政治の無策 コロナ禍 第四波 

コロナ禍 第四波

政治の無策
「国民の皆さん 不要不急の外出を控えてください」
相変わらずの 要請 お願い頼り

諦めて 4/25 3回目の緊急事態宣言
7/12 第五波 東京 4回目の緊急事態宣言  
 


4/1( 大阪 兵庫 宮城 )4/9( 京都 沖縄 東京 )4/15( 埼玉 千葉 神奈川 愛知 )・・・
福岡北海道奈良県・・・
第四波報道 / 2/33/314/14/54/84/94/104/124/134/144/154/164/174/194/204/214/224/234/24・・・
緊急事態宣言 / 4/254/264/274/284/294/30・・・5/15/25/35/45/55/65/75/85/95/10・・・5/115/125/135/145/155/165/175/185/195/20・・・5/215/225/235/245/255/265/27・・・
緊急事態宣言延長 / 5/285/295/305/31・・・6/16/26/36/46/56/66/76/86/96/10・・・6/116/126/136/146/156/166/176/186/196/20・・・
まん延防止等重点措置 / 6/216/226/236/246/256/266/276/286/296/30・・・7/17/27/37/47/57/67/77/8東京に宣言7/97/107/11・・・
蔓延防止等重点措置ロックダウン小池百合子諸話・・・
 
 
 

 

素人目にも コロナ第四波 
感染者 異常な増加率
尋常ではない
 
 

 

政治の出番
対応発言 ぐずらぐずら 意味不明
危機感 感じられない
 

 

外国なら 「ロックダウン」
・・・
政治家の言い訳 日本には法律がない
面倒か ほったらかし
 

 

日本のお役人 得意技
先ず 入れ物だけの法律を作る
内容は 別途必要な時に 政令で定めてきました
 

 

●大阪府、兵庫県、宮城県  4/1
まん延防止措置適用 4/5-5/5 
大阪府 大阪市(ミナミ)
兵庫県 神戸市(三ノ宮駅付近)、西宮市、尼崎市、芦屋市
宮城県 仙台市(国分町)
●大阪府
大阪府民「まん防やなく辛抱ですわ」感染拡大で吉村知事への不満続々 4/16 
振り返れば、1年前は「対コロナの日本のリーダー」だった。狼狽える政府に先んじて矢継ぎ早に対策を打ち出す若き首長に、「彼が総理だったら」という評価さえ上がった。ところが“規制と緩和の反復横跳び”の末に感染爆発が止まらなくなった今、「大阪こそ元凶」との批判が止まない。吉村洋文・大阪府知事(45)はどこで、何を間違えたのか──。
4月13日、14日と大阪府の新型コロナの新規感染者は2日続けて1000人を超えた。重症病床の使用率は90%を超え、医療崩壊の危機も迫っている。
3度目となる緊急事態宣言が現実味を帯びる中、大阪府民の怒りの矛先が向かうのは、吉村知事だ。
「この事態を招いたのは、吉村はんのせいや。パフォーマンス先行でやってるフリばかりの政治には、いい加減うんざりやで」(50代男性)
「テレビにようけ出てるけど、そんな暇があったら感染者を減らす対策をしてほしい」(60代女性)
確かに今年に入って吉村知事のコロナ対策は裏目に出続けている。
第3波の感染拡大が一時的に収まった2月、吉村知事は予定を1週間前倒しして、国に緊急事態宣言解除を要請。リバウンドを警戒する声もあったが、吉村知事が「緊急事態宣言は、より限定的であるべき」と主張して、東京など首都圏に先立つ解除となった。
3月中旬以降、新規感染者数が急増すると、吉村知事は一転して、緊急事態宣言に準じた措置を取る「まん延防止等重点措置(まん防)」の適用を国に要請した。
4月5日、全国初となる「まん防」が適用され、吉村知事は「マスク会食」や、飲食店の感染対策をチェックする「見回り隊」などの対策を打ち出したが、感染増に歯止めはかからず、新規感染者数は4月13日に1099人、14日に1130人と過去最高を連日更新している。
「もう疲れたわ!」と憤りを隠さないのは、心斎橋付近で和食店を経営する松村直樹氏(47)だ。
「『まん防』というふざけた名前のヤツが始まったけど、感染者は増える一方やないか。これじゃワシらは“まん防”やなく“辛抱”ですわ。
しかもまん防でもらえるはずの1日4万円どころか緊急事態宣言の協力金の支給も遅れているし、食事中の客に『食べたらすぐマスクして』なんてよう言わず、見回り隊なんて一度も見たことがない。吉村はんが緊急事態宣言をやめたのは早すぎたんやろな」
逼迫が続く医療現場では悲鳴が上がる。
全国初のコロナ専門病院になった大阪市立十三市民病院に昨年まで勤務していた元看護師が言う。
「昨年、90床のコロナ専門病床を設けましたが、看護師の負担が重すぎて実際に受け入れたのは70床だけ。あまりの激務に昨年末で20人以上の看護師が退職し、医師も10人以上辞めました。
ゴールが見えたら私らも頑張れますが、現状は次々と戦いの最前線に送り込まれるだけで、吉村さんのやり方は戦時中の日本軍みたいです。『吉村さん、ホンマにどうにかしてぇな』という思いです」 
メッキが剥がれた大阪・吉村知事 実像は「典型的ポピュリスト」 4/18 
4月13日以来、新型コロナの新規感染者が連日1000人を超え、重症病床の使用率も90%超と医療崩壊の危機が迫っている大阪。3度目となる緊急事態宣言も現実味を帯びる中、大阪府民の怒りの矛先が向かうのは、吉村洋文・大阪府知事だ。
コロナ発生当初を振り返れば、吉村知事の手腕は高く評価されていた。
連日テレビカメラの前で取材に応じ、「最後に責任を取って判断するのが政治家の仕事」と明言して、コロナ対策に奮闘する。その姿が府民の支持を集め、昨年4月にはツイッターで「#吉村寝ろ」がトレンド入りした。
だが勢いは長く続かず、徐々にメッキが剥がれていった。発端となったのは、昨年8月4日の「イソジン緊急会見」だ。
「ウソのような本当の話をします」
緊急記者会見でそう見得を切った吉村知事は、「ポビドンヨード(イソジン)でうがいをするとコロナの陽性率が減少する」と訴えた。思わぬ特効薬の登場に府民は色めき立ったが、この研究は論文発表前のもので、その後、立ち消えになり現在に至るまで説明はされていない。
元読売新聞大阪本社記者でジャーナリストの大谷昭宏氏が指摘する。
「2度目の緊急事態宣言の解除要請も同じですが、吉村知事には自分の能力を過信する傾向があり、『いち早く成功の果実を得て、みんなに褒めてもらおう』との思いから、多くの政策が見切り発車になる。
昨年4月に『コロナワクチンを9月までに実用化する』と言っていたことが典型例です。良かれと思って即断しても結果が伴わないため、最初は持ち上げていた大阪人が興ざめして一斉に手を放してしまった」
さらに評価の“暴落”に追い打ちをかけたのが、昨年11月1日に否決された「大阪都構想」だ。コロナ禍で感染拡大を懸念する声が上がる中、住民投票を行ない、大阪は11月中旬に第3波に突入。住民投票での人の移動が第3波を誘発したとの批判を浴びたが、その後の対応も問題だった。
千葉大学名誉教授(行政学)の新藤宗幸氏が指摘する。
「吉村知事は敗北を総括せず、今年3月に簡易版都構想とも言われている大阪府と大阪市の広域行政を一元化する条例を制定しました。住民投票で負けたにもかかわらず、自分たちのやりたいことを強引に進める姿勢は、政治家としてあまりに不誠実です。コロナ対策にも当てはまりますが、吉村知事は知事の持つ言動の重みを理解しているとは思えません」
元東京都知事の舛添要一氏は、本誌・週刊ポストの『47都道府県知事「感染対策」の通信簿』(2020年8月7日号)では、吉村知事のコロナ対策を高評価していた。しかし、現在では吉村知事を「典型的なポピュリスト」と評する。
「この1年間、テレビで何度も共演しましたが、本来なら記者クラブで言うべきコロナの感染者数をワイドショーやニュース番組で発表するなど、人気取りのパフォーマンスが目立ちます。緊急事態宣言やまん防でも、彼が成果を焦った政策が裏目に出て、感染が急拡大した。ポピュリズム政治の成れの果てが現在の大阪なのです」

ポピュリズム / 労働者や貧農、都市中間層といった市民階層を「大衆」と位置づけ、大衆に対する所得再分配や政治的権利を希求する政治思想のこと。また、ここから転じて、政治家が大衆の抱く感情や情緒に寄り添う形で政治を行う手法や、そうした大衆の基盤に立つ運動も指す。日本語では人民主義、衆愚政治、反知性主義などの訳語が用いられることが多い。  
大阪「恐怖の第4波」 舛添要一がバッサリ「知事はテレビ出ないで仕事しろ」 4/19 
ちょうど1年前、大阪の吉村洋文・知事は「コロナのスター」だった。連日、記者会見を開き、政府に先駆けて対策に奔走した。その孤軍奮闘ぶりに「#吉村寝ろ」がトレンドワードになり、「吉村総理待望論」まで持ち上がった。あれから1年、その名声は地に墜ちたと言っていい。大阪では一定の人気を保っているが、全国的に見れば、首都圏に先行して緊急事態宣言を解除したことで変異株蔓延の震源地になり、その変異株が全国に広がってしまったことで第4波を加速させた。
吉村氏の言動は徹頭徹尾、テレビ的だ。視聴者が喜ぶ政府批判や目新しい施策を次々と発表することで府民の支持を集めてきた。しかし、府庁内では部下の言うことを聞かない、独断専行という批判の声が多く、発言にも政策的、科学的な裏付けが乏しい。「イソジンでうがいするとコロナが死ぬ」とか、「大阪ワクチンを秋には作る」など、いま振り返れば「?」しか付かない珍説を繰り出し、それが批判されるとその後は沈黙して、イソジンも大阪ワクチンも、その後どうなったのか何も語っていない。発言の責任を取るのが政治家の務めだが、「タレント」の吉村氏は「その場でウケること」が優先されているように見える。
結果的にコロナ第4波を招いた吉村氏の功罪について『週刊ポスト』(4月16日発売号)が詳しく検証しているが、そこにも登場した元東京都知事で元厚労相の舛添要一氏に、改めて吉村流政治の問題点を聞いた。

一言で言うと、吉村さんはテレビに出すぎです。私は厚労大臣だった時、絶対に特定の民放番組には出ませんでした。その番組を見てる人にしか伝わらないし、他局はわざわざ映像を借りたりはしないから、そこでの発言は必要な人にきちんと伝わりません。やるべきは記者会見です。私は何かあれば夜中でも記者を集めて会見するようにしていましたから、全局が報じて多くの国民に伝わりました。
これは大阪のワイドショーの体質にも問題があると思います。東京だと、一部の政治評論家みたいな「菅べったり」のコメンテーターもいますが、それはごく一部で、特に番組MCは特定の政治家や政党を持ち上げるような発言は控えます。これが大阪は違う。大阪維新の会は、橋下徹さんの時代から辛坊治郎さんとか宮根誠司さんなんかが露骨にヨイショしてきて、そのノリがずっと続いています。
いまは平時ではなく有事です。知事がお気に入りの民放番組をハシゴしている場合ではないでしょう。しかも、それで吉村さんの人気が出ると、国政の政治家もみんな真似し始めて、加藤勝信・官房長官や田村憲久・厚生大臣らが同じようにテレビに出まくる。総理大臣までが特定の民放番組でインタビューに応じています。
好ましくはないけど、平時ならば知事がおちゃらけてバラエティー番組やワイドショーに出ても有害ではありませんが、戦時中にそんなことをすれば危機管理が問われます。東シナ海で軍事衝突が起きているさなかに、統合幕僚長がワイドショーに出ていたら国民はどう思いますか? そんな暇があったらちゃんと戦えと思うでしょう。政治家だって同じだし、コロナは戦争ですよ。
政治に対するテレビの影響力が強くなりすぎましたね。政治家はテレビに出て人気を稼ぎたい、テレビのほうも視聴率が取れるから人気の政治家を出演させたい。だけど、それで稼いでいたらテレビは政治家の批判はできなくなります。これは大阪だけの問題とは思いませんが、メディアの機能を放棄しているテレビ局が大阪の悲劇を招いた面もあります。もちろん、それに踊らされる有権者も反省しなければなりません。
人気取りのために緊急事態宣言をいち早く解除してこうなってしまったのだから、まずはその間違いを認めて、ヨーロッパのように徹底したロックダウンをする段階に来ていると思います。それでもヨーロッパで不満が出ないのは、しっかりとした補償をしているからです。大阪も東京も、ここは借金してでも同じようにしてコロナを抑え込まなければならない。テレビでウケるかではなく、本当に実効性のある政策を考えてもらいたい。
皮肉なことですが、大阪の危機で、ようやくポピュリズム政治、テレビ政治の問題点が国民にも見えてきたのではないでしょうか。  
●兵庫県
兵庫県知事より 第4波急拡大!感染防止緊急要請 4/15 
県内の新規感染者数は300人を超える日が続き、昨日は、過去最多の507人となるなど感染が急拡大しています。病床使用率は75%を超え、入院調整も1000人を超えるなど、医療体制は危機的状況にあります。そのため、まん延防止等重点措置区域を拡大し対策を強化することとしました。何としても感染の増大を防がねばなりません。皆様には、感染防止を我が事としてとらえ、必ず感染しない・させないとの強い思いで、次の取組にご理解、ご協力をお願いします。
事業者の皆様へのお願い
1.営業時間の短縮
○これまでの神戸市、尼崎市、西宮市、芦屋市に加え、4月22日から阪神北地域(伊丹市、宝塚市、川西市、三田市、猪名川町)及び明石市を「まん延防止等重点措置区域」に追加します。飲食店等は5月5日まで20時までの営業時間の短縮をお願いします。
○東播磨地域(明石市を除く)及び中播磨地域の飲食店等は、引き続き、営業時間を21時までとし、期間を5月5日まで延長します。
2.感染対策の徹底
○ 飲食店等では、次の取組の徹底をお願いします。アクリル板設置又は適切な距離確保、消毒液の設置、換気の徹底、入場者のマスク着用、発熱等症状者の入場禁止、従業員の検査受診の勧奨、飲食店でのカラオケ利用自粛
○ 各企業の従業員等に対し、歓送迎会や懇親会の自粛を徹底してください。
○「出勤者数の7割削減」を目指すことも含め、在宅勤務(テレワーク)、テレビ会議などを推進してください。
県民の皆様へのお願い
1.外出の自粛
○ 県全域での不要不急の外出・移動を自粛してください。特に大阪など県境を越えたまん延防止等重点措置区域への往来は自粛してください。
2.飲食店等での注意
○ 感染対策を行っていない飲食店、カラオケ店などへの出入りを自粛してください。特に、大阪などまん延防止等重点措置区域での飲食は控えてください。
○ 飲み会(宅飲み)など大人数・長時間(2次会には行かない)の飲食は自粛してください。
○ 会食後、数日間は人との接触に注意するなど、「人にうつさない」行動をしてください。
3.家庭での感染防止対策
○ リスクの高い行動の自粛や基本的な感染対策の徹底など「ウイルスを家庭に持ち込まない」行動をしてください。
○ 帰宅後の手洗い、換気の実施、発熱者がいる場合の個室の確保や共有部分の消毒など「ウイルスを家庭内に広げない」行動をしてください。
○ 毎日の検温など家族の健康管理、発熱など症状がある場合のかかりつけ医への相談など「ウイルスを家庭外に広げない」行動をしてください。
4.若い方々のリスクの高い行動の自粛
○ 会食などリスクの高い場面を避けてください。
○ 歓送迎会・新歓コンパや宅飲みなど飲み会を自粛し、さらに路上飲み、公園飲みは絶対にやめてください。
○ 大学や企業の食堂、構内等での飲食や談話時には3密を回避してください。
○ 部活動・サークル活動などの際には、マスクの着用・手指消毒など感染防止対策を徹底してください。 
●宮城県
「第4波に入った」感染急拡大…宮城県「GoToイート再開が要因」との指摘 3/29 
地方での新型コロナウイルス感染者が、3月中旬以降、急激に増えている。宮城、山形、愛媛県などは独自に緊急事態を宣言したが、医療体制の逼迫ひっぱくは進む。愛媛県の中村時広知事が「『第4波』に入った」と語るなど、各地で警戒感が高まっている。
厚生労働省によると、人口10万人当たりの直近1週間(19〜25日)の新規感染者数は、宮城県が36・08人に上り、東京都(16・08人)や大阪府(13・63人)を大きく上回っている。
宮城県では、療養者数や感染者数など複数の指標で最も状況が深刻な「ステージ4」に達しており、3月23日時点での病床使用率は33・9%と、前週より16ポイント以上悪化している。
同県では、2月23日に政府の飲食店支援事業「Go To イート」を約2か月ぶりに再開したが、3月に入ると感染が急拡大し、16日に再び停止に。18日には県と仙台市が独自の緊急事態宣言を発令し、25日からは仙台市内の飲食店など約1万店に営業時間の短縮を要請している。
日本医師会の中川俊男会長は宮城県の状況について「2月8日の仙台市の時短要請解除と、『Go To イート』再開が要因と思われる」「ちょっとした緩みでこれだけの感染者が出るという教訓にしなければならない」と指摘した。
隣接する山形県でも、10万人当たりの1週間感染者数が16・6人に達しており、県や山形市などで時短要請を開始。吉村美栄子知事は「3世帯同居が多く、若い人から高齢者への波及を食い止めなくてはならない」と訴えた。
愛媛県では2月下旬以降、新規感染者は1日0〜4人で推移していたが、3月23日に23人に急増し、25日には過去最多の59人となった。松山市で複数の飲食店にまたがる「繁華街クラスター(感染集団)」が発生したためで、関連の感染者は160人に上る。
うち20人以上から変異ウイルスが検出されており、中村知事は28日、「収束できるかどうか、この1〜2週間が勝負」と危機感をあらわにした。
沖縄県も、10万人当たりの1週間感染者が25・6人に上る。県によると、那覇市を中心に飲食店絡みの感染が増えており、若い世代での流行が急拡大の要因とみられるという。

宮城県と仙台市は17日、県内で新たに65人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。県内の感染者の累計はすでに回復した人なども含めて7552人になりました。
 

 

●京都府、沖縄県  4/9
まん延防止措置適用 4/12-5/5 
京都府 京都市
沖縄県 那覇市、浦添市、宜野湾市、沖縄市、うるま市
      名護市、糸満市、南城市、豊見城市 
●京都府
京都府 西脇知事「緊急事態宣言」感染状況注視し要請を議論 4/19 
大阪府の吉村知事が緊急事態宣言の発出を国に要請する考えを示したことについて、京都府の西脇知事は記者団に対し、感染状況などを注視したうえで今週中に対策本部会議を開き、京都府として宣言の発出を要請するかどうか議論したいという考えを示しました。
この中で西脇知事は、京都府内の感染状況について「感染者数はきょうの時点で1週間平均で1日当たり100人を超え、医療の提供体制も厳しい状況があると認識している」と述べました。
そして、大阪府の吉村知事から緊急事態宣言の発出を国に要請することについて、連絡を受けたことを明らかにし「京都府は、まん延防止等重点措置が大阪や兵庫より1週間あとに適用されていて、その効果を見極めたい。また、緊急事態宣言に伴う措置の内容や効果がまだよく分からず、感染状況も見ていきたい」と述べました。
そのうえで、大型連休に向けた対策を検討するため、今週の半ば以降に新型コロナの対策本部会議を開き、京都府として緊急事態宣言の発出を要請するかどうか議論したいという考えを示しました。

京都府と京都市は19日、新たに110人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。京都府内の感染者は、これで1万1034人になりました。 
京都府 緊急事態宣言の発出を要請  4/21 
京都府は、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかかっておらず、医療体制を守るために強い措置が必要だとして、21日夜、国に対し、緊急事態宣言の発出を要請しました。
京都府では、4月12日から「まん延防止等重点措置」が適用され、飲食店などへの営業時間の短縮要請が実施されていますが、直近1週間の感染者数は平均で100人を超え、感染拡大に歯止めがかかっていません。
このため、京都府は、21日夕方対策本部会議を開き、担当者が変異ウイルスの検出率が今月18日までの1週間でおよそ5割を占め、入院患者向けの病床の使用率も直近で50%を超えていると報告しました。
また、専門家を代表して府医師会の松井道宣会長が「いまの感染のスピードから考えると、数週間後には、重症患者向けの病床のひっ迫が予想される」と指摘しました。
そして、西脇知事が「医療体制を守るために人の流れを抑える強い対策が必要だ」と述べ、国に対し、緊急事態宣言の発出を要請することを決定し、21日夜、正式に要請しました。
府では、宣言に伴う具体的な措置について国などとの調整を急ぐことにしています。
西脇知事は、対策本部会議のあと記者会見し、緊急事態宣言の発出の要請を決めたことについて「『まん延防止等重点措置』の措置を始めて10日間がたち、飲食を起因とした感染は減ったが、全体としては増えている。関西でも感染が拡大しており、大型連休の人を流れを止めるため、大阪・兵庫と歩調をあわせて要請すべきと考えた」と述べました。
また、宣言の期間については「これから決まっていくことだが、大型連休を越えたところまでは行う必要があると思う」と述べました。
さらに西脇知事は、宣言に伴う措置について「今後、国の措置の枠組みの中で決まっていくが、現在、営業時間の短縮要請をしている飲食店については、さらなる短縮などをお願いすることになる」と述べました。 
●沖縄県
第4波は「過去最大の波」 沖縄県の医療技監見解 4/19 
沖縄県は18日、新たに10歳未満〜80代の男女92人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。病院などで療養する患者数は1262人で、17日の1255人を上回り過去最多を更新。県の糸数公医療技監は、療養者数や1週間の新規感染者数の増加が続くことから、3月から4月にかけての第4波を「過去最大の波」とする見方を示した。
今後、感染者数の増加が収まらない状況が続いた場合「『まん延防止等重点措置』の適用期間や外出自粛、時短営業要請の再延長を協議する」との考えを説明。さらに拡大すれば「より強い措置が必要になる」として緊急事態宣言を出す可能性についても言及した。
感染者数が減少しない理由に変異株が影響しているかどうかについては「はっきりと見極められていない」と指摘。「(16日時点で)変異株N501Yは20%程度だった。関西地域のようには広がっていないとの認識がある」と述べ、感染拡大に変異株がどの程度関わっているか、判断が難しいとした。
県内の直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者は54・56人で、大阪府の81・32人に次いで全国2番目に高い。
年代別では20代が20人で最も多く、重症化しやすい70代以上は13人だった。
18日に確認された感染者92人のうち、感染経路が追えたのは39人。家族内が23人、友人知人9人、職場内4人、飲食関係2人、その他1人だった。
県内の累計感染者は1万1489人となった。
 

 

●東京都 4/9
まん延防止措置適用 4/12-5/11   
東京23区、八王子市、立川市、武蔵野市、府中市、調布市、町田市
小池知事“可能なかぎり東京に来ないで” 爆発的増加に危機感  4/16
東京都の小池知事は記者会見で、都内の感染者数は爆発的に増加してもおかしくないと強い危機感を示したうえで、徹底して人の流れを減らすため、エッセンシャルワーカーなどどうしても出勤が必要な人以外は可能なかぎり東京に来ないでほしいと重ねて呼びかけました。
このなかで小池知事は都内でも、感染力が強いとされる「N501Y」の、変異があるウイルスが急増しているとしたうえで「人出が高い水準で続くと、感染者数が今後、爆発的に増加してもおかしくない」と述べ、強い危機感を示しました。
そして小池知事は「『もう疲れたよ』と言わないでください。第4波と言われている感染の波は非常にきつい」と述べました。
そのうえで、都と県の境を越える移動や出勤者数の3割への抑制など、徹底して人の流れを減らすための対策に協力を求めました。
そして「毎日300万人が通勤や通学で都内との往来がある。特に都外に住む皆さんは、エッセンシャルワーカーなど、どうしても出勤が必要な人以外は、可能なかぎり東京に来ないでください」と重ねて呼びかけました。
また、感染状況が悪化した場合、政府に緊急事態宣言を要請するかどうかについて「ダラダラしないで、重点措置の期間にしっかりと対応し、進めていくことに尽きる」と述べ、宣言に至らないように対策を徹底する必要があるという考えを示しました。
 

 

●埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県 4/15
まん延防止措置適用 4/20-5/11 
埼玉県 さいたま市、川口市
千葉県 船橋市、市川市、松戸市、柏市、浦安市
神奈川県 横浜市、川崎市、相模原市
愛知県 名古屋市
●埼玉県
「まん延防止等重点措置」適用を要請 4/15
埼玉県は15日夜、新型コロナウイルスの対策本部会議を開いた後、政府に対し「まん延防止等重点措置」を適用するよう、要請しました。県は対象の地域を、さいたま市と川口市を軸に検討しています。
会議の中で、埼玉県は「変異ウイルスの感染が増えており、今後感染の急拡大が懸念される。これ以上の感染拡大が続けば、通常医療やワクチン接種にも影響を及ぼすおそれがあり、先手先手の対策が必要になってくる」として、「まん延防止等重点措置」を1か月間、適用するよう、政府に要請することを決めました。
会議のあと、埼玉県の大野知事は記者会見を開き、「変異ウイルスの感染が広がりつつあり、爆発的な感染拡大の発生が否定できない状況だ。また、大型の休暇の後には感染者が増加するという経験があり、先手先手の対応が必要という判断にいたった」と述べました。
そして、県は、午後7時に「まん延防止等重点措置」の適用を政府に要請しました。
県は対象の地域をさいたま市と川口市を軸に検討していて、大型連休が控えていることなどをふまえ、期間を1か月とするよう求めたということです。
●千葉県
「まん延防止等重点措置」適用を要請へ 4/15
新型コロナウイルス対策をめぐり、政府が、千葉県に対しても「まん延防止等重点措置」を適用する方針を固めたことについて、千葉県は政府とのやりとりを続けているとしたうえで、15日午後8時から対策本部会議を開いて適用するよう要請することを決める方針です。
熊谷千葉知事 “まん延防止等重点措置 要請する段階にない”  4/15
新型コロナウイルスに対する「まん延防止等重点措置」の適用について千葉県の熊谷知事は、「千葉県だけをみると要請する段階にはない」としたうえで、引き続き首都圏全体の感染状況を踏まえ国と協議していく考えを示しました。
東京都が今月12日から「まん延防止等重点措置」の適用対象となり、神奈川県と埼玉県も政府に適用を要請する動きもある中、千葉県の熊谷知事は15日の会見で「千葉県だけを見ると感染状況は『横ばい』が続き、適用を要請する段階ではない」と述べました。
そのうえで、周辺の都県では感染状況が悪化しているとして「隣接エリアの状況をリスクとしてどのように考えていくのか、国と意見交換して適用の可否を判断していきたい」と述べて、引き続き国と協議を続けていく考えを示しました。
仮に適用する際は、東京に隣接する北西部の一部を対象として検討しているということです。
また、熊谷知事は今月21日が期限となっている飲食店などへの営業時間の短縮要請については、「全面的に解除することはまだ難しい」と述べ、22日以降も当面要請を続ける考えを示しました。
また、喫煙所や外で感染した20代の若者が同居している高齢の家族にうつしたとみられる例をあげ、「具体例を踏まえてポイントを押さえた感染防止策を取ってほしい」と呼びかけました。
「まん延防止等重点措置」適用要請を決定 4/15
千葉県は、15日夜、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、政府に対して「まん延防止等重点措置」の適用を要請することを決めました。
千葉県内では、15日、2回目の緊急事態宣言が解除されて以降最も多い144人の感染確認が発表されました。
このため千葉県は急きょ、15日午後8時から対策本部会議を開き、熊谷知事が「全国的に見ても感染者が増加しており、今月12日からは東京都において、まん延防止等重点措置が適用されている。経済圏、生活圏を一体とする千葉県としては強い緊張感をもって対応することが必要だ」と述べました。
会議で、千葉県は政府に対し、「まん延防止等重点措置」の適用を要請することを決め、対象の地域は東京都との往来や新規感染者数などを踏まえ、県北西部の船橋市と市川市、松戸市、柏市、浦安市のあわせて5つの市となる見通しです。
また、期間は来週の今月20日から来月11日までで、対象の地域で飲食店に対して営業時間をこれまでより1時間早い午後8時までにするよう求めるほか、見回り調査も実施する方針です。
●神奈川県
神奈川県「まん延防止等重点措置」適用 政府に要請決定  4/15
神奈川県は15日夜、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、政府に対し「まん延防止等重点措置」を適用するよう要請することを決めました。
神奈川県では新規感染者の増加傾向が続き、14日、2回目の緊急事態宣言の解除後、初めて200人を超える205人となったほか、15日はさらに増えて242人となりました。
これを受けて県は午後6時から対策本部会議を開きました。
この中で、1週間当たりの感染者の数が、3週連続で増加していることや変異株の割合も急増していることなどを確認し、感染拡大の兆候があるとして政府に対し、「まん延防止等重点措置」を適用するよう要請することを決めました。
適用する地域は、東京に隣接し、感染者が多いことなどから、横浜市、川崎市、相模原市とし、この地域の飲食店に対して、営業時間をこれまでより1時間早い午後8時までにすることなどを求める方針です。
また、期間については、1か月程度とすることを国に求めることにしています。
県は、このあと速やかに、政府に要請することにしています。
●愛知県
愛知県のまん延防止措置、20日から適用へ 対象は名古屋市 4/15
愛知県の大村知事は15日午後6時、国に対し「まん延防止等重点措置」の適用を正式に要請しました。政府も、千葉、埼玉、神奈川、愛知の4県に適用する方針を固めました。期間は、20日から来月11日までとしています。
政府も15日、菅総理大臣と関係閣僚が集まって協議した結果、千葉、埼玉、神奈川、愛知の4県にまん延防止等重点措置を適用する方針を固めました。
期間は、20日から来月11日までとし、16日の政府対策本部で決定します。
愛知県によりますと、まん延防止措置は名古屋市を対象とし、飲食店に営業時間を午後8時までとするよう要請する見通しです。
また、名古屋市以外の飲食店については、午後9時までの要請を検討しています。
大村知事は「次の週明けから3週間程度の適用になると思う」と述べました。
愛知県では15日、218人の感染が確認されました。名古屋市では82人です。200人台は14日に続き、2日連続です。 
 

 

●福岡県
福岡県 福岡市内飲食店などに時短営業を要請へ 22日〜来月19日 4/19
新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて、福岡県は、今月22日から福岡市内の飲食店などに営業時間の短縮を要請することを決めました。
福岡県では、先週から連日100人を超える感染者が確認され、特に福岡市内で増えていて、変異ウイルスへの感染も広がっています。
これを受けて、福岡県は19日対策本部会議を開き、福岡市内の飲食店などに営業時間を午後9時までに短縮し、酒類のオーダーは午後8時半までとするよう要請することを決めました。
対象は福岡市内全域の飲食店のほか喫茶店やカラオケ店などで、期間は今月22日から来月19日までです。
要請に応じた場合、中小企業には売り上げに応じて1日2万5000円から7万5000円、大企業には売り上げの減少額に応じて、1日最大20万円の協力金を支給する方針です。
また、県民に対しては、20日から来月19日まで、通院や食料・生活必需品の買い出し、職場への必要な出勤などを除き、日中も含め不要不急の外出を自粛し、まん延防止等重点措置が適用されている地域など、感染拡大地域との不要不急の往来も自粛することなどを求めるとしています。
会議で服部知事は「福岡県はまさに第4波の入り口に立っている。これ以上の感染拡大を何としても食い止めなければならない」と述べました。
福岡県の服部知事は記者会見で、営業時間短縮などへの協力を呼びかけました。一方、要請を行っても感染が増え続ける場合には、今後「まん延防止等重点措置」の適用について、国と協議していく考えを示しました。
記者会見で服部知事は、福岡県内の感染状況について「第4波の入り口に立っているという認識で、強い危機感を持っている。福岡市での感染拡大は県下全域に及ぼす影響が大きく、これ以上の感染拡大はなんとしても食い止めなければならない」と述べ、営業時間短縮や外出自粛への協力を呼びかけました。
また感染状況が現在よりも少なくなるなどした場合には、専門家の意見なども踏まえ、期限の来月19日を待たずに要請の解除を判断する考えを示しました。
一方「まん延防止等重点措置」の適用については「今後の感染状況を十分に見極める必要がある。国において感染拡大防止の観点から議論があった場合、国と協議していきたい」と述べました。
また、会見に同席した福岡市の高島市長は「要請はできればやりたくないという思いだ。しかし、緊急事態宣言などもっと厳しい状況になる前のところで踏みとどまるために、早い行動をとるということで今回、お願いすることになった」と説明しました。
福岡市の飲食店に時短要請へ 22日ごろから1ヵ月程度 4/19
福岡県は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、福岡市内の飲食店などを対象に営業時間を午後9時までに短縮するよう要請する方針を固めた。期間は22日ごろから1カ月程度で調整しており、要請に応じた店舗には売り上げ規模に応じた協力金を支給する。同県の時短要請は全県域で3月21日までで解除して以来、1カ月ぶりとなる。
関係者によると、時短要請は福岡市内全域の飲食店やカラオケ店を対象とする方向で検討している。
協力金は、国の支援制度に基づいて支給する考え。国は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を適用した地域以外には、中小企業に1日2万5千円〜7万5千円、大企業などに同最大20万円を支給できるように臨時交付金を追加配分する枠組みを設けている。
同県では14日、緊急事態宣言が2月末で解除されて以降、初めて新規感染者が150人を突破。18日まで5日連続で100人を超えている。感染力が強いとされる変異株の割合も増えており、感染が急増した福岡市での対策を強化することで、爆発的な拡大を抑え込みたい狙いだ。
政府は、同県内の感染増加に歯止めがかからない場合は、緊急事態宣言に準じたまん延防止等重点措置の適用も検討している。
福岡県内 新型コロナウィルス感染者 4/19
福岡県は19日、県内で新たに118人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。県内の1日の感染者数が100人を超えるのは、6日連続です。内訳は、福岡市で47人、久留米市で9人、北九州市で3人などとなっています。
一方、4月16日に感染者として発表された1人が取り下げられました。福岡県内で感染が確認された人は、のべ2万359人になりました。また、県内で新たに3人が変異した新型コロナウイルスに感染した疑いがあることが分かったということです。
新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて、福岡県は今週22日から福岡市内の飲食店などに営業時間の短縮を要請することを決めました。福岡県では、先週から連日100人を超える感染者が確認され、特に福岡市内で増えていて、変異ウイルスへの感染も広がっています。
これを受けて、福岡県は19日、対策本部会議を開き、福岡市内の飲食店などに営業時間を午後9時までに短縮し、酒類のオーダーは午後8時半までとするよう要請することを決めました。対象は福岡市内全域の飲食店のほか喫茶店やカラオケ店などで、期間は今週22日から5月19日までです。
要請に応じた場合、中小企業には売り上げに応じて1日2万5000円から7万5000円、大企業には売り上げの減少額に応じて、1日最大20万円の協力金を支給する方針です。
また、県民に対しては、20から5月19日まで、通院や食料・生活必需品の買い出し、職場への必要な出勤などを除き日中も含め不要不急の外出を自粛し、まん延防止等重点措置が適用されている地域など感染拡大地域との不要不急の往来も自粛することなどを求めるとしています。
会議で服部知事は「福岡県はまさに第4波の入り口に立っている。これ以上の感染拡大をなんとしても食い止めなければならない」と述べました。 

 

●北海道
感染拡大防止に向けた皆さまへのお願いについて 秋元札幌市長 4/12
市民や事業者の皆さまには、感染対策にご理解・ご協力いただいておりますこと、また医療従事者の皆さまには、長期に渡り、懸命に治療にあたっていただいておりますこと、心より感謝申し上げます。
4月5日、大阪と兵庫、宮城に「まん延防止等重点措置」が適用され、また12日から東京、京都、沖縄においても、同じく重点措置を適用することが決定されました。全国的に感染が拡大しており、昨年11月に発生したいわゆる第3波を上回る第4波の発生に警戒感が強まっています。
そのような中、札幌市においては、北海道が講じた「警戒ステージ4相当」の強い措置のもと、市民の皆さまに、基本的な感染対策の実践に加え、感染リスクを避けられない場合における不要不急の外出と、市外との往来を控えることにご協力いただくことで、急激な感染拡大にならず、何とか踏みとどまっている状況です。
しかし、直近では、変異株の割合が増加しており、その影響による入院患者数の増加が病床をひっ迫していることに加え、重症者数が過去最大値を超える事態となるなど、医療提供体制にかかる負荷や市民の皆さまの健康を脅かすリスクが一層高まってきております。
これらのことから、9日に対策本部会議を開催し、改めて変異株を含めた新型コロナウイルス感染症への対応を下記のとおり指示したところです。
市内の感染状況に応じた情報発信について / 引き続き、変異株症例の分析を進めるとともに、今後も分析結果などの情報を、具体的な事例なども含めて、きめ細かく発信すること
医療提供体制の整備について / 入院受入病床や後方支援病院、医療従事者の拡充などに取り組むとともに、大型連休に向けて医療提供体制の更なる整備に努めること
市有施設における感染防止対策の徹底について / 公園や炊事広場における感染症対策を着実に実施するとともに、他の市有施設においても、利用制限や飲食自粛などについて、柔軟に対応すること
これまでの経験則から、新規感染者の数を見て、危機感を持つことが多いと思いますが、現下の状況は、新規感染者数が示す値以上に厳しい状況にあることをご理解いただきたいと思います。
また、変異株感染者の症例を分析したところ、若年層の重症化リスクが高まっていることや、発熱がないにも関わらず全身の倦怠感を訴える方が多いことなど、従来株とは異なる特徴が分かってきました。
市民の皆さまにおかれましては、
いつもと違う、体調が悪いと思ったら、外出を控えてください。
お店以外での飲食におきましても、会話の際にはマスクの着用を徹底してください。
発熱がなくても、もしかしたら感染しているかもしれない、という意識で、かかりつけ医や#7119に電話をしてから、早期に受診いただくようお願いします。
最後に、北海道の気温も徐々に高くなってきており、これからの季節は、花見やバーベキューなどを楽しみにされている方も多いと思います。
市中における感染拡大が懸念されていることを踏まえて、特にバーベキューなど大人数で飲食を伴う場面では感染リスクが高まることから、花見期間中の円山公園での火気使用や公園などにおける炊事広場の利用を中止とします。また、豊平川河川敷でのバーベキューの利用も中止とします。
今年の春につきましても、市民の皆さまには、引き続きご負担をお掛けいたしますが、感染拡大防止のために、感染リスクを回避できない場合の不要不急の外出、市外との往来の自粛、日常生活における感染防止対策の徹底についても、改めてご協力をお願いいたします。
医師会「第4波の兆し」“移動は極力避けて”道民に感染対策の徹底 4/17
北海道医師会と札幌市医師会が合同で会見を開き、大型連休に向け感染対策の徹底を呼びかけました。
(北海道医師会 長瀬清会長)「道民の皆様方には札幌市内はもちろん、その他の地域でも不要不急の外出や都道府県をまたいでの移動は極力避けることをお願いしたい」
北海道医師会の長瀬清会長は会見で、変異株の感染拡大に伴い入院患者数が急増している現状は「第4波の兆しである」として、大型連休に向け、移動を極力避けてほしいと訴えました。また同時に「黙食」の実践やマスクの着用など感染対策を今一度徹底して欲しいと呼びかけています。
北海道 新型コロナ 4人死亡 98人感染確認  4/18
新型コロナウイルスの新たな感染について、北海道は10人、旭川市は9人、函館市は1人、小樽市は1人の合わせて21人が確認されたと発表しました。
18日はこれまでに、札幌市が77人の感染を発表していて、これで道内の感染確認は、合わせて98人となりました。
また、旭川市は市内に住む年代・性別が非公表の1人が亡くなったと発表しました。
これまでに札幌市が市内に住む70代の男性と80代の男性2人の合わせて3人が亡くなったと発表していて、これで亡くなった人は合わせて4人になりました。
道内の感染者は延べ2万2381人、このうち死亡した人は801人となりました。 

 

●奈良県 
「STOP!感染拡大」 緊急メッセージ 奈良県 4/1 
大阪由来の一次感染の対策
1 大阪市での飲食・カラオケは控えましょう
2 通勤や通学などで大阪市へ行く場合も、寄り道しないで、まっすぐ帰りましょう
3 余暇は県内で。屋外や、感染防止対策がとられている場所が安全です。
家庭内感染の対策
4 家族に風邪症状の人がでたり、勤務先などで陽性者がでたら、できるだけ、家族と生活を分離しましょう
・食事や寝るときも、家族と別々で
・タオルや食器を、家族と共用しない
・お風呂は、感染しているリスクの高い人が最後に入る
クラスター対策
5 医療・福祉施設や職場などで感染者が発生したら、速やかに関係者全員のPCR検査を実施し、陽性者を隔離しましょう
6 感染症専門医等による現地指導を受け、施設内のゾーニングや消毒などを徹底しましょう
変異株への対応
7 近畿圏内で流行している変異株は英国株です。感染力が強いため、今まで以上に用心しましょう。
感染予防のための「3つの徹底」をお願いします
(1)手洗い、手指消毒の徹底
・家に帰ったら、まず手や顔を洗いましょう。できるだけすぐに、着替え、シャワーを浴びましょう。
・手洗いは30秒程度、水と石けんで丁寧に。
・手洗い後、清潔なタオルやペーパータオルでよく拭き取って乾かします。
・ウイルスが付着した手で目や口、鼻を触ると、ウイルスは粘膜などの細胞に付着して入り込んで増えます。ウイルスは粘膜に入り込むことはできますが、健康な皮膚には入り込むことができず表面に付着するだけと言われています。石けんを使った手洗いはコロナウイルスの膜を壊すことができるので、有効です。
(2)人との間隔は2m(最低1m)空けましょう
・会話は、できるだけ真正面をさけましょう
・症状がなくてもマスクを着用、咳エチケットの徹底、こまめに換気。
(3)症状がある場合の外出自粛の徹底
・毎朝の体温測定。
・発熱や、かぜ症状がある場合は、自宅で療養しましょう。できる限り、家族と部屋を分けましょう。
・高齢者や持病のあるような重症化リスクの高い人と会うときは、体調管理をより厳重に。
働き方
人との間隔をあけて
対面での打ち合わせは、換気とマスク
テレワークやローテーション勤務、時差出勤でゆったりと
会議や名刺交換はオンラインで
食事や休憩時にマスクを外したときは、会話を控える
買い物
少人数で、すいている時間に
レジに並ぶときは、間隔をあけて
娯楽・スポーツ
公園利用は、すいた時間、場所を選びましょう
ジョギングや自転車も少人数で、間隔をあけて
マスクを着用した状態で、息が上がるほどの運動は避けましょう
外食
多人数や向かい合わせ、長時間の会食や飲み会は控えましょう
大皿での取り分けをさけて、料理は個々に注文
会話は控えめに
発熱や身体がだるい、喉が痛いなどの症状がある人、数日以内に感染リスクの高い場所への訪問歴がある人は、参加を控えましょう
バーやクラブ等の接待を伴う飲食店や、その他の酒類の提供を行う飲食店のうち、感染拡大予防ガイドラインを遵守していない店舗の利用は、控えましょう。(従業員のマスク着用、換気、座席間にパーティションまたは1m以上のスペース、真正面の配置を避けるかパーティション 等)
使用済みマスク・ティッシュの捨て方
ごみに直接さわらない(ごみ箱に袋をかぶせる)
マスク等は、小袋や不要な紙で包んでから、ごみ袋に入れましょう
ごみ袋は、やぶれないように。空気を抜いて、しっかりしばって捨てましょう
ごみを捨てたあとは、しっかり手を洗いましょう
季節の行事(ハロウィン、クリスマス、大晦日、初日の出など)
参加される場合には 基本的な感染防止策を徹底しましょう。
基本的な感染防止策が徹底されていない季節の行事への参加は控えましょう。
特に、自然発生的に不特定多数の人が密集し、かつ大声等の発生を伴う行事、パーティ等へ参加は控えましょう。
当該行事の主催または参加にあたっては、適切な対人距離の確保、手指消毒、マスクの着用、大声での会話の自粛など、適切な感染防止策を徹底しましょう。
街頭や飲食店での大量または長時間・深夜にわたる飲酒や、飲酒しての季節の行事への参加は、なるべく控えましょう。
必要に応じて、家族同士で自宅過ごす、オンラインのイベントに参加するなどの新しい季節の行事の楽しみ方を検討しましょう。  
 
 
 

 

 
 
 

 


●罰則・支援で実効性確保=「まん延防止措置」新設―コロナ対策法成立 2/3
新型コロナウイルス対策の実効性向上を目的とした特別措置法、感染症法、検疫法の改正法が、3日の参院本会議で自民、公明両党と立憲民主党などの賛成多数で可決、成立した。営業時間短縮に応じない事業者らに行政罰の「過料」を科す一方、要請に応じれば支援することが柱。周知期間を置き、13日に施行される。
菅義偉首相は「感染者数を減少させるため、個人や事業者の権利に配慮しながら効果を挙げていきたい」と首相官邸で記者団に語った。
特措法改正では、緊急事態宣言に至らない段階で感染拡大を抑止するため「まん延防止等重点措置」を新設した。都道府県知事は宣言下で事業者に休業や時短を「命令」でき、違反者は30万円以下の過料を科される。重点措置の下でも時短命令に反すれば20万円以下の過料となる。
命令に際して立ち入り検査も可能とし、拒んだ場合の過料(20万円以下)を設けた。
休業や時短の影響を受ける事業者への支援は「効果的に講ずる」と規定。さらに付帯決議で、「経営への影響の度合い等を勘案する」と明記した。決議には重点措置に関し、国会に速やかに報告することも盛り込まれた。
感染症法改正では、入院を拒否したり、入院先から逃げたりした感染者に50万円以下の過料を科すことにした。保健所が感染経路を調べる「積極的疫学調査」を拒んだ場合は30万円以下の過料とした。
病床の確保に向けては、厚生労働相らが医療機関に勧告したり、それに応じない機関名を公表したりできるようにした。 

●まん延防止等重点措置
 2021年2月に成立した新型コロナウイルス対策に関する特別措置法およびその関連法の中で新設された措置。同措置は感染者が急増している状況下で緊急事態宣言を発出する状況(感染爆発)を防ぐため、予防的に地域を絞って集中的な対策を行うためのものである。そのため緊急事態宣言が発出されていない状況でも、新型コロナウイスル感染拡大に対する集中的な対策を行うことを可能としている。同措置は政府が対象とした都道府県の知事が市区町村などの単位で特定の地域を限定して対策を行うことができ、新型コロナウイルス感染症対策分科会が定めた感染状況の指標で「ステージ3」想定しているが、感染が局地的に、急速に広がっている場合は「ステージ2」での適用も行う。同措置適用のもとで都道府県が飲食店などの店舗や施設に対し行える措置は措置としては、従業員への検査受診の勧奨、入場者の整理、発熱などの症状がある人の入場の禁止、入場者へ感染防止のための措置の周知と、それを行わない人の入場禁止などで、これに従わない場合、罰則として過料を課すことができる。 
 
 
 

 


●「まん延防止等重点措置」とは? 3/31
「まん延防止等重点措置」「緊急事態宣言」違いは?
2021年2月13日に施行された新型コロナウイルス対策の改正特別措置法では「まん延防止等重点措置」が新設されました。緊急事態宣言が出されていなくても集中的な対策を可能にするものです。宣言との違いをみてみます。
【対象地域】
緊急事態宣言は、都道府県単位で出されます。一方「まん延防止等重点措置」は、政府が対象とした都道府県の知事が、市区町村など特定の地域を限定することができます。
【適用の目安】
宣言は感染状況が最も深刻な「ステージ4」に相当するかどうかが目安になります。「まん延防止等重点措置」は「ステージ3」が想定されていますが、感染が局地的に、急速に広がっている場合は「ステージ2」での適用もありえるとしています。
【措置講じる要件】
政府は、2月9日の閣議で、特別措置法に関係する政令の改正を決定しました。それによりますと「まん延防止等重点措置」を講じる要件については、新規陽性者数などの状況を踏まえ、都道府県で感染の拡大のおそれがあり、医療の提供に支障が生じるおそれがあると認められることと、定めています。
都道府県が飲食店などに行うことができる措置
「まん延防止等重点措置」のもとで、都道府県が飲食店などの店舗や施設に対して行うことができる措置としては、従業員への検査受診の勧奨、入場者の整理、発熱などの症状がある人の入場の禁止、入場者へ感染防止のための措置の周知と、それを行わない人の入場禁止などを定めています。
営業時間短縮の要請や命令できるが 休業要請は行えず
「まん延防止等重点措置」のもとでは、緊急事態宣言が出された際と同様に、知事が事業者に対し、営業時間の短縮などを「要請」し、応じない場合には「命令」することができ、いずれの場合も事業者名を公表することができます。
さらに「要請」や「命令」を行うため、必要な範囲で立ち入り検査などを行うこともできます。
ただ、緊急事態宣言のもとで可能となっている休業要請は「まん延防止等重点措置」のもとでは行えません。
正当な理由がなく「命令」に応じない事業者や、立ち入り検査を拒否した事業者への罰則は、まん延防止等重点措置のもとでは20万円以下の過料、緊急事態宣言のもとでは30万円以下の過料となっています。 
 
 
 

 


●政府のコロナ「第4波」対策に違和感を強く覚える理由、救急医が提言 4/1 
政府が「第4波」に備えて出した「医療提供体制の整備」の大号令
政府は第4波に向けて、医療提供体制確保の大号令を出した。令和3年3月24日付の「今後の感染拡大に備えた新型コロナウイルス感染症の医療提供体制整備について」という事務連絡だ。実に42ページにわたるこの文書が各都道府県、保健所設置市、特別区宛に通知された。
国が第3波までの医療崩壊の反省を踏まえて、「今度こそは…」という気持ちで作った文書だと感じる。
いわく、「これまでの2倍の感染者数を想定せよ」「1月の東京のように感染者数が1〜2週間で急激に増加する場合の対応も考えよ」「不要不急の入院や手術などを止めることも考えよ」と懇切丁寧に書かれている。
文書の終盤には「チェックポイントのイメージ」なる表も用意され、この点に注意して医療提供体制を整備しなさい、という都道府県などに対する「指南書」の様相だ。
しかし、文書通りにいくのか懸念は拭えない。詳しくは後述するが、「カネ」「権限と責任」「安全」の3つの問題が解消されていないからだ。
各医療機関がコロナ診療にいまだ「及び腰」の理由
なぜ各医療機関はコロナ診療にいまだ「及び腰」なのか。
まず、新型コロナの患者を診療するとコストが増すだけでなく、風評被害でコロナ以外の患者が減り、経営が悪化するという懸念がある(カネの問題)。さらに、行政から「お願い」はされても「命令」されない以上、各医療機関はこれまで自分たちが慣れ親しんだ医療を大きく変えるリスクを冒さない(権限と責任の問題)。そして、中小の医療機関を中心にヒト・カネ・ノウハウが不足しているから、医療従事者自身や新型コロナ以外の患者への感染の不安がある(安全の問題)。
国の反論はこうだろうか。
「既に多くの補助金や診療報酬の改定をしており、新型コロナウイルス患者を診療をしても黒字になるはずだ」
確かに、大規模な医療機関にはそれらの制度を活用して、黒字に転じたところもある。しかし、補助金や診療報酬をうまく活用できていない医療機関が多いのが現実だ。
制度はときに複雑で、それに精通している人材や部署を持つ組織は対応可能だが、中小零細企業には難しいことも多い。日本の医療機関数は8000余で世界一多く、大半が中小だ。大病院と同じように制度をうまく活用できるとは限らないからだ。
また新型コロナの診療はしていないが、コロナ禍で患者が減り、収入が減少した多くの医療機関に対する支援は不足している。補助金はわずかで、原則的には融資、つまり借り入れである。無担保・無利子で償還期間も長く設定されているが、患者数の回復が見込めない状況で借金をするのはハードルが高い。実際に多くの医療機関はいまだ経営が苦しい。看護師らの待遇も大きな話題や政治課題になったのに、実際の改善は不十分で、離職者は増えている。
もちろん、苦しいのは医療業界だけではない。ただ、コロナウイルスとの戦いの最前線の一つが医療機関であることは間違いない。医療提供体制が崩れると、感染者数のわずかな増加で自粛が必要となり、他の業界をさらに苦しめる。
そもそも医療は新型コロナウイルスだけでなく、それ以外の病気も診療できて初めて万全となる。コロナ診療をしている医療機関だけを助けても、わが国の医療提供体制は盤石にはならないのだ。
行政からの「お願い」だけではこれまでの医療を変えることは難しい
権限と責任の問題はどうか。結局、改正新型インフルエンザ特措法や改正感染症法を読んでも、行政が医療機関に新型コロナウイルス診療を命ずる権限を持ち、その結果に対して責任を持つようには読めない。
「要請」や「指示」「総合調整」なる言葉は出てくるが、どれくらいの強制力があるのかはっきりしない。イギリスのNHS(国民保健サービス)のように、「あなたの病院は1カ月後に、50人の重症患者のための病床を確保しなさい」というような具体的な指示は今も出ない。
日本には民間医療機関も多く、法の権限は及ばないという識者の声も耳にする。しかし、そもそも日本の医療は国民皆保険であり、極めて公的な営みだ。この期に及んで「必要な法改正ができない」という理由は、その法が憲法に抵触しない限り見当たらない。
大病院ともなると多くの診療科があり、それぞれに部長がいる。彼らの利害、各診療科を受診する患者さんの優先順位を調整するのは院長といえども容易ではない。
行政からお願いされただけでは、これまでの医療を変えることは難しい。コロナ患者であるか否かにかかわらず、多くの国民の命を守ることが最重要課題だとすれば、パンデミックという災害医療(医療需要が医療供給を上回る状態)を各医療機関任せにしてはいけない。
「命令と責任の体系」「医療資源の再配置」「疾患の種類にかかわらず重症患者を優先するトリアージ」が必要だ。
中小の医療機関を中心にコロナ診療に不安を覚えているところは多い
最後に安全の問題だ。中小の医療機関を中心に人員と資金、ノウハウの問題で、コロナ診療に不安を覚えているところは多い。
特に高齢の医師が多い開業医の不安は理解できる。事実、初期にイタリアで亡くなった医師のほとんどが高齢開業医だったという報道もあった。ヒト・カネ・ノウハウを提供して診療を支援すべきだ。コロナ患者を診療しても住民がその医療機関を忌避せぬよう、メディアやネットを通じて、行政が十分なリスクコミュニケーションをする必要がある。
「最後のピース」が埋まっていない
筆者は、この文書を出した厚生労働省の官僚の皆さんを批判しているのではない。むしろ、この行政文書からは「医療崩壊を食い止めたい」という熱意さえ感じられる。しかし、どうも隘路(あいろ)に陥っている感が否めない。
「最後のピース」が埋まっていないのだ。
ずばり、それは政治家の言葉と決断だ。「うまくやれば、きっとあなたたちは生き残れるし、皆さんが協力してくれれば、たぶん医療崩壊は起きないですよ」では心もとない。
例えば、こういう約束はできないだろうか。
「このコロナ禍は国難です。災害です。すべての医療機関が一丸となって、国民の命を守るときです。ですから、診療所から大病院に至るまで、我々の指揮下に入ってください。災害医療の専門家を据えて対策本部を作り、病気の種類にかかわらずできるだけ多くの方を救えるように、医療機関の枠を超え適正なスタッフ配置を行い、皆さんに働いてもらいます。その代わり、責任は我々政治家が取り、皆さんを守ります。新型コロナウイルスの患者さんの命も、それ以外の病気の患者さんの命も守ろうではないですか。経営の心配などいりません。既に高給をもらっている人は別にして、看護師さんをはじめとして最前線で戦ってくれている皆さんの給料は倍にします。そして、皆さんを感染させないし、休みもしっかり取ってもらいます。ですから、今は一緒に戦ってください」と…。
もっとも、今回の行政文書に書かれた内容は非常に参考になった。しかし、もっと大切なことは各都道府県に十分な予算をつけ、権限と責任を持たせ、自ら考えさせることだ。
政策が複雑かつ曖昧で、不十分な形でしか現場に届いていない。今こそ政治が責任を果たす覚悟を持ち、明確な指示を出して、シンプルで実効性のある政策を実施すべきだ。
それがない限り、同じことが繰り返される。「ワクチンの福音」でかろうじて今回を乗り越えたとしても、また同じ場面はあり得るだろう。未来世代のためにも、今こそ「危機に強い医療提供体制」作りを進めるべきだ。 
 
 
 

 


●首相、第4波を問われ「大きなうねりではないが警戒感」 4/5 
菅義偉首相は5日午前、緊急事態宣言に準じる「まん延防止等重点措置」を適用してから初めて、参院決算委員会に出席した。新型コロナウイルスの全国的な感染拡大による「第4波」の可能性について問われ、「現時点において、第4波という全国的な大きなうねりとまではなっていないが、政府としては強い警戒感をもって対応していくことが必要だ」と述べた。
立憲民主党の古賀之士氏の質問に答えた。
首相は現状の感染状況について「全国の新規感染者数は3月上旬以降、増加が継続している。特に大阪、兵庫は感染の再拡大がおこっており、(首都圏の)1都3県は新規感染者数は微増だが、人流が急増しており、今後感染再拡大の懸念もある。宮城、山形、沖縄でも若年から中年層を中心に感染拡大がみられる」との認識を示した。
一方、「緊急事態宣言の解除が早すぎたのではないか」との指摘に対し、「2月下旬の段階では感染者数も大きく減少し、病床の状況も改善しており、解除の基準を十分に満たしていた。知事から要請があり、専門家の意見を聞いて宣言を解除した」と述べた。 
 
 
 

 


●東京も「まん延防止等重点措置」要請 緊急事態宣言との違いは  4/8 
新たに545人の感染が確認された東京都。今後、急速な感染拡大が懸念されるなどとして、政府に対して「まん延防止等重点措置」を適用するよう要請しました。この「まん延防止等重点措置」、どのような措置?「緊急事態宣言」とはどう違うの?
「まん延防止等重点措置」は、ことし2月に成立した新型コロナウイルス対策の改正特別措置法で新たに設けられました。緊急事態宣言が出されていなくても集中的な対策を可能にしたもので、総理大臣が措置を講じるべき都道府県と期間を公示します。緊急事態宣言が都道府県単位で出されるのに対し、重点措置では、対象となった都道府県の知事が市区町村など特定の地域に対策を講じることになります。また、緊急事態宣言が感染状況が最も深刻な「ステージ4」に相当するかどうかが目安になっているのに対し、重点措置の適用は「ステージ3」が想定され、感染が局地的に、急速に広がっている場合は「ステージ2」での適用もありえるとされています。
そして、重点措置のもとでは、宣言が出された際と同様に、知事が事業者に対し、営業時間の短縮などを「要請」し、応じない場合には「命令」することができ、いずれの場合も事業者名を公表することができます。さらに「要請」や「命令」を行うため、必要な範囲で、立ち入り検査などを行うこともできます。ただ、宣言のもとで可能となっている休業要請は、重点措置のもとでは行えません。正当な理由がなく「命令」に応じない事業者や、立ち入り検査を拒否した事業者への罰則は、重点措置のもとでは20万円以下の過料、宣言のもとでは30万円以下の過料となっています。
8日に開かれた東京都のモニタリング会議で専門家は、感染力の強い変異ウイルスが都内でも著しく増加していると報告したうえで、今後について「爆発的に感染拡大して、第3波を超えるような経過をたどることが危惧される」と強い危機感を重ねて示しました。
東京都の感染状況をみると新規陽性者数の7日間平均が、先週の先月31日時点のおよそ349人から7日時点はおよそ395人となり、前の週からの増加比は113%で3月中旬から継続して100%を超えていると報告しました。そして、増加比が113%で継続すると、1日当たりの新規陽性者が、2週間後には1.28倍のおよそ500人に、大型連休後にあたる4週間後には1.63倍のおよそ640人になると分析しました。専門家は「新年度を迎えてさらに人の流れが増加しており、急激な感染拡大への厳重な警戒が必要だ」と指摘しました。
東京都の小池知事は記者団に対し「変異株の感染者が急増し、質的に変わってきている。東京もいつ大阪のような状況になってもおかしくない」と述べました。そのうえで「厳しい状況にあるということを認識しつつ、危機管理の観点から国に対して重点措置の適用を要請した。まずはまん延防止だが、感染状況次第で、緊急事態宣言の発出など、さらなる対策についても検討するよう合わせて要請した」と述べました。また、重点措置が適用される期間や対象については「大型連休の全体をカバーできるくらいの方がいいのではないか。地域については、感染状況などを総合的に判断したうえで若干、区切ることになると思う」と述べ、国とも協議して、検討を進める考えを示しました。
また、京都府の西脇知事は、8日夕方記者団に対し、府内で新型コロナウイルスの感染が急拡大していることを受けて、国に対し「まん延防止等重点措置」の適用を要請する考えを示しました。このほか沖縄県も「まん延防止等重点措置」の適用について、政府からの打診を受けて、要請を行う方針を固めました。
菅総理大臣は記者団に対し「要請を受けて、5大臣会合を開催し、東京都の『重点措置』について、あす、専門家による分科会に諮ることを決定した」と述べ、東京都に「重点措置」を適用する方針を明らかにしました。一方で、菅総理大臣は「東京以外の地域や期間については、まだ何も決まっていないが、地元の自治体と検討しながら、機動的に早急に方向性を出していきたい」と述べ、感染状況が悪化している、ほかの地域についても「重点措置」の適用が必要か検討する考えを示しました。
8日夜の政府の分科会では「まん延防止等重点措置」について、基本的に「ステージ3」と判断されれば、感染が拡大しそうなときに急ブレーキをかけるための「サーキットブレーカー」として強い対策を早期に講じることが重要だなどという提言案が示されました。提言案は、分科会での議論を経て正式に決定される見通しです。 
 
 
 

 


●3都府県への「まん延防止等重点措置」基本的対処方針を変更へ  4/9
東京など3都府県への「まん延防止等重点措置」の適用に合わせて、政府は新型コロナウイルス対策の基本的対処方針を変更し、不要不急の都道府県間の移動を極力控えるよう促していくことにしています。
基本的対処方針の変更案では「まん延防止等重点措置」の区域に、東京都や京都府、沖縄県を加えるとしたうえで、期間については、東京は今月12日から来月11日までの30日間、京都府と沖縄県は、今月12日から来月5日までの24日間としています。
そして、すでに重点措置の対象地域となっている大阪府などと同様に、飲食店に対して営業時間を午後8時までに短縮し、お酒の提供は午前11時から午後7時までとするよう要請するとしています。
また「昼カラオケ」によるクラスターの発生を防ぐため、飲食店でのカラオケ設備の利用自粛を求めるほか、感染防止対策を行わない人の入場禁止などを、知事の判断で飲食店に要請するなどとしています。
さらに、ほかの地域への感染拡大を防止するため、不要不急の都道府県間の移動は、極力控えるよう促すことを、新たに求めています。
一方、変異ウイルスに感染した人の退院基準が厳格化し、入院が長期化する傾向にあるとの指摘を踏まえ、国立感染症研究所の分析に基づいて見直しを図り、入院や宿泊療養などの措置を適切に講じていくとしています。

●「効果薄ければ緊急宣言検討」 まん延防止措置で、尾身氏 4/9
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は9日の衆院厚生労働委員会で、同日東京都などに適用が決まる「まん延防止等重点措置」を緊急事態宣言に切り替える可能性について問われ、「効果が薄ければ、緊急事態宣言を検討するのは当然だ」と述べた。
尾身氏は、重点措置が適用された後でも、夜間の人流が減らないなどの傾向が続けば「どんどん感染者は増える」と指摘。新規感染者数などの指標がステージ4に近づけば、緊急事態宣言を検討するべきだとした。 

●失敗に学ばないコロナ対策 まん延防止措置を踏まえて 4/9
4月1日、政府は、5日から5月5日までの1カ月間、大阪府・兵庫県・宮城県に「まん延防止等重点措置」(まん延防止措置)を適用することを決定した。
関西地域については、緊急事態宣言が解除されてからわずか1カ月で、内容に相違があるとはいえ、感染抑制のための法的な措置が導入されたことになる。
12日から東京都や京都府、沖縄県にもまん延防止措置が適用される。いくつかの都道府県で新規感染者数が過去最高を記録しており、「第4波」の到来が迫っている。
昨年の第1波への対応は、初めてでもあり試行錯誤だったとしても、昨年夏以降の政府や地方自治体の対応は、これまでの経験から十分に学んだものとは言えない。日本の政治や行政に内在する根本的な問題を探る。
増幅する感染の波
新型コロナウイルスの感染は、第1波(ピークは2020年4月下旬)、第2波(ピークは2020年8月上旬)、第3波(ピークは2021年1月半ば)と、新しくなるたびに拡大している。
例えば、第3波の全国の重症者の数はピーク時に1000人を超え、それは第1波のピーク(4月30日、328人)の3倍超である。これら三つの波の端緒にはいずれも連休があり、人々の移動や行動の活発化が背景にある。
人々の気の緩みや自粛疲れから来るものであり、それほど重症化しない若者の行動がある。
第2波の際には、日本医師会の中川俊男会長は、「我慢の4連休としていただけないでしょうか」と発言し、危機感を表明している(「日経新聞」2020年7月25日)。
7月22日からは、コロナで打撃を受けた観光業への支援策「GoToトラベル」が、東京都民と都内への旅行を対象外として実施された。しかも、当初感染が収まってから実施するとしていたが、それを見極めないまま「前倒し」実施された。10月1日以降、東京発着の旅行も支援の対象となった。
菅義偉首相は、繰り返し、GoToが直接感染を拡大させた証拠はないと述べたが、人の移動がウイルス感染を拡大させる原因であることを考えれば、「GoToが感染を拡大させなかった証拠はない」というのが正しい見方ではないか。
さて、昨年夏以降を振り返ると、新規感染者数(全国)は、 8月第1週をピークとして減少が続いた後、ほぼ横ばいであったものの10月以降微増傾向が続いた。
こうした中、11月9日に開かれた新型コロナウイルス感染症対策分科会(専門家などで構成)が、急速な感染拡大を抑えるため、「緊急提言:最近の感染状況を踏まえた、より一層の対策強化について」を発表した。
その後も分科会は、感染拡大を沈静化させるための政府への提言を繰り返した。しかし、感染者数は増えて、12月半ば以降急増する。12月14日には、GoToトラベルが全国一斉に停止されると発表した。
年末の12月25日の記者会見で菅首相は、2回目の緊急事態宣言の発出に否定的な態度を示し、1月1日の年頭所感でも特に触れていなかった。にもかかわらず、4日になって急に緊急事態宣言の検討が表明された。
2日に小池百合子東京都知事が西村康稔経済再生担当相に緊急事態宣言を要請したことが直接の経緯ではあるが、12月31日には都内の新規感染者が1337人と過去最高を更新しており、国、なかんずく菅首相の認識は甘く、国の対応は遅かったと言わざるを得ない。
1月8日にようやく2回目の緊急事態宣言が発出され、首都圏(1都3県)、栃木、岐阜、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡が対象となった。
2月13日には、新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正法案が施行され、まん延防止措置や事業者が営業時間の変更などの命令に従わない場合には過料を科すといった内容が規定された。
緊急事態宣言の期間中は感染者は徐々に減少し、2月8日に栃木が解除、3月1日に首都圏以外の2府4県も解除、最終的には、3月21日に首都圏も解除される。
この間、厚生労働省のアドバイザリーボードは、「全国の新規感染者数は、報告日ベースでは、1月中旬以降(発症日ベースでは、1月上旬以降)減少が継続、直近の1週間では10万人あたり約5人となっているが、2月中旬以降減少スピードが鈍化しており、下げ止まる可能性やリバウンドに留意が必要」(3月3日)と分析している。効果のない宣言を継続していても意味がないが、解除後の対策や方針は十分とは言えない。
新型コロナウイルス感染症対策本部(第59回、4月1日)では、3月31日に開催された厚労省アドバイザリーボードの評価が示されているが、そこでは、「緊急事態宣言が解除されたが、大都市圏では関西で感染が再拡大し、東京でも新規感染者数の増加が続いている。また、今般の緊急事態措置区域以外の地域でも、宮城・山形、沖縄で感染者が急増している。感染が増加している地域においては、効果的な感染抑制のための取り組みが必要」と指摘され、さらに変異株への対応が必要と強調されている。
そして、4月1日に大阪、兵庫、宮城の3府県へのまん延防止措置適用を決定した。3日、大阪府の感染者は666人と3日時点で過去最高になり、人口10万人当たりの直近7日間の新規陽性者数は39.2人となり、政府の分科会が最も深刻なステージ4(感染爆発)の目安とする25人を大きく上回った。
早晩東京などもそうした状況になる可能性がある。第4波の到来が目前に迫っている。
失敗の本質
コロナ対策は欧米でも失敗している。例えば英国では、変異種の拡大から1月に3回目のロックダウン(都市封鎖)が実施され、生活必需品を扱う店舗以外の商店の営業が禁止されるなどの措置が取られている。
他方、台湾やニュージーランドなど、感染を抑え込んでいる国もある。致死率などの指標で、日本は、欧米よりは優れているが、アジア諸国の中では劣っている。
ニッセイ基礎研究所は、人口当たりの感染者数、致死率、国民総生産(GDP)損失などの指標を使って、コロナ対応に成功している世界50カ国のランキングを発表している(同研究所ホームページ「コロナ禍を上手く乗り切っているのはどの国か?−50か国ランキング(2021年2月更新版)」を参照)。
これによると、2021年2月時点で、日本は第14位である。1位台湾、2位ニュージーランド、3位シンガポール、13位韓国、29位米国、46位英国などとなっている。
興味深いことは、2020年10月時点のランキングでは、日本は第4位だったことだ。国によって医療体制などの相違があり、単純な比較はできないが(評価基準のバイアスもある)、日本の順位の低下は昨年末以降の対応の失敗を物語っている。
感染症対策の根本的な難しさは、「経済活動と感染防止の両立」にある。問題は、「両立」の意味である。筆者は、同じ時点において両立を図ることはできないと考えている。
台湾など成功している国に共通するのは、最初に、迅速かつ強力な感染拡大防止措置をとったことである。そうすれば、短期間で抑え込むことが可能になり、その後は経済活動を再開できる。新型コロナウイルスの潜伏期間は最長で2週間程度と言われていることから、全国民が2週間一歩も外に出なければ、感染は収束する。つまり、両立には、優先順位が必要なのだ。
第3波への対応が失敗した理由の第1は、感染拡大の初期において、迅速かつ強力な措置がとられなかったことである。先に述べたように、昨年11月に、分科会が強い対策を政府に求めたものの、GoToトラベルの停止は遅くなった。11月25日、西村大臣は「勝負の3週間」と銘打って、飲食店に対する営業時間の時短措置などの緊急対策を実施したものの、感染者数は増大し、効果は乏しかった。
2回目の緊急事態宣言は1カ月以上遅かったと言えるだろう。そして、緊急事態宣言も、当初感染者数は低下したものの、2カ月半もだらだら続き効果を失った。
こうした対応の遅さは、菅首相らが、衆院選を意識して ・・・ 
 
 
 

 


●京都のコロナ「第4波」、若者中心にスピード拡大 病床使用率も再上昇 4/10 
新型コロナウイルスの緊急事態宣言に準じる「まん延防止等重点措置」が、京都府に適用されることになった。重点措置に対し慎重な姿勢を示していた府が政府への適用要請にかじを切ったのは、若者を中心とする感染の急拡大への焦燥感だ。今後、感染の主流が重症化リスクのある高齢者へと移行する恐れがあり、府や医療関係者は危機感を募らせている。
「医療現場への負荷が増えて救える命も救えなくなる。そういう事態をなんとしても避けるため、やむなくまん延防止等重点措置の適用を要請することにした」。9日に開いた新型コロナ対策本部会議後の記者会見で、西脇隆俊知事は硬い表情を見せた。
およそ1週間前の1日、西脇知事は重点措置について「京都はその状況ではない」と述べたばかりだった。短期間で方針を変えざるを得なかった要因は、主に急速なカーブを描く感染者増で、一体的な都市圏を構成する大阪府や兵庫県の感染拡大も考慮された。
感染状況を分析すると、若者の割合がこれまで以上に増えている。宣言解除後の3月1日〜4月8日では感染した956人のうち、20代と30代が約44%を占め、年末年始の感染拡大「第3波」の約30%より高い。ゲストハウスを貸し切った大学生の宴会でクラスター(感染者集団)が発生するなど、飲食機会での感染が目立つ。
一方で、4月1日以降は60代以上の感染者がじわりと増えてきている。病床の使用率も宣言解除後は10%台が続いていたが、現在は40%を超えている。
京都府医師会の松井道宣会長は「第3波も最初に若い人が中心で、職場や家庭などに持ち込まれて高齢者に感染が広がった。そして重症化する人が増えた」と病床が逼迫(ひっぱく)した年末年始と構図の類似性を指摘する。その上で「このままだと1〜2週間後には間違いなく同じ経過をたどる。今、止めないといけない」と強調する。 
 
 
 

 


●大阪の感染状況厳しくも…菅総理 第4波にないと認識 4/12
「第4波」にはあたらないとの認識を示しました。
菅総理大臣:「(大阪の感染)状況は今の方が厳しくなっているというふうに思っています。(大阪府と)連携しながら対応をしているところです」
菅総理は今の大阪府の感染状況について、緊急事態宣言を出した1月と比べて「厳しくなっている」と述べましたが、“宣言”の発出については明言を避けました。
政府は飲食店への時短要請や見回りの効果を見極めたい考えです。
また、菅総理は「全国的に大きなうねりとまではなっていない」として、第4波にあたらないとの認識を重ねて示しました。

●第4波の中の新学期、沖縄の学校の対応は? 4/12
新型コロナウイルスの感染拡大で「第4波」が到来する中、沖縄県内の学校で新学期が始まった。県教育庁は昨年4月のような一斉休校は想定せず、学びの場の確保と感染拡大防止の両立に注力。検温やマスク着用など感染防止対策を徹底した上で通常登校を基本とし、感染が確認された児童・生徒は家庭学習とするなどの対応を取っている。
政府は昨年2月末、全国の公立学校に臨時休校を要請。県内では3月からほとんどの学校で臨時休校が続き、4月の新学期も延長された。保護者からは休校中の子どもの居場所確保や学習の遅れを懸念する声が上がっていた。
これらを受け、県教育庁は今年1月に感染症対策ガイドラインを策定。「可能な限り学びを止めない」(金城弘昌教育長)ことを原則とし、県の警戒レベル4段階のうち、感染流行期に当たる第3段階までは通常登校とすることなどを決めた。感染まん延期に当たる第4段階でも通常登校が基本だが、地域ごとの時差登校や分散登校、臨時休業などを検討・実施するよう求めている。
校内では児童・生徒らはマスクを着用しているため、基本的に1人の感染だけを理由とした休校はしない。複数の感染者が出た場合でも大規模な感染ではない限り、学級、学年単位の休業にとどめる。
体育の授業や部活動は、感染リスクの高い活動は見直すよう要請。熱中症対策などからマスク着用の必要はないとしつつ、児童・生徒の間隔を十分確保するよう求めている。
新型コロナを担当する県教育庁保健体育課は「手指の消毒など日ごろの感染予防対策の徹底が大切だ。学校内でクラスター(感染者集団)を発生させないためにも、体調不良の場合は登校を控えてほしい」と強調。学びの場の確保のため、感染予防に力を入れている。
 
 
 

 


●大阪、13日の新規コロナ感染1099人 初の1000人超え 4/13 
大阪府は13日、新たに1099人の新型コロナウイルス感染が確認されたと発表した。
新規感染者が1000人を超えるのは初めて。これまで最多だった10日の918人を181人も上回り、感染拡大が深刻な状況だ。
また、大阪府は新型コロナウイルスに感染して亡くなった人が新たに8人確認されたと発表した。
大阪府では5日から「まん延防止等重点措置」の適用を受けているが、感染拡大に歯止めがかからず、7日には224ある重症病床床の運用率が70%に達し、独自基準の大阪モデルに基づいた赤信号を点灯し「医療非常事態」を宣言している。
吉村洋文知事は「まん延防止等重点措置」効果が出なかった場合、来週にも国に緊急事態宣言の発出を要請する考えを示している。
菅義偉首相は12日、衆院決算行政監視委員会で、大阪の感染状況について1月の緊急事態宣言の発令時よりも「厳しくなっている」と発言している。 
 
 
 

 


●コロナ変異株、急速に置き換わり 4/14
国内で14日に確認された新型コロナウイルス感染者数が4千人を超えた。4千人を超えたのは1月28日以来。厚生労働省に対策を助言する専門家組織は、変異株が東京や愛知でも増えており、従来株から急速に置き換わりつつあるとの分析をまとめた。
政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長らは相次いで流行の「第4波」にあるとの認識を示し、政府に迅速な対応を求めた。
専門家組織は、首都圏と関西、東海、沖縄で、感染力の強い「N501Y変異」を持つ変異株の割合がどの程度増えるかを推計。5月前半には首都圏で8〜9割程度、既に主流化して いる関西でも90%台後半に達する見込み。

●「第4波」認識、専門家「だんだん高い波」 西村大臣「定義づけていない」 4/14
新型コロナウイルスの感染急拡大が続く、現状について政府と専門家の認識のずれが鮮明となった。西村康稔経済再生相は14日の衆院内閣委員会で野党から、感染拡大の第4波について「波状口撃」で問われたが「政府として何が第1波、何が第2波というような、必ずしも定義づけているわけではない」などと、回答を避け続けた。
だが、西村氏の直前に同じ内容の質疑を受けた新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は「今の状況は第4波と言って差し支えない」と明言し、同じ委員会室で答弁した西村、尾身両氏の認識は食い違った。この日の会見で日本医師会の中川俊男会長も「波という意味では第4波だと思う。だんだんと高い波になってきた」と警戒感をあらわにした。前日13日に緊急会見を行った東京都医師会の尾崎治夫会長も感染拡大の「第4波に入っている」と断言するなど、専門家の意見は一致している。
ところが、政府の認識は専門家と一致しない。菅義偉首相は、この日の参院本会議で「現時点で全国的な、大きなうねりとまではなっていない」と、これまで通り、第4波の到来を否定した。6日の国会答弁で「必ず波は起こる。ゼロにはできない。何度でも起こる。次の波が来ている」と、第4波との認識を示した西村氏だが、この日は一転して「総理にも毎日のように報告している。認識はまったく一致している」と手のひらを返した。
まん延防止等重点措置が適用される中、大阪府や兵庫県などで急速な感染拡大が止まらない。政府中枢と専門家の現状認識がずれたままでは、緊急事態宣言の再々発令などのタイミングも、ずれてしまう懸念はぬぐえない。 

●第4波が第3波上回る 感染力強い変異株が猛威 新型コロナ 4/14
新型コロナウイルスの新規感染者が14日、初めて500人を超えた兵庫県。これまでに襲った四つの波を比べると、現在の「第4波」は3月以降の1カ月半という短期間ながら、既に1日の陽性者や入院患者などで、秋冬4カ月間の「第3波」のピーク時を上回っている。感染力が強いとされる変異株が猛威を振るう現状を示しているとみられる。
県内では昨年3月に感染者が初めて確認されてからの1年間では、第3波が陽性者や死者などで突出していた。だが今月の感染急拡大に伴い、1週間の陽性者の1日平均や入院患者、重症者が、連日過去最多を更新。1日当たりの新規感染者のピークも、第3波の最大だった324人を大幅に上回った。

●緊急宣言、早期発令が必要=感染者急増で「第4波」―日医会長 4/14 
日本医師会の中川俊男会長は14日の定例記者会見で、今月末からの大型連休で人の動きがさらに増え、新型コロナウイルスの感染者急増が全国に波及する恐れもあることを踏まえ、「早期の緊急事態宣言の発令も必要だ」との認識を示した。現在の感染状況については「第4波だと思う」と言明した。
中川氏は大阪府内の新規感染者が1000人を超えたことを受け、「必要なときに適切な医療を受けることができないという『医療崩壊』が始まっている」と指摘。その上で「このような状況は、3週間遅れで宣言を解除した首都圏1都3県でも発生する恐れがある」と警鐘を鳴らした。
さらに、新型コロナ対策の「まん延防止等重点措置」の適用が各地で広まっていることから「全国的に感染者が急増しているという認識をした方がいい」と強調した。  

●日医会長、早期の緊急宣言必要 第4波、大阪は医療崩壊 4/14 
日本医師会の中川俊男会長は14日の記者会見で、大阪府などの新型コロナウイルスの感染状況について「第4波だ」との認識を示し、まん延防止等重点措置による対応ではなく「状況によっては、早期の緊急事態宣言発令も必要だ」と述べた。
大阪府については「既に医療崩壊が始まっている」と指摘。「3週間遅れで宣言を解除した首都圏1都3県でも発生する恐れがある」との危機感を示した。
さらに「全国的に感染者が急増している」として、「先手を打たないと新型コロナには立ち向かえない。みんなが『仕方がない』と思った時点で宣言を発令するのは、タイミングとして適切ではない」と語った。 

●日本医師会会長「第4波にある 早期の緊急事態宣言 検討を」 4/14
新型コロナウイルスの感染状況について日本医師会の中川会長は感染拡大の第4波にあるとして、病床のひっ迫を避けるためにも早期の緊急事態宣言を検討する必要があるという認識を示しました。
日本医師会の中川会長は記者会見で、現在の感染状況について「波という意味では第4波であり、だんだん高い波になってきた。全国的に感染者が急増していると認識したほうがよい」と述べました。
そのうえで「状況に応じて早期の緊急事態宣言の発令も必要だ。結局、発令することになるのであれば、できるだけ早く発令するほうが効力を発揮する」と述べ、病床のひっ迫を避けるためにも早期の緊急事態宣言を検討する必要があるという認識を示しました。
さらに、医療提供体制について「大阪ではすでに必要な時に適切な医療を受けることができない『医療崩壊』が始まろうとしており、首都圏の1都3県でも発生するおそれがあると考えなければならない」と述べ、警戒感を示しました。

●尾身会長「第4波に入っている」 緊急事態宣言にも言及 4/14 
政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長は14日の衆院厚生労働委員会で、感染者が再び急増している現状について「第4波に入っているのは間違いない」と述べた。13日に確認された新規感染者数は、大阪府では初めて1日当たり1千人を超える1099人、東京都では510人となっている。
立憲民主党の長妻昭氏への答弁。特に感染者が多い大阪に関して、まん延防止等重点措置ではなく、緊急事態宣言がすぐに必要だとする質問に対し、尾身氏は「緊急事態宣言を出す可能性は十分検討する必要がある」と述べた上で、「『人流』は減っているので、新規の感染者数はいずれ頭打ちする可能性がある」とも指摘した。
その上で「一番大事なのはいまの状況をどう好転するか。緊急事態か重点措置かではなく、今やるべきことがあるならば、それに集中すべきだ」とした。 

●“第4波に入った”神奈川・病床確保へ独自アプリも 4/14
新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。東京都では14日、緊急事態宣言解除後、最多となる591人の感染が確認されています。政府の対策分科会・尾身会長は危機感をあらわにしました。
新型コロナ分科会・尾身会長:「第4波に入っているというのは間違いないと思う。(大阪について)一番大事なことは、いまの状況をどう好転するか。特に医療供給体制、まん延防止等重点措置で不十分だとの判断があれば、すぐに緊急事態宣言に変えるべき」
一方、菅総理は、第4波との認識を否定しました。
菅総理:「現時点で全国的な大きなうねりとまではなっていないものと考えている」
政府は14日、愛知県について、まん延防止等重点措置の適用について、近く判断する方針を示しました。また、埼玉県についても、感染拡大が続けば、まん延防止等重点措置を適用する検討を始めています。
神奈川県は、政府に、まん延防止等重点措置の適用を要請するか、15日の対策本部で決める方針です。神奈川県の14日の感染者は205人。200人を超えたのは、2月6日以来です。もともと黒岩知事は、一日の感染者が200人程度を超えた場合、政府に、措置の適用を要請する考えを示していました。
黒岩知事:「変異株が、どんどん広がってきている。(新規感染者数の)30%を超える状態になってきている。205人という数字だけではなくて、まん延防止等重点措置を要請する段階に来ているのでは」
神奈川県では、第3波の際、県全体の病床使用率が90%を超えるなど、医療崩壊寸前でした。そこで、神奈川県は第4波に備え、回復した患者を、いかにスムーズに搬送するか独自の体制づくりを進めてきました。県は今年1月に、専門チームを設置。回復した患者の受け入れを要請して回り、新たに580床を確保しました。さらに、独自のアプリを活用し、調整作業の効率化を図ります。その結果、これまで転院先を見つけるのに1日以上かかっていたのが、ほぼ2時間以内に短縮できたといいます。
神奈川県医療危機対策統括官・阿南英明医師:「患者の移動を効率よく行って、新しい患者さんを、どんどん受け入れられるようにする。単純に、物理的に病床を増やすだけではなくて、効率的運用をして、多くの医療機関で役割を分担して、それぞれの病院が、それぞれの役割を果たす」
過去の教訓を生かして、第3波の1.5倍の感染者に対応できる体制を整えました。
横須賀共済病院・長堀薫院長:「第3波よりは回転力、効率は良くなっている。これはだいぶ心強い。そこが整備されていないと、重症者用ベッドに治った患者もいないといけないことに。そこが大きく違う」
一方、大阪府では14日、新たに1130人の感染が確認されました。2日連続で、過去最多を更新です。
吉村知事:「まん延防止等重点措置の効果が不十分であれば、直ちに緊急事態宣言を要請したい。より強い内容の対策が必要になると思っている。名前だけ緊急事態宣言に変えても、やっていることが同じでは意味がない」
再び、緊急事態宣言が出た場合は、百貨店やテーマパークなど、大規模な商業施設に休業を要請すべきだという認識を示しました。また、感染拡大を防ぐための、新たな一手として、若い世代への対策を強化します。学校でのクラブ活動について、原則、休止とするよう呼び掛けました。大学に対しては、原則、オンラインで授業するよう要請します。
現在、大阪府の重症者は239人。確保している重症病床232床を上回りました。大阪府は、このペースでの感染が続くと、来月4日には最大427人の重症者が出ると推定しています。
 
 
 

 


●“第4波はまるで違う”大阪の記者が感じる医師の危機感  4/15 
「家族と一緒にごはんが食べられない」「自宅に帰らず、マンションを借りて暮らしている」新型コロナウイルスの患者ではありません。患者を診る医師や看護師のことばです。私は1年近く大阪の病院の取材を続けてきましたが、今回の“第4波”。これまでとは病院の様子が明らかに違っています。「このままでは救うことができる命を失うことにつながる」これまでも繰り返されてきたことばですが、今現実のものとなりつつあります。これ以上、病院の努力に頼るのは限界だと感じています。
働き盛りの世代が…
「苦しいねー」「気持ち悪いねー」今月8日。東大阪市の府立中河内救命救急センターを取材で訪れると、看護師たちが意識のない患者に必死の呼びかけを続けていました。患者は挿管され、口から延びた管は人工呼吸器につながっています。意識のない患者の中には、40代や50代の働き盛りの人たちがいます。私は去年の1回目の緊急事態宣言が明けた後から1年近くこの病院の取材を続けてきましたが、いままで見てきた患者は80代や90代の方々が中心でした。今回の第4波は、これまでと明らかに違うと感じています。
変異ウイルスの脅威
原因と考えられるのは、変異ウイルスです。WHOによると、変異ウイルスは従来のウイルスに比べて最大で1.7倍程度、感染力が高いと指摘されています。感染力が高いと、これまでと比べてどの年代でも感染する可能性が高まることは、頭では理解していました。しかし、実際に病院で自分の父母の世代の40代、50代の患者が何人も、人工呼吸器で治療を受けている様子を目にすると、危機感が現実味を帯びてきました。さらに取材を進めると、第4波の患者は従来の患者よりも入院する期間が3日から4日以上延びていることが分かりました。病院の山村仁所長によると、従来の新型コロナウイルスに感染した患者よりも抗体ができるのが遅くなっているというのです。患者の感染力がなくなるまでに、これまでよりも時間がかかっているということを意味しています。搬送されてくる患者は増えているし、入院の期間も延びている。これではベッドを空けることは、ままなりません。病院に8床あるベッドはすべて埋まった状態が続いています。「第3波は高齢者が多かったが、今回は比較的若い世代に広がっていて、基礎疾患のない人も重症化している。幅広い年齢層で重症化するリスクが出てきたと感じているが、患者が毎日運ばれてくる状況で、病床が足りなくなる可能性は非常に高い」この話を聞いたとき、私は「医療を提供する体制は、確実に限界に近づきつつある」と感じました。
地域唯一の救命救急センター
この病院は、東大阪市を中心とした地域唯一の救命救急センターです。30床の病床を持ち、命にかかわる事故やケガ、病気の対応にあたってきました。新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、救命救急の機能を維持しながら、ICUを割いて、人工呼吸器や人工心肺装置=ECMOが必要な重症患者を専門に受け入れています。私が初めて取材で訪れたのは、去年の5月。1度目の緊急事態宣言が明けた後でした。病院に入院し家族とも会えない患者の不安を少しでも減らしたいと、看護師の提案で「オンライン面会」を行う様子を取材させてもらいました。命を救うだけでなく、精神的にも患者を支えたい。そんな病院の思いを知り、その後も継続して取材を続けてきました。
これまでなんとか乗り切ってきたが…
7月、再び取材で訪れると、病院は第2波への備えを進めていました。第1波の時は医療物資が不足し、防護服の代わりに農作業着を量販店で買い集めて対応したそうです。その教訓を生かし、マスクや防護服など供給が止まっても、2か月は対応できる量を確保していました。また、重症患者の病床が埋まってしまうのを防ぐため、隣の市立病院との連携を強める動きもみられました。容体が回復し、人工呼吸器が必要なくなった患者の転院を受け入れてもらうとともに、治療方針も共有。2つの病院が一丸となって第2波に備える様子に、心強さを感じました。
病床を1床増やすのも大変
しかし、病床自体を増やすのは並大抵のことではないという現実も伝わってきました。第3波の最中の去年12月。病床は7床から8床に1床増えていましたが、それでも満床でした。たった1床と思われるかもしれませんが、重症のコロナ患者には通常よりも手厚い看護が必要です。ベッドに横になっている患者の体勢を頻繁に変えたり、人工呼吸器がつながっている口の中の唾液やたんを取り除いたり、薬の量を調整したり。文字どおり24時間の対応が必要です。このため、患者1人ごとに看護師を1人配置する必要があります。もちろん夜勤の時間帯でも変わりません。さらに感染対策として外部との接触を減らすため、ふだんは業者に委託している清掃や洗濯も、すべて看護師が代わりに行っています。
勤務時間以外にも…
大変なのは勤務時間中だけではありません。防護服や医療用マスクなど感染対策にはもちろん細心の注意を払っています。それでも万が一、家族や知人に感染させることがないように、ふだんの生活でもいろいろと配慮しているというのです。「家族と一緒にごはんを食べないようにしている」「自宅には家族がいるので、マンションを借りて別々に暮らしている」1人でも多くの患者を救いたい。その思いだけで働き続ける姿に頭が下がります。取材で知り合った看護師からは、「インスタグラムで20代、30代の同年代の友人たちが友達と一緒にごはんを食べている様子を投稿しているのを見ると、目の前でコロナの患者と向き合う自分とのあまりの温度差にやるせなくなる」という本音も聞こえてきました
この1年 同じスタッフに負担が集中
8人の患者を診るための、医師は11人。看護師は交代要員も含めて30人。今月8日に取材で訪れたときも、患者を診ていたのはいつもと同じ医師と看護師でした。防護服や医療用マスクへの着替えはどんどん素早くなっていますが、防護服を着ると暑く動きづらいのは相変わらずです。医療用マスクは固く、顔に跡がついてしまいます。過酷な環境での勤務は1年以上続いていて、終わりが見えません。
「救うことができる命を失うことに」
こうしたなかで迎えた“第4波”。今月13日には大阪府の1日の新規感染者数が初めて1000人を超え、3日連続で過去最多を更新しています。重症患者の数も急増し、すぐに入院できる病床の数を上回りました。“第4波”の状況を尋ねると、山村所長から一通のメールが返ってきました。病床そのものは増やせても、それに対応する医師や看護師がもはやいないというのです。
(山村所長からのメール)「患者の増加に伴い病床を増やそうにも、医師や看護師が不足しています。大阪府にはスタッフの確保要請をしていますが、難しいとの返事でした。このままだと、適切なタイミングで適切な治療を受けることができない患者が増え、救うことができる命を失うことにつながると考えています」
患者の入院先がなくなり、医療にかかることができないまま命を落としてしまう患者が出てくる可能性がある。悲痛な訴えが記されていました。1年近く取材を続けてきて、山村所長が「患者を救えなくなる」ことに言及したのは初めてのことでした。
病院側だけに負わせてはいけない
この病院ではこれまでに122人の治療にあたってきました。日本で新型コロナウイルスの感染が確認されてから1年以上たち、私たちはどこかで慣れてしまっていて、連日、地域別の感染者数が発表されても、それを重く受け止めることが以前より少なくなっているかもしれません。しかし、受け入れる側の病院の戦いは、その間もずっと続いているのです。大阪府の14日時点の重症者数は261人。これに対し、すぐに入院できる重症病床は241床。すでに重症病床はいっぱいです。一部の患者は転院できずに、中等症の患者を受け入れる病院で治療を続けています。府のシミュレーションでは、今月19日にまん延防止等重点措置の効果が出て、新規感染者が減り始めると想定した場合でも、来月頭には、重症者が300人から400人以上にのぼるとされています。大阪府の緊急事態宣言は2月末に解除されました。解除後、街の様子をみると、梅田や難波にはたくさんの人が行き交い、歓送迎会なども行われていました。その結果、感染者はこれまでにないほど爆発的に増加していますが、次に府がとった施策は、「まん延防止等重点措置」を適用して、飲食店に時短営業をお願いすること。要請に応じた飲食店への補償が不十分だという声も多く、従業員の生活を守るためにやむなく深夜営業を続ける店もあります。これまでのところ「まん延防止等重点措置」では、感染者の増加に歯止めをかけられていません。重症病床はすでにいっぱいです。「このままでは、救うことができる命を失うことにつながる」このことばを、これまで努力し続けてきた病院側だけに負わせてはいけないと感じます。感染が拡大し続けて病院ベッドに空きがなくなると、コロナだけでなく、事故にあったとき、病気になったとき、医療を受けられなくなるのは私たちです。医療を守ることは、あすの自分たちを守ることだと思います。 

●大阪・東京で最悪“都市封鎖”か!? 4/15
新型コロナウイルスの「変異株第4波」の猛威が加速し、14日の新規感染者は大阪府、兵庫県などで過去最多を更新した。「蔓延(まんえん)防止等重点措置」実施から10日が経過しても感染は止まらず、3度目の緊急事態宣言もこれまでと同じ効果を期待できるかは不透明だ。欧米のような「都市封鎖(ロックダウン)」を行うしかないのか。
14日の新規感染者が1130人と2日連続で1000人を突破した大阪。府内の重症病床の使用率は数字上は9割強だが、実態として重症病床不足に陥っている。
吉村洋文府知事は同日の記者会見で、「強い危機感を持っている」と語り、重点措置の効果が不十分であれば、緊急事態宣言の発令を要請したいと言及した。その場合は「大幅な休業要請が必要」とし、百貨店やテーマパーク、ショッピングモールなども対象とすべきだと話した。繁華街がゴーストタウンのようになった昨年4月の1回目の緊急事態宣言並みの要請となる可能性がある。
兵庫も507人の感染を発表した。県の担当者は「想定をはるかに上回る速度で広がっており、医療崩壊が目前に迫っているとの危機感がある」と強調する。
東京医療保健大の菅原えりさ教授(感染制御学)は「大阪では、緊急事態宣言の解除から約1カ月で感染者数が一気に増加している。東京都も、21日に解除から約1カ月を迎える。東京も大阪と同じ程度まで感染者数が増加する可能性はあるだろう」とみる。
東京は14日の感染者が591人、神奈川県が205人と、いずれも3月の緊急事態宣言解除後で最多となった。神奈川、埼玉、愛知の各県は重点措置の適用を政府に要請する方針だ。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は「いわゆる『第4波』と言って差し支えない」と明言する。
過去2回の緊急事態宣言は大きな効果があった半面、首都圏の2回目の宣言時には解除直前に感染者を抑制できなくなるなど“宣言慣れ”の状況もみられた。第4波で感染力の強い変異株が本格的に広がった場合にも同様の効果があるのかという問題もある。
厚生労働省に助言するアドバイザリーボードは、感染力の強い「N501Y変異」を持つ変異株が5月前半に首都圏で8〜9割程度、関西で90%台後半に達する見込みを示す。
国会でも、より厳しい措置を求める声が出始めた。9日の衆参両院の議院運営委員会で、日本維新の会の杉本和巳衆院議員は、感染封じ込めのためロックダウンに踏み切った欧州の事例を引き、今後の大流行に備えた「私権制限の議論が必要だ」と要請した。西村康稔経済再生担当相は、「国民の命を守るためにどういう法体系が必要か、不断に検討したい」と答えている。
前出の菅原氏は「ゼロベースで新型コロナを抑え込みたいならば、ロックダウンが効果的かもしれない。しかし経済的なダメージは計り知れず、また日本は欧米諸国と比べ圧倒的に感染者数も死者も少ないということから、重要なのは日本流の対策をしっかり実施することではないか」と語る。
強い自粛を実施した1回目の緊急事態宣言の際には、20年4〜6月期の国内総生産(GDP)が年率28・1%減と戦後最悪の落ち込みを記録したのも記憶に新しい。
東北大災害科学国際研究所の児玉栄一教授(災害感染症学)は、「宮城県でも蔓延防止等重点措置を受け、新規感染者数はピークアウトしてきている。ロックダウンまで議論する必要はないように思う。感染対策は政府や地方行政機関が方針を立てるが、それを実行していくのは国民ひとりひとりだ」と語る。
局面を打開する切り札はワクチンだが、高齢者への接種が本格化するのは5月以降とみられる。
児玉氏は「米国では、国民の2〜3割程度のワクチン接種率で感染者数が減少する傾向もみられたという。感染対策を継続する条件なら、国民の6割以上がワクチンを接種すれば間違いなく感染者数は減っていくだろう」と指摘した。

●「まん延防止」適用拡大へ 埼玉 千葉 神奈川 愛知 4/15
新型コロナウイルス対策をめぐり政府は、来週20日から来月11日まで、埼玉、千葉、神奈川、愛知の4県に「まん延防止等重点措置」を適用する方針を固め、与党側に伝えました。これによって「重点措置」の適用は、東京や大阪などの6都府県から10都府県に拡大されることになります。
埼玉、千葉、神奈川、愛知などで新型コロナウイルスの感染状況が悪化していることを踏まえ、菅総理大臣は15日夕方、総理大臣官邸で西村経済再生担当大臣や田村厚生労働大臣らと今後の対応を協議しました。
この結果、政府は、埼玉、千葉、神奈川、愛知の4県に来週20日から来月11日まで「まん延防止等重点措置」を適用する方針を固め、与党側に伝えました。
政府は感染症の専門家などでつくる「基本的対処方針分科会」を開いて意見を求めたうえで、了承が得られれば4県への「重点措置」の適用を決定することにしています。
これによって「重点措置」の適用は、東京や大阪などの6都府県から10都府県に拡大されることになります。  

●第4波認定も菅首相は渡米…「国民の命は二の次」と批判殺到 4/15
「今の状況は、いわゆる第4波と言って私は差し支えないと思います。それと変異株の影響もあって、まん延防止等重点措置は、発出するなら極めて迅速に機動的に出す必要がある」
こう危機感をあらわにしたのは、新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長(71)。これは14日に行われた衆議院の厚生労働委員会での発言だ。
尾身会長が“第4波認定”したように、国内の感染状況は日に日に悪化の一途をたどっている。大阪の新規感染者数は連日1,000人を越え、14日には過去最多となる1130人を記録。15日には東京でも729人の新規感染者数を記録するなど歯止めがかかっていない状況だ。
3月21日に1都3県で緊急事態宣言が解除されてから1カ月も経っていないなか起こった再びの感染爆発。しかし、コロナ対策の“トップ”である菅義偉首相(72)は危機感が薄いようだ。
14日の参議院本会議で、立憲民主党の杉尾秀哉氏(63)は感染拡大を踏まえて、菅首相に「(現在の)危機的状況でも、第4波ではないと言い張るのか」と追及。これに対して、菅首相は「現時点で全国的な大きなうねりとまではなっていないと考えている」と頑なに否定した。
そんななか、菅首相は16日(現地時間)にワシントン・ホワイトハウスで行われるバイデン大統領との日米首脳会談のため15〜18日まで訪米する。このタイミングでの訪米について、ある政治部記者はこう語る。
「今回の会談はもともと9日に行われる予定でしたが、アメリカ側の受け入れ体制準備のため1週間延期されることに。1月にバイデン政権が誕生してから、初めて直接会談する首脳が菅首相。日本政府としては今後の日米関係を良好なものとするためにも、1番最初に会うことを重視していたと聞いています」
3月の緊張事態宣言解除時、会見で感染抑止のために「できることはすべてやり抜く」と語っていた菅首相。しかし、目立った陣頭指揮も見られないままの“バイデン詣で”に、SNS上では批判の声が多くあがった。
《第4波の非常事態に 渡米してる場合じゃないだろう》《菅首相が今日の国会で第4波聞かれ、否定。専門家も認めている。明日から渡米。何しに行くの。》《コロナ禍を放置して訪米の菅首相。バイデンとの親密さを誇示し、オリンピックにこだわる。国民の生命は二の次といわざるを得ない》《菅総理の無責任さには腹がたっています。こんな状況下で明日からは訪米》

●コロナ第4波に対する政府対応への疑問 4/15
皆さん、こんにちは。今年の桜前線は非常に速いスピードで北上し、現在のところ東北北部へ進み、下旬までには津軽海峡を渡るとのこと。春の陽気に誘われてと行きたいところですが、コロナ禍の現状は、残念ながら一段と厳しい警戒モードになりつつあります。
そうした中、政府は4月1日、緊急事態宣言に準じた対策を可能にする「まん延防止等重点措置」について感染が拡大している宮城、大阪、兵庫三府県に全国で初めて適用しました。期間は4月5日から5月5日までの1カ月間です。更に9日には、東京、京都、沖縄を追加しました。開始期間はいずれも4月12日からですが、東京は5月11日まで、京都、沖縄は5月5日までとなっています。また近々、首都圏の神奈川、千葉、埼玉の三県と愛知県にも適用される見通し。「全国規模の大きな波にしないため地域を絞った重点措置を機動的、集中的に講じる」との総理発言にまずは期待したいものです。
さて国会です。3月頃から散発的に起こっていた政府与党幹部の解散絡みの発言が4月6日の菅総理の「野党が内閣不信任決議案を提出すれば、解散断行の大義になる」との発言により一気に公然化しました。「まん延防止等重点措置」が各地に適用されている今、コロナ第4波への国民の懸念に応えるのが菅総理はじめ政府の最優先課題。たとえば、ワクチン接種計画は本当のところどうなっているのか。なぜ日本製がつくれないのか。抗ウィルス剤など治療薬の現状はどうなのか。ベッドは沢山あるのになぜすぐひっ迫してしまうのか。なぜ1年たっても改善されないのか。なぜ検査体制は一向に整わないのか。など、国民の素朴な疑問に対して、そろそろ菅総理自らの言葉で語って欲しい。そうでなければ「コロナより政局」となってしまいます。
「出口のないトンネルはない」池江璃花子選手が闘病中に大切にした言葉だそうです。ここ一番での集中力の高さと精神力。誰しも簡単に真似できるものではないものの、彼女の「どんな時にも希望を持ち、今を生きる姿勢」は日本中、いや世界中に希望を与えてくれたことは間違いありません。 

●福岡「第4波」の危機 新規感染156人、1月末以来の水準 4/15
福岡県では14日、新たに156人の新型コロナウイルス感染が確認された。前日(72人)の倍以上で、新規感染者が150人を超えるのは1月30日以来。大阪府をはじめ各地で感染が急激に再拡大し始めており、「第4波」到来のリスクが高まっている。
156人のうち、福岡市では86人の感染が分かった。1日当たりの陽性者数が80人を超えるのは1月27日以来。この中の22人は、南区の夫婦石(めおといわ)病院の患者18人と看護師ら職員4人。入院患者が転院先でPCR検査を受けて陽性となり、感染拡大が判明した。市はクラスター(感染者集団)と認定した。
市保健福祉局によると、感染経路が判明していない40人のうち15人は、会食や、関西や東京への移動の行動歴があったという。
このほか、北九州市が6人、久留米市が6人、県が58人の感染を確認した。
熊本県では10人の感染が確認された。県は、既に陽性と判明している3人に変異株感染の疑いがあると明らかにした。
大分県では5人が感染。うち1人と、すでに陽性と確認されていた2人の計3人に変異株の疑いがあるという。
宮崎県では日向市の6人を含む計9人が感染。佐賀、長崎両県でもそれぞれ9人が感染した。鹿児島県では4人の感染が分かった。

●新型コロナ、韓国に「第4波」 防疫対策に手詰まり感 4/15
韓国で新型コロナウイルスの感染者が急増し、政府は9日「第4波の初期段階」との見解を示し「第3波を上回る大流行になる可能性がある」と警告した。春になり人の移動が増えたことに加え、深夜に隠れて営業する飲食店が相次ぐなど「コロナ疲れ」も感染拡大の一因となっており、防疫対策に手詰まり感も漂っている。
政府によると、7日の感染者数は1月以来となる700人を記録し、8日も671人だった。韓国では昨年12月に1日当たりの感染者が1000人を超える「第3波」のピークを迎えた後、徐々に減少し、3月の大部分は300〜400人台で推移していた。
政府は9日、経済への悪影響などを考慮し、飲食店の営業時間のさらなる短縮といった防疫対策の引き上げはいったん見送ったが「状況が悪化すれば調整せざるを得ない」と強調した。
ワクチン接種をめぐっても、計画に狂いが生じる可能性がある。韓国は英アストラゼネカのワクチンを多く確保しているが、接種後に血栓などの症状が報告されたことを受け、60歳未満への接種などを現在見合わせている。韓国メディアは政府が近く接種再開を決定する見通しと報じているが、信頼性から接種をためらう人が増加する恐れも指摘されている。 
 
 
 

 


●村岡知事「山口県も第4波の入り口」 4/16
山口県は16日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開き、ゴールデンウイークを控え、首都圏など「まん延防止等重点措置」地域との往来を極力控えるよう県民に要請することを決めた。会議後、村岡嗣政知事は「第4波は確実に山口県にも来る。今は入り口に立っている。重要なのは第4波の高さをできるだけ低く抑えること」と述べ、3密の回避など感染予防の徹底を県民に呼びかけた。
県内の新規感染者数は2月11日以来ゼロまたは1桁が続いていたが、4月15日に12人、16日に18人と急増。変異ウイルスの割合も上昇している。村岡知事は「全国的な感染拡大の波は本県にも及んでいる」と指摘。「これからたいへん重要な時期になる」として県民に感染予防の意識を強めるよう求めた。また連休中の帰省者に感染対策を促すため、空港や新幹線の駅などに注意喚起のポスターを掲示する。

●コロナ第4波が到来…ここにきて、各所から東京五輪・中止論が噴出! 4/16
新型コロナウイルスの感染が全国で急拡大している。政府対策分科会の尾身茂会長は4月14日、衆院厚生労働委員会で「第4波に入っているのは間違いない」と語った。これで、7月の東京五輪・パラリンピックは開催できるのだろうか。
新型コロナの感染が拡大するのは、首都圏の緊急事態宣言を3月21日に解除した時点で、ほぼ確実だった。ワクチンの接種は2月17日から医療関係者を対象に始まっていたが、本格的な接種には程遠く、とても短期間での感染抑止効果は期待できなかったからだ。
そうであれば、2月5日公開コラムで指摘したように、対策は3密回避など人為的な手段に頼るほかなく、感染抑止を最優先に掲げるのであれば、緊急事態宣言は解除ではなく、継続が正しかったはずだ。だが、政府は宣言を解除した。経済面への悪影響を心配したためだろう。
あるいは、もしも「東京五輪があるから、感染が止まっていない証拠になる緊急事態宣言は続けられない」と考えたのだとしたら、まったく本末転倒だ。それは「見たくない現実は見ない」のと同じである。「感染を止めなければ、五輪は難しい。止まっていないのであれば、止めるために宣言を続ける」のが、本来の政策である。
私は2月26日発売の「月刊Hanada」4月号で「新型コロナの完全制圧を確認しないまま解除すれば、五輪の開会式を迎える頃には『感染第4波』が襲っているだろう」と予想した。いま、その通りの展開になっている。
私が、どのように第4波の来襲を予想したかと言えば、べつに特別な方法を使ったわけでもなんでもない。日本と英国について、昨年来の感染拡大経過をチェックしただけだ。
日本では昨年3月下旬から感染が広がり始め、当時の安倍晋三首相は4月7日に1度目の緊急事態宣言を発令した。4月17日には新規感染者が東京で206人のピークを記録し、宣言を解除したのは5月25日だった。これが、いわゆる第1波だ。ちなみに、政府は第1波とか第2波といった定義を定めていない。
これで収まったかに見えたが、感染は7月初旬から再び拡大し、8月1日に東京で新規感染者が472人のピークを記録した。これが第2波である。9月初めから11月初めにかけて、東京では300人弱の水準を続け、下がりきらないうちに第3波に突入した。
11月初めから再び増え始めた新規感染者は、ことし1月7日に東京で2520人のピークを迎えた。翌8日に2度目の緊急事態宣言が発令され、以後は緩やかな減少を続け、先述したように3月21日に宣言を解除した。ところが、皮肉にも新規感染者数は、その直後からまた増え始めた。
2月下旬から宣言解除の3月21日までは、東京で300人前後の水準を続けていた。これは、昨年秋の第2波から第3波に移行したころの状況と酷似している。保守的に考えれば、これだけでも第4波が襲来する可能性は予想できたはずだ。だが、先を急ごう。
見通しを得るのに、鍵になるのは感染波の間隔である。そこで第1波のピークである4月17日から、第2波のピークの8月1日までを見ると、約3カ月半の間隔があった。そこから第3波のピークのことし1月7日までは、約5カ月である。
第1波が広がり始めたのは3月初めで、新規感染者のピークは4月22日の5490人だった。その後、日本と同じように収まっていったが、8月下旬に第2波が襲来し、ピークの11月12日には3万3470人の新規感染者を記録した。
その後、感染者が減少し切らないうちに12月初めに第3波がきて、1月8日のピークには68053人の新規感染者を記録した。ピークで見ると、第1波から第2波までは7カ月、第2波から第3波までは2カ月である。以上の経験から、何が言えるか。
日本も英国も、感染の波はいったん収まっても、だいたい数カ月後には次の新しい波を迎えている。単純に両国の平均をとれば、(3.5+5+7+2)÷4=4.375なので、4カ月余りで次の波を迎える周期になっている。
これを日本に当てはめれば、直近のピークである1月7日から4カ月余り、つまり「5月半ばに第4波のピークを迎える」計算になる。多少のズレはあるかもしれないが、現実は、ほぼこの見通しに沿って推移している、とみていいのではないか。
専門家の中には「ワクチン接種がなければ、5月16日に東京の新規感染者が1850人のピークを迎える」と予想した人もいる。専門家はもっと精密な手法を使っているだろうが「5月半ばに次のピークが来る」という結論は私と変わらない。
私は「月刊Hanada」で以上のような方法で予想し「第4波の来襲はまさに五輪を直撃してしまう」と書いた。素人でも、過去の経験を踏まえれば、これくらいの大雑把な予想はできる。日本はワクチンの大規模接種のような根本的対策をとっていなかったのだから、この程度の予想でも十分なのだ。
ちなみに、いま英国は感染が収まりつつある。私は徹底したロックダウンの効果が大きいと思う。英国は昨年3月と11月、ことし1月と3度のロックダウンをした。3度目のロックダウン後、新規感染者は順調に減っていったが、ボリス・ジョンソン首相は一挙に解除せず、ワクチン接種の進展状況に応じて、段階的な解除を目指した。
4月12日に第2段階のロックダウン緩和に進んだが、同13日時点で新規感染者は2471人まで減った。もともと新規感染者数が1月のピークで日本の27倍と桁違いに大きいのだから、単純比較はできないが、英国の成功が厳しいロックダウン政策の結果であるのは、間違いない。
日本は変異株が急拡大している一方、ワクチン接種が大幅に遅れている点も踏まえれば、いずれ、5月までには3度目の緊急事態宣言発令が避けられない、とみる。3月に宣言を解除してしまったのは、かえすがえすも残念な失敗だった、と思う。
さて、そうだとすると、東京五輪はどうなるのか。
国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ調整委員長は、開幕まで100日となった4月14日、公開したインタビュー映像で「大会は必ず開催され、7月23日に始まる」と断言した。だが、これで不透明感が払拭されたとは、とても言えない。
4月14日付の米紙ニューヨーク・タイムズは「日本のワクチン接種は遅れ、大阪では変異株の拡大が医療システムを崩壊の瀬戸際に立たせている。東京大会は日本だけでなく、世界に死亡者や患者を広げる感染拡大イベントになるかもしれない」「いまや、小休止してオリンピックを考え直すときだ」と警鐘を鳴らした。
また、同12日付の英紙ガーディアンも社説で「日本とIOCは大会を本当に正当化できるかどうか、自分に問うべきだ。…大会中止は失望と経済的損失につながるが、それらの要因は、五輪がこの疫病をもっと悪くするリスクに照らして考慮されるべきだ」と指摘した。
多くの人々は、IOCや日本が東京五輪の開催を決める、と思っている。だが、究極的な決定権は選手たちにある、と私は思う。いくらIOCや日本が開くと言っても、選手たちが「東京には行きたくない」と言えば、競技は成立しないからだ。
とりわけ、鍵を握るのは米国である。
米国は東京大会に参加するかどうか、態度を明らかにしていない。国務省のネッド・プライス報道官は2月10日の会見で「五輪はまだ先だ。我々は米国オリンピック委員会とパラリンピック委員会と連絡をとっており、彼らは日本の情勢を注視している」と語っていた。
もしも米国が不参加となったら、コロナ禍が収まっていない欧州や南米、アフリカなどの各国も後に続く可能性がある。そうなれば、東京大会は開いたとしても、五大陸を意味する五輪の名にふさわしくない大会になってしまうだろう。
東京の新規感染者は4月15日、729人を記録した。前週に比べて、33.7%の増加である。1週間単位で見ても、前週に比べて22.6%増だ。5月に向けて、さらに増えるのは確実である。それで、世界から数万人が集まる大会を開けるかどうか。
ここまで書いた後に、自民党の二階俊博幹事長が4月15日の番組収録で、新型コロナの感染状況が「とても無理というなら、やめないといけない。五輪で感染を蔓延させたとなれば、何のための五輪か分からない」と語り、東京五輪・パラリンピックの中止も選択肢という考えを表明した。
政局を動かす中心人物の1人が中止の可能性に言及したとなると、事は重大だ。事態は一挙に切迫してきた。

●小池都知事「東京来ないで」に 都外から通勤する人は  4/16
東京都の小池知事が「可能なかぎり東京へは来ないでほしい」と呼びかけたことについて、都内に通勤する人からは、県境をまたいだ移動をしないのは難しいといった声が聞かれました。
東京都の小池知事は15日、「都外に住む人は通勤を含めてエッセンシャルワーカー以外、可能なかぎり東京へは来ないでほしい」と呼びかけました。
こうした中、16日朝、東京の品川駅前で通勤中の人に話を聞きました。
神奈川県藤沢市から通勤している54歳の会社員の男性は「きょうの電車も去年の緊急事態宣言のときなどに比べると多いと感じました。神奈川県民としては会社が東京にあって休めるような状況ではないので、東京に来るのは仕方がないです」と話していました。
川崎市から通勤している26歳の会社員の男性は「今の状況だと都外から通勤をしないのは厳しいものがある。リモートワークは会社でも推進されていてできる環境にはあるが、どうしても出てこなくてはいけないこともあります」と話していました。
横浜市から通勤している22歳の会社員の女性は「東京との行き来が多いと感じているので神奈川県などにも東京と同時に一斉に措置を適用してもよかったと思います。東京に来ないでほしいという小池知事の発言の意図はわかるが、仕事などだと来ざるをえず出勤は避けがたいので、どう行政としてそこを改善しようとしているのかと思いました」と話していました。
横浜市から通勤している51歳の会社員の男性は「仕事の業務のことはしかたがないが、プライベートで東京に来るのは控えようと思います」と話していました。

●小池知事「第4波、非常にきつい」 蔓延防止1都3県で連携  4/16
東京都の小池百合子知事は16日の定例記者会見で、新型コロナウイルス感染拡大について、「第4波といわれているこの波は非常にきつい」と述べ、人流抑制徹底が必要との認識を改めて示した。蔓延(まんえん)防止等重点措置の適用対象に新たに追加された埼玉、千葉、神奈川3県の知事と同日夜にテレビ会議を開催し、都県境を越える移動は生活に必要な場合のみとすることなどを求める1都3県の共同メッセージをまとめた。
15日の都のモニタリング会議では、都外居住者の唾液郵送検査分を除いた新規感染者数の7日間平均について現状のペースで増え続けた場合、4週間後には1日当たり約980人になると試算。人流増加や、感染力が強いとされる変異株の影響でさらに上昇する可能性も指摘した。
小池氏は定例記者会見で「大きな波が来ているのは明らかだと思っている」とし、人流抑制に向けて、エッセンシャルワーカー(生活必須職従事者)を除く都外居住者に可能な限り都内に来ることを控えるよう改めて要請した。
理由について「(感染急拡大の)関西圏の流れをみて、予防的にすべきだと当然思う。強いけれども、必要なメッセージだと思っている」などと強調。会社や大学に対して、「状況が刻々と変わっており、必要な対策を講じていただきたい」と求めた。 

●岡山知事「第4波到来」との認識 新規感染の8割が変異株と推定 4/16 
伊原木隆太知事は16日、岡山県内で新型コロナウイルスの感染が急増していることから「第4波が到来している」との認識を示した。直近1週間(8〜14日)の新規感染者数が200人を超え、2週連続で前の週から倍増。変異株と推定される事例が全体の8割に上っており、4月下旬から予定していた県民対象の宿泊クーポン発行も当面延期する。
直近1週間の新規感染者数は219人で、うち変異株の推定事例は178人と全体の81・3%を占めた。新規感染者数は前の週が111人、その前の週が58人で、急速に拡大している。
政府の対策分科会が示す指標7項目では6項目が前週から悪化。病床使用率は2・7ポイント増の22・1%、10万人当たりの新規感染者数は5・72人増の11・59人で、ステージ3(感染急増)の基準(病床使用率は25%、10万人当たり新規感染者数は15人)に迫っている。
会見で知事は「恐ろしいスピードで感染者が増え、変異株が主な要因になっている。全ての県民の力で感染者を減らさない限り医療崩壊してしまう」と強調。まん延防止等重点措置が適用されている都府県との往来を控えるほか、特に重症化リスクの高い高齢者に対して会食やカラオケの自粛を強く求めた。
観光関連業者を支援する県独自の宿泊クーポンは、1泊で1万円以上を使えば1人最大5千円を割り引く内容で、約7万枚を発行する計画だった。
知事は「私としても苦渋の決断。一日も早く地域経済の回復が図れるよう感染拡大防止に全力で取り組む」と理解を求めた。 
 
 
 

 


●新型コロナ第4波鮮明に 緊急事態「再々宣言」現実味 4/17 
首都圏3県と愛知県に新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」を適用することが決まった。
適用は計10都府県で、感染の「第4波」到来が鮮明となった格好だ。ただ、重点措置の効果は見通せず、先行する大阪府は状況がさらに悪化。米国訪問で菅義偉首相不在の中、緊急事態「再々宣言」発令が現実味を帯びている。
緊急事態宣言は先月21日をもって全面解除。その期間中も各地で人出の増加や感染力の強い変異ウイルスの広がりが見られ、今月5日に大阪、兵庫、宮城、12日に東京、京都、沖縄の計6都府県と立て続けに重点措置が適用された。さらに今回、埼玉、千葉、神奈川、愛知4県を追加。この間、わずか10日余りという急激な変化だ。
新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は14日、現状について「『第4波』と言って差し支えない」と明言。一方、首相は同じ日の答弁で「現時点で全国的な大きなうねりとまではなっていない」と述べ、食い違いを見せた。その後も各地で感染は増加。さすがに首相周辺も「全国的なまん延状態となりつつある」と認める。
特に大阪では、昨年末から年明けを中心とした「第3波」を大きく上回る過去最多の新規感染者を連日更新。重症患者の病床が埋まり、一般の手術延期なども要請される事態に陥っている。
厚生労働省などでは、このまま感染拡大が続けば大阪の医療提供体制が持ちこたえられるのは「来週後半まで」との分析もある。16日の基本的対処方針分科会では、専門家から大阪への緊急事態宣言発令を求める意見が相次ぎ、危機感は強まっている。
こうした声を受け、3度目の宣言に慎重な政府内にも変化が生じ始めた。専門家の意見に近いとされる西村康稔経済再生担当相は16日の参院議院運営委員会で「国民の命を守るために必要となれば緊急事態宣言もちゅうちょすべきではない」と踏み込んだ。
大阪だけではない。東京でも変異ウイルスの置き換わりが一層進み、感染爆発への懸念が広がる。重点措置対象外の福岡県も感染拡大の兆しがある。「大都市部の感染拡大が来週も続けば、あらゆる対策を考えなければいけない」。別の首相周辺はこう語り、宣言発令に踏み切れば飲食店以外の業種を含む休業要請などもあり得るとの見方を示す。
「第4波」の推移次第では、夏の東京五輪・パラリンピック開催への影響も避けられない。自民党の二階俊博幹事長は15日、五輪中止の可能性に言及。政権を支える党幹部の発言は異例だ。
開催に当たっては参加選手の感染対策に当たる医療従事者を確保する必要がある。ただ、急増する新型コロナ患者の治療、先進国と比べて出遅れたワクチン接種で既に人手は不足状態だ。今のところ両立を図るのは困難な状況で、政府は難しい課題を抱える。
 
 
 

 


●第4波は「過去最大の波」 沖縄県の医療技監が見解  4/19
沖縄県は18日、新たに10歳未満〜80代の男女92人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。病院などで療養する患者数は1262人で、17日の1255人を上回り過去最多を更新。県の糸数公医療技監は、療養者数や1週間の新規感染者数の増加が続くことから、3月から4月にかけての第4波を「過去最大の波」とする見方を示した。
今後、感染者数の増加が収まらない状況が続いた場合「『まん延防止等重点措置』の適用期間や外出自粛、時短営業要請の再延長を協議する」との考えを説明。さらに拡大すれば「より強い措置が必要になる」として緊急事態宣言を出す可能性についても言及した。
感染者数が減少しない理由に変異株が影響しているかどうかについては「はっきりと見極められていない」と指摘。「(16日時点で)変異株N501Yは20%程度だった。関西地域のようには広がっていないとの認識がある」と述べ、感染拡大に変異株がどの程度関わっているか、判断が難しいとした。
県内の直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者は54・56人で、大阪府の81・32人に次いで全国2番目に高い。
年代別では20代が20人で最も多く、重症化しやすい70代以上は13人だった。
18日に確認された感染者92人のうち、感染経路が追えたのは39人。家族内が23人、友人知人9人、職場内4人、飲食関係2人、その他1人だった。
県内の累計感染者は1万1489人となった。日曜日のため、米軍関係の報告はなかった。

●大阪 吉村知事「緊急事態宣言」国に発出要請する考え示す  4/19
大阪府の吉村知事は、府内で新型コロナウイルスの感染の急拡大が続いていることを受けて、さらなる感染拡大を食い止めるため、国に対し近く緊急事態宣言の発出を要請する考えを示しました。
宣言が発出されれば飲食店や百貨店、それにテーマパークなどに休業要請を行う方向で調整する考えです。
大阪府では18日、1日としては過去最多の1220人が新型コロナに新たに感染していることが確認されるなど、感染の急拡大に歯止めがかかっていません。
これについて吉村知事は記者団に対し「きょうで『まん延防止等重点措置』が適用されてから2週間が経過したが、感染者数がきのう過去最多になるなど厳しい状況が続いている。また、医療の提供体制も極めて厳しい状況だ」と述べました。
そのうえで吉村知事は「こうした危機的な状況を踏まえ、緊急事態宣言の発出を国に要請すべきだと判断した。20日に対策本部会議を開いて正式に決定する」と述べ、国に対し近く緊急事態宣言の発出を要請する考えを示しました。
そして「現状の認識としては人の動きをとめるより強い内容の措置が必要だと考えている。変異ウイルスに対応するためにも、街全体の人の動きをいったん大きく停止することが必要だ」と述べ、緊急事態宣言が発出されれば、人と人との接触機会を減らすため飲食店や百貨店、それにテーマパークなどに、休業要請を行う方向で調整する考えを示しました。
さらに「宣言の発出要請について、兵庫県の井戸知事、京都府の西脇知事と話をさせてもらおうと思っている。共同で要請もありうる」と述べ、国への要請に向けて兵庫県や京都府と協議を行う考えを示しました。
加藤官房長官は午前の記者会見で「大阪府の吉村知事も東京都の小池知事も記者会見で、感染状況を見極めて緊急事態宣言の要請について検討を行っている旨を述べられていることは承知している。基本的対処方針にのっとり、もし要請が出されれば改正特別措置法に関する付帯決議にあるように、速やかな検討を行っていく必要があると考えている」と述べました。
吉村知事が緊急事態宣言の発出を国に要請する考えを示したことについて、感染症に詳しい大阪医科大学附属病院の浮村聡教授は「遅すぎる。まん延防止等重点措置では人の動きが減っていない。救急医療の現場ではもうすでに破綻が起きていて救急車の中で新型コロナの患者が10時間待機するということが現実に起こっている。変異ウイルスが広がる中で感染者を減らすには人の動きを7割から9割減らさないといけない。例えば、社会や暮らしを支える『エッセンシャルワーカー』以外は仕事に行かないでくださいというくらいのロックダウンに近い制限をしないと、救急医療が延々と破綻し救える命が救えない状態が続く」と警鐘を鳴らしています。
そのうえで「今はもうすでに非常事態、有事の状態だ。第1波、第2波、第3波とあった中で、いつが1番危機的な状況かと言えば、きょうだ。きょうよりきっとあしたのほうが危ない状況だ。あしたより1週間後のほうが危ない。強い行動抑制をかけても、2週間くらいはきょうよりも危なくなる状態が続く。それを理解したうえで行動すべきだ」と強く呼びかけています。 

●熊本県で44人が感染 「第4波到達」GW中の県外往来自粛を要請 4/19 
熊本県と熊本市は19日、新たに44人が新型コロナウイルスに感染し、そのうち長洲町の80代女性が死亡したと発表した。県によると、新規感染が40人を超えるのは1月24日以来。
県によると、山鹿市の城北高で生徒23人が感染し、熊本市の医療機関では職員6人が感染。いずれもクラスター(感染者集団)と認定された。
県は「第4波が到達した」として、福岡県など感染が流行している地域への移動を控えるよう呼び掛けた。県民に対し、大型連休中に県外への旅行や往来を自粛するよう要請した。 

●4月ロイター企業調査:コロナ第4波は必至、5月頃ピーク予想が65% 4/19 
4月のロイター企業調査によると、新型コロナウイルス感染第4波発生は大方の企業が覚悟しており、半数以上が5月頃にピークを迎えるとみている。日本は主要7カ国(G7)の中で最もワクチン接種が遅れており、再び売り上げ減少などの影響が懸念される事態となっている。
調査期間は4月2日から13日まで。発送社数は482社、回答社数は238社程度だった。
大阪を中心に新規感染者数が過去最高を記録する中、96%の企業がコロナ感染第4波は来ると回答。そのうち、65%は5月頃がピークになるとしている。
日本はワクチン接種が遅れており、15日現在、約185万人にとどまっている。ワクチン接種を担当する河野太郎行政改革担当相は「5月からワクチンをフルスイングで打ち始めることができるようになる」と話しており、5月頃をピークとした回答はワクチン普及への期待感が表れているとも言えそうだ。
ただ「変異株が増加しているため、ワクチンの供給スピードが負けてしまう恐れがある」(化学)、「ワクチン接種が遅れている上、オリンピックにより今後人の移動の拡大、海外からの人の流入が考えられる」(電機)との懸念も出ている。
第4波が来た場合の売り上げへの影響については、「かなりの下振れ」が11%、「やや下振れ」が48%と計59%の企業がマイナス影響があると回答した。 
 
 
 

 


●官房長官“大阪府から宣言要請あればきょうにも協議する”  4/20
新型コロナウイルス対策で、大阪府が国に緊急事態宣言の発出を要請することを受けて、加藤官房長官は、自民党幹部に対し、大阪府から要請があれば、20日にも菅総理大臣と関係閣僚が対応を協議することになるという見通しを伝えました。
大阪府の吉村知事が19日、感染の急拡大を受けて、緊急事態宣言の発出を国に要請する考えを示したことを受けて、加藤官房長官は、20日朝、東京都内で、自民党の森山国会対策委員長や林幹事長代理と会談しました。
この中で、加藤官房長官は、大阪府から要請があれば、20日にも菅総理大臣と西村経済再生担当大臣、田村厚生労働大臣ら関係閣僚が対応を協議することになるという見通しを伝えました。
政府は、宣言の扱いについて、ことし2月に改正された特別措置法の付帯決議で、知事から要請があった場合は最大限尊重するとされていることも踏まえ、病床の状況などを見極めて3回目となる宣言が必要かどうか判断する方針です。
また加藤官房長官は、閣議のあとの記者会見で「大阪府では、新規感染者数の増加に伴って、病床使用率と重症病床使用率も急速に上昇しており、医療提供体制が大変厳しい状況になっている。きょう、厚生労働省のアドバイザリーボードで、専門家に直近の感染状況について評価、分析をいただくこととしている」と述べました。
そのうえで、緊急事態宣言について「都道府県知事からの要請があった場合は、新型コロナウイルス対策の改正特別措置法の付帯決議において、最大限尊重し、速やかに検討することとされている。仮に要請がなされれば、付帯決議の趣旨に沿って必要な検討を行っていくことになる」と述べました。
西村経済再生相「国民の命守るためちゅうちょしてはならない」
新型コロナウイルス対策をめぐり、西村経済再生担当大臣は、閣議のあとの記者会見で、大阪府から緊急事態宣言の要請があれば速やかに検討するとしたうえで「国民の命を守るために必要があれば、宣言をちゅうちょしてはならない」と述べました。
この中で、西村経済再生担当大臣は大阪の状況について、新規感染者数は人の流れが減って伸びが鈍化しているものの、依然として高い水準で推移しており、このままの状況が続けば病床がさらにひっ迫する極めて緊張した状況にあると説明しました。
そして、大阪府から緊急事態宣言の要請があれば、速やかに検討するとして「対策を強化しないと感染者を減らせないので、飲食店や商業施設などへの対策の強化などを含め、府や専門家の意見を聴きながら検討を急いでいる」と述べました。
また、東京都については「人の流れが減っていないことと、来月には、すべて変異株に入れ替わるだろうという予測が専門家からなされていることを考えれば、対策の強化が必要な状況にある。早急に対応を協議したい」と述べました。
そのうえで西村大臣は、大阪や東京への緊急事態宣言の発出について「国民の命を守るために必要があれば、宣言をちゅうちょしてはならない」と述べました。
田村厚生労働相「府知事と連携し対応を検討」
田村厚生労働大臣は、閣議のあと記者団に対し「『まん延防止等重点措置』で感染を十分に抑えられないという評価を専門家がするならば、さらに強い措置を行うことになる。専門家の意見をもらいながら政府全体で考えたい。『さらに強い対応を』と、大阪府知事が話をしているので、しっかりと連携しながら、どういう対応が可能か検討していかなければならない」と述べました。
自民 二階幹事長「ちゅうちょせず積極的に」
自民党の二階幹事長は、記者会見で「こういう事態なので、適宜適切に対応していくことが大事であり、打った手がどうだったかを後追いで言ったところでしかたがない。その時の十分な判断と医療関係者の専門的な知識によって判断を下していくことであり、ちゅうちょせず積極的にやってもらいたい」と述べました。
立民 安住国対委員長「状況は悪化 菅首相は説明責任を」
立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「大型連休が始まるわけだが、国民から見たら、政府は、この1年間何をやっていたんだという話になると思う。去年と全く同じ状況で何も好転しておらず、むしろ悪化している。菅総理大臣は説明責任を負わなければならない事態になった」と述べました。
一方、東京への対応については「もう緊急事態宣言が不可避な状況にも見える。出す場合には休業要請をどこまでかけるのかや、その根拠とともに戦略性を示してもらいたい。ただ宣言を出しても中身が重点措置と変わらなければ意味がなく、政府と東京都には、ちゃんと実効性があがるようにしてもらいたい」と述べました。
公明 山口代表「不安や混乱を最小限の対策検討を」
公明党の山口代表は、記者会見で「大阪府では、変異ウイルスの割合が非常に高くなって感染が拡大している。実態を客観的によく分析して、国と自治体がよく連携したうえで、不安や混乱を最小限にとどめるような対策を検討してもらいたい」と述べました。
一方、東京など首都圏への対応については「東京も感染者数が拡大傾向にあるが『まん延防止等重点措置』を適用してから、効果があらわれる期間をすぎていないので見極めたい」と述べました。
また、記者団から、学校の休校要請の必要性について問われたのに対し、山口氏は「かなり広範な影響が及ぶので、よく配慮した対応を慎重に検討してもらいたい」と述べました。

●大阪府、20日のコロナ感染1,153人 緊急事態宣言の要請を決定 4/20 
大阪府は20日、新たに1,153人の新型コロナウイルス感染が確認されたと発表した。
昨日は719人と3桁台に減少したが、それ以外は先週火曜日13日以降1000人超えが続いている。
また、大阪府は新型コロナウイルスに感染して亡くなった人が新たに8人確認されたと発表した。
大阪府では5日から「まん延防止等重点措置」の適用を受けているが、感染拡大に歯止めがかからず、7日には224ある重症病床床の運用率が70%に達している。
危機的な状況を踏まえ、大阪府の吉村知事は20日午後に対策本部会議を開き、国に対して緊急事態宣言の発出を要請すること決定した。
テーマパークや大規模商業施設への休業要請など「強い対策を集中して」講じ、人の動きを止める必要があると指摘。また期間については、人の動きを止める強い措置を長期間やるのではなく集中してやるべきだと指摘したうえで、実際の期間は国が専門家の意見を聞いて決めるとの認識を示した。 

●迫る新型コロナ「第4波」の脅威、東京市場は2万9000円の攻防に 4/20 
―大阪・東京は緊急事態宣言を要請の方向、オリンピックの行方が焦点に急浮上も―
東京市場が新型コロナウイルス感染「第4波」への警戒感を強めている。新型コロナ感染拡大に歯止めがかからないなか、大阪府は緊急事態宣言を国に要請すると決定。東京都も週内にも要請する方向で検討しているという。こうしたなか20日の東京市場で日経平均株価は大幅安となり一時2万9000円ライン割れ目前まで売られた。緊急事態宣言が発令されれば、個別企業の業績悪化要因となり、株価の下落に結び付く懸念が強まる。新型コロナに揺れる東京市場の行方を探った。
ワクチン接種率の低さが海外市場に劣後の要因
20日の日経平均株価は前日比584円安の2万9100円で取引を終えた。一時は600円を超える下落となり、2万9000円割れを意識する水準にまで売られた。市場関係者は、日経平均3万円回復を期待していたが、現実は逆方向に突っ込んだ格好だ。マーケットが警戒するのは、変異種の影響も懸念される新型コロナ「第4波」の感染拡大だ。この日は、大阪府が緊急事態宣言を国に要請することを決定した。また、東京都も3度目となる緊急事態宣言の発令を要請する方向で検討している、と伝わった。市場関係者からは「足もとで東京市場は、ニューヨークなど海外市場にパフォーマンス面で明らかに劣後している。これは、新型コロナワクチンの接種率の差がもたらしているともいえる。ワクチン接種が進まないと、新型コロナ感染が拡大し、結果として経済にも悪影響が出てしまう」(アナリスト)との見方が出ている。
緊急事態宣言の発令なら企業決算に悪影響も
今週からは決算発表が本格化するが、緊急事態宣言が発令された場合、22年3月期業績予想を下振れさせる要因となる。この点が、相場の上値を抑えることにつながりかねない。目先では22日に予定されている日本電産 <6594> の決算に対する市場の反応が注目されているものの、内藤証券の田部井美彦リサーチ・ヘッド&チーフ・ストラテジストは「緊急事態宣言が出れば、特に小売りや外食などを中心にマイナスの影響が出てくることが予想される」と警戒する。また同氏は、「昨年4月も緊急事態宣言の発令が相場のポイントとなり底打ちから反発に転じた。今回も似た結果となる可能性がある」と今後の展開を予想する。その場合、大阪府に続き同宣言の発令を要請する方向とみられる東京都の動向が焦点となる。しかし、今回は飲食店への休業要請などより厳しい措置を取ることも可能だ。その意味で「どこまで踏み込んだ措置が取られることになるかを確かめる必要がある」(田部井氏)という。より厳しい措置が取られた場合、緊急事態宣言の発令後にもう一度売り直されることも起こり得るかもしれない。
巣ごもりや非対面ネット銘柄には強弱感
大幅安となったこの日の日経平均株価だが、今後の下値のメドはどこか。終値では75日移動平均線(2万9104円)前後で止まっただけに、この水準で踏みとどまることができるか、どうかだ。続くのは心理的抵抗線の2万9000円、更にその下の水準である3月24日の終値2万8405円となる。このため、下げ基調が強まれば、2万8500円前後を意識する展開も予想される。個別銘柄の物色について、いちよしアセットマネジメントの秋野充成取締役は「しばらくはジャスダックやマザーズのような中小型株の一部の銘柄が買われるような、個別株物色が続く可能性もある」という。足もとでは、昨年人気となった神戸物産 <3038> やエムスリー <2413> 、BASE <4477> [東証M]のような、巣ごもり銘柄や非対面のネット関連銘柄が底堅い値動きとなっているが、「月次の売上高などは昨年4月の水準が高く、再び買っても上値は限定的では」(市場関係者)との声もある。前出の田部井氏は「米国や中国の外需は堅調とみられ、結局は半導体を含むハイテク株が買われるだろう」とみる。安川電機 <6506> や日電産のような銘柄が中長期では上昇するという。
東京五輪はどうなるかが最大のポイントに
更に、全体相場をみるうえで気になるのは東京オリンピックの行方だ。昨春は東京五輪の1年延期が決まった後に、緊急事態宣言が発令されたが、今回は、五輪がどうなるかは、より切迫した課題となっている。ある市場関係者は「相場が本当の底を打つのは、東京五輪の中止が発表された時ではないか」という。「少なからぬ投資家は五輪の開催は難しいとみている。問題は発表の時期だ。ゴールデンウイークの前あるいはその後が大きなポイントとなると思う」と予想している。そんななか、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長の来日が5月17〜18日で調整されているとも伝わっている。今後は東京五輪の行方が相場全体を左右することも予想される。 

