が。
猪口)ワクチンが進んで高齢者の方たちの感染と重症化は少なくなっていますが、40代〜50代の方たちの感染が増えています。その方たちは20代〜30代に比べて重症化しやすいので、重症の患者さんも増えているという状況です。
飯田)「オリンピックの関係者でクラスターが出た」ということが大きく報じられました。それが独り歩きするような形で「オリンピックで感染が拡大した」などと言われたりもしますが、実際、数字で見るとどうですか?
猪口)いろいろ調べていますけれども、東京のいろいろなところのスクリーニングと比べても確率は低いですよね。オリンピック関係者が特に大きなクラスターをつくったとか、感染の確率が高いということはないと思います。
猪口)医療の立場としては、感染がバブルのなかに入ってクラスターなどをつくらないようにするということはもちろんですけれども、一方で、パラリンピックというものの重要性も医療人としてはよくわかっているつもりです。やるのであれば、パラリンピックで感染が拡大するということがないように、成功するように応援したいと思います。

●繰り返される場当たり対応 宣言拡大と延長に戦略なし 8/17
政府は新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言をめぐり、対象拡大と期限延長を余儀なくされた。ただ、新規感染者数をピークアウトさせるのは困難との見方は強く、今回の眼目は重症者数を抑制し、「医療崩壊」を阻止することにある。もっとも、重症者数は新規感染者数を後追いする形で増えていくため、増加は当面続くことが予想される。展望が見通せないまま、時間だけが過ぎている。
「ワクチンと医療体制の充実しかないんだよな」
重苦しい空気が包み込む中、菅義偉首相は16日夕の関係閣僚との協議でそうつぶやいた。当初の期限は31日。早々と対象拡大と期限延長を決めたことは、事態が日々悪化していることを裏付けている。
協議では全国への適用を求める意見も出たが、「どうやって解除するんだ」という声にかき消された。ただ、首都圏だけでも9月12日に解除できる見通しは立っておらず、早くも再延長論がくすぶる。
そんな中、ワクチン接種の進展を背景に、新規感染者数よりも、むしろ重症者数を抑えることに軸足を置き、コロナと共存する方向にかじを切るべきだとの声が政府内に強まっている。感染力の強いインド由来の変異株(デルタ株)の登場で局面は変わった。解除の目安となるステージ別指標の見直しは急務だ。
もっとも、重症者数も増加傾向にあり、厚生労働省によると今月16日時点で1646人と5日連続、最多を更新。基本的対処方針分科会の尾身茂会長は17日の分科会後、記者団に「医療機関に協力してもらえる法的な新たな仕組みの構築や、感染症法など現行の法律の活用をしっかりやってほしい」と法整備の必要性に言及した。
最後のとりでは治療薬だろう。厚労省は重症化を防ぐ効果がある軽症・中等症向けの「抗体カクテル療法」を宿泊療養施設で使用することは認めたが、経過観察が必要な上、点滴薬でもあるため、自宅での投与を認めていない。関係閣僚は「抗ウイルス剤の経口薬が実用化すれば状況は変わる」と期待を寄せるが、まだ先の話だ。
ワクチンが国民に行き届き、軽症者向けの経口薬が実用化するまでの間、各地域に対し宣言や蔓延防止等重点措置の適用、解除、期限延長を繰り返す−。そんな場当たり的な対応では国民から理解は得られず、そこに戦略も見当たらない。

●サッカー・インターハイで複数の新型コロナウイルス感染者 8/17
日本サッカー協会は17日、サッカーの全国高等学校総合体育大会(インターハイ)を担当する審判員3名から新型コロナウイルス陽性反応が出たと発表した。
協会は「当該者は昨日8月16日にPCR検査を受診し陽性が確認されたものです。これまでのところ、当該者以外の選手や関係者から体調不良などの報告はありませんが、濃厚接触者の特定なども含め、引き続き、保健所の指示に従って必要な措置を講じてまいります」と説明した。
「今後も感染拡大防止と安全確保を最優先に、さらなる注意喚起に取り組むとともに、厚生労働省や保健所、関係当局の方針に基づいて対応してまいります」と感染対策をさらに徹底する方針を示した。
ただ、選手や関係者は全国から集まっているうえ、競技が行われている福井でも新型コロナ感染者が急増しており、今後は難しい大会運営を迫られそうだ。

●菅首相 今夜9時めどに会見 「宣言」拡大で国民に協力呼びかけ  8/17
新型コロナウイルス対策をめぐり、政府は、17日午後6時半から、対策本部を開き、その後、午後9時をめどに菅総理大臣が記者会見すると発表しました。
菅総理大臣は、記者会見で、各地で急激な感染拡大が続いている中、緊急事態宣言の対象地域を拡大することなどを説明し、国民に理解と協力を呼びかける見通しです。
公明党の山口代表は、記者会見で「デルタ株への置き換わりのスピードや、感染力の強さによって感染が急激に増大している。政府として収束に導くための見通しを探っていく姿勢が重要だ」と述べました。
そのうえで、宣言の期間が来月12日までとなることについては「政府が要請していた、お盆休みまでの人流の抑制効果を、しっかり見極めていく時間が大切だ。パラリンピック終了後の状況を見極める必要もあり、もろもろの観点から設けられた期間だ」と指摘しました。
一方、衆議院の解散時期への影響については「菅総理大臣の当面の対応方針は、コロナ対策に総じて最優先であたるということで一貫しており、その中で最終的な判断がなされると思う」と述べました。

●感染力は「別のウイルス並み」…猛威振るう“デルタ株” 8/17
新型コロナウイルスの感染状況に歯止めがかからない理由の一つに、第4波と第5波の大きな違いがありました。今、私たちは何をすべきか、コロナ治療の最前線に立つ医師にお話を伺いました。
藤田医科大学病院の岩田副院長「首都圏と同じようにやることをやるしかないと。腹を決めるところ」
拡大傾向に歯止めがかからない新型コロナウイルス。藤田医科大学病院の岩田充永副院長が原因の一つと考えるのが、感染力が強いとされるインド由来のデルタ株です。
岩田副院長「感染力に関しては、デルタ株は別のウイルスと考えたほうがいいくらい感染力が高い。一定数の割合の人が命の危険にさらされる。そういう意味での恐ろしいウイルス」
藤田医科大学病院では現在、中等症以上の患者用のベッド44床を確保していますが、そのうち15床が埋まった状態です。ベッド数に対し入院患者は3割ほど。しかし…。
岩田副院長「首都圏の医療者たちの話を聞くと、1週間で(病床が)一気に埋まったと聞くので、感染者の増え方によって(医療ひっ迫は)十分にあり得る。(入院患者の年代は)30代後半から50代が多くて」
新型コロナ第5波の特徴は、比較的若い年代への感染が増えていること。
第4波と第5波の感染者を年代別に表したグラフを見ると、第4波と比べ第5波は40代以下の若い世代への感染拡大が鮮明になっています。お年寄りへの感染が減っているのは、愛知県内の高齢者のおよそ8割が2度のワクチン接種を終えていて、その効果だとみられています。
岩田副院長「ワクチンを打ち終えてない若い世代でも、高齢者に比べると重症化する人は少ないが、一定数感染者がいれば重症化する人もいる」
感染者増加の要因ともみられる人出の多くを若い世代が占めていて、岩田副院長は危機感を募らせます。
岩田副院長「大雨特別警報の時は『皆さん河川に近づかないように』と言わなくても近づかない。それと同じくらいウイルスが街にあふれているが、見えないから行ってしまう。自分の命の危険と向き合うなんて思わない(若い)世代の方が、生死と向き合わなければいけなかったりする」
いつになったらこの状況が収まるのか。岩田副院長は新型コロナに対する意識の変容が必要としたうえで、ワクチン頼りの状況は続くといいます。
岩田副院長「ワクチン接種が進み、今感染の主体となっている(若い)世代の感染者がいなくなっていく。それが9月末くらいになれば良いなと」

●気を付けたいフードコートでの新型コロナ感染リスク 8/17
夏休みで増えるフードコートの利用
全国各地で新型コロナ第5波が広がっていますが、お盆の帰省や夏休みで利用したフードコートでの感染事例をよく耳にするようになりました。
新型コロナウイルスは、主に飛沫感染と接触感染が想定されています。エアロゾルを吸入することによる感染リスクも重要視されています。いずれにしても、ソーシャルディスタンスの確保が重要です。
厚労省は「夏の感染拡大防止特設サイト」(1)において、もし外食するとしても「換気が良く、座席間の距離も十分で、適切な大きさのアクリル板も設置され、混雑していない店を選択してください」と明言しています。
そのため、多くの自治体は「テーブル間は1メートル以上の間隔をあけるか、アクリル板等で区切る」などの対応をしています。
推奨にしたがって、フードコートでも飛沫防止のためのアクリル板を用いた区切りを設けています。パンデミック当初はあまり見られない光景でしたが、最近は1つのテーブルにも複数のアクリル板が設置されていることが多いですね。
アクリル板が感染を減少させる明確なエビデンスはないのですが、スーパーコンピューター富岳の試算では、頭くらいの高さがあれば対面からの飛沫は防げるとしています(2)。
テーブルやアクリル板に注意
フードコートが通常の飲食店と異なる盲点があります。それは、利用した人あるいは次に利用する人がテーブルを拭かないことがあるという点です。
同じ生活環境にある家族同士が、アクリル板を使って互いの飛沫を防止する意味はさほどありません。それよりも、違う家族が使った後のテーブルやアクリル板に新型コロナウイルスがついている可能性を考えないといけません(図)。
小さな子供は、テーブルやアクリル板をベタベタと平気で触ります。そこにウイルスが付着している場合、子供が感染を媒介するリスクは高くなります。
水で濡らした雑巾で吹いても少しはウイルスを除去できますが、重要なのはテーブルをアルコールで拭き上げるという作業です。フードコートを見ていても、家族が交替するたびにこれが行われているわけではありません。定期的に消毒している施設もありますが、あくまでフードコート全体の感染リスクが少し減らせるだけで、その対策だけに頼るのは少し勇気が要ります。
アクリル板を設置することも重要ですが、フードコートでは使用前後のテーブル表面をアルコール消毒するほうが圧倒的に効果的です。もし利用するのであれば、濃度70%以上95%以下のエタノールが含まれた製品を常備しておくことが望ましいです(濃度70%以上の製品が入手できない場合は、濃度60%以上の製品でも構いません)。
しかし、そこまで感染対策の意識が高いのであれば、そもそも密な時間帯にフードコートに行かないことのほうが重要かもしれません。先ほどの「夏の感染拡大防止特設サイト」(1)においても、「家族や同居者以外との大人数・長時間の集まりや会食は控えて」と明記されています。

●緊急事態13都府県に拡大 住民ら冷ややか「慣れてきている」 8/17
延長・拡大が繰り返される新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言。新たに茨城、栃木、群馬の北関東3県や静岡県が加わり、宣言の対象は13都府県に広がることになった。北関東3県と静岡県ではまん延防止等重点措置が適用された今月8日以降も感染拡大傾向に歯止めがかからず、各知事は宣言への切り替えを求めていた。ただ、住民からは宣言の効果を疑問視する声や「自分の身は自分で守るしかない」との冷めた意見が聞かれる。
静岡県は17日の新規感染者が過去最多の435人となった。東京パラリンピックの会場は無観客に。16日時点で1570人が自宅で療養し、入院などの調整を待機する人は544人に上る。静岡市葵区の会社員、河原正哉さん(56)は、仕事の会食はほぼ控えているといい、「手洗いや換気などできることをやって身を守るしかない」。東京から静岡市に帰省中の女子大学生(20)は「静岡駅前も東京・渋谷も人出はコロナ流行前と変わらない」と宣言の効果に疑問を呈する。
栃木県では14日に1日当たりの感染者が最多の195人となった。病床使用率は過去最悪の6割超となり、自宅療養者と入院調整中の患者は計1000人超の状態が続く。宇都宮市内のギョーザ店でつくる「宇都宮餃子会」事務局長の鈴木章弘さん(49)は「まん延防止措置が適用された時点で手遅れ。県の対策は甘く、県民には慣れが生じている」。市内の大学生、川村温葉(みは)さん(21)は「まん延防止で終わると思っていたので驚いた。同居の祖母や母にうつさないよう外出を控えたい」と話した。
茨城県では首都圏1都3県に近い県南部を中心に感染が拡大。14日には1日当たりの感染者が391人となり、最多を更新した。17日現在、確保した病床の7割を超える419床が使われ、県は緊急性の低い入院・手術の延期を呼びかけている。大洗町の海水浴場近くで洋食店を営む佐川洋平さん(35)は「宣言は仕方ないが効果は疑問」と話す。感染対策で海水浴場は閉鎖され、来客は例年の3割程度。「先の見通しが立たない」
群馬県では8月に入ってからの感染者が2500人超に。専用病床の稼働率も約7割と高水準が続く。高崎市で45年にわたり喫茶店を経営する園部恵さん(73)は「客は減ったがコーヒー豆の持ち帰りの販売数は倍近くになった」と複雑な表情。ショッピングモールを訪れた前橋市の主婦、広瀬胡実さん(26)は「お盆の親戚との集まりも控えたが、宣言がどこまで効果があるのか不安」と話した。
一方、宣言の延長が決まった東京都は、百貨店の食料品売り場やショッピングモールの入場者を7月上旬と比べて5割削減するよう要請する。都内百貨店に勤める男性社員(40)は「食品売り場などで実際にクラスター(感染者集団)が発生した以上やむを得ない。休業要請だけは避けたい」と話す。
酒類の提供停止と営業時間短縮の要請に従う新宿区の居酒屋の男性店主(60)は「この状況はいつまで続くのか」。5月以降、深夜営業を続ける渋谷区の居酒屋の男性従業員(34)は「初の宣言時と違って人出は多い。延長しても何も変わらない」と吐き捨てるように言った。
 

 

●新型コロナ 東京都で新たに5386人感染確認 水曜では過去最多 8/18
東京都で、18日、新たに5386人が新型コロナウイルスに感染していることがわかった。先週水曜日の4200人から1186人増えて水曜日としては過去最多となった。
また、重症者はきのうから1人減って275人となったほか、新たに死亡が確認されたのは6人だった。

●東京は「医療非常事態」対応 宣言延長・拡大受け方針 各自治体 8/18
政府が、新型コロナウイルス対策として東京など6都府県に発令中の緊急事態宣言の対象に7府県を追加し、期限を延長するのに伴い、関係自治体は相次ぎ対応を決めた。
東京都は17日の対策本部会議で、医療提供体制強化で人員を確保するため、必要に応じて都庁の業務を停止したり延期したりする「医療非常事態」対応体制を打ち出した。
小池百合子都知事は会議後、記者団に「死者や重症者を出さないことを最優先に考え、全庁一体で取り組む」と強調。病院への救急搬送を求めている自宅療養中の感染者で、軽症と判断された患者を一時的に受け入れて酸素投与を行う「酸素ステーション」を渋谷区内に設置する意向を示した。
都は政府分科会の提言を踏まえ、人出の5割削減を対策の柱に据える。百貨店など大型商業施設には引き続き、生活必需品売り場を除き午後8時までの営業時間短縮を要請。その上で地下食品売り場(デパ地下)などは入場者数の半減を求める。
大阪府の吉村洋文知事は、府内の重症患者向け病床の使用率が50%を超えた時点で、大規模商業施設やイベントに休業を要請すると説明。「重症化を防ぐ取り組みを徹底した上で感染拡大が止まらなければ、ロックダウン(都市封鎖)並みの措置を取るしかない」と述べた。府が現在確保している重症病床は587床で、17日時点の使用率は26.7%。
新たに宣言が適用される兵庫県は独自の対策として、飲食店などにマスク着用の徹底を求め、会話時に未着用の客がいた場合は退店依頼を要請すると決めた。
沖縄県の玉城デニー知事は、夏休み明けに県立学校で分散登校を実施すると発表。10代の感染が拡大しているため、登校する生徒の5割削減を目指す。神奈川県は2学期から、県立学校で短縮授業を導入する方針を示した。 

●都5386人 3大学の運動部でクラスター 8/18
新型コロナウイルスの深刻な感染拡大が続く東京都内で18日、過去2番目に多い5386人の感染が確認されました。
東京都内の新たな感染者は、10歳未満から90代までの5386人で、過去2番目に多い人数です。先週水曜日(11日)からも1186人増えていて、感染拡大に歯止めがかからない状況です。直近7日間の感染者数の平均も、過去最多の4696.6人となりました。
3つの大学の運動部でクラスターが発生するなど、18日は大学の部活動や寮だけで学生40人の感染が確認されました。また、40代の男性は、知人10人とバーベキューをして、うち8人が感染したり、お盆休みの帰省や旅行で感染したりしたケースも出ています。
重症者は、前日から1人減って275人となりました。年代別では、40代と50代の重症者が6割近くを占めています。
一方、60代から80代の6人の死亡も確認されました。都内の入院患者は3815人、自宅療養者は更に増えて2万2226人となっています。

●新型コロナ 妊婦の感染者数 東京で最多に “積極的に接種を” 8/18
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、東京都で新型コロナウイルスに感染した妊婦の数は、先月1か月間でおよそ100人に上り、過去最多となっていることが分かりました。専門家は「妊婦は重症化のリスクが高いため、積極的にワクチンを接種してほしい」と呼びかけています。日本産婦人科医会などによりますと、東京都内で新型コロナウイルスへの感染が報告された妊婦の月ごとの数は、ことし7月の1か月間で98人に上ったということです。都内の妊婦の感染は、流行の第3波で最も多かった去年12月が46人、第4波で最も多かったことし5月が50人となっていましたが、先月はこれらの2倍近くに上り、過去最多だったことが分かりました。また、去年4月から先月までに感染した妊婦は、都内で合わせて460人に上ったということです。妊婦の感染について日本産婦人科医会などでは「妊娠中、特に妊娠後期に感染すると重症化しやすいとされている」としていて、妊婦は時期を問わずワクチンを接種することを推奨しています。
日本産婦人科医会常務理事で日本医科大学の中井章人教授は「感染率自体は妊婦は一般の人より低く適切な感染対策をとっているとみられるが、感染が急拡大している中で妊婦の感染も増えているのが現状だ。妊娠中は感染しても使用できない治療薬も多いので、妊婦とそのパートナーは積極的にワクチンを接種してほしい」と話していました。
東京都内で多くの重症患者を受け入れている東京・板橋区の日本大学医学部附属板橋病院では、ことし6月までは感染した妊婦の入院は合わせて2人だけでしたが、第5波では妊婦が搬送されるケースが相次いでいて先月は1人、今月は18日までに7人が入院したということです。このうち妊娠8か月の30代の女性は先月下旬に新型コロナの中等症で入院し、その後回復して今月退院しました。女性はNHKの取材に対し「感染経路がわからず、まさか自分がという感じでした。せきで胸が痛かったのですが、自分よりおなかの中の子どもが無事であってほしいという思いでいっぱいでした。ワクチンは妊娠中に打つのは少し不安で、産後に打とうと考えていましたが、感染してしまいました」と話していました。
新型コロナウイルスのワクチンの妊婦への接種について、産婦人科の医師などで作る学会などは、妊婦は妊娠の時期を問わずワクチン接種を勧めるなどとする新たな提言を公表しました。新たな提言をまとめたのは、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会、それに日本産婦人科感染症学会です。提言では、妊娠中、特に妊娠後期に新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすいとされているとしたうえで、妊婦がワクチンを接種しても副反応は一般の人と差が無いことや、流産や早産などの頻度は差が無いと報告されているとしました。そしてCDC=アメリカ疾病対策センターが妊婦へのワクチン接種を強く推奨しているとして、日本でも妊娠の時期にかかわらずワクチンの接種を勧めるとしています。また、妊婦の感染はおよそ8割が夫やパートナーからの感染だとして、妊婦だけでなく夫やパートナーについてもワクチンを接種するよう呼びかけています。接種を希望する際の注意点として、あらかじめ健診を受けている病院の医師に相談し、接種してもよいとされれば接種会場の問診医に伝えて接種を受けることや、2回のワクチン接種を終えたあともこれまでと同様に、マスクの着用や人混みを避けるなどの対策を続けることなどを挙げています。

●若者対象 渋谷駅周辺に接種会場を開設へ 8/18
新型コロナウイルスの深刻な感染拡大を受け、東京都は、感染者が多い若者を対象に、予約なしでワクチン接種が受けられる会場を渋谷駅周辺に、近く開設します。
東京都・小池知事「目下、感染が拡大している若者世代にいち早くワクチンを浸透させる。そのために、今月、渋谷駅付近に事前予約なしで接種可能な若年層専用の会場を開設する」
爆発的な感染拡大が続く東京都内では、感染者のうち、20代、30代の若い人がおよそ半数を占めています。
一方で、若い世代へのワクチン接種が進んでいないことから、東京都は、今月、渋谷駅周辺に20代、30代の若い人を対象としたワクチン接種会場を開設します。
接種券を持参すれば、1回目は予約なしで接種が受けられ、2回目は予約を受け付けます。この会場では、ファイザー製のワクチンを使用する予定です。

●新型コロナ 道内で発表された感染者の情報  北海道 8/18
18日に道内で発表された新型コロナウイルスの感染者に関する情報をまとめました。
道発表 新たに3クラスター
道は新たなクラスター3つが発生したと発表しました。このうち渡島地方の遊技施設では16日、従業員4人の感染が確認され、ほかの従業員にもPCR検査を進めたところ最初の4人を含む30代から50代の従業員7人の感染が確認されました。症状はいずれも軽症か無症状だということです。道は濃厚接触した可能性がある人を把握できているとして施設名を公表していません。帯広市の「社会福祉法人帯広保育事業協会あけぼの保育園」では、今月13日に園児1人の感染が確認され、保育園に通うほかの園児や職員にPCR検査を実施したところ18日までに園児22人と職員1人の合わせて23人の感染が確認されました。症状はいずれも軽症か無症状だということです。釧路地方の事業所では16日に従業員2人の感染が確認され、この事業所のほかの従業員にPCR検査を実施したところ、18日までに最初の2人を含む従業員7人の感染が確認されました。道は濃厚接触した可能性がある人を把握できているとして事業所名を公表していません。
札幌で2クラスター発生
札幌市は市内で新たに2つのクラスターが発生したと発表しました。このうち市内のコールセンターで市内385例目のクラスターが発生したと発表しました。市によりますと、このコールセンターでは20代から50代の従業員合わせて5人の感染が確認されたということです。市は濃厚接触したおそれがあるほかの職員37人についても順次、PCR検査を進めています。また、市内の認可保育施設で市内386例目となるクラスターが発生しました。市によりますと、この保育施設では園児2人と職員3人の合わせて5人の感染が確認されたということです。市は濃厚接触した可能性があるほかの園児36人と職員13人についても順次、PCR検査を進めています。
札幌 4クラスター拡大
札幌市はこれまでに発生している4つのクラスターで新たな感染が確認されたと発表しました。このうち市内359例目のクラスターが発生しているコールセンターでは新たに従業員1人の感染が確認され、関連する感染者は従業員60人となりました。市内362例目のクラスターが発生しているコールセンターでは新たに従業員1人の感染が確認され、関連する感染者は従業員35人となりました。市内367例目のクラスターが発生している高校では新たに生徒1人の感染が確認され、関連する感染者は生徒11人と職員1人の合わせて12人となりました。市内381例目のクラスターが発生しているスーパーでは新たに従業員1人の感染が確認され、関連する感染者は従業員17人となりました。
道発表 2クラスターで新たな感染者
道はこれまでに発生している2つのクラスターで新たな感染者が確認されたと発表しました。このうち苫小牧市で今月開かれた「全国高等学校選抜アイスホッケー大会」で発生したクラスターでは、新たに生徒5人の感染が確認されました。これでこのクラスターに関連する感染者は生徒116人と教職員など11人、それに大会関係者など7人の合わせて134人となりました。また、北斗市の事業所では新たに従業員9人の感染が確認され、このクラスターに関連する感染者は従業員合わせて14人となりました。
旭川 2クラスター拡大
旭川市はこれまでに発生している2つのクラスターで新たな感染者が確認されたと発表しました。このうち市内37例目のクラスターが発生しているカラオケを伴う飲食店では、新たに2人の感染が確認され、関連する感染者は客や従業員など合わせて17人となりました。市内38例目の飲食店での会食では新たに1人の感染が確認され、関連する感染者は合わせて13人となりました。
函館 飲食店のクラスター拡大
函館市はクラスターが発生している市内の飲食店で新たに2人の感染が確認されたと発表し、関連する感染者は合わせて15人となりました。
ススキノ関連 新たに13人
札幌市によりますと、繁華街・ススキノの接待を伴う飲食店に関連する感染者が新たに13人確認されたということです。これでススキノの接待を伴う飲食店に関連する感染者は339店舗の1302人となりました。
札幌刑務支所で新たに2人
札幌刑務支所は新たに受刑者1人と職員1人が新型コロナウイルスに感染したと発表しました。札幌刑務支所によりますと、感染がわかったのは60代の女性受刑者と20代の女性職員の2人です。このうち60代の受刑者は今月15日に発熱の症状を訴え、PCR検査を行った結果、17日に陽性と判明したということです。現在は熱は下がったものの、せきや喉の痛みを訴えているということです。また、20代の職員は無症状ですが、今月10日に感染が確認された職員と同じ部署で勤務していたため、10日から自宅待機の措置をとりPCR検査を実施したところ、17日に陽性と判明したということです。職員は最後に出勤した10日まで主に受刑者と接する業務にあたっていたということで、札幌刑務支所は濃厚接触者がいないかどうか調査を進めています。
札幌 3クラスター収束
札幌市は市内で発生していた3つのクラスターが18日までに収束したと発表しました。市内354例目のクラスターが発生していたコールセンターでは、これまでに従業員11人の感染が確認されていました。市内365例目のクラスターが発生していた大学では、これまでに学生14人の感染が確認されていました。市内371例目のクラスターが発生していた専門学校では、これまでに学生8人の感染が確認されていました。

●北海道595人確認 広域で感染拡大 札幌は309人 8/18
新型コロナウイルスの18日の感染者は、北海道で595人確認されたことがわかりました。札幌市の感染者は309人です。
感染者の地域別の内訳です。
札幌市 309人 / 旭川市 56人 / 函館市 20人 / 小樽市 12人 / 空知管内 14人 / 石狩管内 54人 / 後志管内 4人 / 胆振管内 26人 / 日高管内 3人 / 渡島管内 15人 / 檜山管内 0人 / 上川管内 11人 / 留萌管内 0人 / 宗谷管内 3人 / オホーツク管内 16人 / 十勝管内 23人 / 釧路管内 18人 / 根室管内 3人 / その他 8人。

●宮城で止まらぬ感染拡大、医療提供体制も逼迫 最多の271人確認 8/18
宮城県と仙台市は18日、過去最多となる271人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。同市は患者1人の死亡も発表し、県内の死者は計94人、感染確認は累計1万2151人となった。仙台市だけでも過去最多の168人の感染が確認され、医療提供体制も逼迫している。政府は県に対して新型コロナ特別措置法に基づく「蔓延(まんえん)防止等重点措置」の再適用を17日に決定したばかりだが、当面は厳しい状況が続きそうだ。
「収束が見えない、大変厳しい状況だ」。20日からの重点措置の再適用を受け、仙台市が18日に開催した新型コロナ感染症対策会議で郡和子市長は危機感をあらわにした。
市によると、この日確認された168人のうち、年齢別では20代が最多で61人。感染経路が不明な感染者は138人に上った。
感染拡大に伴い、医療提供体制も厳しさを増している。県によると、即座に入院が可能な「受け入れ可能病床」の病床使用率は、仙台医療圏(仙台市と周辺の計14市町村)では89・3%(18日午後3時時点)に達している。
18日の対策会議では、飲食店やイベント施設への営業時間の短縮要請のほか、酒類提供の終日停止といった感染防止対策を確認した。
会議後に報道陣の取材に応じた郡市長は、過去最多となった感染者数について「変異株への置き換わりが進み、違うステージに入った印象だ」と述べた。

●感染症対策、悩む保育の現場 新型コロナ 福島県 いわき市 8/18
いわき市で新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。7月下旬から今月17日までに明らかになったクラスター(感染者集団)は19件で、そのうち6件は児童施設だった。子どもとの接触を避けるのが難しい保育の現場では、関係者が感染症対策の両立に葛藤を続けながら子どもを守るための方策を探っている。
「触れ合いが欠かせない仕事だからこそ感染対策を徹底してきた。それでも止めることができなかった」。さかえ幼稚園(いわき市)の吉田元(げん)園長(52)はそう振り返る。同園では今月、園児や教職員計6人の感染が発覚した。
7月19日から夏休みの預かり保育を始め、最初の陽性者が判明したのは今月2日の朝だった。預かり保育を利用していた保護者からのメールで、吉田園長は園児2人の感染を知った。すぐ来園していた園児や保護者、教職員に連絡し、3日には計35人がPCR検査を受けた。翌4日、新たに園児3人と教職員1人の感染が判明した。幸いにも吉田園長を含め、残り31人は2回目の検査でも陰性だった。
同園は新型コロナの感染拡大後、できる限りの感染症対策を取ってきた。登園前の家庭での検温やマスク着用をはじめ、教室や玩具などの消毒を徹底し、昼食時には園児の間についたてを置いた。ただ保育の際の園児との接触は避けられなかった。
「子どもが転んだとき、1メートル離れて『大丈夫?』と声を掛けても子どもの気持ちは癒えない。抱っこや背中をさすることで気持ちを落ち着かせることができる」と吉田園長は語る。排せつや鼻水をかむ際にも教職員の補助は欠かせない。遊ぶときに園児同士の距離が近くなったり、物を口に入れてしまったりする場合もある。現場は感染リスクと常に隣り合わせにある。
市保健所の担当者は「(感染が拡大する)変異株は感染力が強い。特に10歳未満の子どもは感染対策が難しく、密な接触が伴う児童施設にウイルスが持ち込まれると広がりやすい」と指摘する。7月の市内の感染者数は216人で、そのうち子育て世代の30代未満が7割を占めた。普段一緒にいない人との飲食や市外との往来による感染が多く、各家庭で大人から子どもに広がっているとみられるという。
吉田園長は3回目のPCR検査を行った上で17日、園児の預け先がない保護者向けの預かり保育をようやく再開した。「早く元通りに子どもたちの姿が戻ってきてほしいと思う半面、お盆明けにはさらなる感染拡大も懸念される。どうしたら子どもたちを守れるか」と不安は消えない。

●新型コロナ新たに117人確認 病院クラスター拡大か 福島県 8/18
県内では、17日、新たに117人が、新型コロナウイルスに感染していることが分かりました。17日、感染が確認されたのは、いわき市で42人、郡山市で21人、福島市で17人など、あわせて117人でした。この中には、クラスターが発生した会津若松市の、つるが松窪病院の入院患者が含まれているということです。また、いわき市の福島労災病院でも、クラスターが拡大したとみられ、県が詳しく調べています。17日時点での入院者数は366人で、病床使用率は61.3%、自宅療養者は395人となっています。また、重症者数は、16日から5人増えて16人となっています。9月12日までの延長が決まった、まん延防止等重点措置について、県は、独自対策の延長も含め、今後の対応について検討しています。

●川崎市、新規陽性者8週連続で増加 「危機的な状況」  神奈川県 8/18
川崎市が発表した直近一週間(九〜十五日)の新規陽性者数は三千九百二十人と八週連続で増え、過去最多を更新したことが十七日、分かった。この日の対策本部会議に出席した市健康安全研究所の岡部信彦所長は「陽性者が急増すれば、重症者も急増する。市内は危機的な状況」と指摘した。(安藤恭子)
市によると、入院と宿泊・自宅療養を含む十五日現在の療養者数も、前週より八百七十八人多い三千五百七十人となった。市立川崎病院で六日から中等症用の転用などで重症用病床を十三床から二十床に増やすなど病床の確保に努めているが、市内の重症用病床の使用率は100%を超えた。臨時にコロナ用でない集中治療室(ICU)を使う状態となっているという。
陽性者数を検査件数で割った陽性率は42・9%。自費検査を行う市内医療機関から市外拠点で検査した届け出が多数あることから「市内の実態に即していない」として、今回から市外分の陽性者数を省くとした。
市内では自宅療養中の四十代男性の容体が悪化し、救急搬送先の病院で十四日に亡くなる事態も起きた。福田紀彦市長は会議後、記者団に「ご冥福をお祈りしたい。市も全力をつくしているが、今後も考えられるケース。災害に近い状況で、命を守れない危険性が高まっている」と述べた。
大きな会場を使ったいわゆる「野戦病院」や酸素センターを市として運営することについては「医療資源も枯渇している。病床がある程度ないと、留め置くだけとなって機能しない」と否定的な見方を示し、市内医療機関に呼びかけ、受け入れ病床の拡大に努めているとした。

●静岡・新型コロナ 自宅療養者1625人 新規感染者とともに急増 8/18
静岡県内では新型コロナウイルスの感染拡大がとまらず、18日の新規感染者は590人と2日連続で過去最多を更新しました。
新規感染者の急増に伴い、増えているのが県内の自宅療養者数です。8月18日の県の発表では1625人に達しました。
7月上旬には100人以内に収まっていましたが、7月下旬から増え始め、8月3日に500人を突破したあと、わずか2週間で3倍以上に急増しています。
県内ではコロナ患者用の病床が40施設で569床確保されていますが、8月18日現在で319人が入院していて、県全体の病床占有率は56.1%です。
新たに90床余りを確保できる見通しがつき、病床数は634床まで増えますが、県は、このままのペースで感染拡大が進むと9月初旬には病床が足りなくなるとみています。
今後は、増え続ける自宅療養者の病状把握が重要な課題となり、県は、地域の医療機関も病状把握に協力してくれるよう、依頼しています。

●「必要な人の治療が…」 長野県で過去最多152人感染 8/18
18日、長野県内の新型コロナウイルスの新規感染者は152人。1日の発表で過去最多を更新しました。保健所は「状況が悪化すれば必要な人が治療を受けられなくなる」とし、危機感を強めています。
長野市保健所・小林良清所長「最高レベルの感染拡大」
松本市保健所・塚田昌大所長「感染拡大のピークが見通せない」
18日、県内で発表された新規感染者は152人。1日の発表では、今月13日の109人を大幅に上回り、過去最多を更新しました。
感染がわかったのは、10歳未満から90歳以上の男女152人です。松本市で過去最多の32人、長野市26人、上田市12人、諏訪市8人、岡谷市6人、小諸市5人、塩尻市5人、安曇野市5人、須坂市3人、千曲市3人、茅野市3人、飯田市3人、伊那市2人、軽井沢町2人、佐久穂町2人、野沢温泉村2人、松川村2人、中野市1人、東御市1人、大町市1人、駒ケ根市1人、山ノ内町1人、長和町1人、御代田町1人、立科町1人、小海町1人、箕輪町1人、白馬村1人、豊丘村1人で、県外在住者は東京都8人、神奈川県4人、埼玉県3人、福島県1人、愛知県1人、大阪府1人、兵庫県1人です。
このうち74人がこれまでの感染者の濃厚接触者または接触者。県外往来のある人が21人、感染経路不明は50人、また、県外在住者は19人でこのうち少なくとも8人が帰省です。(重複あり)
急速なスピードで拡大する「第5波」。今月の新規感染者は18日までに1238人確認され、10日以上を残して、最も多かった1月の1105人を上回りました。
感染者が急増している松本市では、「20代、30代が増加していて、会食での感染が目立つ」ということです。
長野市は、「状況が悪化すれば医療体制に影響する」と強い危機感を示しました。
長野市保健所・小林良清所長「これ以上、感染者が増えると、必要な方の治療が十分に受けられなくなる状況を考えなければならない」
感染者の累計は6532人。入院中は214人、宿泊療養293人、自宅療養142人、調整中136人です。このうち、重症3人、中等症43人となっています。
確保病床使用率は45.1%。中等症や軽症患者を受け入れる一般病床の使用率は、地区別に北信70.3%、東信54.9%、中信37.2%、南信43.4%となっています。

●「感染ピーク見通せない」 松本市で過去最多32人感染… 8/18
松本市は18日、新たに32人が新型コロナウイルスに感染したと発表しました。1日あたりの発表では、8月14日の30人を上回り過去最多を更新しました。
感染がわかったのは、10歳未満から60代の男女32人です。このうち13人がこれまでの感染者の濃厚接触者または接触者。県外滞在歴がある人が4人、東京都在住1人、感染経路不明が14人となっています。
松本市保健所の塚田昌大所長は「感染のピークが見通せない。今後さらに陽性者が増加する強い懸念がある」と述べ、危機感を強めています。
感染拡大の要因は、「7月の4連休以降、県外往来のある人から同居の人、知人に広がっている」としています。また、「20代、30代で増加していて、マスクなしの会食での感染が目立つ」ということです。
お盆休み、夏休みが終わり、日常生活か再開されることから、さらなる感染の拡大が危惧されます。
塚田所長は「今後さらに陽性者が拡大すれば、医療体制が切迫し、十分に医療体制が受けられなくなるだけではなく、一般診療への懸念もある」と述べ、より一層の感染対策を市民に呼びかけました。

●30代以下が7割超 カラオケや会食、ドライブ... 岐阜県で過去最多感染 8/18
岐阜県と岐阜市は18日、県内35市町などで計338人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。1日当たりの感染者数は2日連続で300人を上回り、17日発表の324人を超えて過去最多を更新した。感染者は累計1万1470人となった。
直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者も前日の54・01人から大幅に増加して64・83人に上昇し、過去最多を更新。17日時点の入院患者は384人で、病床使用率は国の基準でステージ4(爆発的感染拡大)の「50%以上」に迫る49%となった。
年代別では、20代が120人と最も多く、40代52人、10代49人、30代46人、50代28人と続き、30代以下で全体の70・1%を占めた。クラスター(感染者集団)にはなっていないが、友人とカラオケやドライブ、会食をしたり、県外の感染拡大地域に出掛けたりした若者が多数いるという。
県健康福祉部の堀裕行部長は「繰り返し注意をお願いしていた会食などの行動歴のある人の感染が多い。人数が少なければ大丈夫という訳ではない」と強調。医療提供体制については「入院患者や宿泊療養施設の利用者が急増している。保健所も入院、入所の手続きを最優先に対応しているが、あまりに増え方が大きく、ここで踏みとどまらないとかなり厳しい」と話した。
新たに5件のクラスターが確認された。このうち多治見市と可児市では、それぞれ会食をした友人らによる5人ずつのクラスターが発生。複数の組み合わせで出掛けたりした岐阜市や羽島市の友人と、その家族ら9人の感染も判明した。他に関市の職場の同僚ら6人、加茂郡七宗町の家族ら5人の感染が分かった。
拡大したクラスターは10件。うち岐阜市の山田病院では入院患者と職員の計6人の感染が判明し、31人となった。
新規感染者の居住地別は岐阜市77人、大垣市45人、中津川市20人、各務原市、可児市が各17人、関市16人、羽島市14人、瑞穂市12人、多治見市11人、美濃加茂市9人、瑞浪市、不破郡垂井町、本巣郡北方町が各8人、海津市、羽島郡笠松町が各7人、高山市、恵那市、郡上市が各6人、土岐市5人、山県市、安八郡安八町が各4人、美濃市、本巣市、下呂市、揖斐郡大野町、可児郡御嵩町が各3人、羽島郡岐南町、養老郡養老町、安八郡輪之内町、揖斐郡揖斐川町、同郡池田町が各2人、安八郡神戸町、加茂郡坂祝町、同郡富加町、同郡七宗町、神奈川県、愛知県が各1人。
年代別は1歳未満2人、1歳〜10歳未満20人、10代49人、20代120人、30代46人、40代52人、50代28人、60代、80代が各7人、70代6人、90代1人。

●奈良県 コロナ過去最多162人 50代以下が9割 8/18
全国的に新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、奈良県と奈良市は18日、162人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日の感染者数では過去最多。18日までの1週間の新規感染者のうち、50代以下が全体の9割を占めており、現役・若者世代の感染が顕著となっている。
「県民には、感染の連鎖を断ち切るための取り組みの徹底をお願いしたい」
この日、県庁で緊急記者会見した杉中泰則・危機管理監はこう呼びかけた。
県内では11日に138人の感染者を確認して以降、16日を除いて1日の感染者数が100人を超える高止まりの状態となっている。検査の陽性率(7日間平均)は13%前後で、すでに3〜6月の「第4波」のピーク時を上回っている。
8月の感染者の傾向をみると、年代別では20代が20%を超えて最も多く、30〜50代も高い水準となっている。また、2〜8日の1週間に実施した感染者のスクリーニング検査では、5割以上が感染力の強いインド由来のデルタ株の疑いがあり、県内でも急増していることが分かった。
医療提供体制も逼迫している。18日時点の重症病床の使用率は32%だが、重症病床を含めた全体の病床使用率は65%に達し、国が定めるステージ4(爆発的感染拡大)の目安である「50%以上」を上回っている。
また、入院や入所待機中の患者も急増している。18日時点の宿泊療養施設の使用率は61%で、待機中の患者は363人に上った。感染拡大に歯止めがかからなければ、自宅待機者がさらに増加する恐れがあるという。
県は宿泊療養施設の部屋数の拡大を急ぐほか、病床確保についても病院側と協議を続けている。
会見で、平夏来・医療政策局長は「コロナ対応と通常医療のバランスを考えながら病院と相談している」と話した。
杉中危機管理監は、大阪など感染拡大地域との往来を控えることや、家庭内での感染防止を徹底するよう呼びかけた。一方、国への緊急事態宣言発令の要請については、「奈良県に効果があるとはなかなかいえない。現時点で要請するという決定はされていない」と慎重な考えを述べた。
感染急増を受け、県は20日に新型コロナ対策会議を開き、今後の具体的な感染防止策を協議する方針。

●若者のコロナ感染拡大のペース加速、大阪府「制御困難なレベル」 8/18
新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が9月12日まで延長されたことを受け、大阪府は18日、対策本部会議を開いた。府は行動範囲の広い若者を中心に感染が広がり、コントロールが利かなくなっていると危惧。クラスター(感染者集団)も高齢者施設が主だった今春の第4波とは異なり、学校や企業などにシフトしており、現役世代へのさらなる感染拡大に懸念が広がっている。
「20代、30代の感染状況は制御困難なレベルになっている」。府健康医療部の藤井睦子部長は会議で危機感をあらわにした。
府によると、17日までの1週間の新規感染者数は計1万1117人となり、初めて1万人を超えた。
感染の中心となっているのは30代以下の若者だ。20〜30代の直近1週間の新規感染者数は前週比1・48倍。前週を前々週と比べると1・15倍で、感染拡大のペースが加速している。30代以下の新規感染者は、第4波(3月1日〜6月20日)では全年代の47・7%だったが、第5波(6月21日〜8月15日)では65・0%に上る。
第5波 企業、大学・学校でクラスター増
どこで感染が広がっているのか。その一端がうかがえるデータがこの日の会議で示された。クラスターの発生場所を第4波と第5波で比較すると、入所者のワクチン接種が進む高齢者施設の割合がクラスター全体の39%から8%に大幅減となった一方、企業が16%から33%に、大学・学校も8%から19%に、それぞれ急増した。大学・学校では8月16日までの約2カ月間で18件のクラスターが確認され、このうち部活動が4分の3を占めた。
府は、第5波の感染者に感染した可能性がある場所や出来事を聞き取った。回答した742人中、最も多かったのが、「百貨店やショッピングモールなどでの勤務」で34%に当たる249人に上った。「海水浴やドライブなどの旅行」が28%(207人)▽「出張」が17%(123人)▽「帰省・結婚式・法事など親戚の集まり」が10%(72人)――などだった。
山口信彦副知事は繰り返される緊急事態宣言に関し、「府民には『またか』と危機感が共有されない部分があるかもしれないが、感染の特徴を考えれば、アクティブな40、50代や大学生らにしっかり呼び掛けることが大事だ」と訴えた。
重症化防ぐため抗体カクテル療法に注力
感染拡大に伴い、病床も徐々に埋まり始めている。府が確保済みの重症病床587床には18日時点で158人が入り、使用率は26・9%。患者数は1カ月前の40人程度から急増し、第5波では40、50代が全体の53・1%に上る。確保済みの病床には別の疾病の患者が利用しているものも含まれ、コロナ用にすぐに使えるものに限れば325床で、使用率は48・6%にはね上がる。府は病床確保計画に基づき、すぐに利用できる重症病床数を一般医療に影響を与えない「フェーズ3」で対応してきたが、18日には非常事態に当たる「フェーズ4」に引き上げ、420床まで増やすよう医療機関に要請した。
重症病床の逼迫(ひっぱく)を防ぐため、府が力を入れるのが患者の重症化を防ぐ抗体カクテル療法だ。府内125の医療機関で実施しているほか、8月下旬から宿泊療養施設1カ所で始める。吉村洋文知事は「生きるか死ぬかの瀬戸際で命を守るのが重症病床だ。右肩上がりの重症者数を早期治療によって抑えないといけない」と語った。

●新型コロナ感染確認 初めて1000人超える  兵庫県 8/18
兵庫県は18日、県内で、一日としては初めて1000人を超える感染者が確認されたと発表しました。17日の853人を上回って過去最多となり、感染の急激な拡大に歯止めがかかっていません。

●岡山県、指標半数の3項目でステージ4基準上回る 8/18
岡山県が18日に公表した直近1週間(11〜17日、速報値)の新型コロナウイルスの県内感染状況によると、指標6項目のうち3項目がステージ4(爆発的感染拡大)の基準を上回った。特に10万人当たりの新規感染者と療養者は基準の2倍以上に達し、医療現場の逼迫が懸念されるという。全体の判断はステージ3(感染急増)を維持したものの、まん延防止等重点措置(20日〜9月12日)の適用後もしばらく厳しい事態が続く見通しだ。
ステージ4を超えたのは、10万人当たりの新規感染者数(63・17人)と10万人当たりの療養者数(68・62人)、PCR陽性率(12・3%)。医療の逼迫度合いを示す病床使用率は33・4%でステージ3の基準を上回った。
1週間当たりの感染者数は1194人。今月11日以降、連日100人を超え、18日には過去最多の307人の感染が判明した。感染力が強いインド由来の変異株「デルタ株」への置き換わりが急速に進み、拡大に歯止めがかかっていない。
入院者の状況も悪化している。重症者用の病床使用率(10・3%)はステージ3の基準より低く抑えられているものの、軽症者でも自宅療養中に容態が急変して救急搬送される事例もあったという。
一方、県が携帯電話の位置情報データを分析したところ、お盆期間には他県からの流入が平常時の2〜4倍に急増。帰省や旅行で感染し、家族や友人へ広げるケースが目立ち始めており「今週末から来週にかけてさらに感染者が増えていくことが懸念される」(県保健福祉部)状況だ。
伊原木隆太知事は報道陣に対し「首都圏では入院すべき患者が入院できない事態も起きている。重点措置を使って感染を抑えなければ打つ手はなく、県民の命を守れない。与えられた権限を最大限使い、感染拡大を止めたい」と述べた。

●福岡県の“新規コロナ感染者”1253人 過去最多を更新 8/18
新型コロナウイルスの情報です。福岡県の18日の感染者は1253人、過去最多を更新しています。
感染者1253人の内訳は保健所の管轄別に福岡市625人、北九州市229人、久留米市59人、そのほかの地域で340人となっています。検査数は7849件で陽性率は16.0%でした。70代の男性1人が亡くなっています。新規感染者1253人は、6日前に初めて1000人を超えて以来の過去最多で、8月11日と比べて一気に500人以上増えています。
福岡県の担当者「極めて深刻な状況と考えている。しかも爆発的な感染拡大。」
福岡県では3連休やお盆などで人流が増加したことが感染拡大の原因の一つとした上で、「ワクチンを接種した人も感染対策を徹底してほしい」と呼びかけました。

●佐賀県、飲食店に時短要請へ 8月20日から 8/18
お盆期間が明けてから佐賀県内で新型コロナウイルス感染が拡大していることを受け、県が20日から県内全域の飲食店に営業時間短縮を要請する方針を固めたことが17日、関係者への取材で分かった。期間は8月末までを想定する。これまで感染者全員に入院かホテル療養で対応してきたが、逼迫(ひっぱく)する医療提供体制を守るため、自宅療養を組み込む。いずれも18日の感染状況を踏まえて最終調整し、午後からの対策本部会議で正式に決定する見通し。
県は17日、新たに121人の感染を確認した。1日当たりの感染者数が2日連続で過去最多を更新した。病床使用率も57・4%と過去最高を更新した。
時短要請は県独自の「医療機関を守るための非常警戒措置」の発令に伴い実施する。飲食店には協力金を支払い、財源には新型コロナ対応の地方創生臨時交付金を充てる方針。
関係者によると、唐津市で複数のクラスター(感染者集団)が確認されるなど感染拡大が特に深刻化していることから、唐津地区の営業時間を他の地区より短く設定することも視野に検討している。
山口祥義知事は12日の臨時記者会見で、お盆期間の15日まで外出自粛を要請したが、16日以降、2日連続で3桁の感染者が確認された。会見では「都市部を見ると時短要請の効果がどれだけあるのか懐疑的だが、これから数日間の状況を見て検討する」としていた。その後、飲食店でのクラスターが唐津市で3件、佐賀市で1件確認されたことも時短要請に踏み切る要因になったとみられる。
県内は病床使用率が17日まで2日連続で過去最高となり、病床の逼迫度が高まっている。これまで感染者の自宅待機ゼロを堅持してきたが、中等症以上の患者が入院する医療機関と、軽症・無症状者向けの療養ホテルに加え、自宅療養を組み込んだ新たな医療提供体制のシステムについても、18日の対策本部会議で打ち出す見通し。

●唐津市独自の「緊急宣言」発表 陽性者急増受け 佐賀県 8/18
新型コロナウイルスの陽性者が唐津市で急増していることを受け、同市の峰達郎市長は17日、市独自の「緊急宣言」を発表し、感染拡大に危機感を示した。人口10万人当たりの新規感染者数(1週間の合計)を引き合いに、市内の感染状況は「東京都と匹敵する」と強調、改めて感染防止策を徹底するよう呼び掛けた。
市内では3連休後の10日から感染者が増えており、峰市長は「福岡県と隣接しているが他県由来でなく、特に旧唐津市内で感染が拡大している」との認識を示した。市の人口は約12万人、10〜16日の感染者数は計200人で、10万人あたりは166人。東京都は10万人あたり214・4人(15日時点、都福祉保健局発表)となっている。
峰市長は会食、不要不急の外出を控えることやマスク着用の徹底などを呼び掛け、「感染経路が不明な人が増加している。早急に人流を抑制することが最大の防御につながる」と話した。具体的な対策は医師会などと協議しながら検討していく。

●長崎 新型コロナ89人新規感染 クラスター拡大 8/18
長崎県などは18日、新たに県内11市4町で89人が新型コロナに感染したと発表しました。17日の104人に次いで過去2番目の多さで、長崎市役所や五島自動車学校のクラスターが拡大しています。
89人の内訳は長崎市が最も多く20人、諫早市18人、五島市16人、佐世保市12人、大村市6人、南島原市と長与町で3人ずつ、島原市、雲仙市、松浦市で2人ずつ、東彼杵町、川棚町、佐々町、壱岐市、対馬市で1人ずつです。感染者と接触したとして検査した人が59人、感染経路がわかっていない人が30人です。重症者はいません。年代別では、非公表を除き最も多いのが20代の18人で、次いで10代が14人、40代が11人などとなっています。(10歳未満1人、30代10人、50代6人、60代2人、70代4人、80代3人、非公表20人)。
長崎市は17日市役所本館の5階でクラスターが発生したことを受け接触者などに関わらず5階に勤務する職員80人をPCR検査しました。その結果、新たに土木部の20代男性職員1人、30代男性職員1人、40代男性職員2人、中央総合事務所の20代女性職員1人の合わせて5人の陽性が判明し、クラスターは11人となりました。5人とも内勤業務や工事現場の管理監督業務、工事計画業務を担当していて市民や事業者との接触はないとしています。市は更に接触のあった約20人の職員に対し検査の準備を進めています。新型コロナの感染拡大を受け、市は23日(月)までとしていたグラバー園や原爆資料館など観光施設の休館の延長を検討しています。
17日にクラスターと公表された、五島市の五島自動車学校では、新たに免許合宿に参加していた利用者11人、職員1人の感染がわかり、関係者103人のうち感染者は18人となりました。新たに感染した利用者11人は10代から20代、または非公表の男女、無症状の人もいれば微熱や咳、味覚や嗅覚に障害が出ている人もいます。利用者は県外在住者が多く、五島市内の自宅から通学している利用者16人は全員陰性でした。五島市の感染者は17日と18日で23人と急増していて、長崎県は五島地区の対応フェーズを「2」から最大の「4」に上げ、確保病床を10床から23床に増やしました。(緊急時対応では+2床)そのうち43%の10床が埋まっている状況です。
18人の新規感染が発表された諫早市では、半数の9人が帰省などの県外移動があったということです。

●無症状陽性、1割止まり 感染把握が不十分か 8/18
感染が急拡大する新型コロナウイルスの第5波で、東京都の検査で陽性確認時に無症状の人が約1割にとどまっている。本来は無症状の感染者は3割程度いるとされるため、感染者が一部しか把握できていないことになる。保健所による濃厚接触者の調査が滞っていることが原因とみられる。政府は緊急事態宣言の延長と対象拡大を決めたが、市中に増える無症状者が無意識のうちに感染を広げている構図が浮かぶ。
都のモニタリング会議は昨年7月以降の1週間当たりの感染者数と無症状者の割合を公表。無症状者の割合は1週間の感染者が計1万人を超えた7月下旬以降、12・2%(7月20〜26日)▽11・4%(同27日〜8月2日)▽12・4%(同3〜9日)−と過去最低水準が続く。
厚生労働省の「診療の手引き」によると、無症状者の割合は30%前後と推定。感染状況が落ち着いていた3月は20、21%台で推移するなど、一定数は捕捉されていた。これまでも感染者数の急増で無症状者の割合が減少する傾向はあり、年末年始の第3波では23・2%(12月上旬)から16・4%(1月上旬)に低下。ただ、今回は6月末から13%台が継続している。
都は今月10日付で濃厚接触者や感染経路を詳しく調べる「積極的疫学調査」の規模縮小方針を各保健所に通知したが、その前段階で保健所の負荷が急増し、濃厚接触者らの確認が後手に回らざるを得ない状況だったことがうかがえる。
保健所業務の逼迫(ひっぱく)は陽性率の高さからも見てとれる。8月は1週間平均で20%超が続き、直近では24・0%に及ぶ。陽性率の高まりは、行政検査が症状があるなど感染の可能性が高い人の陽性を確認するという側面が強まりつつあることを示している。
発熱などの有症状者は増加し、都の「発熱相談センター」には7月下旬から2週間以上にわたって連日、平均約3千件の相談がある。1月上旬のピークの同約2700件、5月上旬の同約2300件を上回っている。
新型コロナは発症前や無症状の人から感染するリスクがあるのが特徴だ。従来株の約2倍、英国株の1・5倍程度の感染力があるインド由来のデルタ株は関東で置き換わりが約9割に達したとみられている。デルタ株について海外では「従来の1200倍ウイルス量が多い」(中国)、「英国株に比べて入院リスクが高い」(英スコットランド)などの研究結果があるが、病原性が高くなっているかや発症しやすいかは明らかになっていない。
東京医科大の濱田篤郎特任教授(渡航医学)は「濃厚接触者の洗い出しを十分に行えば無症状者を確認できるが、保健所の業務が増えて調べ切れていない。周囲で感染者が出た場合、行政に任せるのではなく企業や学校、できれば家庭でも民間の検査を受けるべきだ。費用負担は生じるが、感染の芽を早期に摘むことが重要」と指摘した。

●「制御不能な状況」日本、新型コロナ緊急事態を大幅に拡大・延長 8/18
日本政府が新型コロナの緊急事態発令地域を大幅に拡大して期限も翌月中旬まで延長する。東京パラリンピックの開幕を一週間控え、連日新規感染者数が急増していることにともなう措置だ。
菅義偉首相は17日、新型コロナ対策本部会議を開いて茨城・栃木・群馬・静岡・京都・兵庫・福岡県など7地域を緊急事態宣言地域に追加することを決めた。期間は20日から来月12日までだ。
これで緊急事態宣言地域は現在、東京都や大阪府、埼玉・千葉・神奈川・沖縄県など6地域を含んで13自治体に増えることになった。既存6地域の期限も8月末から翌月12日に延長された。
また、同じ期間に宮城県をはじめとする10地域に新たな緊急事態の前段階である「まん延防止等重点措置」を適用する方針だ。これに伴い、重点措置適用地域もかつて北海道県など6地域から計16地域に増える。
日本の新型コロナ拡大傾向は専門家の表現で「制御ができない状況」だ。17日、東京では4377人の感染者が発生し、火曜日を基準として過去最多となった。この日、全国では1万9955人(午後6時30分現在NHK集計)が確認され、やはり火曜日を基準に過去最多だった。1週間前に比べると90%も急増した。
新型コロナの政策を担当する西村康稔経済再生相は17日「連日きわめて高い水準で、言葉どおりに著しく感染が拡大している」として「医療提供体制は首都圏を中心に非常に深刻な状況」と懸念を示した。
24日から翌月5日まで開かれる東京パラリンピックも無観客で開かれることになった。オリンピック(五輪)と同様にすべての会場で一般観客を入れずに地方自治体と学校が希望する場合、生徒の入場を制限的に許容する。
専門家らは緊急事態の拡大および延長方針にも日本の新型コロナ拡大傾向は当分続くものと予想している。五輪以降「自粛の雰囲気」は完全に消え、政府の呼びかけによって午後8時まで営業してきた飲食店も「もうこれ以上は耐えられない」として過怠金を覚悟して店を運営している。
毎日新聞は今月初め、東京都心の繁華街にある飲食店約500カ所を肉眼で確認した結果、40%以上が営業時間の短縮要請に応じず、ほとんどが酒を売っていたと17日伝えた。
このような状況で、日本政府はワクチンに死活をかけている。11月まで接種を希望するすべての国民にワクチン2回目の接種を終え、その後には医療従事者と65歳高齢者から3回目の接種(ブースターショット)を始める方針を検討中だ。
ワクチン接種責任者である河野太郎行政改革担当相は16日、ある番組に出演して3回目の接種のために来年に1億2000万回分のワクチンを追加導入することでファイザー側と合意したとし「近いうちに内容を公開できる」と話した。
首相官邸によると、17日を基準に日本のワクチン1回目の接種率は49.7%、2回目の接種完了は37.6%だ。

●緊急宣言を拡大 止まらぬ対策の迷走  8/18
四度目の緊急事態宣言の二度目の延長である。迷走を続ける政府の対応を見ていると、新型コロナウイルス感染症を本気で抑え込もうとしているのか不信が募る。
政府は今月末に期限を迎える東京都など六都府県への宣言発令期限を九月十二日まで延長する。対象地域も今月二十日から茨城、栃木、群馬、静岡、京都、兵庫、福岡の七府県へ拡大する。
感染の急拡大が深刻化している。状況は「災害レベル」である。医療の逼迫(ひっぱく)を考えれば、宣言延長と拡大はやむを得ない。
だが、この間の政府対応は疑問ばかりだ。六月二十日に前回の宣言を解除したが、感染者を十分に減らさないままでの判断だった。本来は宣言を継続し十分に感染を抑え込む必要があったはずだ。
七月八日に四度目の宣言発令を決めた際も当初、政府はまん延防止等重点措置の延長で乗り切ろうと考えていた。
お盆の時期を過ぎた今回の宣言拡大は遅すぎないか。対策も後手に回っている。必要な医療提供が困難になっている中、政府は急きょ、入院制限を検討して軽症者らは自宅療養を原則とした。
それまでは軽症や無症状の人は宿泊療養が基本だった。いつ症状が悪化するか分からないのがこの感染症の怖さだ。本来は、医療従事者が常駐する宿泊療養の拡充をすべきだが、その努力を怠り、自宅療養策に転じるのは話が逆だ。
まして自宅療養者を支えるには開業医や訪問看護などの人材が不可欠だが、その連携づくりも遅れている。対策が遅れたツケを患者に押しつけられてはたまらない。政府と自治体の責任は免れまい。
春の「第四波」では関西で感染者が急増し入院できずに自宅で亡くなる人がいた。医療の受け入れ能力を超える感染拡大を経験したのに、教訓を生かしていない。
感染症対策では、最悪の事態を想定した準備をすべきだが、菅義偉首相は楽観的な見方に執着している。感染力が強く感染を拡大させているデルタ株への警戒も甘かったと言わざるを得ない。
感染の抑え込みには感染者を減らす対策が重要だが、今回の宣言拡大でも新たな対策は乏しい。
都市封鎖などの強制力に頼らない日本の対策は国民の理解と協力が要だ。政治リーダーが言葉を尽くし理解を得ることが対策につながると肝に銘じるべきだ。

●コロナ分科会が「ワクチン接種後の死」をろくに原因究明しないお粗末 8/18
新型コロナワクチンの接種が進むいっぽう、政府や分科会は相変わらず自粛、人流抑制などの旧来型の規制を訴えるばかりだ。精神科医の和田秀樹さんは「彼らは病床逼迫への対策や市民生活の緩和などに対する建設的な提言をほとんど行っていない。累計900人超の“ワクチン接種後の死”もろくに検証していない」という――。
コロナ陽性者に対する死者数は0.1〜0.2%「季節性インフルと同程度」
コロナの感染数の増加がとどまるところを知らず、緊急事態宣言対象地域の拡大も続いている。また各地で病床確保の困難が相つぎ、自宅待機者も増え続けている。ワクチンの接種はおおむね順調に進んでいるようだが、それ以上にデルタ株の感染力が強いため、そのような状況になっていると説明されている。
確かに感染者数は膨大な数であり、重症者数も過去最高を記録した。いっぽう死者数のほうもそれを追うように増えているが、まだ5月のピーク時の10分の1程度だ。陽性者に対する死者数は0.1%から0.2%で推移していて、季節性インフルエンザと変わらなくなった。
ベッドが空きにくい理由のひとつは、感染症法上でのコロナの扱いだ。現状はSARS(重症急性呼吸器症候群)並の「2類」相当とされているが、さまざまな規制内容をみる限り、致死率が極めて高いエボラ出血熱並の「1類」相当の扱いといってよい。最大級の警戒だ。
重症化率・致死率が高い高齢者へのワクチン接種がおおむね終わり、致死率も季節性インフルエンザ並になった。また受けいれ側の医療従事者もほとんどワクチン接種が終わっているので感染しても重症化する危険が以前と比べてはるかに低くなっているのは事実だろう。こうした事実や数字を、政府も国民も今一度冷静に見つめるべきではないか。
そもそも感染症法上の分類は、医療従事者や入院患者への感染とそれによる死亡などに対して対応するものとされる。季節性インフルエンザにしても「5類」相当でも年間3000〜6000人が、それが直接死因で亡くなっており、コロナ同様に人工呼吸器を使うこともある。
また実質的に治療薬のないMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)などの耐性菌による肺炎は「5類」相当にすらなっていない。こうした事情を鑑みれば、コロナも季節性インフルエンザ並の「5類」相当に引き下げれば、少なくとも病床不足その他の問題は解決する可能性が高い、と私は考えている。
なぜ解決するのか。それは、保健所の負担が大幅に減り、患者を一般の開業医で引き受けられ、また通常の病棟への入院もできるようになるからだ。インフルエンザなどでも(義務ではないが)、なるべく別の病気で入院している人と同室にしないなどの対応をしてきたので、それと同様にすればいい。また、同じフロアに入院している患者のワクチン接種が済んでいれば大きな問題も生じない。
「ワクチン接種後の死亡」をきちんと原因究明していない
私がここで問題にしたいのは、専門家会議がワクチンの接種を進めながら、相変わらず自粛、人流抑制などの旧来型の規制ばかりを訴え、病床逼迫への対策や市民生活の緩和などに対する建設的な提言をほとんど行っていないことだ。
海外では、この問題に対するさまざまな研究が行われ、市民生活の緩和が行われている。ポルトガルでは、本当にコロナウイルスが怖い病気だったのかという検証のため、コロナで死んだとされた人の真の死因調査の研究が行われている。イスラエルのように3回目のワクチン接種に踏み切った国もある。そして、イギリスやシンガポールのようにほとんどの規制を緩和した国もある。
日本の「専門家」が、欧米より感染者も死者もはるかに少ないのに厳しい規制の勧告を行い続け、「1類」扱いをしているのは、それだけ人命が大切だと考えているからだとされてきたが、それにしてはお粗末な点がある。
実は、ワクチン接種後の死亡に対して、きちんと原因究明を行っているように思えないのだ。ワクチン接種でファイザーは4割、モデルナでは8割もの人が熱発している。それだけでなく7月30日現在、ワクチン接種後の死亡は900人を超えた(7月26日から30日の5日間だけで84人が亡くなっている。これは同じ時期のコロナ死者数より多い)が、一例としてワクチン接種との因果関係が否定できないという評価をしておらず(海外で問題になっている血小板減少がらみの出血死のケースですらそういう評価になっていない)、3例で因果関係が否定されているが、それ以外のすべてのケースが「情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できないもの」とされている。
ワクチン分科会副反応検討部会が開かれるたびにこの数が増えている。「情報不足」ならもっと情報を集めるべきなのに、それをした形跡がないままに「因果関係が評価できない」死亡例が積みあがっている。
本当に人の命が大切なら、当然“ワクチン死”に対しても真剣に向き合い原因の究明をすべきだが、ろくに検討もせずに「因果関係が評価できない」で放置されているのは看過できない。20代の場合、2回接種をした人は現状まだ1割前後だが、すでに4人も亡くなっている。接種を拒む若い世代が多いのも無理はないのだ。
今回のワクチンにして、私はもともと欧米の人と体重も体格も違うのに同じ量でいいのか、という疑問を抱いていた。同じ意見の医師も少なくないが、それについて検討した形跡もない。
「分科会の専門家は頭が古い」尾身茂会長は適任と言えるのだろうか
専門家たちはいったい何をしているのだろうか。
私は日本の政策ブレーンの選び方に大きな問題があると見ている。そう断言するのは、上記のような“もたもた”した対応の遅さだけが理由ではない。
率直に言えば、政策ブレーンである専門家たちは、頭が古いのだ。
彼らが現在のポジションに就いたのは、それなりの実力を伴っていると認められたからだろうが、それは現時点での研究能力や勉強量ではなく、「昔の実績」やそれが反映された肩書が大きな影響を与えたと思われる。だが、過去に実績がある人が、現在も実績や結果を出しているかどうかはわからない。専門家といえども、時代遅れの存在となることもある。
実際、海外では当たり前に行われている比較実験のようなものも日本ではほとんど(少なくとも彼らの主導では)行われないなど、ブレーンの発想は総じて古臭いものに映る。
新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、20世紀末に西太平洋地域でのポリオの根絶を達成するなど華々しい実績を持っている。それによってWHOの西太平洋地域の事務局長などに選ばれているが、それは20年以上の前の1998年の話だ。その後も、論文を検索してみても総説のようなものは別として研究論文の発表は20世紀になってからは見かけない。
コロナのように新しい病原体に対応するのに、そうした人材が適切なのかどうか。もし、誤った人材が会長の地位に配置されているのであれば、その存在を頼りとする日本は、結果的に他国の進んだ知見を持つ研究者のサル真似をするしかないのではないか。
引退して20年以上たつ元名選手の評論家が分科会のトップ
こうした首をかしげたくなるような政府や国の対応は今に始まったことではない。
アメリカやイギリスが1980年代に実質上、ゆとり教育的な教育をやめ、日本型の初等中等教育を取り入れた教育改革を行ったのに、日本では逆に1998年にゆとり教育といわれる学習指導要領を制定し、2002年から断行された。
なぜ、こんな頓珍漢な事態が起こるのか。
おそらく審議会の委員である教育学部の教授たちが若い頃に留学して、その頃の欧米の教育を理想化し、教授になってからろくに最新の状況を勉強していないから海外の教育改革の流れに気づかなかったのだろう。
そして教育国民会議座長としてこの政策を進めた、ノーベル賞受賞者の江崎玲於奈氏にしても、初等中等教育については経験がなく、彼が学長を務めてきた筑波大学、芝浦工業大学、そして現在所属する横浜薬科大学の教育が特段すぐれているという話は聞かない。
ノーベル賞学者というのは、その分野ですぐれた研究をした人に与えられるもので(しかも通常は20年以上前の研究で)、ほかの分野で優れているという保証はないはずだ。
これに対して、世界一の義務教育と言われるフィンランドでは、3年以上の教員経験がないと国家教育委員会のメンバーになれない。
いい加減、過去の実績はすごいがとても現役の研究者と言えないような人や東大のような一流とされる大学の教授(これだって、教授になってからは雑務に追われてほとんど自分では研究をしない人が多い)を政策ブレーンにするのをやめて、現役の研究者や臨床医、あるいはビジネスパーソンを重用しないと、海外と比べていろいろな点でますます遅れをとるだろう。
海外がバリバリの現役選手のチームなのに、こちらは引退して20年以上たつ元名選手の評論家のチームで戦っているようなものだ。
こうした現象は私の見るところ、医学の世界で顕著だ。大学の教授が人事権を握っているので、新しい理論がスタンダードになるためには、そういう人たちが引退するのを待たないといけない。医師で近藤誠がん研究所の所長である近藤誠先生が乳房温存療法についての海外の論文を紹介してから、それが国内で標準治療になるまでに15年もかかっている。
乳房を全部取らないとがんが再発すると患者に説明してきた権威の外科医たちがメンツを潰されたと怒り、彼らが引退するまで部下たちが忖度し続けたからだ。
私は現在、その近藤先生と対談形式の書籍を作っている。共著者だから言うわけではないが、近藤先生のコロナの病態やワクチンに対する読書量には本当に舌を巻く。
私は「高齢の学者」を問題にしているわけではない。大事なのは、現役かどうかだ。高齢でも現役の学者は世界中にいる。
海外の質の高い雑誌(大学教授などの論文で引用回数が多い雑誌)に掲載される国別のランキングでは中国がトップだ。日本は最近、インドにも抜かれ10位になった。人口が半分もいない韓国にも肉薄されている。
日本において、「昔の名前で出ています」のような学者を頼りにしても大きな問題にならないような時代はとっくに終わっている。当時は、政治家や官僚がそれなりに能力を持ち、同時に民間の研究や開発能力も世界屈指のレベルだったが、今はそれを望むべくもない。
本連載でも述べ続けてきたように、「賢い人でも突如バカになる」ということは珍しくない。今の時代は勉強し続けていないと賢い人が簡単にバカと言われるレベルに転落しかねない時代だ。
ポストワクチンの日本のコロナ対策を含め、日本は古臭い理論にとらわれることなく、新しく多様な意見を積極的に取り入れられるシステムを採用すべきだ。

●新規感染者9割以上がデルタ株と推定「死亡者増を懸念」 8/18
国内の新型コロナウイルスの新規感染者数は18日、午後8時時点で2万3千人を超え、過去最多を更新した。感染のピークがみえないまま重症患者が急増し、各地で医療体制が逼迫(ひっぱく)している。コロナ対策を厚生労働省に助言する専門家組織は18日の会合で、「感染拡大の歯止めがかからない」との懸念を示した。
直近1週間の新規感染者数は40都道府県で最も深刻な「ステージ4(感染爆発)」に相当し、前週の31からさらに増えた。17日までの1週間の新規感染者は前週に比べて全国で1・31倍に増えた。都道府県別で1倍を下回ったのは福井県(0・84倍)と鳥取県(0・76倍)だけ。東京都は1・14倍で専門家組織座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は記者会見で「東京は少し踊り場的な状況になっている」と述べた。
全国の重症患者は17日時点で1716人。第3波で最多だった1月26日の1043人、今春の第4波で最多の5月25日の1413人を大きく超えた。特に東京都が多く、過去の拡大期で最多だった1月20日の160人に対して、8月17日は276人。
病床使用率も高まっている。少なくとも25都府県で5割を超えた。特に高いのは神奈川県の82・7%、滋賀県83・3%、沖縄県86・2%など。東京都は60・6%だったが、重症病床使用率は84・9%に達した。
感染研は8月中旬時点で、全国の新規感染者のうち9割以上が感染力の強いデルタ株に置き換わったと推定した。一方、8月17日の1日あたりの死亡者数は厚労省の資料によると36人。第3波のピークは100人超、第4波のピークは200人超だった。重症化を防ぐワクチンの効果が出ているようだが、感染研は8月23日までの1日あたりの死亡者は最大で43人に増えると推定した。脇田座長は会見で「今後さらに、死亡者数が増加することを懸念している」と述べた。

