菅総理も親
やはり 息子は可愛い
一方 菅総理の息子と判れば
一目おかれて あたりまえ
忖度 利権が生まれます
おまけ 文春の情報小出し作戦
接待官僚 引っかかり
ウソ答弁 バレました
菅首相の国民支持・・・ 2/3 首相長男の官僚接待報道・菅正剛・2/4 官僚接待疑惑・東北新社・・・ 2/5・菅義偉首相の息子・2/6・2/7・2/8・2/9・2/10・・・ 2/11・2/12・2/13・2/14・2/15・2/16・2/17・2/18・2/19・2/20・・・ 2/21・2/22・2/23・2/24・2/25・2/26・2/27・2/28・・・ 3/1・3/2・3/3・3/4・3/5・3/6-・・・旧聞・・・ ■歴代首相 / 竹下登・宇野宗佑・海部俊樹・宮澤喜一・細川護熙・羽田孜・村山富市・橋本龍太郎・小渕恵三・森喜朗・小泉純一郎・安倍晋三・福田康夫・麻生太郎・鳩山由紀夫・菅直人・野田佳彦・・・ ■息子・娘婿 / 浅香光代の隠し子・池田勇人の娘婿・池田勇人総裁時代・福田赳夫の娘婿・大平正芳の娘婿・二階俊博の息子・・・ |
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●菅首相はなぜ国民から支持されないか 記者会見での「決定的なミス」 1/14 | |
後手後手のコロナ対策が批判を浴び、支持率が39%(朝日新聞調べ)まで急落した菅政権。GoToトラベルに固執し、緊急事態宣言の発出が遅れた菅義偉首相の危機管理能力には、多くの国民が失望した。さらに国民を不安にさせたのは、その発信力の弱さだろう。国のトップとして未知のウイルスとどう戦うのか、どれほどの思いで自粛を要請しているのか――菅首相からは明確なメッセージが伝わってこない。官房長官時代から菅首相と対峙してきた東京新聞の望月衣塑子記者は、記者会見での「悪い癖」も国民不信を高めている要因の一つだ、と指摘する。
――昨年11月以降、菅首相のコロナ対応が強く批判され始め、支持率も大きく下落しています。昨年10月までは学術会議問題やGoToトラベル強行などに批判はありつつも、支持率はそこまで落ちませんでした。何がここまで国民の不信を増幅させたと思いますか。 望月:学術会議問題までは菅さんは強気だったと思います。学術会議の体質を問題視することで一部世論の支持も得られていたので、NHKのキャスターにも「説明できることとできないことがある」などと強い口調で反論していた。支持率も高かったので、GoToトラベルも強行できると踏んだのでしょう。しかし、11月の3連休前に政府の分科会で新型コロナ対応にあたる尾身茂会長が「GoToを見直してほしい」「政府の英断を心からお願い申し上げる」と言ったあたりから、潮目が変わったように思います。それまでの尾身さんは政府寄りの発言が多かったのに、一変した。かたや尾身発言の前日、菅さんは「ぜひ静かなマスク会食をお願いしたい」などと言うだけ。この人は本当に危機感があるのだろうか、と不安になった国民は多かったはずです。 ――それ以降も、危機感が薄い発言は続きました。たとえば昨年11月25日の国会では「『トラベル』が主要な原因だというエビデンス(証拠)は存在しない」と答弁したり、12月11日にニコニコ生放送に出演した際には「ガースーです」と緊張感のない発言をして失笑を買ったこともありました。緊急事態宣言に関する記者会見などでも、言葉に感情がこもっていない印象を受けます。 望月:菅さんは本当に演説に自信がないのだなと、ひしひしと感じます。だからいつもは官僚が用意したペーパーを棒読みするだけなのですが、たまに気負って場違いなギャグを言ってしまったりする。裏方で権威を振るってきた人なので、表ではどう振る舞っていいのか戸惑っているのかもしれません。 一方で、官房長官時代に1日2回の記者会見を7年8カ月も続けてきた体験から、記者たちはどうにでもなると思っているようにも見えます。「全く問題ない」「指摘は当たらない」など一言で片付けてきた官房長官会見時の手法が、首相になっても通じると思っている。しかし、コロナ禍の非常時にはそれが完全に裏目に出てしまいました。 顕著だったのは、1月7日に1都3県に2度目の緊急事態宣言を発出することを伝える記者会見の場面でした。記者から「仮に(宣言を)延長する場合、今回と同様に1カ月程度の延長を想定しているのか」と問われると、菅さんは「仮定のことについては私からは、答えは控えさせていただきたい」と答えた。官房長官時代から「仮定の質問には答えない」というのはお決まりのフレーズでしたが、この状況で使うことは絶対に避けるべきでした。全国民が明日の生活に不安を抱えながら、菅首相の一挙手一投足に注目しているなかで、1カ月先のことを答えられない、考えていないというのでは、首相として能力が疑問視されて当然です。 菅さんからすれば「今までは批判されなかったのに」と思っているかもしれないが、記者の後ろには国民がいて、その国民が首相の言葉ひとつひとつに神経をとがらせている。その認識が甘かったことが、今の支持率低下、国民の不信感の高まりにつながっていると思います。 ――今行われているのは、「平時」の官房長官会見ではなく、いわば「有事」の首相会見です。記者の側もそれがわかっているはずなのに、なぜ菅首相に「仮定の話ではない」と突っ込まないのでしょうか。望月さんが会見に出て追及することもできると思うのですが。 望月:昨年春の1度目の緊急事態宣言が出た後、官房長会見と首相会見は、参加できる記者が「1社につき1人」と限定されてしまいました。表向きは「コロナ対策で密を避けるため」とされていますが、明らかに私のような目障りな記者を排除することが目的でしょう。そのため、現在、首相会見は基本的に政治部の記者と抽選で選ばれたフリー記者しか入れません。私は社会部の記者なので、政治部が譲ってくれない限り、会見場には入れないのです。 また、会見の進行も司会役の山田真貴子内閣広報官が「1人につき1問」「さら問い(質問を重ねること)は禁止」などのルールを定めて、相変わらず突っ込んだ質問をさせないようにしています。これまで6回あった首相会見で北海道新聞、東京新聞、日本テレビ、ジャパンタイムズの4社は一度も指されていません。ウチ(東京新聞)のように事前に質問を投げることを拒否している社や、厳しい質問をする記者がいる社は避けられているのでしょう。逆に不自然なほど何回も指名されている社もある。菅さんは答えるときに手元にいつも目を落とすので、「この社は事前に質問を投げたな」ということはすぐにわかります。 菅さんはこうしておけば記者会見は乗り切れるとナメていたわけですが、コロナ禍で、多くの国民が生活や仕事で不自由を強いられている中で、視聴者である国民から強い怒りをかうことになりました。今は、多くの国民が首相会見に注目するようになり、「もう会見を打ち切るのか」などと不満をツイートするようになっています。記者は制御したつもりになっても、国民の目はごまかせなかったということです。 ――最後に、菅首相にはどのような発信力、国民へのメッセージを期待しますか。 望月:ドイツのメルケル首相は、昨年12月の演説で、目に涙を浮かべながら「今年のクリスマスを我慢すれば、来年はおじいちゃんやおばあちゃんと皆でクリスマスが祝えるかもしれない。でも我慢しなければ、最後のクリスマスになるでしょう」と語りました。物理学者であり、普段は冷静沈着なメルケル首相が、時に感情をあらわにしながら、ドイツ国民にメッセージを送った姿には心を揺さぶられました。メルケル首相も手元にメモはあったけれども、それに頼らず、目線はしっかりと顔を上げ国民に向けられていました。 言質を取られないことが首相の仕事ではありません。感情をさらけ出すことを恥じずに、菅さんは言葉に「魂」を込めてほしい。私たちの国のトップが悩んでもがきながらも、未来を切り開いていこうとしていることが伝われば、国民の不安も今よりは少しは軽くなるはずです。 |
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●菅首相の長男 総務省幹部を違法接待 2/3 | |
総務省の幹部らが、同省が許認可にかかわる衛星放送関連会社に勤める菅義偉首相の長男から、国家公務員倫理法に抵触する違法な接待を繰り返し受けていた疑いがあることが「週刊文春」の取材で分かった。
接待を受けたのは、今夏の総務事務次官就任が確実視されている谷脇康彦総務審議官、吉田眞人総務審議官(国際担当)、衛星放送等の許認可にかかわる情報流通行政局の秋本芳徳局長、その部下で同局官房審議官の湯本博信氏の計4名。昨年の10月から12月にかけてそれぞれが株式会社東北新社の呼びかけに応じ、都内の1人4万円を超す料亭や割烹、寿司屋で接待を受けていた。また、手土産やタクシーチケットを受け取っていた。利害関係者との会食では、割り勘であっても1人当たりの金額が1万円を超える際に義務付けられている役所の倫理監督官への届出も出していなかった。 4回の接待のすべてに同席していたのは菅首相の長男で、東北新社に勤務する菅正剛氏。「週刊文春」は接待の様子を取材、違法とされる金券授受の瞬間などを撮影している。総務省は接待の事実関係を認め、その違法性について確認作業を始めた。 菅正剛氏は、菅首相が第1次安倍政権で総務大臣として初入閣(2006年)した際、総務大臣秘書官に抜擢され、翌07年まで約9カ月同職を務めた。08年に東北新社に入社し、現在はメディア事業部の趣味・エンタメコミュニティ統括部長。また東北新社グループの株式会社囲碁将棋チャンネルの取締役も兼務している。 東北新社は衛星放送チャンネルの『スターチャンネル』や『囲碁・将棋チャンネル』、『ザ・シネマ』などを持ち、それらのチャンネルは、総務省から認定を受けた上で事業運営されている。 公務員倫理に詳しい国際基督教大学の西尾隆特任教授が解説する。 「公務員が利害関係者と会食し、奢ってもらった場合、国家公務員倫理法に基づく国家公務員倫理規程第3条6が定める禁止行為『供応接待を受けること』にあたり、違法行為に該当します。利害関係者については、同規程第2条で定められており、省庁から許認可を受けている業者であれば、これにあたります」 タクシーチケットや手土産を受け取った場合、同規程第3条1が定める「利害関係者から金銭、物品又は不動産の贈与を受けること」に該当し、同じく違法行為とみなされる。 東北新社は広報室を通じて書面で回答した。 「(接待については)情報交換を目的として弊社社員が総務省の方と会食することはある。その際には公務員倫理規程に配慮しており、株式会社東北新社は利害関係者に当たらないと認識している」 総務省の認定を受けているのは東北新社ではなく同グループの子会社だとの趣旨と見られるが、そもそも正剛氏は総務省から認定を受けている株式会社囲碁将棋チャンネルの取締役も兼務しており、また他の接待同席者の中にも認定を受けている東北新社の子会社社長らが含まれている。 一方、総務省大臣官房秘書課は書面で、「(4人は)先方からの求めに応じてご指摘の会食に至った。飲食代、手土産、タクシーチケットについては費用を負担することとするとともに、届出が必要な者については、本日(2月2日)、届出を行った」と回答し、利害関係者との会食に必要な届出を出させたことを認めた。また、接待の違法性について見解を問うと、「事実関係を確認中のため、お答えは差し控えたい。便宜等は一切行っていない」と答えた。 過去、総務省では2005年に郵政行政局長が利害関係者であるNTTコミュニケーションズの幹部からタクシーチケットをもらったとして国家公務員倫理法違反で処分されている。 こうした事例を知りながら、またコロナ禍のさなかに総務省幹部らはなぜ接待に応じたのか。菅首相は、総務大臣を務め、総務省でアメと鞭の人事を行い、人事に強い影響力を持つとされる。また、東北新社の創業者父子は、過去、菅首相に合計500万円の政治献金を行っているが、その影響はなかったのか。東北新社に勤める長男が行った総務官僚への違法接待について、菅政権が今後どのような対応をするのか、注目される。 |
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●総務省幹部、放送関係者と無届け会食 首相長男も同席か 2/3 | |
総務省の谷脇康彦総務審議官ら複数の幹部が、衛星放送やテレビ番組制作などを手がける東北新社(東京)の幹部と無届けで会食し、タクシーチケットなどを受け取っていたことがわかった。3日付の文春オンラインが報じた。会食には、東北新社社員の菅義偉首相の長男も同席していたという。
菅義偉首相は3日夜、記者団に事実関係を問われたが、「私自身は全く承知していない。総務省で適切に対応されると思う」と述べた。長男に事情を聴くかどうかについては、「考えていません」としている。 総務省は「詳細な事実関係は確認中」としながらも、国家公務員倫理規程に違反する可能性があるとして、会食を報じられた幹部に2日付で届けを出させた。自己負担分について、相手側に支払うことなども指示した。 総務省は具体的な会食相手が誰だったかについては、明らかにしていない。 報道によると、谷脇氏ら幹部4人が昨年10〜12月、東北新社幹部と個別に会食し、手土産やタクシーチケットを受け取っていた。 国家公務員倫理規程では、1回1万円を超える利害関係者との飲食は事前に届け出が必要となる。また、利害関係者が費用を負担する接待も禁じられている。 総務省によると、会食をしたのは谷脇氏と吉田真人総務審議官、秋本芳徳・情報流通行政局長、同局の湯本博信官房審議官の計4人。谷脇氏らは主要な幹部で、放送・通信行政などにも関わる立場だ。東北新社は映像関連の事業をしており、衛星放送なども展開している。 昨年10〜12月の東北新社幹部との会食について、4人は事前の届け出をしておらず、湯本氏以外の3人は1万円を超える会食だと確認された。総務省は4人に対し、自己負担すべき費用があれば相手側に支払い、タクシー代金や手土産代は返すよう指示しているという。 谷脇氏は朝日新聞の取材に、東北新社側との会食を認めた上で、「2日付で届け出を出した。当日、支払いをしたかは記憶になく、総額を人数で割った分を弁済した」と話した。 吉田氏は「こうした報道で取り上げられること自体が行政への不信感を与えかねず、申し訳ない。反省すべきところは反省したい」と述べた。 東北新社広報室は朝日新聞の取材に、「本件の回答は現段階では控えます。見解については4日にホームページでお知らせします」などとしている。 |
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●菅正剛 | |
菅総理大臣の長男、菅正剛さんは1981年(昭和56年)生まれ。今回詳細な生年月日はわかりませんでした。菅正剛さんは2021年で40歳になります。数え年で41歳なので2021年の今年は前厄ですね。
菅正剛さんが年齢の割にスピード出世をしていると話題になっています。 入社した東北新社はコネで入ったのでは?スピード出世しているのもコネを使っている? ●2006年9月26日〜2007年7月5日 25歳 大臣秘書官 2006年の9月に菅正剛さんは当時議員であった父菅義偉さんに秘書として抜擢されます。その理由は「プラプラしていたから」。菅正剛さんはバンド活動をしていたけれどバンドメンバーが体調不良で辞めてしまいます。バンド活動もなくなりプラプラしている息子を秘書として抜擢したそうです。また当時の菅議員の第一秘書と第二秘書が選挙に出たので人が足りなかったのも理由の一つでした。 大臣秘書官というと「常に大臣に張り付いて、役所との連絡調整に当たる。諸行事への出席、事務説明の日程管理、国会答弁の連絡などを担当する。大臣から直接質問される場合も多く、そのたびに「担当部署に聞いてみます」では話にならないから、ある程度の役所の所管事項全般についての実務経験者でなければならない。大体どの役所も課長補佐経験者で、課長の一歩手前くらい、役所に入ってから15年程度の経験者を充てることが多い。」 大臣に張り付いて、連絡調整をするのが主な仕事。ある程度の役所の所管事項全般について実務経験者でないと務まるものではないようです。一般的には役所に入ってから15年程度の経験者を充てることが多いとのこと。かなり高度な知識とスキルがいる仕事ですよね。ずっとバンドマンをしていた菅正剛さんにそれが勤まっていたかは不明です。また、秘書官は特別職なので出勤簿やタイムカードという概念もないとこのと。勤怠管理はかなり自由と言えます。当時菅正剛さんがどのように秘書官をしていたのかかなり気になるところです。 ●2008年 27歳 東北新社 入社 菅正剛さんは秘書官の仕事を終えて翌年、2008年には東北新社に入社します。この東北新社への入社もコネなのではと言われています。それも、東北新社の創業者と息子が自民党への献金をしている背景があるからです。 「菅首相は、総務大臣を務め、総務省でアメと鞭の人事を行い、人事に強い影響力を持つとされる。また、東北新社の創業者父子は、過去、菅首相に合計500万円の政治献金を行っているが、その影響はなかったのか。東北新社に勤める長男が行った総務官僚への違法接待について、菅政権が今後どのような対応をするのか、注目される。」 創業者父子が500万円の政治献金を行なっています。関係の深い東北新社と菅首相。 「菅の長男、バンドマンからコネで東北新社に入社して重要なポストについてる。クズのアホボンじゃん。」 やはりコネで入社したのではという声が多数上がっていました。 「東北新社も、こういう仕事させるために菅氏の息子を入社させたんかなぁ。さすがコネ社会・日本。」 今回の接待のような仕事をさせるために顔が効く菅総理の息子を入社させたのではという声があがっていました。 「東北新社は総務省の利害関係者じゃないような事言ってるけど衛星放送協会の会長も専務理事も東北新社出身。菅さんは総務大臣を退いてからも放送行政に睨みを利かせていたのだから例えコネ入社ではなかったとしても経営者は何かを期待していたのだろう。」 衛星放送協会会長も専務理事も東北新社出身です。今後のキャリアや恩恵を受けるためにも、入社させたのではという考えの人もいました。今回コネなのかどうか真相はわかりませんでした。しかし献金のことや東北新社出身の人が衛星放送協会会長も専務理事を務めていることから、何か期待されて入社した可能性は高いです。 ●2020年 39歳 部長 取締役就任 2021年現在菅正剛さんは メディア事業部の趣味・エンタメコミュニティ統括部長 グループ会社の囲碁将棋チャンネルの取締役 を務めています。入社後12年で部長と取締役に主任するってすごい大出世ですよね。このスピード出世についても 「いやわかりますよ、経営者からしたらメリットがあるからコネ要員を受け入れていることは。でもそれで部門ごと士気が低下したりする。働いてる方はやってられないし、こちらが経営者の事情に自分を同化させる理由が皆無なので。」 コネを許すことで部門ごと士気が低下したりする、働いてる方はやってられないという声もありました。 「“総務省の幹部が、去年衛星放送関連会社に勤める菅総理大臣の長男から法律に抵触する可能性のある接待を”務める、とあるけど菅首相の長男・菅正剛氏は東北新社グループ「株式会社囲碁将棋チャンネル」取締役ですよね。2008年に東北新社に入社して、どのようなお仕事されていたんでしょうね。」 どんな仕事をしていたか気になる声もありました。ベンチャー企業や創業して間もない企業や若者層が多い企業だと、若くして部長や取締役に就任することはよくあるかと思います。しかし東北新社は1961年に設立された会社。年齢層も幅広い会社であることがわかります。在籍年数が上の幹部候補の方々を抜いて部長と取締役に就任しているので、入社後どのような仕事をされてきたのか気になるところです。 |
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●菅首相「答えるべきことじゃない」「完全に別人格」長男の官僚接待疑惑に 2/4 | |
放送事業会社「東北新社」に勤める菅義偉首相の長男が、放送行政を所管する総務省幹部を接待していたと週刊文春が報じた疑惑で、菅首相は4日、衆院予算委員会で答弁した。「公的立場にはない一民間人に関するもの」とした上で、「本人やその家族などの名誉やプライバシーにも関わること。本来、このような場でお答えすべきことではない」と述べた。
立憲民主党の黒岩宇洋氏の質問に答えた。首相は「総務省において、すでに調査開始されている。国民の皆さんから、疑念を抱かれるようなことが絶対ないようにルールに基づいて、しっかりと対応する必要がある」と語った。 首相は長男から電話があったと明かし、「調査が入ったら、事実関係に対して、協力するように」と伝えたという。 首相は、長男の勤務先について、「いろんなご縁があって応援してもらっていることは事実」とする一方で、「それを今の私の長男を結び付けるのは、それはいくらなんでもおかしい。完全に別人格ですからね」と反論した。 |
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●接待報道の総務省局長、菅首相の長男側の支払い認める 2/4 | |
総務省の秋本芳徳情報流通行政局長は4日の衆院予算委員会で、総務省幹部が衛星放送関連会社に勤める菅義偉首相の長男から飲食店で接待を受けたとする週刊文春の報道を巡り、会食に参加し、当日は長男側が飲食代やタクシー代を払ったことを事実と認めた。
秋本氏は「当初、出席者に利害関係者はいないと認識し、自己負担しなかった。事後に(文春の)取材を受け、確認できる範囲で返金している」と説明。国家公務員倫理規程が禁じる「利害関係者」からの接待に当たるかどうかは、調査中を理由に言及を避けた。 首相は、長男と電話で話したことを明かし「『調査が入ったら、事実関係に対して協力するように』と(長男に)申し上げた」と語った。第1次安倍政権の総務相時代、長男を総務相秘書官に任用したことも認めたが、自身とは「別人格だ」と力説した。 首相は「国民に疑念を抱かせることのないよう、総務省で事実関係を確認した上で、ルールにのっとって対応してほしい」と強調した。 |
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●菅首相 接待疑惑の長男に「話は聞かない」で「超他人事」の声 2/4 | |
菅義偉首相(72)の長男が総務省の幹部に対して、法律に抵触する可能性のある接待をしたと2月3日に報じられた。その件について菅首相はコメントを求められたが、他人事のような振る舞いがネットで波紋を呼んでいる。
「文春オンライン」によると、菅首相の長男は放送事業会社「東北新社」に勤務。しかし昨年10月から12月にかけて、総務省の幹部4名に対して東京都内の料亭などで接待を行い、帰りにはタクシーチケットや手土産を贈与。公務員が利害関係者と会食し、タクシーチケットなどを受け取った場合、「国家公務員倫理法」に抵触する可能性があるという。 そんななか同日夜、「NHK NEWS WEB」によると菅首相は長男の違法接待疑惑に対し「私自身は全く承知していない。総務省で適切に対応すると思う」と記者団にコメント。そして「みずから長男に話を聴く考えはあるのか」と問われたところ、菅首相はこう答えたという。 「考えていない」 自身の長男が違法接待疑惑の渦中にいるなか、「長男に話を聞くという考えはない」とした菅首相。親として、何より一国の総理として問いたださないのだろうか――。 ネットでは「他人事すぎる」と、菅首相の発言に驚く声が上がっている。 《他人事みたい。他人事なんだろうな》《いくら成人し親の手から離れた子供のこととはいえこの他人事感は行政の長として如何なものか》《自分とこの長男の話なのに超他人事/責任丸投げな見解でびっくり》《世間一般では、責任能力ある息子が何をしでかしても、親とは一線を画すべしと思いますが、菅総理の息子が総務省の偉い人を呼びつけたとなると、そう言う訳にもいかないでしょう》 |
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●菅首相長男が接待報道 総務省幹部4人“予算委出席を” 野党 2/4 | |
総務省の幹部4人が、衛星放送関連会社に勤める菅総理大臣の長男から、接待を受けたと報じられたことに関連し、衆議院予算委員会の理事会で、野党側が4人の出席を求めたのに対し、与党側は一部応じる考えを示しましたが、引き続き協議することになりました。
総務省の幹部4人が去年、衛星放送関連会社に勤める菅総理大臣の長男から、国家公務員倫理法に抵触する可能性のある接待を、繰り返し受けていたと「文春オンライン」が報じ、菅総理大臣は3日夜、記者団に対し「私自身は全く承知していない。総務省で適切に対応すると思う」と述べました。 これに関連し、4日開かれた衆議院予算委員会の理事会で、野党側は、事実関係をただす必要があるとして、幹部4人を参考人として委員会に出席させるよう求めました。 これに対し与党側は、4人のうち局長級以下の2人の出席は応じる一方、残る事務次官級の2人については検討する考えを伝え、引き続き協議することになりました。 また、野党側は選挙違反事件で辞職した河井案里前参議院議員と、夫の克行元法務大臣の参考人招致も求めたのに対し、与党側は応じられないという考えを示しました。 公明党の北側副代表は、記者会見で「事実関係について、しっかり総務省で調査したうえで、しかるべき対応をしてもらいたい」と述べました。 共産党の志位委員長は、記者会見で「菅総理大臣が責任を持って事実関係を調査し、放送行政がゆがめられたことがなかったのかも含め、国民にしっかり説明するよう求めたい。説明ができないのであれば、既得権益の打破などという看板は、おろしたほうがいい」と述べました。 国民民主党の玉木代表は記者会見で「報道が事実なら法律や倫理規程に違反する話で、まずは総務省がきちんと説明し、適切な処分を行うべきだ。菅総理大臣の長男は成人で、親との関係をどうこう言うものではない。ただ、接待を受けた理由に『総理大臣の息子だから』などということがあれば、菅総理大臣自身も説明をすべきだ」と述べました。 |
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●長男コネ入社疑惑=c菅首相吹っ飛んだ「改革派、叩き上げ」イメージ 2/4 | |
新型コロナ対策で後手を踏んで支持率が急落している菅義偉首相(72)に、またしても頭を悩ます火種が増えてしまった…。4日発売の「週刊文春」が、衛星放送事業を手掛ける会社に勤務する菅首相の長男が、同事業の許認可をする総務省の幹部を接待していたと報道。総務省といえば、かつて菅首相が大臣を務め、いまだ影響力を持つとされるだけに、今後の展開次第では大問題に発展する可能性も出てきた。
首相就任時の高支持率は見る影もなく、今や「いつまで持つか?」との厳しい声も出始めている菅首相。2日の緊急事態宣言延長を表明した会見では、初めてプロンプターを使って真っすぐ前を向き、「あらゆる方策を尽くし、全ての力を注ぐ」と捲土重来を期していたが、まさかの“文春砲”に頭を抱える事態となっている。 週刊文春によれば、衛星放送事業を手掛ける会社に勤務する長男が、昨年10〜12月に放送行政の許認可をする総務省の幹部たちを複数回にわたって都内の料亭などで接待。長男は総務省とのパイプ役として会社から買われており、接待した相手の中には菅首相の肝いり政策「携帯電話料金引き下げ」の旗振り役で、次期事務次官と目される同省ナンバー2も含まれていた。 長男の勤務する会社と総務省は衛星放送事業をめぐって利害関係にある。もし、報道が事実ならば、接待を受けた総務省幹部は国家公務員倫理法に基づく倫理規程が禁じる「利害関係者」からの接待に当たる可能性があり、一歩間違えば汚職問題にも発展しかねない。 元総務省官僚で政策コンサルタントの室伏謙一氏はこう話す。 「相手が利害関係者と分かって官僚が接待を受けることはあり得ない。普通なら疑惑を持たれる会食は避けようとする。ましてや総務省は利害関係者が多く、私が在籍中は他省庁より公務員倫理が厳しく運用された。今回の件は接待する側が菅首相の長男だったことが、こうした行動に影響を与えたのではないか」 菅首相は3日夜、「私自身は全く承知していない。総務省で適切に対応されると思う」と話し、無関係を強調した。 しかし、かつて大臣を務め、今も強い影響力を持つといわれる総務省の幹部を相手に、自身の長男が“グレー”な接待をしていたとなれば、国民から疑惑の目が向けられるのは避けられない。 今回の件について、永田町関係者は「長男のこととはいえ、菅首相がイメージを悪くしたのは確か。野党は厳しく追及する構えで、万が一、菅首相との関係が出てくればモリカケ問題のようになりかねない」と明かす。 また、菅首相にとっては、別の頭が痛い問題も出てきた。菅首相は秋田の雪深い田舎から上京し、「地盤・看板・カバン」のないところから政治家になった「叩き上げ」の政治家というイメージをウリにしており、首相就任直後も「自助、共助、公助」を政治理念に掲げて、既得権を打破する改革派をアピールしていたが――。 「今回の報道で長男に“コネ入社疑惑”が浮上した。昨秋には事業に失敗して自己破産した実弟が、JR東日本の子会社に幹部として入社したのも“コネ疑惑”と報じられている。もはやガチガチの既得権益層と言われても仕方がなく、就任当初に掲げた理念は吹っ飛びかけている」(同永田町関係者) 前出の室伏氏も「世間では菅首相が叩き上げで首相にまで上り詰めたというイメージがあるが、実際は裕福な農家出身で全然違うようだ。既得権打破などというのは大衆ウケを狙っただけで、今回の報道で実像の一端が現れたのでは」と辛口に分析する。 新型コロナ対策の失敗で支持率を落とし、そこへ次から次に降りかかる問題の数々。菅首相の嘆き節が聞こえてきそうだ。 |
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●首相長男勤務の東北新社が談話 「調査の上、適切に対応」 2/4 | |
放送行政などを所管する総務省幹部4人が、菅義偉首相の長男から接待を受けていたと報じた週刊文春の記事について、長男が勤める放送事業会社「東北新社」は4日、ホームページで「事実関係を調査の上、適切な対応をする」とのコメントを発表した。
加藤勝信官房長官は4日の記者会見で「総務省で人事院と連携のうえ、調査が行われている」と述べた。 総務省は3日、4人が会食をしたのは事実だと認めた。東北新社の子会社が総務省から衛星基幹放送事業者の認定を受けており、国家公務員倫理法に基づく倫理規定が禁じる「利害関係者」からの接待に抵触しないか調査している。 |
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●「調査の上、適切に対応」首相長男勤務の東北新社 2/4 | |
放送行政などを所管する総務省幹部4人が、菅義偉首相の長男から接待を受けていたと報じた週刊文春の記事について、長男が勤める放送事業会社「東北新社」は4日、ホームページで「事実関係を調査の上、適切な対応をする」とのコメントを発表した。
加藤勝信官房長官は4日の記者会見で「総務省で人事院と連携のうえ、調査が行われている」と述べた。「国家公務員倫理規程に違反する行為があれば、国民の信頼を損なうもので、しかるべき対処がされる」との見通しも示した。 総務省は3日、4人が会食をしたのは事実だと認めた。東北新社の子会社が総務省から衛星基幹放送事業者の認定を受けており、倫理規程が禁じる「利害関係者」からの接待に抵触しないか調査している。 東北新社はコメントで「関係者の皆様にご心配とご迷惑をお掛けしておりますことをおわび申し上げます」と陳謝した。 週刊文春の報道によると、谷脇康彦総務審議官ら幹部4人は昨年10〜12月に東京都内の料亭などで長男を含む東北新社幹部から接待を受け、帰りにタクシーチケットや手土産を受け取った。 |
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●菅首相「調査に協力するようにと」 「東北新社」長男が“違法接待”か 2/4 | |
4日、国会で菅首相が追及されたのは、自身の長男による総務省幹部への違法接待疑惑。