●岩田健太郎医師が日本のコロナ対策に苦言 「第4波は来るべくして来た」  4/20
新型コロナウイルスの第4波が本格化している。感染症専門医の岩田健太郎医師が、日本のコロナ対策の課題を語った。
――日本国内でも従来のウイルスよりも感染力が高い変異株が急速に増え、新型コロナウイルス新規感染者の増加が続いている。神戸大学大学院教授で感染症専門医の岩田健太郎医師は、この第4波は「防ぎようのない自然現象として起きたわけではない」と指摘する。
第4波の到来を防ぐチャンスはありました。国内で最初に変異株への感染が報告されたのは昨年末でした。その際、水際対策や、変異株に感染した人と濃厚接触者に対する疫学的な調査を、徹底的に強化するべきでした。当時は「変異株はまだ面的な広まりがない」といった理由で、海外に比べれば緩やかな対策しかとられませんでした。しかし、山火事と同じで、面的に広がっていない時こそが消火のチャンスだったのです。新規感染の半数以上を変異株が占めるまで広まってから抑え込もうとしても無理です。
――「第4波は来るべくして来た」という。なぜか。
単純なことで、それは対策を緩めたからです。十分に感染が抑えられていない段階で、第3波の緊急事態宣言を解除してしまいました。当たり前ですが、対策を緩めて人と人との接触が増えれば、感染は増えます。
――さらに、とられた対策自体の甘さも指摘する。
第3波がなかなか収まらなかったのは、感染者数や重症患者数が第1波、第2波よりずっと多くて山が高かったのに、対策が1回目の緊急事態宣言の時よりも全体的に弱い内容だったからです。しかも、会食や旅行を推奨するGo Toキャンペーンが続き、なかなか緊急事態宣言が出ませんでした。
――岩田医師は、「緊急事態」にあるというメッセージが国民に伝わらなかった、とみる。
人出の減り具合は鈍りました。「自粛疲れ」と言われますが、個人の「行動変容」に頼っているようでは、感染対策はうまくいきません。もちろん、一人ひとりに感染を防ぐ行動をとってもらうことは大切ですが、そのためには、政府や自治体のトップが、矛盾のない明確なメッセージを出す必要があります。
第3波の際にGo Toによって矛盾したメッセージを出し、失敗したにもかかわらず、また第4波でも聖火ランナーを走らせる、緊急事態宣言は出さずに「まん延防止等重点措置」で済ませる、といった対策や活動が続いています。責任ある政治家が断固として感染を抑える決意をしているようにはとても見えません。いくら不要不急の外出を控えて下さいと訴えても、人々の心には響きません。
――問題視するのは、具体的な目標を打ち出さない政府の対応だ。
そもそも、政府がどのような状態を目指しているのか、目標がわかりません。菅義偉首相は「国民の皆さんの命と健康を守り抜く」「新型コロナウイルス感染症を一日も早く収束させます」と言いますが、抽象的で、人によって解釈が変わります。
感染者ゼロを目指すのか、それとも1日の感染者数が数百人程度になればそれでよしとするのか。具体的な目標を明らかにするべきです。
――国内の新型コロナウイルスによる死者はすでに9千人を超えている。岩田医師は、「感染者増加に4週程度遅れて死者の報告が増加するので、死者が1万人を超えるのは時間の問題」という。
これだけ大勢の死亡者が出ている国は東アジアにはありません。米ジョンズ・ホプキンズ大によると、日本の人口10万人あたりの死亡者数は7.53人。韓国(同3.45人)や中国(同0.35人)などと、差が大きくなってきています。
亡くなった方の多くは高齢者です。経済を回すにはある程度は高齢者が亡くなるのは仕方ない、という目標も、理論的にはあり得るでしょう。もし責任ある政治家がそう考えているなら、きちんと国民に、日本の経済を守るためにこうしたいと説明し、国民の納得を得るべきです。
しかし、実際には、上っ面のきれいごとしか言いません。具体的な目標を掲げると、達成できなかった時に失敗したと非難されるからでしょう。責任を回避するような態度からは、経済界などにも忖度しながら何となく落としどころが見つかればいいといった、やる気の無さしか感じられません。
――東京五輪開催まで100日を切った。だが、収束までのロードマップはない。
東京五輪・パラリンピックについてもいまだに「開催する」と言うだけで、感染状況がどうなったら、どのような形態で開催できるのかを責任者は誰も明確にしません。
観客を一切入れず、選手と関係者だけにすれば開催は不可能ではないかもしれません。ただし、それでは、「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証し」としての開催にはなりません。しかも、今のような国内の感染状況では、危ないから選手団を派遣できない、という国も出てくるかもしれません。

●岩田健太郎医師が提案する都道府県ごとのコロナ対策  4/20
新型コロナウイルスの第4波が到来。ワクチン接種は他国に比べて遅く、死者数の増加も懸念される。そうした中、日本感染症専門医の岩田健太郎医師が、いま必要な対策を語った。
米国のファウチ大統領首席医療顧問は、ワクチンの普及によってコロナを麻疹などのような「流行しない病気」にしたいと言っています。実質上、感染ゼロを目指しているのです。英国も効果的なワクチン提供とロックダウンを組み合わせてコロナゼロが具体的な目標と言えるレベルになってきました(本稿時点)。両国は目標達成までの道筋も具体的に説明しています。
日本は、目標が明確になっていないだけでなく、感染対策に欠かせない手段である検査や医療、ワクチンの確保もできていません。神戸市には今、入院できずに自宅で待機中の感染者が何百人もいます。1年前から同じことの繰り返しです。
――岩田医師は日本も「感染ゼロを目指すべき」と考えている。
なぜなら、日本で1万人近く、世界では約300万人が命を落としている、危険なウイルスだからです。
ワクチン接種が他国に比べて遅い日本で、具体的にどうコロナに対峙していけばいいのか。
全国一斉に感染ゼロを目指すのではなく、都道府県単位で「感染ゼロ」の地域を増やしていけば、日本でも感染ゼロを達成できると考えています。
最初は強い対策が必要です。都道府県境をまたぐ移動をいったんは制限します。都道府県境を越えて移動する人には、PCR検査を義務付けるのもいいかもしれません。PCR検査は、潜伏期間中は陽性と出ないことがあり、すり抜けが必ず出ますが、「PCR検査を受けなければならない」ということで、不要不急の遠出の抑制になります。
都道府県単位での感染ゼロは、直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数が少ない島根県や高知県では、外部から人が流入しなければ、比較的早い段階で達成できるのではないか。
感染ゼロの状態が一定期間続いた自治体では、会食やイベントなどの開催を順次、解禁していきます。そして、感染ゼロの自治体同士に限って往来も解禁します。こうやって段階を踏んでいけば、いずれ全国で感染ゼロを達成できるはずです。
 
 
 

 


●「今までと違う」 大阪“第4波”重症化の実態 4/21
大阪・堺市にある国立病院機構近畿中央呼吸器センターでは、新型コロナウイルスの第1波のころから、中等症を中心に患者を診て来ました。大阪で変異ウイルスが拡大するなか、今月、看護師からこんな声が上がったといいます。
「『この“第4波”ちょっと変じゃないか。呼吸不全が多く、今までのコロナと違う』と看護師が言っていた」 今月、異変が起きていました。酸素吸入が必要な患者が半数を超えていたのです。 ある50代の男性患者の肺を見ますと、上部と下部、左右いずれも白い影が出ていました。広範囲に及ぶ肺炎です。
「呼吸器内科医が見ても、背筋が、ぞっとするような影。(通常)肺炎を起こす場合は片側に偏っていることが多い。両方の肺のうちの一方だけがやられているので、もう片方の肺で換気が出来る。両方の肺がやられてしまうと、換気が出来るスペースが減るので、呼吸器不全を起こしやすい。酸素が、どんどん足りなくなってくる」 この50代の男性に基礎疾患はありませんでしたが、それでも、重症化したのです。 第1波から3波では、入院要請があった患者の平均年齢は68歳でしたが、第4波では53歳と比較的、若い世代に広がっています。
「例えば30歳代の症例があって、すごくがっしりした方だったけど、肺炎がどんどん進行して、最終的には人工呼吸管理を要するような状態に数日以内に陥ってしまった」 軽症や中等症の病床使用率は、じわじわと上がっているのに対し、重症病床は先月下旬ごろから急速に埋まっていきました。第4波では重症化の早さが際立っています。
「軽症・中等症(病床)に入った途端に、重症病床にバトンパスされる。一瞬で動いてしまって、あっという間に重症病床が埋まってしまったというのが今回の第4波の特徴」 大阪府で確保されている重症病床は259床ですが、重症患者はすでに300人を超えています。そのため、重症患者も軽症や中等症の病床で診続けています。その数は60人に上っています。重症病床がない近畿中央呼吸器センターでも、重症患者をケアしている状況です。
「当院は呼吸器センターなので、人工呼吸器やそれに対するケアに関しては、基本的には問題はない状況だけど、人手が足りなくて軽症・中等症病床でICUレベルのケアがしにくいというのが、すごくジレンマだと看護師は言っている」 大阪府では20日、基礎疾患のない50代の女性の死亡が確認され、基礎疾患のない20代の男性が重症となったことがわかっています。

●大阪府 府立学校29校 休校 新型コロナ感染急拡大で 4/21
新型コロナウイルスの感染の急拡大の影響で、大阪府内では合わせて29校の府立学校が休校しています。
大阪府立の学校では教職員や児童・生徒の感染が確認され、校内で拡大するおそれがある場合は、保健所の調査が終わるまで休校の措置をとることにしています。
府によりますと21日の時点で、府内に180ある府立学校のうち29の高校や支援学校が、感染の影響で休校しているということです。
府は感染の急拡大を受けて、4月15日に小中学校や高校などに対し、部活動を原則、休止することや、不安を感じて登校しない子どもには、オンラインで学習支援を行うことなどを求めています。
また、今後、仮に緊急事態宣言が出されても、1回目の宣言時のように一斉休校は行わず、感染対策を徹底しながら授業を続けるとしています。

●大阪府 緊急事態宣言要請「早急に検討して判断」菅首相 4/21
大阪府が緊急事態宣言の発出を国に要請したことについて、菅総理大臣は参議院本会議で、状況を精査し対策の中身を検討したうえで速やかに扱いを判断する考えを重ねて示しました。
この中で菅総理大臣は、新型コロナウイルスの感染状況について「大阪、兵庫で急速に感染が拡大したほか、東京、神奈川、埼玉でも感染者数の増加が続くなど、強い危機感を持って対応すべき状況にある」と述べました。
そのうえで「大阪府から、緊急事態宣言の要請がなされており、状況を精査し、対策の中身も早急に検討して判断をしていく」と述べ、緊急事態宣言の扱いについて速やかに判断する考えを重ねて示しました。
また、大阪府の医療提供体制について「何よりも優先すべき課題と認識しており、国も大阪府と一体となって、広域的な医療従事者の派遣調整や、病床確保を進めている」と述べました。
一方、菅総理大臣は、ワクチンの高齢者への接種について「6月末までには、自治体の需要に応じてお届けすることになっている。接種がいつ完了するかは、実務を担う自治体の計画によるが、年内いっぱいまでかかるといった情報は、現時点では聞いていない」と述べました。
政府の分科会の尾身茂会長は、衆議院厚生労働委員会で「大阪、兵庫は、医療のひっ迫が一線を越えており、ひっ迫している期間をどれだけ短くするかに焦点を置くべきだ。一方、東京は感染拡大のスピードが徐々に加速しており、かなり強い対策を打たないと早晩、大阪のようになる可能性が考えられる」と述べました。そのうえで「『まん延防止等重点措置』をこのまま続け、幅の広い政策を打っても、その思いに比例するだけの行動変容がないことが分かっている。今はともかく早く緊急事態宣言の発出の議論をして、早急に判断すべきだ」と述べました。
自民党の森山国会対策委員長は、記者団に対し「どういう形になるかわからないが、今週末であっても、政府の方針が各自治体と協議のうえでまとまれば、立法府として速やかな対応をしていきたい」と述べました。
立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「自治体側も国も一体感が感じられず、互いに責任を押しつけ合っているような形で、調整がうまくいってないのは残念だ。変異株は予想を超えた速さで日本列島を覆い始めているので、1日も早く危機感を持った対応をとるべきだ」と述べました。そして「緊急事態宣言に伴い、休業要請を行う範囲によっては、今年度予算の予備費の5兆円はあっという間になくなる。そうなれば、今の国会で補正予算案を組まざるをえない状況になり、会期の延長も想定しうるのではないか」と述べました。
日本維新の会の馬場幹事長は記者会見で「きちんと人の流れをとめるための感染症対策を広げていく必要がある。繰り返し申し上げているが、ロックダウンなどの対策も視野に入れながら、事業者などにどのような補償を行うのかについて、政府側は一刻も早く考えてほしい」と述べました。
共産党の穀田国会対策委員長は、記者会見で「感染を抑え込むには、まずは行動規制が求められる。さらに今必要なのは、事業者への補償と抜本的な検査の拡充、それに医療機関に対する減収補填(ほてん)の3つだ。一方で後手後手に回っている政府の対応の検証も行うべきで、国会で時間をとってしっかり議論しなければならない」と述べました。 

●大阪 3回目の緊急事態宣言どうなる?「休業要請ならショック」 4/21
3回目となる「緊急事態宣言」の発出を国に要請している大阪府。緊急事態宣言が出された場合には、過去2回の宣言時よりも強い措置を検討しているとしています。現場は、さまざまな対応に追われています。
大阪府 飲食店への3つの検討案
飲食店に関しては、過去2回は時短営業の要請となっていましたが、今回はより強い措置を検討しているとしています。
1「すべての飲食店に休業を要請する」
2「土日・祝日は休業を要請し、平日は午後8時までの営業としたうえで酒類の提供はしない」
3「休業の要請はしないものの営業時間は午後8時までで酒類の提供はしない」
の3つの案です。こうした方針について、飲食店はどのようにとらえているのでしょうか。
飲食店「今回のはほんまにショック」
道頓堀で30年営業を続けてきた居酒屋では、営業ができても酒類の提供ができなければ影響は大きいと言います。この店にとって大型連休中は、1年の中でもいちばんのかきいれ時です。店では2回目の緊急事態宣言の解除後に、売り上げを取り戻そうと新たに4人のアルバイトを雇い入れたところでした。府や国の方針がまだ決まらない中、その日のアルバイトが何人必要かなど、今後の予定がたてられない状態だといいます。店主の男性は「早くコロナが収まるために、僕らは全面的に協力するんですけど、ビールとかお酒を飲んでもらって焼き鳥とか串カツとかをアテに食べてもらうような店なので、すごい今回のは、ほんまにショックです。アルバイトも生活がかかっている人がいっぱいいるので、いちばんの稼ぎ時がほぼ売り上げないというのは、残念だし悔しいです」と話しています。
すし店「決めるなら早く決めて」
一方、法善寺横丁の老舗すし店は、今回、休業要請が出されたとしても、感染拡大を抑えるためなら従わざるをえないと考えています。この店は、1回目の緊急事態宣言が終わった去年6月から専門家のアドバイスをもらうなど、大阪・ミナミの中でも感染対策のリーダー的存在です。店からクラスターを出さないようにするため、この店では、アクリル板など設備を整え、客の数を減らし、予約の時に履歴が分かる客に来てもらえるようにするなどして対応してきました。店主の男性は「商売人としては悲しすぎる寂しすぎることなんですけどそれはしかたないと思います。人の動きを止めることがいちばん早いと思う。決めるなら早く決めていただきたい。結論は速いほうがいいですね」と話しています。
大規模施設にも休業要請する考え
今回、大阪府は、デパートやテーマパークなど規模が大きく、人が集まる施設についても休業要請する考えです。具体的には、大規模な百貨店などのほか、ショッピングモール、地下街、大きな映画館に関しても休業要請を検討していることを明らかにしています。休業要請が検討されている規模な大きな商業施設や遊興施設では、一部で予約の受け付けを止めるなどの動きが出ています。
地下街「店が休業しても通路は通れる状態に」
大阪市内で、「ホワイティうめだ」や「なんばウォーク」など6つの地下街を運営する会社の「大阪地下街」では「休業要請が出された場合、入居する合わせて600の店舗に、要請に応じるよう求めることになると思うが、現時点では具体的な内容がわからないので情報収集を進め詳しい対応を検討したい」としています。店舗が休業しても、地下街の通路はふだんと同じように通れる状態にするということです。
映画館 予約の受け付け止めるところも
一方、映画館では、予約の受け付けを止めるところも出ています。「TOHOシネマズ」では座席指定券の事前販売を大阪、兵庫、京都の映画館で22日の上映分から一時休止し、当日券のみ販売することにしました。今後、休業要請が出された場合に備えた措置で、23日の上映分以降は、全国の映画館で事前販売を休止するとしています。このほか「大阪ステーションシティシネマ」でも22日からチケットの事前販売を一時停止するなど、予約の受け付けを見合わせる動きが相次いでいます。
阪神 5月の2軍広島戦 入場券発売見合わせ
プロ野球とJリーグは、緊急事態宣言が出された場合、自治体の判断に従うとしたうえで、観客を入れたまま試合を継続すべきだという考えを示しています。阪神やガンバ大阪など関西を拠点とする各球団やJ1のクラブもこの考えに沿ったうえで、地元の自治体と開催方法について調整を進めていくと見られます。このうち阪神は緊急事態宣言によって今後どんな方針が示されるか見通せないとして、2軍の公式戦のうち、甲子園球場で来月14日から16日まで予定されている広島3連戦の入場券の発売を見合わせることを決めました。関西を拠点とする各球団とクラブは、大阪や兵庫に「まん延防止等重点措置」が適用されたことを受けて、すでに主催試合の観客数を制限して開催しています。
吉村知事「国が宣言発出を決定した日に具体的な措置を決定」
大阪府の吉村知事は、21日の記者会見で、国が大阪への緊急事態宣言の発出を決めた場合は、その日のうちに対策本部会議を開いて、府民や事業者に求める具体的な措置を決定する考えを示しました。
吉村知事「見回り隊」倍に強化する方針
また吉村知事は、府が要請している措置を飲食店などが守っているかチェックする「見回り隊」について、現在の300人の体制から、倍の600人体制に強化する方針を明らかにしました。 
 
 
 

 


●3度目の緊急事態宣言 “これまで以上に強い集中的な対策を” 4/22
新型コロナウイルス対策で、政府は、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に、3回目となる緊急事態宣言を出すとともに、新たに愛媛県に「まん延防止等重点措置」を適用する方向で調整しています。緊急事態宣言のもとでは「休業要請」が可能となります。まもなく迎える大型連休。期間中の人の流れを減らすために、実効性のある対策がどこまで講じられるかが焦点です。西村経済再生担当大臣は「これまで以上に強い集中的な対策が必要」と述べ、不退転の覚悟を示しています。
変異ウイルスの急増など感染状況の悪化をうけて、政府に緊急事態宣言の発出要請をした東京、大阪、兵庫、京都の4都府県。宣言の期間や休業要請の範囲、営業時間の短縮要請の対象など具体的な措置について、政府との調整を加速させたい考えです。
加藤官房長官は、22日午前の記者会見で、厚生労働省の専門家会合からは、大型連休の機会を捉え、感染を抑える必要があり、特に感染が拡大している地域では人の流れを低下させる具体的な対策に取り組むことが求められていると説明しました。
そのうえで「大切なことは、感染拡大を防止するために、どのように実効性ある対策を講じるかということだ。さまざまな対策が、人流の抑制を通じて、感染リスクの低減につながっていく点を踏まえ、検討しなければならない」と述べ、大型連休の期間中に人の流れを減らすため、実効性のある対策を講じるとして、検討を急ぐ考えを示しました。
東京都
東京都は、23日に政府が緊急事態宣言の発出を決めれば、直ちに具体的な措置を公表したい考えです。東京都に緊急事態宣言が出された時の措置の案が関係者への取材でわかりました。
・飲食店については酒を提供する店に対して休業要請を行います。
・提供しない場合は、午後8時までの時短要請を行います。
・大型商業施設は床面積の合計が1000平方メートルを超える場合、生活必需品を販売するエリアを除いて休業するよう協力を求めます。
・イベントについては、社会生活の維持に必要なものを除き、原則、無観客で開催するよう協力を求めるとしています。
これらの案について都は政府との詰めの協議を急いでいて、23日、緊急事態宣言を出すことが決まれば、都内で行う措置として公表することにします。東京都内では22日、新たに861人の感染確認が発表されています。ことし3月に2回目の緊急事態宣言が解除されて以降では最も多く、2日連続で800人台となっていて、増加のペースが上がっています。
大阪府 “今週末からの適用を要請中”
関西でも、新型コロナウイルスの感染の急拡大に歯止めがかからないことから、大阪、兵庫、京都の3府県が、国に緊急事態宣言の発出を要請しています。大阪府内では22日、新たに1167人の感染確認が発表されました。1日当たりの感染者数としては過去5番目に多く、1000人を上回るのは3日連続です。大阪府の吉村知事は22日、国に要請している緊急事態宣言について、人が大きく動く週末の人出を抑える必要があるとして、今週末からの適用を求めていることを明らかにしました。吉村知事は「宣言の発出を決定したら、すみやかに適用すべきだと国に要請している。特に週末は人が大きく動くので、週末からお願いしたいということで話し合っている。まだ確定には至っていないが、僕としてはできるだけ早くお願いしたい」と述べました。また、吉村知事は宣言に伴う措置について「人流を大きく抑制することが非常に大事だ。大規模なショッピングモールや百貨店、地下街、テーマパークなどをいったん大きく止めたいと国と話をしている。より強い措置が必要だ」と述べ、国との調整を急ぐ考えを示しました。さらに、吉村知事はスポーツイベントについて「中止か延期、もしくは無観客で行うべきだ。人が多く集まることを避けることが基本的な考え方だ」と述べました。
兵庫県 大阪府と足並みをそろえ対応
兵庫県内では22日、新たに547人の感染確認が発表され、感染の拡大に歯止めがかからない状況が続いています。県は21日、「まん延防止等重点措置」では十分な効果があがっていないとして、国に対し、兵庫に緊急事態宣言を発出するよう要請しました。県は、政府による緊急事態宣言の発出を受けて、具体的な措置を決定する方針です。この中では、宣言の期間や休業要請を出すかどうか、それに飲食店での酒類の提供の自粛要請をどの地域まで行うかなどが焦点となっていて、県は大阪とともに、政府と調整を進めています。兵庫県の井戸知事は、関西広域連合の会合に出席し、「きのう過去最多の新規発生者を記録し、きょうも547人で史上2番目だ。大阪と足並みをそろえながら対応していきたい」と述べました。
京都府 感染確認 22日は過去2番目の多さ
京都府でも新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。府内では22日、新たに148人の感染確認が発表されました。1日の感染者数としては、ことし1月17日の154人に次いで、これまでで2番目の多さとなりました。京都府の西脇知事は22日、関西2府4県などで作る「関西広域連合」の新型コロナウイルスの対策本部会議にオンラインで出席しました。この中で、21日に、国に対して緊急事態宣言の発出を要請したことについて「感染拡大が顕著でいずれ病床のひっ迫が懸念される。大型連休を控え、関西で歩調をあわせようと判断した」と述べました。会議では大型連休での感染拡大を防ぐため、京都をはじめ緊急事態宣言を要請している府県では、飲食店などでの営業時間の短縮や酒類の提供の制限、生活維持に必要な場合を除き、みだりに外出しないこと、大人数が利用する集客施設でイベント開催の延期・自粛を求めていくことを確認しました。会議のあと西脇知事は、記者団に対し、現在、京都市など南部の16市町村で実施している飲食店などへの営業時間の短縮要請について、「北部でも何らかの対応が必要だとは考えており、国や地元自治体と調整したい」と述べ、時短要請を府内全域に広げることも選択肢だという考えを示しました。そして「酒類の提供については禁止するのが望ましいと考えているが、国と調整したい」と述べ、酒の提供を制限する要請は実施すべきだという考えを示しました。京都府は23日、対策本部会議を開いて措置を決定することにしています。
政府
新型コロナウイルス対策で、政府は、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に緊急事態宣言を出す方向で調整しています。菅総理大臣は22日夜、総理大臣官邸で、西村経済再生担当大臣や田村厚生労働大臣らと会談しました。会談では、宣言を出す方針を決めるのにあたって、期間や講じる措置などについて詰めの協議を行ったとみられます。そして、今後の方針が固まれば、23日にも、感染症の専門家などでつくる「基本的対処方針分科会」を開いて意見を聴いたうえで、政府の対策本部で、宣言を出すことなどを正式に決定する方針です。
西村大臣「これまで以上に強い集中的な対策が必要」
西村経済再生担当大臣は、22日の衆議院本会議で「緊急事態宣言の発出について、感染力の強い変異株を抑えるため、具体的に何を強化すべきか、都府県と緊密に連携し、詳細な詰めを行っている。期間も含めて検討し、近く『基本的対処方針分科会』を開き、専門家の意見を聴いたうえで、最終的に判断していく」と述べました。そのうえで、宣言のもとで講じる措置について「大型連休の機会を捉え、これまで以上に強い集中的な対策が必要だ。休業要請を含め、具体的に、どういった業種に、どういう要請を行っていくのか、専門家の意見を聴きながら、都府県と緊密に連携し、速やかに判断していきたい」と述べました。
愛媛県「まん延防止等重点措置」の適用を要請
一方、愛媛県が「まん延防止等重点措置」の適用を国に要請したことを受けて、政府は、東京都などに「緊急事態宣言」を出すことを決定するのに合わせて、新たに愛媛県に「重点措置」を適用する方向で最終調整しています。愛媛県内では先月23日に、23人の感染が発表されて以降、この1か月、連日、30人から40人前後の感染が発表されています。22日も新たに29人の感染確認が発表されました。
松山市での適用を想定
県は、県全体へのまん延の危機が迫っているとして、国に対し、「まん延防止等重点措置」を適用するよう要請すると発表し、21日夜、要請手続きを行いました。「重点措置」の適用には、政府の分科会が示す指標で「ステージ3」相当であることが目安となっていて、県は特に厳しい感染状況が続いている松山市での「重点措置」の適用を想定しています。適用されるかどうかは、今後、感染症などの専門家でつくる政府の「基本的対処方針分科会」に諮られることになります。
全国の感染者数 5459人
22日は、これまでに全国で5459人の感染が発表されています。奈良、三重、大分、福井の4つの県で、1日としての感染者数が過去最多となるなど全国的に感染拡大の傾向に歯止めはかかっていません。

●波は大きくなっている : 東京、大阪などに3回目の緊急事態宣言発出へ 4/22
2020年のゴールデンウイーク前、どこにも行かれない落胆はあったものの、「なんとか感染拡大を抑えなければ」という緊張感の方が勝っていたのではないだろうか。2年続けて盛り上がれない大型連休はフラストレーションの方が大きいけれど、でも、自由な生活を取り戻すためにもうひと踏ん張り。
政府は新型コロナウイルスの感染が再び拡大する東京都、大阪府、京都府、兵庫県に対する緊急事態宣言の発出を4月23日にも決定する。緊急事態宣言は、これで3回目となる。
大阪は4月5日、東京は12日からコロナ対策のまん延防止等重点措置が適用されている。しかし、繁華街やターミナル駅などの人出に大きな変化はなく、感染者の増加傾向が続く。社会全体が新規感染者数の数字に不感症になってしまっているようだ。
2020年4〜8月と2020年11月21日〜21年4月21日の新規感染者数の推移を2枚のグラフにまとめた。寄せて返すたびに波は大きく高くなっているように見える。最初の緊急事態宣言が出された20年4月9日の東京都の新規感染者は87人、解除された同年5月25日は8人。隔世の感がある。
第4波をさらに大きくしないためにも、一人ひとりが気を締め直すときだ。

●広島のホテル、GWは近隣から集客 コロナ「第4波」で予約低調 4/22
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、広島県内のホテルがゴールデンウイーク(GW)の集客に工夫を凝らしている。「第4波」の様相が強まり、予約が低調になった。キャンセルの動きもある。3密にならない屋外イベントを企画したり、食事の会場を個室に切り替えたりして、近場からの客の呼び込みに力を入れている。
グランドプリンスホテル広島(広島市南区)は、ウオーキング講座を初めて企画した。宿泊客を対象に5月3、5日の朝、無料で開く。参加者は正しい姿勢などをスポーツトレーナーに教わり、周辺の海辺約3キロをごみを拾いながら歩く。
例年のGWは満室となる同ホテル。今年の宿泊予約は2割にとどまる。昨年は政府の緊急事態宣言を受けて4月下旬から6月末まで休業していた。コロナ禍で迎える2年目のGWも、苦境から完全には抜け出せていない。「瀬戸内海に面する近場のリゾートとして再認識してもらいたい」とし、ヨガやストレッチ講座など館内の滞在時間を充実させる企画も用意している。
感染の収束が見通せない中、今年のGWの旅行予約は盛り上がりを欠いた。さらに政府は東京都や大阪府などに緊急事態を宣言する予定。旅行会社たびまちゲート広島(中区)には予約のキャンセルが相次いでいる。特に団体客向けが低調。個人客も自家用車で行ける近場や山間部の温泉などを選んでいるという。
大崎上島(大崎上島町)にあるホテル清風館は、客が少ない日は休業日を設けている。4月は3日間休む。密集を避けるため宿泊できる部屋を半分に減らした。GW中は空いた部屋を個室での食事に使ってもらうようにする。
行元勇介副支配人は「いつ利用が戻るのか先が読めない」と厳しい見方を示す。一方で「島にホテルがあり、密が避けられるイメージがあるからか連休中は思ったより予約が入った。感染対策を徹底し、コロナ禍に合わせた営業を続けたい」と話した。

●GWは「自宅でゆっくり」6割、「国内旅行」3割も… 外出控え進むか 4/22
エアトリが4月21日に発表した今年のゴールデンウイーク(GW)の過ごし方に関する調査結果によると、「自宅でゆっくり休む」が前年から大幅増の約6割だったが、国内旅行も約3割で、1回目の緊急事態宣言真っただ中だった前年より増加した。調査は4月上旬に行われたもので、大阪府をはじめとする関西圏や東京都で3回目の緊急事態宣言発出が見込まれる現状より前のもの。今年のGWの動向はさらに厳しいものになると予想され、観光業界への打撃が懸念される。
就業中の人がGWに有休を取る予定は「ない」が62・9%と消極的。GWの連休は暦通りの5連休が33・7%でトップで、7連休は16・8%だった。
GWの過ごし方は1位が「自宅でゆっくり休む」の57・5%。前年から22・2ポイント増加し、感染拡大の状況などから予定をたてずらいこともあり、再度の「ステイホーム」を考えている人が多いようだ。
一方、2位は29・8%で「国内旅行」に。前年より14・1ポイント増え、3位の「買い物」22・1%も前年より増加と、外出を予定する人が多いようだ。ただ、前述のように調査は大阪府や東京都での3回目の緊急事態宣言が取りざたされる前。外出を控える人の増加が予測され、旅行需要の低迷が心配されるところだ。 
 
 
 

 


●3回目の緊急事態宣言 どう変わる 4都府県の具体的措置  4/23
政府は、25日から来月11日までの期間、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県を対象に緊急事態宣言を出すことを決定しました。緊急事態宣言の発出にあたって、政府は、飲食の場面での対策をさらに強化することに加え、変異ウイルスの感染者が急増していることを踏まえ、人の流れを抑制する措置をとるなど、大型連休に合わせて徹底した感染対策に取り組むことにしています。具体的には、緊急事態宣言の対象地域では、酒やカラオケ設備を提供する飲食店などに対して、休業要請を行うとともにそれ以外の飲食店にも営業時間を午後8時までに短縮するよう要請するとしています。そして、対象の都府県に対し、休業要請や営業時間の短縮の要請に応じていない飲食店などの利用を厳に控えるよう住民に徹底することや路上や公園での集団での飲酒といった感染リスクが高い行動に対し、注意喚起するよう求めています。
また、生活必需品を販売する小売店などを除き、百貨店やショッピングセンター、量販店や映画館など、建物の床面積の合計が1000平方メートルを超える多くの人が利用する施設には休業要請を行うほか、公立の施設の閉館や閉園を検討するよう求めています。
イベントについては、社会生活の維持に必要なものを除き、原則として無観客で開催するよう要請するとしていて、Jリーグやプロ野球なども含まれるとしています。さらに、鉄道やバスなどの交通事業者に、平日の終電の繰り上げや週末・休日の減便のほか、主要ターミナルでの検温の実施などの協力を依頼するとしています。このほか他の地域への感染拡大を防止する観点から、不要不急の都道府県間の移動は極力控えるように促すとしています。
また、在宅勤務の活用や大型連休中の休暇の取得を促すことなどで、職場への出勤者を7割削減することを目指すとしています。そして、学校に一律の臨時休業は求めないとしていますが、部活動などで、感染リスクの高い活動は制限や自粛するよう要請するとしています。大学などでは、遠隔授業も活用して、効果的に授業を実施し、学びの機会の確保を図るよう求めることにしています。一方、医療提供体制を確保するため、政府が医療人材の派遣を支援するほか、感染が急拡大する際には、時限的に、一般医療を制限することも含め、感染症対応に必要な病床や宿泊療養施設を速やかに確保するとしています。
東京都 休業要請の協力金 1日最大20万円で調整
東京都は25日から始まる見通しの緊急事態宣言の期間中、酒を提供する飲食店への休業要請などを行う方針で、全面的に実施した店舗には規模や売上高などに応じて1日あたり4万円から最大20万円を支給する方向で調整しています。緊急事態宣言について、政府は、東京都などを対象に期間を25日から5月11日までとして出す見通しです。都は、大型商業施設や酒を提供する飲食店への休業要請や、酒を提供しない飲食店への時短要請などを行う方針で、全面的に実施した事業者には協力金を支給することにしています。関係者によりますと、協力金の額は、1日あたり 、大型商業施設には20万円、施設のテナントには2万円とする考えです。また、飲食店への協力金は、今の「まん延防止等重点措置」と同様に、規模や売上高などに応じて店舗ごとに1日あたり4万円から最大20万円を支給する方向で調整しています。都は、協力金の支給によって事業者の協力を促し、人の流れを減らして感染の拡大を抑え込みたい考えです。
都立高校 一律休校せず分散登校で調整
緊急事態宣言の発出にともない、東京都教育委員会は、都立高校などで一律の休校は行わない方針です。一方で、分散登校を実施する方向で調整を進めています。分散登校は、ことし1月からの2回目の緊急事態宣言でも実施されました。この時は、学年ごとなどで登校する日を分けてオンラインでの家庭学習も組み合わせました。都の教育委員会は、今回の緊急事態宣言では、去年の春の1回目の宣言の時に行った一律の休校は要請しない一方、分散登校は実施する方向で調整を進めています。また、部活動は、宣言の期間中の中止を検討しています。こうした学校の対応は、23日夜、臨時に開かれる都の教育委員会で協議され、正式に決定されます。
大阪府の措置
大阪府は23日夜、対策本部会議を開き、吉村知事は「社会経済活動にも大きな制約が生じるが、現在の感染状況や医療のひっ迫の状況をみると、大阪で感染を抑えることが最も重要だ。府民や事業者に理解と協力を求めていきたい」と述べ、宣言に伴う府の措置を決定しました。具体的には、府内全域で、酒類やカラオケ設備を提供する飲食店に休業を要請し、提供しない場合や、それ以外の飲食店には夜8時までの時短要請を行います。また、生活必需品を販売する小売店などを除き、建物の床面積の合計が1000平方メートルを超え、多くの人が利用する施設には休業を要請します。イベントは、規模や場所に関わらず無観客での開催を要請します。府民に対しては、通院や食料品の買い出しなどを除く不要不急の外出の自粛や、路上や公園などで集団で飲酒しないことを呼びかけます。経済界に対しては、事業の継続に必要な場合を除いて、午後8時以降の勤務を抑制することや、防犯に必要なものを除いて、夜間の屋外の照明を消すことを要請します。さらに、公共交通機関に対しては、土日と祝日の減便や、平日の終電時刻の繰り上げ、それに、主要なターミナルでの検温の実施を依頼することにしています。
兵庫県の措置
兵庫県は、対策本部会議を開き、宣言に伴う措置を決定しました。措置は、県内全域に適用され、酒やカラオケ設備を提供する飲食店などに対して、休業要請を行います。また、酒を提供しない飲食店にも営業時間を午後8時までに短縮するよう要請します。さらに、生活必需品を販売する小売店などを除き、建物の床面積の合計が1000平方メートルを超える施設にも休業要請を行います。イベントは、原則、無観客での開催を要請します。一方、県立学校について、一斉休校は行わないものの県外での修学旅行や部活動などは中止するとしています。そして、県民に対し、日中も含めた不要不急の外出・移動の自粛、混雑している場所や時間を避けて行動すること、路上や公園などでの飲酒を自粛することなどを呼びかけることを確認しました。兵庫県内では、感染者の発生状況に地域差があることから、県は、措置の適用範囲を検討していましたが、大型連休中に人の移動を抑制し、強力な措置で、感染を抑え込む必要があるとして県全域への適用を決めました。
京都府の措置
京都府は、23日夜、対策本部会議を開き、25日から来月11日までの宣言の期間中に実施する措置を決めました。対象地域は府内の全域とし、酒やカラオケ設備を提供する飲食店などに対して休業要請を行うとともに、提供しない場合やそれ以外の飲食店にも営業時間を午後8時までに短縮するよう要請します。また、生活必需品を販売する小売店などを除いて建物の床面積の合計が1000平方メートルを超え多くの人が利用する施設には休業要請を行います。対象となる大型施設は百貨店やスーパー、映画館、博物館、美術館、ライブハウスなどです。イベントは無観客での開催以外は休止を要請します。府民に対しては、不要不急の外出の自粛や都道府県間の移動を控えること、それに、路上や公園での集団での飲酒を行わないことなどを求めています。また、大学にはオンライン授業を積極的に活用すること、中学校や高校にはクラブ活動を2時間以内とすることを要請するなど、感染対策の徹底を求めています。さらに、地下鉄やバスなどには平日の終電の繰り上げや週末や休日の減便などの協力を依頼するとしています。
緊急事態宣言とは
緊急事態宣言は、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく措置です。全国的かつ急速なまん延により、国民生活や経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある場合などに、総理大臣が宣言を発出し、措置を講じる期間や区域を指定します。対象地域の都道府県知事は、住民に対し、生活の維持に必要な場合を除いて、外出の自粛をはじめ、感染の防止に必要な協力を要請することができます。また、特に必要がある場合は、臨時の医療施設を整備するために、土地や建物を所有者の同意を得ずに使用できるほか、緊急の場合、運送事業者に対し、医薬品や医療機器の配送の「要請」や「指示」ができ、必要な場合は、医薬品などの収用を行えます。
行政罰として30万円以下の過料
そして、都道府県知事は、百貨店や映画館など多くの人が集まる施設の使用制限の「要請」に加え、ことし2月の特別措置法の改正によって、正当な理由なく応じない事業者などには「命令」ができるようになり、「命令」に応じない事業者への行政罰として、30万円以下の過料が設けられました。

●東京 大阪 兵庫 京都に緊急事態宣言 25日〜来月11日 政府決定  4/23
政府は、今月25日から来月11日までの期間、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県を対象に緊急事態宣言を出すとともに、愛媛県に「まん延防止等重点措置」を適用することを決定しました。
新型コロナウイルス対策をめぐり、政府は23日午後6時半から総理大臣官邸で対策本部を開き、菅総理大臣をはじめ、西村経済再生担当大臣や田村厚生労働大臣らが出席しました。
この中で菅総理大臣は「全国の新規感染者数は、先月から増加が続き、大阪府と兵庫県では、医療提供体制がこれまでになく厳しい状況にある。また、感染力の強い変異株は、大阪府、兵庫県では、感染者のおよそ8割を占め、東京都では、およそ3割まで増えている」と指摘しました。
そして今月25日から来月11日までの期間、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県を対象に緊急事態宣言を出すとともに、愛媛県に「まん延防止等重点措置」を適用することを決定しました。
また、すでに「重点措置」が適用されている宮城県と沖縄県について、5月5日までの期限を11日まで延長することも決定しました。
菅総理大臣は「今回の緊急事態宣言は、ゴールデンウイークの短期集中対策として、飲食の対策を強化するとともに、いったん人の流れを止めるための強力な措置を講じるものだ」と述べました。
具体的には、飲食店に酒類やカラオケ設備の提供の停止を要請し、デパートやテーマパークなどにも休業を要請するほか、イベントやスポーツは原則、無観客とするよう求め、テレワークや休暇の取得によって出勤者の7割減を目指す考えを示しました。
そのうえで影響を受ける事業者などへの支援策について「資金繰りに大きな影響が出ている飲食や宿泊に加え、小売りや文化関係などについても、返済猶予や新規融資を積極的に行うよう速やかに徹底してもらいたい。飲食店や、休業要請に応じた大規模施設、売り上げが減少した事業者には、協力金や一時金を支給する」と述べました。
そして菅総理大臣は「各大臣は、きょうの決定に基づき、職員のテレワークの徹底のほか、人の流れを抑えるべく所管する業界に働きかけるなど、感染を抑え込むために全力を挙げていただきたい」と指示しました。
菅総理大臣は23日午後8時をめどに記者会見を行い、去年4月、ことし1月に続いて3回目となる宣言の発出を判断した理由などを説明して理解を求めるとともに、国民に外出自粛などの協力を呼びかけることにしています。
政府は仕事や学校が休みになる人が多い大型連休に合わせて、より強い対策を集中的に講じることで人の流れを減少させ、感染を抑え込みたい考えです。
農林水産省は米や小麦を含めた食料品は十分、確保されているとして、「緊急事態宣言が出された地域でも、スーパーやコンビニなどは営業を継続していただく。消費者の皆さんは買いだめや買い急ぎをせず、落ち着いた購買行動をお願いしたい」と呼びかけています。

●「変異株の動き」懸念 3回目の緊急事態宣言「短期間で集中して実施」 3/23
菅義偉首相は23日、記者会見し、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県を対象に緊急事態宣言を発出することを明らかにした。期間は4月25日から5月11日までの17日間。
会見で菅首相は、「全国の感染者数は先月以来増加が続き、重症者も急速に増加をしている。大阪、兵庫の感染者数はいわゆるステージ4の中でも高い水準にあり、医療提供体制はこれまでになく厳しい状況にある。東京、京都においても感染者数の増加ペースが日増しに高まっており、いわゆるステージ4の水準に至っている」と指摘。
そして「特に懸念されるのは変異株の動き」と主張。「陽性者に占める割合は大阪・兵庫で約8割、京都で約7割、東京でも約3割に上昇するなど強い警戒が必要。このまま手をこまねいていれば、大都市における感染拡大が国全体に広がることが危惧される」と訴えた。
菅首相は「ゴールデンウィークという多くの人々が休みに入る機会を捉え、効果的な対策を短期間で集中して実施することにより、ウイルスの勢いを抑え込む必要がある」と説明したうえで、私自身これまで、再び宣言に至らないように全力を尽くすと申し上げてきたが、今回の事態に至り、再び多くの皆様方にご迷惑をおかけすることになる。心からお詫びを申し上げる」と述べ、頭を下げた。
緊急事態宣言の発出は今回で3回目。1回目は20年4〜5月、国内で初めて感染が拡大したいわゆる「第1波」のときだ。この時は初めに東京、大阪、福岡など7都府県を対象としていたが、その後範囲が拡大し一時は全国が対象に。飲食店、スポーツジム、ライブハウスなど幅広い業種が休業要請の対象となった。
2回目は21年1〜3月。年末年始に感染者数が急拡大した「第3波」の際で、東京を中心とする首都圏で感染が急拡大したため、神奈川・千葉・埼玉を含む1都3県を対象区域に発出された。大阪、愛知、福岡などが追加され、もっとも多いときには11都府県に出されました。1度目と異なり、休業要請は行わず、飲食店に対する午後8時までの営業時間短縮要請に留まった。 

●3回目の緊急事態宣言、休業要請で連休の人出抑制−変異株拡大 4/23
政府は23日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言を東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に発令することを決定した。25日から5月11日まで。感染力の強い変異株が流行する中、大型連休の人出を抑える狙いがある。
菅義偉首相は対策本部で、「ゴールデンウイークの短期集中対策として飲食の対策を強化するとともに、いったん人の流れを止める強力な措置を講じる」と述べた。  
酒類提供やカラオケ設備を持つ飲食店、1000平方メートル以上の大型商業店舗に休業を要請する。スポーツなどのイベントも原則無観客となる。
緊急事態宣言の主な内容
・飲食店に午後8時までの時短要請
・酒類提供やカラオケ設備を持つ飲食店に休業要請、特措法の命令・罰則の対象に
・Jリーグ・プロ野球などイベントの原則無観客化
・百貨店・ショッピングセンター・量販店・映画館など1000平方メートルを超える大型店舗に休業要請
・日中も含めた不要不急の外出自粛、都道府県間の移動の自粛、混雑している時間・場所を避けた行動の要請
・鉄道・バスの交通事業者に平日の終電繰り上げ、週末休日の減便への協力依頼
・在宅勤務・テレワーク・大型連休中の休暇取得の促進によって出勤者数の7割減
・一般医療の制限も含めたコロナ対応に必要な病床・宿泊療養施設の速やかな確保
宣言発令は2020年4月、21年1月に続き、3回目。1月に首都圏や関西圏などに発令された2回目の緊急事態宣言は、飲食店への時間短縮要請が中心だった。
東京都では23日、新たに759人(前日861人)の新型コロナウイルス感染を確認した。感染者数の直近7日間移動平均は697.3人で、前週比128.7%となり増加傾向が続いている。
宣言発令の期間が長引けば、7月に迫る東京五輪開催への障害となりかねない。また感染状況は菅内閣の支持率にも影響しており、衆院解散の時期や自民党総裁選の行方も左右する。

●3回目の発出「緊急事態宣言」とは? 4/23
新型コロナウイルス感染症対策として首相が発出する緊急事態宣言。これまで昨年4月、今年1月に続き、今回が3回目です。ニュースでよく耳にする「緊急事態宣言」ですが、そもそもどのような内容なのでしょうか。また、発出されると私たちの生活はどう変わるのでしょうか。過去2回の宣言で取られた対策を振り返りながら見てみましょう。
Q:政府による「緊急事態宣言」とは?
新型コロナウイルス対策の特別措置法(特措法)に基づく宣言です。発出するには(1)国民の生命・健康に著しく重大な被害を与える恐れがある(2)全国的かつ急速なまん延により国民生活・国民経済に甚大な影響を及ぼす、あるいはその恐れがある――の2要素が認められる必要があります。
Q:対象地域はどこ? どう決まるの?
政府は「緊急事態宣言」を出すにあたり(1)期間(2)区域(3)緊急事態の概要――を示す必要があります。緊急事態宣言の期間や具体的な対策などは「基本的対処方針」に記し、宣言発出や内容変更をする際にはこの対処方針の内容を「基本的対処方針分科会」(会長:尾身茂氏)に諮る手続きが必要です。今回の期間は4月25日から5月11日までの17日間、対象地域は東京、大阪、兵庫、京都の4都府県です。
Q:宣言対象の都道府県ではどういう措置がとられるの?
人流を抑制する観点から、
(1)酒類の提供やカラオケ設備がある店舗に対する休業要請(酒類などを提供しない飲食店は午後8時までの営業時間短縮)
(2)イベントや催し物は原則として無観客で開催するよう主催者に要請
(3)地下鉄やバスなどの交通事業者に対して平日の終電繰上げ、週末休日の減便などを依頼
(4)建築物の床面積の合計が1000平方メートルを超える商業施設(生活必需品の販売店などを除く)に対して休業を要請
などが行われます。
Q:過去2回の緊急事態宣言はどういう内容だったの?
コロナ禍の中、これまでに昨年2020年4月から5月までと今年2021年1月から3月までの2回、緊急事態宣言が発出されました。1回目は、国内で初めて感染が拡大したいわゆる「第1波」の流行です。この時は初めに東京、大阪、福岡など7都府県を対象としていましたが、その後対象地域が拡大していき、一時は全国が対象となりました。対策としては、飲食店、スポーツジム、ライブハウスなど幅広い業種が休業要請の対象となりました。2回目は、年末年始に感染者数が急拡大した「第3波」の時です。東京を中心とする首都圏で感染が急拡大したため、神奈川・千葉・埼玉を含む1都3県を対象区域として発出されました。後に大阪、愛知、福岡などが追加され、もっとも多いときには11都府県が対象となりました。1回目との違いは、休業要請は行わず、飲食店に対する午後8時までの営業時間短縮に絞った点です。
Q:「まん延防止等重点措置」も出されたよね?
「まん延防止等重点措置」とは、急激な感染拡大を抑え緊急事態宣言を出す状況に至らないよう、地域を絞って集中的な対策を行うための措置で、特措法の改正により2月から出すことができるようになりました。適用された都道府県では、その都道府県内でエリアを指定して飲食店への時短営業要請などを行うことができます。この措置は、大阪、兵庫、宮城の3府県で4月5日に初めて出されました。その後、12日には東京、京都、沖縄が、20日からは埼玉、千葉、神奈川、愛知の4県が追加されました。今回の緊急事態宣言の発出と同時に、政府は愛媛県も重点措置の地域に加えました。

●より強い措置を伴う3回目の緊急事態宣言とその経済への影響 4/23
3回目の緊急事態宣言発令
23日に政府は、3回目の緊急事態宣言を発令する。対象は東京、大阪、京都、兵庫の4都道府県となる。20日から21日にかけてそれぞれの地域が、政府に発令を正式要請した。関西地域は足並みを揃えたが、関東圏では神奈川、千葉、埼玉が加わらず、足並みが乱れた形だ。
発令の期間は4月25日から5月11日までの17日間となる。飲食店に午後8時までの時短要請、酒類提供やカラオケ設備を持つ飲食店に休業要請、Jリーグ、プロ野球などイベントの原則無観客化、百貨店、ショッピングセンター、量販店、映画館など1000平方メートルを超える大型施設に休業要請、鉄道・バスの平日終電繰り上げと週末休日の減便依頼、不要不急の外出自粛要請など、かなりの広範囲にわたる。
3月21日に2回目の緊急事態宣言が解除されてから1か月に満たないこの時期に、政府が3回目の緊急事態宣言の発令に追い込まれる。このことは、2回目の緊急事態宣言とそれに続くまん延防止等重点措置が、感染拡大を抑え込むのに十分に機能しなかったということを裏付けている。さらに足元での感染拡大には、感染力が高く、重症化のスピードが速いなど、従来型よりも強さを増した変異ウイルスの影響が大きい。より強力になった新型コロナウイスルに対しては、従来以上により強力な措置を講じなければ、その感染拡大を抑え込むことはできない。
幅広い業種への時短要請などより厳しい措置
2回目の緊急事態宣言とそれに続くまん延防止等重点措置は、飲食業の時短要請に絞った対策、との印象が強い。これは菅政権の戦略に基づいたものだろう。しかし実際には、対策を飲食業の時短要請に絞ったことが、感染抑制効果を十分に発揮できない大きな原因の一つになってしまったのではないか。感染のリスクが高いのは、決して夜の飲食時だけではない。
昨年の1回目の緊急事態宣言時と比べて、全体的に人出は抑えられていない。夜の飲食に限らず、人々の外出を促す多くの企業の活動に関しては、幅広く時短や休業要請を行う必要があるだろう。
この点は、大阪府知事、東京都知事らは十分に認識しており、3回目の緊急事態宣言ではより広範囲で厳格な対策を主張していた。
こうした知事らの意見に押されて、経済活動への悪影響を警戒する政府も、2回目の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置よりも格段に厳しい措置の適用を受け入れたのだろう。
6,990億円の経済損失
東京、大阪、兵庫、京都の4都府県で緊急事態宣言が発令される場合の経済損失を試算しよう。4月25日から5月11日までなど17日間で、関西3府県での経済損失は2,880億円、1年間のGDPに対する比率は0.05%となる。東京都での経済損失は、4,110億円、1年間のGDPに対する比率は0.07%となる。合計の経済損失は6,990億円で1年間のGDPに対する比率は0.13%となる。また、失業者を2,770万人増加させる。
過去の緊急事態宣言による経済損失の試算値を振り返ると、第1回目が6.37兆円、第2回目が6.28兆円(コラム、「拡大されるまん延防止措置の経済損失」、2021年4月9日)である。他方、4月5日から始まり5月5日まで続くまん延防止等重点措置による経済損失の試算値は、5,540億円である(一地域は緊急事態宣言に転換するため、その影響を除く。他方、愛媛県(松山市)を新たに適用対象に加え、宮城県・沖縄県の適用期間を延長した効果を含む)。
3回目の緊急事態宣言の経済損失は、現時点では1回目、2回目よりも小さく、まん延防止等重点措置による経済損失をやや上回る程度だ。
「景気の三番底」の可能性も
しかし、3回目の緊急事態宣言は、過去2回と同様に対象区域のさらなる拡大や期間の延長がなされる可能性が高いだろう。緊急事態宣言が4都府県で17日間の期限で終わる可能性の方が小さいのではないか。
仮に4都府県に首都圏の3県が加わる7都府県で2か月の緊急事態宣言となれば、経済損失は3兆8,640円まで膨らむ。まん延防止措置の影響を加えれば4兆4,4180億円にまで達し、2回目の緊急事態宣言の経済損失額に近付く。
3回目の緊急事態宣言は、2回目の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置と比べて、明らかにより強力な措置が講じられる。それは、感染抑制効果を高めると同時に、経済活動も強く抑制することになるはずだ。
飲食業だけでなく、百貨店などの小売業、映画館・演劇・スポーツなどのアミューズメント関連、宿泊業など旅行関連など、接触型サービスを中心に幅広い業種の企業売り上げに大きな打撃を与えるだろう。その結果、零細企業を中心に、倒産、廃業の動きが広がり、雇用情勢も悪化する可能性が高い。緊急事態宣言の対象区域と期間がさらに拡大していけば、4−6月期の実質GDP成長率が2四半期連続でマイナスとなる、いわば「景気の三番底」の可能性も出てくる。
それでも、変異ウイルスによって強力化した新型コロナウイルスの感染を抑制するには、かなり強力な措置が必要だ。政府は、規制の対象を拡大するのと並行して、経済的支援の対象と規模を拡大することが早急に求められる。

●3回目の緊急事態でも…福岡の「まん延防止」見送った理由は 4/23
政府は23日、新型コロナウイルス対策のまん延防止等重点措置の対象地域に愛媛県を追加した一方、検討していた福岡県への適用は見送った。経済へのダメージを懸念する県側と、東京五輪・パラリンピックを控えて重い措置の地域をなるべく広げたくない政府側―。それぞれの思惑は「しばらくは現状維持」との結論に行き着いた。
「福岡は大丈夫か」。この日、専門家らによる政府分科会では、福岡県の感染状況を懸念する声が上がったものの、政府側は「知事や県と連携しながら必要な対策を機動的に講じていく」と議論を引き取り、重点措置には至らなかった。
福岡県では、14日に新規感染者数が前週の3倍を超える156人に急増すると、増加トレンドが続き、22日は268人、23日も239人を数えた。22日時点の病床使用率などはステージ3(感染急増)に当たり、感染力が強いとされる変異株の割合も5日以降の抽出検査で約半数に達している。
政府は4月中旬から、福岡県への重点措置発動の適否を検討してきたが、菅義偉首相は22日夜になって「現時点ではない」と明言した。自民党幹部によると、少なくとも4月中は予定していないという。
緊急事態宣言と重点措置の判断を巡っては、政府は知事による要請を重視しており、愛媛県の重点措置も知事が強く要望したことが決め手となった。だが、福岡県に関して政府高官は「地元が求めていない」と指摘。「五輪への影響を考えると、適用範囲は絞りたい。わざわざ政府の方から要請を出すよう、知事に促すことはない」とする。
服部誠太郎知事も強い対策は最小限にとどめたい意向で、22日の記者会見では「感染防止と社会経済活動のバランスも必要」と言及した。福岡市を対象に、飲食店などへの営業時間短縮要請を始めたばかりであり、県幹部も「まずは時短効果を見たい」と話す。  

●コロナ第4波、折畳み「マイパーテーション」と ワンタッチ開閉「食事用マスク」 4/23
オリバーラボ株式会社は、今迄に無いワンタッチで開閉できるマスク「マスクイート(Maskeat)」とA4サイズの折畳みパーテション「どこでもパーテーション」を開発しました(特許出願準備中)。今回、好評を得た「どこでもパーテーション」に、さらに「女性用A5サイズ」も追加し、コロナ第4波対策として販売を開始しました。
変異型コロナ第4波への対応は、従来以上の厳しい対応が求められています。これからはお店任せにするのではなく、マイパーテーション(折り畳めバッグに入る「どこでもパーテーション」)を常に持参し、その上に食事用マスク(ワンタッチ開閉の「マスクイート」)を併用することで、飛沫対策を完全にしより安全な外食で経済も回していけばと思います。
コロナ禍で苦しむ飲食店を応援したい
発生してほぼ1年世界中で猛威を振るうコロナが、更に第4波で脅威を増し苦しい状況です。会食中の飛沫問題を避けるには、やはりマスクの使用が避けられません。ただ、一口ごとにマスクを外すのは流石に面倒です。そこでマスクを外さないで食事が出来るマスクを製作しました。ただ、マスクがどうしても無理な人向けに、バッグでの持運びが容易なA4・A5サイズの折畳みパーテション「どこでもパーテーション」を同時販売します。入ったお店にパーテションが無い時でも、他人に感染させる不安なく食事を楽しめます。更に市販の携帯用空間除菌剤を併用すれば、パーテーショで区切られた狭い空間なので除菌効果も期待できます。
「どこでもパーテション」
久しぶりに街で友人に有ったので、喫茶店で少し話をしたかった。でも、その店にはパーテーションが無く、友人にも悪いので手短に切り上げざるを得なかった。こんな時でも、バッグに「どこでもパーテーション」が有れば友人に対しても安心して話を続けられます。
ビジネスバッグに簡単に入るほぼA4サイズで重さも雑誌1冊程度の400g、ノートパソコン半分程度なのでコロナが収束する迄は、常にバッグの中に「どこでもパーテション」を忍ばせておけば、マスクが無くても会食を楽しめると思います。今回、女性用バッグにも携帯しやすい更に小さいA5サイズも発売可能となりました。
コロナ対策の「どこでもパーテーション」ですが、狭い我が家でリモートワークをする時この「どこでもパーテーション」を置くと、思いのほか周りから隔離された感覚になり(パーテーションにポスター等を貼り周りから見えなくすると更に効果が上がります)、仕事に集中できます。恐らく受験勉強でも同じ効果が期待できるのではと思います。
「マスクイート」
「マスク会食」の一例として、政府から利き手の反対の手でマスクを外しながら食事をする方法、フルフェースのカバーを持ち上げては食べ物を口に運ぶ方法等が紹介されていますが、街中では評判が今一です。マスクやフェースカバーを一口ごとに上げ下げするのはなかなか面倒なので、マスクははめたままで、ワンタッチで口元だけ開くマスクを開発しました。
マスクの布部分と耳にかけるゴム部分が分離でき、布部分だけ開閉できるマスクです。強力なネオジブ磁石を使用することで、安心して確実にワンタッチで布部分のみが開閉出来ます。マスクを耳から外すことが無いので素早くしかも正確に元の位置に戻せ、マスクのズレをいちいち直す手間もいりません。
「マスクイート」本体はPET樹脂と磁石で製作され、取替え可能な布部分は、市販の不織布マスクを使用するので非常に安価です。フルフェースカバーは価格もさることながら持ち運びが不便ですが、「マスクイート」は通常のマスクとほぼ同様の大きさなので、持運びにも問題は有りません。
「マスクイート」は、布部分と耳掛け部分が分離されるので、自作のマスクを布部分として使用することが出来ます。市販のお気に入りマスクも、耳掛け部分の長さを調整すれば殆どのマスクに対応します。

●阪神は開幕ダッシュ成功も…コロナ第4波の「緊急事態宣言」が難敵に 4/23
「コロナ禍で気持ちが沈みがちですが、この快進撃は救いですね」
こう語るのは、阪神ファンの麻生千晶氏(作家)だ。
開幕ダッシュに成功した阪神は敵地で巨人に負け越したものの、2位に2ゲーム差をつけた首位。23日から甲子園でDeNAを迎え撃つ。気の早いファンは「ゴールデンウイークが終わるまでに首位固めや!」と気炎を上げているが、そんなムードに水を差すのが新型コロナウイルス感染対策のため、25日から大阪府、兵庫県、京都府、東京都に再発令される緊急事態宣言。期間は5月11日までの見込みだ。
22日、コロナの新規感染者が1167人を記録した大阪府は、重症患者も激増中。病床の確保が追いつかず、すでに医療崩壊が始まっている。3度目の宣言を出すよう要請した吉村洋文知事は、「今回の宣言の中身というのを、街における人流を抑制するくらい強いものにしていく」と決意を語った。宣言が発令された場合、百貨店やテーマパーク、大規模商業施設などに休業を要請する考えだ。プロ野球やJリーグなどのスポーツイベントも「原則、中止か延期すべき。もしくは無観客」と述べている。
よい流れにブレーキ
プロ野球が中止や無観客になれば、首位を走る阪神にとっては大きな痛手だ。
「今年はよく打つし、見ていてすがすがしい勝ち方です。大きなホームランをかっ飛ばす新人の佐藤輝明選手は22歳でも堂々としているし、大山選手の打撃も、これまでにはなかった積極性が見える。梅野捕手はリードもいいし、マルテ、サンズの外国選手もよく活躍している。投手陣も藤浪君が復活を果たした。2005年以来の優勝へ千載一遇のチャンスじゃないですか。それが、いっときでも公式戦が中止になれば、ここまでのよい流れが止まってしまわないか心配です」(麻生氏)
これが阪神ファンの本音だろう。
無観客は紅白戦みたい
仮に中止によるブレーキは避けられたとしても、人流を抑えるために有観客での開催は無理だろう。
阪神OBが言う。
「無観客でもチームへの影響は少なからずあるでしょう。例えば、今の阪神は20代の若手が多い。ムードメーカーのマルテや佐藤輝のホームラン後のパフォーマンスなどでベンチは盛り上がり、ファンと一体になる。観客がいないと、そんなパフォーマンスもシラけてしまう。コロナで開幕が遅れた昨季も、序盤は無観客で行われた。どこのチームよりも熱く、心強い存在の阪神ファンがいないので、『まるで練習試合や紅白戦みたい』と漏らした選手がいましたから。それでも、中止になるよりマシですが」
助っ人問題
4都府県に緊急事態宣言が発令される中で、プロ野球が無観客で行われることになっても、阪神は別の難問を抱えている。それがぜいたくな助っ人問題だ。
コロナ禍の特別ルールにより、一軍の外国人登録枠は5人(通常シーズンは4人)になったが、1試合の起用はこれまで通り4人までだ。
4戦4勝の2年目右腕ガンケルに、昨季セーブ王のスアレスは外せない。マルテ(打率・293、6本、13打点)とサンズ(同・274、6本、17打点)も好調だ。
「だから矢野監督も頭が痛い。野手は当初、韓国2冠王の新助っ人、ロハス・ジュニア(30)を左翼に起用。マルテとサンズの2人を一塁で競わせるはずだった。ところが、コロナによる入国制限でロハスと韓国最多勝右腕・アルカンタラ(28)の来日が大幅に遅れた。現在、マルテとサンズはよく打っているし、ロハスとアルカンタラが入団会見を行った翌日の20日も、マルテが2発3打点、サンズも1発を放った。監督は好調なときにスタメンや打線はいじりたくないもの。21日からロハスはファームの試合に出場し、一軍からお呼びがかかるのを心待ちにしている。矢野監督からすれば、1カ月ぐらい二軍で調整していて欲しいはずだが、2億6000万円の高給取りを長いこと二軍に置いておくわけにもいかない。ロハスだって納得しません。仮に当たっているマルテを外して強引にロハスを使えば、チーム内に不協和音を生み出す。ちなみにアルカンタラは、中継ぎのエドワーズを二軍に落とせば先発で使えますが……」(前出のOB)
ビクトリーロードを阻むのはコロナか、それとも豊富な助っ人陣か。
 
 
 

 


●3回目の緊急事態宣言 どう変わる 4都府県の具体的措置 4/24
政府は、25日から来月11日までの期間、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県を対象に緊急事態宣言を出すことを決定しました。
緊急事態宣言の発出にあたって、政府は、飲食の場面での対策をさらに強化することに加え、変異ウイルスの感染者が急増していることを踏まえ、人の流れを抑制する措置をとるなど、大型連休に合わせて徹底した感染対策に取り組むことにしています。
具体的には、緊急事態宣言の対象地域では、酒やカラオケ設備を提供する飲食店などに対して、休業要請を行うとともに、それ以外の飲食店にも営業時間を午後8時までに短縮するよう要請するとしています。
そして、対象の都府県に対し、休業要請や営業時間の短縮の要請に応じていない飲食店などの利用を厳に控えるよう住民に徹底することや、路上や公園での集団での飲酒といった感染リスクが高い行動に対し、注意喚起するよう求めています。
また、生活必需品を販売する小売店などを除き、百貨店やショッピングセンター、量販店や映画館など、建物の床面積の合計が1000平方メートルを超える多くの人が利用する施設には休業要請を行うほか、公立の施設の閉館や閉園を検討するよう求めています。
イベントについては、社会生活の維持に必要なものを除き、原則として無観客で開催するよう要請するとしていて、Jリーグやプロ野球なども含まれるとしています。
さらに、鉄道やバスなどの交通事業者に、平日の終電の繰り上げや週末・休日の減便のほか、主要ターミナルでの検温の実施などの協力を依頼するとしています。
このほか、他の地域への感染拡大を防止する観点から、不要不急の都道府県間の移動は極力控えるように促すとしています。
また、在宅勤務の活用や大型連休中の休暇の取得を促すことなどで、職場への出勤者を7割削減することを目指すとしています。
そして、学校に一律の臨時休業は求めないとしていますが、部活動などで、感染リスクの高い活動は制限や自粛するよう要請するとしています。
大学などでは、遠隔授業も活用して、効果的に授業を実施し、学びの機会の確保を図るよう求めることにしています。
一方、医療提供体制を確保するため、政府が医療人材の派遣を支援するほか、感染が急拡大する際には、時限的に、一般医療を制限することも含め、感染症対応に必要な病床や宿泊療養施設を速やかに確保するとしています。
東京都 休業要請の協力金 1日最大20万円支給
東京都は、23日夜、対策本部会議を開き、25日から5月11日までの緊急事態宣言の期間中に行う措置を決めました。
このうち、酒やカラオケ設備を提供する飲食店などに対しては休業を要請します。
これらを提供しない場合は午後8時までの営業時間の短縮を要請します。
この要請にすべての期間、応じた場合、規模や売上高などに応じて店舗ごとに1日あたり4万円から最大20万円を支給します。
デパートなどの大型商業施設は床面積の合計が1000平方メートルを超える場合、生活必需品を販売するエリアを除いて休業を要請します。
要請に応じた場合、大型商業施設には1日あたり20万円、施設内のテナントには1日あたり2万円をそれぞれ協力金として支給します。
また、劇場や野球場、それに遊園地などでイベントを行う場合は、社会生活の維持に必要なものを除き、原則、無観客での開催を要請します。
さらに、都民に対しては、日中も含めた不要不急の外出と移動の自粛に加え、 都道府県をまたぐ不要不急の移動は極力、控えるよう求めています。
このほか、床面積の合計が1000平方メートル以下の劇場や運動施設、博物館などには都独自に休業の協力を依頼し、この依頼に全面的に応じた場合は、都独自の支援金として1日あたり2万円を支給します。
都立高校 一律休校せず分散登校実施
緊急事態宣言の期間中、東京都教育委員会は、都立高校などで一律の休校は行わず、時差通学を徹底し、登校する生徒を3分の2以下におさえる分散登校を実施します。
都の教育委員会によりますと、25日から来月11日までの宣言の期間中、定時制や通信制、島しょ部の学校を除いた都立の高校と中高一貫教育校では、時差通学を徹底するとともに分散登校を実施します。
電車やバスで通学する生徒が多く通学時の感染リスクを抑え、分散登校によって生徒を3分の2以下にして校内でのリスクも抑えます。
特に、今月29日から来月9日の間は、オンラインで課題を配信したりホームルームを行ったりして、すべての生徒に自宅で学習してもらいます。
また、部活動や飛まつ感染の可能性の高い活動、それに、修学旅行などの宿泊を伴う行事については宣言の期間中は中止します。
さらに、小中学校に対しては変異ウイルスに対応するため感染対策の徹底や感染予防や感染への不安から登校できない児童生徒にはオンラインを活用するなどして個別に対応するよう求めるとしています。
小池知事 「危惧される感染爆発を抑え込む」
都の対策本部会議のなかで小池知事は「今後、危惧される感染爆発を抑え込んで都民の命を守っていくためには、まず第1に人流の抑制、第2に急所対策の戦略的強化、第3に備えの強化、この3本柱の対策を集中して強化していく必要がある。いま一度、一体となって難局に立ち向かっていきましょう」と述べました。
また、小池知事は午後9時すぎから臨時の記者会見を開きました。
このなかで、小池知事は「東京の人の流れを確実に抑えるため、都民の皆さんには、この宣言の期間中、徹底したステイホームをお願いしたい」と呼びかけました。
そのうえで、都内の感染状況について「新規感染者数はきょうも700人を超え、前の週からの増加率は130%近くとなっている。変異ウイルスの感染力の影響もあり、感染スピードは加速度的に上がっている状況で極めて危機的で、深刻と考えなければならない」と述べ、感染の急拡大に危機感を示しました。
そして「去年の大型連休を覚えていると思うが、ステイホームを続けていただいた。皆さんの協力によって、感染者数は劇的に減少したことを思い出してほしい。現下の危機的な状況の中で、いま一度、徹底して人の流れを抑える。そのためのステイホームを実践する17日間としていく」と述べました。
また、小池知事は「ステイホームをお願いするうえでのキーワードは『おさえる』で、都民や事業者の皆さんにも、このことばを常に心に刻んでいただきたい。外出、帰省、出勤を抑える。1人1人が積み重ねることで、自身はもとより、家族や大切な人への感染を抑えることができる。特に感染力が強い『N501Y』の変異があるウイルスに打ち勝つためには、これまで以上に抑えることへの意義を高めなければならない。ポイントを押さえた施策を推し進め、一刻も早くコロナを抑えるために全力を尽くしていく」と述べました。
さらに小池知事は、都民に対し「大型連休の旅行や帰省は中止または延期でお願いしたい。観光地や行楽地への外出も『なし』でお願いしたい。遠くの家族やお孫さんとは電話やオンラインで話していただきたい」と呼びかけました。
都外に住む人たちに対しては「エッセンシャルワーカーなどどうしても出勤が必要な人以外は、可能なかぎり、東京に来ないでいただきたい」と強調しました。
このほか、小池知事は、飲食の場面は感染リスクが高いとして、家族以外との会食は昼夜や屋内外を問わず控えることに加え、高齢者や学生の昼間のカラオケや、路上や公園での飲み会をやめるよう呼びかけました。
そして「バーベキューやホームパーティー、レンタルスペースでの飲み会も行わないでください」と具体的な例をあげて呼びかけました。
そのうえで「これまでの皆さんの努力が水の泡に帰さないためにも改めて力を結集していこう。『1年また続けてください』ということではない」と述べ、集中的な取り組みへの協力を重ねて呼びかけました。
一方、小池知事は「『去年も同じようなことを言っていたではないか』と言われるかもしれないが、現実に、変異ウイルスが以前より拡大し、治療薬もなく、ワクチンを待っている今は、素手でたたかっていくしかない」と述べました。
都内の運転免許試験場や警察署の更新手続きは変更なし
東京都内の運転免許試験場などでは、すでに免許更新の延長手続きや密を避ける対策が取られていて、今回、緊急事態宣言が出された後も変更はないということです。感染拡大に伴い、都内の運転免許試験場や警察署などでは、運転免許の有効期間を3か月間、延長できる手続きが行われています。また、通常の更新手続きについても講習の受講者をふだんより減らしたり、部屋の換気を行ったりして対応するということです。
東京都は鉄道各社に減便など要請
また東京都は、大型連休中の人の移動を徹底して抑えたいとして、JRや私鉄各社などに対して、減便や休日ダイヤを適用するよう協力を求めました。東京都が要請を行ったのは、都内のJRや私鉄合わせて14社などで、今月29日から来月11日までの大型連休を含む期間中、鉄道の減便や、休日ダイヤを適用するよう求めています。都は「変異したウイルスなど新型コロナの感染が急速に拡大していることから、交通事業者の協力を得て人の移動を徹底的に抑えたい」としています。要請を受けてJRや私鉄各社は、対応を検討することにしています。
大阪 午後8時以降の勤務抑制を要請
大阪府は23日夜、対策本部会議を開き、吉村知事は「社会経済活動にも大きな制約が生じるが、現在の感染状況や医療のひっ迫の状況をみると、大阪で感染を抑えることが最も重要だ。府民や事業者に理解と協力を求めていきたい」と述べ、宣言に伴う府の措置を決定しました。
具体的には、府内全域で、酒類やカラオケ設備を提供する飲食店に休業を要請し、提供しない場合や、それ以外の飲食店には夜8時までの時短要請を行います。
また、生活必需品を販売する小売店などを除き、建物の床面積の合計が1000平方メートルを超え、多くの人が利用する施設には休業を要請します。
イベントは、規模や場所に関わらず無観客での開催を要請します。
府民に対しては、通院や食料品の買い出しなどを除く不要不急の外出の自粛や、路上や公園などで集団で飲酒しないことを呼びかけます。
経済界に対しては、事業の継続に必要な場合を除いて、午後8時以降の勤務を抑制することや、防犯に必要なものを除いて、夜間の屋外の照明を消すことを要請します。
さらに、公共交通機関に対しては、土日と祝日の減便や、平日の終電時刻の繰り上げ、それに、主要なターミナルでの検温の実施を依頼することにしています。
吉村知事 「いま強い措置をとらないといけない」
大阪府の対策本部会議のあと、吉村知事は、記者団に対し「社会経済活動に与える影響は大きいとじゅうじゅう承知しているが、府内の感染状況や医療のひっ迫状況を踏まえ、いま、強い措置をとらないといけない。府民の命を守るため、ご協力をお願いしたい」と述べ府民や事業者に対し、府の措置への理解と協力を求めました。一方、吉村知事は、記者団が、緊急事態宣言を解除する基準を質問したのに対し「具体的に、『これになったら終了だ』と言えるような状況ではない。一定の時期が来たときに、出口をどうするかという議論は行う必要があるが、いま、解除や出口の議論をすること自体が誤ったメッセージになる」と述べました。
兵庫 県外の修学旅行や部活動など中止
兵庫県は、対策本部会議を開き、宣言に伴う措置を決定しました。
措置は、県内全域に適用され、酒やカラオケ設備を提供する飲食店などに対して、休業要請を行います。
また、酒を提供しない飲食店にも営業時間を午後8時までに短縮するよう要請します。
さらに、生活必需品を販売する小売店などを除き、建物の床面積の合計が1000平方メートルを超える施設にも休業要請を行います。
イベントは、原則、無観客での開催を要請します。
一方、県立学校について、一斉休校は行わないものの県外での修学旅行や部活動などは中止するとしています。
そして、県民に対し、日中も含めた不要不急の外出・移動の自粛、混雑している場所や時間を避けて行動すること、路上や公園などでの飲酒を自粛することなどを呼びかけることを確認しました。
兵庫県内では、感染者の発生状況に地域差があることから、県は、措置の適用範囲を検討していましたが、大型連休中に人の移動を抑制し、強力な措置で、感染を抑え込む必要があるとして県全域への適用を決めました。
井戸知事 「全域で人の流れを抑制する必要ある」
兵庫県の井戸知事は対策本部会議のあと記者会見し、「各地で感染者が増加傾向であり、警戒を要する。人の流れを抑制する必要があり、路上での集団での飲酒など感染リスクが高い行動をしないよう強く呼びかけたい」と述べました。また、今回、措置を県内全域に適用した理由について、「各地の感染状況を勘案すると地域差を設けるほどの極端な差があるとは言えない。さらに、差を設けることによって人の流れが生じてしまうおそれがあり、今回は全域を対象にした」と説明しました。
京都 中学校や高校 クラブ活動2時間以内と要請
京都府は、23日夜、対策本部会議を開き、25日から来月11日までの宣言の期間中に実施する措置を決めました。
対象地域は府内の全域とし、酒やカラオケ設備を提供する飲食店などに対して休業要請を行うとともに、提供しない場合やそれ以外の飲食店にも営業時間を午後8時までに短縮するよう要請します。
また、生活必需品を販売する小売店などを除いて建物の床面積の合計が1000平方メートルを超え多くの人が利用する施設には休業要請を行います。
対象となる大型施設は百貨店やスーパー、映画館、博物館、美術館、ライブハウスなどです。
イベントは無観客での開催以外は休止を要請します。府民に対しては、不要不急の外出の自粛や都道府県間の移動を控えること、それに、路上や公園での集団での飲酒を行わないことなどを求めています。
また、大学にはオンライン授業を積極的に活用すること、中学校や高校にはクラブ活動を2時間以内とすることを要請するなど、感染対策の徹底を求めています。
さらに、地下鉄やバスなどには平日の終電の繰り上げや週末や休日の減便などの協力を依頼するとしています。
西脇知事 「一気に抑え込むことが大事」
京都府の西脇知事は、対策本部会議のあと記者会見し、府内全域で措置の適用を決めたことについて、「感染状況が当初は北部とそれ以外とは差があったが、じわじわと府内全体に広がってきている。感染をできる限り一気に抑え込むことが大事だと考えた」と述べました。そのうえで25日から措置が始まることについて「大型連休を控えてなるべく早く措置を取ることが望ましいのは間違いない。ただ、措置の中身を決めたのは非常に短い時間だったので、丁寧な周知に努めたい」と述べました。宣言の解除の見通しについては、「国の分科会が示すステージ3の指標が1つの目安になると思うが、いま出口の話を明確に述べることは難しい。それに大阪や兵庫の動向も視野に入れる必要がある」と述べました。また飲食店などへの時短要請に対する協力金については売り上げなどに応じた支援が続くという見通しを示す一方で、商業施設への休業要請などに対する支援については、「国でこれまでと違う枠組みが示される予定で、そのうえで府として仕組みを構築したい」と述べました。
緊急事態宣言とは
緊急事態宣言は、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく措置です。全国的かつ急速なまん延により、国民生活や経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある場合などに、総理大臣が宣言を発出し、措置を講じる期間や区域を指定します。対象地域の都道府県知事は、住民に対し、生活の維持に必要な場合を除いて、外出の自粛をはじめ、感染の防止に必要な協力を要請することができます。また、特に必要がある場合は、臨時の医療施設を整備するために、土地や建物を所有者の同意を得ずに使用できるほか、緊急の場合、運送事業者に対し、医薬品や医療機器の配送の「要請」や「指示」ができ、必要な場合は、医薬品などの収用を行えます。
行政罰として30万円以下の過料
そして、都道府県知事は、百貨店や映画館など多くの人が集まる施設の使用制限の「要請」に加え、ことし2月の特別措置法の改正によって、正当な理由なく応じない事業者などには「命令」ができるようになり、「命令」に応じない事業者への行政罰として、30万円以下の過料が設けられました。

●政策転換 説明不十分…3回目の緊急事態宣言  4/24
東京や大阪など4都府県に3回目の緊急事態宣言の発令が決まった。前回(1月)は飲食店への営業時間短縮要請などにとどめて経済との両立を目指したのに対し、今回は酒類提供の飲食店や大型商業施設に休業を求め、イベントの無観客開催にも踏み込んだ。突然の大きな政策転換だが、国民に十分に説明されたとは言い難い。
今回は感染力が強く、重症化しやすいとされる変異ウイルスが最大の脅威であり、政府は「人流の抑制」に重きを置いたようだ。だが、すでに経済は限界近くまで疲弊している。政策を変えるなら準備期間を設け、丁寧に説明するべきだった。
目下の最大の課題は、病床の確保だ。大阪や兵庫では首都圏に先行して2月末に前回宣言が解除されたが、この頃から変異ウイルスが確認され始めていた。解除後の「緩み」も警戒して医療提供体制の構築を急ぐ必要があったが、結果的に間に合わず、大阪府内では重症者用の病床使用率が実質的に100%を超える危機的な状況が続いている。
入院できるベッドがなく、必要な治療を受けられずに症状が悪化する人が増えれば、さらに医療が逼迫ひっぱくする。今後は高齢者へのワクチン接種も各地で本格化する。国は自治体任せにせず、看護師ら医療人材と病床の確保を広域的に支援すべきだ。 

●3回目の緊急事態宣言 国民の命を守る正念場だ 4/24
新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、政府は東京都と大阪府など4都府県に3回目の緊急事態宣言を発令することを決めた。あすから5月11日までの17日間だ。
東京などで前回の宣言が解除されてからわずか1カ月余りだ。菅義偉首相は当時、「再び宣言を出すことがないように対策をやるのが責務だ」と述べていた。失政に国民の不信が高まっている。
感染力が強い変異株が広がり、高齢者だけでなく40〜50代の重症者も増えている。大阪府では病床が逼迫(ひっぱく)し、医療崩壊が始まっていると指摘される。
国民の命を守る正念場だ。政府の覚悟が問われている。
変異株を甘くみた首相
前回は、1日当たりの新規感染者数を十分に減らせないまま宣言の解除に至った。特に関西圏は、期限を1週間前倒しして解除を決めた。
関西圏で感染者数が再び増加し始めると、政府は地域を限定した「まん延防止等重点措置」で抑え込みを図った。だが、変異株の広がりが明らかになって専門家が対策の強化を求めても、迅速に対応しなかった。
感染の第4波が明らかになった後も、菅首相は「全国的な大きなうねりとまではなっていない」と認めなかった。知事からの要請を受けて、宣言の発令に追い込まれた形だ。
経済への打撃を軽減することにこだわり過ぎたのではないか。政府はこの間の対応について検証を急ぐべきだ。さもなければ、同じ失敗を繰り返すことになる。
今回の宣言では、人出を極力抑えるため、酒類を出す飲食店のほか百貨店など集客施設への休業要請が出される。命令に応じない事業者は、過料の対象となり得る。
休業要請をめぐっては、地下街なども対象に含めるよう求める大阪府に対し、政府側が「経済的な影響が大きい」と慎重姿勢を示すなど足並みが乱れた。
事業者への支援や雇用を守る手立てが欠かせない。コロナ対策の予備費5兆円をためらわず活用すべきだ。需要喚起策「GoToキャンペーン」の予算を利用することも一案だろう。
埼玉など首都圏の3県は宣言の対象から外れ、前回のような東京都と一体の対応は見送られた。
3県はまん延防止措置を講じている。だが、より制限が厳しい東京から人が流入することが懸念されている。そのような事態を回避するための対策を徹底しなければならない。
宣言は最低でも3週間必要だとの指摘が専門家から出ていた。政府はゴールデンウイークの集中的な対策だというが、17日間に限ったことは疑問だ。新規感染者数や重症者数の抑制効果を見極めるには時間がかかる。
医療現場は疲弊しきっている。宣言を解除する場合は、感染者数や重症者数が十分に減ってからにすべきだとの声が強い。
来月中旬には、東京オリンピックの開催準備のため、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が来日を予定している。五輪日程への配慮から、解除を急ぐようなことがあってはならない。
協力得る丁寧な説明を
外出を自粛する「ステイホーム」も改めて呼び掛けられる。自宅にこもることでストレスが高まり、家庭内のトラブルが増えることも懸念されている。関係機関は相談体制を整え、目配りを欠かさないでほしい。
昨春の宣言から生活の制約が続き、国民の間には自粛疲れが目立っている。特に、東京では大阪より新規感染者が少ない。コロナ慣れから危機感が薄くなることが心配だ。
感染対策に国民の協力を得るためには、対策の強化に至った経緯や必要性を政府が分かりやすく伝えなければならない。感染リスクが高い場面や控えるべき行動について、粘り強く理解を求めることも重要だ。
政府が感染対策の切り札と位置付けるワクチンの確保や、自治体による接種体制の整備は遅れている。重症化リスクが高い高齢者への接種でさえ、夏ごろまでかかると見込まれる。
国民にワクチンが行き渡るまでは、感染対策の徹底と医療体制の拡充で乗り切らなければならない。政府は厳しい現実を直視し、実効性のある戦略を立てることに力を注ぐべきだ。

●政策転換 説明不十分…3回目の緊急事態宣言 4/24
東京や大阪など4都府県に3回目の緊急事態宣言の発令が決まった。前回(1月)は飲食店への営業時間短縮要請などにとどめて経済との両立を目指したのに対し、今回は酒類提供の飲食店や大型商業施設に休業を求め、イベントの無観客開催にも踏み込んだ。突然の大きな政策転換だが、国民に十分に説明されたとは言い難い。
今回は感染力が強く、重症化しやすいとされる変異ウイルスが最大の脅威であり、政府は「人流の抑制」に重きを置いたようだ。だが、すでに経済は限界近くまで疲弊している。政策を変えるなら準備期間を設け、丁寧に説明するべきだった。
目下の最大の課題は、病床の確保だ。大阪や兵庫では首都圏に先行して2月末に前回宣言が解除されたが、この頃から変異ウイルスが確認され始めていた。解除後の「緩み」も警戒して医療提供体制の構築を急ぐ必要があったが、結果的に間に合わず、大阪府内では重症者用の病床使用率が実質的に100%を超える危機的な状況が続いている。
入院できるベッドがなく、必要な治療を受けられずに症状が悪化する人が増えれば、さらに医療が逼迫ひっぱくする。今後は高齢者へのワクチン接種も各地で本格化する。国は自治体任せにせず、看護師ら医療人材と病床の確保を広域的に支援すべきだ。

●目算狂い、三たび緊急事態宣言 「まん延防止」不発、五輪に暗雲 4/24
新型コロナウイルス対応に窮する菅義偉首相が3回目の緊急事態宣言に追い込まれた。前回の宣言解除からわずか1カ月の発令は大きな誤算。短期集中で局面打開を目指すが、封じ込めに失敗すれば経済への打撃は一段と深刻になり、東京五輪・パラリンピック開催も危うくなる。頼みのワクチン接種が思うように進まず、収束への道筋は見通せない。
想定外
「厳しい闘いにも必ず終わりが見えてくると確信している。首相としてできることは全て全力を尽くしてやり抜く」。首相は23日の記者会見で、「コロナ危機」克服への決意を示した。
首相は経済の停滞を招く緊急事態宣言にかねてより慎重な立場。3月22日の全面解除後は宣言に準じた「まん延防止等重点措置」を適用して感染拡大を抑えつつ、ワクチン接種を進めることで乗り切るシナリオを描いた。重点措置下でも営業時間短縮の要請・命令など知事に一定の権限が与えられるため、「事実上の緊急事態宣言」(首相周辺)と見る向きもあった。
だが、大都市部で目に見える効果は上がらず、大阪では新規感染者数が1000人超で高止まりした。要因として感染力の強い変異ウイルスの流行が挙げられ、府は今月5日の重点措置適用から半月で宣言発令を国に要請。同様に感染拡大が続く東京都、京都府、兵庫県が一斉に続いた。
これに慌てたのが政府側。想定外の早い展開に、緊急事態宣言の準備ができていなかったためだ。4都府県の要請が出そろった21日夜、政府関係者は「感染対策、事業者支援策、発令期間、何も決まっていない」と頭を抱えた。首相は22日、重点措置のどこが不十分だったか記者団に問われ、「まだ検証していない」と明かした。
折衷策
今回の宣言に伴う対策では、酒類を提供する飲食店に休業を要請するなど以前より強い措置を打ち出した。路上・公園での飲酒防止にも取り組むとし、与党内から「禁酒法だ」との声も漏れた。
発令期間をめぐっては政府内で意見が割れた。加藤勝信官房長官や田村憲久厚生労働相は、対策の効果が出るのは2週間後とされる点を踏まえて「3週間」を求めた。
これに対し、経済活動の停滞を懸念する首相は「2週間」にとどめるよう主張。周辺には「できるだけ短くしたい」と語った。最終的に折り合ったのは「17日間」。双方が同程度歩み寄ったことになる。
首相が「短期決戦」に傾いた理由として、7月23日に開幕が迫る五輪への影響を避けたいとの思いがあるのは間違いない。五輪成功は安倍晋三前首相から託された最重要課題であり、今後の政権運営にも「追い風になる」(自民党幹部)とみられている。最近も首相は「絶対に開く」と強気な姿勢を周囲に示した。
延長含み
もっとも、首相が「切り札」と位置付けるワクチン接種が本格化するのは大型連休後。変異ウイルスは東京でも拡大しており、予定通り5月11日までで宣言を解除できるか不透明な情勢だ。
今年1月発令の2回目の宣言は全面解除まで2度延長した。今回、政府は「延長を前提としていない」(高官)と説明するが、国民に広がる「自粛疲れ」や「コロナ慣れ」もあり、期待する効果が出ない事態も予想される。23日の政府の基本的対処方針分科会に出席した専門家の一人は「(深刻度が上から2番目の)ステージ3にならないなら解除はあり得ない」と明言した。
「感染がこれ以上広がる状況は考えないようにしている」。首相官邸の関係者からはこんな声も漏れている。

●3回目「緊急」困惑、疑問 4/24
東京など四都府県に緊急事態宣言(二十五日から五月十一日)が発令されることが決まった二十三日、多摩地域の観光地や飲食店の関係者らは困惑の表情を浮かべた。市民からは宣言発令が三回目となることに、効果を疑問視する声も上がった。
観光地
初夏から秋が観光シーズンとなる奥多摩町の奥多摩湖。水面近くを歩いて渡れる「留浦(とずら)の浮橋」の近くで食堂を営む島崎軍治さん(76)は「五月二日から五日は店を閉める。新型コロナがなければ書き入れ時だが、自分が感染するのも怖い」と肩を落とした。同町はホームページなどで来町自粛を要請。隣接する青梅市内では、公園などの駐車場十一カ所が当面閉鎖される。こうした観光地の対応を知った東村山市の公務員、倉矢愛さん(36)は「小二と年長の子どもがキャンプに行きたがっていて、せめてバーベキューだけでもと友人家族と計画していたが、それも中止。近所で遊ばせるしかない」と残念がった。
飲食店
武蔵野市のJR吉祥寺駅北口にあって、約百軒の小規模な飲食店がひしめく「ハーモニカ横丁」。居酒屋十一軒を経営する手塚一郎さん(73)は「まん延防止等重点措置の影響で売り上げがダウンしたうえにまた緊急事態宣言。もう、めちゃくちゃです」と天を仰いだ。全店で酒類を提供しており、販売できなくなると「単純計算で五、六割の売り上げが吹き飛ぶ」という。「まだ休業補償などの中身が分からないが、条件次第で休業する店とテークアウト中心に頑張る店をつくるなど対策を検討したい」立川市錦町の「にくの助」店主、大貫敦さん(45)は「他の飲食店関係者と、どのように営業していくのか相談していたところ。要請に従うしかないが、きついです。耐えるしかない」と語った。
市民は…
緊急事態宣言は、市民のゴールデンウイークの予定も直撃した。家族で群馬県での三泊四日のキャンプを計画していた国立市の会社員西川義信さん(43)は「やめるべきか迷っている。仕事はテレワークで、子どもの保育園の送迎くらいしか外に出ておらず、年末年始の旅行もキャンセルしたばかり。子どもと外で遊ぶのを楽しみにしていたのに」と残念そう。「宣言に本当に効果があるのか。同じことの繰り返しばかりで医療体制も改善されていない。海外でワクチン接種が進んでいる状況を見ると差を感じる」と疑問を口にした。同市の会社役員小野円(まどか)さん(44)も「一棟貸しの民泊か実家に帰省する予定だったが、行くかどうかもう一度考えたい」と話した。  
 
 
 

 


●普段より人は減ったけど… 緊急事態宣言初日の東京都内 4/25 
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、25日に発令された3回目の緊急事態宣言。対象となった東京都では商業施設や百貨店で休業措置が取られ、普段より人出が少なかったとの声が上がる一方、1、2回目の緊急事態宣言時に比べると「思ったほど減ってない」との見方も。再び始まった我慢の日々。ただ、長引くコロナ禍による経済への打撃に加え、「自粛疲れ」や「宣言慣れ」もあり、効果は見通せない状況だ。
普段よりは少ない
普段の日曜なら買い物客や待ち合わせなどでごった返す東京都新宿区のJR新宿駅前。しかし、この日は大型百貨店や商業施設の休業が目立つ。仕事の関係で自転車で通りかかった自営業の上村圭司さん(28)は「人出が明らかに少ない。気晴らしの外出も思うようにできず、街の元気がどんどんなくなっていくようで心配」とこぼした。同駅近くで営業していた中華料理店では、休日の昼食を楽しむ多くの客の姿もあった。男性店員は「客足は減ったが、遠出できない分、外食を楽しむ人はある程度いるのかも」と見ているという。新宿駅から山手線で一駅の位置にある新大久保駅(新宿区)。周辺は韓国料理店や雑貨店などが軒を並べており、昼頃には若者を中心に多くの人が行き交い、テークアウト待ちの行列ができている店もあった。もっとも、街の様子を見回っていた地元の飲食店関係者の女性(45)は「普段の日曜日なら、歩道をまっすぐ歩けないほど人が出ることもある。本当にお客さんが少ない」と肩を落とした。
営業店舗は行列も
ブランドショップや百貨店が立ち並ぶ銀座は、昨年4月の1回目の緊急事態宣言時は、メインストリートの銀座通りに面した店はほとんどが休業していた。今回は百貨店が食料品や化粧品の売り場を除いて営業休止としたものの、そのほかの路面店は営業しているところが目立つ。普段に比べて少ないとはいえ、営業中の店舗では、入場制限待ちの列ができていた。銀座の衣料品店で働く30代の女性は「家にいたかったが、営業を続けているので出勤した。開いている店も多く、人通りもそれほど減っていないし、これで感染者が減るとは思えない」と話した。
近場でストレス解消
都立のスポーツ施設は25日から5月11日まで休館となり、駒沢オリンピック公園(世田谷区)は、駐車場やテニスコートなどの運動施設が閉鎖された。ただ、敷地内は自由に出入りできることから、遠出を自粛する近くの家族連れらが、好天の休日を楽しんでいた。2人の子供とボール遊びをしていた近くの医師、銘苅(めかり)朋樹さん(35)は「子供がストレスをためないよう、公園によく来るようにしている。連休中は公園に来るかゲームをして過ごすことになりそう」。第4波の到来を予想し、連休中の予定は入れなかったという。夫とともに、目黒区の自宅から徒歩で訪れた亀甲智恵子さん(75)は、いつもより人出が多いと感じたという。「コロナ禍で免許も返納したので遠出ができない。運動のために公園を散歩するように過ごし方が変わった」と語った。世田谷区の女性会社員(43)は自転車で犬の散歩に訪れた。「自然が好きなので遠出したいけど、しばらくは都内で自然を味わえる渓谷などに行こうかな」と思いをめぐらせた。東京都の小池百合子知事は25日、繁華街の人出が多いことに懸念を示し、「皆さんの動きをできる限り止めて、自宅で過ごしてほしい」と呼び掛けた。都庁で報道陣の取材に応じた。特に若い人が多く、近県からも集まっていたとし、「東京には来ないで、それぞれが充実した時間を過ごしてもらいたい」と訴えた。 

●新型コロナ きょうから3回目の“緊急事態宣言” 4都府県が対象 4/25
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、25日から3回目の緊急事態宣言の期間に入りました。過去2回の宣言では、解除までに1か月半から2か月半を要した中、来月11日までの2週間余りの短期間に、解除できる水準にまで感染を抑え込めるかが焦点となります。
宣言は3回目で、期間は来月11日までの2週間余りとなります。
こうした中、24日の新規感染者数は、東京で2回目の宣言解除以降、最多となったほか、大阪では5日連続の1000人超え、兵庫と京都では過去最多となりました。
政府は、変異ウイルスの拡大に最大限の警戒が必要だとして、大型連休に合わせて、短期間に集中的な対策を講じる方針で、酒やカラオケを提供する飲食店などに加え、百貨店やショッピングセンターなどの大規模な施設に休業を要請しています。
また、不要不急の外出や感染拡大地域との往来をできるだけ控えるよう求めるとともに、在宅勤務の活用や大型連休中の休暇取得を促し、出勤者の7割削減を目指すとしています。
一方、去年4月に出された1回目の宣言では、すべての地域の解除までにおよそ1か月半かかったほか、ことし1月に出された2回目の宣言でもおよそ2か月半を要しました。
今回の宣言をめぐり、専門家の中からは「2週間余りという期間は効果を評価するには短いと考えられる」という指摘も出ていて、短期間に解除できる水準にまで感染を抑え込めるかが焦点となります。
東京都
東京都は、1000平方メートルを超えるデパートなどの大型商業施設や、酒やカラオケ設備を提供する飲食店などに休業を要請するほか、酒を提供しない飲食店には午後8時までの営業時間の短縮を要請します。
また、法律に基づかない依頼として、1000平方メートル以下の劇場や映画館といった施設には休業への協力を求めます。
都は、大型商業施設には1日当たり20万円、飲食店に対しては1日当たり4万円から最大20万円の協力金を支給するほか、休業の依頼を行う施設には1日当たり2万円の支援金を出します。
一方、都民に対しては、日中も含めた不要不急の外出自粛に加え、都道府県をまたぐ不要不急の移動は極力、控えるよう求めます。
都は、都民、事業者の協力を得て踏み込んだ対策を集中的に行い、短期間で感染拡大を抑え込みたい考えです。
関西3府県
関西の3府県では具体的に、酒類やカラオケ設備を提供する飲食店に休業を要請するとともに、提供しない場合や、それ以外の飲食店には、営業時間を夜8時までとするよう要請しています。
また、生活必需品を販売する小売店などを除き、建物の床面積の合計が1000平方メートルを超え、多くの人が利用する施設には休業を要請しています。
イベントは、規模や場所にかかわらず、無観客での開催を要請しています。
府県民に対しては、不要不急の外出・移動の自粛や、路上や公園などで集団で飲酒しないことを呼びかけています。
さらに公共交通機関には、平日の終電時刻の繰り上げや、土日と祝日の減便、それに主要なターミナルでの検温の実施を依頼しています。
これについて大阪府の吉村知事は24日、「大変なご負担をおかけするが、なんとか宣言の期間中に感染を抑え、医療のひっ迫を少しでも和らげていく。そして、府民の命を守ることに全力を尽くしたいと思うので、ご協力をよろしくお願いします」と述べました。
3府県では、宣言の期間内に感染拡大を食い止めて、医療のひっ迫を緩和させたい考えで、府県民に重ねて協力を呼びかけています。

●緊急事態宣言 4都府県 暮らしに関する情報 4/25
デパート・商業施設
東京
三越伊勢丹は、25日から東京都内の店舗で、食料品や化粧品など生活必需品の売り場は時間を短縮し、一部の飲食店も酒類の提供をとりやめたうえで時間を短縮して営業します。そのほかの売り場は休業します。
大丸松坂屋、そごう・西武、阪急阪神百貨店、松屋、東武百貨店、京王百貨店は、対象地域にある店舗では25日から食料品など生活必需品の売り場は時間を短縮して営業し、そのほかの売り場は休業します。
高島屋、東急百貨店、小田急百貨店の対象地域の店舗は、生活必需品の売り場に加えて、一部の飲食店も、酒類の提供をとりやめたうえで時間を短縮して営業し、そのほかの売り場は休業します。営業を続ける売り場の詳細や営業時間は、それぞれの店舗によって異なります。
ルミネ、パルコ、マルイは、25日から食料品など一部の売り場を除いて休業します。営業を続ける売り場や営業時間は店舗によって異なります。
大阪
近鉄百貨店は、「あべのハルカス近鉄本店」と「上本町店」について、食料品などの売り場を除いて休業します。
大丸松坂屋百貨店は、食料品など生活必需品を扱う一部の売り場を除いて、25日から当面の期間で臨時休業するということです。
阪急阪神百貨店は、25日から来月11日まで平日は、阪急うめだ本店、神戸阪急、阪神梅田本店の食料品の売り場を除き、休業するほか、土日と祝日は全館で休業します。また、千里阪急、高槻阪急、川西阪急、西宮阪急、宝塚阪急、阪神・にしのみやは食料品の売り場を除き、休業します。あまがさき阪神、阪神・御影は営業時間を短縮します。阪急メンズ大阪と三田阪急は25日から全館で休業します。
高島屋は、食料品売り場などを除き、当面、休業します。
京阪ホールディングス傘下で、沿線の商業施設「京阪シティモール」「KUZUHA MALL」などを運営する京阪流通システムズは、要請の内容を確認してから対応を決めたいとしています。
大阪駅に直結している商業施設ルクア大阪は飲食店や生活必需品を扱う店舗を除き休業します。また、飲食店では酒類を提供しないとしています。
心斎橋パルコは、食料品や生活必需品を扱う一部の店舗を除き25日から当面、休業します。
大阪・梅田にある商業施設、グランフロント大阪は、宣言が出されている期間は、一部の店舗を除いて休業します。
京都
ジェイアール京都伊勢丹は、生活必需品の売り場のみ時間を短縮して営業し、そのほかの売り場は休業します。
大丸京都店と京都高島屋、藤井大丸、また、JR京都駅前の地下街のポルタとザ・キューブは、緊急事態宣言に伴う府からの要請を待って対応を検討することにしています。
ヨドバシカメラの「マルチメディア京都」は現在のところ通常どおり営業することにしています。
映画館・テーマパーク
緊急事態宣言を受けて映画館やテーマパークも臨時休業やアルコールの提供の休止といった対応をとっています。TOHOシネマズは対象地域にある映画館を25日から来月11日まで休業します。また、イオンシネマとユナイテッド・シネマグループも、対象地域の映画館を25日から当面、休業します。
東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを運営するオリエンタルランドは、千葉県からの要請にもとづいて今月28日から来月11日まで園内やホテルでのアルコールの提供を休止します。東京ディズニーシーは現状では、今月20日から千葉県に「まん延防止等重点措置」が適用されていることを受けて、営業時間をそれまでの午後9時から午後8時までに短縮しています。東京ディズニーランドも現状では、午後8時までの営業としています。
サンリオピューロランドとよみうりランドは、25日から来月11日まで臨時休業とすることを決めました。
大阪、兵庫、京都
政府の緊急事態宣言が出されることになったことを受けて、大阪のテーマパーク、「USJ」 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、25日の日曜日から臨時休業することを発表しました。臨時休業の期間は自治体からの要請が解除されるまでの間としていて、期間中のチケットの取り扱いなどについてホームページ上で案内するとしています。USJは、「来場を楽しみにしていた方にはご不便をおかけして心からおわび申し上げます。一日も早い社会経済活動の復興や観光関連の産業の回復に貢献できるよう今後も尽力していきます」とコメントしています。
大阪 浪速区の「通天閣」は展望台を当面、休業し、地下にあるお土産を販売するエリアの営業は続けることにしています。
大阪 天王寺区の「天王寺動物園」は24日から当面、休園することを決めました。
大阪 中央区の「大阪城公園」は去年、1回目の緊急事態宣言が出た際は天守閣や西の丸庭園を休業しましたが、今回の宣言への対応はまだ、決まっていないということです。
上方落語協会は大阪 北区の天満天神繁昌亭を宣言の期間中は休館とし、すべての公演を中止することを決めました。
大阪 北区の「梅田芸術劇場」は宣言が出る25日以降の対応はまだ決まっていないということです。
吉本興業は大阪・ミナミの「なんばグランド花月」など宣言対象地域にある劇場での公演を中止や延期、無観客でのオンライン配信に変更することを決めました。
観光施設など
東京スカイツリーなどの都内の主な観光施設も25日からの臨時休業を決めています。臨時休業するのは、東京スカイツリー、すみだ水族館、しながわ水族館、浅草花やしき、キッザニア東京などの観光施設です。休業の期間は来月11日までとする施設が多く、詳しい情報は、各施設のホームページで確認してほしいとしています。
スーパー・コンビニ
東京
西友、ライフ、ダイエー、サミット、オーケー、いなげや、オオゼキ、オリンピックは、原則として営業時間の変更は行わないとしています。
イトーヨーカドーは、食品売り場は通常どおり営業を続けますが、衣料品などその他の売り場は当面、午後8時までに営業時間を短縮します。
イオンは食品など生活必需品を取り扱う売り場の営業を続けるとしています。
セブン‐イレブン、ファミリーマート、ローソンは原則として通常どおりの営業を続けることにしています。
大阪、兵庫
23日午後8時現在、緊急事態宣言が出された場合の関西の主なスーパーやコンビニの対応です。多くは、今のところ通常どおり営業するとしています。
このうち、ダイエー、光洋、ライフ、スーパー玉出、コノミヤ、大阪 北区の天満市場は通常どおり営業する予定です。
また、イトーヨーカドーは、食品売り場については通常どおりの営業とし、衣料品や飲食店街などは午後8時までの営業となります。
オークワは一部の店舗ですでに2時間から3時間営業時間を短縮していて、宣言が出されても時短営業を続けることにしています。
一方、豊中市の豊南市場は今月29日の祝日と大型連休中の来月2日から5日までの営業を取りやめることを決めました。
このほか、イオン、阪急オアシス、スーパーマーケットKINSHO、関西スーパーは宣言の内容を見て判断するとしています。
続いて、コンビニの対応です。大手のセブン‐イレブン、ファミリーマート、ローソンはいずれも通常どおり営業するとしていますが宣言の内容によっては変更する場合もあるとしています。
京都
フレスコとライフ、サンフレッシュ、京都生協は、通常どおり営業する予定です。
一方、複合商業施設を展開する平和堂とさとうグループでは、食料品以外の売り場の営業時間の短縮を検討しています。
また、イズミヤでは、深夜帯の営業時間を短縮する方針です。
そのほかのスーパーでは緊急事態宣言の内容を見て判断するとしていて、決まり次第店舗のホームページなどで周知していくとしています。
ファミリーレストラン
「ガスト」や「バーミヤン」を運営するすかいらーくホールディングスは基本的には要請に沿って対応する方針です。酒を提供する飲食店に休業が求められた場合は、酒の提供をやめ、要請の範囲内の時間で営業を続けるとしています。
「ロイヤルホスト」や「てんや」を運営するロイヤルホールディングスは、対象地域の直営店では、原則として酒類の提供を取りやめたうえで、営業時間を午後8時までに短縮します。
サイゼリヤは、基本的には要請に沿って対応する方針で、詳しい要請の内容を見たうえで判断するとしています。
牛丼・ファストフード
すき家と松屋は酒類の提供を取りやめたうえで、午後8時以降はテイクアウトのみの営業を続ける方針です。
吉野家は要請の内容を踏まえて対応を検討するとしています。
ケンタッキーフライドチキンはテイクアウトも含め原則、午後8時までの営業としたうえで、一部の店で扱っている酒類は提供を取りやめる方針です。
マクドナルドは店内での飲食は午後8時までとし、それ以外の時間はテイクアウトやドライブスルー、宅配に限定します。商業施設などに入る店舗は施設の対応に従うとしています。
モスバーガーは、要請の内容を踏まえて対応を検討するとしています。
コーヒー・レストラン・麺類
23日午後5時時点、コーヒーチェーンの「ドトールコーヒーショプ」「エクセルシオール カフェ」を運営するドトールコーヒーと、「タリーズコーヒー」は基本的に自治体の要請に沿って対応を検討するとしています。
「スターバックス」は、緊急事態宣言の対象地域では、原則として営業時間を午後8時までに短縮します。
リンガーハットと丸亀製麺は、基本的に自治体の要請に沿って対応を検討するとしています。
居酒屋チェーン
外食チェーンのコロワイドは、「甘太郎」などの居酒屋業態は多くの店舗で休業し、焼き肉の「牛角」や「かっぱ寿司」など居酒屋以外の業態を中心に酒の提供をやめて営業を続けます。
ワタミは、「ミライザカ」や「三代目鳥メロ」など居酒屋業態の直営店は、休業します。焼き肉など居酒屋以外の業態は、酒の提供をやめて営業を続ける方針です。
「金の蔵」などを展開する三光マーケティングフーズは、基本的に要請に応じる方針です。
鉄道・バス
東京
緊急事態宣言が出された場合に政府が地下鉄やバスなどの交通事業者に、減便などの協力を依頼するとしていることについて、JRや首都圏の私鉄各社は、「要請内容を確認したうえで検討してまいります」などとしています。
東京の老舗バス会社「はとバス」では、すべてのツアーを、25日から5月11日まで運休することにしました。会社では、予約をしていた人に対して、メールや電話で運休になったことを順次、伝えています。はとバスは、緊急事態宣言が出されるたびにすべてのツアーを運休していて、今回で3回目になります。担当者は、「新型コロナウイルスの影響で1年以上、利用者が大きく落ち込み、繁忙期である大型連休も予約は例年の1割程度と低迷していた。その少ない予約もすべてキャンセルしなければならないのは、とてもつらいが、感染を抑えるために運休を決めた」「お客様にはご不便をおかけしますが、ご理解賜りますようお願い申し上げます」と話しています。
関西
近鉄は、利用が低調なため、今月29日から来月5日までの大型連休の期間は今月30日を除いて、大阪難波や京都、それに奈良などを結ぶ特急列車のうち20%を運休すると発表しました。また、来月6日から、平日は大阪難波や京都、それに奈良や三重県の伊勢志摩などを結ぶ特急列車のうち13%を運休するほか、土日と祝日はさらに名古屋などを含めた区間で合わせて50%の特急列車を運休するということです。緊急事態宣言が発令されて減便や終電の繰り上げの要請があった場合は、さらなる対応を検討したいとしています。
JR西日本と京阪、それに大阪メトロは、自治体などからの要請に基づき、判断したいとしています。
また、阪急と阪神、それに南海は、現時点では要請の内容が分からず、今後、検討を進めたいとしています。
赤羽国土交通相 高速道路の休日割引休止
4都府県を対象とした緊急事態宣言を踏まえて、赤羽国土交通大臣は23日夜、記者団に対し、人の移動を抑えるため、鉄道会社に減便を要請したり、全国の高速道路で普通車の休日割り引きを一時的に休止したりすることを明らかにしました。
この中で、赤羽国土交通大臣は「人の流れを抑制する観点から、平日の終電の繰り上げや週末休日における減便などを要請する」と述べ、対象地域を運行する鉄道会社に対し、協力を求めることを明らかにしました。
また、全国の高速道路で普通車に適用される休日割り引きを4月29日から5月9日までの期間は休止することも、合わせて明らかにしました。
そのうえで「さらなる感染防止のために不要不急の移動の自粛にご協力いただくようお願いする」と述べました。
一方で、赤羽大臣は「観光関連産業は、極めて厳しい危機的な状況に置かれている」と述べ、観光関連事業者への支援を拡充する考えを示しました。
具体的には比較的、感染が落ち着いている地域の自治体が県境などを越えない旅行を対象に行っている支援制度について、国が財政支援を行う期限を現在の5月末からことしいっぱいまで延長します。
また、感染が拡大している地域についても、自治体が将来的に感染が落ち着いた際に利用するために発行する「前売り」の割引券に国が財政支援を行うことを明らかにしました。
この財政支援は、宿泊費は1人1泊5000円、食事や土産物などでは、1人1泊2000円を上限に国が事業費を補助するもので、厳しい経営が続くホテルなどの資金繰りを支えるねらいがあります。
生保各社 申し出あれば最長6カ月保険料払い込み猶予
東京、大阪、兵庫、京都の4都府県を対象に緊急事態宣言が出されることを受けて、生命保険各社は、これらの地域を対象に契約者から申し出があれば保険料の払い込みを猶予する期間を最長で6か月間、延長することになりました。
また、一部の書類がなくても保険金や給付金などの請求を受け付ける対応も行うとしていて、生命保険協会では、契約している保険会社に問い合わせるよう呼びかけています。
プロ野球
政府が緊急事態宣言を出す東京、大阪、兵庫、京都の4都府県でイベントを無観客で開催するよう要請することを受けて、プロ野球は臨時の実行委員会を開いて対応を協議した結果、政府の方針に従って今月27日から対象地域での試合を無観客で開催することになりました。
宣言初日となる25日の3試合については告知の期間が短く、混乱が生じる可能性があるとして観客を入れての開催が認められたため、無観客となるのは今月27日からになります。
対象の試合は東京ドームでの巨人戦が6試合、日本ハム戦が1試合、神宮球場でのヤクルト戦が7試合、甲子園球場での阪神戦が4試合、京セラドーム大阪でのオリックス戦が6試合の合わせて24試合です。一部の試合については日程の変更が検討されています。
Jリーグ
サッカーJリーグは、緊急事態宣言の対象となった大阪、兵庫、京都の3つの府と県で25日から来月11日の期間中に予定されている公式戦7試合を、観客を入れずに開催することを決めました。
一方、東京で予定されている4試合の開催方法についても自治体などと調整を進めています。
Jリーグでは政府から緊急事態宣言の対象地域でのスポーツイベントは無観客で開催するよう要請されたことを受け、期間中にこれらの地域で行われる公式戦の開催方法について検討してきました。
その結果、今月28日から来月9日にかけて大阪、兵庫、京都の3つの府と県で予定されているJ1とJ2のリーグ戦とJリーグカップの公式戦合わせて7試合は「リモートマッチ」として観客を入れずに開催することを決めました。
対象となるのはJ1のガンバ大阪、セレッソ大阪、ヴィッセル神戸、それにJ2の京都サンガのホームゲームで、今月28日に神戸市のノエビアスタジアム神戸で行われるJリーグカップのヴィッセルと大分トリニータ戦が最初の試合になります。
一方、同じく緊急事態宣言が出される東京では来月1日から5日にかけてJ1のFC東京、J2の東京ヴェルディと町田ゼルビアのホームゲーム4試合が予定されていて、開催方法について自治体などと調整を進めています。
Jリーグの村井満チェアマンは「地域の医療インフラや市民の健康を守ることを最優先におくべきステージにあると理解している。対象試合の会場には足を運べないことになり、大変心苦しいが、お互いの健康を守り合いながらスポーツ観戦を楽しむ文化の醸成にご協力をお願いしたい」とコメントしています。
大相撲
日本相撲協会は、宣言期間中の来月9日に初日を迎える大相撲夏場所の開催方法について今月26日に決定し発表する方針を示しました。
これについて、日本相撲協会の芝田山広報部長は初日の日程の延期は否定したうえで「無観客にするにしてもチケットをどうするかにしても理事会を通さないといけない。月曜日の発表になる」と話し今月26日に開催方法を決定して発表する方針を示しました。
そのうえで、芝田山広報部長は「日本国内、世界中で起きていることなので 柔軟に対応していくしかない。確かに厳しい状況で相撲協会も財政がひっ迫しているが、みんなで協力して感染を抑えていかなくてはいけない」と話しています。
競馬
JRA=日本中央競馬会は、緊急事態宣言の期間中、感染拡大防止のため宣言の対象地域にある東京・府中市の東京競馬場と兵庫県宝塚市の阪神競馬場で、無観客で開催することを決めました。
期間は、東京競馬場が25日から来月9日まで、阪神競馬場が25日から来月2日までとなっています。
これにともなってGIレースは、来月2日に阪神競馬場で行われる春の天皇賞と9日に東京競馬場で行われるNHKマイルカップがいずれも無観客となります。

●3回目の緊急事態宣言 デパートなどで休業 東京 銀座では 4/25
東京など4都府県を対象にした緊急事態宣言の期間に入り、東京 銀座のデパートも大型の商業施設が休業を要請されたことを受けて、25日から食料品売り場などを除いて休業しています。
今回の緊急事態宣言では、床面積の合計が1000平方メートルを超えるデパートや商業施設に対し、生活必需品の売り場を除き休業が要請されています。
これを受けて、東京 銀座のデパートも食料品や化粧品などの売り場を除いて25日から休業し、店頭の貼り紙で休業を知らせています。
このうち、松屋銀座も多くの売り場が休業し、営業を続ける食料品や化粧品などの売り場も営業時間を午前11時から午後7時までに短縮しています。
地下の食料品売り場では午前11時に営業が始まると、訪れた客が野菜や魚などの生鮮食品を買い求めていました。
訪れた女性客の1人は、「オリンピックもあり、感染者を減らすためには休業もしかたなかったのかなと思います。近くに住んでいるので、食料品売り場が営業しているのは助かります」と話していました。
松屋の河野新平販売促進部長は「本来なら大型連休もあり、洋服の需要も高まる時期なので、休業は苦渋の決断だった。生活必需品の営業は行い、顧客のニーズに応えていきたい」と話していました。

●3度目の緊急事態、17日間 5月11日まで、GWの人出抑制 4都府県 4/25
新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく3度目の緊急事態宣言が25日、東京、大阪、京都、兵庫の4都府県で発令された。
5月11日までの17日間、大型商業施設、酒類やカラオケを提供する飲食店に休業を要請。政府は自治体と連携し、大型連休中の人の移動を抑制する「短期集中」の対策を講じ、感染拡大の阻止に全力を挙げる。
床面積1000平方メートル超の大型商業施設(生活必需品売り場を除く)が対象。百貨店や映画館、テーマパークなど広範囲に及ぶ。東京都は独自対策として、1000平方メートル以下の施設にも休業への協力を依頼する。
酒類を提供しない飲食店には午後8時までの営業時間短縮を求める。宣言発令により、知事は時短・休業要請に応じない場合、命令することができる。拒否すれば30万円以下の過料を科す。路上や公園での集団飲酒も見回りなどで注意喚起する。
スポーツ、コンサートなどの大規模イベントは原則無観客で実施。博物館や美術館などの公共施設は閉館・閉園とする。鉄道やバスなど公共交通機関には平日の最終便繰り上げや週末・休日の減便を要請する。
一方、政府は「まん延防止等重点措置」の対象に愛媛県を追加。5月11日までの間、宮城、埼玉、千葉、神奈川、愛知、沖縄と合わせた計7県で、宣言に準じた感染対策を徹底する。政府は週明け以降、北海道や岐阜県などにも対象を広げるか検討する。
 
●緊急事態宣言、いつまで?解除基準や延長の可能性は? 4/25
東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に緊急事態宣言が発令され、きょう4月25日から宣言期間に入った。不要不急の外出自粛に加えて、酒類やカラオケ設備などを提供する飲食店や大規模商業施設などへの休業要請など、1回目の宣言に近い厳しい内容となっている。期間は4月25日から5月11日と、過去2回と比べて短い。解除の基準は何か。期間延長の可能性はあるのか。
解除の基準は?
前回の宣言では、政府は、新型コロナウイルス感染症対策分科会が示す4段階の基準で「ステージ3」相当に下がったかどうかを、解除する上での一つの判断材料としていた。今回はどうか。分科会の尾身茂会長は、従来の原則に基づいて「最低、ステージ3に入ることと、それからステージ2への安定的な下方、そういう見込みはあるということ」という見解を4月23日の記者会見で述べている。その上で「変異株の感染力とか重症化の影響に加えて、リバウンドへの可能性ということを十分考慮した上に解除することが、必要だと思います」と説明。前回の解除後に感染が再拡大した反省から、より厳しい基準や慎重な判断が必要という見方を示した。菅首相は同じ記者会見で、解除の基準を問われると「そのときの状況を総合的に考えた上で判断することとなる。まずは対策を徹底して結果を出したい」と明確には示さなかった。
延長の可能性は?
過去2回の宣言ではいずれも、当初期間は1カ月ほどの予定だったが、感染拡大が収まらなかった東京などの地域で延長となった。4月23日の会見で「仮にステージ3をクリアできなかった場合には延長になるのか」と質問が出たが、菅首相は「そのときの状況を総合的に考えた上で判断することとなる」と明言しなかった。尾見会長は同じ日、報道陣の取材に「5月11日なったら無条件に何でもかんでも解除するのではない」と説明。「11日までにステージ3にいっていなければ、延長もあり得る」と含みを持たせた。宣言期間をめぐって、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が来日する5月17日をさけたのではないかという指摘が上がっている。23日の記者会見で、菅首相はこの点についても問われたが「オリンピックの聖火リレーがあるから解除したとか、しないとか、そういうことは全く関係しておりません」と否定。東京オリンピックの開催可否についての質問には「IOCは東京大会を開催することを、これは既に決定しています」と述べた。

●感染「第4波」は深刻=医療崩壊が進行 4/25
新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、政府は東京都と大阪府など4都府県に3回目の緊急事態宣言を発令することを決めた。東京などで前回の宣言が解除されてからわずか1カ月余り。今日(4月25日)から17日間だが、2週間強の短期間で収束可能か疑問符が付く。宣言は最低でも3週間必要だとの指摘が専門家から出ていた。
感染力が強い変異株が広がり、高齢者だけでなく40〜50歳代の重症者も増えている。特に大阪府では病床が逼迫し、医療崩壊が起きているという。
前回1月以降の宣言時には、1日当たりの新規感染者数を十分に減らせないまま宣言解除に踏み切った。関西圏の知事は1週間の前倒し解除を求めたが、振り返れば判断ミスである。
解除からわずか1カ月余り。びぼう策のまん延防止等重点措置では感染の拡大を食い止めることができず、菅政権は3度目の宣言を余儀なくされた。
前回、新規感染者数を十分に減らす前に宣言解除を急いだことが、変異株の広がりと相まって、特に関西で急激な再拡大を招いたとされる。厳しく反省し教訓とすべきである。
関西に続き、東京でも変異株への置き換えが急速に進んでいる。期待のワクチンは、高齢者向けの接種が始まったばかりで、医療関係者にもまだ十分に行き渡っていない。現在の感染第4波は、第3波以上に深刻と受け止めるべきだ。
今回の宣言では、人出を極力抑えるため、酒類を出す飲食店のほか百貨店など集客施設への休業要請が出される。命令に応じない事業者は、過料の対象となる可能性があるが、事業者への支援や雇用を守る方策が必要である。納得のいく説明と、減収を補う適切な支援措置が伴わなければ、幅広い理解は得られないだろう。
医療現場は疲弊しきっているようだ。宣言を解除する場合は、感染者数や重症者数が十分に減ってからにすべきである。来月中旬には、東京オリンピックの開催準備のため、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が来日を予定している。五輪日程への配慮から、解除を急ぐようなことがあってはならない。 

●GWの帰省は軒並み中止  4/25
4月25日から3回目の緊急事態宣言が発令され、東京都、大阪府、兵庫県、京都府の4つの都府県が対象となった。今回は5月11日までの17日間、テーマパークやデパートへの休業要請、更にスポーツイベントやコンサートなどに対しても原則無観客での開催や延期を要請した。旅行においては、県をまたいだ移動の自粛は呼びかけられているが、宿泊施設に対しての休業要請は実施されないことで既に予約済みの宿泊施設に予定通りに宿泊することは可能となっている。
旅行は完全な自粛モードにならない可能性も。キャンセルも限定的
全体的に2回目の緊急事態宣言に比べると厳しい措置が取られることになったが、 ゴールデンウィーク期間中(GW)の国内旅行においては、完全なる自粛モードにはならなそうだ。今回、2日前の4月23日に緊急事態宣言の発令が正式決定し、4月25日から5月11日までの17日間が緊急事態宣言の期間となるが、今までと状況は異なる。取材を進めてみると昨年のGW、夏休み、年末年始と航空業界や旅行業界にとっても最も稼ぎどきである時期の直前で新型コロナウイルスの感染者が拡大し、直前でのキャンセルが目立っていた。しかし今回のGWにおいては、航空会社の関係者やリゾート地の宿泊施設関係者に話を聞くと、昨年のようなキャンセル殺到という状況にはなっておらず、じわりじわりのキャンセルは出ているが、大量キャンセルにはなっていない。ある沖縄の宮古島にあるリゾートホテルでは、キャンセルは僅かであり、影響は最小限だと話す。
帰省は軒並み中止、旅行は予定通りの流れに。都内にいるよりもリゾート地でゆっくり過ごす人も
旅行や帰省で飛行機を利用する予定の人に話を聞いてみると、傾向として故郷への帰省については多くの人が中止をして自宅に留まる人が多い一方、旅行については緊急事態宣言が出ても予定通りにキャンセルせずに出かけるという人が多かった。また昨年のGWは単身赴任者が自宅に戻るのを取り止めるケースも目立ったが、今年は自宅に例年通りにGWは戻るという人が多いようだ。 その理由としてはコロナ禍における旅行スタイル・移動スタイルが確立されたことで、旅行者そして単身赴任者が自分自身でコロナ対策を心掛け、安全に移動できるという判断がある。実際に飛行機や新幹線でのクラスター感染が起こっておらず、旅行先でも宿泊施設内でゆっくり過ごすスタイルが確立されたことで、 東京や大阪でGW期間中に自宅で自粛するよりは旅先でのんびり過ごしたいという考えで予定通りに旅に出かける人が多い。その一方で出発前にPCR検査を受けてから旅行に出かける人も増えている傾向にある。
感染者数の多い首都圏、近畿圏への旅行は多くがキャンセルに
だが一方で感染者が拡大している近畿圏、そして首都圏のホテルにおいては厳しい状況で、地方から東京や大阪への旅行はキャンセルが目立っている。東京や大阪からリゾート地や温泉地などへ出かける旅行との温度差は大きい。旅行者においては、出発地ではなく、目的地(旅先)における感染状況によって判断している人が多いのだろう。航空会社における国内線の予約状況からも考えてみよう。
昨年のGWの国内線利用者に比べて、今年は10倍近い予約に
昨年(2020年)のGW期間中(4月29日〜5月6日)における国内線の利用実績は、ANAではコロナ前の2年前(2019年)のGWと比べて96.5%減の4万5228人で1日あたり5653人、JALグループでも2019年のGWと比べて95.1%減の4万7646人で1日あたり5955人だった。ANA・JALグループを合わせても1日あたり1万1608人しかいなかった。昨年4月〜5月の1回目の緊急事態宣時では旅行・帰省を含めて、ほぼ全ての県をまたいだ移動が自粛され、新型コロナウイルスの状況がわからないこともあり、国民のほとんどが自粛生活を過ごした。ただ今年のGW期間中(4月29日〜5月5日)について、ANA・JALグループを含めた国内航空会社は、4月23日に予約状況を発表したが、ANAでは予約数において昨年と比べて446.5%増の44万4493人(1日あたり6万3499人)、JALグループでは昨年と比べて335.3%増の32万6873人(1日あたり4万6696人)となっている。ANA・JALグループを合わせてると1日あたり11万0195人の予約となる。昨年の最終的な利用実績(1日あたり1万1608人)と今年の4月23日時点での予約状況では約10倍も増えている。それでも2年前に比べると、まだ4割程度の予約水準に留まっている。3月21日に2回目の緊急事態宣言が解除された段階ではGWに国内旅行需要が2年前と比べて8割前後まで回復する期待感もあったなかで厳しい状況であることには変わりがない。
昨年のGWは直前での大量キャンセルが目立った
昨年の傾向としては、昨年4月22日にGWの予約状況を発表した段階でANAでは13万2011人の予約が入っていたにも関わらず、昨年5月8日に発表された利用実績では4万5228人となった。つまり約65.8%の人が昨年4月22日以降の2週間以内にキャンセルもしくは追加減便による欠航で利用しなかったという計算となる。(JALグループでも同様で昨年4月22日にGWの予約状況では12万0342人だったが、昨年5月8日の発表では4万7646人で約60.4%の人が昨年4月22日以降にキャンセルもしくは追加減便による欠航で利用しなかった)
例年はGW前に発表される予約状況よりも最終的にGW後に発表される利用実績の方が人数は多くなる。直前予約の数字が反映されるからだ。しかし、昨年は4月22日以降の直前キャンセルが相次ぎ、4月22日の予約状況と5月8日の利用実績の数字が大きく異なってしまった。 
 
 
 

 


●「普段と同じ」3回目の緊急事態宣言、初の平日の通勤風景 4/26
新型コロナウイルスの感染が再拡大する東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に3回目の緊急事態宣言が出されてから初めての平日となった26日、東京・新橋の駅前ではマスク姿で職場などに向かう人たちが行き交っていた。朝の通勤風景は宣言が出される前と大きな変化はないと感じた人が多かったようだ。
勤め先に向かっていた川崎市の男性(44)は取材に「電車の混み具合は変わっていなかった。宣言も3回目で普段と同じ感覚になっていて、緊急事態という印象はなかった」と話した。自身はバス会社で事務の仕事をしているものの、テレワークでの対応は難しく社内で普及していないという。政府は人の流れの抑制を目指しているが、男性は「終電の繰り上げや減便ではなく、電車やバスを止めるくらいのことをしないと人の流れは変わらないのではないか」と述べた。
半導体メーカーに勤める台湾出身の頼錦賦(らいきんふ)さん(62)=東京都立川市=は「通勤客は先週に比べると1割ほど減った」と感じたという。3回目の緊急事態宣言が出されたことで、出社は週4回から1、2回に減る。職種は営業で、顧客への対応はオンライン会議を活用するつもりだ。「片道1時間40分かかる通勤の時間を仕事に充てられるのは助かる。緊急事態宣言も少しは効果がある」と語った。
東京都への宣言の発令は2020年4月、今年1月に続いて3回目。2回目の宣言は約1カ月前に全面解除されたばかりで、今月12日には「まん延防止等重点措置」が適用されていた。政府は今回の宣言で、酒類やカラオケを提供する飲食店に加えて、大型の商業施設など幅広い業種に休業を要請。テレワークや休暇取得の促進を求め、出勤者数の7割減を掲げている。

●“山手線 いつもより混んでいる?” 3回目の宣言 初の平日朝 4/26
26日は東京など4都府県が緊急事態宣言の期間に入って初めての平日となりました。宣言の対象地域などの人々の声です。
東京 “外出ためらう気持ち下がっている”
東京駅周辺では朝から勤務先に向かう多くの人たちの姿が見られました。
目黒区に住む35歳の会社員の女性は「山手線の電車内は動けないくらいで、いつもより混んでいると思いました。1年前の緊急事態宣言ではスーパーに行くことにも気をつかっていましたが、今回はそこまででもなく外出をためらう気持ちは下がっていると思います」と話していました。
横浜市に住む64歳の会社員の男性は「大企業ではないのでテレワークはやっていません。去年の宣言は精神的なプレッシャーを感じましたが、今回はそれより緩く、私も慣れてしまいました。ただ、ある程度年齢も高いので感染が怖いとも感じます」と話していました。
横浜市に住む56歳の会社員の男性は「連休前なのに意外と多くの人が出勤しているなと思います。まん延防止等重点措置との違いはわかりますが、効果としては一緒だなという気もします。もう少しスピード感を出してワクチンの接種などを進めてほしいと思います」と話していました。
東京 港区に住む31歳の会社員の男性は「去年の宣言では、会社がテレワークを進め『絶対に出社するな』としていましたが、今回はそこまでではありません。どうしても出社する必要があるのできょうは出勤しましたが、私にも気の緩みがあるかもしれません」と話していました。
東京都の小池知事は、記者団に対して「『都県境は越えないでください』と申し上げている。しっかり守ってほしい。今回のコロナは従来よりも強い。だから関西があれほど大変になっているので、首都圏でそれを繰り返したくない」と述べて、都や県の境をまたいだ移動はしないよう改めて強く呼びかけました。
大阪 “地下鉄はいつもと同じよう”
緊急事態宣言が出てから初めての平日となった26日朝、JR大阪駅の周辺では「電車の混み具合はいつもと変わらない」と話す人がいる一方「人出はふだんより少ない気がする」といった声も聞かれました。
このうち、大阪市の40代の女性は「地下鉄はいつもと同じような混み具合でした。私自身は以前から週に2、3回テレワークをしていたので、緊急事態宣言が出ても生活に大きな変化はないです」と話していました。
一方、大阪 豊中市の60代の男性は「電車に乗ってきたが、人出は少し、少なくなったように思う。ビル管理の仕事をしており、緊急事態宣言が出ると決まったときは対応を迫られて大変でした」と話していました。
豊中市の20代の会社員の男性は「鉄道関係の仕事でテレワークができないので、いつもと変わらず出勤しました。消毒やマスクの着用など、しっかり対策していくしかないです」と話していました。
さいたま市 “通勤が不安”
東京都が3回目の緊急事態宣言の期間に入って初めての平日となる26日、さいたま市では都内の職場に向かう通勤客から不安の声などが聞かれました。
さいたま市のJR大宮駅では、26日朝も都内に勤務する通勤客など多くの人の姿が見られました。
都内の不動産会社に勤務する30代の男性は「家に小さい子どもがいますし、通勤電車の中が1番不安なので、できるだけリモートワークをしたいのですが、出社しないとできない業務もあるので、完全にリモートワークできるような職場環境を整えてほしいです」と話していました。
都内の会社で働く50代の男性は「会社ではテレワークが進められていますが、週に1回はどうしても会社に行かなければならず、通勤のときに感染しないか不安です。飲みに行けないのは寂しいですが、大型連休は家の片づけをしてじっとしていようと思います」と話していました。
都内の会社で事務をしている40代の女性は「人が多いので通勤が不安です。緊急事態宣言が出るのは当然だと思いますが、どれだけ効果が出るか気になります。連休中はずっと家にいる予定です」と話していました。
また、都内の金融会社に勤務する50代の男性は「緊急事態宣言が出ましたが、何に気をつければよいかも分かっていますし、あまり変わらないと思います。仕事柄、テレワークが難しいですが、可能なかぎり実践していこうと思います」と話していました。
京都「もう少し対策をしないと…」
JR京都駅前では、通勤する人たちから、先週より人出が少なく感じるといった声が聞かれました。
このうち、京都市山科区の60代の会社員の男性は「会社で一部の人たちは在宅勤務を行っていて、朝の時間帯にしては駅もいつもより人が少ないと思います。ただ、今回の宣言は期間が短く、大型連休にも重なって会社が休みになるところも多いと思うので、仕事への影響はあまりないのではないかと思います」と話していました。
また大阪 都島区から通勤している50代の会社員の男性は「去年の緊急事態宣言のときは在宅勤務やテレワークもありましたが、今回は会社からまだ方針を聞いていません。営業職で対人の部分が大きく、できることとできないことがありますが、できることはやっていけたらと思います」と話していました。
一方、京都市右京区の飲食業で働く20代の女性は「週末は仕事に出ていましたが、たくさんの人が来ていて、緊急事態宣言が出ているような感じではないなと思いました。もう少し家で過ごすなど対策をしないと、また同じことの繰り返しになるのではないかと思います」と話していました。
神戸「人の流れ そんなに変わってないよう」
神戸市中心部にあるJR元町駅では、多くの通勤客が見られました。
大阪から通勤している50代の男性は「勤務は通常どおりなので、神戸まで出勤しました。県外移動は少し怖い気がしますが、できるだけ静かに移動できたらと思います」と話していました。
また、兵庫県芦屋市の60代の男性は「けさはちょっと通勤客が減ったかなという印象でした。元町駅の周辺はデパートも閉まっているので、人は減るんじゃないかなとは思いますが、やはり1回目に比べると街の人は多いと思います」と話していました。
兵庫県姫路市の20代の女性は「車内の通勤客はいつもどおりの多さでした。今は研修の時期で、会社に行かないといけないので出勤しました。通勤の感染リスクに不安がありますが、しかたないなと思います」と話していました。
飲食店に勤務する神戸市長田区の30代の男性は「3回目の宣言が出ましたが、出勤時の人の流れは、そんなに変わってないような気がして不安な気もします。勤務する飲食店は、昼間は通常どおり営業できるし、今回の宣言は、ちょっと効力が弱いような気もします」と話していました。
兵庫県明石市から神戸市内の会社に通う30代の男性は「1回目の宣言以降、社内の在宅ワークが進み、3回目の宣言が出ても、そんなに支障はないかなと思います」と話していました。
加藤官房「人流を抑え感染拡大に歯止めを」
加藤官房長官は、午前の記者会見で「週末の人流、人の流れを見ると、大阪府、兵庫県、京都府、東京都の調査対象のすべての地点で、緊急事態宣言発令前の週末の昼よりも減っていることは承知している。引き続き、人流の動向にも注意していきたい」と述べました。
そのうえで「今回の緊急事態措置は、変異株の感染拡大や各地域での医療提供体制の状況を踏まえ、ゴールデンウイークという多くの方々が休みに入る機会を捉え、強力な対策を短期集中的に実施するという考えのもとで、感染拡大の主な起因となっている飲食店などの感染源対策を強化するとともに、人流の抑制につながる措置を実施するものだ。国民の皆さんのご理解をいただきながら、人流を抑え、感染拡大に歯止めをかけていきたい」と述べました。  