●全国感染、最多2万3918人 東京5386人、大阪初の2000人超 8/18
国内では18日、新たに2万3918人の新型コロナウイルス感染が確認された。
1日当たりの新規感染者が2万3000人を超えたのは初めてで、これまでの最多だった13日(2万361人)を大幅に上回った。重症者も前日比70人増の1716人で、6日連続で過去最多を更新した。死者は30人確認された。
感染力が強いインド由来のデルタ株の流行で全国的な感染拡大が続き、新規感染者は東北から九州までの25府県で過去最多となり、2県で最多と並んだ。大阪府(2296人)では初めて2000人を突破し、愛知(1227人)、兵庫(1088人)両県は初めて1000人を超えた。
東京都では、過去2番目に多い5386人の感染が判明。1週間前より1186人多く、水曜日としては過去最多となった。新規感染者の直近1週間平均は4696.6人で、前週比17.9%増。都基準の重症者は前日から1人減って275人だった。
都の新規感染者を年代別に見ると、20代が1661人と最多で、30代1137人、40代892人、50代610人と続いた。65歳以上は210人だった。 

●感染急拡大“各地で災害レベルの認識必要” 厚労省専門家会合  8/18
新型コロナウイルスの感染者数が全国で連日、過去最多を更新するなど急激な感染拡大が続く中、対策について助言する厚生労働省の専門家会合が開かれました。重症者数が過去最大規模になって亡くなる人の数も今後増加することが懸念されるため「全国各地で災害レベルの状況にあるとの認識での対応が必要だ」として、自分や家族を守るためにも外出や県境を越えた移動を控え、できるだけ自宅で過ごすよう呼びかけました。
18日開かれた専門家会合では、感染状況について「全国的にほぼすべての地域で新規感染者数が急速に増加しており、これまでに経験したことのない感染拡大となっている。お盆の影響で今後さらに増加することも想定される」と分析しました。
そのうえで重症者の数が過去最大規模になり高齢の感染者数も増加し、亡くなる人の増加傾向が見え始め、今後さらに増えることが懸念されるとして「全国各地で災害レベルの状況にあるとの認識での対応が必要だ」という認識を示しています。
さらに、中等症や重症の患者の入院調整が困難になり、一般の医療を制限し、救急搬送が困難なケースが出てきているとして「救える命が救えなくなるような危機的な状況さえ危惧される」という表現で、極めて強い危機感を示しました。
地域別に見ると、東京都では過去最大規模の感染拡大で、入院者数は20代から50代を中心に、人工呼吸器などを使用している重症者数は40代から60代を中心として増加が継続して過去最多の水準を更新し続け、新たな入院の受け入れや救急搬送が困難なケースや、一般医療を制限する事態も起きています。
また、埼玉県、千葉県、神奈川県でも病床の使用率が急増していて、東京では夜間の人出は着実に減っているものの、前回の緊急事態宣言時の水準には届いていないと指摘しています。
沖縄県は過去に例のない水準の感染となっていて、病床使用率が8割を超える状況にもかかわらず夜間の人出が再び増加傾向に転じ、感染拡大が続く可能性があるとしています。
専門家会合は、首都圏や沖縄県ではPCR検査の陽性率が20%以上などと高くなっていて、検査での感染者数の把握が不十分と考えられ、実際の感染者数が過小に評価されているという指摘もあるとしています。
そのうえで専門家会合は、必要な対策について、感染力が強いデルタ株は「これまでとは違うレベルのウイルスである」という危機感を行政と市民が共有し、自分や家族を守るために、ワクチンを接種した人を含めて外出を半分以下にして、ふだん会わない人と会う機会をできるだけ減らし、県を越えた移動を控えること、職場では会議を原則オンラインで行い、テレワークを推進し、症状がある人の出社自粛を徹底するよう求めました。
また、都道府県が主体となって地域の医療資源を最大限活用し、全国的に厳しい感染状況が当面は続くという前提で、臨時の医療施設などの整備などの対策を進める必要があるとしています。
会合のあと会見した脇田隆字座長は現在の感染状況と対策について「首都圏や沖縄では感染状況が『踊り場』になっているように見えているが、ほかの地域では急速な拡大が続いていて、東京でもかなり多い感染者数が報告されているので今後も増加が続くという見込みが話し合われた。これまでの感染対策を徹底するのに加えて当面は接触を減らしてもらうしかない。政府の分科会から提言があったように外出の機会を半分にしてもらうことが中心になる。現在、医療の状況は『災害レベル』としきりに言われているが、一般の医療が制限されるような状況だということを認識して行動してほしい」と話していました。そのうえで、ロックダウンのような強い感染対策の仕組みが必要だという声が出ていることについては、「飲食店などには強い制限がとられる一方で、個人に対しては外出制限などの強い対策はできず、自粛をお願いする形で進めてきた。現在の爆発的な感染拡大に間に合うように新たな仕組みの議論をするのは難しいため今の法的な枠組みの中でなんとか感染状況を改善させることになる。きょうの会合で議論があったわけではないが、今後の感染症への対策を考えると個人の行動もある程度、制限するような法的な枠組みが必要ではないかと考えている」と話していました。
専門家会合で示された資料によりますと、新規感染者数は17日までの1週間では、前の週と比べて全国では1.31倍と感染の拡大が続いています。現在の感染状況を人口10万人あたりの直近1週間の感染者数で見ると、沖縄県が311.56人と、初めて300人を超える過去にない規模の感染拡大になっているほか、東京都が227.64人、神奈川県が159.68人、埼玉県が149.10人、千葉県が138.06人、大阪府が126.20人、福岡県が111.62人、京都府が104.37人と100人を超えていて、全国でも101.26人と初めて100人を超えました。感染状況が最も深刻な「ステージ4」の目安の25人を超えているのは、40の都道府県となっています。
感染力の強い変異ウイルス「デルタ株」は、首都圏だけでなく関西や愛知、福岡、沖縄など、各地で感染全体の90%以上を占め、ほぼ置き換わったと推定されています。国立感染症研究所が民間の検査会社7社の「変異株スクリーニング検査」のデータを元にデルタ株でみられる「L452R」の変異が含まれたウイルスがどれくらいの割合を占めているか推定した結果を、専門家会合で示しました。それによりますと、東京都ではデルタ株などがすでに98%、神奈川県、埼玉県、千葉県を含めた首都圏の1都3県でも98%とほぼすべてが置き換わっています。また、大阪府、京都府、兵庫県の関西の2府1県でも、先月上旬までは少ない状態でしたが、急速に広がって、すでに92%とほぼ置き換わったとしています。さらに、沖縄県ですでに99%、福岡県で97%、愛知県で94%とほぼ置き換わったほか、北海道でも85%と推定されていて、デルタ株の感染の拡大とともに感染者の急増とともに入院患者が急増し、東京都などで医療体制が危機的な状況になっていることにつながっていると指摘されています。

●40都道府県で感染爆発 専門家組織「経験したことのない拡大」 8/18
厚生労働省に新型コロナウイルス対策を助言する専門家組織「アドバイザリーボード(AB)」(座長=脇田隆字・国立感染症研究所長)が18日、開かれた。感染状況について「感染拡大の歯止めがかからず、全国的にほぼ全ての地域で新規感染者数が急速に増加しており、これまでに経験したことのない感染拡大となっている」と分析し、引き続き感染予防対策の徹底を求めている。
ABの資料によると、直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数が「ステージ4(感染爆発)」を超えているのは、沖縄(312人)や東京(228人)など40都道府県。インドで確認された感染力が強い変異株「デルタ株」は全国で9割以上で置き換わったと推定されたとの報告もあった。
公表された西浦博・京都大教授の試算では、東京都内では重症患者向けの病床が近く満床になるとされ、感染者1人から何人に感染させるかを示す「実効再生産数」を現在より3割減らしたとしても8月下旬に重症者向けに確保した病床の使用率が100%に達し、10月上旬まで100%以上の状態が続くとした。
また、8月10〜12日の新規感染者5万7293人のうち、ワクチンを1回接種した人が2956人(約5%)、2回接種した人が1768人(約3%)だったことも明らかにされた。コロナ治療に携わり、ワクチン接種を終えている医療従事者について、濃厚接触者と認定されても代替が難しい場合などは業務の従事を認める方針も報告された。

●25府県で「過去最多更新」 コロナ感染者 8/18
新型コロナウイルス感染が18日も各地で拡大した。大阪2296人、愛知1227人、兵庫1088人など「大台」を突破した自治体が続出。25府県が発表した「過去最多更新」(このほか2県は最多に並ぶ)がSNSのトレンドワードとなり、「流れてくるニュースが全部過去最多更新」「全国的に過去最多更新しまくりやな。おわたな」という声が上がった。
全国の感染者数も過去最多となる2万3000人を超えた。ツイッターでは「愛知も大阪も過去最多更新してるし、ここ最近ずっと雨だし、地震も起きてるし、日本絶対呪われてるだろ。早くお祓いした方がいい」「地方が続々と過去最多更新を見ると、やっぱり緊急事態の地域から人の移動が多かったってことか」「近隣県が過去最多更新しててマジでお外でれないな」「また大学生活が奪われる」などのコメントが続々と。
また「水曜日で全国的に過去最多更新とか、不味くない? 明日どうなんのかね」と、毎週新規感染者が多く発表される木曜日の感染者数を危惧する声も上がった。

●関西でもコロナ感染急拡大 大阪 過去最多2296人の感染を確認 8/18
大阪府で、18日、過去最多となる2296人の新型コロナウイルスの感染が確認されるなど、関西で急拡大が進んています。大阪府では、18日、過去最多となる2296人の感染と5人の死亡が確認されました。1日の感染者数が2000人を超えるのは初めてです。軽症中等症病床の使用率は69%で、自宅で療養している人の数は17日時点で1万人を超えています。
兵庫県でも過去最多となる1088人の感染が確認されていて、医療体制のひっ迫が進むことから、兵庫県の斎藤知事は今月中にも、県立病院で「抗体カクテル療法」を始める考えを示しました。
このほか近畿と徳島では、滋賀県で207人、奈良県で162人とそれぞれ過去最多の感染が判明しています。
また、京都府で421人の感染と1人の死亡が確認されたほか、和歌山県で64人、徳島県で37人の感染が判明しています。

●感染爆発は「首都圏問題」 尾身氏、対策強化訴え 衆院内閣委 8/18
衆院内閣委員会は18日の閉会中審査で、新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大などについて議論した。
政府分科会の尾身茂会長は急速な新規感染者の増加を「災害」と表現。「首都圏問題」との認識を示し、対策強化を訴えた。
立憲民主党の今井雅人氏は、「強いメッセージが必要だ」として全国への緊急事態宣言発令を求めた。これに対し、尾身氏は「この問題は相変わらず首都圏問題だ」と指摘。宣言発令が長期間に及ぶ東京都などで「必ずしも効果が出ていない。一体どうするかに議論の本質があるべきだ」と語った。
尾身氏は、感染状況に関し「検査の供給体制が間に合っておらず、検査を積極的に受けない部分もある」として、「実際に報告されているよりも感染者数はもう少し多い」との見方も示した。 

●緊急事態拡大 いま命を守る対策こそ 8/18
政府は、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言の対象地域に、京都など7府県を追加した。
東京など首都圏を中心とした感染「第5波」は全国に拡大しており、歯止めがかからない。
感染力の強いデルタ株による爆発的な感染拡大を抑えられず、宣言追加を余儀なくされた形だ。専門家の科学的データに基づく警告を軽んじた結果であり、見通しの甘さがまたも露呈したと言える。
対象に追加されたのは、京都のほか茨城、栃木、群馬、静岡、兵庫、福岡で、いずれもこの1週間内に過去最多の感染者が出ている。発令中の東京、大阪などと合わせて13都府県となった。
同時にまん延防止等重点措置に10県が追加され、滋賀など計16道県に増えた。追加の宣言と重点措置は20日からで、全て期限は9月12日まで延長された。
感染が急拡大する前に追加指定できなかったのか。先月29日に新規感染者が1万人を超え、今月13日には2万人を突破した。重症者も1600人以上となり、15日時点で5日連続で過去最多を更新している。医療機関が逼迫(ひっぱく)する懸念が強まっているのが現状だ。
しかし、宣言を追加したものの、力強い対策は見当たらない。酒類提供店の休業要請など従来通りが多く、新たに百貨店など大型商業施設の入場制限を要請するにしても効果のほどは不明だ。
菅義偉首相は「目先のことを解決に向かって全力でやるのが私の責務だ」と強調してみせた。目先というなら、ワクチン接種推進を繰り返すだけでなく、差し迫った医療現場の窮状を打開する対策を至急実行すべきだ。
病床使用率が限界に近づき、酸素投与が必要な中等症でも救急搬送先が見つからず、自宅療養を強いられる感染者が増えている。生命に関わる事態であり、現場の声を聞きつつ、医療提供体制の強化を急がなければならない。
京都府はきょう、医師らを配置した入院待機場所を開設する。こうした各地の取り組みを政府は物心両面で支援する必要がある。
共同通信による最新の世論調査をみると、政府の病床確保策に「不安を感じる」との回答が約8割に上る。菅首相はワクチン接種が進んでいるというが、「遅いと思う」が若年層で約7割、中高年層で8割近くになる。
政府への信頼が低いようでは、宣言の効力は小さいものになる。国民が切望するコロナ対策とのギャップはないだろうか。 
 

 

●東京都 新型コロナ 5534人感染確認 2日連続で5000人超 8/19
東京都は19日、これまでで2番目に多い5534人が都内で新たに新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。5000人を超えるのは2日連続で、感染の急拡大が続いています。また、都は感染が確認された4人が死亡したことを明らかにしました。
東京都は19日、都内で新たに10歳未満から90代までの男女合わせて5534人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。これまでで2番目に多く2日連続で5000人を超えていて、感染の急拡大が続いています。また、1週間前の木曜日より545人増え、木曜日としてはこれまでで最も多くなりました。19日までの7日間平均は4774.4人で最多を更新しました。前の週の120.1%です。これで都内で感染が確認されたのは、29万7391人となりました。
一方、都の基準で集計した19日時点の重症の患者は18日より1人減って274人でした。また、都は感染が確認された70代と80代の男女合わせて4人が死亡したことを明らかにしました。これで都内で感染して死亡した人は2358人になりました。

●東京都 大規模接種用ワクチンを自治体に融通へ 8/19
感染が急激に拡大する中、東京都は先週、新型コロナウイルスのワクチンについて10月上旬までの区市町村への配分を示しました。しかし、自治体からは、「予定の量に足りず、計画どおりに接種を終えられない」という声が寄せられ、都が大規模接種のために確保していたワクチンの一部を希望する自治体に融通する方針を決めたことが分かりました。
国は12歳以上の人の8割が2回の接種を終えるのに必要なワクチンを10月上旬までに都道府県に配送する方針です。東京都には、合わせて2114箱=247万3000回分のファイザーのワクチンが届く予定で、都は今月10日、区市町村の人口や接種率などを踏まえて、それぞれへの割り当てを示しました。これに対し、杉並区や世田谷区、中野区、新宿区、練馬区、江戸川区などからは、「予定していた量には足りず、接種を計画どおりに終えられない」などという声が出ていました。一方で、都が大規模接種会場用に確保している800箱=93万6000回分について、配分してほしいという声も出ていて、都は一部を希望する区市町村に融通する方針を決めました。区市町村には伝え始めていますが、希望どおりの量を融通できない自治体もあるということです。東京都は「すでに接種の体制を整えている区市町村からの強い要望とともに、全体最適を考えて都内全体で接種を促進させていくための対応だ」としています。
今月10日に東京都が示した計画によりますと、杉並区では、今月30日から10月10日にかけて、合わせて78箱=9万1260回分のファイザーのワクチンが割り当てられることになっていました。その後、都から、さらに10箱=1万1700回分を融通すると連絡を受けたということです。それでも区が希望していた量には届いていません。区によりますと、接種対象となる人のうち2回の接種を終えたのは、今月16日の時点で3割にあたるおよそ15万5200人で、対象者の7割が接種を希望すると見込んで来月末までに接種を完了する予定でした。区では、1週間あたりおよそ4万回の接種をできる体制をとっていましたが、都から配送されるワクチンはおよそ1万7000回分にとどまり、接種予約の枠を引き続き制限しているということです。この結果、接種の完了は年末にずれ込むおそれがあるとしています。区の公式ツイッターには、「このままワクチン打てないとコロナになって国と区役所のせいで死んじゃうんだろうなぁ」とか、「いつになったら接種できるのでしょうか…」「全然打てない。コレでコロナに注意とか言われても無理だ」などといった投稿が寄せられています。杉並区の田中良区長は「相当数のワクチンが不足し、予約が取りにくいというお叱りを区民からも受けている。そんな思いをさせないようワクチンさえ供給されれば、接種できる体制をとってきただけに悔しいという気持ちがある」と話しています。
東京都はことし6月からワクチンの大規模接種をはじめ、現在は16の会場で飲食店の関係者や学校の教職員、それに福祉サービスに関わる人などを対象に実施しています。今月17日までに45万回余りの接種が行われ、2回目まで終えた人は15万5470人です。今回、大規模接種用に確保したワクチンを区市町村に融通することになった理由について、都は「接種の体制が整っている区市町村からの強い要望があり、都内全体で接種を促進させていくため」と説明しています。都は当初、大規模接種では国の方針に従ってモデルナのワクチンを使う予定でした。しかし、モデルナの配送が追いついかず、国からはファイザーが供給されています。一方、そのファイザーを使っている区市町村からは足りないという声が多くあります。市長会からは都の大規模接種分のファイザーのワクチンを可能なかぎり融通するよう要望が出ていました。都の担当者は「当初の計画どおり、ファイザーではなくモデルナのワクチンで都の大規模接種が行われていれば、区市町村の接種計画にも大きな影響を及ぼさなかったのではないか。都としてもファイザーを使っていることは本意ではなく、できればモデルナを供給してほしかった」と話しています。
国は「都道府県単位で見ると、モデルナのワクチンを含めれば必要な量は送っているはずで、足りないということは信じがたい。都道府県がうまく配分すれば、自治体に十分なワクチンが届くはずだ」としています。

●小池都知事 子どもたちのパラ観戦は“予定どおり” 強調  8/19
東京パラリンピックの会場で子どもたちに競技を見てもらう都の方針に対し、都の教育委員から新型コロナウイルスの感染の急拡大を理由に反対の意見が出たことについて、小池知事は「より安心・安全な形でできるように準備を進めていく」と述べ、予定どおり実施する考えを強調しました。
24日に開幕する東京パラリンピックは原則無観客となった一方、都は教育的な意義を重視して希望する子どもたちには会場で競技を見てもらう方針ですが、18日夜開かれた都の臨時の教育委員会では、感染の急拡大などを理由に出席した4人の委員全員から反対の意見が出ました。
これについて、小池知事は19日、都庁で記者団に対し「きのうの臨時の教育委員会で意見を伺ったが、そこで認めるうんぬんではない」と述べ、子どもたちに競技を見てもらう方針は教育委員への報告事項だと説明しました。
そのうえで「教育委員の意見を参考にしながら、子どもたちがパラリンピックの選手の姿を見ることをより安心・安全な形でできるように準備を進めていく」と述べ、予定どおり実施する考えを強調しました。

●修学旅行と東京、都知事が都県境を超える実施の中止・延期を呼びかけ 8/19
東京都の小池知事は2021年8月19日の都議会で、新型コロナウイルスの感染が急拡大していることから、都と県をまたぐ修学旅行の中止あるいは延期を改めて求めた。
小池知事は「子どもたちの心身の健康のため、学校現場において工夫しながら、学校行事を行っていくことが必要と考える」と発言した。
都教育委員会は、すでに都立学校に対してガイドラインで修学旅行などの宿泊を伴う行事は中止または延期を求めている。緊急事態宣言のもと不要不急の外出や都・県をまたぐ移動の自粛を訴えていることから、都知事が改めて修学旅行の中止・延期を呼びかけたものだ。

●都の救急要請者の6割が搬送されずに「自宅療養が一番怖いと思います」 8/19
19日放送のTBS系情報番組「ゴゴスマ」では、全国で過去最多の感染者数を記録するなど、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない現状を報じた。
コメンテーターで出演の元宮崎県知事でタレントの東国原英夫氏は東京都のコロナ患者の6割が救急要請も搬送されなかったというデータに「僕は自宅療養が一番怖いと思います。独り暮らしの方たち、本当に不安だと思うんですね」と話し出すと、「かかりつけ医、開業医の方たちがケアするって言うんですけど、人員的なリソースにも限界がありますから手が回らないらしいんですよ。ホテルとかも個室になっているので、見渡せるような施設が必要でお医者さん、看護師さんの確保も必要となってきます」と続けた。
その上で「それをお願いベースでやるのか、法整備して強制的に医療機関だとか休眠されている看護師さんやお医者さんに強制的な法整備をするのかは議論の余地があります」と話した。

●青森県・三村知事「今が感染拡大防止の山場」 8/19
全国での緊急事態宣言の延長などを踏まえ、青森県庁では危機対策本部会議が開かれました。
三村知事 「今が感染拡大防止の山場という状況になってまいりました」「最悪の事態を回避するために何としても踏みとどまらなければいけないと」
青森県内では17日、過去最多となる91人の感染が確認され、直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、国の指標のステージ4を超えるなど、病床のひっ迫、医療崩壊が懸念されています。
8月の県内の感染者のうち、10歳未満、10代が28%、20代、30代が39%と、7割近くが30代以下となっています。一方、60代以上の感染者は9%に留まっていますが、ワクチンを2回接種した人でも30人が感染しています。
会議では、ワクチンを接種しても基本的な対策を継続すること、青森県外から来た人との接触を始めとする感染リスクを回避することといった注意を呼び掛けました。
また、感染拡大が続く場合、県の施設の休館や学校における部活動やイベントの禁止、社会経済活動の抑制なども想定しなければならないとしました。

●山形県知事と医療専門家の意見交換会 8/19
山形県内の新型コロナ感染者の増加を受け、19日午後5時から吉村知事が医療専門家との意見交換会を開いた。
オンラインで開かれた会議には、山形県医師会や県立中央病院などから専門家6人が出席し、非公開で意見交換会が行われた。
吉村山形県知事「増加する自宅療養者の対応や、今後の感染拡大防止策などについて、医療専門家のみなさまからご意見を頂戴して、それをふまえて今後の県の対応方針を決定したい」
会議は午後6時20分に終了し、山形県の担当者によりますと、感染防止の現状と対策、病床の現状と対策について意見が出たという。
家庭や職場・学校などで感染経路がわからない事例が増えていることから、マスクや密回避の徹底などに加え、県外との往来や会食を避けるなど、具体的な数値を出して効果が出るまで対策を取る必要があるという意見が出た。
また、病床については宿泊や自宅療養を活用しながら医師の派遣も検討していく必要があると指摘した。
山形県は20日午後、危機対策本部会議を開き、独自の緊急事態宣言も含め、新たな感染対策の方針を示す予定。

●自宅療養中に死亡、50代の会社員が…埼玉加速2170人感染 8/19
埼玉県などは19日、新型コロナウイルスに感染していた2人の死亡と、新たに2170人の感染を確認したと発表した。1日当たりの感染者としては最多を更新し、初めて2千人を超えた。感染者の内訳は、県発表が1540人、さいたま市358人、川口市95人、川越市82人、越谷市95人。
さいたま市で過去の陽性者1人の取り下げがあり、これまでに確認された感染者は8万2996人(チャーター便帰国者含む)、死者は866人(19日午後7時現在)となった。
18日午後9時時点の重症者は126人、感染者の入院は1220人、ホテル療養644人、自宅療養1万5280人。退院・療養終了は5万8070人。
県によると、70代女性1人が死亡した。県管轄で詳細が判明したのは未就学児〜90代の男女1139人。県内の大学で同じ寮に住む10〜20代の女子学生4人が感染した。会食では10〜70代の男女22人が感染したとみられ、うち1人はバーベキューを行っていた。
県感染症対策課は「増加スピードが速く、1日の感染者数が12日に1500人を超えてからわずか1週間で2千人を超えた」とし、「医療体制に影響が出ている。これまで以上に歯止めをかける必要がある」と感染対策の徹底を呼び掛けた。
さいたま市によると、感染が判明したのは10歳未満〜90代の男女358人。17日発表の1人を取り下げた。重症1人、中等症14人。年代別では20代が最多の109人、50代までで約95%を占めた。家庭内感染は43人、調査中は268人。20〜90代の14人がワクチンを2回接種していた。
川口市によると、自宅療養中だった50代の会社員男性が15日に死亡した。新たに感染を確認したのは10歳未満の未就学児から80代までの男女95人。
川越市によると、10歳未満〜80代の男女82人の感染を確認した。1日当たりの発表者数としては過去最多を更新した。
越谷市によると、感染が判明したのは未就学児〜60代の男女95人。市市民活動支援課の40代男性職員が新たに感染したと発表した。

●神奈川 相模原 小中学校を月末まで臨時休校 感染急拡大受け  8/19
新型コロナウイルス感染の急拡大を受けて、相模原市は今月25日から2学期が始まる予定だった相模原市立の小中学校について、今月末まで臨時休校にすることを決めました。
相模原市内では新型コロナウイルスへの感染が確認された小中学生が、1学期は1日1人ほどでしたが、夏休みに入って6倍以上に増えました。
2学期は今月25日から始まる予定でしたが、市は感染の急拡大を受けて、相模原市立の小中学校など106校を今月末まで臨時休校にすることを決めました。来月以降は分散登校などを取り入れたうえで再開する予定ですが、今後の感染状況によっては休校を延ばす可能性もあるということです。
臨時休校の期間中は学校での授業は行わないものの、希望する家庭の子どもは、授業がある予定だった時間帯に学校で預かることにしています。
相模原市教育委員会は「子どもたちの学びを保障することが責務だが、今の感染状況を考えて、やむをえず休校を決断した。できるかぎり早く、今までどおりの学校生活を取り戻せるように努めていく」と話していました。

●相模原市 小中学校の夏休みを1週間延長 新型コロナ感染拡大  8/19
相模原市は19日、新型コロナウイルスの感染拡大で市内の児童や生徒の感染も増えていることから、市立小中学校、義務教育学校計106校の2学期の始業を1週間遅らせ、9月1日にすると発表した。
市によると、市内の小中学生の1日平均の感染者数は1学期が0・9人だったのに対し、夏休み期間の7月21日〜8月16日は5・6人に急増した。最近は10人を超えた日もある。
遅らせた1週間分の学習は、カリキュラムを組み替えて対応するため問題ないという。

●19日の川崎 1人死亡631人感染 北部市場や区役所でも確認 8/19
新型コロナウイルス感染症を巡り、川崎市は19日、1人の死亡と、新たに10歳未満〜90代の男女631人の感染が確認されたと発表した。全員が軽症か無症状とみられ、調査している。感染経路不明は515人だった。市発表の死亡者は累計203人、感染者は2万8366人となった。
死亡したのは東京都内に住む70代男性で、発熱の症状があった。11日に市内医療機関を受診し、陽性が判明した。男性は重症で、入院して治療を続けたが、18日午前9時50分ごろに死亡が確認された。
職員と利用者計5人の感染が確認されていた多摩区の小規模多機能型居宅介護施設では、新たに90代女性利用者1人の感染が判明し、感染者は計6人となった。市は新たなクラスター(感染者集団)が発生したとみている。
新たに確認された感染者の年代は20代が180人、30代が146人、40代が96人、50代が82人、10代が60人、10歳未満が31人、60代が13人、70代が12人、80代が10人、90代が1人だった。
居住地別では川崎区114人、高津区94人、中原区89人、宮前区77人、幸区42人、多摩区40人、麻生区19人、横浜市114人、藤沢市8人、相模原市5人、鎌倉市4人、茅ケ崎市3人、横須賀・海老名市が各2人、葉山町・小田原・大和市、千葉・愛知県が各1人、東京都内が13人だった。
感染経路が分かっている人のうち、家庭内感染は92人、陽性者との接触は24人だった。
保育施設などでの感染も拡大した。川崎市は19日、川崎おおぞら保育園(川崎区)、新日本保育園(中原区)、ミアヘルサ保育園ひびき元住吉(中原区)、西高津くさはな保育園(高津区)、アスク宮前平えきまえ保育園(宮前区)、西有馬おひさま保育園(同)の関係者の陽性が判明し、各施設を同日から臨時休園すると発表した。
市中央卸売市場北部市場(宮前区)では、販売業務や加工作業などを行う30〜50代の男性職員5人の感染が判明した。
幸区役所では、30代の女性職員、40代の男性職員の感染が確認された。幸区役所では10〜13日に職員5人の感染が判明。30代女性職員は5人と同一の事務室で勤務していた。区役所では、業務は通常通り行うとしている。

●横浜・海老名市、児童・生徒のパラリンピック観戦中止 感染拡大で決定 8/19
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、横浜市と海老名市は、児童や生徒に東京パラリンピックの観戦機会を提供する「学校連携観戦プログラム」への参加中止を決めた。
神奈川県内の自治体では、両市が同プログラムへの参加を希望。県内に競技会場がないため、両市内の市立小中高校の児童生徒や保護者、付き添いの教諭など計約千人が新国立競技場(東京都新宿区)で陸上競技を観戦する予定としていた。
海老名市は13日、横浜市は17日に中止を決めた。

●「増床でも9月上旬満床」 静岡県、医療崩壊危機 8/19
静岡県内での新型コロナウイルスの爆発的感染拡大は「医療崩壊」が近く現実になり得るところまで高まってきた。新規感染者は連日の過去最多更新で500人台となり、既に3千人近い全療養者がさらに増え続けるなか県は18日、このままでは対応病床が「9月上旬に満床になる」との厳しい試算を発表。危機的状況に、回避のための医療確保策や、20日からの緊急事態宣言による一部業種への休業や入場制限の要請を決定した。救える命が救えなくなる事態の回避へ、感染につながる「人との接触」を防ぐあらゆる対応が急務となっている。
県は18日の感染症対策本部員会議で、新型コロナウイルス患者対応病床の増床予定を達成しても、入院患者が現在のペースで増え続けると9月上旬には確保病床数を超えるとの試算を明らかにした。そして医療提供態勢が崩壊寸前の危機的状況との認識のもと、回避策をまとめた。
川勝平太知事は新型コロナの対応病床が543床だった10日、県内の全病院に対し、法律に基づく病床確保協力要請を実施。その結果、92床を段階的に確保するめどが立った。これにより今月下旬に594床、9月初旬に624床、同中旬ごろには635床まで、確保できる見通しとなった。
ところが入院患者の増加ペースが速く、18日正午時点で病床使用率は56・1%(うち重症用33・3%、県東部53・6%、中部66・1%、西部49・5%)となっているが26日に85%超に達し、9月2日頃には満床になる計算だという。ペースがさらに速まれば、より早期に入院が不可能になる。
この18日の新規感染確認は590人。4日時点では25・4人だった直近1週間の人口10万人当たり新規感染者数は74・6人で、前週比1・84倍に達した。
川勝知事は「あらゆる施策を通じて感染者数を減少に転じさせ、医療提供態勢を守らなければならない」と述べ、「このままでは救える命も救えなくなる事態に直面することになる」とも言及。対策を指示した。
対策は具体的には、症状が改善傾向となった入院患者をこれまでより早く宿泊療養施設や自宅での療養に切り替えたり、臨時的な対応病床を確保したりする。
軽症者は入院せずとも適切な医療を受けられるよう、宿泊療養や自宅療養の対応も強化。宿泊療養施設では、重症化抑制効果が期待される点滴治療「抗体カクテル療法」や酸素投与も実施できる態勢を整える。自宅療養者は近くの診療所などで受診できる仕組みなどを構築する。
現状では中等症患者は入院できているが、県は今後は「軽症者はホテルで療養、入院は中等症以上に集約」としており、入院基準厳格化は避けられない。
こうした状況を踏まえ、県健康福祉部の後藤幹生参事は「今月中は極力、一歩も家を出ず、家族以外との面会を減らしてほしい。自分の命を自分で守る段階になっており、外出は冒険。生命の危機に陥る懸念があると理解してほしい」とセルフロックダウン℃タ践を求めた。

●静岡県677人感染 感染拡大止まらず1週間の感染者数は前週の1.84倍 8/19
静岡県内では19日、新たに677人が新型コロナウイルスに感染していることがわかりました。拡大に歯止めがかからない中、あす20日から県内全域で緊急事態宣言が適用されます。新規感染者は677人で、初めて600人を超えて3日連続で過去最多を更新しています。居住する自治体別では浜松市が160人、静岡市が134人、富士市が43人、磐田市が36人、沼津市が30人などです。
160人の感染者が確認された浜松市では3日連続で過去最多を更新し、先週の木曜日(先週は79人)と比べ陽性者が倍増しています。市農業振興課に勤務する職員2人の感染も確認されましたが、市民との接触はないということです。
静岡市では、きのう18日の141人に次いで過去2番目に多い感染者となり、2日連続で100人を超えました。直近1週間の10万人あたりの感染者数も88.73人と、9日連続で過去最多を更新しています。感染者134人のうち1人は、上下水道局お客様サービス課の20代の男性職員で、市民との接触はないということです。
また、1人の死亡が確認され、県内の死者はあわせて160人になりました。新たなクラスターも1件確認され、松崎町内の帰省した友人の集まりで8人が陽性となっています。県内では、直近1週間の新規感染者が前の週に比べて1・84倍のペースで増加していて、人口10万人あたりでは83・5人と、こちらも過去最多を更新し続けています。

●長野県 観光地や主要駅で感染防止呼びかけ 新型コロナ急拡大で  8/19
長野県内で新型コロナウイルスの感染が急速に広がる中、県の職員が長野市の善光寺などを回って感染防止策の徹底を呼びかけました。
長野県内では18日、一日に発表された人数としては過去最多となる152人が新型コロナウイルスに感染したと発表されるなど感染が急速に拡大しています。
こうした中、19日、長野県の職員が県外からの観光客も訪れる長野市の善光寺やJR長野駅前を車で回って、県内で若い世代を中心とした感染が広がっていることや、感染が広がっている地域との往来やふだん会わない人との会食を自粛するよう呼びかけました。
長野県は今月22日までを「感染対策強化期間」としていて、県内各地の観光地や主要な駅などで呼びかけを行うことにしています。
長野県長野地域振興局の吉沢正局長は「感染者の増加の早さがこれまでとは比べ物にならないほど早くなっています。基本的な感染対策を一人一人が徹底してほしいです」と話していました。

●感染急拡大 保健所「入院できない状況が間近に…」 長野市 8/19
19日、長野市で23人が新たに新型コロナウイルスに感染したことがわかりました。
長野市で感染がわかったのは、10歳未満から60代の男女23人です。このうち11人がこれまでの感染者の濃厚接触者または接触者、県外往来のある人が4人、県外在住者は東京都2人と神奈川県1人の計3人、また、8人が感染経路不明です。(重複あり)
長野市保健所は、これ以上、感染者数が増えると、「医療提供体制に影響する」を危機感を強めています。
長野市保健所・小林良清所長「今は入院が必要なのに、入院できないという人はいない。しかし、そうした状況は間近に迫っている」
小林所長は、医療提供体制を維持するために、基本的な感染対策の確認、徹底とともに、県をまたぐ移動は慎重に判断していほしい」と呼びかけました。

●職場クラスターが各地で続発 岐阜県で322人感染 8/19
岐阜県と岐阜市は19日、県内32市町などで計322人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。1日当たりの感染者数が300人を超えるのは3日連続。18日時点の入院患者は420人で、病床使用率は53・6%に上昇し、国の基準でステージ4(爆発的感染拡大)となる50%を超えた。感染者は累計1万1792人となった。
20日からのまん延防止等重点措置適用(9月12日まで)を前に、県内では直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数が74・90人となり、3日続けて過去最多を更新。既にステージ4の目安となる25人を大幅に上回っている。年代別では、20代が126人と最も多く、10代50人、30代45人、40代40人と続く。30代以下で全体の74・2%を占め、若者の感染が引き続き際立っている。
病床使用率は今月上旬にステージ2(漸増)だったが、急速に悪化し、約2カ月半ぶりにステージ4に達した。県健康福祉部の堀裕行部長は「若者の感染が主体で、宿泊療養施設の利用者が非常に増えている。『自宅療養者ゼロ』を維持してきたが、病床にも宿泊療養施設にも限りがあり、自宅で療養してもらわざるを得ない可能性も出てくる」と話した。
新たに7件のクラスター(感染者集団)を確認した。このうち岐阜市や高山市、関市では、それぞれ職場の同僚らによる5、6人のクラスターが発生。愛知県から郡上市に帰省した人やその家族、友人らの計9人に感染が広がった事例もあった。また、可児市の自宅に複数の家族の10人が集まり、うち5人の感染が判明したケースが確認された。
拡大したクラスターは13件だった。
また、宿泊療養施設を688人と発表したが、集計中のため、さらに数十人増える見込み。
新規感染者の居住地別は岐阜市78人、大垣市33人、各務原市29人、多治見市22人、美濃加茂市18人、可児市14人、関市13人、羽島市11人、中津川市、瑞浪市、恵那市、土岐市、瑞穂市、郡上市が各8人、高山市7人、海津市、羽島郡笠松町、不破郡垂井町、安八郡安八町が各5人、安八郡神戸町と加茂郡坂祝町が各4人、羽島郡岐南町と揖斐郡池田町が各3人、揖斐郡大野町と加茂郡川辺町が各2人、山県市、本巣市、本巣郡北方町、安八郡輪之内町、加茂郡富加町、同郡白川町、可児郡御嵩町、福岡県、東京都、愛知県が各1人。
年代別は10歳未満18人、10代50人、20代126人、30代45人、40代40人、50代30人、60代5人、70代7人、80代1人。

●高校はオンライン授業 夏休み後、9月12日まで 岐阜県 8/19
岐阜県教育委員会は19日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、県内高校の夏休み明けの授業を基本的にオンラインとする方針を示した。まん延防止等重点措置の適用期間が対象で、小中学校は地域の感染状況に応じて対応し、オンラインの活用や学年別、通学班別の登校を検討してもらう。重点措置適用に伴い、学校の感染防止対策を協議する教育推進協議会で明らかにした。
高校は広範囲から生徒が通学しており、全校生徒による一斉登校を回避するため、授業やホームルーム活動はオンラインを基本とした。オンラインが難しい進路活動などは感染対策を徹底した上で個別に行う。感染状況が落ち着いた地域では対面授業も可能とした。
一方、小中学校などは児童、生徒が同じ地域から通っているとし、地域の実情に応じた対応を求める。
また、重点措置が適用される9月12日までの期間、体育祭や運動会、文化祭は延期または中止とした。延期や中止が難しい場合は、オンラインの活用や密集、接触を避けた競技種目の設定、来場者の制限などを求める。部活動については次につながる大会がない場合、原則として活動を休止とした。修学旅行も実施マニュアルに基づき、原則として延期、中止とする。
会議では、ぎふ綜合健診センターの村上啓雄所長が学校内での注意喚起の掲示や換気といった対策の徹底に関し「学校を挙げてレベルアップしていただきたい」と呼び掛けた。
古田肇知事は「感染拡大の中心は若者で、教育の世界でどう対応していくか非常に重要。重点措置の期間が延長されることも視野に入れながら対策していくことが大事になる」と述べた。

●石川県もコロナ感染拡大続く 「新規感染者なぜ高止まり?」 8/19
石川県内でも感染拡大傾向は収まらず、職場などでのクラスタ―が相次いで確認されている専門家は現状をどう見ているのだろうか。
感染が急拡大し、新規感染者数が高止まりしている状況について、金沢大学の市村宏特任教授に聞いた。
市村特任教授は「感染力が非常に強いデルタ株が市中にまん延しているためにさまざまな職種でクラスターが起こってきていると考えられる」「このデルタ株は感染するウイルスの中でもトップクラスの感染力を持つ水疱瘡のウイルスと同等の感染力を持つと言われている」「また夏休みとお盆があって感染拡大が続いている。地域との人流の抑制が十分でなかったことも理由のひとつにあげられると思う」と話す。
また、8月に入り、職場でのクラスタ―が相次いでいることについては。「これは、やはり感染力の強いのデルタ株の市中感染によるものと考えられる」「対策としてはテレワークやローテーション、勤務時差出勤の推進、それから休憩室とかオフィスや喫煙室などでのマスクの着用、3密の回避なども感染予防対策を徹底すること。また業種別のガイドラインが定められているのでその遵守などが求められる」と話す。また、ワクチンについては、「現在国内で使われているmRNAワクチンというのは急速に広がっているデルタ株に対しては、感染や発症を防ぐ効果がやや落ちる可能性があるが、重症化予防の高い効果は維持されているので、できるだけ多くの人にワクチン接種をしてもらいたい」と話していた。
そして、市村特任教授は「一人一人がこれまでの感染予防対策を徹底すれば、石川県では第五の収束というのも可能ではないかと期待している」という考えを述べた。
県内での病床使用率については、まだ落ち着いているものの、医療資源には限界があり、ここで感染拡大を抑えることが重要だとしている。

●広島市・過去最多203人の新型コロナ感染者 9割が59歳以下 8/19
広島市は新型コロナウイルスの新規感染者が、19日過去最多を更新したことを明らかにし、改めて感染拡大防止に向けた行動を呼びかけました。
松井市長「本日公表の新規感染者は過去最多の203人(再陽性1人含む)となりました。これまで最多168人でしたが、それを大幅に上回る状況にある」
松井市長は19日の会見でこのように述べ、最近の感染者増加の主な要因は帰省や旅行、レジャーによるもので、家族や友人、職場の同僚への感染が急拡大していると指摘。新規感染者の9割が59歳以下の人であるとしています。
18日現在、広島市の65歳以上のワクチン接種率は1回目が84・1%、2回目が79・7%まで進んだ一方、12歳以上64歳以下では1回目が26・1%、2回目が10・4%です。

●新型コロナ・下関市長「爆発的な感染拡大の局面」 山口県 8/19
1日あたりで過去最多となる、61人の感染を発表した下関市。前田市長は緊急の会見で、強い危機感を示しました。前田晋太郎・下関市長「これまでの最多数であった日の、さらに2倍以上となっており、想定を超えたスピードで感染者が急増していて、まさに爆発的な感染拡大の局面を迎えたと言わざるを得ない状況」新たに市内2つの医療機関で、クラスターが認定されました。きょうまでに「下関病院」で10人、「昭和病院」で12人と、医療従事者や患者の感染が確認されました。2つの病院で、合わせて180人ほどの検査が進められています。前田晋太郎・下関市長「医療体制のひっ迫、一般の方々の病院が使えない状況に結びついてくる。これ以上感染を広げないように、体制を強化していく必要があると思っている」また、きょう市が発表した半数以上の31人は、今のところ感染経路がわかっていません。前田市長は「大人数での会食の自粛」や「県外だけではなく市内でも不要不急の移動は控えて」などと呼びかけました。

●コロナ感染最多受け、県が警戒呼びかけ 若年者に広がり 福岡県 8/19
福岡県内の新型コロナウイルスの新規感染者数は18日、1千人を大幅に上回る1253人を数え、過去最多を更新した。県内では20日から緊急事態宣言が適用されるが、感染者数は急カーブを描くように上昇を続けており、県の担当者は焦燥感を募らせている。
「自分自身と大切な人の命を守るため、ご理解と行動をお願いしたい」。18日夕の記者会見。県でコロナ対策を統括する白石博昭・保健医療介護部長はこう訴えると、不要不急の外出自粛や時短営業に応じない飲食店の利用を控えるよう改めて呼びかけた。
県内では2日から「まん延防止等重点措置」が適用され、県は福岡市や北九州市などの拠点自治体を中心に、飲食店への酒の提供停止や午後8時までの時短営業を求めてきた。そうした重点措置の効果について、白石氏は「(新規感染者の)数字としては減っておらず、十分な効果が得られていない」と認めた。
医療現場への負担度合いを示す病床使用率や中等症者数、重症者数は、いずれも2日時点から2倍以上の伸びとなっており、医療提供体制は「極めて深刻な状況にある」と語った。
感染急拡大の要因とされる変異株(デルタ株)は、最近の新規感染者の8割を超えており、白石氏は「(市中のウイルスは)感染力の高いデルタ株にほぼ置き換わった。爆発的な感染拡大はその影響」と説明した。
県は18日、今年5月からの感染状況の推移を公表した。「第5波」が広がる直近1週間(9日〜15日)の新規感染者数は5378人で、第4波のピーク時の3408人(5月10日〜16日)を1・5倍以上上回った。
第5波では、とりわけ若年層への感染の広がりが顕著で、直近1週間の新規感染者のうち30代以下が66%を占めた。この間に起きたクラスター(感染者集団)は計23件。内訳は若年層も多く所属する企業・官公庁が13件、学校・教育施設が7件にのぼった。
一方、高齢者についてはワクチン接種が進み、新規感染者に占める60代以上の割合は、5月中の20%前後から直近では7%に。重症者に占める60代以上の割合も、5月中の70%前後から8月15日時点で26%に低下した。感染の中心が若年層に移行し、直近1週間の死者数は10人と第4波のピーク時の33人(5月24日〜30日)から大幅に減少した。
それでも病院への負担が大きい重症者は15日時点で計24人。内訳は20〜30代が8%で、持病がある人が多い40〜50代が67%と高い割合を占めている。
飲食店への時短要請や人流抑制の呼びかけの効果が上がらない中、県は「これから本格的にワクチン接種が始まる若年層には、ぜひ接種にご協力を頂きたい」と呼びかける。

●新型コロナ感染急拡大 専門家が指摘する3つの原因 大分県 8/19
大分県内でも新型コロナの感染状況が急激に悪化している。現在の状況などについて専門家に聞いた。
大分大学医学部 西園晃教授「波の形としては5波だし、大都市圏と同じ感染爆発」こう話すのは大分大学医学部の西園晃教授。3日連続で過去最多を更新した新型コロナの感染者数。急増する原因について西園教授は次の3点を挙げる。
西園教授「(1)人の動きがあまり変わらなかった。(2)今主流となっているデルタ株の感染力の強さが主な要因。(3)ワクチンの効果がまだ集団免疫というものに至るまでには十分達していない」
西園教授によると集団免疫を得るには7割以上の人が免疫を持つことが必要だという。そのためにはワクチン接種がカギを握るが、大分県内で2回終えた人は高齢者では87.17%。一方、全体では36.74%となっている。
西園教授「高齢者の重症者は非常に少なくなっているし、高齢者の新規感染者も数としては少ないのでワクチンのある程度の効果は出ていると思うので、それを全人口に広げるというのが大事」
県内では20日から飲食店への時短要請が再び始まるなど感染防止対策が強化されるが、大切なことは1人1人が意識を高めることだと指摘する。
西園教授「アルファ型と言われていたイギリス株、これが(最初に確認されたウイルスの)1.5〜1.6倍、マックスで2倍の感染力。このデルタ型はイギリス型に比べてやはり1.5〜1.6倍。マックスで2倍と考えると、2の2乗だったら4倍。4倍広がりやすい。(人と)会う回数を4分の1とか全部4分の1みたいなイメージ。そこまでやってもらわないと新規感染者は減らない」

●長崎県内15市町 89人コロナ感染 クラスター拡大 8/19
長崎県などは18日、県内11市4町で新たに計89人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。既に発生している長崎市役所と五島市の自動車学校のクラスター(感染者集団)がそれぞれ拡大した。
長崎市役所関連では、新たに20〜40代の男女計5人の陽性が判明。市職員の感染者は計11人となった。いずれも市役所本館5階フロア勤務で、不特定多数の市民らとの接触は確認されていない。陽性者と関係する同フロアの職員16人の検査を進めている。
五島市の五島自動車学校では、運転免許合宿に島外から参加していた教習生11人と職員1人の陽性が確認され、感染者は計18人となった。同校によると関係者の検査は全て終わり、症状の軽い陽性者と濃厚接触者については保健所の指示に従い、同校の宿泊施設で個室隔離するという。
県は18日、五島医療圏の病床確保のフェーズを「2」から「4」に引き上げ、確保病床を10から23に増やした。
佐世保市は12人。このうち感染経路不明は5人、うち1人は市外から市内の親族宅を訪れていた30代の女性医療従事者。この女性と同行していて濃厚接触者として検査した家族の10歳未満男児と40代男性会社員のほか、親族の70代女性の感染が分かった。
諫早市は18人で、このうち7人は感染経路不明。

●宮古島「観光目的の来島中止を」 新型コロナ急拡大 8/19
新型コロナウイルスの感染者急増を受け、宮古島市の座喜味一幸市長は18日、緊急メッセージを発表し、旧盆での帰省や観光目的の来島を中止するよう求めた。これまでは「自粛」を促していたが、医療体制が危機的な状況にあるとして今回は「中止」に変更した。座喜味市長は「今回は強いメッセージにした。緊急事態宣言中は宮古島に来ないでいただきたい」と訴えた。
18日時点で、宮古島市の直近1週間当たり新規感染者数(人口10万人当たり)は、島外在住の感染者も含むと457.37人。全国ワーストの沖縄県(310.32人)を大幅に上回っている。座喜味市長は「世界最悪の感染地域」と強調した。市内の自宅療養者は151人という。
旧盆について、市は13日に行った県立宮古病院との共同会見で「コロナ禍での旧盆での過ごし方」を発表。帰省の中止に加え、親族一同での飲食を控えることなどを市民に呼び掛けている。
座喜味市長は「医療体制が脆弱(ぜいじゃく)な離島では今、手を打たなければならない。市民や出身者、観光客にも同様に来島しないよう求めたい。一人一人の感染に対する自覚と行動がお互いの命と健康を守る」と述べ、徹底した感染対策とワクチン接種を推奨した。
仕事関係での滞在者には接客業などで感染が拡大しているとして、「できる限り外出を控え、市民らとの接触を避けること」と強調した。
同席した大城裕子教育長は、9月からの新学期について「分散登校については8月下旬の市内の感染状況を見極めて、判断したい。現時点で分散登校は考えていない」と述べた。
飲食業に対しては、県の要請に従い、営業時間の短縮や酒類やカラオケの提供禁止の徹底を訴えた。ルールを守らない飲食店舗での感染が深刻な状況として、県と連携してパトロールしていく考え。
市内観光地のシャワー室などは、緊急事態宣言中は閉鎖されることを明らかにした。

●宮古島市、世界最悪級の感染拡大 人口比444人で東京の2倍 8/19
新型コロナウイルスの新規感染者数が連日過去最多を更新し続ける沖縄県内では18日、直近1週間の人口10万人当たり新規感染者数が310・32人に達し、初めて300人を超えた。特に感染者が急増する宮古島市は444・85人となっている。指標は悪化し続けており、感染対策失敗で内閣が総辞職した国にも匹敵する。直近1週間の新規感染者数の実数は県内全体で、17日までに4527人、宮古島市は18日までに243人だった。
厚生労働省検疫所がウェブサイトで公表する世界各地域で感染者数が多い国と比較すると、県内の感染状況の厳しさが分かる。新規感染者数上位3カ国の直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数をみると、県内全体の数値を上回ったのはボツワナの675・4人、新型コロナ対策が失敗したとして内閣が総辞職したマレーシアの403・4人の2カ国だけだった。宮古島市は人口比ではマレーシアも超えた。
人口規模や検査体制などが異なるため単純比較はできないが、県内の新規感染者の多さが際立っている。

●日本人はコロナ空気感染への危機感がなさすぎる 8/19
新型コロナウイルス(以下、コロナ)の感染拡大が止まらない。8月12日、コロナ感染症対策分科会は、人流の5割削減、および飲食店に加え、百貨店地下の食品売り場(デパ地下)やショッピングモールへの人出を強力に抑制することを政府に求めた。私は、この提言を聞いて暗澹(あんたん)たる気持ちになった。合理性がなく、世界標準とかけ離れた提言だからだ。デルタ株の出現により、先進国では感染者が拡大している(図1)。ところが、規制を強化しているのは日本だけだ。渋谷健司・元キングスカレッジ・ロンドン教授は、「欧州は社会経済を回しながら実証的データを取り、対策を科学的にグレードアップしている」という。
人流と感染者数の明らかな相関
日本に足りないのは合理性だ。コロナ感染症対策分科会が求めた規制には、どの程度合理性があるのだろう。図2は、東京都の新規感染者数とターミナル駅の人流減少率の関係を調べたものだ。私が理事長を務める医療ガバナンス研究所の研究員である山下えりかが作成した。一見してわかるように、人流と新規感染者数に明らかな相関は見られない。これは当然だ。コロナ感染にはホットスポットが存在する。やみくもに人流を抑制するのは非効率だ。コロナについて、十分な情報がなかった流行当初ならともかく、今頃になって議論する施策ではない。検査を徹底し、ホットスポットを同定したうえでの重点的な介入が必要なのである。ところが、日本はいまだに検査を抑制している。図3は主要先進7カ国(G7)および台湾の検査数の推移だ。日本の人口1000人当たりの検査数は0.71件(8月11日)で、最も多いイギリス(10.97件)の15分の1だ。さらに、注目すべきは台湾(0.79件)の検査数にすら劣ることだ。水際対策に成功してきた台湾は、国内に感染者がいないため、検査体制を強化してこなかった。ところが、国内に感染が拡大した5月以降、検査体制の整備に乗り出し、わずか2週間で日本の検査数を追い抜いた。そして、約2カ月で感染を収束させた。このことは、その気になれば、検査数は容易に増やすことができることを意味する。日本政府は意図的にサボタージュしていたのか。感染症対策の基本は検査・隔離だ。基本を外した対策は失敗する。
クラスター対策にいつまでこだわるのか
検査体制だけではなく、クラスター対策も的が外れている。厚生労働省は、3密(密閉、密集、密接)を問題視し、全国の保健所を動員して、濃厚接触者探しに明け暮れた。コロナ感染症対策分科会の委員を務める押谷仁・東北大学大学院教授は、2020年3月22日のNHKスペシャル『“パンデミック”との闘い〜感染拡大は封じ込められるか〜』に出演し、「すべての感染者を見つけなければいけないというウイルスではないんですね。クラスターさえ見つけていれば、ある程度の制御ができる」と述べたくらいだ。ところが、後述するように、コロナ感染の主体は、いまや濃厚接触者からの飛沫感染ではなく、空気感染であることが明らかとなっている。両者の予防に必要な対応は異なる。クラスターさえ見つけていれば、制御ができるという発言は科学的に間違っている。しかるに、厚労省はいまだに方針転換をしていない。厚労省の「新型コロナウイルス感染症対策」というサイトには「変異株に対応するための感染対策」として、「マスク着用、手洗い、『密』の回避など、基本的な感染対策の徹底をお願いします」とあり、申し訳程度に「室内では換気をよくして」と書かれている。筆者が、厚労省の感染対策の問題を象徴すると考えるのは、東京五輪で採用された「バブル方式」だ。選手や関係者の行動を競技会場、練習場、選手村・ホテルなど最小限に制限し、移動は専用車両を用いることとした。違反した場合には、制裁金や出場停止などの処分を課す。感染者との接触を断つことを、「バブル」になぞらえているのだが、五輪開幕前から感染者が続出し、「『バブル』の防御限界」(毎日新聞7月23日)などの批判を浴びた。これに対し、東京五輪組織委員会は、「15分ルール」を撤回することで対応した。「15分ルール」とは、『アスリート・チーム役員公式プレイブック』で認められている、15分以内の単独での外出のことだ。東京五輪では、選手やスタッフの外出には、監視スタッフの同行が義務づけられているが、15分以内は例外的に認められていた。組織委員会は、「バブル」崩壊は、このような規制緩和が原因と考えたのだろう。
飛沫感染だけでなく空気感染している
この主張は合理的でない。空気感染の存在を無視しているからだ。「バブル方式」は、コロナ感染には感染者との接触が必須であることを前提としている。これは、唾による飛沫感染を重視する従来の厚労省の姿勢を踏襲したものだ。ところが、前述したように研究が進み、感染の多くがエアロゾルを介した空気感染によることが明らかになってきた。エアロゾルは、最低で3時間程度、感染性を維持しながら空中を浮遊し、長距離を移動する。検疫のための宿泊施設で、お互いに面識がない人の間で感染が拡大したり、バスや航空機の中で遠く席が離れた人が感染したりするのは空気感染が原因だ。SARSウイルスは空気感染することが証明されており、その類縁ウイルスであるコロナが空気感染しても、まったくおかしくない。エアロゾルの専門家たちは、流行早期から、この可能性を指摘してきたが、実証研究を重視する臨床医学の世界でコンセンサスとなるには時間がかかった。コンセンサスとなったのは、イギリスの『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』が4月14日に「コロナ空気感染の再定義」、同じくイギリス『ランセット』が5月1日に「コロナが空気感染することを示す10の理由」という「論考」を掲載した頃だ。その後、7月6日には、世界32カ国の科学者239人が、「 世界保健機関(WHO)や各国はコロナが空気感染で拡大することを認識すべき 」 との論考を、アメリカの『臨床感染症学誌』に発表した。アメリカ・テキサスA&M大学の研究者らが、アメリカの『科学アカデミー紀要』に「空気感染こそ、コロナ感染拡大の主要なルート」という論文を掲載するなど、空気感染がコロナ感染拡大の大きな要因であることは、いまや医学界のコンセンサスだ。だからこそ、テニスの全豪オープンでは、飛行機の同乗者に陽性者が出て、錦織圭選手ら全員が2週間の隔離となった。これは空気感染を考慮したからだ。コロナが空気感染するなら、これまでのクラスター対策一本槍の感染対策では不十分だ。「バブル方式」を厳格に実行しても、必ず感染は起こる。五輪会場や選手村には、業者などさまざまな人々が出入りし、もし彼らの中に無症候感染者がいたら、エアロゾルを介して感染が拡大するからだ。案の定、東京五輪では多数の感染者を出した。8月16日現在、540名の感染が確認され、このうち選手は28人だ。東京五輪関係者は数万人だろうから、感染率は1%前後だ。これはかなりの感染率だが、大部分のケースで感染経路は不明だ。「バブル方式」下での感染だから、感染経路の多くは空気感染の疑いが濃い。
空気感染のリスクをどう減らすかが議論されていない
空気感染を防ぐには、換気するしかない。ところが、このあたり、ほとんど議論されていない。これは大きな問題だ。なぜなら、真夏の日本で換気を強化するのは難しいからだ。外気と比べ、低温の空気が低層に貯留する夏場には、5分間、窓を全開にしても、入れ替わる空気は約3割にすぎない。サーキュレーターやレンジフードを稼働させてもせいぜい7割だ。感染対策にはこまめに換気するしかないが、どの程度の実効性かははっきりしない。現在、世界が試行錯誤しているのは、いかにして換気効率を高めて、空気感染のリスクを減らすかだ。そのための研究が世界中で進んでいる。このあたり、日本でほとんど議論されていないこととは対象的だ。そして、いまだにじゅうたん爆撃に近い「人流抑制」や、飛沫感染を対象とした「3密対策」を続けている。科学的に合理的でない対応は必ず失敗する。コロナ対策は、科学的なエビデンスに基づき、抜本的に見直さなければならない。

●コロナの流行はいつまで続くのか?―終息ではなく共存への戦略変更 8/19
新型コロナウイルスのデルタ型変異株が世界的に猛威をふるっています。今まで感染者数が少なかった東南アジアでも拡大しているとともに、ワクチン接種で流行が制圧されつつあった欧米諸国でも流行の再燃がみられています。日本でも7月から首都圏などで発生したデルタ株の流行は、8月には日本全国に波及し、8月中旬の時点で日に2万人以上の感染者が報告されています。新型コロナの流行が始まって1年半以上が経過していますが、この流行はいつまで続くのでしょうか。国民の皆さんも先が見えない中、精神的にかなり疲れてきていると思います。そこで今回は、今後のコロナ流行の見通しについて解説します。
想定外のデルタ株流行
今年の3月頃まで、新型コロナの流行は年内に終息すると考えられていました。ワクチン接種が昨年末から多くの国で始まり、その最先端を行くイスラエルでは接種率の増加とともに、新しい感染者がほとんど発生しなくなったのです。これはイギリスや米国でも同様でした。この時点でアルファ型の変異株が世界的に流行していましたが、ワクチンの効果は十分にありました。日本でも今年10月までには接種完了者が6割に達し、流行終息という見通しがされていたのです。ところが、この予想を崩したのが、4月にインドで大流行を起こしたデルタ株の出現でした。この後、デルタ株は世界各地に拡大し、8月中旬には140カ国以上で流行しています。これ程まで短期間に拡大したのは感染力の強さによるもので、従来のウイルスの2倍以上の感染力があると考えられています。また、ワクチンの効果もデルタ株に対しては減弱しているとするデータが多くみられます。このように、デルタ株の拡大により、コロナの流行予測が大きく変わり、それとともに、流行終息のための戦略にも変更が必要になってきました。
流行終息のための戦略
新型コロナの流行が始まってから、日本をはじめ多くの国では、マスク着用といった予防対策や人流抑制などで流行を抑えつつ、ワクチン接種という切り札で流行を終息させる戦略をとってきました。飛沫感染や空気感染する病気は、集団内で一定割合の人が免疫を持てば、流行がそれ以上は広がらなくなります。これを集団免疫と呼び、原因となる病原体の感染力でその割合が決まります。たとえば、麻疹は感染力が大変強いので、集団の9割以上が免疫を持たないと終息しません。インフルエンザはこの割合が6割とされています。新型コロナの場合は、インフルエンザと同様に約6割と考えられていました。この免疫を持つ人の数は、「感染した人」と「ワクチン接種を受けた人」の合計になります。ただし、ワクチンに感染予防効果がないと、ワクチン接種を受けていても免疫のある人にはカウントできないのです。実はインフルエンザワクチンには発症予防効果や重症化予防効果がありますが、感染予防効果は証明されていません。コロナワクチンはどうかというと、イスラエルや米国などでの使用経験から、感染予防効果があるとする調査結果が報告されてきました。このような科学的背景から、流行終息の戦略としては、コロナワクチンの接種率を向上させ、それによって集団免疫の割合を6割以上にする方法がとられてきたのです。
デルタ株登場による戦略変更
しかし、デルタ株の出現によってこの戦略に大きな変更が必要になっています。デルタ株の感染力からすると、集団免疫による流行終息には8割以上の人が免疫を持っている必要があるからです。また、コロナワクチンについても、デルタ株に対しては感染予防効果が低下している可能性もあるのです。つまり、ワクチンだけで集団免疫を達成するのは、かなり難しい状況になっています。このため接種完了者が6割以上になっているイスラエルや、6割に近いイギリスや米国でも、デルタ株による流行が6月末ごろから起きています。ワクチン接種を受けている人の感染は少ないですが、従来の割合では集団免疫が達成できないことを示す結果になっています。このように、デルタ株の流行発生により、新たなコロナ戦略を策定しなければならない状況にあります。
流行終息ではなく共存へ
この戦略変更で考えなければならないのは、デルタ株の発生によりコロナ流行の終息はかなり先になる可能性が高いことです。終息に必要な集団免疫率に達するためには、年単位の時間が必要になるでしょう。そうであるなら、今は終息を期待するよりも新型コロナの流行と共存していくことが大切だと思います。ただし、それは緊急事態宣言を何回も発出したり、マスクなどの予防対策を常時行ったりするような共存ではありません。そうした煩わしい対策を常時することなく共存するには、新型コロナをインフルエンザと同様な感染症にすることが必要だと思います。インフルエンザは長年流行している感染症のため、私たちは一定の基礎免疫を持っています。だから感染力はそれほど強くありませんし、重症化する人もほんの一部です。その一方、新型コロナは新しい感染症なので、私たちはほとんど免疫を持っていません。そこで、まずはコロナワクチン接種を拡大させ、多くの国民を一定の免疫レベルにまで到達させるのです。コロナワクチンの発症予防効果はデルタ株に対してやや低下していますが、まだ有効な域にあります。そして今後、新型コロナの流行が再燃してきたら、ワクチンの追加接種やマスクなどの予防対策を加えて対処するのです。こうした流行との共存はイスラエルやイギリスで現在、行われており、デルタ株による感染者は増加傾向にありますが、重症者や死亡者は少なく抑えられています。
日本での今後の見通し
では、こうした戦略のもと、日本での流行は今後どうなっていくでしょうか。今回の第5波の流行は、8月中は続くと予想されています。この流行を抑えるには人流抑制や各自の予防対策に頼るしかありません。これと並行してワクチン接種を拡大させ、10月頃までには国民の6割以上が接種を完了する必要があります。これは集団免疫のためではなく、新型コロナをインフルエンザと同様の感染症にするためです。11月以降、冬の季節を迎えると、新型コロナの流行は高い確率で再燃すると考えられます。その時までにワクチン接種を受けておけば、発症はかなり抑えられますし、少なくとも重症にはならないでしょう。ワクチン接種を受けなかった人は、各自の予防対策を強化するようにしてください。今後、新たな変異株が流行するなど再び想定外の事態が起こることも考えられますが、これからは新型コロナの流行と共存する戦略が必要なのです。

●感染者また過去最多の日本「若者に予約なしでワクチン接種」 8/19
東京都が、若者が多く集まる渋谷駅近くに20〜30代が予約不要で新型コロナウイルスワクチンを接種できる接種会場を開設する。最近の感染者の70%が30代以下と現れるなど、若い層を中心に新型コロナウイルスが急速に広がっているのにともなう措置だ。
時事通信など日本メディアが19日に伝えたところによると、東京都は今月中に渋谷駅の近くに20〜30代専用の新型コロナウイルスワクチン接種会場を開設する。ワクチンの種類はファイザーで、1回目に限り予約不要でその場で受け付けて接種が可能だ。小池百合子東京都知事は18日夕方「感染が広がっている若い世代にどのように早くワクチンを普及できるかを考えている」としながらこうした計画を発表した。
日本では1日100万人規模でワクチン接種が行われているにもかかわらず感染者数は連日過去最多を記録している。18日に日本全域で新たに確認された新型コロナウイルス感染者は2万3917人で、13日の2万361人を超え新型コロナウイルス流行後で最も多かった。
東京ではこの日5386人の感染者が確認され4日ぶりに5000人台に上った。新規感染者のうち70%が30代以下だったと東京都は明らかにした。
これに伴い、日本政府は新型コロナウイルスの急増を抑える究極の対策としてワクチン接種に総力を挙げている。日本では18日までに1回目のワクチン接種を終えた人が50.3%、2回目の接種まで完了した人は38.8%に達する。日本政府は今月末までに全国民の半分が2回目の接種を終えれば感染拡大傾向が鈍化すると期待している。
だが感染力が高いデルタ株の流行で2回目の接種の割合が50%を超えても感染者は減らないかもしれないとの警告も出ている。日本政府の新型コロナウイルス専門家会議の尾身茂会長は17日の放送で「全国民の70%が接種を終えたからと感染拡大が落ち着くとは断言できない」としながら感染予防に持続的に気を遣わなければならないと強調した。

●「第5波」子供から親へ感染増加 新学期前に募る不安、新型コロナ 8/19
全国で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、従来株よりも子供の感染リスクが高いとされるインド由来の変異株「デルタ株」への置き換わりが進み、子供から親に感染が広がる事例が増え始めた。医療現場からは、感染拡大の「第5波」で「今までと局面が変わった」との指摘も。子供同士の接触が増える新学期を前に、関係者はどのように子供の感染を防ぐか苦悩している。
厚生労働省のまとめなどによると、新規陽性者全体に占める10代以下の割合は、7月12〜18日に14・7%だったが、8月2〜8日には17・1%に増加。1カ月ごとの数字も3月以降、増加が続いており、7月には過去最高の14・8%となった。
9歳以下は1千人超
流行するウイルスの約8割がデルタ株に置き換わった大阪府では特に7月中旬以降、9歳以下の子供の感染者が急増している。8月2〜15日の2週間に府内で確認された9歳以下の感染者は、千人を超えた。多くは親などからの家庭内感染だが、約2割は感染経路が不明。保育園などでのクラスター(感染者集団)も複数確認されている。
兵庫県立こども病院で感染症内科部長を務める笠井正志医師は「第5波の入り口段階で子供の感染者が増え、それまでと局面が変わった印象だ」と指摘する。重症化はしなくても高熱が出る子供がいるといい、「子供が親より先に感染し、家庭内で広がるパターンも増えている。デルタ株は感染力が強く、家族全員が感染することもありうる」と警鐘を鳴らす。
同病院では新型コロナに感染した子供が入院できるよう、7床を確保。18日現在、満床には至っていないが、各地の病院で受け入れが難しい子供を多く引き受けることになれば、病床が逼迫する事態も想定される。新学期が始まればさらに子供の感染者が増える可能性もあり、笠井医師は「コロナに感染した子供を受け入れられる病院は少ない。どうやって子供を守るのかという視点で対策を考える必要がある」と話す。
少ない重症化
ただ、子供の重症化事例はほとんどなく、多くの学校では感染対策を徹底しながら新学期の通常授業を始める見通しだ。大阪府の吉村洋文知事は18日の対策本部会議後の記者会見で、「子供同士で感染が広がれば、家庭に持ち帰り、重症化しやすい親世代に広めてしまう」と警戒感を示し、学校に対して感染対策の徹底と、今後の感染拡大に備えたオンライン学習の準備などの対応を求めた。
学校現場でも警戒を強めている。ある大阪市立中の校長は「学校でクラスターが発生し、長期の学級閉鎖になることも考えられる」と苦悩。マスクや消毒といった従来の感染対策に加え、「教室内に抗ウイルス加工を施すなど新たな対策を講じる必要がある」と話した。感染への恐怖から小学6年の次女(12)が欠席しがちになったという母親(44)=大阪府吹田市=は「十分な対策がないまま学校が始まるのは不安。感染が一気に広がってしまうのでは」と懸念を口にした。(木ノ下めぐみ、藤井沙織、地主明世)
 

 

●東京都 新型コロナ 5534人感染確認 2日連続5000人超 死亡は4人  8/20
東京都内では19日、これまでで2番目に多い5534人が新たに新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。2日連続で5000人を超え、19日までの7日間平均は4700人を超えて最多を更新し、感染の急拡大が続いています。また、自宅で療養している人は2万4000人を上回り、18日よりさらに2000人近く増えて、2日連続で最多を更新しました。
東京都は、19日、都内で新たに10歳未満から90代までの男女合わせて5534人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。これまでで2番目に多く、2日連続で5000人を超えました。また、1週間前の木曜日より545人増え、木曜日としてはこれまでで最も多くなりました。19日までの7日間平均は4774.4人で、最多を更新しました。前の週の120.1%で、感染の急拡大が続いています。
感染経路がわかっている2193人の内訳は、「家庭内」が最も多く1471人、「職場内」が249人、「施設内」が152人、「会食」が60人などとなっています。
東京オリンピック・パラリンピックの関連では新たに9人の感染が確認されました。内訳は、外国人が、競技関係者3人、委託業者1人、日本人が、委託業者3人、競技関係者1人、組織委員会の職員1人です。
都の担当者は「感染の爆発が続いていてピークアウトが見えず、減るきっかけもわからないような状況だ。今後、もっと増えたり、このままの高い水準で推移したりする可能性もある。友人との飲み会や旅行が不要不急ではないかどうかを考えて、いま一度、行動を見直してほしい」と呼びかけています。
これで都内で感染が確認されたのは、29万7391人となりました。一方、19日時点で入院している人は、18日より49人増えて3864人となりました。「現在確保している病床に占める割合」は64.8%です。
都の基準で集計した19日時点の重症の患者は、18日より1人減って274人で、重症患者用の病床に占める割合は69.9%となっています。このほか、自宅で療養している人は、19日時点で2万4172人となり、過去最多だった18日よりさらに1946人増えて、2日連続で最多を更新しました。
また、都は、感染が確認された70代と80代の男女合わせて4人が死亡したことを明らかにしました。このうち、70代の女性は、6月中旬までに2回のワクチン接種を終えていたということです。ワクチンを2回接種した人の死亡を都が確認したのは2人目です。これで都内で感染して死亡した人は2358人になりました。