立憲民主党・黒岩衆院議員「総理のご子息は、高級官僚の方と何をされた?」 菅首相「わたしの親族であるとはいえ、公的立場にない、いち民間人に関するもの。本人や家族の名誉やプライバシーに関わることであり、本来このような場でお答えすべきことではない」 きっかけは、4日に発売の「週刊文春」が報じた疑惑。 立憲民主党・黒岩衆院議員「タクシーチケットを総務省の官僚に渡しているとおぼしきこの方は、どなた?」 菅首相「それはわかりません」 立憲民主党・黒岩衆院議員「接待は事実か、これについて、子息から聞いたことあるか?」 菅首相「接待というよりも、調査が入ったら事実関係に対して協力するようにと、(長男に電話で)申し上げた」 衛星放送の許認可権を持つ総務省にとって、東北新社は利害関係者にあたり、高額な接待は、国家公務員法に抵触する可能性がある。 今回の報道を受け、接待された幹部4人のうち、2人が4日の国会に出席。 首相の長男と会食した事実を認め、当初は自己負担していなかったものの、事後に返金したことを明らかにした。 長男が関わる“違法接待疑惑”。 菅首相は、追及に語気を強めて、「今(長男は)もう40くらいですよ。わたしは普段ほとんど会っていない。息子であれ、誰であれ、ご指摘のことがあったら、あったかどうかは、やはりしっかり調査してもらう必要がある。わたし、完全に別人格ですからね、もう。そこはぜひ、ご理解いただきたい」と主張した。 総務省は、今回の問題を、人事院の国家公務員倫理審査会にも報告。 審査会は、接待の回数や費用の負担額などについて調査を進めたうえで、処分を決める方針。 |
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●菅首相が頭を痛める長男が後援者企業で総務省との窓口に 2/4 | |
バカな子供ほどかわいいとよくいわれる。 文春の報道を読む限り、菅首相も例外ではないようだ。 彼には3人の子供がいる。一番能力を買い信頼しているのは次男だそうで、大学卒業後は大手総合商社に就職している。三男は法政大学のアメフト部で活躍し、大手ゼネコンにいる。菅が頭を痛めていたのが長男・菅正剛だったそうだ。 横浜で生まれ、逗子開成高校から明治学院大に進み、ミュージシャンを目指して活動していた。そんな長男の行く末を心配したのだろう。第一次安倍政権で総務大臣として初入閣した菅は、彼を大臣秘書官に抜擢した。正剛が25歳の時だった。 菅は「週刊プレイボーイ」(2009年6/22日号)で、秘書を選挙に出してしまって人がいなかったから、ブラブラしていた長男を採用したと語っている。 その後、菅と同じ秋田県出身で有力後援者である「東北新社」(映画・CM製作や衛星放送事業などを行っている)創業者・植村伴次郎の鞄持ちとして預けている。 この男ただの鞄持ちではない。入社時から映画専門「スターチャンネル」などの衛星放送事業に関わってきたという。昨年5月にはエンタメコミュニティ統括部長に就任しているが、社員は、「上層部から期待されている彼の"特命任務"は、総務省幹部とのパイプ役」だといっている。 それはそうだろう。なにしろ「総務省の官僚人事は、菅氏が官房長官時代から、杉田和博官房副長官が菅氏に相談した上で、『こいつは駄目だ』と事務次官に告げるという流れで行われてきている」(元総務官僚)、菅の"天領"といわれる省庁なのである。 総務省の許認可で事業を飛躍させてきた「東北新社」にとっては願ってもない人間だった。 こうした自分の立ち位置を理解しながらも、総理への階を駆け上っていく父親の邪魔をしないようにと考えるのが、普通の息子のはずだが、この子はそうは考えなかったようだ。 文春は、昨年10月から12月にかけて、菅正剛が総務省の幹部らを接待し、手土産とタクシーチケットを手渡している現場をカメラに捉えたのである。 10月7日、人形町の料亭で菅、社長の二宮清隆、子会社社長の三上義之らと懇談したのは、次期総務省事務次官の呼び声が高い谷脇康彦総務審議官。菅首相の携帯電話値下げの旗振り役といわれる。 12月8日に六本木の料理屋に現れたのは吉田眞人総務審議官。帰りに「乃が美」の高級食パンとタクシーチケットを渡す。吉田が乗ったタクシーの運転手が、「お客さんはタクシーチケットを利用した。金額は5400円」と答えている。 12月10日に同じ料理屋に来たのは衛星放送の許認可権を一手に握る情報流通行政局の秋本芳徳局長。カウンターに座って、菅が秋本に、「今度ササニシキを送ります」と話していたという。帰りに高級チョコ「レオニダス」とタクシーチケットを渡す。「東北新社」のメディアサービスの社長がゴールドカードで支払うところを確認。 12月14日に南麻布の鮨屋に呼んだのは、秋本の部下の湯本博信官房審議官。天現寺カフェで購入した手土産とタクシーチケットをもらうもこの人、電車を乗り継いで帰宅。 文春の凄いのは、手土産とタクシーチケットを手渡すところを全て、写真に撮っていることだ(グラビアページに掲載)。 利害関係のある業者から奢ってもらってタクシーチケットまでとなれば、当然、「国家公務員倫理法に基づく国家公務員倫理規程第三条六が定める禁止行為『供応接待を受けること』にあたり、違法行為に該当します」(国際基督教大学の西尾隆特任教授) 文春は4人を直撃しているが、谷脇は「まったく覚えてない」、吉田は取材拒否、秋本は「うーん、記憶にないですね」というが、湯本は自宅で取材に応じている。 「言われてみると、確かに東北新社もうちの事業者であることは間違いないわけだし」と利害関係者だと認めている。タクシーチケットは「たぶん、返したと思うんですけど」。 では、当事者である菅正剛はどうか。横浜のみなとみらいに聳え立つ27階建ての億ションから出てきたところを直撃すると、「プライベートなんで」と逃げてしまった。 総務省は、4人が先方からの求めに応じて会食したことを認め、飲食代、手土産、タクシーチケットについては費用を負担し、利害関係者だから、割り勘だとしても自己負担が1万円を超える時は倫理監査官に届けなければいけないので、本日(文春が取材を申し込んだ2月2日)届を行ったと答えている。 2005年に郵政行政局長が利害関係者であるNTTコミュニケーションズの幹部からタクシーチケットをもらったとして、国家公務員倫理法違反で処分されているから、総務省も4人に厳しい処分を下さなければならないはずだ。接待側の「東北新社」は認可取り消しか出入り禁止か。 菅事務所は「接待について承知していない」と答えているが、息子だからといって、大甘の処分では国民が納得しない。さ、どうする菅首相。 |
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●東北新社 | |
外国映画の日本語版制作でその名を知られ、国内最大手でもある。略称はTFC。「東北新社」という社名は、創業者の植村伴次郎が秋田県由利郡東滝沢村(後の由利町、現・由利本荘市)の出身であることから、銀座で小さなバーを経営している時に知り合った「劇団四季」の浅利慶太が名付けた「東北社」が元になっている。アニメ作品『宇宙戦艦ヤマト』の版権を買い取ったことで知られる。また、日本語吹替版を製作していた『サンダーバード』の日本国内におけるライセンスを保有していた時代もあった。ディズニーの日本語吹き替え版製作も担当。
•1959年 - 東北社が設立。オペラのプロデュースを目的とした創業だったが、翻訳業務を行なう。植村伴次郎が外国テレビ映画の日本語吹替業に乗り出したことで社長と対立。 •1961年4月1日 - 植村伴次郎が株式会社東北新社を設立。東北社から分裂する形で6名が移籍。引き続き、外国テレビ映画の日本語吹替業を行なう。 •1964年 - 新日本映画製作所を買収しCM制作事業を開始。 •1966年2月 - 株式会社新日本映画(存続会社)と株式会社東北新社が合併し、株式会社東北新社(後の株式会社東北新社フィルム)へ商号を変更。 •1971年 - ビデオによる編集事業を開始。ポストプロダクション事業を開始。 •1972年 - 麻布でスーパーマーケットを営むナシヨナル物産の株式を取得。有限会社サンライズスタジオと共同出資でアニメ製作会社、株式会社創映社(後の株式会社センテスタジオ)を設立。アニメ製作に進出。 •1976年11月 - 利益配分を巡りサンライズスタジオ側と対立し決裂。サンライズスタジオは東北新社傘下から離脱し株式会社日本サンライズに改組、商号変更。 •1984年 - CG製作事業を開始。 •1986年 - スター・チャンネルを合弁により設立。 •1987年 - スーパーチャンネル(現・スーパー!ドラマTV)を開局。オムニバス・ジャパンを設立。 •1992年 - デジタルエッグを合弁により設立。 •1995年 - 映像テクノアカデミアを開校。ファミリー劇場およびプレイボーイチャンネルを開局。 •1997年 - 東北新社クリエイツを設立。 •1998年 - クラシカ・ジャパンを開局。 •1999年1月 - 株式会社東北新社フィルム(存続会社)、株式会社東北新社(1979年設立)、株式会社国際テレビジョン企画(1976年設立)、株式会社パンアジアエンターテイメント(旧株式会社インターナショナル・テレビジョン・カンパニー、1972年設立)が合併し、株式会社東北新社へ商号を変更。 •2001年4月 - 株式会社センテスタジオ(存続会社)と株式会社東北新社が合併し、株式会社東北新社へ商号を変更。 •2002年 - 株式を店頭登録(後のジャスダック)。 |
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●総務相「疑念招きおわび」 幹部接待疑惑に 2/5 | |
武田良太総務相は5日の閣議後記者会見で、総務省幹部が映像制作会社に勤める菅義偉首相の長男から接待を受けていた疑惑を巡り陳謝した。「国民の疑念を招き深くおわびしたい。速やかに事実関係を確定し、しかるべき対応をしたい」と述べた。
首相は同日の衆院予算委員会で、長男に「聞き取りなど要請があったら国民に疑念を抱かれないよう事実に基づいて協力すべきだと父として申し上げた」と話した。「全容は把握していない。総務省で調査中だ」と語った。 週刊文春の電子版は3日、総務省幹部4人が衛星放送を手掛ける「東北新社」に勤める首相の長男らから接待を受けたと報じた。 立憲民主党の森山浩行氏は「長男の入社に首相から口添えがあったのか」とただした。首相は「いっさい依頼していない。息子3人とも自分の考えで就職している」と答えた。 首相が総務相の在任時に長男を総務相秘書官に就けた理由を聞かれ「当時の私の秘書が2人地方議員選挙に出馬した。急きょ採用して働かせた」と説明した。 「首相の長男だから総務省幹部が忖度して会食に応じたのではないか」との質問は否定した。首相は「長男を秘書官にしたのは十数年前だ。この頃ほとんど会っていない」と主張した。 国家公務員倫理法に基づく倫理規程は利害関係者からの接待や金品の贈与を禁じる。総務省は人事院の国家公務員倫理審査会の指導を受けながら事実関係を調査している。 |
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●菅首相の息子の接待を受けた総務省幹部、国会で「覚えていない」 2/5 | |
菅義偉首相の長男・菅正剛氏から違法な接待を受けたという疑惑が提起された総務省幹部が“知らんふり”作戦を展開した。
朝日新聞によると、5日、日本の衆議院予算委員会に参考人として出席し総務省情報流通行政局の秋本芳徳局長は立憲民主党の森山博之議員が「接待場所で衛星放送の話が出たのか」と尋ねると「出たのかどうだったのか覚えていない」と答えた。 秋本局長は昨年10月から12月にかけて、菅正剛氏から1人当たり4万円を超える食事の接待や贈答品、タクシーの回数券を受け取ったとされる総務省幹部4人のうちの1人だ。 秋本局長は衛星放送などの許認可に関与しており、衛星放送関連会社である東北新社に勤める菅正剛氏の利害関係者に当たるという指摘だ。 ただし、秋元長官は対話内容については「覚えていない」としながらも、菅正剛氏が接待に同席した事実は認めたという。 森山議員はさらに、菅首相に息子の就職を請託したことがあるかと尋ねた。 菅正剛氏は菅首相が第1次安倍内閣で総務大臣として在任中だった2006年、菅首相の秘書官を約9か月間務めた後、2008年に東北新社に入社した。 森山議員は菅首相が当時25歳だった菅正剛氏を秘書官に起用したことに触れ、「25歳の何もない人が総務大臣の秘書官にはなれない」と皮肉った。菅正剛氏が秘書官の経歴を生かして東北新社に入社したため、菅首相が事実上息子の就職を助けたのではないかという趣旨の指摘だ。 これに対して菅首相は「そんな頼みは一切していない」とし、「私は子供が3人いるが、3人とも自分の思う通りに就職している」と請託を否認した。 一方、総務省は菅正剛氏の接待が利害関係者が費用を負担する接待を禁じている国家公務員倫理法に反する可能性があるとみて、日本人事院傘下の国家公務員倫理審査会との調査に着手している。 加藤勝信官房長官は5日、「具体的な進め方について、現在、総務省が国家公務員倫理審査会に相談を行っている」と明らかにした。 |
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●菅義偉首相の息子 2/5 | |
●菅義偉首相の3人の息子 菅義偉首相の3人の息子達は、1987年に横浜市議選に初当選した時、「当時、6歳、3歳、6カ月の男の子がいました。(SMART FLASH)と書かれていたことから、現在の年齢は、長男39歳、次男36歳、三男33歳、となります。 こちらは菅義偉首相が横浜市議に初当選した時の画像。奥さんである真理子夫人の横にいる男の子2人が当時6歳だった長男と3歳だった次男の顔画像だと思われます。 この時菅義偉さんは、選挙直前まで公認をもらえず、後援会長もいない孤立無援の戦いで、朝6時から夜9時まで、1日300軒、選挙までに3万軒の家々を周り、靴を6足も履き潰すほど歩き回ったのだとか。 3人の小さい息子さんを育てながら菅首相を支えた真理子夫人も大変だったことでしょう。 |
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●菅義偉の長男・菅正剛 ●学歴 神奈川県逗子市にある逗子開成中学校から高等学校に進学した長男の正剛さん。逗子開成中学、高等学校といえば、神奈川県で最も歴史の古い私立の男子高校として知られています。 子供たちには「中学高校では運動部に入る」ことを強く進めていたという父・菅義偉さんの教えにより、長男の正剛さんは柔道をやっていたそうです。 1999年3月に逗子開成高校を卒業した正剛さんは、同年4月に明治学院大学に入学。 (菅義偉談)長男は明治学院大学を卒業している (週刊文春WOMAN2019年夏号) 明治学院大学といえば、日本最古のミッションスクールとして有名ですね。 大学時代はミュージシャンを目指していた正剛さんは、逗子出身の音楽ユニット「キマグレン」のメンバーとバンドを組んでいたこともあるのだとか。キマグレンといえばauのCMソングだったこの曲が大ヒットしましたね。 正剛さんの実家は横浜の一等地にありますから、逗子は通いやすかったのでしょう。 ●現在は東北新社の部長 ミュージシャンを目指すも、なかなか目が出なかった正剛さんですが、25歳の時、菅義偉さんが第一次安倍政権で総務大臣として初入閣した際、総務大臣秘書に任命され、2007年まで9ヶ月間父親の秘書を務めていました。 菅総理は世襲制には反対と言われていますが、やはり息子がかわいかったのでしょう。 2009年6月22日号の「週刊プレイボーイ」では、バンドの人が体を壊して辞めて。(長男は)まだプラプラしていたからと発言しており、コネで秘書に任命したことを暗に認めています。しかし、9ヶ月で秘書を辞めたということは、やはり向いていなかったのではないでしょうか。それまで政治の勉強をしていたわけではなく、バンドマンだったのですから当然ですね。 このときに菅が思ったのは“政治で世襲制はよくない”ということでした」 菅さんは社会人の息子たちを政治家にさせるつもりはないようです(女性自身) 正剛さんに秘書を9ヶ月間させてみて、適性がなかったことで、世襲制は辞めようと決意したのでしょうね。 秘書をやめてすぐの2008年、正剛さんは東北新社に入社し、現在はメディア事業部・エンタメコミュニティ総括部長をしていると2月4日発売の週刊文春が報じています。 東北新社といえば、港区赤坂に本社をおく、映画製作・配給をしている会社。さらに、長男の正剛さんは、グループ会社の株式会社囲碁将棋チャンネルの取締役も兼任しているのだとか。正剛さんはまだ39歳ですから、すごい出世ですね。 元バンドマンで制作会社の役員ということで、いかにも業界人らしい長髪のスタイルが印象的です。秘書をやめてたった数ヶ月で東北新社に入社できるのは、やはり父である菅義偉さんの口利きがあったようです。 日刊ゲンダイによると、(菅総理の政治)支部は、18年3月、映画製作会社「東北新社」(東京・港区)の植村徹前社長(今年4月21日死去)から50万円(の献金)を受けている。 (日刊ゲンダイ) ということで、東北新社は菅総理の政治団体に政治献金を行っているとのこと。 長男の正剛さんの東北新社での裏の任務は、総務省幹部と東北新社のパイプ役だとも言われています。 そんな正剛さんは、2月4日の週刊文春の週刊文春で、東北新社の許認可に関わる総務省の幹部達を、国家公務員倫理法に抵触する違法な接待を繰り返した疑いでスクープされました。 さらに文春誌面では、「次の事務次官」との呼び声の高い谷脇康彦総務審議官や、吉田眞人総務審議官など、総務省の要人に手土産やタクシーチケットを手渡す画像も掲載されています。 菅総理は長男に事実関係を確認するかについて「考えていません」と述べていましたが、国民が黙っていないでしょう。 息子の黒い噂といえばこの方も・・・ |
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●菅義偉の次男 ●学歴 先ほどの「週刊文春WOMAN2019年夏号」で、菅義偉首相自ら、次男は東京大学法学部を卒業した、と言っていました。 また、2008年に東京大学を卒業した、株式会社メドレー執行役員、田中大介さんも、ツイッターで東大の同期だった、と呟いています。 実は菅官房長官の次男が大学アメフト部の同期で、15年位前かな、民主党大躍進の選挙の時「菅の父ちゃんが選挙で負けて無職になったら菅が部活続けられないかも!」みたいになって横浜で自民党のマニフェスト配ったり「菅義偉納涼祭」で輪投げを手伝ったりしてたのですが、これ菅総理本当に来るかもなぁ 次男さんは中学高校ではサッカー、大学ではアメフトをしていたようです。 また、山本一太議員が根本匠議員の長男と会った時2005年4月20日のブログの中で「菅義偉衆院議員の息子さんは、同じ東大法学部の3つ先輩にあたるそうだ。(山本一太ブログ)」と書かれていました。 根本匠議員の息子は根本拓さんで、2009年に東京大学法学部を卒業しており、次男が東京大学卒であることは間違いないようです。 ●職業 菅首相の次男の現在の職業はわかっていませんが、息子さん達の就職先については、大成建設、三井物産などの噂があります。 3人の息子たちも、大成建設をはじめとした一流企業に勤めるまでに、立派に育て上げた真理子夫人。 長男の正剛さんは東北新社で働いていますから、大成建設、三井物産で働いているのは次男、三男のどちらかでしょう。 |
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●菅義偉の三男 ●学歴 RADWIMPSのボーカル・野田洋次郎さんが、菅首相が新元号の発表をした際に、こんなツイートをしていました。 新元号の発表は菅官房長官なんだね。菅さんは俺の中学、高校時代の友達のお父さん。菅の家に泊まりに行くとお父さんが帰ってきてあれこれ酔っぱらいながら話をしてくれた。少し目が怖いけど優しい人だった。菅はずっと同じバスケ部だった。 野田洋次郎さんは桐蔭学園中学校、高校を卒業しており、菅義偉首相の3男と同級生だったようです。 すごいつながり! しかし、少しだけ事実と違う点があったようで「じつは私、お酒をぜんぜん飲まない。彼は、うちの3番めの息子の同級生なんです。うちは、男の子3人で、みな運動部。いろんな友達がうちに遊びに来てくれてね。子供たちが来ると、『おい! 元気か』とか、『ちゃんと勉強してるか?』と絡むから、私が酔っ払っていると思ったんでしょう。あの子、今すごい人気なんでしょ? 彼も、『あのおじさんが有名になっちゃった』くらいに思ってるんでしょうけど(笑)」(SMART FLASH ) とのこと。 秋田出身でお酒も強そうですが、実はお酒を飲めないという意外なプロフィールを持つ菅義偉首相。 シラフでもテンション高く話しかけていたことから、野田洋次郎さんは「よっぱらっていた」と勘違いしたようです。 大学は、菅義偉首相と同じく法政大学に進み、次男と同じくアメリカンフットボール部に所属していたそうです。 長男は柔道、次男はサッカー、アメフト、三男はバスケットにアメフトと、運動部に精を出していたという息子さんたち。 お家の中はさぞ賑やかだったことでしょう。 成長期の食費はものすごかったのではないでしょうか。 さらに、野田洋次郎さんに人気ロックバンド「オアシス」を教えたのも菅義偉さんの三男ということで、一緒に楽器も演奏していたとか。 ちなみに中1の時にオアシスを教えてくれたのも菅。数少ない楽器やる仲間でもあった。 ●結婚して孫もいる 菅義偉首相の三男について、松山市の梅岡伸一郎副市長の娘と結婚している、と報じられていました。 梅岡副市長の娘は、菅首相の三男と結婚しているんです(フラッシュ) 梅岡伸一郎副知事は、現在の松山市長の前任で、現愛媛県知事の中村時広さん時代からの側近で、副市長とはいえ、現松山市長の「野志克仁さんよりも力がある」と言われている方。 その中村知事は、2018年からの安倍元首相の「加計学園」問題について、真相解明を求め続ける「反安倍」の急先鋒だった人物です。 その反安倍人脈と菅義偉首相の3男が結婚をしていたということで、菅義偉首相は早くから「安倍さんはどうでもいい」と思っていたのでは?とも言われています。 この三男だけでなく、すでに3人とも30代を超えた社会人ということで、結婚して子供がいるお子さんもいるようです。 すでにお孫さんも2〜3人いるはずです。(女性自身) |
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●「首相の息子だから…」また官僚の忖度か 首相長男の接待問題 2/6 | |
総務省幹部が衛星放送関連会社に勤める菅義偉首相の長男から招かれ飲食店で接待を受けたとされる問題は、第2次安倍政権以降相次いで問題となった政権に対する官僚の忖度との見方が強まっている。首相は、長男とは別人格だとして「私が立ち入るべきではない」と距離を置こうとするが、野党は5日も、首相の息子だから総務省幹部が会食に応じたのではないかと問題視。官邸に人事権を握られた官僚による忖度が問題となった森友・加計学園問題などと同じ構図と見て、批判を強めている。
●衛星放送手掛ける会社から接待、手土産、タクシー券 4日発売の週刊文春は、総務省で次官に次ぐポストの谷脇康彦総務審議官ら幹部4人が昨年10〜12月、子会社が許認可事業の衛星放送を手掛ける「東北新社」の役員や、社員である首相の長男から都内で接待を受け、帰宅時にはタクシー券や手土産を受け取っていたと報道した。 許認可事業を行う「利害関係者」から接待や金銭、物品の提供を受けることなどを禁じる国家公務員倫理規程に抵触する恐れがある。武田良太総務相は5日の衆院予算委員会で、人事院の倫理審査会による調査を踏まえて「しかるべき処分を行う」と明言した。 立憲民主党の森山浩行氏は、昨年12月は衛星放送の認定の更新時期だったと指摘。その話題が会食で出たかなどとただした。 ●「衛星放送の話が出たかどうかという記憶はない」 参加を認めた秋本芳徳情報流通行政局長は、会食には「誘いを受けた」とした上で、当時は「利害関係者ではないと認識していた」と釈明。衛星放送に関する話題が出たかについては「記憶はない」と語った。 森山氏は「国会議員が呼んでも来てくれるか分からない総務省ナンバー2が2時間40分(にわたり会食する)というのは、相手が首相の長男だからではないか。安倍晋三前首相の時のような権威主義や忖度にならないようにすべきだ」と。同じく立民の逢坂誠二氏は「総務省の皆さんはお気の毒だ」としつつ、首相が総務相当時に長男を秘書官にした点に触れ「首相の影がちらついて(会食を)断れないのでは」と追及した。 ●第1次安倍政権下の総務相だった菅首相 首相は「秘書官にしたのは10数年前。このところ、ほとんど会っていない」と反論。会食により「行政がゆがめられない(ようにする)のは当然」と述べた。 現首相で第1次安倍政権時の総務相という経歴が、不適切な問題を招いたとの見方も否定した。ただ4日の予算委で、東北新社について「(創業者の)社長は同じ秋田出身で、いろいろ応援してもらった」と答えており、今回も「忖度」との見方を消せないでいる。 同志社大の太田肇教授(組織論)は「官僚が首相周辺と接近している点で『モリカケ』と構図が似ている。官僚組織にメスを入れる必要がある」と話した。 |
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●東北新社 創業者親子が菅氏献金 2/7 | |
衛星放送などを運営するメディア関連会社「東北新社」に勤める菅義偉首相の長男が、総務省の高級官僚4人を違法接待していた問題で、「東北新社」の創業者と社長(当時)が、菅首相の政党支部に判明しただけで計400万円の献金をしていたことが政治資金収支報告書でわかりました。総務相を務めた首相と総務省、関係業界との癒着の構造の一端が浮き彫りになりました。
菅首相が代表を務める「自民党神奈川県第2選挙区支部」の政治資金収支報告書によると、東北新社の創業者、故植村伴次郎氏が2012年に150万円、長男で19年まで社長を務めた徹氏(20年4月死亡)が14年〜18年まで計250万円の献金をしていました。 伴次郎氏は、秋田県由利本荘市出身で、菅首相と同郷です。 菅首相は、総務副大臣、総務相を歴任。自著『政治家の覚悟』では、「人事権は大臣に与えられた大きな権限です」として、意に沿わないNHK担当課長を更迭したことを自慢していますが、その課長の後任に抜てきされたのが、今回、接待されていた一人、吉田真人総務審議官です。 菅首相は国会で、長男について「完全に別人格だ」などと語気を強め、“無関係”を装いました。 しかし、長男は首相が総務相時代、総務大臣秘書官を務め、今は創業者親子が首相に献金するなど関係の深い企業に勤務しています。 |
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●菅首相と長男が牛耳る総務省権益 「平民宰相」「たたき上げ」の大ウソ 2/8 | |
世襲打破を掲げてきた菅首相の長男が、総務省幹部への接待で暗躍していた。息子を議員にしなければそれでいいのか。「平民宰相」の看板が揺らぐ。
有権者からすれば「ブルータス、お前もか!」の心境ではないか。さんざん「叩き上げ」「世襲打破」「苦労人」を前面に押し出し、安倍晋三、麻生太郎両氏ら世襲族の元首相とは違うことを売りにしてきた菅義偉首相。そんな首相を直撃したのが、長男の菅正剛氏が現職の総務省高級官僚らを接待していたという週刊文春のスクープだ。 ●総務省の大臣秘書官に 事のあらましはこうだ。昨年10月7日、現場は日本橋人形町にある高級料亭。映像制作、キャラクターライセンスなどの事業を手がける「東北新社」の二宮清隆社長らが、総務省内で「次の事務次官」の呼び声が高い谷脇康彦総務審議官に対して、数万円する食事代を支払い、タクシーチケットを渡すなど違法の疑いがある接待をしたという。 同席していた正剛氏は、同社の趣味・エンタメコミュニティ統括部長の肩書を持つ。東京都港区赤坂に本社を構える同社のグループ売上高は650億円。社員数は890人。その基幹事業のひとつが「衛星放送事業」だ。 総務省は、電波法に基づき放送の許認可を行う。その事務次官候補が、衛星放送を手がける会社の社長らから接待を受けたのが事実であれば、明らかな国家公務員倫理規程違反にあたり、懲戒処分の対象となる。 元総務官僚は正剛氏についてこう話す。 「安倍第1次内閣で総務大臣として初入閣した菅さんが、息子の正剛氏を大臣秘書官に抜擢したのは省内では有名です。そもそも政治とは無縁のミュージシャンを志していたという若者を大臣秘書官という要職で登用し、彼は霞が関の中枢を闊歩するようになった。東北新社という会社は、世間的には名の知れた企業ではありませんが、菅ジュニアがいる会社として、省内では知る人ぞ知る企業でした」 ●「総理の子」が持つ重み 大臣秘書官だった正剛氏が、どのような経緯で東北新社に入社したかは不明だが、前出の元総務官僚はその存在の「重み」を指摘する。 「総務省の次期事務次官候補という大物にとって、東北新社は正直、事業規模から考えれば直接付き合う理由もない無名会社です。その社長らから、リスクを冒して接待を受けるとは考えにくい。考えられるとすれば『総理の息子』がいる会社だから、ということ。両者の仲介を総務省に顔が利く正剛氏が担ったと考えるのが自然です」 この一件が表沙汰となった翌日、2月4日の衆院予算委員会。立憲民主党・黒岩宇洋衆議院議員の「週刊誌報道の写真は長男か」という質問に、菅首相は「わからない」「本人には確認していない」としながら、一方で「息子と電話で話した」「調査に協力するように伝えた」と曖昧な応対に終始し、「息子と自分は別人格だ」と強調した。 だが、正剛氏を大臣秘書官に抜擢し、霞が関に呼び込んだのは菅首相自身。菅首相と総務省は、携帯料金値下げなどで今も歩調を揃える蜜月関係にある。省内や放送業界は、菅父子の顔色をうかがわざるを得ない。 政権は問題の封じ込めに必死だ。この予算委員会の直前、野党は接待を受けた谷脇総務審議官の予算委員会への参考人出席を求めた。ところが、野党筆頭理事、立憲民主党の辻元清美衆議院議員によると、与党は出席そのものを「事務次官級だからできない」と蹴ったというのだ。「総務行政に絶大な力がある高級官僚だからこそ、説明責任がある」と辻元氏は憤る。 実は正剛氏による総務官僚への接待は、1回だけではなかった。12月に入っても、今度は別の総務官僚の接待もしていた。折しもコロナの感染拡大に伴い、菅政権の支持率が急降下した時期。父はステーキ、息子は料亭。この両者の振る舞いの、どこが既得権益者でないのか、首相の説明が求められる。 |
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●菅首相長男との会食は「年に1回」 総務省局長、衆院予算委で説明 2/8 | |
放送事業会社に勤める菅義偉首相の長男による総務省幹部の接待問題で、同省の秋本芳徳情報流通行政局長は8日の衆院予算委員会で、首相の長男と飲食をした頻度について「1年に1回程度、会食の機会を持ってきた」と説明した。
会食を始めた時期や費用負担などの詳しい内容については、国家公務員倫理審査会などの調査を受けている事を理由に「先方に確認を要する事項もあり、回答は控える」と語った。同省の湯本博信官房審議官も、首相の長男と1年に1回程度、会食したと認めた。 武田良太総務相は会食について「国民の疑念を招く事態に発展したことをおわび申し上げたい」と陳謝。調査について「徹底的にやらなければならないし、迅速に結論を出さなければならない」と話した。長男が勤める会社にも調査の協力を求める考えを示した。 首相は「国民に疑念が抱かれることのないように、総務省でしっかり事実関係を確認し、ルールにのっとって対応してもらいたい」と重ねて語った。 予算委では、調査中を理由に質問に答えない秋本氏らの対応などを不服とし、野党の委員が委員会を一時退席した。 |
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●衆院予算委 菅首相長男の接待報道めぐる答弁で野党側一時退席 2/8 | |
衆議院予算委員会では、総務省の幹部が、衛星放送関連会社に勤める菅総理大臣の長男から接待を受けたと報じられたことをめぐり、野党側が、報じられた幹部の1人の答弁に納得できないなどとして、一時、退席しました。
衆議院予算委員会の午後の審議で、立憲民主党の山井和則氏は、総務省の幹部が、衛星放送関連会社に勤める菅総理大臣の長男から接待を受けたと報じられたことについて、報じられた幹部の1人、総務省の秋本情報流通行政局長に、接待を受けた回数などについてただしました。 これに対し、秋本局長は「総務省などの調査を受けている最中で、個別の内容は答弁を差し控えさせていただく」などと答弁しましたが、立憲民主党、共産党、国民民主党の野党3党が「報じられた内容の事実確認すら応じず、あまりに不誠実な答弁で納得できない」などと反発し、退席しました。 これを受けて与党側が、政府側にできるかぎり誠実な答弁を促すなどとして理解を呼びかけた結果、野党側は、およそ1時間後に審議に戻りました。 |