●尾身茂氏の意見 4/26 
「マスクを外せる日」「3回目の緊急事態宣言なんて聞く気になれねぇ」へ
3度目の緊急事態宣言発出から1週間が経過した。全国で感染者増のトレンドは衰えない中、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の分科会長の尾身茂氏は28日、東京五輪について「開催に関する議論をしっかりすべき時期に来ている」と発言して再び注目を集めた。「宣言の後」はどうなるのか、「マスクを外せる日」について尾身氏に訊いた。
道徳的な目線での「もう一回頑張りましょう」が心に響かない
——宣言発出が決まる当日の未明、人気バンドRADWIMPSの野田洋次郎さんが「3回目の緊急事態宣言なんて聞く気になれねぇ」とネットに投稿して12万件以上の「いいね」がついた。自粛、GoTo、医療体制など1年間のさまざまな施策の検証もなく納得できない、という指摘だった。
尾身 たしかに、医療や保健所といった現場の人々、そして国民の皆様の努力でここまで持ちこたえてきたものの、多くの人の気分はそろそろ限界のところまできていて、「やっていられない」と感じておられるのでしょう。私も解放されたいという気持ちがないといったらうそになります。
そんな中で、道徳的な目線で「もう一回頑張りましょう」といわれてみても、それが心に響かない部分があることも間違いないですよね。だから国や自治体が率先して汗をかくことが大切だ、と国会で重ねて申し上げてきました。
何に汗をかくか。実は、これも検証ということになると思いますが、ここまでの1年ですでにいくつもの課題を明らかにしてきています。
例えば、一般市民へのリスクメッセージの在り方です。
もちろん欧州やアメリカの大統領のように、情熱的な言葉で伝えることで国民の心が動くこともあります。でも、人がまずは期待するのは雄弁でなくとも、しっかりとした説明です。質問にきちんと答えることは大前提になる。ただ「やってください」ではなく、「こういう理由からです」ということをわかりやすく説得力を持って説明することです。
国も説明する努力をなされていると思いますが、残念ながら、そのメッセージが一般の人に充分には届いていなかったのでしょう。
今回、なぜ、緊急事態宣言を急いで出したのか。なぜ、病床が逼迫した大阪府など関西圏と、そこまでではなかった東京都を同時に宣言の対象にしたのか。その理由は、感染力の強い変異株への置き換わりが進む中で、東京都も早晩、急拡大することが間違いない、などという説明が充分には理解されなかったのだと思います。
検査については、戦略的な活用が不充分だった
さらに、次の課題として、検査があります。検査については、戦略的な活用が不充分だったということです。
分科会ではすでに昨年7月に「検査体制の基本的な考え・戦略」と題した提言をまとめ、公表しています(Go Toトラベルキャンペーンの開始時期と重なってしまったためにほとんど報道されなかったことは残念でした)。
提言では、症状がある人(1)、無症状者かつ、感染リスクおよび事前確率が高い人(2A)、無症状者かつ感染リスクおよび事前確率は低い人(2B)——と3つに分類して、(1)と(2A)は行政で、(2B)については民間の力を使ってやろう、ということをいってきました。
昨年7月には検査へのアクセスが限られていたが、現在は、抗原定性検査(検査キット)のような選択肢も拡充されてきましたし、民間検査もあります。
こうした検査手段を、高齢者施設をはじめ陽性率が高いと思われる場所でフルに活用していく必要がある。
人々の生活を日常に少しずつ戻していく上で、戦略的な検査は重要なツールの一つになります。
その際に重要になるもう一つのツールは、「健康アプリ」です。
「軽い症状だから」「休めないから」と黙って働き続ける人がいる
――昨年4月、長崎のクルーズ船で集団感染が起きた際、隔離した船員たちの体調把握に使われた「N-CHAT」(エヌチャット)というアプリは専門家らの高い評価を得たが、まだ全国的に普及はしていない。
尾身 そうです。日本はテクノロジーの活用はまさにこれからで、うまくいけば感染拡大防止と経済活動との両立を図りやすくなります。
アプリが有効に働くのは、多くの人が働いている職場で、「倦怠感」といった軽い症状がある人が出てくるようなケースです。
日々、健康状態を入力してもらい、有症状者が一定程度報告された日には、すぐに抗原定性検査(検査キット)などを行って、大きなクラスターを防ぐということです。こうすると、感染者を見つける的中率が高くなり、より効果的な方法になるのです。
ただし、症状があるのに、「軽い症状だから」「休めないから」と黙って働き続ける人がいると感染拡大防止には全くつながりません。実際、かなりいるようです。その人たちは、なぜ黙っているか。
その一つの要因は、周囲の同調圧力です。ひとたび陽性者が出ると、その人が所属する組織が過敏に反応する。そういう空気を感じている個人は「同僚に迷惑がかかる」とか、「陽性と知れたら辞めさせられるのでは」という不安を抱くのです。
こうした偏見への恐れが検査や健康アプリの活用を滞らせる一因になっているように思います。「もっと検査をやれ」という人は多いのですが、こうした視点からの分析も必要です。
「警告を発してくれて、ありがとう」と感謝するカルチャーを
――日本人の公衆衛生の意識の高さや同調圧力はいい面もあるが、感染者に不利益を生じることもある。妙案はあるか。
尾身 例えば、緊急事態宣言で中止している大学のクラブ活動も、宣言が解除されればいずれ、部員たちが集まります。特に運動系は接触が激しいから、陽性者がいれば感染しやすい。したがって、解決策としては、クラブの当事者がその活動を再開したいと考えるならば、抗原定性検査(検査キットによる検査)を受けてください、というお願いをすることで検査を受ける動機につなげることはできないでしょうか。
もはや、感染することは、誰でもありえますよね。だから、仲間の陽性判定の事実がわかったら、対策に改めて気を配るきっかけをもらったと受け止めていただきたいんです。周囲は白い目で見るのではなしに、「警告を発してくれて、ありがとう」と感謝するようなカルチャーをつくらないといけません。
――保健所や医療提供体制についても感染スピードにキャパシティがおいつかない窮状が繰り返し起きている。
尾身 先ほどの検査によって感染状況が判明しますが、これを対策の側から見ると貴重な疫学情報になる。この情報をデータとして集約していくのが保健所で、そのデータを国や自治体の対策につなげるためには情報の「質」と「スピード」が、専門家としての大きな課題として意識されてきました。
その予兆をできるだけ早くつかんで対策にいかそうと、分科会では4月15日に「新しい指標」を発表しました。
感染拡大の早期探知を目的に「感染拡大の兆しを早期に捉える指標」と「強い対策を取るタイミングの指標」の2つからなりますが、国に助言する専門家としては、こうした指標を活用して、早い段階でリバウンドを防いでもらいたいと考えています。
ところが、国と自治体、都道府県と政令市等の間にそれぞれ見えない壁があり、適切なタイミングで充分な質の情報が上がってこない。これでは変異株のスピードに先手を打つことはできません。
「壁」は有事における国と自治体の権限・役割分担が不明確で、さらに、平時のルールが有事の妨げになっているのです。平時には、個人を守るために機能を発揮するルールでも、危機対応では公共の利益の観点から別のバランスがありうるのではないでしょうか。
大阪府などの「病床数逼迫」は何がネックなのか
――人口あたりの病床数が先進国の中でも突出している日本が、どうしてこんなにすぐに医療逼迫に陥るのか、という疑念が国民に広がっている。分科会も繰り返し医療提供体制の整備を提言しているが、何がネックなのか。
尾身 現在緊急事態宣言が出ている大阪府は、数値から見れば緊急事態宣言を発出する水準のステージWを通り越して、(実際にはないが)ステージXとでもいうほど病床数が逼迫している。
すでに地元の医療界は頑張っておられますが、そもそも国の影響力が届きにくい民間病院が多いこと、これらの民間病院には比較的小さな病院が多いこと、さらにICUなどを持ち急性期医療を行っている民間病院は少ないことなど、日本には根源的な難しさがあります。
今の局面は、災害医療と同じように考えるべきです。国はさらに音頭を取って全国的な医療従事者の派遣や、患者の転送などの協力を進めてほしいと思います。
――東京都墨田区や長野県の松本医療圏など、基幹病院と支援に回る地域の病院や医師の連携が回っている地域の取り組みも報じられているが、厚労省は、こうした体制づくりのため各地の医師や民間病院に強い指示が出せないものか。
尾身 医師や病院に対して国が強い指導力を発揮する英国のような仕組みとは違い、日本の厚労省というのは公立や民間などさまざまなステークホルダーの意向を尊重する必要があって、上から目線ではいわない。平時はそれも大切ですが、危機の局面ではどうなのか。この機会に考えてみる必要はあります。
――医療提供体制の拡充やワクチン接種準備で、国民が納得するだけの結果を示せないことに国民は苛立ちを感じている。強権的なイメージが強い菅義偉首相だが、結果を示せない理由は?
尾身 それは政治のことだから、私にはわかりません。ただ、総理大臣は、いろいろなことを今、四方のことを考えなければいけない立場にあるんでしょう。そう思います。
――欧米諸国と比較した時、同じ私権制約を伴うコロナ対策法制でも、ドイツでは各州の権限で商店や集会施設などが閉鎖され、公共の場で3人以上が集まることが禁止され違反者には罰金が適用される。シンガポールでは公共の場でのマスク着用義務や外食時の人数制限があり、重い違反には約80万円の罰金や禁固刑もある。日本では2月に新型インフルエンザ等対策特措法が改正されたが、規制対象は飲食店など事業者側。それ以上については議論することそのものがタブーになっている。
尾身 それは本質的な問題です。パンデミックの局面では、「個人と社会の健康を守る」という公共の利益の要請と、「個人の自由」という人権の尊重の要請という2つが違う方向を向いていて、ぶつかることもあります。
日本の法制度が、個人の行動というものには制約をかけない仕組みになっていて、それは日本の国民が選んだ政治家が国会で決めたことです。
実際、今、多くの人は、罰則がなくとも感染対策に協力してくれています。協力してくれない人も含めて接触を回避してもらう環境づくりとして、百貨店や寄席の休業要請のような、社会全体を止めるような対策をしているということです。
かくいう私も、できるだけ個人の価値観や自由を尊重する仕組みが日本のような民主国家にはふさわしいと思っている一人です。ただ、今回は、100年に1度くるかどうかの大クライシスですよね。
こういう有事に、「個人の自由・権利の尊重」と「公共の利益」のバランスについて、我々一般市民がどのような社会を望むのか。
つまり、感染症に強い社会をどのようにつくっていくのかについて、国民的な議論をする時期にきていると思います。
飲食店へいつまでも休業や時短をお願いするわけにはいかない
――有効性の高いワクチン開発という「福音」と変異株という「脅威」が同時に到来し、私たちはどう構えたらいいのか、複雑だ。
尾身 緊急事態宣言の解除後、感染リスクを抑える工夫をしつつ外に出てもらえるようになるのが理想ですが、それこそが先ほど申し上げた「感染症に強い社会」づくりです。
例えば、飲食店にいつまでも休業や時短をお願いしているわけにもいきません。行政がしょっちゅう見回りを続ければ、警察国家のようになりかねません。
そうではなく、換気、人数制限を組み合わせた対策ができているお店への認証制度をよりよくしていく。また、どのような行動は感染リスクが高く、どのような行動は感染リスクが低いということを、社会のみんなが共通の理解を持つことも必要です。
さらに、これまでは、人々の協力に頼る部分も多かったですが、これからは、ワクチン以外にも、先ほど申し上げた健康アプリや検査、疫学情報のIT化及びAIを活用しての情報分析などテクノロジーの活用を加速していくことが重要です。
こうした工夫を重ねることで、感染症に強い社会というものを少しずつ試していく時期がやってきていると思います。先ほどまでお話しした検査やデータ集約は、そうした社会づくりのツールになります。
――欧米では2020年の死亡数が平年を上回る「超過死亡」が生じたが、このほど明らかになった最新の人口動態調査によれば、日本の20年の死亡数は前年を約9000人も下回った。コロナのための感染対策が、インフルエンザや肺炎などの流行を抑制したとみられ、約2万人ずつ増えていた傾向から見ると平年より約3万人も死者が減った計算になる。一方で、コロナ対策のために政府は巨額の予算を支出してきた。このバランスに見直す余地はないのか。
尾身 医療現場は今、コロナに対する非常に強い危機感を持ってなんとかコロナによる死者を減らそうと力を注いでいます。ただ、コロナ以外の一般医療も国民の健康にとって大切なものです。
一人の高齢者にとっては、コロナによる死も、ほかの疾病による死も同じように死として近づいてくる。現在はパンデミックを抑止するために「コロナ診療」を重んじていて、結果、一般医療に犠牲を強いている可能性があります。
いつまでこの構えを続けるのか。こうした状況は長くは続かせるべきではないと思います。ちなみに、巨額の予算支出については、日本のような個人への強い縛りを行なえない国で対策の効果を上げるためには、必要なものであったと考えています。
――マスクはいつになったら外せる?
尾身 まだ医療従事者のワクチン接種も済んでいない状態ではありますが、高齢者への接種がすめば、一定程度の安心感ができる、と見てきました。ただ、今回の変異株の登場で、比較的若い人でも重症化する可能性が出てきました。このため、シナリオは少し、変わってきていると思います。
今後、一般の人に接種が広がったとしても、感染はしばらく続くと思うので、マスクの着用もしばらくは必要でしょう。22年の年が明け、2回目の接種が進行していくと徐々に、コロナも一般の病気と同じような感覚で受け止められるようになっていくのではないでしょうか。 
 
 
 

 


●大阪に3回目の緊急事態宣言 飲食店は対応分かれる 4/27
4月25日、大阪・兵庫・京都・東京の4都府県に3回目の緊急事態宣言が発出された。
期間は5月11日までを予定。4月5日に始まった「まん延防止等重点措置」に続いて、飲食店には20時までの時短営業を要請する。酒類やカラオケ設備を提供する店には休業を要請する。
大阪市では小・中学校に学習用端末を配布、一部リモート授業を開始した。幼稚園には午前中のみの時短保育を要請する。
船場エリアの商業施設では対応が分かれている。酒類を提供する飲食店は期間中、臨時休業する店があるほか、酒類の提供を休止してランチ中心の営業に切り替える店も。ショッピングビル「淀屋橋odona」では、1階の食料品店「メルカートピッコロ」と地下の「ファミリーマート」以外は全館休業。北浜の商業ビル「ザ・北浜プラザ」は店舗によって対応が異なる。
26日、昼過ぎの靭公園では明るい日差しの下でランチを取る近隣会社員や、公園を通り帰宅する幼稚園児と母親の姿などが見られた。園内では見頃を迎えたバラにスマホを向ける人や、楽器の演奏をする人も。小学校では給食後に児童が帰宅するため、校門前は迎えに訪れる保護者の姿もあった。

●目黒区長メッセージ「3度目の緊急事態宣言を受けて」 4/27
3度目の「緊急事態宣言」が出されたことを受け、目黒区長から区民の皆さんへ、不要不急の外出自粛等、感染拡大防止のための基本的な行動をとることについて、ビデオメッセージで発信しました。
区長メッセージ
区民の皆さん、こんにちは。区長の青木英二です。先日25日、東京都内には3回目の「緊急事態宣言」が発令されました。
目黒区の累計の感染者数は、残念ながら3,600名を超え、ここにきて感染者数が急増いたしております。り患された皆さん方には心からお見舞いと、そして一日も早い回復をお祈りいたしたいと思います。
さて、本日は、区長として3度目の緊急事態宣言が発令をされたことに当たりまして、区民の皆さんにあらためて3つのお願いをしたいと思います。
一つ目は、間もなく大型連休に入ります。ぜひ、不要不急の外出を控えていただきたいと思います。
そして二つ目は、集団での飲酒など、感染リスクの高い行動を自粛していただく。いや、もう自粛をするということではなくて絶対やめていただきたいと思います。
そして三つ目は、マスクの着用ですとか、こまめな手洗い、消毒、そして3密を避けるなど、今まで皆さま方にお願いをした感染拡大防止の基本的な行動を今一つ徹底していただきたいと思います。
目黒区では、原則、区立施設については来月の11日まで休止いたします。小学校、中学校そして保育園、こども園などは休止いたしません。しかし、ぜひご家庭でしっかりとお子さんを見守っていただきたいと思います。
区民の皆さん、今私どもはこの新型コロナウイルス感染拡大を食い止める、そういったときに置かれています。ぜひ、皆さん方には感染拡大防止の行動を今一つ協力をお願いしたいと思います。そして、皆さん自身、皆さん方のご家族、皆さん方の大切な方々の命、そして健康を守っていただきたいと思います。
私は区長として、そしてまた、感染拡大防止に向けての対策本部長として、28万区民の皆さんの命、生命を職員とともにしっかりと守っていくことにベストを尽くす決意です。今私たちは、このまま新型コロナウイルスの感染が拡大していくのか、それとも収束に向かっていくのか、大変重要な局面に立っています。ぜひ、感染拡大防止の行動、そしてまた、感染リスクを回避する、そういった慎重な行動を強く区民の皆さんにお願いいたします。

●緊急事態宣言 繁華街の夜の人出 東京と関西で減少率に違い 4/27
東京など4都府県に3回目の緊急事態宣言が出て初めての平日の夜となった26日夜、各地の繁華街の人出をビッグデータを使って分析したところ、各地で先週より10%以上減少していました。
一方で、前回の宣言の時と比べると東京では関西のような減少はなく、東西で差が見られました。
NHKは、NTTドコモが携帯電話の基地局からプライバシーを保護した形で集めたビッグデータを使って、3回目の緊急事態宣言が出された4都府県の繁華街について、昨夜9時台の人の数を分析し、過去のデータと比較しました。
【先週 月曜日との比較】  このうち先週の月曜日(19日)の夜との比較ではいずれの地点でも減少していました。渋谷駅付近が18%、新宿 歌舞伎町付近が14%、京都市の四条河原町付近が19%、大阪市の心斎橋付近と神戸市の三宮付近が12%の減少となりました。
【以前の緊急事態宣言との比較】  分析では去年4月とことし1月に2回にわたって出された以前の緊急事態宣言との比較も行い、過去の宣言期間中の祝日を除く月曜夜の平均と比べました。その結果、1回目と比べるといずれの地点でも増加していましたが、2回目との比較では関西では減ったものの東京では大きな減少はなく、東西で差が見られました。
【渋谷駅】 渋谷駅付近は1回目の宣言の時と比べておよそ2.2倍にあたる124%の増加となり、2回目と比べると2%増加しました。
【新宿 歌舞伎町】  歌舞伎町付近は1回目と比べると50%の増加、2回目と比べると2%の減少となりました。
【大阪 心斎橋】 心斎橋付近は1回目より23%増加、2回目より12%減少。
【京都 四条河原町】  四条河原町付近は1回目より18%増加、2回目より9%減少。
【神戸 三宮】 三宮付近は1回目より14%増加、2回目より11%減少となりました。

●ここへ来て集団接種に戻すという政府の“迷走ぶり” 4/27
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月27日放送)にジャーナリストの有本香が出演。東京などに3回目の緊急事態宣言を発令した政府の新型コロナウイルス対応について解説した。
新型コロナウイルスの緊急事態宣言の対象になっていない周辺県の商業施設に、東京都内から人が流れている状況について、東京都の小池知事は4月26日、「都県境は超えないで欲しいと伝えている。しっかり守って欲しい」と苦言を呈した。
飯田)緊急事態宣言は25日の日曜日からということでしたが、その日曜日は対象となっていない川崎や埼玉辺りに人が増えたということが、27日の新聞にも出ていました。
有本)しかし、「エビデンスがない」と言ってしまっているわけですよね。「外に出るなと言われても、それはどうなのか」というのがみんなの気持ちだと思います。変異株については、インドの状況を見れば大変なことになっていますから、これは確かに脅威だと思います。
飯田)変異株による感染が多くなっています。
有本)しかし、やはり水際なのです。いまはもう帰国者が主ですが、隔離を徹底していないので、それは拡がりますよね。東京でも大阪でも、7〜8割の感染経路がわかっていません。外から入って来るものを防げないという状況になるのは、隔離を徹底していないからなのです。イギリスの変異株があったと思いますが、あれを日本に持ち込んだのはロイター通信の記者です。日本に入って来てからホームパーティーに出たりなどして、普通に活動していたからです。
飯田)14日間の隔離もまったく守られていなかったそうですね。
有本)そのようなことが普通に起きているので、いくらでも拡がりますよね。
有本)こうなって来るとワクチンですよね。
飯田)イスラエルでは57%、約6割近くの接種率で、そろそろ集団免疫獲得が見えて来るというところまで来ています。感染者の数も相当抑制できています。
有本)もう外に出てマスクなしで活動をしています。あとはワクチンに希望をつなぐしかないのだと思いますが、ワクチンもここに来て大会場での集団接種ということを言い始めましたけれど、もともとその予定だったはずですよね。
飯田)これに関しては鹿児島の開業医の方からもメールをいただいているのですが、「当方の自治体は各医療機関での個別接種のみで、ほぼ丸投げという状況。自治体の仕事が増えるであろう集団接種は、初めから検討してもいない。本音としては集団接種をして、ワクチン接種漏れの方を個別接種というのが理想だろうと思うのですが」ということです。
有本)地域によってもだいぶ事情は違うと思います。しかし、ファイザーのワクチンはマイナス70度という非常に低い温度で保管しないといけない。溶かしたら一定時間の間に使い切らないといけない。それぞれのクリニックで、ということ自体がものすごくロスの出るやり方なのです。聞くところによると、ファイザー側はもともと集団接種が前提で話を進めていたのに、それを崩してしまった人たちがいるそうです。このままだと、全体がグダグダになりそうだということで、もう1度元に戻すという話です。
飯田)国の主導でつくると。
有本)なぜ非常時なら非常時らしい対応をしないのだろうと、一貫してわかりません。
飯田)「目的に対して最短距離で行けない」ということが続いている感じがありますね。
有本)政府側もウイルスに対してどう対応するか、どう戦うかではなくて、少しメディアから言われるとすぐうろたえてしまうようなところがあり過ぎて、「何を目指しているのか誰にもわからない」という感じになっていますよね。
飯田)最終的には「気の緩みですよ、皆さんが悪いのですよ」というような。
有本)「それかい」という。他にも「電気を消す」と言われてもわけがわかりませんよね。

●萩生田文科相「緊急事態宣言解除後は大学で対面授業も」 4/27
3回目の緊急事態宣言に伴い大学でオンライン授業が拡大していることについて、萩生田文部科学大臣は、閣議のあとの記者会見で、宣言が解除されたあとは、できるだけ対面と組み合わせた授業を実施してほしいという考えを強調しました。
この中で萩生田文部科学大臣は「緊急事態宣言の期間中は、オンライン授業が一時的に増加したとしても、期間終了後は当初予定していた対面授業を適切に実施するなど、大学には学生目線に立った配慮をお願いしたい」と述べ、宣言が解除されたあとは、できるだけ対面と組み合わせた授業を実施してほしいという考えを強調しました。
そのうえで「人の流れを抑えた中で、一定の対面授業もできるだろうと思っているので、安易にオンラインに流れるということは再び起きてはならない」と述べました。

●SNSで世界中から「五輪を中止せよ!」の大合唱 4/27
「安全安心の大会にする」――。3回目の緊急事態宣言の発令を決めた4月23日、東京五輪・パラリンピックの開催基準を問われた菅首相は、そうはぐらかした。しかし、開幕まで3カ月というタイミングでの再々宣言に、海外からも「五輪中止」の声が相次いでいる。
SNS上では海外ユーザーから〈cancel the Olympics!(五輪を中止せよ!)〉の大合唱が湧き起こっている。ツイッター上には、この言葉があふれ、世界中の人が五輪開催に疑問を持ち始めているのだ。
緊急事態にもかかわらず「中止論」を度外視した日本の姿勢に、IOC委員や海外の感染症専門家も疑問を投げかけている。
女子アイスホッケー元カナダ代表の4大会連続金メダリストで、IOC委員を務めるヘイリー・ウィッケンハイザー氏は24日、カナダの公共放送CBCの取材に、「開催の可否は医療や保健の専門家が下すべきだ」「開催されるなら、明確で透明性のある説明が必要だ」と指摘。カナダの感染症専門家であるアイザック・ボゴシュ医師もCBCの取材に、「(大会関係者の)隔離もワクチン接種も強制でなければ、感染爆発が起きても不思議ではない」と危機感をあらわにした。
海外メディアも「五輪を考え直す時」(米紙ニューヨーク・タイムズ)、「日本は緊急事態宣言を発令したが、五輪中止は考えてすらいない」(米誌フォーブス)と報じている。英オックスフォード大の研究者らが運営する「アワー・ワールド・イン・データ」(22日時点)によると日本のワクチン接種率は1.32%で、OECD加盟37カ国中ワーストだ。
ロクに接種が進んでいないのだから、菅政権の五輪ゴリ押しが、海外から見ても異様に映って当然だ。五輪に詳しいスポーツジャーナリストの谷口源太郎氏がこう言う。
「深刻なコロナ禍に五輪を開催する理由を、菅政権はまったく説明していません。『開催を決めたのはIOC』だと“逃げ口上”を並べるだけなので、海外から不信感を抱かれるのです。日本は選手の生命や人権よりも大会を優先するのか、とシビアな目で見られています」
コロナ克服五輪なんて「幻想」を振りまいている場合じゃない。

●コロナ影響試算 関西域内の消費800億円減 4/27
民間シンクタンクの日本総合研究所(東京)は、3回目の緊急事態宣言(25日〜5月11日)が関西経済に及ぼす影響について、地域内の消費支出が800億円減少するとの試算を公表した。休業要請が百貨店などの大規模商業施設やテーマパークに及ぶため、1月14日〜2月28日の前回宣言時に比べて影響は大きいとみている。
総務省の家計調査(2人以上世帯)を基に試算した。振れの大きい高額品を除いた消費支出は、コロナ前に比べて11%落ち込むと予測する。外食費は同60%、交通費や被服・履物は同50%、化粧品も同10%の減少を見込む。「巣ごもり需要」で食料は同10%、家具・家電・娯楽品は同5%増えるとした。
高額品を除く消費支出は、昨年4月7日〜5月20日の1回目が前年同月比16〜19%落ち込んだ。2回目は同2〜6%の減少にとどまった。今回は期間が短いものの、酒類を提供する飲食店への休業要請など厳しい措置が盛り込まれ、影響の大きさは2回目を上回るとみる。ただ、通院や理美容サービスまで落ち込んだ1回目には及ばない。
宣言の範囲は兵庫県と大阪、京都府に限られるが、関西の域内総生産に占める3府県の割合が9割(大阪4割、兵庫3割、京都2割)に達するため、影響は全域に及ぶと想定した。
同社の若林厚仁関西経済研究センター長は「兵庫県内での消費支出の下振れは概算で200億〜250億円規模になるのではないか」と話している。
 
  
 

 


●3回目の緊急事態「変異ウイルスの影響みて決めたのだろう」  4/28
ふじみの救急病院院長の鹿野晃氏、経済学者の小林慶一郎・慶応大教授が27日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う3回目の緊急事態宣言の効果などについて議論した。
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会のメンバーでもある小林氏は「大阪の医療が 逼迫 ひっぱく している。変異ウイルスが医療現場に与える影響をみて宣言の発令を決めたのだろう」と述べた。
百貨店などへの休業要請について、鹿野氏は「科学的根拠に基づいていないのではないか。感染の抑制につながるのか疑問だ」と指摘した。

●3回目の緊急事態宣言、同じ轍を踏まない仕組みづくりを  4/28
緊急事態宣言が4都府県に対して発出された。実施期間は5月11日までとされたが、今回は過去2回の宣言時とは異なり、感染力の高い新型コロナウイルスの変異株が猛威を振るう。1日あたり新規感染者数が過去最多を更新する地域や、まん延防止等重点措置の適用地域が足元でも拡大している。今後、宣言が延長されたり対象地域が拡大されたりする可能性は高い。
当面は感染拡大防止に力点を置き、人の動きを大幅に抑える必要がある。感染拡大の深刻さに鑑みれば、幅広い業種に対する休業や営業時間の短縮の要請はやむを得なかったとみられる。政府は要請に応じた企業等が倒産や廃業、雇用調整に追い込まれることがないよう、経済実態に応じて協力金や雇用調整助成金などを手厚く給付する必要がある。
宣言発出による日本経済への大打撃は避けられない情勢だが、より重大な問題は宣言解除後に感染爆発を回避できるかどうかだ。変異株の流行により、感染拡大防止と両立できる経済活動の水準が低下したことを十分に認識する必要がある。仮に、旅行や外食の需要が急速に回復した2020年秋のように人出が回復すれば、感染爆発が発生して4回目の宣言発出を余儀なくされるだろう。
政府は宣言解除後を見据え、同じ事態に直面しないための仕組みづくりを宣言期間中に進めるべきだ。医療提供体制を再構築するとともに、感染状況がどうなったら警戒レベルを高めるかの基準を決めておく「サーキットブレーカー」について検討することが考えられる。「こうなれば、こうする」ということが明確にアナウンスされていれば、国民の予見可能性が高まるため、感染状況が悪化した際に早期に行動を見直そうとするだろう。
感染爆発の回避に最も有効な手段はやはりワクチンの普及である。全国民の約6割が接種を終えたイスラエルでは、屋外でマスクを着用する必要がなくなった。菅義偉首相は65歳以上の高齢者へのワクチン接種について、2回の接種を7月末までに終えると表明したが、まずは医療従事者と高齢者への迅速な接種が求められる。その後に始まる65歳未満の人への接種では、感染拡大リスクの高い都市部にワクチンを重点的に配分するなどして、感染拡大防止と経済活動の両立を推進することも一案だ。
国内では経済活動の業種間格差がリーマン・ショック後並みに拡大している。今後はワクチンの接種ペースの違いから、国家間の景気格差が一段と広がるだろう。こうした「K字」型の回復が国内外で進むなか、経済の正常化で後れを取る日本は、従来の延長線上にないスピードと発想でコロナ対策に取り組む必要がある。

●「“緊急事態宣言で人の流れは減っている”ということは強調されるべき」  4/28
NTTドコモによると、緊急事態宣言が発令された初日、25日午後3時の都内の人出は、新宿が前週比19.8%減、渋谷が同14.6%減、銀座が同9.0%減となった。1回目の緊急事態宣言が出された去年4月13日の比較では、新宿が2.0倍、渋谷が1.9倍、銀座が1.7倍となっており、効果の弱まりを指摘する声もある。
3度目の緊急事態宣言の効果について、東京工業大学准教授の西田亮介氏は「昨年の1回目と比較してしまいがちだが、重要なのは前週比もそうだし、コロナ感染拡大前の休日などと比較してどうかということ。感染拡大前の休日と比べると(3回目の後も)大きく人出は減っていて、つまり“緊急事態宣言で人の流れは減っている”ということは強調されるべきだ」と指摘する。
一方で、会社に行くためやむを得ず外に出なければならない人もいる。日本生産性本部の調査結果によると、1回目の緊急事態宣言下(2020年5月)のテレワーク実施率は31.5%だったが、2回目の緊急事態宣言があけた後(2021年4月)は19.2%と、実施率は下がっているのが現状だ。去年11月の東京商工会議所の調査では、「テレワークを実施したが現在は取りやめた」と答えた企業は22.1%だったという。
こうした結果に対し西田氏は、「平日の人の流れは通勤、通学が減らない限り、原理的に減らすことが困難だ。なぜそうなるのか。重要な点は、日本の職場がジョブ・ディスクリプション(仕事の定義)がはっきりしていないことだ。家でテレワークをしていると“ボスに仕事をしていることが伝わらない”と思うし、管理職も“部下が何をやっているかを把握しておきたい”という不安がわき、テレワークが進まない。そこに、裁量労働などを覗くと、働いた時間の長短で賃金の水準が決まる現行の体型もテレワーク導入の難しさになっているのではないか」との見方を示した。
東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、組織委員会は新型コロナや暑さ対策のために看護師約500人の派遣を日本看護協会に要望している。大会期間中に必要な医療従事者は約1万人で、組織委は地域医療をひっ迫させないため、参加日数を柔軟に対応できるよう検討しているとしている。
このニュースを受けて、西田氏は「無観客くらいならありえるかもしれないと思っていたが、早く中止すべきと確信するようになった」と考えが変わったそうで、「オリンピックのために社会が我慢する、とりわけ命に関わる問題だけに、この状況下で医療をひっ迫させてまで開催するのは筋が通らないと思う」と苦言を呈した。

●日本生命「ゴルフ会食」後に感染判明の深刻事態  4/28
3回目の緊急事態宣言が東京など4都府県に発令される中、新型コロナ対策において、生命保険大手の危機感の欠如があらわになった。
業界最大手・日本生命の営業拠点の管理職6人が、4月に開催された会社主催のイベント終了後に「ゴルフ会食」に出かけ、その後、新型コロナに感染していたことが判明したのだ。
同社は職員の新型コロナの感染状況について、ホームページで直近2週間分の情報を公表している。4月26日時点では、4月18日に1人、19日に12人、合計13人のコロナ感染者が出ている。
感染者が所属する営業部の所在地はバラバラで、それぞれに関連性はないように見える。だが、13人のうち6人は神奈川県・湘南支社管内の営業部に所属しており、同一の感染経路であることが疑われる。
というのも、日本生命は4月16日、東京・台場のホテル「グランドニッコー東京 台場」で、首都圏の支社長や営業部長らが集まって情報共有する「全拠点長大会」を開催した。最も広い宴会場を貸し切りにし、約220人が参加した。
同大会が終了した後、神奈川県内にある同社湘南支社管内の営業部長らは、1泊2日のゴルフコンペに出かける。飲食・宿泊と行動をともにした後、営業部長の1人が体調不良を理由に急きょ帰宅。ほかのメンバーは後から合流した湘南支社の支社長らとともにゴルフに興じる。

●2回目の緊急事態宣言解除後最多の感染者 全国で5789人 4/28 
28日、全国で新たに5,789人の新型コロナウイルスの感染が確認され、2回目の緊急事態宣言解除後、最多となった。
28日、大阪府では1,260人、福岡県では440人の感染が確認され、いずれも過去最多となった。
また、東京都の感染者は925人で、900人を超えるのは3カ月ぶり。
このほか、兵庫県では過去2番目となる600人、北海道で217人、神奈川県で257人、愛知県で322人など、全国で5,789人の感染が確認された。
1日の感染者としては、2回目の緊急事態宣言解除後、最も多くなっている。
また、全国では、51人の死亡が確認されたほか、27日までの重症者数は、前の日から37人増えて953人で、2日連続で900人を超えている。
一方、厚生労働省によると、国内での変異ウイルスの感染者数は、直近1週間に669人増え、これまでの感染者数は2,549人となった。 

●「通勤する人」を叩いても、テレワークが普及しない根本的な理由  4/28
こういう「コロナ慣れ」した人や、危機意識の乏しい企業がいるから、いつまでたっても感染が落ち着かないのだ――なんて感じで怒りのあまり気がヘンになっている方もいらっしゃるのではないか。
3度目となる緊急事態宣言で政府がテレワークやオンライン授業を企業や大学に要請しているなかで、朝の通勤ラッシュがいつもと変わらない、とマスコミ各社が報じているからだ。
・3度目宣言の4都府県、初の平日 遠隔要請も変わらぬ通勤混雑(共同通信 4月26日)
・朝のラッシュはいつも通り 薄まる効果「あの時は山手線でも座れた」(朝日新聞 4月26日)
・3度目の緊急事態 通勤の混雑「慣れてしもたんやろか」(朝日新聞 4月26日大阪)
日本生産性本部によれば、1回目の緊急事態宣言が出た5月のテレワーク実施率は31.5%だったが、終了後の7月には20.2%まで低下し、2回目の緊急事態宣言直後の今年1月も22.0%にとどまっている。「ニューノーマル」「ウィズコロナ」なんてバズワードが飛び交っていたわりに、日本企業の働き方はほとんど変わっていない現実があるのだ。
ただ、そのような厳しい現実はさておき、個人的には通勤する人が減った増えたと騒いで、「自粛の効果がない」なんてあおる報道こそ「自粛」すべきだと考えている。
確かに、この1年散々議論されてきたように、日本にはコロナ禍でも不要不急の出勤を続ける方がたくさんいらっしゃるのも紛れもない事実だ。工場など製造・生産現場などでテレワークが難しいとか、対面するサービス業などでもないのに、「やはり直接会って話さないと」とかなんとかもっともらしい理由をつけて、会社に出社する「社畜の鏡」のような方が、皆さんの職場にもいるはずだ。
だが、そういう人たちをマスコミで見せしめにして「危機感がないぞ」なんて批判をしたところで、「通勤者ヘイト」「東京・大阪ヘイト」をあおるだけで、なんの問題解決にもならないからだ。
緊急事態宣言下でこれだけ通勤する人がいるのは、「コロナ慣れ」「心のゆるみ」などの根性論は一切関係ない。ごくシンプルに「産業構造的に無理」だからだ。
日本の産業構造が原因
筆者は昨年から『テレワークの「リバウンド」はなぜ起きる? 「意識が低い」で片付けられない構造的な問題』(2020年7月14日)、『「出勤者7割削減」なんて無理な呼びかけは、やめたほうがいい理由』(2021年1月26日)などの記事のなかで繰り返し述べてきたが、コロナという非常事態にもかかわらず、日本でテレワークがなかなか普及しないのは、「IT導入が遅れている」とか「経営者の意識が低い」からではない。
「中小零細企業で働く労働者が圧倒的に多い」という日本特有の産業構造が原因だ。
この産業構造については、「ビジネスパーソンとしての偏差値があるなら、自分はどのへんか」なんてビジネマン向けのスコア診断まで提供し始めた日本経済新聞も以下のように指摘している。
『企業全体のうち中小企業が圧倒的な割合を占めるのが日本の産業構造の特徴だ。2016年の経済センサス活動調査によると、個人事業主を含む中小企業は企業数で全体の99.7%、従業員数で68.8%を占める。中小企業の経営状況の悪化は日本経済に直結する』(2020年5月20日)
では、このような日本特有の産業構造のなかで、果たしてテレワークというニューノーマルとやらが本当に定着するのかを考えていただきたい。
『中小企業白書2020』の「資本規模別、テレワークの導入状況」というグラフを見ると、テレワーク導入率と会社の資本金規模はきれいに比例している。1000万円未満企業でテレワーク導入はわずか11.5%、5億円〜10億円未満企業(30%)は3分の1、50億円以上企業(52.3%)は2分の1という状況だ。
つまり、会社の規模が小さくなればなるほどテレワークと縁遠くなっていく現実があるのだ。
「それは設備投資の余裕がないから」ということで、政府が助成金や補助金をバラまいているが、テレワークが定着していないことからも分かるように、「カネ」だけが問題ではない。そもそも小さな会社はテレワークに魅力を感じていないことがあるのだ。
テレワークに向かない産業構造
中小企業にお勤めした方ならば分かるだろうが、会社の規模的にもオフィスもそれほど「密」ではないので、ぶっちゃけそこまで在宅にこだわる必要もない。また、社員の顔もほとんど知っているので、何か用があれば携帯で話せば事足りる。つまり、わざわざシステムを導入して、使い方やらを習得してテレビ会議で話をするよりも、同僚と連絡を取り合ってサクッと出社して仕事をしたほうが「めんどくさくない」のだ。
実際、中小企業白書のなかでテレワーク未導入の企業に「テレワークを導入しない理由」と質問をしたところ、71.6%でダントツに多いのが、「テレワークに適した仕事がないから」という回答だった。
規模の小さな会社で働く人にとって、このようにテレワークに魅力がないどころか、足を引っ張っている印象を抱く人もいる。
野村総合研究所が2020年7月、日本、米国、英国、ドイツ、イタリア、スウェーデン、中国、韓国の8カ国を対象にした調査「新型コロナウイルスと世界8カ国におけるテレワーク利用」に、興味深い結果が掲載されていた。
テレワーク利用者に主観的な生産性変化を尋ねたところ、「かなり落ちた」「やや落ちた」と回答をしたのが48%で日本が一番多かった。また、将来的なテレワーク利用意向を質問したところ、「自分の仕事はテレワークができない」と言い切った割合が、米国(26%)、中国(24%)、英国(32%)のなかで、日本は45%とダントツだった。
これらの8カ国のなかでも、日本は中小零細企業で働く人の比率が高い。それは裏を返せば、諸外国で普及しつつあるテレワークは、中小零細企業にとって魅力的ではないのだ。メリットをそれほど感じられない、コロナ禍で苦しい戦いを強いられている、そんな状況のなかでどれだけの企業が導入して、続けていくのか。
このように「テレワークに向かない会社」が日本では99%を占めており、全労働者の7割にあたる2784万人が働いている。つまり、緊急事態宣言下で、朝の通勤ラッシュが大混雑になるのは、通勤する人たちの気が緩んでいるとか、コロナをナメているとかではなく、「テレワークに向かない産業構造」によるところが大きいのだ。
日本社会あるある
さて、このように実際は原因だと思われていることが、冷静になって客観的なデータで分析をしてみると、なんの根拠もない根性論にすぎなかったのは、「テレワーク実施率の低さ」だけではない。実は同じような構造は、われわれの身の回りにあふれており、まさに「日本社会あるある」と言ってもいい。
その代表が「生産性向上」だ。
生産性向上というと、作業効率をアップとか、仕事中にサボらない、結局チームワークが大切だ、とか高校野球の監督のようなことを言い出す人が日本には多いが、国が掲げている「生産性」というのは数字に基づいたものなので、個々がどんなに気合を入れても、根性を叩き直しても、ほとんど「向上」しない。
労働が生み出す付加価値なので、シンプルに賃金が大きな影響を与える。ご存じのように、日本は世界でも有数の低賃金重労働国家で、韓国よりも低い賃金が定着している。では、なぜこんなことになってしまったのかというと、先ほども触れた産業構造だ。低賃金重労働でしか経営が成り立たない零細・小規模企業で働く人たちが異様に多いからだ。
こういう産業構造を見直さないことには、どんなに国民が一致団結しても、下町ロケット的な感じで会社に泊まりこんで技術に磨きをかけても、生産性は低いままなのだ。
そして、このような産業構造というシステムの問題を精神論で解決しようという無謀なチャレンジは、今日本人の多くが恐れている「医療崩壊」にも当てはまる。
日本よりも桁外れに感染者や死者が多い国で、「医療崩壊しました」なんてニュースをほとんど耳にしていないことからも分かるように、「人口1300万人の世界有数の巨大都市・東京が、コロナ重症患者が50人出たら医療崩壊寸前」というのは日本独自のユニークな現象である。
なぜこんな不思議なことが起きているのか。今の日本社会でこの疑問を突き詰めていくと、「貴様! お国のために戦う医療従事者の皆さんにケチをつけるのか」と非国民扱いされるためタブー視されているが、実はこれも医療の「産業構造」で全て説明できる。
日本は、独自に発展した医療システムのせいで、諸外国と比べて異常なほど「小さな民間病院」があふれかえっている。そんな「小さな民間病院」の業界団体である日本医師会が、政府与党の最大の有力支持団体になって、政治に口を出せるというこれまた諸外国ではほとんど聞かない異常な関係性がある。
起こるべくして起こった
こういう諸外国と異なる独特の産業構造・政治構造なので、コロナ医療も諸外国と異なって独特になる。どう独特なのかというと、地域の医療資源を「コロナ医療」へそこまで集中させていない点だ。
わずか2割程度の大きな病院や公立病院などにコロナ患者が集中して、そこで働く勤務医たちがボロボロになっても、飲食店などがバタバタ潰れても、「小さな民間病院」が担っている「地域医療」はビタッと平時の体制が守られている。
日本医師会の中川俊男会長は「コロナ患者をみる医療機関と通常の医療機関が役割分担をした結果」(日本医師会 1月6日会見)だとおっしゃっているが、自殺者も出るほど国民の生活がメチャクチャになっているにもかかわらず、この「役割分担」を見直さず、政府や自治体から「あと少しの辛抱だ」「最近たるんでいるぞ、こんなことじゃ医療危機だ」と怒られているのが、今の日本国民の状況だ。
テレワークが普及しないのも、生産性が低いのも、そしていつまでたっても医療崩壊の危機が叫ばれているのも、政治家やマスコミはやたらと「国民の意識が低い」という方向に持っていくが、実は「産業構造」を踏まえれば、起こるべくして起こっただけなのだ。
明確なゴールを示されることなく、訳の分からない根性論を押し付けられたままでは、心を壊す人が続出する。今、この国で最も「自粛」すべきことは、外出でも通勤でもなく、「根拠のない精神論」を押し付けることではないのか。 
 
 
 

 


●東京 大阪 兵庫 京都の人出 去年の1回目「宣言」比で大幅増加 4/29
3回目の緊急事態宣言が出された東京、大阪、兵庫、京都の28日の人出は、2回目の宣言の時より多くの場所で増加しました。また、去年の1回目の宣言の時と比べると、大幅に増えました。
NHKは、IT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使って、3回目の緊急事態宣言が出された東京、大阪、兵庫、京都の主な地点の人の数を分析しました。
分析した時間は、日中が午前6時から午後6時まで、夜間が午後6時から翌日の午前0時までです。
それによりますと、28日の人出は、2回目の宣言が出ていた期間の平日の平均と比べると、東京駅付近で日中が15%、夜間が33%増加、渋谷スクランブル交差点付近で日中が7%、夜間が23%増加しました。
一方、関西は、大阪梅田駅付近で日中は21%、夜間も18%減少しましたが、神戸市の三ノ宮駅付近で日中は変わらなかったものの、夜間は7%の増加、京都駅付近では日中が8%夜間が11%増加しました。
また、去年の1回目の宣言が出ていた期間の平日の平均と比べますと、人出はさらに増えました。
増加率は、東京駅付近で日中は99%、夜間も146%、渋谷スクランブル交差点付近で日中は69%、夜間も152%、大阪梅田駅付近で日中は100%、夜間も125%、神戸市の三ノ宮駅付近で日中は141%、夜間も174%、京都駅付近で日中は186%、夜間も187%に上りました。

●GW初日の羽田空港は多くの旅行者で賑わう 4/29
ゴールデンウィーク初日となる4月29日、1年前にはほとんど人が見られなかった羽田空港であったが、今年はチェックインカウンターでも多くの利用者の姿が見られた。昨年同様に東京都内は緊急事態宣言が発令されている状況であるが、新型コロナウイルスの感染拡大から2回目のゴールデンウィークを迎え、コロナ禍の旅行スタイルが確立し、2000円〜3000円程度でPCR検査が気軽に受けられるようになったことも変化の要因と言えるだろう。
昨年と今年のGW期間中初日にそれぞれ羽田空港で取材をして感じた違いについてを中心にレポートする。
その1:ターミナルに人が戻る。昨年の6〜7倍の利用者に
昨年のゴールデンウィーク初日の羽田空港に利用者の姿はほとんど見られなかった。ANAの場合は昨年のGWは運航便が通常の2割以下まで減ったが、1回目の緊急事態宣言でマスク不足が解消されておらず、コロナの様子がわからないこともあり、旅行や帰省がほぼ全面ストップとなった。だが今年は、3回目の緊急事態宣言が東京都・大阪府・兵庫県・京都府に発令されているが、ANA国内線全体で77%の運航率まで回復している。
ANAによると今年のGW期間中の利用者は2年前と比べると4割程度に留まるとのことだが、実際に4月29日のGW初日に羽田空港第1ターミナル(主にJAL)・第2ターミナル(主にANA)では共に、朝から大きな荷物を持った旅行客の姿が目立った。
ANAではGW初日の予約数は約6万3000人となっており、3月後半の春休み中の週末に比べると若干少ないが、昨年と比べて6〜7倍の利用者になっている。
その2:昨年は1便もなかった満席便の表示がある
昨年のゴールデンウィーク期間初日は、筆者調べで羽田空港を出発する便はわずか123便(羽田発のみ)しかなかった。航空会社別の内訳では、 ANA(全日本空輸)が28便、JAL(日本航空)が55便 、スカイマークが13便、 AIRDOが10便、スターフライヤーが10便、ソラシドエアが7便で合計123便しかなかった。機体も小型化され、JALでは羽田空港発着便では普段では見られない、95人乗りのエンブラエル190型機を伊丹線の一部に投入していた。
だが今年は各航空会社ともにGW期間中は7〜8割程度の運航率になっており、那覇、宮古島、石垣島などへ向かう便では臨時便も設定されている。傾向としては沖縄方面は搭乗率が高く、感染者が拡大している関西方面への便の予約率は少ない状況になっている。
その3:緊急事態宣言発令後の国内線キャンセル ANAで6.7%減、JALも1割以下
4月23日(金)に緊急事態宣言の発令が決定し、25日(日)から東京都、大阪府、兵庫県、京都府で発令された。ANAによると、GW期間中(4月29日〜5月5日)の国内線予約数は4月23日時点では44万4493人だったものが、4月28日時点では41万4798人と約3万人減少(キャンセル)となったが、減少幅は6.7%に留まっている。
JALでも同様に4月23日に発表したGW期間中の予約状況から大きな減少はなく、ANA同様に緊急事態宣言発令が決まってからのキャンセルは1割以下とのことだ。旅行においては、飛行機・新幹線などの交通機関、宿泊施設でクラスターが起こっていないことで、緊急事態宣言中でも旅行を取りやめることにした人は限定的であった。
その4:保安検査場も通常運用になっている
これまでの2回の緊急事態宣言中の一部期間において利用者が少ないことから、ANAでは第2ターミナルの南側の保安検査場、JALでは第1ターミナルの北ウイングを閉鎖していたが、今年のGW期間中は、ほぼ通常の運用となっている(第2ターミナルの保安検査場「D」のみ閉鎖を継続)。
上級会員や上級クラスの利用者が利用できる航空会社のラウンジも全てオープンしている。ただ、羽田空港内の売店やレストランの一部で休業のままとなっている。
その5:駐車場も繁忙期扱いの料金設定
羽田空港の第1・第2ターミナル直結の駐車場は、GWや夏休み、年末年始などの繁忙期では多客期料金として、24時間毎の最大料金を通常の1530円から2140円に引き上げている。昨年のGWや夏休み期間はコロナ禍で利用者が少なかったことから多客期料金の設定を見合わせたが、今回のGWでは多客期料金の設定となっている。
ただ昨年9月の4連休をはじめ、10月・11月の週末に見られた駐車場が満車の状況にはなっていない。
その6:昨年はGW期間中もピーク日はなかったが、今年は出発のピークが4月29日と5月1日、到着のピークが5月5日に
羽田空港で4月29日の朝に取材に応じたANAエアポートサービスの久沢弘太郎旅客サービス部長は「昨年に比べると7〜8倍くらい、2019年度と比べて4割程度のお客様になっている。利用率については5割程度で、ピーク日の4月29日と5月1日は6〜7割くらいになる見込みとなっている。お客様に安心して利用してもらえるような取り組みを引き続き行っていく」と話した。
上記のコメントからも読み取れるが、昨年の緊急事態宣言のGW中では、1便あたり10人未満で出発する便もあったが、今年のGWはガラガラの便は限られることになる。
筆者が感じた昨年と今年のGW初日の違い
筆者は、昨年のGW初日と今年のGW初日の両方を羽田空港で取材したが、昨年は時が止まってしまったかのような閑散というか、ほとんど人の姿がない光景だったが、今年の4月29日のGW初日は、緊急事態宣言中ではあるが少なくても羽田空港では日常が取り戻されたことを感じている。コロナ禍の旅行スタイルが確立されつつあることも体感することができた。
今年のGWの国内線の出発ピークは4月29日(祝)と5月1日(土)、戻りのピークは5月5日(祝)となっている。

●「中国やベトナムの出稼ぎを受け入れたい」 緊急事態宣言を渋った理由 4/29
状況認識の甘さ、危機感の乏しさが露呈
4月25日、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に3回目の緊急事態宣言が出た。大阪府では2回目の緊急事態宣言を2月末に解除してから、猛烈な感染拡大が起きた。「まん延防止等重点措置」の効き目も薄く、4月13日には新規感染者の1日の発表が初めて1000人を突破。吉村洋文大阪府知事は緊急事態宣言の発出を政府に要請した。
また、3月に緊急事態宣言を解除した東京でも、後を追うかのように感染者が増加。大阪に追随して、緊急事態宣言が要請された。明らかに「第4波」の到来を招いてしまったわけだ。
しかし、菅義偉首相はその段階になっても「第4波」を頑なに否定していた。4月14日の参議院本会議で答弁に立った菅首相は、「現時点で全国的な大きなうねりとまではなっていないと考えている」とし、「関西圏など特定の地域を中心に急速に感染拡大が進んでいる。政府として強い警戒感を持って対応すべき状況にある」と述べるにとどめた。
ちょうど同じ日に、衆議院内閣委員会に出席していた政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、真逆の見方を示した。「いわゆる『第4波』と言って差し支えない」と述べたのである。はからずも菅首相の状況認識の甘さ、危機感の乏しさが露呈することになった。
どこから「変異型」ウイルスはやってきたのか
結局、政府は、知事らの要請に背中を押される形で、緊急事態宣言の発出に踏み切った。吉村知事が2回目の緊急事態宣言時の対応では不十分だとして、大型商業施設や娯楽施設の休業要請を口にし、政府もそれを認めざるを得なくなった。
第4波で急速に感染者が増えている理由として、「変異型」ウイルスのまん延拡大があると政府も専門家も指摘している。3月に2回目の緊急事態を解除した時には予想しなかった変異型が広がっていると言いたげだ。それではいったい、どこから変異型ウイルスはやってきたのか。
3月中旬の時点で、もともと変異型ウイルスが日本国内に存在していたと言うのならば、緊急事態宣言の解除をするべきではなかった、と言うことになる。一方、最近になって海外から入ってきたと言うのならば、その侵入を許した「水際対策の不備」が原因ではないのか。いずれにせよ、人災とまでは言わないにしても、政策判断の失敗が第4波を引き起こしたと言えるだろう。
指摘される「東京五輪」との関係
なぜ3月19日の段階で、21日をもって緊急事態を全面解除する決定を菅首相は下したのか。多くのメディアの世論調査では、緊急事態宣言を「延長すべきだ」とする回答が過半数に達していた。それでも菅首相は、病床使用率が低下したことを理由に解除に踏み切った。
多くの識者が指摘するのは東京オリンピック・パラリンピックとの関係。3月20日に政府と東京都、大会組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)による「5者協議」が開かれ、海外からの観戦客の受け入れを断念することを決めた。つまり大会自体は開催することを決定したわけだ。
3月25日には聖火リレーがスタートしている。「本当にオリパラはできるのだろうか」と多くの国民が懸念する中で、あえて、実施に踏み切る決断をするためにも、「緊急事態の解除」という演出が必要だった、というのである。
本当の理由は「海外からの労働者の受け入れ」ではないか
緊急事態宣言の解除には別の理由があったのではないか。可能性があるのは、海外からの労働者の受け入れだ。
日本の製造業の現場だけでなく、農業も小売業も、外国人労働者に依存している。多くは「留学生」や「技能実習生」として初めてやってくる外国人だが、緊急事態宣言で、その入国が規制されていた。
出入国在留管理庁の「出入国管理統計(速報値)」によると、2020年の11月も12月も、5万人を超える外国人が新規入国していた。1月7日に緊急事態宣言が出された後も、1週間以上にわたって入国を認め続けており、政府の分科会でも「水際対策が不十分だ」と指摘する声が上がった。結局1月も3万7000人の新規入国外国人が日本にやってきていた。
その新規入国者を見ると、12月は中国人の1万6778人とベトナム人の1万5454人が圧倒的に多い。1月は中国人の8942人に対し、ベトナム人の新規入国者は1万9905人に達した。事実上の出稼ぎ労働者を駆け込みで受け入れた、ということだろう。
2月の新規入国外国人は1469人、3月は2017人と年末までの20分の1未満に減少している。3月の緊急事態宣言の解除でそれまで受け入れられなかった新規の外国人労働者を入国させようとしたのではないか。実際、農作業が始まった地方では、外国人技能実習生などが入国できないために、人手が足らず、作付け面積を減らすところも出ていると報じられている。4月の統計にその数値が現れてくるのだろうか。
日本の水際対策は「甘い」
中国は新型コロナの封じ込めに成功しているとされ、ベトナムも感染者は他のアジア諸国に比べて格段に少ない。こうした国からの受け入れが、変異型の拡大につながったとは考えられない。では、なぜ、変異型が入ってきたのか。インドで急速に流行している二重変異型のウイルスもすでに国内で見つかっている。これはいったいどこから入ってきたのか。
やはり、「水際対策」の甘さが原因だろう。実は緊急事態宣言が出ていた2月、3月も、「再入国」の外国人は国境を通過していた。その数、2月は1万2355人、3月は1万7376人である。再入国者は日本に居住している中国人、韓国人、フィリピン人が多いが、2月にはネパール人が730人、インド人が726人、3月にはネパール人が1063人、インド人が882人、再入国している。さらに日本人は2カ月で6万人近く帰国している。
空港の検疫所で検査を行うものの、2週間の「隔離」は行われず、自主的な自宅待機が主流。公共交通機関も使わないように指示されるが、当局が監視しているわけではない。あくまでも入国した人たちの「良心」に任されているだけなのだ。
オーストラリアなどがスポーツ選手までも例外扱いせず、厳格に隔離しているのに対して、日本の水際対策は「甘い」のひとことなのだ。おそらくそうした帰国者の中に変異型ウイルスの保有者が潜んでいて、国内での感染源になったのだろう。
なぜPCR検査をもっと行わないのか
誰が感染源なのか、感染ルートはどうなっているのか、もはや日本では調べようがない状態になっている。発症者の半数以上が「感染経路不明」である。
というのも、日本国内では十分にPCR検査を行っていないからだ。厚生労働省は国内でのPCR検査の最大能力は1日18万5000件にのぼると発表している。しかし、実際の検査実施数は感染者が急増している4月末になっても10万件に満たない。なぜ、検査を行わないのか。
政府の分科会の委員で検査を大幅に増やすよう提言活動も行った小林慶一郎・東京財団政策研究所研究主幹は、「感染症の先生たちと、私たち経済学者の間で、意見がまったく噛み合わない」と語る。
感染症学者は検査件数を増やして陰性者を大量に出すのは「無駄」だと考え、経済学者やおそらく国民の多くが感じている「陰性確認が増えれば経済活動ができるから有効だ」とする考えと相入れないというのだ。検査能力の問題というよりも、検査を拡大すべきだと専門家の「主流派」が考えていないため、実施に移されないというのである。
国民が危機感を抱かない背景には「不信感」がある
だからと言って、感染者との濃厚接触者などにターゲットを絞って検査をし、感染ルートを突き止めるという感染症学者の当初の作戦も、事実上破綻している。
ようやく民間のサービスなどもあって大学で学生が自由に検査できる体制を整える動きなどが出ているが、感染拡大から1年以上経ってそんな有様なのだ。一方で、ワクチンの確保やワクチン接種も進まず、英国や米国の接種率が4割を越す中で、日本は1%。そんな中で、感染拡大を防ぐには緊急事態宣言の再発出は遅すぎた、いや、3月の解除はするべきではなかった、ということになるだろう。
もっとも、菅首相や知事らがいくら厳しい言葉を発しても、国民の行動を変えることはできていない。宣言発出後も通勤時間帯の電車は混雑し、人流は減っていない。日本でも新型コロナによる死者はすでに1万人を突破した。にも関わらず、国民が危機感を抱かない背景には、政府の新型コロナ対策への不信感があるのだろう。

●外食チェーンの「閉店ラッシュ」で、人員削減が続くかもしれない…! 4/29
ついに3度目
新型コロナウイルスの蔓延が止まらず、3度目の緊急事態宣言が発令された。2回目の緊急事態宣言は飲食店への営業時間短縮など「時短営業」が柱だったが、今回は「酒の提供自粛」が加わったことから、居酒屋などアルコールの売り上げが大きい業態にとっては死活問題になっている。
「参りましたよ。20代の時の給与に戻りました」――。都心にあるパブレストランの支配人はこうぼやく。高齢者が客層の中核だったこともあり、営業自粛が解けても売り上げ低迷が続いていた。遂に給与を引き下げざるを得なくなった。「潰れて失業することを思えば仕方ありませんが、気が抜けます」と閑散とした店舗を見回した。
時短や休業で補償が出ると言っても、個人営業ならそれで生きていけるが、従業員を雇って家賃も支払っているとなると経営はかなり厳しい。飲食チェーンなど中堅や大手にも補償が出るようになったとはいえ、焼け石に水だ。
東京商工リサーチの集計によると、居酒屋を運営する上場主要13社の飲食店舗数の合計は、2020年12月末で6136店と、1年間前の7009店に比べて873店、率にして12.5%減った。
同社では「個人経営の飲食店などに比べ、大手が展開する店舗は面積が広く、スタッフ数も多い。都心部の店舗は、ランニングコストが大きな負担になっており、店舗営業を継続するより、見切りをつけて『スクラップ』を選択しているようだ」と分析。
2021年1月の2回目の緊急事態宣言などで、「取り巻く環境は厳しさを増しており、学生や主婦などのアルバイト、パートの雇用環境の悪化だけでなく、取引先への発注量の減少、都心部の空きテナントの増加など影響はさらに広がっている」としている。
「酒禁止」の衝撃
日本フードサービス協会の調査では、外食チェーン全体の2020年の売上高は15.1%減と、1994年の統計開始以来、最大の減少率だった。
中でも「パブ・居酒屋」は売上高が49.5%減と半減した。2回目の緊急事態宣言で今年1月の「パブ・居酒屋」の売上高は74.9%も減少、2月は70.7%減にとどまった。3月は比較対象である2020年3月が新型コロナの影響を受けていたが、そこからさらに39.7%も減少した。
3月末時点のチェーン店のパブ・居酒屋業態店舗は2341店と、1年前に比べて15%減った。そこに「酒禁止」が加わったことから、3回目の緊急事態が「致命的だ」という声が少なくない。
もちろん、外食チェーンはワタミが居酒屋業態店を焼肉店に改装する戦略を打ち出すなど、業態転換も進んでいる。「密」になって大声で会話しがちな居酒屋業態は、仮に新型コロナが終息したとしても、早期に客足が戻ることにはならない、との判断がある。
外食チェーンなど飲食店の経営がジワジワと追い詰められる中で、その影響が社会全体に広がりつつある。
総務省の2月の労働力調査によると、雇用者数は昨年4月から11カ月連続で減少を続けている。ところが政府が「雇用調整助成金」を企業に手厚く支給していることもあり、正規雇用は9カ月連続で増加している。
つまり、そのしわ寄せはパートやアルバイトなどの「非正規雇用」に及んでいる。パートは1年前に比べて55万人、アルバイトは33万人も減少している。産業別就業者数を見ると、圧倒的に「宿泊業・飲食サービス業」の減少が大きい。2月の同産業の就業者数は359万人と1年前に比べて46万人、11.4%も減っている。
人員削減か、店舗の閉鎖か
3回目の緊急事態宣言で経営が限界に達する飲食店や外食チェーンが出てくると、雇用に大打撃を与えることになりかねない。緊急事態宣言はとりあえず5月11日までを期限としているが、専門家の間からは11日に解除すれば、夏にかけて再度感染拡大する「第5波」が起きかねないという指摘も出ている。
一方で、年明けの2回目に比べればはるかに厳しい自粛内容になっているにもかかわらず、人の流れは目立って減っておらず、大阪や東京での新規感染者の1日の判明数も減少に転じていない。5月11日に解除できない可能性が高まっていると言える。
そうした状況で、緊急事態がさらに延長されることになれば、飲食店の経営は限界に達する見通しだ。減給で耐え忍ぶどころか、本格的な人員削減に踏み切るか、店舗の閉鎖を決断するところも出てきかねない。
ワクチンの接種が思うように進まない中で、政府は従来通りの感染予防策を国民に求めるしか術がない状態が続いている。7月に開会式を迎える東京オリンピックも海外からの一般観戦客は受け入れないことを決め、国内観客についても、無観客などの可能性が探られている。
海外からのインバウンド客がオリンピック・パラリンピックをきっかけに大幅に増えると期待されていたが、そうしたオリンピック効果も見込めない。飲食産業だけでなく、百貨店などインバウンド消費に支えられてきた小売店も先行きが厳しい。
緊急事態宣言の発出に当たって小池百合子東京都知事は「短期決戦」を呼びかけていたが、短期戦でなければ経済がもたない、という現実もある。緊急事態宣言も3回目とあって、国民の間の危機感は今ひとつ高まらないが、経済への影響という意味ではこれまでになく大きい。

●「全国学力テスト」は予定どおり実施、「#教師のバトン」の出番になる 4/29
新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)の影響で一斉休校になった昨年度は実施が見送られた全国学力テスト(全国学力・学習状況調査等)を、今年は予定どおり5月27日に実施すると萩生田光一文科相が述べた。はたして、教員は黙っているのだろうか。
|新型コロナが深刻さを増す状況でも実施すべきなのか
4月27日の閣議後記者会見で萩生田文科相は、「予定どおり、悉皆(しっかい)でやる」と語った。「悉皆」まで念押ししている。
今年度の全国学力テストの実施要領を文科省が全国の教育委員会などに通知したのは、昨年の12月23日だった。その直後の今年1月8日には、2回目となる緊急事態宣言が関東1都3県を対象に発出されている。
文科省も、まさか2回目の緊急事態宣言発出になるとは想定していなかったはずである。だから、全国学力テストの実施日を5月27日としたのだ。昨年の一斉休校の影響を考えて、例年よりも1ヶ月後倒しの予定である。
2回目の非常事態宣言が解除になるのは3月21日で、これで新型コロナが収束していれば学校現場の混乱も少なくて済んだかもしれない。ところが4月25日には、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県を対象とした第3回目の非常事態宣言の発出される事態となっている。対象とされなかった地域でも新型コロナが収束しているわけではなく、かなり深刻な状況になっている。
こうした新型コロナ禍のなかでの全国学力テストの実施を確認したわけで、「昨年度とは異なり、全国的な臨時休校措置が取られておらず、感染症対策を徹底しながら学校の教育活動が継続的に行われていることから、予定どおり5月27日に実施したい」と萩生田文科相は語っている。
第1回目の緊急事態宣言が発出されたのは昨年4月7日のことだったが、それに先立つ2月27日には当時の安倍晋三首相の要請を受けて全国の学校が一斉休校に突入することが決まっている。その緊急事態宣言は全国学力テスト実施予定の4月16日にも解除されず、休校も延長されたままで、そのため実施は見送られた。
しかし、今年は休校になっていないから全国学力テストは予定どおり実施する、というのが萩生田文科相の理屈である。
新型コロナの状況は、間違いなく昨年よりも深刻な状況にある。変異株まで登場して感染者数は増え続けているし、子どもたちへの感染も広がっている。昨年は休校にしながら、今年は休校にしないというチグハグな状況なのだ。感染予防対策に学校現場は神経を尖らせている。そうしたなかで、全国学力テストは実施する必要があるのだろうか。
|不毛な競争を強いられる状況も「#教師のバトン」で明らかに
さらに、前述したように萩生田文科相は「悉皆」を強調している。全国学力テストが都道府県間で成績を競う場になっていることは否定しようがない。文科省が説明しているように全国学力テストの目的が調査なら、全員参加の悉皆である必要はなく、抽出で事足りるのは、いろいろなところから指摘されてきていることだ。
それでも文科省が悉皆にこだわるのは、競争を意図していると受け取られても仕方のないことだ。その競争のために、テスト対策に振り回されている学校現場は少なくない。
新型コロナが深刻化するなかで感染予防対策に神経をすり減らし、テスト対策に追われるのは教員である。それに、教員が納得しているはずがない。
ここで黙ってしまえば、教員は納得していると文科省は受け取りかねない。不合理、不満を、いまこそ教員は言葉にすべきである。
幸い、文科省が始めたツイッター上の「#教師のバトン」がある。せっかく文科省が用意してくれば教員が発言できる場があるのだから、教員はホンネを語るべきではないだろうか。そこから、新型コロナ対応や全国学力テストの問題が浮き彫りになり、解決への一歩につながっていくはずである。

●「1年間、何をしてきたか?」不満の声に吉村知事「説明し続けている」 4/29
4月25日に3回目の緊急事態宣言が発令された大阪府。28日の定例会見で吉村洋文知事は、記者団から「この1年間何をしてきたか」との質問を受けた。
会見では記者団が、政府に対する不満の声を紹介したうえで、「これは『この1年間、何をしてきたんですか?』という疑問かと。(知事は)この1年間を振りかえって、どのように考えますか」と質問。
これに対し吉村知事は記者からの質問自体に対して、「こういった記者会見や日々のぶら下がりの会見でも、基本的に質問がなくなるまでやっている。1年間何してきたんですかって言われても、ここでずっとそのためにみなさんに公表もし、説明もし続けてきている」と反論。
また、「感染がこれだけ増えてきているなかでは、不十分だという批判もあると思う。ですが、府の職員や専門家の意見を聞き、さまざまなことを判断し実行してきた」と、疲れた表情を見せた。
毎日、感染者数や医療体制のひっ迫状況を公開し、情報共有している大阪府。「組織決定したことをできる限り明確に発信する責任がある。府民のみなさんには、どういう理由でその判断をとるのか、どういう根拠と考えの下でその政策をとるのか、今後もできる限り丁寧に説明したい」と話した。 

●GW初日、沖縄へ 「サーフィンは大丈夫」 …各地で高齢者ワクチン接種も 4/29 
新型コロナウイルスの感染拡大で4都府県に3回目の緊急事態宣言が出される中、大型連休が29日、スタートした。各地の自治体が休日返上で高齢者へのワクチン接種や予約対応に追われた一方、空港や駅では、全国に初の緊急事態宣言が発令されていた昨春に比べ、旅行者や帰省客の姿が目立っていた。
1日でも早く
「早く接種を受けたかったので、一安心。連休返上で対応してもらい、とてもありがたい」。和歌山県みなべ町の福祉施設で29日朝、一番乗りでワクチン接種を受けた男性(79)は笑顔を浮かべた。
同町ではこの日午前9時から65歳以上を対象とする集団接種を始めた。医師や看護師ら計26人が対応にあたり、検温や消毒を徹底した上で130人に接種した。
町に975回分のワクチンが届いたのは23日。「感染予防のため一日でも早く始めたい」と医師の確保に奔走した。連休中は5月1、2日も実施し、6月上旬までに対象者の3分の1が2回の接種を終える予定だ。
香川県の小豆島にある土庄(とのしょう)町でも集団接種が行われ、111人が受けた。町には25日にワクチンが届き、翌日から接種を始めたが、「祝日の方が来やすい人もいる」として、この日の実施を決めた。担当者は「供給量を見極めながら、できる限り早く接種できるよう日程を調整したい」と話した。
高齢者向けの接種は大型連休明け以降に本格化する見通しだ。東京都目黒区は、5月6日に始まる75歳以上の接種を前に、連休中も5月2日を除き、コールセンターで接種の予約を受け付ける。区では「十分な量のワクチンが供給される見通しが立っているので、一時的に電話がつながらなくても、あせらないでほしい」としている。
28日に接種の予約を始めた国分寺市では、30日に電話での予約受付時間を2時間延長するほか、5月1、2日にコールセンターを臨時開設する。
予約人数4倍
空港や駅は、例年のような混雑はなかったが、昨年よりは多くの人がいた。
羽田空港の出発ロビーには29日午前、家族連れやカップルらが訪れた。サーフボードを持参し、沖縄・石垣島に3泊4日の旅行に出かけるという東京都江東区の会社員男性(24)は「サーフィンは人と接しないから大丈夫」と話した。
日本航空と全日空によると、大型連休中の両社の国内線の予約人数(23日時点)は、いずれも2019年の約4割にとどまったが、昨年比では約4倍の計約77万人に上った。日航の担当者は「連休中もマスク着用や手指消毒、お客様同士の距離確保を呼びかけていく」と気を引き締めていた。  
 
 
 

 


●緊急事態宣言で「関西の個人消費大幅減」試算 4/30
今回の緊急事態宣言が関西経済に与える影響について、シンクタンクは居酒屋やテーマパーク、デパートなどの休業によって1400億円から2800億円余り個人消費額が減るという試算をまとめました。
大阪、兵庫、京都の3府県に出されている緊急事態宣言が関西経済に与える影響について、りそな総合研究所は試算をまとめました。
それによりますと17日間で、酒を提供する飲食店、テーマパーク、デパートなどの消費が落ち込むことで個人消費額が1400億円減少するとしています。
前回・1月からの2回目の宣言時と比べ、期間は短いものの、休業が幅広い業種に及んでいることで600億円悪化すると見込んでいます。
りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は、「感染が長引けば長引くほど企業の体力も下がっていく。事業の継続意欲がなくなって倒産や廃業が増える可能性はある」と指摘しています。
また、野村総合研究所は3府県だけで個人消費額が2880億円減少するとしたうえで、対象区域が拡大したり、期間が延長したりすれば損失額はさらに拡大すると予測しています。
野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「感染を抑え込むためには強力な規制も必要だが、同時に経済的支援の対象と規模の拡大も求められる」と指摘しています。

●衆院解散「五輪後」の公算 感染拡大・選挙全敗受け カギ握るコロナ対応 4/30
菅義偉首相が衆院解散・総選挙を7月23日〜9月5日の東京五輪・パラリンピック後とする公算が大きくなった。
新型コロナウイルスの感染状況の深刻化や25日投開票の衆参3選挙での与党全敗を受け、五輪前は難しいとの判断を一段と強めた。首相は秋に向けてコロナ対策などに全力を挙げ、政権の立て直しを急ぐ方針だ。
首相は26日、3選挙全敗について記者団に聞かれると「7月末を念頭に、希望する高齢者全員に2回目のワクチン接種を終えられるよう政府を挙げて取り組んでいきたい」と表明。衆院解散の時期に関する質問には「コロナ対策が最優先」と強調した。
政府高官は変異ウイルスの拡大を踏まえ、「今、解散などできるはずがない」と指摘。自民党幹部も「コロナ感染を抑え込めていない段階で解散などできない。猛反発を受ける」と語った。
首相は今後、秋をにらみつつ、内政・外交の課題で実績を重ね、政権への追い風にしたい考え。衆院議員の任期満了は10月21日に迫っており、コロナ感染を抑えて五輪を「成功」させ、9月下旬の自民党総裁選を先延ばしして解散する日程を軸にシナリオを描いているとみられる。
政権の浮沈のカギを握るのはワクチン接種だ。先進7カ国(G7)で接種率最下位の汚名を返上するため、首相は27日、政府直轄の大規模接種会場を東京都と大阪府に設けるよう指示。まずは高齢者向けの「7月末」の接種完了に総力を挙げる。
5月中旬には首相肝煎りのデジタル改革関連法案が成立する見通し。6月には英国で先進7カ国首脳会議(G7サミット)を控える。首相はコロナ対策と併せ、これらを通じて「国民のために働く内閣」(首相)をアピールする構えだ。
当面の焦点は、3回目の緊急事態宣言が5月11日の期限で解除できるかどうかだ。宣言対象区域外の感染も拡大している。宣言の延長・対象拡大となれば国民の批判が一段と強まるのは避けられない。
政府直轄でワクチン接種を進めたとしても、3カ月の会場設置期間に東京で打てるのは数十万人規模。接種の大半を担うのは自治体だ。九州の首長の一人は「ワクチンの入荷予定も知らされず、医師や看護師も足りない。高齢者接種を終えるめどは立たない」と語った。
7月4日には衆院選の前哨戦となる都議選の投開票も待ち受ける。自民党は2017年の前回、小池百合子知事率いる地域政党「都民ファーストの会」に大敗した。今後のコロナ感染の状況次第で五輪が中止に追い込まれる可能性も排除できず、首相にとって難しいかじ取りが続く。

●新型コロナ 全国の新規感染者5916人 2回目の宣言解除後最多 4/30
ゴールデンウイーク初日の29日、全国で発表された新型コロナウイルスの感染者は5916人に上り、2回目の緊急事態宣言が解除されて以降、最多となりました。
29日、東京都が発表した新たな感染者は、1週間前の同じ木曜日と比べて166人増加し、1027人でした。感染者数が1000人を超えるのは1月28日以来、およそ3か月ぶりです。第3波の際は、一日の感染者が最初に1000人を超えた7日後には、感染者が2000人以上に急増しています。
一方、大阪では、29日も東京を超える1172人の感染を発表。さらに、新たな死者については44人と、一日あたりの発表では、過去最多になりました。都道府県別の感染発表は、秋田、石川で過去最多を更新しています。
JNNのまとめでは、全国の感染者は5916人で、2回目の緊急事態宣言が解除されて以降、最も多くなっています。現在入院している感染者のうち、「重症者」は全国で951人。新たな死者の発表は、大阪の44人を含め全国で77人に上っています。 

●3回目の緊急事態宣言、ここまでの制限が必要ですか? 4/30
新しい制度「蔓延防止等重点措置(重点措置)」の努力もむなしく、東京、大阪、京都、兵庫の4都府県は3回目の緊急事態宣言に突入した。
アルコールやカラオケを提供する店、映画館や百貨店(食品・化粧品以外)の休業など、強いハンマーを振り下ろす対策に、「ここまで必要あるのか?」という疑問の声も上がる。
「人の流れを止める」対策が打たれるにもかかわらず、国際的な人の動きを促す東京オリンピック・パラリンピックは実施するのも矛盾しているように見える。
変異ウイルスへの不安や、予防接種が行き渡らない不満も広がる中、3回目の緊急事態宣言をどう受け止めるべきか、国際医療福祉大学医学部公衆衛生学教授の和田耕治さんに再び聞いた。
まん延防止措置、失敗だったのか?
――「まん延防止等重点措置」は緊急事態宣言に至らないように打つ対策だったはずですが、結局重点措置は失敗だったのでしょうか?
重点措置は地域の感染拡大の初期に使う対策としては合理的な措置です。場所と対象を選んでピンポイントで対策を打つ。
しかし大阪では使うタイミングが少し遅くなりました。重点措置は最低限の要請から様々な追加の強めの市民への要請まで幅がありますが、強い要請に至らなかった。地域も大阪市だけでなく他の地域に早い段階で広げることもできたはずです。
反省としては、今回あらたにコロナ対策として法令に盛り込んで創った「新しい武器」である重点措置を手にした知事たちに、この武器をどう使うのかという情報が足りなかったということはあげられるでしょう。
最初の適用ですからもっと政府からも「それだけで足りてないのでは?」などと介入しても良かったのかもしれません。「いったん始まった重点措置の効果を見るまでは追加の対策ができない」と思ったのではないかという話も現地から聞きました。状況に応じて、追加の対策はできたのではないかと思います。
後からはなんとでも言えるのですが、今後、それぞれの知事らは地元の専門家を交えて迅速な意思決定ができるようにしておく必要があります。知事も断腸の思いで決定し、後に地元からは様々な批判が来る覚悟が必要です。
いずれにせよ、「もう新型コロナ対策として重点措置は使わない、使えない」ということではなく、次回はさらにうまく使いこなせるよう、各都道府県はどう使うかを今から考えておかなければなりません。
「ハンマー」を使う時に「どれにしよう?どう打とう」と慌てたところもあるようです。
使えるハンマーは何百通りもあるわけではないので、常に様々なハンマーを磨いておいて、「今回の場合はどれが効くか」と落ち着いて吟味できるようにする準備が必要です。
利点と欠点、感染を抑える効果、コストと、一般の人に受け入れられるかどうかを含めて見極める。多くの人の雇用や不満、そして経済損失と関係するのに、どのハンマーを使うか、市民の納得が得られる形になっていないようです。
緊急事態宣言も既に2回やったのに、どのハンマーがどう効いたのかの検証はもっとすべきだったと思います。
――検証が曖昧なまま第4波に突入している印象ですね。
そうです。変異ウイルスの影響はありますが、もう少し落ち着く日々を期待していました。残念ながら1ヶ月足らずで再度の宣言となりました。
3回目の緊急事態宣言、なぜ今、必要なのか?
――今回の緊急事態宣言はかなり強めのハンマーを打つことになりました。なぜ今のタイミングなのでしょうか?
大阪は11月の下旬から独自に飲食店の時短などをして、長い期間、対策を打ってきました。比較的落ち着き、感染者数は下がったと思います。このあたりまでは大阪はとても良い判断をされていたと思います。
しかし、長い期間の自粛後の急な反動が年度末にあり、幅広い年代層が繁華街などへ動きました。そこに変異ウイルスの拡大という新たな感染拡大要因が加わりました。
変異ウイルスは国内では都市から広がるだろうと考え、監視はされていました。関西から拡大することも予測できなかったわけではないですが、変異ウイルスの国内での影響が見えづらかったこともあります。
また、最悪を考えたくない意識もあったのか、市民にも危機感が伝わりづらい状況もあったのか、そうした様々な要因が重なるなかで結果的に今の状況に至っています。
東京は、変異ウイルスも増え始め、1日1000人規模の感染者に達するのは時間の問題です。ゴールデンウイークは受診しづらくなって、見かけ上感染者数が減る可能性もあるものの、今の段階では減る兆しは見えてきません。
重症者の患者の増え方や医療の負担増も見ていると、やはりここでハンマーを打たざるを得ません。大阪を教訓としながら早めに対策を打ちたい考えもあります。変異ウイルスでは40代、50代の重症者が以前より増えているようです。
ゴールデンウイークに大きな波が見えている中で、これ以上患者を増やさないようにしないとがん治療や交通事故など通常の医療もできなくなります。そういう事態は避けたい。
1月中旬の感染拡大では医療者にかなり負担がかかっていました。入院する人の多くが、「飲み会を開いていた」「旅行に行った」という理由で感染したことを医療者は知るわけです。「なぜ自分の感染リスクや命をかけて支えないといけないのか」と、心の中で患者に冷たい思いを抱いたり、つい言葉として発したこともあると聞きました。
しかし、少し落ち着くと、今度はそんな思いを抱いた自分を責めるのが医療者というものです。そのストレスの大きさを聞いた時、「現場の医療者にこんな思いをさせてはいけない」と強く思いました。患者を減らすことは公衆衛生が行政や政治などと連携して行う仕事ですから。
ワクチン接種が始まったのは大きな希望です。
ただ高齢者でも接種を終えるのは7月、8月になるでしょう。ワクチン接種が思うように進まないことも考えると、全ての人が接種を終えるまでなるべく大きな波を作らないことが目標です。
ワクチン接種が遅れたせいで自分の両親が感染したら、誰もが納得できないのではないでしょうか。そのためにもあと数ヶ月、できるだけ感染を拡大させないという目標は、比較的多くの方が支持されるのではないかと思います。
大事なのは酒を飲まないのではなく、対面で喋る場面を減らすこと
――かなり強めのハンマーを打ち、酒やカラオケできるところは休業、映画館や百貨店の休業など、生活に影響が出ます。これほど強い対策が必要ですか?
どのハンマーを使うかは産業界ともすり合わせをする必要がありますが、今回は急過ぎました。23日の夜に宣言を出して、今日準備して、明日からでは大変です。企業も様々な予定があるわけで、経済活動への影響を減らす努力をすべきだったと思います。
宣言で何を減らしてほしいかといえば、結局は「3密」です。
要は「人が集まって」「声を出して」「換気の悪いところに集まる」ことを避けてほしいわけです。同居家族以外の人が集まって食べることを徹底的に避けてもらうだけでもかなり自分を守れます。
お酒が飲める飲食店だけでなく、職場の休憩室やカフェなどで結構みなさんマスクをついついはずしておしゃべりしています。あの回数を減らしてもらうことが大事です。酒類の提供をなくすことが人々の行動に与える影響はよくわかりませんし、それで感染者が減るかというとわかりません。
ノンアルコールビールで食べておしゃべりすれば感染リスクは下がらないのです。抜け道のように、ノンアルコールビールで10人の会食は今できるのです。
むしろ飲食店は開けたとしても、食べながら会話しないことを徹底したほうがいい。感染対策としては、黙食を徹底してくれたらいいのです。それが楽しいかどうかはわかりませんが、なにかうまい方法が見つけられないでしょうか。
カラオケも、1人カラオケや同居家族だけなら大丈夫なんです。でも、友人同士で行って「家族です」と言われたら店の人はわからない。カラオケの感染リスクは高いのです。一人ずつ入った個室同士をオンラインでつなぐなどしてなど新しい形は目指せないでしょうか。
もう一つ、今回対策として入れても良かったと思うのは、「○人以上のイベントは避けて」という数の目安です。海外でも5人以上集まるイベントの制限などが行われています。
また、国会や議会も模範を示すために、もっとオンラインで実施したら良いと思います。事業者にテレワークを要請しているわけですから、国会も一度やってみたら良い。話題になるでしょうし、東京が災害にあった際に国会が開けないと困りますから、危機管理対策にもなると私は思います。
小さい飛沫が空中を漂う「マイクロ飛沫感染」が伝わっていない
繰り返しますが、「しゃべること」「食べること」「集まること」が高い感染リスクなので、それをやめてもらうことが大事です。
それから、「マイクロ飛沫感染」のリスクがあまり伝わっていません。つまり、小さな飛沫がしばらく空中を浮遊して、離れた人が吸い込んで感染する可能性があるということです。
上の図は実際に飲食店でクラスター(集団感染)が起きた席の配置です。黒丸が無症状の感染者で、赤丸が感染した人たちです。空調の空気の流れに乗って、かなり離れた席の人も感染しています。
密閉している場所で会話をするリスクがあまり理解されていません。例えばカフェでもフードコートでもファミリーレストランでもその可能性があります。
おしゃべりをしない施設もなぜ休業?ゴールデンウイークの過ごし方としては、海や山など野外の活動は感染リスクが低いです。行き帰りは家族だけで車で行き、家族だけで過ごして帰ってくるなら旅行もできます。
家族以外と話さなければ温泉だって行けます。感染対策のポイントを抑えてもらえば、遊ぶことはできるのです。
――閉じた空間で、食べて、しゃべるところを避けたらいいことはわかりました。ただ、今回、映画館や本屋など明らかにおしゃべりをしないような施設まで休業対象となります。百貨店で集団感染が起きたことはほとんどないはずです。規制する必要はないのでは?
それはよくわからないところです。少なくとも私はそうした施設を休業するように勧めていません。書店も図書館も対象にしているところがあるのですが、なぜ閉められたかわからない。映画館もしゃべることはほとんどないですし、宣言の期間だけでもポップコーンなど飲食を避けるという営業の仕方はあったはずです。
接触を減らすために人の流れを抑えるということですが、本当に「接触を減らす」効果があるのかは、今後にむけて検証すべきです。
百貨店の中でもほとんどしゃべらない店や、少ししか会話をしないアパレルや靴屋などは開けて、飲食店だけを閉めるという選択はあったかもしれない。
あえて推測すると、人が動けば、結局、デパートや映画館、本屋に行った前後でご飯も食べるでしょうし、カフェにも寄るでしょうということで対象になったのでしょうか。
もちろん休業要請した店の補償はしっかりなされなくてはいけません。
それでもオリンピックはなぜ開く?
――菅義偉首相の会見でも各社、オリンピックについての質問が相次ぎました。これほど国民に我慢をさせて、人流を抑制しようとしているのに、国際的な人の動きを促すオリンピックはなぜやるのかという厳しいトーンの質問ばかりです。公衆衛生の専門家として、政府の政策決定に整合性がないと思われませんか?
オリパラといっても、「何を」するのかがまだ見えません。客を入れるのか。海外から人がいつ何人来るのか。どこから来るのか。すべての競技をやるのか。選手は日本に入ってどう行動するのか。
それが見えないとオリンピック全体の感染リスクはわかりません。組織委員会は既に見えているはずです。それぞれの競技での選手の移動や、どこに滞在し、どういう形で交わり、どのぐらいで帰るのか。
一般市民との接点を完全に避ける「バブル方式」という形を採用するようです。それを徹底するとして、東京が緊急事態宣言下であっても一般の人と接点がないなら試合だけはできるかもしれません。
ただし、国内の感染状況によっては、日本の医療者を投入できるとは限らないでしょう。
――具体的に感染対策できるかどうかも重要ですが、我々にはこれだけ我慢させるのに、なぜ自分たちのやりたいことは押し通すのか、ということに不満が爆発しかねないと思われます。他のスポーツイベントは無観客とし、人流も強力に抑え込むのに、なぜ五輪だけ「IOCが決めたから」と言ってやるのか。対策への協力意識も下がってしまう気がします。
確かに人の流れを抑制するという対策との整合性は取れないですね。具体的にオリンピックで何をやるかを示し、感染リスクがどれぐらいあるのか示してもらわないといけません。
――西浦博先生はさらに1年延期すべきだと訴えています。和田先生はどうですか?
私も1年延期できるならした方がいいと思います。来年ならばワクチンもうっているでしょうし、かなり状況は変わります。せめて10月に延期するだけでも熱中症対策をしなくて済むのでやりようはあると思いました。
――ワクチン接種の遅れは人の行動変容に影響していますか?「ワクチン接種まではなんとか持ち堪えよう」とみんな頑張ってきたのに、なかなか接種が進みません。
今回の緊急事態宣言の最中に、ワクチン接種が進んでいる様子が目に見える形で示されていたならば、国民の多くももう少し納得してくれたと思います。5月10日以降にワクチンは自治体にどんどん入ってくるようですが、間に合わなかったのは残念です。この間にしっかりワクチン接種の準備をしたいですね。
――改めてGW中にどう過ごしてほしいですか。
宣言が出ている地域では同居の家族や普段一緒にいる人だけで過ごしてほしい。「しゃべるところ」「食べるところ」「集まるところ」に行く時は相当に注意して、なるべく時間を短くしてください。
高齢者と接触するのはなるべく避けて、帰省も今年はなるべく我慢してほしいです。
感染から守ることは自分にしかできません。そして周囲の人を守るのも自分です。「私だけは大丈夫」ということのないように、気をつけてお過ごしください。

●根拠なき緊急事態宣言はもはや人災でしかない 4/30
4月25日に3回目の緊急事態宣言が4都府県で発令された。菅首相は記者会見で、「効果的な対策を短期間で集中して実施し、ウイルスの勢いを抑え込みたい」と強調した。しかし、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を使ったコロナ対策は限界に来ていると思われる。狙いどおりの結果を得るのは困難で、むしろ経済・社会に甚大なマイナスの影響をもたらすだろう。
活動制限と感染増減には相関関係がない
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置といった活動制限策には、3つの問題点があると思う。
第1に、エビデンス(根拠)に基づいた政策なのかという点である。
今回の緊急事態宣言でも、さまざまな制限策が講じられているが、疑問のあるものが少なくない。建物の床面積合計が1000平方メートルを超える商業施設は休業対象だが、この線引きはどのような判断から出てきたのか。会話することのない映画館を休業させる理由は何か。学校の部活動の禁止、夜20時以降の消灯の狙いは。
政策というものは、まず現状分析に基づくエビデンスを見つけ、それを踏まえて打ち出すものである。制限対象となる施設・活動がこれまでどの程度コロナ感染を拡大させたのか、各々の活動制限によって、どの程度の感染抑制効果が見込めるのか。こうした根拠が示されないままでは、思いつきの施策で国民を翻弄しているようにみえる。大型連休の直前にさまざまな制限が唐突に導入され、事業者は本当に困り果てている。政策の狙いが共感されないと、国民の前向きな協力は得られず、政府・自治体への不信感だけが増幅していく。
ちなみに、アメリカのマクロデータで検証すると、活動制限の効果は限定的というエビデンスが得られる。アメリカでは昨年10月ごろからコロナ感染が急増し、今年1月に大きなピークを迎えた。
図は時間的ラグを考慮して、昨年12月の州ごとの活動制限の強さが、今年1月の死亡率にどのような影響を及ぼしたかを見たものだが、両者の相関関係はほぼゼロという結果になる。活動制限を強化しても、必ずしもコロナの感染・死亡を減らせるわけではないことを示唆している。
第2に、仮に一定の効果があるとしても、一時的な現象にすぎないのではないかという点である。
今年1月に発令された2回目の緊急事態宣言のときに、「十分に感染者を減らし切ってから宣言を解除すべき」との意見が数多く出された。そのほうが、その後の感染抑制に成功するとの主張だ。しかし、世界中で実際に観察されたのは、感染をいったん制圧しても、必ず再流行するという事実だ。
日本では昨年6月ごろに感染者数はゼロ近くにまで減少した。欧州主要国でも、昨年6〜7月ごろの感染者数は限りなくゼロに近づいた。ところが、数カ月後にはさらなる猛威で感染が再拡大したのは周知のとおりである。次々と変異ウイルスが現れている現状を踏まえれば、感染は必ず再発するという前提で臨む必要がある。
政策を立案する際には、「有効」と「有用」の違いを認識することが重要だ。活動制限は感染防止に「効く」としても、何度も流行が押し寄せることを前提にしたら、はたして社会にとって「役に立つ」政策とはいえるのだろうか。短期的な感染減少ばかり追い求めた結果、国民に対して長期の苦痛を強いているのが現状だと思われる。ここ数年「SDGs(持続可能な開発目標)」が関心を集めているが、コロナ対策にも持続可能性という視点が必要であろう。
人出が減らないのは国民の合理的な判断
第3に、そもそもこれだけ広範囲の活動制限が必要なのかという点である。
日本のコロナ死亡率は国際的にみても非常に低い。人口100万人当たりの死者数は、4月26日時点で79人。これに対して、米国は1730人、英国は1877人、ドイツは979人と、いずれも日本の10倍以上の規模である。コロナの脅威に直面している国ではあらゆる対策が必要であるが、死亡率が低い日本で活動制限による感染防止策は、どこまで正当化されるのか。
また、他の死亡リスクと比べてもコロナの死亡リスクは決して高いとはいえない。コロナによる死者数は4月26日に1万人を超えたが、インフルエンザでも毎シーズン1万人程度の死亡者が出ている。昨年1年間の総死者数も前年割れとなり、新型コロナによって超過死亡が押し上げられたという事実もない。高齢者の死亡率はインフルエンザより高いと言われているが、逆に、若者の死亡率はインフルエンザと違ってほぼゼロである。少なくとも若者にとっては、日常生活で日々接している他のリスクと何ら変わらない。
こうした事実にもかかわらず、国民に自粛生活を求めるなら、政治リーダーはその説明責任を果たすことが必要だ。人出が増えたというニュースに対して、マスコミや政治家が「気の緩み」や「緊張感が足りない」とコメントするケースがある。しかし、人出が増えたのは、コロナの危険性と自らの生活・事業の継続を天秤にかけた国民の合理的な判断の結果ではないか。
上記3点を勘案すれば、今回の緊急事態宣言も過剰対応だと言わざるをえない。
活動制限の意義が不確かな一方で、それに伴うコストは深刻なレベルに達している。まず、対象地域を絞った活動制限にもかかわらず、想定を大きく上回るマイナス影響を生み出していることを指摘したい。
「緊急事態宣言」でほかの地域でも活動縮小
普通に考えれば、活動制限が導入された地域の人出は減少し、導入されていない地域の人出は変わらないはずである。活動制限地域からの流入で人出はむしろ増えることも考えられる。しかし、実際に日本で起きているのは、活動制限の対象地域とまったく同じパターンで、全国の人出水準が低下するという現象である。
1月8日の緊急事態宣言の際には、対象となった1都3県の人出は発令前後の1週間で18.0%減少した。そして、対象とならなかったその他43道府県の人出も、同期間に16.4%減少したのである。4月5日のまん延防止等重点措置の際にも、対象となった1府2県の人出が6.5%減少するなか、対象外の44都道府県の人出も5.6%減少した。
このような「同調意識」はどのようにして生まれるのだろうか。日本人の国民性もあると思われるが、政府やマスコミの報道姿勢も一因と思われる。一地域の活動制限を大きなニュースとして取り上げ、「恐怖のコロナ」という修飾語を付加したうえで全国の家庭に配信し、国民に萎縮ムードを植え付けているからだ。結果、特定地域で活動制限が発令されるだけで、全国レベルで一斉に活動を抑制してしまうのである。
こうした自粛行動によって、どれくらいのコスト(犠牲)が発生しているのだろうか。4つの切り口から分析してみたい。
第1に、マクロ経済でみると、昨年1年間でGDPは22兆円減少した(約4%)。ただし、リーマンショック時のように全業種で平均して落ち込んだのではなく、好不調の差が著しく拡大したことが特徴である。具体的には、製造業はすでにコロナ前の生産水準を回復する一方、サービス業では大きく落ち込んだ状態が続いている。個人消費の形態別寄与度をみても、家具・家電製品などが含まれる耐久財はプラスに転じる一方、サービス消費はマイナス幅がそれほど縮まっていない。
サービス産業の苦境は本当に深刻である。日銀短観の業況判断DIをみても、宿泊・飲食サービスと対個人サービスが飛び抜けて落ち込んでいる。売上高がゼロの状態に陥っても、固定費だけは確実に流出するため、赤字は累積的に増加していく。個人事業主や小規模事業者が多いサービス業では、コロナ禍に対応した業態転換もそう簡単には実現しない。これまでは「活動制限はいつか終息する」という希望を抱いて事業を継続してきたが、活動制限が繰り返し発令される現実を目の当たりにすれば、倒産や自主廃業を選択する事業者も増えてくるだろう。
サービス産業の落ち込みが招く非正規の大量失業
第2に、サービス産業の苦境は、労働市場における格差を拡大させている。消費減少を主因に雇用者数は前年割れを続けているが、その内訳をみると、非正規雇用が大きく減少していることがわかる。
とりわけ、女性の非正規労働者が直近値で前年比75万人も減少している。さらに詳しく見ると、若年世代の女性の非正規労働者が大きく落ち込んでいる。今年1〜2月時点でも、15〜44歳の女性非正規労働者は前年を1割前後も下回った。こうした動きは、男性を中心に雇用環境が悪化したリーマンショック時とは対照的である。
当然、女性の非正規労働者にしわ寄せが行った理由は、サービス産業での業績悪化である。もともと宿泊・飲食サービスでは、雇用者に占める女性非正規の割合が5割を超えていた。生活関連サービスや娯楽業でも、女性非正規の割合は4割を超えている。そのため、活動制限による売り上げ減少に直面した企業は、真っ先に女性の非正規労働者を解雇したのであろう。
こうして失職した女性の非正規労働者に対して、政策支援は十分に行われているだろうか。支援制度の認知不足や手続きの複雑さから、救済の手が差し伸べられていない女性は多い。昨年1年間で、男性の自殺者が減少する一方、女性の自殺者が急増したのも、生活苦に対する支援不足が原因だった可能性がある。
第3に、子どもの成長阻害も、まだ統計として現れていないマイナスの影響である。
学校では依然としてさまざまな制約を受けながら授業を行っている。大学では、オンライン授業が主体という学校も多い。新しい教育スタイルという前向きな評価もありうるが、総合的に考えれば、やはり学力に対して負の影響を与えることになるだろう。
また、子どもと社会との接点が少なくなったことで、自制心、協調性、粘り強さ、忍耐力といった「非認知能力」の形成にも支障を来している。非認知能力は、学力以上に将来の成功を左右する要因であることが、米国などでの調査で明らかになっている。
若年期の一回限りの成長機会を阻害されることは、個々人の人間形成の面で大きな問題になるだけでなく、マクロ的にみても、人的資源のクオリティ低下を通じて潜在成長率を引き下げることになる。子どもの健全な成長を願うなら、子ども庁創設の前に今すぐやるべきことがあると思う。
結婚件数の減少は出生数を14万人押し下げる
第4に、少子化を加速させることである。実はこれが、日本社会における最も大きなマイナス影響かもしれない。
非嫡出子が相対的に少ない日本では、出生率の変動要因は、有配偶率、すなわち結婚率と有配偶者出生率(完結出生児数)の2要因に分解できる。このうち、少子化の原因としてより大きかったのは、有配偶率の低下であった。実際、完結出生児数はほぼ2人前後を維持してきたのに対し、20〜30代女性の有配偶率は趨勢的に急低下してきた。日本の少子化対策を語る際には有配偶率が非常に大きな意味を持つ。
ところが、昨年の結婚件数は前年に比べ7万件以上減少したため、有配偶率の低下が加速した公算が大きい。この背景には、コロナ対策で醸成された自粛ムードによって、出会いの場がなくなったり、結婚を先送りする動きが広がったためと考えられる。
2011年の東日本大震災のときにも結婚件数は大きく減少し、翌年には盛り返す動きがみられたものの、2011年の落ち込みを完全に取り戻すには至らなかった。今回も、先送りされた結婚が今後顕在化する可能性はあるものの、出会いの機会が大幅に減少していることを勘案すれば、昨年の落ち込み分を取り戻すのは難しいだろう。ちなみに、2015年の完結出生児数(1.94人)をもとに試算すれば、昨年の結婚件数の減少は、今後の出生数を14万人押し下げることになる。
以上のように、現在のコロナ対策は、現下の経済的な損失が大きいだけでなく、中長期にわたる社会活力も急速に奪いつつある。
これまでのコロナ対策は、感染者数の増加に翻弄されて、効果とコストのバランスを欠いていたと思われる。
コロナウイルスの真の姿は、すでに昨年6月ごろにはある程度明らかになっていた。すなわち、日本人にとってのコロナウイルスは、米欧諸国に比べても、他の死亡リスクと比べても、それほど脅威ではないという事実である。理由は不明ながら、日本人には「ファクターX」が与えられていたのである。
そのファクターXを十分に活かさず、活動制限に偏重したコロナ対策によって経済的・社会的な二次被害を拡大させてしまったというのが過去1年間の振り返りである。昨年5月までは「未知のウイルス」による天災だったが、昨年6月以降は政府の過剰対応による人災と言うこともできよう。
遅きに失した感はあるものの、早急にコロナ対策を見直すべきである。感染症専門家の意見を聞くだけでなく、より広い視点で政治決断することが必要だ。死亡率が高い欧米型の「活動制限で感染を抑制する」というスタンスを脱し、日本独自の対策に軌道修正することが求められる。感染者数だけに右往左往するのではなく、感染を抑制しつつコロナとの共存を目指すという姿である。
具体的には、重症化率の高いハイリスク者に対する感染防止・治療に医療資源を集中的に投入する。そして、ハイリスク者以外には、基本的に自由に生活させるべきだ。活動制限が必要と判断される場合は、エビデンスを提示して、本当に必要なエリアで最小限にとどめるべきである。
「指定感染症」見直しを。「願望に基づく政策」は最悪
こうした政策に切り替えるに当たっては、まず指定感染症の見直しが不可欠である。コロナ受け入れ病院や保健所を逼迫させているのも、指定感染症として厳格な対応をとることが求められているからだ。コロナをエボラ出血熱・ペスト並みに扱う現在の分類を改め、インフルエンザ並みの5類相当に変更すれば、医療機関もより柔軟に対応できるようになる。
これまでのコロナ対策は「願望に基づく政策」であった。「この感染拡大さえ収束させれば」「飲食店さえ営業短縮すれば」「地域限定で活動制限さえすれば」等々。こうした説明に国民は辟易しているのではないだろうか。根拠に基づく政策、大局観に立った政策、国民生活に寄り添った政策に変えていくべきである。

●在宅勤務 前より減った?職場クラスターが増加  4/30
感染拡大を抑えるために重要とされているテレワークが、3回目の緊急事態宣言後どれだけ実践されているのか。ビッグデータを使って今週のオフィス街の人出を分析した結果、東京駅付近では1回目の宣言時より32%、2回目より15%増加し、宣言を重ねるごとに人出を抑えきれなくなっていることが分かりました。
NHKは、NTTドコモが携帯電話の基地局からプライバシーを保護した形で集めたビッグデータを使って、東京駅と大阪梅田駅付近のオフィス街について、午前8時台の人の数を分析しました。
その結果、今月26日から28日までの、3回目の緊急事態宣言後の平日3日間の人出は、東京駅付近で1回目の宣言期間中の平日平均より32%、2回目の宣言期間中の平日平均より15%いずれも増加していて、宣言を重ねるごとに人出を抑えきれなくなっていることが分かりました。
一方、大阪梅田駅付近は、1回目と比べると39%増加していましたが、2回目と比べると1%減少していて、東西で差が見られました。
4月 職場でのクラスターが最多に
新型コロナウイルスの感染が拡大する今月、職場でのクラスターが全国で90件以上発生し、高齢者施設などを上回り最も多くなっていることが分かりました。
厚生労働省の専門家会合で示されたデータによりますと、今月は23日までに5人以上のクラスターが全国で463件発生しました。
このうち「職場」でのクラスターは96件にのぼり、「高齢者施設」の86件、「学校・教育施設」の60件、「医療機関」の51件を上回り、最も多くなっています。
去年11月以降は、高齢者施設のクラスターが最も多く発生していましたが、先月から職場クラスターが増加。
2月には49件だった件数は、先月は78件、そして今月は96件と、およそ2か月で2倍近くに増え、高齢者施設の数を上回りました。
職場での感染について、都内の保健所からも最近特に増加しているという声があがっています。
東京・北区では今月の新規感染者の数が25日までに356人と、先月と比べておよそ1.6倍に増えています。
北区保健所によりますと感染経路の内訳は、不明がおよそ44%と最も多く、ついで家庭内感染がおよそ23%、職場がおよそ14%、会食がおよそ6%。職場の割合は先月のおよそ7%から2倍ほどに増えています。
さらに保健所が注目しているデータがあります。4月に感染が確認された356人のうち、会社に通勤していた人は132人。このうち、ほかの陽性者と接触していたことが判明したのは68人です。
この中で職場で接触していた人は33人と全体の半数近くにのぼり、家庭内の21人や会食の11人より多くなっています。
感染者のうち日頃通勤している人は、職場で陽性者と接触していた割合が比較的高いことを示しています。
では、職場での感染は具体的にどのようなケースが起きているのか。
保健所によりますと会議や研修、あるいは出張などで一緒に出席していたり行動していたりした人から感染が広がるケースが相次いでいるといいます。
出張する際に会社から同じ車に同乗したり、長時間、一緒の電車に乗ったりして感染するケースもありました。
また、職場でマスクを着用しほかの社員と十分に距離を取っていたにもかかわらず感染が広がり、要因が分からないケースもあったということです。
北区保健所の前田秀雄所長は、職場に出勤すると人と接したり会話したりする機会がどうしても増えるため、感染のリスクは高くなると指摘しています。
そのうえで「最近はオフィスワーカーの感染が目立っている。また職場内だけではなく通勤や研修などでも近い距離で会話すると、感染を防ぎきれない。企業はできるだけテレワークを推進し、出勤を減らしていただきたい」と話しています。

●3回目の緊急事態宣言の効果は?飲食の場は本当に急所だったのか 4/30
第3波が収束を迎えないうちに大阪府など関西圏、東京都などでは第4波に突入し、3回目の緊急事態宣言発出を迎えた。
政府はリバウンド回避のために、飲食店への時短継続、変異種の追跡強化、無症状者へのモニタリング検査などの5本柱を対策として掲げていた。
しかし、PCR検査の主力である民間検査会社・医療機関・大学を含めたオールジャパンの変異株追跡体制を構築できないうちに変異株が各地に拡散した。モニタリング検査では4月25日までで総検査数4.8万件に対して陽性疑いが53件にとどまり、「感染拡大の予兆の早期探知」という目的は果たせなかった。準備が整わずに緊急事態宣言を解除したツケは大きい。
検証されていない時短要請の効果
では第4波にどう対応するべきだろうか。
菅首相は第3波において「(時短という)ピンポイントの対策を行ってきて、新規感染者数は約8割以上減少するなど、はっきりした効果が出ている」と述べていた。
だが、政府は飲食店に対する時短要請などが直接的にどんな効果をもたらしたのか検証したのであろうか。ロックバンド「RADWIMPS」の野田洋次郎さんがツイッターで「ここ1年間の考察や反省や説明が何もない状態で3回目の緊急事態宣言なんて聞く気になれねぇという気持ちにどこかなる」と発言している。野田さんの言うとおり「考察」はまったく不十分である。政策の発動時期が一致したからといって効果があったとは結論付けられない(相関と因果関係の区別)。
政府・新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は「自粛疲れ」「気の緩み」を指摘したが、提言の首尾一貫性や提言内容を変更する際の検証や理由説明がないことも影響しているのではないか。例えば、尾身会長は昨年(2021年)11月21日に「マスク会食」を提案したが、12月21日の記者会見で「飲食の場が急所」として、2回目の緊急事態宣言では「時短」による飲食店対策を主軸とした。しかし、今回は「時短」効果の検証もなく、変異株拡大を理由に「人流抑制」へ転換した。ここでしっかりと第3波のデータ検証を行い、第4波の政策対応を考えるべきである。
データから見る第3波の実態
筆者が中曽根平和研究所内の会合で3月1日に報告した第3波の分析結果の要点をまとめると、以下のようになる。紙面も限られるため、ここでは(1)と(2)について説明する。
(1)感染→発症→公表の時間差を勘案すると感染者数は緊急事態宣言前から減少
(2)第3波で感染者減少の主因は正月の三が日での人と人の接触大幅減(飲食店時短効果ではない)
(3)全国的な感染者急増には東京などからの帰省などが一因
(4)医療機関・高齢者施設などでのクラスターが多発し、第2波より致命率は悪化
緊急事態宣言発出前から感染者は減少
昨年4月の1回目の緊急事態宣言の際も、宣言発出前から感染者数は減少していたと指摘された。第3波はどうかというと、発表した日別でみればピークは東京都が1月7日、大阪府が1月8日だが、発症した日でみた感染者数は東京都が1月4日、大阪府が1月5日を境に下降している。感染から実際に症状が出るまで平均6日程度と推定されていることから感染が起こったピークは昨年12月の末だった。つまり、今回も感染者の減少は緊急事態宣言発出前に始まっていたことが分かる。
この点は厚労省アドバイザリーボードにおける西浦・京都大学教授の資料からも確認できる(図1)。第3波における実効再生産数(1人の感染者が何人に感染させるかの指標。1以下になると感染者数が減少)のピークは首都圏、関西圏ともに緊急事態宣言前の12月31日とされる。そして急激に低下したのは首都圏が1月5日まで、関西圏が1月6日までだった。その後の緊急事態宣言期間中はむしろ実効再生産数は横ばい後、緩やかに上昇している。つまり、感染者数の急拡大に歯止めをかけたのは人々の12月31日から1月5日にかけての行動変容(図1の上昇反転効果)であった。
   図1 感染日からみた感染者数と実効再生産数
緊急事態宣言は、その減少に転じた動きを打ち消さない(あるいは再拡大に向かわせない)ように機能した(図1の上昇抑制効果)にすぎない。そして2月下旬には実効再生産数が1を上回り始め、感染再拡大の予兆を示していた。「時短というピンポイント対策」には実効再生産数を下げる効果がなかったことが第3波抑え込み失敗、早期の第4波襲来の要因といえる。
さらにこの点を検証するため、中曽根平和研究所において3月にアンケート調査(有効回答数6122人)を実施し、第3波における行動変容のきっかけを尋ねた。繁華街への外出率などが最も低い「特に行動を変えていない」自粛継続層(全体の26〜30%)に加えて、東京都の感染者数が1000人を越えるなど感染者数に反応する層が、年末から行動変容を始め、首都圏・関西圏で33%程度が「緊急事態宣言」によって行動変容に加わったことがみてとれる(図2)。
   図2 第3波における行動変容のきっかけ
正月休みで人流が停止した効果
では12月31日から1月5日にかけての行動変容をもたらしたのは何だったのか。
飲食店に対する時短要請はこの時期だけに発令されていたわけではない。寄与度分析でも明らかだが、その直前の2020年12月24日から12月30日までの東京都での会食による濃厚接触者は全体の2.2%にとどまる。つまり、この間の会食によるクラスターを仮に全て回避できたとしても感染者5710人中、131人減にしかならない。大阪府のクラスター分類でも、同様にこの間の飲食店または会食によるクラスター関連の感染者数では全体の0.6%(8人)にすぎなかった。
この期間は正月休みであり、多くの職場が休暇に入った人流停止効果とみるのが自然だ。初詣の自粛・分散も呼びかけられ、参拝所ではほとんど混雑がみられなかった。携帯位置情報から第3波でもエピセンターとなった新宿区への新宿区民以外の都民および他道府県民の流入をみると12月31日から1月5日の平均は12月初対比半減(48.3%減)、12月31日から1月3日までに限れば80.0%と大幅に減少している(図3)。都心での人との接触8割減がその後の感染者数の反転につながった。
   図3 新宿区内への時間当たり流入人口
「飲食の場が急所」というメッセージの弊害
「飲食の場が急所」「夜の街」「マスク会食」「旅行自体で感染起こらず」といった政府分科会や知事からのこれまでのメッセージが国民の行動に影響し、“マスクをしていれば外出・旅行も問題なし”と考える一定の層が存在すると考えられる。
その点も中曽根平和研究所のアンケート調査で確認した。その結果、「マスクをしていれば外出しても問題ない」と思っていない者、つまり「基本的に外出しない方がよい」と思っているのは半数を下回る(45.4%。年齢別では40.3〜51.1%)。人混みについても「人が多くても話をしなければ問題ない」と思っていない者、つまり「基本的に人混みは避けるべき」と思っているのは半数を少し上回るにすぎない(53.9%。年齢別では46.5〜58.7%)(図4)。
   図4 新型コロナに対する行動評価
政府も飲食店もデータに基づく政策検証を
飲食での感染リスクが高いことと、政策効果として感染拡大を反転させることができるかは別である。結局、急所とは、実際に感染が起こっている感染源の特定とその回避しかない。筆者は大学でデータサイエンスを教えており、データを活用するには分析、解釈、提言をセットで行う必要がある。もしそれでも「飲食が急所」との反証があるのであれば、感染者データを独占する政府・自治体が感染者のうち、発症前14日間に飲食店に行っていた人の割合、そのうち感染対策が十分でない店や多くの客で混雑していた店に行っていた人の割合をデータで示して議論すべきであろう。
飲食店側も、補償の有無と時短・休業要請を受け入れるか否かの議論にとどめず、「時短と来店者数制限(キャパシティコントロール)のどちらが感染抑制に効果があるか」を検証したり、政府・自治体に対して、無症状感染者の顧客を探し出すPCR検査の拡充を求めたり、内閣官房のモニタリング調査参加希望を出して従業員に感染が広がっていない証拠を示すなど、議論を深める取り組みを進める方が建設的と考えられる。
人流抑制の分岐点であるゴールデンウィークが始まった。医療機関休診になる一方、初日の4月29日は2020年同月比で渋谷センター街3倍(202.0%増)、銀座駅2.4倍(141.5%増)、緊急事態宣言対象地外では東京ディズニーランド16.7倍(1569.8%増)、新千歳空港駅4倍(306.2%増)、福岡・天神駅3倍(215.7%増)、名古屋駅2.5倍(154.7%増)、那覇空港駅2倍(98.9%増)、近鉄奈良駅1.8倍(75.1%増)だったという(Agoop調べ)。引き続きデータに基づく政策検証が必要である。  
 
 
 

 


●3度目の緊急事態宣言、早くも延長論 「GW明けの感染者数が心配」 5/1
3回目の緊急事態宣言が始まって、2日で1週間になる。政府は宣言で感染者を一気に減らそうとしているが、効果はまだ見えていない。重症者の急増で医療現場は逼迫(ひっぱく)するばかりだ。宣言の期限は11日だが、「延長は避けられない」との見方が専門家の中で強まっている。
宣言は東京、大阪、京都、兵庫の4都府県を対象に4月25日から始まった。飲食店への時短営業の要請を中心とした「まん延防止等重点措置」では感染者の増加がとまらず、今回の宣言では居酒屋や大型商業施設、テーマパークなどに幅広く休業を求めた。
過去7日間の平均で1日あたりの感染者数をみると、30日は東京で773人、京都で137人、大阪で1111人、兵庫で483人。1週間前と比べ、東京、京都は1割増、大阪、兵庫はほぼ横ばいだ。
新型コロナウイルスは感染から5日ほどで発症することが多く、検査、公表までにさらに時間がかかる。直近の感染者数は1週間ほど前の感染状況を表している。宣言の効果はまだ判断できる段階ではない。
過去2回の宣言では発症日ごとの感染者数で見ると、宣言が出る前に流行のピークが過ぎていた。感染状況の悪化に反応して、多くの人が外出の自粛を始めていたためだ。今回は宣言から間もないため、発症日ごとの感染者数ははっきりしない。
いま、人流はどうなっているのか。東京都医学総合研究所の西田淳志・社会健康医学研究センター長によると、ここ数日で東京と大阪の主要繁華街の人流は急激に減り、「酒類を提供する飲食店の休業要請など宣言に一定の効果は見られている」と話す。
西田さんによると、24日に都内では「駆け込み会食」と見られる人出の増加があったものの、30日までの1週間とその前週の人出を比べると、昼(正午〜午後6時)は2割あまり、夜(午後6時〜午前0時)は3割近く減っているという。西田さんは「とくに感染リスクの高い夜の時間帯に滞留人口が下がっているかが大事になる」と指摘する。
大阪でも25日と30日を比べると各時間帯とも2〜3割減。人出の減少が見られてから1カ月ほどたつという。だが感染の収束は見えてきていない。感染力の強い変異ウイルスが影響している可能性もあり、西田さんは「感染の減少には時間がかかる可能性がある。しっかり下がるのを見てから解除を判断してほしい。リバウンドすれば人流抑制に協力している人の努力が水の泡となってしまう」と話す。
東京の人流が減る一方、周辺の埼玉、千葉、神奈川の3県では減る傾向が見られないといい、「大型連休明けに一気に感染者数が増えないか心配だ」と話す。
宣言の解除は、政府の分科会が示した6指標が、最も深刻な「ステージ4」から脱することが目安になる。指標の一つの病床使用率は50%未満が基準だが、内閣官房のまとめでは、大阪は29日時点で95%。使える病床は使い尽くしている状況だ。治療や療養が必要な人もステージ4の基準の7倍。兵庫も病床使用率が88%。治療や療養が必要な人は基準のほぼ3倍だ。
東京の病床使用率は32%で、関西と比べれば逼迫度は低い。しかし、変異株が急拡大しており、予断を許さない状況だ。
全国の重症者は30日時点で1020人と、「第3波」のピークの1043人に迫る。変異株は20〜30代でも重症化しやすい懸念もある。感染者を一気に減らさなければ、コロナ以外の医療も立ちゆかなくなり、宣言が長引くことで経済も甚大なダメージを受ける。連休中は検査数が少なくなる傾向にあるため、感染状況を正確に把握するのが難しいとの指摘もある。
東京医大の濱田篤郎・特任教授(渡航医学)は「連休中にステイホームする人が増え、ある程度は感染者は減るかもしれないが、11日の期限までに流行が収まるとは思えない。延長する場合、単に今の対策を続けるのではなく、より広く休業を要請するなど次の手を考えておく必要があるだろう」と話す。

●大阪・神戸・京都 主な駅周辺30日の人出 1週間前より減少 5/1
3回目の緊急事態宣言が出されている大阪、兵庫、京都の主な駅周辺の30日の人出は、1週間前と比べて、日中、夜間ともにいずれも減少しましたが、2回目の緊急事態宣言中と比べると、京都では夜間にわずかに増加しました。
れはIT関連企業のAgoopが、携帯電話の利用者の許可を得て個人を特定しない形で集めたデータを使い、30日の人出を調べたものです。
【1週間前との比較】
1週間前の先月23日との比較では、日中は、大阪梅田駅周辺が−37%、京都駅周辺が−23%、神戸市の三ノ宮駅周辺が−15%でした。
夜間は、大阪梅田駅周辺が−41%、神戸市の三ノ宮駅周辺が−31%、京都駅周辺が−27%といずれも減少しました。
【2回目の緊急事態宣言中との比較】
また2回目の緊急事態宣言中の平日の平均と比べると、日中は、大阪梅田駅周辺が−28%、京都駅周辺が−9%、神戸市の三ノ宮駅周辺が−7%でした。
夜間は、大阪梅田駅周辺が−24%、神戸市の三ノ宮駅周辺が−4%いずれも減少した一方、京都駅周辺では+1%、増加となりました。

●宣言発令1週間、要請は限界?条例規制必要?「路上飲み」どう対応 5/1
3回目の緊急事態宣言発令から1日で1週間を迎えた。対象地域では酒類を提供する飲食店などに休業要請が出され、屋外での「路上飲み」の光景がよくみられる。屋外でも新型コロナウイルスの感染リスクがあるとの研究結果も出ており、屋外だから安全というわけではない。東京都の小池百合子知事もコンビニエンスストアなどに注意喚起の協力を求める考えを示すなど、路上飲みをしないよう呼びかける。要請には限界があるなか、どう抑えるのか。
4月30日午後8時半の東京・渋谷。東京都や警視庁の職員らがJR渋谷駅前で路上飲みを控えるよう呼びかけた。付近には、路上飲みをする外国人の姿が多く見られ、ワインボトルを手にしていたり、注意した職員らに対し、「やりすぎだよ!」と詰め寄ったりしていた。
近くのコンビニには「路上飲みは止めてください」と書かれたポスターが入り口やレジに貼られていた。コンビニを利用した東京都八王子市に住む男性会社員(25)は「ポスターには気づかなかった。路上飲みをすることはある。友達に誘われたら断れない」と打ち明けた。 
宣言対象地域の京都市でも見回りのほか、市管理の公園923カ所で飲酒・飲食を禁じる看板を掲示。大阪府や兵庫県も、同様に対策を講じる。ただ、新型コロナウイルス特措法に基づく命令ではなく、呼びかけにとどまっており効果のほどは不透明だ。
理化学研究所などの研究チームがスーパーコンピューター「富岳」で行ったシミュレーションによると、屋外では風の影響でより広範囲に飛沫(ひまつ)が拡散する可能性が高くなることが判明している。複数人での路上飲みではマスクを外しておしゃべりするため感染リスクも上がってくる。
飲食店への営業時間短縮要請が続く中で増えてきた路上飲み。今回の緊急事態宣言以降、路上や公園などでの集団飲酒も注意喚起の対象と位置付けられた。過去には渋谷区がハロウィーン期間中などに渋谷駅周辺の路上や公園での飲酒などを禁じる条例を制定。路上飲み対策に、こうした条例を当てはめるべきなのか。
路上飲み対策について、小池氏は4月28日の記者会見で、ハロウィーンの際の渋谷区の条例について触れた上で、「世界各国では公共の場での酒類の提供について厳しい国も多く、いろいろと分析している」と言及。さらに小池氏は「中長期的にはいろいろな方法や考え方などまとめて判断したい」と述べた。
海外では、屋外での飲酒を厳しく規制する国も出ている。変異株の感染が拡大しているフランスでは、屋外の広場や通りなど人が集まる場所での飲酒が禁止された。韓国では、屋外の飲酒を取り締まる法律はないが、5人以上の私的な集まりを禁止した。
新型コロナの感染拡大が続くなか、路上飲み対策に妙案はあるのか。若狭勝弁護士は「各区市町村が制定している路上喫煙禁止条例などがあり、自治体が路上飲みを禁止する条例を作り、罰則を科すことは可能だ」と指摘。ただ、「外での飲酒は花見などもあり、本来は自由なはずなので、罰則を付けて住民の権利を制限する形は望ましいとは思わない」と話した。 
 
 
 

 


●緊急事態宣言の効果は絶望的なほどほぼ皆無だ 5/2
結論から言うと、今回の「第3回目の緊急事態宣言」は、おそらくほとんど効果がないだろう。その理由は3つある。
日本の緊急事態宣言はもともと効果がほとんどない
第1に、3度目であること。うんざりしている。飽きている。よく「コロナ疲れ」「自粛疲れ」と言われるが、より人々の感情に近い表現は「うんざり」か「飽きている」ということだろう。
第2に、発出した理由が不明瞭である。大阪が危機的なのはわかるが、東京は、感染者数、病床ひっ迫度合いからいっても大阪ほどではない。「蔓延防止措置」というのをつくって、まさにそれがぴったりなのに、そしてそれが発出されて、その効果がまだまったくわからないうちに、緊急事態宣言だ。
2度目はなかなか出さなかったのに、しかも、2度目の緊急事態宣言解除は、感染者数が増えてきたところで解除。要は「出したくないのだ、政府は」と思われていたのに、なぜか今回は唐突に出した。納得感がなければ、政府の要請やお願いには、誰も応じないだろう。
第3に、緊急事態宣言はもともと効果がほとんどないからだ。実は、1度目も2度目もほとんどなかったのだ。だから、今回はなおさら効果がないに決まっている。
この3つを、一つひとつ言い換えてわかりやすくしてみよう。
第1点。まず若い世代は、緊急事態宣言無視だ。そもそもテレビを見ない、持っていない。だから、テレビで大臣がわめこうが、知事が国を罵ろうが、そもそもそれを知らない。
政治家たちのアリバイ作りのパフォーマンスはそもそも認識すらされていない。彼らにとっては、1回目の緊急事態宣言のときは、コロナ危機への異常な自粛、という目新しいイベント。初めてハロウィンに参加するような気分だ。
だから、1回イベントを消費すれば、次は目新しいイベントではないから、まったく関心の対象に入らない。だから、支持とか不支持とか従わないとかではなく、関心の外にある。「緊急事態宣言? で、何か?」という感じだ。
一方、中年世代はどうか。テレビをつけると、官邸と知事の非難合戦、罪の擦り付け合い、まさにうんざりだ。アリバイ作りよりも、テレビに出る暇があったら、病院を説得してくれ。2度目からは、もううんざりで今回はあきれ果てているから、これもテレビは見てはいるが、馬耳東風だ。政治家の叫びは趣味の悪いBGMにしか聞こえない。
そして、高齢者は、ただ怯えているだけだ。テレビでコロナの話が出れば出るほど、それがどんな話であれ、恐怖がさらに刺激されるだけ。金持ち高齢者はさらに家に引きこもり、巣ごもり消費に慣れていないから、ただ、怯えて貝になっているだけだ。
もはや「政治的資本」がマイナス状態に
第2の点。緊急事態宣言を出せば出すほど、政治不信は強まる。第1弾の接触8割削減の主張や「ロンドン、ニューヨークの次は東京だ」という脅しを続けた「自称(他称)専門家」により、専門家不信は確定した。科学的根拠無視で、感情で情緒的に行動することが「専門家は信用できない」ということの裏づけに正当化されることになった。
この結果、いい政策だろうが、悪い政策だろうが、人々を政策でコントロールするのは不可能になる。
政治家の言葉においては、効果は完全にゼロである。むしろ、しゃべればしゃべるほどマイナスで、へそを曲げて政府のしてほしい行動の逆をしたくなる。
この結果、人気取り、八方美人、世論調査支持率だけが頼りの政治家たちは、無駄な、余計な、愛想、ばら撒きを国民に行い、強い、妥当な指示を国民にまったく出せなくなる。
びくびくしながら、中途半端なお願いを続ける。中途半端だから効果はほとんどなく、本当は、自分たちがへそを曲げてわがままだったことが理由であるにもかかわらず、感染拡大の理由をすべて政府の下手な政策のせいにすることが常態化し、素人も専門家も、メディアに習って、政府をひたすら攻撃することになる。
いわゆるポリティカルキャピタル(政治的資本)を緊急事態宣言第2弾で完全に失い、いまやすべての政府の措置は、ポリティカルキャピタルを毀損するどころか、もはや「マイナスのキャピタル」状態で、債務が増加、蓄積する一方になっている。
細かいところを見ても、もう収拾がつかないレベルだ。なぜか百貨店などの商業施設は休業を要請される。百貨店でクラスターが発生した例も聞かないし、ロジックもわからない。問われた田村憲久厚生労働大臣は、百貨店に来るときに人流ができてしまうのが問題だ。だから、百貨店自体は問題がなくても、人の流れを抑えるために、休業をお願いする、と。なんだそりゃ。百貨店は訴訟を起こすべきだと思うが、一事が万事、こういった風である。これでは説得力がない。
「ソーシャルディスタンス」「3密」という流行語大賞ワードは実はまったくの間違い、無意味な概念だった。要は唾液の飛まつだから、密でも誰もしゃべらない、朝の通勤電車ではうつらない。逆に言えば、距離があっても、広い空間にたった3人でも、カラオケで感染対策をせずに大声で歌えばあっさりうつる。
データを駆使していないどころか、科学的思考がないどころか、普通のロジック、いやその手前の、少し理屈を考えることすら放棄して、感情的、情緒的に迷走している。
やっているふり、奔走している振りをしている知事たちはそれでいいかもしれないが、実生活はそれではたまらない。生活にとっては不要不急だが、オリンピックもアリバイ作りのパフォーマンスと違って、実際に事を実行する、実行委員会は現実を考えてしまうと動かざるをえないが、そうなると批判を浴びる。これでは何もできない。こうして、日本は迷走をしているのである。
しかし、最も致命的なのは、3回とも緊急事態宣言はそれ自体では、まったく効果がなかったことだ。つまり、日本政府は感染症拡大を防止する手段を何も持たないに等しいのである。
「1回目」の正体は「恐怖の支配」だった
では、昨年の1回目の緊急事態宣言は、なぜあんなに効果があったように見えたのか。まず、そもそもあの時点では、日本の新型コロナ感染の拡大は極めて限定的だった。もともと危機ではなかったのである。だから、どんなことをしても収まったはずだった。そして、マスクや手洗いに慣れていたから、拡大のリスクは欧米の他国などに比べれば、大きくなかった。
このとき人々が自粛を狂ったように行ったのは、若い人々が自粛というイベントに興味を持ったからであり、30歳前後から中年にかけての人々にとっては、自粛を推奨するのが賢い行動に見えたからであり、意識高いように見えたからである。
そして、それを裏付けたのがロンドン、ニューヨークの悲惨なテレビ映像であり、欧米の「進んだ」ものをいち早く取り入れるのが、古くから、そして今も日本の「進んだ」人々の行動だと、これらの世代は思っているから、専門家もインテリ風の人々も、今風に言えば意識高い系の人々も「進んだ」「知見」を、実際は風説の流布なのだが、SNSで拡散することに努めた。
この行動は、人々を恐怖に陥れた。とりわけ、高齢者は「あんたは死ぬ」と脅されたように受け止めた。さらに、テレビ世代の中高年や高齢者は、芸能人がコロナで死亡すると、恐怖に支配されるようになってしまった。感情、情緒、印象がすべての行動を支配する。日本においては特にそうであり、日本でなくとも、恐怖の下では、人間はそうなってしまう。
これが極めて「効果的」であったために、人々は異常な自粛を積極的に行ったのである。
したがって、1回目の緊急事態宣言が効いたように見えたのは、緊急事態宣言自体ではなく、欧米がやられたという情報による、恐怖の支配によるものであった。
そして、2回目の緊急事態宣言の効果も、同様に「恐怖による支配」に過ぎなかった。
1回目よりも効果が薄かったのは、政治が「Go To」にこだわり、意味不明の行動をとったこともあったし、2度目で飽きていたこともあった。
それでも年末年始にはそれなりに、自粛が広まった。しかし、その理由は、緊急事態宣言にあったのではなく、東京の陽性確認者数が、あっというまに1000人という4ケタにのり、それがすぐさま2000人を超えたからであった。
この数字の急増は恐怖を広めた。この数字に対する恐怖感、東京2000という恐怖感が東京を支配し、なぜか、東京以外も支配し、ついでに「東京2020」への批判、否定的な見解も広まった。
「3度目の緊急事態宣言」が解除されるとき
では、3回目の今回はどうか。官邸はずるがしこいことに、実は、この恐怖支配のメカニズムに気づいているのではないか。今回、もうすでに脅しは2回で使い切ってしまい、これまでのものは何も通じないから、目新しいもの、ということで、やたらに変異ウイルスを繰り返し強調している。
すべては変異のせい。ワクチンが遅れていても、変異ウイルスには効かないかも、と論点をすり替え、これまでの政策とも矛盾を指摘されても、すべて変異ウイルス、これが世界を変えたかのような主張をして、また人々を恐怖に陥れようとしているようにしか、筆者には見えない。
ここまで官邸に対して邪推をするのも申し訳ないが、少なくとも結果的には、人々を抑制させるのは、恐怖である。今恐怖をあおっているのは、変異ウイルスだけだ。
いまや、世界の先進国でいまだにコロナパニックになっているのは、日本だけだ。アメリカ、英国などもすべて前向きで、経済が活況だというデータしか出てこない。
感染者数対比の経済活動の停滞比率のような、いわばコストパフォーマンスのような指標があれば、日本は世界一だろう。コロナのウイルス自体の危機の程度に対する経済抑制効果の大きさは、世界一だ。もしウイルスの意思が人間の経済活動抑制にあったとすれば、「ウイルス天国日本」ということになる。
その理由は、恐怖に支配されやすい、感情に支配されやすい社会であることに尽きる。論理に支配されている社会であれば、感情を利用して政策を行う政権は、すぐに交代することになっていただろう。
日本においては、高齢者は恐怖に支配され、若い世代は欲望に忠実である。これが、今回の緊急事態宣言が「効果がない」と断言できる理由だ。
そして、効果がなかったとしても、期限である5月11日あるいは短い延長をして、感染状況の大幅改善が実現しなくとも、緊急事態宣言は解除されるだろう。そのときは「政府官邸は、そもそも、感染抑制のためではなく、政治の都合で緊急事態宣言の発出も解除もしただけだった」という批判を浴びることになろう。

●緊急事態宣言 1週間 関西の繁華街や温泉地 人通りは大幅に減少 5/2
3回目の緊急事態宣言から1週間となる大阪では、1日、1日に確認された感染者数としては過去最多となったほか、重症患者の病床が不足する危機的な状況が続いています。大阪の繁華街では、ふだんの大型連休と比べると人通りは大幅に少ないということです。
緊急事態宣言が出されてから1週間となる2日、例年、大型連休には多くの観光客でにぎわう大阪 道頓堀では、営業している店もありますが、ふだんの大型連休と比べて人通りは大幅に少ないということです。
3日で開店から39年を迎える串焼き居酒屋では、要請に従って酒類の提供をやめ、昼から午後8時までに時間を短縮して営業しています。
これまで、ランチタイムだけだった定食を、夜の時間帯まで提供しているほか、ノンアルコールの飲み物の種類を増やすなどの対応を取っていますが、お酒が飲めないと知って入店しない客も目立つということです。
ふだんの大型連休なら1日に20万円ほどある売り上げも、1日は10分の1の2万円ほどだったということです。
「串焼きけー坊」の店主、岡田啓二さんは「かき入れ時の大型連休に備えてアルバイトも新たに4人雇っていましたが、お客さんも少なく売り上げが厳しいため休んでもらっています。常連のお客さんが戻ってこないのではないかと不安です。最後の緊急事態宣言にしてほしいです」と話していました。
兵庫県では、去年に続いて緊急事態宣言が出されるなか、大型連休を迎えています。ふだんの連休は大勢の観光客でにぎわう神戸市北区の有馬温泉は、臨時休業する飲食店が目立ち、人通りはまばらとなっています。有馬温泉観光協会によりますと、去年の大型連休は県の要請に従いすべての宿泊施設が休業しましたが、今回は要請の対象となっていないため、旅館の多くが人数を制限するなど感染対策を取った上で、営業を続けています。宿泊客の数は3分の1から4分の1程度となっているということです。
京都府から夫婦でマイカーで訪れた30代の女性は「ずいぶん前から予約をしていたので、緊急事態宣言が出たときは迷いましたが、旅館も感染対策をしていて人と会う機会も少ないと考え、来ることにしました。残りの連休は家で過ごします」と話していました。
有馬温泉観光協会の金井啓修会長は「遠方からの予約はキャンセルがあり、ほとんどが近隣の客です。感染対策を徹底してもてなします」と話していました。

●緊急事態宣言から1週間 大阪・道頓堀 人通り少なく 5/2
3回目の緊急事態宣言から1週間となる大阪では、1日、過去最多の感染者が確認されたほか、重症患者の病床が不足する危機的な状況が続いています。大阪の繁華街では、2日の午前中、ふだんの大型連休と比べると人通りは大幅に少ないということです。
緊急事態宣言が出されてから1週間となる2日、ふだんの大型連休であれば多くの観光客で賑わう大阪・道頓堀では、午前中、営業している店もありますが、ふだんの大型連休と比べて人通りは大幅に少ないということです。
3日で開店から39年を迎える串焼き居酒屋では、要請に従って酒類の提供をやめ、昼から午後8時までに時間を短縮して営業しています。
これまでランチタイムだけだった定食を夜の時間帯まで提供しているほか、ノンアルコールの飲み物の種類を増やすなどの対応を取っていますが、お酒が飲めないと知って入店しない客も目立つということです。
ふだんの大型連休なら1日に20万円ほどある売り上げも、1日は10分の1の2万円ほどだったということです。
「串焼きけー坊」の店主、岡田啓二さんは「かき入れ時の大型連休に備えてアルバイトも新たに4人雇っていましたが、お客さんも少なく売り上げが厳しいため休んでもらっています。常連のお客さんが戻ってこないのではないかと不安です。最後の緊急事態宣言にしてほしいです」と話していました。

●緊急事態宣言から1週間 有馬温泉 人通りはまばら 5/2
兵庫県に3回目の緊急事態宣言が出されて1週間となりますが、「関西の奥座敷」とも呼ばれる人気の温泉街、神戸市の有馬温泉は、大型連休中も閉まっている飲食店が多く、人通りはまばらです。
兵庫県では、去年に続いて緊急事態宣言が出される中、大型連休を迎えています。
ふだんの連休は大勢の観光客でにぎわう神戸市北区の有馬温泉は臨時休業する飲食店が目立ち、人通りはまばらとなっています。
有馬温泉観光協会によりますと去年の大型連休は、県の要請に従いすべての宿泊施設が休業しましたが、今回は要請の対象となっていないため、旅館の多くが人数を制限するなど感染対策を取った上で、営業を続けています。
宿泊客の数は3分の1から4分の1程度となっているということです。
京都府から夫婦でマイカーで訪れた30代の女性は「ずいぶん前から予約をしていたので、緊急事態宣言が出たときは迷いましたが、旅館も感染対策をしていて、人と会う機会も少ないと考え、来ることにしました。残りの連休は家で過ごします」と話していました。
有馬温泉観光協会の金井啓修会長は「遠方からの予約はキャンセルがあり、ほとんどが近隣の客です。感染対策を徹底してもてなします」と話していました。

●連休初日、東京から3県への移動は昨年比48〜81%増 5/2
3回目の緊急事態宣言が東京都などに発令されているが、5連休初日の1日の4都県(東京、埼玉、千葉、神奈川)は昨年の同時期と比べ、都県境をまたぐ人の移動が増えた。
携帯電話の位置情報から滞在人口を推計するNTTドコモの「モバイル空間統計」のデータによると、1日午後3時台に東京から3県に移動した人は、1回目の宣言発令中だった昨年の5連休初日の5月2日より48〜81%増加。3県から東京を訪れた人も50〜67%増えていた。
一方、宣言発令前日となった1週間前(今年4月24日)の土曜日と比べても、東京から3県に移動した人は4〜10%増加。ただ、3県から東京を訪れた人は24〜27%減少していた。
政府は新型コロナウイルス感染を抑えるため、3回目となる宣言を発令し、大型連休中の不要不急の外出、行楽、帰省を控えるよう強く呼びかけている。

●止まらない大阪のコロナ「感染爆発」 5/2
3回目の緊急事態宣言から5月2日で1週間が経過した。しかし、大阪府では1日、新たに1262人の新型コロナウイルス感染が確認され、過去最多を更新した。1日の感染者数が1000人を超えるのは、5日連続で府内での感染死亡者は41人。緊急事態宣言下でも「感染爆発」が止まらない状態が続いている。
「現在、大阪を含む関西圏で10万人あたりの新規感染者は、首都圏の3倍超という異次元の状況です。関西圏ではわが国が経験したことのない最悪の状態に突入しています」(厚生労働省関係者)
緊急事態宣言が発出された4月23日の大阪の新規感染者数は1162人だった。これを東京の人口で換算すれば、約2000人の水準となる。変異株ウイルスの市中感染が拡大してからの判断が「遅きに失した」(同前)という。
「大阪府内では感染してもすぐには入院や宿泊療養先が見つからず、やむなく自宅で療養・待機する患者が激増しています。自宅待機している患者数は14000人超で、東京の1000人前後をはるかに超えています。自宅療養中に容体が急変して亡くなった方が既に大阪府内で12人に上っています。重症病床使用率は98.3%と公表しているが、実質的には重症病床に入りきれない重症患者が多数おり、その影響で他の病気での入院拒否や手術の延期などが発生。『命の選別』が現実のものとなっています」(大阪府関係者)
大阪府庁の医療系技術職トップが府内の保健所長18人に4月19日付で以下の内容のメールを送っていたことが発覚し、大騒ぎになった。
『病院には多大な負担がかかっており、数字上空床があっても新規患者を受けられないという事態が多発しております。以前にも増して入院調整が難しくなっており、先生方には大変なご迷惑をおかけしております。当面の方針として、少ない病床を有効に利用するためにも年齢が高い方につきましては入院の優先順位を下げざるを得ないことをご了承いただければ幸いです』
『高齢者施設に入所の方でDNAR(蘇生措置拒否)の方につきましては、看取りも含めて対応を御検討いただきたいです』
吉村洋文大阪府知事は4月末、このメールについて「事務方同士が行ったものであり、府の方針ではない」と釈明、謝罪する騒ぎになった。
「既に医療崩壊が進んでしまっている大阪府内では、メールの内容は医療現場では当然の前提として運用されている状態です。それがたまたまメールという形で一般に知れただけの話です。いまの大阪は病床が逼迫する中、高齢者への医療提供を遠ざけてまで入院調整をせざるを得ない悲惨な状況に陥っています。菅総理とバイデン大統領との首脳会談に忖度し、こうした事態に陥るまで事態を放置してきた吉村知事の人災です」(医療関係者)
吉村知事は連休明けに6日にも宣言解除の判断を行うと表明しているが、この状態で選択肢は多くないようにみえる。だが、官邸関係者はこう話す。
「菅総理は東京五輪と経済への影響から緊急事態宣言の早期解除を模索し、データよりも政治を優先した判断をしかねない様相です。吉村知事は今回こそは菅総理を忖度している場合ではない。宣言の延長を国に要請してまず、この惨状を脱するために、関西広域連合間での病床融通要請など、あらゆる策を講じる必要があります。プライドが高く、2月の宣言早期解除の失敗をなかなか認めようとしない吉村知事ですが、今回は近隣知事に頭を下げるべき」
大阪はコロナ危機を乗り越えられるのか。