●北海道のコロナ患者の死亡率はどうして高い?高齢者の“ある特徴”が… 8/20
視聴者の疑問や悩み、暮らしの中のハテナ?を調査する「もんすけ調査隊」です。新型コロナウイルスの感染により、道内ではこれまで1434人が亡くなり、死亡率は全国的にも高い状況です。背景には北海道の、ある地域事情がありました。ベッドに横たわる患者。隣では看護師が防護服を着てケアにあたります。
「患者の点滴を抜針するところです」(看護師)
岩見沢の北海道中央労災病院、新型コロナ病棟です。この日の最高気温は33度。真夏日が、2週間近く続いていました。
「手がべたべたして手袋が破けます」(看護師)
「ごはん来たよ」(看護師)
「患者さんは買い物に行くことができないので、頼まれたものを看護師が買って来ます」(看護師)
ここでは、中等症までの感染者を受け入れています。しかし、去年秋、外来診療を停止する事態に追い込まれました。
「北海道中央労災病院で起きたクラスターでは、42人が感染。入院患者が命を落としました」(記者リポート)
北海道中央労災病院には、肺がんや糖尿病などの基礎疾患を抱えた、80歳を超える高齢者が多く入院しています。そこに、クラスターが起きました。
「(新型コロナに感染すると)日に日に悪くなっていって、急変する。より受け入れ難かったのではないか、家族にとっても本人にとっても」(北海道中央労災病院・大塚義紀院長)
病院ではその後、発熱した人の情報を一元化したり、感染者が出た病棟全体の抗原検査を行ったりして、クラスターの再発を防いでいます。
「死亡は19人で過去最多となりました」(5月31日放送の「今日ドキッ!」)
道内では、8月18日までに1430人を超える人が新型コロナに感染して死亡。これは、都道府県別で3番目に多い数です。「もんすけ調査隊」が、感染者のうち死亡した人の割合=「死亡率」を調べたところ、北海道全体では、3.21パーセント。都道府県別で2番目に高く、全国平均と比べると2倍近い数字でした。なぜ、死亡率が高いのか?道内の病院にアンケート調査をしたところ、ある共通点が見えてきました。
新型コロナウイルスの感染による「死亡率」。北海道は、都道府県別で2番目の高さです。死亡率の高さについて、「もんすけ調査隊」は、道内29の第2種感染症指定医療機関にアンケート調査を行い、12の病院から回答を得ました。そこには、ある共通点が…
「(道内の死亡率が高い要因は何だと思いますか?)「高齢者施設及び高齢者が比較的多く入院している回復期・慢性期病院でのクラスターが多かったことが要因と考えます」(市立旭川病院の回答)
5つの病院が「施設や病院での、高齢者のクラスター」を理由にあげたのです。道内では、感染拡大からまもない去年4月、札幌の介護施設でクラスターが発生し、92人が感染。旭川の基幹病院では、11月以降、311人が感染し、当時、国内最大規模のクラスターになりました。
「高齢者施設や医療機関で感染が広がると、高齢者が感染しやすい状況が生まれる。それが死亡率(の高さ)につながっている」(北海道保健福祉部・廣島孝技監)
では、なぜ北海道で、多くのクラスターが起きたのか。
「お変わりなく過ごしていますか?」(元町総合クリニック・池田慎一郎院長)
「はい、大丈夫ですよ」(高齢者)
クラスターが起きた高齢者施設で訪問診療を続けてきた、池田医師です。高齢者の感染拡大には、道内ならではの事情が関係していると話します。
「高齢者の施設、特別養護老人ホームを含め、サービス付き高齢者住宅の棟数が、札幌の数は、ほかの政令指定都市に比べても特に多い市になっていると思います」(元町総合クリニック・池田慎一郎院長)
ここで着目するのは、道内に住む高齢者の家族構成です。厚生労働省の資料で65歳以上の人の家族構成を調べてみると、子どもとの同居率が低いことがわかります。その反面、有料老人ホームの数は、東京などと比べても多いのです。介護が必要になったり、また雪かきなど冬の生活が厳しくなったりした高齢者が、札幌など都市部の老人ホームで集団生活を送る、そういった施設で感染が拡大した…そんな構図が見えてきます。それでは、高齢者施設や病院に、ウイルスが持ち込まれる理由は何なのか。感染管理が専門の塚本教授はこう指摘します。
「市中感染が多いと、高齢者施設や病院に(ウイルスが)持ち込まれる可能性が高かったと言える。観光客が来るということでは、北海道は、そもそも市中感染が広がるリスクがある」(北海道医療大学・塚本容子教授)

●救急外来、迫る限界 静岡県内新型コロナ拡大止まらず 8/20
静岡県内の新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからない。19日の新規感染者は3日連続で過去最多となる677人。自宅療養者が増加し、容体急変時の対応の重要度が増す中、医療機関では急性期患者を受け入れる救急外来で今後の体制維持が見通せない状況が生まれている。医療関係者は「このままでは受け入れに制限がかかる可能性がある」と、危機感をあらわにする。
「救急外来で診療する患者が陽性となるケースが、先週から確実に増えている」。静岡済生会総合病院(静岡市駿河区)の岡本好史病院長は、担ぎ込まれる患者の感染急増を強く実感する。同病院の救命救急センターは、感染の疑いがある患者にはPCR検査を実施しながら、感染予防を徹底して救急外来診療を続けている。だが、感染者の急増が続けば「コロナ以外の診療を制限せざるを得ない状態が発生する」と懸念する。
浜松医療センターの救命救急センター(浜松市中区)は、救命病棟30床のうち10床を空け、コロナの重症者用の病床を3床確保した。そのため同病棟の収容人数は通常の3分の2に縮小している状態。加藤俊哉センター長は「マンパワーにも限界がある。何とか対応しているが、このまま感染拡大が続けば急患を受け入れられない」と不安を隠せない。
県内では、発熱が伴うことを理由に脳疾患の患者が脳外科病院で受け入れられず、地域の中核病院に搬送されるケースなども出ている。
浜松市消防局の担当者は、今後の搬送業務について「症状が悪化した感染者の119番が重なり、救急隊の到着時間に影響が出る可能性はある」と話す。
感染力の強いインド由来のデルタ株の影響で、若い世代も重症化するケースが増えている。岡本病院長は「感染対策は自分自身だけでなく、大切な人も守ることにつながる。ワクチンも機会を逃すことなく打ってほしい」と呼び掛ける。

●長野 第5波、拡大止まらず 感染者数、月内に第4波超えも  8/20
県内の新型コロナウイルス感染者は十九日、新たに百五十八人が確認された。第五波が始まった七月一日以降の感染者数は計千六百五十三人に上り、既に最も多かった第四波(三月一日〜六月三十日)の感染者数の六割以上に達している。専門家は「まだピークは見えておらず、八月中にも第四波の感染者数を超える可能性が高い」と警鐘を鳴らす。
第五波は感染力の強いインド由来の「デルタ株」の影響で感染者の増加スピードが速く、県が独自の感染警戒レベルを5(特別警報U)とした圏域でも増加が止まらない。信州大病院感染制御室の金井信一郎副室長は「第一波〜四波では感染拡大の抑え込みができていたが、今はこれまでの対策が効果を発揮しなくなってきている」と危機感をあらわにする。
感染拡大のきっかけについて、県は七月下旬の四連休やお盆に人の移動が増えた影響が大きいとみている。金井さんは「デルタ株は県外由来だけでなく県内でも感染が広がっている。県外との往来の自粛を求めるだけでは対策として不十分だ」と指摘する。その上で、夏休み明けの小中高校などで集団感染につながり、感染者が急増する恐れがあるとして「休校措置やオンライン授業への切り替えを ・・・

●重症者数重視は「危険な考え方だ」 鳥取知事、政府の指標見直し検討を批判 8/20
政府が新型コロナウイルスの緊急事態宣言の解除基準として、新規感染者数よりも重症者数やワクチン接種状況を重視する指標づくりを検討していることについて、鳥取県の平井伸治知事は19日、「感染者数を抑えないと医療逼迫を防げない。危険な考え方だ」と批判した。
記者会見で平井知事は、医療提供体制が急激に逼迫した首都圏などの状況を念頭に「感染にブレーキをかけないと、いくら病床を用意しても足りなくなる。重症者数は後から追いかけてくる」と指摘。「入り口」となる感染者数が軽視されることに懸念を示した。
感染抑制策として「保健所の機能を強化し、感染の連鎖を断ち切るのが有効」と改めて強調。「それが間に合わなければ、接触の機会を減らすことを考えなければならない」として、感染が急拡大する都市部では、大規模店舗や教育施設の閉鎖など「ロックダウンに近い手法を総動員するべきだ」と述べた。
広島県の湯崎英彦知事も19日、県庁で記者団に、引き続き新規感染者を重視すべきだとの認識を示した。「重症者を抑えるには、新規感染者を抑えるしかない」と主張。重症者は感染者の増加に遅れて増えるため、指標にするなら、かなり低いレベルの基準に設定する必要があると指摘した。 

●緊急事態宣言を13都府県に拡大、10県は「まん延防止」… 8/20
政府は20日、新型コロナウイルス対策として東京など6都府県に発令中の緊急事態宣言の対象地域に、茨城、栃木、群馬、静岡、京都、兵庫、福岡の7府県を追加する。宮城、岡山など10県には、「まん延防止等重点措置」を適用する。いずれも期間は9月12日まで。人流の抑制を中心に対策を強化する。
全国では19日、新たに2万5156人の感染者が確認された。18日を約1200人上回り、2日連続で過去最多となった。重症者は1765人で、前日より49人増え、7日連続で過去最多となった。
菅首相は19日、経済同友会の桜田謙悟代表幹事と東京都内で会談し、「感染力が極めて強いデルタ株によって感染者数が急激に増加している。医療体制、感染防止、ワクチン接種を3本柱として感染を収束に向けていきたい」と述べた。
宣言の対象地域に追加される7府県は、いずれも重点措置から移行する。宣言の発令地域は13都府県、重点措置は16道県となる。
宣言と重点措置の対象地域では、人の流れを減らす対策をとる。1000平方メートル以上の大規模商業施設には、知事が入場制限などを要請する。クラスター(感染集団)が発生しているデパートの地下食品売り場などを想定している。
混雑した場所への外出の半減を要請するほか、経済団体を通じて企業に出勤者の7割削減も求める。
医療体制の強化では、自宅や宿泊施設で療養する患者の増加を踏まえ、オンライン診療の診療報酬を引き上げることを決めた。重症患者用の病床に1床あたり最大1950万円を支給する補助金は、延長する。重症化予防の効果が期待される「抗体カクテル療法」と呼ばれる点滴薬も積極的に使用する。

●もはや「首都圏問題」ではない…40都道府県で感染爆発 8/20
新型コロナウイルスの感染は「相変わらず首都圏問題だ」と政府分科会の尾身茂会長は発言したが、既に全国へと拡大している。緊急事態宣言は20日から13都府県に、まん延防止等重点措置は16道県に対象地域が拡大される。厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」は「全国各地で災害レベルの状況にある」と評価。感染拡大がいつ落ち着くのか、専門家も見通せなくなっている。(小坂井文彦、藤川大樹、篠ケ瀬祐司)
首都圏以外の9県で感染者倍増
厚労省によると、人口10万人あたりの新規感染者数(直近1週間)は17日時点で、40都道府県でステージ4(感染爆発)の基準「25人」を超えた。10日時点よりも9県増えた。17日時点の全国の新規感染者数(直近1週間)は10日時点と比べると1.31倍。都道府県別では、岐阜県が2.88倍と大きく、青森、島根、山口、徳島、高知、佐賀、大分、鹿児島の8県も2倍以上。一方、首都圏の1都3県は1.14〜1.29倍と全国平均を下回った。各地で医療提供体制は悪化している。厚労省によると、16日時点の確保病床使用率は、25都府県で50%を超過。病床逼迫で自宅療養者も増える。11日時点では、首都圏の1都3県が約4万8000人と多いのは確かだが、ほかの30道府県でも計約2万6000人になった。13県では自宅療養者はいない。
無症状者を把握できず感染拡大か
東京都モニタリング会議の資料によると、7月下旬以降、1週間あたりの新規感染者数のうちの無症状者の割合は12〜11%台だ。厚労省「診療の手引き」は無症状の感染者の割合を「30%前後」と推定。感染が把握されない無症状者が増え、普段通り生活して感染を広げている可能性が高い。都内のPCR検査の陽性率は8月上旬以降、連日20%超で、ステージ4基準の10%を上回る。尾身氏は18日の衆院内閣委員会閉会中審査で、陽性率や無症状者に触れ「検査の供給が間に合っていないのに加え、一部の人が積極的に受けようとしない。報告されているよりも、感染者はもう少し多いと思う」と警鐘を鳴らした。
若者ではなく中高年の外出も
東京都医学総合研究所によると、緊急事態宣言の発令以降、都内の繁華街の人出は昼夜とも減少傾向が続く。ただ、宣言前からの減少率は夜間は35.8%、昼間は24.7%にとどまり、分科会が求める「50%減」に届いていない。若者の外出が感染拡大の要因だとの指摘もあるが、40〜50代の人出も多い。都内の主な繁華街の夜間滞留人口を年代別にみると、午後6時〜同10時は、40〜64歳が15〜39歳を上回る。午後10時〜午前0時は逆転した。同研究所の西田淳志・社会健康医学研究センター長は「中高年が直帰せず、繁華街に寄っている。40〜64歳は重症化が危ぐされ、深刻な問題だ」と改めて外出自粛を呼び掛けた。「第5波」はいつ山を越えるのか―。19日の参院内閣委で、そう問われた尾身氏は「ピークアウトを正確に予測することはできない」と答えた。

●ブレークスルー感染が世界で増加中 ワクチン接種は本当に必要なのか? 8/20
新型コロナウイルス感染症に対する唯一の対抗手段として期待されてきたワクチンへの信頼が揺らいできた。
イスラエルや英米仏といったワクチン先進国で感染者が再び拡大し、2度のワクチン接種で抗体が完成したはずの人もその防御が突破され感染する「ブレークスルー感染」が世界中で報告されているからだ。しかも、少なくないワクチンの副反応も報告されている。ワクチン接種は本当に必要なのか?
ワクチンについて専門家が発言の軌道修正を始めている。
米国の新型コロナ対策の責任者で米国立アレルギー感染症研究所・ファウチ所長は12日の会見で「免疫が低い人以外は追加接種の必要はない」というそれまでの発言を翻し、「2度では不十分でいずれ全員が3度目のワクチン接種が必要となる」との認識を示した。
理由は感染力の強い変異ウイルス・デルタ株の存在だ。従来株よりもワクチン効果が低いことが明らかになったからだ。その結果、ワクチンを接種したにもかかわらず陽性反応が出る「ブレークスルー感染」が増加している。
米国疾病対策センター(CDC)は5月以降、ワクチン接種を完了した人については入院または死亡した感染例に絞って調査しているが、7月26日までに6587件のブレークスルー感染を報告している。このうち入院した患者は6239人、死者は1263人だった。米国内では同日までに、1億6300万人がワクチン接種を済ませていた。
ちなみにブレークスルー感染の約74%は65歳以上のグループで起きていたという。
また、世界最速のワクチン接種により1日の新規感染者数が1桁までに減少したイスラエルではデルタ株の出現で8000人を超える新規感染者が出ている。そのため2回目接種から5カ月以上経過した人への3回目接種を始めている。
日本でも、国立感染症研究所が6月末までの3カ月間に67人確認されたことを報告している。
70%の人がワクチン接種をすれば残り30%の人がワクチン接種できなくても守られる、とする集団免疫について、政府のコロナ分科会の尾身茂会長は8月11日のNHKの番組で「希望者全員がワクチン接種を済ませても集団免疫を獲得するのは難しい」と発言している。
政府のワクチン接種スケジュールによると、8月9日時点で65歳以上の高齢者の81.6%が2回目接種を終えており、12〜64歳に対しても11月半ばまでには希望者全員が接種を終えることになっている。
つまりは日本で集団免疫が完成するであろう時期になって「集団免疫は難しい」というのだ。これでは、ワクチンに不信感を持つ人が出てきても不思議はないのではないか。
しかも、ワクチン接種後の死亡報告事例が1000件に迫りながら、因果関係が明らかになったのはゼロ。その他の副反応も多数報告されながらもハッキリした因果関係はわかっていない。弘邦医院(東京・葛西)の林雅之院長がいう。
「結論を言えば、ワクチンを打つメリットは依然としてあると考えています。そもそもワクチンの本来の目的は感染しても重症化しないですむことにあります。仮にデルタ株に対するワクチン効果が90%台から60%台に下がったとしても、効果を否定するものではありません。現時点ではワクチンには効果があり、新型コロナから身を守る有効な手段だと考えています」
ワクチンの効果は東京都のワクチン接種者と新規感染者、入院者の年代別の割合を示した資料を見ると明らかだ。
例えば、8月1日現在で65歳以上のワクチン接種者は84%(うち2回完了者は75%)。
一方、新規感染者のうち65歳以上の割合はワクチンクーポンが高齢者に配られ始めた4月20〜26日の11.4%を境に右肩下がりになり、7月27日〜8月2日では2.7%に低下している。入院患者の中の60歳以上の割合は今年2月の70%が、7月28日に22%となっている。
「ただし、ワクチン接種は自分がうつらない・うつさないために行うものです。自身の判断・責任で接種を決めることが大切です。副反応については件数に関係なく現実に起きている以上、注意が必要です。どのような人に副反応が出やすいのか、接種後はどのように過ごすのか、どのくらいの期間安静にしておくべきか。十分に情報を集め、体調によっては接種を延期する慎重さが必要だと思います」(林院長)

●「高視聴率だから感染拡大と五輪は無関係」の丸川大臣に「全く別の地平」 8/20
立憲民主党の蓮舫参議院議員が20日、ツイッターに新規投稿。自民党の丸川珠代五輪担当相が19日の参院内閣委員会閉会中審査で、東京五輪開催と新型コロナウイルスの新規感染者数急増が無関係という見解の根拠として「テレビの高視聴率」を挙げたことなどを受け、丸川氏の認識が「全く別の地平」にあると指摘した。
蓮舫氏は「視聴率が高いから観戦(※感染)拡大と五輪は関係ない(原文ママ)」「パラ大会で医師120人、看護師150人確保。それは地域医療に支障を生じさせない」「平田オリパラ推進本部事務局長の公用車で無料ゴルフ練習という公私混同は今なお情報収集」と、丸川氏が発言した3点を挙げ、「丸川さんの認識も『全く別の地平』と気付くべきです」と訴えた。
さらに、蓮舫氏は同日の別投稿で、東京都の小池百合子知事が東京パラリンピックの観戦機会を児童や生徒に提供する「学校連携観戦プログラム」について「より安心安全な形でできるように準備を進める」と述べたことに対し、「やめたほうがいい」と反対した。
蓮舫氏は「親にとって子どもの健康は何よりも大切でかけがえのないものです。この感染拡大の最中、無観客との判断をせざるを得なかったにも関わらず子どもたちに観戦させるのは開催判断を『正当化』したいとしか見えない」とし、「優先すべきは命を守る施策です」と主張した。
さらに蓮舫氏は「菅総理は党首討論で1964年の東京オリンピックの思い出を滔々と語りましたが、いまは夢を与えるとかの精神論ではなく感染リスクの科学を重視する時です」と連続投稿した。

●医師免許持っていたら専門家、日本のコロナ対策がダメな理由 8/20
8月12日、ちょっと目を疑う見出しが視界に飛び込んできました。東京都の感染拡大「制御不能」な状況に、こう「専門家」が言っているというのです。反射的に思ったのは「感染拡大を制御してこその専門家」だということ。制御できないなら、ただの素人のおじさんおばさんの集団でしょう。早速「モニタリング会議」実物を確認して、非常に残念な納得がいってしまいました。会議に出てきた「専門家」は、まず間違いなく、自分自身で取りまとめたのではない、スタッフが上げてきたパワーポイントとシナリオを読み上げる役で、その場で実質的な議論などなされることはありませんでした。
さらに、居並ぶ人々がどのような「専門家」であるか、検索して、もう一つ納得がいきました。全員「医師」であること。またほぼ全員が「臨床医」(かそのOB)であること。つまり、現役の基礎医学研究者や、一線の公衆衛生医、医師ではなく、都市防疫の観点からパンデミック収束を図るウイルス学の専門家などは一人もいないように見受けました。東京都で拡大の一途をたどる感染を収束させるシビル・エンジニアリング、都市衛生の「専門家」が見当たらない。「院内感染」などの専門である可能性はあると思いますが、そういう人たちが、複雑多岐にわたる一千万大都市で市中感染する新型コロナの拡大に「制御不能」と言っている。つまり「制御可能な専門」ではない、別の専門家たちを専ら並べて、そこで「制御不能」と言わせている。中には精神科医も混ざっていました。確かに、こういう状況のなか、都民の心の健康はとても大事です。
でも、差し当たっての大問題は、どうやって感染を拡大させず、縮小させるかであって、それに積極的に役立つ専門の環境ウイルス学者などがおらず、「打つ手なし」と白旗で両手を上げてしまうのであれば、それはちょっと違うのではないか? しばらく前に、Yahoo!で、私の連載は「専門家」のものではないので取り上げないという回があったようです。ところが、プロフィールに東大の職位を載せると態度が変わるような薄っぺらい「専門」判断で、いったい何を峻別しているつもりなのでしょう? 都の専門家によるウイルスへの「全面降伏」さらには「これからは自分の身は自分で守る、感染予防のための行動が必要な段階」という、ある意味当たり前でもあり、また行政がこれを言うというのは、下手すると責任の全面放棄とも取られかねない、どうしようもない「モニタリング会議」になり果てていました。いったいこれは何事か。首をかしげざるを得ません。
シビル・エンジニアリング不在の都市防疫
それにしても、東京都の感染拡大は、本当に制御不能なのでしょうか? そんなことはありません。院内感染の手法では、打つ手はないと思われるかもしれませんが、例えば2011年、新型インフルエンザの流行に対して、国土交通政策研究所がとりまとめた「通勤時の新型インフルエンザ対策に関する調査研究(首都圏)」という研究調査報告書があります。
ここに示されたような方針を2021年の新型コロナウイルス対策に適用して、都営地下鉄や都バスなどに徹底的な「減便ダイヤ」が敷かれたりしているでしょうか?あるいは、JRや私鉄各社に、徹底した間引き運転による人流削減の措置が講じられているか?電車やバスだけではありません。自動車交通などについても、首都高の入り口閉鎖や料金設定など、人流を減らす「方法」は、山のように存在します。これらを仮に、架空のシミュレーションで検討して、対策を講じるのであっても、まだ何もしないよりはマシでしょう。ただ、飲食店の営業は8時までとか、酒類の提供は・・・といった、その効用に何の科学的根拠もない「時短」と同様、ザルの政策で伝染病を抑え込むことは困難でしょう。
病原体の方が、はるかに狡猾、かつ巧妙です。彼らのウラをかく、有効でサイエンスに裏付けられた、時々刻々変化する感染状況を反映する「実測値」に基づいた対策、例えば「人流制御」であり、「変異株対策」であり、さらには患者の絶対数増加によって引き起こされている「在宅加療」に即した諸政策であり・・・といったものが、十分に採られているだろうか。およそ、採られていない。打つ手はまだ、いくらでもあるのに、それに手が全くついていない。それが、日本社会がコロナに打ち勝つことができない大きな要因ではないかと指摘する専門家が何人もおられます。日本のコロナは「専門家」のタコツボ縦割りで、身動きが取れないまま、状況が日々悪化していく。イスラエルや英米のような、科学的に整合した全体像を持つコロナ対策など、この国には「夢のまた夢」に留まるのでしょうか?
新型コロナウイルス感染症の知識構造化
ここでよく挙げられる例えを引き合いに出しましょう。50年前なら、テレビが故障したというとき、街の電気屋さんが外装のカバーを外して、中の素子を取り換えて修理できました。そう言って分かるのは中高年以上だけでしょう。いま「テレビ」が壊れたら一番早いのは「捨てて次を買う」という解決法でしょう。次善の策として「いくつかの基板を取り換える」のがあるかもしれません。いまやテレビを一人ですべて理解し、部品レベルから直せるという「電気屋さん」も「エンジニア」も存在しない。それくらい、個別「モジュール」は深化・進化を遂げていて、すでに一人の「専門家」がカバーできる状態ではないわけです。幾度も強調している基本ですが「新型コロナウイルス感染症」の専門家などというものが存在すると思っているまともな大学研究者はいません。医学だけで考えても、実験動物を相手に地味な仕事を積み上げる「基礎研究医」、病院で患者の命を預かる「臨床治療医」と、保健所や厚生労働省で公衆衛生行政に責任を持つ「保健衛生医」は全く別の仕事で、各々広大な領域があり、そもそも言葉からして違っています。例えば、治療薬を服用して本来狙ったのと違う効果が出れば「副作用」ですが、ワクチンの場合は歴史的な経緯で「副反応」と呼ばれます。この頃はトンデモ用語も飛び交っているようで「コロナの副作用」なる日本語を目にして仰天しました。
世間には「トンデモ医」発信の情報も
いつから「コロナ」は治療薬になったのか?素人相手に何でも売れそうな意匠を並べて銭金を抜こうとする、卑しい了見は単にいじましいだけでなく、デマをまき散らすという観点からは純然と有害無益です。そんなトンデモ医的なものは論外としても、基礎と臨床、保健行政との間にはおよそ埋めがたい溝があります。また、すべての基礎医学者がコロナ生命科学の最も精緻な分子、原子レベルのメカニズムを理解しているかと問われれば、もちろんそんなことはありません。日本のノーベル医学生理学賞を見ても、利根川進さんは理学部化学科卒でノンMD、つまりお医者さんではありません。コロナ防疫の支柱というべきmRNAワクチンを実用化し、2021年度ノーベル医学生理学賞の本命と噂される、ビオンテック社の副社長、カタリン・カリコ博士もお医者さんではない。分子生物学者は必ずしも医師ではないし、すべての医師が新型コロナの最前線研究を分子や原子、電子のレベルから理解しているわけでは全くない。日本のメディアは、下手すると医者ではないという理由だけでカリコ博士を「専門家ではない」と区分する程度の水準にあります。また医師であるというだけで専門家認定された、おかしな芸風の人が、「コロナワクチン」で副作用が出る人と出ない人が分かるような売り方をしてみたりもする。中心から周縁まで、相当ネジが緩んでいることを懸念しなければならなさそうです。
(言うまでもありませんが、特定のアレルギーなど例外を除いて、新型コロナ・ワクチンを接種した際、どの人にどのような副反応が出るかなど、科学的に予測などは一般にできません)
政策の中核に近い場所にいても、感染拡大に制御方法がなければ、その分野に関しては専門家ではなく単なる無策徒手の素人と変わりがない。また医師免許を持ちながら、怪しげな商法で営利する者があれば、人道に悖る所業と言わねばならないでしょう。日本はこうした「専門性」という建前で、相当国力を削がれている懸念が拭えません。科学的に筋道の通った感染症対策のためには、「コロナ行革」でこうした空文化した状況を一新する必要があるように思われます。

●海外の感染拡大が車生産に打撃…操業停止相次ぐ  8/20
ベトナムやマレーシアなど東南アジアでの新型コロナウイルスの感染拡大が、国内自動車大手の生産に大きな影響を及ぼし始めた。世界的な半導体不足も解消されていない。先行きを見通せない状況が長期化する懸念もあり、各社は計画の練り直しに追われている。
トヨタ自動車の長田准・執行役員は19日、今回の減産の原因は新型コロナだとして、「影響が想定よりも早く深く来た」と語った。
東南アジアでは、自動車関連の工場が集積する地域でロックダウン(都市封鎖)が実施され、関連部品の生産が難しくなっている。ベトナムでは、南部ホーチミン近郊の工業団地などを中心に、従業員が新型コロナに感染したことによる操業停止が相次いでいる。
トヨタは、別の地域からの調達を急いでいるが、滞っている部品は複数あることから、確保に時間がかかっている。
ホンダや三菱自動車は、ロックダウンにより、完成車工場を稼働できない状況が続く。
ベトナムは、自動車関連産業を発展させるため、部品メーカーの誘致を進めてきた。今回のロックダウンは「他社にも影響が広がる可能性が高い」(国内自動車大手)とみられる。
部品メーカーが集まるタイでは、作業員を専用バスで送迎したり、工場敷地内に宿泊させたりする「バブル・アンド・シール」と呼ばれる取り組みで感染者を出さないよう尽力しているが、操業継続は綱渡りの状況だ。
半導体不足による影響も長引いている。
マツダは19日、半導体不足により、8月にタイ工場で10日間、メキシコ工場で9日間の操業停止を計画していると明らかにした。
このほか、スズキが今年度に35万台、日産自動車が25万台の減産見通しを公表するなど、各社が大きな打撃を受けている。
半導体は、家電やゲーム機器向けの需要が急増しており、奪い合いの状況となっている。「不足感が解消されるのは、2022年秋以降」(アナリスト)との見方が出ている。
 
 
 

 

●東京都 新型コロナ感染者4日連続5000人超 全国は2万人超 8/21
新型コロナウイルスの新規感染者は21日、これまでに全国で2万人を超えている。2万人超えは4日連続。
東京都で新たに感染が確認されたのは5,074人で、先週土曜日14日の5,094人から20人減ったが、4日連続で5,000人を超えた。
都内の重症者は、前の日から3人減り、270人だった。
また三重県では、427人の感染が発表され、初の400人台となった。
感染拡大を受け、三重県は9月に予定されていた「国体」について、文科省に中止を申し入れ、国に緊急事態宣言を要請することを明らかにした。
また、愛知県で1,445人、群馬県で325人、大分県で215人など、9つの県で、新規感染者が最も多くなっている。
そのほか、これまでに全国では、千葉県で1,761人、兵庫県で1,025人など、2万677人の感染と17人の死亡が確認されている。
全国の新規感染者が2万人を超えるのは、4日連続。
一方、厚生労働省によると、20日時点での全国の重症者数は、前の日から72人増え、1,888人で、9日連続で過去最多となっている。

●東京都コロナ死者6人 全員接種なし 8/21
新型コロナウイルスの深刻な感染拡大が続く東京都内で、新たに5074人の感染が確認されました。
都内の新たな感染者は10歳未満から90代までの5074人で、4日連続5000人を超えました。
一緒に食事をした親族が感染し、10歳未満の女の子の感染が判明したり、10代の男性が友人5人と会って全員感染したりと、お盆時期や感染力の強い変異株にまつわる感染例がみられるということです。
重症者は20日より3人減って270人でした。
また、30代から80代の6人の方の死亡が確認されましたが、全員ワクチンは接種していなかったということです。
このうち30代男性は、自宅で心肺停止となって搬送先の病院で死亡し、その後の検査で感染が判明しました。肥満やぜんそくの基礎疾患があったということです。

●北海道 感染者579人 4日連続500人超え 前週より100人増加 8/21
北海道内で8月21日、新型コロナウイルスに579人の感染が確認されました。
500人を超えるのは4日連続です。旭川市は65人で、同市の最多を更新しました。
1週間の10万人あたりの新規感染者数は64.25人です。
感染が確認されたのは北海道発表分174人、札幌市321人、旭川市65人、函館市9人、小樽市10人です。
北海道全体で1週間前の土曜日479人から100人増加しました。札幌市への「まん延防止等重点措置」の適用から20日目。増加傾向が続いています。
感染力が強いとされるインド型の変異ウイルス・デルタ株疑いは、北海道発表分で98人、札幌市で258人、函館市が12人、小樽市が5人で、計373人です。
旭川市で、年齢性別非公表含む20〜60代の男女5人についてデルタ株への感染が確認されました。
北海道全体の使用病床数は8月20日で775床と前日の779人から4床減少しましたが、北海道独自の警戒ステージ4の目安「350床」を27日連続で超えています。
第4波の時は、5月9日に500人を超え、その12日後にピークの727人が確認されています。
政府は「緊急事態宣言」を東京都、沖縄県、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府に加え、茨城県、栃木県、群馬県、静岡県、京都府、兵庫県、福岡県の7府県を20日から追加しました。発令は13都府県です。
「まん延防止等重点措置」は、北海道、石川県、福島県、愛知県、滋賀県、熊本県に加え、宮城県、山梨県、富山県など10県を追加し、対象地域は16道県に拡大。北海道を含め当初31日までだった期間は、9月12日までに延長されました。
北海道は2日から札幌市に、14日から小樽市と石狩地方(江別市、千歳市、恵庭市、北広島市、石狩市、当別町、新篠津村)に、20日から旭川市も「まん延防止」の適用地域に追加。
感染拡大が続いていることから19日、鈴木知事は国に「緊急事態」の要請をしています。北海道内の感染者は、計52591人となりました。

●横須賀で最多159人感染 大学のクラスター拡大 8/21
新型コロナウイルス感染症を巡り、神奈川県横須賀市は21日、新たに10歳未満〜80代の男女159人の感染と、うち1人の死亡が確認されたと発表した。1日当たりの新規感染者数としては、過去最多を更新した。
死亡した1人を除く158人の症状は中等症4人、軽症130人、無症状20人で4人が調査中。感染経路は105人が判明しておらず、54人は家庭内感染だった。
市によると、亡くなったのは川崎市在住の40代男性。16日に死亡し、死因は新型コロナウイルス感染症だった。 
横須賀市内の大学で発生したクラスター(感染者集団)は新たに6人の感染が分かり、感染者は22人となった。 

●「爆発的」感染拡大…新型コロナ 長野県の新規感染者 直近1週間840人 8/21
21日、長野県内全体で発表された新型コロナウイルスの新規感染者は150人。4日連続で100人を超えました。
爆発的に感染者が増加している「第5波」。県内の1日あたりの新規感染者は、18日からきょう21日まで4日連続で100人を超え、感染拡大の歯止めがかりません。
15日から21日までの1週間の新規感染者数は840人、前週の489人の1.7倍で急速に感染のスピードがあがっています。(公表日ベース)
県は20日、県内の感染状況を6段階で示す感染警戒レベルを全県「5」としました。また、医療提供態勢が逼迫する懸念があるとして、全県に「医療非常事態宣言」を出しました。
県は、感染拡大を食い止めるため、県民に「感染対策の徹底」を強く呼びかけています。

●お盆、夏休みの影響か…新型コロナ拡大 長野県の新規感染150人 8/21
21日、長野県内で新たに150人が新型コロナウイルスに感染したことがわかりました。4日連続で100人を超えました。また、療養者は初めて1000人を超え、医療提供態勢への影響も懸念されます。
感染がわかったのは、10歳未満から80代までの男女150人です。居住地別では松本市27人、長野市22人、上田市17人、安曇野市14人、岡谷市9人、飯田市7人、千曲市・小諸市・佐久市で各4人、中野市・伊那市で各3人、塩尻市、駒ケ根市・飯綱町・坂城町・軽井沢町・下諏訪町・白馬村・南箕輪村で各2人、須坂市・諏訪市・茅野市・山ノ内町・小布施町・辰野町・飯島町・高森町・松川村・山形村・朝日村で各1人。また、兵庫県2人、福島県・埼玉県・東京都・千葉県・神奈川県・岡山県・宮崎県で各1人の感染も確認されました。
「集団感染」が起きた松本市内の高校の運動部では、新たに生徒1人の感染が確認され、合計26人になりました。この生徒は3回目の検査で陽性が判明しました。
21日発表の新規感染者のうち、これまでの感染者の濃厚接触者または接触者は78人、県外との往来、滞在があった人が20人、県外在住者が9人、感染経路不明が50人です。(重複あり)
長野市保健所の小林良清所長は、感染者の発症状況や行動歴をみると、「お盆や夏休みでの影響での感染が考えられる」と述べました。また、「第5波」の感染拡大について、強い危機感を示し、より一層の感染対策の徹底、そして、県外との往来は慎重にしてほしいと注意を呼びかけました。
県内の感染者の累計は6976人となりました。
21日午後4時時点で療養している人は1018人で初めて1000人を超えました。
内訳は入院中249人、宿泊療養中278人、自宅療養中257人、調整中234人となっています。重症は6人、中等症は51人です。(21日午後4時時点)
確保病床使用率は48.6%。中等症、軽症患者を受け入れる一般病床の使用率は地区別に北信68.5%、東信53.5%、中信46.5%、南信47.5%となっています。

●全国的に感染拡大止まらず 感染者9県で最多更新 8/21
全国の新型コロナウイルスの感染者は、21日も9つの県で過去最多を更新していて、JNNのまとめですでに2万人を超えています。
東京都が21日、新たに発表した感染者は5074人で、4日連続で5000人を上回りました。都の基準による「重症者」は270人で、30代の男性1人を含む6人の死亡が発表されています。
また、これまでに全国で2万人を超える感染が発表されていて、愛知で過去最多の1439人、三重では5日連続で最多を更新し427人。このほか、山形、群馬、岐阜、広島、高知、大分、宮崎で過去最多を更新しています。
厚生労働省によりますと、全国の重症者は1888人で、9日連続で過去最多を更新しています。
 

 

●東京 新型コロナ4392人感染 入院や宿泊療養など人数最多 8/22
東京都内では22日、日曜日としてはこれまでで最も多い4392人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。入院患者や宿泊療養者、それに入院するのか、自宅や宿泊施設で療養するのかなどを調整中の人の数がいずれも過去最多となりました。また、1人暮らしで自宅で療養していた60代の男性が亡くなり、今月、自宅療養中に死亡した人は、これで9人だということです。
東京都は、都内で新たに10歳未満から100歳以上までの男女あわせて4392人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1週間前の日曜日より97人増えて、日曜日としてはこれまでで最も多くなりました。22日までの7日間平均は4732.9人となり、前の週の111.0%で、感染の急拡大が続いています。この日の4392人の年代別は、10歳未満が277人、10代が484人、20代が1341人、30代が845人、40代が711人、50代が444人、60代が119人、70代が83人、80代が63人、90代が19人、100歳以上が6人です。感染経路がわかっている1900人の内訳は、「家庭内」が最も多く1233人、「職場内」が208人、「施設内」が128人、「会食」が58人などとなっています。都の担当者は「災害レベルの感染が猛威を振るう異常事態が続いている。家庭内感染が割合としては高いが、職場や会食、旅行や外出で感染して家庭内に持ち込んでいる。どこで誰が感染してもおかしくない状況なので、引き続き外出自粛をお願いしたい」と呼びかけています。東京パラリンピックの関連では15人の感染が確認されました。内訳は、日本人の業務委託の事業者10人と、メディア関係者1人、外国人の競技関係者2人、メディア関係者1人、ボランティア1人です。これで都内で感染が確認されたのは31万2262人になりました。
一方、22日時点で入院している人は、過去最多だった前日よりさらに4人増えて3968人で、最多を更新しました。「現在確保している病床に占める割合」は66.5%です。都の基準で集計した22日時点の重症の患者は、前日より1人増えて271人で、重症患者用の病床に占める割合は69.1%となっています。重症患者の年代別は、10代が1人、20代が3人、30代が21人、40代が43人、50代が119人、60代が55人、70代が20人、80代が9人です。このほか、ホテルなどで宿泊療養している人は22日時点で1975人で、これまでで最も多くなりました。また、自宅で療養している人は22日時点で2万4704人で、過去最多だった前日より1705人少なくなりました。自宅療養者とは別に、都は、入院するのか、自宅や宿泊施設で療養するのかなどを調整中の人の数も公表していますが、22日時点で1万4726人となり、これまでで最も多くなりました。
また、都は、感染が確認された30代と、60代から80代の男女あわせて8人が死亡したことを明らかにしました。このうち60代の男性は1人暮らしで、感染が確認されて自宅で療養し、保健所が健康観察をしていましたが、連絡がとれなくなったため自宅を訪問したところ亡くなっていたということです。第5波に入って、今月、自宅療養中に死亡した人は、都によりますと、これで9人だということです。都の担当者は「1人暮らしで療養している人に対しては、離れて住む家族や職場の同僚などがこまめに連絡をとって状況を確認してもらえるとありがたい」と呼びかけています。これで都内で感染して死亡した人は2379人になりました。

●五輪関連施設、コロナ病院に転用 パラ閉幕後、都が検討 8/22
東京都が新型コロナウイルスの感染急拡大に伴う医療提供体制の逼迫に対し、臨時医療施設の設置に向け検討を始めたことが21日、関係者への取材で分かった。東京五輪・パラリンピックの競技会場など関連施設の転用案が浮上している。医療向けの利用が想定されていない建物の構造やスタッフの確保など課題も多く、いわゆる「野戦病院」へ転用が可能か慎重に見極める。
都や関連団体が保有・管理する五輪・パラリンピックの競技会場は、東京アクアティクスセンター(江東区)や武蔵野の森総合スポーツプラザ(調布市)など都内の広範囲に点在する。救急医療の面から利便性の高い場所も多く、医療関係者らから臨時医療施設としての使用を求める声がかねて上がっていた。
都は検討を急ぐが、24日に開幕するパラリンピックは9月5日まで行われるため、競技会場や関連施設の転用は早くても同月6日以降となる。関係機関との調整も生じ、開設までに時間を要する可能性もある。
また、それぞれの競技会場はアスリートや観戦者ら向けに建造され、新型コロナの医療施設として使用する場合は、厳密な感染対策と高度の医療設備が必要となる。医師や看護師ら多くの医療スタッフの確保も大きな課題だ。
感染力が強いインド由来の変異株「デルタ株」の広がりで新型コロナの感染拡大は歯止めがかからず、都内の自宅療養者は増加が続く。今月12日には2万人を超え、自宅療養中に症状が急速に悪化して死亡するケースも起きている。
自宅療養者の急増は全国的な課題となっており、田村憲久厚生労働相は20日の記者会見で、「臨時の医療施設の確保を検討してもらわなければならない」と指摘し、各自治体に早急の施設整備を求めた。日本医師会の中川俊男会長も18日の記者会見で、「大規模イベント会場や体育館などを臨時の医療施設として確保することを(各自治体に)提案する」と述べた。
都関係者は「医療提供体制の逼迫に懸念の声が集まる中で、病床の確保は喫緊の問題となっている。あらゆる可能性を探りたい」と話している。

●もうすぐ新学期 増加する“子どもの感染”に懸念 8/22
東京都で22日、新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は、4392人と先週日曜日より97人増え、6日連続で4000人を超えました。重症者は271人、8人の死亡も確認されています。このほか、これまでに発表されている感染者数は千葉で1246人、また三重と奈良で過去最多となっています。重症者は午前0時時点で1891人と前の日より3人増え、10日連続で過去最多を更新しました。
宮城県ではワクチンの供給が少なくなり、一時中止されていた接種が再開されました。
仙台市健康福祉局・横野幸一郎次長:「これまで若い方にお待ち頂いていたが、ワクチン接種が一つの大きな武器になるので、ぜひ積極的に接種を進めて頂きたい」
感染拡大を防ぐにはワクチンの接種に加え、人の流れを抑えることが有効ですが、1つ気になるデータがあります。携帯電話の位置情報を利用したデータでは、21日午後3時台の人出は東京・銀座で5.8%の増加。渋谷センター街、新宿でも増加傾向にあることが分かりました。東京都では緊急事態宣言下にありながら、人の流れを抑制できているとは言い難い状況です。
全国規模での感染拡大の影響はこんなところにも。
実は今、保育施設の休園が急増しています。今月5日時点の全国の保育施設の休園数は108カ所。第4波の約2倍にもなります。
小学1年と3歳の母親:「きのう、職員の方がコロナの陽性反応があった。連絡があったが、実はもう3回目。預かって頂けるのがありがたいので、普通に通わせている」
厚生労働省によりますと、11日から17日の1週間で10歳未満の新規感染者は7441人。子どもは家庭内での感染が多いと言われていますが、専門家はクラスター発生の可能性を指摘します。
東邦大学感染制御学・小林寅てつ教授:「デルタ株の感染力が強いことが10歳未満の子どもにも感染が広がっている要因。(子どもは)マスクを外してしまうとか、どうしても感染対策が弱くなってしまう。全体として感染者を減らしておかないとクラスターが起こる可能性は否定できない」

●北海道内529人感染確認 依然感染拡大続く 8/22
北海道で22日、新たに発表された新型コロナウイルスの感染確認は529人でした。1日の感染確認が500人を超えるのは5日連続で、依然として感染拡大が続いています。
道内で感染が確認された529人の内訳は、札幌市で再陽性の1人を含む293人、旭川市で43人、函館市で16人、小樽市で12人、石狩地方と十勝地方でそれぞれ38人、胆振地方で22人、オホーツク地方で14人、空知地方と釧路地方でそれぞれ9人、根室地方で8人、上川地方で6人、後志地方で5人、渡島地方で4人、日高地方で3人、宗谷地方で2人、それに、道が「その他」として発表した、道外の7人です。
1日の感染確認が500人を超えるのは5日連続で、前の週の同じ曜日より163人増えています。
人口10万人あたりの直近1週間の新規感染者は、道内全体で67.3人、札幌市で99.5人と、都道府県の感染状況を示す国のステージで最も深刻な「ステージ4」の目安となっている10万人あたり25人を大きく上回っています。
道などによりますと、感染が確認された529人のうち調査中の7人を除いて、中等症が3人でそのほかは軽症か無症状だということです。
また529人のうち218人は感染経路がわかっていないということです。
検査数は4049件でした。
一方、変異ウイルスのデルタ株について、新たに道で33人、小樽市で9人のあわせて42人が感染している疑いがあることが分かりました。
道内の感染者は、札幌市ののべ3万3154人を含む、のべ5万3120人となり、死亡したのは1435人、治療を終えた人はのべ4万6786人となっています。
国の指標でみる感染状況
21日時点の道内の感染状況を、政府の分科会が示す国の指標をもとに見ていきます。人口10万人あたりの直近1週間の新規感染者は22日時点の数字です。
病床使用率 / まず医療のひっ迫具合です。病床使用率は、ステージ3が20%以上、最も深刻な状況を示すステージ4は50%以上が目安となっているのに対し、道内は40.4%となっています。
入院率 / 入院率はステージ3が40%以下、ステージ4が25%以下が目安となっているのに対し、道内は17.1%となっています。
重症者病床使用率 / 重症者の病床使用率はステージ3が20%以上、ステージ4は50%以上が目安となっているのに対し、道内は9.8%となっています。
療養者数 / 人口10万人あたりの療養者数はステージ3が20人以上、ステージ4は30人以上が目安となっているのに対し、道内は90.1人となっています。
検査陽性率 / 直近1週間のPCR検査などの陽性率は、ステージ3が5%以上、ステージ4は10%以上が目安となっているのに対し、道内は10.5%となっています。
新規感染者数 / 人口10万人あたりの直近1週間の新規感染者は、ステージ3が15人以上、ステージ4は25人以上が目安となっているのに対し、22日時点で、道内は67.3人となっています。
感染経路不明者の割合 / 感染経路が不明な人の割合は、ステージ3、ステージ4ともに50%が目安となっているのに対し、道内は42.9%となっています。

●埼玉1696人感染、ワクチン接種の50人も 学校の部活で拡大 40代死亡 8/22
埼玉県などは22日、新型コロナウイルスに感染していた40代男性1人が死亡、新たに1696人の感染を確認したと発表した。20日連続で千人を超えたが、54日ぶりに前週の同じ曜日の感染者数を下回った。新規感染者の内訳は県発表が994人、さいたま市336人、川口市190人、川越市76人、越谷市100人。
これまでに確認された感染者は8万8390人(チャーター便帰国者含む)、死者は869人(22日午後6時現在)。
22日午後9時時点の重症者は155人、感染者の入院は1283人、宿泊療養668人、自宅療養2万758人。退院・療養終了は5万8775人。
県によると、県管轄では、前日午後分を含め22日に詳細が判明したのは未就学児〜90代の男女1101人。県内の学校では運動系の部活に所属する10代男女学生5人が感染し、計27人になった。県内の障害者施設では10〜60代の男女15人が感染し、計34人になった。会食関連では、8月上旬に友人と海水浴をした20代男性1人を含む、未就学児〜60代男女18人が感染したとみられる。ワクチン接種済みの20〜80代男女47人も感染した。
さいたま市によると、感染が判明したのは未就学児〜80代の男女336人。クラスター(感染者集団)が発生している陸上自衛隊大宮駐屯地で新たに職員1人の感染が判明し計52人、大宮双愛病院でも新たに患者1人の感染が判明し計33人となった。市内の児童福祉施設に通う児童8人の陽性も確認された。
川口市によると、感染が判明したのは未就学児〜80代の190人。うちワクチン接種済みの3人が感染した。
川越市によると、感染が判明したのは10歳未満〜80代の男女76人。うち12組27人は親子、夫婦ら家族。市内在住の68人のうち35人は家族や職場、学校などに陽性者がいた。
越谷市によると、40代の男性1人が死亡。感染が判明したのは未就学児〜70代の男女100人。うち20代無職の男性が中等症で療養先調整中。

●富山、105人感染 1人死亡 5日連続100人超  8/22
富山県は22日、県内で新型コロナウイルスの感染者105人を確認したと発表した。1人が21日に亡くなったと明らかにした。新規感染者が100人を超えるのは、5日連続。県内の死者は計39人、感染者の累計は3736人となった。
既に公表された高岡市内の高齢者施設のクラスター(感染者集団)で新たに60代〜90歳以上の7人の陽性が新たに判明し、感染者は計14人と拡大した。
新たに感染したのは、富山、高岡、射水、魚津、滑川、小矢部、立山、上市、朝日の各市町と東京都在住の10歳未満〜90歳以上の男女。年代別では20代が29人と最も多く、次いで10代以下の21人、40代の18人、30代の12人などと続いた。症状は中等症が1人、軽症が91人、無症状が13人。
このほか、新たにデルタ株の疑いがある変異株が52人から見つかった。
22日現在、入院者数は260人(前日比3人増)、うち重症者は9人(同1人減)となっている。

●駐屯地や中央卸売市場のクラスター拡大… 石川で新規感染者66人 8/22
石川県では22日、新たに66人が新型コロナウイルスに感染しました。
石川県によりますと、22日午前10時までに466件の検査が行われ、このうち66人が陽性でした。
内訳は経路不明が24人、濃厚接触者等が39人で、クラスター関係では金沢駐屯地関連、金沢市中央卸売市場関連、職場関連がそれぞれ1人でした。
これで県内の感染者は6764人となりました。

●岐阜県で276人感染、自宅療養74人 職場クラスター54人に拡大 8/22
岐阜県と岐阜市は22日、県内33市町などで計276人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。新規感染者数は6日ぶりに300人を割ったが、日曜日としては過去最多で、感染者数は累計1万2723人。また、21日から始まった重症化リスクが低い若年層で無症状や軽症の患者を対象にした自宅療養は、同日時点で74人と発表した。
県内の今月の感染者数(発表日ベース)は22日時点で3135人で、第4波の5月の2860人を超えて月別で最多となった。21日時点の病床使用率は前日比1・4ポイント増の58・0%。重症者は4人のまま。
県によると、自宅療養者は22日時点ではさらに増えて100人規模となる見込み。療養者の半数は岐阜市で、西濃や中濃、東濃圏域の居住者もいる。自宅療養中に体調が悪化したため、1人が病院に搬送された。
新たに確認したクラスター(感染者集団)は3件。高山市の接待を伴う飲食店で従業員や利用者ら計10人の感染が判明。加茂郡川辺町の家族を中心に、食事会の参加者ら外国籍の8人の感染も分かった。また多治見市のカラオケの利用者ら6人の感染が確認された。
拡大したクラスターは10件。本巣市の職場関連のクラスターは、別の岐阜市の家族関連のクラスターと関連していることが分かった。規模は54人に拡大し、県によると感染者は外国籍が中心という。
恵那市の家族や職場関連と、バーベキューをしていた美濃加茂市や瑞穂市など親族によるクラスターは、新たな感染者が確認されず終息した。

●感染拡大続く 四日市で94人 新型コロナ 8/22
四日市市は8月22日、同市内に住む10歳未満から70代の男女94人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日の感染者は前日の101人に次ぐ過去2番目に多い感染者数で、同市内の感染者は延べ2097人となった。
発表によると、新規感染者の年齢別内訳は、10歳未満6人、10代13人、20代26人、30代19人、40代18人、50代9人、60代2人、70代1人。20代から40代の感染者が全体の半数以上を占め、28人が同居家族、9人が濃厚接触者だった。
市内の8月16日から22日まで1週間の感染者は計501人。前週比増加率は262%、人口10万人当たりの新規感染者数は161.6人で、国の指標で「ステージW」に相当する「感染爆発段階」を示す25人以上を6倍も上回り、最も高い水準となった。

●過去3番目の多さ 障害者施設クラスター拡大 京都の新型コロナ 8/22
京都府と京都市は22日、男女計542人が新たに新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日当たりの新規感染者が500人を超えるのは3日連続で、過去3番目の多さだった。府内の感染者は計2万5788人となった。
府発表分は10歳未満〜80代の194人。調査中を除き軽症か無症状。感染経路不明は145人。居住地別は宇治市29人、亀岡市21人、城陽市と八幡市で各18人、舞鶴市15人、京田辺市と京都市で各12人、長岡京市11人、木津川市、京丹後市、久御山町で各9人。向日市7人、南丹市5人、福知山市、宮津市、精華町で各3人、大山崎町と京丹波町で各2人、与謝野町と南山城村各1人、大阪府4人。クラスター(感染者集団)関係は、障害者施設あけぼの学園(南丹市)で1人増え計30人となった。
京都市発表分は、348人だった。

●「血中酸素計」が足りない!コロナで需要高まり20倍増産でも追いつかず 8/22
新型コロナウイルス感染拡大による自宅療養患者の急増に伴い、動脈中の酸素飽和度(SpO2)を測定するパルスオキシメーターの供給が追いつかない事態となっている。コニカミノルタ、小池メディカル(東京都江戸川区)、日本精密測器(群馬県渋川市)などは、増産や拡販に対応するものの、前例のない需要急増がいつまで続くか読み切れず、さらなる設備投資や増員には二の足を踏んでいる状況だ。各社とも難しい判断に迫られている。
コニカミノルタは4月から段階的に生産能力を高め、6月からはコロナ禍前の約20倍となる月産数万台を生産している。8月上旬に数万台レベルの注文が自治体からあり、在庫がほとんどない状況となった。9月も引き続き同程度の生産を継続する予定だ。工場では基板実装の工程で24時間体制を取っている。
国内シェア首位の日本精密測器は設備強化や増員をし、本社工場の生産能力を2020年比約1・5倍まで高めた。コロナ禍前の1・5倍程度の注文がある状態だが、マイコンをはじめとする半導体が不足し、汎用品で代替している。製造原価が上昇したが、価格は据え置いた。
オムロンヘルスケア(京都府向日市)、小池メディカルは中国メーカーがOEM(相手先ブランド)供給する。オムロンヘルスケアでは、4月から計画比約2倍の注文が続いている。小池メディカルは8月以降、コロナ禍前に比べて注文が約5倍に急増。1・5―2カ月分程度の在庫を確保してきたが、在庫がほとんどない状況となった。
パルスオキシメーターの確保を進める東京都は約7万台保有し、そのうち既に約4万台を区市町村などに貸し出している。墨田区は約900台を確保。約400台を住民に貸し出しており、今後も確保を続ける予定だ。
厚生労働省によると、自宅療養患者は11日の段階で全国に約7万4000人いるとしている。新規感染者のピークはいまだ見えておらず、今後もパルスオキシメーターの需要が高まることが予想される。
各社とも在庫がなく需要に対応しきれていない状況だが、需要の先行きが読めないことや半導体不足などから、さらなる設備の増強、増員には消極的な姿勢。品薄感は今後も継続しそうだ。

●「緊急事態宣言」拡大後初の土曜 21日の人出 多くの地点で減少  8/22
新型コロナ対策として緊急事態宣言の対象地域が13都府県に拡大されて初めての土曜日となった21日の人出は、東京や大阪など多くの地点で前の4週間の土日祝日の平均より減少しました。
NHKはIT関連企業の「Agoop」が、利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使って、主な地点の人の数を分析しました。
調査した時間は、日中が午前6時から午後6時まで、夜間が午後6時から翌日の午前0時までです。
このうち、来月12日まで緊急事態宣言が延長された東京や大阪など6都府県の21日土曜日の人出は、前の4週間の土日祝日の平均と比べて減少した地点が多くなりました。
東京駅付近は日中は8%減少、夜間は9%減少
渋谷スクランブル交差点付近は日中は10%減少、夜間は8%の減少でした。
大宮駅付近では日中は8%減少、夜間は18%減少
千葉駅付近は日中は8%増加、夜間は5%増加
横浜駅付近は日中は11%減少、夜間は15%減少
大阪梅田駅付近は日中は14%減少、夜間は13%減少
那覇市の県庁前駅付近で日中は18%増加、夜間は6%の増加でした。
また、20日から宣言の対象地域に追加された7府県の人出はいずれも減少しました。
水戸駅付近は日中は48%減少、夜間は62%減少
宇都宮駅付近は日中は8%減少、夜間は10%減少
前橋駅付近は日中は37%減少、夜間は46%減少
静岡駅付近は日中は20%減少、夜間は31%減少
京都駅付近は日中は22%減少、夜間は25%減少
神戸市の三ノ宮駅付近は日中は21%減少、夜間は12%減少
博多駅付近は日中は16%減少、夜間は26%の減少でした。

●感染拡大の原因でも若者に人気のウレタンマスク 8/22
東京都など6都府県に加えて、今月20日からは緊急事態宣言対象地域が13都府県に拡大された。宣言下でも収束が見えない第五波の特徴として、若者の感染者数が多いことが挙げられる。最近の東京都の感染者においては、30代以下が7割にも上った。若者の感染拡大には、様々な理由があるだろうが、その1つに若者に人気のマスクを挙げる専門家もいる。
「ウレタンマスクを着用する人が多いということが、若者に感染者が多い一つの理由になっている可能性が高いです」
そう語るのは、国立病院機構仙台医療センターウイルスセンター長の西村秀一氏である。
「昨年12月、理化学研究所のスーパーコンピューター『富岳』によるマスクの素材ごとに飛沫防止効果の違いを比較したシミュレーションが発表されました。それによって、ウレタンマスクは、不織布マスクに比べて飛沫防止効果が極めて低いことが分かりました。そこで我々は、実際に実験するとどのような結果になるのかを知るために、市販されている様々な素材のマスクを使い、感染させられるかもしれない吸い込み率に絞って計測しました」(同)
西村氏の実験でも、ウレタンマスクの素材であるポリウレタンは、粒子の除去性能が極めて低いという結果が得られた。「富岳」のシミュレーションよりも、不織布との差は明らかに大きいことが判明したのだ。
「不織布マスクは、5㎛(マイクロメートル)以下の粒子で除去率は99.1%です。一方、ポリウレタンは除去率が1%以下。つまり、ウレタンマスクはほとんど効果が無いのです。しかし、ウレタンマスクの感染防止効果が不十分であることが明らかになってからも、街中ではウレタンマスクを着用している人が珍しくありません。特に若い世代では、男女問わずウレタンマスクを着けている人が多いという印象があります」(同)
感染者数は最多を更新し続けている現在でも、その状況は変わらない。そうした中、今月18日には、西村氏も賛同者の1人として「最新の知見に基づいたコロナ感染症対策を求める科学者の緊急声明」という提言を内閣官房などに出した。
「第五波の感染拡大のさなかにあって、政府や一部の医学関係者からは、『もう打つ手がない』と、言わば新型コロナに白旗を上げたかのような対応が見られます。しかし決してそんなことは無く、今だからこそ最新の知見に基づいた対策を取る必要があると思うのです。その1つがマスクの性能について基準を示し、ポリウレタンなど性能が低いマスクについての注意を政府が正式に呼びかけることだと考えています。感染拡大時のドイツでは、公共の場や交通機関等では、一定以上の性能を持つマスクの着用が義務付けられ、ウレタンマスクなどの着用は罰則付きで禁止されています。日本では、マスクの性能について正しい呼びかけがなされておらず、それが特に若い世代での感染拡大の一因になっている可能性が高いです」(同)
どうしてウレタンマスクは若者を中心に根強い人気があるのだろうか。
昨年12月、カネボウ化粧品(花王株式会社)の「KATE」は、ポリエステルとポリウレタン製で、繰り返し洗って使える「小顔シルエットマスク」を発売した。今月21日には、同シリーズ第3弾のマスク(2枚入り・税込990円)が発売。既にインスタグラムでは「KATEマスクレビュー」が多数投稿されており、特に若い世代から人気が高いことが分かる。
「第1弾はSNSで大きな話題になり、即完売しました。化粧品とマスクの掛け合わせを楽しむという切り口や肌を明るく見せるカラー、小顔効果のある形状が若い女性を中心に支持されたのだと思います。今回発売する第3弾の商品は、ブラック、ラベンダー、ピンク、ブラウンの4色で、特にブラックは男性からも強い人気を頂いています」(花王株式会社・KATE担当者)
今回発売されるマスクの素材は、ポリエステル90%、ポリウレタン10%の布製で、新型コロナウイルスの感染防止効果に不安の声が上がっている。この点については、
「〈マスクは感染(侵入)を完全に防ぐものではありません。〉という注意表記をパッケージの表面に記載しております。お客さまから不安の声を少なからず頂いているので、ホームページ上には、〈ウイルス防止のフィルターは使用していません。〉という文言も新たに掲載することになりました」(同)
先の西村氏は、「一般にウレタンマスクは、付け心地が柔らかく、息もしやすいので着けていて楽です。でも、息がしやすいということは、ウイルスも簡単に通してしまう可能性が高いということなのです。市販のマスクには、公的に明確な品質基準が設けられていないという問題はありますが、せめて不織布のマスクを着用しましょう。マスクを長時間着けるのは苦しいものですから、周りに誰もいない時やトイレの中などで外して休憩すればいいと思います。どうしてもウレタンマスクを着けたいということであれば、不織布のマスクの上から押さえる役割として重ね付けするのが良いと思います」
 

 

●20代以下の感染44・5% 8月の福島県内 帰省や会食で増加 8/23
福島県は県内で94人の新型コロナウイルス感染が確認されたと22日、発表した。94人の陽性は21日までに判明した。今月の新規感染者数の累計は21日時点で2146人。このうち20代以下の感染者数は956人で44・5%を占めた。「第4波」のピークとなった4月の23・6%に比べ、20・9ポイント増。学生らの帰省、家族・親戚間での会食などにより若年層への感染が増えている。
年代別の感染者数は【グラフ】の通り。これまで月別の感染者数が最多だった5月は20代以下の感染者数が278人(23・6%)、30代以下は429人(36・4%)だった。今月21日時点で30代以下は1294人(60・3%)で、全体の6割を占めた。
県は感染力が強い変異株「デルタ株」が全国で猛威を振るう中、爆発的な感染拡大が続く首都圏などから県境をまたいで帰省した人から感染が広がったのが要因の一つとみている。
帰省などの影響は県外居住者の県内での感染増加にもつながっている。県外居住者の感染は直近1カ月(7月22日〜8月21日)で80人に上った。県外感染者累計126人の63・5%を占めた。直近1カ月の80人を年代別でみると、20代が36人と最も多く、10代が17人と続いた。
県によると、県外から県内に帰省後、友人との会食やバーベキューを行い感染が拡大した事例があった。さらに、お盆や葬式などで集まった親戚と会食して集団感染し、その後に家族、知人、職場に感染拡大したケースもあったという。
このような状況などを受け、福島市は20代のワクチン接種を優先して行い、若年層の感染拡大防止に努める。市によると、優先接種の対象は19歳から29歳の市民約2万8100人。13日から予約を開始し、22日までに約3600人が1回目、または2回目の接種予約をした。ただ、残る約2万4500人は予約していない状況だ。
県は若者が意義を理解した上で接種に臨めるよう、会員制交流サイト(SNS)などを活用してワクチンの正しい情報などを発信する考えだ。県新型コロナウイルス感染症対策本部の担当者は「分かりやすい情報発信に努める。多くの県民にワクチンを接種してもらいたい」と話した。

●長崎県内コロナ感染68人 時津のクラスター拡大 8/23
長崎県などは22日、県内6市5町で計68人の新型コロナウイルス感染を確認した、と発表した。このうち、23人は感染経路が不明。西彼時津町の遊興施設で発生したクラスター(感染者集団)は、新たに利用者の感染が分かり、拡大した。
時津町の遊興施設のクラスター関連では、新たに利用者4人の感染が判明。感染者は従業員1人と利用者26人の計27人となった。県によると、カラオケやビリヤードなどが楽しめる施設で、会員登録制のため利用者が把握できているとして、施設名は公表していない。
長崎市の新規感染者は25人。うち1人は、県こども政策局に勤務する60代女性職員。県によると、県民と接する業務には従事していない。県外訪問や県外の人との接触、会食はなかった。県は21日にも同局の県職員1人の感染を公表したが、関連はないという。接触者などを調査中。
佐世保市は18人。このうち市市民生活部の50代女性職員は、8月5〜7日に県外に出張。業務で接触した市民は特定し、既に庁舎の消毒を済ませた。
このほか、県警は新上五島署の30代男性警察官の感染を発表。発熱の症状があり、発症した20日以降、署員や部外者との業務上での接触は確認されていないという。

●緊急事態下の東京五輪はコロナ拡大を助長したのか− 8/23
緊急事態宣言下での東京五輪が幕を閉じ、緊急事態の範囲が拡大・延長される中でパラリンピックが24日に開幕する。菅義偉首相は「五輪が感染拡大につながっているとの考え方はしていない」としているものの、専門家の間では見方が割れている。東京五輪・パラリンピック組織委員会が公表した統計によると、大会関係者で新型コロナウイルス感染症への感染が確認されたのは7月1日以降から8月22日までに547人で、そのうち、選手村で確認されたのは36人だった。パラリンピックの関係者も8月12日以降に30人の感染が判明。陽性者の大半は国内在住者であることも確認された。組織委で感染症対策に当たる専門家らの円卓会議で座長を務める岡部信彦・川崎市健康安全研究所長はブルームバーグの取材に「関係者の生活から直接影響を及ぼすようなことはなかった」とした上で、ほぼ無観客ながらもクラスター(集団感染)を招かずに大会を開催できたことは「一つの成功と言って良い」と総括した。一方で、大会の開催が間接的に影響を及ぼし、人々の意識の弛みにつながったとの声も聞かれる。コロナ対策分科会の尾身茂会長は、五輪の感染拡大への影響を否定した半面、「人流という意味で、五輪の開催が人々の意識に与えた影響の議論でいえば、私たちはあったと思う」と述べた。
東京都の感染者数は五輪開催前から増加しており、政府は都に対し4回目の緊急事態宣言を7月12日に発令していた。五輪が開幕した23日の直前には、都内の新規感染者数が1日で2000人近くに達した。さらに、8月以降は感染力の強いデルタ変異株の感染が急拡大したこともあり、東京では1日の新規感染者数が5000人を超える日も多い。北里大学の中山哲夫特任教授(ウイルス感染制御学)は、「一番の原因は五輪前の連休で人々が自粛疲れであちこちに出ていたこと。そこから感染が爆発してさらに五輪が輪を掛けて感染を増長した」と振り返る。「自粛しながら五輪をやるというのは、論理的に破綻している」と指摘した。組織委円卓会議の岡部氏も「『五輪やっているのに俺たちどうして酒飲んではいけないんだ』という疑問はあったかもしれない」と認め、観戦したい気持ちが感染する懸念を上回って「競技場のそばに行ったり、モニュメントで写真を撮ったり、リスクの高い行動を誘ってしまったかもしれない」と述べた。それでも岡部氏は、感染症が大流行する中で開催した初めての五輪大会として、選手や運営関係者を隔離するバブル方式の採用など、「後世に残すものは出来た」と語った。
東京大学の藤井大輔特任講師と仲田泰祐准教授は五輪による国内感染への影響を開会前に分析しており、五輪関係の入国者による直接的な国内の一日の新規感染者数への影響は15人程度だと試算していた。仲田氏は、大会関係者の実際の感染者数は1日平均で約12人であり、分析通り「直接影響はやはり限定的だったのではないか」とした一方で、五輪がなかった場合との比較が必要になるため、間接的な影響を「定量化するのは難しい」と述べた。ジョージア州立大学のホリー・ウィルキン准教授(ヘルス・コミュニケーション)は、「昨年五輪が延期されたのは、開催が安全でないと判断されたからだ。今年の開催は、人々にもう安全だと言うメッセージを送っていることになる」とした上で、コロナの脅威への考え方に影響を与え、行動制限の必要性についての「姿勢を変えてしまう可能性がある」と指摘する。態度の変化は行動や感染状況にも影響を与える。仲田氏らが緊急事態宣言の再延長が決まった17日に行った最新のシミュレーションでは、楽観的な仮定でも感染力が強いデルタ株に対し宣言期間中に1日の新規感染者数は大きく減らないと試算した。仲田氏は今後、緊急事態宣言が秋にいったん解除されると仮定した場合、冬には「今より大きな感染の波が来る可能性が高い」と指摘した。

●日本の医療システムが崩壊…救急車呼んでも重症者の63%は病院行けず 8/23
日本の新型コロナ感染者がこれまでで最も増えている中、日本の医療システムがこれに耐えきれずに崩壊しつつあると懸念の声が上がっている。新型コロナウイルス感染症にかかったのに病床不足で自宅療養する感染者が10万人に迫り、病院で治療を受けられずに自宅で死亡する感染者も続出している。新型コロナに感染した妊婦の入院先が見つからないまま自宅で早産し、新生児が死亡するという事故も起きた。医療専門家の間では「この状態が続けば医療崩壊を超えて医療破壊に至るだろう」との指摘もある。日本社会では「日本の新型コロナの状況は既に制御不能の状態に陥ったのではないか」という不安が広がっている。
NHKなど日本のメディアによると、21日の日本の新型コロナ新規感染者数は2万5292人と確認されたという。過去最多感染者記録を更新した前日(2万5871人)に続き、二日連続で約2万5000人が新たに感染したということだ。最近7日間の平均一日新規感染者数は2万1865人で、東京五輪開幕直前、東京と沖縄に緊急事態宣言を出した時(7月12−18日、2988人)の7倍に増えた。
感染者が爆発的に増加し、「医療崩壊」が現実化しつつある。厚生労働省は、症状が深刻でない新型コロナ感染者は自宅にとどまる「自宅療養」を原則としているが、この自宅療養者数が10万人に達している。重症者は21日に1888人と集計され、9日連続で最多を更新した。問題は、自宅で病状が悪化して、酸素飽和度が危険なレベルに下がっても入院する病院がないということだ。感染者数が多い東京都や首都圏の神奈川・千葉・埼玉の3県の場合、今週は重症者の病床利用率が70%を超えた。重症病床数の中には小児科用などの特殊な病床数も含まれており、医療従事者の間では「体感での重症病床稼働率は100%」という声が聞かれる。
このため、東京都では今月9−15日、自宅療養中の症状悪化で救急搬送を要請した人が2259人に達したが、このうち1414人(62.6%)が入院できなかったことが分かった。10人のうち6人以上が119番に電話しても助けてもらえなかったということだ。病院に搬送された845人のうち280人も病院を見つけるのに3時間以上待ったという。朝日新聞によると、東京都と首都圏3県では先月から少なくとも18人が自宅療養中に死亡したことが分かった。病院で適切な治療を受けられずに死亡したものだ。17日には千葉県で自宅療養中の妊婦が自宅において妊娠8カ月で早産し、子が死亡した。この妊婦は二日前から電話でかかりつけの病院や保健所などに入院を要請したが、入院先が見つからなかったとのことだ。
既に日本では「現在の感染拡大状況は災害級だ」という専門家の警告が相次いでいる。状況が最も深刻な東京都では「制御不能の状態」という見方もある。日本国民の50%以上が1回以上ワクチンを打ったのにもかかわらず、感染者が増加を続けているのは、デルタ変異株が支配株になったことによるものだ。国立感染症研究所は、首都圏の感染者の95%、大阪近隣の感染者の80%からデルタ変異株が確認されたと先日、発表した。
65歳以上の高齢層より比較的ワクチン接種率が低い20−50代の外部活動を減らせないことも問題点として指摘されている。7月の緊急事態宣言後も東京都内の主な街の流動人口は「宣言前の50%未満」という政府目標達成に失敗した。政府は8月初め、緊急事態宣言地域を6都府県に拡大したが、五輪ムード拡散や8月のお盆期間が重なり、何の効果も上がっていない。
緊急事態宣言がこの1年半の間に数回繰り返されているため、有名無実になったという指摘も多い。「やってもやらなくてもいい宣言」だということだ。このため、全国の地方自治団トップは政府に外出を禁止する「ロックダウン」政策を法制化すべきだと主張しているが、菅義偉首相は「個人の私権を強制的に制限するのは難しい」と難色を示している。その代わりに、日本政府はワクチン接種率を10月までに全国民の80%に引き上げて対応するという方針だ。医療崩壊問題を解消するため、今週から東京都を手始めに新型コロナ感染者に酸素を供給する一時的な施設「酸素ステーション」も運営する。内部では、防疫政策の基準を現在の新規感染者数中心から重症者中心に改正する案を検討中だと伝えられた。