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2/9 | |
●菅正剛 接待問題・衆院予算委 2/9 | |
●首相、長男とは「完全に別人格」 2/4 | |
放送事業会社「東北新社」に勤める菅義偉首相の長男が、総務省幹部を接待したとされる問題を巡り、野党は衆院予算委員会で厳しく経緯を追及。首相は長男と「完全に別人格」と、無関係を強調した。4〜8日の予算委詳報は以下の通り。
●2月4日 黒岩宇洋氏(立憲)の質問 黒岩氏 放送事業会社に勤めている総理のご長男が、本来原則では接待することが禁止されている所管官庁である総務省に対して接待をしたという疑惑が出ております。まず総理、今日発売されました総理のご長男の事案が載っている週刊誌(週刊文春)をお読みになられましたか。 首相 全体像は掌握しています。 黒岩氏 お読みになられたのか。巻頭の写真などはご覧になったのか。 首相 それは見ています。 黒岩氏 黒い目隠しが入って、長髪の方で、タクシーチケットを総務省の官僚に渡しているとおぼしき、この方はどなたですか。 首相 それはわかりません。 黒岩氏 その方が自分のご子息かどうか、ご子息に確認されたんですか。 首相 確認はしてません。 黒岩氏 報道によりますと、昨年の10月7日、そして12月8日、10日、14日と立て続けに総務省のナンバー2以下、幹部官僚が接待を受けていると。ここで報道されている12月14日。これは総理がステーキ会食をして猛省をされた日ですけれども、総理のご子息は、高級官僚の方と何をされてましたか。 首相 まずやはり、関わった者が誰であっても、国民の皆さんからの疑念を抱かせることのないように、総務省によってしっかり事実関係を確認した上で、ルールにのっとって対応してほしいというふうに思います。お尋ねは私の親族であるとはいえ、公的立場にはない、いち民間人に関するものです。本人やその家族などのプライバシーに関わることであり、本来このような場でお答えすべきことではない。ただし民間会社に、報道のように勤めていることは事実であります。 黒岩氏 これは私人にかけられたものではなくて、菅政権そのものにかけられた疑念、疑惑なんです。これを払拭(ふっしょく)するために、事実関係を知りうる方が身近におられたら、その方に総理としてお聞きすることは、当然のことなんじゃないですか。では12月14日、これは報道によりますが、総理のご長男は高級すし店で会食をされていたということです。こういったことが事実かどうか、報道されてから、ご子息等と直接、ないしは電話で話をされていますか。 首相 ええ、電話で話はしました。 黒岩氏 この接待は事実かどうか。ご子息からお聞きになったことをお答えください。 首相 接待というよりも、私は調査が入ったら事実関係に対して、そこは協力するようにということは申し上げておきました。 黒岩氏 今日は、その接待を受けたと言われる4人の官僚のうち、残念ながら、総務審議官のお二人が出席を拒まれました。今日いらっしゃっている秋本芳徳情報流通行政局長に聞きます。12月10日、六本木の小料理屋で菅総理のご長男から接待を受けたのは事実ですか。 秋本局長 会食をさせていただいたことは事実です。 黒岩氏 会費はご自分で支払われましたか。 秋本局長 当初、出席者の中に利害関係者がいないと認識しておりましたため、自己分の負担を行っておりませんでした。事後に取材を受ける過程で、出席者の中に、東北新社の社員であるとともに、利害関係があると思われる子会社の社長等を兼ねている方がいることが判明しましたため、まずは確認できる範囲での返金を行っております。 黒岩氏 その日は自分では一切お金を払わず、ごちそうになったということでよろしいですね。 秋本局長 事後的に額、確認できる範囲での額を確認して振り込みをさせていただいた。 黒岩氏 タクシーチケットは先方からもらったのか、お土産もただでもらったのか。 秋本局長 飲食代やタクシー代も当初はご負担をいただきました。事後的に返金をさせていただきました。 黒岩氏 総理、人から飲食をごちそうになって、お土産までただでもらって、タクシーチケット代まで出してもらう。これを我々は接待と言うんですが、総理いかがですか。 首相 私自身、全く承知しておりません。それが息子と誰であれ、ご指摘のような不適切なことがあったかどうかについては、ここはしっかり関係者で、中で対応してもらいたい。 黒岩氏 局長、お金をお返しになったと言いますが、いくら返されたんですか。 秋本局長 具体的な返金額の妥当性も含めて現在、調査を受けている最中でございまして、この場でのお答えは差し控えをさせていただきたい。 黒岩氏 総理のご長男は、これは総務省にとって利害関係者ですか。 秋本局長 今ご指摘の点も含めて、今後、調査が進められるものと承知をしておりまして、この場でのお答えは差し控えさせていただきたい。 黒岩氏 総理は総務大臣の時に、息子さんを20代半ばで総務大臣秘書官に採用し、任命しましたね。この事実関係をお答えください。 首相 任命をしました。 黒岩氏 総理はずっと世襲批判をしてますけれども、世襲でも選挙を通らなければバッジをつけられない。だけども、総務大臣秘書官というのは、これは任命したらすぐそのまま。25歳でも。政務秘書官ですからね。これ、世襲よりはるかに甘いことをやってる。どうも総理は言ってることとやってることが逆だ。国民に対してもこんなに厳しいことを言っていながら、自分の親族や家族、総務省をかばってるとしか思えない。やっぱり国民にとって非常に不可思議なのは、総務省のナンバー2といったら、なかなか会うことはできない。それが、年末に1週間で3回、10月には2時間45分も会食している。なんでこの人たちは総理のご子息と会食をしたのか。思い当たる理由、目的をお答えください。 首相 まずですね、ここはルールのもとに秘書官にしてるんです。世襲制限というのは私は言い続けてきています。息子は3人いますけど、政治家には誰もしません。これは了解をしてます。それと、今もう40ぐらいですよ、もう。私は普段ほとんど会ってないですよ。それは私全く承知しませんが、それが息子であれ、誰であれ、それに関連してご指摘のようなことがあったら、あったかどうかっていうのは、やはりしっかり調査してもらう必要があるだろうというふうに思います。いずれにしろ、私自身は自分の政治信条として、世襲は制限するということで、私ずっと言い続けてきましたから、そこはそのままやり遂げますし、秘書官やったのも10年以上前のことですよ。東北新社の社長っちゅうのは、私も秋田の同じ出身ですから、まあ先輩でもう亡くなりましたけど。いろんなご縁があって応援してもらってることは事実ですけども、それと今の私の長男とを結びつけるちゅうのはそれはいくらなんでもおかしいんじゃないでしょうか。私、完全に別人格ですからね、もう。そこはぜひご理解をいただきたいと思います。私の長男にもやはり家族もいますし、プライバシーももちろんあると思いますよ。それと、長男が長男がと、やっぱり会社のいち社員ですから。そういう中で、今、言われたような不適切なことがあったかどうかについては、これから総務省の政治倫理ですか、審査会で、そこはしっかり対応してもらいたいというふうに思います。 黒岩氏 接待を受けた3人の、今回の総理のご長男と会食した目的。総務省から答えが返ってきました。まずナンバー2といわれる谷脇康彦総務審議官は「内外の情報通信市場の動向等について意見交換を行うため」。次にナンバー3の吉田真人総務審議官は「親睦を図るため」。そして今日来ている(秋本)情報流通行政局長にいたっては「本人または親が東北出身者の懇親会」。接待なら懲戒処分を受ける、自分の身の危険を冒してまで、4回も、12月には週3回も。しかも、こんだけ自粛しているときに駆けつけるってのは、総理はいちサラリーマンみたいなことをおっしゃってますが、やはりこれは総理大臣や総務大臣を経験している方の影響が大きいかもしれない。公務員が飲み代、食べ物代、チケット代、お土産、ごちそうされている。これ適切だと思いますか。 首相 総務省においてすでに調査開始されておるようでありますが、国民の皆さんから疑念を抱かれるようなことは絶対ないように、ルールに基づいてしっかり対応する必要があるというふうに思います。私自身は全く承知しておりませんので、総務省において、ご指摘の会社との間にどのようなことがあったのか、事実を確認してルールに基づいて対応すべきだというふうに思います。 |
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●「調査中」繰り返す総務省幹部 2/5 | |
放送事業会社「東北新社」に勤める菅義偉首相の長男が、総務省幹部を接待したとされる問題を巡り、野党は衆院予算委員会で厳しく経緯を追及。総務省幹部らは「調査中」を繰り返し、正面から答えなかった。予算委詳報は以下の通り。
●2月5日 森山浩行氏(立憲)の質問 森山氏 昨日は長男とあの後話したか。 首相 話はしました。 森山氏 総理自身は全容把握しているが、今日はおっしゃらないということか。 首相 全容は把握はしておりません。報道のことは見ておりますけども。 森山氏 報道に書いてあることは事実かどうかという話はしたか。 首相 今これ、調査をされているんだろうと思います。私自身が内容についてここは立ち入るべきではないと思っています。会社から当然聞き取りとか調査とかがあると思うので、国民の皆さんから疑念を抱かれないように、事実に基づいて協力すべきだ、そうしたことは父として申し上げました。 森山氏 秋本局長、会食した子会社の社長は誰ですか。 秋本芳徳・情報流通行政局長 私が会食させていただいたのは、子会社の社長さんと菅正剛(首相の長男)さんです。 森山氏 ごちそうになったのは誰ですか。 秋本局長 お支払いを、お二方のうちどちらかというのは当日には分かりませんでした。 森山氏 返金はどなたに? 秋本局長 東北新社の方に返却させていただきました。 森山氏 東北新社との関係は、昨日総理もお認めになっている。同じ秋田県の社長でお世話になってきた。確かに何年にもわたって100万単位の献金を受けておられる。25歳のとき長男が大臣秘書官に任命された。平成18(2006)年9月から19年7月まで秘書官を務めている。任命の理由は。 首相 当時たしか私の秘書が二人、地方議員に出馬したときだと思う。急きょ私が大臣になったとき、秘書官として採用して働かせたということです。 森山氏 25歳。秘書官としても若い。そのあと東北新社に入社している。このときは息子を頼むよということで入社したのか。 首相 私からはそういうことは一切依頼もしていません。私は子供3人いますけども、3人とも自分の考え方で職に就いています。 森山氏 総務大臣秘書官として25歳から務めた。総理にお願いはされていなくても、東北新社としては総務省とのパイプも含めてこういう人を採用したいなという気持ちはあると思う。秋本局長、東北新社の仕事内容は知っていたのですか。 秋本局長 番組の配給などを手がける会社と承知をしております。 森山氏 ということは、東北新社は利害関係者とは思わなかったか。 秋本局長 私自身の当初の認識では、利害関係者ではないと認識をしておりました。 森山氏 スターチャンネルの更新時期だ。衛星放送の話は出たか。 秋本局長 当日、衛星放送の話が出たかどうかという記憶はございません。 森山氏 出たかもしれないということだ。総理の長男が誘って、総務省ナンバー2の幹部なんてなかなか社長だって会えない。こういう状況の中で2時間40分来てくれるのは、総理の長男だからということではないか。そんたくはないようにしなければいけないのではないか。 首相 関わったものが誰であっても国民の皆さんから疑念を抱かれるようなことがないよう、総務省においてしっかり事実関係に基づいて確認したうえでルールにのっとって判断をしてほしい。それと、私自身、長男を秘書官にしたというのは十数年前ですから、近年でもありませんから。そういう中で、私とはこのところほとんど会ってませんし、仕事に専念していますから、関わった者が誰であってもやはり平等に行うというのは当然のことだと思っています。 森山氏 安倍晋三総理のときと同じように、情報隠蔽(いんぺい)改ざん、権威主義とかそんたくとか、暗いイメージにならないようにしてほしい。こういうことで行政がゆがめられないようにしてほしい。 首相 行政がゆがめられないというのは、それは当然のことだと思います。私についていろんなご批判があるというのは素直に受け止めさせていただいて、そう思われないように努めていきたいと思います。 逢坂誠二氏(立憲)の質問 逢坂氏 総理のご子息と総務省幹部の皆さんが繰り返し会食をしておられた。普通は、民間放送事業者の部長さんに呼ばれて、ご飯を食べに行くと私には思えない。しかも秋本さんだけじゃない、その上のクラスの方も、短い期間の中で頻繁にやられている。秋本さん、なんで行ったんですか。 秋本局長 先方からのお誘いを受けて、会食をした次第でございます。 逢坂氏 誰から電話が来たんですか、なんでそれに乗ったんですか。誘われれば誰とでもご飯を食べるんですか。 秋本局長 調査を受けている最中でして、お答えは差し控えさせていただきます。 逢坂氏 最近の国会では、刑事訴追を受ける恐れがあるから、答弁を差し控えますとか、捜査中だから答弁できませんとかいう話があるんですが、今回の案件ってのは捜査されてるわけでも、司法の手に渡ってるわけでも何でもないんですよ。もちろん私は捜査がされているから答えられないっていうのも、少しいかがなものかなというふうには思っているところもあるんですが、これまさに行政の内部で行われていることですよ。行政の内部で行政の調査機関が調査をする。なんで答えられないんですか。総理、おかしいと思いませんか。しかも、我々は、行政を監視する役割を担っている。憲法の中には国権の最高機関と書いてある。なぜ答えられないんですか。 秋本局長 私自身は調査を受けている立場でございまして、相手方の東北新社様に対しましても、今後、調査が行われると承知をしておりますので、私からの回答は控えさせていただきます。 逢坂氏 総理は行政府の長ですので、我々は、国権の最高機関として行政府の監視機能を担っています。今のような答弁が繰り返されるなら、問題案件を我々は掘り下げることも何もできないんです。これは立法府に対する私は大きな、監視機能に対する侵害だというふうに思います。これは早急に結果を出していただきたい。総理、いかがですか、ご長男も絡んでいる案件ですし、公平公正にやるっていうのは前提でありますけれども、早急に結論を出すべきだと思いますが。 首相 関わった者が誰であれ、国民から疑念を抱かれることがないように、総務省においてしっかり事実関係を確認した上で、ルールにのっとって対応してほしいというふうに思います。 逢坂氏 私は総務省の職員の皆さん、お気の毒な立場なんじゃないかと思うんですよ。総理の息子さん、大臣秘書官もされた。やっぱりそこには直接の関係はないにせよ、総理の影がちらつくんじゃないかと思うんですね。総理はもう別人格だって、しかも40歳にもなっているっていうような趣旨の話をされましたけれども、総理という職の重さを考えると、息子さんが今回やられたことについて、俺の影響がなかったかなっていうことは、少し考えてみる必要があると思うんですよ。職員の皆さんも誰からお誘いを受けたかは直接お話になられてませんけれども、連絡が来れば、断れないよなあっていう、そういう気持ちにもなるんじゃないかなと私は思っていますので、総理、そういうことも含めてですね、今回の件については、早急に結論を出していただくように改めてお願いします。 |
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●中断後に「1年に1回程度会食」認めた総務省幹部 2/8 | |
放送事業会社「東北新社」に勤める菅義偉首相の長男が、総務省幹部を接待したとされる問題を巡り、野党は衆院予算委員会で厳しく経緯を追及。総務省幹部らは審議中断を経て、ようやく長男と「1年に1回程度会食していた」と認めた。予算委詳報は以下の通り。
●2月8日 山井和則氏(立憲)の質問 山井氏 接待疑惑が持ち上がった。秋本芳徳情報流通行政局長と湯本博信大臣官房審議官に来てもらった。秋本局長、12月10日に総理の息子から接待を受けたと報道されている。それまでに何回くらい会食を共にしているのか。おごられたのか。タクシーチケットはもらったことあるんですか。 秋本局長 おたずねの件も含めまして、調査の対象となっております。調査を受ける立場として真摯(しんし)に対応してまいりたいと思っております。この場での答弁は控えさせていただきたいと思います。 山井氏 それまでに何回飲食したかというのは調査と直接関係ないと思う。隠せば隠すほど闇が深い印象を受ける。そのときが初めてだったのか、それまでも何回か飲食を共にしたのですか。 秋本局長 会合に至った経緯やその背景も含めまして調査の対象となっておりますので、この場での回答は控えさせていただきたいと思います。 山井氏 何度も会食という報道があった。真実が分からない。今回が初めてであったということはないということですか。 秋本局長 過去の経緯も含めまして調査の対象となっておりますので、この場での回答は控えさせていただきたいと思います。 山井氏 報道で出ていることがなぜ国会で言えない。 秋本局長 報道がなされていることは承知しております。現在調査を受けている最中でございまして、相手先の企業のこともあるので、個別の内容は差し控えさせていただきたいと思います。 山井氏 総理は息子は別人格といったが、いち衛星放送会社の社員が総務省の幹部を夕食に誘ったって絶対に来ません。総理の息子だからではないか。総理は責任は感じていますか。 首相 関わった者が誰であれ、国民の皆さんの疑念が抱かれることがないように、総務省においてしっかり事実関係を確認した上で、ルールにのっとって対応してもらいたいと思います。 山井氏 総理の息子だからこういう接待疑惑が大問題になっている。今回初めてか? 今までも会食しているか? 報道には答えている。国会で答えないということは許されないですよ。 秋本局長 複数回、会食にいったものがいるという報道がなされていることは承知している。個別の内容は差し控えさせていただきたい。 山井氏 ちゃんと答えさせて。 (野党側「立法府だからこれくらい普通に答えないと。答えさせてください」) 金田勝年予算委員長 もう一度答えてください。 秋本局長 調査につきましては総務省の大臣官房の懲戒処分担当が、国家公務員倫理審査会の助言を受けつつ、調査対象者、私どもへのヒアリングや、関係資料の収集、そして関係者、本件の場合、相手先企業である東北新社様からの事情聴取等を通じて具体的な事実関係の解明を行うものと承知をしております。いずれにしても、調査を受ける立場のものとして調査には真摯に対応してまいりたいと考えております。 (野党側「ここに来て調査を受ける立場ってダメでしょ」と抗議) 金田委員長 理事会で協議をさせていただきます。質問は続行してください。 (野党側「だめだめ!」と騒然) 秋本局長 本件調査につきましては、総務省の大臣官房の懲戒処分担当におきまして、国家公務員倫理審査会の助言指導を受けつつ、私どもへのヒアリングや関係資料の収集、関係企業、東北新社様などの事情聴取を通じて具体的な事実関係の解明を行うものと承知をいたしております。いずれにしても、調査を受ける立場のものとして調査には真摯に対応してまいりたいと考えております。 (野党抗議し、退席) (約1時間20分後、野党着席し再開) 山井氏 菅総理の息子と今回の会食以前に何度会食したか。その場合はタクシーチケットをおごられたのですか。 秋本局長 平均いたしますと1年に1回程度会食の機会を持たせていただいていました。また、おたずねの私自身の負担した回数がどれほどあるかは、今調査をしている最中でございますので、先方に確認を要する事項でもございますので、この場での回答は控えさせていただきたいと思います。 山井氏 衛星放送関連会社に首相の息子が就職して、今回だけでなく、定期的に会食をされていた。今まで大体何回くらい? 秋本局長 いつごろから年に1回程度お会いする機会をいただいていたかは、私自身の記憶を確かめますとともに、先方に確認を要する事項でもあります。実際、総務省の大臣官房、懲戒処分担当の方でも第三者の立場から調査を行うということでございまして、きちんと確認をした上でと思っております。この場での答弁は控えさせていただきたい。 |
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●東北新社元社長、菅首相側に献金 2/9 | |
菅義偉首相の長男による総務省幹部の接待問題で、首相が代表を務める「自民党神奈川県第2選挙区支部」が2014〜18年、長男が勤務する放送事業会社「東北新社」の当時の社長から計250万円の献金を受けていたことが9日、政治資金収支報告書で分かった。
収支報告書によると、東北新社の社長だった故植村徹氏から14年と17年に100万円ずつ、18年に50万円の計250万円の寄付があった。同社の創業者で、植村氏の父親の故伴次郎氏は首相と同じ秋田県出身。 首相の事務所は共同通信の取材に「収支報告書の記載通り。さまざまな方とおつきあいがあるが関係は答えていない」と回答した。 |
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●4/25 全敗なら菅辞任「王手」 「官僚接待」長男との関係 2/10 | |
止まらぬ不祥事に、菅義偉首相が追い込まれている。2月3日、菅氏の長男で放送事業会社「東北新社」に勤める菅正剛氏が、総務省の幹部官僚を料亭などで接待していたことが週刊文春の報道で発覚。国家公務員倫理法に基づく倫理規程違反の疑いを指摘されている。
菅氏は答弁の中で「私と長男とは、完全に別人格だ」と突き放したが、親子関係はどんなものだったのか。菅氏を古くから知る関係者が語る。 「菅氏が小此木彦三郎氏(元通産相)の秘書だったころ、政治家・中野正剛の著書を渡したことがある。竹下登元首相も中野の講演に感動して政界に入ったほどの人物。菅氏も感銘を受け、長男に『正剛』と名付けたそうです。多忙であまり家にいなかったから、男3人兄弟は真理子夫人がつきっきりで育てていました」 選挙で家族を前面に出すことはなかった。菅氏の選挙事務所長を長年務めた齋藤精二氏が語る。 「菅さんの息子たちはほとんど選挙に関わらない。菅さんも彼らのことはあまり口に出しません。真理子夫人も地元事務所に来るのは選挙中だけですし、長男が選挙を手伝ったという話も聞かない」 正剛氏は明治学院大学を卒業後、一時はバンドマンをしていたが、菅氏が総務相だった2006年に大臣秘書官に起用されている。その後、東北新社に就職した。 「菅さん自身はたたき上げだけど、地元に強い影響力があった小此木彦三郎氏の人脈を利用してのし上がった面がある。それをそばで見てきた正剛氏も、コネを重視するオヤジのやり方を吸収したのかもしれない。ただ、脇が甘すぎた。オヤジが総理という甘えがあったのか」(前出の関係者) 2月3日には、東京地裁で公職選挙法違反の有罪判決を受けた河井案里氏(自民党を離党)が議員辞職。4月25日には衆院北海道2区、参院長野選挙区、参院広島選挙区で同時に補選・再選挙が行われることになった。このうち、鶏卵疑惑で検察の捜査を受けた吉川貴盛元農林水産相が議員辞職した北海道2区では、自民党は独自候補の擁立を断念している。 「他の二つも自民に逆風の選挙で、全敗の可能性もある。負け戦となれば『選挙前に総理を辞めろ』という声が高まるでしょう。だけど、菅さんは秋田県出身だから、ねばっこいよ。そう簡単には諦めないですよ」(地元後援者) |
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●菅首相側に250万献金、長男勤務の東北新社元社長 2/10 | |
菅義偉首相の長男による総務省幹部の接待問題で、首相が代表を務める「自民党神奈川県第2選挙区支部」が2014〜18年、長男が勤務する放送事業会社「東北新社」の当時の社長から計250万円の献金を受けていたことが9日、政治資金収支報告書で分かった。 | |
2/11 | |
2/12 | |
●総務省、東北新社子会社だけハイビジョン未対応で認定 2/12 | |
放送事業会社「東北新社」に勤める菅義偉首相の長男が総務省幹部を接待したとされる問題を巡り、総務省は12日の衆院予算委員会で、2018年にCS放送業務として認定された12社16番組のうち、東北新社子会社の番組だけがハイビジョン未対応で認定されたことを認めた。詳報は以下の通り。
● 後藤祐一氏(立憲) 菅総理の息子さんが部長を務める東北新社。東北新社が9割近い株を持っている株式会社「囲碁将棋チャンネル」がある。18年4月6日、東経110度のCS放送にかかる衛星基幹放送の総務省などの業務認定というものが行われている。そこで認定された番組は11社15番組についてはハイビジョン(HDTV)。ただ一つ囲碁将棋チャンネルだけがハイビジョンでない形で認定されている。湯本審議官は当時、この局の放送政策課長だ。答えてください。 湯本博信官房審議官 認定された12社16番組のうち、標準テレビジョン番組、いわゆるSDTVは「囲碁将棋チャンネル」1番組です。 後藤氏 ハイビジョン化を進めるために大胆な組み替えをしてるんですよ。この囲碁将棋チャンネルだけがハイビジョンじゃないのに認定されている。おかしいじゃないですか。ハイビジョンの申請をして落ちたところもあるんですよ。接待の疑惑もあるわけで、説明してもらう必要がある。続いて、どういう基準で決められたのか。第1優先順位の1は帯域幅を12スロット以上返上してハイビジョンでという方。全186スロットのうち1に72配られた。2は返上が12スロット未満のハイビジョンの方で、84使うことになった。3が返上分がなく新規でハイビジョンを申請する方で、3社残っていた。残りが30スロットで、ハイビジョンは12スロットごとの単位なので2社しか通らない。そうすると30から24引いて、1番組落ち6スロット残る。そして4番目の枠である、既存の標準放送を高画質化するという4の枠で申し込んでいた「囲碁将棋チャンネル」が残った6スロットで選ばれた。これは間違いないか。 湯本審議官 ご指摘のあったハイビジョン番組については比較審査の結果、1社が認定拒否となっている。さらにSD、標準テレビジョン番組の経緯については当初、「囲碁将棋チャンネル」も含めて4社申請があったが、4社のうち2社はハイビジョンを第1希望、標準テレビジョンを第2希望として申請し、第1希望のハイビジョン番組が認定されたために、第2希望の申請を取り下げた。 秋本芳徳情報流通行政局長 最終的に「囲碁将棋チャンネル」を含む残る2社の審査については、4の段階で2社を比較して、既存の周波数帯を一部返上することで高画質化を図るという囲碁将棋チャンネルの申請が審査基準にかなっていたことから認定した。 後藤氏 この基準をつくる17年の6月ごろまでの(総務省)幹部は、山田真貴子・現内閣広報官が官房長、吉田真人総務審議官が情報流通行政局担当の大臣官房審議官だった。そして認定がされた18年4月は山田さんが情報流通行政局長。谷脇康彦総務審議官が政策統括官(情報セキュリティ担当)、湯本官房審議官は(同局放送政策)課長だった。少なくとも担当局長、担当課長は間違いなく権限があったと思うが。 秋本局長 ご指摘の審査基準の改定、認定の事務を担当する職務にあるものは、情報流通行政局長、情報流通行政局担当の大臣官房審議官、そして衛星・地域放送課長の職にあったものです。 後藤氏 少なくとも山田情報流通行政局長(当時)は18年4月の「囲碁将棋チャンネル」の認定において職務権限があったという答弁だった。 後藤氏 衛星放送「スターチャンネル」は東北新社が、85%だと思うが、株式を保有している会社だが、放送事項が変更されていて許可が必要だ。20年3月11日に変更許可を受けているのは間違いないか。 秋本局長 20年3月11日に放送事項の変更許可をしている。 後藤氏 許可ですから、職務権限あった方は食事していると問題になる。職務権限が発生する場合は少なくとも三つあることが分かった。「囲碁将棋チャンネル」について認定を受けた18年4月。そして認定基準を作っていた17年6月あたり。「スターチャンネル」の放送事項の変更許可があった20年3月の時点。あとは、東北新社に関係するようなBS、CS番組がそれぞれ5年に1度更新を迎えるので、そのときごとに職務権限がある。現在、総務省で調査をしているが、今言った職務権限がある方がたくさんいると思う。職務権限がある方々に対して、東北新社の菅正剛さん含めた関係者と会食があったか調べているのか。調べていないなら、対象にして調査をすることを約束してほしい。 武田良太総務相 (国家公務員倫理)審査会から調査報告に関する指定を受けている。今はその作業にフル活動で取り組ませていただいている。ご指摘の点についても、もし国家公務員倫理法に反するものであれば、法令に基づきしっかりと公表していきたい。 後藤氏 具体的に聞くが当時の山田情報流通行政局長、間違いなく職務権限がある。「囲碁将棋チャンネル」を認定したとき18年4月に局長だった。東北新社と会食があったか調査するか 武田総務相 今回の事案に関することは積極的に、慎重に調査を進めていきたいと考えている。 後藤氏 すると理解した。吉田総務審議官は2回は会食した、それ以前にも複数回会食していたと。吉田さんは「囲碁将棋チャンネル」が認定された基準を(17年に)つくるときの情報流通行政局担当の大臣官房審議官だ。吉田さんはそのときに会食していたらストレートにアウトだ。吉田審議官は20年1月24日と12月4日だけでなくて、それ以前、いつ何回、会食していたか、まずここだけでもすぐ出してもらえないか。 武田総務相 本人の記憶というか、証言によれば今指摘されたもの以外については記憶はないと、覚えてないという感じです。 後藤氏 この調査ってそうやってなされるのか。職務権限がないときは日にちを覚えていて、職務権限があるかもしれないときは、よく覚えてないと。なんですかその調査。大臣。そんな調査じゃだめですよ。ちゃんと記録を出させないと。東北新社に記録全部を出させたら分かる。職務権限があった可能性があるところは、徹底して東北新社側の情報も含めて調べることを約束してくれるか。 武田総務相 相手方の情報も含めて調査します。 後藤氏 徹底調査を約束したと理解しましょう。これが出てこないとこの話は前に進まない。「囲碁将棋チャンネル」がなぜ認定されたのかも含めて、政策がゆがめられた可能性がある。それに総理の息子さんが関わっている、森友学園、加計学園とかなり似たような仕組みになってきている。そして当時の山田情報流通行政局長、今は菅政権のど真ん中にいる、内閣広報官としている。しっかり究明することを求める。 |
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●菅義偉の長男は正剛で東北新社! 2/12 | |
●菅義偉の3人の息子