●緊急事態宣言 1週間 関西の繁華街や温泉地 人通りは大幅に減少  5/2
3回目の緊急事態宣言から1週間となる大阪では、1日、1日に確認された感染者数としては過去最多となったほか、重症患者の病床が不足する危機的な状況が続いています。大阪の繁華街では、ふだんの大型連休と比べると人通りは大幅に少ないということです。
緊急事態宣言が出されてから1週間となる2日、例年、大型連休には多くの観光客でにぎわう大阪 道頓堀では、営業している店もありますが、ふだんの大型連休と比べて人通りは大幅に少ないということです。
3日で開店から39年を迎える串焼き居酒屋では、要請に従って酒類の提供をやめ、昼から午後8時までに時間を短縮して営業しています。
これまで、ランチタイムだけだった定食を、夜の時間帯まで提供しているほか、ノンアルコールの飲み物の種類を増やすなどの対応を取っていますが、お酒が飲めないと知って入店しない客も目立つということです。
ふだんの大型連休なら1日に20万円ほどある売り上げも、1日は10分の1の2万円ほどだったということです。
「串焼きけー坊」の店主、岡田啓二さんは「かき入れ時の大型連休に備えてアルバイトも新たに4人雇っていましたが、お客さんも少なく売り上げが厳しいため休んでもらっています。常連のお客さんが戻ってこないのではないかと不安です。最後の緊急事態宣言にしてほしいです」と話していました。
兵庫県では、去年に続いて緊急事態宣言が出されるなか、大型連休を迎えています。
ふだんの連休は大勢の観光客でにぎわう神戸市北区の有馬温泉は、臨時休業する飲食店が目立ち、人通りはまばらとなっています。
有馬温泉観光協会によりますと、去年の大型連休は県の要請に従いすべての宿泊施設が休業しましたが、今回は要請の対象となっていないため、旅館の多くが人数を制限するなど感染対策を取った上で、営業を続けています。
宿泊客の数は3分の1から4分の1程度となっているということです。
京都府から夫婦でマイカーで訪れた30代の女性は「ずいぶん前から予約をしていたので、緊急事態宣言が出たときは迷いましたが、旅館も感染対策をしていて人と会う機会も少ないと考え、来ることにしました。残りの連休は家で過ごします」と話していました。
有馬温泉観光協会の金井啓修会長は「遠方からの予約はキャンセルがあり、ほとんどが近隣の客です。感染対策を徹底してもてなします」と話していました。

●緊急事態宣言1週間 家電・家具は休業すべき? 5/2
新型コロナウイルス感染拡大に伴う3回目の緊急事態宣言が出され、2日で1週間が過ぎた。休業要請をめぐり、従うか営業継続かで千平方メートル超の家電量販店と家具販売店の対応がわかれている。従わなくても罰則がない上、それぞれを東京都が要請の対象外に、大阪、京都、兵庫の3府県が対象に入れるなど何が基準かあいまいで、各社が独自に判断しているのだ。人の流れが止まらず感染が広がれば宣言の延長が現実味を帯びる。
家具は必需品?
「緊急事態宣言中も店はやっています。生活必需品ですから大丈夫です」
こう話すのは家具販売大手「IKEA(イケア)鶴浜」(大阪市大正区)の店員だ。同店は午後8時までに営業時間を短縮して営業中。本格的なGWスタートとなった1日夕、閉店間際まで多くの若い家族連れやカップルでにぎわった。
2日午前、JR大阪駅近くの「ヨドバシカメラ マルチメディア梅田」(大阪市北区)。駅と空中でつなぐ歩行者用通路から、客が入り口へ次々と吸い込まれていった。店内はかなりの混雑ぶりだ。
店員によると「昨日までは午後10時まで通常営業。今日から午後8時までに営業時間は短くなりました」。ヨドバシカメラの広報担当は「光触媒を使った除菌機能のある照明器具の導入で店内の感染対策を取っている」と強調している。
休業、時短…店それぞれ 
家電量販店と家具販売店について、東京都は休業要請の対象から外し、大阪、京都、兵庫の3府県は対象とした。
休業をめぐる対応はまちまちだ。対象外の東京では、ヨドバシカメラが「マルチメディアAkiba」(東京都千代田区)を午後10時の通常営業を続けている。対象となった大阪府では「マルチメディア梅田」を時短とした。
ほかの家電量販大手では、ヤマダホールディングス(HD)が東京都内で3店舗、大阪府内で19店舗を臨時休業。時短で対応する店舗もある。「感染状況など総合的に判断した」という。ビックカメラは東京の大半で時短営業、関西の多くで休業とした。
家具では、イケア新宿(東京都新宿区)は緊急事態宣言中が午後8時までの時短で営業。大阪府のイケア鶴浜もGW中、同様だ。要請の対象であってもそうでなくても、対応はほぼ同じといえる。ニトリは4都府県の30店舗を臨時休業にし、17店舗の営業時間を短縮している。
消費2500億円減
各自がそれぞれ判断しているのは、休業要請に従うのは「任意」だからだ。自治体がどこまで強く休業を求めたかも分からない。ヤマダHDは「(自治体からの要請は)個別には来ていない」とする。りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は、関西では家電量販店などが対象であるとの周知が足らず、「知らない多くの人が店へ行ってしまう」とみる。
また、荒木氏は「企業の間に不公平感が出そうだ」とも話す。要請対象の百貨店は軒並み生活必需品の売り場を除き休業。遊園地、映画館なども休業した。
危惧されるのは、休業要請を徹底しなければ人の流れを止められないことだ。
荒木氏は「感染がさらに拡大すれば、緊急事態宣言が延長され経済に打撃を与えてしまう」と指摘。かりに緊急事態宣言が1カ月間まで延びれば、消費減少額が関西だけでも2500億円に膨らむ可能性があるとみる。もともと17日間では1400億円を想定していた。いま一度、自治体が周知をはかるとともに、企業と消費者の協力が必要だ。

●連休初日、東京から3県への移動は昨年比48〜81%増 5/2
3回目の緊急事態宣言が東京都などに発令されているが、5連休初日の1日の4都県(東京、埼玉、千葉、神奈川)は昨年の同時期と比べ、都県境をまたぐ人の移動が増えた。
携帯電話の位置情報から滞在人口を推計するNTTドコモの「モバイル空間統計」のデータによると、1日午後3時台に東京から3県に移動した人は、1回目の宣言発令中だった昨年の5連休初日の5月2日より48〜81%増加。3県から東京を訪れた人も50〜67%増えていた。
一方、宣言発令前日となった1週間前(今年4月24日)の土曜日と比べても、東京から3県に移動した人は4〜10%増加。ただ、3県から東京を訪れた人は24〜27%減少していた。
政府は新型コロナウイルス感染を抑えるため、3回目となる宣言を発令し、大型連休中の不要不急の外出、行楽、帰省を控えるよう強く呼びかけている。

●緊急事態1週間、百貨店は「売り上げ8割減」… 5/2
3回目の緊急事態宣言が4都府県に発令されてから1週間がたった。生活必需品売り場を除く大型商業施設や酒を提供する飲食店など幅広い店舗に休業要請が出ており、対象となった百貨店や飲食店は苦戦が続いている。
松屋銀座(東京都中央区)は、食料品や化粧品売り場を除いて休業している。「行ったつもりの北海道フェア」と題し、海鮮弁当などを販売するイベントは継続中だが、改元関連イベントなどでにぎわった2019年の同時期と比べ売り上げは8割減った。昨年の大型連休は宣言を受けて全館休業していた。
今年は営業できる「生活必需品売り場」の線引きが不明確で、食料品以外の化粧品などの営業継続は百貨店各社で判断が分かれた。食料品のみ営業を続ける高島屋大阪店(大阪市)では、宣言前と比べ食料品の売り上げが2割程度減少している模様だ。近鉄百貨店の旗艦店、あべのハルカス近鉄本店(同)も、食料品だけの営業で客が減ったという。
一方、三越伊勢丹は、スマートフォンアプリのチャット機能を使い、売り場の販売員と欲しい商品の相談ができるサービスを提供している。アプリに関する問い合わせは宣言前の3倍になった。連休中の遠出を諦めた地方の客にも好評だという。
午後8時までの時短営業を行う飲食店も厳しい経営が続く。営業を続けるため、ファミリーレストランのサイゼリヤは4都府県などで酒の提供を中止。外食大手の担当者は「店内飲食の売り上げはかなり厳しい」とこぼす。居酒屋チェーンでは、多くの店舗が4都府県で休業を続けている。
大半の人が外出を控えている影響で、住宅街周辺のスーパーの売り上げは引き続き好調だ。各社はチラシの配布を中止して、店内混雑の緩和に努めている。
自宅で楽しむための商品も売れている。イトーヨーカ堂では、ジグソーパズルの1日の売り上げが前年同期の約2倍になった。菓子作りの器具も好調だ。飲食店で酒が飲めないことから、酒類の売り上げは前年同期より1割ほど増えたという。
ただ、イトーヨーカ堂も東京都と大阪府にある6か所のショッピングセンター「アリオ」を休業している。

●感染100人以下で解除なら再宣言は不要 東大グループ推計 5/2
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う3回目の緊急事態宣言について、政府は今後、予定通り11日での解除が可能か本格的な検討に入るとみられる。一方、専門家らは「感染者数が高い状態で解除すれば、再宣言の可能性は高くなる」と警鐘を鳴らす。
東京都の新規感染者(7日間平均)が500人を下回った時点で緊急事態宣言を解除すれば、7月に再宣言もあり得る−。東大経済学部の仲田泰祐(たいすけ)准教授らの研究グループがこんな推計結果をまとめた。
4月25日までのデータを基に、7日間平均の新規感染者数がそれぞれ500人、250人、100人に減少した時点で宣言解除した場合、その後の感染者の推移と経済的損失を試算。変異株の感染力を従来株の1・5倍と仮定し、ワクチン接種状況も考慮した。宣言発令のタイミングは2回目の宣言時の水準である1250人超を基準とし、高齢者のワクチン接種が進むにつれて水準を引き上げた。解除後は6週間をかけてコロナ禍で最も経済活動が盛んだった昨秋の水準まで人出などが戻る設定とした。
推計の結果、7日間平均が500人を下回った段階で解除すると、人出の回復に伴い、7月の第1週で新規感染者の7日間平均が1529人と2回目の宣言時の水準に到達。12月ごろにも感染が拡大し、宣言が必要な状態となった。7日間平均250人にまで解除基準を下げると再宣言は1度で済み、100人を切るまで宣言を延長した場合、7月第4週まで期間が及ぶが、再宣言は不要となった。
経済的損失は3パターンのうち、新規感染者が100を切るまで宣言を延長したケースが最も低かった。仲田氏は「解除基準の人数が高ければ短期的には経済に良くても再度の宣言が必要で、中長期的には損失が大きくなる」と指摘した。
筑波大大学院の倉橋節也教授(社会シミュレーション学)が行った試算でも、新規感染者が100人程度にまで減少した時点で宣言解除することで、以降の感染拡大の波を抑えられるという結果が出た。倉橋氏は変異株が想定より早く広がっていることなども踏まえ「11日の宣言解除は厳しいのではないか」との見解を示した。  

●もう心底「日本のコロナ対策」にウンザリな理由 5/2
日本を代表する一部上場企業の社長や企業幹部、政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチなどのプライベートコーチング」に携わり、これまでに1000人の話し方を変えてきた岡本純子氏。
たった2時間のコーチングで、「棒読み・棒立ち」のエグゼクティブを、会場を「総立ち」にさせるほどの堂々とした話し手に変える「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれ、好評を博している。
その岡本氏が、全メソッドを初公開した『世界最高の話し方 1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた! 「伝説の家庭教師」が教える門外不出の50のルール』は発売後、たちまち12万部を突破するベストセラーになっている。
コミュニケーション戦略研究家でもある岡本氏が「日本人がもう心底『日本政府のコロナ対策』にウンザリしている根本理由」について解説する。
「モヤモヤ」が拭えない3回目の「緊急事態宣言」
3回目の「緊急事態宣言」が発令されました。しかし、緊張感のあった2020年の1回目とは大分、様相が違うようです。
多くの国民が、「もんもん」とし、「モヤモヤ」し、「イライラ」しています。街の人出はそれほど減っている印象もないし、都内でも酒を提供している店や夜遅くまで開いている飲食店もあります。
「マンボウ?」「宣言?」いったい何が違って、何をしてはいけないのかももはや、わかりません。
「防疫体制」「医療体制の構築」「ワクチン接種の体制整備」……。日本の新型コロナ対策は何をとっても、泥縄的な印象が拭えません。
4月28日の時点で、あれだけ、感染者が激増しているインドが流行国に指定されておらず、水際対策は「ザルどころか、底が割れた鍋だ」と自民党内から声が出ました。
後手後手で、つぎはぎだらけの対策。国民はもはやサジを投げたというか、諦めムードさえ漂っています。
この「モヤモヤ感の根源」にあるものは何でしょうか。今回は今、この国に絶望的に欠如している「リーダーシップ」と「信頼」について考えてみましょう。
ロイター通信によれば、日本のワクチン接種は、主に「ロジスティックの問題」で進んでおらず、日本の接種率はまだわずか1.6%で先進国随一の低さ。日本より遅く接種が始まった韓国でさえ、人口の4.7%の接種が済んでいるのだそうです。
巨大な会場での大規模接種の話が出ていますが、報道によれば、先週ぐらいに浮上したアイディアだとか。他国は1年も前から接種体制について入念に準備を進めてきたというのに、いったいどういうことなのでしょう。もう開いた口がふさがりません。
次から次へと明らかになるポンコツぶり。いやいや、大変なのは、日本だけではないかもしれない。そう思って、私は海外に住む友人たちに現在の各国のコロナ対策について尋ねてみました。
「海外在住」の日本人に「コロナ対策」を聞く
【アメリカ】(カリフォルニア州在住)
・住民の37%がワクチン接種を完了し、20.3%は1回目の接種を済ませている。
・レストランはすでにインドア、アウトドアとも条件付きで再開。学校の再開も進む。このまま順調に行けば6月15日に経済活動の全面再開の予定。ただしマスク着用義務は残る。
【ドイツ】(ベルリン市在住)
・2回接種済みは7.4%、1回接種済みは24.7%。
・スーパーかドラッグストア等生活必需品を取り扱うお店ぐらいしかオープンしていない。小学校は分散登校、中学校以上は原則オンライン授業、公共空間および屋内はN95相当のマスク着用義務(布マスクや医療用マスクは不可)、夜間外出禁止。
【イギリス】(ロンドン在住)
・収束しつつある
・国民の約半数が1回目の接種を終わった。
【オーストラリア】(シドニー在住)
・ずっと感染者ゼロが続いている。
・ワクチン接種は全人口の7%ぐらい。しかし感染者もいないので、特に急ぐ必要がない。
・レストランもジムも普通に営業。日常生活に制約はほぼなし。
【シンガポール】
・3月後半より45-59歳、6月1日からは16‐45歳もワクチン接種の対象に。
【ロシア】(モスクワ在住)
・人口の7%(1回接種が8.3%)と聞いている。
いずれも「ワクチン接種」は日本よりは進んでいるようです。
一方で、ドイツの状況はずいぶん厳しく、「半年以上ロックダウン」という状態が続いていますし、他の多くのヨーロッパの国々も状況は厳しいままです。
アメリカもイギリスも大変な数の犠牲者を出し、長らく厳しい規制下に置かれていたことを考えると、日本の状況は「比べ物にならないぐらいいい」(ベルリン市在住の冨永真実子さん)とも言えるわけですが、そういった評価にもかかわらず、日本人の怒りは沸点に達しています。
今回、10人の海外在住の日本人に話を聞きましたが、8人が「感染は収束している」と回答。驚いたのは、9人が「その国の政権やリーダーを信頼している」と答えたことでした。ひどい状況の続くドイツでさえ、メルケル首相への支持率はそれほど下がっていないというのです。
その理由を冨永さんは「少なくとも『説明責任を果たしている』と認識されている」と分析しています。
「トップのメッセージがクリアで、市民にはリーダーシップがあると映る」「メディアとの関係が良好で、政権の方針に対して、国民も社会もメディアも協力的。結果、滞っていたいろいろなことがスムーズに流れている」(アメリカ)、「首相が定期的に状況のアップデートを3カ国語で会見。国民目線に立って語りかけ、一体感を感じさせてくれた」(シンガポール)と手放しの評価です。
「国と国民との信頼関係」が欠如している日本
日本人のモヤモヤポイントはたくさんあるわけですが、根本にあるのは「国」と「国民」との間の「コミュニケーション」、そしてそこから生まれるはずの「信頼関係」が「決定的に欠如している」ということではないでしょうか。
「信頼(Trust)の欠如」。これは今の日本の多くの問題の根幹にあるのかもしれません。
「組織の運営や企業の経営において特に重要なもの。それが信頼である」。アメリカの神経経済学者で、クレアモント大学院大学のポール・ザック教授は、こうした学説を唱え、「信頼」についての多くの学術的研究を発表しています。
「リーダーや社員間の信頼関係が高い企業」は低い企業に比べて、ストレスが74%減り、生産性は50%、人生への満足度が29%上がったそうです。
そこには「幸せホルモン」と言われる「オキシトシン」が深く関係していると彼は指摘します。
「信頼」は「幸せホルモン」「オキシトシン」の分泌を促進し、「人生の幸福感」「満足度」を高め、オキシトシンは「共感力」を高め、他人を信頼することへの「恐怖心を削ぐ」という相乗効果があるそうです。
他方、日本ではこの「信頼」の度合いが世界的に見ても圧倒的に低いという現実があります。PR会社エデルマンが毎年行っている「信頼」に関する世界調査によると、日本人で「政府を信頼する」という人の割合は37%で、サウジアラビアの82%、シンガポールの76%などの半分以下で、28カ国中22番目。「ビジネスへの信頼度」は28カ国中27番目、「メディアへの信頼度」も28カ国中27番目と惨憺たる結果でした。
「日本の安倍政権だけが『コロナ危機で支持率低下』という残念さ」(「プレジデントオンライン」2020年4月17日)でも指摘したように、危機下では政権の支持率は一般的に上昇しやすいのですが、日本とブラジルだけは支持率を下げました(2020年4月時点)。
日本はあらゆる組織で「リーダーシップ不在」
こうした不信感の源泉のひとつに「リーダーの資質」や「コミュニケーション不全」といった要素があるように感じます。
「納得のいく説明が何ひとつない」。これは我々がとみに感じるところでしょう。
「なぜ、医療体制が整備されてこなかったのか」
「なぜ、水際対策がこれほどまでに遅く、ゆるゆるなのか」
「ワクチン接種体制の構築がなぜこれほど遅いのか」
「オリンピックは安全に開くことができるのか」
などなど、国民は尽きぬ不安と疑問に溺れかけています。
菅義偉首相ひとりを責めて片付く問題ではないでしょう。大臣、政治家、官僚、医師会、あらゆる組織において「リーダーシップ不在」であり、何も動かない。国民はただただ、「自制」し、「自己防衛」をしていくしかないということです。
ザック教授は、「信頼」を醸成し、「オキシトシン」を高める方法として、以下の8つを推奨しています。
1 (人々の)働きや努力を認める
2 難しいけれど、達成可能なチャレンジを与え、適度なストレスを誘発する
3 仕事のやり方について自主裁量権を与える
4 自分でやりたいと思う仕事ができるようにする
5 広く情報を共有する
6 意識的に関係性を強化する
7 人格的な成長を促す
8 (リーダーが)弱さを認め、人々に助けを乞う
これらの方策はすべて、「国のコミュニケーション」に応用ができそうですよね。結局のところ、医療体制も接種体制も防疫体制も、意思疎通や指示伝達などが機能しなければ、変わりようはないわけで、コロナ対策のすべての場面において、「戦略的なコミュニケーション」が絶対的に必要ということです。
日本人にはもっと「きっちり言語化し伝える力」が必要だ
一つひとつのパーツはいいのに、全体となるとなぜかぐだぐだ。これが日本の「あるある」です。それはそうしたパーツをつなぐ役割を果たす「コミュニケーション」が機能していないからかもしれません。
「以心伝心」「忖度」「阿吽の呼吸」といったお家芸に頼っているから、物事は進まない。この視界不良の社会においては、「きっちりと言語化し伝える」という、血のにじむ「コミュニケーションの努力」「話し方の技術」が、どのリーダーや組織にも求められている――いまのコロナ禍は、この真実を私たち日本人につきつけているのです。 
 
 
 

 


●3回目の“宣言”発出の都府県 きのうの人出 1回目より大幅増加 5/3
3回目の緊急事態宣言が出されて2日で1週間となった東京、大阪、兵庫、京都の人出は1週間前と比べて多くの場所で減りましたが、去年の1回目の宣言時と比べると大幅に増加しました。
NHKは、IT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使って、3回目の緊急事態宣言が出された東京、大阪、兵庫、京都の主な地点の人の数を分析しました。
分析した時間は日中が午前6時から午後6時まで、夜間が午後6時から翌日の午前0時までです。
それによりますと2日の人出は、緊急事態宣言に伴う措置が始まった1週間前の先月25日と比べて、東京駅付近で日中が24%、夜間が33%それぞれ減少し、渋谷スクランブル交差点付近で日中が12%減少した一方、夜間が14%増加しました。
一方、関西は大阪梅田駅付近で日中は10%減少、夜間は変わりませんでした。
また神戸市の三ノ宮駅付近で日中は2%、夜間は18%それぞれ増加しましたが、京都駅付近では日中が18%、夜間が1%減少しました。
一方、去年の1回目の宣言が出ていた期間の土日祝日の平均と比べますと、人出は大幅に増えました。
増加率は東京駅付近で日中は155%、夜間も120%、渋谷スクランブル交差点付近で日中は126%、夜間も154%、大阪梅田駅付近で日中は213%、夜間も236%、神戸市の三ノ宮駅付近で日中は209%、夜間も254%、京都駅付近で日中は205%、夜間も210%に上りました。

●3回目の緊急事態宣言から1週間 人出減るも2020年GWより増  5/3
3回目の緊急事態宣言が出されて1週間となった2日の4都府県の人出は、1週間前より減少したが、2020年と比べると多くの場所で増加した。
NTTドコモが推計したデータによると、2日午後3時時点の人出は、2020年1月〜2月の感染拡大前の休日の平均に比べて、東京・渋谷センター街で45.9%減少し、緊急事態宣言が出されて初日となった1週間前と比べて、9.6ポイント減った。
また、銀座で9.5ポイント、大阪・難波で3.5ポイントなど、それぞれ減少した。
ただ、2020年5月の休日平均と比べると、渋谷センター街で100.1%増えたほか、銀座で69.6%、京都駅で70.7%など、多くの地点で増加した。

●5連休の中日 関西の観光地や繁華街 にぎわう 5/3
大型連休の5連休の3日目の3日、晴天に恵まれ、関西各地の観光地や繁華街はにぎわいました。
奈良公園多くの人でにぎわう
連休中日の3日、奈良市の奈良公園は多くの人でにぎわい、中には緊急事態宣言が出されている大阪などから訪れた人も見られました。
3日の奈良県内は朝からよく晴れていて、奈良公園には多くの観光客が訪れ、あたりを散策したり、鹿を撮影したりしていました。
奈良県では緊急事態宣言が出されている地域からの不要不急の来訪を控えるよう呼びかけていますが、客の中には、多くの施設や店舗が休業している大阪などから訪れた人も見られました。
子どもと一緒に訪れた大阪市内の40代の男性は、「大阪は緊急事態宣言が出てどこも閉まっています。子どもたちもストレスがたまっていたので奈良に来ました」と話していました。
一方、大阪の30代の男性は、「行くところがなかったので、子どもを喜ばせたくて来ました。人出は、少ないかなと思っていましたが、想像よりも多かったです。子どもがいろいろなところを触るので、こまめに手洗いしています」と話していました。
びわ湖の湖畔にも多くの人
滋賀県のびわ湖では、釣りや散策を楽しむ人の姿が多く見られ、中には緊急事態宣言が出されている京都などから訪れた人もいました。
3日の滋賀県は朝からよく晴れ、びわ湖の湖畔では、遊歩道を散策したり釣りを楽しんだりする人の姿が多く見られました。
県では緊急事態宣言が出されている地域から訪れる人を減らしたいとしていて、びわ湖の周辺にある県営公園などの駐車場は閉鎖されていますが、近くの路上には京都など県外ナンバーの車もとめられていました。
大津市の30代の男性は、「連休中はずっと家に籠もっていたので、子どもと散歩に来ました。思っていたより人が少なかったです」と話していました。
京都市から訪れた50代の会社員の男性は、「緊急事態宣言が出されているのは理解していますが、マスクをして静かにびわ湖の湖畔を歩くことは気分転換になるし悪いことではないと思います」と話していました。
神戸 三宮は買い物客でにぎわう
緊急事態宣言が出されるなか、神戸市では午前中から晴れて良い天気となり、中心部の三宮は、買い物客でにぎわっています。
大型連休が続くなか、3回目の緊急事態宣言が出されている兵庫県では県民に対し、不要不急の外出を自粛するよう呼びかけています。
神戸市の中心部・三宮では、連休中はデパートや地下街「さんちか」などは休業していますが、小売店の一部は営業を続けていて、多くの買い物客の姿が見られました。
スニーカー店の亀岡孝志マネージャー(47)は、「連休中はずっと店にいますが、きょうは幅広い年代の方が多く見られ、きのうやおとといに比べて人出が多い気がします。除菌などしっかり感染対策をして対応したいです」と話していました。

●カンニング竹山 “宿敵” 小池都知事の要請に苦言 5/3
お笑い芸人・カンニング竹山(50)が3日、司会を務める「変わる報道番組 アベプラ」(ABEMA)に出演。東京都・小池百合子知事を始めとした行政のコロナ対策に苦言を呈した。
この日の東京都の新規感染者数は708人。変異株の拡大で国内の累計感染者は60万人を超え、先月9日からわずか20日余りで10万人以上増と感染のペースが上がっている。
大型連休前に小池氏は会見で外出や飲食店の酒類提供の自粛を改めて要請したほか、路上飲みについては「絶対にやめていただきたい」とし、バーベキューやキャンプといった屋外レジャーでの飲み会についても控えるよう訴えていた。
竹山は「若い世代ってのは信頼がなくなっているというか統率が効かなくなってるじゃないですか」と指摘。仮に緊急事態宣言が延長となった場合に「何を言っても聞かなくなると思うんですよ」と断言した。
続けて小池氏ら行政からの要請について「お願いというか、アナウンスの仕方が非常に下手だなと思うんですよ。若い人たちって小池都知事の会見とか見ないっすよね」とした上で「都知事朝からテレビ出まくれと、堅苦しい言い方じゃなくて」と提案した。
こうした背景には法的根拠がないことが指摘されると竹山は「法律も何もないからいかにも日本人らしいことをやってて連帯責任的になってるじゃないですか」と分析。ソロキャンプや飲食店での1人飲みが同等に制限されていることに疑問を投げかけ、それらが議論がされない現状に「この国は有事に弱いんだなって改めて思いましたね」と嘆いた。

●小池知事と尾身氏、変異型対策など意見交換… 5/3
東京都の小池百合子知事は3日、政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長ら専門家を都庁に招き、都内の感染状況などについて意見交換した。
小池知事は終了後、報道陣の取材に「変異ウイルスはこれまでよりも感染力が強く、より強い対策が必要だとの分析をいただいた」と語り、「大型連休中だが、ウイルスがより強いという自覚、認識を持って行動してほしい」と都民に訴えた。

●兵庫知事“緊急事態宣言の延長要請もありうる” 5/3
兵庫県で医療提供体制がひっ迫した状態が続くなか、3日、井戸知事は今月11日が期限となっている新型コロナウイルスの緊急事態宣言について、感染者の数が大幅に減らない場合は、国に期限の延長を要請する考えを示しました。
兵庫県では3回目の緊急事態宣言が出されるなか、感染者の急増で重症患者用の病床の使用率が80%を超えるなど、医療提供体制がひっ迫した状態が続いています。
兵庫県の井戸知事は3日、県庁で記者団の取材に応じ、11日が期限となっている緊急事態宣言について延長を検討しているか問われたのに対し、まずは宣言の効果を見定めたいとした一方で、「感染者数が大幅に減らないと、打ち切りということになりにくいのではないか」と述べました。
そのうえで、「国の動きを見定めながら県の対応を考えるが、選択肢として延長の要請もありうる」と述べ、今週後半にも判断する考えを示しました。
そして、井戸知事は県民に対し、「せっかくの大型連休だが、県民には不要不急の外出は控えて頂き、うつらない、うつさない行動を徹底してほしい」と要請しました。
このほか、井戸知事は国から看護師46人の派遣が決まったことも明らかにしました。
このうち、4日からは、いずれも神戸市の神戸市民病院に4人、西市民病院に3人派遣されます。
また、1週間から2週間後には、明石市の明石市民病院にも派遣が決まっているということです。

●テイクアウト頻繁利用で母に頼らざるを得なくなった30代男性の胸中 5/3
5月11日までとされる3回目の緊急事態宣言。東京、大阪などの対象地域では酒類やカラオケを提供する飲食店等に休業要請が出されるなど、これまでのものと比べて一段と厳しい内容になった。一方、この1年以上の間に飲食店でも新しいサービスが充実してきており、飲食店のテイクアウトサービスも広く普及した。そんなテイクアウトを頻繁に使用しているという、ある30代男性公務員が抱える悩みとは。フリーライターの吉田みく氏が話を聞いた。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は4都府県に対し3度目の緊急事態宣言を発令。酒類の提供の終日停止や、1000平米以上の商業施設や遊興施設などにも休業要請が出されるなど、感染拡大防止に努めた行動を求められることとなった。今年もステイホームを強いられるゴールデンウイークとなっている。
休業要請や時短要請をされている飲食店やそれらに食材などを卸す会社は、苦しい状況が1年以上も続いている。帝国データバンクの調査によると、2020年の飲食店の倒産は780件で過去最多だった。政府などから「協力金」が出されているものの、それでは賄いきれないのが多くの飲食店の現実のようだ。
コロナ禍で大変な飲食業を応援したい気持ちからテイクアウトを利用しているという都内在住の公務員、多田雄介さん(仮名・34歳)に話を聞いた。
「食べることが趣味なので、飲食店へ足を運びづらい状況に窮屈さを感じているのが本音です。今はテイクアウトを利用して自宅でお店の味を楽しみ、微力ながら飲食店を応援しています」(多田さん、以下同)
テイクアウトの場合、食べきれなかった分は翌日も楽しむこともできる。また、外食時のお通し代や飲酒代がかからず節約にもつながったと、多田さんは非常に満足しているようだった。しかし最近はちょっとした悩みも出てきたという。
「最初はメイン料理を1品程度でしたが、最近は2品ほど多く注文することが増えました。財布のひもを締めなおさなくちゃと思ったのですが、行きつけの店主から『いつもありがとう! 本当に助かるよ!』と言われ、僕が応援しなくちゃ! と強く思うようになったんです」
多田さんはコロナの影響がほとんどない公務員。収入減などもなく、安定して生活できているという。コロナと最前線で戦っている医療従事者には頭が下がるばかりだが、飲食店を利用して経済に貢献することならできると思ったそうだ。だがある日、クレジットカード明細を見たら驚きの数字が飛び込んできたという。
「テイクアウトを利用しすぎて、普段の支払金額より3万円ほどアップしていました。思い返してみれば、最近は週3回くらいでテイクアウトし、自炊はほぼなし。美味しい料理を食べながら自宅で晩酌する機会が増えたので、缶ビール代もかさんでいたようです。恥ずかしながら貯金ができない性分で、足が出た分は実家の母に立て替えてもらいました……」
話を聞くと、多田さんはこの件に限らず、60代の母親から金銭的なサポートを何度か受けていたという。多少の嫌味は言われるものの、頼み込めば送金してくれるので、ついつい甘えてしまうそうだ。
「本当は直接会ってお願いすべきなんでしょうけど、今はコロナですしね……。母親も高齢になってきたので気を遣ってしまいます。コロナが落ち着いたら、親孝行して、恩返しをする予定です」
自宅で本格的な味が楽しめる飲食店のテイクアウト。飲食店を応援したい、美味しい食事が食べたいという気持ちも大切だが、生活に影響するほど利用するのは考えものである。

●1年前の悪夢がまた襲撃…720人乗った日本クルーズ船で感染者 5/3
春の大型連休「ゴールデンウイーク(GW)」を迎えて出港した遊覧船が、船内の新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)感染者発生で回航する事件が起きた。昨年712人の集団感染が発生した「ダイヤモンド・プリンセス号」の悪夢を思い出させるような状況で、日本国内でも批判の声が出ている。
日本メディアによると、4月29日に横浜港を出港した大型クルーズ船「飛鳥II号」で60代の男性乗客1人が陽性判定を受けた。これに伴い、飛鳥IIは直ちに旅程をストップして1日に横浜に回航し、感染者と濃厚接触者1人を除いた残り乗客は全員下船して帰宅した。
報道によると、飛鳥II号には乗客295人、乗務員425人が搭乗していた。GWを迎えて4月29日に横浜港を出発して青森県と北海道を回って5日に再び横浜に帰ってくる予定だった。
乗客乗員は出港1週間前に受けた検査で全員陰性判定を受け、さらに出港当日に再検査を実施していたことが分かった。だが、検査結果が出る前に船が出港し、結局1人が陽性判定を受けたことで回航することになった。
日本では新型コロナ第4波で先月25日から東京都や大阪府、京都府、兵庫県など4都府県に3回目の緊急事態が宣言された状況だ。緊急事態が宣言された中で、クルーズ船が出港を強行し、当日検査結果が出る前に出発して危険な状況を自ら招いたことなどに対して批判が出ている。
日本では新型コロナ発生初期、クルーズ船内の集団感染で大きな混乱を経験したことがある。昨年2月、横浜に入港した大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で船内感染が発生して712人の感染者が、13人の死亡者が出た。
緊急事態が宣言されて1週間が過ぎたが、日本の新型コロナ拡大は鎮まる兆しは見られない。1日、全国の新型コロナ新規感染者は5986人で、3月22日の2回目の緊急事態宣言が全面解除された後で最多となった。この日一日で大阪府1262人、東京都1050人、兵庫県539人、京都府158人の感染者が発生し、緊急事態発令前よりも感染者数が増えた。
TBS放送によると、1日東京など大都市の流動人口は前週土曜日と比較して40〜50%ほど減少したことが分かった。だが、他の地域に旅行する人々が増えて羽田空港利用客数は昨年同期に比べて7.5倍増加した。
緊急事態宣言は今月11日まで予定されているが、現在の拡大傾向のままなら、延長は避けられないとの指摘が相次いでいる。東京医科大学の濱田篤郎特任教授は2日、朝日新聞に「連休中にステイホームする人が増え、ある程度は感染者は減るかもしれないが、11日の期限までに流行が収まるとは思えない」と明らかにした。
国際医療福祉大学の松本哲哉教授も毎日新聞に「期限通りに解除すれば、解除のメッセージだけが大きく伝わり、感染者数が爆発的に増える」とし「宣言は延長するしかないだろう」と話した。 
 
 
 

 


●3回目の緊急事態宣言中のGW傾向は 5/4
4月25日から3回目の緊急事態宣言が東京都、大阪府、兵庫県、京都府の4都府県に発令され、5月11日までの17日間が対象となり、ゴールデンウイーク期間中の緊急事態宣言が確定した。
2回目の緊急事態宣言では行われなかったテーマパークへの休業要請も行われ、スポーツイベントも無観客試合を要請し、最も驚いたのは緊急事態宣言が発令されている都府県では、レストランなどにおいて終日アルコールの提供を見合わせるという措置を取った。だが、今回の緊急事態宣言においては、旅行に関連する飛行機や鉄道などの交通機関の利用、さらには宿泊施設への休業要請は行われていないことに加えて、緊急事態宣言が四つの都府県のみで全国が対象にならなかったことから、緊急事態宣言対象エリア外へのゴールデンウイーク中の旅行はキャンセルせずに予定通りに旅行へ出かける人が多い傾向になりそうだ。
全体的な傾向としては故郷への帰省は取りやめる一方で、旅行においては目的地の感染者数の推移によって判断するという状況で、各航空会社では4月23日に国内線のゴールデンウイーク期間中の予約状況を発表している。
近年の傾向(コロナ前)としては首都圏や近畿圏から観光地へ向かう旅行者だけではなく、東京ビッグサイトで開催されるコミックマーケット(今年は中止)をはじめ、東京都内でのゴールデンウイーク期間中のイベントも増えたことにより地方の人が東京へ遊びに来る傾向が多く見られていた。
しかし、今年の数字を見ると、ゴールデンウイーク初日の4月29日において、東京や大阪から地方へ向かう下り便の利用者が、地方から東京や大阪へ向かう上り便の利用者の倍以上となっており、首都圏および近畿圏への旅行者は非常に厳しい状況となっている。
そういった状況は宿泊施設の料金にも大きく反映されている。リゾート地や温泉地などにおいては、2年前に近い水準の宿泊料金にも関わらず、緊急事態宣言外エリアなどでは満室になっているホテルや旅館がある一方、東京、大阪、京都などでは高級ホテル、旅館などにおいて、Go Toトラベル実施時の35%割引をした金額よりも安い料金で販売されているケースも目立っており、大きな格差が出ている。
特に緊急事態宣言発令地域ではお酒が飲めないことも含め、旅行に出かけて宿泊施設の広い部屋でのんびり過ごし、ステイホーム疲れを癒やしたいという気持ちも理解できるゴールデンウイークになりそうだ。

●大阪・神戸・京都 主な駅周辺3日の人出 1週間前より減少 5/4
3回目の緊急事態宣言が出されている、大阪、兵庫、京都の主な駅周辺の3日の人出は、1週間前や2回目の緊急事態宣言中と比べて、日中、夜間ともにいずれも減少しました。
これは、IT関連企業のAgoopが携帯電話の利用者の許可を得て個人を特定しない形で集めたデータを使い、3日の人出を調べたものです。
【1週間前との比較】 1週間前の先月26日との比較では、日中は、大阪梅田駅周辺が−48%、京都駅周辺が−29%、神戸市の三ノ宮駅周辺が−28%でした。夜間は、大阪梅田駅周辺が−46%、京都駅周辺が−28%、神戸市の三ノ宮駅周辺が−23%と、いずれも減少しました。
【2回目の緊急事態宣言中との比較】 2回目の緊急事態宣言中の土日祝日の平均と比べると、日中は、大阪梅田駅周辺が−57%、京都駅周辺が−17%、神戸市の三ノ宮駅周辺が−30%でした。夜間は、大阪梅田駅周辺が−53%、京都駅周辺が−17%、神戸市の三ノ宮駅周辺が−25%と、いずれも減少しました。

●4都府県 きのう人出 2回目宣言時より減 1回目宣言時より大幅増  5/4
3回目の緊急事態宣言が出されている東京、大阪、兵庫、京都の3日の人出は、2回目の宣言時と比べていずれも減少しましたが、去年の1回目の宣言時と比べると大幅に増加しました。
NHKは、IT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使って、3回目の緊急事態宣言が出されている東京、大阪、兵庫、京都の主な地点の人の数を分析しました。
分析した時間は、日中が午前6時から午後6時まで、夜間が午後6時から翌日の午前0時までです。
それによりますと、3日の人出は、2回目の宣言が出ていた期間の土日祝日の平均と比べて、東京駅付近で、日中で9%、夜間で14%、それぞれ減少しました。
また、渋谷スクランブル交差点付近で、日中で23%、夜間で21%、大阪梅田駅付近で、日中で57%、夜間で53%、神戸市の三ノ宮駅付近で、日中で30%、夜間で25%、京都駅付近では、日中で17%、夜間で17%、いずれも減少しました。
しかし去年の1回目の宣言が出ていた期間の土日祝日の平均と比べると、いずれの地点も大幅に増加しています。
増加率は、東京駅付近で、日中が171%(およそ2.7倍)、夜間が147%(およそ2.5倍)、渋谷スクランブル交差点付近で、日中が122%(およそ2.2倍)、夜間が156%(およそ2.6倍)、大阪梅田駅付近で、日中が184%(およそ2.8倍)、夜間が200%(3倍)、三ノ宮駅付近で、日中が183%(およそ2.8倍)、夜間が223%(およそ3.2倍)、京都駅付近では、日中が242%(およそ3.4倍)、夜間が248%(およそ3.5倍)となっています。 
 
 
 

 


●緊急事態宣言の延長で、今度こそ歯止めがきかなくなる! 5/5
4都府県で緊急事態宣言下のゴールデンウイークも今日で終わり。3回目の緊急事態宣言の解除期限とされていた5月11日が近づき、「延長」か「解除」かの判断が下される。延長は不可避の声が高まる中、お笑い芸人のカンニング竹山さんは延長されたら「歯止めがきかなくなる」と危惧している。
昨年の4月の緊急事態宣言の時は、みんなビクビクしながら、“近所のスーパーマーケットくらいなら出かけてもいいよね?” という感じだった。いま3回目の緊急事態宣言では、ビクビクした感じは薄れてしまって、例えば百貨店は生活用品売り場しか開いてないけど、ちょっと銀座に出かけてみるかって行ってみると、“あぁやっぱりお店は閉まっていたかぁ”なんてことだったりする。今は緊急事態宣言中だと認識はしながら行動している。
3回目の緊急事態宣言って、なんだか心とからだがバラバラみたいな状態というか、そんな感じでみんな過ごしている。銀座を例えに出したけど街中をただ歩いたからって、戦時中の日本みたいに憲兵が取り締まるわけでもないのに、なんなんだかなぁ、この感じは……って、みんな過ごしてますよね。
憲兵って言ったけど、日本は戦争をしない国だから軍隊を持っていないんですよ。何が言いたいかというと、軍隊を持っている他のアジアの国と違って、日本は、軍隊が銃を持って街を歩き回って見張るような国ではないから、こういう緊急事態が起きてもなかなか強制力は効かない。だからこそ、日本は住んでいていい国だとは思うんですよ。
3回目の緊急事態宣言のせいか、みんないろんなところに不満を持っているのはわかる。菅総理が何にも決めてくれないとか、日本のワクチン接種が遅れているとか。確かに日本の接種率は今の時点で低いけど、でも、世界規模でみたらワクチンが行き渡るのって、そもそもそういう仕組みでしょ? それこそ最初にコロナ感染者が出た中国・武漢が悪かったんだとか文句言い出しても、ちょっと待て、何かにつけていろいろ文句言っているけど、そもそもこんなことになったのはコロナのせいで、悪いのはウイルスなわけだから。ウイルスと闘わなければならないだけでしょ? 文句言いたいのはわかるけど。
長引くこの状況に文句ばかり言ってないで、夢を描こうじゃないかと言っても、“コロナが終息したならば”って、“17歳の頃の将来の夢”みたいだなぁって思える。17歳に将来の夢は? って言われて、小さい子どもの夢ではないから現実的にはなるんだけど、でも将来を見据えるにはまだまだ、進学か就職か、この先何を本当にやりたいのか、その夢に突き進んでいいのか? 自分たちの17歳を振り返っても何にも決められなかった。緊急事態宣言は延長されてもいつか解除されるかもしれないけど、コロナの終息ってハッキリ言ってまだまだずっと先のことだから、アフターコロナの夢も描けないよねぇ……。
ずっと気になっているのが、菅総理にしても小池都知事にしても、緊急事態宣言に関してのその言い方! 小池都知事はあの手この手で伝えようとしているけど、パフォーマンスが下手というか、お願いが全く届いていない。緊急事態宣言においては、本来はお願いされているのになんだか常に上から言われている感じでしょ? それでは全く国民に響かないですよね。
例えば大家と部屋を借りている住人の関係に置き換えたら、ちゃんと家賃を払って住んでいるのに大家から急に命令されても「そんなにうるさく言う所なら出ていくよ!」という選択肢もある。大家と借りている住人は立場としては対等でどっちが上、下ってことはない。家賃を払っていてルールを守っていれば命令という形で言われる筋合いはない。
国に住んでいる人は税金を払って暮らしているのに、緊急事態宣言においては、どうして、そういう言い方するのかね? お願いをするんだったら、“お願いだからこの期間は休んで欲しい。休んでくれた間、少ししか出せないんだけど、2万円出すから。これでなんとか頼む! いま我慢してくれ!”とか、お願いを言えないもんなのか? 何でもそうだけど、何事においても、大事なのは言い方ね。
インド型などの変異株の感染拡大があって、このままだと5月11日までの緊急事態宣言は延長せざるを得ない状況でしょう。緊急事態宣言が延長になるって時にも、言い方は大事になってくると思う。
今回、緊急事態宣言が延長されるとなると、この国の場合は今度こそもう歯止めがきかなくなると個人的に思っている。いい意味で、軍隊に見張られなくてもよく言う事を聞く国民性なので、逆にここまで我慢してきたことが一気に爆発して、一瞬で「やってらんない!」ってなると思う。ふくらんだものがパンと弾けるような気がしてならない。飲食店はもちろん我慢に我慢を重ねてきているだろうし、全く言う事を聞かなくなるかもしれないところは、とっても気がかりなところ。
ゴールデンウイークが終わり、自粛疲れな時期かもしれないけれども、僕は前から話しているように、もう自粛は楽しむという発想の転換しかないと思う。飲食店やっている人とか収入のことが気がかりな人はたくさんいると思うけど、もう、外出を減らしてなるべく家にいてなんて言われる期間は、人生で滅多にないんだから。

●都内 4日の人出 1回目宣言時より大幅に増加 5/5
3回目の緊急事態宣言が出されている東京、大阪、兵庫、京都の4日の人出は、2回目の宣言時と比べて減った地点もありますが、去年の1回目の宣言時と比べるといずれも大幅に増加しました。
NHKは、IT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使って、3回目の緊急事態宣言が出されている東京、大阪、兵庫、京都の主な地点の人の数を分析しました。
分析した時間は、日中が午前6時から午後6時まで、夜間が午後6時から翌日の午前0時までです。
それによりますと、4日の人出は、2回目の宣言が出ていた期間の土日祝日の平均と比べて、東京駅付近で日中は10%減少しましたが、夜間は8%増えました。
渋谷スクランブル交差点付近は日中は17%減少しましたが、夜間は25%増えました。
一方、大阪梅田駅付近は日中で58%、夜間で51%、神戸市の三ノ宮駅付近で日中で30%、夜間で11%、京都駅付近では日中で25%、夜間で22%、いずれも減少しました。
しかし、去年の1回目の宣言が出ていた期間の土日祝日の平均と比べると、いずれの地点も大幅に増加しています。
増加率は、東京駅付近で日中が167%(およそ2.7倍)、夜間が209%(およそ3.1倍)、渋谷スクランブル交差点付近で日中が138%(およそ2.4倍)、夜間が303%(およそ4倍)、大阪梅田駅付近で日中が179%(およそ2.8倍)、夜間が212%(およそ3.1倍)、三ノ宮駅付近で日中が186%(およそ2.9倍)、夜間が279%(およそ3.8倍)、京都駅付近では日中が209%(およそ3.1倍)、夜間が224%(およそ3.2倍)となっています。

●キャッシュレス決済の利用動向で判明! 「巣ごもり」は過去のもの? 5/5
4月に入り東京、大阪、京都、兵庫を対象に出された3回目となる「緊急事態宣言」。街から人が消えた1回目の様子は記憶に新しい。しかし、今回の発令でみなさんの周りの様子はどうだろう。1回目に比べて「慣れ」が出ているのではないだろうか。今回は、この人々の緊急事態宣言への慣れが数字として見て取れる、ある調査結果を紹介する。緊急事態宣言は形式化されはじめている?
4月25日から、東京、大阪、京都、兵庫を対象に「緊急事態宣言」が出された。2020年4月、2021年1月に続き、今回が3回目となる緊急事態宣言。外出の自粛や、飲食店の時短営業や休業要請、イベントやスポーツの無観客開催の要請など、生活に大きな影響を与える。加えて今回は飲食店の「酒類の提供終日停止」や東京都においては、20時以降のイルミネーションやネオン看板の消灯を要請するなど、今まで以上に徹底した対策が取られている。
しかし、初めてとなった1年前の宣言が出た際と比べて、街の人通りはとても多く見える。同時に、飲食店での酒類の提供停止に伴う路上飲酒の増加なども連日ニュースを賑わせている。多くの人達にとって緊急事態宣言は、「またか…」という感覚になってしまっているのではないだろうか。今回ある指標からも、緊急事態宣言の影響の鈍化について浮き彫りになってきた。
「トランザクション・メディア・ネットワークス」は「2021年1月〜3月のキャッシュレス決済の市場動向」を発表した。その内容から人々の電子マネー利用実績を見ていくと、1月の緊急事態宣言の対象地域とその他の地域を比較して、電子マネーの利用状況に大きな差がないことが判明した。少なくとも消費という観点から見て、「うちは緊急事態宣言が出たから買い物の頻度を下げよう」といった動きが少なかったことが見て取れる。
詳細を見てみると、スーパーマーケットは第4四半期の前年比146%。ドラッグストアも122%となり、むしろコロナ禍になり消費が上向いていることが分かる。どちらも日用品の購入には欠かせない店舗となっており、「買い物の自粛」という点は行われていなさそうだ。ホテルやアミューズメント施設などは、さすがに1月以降大きく減少を見せたものの、それ以降回復傾向にあり、人々の外出の意欲が今とても高まっていることが分かった。
全体としての消費の好調さ、スーパーなどの購買の影響力の少なさ、レジャー施設の回復の兆しを見る限り、人々は緊急事態宣言、そしてコロナ禍に少しずつ「慣れ」が生じてしまっていると言っていいだろう。
今回の調査結果、好調な店舗に比べて、対照的に「書店・CD/DVD」については増減を繰り返しており不調な様子。自宅時間の強い味方となる書籍や映像コンテンツが不調なのは意外である。昨年の書籍は好調な売れ行きを見せていただけに、もはや外出自粛に伴う「巣ごもり」という感覚自体が過去のものとなりつつあるのかもしれない。

●緊急事態宣言の延長で、今度こそ歯止めがきかなくなる! 5/5 
4都府県で緊急事態宣言下のゴールデンウイークも今日で終わり。3回目の緊急事態宣言の解除期限とされていた5月11日が近づき、「延長」か「解除」かの判断が下される。延長は不可避の声が高まる中、お笑い芸人のカンニング竹山さんは延長されたら「歯止めがきかなくなる」と危惧している。
昨年の4月の緊急事態宣言の時は、みんなビクビクしながら、“近所のスーパーマーケットくらいなら出かけてもいいよね?” という感じだった。いま3回目の緊急事態宣言では、ビクビクした感じは薄れてしまって、例えば百貨店は生活用品売り場しか開いてないけど、ちょっと銀座に出かけてみるかって行ってみると、“あぁやっぱりお店は閉まっていたかぁ”なんてことだったりする。今は緊急事態宣言中だと認識はしながら行動している。
3回目の緊急事態宣言って、なんだか心とからだがバラバラみたいな状態というか、そんな感じでみんな過ごしている。銀座を例えに出したけど街中をただ歩いたからって、戦時中の日本みたいに憲兵が取り締まるわけでもないのに、なんなんだかなぁ、この感じは……って、みんな過ごしてますよね。
憲兵って言ったけど、日本は戦争をしない国だから軍隊を持っていないんですよ。何が言いたいかというと、軍隊を持っている他のアジアの国と違って、日本は、軍隊が銃を持って街を歩き回って見張るような国ではないから、こういう緊急事態が起きてもなかなか強制力は効かない。だからこそ、日本は住んでいていい国だとは思うんですよ。
3回目の緊急事態宣言のせいか、みんないろんなところに不満を持っているのはわかる。菅総理が何にも決めてくれないとか、日本のワクチン接種が遅れているとか。確かに日本の接種率は今の時点で低いけど、でも、世界規模でみたらワクチンが行き渡るのって、そもそもそういう仕組みでしょ? それこそ最初にコロナ感染者が出た中国・武漢が悪かったんだとか文句言い出しても、ちょっと待て、何かにつけていろいろ文句言っているけど、そもそもこんなことになったのはコロナのせいで、悪いのはウイルスなわけだから。ウイルスと闘わなければならないだけでしょ? 文句言いたいのはわかるけど。
長引くこの状況に文句ばかり言ってないで、夢を描こうじゃないかと言っても、“コロナが終息したならば”って、“17歳の頃の将来の夢”みたいだなぁって思える。17歳に将来の夢は? って言われて、小さい子どもの夢ではないから現実的にはなるんだけど、でも将来を見据えるにはまだまだ、進学か就職か、この先何を本当にやりたいのか、その夢に突き進んでいいのか? 自分たちの17歳を振り返っても何にも決められなかった。緊急事態宣言は延長されてもいつか解除されるかもしれないけど、コロナの終息ってハッキリ言ってまだまだずっと先のことだから、アフターコロナの夢も描けないよねぇ……。
ずっと気になっているのが、菅総理にしても小池都知事にしても、緊急事態宣言に関してのその言い方! 小池都知事はあの手この手で伝えようとしているけど、パフォーマンスが下手というか、お願いが全く届いていない。緊急事態宣言においては、本来はお願いされているのになんだか常に上から言われている感じでしょ? それでは全く国民に響かないですよね。
例えば大家と部屋を借りている住人の関係に置き換えたら、ちゃんと家賃を払って住んでいるのに大家から急に命令されても「そんなにうるさく言う所なら出ていくよ!」という選択肢もある。大家と借りている住人は立場としては対等でどっちが上、下ってことはない。家賃を払っていてルールを守っていれば命令という形で言われる筋合いはない。
国に住んでいる人は税金を払って暮らしているのに、緊急事態宣言においては、どうして、そういう言い方するのかね? お願いをするんだったら、“お願いだからこの期間は休んで欲しい。休んでくれた間、少ししか出せないんだけど、2万円出すから。これでなんとか頼む! いま我慢してくれ!”とか、お願いを言えないもんなのか? 何でもそうだけど、何事においても、大事なのは言い方ね。
インド型などの変異株の感染拡大があって、このままだと5月11日までの緊急事態宣言は延長せざるを得ない状況でしょう。緊急事態宣言が延長になるって時にも、言い方は大事になってくると思う。
今回、緊急事態宣言が延長されるとなると、この国の場合は今度こそもう歯止めがきかなくなると個人的に思っている。いい意味で、軍隊に見張られなくてもよく言う事を聞く国民性なので、逆にここまで我慢してきたことが一気に爆発して、一瞬で「やってらんない!」ってなると思う。ふくらんだものがパンと弾けるような気がしてならない。飲食店はもちろん我慢に我慢を重ねてきているだろうし、全く言う事を聞かなくなるかもしれないところは、とっても気がかりなところ。
ゴールデンウイークが終わり、自粛疲れな時期かもしれないけれども、僕は前から話しているように、もう自粛は楽しむという発想の転換しかないと思う。飲食店やっている人とか収入のことが気がかりな人はたくさんいると思うけど、もう、外出を減らしてなるべく家にいてなんて言われる期間は、人生で滅多にないんだから。 

●GWの人出、高尾山や江の島で昨年の4倍超…箱根・熱海も3倍 5/5
東京など4都府県に3回目の緊急事態宣言が出される中で迎えた5月の大型連休。首都圏の行楽地では、1回目が発令されていた昨年の同時期と比べ、人出が大きく増えている。
携帯電話の位置情報から滞在人口を推計するNTTドコモの「モバイル空間統計」のデータを基に、昨年5月2〜6日と今年5月1〜4日の午後1時台の人出の平均値を比較した。
東京駅の人出は、昨年より1・84倍に増えていた。昨年は登山道の入り口に「登山自粛」を求める文書が掲示された東京都八王子市の高尾山では、今年はケーブルカーとリフトを運行していることもあり、昨年の4・74倍に上った。
昨年は大型連休中に1回目の緊急事態宣言が全国で延長されたこともあり、各行楽地で人波が減った。だが、3回目となる今回の宣言は対象地域が4都府県に絞られており、対象外となった神奈川県藤沢市の江の島で4・68倍、同県箱根町の箱根湯本駅では3・82倍に。家族連れらでにぎわう静岡県熱海市の熱海駅も3・22倍だった。  
 
 
 

 


●東京都「緊急事態宣言の延長」きょうにも政府に要請へ 5/6
「(電車は)普通に混んでました。(宣言)前後で変わってないと思います」(30代通勤客)
大型連休が明けたきょう、JR東京駅には多くの通勤客の姿が見られました。3回目の緊急事態宣言が出て10日あまりが経ちましたが、東京都では、感染者の大幅な減少はみられず、変異ウイルスの割合が6割を超えるなど収束は見通せない状況です。こうしたことから東京都が、きょうにも政府に宣言の延長を要請する方向で調整していることが関係者への取材でわかりました。
「今日このあとモニタリング会議を開いて、これからの態勢を議論していきたい」(小池百合子 都知事)
「(延長は)当然でしょ。全然感染者減ってないじゃないですか」(60代通勤客)
「(宣言が)乱発されるのはちょっと危険だなと思う」(30代通勤客)
延長期間などについては今後、国との調整となりますが、ある都の幹部は「措置の内容を緩めることは考えられない」と、引き続き厳しい措置が必要との認識を示しています。 

●緊急事態宣言 延長の方向で調整、期間は“2週間から1か月程度” 5/6
政府は、緊急事態宣言について「延長」の方向で調整を進めています。期間は2週間から1か月程度を検討していて、6日に方針決定の見通しです。
「専門家のご意見を伺った上で、今週中に判断をしたい」(菅首相)
菅総理は5日、関係閣僚らと協議した後、4都府県の緊急事態宣言の延長などについて、週内に判断する考えを示しました。協議に参加した閣僚の1人は、感染状況について“かなり厳しいというのが共通認識”であると明らかにしました。政府は宣言の延長に向け調整を進めていて、延長幅は「2週間」から「1か月」程度の案が検討されています。
菅総理は6日、改めて関係閣僚と協議し、4都府県の宣言延長や北海道、福岡が要請する「まん延防止等重点措置」の適用などについての政府方針を固め、7日に正式に決定する見通しです。

●小池都知事「緊急事態宣言 解除できる状況にない 延長が必要」 5/6
東京都に出されている緊急事態宣言について、小池知事は「解除できる状況にない。宣言の延長が必要だと考えている」と述べ、来週11日の期限を延長する必要があるという考えを示しました。
小池知事は、都のモニタリング会議のあと記者団に対し、「繁華街の人の流れが減少しているという報告をいただいているが、新規陽性者数が減少に転じることにはまだつながっていない。重症者数も減少していない」と述べ、都内の感染状況は引き続き厳しいという認識を示しました。
そのうえで「まだ予断を許さない。感染力の強い変異ウイルスに急速に入れ代わっているという話をいただいている。緊急事態宣言を解除できる状況にない。宣言の延長が必要だと考えている」と述べ、来週11日の期限を延長する必要があるという考えを示しました。
また、引き続き人の流れを徹底して抑制し、飲食などでの感染を抑える対策を講じていく考えを示しました。

●インドの新規感染者と死者、1日当たりの最多を更新 5/6
インドでは新たに41万2262人の新型コロナウイルス感染が報告され、死者数も3980人増えた。いずれの数値も1日当たりの最多を更新した。
インドの製薬業界は中国からの航空貨物便の一部運航停止について、世界の医薬品サプライチェーンに重大な影響を及ぼす恐れがあると警告している。インドで新型コロナウイルス感染が急激に増えている事態を受け、中国国営の四川航空は4月26日からインドへの貨物便を15日間停止する措置を取っている。
インド製薬協会(IDMA)の幹部によると、同国の医薬品メーカーは原料の6、7割を中国から調達しており、世界各地に出荷されている完成品についても同様に原料を中国に依存している。
モデルナ製のコロナワクチン接種を受けた人の免疫力をさらに高めるためブースター(追加免疫)接種を実施したところ、南アフリカとブラジルで出現した変異株に対する抗体が強化されたことが示された。
同社が公表した第2相試験の初期段階の結果によると、ブラジルで猛威を振るっている「P.1」および南アで広がっている「B.1.351」と呼ばれる変異株に対し、2種類のブースターが抗体の水準を高めたことが分かった。  

●緊急事態宣言でもパチンコ通いする人々「パチンコ店しか空いていない」 5/6
2020年4月に発令された1回目の緊急事態宣言下では“不要不急”の象徴としてパチンコ店が大きな注目を集めた。多くの店舗が休業となったが、一部店舗が休業要請に応じず営業を続け批判の目に晒されたことは記憶に新しい。あれから1年、今年のゴールデンウィークも1都3府県で3回目の緊急事態宣言が発令されているが、パチンコ店の様子はどうなっているのだろうか。
今回、パチンコ店については、床面積の合計が1000平方メートル以上の店舗に対しては休業要請、1000平方メートル未満の店舗に対しては休業の協力依頼という形になっている。パチンコ業界に詳しいライターの藤井夏樹氏はこう話す。
「東京都のパチンコ・パチスロ店による業界団体である東京都遊協は、緊急事態宣言発令前の4月22日に、小池百合子東京都知事に向けてパチンコ店を休業の対象に含まないように要請する文書を送付しています。これまで、パチンコ店ではクラスター(集団感染)が発生していないことや、万全な感染対策を行っていることを説明し、理解を求めていたわけですが、実際には休業要請の対象になりました」
東京都遊協は4月27日に行われた4月定例理事会にて、宣言にどう対応するかの話し合いを実施。パチンコ・パチスロ店営業における新型コロナウイルス感染症の拡大予防ガイドラインを徹底するとともに、告知広告などの掲示・宣伝の禁止、20時以降のネオン・看板照明の消灯を徹底するよう、各店舗に要請することを決議した。
「休業要請は出されていますが、実際に休業するパチンコ店は少なく、多くのホールが営業を継続している状況です。昨年の1回目の緊急事態宣言の際には、世間から強いバッシングを受け、多くのホールが休業し、都内では62店舗が廃業に追い込まれたと言われています。経営的に厳しいホールも多いということで、東京都遊協としては“休業を強いることはできない”という方向性に進んでいるのでしょう。
ちなみに、ホールにおける感染対策に関しては、昨年から徹底して行われており、今回の緊急事態宣言によって特に大きく変わった様子はありません。時短営業となるホールもほとんどなく、変わったのは夜のネオンサインが消灯されていることくらいです。客の数については、ホールによってまちまちです。元々人気が高いホールは、ゴールデンウィークということで、混雑していますが、あまり人気がないホールは普段よりも客数が少なめで、経営的に厳しい状況が続いていることが予想されます」(藤井氏)
では、このゴールデンウィーク中にパチンコ店に足を運んでいるパチンコファンは、どのような心境なのだろうか。食品メーカーで働く会社員のAさん(東京都在住/30代男性、独身)に話を聞いた。
「本当はゴールデンウィークに実家にでも帰ろうかと思っていましたが、緊急事態宣言が出たのでやめました。でも、特にどこかに遊びに行くこともできないし、飲み会も開けない。買い物に行こうかと思ったけど、デパートも休みだし、そうなったらもうパチンコくらいしかやることがないんです。私が行くホールは、そんなに客が多いわけでもなく、適度にソーシャルディスタンスも保てるので、感染リスクも低いと思います」(Aさん)
つまりAさんは、もしも緊急事態宣言が発令されず、帰省や買い物ができる状況であれば、パチンコには行かなかったということだ。
「普段から基本的に休みの日は何らかの予定が入っているので、パチンコには行かないんです。でも、今年のゴールデンウィークは予定を入れられなかったので、パチンコに行くしかなかったんです」(Aさん)
一方、大のパチンコファンであるにも関わらず、このゴールデンウィークには一切ホールに近寄らないというのは、コンサルティング業のBさん(東京都在住/40代男性、既婚)だ。
「いつも仕事が終わると夕方くらいからよくパチンコを打ちに行ってるんですが、ゴールデンウィーク中は妻や子供からのプレッシャーがきつくて、パチンコには行けない。感染対策をしっかりしていても、パチンコを打たない人にしてみれば、ホールは不安な場所のようで、妻からは『感染したらどうするの!』と厳しく言われます。あと、子供も遊びに行きたいのにステイホームを強いられているわけで、私だけがパチンコを打ちに行くというのは、さすがにできない。本当は打ちたいんですけどね」(Bさん)
ゲームセンターやカラオケ店が休業するなか、パチンコ店だけが営業を継続し、“特別扱い”されているように見えるが、実態はどうなのか。前出・藤井氏はこう話す。
「実際に特別扱いを受けているということではなく、強制力のない休業要請なので、こういう業界が出てくるのはおかしな展開ではないと思います。東京都遊協としても、クラスターを出しておらず、感染対策をしっかりしているという自負もあるので、こういった対応になったのでしょう。ただ、もし都内のホールからクラスターが発生するようなことがあれば、世間からの批判も高まり、休業せざるを得ない状況となる可能性も高い。パチンコ業界としては、いかにクラスターを出さないかということで、必死になっていると思います」
パチンコ業界と新型コロナウイルスとの戦いは、まだまだ続いている。

●大型連休最終日 4都府県の人出 1回目の宣言と比べ2倍以上に 5/6
大型連休の最終日となった5日、3回目の緊急事態宣言が出されている東京、大阪、兵庫、京都の主な地点の人出は、2回目の宣言のときよりはいずれも減少しましたが、去年の1回目の宣言のときと比べると2倍以上となっています。
NHKは、IT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使って、3回目の緊急事態宣言が出されている東京、大阪、兵庫、京都の主な地点の人の数を分析しました。
分析した時間は、日中が午前6時から午後6時まで、夜間が午後6時から翌日の午前0時までです。
それによりますと、大型連休の最終日となった5日の人出は、2回目の宣言が出ていた期間の土日祝日の平均よりいずれも減少しました。
減少幅は、東京駅付近で日中は8%、夜間は6%、渋谷スクランブル交差点付近では日中、夜間とも23%。
大阪梅田駅付近で日中は58%、夜間は54%、神戸市の三ノ宮駅付近で日中は33%、夜間は32%、京都駅付近で日中は24%、夜間は22%でした。
一方、去年の1回目の宣言が出ていた期間の土日祝日の平均と比べると2倍以上に増えました。
増加率は、東京駅付近で日中が172%(およそ2.7倍)、夜間が170%(およそ2.7倍)、渋谷スクランブル交差点付近で日中が121%(およそ2.2倍)、夜間が148%(およそ2.5倍)。
大阪梅田駅付近で日中が180%(およそ2.8倍)、夜間が194%(およそ2.9倍)、神戸市の三ノ宮駅付近で日中が170%(およそ2.7倍)、夜間が193%(およそ2.9倍)、京都駅付近では日中が214%(およそ3.1倍)、夜間が224%(およそ3.2倍)でした。

●東京の緊急事態宣言、31日までの延長を要請へ−変異株に危機感 5/6
東京都は新型コロナウイルスの感染再拡大を受けた緊急事態宣言について、期限の11日から31日まで延長するよう政府に要請する。小池百合子知事が6日、明らかにした。
小池知事は「緊急事態宣言を解除できる状況にはない」と述べた。変異株の拡大を踏まえ人流抑制を引き続き行う必要があり、休業措置などは「緩める状況にはない」と説明した。
埼玉、千葉、神奈川の3県もまん延防止等重点措置の延長を求める。大阪府の吉村洋文知事も緊急事態宣言の延長を要請する考えを示した。
3回目となる現在の緊急事態宣言で、都などは酒類提供やカラオケ設備を持つ飲食店、1000平方メートル以上の大型商業店舗などを対象に休業要請を行った。感染力の強い変異株が流行する中、4月25日から5月11日までの短期間の宣言で大型連休の人出を抑える狙いだったが、感染者数は十分に減少しなかった。
菅義偉首相は5日夕、宣言発令の効果について「大きな狙いの一つであった人流については間違いなく減少している」と語った。今後の扱いに関しては専門家の意見を聞いた上で、今週中に判断したいと述べた。
東京都が6日に発表した新規感染者は591人。感染者数の直近7日間移動平均は736.6人で、前週比は94.2%。

●緊急事態宣言で乾杯はノンアルコールに!コロナ禍に翻弄される結婚式場 5/6
2回目の緊急事態宣言の後処理も終わらないまま、東京は3回目の緊急事態宣言の発令となってしまいました。やっと、一筋の光が見えてきただけに、ショックは隠しきれません。さらに翻弄されることとなる、ブライダル・イベント業界です。
2回目の緊急事態宣言発令に対する一時支援金の申請手続きがやっと完了したのは、気がつけば藤棚が満開の時期となっていました。季節は移り変わるのに、まだまだコロナは感染増大。私達ブライダル業界は、見えない敵に翻弄されています。
そして、1番の稼ぎ時を目の前に、また3回目の緊急事態宣言が発令されてしまったのです。イルカの住む東京では、イベントは無観客での実施要請のため、ほとんどが中止。結婚式においては、アルコールの提供が自粛要請となったため、前代未聞の事態となってしまったのです。
   カラオケの禁止
   お酒の提供の自粛
   夜20時までにすべての宴席を終了
昨年初めての緊急事態宣言発令で、街から人が消えました。ゴールデンウイークと言えば、イベント、結婚式のかき入れ時となります。1年前からのコロナ禍での新しい生活スタイルを教訓に、換気、ディスタンス、消毒など、あらゆる見直しや徹底をしながら、今年のゴールデンウイークに備えてきました。
しかしながら、今年も間近に急なこの発令。時が止まったのはイルカだけではなかったと思います。
昨年の1回目の緊急事態宣言の発令で、結婚式を1年延期した新郎新婦さまも多くいらっしゃいます。大変な困難を乗り越え、やっとの思いで迎えた延期の式に、お酒の提供ができない。30年間ブライダルの世界で生きているイルカですが、本当に信じられません。結婚式は飲み会ではありません。ゲストの皆さまもマナーをわきまえていらっしゃる方ばかりです。
乾杯のシャンパンもお出しできない現状に、ただただ唖然とするばかりです。ノンアルコールのスパ−クリングを探しまわり品薄状態になっているそうです。逆にパントリーにあるたくさんのお酒は、行き場所がなくなりました。酒屋さんに返品すれば、下請け業者の酒屋さんが潰れる。返すに返せない、おめでたいお酒となるはずだった、行き場がないお酒。何ともつらい悲しい現実です。
神殿での結婚式の際「三々九度のお神酒(お酒)はどうなんだろう?」。和装での披露宴で「鏡開き(日本酒の一途樽)はどうなんだろう?」。わからない点もたくさんあります。ただ、一番心配しているのは、式を挙げる新郎新婦、ご家族だと思います。
今は、式を挙げるお客様のため、一つ一つ確認し、前向きに考えながら進んでいくしかないと思っています。そして何より、この時期に結婚式を迎えるみなさんのお式が、滞りなく終了できることを心より願っております。

●3度目の緊急事態宣言でも経済回復の見通しがつかない「絶望的な理由」 5/6
3度目、サービス業などでさらに打撃 
1月の宿泊・飲食業の売り上げは前年比42%減
東京、大阪、京都、兵庫を対象に4月25日、3度目の緊急事態宣言が出された。酒類を提供する飲食店や大型商業施設には休業要請をするなどのより強い措置がとられる。
2度目の宣言が出されていた今年1月の状況を見れば、サービス産業では売り上げが落ち込み、例えば、宿泊・飲食業は前年比42%の減少となった。
3度目の宣言発令で、こうした業種はさらに打撃を受けるだろう。 この事態から脱出する切り札はワクチンなのだが、日本は絶望的に遅れている。
総務省統計局のサービス産業動向調査によると、2021年1月のサービス産業の売上高は前年同月に比べ11.1%の減少だった。
図表1に見るように、サービス業の売り上げは昨年10月から12月までは、前年同月比でマイナス5%程度にまで回復していたのだが、1月になって再び減少幅が拡大した。
   図表1 サービス業の売上高(対前年同月比)
中でも大きく減少したのは、つぎの業種だ(カッコ内は前年同月比)。
・宿泊業、飲食サービス業(42.4%)
・生活関連サービス業、娯楽業(23.2%)
・運輸業、郵便業(14.4%)
1回目の緊急事態宣言が出された20年4、5月ほどの落ち込みではなかったとはいえ、それに近い状態に追い込まれている。
飲食業は時短営業協力金によって何とか支えられているが、宿泊業は大丈夫だろうか?
壊滅状態とも言えるような状態になっている場合が多いと思われる。
2回目の緊急事態宣言では消費全体が2月は6.6%減少
サービス業の売り上げ減少を引き起こしたのは消費の減少だ。
総務省の2月の家計調査(全国、2人以上の世帯)によると、1世帯当たりの消費支出(名目)は、2021年1月にはマイナス6.3%、2月にはマイナス6.0%だった。
20年10月に3.3%、11月にマイナス0.4%だったのに比べると、かなり落ち込んだことになる。
2月の減少率を項目別に見ると、つぎの業種の落ち込みが激しい。
・交通、通信(名目)マイナス14.1%
・教養娯楽(名目)マイナス17.3%
これは、上で見たサービス産業の減少率とほぼ等しい。
このように1月に続いて2月も消費は落ち込んでいるので、サービス業の状況は2月もあまりよくないと考えられる。
第3回目の緊急事態宣言の発出で、4月以降もサービス業の状況はよくないと考えられる。
鉱工業生産指数も減少、“雇用危機”はいずれ表面化する
サービス業が不調なのに対して製造業は好調だといわれる。
しかし鉱工業生産指数の回復も停滞している。
2月の鉱工業生産指数(2015年=100、季節調整済み)の確報値は、前月比1.3%低下の95.6だった。
失業率を見ると、2月の失業率は1月に引き続き2.9%だった。19年11月、20年12月の3.0%に比べると、状況は若干だが改善している。
ただし、失業率がこのように抑えられているのは、これまで何度も指摘したように、雇用調整助成金の特例措置によって「休業者」を支えているからだ。
内閣府が3月31日に公表した『日本経済2020-2021』(ミニ白書)は、政府の雇用調整助成金の特例措置などが20年4〜6月期の失業率を3%ポイント程度抑制したと推計している。
しかし、特例措置は6月には終わることになっている。
そうなると、休業者が失業しその結果、失業率が3%ポイント程度上昇することになる可能性が強い。今後、雇用問題も深刻化する可能性がある。
人出とサービス産業の売り上げ 明らかに相関関係がある
1月の消費支出が落ち込んだのは、新型コロナウイルスの感染が収まらずに1月に緊急事態宣言が出され、時短要請が行なわれたり外出が減ったりしたからだ。
これは事前に予想されていたことだが、その通りになった。
人出とサービス業の売り上げの間には明らかに相関関係がある。
東京都の資料によってターミナル駅の滞在人口を見ると、昨年秋には対前年比マイナス30%からマイナス50%程度にまで回復していたが、1月の緊急事態宣言によってそれがマイナス50%からマイナス80%程度に急激に下落した。
これが、1、2月の消費減をもたらしサービス業の売り上げを減少させたのだ。
なお、ターミナル駅の滞在人口は1月の落ち込みから徐々に回復し、3月の2回目の緊急事態宣言解除時には前年比マイナス30%からマイナス50%程度にまで回復した。
しかし、その後、感染拡大で大阪や兵庫、首都圏などで実施された「まん延防止等重点措置」によって、再び下落している。
   図表2 東京都の新規感染者数
さらに3回目の緊急事態宣言が発令されたことで、今後も消費は伸び悩み、したがってサービス産業の売上高も伸び悩むだろう。
経済再開を急いで、感染コントロールのチャンスを失う
緊急事態宣言は昨年4月と今年1月に続き、3回目だ。
1月の宣言は3月21日(大阪など6府県は2月末)にいったん解除されたが、その後、大阪を中心に感染が拡大した。
「まん延防止等重点措置」ではリバウンドを止められなかったのだ。
第1回目の緊急事態宣言が全国的に停止されたのが5月25日。第2回が再開されたのが1月8日だから、その間に7カ月以上の間隔があった。
それに対して、今度は2度目の宣言を3月21日に解除してからわずか35日だ。
このように、解除されてからつぎの緊急事態が宣言される期間が大幅に縮まっている。
これは変異株が広がっているからだろう。
ゴールデンウィーク中の観光需要はとても望めそうもない。
4月20日の東京株式市場は、日経平均株価が一時600円超下落し、2万9014円36銭まで下げた(終値は2万9100円38銭)。
以上から明らかに言えるのは、つぎのことだ。
感染を十分コントロールできないうちに経済活動を再開すれば、必ずリバウンドが生じ、経済活動をもっと強く抑制せざるを得なくなる。
昨年の秋頃に、日本はコロナを完全にコントロールできるチャンスをつかみそうになった。もう少し我慢していればそれが可能になっただろう。
しかし、政府が経済の早期回復を優先したために、それが成功しなかった。
現在の状態を解決する切り札はワクチンだ。ところが、これに関しても事態は楽観を許さない。
高齢者のワクチン接種は来年までかかる?
アメリカやイギリスでは、ワクチンの接種が順調に進み、経済の回復が実現しようとしている。
それに対して日本では、ワクチンの接種が著しく遅れている。人口100人当たりでの接種を済ませた人の数は、アフリカ諸国よりも低いという惨状だ。
本来なら今年6月までに全国民へのワクチンの接種が済んでいるはずだった。しかし、実際にはそれより大幅に遅れている。
菅義偉首相は4月19日、「9月末までに(全対象者へのワクチン)供給にめどがたった」と語った。
ところが、自民党の下村博文政調会長は同日、高齢者向けの新型コロナウイルスワクチン接種が年内に終わらない可能性に言及した。
「自治体によっては医療関係者の協力が足らず、65歳以上に限定しても、場合によっては来年までかかるのではないか」と、見通しを語った。
そうなると、経済の回復がさらに遅れる。
IMFの予測では、日本の経済の回復度は他の先進国に比べて大きく遅れているのだが、それさえも実現しない可能性がある。  
 
 
 

 


●3回目の緊急事態宣言に明確な感染抑制効果がまだ見られない 5/7
政府は、5月11日に17日間の期限を迎える3回目の緊急事態宣言を延長する。対象区域である東京都、大阪府、兵庫県、京都府の4都府県での宣言を、5月31日まで20日間延長する。さらに、感染が拡大している愛知、福岡両県についても、12日から新たに宣言の対象区域に加える。
埼玉、千葉、神奈川、愛媛、沖縄の5県については、現在適用中のまん延防止等重点措置を継続する一方、新たに北海道、岐阜、三重の3道県を同措置の対象に加え、宮城県への措置は解除する見通しだ。
日本百貨店協会は、感染防止対策を徹底した上で12日以降に営業を拡大したいと政府に強く要望している。経済活動への悪影響に配慮し、大型商業施設の休業要請を時短要請に変更するなど、一部で規制措置が緩和される見通しである。イベントの入場者制限も緩和が検討されている。
緊急事態宣言発令から2週間弱経過した現時点においても、対象区域で新規感染者の減少傾向は顕著にみられていない。そもそも、17日間では宣言の感染抑制の効果を見極めるには十分ではなく、延長されることは当初から十分に予想されていたことだ。
3回目の緊急事態宣言では、2回目と比べて時短、休業要請の対象業種が格段に広げられるなど、より厳しい規制措置が講じられた。しかも、仕事以外の人々の外出、移動が活発になりやすいゴールデン・ウィークを含む期間に宣言は設定された。行動自粛に向けた国民の忍耐を最大限引き出し、措置の実効性を上げるためには、政府は短期間の措置、いわゆる「短期決戦」の方針であることを強調して宣言を始める必要があったのだろう。
しかし、ゴールデン・ウィーク中も、人出が十分に抑えられたとは言い難い。2回目の緊急事態宣言と比べて多くの地点で人出は減少したが、1年前の1回目の緊急事態宣言と比べると、大幅に増加した地点が目立った。対象区域が限定的であったことが、その一因ではなかったか。多くの商業施設などが休業となった4都府県から、休業要請がされていない対象区域外の周辺県へと移動する人の流れを、十分に抑えることができなかった可能性がある。いわゆる規制逃れである。
政府は、これ以上の厳しい措置を適用することは、個人と事業者の強い反発も招くことから、難しいと判断したのだろう。政府は今回、規制措置を一部緩和する一方、対象区域の拡大と宣言の延長の双方を通じて、感染抑制効果を高める方策を選択したと言える。
ただし、感染抑制効果が十分にみられない場合には、緊急事態宣言のさらなる延長と対象区域の拡大が実施される可能性は比較的高いのではないか。
今回、4都府県(東京都、大阪府、兵庫県、京都府)での緊急事態宣言を20日間延長し、愛知県と福岡県を新たに加えることで、1兆620億円の経済損失(1年間の名目GDPの0.19%)が追加で生じると試算される。
5月11日までの宣言との合計でみると、経済損失は1兆7,600億円(1年間の名目GDPの0.32%)、失業者数を追加で7.0万人増加させる計算となる。
延長によって、経済損失の規模は一気に2.5倍へと膨れ上がる計算だ。これは、1回目、2回目の緊急事態宣言時の経済損失の試算値である、それぞれ6.4兆円、6.3兆円の4分の1を超える規模である。
3回目の緊急事態宣言の延長が国内経済に与える打撃は小さくない。4−6月期の実質GDP成長率は、(1)1−3月期の2回目の緊急事態宣言の反動による個人消費持ち直し、(2)輸出拡大、というプラス要因と、(3)ルネサス半導体工場火災の影響による自動車生産の減少(在庫投資の減少)、(4)3回目の緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置による個人消費の減少、というマイナス要因とがほぼ拮抗している状況に現在あると考えられる。
今回延長された緊急事態宣言の下では、4−6月期の実質GDP成長率は概ねゼロ近傍と考えられるのではないか。ただし、緊急事態宣言が再度延長され、また対象区域が首都圏を中心に拡大される場合には、4−6月期の実質GDP成長率が前期に続いて2四半期連続のマイナスとなり、景気が異例の「三番底」に落ち込む可能性が高まることになるだろう。

●緊急事態宣言延長きょう決定、首相が表明−都は「31日まで」要請 5/7
東京、大阪など4都府県に11日までの期限で発令している新型コロナウイルスの緊急事態宣言について、政府は延長する方針だ。菅義偉首相が6日、記者団に明らかにした。東京都は31日までとするよう求めている。
菅首相は期間や対象地域、休業要請の範囲などを7日に専門家による分科会に諮った上で決定したいと述べた。小池百合子知事は大型商業施設などへの休業措置について「緩める状況にはない」との考えを明らかにしている。
共同通信によれば、政府は期限を11日から31日までとする方針。愛知県と福岡県を追加し、12日から適用する。百貨店など大型商業施設に対する休業要請は見直し、時短営業を基本とする方向だという。
NHKによると、政府方針案は以下の通り。
・百貨店など建物の床面積の合計が1000平方メートルを超える大規模施設は、営業時間を午後8時までに短縮
・イベントは、人数の上限を5000人かつ収容人数の半分までとした上で、午後9時までの開催
・飲食店などに対する休業要請の対象に、酒の持ち込みを認めている店も追加
3回目となる現在の緊急事態宣言では、酒類提供やカラオケ設備を持つ飲食店、1000平方メートル以上の大型商業施設などを対象に休業要請を行った。感染力の強い変異株が流行する中、4月25日から5月11日までの短期間の宣言で大型連休の人出を抑える狙いだったが、感染者数は十分に減少しなかった。
東京都が6日に発表した新規感染者は591人。感染者数の直近7日間移動平均は736.6人で、前週比は94.2%だった。  

●緊急事態宣言を5月末まで延長、福岡と愛知追加 五輪まで77日 5/7
政府は7日、東京都、大阪府、京都府、兵庫県に出している緊急事態宣言の延長を正式決定した。期限をこれまでの11日から31日まで延ばし、福岡県と愛知県を追加する。大型連休中の人出を抑えようとした3回目の宣言は新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めをかけることができず、東京五輪・パラリンピックまであと77日となる中、期間延長と対象地域の拡大を迫られた。
専門家などで構成する分科会は7日、政府から諮問された延長期間や措置内容の変更を了承。政府が夕方に対策本部を開いて決定した。
午後7時から菅義偉首相が会見して、決定の内容などについて説明する。
西村康稔経済再生相は分科会後に会見し、人出は減少しているとする一方、大阪、東京とも「引き続き感染者数のレベルは非常に高い。特に大阪の病床は危機的な状況にある」と指摘。「東京も変異株へ置き換わっていく中で、大阪のような状況になっていくことが想定される」と、宣言を延長する理由を説明した。
大型商業施設への休業要請は、午後8時までの時短営業に緩和する。無観客を求めていたイベントの開催は、上限を5000人あるいは収容人数の半分に緩和する。感染状況が厳しい東京と大阪は、「知事の判断でこれまでの措置を継続できるようにしている」(西村氏)という。
酒類とカラオケを提供する店には引き続き休業を要請するとともに、酒類の持ち込みを認める店もこれに加える。
変異株への対応として、インドなどからの入国者について、これまで3日間だったホテルでの待機要請を6日間に延ばすなど、水際対策も強化する。
まん延防止等重点措置は、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛媛県、沖縄県への適用を31日まで延長する。知事から要請があった北海道と岐阜県、三重県を加える。これまで対象としていた宮城県は11日までで解除する。
西村氏によると、北海道については専門家の間から緊急事態宣言の発令を求める声が出た。西村氏は会見で「札幌市においては緊急事態宣言と同等の厳しい措置を講じて何としても抑え込むという知事の危機感を共有している」と述べ、最終的にまん延防止措置で了解を得たと説明した。
東京都ではこの日907人、大阪府でも1005人の新型コロナウイルス感染が確認された。国内メディアによると、この日はまた、岐阜県、福島県、愛知県、岡山県、香川県で過去最多の感染者が確認された。
4月25日から出していた緊急事態宣言の延長は、東京五輪・パラリンピックの開幕が77日後に迫る中での決定となる。6日にオンラインイベントに登壇した小池百合子都知事は、あらためて開催への意欲を表明。国際オリンピック委員会(IOC)は同日、選手団にワクチンを提供することで米ファイザー、独ビオンテックと合意したことを明らかにした。
一方、今夏の五輪開催巡っては慎重な見方も強まっており、共同通信が4月12日に公表した世論調査では、7割超が中止あるいは再延期を求めた。日弁連の元会長で、都知事選にも出馬した宇都宮健児氏が5日から始めた五輪中止を呼びかける署名は、7日夕の時点で21万を超えた。
東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長はこの日午後の定例会見で、5月中旬と一部で報じられたバッハIOC会長の来日について問われ、「非常に厳しいのではないかと思う」と発言。「宣言が延長されるという状況になっては、非常に困難な状況に来ていただくのもバッハ会長に大きな負担をお掛けするのではないか」と語った。

●緊急事態宣言で9割以上の飲食店が「酒類やカラオケの提供を取り止めた」 5/7
4月25日に東京都・大阪府・京都府・兵庫県の4都府県を対象とする3回目の緊急事態宣言が発令され、2回目の宣言時とは異なり、酒類やカラオケを提供する施設に対しては休業要請が出されている。そこでシンクロ・フードは、3回目の緊急事態宣言中の飲食店の営業状況と協力金への対応について調査を行うためにアンケートを実施した。まず、現在の営業状況について聞いたところ、53%の店舗が「時短要請に応じている」、43.9%の店舗が「休業要請に応じている」と回答しており、回答者全体の96.9%が緊急事態宣言に伴い時短・休業していることが分かった。
次に酒類やカラオケの提供について聞いたところ、「酒類の提供を止めた」が81.2%で最も多く、「カラオケの提供を止めた(1.3%)」、「どちらの提供も止めた(11.6%)」と、あわせると要請に伴いいずれかの提供を取りやめた店舗は94.1%という結果になった。このように、9割を超える店舗で酒類やカラオケの提供を取り止めていましたが、時短か休業かはアルコールの提供がメインかどうかや、店舗の経営状況などによって判断が分かれてる。
ちなみに時短・休業要請に「応じる」または「応じない」とする理由について聞いてみると、以下のような回答が寄せられた。74.7%の店舗が協力金の内容については理解。一方で申請方法については煩雑との声。今回の時短・休業要請に応じた店舗には、まん延防止等重点措置時と同様に売上額に応じて1店舗あたり1日に4万円〜最大20万円の協力金が支給される。そこで、要請に応じた際に支給される協力金の内容について聞いたところ、「よく理解している」が24.5%、「大体理解している」が50.2%と全体の74.7%が理解していると回答した。
また、協力金の申請方法について理解しているか聞いたところ、「よく理解している(21.3%)」、「大体理解している(45.5%)」と、理解していると回答した店舗の割合は内容への理解度と比べ約8ポイント下がり、66.8%となった。

●愛知の緊急事態宣言、東京の規制ほど厳しくならない見通し 5/7
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言の対象に、愛知県も12日から追加される見通しになったことについて、大村知事は飲食店などへの規制を強化する方針を示しました。
大村知事「専門家の皆さんから『上がり方のカーブがきつい』とのご意見だったので、何度も連絡をして、危機感を共有していた。緊急事態宣言に踏み込むということで認識の一致を見た」
緊急事態宣言では、愛知県内すべての飲食店に午後8時までの時短営業と酒の提供の自粛を求めます。
大型商業施設については、休業ではなく午後8時までの時短営業を要請する方針で、東京都などでの規制ほど厳しくならない見通しです。
大村知事はほかの規制についても検証の上で強化する方針を示しました。

●4〜6月期マイナス成長も 政府の景気回復シナリオ狂う 5/7
3回目の緊急事態宣言は延長が決まり、大幅な持ち直しが期待された4〜6月期の国内総生産(GDP)は一転して2四半期連続のマイナス成長になる可能性が出てきた。経済活動を徐々に再開し、景気回復を軌道に乗せたかった政府のシナリオは崩れ始めている。
野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、宣言延長と対象地域の拡大で経済損失(個人消費)は延長前の2・5倍となる1兆7600億円に拡大すると試算。年明け以降の2回目の宣言で落ち込んだ景気は、3月に一度持ち直した後、「異例の3番底に陥る」と説明する。
このほか、輸入などの要素を加えたGDPベースで大和総研は8千億円、第一生命経済研究所は8014億円、みずほ証券は1兆円の損失をそれぞれ見込む。
日本経済研究センターが宣言発令前に集計した民間エコノミスト36人の予測では、1〜3月期の実質GDP成長率が前期比年率6・1%減と3四半期ぶりのマイナス成長に陥った後、4〜6月期は5・6%増と反動増を期待した。だが、大和総研の神田慶司シニアエコノミストは、宣言延長で4〜6月期も0・8%減のマイナス成長になるとみる。
政府内では景気が昨年5月ごろ底打ちし拡張期に入ったとの見方が強く、夏の東京五輪や秋までの衆院解散・総選挙を控え「コロナ復興」をアピールしたいところだ。ただ、2四半期連続マイナス成長は欧米などで景気後退を意味し、思惑通りにはいきそうもない。

●菅首相の「短期集中」不発、緊急事態宣言延長へ 5/7
政府は6日、新型コロナウイルス緊急事態宣言の延長を決めた。今回は飲食店対策に絞った2回目の宣言より幅広い業種に休業を求めるなど、強い対策を「短期集中」で講じ、感染拡大を抑えることを目指したが、結果は不発。期間を17日間に設定した宣言決定の前後から、2週間余で感染者を大きく減らすのは困難との専門家の懸念が現実になり、警告を軽視する政府の対策の信頼性が一段と揺らいでいる。
菅義偉首相は宣言延長を確認した関係閣僚との協議後、設定した期間が短すぎたのではないかと記者団に問われ「宣言時に申し上げたが、大型連休を活用して短期集中でお願いした。人の流れが減少したことは事実だ」と強調した。
首相は1月、期間を1カ月と定めた2回目の宣言時、理由を「対策の効果が感染者数として表れるのに2週間ほどかかる。それ以降に見極めて分析し、対策を練る期間が必要だ」と説明。だが今回は、既にまん延防止等重点措置を適用していたことを挙げ、4月25日の発令を前に「短期集中」を前面に出した。
「対策を徹底して結果を出したい」「首相として、できることは全力を尽くしてやり抜く」と決意を表明。政権幹部は「5月11日で終わる」と明言し、解除ありきの姿勢を隠さなかった。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長の来日が17日に予定されていることもあり、経済への影響や東京五輪・パラリンピック開催の機運に水を差すのを避けたいとの思惑が透けて見えた。
「政治主導」で期間を決めたことは、当時の専門家の発言からもうかがえる。
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、発令前の4月21日に国会で「個人的には最低3週間は必要だと思う」と発言。発令が決まった23日にも「5月11日になったら、無条件で解除ということではない」とくぎを刺していた。
同分科会委員の日本医師会の釜萢敏常任理事も同時期に「ステージ3(感染急増)に至らないなら、仮に(感染者の)減少が見られても解除はあり得ない」と記者団に強調していた。
もともと休日は検査数が少なくなる傾向があり、専門家からは大型連休を挟み、11日までに感染状況を見極めるのは困難との見方も出ていた。官邸筋は「もう数日たてば対策の効果が見えてくる」と今も期待感を示すが、そうなったとしても期間設定との整合性は取れない。
首相は「人の流れは減少した」と繰り返した。ソフトバンク系IT企業「アグープ」のデータによると、東京都や大阪府などの繁華街の人流は感染拡大前より減っているものの、昨年の大型連休中よりは人出が増加した。感染力が強い変異株の猛威という新たな懸念材料もある。
首相は1月の宣言時も「何としても1カ月で感染拡大を防止したい」と強調しながら、2度の延長に追い込まれて謝罪した。今回も1度の延長で終わらない可能性もある。

●緊急事態宣言を31日まで延長、東京は大型施設の休業要請継続 5/7
政府は7日、東京、大阪などに発令中の新型コロナウイルスの緊急事態宣言を31日まで延長することを決定した。対象地域は現在の4都府県に愛知、福岡両県を追加する。
菅義偉首相は対策本部で、大都市部中心に新規感染者数が高い水準にあるとして「高い効果の見込まれる措置を徹底する」と述べた。変異株が流行するインドなどからの入国者には6日間のホテルでの待機を求め、水際対策を強化する考えも示した。
新たな方針では、百貨店など大型商業施設に対する休業要請を見直し、代わりに午後8時までの時短営業を要請する。イベントの開催条件も緩和した。
一方、飲食店には時短営業を引き続き要請し、酒類・カラオケを提供する場合は休業を求める。酒の持ち込みを認めている飲食店も休業要請対象に追加した。
緊急事態宣言の内容
〇 飲食の対策徹底を継続、午後8時までの時短要請
〇 酒類・カラオケを提供する飲食店には休業要請を継続
〇 酒の持ち込みを認めている飲食店も休業要請対象に追加
〇 イベントは人数上限を5000人か収容人数の半分に、午後9時までの開催
〇 百貨店などの大規模施設に午後8時までの営業時短要請
〇 経済団体に実施状況公表するよう要請−出勤者数減で
ただ、対象となる都府県は独自に国の方針より強い対策に取り組む考えだ。東京都の小池百合子知事は記者会見で、「人流を徹底して抑え込み、何としても感染を収束させる」と述べ、大規模商業施設への休業要請を継続する方針を表明した。新規感染者数などを抑え込むことができれば宣言の解除前倒しも可能との認識も示した。
共同通信によると、大阪府も大型商業施設に対する休業要請の継続を決定。京都府と兵庫県は休業要請を土日のみに限定し、平日は午後7時までの営業時間の短縮を求めることを決めた。
3回目となる現在の緊急事態宣言では、酒類提供やカラオケ設備を持つ飲食店、1000平方メートル以上の大型商業施設などを対象に休業要請を行った。感染力の強い変異株が流行する中、4月25日から5月11日までの短期間の宣言で大型連休の人出を抑える狙いだったが、感染者数は十分に減少しなかった。
東京都が7日に発表した新規感染者は907人。感染者数の直近7日間移動平均は766.4人で、前週比は99.1%だった。
伊藤忠総研の武田淳チーフエコノミストは愛知、福岡両県の追加や飲酒関連の制限を厳しくする一方で、大規模施設の休業要請を緩和する政府方針は感染リスクに即したきめ細かい対応で「トータルでみれば経済に対してはプラスだ」と指摘した。
また野村証券の桑原真樹シニアエコノミストは、対象地域中心にサービス業などで個人消費が減少しており、「延長されたことで影響は長引く」と指摘。ただ1回目の宣言時と違い、「米中の景気回復を背景に日本の輸出や製造業の生産活動は堅調」とし、4−6月期は昨年のように大幅なマイナス成長にはならないとの見方を示した。

●緊急事態宣言5月末まで延長、福岡と愛知追加 首相「五輪は可能」 5/7
政府は7日、東京都、大府阪、京都府、兵庫県に出している緊急事態宣言の延長を正式決定した。期限をこれまでの11日から31日まで延ばし、福岡県と愛知県を追加する。菅義偉首相は会見で、ワクチンの接種を加速化し、接種が進むまで感染拡大を食い止めると強調した。短期集中の措置として連休中に実施した3回目の宣言は新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めをかけることができず、東京五輪の開会は77日後に迫っている。
変異株拡大、状況改善に時間
菅首相は、緊急事態地域の拡大と期限延長を正式決定した後、記者会見し、連休中の人流は抑えられたが、新規感染者はステージ4を超える水準だと指摘。変異株も拡大しており、状況の改善に一定の期間を要するとの認識を示した。
ただ、これからは大型連休とは違い、平常時に高い効果が見込まれる措置をとる考えで、大型商業施設への休業要請を午後8時までの時短営業に緩和する。無観客を求めていたイベントの開催は、上限を5000人あるいは収容人数の半分に緩和する。その上で、感染状況が厳しい東京と大阪は、「知事の判断でこれまでの措置を継続できるようにしている」(西村経済再生相)としており、小池百合子東京都知事は1000平方メートルを超える施設は引き続き休業を要請する考えを示した。
酒類とカラオケを提供する店には引き続き休業を要請するとともに、酒類の持ち込みを認める店もこれに加える。
変異株への対応としては、インド、パキスタン、ネパールからの入国者について、3回の検査と6日間のホテル待機を求めるなど、水際対策も強化する。
地方にも広がる感染、宣言解除は総合的に判断
まん延防止等重点措置は、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛媛県、沖縄県への適用を31日まで延長する。知事から要請があった北海道と岐阜県、三重県を加える。これまで対象としていた宮城県は11日までで解除する。
感染拡大は首都圏や近畿圏以外にも広がっている。国内メディアによると、この日は岐阜県、福島県、愛知県、岡山県、香川県、大分県、佐賀県、石川県で過去最多の感染者が確認された。東京都でも907人、大阪府は1005人の新型コロナウイルス感染が確認された。
菅首相はこうした状況に対して、1日100万回のワクチン接種を目指し、7月末までに希望する高齢者すべてに接種できるよう、あらゆる手段を尽くす考えを示した。宣言解除の基準については、ステージ4からの脱却を目安とする一方、「専門家や自治体の意見も聞いて総合的に判断する」と語った。
五輪は感染対策を徹底、中止に23万超の署名も
4月25日から出していた緊急事態宣言の延長は、東京五輪・パラリンピックの開幕が77日後に迫る中での決定となる。6日にオンラインイベントに登壇した小池百合子都知事は、あらためて開催への意欲を表明。国際オリンピック委員会(IOC)は同日、選手団にワクチンを提供することで米ファイザー、独ビオンテックと合意したことを明らかにした。
首相も会見で、感染対策を徹底することで安全・安心な大会実現は可能との考えを示した。
ただ、今夏の五輪開催巡っては慎重な見方も強まっており、共同通信が4月12日に公表した世論調査では、7割超が中止あるいは再延期を求めた。日弁連の元会長で、都知事選にも出馬した宇都宮健児氏が5日から始めた五輪中止を呼びかける署名は、7日夜の時点で23万を超えた。
東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長はこの日午後の定例会見で、5月中旬と一部で報じられたバッハIOC会長の来日について問われ、「非常に厳しいのではないかと思う」と発言。「宣言が延長されるという状況になっては、非常に困難な状況に来ていただくのもバッハ会長に大きな負担をお掛けするのではないか」と語った。

●酒の“持ち込み”NG…延長でどう変わる? 5/7
東京や大阪などに出されている3回目の緊急事態宣言の期限の延長が、正式に決定されました。対象の範囲や内容がどう変わるのか詳しく解説します。
どう変わる? 緊急事態宣言の対象地域
現在、宣言が出されているのは東京、大阪、京都、兵庫ですが、来週12日から愛知と福岡が追加されることになりました。また、宣言の期限は11日までとしていましたが、それを今月31日まで延長することを専門家らから了承されました。さらに、まん延防止等重点措置の地域も、宣言と同様に期限を今月31日まで延長し、新たに北海道、岐阜、三重も対象となります。一方、宮城は解除されることになります。
宣言延長でどう変わる? 百貨店・イベント“緩和” 
今回の宣言は“短期集中”で強い対策がとられましたが、これが延長されてどう変わるのでしょうか。まず、酒類を提供する飲食店などへの休業要請は継続となります。酒類を提供しない店への午後8時までの時短要請も継続です。これに加えて今回は、酒類の「持ち込み」も認めないよう要請します。一方、百貨店など床面積が1000平米を超える大型商業施設への休業要請は緩和されます。午後8時までの営業を可能とする方針です。原則無観客としてきたイベントについても緩和され、上限5000人かつ収容人数の50%以下で、午後9時までの開催を認めることになりました。
措置「より強くすべき」との意見も
ただ、感染状況が依然として厳しい中、このタイミングで緩めていいのかとの意見もあります。7日に開かれた専門家会議では、「措置を緩めるのではなく、より強くするべき」との意見や、「国民の“コロナ疲れ”がみられる中、人流抑制だけでなく、検査を拡充するなどの具体的な対策を示さないといけない」などの意見がでたといいます。さらに、宣言解除の基準や目安について専門家は次のように話しています。基本的対処方針分科会・釜萢敏氏「例えば新規感染者数、東京で100とかというのが1つのイメージにはなるが、なかなかそこまで達成するのは大変なので、確実に下がっているということと、下げた時期を長くとらないと、すぐにリバウンドすることも明らかなので、その経験をしっかり生かすべき」 変異ウイルスへの置き換わりが進み、これまでよりもリバウンドしやすい可能性があるため、感染者数を確実に下げないと解除できないと指摘しています。
現在の感染状況 大阪では重症者の病床使用率「100%」
宣言の対象地域の感染状況や医療体制は、どの程度ひっぱくしているのでしょうか。指標を見てみると、特に関西圏では、最も深刻な感染状況を示す「ステージ4相当」が多くみられます。医療のひっ迫状況が深刻な大阪では、重症者の病床使用率が「100%」になっていて、感染した人のうちどれくらいの人が入院しているかを示す入院率は「10%」にとどまっています。新たに緊急事態宣言の対象地域に追加される愛知と福岡の数値については「ステージ3相当」以上が多くなっています。
若年層の重症化が増加
こうした医療体制ひっ迫の背景となっているのが全国的な重症者数の増加ですが、若年層が重症化するケースが増えてきています。東京都の重症者数の推移を年代別に表したグラフを見てみると、今年1月に第3波がピークを迎えた頃は、重症者の5割が70歳以上の高齢者でした。その後、重症者数は減りますが、4月中旬あたりから再び増加に転じています。注目したいのは、今回の波では、70歳未満が占める割合が約7割と大幅に増えていて、さらに50代、40代以下の若年層も増えているという点です。若年層の重症化の背景には、変異ウイルスの拡大もあるとの指摘もあります。専門家は、4月以降、20代から40代の職場での感染が増えていると指摘していて、若い人も感染リスクや重症化リスクの当事者意識を強く持ってほしいと訴えています。

宣言が延長され、飲食店などには痛みを伴う対策がもうしばらく続くことになります。いまのように人流を減らすことを主眼とした対策だけで、本当に感染が抑制されるのか。諸外国並みに検査数を増やすなど、新たな対策を取り入れるべきとの専門家の指摘も踏まえて、政府には改めて慎重な判断を求めたいと思います。  
 
 
  

 


●緊急事態宣言の延長に憤慨「何回も何回も同じことチンタラ、チンタラして」 5/8
歌手・和田アキ子が8日、パーソナリティーを務めるニッポン放送「ゴッドアフタヌーン アッコのいいかげんに1000回」に生出演した。
番組で和田は、政府が7日に東京、京都、大阪、兵庫の4都府県に発令中の緊急事態宣言を今月末まで延長し、新たに愛知、福岡両県を12日から追加することを決定したことに触れた。当初、政府は緊急事態宣言を今月11日までとしていたが「11日って決めたこの期間もようわからんし」などとした上で今月いっぱいに延長になったことに「5月いっぱいって何なの?5月いっぱいしたらどうなるの? 国が考えていることよく分からない。何回も何回も同じことチンタラ、チンタラしてね」と指摘していた。 

●宣言延長による経済損失が約1兆円 失業者は約7万人増加見込み 5/8
緊急事態宣言が延長され対象地域も拡大されることで、新たに約1兆円の経済損失が生じるという試算が明らかになった。
野村総合研究所の試算によると、緊急事態宣言が4都府県で20日間延長され、愛知、福岡も追加されることで、さらに1兆620億円の経済損失が生じるという。
個人消費が落ち込むことが主な要因で、GDP(国内総生産)は年率で0.19%押し下げられるとしている。先月25日から今月31日までの合計でみると、経済損失は1兆7600億円にのぼり、失業者は約7万人増加すると試算している。

●大阪「人出抑制の徹底を」、兵庫「経済を回す」…3府県に温度差 5/8
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言の延長と対象地域の拡大が決まった。5月31日までの延長となる大阪、京都、兵庫の関西3府県では、大型商業施設への休業などを巡り対応が分かれた。医療体制が危機的な状況にある大阪府と、京都、兵庫両府県の温度差も垣間見える。
宣言延長に伴う大阪府の要請内容を発表した7日の記者会見。吉村洋文知事は「大阪は今、日本の中で最も医療が逼迫(ひっぱく)し、府民の命が危機にさらされている。経済も重要だが、まず感染者数を抑えることをお願いしたい」と理解を求めた。
会見に先立つ対策本部会議の開始時刻は予定より約1時間ずれ込んだ。可能な限り強力な要請を維持したい府と、政府の調整に時間がかかったためで、協議がまとまったのは会議開始の15分前だったという。
東京、京都、兵庫の3都府県と比べ、際立つのがイベント、プロスポーツの「無観客」開催の要請だ。3都府県は政府方針通り、いずれも収容人数制限などにとどめたが、大阪府は12日以降も現在の厳しい制限を継続する。
不安視しているのが、要請緩和により「まん延防止等重点措置」の二の舞いになることだ。4月5日から適用され、飲食店への営業時間短縮要請を中心に対策を実施したが、感染者数が減少へと転じる効果はなく、府は「人の流れ」を抑え込むため緊急事態宣言の発令要請を余儀なくされた。
府内の新規感染者数は、大型連休中は減少していたが、今月7日は1005人と5日ぶりに1000人を超えた。明確に減少傾向にあるとは言い切れない。
一方、重症病床の使用率は、実質的に100%超の状態が約1か月に及ぶ。
府幹部は「中途半端な要請にとどめるぐらいなら、知事は政府が反対しても、今の措置を続ける腹づもりだっただろう」と明かし、「再び感染者が増加すれば、今度こそ手の施しようがない」と危機感をにじませた。
京都、兵庫両府県は、大阪府と一線を画すことになった。大きく異なるのはイベント制限と、百貨店などの大型商業施設に平日は休業を求めなかった点だ。
緩和に踏み切った判断について、兵庫県幹部は「飲食店と異なり、商業施設は感染源となっているか、はっきりしない。経済を回していく必要もある」とする。ただし大阪府が休業要請を継続したことで、今後、買い物客らが京都、兵庫両府県に流れるリスクもある。
この点を踏まえ、両府県は商業施設の平日の営業時間を、政府方針より1時間前倒しし、午後7時までとした。京都府の西脇隆俊知事は「緩めたつもりはなく、休日の人の流れは抑える」と強調。兵庫県の井戸敏三知事も「平日に大阪の会社員が仕事を終え、午後7時までに兵庫に来るのは無理。人の流れは抑制できる」と述べた。

●百貨店、休業要請の延長に憤り「死活問題なのに場当たり的すぎる」 5/8
緊急事態宣言の延長で東京都と大阪府が商業施設への休業要請を継続したことを受けて、百貨店が窮地に立っている。休業が5月末まで長期化すれば、売り上げが激減して百貨店の経営だけでなく、ファッションブランドなど取引先の存続や雇用への影響が深刻さを増す。人流の抑制には理解を示しながらも、小売業の中で百貨店とショッピングセンター(SC)だけをスケープゴートにする政府や自治体のコロナ対策に不信感を募らせる。
「死活問題なのに、あまりに場当たり的すぎる」。
百貨店関係者は政府や都への憤りを隠さない。「短期集中」の触れ込みだったため、犠牲を払って4月25日から5月11日の休業要請に応じたものの、結局5月末まで延期になった。人流抑制のエビデンス(証拠)や宣言解除の目安となる数値さえ示さず、百貨店やSCに休業要請を繰り返すやり方に振り回された。
6日の時点では、緊急事態宣言が延長されても政府は休業要請を解除すると報道されていた。大手百貨店もそれを見越した動きをとった。高島屋は日本橋や玉川(二子玉川)の専門店街についてはアパレルも含めて全体の約8割の営業を6日から再開した。他の百貨店も水面下で営業再開の準備を進めていた。日本百貨店協会や日本ショッピングセンター協会も同日、休業要請の対象から除外することを求める要望書を出して、政府や都府県を牽制した。
7日午後に事態は急変する。菅義偉首相は7日夜の会見で、百貨店やSCに対して休業要請を取りやめると発表した。しかし東京都と大阪府の両知事は、感染拡大の危機が収まっていないとして休業要請の延期を打ち出した。この場合、政府よりも店舗が立地する自治体の決定が優先される。百貨店とSCは再び3週間の休業を余儀なくされることになった。
昨年4月から5月にかけての臨時休業との違いは、百貨店とSCだけが休業を強いられている点だ。銀座や新宿などの繁華街では、百貨店とSCの休業を尻目に、カジュアルSPA(製造小売り)やラグジュアリーブランドの大型店、セレクトショップ、家電量販店、雑貨店などが時短営業を続けている。当然ながら客足は営業中の店舗に流れる。昨年来、百貨店とSCはネット通販(EC)を強化しているが、効果は一部にとどまる。百貨店とSCだけでなく、取引先やテナントの不満も鬱積していった。前述の百貨店関係者は「もちろん自治体の求めには最大限協力する。でも、なぜ百貨店とSCだけが対象になるのか。(現在までの休業期間の)人流に関するデータなどを示して説明するのがスジだろう」とその場しのぎの対策を批判する。
別の百貨店の関係者は「きのう(7日)の昼までは営業再開に向けた調整をしていたのに、ゼロベースで考え直すことになった。各担当者が週末返上で交渉に駆け回っている」ともらす。三越伊勢丹ホールディングスは休業要請のガイドラインにある「生活必需品は除外」に関して、食品と化粧品以外にも広げられないか検討に入った。

●緊急事態宣言延長 神戸市中心街では不安の声も 5/8
緊急事態宣言の延長後、兵庫県では、大規模施設への休業要請が一部緩和されます。神戸市の中心街では、期待する声の一方、長引く宣言に不安の声が聞かれました。
政府が緊急事態宣言の期限を今月31日まで延長する中、兵庫県は、12日からデパートなど大規模な施設への休業要請を緩和し、平日は午後7時までの時短を、土曜日と日曜日は休業を要請します。
こうした中、神戸市中心街の元町ではさまざまな声が聞かれました。
デパートに勤務する20代の女性は「平日なら人も押し寄せないので、営業してもよいと思います。宣言の延長には賛成ですが、すでにコロナの影響で基本給がカットされていて、雇用や経済の面では不安です」と話していました。
70代の女性は「デパートが平日に開けばうれしいですが、感染が怖くて気軽には行けないです。すいている時間を見計らって行こうかなと思います」と話していました。
30代の男性は「仕事帰りに買い物に寄れるのはありがたいです。ただ飲食店は閉まっており、影響がいつまで続くのか先行きが見通せなくて不安です」と話していました。

●東京都の休業緩和に明暗 安堵する劇場、憤る映画館 5/8
緊急事態宣言の延長決定に伴い、東京都が独自に決めた12日以降の休業要請などの措置で、業種や施設によって明暗が分かれている。無観客の要請が解かれる劇場やコンサートの関係者らは安堵(あんど)する一方、休業要請が続く映画館や美術館からは「線引き」への不満が漏れる。
無観客を要請され、多くが休業を余儀なくされてきた劇場や演芸場、イベント開催などは、人数上限5千人かつ収容率50%、午後9時までといった要請に変わる。
再開する東京芸術劇場の高萩宏副館長は「ずっと休館が続く状況は免れた。感染防止を徹底しながら、粛々とやっていくしかない」と気を引き締める。
公演中止や収容率の制限が続き、舞台芸術の関係者も大きな打撃を受けてきた。「劇場での対策に加え、観客に直行直帰を呼びかけるなど、できる限りのことはしてきた。そうした取り組みも理解してもらえたのだと思う」
ライブの主催者からなるコンサートプロモーターズ協会の今泉裕人事務局長は「依然として非常に苦しい状態は続いている」としつつ「安堵した。最悪の状況はまぬがれた」。平時よりも検温などで入場に時間をかけており「前回の緊急事態宣言のように午後8時までとなると厳しかった。1時間延びたのはとても大きい」と話した。
一方、映画館や美術館は休業要請が維持される。
映画館などで作る全国興行生活衛生同業組合連合会の佐々木伸一会長は、新型コロナ対応の特別措置法の中で同じ「劇場等」に区分されている施設の中で「なぜ映画館とプラネタリウムだけが休業しなければならないのか。他業種と比しても、バランスが取れておらず、全く理屈が通っていない」と憤る。
「美術館は感染リスクも低いので開けたかった」と都内の美術館長は漏らす。「人の流れを抑えるためなら、劇場が営業できるのはちぐはぐな感じがする。1回ごとの公演と、長期間の展覧会では業界の事情が違うということかもしれないが……」と戸惑う。

●宣言延長でコロナ対策どう変わる? 飲食対策重視に逆戻り「人流抑制」緩和 5/8
新型コロナウイルス緊急事態宣言の延長を正式決定した政府の新たな対策は、大規模イベント開催や大型商業施設の営業の要件を緩和した一方、飲食関連の制限を維持・強化したのが特徴だ。大型連休前に打ち出した「人流抑制」策の効果を検証しないまま、対策の中心を年初の宣言時の飲食重視に逆戻りさせた。感染力の強い変異株が広がる中、またも感染拡大につながる恐れはないのか。
大型連休終わり、人流抑制緩和
菅義偉首相は7日の記者会見で、連休中の人流抑制策に関し「東京や大阪は4月初めと比較して夜間は6、7割、昼間は4、5割ほど減少している」と強調した。3度目の緊急事態宣言発令を決めた4月、首相は「1段と感染レベルを下げるために、人と人の接触機会を減らす」と表明。具体策がイベントの無観客開催や大型施設に対する休業要請だった。その結果、政府は人流が抑えられたと判断。緩和にかじを切り、観客を入れたイベント開催や百貨店などの営業を認めた。政府高官は「人流抑制は(人の移動が活発になる)大型連休中の措置。今回はいったん切ってゼロからスタートするから、2度目の宣言と同じ措置になる」と説明する。
専門家は緩和に危惧
だが、人流は減っても、東京都や大阪府の感染者数は高止まりの状態。政府の基本的対処方針分科会の委員を務める日本医師会の釜萢敏常任理事は7日の会合後、記者団に「感染者数の着実な減少が確認できないうちの緩和はあり得ない。緩和が前面に出ることには、非常に危惧の念がある」と懸念を示した。西村康稔経済再生担当相は人流抑制策に関し「どう効果が出てくるかはこれから分析する」と、詳しく検証しないまま緩和に踏み切ったことを認めている。イベントや大型施設に関し、さらに強い措置を取るかどうかの判断を都府県の知事に委ねたものの、効果は見通せない。飲食店に対しては、酒類の提供だけでなく客の持ち込みも制限。国民には路上での飲酒の自粛も要請し、飲食関連の対策を強化する姿勢を鮮明にした。宣言の対象地域を巡っても、要請がなかった愛知、福岡両県を加えた。愛知県の大村秀章知事は「(政府側から)予防的観点で先手を打った方がいいとの意見をいただいた」と明かす。
緩和と強化が混在
一方、まん延防止等重点措置の適用を要請した茨城、石川、徳島3県は対象外とした。緩和と強化が混在する新たな対策は、ちぐはぐにも見える。政府から宣言延長の報告を受けた7日の参院議院運営委員会で、立憲民主党の横沢高徳氏は「国民にさらに厳しい対策を求めるのか、連休中より緩めるのか」と追及したが、西村氏は「知事と連携して必要な対策を講じる」と話すにとどめた。一連の対策で感染を抑え込み、期限の今月31日に宣言解除へとこぎ着けられるのか。東京の場合、新規感染者数は1日100人が目安との声が専門家から上がる中、政府コロナ対策分科会の尾身茂会長は7日の記者会見で「変異株の影響は極めて重要な要素。下げ止まったからと、すぐに解除すると必ずリバウンドが来る。今まで以上に慎重にやる必要がある」と語った。

●宣言延長と五輪開催、なぜ「保留癖」「玉虫色的決着」が無くならないのか 5/8
3度目となる緊急事態宣言も例外なく「延長」となり、5月31日までとなりました。地域も福岡県・愛知県が新たに追加され、まん延防止の地域も拡大しています。これまでの経緯から「緊急事態宣言は延長されるもの」という認識が広く国民に根付いてしまったとともに、場当たり的な対応にもみえる政府の政策に疑問を持つ人が多いのもまた事実です。コロナ禍もすでに1年が経過するなかで、なぜこのような政策意思決定がなされ続けるのでしょうか。根本的な問題について掘り下げて考えてみたいと思います。
行政府の悪い風習「保留癖」
筆者が、特にこのコロナ禍において問題だと思っている根本的なところは、とどのつまり「保留癖」と「玉虫色的決着」という思想です。
行政府・立法府はこのコロナ禍においても、現行法制の枠組みの中で最適な対応が求められ、または現行法制では対応できない事象があれば速やかに法改正を行って対応していくことが求められます。
一方、特にコロナ禍の対応にとおいては、例えば今回の緊急事態宣言延長のように、「まずは当座の対応をして、様子を見る」という場当たり的で近視眼的な対応が続いていると言わざるを得ません。3回目となる緊急事態宣言は令和3年4月25日(日曜日)から5月11日(火曜日)までの17日間で出されましたが、この期間は不十分だという指摘が専門家からは当初上がっていました。新規感染者数が上昇傾向にある中で、菅首相は「連休中の人流を減少させるという目的には一定の効果があった」と述べていましたが、緊急事態宣言の目的はそれだけなのでしょうか。連休中は医療機関が休業するなどして新規感染者数の報告が遅れ、見かけ上の数字が下がることは、既にこの1年間に何度も経験をしたことで、明らかなことです。仮に最初の発出時に「延長ありき」なのであって、しかも「延長ありき」であることを事前に言わない形で当初の期間を設定したのであれば、これは説明責任の問題でもあり、また「自粛」という行為に対する行動心理の悪影響(緊急事態宣言はどうせ延長されるのだ、更に自粛をしたって結果的には延長になるのだから「宣言」や「宣言を発出する主体である政府」は信用ならない、という思考)をもたらすことも明らかです。
はっきり言えば今回の緊急事態宣言の延長は、当初の緊急事態宣言そのものが「問題の先送り」という思考そのものであり、単なる保留癖だったと言わざるを得ません。緊急事態宣言はいつか解除しなければならないものですが、その解除の目安に近づかせるためではなく、単なる連休中の人流抑制だったのであれば、緊急事態宣言の本来の趣旨とは異なる発出だったとも言えます。誰の目に見ても東京五輪開催やバッハIOC会長来日のために期限を忖度したことは明らかですから、そのことも踏まえれば「とりあえず緊急事態宣言を発出し、連休の人流抑制で一気に感染者が下がればラッキー、そうでなければその時点で再度考えよう」という思想が透けて見えます。
もう一つの悪い癖である「玉虫色的決着」
さらに「玉虫色的決着」も悪しき伝統です。今回の延長に際しては、「基本的対処方針」を改定し、大規模商業施設(百貨店やSC)に対する要請内容を「生活必需品売場を除く全面休業」から、「(売場関係なく)夜8時までの営業時間短縮」と緩和しました。また、スポーツを含む各種イベントの観客動員についても、「原則無観客」から、「上限5000人・収容率50%のいずれか少ない方」と緩和をしています。現実問題として新規感染者数が良く見ても(連休における検査数減のせいで)横ばい、悪く見たら増加(悪化)している状況だからこその宣言延長にもかかわらず、上記のような対策緩和をすることは矛盾なのは明らかです。菅首相は7日の会見で次のように述べています。
「(テレビ東京篠原記者の質問)大規模商業施設の休業要請の緩和についてお伺いします。これは経済にプラスになると、そういう見方もある一方で、感染対策を緩めることになるのではないかという批判もあります。この点について、総理はどのようにお考えでしょうか。
(菅首相)まず、ゴールデンウィークという大型連休に合わせて、国民の皆さんに、まず短期集中の措置を行いました。そういう意味で、今後、平常の時期に戻ったということで、緩和というよりも、そこについて前回の緊急事態宣言でも行っていなかったことであります。そこはやはり非常に大きな制約を与えることになりますので、前回の緊急事態宣言のときも行っていませんでした。そうしたことの対応をさせていただくということであります。」
もちろん、大規模商業施設(百貨店やSC)に対する従前の休業要請が短期集中の措置だったと当初から説明があり、その短期集中の措置に対する十分な補償があれば、まだ納得感はあったでしょう。しかし一方で、振り返ってみたときに「GW期間中の短期集中の措置だから休業をしてくれ。百貨店の協力金は20万円、テナントは2万円」では、なおさら納得感が得られません。厳しい言い方ですが、当初の休業要請(と不十分な協力金が)政策ミスであったことを素直に表明すれば良かったのではないのでしょうか。
いずれにせよ、宣言延長に伴う大規模商業施設への休業要請緩和については、東京都・大阪府は(従前の)「生活必需品売場を除く全面休業」を維持し、兵庫県は政府の要請をさらに短縮した「(売場関係なく)夜7時までの営業時間短縮」とし、愛知県は政府の要請通り「(売場関係なく)夜8時までの営業時間短縮」とする方向で検討していると報じられています。政府の要請が実態と即していないと判断され自治体毎に温度差が出れば、結果として都道府県境またぎの人流が発生することになります。このような決着になるのであれば、欧州やオセアニアのような厳格なロックダウンというメリハリの効いた対応の方が効果が高かったのではないか、という指摘も出てくることは当然でしょう。
すでに起こった未来は体系的に見つけられる
例えば、緊急事態宣言の解除が本当に数週間後に可能かどうかという点を見てみましょう。緊急事態宣言の解除については、解除基準としてステージ4から脱却してステージ3に入っていることというのがこれまでの説明でした。また、昨日7日の首相記者会見では、尾身会長が以下のように述べてます。
「ステージ3に入って、しかもステージ2の方に安定的な下降傾向が認められるということが非常に重要。それからもう一つは、感染者の数も重要ですけれども、解除に当たっては医療状況のひっ迫というものが改善されているということが重要だと思います。それから、今回は明らかに変異株の影響というのが前回に比べて極めて重要な要素になっていますので、今回は、いずれ解除するときには、今まで以上に慎重にやる必要があると思います。 (中略) 普通、我々感染症の専門家の常識を考えると、下げ止まっても、大まかな目安ですけれども、2〜3週間はぐっと我慢するということが次の大きなリバウンドになるまでの時間稼ぎをできるということで、そういうことが必要だと思います。」
では、実際にステージ3に入るのはいつでしょうか? 政府が緊急事態宣言解除の目安とする「ステージ3(感染急増)」とは、東京都であれば新規感染者数が7日平均で500人という目安になります。まず新規陽性者数が今現在でどれぐらいかを見てみたいと思います。
   図 東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト
上図でもわかるように、東京都では4月15日に7日平均で500人という「ステージ3(感染急増)」基準を超えた、GW期間中を除けば一本調子で増え続けていることがわかります。ではGW期間中に感染者が激増したのは実際に「感染縮小傾向」に転じたと見なして良いのでしょうか。先行指標である「発熱相談センター相談件数」や「コロナコールセンター相談件数」を見てみましょう。
これらの先行指標はGW期間中も上昇傾向にありました。特に発熱相談センターの件数は、(かかりつけ医などがGW期間中休業になってコールセンターへの電話が増えるといった傾向を踏まえても)急増しており、今後の感染拡大を予期させるものです。
経営学者P.F.ドラッカー氏は、「すでに起こった未来は体系的に見つけられる」(『創造する経営者』)という言葉を残しています。人口や社会や経済といった「変化」は、更なる「変化」をもたらすが、そこにはタイムラグがあり、体系的に見つけることができるという意味です。例えば今年の「出生数減少」は、6年後の「小学校入学者減少」であり、20年後の「年金支払者減少」であり「労働者減少」であるように、今起きている問題は将来に対する確実性のある未来だと言えばわかりやすいでしょうか。これらは不確実な予測や想像ではなく、将来的に必ずやってくる未来であり、その事象を「すでに起こった未来(the future that has already happened)」と名付けました。
コロナに関する一連の政策決定こそ、まさにこの「すでに起こった未来」を活用すべきなのです。コロナも、実際の感染から発症、検査結果の判明(陽性確定)、重症者にはタイムラグがあります。このタイムラグを意識した政策決定が、少なくとも政府にはできていないと筆者はみています。東京都や大阪府はこういった先行指標の数字も見ていますが、それでも東京都ではまだモニタリング指標ではないことから、「今後どういった傾向になるか」という将来の観察としてはこれでもまだ不十分かも知れません。来週、再来週の医療供給体制がどうなるのか、という点を考えれば、中長期的な対応とまでは言わずとも、場当たり的な対応は防げるはずです。いずれにせよ、限られたリソース(医療資源)を適切に分配していても資源に上限がある以上、このGW明けの状況からどうやって「5月31日」に緊急事態宣言が終えられると考えているのか、明確な「未来」を首相が提示しなければ、政府に対する信頼が下がり続けるだけでなく、自粛要請の実質的効果も下がり続けるだけです。

●緊急事態宣言「延長」ゴールの目安は? 5/8
「緊急事態宣言」延長で感染は抑えられるのか?そして、宣言解除のゴールをどう見据えるかについて、感染制御学がご専門の堀賢教授にお聞きします。
きょうの全国の新規感染者は7244人です。12日から「緊急事態宣言」となる福岡は過去最多の519人、愛知も過去最多575人、「緊急事態宣言」が延長される大阪は1021人、東京は1121人です。
「宣言」延長で感染は抑えられるのか?
緊急事態宣言の延長で、大型商業施設などは休業要請から午後8時までの時短要請に、そしてイベントなどについては無観客要請から定員の50%以下で5000人までということで緩和されます。逆に飲食店については酒類を提供する店の休業要請に加えて、酒の持ち込みを認める店についても休業を要請するということで厳しくなります。一方で東京と大阪については独自で大型商業施設などについては休業要請を継続、また大阪ではイベントなどについても無観客の要請を続けるということです。
高島 / 延長するのに緩和するというのは少し矛盾を感じるんですが、そのあたりはいかがでしょうか?
堀教授 / 本来でしたら、対策を強くして延長するというところなんでしょうけども、予想外の反発の強さに若干ひよってしまったんじゃないかなと思うところがあります。短期間に強い政策を行うということで、トータルの実施期間も短くなる訳ですから、いろんな経済ダメージを抑えるんだったら、ここはやはりひよらない方がいいと思うんです。
高島 / 新たな措置としてお酒の持ち込みを認めるお店にも休業を要請、路上飲みに対しても法律に基づく自粛を要請するということなんですが、この辺りは少し強化しているというところは感じますね?
堀教授 / ただ、いたちごっこになりかねないので、「なぜこれを今しなきゃいけないのか」という部分の国民の理解が必要になってきます。
宣言解除のゴールをどう見据えるべきか
宣言の期限は来週の11日までを、今月末31日までに延長されます。きのう菅総理は、解除の目安について、「ステージ4の脱却が目安、専門家などの意見を聞きながら判断したい」と話しました。
高島 / どこまで頑張ったらいいのかその目標を具体的に話してほしいですね?
堀教授 / 海外のデータを見てみますと感染が落ち着いてきてるところはすべからく、40%から50%ぐらいのワクチン接種率に達してる国なんです。そういう意味からいえば、今行うべきは一刻も早く多くの人にワクチンを打つこと。もちろん時間がかかりますから、その間は、緊急事態宣言でなるべく抑えていく。それが唯一の方法じゃないかと思ってます。
高島 / 都内ではイギリス型の変異ウイルスがおよそ7割に拡大してきています。またインド型の影響というのも心配ですね?
堀教授 / インド型の場合はワクチンの効き目が悪くなるような変異が含まれてるといわれています。ワクチン接種に時間かけてると、こういった変異株が増えてきて、また最初から打ち直しということになったりしかねないわけです。ですからなるべく早く、コロナのワクチンを打って抑え込んでいく。これが一番重要だと思います。 
 
 
 

 


●松本人志、緊急事態宣言延長は「国民からもっと意見を聞いた方がタメに」 5/9
フジテレビ系「ワイドナショー」(日曜午前10時)が9日、放送され、MCのダウンタウン松本人志(57)が、緊急事態宣言延長について言及した。
「予想通りっちゃ、予想通りですけどね」と深くうなずきつつ「専門家の意見をとか、専門家会議とか1年以上ずっとやってらっしゃいますけど、国民の人たちからもっといろんな人の意見を聞いた方がよっぽどタメになると思う。それこそ、学校行けてない学生さんとか、子育てしているお母さんとか、満員電車に今でも乗ってるサラリーマンの人とか。そんな人たちの話をなぜ聞かないのだろうか。これが本当に不思議でしょうがない」と苦言を呈した。
オリンピック開催の有無についても「みんなモヤモヤしている。どうすんねんって。俺がバッハに電話してもええで? 『しもしもバッハー?』って。『ちょっと延期の感じかな?』って、言ったらいいのよ」と冗談交じりに語った。

●航空各社、緊急事態宣言延長や追加で特別対応を拡大 5/9
全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)などの航空各社は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象地域追加などに伴い、航空券の変更や払い戻しを行う特別対応を拡大した。
ANAは、5月9日から31日までの間に札幌/千歳を発着する便と、5月12日から31日までの間に東京/羽田・名古屋/中部・大阪/伊丹・大阪/関西・神戸・松山・北九州・福岡・沖縄/那覇・宮古を発着する便を対象に、変更や払い戻しで特別対応を行う。
JALは、5月9日から31日までの間に札幌/千歳を発着する便と、5月12日から31日までの間に東京/羽田・東京/成田・名古屋/中部・名古屋/小牧・大阪/関西・大阪/伊丹・神戸・但馬・松山・北九州・福岡・沖縄/那覇・宮古・多良間を発着する便を対象に、変更や払い戻しで特別対応を行う。
スカイマークは、5月9日から31日までの間に札幌/千歳を発着する便と、5月12日から31日までの間に東京/羽田・名古屋/中部・神戸・福岡・沖縄/那覇・下地島を発着する便を対象に、変更や払い戻しで特別対応を行う。
また、AIRDO(エアドゥ)、ソラシドエア、スターフライヤー、アイベックスエアラインズ、フジドリームエアラインズ、天草エアラインも、これらの空港発着便で特別対応を実施している。対象空港や特別対応の取扱い、対象期間などは各社異なることがある。今後も変化する可能性があるため、各社のウェブサイトで最新情報を確認する必要がある。

●京都市の繁華街人出6割増 緊急事態宣言延長決定後初の週末 5/9
緊急事態宣言の延長が決まって、初めての週末となったきのう、京都市内の繁華街は多くの人出が見られました。道行く人は「人出はなかなか多いと感じる。あまり外出していなかったが、きょう出てみて、結構多いイメージがある」と語っていました。NTTドコモの人口統計データによりますと、きのう午後3時の四条河原町付近の人出は、最初の緊急事態宣言が出された去年5月の休日の平均に比べて、57.4%の増加、また京都駅周辺の人出は67.8%の増加となり、いずれの地点も去年5月の休日に比べ、人出は、およそ6割増加しました。京都府では、日中も含めた不要不急の外出自粛と、移動の自粛を呼びかけています。移動の自粛は、特に夜8時以降の外出と、混雑している場所を避けるよう呼びかけています。また、飲食店を利用する場合、感染対策が徹底されていない飲食店や営業時間短縮の要請に応じていない飲食店の利用を控えるよう呼びかけています。

●「緊急事態宣言」延長が決まって初の週末 街の人出は・・・ 5/9
関西の3府県で、緊急事態宣言の延長が決まって最初の日曜日。街を行く人からは、延長は仕方がないとの声も聞かれました。
大阪の繁華街や観光地では、商業施設や飲食店が休業中とあってか、普段と比べて人の姿は、午前中あまり多くは見られませんでした。大阪の街の人は「日曜日やから仕事の人も少ないと思うけど、結構(街は)ガラガラやなと思いました」、「(人出は)普段より少ないかな。(延長は)全然いいが、効果は微妙かな」と話していました。
神戸の街の人は「今から仕事に行きます。(宣言の延長は)賛成です。状況をみたら当たり前」、「今の状況みたら数字的には下がっていないので致し方ない」と話していました。

●“宣言”延長決定後の週末 人出 大阪など増加 5/9
緊急事態宣言の延長が決まってから初めての週末となった8日、宣言が出ている4つの都府県では、先週の土曜日と比較して、大阪などで増加傾向がみられました。
8日午後3時の東京の人出を前の週の同じ時間帯で比べたところ、渋谷区の代々木公園でマイナス40.8%と大幅に減少したものの、そのほかの都内の主な駅では、浅草駅でプラス32.5%、吉祥寺駅でプラス16%など増加傾向もみられました。
一方、大阪では、心斎橋駅でプラス20.6%、大阪駅でプラス16.3%など軒並み増加しています。
また、8日の感染者数が過去最多を更新し、12日から緊急事態宣言の対象地域となる福岡と愛知では、福岡・博多駅でプラス9%、愛知・栄駅でプラス3.6%などとなっています。

●緊急事態宣言の延長 ちぐはぐで疲弊限界だ 5/9
東京、京都、大阪、兵庫の4都府県に発令中の緊急事態宣言が31日まで延長される。新たに愛知、福岡両県を追加し、対象を6都府県に広げる。
3回目となる新型コロナウイルスの緊急事態宣言は先月下旬に期間を17日間に設定、発令された。短すぎるという声にも、菅義偉首相は「短期集中で抑え込む」と強弁していた。だが懸念された通り、延長せざるを得なくなった。見通しや状況判断が甘かったのは明らかだ。
さらに延長期間中の対策には首をかしげざるを得ない。百貨店など大型商業施設への休業要請や大規模イベントの観客制限は緩和するというのだ。
宣言を延長、拡大しながら、対策の中身は緩める―。何ともちぐはぐな対応だ。間違ったメッセージとなりかねず、感染を抑え込めるとも考えにくい。大阪府などは休業要請を続けるといい、自治体で対応が割れる。 また7県のまん延防止等重点措置は宮城県を解除するが北海道、岐阜など3道県を加える。
休業要請が続く酒類提供の飲食店をはじめ国民の疲労感も限界が近いのではないか。場当たり的な対策を繰り返す政府に疑念が募っているようだ。
政府の要請もこれまで通りの協力が得られるとは限らない。国民が納得できる明解な戦略を早急に示す必要がある。
「人流は間違いなく減った。効果が出始めているのではないか」。おとといの首相の言葉に納得する国民は多くあるまい。感染者は高止まりしている。
確かに東京や大阪の繁華街では人出の減少も見られた。だが首都圏近郊の酒類提供を制限していない地域や観光地には例年に近い人出があったともいう。大型連休明けの交通機関は通勤・通学の客であふれた。
宣言対象地域にとどまらず、全国で感染者は増加している。首相が会見したおととい、全国の感染者は6千人を超えた。
連休中は帰省客や観光客といった、宣言地域などからの県境をまたいだ移動が昨年より増えたとみられる。地方で感染者が増加してきた一因だろう。
第4波の背景に感染力の強い変異株の広がりがある。懸念されていたのに、2度目の宣言解除を急いだことが響いている。
医療体制は破綻の危機だ。中でも関西、特に大阪府では重症者用病床の数を重症者が大幅に上回る。7日は過去最多50人の死亡が確認された。変異株が急増している。首都圏や地方でも病床や医療スタッフの確保など体制整備を急がねばならない。
首相は会見で1日100万回のワクチン接種をぶち上げた。実現できれば状況が好転する可能性はある。だが医療従事者でさえ接種率は2割ほど。高齢者は1%にも満たない。ワクチンが確保できたとしても、一方で医療現場が逼迫(ひっぱく)する中、円滑に接種する態勢をどう築くのか。
宣言延長の経済への打撃は深刻で、個人消費など経済損失は1兆円との試算もある。外食や宿泊業は特に苦しく、中小企業の倒産が増えかねない。大阪などの繁華街では休業や時短の要請に従わず、酒類も提供する飲食店が目立っているという。
医療、経済、生活の疲弊は限界に達しつつある。感染抑止と収束へ国民が理解、協力できる一貫性のある対策と戦略が政府には求められている。 
 
 
 

 