●妊婦の優先接種、各地で広がる…「デルタ株」で感染拡大・都内3・4倍に 8/23
妊婦に、新型コロナウイルスワクチンを優先的に接種する取り組みが、各地で始まっている。若い世代が接種を希望しても予約が取りづらい現状を見直し、妊婦の感染や重症化を防ぐのが狙い。千葉県で新型コロナに感染した妊婦が入院できず自宅で早産し、新生児が死亡した問題を受け、さらに広がる見通しだ。
年間3000件のお産を扱ってきた愛育病院(東京都港区)は25日から、同病院を受診中の妊婦やパートナーを対象にワクチンの接種を始める。重症化リスクが高いとされる妊娠後期の妊婦を優先する。
大阪府寝屋川市は13日から、妊婦の接種申し込みを優先的に受け付けている。静岡県富士市は、妊婦とパートナーの優先受け付けを21日に始めた。兵庫県姫路市も妊婦の優先受け付けを調整しており、多くの自治体で実施の検討が進む。
背景には、米疾病対策センター(CDC)が11日、妊婦の接種に関する見解を「個人の判断による」から「推奨」に切り替えたことがある。流産のリスクは高くならないとする研究結果を踏まえた修正だという。これを受け、日本産科婦人科学会も14日付で、妊娠時期を問わず接種を勧める声明を発表した。
感染力が強い変異ウイルス「デルタ株」の広がりで、感染する妊婦が増えていることも影響している。日本産婦人科医会によると、東京都内で7月に感染が判明した妊婦は98人と前月の3・4倍で、過去最多だった。
愛育病院を運営する母子愛育会の中林正雄総合母子保健センター所長は「病床 逼迫ひっぱく の影響で、重症化した妊婦の受け入れ先を見つけるのが難しくなっている。接種により重症化を防ぐことが重要だ」と話している。

●初の感染症法に基づく協力要請へ 国と都 医療機関などに対し  8/23
新型コロナウイルス感染の急拡大で病床がひっ迫する中、田村厚生労働大臣と東京都の小池知事はそろって記者団の取材に応じ、国と東京都が連名で都内すべての医療機関などに対し入院患者の受け入れや病床確保のための協力を要請する考えを示しました。
感染症法に基づく協力要請を国や都が行うのは初めてです。
田村厚生労働大臣と東京都の小池知事は、23日午後、会談したあと、そろって記者団の取材に応じました。
そして、医療提供体制が一段と厳しくなっているとして、改正感染症法に基づき、都内すべての医療機関や診療所、医療従事者に対し、入院患者の最大限の受け入れやさらなる病床の確保、宿泊療養施設などへの派遣について、国と東京都が連名で協力を要請する考えを示しました。
改正感染症法では、厚生労働大臣や知事が医療機関に必要な協力を求めることができ、正当な理由なく応じなかった場合には勧告したうえで、従わなかった場合は医療機関名を公表できる規定が盛り込まれています。
ことし2月に改正された感染症法に基づく協力要請を国や都が行うのは初めてです。
田村大臣は「国と都、医療界が一丸となり、災害に近い状況に対応しなければならないという意味での要請だ。この厳しい状況を乗り切るためにも、さらなる力添えをお願いしたい」と述べました。
小池知事は、記者団に対し「デルタ株の感染力は極めて強く、都内では新規陽性者数が5000人を超える過去最大の水準になっていて、それに伴い、自宅療養者や重症者も増えてきている。酸素ステーションなどの『箱』があっても医師や看護師がいなければ結局は動かない。必要な医療の施設において医療従事者の協力を強く求める。最大の危機を乗り越えるために、国、都、医療機関が強固に連携して総力戦でたたかっていく」と述べました。
 

 

●東京パラ開幕も不安の声…選手村では感染が 8/24
24日、東京都では新たに4220人の新型コロナウイルスへの感染が確認されました。一方で、東京パラリンピックが、24日夜、開会式を迎えます。オリンピックの開会時に比べ、3倍以上の新規感染者が確認されるなど、感染拡大する中の開催に、関係者からは不安の声も上がっています。
24日、東京・調布市の小学校に通う娘がいる母親から聞かれたのは─。「絶対(夏休み)延長になるから、『早く連絡来たらいいのにな』って旦那と言ってて。判断遅すぎやろ、みたいな話をしてて」
中学生の息子がいる母親からは─。「お仕事してるお母さんとかは、きっと対応が大変だったんじゃないかな」
24日、届いたメールには、夏季休業日の延長と書かれていました。感染者が急増している調布市は、26日までとしていた、市立の小・中学校の夏休みを、来月5日まで延長することを決めたのです。さらに、調布市は休み明けには、オンライン授業も行うとしています。
母「小学校の低学年にオンラインでの授業は、たぶん意味ないというか、できないと思いますけどね」
こうした動きは、日野市、多摩市でもありました。さらに24日午後、江東区は、25日から再開する予定だった区立の小学校、中学校、幼稚園を、来月3日まで臨時休校にすることが発表されました。子供の感染が増えていて、子供の命を守るためだとしています。東京では、感染の拡大により休校の動きが広がります。24日の感染者は4220人で、17日の4377人よりやや下回りましたが、9人がなくなっています。国に緊急事態宣言を要請している、愛知県では過去最多を更新し、1617人の感染が確認されています。岐阜でも、382人と過去最多となりました。
感染拡大の中、パラリンピックは、24日夜開幕しました。24日午後2時すぎ、東京の空にやってきたのは、航空自衛隊のブルーインパルスです。3色のスモークを噴射しながら、上空で、華麗にターンし、見事、東京の空に「スリーアギトス」を描きました。
観覧した人々は─。「感動しました。まっすぐに飛んでて」「3色がすごくキレイで、コロナが終わりそうと希望が持てました」
都心の上空を1周した、およそ15分間の飛行でした。中には、東京タワーとのコントラストを巧みに撮影した人もいました。一方で、ブルーインパルスの飛行は、多くの人出を呼んでしまい、沿道は二重にも三重にも人が連なっていました。競技場周辺や、都内のランドマークには大勢の人々が密集してしまいました。また、開幕にあわせ、江東区青海には、パラリンピック競技の体験施設がオープン。取材した徳島キャスターは、車いすバスケットに挑戦しました。通常のバスケと違い、ジャンプできないことで、勢いが出ず、一度もカゴに届きません。オリンピックの競技とはひと味違う難しさがあります。
車いすバスケを体験「高いゴールに入れづらかったです。今やった大変さを思い出しながら(競技を)見たいです」
そして、パラリンピックの開会式の会場周辺では、午後5時の時点で、人々が集まり出していました。
近所の飲食店は─。磯美家・長崎正三さん「不安ですよ。(普段の)100倍くらい来るんじゃないですか」
人々が押し寄せることへの不安を口にしました。また、行事の取りやめなどが相次いでいます。先ほど、東京・江東区や江戸川区は、児童らが参加予定だった競技の学校連携観戦を中止すると発表しました。また、パラリンピックのニュージーランド選手団は、感染への懸念から、開会式の参加を取りやめました。
パラリンピック関係者への感染も広がっています。24日、新たに感染が確認されたのは10人で、このうち1人は、選手村に滞在する選手です。選手村で選手の感染が確認されるのは、これが初めてだといいます。こうした状況での開催に不安の声を上げる人もいます。江東区にある、脊髄損傷者専門のトレーニングジムの代表です。今大会のパラアーチェリーに出場する、岡崎愛子選手など、多くのアスリートをサポートしてきたといいます。
J―Workout 伊佐拓哲代表「(脊髄損傷者の中には)呼吸するための体幹の筋肉がマヒしている方もいらっしゃるので。感染するとリスクが高いという方も、結構いらっしゃいますので」
自身も過去に脊髄損傷したことがあり、ジムでも感染対策に気を付けながら、トレーニングを行ってきたといいます。
伊佐拓哲代表「健常者のアスリートに比べて、呼吸器だったりとか、基礎疾患がすでにあるという方々が集まる大会ですので、心配はあるなと。オリンピック以上の対策を徹底していきながら、無事に競技がすすむことを楽しみにしております」
対策の徹底を求める声は、自宅療養者への往診を行う医師からも─。
ファストドクター代表・菊池亮医師「(新型コロナの)患者さんが自宅にあふれているな、というふうに感じています。(パラリンピックは)しっかりと自宅で外出を控えながら応援していくというところで、感染対策を徹底していくといった 取り組みが必要になってくると思います」
都内の50代の女性。陽性が判明してから、1週間以上、自宅での療養を続けています。20日、布団で横になっていました。50代女性「食事はほとんどできていないです。起き上がるのが何せつらいのと、目を開いているのがつらいので」さらに─。「ゴホン、ゴホン」
医師 「今酸素の準備しますからね」肺炎の疑いがあるため酸素投与も行われました。そして、20日、一緒に暮らす夫の陽性も確認されました。今のところ症状は軽いといいますが、妻は夫に対して─。50代女性「(今後も夫を)健康管理してくれるって。私が入院しても大丈夫…」
都内の自宅療養者は、23日時点で、2万5156人となっています。

●「緊急事態宣言」発出へ 「感染者はこれ以上増えてほしくない」北海道 8/24
新型コロナウイルスの感染拡大をうけ政府は、北海道などを「緊急事態宣言」の対象地域に追加する方向で検討しています。
自宅療養者の増加や妊婦の感染が増える中、新型コロナに感染した妊婦を受け入れ治療する医師が危機感を語りました。
北海道大学病院 馬詰武医師「通常の患者であればその呼吸状態をよくすることだけ考えればいいが、妊婦の場合は体の酸素濃度が少なくなってくると赤ちゃんが危なくなる」
妊婦の感染拡大に危機感を示す北海道大学病院の産科医馬詰武医師です。7月末知事が表敬した北大病院では新型コロナに感染した札幌圏の妊婦を受け入れています。医療の逼迫とともに母子ともに管理するという高度な医療が必要とされるため全国で感染した妊婦の受け入れが課題となっています。
馬詰武医師「いまの感染状況であれば受け入れ状態は十分機能している。東京や千葉みたいに感染者が増えはじめたときに、一般の妊婦の胎児治療をしたいので感染者はこれ以上増えてほしくない」
政府は、緊急事態宣言の発出を要請した北海道などについて対象地域に追加する方向で検討しています。北海道に宣言が発出されれば去年4月から5月、ことし5月から6月に続いて3回目となります。道民からは発出のタイミングについて憤りや不満の声も聞かれました。
札幌市民「遅いと思います。これだけ(感染拡大に)なってから出してもみんなが協力してくれるかどうか」
苫小牧市民「5月もゴールデンウイークあとに出した。今回もお盆のあと。出すタイミングを間違えている気がする」
宣言が発出されれば飲食店への休業要請など強い措置が求められます。政府は、25日専門家にはかったうえで対策本部を開き、緊急事態宣言の対象地域拡大を正式決定する見通しです。

●学校での感染急速に拡大 夏休み明け…"学級閉鎖" 札幌市で21校に 8/24
札幌市内で学校での感染拡大が続いています。夏休み明けの学級閉鎖は札幌市内で21校。歯止めがかからない感染に政府は北海道に3度目の緊急事態宣言を適用する方針で8月25日にも正式決定する見通しです。
全国的に感染拡大が続く新型コロナウイルス。政府は緊急事態宣言に新たに北海道と愛知県など東海3県を加える方向で調整を進めていて、8月25日にも正式決定する方針です。
2020年4月と2021年5月に続き、3回目の緊急事態宣言の適用を札幌市民はどう受け止めているでしょうか?
札幌市民「感染者数が増えているので妥当だと思う」「(期間が)短すぎるし、3回目だし。(対策が)同じでメリハリがない」飲食店の従業員「夜のススキノはサラリーマンが減った。私も首を切られるのではとヒヤヒヤしている」
北海道内では8月24日、新型コロナウイルスで1人の死亡と、新たに札幌220人、旭川市60人など計426人の感染が確認されました。
このうち、札幌市では手稲西小学校など計8校の小学校で児童の感染が確認され、学級閉鎖となりました。
市内の小学校では18日に新学期が始まって以降、8月24日までに21校で児童と教職員計22人が感染しています。感染の波は学びの場にも急速に拡大しています。

●函館で感染急拡大 市長“札幌圏や首都圏との往来控えて” 8/24
函館市の工藤寿樹市長は24日会見を開き、市内で新型コロナウイルスの感染拡大が急速に進んでいるとして、「札幌圏や首都圏との往来は仕事も含めてできる限り控えてほしい」とあらためて呼びかけました。
記者会見で工藤市長は、先月25日から24日までの1か月間の感染者数が356人に上り、今月の感染者数はこれまでで最も多くなることを明らかにしました。
年代別にみますと、20代が98人と最も多く、次いで40代が57人、10代が51人、30代が46人となっていて、若い世代を中心に感染が拡大しています。
感染の要因別では、帰省や旅行などでほかの地域との往来によって感染した人が146人と全体の4割余りを占め、次いで施設や職場での感染が77人、家庭内感染が58人などとなっています。
一方で、市内での感染拡大の発端はほかの地域との往来によるものがほとんどだとして、工藤市長は「感染が拡大している札幌圏や首都圏との往来は仕事も含めてできる限り控えてほしい。同居家族以外との食事も今の時期は控えてもらいたい」と呼びかけています。
また、政府が緊急事態宣言の対象地域を拡大するか検討していることについて、工藤市長は「宣言が発令された場合にどのような制限や要請があるのか、まだ分かっていない。国や道の状況を注視し、詳細が判明したあとに判断したい」と述べました。

●8月のコロナ感染者、初の千人超 青森県内 8/24
青森県は24日、県内で新たに81人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。単月として過去最多となっている8月の感染者は同日現在で1010人と、初めて千人を超えた。感染確認累計3708人のおよそ3割を占める。県健康福祉部の古川朋弘次長は記者会見で「全県的に新規陽性者が確認されており、今後も予断を許さない状況」と危機感を示した。同日は八戸市で2件、弘前保健所管内で1件のクラスター(感染者集団)が判明した。
これまで月別で最多だったのは5月の776人。8月は、帰省などで人の流れが増えたことや、感染力が強いデルタ株とみられるL452R変異株への置き換わりにより、5月を大きく上回るペースで感染が拡大している。
24日の感染者81人は、3月31日公表分と並び過去3番目の多さ。このうち35人の感染経路が分かっていない。
新規感染者を居住地別にみると、八戸市が32人と最も多く、続いて弘前管内18人、青森市12人など。このほか、青森県以外の東北地方、関東、中部から来県した9人の陽性が判明した。
発表済みのクラスターでは、八戸学院大学男子サッカー部で20代部員1人の感染が判明し、感染者は計8人となった。20日発表の八戸市の教育保育施設クラスターでは、関連して30代男性の感染が分かり、全体の感染者は計19人となった。約80人の検査が終了し、約70人が結果待ちとなっている。
入院者数は110人と前日より3人減った。病床使用率は36.4%で、病床の逼迫(ひっぱく)度合いを示す国の指標ではステージ3(感染急増)相当が続いている。

●受診せず感染拡大するケースも「症状出たら相談を」 新潟県 8/24
24日、新潟県内で新たに新型コロナ感染が発表されたのは新潟市で44人、長岡市で14人、五泉市で8人など、合わせて113人で、火曜日としては過去最多となります。
1日の新規感染者数が100人を超えるのは3日ぶりです。このうち県外との往来があったのは19人で、現時点で35人の感染経路が分かっていません。年代別では40代が24人と最も多く、次いで30代が23人。50代以下が約9割を占めています。
県は、せきや発熱などの症状が出ている人が、すぐに医療機関を受診せずに感染を広げているケースがあるとして、早めの相談や受診を呼びかけています。
県感染症対策・薬務課 星名秋彦 課長「長い人は発症から1週間〜10日たってから受診している。新型コロナ受診相談センターは毎日24時間やっていて、土日も診ていただける所を案内するので、速やかな受診・相談をお願いしたい」
一方でワクチン接種の加速へ、新潟市では24日から50代の集団接種が始まりました。
新潟市保健衛生部 野島晶子 部長「ワクチン接種が順調に進んでいき、それが感染者数の(減少に)影響が出てくることを期待している」
また、県は30日に県内で初めてアストラゼネカ社製のワクチン接種センターを長岡市に設置すると発表しました。40歳以上の人などを対象に500人分の接種を予定しています。

●大阪新型コロナ2368人の感染確認 命を守ることを一番に… 8/24
大阪府は24日、新たに2368人が新型コロナウイルスに感染、5人が亡くなったと発表しました。また東京パラリンピックが開幕する東京都では4220人の感染が、兵庫県では新たに1079人の感染が確認されました。
新型コロナウイルスの従業員のクラスター発生で、臨時休業していた阪急百貨店うめだ本店1階売り場の営業が再開されました。営業を再開したのは1階にあるアクセサリーと雑貨売り場です。この売り場と地下1階の食品売り場では新型コロナの従業員のクラスターが発生したため、8月17日から臨時休業していましたが、PCR検査で陰性が確認できた従業員で1階のみ再開するということです。
訪れた客は「逆に、すいていると思ったから来た」「1階も寄らずどこにも寄らず、化粧品売り場の2階だけ寄ってパッと出た」
新型コロナ感染拡大を受け、寝屋川市の小学校ではオンライン授業が行われています。寝屋川市の36の小・中学校では23日から2学期が始まりましたが、子供への感染が広がっていることを受け、8月27日まで登校を見合わせ、一斉にオンラインでの授業に切り替えました。小学校教諭「命を守ることを一番に。でも子どもの学びは止めずにできることをやっていきたい」 8月30日から、登校を再開する予定です。

●新型コロナ感染急拡大 関西各地 学校の対応は 8/24
大阪府内一部自治体でオンライン授業
新型コロナウイルスの感染の急拡大を受け、大阪府内の一部の自治体で小中学校の夏休みを延長したり、休み明けの授業をオンラインに切り替えたりするなど対応に追われています。
大阪・寝屋川市は、夏休み明けの23日から今月27日まで、あわせて36ある市立の小中学校で児童生徒の登校を見合わせる措置を取り、授業をオンラインに切り替えました。
このうち市立堀溝小学校では、担任の教諭がビデオ会議システムを使って授業を行い、5年生の2クラスあわせて47人の児童たちは自宅で国語の授業を受けていました。
教室では教諭がモニター越しに児童の意見を聞いたり、出された意見を黒板に書いて整理したりしていました。
担任の沖原総太 教諭は、「子どもたちに会えないのはとても残念ですが、命を守ることがいちばん大切で、オンラインでも子どもたちが楽しんで学べる方法を今後も工夫していきたい」と話していました。
大阪府内では、ほかにも吹田市が市立の小中学校の夏休みを1週間延長するなど、感染が急拡大する中、各自治体が対応に追われています。
大阪府内の小中学校 夏休み延長や分散登校も
大阪府内では新型コロナウイルスの感染拡大を受けて小中学校の夏休みを延長したり分散登校を決めたりするなど、休み明けの学校での対応を急きょ変更する動きが出ています。
このうち吹田市は市内で急激に感染が広がっていることから、24日までとなっていた小中学校の夏休みを延長しました。
延長期間は7日間で、来月1日に始業式を行う予定だということです。
吹田市では昨年度、児童や生徒にタブレット端末やパソコンを配備していてオンライン学習や生徒の健康状態の確認に活用できるよう準備を進めるとのことです。
また、茨木市の小中学校では25日始業式を行ったあと、26日から緊急事態宣言期間の来月12日まで、児童や生徒を2つのグループに分けて1日交替で分散登校することを決めました。
授業のカリキュラムには大きな影響はないということで、登校しないグループも配備されている端末でホームルームの時間などにオンラインミーティングを行うということです。
一方、大阪市などは予定どおり25日から小中学校の2学期を始めることにしていて一斉休校などの措置は行わないとしています。
和歌山 県立学校の夏休み8月末まで延長
和歌山県教育委員会は、新型コロナウイルスの感染が急拡大しているとして、夏休みの期間を今月末まで延長することを決めました。
和歌山県では24日の新型コロナウイルスの感染者が過去最多にならぶ90人となるなど感染が急拡大していて、なかでも子どもの感染が増加しています。
このため、和歌山県教育委員会は県立の高校や中学校、それに特別支援学校のあわせて37校について、2学期の開始を遅らせ、夏休みを今月末まで延長することを決めました。
また、来月からは、学年ごとに登校日や登校時間を変える分散登校やオンライン学習などを導入し、授業を進める予定だということです。
和歌山県内では、和歌山市と岩出市それに紀の川市でもすべての公立の小中学校が夏休みを今月末まで延長したほか、由良町の小中学校は今月29日まで夏休みを延長することを決めています。
奈良市と生駒市 小中学校授業 当面短縮へ
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、奈良市と奈良県生駒市は、25日から始まる小中学校の2学期について対面での授業は当面、午前中だけに短縮することを決めました。
奈良県内では、多くの公立の小中学校で25日から2学期が始まりますが、新型コロナの感染が急拡大する中、奈良市教育委員会は、来月3日までは午後の授業を行わず、午前中だけに短縮することを決めました。
中学校の部活動は原則、来月3日まで中止し、午後は、オンラインを活用して学習支援を行うということです。
また、生駒市も、来月12日まで学校での授業は午前中だけとし、来月1日からは、午後はオンラインで授業を行うとしています。
小紫市長は会見で、「保護者から学校を通常どおり再開することに不安の声が来ている。ひとまずは午前のみ登校し、給食は食べずに帰るのが妥当ではないか」と述べました。

●和歌山県 感染急拡大でコロナ宿泊療養 9月から開始へ  8/24
和歌山県は、新型コロナウイルスの感染が急拡大し、医療提供体制の維持が難しくなっているとして、感染者全員を入院させるこれまでの方針を改め、来月からホテルでの宿泊療養を導入することを決めました。
これは和歌山県の仁坂知事が24日の記者会見で明らかにしました。
和歌山県はこれまで新型コロナウイルスの感染者を、原則、全員入院させてきましたが、急速な感染拡大で病床使用率が90%を超え、医療提供体制の維持が難しくなってきています。
仁坂知事は会見で、「これまでの入院率100%は無理かなというところまで追い込まれている。やむをえないが症状が悪化しないと思われる患者さんには、ホテルに移ってもらう」と述べ、来月1日から宿泊療養を始めることを明らかにしました。
具体的には和歌山市のホテル「東横INN JR和歌山駅東口」に151室を確保し、看護師を常駐させたうえで、新規の感染者で無症状や軽症の人を受け入れるほか、病院に入院している人も、発症後5日から7日がたち、無症状や軽症の場合は、医師の判断でホテルに移ってもらうということです。

●新型コロナ若年層の感染拡大で2学期にも影響 学校現場 鳥取・岩美町 8/24
山陰両県の小中学校や高校は、順次2学期がスタートしています。若年層で目立つ感染確認に、学校現場はこれまでにない感染対策を迫られています。
岩美北小・大塩晋校長「2学期も新型コロナウイルスの感染防止を続けていく学期にしましょう」
ここは鳥取県岩美町にある岩美北小学校。1か月余りの夏休みが終わり、24日から2学期です。新型コロナ対策として始業式はリモートで実施。約200人の児童が各教室で、校長先生の言葉に耳を傾けました。
全国的な感染急拡大の時期に重なった今年の夏休み。どう過ごしたでしょうか? 6年の児童に聞きました。
児童「コロナのためあまり外に出ずに家で過ごしていた」「近くの浦富海岸などで遊んだ。コロナが流行っていて遠くに行くと危ないので」
デルタ株が大きく関係している今回の第5波では、若年層の感染が増えています。鳥取県内でもこのところ50代以下が感染者全体の8割を占め、10代以下も2割近くに達しています。学校現場はこれまでにない対策を迫られています。こちらの小学校で2学期から取られている対策の一例。3列に並んだ水道の蛇口、真ん中の蛇口には「歯磨きをするときはこの蛇口を使いません」という張り紙があります。
大塩晋校長「給食の後に子供たちが歯磨きをしてうがいをするのが密になる。一つとばして使ってもらう」
学校ではこの他、職員室にある電話について、使用する度に消毒する措置を始めました。
大塩晋校長「新たな対策があれば着実に進めていく。基本に立ち返り、やれることを確実に行い、子どもたちの健康と安全を守っていく」
学校生活はかつてないほどの不自由さを強いられています。

●小・中学校 新型コロナ感染拡大で夏休み延長や臨時休校の動き  8/24
緊急事態宣言が続く1都6県では、夏休みを延長し学校開始の時期を遅らせたり、オンライン授業を導入したりする自治体の動きが出ています。
東京 / 東京都内では、今週から来週にかけて、多くの小中学校で当初の予定どおり学校が始まりますが、調布、多摩、日野の3つの市が夏休みを延長して学校の開始を遅らせることを決めました。このうち調布市は、今月27日に始業式の予定でしたが、夏休みを10日間延長し、来月6日に学校を開始します。さらに学校開始後も、来月10日まではオンライン授業を実施することにしています。
神奈川 / 神奈川県内では横浜市、川崎市、相模原市、それに大和市が夏休み明けの臨時休校を決めたのに続き、南足柄市も小中学校の臨時休校を決めました。南足柄市では夏休み明けの今月30日から来月3日までを臨時休校とすることを決め、学校が再開したあとも来月10日までは午前授業とするほか、中学校の部活動については当面、原則として中止にします。
埼玉 / 埼玉県内では越谷市や三郷市など7つの市と町で、学校の開始時期を遅らせます。また、さいたま市では、今月26日から2学期が始まりますが、緊急事態宣言中は、登校するかどうかは自由として、自宅にいる子どもたちは授業をオンラインで受けられるということです。埼玉県は25日開かれる県の専門家会議で夏休み明けの学校での感染対策の方針について話し合い、市町村の各教育委員会に通知を出すことにしています。
千葉 / 千葉県内では富津市の小中学校2校が夏休み明けの臨時休校を決め、そのほか多くの小中学校では分散登校や短縮授業などの対応を検討しています。千葉県は県内の市町村の各教育委員会に対して児童・生徒の感染リスクを避ける取り組みを徹底するよう求める通知を出していて、各教育委員会は夏休み明けの対応について検討を進めています。
茨城 / 茨城県内では、境町が緊急事態宣言の期間中臨時休校にするほか、水戸市、牛久市、利根町が今月いっぱい臨時休校にすることがわかりました。一方、守谷市は当初の予定どおり、25日から授業を再開しますが、タブレット端末を使ってオンラインで授業を行うということです。
栃木 / 栃木県内ではさくら市と塩谷町は今月27日を臨時休校とし、始業日を今月30日に変更することを決めました。また、来月12日までの間、壬生町は子どもたちの登校を取りやめ、オンラインで授業を行うほか、佐野市は分散登校やオンライン授業を行うことにしています。
群馬 / 群馬県では夏休み明けに小中学校の休校を決めた自治体はありません。館林市と大泉町など6つの市町村が分散登校を実施するほか、太田市は、小学校は通常どおりですが中学校は分散とすることを24日決めました。
また、一部の自治体では授業時間を短縮するところもあるということです。

●パラリンピックの学校観戦、中止の動き相次ぐ 感染急拡大に懸念 8/24
新型コロナウイルス感染の急拡大が続く中、東京都内では、24日開幕の東京パラリンピックで実施される児童生徒向けの「学校連携観戦プログラム」について、参加を見送る自治体が相次いでいる。18日時点で8自治体が参加予定だったが、24日、江東区と江戸川区が中止を表明。墨田区は既に取りやめを決めており、感染状況次第では、今後さらに増える可能性もある。
中止の理由として、江戸川区は新型コロナの感染拡大や医療体制の逼迫(ひっぱく)を挙げ、「子どもたちにとって素晴らしい機会だと思い、直前まで検討を重ねたが中止に至った」。江東区は「子どもの安心安全を考慮した」としている。
一方、渋谷区は予定通り参加する方針。約9000人の子どもが観戦する方向で調整している。担当者は「これまで何年にもわたり、オリンピック・パラリンピック教育を実施してきた。観戦は子どもにとって大きな意義がある」と語る。杉並区は学校を通じ保護者の希望を確認中だが、担当者は「観戦したい子どもがいるなら機会を与えたい」と強調している。
プログラムは25日から9月5日までの予定で、希望する児童生徒に対し、都が会場での競技観戦の機会を提供する。都によると、24日午後3時時点で参加の意向を示しているのは新宿、渋谷、杉並、八王子4市区と都立学校6校で、最大約2万人が観戦予定。港区は「検討中」という。18日時点では8自治体と都立学校23校の最大約13万2000人が観戦予定だった。

●感染しないはずでは…コロナ第5波で子どもの感染急増 8/24
新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、かつては「あまり感染しない」「重症化の可能性も低い」とされていた、子どもたちの感染が増えています。夏休みも終わりの時期となり、2学期が始まると、さらに拡大する恐れがありそうです。子どもの感染増加の実情や感染防止策について、医療ジャーナリストの森まどかさんに聞きました。
Q.子どもたちの感染が増えているのは事実でしょうか。
森さん「“第5波”といわれる現在の流行では、10代と10歳未満での新規陽性者の数、割合がともに増えています。東京都の、これまで感染が拡大した時期のデータを比較すると、現在の流行では10代以下の増加傾向が明らかです。第1波のピークであった昨年4月、東京都で感染が確認された10代は1カ月で55人、平均すると1.8人/日でした。8月の第2波では9.9人/日、流行の波が大きかった今年1月の第3波でも70.5人/日、5月の第4波では47.5人/日でした。しかし、直近1カ月(7月21日から8月20日)では、10代の感染者の合計が9969人で、1日あたり321.6人になります。これは第3波の約4.6倍であり、全感染者における10代の割合も、8月10日から8月16日の報告では9.3%と、60代以上の5.9%より高くなっています。同じように10歳未満の数を比較すると、昨年4月の1カ月は1日あたり1.8人、昨年8月は5.3人/日、今年1月は36.1人/日、5月は26.2人/日でしたが、直近1カ月では5085人の感染が確認され、1日あたり164.0人、第3波の約4.5倍となります。10歳未満の感染者の割合も直近で5.0%、60代(3.2%)より高い割合です。このような10代以下の感染者の増加は東京都だけでなく、全国的に見られる傾向です。一方、10代以下の重症化はゼロではありませんが、まれです。東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議では、6月に10代の重症者が1人報告され、7月に基礎疾患のない10代未満で初めて重症者が報告され、8月に入り、10代の重症者が2人報告されました。7月に入ってからは20代、30代の若年層でも重症者が複数、継続的に報告され、高齢者に限らず、全世代で重症化リスクがあることに注意が呼び掛けられています。しかし、10代以下は感染者が急増しているものの、重症化の割合については現在のところ、これまでと大きな変化はないと言えます」
Q.「子どもは感染しにくい」と言われてきましたが、何が起きているのでしょうか。
森さん「現在の感染の主体となっている『デルタ株(L452R変異を持つ変異ウイルス)』の影響が考えられます。東京都では約9割がデルタ株に置き換わったと考えられていますし、全国的にデルタ株への置き換わりが急速に進んでいると指摘されています。デルタ株は感染力が強いことが分かっていて、最初に流行した新型コロナウイルス(従来株)の2倍程度、デルタ株の前に流行していた『アルファ株(N501Y変異を持つ変異ウイルス)』の1.5倍程度の感染力があると考えられています。アメリカ疾病対策センター(CDC)の報告では、従来株は1人の感染者から平均1.4〜3.5人くらいに感染させますが、デルタ株は1人から平均5〜9人に感染させる強さを持つことが示され、これは空気感染する水ぼうそうと同程度と考えられます。そのような感染力の強いデルタ株の感染は、同居する家族から子どもに感染するだけではなく、子どものコミュニティーで『子どもから子どもへも広がっている』と考えられています。感染が拡大している地域では、厳密な感染対策が難しい保育園や幼稚園、あるいは部活動や学校行事、塾、習い事などさまざまな場面において、速いスピードで広がるケースが見受けられ、クラスターも複数発生しています。さらに、子どもから親へ感染させるケースが増えた点も、これまでの流行と異なる特徴と考えられています。先述したように、重症化についてはまれであり、日本では現在、デルタ株の流行によって、子どもの重症者が増加しているという報告はありません。しかし、日本より流行規模が大きい海外の国では、子どもの重症化が増加しているという報告もあります。感染者が増加すれば、子どもの重症患者も当然増えると考えられるため、これ以上の感染拡大を防ぐことが非常に重要です」
Q.発熱した際など、子どもの場合はつい、風邪だと信じ込んでしまうケースもありそうです。新型コロナを疑うべきケースなどを教えてください。
森さん「これまで、『子どもは無症状の感染が多い』と報告されてきましたが、現在は、発熱をきっかけに新型コロナの診断に至るケースも多いようです。発熱以外の新型コロナの症状としては、せき、鼻水、下痢、おう吐、頭痛などが挙げられます。そのどれもが、コロナ以外でも子どもが起こしやすい症状であるため、親が判断することは難しいと思います。先述の通り、親の濃厚接触者となった子どもが感染するだけでなく、子どもから感染が始まることもあるため、発熱などの症状がある場合は親が自己判断せず、かかりつけの小児科に、まずは電話で相談することをおすすめします」
Q.首都圏を中心に医療体制が逼迫(ひっぱく)し、感染者の入院が難しくなっています。子どもが感染して自宅療養となった際の注意事項を教えてください。
森さん「子どもは多くが軽症であると報告されていますが、急な症状の変化を見逃さないために、自宅療養中の健康観察が大切です。国立成育医療研究センターはホームページ上で『意識がはっきりしない、機嫌が悪い、食欲が低下している、水分がとれない、顔色が悪い、息苦しそう、おう吐を繰り返すなどの場合は担当保健所、またはかかりつけ医に早めに相談してください』と観察のポイントをまとめています。また、東京iCDC専門家ボード(都の感染症対策について提言する専門家の会議)がまとめ、東京都が発行する『自宅療養者向けのハンドブック』では、家庭内感染を広げないためのポイントを8つ挙げています。
・感染者の世話をする人は限られた人にする
・感染者、世話をする人はお互いにマスクを付ける(ただし、2歳未満の子どものマスク着用は危険があるのでマスクはさせない)
・小まめに手を洗う
・日中はできるだけ換気をする
・よく触れる共用部分を掃除、消毒する
・汚れた衣服、リネンを洗濯する
・ごみは密閉して捨てる
以上です。子どもが小さい場合は、おむつを替えるときや体を拭くときなどに、マスクに加えて、1回ずつ交換しやすい使い切りなどの手袋やエプロンを着用することも感染対策の上で大切です」
Q.夏休み明け、学校が始まった際に注意すべき点を教えてください。
森さん「集団生活のため、感染の機会が増えます。マスクの着用、手洗いや消毒、教室の換気、体調が悪いときは登校しないなどの基本的な感染対策とともに、授業以外の幾つかの場面で特に注意が必要なことがあります。給食やお弁当を食べる時間は、向き合って座らないことや会話を控えること(黙食)、体育の授業や部活動のとき、特に更衣室や部室などの狭い空間で『密』になって、会話しながら着替えないことなど、行動には十分注意してください。学童保育や習い事、塾などでも同様の注意が必要です。緊急事態宣言地域で、子どもの感染増加を目の当たりにしている小児科の医師を取材すると『中高校生は仲間と一緒のときは顎マスクが多いように見受けられます。子どもが危機意識を持つのはなかなか難しいかもしれませんが、現在の感染状況で飛沫(ひまつ)が飛び交う会話は危険極まりない。どうか、不織布マスクの正しい着用(鼻、口、顎をしっかり覆う)と、ソーシャルディスタンスの徹底を意識してほしい』と、子どもたちに感染対策を徹底することの大切さを伝えたいと訴えていました。そして、『リスクとベネフィットを考えた場合、やはり、ワクチンの効果はあるので、12歳から15歳も積極的に接種を検討してほしい』とも話しています」

●緊急事態宣言だけではダメ…日本国民の73%が「ロックダウンすべき」 8/24
日本で新型コロナの陽性判定を診断された人が急増する中、日本国民の10人に7人が“ロックダウン(都市封鎖)”すべきだと考えていることが分かった。一部の政治家が「ロックダウンなしでも日本はうまくやれる」と主張したこととは相反する民心だ。
24日付の産経新聞は、フジニュースネットワーク(FNN)と21〜22日に日本の有権者に対して実施した世論調査の結果を発表した。73.6%は感染拡大を防ぐために外出を制限するロックダウンができるように法を整備すべきだと答えた。ロックダウンの根拠を作るための法律は必要ないという意見は22.3%に止まった。
ロックダウンをしなくても日本が新型コロナによく対応しているという一部政治家の主張が意味のないものになった調査結果だ。これに先立ち、麻生太郎副首相兼財務大臣は新型コロナの防疫において、日本が西欧社会よりも優れているという趣旨の主張を行って批評の対象になった。日本は感染拡散を防ぐために住民の外出を禁止したり強制的に都市封鎖をしなくても死亡者数が西欧に比べて少ないというのが麻生副総理の説明だ。
麻生副総理は新型コロナ拡散事態初期の昨年6月、外国から「あなたたちだけが(コロナ特効)薬を持っているのではないか、とよく電話がかかってくる。そんな人たちの質問に対して"あなたの国と日本は民度のレベルが違うと言えば、みんな口をつぐむ」と参議院財政金融委員会に出席した場で発言したりもした。
日本政府の自信にもかかわらず、有権者は政府の防疫措置を信じられないでいる。昨年から4回発令されている緊急事態宣言にも関わらず、新型コロナ拡散の勢いが収まらないためだ。回答者の80%以上は日本政府が実施した緊急事態宣言は効果がないと答えた。最近、日本国内の緊急事態宣言発令地域を拡大し、期限を来月12日まで延長したことについても70%以上は「効果がない」と答えた。
日本における新型コロナ感染者が20日に2万5871人発生し、過去最多を記録した。前日には感染者が1万6841人に減ったが、16日から23日にかけて、陽性判定者が15万9511人増加した。これは2か月前の6月23日基準の1週間における新規感染者(1万79人)の約15.8倍の水準だ。この発生者数に関しても、検査を十分に行っておらず、感染状況を十分に示していないという指摘が出ている。
日本政府は緊急事態宣言の対象地域を拡大する必要があるかを検討中だ。菅義偉首相はこの日、西村康稔経済再生大臣や田村憲久厚生労働大臣ら関係閣僚と議論し、25日の専門家分科会に助言を求め、緊急事態宣言対象地域の拡大および延長を正式に決定する方針だ。

●「親子より子ども同士の隔離難しい」子ども感染拡大 8/24
いま、デルタ株の流行で、子どもたちにも感染が広がっています。
都内にあるクリニックには、毎日のように発熱した子どもたちがやってきます。先月中旬以降、このクリニックで検査した子どもの中から23人の陽性がわかったといいます。
たむら医院・田村剛院長「7月中旬から、子どもの発熱が最初。そのあとに親にうつる症例が出てきた。間違いなくデルタ株の感染力。問題は、お父さん、お母さんにうつった際、重症化する可能性があること」
実際に親子で感染を経験した母親に話を聞きました。都内に住む女性の夫は単身赴任中で、10歳の長女と2歳の次女と住んでいます。8月上旬に女性と長女のコロナ感染がわかりました。次女は陰性でした。長女は無症状でしたが、女性は家事もできないくらい、強い倦怠感や息切れがあったといいます。
自身と長女が感染・二児の母親「自分が本当に調子が悪かったときは、子どものことまで、気が回っていないというのが正直なところ。私のスマホと子どものipadで、ビデオ通話で繋がれるので、私が下の部屋で寝ていて、『何かあったら電話してきて』『カメラ越しで確認できるようにしようね』みたいなのは事前に話していた」
気がかりなのは、コロナに感染していない次女のことです。
自身と長女が感染・二児の母親「常に2人ペアでべったりくっついてるので、隔離は絶対無理かなと。これで症状が出てこないことを祈るのみという感じだった。上の子が下の子におやつを食べさせたりすることもあるし、親と子の隔離よりも、子ども同士の隔離の方がもっと難しい」
母子ともに、23日までに療養期間を終えたといいます。
しかし、感染した子どもが入院となれば、家族と離れて一人で過ごさなければなりません。神奈川県横須賀市の病院では、小学生の女の子が新型コロナに感染し、入院していました。入院から10日あまり。両親に会えない寂しさや不安は募るばかりです。
うわまち病院副管理者・宮本朋幸小児医療センター長「小児病棟も例外ではなくて、入院したら親の面会ができないので“オンライン面会”とか、そういうのを利用して、面会の機会を提供しているというのが現在。ストレスや心理的負担もあるから、それを緩和できるような診療と看護を提供する」
女の子は退院。12日ぶりに母親の元へ帰ることができました。
うわまち病院副管理者・宮本朋幸小児医療センター長「感染が増えれば増えるほど、今度は子どもたちの中での重症が表れてくるのではないか。いま大人の入院調整も難しい状態なので、こういう状態が子どもたちで起こらないとも限らないというのが、いま危惧すること」
感染力の強いデルタ株の流行に伴い、20歳未満の感染者数は、たった1カ月で6倍以上に急増しています。
コロナから子どもを守るためにどうしたらいいのか。各地の学校では、模索しながら夏休み明けの初日を迎えています。緊急事態宣言が出されている茨城県内の中学校では生徒を登校させず、オンラインでの授業を来月10日まで行うことにしました。先週、政府は感染者をすぐに発見するため、幼稚園や小中学校に抗原検査キットを配布する方針を打ち出しました。
守谷中学校・小池義寿校長「正直なところ、我々、現場のところまで具体的な情報が伝わってきていない。懸念材料として検査キットによって、何かしら生徒の心理的な負担だったり、学校生活でトラブルの引き金になってしまうようなことは避けるべき。命と健康は何事にも代えがたい。何がベストなのか。これは大事に、慎重に判断し、決断しなければならない」
“夏休み延長”を決めた自治体もあります。東京都調布市は26日までだった夏休みを、来月5日まで延長すると決めました。新学期スタートのわずか4日前の決断です。調布市では、すでに12歳〜18歳までのワクチン接種が始まっています。39.1パーセントが1回目を終えたといいます。
 
 

 

●新型コロナ 茨城で新たに247人感染 障害児入所施設で拡大 茨城県 8/25
茨城県と水戸市は24日、県内で新型コロナウイルス感染者が新たに計247人確認されたと発表した。前週の同じ曜日(260人)とほぼ同じ規模で感染者の累計は1万8867人となった。
県によると、新規感染者のうち103人が経路不明。直近7日間を平均した1日当たりの新規感染者数は317・1人で、前週比119・2%。
クラスター(感染者集団)が発生したつくば市内の障害児入所施設では、新たに入所者2人が感染し、施設内の陽性者は計38人に拡大。つくば市内と日立市内の事業所では陽性者がそれぞれ計8人に増えた。
ほかに、24日までに確認された感染者のうち新たに141人がL452R変異株陽性と判明。累計は2825人となった。また、感染者のうち新たに279人が回復し、県内の退院・退所などは計1万5912人となった。

●魚津市が食料無料配達 入院調整中、自宅療養中のコロナ感染者 8/25
魚津市は24日、新型コロナウイルスの感染者で入院調整中や自宅療養中の市民を対象に、食料品を自宅まで無料配達する取り組みを始めた。市内では8月に入って感染が急拡大したことで富山労災病院(同市)のコロナ対応病床はひっ迫し、入院できない市民もいることから感染者の不安と不便の解消につなげる。市によると、自宅待機者への支援は富山県内初とみられる。
魚津市では8月に入ってから2、3日を除いて毎日感染者が報告され、24日までに98人の感染を確認。人口10万人当たりの新規感染者数は県内上位となるなど歯止めがかかっていない。市などによると、18日時点で15人の市民が入院調整中または自宅療養中で、同日には市と富山労災病院が連名で病床がひっ迫している現状を伝え、感染対策を徹底するよう呼び掛けるメッセージを出した。しかし、同病院に設けられたコロナ病床15床は余裕がない状況で、県の発表によると、市内の軽症者は入院できない状態が続いている。
全国的には、感染が拡大している東京や大阪などで食料の配布が行われていることから、市として自宅待機者を支援しようと、食料を配達することにした。
対象者は、自宅待機者の中で、独居や家族全員が感染するなど食料調達が困難な市民。配達するのはパックご飯やレトルト食品、菓子パンなどすぐに食べることのできる20点の詰め合わせで、1〜2人世帯は1箱、3人以上の世帯は2箱まで注文できる。
希望者が市社会福祉課に午前8時半〜正午までに申し込めば、午後には職員が玄関先に届ける。実施期間は当面の間で、事業費は当初予算の流用で対応する。
初日の24日は、要望があった2世帯に市職員が3箱を届けた。今後、県厚生センターが感染者に対して実施している健康観察に合わせて制度を周知してもらい利用促進を図る。市社会福祉課の田中明子課長は「食料を提供することで、県厚生センターの健康管理と合わせて不安を取り除いていきたい」と話した。

●濃厚接触者に連絡「感染者がして」 保健所、業務逼迫で 愛知県 8/25
新型コロナウイルスが感染急拡大する愛知県で保健所業務が逼迫(ひっぱく)し、濃厚接触者への調査や連絡が追いつかない状態になっている。自宅待機を求める連絡を、感染者からしてもらうよう依頼している。県担当者は「人的に限界。そこに頼らざるを得ない」とする。
これまで感染者が出たら、保健所が健康状況や行動歴、接触者の有無を聞き取り、濃厚接触者にも連絡、健康状態を確認し、検査や2週間の自宅待機を求めることで感染拡大を防いできた。
県によると、今月半ばから県管轄保健所の半数近くから「対応できない」との声が寄せられるようになった。県内は、今月中旬に1日の感染者が500人を超え、18日からは連日1千人超えが続く。自宅療養者は8919人(23日現在)に達している。
感染者への聞き取り調査は1人おおむね2〜3時間が必要。感染者1人に対する濃厚接触者は4〜5人出てくるといい、県担当者は「感染者の4〜5倍の時間を調査の電話に費やすことになり1日24時間では足りない状況」と打ち明ける。
こうした感染爆発の事態を想定した国立感染症研究所の要領に基づき、県は濃厚接触者に優先順位をつけて連絡、調査するよう逼迫する保健所に伝えている。感染者への聞き取りで、(1)高齢者や基礎疾患があるなど重症化リスクがある人に波及する恐れがある(2)接待を伴う飲食店など感染拡大しやすい状況にあった、という濃厚接触者には保健所が連絡を取る。同居家族内の感染も一度の連絡で調査が済むため、保健所が対応している。
これに当てはまらない場合、例えば会社内で感染拡大している場合は、企業に濃厚接触者への連絡や調査を委ねるケースもある。
また、若者同士のバーベキューや仲間うちでの会食、飲み会、県外から「愛知県に濃厚接触者がいる」と連絡を受けたような濃厚接触者は、「地域によっては保健所から連絡はまずできていない」としている。
この場合、感染が判明した人から濃厚接触者に連絡してもらい、自宅待機を求めるよう伝えている。感染者が連絡しなければ、濃厚接触者が自ら知らないまま日常生活を送る恐れもある。県担当者は「性善説で信じるしかない。体調に異変が出たら、自分で検査を受けてもらうしかない」とする。 

●夏休み延長、分散登校も コロナ拡大で不安広がる 8/25
新型コロナウイルスの感染急拡大が収まらない中、夏休み明けの学校再開に向け、全国の自治体が対応に苦慮している。政府は全国一斉の休校は要請せず、自治体に対応を委ねる意向。一方で子どもを通じて家庭に感染が広がる懸念もあり、夏休みの延長や分散登校を決める自治体も出ている。
新学期の対応について、萩生田光一文部科学相は20日、「地域の事情に合わせて判断を変えていくということで、国としての一斉休校は行わない」と説明。そのため自治体の判断が分かれている。
札幌市では予定通り、23日から中学校の2学期が始まった。一方、東京都は現時点で一斉休校は求めず、状況に応じて時差登校や短縮授業の検討を要請する通知を出した。大阪府も一斉休校はしないが、修学旅行を原則延期したほか、部活動の一部を中止に。愛知県も修学旅行の休止を検討するなど、行事を見直す動きは広がっている。
一方、横浜市は市内の小中学校など約500校を対象に、26日までの夏休みを延長し31日まで臨時休校にした。市教委の担当者は「感染状況が厳しく、保護者から再開を不安視する声も寄せられた」と明かす。神奈川県内では川崎、相模原両市も小中学校の8月末までの休校を決定。東京都調布市は小中学校を9月5日まで休校にした。
分散登校に踏み切るケースも多い。群馬県の県立学校では2学期の始業式から9月12日まで、生徒らを分けて交代で登校。熊本市では小中学校について、オンライン授業と登校日を学年ごとに分ける方式を1日から10日まで導入する。
岐阜県では、県立高校の2学期の授業を当面オンラインで実施。県教委の担当者は「高校は通学エリアが広く、感染リスクが小中学校より高い」と説明している。大阪府寝屋川市も夏休み明けの登校を見合わせ、小中学校は8月27日までオンライン授業としている。
政府は学校での感染防止対策として小中学校に抗原検査の簡易キットを配布する方針。教職員のワクチン接種も促すが、10代以下の子どもの感染も急増する中、自治体からは「看過できない状況になれば一斉休校も判断としてあり得る」(吉村洋文大阪府知事)との声が出ている。

●8道県へ緊急事態宣言拡大、政府が分科会に提示…まん延防止は4県追加  8/25
政府は25日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、北海道、宮城、岐阜、愛知、三重、滋賀、岡山、広島の8道県に緊急事態宣言を発令する案を専門家でつくる基本的対処方針分科会に示した。
政府案では、宣言に準じた「まん延防止等重点措置」を高知、佐賀、宮崎、長崎の4県に追加する。期間はいずれも27日から9月12日まで。政府案が正式決定されれば、宣言は発令中の東京都などを含めて21都道府県、重点措置は12県に拡大する。

●コロナに打つ手はある! 夜間ロックダウンで「感染者9割減」の試算 8/25
新型コロナウイルスの感染拡大に打つ手なしの菅義偉首相。限定的でもロックダウンを視野に入れてよさそうだが、二つの選挙を見据えた菅首相にはその選択は無理なようだ。
「30代、40代の患者に『最悪のケースを覚悟してください』と言うのは本当につらい」
こう話すのは、首都圏を中心に在宅医療クリニックを運営する悠翔会の佐々木淳医師だ。
従来株に比べて感染力が強いデルタ株は、若い世代でも重症化するケースが増えている。佐々木医師が続ける。
「自宅療養をしている人の診療に行くと、酸素飽和度が90%を切っている人がいる。本来なら即入院ですが、ベッドに空きがない。酸素を吸入し、炎症を防ぐためのステロイド剤を投入しても病状が悪化する人がいる」
9万6709人。これは厚生労働省が8月20日に発表した新型コロナウイルス感染で自宅療養をしている人の数だ(18日午前0時時点)。前週から2万2646人の増加で、10万人を突破するのは時間の問題だ。
「今の東京は、表向きは平和に見えます。しかし、実態は新型コロナで適切な医療を受けられない人がたくさんいる。感染爆発という“がれき”の下に、何万人もの人が埋もれている状態です」(佐々木医師)
千葉県柏市では、新型コロナに感染した30代の妊婦が、体調が急変したため入院先を探したが、計9カ所の医療機関に満床などを理由に断られ、入院先がみつからないまま自宅で出産し、新生児が亡くなった。
20日には全国知事会がオンライン会議を開き、「緊急事態宣言で効果を見いだせないことが明白」と指摘。増え続ける感染者を抑えるため、ロックダウン(都市封鎖)のような人流を減らす対策の実施を政府に求めることで一致した。
だが、菅義偉首相はロックダウンに否定的だ。官邸関係者はこう話す。
「ロックダウンは経済への影響が大きいわりに、感染者数を抑える効果は少ない。菅首相はそう考えている。選挙を前に、私権制限に慎重な公明党への配慮もある。ロックダウンは副作用が大きく、補償金が莫大(ばくだい)になることも消極的な理由でしょう」
そのことを象徴するような場面もあった。菅首相は感染抑制のためのロックダウンについて記者から聞かれると、右手の拳を握って「世界でロックダウンをする、外出禁止に罰金かけてもなかなか守ることができなかったじゃないですか」と語気を強めた。ニュージーランドなど、ロックダウンで感染を抑えた国はたくさんある。しかし、そのことには触れることはなかった。
24日には東京パラリンピックが開幕。大会関係者はこう話す。
「オリンピックが閉幕しても、その約2週間後に始まるパラリンピックでは感染者が急増するのは最初からわかっていた。なのに政府は抜本的な対策を何もしていない。最悪の状況での大会になってしまった」
だが、感染爆発が現実のものになった今の状況でも、やれることはまだある。そんな可能性を示す研究もある。
筑波大の倉橋節也教授(社会シミュレーション学)は、限定的なロックダウンをした場合、東京都の15歳以上の感染者数と重症者数の推移について、AI(人工知能)を使って予測した。
試算では、8月13日19時時点の東京都内の主要繁華街の滞留人口を基準にして、人出がどの程度減ったら感染者数が抑制されるかをシミュレーションした。
その結果は驚くべきものだ。滞留人口が減らない場合、東京都の新規感染者は10月1日に約1万5千人になり、ピークとなる12月1日の2万8636人まで増え続ける。一方、滞留人口を4割減らすと10月1日には1500人以下まで減少。その後は同程度の水準で推移していく。10月1日時点で約10倍の差が出ることになる。倉橋教授は言う。
「過去のデータを見ても、昼間の滞留人口は感染者数の増減に大きな影響を与えません。会社内では、マスクや消毒などの感染対策が徹底されているからだと思われます。一方、19時時点の滞留人口を少し減らすだけで、感染者数の増減に大きな変化があることがわかりました」
このように、地域や時間を限定したロックダウンは世界で実施されている。倉橋教授は続ける。
「感染抑制に成功している台湾でも、感染が確認された地域や業種にピンポイントで厳格な警戒措置を実施して成果をあげています。日本でも副作用の少ない形でのロックダウンは可能でしょう」
問題は、実際にどのようにして人の移動を減らすかだ。これまで繰り返されてきた緊急事態宣言で、国民に「自粛」を促しても効果が薄れているからだ。
感染症法や新型インフルエンザ等対策特別措置法では、個人に罰則付きの行動制限を課すことはできない。だからといって、何もできないわけではない。災害時の法律運用に詳しい津久井進弁護士は言う。
「台風上陸が予想されると、鉄道会社は計画運休をします。それと同様に、新型コロナを災害ととらえ、電車を3日程度運休すれば人の動きを抑えることは可能です」
津久井氏は、短期集中型のロックダウンを主張する。
「今の緊急事態宣言は、終わりが見えず、ダラダラと続けている。それよりも短期集中でピンポイントで実施したほうが負の影響は抑えられる。政府は、今の状況が災害であると認識して、即効性のある対策をしていくべきです」
与党内には、ロックダウンには憲法改正をして緊急事態条項を入れる必要があるという意見もある。国民民主党の会派に所属する高井崇志衆院議員は、それに対してこう反論する。
「東京電力福島第一原発事故では、原子力災害対策特別措置法によって、周辺の住民は今でも帰宅が許されていません。現行憲法でも、生命の安全に関わることは一定程度の私権制限は認められています。ロックダウンも現行憲法で可能で、補償と罰則をセットにした法律を与野党が協力してすぐにつくるべきです」
だが、菅首相は野党が求めている臨時国会の開会を拒否し続けている。そこには、コロナ対策の相次ぐ失敗で八方ふさがりになり、政治的に窮地に立たされてしまった菅首相の苦境がある。
9月5日にパラリンピックが閉会した後、菅首相は9月末に自民党総裁としての任期満了を迎える。それまでに党総裁選を実施し、11月までに総選挙もしなければならない。総裁選をめぐっては、下村博文政調会長や高市早苗前総務相らが出馬の意向を表明し、政局含みだ。自民党関係者は「このまま菅首相を衆院選の『顔』にするのか。いつ菅おろしが始まってもおかしくない」と話す。
一方、石破茂元幹事長や小泉進次郎環境相が早々と菅続投支持を表明するなど、総裁選を無投票で乗り切ろうとする動きも見え隠れする。
西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)は言う。「デルタ株は子供も発症し、家庭内感染を防ぐことは難しい。にもかかわらず、小中学生らにパラリンピックを観戦させようとしている。菅首相の政治的判断の失敗のために子供たちを犠牲にしていいのか。国民に約束した『安全・安心』の大会開催は失敗しました」

●自民・岸田氏 コロナ禍の経済は“株主資本主義”を改め「より分配を意識」 8/25
自民党総裁選の日程が26日に決まる。無投票を求める声もあるが、動きが注目される岸田文雄氏(64)に、総裁選への意欲や政策について聞いた。AERA 2021年8月30日号の記事を紹介する。
──政府の新型コロナウイルス対策は、どう考えていますか。
菅総理を中心に目に見えない敵との戦いに最善を尽くしていると思います。一方で国民の不安も広がっていることも事実です。よりしっかりと感染防止、経済対策を進めていかなければいけません。感染防止については、ワクチンの接種は大変有効ですし、その点については、菅総理も強いリーダーシップを発揮していると思います。
──対策が後手に回っているとの指摘があります。
しっかりと国民に説明し、国民に共感してもらい、国民に協力してもらわなければ、どの政策もうまくいきません。国民の協力につなげていくことに、より努力をしていくことが大事なのではないでしょうか。
──具体的な対策は。
ワクチンだけでなく、病床の拡大、新規感染者の拡大防止、治療薬の開発も力を入れなければいけません。その四つの切り口をバランスよく進め、具体的な進展を示していくことが国民の安心につなげていくために重要です。地域や業種にとらわれない、事業の規模や減収の規模を勘案した支援策が求められる。こういったものをパッケージとして示すことが大事です。
──6月に「新たな資本主義を創る議員連盟」を立ち上げました。
アベノミクスは日本の経済を成長させた大きな政策だったと思っています。ただ、現代の資本主義は子どもの貧困をはじめ格差の問題、分配の問題が大きな課題です。こうした格差によって消費が拡大しない、経済の好循環が完成しない。格差によって政治や社会が不安定になっていると指摘されてきました。そして新型コロナが追い打ちをかけ、格差を拡大させてしまった。これからまた経済を成長させることを考えた場合、分配についてもしっかり考えていかないと、ますます今の資本主義の問題点を大きくしてしまう。格差の問題に適切に対応することによって、社会の一体感をしっかり確保していく必要があると強く思っています。
──どんな政策を考えていますか。
民間における分配を考えた場合、株式会社のありようも考えなければいけません。新自由主義・市場原理主義のもとで、成長の果実は株主、あるいは経営者が独占することが正義であるかのようになっています。そうではなくて、従業員や地域、取引先など様々なステークホルダーに果実が分配される株式会社、資本主義を考えていく必要があります。税制においては、高所得者層と中間層、低所得者層の間で適切に分配が行われているのだろうか。所得が1億円を超えると税負担が下がる「1億円の壁」が指摘されてきました。住宅や教育の負担は中間層が最も大きいとの指摘もあります。欧米では、新築だけでなく賃貸や中古住宅の流通でも中間層を中心に支援しています。日本でもそうした切り口から支援することも考えられます。高等教育においても、(学費を所得に応じて後払いする)オーストラリアの「HECS(高等教育拠出金制度)」も導入したらどうか。
──アベノミクスでは、豊かな者が富めば貧しい者にも富が滴り落ちるという「トリクルダウン」が言われていました。
アベノミクスだけじゃなくて、小泉政権時代の新自由主義、経済対策が成長という意味では、大きな意味があったと思います。ただ、トリクルダウンは起きると言ったけれど、少なくとも今はまだ起きていない。新型コロナで格差が大きくなったんだから、より分配を意識しないといけません。
──自民党の長年の政策を変えるということですか。
いや、自民党は経済の成長をリードした点では大きな役割を果たしたと思います。分配するものもつくらずして分配と叫んでも、国民は誰もついてこなかったというのが今の野党のありようです。自民党が分配を言ってこそ、具体的な結果につながると信じています。
──「自助・共助・公助」を掲げる菅首相への対抗ですか。
菅さんとの対立軸ということで政策を考えていません。自助という考え方は大変重要な考え方だと思いますが、私たちはコロナ禍の中で改めて家族や仲間の協力や絆の大切さを痛感しました。お互いに助け合う社会、温かみのある社会、友情や協力の温かさを感じられるような社会もしっかり目指していかなければいけないと思っています。

●デルタ株「これまでと違うレベル」 盆明けで感染者増の懸念も 8/25
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は緊急事態宣言の対象地域に、愛知、広島など8道県を追加する。厚生労働省に新型コロナ対策を助言する専門家組織「アドバイザリーボード(AB)」は25日の会合で、全国の新規感染者数について「1カ月近く過去最大の水準を更新し続けている」とし、首都圏と比べてその他の地域の増加率が大きくなっていると分析。今後の見通しについて「お盆明けの社会活動の増加により、さらに感染者数が増加する可能性もある」と警鐘を鳴らす。
「感染力が高い(インド由来の)デルタ株がこれまでとは違うレベルのウイルスだという危機感を行政と市民が共有してほしい」。AB座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は会合後の記者会見でこう呼びかけ、市民が自分や家族を守るために外出をこれまでの半分以下に減らすよう求めた。
直近1週間(18〜24日)の人口10万人当たりの新規感染者数が、感染爆発を示す「ステージ4」(25人以上)の水準に達したのは44都道府県、100人以上となったのは17都府県だった。沖縄県は314人、東京都は233人と危機的な数だ。岩手、福島、石川、鳥取を除く43都道府県で、直近1週間の新規感染者数が前週(11〜17日)よりも増えていた。感染スピードが鈍化しているようにみえる沖縄、東京について「感染者数の急増や検査陽性率が上昇している状況では、実際の感染者数が過小に評価されている」との指摘もあった。
感染者の爆発的な増加に伴い、全国の重症者数は連日最多を更新。24日時点で1964人となり、死者の増加も懸念される。同研究所は会合で、これまで報告された死者数や中等症・重症者数から、24〜30日の死者数は1日当たり最大で全国45人、東京10人が見込まれるという予測を示した。
東京都医学総合研究所によると、東京の主要繁華街の夜間滞留人口は、盆明けのわずか1週間で6・2%も増えており、宣言前と比べても約3割減の水準にとどまっている。
ただ、夏休み明けの学校再開について、脇田座長は「デルタ株の流行であっても、流行を抑えるための休校や学校閉鎖は必要がない」と分析。感染対策は小中高校、大学で異なるとして、「大学ではなるべくリモート授業が必要という議論があった。部活や全国大会でもクラスター(感染者集団)が発生しており、感染状況に応じて延期や中止を検討してほしい」と語った。

●「命守るため必要な行動を」新型コロナ 厚労省専門家会合  8/25
新型コロナウイルスの感染者数が全国で連日、過去最多を更新するなど急激な感染拡大が続く中、対策について助言する厚生労働省の専門家会合が開かれました。全国的にほぼすべての地域でこれまでに経験したことのない感染拡大が続き、死亡する人の数が今後大きく増加することが懸念されるとして、「命を守るため必要な行動を」というこれまでにない強い表現で、外出を最低でもこれまでの半分以下の頻度にするなどの対策を取るよう呼びかけました。
専門家会合は、感染状況について新規感染者数は1か月近く過去最多の水準を更新し続け、これまで特に増加が目立った首都圏だけでなく、特に中部圏など他の地域でも増加のペースが速まっていて「全国的にほぼすべての地域でこれまで経験したことのない感染拡大が継続している」と指摘しました。
お盆明けに人出が増加していて今後さらに感染者数が増加する可能性があり、重症者の数が過去最多になり高齢の感染者や高齢者施設でのクラスターも増加していることから、今後、亡くなる人がさらに大きく増加することが懸念されるとして「これまでにない災害レベルの状況にあるとの認識での対応が必要だ」という認識を示しています。
さらに、新型コロナに感染した中等症や重症の患者の入院調整が困難になっている一方、今後、さらに一般の医療が制限され、救急搬送が困難になるケースが出ることが予想されるとして、「一刻も早くいまの感染拡大を抑えることが必要だ」と危機感を示しました。
地域別に見ると、東京都では感染増加のスピードはやや鈍化しているものの、増加傾向は続いていて、入院者数は20代から50代を中心に増加が続き、人工呼吸器などを使用している重症者数は40代から60代を中心として高止まりの状態で過去最多の水準が続いており、新たな入院の受け入れや救急搬送が困難なケースや、一般医療を制限する事態も起きています。
また、埼玉県、千葉県、神奈川県でも病床の使用率が急増していて、東京都と千葉県ではお盆明けから繁華街などでの夜間の人出が増加に転じているとしています。
沖縄県は、過去に例のない水準の感染で病床使用率が9割近い状況になっている一方、夜間の人出はお盆明けから減少に転じていて感染の減少につながるか注視が必要としています。
専門家会合は、首都圏や沖縄県などでは実際の感染者数が過小に評価されているという指摘もあり、感染状況の分析には注意が必要だとしています。
また、愛知県や静岡県などの中部地方や大阪府などでも感染者の急速な増加が続き、今後も感染拡大が継続する可能性があるとしています。
このため、専門家会合は「命を守るために必要な行動を」というこれまでにない強い表現で、ふだん会わない人と会う機会をできるだけ減らすことや、すでにワクチンを接種した人も含めて外出を最低でもこれまでの半分以下の頻度にするよう呼びかけました。
さらに感染力の強いデルタ株が流行して10代以下の感染者数が増加傾向にあるため、大学などでのオンラインでの授業の実施や、過度に密集するイベントの延期や中止の検討、換気などの対策の徹底を求めました。
また、都道府県が主体となって地域の医療資源を最大限活用し、重症化を防ぐことが期待される抗体カクテル療法の利用や、重症化に迅速に対応できる体制の整備など、全国的に厳しい感染状況が当面続くという前提で、臨時の医療施設などの整備などの対策を進める必要性を強調しました。
繁華街の“滞留人口” 東京では夜間の人出が再び増加
専門家会合では、今月22日までの全国の主要な繁華街の人出のデータが示されました。東京都では夜間の人出が再び増加しています。このデータは、東京都医学総合研究所社会健康医学研究センターが、25日の厚生労働省の専門家会合で示しました。各自治体の主要な繁華街を対象に個人を特定しない形で得られた携帯電話の位置情報から、職場や自宅以外で15分以上滞在していた人の数を「滞留人口」として500メートルメッシュで時間ごとに分析しています。今回、分析の対象となったのはいずれも今月22日までのデータです。
<首都圏>
東京都では、新宿や渋谷、六本木など7か所の繁華街のデータを元に分析しています。都内では夜間の滞留人口がお盆明けの1週間で6.2%増加し、7週続いていた減少傾向が増加に転じています。特に、感染のリスクが高いとされる午後10時から深夜0時までの時間帯では前の週から10.6%増えていて、直近1週間で顕著に増加しました。また、昼間の滞留人口もお盆明けの1週間で5.3%増加しました。また、政府の分科会は東京都の人出を今回の緊急事態宣言の直前の7月前半に比べて50%減らすよう求めていますが、夜間の滞留人口は宣言前からは29.6%の減少、昼間の滞留人口も宣言前から19.4%の減少にとどまりました。
千葉県では、夜間の滞留人口がお盆明けから増加に転じています。昼間の滞留人口も増加に転じました。
神奈川県と埼玉県は夜間の滞留人口はお盆明けも増加せず、第4波の際の最低水準近くで横ばいで推移しています。昼間の滞留人口は増加し始めています。
<関西>
大阪府では、緊急事態宣言が出されて以降夜間の滞留人口は2週連続で緩やかに減少していましたが、お盆明けの1週間で下げ止まっています。昼間の滞留人口も増加に転じていて、昼、夜ともに高い水準となっています。
兵庫県では夜間、昼間ともに滞留人口は2週連続で大きく減少していましたが、お盆明けの直近1週間では下げ止まっています。
京都府では夜間の滞留人口は緩やかに減少しているものの下がりきらず、第4波の際の最低水準と比べると依然として高い水準で推移しています。
<九州>
福岡県では夜間の滞留人口がお盆明けの1週間で増加に転じています。昼間の滞留人口も急激に増加に転じています。
沖縄県では夜間の滞留人口がお盆期間中増加していましたがお盆明けの直近1週間では再び減少に転じ、去年の1回目の緊急事態宣言の際の最低水準を下回っています。
 
 
 

 

●東京ピークアウトの兆しか 新規感染者、3日連続で前週の同じ曜日下回る 8/26
東京都の25日の新型コロナウイルス新規感染者数は4228人だった。23日から3日連続で前週の同じ曜日を下回っている。入院患者や重症者は過去最多となるなど医療体制は極めて厳しいが、感染状況はようやく薄明かりが見えてきたのか。
新規感染者の直近7日間平均は前週比95・2%の4471・4人で、6月19日以来約2カ月ぶりに前週を下回った。
1人が何人にうつすかを示す実効再生産数も1近辺まで下がってきた。感染拡大の先行指標の一つとされる発熱相談の件数も高止まりしているが、24日は2734件と2週間ぶりに3000件を下回った。
都内は緊急事態宣言の発令から1カ月以上が経過。感染力が強いデルタ株が急拡大し、8月だけで感染者数が10万人を超えているが、数字の面ではピークアウトしつつあるようにもみえる。
だが、感染確認が追いついておらず、「隠れ陽性者」が多数いることも考えられる。お盆休みから2週間が経過し、これから感染が増える恐れもある。このところ子供の感染も急増しており、夏休み明けの学校でのクラスターも懸念されるなど油断は禁物だ。
目の前の感染状況も深刻だ。25日時点で入院患者は30人増の4154人、重症者は9人増の277人でいずれも過去最多。自宅療養中の30代男性を含む11人の死亡も確認されるなど死者も増えてきた。
全国的にみると感染は拡大の一途だ。大阪府の25日の新規感染者は2808人と過去最多となった。宮城県や愛知県、沖縄県でも過去最多を記録した。
政府は27日から緊急事態宣言を21都道府県、蔓延(まんえん)防止等重点措置を12県にそれぞれ拡大する。47都道府県の約7割で行動制限の措置が取られることになったが、どこまで効果があるかは疑問も持たれている。ガマンの日々はまだ続きそうだ。

●東京都で新たに4704人感染 重症者276人 8/26
東京都は26日、新型コロナウイルスの感染者が新たに4704人、死者11人が確認されたと発表した。現在入院している重症患者は276人。新規感染者数(1週間平均)は4352.9人で、26日時点で対前週比91.2%となった。都内の累計の患者数は32万7861人。
年代別では、20代が1330人、30代が896人、40代が811人、50代が512人などとなっている。65歳以上の高齢者は248人だった。死者は50代男性3人を含む11人だった。
感染者3717人へのスクリーニング検査では、変異株「デルタ株」にみられる変異「L452R」が3487人で確認され、割合は約93.8%だった。