菅義偉首相の3人の息子達は、1987年に横浜市議選に初当選した時、「当時、6歳、3歳、6カ月の男の子がいました。(SMART FLASH)と書かれていたことから、現在の年齢は、長男39歳、次男36歳、三男33歳、となります。 こちらは菅義偉首相が横浜市議に初当選した時の画像。奥さんである真理子夫人の横にいる男の子2人が当時6歳だった長男と3歳だった次男の顔画像だと思われます。この時菅義偉さんは、選挙直前まで公認をもらえず、後援会長もいない孤立無援の戦いで、朝6時から夜9時まで、1日300軒、選挙までに3万軒の家々を周り、靴を6足も履き潰すほど歩き回ったのだとか。3人の小さい息子さんを育てながら菅首相を支えた真理子夫人も大変だったことでしょう。 ●菅義偉の長男・菅正剛 ●学歴 神奈川県逗子市にある逗子開成中学校から高等学校に進学した長男の正剛さん。逗子開成中学、高等学校といえば、神奈川県で最も歴史の古い私立の男子高校として知られています。 子供たちには「中学高校では運動部に入る」ことを強く進めていたという父・菅義偉さんの教えにより、長男の正剛さんは柔道をやっていたそうです。 1999年3月に逗子開成高校を卒業した正剛さんは、同年4月に明治学院大学に入学。 (菅義偉談)長男は明治学院大学を卒業している (週刊文春WOMAN2019年夏号) 明治学院大学といえば、日本最古のミッションスクールとして有名ですね。 大学時代はミュージシャンを目指していた正剛さんは、逗子出身の音楽ユニット「キマグレン」のメンバーとバンドを組んでいたこともあるのだとか。 キマグレンといえばauのCMソングだったこの曲が大ヒットしましたね。 正剛さんの実家は横浜の一等地にありますから、逗子は通いやすかったのでしょう。 ●現在は東北新社の部長! ミュージシャンを目指すも、なかなか目が出なかった正剛さんですが、25歳の時、菅義偉さんが第一次安倍政権で総務大臣として初入閣した際、総務大臣秘書に任命され、2007年まで9ヶ月間父親の秘書を務めていました。 菅総理は世襲制には反対と言われていますが、やはり息子がかわいかったのでしょう。 2009年6月22日号の「週刊プレイボーイ」では、バンドの人が体を壊して辞めて。(長男は)まだプラプラしていたからと発言しており、コネで秘書に任命したことを暗に認めています。 しかし、9ヶ月で秘書を辞めたということは、やはり向いていなかったのではないでしょうか。 それまで政治の勉強をしていたわけではなく、バンドマンだったのですから当然ですね。 このときに菅が思ったのは“政治で世襲制はよくない”ということでした。菅さんは社会人の息子たちを政治家にさせるつもりはないようです(女性自身) 正剛さんに秘書を9ヶ月間させてみて、適性がなかったことで、世襲制は辞めようと決意したのでしょうね。 秘書をやめてすぐの2008年、正剛さんは東北新社に入社し、現在はメディア事業部・エンタメコミュニティ総括部長をしていると2月4日発売の週刊文春が報じています。 東北新社といえば、港区赤坂に本社をおく、映画製作・配給をしている会社。 さらに、長男の正剛さんは、グループ会社の株式会社囲碁将棋チャンネルの取締役も兼任しているのだとか。 正剛さんはまだ39歳ですから、すごい出世ですね。 こちら写真の左が菅正剛さんの画像。元バンドマンで制作会社の役員ということで、いかにも業界人らしい長髪のスタイルが印象的です。 秘書をやめてたった数ヶ月で東北新社に入社できるのは、やはり父である菅義偉さんの口利きがあったようです。 日刊ゲンダイによると、(菅総理の政治)支部は、18年3月、映画製作会社「東北新社」(東京・港区)の植村徹前社長(今年4月21日死去)から50万円(の献金)を受けている。 (日刊ゲンダイ)ということで、東北新社は菅総理の政治団体に政治献金を行っているとのこと。 長男の正剛さんの東北新社での裏の任務は、総務省幹部と東北新社のパイプ役だとも言われています。 そんな正剛さんは、2月4日の週刊文春の週刊文春で、東北新社の許認可に関わる総務省の幹部達を、国家公務員倫理法に抵触する違法な接待を繰り返した疑いでスクープされました。 さらに文春誌面では、「次の事務次官」との呼び声の高い谷脇康彦総務審議官や、吉田眞人総務審議官など、総務省の要人に手土産やタクシーチケットを手渡す画像も掲載されています。 菅総理は長男に事実関係を確認するかについて「考えていません」と述べていましたが、国民が黙っていないでしょう。 |
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●首相長男側から総務省幹部4人に贈答品 会食12回 2/12 | |
放送事業会社「東北新社」に勤める菅義偉首相の長男が総務省幹部を接待したとされる問題を巡り、総務省は12日の衆院予算委員会で、接待が報じられた幹部4人が長男側と会食した回数について、現時点の調査で2016年から延べ12回に及ぶと明らかにした。さらに全員がタクシーチケットと贈答品を受け取っていた。詳報は以下の通り。
● 森山浩行氏(立憲) 違法接待疑惑。菅正剛(首相の長男)さんと総務省幹部4人それぞれの会食回数、会食を始めた時期について報告を。 総務省・原邦彰官房長 現時点で確認できた範囲での事実関係について。谷脇康彦総務審議官は昨年10月を含めて3回会食をしている。1回目が2019年6月6日、2回目が19年10月23日、3回目が20年10月7日。吉田真人総務審議官は昨年12月の会食含めて2回。1回目20年1月24日、2回目20年12月4日。なお、本人の記憶ではそれ以前でも東北新社の子会社社長と複数回会食し、毎回ではないが、その場に菅正剛氏が同席することもあった。秋本芳徳情報流通行政局長は昨年12月の分も含め4回会食をしている。1回目16年7月20日、2回目が16年11月28日、3回目が19年2月14日、4回目が20年12月10日です。湯本博信官房審議官は昨年12月を含め3回会食をしている。1回目が19年2月14日、2回目が19年11月27日、3回目が20年12月14日。現在まで確認できているところ、以上です。秋本局長、湯本審議官は19年2月14日は一緒ということだ。 森山氏 相手側含めた同席者、負担者については。 原官房長 今回問題になっている(昨年10〜12月の)会合につきまして、まず谷脇審議官、同席者は東北新社社長、同取締役、子会社社長、菅正剛氏の4人。負担額、負担者は精査中です。吉田審議官の同席者は子会社社長、菅正剛氏の2人。費用負担等は精査中。秋本局長は、子会社社長、菅正剛氏の2人。費用負担は精査中。湯本審議官の同席者は子会社社長、菅正剛氏の2人。費用負担は精査中。 森山氏 会食費、会食場所、会食に要した時間について報告を。 原官房長 現在精査中です。なぜ精査に時間を要するかですが、本事案は職員の不利益処分の検討に関する事項であり、迅速性とともに正確性も求められている。よって調査中の項目について相手方も含めて対象者から資料を提供してもらい、分析し、個別のヒアリングを経て、両者の主張にそごがないか、資料がもっとないか、再度分析をしていく必要がある場合もある。再ヒアリングをする可能性もある場合もある。大臣も強くとにかくできる限り早くと指示もいただいているので、全力でしっかり取り組んでいく。 森山氏 おかしいですね。12月の会合については返金されている。返金額わからないまま返金することはできない。返金額はどうやって調査したのか。 原官房長 精査しているが、それぞれが可能な範囲で、確認できた範囲で返金したと聞いている。今、受領者の方からも書類などをいただいているので、いろいろ正しいか含めて精査している状況だ。 森山氏 タクシーチケットの交付の有無、使用金額について。 原官房長 谷脇審議官、タクシーチケット受領している。吉田審議官、受領しているということだ。秋本局長、受領しているということです。湯本審議官、受領しているということです。金額については精査している。 森山氏 贈答品の有無、相当する金額について。 原官房長 贈答品。谷脇審議官、受領している。吉田審議官、受領している。秋本局長、受領している。湯本審議官、受領している。金額については現在精査している。 森山氏 これは、最後の1回か。すべての会合について受領か。 原官房長 今回問題になっている会合についてです。 森山氏 すべて調べてください。調べられますか。 原官房長 これも現在確認できている範囲についてですが、谷脇審議官、1回目は記憶していない。2回目も記憶していない。吉田審議官、1回目は記憶していない。秋本局長、1回目、2回目、3回目、いずれも記憶していない。湯本審議官、1回目、2回目、なしということです。 森山氏 タクシーチケットは。 原官房長 谷脇審議官1回目、2回目とも記憶していない。吉田審議官、1回目は記憶していない。秋本局長、1回目、2回目、3回目とも利用した記憶がない。湯本審議官、1回目、2回目ともなしということです。 |
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2/13 | |
●総務省幹部4人 菅首相長男と会食12回 2/13 | |
放送事業会社「東北新社」に勤務する菅義偉首相の長男(元総務大臣秘書官)が総務省幹部を接待していた問題で、総務省の原邦彰官房長は12日、幹部4人と長男との会食回数について2016年から延べ12回に及ぶことを衆院予算委員会で明らかにしました。昨年10〜12月の4回の会食で、いずれもタクシーチケットと贈答品を受け取ったとしています。立憲民主党の森山浩行議員への答弁。
野党側は、10日の衆院予算委理事会で、幹部4人の会食の回数や時期、同席者、会食費用と負担者、場所と時間などについて報告するよう求めていました。 原官房長は長男との会食について、▽谷脇康彦総務審議官が19〜20年に3回▽吉田眞人総務審議官が20年に2回▽秋本芳徳情報流通行政局長が16〜20年に4回▽湯本博信官房審議官が19〜20年に3回―と報告。このうち1回は秋本、湯本両氏が同席だったといいます。吉田氏については19年以前も東北新社役員と会食し、長男が同席していたことがあることを認めたと説明しました。 また原官房長は、昨年10〜12月以外の会食で、タクシーチケットなどの提供の有無について、湯本氏はなかったと話す一方、残る3人は「記憶していない」と答えていると述べました。 国家公務員倫理法に基づく国家公務員倫理規程は、利害関係者から供応接待を受けることを禁じています。菅首相の長男は、東北新社グループの衛星放送子会社「囲碁将棋チャンネル」の役員を兼務しています。総務省は衛星放送の許認可権限があり、長男は利害関係者に当たる疑いが濃厚になっています。 立民の後藤祐一議員は同日の衆院予算委で、総務省が囲碁将棋チャンネルを認定した時期などに、許認可権限を持つ当時の情報流通行政局長だった山田真貴子内閣広報官らが、長男側と会食していた可能性があることを指摘。「政策がゆがめられた可能性がある。贈収賄の疑いも出てくる」と述べ、さらなる調査を求めました。 |
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2/14 | |
●菅首相長男らの総務省幹部接待問題に「森友、加計を連想してしまう」 2/14 | |
TBSの松原耕二キャスターが14日、TBS系「サンデーモーニング」(日曜前8・00)に出演。菅義偉首相の長男らによる総務省幹部接待問題について言及した。
総務省は12日の衆院予算委員会で、菅首相の長男らによる接待が報じられた総務省幹部4人が長男側と会食した回数について、現時点の調査で2016年から延べ12回に及んだと説明。昨年12月に集中した直近の会食では、いずれもタクシーチケットと贈答品を受け取ったと明らかにした。首相の長男が勤務する放送事業会社「東北新社」の子会社は、総務省から衛星基幹放送事業者の認定を受けている。昨年12月は衛星放送の更新時期で、放送行政などを所管する幹部が直前に個別接待を受けていた実態が浮き彫りとなった。 松原氏は「菅総理は、息子は別人格であると言っているんですが、今政界では誰が見ても総務省に1番影響力を持っているのは菅さん。その息子さんと総務省幹部がこの5年で、少なくとも分かっているだけで12回ご飯食べている。これ総務省の幹部からしたら、息子さんから誘われたら断れない部分があるのかも知れない。これは容易に想像できる。ですからそういう意味で忖度ということがあったとしたら森友、加計を連想してしまう」と指摘。そして、「捜査中、調査中だから説明しないっていうのが繰り返されてきた。今回も政府が調査中だから答えないというのが何度も繰り返されている。これはもう菅総理自らが、自分の身内にもかかわることですから積極的に情報開示しろということを言うべきだと思う」と自身の考えを述べた。 会食は谷脇康彦総務審議官が19年から3回、吉田真人総務審議官が20年に2回、放送行政を所管する情報流通行政局の秋本芳徳局長が16年から4回、湯本博信官房審議官が19年から3回だった。与党は谷脇、吉田両氏の予算委への出席要求を拒否している。 |
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2/15 | |
●菅首相長男と会食の総務官僚「利害関係者」の可能性認める 2/15 | |
総務省の4人の幹部が衛星放送の関連会社に勤める菅総理の長男と繰り返し会食をしていた問題で、総務省は、この長男が国家公務員の倫理規程上の「利害関係者」にあたる可能性を認めました。
15日の衆議院予算委員会で野党側は、菅総理の長男が総務省の許認可事業の対象である「株式会社囲碁将棋チャンネル」の取締役を務めていると指摘。許認可事業者からの贈り物や接待を禁じる国家公務員の倫理規程に定められた「利害関係者」に該当するのではとただしました。 「この囲碁将棋チャンネルの取締役の方も当然、利害関係者になるという、論理的にはそういう帰結になると思うが」(立憲民主党 今井雅人衆院議員) 「倫理規程上の利害関係者に該当する疑義があることは否定できないと存じる」(総務省 原邦彰官房長) 総務省は“事実関係を精査中”としながらも、菅総理の長男が利害関係者である可能性を認めました。 「関わっている者が誰であっても、国民から疑念を招くことは避けるべきだと思う」(菅首相) 一方、菅総理は長男が利害関係者かどうかについては直接触れず、総務省で行われている調査を見守る考えを示しました。 |
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●「菅首相長男、参考人招致を」立憲が要求、与党は拒否 予算委理事会 2/15 | |
衆院予算委員会に先立って15日午前開かれた予算委理事会で、菅義偉首相の長男らが総務省幹部を接待していた問題をめぐり、立憲民主党が首相の長男の参考人招致を要求した。しかし、与党側は拒否した。
野党側は総務省の接待問題に加え、吉川貴盛・元農水相が鶏卵生産・販売大手「アキタフーズ」の前代表から賄賂を受け取ったとして在宅起訴された事件の関連でも、参考人招致を求めた。この要求も与党側は拒否した。 |
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●首相「自己責任」の子育て論 接待追及の渦中 2/15 | |
●菅首相が子育て論「自分のことは自分で責任を」
「『自分のことは自分で責任をもって生きていく』と強く言って育ててきた」――。菅義偉首相は子育てで大事なことを問われ、こう答弁した。首相の長男が勤める放送関連会社「東北新社」が総務省幹部を接待していた問題で追及を受けているさなか、「自己責任」を強調した形だ。首相はこれまで国会でこの問題について、「(長男とは)完全に別人格。ご理解いただきたい」と述べている。 立憲民主党の大河原雅子衆院議員の質問に対する答弁。大河原氏は自身に3人の子供がいると紹介し、子供を育てる時に大事なことについて「うそをつかない」「人を迷惑をかけない」の2点を挙げた。首相は「その二つは同じ。そして私はあともう一つ、私が子どもに言ってきたのは――」と自ら切り出し、「自己責任」に言及した。 ●接待問題、総務省局長「深く反省」 立憲民主党の近藤和也氏は、総務省幹部が菅義偉首相の長男ら放送関連会社側から接待を受けていた問題を追及。この会社の業務内容を知っていたか、利害関係者かどうかについて菅首相にただした。 これに対し、首相は「利害関係者かどうかは承知していない」と答弁。近藤氏が重ねて同じ質問をすると、首相は「映像とかそういう仕事をやっている会社であることはそれなりに漠然とわかっていますが、具体的に何がどうかということまで承知していません」と述べた。 近藤氏は、総務省設置法などから「利害関係者にあたる」との見方を指摘したが、武田良太総務相が調査中を理由に答弁を避けた。議場にヤジが飛び、金田勝年委員長が武田氏に再度答弁を促す場面もあった。 近藤氏は「漫画で学ぶ公務員倫理」という冊子を手に示しながら、「私的な関係」でも「職場で知り合った相手」は「NG」だと説明。政府参考人として呼ばれた同省の秋本芳徳・情報流通行政局長に、首相の長男について「仕事で知り合った相手ではないか」と質問。秋本氏は「(冊子は)研修その他で拝見したことがある。今般の事案に至ったことに深く反省している」「別の知人を介して2015年以降に名刺交換させていただき、知り合うに至った」と答弁した。 首相も答弁に立ち、「国民のみなさんから疑念を持たれることにはやはり気をつけるべきだと思う。いま総務省の中で客観的に調査をしている」と述べた。 ●接待問題、審議一時止まる 総務省幹部4人が菅義偉首相の長男が勤める放送関連会社「東北新社」から接待を受けていた問題で、首相の長男が総務省幹部と利害関係者にあたるかについての質問に、原邦彰・総務省官房長が「事実関係を精査中」などと繰り返したため、委員会が止まる場面があった。 立憲民主党の今井雅人衆院議員が、東北新社の衛星放送子会社の役員を兼ねる首相の長男と許認可権を持つ総務省幹部との関係について「首相の長男は総務省にとって利害関係者か」と質問したところ、原氏は「総務省(幹部)は利害関係者でない東北新社だと思って(接待に)出席していたが、結果としてそこに許認可(関係)のある方がいた」と説明した。 今井氏が首相の長男が利害関係者にあたるか繰り返し質問したものの、原氏は「今、事実関係を精査している。事実関係を前提とした上で、人事院と相談しながら利害関係の該当性を判断する」と繰り返し答えた。 見かねた金田勝年委員長(自民)が原氏に「利害関係者にあたるケースになるかを端的に答えて下さい」と注意すると、野党席から拍手が沸いた。 しかし、原氏が「倫理規定では許認可のある者は利害関係者とされている。その上で、個別のあてはめは事実関係を前提に判断する」と述べるにとどめたことから、野党が「今みたいな答弁が通用すると思っているのか」などと批判し、委員会が止まった。 ●総務省「利害関係者の疑義、否定できない」 中断していた衆院予算委員会が再開された。立憲民主党の今井雅人氏は、総務省幹部が菅義偉首相の長男ら放送関連会社側から接待を受けていた問題について、改めて長男が利害関係者かどうか確認。総務省の原邦彰官房長は「倫理規程上の利害関係者に該当するという疑義があることは否定できない」と答弁した。 今井氏は「まさに利害関係者。もうそのことは否定ができない」と首相に問うたが、首相は「関わっているものが誰であっても、国民から疑念を招くようなことは避けるべきだと思いますし、ルールに基づいて透明性のもとで総務省でしっかり対応してほしい」と述べるにとどめた。 さらに今井氏は、放送関連会社の同業他社とも「今回のように頻繁に会食をすることは今まであったか」と質問。長男と会食をしていた総務省の秋本芳徳・情報流通行政局長は「ございません」と答えた。 今井氏は「首相の息子だけが特別扱い」と批判。首相が「長男は別人格」と答弁していたが「もし総理大臣の息子だからといって優遇をされていたら、これはもう別の人格だとは言えない」とし、首相に「そういう忖度(そんたく)がもしあったら倫理的に問題ではないか」と迫った。 しかし首相は「私自身の長男であるからとか、誰であっても、やはり国民から疑念を抱かれるような行動は控えるべきだと思います。いずれにしろルールに基づいて、透明な形で総務省でしっかり対応してほしいと思います」と同じ答弁を繰り返した。 |
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●菅首相ロン毛長男と総務省の接待疑惑 …業務認定でも異例の“優遇” 2/15 | |
菅首相の「ロン毛長男」の接待疑惑は“底なし”だ。「森発言」のドタバタの裏で、国会では総務省幹部との蜜月があぶり出されている。
12日の衆院予算委員会で、立憲民主の後藤祐一議員が追及し、明かされた問題はこうだ。 総務省は2018年4月、長男が取締役を務める「東北新社」グループ「囲碁・将棋チャンネル」のCS放送業務を認定。ハイビジョン化推進が前提だったが、認定された12社16番組のうち同チャンネルだけが標準解像度だった。しかも、1社はハイビジョンで申請したにもかかわらず、認定拒否された。 認定の職務権限を握っていたのは現在、菅内閣の広報官を務める山田真貴子情報流通行政局長(当時)。総務省は認定について「審査基準にかなっていた」(情報流通行政局長)と答弁したが、その基準を巡っても問題がある。 総務省は17年6月、放送法関係の審査基準を改正。当時、情報流通行政局担当の大臣官房審議官として関わっていたのが、長男との会食を認めた吉田真人総務審議官だ。基準改正の職務権限を握る時期に接待を受けていれば、贈収賄にも問われかねない。 ズブズブ疑惑は他にもある。総務省は昨年3月、東北新社が手掛ける衛星放送の放送事項に変更許可を出した。当時、吉田氏は情報流通行政局長。長男との会食は判明しているだけで昨年1月と12月の2回ある。吉田氏は変更許可の職務権限を握る立場でありながら、接待を受けていたのだ。 ところが、総務省は山田氏や吉田氏の接待疑惑について「積極的に慎重に調査したい」(武田総務相)の一点張り。元経産官僚の古賀茂明氏がこう指摘する。 「接待を受けた時期や、金額が特別かどうかなどが焦点です。事業者が優遇を受ける目的をもって接待し、その意図を認識して接待を受けていたら、贈収賄が成立する可能性があります。国家公務員倫理規定が設けられた当時、企業の会議室を訪問した官僚が出されたお茶を飲んでもいいのかという議論さえありましたが、今は官僚も感覚がマヒしているのでしょう。『昭和の接待』という悪弊がよみがえったと言わざるを得ません」 モリカケ問題に揺れた安倍政権の悪しき前例の踏襲である。 |
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2/16 | |
●総務省が菅総理長男を「聴取」接待問題で国会紛糾 2/16 | |
菅総理大臣の長男を巡る接待問題で、総務省の調査チームがこの長男らから、聴取していることが分かりました。
これが事実解明の第一歩となるのでしょうか。 立憲民主党・岡島一正衆院議員:「菅総理のご長男には、調査チーム事務次官以下は面会なりして調査を行ったのか」 総務省・原邦彰官房長:「今回、会食に同席した方、菅正剛氏(菅総理の長男)も含めてヒアリングを行っています」 総務省の幹部4人が、放送関連会社に勤める菅総理の長男と会食をしていた問題。総務省は調査チームが菅総理の長男らにすでにヒアリングしたことを明らかにしました。しかし、まだ半歩も進んでいないようです。 くすぶる“接待問題”で、ポイントとなるのは菅総理の長男が「国家公務員倫理規程」上、接待が禁じられている「利害関係者」かどうか。 これに関して、総務省は15日に新たな認識を示しました。 総務省・原邦彰官房長:「倫理規程上の利害関係者に該当する疑義があることは否定できない」 総務省が「利害関係者」に当たる可能性を認める一方で、菅総理が「子育て」について問われる場面も。 菅総理大臣:「自分のことは自分で責任を持って生きていく。そのことは強く言って育ててきました」 自己責任と総理が強調するなか、16日の本会議でも、総務省に問題の追及が求められました。 今回の問題おいて、武田総務大臣は徹底的な調査と幹部の処分を行う考えを示しました。 |
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●首相長男と会食の幹部処分方針 総務相 2/16 | |
武田良太総務相は16日の衆院本会議で菅義偉首相の長男らと会食した総務省幹部4人を処分する方針を示した。「一日も早く調査を終え処分し、その結果を関係法令に基づき公表する」と述べた。「可能な限り迅速に調査を進める」とも語った。
総務省は「衛星放送関連会社」に勤める首相の長男らから幹部4人が接待を受けた疑惑を調査している。長男らは利害関係者にあたる可能性がある。国家公務員倫理法に基づく倫理規程は利害関係者からの接待や金品の贈与を禁じる。 武田氏は会食相手について「利害関係者に該当するという疑義があることは否定できない」と話した。一方で「放送行政がゆがめられたことは全くない」と強調した。 武田氏は同日の衆院総務委員会で、同様の事案が他の職員と事業者の間でもないか省内で調査する考えも表明した。総務省の原邦彰官房長は調査チームが首相の長男にも聞き取り調査したと明かした。 週刊文春が谷脇康彦総務審議官ら総務省幹部4人が首相の長男から規程に抵触する可能性のある接待を受けたと報じていた。 総務省は12日の衆院予算委員会で幹部4人の長男との会食の事実を認めた。その時点の調査で会食回数は2016年からのべ12回だったと説明した。 |
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●菅首相、長男勤務先から個人献金500万円 「選挙のお見舞い」 2/17 | |
菅義偉首相は17日の衆院予算委員会で、長男が勤務する放送事業会社「東北新社」の元社長らから、2012〜18年の間に計500万円の個人献金を受け取っていたと明らかにした。同社を巡っては、子会社が手掛ける衛星放送の認定更新時期の直前に、首相の長男と総務省幹部が会食していたことが判明しているが、首相自身とも深い関係であったことが改めて明らかになった。
首相は、同社元社長の故・植村伴次郎氏と、その長男で前社長の故・植村徹氏から、6回にわたって50万〜100万円の個人献金を受けた。「12、14、17年は衆院解散の時で、選挙のお見舞いということだ」と説明した。 立憲民主党の後藤祐一氏は、同社がパーティー券を購入したかもただしたが、首相は「政治資金収支報告書に記載した通り、法令に基づいて適切に対処している」と述べるにとどめた。 武田良太総務相は、首相長男と総務省幹部の会食に関連し、首相が第2次安倍政権の官房長官になった12年12月以降、東北新社の事業について菅氏に報告などをした課長級以上の職員の調査結果を説明。これまで政府が明らかにした秋本芳徳・情報流通行政局長ら4人以外はいないと明らかにした。 武田氏は、16日の衆院本会議で、問題の会食に関して「放送行政がゆがめられたことは全くない」と強調していたが、17日の予算委では「現時点で」の認識だったと修正した。 |
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●菅首相「東北新社側から献金500万円」集中審議で答弁 2/17 | |
17日午前9時から、衆院予算委員会の集中審議があり、菅義偉首相が論戦に臨んだ。
立憲民主党の後藤祐一氏は、総務省幹部が菅義偉首相の長男ら放送関連会社「東北新社」から接待を受けていた問題をさらに追及。同社から政治献金を受けていたとして首相に説明を求めた。 首相は「事務所に確認したところ、個人献金として(東北新社創業者の)植村伴次郎氏から2012年9月に100万円、同12月に50万円。(東北新社社長だった)植村徹氏から12月に100万円、14年12月に100万円、17年10月に100万円、18年10月に50万円。全額で500万円であります。12、14、17年は衆院を解散する総選挙の時であり、選挙の見舞いということだと思う」と答弁した。 後藤氏は東北新社側からのパーティー券購入についても質問。だが、首相は「法令に基づいて適切に対処している」と述べるにとどめた。後藤氏は「受け取っているか、ないかだけでも答えを」と重ねて質問したが、首相は「法令に基づいて適切に対処している」との答弁を繰り返し、詳しい説明を避けた。 また、後藤氏は「創業者(故人)は同じ秋田出身で、大変親しくされていたと伺っている。今の社長も含めて東北新社側と会食したことはあるか」と聞いた。 これに対し、首相は創業者やその長男(いずれも故人)と会食した事実は認めたが、時期については「20年近いお付き合いだが、会食したのはたぶん数回だと思う」と説明。後藤氏がここ4、5年の会食の有無を聞くと、「記憶は定かではないが、無いと思っている」と答弁。「無い」との部分に力を込めた。 後藤氏は会食の日付に加え、どちらが費用を負担したのか報告するよう求めたが、首相は「10年前後の前の話だと思うので、調べるのはなかなか難しい」と述べるにとどめた。 |
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●菅首相、東北新社側から500万円 放送事業への便宜否定―衆院予算委 2/17 | |
菅義偉首相は17日の衆院予算委員会集中審議で、長男が勤務する放送関連会社「東北新社」の創業者らから計500万円の献金を受け取っていたことを明らかにした。立憲民主党は、首相の長男が放送事業を所管する総務省幹部を違法に接待した疑惑に絡み、何らかの便宜を図った可能性もあるとみて追及したが、首相は否定した。
首相によると、同社の創業者と前社長は2012年9月〜18年10月の間に計500万円を、首相が代表を務める自民党神奈川県第2選挙区支部に献金した。6回のうち4回が衆院選の時期で、「選挙のお見舞い」の名目だったという。首相は、創業者らにパーティー券を購入してもらったかどうか問われると、「法令に基づいて適切に処理した」と述べるにとどめ、明確にしなかった。 立憲の後藤祐一氏は、17年8月に衛星放送の認可基準が改定され、18年に東北新社の関連会社に衛星放送事業が認められたと指摘。「長男が東北新社にいて首相が総務省に力を持っている。(同省幹部は)上と下から挟まれて行政がゆがんだ可能性がある」などとただした。 首相は「事実関係は全く承知していない」と関与を否定。創業者らとの20年近い付き合いの中で、会食を「多分2、3回」したと明かしたが、その場で衛星放送事業が話題になったかどうか「記憶は全くない」と語った。 |
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●菅首相長男“違法接待” 総務省局長「国会虚偽答弁」の証拠音声 2/17 | |
連日国会で追及が続く、菅義偉首相の長男・菅正剛氏の違法接待問題。昨年10月から12月にかけて、衛星放送などを運営する東北新社の部長職にある正剛氏が、許認可権を持つ総務省幹部を接待し、飲食代を支払うのみならず、タクシーチケットや高級手土産も渡していたことを2月4日発売の「週刊文春」が報じた。
こうした利害関係者からの供応接待や金品の授受は国家公務員倫理法に抵触する疑いが濃厚で、総務省が調査に乗り出している。 総務省の局長は、接待の場で衛星放送など東北新社の業務に関する話題が出たことを国会答弁で再三否定してきたが、これが虚偽答弁にあたる可能性が高いことが、当日の音声記録からわかった。 衛星放送などの許認可にかかわる総務省情報流通行政局のトップ、秋本芳徳局長は、国会で接待の場について、あくまで「本人または両親が東北出身者の懇親会」と答弁。東北新社の事業や、衛星放送などについてその場で話題にのぼったかを再三問われ、「東北新社様の事業について話題に上がった記憶はございません」(2月10日衆院予算委)、「衛星放送やスターチャンネル(東北新社の子会社が運営)について、話題になった記憶はございません」(2月12日衆院予算委)と答弁している。 問題となっているのは、昨年12月10日、正剛氏と東北新社の子会社・東北新社メディアサービスの木田由紀夫社長が、秋本局長を六本木の小料理屋で接待した際の会話内容。 そこで、経緯を検証するため、「週刊文春」では接待現場の音声記録を解析した。音声は、接待が行われた店に客として入店した複数の「週刊文春」記者が、付近の座席から録音したもの。他の客の声や雑音などを専門業者に依頼して除去し、解析を進めたところ、東北新社の事業や衛星放送などにかかわる具体的な会話を正剛氏らと秋本局長が交わしていたことが判明した。以下のようなやり取りが記録されている。 正剛氏「今回の衛星の移動も……」 木田氏「どれが?」 正剛氏「BS、BS。BSの。スター(チャンネル)がスロット(を)返して」 木田氏「あぁ、新規の話? それ言ったってしょうがないよ。通っちゃってるもん」 正剛氏「うちがスロットを……」 木田氏「俺たちが悪いんじゃなくて小林(史明衆院議員、元総務政務官)が悪いんだよ」 (略) 秋本局長「いやぁ、でも(小林氏は)どっかで一敗地に塗れないと、全然勘違いのままいっちゃいますよねぇ」 木田氏「そう。でしょ? でしょ? あれ一回ね、(小林氏と)どっかで話そうとは思ってる」 音声からは、接待の場で、東北新社が展開する衛星放送ビジネスについて話し合われていることが確認できる。また、東北新社と秋本局長が、BS放送の新規参入に積極的だった小林・元総務政務官に対して警戒を強めていることもうかがえる。 国会で違法接待を追及されている総務省幹部が、虚偽答弁を重ねていた証拠となる音声の内容が明らかになったことで、過去12回に及んだ異例の接待の目的が何だったのか、東北新社側が接待した相手は秋本氏、谷脇康彦総務審議官、吉田眞人総務審議官、湯本博信官房審議官の4人以外にいなかったのか、さらなる調査が求められそうだ。 2月18日(木)発売の「週刊文春」では、昨年の接待当日の様子や、事業にかかわる音声記録の別の部分の詳細、東北新社子会社の元取締役の驚きの告白などを詳報する。 |