●9日の人出を2回目の宣言時と比較 4都府県は減も愛知福岡で増  5/10
3回目の緊急事態宣言が延長されることになった東京、大阪、兵庫、京都の9日の人出は、2回目の宣言が出ていた期間の土日祝日の平均より減少しましたが、新たに対象地域に加わる愛知と福岡では逆に増加しました。
NHKは、IT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使って、3回目の緊急事態宣言が出ている東京、大阪、兵庫、京都、それに12日から新たに対象地域に加わる愛知と福岡の主な地点の人の数を分析しました。
分析した時間は、日中が午前6時から午後6時まで、夜間が午後6時から翌日の午前0時までです。
それによりますと、宣言が出ている4都府県の9日の人出は、2回目の宣言が出ていた期間の土日祝日の平均と比べていずれの地点も減少しました。
減少率は東京駅付近で日中は25%、夜間は19%、渋谷スクランブル交差点付近で日中は33%、夜間は9%、大阪梅田駅付近で日中は54%、夜間は53%、神戸市の三ノ宮駅付近で日中は34%、夜間も34%、京都駅付近で日中は33%、夜間は36%でした。
ただ、新たに対象地域に加わる愛知、福岡では、名古屋駅付近で日中は0%と変わらなかったものの、夜間は14%増加、博多駅付近で日中は1%増加、夜間は17%増加といずれも夜間の増加が目立ちました。
一方、去年の1回目の宣言が出ていた期間の土日祝日の平均と比べるといずれの地点も大幅に増加しました。
増加率は、東京駅付近で日中が122%(およそ2.2倍)、夜間が131%(およそ2.3倍)、渋谷スクランブル交差点付近で日中が93%(およそ1.9倍)、夜間が193%(およそ2.9倍)、大阪梅田駅付近で日中が200%(およそ3倍)、夜間が204%(およそ3倍)、神戸市の三ノ宮駅付近で日中が168%(およそ2.7倍)、夜間が182%(およそ2.8倍)、京都駅付近で日中が179%(およそ2.8倍)、夜間が166%(およそ2.7倍)、名古屋駅付近で日中が286%(およそ3.9倍)、夜間が334%(およそ4.3倍)、博多駅付近で日中が487%(およそ5.9倍)、夜間が566%(およそ6.7倍)でした。

●緊急事態宣言の波及で、特別定額給付金・一律給付金の支給はあるのか 5/10
第4波に伴う3回目の緊急事態宣言も結局延長
既に報道されている通り、第4波に伴う3回目の緊急事態宣言も延長されました。これで、過去3回の緊急事態宣言はいずれも当初目論見通りに終えることができずに、延長されてしまったことになります。特に3回目となる今回の緊急事態宣言は、GW期間中の人流を抑えることを目的としつつも、17日間という期間の短さが当初から指摘されるなど効果を疑問視する声もあった中での発出で、結果的に延長となったことに見通しの甘さが強く指摘されています。
定額給付金・一律給付金の条件は宣言の「全国」発出
これまで書いてきた記事の繰り返しにもなりますが、「特別定額給付金」の麻生太郎財務大臣は昨年10月の記者会見で、緊急事態宣言下における特別定額給付金について、次のように述べています。
「特別定額給付金というのは、緊急事態宣言を全国に拡大したという状況を踏まえて簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計の支援を行って、我々が連帯して国難を乗り越えていくためのものというのがあのときの、特別定額給付金を出したときの大前提です。緊急事態宣言が解除されている現在とは異なる状況で決定されたものであることはまず最初に申し上げておかなければいけないところだと思います。」(財務省HP「麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和2年10月16日(金曜日))」)
すなわち、特別定額給付金の前提には、「緊急事態宣言を全国に拡大したという状況」が必要ということになりますが、この結果、第3波では第1波よりも感染者が多い状況だったにもかかわらず、緊急事態宣言を地域限定にしたということがありました。
ただ、今回の第4波は、政府(菅首相)や分科会(尾身会長)も再三自ら言っている通り、変異株による感染拡大という点がこれまでと大きく異なります。感染力が強い変異株について、国立感染症研究所の鈴木基・感染症疫学センター長は日本感染症学会で「置き換わりが急速に進む変異株の大半を占める英国型の感染力は、従来株の1.5倍」と分析し、「従来と同じ対策では全く立ち行かない新しいウイルスが出てきていると考えなくてはいけない」とも述べています。
今回、緊急事態宣言は5月31日まで延長され、対象も東京都、京都府、大阪府、兵庫県、愛知県、福岡県の1都2府3県となりましたが、専門家会議では「北海道に緊急事態宣言を出すべき」との意見が出たことが明らかになっているなど、さらに追加される可能性も出てきています。結果的に、厳しい表現かも知れませんが、「まん延防止等重点措置」とは何だったのかと指摘せざるを得ません。このまま現在のような「まん延防止等重点措置」「緊急事態宣言」の2段階の制度を状況に応じて逐次追加・解除するような政策で、感染封じ込めができるのでしょうか。
緊急事態宣言を全国で出すべきとの識者意見も
あくまで筆者は感染症の専門家ではありません。ただ、緊急事態宣言を全国に出すべきとの意見は、専門家からも出ています。
5月7日には、感染者数が爆発的増加している岡山県の松山正春岡山県医師会会長が「経済が少し停滞してでも緊急事態宣言は全国で出すべきだ」と述べたほか、4月22日には、沖縄県立中部病院の医師で、沖縄におけるコロナ感染防止対策を担う高山義浩医師(厚生労働省技術参与)も、「いったん全国一斉に緊急事態宣言を発出した方がいいです。東京、大阪、兵庫・・・ 小出しにロックダウンかけても、地方に拡散するばかり。そして、すべてが後手後手になっていきます。」と述べています。
特に高山医師が担当している沖縄県はGW明け後に新規感染者数が再度増加傾向となっていることや、GW明けの9日には愛知など14道県で日別新規感染者数が過去最大となったことを踏まえれば、GWの人流によって感染が地方に拡大したことは明らかでしょう。医療供給体制が都心よりも貧弱な地方で感染爆発が起きれば、致命的な結果をもたらすこともまた然りです。いずれにせよ欧米のような厳格なロックダウンも含めた短期集中型の行動制限を行うことこそが、封じ込めに最も効果的な施策です。
数次にわたる緊急事態宣言によって、人流抑制効果も限定的となってきているのも事実です。これは「オオカミ少年効果」に近いところがあり、複数回の抑制によって「自粛飽き」「自粛慣れ」といった効果をもたらすことは、心理的には当然と言えます。繰り返しになりますが、全国に緊急事態宣言を発出し、短期集中的に厳格で効果的なロックダウンと、必要な定額給付をセットで行うことで一気に感染封じ込めを狙うことこそが、今政府に求められているのではないのでしょうか。
JNNの最新の世論調査では、「菅内閣支持は、先月の調査結果より4.4ポイント下落し40.0%で政権発足後最低となり、管内閣不支持は4.3ポイント増え57.0%」となりました。東京五輪開催という目の前の政策に夢中になり、「自粛一辺倒」や近視眼的・場当たり的な対応に固執するようであれば、この夏に向けて更なる支持率の低下はやむを得ないでしょうワクチン接種の進行状況と、感染拡大状況との2つの指標が、東京五輪開催可否や菅内閣の支持・不支持、さらには衆院解散総選挙の日程にも大きく影響を与えることになります。

●緊急事態宣言延長に伴う市長からのメッセージ 5/10
市民の皆さま、向日市長の安田守です。
皆さま方には、一年以上にわたり、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた取り組みにご理解とご協力をいただいておりますことに、深く感謝を申し上げます。
さて、感染者数の急激な増加に伴い、去る4月25日から、京都府に3回目となる「緊急事態宣言」が発出されました。
市民の皆さま、事業者の皆さまには、大型連休中にも関わらず、外出の自粛や飲食店の休業・営業時間短縮などにご理解とご協力を頂きましたことに、重ねて感謝申し上げます。
しかしながら、いまだに感染者数が減少に転じていないことから、5月11日までとされていました「緊急事態宣言」が5月31日まで延長されることとなりました。
大型商業施設や大規模イベントに対する要請などは緩和されますが、引き続き、酒類やカラオケを提供する飲食店に対する休業要請がなされており、酒類を提供しない飲食店についても、午後8時までの営業時間短縮の要請が出されております。
度重なる要請により、市民の皆さまには多大なご負担をおかけしていることとは存じますが、この危機的な状況を一日も早く 脱するために、より一層の、感染症対策を徹底していただきますよう お願い申し上げます。 

●通勤客も「宣言慣れ」 ラッシュ時人出、昨年比大幅増 5/10
東京や大阪など4都府県に3回目の緊急事態宣言が発令されて以降、首都圏と関西圏で平日朝に鉄道を利用した人は宣言前と比べて減少したが、昨年の同時期よりも大幅に増加していたことが国土交通省のまとめで明らかになった。鉄道利用者の「宣言慣れ」ともいえる状況が改めて浮かび上がった形だ。
平日朝の通勤時間帯に首都圏と関西圏でJRと大手私鉄の主要駅から自動改札機を出た人の数を集計し、4月27日以降の4日分を5月10日に新たに公表した。2020年2月中旬の1日当たりの人数を100%とすると、宣言発令後最初の平日となった今年4月26日からの3日間は首都圏が72〜76%で推移した。宣言前の23日は76%で、横ばいもしくは減少した。関西圏は73〜77%で、23日の79%からやや減少した。大型連休の谷間の30日は首都圏、関西圏とも59%まで落ち込み、連休明けの5月6日は首都圏62%、関西圏71%と増加に転じた。
同様に宣言下だった前年同時期(2020年4月27日〜5月7日の計5日間)は、首都圏が31〜39%、関西圏は34〜44%だった。
宣言を受けた鉄道利用者の減少幅は1回目が最も顕著だった。東京や大阪など7都府県に1回目の宣言が発令された翌日の昨年4月8日は首都圏49%(前日比10ポイント減)、関西圏61%(同13ポイント減)。だが、2回目の際は、首都圏と関西圏でほぼ横ばいだった。
政府は緊急事態宣言の期間中、テレワークなどの活用で出勤者の7割減を目指している。

●緊急事態宣言「全国発令も視野に」 知事会が政府に提言 5/10
全国知事会は10日、オンライン会議を開き、新型コロナウイルスの変異株の感染が各地で急拡大しているとして、全国での緊急事態宣言発令の可能性を考慮するよう政府に求める緊急提言をまとめた。
緊急事態宣言の対象は、現在の東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に12日から愛知県と福岡県が加わるが、提言では「もはや全国での緊急事態宣言も視野に入りうる深刻な状況」と指摘。医療崩壊の危機が続く深刻な実態を踏まえて、「猛威を振るっている『変異株』に打ち勝つため、従来の枠組みを超えた強力な対策を直ちに実行されるよう強く求める」とした。
会議には47都道府県の全知事が出席した。8日に最多の新規感染者が確認された岡山県の伊原木隆太知事は、昨年4月に宣言対象が全国に拡大されたことに触れ、「感染が抑えられた経験を生かすべきだ」と述べた。滋賀県の三日月大造知事も「全国的な宣言が必要な時期」、山口県の村岡嗣政知事も「全国的でより強い対応が必要」と訴えた。知事会の飯泉嘉門会長(徳島県知事)は会議後、「緊急事態宣言は国の制度だが、我々の立場から国を押すことも必要」と取材に話した。
政府は7日にまん延防止等重点措置の適用地域の拡大を決めた際、要請のあった茨城、石川、徳島3県への適用は見送った。福島県の内堀雅雄知事が「必要な時に時機を逃さず対策を実施できることが重要。すみやかな措置を」と指摘するなど、政府への批判が相次いだ。提言では「知事の要請に対して適用が見送られたり、協議の段階で適用に国が難色を示したりするケースが生じている」とし、早期に感染を抑えるため、知事の要請で迅速に発動するよう求めた。 
 
 
  

 


●JR東日本 緊急事態宣言中の減便では人流減らず “時差通勤を” 5/11
JR東日本の深澤祐二社長は11日の記者会見で、緊急事態宣言中に東京都と国の要請で減便を行った結果、混雑が発生したことについて「今回の減便では人流は減らなかった」としたうえで、時差通勤が広がる仕組みを推し進めたいという考えを示しました。
首都圏の鉄道各社は、東京都と国の要請を受けて、大型連休の合間の平日などに運行本数を減らしましたが、JR東日本は今月6日に一部の区間で混雑が発生したため、翌日の7日に減便をとりやめました。
これについて11日の記者会見でJR東日本の深澤社長は「混雑をしてご迷惑をおかけした。1日だけで結論は出せないが、今回の減便では人流は減らなかった」と述べました。
そのうえで「オフピークが推進される方向で取り組みをしていきたい。今後、仮に減便要請があった場合は、今回の知見も参考に計画を作りたい」と述べ、ポイントサービスなどで通勤客の時差通勤が広がる仕組みを推し進めて、混雑解消に取り組む考えを示しました。

●田村厚労相 今月末での緊急事態宣言解除を目指す考え強調 5/11
緊急事態宣言をめぐって、田村厚生労働大臣は、ことし1月からの宣言の終盤に、感染者数が増える傾向が見られたと指摘し、感染拡大を防ぐ行動をとるよう重ねて呼びかけたうえで、期限となっている今月末での解除を目指す考えを強調しました。
政府は、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県の緊急事態宣言を、今月31日まで延長するとともに、12日から、愛知県と福岡県を対象地域に加えます。
田村厚生労働大臣は、閣議のあと、記者団に対し「感染を抑えるという意味で、緊急事態宣言を続けることは必要だ。一方で、前回の宣言では、期間の最後は感染者数が増えていた」と述べ、感染拡大を防ぐ行動をとるよう、重ねて呼びかけました。
そのうえで「国民生活に制約が出る中で、いろいろな問題が生じてくる。どこまで国民に納得をいただいたうえで、宣言を続けられるのかも含めて検討しないといけない。まずは、5月いっぱいで感染を封じ込めることが大きな目標だ」と述べました。
一方、田村大臣は、来月1日から、全国の赤十字病院や労災病院など、76の公的医療機関の看護師105人を、医療がひっ迫している地域に順次、派遣できる見通しになったことを明らかにし「重症者は治療が長引くため、看護師の手当てができるのは大きい。協力に心より感謝したい」と述べました。

●大阪の百貨店など「緊急事態宣言」延長の対応は 5/11
4月25日の緊急事態宣言発令以来、大阪府内の各百貨店では府の休業要請に伴い臨時休業が続き、その多くは期間を今月11日までと発表していたが、緊急事態宣言の延長に伴い、各社12日からは現在の食料品のみの営業に加え、婦人洋品売り場の営業を行うなどの対応を発表した。
近鉄百貨店は「あべのハルカス近鉄本店」(大阪市阿倍野区)と上本町店(同天王寺区)は12日以降も臨時休業を行う。しかし、営業する売り場は食料品のほか、化粧品・一部婦人洋品雑貨売場などに拡大。営業時間を1時間延ばし、午後8時までにすると発表した。
高島屋は「大阪店」(同中央区)、「堺店」(堺市堺区)、「泉北店」(堺市南区)の3店舗で12日以降も臨時休業を継続。しかし、こちらも12日からは営業する売り場を食料品のほか、化粧品や婦人雑貨に拡大するとしている。営業時間は午前10時から午後7時までとなる。
阪急阪神百貨店も12日以降も臨時休業を継続する。「阪急うめだ本店」「阪神梅田本店」(いずれも同北区)では宣言期間中は食料品売場のみ営業を行っていたが、12日からは化粧品、婦人服飾雑貨(一部売場を除く)も営業を行うとしている。営業時間は平日が午前11時から午後7時、土・日曜は午前11時から午後6時となる。

●兵庫県への緊急事態宣言 31日まで延長 休業要請は一部緩和 5/11
兵庫県などへの緊急事態宣言はあす12日から、今月31日まで延長されます。デパートなどの大規模な施設については、休業要請が一部緩和される一方、酒を提供する飲食店などへの休業要請は継続されます。
兵庫など4都府県の緊急事態宣言について、政府は11日までとなっていた期限を今月31日まで延長します。これを受けて兵庫県は、生活必需品を販売する小売店などを除き、建物の床面積の合計が1000平方メートルを超える施設に対して行っている休業要請を緩和し、平日は午後7時までの時短要請とし、土曜日と日曜日は引き続き休業を要請します。一方、酒やカラオケ設備を提供する飲食店などへの休業要請や、酒を提供しない飲食店への午後8時までの時短要請は、継続します。また、酒類の飲食店などへの持ち込み禁止を要請します。無観客での開催を要請してきたイベントについては、人数の上限を5000人かつ収容人数の半分までとした上で、午後9時までの開催とすることを要請します。県は宣言の延長を通じて、人の流れを抑制し、感染の拡大を抑え込みたい考えで県民に協力を要請しています。
兵庫県の呼びかけ
兵庫県は、県内全域で、不要不急の外出を自粛すること。
特に大阪など、県境を越えた感染拡大地域との往来を自粛すること。
酒類やカラオケ設備を提供する飲食店などには絶対に出入りしないこと。
さらに飲食店などに酒類の持ち込みをしないよう要請しています。
また、若い人たちに対して、コンビニなどで酒を購入し、路上や公園などで飲酒をすることに加え、友人同士で自宅などに集まって飲酒をするいわゆる「宅飲み」も感染リスクが高いとして、やめるよう強く呼びかけています。井戸知事は記者会見で「『コロナ慣れ』が増えて、ウイルスへの防御力に欠けるような点が見られる。自分自身が重症化する可能性もあり、人に感染させる可能性もある。自覚を持った行動をしていただきたい」と述べました。
入院できない状況続く
兵庫県などへの緊急事態宣言が12日から、今月31日までに延長されることについて、県感染症対策課の西下重樹課長は記者会見で「入院を待っている人が1000人を超え、希望しても直ちに入院できない状況が続いている。緊急事態宣言下にあることを認識してもらい不要不急の外出自粛、3密を避け、マスクの着用、手洗い、消毒をしっかりと行い、かからない、うつさないことを守ってもらいたい」と呼びかけました。

●緊急事態宣言延長 各地の施設で対応に違い 5/11
今回の緊急事態宣言延長では、地域によって店舗などへの要請内容に差が出ています。百貨店などの大型施設については、大阪では引き続き休業要請が出される一方、兵庫・京都では休業要請は土日のみに、平日は時短要請に緩和されます。イベントについても、大阪では無観客での開催を求められますが、兵庫・京都は人数を制限して観客を入れることができるようになります。各地の施設では、対応に違いが出ています。
須磨海浜水族園 営業再開に向け準備
緊急事態宣言による休業要請が12日から一部、緩和される兵庫県では、神戸市の水族館が営業再開に向けた準備を進めています。
神戸市の水族館「須磨海浜水族園」は、緊急事態宣言に伴う兵庫県からの休業要請で先月25日から臨時休館しています。
宣言の延長に伴い、大規模施設への休業要請は兵庫県では、12日から一部、緩和されることになり、水族館では通常どおりの営業を行うことになりました。
11日は、従業員たちが入口のチケット売り場をアルコールのついた布で拭いて消毒したり、水槽のガラス面やペンギンの飼育スペースをモップできれいにしたりして準備を進めていました。
ただ、緊急事態宣言が続くため、水族館では混雑した場合は入場を制限するほか、定期的に館内の放送で感染対策を呼びかけることにしています。
「須磨海浜水族園」の広報企画の岡光敏宗さんは、「大型連休は水族館がいちばんにぎわう時期だけに休業となり残念でした。あすからは感染対策を取りながら心を癒やしに来てほしいです」と話していました。
海遊館 12日以降も休館
緊急事態宣言の延長で、大阪では引き続き大規模施設に休業の要請が出されることから、大阪の水族館では12日以降も休館を続けることにしています。
大阪・港区の「海遊館」では、緊急事態宣言を受けて先月25日から休館しています。
宣言が延長され、大阪では12日からも引き続き大規模施設への休業要請が続くことから、海遊館では休館を続けることにしています。11日も客がいない館内でイルカに餌をやったり、水槽の掃除をしたりしていました。
海遊館広報担当の林成幸さんは、「新型コロナの収束に向けて世の中が取り組んでいる中、私たちも可能なかぎり協力したいと考えています。緊急事態宣言が明けて営業を再開したときには、ぜひ大勢の方に訪れてほしいです」と話していました。
ライブハウス“しかたない”
緊急事態宣言の延長が決まり、大阪ではライブやコンサートなどのイベントについて、引き続き無観客で行うよう求められています。
予定されていたイベントの延期や中止が相次ぎ、ライブハウスなどでは苦しい状況が続いています。
これまで無観客での開催が求められていたイベントについて、宣言の延長後、京都と兵庫では人数を制限したうえで観客を入れるよう要請が緩和される一方で、大阪では引き続き無観客での開催が求められ、対応が分かれています。
大阪・中央区東心斎橋のライブハウス「歌う魚」は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、先月、緊急事態宣言が出される直前から臨時休業してきました。
当初、緊急事態宣言が明ける予定だった12日以降は、月末までに22件の予約が入っていましたが、宣言の延長を受けてすべて延期や中止、または無観客で配信することになりました。
今月の予定を記すホワイトボードはまっさらな状態で、大阪府の協力金でなんとかしのいでいますが、厳しい状態が続いているといいます。
経営者の森本真伍さんは、「大阪だけ宣言が延長され営業を再開できないのはさびしいですが、いまの医療体制を考えるとしかたないと思います。またお客さんに帰ってきてもらえるようにいまは耐えようと思います」と話していました。

●国内景気、製造業を中心に3カ月連続で改善―2021年4月調査 5/11
株式会社帝国データバンクは、全国象2万3,707社を対象に2021年4月の国内景気動向を調査・集計し、景気DIとして発表いたしました。
調査結果のポイント
2021年4月の景気DIは前月比0.3ポイント増の38.3となり、3カ月連続で改善した。国内景気は、経済活動が抑制されたなかで、製造業を中心に3カ月連続で改善した。今後の景気は、一時的な落ち込みもみられるが、緩やかに上向いて推移するとみられる
10業界中、『製造』など5業界が改善、『サービス』など5業界が悪化。『製造』は半導体関連や電子部品などの輸出が堅調で改善傾向が続いた。他方、『サービス』はまん延防止等重点措置や緊急事態宣言を受けて、「飲食店」などの個人向けサービスが再び落ち込んだ。
『北関東』『東北』など10地域中8地域が改善、『近畿』など2地域が悪化した。製造業が改善したが、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言による経済活動の抑制が各地域の景況感に悪影響を及ぼした。規模別では、「大企業」「中小企業」が3カ月連続で改善した一方、「小規模企業」は3カ月ぶりに悪化となった。
2021年4月の動向 : 上向き
2021年4月の景気DIは前月比0.3ポイント増の38.3となり、3カ月連続で改善した。
4月の国内景気は、まん延防止等重点措置の適用地域拡大や3回目の緊急事態宣言の発出など、経済活動が抑制されたなかでの推移となった。プラス要因では、米国や中国など海外経済の回復傾向により輸出が大きく増加したほか、世界的な半導体不足にともない半導体素子製造を含む関連業界が高水準で推移した。さらに自宅内消費は引き続き拡大傾向が続いた。マイナス要因では、新型コロナウイルスの感染拡大にともない一部地域や業種で休業や営業時間の短縮など人流抑制が行われ、飲食店や旅館・ホテルなど個人向けサービスが大きく落ち込んだ。また自動車の減産や工場の稼働停止なども悪材料となった。
国内景気は、経済活動が抑制されたなかで、製造業を中心に3カ月連続で改善した。
今後の見通し : 緩やかな上向き傾向
今後の国内景気は、まん延防止等重点措置の適用や緊急事態宣言の発出にともなう下振れリスクを抱えるなか、ワクチン接種の拡大による経済活動の正常化や海外経済の回復などもあり、緩やかに上向いていくと見込まれる。自宅内消費の拡大など新規需要の創出や5Gの本格的普及などはプラス材料となろう。他方、新型コロナウイルスの感染動向による下振れリスクも依然として大きい。さらに、半導体不足による自動車の減産や夏季賞与の減少、原材料価格の上昇、企業業績の業種間格差の拡大などは注視する必要がある。
今後の景気は、一時的な落ち込みもみられるが、緩やかに上向いて推移するとみられる。
業界別:製造業は改善傾向も、個人向けサービスが再び悪化
10業界中、『製造』など5業界が改善、『サービス』など5業界が悪化。『製造』は半導体関連や電子部品などの輸出が堅調で改善傾向が続いた。他方、『サービス』はまん延防止等重点措置や緊急事態宣言を受けて、「飲食店」などの個人向けサービスが再び落ち込んだ。
『製造』(39.5):前月比1.0ポイント増。3カ月連続の改善。中国向けの輸出が急増するなか、半導体製造装置が含まれる「機械製造」(同0.9ポイント増)や、製缶板金や金属プレス製品などの「鉄鋼・非鉄・鉱業」(同1.2ポイント増)の回復傾向が続いた。米国向けの輸出が好調な電子部品などの「電気機械製造」(同0.6ポイント増)や、木材や生コンクリートの販売価格が上昇した「建材・家具、窯業・土石製品製造」(同1.5ポイント増)など、『製造』は12業種中11業種が改善した。他方、「輸送用機械・器具製造」(同0.1ポイント減)は半導体不足の影響で、一部地域の完成車工場で減産や稼働停止がみられるなか、地域によって企業の景況感に差がみられた。
『卸売』(36.2):同0.4ポイント増。3カ月連続の改善。鉄スクラップ価格が再び上昇傾向にあるなか、「再生資源卸売」(同9.7ポイント増)が大幅にプラスとなった。化学製品や鉄鋼などの価格上昇が追い風となっている「化学品卸売」(同1.8ポイント増)や「鉄鋼・非鉄・鉱業製品卸売」(同1.2ポイント増)など、『卸売』は9業種中6業種が改善した。他方、アパレル関連の「繊維・繊維製品・服飾品卸売」(同0.8ポイント減)や、酒類卸売などが含まれる「飲食料品卸売」(同0.6ポイント減)は悪化した。
『サービス』(37.9):同0.6ポイント減。3カ月ぶりに悪化。一部地域においてまん延防止等重点措置および3回目となる緊急事態宣言が発出され、「飲食店」(同4.0ポイント減)や「娯楽サービス」(同7.3ポイント減)といった個人向けサービスの業種が大幅に悪化した。また、厳しい水準が続く「旅館・ホテル」(同2.3ポイント減)も2カ月ぶりの悪化となり、再び景気DIは1桁台に落ち込んだ。燃料費高騰の影響がみられる「電気・ガス・水道・熱供給」(同6.7ポイント減)や、イベントの中止が下押し材料となった「広告関連」(同0.9ポイント減)など、『サービス』は15業種中10業種が悪化した。
『建設』(41.4):同0.2ポイント減。3カ月ぶりに悪化。新設住宅着工戸数が減少基調にあるなか、木材など建築用資材の不足や価格高騰による影響がみられた木造建築工事などが悪化した。公共工事の発注件数も低調ななか、工事の受注単価などを表す販売単価DIは2020年4月以降50を下回る水準が続いており、企業からは受注競争の激化を示唆する声も多く寄せられた。また、『建設』の雇用過不足DI(正社員)は60.2と50を超える高水準で推移しており、企業の人手不足感も継続している。

●3回目の「緊急事態宣言」の効果が、薄くなってしまった理由 5/11
コミュニケーションの観点から考える新型コロナ対策
4月25日、政府は「変異ウイルスの拡大に最大限の警戒が必要」として、東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に対して3回目の緊急事態宣言を発出しました。
東京で、どういった施設に対して「休業要請」が出されたかは「新型コロナウイルス感染拡大防止のための東京都における緊急事態措置等」を読めば分かります。2回目の緊急事態宣言とは違い、3回目は「やや厳しめ」と言えるかもしれません。
一例を挙げると、床面積の合計が1000平方メートルを超える大型商業施設や、酒類かカラオケを提供する飲食店など、GWに想定していた「外出先」が多く含まれています。つまり外出の機会そのものを無くし、人流の抑制を最優先の目的としていると分かります。
一方で、内閣官房の「新型コロナウイルス感染症対策」ページで公開されているデータを見る限り、緊急事態宣言の発出によって人流が強く抑制されているとは思えません。また、時間をズラして出社した帰り道、コンビニ近くの駐車場で「路上飲み」する人たちを見かける機会が増えたなと実感しています。
政治家が「ステイホームを徹底して」「東京から出ないで、来ないで」「路上飲みは絶対に止めて」と言うほど逆効果を発揮して、人が動き、酒を飲む人が後を断ちません。つまり、政府や自治体と国民の間のコミュニケーションは第4波の現在において失敗しているとすら言えます。
どうして、こうなったのでしょうか。この失敗の理由を知ることは、企業のコミュニケーション活動にも活かせるはずです。
「信頼を失ったから」はミスリード
コミュニケーションが失敗している理由を「政府、自治体が信頼を失ったから」「不信感を抱いて反発しているから」と説明する人がいます。それも、一理あるかもしれません。新型コロナウイルス感染が広まってから1年以上経過しているのに病床が増えていません。また、20時以降の外出禁止を守っていない政治家が続出していますし、厚労省しかり大阪市しかり飲み会ルールを守っていない人たちは多いです。
国民に対して「止めて」「控えて」と要請するばかりで、自分たちは守らない。要は羊頭狗肉(ようとうくにく)で、言っていることと、やっていることが違うのです。それでは信頼を失って当然です。
一方で、いくら信頼を失っているからと言えども、人が大勢集まる場所に出向いたり、お酒を飲んで大声で騒いだり、感染するリスクが高い行為を自ら率先する理由にはなりません。人は非合理的な行動をしてしまう存在とはいえ、さすがに説明がつきません。
そこで、発想を転換します。
人は認知が歪むと、本人からすれば合理的だけど、他人からすれば非合理的な行動を起こしてしまいます。すなわちリスクが高い行動を自らとっている人は、「大勢が集まる場所に出向いたり、お酒を飲んで大声で騒いだりする行為は、感染するリスクが恐ろしく低い、あるいは感染しない」と考えているのではないか、と筆者は考えました。不思議に思うかも知れませんが、これらは「認知バイアス」で説明できます。
現在、生き残っている⼈や物だけを調査して、淘汰された⼈や物を調査しないために誤った信念を持つ傾向を「生存バイアス」と言います。筆者は「『私の履歴書』症候群」と名付けました。日本経済新聞の人気連載「私の履歴書」に登場する著名人は、歴史の荒波を潜り抜けた、言わば「生き残った人」ばかりで、彼らの人生録を読んだとしても、生き残らなかった人たちとの差分を知らなければ、ときには誤った認識を持ってしまうこともあります。
JX通信社調べによると、新型コロナウイルスの日本国内感染者は5月時点で累計60万人を超えます。こんなに感染者がいるのに、「私は今まで感染しなかった、だから⼤丈夫…」と考える人が居てもおかしくありません。「多少は手洗いを怠っても大丈夫だろう、今まで感染しなかったから」。「多少はアルコール消毒を怠っても大丈夫だろう、今まで感染しなかったから」。そうした「生存バイアス」の積み重ねが、感染リスクを少しずつ高めていくのです。
加えて、自分にとって都合の悪い情報を過小評価してしまう「正常性バイアス」も強い影響を与えていると考えます。急激な事態の悪化についていけなくなり、今までの延長線上で物事を考えてしまう悪い癖の一種です。何の根拠も無いのに「大丈夫」という思考停止に陥るのも正常性バイアスが原因と言えます。
生存バイアス+正常性バイアスが作用して、感染する確率を極端に矮小化して考え、この程度であれば感染もしないだろうと合理的に考えているからこそ、冷静に考えれば感染リスクの高い非合理的な行動をしているのだと筆者は考えます。
「数字を見る感覚」が麻痺している
加えて、本連載で何度か紹介している「参照点」が作動して、「この程度の感染者数で済んでいるから大丈夫…」と考えている節すらあると筆者は考えています。
日本における日毎の新規感染者数推移を見てみましょう。第1波が訪れた20年4月、第2波が訪れた20年7月〜8月、第3波が訪れた20年11月〜21年1月、そして第4波が訪れた21年4月〜に目が向きますが、実際に注目すべきは波と波の間です。
第2波と第3波の間は第1波の平均より高く、第3波と第4波の間は第2波の平均より高いのです。
これは、それぞれ「ここまで来たらヤバい」と感じる参照点が、波を超える毎に高まっているからだと考えます。もし第1波の真っ只中にいる人たちが1年後の日本にタイムスリップして、大阪府の新規感染者数1000人という速報に触れたら、目を剥いて「日本終わった」と卒倒するのではないでしょうか。
私たちは、危機を乗り越えるたびに「慣れ」てしまったのです。危機に強くなったのではなく鈍感になってしまったし、どれだけ感染者数が増えても自分は感染していないという状況に「生存バイアス」を強めてしまったとも言えます。
つまり、今起きている「コミュニケーションの失敗」は、2階建ての「失敗」によって成り立っていると言って良いでしょう。1階は「私は感染しないだろうというバイアスを抱かせてしまったコミュニケーションの失敗」、2階は「政府や自治体の羊頭狗肉ぶりに不信感を抱かせてしまったコミュニケーションの失敗」です。
政治家や行政は1階に、マスコミや言論人は2階ばかり注目しているようですが、両者はほつれた糸のように密接に絡み合っています。そろそろ1階部分の失敗を国民のせいにして「国民が正しく理解しない」といった政治家の失言も出てくるでしょう。
「伝える」ことは、難しい
筆者は、飲食店でお酒を飲むこと自体が「ダメ」だとは思いません。黙ってお酒を飲めば良いのです。ただし、多くの人がお酒を飲むと声量が大きくなり、マスクで口元を覆うことも忘れてしまいます。お酒がダメなんじゃない、人がダメなんです。「黙ってお酒が飲めるなら良いけど、皆さんできないですよね?」というのが専門家会議のホンネではないでしょうか。
大規模商業施設の休業も、体調の悪いスタッフを無理して働かせない、店舗に入る度にアルコール消毒を要請する、店舗内が密にならない入場規制を敷くなどの規制ができれば、大きな問題はないと筆者は考えます。でも実際は、入店したお店でオペレーションが悪かったらお店に苦情を言う人がいますし、入口の体温計測は誰も監視していなくて有名無実化しているケースも多いです。
ホンネを包み隠して建前と正論と道徳論で国民を説き伏せようとするから、余計に真意が伝わらないのです。キレイゴトで人は簡単に動きません。「みんな頑張ろう」が許されるのは年に1回、24時間テレビのマラソンだけです。
一方で、ホンネのまま伝えると怒り出す人もいるでしょう。「伝える」ことは難しいなと思います。どうせ反感をくらうなら、命を守る選択肢を選びたいものです。今からでも遅くないので、政府や自治体は積極的に情報公開して、新型コロナウイルスに感染された重傷者をありのまま報道するよう要請した方が良いです。
自分は感染しないと考える確率の感覚に不具合を起こさせ、コンマ数%だった印象を、もしかしたら10%、20%かもしれないと錯覚させるのです。これを確実性効果と言います。
その点、ワクチン接種に関するCM(政府インターネットテレビ「ワクチン接種」編)は「発症を大きく抑える効果があります」とメリットを伝える一方で、「接種後には接種部位の痛み、頭痛が出ることも」「アナフィラキシーが起こって」とデメリットを伝えていて好感が持てます。
コミュニケーションは1度すれ違うと、なかなか修復には至りません。「相手が勘違いしているからいけない」のではなく「相手が勘違いするようなコミュニケーションをしてしまった自分の責任」なのです。果たして、政府や行政と国民との間に起きているコミュニケーションの失敗は、この先もまだまだ続くのでしょうか。コミュニケーションの専門家を雇うべきかも知れません。

●まん延防止の延長要請から事態一変…「緊急事態宣言」愛知県に発令 5/11
愛知県では5月12日から「緊急事態宣言」が発令される。
4月20日から5月11日までの日程で「まん延防止措置」が適用され、名古屋市を対象区域として飲食店への時短要請が出されていたが、5月6日 大村知事は「まん延防止」の期間延長を国に要請し、さらに尾張地域25の市町村を追加する考えを示していた。
しかし、夜になって事態が一変。政府が5月12日から5月31日まで「緊急事態宣言」の対象に愛知県を加える方針を固めた。
大村知事も西村担当相と電話で協議を重ねていたことを明かし、「医療体制がひっ迫している状況を踏まえた」と説明している。
現在の「まん延防止措置」から生活はどう変わるのか…。
まん延防止措置では、名古屋市で午後8時まで、その他の市町村にも午後9時までの時短を要請していたが、宣言後は「県内全域で午後8時まで」となる。
その上で「酒類の提供をやめるよう要請」、時間に限らずお店では酒を出さないでという厳しいものだ。また、デパートなど大型の商業施設に対しても、午後8時までの時短を要請。さらに、スポーツ観戦やコンサートなど大規模イベントでは、変わらず収容数の50%以下か最大5000人とし「無観客」にはならない。

●緊急事態宣言延長、百貨店・大型商業施設の営業 5/11
一部フロアのみ営業する施設・店舗
東京都
新宿エリア / 新宿マルイ本館(Apple/ケユカは営業)、新宿マルイ アネックス、新宿マルイ メン、ルミネ新宿、ルミネエスト店、ニュウマン新宿、伊勢丹新宿店(食料品・化粧品・リビング売り場などは営業)、タカシマヤ タイムズスクエア
渋谷・原宿エリア / 渋谷マルイ、渋谷モディ、東急百貨店 渋谷本店、表参道ヒルズ、東急プラザ渋谷
池袋エリア / 池袋マルイ(セリアは営業)、池袋パルコ(レストランやサービスショップは一部営業)、ルミネ池袋
東京・有楽町・銀座エリア / 有楽町マルイ、ルミネ有楽町、日本橋三越本店(食料品・化粧品・リビング売り場などは営業)、銀座三越(食料品・化粧品・リビング売り場などは営業)、日本橋高島屋 S.C.
その他 / 上野マルイ(無印良品/ニトリ/ロフト/セリア/スターバックスコーヒーは営業)、北千住マルイ(食遊館/東急ハンズ/ノジマ/セリアは営業)、丸井錦糸町店(ジャパンミート生鮮館/スターバックスコーヒー/ユザワヤ/セリアは営業)、中野マルイ(ピーコックストア/無印良品は営業)、丸井吉祥寺店(ビオラル/無印良品は営業)、国分寺マルイ(食遊館は営業)、町田マルイ、町田モディ、パルコヤ上野(レストランや生活関連商品のショップは営業)、調布パルコ(レストラン・生活関連商品業種は営業)、玉川高島屋 S・C、立川高島屋 S.C.、ルミネ北千住、ルミネ立川店、ルミネ町田、ルミネ荻窪、伊勢丹立川店(食料品・化粧品・リビング売り場などは営業)、東急百貨店吉祥寺店、虎ノ門ヒルズ、東京ソラマチ、東京ミッドタウン(ユニクロや無印良品は営業)
大阪府
なんばマルイ、高島屋大阪店、高島屋堺店、高島屋泉北店、阪急うめだ本店(食料品、化粧品、婦人服飾雑貨は営業)、阪神梅田本店(食料品、化粧品、婦人服飾雑貨は営業)、千里阪急(食料品、化粧品、服飾雑貨は営業)、ららぽーとEXPOCITY、大丸梅田店、あべのハルカス近鉄本店、近鉄百貨店 上本町店、グランフロント大阪
兵庫県
神戸マルイ
平日は全館営業/休日は食料品・一部生活必需品を除き休業する施設・店舗
京都府
洛西高島屋、京都高島屋、大丸京都店、ジェイアール京都伊勢丹、大丸京都店、京都BAL
兵庫県
神戸阪急、大丸神戸店、西宮阪急、大丸須磨店、神戸BAL
福岡県
博多マルイ
全館営業する店舗(一部時短・イベントの中止などあり)
東京都
イセタンサローネ 丸の内、イセタンハネダストア
大阪府
阪急メンズ大阪
京都府
ジェイアール京都伊勢丹
愛知県
名古屋栄三越、名鉄百貨店本店、ジェイアール名古屋タカシマヤ
福岡県
博多リバレインモール by TAKASHIMAYA、福岡パルコ、博多マルイ、岩田屋三越、福岡三越、岩田屋久留米店
全館休業する店舗
東京都
イセタンサローネ 六本木、GINZA SIX(ローソンや観光バス乗降所は営業)

●愛知県 バーベキューエリアを閉鎖 緊急事態宣言に追加で  5/11
愛知県が12日から緊急事態宣言の対象地域に加わるのに合わせ、県や名古屋市はバーベキューができるエリアを立ち入り禁止にするなど、対応に追われています。
愛知県や名古屋市は、県内が12日から緊急事態宣言の対象地域になることから、河川敷や海岸、公園などのバーベキューができるエリアを立ち入り禁止にする対策を講じることにしています。
このうち、名古屋市西区にある「庄内緑地公園」では、園内のバーベキューができるエリアが、緊急事態宣言の期間中の12日から今月31日まで閉鎖されます。
公園では11日午後、担当者がロープを張って閉鎖を知らせる掲示を行い、立ち入りができないようにしていました。
公園の事務所によりますと、5月は例年、1年の中でもバーベキューの利用者が最も多い月で、感染拡大前のおととしまでは休日には一日500人から1000人ほどが訪れていたということです。
庄内緑地事務所の山本雅博管理課長は「バーベキューをするにはうってつけの季節で閉鎖は心苦しいが、利用者には我慢をお願いしたい」と話していました。

●緊急事態宣言、出口戦略見えず 12日から再延長期間へ 5/11
政府が新型コロナウイルス特別措置法に基づき発令中の緊急事態宣言は11日で当初の期限を迎え、12日からは5月31日までの延長期間に入る。対象は東京、大阪、兵庫、京都に愛知、福岡が加わり計6都府県となる。とはいえ、対策の効果は現時点で十分には表れておらず、新たな期限に向けた出口戦略は不透明なままだ。
新型コロナは感染から発症、受診、報告までに約2週間の時間差があるとされる。今回の宣言は4月25日の開始から2週間を超えており、対策の効果を見極める時期に入っている。
大阪府では11日、974人の新規感染者数が報告された。曜日の違いをならす1週間移動平均でみると5月以降は減少傾向にあり、11日(851人)は宣言初日(1084人)と比べ約2割の減少となった。
一方、東京都の11日の新規感染者数は925人。1週間移動平均は824人で、宣言初日(727人)から1割以上増えた。1月の前回の宣言ではスタートから約2週間後に大きく減少に転じたが、今回は高止まりが続いている。
ただ、政府はなお数字を慎重に見極める必要があるとみている。連休中に検査件数が減少した影響なども考慮する必要があるためで、田村憲久厚生労働相は11日の記者会見で「今週(の数字)を見ないと分からない」と語った。
一方、警戒が必要な地域は全国的に増えている。愛知県では11日、過去最多の578人を記録した。西村康稔経済再生担当相は会見で、連休明けの検査数増の影響にも言及しつつ「全国的に増加傾向が続いている」と指摘。福島、岡山、長崎、熊本、宮崎各県を挙げ、それぞれの知事と意見交換したことを明かした。
実際に宣言を月末に解除できるのか。道のりは険しいといえる。
菅義偉首相は7日の会見で、感染状況が最も深刻な「ステージ4」(爆発的感染拡大)から脱却することが解除の目安だと説明した。一方で、同席したコロナ分科会の尾身茂会長は「下げ止まっても2、3週間はぐっと我慢が必要だ」と付け加えた。
ただ、前回の宣言でも、東京が新規感染者の指標でステージ4を脱するには約1カ月を要した。今回はまだ減少傾向も見られないうえ、「我慢」の期間を加えるなら5月末には到底、収まらない計算となる。田村氏は11日の会見で、期限について「まずは5月いっぱいで感染を封じ込める」と述べるにとどめた。
政府は当面、厳しい対策を継続しつつ、感染拡大を抑える切り札となるワクチン接種を急ぐ考えだ。  
 
 
 

 


●愛知、福岡も緊急事態 宮城「まん延防止」解除 5/12
政府は12日、新型コロナウイルスの感染状況が悪化する愛知、福岡両県に緊急事態宣言を発令した。
期限が当初11日だった東京、大阪、京都、兵庫と合わせ、計6都府県に拡大する緊急事態は31日まで続く。変異ウイルスの影響で感染拡大の勢いが衰えを見せておらず、政府は自治体と連携して抑え込みに全力を挙げる。
宣言に準じた対策を講じるまん延防止等重点措置も月末まで延長。適用地域は埼玉、千葉、神奈川、愛媛、沖縄と、9日に追加されたばかりの北海道、岐阜、三重の8道県で、感染状況が改善した宮城県は11日をもって解除した。
菅義偉首相は11日の政府・与党連絡会議で、宣言の対象地域で酒類とカラオケ設備を提供する飲食店に休業要請を行うことを踏まえ、「高い効果の見込まれる措置を徹底することで感染拡大を封じ込めたい」と表明。重点措置にも触れ、「各都道府県との緊密な連携の下に、対策を集中的に講じる」と感染拡大の抑止に決意を示した。
全国知事会は10日の会議で、緊急事態宣言を全国に拡大することも視野に対策強化を求める提言をまとめている。これに関し、西村康稔経済再生担当相は11日の記者会見で「全国に一律にかけると、感染が広がっていない県を含めていくことになる。法律上強い私権制約を伴うものだから慎重に考えていかなければいけない」と述べた。
重点措置に関しては、福島、長崎、熊本各県からも新たに適用要請を受けたと説明。「必要とあれば機動的に対応していきたい」と語った。 

●緊急事態宣言 きょうから愛知 福岡が追加 今月31日が期限に  5/12
3回目の緊急事態宣言は、東京や大阪など4都府県に、12日から愛知県と福岡県が加わり、今月31日が期限となります。感染状況に大幅な改善が見られない中、テレワークなどをさらに促進して人の流れを減少させ、感染を抑え込みたい考えです。
緊急事態宣言は、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県に、12日から愛知県と福岡県が加わって対象地域が6都府県に拡大されます。
「まん延防止等重点措置」も今月9日から北海道、岐阜県、三重県が追加されて8道県に拡大しており、いずれも今月31日が期限となります。
新型コロナウイルスの新規感染者数は11日は6242人で、このうち東京は925人と1週間前より300人以上増えたほか、大阪は974人で、1日としては過去最多の55人の死亡が発表されました。
感染状況に大幅な改善が見られない中、10日の全国知事会の会合では、全国に緊急事態宣言を出すよう求める声が出されたほか、これまでに長崎や熊本が新たに「重点措置」の適用を要請し、ほかにも複数の県が要請に向けた検討を続けています。
政府は、現時点では、全国に宣言を拡大する状況にはないとする一方、感染者数が増加している地域については、感染状況や病床の状況などを分析し、必要に応じて「重点措置」を適用する方針です。
政府は、経済団体や企業などと連携を強化し、テレワークや休暇取得を促進して人の流れを減少させるとともに、飲食店の営業時間の短縮要請などの対策を徹底し、感染を抑え込みたい考えです。

●東京 緊急事態宣言 きょうから延長期間に  5/12
東京都では12日から緊急事態宣言の延長期間に入ります。都内で厳しい感染状況が続くなか、延長期間中には東京オリンピックの開幕まで2か月を切ることになり、都は、対策の徹底で感染拡大を食い止めたい考えです。
先月25日に東京都に出された3回目の緊急事態宣言は、12日から今月31日までの20日間、延長されます。
都は、引き続き、酒やカラオケ設備を提供する飲食店のほか、床面積の合計が1000平方メートルを超える百貨店などの大規模な施設に休業要請を行います。
酒やカラオケ設備を提供しない飲食店にも、午後8時までの時短要請を続けます。
飲食店などに対する要請は、都内では去年11月28日から続いていて、今回の延長によって時短や休業の要請は半年に及びます。
一方、都民に対しては、不要不急の外出を自粛し、特に都道府県をまたぐ移動は極力、控えるよう引き続き求めます。
都内では、今月に入って1日の感染確認が1000人を超える日があるなど、厳しい状況が続くなか、延長期間中には東京オリンピックの開幕まで2か月を切ることになります。
都は、都民・事業者に対策徹底の協力を強く呼びかけ、感染拡大を食い止めたい考えです。

●緊急事態宣言延長も百貨店やシネコンは軒並み再開 兵庫県 5/12
緊急事態宣言延長による制限の緩和を受け、兵庫県内の百貨店は12日から、平日は全館営業を再開する。県の要請に従い、平日は時短営業、土日は食品売り場のみ開ける対応が目立つ。
大丸松坂屋百貨店は、神戸店(神戸市中央区)など県内3店舗を平日午後7時までの時短営業とし、土日は食品売り場のみ営業。阪急阪神百貨店は、神戸阪急(同)で全館休業していた土日も食品売り場を営業する。県内8店舗のうち、三田阪急(三田市)は土日に全館休業する。
山陽百貨店(姫路市)は衣類などの売り場を平日は午後6時までに。加古川ヤマトヤシキ(加古川市)は、土日も食品フロアに加えて書店、一部テナントが営業する。
家電量販店は、県の要請を受けて休業していた店舗も営業時間を短縮するなどして12日から再開する。ジョーシンは営業再開を「本格的な夏に向け、早めのエアコン設置や点検・修理が必要となる時期と重なる。市民生活への影響を考慮した」と説明する。
県内の文化施設の多くは、県の休業要請緩和を受け人数制限などを設けながら再開を決めた。神戸市立博物館は12日から開館し、「東山魁夷(かいい) 唐招提寺御影(みえい)堂障壁画展」を再開する。
劇場・ホールは、観客を50%以内とし、営業時間を短縮する施設が目立った。県立ピッコロシアター(尼崎市)は、ピッコロ劇団の公演を予定通り行う。
シネコンなど大半の映画館は席数制限などを設けて開館。大阪に近い塚口サンサン劇場(尼崎市)は、観客の安心と人流抑制の観点から休館を決めた。

●「感染怖いが休めない」緊急事態宣言、福岡でも適用開始 5/12
緊急事態宣言の対象に12日から加わった福岡県。宣言適用に伴う対策は、飲食店の休業や時短要請など夜中心のため、福岡市のJR博多駅では12日朝も、マスク姿の通勤客や学生が行き交う日常風景から大きな変化は見られなかった。
福岡県宗像市から通勤する飲食店従業員の女性(26)は、「感染は怖いですが、休むわけにはいかない」と話した。政府や県はテレワークの徹底を呼びかけるが、「接客業なので店舗に出ないと仕事にならない」と漏らす。
県内では4月中旬以降、感染者が急増。大型連休明けの5月7日からは3日続けて過去最多を更新するなど感染拡大の傾向は収まっていない。直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者は53・4人(10日現在)に上り、コロナ専用の病床使用率も7割を超え、行政や医療の関係者は病床逼迫などへの危機感を強める。
県は緊急事態宣言に準じる「まん延防止等重点措置」の適用を国に求めながら一足飛びに3度目の宣言となったが、佐賀県基山町から福岡市に通勤する会社員の男性(60)は「徐々に宣言の効果が薄らいでいる感じがする」と話した。
男性の会社では昨年4月の宣言時はリモートワークだったが、今回は通常勤務を続ける。「人の流れを減らすには、徹底して感染を抑え込むというメッセージこそ必要だ」と注文をつけた。

●緊急事態宣言延長 映画館“休業”に科学的根拠は? 5/12 
東京など4都府県に出されている緊急事態宣言は12日から延長期間に入りました。演芸場や劇場の休業要請が緩和された一方で東京では映画館の休業要請が延長されています。
緊急事態宣言延長初日の東京。
高島屋は、都内の4店舗で婦人服などの販売を再開。アミューズメントパーク、東京ジョイポリスも感染予防対策を徹底のうえ、12日から営業を再開しました。
多くの店舗が営業を拡大するなか、ある業界からは困惑と怒りの声が…。
11日、都庁前で行われたサイレントデモ。訴えたのは、映画館への休業要請に対する抗議です。
政府は宣言延長に伴い、映画館や劇場などの施設について人数の制限などを条件に営業を認め、スポーツイベントなどに関しても入場制限など感染対策を行ったうえでの再開を認めました。
しかし、東京都は大規模な映画館について独自に休業要請を継続したのです。
映画配給会社「東風」木下繁貴代表:「理不尽ですよね、今の状況が。急に東京都から映画館はダメ、プラネタリウムはダメっていうのが出たこと自体がとてもショックだった」
これまで映画館でクラスターが発生した事例はありません。
立憲民主党・蓮舫代表代行:「映画館はダメで何で演劇場はいいんだ。国立の文化組織とそれ以外の扱いはどうなんだ。宣言を受けた地域の人たちが混乱をするような、むしろ混乱に拍車を掛けてるのが非常に心配です」
東京都は、映画館や体育館は「集客施設」、劇場や演芸場は「イベント関連施設」と区分しているといいます。
会見でも…。東京都の会見:「現行の緊急事態宣言のなかでは基本的には無観客での開催が原則になります。一方で映画館のように無観客で開催ができないイベント系施設、特にイベントを行う施設に着目した場合は無観客開催ができないものについては現行休業と」

●軽井沢の結婚式場 4都府県の緊急事態宣言延長の影響懸念 5/12
この時期、多くのカップルが結婚式を挙げる長野県軽井沢町では、東京など4都府県の緊急事態宣言が延長されたことで式の縮小を決めるカップルも出ていて、式場を運営するホテルは影響を懸念しています。
37年前に建てられた礼拝堂が結婚式場として人気の「旧軽井沢ホテル音羽ノ森」は、例年、200組あまりが式を挙げていて、ピークの5月と6月には首都圏などからカップルや多くの参加者が訪れます。
ホテルによりますと、今月は、例年とほぼ同じ36組の予約があり、その多くが新型コロナウイルスの影響で去年の式を延期したカップルだということです。
ただ先週、緊急事態宣言の延長が決まったことで、すでに4、5組が式の縮小を決めたということで、ホテル側は売り上げへの影響を懸念しています。
鈴木健夫社長は、「軽井沢での結婚式は、ホテルにも泊まり旅行を楽しむのが特徴なので、式の縮小は、宿泊や食事の減少にもつながる大変なことだ」と話しています。
一方でホテルは、多くのカップルは再延期するより参加者を減らしてでもことし、式を挙げるともみています。
披露宴会場のテーブルには飛沫を防ぐアクリル板を置き、いわゆる「マスク会食」やマスクを外して行う余興の自粛を呼びかけるなど、感染対策を徹底して受け入れることにしています。
鈴木社長は「客がリラックスして一生に一度の式を挙げられる状況に早くなってほしい。ブライダル産業は裾野が広くみな苦境にさらされている。支援策を示してほしい」と話していました。  
 
 
 

 


●緊急事態宣言延長でも… 通勤時間の人出減は少なめ 5/13
新たに緊急事態宣言の対象となった地域や期間が延長された地域の12日の人出は、2週間前に比べて夜間は減少したものの、通勤時間帯の減少幅が少なかったことが分かりました。
携帯電話の位置情報のデータによりますと、午後9時台の歓楽街の人出は2週間前と比べて新宿・歌舞伎町で26.5%、福岡・中州で23.4%、名古屋・栄で17.2%減少しました。
一方、午前8時台の人出は東京・渋谷で7.5%、東京駅で3.5%、福岡・天神で12.9%、名古屋駅で14.5%の減少となりました。
政府は出勤者の7割減を求めていますが、宣言の効果が十分に出ているとは言えない状況です。

●6都府県の昨夜の人出 GW前より減少傾向 5/13
3度目の緊急事態宣言が延長期間に入った12日、東京都など6都府県の夜の人出はゴールデンウイーク前と比べて多くの場所で減少しました。
携帯電話の位置情報の解析によりますと、12日午後9時台の都内の人出をゴールデンウイーク前の2週間前の水曜日と比べると、お台場はプラス23.2%でしたが、新宿歌舞伎町でマイナス26.5%となるなどデータが公開されている都内22か所のうち、12か所で減少していました。
また、宣言が延長されたほかの地域でも兵庫・三ノ宮駅ではプラス10.6%でしたが、大阪・心斎橋駅でマイナス19.1%など多くの地点で減少していました。
一方、12日から新たに対象地域となった愛知・名古屋駅ではマイナス22.7%、福岡・天神駅ではマイナス26.9%と大幅に減少していました。

●緊急事態宣言延長 行政により美術館など再開に違い 5/13
緊急事態宣言の延長に伴う博物館や美術館の運営について、京都府内では、管理している行政によって施設の休業や再開で違いが出ていることなどから困惑する声が上がっています。
緊急事態宣言の延長に伴い、京都府は、これまで休業を要請してきた床面積が1000平方メートルを超える博物館や美術館について、12日からは緩和し、営業時間短縮の要請に変更しました。
一方、府みずから管理する京都文化博物館や堂本印象美術館などの施設は、休業を続けることにしています。
さらに、国が管理する京都国立博物館と京都国立近代美術館は、12日から再開、管理している行政によって対応が分かれました。
こうした状況のなか、京都市右京区にある民間の美術館、福田美術館では、12日からの再開を予定していましたが、急きょ今月末まで休館することを決めたということです。
竹本理子副館長は「行政レベルでも対応がバラバラで、どっちを見ていいのか非常に悩んだ。感染対策を徹底するなどして再開する判断もあったが、開館して人を集めると批判も来るので、苦渋の判断だった」と述べました。

●緊急事態宣言延長に、全興連が声明 「心が張り裂ける思い」 5/13
当初4月25日から5月11日までの17日間の予定だった新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言が7日、5月末日まで延長されることが発表された。それに伴い、政府は12日以降の休業要請の範囲を緩和し、20時までの時短営業を認める方針に切り替えたが、各自治体の休業要請との間で齟齬が生じることに。科学的知見に基づかず、かつ合理性を著しく欠いたそもそもの方策も相まって、ひたすら混迷を極めることとなっている。
まず、12日以降の各映画館の対応はそれぞれ異なっているため、詳細については各映画館のホームページやSNSなどで確認してほしい。代表的な例を挙げると、TOHOシネマズでは東京都と大阪府の映画館で引き続き休業を決定。イオンシネマも東京都と大阪府の映画館は休業、京都府と兵庫県では平日のみ営業を再開するほか、埼玉県や神奈川県など複数の県の劇場で営業時間の短縮などを行なう。ほかに延床面積1000平方メートルに満たないミニシアターなどを中心に、時短など一層の感染対策を強化したうえで営業を再開する見込みとなっている。
そうしたなか、映画館を中心とした興行場の業界団体である全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)は「映画を愛する皆様へ」と銘打った声明文を発表。東京都で映画館が施設規模に応じた休業要請の対象となっていることを「痛恨の極み」としたうえで、「当然ながら、感染拡大防止に最大限の協力を行うことに関しては一点の疑問もなく、ただ今回の措置に合理的かつ公平なご説明をいただきたいと願うばかりです。それが、非常に重い私権の制限を我々に課す行政側の責務であると考えております」と苦言を呈す。
そして「東京都の映画館を閉めることは、実質上全国規模の映画の公開が不可能なこととなり、すでに明日には新しい基準が適用される12日が迫っていることから、多くの映画が中止や延期の判断に追い込まれつつあります。新作の映画が提供されなくなった他府県の映画館、関係する配給会社、製作会社、出演者やスタッフまでも苦境に立たされています。彼らの悲痛な叫びには心が張り裂ける思いです」と、映画興行の中心地である東京都の映画館が休業することによって全国に波及し、映画界全体を脅かすことになるという窮状を訴えた。
現に、当初の緊急事態宣言の措置期間を踏まえて4月29日から5月12日へ公開が延期されていた『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』は再延期を決定。5月28日(金)に公開を予定していた『100日間生きたワニ』も公開延期を発表するなど、多くの作品が苦渋の決断を余儀なくされている。
昨年の4月に発令された最初の緊急事態宣言で大きな打撃を受けた映画界。その後徐々に回復の一途をたどり、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(公開中)や『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(公開中)などの大ヒット作を世に送りだし、世界でもいち早く映画館が復活した国として注目を浴びることとなった。しかしここにきて、再び1年前の状態に逆戻りしようとしている。
前述の声明文にもある通り、感染者を1人も出さないことを目的としたガイドラインを徹底して遵守してきた映画館では、現在までクラスターを発生させることなく営業を続けてきた。
Twitter上では現在「映画館への休業要請に抗議します」や「SaveTheCinema」のハッシュタグをはじめ、映画・演劇・音楽・美術を包括した「WeNeedCulture」や「文化芸術は生きるために必要だ」といった、文化を守ろうとする運動が活発化しており、あらゆる面において事態の改善が急がれるところだ。
5月7日発表の全国興行生活衛生同業組合連合会による声明文
映画を愛する皆様へ
   全国興行生活衛生同業組合連合会 会長 佐々木 伸一
   東京都興行生活衛生同業組合   理事長 菅野 信三
日頃より映画館に対してご支援を賜り、また、上映に際しては感染予防対策の順守徹底にご協力を賜り誠にありがとうございます。さて、ご存じの通り東京都における5月7日付「新型コロナウイルス感染拡大防止のための東京都における緊急事態措置等」において、映画館が休業要請を受けております。皆様にご心配、ご迷惑をおかけし大変心苦しく思っております。
同日に内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室より発表された「事務連絡」における国が示す目安において、特措法施行令11条1項4号の「劇場等」はすべて、人数上限や収容率等の要件に沿った施設使用の要請等を行う施設として認定され、実際上の営業が許可されているところ、東京都においては、そのうち「映画館」「プラネタリウム」のみが、施設規模に応じた休業要請の対象と整理されていることは痛恨の極みです。
我々、全興連および都興組はコロナ禍の初期より、感染症専門医と協議のうえ、科学的知見に基づいたガイドラインを作成し、「大切なお客様に1人の感染もださせない」を合言葉にそれを順守徹底することで、現在まで映画館でのクラスターを発生することなく営業することができた自負があります。もちろん、なによりもお客様の最大限のご協力、そもそもの興行場の厳しい換気基準があってこそではありますが、相対的な感染リスクの少なさは、政府あるいは各自治体からもご評価いただいているところです。
今回の非常に残念な措置を受けたことは理解することが難しく、東京都ご担当者に繰り返しご質問をさせていただきました。そのお答えは、「人流を抑えるための総合的判断」「感染症のリスク上の線引きではなく、人流抑制を目的としたもの」以上のものをお示しいただくことができず、我々の期待したお答えをいただくことはできませんでした。傘下の事業者からも、「なぜ映画館だけが」「納得できる理由がない」といった声が多数挙がり、映画を愛する皆様からも非常に多くのご心配の声をいただきながら、我々も説明することが叶わず、日々苦慮しております。
また、東京都の映画館を閉めることは、実質上全国規模の映画の公開が不可能なこととなり、すでに明日には新しい基準が適用される12日が迫っていることから、多くの映画が中止や延期の判断に追い込まれつつあります。新作の映画が提供されなくなった他府県の映画館、関係する配給会社、製作会社、出演者やスタッフまでも苦境に立たされています。彼らの悲痛な叫びには心が張り裂ける思いです。
当然ながら、感染拡大防止に最大限の協力を行うことに関しては一点の疑問もなく、ただ今回の措置に合理的かつ公平なご説明をいただきたいと願うばかりです。それが、非常に重い私権の制限を我々に課す行政側の責務であるとも考えております。
今後は、いままで以上に東京都様に我々の感染対策を説明し、一日も早くご理解を賜る努力を続けてまいります。従来からの皆様のご愛顧、ご支援に感謝を申し上げるとともに、引き続きのご協力を何卒よろしくお願いいたします。末筆ながら、日夜新型コロナウイルスと戦う医療関係者の皆様、感染終息に向けてご尽力されておられる皆様に心より御礼を申し上げます。   以上

●緊急事態宣言延長 舞台OK!映画なぜアウト? 5/13
新型コロナウイルスによる三回目の緊急事態宣言が延長となった十二日、東京都内の劇場の多くは営業再開し、舞台関係者から安堵(あんど)の声が上がった。一方で、主な大規模館は引き続き休業を余儀なくされている。都が示した「線引き」に映画関係者からは「理解不能」と憤りの声も上がる。
四月二十四日以来の幕が上がった東京・歌舞伎座。待ちかねた観客が途切れることなく入場した。関係者は「もう見られないとあきらめていた芝居が見られると思い、興奮した」と喜んだ。同時に国や都の方針に左右され続ける状況に「自分たちの力でどうなるものでもないですから」と無力感もにじませた。
歌舞伎座と同様に新国立劇場や東京宝塚劇場、新橋演舞場なども消毒の徹底や観客減といった対策を講じて開演した。
先月二十五日に発令された緊急事態宣言で、都内の四つの寄席は無観客要請を受け入れずに営業を続けたが、一転して五月一日から休業となった。浅草演芸ホール(台東区)は定員(三百四十席)の半分以下に抑えての再開。松倉由幸社長は「客入りは少ないが、ひとまずホッとした」。しかし、ベテラン講談師の神田紅は「自粛も長引き、生活面の不安から精神的に落ち込む同業者もいる」と芸人の苦境を代弁した。
映画館は大手シネコンなどを中心に休業が続いている。都内の主な映画館や演芸場などが加盟している都興行生活衛生同業組合の関係者は宣言延長に伴う線引きに「(休業と営業の)基準がいまだに分からない」と困惑を隠せない。さらに「映画館の多くは、本来ならかき入れ時のゴールデンウイークに二年続けて営業できなかった。(都などに)安全性をしっかりアピールし、早期再開を目指す」と話した。  

●路上で男性を誘っても「食べていけない」、歌舞伎町の実態 5/13
5月末まで延長された緊急事態宣言は、歓楽街の様相を変えている。新宿・歌舞伎町は「不夜城」の街灯が減る半睡状態だ。それでも若い男女を中心に一定の人出はあり、路上で男性客を誘う「街娼」も散見される。彼女たちを支援する、ある夜回り員と一帯を歩き、日本一の歓楽街に立つ女性たちが抱える問題を探った。
「来月の生活はどうなるかわからない」
5月上旬の平日午後8時15分ごろ、坂本新さん(49)は歌舞伎町交番(歌舞伎町2丁目)に入り、自身の安全対策として、夜回りに向かう旨の挨拶をした。
出てきた直後、向こうから歩いてきた中年女性が右手を上げて、すっと近づいてきた。
「おっ、どうした?」
旧知の坂本さんが声をかける。白いマスク姿の女性は相談事があるようだった。人目に付きにくい暗がりに移動した2人は数分間、立ち話をした。黒いマスク姿の坂本さんが女性に対し、相づちを打つのが見えた。
その立ち話が終わった後、女性が取材に応じた。40代のマミさん(仮名)が明かしたのは、新型コロナウイルスの感染拡大と緊急事態宣言による窮状だった。
彼女は「街娼」「立ちんぼ」などと呼ばれる「直引(じかび)き売春」を仕事にしている。日が沈むころから出没し、声を掛けてきた男性たちとホテルに向かい、対価をもらう。もちろん売春防止法で禁止されている違法行為だ。
マミさんは、以前は昼間に働いていたが、体調を崩して離職。不仲の親に頼ることはできず、数カ月前から、やむなくこのエリアに来ることになった。
しかし、コロナの感染者が増えるたび、歌舞伎町に来る男性の数は減っていく。特に彼女の相手となる中年以上の男性は、若い男性と比較するとコロナリスクに慎重な傾向がある。
そのため、ここの仕事でも十分に稼ぐことはできず、当初から貯金はできていない。さらに、緊急事態宣言の延長が追い打ちをかけた。一人暮らしを維持する生活費に困るようになった。
「来月、6月の生活はどうなるかわかりません。かなり苦しい」
言葉少なに、こうつぶやいた。
繋がれない女性たちを支援しはじめたきっかけ
そんなマミさんが「親身になって話を聞いてくれる」とした相手が坂本さんだ。生活保護の受給を検討しており、相談を始めた。この日のような対面のほか、日常的にLINEも送っている。
坂本さんは、マミさんのような女性たちを支援するNPO法人「レスキュー・ハブ」代表だ。一見すると、ひげ面のいかつい「オジサン」。風俗店のガードマンのようでもあるのは、元々、その道のプロだからだ。
大学卒業後、警備会社の社員として活躍した。1994年から2012年までの在籍時には、中南米ホンジュラスや中国・北京の日本大使館などで仕事をした。ロシアでの勤務もあった。
こうした海外勤務で、坂本さんは女性の性的搾取に目を向けるようになる。そして、会社を辞めて、2014年から人身取引の被害者支援するNPO法人で働いた。
しだいに行政のみならず民間団体にも繋がれない女性たちを、より踏み込んだかたちでサポートしたくなった。2018年秋から週に1度、歌舞伎町の夜回りに出るようになると、もっと思うように活動したくなった。
NPOを離れ、2020年4月にあらたに「レスキュー・ハブ」を立ち上げた。
しかし、見知らぬ「オジサン」が相談を受けるようになるには、同じ女性と3、4度と顔を合わせる必要がある。
初見でも受け入れてもらうために、カイロやマスクなどのちょっとしたアイテムを手渡す。夜回り中に抱えているカバンには、こうした物品がつまっている。
同行取材日は、コスメブランド「ロクシタン」の消毒液があった。ロクシタンジャポンがNPO法人に無償提供してくれたものだ。
それらに「お話を聞かせてください」と題した紙をはり、スマートフォンの番号を記している。
「1回1万5千円まで値切られるようになった」
午後8時半ごろ、坂本さんは歌舞伎町2丁目エリアに立つ女性たちに、アイテムを配り始めた。このエリアに通うこと2年半ほどになっているため、顔見知りは多い。アフリカ系の女性とは、英語交じりで言葉を交わした。
そうした相手の1人が、20代のアヤさん(仮名)。黒いマスクの上からのぞく目には、ばっちりメイク。小腹が空いたと訴えた彼女に、坂本さんは近くのコンビニに走ってクッキーを差し入れした。
先のマミさんと違い、アヤさんは当面、お金には困っていない。それでも、コロナの影響をもろに受けていた。
街娼と男性たちは、その都度交渉し、対価を決める。アヤさんは、ここに来るようになってから3年ほど。彼女の場合だと、コロナがはやる以前は1度のホテル同行で2、3万をくれる男性が多かった。
ところが、今は1万5千円程度まで値切ってくる客が少なくないという。
「コロナで懐が苦しくなっているのかな」
アヤさんによる、街角景気ウオッチの感想だ。
「街を歩いている人も少なくなっちゃった」
坂本さんの夜回り対象は、女性が男性を接客する「ガールズバー」の女性スタッフにも及ぶ。午後9時半ごろ、歌舞伎町2丁目を離れ、もっと賑わいがあるエリアに移動した。
各店舗の前には、男性を呼び込むため、女性スタッフたちが立っている。2人1組でいることが多い。坂本さんはアイテムを配りながら、団体の活動を告知していく。
キュロットパンツをはいた、ショートカットの20代女性、ユウカさん(仮名)に話を聞けた。
彼女は緊急事態宣言による人出の減少を嘆いた。宣言が出る前の4月25日以前は、まん延防止等重点措置が出ていたが、「その時は、まだ人がいた」。
それが「ガラッと一気に減った」といい「街を歩いている人も、店にくる人も少なくなっちゃった」。
ユウカさんは時給で働いているが、お客がいないと店は早じまいする。「そうすると、一人暮らしの生活に響くんだよね」。恨めしそうに、こう吐いた。
彼女の店の周囲は、普段ならばネオンが華やかにきらめく一角だ。しかし、この日はカラオケ店舗が入るビルは、上から下まで消灯していた。向かい側で点灯する「I ハート 歌舞伎町」の赤い灯が、その暗がりに反射していた。
街娼になっても稼げない女性たち
約2時間半の夜回りを終えた坂本さんに、コロナ禍が歌舞伎町の女性たちに与える影響を聞いた。
「客が減ったデリヘルなどの風俗店から、ここの『直引き』に流れてくる女性が増えるなど、彼女たちを取り巻く環境は悪化しています。街娼になっても稼げず、その日の食事や宿泊場所に困る生活が苦しい女性もいます」
「それでも、自分が行政の支援対象にならないと思い込んでしまっている。また、自分の選択が招いた窮状だという『自己責任論』にとらわれ、助けを求められない」
「『直引き』で稼げていても、心身への負担が重なり苦しくなるかもしれない。ガールズバーの店員たちでも、何らかのトラブルに巻き込まれる可能性もあります」
「女性たちが今の環境を抜け出したいと思ったとき、助けとなる存在がいります。私自身ができることには限りがあるけど、ハブ役となり、いろいろな団体などにつなぐことはできます。これからも、夜回りを続けていきます」

●水族館や博物館、混雑避け再開 緊急事態宣言延長の京都 5/13
新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が12日、月末までの延長期間に入った。これに伴い、百貨店や一部の施設は感染対策をとった上で久しぶりに営業を再開した。
京都水族館(京都市下京区)は4月24日以来の営業再開。鴨川に生息するオオサンショウウオなど250種近い生き物を見に、親子連れやカップルらが訪れた。午前10時の開館前には、約30人が並んだという。
神戸市垂水区の浦川博志さん(46)は、息子の翔愛(とわ)君(3)と一緒に、水槽の砂の中から顔を出して揺れるチンアナゴに見入っていた。「息子が動物を見たいというので、仕事を休んで久しぶりに外出しました」と話した。
同水族館は感染対策として、館内収容率が50%以下になるように入館者数を制限し、入り口での検温や常時マスク着用も求めている。人気の「イルカパフォーマンス」は座席数を半減。休むプログラムもある。広報担当の前田璃奈さんは「安心安全を第一にコロナ対策を講じた上で、お客様に楽しんでいただきたい」と話した。
京都市内の百貨店や大型商業施設も、営業時間を縮めてすべての売り場での営業を始めた。平日は全館営業に戻ったが、土日は食品や化粧品、雑貨の売り場などに限って開ける。
大丸京都店や京都高島屋の入り口では、店員が手指の消毒やマスクの着用を呼びかけた。ジェイアール京都伊勢丹の川崎賀津之店長は「何とかお客様をお迎えできてほっとしています。営業については、様々な意見や思いを持つ方が増えているので、深く考えてまいりたい」と話した。
大型商業施設「京都河原町ガーデン」(下京区)はこの日に開業した。昨年5月に閉店した京都マルイに代わって、家電量販のエディオンが入った。4月29日に開店する予定だったが、緊急事態宣言を受けて延期していた。午後9時までの営業時間を午後7時までに縮め、土日祝日も臨時休業とする。
建物を所有する住友不動産の広報担当者は「休業要請が一部緩和されたため、オープンした。混雑時を避けて買い物に来てほしい」と話す。
同じジャンルの施設なのに対応が分かれたのが、博物館や美術館だ。
京都国立博物館(東山区)と京都国立近代美術館(左京区)は、消毒やマスク着用などの感染対策を徹底して再開した。
一方、同美術館のすぐ隣にある京都市京セラ美術館(同区)や、京都文化博物館(中京区)といった府立や京都市立の施設は、月末まで休館を続ける。政府の基本的対処方針は、公立施設について府が「閉館や閉園等を検討するものとする」としており、府は府立施設の休止を継続。京都市も府にならった対応だ。

●奈良は宣言も重点措置も求めず 知事「効果わからない」 5/13
奈良県独自の「緊急対処措置」の適用期間が延長された12日、荒井正吾知事は記者会見で、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置について「県の実情に合わず、効果も分からない」などと県内への適用には改めて否定的な見解を示した。
緊急事態宣言が発令される場合、対象地域は一律に県内全域となる。荒井知事は「県内の市町村間で感染状況に差があり、県下全域で休業要請や時短要請する必要や効果があるのか分からない」と説明した。
県によると、5日時点の累計感染者数が多かったのは奈良市2003人で、生駒市675人、橿原市546人と続く。人口の多い県北中部に感染者数が集中し、南部などは比較的少ない。
一方、対象地域を知事が決められるまん延防止等重点措置については「県内で飲食店を感染源とする事例はほとんどない」などと国に適用を求めない理由を述べてきた。県は県内の飲食店での感染事例数を調査中という。ただ、3月1日〜5月5日に感染確認された感染者のうち、5日時点でクラスター(感染者集団)によると推定される感染者をみると、飲食店での感染は3%(9人)だったという。
――県の緊急対処措置に人の流れを止める効果は。
「国では人の流れを止めると感染発生が止まると言うが、効果を検証してほしい。人の流れが奈良に来ていることで(新型コロナが)うつっているのかリアルの検証が必要になる」
――(飲食店などへの時短要請を含む)まん延防止等重点措置を要請しない理由は。
「重点措置は盛り場がある地域で採られており発生源対策という印象」「奈良で飲食店が感染源になっているという証拠はなく、盛り場もない」「(時短営業への支援が盛り込まれた県の緊急対処措置については)緊急事態宣言の出ている地域で時短されると奈良に人が来るかもしれないので防御の意味」
――首長からは緊急事態宣言や重点措置の適用を望む声がある。
「コロナで困っているから時短要請して営業補償してほしいという声が多いが、そうなると飲食店だけの問題ではなくなる。営業に困るからではなく、感染抑止の効果があればやる」
――緊急事態宣言や重点措置の方が県外在住者にインパクトもあり、人流抑制になるのでは。
「それも仮定の話。県で緊急対処措置『宣言』とすれば良かったですか」
――東京五輪の開催についてどう思うか。
「会場の感染対策や東京都で考えられていると思う選手の閉じ込め対策など、感染防止をしてできるのではないかと思う」  
 
 
 

 


●緊急事態宣言延長 酒の販売店も厳しい状況続く 5/14
緊急事態宣言が延長され、大阪では酒類を提供する飲食店に対する休業要請が続いています。宣言が長引き、酒の販売店にも大きな影響が出ています。
大阪・ミナミの近くにある、「酒のやまもと」は、全国各地から取り寄せた地酒をはじめ、さまざまな酒類を周辺の居酒屋などに卸しています。
売り上げの大部分を飲食店向けの卸売りが占めているため、今月は感染拡大前のおととしの同じ月と比べて、7割近く減少する見通しです。
これまで休んでいた日曜日や祝日も店を開け、店頭での販売でなんとか売り上げを確保しようとしています。
店を訪れていた飲食店店員の男性は、「自分が勤めている店も休業になってしまったので、酒店巡りをしています。自分がお酒を買うことで少しでも応援できれば」と話していました。
「酒のやまもと」の山本睦夫さんは、「予想はしていたものの、緊急事態宣言が延長になるとより厳しい状況が続くのが実情です。取引先の飲食店の人たちと笑顔で会える日が来るのを心待ちにして頑張って営業を続けています」と話していました。

●緊急事態宣言延長!今、知りたい“オカネの制度” 5/14
今、知るべき!暮らしを守る“オカネの制度” とは?
緊急事態宣言で暮らしに深刻な影響を受けている人が増えていますが、実は、事業者向けの制度だけではなく、あまり知られていない個人への支援制度も多くあります。会社員やパートで働く人達が “コロナ”に感染したらどんな支援があるのか…?「休業」「収入減」になったとき、どんな“お金の制度”があるのか…?社会保険労務士の井戸美枝さんに聞きました。
コロナで勤め先が休業…お給料はどうなるの?
社労士 井戸美枝さん「コロナウイルス感染症への感染が疑われる従業員を、企業側が自主的な判断で休業させる場合など、会社都合の時は会社が休業手当を払う必要があります。」
勤め先が営業自粛した場合、「休業手当」がもらえます。その金額は・・・
   ・平均賃金の60%以上
   ・月給15万円の場合→休業手当は9万円
   ・パート・アルバイトも対象者
   ・事業者に支払い義務がある
しかし、雇用調整助成金の申請をしていない、まだ支給されていないなど、休業手当を支払えない会社などの場合は、国自体に個人で申請する制度もあります。それがこちら…
「休業支援金・給付金」
   ・休業前の平均賃金の80%(1日上限1万1000円)
   ・中小企業で働く人と大企業のシフト労働者が対象(パート・アルバイトも対象者)
   ・申請先:厚生労働省
会社の指示で休業したものの、休業手当の支払いを受けていないという従業員が対象です。昨年6月末まで平均賃金の60%の支給でしたが、80%に増額、給付額が休業手当より多く、個人で国に申請ができる救済措置です。
社労士 井戸美枝さん「これはコロナ禍での時限的な措置制度で、申請には期限があります。手続きはオンラインや郵送ででき、給与明細書、シフト表など、身分証明、銀行通帳などを添付する必要がありますが、事業主の証明を得られなくても申請できます。」
ただ、この制度はあまり知られておらず、予算が十分に活用されていない面もあります。
ことし1月〜2月に、休業や勤務時間の短縮、勤務日数の減少などの経験がある人を対象にした調査では、賃金・手当受給状況は、勤務先から通常通りの賃金が支払われたという人が約3割で、逆に、賃金も給付金ももらっていないという人が3割以上いました。支援制度を知らない人が多く、申請がされていないことも要因だと考えられています。

●新宿オクトーバーフェスト、23日まで飲酒禁止継続 5/14
オクトーバーフェスト実行委員会は、東京・新宿のスバルビル跡地で、「新宿オクトーバーフェスト2021〜SPRING〜」を、会場での飲酒を禁止した実施を継続している。
イベントは4月22日から開催しており、5月9日までの開催予定であったが、会期を延長している。東京都などの要請に従い、アルコールの販売はテイクアウトのみとし、ペットボトルに入れたテイクアウト用生ビールを提供する。客席では、ソフトドリンクとフードを飲食できる。開催時間は平日が午後4時から午後8時まで、土休日は午前11時30分から午後8時まで。ラストオーダーは午後7時30分。雨天も実施する。
会場は新宿西口スバルビル跡地の「SHINJUKU ODAKYU PARK」。アクセスはJR各線新宿駅西口から徒歩約1分。小田急線新宿西口地下改札口より徒歩約3分。入場無料。

●アンガ田中「緊急事態宣言延長の状況を鑑み」聖火ランナーを辞退 5/14
お笑いコンビ「アンガールズ」の田中卓志さんが5月13日にInstagramを更新。18日に参加予定だった聖火リレーのランナーを辞退することを発表し、決断に至った心境などを明かしています。
田中さんは地元出身者として、広島県府中市を走る予定でした。現地で使用されているアンガールズデザインの封筒の写真を投稿しながら、「5/18に広島県内での聖火リレーに参加予定でしたが、緊急事態宣言延長の状況を鑑み、参加について慎重に考えて辞退をさせて頂きました」と報告しています。当日を楽しみにしていた気持ちをつづりながら、コロナ禍において「医療関係者の方達のご負担や関係各所のお気持ちを思うと、簡単に決められるものではありませんでした」と辞退は苦渋の決断だったと強調しています。
また田中さんは、「誰もが納得した形で迎えるのは難しいかもしれませんが、広島のランナーを務められる皆さん、調整を続けていらっしゃる関係者の皆さんにとって聖火リレーが良い形で残るよう、安全と成功を願っております」とランナー予定者の気持ちに寄り添いながら、エールを送っています。
ファンからは「医療従事者として『辞退ありがとう』と伝えたいです」と感謝する言葉や、「賢明なご決断だと思います」「今は多くの人を集める事自体が悪とされていますので…その決断をされた田中さんを尊敬します」と田中さんの決断を支持する声が寄せられています。

●経済産業省、緊急事態宣言延長で資金繰り支援を金融団体に要請 5/14
政府・経済産業省は5月12日、緊急事態宣言が延長されたことなどから、金融機関・団体に対し、事業者の資金繰り支援に関する要請を行った。新型コロナウイルス感染拡大による打撃が長引く事業者の資金需要に迅速な対応を促した。要請の要旨は次の通り。
・積極的な資金ニーズの確認、事業者からの資金繰り相談への丁寧な対応などきめ細かな支援の徹底
・コロナの影響を直接・間接に受けている企業の資金需要へ迅速に対応
・資本性劣後ローンを含めた新規融資の積極的な実施・活用、同ローンの実施に必要な事業計画の策定支援、既往債務の条件変更について、返済期間・据置期間の長期の延長等を積極的に提案するなど、実情に応じた長期での返済猶予等の最大限柔軟な対応を官民金融機関、メイン・非メインが連携して行う
・協力金も含めた各種支援策の支給までの間に必要となる資金について柔軟な対応
・事業者の事業の特性、需要の回復や各種補助施策の実施見込みも踏まえ丁寧に対応を行う。宿泊事業者については、装置産業という特性のほか繁忙期の需要激減、耐震や東京オリンピック・パラリンピックに向けた改修などの債務負担が重く、GoToトラベル事業の再開までは極めて厳しい事業環境となっていることなどの事情を踏まえ、手元資金の確保なども含め最大限柔軟な資金繰り支援を行う
・貸し渋り・貸し剥がしを行わないことはもちろん、誤解が生じることのないよう事業者の立場に立った最大限柔軟な資金繰り支援を行う

●園田競馬は5月末まで無観客開催を継続 5/14
兵庫県競馬組合は5月14日、政府の緊急事態宣言延長に伴い、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、5月19〜28日(開催6日間、19〜21日、26〜28日)の園田競馬の開催を引き続き無観客で行うと発表した。
来週の日程は、19日と20日の開催は通常開催。21日はナイター開催を行う。19、20日は第1レースの発走時間は11時10分。最終レースは19日が16時50分で20日は16時45分。21日の1レース発走時間は14時40分で最終レースは20時30分を予定している。
また、場外馬券発売所の営業は、姫路場外発売所は19日から発売・払戻を再開する(金曜ナイター時は閉館19時)。ダッシュよかわは、17日より発売・払戻を再開する(閉館は19時)。ダッシュ心斎橋、ダッシュ岸和田は引き続き閉館する。

●緊急事態宣言の対象拡大は全国ベースも視野に 5/14
緊急事態宣言の対象に北海道、広島、岡山の3道県が追加
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政府は14日夕刻に感染症対策本部会合を官邸で開き、北海道、広島、岡山の3道県を緊急事態宣言対象に追加することを決める。期間は、5月16日から31日までの16日間だ。
前日までは、政府は広島、岡山をまん延防止措置対象に追加する方針であり、一方、北海道から出されていた緊急事態宣言発令の要請を受け入れない方針であったが、急遽方針を転換した形である。
3回目の緊急事態宣言は、4月25日に東京、大阪、兵庫、京都の4都府県で始まり、5月12日に愛知、福岡の2県が加わったばかりだ。しかし、発令から既に3週間近くが経過した現時点においても、東京、大阪など大都市部の新規感染者数に明確な減少傾向が見られない一方、深刻な医療ひっ迫状態が続いている。むしろ、新規感染者数は大都市圏から周辺へと、拡大傾向をより強めてきているのが現状だろう。
経済損失は新たに1,440億円、合計で1兆9,040億円
6都府県で5月31日まで続く緊急事態宣言による経済損失額(個人消費減少額)の試算値は、1兆7,600億円である。
一方、北海道、広島、岡山の3道県での16日間の緊急事態宣言発出による経済損失額は、1,440億円と試算される。両者を合計すると、経済損失額は1兆9,040億円となる。これは1年間の名目GDPの0.35%に相当し、失業者を7.54万人増加させる(半年から1年程度)計算だ。
ちなみにここでの経済損失とは、緊急事態宣言による個人消費の減少額を推定したものだ。昨年の1回目の緊急事態宣言での個人消費減少の実績推計値が、計算のベースとなっている。
減少の中心となるのは飲食、旅行関連、アミューズメント関連など対人接触型サービスである。それらは、貿易財ではないことから、貿易などへの波及効果は大きくないとみなし、個人消費の減少額で経済損失全体を推定するのが妥当と判断した。他方、消費財については、休業・時短要請の対象となる百貨店での購入が小規模店舗での購入やネット購入に振り替わること等によって、サービス消費と比べると全体の影響は比較的小さいと考えられる。
合計で1兆9,040億円の経済損失によって、4−6月期の実質GDP成長率は年率換算で5%強押し下げられる計算となる。宣言の愛知、福岡への対象拡大が決定された時点では、4−6月期の実質GDP成長率は、前期比でほぼゼロ成長と考えられた。
しかし、今回の対象区域のさらなる拡大と、まん延防止等重点措置の適用対象の拡大の影響を踏まえると、4−6月期の実質GDP成長率は、1−3月期に続いて小幅なマイナス成長となる可能性が高まった、と判断される。3回目の緊急事態宣言によって、国内景気は異例の「三番底」に陥るのである。
緊急事態宣言が全国ベースに拡大することも視野に
3回目の緊急事態宣言では、今回、対象区域は再々拡大されるが、感染拡大が全国レベルになってきたのに対して、後追いの対応となっている感は否めない。緊急事態宣言の対象区域で百貨店、大型商業施設、飲食店などが休業・時短を行えば、それが適用されない周辺地域に人が流れていくのは自然だ。現在の人流がなかなか減らない背景には、こうした規制逃れの人々の行動があるだろう。そうした抜け穴を防ぐためには、緊急事態宣言を全国ベースで発出し、すべての地域で同等の規制措置を導入することが有効となる。
ちなみに昨年の1回目の緊急事態宣言では、2020年4月7日に東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県を対象に緊急事態宣言が発出され、そのわずか11日後の4月16日には対象は全国に拡大された。今回も、新規感染者が全国ベースで顕著に拡大する中、やや遅きに失した感はあるが、緊急事態宣言の対象区域が全国に広げられる可能性は十分に出てきたのではないか。
そこで、9都道府県での宣言が5月31日まで続いた後に、全国を対象とする宣言がさらに3週間続けられるケースを想定してみよう。5月31日までの宣言の効果との合計でみると、経済損失額(個人消費減少額)は、4兆6,630億円と推定される。これは1年間の名目GDPの0.85%に相当し、失業者数を18.5万人増加させる計算となる。
経済損失額の推定値は、1回目の緊急事態宣言の6.4兆円、2回目の緊急事態宣言の6.3兆円よりは小さいものの、相当規模に達することになる。規制の強さやまん延防止等重点措置の影響も考慮に入れれば、2回目の緊急事態宣言の経済損失額を上回る可能性もあるのではないか。
この場合、4−6月期の実質GDP成長率は年率で2桁となる可能性が出てくる。日本経済は、より深い景気の「三番底」に陥るのである。  
 
 
 

 


●緊急事態宣言延長後 初の週末を迎えた神戸の街では不満の声 5/15
兵庫県は5月15日、3回目の緊急事態宣言が延長されてから初めての週末を迎えました。繰り返される延長に街の人からは不満の声が聞かれました。
兵庫県に4月25日に発令された3回目の緊急事態宣言は、5月11日に解除される予定でした。しかし、14日時点での県内の直近1週間の1日の平均感染者数は376.6人と下げ止まりの状態が続き、宣言は5月末まで延長されました。
延長されて初めての週末を迎え、街の人からは「何の根拠があって延長しているのかわからない。誰も納得していない気がする」「夜に店が開いていないのでランチで友達と会いたい」「営業時間が短いから人が集まることがあるし意味があるのかと思う」といった不満の声が聞かれました。
また、引き続き飲食店では酒類の提供が制限され、神戸市内の酒販店では売上に深刻な影響が出ています。しろがね酒販の白金敏孝社長「売り上げはほとんどないです。配達が全くない」と話しました。
一方、神戸市灘区の都賀川では、川沿いで水遊びをする親子連れの姿が見られる中、神戸県民センターや灘警察署の警察官らが中心となり、バーべキューや飲酒をする人を対象に十分な感染対策を取るよう注意を呼び掛けました。
兵庫県神戸県民センターの八木下徹所長は「特に感染リスクの高い飲酒・飲食の自粛をお願いしている。皆さんの心に訴えかけるしかないと思っています」と話していました。
延長された3回目の緊急事態宣言は、5月末に解除される予定です。

●あすから緊急事態宣言 北海道 岡山 広島 5/15
14日、緊急事態宣言の対象地域に追加されることが突然発表された北海道と岡山、広島だが、閑散とした街には、早くも休業期間の延長を知らせる張り紙が目立っている。
宣言の発令決定から一夜明けた、岡山県は...。
岡山市中心部の繁華街では、県の要請に従って、酒類の提供をやめる店や休業する店が多く見られた。
人通りも、これまでの週末より少なくなっている。
街の人「静かに飲めばいいんだろうが難しい。(休業要請は)しょうがない。これ以上(感染者が)増えたら、大変なことになる」
宣言発令を受け、県は、16日から5月末まで、酒類やカラオケ設備を提供する店は休業するよう求めている。
また、北海道と広島県では15日午後、対策会議を開き、飲食店の時短要請や休業要請のエリアを拡大するなど、より強い新たな対策の詳細を決定する方針。

●百貨店など再び休業、神戸の街中ひっそりと 緊急事態宣言後、初の週末 5/15
新型コロナウイルスの感染拡大が収まり切らずに緊急事態宣言が延長され、15日に初の週末を迎えた。延長後の平日に営業を再開していた百貨店などは、再び一部を除いて休業。街中はひっそりと静まり返った。
延長期間に入った12日から全館営業を再開していた神戸・元町の大丸神戸店も、再び地下1階の食品売り場などを除くフロアを休業。地下入り口以外はシャッターなどが閉じられ、店舗前から人通りが消えた。
芦屋市の主婦(63)は「百貨店で化粧品などを買いたいので、やはり不便。大阪に比べて人通りも少ない」と話していた。
兵庫県は延長期間の31日まで、百貨店と同様、規模が大きい商業施設や映画館などにも土日の休業を要請。酒類やカラオケを提供する店舗への休業要請を続け、それ以外の飲食店にも午後8時までの時短要請を継続している。

●カープに激震。解除から1年、再び広島県で緊急事態宣言が発令 5/15
5月16日から31日まで広島県でも緊急事態宣言が発令される。昨季は4月16日に緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大され、翌17日にNPBがセ・パ交流戦と5月中の公式戦開幕を断念。2部制で練習を行なっていたカープも、規模を縮小して2班が1日おきに練習する1勤1休体制に移行した。
19日以降はさらに警戒を強め、3勤1休から1勤1休に変更。野手と投手の接触を避け、4班体制に細分化するなど感染防止に努めた。しかし、5月4日には緊急事態宣言の延長が決定。11日にオールスター・ゲームの中止と、今年3月に開催予定だった第5回WBCが2023年に延期されることも発表された。
5月15日になって、ようやく広島県の緊急事態宣言が解除となると、5月25日の12球団代表者会議でセ・パ両リーグの開幕日が「6月19日」と決定。120試合制ながら、無事にシーズンを完遂した。
ところが昨年の広島県の解除からわずか1日の誤差で、再び緊急事態宣言の発令が決定。プロ野球界、そしてカープにどのような影響を及ぼすのか、推移を注視したい。 
 
 
 

 


●東京都の休業要請、事業者の対応は… 休業?営業?あいまいな線引き 5/16 
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府が出した3度目の緊急事態宣言。5月末まで延長された東京都内では、昨年4〜5月の1度目の宣言と比べ、都の休業要請に応じない事業者が増えている。背景には厳しい経営状況に加え、遊園地や劇場など一部の業種のみで営業再開が認められる根拠があいまいな線引きもある。(岡本太、小倉貞俊)
レンタル店は営業再開
休業要請対象のスポーツクラブ。全国展開するフィットネスクラブ「ゴールドジム」は12日から、都内8店舗でプールやスタジオを除き営業を再開した。担当者は「健康的な生活習慣維持のためあらゆる世代に必要不可欠」と説明した。DVDやCDのレンタル店では、大手チェーンの「TSUTAYA」や「ゲオ」の多くの店舗が営業を再開している。TSUTAYAの担当者は「感染予防を徹底している。不安が蔓延するときだからこそ、映画・音楽などのコンテンツが勇気や元気を与える」とした。あるレンタル店の関係者は「休業によってどれだけ人の流れが減るのか、データに基づく説明もない。テーマパークは営業再開が認められたのに」と不満を漏らした。
百貨店、売り場を拡大
「生活必需品」以外の休業要請を受けている百貨店は、食品や化粧品以外にも、服飾雑貨や靴を必需品として売り場を拡大した。昨年の宣言時、一部の店舗が休業要請に応じず注目されたパチンコ店は今回、延長前からほとんどの店が営業している。業界関係者は「昨年は億単位の赤字を出した事業者も。生きるか死ぬかの状況だ」と話す。スポーツ用品店や住宅展示場、おもちゃ店などでも、営業を継続していたり、営業再開したりする例が後を絶たない。
映画館や美術館は休業
一方、映画館や美術館・博物館は不満を抱えながら休業要請に応じている。映画館でつくる全国興行生活衛生同業組合連合会は11日、都が劇場や演芸場に認めた宣言延長後の営業再開について「合理的かつ公平なご説明をいただきたい」とする声明を発表。国立の博物館や美術館には一時、都の休業要請に応じず再開を模索する動きもあった。都の担当者は「分かりづらい線引きになり、反省はある。ただ今は対策を緩める段階ではない」と理解を求める。小池百合子知事は14日の定例会見で「大義は人の流れをどう抑制するかだ。そのためにご協力を賜りたい」と訴えた。
東京都、大型商業施設の休業要請は継続
東京での3度目の緊急事態宣言は当初、4月25日〜5月11日だった。都は政府方針に沿って、面積1000平方メートル超の映画館や商業施設、パチンコ店、博物館などに休業を要請。劇場や遊園地などは「無観客開催」の要請としていた。宣言延長後、政府は大型商業施設の午後8時までの営業を認めるなど内容を緩和し、遊園地などは客数の上限を設けて開催を認めた。知事の判断で休業要請を続けることも可能とした。これを受け、都は12日以降、遊園地や劇場などで客数制限付きの時短営業再開を認めたが、大型商業施設などの業種には休業要請を継続している。  

●兵庫県内各地の声 緊急事態宣言延長後初の日曜日 5/16
緊急事態宣言が延長されてから迎えた初めての日曜日。 休業要請が続く中、県内各地でさまざまな声が聞かれました。
当初5月11日が期限だった緊急事態宣言の延長に伴い、兵庫県は百貨店や映画館などの大型施設に、平日は時短営業を、土日は休業を要請しています。
延長が決まってから迎えた初めての日曜日、神戸市内では、雨の影響もあり、出歩く人の姿は少なく、街の人は、寂しさをにじませていました。
一方、姫路市立水族館では宣言を受け4月25日から臨時休館していましたが、宣言延長に伴う休業要請の一部緩和を受け5月12日に営業を再開しました。16日は通常よりは客は少ないものの家族連れらが訪れ、休日のひと時を楽しんでいました。
姫路市立水族館では、入館前に検温を行うほか密集を避けるため館内のイベントは中止。 混雑の際は入館を制限するなど感染防止策を強化しているということです。
また、兵庫県では、飲食店に対し、酒類の提供をしないよう引き続き要請していて、酒造りにも影響を与えています。清酒「福寿」の蔵元の「神戸酒心館」。 レストランも併設しているほか、これまでは酒蔵見学も受け入れていて観光客の人気を集めていました。
しかし、新型コロナ感染拡大の影響で、主力の高級商品の売り上げが減ったほか、年間15万人が訪れている酒蔵見学も中止に追い込まれ、感染拡大前の2019年と比べ売り上げは一時4割減となりました。
3度目となる緊急事態宣言の期限は、5月31日までとなっています。

●「緊急事態」延長の3府県 週末の人出が先週と比べ増加 5/16
大阪・兵庫・京都で緊急事態宣言が延長されてから初めての週末となった15日、各地の人出は先週と比べて増加しています。
スマートフォンの位置情報をまとめたデータによると、緊急事態宣言が延長されてから初めての週末となった15日、JR大阪駅周辺の人出は先週の土曜日と比べて11%増加していることがわかりました。
また、神戸市のJR三ノ宮駅周辺でも先週と比べて22.9%増加しました。
京都市の阪急京都河原町駅周辺でも11.8%増加していて、緊急事態宣言が延長となった3府県の各地でいずれも人出は増えています。

●緊急事態宣言延長後 初の週末 繁華街の人出多く 5/16
緊急事態宣言が延長されて初めての週末となったきのう、京都市内の繁華街は、多くの人出が見られました。NTTドコモの人口統計データによりますと、きのう午後3時の四条河原町付近の人出は、最初の緊急事態宣言が出された去年5月の休日の平均に比べて、66.7%の増加、また、京都駅周辺の人出は89.1%の増加となり、いずれの地点も去年5月の休日に比べ、人出は、およそ6割からおよそ2倍に増加しました。京都府では、日中も含めた不要不急の外出自粛と、移動の自粛を呼びかけています。移動の自粛は、特に夜8時以降の外出と、混雑している場所を避けるよう呼びかけています。また、飲食店を利用する場合、感染対策が徹底されていない飲食店や時短営業に応じていない飲食店の利用を控えるよう呼びかけています。

●緊急事態宣言延長でさらに増える“家飲み”が離婚を招く? 5/16
「もう長すぎます。お金がかかってもいいから、お願いだから外で飲んできてって本気で思っちゃいます」――都内在住の友美さん(33=仮名)は涙声でそう明かす。
友美さんの3歳年上の夫は半年以上、自宅でテレワークの状態が続いているが、慣れてしまったのか、「会社にはバレないから」と、お酒を飲みながら昼食を取って仕事をすることも……。
「仕事を早めに片づけて午後3時、4時からダラダラと夜10時、11時まで飲んだり……外で飲むみたいに大騒ぎして発散できないせいか、家飲みだと会話が内向きで、やたらと愚痴が多いし、ささいなことですぐ私に絡んでくるんですよ」と友美さん。
コロナ以前の夫は酔って帰宅したらすぐ寝てくれたから“実害”は少なかったが、緊急事態宣言の延長で酒類を提供する飲食店への休業要請は続く。家飲みで酔い潰れる夫の姿に、友美さんは失望しか感じないんだとか。
酒類小売りチェーン「カクヤス」が、メールマガジンに登録しているユーザー(回収サンプル数1586)を対象に3月に実施した調査によると、テレワークをきっかけに酒量が増えたかという質問に、「変わらない」と答えたのは44%、「増えた」が40%、「減った」は15%だった。
同じく都内在住の裕子さん(39=仮名)も夫婦仲がむしばまれている。
「確かに家飲みは安上がりでいいんですが、この1年で、夫は輪をかけて酒癖が悪くなった。酔って壊れていく姿を子どもに見られるのも教育上よろしくないでしょ。私がそれをとがめたら、外で飲んで帰ってきて『辛口のジンジャーエールって隠語で頼んだら、こっそり濃いめのハイボールを出してくれる店があるんだよ』と、うれしそうに言い訳していた夫の無神経さが許せない」と話す裕子さんは真顔だ。
長引く自粛のストレスで酒量が増えてしまう気持ちは分かるが、それで“家飲み離婚”ではシャレにならない。夫婦問題に詳しいライターの日々晴雨氏は「家飲みの効用はありますけどね」と、こう続ける。
「夫婦で一緒につまみを作るようになったり、会話が増えたなんて話はよく聞きますが、それだって飲み方と、もともとの夫婦仲にもよる。最初のうちは楽しいかもしれませんが、ここまで長引いたら、溝が深まるケースだって増えますよね。最近は、家飲みで夫の愚痴ばかり聞かされるのはコリゴリという妻が少なくありません」
お酒も愚痴もほどほどに、か。 
 
 
 

 


●菅政権を待つ“地獄の2週間” 緊急事態宣言延長と五輪中止「5.28決着」 5/17
現在、9つの都道府県に発令されている「緊急事態宣言」。政界の視線は、期限である5月31日に予定通り“解除”できるかどうかの一点に集中している。緊急宣言を解除できず、大幅延長となったら、五輪開催は難しくなり、菅政権は総辞職に追い込まれる可能性があるからだ。
緊急宣言を解除するかどうか、事実上決定する政府の「感染症対策分科会」は、5月28日(金)に開かれるとみられている。この日、菅政権の運命が決まる可能性がある。
「分科会」の尾身茂会長は、カンタンには解除しないつもりだ。14日の記者会見では「すぐに解除の誘惑に駆られる。そこを我慢することが次の光につながる」とクギを刺し、周囲にも「政府がどう考えるかだ。もう1回、緊急宣言を出してよいならパッと解除したらいい。しかし、多くの人はもう宣言を出して欲しくないだろう」と漏らし、菅政権を牽制している。
延長する場合、6月13日までになるとみられている。その場合、五輪開催(7月23日)の1カ月前まで緊急宣言が続くことになり、「五輪をやれる状況ではない」という世論が強まるのは確実。
そこで、あと2週間、菅政権はアノ手コノ手を使ってくるとみられている。
「緊急宣言は9つの都道府県に発令されていますが、菅官邸は東京だけでも解除する方針です。16日の東京の新規感染者は542人でした。500人を下回ったら、分科会を説き伏せてでも解除したい。五輪開催のムードを後押しするために、IOCや五輪組織委員会による“5者協議”を開催し、<無観客開催>を決定することも考えているようです。『開催するなら無観客』という世論が多いから、納得してもらえると計算しているのでしょう。もし、仮に緊急宣言が延長される場合でも、分科会の尾身会長には、五輪開催へのポジティブなメッセージを発してもらう。6月13日の解除なら、ギリギリ五輪開催に間に合うと踏んでいるようです」(政界関係者)
あと2週間、感染者を減らすために、時短営業を守らない飲食店には、容赦なく罰則の手続きを取る方針だという。

●大阪の緊急事態宣言“再延長か解除か”来週『対策本部会議』開き判断へ 5/17
大阪府の吉村洋文知事は緊急事態宣言について、府として“再延長か解除か”を話し合うため、来週にも対策本部会議を開催するとしました。
大阪府では5月16日、新型コロナウイルスの死者数の累計が東京都(1951人)を上回り、全国最多の1958人となりました。
(大阪府 吉村洋文知事 5月17日)「第4波の方が実は致死率のパーセントとしては少ない状況ですが、感染者数が非常に多い。なので、医療体制を強化するのに加えて1人でも感染者を少なくしていく」
吉村知事は来週にも対策本部会議を開き、緊急事態宣言を再延長するか解除するかについて判断する方針です。
こうした中、近畿各地でワクチン接種が進んでいます。5月17日から75歳以上の集団接種を始めた東大阪市。会場の1つ、花園ラグビー場では市民約60人が接種に臨みました。
(東大阪市民)「もっと痛いもんかなと思ったんやけどね。チクっとするくらい」「痛かった。でも安心した。いつも(外出するのに)気兼ねしていたから」
東大阪市によりますと、キャンセルで余ったワクチンは、年齢などに限らず会場の運営にあたる医療従事者などに接種するということですが、5月17日はキャンセル分は出なかったということです。 
 
 
 

 


●米国はマスクなし解禁、日本は緊急事態宣言延長の差に思う 5/18
緊急事態宣言が延期された。新たに緊急事態宣言が下される都道府県も増えている。一方、米国では、ワクチン接種で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が減り、ワクチンの効果が明らかということで、ワクチン接種者は屋内でもマスクなしでOKになっている。
我々もそんな世界を夢見て、医療者や高齢者へのワクチン接種を粛々と進めている。接種を開始して、ちょうど1カ月程度経過したところだ。ただ、いまだに先入観からか患者さんたちには「副反応が怖いから打ちたくないんだけど……」「下手すると死んじゃうんだろう?」と相談を受ける。
ワクチン接種は、体内に異物を入れ、感染症に対する免疫を付与することを目的する。だから、効果とともに副反応が生じてしまう。また、ワクチン接種後には、接種と因果関係のない偶発的な事象も生じ得る。国は安全性評価のため、因果関係が不明な場合も含めて、副反応を疑う事例として広く収集し評価の対象としている。
一般の人には、この「因果関係が不明」というのが理解にしにくいのだろうか。また、一般紙の記者も、「因果関係が不明」という評価を、限りなく“クロ”と受け止めて報道しているような気がしてならない。
例えば、死亡例について。
日刊ゲンダイは、「しかし、要注意なのは、やはり副反応はゼロではないことだ。最悪、死にいたる。4月30日に厚労省が公表した報告書によると、ワクチン接種後の死亡例は、この2カ月半で19件に上っているという。そのうち11例は、接種後3日以内に亡くなっている」と報道している。
これだけ読めば、私だって副反応として19人が死亡したのかと思ってしまう。この記事の情報源の一つと考えられる厚生労働省の「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要」を見ると、死亡例として報告された事例に対する専門家による評価は、28件中28件いずれも「ワクチンと症状名との因果関係が評価できないもの」とされている。
因果関係は「評価できない」とはあるが、概要を読むと、限りなく“シロ”に近いように感じるのは、医療者だけなのだろうか。いずれの事例でも何らかの基礎疾患を有していたり、基礎疾患がなくても、画像検査から何らかの原因疾患が疑われている。
そのため、専門家は「現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められなかった」と結論付けているのだろう。また、既に国民の過半数が接種を終了している欧米諸国と比較しても、新型コロナワクチンの接種後死亡報告頻度は高くない。 ・・・

●緊急事態宣言延長終了まで残り14日 「解除基準まだ示せない」兵庫 5/18
兵庫県や大阪府、京都府などに出されている3度目の緊急事態宣言は、18日で延長期限の5月31日まで残り14日となる。井戸敏三・兵庫県知事は17日の記者会見で、宣言の解除について「まだ、その基準を示す状況ではない。医療提供体制のひっ迫した状態が続いている。感染者の絶対数を減らさないと…」と明言を避けた。また、「前回は基準を示したことで安心感をもたらしてしまった。段階的に努力していくことが必要で、前回と同じでいいのか見極める必要がある」と、異なる対応をとる考えを示した。
県は、2度目の緊急事態宣言が発令されていた2021年2月末、政府に解除を要請する要件を(1)直近1週間の1日当たりの新規感染者数が10万人当たり10人以下(2)重症病床の利用率が50%以下の2つを解除に向けた基準として設定。兵庫県では17日午前0時現在で、(1)は約40人、(2)は80%以上と大きく上回っており、先が見通せない状況となっている。また、入院したくてもできない、いわゆる入院調整(自宅待機)中の患者は1,187人、自宅療養者数は1,457人に上っている。
県内で17日に確認された新規感染者は120人。月曜日は、休日に実施される検査数が少ないことから、新規感染者もそれに伴って少なくなる傾向にあるが、100人台になるのは4月12日以来だった。また、過去2番目に多い33人の死亡が確認された。これについて井戸知事は、「変異株に感染すれば重篤になりやすい、という状況が出てきている」と、厳しい表情で話した。

●延長示唆の「尾身さんは“宗教指導者”」 5/18
新型コロナウイルス感染症対策の分科会、尾身茂会長はまるで“宗教指導者”?
東京の17日の新規感染者数が419人と、500人を大きく割り込んだことで「ピークアウトしたのでは?」との見方が出ている。こうなると今月いっぱいが期限の緊急事態宣言が解除されるかどうかに注目が集まる。尾身会長は「すぐに解除の誘惑に駆られる。そこを我慢することが次の光につながる」と慎重なコメントを出し、都民からも延長すべきとの声が少なくない。
そんななか、国際政治学者の三浦瑠麗氏が、18日のフジテレビ系ワイドショー「めざまし8」に出演し「解除すべき」と主張しスタジオをざわつかせた。
「宣言を出したときの尾身会長の説明は“状況を見極めさせてほしい”だった。変異株がこれから入ってくるということで…。それからかなり時間はたっていて、分科会の治験もたまっているのではなかろうかと。出すときの説明と、解除基準の理由が食い違うと、緊急事態宣言の効果が薄れてしまう。東京がもしピークアウトしているのであれば解除するのが、当初の説明に最もかなった判断でしょう」と三浦氏。
変異株のせいで大阪並みに感染が爆発する?との不安は、どうやら回避された模様だ。なのに延長する理由はないということだろう。
また、三浦氏は「個人的な意見としては、あまり精神論的、抽象的なことは言わないほうがいいと思う。尾身さんの発言は“宗教指導者”のようなもので、解釈のしようがない」とも。およそ科学者らしくない発言と受け取られた尾身会長は、次にどんなコメントを出すのか。

●緊急事態宣言 九回打ち切りで引き分けの多さは異常… 5/18
本紙専属評論家の江本孟紀氏(73)が、プロ野球の引き分けの多さに、げんなりしている。今季はコロナ禍により試合は9回で打ち切り。「このままでは−」ともろもろの弊害を挙げ、制度の再考を呼びかけた。
−−お疲れのご様子で
「きのう(16日)夜、『プロ野球ニュース』に出たら、6カード中、4試合が引き分けだった。コロナ禍による九回打ち切り制度が原因であることは、百も承知で言わせてもらう。異常だよ」
−−両リーグ全265試合では約14%の37試合が引き分け。7試合中、1試合の確率です
「いまのところ、九回打ち切りで、ゲームが面白かったことはない。ある程度、引き分けがあるのはしかたないにしても、勝敗を競うペナントレース本来の姿からは、かけ離れていく。ただの日程消化ゲームになってしまう」
−−仮に「1勝142分け」のチームがあったとしたら「勝率10割」で優勝です
「勝ち、負けのドラマがなくなり、悲喜こもごも、喜怒哀楽といった刺激を失う。やる方も見る方も面白みに欠ける」
−−確かに
「選手の記録などにも影響するぞ」
−−投手の勝ち星は増えず、打者の打席数も減ります
「ベンチの采配も単純で、消化不良!」
−−同点になると守りに入りがち…
「このまま引き分けが増えていく可能性は高い。やはり、勝ち負けを争う原点に立ち返らないといかん。そこで、だ」
−−はい
「せめて6月、緊急事態宣言があけてからは、延長を十二回までにしたらどうだろう」
−−飲食店などへの夜間休業要請も、緩くなるでしょうからね
「3イニング延びたからといって、感染リスクが高まるとは思えない。現に開催球場でクラスターが発生したという報告はない」
−−ありません
「いままで以上に安全対策をとれば、やれるはずだ。一度決めたから…と、九回打ち切りにこだわる必要はない。臨機応変に、再考してもらいたいね」 
 
 
 

 


●宣言延長1週間、都内の重症者数は高水準 5/19
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の延長期間に入ってから19日で1週間。東京都の新規感染者数は減少傾向がみられるが、大型連休後は主要繁華街で人流が増えているとされ、感染力が強い変異株が占める割合も上昇傾向にある。重症者数も高い水準にあり、都は感染対策の徹底を呼びかける。
都内の19日の新規感染者数は766人。前週の水曜日よりも203人減り、6日連続で前週の同じ曜日を下回った。19日時点の7日間平均の感染者数は727・9人で、第4波で最多だった今月13日から約200人減った。
だが依然として、今回の緊急事態宣言の初日(4月25日)の727・1人とほぼ同じ。都幹部は「大型連休中に人流が抑えられたことが減少につながったが、感染者数の水準はなお高い状況」と警戒を緩めない。
懸念材料は多い。都などが実施するスクリーニング検査の結果によると、感染力が強いN501Y変異株の割合が、今月3〜9日は7割超に達した。13日の都のモニタリング会議では、大型連休後の都内の主要繁華街の人出が増加に転じたとのデータも示されており、「感染拡大のリスクは残ったままだ」と都幹部。連休後の人出が今後の感染動向にどう影響するかを注視する必要がありそうだ。
一方、医療機関の負担が大きい重症者数は、高い水準にある。都の基準で集計した人数は今月11日に約3カ月ぶりとなる80人台に突入。19日は73人で再び70人台になったものの、直近で最も下がった4月15日(37人)の2倍に相当する。
重症者は入院が長期化し、感染者の減少よりも遅れる形で減るとされる。年末年始に感染が急拡大した第3波では、新規感染者数のピークから約2週間後の1月20日に最多の160人を記録。同月下旬まで150人台後半が続き、確保病床の6割以上が埋まった。
現在の重症患者用病床は373床。最近の使用率は20%前後で推移しているものの、今月12日時点で人工呼吸器や人工心肺装置(ECMO)が間もなく必要になる可能性が高いなど重症に準ずる患者も300人を超えている。
第4波で感染拡大が鮮明になったN501Y変異株については、専門家から若年層の重症化や回復の遅れなどが指摘されている。インドで広がり、都内でもこれまでに5件超確認されているL452R変異株の影響も読み切れない。
都担当者は「変異株の動向も含めて予断を許さない状況が続く。いまだに緊急事態宣言下にあるとの認識を改めて持ってほしい」と呼びかけている。

●東京都の緊急事態宣言 専門家「5月末の解除は厳しいのでは」 5/19
5月末までが期限となっている東京都の緊急事態宣言について、京都大学の西浦博教授は「今月末までに国が示す感染状況のステージ2相当に到達するのは到底難しいと考えている」と述べ、変異ウイルスの影響などもあわせて考えた場合、予定どおりの解除は厳しいのではないかという認識を示しました。
東京都の感染状況や繁華街の人の流れの分析などを続けている都の専門家は19日、記者団の取材に応じました。
この中で、数理モデルを使った感染症の分析が専門の京都大学の西浦教授は、今の都内の感染状況について「1日の感染の確認はちょっと減少している兆しが捉えられるが、その評価がとても難しく、ちょうど過渡期にある。本当に下がるのか、再度増加するのかは、もう少し見ないといけない」と述べました。
そして「減少のペースはものすごくゆっくりだが、緊急事態宣言でこのレベルだ。今の措置で本当にいいのかどうか考えるうえで極めて重要な時期ではないか」と述べました。
そのうえで「東京都では『まん延防止等重点措置』を早めに打つことができたので感染の急増は避けられているが、減少傾向に向かっているわけではない。より感染力が強いとされるインド株が、ほかの国や日本でもまん延すれば、これまでどおりの対策で感染を制御するのは厳しい」と述べました。
そのうえで「緊急事態宣言が出ているのに、実効再生産数が1未満になるかどうか明確にわからないのは初めてなのでドキドキしている」と述べました。
そして、今月末までが期限となっている東京都の緊急事態宣言について「東京の実効再生産数が1未満になるとしても、今月末までに国が示す感染状況のステージ2相当に到達するのは到底難しいと考えている」と述べ、変異ウイルスの影響などもあわせて考えた場合、予定どおりの解除は厳しいのではないかという認識を示しました。
開幕までおよそ2か月となった東京オリンピック・パラリンピックについて、東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は、「どういう感染状況であればできるのかを示すのは難しい。1日の感染確認が1000人、2000人になってくると、医療体制としてはとても難しい。対策をして開催自体はできたとしても、何かが起きたときのオペレーションは非常に大変だ」と述べました。

●「守らない店出る」沖縄が緊急事態宣言を要請 5/19
北海道と沖縄県が深刻な状況に陥っています。新型コロナの新規感染者数は、北海道では過去2番目の多さ、沖縄県では過去最多を更新しました。
北海道では、札幌市から周辺へと、感染が広がりつつあります。旭川市では、今年になって最多の33人の感染が確認されました。
旭川赤十字病院・牧野憲一院長:「この2〜3日で急激に状況が悪化してきている。これは僕も大変、驚いている。ゴールデンウィークで色んな所から旅行者が来た。そういった影響だと思うが、旭川でも急激に広がってきた」
旭川赤十字病院では先週、100キロ以上離れた札幌市からも患者を受け入れていましたが、もう余裕はありません。旭川市内にある6つの重症病床がすべて埋まりました。
旭川赤十字病院・牧野憲一院長:「もう旭川のキャパシティーもいっぱいなので、一般診療をかなり大きく制限して、ベッドを作るしかないと動き出し始めている」
旭川市では去年、複数の病院でクラスターが起きて、医療崩壊の瀬戸際に追い込まれた苦い経験があります。
旭川赤十字病院・牧野憲一院長:「一日に50人も患者が出たこともあったが、これはかなりリンクが追える患者だった。ところが、今回はそうではなくて、リンクの追えない方が半分以上いる。これが非常に恐ろしい」
沖縄では初めて一日の感染者が200人を超えました。2日連続で過去最多を更新です。
沖縄県は19日、政府に緊急事態宣言を要請しました。玉城デニー知事によりますと、これまでのまん延防止等重点措置では「不公平だ」と経済界からの反発があったといいます。
沖縄県・玉城デニー知事:「組合等の関係団体からの意見も聴取させて頂いたが、まん延防止措置に協力して午後8時で店を閉めている方々と、協力頂けていない方々との差があるのではないかと」
現在、16の市と町の飲食店に対して、アルコールの提供は午後7時まで、営業は午後8時までという要請が出ていますが、211店舗が応じていません。
『はなじゅみ』オーナー・宮里清美さん:「不公平ですよ。私から見たらバカにしてるみたいだもん。開けないのがバカみたいな感じ。そんなじゃないですよ。守るべきは守らないと。みんな開けて繁盛させたいですよ」
緊急事態宣言が出たら、沖縄県は全域でアルコールを提供する飲食店に休業を求める方針です。
『はなじゅみ』オーナー・宮里清美さん:「県が動くべきだと思いますよ。強く言うべきですよ。罰金するなら30万円すぐ、だらだらしないで」

●沖縄県、緊急事態宣言の追加要請を決定…病床使用率9割超す  5/19
沖縄県は19日、大型連休後に新型コロナウイルス感染者が急増していることを受け、国に対し、緊急事態宣言の対象地域への追加を要請することを決めた。
県によると、人の流れが活発化した大型連休の後に感染者が増加。先週は5日連続で100人を超え、18日には過去最多となる168人の感染が確認された。すぐに受け入れ可能な病床の使用率も9割を超え、医療提供体制は逼迫ひっぱくしている。
県では31日まで「まん延防止等重点措置」が適用されているが、感染拡大を抑えるため、より強い措置が必要だと判断した。

●緊急事態宣言でも3密が続々 闇営業する飲食店に都内から来訪も 5/19
東京都、京都府、大阪府、兵庫県から始まった3回目の緊急事態宣言は、愛知県、福岡県へと広がり、北海道、岡山県、広島県へと適用地域を増やしていき、もう全国で発令してほしいという声も上がっている。ところが、この措置は期待通りの効果をあげられていない。一年前の緊急事態宣言時とは異なり、通勤ラッシュは消えず、闇営業は「闇」ではなくなり、様々な「3密」が各地で出現した。ライターの森鷹久氏が、三度目の緊急事態宣言下で起きた「3密」トラブルの変化についてレポートする。
3回目の緊急事態宣言突入にあわせ、首都圏のJR線は「減便」や「終電時間の繰上げ」を実施した。こうした策を鉄道会社が打ち出すことで、人出を抑制する狙いがあったというが、朝の通勤時間帯には各線のターミナル駅などで混雑が発生。駅や電車内はコロナ禍以前のような「ラッシュ」状態になり、もはや政府や都の要請が国民にほとんど届いていないという実態が、白日の元に晒された格好となった。
この一件は、テレビのワイドショーでも積極的に取り上げられ、SNS上にはJRがとった対策を批判するコメントが相次いだ。だが、同じような経緯で大混雑に陥っていた場所は、他にも複数あった。
「自治体からの時短営業要請を無視して営業する店が増え出しました。まあ、闇営業ですよね。かつて闇営業の店はバッシングの対象でしたが、次第に闇営業店に人が集まりだし、かなり密状態になっていたんです。その繁盛ぶりを知った、それまで要請に従っていた他の店の経営者が、うちも開けよう、となったんです」
細井あかりさん(仮名・40代)が千葉県某市で経営する飲食店の周囲の店も、前述のような経緯を経て5月初旬から通常営業を再開。付近には同じような店が他にも4〜5件あり、人出が戻ってきているという。
「飲食は黙って、お酒もダメ、家から出るな、それで補償もあってないようなもの。これまでは私たち飲食店が我慢していれば良かったが、お客さんの我慢も限界。私たちも限界。正直、お店にはすごい数のお客さんが来てくれて、都内からやってくる人もいる。密だなんだと言われますけどね、もう、要請なんて誰も聞かないですよ」(細井さん)
細井さん自身は、高齢で呼吸器系の基礎疾患がある家族がいるため、営業の再開には慎重な姿勢だが、この状態があと一ヶ月も続けば、やむを得ない選択をするしかないとため息を漏らす。一方で気がついたのは、緊急事態宣言も3度目となれば、もはや「緊急事態感」を感じている人など、ほとんどいないということ。1度目、2度目の緊急自体宣言下で営業を続けている店へのバッシングは、貼り紙を貼られたり、クレーマーが店にやってきたり「見える形」で出ていたし、ネット上でも大いに叩かれたのだが、3度目の今回はそれがほとんどない。
「やってる店を見つけたお客さんたちは『やったー』って感じで堂々と入っていかれます。以前はコソコソ入っていかれたんですが…」(細井さん)
人が集まったのは駅や飲食店だけではない。休日になると、特に賑わっていた場所の一つが「公園」だ。屋外で密になるリスクも幾分低く、金もかからず気軽にリフレッシュできる場所と考えてなのか、多くの人が公園を訪れた。だが、西日本の某市にある大型の公立公園付近では、役所が公園に人が集まらないようにと講じた対策が原因で、思わぬトラブルが勃発していた。
「市は、公園利用を控えるよう広報していましたが、閉鎖されたのは公園の駐車場だけで、公園自体が閉じられることはありませんでした」
公園のすぐ隣に住む主婦・尾崎真弓さん(仮名・50代)宅前の道路には、駐車場閉鎖の影響からか大量の路上駐車が発生。いくら屋外とはいえ公園内にはビニールシートを広げた家族などが十分なソーシャルディスタンスをとることなく、ひしめき合っていた。危ないなあと思っていると、近くの路上からは、公園にいた泥酔客同士による大声での言い争いが聞こえてきた。
「コロナになる前の春のお花見みたいな感じ。みんなマスクをとって遊び回るし、お酒を飲んでいる人もいる。トイレには長蛇の列ですが、マスクはしない、缶ビール片手にタバコを吸っていたり……。警察が見回りに来ていますが、なんの強制力もないようで、ただウロウロしているだけ」(尾崎さん)
ちなみにこの公園、少し前から「公園飲み」や「路上飲み」が多い場所として、テレビ局が取材に来ていたこともあった。尾崎さんだけでなく、近隣住人も実情を苦々しく思ってはいるが、国や自治体の無策っぷりに呆れ返った今では「人が集まって当然」と諦めるしかなくなってきているようで、付近の雑貨店や飲食店なども人出にあやかろうとGW中に営業を再開している。
このように、自治体や企業がとった対策が人々の接触を減らすどころか、「逆に密」を生んだ場所の典型といえば、緊急事態宣言が発令された地域に隣接する繁華街や観光地である。具体例をあげると、東京に隣接する神奈川、埼玉、千葉などの「人が集まる場所」に、都民が移動して集っているのだ。
「この辺のスーパーやホームセンター、ショッピングモールや飲食店、パチンコ屋まで駐車場が満杯で渋滞が起きてましたよ」
休日の混雑について話してくれたのは、東京に隣接する埼玉県内某市在住の会社員・藤原孝一さん(仮名・40代)。あまりの人手に様子を見に出かけたというが、スーパーもホームセンターも人でごった返しており、駐車場には埼玉県内のナンバーより、都内のナンバーが目立つような状態だったという。
「ショッピングモールの飲食コーナーなどはお祭りみたいな感じ。店には行列もたくさんできているし、マスクをしている以外は、コロナの前となんら変わりない」(藤原さん)
例年なら春の終わりから初夏にかけては絶好の行楽シーズン。感染者が激増しやすい東京や大阪などの大都市に隣接、もしくは大都市からの客をあてにしていた行楽地や商業施設も多い。3密を警戒していたそれらの土地では、過去の緊急事態宣言では「発令エリアから」の来客を拒否するような張り紙も出していたが、もはや「歓迎」するような向きさえもある。
一年前なら、自治体からの要請を守らない、人に感染させた場合のことを考えない人たち、と批判された人たちは、今では金を落としていく立派な「お客さん」となり、彼らを表立って批判する人は激減。外出する人、外出に慎重な人たち同士のトラブルも、リアル、ネットを問わず減っている。この傾向は、3回目の緊急事態宣言発令が決まった頃から顕著になっている。このままでは、今後、感染者数が増えようと、一度目の緊急事態宣言時のように、各地で人出が急激に減ることにはならないだろうと考えざるを得ない状況だ。
一年以上続くコロナ禍は、変異ウイルスの登場で感染が再拡大し、一度目、二度目の緊急事態宣言時より、深刻な医療体制崩壊の危機に陥っている自治体も出始めている。しかし、為政者が訴える「我慢」や「お願い」など、もはや国民の耳には届きそうもない。そして、それらを一切無視する人たちが出現し始めただけでなく、彼らを咎める声も小さくなった。一時期は、お願いをきいて我慢することで、それなりの補償もなされたが、次の補償に関する具体的な話を政権幹部が否定したり、そうかと思えば、東京五輪開催のため、更なる負担を国民に呼びかける政府。ウイルスの感染再拡大と同時に、国民と政府の乖離はどこまで拡がるのか。

●愛知県で666人コロナ感染、緊急事態宣言の解除「なかなか難しい」 5/19
愛知県は2021年5月19日、666人の新型コロナウイルス感染を発表した。12日の679人に次ぎ過去2番目の多さ。また一宮、豊田両市は既に陽性が判明していた高齢者3人の死亡を明らかにした。県内の感染確認は計4万2327人、死者は計689人となった。
大村秀章知事は記者会見で、人口10万人当たりの県の新規陽性者数が、直近1週間で東京都と大阪府を上回り全国6番目になったと説明。31日期限の緊急事態宣言の解除に関し「現状ではなかなか難しいと思う」と否定的な考えを示した。
福井県は5月28日まで独自の「感染拡大特別警報」を発令。県外との往来を控えるよう求めている。全国の緊急事態宣言の実施区域、新型コロナ対応の「まん延防止等重点措置」実施区域は以下の通り。
【緊急事態宣言】東京都、大阪府、京都府、兵庫県、愛知県、福岡県、北海道、岡山県、広島県(5月31日まで)
【まん延防止等重点措置】埼玉県、千葉県、神奈川県、岐阜県、三重県、愛媛県、沖縄県(5月31日まで)石川県、群馬県、熊本県(6月13日まで)

●大関・朝乃山 緊急事態宣言中に神楽坂キャバクラ通い 5/19
大相撲五月場所に出場している大関・朝乃山(27)が、緊急事態宣言の最中、常連の神楽坂のキャバクラに通うなど、日本相撲協会のコロナ感染対策のルールを複数回破っていたことが「週刊文春」の取材で分かった。
4月30日、朝乃山は男性2人を伴い、午後10時過ぎに神楽坂のキャバクラ「A」(仮名)に入店。朝乃山はVIP席に陣取った。
「部屋にはカラオケも完備されています。この日、カラオケはしていませんが、大関は、いつものようにフードを被ってソファーに腰かけていました。店に何人かお気に入りの子がいて、同席した中にお店を辞める子がいたので、お別れ会の意味でシャンパンをあけて豪遊していました」(従業員)
同店は緊急事態宣言中も時短要請に応じず、深夜1時までの営業を続けている。この夜、朝乃山が店を出たのは深夜1時をまわっていたという。
さらに朝乃山は、五月場所初日を2日後に控えた5月7日夜10時半頃にも神楽坂にタクシーで到着。だが、「A」の前で待ち合わせていた仲間の男性が小誌取材班の車に気づき、車のドアをこじ開けて「お前ら週刊誌だろ! こっちは素人じゃねぇんだよ」と怒鳴りこんできた。その後、朝乃山と男性はタクシーに同乗して西麻布へ向かい、とあるビルに入っていく。深夜3時過ぎに再び姿を表した朝乃山は、男性に見送られながらタクシーに乗り込み、高砂部屋へと帰って行った。
日本相撲協会は昨年7月、コロナ感染拡大防止の観点から「新型コロナウィルス感染症対応ガイドライン」を発表。〈近隣以外への緊急な外出や必要な外出は、師匠が協会に相談した上で行う〉とあり、力士を含む全ての協会員に対して不要不急の外出自粛を定めている。
さらに協会は各部屋に対して、「番付発表後からは原則外出禁止」の通達を重ねて出しており、五月場所の番付発表は4月26日。朝乃山はこのルールにも違反したことになる。
高砂部屋を通して朝乃山に取材を申し込んだが、締め切りまでに回答がなかった。日本相撲協会では、ちょうど1年前の5月、三段目力士だった勝武士をコロナで失っており、五月場所に出場中の力士で番付最高位にいる朝乃山の行動は波紋を広げそうだ。
そして、「素人じゃねぇんだよ」と怒鳴り込んできた男。実は、彼はある新聞社の記者だった――。

●百貨店 きょうから時短営業も 広島・緊急事態宣言期間中 5/19
今月16日から広島県も緊急事態宣言の対象となっています。百貨店などでは、県の要請に応じて、きょう19日から時短営業となっているところもあります。
マスク着用のライオンが出迎える広島三越では、19日から営業時間を30分短縮して午後7時までの時短営業をスタートさせました。三越に入る老舗スーパーの売り場は…。
「きょうから時短営業の広島三越です。こちら紀ノ国屋は7日にオープンしましたが、混雑を避けるため、17日から臨時休業に入っています。」(藤森憲也記者)
また、地下フロアでイートイン営業するこちらの店舗では、19日からテイクアウトや物販営業のみとなりました。
「一番は感染拡大の防止に伴う人流抑制に企業としてもしっかりと協力していきたい。」(広島三越 佐藤巧部長)
そのほか、広島市内の百貨店では、福屋八丁堀本店と広島駅前店が19日から午後7時までの時短営業に、そごう広島店は、すでにおととい17日から午後7時半までの時短営業となっています。
― 県内の主な商業施設について、まとめてみました。
百貨店では、土曜・日曜日に食品など生活必需品売場以外の売り場で臨時休業するのは、福屋(八丁堀本店、広島駅前店)、広島三越、そごう広島店、天満屋(緑井店、福山店)。
大型商業施設では、ゆめタウン、レクト、イオンモール(広島府中、広島祇園)、ジ アウトレット広島、JR広島駅ekieが食品などの売り場を除き、臨時休業します。広島パルコは土・日、全館休業です。
県は、外出を半減するよう要請しています。こうした商業施設への買い物は必要だとは思いますが、2回のところを1回に減らして、まとめて買うとか、2人ではなく1人で行くとか、それぞれで工夫しながらできればと思います。

●緊急事態宣言で休業要請 デパートが週末の臨時休業決定 5/19
札幌市内の百貨店では生活必需品の売り場を除き、土日を臨時休業にすることを決めました。
緊急事態宣言の休業要請を受けて、大丸札幌店は食料品や化粧品などの生活必需品の売り場を除き、当面の間土日を臨時休業すると発表しました。
化粧品売り場では、電話注文で来店せずに購入できる仕組みも導入したということです。
(大丸札幌店 中井香住さん)「化粧品も生活インフラの中の一部なので環境を整えて対応した。安全対策をやりながら、いまできることをする。なにとぞご理解いただければ」
札幌三越と丸井今井札幌本店、東急さっぽろ店でも食料品や化粧品などの生活必需品売り場を除き、5月いっぱい土日の臨時休業を決めました。

●緊急事態1週間 それでも酒の提供を続ける理由 5/19
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、福岡県に3度目の緊急事態宣言が出てから18日で1週間。期間中、飲食店には事実上の“禁酒令”が出されている。大半の店が休業や酒類なしの営業で乗り切ろうとしているが、酒の提供を続ける店もある。苦しい環境の下、それぞれの判断をした飲食店関係者に胸の内を聞いた。
18日夜、飲食店や衣料品店が並ぶ福岡市中央区の大名地区。ほとんどの飲食店のシャッターが閉まっていたが、県が要請する閉店時間の午後8時以降も営業を続ける店が複数あった。レストラン「ニア・バイ・オトナリ」の徳山圭店長(35)は「従業員を守るため通常営業を選んだ」と話す。
昨年5月、コロナ禍で勤務先の飲食店が閉店した。マイホームを購入したばかりで、妻のおなかには第2子がいた。ピザ宅配のアルバイトをしたが、収入は激減した。「将来に不安しかなかった」。現在勤めるレストランの経営者に出会い、運良く再就職できた。
今回は徳山さん自ら経営者に通常営業を頼んだ。深夜まで店を開け、アルコールも出す。協力金には頼らず、行政からの過料も覚悟の上だ。何より、休業すればアルバイト従業員の収入がなくなる。「仲間に自分と同じような思いをさせたくない」
福岡、北九州両市で通常営業するバーの男性経営者は「飲食店だけが問題なのか」と疑問視する。ソフトバンク子会社「アグープ」のデータによると、天神地区の日曜日の人出を宣言前後で比べると、昨年4月は30%超減ったが、今回は約4%減にとどまる。
店は平日でもほぼ満席になる。「電車は満員。企業が社員の出社を減らしているとは思えない。飲食店だけ罰則付きで制限するのはおかしい」。営業継続は、国の施策や社会への反発もある。
ただ、県によると9割以上の店が休業したり、酒なしの営業に取り組んだりしている。
九州最大の繁華街、福岡市・中洲のラーメン居酒屋「ホウテン食堂」は、ノンアルコールのビールサーバーを導入した。伊東信介店長(38)は「少しでも飲んだ雰囲気を感じてもらいたい」。それでも、客足は宣言前の3割以下、利益の大きい酒類が出せない中、売上高は大幅に落ちる。「感染収束が第一。今はルールの範囲でできることをやっていくしかない」。休業・営業時間短縮の要請に応じている飲食店関係者のもどかしさをこう代弁した。
  
 
 

 



●「出口戦略」描けず…宣言解除は困難?覚悟の官邸 5/20
新型コロナウイルス「第4波」対応の3回目の緊急事態宣言で、政府は解除に向けた追加の一手や解除後にリバウンドを防ぐ手はずなど、「出口戦略」を示せていない。最初に発出した東京、大阪で新規感染者数は減少傾向にあるものの、現期限までの残り10日ほどで専門家が強く求める解除水準まで下がりきるかは不透明。「延長やむなし」との見方も政府、与党内でちらほら出始めている。
4月25日に発効した東京、大阪、京都、兵庫4都府県への宣言は、当初期限の5月11日から31日まで延長された。12日から愛知、福岡が、16日から北海道、岡山、広島が追加され、いずれも期限は31日。
現状を見ると、このうち東京の19日の新規感染者数は766人。宣言発出以降のピークだった1121人(8日)と比べると下がったが、解除の前提条件となるステージ3(感染急増)相当の1日300人とはいまだ開きがある。
5月1日、過去最多の1262人を数える深刻な危機に見舞われていた大阪の19日は477人で、政府高官は「先が見えてきた」。ただ、東京と同様、ステージ3相当の1日190人水準に至るにはもう一段の対策が欠かせない。19日に500人だった福岡も、1日100人程度まで大幅に抑制する必要がある。
3回目の宣言は、大規模施設に対する休業要請など2回目より強い措置を取ったが、感染力と重症化リスクの高い変異株が大きな「壁」となっている。このため、政府判断の諮問を受ける専門家の基本的対処方針分科会も、解除のハードルを高めに設けている。
それがうかがい知れるのがこのほど公開された、4都府県への宣言発出の諮問を了承した4月23日の分科会議事録。例えば、「最低でも東京で新規感染者が1日100人となることが解除の目安」(舘田一博、脇田隆字両氏) 「十分な期間、感染者数が低位で安定していることが重要」(尾身茂氏) 「大阪で災害医療的な状況が解けるかどうか。東京は医療体制の維持ができていることが必須条件」(岡部信彦氏)−など厳格だ。
その後、5月7日に4都府県の宣言延長の是非を議論した分科会でも「さらに厳しくすべきだ」との意見が続出したとされる。
14日の分科会が、まん延防止等重点措置のみを追加する諮問案を押し返し、宣言拡大に政府を翻意させたことに象徴されるが、専門家の見解は格段に重みを増している。次の判断は恐らく来週半ば。官邸筋は「感染者も病床も劇的な改善がない限り、解除で専門家の了承を得るのは難しいだろう」と覚悟している。