●検査を迅速に受けられず多数の感染者潜在の可能性 -  8/26
東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議(第60回)が26日、都庁で開かれた。公表された「専門家によるモニタリングコメント・意見」では、新規陽性者数に関して「検査を迅速に受けられないことにより、さらに多数の感染者が潜在している可能性がある」と指摘。「保健所の対応能力をはるかに超える速度で新規陽性者数が増加している。都、東京都医師会、地区医師会、東京都薬剤師会等が連携し、支援していく必要がある」としている。
コメント・意見では、1日当たり4300人を超える新規陽性者が継続して発生していることを取り上げ、「数週間にわたり、制御不能な状況が続いている」と指摘。「災害レベルで感染が猛威を振るう非常事態が数週間続いている。もはや、災害時と同様に、感染予防のための行動をとることで、自分の身はまず自分で守ることが必要である」とし、不織布マスクの着用や学校生活での感染防止対策の徹底などを要望。「社会全体で『子供を守る』という意識の啓発が必要である」としている。
検査体制にも言及しており、「都はPCR等の検査能力を通常時7万件/日、最大稼働時9万7千件/日確保している」と指摘。「検査能力を最大限活用し、検査が必要な都民が速やかに受検できる体制整備が必要である」としている。また、都が精神科病院や療養病床を持つ病院、高齢者施設や障害者施設の職員を対象に定期的なスクリーニング検査を行っていることにも触れ、「感染拡大を防止するため、より多くの施設が引き続き参加する必要がある」としている。
入院患者数については、前回(18日時点)の3815人から25日時点で4154人と増加傾向にあることを指摘。「自宅療養中に容体が悪化した新型コロナウイルス感染症の患者の救急搬送、入院受入れが困難になっている」「入院重点医療機関の多くが通常の救急患者の受入れを行う病院でもあり、緊急を要する怪我や病気の患者の救急搬送、受入れにも大きな支障が生じている」とし、「災害レベルで感染が猛威を振るう非常事態が続いている」との見解を示している。
重症患者(人工呼吸器またはECMO使用)は、25日時点で前回よりも2人多い277人となっており、「極めて高い水準で推移している」と指摘。17日から23日までの1週間に、新たに患者183人(前週は231人)が人工呼吸器を装着した一方で、137人(同132人)が人工呼吸器から離脱した。人工呼吸器使用中に死亡した患者が35人(同12人)いた。この期間に新たにECMO(体外式膜型人工肺)を導入した患者は17人、離脱した患者は13人いた。25日の時点で30人がECMOを使用している。
重症患者の年代別の内訳については、50歳代が109人、60歳代が58人、40歳代が49人、70歳代が27人、30歳代が23人、80歳代が6人、20歳代が4人、10歳代が1人となっている。陽性判明日から人工呼吸器の装着まで平均6.0日、入院から人工呼吸器装着まで平均2.0日であったことにも触れ、「病床が逼迫し、自宅療養を余儀なくされている療養者が重症化している可能性がある」としている。

●新宿区でコロナ感染「22人に1人」 歓楽街だけじゃない、区役所でも多発 8/26
新型コロナウイルスの感染拡大で2021年8月25日、緊急事態宣言の対象が21都道府県に広がった。中でも深刻なのが沖縄だ。しかし、あまり報道されていないが、東京23区の中にはすでに沖縄以上とも言える感染状況のところが少なくない。
渋谷区、港区...都心に多い
コロナ発生以来の全国都道府県の感染者数は、絶対数では東京が1位、2位が大阪だ。しかし、人口10万人当たりで計算すると沖縄の感染者が2658人でトップ、東京は2307人で2位になる。東京は、地域によってかなり感染者数が異なる。都心区が多く、西部の三多摩は少ない。東京新聞のビジュアルデータサイト「東京都内の新型コロナ感染状況まとめ」には都内自治体の人口10万人あたりの感染者数が出ている。8月25日現在で最も多いのは、新宿区で、人口10万人あたり4476人。続いて渋谷区3683人、港区3507人。このほか目黒区、中野区も3000人を超え、豊島区、中央区などがまもなく3000人台に入る。沖縄は県全体のデータであり、23区と単純比較はできないが、東京では繁華街や歓楽街を抱える区で感染者の比率が高いことがわかる。新宿区の人口に対する感染者の割合は4.48%。約22人に1人という高率になっている。
窓口業務が中心の部署
都内各区のウェブサイトには、公的施設に関連する感染情報が掲載されている。8月に入ってからの状況をみると、新宿区では区役所内で多数の感染が出ているのが目立つ。公表分を見ると、「税務課」「介護保険課」「生活福祉課」「医療保険年金課」「保護担当課」など区役所各課の名前が切れ目なく並ぶ。複数の感染者を出している課が多い。特に際立つのが「戸籍住民課」だ。合計10人以上の感染者が出ている。窓口業務が中心で、来訪者との接触も多い部署だけに、もっと詳しい情報を知りたいと思う区民もいるに違いない。新宿ではデパートなどの大型商業施設などでも感染が多発しているが、そうした民間の状況は区のサイトではわからない。
学校観戦取りやめた区も
同じように渋谷区のサイトを見ると、区立の「通所介護施設」「訪問介護事業所」「障がい者福祉施設」などで頻発していることがわかる。職員や利用者の感染が、ほぼ毎日のように発生している。港区では「保育施設」「子育て関連施設」が突出している。8月に入ってから、こちらもほぼ毎日、合わせて数十件発生している。保護者にとっては不安が募る。港区はパラリンピックの「学校観戦」を予定していたが、方針が二転三転、最終的に24日夜、取りやめている。自治体ごとの感染状況の公表は、全国でかなりの落差がある。大阪市のサイトを見ると、「新型コロナウイルス感染者数を区ごとに公表してほしい」という「市民の声」が掲載されている。
市側の回答として、「感染情報の公表に関しては、感染症法において、感染源を明らかにし、国民にリスクを認知してもらう一方で、感染者等に対して不当な差別・偏見が生じないよう十分に留意すべきことが定められております」「行政区ごとの感染者数を公表することにつきましては、行政区ごとの感染者数の多寡により、不当な差別・偏見につながる恐れがあると考えられているため、慎重に検討してまいりたいと考えております」

●新型コロナ 道内504人感染確認 依然感染拡大続く 北海道 8/26
道内では26日、新たに504人が新型コロナウイルスへの感染が確認されたと発表されました。依然として感染の拡大が続いています。
道内の新たな感染確認は、札幌市で再陽性の4人を含む285人、旭川市で59人、函館市で20人、小樽市で15人、石狩地方で29人、十勝地方で28人、胆振地方で17人、根室地方で16人、空知地方で10人、オホーツク地方で7人、宗谷地方と釧路地方でそれぞれ5人、後志地方と渡島地方でそれぞれ2人、上川地方と留萌地方でそれぞれ1人、それに道が「その他」として発表した道外の1人を含む2人のあわせて504人です。
一日の感染確認が500人を超えるのは2日連続となり、依然、感染拡大が続いています。
人口10万人あたりの直近1週間の新規感染者は、道内全体で66.9人、札幌市で100.1人と、都道府県の感染状況を示す国のステージで最も深刻な「ステージ4」の目安となっている10万人あたり25人を大きく上回っています。
また、変異ウイルスのデルタ株について新たに、札幌市で156人、道で54人、函館市と小樽市でそれぞれ9人のあわせて228人が感染している疑いがあることが分かりました。
旭川市では検査体制がひっ迫しているため、現在、デルタ株に関する検査は行っていないということです。
一方、26日、道内では新型コロナウイルスに関連する死者の発表はありませんでした。
これで道内の感染者は、札幌市ののべ3万4201人を含むのべ5万5038人となり、死亡したのは1437人となっています。
感染状況
25日時点の道内の感染状況を政府の分科会が示す国の指標をもとに見ていきます。人口10万人あたりの直近1週間の新規感染者は26日時点の数字です。
病床使用率 / まず、医療のひっ迫具合です。「病床使用率」はステージ3が20%以上、最も深刻な状況を示すステージ4は50%以上が目安となっているのに対し、道内は44.8%となっています。
入院率 / 「入院率」はステージ3が40%以下、ステージ4が25%以下が目安となっているのに対し、道内は17.7%となっています。
重症者病床使用率 / 「重症者の病床使用率」はステージ3が20%以上、ステージ4が50%以上が目安となっているのに対し、道内は12.5%となっています。
療養者数 / 「人口10万人あたりの療養者数」はステージ3が20人以上、ステージ4は30人以上が目安となっているのに対し、道内は96.7人となっています。
検査陽性率 / 「直近1週間のPCR検査などの陽性率」はステージ3が5%以上、ステージ4は10%以上が目安となっているのに対し、道内は10.2%となっています。
新規感染者数 / 「人口10万人あたりの直近1週間の新規感染者」はステージ3が15人以上、ステージ4は25人以上が目安となっているのに対し、26日時点で道内は66.9人となっています。
感染経路不明者の割合 / 「感染経路が不明な人の割合」は、ステージ3、ステージ4ともに50%が目安となっているのに対し、道内は43.5%となっています。

●三重国体・大会の中止決定 コロナ急拡大で開催困難 三重県 8/26
三重とこわか国体・とこわか大会(全国障害者スポーツ大会)について、主催する三重県や日本スポーツ協会など4者は25日、新型コロナウイルスの急拡大で両大会の開催は困難と判断し、中止を決定した。
国体は昨年の鹿児島国体も新型コロナの感染拡大で開催を見送ったため、2年連続の中止。障害者スポーツ大会は、令和元年の茨城大会が台風の接近で中止となったため、3年連続となる。
県によると、国体は一部競技を除いて9月25日―10月5日、障害者スポーツ大会は10月23―25日に開催する予定だった。県は感染者の急増を受け、21日に文科省などに中止を申し入れた。
この日は、県と日本スポーツ協会、日本障がい者スポーツ協会、スポーツ庁の4者がオンラインで協議。冒頭だけ公開され、鈴木英敬知事が「断腸の思いだが、県民の命を守り抜かなければならない」と述べた。
4者は全国での急激な感染拡大や県内の医療提供体制への負荷などを踏まえて「開催することが困難」と判断。他の3者からは「大変残念だが、中止はやむを得ない」などの声があったという。
県は両大会実行委員会の総会を近く開き、延期開催を日本スポーツ協会に要望するか方針を決める。延期になれば令和9年の開催となる見通し。
鈴木英敬知事は協議後のぶら下がり会見で、両大会の中止決定に「準備をしてきた選手、懸命に支えてきた指導者や保護者、楽しみにしていた多くの皆さんに大変申し訳なく思う」と頭を下げた。
来月12日に辞職を控える中、延期の是非については「政治家として、6年先のことを退職日が決まっている人間が最終決断するのは適切ではない。前さばきでできることはしっかりやりたい」と述べた。 

●感染急拡大でひっ迫 行政の現場“限界”近づく 三重県 8/26
シリーズ「現場から」です。新型コロナの感染の急拡大が各地で続くなか、三重県の保健所では業務がひっ迫し、濃厚接触者に対するPCR検査が遅れるなど、行政の対応が限界に近づいています。
三重県 鈴木英敬知事「狭域的・爆発的な感染拡大で(感染者数の)頂上がまだ見えない状況」
新型コロナの感染者が連日、過去最多を更新している三重県。
保健所職員「正直言いますと、いま大変ひっ迫してまして、毎日(健康観察の)電話もかけられない状態」
津市の保健所では、20人ほどの職員がほぼ1日中、電話機を手放せません。
保健所職員「PCR検査を受けなければならない方で、リストがパンク状態」
今月上旬に陽性が判明した津市に住む男性(30代)。妻と3人の子どもと暮らしていますが・・・。
今月上旬に陽性が判明 男性(30代)「家族は完全な濃厚接触者じゃないですか。保健所から2〜3日、PCR検査ができないと。その間に(妻が)発熱しだして、『いっぱいなので、きょうはPCR検査できない』の一点張り」
結局、妻は3日後、子どもは1週間後にようやくPCR検査を受け、妻と子ども1人の陽性が判明。妻は容体が悪化し、一時入院しました。
今月上旬に陽性が判明 男性(30代)「不安ですよね。『もっとしんどくなってきたら電話ください』とか、そんな返答なんで」
自治体の職員はどのような労働環境なのか?JNNは愛知・岐阜・三重の125全ての市町村にアンケートを送り、9割以上の自治体から回答を得ました。
回答があった自治体で新型コロナ対策に従事する職員は4684人。このうち、直近1年間の時間外労働で「過労死ライン」と呼ばれる月80時間を超えていた職員は、のべ1697人に上りました。
東海地方の保健所職員「こういうバタバタした状態で、自分が抜けることで他の人に迷惑がかかると、なかなか休みも取れない状況」
こう話すのは、東海地方の保健所でコロナ対応にあたる男性。最近、若い世代を中心に、保健所からの電話を無視したり、うその申告をしたりといった事例が頻発しているといいます。
東海地方の保健所職員「親に知られると困るとか、職場に知られると困るとか、そういう世界。『感染したからって何?』というような」
問題行動は若者以外でも・・・。
東海地方の保健所職員「いい大人でも『自宅療養やっています』と言って、電話の後ろでパチンコの音が聞こえたりとかは普通に・・・。多くの方は協力してくれるが、一部のそういう方がいることで、感染拡大を防止しなければならないが、どんどん広がってしまう」
過労死ラインを超えた勤務を続ける保健所職員の体力にも限界が近づいています。

●保育施設で9人感染 事業所クラスターは33人に拡大 滋賀県 8/26
滋賀県は26日、新たに10歳未満〜90歳以上の男女215人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。新規感染者数が200人を超えるのは3日連続。県内の感染確認は計9786人となった。新規感染者は全員が軽症か無症状。自宅療養者数は1608人で、過去最多の前日から125人増えた。
居住地別では、大津市51人、草津市28人など。クラスター(感染者集団)関係では、新たに大津市の保育関連施設で職員と子ども計9人の感染を同日までに確認。甲賀市の製造業事業所で従業員1人の感染が判明、計33人となった。
県は21、24日に新規感染者として発表した各1人が追加検査で陰性と判断されたなどとして取り下げた。

●新型コロナ感染急拡大 入院までの期間延び早期治療難しく 大阪府 8/26
新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、中等症の患者の治療にあたっている大阪市内の病院では、府内の患者の急増で入院までの期間が延びるようになり、早期に治療を始めるのが難しくなっていると危機感を募らせています。
大阪府では軽症・中等症の病床の運用率が25日時点で76.1%とひっ迫し、中等症の患者を中心に受け入れている大阪・淀川区の市立十三市民病院でも26日の時点で70床の半数が埋まっています。
この病院では、重症化を防ぐ目的で2種類の抗体を投与する、「抗体カクテル療法」をこれまで62人の患者に行い、このうち82%にあたる51人は回復して症状が治まったということです。
この治療は効果を得るためには発症から7日以内に行う必要がありますが、7日目に治療を受けた患者に限ると6人のうち、3人の症状が悪化して酸素投与が必要になりました。
病院によりますと、府内の感染者の急増によって患者が入院するまでの期間が延び6日や7日かかるケースも増えていて、早期に治療を始めるのが難しくなっているということです。
西口幸雄 病院長は、「感染者数がこれだけ増えると、検査を受けるまでの期間や検査で陽性とわかってから入院するまでの期間がどうしても延び、治療が遅れてしまう」として、治療の遅れが重症患者の増加につながりかねないと危機感を示しました。
そのうえで、「病床もひっ迫してきているのですぐに治療を受けられるとは限らない。若い人でも突然重症化するケースがあるので、可能な人はワクチン接種を受け、感染対策を徹底してほしい」と訴えていました。
抗体カクテル療法をめぐっては、病床のひっ迫を避けるためこの病院を含め大阪府内の12の病院で1泊2日程度の短期入院で治療を行い、回復後に宿泊療養施設にまわってもらう取り組みが始まっていますが、この病院で対象となった患者はこれまで1人にとどまっているということです。

●大阪新型コロナ2830人の感染確認 関西4府県知事が緊急メッセージ… 8/26
大阪府は26日、新たに2830人が新型コロナウイルスに感染、6人が亡くなったと発表しました。1日の感染者は過去最多を更新しました。また東京パラリンピックが開催されている東京都では4704人の感染が、兵庫県では新たに1007人の感染が確認されました。
大阪・吉村知事「人と人の接触を減らせばいいのに本質的な方針が見えない」
26日、開かれた関西広域連合の会議。新型コロナ対策の具体的なメッセージが国から示されないという意見が相次ぎました。そこで…
滋賀県・三日月知事「府県をまたぐ移動は最小限でお願いします!」
27日から緊急事態宣言の対象となる滋賀を含む、4府県の知事が声を合わせました。
4府県知事「あなたの大切な人を守りましょう!」
テレビCMやSNSなどで流れる予定のこのメッセージで、感染拡大を抑え込めるでしょうか。

●長崎県内13市町 73人コロナ感染 各地のクラスター拡大 8/26
長崎県などは25日、県内13市町で新たに計73人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。長崎市や佐世保市などで発生しているクラスター(感染者集団)がそれぞれ拡大。感染者数は引き続き高止まりの状況が続いている。
長崎市役所本館5階フロアのクラスターでは、新たに20代男性職員の感染が分かり、累計20人となった。男性職員は17日、感染した同僚の接触者としてPCR検査した際は陰性だったため勤務を継続。23日に味覚障害が出て再度検査し、24日に陽性となった。市民や事業者との接触は確認されていないが、職員の接触者は現在調査中。
佐世保市の複合施設「エコスパ佐世保」のプールを利用した10歳未満の男児が感染し、累計12人に拡大。西彼時津町の遊興施設は新たに利用客2人の感染が判明し、累計30人(利用客29、従業員1)に膨らんだ。五島市のバー「シャトー」は利用客1人が陽性となり、累計7人(従業員5、元従業員1、利用客1)となった。
長崎市の新規28人中5人は感染経路が分かっていない。佐世保市の21人のうち1人は30代男性海上保安官。第7管区海上保安本部によると、唐津海上保安部の職員で、20日まで勤務。市民との接触は確認されていない。県福祉保健部の60代男性職員=諫早市在住=も感染。県民と接する業務ではない。

●感染爆発 峠まだ越えず 尾身氏、苦言次々「政府は専門家より楽観的」 8/26
新型コロナウイルスの緊急事態の対象地域の感染状況は、27日から追加される8道県を含めて深刻だ。専門家はコロナ感染を巡る政府の見通しの甘さを指摘し、児童・生徒らのパラリンピック観戦に疑問を投げかける。
緊急事態の21都道府県でステージ4
内閣官房の資料によると、23日時点の人口10万人あたりの新規感染者数(直近1週間)は全国平均で126人。ステージ4(感染爆発)の基準「25人」の約5倍の多さだ。地域別では緊急宣言対象の全21都道府県でステージ4。最多は沖縄(310人)で、首都圏の東京都、神奈川、千葉、埼玉県や大阪府も多い。東京都の新規感染者数は25日まで3日連続で、前週の同じ曜日と比べて減ったものの減少幅は小さく、山を越えたとは言いがたい。厚生労働省に助言する専門家組織に提出された資料によると、8〜14日の東京の繁華街の夜間滞留人口は、お盆時期でもあり、緊急宣言発令直前の一週間と比べて35.8%減った。だが、18〜24日は22%減と人出は再び増えており、今後の感染拡大につながる恐れがある。確保病床のうち重症者用病床使用率は23日時点で、7都府県がステージ4(50%)。中等症などを含めた病床全体では、まん延防止等重点措置の地域を含めて24都府県がステージ4に突入している。自宅療養者も増える一方で、18日時点で全国で約9万7000人。そのうち、首都圏の1都3県が約5万8000人と半分以上を占めている。
「バッハ氏来日する必要あったのか」
政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長は25日、衆院厚生労働委員会の閉会中審査で、菅政権の感染対策の反省点を問われ「時々、専門家より、やや楽観的な状況分析をしたのではないか。改善すべき点があったのではないか」と苦言を呈した。尾身氏はコロナ下での東京五輪開催を念頭に「感染対策と経済活動の両立は難しいが、時々、矛盾したメッセージになった」とも指摘した。政権が国民に感染拡大防止への協力を呼びかける中、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が再来日し、パラリンピック開会式に出席したことを例示して「なぜオンラインであいさつできないのか。国民にテレワークをお願いしているのだったら、なぜ五輪のリーダーのバッハ氏はわざわざ来るのか」と批判した。
「子どもパラ観戦、なぜこの時期に」
児童・生徒らのパラリンピック観戦計画も「なぜこの時期に」と問題視。「問題の本質は、そこで感染が起きるか起きないかではない。一般の人にどういうメッセージになるかだ」と強調した。多くの学校が新学期を迎えることに関しては「感染が拡大し、さらに医療の逼迫もあり得る」と懸念した。一斉休校の必要性では「学習の機会を奪うのは気の毒だし、その1点でコロナに立ち向かうことはできない」と否定的な見解を示しつつ、政権が打ち出した教職員へのワクチン優先接種、学校現場での抗原検査推進などの対策強化を訴えた。

●地方に感染急拡大 43都道府県、新規感染者ステージ4に 8/26
新型コロナウイルス感染拡大の「第5波」が全国に波及している。インド型(デルタ型)変異ウイルスが地方に広がり、43都道府県で新規感染者数が国基準で最も深刻な「ステージ4(感染爆発)」に達した。地方も病床逼迫感が強く、自宅・宿泊療養の充実を含む医療体制強化が課題だ。
25日は全国で2万4000人超の新規感染者が確認された。大阪府や宮城県、新潟県で過去最多を更新した。8月中旬以降、全国の新規感染者は2万人を超える日が目立つ。東京都の増加ペースに鈍化の兆しが出てきた半面、多くの地域で増加基調が続く。
日本経済新聞の集計によると、人口10万人あたりの直近1週間の新規感染者がステージ4(25人以上)にあたるのは24日時点で岩手、秋田、鳥取、島根を除く43都道府県。1日時点で17都道府県だったのが、3週間あまりで2.5倍に増えた。
厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」は25日、現状について「ほぼ全ての地域でこれまで経験したことのない感染拡大が継続している」との分析を示した。医療提供体制も「災害時の状況に近い局面」と指摘した。
アドバイザリーボードの資料によると、変異型の広がりを調べるスクリーニング検査で、9〜15日に感染者の85%からデルタ型と同じ変異がみつかった。デルタ型の広がりが感染拡大ペースを加速させている。
1日あたりの新規感染者数の推移をみると、岐阜県は24日時点で307.43人(7日間平均)と1日時点の13倍に膨らんだ。三重県は11倍、広島県は6.5倍、宮城県も5.9倍に増えた。同じ期間に東京は5割増だったのに比べ、地方の増加ぶりが顕著だ。
広島県によると、お盆期間に大阪や東京から多くの人が県内を訪れたことが感染者増加の主な要因だという。お盆や夏休みで都道府県境をまたぐ人の流れが増加し、デルタ型の拡大につながった可能性もある。
厚労省の集計によると、23日時点で33都府県が病床使用率のステージ4に相当する50%を超えた。第5波が本格化する前の7月20日時点ではステージ4の都道府県はなく、1カ月あまりで病床の逼迫感が一気に強まった格好だ。
残りの14道県も病床使用率20%以上の「ステージ3」に相当し、感染者が今後急増すれば病床逼迫につながるおそれがある。病床確保や自宅・宿泊療養者への医療支援の充実はいまや全国共通の課題になっている。
「全員入院」見直し 滋賀や岐阜、自宅療養を導入
新型コロナウイルスの感染者全員を入院や宿泊療養施設で受け入れる原則を掲げていた地方の自治体が見直しに動いている。感染力の強いインド型(デルタ型)変異ウイルスの影響で地方でも感染が急拡大しており、全員入院を続ければ病床が逼迫する恐れが生じているためだ。
政府が25日に緊急事態宣言の適用を決めた滋賀県は、40歳未満でほぼ無症状の感染者の自宅療養を認めるよう対応方針を切り替えた。原則として全ての感染者を入院か宿泊施設での療養で対応してきたが、足元の感染者数は県が4月に定めた最大想定を上回る状態が続く。入院が必要な症状の患者が増えるとみて方針転換した。県は最大で2600人が自宅療養になるとみている。
滋賀県と同様、25日に緊急事態宣言の適用が決まった岐阜県も、21日から自宅療養者が生じている。これまでは「自宅療養者ゼロ」を掲げ、医療機関や宿泊療養施設で受け入れてきたが「重症者、中等症以上の患者に備えてベッドを確保する必要がある」(古田肇知事)。島根県も自宅療養の導入を決めた。
先駆的な新型コロナ対策で知られる和歌山県も、9月から宿泊療養を初めて導入する。8月25日の新規感染者は85人と高い水準で、入院者数は過去最多の558人に達している。病床数は計560で、病床数に匹敵する入院者数となっている。
県は発症後5〜7日が経過した無症状・軽症者を、医師の判断を経て宿泊療養してもらう。「全員入院の方が絶対にいい」としていた仁坂吉伸知事だが、見直しは「やむを得ない」と話す。
新たに「まん延防止等重点措置」の適用が決まった佐賀県は、地域の医師との連携を自宅療養に生かす。同県は「原則入院・ホテル療養」を見直し、お盆明けの18日から自宅療養を導入している。24日時点で対象者は454人。軽症・無症状で同居家族がいることが条件だ。ひとり暮らしの感染者は病状急変への対応が難しいため、ホテル療養としている。
県庁内に新設した「自宅療養支援センター」の看護師や県職員ら50人程度が、電話で健康観察にあたったり、パルスオキシメーターや市販の解熱剤などを届けたりする役割を担っている。同県は新型コロナワクチン接種でも早い段階から医師会などと連携し、全国的に高い接種率につなげている。自宅療養でも必要に応じて、地区の医師会に往診や電話診療などを依頼する。県担当者は「医師との連携が有効に機能するのではないか」と期待している。

●対象拡大8月3度目…全国一律拒み“さみだれ式”菅流コロナ対策無力 8/26
感染力の強いデルタ株による新型コロナウイルスの「第5波」を止められず、菅義偉首相は8月に入り3度目となる緊急事態宣言の拡大を余儀なくされた。社会経済活動を考慮し、全国一律でなく、感染が悪化した地域に限定して宣言やまん延防止等重点措置を出していく「菅流のコロナ対策」(首相側近)は、結果として後手に回った。
なぜ、全国一律に宣言や重点措置を出さなかったのか−。
25日午後9時からの記者会見で質問を受けた首相は、「感染状況や医療体制は地域によって大きな差がある。一部の県で、皆さんに過剰なものとなってしまう恐れもある。そうした中で今回の判断をした」。こう述べて、あくまで対策の妥当性を主張した。全国知事会や専門家は全国一律拡大を求めてきたものの、一貫して首相はこれを退け、地域ごとにきめ細かく適用の可否を判断する方を選択し続けている。
だが、首都圏に発したデルタ株が地方に浸透していくスピードは政府の想定をはるかに超過。首相が命運を懸けたワクチン接種が、目に見える「火消し効果」を発揮する時間的余裕はなかった。極めて短期間で感染に関する指標が急激に悪化する地域が相次ぎ、広島など5県は20日の重点措置の適用からわずか1週間で宣言に切り替えざるを得なかった。
政府の感染症対策分科会の尾身茂会長は25日の衆院厚生労働委員会で、首相が固執する感染抑止と経済対策の両立を「一定方向にメッセージが集中すればいいが、矛盾したメッセージがあった」と疑問視。その上で、政府の対応を「専門家の分析より、やや楽観的な状況分析をされた」と容赦なく断じた。

25日、東京都の新規感染者数は4228人と、3日連続で前週の同じ曜日を下回った。それでも厚生労働省の専門家会議は「感染速度はやや鈍化しているが、増加傾向は継続している」と分析し、楽観論を厳に戒める。
ピークアウトに向けてはワクチン進展と同時並行で感染対策の原点に立ち戻り、人の流れを抑制して人と人の接触機会を劇的に減らすしかない。尾身氏は感染爆発が全国に広がり始めていた12日、東京都の人出を今後2週間のうちに、宣言前の7月前半時点比で5割減らす必要があるとの提言を公表していた。しかし、人々の行動は容易に変容せず、最近の減少幅は20%台にとどまっている。
現在も、政府内には「宣言に伴う休業要請の対象を拡大するべきだ」など人の流れを強く抑え込むよう促す声と、「地方では人出が減っているのに、感染者数が減らないケースも出てきており、メリットが小さい」と慎重な声が交錯する。夏休みが明けて学校が再開し、今後は子どもたちの動きも活発になる。現在の期限の9月12日までに、宣言と重点措置を解除できるかは見通せない。

●小児の感染増、全体の結果反映 デルタ株影響のデータなく 押谷教授に聞く 8/26
新型コロナウイルスに感染した20歳未満の子ども(小児)は家庭外での感染拡大に与える影響が小さいとする東北大研究チームの調査結果を、21日の本紙朝刊で紹介した。一方、感染性が高いとされるデルタ株で小児の感染は増加傾向にある。チーム責任者の同大大学院医学系研究科の押谷仁教授(ウイルス学)に調査結果との関連性を尋ねた。
――小児の感染が目立ってきた。
「デルタ株の流行により全年齢層で感染者数が増えた。小児の感染増加は英米などでも報告があり注目されているが、現時点でデルタ株が小児で感染性が高いとの明確な科学的データはない。米国の研究機関などは、全年齢層の増加傾向の中で小児も増えたとみている」「日本でも小児の感染者が他の年齢層に比べて顕著に増加したわけではない。成人、特にワクチン接種が進んだ高齢者の感染減で相対的に小児感染者の割合が増え、増加傾向がみられたと考えられる」
――学校でのクラスター多発も懸念される。
「小児が重症化する割合は非常に低いが、小児患者の絶対数が増えれば重症患者も一定数の発生が予想される。実際に米国では重症の小児患者が増えている。日本でも感染が拡大すれば、同じ状況になることが危惧される」
――研究チームは「小児による家庭外での感染拡大への影響は小さい」とした。
「デルタ株の流行下でも小児は主に家庭内感染し、家庭外感染は相対的に頻度が低いと考えられる。インフルエンザの流行は学童間の感染が家庭を経て市中に広がるため、休校は市中感染の拡大を止める効果がある。一方、小児のコロナ感染は多くの場合、市中感染が家庭内に持ち込まれた結果と考えられる」
「休校はクラスターの発生や拡大の予防効果はあっても、市中全体の感染拡大を最小限にする効果が望めるかは議論の対象となっている。研究チームのデータでは特に小学生以下の小児は二次感染を起こす割合も低く、地域の感染拡大への影響は限定的とみている」
――学校での留意点は。
「デルタ株流行前の各国の報告では、学校でのクラスターは短期間で終息することが知られているが、デルタ株でも同様かは現時点で判断できない。感染者を最小限に抑えるには、学校で流行を早期に検知して対応し、感染の連鎖を断ち切ることが重要だ」
 

 

●東京都のモニタリング検査、コロナ陽性率が2ヶ月で18倍に… 8/27
東京都が繁華街などで実施する新型コロナウイルスのモニタリング検査で、陽性率が右肩上がりになっている。7月初旬と比べ陽性率は約18倍になり、街を出歩く無症状者が急増。都内の新規感染者は横ばいだが、実際にはもっと多いとみられる。都内の感染状況について専門家は「制御不能な状況は続いている。全体の数を追えていない可能性を考えなければいけない」と指摘している。
都は比較的感染リスクが高い場所として、人流が多い繁華街や飲食店、駅前、空港などでPCR検査をしている。無症状者が対象で、感染拡大の予兆をつかむために今年春から始めた。
都の資料によると、7月第1週の感染者数の割合は0.05%で、検査したおよそ1992人に1人が感染している計算だった。翌週から0.09%、0.15%と割合は上昇し、8月の第3週では0.89%となった。検査したおよそ113人に1人が感染している計算で、7月第1週の約18倍になった。
一方で、東京都のモニタリング会議で報告された都内の7日間平均の新規感染者数は25日時点で1日あたり4388人と高い水準だったが、先週18日の4630人と比べると、横ばいか微減のように見える。
しかし、感染者の急増で、都内の保健所は濃厚接触者や感染経路を探る調査の規模を縮小している。こうした中、無症状で感染に気付かずに外出する人も増えているとみられる。モニタリング会議でも「検査を迅速に受けられないことにより、さらに多数の感染者が潜在している可能性がある」と指摘されている。
国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は25日のモニタリング会議後の取材で、感染状況について「増加比だけみると横ばいに見えるが、すごい数だ。実際にはまだ検査を受けてない方もかなりいらっしゃるのではないかと考えている」との認識を示した。
さらに、「要は今の数字をみると非常に注意しなければいけない。今後の動向に関しては、やっぱりかなり心配」と先行きに懸念を示した。

●夏休み明け拡大懸念 子ども感染が3週連続で割合増加  8/27
東京都で新型コロナウイルスの感染者のうち子どもの割合が3週連続で増えていることが分かり、専門家は新学期の学校での感染拡大を警戒しています。東京都は26日、新たに4704人の感染が確認され、重症者は276人になったと発表しました。
都庁では26日、感染状況を分析する会議が開かれ、感染者のうち10代以下の子どもの割合が増えているというデータが示されました。3週間前は12.1%でしたが、そこから13.1%、14.3%、15.8%と週を追うごとに増えています。
専門家は夏休み明けの学校で感染が拡大する懸念を示し、校内の感染対策の重要性を訴えました。そのうえで「社会全体で『子どもの命を守る』という意識の啓発が必要だ」と話しました。

●学校再開で、コロナ第5波の感染拡大が危惧されるメカニズム  8/27
東京都の7月時点の三大感染経路は家庭・職場・学校含む「施設」
つい先日のことでした。比較的すいている山手線で移動中、向かい合った前の座席に座っている男性がマスクを押さえながらしきりに咳をし始めました。山手線で使われるE235系車両の床の幅は2.58メートルです。つまり2mぐらいの距離での話です。
いま流行りのデルタ株は、従来種よりも感染力が強く、飛沫の危険度もずっと高いといわれています。「これでコロナにかかったら感染経路はなんと報告すればいいんだろう?」とぼんやりと思いながら、降車した駅のトイレでとりあえずうがいをしておきました。その後、何もなかったので杞憂におわった出来事ではありました。
デルタ株の出現で、いつどこでコロナにかかったのかがわからない人が増えています。直近の東京都の感染経路不明者の比率は約6割。自覚のないまま感染する人の方が多数なのであって、だからこそもう自分を守るのは難しいと思えてくるような状況です。
ただ、残りのケースでは感染経路が判明しています。東京都の場合、一番多いのが家庭内、次が職場、そして7月までは学校を含む「施設」というカテゴリーが職場と同じくらいの比率を占めていました。この3つで感染経路の7〜8割の説明がついていたわけです。
つまり明確な流れとして「家族の誰かが仕事や学校に出かけ、そこで感染し、他の家族にもうつしてしまう」というパターンが感染経路の最大ケースだったのです。
ちなみに多くの日本人が「緊急事態宣言の効果が見込めない」と考えているのはこれが理由です。緊急事態宣言の主な要請内容は、外出半減、商業施設の入場制限、飲食店の時短営業、イベントの入場制限なのですが、それらはすでに感染経路の上位ではない。一番バッシングをうけてきた飲食店は店舗側の努力と顧客側の協力で、いまでは感染経路としては5〜10%程度まで小さくなってきているのです。
百貨店のクラスターは「職場でのクラスター発生」の一つ
東京や大阪では第5波の時期、百貨店でのクラスター発生が問題になってきました。以前の因果関係では百貨店は顧客で密になるから危険だという考えだったわけですが、第5波の状況については別の説明が必要かもしれません。
確かに最初の感染は、密になった売り場で外部からコロナが持ち込まれて百貨店の従業員に感染者が出たのかもしれません。ただ、その後指摘されたことは、それがクラスターになったのは職場内感染だからという説明です。
百貨店のバックヤードに行ったことがある人はご存じだと思いますが、従業員のための更衣室や休憩室はそれほど広くはなく、休憩時間には他店舗の従業員と同じ狭い場所に集まることになります。接客中は従業員同士は距離が保てていても、実際には職場内で密になる時間ができてしまう。つまり百貨店でのクラスター発生は、それ以外の職場でのクラスター発生とメカニズムは同じだとも解釈できるのです。
そのような状況になった今、コロナ収束には「職場、学校、家庭を封鎖せよ」ということしかないわけで、そんなことはできないからというまっとうな反論から半ば政府もお手上げ状態になってきたわけです。
コロナ禍の学校再開で危惧されること
さて、ここでさらに問題になりはじめているのが「学校の2学期の再開を遅らせたらどうだろうか?」という意見です。
政府分科会の尾身茂会長が「学校が始まってくることで、また感染拡大や医療逼迫もあり得る」と述べて各自治体に学校再開時期を見直すように求めたことがニュースになりました。
これは実際に裏付けのある話です。さきほど7月までは家庭、職場、学校が3大感染経路だったと述べました。それが、夏休みにはいった8月のデータをみると各都道府県で顕著に学校経路の感染が減っているのです。授業だけでなく部活も課外授業も控えているせいで少なくとも3つのうちの1つの感染源を1カ月だけ抑え込むことができた。その一方でデルタ株が急拡大したのも8月です。
そして足元の第5波の特徴は、東京都の場合、若者の感染者が多いことで、具体的には10代、20代、30代で全体の3分の2を占めています。10代だけでも14%と、もはや少ないとはいえない構成比を占めています。
この状況で授業を再開させると、「学校」がデルタ株をさらに拡散させるリスクになる可能性がある。それは論理的には十分に予測できることです。今回の第5波で家庭内で発生した感染が、生徒同士で感染拡大し、それが別の家庭に伝わってその家族にも感染する。職場→家庭→学校→家庭→職場というループが無限に拡大することが危惧されるのです。
しかし、にもかかわらず2学期の再開タイミングは各自治体の判断にゆだねられています。東京都では一部の自治体で一週間ほど開始を遅らせる判断をしているところはありますが、大半の自治体は9月1日に授業再開を予定したままです。
ここまでメカニズムがわかっているのに、なぜ政府は新しいコロナ対策を表明しないのでしょうか?
ここからは私の過去の経験に沿った私見だと申し上げておきます。
政府が学校再開の判断を各自治体に委ねる理由
私は過去、日本有数の大企業のトップの意思決定の場面に立ち会うという経験をしてきました。その経験でわかったことを申し上げると、組織の上が下から見ておかしな判断をしてるように見えるときや、判断が遅く思えるときには、その大半のケースは実はトップが口には出せない何らかの意思決定を下している場合だということです。
今回のケースで、なぜ首相や厚生労働大臣、文部科学大臣が国として学校再開の一時停止を要請しないのか?分科会の尾身会長があれだけ危険を表明しているにもかかわらず、なぜ各自治体に判断を任せているのか?
それはおそらく、「2学期は9月1日に再開させて構わない」という決定をすでに下しているからだと思われます。批判が出るので口には出さない。けれどもそう決めている。あくまで私の経験に沿った推測ではあるのですが、そうとしか思えないのです。
実はデルタ株による第5波で、政府にとって打てる対策はふたつしかなくなりました。強硬なロックダウンに踏み切るか、それとも現状のままを維持するかです。前者は経済が犠牲になるので、もし踏み切ってしまうとコロナからは逃れられても日本は別の形で危機を迎えるかもしれません。
一方で現状維持の場合には、時間がたてば状況は少しずつではありますが改善はしていきます。その理由はワクチン接種率の向上です。ただ残念なことに、政府が期待していたよりも、足元ではワクチンの入手は遅れています。
現時点で厚生労働省が発表している供給見通しでは、ワクチンは2週間で1万箱のペースです。これは1カ月に換算すると1200万人が2回接種できるペースです。
今、国内で2回接種が完了した人の数は約5000万人。そして第5波の重症患者の大半が接種が済んでいない人だという事実があります。約6000万〜7000万人の未接種者の間で起きているのがこの第5波である以上、その層にワクチン接種が完了しなければ収束しません。
そしてワクチン入手のペースから、そのゴールまでにはまだ4〜5カ月かかりそうなのです。
つまり、論理的には2学期の開始を数週間遅らせた場合でも、遅らせなくても、どちらの場合でも新型コロナの収束時期は大きくは変わらない。打つ手はなく、時間が進んで、ワクチン接種が進むことをひたすら待つということが、今、わたしたちがしている我慢ということになるわけです。

●若者ワクチン接種スタート 希望者殺到、4時間前に締め切りで混乱 8/27
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、東京都は27日、若年層限定のワクチン集団接種をスタートさせた。予約不要の手軽さもあり、同日未明から希望者が殺到。予定の4時間以上前に受け付けが締め切られ、職員らは説明に追われた。都は運営方法の見直しを迫られたものの、接種枠を拡大しながら、感染者の半数を占める10〜30代への接種を加速させる。
本日、ワクチン予約の受け付けは終了しています−。午前9時半ごろ、16〜39歳を対象にした都の「若者ワクチン接種センター」が設けられた区立勤労福祉会館(渋谷区)前で、担当職員は声を張り上げた。
本来は同11時50分に受け付けを始め、正午から運用する予定だったが、午前4時時点で約15人が待機。1日200人程度の接種枠に対し、同7時半ごろには約300人が並び長蛇の列となったため、都は整理券を配布して受け付けを終了した。
江戸川区の会社員、滝沢凌也(りょうや)さん(23)は午前3時ごろ列に並んだ。正午過ぎに接種を終えて会場を後にし、「地元の自治体で予約が取れず、このセンターに懸けていたので、確実に打てそうな時間に来た。無事に打つことができて安心した」と話した。
3週間前に接種券が届いたという千葉県柏市の男性会社員(28)は午前7時ごろに会場に到着、ぎりぎりで整理券を手にした。「勤務先のある都内で接種できたのは、すごくありがたい」と感謝した。
一方、午前10時すぎに訪れ、受け付け終了を聞かされた杉並区の会社員、片岡絵里香さん(37)は「せっかく仕事を休んできたのに…。予約しないで打てると聞いてきたのに、早くから並んでいる人たちに券を配って終わりなんてひどい」と不満を漏らした。
都は混雑状況次第で前倒しする可能性を事前に予告していたが、間に合わなかった人の一部が職員に詰め寄るなど混乱はしばらく続いた。都福祉保健局の担当者は「若年層もある程度接種が進み、午前中の動きは鈍いと考えていた。ここまでの列になるのは想定できなかった」と釈明した。
都が若年層へのワクチン接種を急ぐのは、感染拡大防止の課題が高齢者から若年層に移ったことにある。27日に報告された都内の新規感染者4227人のうち、10〜30代は2420人と半数を超える。ただ、各自治体ではワクチンの供給不足などで予約が困難となっている。
江戸川区のスポーツクラブコーチの女性(24)は「早く接種したいが、地元ではすぐに予約ができない。周りの人も打ちたいのに打てない状況」と打ち明ける。
一方で副反応への懸念などから、接種に後ろ向きな若年層も少なくない。
渋谷区の高校2年の女子生徒(17)は「感染より副反応のほうが怖い。周りの友人も打っていないし、自分は消毒をしっかりしているので、今のところワクチンを打つ予定はない」と話した。

●法大野球部で33人コロナ感染、寮生活で拡大か 8/27
東京六大学野球リーグの法大硬式野球部に所属する学生33人が新型コロナウイルスに感染したことが26日、分かった。今月20日から部活動を停止し、部員全員に自宅待機の措置を講じている。9月11日に開幕する秋季リーグ戦への出場については未定だが、約2週間後に迫っており、出場が危ぶまれる事態に直面している。
開幕まで約2週間。東京六大学野球リーグで早大と並んで最多46度の優勝を誇る法大がクラスターに見舞われた。大学は公式サイト上で、硬式野球部に所属する学生33人が新型コロナウイルスに感染したことを発表した。
感染対策を講じていても、防げないウイルスの脅威。各大学の野球部員たちは寮生活を送っているだけに、感染拡大のスピードも速かった。川崎市に寮がある法大は22日までに野球部員10人の感染を確認。その後、保健所の調査や検査を受けた結果、24日までに感染者は33人に広がったという。既に20日から野球部は活動を停止し、全部員は自宅待機。予定されていたオープン戦は全て中止となり、保健所の指示に沿って、活動再開の時期を見極める方針だ。加藤重雄監督は「(活動はコロナ)対策に気をつけながらやっていた。今は学生を守ることを第一に考えてやっていく」と話した。
秋季リーグ戦は9月11日に開幕するが、法大は現段階でリーグ戦出場について「未定」としている。1925年(大14)に始まった同リーグで、長期海外遠征などにより6大学がそろわなかった例は過去にあるが、46年以降は6校による対抗戦が続けられてきた。
活動再開時期が見えない中で、リーグ戦に出場できない事態となれば戦後初めてとなる。法大の4年生には、今秋ドラフト候補に挙がる三浦銀二投手、山下輝(ひかる)投手らが在籍している。10月11日のドラフト会議まで、最後のアピールとなる場がなくなる可能性も出てきた。
大学野球界は昨年から続くコロナの影響を受けている。昨春は8月に開催した東京六大学を除くリーグが中止となり、全日本大学野球選手権、明治神宮大会も中止に追い込まれた。今春リーグ戦では東京新大学野球リーグの創価大が出場辞退に。夏の甲子園でも宮崎商と東北学院(宮城)がコロナ感染で出場辞退し、暗い影を落としたばかりだ。法大は9月11日からの開幕週で早大との対戦が予定されている。感染状況を考慮した上での判断となるが、六大学がそろって出場できない窮地に立たされた。
秋季リーグ方式 勝ち点制は採用せず、昨秋、今春に続き2回戦制の総当たり。各大学は10試合を戦い、優勝を争う。勝利1ポイント、引き分け0.5ポイント、敗戦0ポイントでポイントが多い大学が優勝し、2校が並んだ場合は優勝決定戦を実施。3校が並んだ場合は優勝預かりとなる。収容人数は政府のイベント開催制限に準じる。
法大野球部 創部は1915年(大4)。60年代から頭角を現し、65〜68年に在籍した田淵幸一、山本浩二、富田勝のスラッガー3人は「法大3羽ガラス」と呼ばれ、他大学から恐れられた。六大学史上最多の48勝を挙げた山中正竹を擁した69年秋からリーグ戦4連覇を達成。その後、76年春〜77年秋も江川卓らの活躍で4連覇を達成した。練習グラウンド、合宿所はいずれも川崎市にあり、部員はマネジャーを含め約140人。
大学スポーツの主なクラスター
創価大 4月26日に野球部員2人の陽性が判明。その後、活動休止としたが、29日までに野球部関係者24人の感染が確認された。野球部寮でのクラスターと認定され、開催中の春季リーグ戦の出場を辞退。それまでは首位を走っていたが、残り3カードが不戦敗となった。
日本文理大 今月16日、ラグビー部の下宿先でクラスターが発生したことが明らかに。また、24日には野球部寮で部員14人の感染が確認され、大分県内83例目のクラスターに認定された。他の野球部員については陰性と発表。
天理大 昨年8月にラグビー部でクラスターが発生。62人の感染が確認され活動自粛を余儀なくされたが、今年1月の大学選手権では苦難を乗り越え日本一。また今年3月23日から4月16日までに5つの運動部で計62人が感染。学生間の感染拡大を懸念した大学側は、19〜25日の1週間、一斉休校の措置を取った。

●「島に来ないでほしい」小笠原村 感染拡大で要請  8/27
東京・小笠原の島でも新型コロナウイルスの感染が拡大しています。小笠原村は「コロナ一掃期間」として「島に来ないでほしい」と異例の呼び掛けをしています。
小笠原村の感染者は先月までは累計で5人だけでしたが、今月に入ってから相次いで住民5人の感染が確認されました。
感染の急拡大を受けて村は今週から2週間、住民が島に戻ることを含め、やむを得ない場合以外は島に来ないよう呼び掛けています。
小笠原諸島に向けて週に2回出ている定期船は27日に出航しましたが、乗客はわずか29人でした。
小笠原村観光協会・小林広治さん「(今年の夏は)昨年よりは観光客が多かったのは事実なんですが、最終的にはちょっとコロナが流入してしまったというのが現状です。一言で言ってしまえば、ちょっと残念というか、厳しい状況になっているのかなとは思います」
都内では軽症者の自宅療養が多くいますが、村が感染拡大を食い止めようとする背景には医療提供体制の問題もあります。
小林広治さん「悪化してから運ばれるとなると、本土とは全然、環境が違って、またヘリとかで運ばれてより時間がかかってしまうので心配」
村が来島の自粛を強く要請するのは、コロナの感染拡大前を含め初めてだということです。

●新型コロナ382人感染 11日ぶり300人台も感染拡大続く 北海道 8/27
道内では27日、新たに382人が新型コロナウイルスに感染していることが発表されました。一日の感染確認が400人を下回るのは11日ぶりですが、依然として感染の拡大が続いています。
道内の新たな感染確認は、札幌市で186人、旭川市で再陽性1人を含む45人、函館市で19人、小樽市で3人、石狩地方で31人、十勝地方で28人、胆振地方で16人、空知地方で9人、渡島地方とオホーツク地方でそれぞれ8人、上川地方と根室地方でそれぞれ6人、後志地方と日高地方、それに釧路地方でそれぞれ3人、宗谷地方で1人、それに道が「その他」として発表した道外の5人を含む7人のあわせて382人です。
一日の感染確認が400人を下回るのは今月16日以来11日ぶりですが、依然として感染の拡大が続いています。
人口10万人あたりの直近1週間の新規感染者は、道内全体で64.2人、札幌市で94.4人と、都道府県の感染状況を示す国のステージで最も深刻な「ステージ4」の目安となっている10万人あたり25人を大きく上回っています。
道などによりますと、感染が確認された382人のうち調査中の4人を除いて、中等症が7人、そのほかは軽症か無症状だということです。
また、382人のうち170人は感染経路が分かっていないということです。検査数は6370件でした。
また、変異ウイルスのデルタ株について新たに、札幌市で84人、道で122人、函館市で15人、小樽市で4人のあわせて225人が感染している疑いがあることが分かりました。
旭川市では検査体制がひっ迫しているため、現在、デルタ株に関する検査は行っていないということです。
一方、函館市はこれまでに感染が確認されていた人のうち、市内に住む年代や性別が非公表の1人が亡くなったと発表しました。
これで道内の感染者は、札幌市ののべ3万4387人を含むのべ5万5420人となり、死亡したのは1438人、治療を終えた人はのべ4万8838人となっています。
道内の感染状況
26日時点の道内の感染状況を政府の分科会が示す国の指標をもとに見ていきます。人口10万人あたりの直近1週間の新規感染者は27日時点の数字です。
病床使用率 / まず、医療のひっ迫具合です。「病床使用率」はステージ3が20%以上、最も深刻な状況を示すステージ4は50%以上が目安となっているのに対し、道内は46.7%となっています。
入院率 / 「入院率」はステージ3が40%以下、ステージ4が25%以下が目安となっているのに対し、道内は18.1%となっています。
重症者病床使用率 / 「重症者の病床使用率」はステージ3が20%以上、ステージ4が50%以上が目安となっているのに対し、道内は11.2%となっています。
療養者数 / 「人口10万人あたりの療養者数」はステージ3が20人以上、ステージ4は30人以上が目安となっているのに対し、道内は98.1人となっています。
検査陽性率 / 「直近1週間のPCR検査などの陽性率」はステージ3が5%以上、ステージ4は10%以上が目安となっているのに対し、道内は9.3%となっています。
新規感染者数 / 「人口10万人あたりの直近1週間の新規感染者」はステージ3が15人以上、ステージ4は25人以上が目安となっているのに対し、27日時点で道内は64.2人となっています。
感染経路不明者の割合 / 「感染経路が不明な人の割合」は、ステージ3、ステージ4ともに50%が目安となっているのに対し、道内は42.9%となっています。

●27日は青森県内で新たに103人の感染を確認 3日連続で100人超え 8/27
新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない状況です。
26日は過去最多の139人の感染が確認されました。27日は103人と、3日連続で100人を超えました。青森県内で感染が確認された人は、すでに回復した人などを含めて、合わせて4054人と4000人を超えました。
青森県によりますと、新たに感染が確認されたのは、八戸市で57人、青森市で14人、弘前保健所管内で11人、上十三保健所管内で7人など、合わせて103人です。県によりますと、感染が確認された103人のうち、半数を超える56人の感染経路は分かっていません。感染経路不明は八戸市で34人、上十三保健所管内で6人、弘前保健所管内で5人などとなっています。
さらに八戸市では、24日に確認された接待を伴う飲食店で発生した2件のクラスターも、それぞれ拡大しています。1件目の飲食店クラスターの関連では、新たに3人の感染が確認され、関連も含めて41人に拡大しました。
2件目の飲食店クラスターの関連では新たに2人の感染が確認され、関連も含めて26人となりました。県によりますと、28日は医師や保健従事者など5人態勢で八戸市の支援に当たるということです。
入院者数は過去最多の126人で、重症は1人、中等症は16人となっています。病床使用率は、国の指標で感染者急増を表す「ステージ3」の20%を超える、41.7%となっています。

●新たに19人のコロナウイルスの感染を確認 感染拡大おさまらず 秋田県 8/27
秋田県内では27日、新たに19人が新型コロナウイルスに感染したことが分かった。秋田県由利本荘市の飲食店で発生した面的クラスターでは、新たに2人の感染が確認されている。また、25日から臨時休校となっている由利本荘市内の小中学校は、8月いっぱいまで休校の措置が取られることになった。
秋田県内で新たに感染が確認されたのは、10歳未満から70代と年代非公表の男女の計19人。このうち、由利本荘市で発生した複数の飲食店が絡む面的クラスターでは、いずれも50代で飲食店の女性経営者と女性客、2人の感染が確認された。このクラスターではスナックなど23店舗に上り、感染者は従業員や客など計39人となった。また、8月25日から臨時休校となっている由利本荘市内の小・中学校は、8月31日まで休校が延長される。一方、由利本荘市内の県立高校は、8月29日に休校を続けるかを判断する。
このほかの17人のうち、13人はこれまでに感染が確認されている人の濃厚接触者で、残る4人の感染経路が分かっていない。27日に感染の発表があった19人の中で、症状の重い人はいない。
秋田県内での感染確認は延べ1557人。2021年8月に入ってからの感染確認は537人となった。8月中旬以降に感染者が増え続けていて、8月15日からの1週間で206人の感染が分かった。また、2021年8月だけで感染者の累計の3割以上、537人の感染が確認されている。8月24日には秋田市で発生した作業船のクラスターを中心に、過去最多となる50人が感染した。このほか、由利本荘市の飲食店クラスターも収まらず、感染者数を押し上げる形となった。
8月26日時点の感染者数は296人。このうち103人が入院していて、このうち2人が重症となっている。確保されている273病床に対する使用率は、37.7パーセントに上っています。

●コロナ感染急拡大に対応 149億円補正を可決 栃木県 8/27
県議会は26日、臨時会議を開き、新型コロナウイルスの感染急拡大に対応するためにおよそ149億円を追加する補正予算案を可決しました。
県は補正予算案の中で県央と県南に新型コロナウイルス感染症の軽症者向けの宿泊療養施設を新設する費用として43億円を計上しました。
また、現在急増している自宅療養中に容体が悪化した際に備え、救急搬送を受け入れて酸素投与などを行う医療機関に1件あたり50万円を協力金として支給します。
ほかには緊急事態措置に伴う休業・営業時間短縮要請に応じた飲食店や大規模施設などへの協力金としておよそ80億円を盛り込むなど149億1700万円を追加する補正予算案を編成しました。
県は県議会臨時会議にこの補正予算案を提出し、全員一致で可決されました。
今年度の新型コロナ関係の補正は7回目で補正後の一般会計の予算総額は1兆763億9740万円となります。

●神奈川で2人死亡、2662人感染 経路不明1787人  8/27
新型コロナウイルス感染症を巡り、神奈川県内で27日、新たに2人の死亡と、10歳未満〜100歳以上の男女2662人の感染が確認された。うち感染経路不明は1787人。
横浜市は70代男性の死亡を発表。死亡した男性はクラスター(感染者集団)が発生した旭区の病院の入院患者で、16日の検査で陽性と判明、22日に死亡した。パーキンソン病などの基礎疾患があったという。
茅ケ崎市は90代女性の死亡を発表。女性はクラスターが発生した医療施設に新型コロナ以外の疾患で入院中の7月24日に陽性が判明。当初は無症状だったが、8月25日に死亡した。
相模原市は30代の男性市議の感染を発表。市議は25日に発熱があり、26日に陽性と判明した。軽症で、自宅療養中。議員控室が同室の男性市議1名が濃厚接触者に認定され、この市議は現在自宅で健康観察中という。
横須賀市では、市内の高校に通う生徒1人の陽性が判明し、同校の感染者は計14人に。陸上自衛隊の市内の部隊でも27日までに12人の陽性が判明し、市はそれぞれ新たなクラスターと認定した。
また、県鎌倉保健福祉事務所管内の学習塾と、県平塚保健福祉事務所管内の病院で新たなクラスターが発生した。
在日米海軍横須賀基地は27日、同基地で24日以降新たに関係者12人の感染を確認したと発表。また在日米海軍厚木基地は27日、基地関係者2人の感染を新たに確認したと発表した。

●27日の横浜、70代男性死亡 1165人の感染確認、特養のクラスター拡大 8/27
新型コロナウイルス感染症を巡り、横浜市は27日、市内在住の70代男性の死亡と、10歳未満〜90代の男女1165人の感染を新たに確認したと発表した。重症2人、中等症11人、軽症985人、無症状49人で、118人の症状が分かっていない。うち781人の感染経路が不明。
市によると、死亡した男性はクラスター(感染者集団)が発生した旭区の病院の入院患者で、16日の検査で陽性と判明、22日に亡くなった。パーキンソン病などの基礎疾患があったという。同病院に関連した感染者は計47人で、亡くなったのは2人目。
市は10人の感染が判明した通所介護施設、9人の感染が確認された特別養護老人ホームを新たなクラスターと認定した。
市が26日までに発表した患者の区別住所地発生状況は、次の通り。
鶴見区=4545人、神奈川区=3898人、西区=2011人、中区=3400人、南区=3982人、港南区=2828人、保土ケ谷区=2879人、旭区=3217人、磯子区=2404人、金沢区=2190人、港北区=4994人、緑区=2390人、青葉区=3868人、都筑区=2776人、戸塚区=3447人、栄区=1152人、泉区=1745人、瀬谷区=1397人、市外=3037人

●特別警報 対象エリア拡大へ 新潟県 8/27
新潟県内の新型コロナウイルスの感染者数が高止まりしていることを受け、県が新潟、長岡、小千谷の3市に発令している県独自の「特別警報」について、対象エリアの拡大を検討していることが26日、分かった。酒類を提供する飲食店に営業時間の短縮を要請する市町村を広げ、県内での感染者の増加を抑え込みたい考えだ。県は、27日以降の感染状況や市町村の意向を確認した上で、週明けにも対策本部会議を開き、最終判断する。複数の県幹部が明らかにした。
特別警報の拡大に踏み切る場合、早ければ来週中にも拡大地域の飲食店に時短営業を要請する見通し。拡大範囲については一部地域に限る案のほか、全県に広げる案もあり、感染状況などを慎重に見極める。
緊急事態宣言に準じた措置が可能となる「まん延防止等重点措置」について政府に適用を要請するかどうかも、次の対策本部会議に向けて最終調整に入った模様だ。
県内は8月に入って感染者が急増。12日に1日当たりの新規感染者数が100人を超え、その後も100人超えの日が続いた。
これを受け、県は20日、新潟市に出していた特別警報を2週間延長した上で、長岡、小千谷両市にも特別警報を発令した。しかし、その後も感染者数は減少に転じず、25日には過去最多となる159人の感染者が確認され、より強力な措置への移行は不可避な情勢となった。
県内の病床使用率は徐々に高まっており、医療現場への負荷が強まっている。県は医療崩壊を回避するため、まん延防止等重点措置の本県への適用についても政府と協議を続けている。
ただ現状では、重点措置適用の目安を一部指標が満たしていないため、要請しても適用が認められない可能性もある。その場合でも、県独自に飲食店への時短要請の範囲を広げることで感染の抑え込みを図るとみられる。
花角英世知事は26日、県幹部らと対応を協議。終了後、花角知事は報道陣に「もう一段強い措置を取る必要がある」と語った。

●「特別警報拡大方針」に理解も 新潟県 8/27
県内の新型コロナウイルスの感染者急増を受け、県は新潟、長岡、小千谷の3市に発令している県独自の「特別警報」の対象地域を全県に拡大する方針を固めた。県内の複数首長は27日、「一部地域だけで感染を抑え込むのは相当困難」「県民の意識を変える必要がある」とし、全県を含めたエリアの拡大に理解を示した。感染が拡大している地域の首長からは、より強い対策を求める声が上がった。
「お盆過ぎから、県に特別警報を出すようお願いしていた」と言うのは、感染者が急増する五泉市の伊藤勝美市長。この1週間、防災無線やメールで注意喚起を続けるが、「市民に強い危機感を持ってもらう必要がある」と訴え、対象地域拡大を求めた。
直近1週間で感染者が出ていない佐渡市の渡辺竜五市長も「特別警報は全県に拡大し、県民に強いメッセージを出すべきだ」と強調する。これまでの感染者が5人にとどまっている阿賀町の神田一秋町長は「町は感染拡大を抑えられているが、県の対応に協力したい」と話した。
県は市町村の意向を確認した上で、30日に対策本部会議を開き、最終判断する。上越市の村山秀幸市長は「新たな対応を取らなければ感染が拡大し、市民に不安が広がる。県の会議でしっかり議論されるべきだ」と県の判断を注視する考えを示した。
一方で、県は緊急事態宣言に準じた措置が可能となる「まん延防止等重点措置」についても、政府に適用を要請するかどうか、詰めの協議をしている。
既に特別警報が出ている新潟市は、酒類を提供する飲食店などに営業時間の短縮を要請している。27日夜に繁華街で若者らに感染対策徹底を呼び掛けた中原八一市長は、「お盆の帰省や夏休みの影響もあり、時短の効果はまだ十分に表れてはいない」と指摘。その上で「これ以上感染が拡大した場合には、重点措置などで市民に強い制限を加えなければならない」と述べた。
長岡市の磯田達伸市長は、県境を超える人の往来が続き、感染拡大につながっているとみて、「国は全国に緊急事態宣言を出し、県境を超える移動を抑えていくべきだ」との見方を示した。

●福祉施設で6人感染 事業所23人に拡大 療養者「最多1126人」 長野県 8/27
長野県内で新たに117人が新型コロナウイルスに感染したことがわかりました。3日連続で100人以上です。療養中の人は、1126人となり2日連続で過去最多を更新しました。
感染がわかったのは、10歳未満から90歳以上の男女117人です。27の市町村で確認され、松本市24人、長野市18人、安曇野市12人、上田市9人、千曲市7人、伊那市4人、佐久市・諏訪市・軽井沢町・青木村・筑北村・松川村で各3人、大町市・茅野市・辰野町・喬木村で各2人、塩尻市・駒ヶ根市・飯田市・立科町・長和町・池田町・富士見町・箕輪町・松川町・小谷村・中川村で各1人となっています。また、東京都・神奈川県で各2人、千葉県・大阪府で各1人の感染もわかりました。
1日の発表では、3日連続で100人を上回り、高止まりが続いています。
県は、長野保健所管内の福祉施設でこれまでに職員3人、利用者3人の合計6人の感染を確認したことを明らかにしました。県は施設内の約30人の検査を予定しています。
これまでに20人の感染が確認されている松本保健所管内の事業所では、新たに従業員3人の感染がわかり、合計23人になりました。約180人の検査を予定していて、これまでに30人の検査が終わりました。
27日発表の新規感染者のうち、68人がこれまでの感染者の濃厚接触者または接触者、県外との往来、滞在があった人が12人、県外居住者が6人、感染経路不明が30人となっています。一方、従業員らの感染が判明し、県が26日に店名を公表した飯田市内の飲食店「Club Lucina」(クラブ ルキナ)について、連絡がとれていなかった利用客11人のうち8人から連絡があったということです。県は、今月21日にこの店を訪れた人は、症状の有無にかかわらず、最寄りの保健所に連絡してほしいと呼び掛けています。
県内の感染者の累計は7617人になりました。療養している人は1126人となり、2日連続で過去最多を更新しました。内訳は入院中242人、宿泊療養中242人、自宅療養中356人、調整中286人となっています。重症は4人、中等症は55人です。(27日午後4時時点)
県内全体の確保病床使用率は前日より1.6ポイント高い51.0%。中等症、軽症患者を受け入れる一般病床の使用率は地区別に北信71.2%、東信59.2%、中信47.3%

●コロナ感染者 東海3県で3040人、各県とも過去最多 8/27
東海3県では新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず26日、愛知・岐阜・三重県で確認された新規感染者は、いずれも県の過去最多を更新しました。
東海3県では26日、これまでで最も多い3040人の感染を確認。また、新たに3人の感染者が死亡していたことが分かりました。
愛知県では同日、過去最多の2141人の感染を確認。2000人を超えるのは初めてです。また、今月12日に感染していた高齢者1人が死亡していたことが分かりました。
岐阜県では過去最多の384人の感染を確認。また、25日には岐阜市で90代の男性が死亡していたたことが分かりました。
三重県では過去最多の515人の感染を確認。25日には70代の男性が死亡していたことが分かりました。

●保育園や学習塾で新たなクラスター 岐阜県で308人感染 8/27
岐阜県と岐阜市は27日、県内29市町などで計308人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。1日当たりの感染者は過去最多を更新した前日から76人減ったが、4日連続で300人を超えた。感染者は累計1万4358人となった。
直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は113・56人。26日時点の入院患者は500人で、病床使用率が63・9%に上昇した。自宅療養者は前日比162人増の685人となった。重症者は7人のままだが、50代の患者1人が人工心肺装置「ECMO(エクモ)」を使った治療となった。
新たに5件のクラスター(感染者集団)を確認した。このうち各務原市の学習塾で中学生や小学生の生徒14人と、講師1人の感染が判明。生徒の家族1人にも広がり、計16人のクラスターとなった。この学習塾では講師、生徒ともマスクを着用し、窓を開けて換気をしていたという。
他に美濃加茂市の保育園に通う園児5人と職員2人ら9人のクラスターや、土岐市の福祉施設の利用者4人と職員1人を含む10人のクラスターを確認した。
拡大したクラスターは12件。2件のクラスターは新たな感染者が確認されず、終息した。
県健康福祉部の堀裕行部長は、学習塾で発生したクラスターについて「後から振り返れば症状があったのに行っていた生徒がいる。体調が悪い人は出掛けないことが大事」と話した。
新規感染者の居住地別は岐阜市80人、各務原市38人、大垣市31人、可児市25人、美濃加茂市18人、羽島郡岐南町11人、多治見市、海津市が各10人、高山市、関市、中津川市、恵那市が各7人、養老郡養老町、不破郡垂井町が各6人、羽島市、瑞穂市が各5人、瑞浪市、土岐市、羽島郡笠松町が各4人、美濃市、郡上市、揖斐郡大野町が各3人、下呂市、不破郡関ケ原町、可児郡御嵩町が各2人、山県市、本巣市、安八郡安八町、揖斐郡池田町が各1人。愛知県4人。
年代別は10歳未満25人、10代55人、20代72人、30代50人、40代47人、50代38人、60代10人、70代2人、80代6人、90代3人。

●陸自大久保駐屯地でクラスター拡大 524人新規感染 京都府 8/27
京都府と京都市は27日、新型コロナウイルスに感染していた1人が死亡し、新たに男女524人が感染したと発表した。府内の感染者数は計2万8398人となった。
府発表分は10歳未満から80代までの167人。症状は調査中を除き軽症66人、無症状7人。感染経路不明は121人。クラスター(感染者集団)関連では、これまで30人の陽性が判明していた陸上自衛隊大久保駐屯地(宇治市)で新たに5人が感染し、計35人となった。居住地別は、宇治市29人、長岡京市16人、京都市と八幡市各15人、亀岡市13人、京田辺市12人、城陽市10人など。
また府教委は27日、北嵯峨高(右京区)で同じ部活動に所属する生徒11人の感染が分かり、計20人になったと発表した。
京都市発表分は357人だった。

●新型コロナ感染爆発の大阪!3日連続2800人超!… 大阪府 8/27
大阪府は27日、新たに2814人が新型コロナウイルスに感染したと発表しました。また東京パラリンピックが開催されている東京都では4227人の感染が、兵庫県では新たに1061人の感染が確認されました。
年代別で最も多いのが20代の727人、次いで10代の491人、30代の451人です。また未就学児142人、就学児99人の感染も確認されています。亡くなった人は2人、重症者の患者は計202人で、重症病床使用率は34.4%。また自宅療養者は17046人となっています。
感染拡大が止まらない、大阪… 大阪府の新規感染者は連日、2800人を超えています。また、6月2日以来、200人を上回った重症者。その内、26日時点で重症化した人は23人で7人は40代以下。中には基礎疾患のない20代の男性も。さらに亡くなった6人のうち3人は40代となっています。広がる若い世代への感染。中でも妊婦の感染者が増えています。
吉村知事は…「ワクチンに関して妊婦・パートナーのワクチン接種優先を開始します。1日300回分を妊婦優先のワクチンとして接種をしていきたい」

●濃飛倉庫運輸/大阪府守口市で従業員が新型コロナ感染  8/27
濃飛倉庫運輸は8月27日、大阪府守口市の事業所に勤務する従業員1名の新型コロナウイルス感染を8月26日に確認したと発表した。
濃飛倉庫運輸は、8月では19日に大阪府守口市の事業所に勤務のグループ会社の従業員1名、3日には大阪府摂津市の事業所に勤務するグループ会社の従業員1名の新型コロナウイルス感染を確認している。
同社では、新型コロナ感染拡大防止策として「事業場の換気と共有部分の消毒の徹底」「国内外出張の自粛」「時差出勤の励行」「社内会議などをWeb会議システムで実施」「出社前の体温測定の実施」「消毒用器材の全事業所配備」「職場の分散化、通勤手段の変更」「ビニールカーテンの設置など、3密の徹底回避」を実施しており、感染症の流行(りゅうこう)が終息するまで継続する。
また、今後も従業員と関係者の安全確保を最優先に、新たな感染者発生の阻止と感染拡大防止の取り組みを強化していくとしている。

●子どもの感染拡大、第4波の3倍 重症化リスクは低いがワクチン接種 兵庫県 8/27
新型コロナウイルスの感染力が強いとされるデルタ株の影響で、兵庫県内でも全国と同様に20歳未満の子どもの感染が急拡大している。県内では第4波のピークの3倍近く子どもの感染者が確認され、新規患者の2割を超える。不安を抱く保護者は多いが、現時点で重症化した例はほぼないという。一方で、子どもの感染が家庭内感染や学校でのクラスター(感染者集団)につながる恐れがあるため、医師は引き続き予防の徹底を呼び掛けている。
今春の第4波で、20歳未満の新規感染者が最も多かったのは4月17日の102人。7月からの第5波の感染拡大を受け、8月24日には282人が確認された。
県内の小児医療関係者によると、同24日時点で県内で入院中の15歳以下の患者は5人程度。神戸市保健所の入院調整の責任者は「多くは親とともに自宅療養している」と話す。
県立こども病院(神戸市中央区)では1月8日〜8月26日に小児患者18人を受け入れた。1歳以下が7割を超え、全員軽症だった。
感染症内科の笠井正志部長(49)=小児感染症学会理事=も「治療はほとんど必要なかった」と説明。第5波では、高熱が出たり嘔吐したりする子どももいたが、点滴や解熱剤で治るため、コロナ治療薬を使ったことはないという。
ただ「基礎疾患のある子が感染した場合、エクモ(人工心肺装置)が必要なケースが今後ないとは限らない」と笠井部長。新学期に入り、クラスターが起きる可能性もある。「5波は感染の速さが特徴。せきだけでなく、下痢や嘔吐など少しでも体調が悪くなればコロナを疑って学校を休んでほしい」と訴えた。
県立尼崎総合医療センター(尼崎市)も小児コロナ病床を3床備えるが、ほとんど使っていない。昨年4月から今年8月26日までに23人を受け入れ、全員が軽症。感染した親と大人の病床に入る子が大半だった。
小児感染症内科の伊藤雄介科長(42)は「子どもの重症化リスク自体は低い」としつつ、家庭内で子どもから感染した大人が重症化したり、子どもの感染拡大で学校行事に影響が出たりすることを懸念。神戸市や姫路市で間もなく始まる12歳以上のワクチン接種に触れ、「家族の命や学校生活を守るために勧めたい」と話す。