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2/18 | |
●「私の音声かと…」菅首相長男と会食時の録音、総務省幹部が一部認める 2/18 | |
総務省は18日の衆院予算委員会理事会で、秋本芳徳情報流通行政局長が放送事業会社「東北新社」に勤める菅義偉首相の長男と会食した際のやりとりだとして週刊文春(電子版)が公開した音声について、一部が事実とみられると認めた。ただ衛星放送の許認可にかかわる言及があったかどうかは、秋本氏が「記憶にない」としているとして、明らかにしなかった。野党は「組織ぐるみの隠蔽いんぺいだ」と反発。首相の長男の参考人招致を求めた。
●22日までに結果報告を 同日発売の週刊文春は、秋本氏が昨年12月の会食時、首相の長男らと衛星放送事業を巡って意見を交わし、自民党の小林史明元総務政務官を揶揄やゆするような発言をしたと報じた。これに先立つ電子版では、当日の会話を録音したとする音声を公開した。秋本氏は国会審議で、会食では「放送業界全般の話題が出た記憶はない」と答弁していた。 総務省は理事会に提出した文書で、秋本氏が小林氏に関する発言を「私の音声かと思われる」と認めたと回答。東北新社の子会社が手掛ける「スターチャンネル」などの話題が出たことは「記憶にない」と証言したと記した。報道を受け、秋本氏ら会食の事実が判明している幹部4人を中心に改めて事情を聴き、22日午前までに結果を報告する方針も示した。 ●野党反発「一部ではなく全部だ」 野党は「スターチャンネルのところだけ記憶になく、小林氏の話だけは覚えているという説明は誰が考えても認められない」と指摘。秋本氏が虚偽の答弁をした可能性があるとの見方を強めている。この日の予算委は議論は成り立たないとして、質疑を拒否した。 国家公務員倫理規程は、許認可事業を行う利害関係者からの接待などを禁じている。ただ武田良太総務相は一連の会食について、放送行政に影響を与えたとの見方を否定している。 立憲民主党の安住淳国対委員長は18日、秋本氏が音声の一部を自身の発言と認めたことを受け「(総務省は)全部事実と認定せざるを得ない。許認可に関わることをずばり議論している」と記者団に指摘。共産党の志位和夫委員長は記者会見で「放送行政がゆがめられたという疑惑がいよいよ深刻になった」と強調した。 |
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2/19 | |
●忖度、虚偽答弁、再び?…菅首相長男接待問題に重なる「モリカケ」「桜」 2/19 | |
放送事業会社「東北新社」に勤務する菅義偉首相の長男と会食した総務省の秋本芳徳情報流通行政局長が18日、当日のやりとりとされる音声の一部を自分の声だと認めたことで、野党は「同社の事業が話題に上ったことはない」としてきた答弁は虚偽だとの見方を強めた。官僚や周囲が首相らに忖度そんたくした言動を重ね、事実と異なる国会答弁につながったとすれば、構図は安倍政権での「森友・加計学園」「桜を見る会」の問題と重なる。
●「音声は自分、発言は記憶にない」 「誰が考えても認められない」。18日の衆院予算委員会の理事会で、総務省側から報告を受けた立憲民主党の辻元清美氏は記者団に怒りの声を上げた。 週刊文春電子版が昨年12月10日の会食時のものとして公開した音声には、首相長男や秋本氏らが「BS」「谷脇(康彦・総務審議官)」などと語る声が録音されていた。真偽確認を求めた野党に対する秋本氏の回答は「一部は自分の音声だが、業務に関する同席者の発言は記憶にない」と不自然なものだった。 ●総務省に強い影響力持つ菅氏 会食問題では、これまでにも多くの疑問が浮上してきた。首相長男は昨年12月、秋本氏を含む総務省幹部3人と集中的に会食。この時期は東北新社の子会社が、総務省から衛星放送の事業認定の更新を受ける直前にあたり、野党は「放送行政がゆがめられたのではないか」と追及している。 総務省の幹部が特定の事業者と会食を繰り返すのも異例だ。首相自身は「事実関係を全く承知していない」と繰り返すが、立民の森山浩行衆院議員は「幹部が来てくれるのは(誘ったのが)首相の長男だからではないか」と指摘する。 背景には、首相と総務省の関係がある。首相は2006〜07年に総務相を務め、12年からは官房長官として影響力を保持してきた。自著では「改革を実行するためには更迭も辞さない」などと、強力な人事権で官僚を従わせてきた手法をアピール。総務行政に詳しい与党議員は「息子から誘いがあれば、首相が頭に浮かぶのは当たり前だ」と語る。 ●強弁で押し切った前政権…今回は? 森友学園問題では、政府が学園に国有地を格安で売却。首相だった安倍晋三氏の妻と学園が近い関係にあったことが理由と指摘された。だが、安倍氏は国会で「問題に関係していたら首相を辞める」と強弁。財務省は安倍氏を守るため、決裁文書を改ざんし、幹部は国会で事実と異なる答弁を140回近く行った。 加計学園問題では、官僚らの忖度により、理事長が安倍氏の旧友だった学園の獣医学部新設が異例の速さで進んだのではないかと問題視された。桜を見る会の夕食会を巡っては、安倍氏が自ら会費の補塡ほてんなどを否定し続け、野党が「虚偽」と批判する首相答弁は100回以上に上った。 今回は官僚らが菅首相の顔色をうかがい、事実と異なる答弁を重ねている可能性がある。自民党幹部は「公開された音声がすべて本物なら、大変なことになるかもしれない」と懸念した。 |
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●総務省局長更迭、来週にも懲戒処分検討 首相長男接待問題 2/19 | |
菅義偉首相の長男による総務省幹部の接待問題で、秋本芳徳情報流通行政局長が19日の衆院予算委員会で会食中に衛星放送に絡む話が出たと認めた。国家公務員倫理規程に反する疑いが強まった。武田良太総務相は国会審議への影響を回避するため幹部2人を事実上更迭した。
来週にも懲戒処分を検討する。処分を決める前に更迭するのは異例といえる。 秋本氏が会食での放送に絡む話を認めたことで2つの問題が浮上した。秋本氏と湯本博信官房審議官の答弁の矛盾と、公務員倫理上の問題だ。 秋本氏は17日までの国会質疑で、昨年12月10日の会食時に衛星放送の話題が出たかを聞かれ「記憶はない」と答弁していた。週刊文春が会食時の音声データを公開すると、19日に一転して「BS、CS、スターチャンネル等に関する発言はあったのだろう」と認めた。 秋本氏は音声データを聞き「天を仰ぐような驚愕(きょうがく)の思いだった。会話をほとんど記憶していなかった」と釈明した。 湯本氏も19日は曖昧な答弁を繰り返した。衛星放送一般の話が出たかどうかは「確たる記憶はない」と答えた。これまでの国会審議では「スターチャンネル含め、東北新社の事業の話は一切なかった」と明言していた。 野党はこれまでの答弁が「虚偽だった」と迫った。武田氏は秋本、湯本両氏の人事異動について「国会審議を円滑に進めるため」と説明した。答弁の矛盾が問題になりそうな両氏をまず幹部から外し、予算審議への影響を回避しようとしたとみられる。 首相の長男と会食した4人の公務員倫理上の問題については、総務省が来週にも調査結果をまとめる。人事院の国家公務員倫理審査会の承認を経て処分を決める。4人のうち谷脇康彦総務審議官は次官候補とされ、処分の行方が注目されている。 武田氏は19日の記者会見で「懲戒処分が必要であれば国家公務員倫理審査会の承認を得て、速やかにする」と言明した。 秋本、湯本両氏と谷脇、吉田真人両総務審議官の4人は昨年、放送事業会社「東北新社」に勤める首相の長男と相次ぎ食事をともにした。長男が省庁の許認可を受ける「利害関係者」と認定されれば、国家公務員倫理規程に抵触する。 国家公務員倫理規程は利害関係者からの接待を禁じる。秋本氏は首相の長男について「(会食の)誘いを受けた時点で利害関係者ではないと思い込んでいた」と語り認識が甘かったと弁明した。 現在は「利害関係者と認識している」と言及した。問題が表面化しなければ倫理規程が形骸化していたおそれがある。 立憲民主党の森山浩行、道下大樹、山岡達丸各氏が質問した。 衆院予算委は22日に集中審議を開く。総務省は同日までに会食費や土産代の金額などについて報告する方針だ。集中審議には谷脇、吉田両氏も出席する。 国家公務員倫理規程は旧大蔵省の接待問題など公務員の収賄事件を受け2000年に施行された。利害関係者からの接待を禁じるほか、自らが負担する場合でも飲食費が1万円を超える際は事前の報告が必要となる。 国家公務員の懲戒処分には免職、停職、減給、戒告の4段階ある。戒告を受けると処分後1年間昇任できない。課長級以上の場合、その期間は減給だと1年半、停職だと2年間に延びる。 学校法人「森友学園」への国有地売却に関する決裁文書の改ざんでは、当時理財局長だった佐川宣寿氏らが停職処分相当とされた。文書管理の責任を担う官房長だった岡本薫明氏は懲戒より軽い厳重注意にとどまり、後に財務次官になった。 内閣人事局の創設で、首相官邸の人事への影響力が大きくなった。会食した幹部が首相の長男からの誘いを断りにくかったのも事実だろう。しかし放送行政に許認可権をもつ総務省の職員として、国民から疑念を持たれること自体が国家公務員倫理規程の趣旨に反する。 倫理規程で定める利害関係者の定義は幅広い。4人の幹部は会食の誘いを受けた時点で少なくとも倫理監督官である事務次官などに報告・相談すべきだった。 細かいルールを含む倫理規程は厳しすぎるとの声もあるが、改正を重ねておおむね妥当なルールになっている。多くの公務員は忠実に倫理規程を順守しているはずだ。 |
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●首相長男の接待問題 総務省、局長ら2人を更迭 2/19 | |
武田良太総務相は19日の閣議後記者会見で、放送事業会社「東北新社」に勤める菅義偉首相の長男らから接待を受けていた問題をめぐり、総務省幹部の異動を発表した。秋本芳徳情報流通行政局長と湯本博信官房審議官を20日付で官房付とする。事実上の更迭となる。
武田氏は「法案審議などが控える中、諸情勢を鑑み、適所適材の配置とする」と述べた。「東北新社の問題にかかる処分は今回の異動とは関係ない」と語った。「懲戒処分が必要であれば国家公務員倫理審査会の承認を得て、速やかにする」と言明した。 秋本氏の後任に吉田博史官房総括審議官を、湯本氏の後任に藤野克官房審議官を充てる。 総務省は19日の衆院予算委員会理事会で、接待問題について文書で報告した。週刊文春が公開した接待時のやりとりに関して首相の長男が「自分だと思う」と話していると明らかにした。 秋本氏は理事会後に開いた衆院予算委で「BS、CS、スターチャンネル等に関する発言はあったのだろう」と話し、これまで「記憶にない」とした自身の見解を変更した。「(首相の長男から)誘いを受けた時点で利害関係者ではないと思い込んでいた。認識に甘さがあったと反省している」と語った。 週刊文春は秋本、湯本両氏ら総務省幹部4人が、首相の長男から国家公務員倫理規程に抵触する可能性のある接待を受けたと報じていた。同規程は省庁の許認可を受ける事業者を「利害関係者」とし、接待や金品の受領を禁じている。 |
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●菅首相、長男の接待疑惑「森友以上」の深刻度 2/19 | |
ワクチン接種や森喜朗元首相の女性蔑視発言に揺れる永田町で、菅義偉首相の長男が絡んだ総務省幹部への接待疑惑が政権の新たな火種となっている。
立憲民主党など主要野党の追及に対し、菅首相は「息子は別人格」と色をなして反論。いらだちを露わにしている。 2月17日には『週刊文春』が接待時のやりとりを記録した音声をネット上に公開し、与党内では「首相の身内が絡んだスキャンダルとしては、安倍前政権での森友問題以上に深刻」(自民幹部)との声が広がっている。 ●22日にも総務省幹部を処分 総務省は菅首相が副大臣と大臣を務めて以来の「菅首相の天領」(政府筋)とされる。今回の接待疑惑で国家公務員倫理法違反に問われている4人の同省幹部も、菅首相の知遇を得て出世の階段をのぼってきた人物ばかりだ。 総務省は「できる限り迅速に調査を終わらせ、ルールに則って厳しく対応する」(武田良太総務相)として、22日にも処分を決める方針だ。4幹部が懲戒処分ともなれば、「今後の総務省幹部人事も大混乱」(政府筋)となるのは必至で、菅首相の指導力も問われる。 野党側は2021年度予算案の衆院通過に絡め、さらに攻勢を強めている。人事による霞が関支配を権力の源泉としてきた菅首相にとって、身内の不祥事が国会運営にも影響することになり、「政権危機にもつながる深刻なボディブローになる」(閣僚経験者)との見方が広がる。 事の発端は、森元首相の女性蔑視発言で政界が大騒ぎになった3日、『週刊文春』が菅首相の長男・正剛氏が、現職の総務省幹部らを接待漬けにしていたことを暴露したことだった。「世襲打破」「苦労人」が売り物の菅首相にとって、事実なら手痛い身内のスキャンダルともなりかねず、政界に波紋が広がった。 『週刊文春』によると、2020年10月に東京・日本橋の高級料亭で、映像制作などの事業を手がける東北新社の二宮清隆社長らが、総務省内で次の事務次官の呼び声が高い谷脇康彦総務審議官を接待。同社が数万円の食事代を負担し、手土産やタクシーチケットも渡すなど、国家公務員倫理法違法の疑いがある接待をした。 同席した正剛氏の肩書は、同社の趣味・エンタメコミュニティ統括部長とされた。同社は都内に本社を置き、基幹事業の1つが衛星放送事業。総務省は電波法に基づき放送の許認可を行っており、同省幹部が衛星放送を手がける会社の社長らから接待を受けた事実が認定されれば、国家公務員倫理規程違反で懲戒処分の対象となる。 ●総務省幹部を野党が厳しく追及 立憲民主など主要野党は色めき立ち、4日の衆院予算委で菅首相を追及。当初は言を左右にしていた菅首相も、長男と電話で話したことを結局は認め、「調査にしっかりと対応するよう伝えた」と防戦一方となった。 ただ、違法行為かどうかについては「総務省はしっかり対応する」と述べるにとどまり、「長男はコネ入社したのでは」との追及には「息子とは別人格。民間人で家庭もありプライバシーもある」と逆切れしたように反論した。「(首相の)世襲反対との信条にも反する」との指摘にも、「私は、息子を後継者にする気はまったくない」とかわした。 2020年秋から冬にかけて正剛氏らは、谷脇、吉田眞人両総務審議官のほかに、秋本芳徳情報流通行政局長と湯本博信官房審議官の4人をそれぞれ接待したとされる。野党側の要求で秋本、湯本両氏が参考人として招致され、野党側の厳しい追及を受けた。 両氏や原邦彰総務省官房長らは当初、会食の事実は認めたものの、「調査中」を理由に詳しい説明を拒否し続けた。しかし、8日の衆院予算委で主要野党が審議をボイコットすると、金田勝年委員長(自民)の指示もあって、再開後に対応を一変させた。 事実上の接待会食だったことを認めたうえで、会食時には「東北新社の事業が話題にのぼった記憶はない」(秋本氏)、「(東北新社の事業が)話にのぼったことは一切なかったと記憶している」(湯本氏)などと釈明した。 さらに、正剛氏も参加した会食は「2015年以降」とし、頻度は「おおむね年1回」だったなどと、長期間継続していたことを認めた。 主要野党は調査結果を2021年度予算案の衆院通過までに報告するよう要求。武田良太総務相は「一刻も早く処分を下せるよう国家公務員倫理審査会に報告を上げたい」と答弁した。 しかし、問題発覚から2週間後の17日夕、『週刊文春』が二の矢を放った。正剛氏らが秋本局長を接待した12月10日の高級和食割烹での音声記録が公開されたのだ。音声は技術的に修正されているが、3人のものとされる会話の中には「BS」や「衛星」などの言葉が含まれていた。 これを受けて17日夕、立憲民主党の安住淳国対委員長と自民党の森山裕国対委員長が会談。安住氏は総務省が音声内容の事実関係を調査し、衆院予算委理事会で報告するように要求した。同省は18日午前の同理事会で、報じられた会食中の音声について、秋本局長が一部は自身の声だと認めたと報告したが、衛星放送に関する発言があったかは「記憶にないということだった」と説明した。 ●東北新社の献金と会食を認める この回答に野党は猛反発し、19日に発言を改めて報告させるとともに、22日に予定される集中審議に谷脇、吉田両総務審議官を出席させることで合意した。 『週刊文春』の音声録音公開は、17日の衆院予算委で、立憲民主党議員が菅首相を追及している最中だった。菅首相は、親しい間柄だった東北新社創業者の植村伴次郎氏やその長男(いずれも故人)からの「総額500万円の献金」と過去の会食も認めた。 ただ、会食については「10年ぐらい前のことで覚えていない」と具体的説明は避け、植村氏らのパーティー券購入も「法令に基づいて、適正に処理されている」と事実関係には踏み込まなかった。 しかし、音声公開で事態は一変。野党側は秋本局長らを攻め立てるとともに、国会答弁で「事業にかかわる話は一切ない」と答弁した武田総務相の責任問題も追及した。菅首相の立場も苦しくなっており、22日に予定される集中審議がこの問題で大荒れになる可能性も出てきた。 正剛氏は学生時代からミュージシャンとして活動し、大学卒業後も定職に就かなかったため、心配した菅首相が2006年の総務相就任時に政務秘書官に起用。その後、正剛氏は東北新社に入社した。 「コネ入社ではないか」との野党の追及に対し、菅首相は自らの教育論を述べ、「『自分のことは自分で責任をもって生きていく』と強く言って育ててきた」と防戦した。しかし、野党側は「情実入社の疑念は濃い、まさに李下に冠はたださず、だ」と責任追及を続ける構えだ。 安倍前首相は森友問題について、「妻や事務所が関与していたら総理大臣だけでなく議員も辞める」と啖呵を切り、それが財務省の前代未聞の公文書改ざん事件につながった。それだけに、菅首相が長男に説明を求めず、釈明や謝罪も拒否すれば、事態の深刻化は避けられない。 ●霞が関が菅首相に反旗? 安倍前政権も菅政権も、「記録を隠蔽するなど、いわゆる逃げ恥作戦で疑惑を封じ込めてきた」(立憲民主幹部)のが実態とされる。官僚側も強い政権に忖度し、「知らぬ存ぜぬ」で野党追及をかわしてきた。 2020年1月の黒川弘務東京高検検事長(当時)の定年延長問題では、いったんは政府見解は変わっていないと答弁した人事院の女性局長が、その後の「政府として見解を変えた」という安倍氏の答弁で対応に窮し、「つい言い間違えた」という答弁を強いられた場面が記憶に新しい。 人事院は今回、総務省が調査をしている最中でも「国会での説明は妨げない」との見解を示し、秋本氏らは「自白」を余儀なくされた格好だ。こうした対応の変化は、「これまで恐怖政治で忖度させてきた菅首相に対する霞が関の反乱」(閣僚経験者)との見方も出る。 17日には、自民党の白須賀貴樹衆院議員が高級会員制ラウンジを訪れていたことが暴露され、自民党離党と次期衆院選の不出馬の表明を余儀なくされた。「銀座の夜遊び」で離党した松本純元国家公安委員長らに続く不祥事に、公明党からも「いい加減にしてほしい」との批判が噴出している。 コロナ感染防止の切り札となるワクチン接種が17日にスタートし、株価も3万円台を回復。最新の各種世論調査では内閣支持率も下げ止まり、菅首相に自信と余裕が戻ってきた時点で政権の火種が相次いでおり、菅首相も苛立ちを隠せない。 接待疑惑で総務省幹部の懲戒処分が決まれば、菅首相の責任も厳しく問われる。展開次第では2021年度予算の年度内成立が確定する3月2日の衆院通過も危うくなりかねない。菅首相は当分、「針のむしろに座る状況」(自民国対)が続きそうだ。 |
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●総務省汚職事件に発展か。疑惑の菅首相長男に忖度するマスコミの及び腰 2/19 | |
週刊文春の報道により明らかとなった、菅首相の長男による総務省高級官僚への接待疑惑。監督省庁への忖度が働いているのかテレビ報道は切れ味を欠きますが、この疑惑は今後、どのような展開を見せるのでしょうか。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では元全国紙社会部記者の新 恭さんが、改めて当案件のこれまでの流れや、菅首相の国会での答弁等を紹介。その上で、この疑惑が汚職事件へ発展する可能性を示唆しています。
●父の威光をバックに菅正剛氏が接待攻勢 国会で連日取り上げられてきたものといえば、新型コロナ対策、森喜朗氏の女性蔑視発言などの問題だが、もうひとつ、テレビでは通り一遍の報道しかなく、いっこうに目立っていない重大事がある。 菅首相の長男、菅正剛氏がらみの官僚接待疑惑だ。スター・チャンネルなど衛星放送を運営する会社の部長として、放送行政にかかわる総務省の幹部官僚たちを高級料亭などで接待漬けにしてきた。 週刊文春が詳細にわたって報じたのが問題の発端だが、テレビの報道が控えめな気がしてならない。総務省の放送行政にかかわるトップ官僚が当事者ゆえなのだろうか。 菅正剛氏は、菅首相が第一次安倍政権で総務大臣になった2006年、大臣秘書官にとりたてられた。文春の記事を読むと、大学卒業後、バンドマンとしてうだつが上がらず、ぶらぶらしていた長男を菅氏が見かねて秘書にした、というイメージだ。そこのところは多少、執筆者のバイアスがかかっているかもしれない。 ただ、25歳の若造ながら総務大臣の息子で、しかも秘書官という肩書を持つ正剛氏が総務省官僚に一目置かれる存在だったことは間違いないだろう。政治的能力はイマイチだったらしく、2008年、正剛氏は、映画製作や衛星放送事業などをいとなむ東北新社に就職した。 菅首相は国会答弁で「コネ入社でない」と強調している。むろん、大臣秘書官時代に正剛氏が自分で人脈をつくった可能性もなくはない。 文春の記事では、菅義偉氏が正剛氏の将来を案じ、東北新社の創業者にして同郷秋田出身の植村伴次郎氏(故人)に「鞄持ち」として預けたとされている。いささか臭い筋立てだが、当たらずといえども遠からず、か。 それから13年を経た現在、菅正剛氏の東北新社における肩書は表向き、メディア事業部趣味・エンタメコミュニティ統括部長だが、実際には「総務省幹部らの接待要員」として重宝されているという。 東北新社はグループ売上650億円で、そのうち衛星放送事業は150億円。スター・チャンネル、ファミリー劇場、クラシカ・ジャパンなど多数の専門チャンネルが、3つの子会社により運営されている。 総務省の組織のうち、放送行政を担当しているのが情報流通行政局だ。いま菅内閣で広報官をつとめ、総理会見を取り仕切っている山田真貴子氏の古巣である。 2018年4月6日、東北新社が9割近い株を保有し、正剛氏も取締役をつとめている株式会社「囲碁・将棋チャンネル」が「東経110度CS放送に係る衛星基幹放送の業務」に認定されたさい、情報流通行政局長は山田氏だった。 山田氏は安倍政権下の2013年から15年まで広報担当の首相秘書官を務めたあと、出身官庁である総務省に移ったが、菅首相が内閣発足とともに呼び戻した能吏である。よほど菅首相に気に入られているのだろう。 昨年10月26日放送の「ニュースウオッチ9」に菅首相が生出演したさい、有馬キャスターが日本学術会議の任命拒否問題について質問したのに対し、山田氏がすぐさま反応。NHKの原聖樹政治部長に「総理、怒っていますよ…あんなに突っ込むなんて、事前の打ち合わせと違う」などと電話で威嚇したことが一時、有馬キャスターの降板とからめて話題になった。放送行政の元締めだった経歴ゆえの高飛車な行動といえよう。 さて、文春が、お土産やタクシーチケットを渡されている瞬間の写真入りですっぱ抜いたのは、山田氏への接待ではない。名前が挙がった官僚は総務省のナンバー2、谷脇康彦総務審議官をはじめ、前情報流通行政局長の吉田眞人総務審議官▽秋本芳徳・情報流通行政局長▽湯本博信・情報流通行政局官房審議官の4人だ。 彼らに対する接待攻勢は昨年10月7日、12月4日、12月10日、12月14日と続いた。場所は1人4万円は下らない高級料亭、六本木の小料理屋など。正剛氏とともに官僚たちをもてなしたのは、東北新社の二宮清隆社長、子会社である株式会社ザ・シネマの三上義之社長、東北新社メディアサービスの木田由紀夫社長らだった。 国会審議で明らかになったのは、彼ら4人の官僚が複数回、接待に応じていたことだ。 「次の事務次官」の呼び声高い谷脇氏は昨年10月7日を含め19年から20年にかけて3回。NHK改革など放送分野で菅首相に重用されてきた吉田氏は昨年12月4日と同年1月24日の2回。秋本氏は16年7月20日、同11月28日、19年2月14日、20年12月10日の4回。湯本氏は19年2月14日、同11月27日、20年12月14日の3回である。 菅正剛氏らは、官僚1人ずつ日を分けて、丁寧な接待をしていたことがわかる。とりわけ接待が集中した昨年12月は、05年末に認定された「スターチャンネル」の、5年に1度の更新時期にあたっていた。 国家公務員倫理規程で、国家公務員は、許認可の相手方、補助金等の交付を受ける者など利害関係者から、金銭・物品の贈与や接待を受けたりすることを、禁止されている。 利害関係者にあたる菅正剛氏らはそれと知りつつ、自分たちの放送事業の許認可をする官庁の幹部を酒食の席に招待し、官僚たちはそれに応じていたのであり、国家公務員倫理法違反のみならず、贈収賄の疑いも免れない。 賄賂とは「自分の利益になるようとりはからってもらう目的で贈る金品」だが、受け取る公務員側にすれば「職務に関して受け取る不正な報酬」ということになる。「不正な報酬」には、金品、旅行、就職の世話、性的サービスなどのほか「接待」も含まれる。 2月15日の衆院予算委員会で川原隆司・法務省刑事局長は「一般論として、刑法の収賄罪における賄賂とは、公務員の職務に対する不法な報酬、利益で、利益は財産上にとどまらず、人の欲望を満足させるものであればよいとされ、接待饗応も賄賂になり得る」と答弁している。 それを承知しているはずの官僚たちがなぜ、危険な接待に応じたのだろうか。文春の記事には以下の記述がある。 「彼らが正剛氏の背後に父親の影を見るからですよ。総務副大臣、総務大臣を歴任した菅氏が、時の総務大臣以上に省の人事を掌握しているのは有名な話。東北新社の二宮社長以下経営陣は、それを分かった上で息子に違法接待を行わせているのだから、経営責任を問われても、正直仕方がないと思います」(東北新社関係者) 相手が菅首相の息子でなければ、高級官僚たちは招待を受けなかっただろうというのだ。現に、2月15日の衆院予算委員会で、他の同業者とも会食をするのかと問われた秋本情報流通行政局長は「ございません」と答えている。もし正剛氏から父親に悪評でも吹きこまれたら、左遷人事で痛い目にあいかねない、とでも思うのだろうか。 彼らは、文春の取材を受け、はじめてコトの重大さを知ったらしい。2月4日の衆院予算委員会。野党議員の追及を受けた秋本局長は概ね、次のように釈明した。 「会食の出席者のなかに利害関係者はいないと思っていたので支払いはしなかった。取材を受けているうちに、いることがわかったので、確認できる範囲で返金した」 どうやら、許認可の相手となる放送業者は東北新社の子会社であり、東北新社そのものは利害関係者にあたらないと思っていたが、取材を受けていて、菅正剛氏が株式会社「囲碁・将棋チャンネル」の取締役であることを知ったと言いたいらしいのである。 しかし、前述のように、秋本局長は2016年から4回も菅正剛氏の接待を受けている。浅い付き合いならまだしも、そんな言い訳は通用しない。 菅首相は国会で正剛氏に関して追及され、「今はもう40くらいですよ。私はふだんほとんど会ってないですよ。私と長男を結びつけるというのは、それはいくらなんでもおかしいんじゃないでしょうか。私と完全に別人格ですからね」と憤慨した。 その言い分もわからぬではないが、総理大臣たるもの、総務官僚の腐敗に自分の息子がからんでいることについては、もっと深刻に受け止めてもいいのではないか。別人格で関係がないで済ますには、コトが重大すぎる。 武田総務相は16日の衆院本会議で、菅正剛氏に接待された総務省幹部4人を「一日も早く調査を終えて」処分する考えを示した。それで幕引きできるのだろうか。 |
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●武田総務相、幹部2人を更迭 菅首相長男は「利害関係者」 局長認める 2/19 | |
放送関連会社「東北新社」に勤める菅義偉首相の長男から総務省幹部が接待を受けていた問題をめぐり、武田良太総務相は19日の記者会見で、秋本芳徳情報流通行政局長と湯本博信官房審議官を20日付で官房付に異動させると発表した。事実上の更迭となる。秋本氏は19日の衆院予算委員会で、長男が国家公務員倫理規程上、接待を受けることが禁じられている利害関係者に該当すると認めた。
秋本氏はこれまで、長男との会食中、衛星放送事業に関しては「話題に上った記憶はない」としていた。19日は「今となってはあったのだろう」と説明を一転。長男についても「(東北新社の)子会社である衛星基幹放送事業者の役員を兼任している。利害関係者だと認識している」と述べた。 武田氏は会見で、異動の理由に関し「法案審議などが控える中、諸情勢を鑑み、適所適材の配置として行う」と説明するにとどめた。 秋本氏らを含め長男と会食していた幹部4人については「今回の異動とは関係なく、懲戒処分が必要であれば速やかに行う」と述べ、総務省の調査結果を踏まえ厳正に対処する考えを示した。政府関係者は24日にも処分が行われると明らかにした。 秋本氏と長男の会食をめぐっては、週刊文春が衛星放送に関して会話を交わしたとする音声データを公開。総務省の原邦彰官房長は予算委で、長男に確認したところ「自分だと思う」と回答があったことを明らかにした。 予算委で立憲民主党の森山浩行氏は、武田氏が16日の衆院本会議で「本事案により放送行政がゆがめられたことは全くない」と答弁したことを問題視。武田氏は「国家公務員は常に中立公正でなくてはならないのは大前提だ。その上での発言だ」と釈明した。 これに関し、秋本氏は衆院総務委員会で、2017年の衛星放送の認可基準改定、18年の東北新社子会社の事業認定について「基準は公正なプロセスに基づき作成され、審査を恣意(しい)的に進めたことはない」と強調した。 |
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●首相長男の接待問題 公平損なう忖度またか 2/20 | |
放送行政を所管する総務省の幹部が、放送事業会社に勤める菅義偉首相の長男らから高額接待を受けていた問題で、きのう政府は同省の局長ら2人を事実上更迭すると決めた。