●沖縄 緊急事態宣言を政府に要請 全国の感染状況「減少に転じず」  5/20
沖縄の新規感染者が200人を超え、緊急事態宣言を要請。
沖縄県では19日、過去最多となる203人の新規感染者が確認され、1日あたりの感染者数が初めて200人を超えた。
こうした状況を受け、沖縄県の玉城知事は、政府に対し、緊急事態宣言を要請した。
沖縄県・玉城知事「(新規感染者数が)過去最多の数になっている。もはや緊急事態宣言を発出する域に達している」
しかし、政府内では沖縄県について「まん延防止等重点措置が効果的に行われてなく、宣言を出すのは時期尚早」との慎重論が多くあがっている。
ただ、「感染者数次第で、沖縄県と岐阜県に宣言を出す可能性がある」と指摘する関係者もいて、政府は、新規感染者数や病床使用率などを慎重に見極める方針。
沖縄県のほかにも、富山県で過去最多となる34人の感染が確認されるなど、19日の全国の新規感染者は5,814人。
一方、大阪府では477人の感染が確認され、1日あたりの新規感染者数が11日連続で1,000人を下回った。
また、東京都は766人で、直近7日間の新規感染者数の平均は、前の週と比べ、83.3%と減少傾向が続いている。
しかし、19日に行われた新型コロナ対策を厚生労働省に助言する専門家の会合では、現在の感染状況について、「ほぼ上げ止まりで、現時点では感染者数が明確に減少に転じていない」と分析。
宣言の解除について、国立感染症研究所・脇田所長は、「感染の状況も改善されて、だんだん感染者が下がっていくところでも、どうしても医療のひっ迫は、最後まで割と長く続くことはこれまでも経験している。いま直ちに、現在の感染状況で今月末に解除可能かの質問に答えるには、非常に難しい」と述べた。

●緊急事態宣言要請 追加可否あす判断か 政府分科会 5/20
県が政府に新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐ緊急事態宣言の対象地域への追加を要請したことで、宣言の発出を判断する際に専門家に意見を求める政府の「基本的対処方針分科会」の開催日程に注目が集まる。19日夜に開催された、コロナ対策を厚生労働省に助言する「アドバイザリーボード」(脇田隆字座長)の結果を踏まえる。政府関係者の見方では、分科会が21日に開かれ、政府は同日で沖縄の宣言追加の可否を示すとみられている。
「より強い対策が必要だ」。脇田座長はアドバイザリーボード終了後の会見で県の感染状況について、こうした見方を示した。「タイムリーに強い対策を取る必要がある」とし、緊急事態宣言の適用にも含みを持たせた。
大型連休が明けてからの感染者の増加について「他県からの来島者の感染が目立つ」と指摘。特に那覇市を中心とした都市部で20〜30代の感染者が増えているとし、「今後、感染者数がこのペースで増加すると高齢者への感染波及、重症者の増加、医療の逼迫(ひっぱく)につながる可能性がある」と懸念を示した。
加藤勝信官房長官は19日の会見でアドバイザリーボードの評価・分析を踏まえて、県への宣言適用の是非を判断する意向を示している。今後、政府内での協議を経て、分科会で最終決定される見込みだ。
現在、東京や大阪など6都府県に出されている緊急事態宣言の期限は、今月31日までとなっている。仮に沖縄の追加が認められ、分科会を開くとみられる21日から宣言の効力が発生した場合、6都府県の期限と合わせると、10日程度の宣言期間となる。
ただ、県は緊急事態宣言による制限で、県の警戒レベルを現在の最高の第4段階から、第3段階へ引き下げることを目指す考え。謝花喜一郎副知事は19日の会見で、沖縄の宣言の期間について「国が判断する」としつつも、「5月末で状況が収まるというのは現時点で想定できない」と述べ、延長を求める可能性を示唆している。
緊急事態宣言の追加を巡り、19日時点で政府から明確な回答はない。一方、西村康稔経済再生担当相は18日の玉城デニー知事との面談で、「まん延防止等重点措置」での対策の徹底を求め、宣言の追加に関する考え方は示されなかった。北海道などは宣言発令を要請したが、認められなかった経緯もあり、想定通りに県が宣言の対象に追加されるのかは不透明な部分も残る。

●沖縄 過去最多203人感染「緊急事態宣言」を要請 5/20
新型コロナウイルスの感染が急激に広まっている沖縄県では、19日に初めて感染者が200人を超え、国に対して「緊急事態宣言」の対象地域に加えるよう要請しました。
沖縄県・玉城デニー知事:「県内の感染状況、医療体制の逼迫(ひっぱく)度を考えると、もはや緊急事態宣言を発する域に達していると」
沖縄県では19日、新規の感染者が初めて200人を超える203人の感染が確認され、過去最多を更新しました。
感染力が強いとされる変異ウイルスのN501Yの感染も広まっていて、県は「これまでに経験したことのない増え方となっている」と危機感を示しています。
また、医療体制が逼迫していることから新たに「医療非常事態宣言」を出して県民に対し、不要不急の救急受診を控えることや感染症対策のルールを守らない飲食店を利用しないことなどを呼び掛けました。

●沖縄県に緊急事態宣言発令の方向 政府 5/20
政府が沖縄県に緊急事態宣言を発令する方向で調整に入ったことが、20日、政府関係者への取材でわかった。
菅首相は午後に関係閣僚と対応を協議したうえで、21日にも政府対策本部を開催し、方針を決定する見通し。

●政府、沖縄への緊急事態宣言を検討へ GW後に感染拡大 5/20
政府は、新型コロナウイルスの感染状況悪化に伴い、特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象に沖縄県を加える方向で検討に入った。加藤勝信官房長官は20日午前の記者会見で「政府としては速やかな検討を行っていきたい」と述べた。
早ければ週内にも正式決定する。期限について、31日までにする案と、6月13日までにする案が出ている。沖縄県が対象に加わると、緊急事態宣言は10都道府県に拡大する。
沖縄県では19日の新たな感染者数が203人となり、2日連続で最多を更新。大型連休後から急速に感染が拡大し、医療体制の逼迫(ひっぱく)が懸念されている。県は19日、政府に対して緊急事態宣言の対象地域に加えるよう要請していた。 ・・・

●緊急事態宣言、沖縄を追加へ 政府調整 5/20
政府は20日、新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象に、新たに沖縄県を追加する方向で調整に入った。菅義偉(すが・よしひで)首相は同日、関係閣僚と協議した上で、21日に政府対策本部を開き、正式決定する見通し。岐阜県の追加は見送る方針。政府関係者が明らかにした。
沖縄県が追加されれば、緊急事態宣言の対象地域は計10都道府県になる。

●「自粛要請を拒否したら黒字に転換」緊急事態宣言に従う人ほど損している 5/20
東京・大阪などの6都府県に、3度目の緊急事態宣言が出されている。だが、1年前の緊急事態宣言時とは街の様子が違う。文筆家の御田寺圭さんは「今回の緊急事態宣言は失敗に終わるだろう。この1年で国や自治体への忠誠心が使い果たされてしまったからだ」という――。
「無観客なら営業可能」という謎の要請
4月25日から発令され、その後に期間や対象地域を拡大しながら継続している緊急事態宣言——その宣言のある内容について、ざわめきの声があがっていた。
というのも、遊園地などの娯楽施設に対して「無観客で開場するのであれば営業可能」という通達が含まれていたことだ。
いちおう断っておくが、私が文章を書き間違えているわけではない。実際にそのように書かれていたのだ。人入りが前提となっているような業態である娯楽施設は「緊急事態宣言中は人を入れなければ営業してもよい」ということなのである。
これに対して、「なにを言っているのかよくわからない」と関係各所から疑問の声があがっていた。そのような反応は至極当然だ。客を呼ばなければ利益の生じえない事業者に向かって「無観客でなら営業してよい」というのは、たちの悪い冗談か、あるいは馬鹿にしているのかと思われても仕方がないものであった。
「経済活動の自由を尊重している」建前を崩したくない
『25日に発令される緊急事態宣言を踏まえ、各地の商業施設や娯楽施設が営業休止や縮小に乗り出した。関係者からは「要請の中身が意味不明」「あまりに急」といった戸惑いと不満の声が聞かれた。日本最古の遊園地「浅草花やしき」(東京都台東区)は24日朝、緊急事態宣言期間中の休園を決めた。都は遊園地への「無観客開催」を求めており、事実上の休業要請と受け止めた。肥後修施設運営部長は「うちは遊園地。お客さんがいてこそ意味がある」と都の要請に首をかしげ「あまりに急な決定で、来園者にも迷惑がかかる。もう少し早く決めてほしかった」と漏らした。』毎日新聞(2021年4月24日) 
5月12日からの緊急事態宣言延長で、政府からの大型商業施設やイベントに対する制限は一部緩和された(浅草花やしきは「2021年5月12日(水)より、一部のアトラクション・施設を除き、十分な感染予防対策を実施した上で再開(浅草花やしき公式サイト)」としていることは付言しておきたい)ものの、一見すれば不可解で理解不能としか言いようがない当初の言動には、実際にはそれなりの意味があった。
すなわち、国や自治体側はあくまで「条件を守ってもらえるかぎり、こちらは皆さんの経済活動の自由を最大限尊重しています(自由を制限していません)」という建前を堅守したいからこそ、このような奇怪な表現を用いていたのだ。
「最終的責任」を取りたくない国や自治体
もっとわかりやすく言えば、緊急事態宣言において「休業しろ(休業命令/営業禁止)とはいっさい言明しておらず、あくまで『無観客でなら開場可能』であると言ったのだから、事業者が休業したり営業自粛したりしたとしても、それはあくまで事業者側の自主的な判断によるものであり、われわれは一切関知していない」と主張できる余地を残し、その後の事業者たちから結果責任を追及されることがあっても、究極的な責任は事業者側にあると強弁できる根拠を残しておきたいのだ。
国や自治体が現在行っている補償は、あくまで「道義的責任(≒温情)」として行っているものであり、憲法で国民に保障された基本的人権を公権力が制限・侵害したことによる「賠償」の名目で行っているわけではない——という建前を、かれらはなんとしても守り抜きたいという考えがあった。この1年間の感染対策においては、あくまで「自粛」「要請」という「お願いベース」の姿勢を徹底して守ってきたのは、この建前を潰さないためだ。
全責任を負わずに済む「要請」という便利な言葉
感染対策のために国民の人権(移動の自由や経済活動の自由)を制限する「命令」を下してしまえば、それにともなう損害の補償は「義務」として国や政府に100パーセント課せられることになる。しかし、たとえ実質的には命令しているのと相違なかったとしても(今回の『無観客なら開場してもOK』はまさにそれだが)、明文化されている文言が「命令」ではなくて「要請」であれば、それにともなう損害の補償は「自己責任である」と突き放す文脈が生まれ、必ずしも100パーセントの責任を負うことが求められない。
今後のコロナ禍の状況次第ではさらに補償や経済政策を行う必要に迫られ、財政的に追い込まれてしまうようなことがあったとしても、しかし究極的には「あくまで皆さんの自主的な判断に委ねたのですから、すべての責任がわれわれにあるわけではないのですよ?」と言ってのけるためのとっておきのカードがまだ国や自治体には残されている。
この「切り札」を手元に残しておきたいからこそ、国はこの1年間にわたって、「命令」「禁止」など憲法上の人権侵害を行ったとする言質がとられうる表現をなにがなんでも回避してきたのだ。
「お願い」なら従わなくてもいいのではないか
しかしながら、市民社会も政府や自治体の「文学的表現」に、やられっぱなしというわけでもない。「休業要請」や「営業自粛」は、文字どおり国や自治体からの「お願い」にすぎないのだから、市民社会はその「お願い」を断る権利があると考え、実際にそうするような者たちも現れはじめた。
たとえば、「カフェ ラ・ボエム」などを運営するグローバルダイニングは、緊急事態宣言による休業や営業時間の短縮、酒類の提供自粛などの要請には一切応じない方針を示して通常営業を続け、業績は黒字転換している。もし市民社会が「外食はしない、休業や時短要請に応じず、酒類を提供する店は社会悪である」というコンセンサスを持っていたなら、グローバルダイニングの好調はありえなかっただろう。多くの人が内心ではこの「非日常」にすっかり辟易していて、ゆっくり時間をかけて会食や飲酒を楽しみたいからこそ、グローバルダイニングは「儲け」を出している。
人権侵害を厭わず断行し、100パーセントの責任を負うことを回避し続けながら「お願い」ベースに終始してきたのだから、その「お願い」が聞き入れられなかったとしても、文句は言えまいというのがグローバルダイニングの理屈である(グローバルダイニング社は『命令』であれば従うと明言していることからも、おそらく同社は国や自治体の『文学』をすでに見抜いている)。彼らが堂々とそう主張したのは、会社や自分たちの生活を成り立たせるために必要に迫られたということもあるが、なにより自分たちの「要請を拒否する」という決断を支持する人は、すでに潜在的には多くなっているだろうという追い風を感じたからに違いない。そしてその読みは的中した。
同調圧力を使った「神通力」の効力が落ちてきた
国や自治体はこの1年間、自分たちの「お願い」を聞き入れてくれない者には、市民社会で「私的制裁」が速やかに起こるように最大限の工夫を凝らしてきた(事業者名や店舗名を公表するなど)。いわゆる「自粛警察」の活躍に期待してきたのである。
昨年を振り返ってみると、その考えは首尾よく運んでいた。戦時中よろしく「非国民」をあぶりだし、これをリンチしてくれる国民の「自発性」によって、自らは命令を下さずにして、ほとんど命令と同じ効力の「お願い」を実現してきたのだから。
だが、同調圧力の強い国民性を利用した「神通力」も、いよいよその力が薄れつつあるようだ。街を見れば「路上呑み」に溢れかえっており、緊急事態宣言などどこ吹く風で「密」になって談笑する人びとがいる。
国や自治体に従う忠誠心が使い果たされてしまった
むろん、これを不謹慎、不届き者だという人は少なくないだろう。しかし重要なことなので強調しておくと、このような光景は、かれらが不誠実で不道徳だからこそ生じたというわけではない。この1年あまりを徹底して「お願い」ベースで一貫し、究極的な責任を回避し続けながらも、国民同士の相互監視と叩き合いによって「事実上の命令」を行使しつづけた挙句(自分たちは会食してクラスターを出すなどの失態を交えつつ)、感染拡大を食い止められなかった国や自治体に対して、尽くすための忠誠心が使い果たされてしまっただけだ。
忠誠心が薄れていくにつれ、特に若者層からの反発は大きくなっていった。「なんで年寄りばかりが死ぬウイルスのために、自分たちがいまこのときにしかない楽しい時間を犠牲にしなければならない?」「なぜ高齢者の命のために、まだまだ先の長い私たち現役世代の仕事やプライベートを捧げなければならない?」という彼・彼女たち若年層の不満がいよいよ無視できないほどの大きさにまで拡大してきた。多くの方がお気づきのことだろうが、コロナ前まで若者たちでにぎわっていた街は、次第にかつての人出を回復しつつある。
いくら国や専門家が「第四波となるこれからは、若いからといって死なないとはかぎらないのだから自粛しろ」と脅し半分に申し立てても、「確たる証拠はどこにある?」「統計を見れば、結局は致命的リスクは高齢者に偏るのは変わらない」「若者はむしろコロナよりもコロナによる社会的停滞による自殺に追い込まれている」といった反発が各所で生じている。
実際、こうしたロジックに反論することは、現時点のエビデンスでは相当に難しいと言わざるをえない。「もう俺たちにそんな脅しは通じないぞ」と態度を翻されても無理はない。
職業間、世代間の分断だけが深まり続ける
3度目の緊急事態宣言は、おそらくは失敗に終わる。映画館やイベント会場を閉じたところで、感染防止に期待するほど奏功することはないだろう(そもそも変異型の感染力が従来よりはるかに高いのであれば、お願いベースでのゆるやかな自粛要請では限界がある)。
国や自治体への不信感が募り、自粛を続けても生活や財産を守れる者と、自粛していたら生活や人生が破綻してしまう者との軋轢や分断は深まる。致死リスクの高い高齢者とそうでない若者との世代間対立も激化する。
緊急事態宣言のさなか、すべての人がバラバラに引き裂かれながら、全国民へのワクチン接種という最後の希望にすべてを託すことになるだろう。

●1〜3月の国内旅行消費額 去年同期比半減 緊急事態宣言の影響  5/20
ことし1月から3月までに国内旅行で日本人が消費した金額は、2回目の緊急事態宣言の影響などで去年の同じ時期と比べて半減しました。
観光庁によりますと、ことし1月から3月までに日本人が国内旅行に伴う宿泊や買い物、飲食などに消費した金額は、推計で1兆6458億円と、去年の同じ時期と比べて50.1%減少しました。
また、この時期に国内旅行をした日本人は延べ4994万人で去年の同じ時期と比べて46.1%減りました。
いずれも、調査を始めた2010年以降では、最初の緊急事態宣言が出た去年4月から6月までに次ぐ過去2番目に低い水準です。
旅行者1人当たりの消費額は3万2957円で、長距離を移動する旅行が減ったことなどから、去年の同じ時期より7.3%減少しました。
感染の収束が見通せず、観光業界にとって厳しい状況が続く中、観光庁の蒲生長官は19日の会見で「観光業界の苦境を踏まえ、雇用調整助成金や県などが行う施策への財政支援を行っているが、さらなる対策が必要か見極めたい」と述べました。

●国民 玉木代表 緊急事態宣言 “全国への発出も検討すべき” 5/20
9つの都道府県に出されている緊急事態宣言をめぐって、国民民主党の玉木代表は、記者会見で、都市部での感染を抑え込んでもほかの地域に広がる状況が続き、このままでは収束は難しいとして、全国への発出も検討すべきだという考えを示しました。
この中で、玉木氏は、緊急事態宣言をめぐって「強い措置により、東京や大阪などでの感染を抑え込んでも、ほかの地域でまた膨れ上がってきている状況だ。これでは、いつまでたっても感染は収まらない」と指摘し、全国への宣言の発出も検討すべきだという考えを示しました。
そして、全国への宣言発出に当たっては、事業者などを万全の体制で支えるため30兆円規模の追加の経済対策や生活支援策が必要だという認識を示しました。
一方、玉木氏は、菅内閣に対する不信任決議案について「衆議院の解散で生じる政治空白よりも、間違った政策が長く続くことによる国民生活や経済への影響のほうが大きい。緊急事態宣言のいかんにかかわらず、決議案の提出をちゅうちょすべきではない」と述べました。

●「財政状況極めて厳しい」緊急事態宣言で休業・時短要請相次ぐ北海道 5/20
北海道札幌市では5月20日、新型コロナウイルスの新たな感染者が390人を超える見通しとなるなど、依然として感染拡大が続くなか、鈴木直道北海道知事は国などに"緊急事態宣言"に伴う「予算措置の拡充」を求めました。
感染者が2日続けて370人を超えている札幌では、5月20日、新たな感染者が390人を超える見通しです。
鈴木 直道 北海道知事:「財政状況が極めて厳しい中で対策を実施しておりますが、国の支援が不可欠です」 
鈴木知事は、北海道内選出の自民党所属の国会議員とオンラインで会談し、"緊急事態宣言"に伴う「予算の拡充」を緊急要請しました。
厳しい北海道財政の中、休業や時短要請で苦境にあえぐ事業者に対し、速やかに支援が行えるよう国の臨時交付金の増額や、支援金の地方負担の軽減を求めました。 
鈴木知事は21日午後、内閣府の坂本哲志 特命相にも要請を行う予定です。

●札幌"過去2番目"390人超見通し…3日連続300人上回る  拡大続く 5/20
札幌市で5月20日、新型コロナウイルスの新たな感染者が390人を超える見通しであることがわかりました。
札幌市では5月2日に初めて200人を超え244人、9日326人、12日352人、13日499人と過去最多を更新しています。19日は過去2番目381人を確認。再び過去2番目となり、3日連続で300人を上回る見通しです。
札幌市で300人を上回るのは9回目。感染者の急増が続いています。
札幌市の使用病床数は5月18日時点ですぐに対応できる440床中434床で、実質満床の非常に厳しい医療提供体制が続いていて、市外への搬送も相次いでいます。(確保病床は480床)重症者も最多35人が続いています。
北海道全体の感染者数も、13日に過去最多712人を確認し、19日も過去2番目603人。重症者も最多43人に増加しています。
北海道では5月16日に「緊急事態宣言」が発令されました。期間は31日までです。
緊急事態宣言に伴い北海道は、北海道全域へ「外出自粛」や札幌近郊と旭川市など10市町村で酒類やカラオケを提供する店の「休業要請」、1000平方メートルを超える集客施設の「週末の休業要請」などの対策を決め、協力を呼びかけています。

●緊急事態宣言「発令遅く、解除早い」に、首相「適切に判断」 5/20
菅義偉首相は19日、社会保障制度改革を巡る参院本会議での論戦に臨んだ。
高齢者への医療費負担増について野党から「コロナ禍で進める話ではない」と追及されたが、「若い世代の負担軽減も必要だ」と応戦。「男性にも1カ月以上の育児休業を取得してもらう社会にしたい」と抱負を述べた。
「遅きに過ぎる発令、早過ぎる解除。総理就任以来、繰り返されてきた失政の責任をどう取るのか」。
立憲民主党の石橋通宏氏からは緊急事態宣言を巡る姿勢をただされた。
「その時々に適切に判断し対応してきた。今はワクチン接種を進めていくことが責務だ」と反論した。
  
 
 

 


●菅首相、記者会見せず 内閣記者会は開催申し入れ―緊急事態宣言 5/21
政府は21日、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言を新たに沖縄県に発令するに当たり、菅義偉首相による記者会見の開催を見送った。内閣記者会の幹事社は官邸報道室に、首相の会見を申し入れていた。首相は代わりに、記者団から質問を受け付ける「ぶら下がり」取材に官邸で応じた。
首相は会見しなかった理由を問われたのに対し、「新型コロナ対策に関する政府の対応は、これまでも適時適切に対応している。これからも丁寧に発信をしていきたい」と強調。「(記者の)皆さんからの要望に応え、こうして対応、会見している」と語った。
首相はこの後、沖縄の新聞社である琉球新報と沖縄タイムスの合同インタビューに応じた。

●菅首相、私権の制限伴う緊急事態宣言の対象追加でも記者会見せず  5/21
菅義偉首相は21日、沖縄県への緊急事態宣言発令を受けた、官邸の記者会見場での会見を開かなかった。宣言対象の追加時に会見しないのは、安倍晋三前首相を含め初めて。内閣記者会は、本紙を含む幹事社が開催を申し入れたが、官邸側は拒否した。
菅首相はこの日、官邸のエントランスで記者団の質問に答える「ぶら下がり」形式で対応した。記者団から会見しない理由を問われ「説明は適時適切に対応している。要望に応えて(ぶら下がりで)説明している」と話すにとどまった。
過去3回の緊急事態宣言では、発令、対象追加、期間延長などを決定した際、首相が会見を開いてきた。これまでぶら下がりで対応したのは、いずれも一部地域での解除時に当たる。
内閣記者会幹事社(東京新聞、共同通信)は会見の申し入れで「宣言が私権制限を伴うものである以上、政府判断の理由を国民に説明する機会を確保することは意義がある」と訴えた。

●緊急事態宣言継続でも人流は抑えきれず 愛想尽かした根拠なき政策 5/21
「国」と「都道府県」の間にある齟齬
5月11日までだった東京、大阪、兵庫、京都への「緊急事態宣言」が5月末まで延期され、5月12日からは愛知県と福岡県も加わって、対象地域が6都府県になった。宣言延長への流れを作ったのは、新型コロナウイルスの蔓延が収まらない大阪府だ。吉村洋文知事は「医療提供体制は極限の状態にあると考えたとき、緊急事態宣言は延長をお願いせざるを得ない」とし、5月6日の対策本部会議での議論を経て、正式に国に対して要請した。
もっともこの段階から、宣言を発出する「国」と休業要請などを行う「都道府県」の間に齟齬が生じていた。国は大規模商業施設などについて、措置を緩和することを検討していたのだ。
国は、緊急事態宣言自体は延長を決めたものの、宣言地域での、デパートやテーマパークなどの休業要請を緩和。1000平方メートル以上の商業施設や遊興施設については20時までの営業を認めた。また、11日までは無観客開催を要請していたスポーツやイベントについては、参加者5000人もしくは定員の50%の少ない方まで入場を認めると共に、21時までの開催を許した。大阪や東京は別途、独自の対策を採ることになるわけだが、感染拡大が収まらず状況はむしろ悪化する懸念が強まっている中で、なぜ国は「緩和」の方向に向かったのか。
業界団体からの抗議が相次いだ
関係者によると、稼ぎ時であるゴールデンウィークの直前になって「休業」を求めた政府に、業界団体などから猛烈な抗議が相次いだという。あるスポーツ系の団体トップは語る。
「感染対策を徹底しろということで、観客を半分に抑えるなど、万全の対策を講じてきた。その効果で観客の間ではクラスターは発生していない。にもかかわらず、何のエビデンス(証拠)もなしに、ムードで無観客を続けろという。とんでもない話です」
大型イベントの主催者は政治力があるからか、それとも、イベントや大型施設の休業では経済的損失があまりにも大きいためか。政府はこうした声を聞いて、「緩和」に動いたのだ。
こうした国の「緩和」に危機感を抱いた大阪府は、独自に大型施設の休業要請継続を決定。東京都は百貨店など商業施設については休業要請の継続を独自に求めることを決めたが、イベントに関しては「国の緩和方針」を受け入れた。
結果、5月11日まで臨時休業してきた大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は引き続き休園を決定したものの、東京のよみうりランドは5月12日から入場者5000人以下で営業再開、サンリオピューロランドも14日から営業再開した。一方、緊急事態宣言の対象地域から外れる千葉県に位置する東京ディズニーランドと東京ディズニーシーは従来通り、営業を続けるといったバラバラの対応になった。当初無観客でスタートした大相撲夏場所も4日目から観客を入れ始めた。
誰も感染ルートを把握できていない
東京都は大型商業施設の休業要請は継続したが、これについて小池百合子知事は会見で、感染拡大を止めるには「何しろ人流を抑えることが大事」だと強調した。仮に、大型スポーツ施設は感染対策が万全だとしても、21時まで5000人が都心に集まる状況を許せば「人流」は生まれる。スポーツ施設ではクラスターが発生していなくても、行き帰りの交通機関の中などで感染しないという「エビデンス」があるわけではない。
ちなみに、成田空港などへの帰国者には14日間にわたって「自主隔離」することが求められるが、その際、「公共交通機関の利用も控える」ように指示される。つまり、交通機関の中に感染者がいた場合、そこで感染が広がるリスクがあると考えているからなのだ。何しろ、感染者の過半については感染ルートが「不明」で、どこでどう感染拡大しているか、日本の感染症専門家も、政府もまったく把握できていないに等しいのだ。
12日以降「人流」は活発になっている
それでも、飲食店への「酒類提供の自粛」と営業時間の短縮の要請は、5月末まで続く。
ある飲食店のオーナーは飲食店がことさら狙い撃ちにされていると不満げに言う。
「感染対策しているかいないかに関わらず、いきなり酒はダメ、ですからね。ゴールデンウィーク用に大量に仕入れていた生ビール樽が行き場を失って困っていたのですが、宣言延長でいよいよ無駄になって損害が出ることになりそうです。本当に飲食だけが原因なのか、もっと統計データを示してくれないと納得できない」
確かに、政府が「会食」ばかりを強調したために、国民の多くは、会食さえしなければ新型コロナにはかかるリスクが低い、と思い込んでいるようにみえる。緊急事態宣言中も首都圏の高速道路では渋滞が発生していたが、家族でマイカーで自然の中へ出掛け、家族だけで弁当を食べていれば感染することはない、と信じているからだろう。連休が終わると朝のラッシュアワーは「緊急事態」とは到底思えないほどの混雑ぶりで、マスクをしているとはいえ顔と顔を20センチくらいに寄せ合わさざるを得ない状況になっている。多くの人が「これでも感染はしないのだろうか」と不安に思いながら通勤しているのだ。小池知事の言う「人流」は12日以降、さらに活発になっているように感じられる。
政府のエビデンスなき指示
もはや、政府のエビデンスなき指示は、誰も聞かなくなっているのではないか。
都内の百貨店は緊急事態宣言の延長を受けて閉店継続を決めたが、例外として認められている「生活必需品」の売り場の「定義」を見直す動きに出ている。高島屋は12日から、それまでの食料品、化粧品に加え、衣料品、子供服、ランドセル、リビング用品売り場も営業を再開。レストラン街も営業再開した。休業しているのは、宝飾品、美術品、玩具、ゴルフ用品売り場ぐらいという。こうした動きは、三越伊勢丹や松屋銀座などにも広がっている。メディアの取材に対する担当者の答えはいずれも「お客様の要望が強いので」という話になる。これでは「人流を抑える」どころの話ではないだろう。
すべてのツケを払うのは国民
5月7日夜に行われた緊急事態宣言延長を発表した菅義偉首相の記者会見で、いつものように陪席した新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、安価な抗原検査キットを活用した検査を積極的に行うように政府に求めた。PCR検査の拡大に消極的な対応を続けてきた尾身氏がついに検査拡大を言い始めたのは、陽性者が出たらその周囲だけPCR検査をしてクラスターを追跡・把握するという分科会がこだわったやり方が事実上破綻したことを吐露したとみていいだろう。PCR検査ではなく抗体検査を持ち出すことでなぜPCR検査をやらないのだ、という批判を回避しているようだが、検査をしなければ、当然、なぜ感染したかを追うことはできない。
ワクチンの接種率も先進国最低水準。検査件数にいたっては発展途上国よりも少ない日本。政治家も専門家も、新型コロナ対策を決定するのに、「エビデンス」が重要だと思っていないようにみえる。もともと日本の政策決定はエビデンスに基づかないということで、最近はEBPM(エビデンスに基づく政策決定)の重要性が訴えられるようになってきているが、永田町や霞が関にはまだまだそのカルチャーがないようだ。そんなエビデンスなき「自粛要請」に、誰も国民が耳を傾けなくなれば、感染爆発は避けられず、深刻な医療崩壊を招きかねない。そのツケはすべて国民に回ってくる。

●緊急事態宣言延長の公算 菅政権、五輪照準に抑え込み  5/21
政府は沖縄県に対する緊急事態宣言の期限を6月20日とした一方、今月31日が期限の9都道府県に関しても延長する公算が大きくなった。7月23日の東京五輪開会式まで残すところ約2カ月。五輪開催前に新型コロナウイルスの感染を徹底的に押さえ込みたい思惑が透けて見える。政権発足当初は経済と感染対策の両立に腐心した菅義偉(すが・よしひで)政権だが、ここにきて「経済重視」から「五輪重視」に軸足を移している。
「選手や関係者の感染防止措置に万全を尽くした上で安全安心な大会にしていきたい」。首相は21日、官邸で記者団にこう語った。政府は表向き「宣言を行う判断において東京五輪は全く関係ない」(加藤勝信官房長官)との立場だが、額面通りには受け取れない。感染者数が下がり切らないまま宣言を解除すれば、リバウンド(感染再拡大)して五輪開催直前の宣言発令ともなりかねないからだ。
国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ調整委員長は21日の記者会見で、東京に緊急事態宣言が発令されている状況でも五輪を開催する考えを示した。しかし、基本的対処方針分科会メンバーの舘田一博東邦大教授(感染症学)は「東京で緊急事態宣言が出されている状況の中で五輪ができるとは思わないし、やってはいけない。それはコンセンサスだ」と語った。
五輪開催断念に追い込まれればこれまでの新型コロナ対策が失敗だったことを意味する。9月末には自民党総裁の任期、10月21日には衆院議員の任期満了を控えており、首相は深手を負ったまま政権の命運を賭ける選挙に臨むことになる。
一方、五輪には逆風が吹き続けている。産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が15、16両日に実施した合同世論調査によると、東京五輪・パラリンピックについて半数以上の56・6%が「中止する」と回答した。新型コロナの感染拡大が収束しない中で五輪開催を強行すれば政権にとって打撃となりかねない。
進むも地獄、退くも地獄の中で五輪前の感染封じ込めを重視する姿勢が鮮明になってきた。宣言発令に慎重だった首相も今月14日には、東京五輪マラソン競技が予定されている北海道をめぐり、専門家が発令を求めるとあっさり容認した。9都道府県の期限となる31日の判断に関しても、関係閣僚の一人はこう述べた。
「延長だろう。五輪・パラリンピックは2カ月弱あることを考えたら7月第1週までやっていいんじゃないか」

●沖縄に緊急事態宣言 県の対応に批判噴出 「やるべきことやっていない」 5/21
新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が23日から適用されることになった沖縄県。医療体制の逼迫(ひっぱく)は深刻で、病院関係者からは「宣言は当然」との声が上がる。一方、5月の大型連休前に感染拡大の懸念が指摘されながら、厳しい措置を講じなかった県の対応には、「やるべきことをやっていない」(政府関係者)とする批判も強まっている。(川瀬弘至)
沖縄料理の飲食店や土産物屋が並ぶ那覇市の「国際通り」。沖縄観光のメインストリートだが、ここ数日は人通りも少なく、21日もシャッターを閉めたままの店が目立った。
5月末で閉店することになったという土産物店の店員(45)は、「昨日は1人の客もいなかった。閉店はやむをえない」と肩を落とす。
大型連休中は違った。同店にも「5月4日は20人以上来店し、15人が商品を買ってくれた」という。
全日本空輸と日本航空によると、4月29日〜5月5日に沖縄方面を訪れた旅客数は計13万人以上で新型コロナ禍前の半数程度だが、緊急事態宣言中だった昨年に比べると10倍も増加。県内各地の観光スポットに、久々に人出が戻った。
だが、この「人出」が感染拡大につながる。
県内の新規感染者数は連休後に急増し、19日には203人と初めて200人を突破。21日は207人で過去最多を更新した。
中でも深刻なのが、医療体制だ。19日には病床占有率が一時100%を超え、現在もほぼ満床の状態。感染者受け入れのため救急外来診療の一部制限や、緊急でない手術や治療を延期する病院も出てきた。
急激な感染拡大について、県は「予想以上に、変異株の影響が大きい。われわれの感覚をはるかにこえる状況だ」(謝花喜一郎副知事)と、“想定外”だったことを強調する。
だが、県の対応が「後手後手だった」と批判する声は根強い。県の専門家会議関係者も「連休中の人出で変異株が広まり、感染が拡大するのは予測できた。結果論だが連休前に緊急事態宣言を政府に要請すべきだった」と漏らす。
県は、緊急事態宣言中だった昨年の大型連休では、県外からの全面的な訪問自粛を求めた。だが今年は、東京や大阪など感染拡大地域に絞った。このため「強いメッセージと受け止められず、観光客や県民の気の緩みを生んだ可能性がある」(専門家会議関係者)という。
酒類提供をめぐっても、県の対応に不信が持たれている。政府は感染防止に向け、飲食店における酒類提供の停止を有効策の一つとしているが、県は飲食業界に配慮し、停止しなかった。政府関係者は「県が取りうる最大限の対策を講じず、緊急事態宣言で国に頼るのはどうか」と批判する。
県が厳しい対策に踏み切らなかったのは、大型連休を「書き入れ時」と捉える経済界の反発を恐れたためだ。しかし感染が急拡大したことで、より大きな観光収入が見込める夏休みにも影響が出かねない状況となった。
玉城デニー知事は21日の会見で、「これまで全力で取り組んできたが、現在のような状況になったことは、反省すべきであり残念」と述べた。

●緊急事態宣言の東京 新型コロナ 前週より減るも 649人感染確認  5/21
東京都内では21日、新たに649人が新型コロナウイルスに感染していることが確認され、前の週の同じ曜日を8日連続で下回りました。都の担当者は「前の週より減ってはいるが、高水準であることに変わりない。気を緩めずに人の流れの抑制を続けることが重要だ」と話しています。また、都は、感染が確認された13人が死亡したことを明らかにしました。
東京都は21日、都内で新たに10歳未満から90代までの男女合わせて649人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1週間前の金曜日より205人減りました。前の週の同じ曜日を下回るのは8日連続です。21日までの7日間平均は674.7人で、前の週の72.8%となっています。都の担当者は「前の週より減ってはいるが、高水準であることに変わりない。感染の減少につながるまで時間がかかっているという専門家からの指摘もあるので、気を緩めずに人の流れの抑制を続けることが重要だ。引き続き理解と協力をお願いしたい」と話しています。
649人のうち、およそ62%にあたる400人はこれまでのところ感染経路がわかっていません。また、マレーシアへの渡航歴がある人が1人いたということです。
一方感染経路がわかっている濃厚接触者の内訳は「家庭内」が134人と最も多く、次いで「職場内」が52人、「施設内」が26人、「会食」が8人などとなっています。これで都内で感染が確認されたのは15万5648人になりました。21日時点で入院している人は20日より30人減って2321人となり、「現在確保している病床に占める割合」は41.5%です。都の基準で集計した21日時点の重症の患者は20日より4人減って65人で、重症患者用の病床の17.4%を使用しています。
また、都は、感染が確認された60代から90代の男女合わせて13人が死亡したことを明らかにしました。このうち、60代から90代の男女合わせて5人は感染力の強い「N501Y」の変異があるウイルスに感染していたということです。これで都内で新型コロナウイルスに感染して死亡した人は合わせて2000人を超えて2010人になりました。
東京都内では、感染力の強い「N501Y」の変異があるウイルスの検査で、およそ84%の574人が感染していたことが新たに確認されました。東京都は21日、今月17日と18日に都に新たに報告があった分として変異ウイルスの検査結果を発表しました。それによりますと、10歳未満から90代までの男女567人と、年齢と性別がわからない7人の合わせて574人が感染力の強い「N501Y」の変異があるウイルスに感染していたことが確認されました。検査の対象になったのは682人で、確認された人の割合はおよそ84%です。年代別では、20代が181人、30代が123人、40代が79人で、20代から40代までで感染が確認された人のおよそ67%を占めています。また感染経路がほぼ特定されているのは27人で、「家庭内」が19人、「施設内」が7人、「知人」が1人でした。これで都内でこれまでに変異ウイルスの感染が確認されたのは8176人になりました。また21日は、変異ウイルスに感染した60代から90代の男女合わせて5人が死亡したことも確認されました。都内で変異ウイルスに感染して死亡した人は35人になりました。

●大阪市長 緊急事態宣言“医療ひっ迫 期限での解除難しい” 5/21
大阪市の松井市長は、今月31日が期限の緊急事態宣言について、医療がひっ迫した状況が依然、続いているとして、期限での解除は難しいという認識を示しました。そのうえで、大型施設への休業要請など、措置の一部については緩和を検討すべきだという考えを示しました。
大阪市の松井市長は、21日夕方、記者団に対し、今月31日が期限の緊急事態宣言について、「感染者数や病床のひっ迫度合いが、解除できるレベルに至っていないという現実を受け止めると、今の状態ではなかなか解除は難しい」と述べ、期限での解除は難しいという認識を示しました。
そのうえで、松井市長は、宣言に伴う休業や時短要請などの措置について、「対策を講じているのに百貨店や映画館などは売り上げも落ちており、申し訳ない。感染者数が下がり基調になってきている中で、一気に解除はできないが、ほかのエリアより厳しい対応をしている部分については、見直しも考えていくべきだ」と述べ、大型施設への休業要請など、措置の一部については緩和を検討すべきだという考えを示しました。

●「緊急事態宣言の終了判断できない」過去最多更新 726人感染 北海道 7/21
北海道の鈴木直道知事は5月21日の定例会見で、感染拡大が続く中、「緊急事態宣言の終了を判断できる状況にない」との認識を示しました。
北海道では21日、726人の新規感染者が確認され、8日ぶりに過去最多を更新しました。東京都の649人を上回りました。
知事は「極めて厳しい感染状況を踏まえると、判断できる状況ではない」として、緊急事態宣言の延長もやむなしとの認識を示しました。
緊急事態宣言の延長は国が判断しますが、知事は21日に過去最多を更新したことを共有し、国と連携し対策を考えなければならないとしています。 

 
 

 


●3回の「緊急事態宣言」違いは? 「期間・地域・対策」を比較 5/22
政府は新型コロナウイルス対策として、これまで3回にわたって特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を出してきた。同じ宣言とはいえ、感染の状況などがそのときどきによって違うため、その度ごとに対象地域やとられた対策も異なる。発出後に地域が追加されたり、期間が延長されたりもした。3回の宣言はどのような状況で発出され、地域・期間、また講じられた主な対策は何だったのか。改めて振り返ってみたい。
【1回目】2020年4月7日〜5月25日
国内で初めて感染者が確認されたのは2020年1月16日。2月には初の死者が出た。その後、3月以降に感染が拡大。いわゆる「第1波」が起きた。
その中、4月7日に安倍晋三首相(当時)は記者会見し、東京、大阪、福岡など7都府県を対象に新型コロナウイルス対策として初めての宣言発出を発表。安倍前首相は会見で、「専門家の試算では私たち全員が努力を重ね、人と人との接触機会を最低7割、極力8割削減することができれば2週間後には感染者の増加をピークアウトさせ、減少に転じさせることができる」と語った。期間は当初、「1か月」とされた。
対象区域は一時全国に拡大し、期間も延長された。解除は段階的に行われ、5月25日に全ての都道府県で解除された。対策としては、飲食店、スポーツジム、ライブハウスなど幅広い業種が休業要請の対象となった。
【2回目】21年1月8日〜3月21日
2回目の緊急事態宣言が出されたのは21年1月8日。菅義偉(よしひで)政権の下でのこと。東京都で20年12月31日、新規感染者が初めて1000人を超える1337人となるなど、年末年始に首都圏で感染が急拡大し、東京、神奈川、千葉、埼玉を含む1都3県を対象に発出された。
菅首相は会見で「1年近く(コロナ)対策に取り組む中で学んできた経験を基に、徹底した対策を行う」などと発言。「飲食による感染リスク」を抑える必要があるとし、飲食店に対して午後8時までの営業時間の短縮を要請した。「テレワークによる出勤者数7割減」を求めたのもこのときだ。当初の期間は1回目と同じく「1か月」。
対象地域は、その後、大阪、愛知、福岡などが追加され、もっとも多いときには11都府県が宣言下に入った。期間は2度に渡って延長され、最後まで残った首都圏の1都3県が解除されたのは3月21日。
【3回目】4月25日〜
5月22日現在、出されている宣言は3回目。従来のウイルスよりも感染力が強いとされる「変異ウイルス」が広がった大阪、兵庫、京都の関西3府県と新規感染者数が増加傾向にあった東京都がまず対象となった。
菅首相は発出時の会見で、人流が増えるゴールデンウィークを捉えた策だとし、「効果的な対策を短期間で集中して実施する」と述べた。具体的な内容については「飲食の対策を強化して、お酒の提供を停止する。さらに人の流れを止めるために店舗や劇場の休業要請、こうしたあえて強い措置を講じる」とした。
「短期集中」が強調された通り、当初の期間は4月25日から5月11日までの「17日間」で、1か月だった過去2回に比べて短いのも特徴だ。しかし、新規感染者数は高い水準のまま推移し、期間は5月31日まで延長に。対象地域も愛知、福岡、北海道、広島、岡山の5道県が追加された。
5月23日から追加の沖縄県だけ期限が6月20日までとなっている。

●9都道府県の緊急事態宣言 期限の31日解除は困難の見方も 政府  5/22
緊急事態宣言は21日から沖縄県が追加され、10都道府県に拡大されます。宣言の期限は、沖縄を除いていずれも今月31日となっていますが、政府内には、解除は難しいという見方もあり、来週の感染状況を見極めて扱いを判断する方針です。
新型コロナウイルス対策で政府は、9都道府県に出している緊急事態宣言について、23日から来月20日までの期間、沖縄県を追加することを決定しました。
また、まん延防止等重点措置を適用してきた愛媛県は、感染状況が改善しているとして、22日をもって解除することも決めました。
これにより、宣言の対象地域は北海道、東京、愛知、大阪、兵庫、京都、岡山、広島、福岡、沖縄の10都道府県に拡大され、重点措置の適用地域は群馬、埼玉、千葉、神奈川、石川、岐阜、三重、熊本の8県となります。
追加される沖縄を除いて、いずれも今月31日が期限となっている宣言の扱いについて菅総理大臣は「まず感染拡大阻止のために全力で対策を講じることが極めて重要だ。そして感染状況を見極めて、月末にも判断することになるだろう」と述べました。
政府内には感染状況の大幅な改善が見られず、解除は難しいという見方もあり、沖縄に出される宣言の期限となる来月20日まで延長し、徹底的に感染を抑え込むべきだという指摘も出ています。
政府は、引き続き飲食店での酒類の提供停止など対策を徹底する方針で、来週の感染状況を見極めたうえで、専門家の意見も踏まえて判断する方針です。

●インド変異株の脅威「感染力2倍」、「免疫逃避」も… 5/22
新型コロナウイルスの新規感染者が北海道や沖縄県で過去最多を記録するなど全国に拡大している。東京都や大阪府は減少傾向だが、感染力が従来株の2倍とされるインド由来の変異株も新たな脅威だ。31日が期限の9都道府県の緊急事態宣言については、新たに対象となった沖縄を含めて東京五輪前までの延長論が出てきた。
田村憲久厚生労働相は21日の記者会見で、インド株について「従来株の倍以上の感染力を持っていると言う専門家もいる。非常に脅威を感じている」と強調した。
厚生労働省によると、インド株は今月18日時点で千葉、神奈川、静岡、大阪、兵庫の各県で計8例が確認されている。
現在国内で主流となっている英国由来の変異株は従来株より感染力が1・3倍高いとされるが、英政府の諮問委員会は、インド株の感染力は英国株の最大1・5倍高い「現実的な可能性」があるとしている。従来株より2倍程度感染力が高い計算だ。
インド株は表面の突起状タンパク質に「L452R」という変異がある。さらにワクチンが効きにくいとされる「免疫逃避」の特徴を持つ変異も指摘されている。
関西福祉大の勝田吉彰教授(渡航医学)は「『L452R』の変異は細胞に付着しやすく感染力が高い。免疫逃避の可能性も否定できないが、ワクチンの効果の有無についての判断は時間を要する。重症化率もまだ不明だが、感染者の分母が増えれば重症者は増えるのは確かだ」と話す。
英国株は半年弱で国内の大半を占めるようになったが、インド株も同様の経過をたどるのか。
「国内の主流を占める可能性も否めない」と勝田氏。「一度国内に入れば、水際対策は感染を遅らせる意味合いしか持たなくなる。従来の感染防止策を続けるしかないが、宣言を解除とともに人流が増えれば、再拡大のリスクにつながる」と警鐘を鳴らす。
新たに緊急事態宣言の対象となった沖縄の期限は6月20日。他の9都道府県も20日まで延長するとの見方が強いが、7月23日開幕の東京五輪・パラリンピックを見すえて、関係閣僚には「7月第1週までやっていいのでは」との声も出ていると産経新聞は報じた。

●緊急事態宣言の人出 抑制は限定的 岡山や倉敷、平日の自粛難しく 5/22
新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が16日に岡山県に発令されて1週間。22日までの7日間の人の流れをNTTドコモのビッグデータでみると、JR岡山駅周辺と岡山市の表町周辺、倉敷駅周辺の人出(各日午後3時時点)は、日曜日だった宣言初日に昨年の感染拡大前より大きく減ったものの、月曜以降は減少幅が次第に縮小した。平日の外出や移動の自粛の難しさが浮き彫りになっている。
感染拡大前(昨年1月18日〜2月14日)の休日平均と比較した16日の減少率は、岡山駅46・9%、表町34・8%、倉敷駅55・7%。平日の17〜21日は同時期の平日平均と比べて減少幅が小さくなり、21日の表町は3・6%にとどまった。
岡山駅の人出は、宣言発令前の14日は昨年の感染拡大前と比べ30・7%減だったが、21日は27・7%減で、宣言前より人が増えたことになる。
一方、22日の土曜は感染拡大前と比べた減少率が岡山駅48・0%、表町24・9%、倉敷駅60・4%となり、平日より拡大した。
岡山駅東口広場ではこの日、宣言下での街の様子の変化についてさまざまな声が聞かれた。食料品を買い出しに来た男性(73)=岡山市北区=は「駅周辺は閉まっている店が多い」、県立高3年男子(18)は「人が減ったと感じない。自粛生活が1年続き、我慢しきれない人が多いのでは」と話した。
23日からは宣言発令2週目に入り、今後の人の流れが注目される。

●緊急事態宣言 デパート 生活必需品売り場除き 土日休業 札幌市  5/22
北海道に緊急事態宣言が出されたことを受けて、札幌市内のデパートは、今月の土日は食料品など生活必需品の売り場を除いて休業することにしています。休業を決めてから初めての土曜日となった22日、街行く人からは感染防止のためにはしかたがないという声が聞かれました。
今月16日から北海道に緊急事態宣言が出されたことに伴って、道は事業者に対し、ショッピングセンターなど建物の床面積の合計が1000平方メートルを超える大規模施設では、生活必需品を除いて土日は休業するよう要請しています。
これを受けて、札幌市内のデパートは、今月中の土日は食料品や化粧品を取り扱うフロアなどを除いて休業することを決めています。
休業を決めてから初めての土曜日となった22日は、ふだんの週末と比べて、デパートが建ち並ぶ市内の中心部を訪れる人の数もまばらとなっていました。
病院に薬をもらいに行くために外出したという70代の女性は「街の中がさみしいなとは思いますが、人出があるほうが心配になるので、しかたないと思います。病院に行くついでに他の用事も済ませるか、悩んでいるところです」と話していました。
札幌市内のデパートは、土日の休業を北海道に緊急事態宣言が出されている今月いっぱいまで続ける予定です。

●緊急事態宣言で広島市のデパート 生活必需品以外 土日休業  5/22
広島県に緊急事態宣言が出されたことを受けて広島市のデパートは、生活必需品を扱うフロア以外、土曜日と日曜日は休業することになり、市の中心部の人出も少なくなっています。
今月16日から緊急事態宣言の対象となった広島県では、床面積が1万平方メートルを超える大型商業施設などに土曜日と日曜日の休業を要請しています。
広島市中区にある「広島三越」では22日から土曜日と日曜日は、食料品や化粧品などの生活必需品を扱うフロア以外は休業します。
食料品売り場を訪れた70代の女性は「食料品の買い物も2日に1回にするなど外に出ないように心がけています。早く安心して買い物ができるようになってほしいです」と話していました。
「広島三越」のマーケティング担当の多田羅仁志さんは「商売をする身としては非常に厳しい状況だが、コロナの収束のために協力したい」と話していました。
広島市中心部の本通も宣言が出る前と比べて人出は少なくなっています。
20代の女性は「美容院に行くために出てきました。いつもより人通りは少ないですが、去年の緊急事態宣言の時よりは多いように感じるので用事を済ませたらすぐ家に帰ろうと思います」と話していました。

●菅首相 緊急事態宣言の対象地域拡大前に感染状況を聴取  5/22
新型コロナウイルス対策で、緊急事態宣言の対象地域が23日から沖縄県を加えて10都道府県に拡大されるのを前に、菅総理大臣は、22日午後、総理大臣公邸で、厚生労働省の樽見事務次官から全国の感染状況などについて報告を受けました。
出席者によりますと、職場でのワクチン接種の検討状況についても聴き取りを行ったということです。

●高橋洋一氏 緊急事態宣言は「屁みたいなもの」とツイート 5/22
内閣官房参与の高橋洋一嘉悦大教授は21日付の自身のツイッターで、新型コロナウイルス対策に関し「日本の緊急事態宣言といっても、欧米から見れば、戒厳令でもなく『屁みたいな』ものでないのかな」と投稿した。
高橋氏は投稿で屁(へ)みたいなという表現について「日本の行動制限の弱さとの意味」と説明した。
高橋氏は9日も日本の感染状況について「この程度の『さざ波』」と投稿。菅義偉首相は高橋氏が謝罪したと明かし「非常に残念だ」と述べていた。

●緊急事態「屁みたいなもの」 高橋内閣参与 5/22 
高橋洋一内閣官房参与が、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言について、自身のツイッターに「欧米から見れば、戒厳令でもなく『屁(へ)みたいな』ものでないのかな」と投稿したことが22日、分かった。例えの意味については「日本の行動制限の弱さ」と説明している。投稿は21日付。
高橋氏のツイッターをめぐっては今月、国内の感染状況を「この程度の『さざ波』」などと表現する投稿に、批判が相次いだ。

 
 

 


●緊急事態宣言「再延長」が濃厚のなか、映画館への休業要請も続くのか。 5/23
新型コロナウイルスの新規陽性者数、および重傷者数の減少が期待どおりではなく、5/31までの東京都や大阪府などへの緊急事態宣言は再び延長されるのでは……とささやかれ始めた。
今回の緊急事態宣言で、1回目の宣言延長時に疑問を投げかけられたのが、東京都や大阪府の映画館に対する休業要請である。スポーツや劇場(舞台)などは「有観客イベント」として客数を制限して営業できることにしたのに対し、1000平方メートル以上の大型商業施設に含まれる映画館、つまりシネコンの多くは休業要請という線引きがなされた。これは東京都や大阪府の判断である。緊急事態宣言の1回目の延長時に国は、1000平方メートル以上の大型商業施設に対し、20時までの時短営業へと緩和を下した。つまり映画館の営業はOKにされたにもかかわらず、自治体の判断で休業要請が続いているのだが、それに対する東京都の説明が、まったくもって曖昧なため、各所から非難の声も上がっている。
たとえば同じく緊急事態宣言が継続中の京都府は、50%以下の客数で映画館の営業を認める方向へシフトした。同じく新たに宣言下となった愛知県や福岡県なども時短および収容率に配慮しつつ、営業している。この差異について東京都は、「一方で映画館のように無観客で開催ができないイベント系施設、特にイベントを行う施設に着目した場合は、無観客開催ができないものについては、現行休業ということになっております」と何やら意味不明な回答をしたうえで、国による時間短縮での営業許可にかかわらず「都としてはまだその段階でなないという判断」で休業要請を続けている(5/7の東京都知事会見録での質疑応答より)。
エビデンスもないまま「なんとなく」な人流の抑制
要するに、スポーツや舞台はとりあえず少ない観客を入れていいけれど、繁華街のシネコンはもうちょっと我慢しなさい。そうすれば多少、人流の抑制につながるから……ということだと推測できる。
このように、科学的説明もなく「推測」で理解しろ、というのは傲慢ではないか。単に「要請しやすいから」と区分けしているとしか思えない。クラスター発生の報告もなく、マスク着用での静かな鑑賞、法律に従った換気設備、徹底した感染対策を行っている映画館への休業要請に疑問が呈されるのは、当然であろう。そもそも「映画を観に行こう」と考える人、とくに若い世代が「近くのシネコンが開いてない」→「じゃあステイホーム」となるだろうか? 現在の状況なら、他の目的を見つけて外出するのではないか?
緊急事態宣言の延長後、つまりゴールデンウイーク以降、シネコン以外の、いわゆるミニシアターなど小規模の映画館は、東京や大阪でも営業を再開した。
一方で、映画興行は深刻になるばかりで、本来なら観に来てくれたであろう観客を逃すことで、休業要請を受けた当該の映画館はもちろん、映画を作った人たちにも多大なショックを与えている。こうした自治体独自の判断に対し、映画館関係者や映画監督を中心にした抗議の「サイレントデモ」が東京都庁や大阪府庁の前で行われ、東京医師会の尾崎治夫会長でさえ、自身のfacebookで映画館の休業が緩和されなかったことに疑問を投げかけたほどだ。さらに現在、『るろうに剣心 最終章 The Final』が公開(宣言前の4/21公開)されている大友啓史監督が国会内での憲法調査会で東京都から納得がいく説明がなされることを求めた。
東京や大阪でシネコンが休業していても、他の県では営業しているではないか? しかし全国規模のロードショー作品は、30〜40%が大都市圏での売上となるため、合理的な説明がなされないことに大友監督も忸怩たる思いであることを告白。これは他のクリエイターたちの思いを代弁している。
現在公開中の『〜The Final』に続き、10年間のシリーズ完結となる『るろうに剣心 最終章 The Beginning』は6/4に公開が決まっており、もし緊急事態宣言が5/31に解除されず、引き続き東京都などによる映画館への休業要請が継続されるとしたら、大きな打撃となるに違いない。『〜The Berinning』は、とりえあず公開延期を決めていない。
今回の緊急事態宣言が出された後、話題作が公開延期されるか、予定どおりの公開に踏み切るかで判断が大きく分かれた。5/14公開予定だった『ゴジラvsコング』は延期。『アメリカン・ユートピア』のように5/7公開が一旦延期され、5/28に決まった作品もある。吉永小百合主演の『いのちの停車場』は、東京・大阪のシネコンで上映できないのを覚悟のうえで、全国各地の興行のためにあえて予定どおりの5/21公開に踏み切った。『ジェントルメン』や、オスカー受賞作『ファーザー』も、休業要請の期間に公開。各社、各作品、休業要請に対し、どうするのがベストなのか迷っているようでもある。
東京オリンピックのために、映画館の休業要請も延期なのか
今後、大規模ロードショーの話題作としては、『るろ剣〜The Beginning』の翌週の6/11に菅田将暉主演の『キャラクター』が公開。さらに6/18には、今回の緊急事態宣言によって公開を再延期した作品が重なっている。ハリウッド映画の『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』は5/28→6/18、長野五輪を再現する『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』は5/7→6/18と、それぞれ宣言解除を見越しての公開日変更がなされた。同じ6/18には『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』(これも2月からの延期)、人気ゲームのハリウッド実写化『モータルコンバット』なども公開される予定。
このまま東京都などの映画館休業要請が続けば、これら6/18公開の作品で再び延期を決めるものも出てくるのだろうか? 東京オリンピックを控え、少しでも新規陽性者の数を抑えるため、緊急事態宣言の延長は6/20までとか、7月頭までなどという噂も聞こえてくる。
せめて今月末までの緊急事態宣言が延長されるのなら、映画館の休業要請は緩和してほしいものだが、どんな判断になるのか。もし同じ要請を継続するのであれば、東京都は「理由は推測できるでしょう?」という上から目線の曖昧な説明ではなく、しっかりとした根拠とともに説明責任を果たしてほしい。少なくとも小池都知事や都の責任者は、われわれ一般市民よりも、状況を精査し、適切な判断を下すことができる「有能な人」のはずなのだから。

●沖縄「時短拒否」14店を公表 緊急事態中に過料手続き 5/23
沖縄県は22日、まん延防止等重点措置の適用地域で、時短営業要請に応じていない店舗のうち那覇市内の14店舗に対して、午後8時までに営業時間を変更する命令を初めて出し、県のホームページ上で店舗名や施設所在地などを公表した。
県は当初、命令後にも要請に応じない店舗には、裁判所に通知して20万円以下の過料を科す手続きを進める予定だった。しかし、23日から緊急事態宣言が始まり、根拠となる法律の条文が変わるため、重点措置に基づく手続きは命令止まりとなる。
県は23日以降、緊急事態宣言の期間中に再度手続きをやり直し、要請に応じない店舗に過料を科す方針。
14店舗は居酒屋が10店、バーが4店で、那覇市の久茂地や泉崎、牧志周辺と、国際通り沿いに集中している。県は、4月12日からまん延防止等重点措置の適用に伴って飲食店や飲食を伴う遊興施設に対して、県内全域で約1万2千店舗を巡回して営業時間の短縮を求めた。
県は重点措置の対象となっていた16市町内の店舗で、県民からの苦情や通報が多く調査が進んでいた19店舗に対して命令に向けた手続きを先行させていた。うち5件は22日までに、要請に応じた。命令を受けた店舗は、県に対して「閉めてしまうと雇用の維持ができない」などの弁明を出していた。
大城玲子保健医療部長は、過料の手続きに至らなかったことに「まん延防止の期間内に間に合わせるために取り組んできたが、緊急事態となり過料の手続きに及べなかった。23日以降もしっかり取り組む」と話した。

●沖縄県 きょうから緊急事態宣言の対象地域に追加  5/23
緊急事態宣言の対象地域は23日から沖縄が追加され、10の都道府県になりました。政府は、沖縄県と連携し、飲食店での酒類の提供停止や観光などでの訪問自粛を働きかけるなど、対策を徹底して、感染を抑え込みたい考えです。
新型コロナウイルス対策で、23日から緊急事態宣言の対象地域に沖縄が追加され、10都道府県になる一方、まん延防止等重点措置は22日をもって愛媛が解除され、適用地域は8県となりました。
こうした中、沖縄では22日に231人の感染が確認され、1日に公表される感染者数が2日連続で過去最多を上回りました。
政府は、沖縄の状況について、若い世代を中心に感染が急増し、病床がひっ迫しているとして、飲食店での酒類の提供停止や観光などでの県外からの訪問の自粛を働きかけるなど、対策を徹底して、感染を抑え込みたい考えです。
緊急事態宣言は、今回の沖縄の追加により、3週連続で対象地域が拡大されたことになります。
沖縄を除く地域では今月31日が宣言の期限となっていますが、政府内では、感染力が強い変異ウイルスの拡大に最大限警戒する必要があり、大幅な改善が見られない状況では解除は難しいという見方が出ています。
政府は、改めて、マスクの着用といった基本的な感染対策を徹底するよう呼びかけるとともに、企業にはテレワークの一層の推進を働きかけるなどして、感染拡大の収束を図りたい考えです。

●沖縄に緊急事態宣言 愛媛の「まん延防止」解除 5/23
政府は23日、新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言を沖縄県に発令した。
期間は6月20日まで。これにより宣言対象地域は10都道府県に拡大。変異ウイルスによる感染が増加する中、政府は関係自治体と連携し、感染抑止に全力を挙げる考えだ。
沖縄は宣言に準じた対策を講じる「まん延防止等重点措置」を4月12日から適用してきたが、新規感染者の増加に歯止めがかからないため宣言への移行を決定。県は酒類やカラオケを提供する飲食店に休業を要請するなど、より強い措置を取ることで対策の徹底を図る。
重点措置を適用してきた愛媛県については、政府は感染状況が落ち着いたと判断し、今月31日の期限を待たずに22日をもって解除。重点措置地域は8県となった。
31日までが期間となる緊急事態宣言の対象地域は北海道、東京、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、福岡の9都道府県。週明け以降に解除の可否を判断するが、新規感染者数は依然として高い水準となっており、延長は避けられないとの見方が大勢だ。 

●小中学校、沖縄15市町村で通常登校 緊急事態宣言受け感染対策を徹底 5/23
23日から沖縄県に緊急事態宣言が発令されることに伴い、本紙が22日に41市町村の教育委員会に確認したところ、那覇市や宜野湾市など少なくとも15市町村が小中学校の感染対策を徹底した上で、通常登校を継続する方針であることが分かった。南城市や西原町など5市町村は24日にも対策本部会議を開き、判断する。沖縄市や浦添市など21市町村は担当者が不在で確認できなかった。
通常登校を継続する市町村には、日曜参観などの学校行事の中止を決めた自治体もあった。一方、22日の時点で、分散登校や時差登校の方針を示した市町村はなかった。
4度目となる緊急事態宣言の発令を受け、県教育委員会は21日、県立学校長や市町村教育委員会に対して時差登校の検討や部活動の原則休止などを求める通知書を送付している。

●「GoToは感染拡大の要因」は本当か…? 「緊急事態宣言」の検証 5/23
3月21日に緊急事態宣言が全国で解除された後、世の中の人出は大幅に増えた。感染者数は全国的に増加に転じ、状況は予断を許さない。このような現状で観光促進策「GoToトラベル」の再開が正式に決定されれば、感染者数はさらに激増するのではないか。そんな心配の声も聞こえてくる。
では、実際の数字に即して考えてみよう。まず重要なのは、感染者数よりも、これから増える新規患者に医療が対応できるかどうかだ。年始に東京都で過去最多の感染者数が報告された際は、都が用意した3500の病床に対して、入院患者が3154人。病床使用率は9割に達した。このときの医療体制は、かなり逼迫していたといっていい。
では、緊急事態宣言を経た現在の日本の感染状況はどうなのか。日本の新型コロナ事情を世界と比較してみよう。最近の10万人あたりの新規感染者数は、アメリカ17人、イギリス8人、フランス33人、ドイツ15人、イタリア35人だ。これに対し、日本は1人程度。諸外国に比べて、感染増は明らかに抑え込まれているといえる。
一方、OECD(経済協力開発機構)のデータに基づいて病床数を国際比較すると、人口1000人あたりの病床数は、アメリカ3、イギリス3、フランス6、ドイツ8、イタリア3。これに比べて日本は13だ。
感染の抑え込みにおいても、病床の確保においても、日本は他の先進国を上回る数字を残しているのだ。くわえて、昨年12月には21兆円を超える第3次補正予算も組まれ、医療体制はかなり増強されている。
変異株が猛威を振るったり、再び感染の大きな波が来たとしても、日本医師会が昨年来懸念していたような、医療崩壊は起きないと考えられる。
ならば、経済復活の起爆剤である「GoTo」が満を持して4〜5月の大型連休前に再開されるかといえば、これは極めて厳しいというのが赤羽一嘉国土交通大臣の見解だった。
国立感染症研究所の研究によれば、「GoTo」と新型コロナウイルスの感染者数の増加の間には、有意な関係は見あたらないとされている。
この論文は査読前の段階だが、一つの科学的な裏付けにはなる。
そもそも、「GoTo」で移動する人口は、日本全体の人口のわずか1%程度に過ぎないため、これが感染者数の増加に影響するとは考えにくいのだ。
だが、昨年末、感染者数が増えたタイミングでキャンペーンが中断されたことで、「GoToこそが感染拡大の要因なのだ」というイメージがマスコミを通じて世間に広く浸透し、定着してしまった。
科学的な見地からすれば根拠が薄弱な論だが、国民の多くが心配している以上、国交省としては配慮しなければいけないということだろう。
今後、国交省は感染の落ち着いている地域に向けて、地方自治体経由で財源を利用し、観光業の支援を行う予定だ。
まずはそうして、少しずつ地方への支援を進めていく格好になる。東京オリンピックへの海外からの訪問客が望めなくなったいま、観光業への支援は国を挙げた急務といえよう。

●緊急事態宣言は「屁みたいなもの」 「さざ波」発言の高橋洋一内閣官房参与 5/23
内閣官房参与の高橋洋一嘉悦大教授が新型コロナウイルス緊急事態宣言について「日本の緊急事態宣言といっても、欧米から見れば戒厳令でもなく『屁へみたいな』ものでないのかな」と自身のツイッターに投稿したことが22日分かった。行動制限の弱さを理由に挙げた。高橋氏は9日にも、国内のコロナ感染状況を「この程度の『さざ波』。これで五輪中止とかいうと笑笑」とツイートして批判を浴び、13日に菅義偉首相が「非常に残念だ」と記者団に述べた経緯がある。
投稿は21日付。日本や米国など先進7カ国(G7)とインドでの学校閉鎖や旅行禁止などの行動制限の程度を比較したグラフも付けた。菅首相はこの日に、新型コロナ感染症対策本部会合を官邸で開き、感染拡大が続いている沖縄県を緊急事態宣言の対象に追加すると表明した。

●岐阜市が独自の緊急事態宣言 病床使用9割超、公共施設休館 5/23
岐阜市の柴橋正直市長は23日、古田肇知事と共に市役所で記者会見し、新型コロナウイルス感染拡大を受け、24日に市独自の「緊急事態宣言」を発出すると発表した。期間はまん延防止等重点措置と同じ31日まで。市と県は期間中、複合施設「みんなの森ぎふメディアコスモス」や岐阜城、県美術館など市内の公共施設を休館、利用停止とする。市独自の宣言は昨年4月10日〜5月16日に出した非常事態宣言に続き、2回目。
柴橋市長は、市内で飲食や職場、家庭とあらゆる場面でクラスター(感染者集団)が発生し、岐阜圏域の病床使用率が9割を超えていることなどを説明し「岐阜市(の感染状況)は(国の)緊急事態宣言に相当する。これ以上の感染拡大を何としても食い止めたい」と訴えた。
古田知事は、感染防止に市と連携して取り組んでいくことを強調した上で、「1週間で結果が良くなるとはとても思えない。腰を据えて取り組んでいく」と、宣言が長期化する可能性に言及した。
休館、利用停止する主な施設は、他に市歴史博物館や県図書館、木遊館など。岐阜メモリアルセンターとOKBぎふ清流アリーナは新規予約を停止した上で、次の大会につながる予選会は無観客で開催する。
感染拡大が続く愛知県との不要不急の往来自粛を求め、JR岐阜駅前の歩行者デッキなどに感染防止を啓発するのぼり旗を設置する。県と市で高齢者施設の従事者を対象に進めているPCR検査に、市内の半数の高齢者施設が応じていないため、実施を働き掛ける。

●緊急事態宣言は延長すべきか? 大阪の街では「仕方ない」と諦めの声も 5/23
今月末が期限となっている関西3府県への緊急事態宣言は、政府内で延長案が浮上しています。
街の人からは、延長を受け入れる意見も聞かれました。大阪府は、国に延長を要請するか、24日からの週の半ばにも正式に決める方針です。吉村知事はこれまでに「医療のひっ迫は厳しく、解除を議論できる状況ではない」と話しています。大阪の街の人は「仕方がないのかな。ここで止めるのはそんなに意味がないのかな」、「ただ期間が延長するだけでなく、みんなが守らないといけないなと思うようなかたちにできればいいなと思う」などと話していました。
兵庫県でも、新規感染者の数に減少傾向はみられるものの、病床のひっ迫は続いています。神戸の街では「(延長は)残念という気持ちと、やむをえないという気持ちが葛藤している」、「お客さんも(お店に)行きたいし、お店の人も苦しいし、早くコロナが終息してほしい」との声が聞かれました。
大阪府では23日、新たに274人の感染が確認されました。亡くなった人は、近畿と徳島で29人です。
 
 
 

 


●「飛行機がガラガラで驚いた」国際通りや道の駅は閑散 宣言初日の沖縄 5/24
5度目の緊急事態宣言が出されて初日の23日、新型コロナウイルスの感染拡大が続く沖縄県内各地は商店街や行楽地の客足もまばらで静かな休日となった。シャッターが下がったままの飲食店や土産品店も多く、市街地も閑散とした様子。繰り返される感染拡大と自粛生活に、市民からは「感染は怖いが経営はぎりぎり」との困惑のほか「慣れた」という諦めの声も漏れた。
同日午後1時ごろ、いつもは観光客でにぎわう那覇市の国際通りは人通りも少なく沿道は閑散としていた。大阪府から日帰りで観光に訪れた50代の男性は「乗ってきた飛行機がガラガラで驚いた。閉まっている店も多く、コロナ前の沖縄と姿が全く変わっている」と驚いた様子だった。
ゴールデンウイークに観光客が訪れた国頭村の道の駅では利用客が大幅に減り、時折ドライブ途中の車が立ち寄った。沖縄市から訪れた女性(64)は、緊急事態宣言について「慣れてあまり実感が湧かない。普段も特に変わることはない」と度重なる自粛要請にうんざりした表情。「感染対策をしながら自然を見てリフレッシュしたかった。不安は拭えないが家にこもり続けると気持ちが沈んでしまう」とため息をついた。
沖縄市の「沖縄こどもの国」も同日午前の客足は少なかった。同園によると午前9時半から正午の入場者数は357人で、1週間前の同時間帯と比べ約6割減少したという。入り口では家族連れが検温や手指消毒をして、来場者との距離を保ちながら園内に入った。妻、息子と訪れた當眞祐樹さん(35)=うるま市=は「迷いもあったが息子と前から約束していたし、屋内よりは安心なので」と来園理由を説明。緊急事態宣言については「遅いですよね」とつぶやいた。
大型連休が明けて感染者が急増している石垣市では市街地の人出は普段より少なく、シャッターを閉めた飲食店もある中で観光客が買い物などを楽しんでいた。商店街「ユーグレナモール」の土産品店の販売員、岸川美華さん(56)は今後、緊急事態宣言の影響が大きくなるのは避けられないとみる。「変異株が増えるのは怖いが事業者の経営はぎりぎり。観光客が全くいなくなったら困る」と複雑な胸の内を明かした。

●緊急事態宣言1週間 札幌中心部、人出2割減のみ テレワーク進まず 5/24
新型コロナウイルス対策で道内に緊急事態宣言が発令されて23日で1週間がたった。ソフトバンクの子会社「アグープ」(東京都渋谷区)が集約するデータを毎日新聞が分析したところ、宣言発令後の札幌市中心部の人出は、宣言前と比べて最大2割程度の減少にとどまっていることが判明した。強い感染力を持つ変異株の拡大も続いており、専門家は「今以上に人と人との接触を減らすしかない」と訴えている。
アグープは、JR札幌駅や札幌市営地下鉄すすきの駅などの半径500メートルにおける滞在人口をスマートフォン・アプリ利用者の位置情報から推計している。
公開されているデータを基に1時間当たりの平均の人出を比較すると、緊急事態宣言初日の16日の人出は1週間前の9日と比べ、JR札幌駅は98・6%、すすきの駅は85%にとどまった。平日となった宣言2日目の17日は10日と比べ、札幌駅は85・9%、すすきの駅は88・5%だった。
減少幅が最も大きかったのは、札幌駅は宣言後初の週末となった22日の79・7%、すすきの駅は21日の78・8%で、2割ほどにとどまった。特に平日の札幌駅の人出は20、21両日とも約7%しか減っておらず、道が要請するテレワーク推進による「出勤者の7割削減」が進んでいない現状も浮き彫りとなっている。
一方、小樽市の観光名所・小樽運河の人出はあまり変化がなく、宣言後の1週間のうち前週を下回ったのは20日と22日の2日間だけだった。
道内の感染者数は21日に727人と過去最多を更新するなど、宣言後も感染拡大に歯止めがかかっていない。鈴木直道知事は「人流を抑えることができるかが極めて重要だ」として不要不急の外出自粛を呼び掛けている。
札幌市など道内の感染状況について、札幌保健医療大の小林清一教授(臨床免疫学)は「札幌市は経路不明が60%を超えるなど高い水準にあり、感染者が多すぎて保健所も経路を追えない状況だ」と述べ、変異株の拡大で感染経路が終えない状況に危機感を示す。そのうえで「人と人との接触を避けるだけではなく、換気の徹底やマスクを2枚重ねて着用するなど個人レベルでこれまで以上に徹底してほしい」とさらなる警戒を呼び掛けている。

●宣言の延長期間 「オリンピック開会式の1か月前には解除しておきたい」 5/24
政治ジャーナリストの田崎史郎氏が24日放送のフジテレビ系「めざまし8」(月〜金曜・午前8時)に生出演した。
番組では、5月末に解除期限を迎える緊急事態宣言の延長の可能性について報じた。
延長の可能性について聞かれた田崎氏は「延長は確実ですね。6月20日まで3週間延長」と断言。そして「(6月)25日が東京都議会議員選挙の告示なんですね。そうすると、どうしても人流が起きてくるので、僕は(6月)25日まででどうですか?と政府の方に申し上げたんですけど、『いや、ここまで』と」と取材のやり取りを明かした。
6月25日までとする理由については「3週間という区切りの問題と、もう一つは公には言わないんですけど、(6月)23日が引っかかっているんじゃないかなと思っている。オリンピックの開会式が7月23日で、1か月前には緊急事態宣言を解除しておきたい」と推察した。

●愛知知事「31日の終了難しい」 今月末期限の緊急事態宣言  5/24
愛知県の大村秀章知事は24日の記者会見で、今月31日に期限を迎える新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言について「現在の新規感染者数と入院患者数の状況をみると、31日に終了して卒業というのは難しいのではないか」と述べ、宣言の期間延長は避けられないとの見解を示した。
コロナの入院患者数は23日時点で1028人となり、初めて1000人を上回った。1日当たりの新規感染者数も今月12日に過去最多の679人となるなど、高止まりしている。
大村知事は「期限までのあと1週間で感染拡大が収まっていくように対策を講じたいと考えているが、現状は大変厳しい」と説明。6月以降の対応について、宣言の延長を見据えて国と協議する方針を明らかにした。

●宣言“延長論”に小池知事「厳しい」 専門家は… 5/24
23日から、沖縄県で緊急事態宣言が始まりました。一方、今月末に期限を迎える東京では、延長論も出ています。
沖縄“宣言後”もビーチには観光客
23日から緊急事態宣言に追加された沖縄県では、新たに156人の感染が確認されました。しかし、ビーチには、観光客の姿がありました。東京から来たという50代の観光客に、「知事は(県外からの移動を)自粛してほしいと」と問い掛けると、「言われるのは重々分かっているんですけど、どうしても今回のチケットがあったんで、やめることができなかった」と答えました。
要請“応じない”店に客が集まる…
沖縄県は、再三の注意喚起にもかかわらず、時短に応じない飲食店の名前を公表しています。23日からの宣言で、酒の提供もできなくなりました。しかし、店名を公表された店は、午後8時を過ぎても、店内では客がビールや泡盛などを飲む様子が確認できました。要請に応じない店に人が集まる一方、要請を守ってきた店は、宣言でさらに追い込まれることになります。「味と踊りの竜宮城うらしま」の与儀哲治代表は、「団体が3本(予約が)入ってたんですけど、そのうち2本も消えまして。やっぱりお酒が出せなくなると、団体の宴会というのは、もちろんできないはずなので、難しいかなと」と話していました。
東京には緊急事態宣言“延長論”
23日、東京都では、新たに535人の感染が確認されました。先週の日曜日16日と比べると7人減り、10日連続で前の週の同じ曜日を下回りました。徐々に減少傾向が見えてきているものも、今月末に期限を迎える緊急事態宣言に関しては、延長論が出ています。小池百合子知事は「医療現場の方に尽力、長々としてもらっている。これをさらに伸ばすのは厳しい。だからこそ、しっかりとこの間、抑え込んでいくということに他ならない」と話しました。政府内では、感染者数が下がっていない以上、宣言の再延長は「仕方ない」という見方が強まっています。延長の期間は、2週間から1カ月程度という案が浮上しているほか、新たに追加された沖縄県の緊急事態宣言の期限である、来月20日に合わせるという考え方もあるといいます。
昭和大学医学部の二木芳人客員教授は、「(解除は)厳しいのではないかと思う。東京の場合もピークは終わったと思っているが、まだ(感染者の)数字は高い。リバウンドを抑える対策を徹底的に打っておかないと、まだワクチンが十分に普及していない段階なので、すぐリバウンドがあるというふうに考えなきゃいけない」との見解を示しました。

●9都道府県での緊急事態宣言、延長で調整…「来月20日」期限案が浮上 5/24
政府は、新型コロナウイルス対策として10都道府県に発令している緊急事態宣言のうち、沖縄県を除く9都道府県について、今月末までの期限を延長する方向で調整に入った。感染状況の改善が不十分なためで、今週中にも専門家の意見を聞いて延長の可否を決定する予定だ。
複数の政府関係者が23日、明らかにした。
宣言発令中の北海道、東京、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、福岡の9都道府県のうち、東京や大阪などで新規感染者数が減少傾向にあるものの、医療提供体制は厳しい状況が続く。今月16日から宣言の対象地域に追加された北海道などでは感染者数がなお増加傾向にあり、「今のままでは解除は難しい」(首相周辺)情勢だ。宣言が延長された場合、4月25日から期間がスタートした東京、京都、大阪、兵庫の4都府県は再延長となる。
これに関し、加藤官房長官は23日のNHKの番組で、今月末までの期間を延長する可能性に言及した。解除した上で、宣言に準じた「まん延防止等重点措置」に移行するか、「宣言を一定程度しながら、かなり(感染状況が)改善されたら普通の状態に戻すのか、議論したい」と述べた。
対象地域の知事からは、「今の段階で解除を議論できるような状況ではない」(大阪府の吉村洋文知事)などと期限内での解除に否定的な意見が出ている。
延長幅について政府内では、沖縄県の期限である6月20日にそろえる案が浮上している。それより短い同13日までとする案もある。
加藤氏は同番組で、「地域ごとに(期間が)バラバラなのはどうかという議論は当然出てくる。一定程度、固まりの中で判断していく」と述べ、そろえる可能性にも言及した。
一方、政府内では、宣言と重点措置で取れる対策に大差はないことから、改善がみられる地域のみ解除して、重点措置に移行すべきだとの意見がある。政府は、9都道府県の感染状況を注視しながら慎重に検討する考えだ。

●「屁みたいな」もの…加藤官房長官「個人の発信」と注意、確認しない考え  5/24
内閣官房参与の高橋洋一嘉悦大教授が新型コロナウイルス緊急事態宣言について「『屁へみたいな』ものでないのかな」と自身のツイッターに投稿したことについて、24日の官房長官の記者会見で質問が出た。
加藤勝信官房長官は「前回申し上げたが、高橋さん個人が、個人の資格で対外的に発信することについて、内容を含めてご本人が責任を持って対応されるべきものだ。高橋さんの発信内容について政府としてコメントは差し控えたい」と述べた。
高橋氏は9日にも、国内のコロナ感染状況を「この程度の『さざ波』。これで五輪中止とかいうと笑笑」とツイートして批判を浴びた。菅義偉首相が13日、高橋氏から「申し訳ない」と連絡があったことも明らかにし、「非常に残念だ」と記者団に述べていた。
こうした中、高橋氏は21日に「日本の緊急事態宣言といっても、欧米から見れば戒厳令でもなく『屁みたいな』ものでないのかな」とツイートし、再びインターネット上で非難を浴びている。
こうした経緯を踏まえて、記者が「国民に協力を求める中で内閣官房参与がこうした表現を使うのは適切と判断しているのか」と質問。
加藤氏は、さざ波のツイートの際には「坂井(学官房)副長官からも高橋氏本人に(菅首相に謝罪した趣旨を)確認した。その投稿における表現にさまざまな受け止めがあるとの指摘があり、(高橋氏から)各方面に迷惑をかけたと考え、そのことについて謝罪する趣旨で、連絡があったということだ」とした上で、「基本的にはご本人の責任で対応いただくべきものと考えている」として、今回は政府としてコメントはしないとした。
さらに別の記者が「個人の資格としての発言ということだったが、非常勤の公務員として首相が任命し、給与も支払われている公務員の立場に変わりはない。今回の発言についても政府から高橋氏に確認しないのか」と質問すると、加藤氏は「高橋参与は給与は受け取られていない」とした上で、「(前回は)総理とのやり取りがあったので確認した。今回別にそうしたやり取りがあったわけではないので政府としては確認しない」と語った。
さらに記者が「飲食業界のように現状の宣言で苦境に立つ人がいる中で、今回のような表現を広く公表することは配慮が足りないということはないのか。総理から注意する考えはないのか」とただすと、加藤氏「個人として発信されている。個人の中でご対応いただくべきものと考えている」と述べるにとどめた。
 
●緊急事態宣言長期化で自粛ムード薄れた? 繁華街で聞いた本音 5/24
NTTドコモがまとめた23日午後3時時点の人出は、全国の主要駅や繁華街計95地点のうち、7割超の69地点で前週16日から増加した。緊急事態宣言対象の10都道府県では発令から日が浅い北海道や広島、発令初日の沖縄などで減少傾向だった半面、京都、大阪、兵庫の3府県は全地点で人出が伸び、地域差が表れた。
晴天の地点が多かったほか、宣言長期化で外出自粛ムードが薄れた影響が出た可能性もある。ドコモはスマートフォンの位置情報を活用し、人出を分析したデータを毎日公表している。
東京都心の繁華街は多くの若者や親子連れでにぎわった。「ステイホームはもう限界」「せめて買い物ぐらいは…」。行き交う人たちが本音を打ち明けた。都内の繁華街は休業・アルコール提供禁止の飲食店と、アルコールを大っぴらに出す店で二分化している。某繁華街では、複数の屋台の店舗がアルコールを提供。客はマスクなしで大声で会話していたり、酔っぱらって道で寝ている人もいた。客引きが「アルコールあるよ」と道行く人に声をかけてもいた。一方で、チェーン居酒屋は完全休業していた。
都内の別の繁華街では、路面店は「ノンアルコール」を掲げているものの、雑居ビル内の居酒屋ではアルコール提供をウリにしビル内に行列ができていた。
北海道は23日の感染者数が605人。3日連続で東京都(23日=535人)の感染者数を上回っている。緊急事態宣言前までにぎわっていた旭川市の繁華街「3・6(サンロク)街」は人出がほとんどなく、ゴーストタウン化している。

●高橋内閣官房参与 緊急事態宣言を「屁みたいなもの」と投稿  5/24
内閣官房参与の高橋洋一氏はツイッターに「日本の緊急事態宣言といっても、欧米から見れば、戒厳令でもなく『屁みたいな』ものでないのかな」などと投稿しました。加藤官房長官は本人が責任を持って対応するべきものだとして「コメントは差し控えたい」と述べました。
内閣官房参与の高橋洋一氏は今月21日、みずからのツイッターに「日本の緊急事態宣言といっても、欧米から見れば、戒厳令でもなく『屁みたいな』ものでないのかな。『屁みたいな』とは日本の行動制限の弱さとの意味」などと投稿しました。
これについて加藤官房長官は午前の記者会見で「個人の資格で対外的に発信をすることについては基本的に内容も含めてご本人が責任を持って対応されるべきものであり、発信内容については政府としてコメントは差し控えたい」と述べました。
高橋氏は24日午後、ツイッターに投稿し「不適切表現を次に改めます。各位にお詫びします。日本の緊急事態宣言といっても、欧米から見れば、戒厳令でもなく行動制限は弱い」などとして、先の投稿内容を改めました。
立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に対し「ことばも下品だが自分たちがやっている緊急事態宣言について軽々しく思うような人を側近として政策アドバイザーに置いておく菅総理大臣の感覚を疑う。謝って済むなら警察はいらず取り消して済む話でもない」と述べました。

●兵庫県井戸知事 緊急事態宣言解除に慎重な姿勢示す  5/24
兵庫県の井戸知事は記者会見で、来週月曜の31日が期限の緊急事態宣言について、感染者数は減少傾向にあるものの、病床の使用率がいまだにひっ迫しているとして、解除には慎重な姿勢を示しました。
この中で井戸知事は、兵庫県内の感染状況について「減少傾向となっており、これをしっかり続けていけるようにしたい」と述べました。
一方、井戸知事は「病床はまだ厳しい状況が続いている。解除に向けて、10万人当たりの感染者は10人以下、重症病床の使用率は50%以下が、それぞれ1週間続くという基準にはほど遠く、現時点では緊急事態宣言を解除するわけにはなかなかいかないのではないか」と述べ、宣言の解除には慎重な姿勢を示しました。
そのうえで、今週、大阪と京都の3府県の知事で対応を協議するとともに、対策本部会議を開いて、兵庫県としての対応を決める考えを示しました。

●緊急事態宣言「終了の判断難しい」北海道 10首長とオンライン意見交換 5/24
北海道の鈴木直道知事は24日、緊急事態宣言発令に伴い特定措置地域に指定された10市町村の首長とオンラインで意見交換し、31日までとされる同宣言の発令期間について「判断は難しい」などと述べ、現時点で解除できる状況にはないとの見解を示した。19日から23日までの道内新規感染者が600人超と高止まりを続け、24日も366人と厳しい状態にあるためで、発令期限の31日まで事態を注視しながら国と期間延長を含めた協議を行う方針だ。
会合には札幌市の秋元克広市長をはじめ、旭川市、小樽市、江別市など10市町村の首長が参加。道から出席した鈴木知事ら3人と意見を交わした。
鈴木知事は冒頭あいさつで、今回の宣言発令後初めての週末となる22、23日の人流について「減少はしているものの、人口10万人あたりの感染者数は全国で最も多い」と指摘。これまでのピークだった昨年末の入院者数998人と重症者数37人に対し、23日時点で入院者数1012人、重症者数47人といずれも過去最多を更新し「医療提供体制は危機的な状況にある」と強い警戒感を示した。
意見交換では、複数の首長が対策の長期化で地域経済への影響が深刻化していることから、国に交付金増額などを要請するよう要望。また、札幌市内に通勤・通学する若年層の新規感染が多いため、同市内でワクチン接種できる体制を求める声もあったという。
鈴木知事は厳しい局面を乗り越えるために「一層の人流抑制が必要」としており、各首長に飲食店に対する見回り強化など対策への協力を求めている。

●休日平均と比べ54.3%減少 宣言発令後2回目の日曜日 岡山駅人出減 5/24
緊急事態宣言の発令後2回目の日曜日となった5月23日、JR岡山駅周辺の人出が前の日曜日と比べ減ったことが分かりました。
NTTドコモによりますと、JR岡山駅周辺の23日の人出は感染拡大前の休日平均と比べ54.3%減少しました。前の日曜日と比べると減り幅が7.4ポイント拡大しています。
このエリアでは22日から大型の商業施設が土日を休業していて、その影響があったとみられます。
一方、表町周辺の人出の減少率は25.6%で、前の日曜日と比べ減り幅が縮小しました。
また、JR倉敷駅周辺の減少率は62.1%で、こちらは減り幅が拡大しました。
5月末までの緊急事態宣言期間中、岡山県は日中も含めた不要不急の外出自粛を呼びかけています。

●緊急事態宣言下の各地で人出激増 東京・沖縄も減らず 5/24
緊急事態宣言の対象が10の都道府県に拡大したきのう、各地の人出はほとんどの地点で増加したことがわかった。
携帯電話の位置情報のデータによると、きのう午後3時台の東京都心の人出は、1週間前に比べて渋谷センター街で25.7%、原宿で24.3%、お台場で79.5%、代々木公園で2.6倍など、ほとんどの地点で大幅に増えていた。
一方、緊急事態宣言の対象に加えられた沖縄の人出は、那覇空港で19.5%減少したが、国際通りでは54.4%増加。大阪や京都の繁華街でも人出は10%以上増加しており、宣言に対する緊張感が薄れている実態が浮き彫りになった。

●緊急事態宣言、6月20日まで延長で調整 沖縄除く9都道府県 5/24
政府は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い10都道府県に発令中の緊急事態宣言について、沖縄を除く9都道府県で、今月31日の期限を延長する調整に入った。新たな期間は6月20日までを軸に検討している。東京や大阪などで新規感染者数が減少傾向にある一方、医療提供体制は各地で厳しい状況が続き、延長が不可避と判断した。
延長を調整する9都道府県は、4月25日に発令された東京、京都、大阪、兵庫、5月12日から追加された愛知と福岡、16日から追加された北海道、岡山、広島。23日から追加された沖縄県の発令期間は6月20日までとなっている。
加藤勝信官房長官は24日の記者会見で「緊急事態宣言は、全市町村で対策本部が設置されるなど、全国的な対応が求められる。ある程度固まりで運用していくことも求められる」と述べ、宣言の期限をそろえる可能性に言及した。与党幹部は「2週間程度は延長しないと効果が見えてこない。20日までなら安心だ」と指摘した。ただし、政府内には1週間短い6月13日までとする案もある。
官邸関係者は延長は不可避との認識を示したうえで、対象地域では酒類を提供する飲食店の営業自粛要請など、延長後もこれまでと同様の措置が取られるとの見通しを示した。
別の官邸関係者は「再拡大を防ぐため、専門家は感染レベルをしっかり落とせと言っている」と強調。大都市部で新規感染者数が減少傾向にあることを受け、「数値が下降傾向であれば収束に向けた展望が見える」と述べた。
 
 
 

 


●緊急事態宣言1か月 政府内に“延長避けられない”見方広がる  5/25
3回目の緊急事態宣言が出されてから、25日で1か月です。政府内では、5月末が期限となっている宣言の延長は避けられないという見方が広がっており、今週後半にかけて、延長する場合の期間や今後の対策などを慎重に検討する方針です。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政府が、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県を対象に、3回目となる緊急事態宣言を出してから、25日で1か月となります。
この間、宣言の対象は10都道府県に拡大され、23日追加された沖縄を除いて、9都道府県への宣言は31日が期限となっています。
菅総理大臣は、24日、自民党の役員会で「9都道府県の扱いについては、対策を徹底しながら、感染状況を分析し、専門家の意見もうかがいながら、今週末にも判断したい」と述べました。
政府内では、各地の感染状況について、5月末で宣言を解除できる水準にまで改善するのは難しく、宣言の延長は避けられないという見方が広がっています。
また、インドで広がる変異ウイルスに最大限警戒するためにも、宣言のもとで、できるかぎり感染を抑え込むべきだという意見もあり、政府は、今週後半にかけて、宣言を延長する場合の期間や今後の対策などを慎重に検討する方針です。

●緊急事態宣言 政府内で2〜3週間の延長を検討 5/25
東京や大阪など9つの都道府県の緊急事態宣言は今月末に期限を迎えますが、政府内では2、3週間程度の延長が検討されていることが分かりました。
東京や大阪などでは新規感染者数は減少傾向にありますが、病床の使用率などの医療態勢は各地で深刻な状況が続いていることから、政府は延長は不可避と判断しています。
延長幅は沖縄の緊急事態宣言の期限でもある来月20日までの3週間程度とする案が有力視されているほか、来月13日までの2週間程度とする案も検討されています。
菅総理大臣は専門家の意見も聞いたうえで、週内に対象地域や延長期間を最終判断する方針です。

●兵庫県 緊急事態宣言の再延長 あす要請決定へ  5/25
今月31日が期限の緊急事態宣言について、兵庫県は、医療体制のひっ迫が続いていることなどから、宣言の再延長を政府に要請する方針を固め、26日の対策本部会議で正式に決定することにしています。
兵庫県が25日発表した新型コロナの感染者は139人と、減少傾向の一方、24日時点の重症病床の使用率は76.6%と依然、医療体制のひっ迫が続いています。
こうした状況を踏まえ兵庫県は、今月31日が期限の緊急事態宣言について再延長するよう政府に要請する方針を固めました。
県は26日に対策本部会議を開いて、正式に決定することにしています。
そのうえで、宣言の再延長に伴う具体的な措置を検討することにしていて、現在、土日の休業を要請しているデパートなどの大規模施設への措置を緩和するかや、酒を提供する飲食店などへの休業要請を継続するかが焦点となります。
こうした中、兵庫県の井戸知事は神戸市内で開かれた会合で、緊急事態宣言の解除の目安として、一日の感染者数が1週間の平均で78人以下、重症病床の使用率が1週間続けて50%未満となることをあげました。
そのうえで「まだまだ高い水準にあり、ほど遠い状況だ。家庭にウイルスを持ち込まない、リスクの高い場面に遭遇しないことが重要であり、引き続き力を合わせて感染を封じ込められるよう協力をお願いしたい」と呼びかけました。
兵庫県の井戸知事は記者団に対し「県内の感染状況は、2回目の緊急事態宣言の際に解除を要請したときの基準にも達していない状況であり、宣言解除にはほど遠い」と述べました。
そのうえで、井戸知事は「あすの対策本部会議で県の方針を取りまとめたい。大阪や京都と足並みをそろえることが重要だ」と述べました。

●大阪府 緊急事態宣言の再延長 政府に要請決定 5/25
大阪府は、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、今月31日が期限の緊急事態宣言について、府内の医療体制が極めて厳しい状況が続いていることを踏まえ、宣言の再延長を政府に要請することを決定しました。
緊急事態宣言の期限が今月31日に迫る中、大阪府は、25日午後2時すぎから対策本部会議を開き、吉村知事は「感染の山を抑えて感染者数は減少傾向にあるが、再拡大したら非常に厳しい状況になるのは明らかで、医療提供体制が極めてひっ迫している状況も続いている」と述べました。
会議では、府内の感染状況について、新規の陽性者数は減少傾向にあるものの、直近の1週間でも、一日平均400人程度の陽性者が確認されるなど、高い水準で推移していることや、重症患者用の病床の使用率も、依然、極めて厳しい状況が続いていることなどが報告されました。
そして、今の状況の中で緊急事態宣言を解除すれば、再び感染者数の増加を招き、病床のさらなるひっ迫につながりかねないとして、宣言の再延長を政府に要請することを決定しました。
大阪府の対策本部会議のあと、吉村知事は記者団に対し「今これだけ病床がひっ迫している中で感染が再拡大すれば、対応できない状況になってくる。専門家の意見も踏まえ、宣言の再延長を要請する判断をした。引き続き感染対策に協力をお願いしたい」と述べ、府民や事業者に理解を求めました。
また、再延長の期間については「最後は国の判断だが、短い期間では不十分だと思っている」と述べ、感染拡大を抑え込むためには、さらに一定の期間が必要だという認識を示しました。
さらに、再延長に伴う措置については「大規模施設への休業要請は、週末や土日は継続すべきだと思っている。イベントは、国の基本的対処方針に準じることになると思う。テーマパークや演芸場も、土日は休業を要請すべきだと思っている」と述べ、大規模施設への休業要請を週末のみに切り替えるなど、一部の措置については緩和を検討する考えを示しました。
一方、酒類を提供する飲食店への休業要請や、それ以外の飲食店への夜8時までの時短要請については、継続する考えを示しました。
また、対策本部会議で府は、緊急事態宣言に伴う休業や時短営業に応じず、法律に基づく「命令」を出すことを通知した飲食店が17店舗あることを明らかにしました。
吉村知事は「弁明の期限となる今月末までに要請に応じない場合は、過料の手続きに移行して適切に対応していきたい」と述べ、要請に応じない場合は過料を科す考えを示しました。
東京都の小池知事は、大阪府が緊急事態宣言の再延長を政府に要請することに関連して都の対応を問われたのに対し「きょうも大型連休明けの傾向などを分析していた。専門家の意見も聞きながら決めていきたい」と述べました。

●大阪府 緊急事態宣言の再延長要請を決定 5/25
大阪府は25日、新型コロナウイルス対策本部会議を開き、政府が発令した緊急事態宣言について、31日までの期限を再延長するよう要請することを決めた。4月25日の発令から1カ月がたち、新規感染者数は減少傾向に転じているが、重症病床などの逼迫(ひっぱく)が続いていることから今月末での解除は難しいと判断した。3度目の緊急事態宣言をめぐり、府が延長を要請するのは5月6日に続き2回目。
吉村洋文知事はこの日の対策本部会議で、延長要請の理由について「重症者が300人を超える状況で、通常の医療を制限しながら対応している。感染が拡大すれば極めて厳しい状況になるのは明らかだ」と述べた。
府内の1日当たりの新規感染者数は今月1日に最多の1260人を確認してから徐々に減少し、23日には約2カ月ぶりに300人を切った。一時1万5千人を超えた自宅療養者も24日時点で6078人まで減少した。
一方、入院中の重症者は24日時点で318人。うち中等症病床で治療を続ける重症者29人を除くと、確保済みの重症病床348床の使用率は83・0%に上る。

●福岡県が緊急事態宣言の延長を要請 病床逼迫に危機感 5/25
福岡県は25日、新型コロナウイルスの緊急事態宣言について、今月末を期限とする宣言の延長を政府に要請した。新規感染者は減少傾向が見られるが、病床使用率は高水準で推移しており、医療の逼迫(ひっぱく)を避けるため、飲食店などの休業要請を継続する必要があると判断した。
同県の感染状況は、緊急事態宣言が適用された12日に過去最多の634人の感染を確認。24日は195人で、4月26日以来となる100人台となった。ただ、コロナ専用の病床使用率は8割を超え、直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数や療養者数とともに、政府の分科会が示す区分で最も深刻な「ステージ4(感染爆発)」の基準を超えている。最近の新規感染者の変異株の割合も9割超に上る。
服部誠太郎知事は25日朝、「感染者が減っても、病床の使用率は1週間後に出てくる。今のパーセンテージを見ても、決して油断できない状況。解除について楽観的に考えることはできない」と感染状況を記者団に説明した。
緊急事態宣言の延長については、「国も周囲の県の感染状況を総合的に考えて、緊急事態宣言の取り扱いを判断されると思う」としたうえで、「(感染の)リバウンドの警戒もあり、変異株もあるなかでどういうふうに見るのか。専門家のご意見を最優先するべきだ。我々もそこを尊重していきたい」と語った。
福岡県は今月12日に適用が始まった緊急事態宣言で、酒類やカラオケを提供する飲食店に対して休業を要請。床面積が1千平方メートル超の大型商業施設(生活必需品を除く)などには、午後8時までの営業時間の短縮を求めた。20日にはさらに対策を強め、大型商業施設などに対して、緊急事態宣言中の土日の休業を要請することを決めた。(藤山圭)

●宣言やまん延防止措置で影響 中小企業・個人事業者 「月次支援金」 5/25
2021年4月以降の「緊急事態措置」「まん延防止等重点措置」に伴う「飲食店の休業・時短営業」「外出自粛等」の影響で、売り上げが50%以上減少した中小法人などに上限20万円/月、個人事業主などに上限10万円/月を給付する「月次支援金」。経済産業省は4-5月分の申請を6月中下旬、6月分は7月1日から始める。給付条件などを解説する。
「月次支援金」とは
「緊急事態措置」「まん延防止等重点措置」に伴う「飲食店の休業・時短営業」「外出自粛等」の影響で、2021年の対象月の売り上げが2019年または2020年の基準月(2021年の対象月)の売り上げと比較して、50%以上減少した中小法人、個人事業者などに、事業の継続・立て直しのための支援金を給付する制度。「月次支援金」の給付は2021年1月に発令された緊急事態宣言の影響緩和のための給付金制度「一時支援金」の仕組みを採用。事前確認や提出資料を簡略化し、申請者の利便性を高めるとしている。
給付要件について
◾2021年の対象月の「緊急事態措置」「まん延防止等重点措置」に伴う飲食店の休業・時短営業、外出自粛などの影響を受けていること(同措置が実施されている地域で休業または時短営業の要請を受け、休業または時短営業を実施している飲食店と直接・間接の取引がある、または、同措置が実施される地域における不要不急の外出・移動の自粛による直接的な影響を受けていること)
◾2021年の月間売上が、2019年または2020年の同月比で50%以上減少していること
飲食店の休業・時短営業の影響関係について
1.対象飲食店に対して商品・サービスを反復継続して販売・提供してきたが、対象飲食店が2021年の対象月に緊急事態措置などで休業・営業時間短縮。これにより、対象月に飲食店との直接取引からの事業収入が減少したことによる影響
2.対象飲食店に対して、商品・サービスを自らの販売・提供先を経由して反復継続して販売・提供してきたが、1の影響で対象月における自らの販売・提供先との取引からの事業収入が減少したことによる影響
外出自粛などの影響関係について
1.緊急事態措置などを実施する都道府県の個人顧客に対して、商品・サービスを継続的に販売・提供してきた。しかし、対象月の対象措置によってその個人顧客が外出自粛などで、対象月に同個人顧客との取引からの事業収入が減少したことによる影響
2.1の影響を受けた事業者(以下「関連事業者」)に対して、商品・サービスを反復継続して販売・提供してきたが、1の影響で対象月に関連事業者との直接の取引からの事業収入が減少したことによる影響
3.関連事業者に対して、商品・サービスを販売・提供先を経由して反復継続した販売・提供してきたが、1の影響で対象月に自らの販売・提供先との取引からの事業収入が減少したことによる影響
給付対象
次の1または2の要件を満たす事業者は、業種や所在地を問わず給付対象となり得るという。
1.対象措置を実施する都道府県に所在する飲食店と直接・間接の取引があることによる影響を受け、2021年の月間売上が2019年または2020年の同月比で50%以上減少していること
2.対象措置を実施する都道府県に所在する個人顧客と直接的な取引があることによる影響を受け、2021年の月間売上が2019年または2020年の同月比で50%以上減少していること

●緊急事態宣言 “延長も視野に 専門家の評価を参考に” 厚労相  5/25
今月31日が期限となっている東京、大阪など9都道府県の緊急事態宣言について、田村厚生労働大臣は、全国的には感染者数が減少しているとする一方、東京や大阪などでは、解除を判断するレベルまでは減少していないと指摘し、宣言の延長も視野に入れ、専門家の評価を参考にして最終的に判断する考えを示しました。
田村厚生労働大臣は閣議のあと記者団に対し、新型コロナウイルスの感染状況について「全国的に見ると、新規感染者数は減少に転じているが、地域によっては、十分収まっていなかったり、増加したりしている」と述べました。
また、今月31日が期限となっている東京、大阪など9都道府県の緊急事態宣言について「宣言の解除の判断には、感染者数が、東京では安定的に500人、大阪も300人強を、それぞれ下回らなければならないが、まだその段には至っていない」と指摘しました。
そのうえで田村大臣は「『ステージ3』まで下がり『ステージ2』を見据えられるまでなのか、十分に勘案する。延長することも、当然、視野に入れながら、専門家の評価を参考にして、最終判断したい」と述べました。
一方、ファイザーのワクチンをめぐり、田村大臣は、接種の対象年齢をこれまでの16歳以上から12歳以上に拡大することについて、厚生労働省の専門家部会を今週28日に開き、有効性や安全性の議論を求めたうえで、判断する考えを示しました。
東京都の小池知事は都庁で記者団の取材に応じ、緊急事態宣言を延長すべき状況にあるかどうか問われたのに対して「さまざま分析している。大型連休が明けて人の流れが増えてきている状況などを極めて心配している。延長するのか否か、そして方法について、しっかりと分析していきたい」と述べました。
公明党の山口代表は記者会見で、今月31日が期限となっている東京、大阪など9都道府県の緊急事態宣言について「期限までに、明白に解除できるような大幅な改善がみられる状況には残念ながら至ってない。感染状況のステージなどの客観的な指標や、変異株がどう推移していくかも見なければならない。政府は専門家の意見をしっかり捉えて、最終的な判断をすることが大切だ」と述べました。

●感染者減少傾向も「緊急事態宣言」解除に慎重意見 5/25
関西の2府4県で24日発表された新型コロナウイルスの新たな感染者はあわせて377人と、およそ2か月ぶりに300人台となりました。しかし、各府県では依然として病床がひっ迫していて、大阪、兵庫、京都の3府県に出されている緊急事態宣言の解除には慎重な意見が相次いでいます。
関西の2府4県で24日までに発表された新型コロナウイルスの新たな感染者は、大阪が216人、兵庫が86人、京都が38人、滋賀が23人、奈良が10人、和歌山が4人の、あわせて377人でした。また、大阪で35人、兵庫で8人、京都と奈良でそれぞれ2人、和歌山で1人のあわせて48人の死亡が確認されました。
関西の感染者が500人を下回ったのは23日に続いて2日連続で、300人台となったのは、ことし3月29日以来、56日ぶりです。しかし、各府県では依然として病床がひっ迫しています。
兵庫県の井戸知事は、24日の記者会見で来週月曜が期限の緊急事態宣言について、「病床はまだ厳しい状況が続いている。現時点では緊急事態宣言を解除するわけにはいかないのではないか」と述べ、解除に慎重な姿勢を示しました。
また、京都府の西脇知事も24日、「新規陽性者数は高いレベルで状況が改善されたとはまったく思っていない」と述べ、このまま解除されることには慎重な考えを示しました。
各府県では宣言の再延長を国に要請するかどうか協議するとともに、引き続き、感染対策を徹底するよう呼びかけています。

●平日の休業要請「考えていない」 宣言の延長は今週半ばにも判断へ 愛知 5/25
愛知県の大村秀章知事が24日、メ〜テレのインタビューに答え、緊急事態宣言延長の可能性について言及しました。期限の5月31日まであと1週間。感染状況の改善に向けた一手はあるのでしょうか。
Q 緊急事態宣言が出されてまもなく2週間。いまの感染状況の認識は?
愛知・大村知事「2週間前から500人台、600人台と、過去最多を更新する陽性者数を記録しております。入院患者さんも、1000人の大台を超え、重症者の方も89人。本当に厳しい状況です」
最近1週間の10万人当たりの新規陽性者数は、沖縄、北海道に続き、愛知県は全国で3番目。大阪や東京よりも多くなっています。緊急事態宣言が出され、まもなく2週間が経ちますが、感染状況が大きく改善したとは言えないのが現状です。
Q 緊急事態宣言の解除期限まであと1週間。このまま解除は可能ですか?
「正直厳しいと思います。あと1週間で、例えば入院状況が半分になるとか、新規の感染者が200人台でずっと続いていくようなことになれば一区切りということになるかと思いますが、なかなか厳しいのではないか」
Q 延長はあり得ますか?
「今のままでいけば、あと1週間で一区切り、次のステージということにはならないのではないか。そういう厳しい状況だということをご認識、ご理解いただきたいと思います」
Q もし延長になった場合、どれぐらいの延長幅を想定していますか?
「国と協議しますが、やはりある程度まとまった期間が必要だと思います。おそらく6月20日までということになるのではないか。その前に劇的に状況が改善すれば、その段階で一区切り、解除ということもあるんだろうと思います。前回の場合は、1週間前倒しで2月末に解除しました」
Q 国から延長の方針を伝えられているのですか?
「それはありません。ただ、今週半ばぐらいには判断をしなければいけないと思います。あと1週間なので。国の方でも延長の手続きや国会報告もありますので、そういう意味でも今週半ばには判断するということではないでしょうか」
愛知県は今月22日から、百貨店など大規模商業施設に対し、土日は休業するよう要請しています。しかし、22日土曜日の繁華街の人出は、名古屋駅で前の週と比べ-8.9%、栄地区では-2.1%と、10%未満の減少に留まっています。
Q 週末の人出の減少をどうみていますか?
「とにかく人の流れを減らすため、大変厳しい措置ではあるが大規模な商業施設について土日の休業をお願いしました。人出も少しは減っていますけれども、さらに減らして、新規陽性者を減らしていければ、確実に入院患者さんも減っていきます。そういうかたちで医療体制を持ちこたえさせていきたい」
Q 人の流れを減らすためには、どうすればいいと考えますか?
「医療のひっ迫がさらに厳しくなれば、もっと厳しい措置をお願いせざるを得ません。東京・大阪の大規模商業施設には、平日も含めて休業をお願いしています。愛知はそこまでは至っていないので、今しばらくのご辛抱をお願いしたい」
Q 今週末も人出の減らなかった場合、平日の休業要請まで踏み込むことはあり得ますか?
「そこまではまだ考えておりません。そうならないように、ぜひお願いをしたい。今の措置を丹念にお願いしていって、一人ひとりの行動を止めていただく、減らしていただくしかないと思います。強制的に封鎖したり、移動の禁止ができればいいですけど、それができないわけですから。自粛や行動変容をお願いした上で、ワクチン接種を加速していく。この両方やっていくとことが重要だと思っています」 
 
 
 

 


●緊急事態宣言 延長念頭に期間や対策を検討へ 政府 5/26
緊急事態宣言が出されている10都道府県のうち、広島と福岡が25日宣言の延長を要請したほか、大阪も再延長の要請を決めました。政府は宣言の延長を念頭に、専門家の意見などを聴きながら延長幅や必要な対策を検討していく方針です。
10都道府県に出されている緊急事態宣言は、今月23日に追加された沖縄を除く9都道府県で来週31日が期限となります。
これを前に、広島と福岡が25日宣言の延長を政府に要請したほか、大阪も宣言の再延長を要請することを決め、兵庫と京都は26日再延長の要請を決める方向で調整しています。
西村経済再生担当大臣は25日「宣言の解除は『ステージ3』になり『ステージ2』を目指していくことと基本的対処方針に書いてあるので、照らし合わせて判断する。インドで広がる新たな変異株への対応も頭に置きながら専門家の意見を聴いて判断していく」と述べました。
政府内では、宣言の対象地域で新規感染者数の減少傾向が鈍っているという指摘があることや、大型連休後に大都市を中心に人の流れが増えつつあるという分析があることなどを踏まえ、宣言の延長は避けられないという意見が大勢となっています。
政府としては宣言の延長を念頭に、26日開かれる厚生労働省の専門家会合の意見なども聴きながら、今週後半にかけて延長幅や必要な対策を検討していく方針です。

●「緊急事態宣言 専門家の意見踏まえ総合的判断」加藤官房長官  5/26
6月末が期限となっている緊急事態宣言の扱いについて加藤官房長官は、26日開かれる厚生労働省の専門家会合の意見も踏まえながら検討を進め、総合的に判断していく考えを重ねて示しました。
沖縄を除く9都道府県の緊急事態宣言は、来週31日が期限となっており、福岡が25日、政府に延長を要請し、大阪も再延長の要請を決めたほか、兵庫と京都は26日、再延長の要請を決める方向で調整していて、広島も延長の要請を検討しています。
加藤官房長官は26日午前の記者会見で、宣言の扱いについて「専門家の意見も踏まえながら総合的に判断していく。きょう夕方厚生労働省のアドバイザリーボードが開催され、専門家によって直近の感染状況の評価・分析をいただくことにしている。こうしたものも踏まえながら検討を進めていきたい」と述べました。
そのうえで、記者団がワクチン接種の進捗状況は考慮するのかと質問したのに対し「ワクチンの効果が結果的に感染者数や入院者数、重症者数に影響を及ぼすということになれば、間接的には関わってくると思っている。まずは、ワクチン接種を進める中でトータルとしての感染を抑えていく努力をしていきたい」と述べました。

●首都圏1都3県知事 緊急事態宣言と重点措置の再延長を要請 5/26
首都圏の1都3県は、今月末が期限となっている緊急事態宣言とまん延防止等重点措置を再延長するよう政府に共同で要請しました。
東京都の緊急事態宣言と埼玉、千葉、神奈川の3県に適用されているまん延防止等重点措置は今月12日から延長の期間に入っていて、今月31日に期限を迎えます。
これについて、1都3県の知事は26日夕方、オンラインで会議を開き、今後の対応を協議しました。
このなかでは各都県の新規陽性者は減少傾向がみられるものの、流行の主体が感染力が強い変異ウイルスに置き換わっていることなど予断を許さない厳しい状況が続いているなどとする懸念の声があがりました。
そのうえで、東京都の緊急事態宣言と埼玉、千葉、神奈川のまん延防止等重点措置を再延長するよう政府に共同で要請しました。
要請では再延長に伴って影響を受ける事業者を支援するための財政的な措置も求めています。
東京都の小池知事は、オンライン会議で「ここで解除すれば、短期間で感染の再拡大が懸念される。1都3県で力を合わせることで感染を抑え込んでいきたい」と述べました。
1都3県の知事によるテレビ会議で埼玉県の大野知事は「埼玉県の感染状況は国の指標の4つがステージ3となっていて、増加のペースは落ちているが高止まりの状況で厳しい状況だ。協力いただいている皆さんには大変心苦しいが、まん延防止等重点措置の解除を求める段階にない」と述べ、今月末が期限となっている重点措置を延長すべきだという考えを示しました。
また千葉県の熊谷知事は「県内の新規感染者数は1日あたりの平均で100人以上で、減少傾向にあるものの十分下がりきっていない。重症者数についても増加傾向で78%が変異ウイルスとなり、置きかわりが進むなど、強い危機感を持っている」と述べました。
そのうえで今月末が期限となっているまん延防止等重点措置の延長を国に共同で要望することについて「千葉県の感染状況や医療提供体制を踏まえると延長が必要だ。1都3県が人流の抑制対策を一体的に行う必要がある」と述べました。
神奈川県の黒岩知事は「神奈川県内の感染状況を示す指標はすべてステージ3で、重症化する人も増えており、とても解除できる状況ではない」と述べ、1都3県そろって延長を要請することに賛同する考えを示しました。一方、措置の対象地域で感染対策を行わず時短や酒類の提供停止などの要請にも応じていない店があるとして「非常に問題がある。こうした店に対し、どういう対処ができるのかよく考える必要がある」と述べました。
東京都の小池知事は、緊急事態宣言が再延長された場合の措置の内容について、記者団から「映画業界などからは営業再開の声なども上がっている」と問われると、「きょうも有識者、審議会の方々からのいろいろな参考意見をうかがっている。これらを分析しながら、どういった効果があるのかも考えて進めていきたい」と述べました。さらに、「延長の幅はどれくらいがいいか」と問われると、「だいたい1か月くらい」と述べました。
1都3県のテレビ会議のあと千葉県の熊谷知事はまん延防止等重点措置が延長された場合の要請範囲や内容について「これまでの要請が、多くの事業者の協力を得て結果につながりつつある。今の要請内容を続けていくことを基本的な方向性として考えている」と述べました。また、延長の期間については「千葉県としては少なくとも3週間程度は必要だと思っている。神奈川県と埼玉県の状況も考えながら今後も期間について意見交換をしていきたい」と述べました。
会議のあと神奈川県の黒岩知事は記者団に対し、措置が延長された場合は対象区域や措置の内容を改めて協議するとしたうえで「今の感染状況をみるととても解除できる状況にはない。5月31日の解除をめざして飲食店を中心に協力をお願いしてきた中で、延長は心苦しいが改めて基本的な感染防止対策の徹底をお願いしていきたい」と話していました。

●首都圏4都県、緊急事態宣言と重点措置の延長を要請 5/26
新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づく緊急事態宣言とまん延防止等重点措置について、東京、神奈川、千葉、埼玉の首都圏4都県は26日、31日までの期限を延長するよう政府に要請した。
東京都の小池百合子知事は要請後、記者団に延長幅はどれぐらいの期間がよいか問われ、「1カ月ぐらい」と答えた。4都県が政府に出した要望書では、「5月中旬以降、新規陽性者について減少傾向が見られるものの、依然として高い水準で推移していることや、感染力の強い変異株に流行の主体が置き換わっている」として、厳しい状況が続いているとの認識を示した。
その上で、「引き続き、地域の実情に応じた感染拡大防止策を多面的に実施するとともに、密接に連携した人流抑制策を実施していく必要がある」と強調。東京都で出されている緊急事態宣言と、神奈川、千葉、埼玉の3県の一部で適用されている、まん延防止等重点措置について、いずれも延長するよう政府に求めている。
要請に先立って、4都県の知事は26日夕方にテレビ会議を開いた。小池知事は「一時に比べると新規陽性者数が抑えられているとはいえ、ここからの抑え方次第でまたリバウンドするという予測が出ている」と指摘。「減少傾向を確かなものにするためにも改めて気を引き締め、1都3県で足並みをそろえていることをしっかり発信することが重要だ」と述べた。

●緊急事態宣言と防止措置の延長を要請 小池知事、延長幅「1カ月程度」 5/26
新型コロナウイルス対策を巡り東京都と埼玉、千葉、神奈川の1都3県は26日夜、都への緊急事態宣言と3県へのまん延防止等重点措置を延長するよう政府に共同で要望した。延長で影響を受ける事業者への財政支援についても確実に対応するよう求めた。
要望に先立ち、1都3県知事はテレビ会議を開催。小池百合子都知事は「新規陽性者は微減だが、依然として高い水準。流行の主体が(感染力の強い)N501Y変異株に置き換わっている」と強調。「解除すれば短期間で再拡大する懸念がある」と延長の必要性を訴えた。
3県の知事も、重点措置の延長を求めることで一致した。神奈川県の黒岩祐治知事は「第3波までとは違い、今回は重症化率が高い。変異株の影響かもしれない」と危惧。千葉県の熊谷俊人知事は「1都3県が一体的に人流の抑制体制を行う必要がある。基本的な感染防止行動を徹底してほしい」と呼び掛けた。埼玉県の大野元裕知事は「何とか踏ん張っている状況だが、いつ変わるか予断を許さない。改めて連携を密にし、最後まで取り組んでいきたい」と述べた。また小池知事は都庁で報道陣の取材に対し、宣言期間の延長幅は1カ月程度が望ましいとの認識を示した。
都内への緊急事態宣言は4月25日から、3県への重点措置は同20日からそれぞれ適用。当初は5月11日までだった期限は31日まで延長になっていた。

●東京都、緊急事態宣言の再延長を政府に要請−1カ月程度と知事 5/26
東京都は今月末が期限の新型コロナウイルスの緊急事態宣言について政府に再延長を要請した。小池百合子知事が26日、記者団に明らかにした。小池知事は延長期間について「1カ月ぐらい」との見通しを示した。新規感染者数は減少傾向にあるが、26日の発表で743人となお高い水準で流行の主体も感染力が強い変異株に置き換わっている。小池知事は首都圏の1都3県知事のテレビ会議で「ここで解除に踏み切ると短期間で感染が再拡大することが懸念されている」と述べ、都の緊急事態宣言、3県のまん延防止等重点措置の延長を共同で要望する必要があると述べた。
宣言延長について加藤勝信官房長官は、「専門家の意見を踏まえながら総合的に判断する」と説明。夕方開催される厚生労働省のアドバイザリーボードで専門家が直近の感染状況を分析すると述べた。
テレビ朝日によると、政府は東京など9都道府県に発令中の緊急事態宣言について、沖縄県の期限でもある来月20日まで延長する方向で最終調整を進めている。専門家の意見も踏まえ、28日に政府対策本部で最終決定する方針と伝えた。

●緊急事態延長「来月20日まで」軸 酒提供店休業、イベント制限を継続 5/26
政府は、新型コロナウイルス対策として東京、大阪など9都道府県に発令中の緊急事態宣言の延長を、28日に決定する方針だ。今月末に迫る期限について、23日から宣言の対象に追加された沖縄県にそろえ、6月20日まで延ばす案を軸に調整。酒類を提供する飲食店への休業要請や、イベントの人数制限は継続する方向だ。
9都道府県について、政府は感染状況や医療提供体制の改善が不十分と分析。菅義偉首相は26日夕、西村康稔経済再生担当相ら関係閣僚と延長案をめぐり協議した。27日に詳細を詰める。28日に専門家らでつくる基本的対処方針分科会に諮った後、政府対策本部で決定。首相が記者会見に臨み、国民に協力を呼び掛ける見通しだ。

●鈴木知事「緊急事態宣言」の延長、政府に正式要請 5/26
26日午後に開かれた北海道の感染症対策本部会議で、鈴木知事は31日が期限の「緊急事態宣言」の延長を政府に要請したことを明らかにしました。
対策本部会議で鈴木知事は、本日(26日)も551人(再陽性1人含む)。極めて厳しい状況。医療のひっ迫などを考えると、5月31日までという「緊急事態宣言」は終了できる状況にはなく、現在の強い対策を継続していく必要がある。こうした考えを国に伝えた。北海道は暖かくなり、往来が活発になってくる時期。他県との往来の際の対策強化など、今後の対策について国と緊密に協議しながら検討を速やかに進めるよう指示するなどと話しました。
また、このあとの会見で鈴木知事は「緊急事態宣言」が延長されれば、6月13日と14日に予定されている公道での「聖火リレー」は難しいと述べ、中止せざるをえないとの考えを示しました。

●千葉など首都圏4都県 緊急事態宣言・まん延防止 共同で延長要望へ 5/26
新型コロナウイルス対策で、首都圏4都県の知事は26日、テレビ会議を開き、いずれも31日を期限として発令されている東京都の「緊急事態宣言」と、3県の「まん延防止等重点措置」について、「延長に関する共同要望」を提出することで一致した。緊急事態宣言と重点措置の適用を延長することにより、影響を受ける事業者等への財政支援措置を講ずることと合わせ、国に要望すると決定した。
テレビ会議で千葉県の熊谷俊人知事は、県内の感染状況や病床稼働率などが依然として厳しい状況にあると指摘し「まん延防止等重点措置の延長が必要と考えている」と述べた。その上で、4都県が足並みをそろえて延長を要望することに賛同した。

●大阪・兵庫・京都、26日に延長要請へ 緊急事態宣言 5/26
大阪、兵庫、京都の3府県の知事は26日、オンライン会議を開いた。大阪府の吉村洋文知事は終了後、府庁内で記者団の取材に応じ、3府県共同で同日中に新型コロナウイルスの緊急事態宣言の延長を政府に要請することで一致したと明らかにした。大阪府は25日に延長要請を決めており、兵庫県と京都府も26日午後に開く対策本部会議で延長要請を正式決定する。
緊急事態宣言は31日に期限を迎える。吉村氏は「3府県は経済圏が近い。できるだけ足並みをそろえようというのは共通認識だ」と述べた。兵庫県の井戸敏三知事は会議終了後に記者団に対し、宣言延長が決まった場合、大型商業施設への土日の休業や酒類を提供する飲食店への休業の要請を継続する方針を明らかにした。
井戸氏は、延長期間について「(6月20日が期限の)沖縄が1つの目安になるのではないかというのが(3府県の)共通理解だ」と話した。飲食店での酒類提供は「原則禁止というのは3府県で一致している」と説明した。
吉村氏は宣言が延長された場合、百貨店などの大型商業施設に対しては土日は休業を要請、平日は時短営業を容認する意向を示している。スポーツなどのイベントについても「土日の無観客をお願いしたい」などとしており、平日開催を一部緩和する考えだ。
京都府の西脇隆俊知事も取材に応じ、宣言延長後の休業要請などの措置の結論は得ていないとしつつ、「週末の人出を抑えたいというのは共通理解だ」と話した。「3府県とも減少局面だが、足元の指標の水準は第3波の時に比べて高い。解除の段階にはない」と強調した。
3府県は緊急事態宣言後、人出抑制策の対策の効果もあって新規感染者数は減少しているものの、依然として病床の逼迫が続き、医療提供体制の改善は大きく進んでいない。

●大阪 兵庫 京都 緊急事態宣言の再延長を要請  5/26
大阪、兵庫、京都の3府県は今月31日に期限を迎える緊急事態宣言について、医療提供体制が依然、厳しい状況であることなどを踏まえ26日夜、政府に対し共同で再延長を要請しました。
今月31日に期限を迎える緊急事態宣言について25日、大阪府が政府に対し再延長を要請することを決めたのに続いて、兵庫県と京都府は26日、それぞれ対策本部会議を開いて対応を協議しました。
このうち兵庫県の会議では井戸知事が「重症病床の使用率も高い水準で推移しており宣言を解除するような状況には程遠い」と述べました。
そして、県内で1日当たりの新規感染者数の1週間平均が170人に上っているほか、医療体制のひっ迫も続いていることから、引き続き集中的な対策が必要だとして宣言の再延長を政府に要請することを決定しました。
また、京都府の会議では入院患者向けの病床の使用率が25日時点で58%に上るなど、医療提供体制が改善していないことなどが報告されました。
そして、西脇知事が「近隣府県ではインドで最初に広がった変異ウイルスが確認されるなど懸念材料も出てきている。引き続き緊張感を持って感染者数の抑制に努めなければいけない」と述べ再延長を要請することを決めました。
これを受けて大阪、兵庫、京都の3府県は26日夜、政府に対し共同で宣言の再延長を要請しました。

●緊急事態、最後の延長に 「国民は疲れ切っている」―日医会長 5/26
日本医師会の中川俊男会長は26日の定例記者会見で、政府が新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言を延長する方向で調整していることについて、「延長に同意するが、国民は度重なる延長に疲れ切っている。今回を最後と心得て、政府は対応策を示してほしい」と述べた。
中川氏はこれまで、新規感染者数が一定水準以下に減少するなど具体的な目標を達成したら宣言を解除すべきだと主張してきた。「目標が提示されず、決定打もないまま延長されようとしている」と政府を批判。「感覚的に解除せず、専門家の意見を尊重して(決めてほしい)」と訴えた。

●兵庫県 緊急事態宣言の再延長 政府に要請決定へ  5/26
兵庫県は、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、今月31日が期限となっている緊急事態宣言の再延長を政府に要請することを26日、正式に決定します。県では再延長された場合、酒類を提供する飲食店への休業要請などは継続する方針です。
緊急事態宣言の期限が今月31日に迫る中、兵庫県は、26日午後3時から、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、冒頭、井戸知事は「重症病床の使用率も高い水準で推移しており、宣言を解除するような状況には程遠い。大阪、京都とともに3府県で延長を要請する運びだ」と述べました。
会議では、医療提供体制のひっ迫が続いていることなどから、政府に対し、宣言の再延長を要請することを正式に決定します。
そして大阪府や京都府とともに、26日中に要請を行うことにしています。
兵庫県は、宣言が再延長された場合、酒類を提供する飲食店などへの休業要請や百貨店などの大規模施設への週末の休業要請は継続する方針で、井戸知事が記者会見し県民への呼びかけを行うことにしています。
兵庫県に出ている緊急事態宣言が再び延長された場合、飲食店の中にはさらに厳しい状況に追い込まれるとして不安を募らせているところも出ています。
神戸市の中心部で野菜を使った創作料理を提供する居酒屋は、緊急事態宣言に基づく時短営業や酒類の提供自粛に応じています。平日のほとんどの日で来店客は1人や2人にとどまっているということです。このため、売り上げは新型コロナウイルスの感染拡大前のおととし5月に比べておよそ8割減少しています。店では金融機関から融資を受けてやりくりしていますが、ことし7月からは毎月およそ30万円を返済していく必要があるということです。緊急事態宣言が再び延長された場合、資金繰りが厳しくなるとして、今の店を閉めて別の場所に移転することも考えなければならないと不安を募らせています。店を経営する宇田政太郎さんは「緊急事態宣言はもうやめてくれというのが本音です。完全に廃業してしまうことさえ頭にちらつきます」と話しています。

●神戸 緊急事態宣言の再延長に居酒屋経営者は「廃業さえ頭に」 5/26
兵庫県では先月から3回目の緊急事態宣言が出されていますが、神戸市の飲食店の中には、宣言の再延長でさらに厳しい状況に追い込まれるとして不安を募らせているところも出ています。
神戸市の中心部で野菜を使った創作料理を提供する居酒屋では、1か月以上にわたって続く緊急事態宣言による営業時間の短縮要請や、酒類の提供の自粛に応じていて、平日のほとんどで1人や2人の客にとどまっているということです。
このため、売り上げは新型コロナウイルスの感染拡大前のおととし5月に比べておよそ2割にまで落ち込んでいます。
店では去年、事業を継続させるため、金融機関から運転資金を借り入れていますが、今月から返済が始まり、7月からはおよそ30万円を返済していく必要があるということです。
緊急事態宣言が再び延長されると売り上げが回復せず、手元の資金が確保できなくなるおそれがあるとして、今の店を閉めて、規模を縮小して別の場所に移転することも考えなければならないと不安を募らせています。
店を経営する宇田政太郎さんは「緊急事態宣言はもうやめてくれというのが本音です。完全に廃業してしまうことさえ頭にちらつきます」と話しています。

●百貨店協会 緊急事態宣言9都道府県に休業要請回避の要望書 5/26
日本百貨店協会は、緊急事態宣言が出ている9都道府県に対して、宣言が延長された場合、百貨店への休業要請を回避するよう求める要望書を提出したことを発表しました。
日本百貨店協会が要望書を提出したのは、緊急事態宣言が出ている東京都や大阪府など9都道府県の知事宛てです。要望書では宣言が延長された場合、「百貨店への休業要請は、是非とも回避する方向で見直し」することを求めています。
該当する地区の百貨店売上高がコロナ禍前のおととしと比べて「大幅に減少する傾向」にあることや、「取引先各社の雇用維持や事業継続にまで甚大な影響を及ぼす」として、感染防止対策を徹底し「一日も早く営業を再開」したいとしています。
百貨店の営業を巡っては大手が「生活必需品」の対象を見直して営業フロアを拡大する一方で、東京都が「高級衣料品などは生活必需品に該当しない」として、日本百貨店協会に対し休業要請の通知を出しています。

●緊急事態宣言1カ月 兵庫、4項目で「ステージ4」 5/26
新型コロナウイルス感染拡大に伴う3度目の緊急事態宣言が兵庫県などに発令されて、25日で1カ月となった。新規感染者数はこの間に3分の1近くまで減少したが、病床使用率は7割以上が1カ月続いている。政府の分科会による感染状況の指標で見ると、兵庫は24日時点で病床使用率など4項目が「ステージ4」(爆発的感染拡大)のままで、宣言延長も視野に入る。
人口10万人当たりの新規感染者数は、宣言開始日の4月25日は60人台だったが、今月23日に25人を切り、「ステージ3(感染急増)」に下がった。検査陽性率も18日から10%を下回り、改善した。感染経路不明の割合も引き続き5割未満となっている。
ただ、残る4項目はいずれもステージ4のままだ。5月上旬に確保病床数を増やしたにもかかわらず、その使用率は全入院患者、重症患者ともに75%前後と厳しい状況で、1カ月前とほぼ同じ割合となっている。
患者のうち入院できている人の割合を示す「入院率」は、5月上旬の7人に1人程度から、24日時点で4人に1人程度に改善。人口10万人当たりの療養者数(死者と退院者を除く全患者)は、1カ月前の80人台から、50人台に下がった。
県は今月末までの宣言期限の再延長を要請する方針で、県感染症対策課の担当者は「もっと陽性者数を減らして『波』を抑えないと、またすぐ増加に転じてしまう恐れがある。もう一踏ん張りして、感染対策を続けることが必要」と訴えた。

●緊急事態宣言「6月20日まで延長でほぼ決まった」背景は「開会式1か月前」 5/26
政治ジャーナリストの田崎史郎氏が26日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・午前8時)にスタジオ生出演した。
番組では、大阪府が25日、新型コロナウイルス対策本部会議を開き、今月末に期限を迎える緊急事態宣言を再延長するよう政府に要請することを決めたことを報じた。また、その他の緊急事態宣言が発令されている8都道府県についても延長を要請、あるいは検討していることを報じた。
田崎氏は、延長の期限について「今週金曜日、28日に決めるようになりますけれど、6月20日までの約3週間がほぼ決まった形です」と指摘した。その上で「これには背景があって、6月23日が開会式の1か月前なんです、オリンピックの。そのころに東京五輪を無観客でやるのか、観客を入れるのかを決めたい、と。その前に緊急事態宣言は、できれば終わらせたい。終わらせられるかどうかは感染者数によるんですけど、今、そこを目標にしている」と解説した。

●「緊急事態宣言」延長を要請へ、東京都「休業要請」に変更は 5/26
26日にも緊急事態宣言の再延長を政府に要請する方向で調整に入った東京都。26日午後には、専門家らと会議を開き今後の対策に意見を求めました。
「6月1日以降の都の対策のあり方について、専門的な見地から忌憚の無いご意見を頂きたく」(東京都 小池百合子知事)
今月31日に期限を迎えるはずだった緊急事態宣言。延長された場合、飲食店や大規模商業施設への“休業要請”は継続されるのでしょうか。
26日、新たに743人の感染者を発表した東京。都の感染者数は減少傾向にありますが、直近7日間平均の新規感染者数は607人で、依然として「ステージ4」の基準を上回っています。
宣言が延長された場合、さらなる苦境に陥るのが飲食店です。
「(夜は客が)全く0の場合もある。午後5時6時でお店を閉めるって事もここ最近多い」(根室食堂 平山徳治オーナー)
こちらの居酒屋は、およそ5か月間にわたって「酒類を出さずに午後8時までの時短営業」を続けてきましたが、もう限界だと言います。
「これがけさ、メールが東京都の方から来たんですけど」(根室食堂 平山徳治オーナー)
東京都からは経営する2店舗分の“協力金”248万円が支給されましたが、賃料や人件費などを合わせると固定費は月500万円にのぼるといいます。
「もう本当にどうしたらいいんでしょうかね。答えが見えないんですけどもね」(根室食堂 平山徳治オーナー)
関係者によりますと、「宣言」が再延長された場合、東京都は引き続き酒類の提供の自粛を継続する方向で検討を進めています。小池知事は首都圏の3県の知事とテレビ会議を行っていて、首都圏が連携し、感染拡大を防止するための対応を協議しています。
 
 
 

 


●9都道府県 緊急事態宣言 延長方向で調整 あすにも分科会見通し 5/27
今月末が期限となっている東京、大阪など9都道府県の緊急事態宣言について政府は延長する方向で調整しており、27日も菅総理大臣と関係閣僚が協議し、方針が固まれば28日にも専門家でつくる分科会に諮る見通しです。
新型コロナウイルス対策で10都道府県に出されている緊急事態宣言は今月23日に追加された沖縄を除く、東京や大阪など9都道府県で来週31日が期限となっており、対象地域の知事からは宣言の延長を要請するといった動きが相次いでいます。
菅総理大臣は26日夜、関係閣僚と対応を協議し、西村経済再生担当大臣は記者会見で「それぞれの知事との意見交換を踏まえ、専門家の意見も聴いて政府の考え方を整理していく中で措置の内容や期間なども含め判断していきたい」と述べました。
政府はインドで広がる変異ウイルスに最大限警戒する必要がある中、感染状況や病床のひっ迫状況が基準を満たしていないことなどから宣言を延長する方向で調整しています。
そして、沖縄の宣言の期限が来月20日となっていることも踏まえ延長幅や必要な対策を検討することにしており、27日も菅総理大臣と関係閣僚が協議し、方針が固まれば28日にも専門家でつくる分科会に諮る見通しです。

●休業要請に一部緩和案 緊急事態宣言の再延長後、百貨店や映画館など 5/27
新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の再延長を巡り、東京都が行っている百貨店や映画館などへの幅広い休業要請について、一部緩和案が浮上していることが、関係者への取材で分かった。酒類を提供する飲食店とカラオケ店には引き続き休業を要請する方針。
都の1日あたりの新規感染者数は、26日時点の1週間平均で607人。関係者によると、5月中旬以降、感染者数の減少傾向が出ているが、国基準の「ステージ4」と高い水準にある。このため国も都も「対策を大きく緩める状況ではない」との認識で一致。感染拡大防止のポイントの一つとされる飲食店について、酒類を提供する場合は休業を、提供しない場合も営業時間短縮を要請するなど、基本的な対策は継続する。
一方で、都独自で行っている百貨店や映画館、博物館などへの休業要請は、一部緩和の是非を国と都で協議。百貨店などへの休業要請を巡っては、大阪府が平日に限定して営業再開を認める方針を示しており、こうした動向を踏まえながら、検討を進める。
都は5月12日の緊急事態宣言延長後も都独自の判断で幅広い業種への休業要請を継続した。この際、劇場やテーマパークなど一部業種については時短での営業を認めたため、混乱が生じていた。
小池百合子知事は26日、都庁で報道陣の取材に対し、宣言期間の延長幅は1カ月程度が望ましいとの認識を示した。(

●緊急事態宣言、解除の目安は?新規感染を基準に考えると 5/27
東京や大阪など10都道府県に出ている新型コロナ対応の緊急事態宣言は、どうなれば解除されるのか。目安の一つとして、「新規感染者数」が東京で1日500人未満、大阪なら300人未満になることだ、と言われることがある。この目安に照らすと、現在、10都道府県はどんな段階にあるのか。解除はもちろん、病床使用率なども含めた総合判断になるが、身近な1日の感染者数で考えてみたい。
政府の分科会は感染状況を四つのステージに分類しており、複数の指標に基づきステージを判断する。指標の一つが、人口10万人あたりの1週間の新規感染者の合計だ。これが25人を下回れば、感染が最も深刻なステージ4(感染爆発)からステージ3(感染急増)相当に下がる。これを1日あたりに換算すると、各都道府県の「解除の目安」がわかりやすい。
東京(人口約1392万人)にあてはめると、新規感染者は週合計で約3480人となり、1日平均約497人(約500人)。大阪(同約881万)人だと週合計約2202人で1日平均315人(約300人)となる。
この目安と、25日までの直近1週間平均を比べると、差が最も大きいのは沖縄の3・7倍、次いで北海道の3・1倍。東京と大阪は1・2倍前後と「ステージ4」を脱する目安に近づいている。京都と兵庫は下回ってステージ3の段階だ。
一方、政府の分科会では、変異株の影響も懸念される中、「ステージ3」ではなく、「ステージ2(感染漸増)」になるのを条件とすることも考えるべきではないかという方向で一致している。
尾身茂・政府分科会会長は26日の衆院厚生労働委員会で、解除の目安について「変異株があることで、今まで以上に慎重ということになると、ステージ2が望ましいと多くのメンバーが思っている」と述べた。新規感染者が下げ止まってすぐに解除した場合、「リバウンドすることはほぼ間違いない」と述べ、下がってから状況を見る期間を「2〜3週間」との見解を示した。 ・・・