●丸山島根県知事、小池東京都知事のコロナ対応を猛批判 8/27
島根県の丸山達也知事が26日、次回の全国知事会が採択する方針の声明文から、「47都道府県が一致結束して新型コロナウイルスの感染対策に取り組む」という趣旨の文言を削除するよう求める考えを明らかにした。新型コロナウイルス感染対策をめぐる小池百合子・東京都知事の姿勢に対する不信感があるようだ。
26日に島根県庁であった記者会見で述べた。
丸山氏は、東京五輪・パラリンピック組織委員会が都内で国際パラリンピック委員会(IPC)関係者の歓迎会を開いたり、小池氏らが出席したりしたことに言及し、「そんなことをしている場合か」と厳しく批判した。
丸山氏は、小池氏が都議会で、東京五輪開催について「東京の底力を示した」と発言したことにも触れ、「その底力の10分の1でも10分の2でも新型コロナ感染拡大防止に振り向けてほしかった」と述べた。
都などがパラリンピックを児童や生徒に観戦してもらう「学校連携観戦プログラム」を進めていることについても、「本当に新規感染者を減らそうと思っている人がやっていることとは思えない」と指摘し、「次の全国知事会があったら、47都道府県が一致結束して感染対策に取り組む、という文言を落とすべきではないかと思う」と述べた。
丸山知事は以前から、東京都や政府の新型コロナウイルス対策を批判してきた。島根県内での東京五輪聖火リレーの中止を検討すると表明したこともあった。

●「学びの機会」どう保障 コロナ感染拡大の中始まる新学期 長崎県 8/27
新型コロナウイルスが猛威をふるう中、長崎県内の多くの学校が9月1日に新学期を迎える。全国的に子どもの感染事例が増えているだけに、現場は「学びの機会」を保証するため、検温の徹底や授業のオンライン化などさまざまな策を講じている。
最大限警戒
大村市内の小中学校は26日、2学期がスタート。給食は27日から始めるが、感染急拡大を受け、8月中は午前までの授業とする。同市玖島1丁目の市立大村小では、児童が自宅での検温結果を記入したカードを持参して登校。靴箱前で教師が出迎え、忘れた子の体温を測った。始業式はリモート形式。中嶋邦治校長は画面越しに「(感染状況が)『災害級』と言われる中、一人一人が自分にできる予防策を考えることが大事。力を合わせて乗り切ろう」と呼び掛けた。6年の山下健太君(12)は「コロナ対策は面倒なところがあるけど、しっかり気を付けていきたい」と話した。同市教委によると、市内小中学校教職員はワクチンの先行接種を受け、74%が2回目まで済ませた。県教委は18日、平田修三教育長の緊急メッセージを県立学校に出した。夏休み明けの2週間を特に注意し、校内や家庭内での感染拡大に「最大限の警戒」を払うよう求めた。長崎市立山5丁目の県立長崎東高は20日から授業を再開。9月3日までを「感染拡大防止徹底期間」とし、玄関周辺に啓発ポスターを張り出した。これまでもマスク着用や換気の徹底、昼食時の「黙食」などに取り組んでおり「新たな対策を取るのは難しいが、生徒に気を引き締め直してもらう」。
オンライン
授業にオンラインを導入する動きもある。同市文教町の長崎大付属小・中は9月1〜6日、登校を取りやめ、1人ずつ配備したノートパソコンで学校と自宅などをつなぎ授業を行う。同大教育学部の藤本登学部長は「家庭向けの一斉実施は初めてだが、昨年10月以降、授業でパソコンを積極活用しており、問題ないと考えている」と話す。一方、長崎、佐世保両市内の市立小、中学校は予定通り9月1日から2学期を始める。佐世保市教委は、同市が27日から、まん延防止等重点措置区域になるのを踏まえ、分散・時差登校も検討したが見送った。担当者は「まずはこれまでの感染対策を徹底してもらう。安全・安心も重視しながら学びの機会を提供していきたい」と話す。
離島留学生
島外から進学した72人の「離島留学生」が通う対馬市厳原町の県立対馬高。帰省を終えて戻った生徒には抗原定量検査を受けさせ、学校寮では検査結果が出そろうまで食堂での食事を禁じ、各部屋で「個食」とした。植松信行校長は「離島の医療体制を考えれば、感染拡大は避けなければならない」と話した。

●熊本県内「爆発的感染拡大」続く 感染状況 2週続けて週1500人超  8/27
熊本県は27日、県内の新型コロナウイルス感染状況が、政府分科会指標で最も深刻な「ステージ4(爆発的感染拡大)」にあるとの判断を維持すると発表した。ステージ4は4週連続。1週間当たりの新規感染者が2週続けて1500人を上回った。
25日まで1週間の感染者は1628人と、前週の1513人から増加。ステージ4基準(1週間で437人)の3・7倍に達した。県独自のリスクレベルも最上位の「レベル5(厳戒警報)」を維持した。
保健所別では、11カ所中8カ所がステージ4基準(10万人当たり25人)に該当し、2カ所がステージ3基準(同15人)となった。
県と熊本市の専門家会議の馬場秀夫座長(熊本大学病院長)は「さらなる感染拡大が起これば、医療崩壊が現実的となる」と指摘。ワクチン接種の推進や人同士の接触機会の削減を求めた。

●8月感染、19歳以下が23% 「大人経由」で急拡大 鹿児島県 8/27
新型コロナウイルスの「第5波」で、かかりにくいとされてきた子どもの感染が鹿児島県内で増えている。8月の感染者に占める19歳以下の割合は2割を超え、保健所は「親から子どもへの家庭内感染が急速に広がっている」と指摘。感染力が強いデルタ株がまん延する中、新学期を控え、専門家は教職員ら大人のワクチン接種が重要と強調する。
南日本新聞のまとめによると、8月1〜26日に公表された19歳以下の感染者は837人で、全体の23.4%。「第4波」の時期に当たる4月27日〜5月31日の165人の約5倍で、全体に占める割合も10.6ポイント増えた。8月は子ども世代のクラスター(感染者集団)が、学校の課外活動や部活動、児童施設で確認された。
「これまで、親が感染した場合に家庭内で子へうつすのは1割に満たない印象だったが、今はほぼ全てうつっている」。鹿児島市保健所の西剛志・新型コロナウイルス感染症対策室長は話す。
デルタ株感染者のウイルス排出量は、従来株の約千倍との報告がある。マスクを外す家の中では、空気中に含まれるウイルス量も多くなりがちだ。西室長は「夏休みで親子一緒に過ごす時間が長く、感染しやすくなっている」とみる。
感染症に詳しい鹿児島大学大学院の西順一郎教授は「子どもから子どもへの感染拡大はほとんど確認されていない」と指摘。学校現場での対策は「教職員がワクチンの2回接種を済ませ、会食など感染リスクの高い行動をしないことが何より大事」と強調する。
感染予防効果が高い不織布製マスクの着用を求め、屋内での部活動は、県の警戒基準が「ステージ4(感染者爆発的拡大)」の間の自粛を勧める。西教授は「子ども本人はもちろん、同居する大人に発熱などの症状があれば登校させないでほしい」と呼び掛けている。

●新型コロナ 全国で約2万5000人が感染 若い世代の感染拡大  8/27
新型コロナウイルスについて全国できのう、2万4969人の感染が発表されました。
きのう、東京都では4704人の感染が新たに発表されました。年代別では20代が1330人と最多で、そのほか10代で481人、10歳未満でも328人など、若い世代への感染拡大に歯止めがかかっていません。
都道府県別では、きょうから緊急事態宣言の対象地域になる愛知県では初めて2000人を超えました。そのほか大阪、京都、三重など8府県で過去最多を更新していて、全国ではきのう新たに2万4969人の感染が発表されました。
また、全国で入院している感染者のうち「重症者」とされる人は1974人と、14日連続で過去最多を更新しました。

●新型コロナ急拡大で露呈した日本医療のもろさ  8/27
新型コロナウイルス感染症のデルタ変異株拡大で病院の逼迫が続き、日本の医療システムの脆弱さが露呈した。世界的に見て潤沢な病床数がありながら、救急搬送者が入院できないケースが相次ぐのはなぜか。ひとえに緊急事態への備えを怠ってきた医療政策に不備があるとの声も上がっている。
千葉大学医学部附属病院(千葉市)の中田孝明救急科長によると、最近は「救急車内で何時間も過ごすというのはよくある」ことだという。中には容体の悪化したコロナ患者を同院が満床で受け入れられず、人工呼吸器を装着しながら搬送先を待ち、見つかるまでに16時間を要した例もあった。
全国の重症者数は2000人近くに達し、年齢別では65歳以下が目立っている。千葉大病院の集中治療室(ICU)でも30−50代の患者が多い。ワクチンを接種していない人が重症化しやすく、ICUの患者は接種してない可能性があると中田氏は推測するが、容体の悪さから会話もままならず、接種状況は十分に把握し切れていない。
総務省消防庁の統計では、22日までの1週間に起きた東京都の救急搬送困難案件は1645件と昨年の同期間と比べ倍増した。TBSの報道によれば、今月に入り、都内では自宅療養中に11人が亡くなった。
日本医師会が1月に公表した資料によると、日本は人口1000人当たりの病床数が13床と、主要7カ国(G7)中で断トツ。しかし、デルタ株の猛威で全国の1日の新規感染者数は連日2万人と急増しており、病床自体の不足、あるいは人材不足で確保した病床を十分に活用できない事態に陥っている。
開業医で医療経済ジャーナリストの森田洋之氏は、G7の状況と比較しながら、日本は相対的に「病床数が多くて感染者数は少ない」と分析。本来は余裕を持って入院者の増加に対処できたにもかかわらず、医療逼迫を引き起こしたのは「確実に医療デザインの問題であり、政策レベルで問題があると言わざるを得ない」と指摘する。
森田氏によると、英国など欧州では公的な医療施設が多く、病床整備の際には政府が病院に直接指示し、新型コロナ用の病床を迅速に増やすことが可能だ。一方、日本の場合は大半が民間病院で、政府は強い指示を出せる立場になく、人口当たりの病床が多くても現状は補助金で誘導する手段しかない。
2019年10月時点の厚生労働省の調査によると、全国で8300ある病院のうち、5894施設の開設者は法人もしくは個人だった。「医療を市場システムに任せたつけが回ってきている」と森田氏は言う。
新型コロナ対策として国は総額約3兆円の「緊急包括支援交付金(医療分)」を準備し、重症患者用の病床に対し1床最大1950万円を病院側に支給している。千葉大病院ではICUを全てコロナ向けに転換し、足元で病床数を6床から10床に拡大した。新型コロナ感染症の対応には従来より人手もかかるため、看護師の数も十数人まで増やし、対応している。
ただし森田氏は、コロナ患者を診療する病院については感染を恐れ他の患者が診察を受けに来なくなるなど風評被害が広がる可能性があり、補助金だけでは効果が限られるとみている。
千葉大病院では、もう一段の感染拡大に備え受け入れを増やす準備はしているものの、他のスタッフや看護師の応援が必要で、コロナ以外の医療サービスを中止せざるを得ない状況にもなっている。
また、コロナ専用病室には清掃作業の負担が重いという問題もある。同院で新型コロナ対応を指揮する猪狩英俊感染制御部長は、看護師が本来の業務に専念できず、「モチベーションの低下にもつながった」と回顧。ようやく最近になり、清掃を専門業者に委託することができたという。
猪狩氏は、宿泊療養施設でも似たような問題があると指摘。業者による清掃はフロアごとに行われるなど「チェックアウトしてすぐに次の患者が入れるような運用になっていない」ため、稼働率が上がらないという。
医療体制は厳しさを増す一方だが、足下の新規感染者数に対する1日の死亡者数は昨年5月の半分以下にとどまり、海外と比べても相対的に抑えられている。日本では、重症化リスクの高い65歳以上の高齢者に対するワクチン接種を優先的に進めてきた。
医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師は「日本の死者数はG7の中でドイツより多いが、2番目に少ない」とし、ワクチンの接種も進み、今回の第5波は昨年末のように高齢者が多く亡くなる事態には至っていないとみている。
しかし、もはや医療に頼ること自体に限界があると話す専門家もいる。東京大学大学院の坂元晴香特任研究員(公衆衛生学)は「どれほど医療システムを強化しても、新型コロナのような感染症が急増しては対応し切れない」と指摘。感染の拡大を防ぐことが大切だと述べた。

●待機児童が過去最少 コロナ感染不安で保育所利用控えたか 8/27
保育所などの空きを待つ「待機児童」はことし4月の時点で全国で5600人余りと去年より6000人以上減少しこれまでで最も少なくなったことがわかりました。厚生労働省は、保育の受け皿の拡大や新型コロナウイルスの感染への不安から、保育所の利用を控える保護者が相次ぎ大幅に減少したとみています。
厚生労働省によりますと保育所などの空きを待つ「待機児童」はことし4月の時点で全国で5634人でした。去年4月と比べて6805人減少し、これまでで最も少なくなりました。待機児童が前の年より減ったのは4年連続で、減少幅は今の方法で調査を始めた2002年以降で最も大きくなっています。都道府県別でみると、待機児童が最も多かったのは東京で969人(前年比−1374人)、次いで兵庫で769人(前年比−759人)、福岡で625人(前年比−564人)で、36の都道府県で前の年より減少しました。一方、待機児童がいなかったのは青森、山形、栃木、新潟、富山、石川、福井、山梨、岐阜、鳥取、長崎、大分の12の県でした。厚生労働省は「待機児童を減らすための保育の受け皿の拡大や新型コロナウイルスの感染への不安から保育所の利用を控える保護者が相次ぎ大幅な減少になった」とみています。一方で、厚生労働省によりますと25歳から44歳までの女性の就業率はことしは上昇する傾向となっていて、保育所などの利用の申し込みは再び増加する可能性があるということです。厚生労働省は「待機児童の状況などを確認しながら必要な保育の受け皿の確保が進むように自治体の支援を行っていきたい」としています。
待機児童の現状に詳しい保護者などでつくる「保育園を考える親の会」の普光院亜紀代表は「受け皿の整備もあったと思うが感染拡大が続く中、小さな子どもを保育所に預けることに不安を感じて育児休業を延長したり仕事をやめたりした人も少なくないと思う。そうした結果、待機児童の大幅な減少となったのではないか」と話しています。そのうえで「新型コロナウイルスの影響で子どもの面倒をみるために仕事を辞めた人は働くことができる状況になればすぐにでも働きたいという人が多い。そのニーズにすぐに対応できるようにしておくことが必要だ。保護者は安心して子どもを預けられる施設を利用したいと考えているので、もっと質に注目して丁寧な整備をしてもらいたい」と話していました。また厚生労働省は、これまで公表を行ってきた10月時点の待機児童の数について今年から公表しない方針を明らかにしました。これについては「家庭や親の状況で年度の途中であっても保育が必要な状況は出てくる。いつでも安心して保育所を利用できるということが子育てにとってはいちばん大事なことなので、10月時点の待機児童が見えなくなるということは本当に困っている人の存在が見えにくくなってしまう」と懸念を示しました。
待機児童の数が大幅に減少した理由について、厚生労働省は新型コロナウイルスの感染拡大が影響しているとみています。厚生労働省は待機児童の数が去年4月と比べて10人以上減った全国180の自治体に、待機児童が減少した理由についてアンケート調査を行いました。それによりますと、待機児童が減少した理由を複数回答で聞いたところ「保育所の新設や利用定員の拡大」が87.6パーセントと最も多く、次いで「申込者数が想定ほど増えなかったや、想定以上に減少した」が43.3%となっています。保育所の利用の申し込みが想定を下回ったと回答した自治体にその理由を聞いたところ、「保育所での感染を懸念して利用を控える保護者の増加」が74%、「育児休業を予定より長く取得する保護者の増加」が57.1%などとなりました。厚生労働省によりますと、ことし4月の時点で保育所の利用を申し込んだ人は全国で282万8166人と、去年4月より1万4042人減って、集計を始めた2009年以降初めて減少しました。0歳児から2歳児までの申し込みが減っていて、とくに0歳児は159万384人と、7346人少なくなり大幅に減少しています。厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染への不安から保育所の利用を控えた保護者が多かったとしています。加えて保育所を利用できるように競争率が低い低年齢のうちに利用の申し込みをする保護者がこれまでは多かったが、待機児童の減少傾向をうけてそうした申し込みが減ってきたことが背景にあるのではないかとみています。

●4回目の緊急事態宣言で新型コロナに関する社会的感情に変化は 8/27
新型コロナの蔓延が止まりません。ワクチンが救世主になるかと思いきや、死亡率は減少したものの感染者数はいまだピークアウトしたとは言いきれない状況のようです。デルタ株や、人々の油断、コロナ疲れなど様々な影響が言われています。そこで、ソーシャルセンサの考えを用いて、ツイッター上での人々の感情がどのように変化しているのか分析してみました。
ツイート数と感染者数
まず、コロナ感染者数とツイート数の関係についてみてみましょう。これより、やはり感染者数の増加に伴って関連ツイートも増加していることが分かります。ツイッター上でのコロナに関する投稿はそれなりに社会的状況を表しているといえるでしょう。
感情の類似性の変化
では、次に、人々がどのような感情を持っていたのかツイッターから推定してみましょう。ここでは、ツイートに含まれている感情を抽出し、その変化を見てみました。一週間ごとのツイートを使って、各ツイートに含まれる感情語をML-Askを用いて抽出しています。なお、人々の感情を分析する際に、リツイートやニュース記事などURLを含んだツイートはノイズとなってしまうため、オリジナルツイートかつURLを含まないツイートのみを対象として分析をしてみます。ここで得られた感情が過去のどの時点と類似しているかによって、どんな感情だったのかを見てみましょう。また、直近で最も感染者が少なかった2か月前の6月24日の感情も併せて比較してみます。
まず、2021年8月24日現在の感情がいつと類似しているかを青い線で表しています。1に近いほどその日と8月24日が類似していることを示します。青い線を見ていくと、比較的似ているのはいずれも感染者数が増加傾向からピークに達するあたりであることが分かります。その意味では、今の状況が過去と比較して大きく油断している状況であるとは言えなそうです。特に類似しているのが第1波と第3波のピーク付近ですので、比較的緊張感が大きく出ているといえるのではないでしょうか。さらに、7月8日に一気に感情が変化していますが、この日はまさに緊急事態宣言が出された日です。「緊急事態宣言に慣れてしまって効果が無くなっている」と言われていますが、感情面から見る限り緊急事態宣言にも一定の効果はあったといえそうです。一方、感染者数が少し抑えられた6月24日との類似性を見てみましょう。これは緑のラインで示されたもので、1に近いほど類似していることを示します。これより、第4波の終わりかけから類似した感情となっていますが、ここと最も類似した感情が出ているのはなんと2021年の元旦です。大晦日〜元旦はかなり特殊な感情が表出する「浮かれた」時期なのですが、それと類似した感情だったということは、ワクチン接種が進んだことや感染者が減少傾向にあったこと、オリンピックなどが影響していたのかもしれません。具体的な因果関係は分かりませんが。
感情パターンのクラスタリング
最後に、類似した感情が出た日を分類して、どのような感情パターンがあったのかを見てましょう。一日ごとに表出した感情の割合に基づいてX-Meansという手法を使ってクラスタリングを行いました。その結果、9個のパターンが得られました。それぞれの感情パターンがいつ出たのかを示したのが次のグラフです。
一日ごとに9種類の感情パターンのうち何が出ているのかを示してます。これを見ると、第5波が始まったころから緑のパターン5が増加していることが分かります。また、数か所茶色のパターン7が見られます。これらのパターンにはどんな感情が含まれているのか示したのがこちら。
これを見ると、パターン5に含まれる感情は怖が多く表出しており、パターン7では昂が多く表出していることが分かります。パターン7になっている日は、7月23〜25日、8月8〜9日ですのでこれは明らかにオリンピックの開会式閉会式の影響でしょう。一方でそれ以外の日はそこまで「昂」の感情が大きいわけでもないことから、オリンピックの最初と最後はさておき、期間中ずっと浮かれていたわけではなさそうなことが分かります。さらに、オリンピックが終わって感染拡大が止まらない8月19〜22日あたりでは第3波、第4波が増加傾向にあるときに出ていたパターン2が多くみられ、危機感が上昇している可能性が示唆されます。特にパターン2は全体的に多くの感情が含まれていることから、8月前半と比較して感情的内容を含むツイートの割合が増加しているといえるのではないでしょうか。
おわりに
直近のツイートデータを用いて、新型コロナに関する社会的感情がどのように変化しているのかを分析してみました。もちろん、ネット上に表出する感情は社会全体の一部ですし、これ自体が社会のすべてを表しているわけではありませんが、その一部を可視化する有効な手段の一つとは言えるかと思います。結果としては、感情分析の結果からは過去4回のピーク時と類似した感情が表出していることが分かります。また、オリンピックの影響が大きく出たのは開会式直後、閉会式直後くらいのようです。一方、効果がないと言われていた緊急事態宣言ですが、ソーシャルセンサで見る限り感情面には一定の効果をもたらしたとは言えそうです。ただ、それが感染防止に直接結びついているのかと言われると難しいところですが・・・
デルタ株の蔓延もあり、まだまだ新型コロナ収束への道のりは険しそうですが、過度の油断を避けながら何らかの形で収束するようにしたいものです。

●休校判断のガイドライン 教育委員会などに通知へ  8/27
新型コロナウイルスの感染の急拡大で子どもの感染も増える中、萩生田文部科学大臣は、夏休み明けの学校現場で感染者が出た場合に備え、休校などを判断するためのガイドラインを、27日中に、教育委員会などに通知する考えを示しました。
新型コロナウイルスの感染による休校や学級閉鎖の判断は、教育委員会などが保健所の調査などをもとに行っていますが、感染が急拡大している地域では、保健所の業務がひっ迫し、こうした調査が十分に行われないため、教育委員会などが独自に対応する必要性が高まっています。
こうした中、萩生田文部科学大臣は閣議のあとの記者会見で「緊急事態宣言の対象地域などでは保健所の業務のひっ迫により調査が遅れるおそれがあり、感染が拡大している可能性が高い場合の臨時休校の考え方を示すことにした」と述べ、休校や学級閉鎖を判断するためのガイドラインを、27日中に、教育委員会などに通知する考えを示しました。
そして、萩生田大臣は「ガイドラインを参照し、非常時でも児童や生徒の学びをとめないよう確実に取り組んでほしい」と述べました。 

●感染拡大で本格化する小学校のオンライン授業 ICT教育 8/27
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないことを受け、学校の夏休み延長が議論され、夏休み明けの授業をオンラインで実施することを決めた自治体もあります。パソコンやインターネットなど、ICT(情報通信技術)を学校教育に活用する意義や利点、そして親が知っておくべき心構えとは――。『AERA English特別号「英語に強くなる小学校選び2022」』では、教育現場の第一線でデジタル時代の学びを進める二人の教師に話を聞きました。学校教育のICT化で国内屈指の充実度を誇る宝仙学園小学校の百瀬剛さんと、公立校ながらICT教育の最先端をいく東京都小金井市立前原小学校でICT主任を務めた蓑手章吾さんが語ります。

百瀬 私が勤める宝仙学園小学校では、6年ほど前からICTを試行的に導入しました。電子黒板からスタートし、教員は教具の一つとしてタブレットを持ち、電子黒板とリンクさせながら活用し始めました。児童たちに使わせたのは次のステップでしたね。蓑手さんは、小学校におけるICT化の流れをどのように見られてきましたか?
蓑手 私は4年前にICT先進校である前原小学校へ異動したのですが、当時は世間的にも、ICTへの理解はまだまだでした。この2、3年で一気に流れが変わり、児童が1人1台の端末を持つ学校も増えましたよね。
百瀬 我々も当初は貸し出し機でしたが、2020年から1人1台となりました。
蓑手 導入にあたって、難しさはありませんでしたか?
百瀬 以前から保護者を対象としたICT説明会や研修会を実施していたんです。そこで「将来の教材として必須になる」と伝えていましたし、コロナ禍という状況もあり、急ピッチかつ、スムーズに進めることができましたね。その結果、昨年は4月の始業式以降、全学年がZoomを通して授業を実施できました。
蓑手 その準備と実行力はさすがですね。まさにそのころ、公立校では「オンライン授業をやりたくてもできない」という教員の声が全国から上がっていました。
百瀬 宝仙学園小学校の教員にも、オンラインで授業を配信したいという大きなパワーがありましたね。そのなかで特に考えさせられたのは、「何のために学校はあるのか?」ということでした。授業を行うことも重要ですが、同時に教員と児童、そして児童同士のつながりも、欠いてはならないものだとあらためて気づかされました。ですから、授業以外にも朝礼や休み時間などを設け、時間帯によってはオンラインを通して自習室も設置しました。ICTとコロナ禍を通じて、学校の存在意義を見直すことができたような気がします。
蓑手 私は授業を進めるなかで、ICTの活用によりすべての児童の声を吸い上げられるようになったのは非常に大きなことだと感じました。従来の教育現場では、言葉でのやり取りが多く、声の大きな子、おしゃべりな子が目立ちました。発表しなければ意見がないのと同じように見え、特に場面緘黙(かんもく)症という特定の状況では話ができない児童にとっては難しい環境でした。それが今では、アプリ上に書くことでその児童の意見が拾い上げられ、同時にクラス全員が見られる状態にある。声に出さなくても伝えることができるようになったんです。
百瀬 ICTを通じて、一人ひとりが発信する機会、独自の発信の仕方が生まれますよね。我々が導入しているロイロノート・スクールのようなアプリを活用することで、共同作業をしながら各自がコメントすることができます。発表の仕方も、トークが得意な子もいれば、プレゼンのような手法や、紙芝居のようなクリエーティブな形で展開する子もいます。ICTにより、各自の創造性や主体性、個性を伸ばすことができています。
百瀬 ICT教育が広がるなか、保護者の理解や協力は不可欠です。児童の使用に関しては、端末の不適切な使用、有害サイトへのアクセスも懸念されます。保護者も情報リテラシーを高め、使い方や使用時間などを子どもと一緒に考えていく必要があります。
蓑手 一緒に、という部分がポイントですよね。子どもと同じ土俵に立ち、ときには質問や相談をすることも大事。保護者もICT教育を一緒に体験しながら、わが子に必要なこと、そうでないことを取捨選択していくべきです。
百瀬 ほとんどの保護者はICT教育を受けずに育ちました。自分の経験だけで物事を捉えると、現代の子どもとは大きなすれ違いが生じます。子どもたちの現在と将来を見つめるためにも、保護者は常に自身をアップデートする姿勢が大切ですね。
蓑手 同感です。私の経験上、わが子が学んでいること、新たに取り組んでいることに保護者が積極的に関心を寄せる家庭では、子どもがよりのびのびと生活を送る印象があります。一緒に考え、学ぶ意識が、子どもたちにいい影響を与えることにつながります。
百瀬 文部科学省は学校教育を通じて、思考力、判断力、表現力を育成することを強調しています。蓑手さんは、ICTはこれらの育成にどう関与できると感じていますか?
蓑手 この三つは教わって身につける力というよりも、たとえば「自ら考えてものを作る→先生や友人からフィードバックを受ける→それをもとに次は何を作ろうかと考える」というサイクルが1周したときに初めて育まれるものだと考えています。ICTを活用することで、これまでよりもこのサイクルを格段に早く回すことが可能になりました。
百瀬 このサイクルの素早い回転は、子どもたちのやる気にも直結するんですよね。
蓑手 おっしゃるとおりです。すぐにフィードバックがあることで、自分が作ったものや考えたものをよりよくしよう、修正しようという意欲を高めます。同時に、その瞬間にこそ思考力、判断力、表現力は伸びるのだと思います。
百瀬 ICT教育の浸透によって、小学校での学びは今後も変化していきそうですね。
蓑手 従来のアナログ時代のままでは、子どもたちは大人が知っていることを教わるという受け身の学習が続きます。デジタル時代を生きていく子どもたちに対し、学校も教員も学び続け、最先端の環境を提供しなければなりません。ICTを通じ、多様な経験や可能性に触れさせることが大切だと思っています。
百瀬 蓑手さんが言うとおり、ICTの活用によって「教える」だけでなく、「学ぶ」機会がより創出されるでしょう。児童が自ら調べ、発表し、交流し合う機会が増えていくはずです。そこでは教科横断型とともに、子どもたちの「問い」から始まる、“生きた学び”や “自発的な学び”が実現するのではないかと思います。

●新型コロナ医療崩壊の原因は開業医の不作為だ  8/27
新型コロナウイルス・デルタ株の流行で連日のように医療現場の窮状が伝えられている。医療提供体制の問題が指摘されながら拡大がなかなか進まない。 東京都は改正感染症法16条の2に基づき民間病院への協力を要請したが効果はあるのだろうか。何しろ、市井の多くの診療所やクリニックは1年半以上も「熱のある方は保健所へ連絡を」と張り紙したまま、頬かむりして新型コロナの診療に協力していない。勧告や名前の公表ぐらいでは効かないのではないか。
また、大規模病院や療養施設への応援、在宅療養者へのオンラインによる診療支援といった程度では不十分だ。一般の診療所の開業医がインフルエンザの場合と同様に外来診療や往診に応じる体制を作る必要がある。一方で、分科会の医師の一部や知事などが主張する国民へのより強力な活動制限、ロックダウンなどはすべきでない。以下、説明したい。
感染力が強くなる一方、致死率は低下
まず、新型コロナの被害は第4波までと現状の第5波とでは大きく異なる。簡潔に言えば、新型コロナはより広まりやすくより死ににくい病気になりつつある。テレビや新聞の多くが新型コロナのデルタ株についてネガティブな材料ばかりを強調して報道しているが、データからは異なる姿が見えてくる。
5月中旬をピークとする第4波についてデータを7日移動平均で見るとピーク時には感染者数(検査陽性者数)は6400人、死者数のピークは100人前後で推移した。これに対し、8月20日は感染者数は4倍の2.5万人に達し、その後も2.2〜2.3万人で推移しているが、死者数は30〜35人で推移し、陽性者数に対する死者数の比率は圧倒的に少なくなっている。下のグラフの山の大きさを見るとわかりやすい。したがって重症者の数は増加しているが比率でみると小さくなっているのだ。
季節性インフルエンザが流行すると国内で1年間に1000万〜1500万人が罹患し、約1万人が亡くなる(注)。ワクチンや治療薬にも限界があるからだが、ほかの病気と同様に外来診療を行っている。新型コロナもワクチンや重症化を防ぐ薬も揃いつつあるし、医療現場には換気や防護服など感染制御をしながら治療にあたって回復を促すノウハウが、積み上がってきている。つまり、インフルエンザ並みに診療できる条件が揃いつつある。
(注)インフルエンザの死者は2018に3325人、2019年に3575人なので新型コロナよりも大幅に少ないというコメントがまま見られるがこれはデータの背景を無視した誤りだ。新型コロナは陽性者の全部報告が義務づけられ、2020年6月18日以降は厚労省の事務連絡で検査陽性者の死はすべて新型コロナによる死と報告してよいことになり、過剰計上となっている。だが、インフルエンザの場合は患者が進んで診療を受け、かつ、ほかの疾患を抱えていた場合には医師による検死で確定されたものに限られる。国立感染症研究所では超過死亡概念でインフルエンザの死者年間約1万人と推計している。
移動制限でも感染抑止はできず、経済を潰す
他方、こうした広まりやすいウイルスを人の移動制限で抑え込むのは困難だ。人の移動と感染拡大との連動性が失われていることもデータで確認できる。
人の移動制限は効果が薄いのに対して経済に及ぼす打撃が大きく、極めて非効率なのだ。諸外国のロックダウンも変異株がはやるたびに繰り返す羽目に陥っている。。
感染症対策に携わる医師は、「個々人が半径2メートル以内の感染対策、すなわちマスク着用によって飛沫を浴びない、こまめな手洗い、換気をきっちり行うことの効果はとても高い。本来はそれさえできれば、人の移動を制限することは必要ない」と話す。
さらに、「子どもの感染が問題になっているが、10代以下の子どもは新型コロナで1人も死んでいない。しかし、季節性のインフルエンザでは乳幼児や10代以下の子どもたちが死ぬ。2019年にも65人が亡くなっている。子どもにとっては明らかに季節性インフルエンザのほうが怖い」という。
新型コロナの被害状況、人口比で見た感染者数、重症者数、死者数がかねて欧米よりも大幅に少ないのは周知のとおりだ。これは今も変わらない。一方、日本の人口当たり病床数はOECD(経済協力開発機構)諸国中で最多、医師数はやや少ないがアメリカとほぼ同程度だ。病床の総数は130万床、医師数は32万人である。
ところが、足元で入院加療を要する患者が21万人、重症者は2000人にも満たない状況で、医療崩壊が起きるのは、新型コロナに対応できる病床数が少なく、診療に携わる医師が極端に少ないからだ。8月18日時点の報告で、新型コロナ向けにすぐに対応できる病床数として確保されているのは3万6314床、重症者用では5176床にすぎず、宿泊療養施設が3万8577室だ。日本の特徴は病院の81%が民間であり、また病床を持たない診療所も新型コロナ診療に携わっていないところが多い。
対してEU(欧州連合)諸国では公的病院が66%である。そのうえで、すでに昨年から欧米先進国では新型コロナ患者の多くは自宅で療養し、外来診療・往診で治療を受け、悪化・重症化の兆しが出たら入院する形だ。日本で自宅療養が問題なのは、医師が診療せず不安なまま放置され、悪化したときには手遅れという状態になるからだ。多くが軽症で治るのだから外来診療や往診ができれば、状態に応じて入院やICUでの措置が決められるので対応がスムーズになる。
開業医と勤務医の格差、歪んだ資源配分
日本の医療提供体制が特異なのには理由がある。戦後、地域医療を再建するため、開業医は優遇税制、診療報酬制度で保護された。そうした中で、日本医師会は資金力をつけ、その推挙する候補が議員になるといった形で、国政から市町村に至るまでの大きな政治的影響力を持つに至った。
他方、多くが救急医療を担う日本の公立病院の勤務体系は過酷で、これは今に始まったことではない。新型コロナの流行以前から問題視されていた。働き方改革で一般労働者の時間外労働は年間360時間まで、例外的な場合の上限が720時間となったが、大病院の救急救命医や研修医などは時間外労働の上限が年間1860時間で、これ自体が過労死レベルだ。実際にはこれを超えて働き、過労死や過労自殺に至るケースもある。
このような状況なので、資金のある人は自分の勤務を自由に管理できる開業医を選び、その結果、開業医の数は余剰になり、ムダな検査、ムダな投薬で収益を確保し、経営を成り立たせようとする。日本の社会保障費の膨張の大きな要因の1つともなり、悪循環が続いている。
医療行政や政治にも詳しいピクテ投信投資顧問のエコノミスト、市川眞一シニア・フェローは「価格体系が間違っているので資源配分がゆがんでいる。地域の開業医が守られるように公定価格を付けてしまっているがゆえに、基幹病院の数が足りなくなり、新型コロナの医療逼迫・崩壊という事態にもつながっている。過酷な勤務をしている医師の賃金が上がらないのに、医療費のムダ遣いは増えている」と指摘する。
ついでに言えば、診療報酬制度の引き下げには日本医師会が抵抗するため、薬価引き下げで帳尻を合わせることが多い。製薬会社が新薬を開発してもすぐにあまり儲からなくなるため、ワクチンや新薬を開発するインセンティブを下げてしまっているという実態もある。
日本医師会は医師たちを代表する位置づけとして、政府に対応しているが、実際には任意団体で32万人の医師のうち会員は17万人だ。うち開業医8万3000人、残りは勤務医や研修医だが、勤務医は医師会に入っていても忙しく医師会の活動などできないので、成功した開業医の利権団体になっている。つまりは新型コロナについては何の苦労もしていない医師たちを代弁する組織である。
内部事情に詳しい医師は「東京都医師会の尾崎治夫会長は『医師会は任意加入団体だから会員に強制なんてできない。皆の意見を伝えるだけの団体だ』と言っている。それなら、医師の代表として政府との交渉の窓口になっているのはおかしいではないか」と憤る。
国難で動かない医師を公定価格で守り続けるのか
メディアの多くは新型コロナと闘う公立病院の医師・看護師たちの姿を取材して、これと対比して「国民の危機意識が低い」といった報道姿勢だ。こうした対立構造を演出しているのが、記者の取材に対し「国民の気の緩み」といった発言を繰り返す日本医師会の中川俊男会長をはじめとする幹部や政府の対策分科会の医師たちである点には注意が必要だ。
その一方で、医師会や分科会はこの1年半、医療体制の拡充に本気で取り組まず、政府や自治体の「お願い」に対し追加手当ばかり要求してきた。民間病院や開業医の診療への参加は心あるごく一部の医師による自主的なものにとどまっている。民間経営とはいっても、公的インフラとして診療報酬で守られているのだから、パンデミック危機という国難で動かないのなら、今後も見据えて診療報酬制度の抜本的な見直しを行うべきだ。
大手メディアは専門家、専門家と持ち上げるが、「民間で診るのは無理」とできない理由をあげつらう人々が真のプロフェッショナルといえるのだろうか。また、いつまでこの逃げ口上を続けるつもりだろうか。どんな業界でもプロであればできるようにさまざまな連携や協力、工夫をこらして解決に努力するものだ。実際にそうしている医師も少ないが存在する。
今年2月に新型コロナは法的に「新型インフルエンザ等感染症」として位置づけられ、感染症対策としては、国民の私権を最大限に制限できるようになった。ところが、新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長や知事たちはもっと制限できるよう法改正せよという。全体主義国家を目指せというのか。
学校の学校の夏休みを延長せよという尾身氏の発言が注目されているが、たびたびの対面授業の削減は、将来を担う子どもたちの教育に禍根を残しうる。新型コロナのまん延防止の観点だけでは決められないことで違和感がある。このような事態を招いているのは、政府が決断力を持たずに、分科会に頼っているためだ。「政府が対策案を分科会に諮る、という状態は完全に役割が転倒している。野党も国会で尾身さんに答えさせるのがおかしい。官邸がまったく機能しなくなっている」とピクテの市川氏は指摘する。
本来、分科会はあくまでも感染症の専門家として政府に意見を具申する立場だ。新型コロナに対してどういう戦略を取るのかについては、感染症の専門家の意見のほかにも社会的、経済的、政治的なさまざまな観点の情報・意見からも総合的に考えて、政府、つまりは菅首相が最終的に決断すべきものだ。
医療のための国民ではなく、国民のための医療を
政府は新型コロナから逃げている医療従事者にもっと強い権限を行使するべきだ。医療関係者に医療の提供を要請する法律の条文としては、改正感染症法16条の2の他に、新型インフルエンザ等対策特別措置法31条もある。 この法律ではコロナ診療を、直接に法的拘束力を持って医療者に強制することができる。その不服従には行政処分を行うという運用もありうる。ちなみに、特措法の改正で今年2月には飲食・宿泊業者などを念頭に事業者が従わない場合の過料を定めた。
一般の守られていない事業者を対象に、十分な補償もせずに素早く過料の規定を導入しておいて、なぜ、公的制度で守られている医師に強制力を働かせようとしないのか。特措法31条を抜かずの宝刀にしておかずに、その運用も検討するべきだ。「既得権益を打ち破る」と就任時に語った菅首相の政治力が問われる。

●コロナ 東京や沖縄などで高止まりも 39道府県で感染拡大続く 8/27
新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、東京都や沖縄県などでほぼ横ばいからわずかに減少し、感染者数が多い状態で高止まりとなっています。一方で、27日から緊急事態宣言の対象となった地域も含め、39道府県で感染の拡大が続いています。各地の自治体で発表された感染者数を元に、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。
全国 増加のペースは下がるも 9週連続で増加
全国では7月29日までの1週間では前の週と比べて1.69倍、8月5日は1.83倍、8月12日は1.24倍、8月19日は1.38倍、26日まででは1.13倍で、増加のペースは下がっていますが、過去最多を更新し続けていて9週連続で増加しています。1日当たりの新規感染者数は、およそ2万3035人となっていて、39の道府県で感染が拡大しています。
緊急事態宣言が出されている地域
緊急事態宣言が出されている地域では、東京都と沖縄県、それに埼玉県でほぼ横ばいからわずかに減少しましたが、ほかのすべての府県で拡大しています。
東京都は、8月12日までの1週間では、前の週の1.09倍、8月19日は1.20倍と9週連続で感染の拡大が続いていましたが、26日まででは0.91倍と、わずかに減少しました。1日当たりの新規感染者数はおよそ4353人と、先週より420人余り減ったものの、依然多い状態で高止まりとなっていて、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数も218.88人と、厳しい感染状況となっています。5月23日から緊急事態宣言が続いている沖縄県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.19倍、8月19日は1.26倍と、6週連続で感染の拡大が続いていましたが、26日まででは0.97倍と、ほぼ横ばいとなっています。1日当たりの新規感染者数は、およそ647人と、多い状態で高止まりしていて、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は311.49人と、全国で最も高く、これまで国内のどの地域でも経験したことのない規模の感染となっています。
神奈川県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.22倍、8月19日は1.21倍、26日まででは1.12倍と、9週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ2510人となっています。
埼玉県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.30倍、8月19日は1.30倍と、9週連続で感染が拡大していましたが、26日まででは0.96倍と、ほぼ横ばいとなり、1日当たりの新規感染者数は1623人となっています。
千葉県は、8月12日までの1週間では前の週の1.22倍、8月19日は1.41倍、26日まででは1.05倍と、12週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ1467人となっています。
大阪府は、8月12日までの1週間では、前の週の1.27倍と8月19日は1.51倍、26日まででは1.33倍と、8週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は2418人となっています。
京都府は、8月12日までの1週間では、前の週の1.42倍、8月19日は1.42倍、26日まででは1.33倍と、9週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ533人となっています。
兵庫県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.36倍、8月19日は1.61倍、26日まででは1.27倍と、9週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ954人となっています。
茨城県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.20倍、8月19日は1.18倍、26日まででは1.04倍と、7週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ304人となっています。
栃木県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.06倍、8月19日は1.29倍、26日まででは1.22倍と、6週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ210人となっています。
群馬県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.14倍、8月19日は1.72倍、26日まででは1.18倍と、8週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ276人となっています。
静岡県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.65倍、8月19日は1.84倍、26日まででは1.25倍と、7週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ540人となっています。
福岡県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.37倍、8月19日は1.23倍、26日まででは1.15倍と、8週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は1038人となっています。
新たに緊急事態宣言が出された地域
27日から新たに緊急事態宣言が出された8道県では、すべての地域で感染が拡大しています。
北海道は、8月12日までの1週間では、前の週の1.25倍、8月19日は1.33倍、26日まででは1.10倍と、8週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は507人となっています。
宮城県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.90倍、8月19日は1.57倍、26日まででは1.22倍と、4週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ229人となっています。
岐阜県は、8月12日までの1週間では、前の週の2.10倍、8月19日は2.86倍、26日まででは1.52倍と、7週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ323人となっています。
愛知県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.56倍、8月19日は2.01倍、26日まででは1.79倍と、8週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は1518人となっています。
三重県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.78倍、8月19日は2.19倍、26日まででは2.09倍と、5週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ400人となっています。
滋賀県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.68倍、8月19日は1.51倍、26日まででは1.21倍と、8週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ205人となっています。
岡山県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.39倍、8月19日は1.72倍、26日まででは1.15倍と、8週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は、およそ229人となっています。
広島県は、8月12日までの1週間では、前の週の1.49倍、8月19日は2.16倍、26日まででは1.52倍と、7週連続で感染が拡大していて、1日当たりの新規感染者数は340人となっています。
東邦大学 舘田一博教授「全く楽観できず 危機的状況」
新型コロナウイルス対策に当たる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「首都圏の1都3県だけでなく、愛知を中心とする中部、大阪を中心とする関西、福岡を中心とする九州でも、大都市から周りに感染が波及し全国的な感染の広がりが見られている。全く楽観できず、感染の爆発が続いている状況だ。東京では爆発的な増加が一段落したが、今でも1日4000人を超える感染者が見られており、医療現場のひっ迫は、ますます大きくなっている。今見えている感染者数はお盆の頃に感染した人たちで、一時的に人流が少なくなった影響が東京での横ばいの状態につながっているかもしれない。人が戻ってきて学校が始まるなど、人の動きが活発になると再増加がみられるリスクを考えておかないといけない」と話しています。そのうえで医療の状況について「今、重症化したケースの3分の2が50代以下で、若い人でも重症化してしまう。いつどこで自分が感染するかわからないし、感染して息が苦しくなって酸素が必要でも受け入れてくれる病院がない、そういう状態が起きつつある。医療機関では新型コロナに限らず、交通事故や心筋梗塞などの患者を受け入れることも難しい状況になっていて、まさに医療崩壊が近づいている。一人一人が危機的な状況にあるということを共有して、基本的な対策を徹底するようお願いしたい」と話しています。また、舘田教授は「今の対策で効果が得られなければ、各都道府県の知事が地域や業種を限定して休業要請をかけるなどの強い対策を行うことも考えておかなければいけない」と指摘しました。

●コロナ急拡大“学級閉鎖は感染複数確認で5〜7日程度”初基準  8/27
新型コロナウイルスの急拡大で子どもの感染が増えている中、文部科学省は学級閉鎖などを判断するための基準を初めて示しました。学級で感染者が複数確認された場合などに5日から7日程度を目安に実施を検討するとしています。
児童生徒や教職員の感染が確認された場合の学級閉鎖や休校をめぐっては、これまでは教育委員会などが、保健所による調査や濃厚接触者の特定を受け、助言を得たうえで必要性を判断してきました。
しかし、感染が急拡大している緊急事態宣言が出ている地域などで、保健所の業務がひっ迫し調査が遅れるおそれがあるとして文部科学省は厚生労働省と協議のうえ、初めて具体的な判断基準を作成しました。
この中では、濃厚接触者や検査対象者の候補のリストを学校などが作成する際の具体例が示され、検査の候補者の特定が難しい場合は感染者が1人でも学級全員を検査の対象とできるとしています。
そのうえで学級閉鎖については同じ学級の中で複数の児童や生徒の感染が判明した場合や、感染者が1人でも複数がかぜなどの症状を訴えていたり、複数の濃厚接触者がいたりするなど、学級内で感染が広がるおそれが高い場合に実施を検討するとしています。
期間については5日から7日程度を目安として示しています。
また学年閉鎖は、複数の学級を閉鎖するなど学年で感染が広がっている可能性が高い場合に実施し、学校全体での臨時休校は、複数の学年閉鎖などが発生した場合に実施するとしています。
文部科学省はこの基準を27日、全国の教育委員会などに通知することにしています。
国は子どもの感染が増加する中、夏休み明けの新学期にあわせ、9月上旬から幼稚園や小中学校などにおよそ80万回分の抗原検査キットを配布することにしています。
これについて文部科学省は、検査の対象は教職員を基本とするとしていて、児童生徒については体調が悪くなったら速やかに帰宅して医療機関を受診するよう指導することを前提としています。
ただ、自分で検体を採取できる小学4年生以上ですぐに帰宅することが難しい事情がある児童生徒については、検査の対象とするとしています。
検査の実施方法については、教職員は本人が、児童生徒も教職員立ち会いのもと本人が検体を採取するとしていて、教職員が児童生徒の検体を採取することはないとしています。
その上で、抗原検査で陽性となった場合は速やかに帰宅し医療機関で確定診断を行うなどの対応をとって欲しいとしています。

●「コロナは空気感染が主たる経路」 研究者らが対策提言 8/27
新型コロナウイルスの感染対策について、感染症や科学技術社会論などの研究者らが、「空気感染が主な感染経路」という前提でさらなる対策を求める声明を出した。「いまだ様々な方法が残されており、それらによる感染拡大の阻止は可能である」と訴えている。
声明は、東北大の本堂毅准教授と高エネルギー加速器研究機構の平田光司氏がまとめ、国立病院機構仙台医療センターの西村秀一・ウイルスセンター長ら感染症の専門家や医師ら32人が賛同者として名を連ねた。27日にオンラインで記者会見を開き、説明した。
空気感染は、ウイルスを含む微細な粒子「エアロゾル」を吸い込むことで感染することを指す。エアロゾルの大きさは5マイクロメートル(0.005ミリ)以下とされ、長い時間、空気中をただよう。
厚生労働省のウェブサイトでは、新型コロナの感染経路として、くしゃみなどで出る大きなしぶきを介した「飛沫(ひまつ)感染」や、ウイルスの付着した場所に触れた手で鼻や口を触ることによる「接触感染」が一般的と説明されている。
一方、世界保健機関(WHO)や米疾病対策センター(CDC)はそれぞれ、ウイルスを含んだエアロゾルの吸入についても、感染経路だと明記している。
声明は、空気感染が新型コロナの「主たる感染経路と考えられるようになっている」と指摘。考えられている以上に距離が離れていても感染リスクはあり、逆に空気中のエアロゾルの量を減らすような対策で感染抑制ができるとした。
そのうえで、国や自治体に対して、ウレタン製や布製のものよりも隙間のない不織布マスクなどの着用徹底の周知▽換気装置や空気清浄機などを正しく活用するための情報の周知▽感染対策の効果を中立な組織によって検証することを求めた。声明は、内閣官房、厚労省や文部科学省に送付したという。
医師で民法・医事法が専門の米村滋人・東大教授も賛同者の一人。米村さんは政府の対策は「マクロ対策の一つである緊急事態宣言に大幅に依存している」と指摘。個人の感染を直接防ぐための対策の徹底や、外国の事例の検討などが求められると述べた。
賛同者の西村氏は「人流と(感染拡大という)結果の間にはいくつものプロセスがある。その一つ一つをつぶしていくことがとても大事。そのためには、『入り口』のところの空気感染への対策をきちんとやらなければいけない」と述べた。
 

 

●東京、新規コロナ感染3581人 20代含む19人死亡 8/28
東京都は28日、新型コロナウイルスの感染者が新たに3581人報告されたと発表した。前日と比べ、入院患者のうち重症者は3人増の297人となり、過去最多を更新。20代の男性を含む19人の死亡も確認された。
直近7日間を平均した1日当たりの新規感染者数は4千人台を下回って3971.3人に減少し、前週比は84.2%。
都内は緊急事態宣言の発令から1カ月以上が経過。感染力が強いインド由来のデルタ株が急拡大し、8月だけで感染者数が11万人を超え、医療提供体制の厳しさが続いている。

●東京都内の妊婦感染者、7月は少なくとも98人で過去最多 8/28
新型コロナウイルスの感染拡大で、東京都内の7月の妊婦の感染者数が少なくとも98人と、昨年4月以降最多だったことが、都内の病院長の調査で分かった。千葉県柏市で感染した妊婦の入院先が見つからず、自宅で早産した赤ちゃんが死亡した問題を受け、菅義偉首相は感染した妊婦に対する医療体制整備を進める方針を表明した。だが、感染の実態は把握できていない。病院長は「地域の妊婦の状況が正確に分からなければ、実効性の高い医療体制はつくれない」と、実態把握の必要性を訴える。
調査は、日本医科大多摩永山病院(多摩市)の中井章人院長(産婦人科)が、都に月ごとの速報値を聞き取ってまとめた。分娩ぶんべんができる都内医療機関が対象。集計を始めた昨年4月以降で感染者は計460人だった。「第5波」が始まったとみられる7月の98人は、5月の2倍。調査対象はごく一部の医療機関で、実際の感染者はさらに多い可能性がある。
感染した妊婦のうち438人(95.2%)は入院、22人(4.8%)は子育てなどの理由で自宅療養をした。感染中に出産した77人のうち8割が帝王切開をしていたことも分かった。
都などによると、感染した妊婦の搬送困難事例はないものの、中井院長は「8月に入り、かかりつけの産婦人科医自らが患者の入院先を探す相談を受けることが増えた」と話している。
妊婦の感染者数は厚生労働省や多くの都道府県で公表されていない。中井院長は、必要な医療提供のため実態を把握しようと都に聞き取り調査するが、データ集計は月ごとで、迅速な対応に結び付きにくい。「妊娠週数や症状によって対応できる周産期の医療機関は限られ、感染症対応が可能となるとさらに少ない。国や都は感染妊婦数を調べ、医療機関に正確な情報提供をするべきだ」と訴える。
厚労省は、柏市での事例後、確実な周産期医療体制の確保のほか、感染者の発生届で妊娠の有無を確実に把握するよう都道府県に通知した。だが保健所など現場の業務が増えることや「現場から上がるデータの信頼性が不明」(コロナ対策推進本部)とし、今後も妊婦の感染状況を集計、公表する予定はないという。
都福祉保健局も公表の予定はないとしている。一方で神奈川県は13日、今年4月から今月10日までの間、県内感染者のうちの妊婦の数を公表。7月は130人で、期間の合計は289人だった。

●「新たに国の要請を受け…」尾身氏 東京城東病院、コロナ専門病院化で 8/28
東京都などで新型コロナウイルス感染症の感染拡大が続くなか、政府分科会会長の尾身茂氏が理事長を務める独立行政法人傘下の東京都内の病院が、コロナ専門病院となることが決まった。東京ではこれまで、一部の都立病院などが実質的なコロナ専門病院として稼働してきたが、感染者数の急増で病床不足が深刻になっている。尾身氏はコメントを発表。「新たに国の要請を受け、東京城東病院を専用病院にすることにしました」「最大50床程度の病床を提供する予定です」としている。
東京都によると、8月27日時点での都内の入院者数は4226人(確保病床数5967)。2万5040人が自宅療養し、2006人がホテルなどで宿泊療養をしている。さらに1万614人が、入院や療養ができず調整中となっている。
都立広尾病院や、東京都保健医療公社が運営する豊島病院、荏原病院、旧都立府中療育センター、東海大医学部付属東京病院が、実質的にコロナ専門の病院として運営されているが、病床不足は深刻だ。
そんな中、政府分科会会長の尾身茂氏が理事長を務める独立行政法人・地域医療推進機構(JCHO)の東京城東病院(東京都江東区)が、新たにコロナ専門病院として整備されることとなった。新型コロナ以外の患者の入院・診療をすべて休止する方向で調整が進められているという。
尾身氏は28日、「JCHOにおける新型コロナウイルス感染症病床の確保状況について」と題した文書を発表した。
これまで、JCHO全57病院で計870床、うち東京都内では5病院で計187床を確保してきたとしうたうえで、「更に、この度、新たに国の要請を受け、東京城東病院を専用病院にすることにしました」としている。
「9月末を目途に、最大50床程度の病床を提供する予定です。これにより、全国では920床程度、東京都内については240床程度の病床を確保できる予定です」
「JCHOは、これまでも地域のニーズに応じて、救急医療や在宅医療など、それぞれの病院が機能を果たしており、今後とも新型コロナウイルス感染症対応についても、積極的に役割を果たしてまいります」
尾身氏は8月19日、BuzzFeed Newsの取材に次のように語っていた。
「感染拡大を迎え撃つ医療提供体制は、この1年半弱でずいぶん強化されてきました。当初に比べれば2倍近くまで病床は増えた。しかし、感染拡大のスピードが非常に速いために、追いついていません」
「もちろん感染拡大を食い止めるための対策も引き続き重要です。同時に、医療提供体制の整備を早急に進めていく必要があります」
災害レベルの感染拡大が続く中、尾身氏はすでに様々な負担を強いられている医療機関にさらなる協力を求めることが必要不可欠であるとしていた。
尾身氏は自身がトップを務めるJCHO傘下の病院で新型コロナ患者を受け入れ増をはかることで、こうしたメッセージの発信を強めたかたちだ。
東京城東病院を巡っては、田村憲久厚労相も8月27日のBS-TBS「報道1930」で、「東京は(病床が)まだまだ足りない」とした上で、「なかなか病院一つをコロナ専門というのは難しいが、東京城東病院という病院、コロナ専門で患者を受け入れていただく」と語った。

●「島に来ないで」感染拡大の小笠原村に定期船到着 8/28
新型コロナの感染が拡大し、「島に来ないでほしい」と呼び掛ける東京・小笠原村に定期船が到着しました。
定期船は週に2回の運航で、27日に東京・竹芝を出航し、28日午前10時半すぎに小笠原村に到着しました。
村の感染者は累計で今月5人から10人へと急増し、今週から2週間は住民を含め、やむを得ない場合を除いて島に来ないよう呼び掛けています。
小笠原村観光協会・小林広治さん「メイン道路が(観光協会の)すぐ目の前の道路なんですけども、あまり人が見受けられない状況ですね。狭い島でもありますので、多分きっと(感染が)広がる時は一瞬っていうのも内々的には皆さん感じ取っていると思います」
軽症者は自宅療養になりますが、症状が悪化した場合は自衛隊のヘリコプターなどを使い、約10時間かけて23区内の病院に搬送する必要があります。
都の担当者は、「搬送に時間はかかるが、他の自宅療養者と違う特別扱いもできない」と島しょ部の医療提供体制の難しさを話していました。 

●相模原で192人感染 障害者支援施設のクラスター拡大  8/28
新型コロナウイルス感染症を巡り、相模原市は28日、10歳未満〜80代の男女192人の感染が確認されたと発表した。中等症5人、軽症185人、無症状2人。感染経路不明は124人。
クラスター(感染者集団)が発生している緑区の障害者支援施設で新たに職員1人の感染が判明し、同施設関連での陽性者は計70人になった。

●国が緊急事態宣言の東海3県でコロナ感染拡大 愛知は2347人 8/28
東海3県は27日から国の緊急事態宣言の対象に追加され、東海3県では同日、新たに3000人を超える新型コロナウイルスの感染者が発表されました。
愛知県では、新たに過去最多となる2347人の感染が確認され、1人の死亡が発表されました。名古屋市では初めて感染者が1000人を超え、県内の自宅療養者も1日で約1000人増えるなど、感染の急拡大が続いています。
岐阜県では4日連続で300人を超える308人、三重県では423人の感染が確認されています。

●鹿児島県独自の緊急事態宣言から2週間 塩田知事「収束の兆し見えない」 8/28
新型コロナウイルスの爆発的拡大で、鹿児島県が警戒基準を最高となるステージ4に引き上げ、独自の緊急事態宣言を発令してから27日で2週間。感染者減少に向け県民に要請を重ねるが効果は表れていない。県の新たな対策を発表した同日の会見で塩田康一知事は「収束の兆しが見えていない。もう少し時間がかかる」との認識を示し、不足する宿泊療養施設の確保をさらに進める考えを示した。
県が警戒基準をステージ3以上に引き上げ、飲食店への営業時間短縮などの要請をしたのは1月、5月、8月6、13日の計4回。1、5月の要請後はすぐに新規感染者が減少傾向に転じた。
だが8月は異なる。「3」に引き上げ「爆発的感染拡大警報」を発令した6日以降も感染者は右肩上がり。13日には警戒基準を「4」に上げ、独自の緊急事態宣言を出した。その後も140〜251人と高止まりが続く。
塩田知事は「若い方の感染が広がってデルタ株の影響もかなりある。今までと違って市中感染も4割くらいある」と説明。1日に250人の感染者が続くと、必要な病床数と宿泊療養施設は600床と2400室になるとの試算を示した。
特に宿泊施設は8月半ばから感染者の急増に確保が追いついておらず、26日時点で1396人もの自宅待機者を生んでいる。28日に351室を追加し1209室になるが、目標には程遠い。
「どこでうつるか分からない」。知事は宿泊施設の確保とともに、医療提供体制充実と感染防止の必要性を述べ、ワクチンによる重症化防止も呼び掛けた。

●子どものコロナ感染が1カ月で約5.5倍に! 9月授業再開で“一家全滅”の恐れ 8/28
夏休み明けの学校再開を巡り、ネット上では〈自主休校〉が話題だ。子どもが教育を受ける機会も大事だが、10代以下の新型コロナウイルスの感染が拡大中。子どもから両親にうつる“一家全滅”のケースまで出てきた。
政府は夏休みの延長や臨時休校の判断について、学校や自治体に丸投げだ。コロナ分科会の尾身会長は国会で「可能であれば、夏休みの延長」と主張した一方、菅首相は「国から全国一斉の休校を要請することは考えていない」と説明。子どもの感染リスクを考えれば、親が〈自主休校〉させたいと思うのも当然だ。
実際、1日あたりの新規陽性者に占める10代以下は急増している。厚労省によると、10代以下の新規感染者数は25日までの1週間で3万人を突破。1カ月前の約5.5倍に達した。東京都内の新規感染者に占める10代以下の割合は13.1%(8月3〜9日)→14.3%(同10〜16日)→15.8%(同17〜23日)と拡大傾向だ。
海外では授業再開による子どもの感染急増に直面しているところもある。
英BBC(25日付)によると、スコットランドは25日に新規感染者数が5021人に上り、過去最多を更新。16、17歳の約42%が1回目のワクチン接種を終えていたにもかかわらず、新規感染者のうち19歳以下が3分の1を占めたという。スコットランドのジョン・スウィニー副首相はBBCの取材に「学校に人が集まることは間違いなく、感染拡大をいくらか助長するだろうし、(感染者における)若年の割合をみても明らかだ」と指摘した。
日本国内でも授業再開によって、子どもの感染が急増する恐れがある。都内では習い事に行った子どもが感染し、両親と子ども2人の一家4人が感染したケースもすでに出ている。西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)がこう言う。
「学校は一律に休校する必要はないと思うが、感染者が出たら即検査できる体制を前提として、クラスに1人でも感染者が出たら学級閉鎖するべきだと思います。たとえ登校させるとしても、子どもが感染したら家庭内での隔離は難しいため、親や兄弟も感染する可能性が高いことは留意しなければなりません」
“一家全滅”だけは絶対に避けたい。

●10歳未満感染拡大で保育180施設コロナ休園…働く親預け先なく休職  8/28
新型コロナウイルスの「第5波」で保育施設の休園が相次いでいる。厚生労働省の集計では26日時点で臨時休園している保育施設は全国約180か所に上る。働く保護者への影響は大きく、政府も施設への感染対策を進めているが、幼い子どもが過ごす場で完全に防ぐのは難しいのが実情だ。
突然のメール
「突然連絡が来て、どうしようもなかった」。8月下旬、長女(4)を通わせる保育園が臨時休園となった京都市の看護師女性(32)はため息をついた。園から女性の携帯電話にメールが届いたのは休園前日の夜。園児1人が感染したので臨時休園するという知らせだった。実家は遠方にあり、急きょ子どもを預ける先もないため、やむなく当日朝に勤務先に連絡。上司と相談し、再開するまで仕事を休むことにした。 休園期間は当面2週間の予定だが、さらに延びる可能性もある。女性は「勤務先の病院はコロナ対応で大変な時期で、同僚に迷惑がかかる。有給休暇は使い切っており、収入も減少してしまうので、とにかく一刻も早く再開してほしい」と切実に訴える。
第4波の3倍
厚労省の集計では、臨時休園する保育施設は8月に入り急増。26日時点で14都道府県の179か所に上り、第4波のピーク(56施設)の約3倍となっている。第5波での10歳未満の新規感染者数は18〜24日の1週間で計9657人で、春の第4波のピークの約6倍超。感染者が出た場合に休園するかは市町村で異なるが、クラスター(感染集団)が発生していなくても休園になるケースが多い。感染力が強い変異ウイルス「デルタ株」の登場で、保育施設内で感染が広がる恐れも強まっている。大阪府内の保健所の担当者は「これまで感染は職場などで感染した親から子へのケースが多かったが、第5波では園児同士の感染が目立ってきている」とし、「施設で広がったウイルスを子どもが自宅に持ち帰り、親世代で感染拡大するという『逆流』のリスクが高まっている」と指摘する。
対策難しく
京都市をはじめ多くの自治体は保育士を対象にワクチンの優先接種を進めており、政府は今月から、高齢者施設での感染対策に活用してきた迅速検査キットの配布対象に保育施設を加え、クラスター化を防ぐ取り組みを始めている。それでも幼い子ども相手に感染対策の徹底は難しく、京都市南区の保育園長は「できる限りの対策を取っても、心配の種は尽きない」と話す。155人が通う同園では、園児の手洗いや換気などを徹底してきたが、今年1月に保育士と園児の2人が感染し、約2週間臨時休園した。再開後は、部屋に空気清浄機を設置するなど対策を強化しているが、12歳未満はワクチン接種の対象外で、厚労省は2歳未満のマスク着用は、窒息などの危険性があるとして推奨していない。園長は「距離をとって遊ばせたり、職員が乳児らを抱かずに世話することは現実的に難しく、常に感染リスクを感じている」と、厳しい表情で語った。
時間単位の有休 無制限休暇も
感染した子どもの看病や保育施設の休園で、仕事を休まざるを得ない保護者のため、支援制度を設けている企業もある。東京海上日動火災保険(東京)は昨年3月、休校や休園の際に利用できる特別有給休暇を創設した。日数制限はなく、1時間単位でも取得できる。ゲームソフト大手のカプコン(大阪市)は小学生以下の子どもの休校や保育施設の休所などで出社できない従業員は原則、在宅勤務とし、在宅勤務が難しい場合は特別休暇を与えている。電子部品大手の村田製作所(京都府長岡京市)は従業員の家庭の事情に応じ、特別無給休暇を無制限で取得できるようにしている。厚生労働省も今春、働く保護者を支援するため、年次有給休暇とは別に、コロナ対応用の有給休暇制度を設けた企業に、最大50万円を支給する制度を作った。
 

 

●都内の人出「半減」遠く ワクチン接種進み「恐怖」薄れ? 東京都 8/29
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、東京都内の繁華街の人出が増加に転じ、政府の対策分科会が求める「5割削減」の達成にはほど遠い状態となっている。中高年層などで進むワクチン接種がコロナへの「恐怖心」を薄れさせ、人出減少を妨げている可能性があり、医療逼迫(ひっぱく)の実態など「正しく恐れる」ための情報発信の在り方が問われている。
4回目の緊急事態宣言発令(7月12日)前の同月前半と比べ、都内の人出5割削減の提言が示されたのは今月12日。システム会社「アグープ」が公表したスマートフォンの位置情報を基にした人出データから都内繁華街(渋谷センター街、銀座駅)の金曜と土曜の午後3時の人出を分析したところ、提言を達成できているとはいえない。
金曜は7月9日、土曜は7月10日の人出を100とした場合、直近の8月27日は渋谷81・6、銀座88・6、8月28日は渋谷72・5、銀座74・3。分科会の提言直後だった13日、14日と比べ、金曜の渋谷はやや減少したものの、それ以外はむしろ増加していた。
29日の都内の新規感染者は3081人だったが、8月に入り5000人前後が報告される日が多い。感染が拡大しても人出の減少につながらない背景について、一橋大の高久玲音(たかく・れお)准教授(医療経済学)は「重症化を防ぐワクチン接種が高齢者を中心に進み、コロナに対する人々の恐怖心が薄らいだことが影響している可能性がある」と推測する。
コロナへの恐怖心が感染予防行動の差に出ているとのデータもある。インターネット調査で全国の15〜79歳の約2万人を感染を恐れている人と恐れていない人に分類し、昨年9月と今年2月の居酒屋利用率を比べたところ、いずれも感染を恐れていない人の方が3割以上高かった。調査結果を分析した高久氏は「ワクチン接種がさらに進み、コロナへの恐怖心に個人差が出てくる状況では、人々の行動抑制に頼る対応には限界がある」と指摘する。
筑波大の原田隆之教授(臨床心理学)も「経験の積み重ねで『恐怖心』は変化する。ワクチン接種で安心感を得るのは当然の心理だが、今の感染状況では感染防御をしなくてもよいことにはならない。今こそ『正しく恐れる』姿勢が必要ではないか」と訴える。
原田氏はコロナに感染した妊婦の早産問題などを例に挙げ、「感染者数などの代わり映えのないデータより、『物語』のあるメッセージの方が有効な場合もある。国民の心理状態、行動科学に基づいた対策と明確なビジョンの提示が求められる」と強調した。 

●東京城東病院 コロナ患者の専用病院として運用へ 来月末から  8/29
新型コロナウイルスの感染拡大で医療体制が危機的な状況になっていることを受けて、東京 江東区の東京城東病院が来月末からコロナ患者の専用病院として運用されることになりました。国と東京都が感染症法に基づいて病床確保への協力を要請したのを受けて新たに専用病院ができるのは初めてだということです。
新たにコロナ患者専用となるのは東京 江東区の東京城東病院で、現在入院している患者に転院してもらうなどして来月末から最大50床程度を確保するとしています。
この病院は政府分科会の尾身茂会長が理事長をつとめる地域医療機能推進機構の傘下の病院で、国と東京都が今月23日、都内すべての医療機関などに対し感染症法に基づいて入院患者の受け入れや病床確保のための協力を要請したのを受けてコロナ患者専用にすることを決めたということです。
地域医療機能推進機構はこれまで全国の57の病院のうち870床をコロナ患者用に確保していて、東京都内では傘下の病院で合わせておよそ240床がコロナ患者専用になるとしています。
都内ではこれまでに渋谷区の都立広尾病院など5つの医療機関が実質的にコロナ患者専用となっていましたが、東京都によりますと、今回の要請を受けてコロナ患者専用の病院としての運用が決まったのは初めてだということです。

●新型コロナ 茨城県内感染、2万人超え 直近1カ月8122人 「第5波」で拡大 8/29
茨城県内の新型コロナウイルス感染者は28日、累計で2万人を超えた。7月下旬から始まった流行「第5波」で爆発的に感染が広がり、7月29日以降の直近1カ月の感染者は、累計の4割を占めた。感染の9割が変異株に置き換わり、収束が見通せない状況も続く。一方で、高齢者を中心にワクチン接種が進み、感染者は50代以下が多くを占める傾向にある。
県内では昨年3月17日に1例目を確認。約1年3カ月後の今年6月10日に累計1万人を突破してから、わずか2カ月半でさらに1万人増えることとなった。
第5波の収束が見通せない要因の一つに、感染力が強いとされる変異株の拡大がある。県によると、新規感染者のうち変異株感染は9割に上り、置き換わりが進んでいる。
特に、直近1カ月(7月29日〜8月28日)の感染者数は計8122人に上り、累計感染者数の4割を超える爆発的な拡大を見せる。1日当たりの新規感染者数も3桁が常態化し、過去最多となった8月14日には391人と400人に迫った。
直近1カ月における感染者を年代別に見ると、20代が25%で最多。次いで、30代と40代が17%、10代と50代が13%、10歳未満が7%と続く。高齢者を中心にワクチン接種が進んだことにより、50代以下が92%を占めている。
また、地域別では、つくば市931人、土浦市645人、神栖市502人、水戸市477人、古河市465人の順に多く、感染の広がりは県内全域に及ぶ。
28日時点での県内における1日当たりの陽性者数(週平均)は287.7人で、25日連続で200人を上回る。入院患者は1カ月前の3倍超となる476人、重症者は26人で、ともに県指標で最も深刻な「ステージ4」の状況にある。このほか宿泊療養者は236人、自宅療養者は1746人に上る。

●土浦と坂東の事業所でクラスターか 竜ケ崎警察署、大学サッカー部 茨城 8/29
茨城県と水戸市が29日に発表した新型コロナウイルス新規感染者計221人のうち、6人は土浦市内の事業所で働く技能実習生で、県は事業所内で新たなクラスターが発生した可能性があるとしている。
坂東市内の事業所でも従業員5人の感染が判明、県は事業所内で新たなクラスターが発生した可能性を指摘している。
感染が相次ぐ日立市内の事業所では従業員3人の感染が明らかになり、28日までに公表された6人と合わせ、事業所内の感染者は従業員計9人に拡大した。
竜ケ崎警察署でも新たに留置者1人の感染が分かり、27日までに公表された8人を加えると、署内の感染者は留置者8人、職員1人の計9人に広がった。
クラスターが発生した龍ケ崎市内の大学サッカー部では、新たに学生1人の感染が発覚し、26日までに公表された12人を足すと、部内の感染者は学生計13人となった。