週刊誌が公開した、会食時の録音とされるやりとりの音声について、この局長と首相長男の双方が自らの声と認めている。 利害関係者から接待・金品の受領を禁じた国家公務員倫理規程に抵触するのは間違いない。 行政の公平性を揺るがす重大問題である。しかもその背景に官僚の「忖度(そんたく)」が働いたことも疑われる。 というのも菅首相は、総務副大臣と総務相を歴任しており、今も同省に影響力が強いとされる。総務相時代には長男を大臣秘書官にしてもいた。 そのような事情をくんだ官僚が首相長男からの誘いを断れなかったばかりか、首相側に配慮して国会で「虚偽答弁」をした疑いがある。 安倍政権時にも森友・加計学園問題でみられた忖度政治ではないか。 行政への信頼を損なう疑惑である。接待された局長や審議官ら幹部4人の更迭、処分で幕引きとはならない。首相長男らにも国会で事情を聴くなどして、徹底的に解明せねばならない。 当然、首相も国会で説明した上で、自らも責任を取らねばなるまい。 首相の長男は、番組制作や衛星放送などの会社「東北新社」に勤務している。その子会社は総務省から衛星基幹放送事業者の認定を受けており、首相長男が取締役でもある。週刊誌が公開した、昨年12月の会食時とされる音声では「BS」などの言葉を連呼していた。衛星放送事業が話題だったのだろう。 一方、接待で会食費やタクシー代の提供を受けていた局長はこれまで「要望を受けた記憶はない」などと答弁。おとといも国会で衛星放送の話題は「記憶にない」と、かわしていた。 ところがきのう一転、放送に絡む話題を認めた。首相長男についても「利害関係者だ」とした。接待を受けて、許認可権を持つ放送行政に絡む意見を交わしたことが明らかになった。 「虚偽答弁だ」という批判は避けられない。背景には菅首相への波及を回避する意図もあったのか。行政をゆがめた疑惑として追及せねばならない。 献金についても野党は問題視している。菅首相は東北新社の創業者親子から、2018年までに計500万円の個人献金を受けていた。数回にわたって会食したことも認めている。 首相長男らによる接待問題について、政府は「調査中」を理由に具体的な説明を避け、曖昧な答弁を繰り返してきた。また菅首相も「私と長男とは別人格だ」「長男にもプライバシーがある」などと述べて、問題から距離を置いていた。 ところが「音声」が決定打となり、疑惑は一気に深まった。 モリカケ疑惑であれほど問題になったのに脈々と続く忖度政治に驚き、あきれるばかりだ。 首相長男の国会招致を、野党が求めてきたが、これまで与党は応じていない。だが、真相の解明には不可欠である。 別人格だという長男を、菅首相もかばい立てはするまい。政治不信をこれ以上深めぬよう、疑惑解明を主導すべきだ。 |
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●責任負うのは官僚だけか/首相長男の総務省接待 2/20 | |
放送行政を所管する総務省幹部4人が、放送事業会社「東北新社」に勤める菅義偉首相の長男らの接待を受けていた問題は、国会での「虚偽答弁」疑惑に発展した。行政の公正さへの不信感を再び招き、国会審議をないがしろにする姿勢も改めて浮き彫りにした。
幹部のうち2人が事実上更迭されたが、責めを負うのは官僚だけなのか。会食接待に応じた背景に菅首相への「忖度(そんたく)」があったことは否定できない。その結果、放送行政がゆがめられていたとすれば、首相の進退にも関わる重大な事態だ。厳格な調査で責任の真の所在を明確にしなければならない。 総務省によると、幹部4人が長男側と会食したのは、2016年から延べ12回に上り、タクシーチケットや手土産を受け取っていたこともあった。週刊誌報道を受け、内部調査に着手したが、長男らの接待目的や総務省幹部が誘いに乗った理由、会食費用の負担割合などは曖昧なままだ。 国家公務員倫理規程は、省庁の許認可を受ける事業者を「利害関係者」と定め、接待を受けたり、金品を受け取ったりする行為を禁止している。長男は、総務省から衛星放送の認可を受けている東北新社の子会社役員も兼ねる。会食が集中した昨年12月は衛星放送認可の更新時期であり、便宜供与の疑念を呼んでも仕方あるまい。 総務省は、国会審議がストップしてからようやく長男が利害関係者にあたる可能性を認めた。幹部だけでなく菅首相への追及を回避したいとの思惑を感じてしまう。 首相も長男は「別人格」と強調した上で、「誰であっても、国民から疑念を抱かれる行動は控えるべきだ」と一般論での答弁に終始した。 だが、総務相時代には長男を秘書官に起用している。総務省側に「特別扱い」する意識が働きかねないことを自覚し、忖度がはびこらないよう言動で示す必要がある。人事権をちらつかせて官僚を従わせていては同様の問題が起きかねない。 接待を受けた総務省の秋本芳徳情報流通行政局長は、許認可権を持つ衛星放送の話題が出たかどうかについて「記憶にない」とかわし続けた。接待の目的という問題の核心につながるためではないか。 秋本氏は週刊誌が会食時のやりとりとする音声を公開しても認めなかったが、早期の幕引きを図るためか「今となっては発言があったのだろうと受け止めている」と答弁を変えた。 「記憶にない」発言は、うそが発覚した場合に言い逃れるための常套句であると国民は見抜いている。今回も「虚偽答弁」との批判は避けられない。国会軽視と指弾されよう。安倍晋三前首相と親しい者を優遇したと指摘された森友、加計両学園や桜を見る会を巡る問題への反省もうかがえない。 武田良太総務相は秋本氏と、同じく接待を受けた湯本博信官房審議官を官房付に異動させるものの、両氏の国会招致に応じるとしている。当然の対応である。他の2人を含め懲戒処分が検討されているが、まずは国会での真相解明が先決だ。 菅首相は総務省の調査にこそ忖度がないよう指示するとともに、自らの責任も率直に認めるべきではないか。そうでなければ行政への信頼を取り戻すのは難しい。 |
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●菅首相長男・『旧郵政省系官僚』違法接待の背景 2/20 | |
放送事業会社に勤める菅首相の長男の菅正剛氏が、許認可権を握る総務省の幹部4人に違法な接待を重ねていた疑惑が週刊文春で報じられ、国会で厳しく追及されている。中央省庁の中核を担う存在であるはずの総務省の局長級の幹部が、利害関係者から度重なる高額接待を受け、贈答品、タクシーチケットまで受領していたという「モラルの崩壊」に、多くの国民は呆れ果てている。
私は、民主党政権時代の2009年12月〜2012年11月、原口一博氏、片山善博氏ら4人の大臣の下で総務省顧問・コンプライアンス室長を務めた。この時、関わったコンプライアンス案件の多くが、今回違法接待が問題となっている「旧郵政省系」の部署の問題であった。今回、違法接待の疑惑で出てくる総務省幹部の中には、コンプライアンス室の調査対象の案件の担当課長も含まれている。 総務省でこのような問題が発生した背景について、コンプライアンスを徹底するための効果的な対策を、総務省顧問時代の経験も踏まえて考えてみたい。そして、この問題が、贈収賄等の刑事事件に発展する可能性についても考えてみたい。 ●菅首相長男らとの接待に関する秋本局長の「虚偽答弁」 週刊文春の記事で違法接待が報じられた後、秋本芳徳情報流通行政局長は、衆議院予算委員会で、菅義偉首相の長男との昨年12月10日の会食の際、同局が所管する放送業界の話題が出たかどうかを質問され、「記憶はない」と答弁した。ところが、昨日(2月18日)発売の週刊文春で、会食時のやりとりとされる音声が報じられ、所管業務が話題になっていたことが否定できない状況に追い込まれた。秋本氏は、その音声が自分だと認めていながら、現在も「記憶にない」と述べているようだ。 文春記事で報じられている会食の会話内容からすれば、BS放送の新規参入は、その会食のメインの話題であり、まだ2か月も経っていないのに、会食時のことについて全く記憶がなくなることはあり得ない。それを総務省局長としての国会答弁で、「記憶にない」などと堂々と虚偽答弁することは、中央省庁の局長としてあり得ないと言わざるを得ない。 どうして、このような官僚のモラルの崩壊が起こるのか。 そこには、安倍政権が長期化しそれを継承する菅政権が続く中で、行政の長たる総理大臣として安倍首相が行った答弁の姿勢が影響していると考えざるを得ない。安倍首相は、「桜を見る会」前夜祭問題に関して、「虚偽答弁」を繰り返し、検察捜査で虚偽が明らかになるや、国会で、「説明にもならない説明」をしただけであり、いまだに合理的な説明をしていない。 行政の長たる総理大臣が、まず「自分に都合の良いこと」を答弁し、後日、それが虚偽答弁であることが判明したら、その時点で辻褄合わせの説明をするという姿勢なのである。その配下にある官僚に、「自己に都合の悪いことでも真実を答弁しろ」と言っても無理であろう。日本政府は、丸ごと「ウソ答弁」に汚染されているということだ。 ●総務省でのICT補助金事業をめぐる不適切予算執行の問題 私が、総務省顧問・コンプライアンス室長として対応した案件の中に、ICT関係補助金等事業の不適切な予算執行の問題があった。「ICTふるさと元気事業」に関するコンプライアンス室への通報をきっかけにコンプライアンス室で調査を開始し、弁護士、ICTシステム専門家、公認会計士等の外部有識者で構成する「ICT補助金等調査・検討プロジェクトチーム」を組織して不適切な予算執行の実態・問題を解明し、概算払いされていた補助金についても大幅減額を行った。そして、調査結果に基づいて、制度・運営に係る改善及び職員の意識改革を提言した。 この時の補助金の不適切予算執行を行った担当部局が「旧郵政省系」であり、所管課が総務省情報流通行政局地域通信振興課、その課長だったのが、今回の接待疑惑の当事者の秋本氏、現在の情報流通行政局長だ。 そして、調査の途中、人事異動で担当課長が交代し、後任となったのが、現在、内閣広報官として、総理大臣記者会見を仕切っている山田真貴子氏だった。 上記の「ICT補助金等調査・検討プロジェクトチーム」で調査したのが、民主党政権発足直後、急遽、第2次補正予算で実施した「ICTふるさと元気事業」だった。年度末までの僅かな期間に、組織の実態を把握することすら容易ではないNPO法人に、60億円もの補助金交付を適正に行うことなど土台無理だったはずだ。 しかし、当時、「官から民へ」というスローガンを掲げた民主党が、総選挙で圧勝し民主党中心の連立政権が発足したばかりだった。その最初の総務大臣の肝いりで予算化された補助金事業ということで、大臣の意向を過剰に忖度し、年度内の補正予算執行に異を唱えることなく、形だけの審査で、杜撰極まりない補助金の採択をした。 政治権力に脆弱な「旧郵政省系官僚」は、当時は、民主党連立政権の政治権力に対しておもねっていたが、その後、再び自民党政権に戻り、安倍政権が長期化し、総務省内での菅義偉官房長官の存在が一層大きなものとなっていく中で、「政治権力への脆弱さ」がさらに極端化していったということであろう。 ●旧郵政省系官僚の「政治権力への脆弱さ」 このような「旧郵政省系官僚」と政治権力との関係には、歴史的背景がある。 総務省は、2001年の省庁再編で、「自治省」「郵政省」「総務庁」の3省庁が統合されてできた。そのうちの郵政省は、もともとは、三公社五現業のひとつである郵政三事業を取扱う「現業官庁」であった。設置当初の本庁舎は、現在の港区麻布台に所在し、他の省庁が集まる霞が関へ行くのにバスを使わなければならなかったこともあって、「三流(もしくは四流)官庁」と揶揄され、中央省庁の中でも格下に見られていた。 その郵政省を、本庁舎を霞が関に移転させるなど、郵政省の地位向上に大きな役割を果たしたのが1964年に郵政大臣となった田中角栄氏であった。その後、1984年7月、通信政策局・電気通信局・放送行政局のテレコム三局に拡充され、電気通信・電波放送行政を担う省庁として、「現業官庁」から「政策官庁」へ脱皮してきたのも、「政治の後ろ盾」によるものだった。 そして、総務省に統合された後も、「旧郵政省系官僚」は、小泉純一郎内閣で一気に進められた郵政民営化がその後政治情勢の変化によって紆余曲折を繰り返すという、激しい環境変化にさらされた。 私は、総務省顧問就任の直後、「かんぽの宿」問題等の日本郵政をめぐる不祥事に関して設置された「日本郵政ガバナンス検証委員会」の委員長を務めた。その【報告書】でも、「西川社長時代の日本郵政は、政治情勢の激変の中、「郵政民営化を後戻りさせないように」との意図が背景あるいは誘因となって、拙速に業務執行が行われたこと」を問題発生の原因として指摘した。政治の影響をとりわけ強く受けるのは、日本郵政だけではなく、それを監督する「旧郵政省系」の部局も同様である。 このように政治情勢の変化に翻弄されてきた郵政省の歴史の中で、電波、通信、ICTなどの旧郵政省の担当分野は急拡大し、社会的重要性が増大し、所管業務に関する巨大な利権も生じるようになった。それらを適正に、公正に行っていくためには、相応の能力と、官僚としての倫理観が必要とされる。しかし、かつて「三流・四流官庁」と言われた郵政省を起源とする組織には、それらは十分ではなかった。その能力と権限のアンバランスが、「旧郵政省系官僚」が政治権力に依存し、脆弱化する傾向を一層強めることにつながり、「旧郵政省系官僚」は、政治の流れの中で「波乗り」をするような存在となっていった。 そして、安倍長期政権の下では、総務省にとっての最大の実力者の菅義偉官房長官の意向を強く意識するようになり、それが、かつて菅総務大臣秘書官を務めていた菅氏の長男との「癒着」につながっていったのであろう。 ●刑事事件に発展する可能性 では、今回の違法接待疑惑が、刑事事件に発展する可能性があるのか否か。 日本の刑法の贈収賄は、請託・便宜供与のない「単純収賄」も処罰の対象としているので、接待が「職務との関連性」があり、「社交的な儀礼の範囲内」と言えない限り、「賄賂」と認められ、贈収賄罪が成立することになる。 週刊文春の記事によると、菅首相の長男正剛氏が勤める東北新社は、総務省の許認可を受けて衛星放送を運営する会社であり、正剛氏と秋本局長の会話の中には、 「BSの。スター(チャンネル)がスロット(を)返して」 というようなやり取りがある。 2019年9月、総務省はBS放送の新規参入に関し、電波監理審議会へ諮問し、その結果、吉本興業等3事業者の認定を適当とする旨の答申が下り、同年11月に認定された3つのチャンネルは今年末にBSで放送開始予定となっている。それに伴いBS帯域の再編が急ピッチで進められ、昨年11月30日以降、東北新社子会社が運営する『スターチャンネル』など既存のチャンネルは『スロットを返す』、すなわちスロットの縮減が順次実施されている。 上記発言の趣旨が総務省の電波行政に関連していることは明らかであり、会食の場での会話が、総務省の所管業務に関連する話題に及んでいることは否定できないように思える。 接待の賄賂性が否定されるのは「社交的な儀礼の範囲内」のものである場合だが、その範囲内と言えるかどうかは、公務員倫理法上の報告対象の「5000円」というのが、一つの基準となるであろう。 もちろん、贈収賄罪の成立が否定できないとしても、検察が、実際に起訴するレベルの犯罪かどうかは話が別である。週刊文春の取材で詳細が明らかになっているのは12月10日の接待だけであり、他の接待の「賄賂性」は不明だ。これまで、数万円程度の1回の接待で、贈収賄罪に問われた事例は聞いたことがない。しかし、この記事に基づいて告発が行われた場合、検察捜査では、それまでも繰り返されていた接待も問題にされるであろうし、接待による賄賂の金額が増える可能性がある。また、検察実務で従来起訴の対象とならないような事例であっても、不起訴処分となれば、検察審査会に申し立てが行われ、黒川元検事長の賭け麻雀賭博事件のように、起訴猶予処分に対して「起訴相当」の議決が出ることも考えられる。 「旧郵政省系官僚」が引き起こした今回の事件では、検察の対応も、注目されることになるであろう。 ●中央省庁における「コンプライアンス顧問」の重要性 「政治権力への脆弱さ」が、今回のような官僚や公務員のコンプライアンス問題を生じさせる構図は、「旧郵政省系官僚」だけに限ったことではない。安倍政権の長期化、官僚人事の内閣人事局への一元化によって、官僚の世界全体が、政治に対して無力化しつつある中で、もともと政治に対して脆弱であった「旧郵政省系官僚」のところに極端な形でコンプライアンス問題が表面化したとみるべきであろう。 総務省顧問時代のことを振り返ってみると、そのような「官僚が政治に追従・迎合していく構図」の中で、コンプライアンスを守っていくためには、相応の位置づけを持つ中立的な立場の「コンプラアインス顧問」の存在が重要であったと思う。 当時の総務省での「顧問・コンプライアンス室長」という地位は、大臣から直接任命され、省内で相応の位置づけが与えられ(会議スペース付の個室も与えられていた)、大臣に対しても物が言える立場だった。コンプライアンス室には、もともと、行政監察、行政評価等の「中央省庁のコンプライアンス」を担ってきた「旧総務庁系」の職員が配置され、コンプライアンス問題への対応業務を支えてくれていた。だからこそ、当時の「顧問・コンプライアンス室長」が、コンプライアンス違反に対する中立的・客観的な監視機能を果たす「重し」としての役割を担うことができたのである。 もとより、原口総務大臣も、不適切な予算執行をしてまで年度内に「ICTふるさと元気事業」を行うことなど考えていなかった。しかし、政治権力に極めて脆弱な役人気質が、過剰に忖度して、補助金事業を拙速に執行しようとしたことが不適切執行につながった。政治に「波乗り」をする秋本氏ら「旧郵政系官僚」にとっては、原口大臣に任命された総務省顧問・コンプライアンス室長の私が、その大臣の肝いりで実施された事業に水を差すような徹底調査を行うことは想定外だったのかもしれない。しかし、組織のコンプライアンス対応というのは、組織のトップのためのものではない。あくまで中立的・客観的な立場から「コンプライアンスに忠実に」対応するのが当然である。 ●地方自治体における「コンプライアンス顧問」 私は、2017年から、横浜市の「コンプライアンス顧問」を務めている。それも、総務省での顧問・コンプライアンス室長と同様に、市長から直接任命され、「コンプライアンスの重し」としての役割を果たす立場である。 横浜市は、2007年、市職員が起こした重大な不祥事の発生を契機に、「コンプライアンス委員会」を設置し、私は外部評価委員として関わってきた。その活動は、設置当初は活発だったが、その後、次第に形骸化し、外部評価委員が参加する委員会の開催も、具体的な事案への関与も、ほとんどないという状態になっていた。 2017年7月、横浜市は資源循環局で発生した「産業廃棄物処理に係る通報に対する不適切な取扱い」について公表したが、この件についての横浜市の対応には、「通報者の保護」という視点が欠落しており、「法令規則上正しい対応をすること」に偏り、「社会の要請」に目を向けないコンプライアンスの典型だった。 林文子市長に、この「不祥事」への対応について問題点を指摘し、コンプライアンス委員会の活動を抜本的に改善するよう求めたところ、市長は、コンプライアンスへの取組みを抜本的に改め、強化する方針を打ち出した。私と、共に外部委員を務めていた公認会計士の大久保和孝氏の2人がコンプライアンス顧問を委嘱され、具体的なコンプライアンス問題にも直接関わることになった。 それ以降、毎年度、特定の部局ごとに、管理職に対する講義やディスカッション形式の研修を行う一方、時折発生するコンプライアンス問題についても、直接相談を受け、対応について助言している。「コンプライアンス室」も、年々、体制が強化され、コンプライアンス顧問とともに、その役割を果たしており、もともと、意識も能力も高い職員が揃っている日本最大の政令指定都市の横浜市におけるコンプライアンスへの取組みは、着実に効果を上げつつある。 ●政治権力と「コンプライアンス顧問」の重要性 今回の「旧郵政省系官僚」の問題がまさにそうであるように、中央省庁においては、「政治権力への脆弱さ」がコンプライアンス問題に発展する重大リスクとなる。それと同様に、地方自治体においては、首長の政治的な方針・指示が、コンプライアンスからの逸脱を生じさせることがある。それは、首長が大統領的な強大な権限を持つ日本の地方自治制度において、コンプライアンス意識の高い自治体職員にとっても不可避のコンプライアンス・リスクだと言える。 そういう面から、市長から委嘱を受けた「コンプライアンス顧問」が、コンプライアンスの「重し」になり、時には「盾」となることが、自治体をめぐる重大なコンプライアンス問題の発生や深刻化を防止する上で重要だと言えよう。 中央省庁の多くに、「コンプライアンス室」が設置され、外部弁護士が室長に委嘱されているところもある。しかし、ほとんどが、単なる内部通報窓口であって、顧問がコンプライアンスを担当している省庁というのは、聞いたことがない。 地方自治体でも、公益通報者保護法との関係で、内部通報窓口が設置されているが、首長から直接委嘱を受ける「コンプライアンス顧問」を置いている自治体というのは、あまり聞かない。 中央省庁、地方自治体における「コンプライアンス顧問」の存在に着目する必要があるのではなかろうか。 |
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●総務官僚の接待 虚偽答弁は許さない 2/20 | |
菅義偉首相の長男らによる総務省幹部四人の接待問題で、政府側による国会での虚偽答弁がまたもや明らかになった。議会制民主主義を愚弄(ぐろう)する振る舞いだ。私たちは虚偽答弁を絶対に許さない。
国会も随分なめられたものだ。総務省の秋本芳徳情報流通行政局長は、放送事業会社「東北新社」に勤める首相の長男らの会食接待を受けた際、「放送業界全般の話題が出た記憶はない」と国会答弁していた。しかし、音声データが公開されると一転「今となっては発言があったのだろうと受け止めている」と認めた。最初の答弁は虚偽だったことになる。 今回は週刊文春の報道や、野党の追及により虚偽答弁だったと分かったが、なぜこのようなことが繰り返されるのか。権力中枢に長く座る首相への忖度(そんたく)か、国会を甘く見ているのか。そのいずれだとしても許されざる行為である。 国会は国権の最高機関であると同時に、唯一の立法機関だ。国民の命を守り、暮らしをより良くするためには、国会で審議を尽くして、法律をつくる必要がある。 その前提は政府側が正しい情報を示し、議員の質問に真摯(しんし)に答えることだ。政府側が間違った情報を示したり質問に正しく答えなければ、議論の方向を誤らせ、国民に多大な不利益を与えかねない。 振り返れば安倍前政権下では虚偽答弁が繰り返された。「森友学園」への国有地売却を巡り、事実と異なる政府答弁は百三十九回、「桜を見る会」前日の夕食会でも安倍晋三前首相による国会答弁のうち虚偽答弁は百十八回に上る。 秋本氏らの国会対応の背景に、近年の国会での状況から、虚偽答弁でも乗り切れるとの誤った認識があるとしたら極めて深刻だ。 東北新社の元社長らは、菅首相に計五百万円の個人献金を行っていた。首相自身と長男は別人格とはいえ、無関係とは言い難い。 総務省幹部の接待時期は、同社の子会社が手掛ける衛星放送の認定更新の直前だ。政治献金や接待が放送行政を歪(ゆが)めることは絶対になかったと言い切れるのだろうか。 武田良太総務相は秋本氏ら二人を大臣官房付に異動させた。事実上の更迭人事とされるが、これで幕引きとせず、法に基づいて厳正に対処すべきだ。 国会は真相の徹底究明に向けて国政調査権を駆使すべきだ。もはや虚偽答弁を許してはならない。長男を含め総務省幹部を、虚偽の答弁をすれば偽証罪に問われる証人として喚問すべきである。 |
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●「記憶にない」「一部は事実」「発言あった」 総務省幹部、小出しの説明 2/20 | |
放送事業会社「東北新社」に勤務する菅義偉首相の長男による接待問題は19日、総務省幹部2人の事実上の更迭劇に発展した。情報流通行政局長から官房付となる秋本芳徳氏は、同省が許認可権を持つ衛星放送事業が首相長男との会食で話題になったことを認め「記憶にない」と繰り返していた姿勢を転換させた。省内の調査や国会答弁の信頼性が揺らいでいる。(清水俊介、村上一樹)
「BS、CS、(東北新社の子会社が手がける)スターチャンネル等に関する発言はあったかもしれないが、よく覚えていない」 総務省の原邦彰官房長は19日の衆院予算委員会の冒頭、省内の調査に対する秋本氏の回答を読み上げた。この後、秋本氏本人が予算委で「今となっては、発言があったのだろうと受け止めている」と答弁。首相長男が国家公務員倫理規程上、接待や金銭の提供を受けることを禁じた利害関係者に当たるとも認めた。 問題の発覚当初の総務省は「調査中」を理由に説明を避ける場面が目立った。秋本氏は衛星放送などの話題について、調査に「記憶にない」と回答。17日の衆院予算委でも「記憶はない」と明言した。 週刊文春(電子版)が17日、会食時の会話を録音したとする音声を公表すると、秋本氏は18日、衛星放送事業の新規参入に積極的な自民党の小林史明元総務政務官をやり玉に挙げた部分のみ事実と認めた。だが、事業関連の話題は「記憶はない」と答えた。 事実関係を少しずつ認める「小出し」の説明に野党は反発。19日の衆院予算総務委で、立憲民主党の後藤祐一氏は「記憶にないというのはウソだった」と批判。省内の調査に関し「(秋本氏が)記憶にないとの答弁で(国会審議に)行くことに、違和感を覚えなかったのか」と武田良太総務相に迫った。 秋本氏の姿勢転換で、武田氏が「本事案により、放送行政がゆがめられたということは全くない」と断じた国会答弁の信ぴょう性も揺らいでいる。 野党側は19日、衆院議院運営委の理事会で「誤った答弁だ」と追及。共産党の本村伸子氏は衆院総務委で、首相答弁に合わせるように財務省が公文書を改ざんした森友学園問題を引き合いに「総務相が『ゆがめられたことは全くない』と言ったことで、それに合わせるように(結果ありきの)調査になるのではという疑念がある」と指摘した。 衆院予算委では立民の山岡達丸氏が「首相の子息がいるから『忖度そんたく調査』が行われたのでは」と手心を加えた可能性に触れた。 野党側は第三者による調査の必要性を主張し始めた。信頼性が揺らいでいるだけでなく、東北新社側への便宜供与があったのかという核心部分を素通りしたまま、調査が終わる可能性もあるからだ。 省内の調査は、人事院の国家公務員倫理審査会の助言を受けながら進めており、審査会の担当者は19日の衆院総務委で「行政権限をゆがめることは、倫理法令の適用とは違う」と説明。力点は接待の有無にあり、会食時の会話の内容は直接的な調査の対象にならないとの考えを示した。 これに対し、野党側は「職務怠慢と言わざるを得ない」「国民が納得できるよう(調査の)体制を抜本的に組み替えていくべきだ」と強調した。 |
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●総務省接待疑惑にかかる、総務省、事業者側からの説明の変転 2/20 | |
総務省の接待疑惑について、総務省担当者の答弁が次々と修正されています。
菅総理の長男、菅正剛氏との会食が問題となっているわけですが、菅正剛氏が国家公務員倫理法に定める「利害関係者」に当たるかについて、二転三転したあと、今日「利害関係者」だと認めました。 さらには、その会食の場で、菅正剛氏の方から、具体的な放送事業に関する話題が出たかについても、当初総務省側は「出たという記憶はない」としていましたが、週刊誌の報道を受け、今日「そのようは話が出たと受け止めている」と修正しました。 また、菅正剛氏側についても、当初、総務省からの答弁では、「通常の意見交換あるいは親睦」と説明したされていましたが、今日報告されたところでは、週刊誌報道にあったように、放送事業に関することを話したのは「自分だ」ということでした。これまでの説明が覆ったわけです。 菅総理は、これまでの国会答弁で、自分の長男、菅正剛氏と電話で話した時に、調査にはきちんと協力するようにと話している、と述べていました。しかし、その菅正剛氏の当局への説明もひっくり返ってしまっているのが現実です。 この現状に対して、菅総理としてはどう説明責任を果たすつもりなのか。 本件においては、行政の中立性と公正性が厳しく問われています。 来る月曜日の、13時51分から14時33分まで、衆議院予算委員会において質疑に立ちます。 そこで、本件について、菅総理として行政の中立性・公正性を回復するべく、どう説明するのか。しっかりとした答弁を求めていきたいと思います。 |
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●接待問題、沈静化に躍起 野党、菅首相長男に照準 2/20 | |
菅義偉首相の長男による総務省幹部接待問題は、秋本芳徳情報流通行政局長ら2人が「更迭」される事態に発展した。政府・与党は、年度内成立を目指す2021年度予算案の審議に影響が出ないよう事態の沈静化に躍起となっているが、野党は長男が衛星放送事業に影響力を行使したとの疑念を深めている。
「これまでの説明と大きく食い違う。留任したままでは(予算案などの)審議がどうなるか懸念していた」。自民党の世耕弘成参院幹事長は19日の記者会見で、更迭はやむを得ないとの認識を示した。 官僚の国会答弁は局長クラスが担うが、22日に開かれる衆院予算委員会の集中審議には、与党が次官級を理由に拒んできた谷脇康彦、吉田真人両総務審議官が出席する。自民党幹部は官房付となる秋本氏らの出席も容認。「これで区切りを付ける」と強調した。中堅は「予算案の審議を止めるわけにはいかない」と語った。 ただ、一連の判断が事態収拾につながるかは不透明だ。首相が内閣広報官に起用した山田真貴子氏も情報流通行政局長経験者。加藤勝信官房長官は記者会見で、山田氏と長男の会食の有無について「総務省で確認が行われている」と述べるにとどめた。 野党は、秋本氏が長男との会食で衛星放送事業が話題になったと認めたことを受け、長男の関与に照準を移す。立憲民主党の山岡達丸氏は19日の衆院予算委で、長男が接待を受けることを禁じられた利害関係者に当たるか繰り返し追及。秋本氏は「(同省の)調査を受ける立場だから控えたい」などとかわし続けたが、最終的に「利害関係者と認識している」と認めた。 立憲の辻元清美副代表は記者団に、更迭を「トカゲのしっぽ切り」と批判し、「これで終わりというわけにはいかない」と指摘。与党が予算案の年度内成立が確定する3月2日までの衆院通過を目指していることを踏まえ、立憲幹部は「長男を呼ばないと日程に責任を持てない」と徹底追及の構えだ。 |
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●総務省幹部更迭 首相は率先して説明を 2/20 | |
総務省幹部が放送事業会社に勤める菅義偉首相の長男らから接待を受けていた問題で、同省は幹部2人を事実上更迭する人事を発表した。
更迭された一人、秋本芳徳情報流通行政局長は当初国会で、接待の際、衛星放送についてのやりとりがあったかの「記憶はない」と答弁。接待時のものとされる音声が公表されその一部を自らの声と認めた後も、衛星放送に絡む発言は「記憶にない」と主張していた。 19日の衆院予算委員会で秋本氏は一転、やりとりを認めた上で「私の記憶力不足と不適切な発言があったという点は反省している」と述べた。あくまで当初の説明と食い違いはないとの強弁だ。 さらに秋本氏は、長男が国家公務員倫理規程に定める「利害関係者」に当たるとの認識も示した。許認可権限を持つ官僚が、許認可を受ける側の関係者と会食を繰り返していたということだ。接待により放送行政がゆがめられたとの疑念はさらに強まった。 同時に、政府側による国会での「虚偽答弁」がまたも繰り返されたことになる。 森友学園問題では、当時の財務省理財局長らが国会で、交渉記録が「ない」などとする虚偽答弁を計139回繰り返した。加計学園問題では、元首相秘書官が「記憶にない」とした地元自治体担当者らとの面会が明らかになった。 官僚らの間に、国民に真摯(しんし)に説明することを避け、政権中枢への忖度(そんたく)と強弁を繰り返す思考がまん延している。国会と国民を軽んじるこうした姿勢は断じて容認できない。 長男の勤務する会社の元社長は、菅首相自身も政治献金を受け数回会食した間柄だ。 「利害関係者」であるにもかかわらず接待に応じた官僚らに、首相側への忖度がなかったとは考えにくい。総務省は今後接待を受けた他の幹部も含め懲戒処分を検討するというが、首相も紛れもなく当事者であり、接待を受けた官僚のみを更迭や処分して済む問題ではない。 だが首相は、長男を「別人格」と強調した上で、「国民から疑念を抱かれる行動は控えるべきだ」との一般論で追及をかわした。極めて不誠実な対応だ。 接待に関する「虚偽答弁」にもかかわらず、政府は放送行政のゆがみはなかったとの答弁を撤回していない。ならば首相が率先して説明し国民の疑念を晴らすべきだ。野党が要求する長男らの国会招致や、第三者委員会による調査はその一助となるはずだ。 新型コロナウイルス対応で国民に自粛を求める中、深夜に飲食した与党5議員が相次ぎ議員辞職・離党した。「政治とカネ」を巡る汚職や公選法違反事件などの不祥事も続いている。国民の目には、衆参で圧倒的多数を占める巨大与党の「おごり」に映る。 今回の幹部更迭も、予算案や放送法改正案審議などへの影響を最小限にしたいとの思惑とされ、接待問題との関連を政府は公式には認めていない。22日には総務省の再調査結果が報告されるが、それで幕引きを図るなら「おごり」への厳しい目は続くだろう。 |