●北海道、緊急事態宣言延長を要請 公道での聖火リレー中止へ 5/27
北海道の鈴木直道知事は26日、新型コロナウイルス対策で31日まで発令中の緊急事態宣言の延長を政府に要請した。道庁で記者団に「(宣言が)延長されれば、現在の強い措置を継続することになる。厳しい状況を改善するために道民には引き続き協力をお願いする」と語り、対策への協力を改めて呼び掛けた。6月13、14両日に札幌市などで予定されている東京オリンピックの聖火リレーについては公道での実施を中止し、規模を縮小する考えを示した。
道新型コロナ感染症対策本部会議では、25日時点で使用している重症者用病床が過去最多の60床となるなど厳しい医療提供体制の状況が報告された。
鈴木知事は会議後、「一定期間、措置を継続する必要性を国に伝えた」と記者団に語り、宣言が延長された場合は札幌市などの「特定措置区域」で酒類を提供する店舗への休業要請などを継続する考えを示した。
鈴木知事は聖火リレーについては「宣言が延長された場合、公道での聖火リレーの実施は困難」との認識を示した。道内の聖火リレーは2日間で約200人が札幌市や胆振東部地震の被災地など18市町を走る予定だった。
一方で、「聖火リレーの参加を楽しみにしている方々もいる。そういう方の気持ちに寄り添う対応を考える必要がある」とも述べ、代替措置を検討する考えも示した。両日の最終地点で行われる式典「セレブレーション」については「基本的にオンラインで見ていただく」と述べ、無観客開催を示唆した。
東京オリンピック・パラリンピック組織委は、宣言発令地域では公道での聖火リレーを見合わせたうえで「セレブレーション会場では無観客での点火セレモニーのみを実施する場合がある」との方針を示している。道は他府県の取り組みも参考に、自治体などと協議して代替措置を決める。  

●緊急事態宣言は延長へ…「限界」訴える業界も 5/27
今月末が期限とされている緊急事態宣言について、政府は、来月20日まで延長する方針を固め、菅総理は「28日に専門家に意見を伺う」としています。
大阪府ではテーマパークなどで休業要請が一部緩和される方針ですが、休業要請が続く飲食業界からは「限界」といった声も上がっています。
沖縄県内で肉の卸売りを営む会社では、宣言が出されてから注文がほとんどなくなりました。
肉の卸売会社社長:「緊急事態宣言が出たので、ほぼすべてがこの1カ月間、出荷できないのではないかと。出ても1〜2割がいいところ。これだけ在庫があるということは、また支払いに追われる」
納品先とは、後からまとめて請求する掛け売りで取引をしています。
肉の卸売会社社長:「売掛金の回収ができてない。金額にして、最大で140〜150万円。『少しでも返済して』『入金して』と話すけれど、なかなか入金してもらえず。納品のたびに少しずつお願いして、ようやく100万円を切るぐらいに減ったが、商品の仕入れ業者にお金を先に払うので、その分、資金繰りが悪くなる状況」
1トン以上ある在庫は動かないまま、200万円以上の支払いが待っているといいます。さらに、そこに固定費がのしかかります。
肉の卸売会社社長:「(電気代が)毎月30万円ぐらい飛んでいく。一気に(在庫の)箱が減るならいいが、それはない。減っても半分は残る。それでも電気代30万円は変わらない。そこもとても苦しい」
宣言の期限まで、まだ20日以上あります。
肉の卸売会社社長:「仮に飲食店が閉業すると、残っている売掛金がすべて入ってこない。どうなるか、すごく心配している」

●福岡 服部知事 緊急事態宣言 “6月20日まで延長必要” 5/27
今月末が期限となっている緊急事態宣言について、福岡県の服部知事は、少なくとも来月20日まで延長する必要があるという認識を示しました。
今月31日が期限となっている緊急事態宣言について、政府は、延長する方向で調整していて、沖縄の宣言の期限が来月20日となっていることも踏まえ、延長幅や必要な対策を検討し、方針が固まれば、28日にも専門家でつくる分科会に諮る見通しです。
福岡県の服部知事は27日、NHKの取材に対し「対策の効果の見極めや変異株による影響を考えると、今議論されている来月20日までの期間の延長は少なくとも必要だ」と述べました。
そのうえで、休業要請など延長後の要請事項について「これまでの対策が一定の効果を挙げている。来月1日以降も現在の措置・要請が基礎となる」と述べ、市町村の意見や政府の基本的対処方針を踏まえ、28日にも対策本部会議を開き改めて決める考えを示しました。
一方、宣言の解除については「感染状況などがまずステージ3になり、さらにはステージ2以下に向けて安定的な動きが確認できることが基本だ。宣言の解除ですべて終わるのではなく、感染のまん延の抑え込みが確実になるためには、その後一定期間の措置も必要になる」と指摘しました。

●9都道府県緊急事態宣言 期限延長なら あす国会で報告  5/27
今月末が期限となっている東京、大阪など9都道府県の緊急事態宣言について、自民党と立憲民主党の国会対策委員長が会談し、政府が期限を延長する方針を決めれば28日、国会で報告を受けることで合意しました。
新型コロナウイルス対策で、今月末が期限となっている東京、大阪など9都道府県の緊急事態宣言について、政府は、延長する方向で調整していて27日、菅総理大臣と関係閣僚が協議して方針が固まれば、28日にも専門家でつくる分科会に諮る見通しです。
これを受けて、自民党の森山国会対策委員長と立憲民主党の安住国会対策委員長が会談し、政府が期限を延長する方針を決めれば28日、衆議院は午後2時から、参議院は午後3時から議院運営委員会を開いて、政府から報告を受けることで合意しました。
また、安住氏は、菅総理大臣が出席するよう求め、議院運営委員会の理事会の場で与野党が協議することになりました。

●緊急事態宣言で「厳しい局面」 宮島の観光客数 過去最低ペース 広島 5/27
世界遺産の島・宮島の先月の観光客数は、去年と比べて2.5倍に増加したものの、年間では過去最低のペースです。
宮島観光協会によりますと、4月に宮島を訪れた観光客数は13万4052人でした。緊急事態宣言が初めて全国に出された去年4月のおよそ5万4000人よりは2.47倍も増加したものの、影響がなかったおととしと比べると7割近い減少でした。
4月までの累計観光客数はおよそ53万人で、年間で過去最低を記録した1977年より6万人近く下回っていて、年間ワースト記録を塗り替えるペースです。
今月は9日までの速報値が6万6000人で、1か月間の過去最低を記録した去年5月のおよそ5万人をすでに上回っていますが、宮島観光協会では、「その後の緊急事態宣言で移動の自粛が全国規模に広がり、観光業にとっては厳しい局面になった」としています。

●愛知・緊急事態宣言2週間 依然として入院1000人超「解除は無理」 5/27
愛知県での緊急事態宣言発令から二十六日で二週間。県内の新規感染者数は過去最多となった今月十二日の六百七十九人から減少に転じているものの、入院患者数は依然として千人を超え、医療現場の厳しさが続く。宣言延長が視野に入る中、医療現場からは「今のままでは解除は無理」との声が上がる。
中等症から重症の患者を受け入れる名古屋市中川区の名古屋掖済会病院。病床数は重症用の三床を含む二十四床。二十六日時点の患者数は二十二人で、重症病床は全て埋まる。「第三波の時から五床増やしたが、それでもいっぱい」と河野弘院長(68)は説明する。
同病院は「救急車を断らない」をモットーに掲げている。コロナ用の残り二病床も緊急用に確保している分で、事実上満床。この状態が大型連休明けから続く。「中等症病床の患者が悪化して人工呼吸器が必要になった際、重症病床が埋まっていて移せず、中等症病床に呼吸器を入れて対応したことも」と明かす。
県内の直近七日間平均の入院者数は二十五日時点で一〇〇一・〇人。国の指標で最も深刻なステージ4(爆発的感染拡大)が続き、ステージ3(感染急増)への改 ・・・

●関西広域連合 緊急事態宣言地域“飲み会は絶対に控えて” 5/27
大阪、兵庫、京都の3府県が緊急事態宣言の再延長を政府に要請する中、関西の2府4県などでつくる「関西広域連合」は緊急の会議を開き、宣言が発令されている地域では、飲食店などでの飲酒や、自宅での飲み会は絶対に控えるよう、改めて強く呼びかけることを決めました。
「関西広域連合」は、27日午後、オンラインで緊急の対策本部会議を開き、今後の対策について協議しました。
この中では、関西圏での新型コロナウイルスの感染者数について、およそ1か月前と比べて減少傾向にあるものの、重症病床は、確保している病床の使用率が68.8%に上るなど、医療提供体制が依然、厳しい状況にあることが報告されました。
そのうえで、感染拡大を抑え込むため、宣言が発令されている地域の府県民に対し、▼生活の維持に必要な場合を除きみだりに外出しないことや、▼飲食店などでの飲酒や酒の持ち込み、友人などのグループでの自宅での飲み会は絶対に控えることなどを、改めて強く呼びかけることを決めました。
会議のあと、兵庫県の井戸知事は、「再延長の期間は3週間程度必要なのではないか。いちばん重要なのはインドの変異株への対策をきっちり行っていくことだ。感染リスクの高い場面を作らないよう、各府県民の自覚と行動が必要になる」と述べました。
また、京都府の西脇知事は、「緊急事態宣言の期間が長くなってきていて、宣言への慣れや、インドの変異株の脅威もある。リバウンドを防ぐためにも、残りの期間でどこまで感染を抑えられるかが重要だ」と述べました。

●日本SC協会など/緊急事態宣言延長で大規模商業施設への支援要望 5/27
日本ショッピングセンター協会、日本小売業協会、不動産協会、日本ビルヂング協会連合会は5月26日、大規模商業施設への支援についての要望を発表した。
4月25日に4都府県に発出された「緊急事態宣言」は、5月11日の期限終了後も対象区域を追加して、沖縄県を除き5月末まで延長された。この間、大規模商業施設に対しては、「感染拡大防止のための人流の抑制」という観点から、休業要請が出された。
協会としては、「休業」が真に感染拡大防止につながるのかという疑問など種々議論はあるものの、最終的には国の方針を尊重して対応してきた。
しかしながら今回、緊急事態宣言を更に6月まで延長すべく、所要の検討が行われている。これに伴い、仮に大規模商業施設に対する休業要請が今後も続くとすると、消費者に与える不便さはもとより、テナントや施設運営者の経営に与える影響は一層深刻なものとなる。
大規模商業施設はかねてから、感染防止対策については万全を期してきた。仮に緊急事態宣言が延長されるとしても、生活に密着した大規模商業施設の機能が適切に維持されるよう、休業要請の廃止または縮小をお願いする。
また、休業を行った大規模商業施設に対する休業協力金については、かねてから「実態に即した支援」を強く要望していた。
さらに、大規模商業施設では、経営維持が困難となるテナントに対して、施設運営者としても賃料の減免などの配慮が余儀なくされている。このため、休業要請が長期化する場合は、テナントに対する賃料の減免額に相当する支援を講じるなど、抜本的な改善を検討するよう強く要望する。
大規模商業施設では、「業界団体の感染予防ガイドライン」に沿った感染予防対策を徹底するなど、今後も引き続き感染拡大防止に万全を期しつつ、社会生活を支えるライフラインとしての使命を果たすという。

●「ザルな水際対策」五輪で日本人が最も心配する訳 5/27
7月23日に予定されている東京オリンピックの開幕まで2カ月を切った。まだ最終的に五輪自体が実施されるのか、それとも中止・延期となるのかは判然とせず、さまざまな可能性が残っている。
仮に東京五輪が予定通りに開催されることになったとすれば、日本国民にとっての大きな心配事が持ち上がる。無観客、あるいは観客をある程度絞ったとしても、選手やスタッフなどの大会関係者、メディア関係者などだけでも数万人単位の少なくない外国人が世界中から押し寄せること。それによって、新型コロナウイルス変異株の侵入を許してしまうことだ。
イギリス株、インド株あるいは新たな変異株が入るかも
何より懸念なのは、日本政府や関係者がその点を理解したうえで、空港などにおける水際対策を徹底し、入国後の行動制限ルールをしっかりと決めて厳密・厳格に運用できるかどうか。これに失敗したら最悪の場合、今、日本国内で広がっているとされるイギリス株、一部でクラスターも確認されて今後広がりかねないインド株はもちろん、それらとは別の変異株などの市中感染を招くおそれすらある。
海外から入国するオリンピック・パラリンピック関連における大会関係者の入国後のルールの詳細が徐々に明らかになっている。6月には組織委員会から発表される「プレイブック」で最終的なルールが確定する見込みだ。
これまで選手1.5万人、選手以外の大会関係者やメディア関係者で約9万人の入国が想定されてきたが、5月21日の組織委員会の記者会見で橋本聖子会長は大会関係者が延期前の約18万人から約7万8000人まで減る見通し(オリンピックで5万9000人、パラリンピックで1万9000人)を明らかにした。
とはいえ、コロナ禍で最も海外からの入国者が多かったのが昨年12月の5万8673人だった。コロナ後の外国人入国者は、世界のほぼすべての国からの入国が制限された昨年4月以降激減。観光での入国は認められないが、日本での長期ビザ保有の外国人の再入国、永住権を持っている外国人、配偶者が日本人の場合、さらにはスポーツ選手など特別な入国事情がある場合などに限って入国が認められている。
東京五輪が開かれれば、前後の短期間にコロナ禍において相対的に少なくない外国人が日本へと新たにやってくる。もちろん彼らにコロナを日本に持ち込む意思はない。とはいえ、無症状あるいは感染の潜伏期間などに意図せずに運んできてしまう可能性は否定できない。
となると、選手を含む大会関係者やメディア関係者に対して水際対策を徹底し、そして入国後の行動制限を厳格にする必要がある。
これを阻止できずに日本国民の感染が拡大してしまったら、国民の安全を日本政府が守られなかったことになり、政府の責任が問われることになる。最近ではプロ野球の広島東洋カープで、5月23日現在、チーム内で12人が陽性判定を受けるなど、感染者の接触による感染力が高いことを物語っている。
現状、一般的に海外から日本に入国する際のルールを整理しておこう。
日本人の帰国および再入国の外国人などを除き、特別な事情がない限りは外国人の入国は認められていない。入国可能な場合でも現地出発前に事前にPCR検査の陰性証明書の取得が必要であるとともに、羽田空港や成田空港などに到着後にPCR検査を実施する。
現在、変異株が多く発生している日本政府が指定した国(国によっては州で指定されている場合もある)からの入国においては、3日間もしくは6日間(インドなどからの入国は28日からは10日間)は空港周辺ホテルに強制的に滞在するルールで(加えて入国から14日間は検疫所長が指定する場所で待機)、それ以外の国からの入国では空港でのPCR検査で陰性が確認されれば、ホテル隔離なしに検疫所長が指定する場所(自宅、社宅、親戚・友人の家、マンスリーマンション、自身で予約したホテルなど)で健康観察のために14日間待機する必要がある。
選手、大会関係者、メディア関係の行動制限は?
海外から訪れる東京五輪選手・大会関係者・メディア関係者のケースはどうか。
選手の入国後の活動場所は選手村や事前合宿地などの宿泊施設、練習場、競技会場などに限定される。選手は入国当日から練習も可能で、ファイザー社から選手全員へのワクチン提供が決まり、ルールを破った段階で競技に出場できないペナルティーも科される。
ワクチン接種が義務にはなっていない大会関係者やメディア関係者について、現時点で報道されている特別入国ルールでは、最初の3日間の隔離期間後、活動計画書を提出することで、検疫所長が指定する場所での14日間の待機なく日本国内での行動が可能となる運用が予定されている。PCR検査も選手は毎日、それ以外の関係者も行動次第でPCR検査を定期的に行う。
それでも、入国から14日間は観光、ショッピング、レストランやバーなどでの食事も組織委員会が認めた場所以外では禁止で、移動手段も大会専用車両のみとし、原則として公共交通機関の利用は不可(遠隔地で開催される競技においては条件付きで鉄道・飛行機利用が可能)となる。
菅義偉首相は5月14日の記者会見で選手以外の大会関係者については「一般国民と違う動線で行動してもらう。特定のホテルを指定し、国民に接触することがないよう、今しっかり対応している途中だと報告を受けている」と話している。
メディア関係者の場合、宿泊施設、練習場、競技会場、東京ビックサイト内に設置されるIBC(国際放送センター)・MPC(メインプレスセンター)などに活動場所は限定される。ただ、全員をチェックできる監視要員を確保できるのだろうか。活動計画書を破って行動する入国者が続発する可能性は十分にある。
厳しい感染状況が続く今、活動範囲が広いメディア関係者は、開会式の14日以上前に入国させ、通常の入国者同様に14日間の待機をした場合のみ取材を許可する運用にできないのかと強く疑問に思う。最小限の人数を徹底させる意味で入国者数を減らす抑止力にもなると考える。
5月17日に加藤勝信官房長官が記者会見で行動制限の遵守などを記載した誓約書の提出をメディア関係者に求める方針を示し、違反した場合には強制退去手続きを取る可能性を示唆した。丸川珠代五輪担当大臣も「指定されていない行動範囲を管理されない状況で、うろうろするということは絶対にない状況にしていく」と国会で答弁している。
取材禁止や強制送還だけでなく、高額の罰金を科すなど、ルール違反の場合の処罰を厳格にして抑止力を高めておかなければならないだろう。
そもそも水際がザルだから変異株が市中感染している
しかし、そもそもこれまでの水際対策が万全ではなかったのが気にかかる。イギリス株もインド株も水際で食い止められなかったからこそ、今の市中感染を招いてしまっているのだ。
最近になって位置情報が把握できるスマートフォンの所持および指定アプリのインストールなどを条件にするなどの改善は見られる。それでも厳格なルールでの行動違反で身柄拘束をするなどの罰則を設けている諸外国に比べると日本は緩いと言わざるをえない状況が現在も続いている。違反者の氏名公表をすると政府は言っているが、現状至っていない。
5月23日のフジテレビ「日曜報道THE PRIME」では、5月9日〜15日の平均値で厚生労働省などの調べで健康状態の毎日確認に応じていない人が22.3%、位置情報の毎日確認に応じていない人が29.4%(両項目ともに全対象者は2万2589人)と報じている。日本国内ではアプリの不具合も一部で出ており、運用面での問題も出ている。昨年の夏から水際対策の徹底が叫ばれていたなかで、約1年経ってこの状況というのはザル状態と言われるのも当然だろう。
政府はビデオ通話の体制を拡充するなどの対策を強化していると話しているが、健康確認と位置情報の確認の両方に応答なしの場合が1日約100人に上っているとのことだ。五輪関係で入国する外国人に対しては、組織委員会などと健康情報を共有するアプリ「統合型健康情報等管理システム」(通称オリパラアプリ)を導入するとのことだが、GPS管理は含まれていないことで、どこまでの追跡が可能となるのか、また通常の入国者同様に位置情報の確認も毎日できるのかについても議論が必要だろう。現状のわずかな入国者に対しても完璧でないのに、約10万人の入国者に対応するのは至難の業だ。
国民が不安に思わないよう特別入国ルールの説明が必要
東京オリンピックの開幕が近づくにつれ、大会関係者が準備のために来日するケースも出てきているだろう。逆算すると現時点で特別入国ルールが最終確定していないこと自体が問題だ。
6月にはオーストラリアの女子ソフトボール代表が事前キャンプ地の群馬県太田市に入るという報道が25日にTBSテレビで報じられたが、組織委員会のルールブックである「プレイブック」の最終版が発表される前に入国するのであれば、14日間の待機が必要だろう。見切り発車と言ってもいい。ルールを国民に示す前のこの動きは、国民の不安を煽ることにもなりかねない。先行来日して14日間を過ぎた場合、選手以外の入国者は自由に日本国内を動けるが、選手の14日後以降の行動ルールについても不透明だ。
オリンピックを予定通りに開催できても混乱が懸念される。日本がこれまで世界にアピールしてきた「おもてなし」ができないどころか、逆にフラストレーション(不満)が溜まるオリンピック・パラリンピックになってしまうかもしれない。
そして日本国民が多くの外国人の入国に対して不安を感じないように、行動制限の中身を周知することはもちろん、そもそも違反ができないような枠組みづくりが求められるだろう。
 
 
 

 


●9都道府県への緊急事態宣言を延長方針 専門家が了承 5/28
政府は今月末が期限の東京や大阪など9都道府県への緊急事態宣言を延長する方針を専門家に意見を聞く会議で示し、了承されました。
「諮問させていただいたことについては、全て了承をいただきました」(西村康稔経済再生相)
けさ「分科会」で専門家に了承されたのは、今月31日に期限を迎える東京や大阪など9都道府県への宣言を来月20日まで延長する方針です。
「(ステージ)3になったらばすぐに解除ということではなくて、(しっかりその後の感染の減少すなわち)2の方向に着実に進むということを目指すことができるという確認が取れた段階で解除すべきだと」(基本的対処方針分科会 釜萢敏委員)
「人流もなかなか緊急事態宣言下なんだけど少しあがっちゃって、厳しい状況になってますよね」(基本的対処方針分科会 尾身茂会長)
このほか「まん延防止等重点措置」の延長についても、政府は夕方開かれる対策本部で正式に決定する見通しです。

●東京五輪開幕見据えて…9都道府県の緊急事態宣言、6月20日まで延長へ 5/28
政府は28日夕、東京、大阪など9都道府県に31日までの期間で発令中の緊急事態宣言を6月20日まで延長すると決定する。5月23日から対象に追加された沖縄県の期限と合わせる。まん延防止等重点措置を適用している8県のうち31日が期限の埼玉、千葉、神奈川、岐阜、三重の5県も6月20日まで延長する。6月13日が期限の群馬、石川、熊本の3県は延長せず、期限通りの解除を目指す。西村康稔経済再生担当相が28日午前、専門家らによる基本的対処方針分科会にこうした方針を諮り、了承された。

●緊急事態宣言の延長、今夕決定 9都道府県、6月20日まで  5/28
政府は28日夕、東京、大阪など9都道府県に31日までの期間で発令中の緊急事態宣言を6月20日まで延長すると決定する。5月23日から対象に追加された沖縄県の期限と合わせる。まん延防止等重点措置を適用している8県のうち31日が期限の埼玉、千葉、神奈川、岐阜、三重の5県も6月20日まで延長する。6月13日が期限の群馬、石川、熊本の3県は延長せず、期限通りの解除を目指す。西村康稔経済再生担当相が28日午前、専門家らによる基本的対処方針分科会にこうした方針を諮り、了承された。
政府は7月23日の東京五輪開幕を見据え、宣言の維持で感染を可能な限り抑え込みたい考えだ。

●9都道府県の緊急事態宣言 6月20日まで延長方針 分科会了承 5/28
新型コロナウイルス対策として東京や大阪など9都道府県に出されている緊急事態宣言について、専門家でつくる分科会は今月末の期限を来月20日まで延長する政府の方針を了承しました。政府は28日夜に対策本部を開いて期限の延長を決定することにしています。
新型コロナウイルス対策で出されている緊急事態宣言は北海道、東京、愛知、大阪、兵庫、京都、岡山、広島、福岡の9都道府県の期限が来週31日、沖縄は来月20日が期限となっています。
これを前に28日、感染症などの専門家でつくる政府の「基本的対処方針分科会」が開かれました。
この中で西村経済再生担当大臣は「新規陽性者数は引き続き高い水準で、関西圏を中心に病床は非常に厳しい状況が続いている。インドで発生した変異株の流行が懸念され、最大限の警戒をもって対応しなければならない。全国の重症者数も1400人前後で推移し、医療提供体制が全体として非常に厳しい状況にある」と述べました。
そのうえで、9都道府県に出されている宣言の期限を沖縄と同じ来月20日まで延長する方針を諮りました。
また「まん延防止等重点措置」についても埼玉、千葉、神奈川、岐阜、三重の5県の期限を来週31日から来月20日まで延長する方針も合わせて諮りました。
一方、群馬、石川、熊本の重点措置は来月13日の期限を延長せず、それまでに解除を目指す方針を示しました。
そして西村大臣は「重症化を防ぐためにワクチン接種がカギになる。変異株についても、イギリス型だけではなくインドで検出された系統にもファイザーのワクチンが有効だという報告がなされている。1日も早く高齢者にワクチン接種を終えることが重要で接種の加速化に政府を挙げて取り組む」と述べました。
分科会ではこうした政府の方針について議論が行われ、了承されました。
政府は午後、国会に事前に報告し質疑を行ったうえで対策本部を開いて期限の延長を決定することにしています。
その後、夜8時をめどに菅総理大臣が記者会見し、延長の理由などを説明し引き続き対策への協力を呼びかける見通しです。
尾身会長「戦略で3つのポイント」
分科会の尾身茂会長は会合のあと報道陣の取材に応じ、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の期間を延長する政府の方針を了承したと述べました。
この中で尾身会長は「延長については全員が賛成だった。ただ、宣言の効果が以前に比べて減少し、宣言下でも人流が増えるなど厳しい状況になってきている。そうした中での延長となるため28日の分科会では、大きな戦略を示さないと一般の人たちになかなか協力してもらえないのではないか、何をすればいいのかということに議論が集中した」と述べました。
そして「今後議論を進めて政府に提案したほうがいいと考えているポイントが3つある。1つは変異株によって感染力がどれだけ強くなったか今あるエビデンスをもとに示し、いちばんふさわしい行動様式や国の対策を分かりやすく提案することだ。もう1つは、現在接種が進められているワクチンは重症化予防だけでなく感染予防にも効果があることが示唆されているので、今後の一般の人たちへの接種では感染拡大予防に使うことも含めて戦略的で効率的な接種の在り方を提案したいと考えている。3つめは、都市部で感染がなかなか下がらない理由として、感染が起きている場所などの情報が自治体の中でも必ずしも迅速に共有されないという問題が去年から解決されていない。ITの技術を使って関係者の間で情報共有できるような方策を実際にやる時期に来ているということを示したい」と述べました。
そのうえで尾身会長は「検査や水際対策に加えてこの3つのポイントについてしっかりと大きな戦略をたて、次の大きな感染拡大の山を防ぐということを集団免疫のようなものができる時期まで続けたいと考えている」と述べました。

西村経済再生担当大臣は、分科会のあと、宣言のもとでの感染対策について「感染者数の半分ぐらいを占める若い世代に向けて、大学や高校、専門学校などに80万回分の抗原検査キットを配分し、しっかりと検査していただく。職場でも取り組みが進むよう具体化を急ぎたい」と述べました。一方、宣言の解除をめぐり「今後人流がどう動いていくか、ワクチン接種がどう進んでいくか、気候による影響などを含めてデータをしっかりと示しながら考えていきたい。分科会でさまざまなご議論をいただいたので、政府として考え方を整理したい」と述べました。
加藤官房長官は閣議のあとの記者会見で「リバウンドに対処可能な感染水準に抑え安定的に引き下げていくとともに、医療体制の負荷を軽減し、病床を安定的に確保できるようにする状況を実現していくためにも期間を延長させていただいて皆さんの協力をぜひお願いしたい。各都道府県とも連携しながら措置の徹底や医療提供体制の確保、ワクチン接種の加速化に全力で取り組んでいきたい」と述べました。
田村厚生労働大臣は閣議のあと記者団に対し「インドで広がる変異株が国内にも入ってきているのでしっかりと新規感染者を今のうちに抑えておく。また、新規感染者数を減らしたうえでワクチンの接種回数や人数を増やすという両輪で対応して、解除の後も感染をなるべく抑えていく体制を組まないといけない」と述べました。
経済の専門家として分科会の委員を務める独立行政法人「経済産業研究所」の竹森俊平上席研究員は記者団に対し「緊急事態宣言に対する『飽き』が出てきたこともあるが飲食店では、営業時間の短縮要請を無視したりお酒を出したりしなければ成り立たないところも出てきている。協力金や雇用調整助成金を拡充して本当に困っているところを支えないといけない」と述べました。また「どういうシナリオなら宣言を解除できるのかを考えなければならず、変異株の感染拡大を踏まえると『ステージ2』に向かう状況がはっきり見えていなければすぐリバウンドするという認識も共有した」と述べました。
分科会のあと全国知事会の飯泉会長は「医療施設や福祉施設だけではなく、これからは学校や会社にも検査キットを配ることで事前にクラスターの発生を防ぐことができる。またワクチンを戦略的に打つ必要があり、子どもにワクチンを打てないのであれば学校や保育所の先生などに積極的に打つことで子どもへの感染を防ぐことができるだろう」と述べました。
日本医師会の釜萢常任理事は分科会のあと記者団に対し「命令や罰則を伴う外出制限が日本ではできないので法改正をすべきではないかという意見があった。政治の場面できちんと議論してもらいたいというのが私たちの思いだ」と述べました。また、東京オリンピック・パラリンピックについて「開催の可否などの話を分科会でしたわけではない。ただ、人の流れが増えることは、感染の拡大につながる。国内の人流が大きく動かない形でなければ、開催は難しいだろう」と述べました。

●9都道府県への緊急事態宣言 6月20日まで延長 国会に報告  5/28
東京や大阪など9都道府県に出されている緊急事態宣言について、西村経済再生担当大臣は、国会に、来月20日まで延長することを報告しました。
西村経済再生担当大臣は、衆参両院の議院運営委員会に出席し「緊急事態措置を実施している都道府県において、ほとんどの指標で『ステージ4』相当となっていることから、緊急事態措置を引き続き実施し対策の徹底を図る必要がある」と述べました。
そして、北海道、東京、愛知、大阪、兵庫、京都、岡山、広島、福岡の9都道府県に出されている緊急事態宣言と、埼玉、千葉、神奈川、岐阜、三重の5県のまん延防止等重点措置について今月末の期限を来月20日まで延長することを報告しました。
そのうえで西村大臣は「今後も流行の波が起こると考えられる中、大きなリバウンドとならないよう、感染水準を安定的に引き下げ、病床を安定的に確保するための取り組みを進めたい。都道府県と緊密に連携しながら感染拡大の防止に向けた取り組みを徹底していく」と述べました。

●緊急事態宣言 来月20日まで延長へ 外出自粛など継続の方針 5/28
北海道など9都道府県に出されている緊急事態宣言について、政府は、今月末の期限を来月20日まで延長する方針を専門家でつくる分科会に諮り了承されました。延長に伴い、道は、引き続き全道で不要不急の外出や移動を控えるよう要請するとともに、飲食店への時短要請などを続けることにしています。
政府は28日午前、北海道など9都道府県の緊急事態宣言について、期限を来週31日から来月20日まで延長する方針を、感染症などの専門家でつくる「基本的対処方針分科会」に諮り了承されました。
午後、国会に事前に報告し、質疑を行ったうえで、対策本部で決定することにしています。
これを受けて道も、対策本部会議を開き、延長に伴って講じる措置を決定する方針です。
全道で、通院や食料の買い出しなどを除き、不要不急の外出や移動を控えるよう要請を続けるとともに、道外からの訪問は極力、控えるよう呼びかける方向で調整を進めています。
そして、感染拡大が続く札幌市と石狩地方、小樽市、旭川市を引き続き「特定措置区域」とし、◇酒やカラオケ設備を提供する飲食店などには休業を要請し、◇提供を行わない飲食店などには営業を午後8時までに短縮することなどを要請することにしています。
このほかの地域では、飲食店などに対し、引き続き、営業は午後8時まで、酒の提供は午後7時までに短縮することなどを要請する方針です。

●関西3府県が緊急事態宣言再延長の措置決定へ 5/28
大阪、兵庫、京都の3府県などに出されている緊急事態宣言について、政府は、来月20日まで延長する方針を固めました。3府県は28日、再延長に伴う措置を決めることにしていて、いずれも酒類を提供する飲食店への休業要請などは継続する方針です。
今月末が期限となる関西3府県などへの緊急事態宣言について、政府は、来月20日まで延長する方針を固め、28日、感染症などの専門家でつくる「基本的対処方針分科会」に諮った上で、正式に決定することにしています。
これを受けて、3府県は28日、それぞれ対策本部会議を開いて、再延長に伴う措置を決める方針です。
このうち、大阪府は、酒類を提供する飲食店などへの休業要請と、それ以外の飲食店への午後8時までの時短要請を継続する方針です。また、百貨店などの大規模施設に出している休業要請は、土日に限っての要請に切り替え平日については時短要請を行う方向で調整しています。また、府内の大学への原則オンライン授業の要請は継続する方針です。一方、現在、原則中止としている小中学校や高校の部活動のうち、文化系のクラブについては活動の再開が可能か検討を進めています。
兵庫県は、酒類を提供する飲食店などへの休業要請や百貨店などの大規模施設への土日の休業要請は継続する方針です。一方、大規模施設に対する平日午後7時までの時短要請については、午後8時までに緩和する方向で検討しています。
また、京都府も、酒類を提供する飲食店などへの休業要請や大規模施設への土日の休業要請は原則、継続する方針で調整を進めています。

●9都道府県 緊急事態宣言6月20日まで延長方針 きょうの分科会に  5/28
東京や大阪など9都道府県に出されている緊急事態宣言について、政府は今月末の期限を、6月20日まで延長する方針を、28日、専門家でつくる分科会に諮ることにしています。
新型コロナウイルス対策で出されている緊急事態宣言は、北海道、東京、愛知、大阪、兵庫、京都、岡山、広島、福岡の9都道府県の期限が来週の31日、沖縄は6月20日が期限となっています。
宣言の対象地域で感染状況や病床のひっ迫状況に大きな改善が見られない中、政府は9都道府県の宣言について、沖縄と同じ6月20日まで延長する方針を固めました。
また「まん延防止等重点措置」についても、今月末が期限となっている、埼玉、千葉、神奈川、岐阜、三重の5つの県は、6月20日まで延長する方針です。一方、6月13日までが期限となっている、群馬、石川、熊本の3つの県については、期限を延長せず解除を目指すとしています。政府はこうした方針について、28日、感染症などの専門家でつくる「基本的対処方針分科会」の了承を得たうえで、午後からの国会への報告と質疑を経て、対策本部で決定することにしています。
緊急事態宣言の再延長後の措置について、東京都は、再延長後の措置を28日夜にも公表するため、最終調整を進めています。関係者によりますと、飲食店は、酒やカラオケ設備を提供する店には休業を、提供しない店には午後8時までの時短の要請を、それぞれ継続する方向です。一方、映画館や博物館などは休業を時短の要請に切り替える案が出ているほか、生活必需品の売り場を除いて休業を要請しているデパートなどの大型商業施設は要請を土日のみに絞ることも視野に検討しています。ただ、都は、人の流れの抑制が必要だという立場は維持していて、庁内では「措置を緩めれば人出が増えて感染の再拡大を招きかねない」という懸念も残っています。このため都は、人出が増えて感染状況が悪化した場合は、強い措置に戻すことも含めて検討しています。
大阪、兵庫、京都の3府県も28日、それぞれ対策本部会議を開いて、再延長に伴う措置を決める方針です。このうち大阪府は、酒類を提供する飲食店などへの休業要請と、それ以外の飲食店への午後8時までの時短要請を継続する方針です。デパートなどの大規模施設に出している休業要請は、土日に限っての要請に切り替え、平日については時短要請を行う方向で調整しています。また、府内の大学への原則オンライン授業の要請は継続する方針です。一方、現在、原則中止としている小中学校や高校の部活動のうち、文化系のクラブについては、活動の再開が可能か検討を進めています。兵庫県は、酒類を提供する飲食店などへの休業要請や、百貨店などの大規模施設への土日の休業要請は、継続する方針です。一方、大規模施設に対する平日午後7時までの時短要請については、午後8時までに緩和する方向で検討しています。京都府も、酒類を提供する飲食店などへの休業要請や、大規模施設への土日の休業要請は、原則継続する方針で調整を進めています。

●緊急事態宣言の延長、西村再生相「これで最後にしたい」 5/28
西村康稔経済再生相は28日午後、緊急事態宣言の期限延長について説明するための衆院議院運営委員会で、期限延長は「これで最後にしたいとの気持ちで全力で取り組んでいる」と説明した。立憲民主党の渡辺周議員への答弁。
渡辺氏が小刻みな期限延長の繰り返しの有効性に疑問を呈し、今回の延長で最後だと断言できるかとただしたのに対し、西村氏は「(延長の)スタートラインに立ったところで先のことを述べるのは控えたい」と明言を避けた。
東京五輪・パラリンピックについて、渡辺氏はもはや開催する段階ではないのではと質問。西村氏は「安心・安全の大会となるよう医療体制を含め全力で取り組む」と述べた。
共産党の塩川鉄也議員は、国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ調整委員長が緊急事態宣言下でも開催すべきと発言したことに対する西村氏の見解を質問。西村氏は明確な回答を避けつつ、開催により「国民に感染が広がるとの不安」があると指摘し、安心・安全な大会とするとの公式見解を繰り返した。
日本維新の会の遠藤敬議員は、感染拡大に歯止めがかかるとされる、国民のワクチン接種率が5割に達する時期について質問。西村氏は7月末に医療従事者と希望する高齢者への接種が予定通り完了すれば、国民の3割が接種することになるとの試算を示した。

●ワタミ 宣言延長で休業継続、延長分だけで営業利益5億3000万円減 5/28
ワタミは5月28日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、政府の発令している緊急事態宣言が延長される見込みとなったことを受け、6月1日〜20日も、対象地域の休業を継続すると発表した。
同日行われた記者会見で渡辺美樹会長兼社長は、「現在、緊急事態宣言対象地域の居酒屋141店舗が休業、88店舗が時短営業をしており、通常営業は52店舗しかない。6月1日〜20日の休業などの延長だけで営業利益は5億3000万円減少する。率直に言って大変厳しい状況ではあるが、政府の規制は全面的に受け入れる」と苦渋をにじませた。
緊急事態宣言地域では店舗合計260店のうち141店、まん延防止等重点措置地域は全89店のうち47店、時短要請措置地域全24店のうち9店、計197店が休業する。
また、4月25日〜5月末の緊急事態宣言などの影響で、営業利益は12億円〜13億円減少したという。
さらに、6月1日〜11月30日、新型コロナウイルスワクチンの2回接種を完了した来店客を対象に、ドリンク1杯を無料で提供するキャンペーンを行う。
渡辺氏は「ワクチン接種が進むと経済が回復するのは、アメリカなどの事例をみて明らか。11月末までにワクチン接種が完了し、経済が復活することへの期待を込めて、1杯無料キャンペーンを実施する。ワクチンを接種した方から経済を回していただきたい。この半年は外食にとって辛抱の期間。また、ワクチンを接種してもコロナに感染しないわけではなく、大勢で居酒屋で宴会は控える傾向になると考えている。コロナ後、次の展開に向けてしっかりやっていきたい」と説明した。

●緊急事態宣言下のオペ減額はあるのか、債券相場こう着でくすぶる懸念 5/28
日本銀行が31日に発表する国債買い入れオペの月間予定が注目されている。金融引き締めをイメージさせるオペ減額は、政府が緊急事態宣言の延長を検討する中では難しいとの見方が多いが、こう着感が出ている債券相場の変動を狙った減額措置に出るとの観測も根強いためだ。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「緊急事態宣言の延長で動きにくい面は確かにあるが、ここまで債券相場が動かないと何らかのてこ入れをしてくる可能性も排除できない」と言う。
4月のオペ月間予定では大幅な買い入れ減額が行われたことで、日銀の市場関与が減り、債券市場の機能向上につながるとみられたものの、インプライドボラティリティー(予想変動率)は史上最低を記録した2018年7月以来の水準まで低下。複数の年限で新発国債の取引が成立しない日も出てきている。
日銀の鈴木人司審議委員は26日の会見で、金利変動が乏しいことについて、米金利動向など外部要因の乏しさを指摘し、日銀が意図的に変動させることはないと説明したものの、長期金利は「もう少し動いてほしいという気持ちはある」と述べた。
野村証券の中島武信チーフ金利ストラテジストは、鈴木委員の発言で減額への警戒感が若干高まったとし、「10年金利の値動きが最も注目されるため、減額の第一候補は5年超10年以下のゾーン」との見方を示した。
米国の10年国債利回りが今月に入って1.6%を中心とした動きを続ける中、日本の10年国債利回りも0.07−0.09%と、日銀が3月の政策点検で示した上下0.25%程度の変動幅の中でも、さらに狭いレンジで推移している。
みずほ証券の丹治倫敦チーフ債券ストラテジストは、日銀の政策が危機対応から長期持久戦のフェーズに移行したことで、緊急事態宣言延長の有無はあまり影響しないとみるものの、オペ減額のタイミングは「海外金利が上昇する中で円金利の背中を押す形か、4月の減額から相当期間が経過した後、減額打ち止め観測を防ぐために周期的なものになるだろう」と予想する。
野村証の中島氏は、海外金利が動意薄の中で円金利が上昇すれば買いという投資家は多く、減額しても金利の変動性が上昇するとは考えにくいとして、「減額は来月末以降の方が得策」だとみる。

●福島県「非常事態宣言」解除も 新型コロナ、病床使用減少傾向 5/28
県は27日、県内で新たに18人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。26日に陽性と判明した。県内の感染確認は計4527人。26日現在の入院者(予定含む)は251人で、病床使用率は50.6%とステージ4(爆発的感染拡大)の水準にあるが、14日に90.6%と初めて9割を超えて以降は減少傾向が続いている。新規感染者数も減少傾向にあることを踏まえ、県は31日までを期間に発令している「非常事態宣言」の解除を視野に検討、28日に開く県感染症対策本部員会議で方針を決定する。
県は非常事態宣言に伴う緊急特別対策として、県民に不要不急の外出自粛、酒類を提供する飲食店などには営業時間短縮を要請している。今月の感染者数が月別で過去最多の1118人(26日現在)に上る中、337人を占める会津若松市など感染拡大地域については対策の継続を指摘する意見もあり、県は一部地域での対策の延長も見据えて最終調整している。
26日に陽性と判明した18人の内訳は、郡山市6人、会津若松市といわき市が各3人、二本松市と須賀川市が各2人、福島市と喜多方市が各1人。クラスター(感染者集団)が発生した郡山市の民間認可保育所で新たに職員1人の陽性が確認され、クラスターは計7人となった。18人のうち7人の感染経路が不明。
県内の医療機関に入院していた80代男性が24日に、80代女性が26日に亡くなり、県内の死者は計140人となった。
また、26日までに24人が退院し、3人が宿泊療養施設を退所した。自宅療養を解除されたのは3人。入院者のうち重症は16人。45人が宿泊療養中で、22人が自宅療養している。

●緊急事態宣言再延長 やるべきことをやってこなかった結果 5/28
日本共産党の志位和夫委員長は27日、国会内で記者会見し、日本の国内総生産(GDP)がマイナス成長となっていることについて問われ、「新型コロナ対応の失敗が経済の落ち込みに結果としてつながっている」と指摘し、「今からでも『コロナ封じ込め』戦略に転換すべきだ」と主張しました。
志位氏は、政府が「Go To キャンペーン」など、「『経済優先』で検査やワクチンなど基本対策をやってこなかった。その結果、世界でも経済の落ち込みがひどい状況となった」と批判しました。
志位氏は、各国のコロナ対応について、「失敗もあるが、『封じ込め』への戦略を持っている」と指摘。「たとえば英国はワクチン接種の体制をいち早く整え、徹底した検査で陽性者の保護を続けてきた。その差が出てきている」と強調した上で、日本共産党が緊急要請で提起した迅速・安全なワクチン接種、大規模検査、十分な補償の3本柱で「封じ込め」をはかることが、「経済回復の力にもなる」と主張しました。
また、政府が緊急事態宣言の再延長の方針を示していることについて問われ、「やるべきことをやってこなかった結果だ」と批判しました。
政府が1日1万件の目標を掲げているモニタリング検査の直近の検査数が5308件にとどまっていることを示し、「きわめて不十分な目標にてらしても半分しかできていない」と批判。持続化給付金、家賃支援給付金の2回目の支給、医療機関への減収補てんなど、「やるべきことをやっていない。ここに緊急事態宣言がずるずる続く原因がある」と強調しました。
また、安倍晋三・菅義偉両政権の1年4カ月のコロナ対応を振り返り、「失敗を認めないし、失敗から学ぶことがない」と批判。昨年3月の全国一斉休校、アベノマスク、「Go To キャンペーン」などは、「国民誰もが失敗だと思っている」として、「間違いを認めて対策を改めることを一度もしてこなかったことに大きな問題がある」と強調しました。

●緊急事態宣言下でも東京五輪開けるか、食い下がる本紙記者に菅首相は… 5/28
菅義偉首相は28日の記者会見で、東京五輪・パラリンピック開催の可否を判断する基準となる感染状況について尋ねた質問に答えず、緊急事態宣言下でも五輪開催が可能と考えるか問われても「当面は宣言を解除できるようにしたい」とだけ述べた。いずれも本紙が内閣記者会の幹事社として質問した。
本紙は質問の際、「正面から答えなかったり、曖昧だったりする回答が多く、国民が不満を抱いている。明確に答えるようお願いする」とも要望した。しかし、菅首相から直接的な答えはなかった。宣言下での開催については再質問もしたが、首相は「(感染防止に)配慮しながら準備を進めている」と語るにとどめた。
菅義偉首相の28日の記者会見の詳報は次の通り。
首相会見の流れ 菅首相の冒頭発言後、内閣記者会の幹事2社(各社持ち回り制)が順に質問した。続いて司会の小野日子ひかりこ内閣広報官が挙手した記者の中から指名し、幹事社を含め計13人が質問した。その後も挙手する記者は残っていたが、1時間1分で打ち切られた。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長も同席した。
冒頭発言
感染状況
新型コロナ対策本部を開催し、北海道、東京都、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、福岡県について緊急事態宣言を延長し、6月20日までとすること、埼玉県、千葉県、神奈川県、岐阜県、三重県についてまん延防止等重点措置の期間を延長して同じく6月20日までとすることを決定した。全国の新規感染者数は、全体として減少に転じる一方、増加傾向にある地域もあり、予断を許さない。関西では感染者数の減少が続いているが、大阪、兵庫を中心に病床は逼迫ひっぱくし、非常に厳しい状況にある。東京では依然としてステージ4の水準にとどまっている。全国の重症者数、死亡者数は高止まりの状況が続いている。警戒すべきは、変異株の影響だ。英国株の割合は全国で8割を超え、インド株は海外渡航歴のない方からも確認されている。強い感染力を持つとされる変異株への置き換わりが進む中で、実施される対策が感染者数の減少につながるまで、以前より長い時間を必要としている。度重なる延長は大変に心苦しい限りだが、これからの3週間は感染防止と、ワクチン接種という二正面の作戦の成果を出すための極めて大事な期間と考えている。
防止策
感染防止の具体策だが、自治体と協力し、飲食店の時間短縮や、お酒やカラオケの提供の停止などを改めて強くお願いする。長きにわたり、協力をいただいている皆さまに心から感謝を申し上げ、その労苦のほどを深くお察しする。変異株への監視を強化する。インド、パキスタン、およびネパールからの入国者に対してはこれまで入国後6日間としてきた待機措置を強化し、本日から入国後10日間に延長するなど、水際対策を徹底する。感染を防止し、収束へ向かわせる切り札がワクチンだ。医療従事者を対象とする接種に加え、ほぼ全国の市町村で高齢者への接種が開始され、接種回数は1日に40万回から50万回になり、これまでに1100万回を超える接種が行われた。全国の大多数の市区町村で7月末までに高齢者の接種を終える予定となっている。医師、看護師に加えて、新たに歯科医師に接種を行っていただいており、さらに救急救命士、臨床検査技師が接種を行うことができるように、また薬剤師が診断に協力いただけるよう取り組んでいる。国としてはしっかりと財政支援を行う。1日100万回を目指して日々の接種回数を増やし、まずは希望する高齢者の接種にめどをつける。来月中には予約状況などを踏まえ、高齢者への接種の見通しがついた市町村から基礎疾患がある方々を含めて広く一般にも接種を開始する。
東京五輪・パラリンピック
東京五輪・パラリンピック大会については、多くの方々から不安や懸念の声があることは承知している。そうした声をしっかりと受け止め、関係者と協力しながら安全安心の大会に向けて、取り組みを進めている。テスト大会も実施され、万全の感染防止に努めている。私たちの力を結集すれば、必ずウイルスに勝つことができる。私自身、その先頭に立って、やり遂げていく。改めて皆さまの理解と協力をお願いする。
質疑応答
記者(幹事社・共同通信) 東京都や関西圏に3回目の緊急事態宣言が発令されて1カ月余り。長期化している期間をさらに延長せざるを得なくなった原因や理由をどう考えるか。宣言解除の際、対象地域をまん延防止等重点措置に移行する可能性があるか。
首相 今回の宣言により多くの都道府県で感染傾向が減少に転じており、効果が見られている。しかし、東京の新規感染者数は依然としてレベル(ステージ)4の基準より高い。大阪などでは病床が逼迫している。感染力が強いと言われる変異株の影響も考慮し、十分な時間をとって、知事の要請や専門家の意見も踏まえて延長を判断した。政府としてはまず対象地域で酒やカラオケの停止、テレワーク促進などを引き続き徹底したい。
尾身茂氏 再延長の背景には3点ある。1つは3度目の宣言で人々の慣れもあって協力が得られにくくなっている。2つ目は変異株の影響。3点目は都道府県の時短や重点措置の実施に時間が少しかかってしまった。重点措置発令が非常に重いプロセスになっているので簡略化してほしい。
記者(幹事社・東京新聞) 東京五輪・パラリンピックについて、国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ調整委員長は緊急事態宣言下でも開催できると明言した。宣言下でも開催できると考えるか。各種世論調査では今夏の開催に反対が多数だ。国民の命を守ることに責任を持っているのはIOCではなく日本政府なので、国民が納得できるよう感染状況がどうなれば開催し、どうなれば開催しないのか、具体的な基準を明示すべきではないか。正面から答えなかったり、曖昧だったりする回答が多く、国民が不満を抱いている。明確に答えるようお願いする。
首相 五輪についてのさまざまな声は承知している。指摘をしっかり受け止め、取り組んでいる。当面は宣言を解除できるようにしたい。選手らの感染対策をしっかり講じて、安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていくのが前提だ。具体的な対策は3点。第一に入国する関係者の絞り込み。当初18万人来日する予定だったが、五輪が5万9000人、パラリンピックが1万9000人まで絞り、さらに削減を要請している。次はワクチン接種。ファイザーから各選手団に無償提供されることになっている。そして国民との接触の防止だ。海外の報道陣を含めて関係者を組織委員会が管理する宿泊先に集約し、事前登録された外出先に限定し、移動手段は専用のバスやハイヤーに限定する。関係者と一般国民が交わることがないよう動きを分ける。外出、観光することはない。こうした対策によりテスト大会を国内で4回開催した。大会期間中、悪質な違反者は国外退去を求めたい。3つの対策について組織委、東京都、政府と水際対策をはじめ国民の安全を守る立場からしっかり協力して進めていきたい。
記者(東京新聞) 宣言下でも開催できるか。
首相 テスト大会も4回開催している。こうしたことに配慮しながら準備している。
記者(TBS) 国際社会から五輪開催を危ぶむ声が出ている。
首相 外国人の観客を受け入れないことも諸外国に説明して理解を得たい。
記者(毎日放送) 国民の半分がワクチン接種を完了するのはいつか。
首相 来月中をめどに高齢者接種の見通しがついた自治体から基礎疾患のある方を含めて広く一般の国民にも接種を開始していく。
記者(読売新聞) ワクチン接種が今後、1日(当たり)100万回になる見通しはいつごろか。
首相 現在、1日40万〜50万回だが、6月中旬以降には100万回に対応できる体制ができると思う。
記者(テレビ東京) 五輪を観客ありで行う場合、多くの人が東京に集まることが予測されるが、感染拡大のリスクをどう分析しているか。
首相 緊急事態宣言下でも野球やサッカーなど感染拡大防止をした上で行っており、政府はこうした点を十分に学習している。
記者(香港フェニックステレビ) ワクチン接種済みの海外の人たちを優先的に日本への入国を認めたり、ワクチンパスポートを検討したりする考えは。
首相 官房長官の下で全体の調整を行う体制を今、整えており、国内外の議論や各国の状況を収集しながら検討を進めていく。
記者(NHK) 来月20日までの緊急事態宣言の解除に当たり、ワクチン接種の進捗しんちょく状況を考慮するか。
首相 解除は感染状況や医療の逼迫状況などを踏まえ専門家の意見を聞きながら総合的に判断する。ワクチン接種の進捗状況自体を解除の基準にはしていない。
記者(フジテレビ) ワクチンを接種した人はマスクを着けなくても良いとアナウンスする可能性は。
首相 ワクチンの感染予防効果は現時点で明らかになっていない。接種した人でもマスク着用などの感染防止対策は必要だ。
記者(米ブルームバーグ通信) ポストコロナの経済を考え、半導体の確保にどのような戦略で取り組むか。
首相 半導体の製造能力を確保し、競争力を上げていくために国を挙げて取り組む必要がある。政府の成長戦略の重要な1つとして考えていきたい。
記者(日本経済新聞) 薬剤師によるワクチン接種の可能性は。
首相 臨床検査技師や救急救命士には接種をお願いする方向で調整している。薬剤師には、接種の事前の段取りや予診の協力をお願いしたい。
記者(西日本新聞) 宣言延長や地域追加が繰り返され、国民が宣言を信頼しなくなっている。より強い措置が必要では。
首相 今回はワクチン接種と同時に感染防止策を行うので従来とは違う。二正面の対応で封じ込めたい。
記者(朝日新聞出版) 東京都をはじめ多くの学校で五輪を観戦する計画が組まれている。コロナ禍で子どもたちが学校行事として参加することへの見解は。
首相 児童・生徒の観戦は、コロナ拡大前に大会組織委員会が募集した。感染状況や対策を踏まえて組織委が判断すると思う。

●9都道府県の「緊急事態宣言」 6月20日までの延長を決定 5/28
9都道府県(北海道、東京、愛知、大阪、京都、兵庫、岡山、広島、福岡)への「緊急事態宣言」について、31日までの期間を延長し6月20日までとすることが政府の新型コロナウイルス感染症対策本部で決定された。
菅総理は「全国の新規感染者数は今月中旬以降、減少に転じているが、依然として予断を許さない状況。東京、大阪などでは感染が減少傾向にあるが、新規感染者数は依然として高い水準で、大阪などでは病床のひっ迫が続いている。北海道、沖縄は引き続き感染者の増加がみられ、こうした状況の中で延長の判断をした」と述べた。
また、5県(埼玉、千葉、神奈川、岐阜、三重)への「まん延防止等重点措置」についても期間を延長し、6月20日までとした。
 
 
 

 


●緊急事態宣言 延長決定後 初の週末 各地の反応は  5/29
東京や大阪、兵庫など9都道府県の緊急事態宣言が来月20日まで延長されることが決まったあと、初の週末を迎えました。
このうち神戸市の中華街、南京町は多くの店が休業し、観光客もまばらです。緊急事態宣言の延長決定後、初めての週末となった29日、神戸市中央区の中華街、南京町は休業している店が多く、人通りは少なくなっています。神戸市須磨区から訪れた50代の男性は「久しぶりに南京町に寄りましたが閉まっている店もあり閑散としている印象です。宣言の期間が長くなり、だんだんと慣れてしまっているが、感染対策に気をつけて過ごしたい」と話していました。1回目のワクチン接種を終えたという神戸市兵庫区の70代の女性は「飲食店は特にしんどいと思います。近日中に2回目のワクチンを打つ予定ですがほかの皆さんにも早く接種が進んで元の生活に戻ってほしい」と話していました。南京町商店街振興組合によりますと3回目の宣言が出た後、複数の店が廃業したということです。曹英生理事長は「宣言が再延長され、飲食店にとって厳しい状況が続くので、宣言が明けたときにどんな状態になっているのか想像もできません」と話していました。
福岡県のJR博多駅前は、ふだんは買い物客や家族連れなどでにぎわっていますが、通常より人の姿は少ない様子でした。県内の大学に通う10代の女性は「感染者数がもう少し減ってからでないと危ないと思います。しっかりおさまってから授業に行ったほうが安心するので延長はしかたないと思います」と話していました。また、20代の会社員の女性は「知り合いが感染してもそれに慣れてしまって怖いと思わなくなってしまいました。宣言を延長してもみんな外に出ていたり、仕事もあったりして生活は変わらないと思います」と話していました。60代のタクシー運転手の男性は「一生懸命やっていますが、緊急事態宣言下では売り上げは6割ほど減っています。感染者を減らさないといけないので延長には賛成ですが、それに見合う支援をしてほしい」と話していました。
大阪を代表する商店街の1つ、大阪 北区の天神橋筋商店街は、29日も地元の買い物客など多くの人が行き交っていました。ただ、串カツ店では酒類の提供ができないことなどから売り上げがふだんの20%に落ち込んでいるということです。「七福神」の店長、柴坂耕平さん(40)は「アルコールが提供できないと厳しく、要請に従わず酒を提供している店もいて悔しい。宣言を延長するのはいいが、差がつかないようにしてほしい」と話していました。また宣言後、赤字が続いているという呉服店「成田屋」の経営者菅富子さん(77)は「商売を維持するのはどこも大変だと思う。みんな苦しんでいる。嫌だと言っても仕方ないから一日一日頑張るしかない」と話していました。一方、商店街を訪れた人からは宣言の再延長を冷静に受け止める声が聞かれました。食事に訪れていた50代の会社員の男性は「短期間では感染者が減らないので再延長は予想していたし、致し方ないと思う」と話していました。また、買い物に訪れていた50代の女性は「やれる感染防止策はすでにやっているし、再延長となっても生活はあまり変わらないと思う」と話していました。

●「緊急事態宣言、知らない子も多い」EXITりんたろー。尾身会長が驚く。 5/29
お笑いコンビEXITのりんたろー。さんが、NHKの報道番組『ニュースウオッチ9』に出演し、政府コロナ分科会の尾身茂会長と対談した。対談では、りんたろー。さんが「(若い人の間で)緊急事態宣言が出ているか、出ていないか知らない子も多い。これが現状なんだと思います」と危機感をあらわにする場面があった。
りんたろー。さんは、5月28日に放送された『ニュースウオッチ9』で政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長と対談。
普段、若い世代の意見を聞く機会がないという尾身会長。番組では、対談前に「我々に文句を言いたいこともあるんじゃないか」と心配する様子も放送された。
対談の主なテーマとなったのが、若い世代に新型コロナへの危機感をどう伝えるか、ということだ。
尾身会長は、「気がつかないうちに若い人が感染の伝播に関与しているので、(対策を)よろしくお願いしますとかなり丁寧に自分としては言ったつもりなんだけど」と述べ、若者にメッセージが伝わっていないことへの懸念をりんたろー。さんに伝えた。
りんたろー。さんは、 「国民に対する負担が大きくね?という気持ちもどこかにあるかもしれません」と指摘し、「いまお願いベースで、1年我慢してきた人たちに何かを問いかける。“わかりました、じゃあ家にいます”ってすごく難しいことだと思っている」と、『緩み』が生じてしまう現状について率直な意見を吐露した。
また、「興味深いコンテンツが増えすぎて、こちらが求めなくても入ってくるものが多い」とも述べ、「こんだけニュースでやっていても、今の若い子、緊急事態宣言が出ているか出ていないのか、知らない子多いですね。外に出て居酒屋がやっていない、なんだこれみたいなことなんですよね」と、政府の呼びかけが若者に届いていない危機感も露わにした。
これには尾身会長も驚いた様子で、「緊急事態宣言が出ていることも知らない?」と聞き返す場面も。
りんたろー。さんは「僕も驚くんですけど、それだけの興味のレベルになってしまっているんだという、これが現状なんだと思いますね」と強調した。
EXITは2020年4月、新型コロナの感染予防を呼びかける「コロナ注意喚起漫才」をYouTubeチャンネルに投稿。同時期にはAbemaTVのニュース番組でMCに抜擢され、時事ニュースなどのコメンテーターとしても活躍している。
若い世代に向けて、テレビやネット、SNSなどあらゆる場面で発信を続けてきたEXITだが、今は「何が正解かわからない状態」だという。
「どこの先頭に立っていいかわからないから、旗が振れないんですよね」と話し、「僕も毎日仕事で色んなところに出ているにもかかわらず、『みなさんステイホームしましょうね』。それはちょっと無理な話で。自信をもって発信できないというのが一個あるかもしれないですね」と迷いを打ち明けた。
対談が放送されると、Twitter上ではりんたろー。さんの率直な意見に反響が寄せられた。関連ワードがトレンド入りし、「コロナ対策から若者置いてきぼり、との鋭い指摘」「尾身会長の絶望的な顔が印象的だった」など、コメントが相次いでいる。
りんたろー。さんは、放送後にTwitterを更新。
「35歳で若者代表ズラするチャラ男が ニューストレンド入りする世界線」とコメントした上で、「しかしこの貴重な機会を頂けたのもなんかの縁、普段届かないところになにか感じてもらえらたらと思い、踏み切りました」とつづった。

●緊急事態宣言の再延長 五輪優先の解除許されぬ 5/29
新型コロナウイルス対策のため9都道府県に発令されている緊急事態宣言を延長することが決まった。東京都や大阪府などは再延長となる。今月末の期限を6月20日に延ばす。
延長期間中の感染対策が奏功するかどうかは、夏に予定されている東京オリンピック・パラリンピックの開催をめぐる判断に大きく影響する。
4月の宣言発令から1カ月以上たつが、1日当たりの新規感染者数はいまだ高水準の地域が多い。減少傾向がみられる東京や大阪でも「ステージ4(感染爆発)」相当を抜け出せていない。
病床の逼迫(ひっぱく)も続いている。大阪では、入院できずに、自宅や高齢者施設などで亡くなる患者も相次いだ。
菅義偉首相が感染対策の「切り札」と位置付けるワクチン接種は緒に就いたばかりだ。延長に追い込まれた首相の責任は重い。
冬の第3波では、感染者数が十分に下がらない段階で宣言を解除した結果、再拡大を招いた。同じ失敗を繰り返してはならない。
今回は感染力の強い英国由来の変異株が主流だ。人出が減っても新規感染者数が減少するまで、以前より時間がかかる。効果的な対策を講じなければならない。
事業者が休業要請などに応じない場合、知事が命令を出すなど対応を強化するという。飲食店などの経営はいっそう厳しくなる。政府は十分に支援することが求められる。
宣言の解除基準を明確に打ち出すことも必要だ。政府は感染状況が「ステージ3(感染急増)」相当となることを前提に「総合的に判断する」という。だが、専門家の中には、「ステージ2(感染漸増)」まで下げるべきだとの意見がある。
ゴールデンウイーク後、人出が増えている地域もある。解除基準を明確化することで、事業者や国民の協力を引き続き得る努力をしなければならない。
危惧されるのは、英国株よりさらに感染力が強いとされるインド由来の変異株が拡大することだ。検査体制の拡充で抑え込みを図ることが急務だ。
第4波でとられた対策の効果を早急に検証して、今後に生かすことも欠かせない。
宣言の期限は、五輪開会式まで約1カ月というタイミングだ。
東京都医師会の尾崎治夫会長は、大会開催には、東京の新規感染者数をステージ2相当の「7日間平均で100人以下」にまで抑える必要があると主張している。
大会組織委員会は、選手や関係者の感染対策を記したプレーブック(規則集)を公表した。しかし、人の流れを抑制する上でカギを握るのは、観客を受け入れるかどうかだ。海外からの観客は断念したが、国内の観客については決定を先送りしている。
宣言地域では、プロ野球やサッカー・Jリーグなどの観客数の上限は、5000人か収容率50%の少ない方と定められている。
これを根拠に、組織委内には観客を制限付きで入れることは可能だとの声がある。
しかし、五輪は規模が異なる。今回は史上最多の33競技が行われ、東京の近隣県や東北、北海道も会場となっている。観客を入れれば、関係者以外にも多くの人が市中を移動し、各地で感染リスクが増す。
感染対策上は、無観客が不可避のはずだが、それも打ち出せない迷走ぶりに国民の不安は募る一方だ。これで「安全・安心」な大会になるのか。
無観客の場合、組織委が900億円と見込むチケット収入は失われる。それでも、人の流れの抑制や医療機関の負担軽減などメリットの方が大きい。
大会期間中にはパブリックビューイングも計画されているが、大勢の人が集まるイベントは実施すべきではない。
国際オリンピック委員会(IOC)の幹部からは「アルマゲドン(世界最終戦争)でもない限り実施できる」などと、国民感情を逆なでする無神経な発言が相次いでいる。
政府の最大の責務は国民を守ることだ。菅首相は感染対策について「先頭に立って取り組む」と強調している。五輪の日程優先で宣言を解除するようなことがあってはならない。

●政府 緊急事態宣言 延長決定 ワクチン接種加速 感染抑え込みへ  5/29
政府は、東京や大阪など9都道府県の緊急事態宣言を来月20日まで延長することを決定しました。インドで最初に見つかった変異ウイルスの広がりに最大限の警戒をしながら、ワクチン接種をできるかぎり加速させて、感染を抑え込みたい考えです。
新型コロナウイルス対策で、政府は、北海道、東京、愛知、大阪、兵庫、京都、岡山、広島、福岡の9都道府県に出されている緊急事態宣言について、31日の期限を沖縄への宣言と同じ来月20日まで延長することを決定しました。
また「まん延防止等重点措置」についても、埼玉、千葉、神奈川、岐阜、三重の5県の期限を来月20日まで延長することを決めました。
菅総理大臣は、28日夜の記者会見で「たび重なる延長は、大変心苦しいかぎりだが、これからの3週間は、感染防止とワクチン接種という『二正面作戦』の成果を出すための、極めて大事な期間と考えている」と述べました。
政府は、インドで最初に見つかった変異ウイルスの広がりに最大限の警戒をしながら、飲食店での酒とカラオケの提供の停止といった対策を継続し、感染対策の決め手と位置づけるワクチン接種をできるかぎり加速させて、感染を抑え込みたい考えです。
一方、東京オリンピック・パラリンピックについて、菅総理大臣は、感染防止の具体策として、日本を訪れる関係者のさらなる削減や、選手と関係者への検査の徹底とワクチン接種、それに悪質な違反への資格の剥奪を含めた徹底した行動管理の3点を挙げ、安全・安心な大会の実現に改めて意欲を示しました。
そして、観客の扱いに関連し「緊急事態宣言下ではあるが、野球やサッカーなど、一定の水準の中で、感染拡大防止をしっかり措置したうえで行っていることも事実だ。政府として、こうした点も十分に学習しているので、対応することはできると思う」と述べました。

●3府県 緊急事態宣言再延長の措置決定 5/29
緊急事態宣言が来月20日まで再延長されたことを受けて、大阪、兵庫、京都の3府県は、酒類を提供する飲食店などへの休業要請の継続など、再延長に伴う措置を決定しました。3府県では、引き続き、人の流れを抑制することで、再延長の期間内に感染の拡大を抑え込みたい考えで、措置への協力を強く呼びかけています。
大阪、兵庫、京都の3府県は28日、それぞれ対策本部会議を開き、緊急事態宣言の来月20日までの再延長に伴う措置を決定しました。
このうち、大阪府は、酒類やカラオケ設備を提供している飲食店などへの休業要請を継続するほか、それ以外の飲食店などには、引き続き、営業時間を午後8時までに短縮するよう要請します。一方、現在、百貨店などの大規模施設に出している休業要請は、土日に限っての要請に切り替え平日については、午後8時までの時短要請を行います。また、無観客での開催を要請しているイベントについては、平日は、人数の上限を5000人かつ収容人数の半分までとした上で午後9時までの開催とすることを要請します。一方、土日については、引き続き、無観客での開催を要請します。
兵庫県は、酒類を提供する飲食店などへの休業要請や、百貨店などの大規模施設への土日の休業要請は継続します。一方、大規模施設への平日午後7時までの時短要請は午後8時までに緩和します。
京都府は、酒類を提供する飲食店などへの休業要請を継続します。また、大規模施設への土日に限った休業要請についても、原則、継続するほか、平日の午後8時までの時短要請と、法律に基づかない午後7時までの時短の働きかけも続ける方針です。ただ、夏を前に府民の健康管理などに配慮する必要があるとして、家電量販店や、衣服、本などの提供スペースについては、バーゲンセールなどを除いて措置の対象から外します。
3府県では、引き続き、人の流れを抑制することで再延長の期間内に、感染の拡大を抑え込みたい考えで、府県民に対し、措置への協力を強く呼びかけています。

●日本政府、緊急事態宣言の延長決定 五輪開幕1カ月前まで 5/29
日本政府は28日、東京都など9都道府県に出している新型コロナウイルスの緊急事態宣言を3週間延長することを決めた。
菅義偉首相は、感染者数が減少しているものの依然高い水準にとどまっており、病院の一部は負荷がかかった状態のままだと説明した。
緊急事態宣言は来月20日まで続く。1年延期された東京オリンピックの開幕の5週間前にあたる。
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会はこの日、競技場に国内の観客を入れるかどうか、宣言が終了する来月20日まで待って決めると表明した。
海外からの観客はすでに、受け入れないことが決まっている。
専門家らによると、大会を安全に開催するには、東京都の1日あたりの新規感染者が100人未満に減らなくてはならないとしている。28日に発表された都内の1日あたりの感染者は614人だった。
菅首相は28日夜の記者会見で、大阪などで病院の逼迫状態が続いていると指摘。
「これからの3週間は、感染防止とワクチン接種という『二正面作戦』の成果を出すための、極めて大事な期間と考えている。皆様のご理解とご協力を心よりお願い申し上げる」と述べた。
現在の緊急事態宣言は4月23日に、当初2週間の予定で発令された。延長は今回で2回目となる。
宣言に伴う措置では、バーやレストランに酒類の提供の自粛や、午後8時までの時短営業を要請する。大規模イベントの観客は、定員の50%以下か5000人以下のいずれか少ない方を上限とする。
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長は28日の記者会見で、宣言の延長で感染状況が改善するよう期待していると表明。
大会の観客については、「状況を見ていかなければ、なかなか観客の上限を決めるのは難しい。適切な時期に判断したい」と述べた。また、屋内か屋外かで異なる制限が実施される可能性があるとした。

●緊急事態宣言6月20日まで 外出移動自粛や時短の要請続ける 5/29
緊急事態宣言は来月20日まで延長されることが決まりました。道は期間中、引き続き、全道で不要不急の外出や移動を控えるよう要請するとともに、飲食店への時短要請などを続けます。
緊急事態宣言が来月20日まで延長されることを受けて、道は28日夜の対策本部会議で、来週1日からの期間中に道内で講じる措置を決めました。
全道で、通院や食料の買い出しなどを除き不要不急の外出や移動を控えるよう要請を続けるとともに、道外からの訪問は極力、控えるよう呼びかけます。
部活動は原則、休止として、全国大会や全道大会につながる活動に限るよう要請を強化します。
さらに、感染拡大が続く札幌市と石狩地方、小樽市、旭川市を引き続き「特定措置区域」とし、酒やカラオケ設備を提供する飲食店などには休業を要請し、提供を行わない飲食店などには営業を午後8時までに短縮することなどを要請します。
このほかの地域では、飲食店などに対し営業は午後8時まで、酒の提供は午後7時までに短縮することに加え、カラオケ設備は利用しないことなどを要請します。

●百貨店協会、緊急事態宣言再延長で談話「緊張感もって安全確保に努める」 5/29
日本百貨店協会は、緊急事態宣言が再延長されたことを受けて、「これまで以上の緊張感をもって感染防止対策を徹底し、安全の確保に努める」とする談話を発表しました。
日本百貨店協会が29日に出した談話には、「緊急事態宣言が出された地域の深刻な感染状況を重く受け止め、営業にあたってはこれまで以上の緊張感をもって感染防止対策を徹底し、客や従業員の安全・安心の確保に努める」と書かれています。
さらに「政府・自治体の適切な支援が行われることに併せて、今回の措置で感染状況が改善され、早期に本来の営業活動が再開できることを強く願っている」としています。
百貨店への休業要請をめぐっては東京都はこれまで生活必需品を除いて休業としていましたが、来月1日から平日は午後8時までの時短要請に切り替える一方、土日は引き続き休業を求めることを決めています。

●三越伊勢丹 通常通りの営業時間に 緊急事態宣言再延長後 5/29
緊急事態宣言の再延長後の営業について、三越伊勢丹ホールディングスは、東京都の要請にあわせ午後8時まで通常通りの時間にすると発表しました。
三越伊勢丹は都内の4店舗について、現在は生活必需品のみ、午後6時までまたは午後7時までの時短営業としています。
緊急事態宣言・再延長後の来月1日からは店舗や売り場によって異なりますが、午後7時半か午後8時までと、平日・土日ともに通常通りの時間で営業します。
また、売り場については、平日は全館で営業を再開し、土日は、引き続き生活必需品を販売するほか、高級ブランドについては原則休業とし、事前予約制にするか店舗ごとに調整を行うということです。

●福島県「非常事態宣言」解除へ 若松は営業時間短縮1週間継続 5/29
内堀雅雄知事は28日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け県全域を対象に発令した「非常事態宣言」を、期限の31日で解除すると発表した。ただ、今月の感染者数が市町村別で最多の会津若松市については、医療提供体制の安定的確保を図る必要があるとして、6月1〜7日を集中対策期間と位置付け、酒類を提供する飲食店への営業時間の短縮や市民に対する不要不急の外出自粛の要請を継続する。
県庁で28日に開いた県感染症対策本部員会議で決定した。県全域での時短要請などは終了するが、6月を重点対策期間として、感染の再拡大防止へ県民や事業者に対策の徹底を求める。
県内の病床使用率は、非常事態宣言を発令した14日時点で90.6%と9割を超えていたが、27日現在で49.2%となり、4月26日以来約1カ月ぶりにステージ4(爆発的感染拡大)の指標である50%を下回った。人口10万人当たりの1週間の新規感染者数も、宣言発令時の23.19人から7.75人(27日現在)に改善した。
こうした指標の推移などを踏まえ、内堀知事は県内の感染状況について「ステージ3(感染急増)」から「ステージ2(感染漸増)相当」に改善したとの認識を示し、31日での宣言解除を表明。併せて解除後の感染再拡大を防ぐため、6月を重点対策期間に設定し、感染防止対策の徹底や、大人数での飲食など感染リスクの高い行動を控えるよう、県民に引き続き求めていく方針を示した。
一方、今月の感染者1133人のうち最多の342人を占める会津若松市は、21〜27日の1週間の人口10万人当たりの新規感染者数が29.21人とステージ4の指標(25人)を上回る状態が続いている。広域的な入院調整が必要なケースが発生するなど依然として病床が逼迫(ひっぱく)している。
時短要請対象はこれまでと同様、酒類を提供する居酒屋やカラオケ店、接客を伴うスナックなど約1000店。午後8時以降の営業自粛と、酒類提供を午後7時までとするよう求める。期間を通して要請に応じた店舗に、売上高に応じて1日当たり2万5000〜7万5000円を基本に協力金を支払う。
内堀知事は「できれば県全体で解除することが望みだったが、状況を踏まえ会津若松市で集中対策を実施する。1週間の特別な措置を継続することで何とか抑え込んでいきたい」と理解を求めた。

●出口戦略なき緊急事態宣言再延長 都の飲食店営業規制は連続200日超 5/29
政府が東京や大阪など9都道府県の緊急事態宣言を6月20日まで再延長することを決定した。これで東京都における飲食店の営業時間制限は、昨年11月下旬から始まった都独自の時短要請を含めると、連続して200日を超えることが確実となった。だが、都内の重症患者の病床が逼迫していたのは、この間、ごく一時期だけだ。医療提供体制の支障とは関係なく、漠然とした「不安」や「おそれ」を理由とした権利制限が長期化している。
実は、東京都内の重症患者(人工呼吸器またはECMO使用)が確保病床数の5割を超えたのは、1月中旬〜下旬だけだ。5月26日現在、重症病床使用率は20%を下回っている。日本集中治療医学会などが共同運営するECMOnetのデータをみても、傾向・推移は同様だ。
東京都モニタリング会議の専門家らは、緊急事態宣言の発出直前、病床使用率が「ステージ4」に達していないことを認める一方で、変異株の影響で早晩、入院患者数が医療の逼迫が現実化する2600人のラインを大きく超えるとの見解を提示。2週間後(5月上旬)には、入院患者が3000人、最悪の場合で6000人に達すると推計していた。
西村康稔経済再生相も4月28日、東京はまだ総合的にみてステージ4ではないものの、「予防的」目的で緊急事態宣言を出したと答弁していた。
しかし結果的に、緊急事態宣言の効果が現れるとされる2週間後までに、入院患者は2300人台にとどまり、重症患者に至ってはほとんど増えなかった。その後も、専門家が明らかにした医療逼迫ラインの2600人を超えることなく、現在は2100人台となり、減少傾向になっている。
大型連休の人流を抑えたことで感染拡大を抑えられた面もあるかもしれないが、いずれにせよ、東京都でも感染力が強いとされる「N501Y変異株」にほとんど置き換わったが、関西圏など他の地域とは異なり、感染急拡大はみられず、医療提供体制に比較的余裕がある状況だ。
出口戦略なき迷走 対策の合理性、司法で問う動きも
”予防的”緊急事態宣言の大義名分であった「大型連休での感染爆発危機」は、すでに回避されたと言える。ところが、今度は、リバウンド(再拡大)や「インド株」のリスクなどを理由に、自粛政策を続ける方針のようだ。東京都は、百貨店など一部の規制は緩和したが、飲食店(特に居酒屋)への規制は緩和しなかった。東京五輪を前に、背に腹は変えられないということだろう。最近、日本医師会会長や感染症専門家らが「1日あたり陽性者数100人以下」になるまで解除すべきでないとの見解を次々に示す中、尾身茂会長も、緊急事態宣言の解除の目安を「ステージ2」とする考えを示すようになった。加藤勝信官房長官も、6月20日に宣言を解除したとしてもまん延防止等重点措置に移行する可能性について「十分あり得る」と言及した。小池百合子都知事は、要請に応じない店には躊躇なく、特措法に基づく命令を出して要請に従わせる構えを見せている。自粛要請は、実質的に命令、強制に近い性格を帯びつつある。
こうした中、政府や東京都のコロナ対策は「医療体制の逼迫を前提に、必要最小限の規制を許容する」という特措法の趣旨から逸脱し、違憲性・違法性の疑いも指摘され始めている。都の飲食店業者に対する規制の合憲性を司法の場で問うためクラウドファンディングも立ち上がり、3000人以上が支援するなど、注目を集めている。特措法上の要請、命令といえども従わない事業者も増えつつあり、東京新聞などの都民世論調査では半数が、都による措置内容を「評価しない」と回答した。政府・東京都の「出口戦略」なき迷走と、合理性に乏しい自粛措置が、日本社会に大きな歪みをもたらしつつあることは間違いない。
東京都における飲食店規制の経緯
東京都は、感染者の増加を受け、昨年11月28日から都独自の時短要請(22時まで)を開始、緊急事態宣言発出前の1月7日まで継続した。
1月8日から始まった第2次緊急事態宣言では、都の緊急事態措置として、20時まで(酒類提供は19時まで)の時短要請を実施。当初、罰則なしだったが、2月13日からは改正特措法の施行により罰則を伴う措置となった。期間は2回延長された。
3月21日で宣言は解除されたが、都独自の21時まで(酒類は20時まで)の時短要請を継続。4月12日からは、まん延防止等重点措置が実施され、緊急事態宣言のときと同様、再び20時までの時短要請が行われた。
そして、4月25日からは第三次緊急事態宣言となり、これまでで最も強い措置である酒類提供店の休業(酒類なしなら20時までの時短営業)を要請。期間は2回延期され、6月20日までとなった。
この間、都は、要請に応じた事業者に協力金を支給することにしたが、支給が滞っているという指摘も多い。
支給額は、昨年11月28日〜今年1月7日分が1事業者あたり最大で合計140万円。1月8日〜4月11日分は1店舗あたり最大で計522万円。4月12日〜5月11日分は同68〜600万円、5月12日〜31日の分は同80〜400万円となっている(いずれも中小企業)。
一方で、都は第二次緊急事態宣言中に要請に応じなかった約2000店舗のうち32店舗(7事業者)に時短命令を出した。
都は、第三次緊急事態宣言中にも要請に応じなかった店舗(数は不明)のうち42店舗(事業者数は不明)に休業命令を出した。
そのうち、飲食チェーンのグローバルダイニング社に対する時短命令は現在、東京地裁で係争中だ。

●週末営業エリア「拡大」の百貨店も… 土曜の名古屋に人出の変化なし 5/29
愛知県では、緊急事態宣言の延長が正式に決まりましたが、週末の名古屋の街に大きな人出の変化は見られず「慣れてしまった」などという声も聞かれました。
愛知県は、政府が緊急事態宣言延長を決めたことを受け、29日午前に対策本部会議を開き、県内の飲食店に対し午後8時までの時短要請を継続することなどを正式に決定しました。
長谷川好規 医療専門部会長は:「急激に重症者や予備軍が増加している。これ以上患者数が増えると通常医療の制限を宣言しなければならなくなる」と話しました。
名古屋の百貨店では、29日から衣料品売り場やレストランなど週末の営業エリアを拡大したところもあり、街の人出にも大きな変化は見られませんでした。
街の人たちからは「みんな慣れてると思います。(デパートが開けるのは)食料品売り場だけでいい。分かりにくい」「(緊急事態宣言の延長は)仕方がないのかなと思います。混雑を避けるしかできることはないのでは」などという声が聞かれました。
一方、名古屋城と東山動植物園では、週末を臨時休園としました。どちらの施設も、緊急事態宣言の期間中は土日・祝日を休園とする予定です。

●古市憲寿氏 「もともとの言葉が嘘だったってことを、まずは認めてほしい」 5/29
社会学者の古市憲寿氏(36)が29日、テレビ朝日系「中居正広のニュースな会」(土曜正午)に出演し、東京、大阪など9都道府県に発令している新型コロナウイルス緊急事態宣言の6月20日までの再延長が決まったことについて「もともとの言葉が嘘だったってことを、まずは認めてほしい」と厳しい言葉で批判した。
今年、東京都では1月7日に2回目の緊急事態宣言発出し、3月21日に宣言解除、4月25日に5月12日までを期限として3回目の緊急事態宣言発出したが、7日に5月末まで延長され、28日に6月20日まで延長することを決定と、今年に入ってこの日まで149日中、緊急事態宣言が出ているは108日だ。
番組MCを務めるタレントの中居正広(48)が「解除します、延長しますも、もうちょっと早く報告して欲しいのかな。やっぱり準備するのに…。今回の緊急事態宣言も、決定になったのが2日、3日前ですよね。それはね、準備しなければならないですし、解除の準備も必要ですし…」と語ると、古市氏は「そもそも思い出すと、今回の緊急事態宣言って、ゴールデンウイークに向けて短期集中でやりますと。短期集中だから、お酒もちょっと我慢してください、美術館とか映画館とか、多分コロナ対策に関係ないけどでも閉めちゃいますっていう凄い厳しい措置を取った訳じゃないですか」と語った。
さらに、「にもかかわらず、その厳しい措置ってのを、こうやってだらだらだらと…1カ月も2カ月も続けようってのは、ちょっともともとの言葉が嘘だったってことを、まずは認めてほしいですね」と強い口調で続けた。

●新型コロナ対策 緊急事態宣言延長で全国知事会オンライン会議 5/29
新型コロナ対策で9つの都道府県に出されていた緊急事態宣言が、6月20日まで延長されたことを受け、全国知事会が開かれました。
オンラインで開かれた全国知事会の新型コロナウイルス緊急対策本部会議の中で、山梨県の長崎知事は、観光事業について、県内には宿泊施設が全国平均の約4倍の193施設あるとした上で、感染状況に応じ、近隣県での宿泊も支援の対象にすることを国に求めてほしいと要望しました。
また、いわゆるグリーンゾーン認証制度の運用から1年が経つ山梨県内では、店舗が感染対策をしても利用者が守らないなど個別のケースもあり、制度の導入に向けては、情報共有と早い段階での対応策の検討が重要としました。
そして、認証制度に関する全国的な運用や情報交換の仕組みを国が構築するよう提案しました。

●緊急事態宣言延長 事業者や県民に自粛要請継続 岡山 5/29
緊急事態宣言が来月20日まで延長されるのを受けて、28日夜、岡山県の新型コロナウイルス感染症対策本部会議が開かれ、事業者や県民に協力を要請する内容が決まりました。
対策本部会議の決定によりますと酒類やカラオケ設備を提供する飲食店への休業要請や飲食店・集客施設などへの午後8時までの時短要請はそのまま継続します。
床面積1万平方メートルを超える大規模集客施設への土曜日曜祝日の休業要請をなくして平日と同じ午後8時までの時短要請にし、混雑につながる催し物やバーゲンセールなどの自粛の他、来店人数の制限、休憩スペースの使用禁止などを呼びかけます。
またスポーツなどのイベントの入場制限も無観客ではなく5000人以下で収容率50%以下とします。
岡山県 伊原木隆太知事「ぜひ皆さんにはあと20日間頑張ってきちんと状況を改善しなければいけない」
また、伊原木知事はきょう開かれた全国知事会の新型コロナウイルス緊急対策本部会議で、緊急事態宣言の延長に伴う地方創生臨時交付金の着実な交付と、インド型変異ウイルスの侵入を防ぐための検疫の強化を国に要望しました。 
 
 
 

 


●“緊急事態”再延長の3府県 週末の人出が先週・宣言初日より大幅増 5/30
大阪、兵庫、京都で緊急事態宣言の再延長が決まって初めての週末となった29日の主要駅周辺の人出は、先週土曜や宣言初日と比べて各地で大幅に増加しています。
携帯電話の位置情報をまとめたデータによると、大阪の29日の人出は先週の土曜と比べて、JR大阪駅周辺が13.8%増え、大阪メトロなんば駅周辺でも11.5%増加しました。
宣言が発令された4月25日と比べるとJR大阪駅周辺で46.6%、大阪メトロなんば駅周辺で24.4%増加しています。
神戸市のJR三ノ宮駅周辺は先週土曜と比べて2.7%増加し、宣言初日の4月25日と比べ27.9%増えています。
京都市の阪急京都河原町駅周辺では、先週土曜と比べ1%減少しましたが、宣言初日の4月25日と比べると10.4%増加しました。

●緊急事態宣言 再び延長される京都 清水寺周辺は日曜日も閑散  5/30
緊急事態宣言が再び延長されることになった京都の観光地、清水寺の周辺では、天気に恵まれた日曜日の30日も歩く人の姿は少なく、閑散としています。
ふだんは多くの観光客でにぎわう京都市東山区の清水寺につながる二寧坂では、緊急事態宣言が続くなか、臨時休業の貼り紙をする土産物店や飲食店も多く見られます。
日曜日の30日、朝から晴れましたが、訪れる観光客の姿はまばらでした。
地元の商店などでつくる組合の会長を務める神田智弘さんによりますと、大型連休の期間中から人通りが少ない状況が続き、廃業を決めた店もあるということです。
神田さんは「自粛疲れで町なかを出歩く人はいるかもしれませんが、観光地は少ないように思います。今後の修学旅行シーズンも緊急事態宣言が続くと経営はより厳しくなるので、ワクチン接種が進んでにぎわいが戻るよう願っています」と話していました。

●「緊急事態宣言」はもう効かない、より強力な私権制限に踏み切れ 5/30
少子高齢化と人口減少が進むわが国の社会の質を維持し、さらに発展させるためには、データの活用による効率的な社会運営が不可欠だ。一方で、データ活用のリスクにも対応した制度基盤の構築も早急に求められている。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、これまでの経済、社会のあり方は大きく変わろうとしている。
その中で、日本が抱える課題をどのように解決していくべきか。データを活用した政策形成の手法を研究するNFI(次世代基盤政策研究所)の専門家がこの国のあるべき未来図を論じる。今回は理事長の森田朗氏による、ウイルス封じ込めのための私権制限に関する提言だ。今のままずるずると緊急事態宣言を続けていても感染拡大を防ぐには限界がある。国の究極的な役割は何だろうか。

コロナ感染症の第4波は、変異ウイルスの拡大もあり、いまだに収拾の時期が見えない。緊急事態宣言の「威光」もすっかり薄れてしまったようだ。街頭インタビューでも、「現状を見ると、緊急事態宣言が出されても感染が減るとは思えない。できるだけ外出を避けるべきだが、私は出かけざるを得なかったので、マスクを付け、十分に用心して出てきた」と言い訳がましいものが多い。
こうしたものを見る限り、今のような措置を続けていて感染を抑制できるとは思えない。最初はよく効いたクスリが、慢性化あるいは重症化した病状に効かなくなるのとよく似ている。身体のほうにクスリへの耐性ができてしまったのだ。こうなると病気を治すには、副作用が強くても、もっと強力なクスリを処方しなければならなくなる。
要するに、より強力な行動規制をしなければ感染症を抑制することができないということだ。ロックダウンのような措置を取れば、国民の権利を大幅に制限することになる。しかし、憲法で保障された営業の自由を制限することなく、また行動の自由を奪うことなく、感染症を抑制することはできるのか。ワクチンが頼みの綱であるとしても、現在の感染拡大を抑えるには間に合わない。
パンデミックはより強い公権力行使が正当化される
わが国では、政治家も政府も私権の制限には及び腰だ。しかし敢えて問う。彼らが守ろうとしているのは、誰のどのような権利なのか。
営業の自由、職業選択の自由等の基本的人権を守ることの重要性を否定する気は全くないが、国家として最も尊重し守らなくてはならないものは、国民の生命、健康ではないのか。国民は、何らかの原因で生命や健康を危険にさらされた場合、国家に生命や健康を守ってもらう権利を有している。これも憲法が保障する基本的人権ではないか。
伝統的な国家学、公法理論によれば、感染症対策の目的はできる限り多くの国民を感染から守ることにある。そのためには、検査によって感染者を発見し、非感染者との接触を避けるために隔離しなければならない。今回のコロナ禍の下ではほとんど聞かれないことばだが、このような国家の機能は、かつて「社会防衛」と呼ばれていた。
感染症が急拡大しているような場合、他に有効な方法がないならば、裁判を経ることなく強制的に国民の権利の制限をすることもやむを得ない。制限が必要最小限でなければならないことは当然であるが、民主国家において、最も強い公権力行使が許されるとされてきたものの一つがパンデミックである。
経済活動を含む社会の安全や秩序を維持し、社会の受けるダメージを最小化することは国家の責務である。このような観点から見れば、公権力を実際に行使するか否かはともかく、多くの国民の生命を守るために必要ならば、国家が国民の行動を規制し、それを罰則をもって担保することも認められるはずだ。
変異ウイルスが猛威を振るうまでは感染力も致死率もそれほど高くなかったため、欧米諸国と異なり、わが国はロックダウンせず、「要請」すなわち「お願い」によって国民の行動変容を実現しようとした。
当初は、それでも多くの国民が自粛し一定の効果を挙げたが、それが繰り返され国民の学習が進むと「要請」だけでは効果がなくなってくる。今年2月の感染症予防法や新型インフルエンザ等対策特措法の改正に当たって、原案には強い罰則規定も入れられていたが、各方面からの反対で後退した。本人の責任ではない感染に対して、入院勧告を拒否した者に刑事罰を適用することは、過剰な権利侵害の可能性があるといった議論がなされた。
罰則適用の有無、程度は権利侵害の観点から判断されるべきことはいうまでもない。しかし他方では、行動規制における目的達成のために有効であるかという観点からも判断されなければならない。軽微な規則違反や、違反に合理的な理由がある場合にも、何が何でも一律に罰則を適用するということは、法執行の観点から想定されていないし、現実にもありえない。
確信犯的なルール破りを防ぐ罰則とは
英国の行政学者、クリストファー・フッドによれば、ルールで一定の行為を禁止した場合、ルールを周知し、その遵守を要請するだけで、多くの市民はその要請に応じて行動を自粛し、我慢してルールを守る。しかし、ごく一部の者は、ルールの規定や要請にはお構いなしにルールを無視し、自分のしたいように行動するという。
そのような場合、ごく少数とはいえ、そうした不心得者が何の制裁も受けなければ、ルールを守っていた多くの市民も自分たちだけが我慢することがバカバカしくなり、ルールを無視するようになる、という。
これは、社会の多くの場面でみられる経験則だ。ルールに違反している者が得をして、ルールを守ったものが損をする、つまり「正直者がバカを見る」状態を許容していたのでは、健全な社会は形成できない。
そのような時に国家がなすべきことは、正直者がバカを見ないように、確信犯的にルールを無視する一部の輩を確実に捕まえ、厳しく罰することである。それが正義というものだ。
そして、それを行うためには、罰則規定のある法律が必要である。罰則が定められたからといって、すべての違反者にそれが適用されるわけではなく、また適用すべきではない。だが、法律に罰則規定がなければ、民主主義の国家においては、いかに悪質なルール違反であっても処罰することはできない。
第1回目の緊急事態宣言の時は、未知の感染症という恐怖もあり、要請というクスリも比較的よく効いた。しかし、4回目ともなると、それだけでは効果は期待できない。ワクチンの効果がもたらされるまでは、たとえ副作用があるとしても、即効性があり強力な効果が期待できる方法を上手に使い、少しでも早くこの状態から脱出することをめざすべきではないだろうか。
これまでの方法より少し強いだけのクスリで対策を強化するといっても、国民に「耐性」がついてしまえば、完全にウイルスを封じ込めることができず、再び感染が拡大することになる。そうなってしまえば、次はさらに副作用の強い、より強力なクスリを処方しなければならなくなる。そのようなことを繰り返していると、その時に社会へ与えるダメージは、今よりもっと大きくなることは間違いない。
「補償なくして休業なし」の筋が通らない理由
このように、感染の拡大を抑えるためにはある程度の副作用もやむを得ないと述べると、休業を強いられ、経営が成り立たなくなる企業や事業者は、それならば補償をせよと要求する。補償はもちろんすべきだが、十分な補償がなければ休業できないという理屈は筋が通らない。
十分な補償なくして私権の制限はできないからそのまま営業の継続を認めるというのであれば、感染はますます拡大し、医療崩壊が起こり、最終的には人は街に出なくなって人流は減少してしまうだろう。こうなったら事業の継続も、経済の維持もできなくなり、元も子もない。最低限、ワクチンの効果が現れるまでは、何よりも人の接触を減らし、感染の収束を図ることを優先すべきである。この1年余の経験の分析から抑えるべきポイントも絞られるはずだ。必要ならばターゲットを絞り、私権の制限も厭うべきではない。
コロナ禍は、われわれの社会や経済に甚大なダメージを与えた。交通、観光、飲食店やデパート等の産業には、壊滅的ともいえる影響を与えている。しかし、テレワーク、オンライン会議やオンライン授業が推奨され、Eコマースが拡大した結果、過去最大の収益を挙げた業種もある。コロナ禍は、必ずしも経済全体、全業種に同じようにダメージを与えたわけではない。
それならば、突然降りかかった災厄であるのだから、社会全体でダメージの最小化を図るべきではないか。収益の増えた企業に負担を求め、再分配によって落ち込みの激しい業種の救済を考えるべきではないか。それも正義の実現といえよう。
だが、このような制度を実現するのは容易ではない。そこで当面は、経済学者の言う理想的な方法──すなわち、経営が苦しくなった企業には必要な融資を行い、コロナ禍が収束したのち、収益が回復した企業から応分の返済を求め、回復できない企業には返済を猶予するという方法を採用してはどうか。これは、卒業後、就職して収入が一定額を超えるようになってから、貸与した奨学金の返済を求めるというオーストラリアの奨学金制度で採用されている方式だ。
ただし、この方式を導入するためには、融資を受けた企業の収益や経営状態について、詳細で正確なデータを収集する仕組みの存在が前提となる。まさに、マイナンバー制度を含めデジタル化の推進による社会の実態把握の仕組みが役立つ分野だ。この点でも、わが国は改革が必要である。
ウイルスが変異するとともに、国民の認識や行動形態も変化する。早期の収束を実現するために、狭い意味での私権保護という考え方の呪縛を離れて、国民の生命と健康を守るために有効な策を柔軟に検討することが必要だと思う。

●兵庫の新規感染者、「第3波」終了時の5倍 宣言解除見通せない 5/30
5月末を期限としていた3度目の緊急事態宣言が、兵庫県を含む9都道府県で6月20日まで延長される。兵庫県の新規感染者数(直近1週間の1日平均)は発令日から1カ月余りで4分の1以下に減少しており、一定の成果が見られる。だが、第4波は感染者数のピークが第3波の2倍に拡大しており、現在も前回宣言終了時の20人台の5倍に上る。いまだ解除を見通せない状況だ。
第3波のピーク時の1月13日に発令された前回の宣言は、1週間の感染者が1日平均250人前後で10日間続いた後、右肩下がりになった。宣言期間の終盤は20人台まで落ち着き、3月1日に解除された。
その後、変異株が流行する過去最大の第4波が到来。3度目の発令となった今回宣言では4月28日、第3波のピークの2倍となる517・6人に達した。その後は増減を繰り返しながら下降傾向に。5月14日からは16日連続で減少している。
29日時点の感染者数は、前回宣言期間と比較すると中盤ごろに当たる。当時は25日後に宣言が解除されており、今回も残り期間はほぼ同じとなっている。
政府の分科会による感染状況の指標で見ると、兵庫県は今月23日、1週間の人口10万人当たり感染者数が25人を切り、「ステージ4(爆発的感染拡大)」を脱した。29日には15・1人になり、15人以上の「ステージ3(感染急増)」も間もなく下回りそうだ。
田村憲久厚生労働相は解除判断について「ステージ2(漸増)が見据えられるところまで下がっているかを勘案する」としている。
兵庫県の井戸敏三知事は28日の会見で「宣言当初は医療崩壊につながりかねない状況だったが、落ち着いてきた。リバウンド(再拡大)をしないような状況を目指す」と述べた。

●緊急事態宣言中の外出予定 若い世代の75% 都の調査 5/30
緊急事態宣言の期間中、不要不急の外出自粛を呼びかけている東京都が若い世代を対象に行った調査で、宣言中に通学や仕事以外の外出を予定している人がおよそ75%にのぼりました。
都が今月17日から2日間、都内に住む15歳から39歳までを対象にインターネットで行った調査では1300人から回答がありました。
緊急事態宣言の期間中、通学や仕事以外での外出予定は1週間に何日ぐらいあるか尋ねたところ「外出予定なし」が25.2%だった一方、「週1日」が27.7%、「週2日」が19.2%など、およそ75%が外出を予定していました。
目的を複数回答で尋ねたところ「買い物」が70.2%と最も多く、「散歩や運動」が40.8%、「店舗や屋外での飲食」が21.8%、「友人・家族などと会う」が18.0%でした。
さらに、外出の理由を選択肢を3つまで選ぶ形で尋ねたところ「不要不急の外出に当てはまらないと思ったから」が最も多く34.6%でした。
また、ことし路上や公園で飲み会をしたかについては「やったことはないし、今後もやらない」が83.0%だった一方、「よくしている」と「やったことがある」があわせて10.5%でした。
都は「若い世代への効果的な呼びかけをさらに検討していきたい」としています。

●緊急事態宣言延長決定から一夜明け カーテン閉め酒提供の店 5/30
緊急事態宣言が6月20日まで再延長されることが正式決定して一夜明けた29日、東京都内の飲食店からは落胆と怒りの声が漏れた。
都では百貨店などの大型商業施設に対する休業要請を緩和する方針を決めたが、引き続き酒類を提供する飲食店には休業要請し、それ以外の飲食店には午後8時までの時短営業を求めている。
杉並区内で60年以上営む居酒屋の女性店主は、宣言の再延長に「またかという気持ち」と肩を落とした。売り上げの半分を占める酒類を提供できないため、平日昼のランチ営業に切り替え、週末におつまみを販売してしのいでいる。
近所には午後8時になると閉店を装ってカーテンなどを閉め、隠れて℃類を提供する店もあるという。やった者勝ち≠ニも取れる状況に、「国や都の対策には抜け道があるのでは。こっそりお酒を出している店が協力金を受け取らないように、きちんと精査してほしい」と怒りの声。東京五輪の選手村では酒類の持ち込みが可能とも報じられているが、「選手村だけが持ち込めるのは納得がいかない」と首をかしげた。
同区のあるカフェ&バーでは、夜のバーの営業を休み、コロナ禍になる以前から実施している持ち帰り用の生ビールの販売を継続。男性店主は「もうけにはならないが、今は居酒屋などで生ビールを飲めない分、せめて少しでも楽しんでもらえたら」と苦肉の策≠明かした。買ったビールを店先で飲んでいる女性客の姿もあった。

●緊急事態宣言延長後初の週末札幌 観光名所も人出少なく 5/30
緊急事態宣言の延長決定後初めての日曜日。北海道札幌市では5月30日も新型コロナウイルスの感染者が160人を超える見通しです。
札幌の中心部は人の流れもまばらです。
緊急事態宣言の延長に伴い、札幌市内では公共施設や、一部の大型店舗などで休業期間を延長する動きが相次いでいます。
また北海道外からの訪問を極力控えるよう呼び掛けられる中、多くの観光客が訪れる二条市場では・・・
二条市場の人:「人は全然いない、ほとんど0に近い。6月20日までですよね…。結構この状態が続くと痛いですね」
二条市場の人:「どうやってやったらいいか分からない。仕入れもできないし。検討つかない」
札幌市では30日、新たに新型コロナウイルスの感染者が160人を超える見通しで、依然高止まりが続いています。

●岐阜市独自の緊急事態宣言、20日まで延長  5/30
岐阜市は二十九日、期限を三十一日までとしていた市独自の緊急事態宣言について来月二十日まで延長することを決めた。県に適用されている「まん延防止等重点措置」が二十日まで延長されたことを受けた。
ぎふメディアコスモスや岐阜城など市施設の休館をはじめ、市の催しの中止、延期といった対策を継続。高齢者施設への予防的PCR検査の実施や、営業時間短縮要請に応じない飲食店への働きかけも続ける。
この日、市役所で対策本部会議があり、柴橋正直市長は、三密(密閉、密集、密接)の防止に触れ、「変異株は感染力が強い。一つの密であっても徹底的に避けてほしい。新規感染者を減らすため、市民の皆さんにご理解いただきたい」と呼び掛けた。
市民病院の冨田栄一病院事業管理者は、ワクチンを接種してもコロナに感染する例があるとして、油断せずに感染対策を続けるように求めた。

 
 

 


●緊急事態宣言10都道府県 30日の人出 東京や関西で増加目立つ  5/31
緊急事態宣言が出されている10の都道府県の30日の人出は、東京や関西の3府県では前の4週間の土日祝日の平均と比べて増加する地点が目立ちました。
NHKは、IT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使って、緊急事態宣言が出されている10の都道府県の主な地点の人の数を分析しました。
分析した時間は、日中が午前6時から午後6時まで、夜間が午後6時から翌日の午前0時までです。
それによりますと、30日の人出は前の4週間の土日祝日の平均と比べて、東京駅付近は、日中は7%増加、夜間は21%増加、渋谷スクランブル交差点付近は、日中は43%増加、夜間は86%増加、大阪 梅田駅付近は、日中は17%増加、夜間は14%増加、神戸市の三ノ宮駅付近は、日中は21%増加、夜間は34%増加、京都駅付近は、日中は10%増加、夜間は19%増加し、東京や関西の3府県ではいずれも増加しました。
一方、それ以外の地点では減少が目立ちました。札幌駅付近は、日中は42%減少、夜間も60%減少、名古屋駅付近は、日中は1%減少、夜間は逆に12%増加、岡山駅付近は、日中は27%減少、夜間も32%減少、広島駅付近は、日中は30%減少、夜間も41%減少、博多駅付近は、日中は17%減少、夜間も31%減少、那覇市の県庁前駅付近は、日中は48%減少、夜間も96%減少しました。

●緊急事態宣言、6月20日まで延長…USJなどレジャー施設は再開 5/31
東京都など9都道府県に発令している緊急事態宣言の期限を6月20日まで延長することが正式に決まったが、レジャー施設や百貨店などの業界では6月1日以降、営業を再開する動きが相次いでいるという。
きょうの毎日が1面で取り上げているが、それによると、東京都などの美術館や映画館も営業が可能になるほか、レジャー施設の集まる東京スカイツリータウンでは、一時休館していた「すみだ水族館」が6月から営業を再開する。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)も、平日の営業を再開し、土日は臨時休業を継続する。
ただ、オリエンタルランドは、運営する東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの現行の時短営業を6月20日まで継続するそうだ。
こうした中、NTTドコモがまとめた昨日(5月30日)午後3時時点の人出が、全国の主要駅や繁華街計95地点のうち、6割弱の54地点で前週23日から増えたという。
緊急事態宣言の期限延長が決まった東京都や福岡県などでは増加地点が目立った一方、沖縄県では全3地点いずれも減少。ただ、新型コロナ感染拡大前の休日平均と比べた東京・銀座の人出は21,6%減したものの、前週からは4.8ポイント上昇。大阪府では梅田や難波はそれぞれ3.2ポイント上がったという。
また、愛知県は名古屋駅、栄駅で上昇。広島駅や岡山駅、福岡県の天神も前週を上回ったという。今回決まった緊急事態宣言の延長が「なぜ、6月20日までなのか」という、東京五輪開催か中止かもはっきりしないモヤモヤした気分のまま、再び我慢の3週間に突入する。

●緊急事態宣言によるテレワーク本格化のその後-- 5/31
ブイキューブは、「ニューノーマルな働き方におけるWeb会議の実態調査」を実施。その結果を5月26日付けで公開した。
これは2020年に緊急事態宣言が発令しテレワークを活用した働き方が本格化した“その後”をテーマに、第1回緊急事態宣言(2020年4〜5月)と第2回緊急事態宣言(2021年1〜3月)の期間における働き方を比較。ウェブ会議利用の実態と、ニューノーマル時代のオフィスのあり方に関する調査したもの。対象は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県のいずれかに居住する、第1回・第2回の緊急事態宣言期間中の両方で月1回以上のウェブ会議を行っていた会社員498名で、4月にインターネットを通じての調査としている。
まずウェブ会議の頻度と出社形態について、新型コロナウイルス流行前と比べ、80.3%の人はコロナ流行後にウェブ会議の頻度増加を感じているという。
第1回と第2回の緊急事態宣言期間で出勤形態がどうだったかを質問したところ、完全またはほとんど出社なしの「原則テレワーク」で働く人は、第1回宣言時には42.2%だったところ、第2回宣言時には27.5%と、1年で約15ポイントの減少が見られた。一方で、「テレワーク・出社併用」で働く人は、第1回宣言時の40.8%から第2回宣言時に51.6%、「原則出社」で働く人は、第1回宣言時の17.1%から第2回宣言時に20.9%と、いずれも増加傾向が見られたとしている。
第1回と第2回の緊急事態宣言期間でそれぞれ、オフィスの自席または会議室以外のフロア内でウェブ会議をしたことがあるかどうかを質問したところ、第1回宣言時には「ある」が66.7%だったのに対し、第2回宣言時には「ある」が71.2%に上昇。1年で自席やオフィスフロア内でウェブ会議をしている人が増加傾向にあるとしている。
第1回と第2回の緊急事態宣言期間でそれぞれ、オフィスの自席または(会議室以外の)フロア内でウェブ会議をしたことがある人に理由を聞くと、いずれの期間でも「会議室が足りないから」が4割超、次いで「周囲に人がいなかったから」、「会議室を一人で専有するのは気が引けるから」という順番に。働き方としてWeb会議の頻度が増加し、また出社揺り戻しの傾向もある中で、オフィスフロアにおいてはウェブ会議を行うための会議室不足の問題があり、この問題が1年間解消されていない現状がうかがえると指摘する。
第1回と第2回の緊急事態宣言期間でそれぞれ、オフィスフロアで周囲の人がウェブ会議しているのを「うるさい」と感じた経験の有無を聞くと、第1回では「ある」人が47.9%、第2回では46.5%という結果になり、いずれの期間でも約半数の人が周囲で行われるウェブ会議をうるさいと感じていると指摘する。
ニューノーマルな時代においてオフィスに期待することを質問したところ、「ソーシャルディスタンスが確保されている」で49.4%、ついで「ウェブ会議用のスペースがある」44.4%、「ディスプレイや椅子などのハードが整っている」42.8%と続く。新型コロナによってテレワークの本格化やウェブ会議頻度増など働き方の変化が著しいなかで、オフィス環境における要望にも新たな傾向が出てきているとまとめている。

●発出・解除を繰り返す緊急事態宣言「1年間何をしていたのか」 5/31
政府は4月23日、3度目の緊急事態宣言(4月25日〜5月11日)の発出を決定した。翌日の『日本経済新聞』朝刊に、「1年間何をしていたのか」という刺激的な題名のコラムが掲載された。欧米に比べて感染者数が少ないにもかかわらず、医療崩壊がおきつつあることへの不満を、政府、自治体、医師会へ、ぶつけたものだ。「1年間何をしていたのか」というもやもやとした疑問は国民に広く共有されている。
なぜ、ワクチン接種率が先進国最低なのか。なぜ、緊急事態宣言が何回も必要になるのか。なぜ、水際対策は失敗を続けているのか。そして、オリンピック・パラリンピック(以下、オリパラ)を開催すべきなのか。
日米のワクチン接種事情の違いについては、先月、先々月の本コラムで書いたので繰り返さないが、一言だけ付け加えると、新型コロナウイルスの10万人あたりの感染者数は、欧米印ブラジルなどに比べると、日本は非常に低い。そもそもこのような状況で、欧米並みの科学的な治験はできない。日本国内での臨床試験の要求は、接種開始を数カ月遅らせただけだ。
さらに、いよいよワクチンが国内に入ってきても、接種する医師、看護師が不足している。問題解決のためには、接種できる資格の範囲を広げる必要がある。米国のように薬剤師が接種できるようにする、あるいは、潜在看護師(全国で70万人といわれている)を自治体が直接臨時雇用することも考えるべきだ。現在、政府の方針は、既存の医療機関に接種会場への医師・看護師の派遣を要請することだが、通常診療に悪影響がでる、と批判されている。
今回の緊急事態宣言では、飲食店に時短営業、酒類提供の自粛、カラオケ自粛を要請、さらにイベントを無観客にする、大規模商業施設の休業を要請している。不要不急の外出の自粛については、昨年の緊急事態宣言に比べると、効果は見られない。
これまでマスク着用、手指消毒、3密回避など感染対策をしてきて問題なかったので、外出、買い物、ランチ程度はリスクが低いと判断をしている人が多い。また、多くの会社も出勤者割合の減少(テレワーク推奨)に、前々回ほど真剣に取り組んでいない。多くの人が外出しているのを見て、自分だけ自粛することはない、という同調意識も働いている。
強制力のない自粛要請に従うのは、ほかの人が従っているから、という社会規律で、いったん抜け駆けが始まるともろくも自壊する。強制力や罰金のない自粛要請では、限界が見えてきた。
緊急事態宣言の発出・終了を繰り返す政策自体が、国民の信頼を失っているように見える。いっそのこと、外出禁止を「強制」すれば、社会規律は回復される。例えば、2週間は飲食店も全面休業(持ち帰り、配達はOK)、エッセンシャル・ワーカー以外は外出禁止、という昨年のニューヨーク並みの外出禁止令を試してみるのもひとつの手かもしれない。
国民全員が、2週間家族以外との面会を断てば、感染は劇的に減少するはずだ。日本では、そのような外出禁止の法的根拠がない、というのが、標準的な反論だが、それこそ「1年間何をしていたのか」ということになる。
何より残念なのは、ここにきてオリパラ開催反対の意見が増えていることだ。オリパラを成功させるために我慢して感染を抑えよう、という力が働くのではないか、と思っていた。しかし、オリパラに錦の御旗効果はなく、医療がひっ迫しているなかでオリパラを開催して、そちらに医師・看護師を取られるのはとんでもない、という声のほうが強くなってきた。大会期間中の医師200人と看護師500人をボランティアで募集・派遣要請したことは、さらに反感をあおっている。なぜ、潜在医師・看護師の臨時雇用を計画しないのか。
外国人観客は禁止したものの、選手、スタッフ、報道関係者は入ってくる。変異株を持ち込まれるのも怖い。外国選手やスタッフにしても、感染者が拡大している東京に行くのは嫌だ、という声もあるかもしれない。開催2カ月前になっても、日本人選手・外国人選手及びスタッフの行動範囲(宿舎と会場の行き来)をいかに感染地域から隔離(グリーンゾーン)するかが明示されていないのも、不安だ。

●3度目の緊急事態宣言下、自動車・公共交通の検索が減少--- 5/31
ナビタイムジャパンは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染拡大前から現在における、経路検索数や目的地検索の変化を分析。3度めの緊急事態宣言下、自動車・公共交通の検索が減少していることが明らかになった。
分析では、2020年2月3日〜2021年5月16日までの期間を対象に、「NAVITIME」、「カーナビタイム」、「自転車NAVITIME」他から同意を得て取得した経路検索条件データを活用。緊急事態宣言発令期間やその前後、ゴールデンウィーク(GW)期間における目的地検索等の変化を検証している。
検索件数を交通手段別(自動車/自転車/公共交通)に集計したところ、1度目の緊急事態宣言期間中(2020年4月7日〜5月25日)は、自動車および公共交通の検索数が減少している一方、自転車が増加傾向に。解除後は自動車と公共交通も回復傾向だが、11月頃から年末年始にかけて一時的に減少している。一方、2度目の緊急事態宣言期間中(2021年1月8日〜3月21日)は、いずれの検索数も宣言前と比較して増加傾向。3度目の緊急事態宣言期間中(2021年4月25日〜)は、自動車および公共交通は減少傾向だが自転車は増加しており、特にGW期間の検索数は2020年に比べて約1.5倍増加している。
次に、自動車利用を対象として目的地の検索数をジャンル別に分析。お出かけに関する6つのジャンル「生活用品/日用品」「ショッピングモール/商店街」「レジャー/アウトドア」「スポーツ」「映画/劇場/ホール/ライブハウス」「宿泊/温泉」ごとに、週次の検索数を集計した。
1度目の緊急事態宣言期間中(2020年4月7日〜5月25日)は、「生活雑貨/日用品」以外の検索数が軒並み減少している。その後2020年8月〜10月頃にかけて「レジャー/アウトドア」「ショッピングモール/商店街」が一時的に増加しているが、年末年始から2度目の緊急事態宣言期間(2021年1月8日〜3月21日)に入ると一転して減少傾向。一方、2021年のGW期間は2020年に比べて「レジャー/アウトドア」や「ショッピングモール/商店街」が増加傾向となっている。
2020年および2021年のGW期間を対象に、自動車利用での目的地として検索された人気スポットをランキング化したところ、2020年のGW期間は、「コストコ」や「イケヤ」など、29位中13件が「生活雑貨/日用品」に関する大型商業施設となった。一方、2021年のGW期間は、自動車でアクセスしやすいアウトレットなどのショッピングモールや「国営ひたち海浜公園」「あしかがフラワーパーク」「マザー牧場」など、季節的にも人気な屋外スポットが多く検索されている。

●福岡県への緊急事態宣言延長 スポーツクラブ再開へ 5/31
福岡県などに発令されている新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が、6月20日まで延長されることになった。県は引き続き大型商業施設への土曜・日曜の休業や酒類を提供する飲食店への休業を要請することにしており、事業者は対応を進めている。一方、土日休業の対象から外れる大型スポーツクラブでは、営業を再開する店が出てくる。
大型スポーツクラブは1日以降、土日休業の対象外となる。大手のルネサンスは県内の商業施設に入居する1店舗で、土日の営業を再開する。
床面積が1千平方メートル超の百貨店やショッピングセンターなどの大型商業施設は生活必需品を除き、土日休業が求められる。岩田屋三越(福岡市)は食品と化粧品、衣類など一部売り場を除き休業する。午後7時までの営業時間は午後8時までに戻す。ただ、ある百貨店関係者は「6月からは中元商戦が始まる。休業は正直厳しい」と打ち明ける。
一方、福岡市の大型商業施設、キャナルシティ博多は「生活必需品の線引きが難しい」として、引き続きテナントごとに判断を委ねる。
県内の飲食店では宣言延長に伴い、時短営業を継続する企業が多い。豚骨ラーメン店「一風堂」を展開する力の源ホールディングスは、午後8時までの時短営業を続ける。担当者によると現在の客数はコロナ前の3〜4割減程度だが、過去2回の宣言時よりも多く「地方のショッピングセンターに入る店などで客が戻ってきている」という。 ・・・

●百貨店など平日は営業、映画館は人数制限つきで再開…宣言延長  5/31
新型コロナウイルス対策で発令されている緊急事態宣言が9都道府県で6月1日、延長期間に入る。酒類を提供する飲食店などへの休業要請などが維持される一方、東京と大阪では百貨店や映画館などに対する営業制限が一部緩和される。
宣言が延長されるのは、北海道と東京、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、福岡の9都道府県だ。5月23日に追加された沖縄と合わせ、10都道府県で宣言の発令が続く。宣言に準じた対策が可能な「まん延防止等重点措置」も、埼玉と千葉、神奈川、岐阜、三重の5県で適用が延長された。期限はいずれも6月20日まで。ほかに重点措置が適用されている群馬と石川、熊本の3県の期限は13日までとなっている。
今回の宣言で2回目の延長となる東京都と大阪府は、独自の措置として行ってきた百貨店など床面積1000平方メートル超の大規模商業施設などへの休業要請を緩める。百貨店への休業要請(生活必需品売り場を除く)は土日に限り、平日は営業時間を午後8時までに短縮して全館営業することを認める。映画館についても、人数制限などの条件付きで再開を認めるが、大阪府は土日の休業要請を続ける。イベントについても、府は土日は無観客開催とする。
内閣官房のデータによると、宣言下の10都道府県では5月30日時点で、全患者の病床使用率が8道府県で最も深刻な「ステージ4」(50%以上)の状態にある。直近1週間の10万人あたりの新規感染者数も、東京をはじめ6都道県で「ステージ4」(25人以上)の水準だ。

●石垣市が独自の非常事態宣言 市内の小中校も臨時休校へ 5/31
沖縄県石垣市は31日、市独自の新型コロナウイルス非常事態宣言を出した。全市民に対し、症状の有無にかかわらず、6月1日から15日までの2週間は「自宅待機を強くお願いする」と求めた。
市内の小中学校は、6月2日から13日まで臨時休校とする。市内の県立4学校についても、県教育庁は市の要請を受けて臨時休校とする方針。低学年の児童など、どうしても家庭で子どもをみることができない場合は、学校へ相談の上、個別に対応を検討する。
市内の公立幼稚園、公立子ども園も同じ期間、臨時休園する。認可保育所は、家庭内保育の要請をした上で、市が保育の必要性を認定している(2号・3号認定)の園児は従来同様の受け入れを行う。
市は非常事態宣言で、食料品・生活必需品の入手や、急を要する医療機関の受診、新型コロナウイルスのワクチン接種、どうしても外出を要する仕事などの必要な場合を除き、外出を厳に慎むよう求めた。
八重山保健所管内では31日、1日あたりの報告では最多となる35人の新規感染を確認した。直近1週間の人口10万人当たりの新規陽性者は211・86人となり、全国最悪の数値となっている沖縄県内の124・83人より多い。

●緊急事態宣言再延長へ 各地の動きは 営業再開に向けた準備も 5/31
緊急事態宣言、大阪、兵庫、京都の3府県では6月1日から再延長されます。期間は6月20日まで。具体的にどう変わるのか、まず、6月1日から平日の営業を再開する地下街では準備が進んでいます。
梅田の地下街 再開準備進む
緊急事態宣言が6月1日から再延長される一方、大阪府ではデパートや商業施設への要請を一部緩和しました。
大阪・梅田の地下街のアパレル店では営業再開に向けた準備が進められていました。
大阪・梅田の地下街、「ホワイティうめだ」にある婦人服店「nooto梅田店」です。
3度目の緊急事態宣言が出された4月25日から休業していました。
大阪府の要請が一部緩和されたことで平日は午後8時まで営業ができるようになり、店では1日から営業を再開することにしています。
この1か月閉まっていたシャッターを半分ほど開けて従業員が床を磨くなど清掃作業を行っていました。
店頭のマネキンにはこれまで長袖のパーカーやニットがかけられていましたが、従業員は夏物の薄手の洋服に着せ替えていました。
ただ、営業再開が急に決まったため夏物衣類の品ぞろえは十分ではないといいます。
「nooto梅田店」の販売担当、木村博江さんは「かき入れ時の大型連休中や母の日の期間に営業ができずに厳しかったため、1日でも早く営業を再開してお客様を出迎えたい」と話していました。
「ホワイティうめだ」では、今の緊急事態宣言が出された4月25日からおよそ180のテナントすべてが休業してきましたが、準備が整った店舗は1日から、地下街全体では6月3日から営業を再開する予定だということです。
デパート 社員は複雑な心境語る
人の流れを抑制するためとして休業要請に応じてきた大阪のデパートは、6月1日から、平日は全館での営業を再開します。
大手デパートに勤務する社員は、雇用が守られるとして歓迎する一方、多い日で10万人の買い物客が訪れるデパートの営業拡大は、人の流れを生み出すきっかけを作ってしまうのではと複雑な心境を語りました。
取材に応じたのは大手デパートに勤務する女性社員です。
6月1日から大阪のデパートが時短を続けるものの平日は、全館で営業を再開させることについて、「契約社員として働く人の雇用も守られるし、経営の面では大変ありがたい」と歓迎しました。
一方、大手デパートが全館で営業すると多くの場合、一日で数千人規模の従業員が出勤し、来店客は多い日で一日10万人、少ない日でも1万人を下回ることはないと指摘し、デパートの営業が人の流れを生み出すきっかけとなるのではと懸念しています。
社員は、「ことし4月の緊急事態宣言の直前は、お客様で密な状態になっていて働いていても不安を覚えるぐらいだった。1か月以上、百貨店が閉まっていたので、お買い物をされたいというお客様の気持ちもあるだろうし時短とはいえ、開ける事によって、どっとお客様が来られるのではないかと心配だ」と話し、複雑な心境を吐露していました。
そのうえで、屋外のテーマパークなどでは、入場者の人数が制限されていることに触れ、「百貨店は特にお客さまの数に制限がないのでちょっと矛盾ではないかと思います」と話し、客が売り場を回って買い物を楽しむデパートでは入場の予約や制限などの対策は簡単ではないとしながらも、業界として検討してはどうかと話していました。
大阪 北新地の老舗クラブは
緊急事態宣言が6月20日まで再延長されたことについて、休業が続いている大阪・北新地の老舗クラブからは「抵抗のしようがなくしかたがない」という声が聞かれました。
大阪・北新地で50年以上続く老舗クラブ、「クラブ山名」では、酒類を提供する飲食店などに休業を要請する今回の緊急事態宣言を受けて、4月25日から休業を続けています。
府からの要請が出されるたびに休業や時短の要請には応じ続けてきていますが、1年以上、苦しい状況が続いているということです。
宣言が延長されたことで、休業の要請には今後も応じるつもりですが、先行きが見通せず、限界もあると感じています。
経営者の山名和枝さんは「抵抗のしようがなく、我慢の毎日となっていますが、しかたがないという諦めの心境です。宣言が解除になれば接待に使いたいという温かいことばをいただいているので、それを楽しみに過ごしています」と話していました。
食肉の卸業者は小売りに活路
緊急事態宣言の延長に伴う休業要請が続き、飲食店に食材を卸す業者への影響も深刻化しています。
食肉卸の会社は、新たに始めた店舗での販売に力を入れ、生き残りを図ろうとしています。
大阪・八尾市の精肉店、「雪正」は、もともとは食肉の卸を専門とし、大阪などの飲食店と取り引きを続けてきました。
しかし、コロナ禍で飲食店との取り引きは減り、先月25日から始まった緊急事態宣言に伴う休業要請によって、売り上げに深刻な影響が出ているということです。
店では、商売が立ちゆかなくなるとして去年11月、ピンチをチャンスに変えたいと新たに銀行から融資を受けて、大阪・八尾市に店舗を構え小売り販売をはじめたほか、インターネットを使った通信販売もはじめ、生き残りの模索を続けています。
社長の雪正健史さん(57)は、「コロナで大変なのは、他の業界も同じ。ただ、従業員の生活もあり、融資で借りているお金も返していかなければならない。不安もあるができることは何でもやりたい」と話していました。

●緊急事態宣言再延長に飲食店悲鳴「もう限界」 5/31
東京、大阪など9都道府県の新型コロナウイルス緊急事態宣言は、沖縄県の期限に合わせて6月20日まで再延長された。昨年以来、飲食店への休業要請や時短要請も長期化しているが、頼みの協力金も審査や入金が遅れ、資金繰りに窮する店も少なくない。現場からは「もう限界」との悲鳴が上がる。
「居酒屋は日銭で食っている商売ですから、その場その場の金額がないと非常に困るわけで。無担保無利子の借り入れを切り崩しているだけで、底をついてしまったら、みんな終わりです」
こう漏らすのは、東京都千代田区の居酒屋「神田魚援団(うおえんだん)」店主の石橋宏一さん。従来、昼夜営業だったが現在はランチ営業のみでしのいでいる。
同店は1月の時短営業分について協力金を都に申請したが、実際に振り込まれたのは5月上旬だったという。サラリーマンにたとえると、「4カ月働いても給料が入らず家のローンを払って食事代もかかる」ようなものだと石橋さんは語る。
都産業労働局によると、飲食店などを対象とする「営業時間短縮等に係る感染拡大防止協力金」は1月8日〜3月31日の実施分について20万8399件の申請があったが、支給は16万7765件だった。
協力金の対象外と判定されたものもあるが、「審査は通ったが入金待ちの人もいるし、審査の過程も若干いる」と都の担当者。営業実態を確認するための書類や写真提出の手続きに時間を要することもあるという。
要請に応じた期間の後に申請する仕組みのため、4月以降の実施分については受け付けも始まっていない。
これ以上休業や時短を続けられない飲食店も増えており、前出の石橋さんは「『6月入ったらやっちゃおうよ、もう無理』という店は多いと聞く。スピード感をもって協力金を出してもらいたい」と危機感を抱く。
杉並区のラーメン店「旨辛麺かつくに」では、4月下旬の大型連休直前から休業要請に応じてきたが、5月20日から営業再開を決めた。
1〜2月分の協力金は入金されたが、3月分についてはまだ入金されていないという。店主の山崎えつ子さんは「家賃もギリギリで、仕入れもまとめて支払いとなるとかなりの金額になる。協力金を待つのにも限界がある。続けたくても続けられない方もいると思います」と語った。
企業情報に詳しい信用調査会社、東京経済情報部の森田幸典副部長は「協力金の支給にこれほどのタイムラグが生じれば事業者の『持続化』の意味合いをなさない。一律給付や手続きの簡略化を実施すれば詐欺も懸念されるので、制度設計が非常に難しい」と指摘した。

●材料値上げでラーメン業界の明暗 緊急事態宣言延長に加え・・・ 5/31
あすから6月。長引く緊急事態宣言でラーメン業界も大きな打撃を受けています。追い打ちをかけたのは、麺に欠かせないあの食材の値上げでした。
東京・渋谷にオープンした期間限定の店舗。看板メニューは、14種類ほどの食用花や旬の野菜を花束のように盛り付けたラーメンです。
「お花と一緒に食べると、シャキッとしていて面白い食感になります」(記者)
麺は2種類から選ぶことができ、健康志向の客に人気となっています。
「野菜もたくさん取りたい。これだったらサラダ感覚で食べられる」(客)
緊急事態宣言下であっても店の売り上げは伸びているといいます。しかし・・・
創業48年の街のラーメン店。緊急事態宣言の延長をうけ、6月1日から創業以来初めて無期限で休業することにしました。
「夜は中華居酒屋的な感じで使われることが多かったので、やはりお酒が出せないのが大きかったですね」(えぞ松 悟空 鈴木秀一店主)
売り上げはコロナ前と比べて7割減少。実は今、コロナ禍でラーメン店の倒産は過去20年で最多を更新するなど、大きな打撃を受けています。
「寂しいですね。見た感じ対策もそれなりにやられているので」(客)
「困ります。これからお昼どうしよっか」(客)
さらに餃子などに使われる食用油やラーメンに欠かせない業務用の小麦粉の原材料が高騰。大手メーカーは6月からの値上げを発表しています。
「従うしかないですよね。ただ物が上がるたびに値上げはできない」(えぞ松 悟空 鈴木秀一店主)
協力金も去年12月と今年の1月分がまだ入って来ておらず、休業は苦渋の決断だったといいます。外食自粛で客足も戻らないなか、こんな取り組みも・・・
「こちらの煮干しの香りが特徴的なラーメンが、なんと家で楽しめるということなんです」(記者)
煮干しのだしが人気のラーメン凪。コロナ前と比べて売り上げは今も半分程度のままだといいます。なんとか挽回しようと、去年から通販で冷凍ラーメンの販売を始めました。
「EC(ネット通販)部門も、お店の1店舗くらいの売り上げがあります。日本全国の方に食べて頂けるので続けていきたい」(凪スピリッツ 小林敦さん)
店に来ていた客は・・・ 「こういう時期なので、なかなか(外に)出ないというのもあるので、ネットで注文してというのをやってみたいかな」
苦戦が続くラーメン業界。落ち込んだ業績をどこまで“伸ばせるか” 挑戦が続きます。 

 
 

 


●9都道府県 緊急事態宣言きょうから再延長、東京都感染者260人 6/1
9の都道府県ではきょうから緊急事態宣言が再延長されました。全国ではきのう、1793人の新型コロナ感染が確認されています。
東京都がきのう発表した新たな感染者は260人で、18日連続で前の週の同じ曜日を下回りました。月曜は感染発表が少ない傾向にありますが、1日あたりの感染発表が300人を下回るのは、およそ2か月ぶりです。
このほか緊急事態宣言の対象地域では、北海道が279人で最も多く、愛知は145人。大阪は98人で70日ぶりに100人を下回りました。沖縄は142人となっています。
JNNのまとめできのうの全国の感染者は1793人で、4月5日以来、2000人を下回りました。現在、入院している感染者のうち、重症者は1349人で、80人の死亡が新たに発表されています。

●東京都 6月1日から緊急事態宣言再延長  6/1
東京都に出されている緊急事態宣言は6月1日から再延長されます。都内の感染確認の7日間平均は、前回・2回目の緊急事態宣言が解除されたことし3月21日の1.8倍と高い水準で、再延長の期間中に確実な減少につなげられるかが焦点です。
東京都に出されている緊急事態宣言は、6月1日から再延長されます。期限は今月20日までです。
都は、31日まで休業を要請してきたデパートや映画館などへの措置を緩和する一方、酒やカラオケ設備を提供する飲食店への休業要請は継続します。
都内では新たな感染確認は減少傾向ですが、7日間平均は5月31の時点で547.1人で、前回・2回目の緊急事態宣言が解除されたことし3月21日の301.1人の1.8倍と、高い水準です。
小池知事は31日、「取り組みの効果も出てきてはいるが、リバウンドは一瞬で起きるため、最近、人の流れが戻ってきていることが心配だ。夜8時までの帰宅などの取り組みを続けて欲しい」と述べ、協力を呼びかけました。
再延長される宣言の期限となる今月20日は、東京オリンピックの開幕まで1か月に迫るタイミングで、期間中に新たな感染確認の確実な減少につなげられるかどうかが焦点です。
都内では、ことしに入って、5月31日までの5か月間のうち、4か月近くは緊急事態宣言かまん延防止等重点措置の期間に入っています。
さらに、6月1日からは、今月20日までを期限とする緊急事態宣言の再延長の期間が始まります。
特に、飲食店に対する時短や休業の要請は長期化していて、宣言や重点措置以外の期間に都が独自に行った要請を合わせると、去年11月末から半年以上、続いています。

●「緊急事態宣言」延長期間に不要不急の外出や移動控えて 6/1
緊急事態宣言は1日から延長の期間に入ります。今月20日までの期間中、道は、引き続き、全道で、不要不急の外出や移動を控えるよう要請し、飲食店への時短要請などを続けるのに加え、道外からの訪問を、極力、控えるよう呼びかけています。
1日から今月20日までの期間中、道は緊急事態宣言に伴う措置として、全道で通院や食料の買い出しなどを除き、不要不急の外出や移動を控えるよう要請を続けるとともに各地との行き来で感染が広がることがないよう、道外からの訪問は極力、控えるよう呼びかけています。
部活動は原則休止として、全国大会や全道大会につながる活動に限るよう要請を強化します。
さらに、感染拡大が続く札幌市と石狩地方、小樽市、旭川市を引き続き「特定措置区域」とし、酒やカラオケ設備を提供する飲食店などには休業を要請し、提供を行わない飲食店などには営業を午後8時までに短縮することなどを要請しています。
このほかの地域では、飲食店などに対し、営業は午後8時まで、酒の提供は午後7時までに短縮することに加え、カラオケ設備は利用しないことなどを要請しています。
【宣言延長関連・措置の詳細】
1日から20日までの期間中、道は全道すべての市町村で◇通院や食料の買い出しなどを除き、不要不急の外出や移動を控えるよう要請するのに加え◇道外からの訪問は極力、控えるよう協力を依頼しています。
また◇事業者にテレワークなどを促し、出勤する人の7割削減を目指すほか◇観光施設のライトアップや繁華街の屋外広告は午後8時以降、消灯するよう協力を依頼しています。
学校では◇運動会や体育祭、修学旅行などの行事を中止や延期、縮小するよう要請し、◇部活動は原則休止として、全国大会や全道大会につながる活動に限るよう要請を強化します。
【特定措置区域】
このうち、感染者数の多い札幌市と石狩地方、小樽市、旭川市を「特定措置区域」として◇酒やカラオケ設備を提供する飲食店には休業を要請し◇提供を行わない飲食店には営業を午後8時までに短縮するよう要請しています。
◇イベントでは人数の上限を5000人、収容率を50%とし、感染予防が徹底できない場合は、無観客やオンライン配信に加え、延期または中止を検討し、参加者の直行・直帰を確保するため必要な周知や呼びかけも徹底するよう要請しています。
また◇高校や特別支援学校では分散登校やオンライン学習を実施するよう要請しています。
さらに◇ショッピングセンターなど建物の床面積の合計が1000平方メートルを超える大規模な施設では、生活必需品を除いて、平日は営業を午後8時まで、土日は休業とするよう要請し、◇道と市町村の公共施設は原則、休館とします。
【措置区域】
一方、全道のこのほかの地域では◇飲食店などに対し、営業は午後8時まで、酒の提供は午後7時までに短縮することに加え、カラオケ設備は利用しないよう要請しています。
◇イベントでは人数の上限を5000人とすることなどを要請し、感染予防が徹底できない場合は無観客やオンライン配信に加え、延期または中止を検討するよう要請しています。
また◇ショッピングセンターなど建物の床面積の合計が1000平方メートルを超える大規模な施設では、営業時間の短縮などを検討するよう協力を依頼しています。
◇道の公共施設は原則休館とし◇市町村の公共施設は感染状況や施設の目的を踏まえて順次、休館などを検討するよう協力を依頼しています。

●芸がない宣言再延長 専門家「飲食店は深夜まで営業させるべき」 6/1
東京・大阪など9都道府県に出されている緊急事態宣言が1日、再度の延長期間に突入した。先月23日から発令中の沖縄県を含め、20日まで続く。宣言が1か月を超えた東京や大阪では、人流を抑制したことで新規感染者数は減少に向かっているが、経済活動を止めたことは別の弊害を生み出している。専門家からは緊急事態宣言について「矛盾を是正せよ」との声が上がった。
緊急事態宣言の延長に突入する東京の31日の新規感染者数は260人で、300人を下回るのは4月5日以来。大阪も同98人で、100人を下回ったのは3月22日以来だ。
大阪府の吉村洋文知事は報道陣に「感染の大きなヤマは抑えられている。宣言延長になるが、感染再拡大を防いで減少を確かなものにする。逼迫している医療体制を解消していくことが重要」と府民に20日までの協力を求めた。
宣言の効果がジワリと出てきてはいるが、防災・危機管理アドバイザーで医学博士の古本尚樹氏は「宣言を出せば引き締まるといった対応で、やっていることは昨年からの繰り返し。検証を行っておらず中身がない。宣言下のエリアの住民が規制のない郊外へと移動して密を作っているといった問題も起きているのに対策もない」と指摘する。
宣言延長で東京・大阪などの独自措置が一部緩和されたが、飲食店への時短営業や酒類提供の自粛などの要請は変わっておらず、支援内容にも大きな変化はない。
古本氏は時短営業は現状、デメリットの方が多くなっているといい、「むしろ営業時間を長くして分散利用させるべき。深夜帯利用を促進して一日の流れを標準化させれば、ある程度、企業の雇用も守られる。時短一辺倒はアイデアがない」と営業時間延長を提案した。
古本氏は緊急事態宣言の最大の問題点として、業種や業態により規制や受けられる支援に差があるのに、明確な説明がなされていないことを挙げる。
「支援の網から外れた経営者や従業員は、いつまでも状態が続くことで不満も出てくるし、『生活できないから自殺しなきゃならない』といった健康問題にもつながってくる。第1波の時とは違う状況になっているし、こうした矛盾の是正を行っていかないといけない」
その上で、知事が住民に対し、さらなる“お願い”を繰り返すことに「精神論みたいな話で指摘する矛先が違う。国民はすでに疲弊しきっているし、国に向かって矛盾の是正を指摘するのが大事」と主張した。
度重なる国民の我慢の中、新型コロナウイルスは現在主流の英国株と、より毒性の強いインド株の混合とされるベトナム変異株の存在も確認されている。
加藤勝信官房長官は会見で「現時点でわが国において感染者は確認されていない」と語ったが、ベトナム変異株による“第5波”を危惧する古本氏は「先見性がない。『今は確認されていない』という話ではなく、出てくるだろうという前提で、クラスター化したらどうするかを考えないといけない。日本の行政の危機管理の甘さを示している」と斬り捨てた。
東京五輪にはボイコットしない限り、ベトナムやその周辺国の選手もやってくる。感染対策の徹底と違反者への国外退去も視野に入れてはいるが、「日本と海外の感覚は違うし、勝負の世界だから、勝利を祝って飲食店に繰り出すことも考えられる。日本は性善説で『国外退去させるから大丈夫』なんて言うけど、規制を破った人に対する罰則としては甘いでしょう。東京五輪を契機として、爆発的に日本で増える可能性がある」と懸念した。
行政トップの考えが甘いままでは、国民はずっと緊急事態宣言下に置かれることになりかねない。

●緊急事態宣言延長、休業緩和で日常へ一歩 6/1
新型コロナウイルス対策で9都道府県に発令された緊急事態宣言は1日、延長期間に入った。期間は20日までだが、休業要請は一部緩和され大阪や東京の百貨店、アミューズメント施設などが営業を再開。この日は、来春卒業予定の大学生らを対象とした企業の採用選考も本格的にスタートした。社会がそろりと動き始めたものの、気の抜けない日が続く。
大阪市此花区のテーマパーク、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は1日、約1カ月ぶりに営業を再開。従業員は「おまたせしました! おかえり」などと書かれたボードを持ち、手を振りながら笑顔で来場者を迎えた。
6月中の営業時間は午前10時〜午後6時。当面は入場者の上限を5千人とし、土日は休業を続ける。園内の全レストランのテーブルにはアクリル板を設置し、入場ゲートで検温するなどの感染対策を徹底する。
4月25日から無観客開催を要請されていた大阪の演芸場も1日、観客を入れた公演を再開した。
約900人収容の吉本興業直営の劇場「なんばグランド花月」(NGK、大阪市中央区)では、客席の使用を半分にして再開。ただ、午前11時からの初公演に訪れたのは、30人ほど。
月に1度はNGKを訪れるという東京都内の会社員の男性(30)は「芸人さんを応援したい気持ちで感染対策もしっかりして来た。臨場感を考えると生の舞台の方がいい」と話した。
4月25日から休館していた上方落語の定席(じょうせき)「天満天神繁昌亭(てんまてんじんはんじょうてい)」(同市北区)も午後2時開演の「昼席」から再開。「夜席」も含め平日のみの開催で、客席(216)の使用は半分以下の102席に制限する。
また、午後からの「昼席」で再開の寄席小屋「動楽(どうらく)亭(てい)」(同市西成区)も、客席は半分の50席に制限。人の流れに大きな影響はないとして、5日から土日も開業する。
休業要請が緩和された百貨店が、売り上げ回復の期待をかけるのがお中元商戦だ。この日、ギフトセンターを開設した大阪市北区の大丸梅田店では、午前11時の開店とともに、マスクを着けた来場客が会場を訪れて熱心に贈り物を選んでいた。
大阪市福島区から訪れた飲食店経営の女性(55)は「コロナで会えていない親戚に心配をかけないよう、毎年贈っているお中元を探しに来た」と話していた。