●感染者 20代以下が4割超 栃木県内8月の新型コロナ 8/29
栃木県内で今月以降に確認された新型コロナウイルス感染者のうち、20代以下の割合は全体の45・5%を占め、「第3波」のピークだった1月の26%から大幅に増加したことが、28日までの県のまとめで分かった。20代が最も多いが、1月時点ではわずかだった10代、10歳未満も増えている。若年層の増加の要因について県は、20代は行動範囲が広く、10代以下の子どもは特に家庭内感染が目立つと分析している。
県が22日時点での新規感染者数を年代別に集計した。今月1〜22日までの20代以下の感染者は計1538人。20代は25・9%(876人)と全年代別で最も多い。1月の16・8%から増加が続いている。
10代は12・5%(422人)、10歳未満が7・1%(240人)。1月時点ではそれぞれ6・2%、3%で、割合は倍増している。感染力の強いデルタ株の影響で子どもにも拡大。ワクチン接種が進んだ高齢者の割合は下がった一方、若年層の感染が目立つようになっている。
子どもが関連するクラスター(感染者集団)も7月以降相次いでおり、保育園や部活動などで計9件発生した。
県感染症対策課によると、20代が感染者の多くを占める中、家庭内感染により親世代が重症化するリスクがある。1月は重症者の多くが高齢者だったが、今月は大半が60歳未満という。
県内全域で2学期が始まり、子どもの感染拡大も懸念される。同課は「子どもや働く世代が活動を始めると感染の動きも生まれる。人との距離やマスクの着用など1人1人の心掛けが重要になる」と改めて感染対策の徹底を訴えている。

●学校現場、対応模索 夏休み明けの感染拡大に警戒 静岡県 8/29
新型コロナウイルスの感染急拡大に伴い、静岡県には9月12日まで、昨春に続き2度目の緊急事態宣言が発令されている。感染力の強いインド由来のデルタ株へ置き換わり、事業所や子どもの学びの場など、ワクチン未接種の世代が集まる場所でクラスターが相次ぎ、家庭内感染も際立つ。これまでにない危機的状況とも言える「第5波」に学校現場は対応を模索し、小児科の診療も緊張状態が続いている。
流行「第5波」の兆候が見え始めた7月下旬の県内のデルタ株の陽性率は40%だったが、8月下旬には94%に達した。感染者数の最多更新が続いた15〜21日の1週間の県のまとめでは、全感染者の約半数を占めたのが0〜29歳。65歳以上のワクチン接種済み世代の割合が減り、4月下旬とは割合が逆転している。
年齢別人口10万人当たりの感染状況をみても20代前半が突出し、20代後半や16〜19歳代の高校生年代が続く。
クラスターの発生場所も飲食店や事業所に加え、若年層が集まる学校や保育園で目立つ。換気などの相応の対策をしても防げない感染事例が増えた。部活動でマスクを外したなど、熱中症防止のための行動がかえってクラスターを招いた事例もあった。
夏休み延長
感染者数は19日に過去最多の675人に膨らみ、沼津市、焼津市、御前崎市などは事態を重くみて、月末までの夏休み延長を決めた。小児は症状が軽いことが多く「ちょっとした体調不良が実は感染だった」というケースがある。家庭内感染の拡大が深刻になっていることを受け、各市町の教育委員会は本人だけでなく家族にも目を向け「本人や家族に不調の子がいた時は、登校を控えて受診して」と、入念な健康観察を強く呼び掛ける。各学校とも感染対策のあり方を議論している。教育活動は文部科学省のガイドラインに基づき、調理実習に加えピアニカやリコーダーの演奏、近距離での長時間のグループトークを控える。
オンライン学習
感染対策としてのオンライン学習が徐々に広がっている。2学期が始まった吉田町は希望者を募り、30日から授業をライブ配信する。児童生徒は自宅で視聴し、授業で発表することもできる。9月1日から再開する沼津市は学校ごとに各家庭とオンライン接続する日を設けるなどして準備を進めている。文部科学省は小中学のオンライン学習について学校再開後、定着度合いを確認すれば、対面授業で扱わなくてよいとしている。
緊張感の小児科医療 “家族経由”警戒
感染急拡大を受け、小児科医院で外来の陽性患者を診る機会が増えている。「子どもは症状が軽くうつりにくいとされていたが、デルタ株は普通に家族からうつる。現場はそう念頭に置くようになった」と、静岡市静岡医師会理事の河原秀俊医師は小児科医療現場の緊張感を表現した。「ご家族に体調不良の方はいますか」「保育園内の状況はどうですか」―。静岡市駿河区のかわはら医院の受付窓口では、受診者が来るたびに、スタッフが症状だけでなく行動歴や家族、保育施設の状況などを確認する。7月以降、現場で子どもの陽性を確認した際に受付で「家族が感染している」と聞いたことで、ほかの患者との動線分けなど迅速な対応につなげた。いずれも家庭内感染で、「行動範囲が限定される乳幼児はもちろん、小中学生も家族ごと確認することが重要」と河原医師は指摘する。健康観察をした自宅療養の子は比較的元気に過ごしていたという。現在医院には発熱、咳での来院が多く、「新型コロナとの見分けがつきにくく、発熱患者の中に陽性者がいないか、引き続き慎重に診断する必要がある」と河原医師。小中学校など夏休み明けの再開時期を迎え、保護者らに向けては「本人や家族に体調不良が少しでもみられた場合、登園、登校させないことが感染拡大防止に欠かせない」と強調した。
インタビュー 静岡県立こども病院 荘司貴代・感染対策室長
感染急拡大を招いているインド由来のデルタ株は、感染者の体内で増殖する量が非常に多く、従来株の1000倍との報告がある。そのため症状はより強く現れ、人にうつりやすい。新型コロナかどうかにかかわらず、必要な医療を受けられなくなる日が静岡県にも迫っている。
デルタ株のまん延によって、諸外国では死亡率が上がっている。国内については今のところ、信頼できるデータが出そろっていない。従来株と比べて潜伏期間は3〜4日と短く、無症状者は少ないことが分かっている。これまで子どもは大半が無症状だったが、味覚障害や発熱が現れる事例が増えてきたと実感する。
新型コロナはもともと、発症後1週間前後で急激に肺炎が悪化して低酸素状態が進行することがある。心筋梗塞や脳梗塞を併発するリスクも高まる。デルタ株は、重症化するスピードが速い印象。免疫がなければ高齢であるほど、肥満や基礎疾患のある方ほど重症化する傾向は変わらない。しかし関東圏を中心に感染者数が激増し、入院治療が受けられないために亡くなるケースが出ている。
感染経路は従来株と同じく、飛沫(ひまつ)感染か接触感染。感染者のつばやくしゃみが目、鼻、口の粘膜に付着してうつる飛沫感染がほとんどだ。従来株は1人が平均2人にうつす計算だったが、デルタ株は5〜9人にうつす。これは空気感染する水痘(水ぼうそう)に近い値。家庭に持ち込まれたら、免疫がない限り全員感染する。しかし水痘と違って空気感染はしない。空気の流れが悪い密な環境では、小さな飛沫「エアロゾル」が長時間漂い、感染を広げることがあるが、「空気感染」とは異なる。
これまでのように会話時のマスク着用と3密回避を徹底すれば防げるが、ウイルス量の多いデルタ株は、感染者の飛沫を少し浴びただけでうつってしまう。手指を介した接触感染の割合は低いため、ドアノブや机、いすなど「環境表面」の消毒に神経質になる必要はない。目鼻口を触る前の手洗いか手指消毒を続けよう。
県内でも事業所や飲食店でのクラスター発生に加えて、活動範囲の広い大人から子どもへの家庭内感染が目立つ。デルタ株は従来株と異なり、子どもから子どもにも広がる。それでも子どもが重症化することはほぼない。子どもにとってはインフルエンザよりもはるかに身体的影響が少ない。感染は子どもよりも大人同士の方が広がりやすく、「大人から子ども」にうつる割合が高いことに変わりはない。引き続き大人の感染防止を優先すべきで、子どもが感染源になるからという大人の都合で休校や休園をして、子どもらしい生活を奪うべきではないと考える。
有効と期待される抗体カクテル療法は供給量に限りがあり、投与の対象は基礎疾患など重症化するリスクがある方。流行の収束には、ワクチン接種を進めて集団免疫を得る以外に方法はない。ワクチンはデルタ株にも効く。特に重症化と死亡を防ぐ効果は、従来株に劣らない。できるだけ早く接種して、ご自身だけでなく、大切な方の命も守ってほしい。

●習い事教室でクラスター6人陽性 岐阜県で268人感染 8/29
岐阜県と岐阜市は29日、県内29市町などで計268人の新型コロナウイルス感染と、入院していた山県市の80代女性と県内の70代男性の2人の死亡を確認したと発表した。感染者は累計1万4967人、死者は計200人となった。新規感染者数は6日ぶりに300人を下回ったが、先週の日曜日に続き200人を超えた。
県内の死亡者は昨年4月に初めて確認されて以降、感染拡大期を中心に増加。今月の死亡者は12人、重症者は8人で増加傾向にある。県によると、今月の重症者のうち、ワクチン接種が2回済んだ人の中で重症化した事例はないという。県健康福祉部の堀裕行部長は「第5波ではこれまで見られなかった20〜40代が重症化するケースが増えている。感染者の一定数で症状が悪くなるので、ここで全体の感染者数を抑えなければさらに厳しくなる」と警戒を強めている。病床使用率は28日時点で2・5ポイント増の68・3%。宿泊療養施設の入所者は679人に減少したが、自宅療養者は932人に増えている。
新たに確認したクラスター(感染者集団)は6件。職場関連では、加茂郡八百津町で職員や家族ら17人、大垣市で5人、可児市で5人の感染が分かった。恵那市では接待を伴う飲食店で5人の感染が判明。可児市では、習い事教室の小学生から30代の生徒ら6人、外国籍の家族ら5人の感染も明らかになった。
拡大したクラスターは11件。各務原市の学習塾関連では生徒3人の感染が分かり25人規模となった。大垣市の高齢者福祉施設では3人増えて40人となった。
2件のクラスターは、新たな感染者が確認されずに終息した。
新規感染者の内訳は、岐阜市83人、大垣市23人、高山市 2人、多治見市 12人、関市 7人、中津川市 12人、瑞浪市 2人、羽島市 7人、恵那市 5人、美濃加茂市 12人、土岐市 9人、各務原市 16人、可児市 8人、山県市 2人、瑞穂市 11人、本巣市 3人、下呂市 2人、海津市 9人、岐南町 4人、笠松町 1人、養老町 3人、垂井町 11人、関ケ原町 3人、神戸町 3人、安八町 3人、揖斐川町 1人、大野町 1人、池田町 6人、御嵩町 2人で、県外が5人。
年代別では、10歳未満 34人、10代 59人、20代 44人、30代 38人、40代 40人、50代 30人、60代 13人、70代 5人、80代 4人、90代 1人。

●「休校の方が感染拡大に懸念がある」不安抱えながら対面授業へ 兵庫県 8/29
新型コロナウイルスの感染が10代以下にも広がる中、兵庫県内でも9月1日にはほとんどの学校で2学期を迎える。学校での感染拡大を懸念する声は根強いが、県教育委員会は「公教育の本質は人格形成。人と交わる中で学ぶ機会を保証したい」と対面授業の重要性を強調。対策を徹底した上で、一斉休校などは実施しない考えだ。
県内で最も早く8月23日に中学校の始業式を行った明石市。同市教委は家族の体調不良でも生徒の登校を控えさせるなど、感染対策を徹底させて授業を続ける。感染不安などを理由に登校できない生徒もいるが、大半は平静に過ごしているという。
同市内にある中学校の校長は「食事中は静かだし、友人同士で手をつなぐ姿も減った。中学生らしさを我慢させているのは申し訳ないが、マスク越しに子どもの表情を見て気持ちに寄り添っている」と話す。
ただ、一斉休校しない方針を発表した斎藤元彦知事のツイッターには「子どもの長距離通学が家庭感染の原因になる」「オンライン授業を併用して」などの書き込みが寄せられるなど、感染拡大を不安視する声は少なくない。文部科学省は27日、感染状況によっては児童生徒2〜3人の感染が判明した時点でも、潜伏期間を考慮して、5〜7日間を目安に学級閉鎖を検討するよう、各自治体へ通知した。
県教委も、感染拡大の兆候が出れば迅速に授業を止めるとする一方、「学力向上だけならオンラインでもできるが、心の成長には人とのふれあいが必要」と、「顔を合わせる場」の重要性を強調する。
これまでの感染対策にも一定の手応えを示す。デルタ株は感染力が強いとされ、7月以降の「第5波」で、県内では19歳以下の感染者は8月16日までに2116人に上る。だが部活動などでのクラスター(感染者集団)は7件88人にとどまっている。「部室での着替えは人数や時間を制限する」などの対策を徹底しており、家庭で感染した生徒が夏休みの部活動に参加していても、部内で陽性者が出ることはほとんどなかったという。
県教委は「休校して教師の目が行き届かなくなる方が感染拡大の懸念がある」とも指摘。小学4年の長男がいる神戸市の女性(29)は「昨年の一斉休校では親子ともストレスがたまった。子どもは人との関わりがなくなると影響が大きい」と理解を示す。
一方、川西市教委は9月から、対面授業とオンラインの選択制を導入する。同市教委も学びの保証には対面の方が効率的であることを認めるが「これまでの感染対策がデルタ株に通用するか懸念がある。家庭の要望も踏まえ、多様な学び方を提供したい」とする。

●コロナ感染急拡大 救急搬送にも影響 宮崎市 8/29
新型コロナウイルスの感染者の急増が、宮崎市内の救急搬送に影響を及ぼしている。市消防局管内で、救急隊が患者を搬送する医療機関が決まらず、現場に長時間とどまるケースが増えている。
今月末のある日の午後、市消防局に福祉施設から新型コロナ患者の救急搬送の要請が市保健所経由で入った。隊員らは全身を防護服とゴーグル、ゴム手袋で覆い、肌の露出を極力少なくして車に乗り込んだ。
現在、市消防局の隊員たちは必ず感染防止策をして現場に出動する。新型コロナの感染急拡大を受け、新型コロナではない要請で救急出動をした後、検査で患者のコロナ陽性がわかった例があったからだという。
この時は速やかに市内の病院に運び込むことができたが、最近は救急搬送が滞る事例も増えている。
市消防局のまとめでは、8月の救急出動は24日現在で計1212件。このうち22日までの1週間では、総務省消防庁が定義する14カ所以上の医療機関に受け入れを断られた、かつ2現場に30分以上滞在した「救急搬送困難事案」が13件発生したという。
1と2のいずれかの理由で救急搬送が遅れたケースは6倍近くの75件にのぼる。前の週は48件、その前週は38件と徐々に増加。75件の半数近くの38件は、発熱や呼吸困難などコロナの疑いがある患者だった。
市中心部が管内の北消防署では、医療機関に受け入れが可能かどうか10回以上問い合わせても決まらず、現場に4時間以上も滞在したこともあったという。
ある救急隊員は、発熱した患者の受け入れを医療機関に断られることが増えていると感じている。隊員は「患者さんもつらそうだし、家族も不安がる。早く搬送してあげたくても、受け入れ先が決まらないジレンマがある」と明かす。
市消防局救急救助企画室によると、市内では各消防署と出張所の救急車計10台で急病の患者を搬送していて、今のところ救急車が足りない事態は起きていないという。ただ、高橋敬三室長は「このまま感染の急拡大で医療の逼迫(ひっぱく)と自宅療養者増加が続けば、搬送困難なケースも増え続ける。大都市で現実になっている救える命が救えなくなる事態は、いつ宮崎で起きてもおかしくない」と話した。

●感染急拡大の種子島 島内で情報格差、鹿児島県に不信感 8/29
鹿児島県の新型コロナウイルスを巡る対応に、種子島で不満が渦巻いている。生活圏が同じ1市2町で情報量に差があるからだ。打ち出される対策は島全体を巻き込む内容ながら、感染者の多い西之表市と県で検討され、中種子、南種子両町は決定後に電話で概要を知らされるケースが相次ぐ。対応に追われる両町からは「オンラインでいつでもつながれる」と、改善を求める声が上がる。
島内では8月に入り、60人以上の感染者が確認され、西之表市が約8割を占める。県は市の要請に応える形で、島内飲食店への営業時間短縮の要請や軽症、無症状者向けの宿泊療養施設(民間ホテル37室)の設置を決めた。
幻の療養施設
島内の感染防止対策を協議するに当たり、“蚊帳の外”に置かれる形になった両町は、宿泊療養施設の選定経緯に疑問を抱く。種子島では昨年7月末、島内1市2町と屋久島町、医療機関などの関係者が西之表市の公共施設に集まり、感染者の受け入れと搬送の訓練をした。各市町は保健所からの要請で、受け入れ可能な公共施設を複数選び、寝具やテレビなどもそろえて感染拡大に備えた。保健所の担当者は各公共施設を視察したが、使えるかどうか回答がないまま、今回のホテル活用が決まったという。地元の役場職員は「これまでの労力や予算は何だったのか」とあきれる。両町によると、県から宿泊療養施設の設置の連絡があったのは開所の3、4日前。時短要請を含め、両町への連絡元は本庁だったり、熊毛支庁だったりとばらばらで、混乱を招く一因になっている。
個人情報の壁
コロナ対策を強化したい自治体にとっては、県の個人情報の取り扱いも悩みの種だ。感染者が確認された場合、保健所は居住地の自治体に人数や年代、性別のみを知らせている。両町からは「独自の対策を打つために、感染経路まで伝えてほしい」などの意見が聞かれる。南種子町は感染者支援の一環で、島外療養した町民に交通費を片道最大8000円助成する制度を設けた。しかし、誰がどこで治療を受けたか分からず、周知ができていない。町幹部は「個人情報の取り扱いを含め、信頼なくして県との連携は成り立たない」と不満を漏らす。こうした地方の声に対し、塩田康一知事は27日の定例会見で「クラスター(感染者集団)の恐れや、学校、幼稚園など市町村が運営に関わる情報はできるだけ共有した方がいい」と説明。その上で「改善点があればしっかり対応する。(個人情報については)市町村と話し、どんな形でやるか検討したい」と述べた。

●医師会、10日前後の社会活動の停止求める 沖縄県 8/29
新型コロナウイルス感染拡大を受け、沖縄県と県内医療機関の病院長で構成する病院長会議が28日夜、南風原町の県医師会館で開かれ、玉城デニー知事は各病院長に対しコロナ病床のさらなる確保を要請した。県医師会の安里哲好会長は理解を示す一方、感染拡大の防止策として10日前後の社会活動停止など独自の策の検討を求めた。
玉城知事は「人間ドック中止や予定手術・入院の延期、一般外来中止などを講じ、最大限のコロナ病床の確保を」と要請した。
会合は非公開。県によると、医療関係者からは入院中に症状改善がみられる患者を宿泊療養施設に回すことで病床回転率を上げるなどの提案があった。一方で「先が見えず医療崩壊が分かっている中、病床を5床10床増やしてどうなるのか」との指摘もあり、県民の行動を抑制する具体的な方策を求める声も相次いだという。
安里会長は会合後の会見で「医療現場は非常事態だと強く県民に理解していただきたいのが一番の希望だ。その延長上に知事に要望した活動行動の抑制がある」と話した。
会合では、重症化を防ぐ軽症者向けの抗体カクテル療法についての県の対処方針案も議論。県の対処方針案で(1)医療機関が必要と判断した場合に国に薬を要求する(2)医療機関内の感染やクラスター(感染者集団)が発生した場合に軽症者に投与する−の2点が了承された。外来治療については医療現場の負担が増える可能性があるとし、引き続き検討を続ける。
また、県のワクチン接種の加速のため県の広域接種会場で平日の午後6時開始としている運営時間を、9月から水、木曜は午後3時開始となることが発表された。

●宣言解除、12日は「難しい」 厚労相、延長の認識示す 8/29
新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づき、東京都など21都道府県に出ている緊急事態宣言の解除時期について、田村憲久厚生労働相は29日、「東京を一つとってみても(1日あたり新規感染者数が)500人未満にならないと解除できない。現状を考えると多分かなり難しい」と述べ、期限とする9月12日の解除は難しいとの認識を示した。
緊急事態宣言の解除について政府は、新規感染者数や病床の使用率などを目安に総合的に判断する姿勢だ。NHKの「日曜討論」で田村氏は「9月からは学校が始まるなど、人の行動が変わればまた広がりが出るので、まだまだ厳しい状況が続く」と話した。
田村氏はまた、「病院で病床を増やすとほかの一般医療にかなり影響が出るので、臨時医療施設などで病床数を増やすことが重要」と説明。「(感染拡大が)収まったら閉めるのではなく、いつでも対応できるような態勢をとる」との考えを示した。

●2学期「子どもの感染拡大防止」に欠かせない視点 8/29
9月からの新学期を控え、「子どもたちを、学校に行かせても大丈夫でしょうか」と質問されることが増えた。この回答は難しい。感染のリスク低減と教育機会の喪失はトレードオフの関係にあり、一概には言えないからだ。最終的には生徒と保護者、さらに教員たちで決めるしかないが、最新の研究を踏まえ、やりようはある。本稿で論じたい。
新型コロナウイルス(以下、コロナ)の第5波では、子どもの感染が拡大している。デルタ株の蔓延が原因だ。8月20日、読売新聞は「厚生労働省によると、全国で今月12〜18日の1週間に感染が確認された20歳未満は2万2960人にのぼり、第4波で最多だった5347人(5月13〜19日)の4倍超に増えた」と報じている。
子どもの感染が拡大しているのは、日本に限った話ではない。アメリカでも急増している。8月5日までの1週間で、子どもの新規感染者は約9万4000人で、直近で最低だった6月24日の週の11倍だ。子どもの感染は全体の15%を占める。
ただ、これは過小評価の可能性が高い。8月17日、カナダの医師たちは、2020年3月から12月にカナダのオンタリオ州で実施されたすべてのPCR検査の結果を用いて、年齢層毎の感染率の違いに検査の頻度が、どの程度、影響しているか調べた。詳細は省略するが、10歳以下と80歳以上で検査が少なく、多くの無症状感染者を見落としていると結論している。小児の感染は、われわれが考えているよりはるかに多い。
重症化する子どもも
さらに厄介なのは、重症化する子どもが増えたことだ。前出の読売新聞の記事でも「20歳未満の死者は確認されていないが、都内では7月、10歳未満の女児2人が重症となったことも確認された」と報じているし、8月14日、アメリカでは小児のコロナ患者の入院が1902人に増え、アメリカにおけるコロナ入院の2.4%を占めたことが大きく報じられた。アメリカの小児科学会で会長を務めたサリー・ゴザ氏は、「目下のコロナ感染は昨年とは別物」とコメントしている。
「別物」である理由は、感染の主体がデルタ株だからだ。デルタ株は感染力が強く、小児にも感染する。これが、世界で子どもの感染が拡大している理由だ。子ども同士でも感染する。8月25日の毎日新聞の記事によると、8月19日現在、全国の165の保育園などの施設が臨時休園となっており、1カ月前の4倍だ。
小児の感染動態についても、研究が進んでいる。8月16日、カナダの公衆衛生当局がアメリカの『医師会誌小児科版』に発表した研究によると、小児の感染を確認した6280世帯のうち、1717世帯(27.3%)で2次感染が確認された。周囲にうつしやすいのは0〜3歳児で、14〜17歳と比較した場合の感染拡大リスクは1.43倍だった。なぜ、この年代の感染者が、周囲にうつしやすいのかは現時点ではわからない。
こうなると、9月に新学期が始まれば、学校で感染が拡大するのは避けられそうにない。
アメリカ・テネシー州ナッシュビルでは、学校が再開された最初の2週間で、602人の生徒と119人の職員の感染が判明しているし、法政大学野球部でも33人の集団感染が確認されている。
臨時休校し、オンラインで授業を行うべきだろうか。私は賛同できない。教育へ与える影響が大きいからだ。感染拡大を防ぐため、リモートで授業を行えば、iPadやパソコンなどを購入できる裕福な家庭の子どもと、このような機器を準備できない経済的に困窮した家庭の子どもでは、大きな格差か生じてしまう。教育格差は、賃金格差や健康格差を生じ、社会の格差を固定してしまう。子どもたちには、対面による教育環境を整備しなければならない。
検査・隔離とワクチン接種が必要
どうすればいいのか。基本に立ち返るしかない。検査・隔離とワクチンだ。
すぐにできるのは検査の拡充だ。政府は、来月から最大で80万回分の抗原検査キットを教育現場に配布する方針を表明しているが、これでは不十分だ。微量のウイルスでも増幅できるPCR検査と異なり、抗原検査が陽性になるには一定量のウイルスが存在しなければならない。
今年1月、アメリカ疾病対策センター(CDC)は、発熱などの症状がある人の場合、抗原検査はPCR検査陽性者の80%で陽性となるが、無症状感染者の場合には41%まで低下していたと報告しているし、6月には、アメリカ・プロフットボールリーグ(NFL)に所属する医師たちが、昨年8月〜11月までに実施した約63万回の検査結果をまとめ、抗原検査は感染早期を中心とした42%の陽性者を見落としていたとアメリカの『内科学会誌』に発表している。
抗原検査は、その場で検査結果がわかるため、クリニックなどでの迅速診断に有用だ。ただ、学校でのスクリーニングなど、時間的な猶予が許される状況で、PCR検査を避け、抗原検査を利用する合理的な理由はない。
では、なぜ、日本政府は抗原検査にこだわるのだろうか。私は厚労省の都合を優先したためだと考えている。コロナ流行以降、厚労省はPCR検査を抑制し、抗原検査の使用を推奨し続けてきた。保健所の負担を減らしたい厚労省にとって、保健所の手を煩わせず、検体採取現場で検査できる抗原検査は好都合だ。
令和2(2020)年度の第2次補正予算では、抗原検査の確保のため179億円が措置されており、大量の在庫を抱えている。何とかして使い切らなければならない。1月22日には、「無症状者に対する抗原簡易キットの使用」を推奨する通知まで出している。丁度、CDCが、無症状感染者に対する抗原検査の限界を示す論文を発表した時期に正反対の通知を出していたことになる。在庫一掃が目的と言われても仕方ない。残念ながら、尾身茂コロナ対策分科会会長などの専門家からも、このような声は聞こえてこない。
検査と並ぶ重要な対策がワクチン接種だ。デルタ波に対しては、ワクチンを打っても感染は完全には予防できない。このことを世界が思い知ったのは、7月初旬に、アメリカで開催された独立記念日のイベントで469人の集団感染が発生したときだ。特記すべきは、346人が接種を済ませていて、彼らが排出するウイルス量が、接種者と大差なかったことだ。ワクチンを打っても、デルタ株には感染するし、周囲にもうつしてしまう。集団免疫戦略は見直されることになった。
だが、ワクチンの意味がなくなったかと言えば、そんなことはない。ワクチンを打てば、重症化は予防できるからだ。イスラエルの報告によると、60歳以上の未接種者の重症例は10万人当たり85.6人だが、接種完了者は16.3人と、81%減少している。これは、日本の医師の感覚とも一致する。
アメリカの政府系機関や民間企業などでワクチン接種の義務化が進んでいるのは、集団免疫のためではない。個人を守るためだ。カナダ連邦政府も接種を義務化したし、ギリシャでは未接種者の就労を制限する方向で調整が進んでいる。
アメリカ、イスラエルなどは12歳以上へワクチン接種
子どもも例外ではない。CDCは、5月12日に12〜15歳に対して、ワクチン接種を勧告し、6月21日、イスラエル政府もそれに倣った。その前日に、日本では文科省が、接種への同調圧力を恐れて、学校での集団接種を推奨しないと発表したのとは対照的だ。判断の基準がワクチンの効果や安全性でないのが日本らしい。その後、遅ればせながら、8月16日にはドイツも12〜17歳の全員にワクチン接種を推奨した。
もちろん、子どもへの接種には懸念もある。それは安全性だ。将来がある子どもたちへの接種は慎重でなければならない。現在、どの程度までリスクがわかっているのだろうか。結論からいうと、かなり安全だが、リスクは否定できない。
臨床医学では、医薬品の安全性・有効性は臨床試験で検証する。ワクチンも例外ではない。ファイザー製のコロナワクチンの場合、12〜15歳の小児を対象とした臨床試験の結果が、5月27日にアメリカの『ニューイングランド医学誌(NEJM)』で報告されている。『NEJM』は世界最高峰の医学誌だ。
この臨床試験では、小児2260人がワクチン群とプラセボ群にランダムに割り付けられ、効果および安全性が評価されている。ちなみに投与量は成人と同じ30μg(マイクログラム)だ。発達途上の12〜15歳に、成人と同量のワクチンを打てば過量になるかもしれないという懸念があった。
この試験では、2回目接種後の38度以上の発熱は20%、倦怠感は66%で認められたが、これは18〜65歳を対象とする先行試験での17%、75%と同レベルだった。懸念された副反応は問題とならなかった。
一方、効果に関しては、プラセボ群では16人がコロナに感染したのに、ワクチン接種群では誰も感染しなかった。有効性は100%ということになる。この臨床試験はデルタ株流行以前のものであり、有効性の評価は注意が必要だが、安全性に関しては有望な結果だ。
ファイザーと並びワクチン開発をリードするモデルナの報告も同様だ。彼らが5月25日に発表した臨床試験には、12〜18歳の約3700人が登録されたが、2回接種後のコロナ予防効果は100%で、副反応も大きな問題とはならなかった。
このような臨床試験の結果を受けて、5月10日、アメリカ食品医薬品局(FDA)は、12〜15歳に対するファイザー製のワクチンの緊急使用許可を認めているし、6月10日にはモデルナがFDAに緊急使用許可を申請した。
アメリカは、より低年齢層への接種も進めている。ファイザーとモデルナは治験を拡大しており、5〜11歳でも進行中だ。早ければ、冬場の流行期までには緊急使用許可が下りる。
懸念は心筋炎・心膜炎
かくのごとく、アメリカでは小児への接種を積極的に推進している。では、現時点で、何が問題となっているのだろうか。世界の専門家の関心を集めているのは心筋炎・心膜炎だ。心筋炎・心膜炎は、ウイルス感染に伴う自己免疫反応や、コロナ以外のワクチン接種後にも発症することが知られている免疫合併症だ。多くは無症状、あるいは軽症で、後遺症なく治癒するが、まれに重症化することがある。
6月10日、CDCは、30歳以下でファイザーあるいはモデルナ製のmRNAワクチンを接種した人のうち、475人が心筋炎・心膜炎と診断されたと発表した。ほとんどは後遺症なく回復していたが、15人は研究発表の時点で入院し、3人は集中治療室に入っていた。
特記すべきは、大半が若年者の2回目接種後に起こっていたことだ。このことについては、イスラエルからも同様の研究結果が報告されている。
おそらく、小児ワクチン接種での最大の問題は、この心筋炎・心膜炎だろう。ただ、これについても研究が進み、接種を推奨することがコンセンサスになりそうだ。その根拠は、8月25日にイスラエルの研究者が、『ニューイングランド医学誌』に発表した研究だ。
この研究によれば、コロナワクチンを接種することで、心筋炎・心膜炎のリスクは3.24倍上昇するが、コロナに罹患した場合、そのリスクは18.3倍増加する。デルタ株の流行を考えれば、どちらのほうがリスクが低いかは議論の余地はない。
では、子どもたちへのワクチン接種は、どうすればいいのか。接種希望者や保護者と相談し、個別に判断するしかないが、政府や自治体は、生徒や保護者が接種しやすいような環境を作ることだ。
日本でも一部の自治体は、小児への接種を推進している。筆者が接種をお手伝いしている福島県相馬市では、6月19日から高校生、7月27日から中学生を対象とした集団接種が始まり、夏休み中に接種を終える。
文科省が躊躇する傍ら、なぜ、相馬市では子どもたちに集団接種できるのか。それは、相馬市で成人に対する集団接種が進んでいるからだ。6月1日からは基礎疾患のない64歳以下の市民に対する接種が始まり、7月17日には集団接種を終えた。16歳以上の希望者の93.5%に接種した。
アンチワクチン運動にどう対応するか
子どもたちにワクチン接種を促進するには、社会および保護者のワクチンに対する正確な理解が欠かせない。コロナワクチン接種を進める世界各国で、大きな障害となっているのはアンチワクチン運動だ。
ネット上には、「ワクチンを打つと不妊になる」や「遺伝子が書き換えられる」といったデマがあふれている。医師や政治家の中にも、過度にコロナワクチンの危険性を喧伝する人もいる。このような偏向した主張が、多くの人々を不安にさせ、ワクチン接種を躊躇させる。子どもたちへの接種では、特に問題になりやすい。アンチワクチン対策は、世界が抱える公衆衛生の重大な問題だ。
実は、こんなことにまで世界では実証研究が進んでいる。5月25日、アメリカの『医師会誌(JAMA)』は「信頼とワクチン接種、アメリカにおける10月14日から3月29日の経験」という論文を掲載した。
論文の結論は、至極真っ当なものだった。著者たちは、アメリカでは当局がワクチンを適切な手続きを経て承認し、大量接種を粛々と進めることで、社会のワクチンへの信頼が醸成されたと結論している。着実に接種を進めることが、アンチワクチン派の勢力が増大する時間的余裕を与えないということだろう。
まさに相馬市がやってきたことと同じだ。相馬市でお会いする市民の中には「ワクチンを打ってよかった。子どもたちにも勧めたい」という保護者が少なくない。
子どもたちへのコロナワクチン接種については、いろんな考え方があるだろう。ただ、状況を総合的に考えれば、私はワクチン接種を勧めたい。リスク以上にメリットが大きいからだ。未成年の1年間は大きい。ワクチンを接種し、勉強や課外活動に勤しんでもらいたい。

●子どもは新型コロナワクチンを接種した方が良い? メリットとデメリット 8/29
新学期が始まることで学校内での新型コロナ拡大が懸念されています。現在、日本国内では12歳以上であればワクチン接種は可能ですが、中学生や高校生はワクチン接種した方が良いのでしょうか?
小児は成人と比べて重症化しにくい
子どもは大人と比べて重症化しにくいことも分かっています。厚生労働省の発表資料によれば子どもの重症化リスクは、30代を基準とすると、10歳未満は重症化リスクは0.5倍、10代は0.2倍とされます。ただし、成人と比べて明らかに重症化はしにくいものの、重症化しないわけではありません。日本国内では20歳未満の新型コロナ感染者で亡くなった方はいませんが、より感染者の規模が大きいアメリカでは0〜17歳の新型コロナ患者122万例のうち178例(0.014%)が亡くなっています。また、・肥満・遺伝性疾患・神経障害・遺伝性代謝障害・鎌状赤血球症・先天性心疾患・糖尿病・慢性腎臓病・慢性肺疾患・悪性腫瘍や免疫抑制薬による免疫抑制状態などの持病のある子どもでは重症化リスクが高いとされており、特に注意が必要です。
もちろん持病のない子どもであっても感染しないに越したことはありません。感染すれば発症から最低10日は自宅療養が必要になりますし、大人よりも頻度は低いものの子どもでも後遺症に悩まされることはあります。また稀ではありますが、小学校高学年〜高校生くらいの年齢では新型コロナから回復した後に川崎病の病態に似た多系統炎症性症候群(MIS-C)という重症の病態が見られることがあります。
子どもがワクチン接種をする意義は周りに広げにくくなること
このように、子ども自身にとってはワクチン接種する意義は大人と比べて相対的に低いと言えます。では他に子どもが接種する意義にはどのようなものがあるのでしょうか。最大の意義は、周りに感染を広げにくくなることでしょう。当初、mRNAワクチンは「発症を防ぐ」のであって感染そのものを防ぐかどうかは分かっていない、と言われていましたが、感染を防ぐ効果も分かってきました。感染しにくくなるということは、接種者がその周りの人に感染を広げる可能性が低くなります。
分かりやすく忽那家の例で考えてみましょう。私には中学生の娘が2人いますが、特に持病があるわけでもないので、感染したとしても学校を休む必要はありますが、重症化する可能性はかなり低いです。2人の娘が接種するメリットは、男性で高血圧の持病を持ち肥満でもある(最近ちょっとやせました)私が感染して重症化するのを防ぐという意義があるわけです。持病のない子どもにとっては、接種する自身よりも利他的な意義が大きいということを子どもにも理解してもらった上で接種を検討しなければなりません。まあ私がコロナに感染して死んだら娘たちも困るわけですから、そういう意味では回り回って自身のためと言えなくもないかもしれません。実際のワクチン接種の効果と副反応については、12歳から15歳への新型コロナワクチン接種の第3相試験では、ワクチンの発症予防効果は非常に高い一方で、成人と同程度にだるさや発熱などの副反応がみられたと報告されています。さらに、ワクチン接種後の心筋炎や心膜炎が報告されていますが、10代・20代の特に男性で頻度が高い(100万人当たり41人)ことが分かっています。
子どものワクチン接種は、周りの大人が接種していることが前提
というわけで、子どもが新型コロナワクチンの接種を検討する場合、その周りの大人がワクチン接種を完了していることが前提となります。海外でもデルタ株が広がって以降に学校の教室内でのクラスター事例が報告されていますが、この事例はときどきマスクを外していた教師が発端となって、生徒12人に感染が広がったというものです。デルタ株が広がり子どもが感染しやすくなったと言えど、今も「子ども→子ども」「子ども→大人」への感染よりも「大人→子ども」への感染の方が起こりやすいことは変わりありません。学校の再開に当たっての感染リスクを考慮した場合、子どもよりもまずは先に学校職員など子どもに接する大人のワクチン接種を優先すべきでしょう。その上で、接種するメリットとデメリットを子ども自身とその親が十分理解した上で接種を検討するようにしましょう。
 

 

●東京都のワクチン大規模接種、本日10時から対象者を若者に拡大 8/30
東京都は8月30日10時から、都が行う新型コロナワクチンの大規模接種における接種対象者を拡大すると発表した。同時刻からインターネットで予約の受付を開始する。
これまでは職域で接種対象者を絞っていたが、都内在住・在勤・在学の16歳から39歳までを対象にする。会場は都庁南展望室ワクチン接種センター、都庁北展望室ワクチン接種センター、乃木坂ワクチン接種会場の3カ所。モデルナ社製のワクチンを取り扱う。
都は8月27日から東京・渋谷で若者(16歳から39歳まで)向けにワクチン接種センターを開設したが、1日の接種可能規模が300人(先着)だったこともあり、早朝から多くの人が並び混乱を招く事態となった。28日からは9時〜10時30分の間に抽選券を配布する仕組みに変更。11時30分ごろに抽選結果をLINEやTwitterで知らせるようにした。
しかし、仕組みを変更しても渋谷には行列ができ、結果的に人流を増やしている。これについては今回、都の大規模接種会場の対象者が拡大したことで事態は緩和されるかもしれない。ただ、今後、ほかの自治体などで予約不要のワクチン接種を実施する場合は注意する必要があるだろう。

●東京都、若者接種でドタバタ 独自戦略で想定の甘さ露呈― 8/30
新型コロナウイルスが猛威を振るう中、感染者が全国最多の東京都では、新規感染の半数程度を20〜30代が占めている。都は、若年層へのワクチン接種加速がカギを握るとして、若者向けに予約不要の会場を開設したが、想定を上回る人が殺到し、現場は混乱。国からの供給不足も続き、接種促進の足かせとなっている。
都が7月実施したインターネット調査によると、ワクチン接種を「希望する」と答えた人は、60〜64歳で9割以上に達したのに対し、20〜30代では8割前後だった。
「感染が急拡大している若者世代に、いち早くワクチンを浸透させる」。小池百合子知事は8月18日の都議会で、新たに予約不要の若者専用接種会場を渋谷区に設置する方針を宣言。気軽に接種できる場を設けることで、若者に重い腰を上げさせる狙いがあった。
ところが、初日の27日には早朝から長蛇の列ができ、午前11時50分に受け付けを開始する予定が、同7時半には受け付けを打ち切る事態に。都は急きょ、2日目から抽選制に切り替えたが、現場で抽選券を配る方式だったため、28日にはまたも長い列となり、倍率は6倍を超えた。猛暑の中、並んだ末に落選した人の間からは「都のやり方はおかしい」との声も噴出した。
都は8月、都内の3大学と連携し、学生向け接種会場も次々と開設。全ての会場で予約枠は9月中旬まで埋まっているという。
都はさらに、早ければ10月下旬から、接種した20〜30代向けにクーポンを付与するキャンペーンを実施する計画を立てているが、国からの供給量は必要量を下回る状況が続く。担当者は「供給できる量など状況を見て、開始時期を遅らせる可能性もある」と言葉を濁す。
一方、都内では、杉並区や新宿区が若者の接種予約開始時期を早める独自の工夫を凝らした。杉並では、7月初めの60〜64歳に続き、同月6日から12〜39歳の予約を受け付け、40〜50代は14日からとした。
ただ、両区とも「どの年代でも設定した予約枠より、希望者の方が圧倒的に多く、国からの供給が追い付いていない」と嘆く。杉並区の担当者は「若年層の接種勧奨が取り沙汰されているが、ワクチンがなければPRもできない。じくじたる思いだ」と明かした。

●新型コロナ道内で発表の感染者情報 30日 クラスター相次ぐ 8/30
30日に道内で発表された新型コロナウイルスの感染者に関する情報をまとめました。
旭川の病院でクラスター
旭川市は市内の「元生会森山メモリアル病院」で新型コロナウイルスのクラスターが発生したと発表しました。病院によりますと、いずれもリハビリテーション病棟の入院患者5人と理学療法士3人、看護師2人の合わせて10人の感染がこれまでに確認されたということです。全員が軽症、または無症状だということですが、このうち6人はすでにワクチン接種を2回済ませていたということです。病院は感染がこれ以上広がっていないことが確認できるまで当面、外来診療や面会などを休止するとしています。
札幌 新たに2クラスター
札幌市は市内で新たに2つのクラスターが発生したと発表しました。市内410例目のクラスターが発生したコールセンターでは、これまでに30代から50代の従業員9人の感染が確認されたということです。市は濃厚接触した可能性があるほかの従業員121人に対し、順次PCR検査を進めています。市内411例目のクラスターが発生したコールセンターでは、これまでに20代から50代の従業員7人の感染が確認されたということです。市は濃厚接触した可能性があるほかの従業員50人に対し、順次PCR検査を進めています。いずれのクラスターについても、市は濃厚接触した可能性がある人を把握できているとして施設や店の名前を公表していません。
道 新たに3クラスター発生
道は道内で新たに3つのクラスターが発生したと発表しました。日高地方の新ひだか町の飲食店では今月27日に利用客1人の感染が判明し、従業員と利用客にPCR検査を行ったところ、最初の1人を含むいずれも20代の利用客5人と従業員1人の合わせて6人の感染が確認されました。症状は軽症か無症状だということです。帯広市の飲食店では今月16日に従業員1人の感染が判明し、ほかの従業員にPCR検査を行ったところ、最初の1人を含む10代から30代の従業員合わせて5人の感染が確認されました。症状はいずれも軽症だということです。帯広市の帯広柏葉高校では今月19日に生徒1人の感染が判明し、ほかの生徒や教職員にPCR検査を行ったところ、最初の1人を含む生徒合わせて6人の感染が確認されました。症状はいずれも軽症だということです。
旭川で2クラスター拡大
旭川市は30日、市内で発生している2つのクラスターで新たな感染者が確認されたと発表しました。このうち市内45例目のクラスターが発生している旭川大学の運動部では新たに学生2人の感染が確認され、これでこのクラスターに関連する感染者は学生12人となりました。48例目のクラスターが発生している接待を伴う飲食店でも新たに1人の感染が確認され、このクラスターに関連する感染者は従業員など8人となりました。一方、旭川市は30日、新たに市内に住む47人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。いずれも軽症、または無症状だということです。また、このうち1人の感染経路が分かっていないということです。
札幌 コールセンターのクラスター拡大
札幌市では市内399例目のクラスターが発生しているコールセンターで新たに従業員1人の感染が確認され、関連する感染者は従業員合わせて30人となりました。
札幌 集団接種会場で運営側の4人感染
札幌市は集団接種会場の運営に従事する委託事業者の職員4人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。4人のうち2人は「札幌コンベンションセンター」で運営に従事するいずれも30代の男女で、ほかの2人は「つどーむ」で運営に従事するいずれも年代と性別が非公表の職員と看護師です。札幌市によりますと、いずれの職員も発症日以降は勤務にあたっておらず、業務中はマスクやフェイスシールドなどを着用し感染対策を行っていたことなどから、市はこれまでのところ、会場を訪れた市民で濃厚接触者はいないということです。会場の消毒作業をあらためて行った上で、いずれの会場も通常通り運営しているということです。
インド型(デルタ株)の状況
変異ウイルスのデルタ株について新たに、札幌市で187人、道で85人のあわせて272人が感染している疑いがあることが分かりました。旭川市では市内で感染が確認されているウイルスがおおむねデルタ株に置き換わっていると判断しているのに加え、検査態勢がひっ迫しているため現在、デルタ株に関する検査は行っていないということです。
ススキノ飲食店関連で新たに1人
札幌市によりますと、繁華街・ススキノの接待を伴う飲食店に関連する感染者が新たに1人確認されたということです。これで、ススキノの接待を伴う飲食店に関連する感染者は351店舗の1364人となりました。

●新型コロナ 新たに20人の感染発表 小学生〜高校生で拡大 山形 8/30
20歳未満の子ども世代への拡大が目立っている。新型コロナウイルスについて、山形県内では30日、新たに山形市が4人、寒河江市、東根市、河北町、米沢市、南陽市、酒田市が2人などあわせて20人の感染が発表された。
このうちクラスター関連は、新庄市の「PFCホスピタル」が1人、河北町の「放課後児童クラブ」が2人、酒田市の「中学校」が1人、米沢市の「九里学園高校」が4人。30日に発表された20人のうち半数の10人が「小学生から高校生」。
(28日の県会見)「(クラスター発生は)酒田市の中学校」
(29日の県会見)「米沢市の九里学園高校」
山形県内では28日と29日に新たに4件の「クラスター」が発表され、このうち2件は中・高生の「部活動」。いわゆる「第5波」では、先月下旬から確認された21件のクラスターのうち、8件が「部活動やスポーツ」に関わるもので、夏休みが明けたいま、改めて子どもたちの感染対策が問われている。
山形県内の感染者は今月だけで1000人を超え30日時点で「1003人」となり、累計では3144人、入院中は重症の5人を含む122人。病床占有率は県全体で「51.5%」と政府の指標で最も深刻な「ステージ4」の水準を超えている。宿泊・在宅療養はあわせて268人で、入院調整中は24人。
こうした中、山形県庁でのワクチンの大規模接種に追加された60人の「妊婦枠」の予約の受け付けが30日午前9時に始まり10時50分にすべて埋まった。妊婦枠の追加は千葉県で自宅療養中の妊婦が早産し赤ちゃんが亡くなったことを受けての対応。山形県の他、東根市や天童市などが妊婦に接種券を優先して送っていて「いち早くワクチンを接種して、安心して出産を」との動きが広がっている。

●放課後児童クラブで小学生の感染拡大、私立高野球部は出場を辞退 山形県 8/30
山形県と山形市は29日、小学生から60歳代までの男女30人が、新型コロナウイルスに感染したと発表した。米沢市門東町の九里学園高校では、クラスター(感染集団)が発生した。累計感染者は3124人で、入院患者は121人、重症は5人。
新たな感染者の内訳は、鶴岡市が6人、米沢市と新庄市が各5人、酒田市が4人、山形、天童、河北の3市町で各2人、寒河江、南陽、高畠、白鷹の4市町で各1人。調査中の9人を除き、いずれも症状はないか、重くない。
九里学園高では、野球部の男子生徒ら6人が感染し、秋季高校野球県大会地区予選への出場を辞退した。9月3日まで休校する。
クラスター関連では、河北町の放課後児童クラブを利用する小学生男女2人の感染が判明し、計9人に拡大。新庄市福田の精神科病院「PFC HOSPITAL」でも、入院患者3人が感染し、累計は10人。酒田市内の中学校では、これまでの感染者と同じ部活に所属する男子生徒3人が感染し、累計は12人となった。
県によると、インド由来の変異ウイルス「デルタ株」の疑いがある変異ウイルス「L452R」は、新たに5人から検出され、累計は351人となった。

●福島県の自宅療養者、最多506人 クラスター拡大、70人感染 8/30
県は29日、県内で新たに70人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。28日に陽性が判明し、県内の感染確認は延べ8604人となった。自宅療養者は500人を超え、過去最多の506人となった。
70人の内訳は郡山市16人、いわき市15人、福島市10人、会津若松市8人、本宮市と猪苗代町各5人、白河市3人、伊達市と大玉村各2人、磐梯町、会津坂下町、西郷村、矢吹町が各1人。20人の感染経路が分かっていない。
クラスター(感染者集団)関係では、県内141件目の郡山市の事業所が2人増の計7人に拡大。このほか、137件目の猪苗代町内の事業所が6人増の計16人、135件目の県北地方の事業所が2人増の計9人、131件目の会津若松市のシェアハウスが1人増の計13人、138件目の県南地方の事業所が1人増の計8人にそれぞれ拡大した。
28日現在の入院者数は重症16人を含む347人で、病床使用率は54.5%と依然としてステージ4(爆発的な感染拡大)の水準にある。106人が宿泊療養しており、88人が療養先を調整中。直近1週間(22〜28日)の人口10万人当たりの新規陽性者数は33.91人、療養者数は56.72人で同様にステージ4の状況となっている。
28日までに28人が退院、22人が宿泊療養施設を退所し、17人の自宅療養が解除された。

●ひたちなかの事業所でクラスタ― 龍ケ崎の大学サッカー部でも 茨城 8/30
茨城県と水戸市が30日に発表した新型コロナウイルス新規感染者計227人のうち、2人はひたちなか市内の事業所の従業員で、28日までに公表された10人を加え、事業所内の感染者は従業員計12人に広がった。県は新たなクラスターが発生したとみている。
感染が相次ぐ日立市内の事業所では、新たに1人の感染が判明し、29日までに公表された10人を足すと、事業所内の感染者は従業員計11人に拡大した。
坂東市内の事業所では新たに2人の感染が分かり、29日までに公表された5人を合わせると、事業所内の感染者は従業員計7人に増えた。
龍ケ崎市内の大学サッカー部では新たに学生12人の感染が明らかになり、部内の感染者は学生計25人に増加した。

●ワクチン「予約できない」宇都宮では妊婦に優先接種 8/30
東京都では30日、新たに1915人の新型コロナ感染者が確認されました。8日連続で、前の週の同じ曜日を下回っています。重症者は287人で、29日より9人減りました。感染拡大を抑えるため、各地でワクチン接種が進められています。東京・渋谷の大規模接種会場は、抽選券を配る方式に変えました。月曜日は休みですが、会場に来た人もいました。
接種会場に来た人「(仕事が)不定休で、こういうタイミングでしか来られない。きょうは休みだと知らなかった」
接種会場に来た人「やっぱり不便だと思いますね。利便性が感じられないので、ネットで抽選してからやった方が、無駄な人流も防げると思うのでいいかと思う」
東京都では、30日から新たに、都庁や乃木坂の会場で、16〜39歳までの都内在住者や学生などを、接種の対象に加えました。予約はインターネットで受け付けています。
接種会場に来た人「『大変込み合ってます』となってます。予約の入力できなそうです。皆、ワクチンが打ちたいなかで、こういう状況は早く改善してほしい。これだけ(感染が)広がっているので、焦っているのが正直なところ」
3つの会場で、若者も含め、一日の予約枠は4100人。使われるのは、モデルナ製のワクチンです。栃木県宇都宮市では30日から、市内13カ所の産婦人科で、妊婦さんへの優先接種が始まりました。こちらは、ファイザー製のワクチンです。
『アルテミス宇都宮クリニック』木内敦夫院長「(ワクチンを)打つことが害はないか、打った方がいいかという質問が、毎日のように寄せられている」
初めて出産する妊婦「家族は接種していますが、私だけ妊婦ということで接種ができていなかったので、打てるなら打ちたいと状況だった。出産前に2回目もちょうど打ち終わるタイミングで、今回はぜひ打ちたいと思い、お願いしました」
大阪府では、複合商業施設の集団接種会場で、原則40歳以上を対象に、アストラゼネカ製のワクチン接種が始まりました。市内では2カ所目です。アストラゼネカ製のワクチンは、他の2つと比べて有効率が低く、ごくまれに血栓ができるリスクがあるとの指摘があります。
接種会場に来た人「他の2つは(有効率が)90%くらいで、本当はそっちが良かったが、打てるか打てないか分からない。予約も取れないので、最悪これでいいかなと思ってきょう来た」
接種会場に来た人「不安はあるが、その時にならないと分からないし、それで打たない選択肢はなかったので、覚悟を決めて打ちに来た」
治療の現場でも、新たな動きがありました。主に軽症者向けに行われる『抗体カクテル療法』は、これまで入院などで対応してきましたが、昭和大学病院は、外来診療で行うことを決めました。
昭和大学病院・相良博典院長「中等症II・重症の患者を減らすことに寄与するだろうと。(点滴後、早ければ)2時間ぐらいで自宅に帰ることができるんでは」
重症化防止の切り札とも言われますが、希望者なら誰でもというわけではなく、保健所が判断した患者が対象となります。受け入れは31日から始まり、今後、一日10人程度を目指したいとしています。

●新潟県 独自の“特別警報”全県に拡大へ 8/30
新潟県内の新型コロナウイルス新規感染者数は8月24日までの1週間で過去最多の798人に上るなど、感染の拡大が続いています。
この状況を受け、花角知事は30日午前、西村新型コロナ対策担当相に、一段強い措置となる「まん延防止等重点措置」の適用について電話で相談しました。
しかし、県内の感染状況などは国が定める基準に満たしていないことから、適用は見送りに。
そのため、県は新潟市・長岡市・小千谷市に出されている特別警報を全県に拡大し、9月3日から飲食店を対象に時短営業を要請する方針を固めました。
これに伴い、すでに時短要請が出されている3つの市は期間が延長されます。
県は30日午後から対策本部会議を開き、正式に決定する予定です。

●特別警報全県に拡大、部活動も休止 新潟県 8/30
新潟県は30日、新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることを受け、県独自の警戒レベルのうち最も厳しい「特別警報」を県内全域に拡大して発令した。全市町村を対象とするのは初めて。県全域の酒類を提供する飲食店などに9月3〜16日の14日間、原則午後8時までの営業時間短縮を要請する。また期間中、県立施設を原則休館する。県教育委員会は、高校など県立学校107校に対し、期間中の部活動を休止するよう求める。
30日に県庁で開かれた新型ウイルスの対策本部会議で決定した。花角英世知事は会議後の記者会見で「医療への負荷がぎりぎりの所に来ていて、通常医療も制約しなければいけない状況が生まれてきている。県民がこぞって抑え込むという姿勢を示す必要がある」と強調した。
県内の感染者数は24〜28日に5日連続で1日100人を超え、確保病床の使用率は29日時点で、ステージ4(爆発的感染拡大、50%以上)目前の49・9%に達している。医療体制の逼迫(ひっぱく)が深刻なことから、県全体への強い措置が必要と判断した。
一方で、緊急事態宣言に準じた措置が可能となる「まん延防止等重点措置」については、国と相談した結果、他の都道府県と比べて感染拡大のスピードが抑えられているなどとして、現時点での申請を見送った。 特別警報の全県拡大を受け、既に特別警報が発令され、時短要請中の新潟、長岡、小千谷の3市では、この要請期間が16日まで延長される。営業時間は全県で午後8時までの短縮を求められるが、県の感染対策認証制度を申請した店舗は午後9時までと1時間延長できる。県は短縮に応じた店舗に対し、売上高などに応じて1日当たり2万5千〜20万円の協力金を支給する。
県立学校の部活動休止方針は30日、同会議を通じて市町村長にも報告された。小中学校など市町村立学校での対応は、各市町村教委が今後判断する。
県教委の稲荷善之教育長は会議後の会見で、部活動休止の理由について「8月に入り児童生徒の感染が増加した。感染を抑えこみ、休校を回避するための措置だ」と説明した。
県立施設の休館については、県が今後、関係者と協議して対象施設を決める。市町村にも同様の対応を検討するよう求める。
30日の対策本部会議は冒頭を除いて非公開で行われた。県内30市町村の首長らもオンラインで出席した。

●新潟県53人感染確認 会社で感染拡大続く 新型コロナウイルス 8/30
新潟県内では30日、新たに53人の新型コロナウイルス感染が確認されました。新潟市は会社での感染拡大が続いているとして注意を呼び掛けています。
新たに感染が確認れた53人のうち新潟市が16人で、東区で6人、西区で5人などです。その他の市町村は37人で、長岡市で13人、新発田市で6人、上越市で5人などとなっています。1日の感染確認が50人台となるのは8月16日以来、2週間ぶりです。
53人のうち県外との往来があったのは5人で、感染経路が分かっていないのは15人です。また、ほとんどの人が軽症または無症状ですが、新潟市によりますと1人が中等症だということです。
新潟市では連日のように50人前後の感染が確認されていましたが、30日は16人という状況に…。
新潟市保健管理課 田辺博課長「営業時間の短縮に協力いただいていること、市民からは感染拡大防止ということでいろいろな協力の表れだと思う。これから減っていくかはあす、あさっての状況を注視しなければ」
一方で、新潟市は会社での感染拡大が続いているとして注意を呼び掛けました。8月に入り、29の会社であわせて210人の感染が確認されたということです。
また県によりますと、これまで複数の感染者が確認されている長岡市の学校で、新たに4人の感染が確認されました。県は部活動の中で感染が広がったとみていて、この学校関連では合わせて22人の感染確認となりました。

●石川県内クラスター100件に 低リスクでも感染顕著 「市中感染が拡大」 8/30
石川県は29日、金沢市の認定こども園「大野町こども園」で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)を確認したと発表し、県内の認定は昨年4月から累計100件となった。7月からの「第5波」では、病院や高齢者施設での発生が少ない一方、職場や学校関係が急増している。専門家は「デルタ株の市中感染が広まり、比較的低リスクな場面でも感染が顕著だ」と指摘し、2学期の始まる9月以降の感染拡大に懸念を示す。
100件の内訳は、飲食店と職場が各23件で最も多く、福祉施設13件、会食12件、病院10件などと続く。流行の第3波(昨年12月〜今年2月)では、成人式に伴う会食や金沢市片町の飲食店などを中心に拡大。第4波(4〜6月)では、県内最大のクラスターとなった航空高石川(輪島市)のほか、病院や福祉施設での発生も相次いだ。
第5波は、7月に飲食店や学校関係が多発し、8月に入って職場が急増している。一方、病院での発生はなく、高齢者施設は1件にとどまる。ワクチン接種が進んだことが影響しているとみられる。
ただ、県感染症専門家会議座長の谷内江昭宏氏=金大附属病院副病院長=は「職場や学校は、会食や長時間滞在する病院、福祉施設と比べてリスクが低い。なのにこれだけクラスターが増えているのは、市中感染がかなり広まっている現れだ」と指摘する。
大野町こども園35人に感染拡大 29日に公表された大野町こども園では、園児や保育士、同居者ら35人の感染が分かった。今月のクラスター発生は17件で、月別の最多を更新した。県庁で会見した県健康福祉部の北野喜樹部長は「デルタ株の出現で『子どもはかかりにくい』といった当初の状況から変化している」と述べ、県民に感染対策の徹底を呼び掛けた。
富山53件、福井49件 北陸三県でのクラスター認定は、富山県が53件、福井県が49件で、石川県が突出している。

●コロナ感染拡大で献血車の受け入れ中止や延期相次ぐ 福井県 8/30
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、福井県内で献血車の受け入れ中止や延期が相次いでいる。外出控えもあり、県内の7月の採血実績は計画より187人分(1人分=200ミリリットル換算)少なかった。急ぎではない手術の先送りや県外との調整により、輸血などに影響が出る状況には陥っていないものの、8月も減少傾向が続く。県赤十字血液センターは「どんな時でも一定量の血液は必要。ぜひ協力してほしい」と呼び掛けている。
輸血用の血液は、東海北陸や近畿など全国を7ブロックに分けて年間の需要を見込み、月ごとの採血の計画や実績に基づいて週単位で調整している。7月は福井県内で3350人分の採血を計画していたが、3163人分にとどまった。
例年なら8月後半は高校の学校祭に合わせて献血車を配置するが、新型コロナの影響で中止や延期が相次いでいる。感染リスクを考慮して企業の集団献血も中止になり、8月も計画を下回る状況は避けられないという。臨時で県庁やショッピングセンターに依頼し、献血車を配置している。21、22日には福井市のベルで行った。
県赤十字血液センター献血推進課の牧田昭課長は「各ブロックで調整しているが、全国的に余裕はなく厳しい状況。できる限りの感染予防をしているので安心して献血してほしい」と話している。同センターでは金曜を除いて献血を受け付けている。
厚生労働省は7月下旬、新型コロナ感染者は、症状がなくなって4週間たてば献血できると決め、8月下旬に全国の自治体に通知した。施行は9月8日から。ファイザー、モデルナ製のワクチン接種者は副反応を考慮し、接種後48時間たてば献血できる。

●新型コロナの宿泊療養施設を岐阜市に開設、140床を確保 岐阜県 8/30
岐阜県は30日、新型コロナウイルスの軽症者や無症状者を受け入れる宿泊療養施設として、岐阜市のホテルルートイン岐阜県庁南を9月1日に設置すると発表した。140床を確保し、県内の宿泊療養施設は8施設で1271床となる。
県内の宿泊療養施設は現在、岐阜圏域では羽島市のホテルコーヨー本館(285床)と別館(185床)、アパホテル岐阜羽島駅前(146床)、ホテルルートイン岐阜羽島駅前(184床)、西濃では大垣市のホテルルートイン大垣インター(140床)、東濃では多治見市のトヨタ自動車研修用宿泊施設(135床)、飛騨では高山市の高山観光ホテル(56床)の7施設がある。
今回の増床で、県内の病床と宿泊療養施設は計2054床(病床783床、宿泊療養施設1271床)となる。県内の宿泊療養施設には29日時点で658人が入所している。

●運輸業事業所でクラスター、陸自大津駐屯地では拡大 滋賀県 8/30
滋賀県は30日、新たに10歳未満〜80代の男女113人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1人が中等症。県内の感染確認は計1万453人となった。
県が29日にクラスター(感染者集団)と発表した行政機関は、陸上自衛隊大津駐屯地(大津市)だったことが判明した。30日には新たに隊員3人の感染が判明し、計13人になった。
東近江市の運輸業事業所で同日までに従業員43人の感染が確認され、県は新たなクラスターと認定した。クラスター関連では、大津市の保育関連施設で子ども1人が増えて計30人に、彦根市の製造業事業所で従業員2人が増えて計25人になった。
新規感染者は居住地別では大津市39人、草津市12人、甲賀市11人、栗東市10人など。自宅療養者数は前日より144人減って1546人になった。
また、草津市は30日、児童2人の感染が判明した笠縫東小を31日〜9月4日の間、学校閉鎖にすると発表した。2人は同じ学童保育所に通い、他学年にも感染拡大の懸念があるためという。

●寮のクラスターは共有スペースで拡大か… 三重で新規感染者181人 8/30
三重県では30日、新たに181人に新型コロナウイルスの感染がわかりました。8月16日以来、14日ぶりに200人を下回りました。
感染がわかったのは、四日市市や桑名市などに住む10歳未満から90代までの181人です。
内訳は四日市市79人、桑名市19人、津市17人、鈴鹿市17人などとなっています。181人の半数近い83人が、今のところ感染経路が特定できていません。
四日市市の40代から70代までの男性8人は、市内の同じ福祉施設の入所者で、別の入所者に感染がわかったため、検査を受けて陽性が判明しました。
この施設での感染者は9人になり、市は残りの入所者ら十数人の検査を進めています。県は「今後クラスターになる可能性がある」としています。
28日までに感染が公表されている20代から30代までの男性13人は、津市の同じ製造業の寮に住む従業員で、県は寮の洗濯場などの共有スペースで感染が広がったとみて、106例目のクラスターとしました。
30日は入院していた80代と60代の男性3人が、29日に亡くなったことも発表されました。
60代の男性は、デルタ株を含む変異株検査で陽性が確認されていて、重症になっていました。
30日時点での病床使用率は、前日から7.7ポイント下がり58.7%になりましたが、自宅療養を含む入院調整中の患者は86人増えて4231人になっています。
1日あたりの新規感染者数は、8月16日以来14日ぶりに200人を下回りましたが、鈴木知事は会見で「ピークから下がってきた認識でもなく、まだまだ高い警戒を続けていく必要がある」と話しました。

●大阪・新型コロナ1605人感染 子どもの感染拡大… 大阪市 8/30
大阪府は30日、新たに1605人が新型コロナウイルスに感染したと発表しました。月曜日としては過去最多となります。年代別で最も多いのが20代の375人、次いで30代の280人、10代の260人です。
亡くなった人は2人、重症者の患者は新たに基礎疾患のない30代男女3人を含む計218人で、重症病床使用率は37.1%、自宅療養者は17188人となっています。また未就学児110人、就学児76人の感染も確認されています。
学校内で新型コロナウイルスの感染が広がっていることを受け、大阪市は30日、学校の休校について基準を見直しました。大阪市では30日の時点で小学校が24校、中学校16校が休校措置をとっています。
大阪市の新たな休校の基準では、同じクラスで生徒の感染者が2人以上となった場合や感染者が1人でも濃厚接触者が複数人確認された場合には、5〜7日程度学級閉鎖をするということです。また、2つ以上のクラスが学級閉鎖となった場合は1学年全体を閉鎖、閉鎖した学年が複数に渡る場合は、学校全体を休校にするということです。この基準は9月1日から適用されます。

●広島県で新たに5件のクラスター 広島市と福山市の保育施設で園児に感染 8/30
広島県内で30日、256人の新型コロナウイルス感染が発表された。29日(284人)に続いて2日連続の200人台。1週間前の23日(275人)と比べて6・9%減った。
広島市は、県内の医療機関に入院していた患者1人が死亡したと明らかにした。今月に入って県内で死者が公表されたのは、7日の呉市の1人以来で2人目。県内の死者の累計は181人となった。
県全体の直近1週間の新規感染者数は、人口10万人当たり79・9人となった。政府分科会が示す感染状況で、最も深刻な「ステージ4」(爆発的感染拡大)の指標25人を大きく超え続けている。
30日発表の感染者の居住地別は、広島市144人、福山市60人、尾道市18人、呉市14人、東広島市7人、廿日市市3人、府中町、北広島町各2人、三次市、大竹市、安芸高田市、江田島市、熊野町、東京都各1人。中等症1人、軽症208人、無症状47人という。
広島市の144人の年代別は、20代37人、30代27人、10代23人、40代22人、50代13人、10歳未満11人、60代と70代が各4人、80代2人、90代以上1人。10代1人が中等症。122人が軽症、21人が無症状という。52人の感染経路が特定できていない。
市内の直近1週間の新規感染者数は人口10万人当たり97・0人で、ステージ4の指標25人を22日連続で上回った。
呉市の14人の年代別は園児が1人、中学生が4人のほか、10代、40代、50代が各1人、20代、30代、60代が各2人。うち中学生2人と園児、30代、50代、60代各1人の計6人が無症状で、ほかの8人は軽症という。29日に生徒1人の感染が発表された広中央中では、新たに生徒3人の感染が明らかになった。
福山市の60人の年代別は10歳未満が19人で最も多く、3分の1近くを占めた。ほかは10代8人、20代5人、30代9人、40代6人、50代9人、60代2人、70代1人、80代1人。うち43人が軽症で、17人が無症状だった。市内のこども園では園児1人の感染が判明したため、9月3日まで臨時休園とした。
このほかの7市3町と東京都在住の計38人は県が発表した。年代別は、10歳未満9人、10代3人、20代11人、30代3人、40代4人、50代4人、60代3人、70代1人だった。軽症が35人、無症状が3人。5人の感染経路が分かっていないという。
これとは別に、県は職員2人の感染を公表した。
1人は福山市在住の県健康福祉局の50代で、本庁に勤務。休暇だった25日に咽頭痛とせきの症状が出たが、熱はなかったため26日に出勤した。その日の午後に発熱があり、薬で解熱した。27日に休暇を取り、PCR検査をした。熱は下がっていたため28日は出勤し、夕方に陽性が判明した。所属先の体調不良者はいないという。
もう1人は広島市在住の県地域政策局の30代。27日に接触者の陽性が分かり、退庁。28日にPCR検査を受検、29日に陽性が分かったという。
この2人はそれぞれ、福山市、広島市が30日に公表した感染者に含まれる。
クラスター(感染者集団)の関連では、県内で新たに5件が認定された。内訳は、広島市内の3件、福山市内の1件、東広島市内の1件となる。
広島市内の3件は、事業所2件と民間保育施設1件。事業所では、車内での昼食時や事業所内でマスクを着けずに会話するなどした10代と20代の従業員計6人が感染した。別の事業所ではマスクを外して勤務するなどした20〜50代の従業員計7人の感染が判明した。民間保育施設では園児6人に感染が広がった。
福山市の1件は24日に園児1人が感染し、休園していた神辺保育所。その後に園児6人が陽性となり、感染者が計7人となった。それ以上の感染拡大はないとし、30日に再開した。
東広島市の1件は県が認定した県立西条農業高の運動部。県教委によると、部員の生徒18人と40代の部担当教職員1人の計19人が感染した。居住地別は東広島市14人、広島市と呉市各2人、尾道市1人。いずれも広島市、呉市、県が30日までに発表した感染者数に含まれている。
24日に生徒1人の感染が判明した。部員や接触があった生徒119人と教職員12人の計131人がPCR検査を受け、28日までに19人が陽性となった。残る112人は陰性だったとしている。同校は25日から9月3日まで臨時休校している。

●鹿児島市 新型コロナワクチン集団接種会場 受付時間を拡大 8/30
鹿児島市の下鶴市長は、30日から12歳以上の新型コロナワクチンの接種予約が始まったことを受け、9月以降、集団接種会場での受付時間を拡大するなど、若年層が接種しやすい環境を整える方針を示しました。
これは30日の会見で下鶴市長が明らかにしたものです。
鹿児島市では、新型コロナ感染者が出た家庭の約8割で家庭内感染が発生しているとして、下鶴市長は、不要不急の外出を控えることや帰宅時の手洗い、小まめな換気など家庭内感染を防ぐために基本的な感染症対策を徹底するよう改めて呼びかけました。
ワクチン接種については、30日から12歳以上の市民の予約が可能になったことから若年層が接種しやすい環境を整えるとしました。
具体的には、鹿児島市が設置した集団接種会場では、予約時間を9月下旬以降、現在より1時間拡大して午後8時までとし、医療機関には時間外や休日の予約枠の確保を依頼するとしています。
また9月上旬から、鹿児島市のホームページと市の公式LINEでのワクチン接種希望者のキャンセル待ち登録システムを運用する準備を進めているということです。