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2/21 | |
●首相長男接待疑惑 2/21 | |
放送事業会社「東北新社」に勤務する菅義偉首相の長男(元総務相秘書官)が総務省幹部を接待していた問題は、放送行政をゆがめた疑惑としての様相を深めています。会食中に衛星放送の話が出たことを「記憶にない」と言い張ってきた総務省幹部は、「BS」などの発言があったことを認めました。同社関連の衛星放送の認定更新の直前に、接待が続いたことも疑いを強めています。不可解な点が多すぎます。菅政権は、事実を包み隠さず明らかにすべきです。
東北新社による総務省幹部への接待問題は『週刊文春』(4日発売)が報じました。同省事務方のナンバー2のポストである総務審議官の谷脇康彦、吉田真人の両氏、秋本芳徳情報流通行政局長、湯本博信官房審議官の4人が昨年10〜12月、首相長男ら「東北新社」役員から4回接待されていました。同社の子会社スターチャンネルが昨年12月に総務省から業務認定の更新を受けており、接待との関係が問題になっています。 野党の国会質問に、総務省は、接待は2016年から12回に上ることを明らかにしましたが、詳細は「調査」を理由に答えません。秋本局長は、昨年12月の会食で「BSやCSが話題になった記憶はない」という答弁を繰り返しました。これに対し文春オンラインが17日、この会食時に衛星放送事業に触れた音声データの一部を公表します。すると秋本局長は答えを一転させ、「(首相長男らから)BS、CS、スターチャンネルに関する発言はあったものと今は受け止めている」(19日)と認めました。総務省は、首相長男ら東北新社側も自分たちの発言と認めたことを説明しました。また秋本局長は、首相長男らが、国家公務員倫理規程で接待が禁止されている利害関係者にあたるとの認識もようやく示しました。国会に事実を隠ぺいし、不誠実な虚偽答弁を重ねてきた姿勢は極めて重大です。 問題なのは、菅首相の政治家としての責任です。総務副大臣と総務相を務めた首相の総務省への影響力はいまも絶大とされます。吉田総務審議官や湯本審議官は、首相長男が菅総務相秘書官時代に知り合ったことを認めています。秋本局長は、他の放送事業者との会食は東北新社ほど多くないと述べています。幹部が接待に応じた背景として、「首相の威光」があったことは疑いの余地はありません。 首相は東北新社の創業者と元社長から総額500万円の政治献金を受けていたことを認めました。首相は、同社との関係を国民に説明すべきです。総務省は秋本局長と湯本審議官を事実上更迭しましたが、幕引きを図ることは許されません。長男を含めた東北新社側の関係者4人、総務省幹部4人の国会招致は不可欠です。 総務省は22日に調査結果を国会に報告するとしています。その前に武田良太総務相が「放送行政がゆがめられたということは全くない」と断言したことは大問題です。結論ありきの、おざなりの調査で済ましてはなりません。 行政がゆがめられ、首相周辺に近い人物が優遇される構図は、安倍晋三前政権下の「森友」「加計」「桜を見る会」と共通しています。「特別扱い」と「私物化」の政治を一掃することが急務です。 |
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2/22 | |
●「私の長男が関係して…」菅首相、総務省幹部接待で謝罪 2/22 | |
放送関連会社に勤める菅首相の長男らから総務省幹部が接待を受けていた問題で、菅首相は22日の衆院予算委員会で謝罪した。首相は「私の長男が関係して、公務員が国家公務員倫理法に違反する行為をすることになったことについて、大変申し訳なく、おわびを申し上げたい」と陳謝した。
首相はまた、接待問題について「総務省において、徹底して調査が行われている。包み隠すことなく事実関係を明らかにしてもらうことが大事だ」と述べた。 武田総務相は衆院予算委で、この問題に関連して、「すべての当事者から調査を行ったところ、行政をゆがめたという事実は確認されていない」と述べた。 |
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●首相長男らからの接待12人38回 総務省、国会へ報告 2/22 | |
総務省は22日、菅義偉首相の長男らによる同省幹部への接待問題で、会食回数や費用の負担などの調査結果を衆院予算委員会理事会に報告した。接待を受けたのは12人、延べ38回あり、いずれも国家公務員倫理規程に違反する疑いがある。谷脇康彦総務審議官らすでに判明した4人の幹部以外にも、8人の職員が接待を受けていた。
総務省は放送事業会社「東北新社」に勤める首相の長男と食事をともにした幹部4人について調査した。4人に関してはこれまでの13回に加え、新たに6回会食していたとわかった。懇親会や忘年会、暑気払いなどの名目だった。手土産をもらったり、タクシー代を負担してもらったりした事例があった。 これとは別に当時総務審議官だった山田真貴子内閣広報官が2019年11月に東北新社社長らと会食していたとも発表した。総務省は「職務上の直接の関係はないが、利害関係者に該当していた可能性が高い」と説明した。 総務省は調査結果を踏まえ、24日にも幹部らを処分する。人事院の国家公務員倫理審査会に処分案と調査結果を報告する。審査会が妥当だと判断すれば、武田良太総務相が正式に決める。 武田氏は19日、処分に先立ち、秋本芳徳前情報流通行政局長と湯本博信前官房審議官を事実上更迭し、20日付で官房付に異動させた。 22日午後の衆院予算委には首相の長男と会食した幹部4人のうち、谷脇氏と吉田真人総務審議官が出席する。事務次官級の両氏が国会に出席するのは異例だ。野党は「首相の影響力により放送行政がゆがめられた」と批判し、予算委で追及する。 |
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●首相長男勤務先の接待、計13人 11人が利害関係者、総務省報告 2/22 | |
菅義偉首相の長男が勤める放送事業会社による接待問題で、総務省は22日、既に判明している幹部4人以外に9人、計13人の総務省職員が会社側から接待を受けていたと明らかにした。総務審議官だった山田真貴子・現内閣広報官も首相長男と会食していた。同省は13人中、山田氏を含む11人について、国家公務員倫理規程上の「利害関係者からの接待」に該当するか、その可能性が高いと認定。衆院予算委員会理事会に報告した。24日にも処分する方向で調整している。
野党は首相の影響力を背景に行政がゆがめられた疑いを追及する構えだ。予算委は首相と関係閣僚が出席して集中審議を実施した。 |
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●菅首相長男の接待参加者は計13人 総務省、24日にも11人を処分へ 2/22 | |
菅義偉首相の長男が勤める放送事業会社による接待問題で、総務省は22日、既に判明している幹部4人以外に9人、計13人の総務省職員が会社側から接待を受けていたと明らかにした。会食件数は延べ39件。総務審議官だった山田真貴子・現内閣広報官も首相長男と会食していた。同省は13人中、山田氏を含む11人について、国家公務員倫理規程上の「利害関係者からの接待」に該当するか、その可能性が高いと認定。衆院予算委員会理事会に報告した。24日にも処分する方向で調整している。
総務省によると、最も接待金額が多かったのは、4回にわたる会食で飲食代やタクシー券、手土産など計約11万8千円の接待を受けた谷脇康彦総務審議官だった。谷脇氏を含め判明済みの4人以外は、タクシー券や贈答品を受け取ったケースはなかったという。 |
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●「菅首相長男らと会食」総務省の12人が計38回、処分へ… 2/22 | |
放送関連会社に勤める菅首相の長男らから総務省幹部4人が接待を受けていた問題で、総務省は22日、計12人の職員が、国家公務員法に基づく倫理規程に違反する疑いがある会食をのべ38件行っていたとする調査結果をまとめた。山田真貴子内閣広報官も総務審議官時代に首相の長男と会食をしていた。人事院の国家公務員倫理審査会の承認を得たうえで、24日にも関係者を懲戒処分などにする方向で調整している。
国家公務員倫理法に基づく倫理規程は、利害関係者からの接待や金品の贈与を禁じており、総務省が調査していた。総務省は22日午後の衆院予算委員会理事会に調査結果を報告した。 調査結果によると、これまで明らかになっている谷脇康彦総務審議官、吉田真人総務審議官、秋本芳徳・前情報流通行政局長、湯本博信・前官房審議官の4人のほか、8人の総務省職員が2016年以降、のべ計38回の会食を行っていた。一部がタクシーチケットや贈答品も受け取っていた。また、総務省OBの山田氏についても、総務審議官を務めていた19年11月に首相の長男らと会食をしていたことがわかった。 会食費の最高額は谷脇康彦総務審議官で、18年からの計4回、総額約10万4000円に上った。 首相の長男は放送関連会社「東北新社」に勤務し、その子会社は、総務省が許認可権を持つ衛星放送を手がけている。秋本氏は19日の衆院予算委員会で、首相の長男について「利害関係者だと認識している」と明言しており、総務省は調査結果の中で、倫理規程に違反する会食が確認されたとしている。 野党は調査結果を踏まえ、首相の長男が衛星放送事業の認可に影響力を行使した疑いが深まったとして、22日午後の衆院予算委員会で政府側を厳しく追及する構えだ。立憲民主党幹部は同日午前、国会内で記者団に「接待を受けていた人数はさらに増えるのではないか。完全に接待漬けだ」と批判した。 ●総務省の調査結果のポイント ●東北新社を巡る接待で国家公務員倫理規程違反の疑いがあるのは計12人 ●会食件数はのべ38件 ●山田真貴子内閣広報官も2019年11月、総務審議官時代に菅首相の長男らと会食 ●会食費の最高額は谷脇康彦総務審議官の計4回、総額約10万4000円 |
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●菅義偉の子分・山田真貴子内閣広報官が当時の総務省責任者 2/22 | |
●菅首相の長男らから 山田内閣広報官も接待受ける 総務省は、山田真貴子内閣広報官が総務審議官を務めていた当時の2019年11月に菅首相の長男らから接待を受けていたと明らかにした。「利害関係者に該当していた可能性が高い」とした。 総務省は衆院予算委員会理事会で、山田真貴子・内閣広報官が総務審議官だった2019年11月6日夜に「東北新社」から接待を受けた際、「飲食単価」が7万4203円だったことも報告した。タクシー券や土産物はなかったという。 7万4203円の飲食単価について、同委野党理事の辻元清美氏(立憲)は理事会後、記者団に「全員ではないですよ、1人の単価です。どんな所に行っているのか。びっくりした」と語った。 菅首相の長男が総務省の官僚幹部に「違法接待」をおこなっていた問題で、さらにとんでもない事実が明らかになった。国会での追及で、接待会食は12回にも及んでいた一方、菅首相の長男が勤める東北新社は2018年のCS 放送業務の認定において、総務省から不自然な特別扱いを受けていたことが判明したのだ。しかも、当時、その認定で職務権限があったのは、あの菅首相の子飼い官僚だった。 改めて、経緯を説明しておこう。菅首相の長男は菅正剛氏といい、現在、東北新社でメディア事業部趣味・エンタメコミュニティ統括部長を務めている。東北新社は映画製作・配給やCM・テレビ番組制作など映像分野で幅広く事業を手掛ける企業だが、事業の中核をなしているのがBS・CS放送関連事業。「スターチャンネル」や「スーパー!ドラマTV」「ファミリー劇場」「囲碁・将棋チャンネル」などグループでBS・CS8ブランド10チャンネルの運営をおこなっている。そして、正剛氏は「囲碁・将棋チャンネル」を運営する株式会社囲碁将棋チャンネルの取締役も兼任している。 ところが、その正剛氏が、放送行政を管轄する総務省の官僚幹部を接待していたことを「週刊文春」が写真付きでスクープしたのだ。文春の報道では、ロン毛とヒゲが特徴的な正剛氏が高級すし店や料亭の前で手土産を持たせてタクシーチケットを渡す場面などがバッチリおさえられており、これは完全に利害関係者からの接待や金銭・物品等の贈与などを禁じた国家公務員倫理規定に違反する行為だ、 しかも、接待がおこなわれた官僚たちはみんな菅首相に近く、放送行政にも大きな影響力を持つ幹部だった。このような総務省の官僚幹部を呼び出して接待をおこなうことなど、普通の事業者には到底無理な話だ。つまり、正剛氏が「菅首相の息子」であるからこそ、官僚たちが接待に応じてきたことは明々白々だろう。 ところが、菅首相は国会でこの問題を追及されると、「息子は民間人、私人だ」と主張し、プライバシーを盾に答弁を事実上拒否したのである。 「私の親族であるとはいえ、公的立場にはない一民間人にかんするものであります。本人やその家族などの名誉やプライバシーにもかかわることでありですね、本来このような場で、お答えすべきことではないと私は思います」 こんな言い訳が通用するわけがないだろう。今回の問題は総務官僚による国家公務員倫理法違反が疑われるものであり、行政の長たる菅首相には事実をつまびらかにする責任があるのはもちろん、東北新社にいる長男が総務省幹部違法接待していた背景には明らかに、菅首相の存在がある。 |
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●CSチャンネルだけがハイビジョンでないのに総務省の基幹放送事業に認定
正剛氏はもともと大学卒業後、バンド活動をしていたが、「バンドを辞めてプラプラしていたから」という理由で、菅首相が自身の大臣秘書官に採用。その後、自身と同じ秋田出身である東北新社の創業者・植村伴次郎氏(故人)に正剛氏を「鞄持ち」として預けた。正剛氏の入社後、菅氏が代表を務める政党支部「自民党神奈川県第二選挙区支部」には、植村氏とその息子から合計500万円の献金が行われている。 菅首相は国会答弁で正剛氏の東北新社入社を「自分の意思」「コネ入社でない」と説明したが、こうした関係を見れば、とても信じられるものではない。「バンドを辞めてプラプラしていた」息子を大臣秘書官に抜擢したあと、その後を案じて自分の人脈を駆使し入社させたのである。 しかも、問題は東北新社は正剛氏を衛星放送事業に関わる総務省の窓口に担当させたことだ。これは、東北新社=植村氏が献金でバックアップし、その一方、正剛氏を総務省の担当におくことで、菅首相の力を使って衛星放送の許認可などで特別なはからいを期待したとしか考えられない。 実際、接待が繰り返された昨年12月というのは、「週刊文春」によると〈〇五年末に認定された「スターチャンネル」の、放送法で定められた五年に一度の更新の時期〉だった。 「総務省の幹部が公務員倫理規程に違反する接待行為を受けたのは、明らかに菅首相の長男が担当だったから。接待を断ったら菅首相に睨まれて飛ばされかねない。その恐怖で接待を受けたんでしょう。正剛氏も東北新社側もそれを見越して、違法接待を持ちかけ、共犯者に仕立てた。そうすれば、無理難題をもちかけても断れなくなりますからね」(全国紙総務省担当記者) 実際、正剛氏が取締役を務める東北新社グループの子会社「株式会社囲碁将棋チャンネル」が、総務省からどうみても不自然な特別待遇を受けていた。 同社は「囲碁将棋チャンネル」を放送するCS放送局で、2018年、総務省に「東経110度CS放送に係る衛星基幹放送の業務認定」を受けているのだが、当時、総務省はハイビジョン化を進めるために衛星基幹放送の大幅な組み替えを行なっており、この認定もハイビジョン放送であることが重視されていた。実際、このとき、認定を受けた12社16番組のうち11社15番組がハイビジョン放送だった。 ところが、「囲碁将棋チャンネル」1番組だけが、ハイビジョンではない標準テレビジョンなのに、基幹放送の業務認定を受けているのだ。 「今回、改めて取材したところ、この認定は当時、総務省内でも話題になり、『菅さんの案件だから、特別待遇だったんだろう』という見方が流れていたようだ」(前出・全国紙総務省担当記者) |
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●当時、職務権限があった総務省情報流通行政局長は山田真貴子内閣広報官
しかも、この認定をめぐっては、菅首相の子飼い官僚が直接、圧力をかけたのではないかという疑惑も浮上している。 というのも、「囲碁将棋チャンネル」が「東経110度CS放送に係る衛星基幹放送の業務認定」を受けた2018年4月、その認定を判断する最高責任者の総務省情報流通行政局長の職にあったのが、あの山田真貴子・現内閣広報官だったからだ。 山田内閣広報官といえば、安倍政権下の2013年から2015年まで広報担当の首相秘書官を務めたあと総務省に戻っていたが、菅首相が新政権発足にともなって官邸に呼び戻した典型的な“菅の子飼い”官僚。しかも、NHKに圧力をかけ『ニュースウオッチ9』の有馬嘉男キャスターを降板に追い込んだ張本人とも目されている。 先ごろ発表された有馬キャスターの降板だが、原因は昨年10月26日放送の『ニュースウオッチ9』に菅首相が生出演した際、日本学術会議の任命拒否問題について有馬キャスターが「総理自身、説明される必要があるんじゃないですか?」などと質問し、菅首相が「説明できることとできないことってあるんじゃないでしょうか」と逆ギレしたことだった。その後、山田内閣広報官がNHKの原聖樹政治部長に電話をし「総理、怒っていますよ」「あんなに突っ込むなんて、事前の打ち合わせと違う。どうかと思います」と恫喝をかけたことで、つながったのである。 このケースを考えれば、菅氏の長男が取締役を務める「囲碁将棋チャンネル」の「東経110度CS放送に係る衛星基幹放送の業務認定」においても、その判断の職務権限をもつ総務省情報流通行政局長にあった山田氏が、圧力をかけて、無理やり認定をさせた可能性は高い。 マスコミはこの問題について、『news23』や『報道ステーション』が報じたものの、ワイドショーなどは大きく取り上げていない。しかし、このまま放置すれば、安倍政権時代と同じく、政治の私物化、親族とおトモダチへの利権分配が繰り返されていくことになるだろう。 この問題を国会で取り上げた立憲民主党の後藤祐一衆院議員は、山田内閣広報官と正剛氏の会食についても調査するよう総務省に求めていたが、その癒着は会食があるかどうか以前の問題だろう。 放送行政を私物化する菅首相とその子飼い官僚を徹底追及する必要がある。 |
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2/23 | |
●総理の長男の誘いは断れない。それが今の霞が関だ 2/23 | |
BS・CS放送を手掛け、スターチャンネルなどの子会社を持つ東北新社に勤務していることから「利害関係者」にあたるとされる自身の長男が関係した接待の問題で、菅総理はきのう、「私の長男が関係して、結果的に公務員倫理法に違反する行為をすることになった。このことについては心からお詫び申し上げ、大変申し訳なく思う」と陳謝した。
きのう総務省が明らかにした調査報告では、12人の職員が、のべ38件の会食に東北新社の負担で参加していたことが明らかになった。中には現在は内閣広報官として菅総理の記者会見を仕切る山田真貴子氏(会食した当時は総務審議官)の名前もあり、立憲民主党の辻元清美衆議院議員は「一番単価が高かったのが山田さんでした。7万4203円の会食をしていたと。どんなとこ行ってんねやろね。びっくりしたわ」とコメントしている。 ●「官僚たちが供応接待を自ら受けるはずはない」 1998年に旧郵政省に入省、退官時には総務省で情報流通行政局衛星・地域放送課課長補佐を務めていた立憲民主党の小西洋之参議院議員は「私が総務省にいた12年間、こんな供応接待は聞いたことがないし、今の霞が関でもやっていないと思う。菅総理の息子さんでなければ起き得なかった、昭和のような大事件だ」と話す。 「1998年に大蔵省接待汚職事件が起き、2011年には国家公務員倫理法というのができて、供応接待は全面的に禁止され処分の対象となった。もちろん業界の方とは良い意味で仲良くするし、懇親会にも参加する。しかし全てを割り勘にするのがルールだし、度を越したものはダメだ。割り勘でも、一人1万円以上の場合は報告義務がある。だからお誘いをいただいた官僚は常に警戒する。例えば私もNHKさんの国会担当の方のお誘いを受け、事前に“絶対に割り勘ですよ”と申し上げていたのに、実際には“いや、今日は…”と言って聞かないということがあった。“法律に基づいて対応しますから”と言って職場に報告し、最終的には割り勘にした。そういうことは企業の皆さんも知っているはずだし、特に許認可事業である放送業界の人が知らないわけがない。 ところが、“割り勘で”と言うと“なんだお前、俺の顔を潰すのか”というのが永田町的な感覚でもある。つまり菅総理の息子さんが奢ると言っているのに“割り勘で…”とは、官僚は言えない。後で半額を戻そうとしても、そういうことをする政治家の息子さんからのお声がけであれば、官僚としては断れない。かつての上司だからかばうわけではないが、今回名前が挙がった4人の幹部のうち、2人は私の元上司だ。能力的にも人間的にも本当に尊敬しているし、供応接待を自ら受けるはずはないと思う。しかし内閣人事局が強権的に人事権を振るっているし、菅総理は総務大臣時代、私もいた放送政策課の筆頭課長を更迭もしている。そういうことをする政治家の息子さんからおのお声がけであれば、官僚としては断れない。そういう霞が関になってしまっているということだ」。 ●「審議官以上の会合の“長男率”は約80%」 さらに小西議員は「菅総理の息子さんでなければあり得ないという根拠は、総務省が22日に公表した資料からわかる」と指摘する。 「菅総理の息子さんは部長クラスの方だが、そうであれば総務省の最高幹部である審議官以上の官僚がサシで会うなんて、あり得ない。現時点での調査結果を見ると、名前が挙がっている4名がいる会の“長男率”は約80%だ。逆に、それ以外の会には25%くらい。つまり菅総理の息子さんは、まさに社長などが最高幹部に会うために使われていたと考えられる。私は官僚時代の半分ぐらいは放送行政に携わっていて、特に衛星放送の許認可の担当者としては係長時代と課長補佐時代の2度担当している。まだ国会でも明らかになっていないが、かつて私も担当した業界なのであえて言う。贈賄の罪に問われる危険もあるにも関わらずこのような供応接待を繰り返していたということは、何かがあるはずだ。はっきり言うが、東北新社および東北新社メディアサービス側も何のためにやっていたことなのか、説明する責任がある。 名前の出ている官僚たちは、誇りを持って日本の行政を引っ張ろうと頑張っている立派な方々だ。自らそんな所に喜んで行く方はいらっしゃらないはずだし、無念で悔しい思いで供応接待に応じていたのだと思う。そういう方々を、ああいう場に落とし込んでしまった責任は重い。また、菅総理の息子さんは、菅総理が総務大臣時代に政務秘書官も務めている。だから“別人格だ”と言う説明も、筋が通らないと私は思う。まさに第二次安倍政権以降でなければなかったような違法状態で、端的にこれは政治の責任だ」。 ●「他のメディアや野党は何をやっているんだ」「官僚になりたいという若者がいなくなってしまう」 立憲民主党の奥野総一郎衆議院議員に「これでも放送行政がゆがんでないと言い切れるか」と質された武田総務大臣は「行政がゆがめられた事実は確認されていない」と答弁している。 カンニング竹山は「ここ数年、こういう政治の問題が出てくるのは『週刊文春』のスクープ報道ばかり。他のメディアや野党は何をやっているんだと感じる」、ジャーナリストの堀潤氏は「こんなことばかり繰り返していたら、官僚になりたいという若者がいなくなってしまう」とコメントした。 小西議員は「遅い時間まで誇りを持って働いている、私の後輩にあたる若い官僚たち、あるいはかつてお世話になった先輩や同僚に対しては、本当に政治家の一人として申し訳ない。今は国家の最大の課題がコロナだが、それも行政が歪んでいれば正しい対策はできない。それも含めて行政を正すという意味で、私も参議院でこの問題を扱う。ぜひ参議院の底力というのを見ていただければ」と話していた。 |
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●「菅総理長男の接待官僚の行く末」 2/23 | |
国会では菅義偉総理の長男菅正剛氏による総務省幹部接待疑惑の追及が続いている。長男が勤める東北新社の関連会社が放送法の許認可事業を行っているにもかかわらず、その所管省である総務省の幹部が何回も長男の接待を受けていたというのだから、疑われて当然。霞が関の官僚たちも「これは相当ヤバい」と見ているだろう。私がこの話を聞いた時の感想も、「まるで昭和の接待」だ。
当時は、盆暮れの付け届けやゴルフ接待、さらには視察と称した温泉旅行まであった。平成に入ってもノーパンしゃぶしゃぶ事件などの官僚の接待不祥事が続いたが、それががらりと変わったのが、2000年頃。国家公務員倫理法施行もあり、企業訪問の際に出されたお茶を飲んでいいのかと議論されるほど、一時は官僚たちも襟を正した。 ところが、徐々に官僚や企業の意識も緩み、とりわけ、安倍晋三政権になると官僚の倫理観は極端に劣化した。国家戦略特区の規制緩和で獣医学部を新設しようとする加計学園のトップと直接の責任大臣である安倍総理自身が一緒にゴルフや宴会を繰り返し、官邸官僚のトップである総理秘書官までお相伴にあずかっていたのに、安倍総理が「問題なし」と言い張ったのである。官僚たちは、「へえ、そうなんだ」と思ったのだろう。 今回の接待ではお互いに贈収賄の意図があったと見るのが自然だが、一方で、この程度のことで贈収賄の立件をするのは極めて難しい。世論の手前、無罪放免とはいかないので、新事実が出てこない限り、立件のハードルが低く罰則もはるかに軽い国家公務員倫理規程違反で処分して終わりという可能性が高い。 それにしても、彼らがこんなに危ないとわかり切った接待を受けたのはなぜだろう。菅氏は、意に沿わない官僚を左遷すると公言した。その怖さを一番よくわかっているのが総務官僚だ。菅氏が何の実績もない長男を大臣秘書官にするほど溺愛していることも知っている。菅氏の長男の機嫌を損ねると大変だし、逆に覚えめでたくなれば引き立ててもらえるという心理が働いた可能性は高い。 彼ら忖度官僚は菅派だということも知られている。彼らの背後に菅氏の影を感じる総務省は厳しい処分を下せないとの懸念もあるが、私はむしろ、菅氏は厳正な処分を望むと見ている。支持率が大きく下がり、菅降ろしの声も聞かれる中、官僚たちのことを考えるゆとりはないはずだ。次官級の総務審議官などは、夏の人事で次官になれず退官という可能性もある。 しかしそこで終わりというわけではない。ちょうど、安倍総理元秘書官だった柳瀬唯夫氏が加計学園問題で事実上嘘をついて大きな問題となった後、経産省で次官目前だったのに退官させられたケースがある。柳瀬氏は、退官後複数企業の社外取締役などを務め、ほとぼりが冷めてからNTT本社執行役員とNTT直下のグローバル持株会社副社長に就任した。社会的地位も高く高額の報酬を得て悠々自適の生活を楽しんでいるわけだ。 今回問題となった総務官僚たちも、この夏の人事で退官したり、出世が遅れるという不利益を受ける可能性が高いが、時間が経てば、必ずそれを補うに余りある破格の処遇が用意されるだろう。我々はしっかり監視していかなければならない。 |
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●「ズブズブの関係」に菅首相の影 東北新社の接待問題 2/23 | |
菅義偉首相の長男正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」による接待問題。会食に参加した総務省幹部は、これまでの判明分を含めて計13人に上ることが省内の調査で分かり、官業が癒着している実態が鮮明になった。コロナ禍でも会食を繰り返した関係は、客観的に見てもいびつだ。背後には、かつて総務相を務め、今も省内に影響力を残す父の影もちらつく。
●1人2万円超の会食も多く 「東北新社からの接待が常態化していたんだなと驚いた。半分以上、首相の息子が同席し、深く関わっていたことは見過ごせない」 22日の衆院予算委員会の理事会。総務省から調査結果の報告を受けた立憲民主党の辻元清美氏は、記者団に語気を強めた。共産党の小池晃書記局長は記者会見で「ズブズブの関係にあったことを示すものだ」と指摘した。 総務省がまとめた「会食一覧」には趣旨として「意見交換」「懇親会」など無難な表現が並ぶ。別に出された山田真貴子内閣広報官の調査結果でも、放送業界の話題が出た可能性に触れつつ「不適切な働きかけはなかった」と語ったことを報告している。 野党は額面通りに受け取っていない。山田氏の1回で約7万4000円を筆頭に、1人当たりの会食費が2万円を超えるケースも珍しくない。秋本芳徳・前情報流通行政局長が19日、直近の会食について「記憶にない」としていた衛星放送の話題が出たと認めた。「呼ぶ方も下心がなかったらおごらない。そこが全然解明されていないのは、ふに落ちない」(辻元氏) ●長男への問い合わせ拒否 総務省幹部らが「1990年代の大蔵省接待汚職に匹敵する」(共産党の高橋千鶴子氏)ほど会食に応じた背景として、野党は官僚人事に強い影響力を持つ首相の威光を恐れたという見方を強めている。人事権をてこに省庁を掌握し、左遷も辞さない政治姿勢が広く知られているからだ。 総務省の原邦彰官房長は予算委で、幹部らの意識として「特に首相の長男だからという影響はなかった」と述べたが、立民の大串博志氏は「首相の前では『関係なかった』と言わざるを得ない。忖度が生まれているのではないか」と指摘。正剛氏側からの誘いは「断れない、付き合わざるを得ないと特別扱いになっていなかったか」と追及した。 だが、首相は当初から、自ら真相を究明しようという姿勢に乏しい。正剛氏と総務省幹部の会食の多さに「驚いた」と述べたが、本人に問い合わせるよう野党から求められると、総務省の調査であることを理由に「絶対に避けるべきだ」と拒否した。 ●衛星放送の更新時期に集中 東北新社から幹部4人への会食の呼び掛けは、子会社が手掛ける衛星放送の認定・更新時期に集中した。 立民の奥野総一郎氏は予算委で、総務省の審議会が昨年12月、東北新社の社外取締役が会長を務める一般社団法人「衛星放送協会」の要望に沿って衛星放送インフラの使用料引き下げや、周波数帯の割り当て方針を示したと指摘。直前まで谷脇康彦総務審議官らが続けざまに接待を受けているとして、こう主張した。 「(会食で)何が話し合われたか分からないから、行政がゆがめられたという疑念が続く。役人が間違った方向に動いたのでは」 |
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●菅総理長男の総務官僚接待、問題の核心 2/23 | |
どうやら文春オンラインの音声は隣の部屋から録音されたものらしい。菅総理の長男が総務省幹部を頻繁に接待していた事実をつかんだ文春の“盗聴”のようだ。文春の凄みを感じさせる。
それにしても父親の威光を利用して総務省幹部を接待の場に引っ張りだしていた長男は愚かのきわみである。しかしそれ以上に悪辣、卑劣なのは愚かな長男を接待の“現場”にだした東北新社である。本当のバカは東北新社の経営陣だ。 接待の目的はなんだったのか。詳細は報じられていないが、ある放送関係者は「もしかしたらBS放送枠が欲しかったのかもしれない」という。いずれにしても許認可権をもつ総務省に特別なはからいを求めた結果であることは間違いない。菅総理も当初は自分は一切あずかり知らぬこととっぱねていたが、総務官僚が大量に国家公務員倫理規定に抵触して処分されるハメに陥り、ついに国会で陳謝した。 政治家や有力者の子弟を自社の利益のために入社させることは放送業界に限らず、広告業界、金融機関、商社などいくらでもある。だが有力者の子弟を規制当局の接待現場にだすという破廉恥な会社があるとは思ってもみなかった。そこに東北新社の無能ぶりがある。さらに言えば、37回も接待を受けていた総務省の役人も被害者ヅラをしていられない。脇が甘すぎる。 それにしても長男の愚かさが際立つ。7年8ヶ月にも及んだ官房長官時代、文春はじめ多くのメディアが菅氏のあら探しを徹底的にやったが何も出てこなかった。それがいま親の威を借りたバカ息子のおかげで窮地に立たされているのである。しかし今回の接待問題は、安倍前総理の“もりかけ”や“さくら”とは次元が違うだろう。総理自身は一切関わっていないのだから。40歳にもなる息子の不始末の責任を菅総理がどこまで負わなければいけないのだろうか?そんな気持ちにもなるが、一国の総理ともなれば、バカ息子の愚行も含め、すべての批判を甘んじて受けざるをえまい。それが国家の最高権力者というものだろう。 |