●再延長の緊急事態宣言、2021年上半期の2/3が発令期間に 6/1
「飲食業、事実上のロックダウン」「オリンピック関連だけ優先?」「解除基準伝わらず」
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い東京、大阪など9都道府県に発令中の緊急事態宣言は6月1日、再延長期間に入った。6月20日までとなり、2021年の上半期のうち3分の2以上の日数が宣言発令期間となった。今回の延長で、4月25日から宣言対象となった兵庫・大阪・京都・東京の4都府県は発令期間が57日間となる。
宣言の再延長に伴い、休業要請が一部緩和されたことを受け、兵庫県や大阪府にある百貨店や大規模映画館などが1日、営業を再開した。経済活動との両立を目指す中、人の流れが活発になることで感染が再拡大する懸念もある。
神戸市東灘区の主婦(60代)は「去年は最初の緊急事態宣言が解除されたのがこの時期(2020年5月末〜)。今年は宣言が再延長されて、本当ならもっと緊張感がないといけないのに、人の流れも多いし、電車の中でも、時間帯によっては、かなりの『密』で心配」と話した。
大阪市淀川区の男性会社員(30代)は「これで(緊急事態)宣言が最後とは思えない。感染者数はじわじわ減っているが、病床のひっ迫の度合いがわからず、宣言の解除の基準についても、最近の政府や行政のメッセージを見聞きしても、はっきりとしたものが伝わってこない」と嘆くが「コロナワクチンの接種が進むと、心理的には安心感が広がるかも知れない」との期待も寄せる。
西宮市の女性会社員(20代)は「東京オリンピック・パラリンピック、本当にどうしたいのか、開催ならば2か月切ったが、6月20日に宣言が解除されたとしても、世間では反対意見が大多数なのに、多くの選手や関係者を受け入れることができるんだろうか。5月11日に予定されていた宣言の解除も、聖火リレーなど関連する行事や、IOC・バッハ会長の来日に合わせていたからじゃないかと思う。でも感染者数が減ることなく延長・再延長となって、ただ時が過ぎて開幕するような感じがする」とみている。
姫路市の会社役員の男性(50代)は「姫路城での聖火リレーは当初、小学生とランナーが一緒に走るイベントだったが、公道でのリレーが中止され、舞台で聖火を受け渡す「トーチキス」を無観客に。一般の方々がいろんな対策を施して予定していたイベントはことごとく中止になっても、オリンピック関連の行事だけは『あらゆる手段を尽くして』やるんだなぁと思った」と話した。
大型施設への休業要請を受け、百貨店などは生活必需品部門を除き、4月25日から休業。経営への影響が深刻化する中、各業界が営業再開を求めていた。一方、休業要請や時短営業要請が緩和されなかった飲食業界は苦境が続く。
姫路市の飲食業男性(40代)は「結局、去年、政府分科会が飲食業がコロナ感染拡大の原因になっているという見方を示したが、日本中がそれを信じてやまなかった。今回の宣言再延長後も『お酒ダメ、営業も条件付き・時短』のまま。飲食業にとって事実上の『ロックダウン』。具体的なエビデンス(証拠や根拠)も示さず、時短営業の効果もわからないまま、1年以上の赤字。ただただ締め付けられるだけでは、要請に従わない店も出てきて当然」と嘆いた。

●宣言の再延長で規制緩和 兵庫県内の主な店舗や文化施設の対応 6/1
緊急事態宣言の再延長に伴う兵庫県の規制緩和に合わせ、県内の百貨店は1日から営業体制を変更する。県の時短要請を受け、土日は食料品や化粧品を除き休業を続けるが、平日は宣言前の通常営業に戻る店舗もある。
阪急阪神百貨店は、神戸阪急(神戸市中央区)で平日はレストラン街を除き通常営業に戻す。土日は食料品のほか、化粧品とベビー用品の売り場も営業する。三田阪急(三田市)は土日の休業を継続する。
大丸神戸店(神戸市中央区)など大丸の県内3店は、平日営業を一部除き午後8時までに延ばし、土日は化粧品や喫茶も営業する。山陽百貨店(姫路市)は平日の時短営業を継続。土日は化粧品も営業する。加古川ヤマトヤシキ(加古川市)は一部を除き、平日の営業を通常に戻す。
また、温浴施設などでも平日は午後8時までの時短営業とする店舗が増えた。神戸ハーバーランド温泉万葉倶楽部(神戸市中央区)は5月12日以降、平日午前8時〜午後7時での時短営業としていたが、感染拡大や従業員への感染リスクなどを考慮し、15日からは休業に。6月1日からは平日のみ午後8時までの時短営業で再開するが「今後の対応も状況を見て判断するしかない」と話す。
文化施設では、美術館・博物館が開館時間を通常に戻す一方、講演会や体験型の催しは延期・中止とする施設がある。映画館などは午後8時までの時短や、収容人数を50%以下に制限していたが、1日以降はほぼ通常に戻す動きが出始めた。シネコンなどは土、日曜営業を再開し、午後9時までの時短営業。定員制限は続ける。
上方落語の定席・神戸新開地・喜楽館(神戸市兵庫区)は7日から昼席を再開する。

●「もう限界」「振り回されたくない」長引く緊急事態宣言に飲食店瀬戸際 6/1
兵庫県などを対象とした緊急事態宣言が再び延長され、酒を提供する飲食店への休業要請は20日まで続くことになった。飲食店は長引く規制にしびれを切らし、「もう限界」と閉店を決める店、「もう振り回されたくない」と独自の配達サービスに乗り出したり、営業を再開したりする店など、対応が分かれている。
閉店「書き入れ時まで持たぬ」
「なんとか踏ん張ろうと思ったけど無理だった」
神戸市内で飲食店3店舗を経営する「菊兆」の東郷美弥子社長(64)がこぼす。助成金で家賃を賄いきれず、6月下旬に神戸ハーバーランドの「カルメニ店」を閉めることに決めた。
最初の緊急事態宣言が出た昨春以降、弁当や出前の提供を始め、昨秋の飲食業界支援事業「Go To イート」で一時客が戻った。だが、年末年始や年度末の宴会シーズンは宴会自粛要請やまん延防止等重点措置などで吹き飛んだ。
東郷さんは「常連さんに支えられてきたのでつらいが、次の書き入れ時の年末までは持ちこたえられない」と、ため息をついた。
今回の宣言発令直後の4月26日にグランドオープンした阪急神戸三宮駅直結の商業施設「EKIZO(エキゾ)神戸三宮」。バー「神戸サンボア」はまだ一日も店を開けられないまま、休業延長を決めた。
オーナーバーテンダーの新谷尚人さん(59)は「開店後も選んでもらえるかどうか。お客さまとのつながりがなくなるのが怖い」。同じく苦境にある酒屋のボトル販売会を催すなどして、開店の時を待つ。
「グランドオープンした実感がない」とは、5月中旬から時短営業を始めたカフェ&ビストロ「トゥーストゥースオンザコーナー」の山本真行店長。時短要請の1時間緩和で、ようやく7日から稼ぎ頭の夜メニューを提供する。
屋台でPR、弁当配達に活路
再延長を機に新サービスに乗り出す店も。JR元町駅近くの「神戸アジアン食堂バル SALA(サラ)」は再延長が決まった28日、出番のなかったイベント用屋台を引っ張り出した。
PRを兼ねて弁当の配達に使う。昨春の緊急事態宣言で店内飲食の売り上げが前年の2割に激減。以来、会員制交流サイト(SNS)での発信に力を入れ、テークアウトと通販の売上比率を4割ほどにまで高めてきたという。
酒を提供できない再延長は痛手だが、黒田尚子店長(31)は「規制に左右されない営業形態を作るしかない」と話す。
過料覚悟しびれ切らし酒提供
一方、要請に従わない店もあり、県は警戒を強める。県によると今回の宣言期間中、午後8時以降も営業したり、酒類を提供したりする21店舗に要請文書を送付した。改善されない場合は30万円以下の過料が科される可能性があるという。
三宮の繁華街ではシャッターを半分閉めながらひっそりと客を入れる店、過料覚悟で酒を提供する店など、反応はさまざまだ。ある飲食業の男性は「今は開ければ客が集まる。うちは引き続き休業するので、正直者がばかを見るのはどうかと思うが、協力金では持ちこたえられない店もある」と、複雑な心境を語った。

●緊急事態宣言 映画館やレジャー対応は?東京ディズニーランドは? 6/1
緊急事態宣言が6月20日まで再延長された。東京、大阪では映画館が再開され、USJは平日の営業を再開。宣言の対象外の千葉県にあるディズニーランドは、時短営業を続ける。
新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言の期間が、1日から20日まで延長される。一部の業種について要請が見直されることに伴い、東京、大阪で映画館が再開されるほか、百貨店など大型商業施設の多くは休業要請などが見直され、平日はほぼ通常営業に。一方、酒類を提供する飲食店への休業要請や、提供しない飲食店の時短要請は継続となる。
映画館は1日から多くが再開。TOHOシネマズ、松竹マルチプレックスシアターズ、イオンシネマなど主な大手シネコンについては、午後9時までに営業時間を短縮。大阪では土日は休業となる。
東京の百貨店では、三越伊勢丹の都内4店、そごう・西武、松屋銀座、高島屋は1日から平日は全館営業する。阪急阪神百貨店も29日、「阪急うめだ本店」「阪神梅田本店」(いずれも大阪市)などで1日以降、平日は基本的に全館営業すると発表した。ただしいずれも午後8時までに閉店し、土日は宝飾品などの売り場は原則休業する。
レジャー施設では、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)は1日から営業を再開。午前10時〜午後6時とし、来場者数の上限は5千人とする。土日は引き続き休業。一方、緊急事態宣言の対象外の千葉県にある東京ディズニーランドと東京ディズニーシーは、午前10時〜午後7時の時短営業と、来場者数を上限各5千人とする対応を、6月20日まで延長する。
東京・大阪の6月1日からの主な施設、業種の対応
【映画館】
・東京、大阪のTOHOシネマズ、松竹マルチプレックスシアターズ(MOVIX各館、丸の内・新宿ピカデリーなど)、イオンシネマ、ティ・ジョイ(新宿バルト9、梅田ブルク7など)が再開。感染対策として前後左右に空席を設けるなどして対応。営業時間は午後9時まで。大阪では土日は休業
【大型商業施設】
・東京、大阪のイオンモールは平日は午後8時まで全館営業。ららぽーとは平日は映画館を含めて、ほぼ全館で営業
【レジャー施設】
・東京スカイツリーは午前10時〜午後8時で営業を再開。展望デッキに入れるのは収容可能人数の20〜30%に制限。土日は休業、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)は午前10時〜午後6時の時短営業で、入場者数を5千人に制限。土日は休業
【美術館・博物館】
・東京国立博物館、国立科学博物館、東京国立近代美術館、東京都美術館、東京都現代美術館など、いずれも事前予約制で入場者数を制限して再開
・大阪の国立民族学博物館、大阪市立美術館、大阪市立自然史博物館、大阪歴史博物館などは6月20日まで臨時休館を延長
【飲食店】
・東京、大阪とも酒類を提供する店には休業が求められ、提供しない店には時短営業が要請される

●緊急事態宣言下の東京から山形や秋田に“越境飲み”に行く人の心理状態 6/1
「越境飲み」という言葉が新聞記事でも使われるようになってきた。緊急事態宣言が発令されている東京都の飲食店では、基本的にアルコールの提供禁止が求められている。そのため酒類の提供が禁止されていない自治体へ、わざわざ出かけて飲むわけだ。
新聞社やテレビ局などが、どんな風に「越境飲み」の言葉を使っているのか、一部の見出しから“用例”をご紹介しよう。
「禁酒逃れ、越境飲み急増 近隣地域、きょう酒類自粛要請」(産経新聞:4月28日)
「『まん延防止』拡大で飲食店は “越境飲み”は? 人出増も」(FNNプライムオンライン:4月28日)
「『飲みたい』都内から越境 酒提供の自粛要請、隣接の街は」(朝日新聞:4月30日)
同様に「路上飲み」も社会問題となっている。こちらも見出しを紹介しておく。
「“路上飲みやめて” 都内繁華街のコンビニにポスター貼って呼びかけ 店内放送でも」(NHKニュース:5月1日)
「若者『路上飲み』まん延 『時短要請は茶番』 公園に響く笑い声 『屋外安心』誤解こそリスク 新型コロナ」(西日本新聞:5月1日)
「越境飲み」や「路上飲み」のSNS拡散などを調べたネット担当記者が言う。
「Twitterの場合、『今、越境飲みをしています』や『今、路上飲みしています』と“告白”しているツイートは少なくありません。ただ、意外なことに、炎上しているケースは見つけられませんでした。もちろん『そこまでして酒を飲みたいのか』と怒っている人も相当な数に上ります。『家で飲め』と書き込む人もかなり多いですね」
スナックで怒鳴り声
そこまでして外で飲みたいのか──呆れている人が多数派というわけだ。家で飲めば周囲の目に脅える必要もない。基本的には安上がりだし、終電も気にしなくていい。
家飲みはいいことずくめのはずだが、今や都民の「越境飲み」は埼玉県や千葉県を超え、東北地方にまで及んでいるという。
神奈川・埼玉・千葉の3県では、酒類提供の自粛を求めている自治体も少なくない。「越境飲み」をしたいのなら、遠出するしかない状況にはなっている。
福島県で会社を経営している60代の男性は、出張で山形県を訪れたところ、わざわざ酒を飲みに来た“都民”に出くわしたという。
「山形県は感染者数が少なく、普通に飲み屋が営業している街もあります。地元を知る人と一緒にバーを目指して歩いていると、ガラの悪そうな男性2人がスナックから出てきたのです。そして、お店の人に向かって『二度とこんな店に来ねえぞ、田舎者!』と怒鳴っていたんです」
眉をひそめて見ていると、2人が声をかけてきたという。
コロナ感染が発生
「『この辺にどこかいい店がありませんか?』と訊いてきました。2人のうち1人は相当酔っていました。私は山形に出張で頻繁に訪れていますが、地元の人ほど飲み屋に詳しいわけではありません。答えに困っていると、男たちは自ら『東京では酒が飲めないから、山形まで来た』と話していました」(同・福島県の男性)
「本当に東京から来たのかな」と半信半疑だったが、後日、秋田県の在住者と雑談をしていると、「秋田県でも同じです」と言われたという。
「私の会社は秋田の金融機関とも取引があって、担当者と話す機会があったんです。山形でのエピソードを伝えると、『秋田にも東京の人がわざわざ酒を飲みに来ていますよ』と教えてくれました。確かに飲み屋街を歩いていると、福島でも山形でも『他県のお客さまはお断りします』と書いてある店が結構あるんですよ。やっぱり『越境飲み』で来る人が多いんでしょうね」
しばらくして再び山形県の同じ街を訪れると、意外にも飲み屋街は閑散としていたという。
「特にスナックがどこも閉まっているんです。知っている居酒屋は開いていたので、そこで酒を飲みました。後でスナックの人に『近所でコロナ感染者が出たんだよ』と教えてくれました。そのために閉めた店が多かったんですね。あの東京の2人組が感染源かは分かりませんけれど、やっぱり東京の人は来てほしくないなと思ってしまいました」
福島県民も越境飲み!?
「越境飲み」は緊急事態宣言が出ていない福島県民でも見られるという。
「地元福島の店なら遠慮なく飲めますけど、それでも飽きるみたいですね。しかし、東北本線を使って宮城県や岩手県に出ると、出張で来ている知り合いに鉢合わせてしまうかもしれない。緊急事態宣言が出ているわけではないので、移動の自粛は求められていません。それでも顔を見られるのは嫌みたいで、知人に会う可能性が低い山形県や秋田県に出るそうです。『旅の恥はかき捨て』と言いますけど、思いっきりハメを外したいんでしょう」
この男性は「越境飲み」をしてしまう人々の気持ちは理解できると言う。
「ずっと家で飲むのは我慢できないという気持ちは分かります。私だって出張先で飲んでいるわけですしね。ただ、都民の方がわざわざ山形や秋田まで飲みに来たと聞くと、ぎょっとします。テレビで毎日、東京の感染者数を見ていますから、感染拡大が怖いと思ってしまいます」
昨年、緊急事態宣言が発令された際、パチンコ愛好家の行動が“社会問題”となった。大多数のパチンコ店が営業を自粛する中、一部が開店を強行。すると隣県などから愛好家が殺到した。信じられない数の行列がテレビに映し出されたのは記憶に新しい。
「習慣化」の功罪
あの時は「ギャンブル依存」が問題となった。新潟青陵大学大学院の碓井真史教授(社会心理学)は、「『越境飲み』や『路上飲み』をしてしまう人は、アルコール依存とまでは言えないでしょう」と指摘する。
「アルコールに強く依存している人は、目を覚ますと酒を口にすることも珍しくありません。外出せず家で飲み続け、酒が切れると飲酒運転で買いに行って、警察に逮捕されるというケースは、地方都市で特に見られます。『越境飲み』や『路上飲み』をしてしまう人たちは、朝から酒を飲んでいるわけではありません」
依存が原因ではないのなら、理由として何が考えられるのか。碓井教授は「習慣を禁じられても、人間は相当な苦痛を感じるものなのです」と言う。
「昨年の緊急事態宣言ではジョギングの自粛が求められました。ジョギングを趣味にしている人は、『出社前の早朝』とか『土日は自宅近くの河川敷』などと、走る日時や場所を習慣化させている人が珍しくありません。人間は習慣化されたことを繰り返すと、気分が良くなるのです」
会社や学校に行くのが嫌だなと思うことは珍しくない。だが、毎日きちんと通勤や通学したほうが、最終的には気分が良くなるのも「習慣」の力だという。
「大義名分」の効果
越境飲みを報じるニュースを見て、「わざわざ他県に酒を飲みに行くなんて信じられない」と呆れるのが真っ当な反応だろう。とはいえ、ジョギングの自粛が求められた昨年、公園などを走っている人は少なくなかった。
「何かの理由で、都内で喫茶店の利用が自粛を求められたと仮定します。喫茶店でケーキを食べることが大好きで、それが習慣化している人は、こっそり他県の喫茶店へ向かうに違いありません。もちろん『越境飲み』や『路上飲み』が防疫上、問題のある行動なのは言うまでもありません。擁護するつもりは全くありませんが、『1日の終わりをスナックで飲んでストレスを発散する』という習慣は、なかなか止められないのが人間なのです」(同・碓井教授)
失われた“習慣”を求めて東北に出かけたり、コンビニ前で酒を飲むというわけだ。更に緊急事態宣言における「大義名分」を感じにくくなっているという背景もあるようだ。
「『大義名分』は人間の心理や行動に強い影響を与えます。医師から『タバコを止めなさい』と言われても吸い続けた人が、孫娘から『止めて』と頼まれたら禁煙したという例は珍しくありません。自分の健康などどうでもいいと思っている人でも、『家族の助言には耳を傾けなければならない』という大義名分には従うわけです」(同・碓井教授)
日本人は一丸となって新型コロナウイルスの感染予防を徹底しよう──昨年の緊急事態宣言が機能したのは、この大義名分を信じる人が多かったからだ。
「ところが、政府のコロナ対策に批判的な世論が多くなってくると、習慣を我慢できない人が増えていきます。大義名分が弱まると、『理屈付け』が容易になるからです。『オリンピックをやるんだから、路上で飲んだって平気だろう』、『山形で酒を飲めば、地元経済は潤うはずだ』と本来は正しくない行動を正当化してしまうわけです」(同・碓井教授)

●「人の多いところは避けて通勤」緊急事態宣言延長の朝 6/1
新型コロナウイルス緊急事態宣言が延長期間に入った1日朝、大阪市北区の大阪駅周辺ではマスク姿で通勤する人らが足早に行き交った。大阪府では新規感染者数は減少傾向だが、依然として病床の逼迫が続いている。
大阪府吹田市から大阪市内に通勤する60代の男性会社員は「みんなコロナに慣れてしまっているような雰囲気もあるが、人の多いところは避けて通勤している」と話し、「趣味の寺巡りができないのが残念だ」と早期の収束を願った。

●「緊急事態宣言」続く中、スーパーの売れ筋に異変 意外な商品… 札幌 6/1
緊急事態宣言が続く中、スーパーの人気商品に大きな変化が起きています。
札幌市手稲区のスーパーです。生鮮品やお酒、日用品などがズラリと並んでいますが、新型コロナの影響で、売り上げが伸びた商品と、逆に、売り上げが落ちてしまった商品があると言います。
「外出自粛が続く中、こちらののスーパーでは、今、ラーメンが人気となっています」(記者リポート)
こちらのスーパーでは、去年は、保存が効くインスタント麺が売れていました。しかし、最近は専門店を「売り」にした生麺タイプが売れていると言います。というのも、外出自粛が長引く中、お店の味を自宅で味わいたいと願う、買い物客が増えたためと見られています。
「店に行けない分だけとてもありがたい。(落ち着いたら…)美味しいのを食べたい」(買い物客)
一方、新型コロナの感染拡大が続いていることで、健康を意識した商品の売り上げも伸びていると言います。
「免疫力アップする食材で、発酵食品。納豆・キムチ・ヨーグルトの売り上げはずっと常にいい状況で進んでいます」(キテネ食品館・中塚誠社長)
特に、手軽に食べやすい納豆が人気といいます。
さらに、自宅などでのテレワークが増えた事で売り上げが伸びているのが、こちらのお菓子類です。デスクワークをしながら、お菓子をつまんでいる人も多いのかもしれません。
そして、アルコール類の売り上げについて、聞いてみると?
「そんなに(売り上げは)増えていないです。外で飲むから美味しいという人が結構いる。外では飲むけど家では飲まない人もいるので、そんなに影響はない」(キテネ食品館・中塚誠社長)
一方、外出自粛の影響を受けて、売り上げが下がってしまった商品も…。
「スポーツ飲料を飲む場面が少なくなっている。全く売れない訳ではないが、大きく売れている感じはしない」(キテネ食品館・中塚誠社長)
外での運動や部活など、スポーツをする機会が減少しているためか、売り上げもダウンしているそうです。
1日から延長される緊急事態宣言。消費者のニーズに合わせて、スーパーでは模索の日々が続いています。

●宣言延長の朝、街の声は 「我慢して早く通常通りに」 名古屋 6/1
新型コロナ対応の緊急事態宣言が出されている愛知県は、1日から宣言の延長期間に入り、街では様々な声が聞かれました。
緊急事態宣言は今月20日まで延長され、飲食店に対する午後8時までの営業時間の短縮や酒の提供自粛の要請などが続きます。
またデパートなどの大型商業施設に対する土日の休業要請も続きます。
40代男性「皆の意識がだんだん薄れてきている。慣れてきている点はあると思う」
40代女性「抑え込むためにここを我慢して、早く通常通りに戻れたらと思う」
70代男性「国が前向きに対応する方針を示さないと。国民はついていかない」
一方、国の指針の変更に伴い、大型のスポーツクラブやヨガスタジオは、土日の休業要請の対象から外れ、午後8時までの時短営業が要請されます。

●大雪山系黒岳でリフト運行開始 緊急事態宣言で訪れる人まばら 6/1
緊急事態宣言が延長の期間に入った1日、大雪山系の黒岳では本格的な夏山登山のシーズンを前に、リフトの運行が始まりました。訪れる人はまばらとなっています。
標高1984メートルの大雪山系の黒岳は、上川町に5合目から7合目まで向かうリフトがあり、例年多くの登山者が訪れます。
そして1日、ことしの運行が始まりました。
緊急事態宣言が延長の期間に入った初日ということもあり、訪れる人はまばらとなっています。
黒岳では6月下旬に山開きを迎え、本格的な夏山登山のシーズンが始まります。
リフトを運行する会社では、密を避けるため、ふもとから5合目まで向かうゴンドラの定員を半分にするなど感染防止対策を徹底した上で、運行することにしています。
リフトを運行する「りんゆう観光」の高田瑞樹さんは、「緊急事態宣言が出ているので閑散としているのはしかたがない。宣言の解除後に多くの人にきてほしい」と話していました。

●緊急事態宣言下の札幌 休日の人出、昨年5月の5割増 6/1
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、北海道内に発令中の緊急事態宣言の延長が決まって初の日曜日となった5月30日の札幌市内の人出は、宣言発令前の4月と比べて減少している一方で、全国に宣言が発令されていた昨年5月の休日と比べると約5割増加していることが判明した。ソフトバンクの子会社「アグープ」のデータを基に毎日新聞が分析した。
アグープは、JR札幌駅や札幌市営地下鉄すすきの駅など道内6地点の半径500メートルにおける滞在人口をスマートフォン・アプリ利用者の位置情報から推計している。
30日午後3時台の人出は、6地点すべてで昨年5月の平均人出を上回っていた。増加幅が最も大きかったのは同市営地下鉄大通駅の56・6%。最も小さかったのは新千歳空港駅の8・1%。
地点別にみると、札幌駅周辺が宣言発令前の4月7日と比べ、午後3時台で63・1%、午後9時台で44・8%それぞれ減少した。ただ、昨年5月の平均と比べると、午後3時台で48・6%、午後9時台で35・3%増加した。宣言初日の5月16日と比べても12・9%の減少にとどまるなど、市民に「宣言慣れ」の傾向もみられる。
すすきの駅周辺は4月と比べ、午後3時台の人出は21・5%、午後9時台は50・2%減少した。1年前と比べると昼間は42・8%増加したが、飲食店に対する休業要請などの影響もあり、午後9時台は5・2%増にとどまっている。
道は緊急事態宣言発令に伴い、飲食店の休業や時間短縮要請に加え、大型商業施設に対しては土日休業を要請。道民向けには特に日中や週末の外出を控えるよう呼び掛けているが、思ったほど人出は減っていない現状がうかがえる。

●「緊急事態宣言」延長で“来道自粛”の要請、新千歳空港では… 6/1
北海道の「緊急事態宣言」が延長期間に入るのに合わせて、北海道は新たな対策として北海道内への訪問を控えるよう求めています。1日朝の新千歳空港の様子です。
「午前10時すぎの到着ロビーです。利用する人の姿はまばらです」(記者リポート)
新千歳空港の到着ロビー…出張や新婚旅行で北海道内を訪れる人たちがいました。
「ホテルでゆっくりっていう感じ。いくら延期しても、延期した先で状況悪くなることも考えられるので」(埼玉県から来た夫婦)「めちゃ(機内は)空いていたと思う。出張で早入りしてきたけど、お店調べたけど、どこもやってなさそうだからどうしようかな」(東京都から出張の男性)
新千歳空港を管理する「北海道エアポート」によりますと、国内線の売店はおよそ1割が休業し、ほとんどの店舗が時短要請やアルコール類の提供自粛に応じています。

●"北海道に来るの控えて" 緊急事態宣言は延長期間へ… 6/1
北海道札幌市では6月1日、新型コロナウイルスの新規感染者が160人を超える見通しで、感染の高止まりが続いています。 
こうしたなか、北海道内では「緊急事態宣言」が6月1日から延長期間に入り、北海道外からの訪問などは自粛するよう呼びかけが行われています。 
「緊急事態宣言」の延長を受け、鈴木直道北海道知事は、「北海道外からの訪問を極力控えること」などを呼びかけています。
延長初日6月1日の新千歳空港は…。
富良野への旅行客:「(変異ウイルス)めちゃめちゃ怖いので、ホテルだけで過ごすつもりです」
東京から出張:「2重にマスクしてきました。外出はしないで実家に泊まります」
一方、テナント側は… ぎょれん販売千歳空港支店 清水 猛 支店長:「店にとってはとても厳しいが、こういう状況ですから。(お客様には)来てはほしいけれど、対策も必要なのかなと」

●緊急事態宣言20日まで延長 道内各地の受け止めは 6/1
緊急事態宣言が1日から延長の期間に入りました。今月20日まで、全道で不要不急の外出・移動の自粛や飲食店への時短要請が続くほか、道外からの訪問は極力控えるよう呼びかけられています。経済への影響がさらに大きくなることも懸念されるなか、道内の人たちは、今回の延長をどう受け止めているのでしょうか。
札幌市中心部で話を聞きますと、60代の教員の男性は「20日までの延長は長いとは感じますが、学校でも感染者が出ているので、子どもたちの健康を考えれば、この20日間でしっかり抑え込む必要があると思います」と話していました。
また、飲食店で働く50代の男性は「感染が収まらないので延長はしかたないと思います。去年12月から働いている飲食店が休業したままなので、早く仕事がしたいです」と話していました。
このほか、70代の女性は「息子がラーメン店を経営していますが、20日まで店は開けられないということです。子どもも2人いるので大変だと言っていました」と話していました。
函館では
緊急事態宣言が延長の期間に入ったことについて、函館市の飲食店からは「打撃は大きいが、従業員の雇用を維持するために営業は続けていきたい」という声が聞かれました。
多くの飲食店が集まる函館市本町では、店の外に臨時休業を伝える貼り紙を出している飲食店も見られます。
居酒屋の「串焼き かいもり」は、緊急事態宣言で営業時間の短縮などが要請されたことを受けて営業時間を午後5時半から午後8時までに変更しました。
この影響で店の売り上げは新型コロナウイルスが感染拡大する前の2割以下に落ち込み、今は一日の来店客数が数人ほどしかいない状況が続いているということです。
店では売り上げの減少を少しでも抑えようと2か月前から昼の時間帯に弁当を作って販売を始め、一日の平均で20個程度売れているということです。
「串焼き かいもり」の山本健店長は、「先月、緊急事態宣言が出されてからは店のアルバイトの方には休んでもらっていましたが、雇用を維持するためにきょうから出勤してもらいます。応援してくれるお客さんに感謝して頑張っていきたい」と話していました。
一方、函館市の酒店からは「経営は厳しいがしかたがない」という声が聞かれました。
函館市で3店舗を展開する酒店の「イチマス」は、市内の居酒屋やスナックなどおよそ600件の取引先に酒を卸しています。
大型連休中は居酒屋などから注文が増えて売り上げは一時回復したということですが、先月緊急事態宣言が出されてからは飲食店や宿泊施設が相次いで休業し、注文が大幅に減少したということです。
店によりますと、新型コロナウイルスの感染拡大前は、多い時には一日150件ほどあった酒の配達も、今は30件から40件ほどに減るなどして配達による売り上げは以前の1割程度にとどまっているということです。
「イチマス」の山口幹雄常務は、「緊急事態宣言の延長は厳しいですが、しかたがないと思います。配達の人数を減らすなどコストを下げる工夫をしていくしかありません。函館は観光への依存度が高いので、少しでも早く観光客が戻ってきてほしい」と話していました。
小樽では
道内有数の観光地、小樽市にある堺町通り商店街では、緊急事態宣言が延長の期間に入った1日、街を歩く人はまばらでした。
地元の海産物やオルゴールなど土産物を売る店が並ぶこの商店街では、観光客の減少を受けて多くの土産物店が臨時休業しています。
売り上げは少ないものの営業を続けている店もあって、道産の昆布を扱う土産物店を営む簑谷和臣さんは、「観光地は街なかの商店街と違い、家主が別にいて家賃を必要とする店が多い。撤退している店も出てきていて、一刻も早くこの状況が収まればいいと思います」と話していました。
小樽市によりますと、昨年度、市内を訪れた観光客は259万5400人と、前の年度に比べて439万人余り、率にして62.9%減少し、33年ぶりに300万人を割り込みました。
このうち、道外からの観光客は78万5000人と、前の年度に比べて73.9%減っていて、観光需要は大幅に落ち込んでいます。
洞爺湖では
洞爺湖の遊覧船は湖畔の洞爺湖温泉と湖の中央にある島を結び、往復およそ1時間、船からの眺めなどを楽しめます。
しかし先月、緊急事態宣言が出されてから運航を休止し、1日から宣言の延長期間に入ったことを受けて、遊覧船の休止も今月20日まで続けることになりました。
遊覧船は1日も湖畔に停泊し、スタッフが船のエンジンをかけるなどメンテナンスにあたっていました。
遊覧船を運航する「洞爺湖汽船」によりますと、例年この時期は修学旅行生や外国人観光客でにぎわっているということです。
しかし1日は新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、洞爺湖を訪れる人の姿はほとんど見られませんでした。
「洞爺湖汽船」の横岸澤一洋係長は、「遊覧船を運航できず非常に残念だと思いますが、今は我慢するしかない。緊急事態宣言が明けたときには皆さんをお迎えできるように準備したい」と話していました。
川湯温泉では
緊急事態宣言の延長を受けて、道東の弟子屈町の川湯温泉では休館を余儀なくされる宿泊施設が相次ぎ、厳しい経営を迫られています。
例年この時期、川湯温泉には多くの観光客が訪れますが、先月緊急事態宣言が出されてから宿泊客の落ち込みが続き、1日も温泉街は閑散としていました。
温泉街で最も大きなホテルでは、先月の緊急事態宣言を受けて、予約のキャンセルや変更があわせて300人以上にのぼったほか、緊急事態宣言の延長で予約が入らない状態が続いているということです。
今月は、予約ゼロのため臨時休館する日が1日を含めて7日あるほか、予約がある日もほとんどが1桁にとどまっているということです。
ホテルでは厳しい経営状況を改善しようと、人の少ない自然豊かな環境をいかして長期滞在者の受け入れを進めていて、今後は共同のキッチンを整備する予定です。
「川湯観光ホテル」の中嶋康雄社長は、「緊急事態宣言の延長で予約は激減し、ホテルを開けたくても開けられない日が出ている。この状態でホテルのことを一生懸命考えている従業員の働く場をどうつくればいいのか悩んでいる」と話していました。
また、別の温泉旅館では予約が一日に数組しか入らず、緊急事態宣言の延長が決まった先月28日から今月22日まで休館することになりました。
ただ、休館中も配管が傷まないように温泉をくみ上げるポンプを動かし続ける必要があるほか、予約キャンセルに対応する従業員を出勤させるため、固定費はひと月で700万円あまりかかる見込みだということです。
従業員の意欲を維持するため営業が再開できるまでの期間、接客の技能を高める研修を随時行うことにしています。
「お宿欣喜湯 別邸忍冬」を経営する榎本竜太郎社長は、「緊急事態宣言で人の動きが止まり経営は苦しく、金融機関の協力が欠かせない。営業が再開したときにお客様の満足度にプラスになるように研修を進めていきたい」と話していました。

●小池知事「これ以上、長くするのはハッピーではない」 宣言の再延長受け 6/1
東京都の小池百合子知事は1日午前、都庁で報道陣の取材に応じ、この日から新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が6月20日まで再延長されたことに「これ以上、長くすることは、誰にとってもハッピーではない」と見解を示した。
小池知事は「今回、残念ながら、延長という形になる。これは事業者と都民の皆さんの協力なくしてできない」とした上で、「これ以上、長くすることは、誰にとってもハッピーではない。1人1人の総体が、1日1日の全体の効果を示すようになる」と述べ、「どうぞご協力お願いいたします」と語気を強めた。

●「緊急事態宣言延長」に 閉店、休業、営業一部再開、対応さまざま 広島 6/1
1日から広島県も緊急事態宣言が延長となりました。先行きの見えない「我慢」の日々が強いられる中、各方面に影響が出始めています。
1日、明らかになったコロナ禍による閉店…。
古賀記者 / 「福山市のこちらのボーリング場は長引くコロナの影響をうけ、閉店することを発表しました」 今年で50周年を迎え、一時は年間30万人が訪れていた福山パークレーン。企業の団体利用など客が大幅に減少するなか、収束の見通しが立たないことから、8月をもって閉店することを決めました。
福山パークレーン・平野辰幸支配人 / 「もう少し頑張れれば良かったんですけど、先が見えないというのがやはり一番苦しいところです」
西山アナ / 「緊急事態宣言、延長初日の広島市中区流川です。あちら、紙が1枚2枚3枚と貼られています。その紙の内容は、休業の実施期間が5月12日から6月1日までだったものが、6月2日から6月20日まで延長されています。こちらのビルにはたくさんの飲食店が入っていますが、こちらも6月20日の部分、紙を貼って延長に対応しているようです」
街の人は / 「まあこのご時世なので、しょうがないなという感じ」「それ(延長)はすべきじゃないかなと思っている。早めに効果出てほしいなというのはありますので」「いつまで続くのかなという感じですね」
県の要請で先月16日から休業を続けてきた広島の名所「お好み村」では。
西山アナ / 「こちらのお店でも延長に伴い貼り替え作業が行われています」
お好み村組合・豊田典正理事長 / 「去年からいうと覚えていないくらい入れている」
先月と今月に修学旅行などで訪れる予定だった1万人あまりのキャンセルが出るなど、深刻な状況に直面しているというお好み村。それでも1年以上に渡って続けてきた23店舗一丸となった対応で、一日も早い収束を願っています。
お好み村組合・豊田典正理事長 / 「本当は辛抱しきれないなんですけど、でもどこかで耐えて耐えてこのコロナ(禍)の終わりが見たい」
一方、要請内容の変更により営業を一部再開させる店も。
胡子記者 / 「緊急事態宣言の影響で、こちらのフロア先週の土日は閉まっていたんですが、次の土日からは開けられることが決まりました」
福屋「八丁堀本店」と「広島駅前店」は、地下の食品売り場と1階の化粧品売り場などに加え、紳士服フロアや今月10日から開設予定のお中元ギフトセンターも、土日に時短で営業することを決めました。
福屋営業本部・中村真緒主任 / 「開けるところは最小限に抑えつつ決定しました。父の日とお中元、感謝を伝える機会ですので、そういったところを配慮した」

●「小倉祇園太鼓」2年連続で中止決定 緊急事態宣言の延長受け 6/1
北九州市の夏の風物詩「小倉祇園太鼓」が、新型コロナの影響で2020年に続き中止されることになりました。
小倉祇園太鼓の保存振興会によりますと、2021年は当初、山車の運行回数を制限するなど例年とは異なる「代替行事」での開催を予定していました。
ところが福岡県内の緊急事態宣言が6月20日まで延長されたことから、安全の確保が難しいと判断し、代替行事を含む全ての祭りの中止を決めました。
小倉祇園太鼓の祭りは毎年7月に行われ、山車をひきながら太鼓と鉦(かね)を披露します。
祭りの中止は2年連続となりますが、振興会は太鼓芸の伝承に必要な行事に関しては、今後、開催を検討したいとしています。

●小倉祇園太鼓、代替行事も中止 緊急事態宣言延長受け 6/1
北九州市の国指定重要無形民俗文化財「小倉祇園太鼓」の保存振興会は1日、規模を縮小して7月に開催予定だった「代替行事」を中止すると発表した。福岡県の新型コロナウイルス緊急事態宣言延長により、6月上旬に予定していた参加者向けの説明会が開けず、行事の安全確保が難しいと判断した。
代替行事では、劇場での太鼓の「共演会」や短時間の山車の運行などを予定していた。

●井戸知事 緊急事態宣言の早期解除へ県民の協力を呼びかけ 6/1
兵庫県などに出されている緊急事態宣言は1日から、今月20日までの延長期間に入りました。井戸知事は宣言の早期解除に向けて、感染防止を徹底するよう県民に呼びかけました。
兵庫など9つの都道府県に出されている緊急事態宣言は1日から、今月20日までの延長期間に入りました。
こうした中、井戸知事は1日に開会した県議会の6月定例議会で、「先月中旬以降、感染者数は減少に転じているが、直近1週間の平均では1日100人を超えており、医療体制の厳しさは続いている」と述べました。
その上で、「いま一度、一人ひとりが緊急事態宣言下であるとの強い自覚を持って、責任ある行動をとるよう協力をお願いしたい」と述べ、感染拡大の抑え込みに向け、県民に改めて協力を求めました。
この県議会には、新型コロナウイルス対策として、ワクチンの大規模接種会場の設置や、入院病床の確保などを柱とする総額1800億円あまりの補正予算案が提出されました。
6月定例議会は、今月9日まで開かれ、今期かぎりでの引退を表明している井戸知事にとっては最後の県議会となります。

●県独自の緊急事態宣言が終了 宮崎市の一部公共施設が再開・宮崎県 6/1
県独自の緊急事態宣言が先月31日で終了したことを受けて、宮崎市では、休館していた一部の公共施設が1日から再開されました。
このうち、宮崎市フェニックス自然動物園では、天気に恵まれたこともあり、午前中から家族連れなどが園内で楽しむ様子が見られました。
園内では休園中、リスザルなどの赤ちゃんが誕生していて、中でもパルマワラビーの赤ちゃんは、母親のおなかの袋から時折、かわいらしい姿を見せていました。
(来園者)「さっそく天気もよくて来ちゃいました」「再開してよかったかなと・・・」「一刻も早く(コロナが)収束して日常に戻ってくれたらいいかなと言うふうに思う」
(フェニックス自然動物園 竹田正人 園長)「コロナ禍で非常に厳しい状況であります。動物園はわりとオープンなスペースですので、間隔を十分にとっていただいて動物園を楽しんでいただければなというふうに思う」
動物園では、感染防止対策として、入口での消毒や体温測定を実施しているほか、県外など外出自粛を求められている地域からの来園は控えるよう呼び掛けています。

●都内で“一部緩和”続々、緊急事態宣言きょうから延長 6/1
1日から9都道府県で緊急事態宣言の延長期間に入ります。東京都は引き続き、酒類を提供する飲食店への「休業要請」は続ける一方、百貨店などへの休業要請は一部緩和され、1日から営業を再開しています。
「昼間、百貨店に行って、そのままお酒を飲みに行く人もいないでしょうし、東京の判断を尊重をさせて頂きたい」(田村憲久 厚労相)
9都道府県が対象の緊急事態宣言は今月1日から20日までの延長期間に入ります。東京都では、酒類を提供する飲食店には「休業要請」を継続し、出さない飲食店については午後8時までの「時短要請」を続けます。
一方、床面積が1000平方メートルを超えるデパートなどの大規模商業施設や映画館、スーパー銭湯などに対しては都が独自に行ってきた「休業要請」を切り替え、平日に限り「時短営業」を認めるなど一部緩和します。「京王百貨店新宿店」では、これまで生活必需品を販売する売り場のみ営業していましたが、1日から全館で営業を再開しました。
「本当に嬉しいです。ほかに旅行とかもいけないし、見るだけで楽しめる」(買い物客)
また、墨田区のスーパー銭湯もおよそ1か月の休業を経て午前11時からオープンしました。
「やっと開いて、きょうはすごく嬉しい」(常連客)

●宣言再延長で高田馬場、早稲田に状況変化 酒類提供再開の居酒屋も 6/1
高田馬場・早稲田周辺の飲食店や施設が、6月1日から再延長された緊急事態宣言で要請内容が緩和されたことに伴い、営業再開などの対応に追われている。
エリア内の多くの飲食店は6月20日まで臨時休業や時短営業、アルコールを提供しない営業を継続する。一方で、休業補償を受けずに感染症対策をした上で酒類提供を再開する居酒屋なども見られる。
酒類提供を再開する居酒屋の責任者は「営業する居酒屋が増えてきており、当店だけにお客さんが集中し、密になることはないと思う。協力金の具体的な計算方法の発表も毎回直前過ぎて、対応ができない。『営業したら行きます』というお客さんからの声が日に日に高まっており、世論も変わってきていると感じる。東京都とグローバルダイニングの訴訟も影響しているのではないか」と話す。
引き続き、要請に従う焼き肉店の店主は「私たちは今回も要請に従うが、判断にはさまざまな要素と側面があるので、一概に良しあしは語れない。ただ、酒類提供なしの継続は酒類中心メインの店は経営にも大ダメージ。われわれ飲食業は目の前のお客さんに喜んでもらうために、日々心血を注いでいる。酒類提供なしではお客さんに『がっかり』されてしまうシーンが多かった。自分の仕事の表現が限定されてしまうことにストレスがかかり、要請に従わない気持ちはよく分かる」と話す。
商業施設「BIGBOX高田馬場」は5月11日まで臨時休業していたが、前回の緊急事態宣言延長時に、生活必需品などを販売する売り場を再開。今回の再延長では、ボウリング場の「グランドボウル」、ゲームセンターの「タイトーステーション」、ネイルサロンの「ネイルパフェ」、写真スタジオの「スタジオマイル」「ダンロップゴルフスクール」の営業を再開する。20時閉店だが、店舗により営業時間が異なる。
老舗映画館の「早稲田松竹」(以上、高田馬場1)は、休業要請から時短要請に緩和されてから営業を再開。ツイッター上では「ありがとう早稲田松竹。お掃除のツイートいつも見てたよ、ほんとにありがとう。」「良かった!嬉しい!楽しみ!」(以上、原文ママ)などのツイートが見られた。
早稲田大学(戸塚町1)は対面とオンラインを組み合わせた授業を継続する。「学内外での感染者数が急増するなどの事態になれば、直ちに方針を転換することも視野に入れ、状況を注視していく」としている。学内では無料のPCR検査を5月20日に開始。引き続き、感染症対策への協力を呼びかける。
5月18日から閉鎖されている高田馬場駅前ロータリー広場は、引き続き閉鎖されている。新宿区の担当者によると「ロータリー広場を開放する時期は未定」という。夜間の高田馬場駅周辺では、東京都のロゴの入った安全ベストを着用した男性が外飲みの自粛を呼び掛ける姿も見られる。

●ジューンブライドを直撃 緊急事態宣言の再延長で新婦涙 6/1
京都府に発令中の緊急事態宣言が、1日から再延長期間に入った。福知山市駅南町の結婚式場、ル・クレア(稲葉樹支配人)では、6月に式を予定していたカップルが延期を決めるなど、「ジューンブライド」と呼ばれる人気シーズンを直撃。開催する場合は、酒類の提供ができないなど制限があり、式の内容を変更せざるを得ず、対応に苦慮している。
今回の再延長で、宣言期間が20日までとなり、当初の2週間から、約2カ月という長丁場になった。
5、6月は例年、式を挙げるカップルが多い時期で、6月は20組ほどの予定があったが、宣言期間の延長で3組の延期が決まった。さらに式を挙げる場合も、府の要請で酒類の提供とカラオケ設備の使用自粛が求められ、密を防ぐため人数制限が必要で、売り上げにかなり影響が出ている。4月に仕入れたアルコールが使用できず、在庫がたまっているという。
ウエディングプロデューサーの岩本滉平さん(27)は「売り上げも大変ですが、遠方の招待客を呼べず、延期を決めたカップルのほか、開催はするけれど理想とかけ離れた式になってしまい、相談の際に涙を流す新婦もおられ、胸が痛みます」と気遣う。
開催を決めたカップルに対しては「感染防止対策を徹底したうえで、出来る限り理想に近づけ、喜んでいただける式にできるよう、精いっぱいのおもてなしをしたい」という。
また冠婚葬祭は、休業要請の対象外であることに触れ、「結婚式自体は、自粛要請されていないことを、多くの人に知っていただき、式を挙げる新郎新婦を純粋に祝福してほしい」と呼びかけていた。

●「あまり期待は…」「本当に効果が…」愛知県の緊急事態宣言延長で街の声 6/1
愛知県で1日から緊急事態宣言が延長されました。
1日朝の名古屋駅周辺は、大勢の通勤・通学者らで普段の平日と同じような光景が見られました。
愛知県では6月20日まで緊急事態宣言が延長されます。
「あまり期待はできないけど(宣言が)ないよりかはいい」「解除できるとは思っていなかったです。ワクチン接種とか人の流れが収まることがないと、なかなか収まらないんじゃないか」「解除されてほしかった。いろんなお店が閉まっているので遊びに行きづらい」「一定の効果はあると思うけど、20日までにするのか、しっかり説明してほしい」「だらだらという感じで、本当にこの延長で効果が出るといいんですけど。早く(コロナが)収束してほしい」(街の人)

 
 

 


●緊急事態宣言下、木曽川鵜飼が開幕 ママさん鵜匠3年ぶり復帰 6/2
岐阜県各務原市と愛知県犬山市境の木曽川で1日、伝統の「木曽川鵜飼」が開幕した。全国でも珍しい昼の鵜飼が繰り広げられ、観光客は人と鵜が一体となって織りなす伝統漁を堪能した。10月15日まで。
両市の関係者らが安全祈願をした後、観覧船1隻が出発。乗船客は、鵜匠の巧みな手縄(たなわ)さばきを間近で楽しんだ。初めて観覧した愛知県の夫婦は「昼間なので鵜の表情まで見ることができ、シャッターチャンスもたくさんあって楽しかった」と話した。
育休から3年ぶりに復帰した全国唯一の"ママさん鵜匠"の稲山琴美さん(32)は「コロナの影響で乗船人数を見ると寂しいが、先輩鵜匠と一緒に鵜飼を盛り上げたい」と意気込んでいた。
昨年は新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れ、乗船客数は例年の約8割減の3079人だった。

●県緊急事態宣言終了 宮崎 6/2
新型コロナウイルス感染拡大に伴う県独自の緊急事態宣言が終了し、県は1日、警報レベルを「3(感染拡大緊急警報)」に引き下げた。安全宣言が出たかのように錯覚しがちだが、なおも高い警戒レベルにあると認識する必要がある。会食制限や県外との原則往来自粛などの行動要請は継続されている。県民の自発的な行動を積み上げ、安全に暮らせる環境へ向けさらに一歩前進させたい。
鍵となるワクチン接種=写真=も道半ば。国が公表した全国の接種率は5月31日時点で、1回接種を済ませた65歳以上の高齢者は約495万人、対象人口約3549万人の13・9%に達した。地域によって差があり、1回目では27・4%(和歌山県)から8・4%(三重県)まで開きがある。本県は21・3%だった。
ただ、このデータ公表が結果的に、都道府県や自治体の競争心や不安感をあおることになってはならない。数字の背景にある医療資源や人手確保の問題、供給や接種作業に関する調整機能の状況などを冷静に検証しながら、将来的な医療環境整備への契機としたい。特に、大規模な病院がなく医療者確保が容易でなかったり、病院・診療所数が少なかったりするなど、医療資源が脆弱(ぜいじゃく)な地域事情への支援は今後も必要だ。
県は7月末までの高齢者の接種完了を目指し、集団接種に当たる医療従事者の公募に乗り出した。5月27日からわずか6日間で、医師92人、看護師411人のほか薬剤師や歯科医師ら計618人の応募があり、1日公募をいったん停止した。県感染症対策室は「予想以上の登録でうれしい悲鳴。第4波に危機感を抱いた医療者が県内の医療態勢を守るため、自身を守るためにも(接種が)必要だという思いの表れだろう」と話す。64歳以下対象の一般接種も今後予定される。医療者の使命感を励みに態勢充実へつなげてほしい。
第4波では若年層の重症化リスクが高まったことに留意すべきだ。今後の焦点は英国株に置き換わり始めた一層強力なインド株だろう。英国株の感染力は従来株より5〜7割高いとされるが、インド株は英国株よりさらに5割ほど感染力が強い恐れがある。
県内では新規感染者数が下火になった現在の状況を維持させるとともに、インド株対策を急ぎ備えを固めたい。仮にリバウンドする事態になれば「第5波」が現実化しかねない。ワクチンが切り札としても全高齢者への接種完了は早くて7月末。全対象者に打ち終えるには時間がかかる。それまでは従来の人流抑制、感染防止策を愚直に続けていくほかない。

●緊急事態宣言、薄れた緊張 5月下旬の人出、前年比で大幅増 広島県 6/2
新型コロナウイルス感染拡大に伴う広島県への緊急事態宣言は1日、延長期間に入った。5月16日の発令後の半月間で、広島市中心部の平日の人出は1カ月前と比べて約26%減った。だが、昨春の宣言期間と比べると平日は5割強も多く、この日朝のJR広島駅(南区)も普段とほぼ同じ通勤光景が広がった。平日の人出をどこまで減らせるかが改めて課題となる。
1日午前8時、広島駅南口は通勤や通学客であふれていた。芸備線を利用した安佐北区の会社員武末博文さん(72)は「車内も降りてからも混み具合は変わらない。宣言の延長と言っても緊張感は薄い」。出張で約1カ月ぶりに訪れた岡山市の会社員松本大地さん(29)は「宣言前と同じくらいの人の多さだ」と印象を語った。
宣言の発令を受け、人の流れに一定の抑制効果は出ている。ソフトバンク子会社「Agoop(アグープ)」のデータによると、5月16〜31日の広島電鉄八丁堀電停(中区)周辺の1日当たりの平均の人出は、4月16〜30日に比べて平日で26・1%、休日は41・5%それぞれ減少。感染が急拡大した5月前半からも減っている。
一方、昨年の宣言期間中(4月16日〜5月14日)と比べると、休日が6・3%増だったのに対し、平日は56・1%増と大きく差が出た。昨年は学校の一斉休校なども影響したとみられるが、感染を防ぐには平日の対策が鍵を握る。延長に合わせて県は、「出勤者7割減」の目標について事業者へ実施状況を公表するよう求めた。
ただ、出勤者を減らす取り組みには「限界」との声も漏れる。安佐南区の会社役員男性(80)は「リモートワークは増えたが、週に数回はどうしても出社しなければいけない。どこもできる範囲でやっている」。県内は製造業も多く、あるメーカーの担当者は「管理部門は在宅勤務ができるが製造現場は難しい。自宅で遠隔操作できるシステムはない」と明かした。
延長された宣言期間は20日まで。県は県民の外出機会の半減や、酒やカラオケを提供する飲食店の原則休業などの要請も継続している。

●緊急事態宣言再延長 制限緩和で上野駅周辺の人出増 6/2
新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が延長期間に入った1日、東京都では映画館や博物館などに出されていた休業要請が緩和された。博物館や美術館が集まる上野駅周辺の人出は同日、日中から夜間にかけて増加していた。
東京都は1日からの宣言再延長にともない、映画館や博物館などの施設に対し、休業要請を営業時間短縮要請に緩和。多くの施設で、今回の宣言が発令された4月25日以来、約1カ月ぶりに営業を再開した。
システム会社「アグープ」によるスマートフォンの位置情報を基にしたデータからも、人出の増加が明らかになった。いずれも火曜日で、1日、1週前の5月25日、今回の宣言で最初の火曜日の4月27日−の3日間の人出を1時間ごとに比較した。
1日の人出は、午前8時台から午後11時台まで、他の2日間と比べて増加。1日は午後6時台にピークを迎え、1週前と比べ、1・25倍増加。午後3時台でも宣言開始時と比べ、1・24倍増えていた。
一方、飲食店に出されている時短要請や酒類の提供の停止は続いており、夜間の人出は微増にとどまっていた。

●「もう限界」緊急事態宣言延長で 飲食店“苦渋の営業再開” 6/2
緊急事態宣言は6月1日から20日間の延長期間に入りました。札幌市内の飲食店では、1か月以上に渡って営業時間の短縮や休業の要請が続いています。
もう限界だと営業を再開する店も出ています。
緊急事態宣言延長初日を迎えた、札幌市中央区の繁華街「ススキノ」。営業時間短縮や休業の要請に応じる店舗が多く、人通りもまばらです。
北海道によりますと、札幌市内の飲食店、約1万1000店のうち99.5%が要請に応じています。しかし、営業再開に踏み切った店もあります。
営業を再開した居酒屋 店長:「要請に対して協力した方がいいのは重々承知しているが、自分たちの生活を守るために、やらざる得ない状況になってしまった」
こちらの居酒屋は要請に従って、4月27日から酒類を提供せずに営業時間を短縮。5月に入って休業と時短営業を行ってきました。しかし、6月1日から酒類を提供し、午後11時までの営業を再開しました。
今までテイクアウトのメニューを充実させるなど、経営努力をしてきましたが…。
営業を再開した居酒屋 店長:「酒を提供できないと、来店客は非常に少なくなる。アルコールを提供しないことに努めてきたが、それも限界にきてしまった」
要請に応じた場合、協力支援金が支払われますが、札幌市によりますと支給までに2か月ほどかかります。
こちらの店には、4月以降の分はまだ支払われていません。
営業を再開した居酒屋 店長:「従業員の検温、健康管理のチェック、マスクの着用を徹底的に義務付けている」
座席の間隔をあけたり、換気をこまめに行ったり、感染対策をして悩んだ末の営業再開です。
営業を再開した居酒屋 店長:「何とか売り上げを作って、生活を守っていかなければならないと考えている」
要請に応じない場合は、協力支援金が支給されないほか、店名が公表されたり、30万円以下の過料が科されたりする可能性があります。飲食店経営者は苦悩しています。
営業を再開したカラオケバー 経営者:「6月1日から酒を出します。通常通り午前3時まで営業しようと。まだ悩んでいるところですよ、本音を言えば」   
札幌市中央区の「ススキノ」で、13年間営業しているカラオケバーです。
緊急事態宣言が出た5月16日から休業してきましたが、6月1日から営業を再開しました。
営業を再開したカラオケバー 経営者:「札幌市の職員が来た時にも言いましたけれど、席はひとつおきに座り、隣の席には荷物を置くように言っている」
従業員は1人。協力支援金でこれまではなんとかしのいできました。感染対策を心がけて、営業再開に踏み切った理由は…。
営業を再開したカラオケバー 経営者:「もう、金の問題ではないと思うんだよね。納得させてもらえるものが全くない。今はオリンピックのためだけにやっているとしか思えない」
繁華街「ススキノ」の飲食店がやり玉にあげられ、自粛の対象になってきたことに憤りを感じているといいます。
営業を再開したカラオケバー 経営者:「40〜50年やってきた歴史のある店は、経営者が高齢なので協力支援金の申し込み方法もわからない。インターネットで申請と言ってもわからない。それで金が回らなくなり、やめた店がいっぱいあるんですよ」
北海道は要請に応じない飲食店に行政指導を行い、見回りを強化する方針です。

 
 

 


●尾身氏の五輪開催「普通はない」に、緊急事態宣言で「感染者数を抑え」 6/3
西村康稔経済再生担当相が3日、TBS系「ひるおび!」に生出演。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が東京五輪・パラリンピックに関し、「今の状況で(大会開催を)やるのは普通はない」などと述べたことについてコメントした。
尾身氏は2日の衆院厚生労働委員会で、感染対策を徹底するのは大会組織委員会の義務だと訴え「パンデミック(世界的大流行)の状況でやるのであれば、開催規模をできるだけ小さくして管理体制をできるだけ強化するのは主催者の義務だ」とし「何のために開催するのか明確なストーリーとリスクの最小化をパッケージで話さないと、一般の人は協力しようと思わない」とも指摘した。菅義偉首相はこうした見解について官邸で記者団に問われ「感染対策をしっかりして安心安全の大会にしたい」と重ねて開催に意欲を示した。開催の意義は「まさに平和の祭典。さまざまな壁を乗り越える努力を、しっかりと世界に向けて発信していく」と説明した。
西村氏は「尾身先生も言われるのは医療なんですね、1番は」とし、「今、医療界の皆さん方にはコロナへの対応をやっていただいています。それから一般医療もやっていただいています。さらにはワクチン接種もお願いしています。これに加えて五輪になると、どうしても暑い時期ですから熱中症もあるでしょう。選手の骨折やケガとかもあるでしょう。そこにまた負荷がかかるわけです」と説明し、「いわば三重四重の負荷に医療がちゃんと安定的にできる態勢をつくらなきゃいけないということを1番心配されていまして、そこが今まさに緊急事態宣言で感染者数を抑え医療をしっかりしたものにしていく。このことに今全力を挙げているということですので、まずは20日までに感染を減らし医療をしっかりしたものにするということが何より大事だと思っています」と話した。

●吉村知事「緊急事態宣言中に方針の大きい変更は考えてない」 6/3
大阪府の吉村洋文知事が3日、大阪府庁で会見。2日に大阪府の重症者数が219人となり、確保病床数224を下回ったことについての受け止めを聞かれた。
吉村知事は「医療従事者の皆さんが懸命の治療をしていただいてる。そこが一番大きい。もう1つ大きいのは府民の皆さん、事業者の皆さんの協力で、新規陽性者数がずいぶん減って来ている(2日は213人)」と2つの理由をあげた。
「1000人を超える日が3週間続いたときと比べたら、200人台になっている。200人でも重症者は一定のパーセント出るが、1000人が続いての3%と200人の3%では医療の負担が全く変わってくる。重症者も減ってくる。病床の逼迫(ひっぱく)も解消されてくる。新規陽性者数の減少が非常に大きい。事業者の皆さんに厳しい協力もお願いしてるが、成果が出ている。この傾向が続けば、これからも確実に重症者は減る」と続け、手応えを口にした。
また、専門家の意見として、重症者が確保病床224を下回った時点で緊急事態宣言の解除要請や、事業者への要請緩和の話し合いをスタートさせる提案が出ていることを質問された。
吉村知事は「専門家の意見としてはそういう意見だが、緊急事態宣言の期間中。20日までの措置は方針を決めてお願いしてる。できるだけ感染を抑え込む(ことが大事)。(重症者は)そうはいっても200人以上いる。いま感染再拡大すると、200人からのスタートになるからすぐ(医療が)逼迫する。期間中はこの措置をお願いしたいし、期間中に方針を大きく変更したり、解除することは考えていない。それが違ったメッセージとして受け取られると困るんで、やるべきではないと思う」と慎重に話した。

●国内景気、緊急事態宣言などで4カ月ぶりに悪化―2021年5月調査  6/3
株式会社帝国データバンクは、全国2万3,724社を対象に2021年5月の国内景気動向を調査・集計し、景気DIとして発表いたしました。
2021年5月の景気DIは前月比0.8ポイント減の37.5となり、4カ月ぶりに悪化した。国内景気は、感染拡大防止対策で人流抑制が図られたことで、4カ月ぶりの悪化となった。今後は、下振れリスクも多く一時的に悪化するものの、徐々に上向いていくとみられる。
10業界中、『建設』『製造』など8業界が悪化。多くの業種で、木材や鉄鋼など材料の不足、その価格高騰による影響がみられた。また、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の延長、対象地域の拡大もあり、「旅館・ホテル」「飲食店」といった個人消費関連の業種は低水準での推移が続いた。
『北海道』『中国』『九州』など4カ月ぶりに10地域すべてが悪化した。地域間で景況感の二極化が進み、地域間格差は5.0ポイントへと再び拡大。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の地域拡大などの影響が幅広く表れた。規模別では「大企業」「中小企業」「小規模企業」が4カ月ぶりにそろって悪化した。
2021年5月の動向 : 上向き傾向が一服
2021年5月の景気DIは前月比0.8ポイント減の37.5となり、4カ月ぶりに悪化した。
5月の国内景気は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の期間延長や対象地域の追加・拡大などによる人流抑制を通じて、経済活動に大きく制限がかけられたなかでの推移となった。休業や営業時間の短縮などが個人消費の下押し要因となり、関連する川上産業を含む幅広い業種に悪影響を及ぼした。さらに、燃料価格の上昇がコスト負担を高めたほか、半導体不足にともなう一部企業の工場の稼働停止などもマイナス要因となった。他方、米国や中国など海外経済の回復で輸出が大きく増加したことに加え、自宅内消費の拡大がプラス材料となるなど、企業の景況感は「K字型回復」の傾向が一段と強まった。
国内景気は、感染拡大防止対策で人流抑制が図られたことで、4カ月ぶりに悪化した。
今後の見通し : 一時的に悪化も徐々に上向く
今後の国内景気は、一部地域で6月20日まで延長された緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の継続・解除のタイミングなどが、経済活動に大きく影響するとみられる。特に、夏季賞与の減少や原材料価格の上昇などは下振れ要因となろう。また、半導体不足やコンテナ不足による生産の停滞などの供給リスクは悪材料となり得る。他方、ワクチン接種の拡大による経済活動の正常化や海外経済の回復、自宅内消費の増加、5Gの本格的普及などはプラス材料となろう。ただし、各社の業績に対する「K字型回復」の動向や東京五輪の行方などは注視する必要がある。
今後は、下振れリスクも多く一時的に悪化するものの、徐々に上向いていくとみられる。
業界別:8業界が悪化、多くの業種で材料の不足・価格高騰が悪材料に
10業界中8業界が悪化。多くの業種で、木材や鉄鋼など材料の不足、その価格高騰による影響がみられた。また、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の延長、対象地域の拡大もあり、「旅館・ホテル」「飲食店」といった個人消費関連の業種は低水準での推移が続いた。
『建設』(40.0):前月比1.4ポイント減。2カ月連続で悪化。米国での住宅着工件数の増加傾向や輸送コンテナの不足といった要因が重なり、海外からの輸入比率が大きい木材などの建材に不足が発生。特に、住宅着工に関連した業種において工事の遅れや仕入単価の上昇といったマイナスの影響がみられた。また、公共工事が弱含みつつあるなか、土木工事などの景況感も2カ月連続で悪化した。企業からは、民間・公共工事ともに案件が少なく、受注競争が激しくなっているとの声も多く寄せられた。
『製造』(39.0):同0.5ポイント減。4カ月ぶりの悪化。印刷需要の減退が続く「出版・印刷」(同3.0ポイント減)や、飲食店向けの食材需要が低迷している「飲食料品・飼料製造」(同1.6ポイント減)など、7業種が悪化した。さらに、木材や鋼材、半導体といった材料の不足により、『製造』の仕入単価DIは米中貿易摩擦の影響を受けていた2019年5月以来2年ぶりに60を超え、仕入単価上昇の勢いが増した。他方、完成車工場などで半導体不足による減産・稼働停止の影響が続くなか、米国・中国向けを中心とした輸出の回復傾向はプラス要因となった。自動車部品などの「輸送用機械・器具製造」(同0.1ポイント増)、半導体・工作機械関連の「機械製造」(同0.1ポイント増)、「精密機械、医療機械・器具製造」(同3.1ポイント増)など、5業種は改善した。
『小売』(33.1):同1.6ポイント減。2カ月連続で悪化。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の延長・対象地域の拡大にともない、消費者の外出自粛や店舗の休業・営業時間の短縮の影響を受けた。特に、調剤薬局で診療控えの影響がみられた「医薬品・日用雑貨品小売」(同6.5ポイント減)や、スマートフォンなどの情報通信機器を販売する「家電・情報機器小売」(同7.0ポイント減)の景況感が大幅に悪化。また、「専門商品小売」(同0.1ポイント減)も燃料価格の高騰を受け、ガソリンスタンドなどが悪化した。他方、新車販売台数が持ち直しつつある「自動車・同部品小売」(同0.3ポイント増)は改善した。
『運輸・倉庫』(33.7):同0.8ポイント減。4カ月ぶりに悪化。燃料価格高騰の影響を受けるなか、製造業や建設業の材料不足にともなう生産活動の減退で荷動きが停滞し、一般貨物自動車運送が悪化。また、輸送コンテナ不足の影響で海上運賃の高騰も続いており、港湾運送も悪化した。さらに、旅行業やバス・タクシーといった旅客運送では2020年以降景気DIが低水準で推移するなど、依然として厳しい状況が継続している。

●緊急事態宣言延長で弁護士が儲かる? キャバ嬢めぐり新たなトラブル 6/3
緊急事態宣言が20日まで延長され、繁華街は断末魔の叫びを上げている。そんな中、東京・新宿歌舞伎町のキャバクラ嬢をめぐり新たなトラブルが勃発しているという。
キャバクラマネジャーは「2年続けて緊急事態宣言が出て大変です。キャバ嬢のほとんどは確定申告をしていないので、休業の給付金もあまりもらえずに、貯金も底をついている子が増えています。だから、お客さんに甘えちゃうのかもしれません」と語る。
“甘える”というのは、コロナ禍で休業になったキャバクラ嬢が客からカネを“借りる”ケースが増えていることだ。
「Zoomなど、オンラインキャバクラをして稼げるのはごく一部。大半は同伴指名客に個別にアプローチして、振り込ませています。お泊まりデートを要求する客も少なくありませんが、女の子も会うのはだるいから、『借りる』という名目で振り込ませる」(同)
しかし口座番号をLINEのメッセージで伝えたことが、後で命取りになるケースも出ているという。キャバクラ関係者はこう明かす。
「“借りた”お金を返済しなかったことで、銀行口座を仮差し押さえされて、出金できないという悲鳴が出ています。キャバ嬢が客から去年の緊急事態宣言時に100万円借りて、1年で返す約束をしていたのに、また緊急事態宣言で稼げないから、返済する余裕もないんです。仕方なく分割返済の約束をして、一部返済するから、仮差し押さえを解除してくださいと泣きを入れるしかない。とはいっても、そもそもキャバ嬢は借りた意識なんてなく、もらってたつもりなんですけどね」
2年連続の緊急事態宣言の発令で、客である貸主も資金繰りが厳しくなっている。以前なら、キャバクラ嬢に「返さなくてもいいよ」とポーンと大金を渡していた客たちも余裕がなくなって、回収に必死となっている。
法曹関係者は「弁護士は小口の債権回収や仮差し押さえは単価が安いので好みませんでしたが、不況下で新たなマーケットとして件数をこなしているようです」と話している。

●緊急事態宣言下で安値推移へ「スルメイカ」初水揚げ 6/3
青森沖でとられた新鮮なスルメイカ。北海道・函館の港で2日朝、去年よりやや多い1.7トンのイカが初水揚げされました。
(漁業者)「出荷するだけ獲ってきたからいいとしなければ。あとは値段」
初セリでは去年より安い1キロ当たり1650円で取引されました。市場によりますと、緊急事態宣言の影響で観光客や飲食店向けの需要が見込めず、しばらくは安値が続く見込みです。 

●ニトリ/5月既存店3.5%減、緊急事態宣言による休業で前年割れ 6/3
ニトリ(2021年2月期売上高:7169億円)が発表した5月の月次国内売上高前年比によると、既存店の売上高は前年同月比3.5%減、客数6.4%減、客単価3.0%増となった。
全店は、売上高0.7%減、客数2.5%減、客単価1.8%増だった。出店4、退店1、国内店舗数582店だった。
国内では、4月23日「ニトリ ザ・ビッグエクストラ萩店」「ニトリ 田富店」、4月24日「デコホーム ビバモール蕨錦町店」、5月14日「デコホーム 小倉セントシティ店」を出店した。一方で、5月9日「デコホーム ヨドバシ吉祥寺店」を閉店した。
5月度の対象期間は4月21日〜5月20日で、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置に伴い外出が抑制されていたため、通販事業は好調に推移した。また、TVCM効果もあり、リビングダイニング家具の売上が伸長したほか、気温の上昇に伴い季節商材の寝具寝装品が売上を伸ばした。
一方で、一部店舗の営業時間短縮と最大28店舗を臨時休業したことなどにより、既存店売上高は前年割れとなった。期初からの累計では、既存店で2.3%減、全店では0.2%増のプラスとなっている。なお、曜日調整による影響はなかった。

●5月景況感、4カ月ぶり悪化 緊急事態宣言が打撃―帝国データ 6/3
帝国データバンクが3日発表した5月の景気動向調査によると、企業の景況感を示す景気動向指数(DI)は前月比0.8ポイント減の37.5となり、4カ月ぶりに悪化した。新型コロナウイルス感染拡大に伴い緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象地域が広がったことが打撃となった。

●北海道で緊急事態宣言延長 道南各所で時短営業・休業継続に 6/3
北海道が道内を対象とした新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言を6月20日まで延長すると発表したのに伴い、道南各所が同宣言への対応を明らかにしている。
函館市は、函館アリーナや亀田交流プラザ、Gスクエアなどの公共施設を引き続き20時で閉館とする。現在停止中の「はこだて割」は新規予約の受け付けを再開せず、6月30日の事業期間満了で終了する。
世界文化遺産登録勧告を受けている「北海道・北東北の縄文遺跡群」構成資産の史跡垣ノ島遺跡は、6月18日に予定していた一般公開を延期。日程を再検討している。
函館・北斗両市と七飯町で6月13日に予定していた東京2020オリンピック聖火リレーは中止。関連イベントや公道の通行規制なども行わない。
現在休業中の「函館山ロープウェイ」「金森赤レンガ倉庫」は休業を6月20日まで延長する。休業中の五稜郭タワーは「当面の間休業」としている。道の駅「横綱の里ふくしま」(福島町)は6月20日まで休業。道の駅「しかべ間歇泉公園」(鹿部町)は当面の間、平日=10時〜15時、金曜〜日曜・祝日=9時〜17時で短縮営業を行う。 

 
 

 


●長崎市の緊急事態宣言解除 時短要請終了へ 6/4
長崎県は4日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い長崎市に出していた緊急事態宣言を解除し、感染の広がりを示すステージを5から3に引き下げると発表した。長崎市における外出自粛要請、飲食店などへの時短要請は7日で終了する。

●休業要請協力金 支給に柔軟対応 県、緊急事態宣言で 沖縄県 6/4
新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言発令に伴う休業要請などへの協力金に関して、嘉数登商工労働部長は2日、対象初日の5月23日からの休業などに応じられなかった事業者への支給も柔軟に考える方針を示した。
2日の県議会会派てぃーだネットと共産党県議団の知事要請の場で明らかにした。周知期間が短かったことなどを受けた措置。

●緊急事態宣言延長 「効果ある」74% 収束期待 6/4
山陽新聞社は、岡山、広島県など9都道府県への新型コロナウイルス緊急事態宣言延長と今夏の東京五輪・パラリンピック開催に対する評価をテーマに、LINE(ライン)を使ったアンケート取材を実施した。宣言延長に関しては、回答者の7割余りが対策として「効果がある」と前向きに捉え、感染収束への期待感がにじんだ。その一方で、宣言慣れや自粛疲れを背景に、途中の気の緩みを警戒する意見も目立ち、宣言後に再び感染者が増加に転じるリバウンドを懸念する声が多く寄せられた。
LINEに開設したアカウント「記者が行く」の登録者を対象に、5月30日〜今月2日に実施。岡山県内各地や福山市などの10代〜70代以上の計369人から回答を得た。
5月31日までだった宣言の期限が今月20日まで延長されたことに関し、その効果をどう思うか尋ねたところ、「ある程度ある」が62・1%で最多。「大いにある」を合わせ、肯定的な回答者が74・0%に達した。否定的な回答者は「まったくない」「あまりない」を合わせても14・9%にとどまった。
全国に宣言が発令されていた昨春と比較し、感染に対する危機感・不安はどちらが大きいかも聞いた。実際には変異株の広がりもあって今回の流行「第4波」の方が感染者数や死者数が深刻な状況にあるにもかかわらず、回答は「今回」の43・6%に対し、「昨春」も全体の3分の1近い32・2%を占めた。特に20代と30代では「昨春」が半数を占め、多くが「今回」と答えた40代以上の各世代とは反対の結果となった。
昨春の方が危機感があったという岡山市の30代主婦は「学校なども休校になり、異常感が強かったため、みんなかなり気をつけていた。が、1年たってマンネリ化している」と指摘した。
同様に宣言慣れや自粛疲れを訴える声は、今回の宣言延長に一定の効果があるとした回答者の中にもあり、西粟倉村の60代パートの女性は「宣言慣れしてしまい、少しなら出掛けても大丈夫と考える人が増えている」。岡山市の30代男性会計事務所職員も「これ以上の自粛生活は難しいのでは」とした。
感染拡大と沈静化を繰り返しながら流行の波が続く現状に、「感染者数が減ったらまたリバウンド。長くなればなるほど経済を圧迫する」(玉野市、50代会社員)などと地域経済へのさらなるダメージを懸念する回答者も少なくなかった。

●3回目の緊急事態宣言でまたも「女性・非正規」へシワ寄せがいく深刻事態 6/4
統計上では大幅改善
新型コロナウイルスの蔓延による経済活動の停滞で減少が続いていた「雇用」が持ち直している。
総務省が5月28日に発表した4月の「労働力調査」によると、企業などに雇われている雇用者数は5945万人と前年同月に比ベて29万人増加。2020年3月以来13カ月ぶりに増加に転じた。就業者数も6657万人と、13カ月ぶりに増加した。
宿泊業や飲食サービス業の就業者は引き続き大幅に減少しているが、医療・福祉関係や情報通信など新型コロナ下でも人手が必要になっている業界が就業者を増やしている。
また、非正規の職員・従業員が2039万人と20万人増加。2020年3月から続いていた減少がようやく止まった。正規職員については2020年6月から増加を続けており、そのしわ寄せが非正規に及んでいるとみられてきたが、遂に減少が止まった。
これまで減少が目立った「女性非正規」が1392万人と13万人、0.9%増加。中でも「女性パート」が887万人と19万人、2.2%も増えるなど、統計上では非正規雇用の状況が大幅に改善している。
しわ寄せは弱い立場へ
もっともこれには、「統計のマジック」という側面もある。
比較対象になっている1年前の落ち込みが大きかったためで、2年前の4月の「女性非正規」1450万人と比べると58万人も少ないし、新型コロナ前のピークだった2019年12月の1493万人と比べると100万人少ない。潜在的に100万人の非正規女性が仕事を失っている可能性があるのだ。
さらに「女性非正規」は景気の状況に敏感に左右されていることも分かる。1回目の緊急事態宣言が解除され、GoToトラベルなどで景気底入れが図られた2020年の秋には女性非正規の雇用が増加に転じ、11月には1446万人にまで回復した。ところが2回目の緊急事態宣言が出された結果、2月には1398万人にまで減っている。
4月の1392万人は確かに1年前と比べればプラスだが、水準としては多くない。再びしわ寄せが弱い立場の非正規雇用者、中でも女性雇用者に及び始めている可能性がある。
業種で見ても、女性労働者が多い「宿泊・飲食サービス」の就業者数はこの4月で353万人。2年前の419万人に比べて66万人、率にして16%も減った。
卸売業小売業も1081万人から1056万人に25万人減っている。女性の職場の就業状況は依然として厳しいと思われる。3回目の緊急事態宣言が長引いていることで、女性従業員、中でも非正規雇用者へのしわ寄せは一段と厳しさを増すことになりかねない。
困窮者に救いの手は伸びているか
困窮する人が増えている様子は、厚生労働省が発表している「生活保護の被保護者調査」の「申請件数」や「保護開始世帯数」の推移を見ても分かる。
1回目の緊急事態宣言が出た2020年4月に申請件数は24.9%も増加、開始世帯も14.9%増えた。その後、申請も開始も減少に転じていたが、2回目の緊急事態宣言が出た2021年1月から再び増加している。
申請件数は1月7.2%増、2月8.1%増、3月8.6%増となり、保護開始も1月8.2%増、2月9.8%増、3月8.7%増と大きく増えている。3月の保護開始世帯は2万件を突破した。
もっとも生活保護世帯数全体としては新型コロナの期間を通じてほぼ同数で推移しており、申請が通る人がいる一方で、打ち切られる人もほぼ同数いる状況が続いていると見られる。
仕事を失って困窮している人に十分な救いの手が差し伸べられているのかどうかは分からない。
あくまでも「余剰人員」として
経済的に追い詰められている人が多いことと関連があるのか、自殺者も再び増加傾向にある。
警察庁の統計によると、自殺者数は2020年7月に月次で前年同月比プラスに転じて以降、増え続けている。10月には45%増を記録、特に女性の自殺者が目立った。警察庁の調査では経済的な理由は少なく、病気理由が増えている。
新型コロナによって「巣篭もり」を強いられるなど精神的な圧迫感が大きな理由かもしれないが、失業や職場でのストレスが精神疾患に結びついていることも考えられる。2020年10月は完全失業率が3.1%と新型コロナ以降、最悪になった月だった。
自殺者は1月には前年同月比2.3%増にまで減っていたのだが、これも2月以降、再び増加傾向が鮮明になっている。2月は13.7%増、3月10.6%増、4月19.5%増といった具合だ。
政府は企業に対して雇用調整助成金などを支給することで、雇用を守らせることを政策の中心に据えている。この結果、完全失業率は最低だった2.2%(2019年12月)から前述のように2020年10月に3.1%にまで悪化したが、それ以上、大幅に失業者が増える結果にはなっていない。国が助成金を出すことで、企業に「余剰人員」を抱えさせているからだ。
新型コロナが収束して経済活動が元に戻るとするならば、抱えた人材が再び活躍できることになるが、ポスト・コロナで業態が変わったり、その企業が自力では人員を抱えることができなくなれば、むしろ今後、人員整理を行わざるを得なくなる。労働力統計の一見良い数字を喜ぶことができない理由はそこにある。

●3度目の緊急事態宣言「効果を感じない」 相次ぐ不満の声 6/4
もっと迅速に宣言すべきだった、という指摘もある。
神奈川県の40代男性(医療系/年収1100万円)は日常について「気分転換ができず、鬱憤がたまる」といい、3度目の緊急事態宣言が発令された現状は「もう少し早い段階で、より強制的なロックダウンを行うべきであったと思う」とコメントする。
北海道の50代女性(福祉・介護系/年収250万円)は、「もっと迅速な判断で緊急事態宣言を発令していれば、今のような感染拡大はもう少し防げたのではないかと思っています。ゴールデンウイークに人が動くことは、分かりきっていたことなのに」と不満を綴った。
「医療従事者に面と向かって”自粛に疲れた”と言えますか?」
長引く「宣言」のなか、コロナなんて忘れてパーッと遊びたいという気持ちが生まれることはある。
しかし、新潟県の40代女性(年収550万円)は「現役の看護師です」と自己紹介した上で、”自粛疲れ”を口にする風潮に苦言を呈す。
「全国の医療従事者の多くは新型コロナが蔓延してから、いつも常に自粛しています。もう自粛どころか、仕事で疲労困憊です。『自粛に疲れた』とか言っている人は、それを面と向かって医療従事者の前で言えますか?」
神奈川県の30代男性(事務・管理職/年収700万円)も「手洗い消毒は仕事柄、習慣として染みついています」と切り出す。その上で、男性は「よく街中を歩いていて感じるのは、感染対策の習慣が染みついていない人もそれなりいることです」とコメント。マスクの着用やソーシャルディスタンスの確保などができていない人に対して、男性は「もう少し意識して欲しいです」と内心を明かした。
さらに、3度目の緊急事態宣言の発令に至ったことについては、「台湾のように、しっかりとした感染対策を実施していた国でも、ちょっとしたことで感染は拡大します。なのでワクチン接種がある程度完了するまでは、緊急事態宣言は出したり解除したりの繰り返しなんだろうなって思います」という見解を述べた。
イギリスやアメリカなどでは、20代でも「ワクチン接種が終わった」と嬉しそうにツイートしている。日本も早くそんな状況になればいいのだが・・・・・・。

●びわ湖疏水船、春シーズン全面運休 京都と、滋賀をまたぐ移動理由 6/4
新型コロナウイルスの緊急事態宣言再延長を受け、京都と大津を水路でつなぐ観光遊覧船「びわ湖疏水船」の運航団体は、春シーズンの全面運休を決めた。京都府と滋賀県の府県をまたぐ移動となるのが理由。
同船は2018年に67年ぶりの本格運航を開始。大津市と京都市、観光協会などでつくる「琵琶湖疏水沿線魅力創造協議会」が、毎年春と秋に運航している。
今年は3〜6月の計70日間運行する計画だったが、宣言発令で4月25日以降、運休に。6月3日から再開する予定だったが、宣言延長で全面運休を決めた。同協議会は「残念だが、府県をまたぐ移動は抑制しなければならない。秋シーズンに乗船してもらえたら」と呼び掛けている。

●ワクチン接種の遅れが日本にもたらす「決定的な格差」の正体 6/4
政府が緊急事態宣言の延長を決定した。とりあえず6月20日までの延長だが、感染状況がどう推移するのか予断を許さない。宣言の延長で経済がより大きな打撃を受けるのは間違いないが、一方である種の「宣言慣れ」も起きている。宣言延長の経済的な影響について探った。(経済評論家 加谷珪一)
「緊急事態宣言」だけが 景気低迷の要因なのか
政府は2021年5月28日、東京や大阪など9都道府県に対する緊急事態宣言の延長を正式に決定した。延長はほぼ確実視されていたので驚きはないが、6月20日までは「非常時モード」が続くことになる。加えて、5月31日が期限となっていた埼玉、千葉、神奈川、岐阜、三重の5県に対する「まん延防止等重点措置」についても、6月20日までの延長が決まった。
前回、緊急事態宣言が出されていた1月から3月にかけてのGDP(国内総生産)成長率は、物価の影響を除いた実質で前期比マイナス1.3%、年率換算では5.1%もの落ち込みとなった。個人消費がマイナス1.4%と大幅に下落するなど、宣言の発出が消費に致命的な影響を与えたことが分かる。
こうした結果を踏まえると、緊急事態宣言が延長されれば、その分だけ消費が落ち込むのは確実であり、1〜3月期に続いて4〜6月期についてもGDPへの影響が懸念される。ちなみに1〜3月期については、前年同期と比較して名目で3兆円近くのGDPが失われたので、4〜6月期についてもそれに近い水準のマイナスが発生してもおかしくない。
こうした状況から、経済を取るのか感染拡大防止を取るのかをめぐって国内では激論が続いているが、すでに答えは出ているように思える。その理由は、大きな声こそ上げていないものの、大方の国民はワクチン接種が進んでいない現実をよく理解しており、リスク回避を最優先したいと考えている可能性が高いからである。
今、説明した通り、2021年1〜3月期のGDPは緊急事態宣言の発出によって大きな落ち込みとなった。確かに政府による宣言発出の影響は大きいだろうが、必ずしもそれだけが景気低迷の原因とはいえない。その理由は、前回(2021年1月)の緊急事態宣言も、今回の緊急事態宣言も、政府が現実の感染状況を後追いしているだけであり、宣言が発出される前から人出が減っているからである。
つまり、政府よりも国民の方が事態の推移を冷静に受け止め、政府に先んじて行動を自粛していた可能性が高く、これが国民の総意と考えられるのだ。
大方の国民は 宣言を先回りして自粛
例えば、前回の緊急事態宣言は2021年1月8日に発出されたが、東京駅の人出は12月末から急激に減少している。2020年12月中旬時点で、2020年1月との比較で約4割減だった人出は年末から一気に減り、一時は7割減まで落ち込んだ。今回についても、皮肉なことに前回の緊急事態宣言が解除された後、まん延防止等重点措置が実施された頃を境に人出が減り始めている。
つまり、緊急事態宣言の発出よりも国民の行動の方が先であり、コロナ感染者の数が増加したという情報を頼りに、国民が行動を自粛していることが推察される。結果として、政府の緊急事態宣言が国民行動を後追いする形になっている。
世の中では、コロナを過度に心配する人をバッシングしたり、政府や自治体が飲食店の営業について制限を加えたりすることに反発する意見が目立つ。政府関係者で同様の発言をする人もいる。こうした人たちは声が大きいのでかなりの勢力に見えるのだが、実際のところ、大方の国民は、日本のワクチン接種が進まないことにいら立ってはいるものの、現実問題として外出自粛以外にリスクを回避する方法がないことを理解している可能性が高い。
医療体制のひっ迫も同様で、医療従事者の配置など多くの問題点はあるものの、日本の医療体制は総じて貧弱であり、ワクチン接種前の諸外国レベルまで感染が拡大すれば手が付けられなくなると国民は考えているのではないだろうか(日本の医療従事者数は人口当たりでは各国と同水準だが、患者1人に対する医療従事者の数は諸外国と比較して3分の1程度しかおらず、過度な負担がかかっているのは事実である。関係団体を含め、もっと柔軟に対応する必要があるというのはその通りだが、慢性的に医療従事者の負荷が大きいという現実は変えられない)。
こうした状況下で、飲食店などを中心に深刻な影響が及んでいることについても国民は理解しているが、ワクチン接種が進まない以上、自衛手段として外出を自粛する以外に方法がない。ガマンにも限界があるので、今回の宣言期間中の人出は前回よりも多いかもしれないが、逆に言えば、宣言が発出されなかったからといって、皆が何不自由なく外出するのかというと、そうではないだろう。
一部の論者は患者数の増加をメディアがあおっているとたたいているが、メディアをたたいたところで、ワクチン接種が遅れているという致命的な現実がある以上、多くの国民が慎重に行動することを抑制するのは不可能である。こうした慎重な国民に対して「非科学的だ」「経済をつぶすのか」と威圧的・暴力的に対応したところで逆効果にしかならない。
大方の日本国民が、国内の状況について自主的に判断し、慎重に行動しているという前提に立った場合、今回の宣言発出は致命的な影響は及ぼさないものの、早期に解除したところで(感染者数が減少に転じないことには)消費は戻らないと考えた方がよいだろう。
ワクチン遅延で懸念される 諸外国との決定的な格差
4〜6月期のGDPについては、宣言発出によるマイナス効果と、1〜3月期の反動という二つの側面があるため、筆者はほぼゼロ成長と予想している。7〜9月期については、オリンピックが予定通り開催された場合、それなりの経済効果はあるので、多少持ち直すかもしれない。だが、オリンピックを強行すれば強行したで、少なくない国民が感染拡大を懸念し、さらに行動を自粛するだろう。結果としてオリンピックによる効果を相殺してしまう可能性も十分にあり得る。
宣言の有無にかかわらず、国民は慎重になっているので、飲食店に積極的に足が向くとは考えにくい。飲食店については、従業員の雇用が維持されるよう、引き続き政府が積極支援していく必要がある(飲食店の経営が厳しいことは国民もよく分かっており、支援を強化することやその国民負担についてはある程度、合意が得られるのではないだろうか)。
一方、経済全体の懸念材料としては、やはり諸外国との格差である。
諸外国では、ワクチン接種が順調に進んでいることから、ワクチン接種を事実上の経済活動許可証とする、いわゆるワクチンパスポートの導入が進んでいる。米国(連邦政府)のように人権上の問題から制度としては導入しないところもあるが、実質的にワクチン接種が海外渡航やイベント参加の許可証として機能する可能性は高い。
日本人が現在のペースでしかワクチンを接種できない場合、先進諸外国の中で日本人だけが自由に行動できない期間が長く続くことになる。困ったことに、コロナ危機の発生は全世界的に改革を加速させる作用をもたらしており、各国の経済界はビジネスのデジタル化に邁進している状況だ。
このままでは、10〜15年程度の時間がかかると思われていた変化が5年程度に短縮される可能性があり、この重要な時期に日本だけが半年から1年程度、身動きが取れないことになる。
急がば回れの方策しか 残された道はない
非常に言いづらいことだが、ワクチン接種が進まない限り、目先の消費について抜本的に回復させることは難しく、飲食店を中心とした各事業者(特にそこで働く従業員)に対しては、政府が手厚い支援を行うしか方法はない。
一方で、今のタイミングが、今後10〜20年の経済を決める重要な時期であるという現実について、政府のみならず国民も認識を共有する必要があるだろう。企業のデジタル化投資を前倒しで進め、諸外国との差を可能な限り縮める努力が求められる。
即効性がないように思えるかもしれないが、テレワークに移行できない中小企業などを対象にIT化支援を行うなど、デジタルシフトを促進する施策を大規模に実施した方がよい。また、雇用が不安定になっていることを逆手に取り、ビジネスパーソンのスキルアップ(職業訓練)について政府が全面支援してもよいだろう。
大きな打撃を受ける飲食店への直接支援と、社会のデジタル化を加速させる大規模な人的投資を同時並行で実施することこそが、ワクチン接種で遅れている日本が選択し得る、唯一の方策だと筆者は考えている。

●「泣き寝入りはいけない」 ビッグサイトのイベント直前中止、都に補償求め 6/4
東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催予定だったイベントが、緊急事態宣言発令の影響で、直前に中止や延期を余儀なくされたことをめぐり、イベント業界関係者らが2021年6月3日、東京都に向けて損失補償を求める2万7000人分超の署名を提出した。
署名の発起人で、イベント人材派遣を手掛けるトライフル(東京都千代田区)代表の久野華子さんは、中止を余儀なくされたイベント団体の1つである一般社団法人日本ホビー協会の荒木武美智専務理事とともに、署名提出に先立って東京都庁記者クラブで会見を開いた。
準備期間もなくイベントが中止に
新型コロナウイルス感染症拡大に係る3回目の緊急事態宣言の発令が発表されたのは4月23日夜。これに伴い東京都産業労働局商工部が管轄するイベント会場・東京ビッグサイトは、期間中にイベント開催予定だった主催者らに無観客イベントのみ会場を貸し出すとした。
2日後の4月25日は赤ブーブー通信社が主催する同人誌即売会「SUPER COMIC CITY GYU!!2021」、4日後の27日から29日にかけてはリードエグジビションジャパンのIT展示会「Japan IT Week」と、一般社団法人日本ホビー協会によるハンドメイドイベント「日本ホビーショー」の開催が予定されていたが、いずれのイベントも開催を目前にして中止や延期を余儀なくされた。
久野さんはこのような形での延期・中止により発生した損失の補償を求め、4月29日から「東京ビッグサイトの突然の使用禁止により発生した損失の補償を求めます」というオンライン署名活動を実施した。準備期間なく会場が事実上の使用禁止を強行したこと、イベントの開催基準が不明瞭であったこと、行政からの補償が不十分でイベント関係業が経済的に困窮していることを問題視しているという。
政府は、多大な混乱が生じてしまうと主催者が判断する場合には、直ちに無観客化・延期などをしなくてもよいという「例外措置」を認めていた。しかし東京ビッグサイトで開催されたイベントについては、例外措置が適用されなかった。久野さんたちは、東京都と東京ビッグサイトに対して損害の補償を求めている。
そして6月3日、集まった2万7321人分の署名を東京都に提出した。
日本ホビー協会の訴えた窮状
日本ホビー協会は、東京ビッグサイトが示した開催基準を基に準備を進めてきた。4月25日の夕方から会場設営を行う予定だったため、荷物は既に発送済みだった。あとは会場を設営するのみの状態だったとして、荒木専務は当時をこう振り返る。
「ビッグサイトから連絡があったのは24日の0時半過ぎでした。政府の示した例外措置もありましたのでイベントは開催できるものと思っていましたが、『無観客であれば開催できる』という連絡をいただきました。無観客でしたら会場を借りる必要はありませんし、実質的な中止要請と受け取りました」
署名発起人の久野さんによれば、東京ビッグサイトが連絡したのは主催者のみであり、施工会社やケータリング業者など関連業への通知などは行われなかったという。中止の連絡が間に合わず搬入のために既に会場に到着していた業者もあったとして、通知方法も問題だと語った。
さらに荒木専務によれば、本件による日本ホビー協会の損失額は約1億7000万円に上るという。さらにこうした窮状を伝える窓口がないことも問題視している。
「協会が一番困っていることは、こういった状況、意見を受け付けてくれる窓口が全くないことです。4月27日に各省庁の窓口に電話して、東京都産業労働局、経済産業省のクールジャパン政策課、内閣官房、コロナに関連して情報発信する各省庁に電話で問い合わせをしました。しかし結果としては、緊急事態宣言の補償は決まっていないとたらい回しにされました。こうした状況をどこに伝えたらいいのか分かりませんでした。そこで今回、意見を陳情できるということでありがたく出席させていただきました」
またイベント中止の影響は金銭の損害に留まらない。
「日本ホビーショーは2年連続中止となり、結果的に参加者様を裏切ってしまう事態になりました。ホビーショーに出展するために会員になる方が多いのですが、今回の中止を受けて脱会される会員さんが続出しております。一時は法人・個人合わせて430人ほど会員さんがいらしたのですが、今は370を切っています。会費収入も大幅に減る見込みとなっております」
報道陣の質問に対し荒木専務は、今後の状況によっては損害賠償を求めることも検討すると明かした。
リアルな展示会を存続させたいという想い
久野さんは、東京都に対しイベント中止に伴う損失額の補償を約50%まで引き上げることを望んでいる。
「現在発表されている緊急事態宣言発令に伴うイベント中止によって発生した損失に対する国の補償は最大2500万円であり、適用される対象も限られています。不十分な部分については東京都が補償を行うことがのぞましいと私たちは考えています。イベント開催が難しい状況が続き、補償もないとなると失業者が増え、業界自体が潰れてしまいます」
久野さんは、イベントの年間経済波及効果は7500億円以上にものぼり、約5万人の雇用を生み出していると訴える。イベントが開催されないことで、イベントの人材派遣会社や警備会社、施工会社、造作業者、ケータリング会社などの関連業や、会場周囲の飲食店やコンビニエンスストア、交通機関、宿泊企業など多様な産業に影響が出るのではないかと危惧している。
久野さんら会見出席者はこの会見後、署名提出までの間にJ-CASTニュースの追加取材に応じた。
昨今はオンラインイベントも注目されてきているがその実情について、久野さんはオンライン化が厳しい分野もあると語る。
「オンラインで収益を上げている企業は、以前から準備をしていたようなオンラインとの親和性が高いところです。リアルの転換で収益を上げているのではなく、元からやっていたものの需要が高まったものとみています。雑貨や化粧品、ハードウェアなど直接見ないと分からないものについてはリアルに対する期待が大きく、オンライン化が進みにくい分野です。リアル展示会再開への要望も大きいです」
また一般社団法人日本ホビー協会事務局員の足立浩さんは、イベントは産業の起点であるとし、その開催意義を語った。
「業種や業態が変わったとしても、イベントは新しいものを知ってもらう、人々のつながりができる、産業の起点ともなる場所です。次の購買を作るきっかけの場となります。1社が発表するのではなく、いろんなコンテンツが一か所に集まって個人も企業も一緒に学び合える場所です。別の表現で言えば『シェア』できる場所です。しかしこうした状況が続けば、出展者のマインドも冷え込んでしまい、来場者も減って悪い循環になってしまいます。日本ホビーショーだけでなく産業全体がしぼんでいってしまうのではないかと危惧しています」
「急な要請にご協力頂き感謝しています」
2万7321人分の署名は18時半過ぎ、都庁の一室で東京都産業労働局の担当者に提出された。提出には日本ホビー協会の関係者と記者会見に出席した一部のメディア、都議会議員の栗下善行氏(立憲民主党)が立ち会った。
栗下都議は、署名を通して今回の問題が知られることを望むと話す。
「この問題は深刻さの割に知られていないために、このまま見過ごされようとしているように感じます。これまでは損害があった事業者であっても、東京ビッグサイトとの関係悪化を恐れて声を挙げづらかったと思います。この署名の賛同者の中にはそういった人々もいたと思います。この署名は、声を挙げられない事業者の方々の背を押したものだと思います。行政の窓口が見つからないまま泣き寝入りせざるを得ない人々を、そのままにしてはいけないと思います」
東京都の担当者は署名を受け取り、「急な要請にご協力頂き感謝しています」とし、こう述べた。
「4月25日から始まる緊急事態宣言の決定が23日の夜に行われたことで、ご案内の通り都有施設などにおきまして無観客あるいはオンラインでの開催をお願いしました。無観客あるいはオンラインでの開催ができないということで、やむを得ず中止または延期のご決断をしていただいた皆様においては大変ありがたく感謝しております」
また苦しい状況で対応したことについては、「都としましても国の制度や東京都独自の支援金等を活用しながらご対応させていただければと存じます。どうぞよろしくお願いいたします」と述べた。
署名提出後、J-CASTニュースは東京都の担当者に、東京ビッグサイトで開催予定だったイベントに例外措置が認められなかった理由を尋ねた。東京都の担当者はこう語る。
「今休館している都立施設に加えてそれ以外の都立施設等についても、無観客の場合を除いて休館することとしていました。民間の方々にもかなり厳しい状況の中で我慢していただいており、都立施設等においては範になるような行動をしなければいけないということです」
この都の方針に基づき民間企業にも影響が出てしまったことなどについては、「総務局総合防災部が定めた方針に従ったものであり、私が回答する立場ではありません」とした。

●終電後のJR大阪駅に現れる“謎の電車” 緊急事態宣言中の特別な理由 6/4
JR西日本は緊急事態宣言中は終電を繰り上げています。そんな中、終電の後も乗客を乗せずに走る電車があります。その理由を取材しました。
6月3日午後11時48分の天王寺駅。環状線の内回りの最終電車が大阪駅に向けて発車しました。終電が行った後の天王寺駅は閑散としています。日付が変わって6月4日午前0時すぎ、1台の電車が天王寺駅のホームに入ってきました。そしてしばらくすると客を乗せることなく再び走り出しました。この“謎の電車”は一体どこへ行くのか。
一方、6月4日午前0時20分すぎの大阪駅。すでに運行は終わり、ホームに人の姿はありません。ところが…。
(記者)「電車がホームに入ってきました。車内の明かりは全て消えているようです」
到着したのは先ほど天王寺駅を出たあの“謎の電車”でした。車内を点検する作業員とともに車内に入れていただきましたが、やはり誰も乗っていません。業務を終えた車掌が降りてきました。
(記者)「これは終電じゃないですよね?」
(車掌)「終電じゃないです。きょうはもう終わり」
そう言い残して帰っていきました。この電車は一体なんなのか。謎は深まるばかり。JR西日本の担当者に聞いてみました。
(JR西日本近畿統括本部輸送課 中井義文さん)「普段と同じような作業ができる環境を作って、とにかく翌日に影響を与えない。車両の使い方も順番がありますので」
緊急事態宣言前、大阪駅では最終電車が着くと翌日の早朝電車として待機させ、乗務員も大阪駅で降りて翌朝の乗務に備えていました。しかし、緊急事態宣言が出された後、終電が早まったことで、現在の終電が天王寺駅で止まってしまう事態に。本来は大阪駅にあるはずの早朝用の電車と乗務員がいなくなってしまったのです。そのままでは翌朝からの運行に支障が出るため、客を乗せずに乗務員だけを乗せた電車を天王寺駅から大阪駅に向けて走らせる必要があったのです。これが謎の電車の正体でした。
(中井義文さん)「(緊急事態宣言から)かなり短期間で決定しなければならないというのがありました。(ダイヤや乗務員を)大幅に変更してしまうとかなり混乱するだろうなということで、回送列車として走らせることが一番だなと」
JR西日本は、緊急事態宣言が終われば繰り上げていた終電をもとに戻す予定で、この無乗客電車もなくなるということです。
 
 
 

 


●長崎市の「緊急事態宣言」7日で解除 時短要請も終了 6/5
長崎県は4日、新型コロナウイルスの感染状況に一定の改善が見られたとして、長崎市を対象とした県独自の緊急事態宣言を7日をもって解除し、感染の広がりを示すステージを県全域で3(増加・拡大)に引き下げると発表した。市内の飲食店などへの営業時短要請も7日までで終了する。
県によると、県内の新規感染者は3日までの1週間で77人。長崎市では5月10日をピークに、県のステージ2の水準まで減少した。時短要請を1週間延長した際の根拠だった長崎医療圏の病床使用率も、3割を切るにまで改善した。
中村法道知事は4日の記者会見で「長崎市は大きなピークを越え、病床の状況も落ち着きを取り戻しつつある」と述べた。ただ、感染経路不明の割合は約5割と高いため、県外との往来自粛の継続も呼びかけた。
知事が危機感を訴えたのが、佐世保市の動向だ。同市の新規感染者は夜の繁華街を中心に増加傾向で、飲食関係の感染割合は5月から約3倍増。市内のバーではクラスター(感染者集団)も発生した。
同市は来週から、飲食関係者を対象に緊急のPCR検査を実施する。中村知事は「予断を許さない状況がいましばらく続く」として、感染者の早期検知に努めることを強調した。
長崎市は同日、グラバー園や市立図書館、高齢者福祉施設などの観光・公共施設を8日から再開すると発表した。市主催のイベントも8日以降、感染対策を徹底した上で順次再開する。会見で田上富久市長は「まだまだ油断ができない」としてカラオケ利用自粛などの警戒継続を求めた。  

●新宿御苑 緊急事態宣言受けた臨時閉園から再開 6/5
緊急事態宣言を受けて臨時閉園していた東京 新宿区の新宿御苑は、入園できる人数を制限するなどの感染防止策をとったうえで再開し、週末の5日は家族連れなどが訪れています。
新宿御苑は緊急事態宣言を受けてことし4月25日から閉園していましたが、4日から再開しています。
再開後、初めての週末となった5日は、家族連れなどが訪れて見頃を迎えたあじさいの写真を撮ったり、散策したりして楽しんでいました。
新宿御苑では感染防止策として今月20日までは1時間あたりに新たに入園できる人数を2000人までに限るほか、閉園時刻を通常の午後6時から午後4時半に早めます。
また、利用者にはマスクの着用を徹底し、ランニングはしないこと、それに園内で飲食する場合は同居している家族どうし、または4人以下とし、飲酒はしないよう呼びかけています。
夫婦で訪れた70代の男性は「あじさいがきれいだと聞いたので、散策しようと久しぶりに外出しました。自粛が続きますが足腰が衰えないように歩きたいです」と話していました。
また、子どもを連れて訪れた30代の男性は「年間パスポートを持っているので、再開を楽しみにしていました。ここなら密を避けられるので開園してもらえるとうれしいです」と話していました。
新宿御苑管理事務所の飛島雄史総括調整官は、「感染防止策をきちんととったうえで、青々とした芝生でくつろぐなど楽しんでほしいです」と話していました。

●歌舞伎町よりすごい?新大久保に緊急事態宣言下でも若者が集う3つの理由 6/5
東京や大阪など9都道府県で発出されていた緊急事態宣言の延長が、5月28日決まった。この緊急事態宣言時において、たびたびメディアにその様子を報じられる「夜の街」。とりわけ歌舞伎町に対する風当たりは強く、通りや路上飲みをする若者たちの姿を撮ろうとカメラを担ぐテレビマンたちをよく目にする。
歌舞伎町の飲食店で働く男性(40代)は、そんなテレビマンたちを見るたびに、はらわたが煮えくり返るような気持ちになるという。
「バーや居酒屋とかの飲食店はおおかた20時には閉めている。でも、たしかにホストクラブは営業してるし、若者たちはいつも路上飲みをしている。そういう様子を撮っておけば世間の目が集まって視聴率が取れると思ってんだろ。とりあえず、歌舞伎町を悪者にしておけばみんな納得するんだろ。でも、人であふれているのは歌舞伎町だけじゃない。すぐ隣の新大久保だってすごいんだから」
歌舞伎町で働く男性の言葉を受け、まずは昼間の新大久保に行ってみると、ほぼ全員がマスクを着用しているものの、コロナ前とほぼ変わらない人混みがあった。大久保通りの両歩道は人で埋まり、前に進もうとするだけでも時間がかかる。ところどころ店の前では行列ができ、ガードレールに腰掛けながら談笑する人、道の真ん中で立ち止まって談笑する人もいるからだ。
2017年、新大久保の街では主に女子高生の間で「チーズタッカルビ」が流行した。そのブームが落ち着き、次に人気となったのが「チーズハットグ」と「タピオカミルクティー」。この2つの共通点は店内での飲食ではなくテイクアウトが主流であるということ。その人気につられて新大久保ではほかにもテイクアウト専門の店が数多く出店している。
コロナ禍によりテイクアウト対応の飲食店が増えたが、新大久保はそもそもが「テイクアウトして食べ歩く」という習慣の街である。ガードレールに腰掛ける人の手には、だいたい「チーズハットグ」が握られている。
また、テイクアウトでの営業のため20時までの時短営業要請の対象にならない。実際、新大久保では緊急事態宣言中においても20時以降の営業をしているテイクアウトの店は多く、通常通り21時30分〜22時に店を閉める光景が見られた。
また、新大久保に訪れる人々(主に10代〜20代の女性)の目的は、これらグルメだけではない。新大久保にはコスメショップやアイドルグッズ専門店が多くあり、若い女性たちに人気だ。両店舗は床面積の合計が1000平方メートルを超える場合は休業要請、1000平方メートル以下の場合は休業の協力依頼にとどまっている。
20時以降も営業をしている「コスメショップ」と「アイドルグッズ専門店」に入店し、営業時間を聞いてみると、「22時〜22時30分など通常の営業時間と変わらずやっている」と教えてくれた。
「コスメショップ」や「アイドルグッズ専門店」でショッピングを楽しみながら、テイクアウトの店でチーズハットグやタピオカミルクティーを味わうという新大久保におけるベーシックな遊び方においては、緊急事態宣言はあまり影響しない。そのためコロナ禍においても、若い女性たちがあふれかえる街となっているのである。
冒頭の歌舞伎町で働く男性は「新大久保は夜になっても人でいっぱい」と教えてくれたが、テイクアウトの店もコスメショップもアイドルグッズ専門店も、もともと深夜まで営業している店ではない。22時30分を過ぎると、ほとんどの店舗がシャッターを下ろす。
22時頃、新大久保の「イケメン通り」と呼ばれる道に入ると、「24時間営業」と看板に書かれた韓国料理店の前に、15人ほどの行列ができていた。その中の客のひとりである20代の女性はこう教えてくれた。
「ここは今でも24時間営業なんですよ」
イケメン通りには24時間営業と書かれた韓国料理店がほかにもある。前出の店とは別の2店舗に聞いてみると、「今も24時間営業です」とのことだった。行列ができているのだから店の中はもちろん満席である。中を覗いてみるとテーブルの間隔を開けるなどの対応は見られなかった。
イケメン通りから大久保通りに戻り、両側に立ち並ぶビルをよく見てみると、営業を続ける韓国系飲食店がちらほらと見られた。そのうちの1店舗をネットで検索してみると、「営業時間は20時まで」と記載されていた。電話をしてみると、「今の時間帯は電話に出られません」とのアナウンスが流れた。
ビルの2階にあるその店に直接行ってみると、1階の階段まで行列ができており、80席くらいはある広い店内は若い女性たちで満室。店員に営業時間を尋ねると、悪びれる様子もなく、「変わらず24時間営業です」と言っていた。
緊急事態宣言下にもかかわらず繁華街を飲み歩く若者たち、時短要請に応じず深夜まで営業する経営者。どちらにもそれなりの言い分があるのかもしれないが、今はまだ我慢の時期ではないだろうか……。

●緊急事態宣言 対象地域の週末 「休業」に「再開」 対応さまざま  6/5
全国で新型コロナウイルスのワクチン接種が急ピッチで進む中、兵庫・神戸市では、中学生や高校生などへの集団接種を検討していることがわかった。
集団接種の検討は、ワクチン接種の対象年齢が12歳まで引き下げられたことを受けてのもので、実施されると、全国で初めてとなる見通し。
ワクチンの接種率が、全国トップの和歌山県。人口およそ430人の北山村では、16歳以上で接種を希望した318人全員への2回目の接種が、5日に終了した。
ワクチンを接種した人たちは「自分が打っていいのかなという気持ちと、打ててよかったなという気持ちの半分半分です」、「うれしいです。接客業なので、(ワクチンを)打っていると、お互い安心かなって」などと話した。
各地でワクチンの接種が進む中、神戸市では、私立の中学や高校などで、生徒への集団接種を行う検討を始めたことがわかった。
これは、6月1日から、厚生労働省が、ファイザー社製のワクチンの接種対象年齢を16歳以上から12歳以上に引き下げたことを受けてのもので、実施が決まれば、全国で初めてになるとみられる。
接種には保護者の同意が必要で、接種を受けない生徒が、部活動などで不利益があったり、仲間はずれにあわないよう、具体的な方法を教育委員会と協議しているという。
そうした中、5日も、250人を超える新規感染者が確認されるなど、全国最悪の感染状況が続いている沖縄県。
百貨店など大型商業施設では、県の要請を受け、5日から生活必需品の売り場を除き、土日・祝日を休業することになった。
街では、「時期が時期なので、土日閉まっても、そうだな...と」との声が聞かれた。
県内7カ所のボウリング場も、要請に応じ、土日の休業を決めた。
沖縄県ボウリング場協会・米須義明会長「納得いかない部分は正直あります。ボウリング業界を守るために、じっと我慢しなければいけない時期なのかなと」
こうした一方で、緊急事態宣言は続いているものの、新規感染者が減少傾向にある福岡県では、5日から、多くの百貨店が、土日の営業を再開した。
街では、「普通に買い物できるのが、うれしいというか、ありがたい」との声が聞かれた。
岡山市北区の大型商業施設「イオンモール岡山」では、5日から、土日・祝日の営業再開ということで、オープンと同時にお客が訪れている。
生活必需品以外の売り場の営業時間を短縮したうえで、5日から営業を再開した。
訪れた人は、「平日は仕事していて、もちろん来られないので、土日で営業再開してくれると、利用者としてはありがたい」と話した。
東京都も、新たに確認された感染者は436人で、23日連続で、前の週の同じ曜日を下回っている。
4日、およそ5カ月ぶりに営業を再開した上野動物園。再開後、初めての週末を迎えた5日、開園前、およそ120人が列をつくった。
訪れた人は、「パンダを見に来ました。来週(シャンシャンの)お誕生日なので、元気な姿を見たくて」と話した。
ジャイアントパンダをめぐっては、4日、メスのシンシンに妊娠の兆候があることが明らかに。
上野動物園では、事前予約制として、1日の入場者を2,000人までに制限している。
訪れた人は、「パンダも見られたし、サルとかゾウ、トラとか見られた。元気な気分になった」と話した。
10都道府県に出されている、緊急事態宣言。
期限となっている6月20日まで、あと2週間余り。

●高齢者施設でクラスター、八百津町が緊急事態宣言 岐阜 6/5
岐阜県内の福祉施設で最大規模の新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生したとして、八百津町は4日、独自の緊急事態宣言を出した。県は5日から20日まで「まん延防止等重点措置」の対象区域に同町を加える。
町内では、5月29日に高齢者のデイサービス施設の職員の感染がわかり、その後にデイサービス施設と養護老人ホームの両方を利用する高齢者の感染も確認。4日までに職員や利用者、家族ら46人のクラスターに拡大した。
町の人口は約1万人だが、直近7日間の感染者は31人で、岐阜市、可児市に次ぐ規模となった。
村上啓雄・ぎふ綜合健診センター所長は、変異株が感染を広げた要因の一つとみる。町は6月中旬までに町内の高齢者施設の利用者と職員のワクチン接種を終える予定で、この養護老人ホームでも接種中だったが、十分な効果が得られる前に発症したとみられる人もいたという。
県は県内の福祉施設で予防的な検査もしてきたが、ショートステイは対象になっていなかった。
医師による全施設の職員向けの緊急指導は、5日に予定する。また、公民館や杉原千畝記念館などの施設は20日まで休館する。
県庁で記者会見した金子政則町長は「施設でこれだけの方が陽性になり、家族も子どももいる。町民の命を守りたい」と理解を求めた。古田肇知事も「市中への広がりを抑えたい」と話した。
県は、町の飲食店など約60店舗に要請してきた午後8時までの営業時間短縮(時短)に加え、新たに酒類の提供自粛も求める。
県内の高齢者の福祉施設ではこれまでに41件のクラスターが発生。5月以降は岐阜市や関市の施設などでも確認された。
村上所長によると、高齢者の福祉施設には認知症がありマスクを外してしまう人や、耳が聞こえにくくて職員が大声で話しかける人もいる。「適切な介護をすればするほど職員と利用者が『密』な距離になる。感染者が一人でも少なくなるよう支援する」と話した。(高木文子)

●緊急事態宣言延長…そもそも会社員が8時間働く必要ある? 6/5
6月に入りました。緊急事態宣言は延長されましたが飲食店の一部にはお酒を提供するお店が出てきてるようです。そりゃそうなりますよね。行政は協力金の支払いは遅れているのに度重なる一方的なお願いばかり。お店が潰れたら支給がなくなるため、お店としたらわざと潰れるまで支給を遅らせてるんじゃないかとさえ疑ってしまいます。
店先でテークアウトを売ってもやはり儲けの中心はお酒。協力金はいらないからお酒出しますよってお店が大繁盛してるのを見たら、それじゃあウチもってなるでしょ。
「飲食店が時短営業するんだから会社員も時短勤務しろ」ってネタがありますが確かに飲食店にだけ負担を押し付けないでみんなで苦労を分かち合うのは大事かもしれません。会社は15時まで。電車は21時まで。テレビは22時まで。だいたい今までの3時間前倒しのイメージですかね。するとサラリーマンなんかは21時に就寝で、きっちり8時間睡眠を取って朝5時起床。軽い運動を1時間したあとゆっくり家族と朝食。会社に行ってからも仕事の能率が上がりそうな朝じゃないですか。15時退社で2時間外で食べても18時には帰宅。
なんてここまで書いててそもそも会社って8時間働く必要あるんですかね。睡眠時間を8時間取れず、運動する時間もなく、家族と共に食事を取る機会もないサラリーマンの方って結構いますよね。仮に8時間働く必要があったとしても、よく世界的にみて日本人の生産性が低いって言われるのはみんなで8時間勤務、みんなで勤務時間が似てるから行き帰りの電車はラッシュに。そのせいでみんなヘトヘト。昼休みもみんなで正午から。そのせいでランチの店も行列で休み時間を浪費。みんなで一緒だから生産性が落ちるのってあると思うんだけどなぁ。
人流を避けるためにも時差出勤、労働時間短縮を要請するべきじゃないの。実際この日刊ゲンダイの編集部の方は出社や労働時間は不規則らしいので顔色がいつも良いですからね。

●愛知 「緊急事態宣言」延長後初の週末 金曜夜の繁華街の人出は増加 6/5
愛知県の緊急事態宣言が延長されて初めて迎えた4日(金曜日)の夜、栄などの繁華街の人出は前の週より増加していたことがわかりました。
携帯電話の位置情報のデータによりますと、4日午後9時台の名古屋の人出は、前の週に比べて栄エリアで9.3パーセント、名古屋駅で9.8パーセント、伏見駅で4.8パーセント増加しました。
緊急事態宣言の延長後、初めての週末となった5日午前の名古屋・栄は食事に出かける人の姿などが見られました。
女性「店で医療従事者の友人と会います。緊急事態宣言を意識する人がお出かけを控えれば、その分人出は減ると思います」
男性「結婚式の衣装合わせに行きます。人通りはちょっと増えてきていてみんな緊急事態宣言に慣れている気がします」
愛知県内では4日に266人の新型コロナ感染者が確認され、13日連続で前の週の同じ曜日を下回っています。
 
 
 

 


●緊急事態宣言 “再延長後” 初の日曜日 銀座 人通りはまばら  6/6
緊急事態宣言が再延長の期間に入って初めての日曜日の6日、東京の繁華街、銀座では小雨が降っていることもあって人通りはまばらになっています。
宣言の再延長を受けて東京・銀座の中央通りでは、休日に行われている歩行者天国が6月20日まで中止されています。
土曜日と日曜日は一部の売り場で臨時休業や事前の予約制にする店があり、小雨が降っていることもあって午前中の人通りはまばらでした。
都内に住む女性は「人出が多いと聞いて銀座に来るのは避けていたのですが、どうしても美容院に行きたくて8か月ぶりに来ました。用事が済んだらすぐに帰ります」と話していました。
出勤する途中だという30代の会社員の男性は「いつも銀座を通って出社していますが、人が増えてきていると感じます。早くワクチンが普及してほしいです」と話していました。
また、来週ワクチン接種の予約ができたという60代の男性は「いまの時代は人の命が大切だと思いますが、そのあと経済がどうなるのか心配です。以前は月に一度くらいは旅行に出ていたのでワクチンを打ったあとはもっと外に出られるようになったらいいですね」と話していました。

●宣言延長後 初の週末の人出 東京や関西3府県で増加目立つ  6/6
東京や大阪などに出されている緊急事態宣言が延長の期間に入って、初めての週末となった5日の人出は、東京や関西の3府県では前の4週間の土日、祝日の平均と比べて増加する地点が目立ちました。
NHKは、IT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使って、緊急事態宣言が出されている10の都道府県の主な地点の人の数を分析しました。
分析した時間は、日中が午前6時から午後6時まで、夜間が午後6時から翌日の午前0時までです。
それによりますと、東京や大阪などに出されている緊急事態宣言が延長の期間に入って、初めての週末となった5日の人出は、前の4週間の土日、祝日の平均と比べて、渋谷スクランブル交差点付近は日中は45%増加、夜間は67%増加、東京駅付近は日中は22%増加、夜間は19%増加、名古屋駅付近は日中は1%増加、夜間は19%増加、大阪梅田駅付近は日中は46%増加、夜間は54%増加、神戸市の三ノ宮駅付近は、日中は32%増加、夜間は56%増加、京都駅付近は、日中は28%増加、夜間は47%増加、岡山駅付近は日中は6%増加、夜間は22%増加し、東京や関西の3府県では増加する地点が目立ちました。
それ以外の地点では 札幌駅付近は、日中は10%減少夜間も24%減少、広島駅付近は日中は4%減少、夜間も19%減少、博多駅付近は日中は4%増加、夜間も2%増加、那覇市の県庁前駅付近は日中は5%の増加、夜間は逆に11%減少、などとなっています。

●緊急事態宣言で百貨店の不満は爆発寸前! 明確な基準示さぬ東京都 6/6
新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が続くなか、東京都と百貨店との「摩擦」が表面化した。
東京都の休業要請に対し、百貨店側が5月に入り「生活必需品」の範囲を広く解釈して売り場を徐々に拡大。これに対し都が「圧力」を強めたのだ。緊急事態宣言の再延長に伴い、都は6月から措置を緩和し、平日だけは通常営業に戻せたものの、百貨店の不満はくすぶったままだ。
「生活必需品」とは? 「豪奢品」ってなんだ!
東京都は2021年4月からの緊急事態宣言により、百貨店など大型商業施設に休業を要請した。ただ「生活必需品」は例外で、百貨店は食品など一部の売り場に限定して営業を続けてきた。
しかし、5月の大型連休明け以降、百貨店は次第にバッグや靴などについても「生活必需品」ととらえ、売り場を再開する動きが出てきた。高島屋が5月中旬、「生活必需品」の範囲を衣料品などにも広げ、通常に近い形で営業を拡大すると、そごう・西武や三越伊勢丹ホールディングス(HD)などもこの動きに連動し、なかには「グッチ」や「ルイ・ヴィトン」など高級ブランドの売り場を再開する動きも起きた。
こうした状況に東京都は黙っておらず、小池百合子都知事名の要望書を日本百貨店協会に送り、「高級衣料品など豪奢(ごうしゃ)品は生活必需品ではない」として、休業要請に応じるよう強く求めた。
しかし、「豪奢品」という、通常は百貨店でも使われないような言葉をわざわざ使ったことに、百貨店側は都への疑念を強めた。「まるで悪者のような印象を与えている」というわけだ。
そもそもコロナ禍が長引き、百貨店の経営状況は非常に厳しい。日本百貨店協会が5月末に発表した5月前半(1〜17日)の主要百貨店の売上高は、コロナ禍前の2019年比で約55%減と大幅に落ち込んだままだ。
外食店の「二の舞」になる......
各百貨店は感染予防に力を入れ、店の入り口ではサーモグラフィーを使ってお客の検温を実施したりしており、大きなコストもかけている。
「都は人流を減らしたいというが、しっかり感染対策をしている店の営業を止めることがどれだけ効果があるのかはわからない。小売業や外食業が犠牲になっているのではないか」という根強い不満は消えない。
都に対する不信感が強いのは「生活必需品は何であり、豪奢品は何であるのか、という基準を示してくれない」(百貨店関係者)ということも大きく影響している。
泣く泣く営業を控えている百貨店に対して明確な基準を示さないなど、東京都の説明不足が百貨店を苛立たせているといえる。
6月から制限が緩和され、多くの百貨店は「臨時休業」の看板を外した。だが、書き入れ時とも言える土日は引き続き「生活必需品のみ」の限定的な営業を求められている。「生活必需品」の基準が何かという疑問は解消されないまま残されている。
東京都への疑念が消えないなか、外食業の閉店や倒産が相次ぐ事態を見るある百貨店関係者は、
「私たちだってどこまで絶えられるかわからない」と、不安な表情で話した。

●緊急事態宣言延長後、最初の日曜日の人出は? 福岡 6/6
緊急事態宣言が延長され、迎えた最初の日曜日。福岡市の中心部では人出が増えていました。
5日の土曜日から、岩田屋本店、福岡三越、博多阪急など多くのデパートでは、食料品に加え、衣料品なども含めて、土日の売り場を拡大して営業しています。
6日・日曜日午後1時すぎの福岡市天神は、買い物袋を持つ人や家族連れなど、多くの人が行き交っていました。
ソフトバンクの子会社アグープによりますと、5日午後3時の人出は前週と比べ、天神周辺で6.5%増、博多駅周辺で8.6%増と、いずれも増加しました。
天神に来ていた50代男性は、「多いね、びっくりした」「ほんとは人がおったら、いかんちゃろうけどね」などと話していました。
福岡県に出されている緊急事態宣言の延長は、今月20日までとなっています。

●兵庫の病床使用率、5割未満に改善 重症病床もピークの8割台から5割台に 6/6
兵庫県などで新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発令されてから、2回の延長を経て6日で6週間。政府の分科会による感染状況の指標は、4月25日の発令時、全7項目がステージ4(爆発的感染拡大)だったが、5日時点で2項目に減った。宣言の期間は20日まで。県感染症対策課は「さらに重症病床の使用率が下がり、患者の減少傾向が続けば。もうしばらく我慢が必要」としている。
全入院患者の病床使用率は今月2日、3月23日以来71日ぶりに5割を下回り、ステージ3(感染急増)に下がった。重症者用病床の使用率はステージ4だが、8割を超えたピーク時から5割台まで下がった。入院できている患者の割合を示す「入院率」は、1カ月前は7人に1人程度だったが、今月1日に4割を超え、ステージ3を脱した。
1週間の検査陽性率は今月に入って5%未満に、1週間の人口10万人当たりの新規感染者は先月30日以降15人未満になり、いずれもステージ3を脱した。一方で、感染経路不明の割合は50%前後が続き、今月3日以降はステージ4となる5割をわずかに超えている。
県は2月末までの前回の緊急事態宣言で、解除要請の基準について、11週間の人口10万人当たり新規感染者10人以下2重症用病床使用率50%未満−がいずれも1週間続くこととした。今月5日時点で1は10・4人、2は56・6%。
前回解除後はすぐに感染が再拡大。井戸敏三知事は5月末の会見で「宣言を解除しても、リバウンド阻止のため、全く自由にゼロになるということは考えられない」と述べた。
 
 
 

 


●百貨店化粧品の受難 ― 三度の緊急事態宣言で回復は遠のく 6/7
「客足がぱったり止まってしまい厳しい状況が続いています」。東京都心にある百貨店の化粧品売り場。4月25日から始まった3回目の緊急事態宣言の化粧品売り上げに対する影響は深刻で、国産ブランドの美容部員はその窮状を打ち明けた。昨年の1回目の緊急事態宣言の時と異なり、今回は化粧品売り場を営業する百貨店が多いが、そのほとんどが正面玄関が閉まっているため全館休業のイメージが強く、お客の中には化粧品売り場も閉まっていると思っている人が多い。「営業していることをお客さまに認知されていないのでは」と先の美容部員は嘆く。
百貨店では正面玄関が閉まっているため化粧品売り場が営業していることを気付かない人が多い
化粧品売り場の営業を継続した百貨店は、三越伊勢丹HD、高島屋、松屋、大丸松坂屋、西武そごう、小田急百貨店だ。エイチ・ツー・オーリテイリングは食品売り場のみ営業、ただし、阪急うめだ本店と神戸阪急は土日祝日は全館休業。近鉄百貨店は食品のみ営業、東武百貨店は化粧品は池袋店が休業、船橋店は営業となった。「百貨店では化粧品売り場は営業する店舗が多いが、外出やイベント機会の減少は化粧品の販売機会ロスにつながり、各社の売り上げはネガティブな影響を受けている」と化粧品担当のアナリストは分析する。

●大人4人と幼児1人で飲食店に「入店拒否」された僕がコロナ禍思うこと 6/7
度重なるルールの変更、疲れていませんか?
新型コロナウイルスにおける3度目の緊急事態宣言が、9都道府県(北海道・東京・愛知・大阪・兵庫・京都・岡山・広島・福岡)で2021年6月20日まで延長されることが決まりました。東京オリンピックの開催が間近に迫る中、感染者数の状況によってはさらに延長される可能性も大いに考えられます。
感染症を広めないためには、政府が定める明確なガイドラインはもとより、それに対する国民の正しい理解と協力が不可欠です。とはいえ、ルールの度重なる変更や追加、新たな罰則の急な制定に、戸惑いと疲れを感じている人は多いのではないでしょうか。不充分な補助の中で、特定の業界が営業自粛を強いられているなど、理不尽に思えてならない状況も見受けられます。
また、政府によるガイドラインとは別に、コミュニティで独自の感染症対策を講じている地域も存在します。僕は今回の緊急事態宣言に入る前、とある地域に赴いた際、体調はいたって良好で平熱、もちろんマスクもしていたにもかかわらず、飲食店で入店を拒否され、苦い思いを経験しました。
今回はそのときのエピソードと、感染症対策における心の持ちようについて、みなさんといっしょに考えていきたいと思います。
緊急事態宣言中ではなかったのに…
あれは、2021年4月初旬。数回にわたって延長された2度目の緊急事態宣言が、やっと解除された頃のこと。都内近郊の人気観光地まで行く機会がありました。その町で働く知人が主催するイベントを尋ねるのが目的でした。
そこは、都心から約1時間半、高級住宅や別荘が建ち並ぶ海辺の町。美しい海岸を目当てに、週末には近隣から多くの人が訪れます。
もちろん、緊急事態宣言が解除されたとはいえ、まだまだ油断できない状況。僕は東京都に住んでいるので、都外への移動はできる限り控えなければと思いながらも、緊急事態宣言の解除を待った上で、数ヵ月ぶりの都外への外出でした。
この日は、僕を含めた大人4人と未就学の子ども1人で行動していました。若干の多人数ではありましたが、体調を万全に整え、マスクはもちろん、手指用の消毒ジェルも完備し、電車に乗っていざ目的地へ。
駅に到着し、まずはみんなで昼食を済ませることに。大通りの裏手に回ると、地元民に愛されていそうな小さな洋食店を見つけたので、ここでランチにしようかと門を叩きました。
「いらっしゃいませ!」時刻は12時少し前、テーブルが8つほどの店内にまだ客はおらず、店主らしき女性が明るく迎え入れてくれました。「こんにちは、大人と子どもで5名なんですが」
ところが、我々を一瞥すると、女性の表情が一変。「ああ、5人ですか。うちは4人テーブルしか置いてないんで」
さっきまでの歓迎ムードはどこへやら。それは明らかに、我々を拒絶する冷たい視線でした。
「あの、子どもは膝の上でも大丈夫なんですが」「いえ。すいません」もはや、こっちの目を見てもくれない。その横顔には、はっきりと「お引き取りください」と書いてあるかのようでした。これは取り付く島もない。我々は諦めて店を出ました。
いや、わかる、わかるよ、と。内閣官房も「飲食の場面におけるコロナ感染症対策」で、「飲食店に行く際は、できるだけ、家族か、4人まで」と案内しています。未就学の子どもを含むとはいえ5人で行動していた我々が浅はかだったかもしれない。けれど都内では、たとえ緊急事態宣言中であっても(マスク未着用や発熱がある場合を除いて)未就学児を含む5人組が飲食店で入店を拒否されるなんて、聞いたことがありません。3人と2人に分けて席につけば、ソーシャルディスタンスも保てます。それなのにお腹を空かせている子どももいる中で、交渉の余地すら与えてもらえないとは、あまりにも無慈悲じゃありませんか。
入店拒否はこれだけで終わらなかった
なにもあんな態度で拒絶しなくたって……我々は意気消沈しながらも、近くにある別のレストランへ。
また入店拒否されるかもしれないと恐る恐る交渉してみると、そこではお年を召したご婦人の店主があたたかく迎え入れてくださいました。むしろ「うちではお子様用のメニューがスパゲッティーくらいしか出せないのだけど、大丈夫かしら? ごめんなさいね」と気遣ってくれたほど。お言葉に甘えつつ、我々も感染症対策を考慮して3人と2人でテーブルを分けて着席しました。
同じ駅前で、この扱いの違いは一体何なのだろう? しかもこのお店のお食事の、なんと美味しかったこと! 心も体も満たされ、我々は充実したランチタイムを過ごしました。
その後、バスで最終目的地へ移動し、所用を済ませた昼下がり。子どもに疲れが見え始めたので、デザートでも食べながら少し休もうかと、通りがかりのカフェへ。
すると、ここでも洗礼が待っていました。「うちは4人までしか入れません! お引き取りください!」さっきの洋食店と同様の対応。またしても交渉の余地なく、あえなく締め出されてしまいました。
仕方なくカフェは諦め、子どもにはコンビニのアイスクリームを買い与え満足してもらうことに。最終目的地を後にして、再びバスで駅へ戻る道中、僕は窓から見える国道沿いの飲食店に注意深く目を凝らしてみました。すると、入店を4人までに制限する旨の貼り紙をしている店舗が、他にいくつも見つかったのです。
4人なら安全か、5人なら危険か
この一件は僕にとって、緊急事態宣言解除後だったとはいえ都外へ5人で外出したことを大いに反省する経験となりました。とはいえ、地域や店によって、なぜここまで感染症対策の意識が違うのか、僕は疑問に思いました。「飲食店への入店は4人までに制限、5人以上は無条件で入店拒否」それがこの自治体の飲食店に定められたルールなのだろうか? しかし、自治体のホームページをくまなく探しても、そのような制限の記述は見当たりません。都内においても、他県でも、少なくとも僕はそんな対策を講じている店をそれまで見たことがありませんでした。では、その厳格なルールはいかにして生まれたのでしょうか? 逆にいえば、都内において「感染症対策がまったく意識されていない」と思わせる飲食店も少なくありません。仕切りもなにもなしに、団体客でギュウギュウ詰め。お酒も提供し、夜中まで賑わい、繁盛している。真面目に休業要請に従っている近辺の飲食店は、臍を噛む思いをしていることでしょう。
また、長引く感染症対策にフラストレーションを溜めているためか、客のマナーが目に余る場面も見受けられます。都内では、感染症対策のため電子レンジの使用を一時取りやめている弁当店に対し、客があごマスクの状態で怒鳴りつけ、お金を投げるようにして払った例が報じられました。また、ある有名ウナギ店の社長は、お酒の提供を求めてきた客に対し丁重に断ったところ「なーんだ根性ねえなぁ」とヤジを飛ばされたことをSNSで伝えています。終わりの見えないコロナ禍を不安な気持ちで乗り切ろうとしているのは、どんなお店の店員さんだって同じであるにもかかわらず。
もしかすると、僕が入店拒否されたお店の厳格なルールや強固な態度は、そうした悪質な客に困らされた経験から生まれたものなのかもしれません。
しかし、入店人数に対するあまりに厳格すぎる制限に、僕は疑問を拭いきれずにいます。「5人で飲食店を利用したのが悪い」と批判されるのは覚悟の上で。
内閣官房による「飲食の場面におけるコロナ感染症対策」は、感染症の蔓延を防止するためのあくまでガイドラインであり、「こうすれば必ず感染が防げる」という確証を示すものではありません。言わずもがな、4人までの会食なら安全なわけでもなければ、5人に増えたからといって感染リスクが跳ね上がるとは限らないのです。その1人が未就学児であれば、なおのこと。僕が今回行動を共にしていた5人は家族ではありませんでしたが、5人以上の家族で飲食店を利用するケースだってあるはずです。
目的が「人数制限」にすり替わってる?
もちろん、店舗を運営する上で最も大切なのは「店内で感染者を出さないこと」です。そのために、国や自治体が示すガイドラインとは別に店舗独自のルールを設けるのは、決して悪いことではなく、むしろ行われて然るべきです。けれど、僕はやはりあの状況下で、我々5人を親切に受け入れてランチを提供してくれたお店の方にまた行きたい思う。冷たい態度で拒絶されたあのお店には、たとえコロナ禍が明けても二度と行きたくないし、友人にもおすすめしたくないと思ってしまう。それが人の感情というものです。
飲食店にとって、果たしたい目的はあくまで「感染症対策」であり、4人までの入店制限はその「手段のひとつ」であるはずです。今やあの町の一部の飲食店では、「いかなる場合にも入店を4人までに制限すること」が目的にすり替わっているように思えました。
当然ながら、コロナ禍であっても飲食店が客商売であることに変わりはありません。そのときどきの感情に任せて、冷淡な態度で客を追い返していては、店の評判は確実に下がります。4人という人数に固執せず、5人以上の来店ではテーブルを分けたり、子どもは膝の上に乗せたり、せめて追い返すように強く断るのではなく、事情を説明して柔らかく断ったりと、感染症対策を心がけながら臨機応変に対応しても良いのではないかと、僕は思えてならないのです。
悪者はあくまでウイルスだということ
このように新型コロナウイルスは、我々人類の健康や命を脅かす存在であると同時に、人と人の間に生じる様々な確執の原因にもなっています。飲食店への営業時短要請や酒類提供禁止は依然として続く見通しで、大衆だけでなく、売り上げの立たないお店のフラストレーションは溜まる一方です。
僕は決して、入店を4人までに制限しているあの町の飲食店を悪者にするつもりはありません。このコロナ禍において、誰かを悪者に仕立てるような議論はナンセンスです。言うなれば、我々人間は誰も悪くない。仮に誰かが悪いとするならば、それはウイルスに他なりません。
一説によると、ワクチンが全国民に渡るまでには今年いっぱい、あるいは来年春までかかるかもしれないとも言われています。人間同士でいがみ合っていても仕方ない。今こそ手を取り合い、お互いの生活や事情を尊重し合いながらウイルスに立ち向かう正念場ではないかと、僕は強く思うのです。 

●緊急事態延長1週間、病床なお逼迫 ステージ4、7道府県で 6/7
新型コロナの感染拡大で東京や大阪など9都道府県に発令中の緊急事態宣言が延長されてから、7日で1週間が経過した。感染者数は減少傾向だが、病床は相変わらず逼迫(ひっぱく)している。
9都道府県は北海道、東京、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、福岡――で、5月31日の期限が6月20日に延長された。5月23日に発令された沖縄県は当初から6月20日が期限だ。
厚生労働省が4日に公表した資料によると、9都道府県の直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は、京都、兵庫、岡山の3府県を除き「感染爆発」を示すステージ4の基準(25人)や「感染急増」を示すステージ3の基準(15人)を上回る。ただ、いずれも前週より減少しており、北海道(31・1人減)、広島県(19・7人減)のように減少幅の大きな自治体もある。
一方で病床は逼迫しており、使用率は東京都と京都府がステージ3(20%以上)。その他の7道府県はステージ4(50%以上)だ。
沖縄県は様相が異なる。直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は、前週から22・6人多い125・6人と、ステージ4の基準を大幅に上回る。病床使用率は99・7%に達する。
感染症に詳しい東京医大の濱田篤郎教授は「今回の宣言は飲食店で酒の提供を禁止したことで、流行を抑制する効果が高い」と評価する。ただ、宣言が解除されれば7〜8月に感染が再拡大する可能性があるため「ワクチンの接種率を早く上げる必要がある」と指