●オリパラ契機、バリアフリー進展 コロナで失速も― 8/30
四肢や視覚などに障害を抱えた選手が活躍を続ける東京パラリンピック。招致決定から8年がたち、国内の公共交通機関や宿泊施設のバリアフリー化には進展が見られるが、新型コロナウイルスの感染拡大で整備が「後回し」になったものもある。専門家らは関連法の不十分さと障害への理解の促進を課題に挙げる。
「オリパラがなければ全く違う国だった」。障害者団体「DPI日本会議」事務局長で、9歳から車いすを利用する佐藤聡さん(54)はハード面の進展をこう評価する。
バリアフリー法は招致決定後の2018年と20年、2度にわたって改正され、鉄道駅は規模に応じ、複数のバリアフリー経路の整備とエレベーターの大型化が義務付けられた。南口からしかホームにたどり着けなかったJR新宿駅(東京都新宿区)で東口、西口からのルートが確保されたのが「象徴的だった」という。
大会を契機に環境改善が加速したといい、「大会後もいい流れが続いてほしい」と願う。
ホテルや旅館などの宿泊施設。車いす対応客室の設置基準が見直され、業界団体によると、インバウンド需要が増加していた19年末までは各施設が積極的にバリアフリー化を進めた。しかし、コロナウイルスのまん延で需要が落ち込むと、取り組みは失速。国の政策も感染の拡大防止に重心が移り、「優先順位が変わって後回しにせざるを得なくなった」(業界団体関係者)という。
バリアフリーに詳しい東洋大の川内美彦客員研究員は、商業施設内にある飲食店などについて、「入り口までの経路はバリアフリーでも、中には段差がある」と指摘。小規模店内部の整備を義務付けた規定はなく、「移動できる権利は人権だ」と、さらなる法改正の必要性を訴える。
DPI日本会議の佐藤さんは「進展はあるものの、街の人が車いす移動を助ける場面はそれほど増えていない印象だ。移動手段が限られていることを広く理解してほしい」と話している。

●コロナ時代の「倒産」新常識、危ない会社を見抜く“兆候”も激変! 8/30
コロナ禍と連休理由に来訪拒否 死亡事故から1カ月で破産手続き開始
「ゴールデンウィーク及び新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、5月12日まで営業自粛となります」――。
4月下旬、神奈川県相模原市の建築工事業、則武地所のホームページにこんな一文が掲載された(現在はホームページを削除)。
同社は4月17日に東京都八王子市で発生した、アパート階段崩落死亡事故の施工会社だ。結局、5月13日になっても営業は再開されず、その日に自己破産を申請。横浜地裁は19日付で破産手続き開始を決定した。
「大型連休中に会社を畳むことは昔からあるジンクスだ。加えて、コロナ禍を理由に第三者の来訪を拒否している。怪しいなと警戒していたら、破産申請した」と帝国データバンク横浜支店情報部の内藤修部長は振り返る。
則武地所は2000年創業。帝国データバンクによれば、木造アパートの建築単価において同業他社よりも20%以上安い、1室当たり250万円という低価格を武器に事業を拡大。17年4月期の売上高は約20.5億円に達した。
しかし、有資格の作業責任者を置かずに作業させたとして相模原労働基準監督署に労働安全衛生法違反で書類送検されるなど不祥事が続出。20年4月期の売上高は約9.8億円と3年で半減し、工事代金の支払い遅れも常態化。取引先の間で信用情報が飛び交う「倒産警戒銘柄」になっていた。
国土交通省によれば、則武地所が手掛けた166件の集合住宅のうち、少なくとも57件で階段の劣化が確認された。しかし、同社が破産したため、アパートのオーナーが補修費用を請求しても支払われるかどうかは不透明だ。
死亡事故から約1カ月で破産申請した則武地所について、赤羽一嘉国土交通相は、「本来ならば施工についてのオーナーへの説明や、補修対応をする必要がある中、責任を果たさずに自己破産申請することはあってはならない」と不快感をあらわにした。
則武地所が施工したアパートのオーナーのように、取引先の倒産に巻き込まれると、企業は手痛いダメージを食らってしまう。
取引先が信用に値する企業かどうかを見抜くことは、自社の死活を左右する必須スキルだ。
ただし、企業の倒産リスクを調べようにも、どうやってチェックすればいいか迷うだろう。加えて、コロナ禍で企業の実態が見えにくくなっていると、信用調査会社の担当者は口をそろえる。
“危ない”会社を見抜くプロたちに、最新の信用調査のチェックポイントを伝授してもらった。
本業悪化でも黒字、過剰債務が急増… 激変した“危ない”企業のチェックポイント
一つ目は、「減収増益」企業の急増だ。東京商工リサーチが約3.9万社の21年3月期の決算を分析したところ、大企業(資本金1億円以上)、中小企業共に約7割の企業が売上高を前期よりも落とす「減収」になった。一方で、利益が前期を上回る「増益」企業の割合は、大企業が前期から9.1ポイント上がり53.9%、中小企業も同5.0ポイント増の49.5%と、減収増益の傾向が強まっている。
コロナ支援の補助金や給付金などに加え、不動産など資産売却に着手して特別利益を計上したことや、交際費や出張費などのコスト削減が進んだためだ。
決算書上では黒字が拡大していても、本業が悪化した企業は増えている。取引先の最終利益にとらわれず、どうやって利益を確保しているかをチェックするべきだ。
二つ目は、「現預金の増加」に目を奪われないことだ。取引先の手元の現預金が増えたからといって、支払い能力は大丈夫だと安心することは早計だ。
というのも、無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)などの資金繰り支援策が充実したことで、負債が急増して過剰債務になった企業が増えているからだ。
東商リサーチが8月に中小企業約8000社を対象に実施した調査によれば、「過剰債務」と回答した企業は35.7%。実に3社に1社が過剰債務に陥っている。
上場493社が倒産“危険水域” 13業種別倒産危険度ランキング
『週刊ダイヤモンド』9月4日号の第1特集は「廃業急増のウラ 倒産危険度ランキング」です。景気が悪化すれば企業の倒産は増える。そんな当たり前のような常識が、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴う危機で通用しなくなっています。
経営リスクの高い企業を見分ける手引きとなるのが、公開情報から算出した「倒産危険度(Zスコア)」。ダイヤモンド編集部が上場企業3787社の倒産危険度を総点検したところ、493社が“危険水域”と判定されました。
特集では493社の実名をランキング形式で届けるとともに、倒産危険度が高かったワースト上位企業の理由を深掘り。また上位企業への直撃取材を敢行し、経営危機の理由や打開策を聞きました。
また、コロナ禍でどれだけ各業界が打撃を受けたかを探るため、自動車や航空・鉄道、鉄鋼、半導体・電子部品、小売り、アパレル、外食、など主要13業種の危険度ランキングを作成。業界ごとの倒産事情と業界内の序列を浮き彫りにしています。
一方、2020年に急増した廃業。後ろ向きに聞こえがちな廃業ですが、うまく活用すれば手元に資金が残る“ハッピーリタイア”が待っています。850社の廃業などの手続きを支援してきた“企業のおくりびと”のプロフェッショナルが、「勝ち組廃業」入りの最新テクニックを伝授。M&Aや解散、破産など、会社の終活を成功させて「倒産地獄」を回避するポイントをまとめました。
倒産の最新事情に迫った一冊です。ぜひご一読ください。

●コロナ影響 ファミレスの店舗数 感染拡大前より8%余減少  8/30
新型コロナウイルスの影響が長期化する中、主な外食チェーンが展開するファミリーレストランの店舗数が感染拡大前に比べて790店余り、率にして8%減ったことが信用調査会社のまとめで分かりました。
民間の信用調査会社「東京商工リサーチ」のまとめによりますと、東京証券取引所などに株式を上場している外食チェーンのうち、主な11社が展開するファミリーレストランの店舗数はことし3月末時点で合わせて8322店でした。
新型コロナウイルスの感染拡大前のおととし12月末時点に比べて、793店、率にして8.6%の減少です。
長期にわたり外食が控えられているうえ、繁華街やオフィス街での深夜までの営業もできなくなっているため、不採算の店舗を閉じる動きが広がっているということです。
中には、感染拡大前に比べて店舗数を2割余り減らした会社もあり、収益の確保に向けて、宅配事業の強化や業態の転換などが課題になっているとしています。
調査を担当した二木章吉さんは「店舗数の減少は、少なくともことしいっぱいは続くのではないか。外食産業の雇用は正規、非正規を問わず絞られていて、厳しいと感じる」と話しています。

●コロナ感染 家族が自宅待機になったら…「近距離での空気感染に注意」 8/30
新型コロナウイルスの感染拡大で、鹿児島県内でも感染者の自宅待機が急増。家庭内での感染拡大が懸念されている。専門家は「接触を減らすだけでなく、近い距離での空気感染にも気を付けて」と呼び掛けている。
「別室に隔離することが第一」。感染症に詳しい鹿児島大学の西順一郎教授は話す。同居する人が必ずしも感染するわけではないとし「換気を心掛け、不織布マスクを使うことが重要だ」と語る。
トイレや風呂といった共用部を感染者が使用した後は換気扇で空気を入れ替え、直後に他の人が使わないようにする。西教授は「食事も別々に取る方がいい」と助言する。
唾液などを介した接触感染も起こりうるため、感染者が触れた場所を触ったら石けんで手を洗う。タオルも別に用意し、歯ブラシを置く位置も変える。
自宅待機中は、症状の悪化にも配慮が必要。大人が1分間に22回以上の早い呼吸(頻呼吸)をしている場合、通報が必要となるケースも。「続くようなら、自覚のないうちに肺炎を起こしている可能性が高い」と西教授。「濃厚接触者になる家族が検査を受け結果が陰性であっても、油断せず対策を続けて」と注意を促している。

●緊急事態宣言再延長の公算 指標見直し12日以降に先送り 8/30
新型コロナウイルスの感染拡大をめぐっては収束が見通せず、約2週間後に迫った9月12日の緊急事態宣言の期限は再延長される公算が大きくなった。政府が宣言の適用や解除の目安にしている感染状況を示すステージ別指標の見直しについては、専門家の間に慎重論が根強く、12日以降に先送りされる見通しだ。病床拡充にもなお時間がかかりそうだ。政府は来週、対策本部を開き、対応を決める。
内閣官房のステージ別指標の資料によると、21都道府県に上る宣言地域の直近1週間の10万人あたりの新規感染者数(今月29日時点)はいずれもステージ4(爆発的感染拡大、25人以上)。沖縄県は306人と突出して高く、次いで大阪府198人、東京都190人などとなっている。
田村憲久厚生労働相は29日のNHK番組で「新規感染者の基準を見ると、東京一つとっても(1日あたり)500人未満にならないと解除できない。現状を考えるとかなり難しい」と語っており、現在の指標のままでは当面解除できそうにない。
東京都が30日に発表した新規感染者数は1915人で8日連続、前の週の同じ曜日を下回ったが、西村康稔経済再生担当相は30日のTBS番組で「お盆に都心は人が減り通勤客も減った。その反映が今出ている」と分析。田村氏はNHK番組で「学校が始まり人の行動が変わると感染はまた広がる。9月も含めて厳しい状況が続く」と述べた。
加えて、秋に向けて一時的に感染者数が減ったとしても、冬は夏同様に換気をあまりせずにエアコンなどをつけるケースが相次ぐとみられ、底を打つ前に全国的に感染が拡大する可能性がある。
そこで政府は、指標の見直しを検討。重症化予防に効果があるワクチン接種が進んでいることを踏まえ、菅義偉(すが・よしひで)首相は17日の記者会見で「医療提供体制の負荷に着目し、病床使用率やワクチン接種の状況、重症者数などを分析した上で対応する」と語っていた。
ただ、この時期の見直しは「解除するために基準を変える」と受け取られかねず、厚労省幹部は専門家から「解除できないから(基準の)数字をこう変えましょうという議論をされてもついていけない」と言われたという。閣僚は「指標を変えたいが、専門家が作ってくれない」と漏らす。
もっとも病床使用率でも21都道府県中、20都府県がステージ4(50%以上)で、病床使用率を重んじるにしても、基準を緩和するか、大幅に病床数を増やさない限り、解除は難しい。厚労省が30日に発表した全国の重症者数は2075人で18日連続で過去最多を更新した。病床のニーズは高まるばかりとなっている。

●第5波“ピークアウト”or“高止まり”専門家に聞く 8/30
東京都の新型コロナ新規感染者数は、30日は1915人でした。7日間平均は、8日連続で減少しています。今後、感染者数はどのように推移していくのでしょうか。感染症疫学が専門で、WHO(世界保健機関)でも感染対策に携わっていた、大東文化大学の中島一敏教授に話を聞きます。
Q.感染者数は“ピークアウト”か“高止まり”か、どう見ていますか?
中島一敏教授「この1週間、減少が続いていますが、安心はできません。この2週間くらいは東京都内の人流が増えています。その後に感染者が増えることが見えていますので、油断できないと思います。そもそも8月はお盆や連休があり、流行の予測がつきにくい月だったこともあります」
重症者の推移を見てみると、第3波は160人(1月20日)、第4波は86人(5月12日)が最多でした。現在の第5波では、30日に287人となっていて、東京は前日より減りましたが、全国では18日連続で過去最多を更新し続けています。
Q.重症者増加の要因は、どこにあると思いますか?
中島一敏教授「重症者は増えていますが、まだワクチンを打てていない40〜50代が中心です。一方で、60代以上の人へのワクチン接種の進んだことで、死者数は減っています。治療方法もかなり確立しているので、病院で診療を受けると良くなっていきます。心配なのは、入院できない自宅療養の人が増えていることです」
東京都では、20歳未満の感染者数が、8月は1万8317人と、7月の3倍以上になっています。
Q.これから本格的に学校が再開されますが、感染拡大への影響はどれほどあると思いますか?
中島一敏教授「第5波では、デルタ株の影響で子どもへの感染も増えていて、入院している子どももいます。学校が再開されると、一定程度の感染が起こると予想されます。ただ、重要なのは、これまでの結果では、教室の中で感染するというよりも、外で友達と会ったり、部活動などでの感染リスクが大きいと思います。今後も運動部などでの感染対策をしっかり行うことや、大会などの延期を検討するのも良いと思います。子どもの教育の場では、大人が子どもを守るという視点が大事で、教職員がワクチンを打ったり、リモートを活用するなど、感染の機会を減らすことが大事だと思います」
ワクチン接種は、29日までに、1回目を終えた人が55.6%、2回目を終えた人が44.6%となっています。
Q.この接種率はどう評価しますか?
中島一敏教授「ワクチンだけでデルタ株の流行をコントロールするのは難しい現状です」
ワクチン接種が進んでいる、イギリスでは、16歳以上で2回目の接種を終えた人が、28日時点で78.4%、イスラエルでは30日時点で、12歳以上が75.5%となっています。ただ、どちらの国でも、新規感染者数は、ここ数カ月で急激に増えています。
Q.ワクチンだけでデルタ株を抑えることはできませんか?
中島一敏教授「デルタ株の影響は深刻だと思います。デルタ株は感染力が強く、ワクチンの効果が減弱することが要因です。加えて、それらの国では、人が動いて感染の機会が増えたことも要因の一つだと思います。デルタ株が出る前は感染者数が減っていたので、デルタ株の出現によって大きく状況が変わってしまった、世界が変わったと考えるべきだと思います」
Q.日本ではこの先、どういう状況になると思いますか?
中島一敏教授「まず、ワクチンを多くの人が接種を受けることが大事です。そのうえで、この秋から冬にかけて、ワクチン接種が進んだとしても、それだけで流行を抑えるのは難しいです。さらに、冬場になると、新型コロナは流行しやすくなります。冬場は、脳卒中や心筋梗塞のリスクも高まるので、コロナだけでなく、一般診療の救急なども含めて、診療の両立が必要だと思います。そのためには、ワクチン接種を進めながら、マスクや三密を避ける、換気、手指衛生など、対策を引き続きやっていくことが大切だと思います」
 

 

●東京都で新たに2909人感染、15人死亡 重症者は287人で横ばい続く 8/31
東京都は31日、新型コロナウイルスの感染者が新たに2909人、死者15人が確認されたと発表した。現在入院している重症患者は287人。1週間平均の新規感染者数は3520.7人で、31日時点で対前週比75.9%となった。
年代別では、20代が791人、30代が588人、40代が497人、50代が332人などとなっている。65歳以上の高齢者は142人だった。死者は40代男性1人、50代男性2人を含む15人。
感染者1261人へのスクリーニング検査では、変異株「デルタ株」にみられる変異「L452R」が1190人で確認され、割合は約94.4%だった。

●都医師会長「臨時医療施設、作って」 中等症患者を受け入れ 8/31
東京都医師会の尾崎治夫会長は31日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大により医療提供体制が逼迫(ひっぱく)していることを踏まえ、「治療ができるような中等症向けの臨時医療施設を、ぜひいくつか作っていただきたい」と述べた。
感染拡大が続いている都内では、入院患者数、重症患者数ともに高い水準にある。尾崎氏は入院治療できる環境をつくって、重症化を防ぎたい考えを示した。

●8月の感染者1658人、クラスター39件 青森県  8/31
青森県は31日、県内で新たに84人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。月別で過去最多を更新し続けている8月の感染者数はこれで1658人となり、これまで最多だった5月の776人の2倍超となった。八戸市では新たに2件のクラスター(感染者集団)が発生。8月の県内のクラスターは39件となり、月別で過去最多だった5月の22件を大きく上回った。県内の感染確認累計は4356人。
8月は、上旬こそ感染者数が10〜30人代前半で推移していたが、お盆時期の中旬以降から増え、25日からは3日連続で3桁を数えた。背景には、帰省などに伴う人流の増加や、感染力の強いデルタ株とみられるL452R変異株への置き換えがあるとみられる。一方、これまで月別で最多だった5月と比較すると、8月は若年層の感染やクラスターが多かったという。
8月のクラスターを保健所管内別にみると、最多は八戸市の14件。青森市12件、弘前保健所管内4件、上十三保健所管内3件、むつ保健所管内と三戸地方保健所管内が各2件、五所川原保健所管内と東地方保健所管内が各1件と続き、県内の8保健所全てでクラスターが発生した。内容も飲食店や職場、運動施設、教育保育施設、学校、会食など多岐に及ぶ。
県の泉谷和彦新型コロナウイルス感染症対策監は、「このまま感染拡大が継続すると病床の逼迫(ひっぱく)につながりかねない。今後も感染拡大の封じ込めを行っていく。医療提供体制の確保についても引き続き病床、宿泊療養施設の確保に向け、協議を進める」と強調した。
31日時点の自宅療養者数は291人となり、過去最多を更新。入院者数は前日から3人減り136人。病床使用率は45.0%だった。人口10万人当たりの1週間の新規感染者数は、東奥日報試算では52.01人となり、前日に続いて50人を超えた。

●新型コロナ感染47人 知事「厳しい状況に変わりはない」 福島県 8/31
県は30日、県内で新たに47人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。29日に陽性が判明。1日の感染者数としては7月26日の41人以来約1カ月ぶりに50人を下回ったが、内堀雅雄知事は30日の定例記者会見で、療養者の減少にはつながっていないとして「厳しい状況に変わりはない」との認識を示した。
感染者数は延べ8651人。29日時点の入院者数は重症16人を含め351人で、病床使用率は55.1%とステージ4(爆発的な感染拡大)の水準が続く。自宅療養者は481人、宿泊療養者は107人、療養先調整中は79人で、療養者全体では1018人に上る。
療養者数が高水準で推移する中、県は宿泊療養施設を503室に拡大。内堀知事は「(自宅療養者の)体調が悪いような場合、速やかに受け入れられる態勢を構築している」と述べ、宿泊療養施設を最大限活用する考えを示した。
会津坂下町で事業所関連のクラスター(感染者集団)2件が認定された。町内の社員寮で5人、別の事業所でも5人の感染が判明。県内のクラスターは計144件。県は、夏季休暇明けに軽微な体調の変化を自覚しながらも出社し、感染が広がるケースがあるとして注意を呼び掛けている。
29日に陽性が判明した47人の内訳は郡山市18人、いわき市11人、福島市、田村市が各5人、鏡石町3人など。11人の感染経路が不明。29日までに18人が退院、18人が宿泊療養施設を退所し、40人の自宅療養が解除された。

●龍ケ崎で会食クラスター発生か 複数の事業所で感染拡大 茨城県 8/31
茨城県と水戸市が31日に発表した新型コロナウイルス新規感染者計160人のうち、龍ケ崎市の20代男性5人(いずれも職業非公表)は同僚のアパートで開かれた会食に参加しており、27日までに公表された1人を足すと、感染者は計6人に広がった。県は会食内でのクラスター発生の可能性を指摘している。
鹿嶋市内の事業所では従業員1人の感染が判明し、30日までに公表された8人を加えると、事業所内の感染者は従業員計9人に拡大した。県は同僚同士の会食などで感染した可能性があるとみている。
坂東市内の事業所では新たに従業員2人の感染が明らかになり、30日までに公表された7人を合わせると、事業所内の感染者は従業員計9人に増えた。
稲敷市内の事業所寮では入居者4人の感染が分かり、寮内の感染者は計9人に増加した。ひたちなか市内の事業所でも従業員1人が感染し、事業所内の感染者は従業員計13人となった。

●まん延防止 新潟県、申請見送り 重症者少なく国が難色 新潟県 8/31
新潟県は30日、新型コロナウイルスの特別警報の対象を全県に拡大した一方で、緊急事態宣言に準じた強い措置が可能となる「まん延防止等重点措置」の本県適用を国に申請することは見送った。庁内には申請を求める声もあったが、国が本県の感染状況では時期尚早と判断したことが背景にある。しかし、決して楽観視できる状況ではないことから、県は引き続き感染状況を注視している。
特別警報の全県拡大を正式決定する前日の29日、花角英世知事は西村康稔経済再生担当相と電話で会談した。一定の強制力を伴う対応が取れる「重点措置」の対象に本県がなり得るのかを尋ねた。答えはノーだった。
国は感染状況を把握する手段として、医療の逼迫(ひっぱく)具合や新規感染者数など7項目の指標を示している。この指標を基にステージ3相当を重点措置、さらに悪化したステージ4(爆発的感染拡大)相当を緊急事態宣言の適用目安としている。
本県は人口10万人当たりの療養者数や新規感染者数がステージ4に相当。確保病床の使用率やPCR検査の陽性率はステージ3に相当している=表(1)参照=。
しかし国は、本県では重症者数が少ない点や、感染経路不明率が3割台にとどまっていることなどから、他の都道府県と比べても重点措置を適用する状況ではないと判断していた。
国がほかに重視した点は感染者数の増加率だ。県内の8月の新規感染者数は1〜7日が前週比56・7%増、8〜14日が同32・5%増と毎週拡大を続けたが、増加率が爆発的に伸びることはなかった=表(2)参照=。
ただ、医療体制の逼迫は日々、深刻さを増し、人の動きを抑えるための強い措置が急務になってきた。重点措置が適用されれば、大型商業施設などへの営業時間短縮要請が可能となるほか、応じない事業者に対して命令ができ、違反すれば科料を科せられる。
国の事務方との協議段階では、庁内に「国から認められなくても本気度を示す意味で申請すべきだ」との意見があった。だが、西村担当相が明確に否定したことで見送りが決まった。
県福祉保健部の松本晴樹部長は、30日の対策本部会後の記者会見で「人流を総体的に止める状況にないというのが国の判断だと思うが、(県内も)何とか耐えている状況だ。非常に苦しい」と吐露した。
県内での感染は引き続き予断を許さない状況だ。花角知事は同日、今後の重点措置の申請について「状況がさらに悪化すれば、当然お願いすることはあり得る」と述べた。

●児童通所施設や医療機関でクラスター拡大 新型コロナ 京都府 8/31
京都市の30日発表分では、市内在住で基礎疾患のある70代女性が死亡し、未就学児から80代の男女251人が新たに感染した。症状は調査中を除き重症1人、中等症6人、軽症201人、無症状33人。感染経路不明は167人だった。
クラスター(感染者集団)関連では、児童の通所施設で新たに児童1人の感染が分かり計9人となったほか、大学の課外活動で新たに2人が感染して18人になった。これまで7人が感染していた医療機関で新たに患者2人の陽性が判明、5人の陽性を確認していた医療機関でも新たに患者1人が感染した。
居住地別は京都市241人、向日市4人、宇治市3人、滋賀県1人、大阪府2人。

●コロナ感染拡大中の2学期開始 注意点は? 長崎県 8/31
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、長崎県は19日、県内全域に独自の緊急事態宣言を出しました。さらに政府は27日、まん延防止等重点措置の対象に本県を追加し、長崎、佐世保両市が対象区域になりました。こうした中、県内では多くの学校で9月1日に2学期が始まります。子どもの感染事例が増え、不安を抱える人もいると思います。どんな点に注意したらいいかを県教委や民間団体などに聞きました。
――登校前にやることは。
保護者は検温をしたり、子どもの様子を見たりして健康状態を把握しましょう。健康管理表などを活用してください。
――子どもや家族に発熱などの風邪症状があったら。
本人の場合は自宅での休養を徹底してください。家庭内の感染が広がるケースが増えています。同居家族に症状がある場合も子どもの登校は控えさせましょう。
――学校を休んだら欠席扱いになりますか。
文部科学省のガイドラインは新型コロナウイルス感染症の対応で休んだ場合、欠席ではなく出席停止措置を取るように示しています。県教委も18日に出した「教育長緊急メッセージ」で同様の対応を学校に要請しています。
――学校や家庭で気を付けることは。
教育長メッセージでは教育活動再開後の2週間を「感染拡大防止徹底期間」とし校内で最大限の警戒をお願いしています。県内でも置き換わりが進んでいる「デルタ株」は感染力が強いことが分かっています。これまで以上に手洗いやせきエチケットなど基本的な感染対策を徹底してください。昼食時は会話を控えるなど、マスクを外した場面では特に注意が必要です。日常生活で十分な睡眠やバランスの取れた食事を心掛け、免疫力を高めることも大切です。
――夏休み明けは学校に足が向かない人もいると思います。コロナ禍でストレスや不安が増している子どもが多いのでは。
9月30日まで開設される特設サイト「学校ムリでもここあるよ」では、学校や家庭のほかにも、全国に安心できる居場所や相談場所があることを紹介しています。長崎市のNPO法人「子どもの権利オンブズパーソンながさき」は1日午前7時からオンブズルームを開所し、相談も受け付けます。

●県内新型コロナ感染拡大止まらず 児童育成クラブではクラスター 熊本県 8/31
新型コロナウイルス県内の感染者数は、日曜日から2日続けての100人台と減少していましたが、31日はまた200人台と、感染拡大が続いています。県内では31日新たに、238人の感染が明らかになりました。30日からは117人に増加し、先週の火曜日からは2人減少しています。このうち、およそ6割の145人が熊本市です。
その熊本市では、北区の植木小児童育成クラブでクラスターが起きていて、児童10人の感染が判明しています。また、RKKの従業員1人が感染していたことが分りました。感染したのは女性スタッフで、業務上、社外との接触はありません。今月26日から発熱があり、翌27日に医療機関で受診し、31日、PCR検査で陽性と判明しました。

●宮崎県内の新規感染者は105人 病床使用率初の50%超え 宮崎県 8/31
宮崎県内では31日、新型コロナウイルスの新たな感染者が105人確認されました。爆発的な感染拡大で、県内の入院病床使用率が初めて50%を超えました。
感染が確認されたのは、10歳未満から90代の男女105人で、1日の感染者数が100人を超えたのは4日ぶりです。小林保健所管内では、お盆期間から8月下旬にかけて県外から帰省した20代男性5人の感染が確認され、県はクラスターと認定しました。この5人は佐賀県で感染が確認された友人を含めて、6人で一緒に小林市やえびの市で食事やドライブをしていたということです。感染拡大に歯止めがかからない中、医療崩壊の危機が迫っています。30日時点で新型コロナに対応した入院病床307床のうち、過去最多の155床が埋まり、県内の病床使用率が初めて50%を超えました。県では、これ以上医療に負荷がかかると通常診療にも支障をきたす恐れがあると危機感を募らせています。
県感染症対策室 有村公輔室長「医療の逼迫がわが身に降りかかってくると自分のこととして受け止めていただきたい」
市町村別の感染者の内訳は、宮崎市が57人、延岡市と日向市がそれぞれ11人、門川町が5人などとなっています。30日時点で、重症者8人を含む155人が入院中、905人が宿泊施設や自宅などで療養中となっています。

●県内で新たに78人 2日連続で100人下回る 鹿児島県 8/31
鹿児島県内では31日、新型コロナウイルスの感染者が新たに78人発表され、30日の49人に続き、2日連続で100人を下回りました。
78人の内訳は、鹿児島市で36人、喜界町と奄美市で6人、大崎町で5人、霧島市で4人、南さつま市、薩摩川内市、鹿屋市で3人、姶良市で2人、日置市、南九州市、指宿市、伊佐市、肝付町、垂水市、曽於市、瀬戸内町、西之表市、大阪府で1人ずつです。
また、県は31日、鹿屋市の学校の部活動で新たにクラスターが発生したと発表しました。これまでに10代から40代の女性15人の感染が確認されていて、うち生徒が13人、指導者が2人です。休憩中や更衣室でのマスク着用が不十分だったことが感染拡大の原因とみられています。
県内の感染者は累計8105人となりました。30日時点で医療機関などで療養している人は853人で、うち重症は5人、酸素投与が必要な中等症は100人です。自宅待機している人は691人です。

●コロナ病床逼迫 打開へ臨時医療施設を 8/31
東京都に4度目の新型コロナウイルス緊急事態宣言が発令されてから1カ月半が過ぎ、対象地域は21都道府県に拡大した。首都圏や関西を中心に病床が逼迫(ひっぱく)し、政府は感染急拡大地域では臨時医療施設の整備を含む対策を進めると表明した。
「第5波」に苦しむ医療現場に突き上げられた形だ。政府も東京など多くの都道府県も後手に回ったと言わざるを得ない。それでも感染者急増に追いつかない医療体制の崩壊状態の打開には、通常医療をある程度制限してでも「野戦病院」のような臨時医療施設をつくり患者、医療従事者を集中させることは有効だ。直ちに実行してほしい。
厚生労働省は都と連名で、都内の全医療機関にコロナ向け病床の確保を要請した。人員不足など正当な理由なく要請を拒んだ場合は勧告し、従わなければ医療機関名を公表できるとした改正感染症法に基づく国として初の措置だ。これにより都は、コロナ病床を約600床上積みし計7千床確保したいとしている。
都道府県レベルの要請では今春、奈良県が約50床、大阪府も約550床を確保。だが大阪府の8月の要請は、病院側が「看護師を確保できない」「他の患者と動線を分けられない」として難航している。また東京都が現在確保するコロナ病床約6400床は使用率60%超で数字上余裕があるが、人員配置が間に合わないなどのため実際は逼迫状態だ。既存病院の病床上積みは今後も険しい道と考えざるを得まい。
そこで政府が病床対策のもう一つの柱としたのが「人員派遣」だ。コロナ患者入院に対応できなかったり、コロナ診療自体に関与してこなかったりした病院、診療所には、回復した人の転院先確保のほか、医師、看護師派遣で協力を求める。ベッドが無理なら人材を、という発想の転換だ。
医師や看護師は、全国で11万人を超えた自宅療養者のケアに引く手あまたなほか、在宅患者が息苦しくなった場合に酸素吸入を受けられる「酸素ステーション」などへの配置が求められてきた。
その上で、期待が高まるのが臨時医療施設への派遣だ。同様の施設は英国やスペインが設営し、日本でも大阪府が大型展示場に千床規模の整備を表明、福井県が100床の計画を策定した。往診や訪問看護が必要な在宅患者を広い1カ所に集めて診ることができれば、少ない医療従事者で効率的な治療、容体急変への対処が可能になる。自宅では難しい抗体カクテル療法にも対応できる。
日本医師会や経済界も協力を表明しており、各地への整備を急ぐべきだ。しかし、コロナ以外にも深刻な病気やけがはある。通常医療にも当たる医療従事者を引きはがすようにして動員することは、いかに法律に基づく要請であっても、医師や看護師らに過大な負担を強いずには実現しない。
結局その成否を決めるのは政治のリーダーシップだ。全ての国民に厳しい現状を率直に伝え、医療従事者に献身的な協力が欲しいと訴えて説得する。それは、菅義偉首相が自身の言葉の力で実行しなければならない。
だが首相はこの局面でも「ワクチン接種の取り組みは良かった」と成果を強調し、「明かりははっきりと見え始めた」と楽観的見通しを語る。危機感が薄いリーダーの言葉では人は動かないと指摘せざるを得ない。

●天皇陛下は「複雑な表情をなさっていた」 菅首相への“違和感” 8/31
天皇陛下は、お小さい頃から夏季と冬季のオリンピックを観戦なさることがお好きだった。
前回、東京オリンピックが開催されたのは、高度経済成長の真っただ中にあった1964(昭和39)年。陛下は満4歳になられた年だった。上皇上皇后両陛下とご一緒にマラソンや馬術競技を会場で観戦されたことを今も大切な思い出のひとつとされている。
還暦を迎えられた昨年2月の会見でも、こう述べられた。
「これまでの60年を振り返ってみますと、幼少時の記憶として、昭和39年の東京オリンピックや昭和45年の大阪万国博覧会があります。私にとって、東京オリンピックは初めての世界との出会いであり、大阪万博は世界との初めての触れ合いの場であったと感じております」
「天皇」と五輪の「名誉総裁」
閉会式の際には、父上皇陛下から、各国の選手団が国ごとではなく混ざり合って仲良く行進することを教えられたことを印象深く記憶されているという。そのとき目にされた光景は、世界の平和を切に願う現在の気持ちの元となっているそうだ。
その後、札幌の冬季大会(1972年)やバルセロナ五輪(1992年)の時は現地に赴かれた。雅子皇后と結婚されてからは、皇太子ご夫妻として長野の冬季大会でスケートやジャンプ競技をご覧になり、日本選手のメダル獲得の場面にも立ち会われている。愛子内親王も幼い頃からテレビ観戦されてきたという。
しかし、今回の東京五輪は、新型コロナウイルスとの闘いになってしまった。7月23日、緊急事態宣言下で開会式に臨まれたが、そのとき陛下が強く願われていたのは、これまでのように競技を楽しむことではなく、競技場や選手村などで感染拡大が起らないことだった。隔離免除の特例入国や選手村の感染対策などに関しても、開催前から並々ならぬ関心をもたれていたという。
「天皇」と五輪の「名誉総裁」という2つのお立場は、国民には想像すらできない重責なのだろう。
「開会式当日に、選手たちに義務付けられていた毎日のPCR検査が、キット不足から行われていないことが発覚しましたが、このことは、開会式に臨む直前の陛下にも伝えられたといいます。陛下は、選手村に感染者が増えていないかとご心配され、キットが不足した理由を関係者にご確認されていました。主役の選手たちがこれまで積み上げてきた力を出し切れるよう最善の環境作りをすることは、私たち開催国の務めなのだということを改めて気づかされた気がします」(政府関係者)
入念に準備された長官発言
天皇陛下と東京五輪に関しては、6月24日の西村泰彦宮内庁長官の「拝察発言」が物議を醸した。
「天皇陛下は、現下の新型コロナウイルスの感染状況を大変心配されておられます。国民の間に不安の声がある中で、ご自身が名誉総裁をお務めになるオリンピック・パラリンピックの開催が感染拡大につながらないか、ご懸念されている、ご心配であると拝察しています。私としましては、陛下が名誉総裁をお務めになるオリンピック・パラリンピックで感染が拡大するような事態にならないよう、組織委員会をはじめ関係機関が連携して感染防止に万全を期していただきたい、そのように考えています」
この発言のあった時点で開催は確実視されていたが、観客問題はまだ片付いていなかった。そのため拝察発言は「陛下のご懸念」として瞬く間に永田町やマスコミに伝わり、大きな波紋へと広がった。
天皇陛下は本当に懸念されているのか? 長官の個人的な発言ではないのか? 天皇が了解の上での長官発言なのか? 「開催」まで踏み込んだのは政治的発言ではないか?
西村長官の発言は定例会見でのことだった。そのため宮内記者からは「陛下のお考えなのか」と確認する質問が飛んだが、長官は「陛下から直接そういうお言葉を聞いたことはありません」と繰り返し、「拝察したものに過ぎない」「私が肌感覚でそう感じているようなもの」と説明した。
菅義偉首相も加藤勝信官房長官も、「宮内庁長官自身の考えを述べられたと承知している」と語った。
だが、この発言はもちろん長官の個人的な思いを語ったものではなかった。宮内庁内で入念に準備されたものだという。
「あの頃、宮内庁が発表すべきことは3つありました。陛下の開会式ご臨席の件、皇后陛下の開会式ご出欠の件、そして今回の長官発言につながった陛下の東京五輪開催に対するお考えの3つです。これをどのような順番でいつ発表していくか、6月に入ってから陛下と長官の間で議論が重ねられました。五輪開催に反対する国民の声も大きい中で、陛下としては、ご自身のお気持ちを何らかの形で国民に伝えたいと思っておられたのです」(政府関係者)
ご懸念の始まりは3月から
陛下も軽々に判断されたわけではなかったという。この発言にいたるまでには、6月よりもっと前からの長い前段があったようだ。
世間では、菅政権への「後手後手」批判が昨秋来続いているが、天皇陛下が日本のコロナ対策に危機感を抱いていることが周囲に伝わったのは、今年3月下旬のことだったという。
3月21日、首都圏の1都3県では、およそ2カ月半にわたった2回目の緊急事態宣言が解除された。3月20日の東京都の新規感染者数は342人。解除前から夜間の滞留人口は増え続けていたことから、リバウンドが大きくなることは想定内だといわれた。
その頃、両陛下はニュースの中で、街の様子を真剣にご覧になっていたという。政府が飲食店の営業時間短縮要請を緩和したこともあり、夜まで外出する若い人たちは多かった。映像には、春休みに入った学生らで溢れ返る街の様子が映し出されていたという。
陛下は、オリンピックが本当に有観客で行えるのかをご心配されていたようだ。
「この時点(3月)で、オリンピック開催までに、3回目の緊急事態宣言を出さざるを得なくなるのではないかとか、宣言下でのオリンピック開催の可能性もあるかもしれないとおっしゃっていたそうです。宮内庁長官や関係者らに政府の対応や動きを頻繁に確認なさっていました」(政府関係者)
ちょうど観客の扱いについての議論が始まったころだった。3月20日には、日本政府、東京都、組織委員会、IOC、IPCによる5者協議が開かれ、海外観客の受け入れ断念が決定。だが、国内観客の方向性については先送りされていた。
4月の内奏での違和感
4月20日午前10時30分、陛下は皇居・宮殿「鳳凰の間」で、菅首相から約20分の「内奏」を受けられた。国内外の情勢を報告する内奏の内容は、「天皇の政治利用につながる」ことから公表されない。
2人は、鳳凰の間に2脚だけ置かれた椅子に腰かけ、小さな丸いテーブルを挟みながら言葉を交わされた。
「菅総理は、この日午後の衆院本会議に出席し、東京五輪・パラリンピック開催について『人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証として実現する決意に何ら変わりはない』と述べています」(政治部記者)
そんな強気の発言とはうらはらに、実際の感染状況は日増しに厳しくなるばかりだった。4月に入って第4波が本格化し、新規感染者数が一気に増加。中旬には大阪で1200人を超えて、病院で治療を受けられない患者が続出する医療崩壊が起きていた。
通常の内奏では、首相からの話を聞くに留めることが多いという。この日、陛下がコロナ対策のご質問をなさったかどうかはわからないが、宮内庁関係者によれば、「菅首相の説明が腑に落ちないようで、複雑な表情をなさっていた」という。
両陛下のご信頼が厚いのは……
陛下を知る元宮内庁職員はこう話す。
「陛下は論理的なお考えをする方なので、菅総理の『コロナに打ち勝った証のオリンピック開催』という根拠のない自信は、一体どこから来るのかと思われたかもしれません。
両陛下のご信頼が厚いのは、政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長です。昨年4月と11月にお招きになり、ご進講前には、両陛下おそろいで国内外のデータや情報、他のウイルスとのちがいなどをお調べになったうえで臨んでおられた。ご進講の後は、変異株についてご関心を示されていました。
陛下はまず知識を得られてから、次に現場で働いている医療、保育、介護分野の方たちにオンライン行幸をなさり、専門家を御所に招いて話を聞いてこられました。現場で命を張ってコロナと向き合っている関係者の中に入って行かれ、苦労や悲しみの声に耳を傾け、労われて来たのです。それだけに対策が十分に行われているのかどうか、ご心配なのです」
雅子皇后は日本赤十字社名誉総裁であり、昨年11月には、陛下と共に日赤医療センターをオンラインで視察。その後、日赤関連の3病院をつないで看護師から聞かれた現場の話はお2人に鮮烈な印象を残したようだ。

●デルタが変異した「東京株」登場…感染者の爆発で日本“非常事態” 8/31
新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)で高い感染率を示して拡大しているデルタ株がまた変異した。デルタ株の変異株ウイルスは日本で初めて確認された。
31日、NHK放送によると、東京医科歯科大学研究チームは今年8月中旬、同大学付属病院で診療受けたある患者から採取したデルタ株の遺伝子分析を通じて「N501S」という新たな変異株を発見した。
研究チームは遺伝子の特徴などを考慮した場合、日本で新たな変異株が発生したとみている。感染力などに対してはまだ分かっていない。
研究チームの武内寛明・准教授は「感染が広がると国内でも次々と新たな変異株が出る可能性があるので、なんとか感染を抑える必要がある」と話した。
あわせて武内氏は遺伝子を分析するウイルス監視体制をさらに拡充しなければならないという見解も明らかにしたとNHKは伝えた。
日本は東京オリンピック(五輪)以降も新型コロナの増加傾向が落ち着かないでいる。30日、NHKによると、重症患者は18日連続で最多記録を更新している。30日には1万3638人の感染者が新たに報告された。重症感染者は2075人に達する。

●7月の宿泊者数 新型コロナ前の4割減 観光業への深刻な影響続く  8/31
7月に国内のホテルや旅館などに宿泊した人は、延べ3092万人で、新型コロナウイルスの感染拡大前のおととし7月と比べると、40%余り下回っていて、観光業への深刻な影響が続いています。
観光庁によりますと、7月に国内のホテルや旅館などに宿泊した人は、速報値で延べ3092万人で、去年の同じ月よりも32.2%増えました。ただ、感染拡大前のおととし7月との比較では40.3%下回っていて、依然として低い水準が続いています。中でも、外国人の宿泊者数は、おととし7月よりも92.1%少ない85万人にとどまり、記録的な落ち込みが続いています。
また、全国の宿泊施設の客室稼働率は38.6%で、去年の同じ月よりも回復していますが、63.3%だったおととし7月と比べると低い水準となっています。
政府は、感染拡大を受けて緊急事態宣言の対象地域を順次拡大し、現在は21の都道府県に宣言が出されていて、宿泊需要の回復が依然として見通せない状況です。政府は、感染対策に取り組む宿泊事業者への支援を行う都道府県を財政面で補助するなど、支援を続けることにしています。

●米でデルタ株拡大 入院患者が一日あたり10万人超 8/31
新型コロナウイルスのデルタ株の拡大で、感染者が再び増加しているアメリカでは一日あたりの入院患者数が10万人を超えました。
30日付のニューヨーク・タイムズによりますと、全米で新型コロナに感染した入院患者の数が2カ月前から500%増加し、29日時点の7日間平均は一日あたり10万人を上回りました。デルタ株の拡大を受けて入院患者数が急増し、2月の水準に逆戻りする形になりました。
2割の病院でICU(集中治療室)の95%が埋まり、一部では新型コロナ以外の通常の医療対応ができなくなっているということです。また、ICUに入る重症患者の多くがワクチンを接種しておらず、全米の死者は一日あたり1000人を超えています。

●新型コロナ「若くても重症化」、軽症でも怖い「後遺症のリスク」 8/31
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が続いていますが、「若い人は重症化しないから怖くない」といった言説もよく耳にします。これは本当でしょうか?
Q. 若い人は、新型コロナウイルス感染症に罹っても重症化しないから、怖くない?
A. 「重症化しなければ平気」と考えているのであれば、大きな勘違いです。新型コロナウイルス感染症は、若い人では重症化しにくい傾向があるというのは事実ですが、重症化しにくいからといって“発症しても数日で元の生活に戻れる”といった認識でいると非常に危険です。また、そもそも“重症化”の意味を正しく理解できていないことも多い点に注意が必要です。
新型コロナウイルス感染症は、高齢者ほど死亡・重症化リスクが高い傾向にあります。しかし、このことは「若い人なら死なないし重症化もしない」ということを意味しているわけではありません。あくまで「死ににくい」「重症化しにくい」というだけなので、感染・発症する人が増えれば、亡くなる人や重症化する人も必ずどこかのタイミングで出てくることになります。実際、変異株の影響もあって、沖縄では20代でも12.8%、30代でも19.4%が中等症以上に悪化して入院しているというデータが出ています。
また、「重症化しなければ、発症しても数日で元の生活に戻れる」という認識も、間違っています。新型コロナウイルス感染症を発症した場合、疲労感や呼吸困難・関節痛、味覚障害などの後遺症が何ヶ月ものあいだ残り、こうした後遺症によって生活の質(QOL)が低下する、元の仕事に戻れないといったトラブルの原因となることが知られています。
こうした後遺症は、なにも高齢者にばかり現れているわけではありません。事実、新型コロナウイルス感染症の症状が軽症だったために自宅療養をした30歳以下の若い人たちでも、半数以上の人が味覚や嗅覚の喪失、呼吸困難、集中力の低下、記憶障害といった後遺症に6ヶ月以上も苦しんでいることがわかっています。つまり、自宅療養ができるほどの軽い症状で済んだとしても、その後に6ヶ月以上も元の生活には戻れないリスクがある、ということです。
さらに、ここで使われている「重症化」の意味を誤解している人も少なくありません。「重症化」とは、38℃を超える熱が出たり、強い関節痛や筋肉痛・頭痛が現れたりしている状態のことではありません。平たく言うと、人工呼吸器などの現代医療のおかげでなんとか死なずに済んでいるという“瀕死”の状態のことを意味します。
一方、40℃の高熱が出て、ひどい咳と強い関節痛・筋肉痛で夜も眠れず、食事も全く喉を通らない・・・という状態であっても、呼吸困難の症状がなければ「軽症」に分類されます。多くの健康な若い人に、人生で最もしんどかった状況を思い出してもらうと、インフルエンザなどに罹って39℃を超える高熱が出たときを挙げる人は多いと思いますが、それは「中等症」ですらないということです。
つまり、「若い人は重症化しにくい」というのを、「若ければしんどい目に遭うことはない、ちょっとした風邪程度の症状にしかならない」と認識しているのであれば、それは大きな間違いです。
こうした「重症化」を防ぐには、ワクチン接種が極めて有効です。いま問題となっているデルタ株に対しては、ワクチンの効果がやや弱まっている傾向にはありますが、それでも全くの無意味になったわけではありません。2回接種から2週間が経過すれば、80%近い高い予防効果が得られることがわかっています。そのため、機会が回ってきた時点で、ワクチンの接種を済ませておくことを強くお勧めします。
なおワクチン接種後、特に2回目接種の翌日〜翌々日には38℃を超える発熱が現れることがあります(※こうした副反応による発熱は、通常3日ほどで治まります)ので、その日は仕事などをお休みにしておくと良いでしょう。 

●1か月で感染収束は可能? ワクチン3回目は必要? 8/31
東京都医師会が31日、都内で臨時記者会見を行い、国と東京都からの要請に伴い約2万人の会員が所属する医療機関に1か月間、病床確保や人材派遣などの協力を求めたことを発表した。1か月と期限を設けたことについて、東京都医師会の尾崎治夫会長は「何か数学的な根拠があるわけではないが、そのくらいなら何とか必死に頑張れる。1か月の間に何らかの光を見せてほしい」と行政や都民の協力を求めたが、現実的に1か月で感染を抑えることは可能なのか。集団接種が進むワクチンの効果がいつ出るのか、会見に出席した東京都医師会の角田徹副会長を直撃した。
――幅広い世代でワクチン接種が進んでいるが、感染拡大が止まらない理由は。
「ワクチンは感染予防にも重症化予防にも効果があります。ただ、100%かからないというものではない。爆発的に感染が広がるなか、感染者の分母が増えれば重症化する人や病床のひっ迫といった問題も起きてきます」
――いつになったらワクチン接種による集団免疫の効果が出るのか。
「今主流のデルタ株は1人から平均5人に感染するほど感染力が強い。実行再生産数を1以下に、つまり1人からうつる人数を平均1人以下に下げられれば感染は減少していく。単純計算で感染する5人のうちの4人、人口の80%がワクチンを打ち終われば、デルタ株の拡大は抑えられます。順調に進めば10月いっぱいで希望者分のワクチンが自治体に行き渡り、11月中には接種が完了すると思います」
――年末にはマスクをしなくてもよくなるのか。
「新規感染者数と重症患者数の推移観察が極めて重要。これが明らかに下がってくれば、以前の生活に戻してもよくなると思います。ただ、ファイザーは2回接種で94%が効きますが、逆に言えば6%の人には効かない。インフルエンザや風邪もはやる時期ですので、もうしばらくマスクは必須ですね」
――3回目以降のワクチン接種は必要か。
「これは必要だと思います。2回目以降の接種をブースターと言いますが、これをすると抗体価が飛躍的に上がる。ただ、時間が経つにつれ徐々に下がってきて、中にはすごく下がる人もいる。欧米では2回目の接種から8か月くらいで3回目の接種を進めています。毎年1回ということになってくる可能性はあります」
――副反応は打つたびにひどくなるのか。
「これはデータが乏しく、まだ分かっておりません。ただ、一度感染した人がワクチンを打つと強く出るという傾向はある。2回目の副反応が強く、心配な場合は接種する前に抗体価を測ってみるのをお勧めします。いずれにせよ、強制ではなくご自身の判断でということになるでしょう」

●10月の日本選手権リレー、U16リレーの中止を発表 8/31
日本陸連は、10月22日から24日にかけて愛媛県(総合運動公園陸上競技場)で開催を予定していた第105回日本選手権リレーと、第52回U16陸上大会4×100mリレーの中止を発表した。
同日程ではU18・16陸上大会が併催されるが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から「大会に関わる人(選手・引率者・競技役員など)を5000名以下に縮小するため」に中止を決めた。なお、U18・16大会の個人種目は現時点で無観客試合での開催に向けて準備が進められている。またコロナ禍で大会等が中止・延期となっていることや部活動停止により出場資格が得られないという声が多く、出場資格の一部を改訂。また、同大会に参加する選手および引率者は愛媛県への来県72時間以内にPCR検査または抗原定量検査を義務づけ、陰性結果が分かるもの受付時に提出することを決めた。
U18・16大会は18歳未満(男女15種目)、16歳未満(男女11種目)が出場する全国大会。U20日本選手権は6月に日本選手権と併催されている。昨年もこの形式で開催を予定していたがコロナ禍で夏のインターハイ・全中が中止となったことを受け、秋に代替大会として全国高校大会、全国中学生大会を実施したため、U20、18、16の大会は開催されなかった。日本選手権リレーは高校、大学、実業団までが一堂に会してリレー日本一を競い、男女の4×100mリレー、4×400mリレーが実施されている。
 
 
 
 
 
 

 

  
 
 

 

●蔓延防止等重点措置
日本政府が新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正に伴う、新型インフルエンザ等緊急事態宣言(緊急事態宣言とも)の次に社会・経済活動への影響をもたらす感染拡大(パンデミック / オーバーシュート)を防ぐ措置のことで、全国的かつ急速なまん延を防ぐことを目的としているものである。略称は「マンボウ」(まん防、蔓防)。後述の問題もあり「まん延防止措置」「まん延防止」「重点措置」などと略されることもある。
可決の経緯​
不明瞭で具体的な対策が見えないとされていた政府の新型コロナウイルス対策の実効性の向上と緊急事態宣言に至らない段階で感染拡大を抑止することを目的とした新型インフルエンザ等対策特別措置法、感染症の予防及び感染者の患者に対する医療に関する法律(感染症法)、検疫法の改正法が、2021年2月3日の参議院本会議で自由民主党、公明党の両党と立憲民主党などの賛成多数で可決、成立し、新設された。
発令要件​
あらかじめ学識経験者や専門家の意見を聴いた上で行うこととし、まん延防止等重点措置は、国が定めた感染拡大の指標である4段階の警戒レベルのうち、上から2番目に当たる「ステージ3」相当で適用する。
さらには、宣言発令前の地域のほか宣言解除後の地域も対象になりうる。
また、急速な感染の拡大の兆しがわずかにでも見られるものの、実際に感染が拡大していない場合(ステージ2相当)でも適用する可能性があるとしている。
政府は、緊急事態宣言を出す前の予防的な措置、感染拡大を一定程度防ぐための措置として適用を目指すとみられている。
ただし、都道府県知事からの発令要請を受けた場合は、要請を最大限尊重して、速やかに検討するとともに、要請に応じない場合は、要請を行った都道府県知事に対し、その趣旨と理由を示すことが決められている。
   国の示した感染状況への警戒指標
警戒レベル / 疫学状況 / 医療提供体制  / 目安
ステージW(感染爆発) / 染者が爆発的に増加 / 医療体制が崩壊 / 緊急事態宣言相当
ステージV(感染急増) / 感染者が急激に増加 / 医療体制の逼迫 / 蔓延防止等重点措置相当
ステージU(感染漸増) / 感染者が徐々に増加 / 医療体制への負担増加 / 蔓延防止等重点措置相当
ステージT(感染散発) / 感染者が散発的に発生 / 通常医療体制 / それ以外
発令エリア​
緊急事態宣言は、都道府県単位で発令されるものの、蔓延防止等重点措置は、政府が対象とした都道府県の知事が、市区町村など特定の地域を限定することができ政府が目指している、より限定的・集中的な措置となる。また、期間・区域、業態を絞った措置を機動的に実施できる。
発令方法
緊急事態宣言は、政府対策本部長が緊急事態発生と区域、期間を公示し国会に報告しなくてはならないものの、蔓延防止等重点措置では、公示のみで国会への報告は法定されていない。ただし、新型インフルエンザ等対策特別措置法を審議した衆議院内閣委員会(2021年(令和3年)2月1日)及び参議院内閣委員会(同月4日)それぞれの附帯決議において国会への速やかな報告が求められており、決議後担当大臣は「その趣旨を十分尊重してまいりたい」と発言している。ただし、附帯決議への報告は法的拘束力があるわけではなく、それぞれの所謂任意のものである。
発令期間​
緊急事態宣言は2年以内の発令が可能だが、蔓延防止等重点措置では、6カ月以内での発令が可能である。また、緊急事態宣言では、合計1年を超えない範囲で複数回延長することができるが、蔓延防止等重点措置に限っては、何回でも延長することが可能。
営業時間短縮​
営業時短要請​
緊急事態宣言と同様で、飲食店などでの感染リスクを抑えるため、指定された都道府県の知事は飲食店などに営業時間の短縮要請を出すことが可能である。主に午後8時までの時短要請を想定している。
営業時短命令​
緊急事態宣言と同様で、飲食店での感染リスクを抑えるため、指定された都道府県の知事は飲食店などに営業時間の短縮命令を出すことが可能である。主に午後8時までの時短命令を想定している。また、命令に際して立ち入り検査も可能としていて、それを拒んだ場合は過料も科される。
店舗休業​
休業要請​
緊急事態宣言では、飲食店などでの感染リスクを抑えるため、指定された都道府県の知事は飲食店などに休業の要請を行うことが可能だったが、蔓延防止等重点措置では、休業の要請を行うことは出来ない。
休業命令​
休業要請と同様で、緊急事態宣言では、飲食店などでの感染リスクを抑えるため、指定された都道府県の知事は飲食店などに休業の命令を行うことが可能だったが、蔓延防止等重点措置では、休業の命令を行うことは出来ない。
施設使用​
施設使用停止要請​
緊急事態宣言では、イベントなどで使用する施設の使用を停止する要請ができるが、イベントなどによる施設の使用停止を要請することは出来ない。
施設使用停止命令​
緊急事態宣言で行うことができる施設の使用を停止する命令は、蔓延防止等重点措置で行うことは出来ない。
外出規制​
外出自粛要請​
緊急事態宣言下のような大規模な外出自粛を要請することは出来ず、普段から行っている都道府県知事や各自治体の市区町村長の外出の自粛を要請できるような小規模な大きな影響力を持たない要請のみに限られる。
外出禁止要請​
緊急事態宣言下同様、外出を禁止する法的拘束力があるようなことを行うことは法律上でも出来ない。
外出禁止命令​
緊急事態宣言下同様、法的拘束力を持つような外出禁止を命令するようなことは出来ない。
発令中の行動​
・短要請がされている時間帯に飲食店に妄りに出入りしないこと
・不要不急の外出・移動の自粛
・混雑している場所や時間を避けて行動すること
が求められている。
発令中の店舗感染対策
・飲食店における20時までの営業時間短縮要請
・府県全体でのイベントの人数制限
・アクリル板の設置を含めたガイドラインの遵守の徹底
・感染拡大地域におけるモニタリング検査の拡充
・高齢者施設等の従業者等に対する検査の頻回実施
など、普段の基本的感染対策よりもより一層踏み込んだ感染対策を行うことが求められている。
発令中の感染対策​
・各都道府県知事が定める期間や措置区域においては、飲食店などでは20時まで営業時間の短縮をし、酒類の提供は11時から19時までとすること
・昼カラオケなどでクラスターが多発している状況に鑑み、昼営業のスナック、カラオケ喫茶など、飲食を主として業としている店舗において、カラオケを行う設備を提供している場合、当該設備の利用は自粛すること
・各都道府県から飲食店に対して、「入場をする者の整理など」「入場をする者に対するマスクの着用の周知」「感染防止措置を実施しない者の入場の禁止」「会話等の飛沫による感染の防止に効果のある措置(飛沫を遮ることができる板などの設置または、利用者の適切な距離の確保)」などの措置の要請があった場合は、協力すること
・大規模な集客施設において、各都道府県から営業時間や入場整理などについて働きかけがあった場合は、協力すること
・業種別ガイドラインの遵守し、原則として措置区域内の全ての飲食店等に対して実地で働きかけを行い、ガイドラインを遵守していない飲食店等については、個別に要請を行うこともある
・住民は、時短要請がされている時間帯に、飲食店にみだりに出入りしたり、日中も含めた不要不急の外出・移動の自粛や混雑している場所や時間を避けて行動し、感染対策が徹底されていない飲食店の利用は自粛する
・知事が定める期間及び区域で行われる催物)については、主催は、が定した規模要件に沿って開催する
・事業者は、職場への出勤等について、「出勤者数の7割削減」を目指すことも含め接触機会の低減に向け、在宅勤務(テレワーク)や、出勤が必要となる職場でもローテーション勤務等を徹底すること
など、様々な緊急事態宣言下と同じような厳しい感染対策が求められている。
罰則規定​
緊急事態宣言では、都道府県の知事の要請や命令に特段の理由がなく応じなかった場合30万円以下の過料が科されるが、蔓延防止等重点措置では、20万円以下の過料が科される。具体的には、飲食店などの事業者が、都道府県知事から出る時短要請などに「正当な理由なく」応じなかった場合に科されることがある。ただし、過料の適用に当たっては、国民の自由と権利が侵害されることのないよう、慎重に運用することと、不服の申立てや、その他の救済の権利を保障することも定められている。
協力金​
営業時間の短縮要請に応じた飲食店には1日最大6万円の協力金を当初は支払う方針だったものの、一日最大4万円の協力金に減額となった。また、緊急事態宣言の時の協力金は6万円となった。
発令の実例​
政府は2021年4月1日、宮城県、大阪府、兵庫県の3府県に対し、4月5日から5月5日までの予定で、初めてまん延防止等重点措置を発令することとなった。
第1回の発令​
2021年3月上旬以降に宮城県、3月下旬以降に、3月1日に2度目の緊急事態宣言が解除された大阪府と兵庫県で、新型コロナウイルスの感染者数が急増したことから、2021年4月1日、政府は宮城県、大阪府、兵庫県の3府県に対し、4月5日から5月5日までの予定で適用した。対象の自治体は下記の通りである。
宮城県​ 仙台市
大阪府​ 大阪市
兵庫県​ 尼崎市・西宮市・芦屋市・神戸市
感染者の入院
蔓延防止等重点措置発令時に限らず、その他の場合でも適用されるが、入院を拒否したり、入院先から逃げたりした場合、その感染者に50万円以下の過料を科すことにされている。しかし、医療現場で円滑に運用がなされるように、その手順などを分かりやすく示すとともに、適用についての具体的な例など、適用の適否を判断する材料をできる限り明確に示し、宿泊施設や感染者の自宅などの状況も含め、本人や、その子供や高齢者などの生活維持に配慮するとともに、必要な対応を行うことも定められている。
臨時医療施設の設置​
臨時の医療施設を政府対策本部が設置された段階から開設できることを緊急事態宣言中は認められているものの、現時点ではまん延防止等重点措置発令中の場合でも臨時の医療施設を設置することができないものとなっている。
積極的疫学調査​
蔓延防止等重点措置発令時のみならず、その他の場合の場合でも科されるが、保健所が感染経路を調べ、濃厚接触者の特定や感染源を調べたりする「積極的疫学調査」を拒んだ場合は30万円以下の過料とした。ただし、ポリメラーゼ連鎖反応検査(PCR検査)などの検査拒否につながるおそれや保健所の対応能力も踏まえ、慎重に行うこととし、現場で円滑に運用がなされるよう、その手順などを分かりやすく示すとともに、適用についての具体例など、適用の適否の判断材料をできる限り明確に示すことも定めている。
病床確保​
蔓延防止等重点措置発令時のみならず、その他の場合でも適用されるが、新型コロナウイルス入院患者病床の確保のために厚生労働大臣などが医療機関に勧告したり、それに応じない機関名を公表したりできるようにした。
その他​
政府は、蔓延防止等重点措置の対象地域では、施設従業員の検査受診を勧め、マスク着用など感染防止に必要な措置をとらない人は入場を禁止する措置をとると発表した。ただし、原則として立入先の同意を得て行うこととして、同意が得られない場合も物理力の行使などは行わないことが定められている。
まん延防止等重点措置の浸透性​
まん延防止等重点措置は、若い世代を中心に浸透しておらず、認知度が低いことが懸念されている。また、そのことから、危機感が薄らいでいるということに関しても危惧がされている。
略称「まん防」をめぐる問題​
前述の通り、2021年4月にまん延防止等重点措置が初適用となることから、マスコミ報道などでは「まん防」「マンボウ」などと略されて記事に記載されることもあった。この略称は感染対策を担当する新型コロナウイルス感染症対策推進室のある内閣官房や厚生労働省など政府内で同年1月頃から略称が使われ始め、正式名称が長いため、担当者の間で「内輪」で使う略称を検討した結果、「まん防」となったとされる。検討当初では、「まん重(まんじゅう)」も浮上していたという。この略語がにわかに注目され出したのは、同年3月18日の記者会見で新型コロナウイルス対策分科会長の尾身茂が「まん防」とたびたび発言したこととされる。
しかし、この略称については「危機感や緊迫感にかける」と言った批判的な意見もあり、4月1日の参議院議員運営委員会で西村康稔新型コロナウイルス対策担当大臣が「『まん防』という言い方は基本的に使わないようにしている。ちょっとふざけたような雰囲気もある」と発言するなど、閣僚・自治体首長から批判が出ており、たびたび使用していた尾身も「『まん防』という言葉の使い方が適切ではない。『重点措置』の方が良い」と略語を使わないことを表明している。また、魚類のマンボウが道の駅大谷海岸のトレードマークになっている宮城県気仙沼市が「(東日本大震災からの)再起を期す道の駅にとってもマイナスイメージとなりかねない」として、同月3日までに、報道各社に向けて「『まん延防止等重点措置』を『まん防』と略すことに慎重になってほしい」と要望する文書を出している。
その一方で、まん延防止等重点措置に乗じて、江戸時代の作品「疫病除けマンボウ」が和歌山市立博物館で展示が行われるなどの反応もある。  
 
 

 

●ロックダウン 1
感染症拡大防止などのため、人々の外出や行動を制限する措置。新型コロナウイルスの感染を抑え込もうと、各国はこれまで外出禁止令など厳しい措置を相次いで採用した。英国やフランスは必須の買い出しなどを除いて外出を禁じ、違反者には罰金を科した。米国のニューヨーク州はスーパーや薬局などを除く州内の全事業者に、全ての労働者の在宅勤務を義務付けた。感染者の減少などを受けて順次解除している。
日本は法律上のハードルがあり、海外のようなロックダウンはできない。緊急事態宣言に基づいて不要不急の外出自粛を要請するにとどめ、休業要請で厳しい経営状況にある事業者への給付金などで実効性を持たせようとした。台湾もロックダウンはせず、大型の展示会の自粛やナイトクラブなど一部業種の営業停止といった防疫措置で感染者を減らした。
都市封鎖にしても緊急事態宣言にしても、人々の接触を減らす上では有効な一方、経済や雇用にもたらす影響が甚大なもろ刃の剣だ。「放棄はできないが、使いたくない」(ジョンソン英首相)という思いは多くの国に共通する。感染が再拡大している足元でも全国規模での制限措置は避け、経済との両立を探る試みが続く。 

 

●ロックダウン 2 (lockdown)
危険や差し迫った脅威・リスクなどを理由に、建物やエリアへ入ったり、そこから出たり、その中を移動したり(そのいずれか一つまたは複数)が自由にできない緊急の状況をいう。都市全体を封鎖する場合は都市封鎖とも呼ばれるが、日本語の辞書には記載がなく、現在のところ定義がない。
人々の移動や、屋外活動を基本的に政府や自治体が強制的に禁止することを意味する場合もある。また、緊急事態において人の移動・企業活動制限を法的処罰をもって行われるとの見解がある。日本における「緊急事態宣言」「自粛要請」とは異なるとする見解がある。
建物の封鎖の場合、外に出るドアをロックし出入りできないようにすることを「ドリル・ロックダウン(drill lockdown)」という。「フル・ロックダウン(full lockdown)」は、人々が現在の場所にとどまり、じっとしていることを求められ、出入りは禁止される。
種類​
緊急ロックダウン (emergency lockdown) と予防ロックダウン (preventive lockdown) とがある。
予防ロックダウン​
予防ロックダウンでは、安全を確保するために、考えうる限りでのあらゆる危険を回避することを目的として、最悪のシナリオやシステムの脆弱性に対処される予防措置である。予防ロックダウンの計画がなされていない場合は、人命の損失などが急速にエスカレートする可能性がある。
緊急ロックダウン​
緊急ロックダウンは、人命に対する差し迫った脅威またはリスクがある場合に実施される。外部からの侵入者に対しての学校における緊急ロックダウンの手順は、短く簡単である必要がある。簡単な手順は、長期にわたる訓練の代わりに、定期的な練習で周知することができる。1999年のコロンバイン高校銃乱射事件以降、アメリカの学校では、緊急ロックダウンの手順が学校によって異なり、標準的な手順を続けるものもあれば、脅威に対する積極的なアプローチを推奨する学校もある。
刑務所​
英語圏では一般にロックダウンという用語は、刑務所での囚人の移動の制御を意味する。囚人の暴動ではフル・ロックダウンが実施される。
病院​
病院のロックダウンについてのアメリカ合衆国のガイドラインでは、停電、地震、洪水、火事、爆弾や人質による脅迫、銃乱射などのアクティブシューター (active shooter) などのケースが記載されている。ほか、何らかの危害の考えられる物質などによる汚染、暴動、子どもなどの誘拐事案についても考慮されている。製造業では、製造を妨げる問題を特定するために製造を停止して改善することを指す。ロックダウンイベント (lockdown event) と呼ばれる。
実施例​
アメリカ同時多発テロ事件​
2001年にアメリカ同時多発テロ事件が発生した時には民間領空が3日間封鎖された。
クロナラ暴動(シドニー)​
2005年にはオーストラリアのシドニーで、レバノン系若者と白人若者との間でクロナラ暴動が発生した。ニューサウスウェールズ州政府は、緊急事態に関して州内の特定地域と道路をロックダウンする権限を警察に与え、警察はサザランド・シャイアなどをロックダウンした。2008年1月30日、ブリティッシュコロンビア大学 (UBC) で脅威が発生したとして王立カナダ騎馬警察が6時間ロックダウンし、職員や学生らは建物内に待機した。
ボストンマラソン爆弾テロ事件​
2013年のボストンマラソン爆弾テロ事件ではボストン市内全域がロックダウンされ、テロリストの探索がなされた。
パリ同時多発テロ事件​
2015年のパリ同時多発テロ事件の際は、ベルギーでロックダウンが2日間続けられた。同年、ロサンゼルス統一学区がテロの脅威により封鎖された。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行​
中華人民共和国(以下、中国)の湖北省武漢市で2019年末に発生したSARSコロナウイルス2による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行では2020年に入ってからパンデミック(世界的流行)を引き起こし、中国、イギリス、EU、マレーシア、アメリカ合衆国のカリフォルニア州やニューヨーク州、北朝鮮の開城市、インドなどでロックダウン措置が実施された。また同時期には非常事態宣言も発令したが、感染者が減少傾向に見られたため経済活動優先とし一部緩和するなどした。しかしその後、感染者が急激に増加したため、イギリスやドイツ、フランスといったヨーロッパなどでは再びロックダウンを実行した。コロナ・ショックと呼ばれる程の世界的な経済困難に陥っているため、1度目よりも規制を緩和したロックダウンを実行した国が多い。
部分的なロックダウン・部分封鎖 (partial lockdown) では、住民の活動の一部が制限される。夜間外出禁止令などがその例である。
完全封鎖、フル・ロックダウンでは、住民のほとんどの活動を制限するが、社会の基本インフラストラクチャー(日本でいうところの、いわゆるライフライン)などの機能を停止することはしない。薬局、薬店、食料品店、生活用品店、公設市場、ガソリンスタンド、修理店、病院、診療所、銀行、証券会社、保険会社、警備会社、公共交通機関、郵便、物流、通信、報道機関、農業、畜産、水産、食品生産、製薬、生活用品生産、電力会社、ガス会社、ゴミ処理、火葬場、警察、消防、国防、国境警備、沿岸警備、税関、官公署などはロックダウン期間中も例外として感染拡大防止策を講じて機能を維持する。 また飲食店などは店内飲食は認められないが、持ち帰りと出前については認められる事もある。
日本での実施について​
日本においてロックダウンが行われることはなく、そもそもそのような状況下に置かれる事も通常ないが、2020年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行では4月に当時の安倍晋三総理大臣(以下、安倍総理)が初の緊急事態宣言を発令した。ただし、諸外国のような外出制限を制定し、違反者に罰金制度を設けるロックダウンは日本では行われていない。日本政府からは「外出自粛要請」との形で行われており、罰則や強制力も当然ない。
安倍総理によると、日本国憲法および法律上、ロックダウンや外出制限、違反者への罰金制度など一切出来ないと語った。日本も戦前の大日本帝国憲法には国家緊急権の規定があったが、日本国憲法には存在しないためロックダウンは不可能という事である(第二次世界大戦の反省から国家の暴走を防ぐ意識が働いたとされる)。そのため日本では戦後、大災害など有事の際は個別の法律を新設、改正して対応してきた経緯がある。
影響​
心理的影響​
精神科医ボリス・シリュルニクは、ロックダウンは生存のために必要な措置だが、人の心を恐ろしいほど圧迫し、特にもともと心の不調を持った人、幼少期のトラウマがある人、恵まれない環境で育った人、家庭内に不和がある人、経済的に不安定な人などに与えるダメージが大きく、パニック障害が再発したり、急性の錯乱状態になったりしたケースがあったと指摘している。その原因として環境からの刺激がなくなったり、自分から環境」へ働きかけられなくなったりする感覚遮断があり、これは独房の囚人、潜水艦乗組員、南極に長期滞在する研究者、遠洋航海船員なども経験することで、不安障害に陥ったりする。
経済的影響​
ロックダウンは、経済や雇用の悪化など甚大な影響を与える副作用をはらむと指摘されている。
コンピュータ​
コンピュータなどのITにおいて、セキュリティ強化のためにOSやアプリケーションなどの機能を制限する仕組みのこと。  
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 



2021/4-8
                        日本国内一日の死者・感染者数

                        日本国内の死者・感染者数 累計

       ■死者比率 [左縦軸数値] /1000 = 感染者100人当たりの死者数
         ( 2020年の死者比率は 検査数不足により不正確なものと思われる )