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●菅首相が加速する「DX=ドラ息子トランスフォーメーション」が日本を滅ぼす 2/23 | |
●菅首相の「長男」問題
菅義偉首相の長男と彼の勤める企業が、総務省幹部を繰り返し接待していたことが明らかになりました。最初に報じたのは2月4日発売の「週刊文春」で、長期にわたる取材の成果でした。衛星放送関連会社の「東北新社」の社長と統括部長を務める菅首相の長男らが、衛星放送の許認可権を有する総務省の放送関係の幹部を繰り返し接待し、衛星放送事業について話し合っていたことは、その後の国会で、総務省が認めるに至りました。接待を受けていたのは、谷脇康彦総務審議官、吉田眞人総務審議官、情報流通行政局の秋本芳徳局長、同局の湯本博信官房審議官です。 接待をしていた企業が、接待を通じて何らかの利権を手にしていたとの確証はありません。しかしながら、同社が菅首相の総務副大臣の在任中に放送業務の委託を総務省から受け、接待と時を同じくして放送法で定める認定を更新していたことが「週刊文春」によって報じられています。一方、接待を受けていた側の情報流通行政局は、放送法を所管する許認可権限者です。 接待を受けた総務省幹部の一部が長男と知り合ったのは、菅首相の総務大臣時代でした。菅首相は、1996年の衆議院選挙で初当選し、2005年10月の小泉純一郎内閣で総務副大臣に任命されました。総務副大臣の時の上司・総務大臣は、竹中平蔵氏でした。2006年9月に誕生した安倍晋三内閣では、当選4回ながら総務大臣として入閣しました。一般的に、自由民主党の「入閣適齢期」は当選5回以上とされるため、抜擢といえます。 菅首相の長男は、菅首相の総務大臣の時、総務大臣秘書官に任命されていました。大臣秘書官とは特別職の国家公務員で、国家行政組織法第19条で「各省大臣の命を受け、機密に関する事務を掌り、又は臨時命を受け各部局の事務を助ける」職と規定されています。いわば、大臣の特命を受けて、各部局の政策決定にも関与することができるポストです。総務省組織令では定員1名とされています。 実際の大臣秘書官としての仕事は、別に任命された官僚によって担われますので、誰が任命されても行政の業務に支障をきたしません。一般的には、課室長になる一歩手前の官僚を「大臣秘書官事務取扱」として任命し、行政に関する大臣秘書官の仕事はその人が担います。その官僚も大臣秘書官と呼ばれ、誰も事務取扱と呼びません。現実には、複数の大臣秘書官が存在するわけです。官僚の大臣秘書官については、経済学者の小峰隆夫氏のコラム「大臣秘書官という仕事」が参考になります。 そのため、大臣が任命する大臣秘書官は、官僚の秘書官と区別するため、政務秘書官としばしば呼ばれます。たいていの場合、政務秘書官には議員事務所の秘書を任命します。大臣になっても国会議員としての職務や党務、選挙対策などがありますので、それらを円滑に進める連絡役としての役割です。また、議員の跡継ぎとして経験を積ませるため、親族を任命する場合もあります。安倍晋三首相は、国会議員になる前、父親である安倍晋太郎外務大臣の政務秘書官をしていました。稀に専門家を任命し、補佐官のように政策形成に関与させる大臣もいますが、ほとんどすべての政務秘書官は行政に関与せず、議員事務所との連絡調整をしています。 |
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●父親のコネで大臣秘書官、認可先企業に就職
長男は、大学を出て定職のないとき、総務大臣秘書官に任命されましたが、その目的は不明です。菅首相は子息を跡継ぎにしないと表明していますので、議員になるための経験を積ませるためではありません。「週刊文春」によると、議員事務所の毎週の定例ミーティングに参加していなかったそうですので、議員事務所との連絡調整をしていたわけでもありません。もちろん、専門家ではありませんので、総務省の政策形成に関与する能力もありません。 父親の総務大臣の退任後、長男は父親の関係で、問題となった企業に入社しました。いわば、総務大臣が、定職のない子息に総務大臣秘書官という特別国家公務員の職を与え、大臣の退任で定職を失った子息に、総務省の許認可を受けている企業に口利きして、再び定職を与えたことになります。 つまり、この接待問題とは、菅首相の「ドラ息子」と彼を引き受けた企業が、首相の元部下を接待して、許認可に関する話をしていたのです。元総務大臣・首相の息子の声がけでなければ、国家公務員倫理法に抵触する疑いの強い接待を、わざわざコロナ禍の最中に、総務省幹部が受けることはなかったでしょう。明らかになれば、懲戒処分は免れず、人生を棒に振る恐れもあるからです。 |
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●DX=官僚統制×ドラ息子
かつてと異なり、現在の公務員が接待三昧の生活を送っていることはありません。国家公務員倫理法などのルール整備に加え、報道や住民訴訟などによって実態が明るみに出て、接待を当たり前とする行政の組織文化が変わったからです。地方自治体の幹部職員には、自治会などの懇親会の伴う地域の会合に職務として頻繁に呼ばれる一方、そのたびに5千円などの懇親会費を自腹で払って、100万円単位の多額の支出をしている人がいるくらいです。 働き方改革ということもあって、企業や利害関係者との意見交換は、平日の昼間に役所の会議室で多数の参加者と共に行うようになっています。飲食を伴わなければ接待を受けようがありませんし、役所の会議室で行えばお土産をもらうこともありません。双方に複数の部下がいて、記録を取っていれば、法令に触れる話もしにくくなります。 それにもかかわらず、総務省幹部が首相の長男から接待を繰り返し受けたのは、懲戒処分よりも怖いことがあったからです。公務員において懲戒処分よりも怖いことは、あり得ないのですが、そうとしか考えられません。 それは、菅首相の厳しい官僚統制です。菅首相が自らに意見したり、意に沿わなかったりする官僚を厳しく扱うことは、総務省の常識です。総務省の自治税務局長が、菅首相の官房長官時代、菅首相発案の「ふるさと納税」の課題を述べて閑職に飛ばされたのは、典型的な事例です。職務に忠実であっても、意に沿わないだけで飛ばされるならば、逆に菅首相に忠実ならば、多少の懲戒処分を受けても何とかなると思うのは当然です。 |
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●菅政権の「DX」の正体は……
一方、有力政治家に近い関係者に対して、政府が優遇することはこれまでも行われてきました。森友学園問題では、安倍首相の妻が名誉校長を務める私立学校に対して国有地を特別に格安で払下げました。加計学園問題では、安倍首相の腹心の友が経営する学校法人に対して特別に規制緩和しました。桜を見る会問題では、安倍首相の支持者が政府主催の親睦会で特別な飲食の提供を受けました。 菅首相は、厳しい官僚統制によって、有力政治家に近い関係者が、政府から特別な優遇を受ける社会に変化することを加速したのです。それは、安倍首相の時代よりも、さらに強まっていくでしょう。許認可権限や予算執行を担う官僚を意のままにできるからです。 この菅首相がチャレンジする社会変革は「DX=ドラ息子トランスフォーメーション」です。「ドラ息子」である長男は、有力政治家に近い関係者という人々を象徴する存在です。能力がなくても、経験がなくても、努力しなくても、有力政治家とのコネさえあれば、幸せな生活が送れる社会に変革しつつあります。 |
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●自民党は「ドラ息子」政党か
結党当時の自民党では、大半の議員が親族に国会議員のいない「たたき上げ」でした。初代総裁の鳩山一郎が二世議員であったものの、第二代の石橋湛山、第三代の岸信介、第四代の池田勇人は、政治家の家系ではありません。議員構成は、政党活動を積み重ねて議員となった党人派と、官僚から転身して議員となった官僚派に大きく分かれていました。 しかし、現在の自民党では親族に国会議員のいる「二世議員」が主流です。菅内閣での自民党所属大臣20人のうち12人が「二世議員」です。この傾向は過去も同じで、2012年12月に成立した第二次安倍内閣においても、安倍首相を含む18人の自民党所属大臣のうち11人が「二世議員」でした。多少の「二世議員」がいても、多数が「二世議員」で占められている政党は他にありません。 「二世議員」であっても、選挙地盤を継がずに議員となった場合は、本人の力と考えられます。国会議員になる際、もっとも重要な財産は集票のための組織、すなわち後援会です。それを継いでいなければ、一般的には「親族に国会議員がいたというだけ」の国会議員となります。 一方、多くの自民党「二世議員」は、親族の培った選挙地盤を引き継いで国会議員になっており、本人の力とはみなし難いのです。本人の資質や能力、経験、努力よりも、担ぎ上げる「御輿」として相応しいから、選挙地盤を引き継ぎ、国会議員になったと考えられます。 もし、彼ら・彼女ら「二世議員」が、一般の人と同じく国会議員の家に生まれなかったら、はたして国会議員になっていたでしょうか。若くして当選回数を重ねて、大臣や党幹部になっていたでしょうか。安倍晋三さん、甘利明さん、石原伸晃さん、小渕優子さん、竹下亘さん、平井卓也さんたちは、今ごろ何をされていたでしょうか。 たまたま国会議員の家に生まれるというコネがなければ、資質等の面から国会議員になれなかったのであれば、それは「ドラ息子」です。もう一つの人生を誰も見ることはできませんから、誰が「ドラ息子」に当たるのか、不祥事でその資質等が発覚しない限り、分かりません。それでも、国会議員の親族が国会議員になる率は、異常に高いといえますので、そこには一般の人々と同じくらい、国会議員として不適正な人がいると考えられます。 要するに、自民党には、かなりの人数の「ドラ息子」が紛れ込んでいる上に、菅首相のように「たたき上げ」も「ドラ息子」を優遇しているならば、コネを大切にする政党となります。「ドラ息子」の「ドラ息子」による「ドラ息子」のための自民党です。 |
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●ドラ息子トランスフォーメーションか、デモクラシートランスフォーメーションか
菅首相の「ドラ息子トランスフォーメーション」を推進したい人は、来たる総選挙で与党に投票しましょう。能力はない、努力もしたくない、でも美味しい思いをしたい、自慢できるのは有力者へのコネだけという人にとっては、天国のような社会になるでしょう。 他方、コネが横行する社会にうんざりする人は、民主主義を発展させる「DX=デモクラシートランスフォーメーション」の担い手になりましょう。本を読み、SNSで異議を唱え、家族や友人と政治について対話し、関心のあるテーマのデモに参加し、政治家に意見を送り、投票に行く。これが「デモクラシートランスフォーメーション」です。 「ハーバービジネスオンライン」などのメディアで、気になった論考を友人にシェアするのも、有効な「デモクラシートランスフォーメーション」です。気に入った記事があれば、シェアして「デモクラシートランスフォーメーション」を推進しましょう。 |
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●「DX(デジタルトランスフォーメーション)」 | |
最近、インターネットや書籍などで「DX」という言葉を頻繁に見かけるようになりました。
DXとは、一言でいうと「企業がデータやデジタル技術を活用し、組織やビジネスモデルを変革し続け、価値提供の方法を抜本的に変えること」です。しかし、DXで成果を上げている企業は、世界でもわずか5%とされているのが現状です。 DXの概念はなんとなくわかるけれど、「今までのIT活用と何が違うの?」「なぜ今、日本でDXが推し進められているの?」という疑問をもたれている方も多いのではないでしょうか。 ●なぜ今、DXが注目されているのか? 「DX」は、経済産業省(以下、経産省)が発表した「DX推進ガイドライン Ver.1.0(平成30年12月)」によると、以下のように定義されています。 「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」 言い換えると、DXは「ITの活用を通じて、ビジネスモデルや組織を変革すること」を意味します。その目的は「企業の競争優位性を確立すること」です。 つまり「IT化」と「DX」の違いは、前者が業務効率化などを「目的」として、情報化やデジタル化を進めるものだったのに対し、後者はそれを「手段」として、変革を進める、ということです。 ではなぜ、今、日本の企業はさらなる「DX」の必要性に迫られているのでしょうか? 経産省の報告によれば、今のままでは「IT人材の不足」と「古い基幹システム」の2つが障害となり、2025年から2030年までの間に、年間で最大12兆円の経済損失が生じる可能性がある、といいます。 反対に、今DXを推進することができれば、2030年の実質GDPにおいて130兆円の押上げを期待できるとされています。 少子高齢化によって労働人口が減少しつつある日本では、海外市場も視野に入れ、ビジネスモデルの変革や不足しているIT人材の穴埋めを行わなければ、どんどん競争力が縮小していってしまいます。 日本の国力低下を招かないためには、こうした外部環境の変化に応じて、DXを通じて企業が変わっていく必要があるのです。 ●DXの定義は、文脈によって変化する? DXは、どの文脈で語られているかによって、その定義が異なります。DXという言葉の意味が曖昧なのは、この文脈の違いによるものではないでしょうか。 まず、最も広義のDXを意味するのが、社会的文脈でのDXです。2004年にスウェーデンの大学教授が提唱した「ITが社会全体・人類全体にどのような影響をもたらすか」という概念が、これにあたります。 そして2つ目は、ビジネスの文脈で語られるDXです。ここでは、外部環境のデジタル化を機会と捉え、デジタルテクノロジーを推進し、変化に対応するという意味で使われています。「0→1」を志向したDXです。 最後は、経産省が唱えているDXです。主に、IT活用を妨げる既存システム・組織体制を包括的に変化させるという意味で使われています。マイナスをプラスに転じ、「日本のDXの遅れを取り戻そう!」というメッセージが込められていると思われます。 |
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●菅首相の長男が接待した山田内閣広報官の裏の顔 2/23 | |
菅義偉首相の長男、菅正剛氏が務める放送関連会社「東北新社」から総務省幹部が接待を受けていた問題が、底なし沼のようになってきた。
発覚した接待は計38件、接待された幹部、職員らは13人に上った。 菅首相は連日、国会で追及を受け、「長男は別人格」と防戦一方だが、総務省は接待を受けた職員、元職員13人のうち、11人が国家公務員倫理規程に違反する可能性があると認めている。 中でも「本当に驚いた」とされるのが、首相の懐刀とされる山田真貴子内閣広報官も接待を受けていたことだ。 総務省が公表した資料では山田氏が接待を受けたのは2019年11月、一人74203円で超豪華な会食だったことがわかっている。その席には東北新社社長らとともに、首相の長男、正剛氏が参加していた。 山田氏は早大法学部卒業後、1984年に旧郵政省に入省。安倍政権時代の2013年まで、女性初の首相秘書官に起用され、広報などを2年間、担当した。17年には、総務省で放送行政を所管する情報流通行政局長に就任。19年まで務めた後、省内で次官に次ぐポストである総務審議官を務めた。正剛氏らと会食した当時は総務審議官在任中だ。 山田氏は昨年7月に総務省を退官。国会や議員会館で挨拶に回っていた姿を目撃したこともある。官房長官時代から菅首相の信頼は厚く、菅政権発足後、女性初の内閣広報官に抜擢された。山田氏は官邸で行われる首相会見の司会、仕切り役を務め、菅首相へ厳しい質問が飛ぶと「次の日程」などを理由に、会見を強引に打ち切っていた。 山田氏と仕事をしたこともある総務省OBはこう話す。 「山田氏はさばけた感じで仕事は的確で抜群にできますよ。表の顔はとても好感がもてます。一方、政治家のいうことも忠実に聞きますね。だから、NHKなどテレビ局に電話をかけたりして、圧力めいた話もするんでしょう。今回のように7万円の接待も受ける裏の顔がある。表裏をうまく使いわける、ザ・官僚という人」 今回の疑惑で、更迭された秋本芳徳情報流通行政局長の後任となった吉田博史総括審議官は、皮肉にも山田氏の夫だという。 「秋本氏も将来は次官候補と嘱望されていた。突然の文春砲での疑惑に涙を浮かべ釈明、謝罪に追われていました」(総務省関係者) 当初、総務省は東北新社、菅正剛氏から接待を受けた職員は4人と発表していた。だが、22日になって山田氏ら9人を追加して認めた。 2018年に総務省が認可した囲碁将棋チャンネルは東北新社のグループ会社で菅正剛氏が取締役も兼ねている。利害関係者であることはわかっているはず。しかし、山田氏のような高額の会食や手土産、タクシー券など、接待の金額や範囲は無分別に広がっていた。 その理由について現役の総務省の官僚はこう語る。 「菅首相は政治家として、人事権を使って官僚を意のままに動かすと公言しています。要するに、官僚人生で最も大事な人事。菅首相はそれを握り、自在に使いこなすと言っている、最強の人ですよ。その長男、菅正剛氏が参加するという会合があれば、そりゃ、断れません。問題になっている13人のうちの1人と話したが、『総理の長男が来るのに、断るなんてできるわけない』と明確に言っていた。それが本音です」 第1次安倍政権時代は総務相だった菅首相。就任早々に、総務省の所管となる携帯電話業界に対して値下げをぶち上げた。 「菅首相は総務省の族議員ですよ。だから、首相になってすぐに携帯電話の料金を下げろとか、恫喝のようなことが言えた。総務省も従わざるを得なかった。そんな中、長男の総務省接待疑惑が浮上。接待を受けた官僚が増え、金額も大きくなり、贈収賄事件にも発展しかねない。長男は別人格だと国会で言い続ける限り、支持率はより低下していく。非常に厳しい政権運営を迫られる」(自民党幹部) |
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●斜陽化する衛星放送を抱える東北新社は接待で何を得たのか 2/23 | |
●北朝鮮なら銃殺刑?
首相会見の司会を務める山田真貴子内閣広報官が総務審議官を務めていた令和元年11月6日に、東北新社から虎ノ門で接待を受けたときの単価は7万4203円だったと報道されている。 東北新社の社長が同席したからといって、公務員に対して単価7万円の接待とは恐れ入る。もちろん単価2〜6万円でもやり過ぎだが、東北新社も大盤振る舞いというか無神経というか、しょうもねえ会社だと思う。「どこの田舎の会社だよ」いいたくなる。バレたら役人のクビが飛びかねない単価である。接待される側は正確な飲食代など知る由もないが、「ここ高いかな、安いかな」というのはわかる。単価7万円超というのはさすがに想定外だろうが、山田氏にも大きな油断があったといわざるをえない。もし広報官の職を解かれても誰も同情しない。 単価7万円超は異常に高く感ずるが、実際には十分ありうる金額である。国会では「どんな料理を食べれば7万を超えるのか」という驚きの声を発する野党議員もいたが、4〜5万円程度のコースならそんなに珍しくない。高価なワインや日本酒を別注文すれば、税サ込みで軽く7万円を超える。高価なお酒をお土産として「持ち帰り購入」にするという手もある。 主要な官公庁が集まる霞ヶ関に近い虎ノ門にも料亭や高級レストランはある。たとえば「おかもと」はコース4万2千円。どんな日本酒やワインを置いているのか知らないが、この店の格なら1合1万円という日本酒や1本5万円以上のワインも置いているだろう。単価7万円も十分ありうる。そうした「もてなし」が当たり前だと思っていたとするなら、接待する側も接待を受ける側も相当麻痺していたと考えるほかない。 金額はともかく、業者に接待されるのが常態化していたなら役人にとっては命取りだ。これが北朝鮮なら「関係者全員銃殺」であり、旧ソ連でも強制収容所送りは免れない。役人にとって業界・業者との情報交換は必要だが、「直接の利害関係がなければ業者との会食はOK」という安易な風潮が官公庁にあるとすれば、それは糺すほかない。しかも、モリカケや桜を見る会がメディアを騒がせた後の会食も含まれている。東北新社も総務省も、世間を相当に舐めている。くだらなすぎてこのレベルの国会論戦はもう見たくもないというのが本音だが、総務省にも東北新社にも弁解の余地はない。 ●目的不明の多頻度接待 2月22日の衆院で共産党の高橋千鶴子議員が、「東北新社の接待は財務省(大蔵省)汚職のような大疑獄に発展する」と述べていたが、大蔵省汚職とは例のノーパンしゃぶしゃぶで有名な接待汚職のことを指している。たしかに上級職課長・課長補佐クラスの幹部職員が多数逮捕され、3人の自殺者まで出した一大疑獄だったが、国民の頭のなかに残っているのは「ノーパンしゃぶしゃぶ」だけである。ノーパンしゃぶしゃぶをアレンジした贈賄側の金融機関の名前を憶えている人もほとんどいないだろう。今回の一件もいずれ忘れ去られ、「7万4千円」だけが記憶に刻まれるかもしれない。それよりも何よりも大蔵省汚職のような、はっきりした輪郭が見えてこないところが気になる。 東北新社の総務省接待で不思議なのはまずその回数である。本日総務省によって開示された資料ではなんと38回に上っている(先の山田広報官の接待は除く)。接待は平成28年から始まっているが、本格化したのは令和に入ってからだ。単価は最高4万7千円、最低5400円。平均に意味があるかどうか知らないが、あえて平均を出せば1万2千〜3千円程度だろう。安いとはいえないが、大蔵省接待の舞台となったノーパンしゃぶしゃぶ「楼蘭」は税込19,980円というコース料金が設定されていたそうだから、それよりは安い(笑) さらに疑問なのは接待の目的である。東北新社はCS・BSの8ブランド計10チャンネルを運営している。スターチャンネル、ザ・シネマ、スーパードラマ、囲碁将棋チャンネルなどだ。契約世帯数は、スターチャンネル非公開、ザ・シネマ531万世帯、スーパードラマ780万世帯、囲碁・将棋チャンネル707万世帯などとなっているが、CATVやひかりTVなどを経由した基本チャンネル・パッケージの契約者が多いので、重複を除くと1000万世帯程度ではないかと思われる。しかも、Netflix、AMAZON Prime、Huluといったインターネット経由のVODが急拡大している現在、契約者数は減少傾向にある。東北新社だけでなく業界自体が先細りを免れない斜陽業界で、事業としての旨味は少ない。4K、8Kなどの投資がかさむことが予想されるから、ただでさえ厳しい経営はさらに圧迫される。吉本興業などの衛星放送への新規参入もあるが、いずれも事業としての将来性は乏しく、「とりあえず衛星放送も押さえておこう」という程度の動機に基づくものだと思える。 ●衛星放送は利権にあらず 「許認可権を持つ総務省に取り入ることで許認可を容易にするための接待(利権獲得接待)」だと勘違いしている報道ばかり目に付くが、現在「電波利権」といえるものは地上波一般放送と通信事業者の認可やその利用料をめぐるものが主体で、衛星放送は利権とはとてもいえないのが現状である。業界規模は3700億円で、放送業界全体(約4兆円)の10%にも満たない。また、今後その規模が膨らむ可能性もわずかだ。「ネットとの直結」によって衛星放送を復活させようという試みもあるが、コンテンツをますます充実させつつあるネット配信事業者の優位は揺らがない。VOD化を進めようにも「著作権」という厚い壁が立ちはだかっている(その点に着目すると接待すべきは文科省である)。何よりも独自のコンテンツが薄すぎる。東北新社の場合は、しっかりしたコンテンツのあるのは囲碁・将棋チャンネル(日本棋院、日本将棋連盟と共同で運営)ぐらいで、他のチャンネルにはろくなコンテンツがなく、その先行きは暗い。総務省をいくら懐柔したとしても何らかの利得を得られるような環境にはない。 したがって、東北新社傘下のこうしたチャンネルを維持する、あるいはさらに増やすために38回の接待が必須だったのかと考えると釈然としない。衛星放送他社が同様の接待をやっていたという情報はない。むろん他社の接待も皆無ではないだろうが、東北新社の接待回数は突出しているように見える。東北新社は、衛星放送会社の集まりである「日本衛星放送協会」のリーダーのような立場にあるので、リーダーとして「業異界全体の利権」を確保・強化する使命を負っていたと考えられなくもないが、先に触れたように利権いえるようなものがほとんど存在しない斜陽業界で、これまで電波料の実質無料などの施策によって政府の保護を受けてきたが、補助金などこれ以上の政府の保護策はまったく望めない。したがって、衛星放送業界は、もはや政府がテコ入れするような余地もなく、接待自体にほとんど意味はないと見てよいだろう。 ●東北新社は総務省飲み喰いの財布? してみると東北新社の狙いは他にあったのではないか。つまり従来の事業を維持することに目的はなく、放送事業から他の業態(たとえばデータ通信事業)への転換を容易にするための接待だったと考えるほかないが、それだけの新規事業を立ち上げる企業力・企画力が東北新社あるいはこの業界にあるのだろうか。実際、データ通信やネット配信といった方向に東北新社のベクトルは向かっておらず、今のところそれほどチャレンジャブルな要素は見えてこない。独自の衛星でも打ち上げるというのなら別だが、そんな気配もない。ぼくの知るかぎり、東北新社の運営するチャンネルは、既存のアーカイブの使い回しで、クソみたいなものが多く、「未来」を感じさせるものなど皆無だ。 だとすると東北新社の接待は、直接の利権が絡むものではなく総務省とのパイプを維持するための「(不定期だが)定例の飲み会」にすぎないのではないか。「疑獄」というには少々お粗末な「接待の常態化」だということだ。総務省の当事者の国会答弁も、「俺の何が悪いんだ」という気持ちが見え隠れしていた。彼らはおそらく東北新社に対して利権配分も優遇も何もしていない。誘われたから飲み喰いに同席しただけ、という意識だろう。もちろんそれとても公務員倫理の欠如は甚だしく、関係者は厳しく罰せられて当然だが、野党の追及にもまだ新味や意欲が感じられないところをみると、利権絡みというよりいろいろな店を東北新社のカネで総務省のお役人が食べ飲み歩くための「飲み会癒着」のレベルで終わってしまうような気がしてならない。ノーパンしゃぶしゃぶ汚職と比べるのは、大蔵省(財務省)に対しても失礼なレベルの癒着・汚職である。あえて名付ければ「総務省幹部+首相長男+東北新社の飲み喰い疑獄」だが、果たしてそれ以上に疑惑は広がるのだろうか。 |
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●菅首相の長男による総務省幹部接待は贈収賄だ! 2/23 | |
菅義偉首相の長男・菅正剛氏による総務省高級官僚接待問題が、「違法接待」どころか贈収賄の汚職事件の様相を呈してきた。
昨日22日、総務省は国会に報告書を提出したが、それによると、正剛氏や東北新社メディアサービスの木田由紀夫社長ら東北新社側と国家公務員倫理規程に違反する疑いがある会食をおこなっていた官僚は過去5年でなんと13人にもおよび、その回数は延べ39回にものぼることを公表したからだ。 その上、菅官邸で現在、内閣報道官を務めている山田真貴子氏も、総務省総務審議官時代の2019年11月6日に正剛氏らの接待を受け、飲食単価が1人あたり7万4203万円にもおよぶことがわかった。15日の衆院予算委員会では、総務省を通じて山田氏は「菅総理大臣の長男と会食した明確な記憶はない」と答えていたのに、実際には7万円を超える高級接待を受けていたのである。 総務省は、山田内閣広報官を除く総務省職員12人のうち倫理規定に違反する接待を受けていたとする11人について、早くて24日にも懲戒処分などにする方針だというが、当然ながら倫理規程違反による処分だけで済まされるような問題ではない。 指摘されてきたように、東北新社はBS・CS放送関連事業をおこない、総務省が認定する衛星基幹放送事業者であり、紛れもない利害関係者だが、今回公表された13人の官僚が東北新社側から受けてきた飲食単価や土産代、タクシー代などを合計すると、その総額は60万円を超える。この金額はあくまでも東北新社側や当人たちの「自己申告」に過ぎず、さらなる接待の事実が明らかになる可能性もあるが、現在判明している金額だけでも十分、贈収賄罪にあたる可能性がある。 実際、元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は、今回の報告書が出る以前、つまり接待の回数が4人の官僚の計12回しか明かされていなかった段階から、このように指摘していた。 「贈収賄罪が成立する要件の一つに、賄賂の授受があります。賄賂とは現金だけでなく、接待などの会食も含まれます。官僚の場合、その額が50万円以上だったら贈収賄事件として立件が可能と言われています。総務省が発表した接待の回数に加え、タクシー代も受け取っているので、金額面でクリアしている可能性があります」(毎日新聞21日付) さらに、贈収賄罪が成立するカギになる「便宜供与」がおこなわれた形跡も濃厚だ。 たとえば、東北新社側と総務省官僚の接待は、2016年11月28日、秋本芳徳・総合通信基盤局総務課長(当時)が正剛氏ら東北新社側と会食していたのに加え、今回公表された報告書で、2016年12月14日にも当時の大臣官房審議官である吉田眞人氏も会食をおこなっていたことが明らかになった。ところが、東北新社はその立て続けにあった接待会食の直後である2017年1月24日、総務省に4K放送の事業者に認定を受けているのだ。 ●接待の目的はスターチャンネルの更新と新規参入か 菅氏長男の「うちがスロットを」というセリフの意味 さらに、問題なのは昨年12月だ。衛星放送の許認可を管轄する情報流通行政局のトップにのぼりつめた前出の秋本氏や、「次期事務次官」と目されていた総務省ナンバー2の谷脇康彦・総務審議官ら高級官僚4人がこの頃、東北新社側と会食を繰り返していたことがわかっているが、昨年12月という時期は、東北新社の子会社が手掛けるBS放送「スターチャンネル」が5年に1回の認定の更新を受ける直前と見事に重なるのである。 いや、12月はそれだけではない。昨年12月10日、秋本情報流通行政局長を正剛氏と東北新社メディアサービスの木田社長が接待した際の音声を文春デジタルが公開していたが、そこにはこんな会話も収録されていた。 正剛氏「BS、BS。BSの。スター(チャンネル)がスロット(を)返して」 木田氏「あぁ、新規の話? それ言ったってしょうがないよ。通っちゃってるもん」 正剛氏「うちがスロット……」 秋本氏「……じゃないって」 木田氏「俺たちが悪いんじゃなくて小林(史明衆院議員、元総務政務官)が悪いんだよ」 秋本氏「うん。そうだよ」 会話は、その後、BS新規参入の旗振り役である自民党の小林史明衆院議員の問題へと移り、総務省の秋本氏が「どっかで一敗地に塗れないと、全然勘違いのままいっちゃいますよねぇ」などと不満を述べるのだが、問題はやはり正剛氏と東北新社メディアサービスの木田社長が「スロット」をめぐってやりとりしていた部分だろう。 この「スロット」というのはBSの電波の帯域を示すものだが、近年は技術革新に伴い少ない帯域で放送が可能になっており、政府は既存業者の帯域を縮減させる一方で空いた帯域での新規参入を推進。実際、2019年9月には吉本興業の子会社など3事業者がBS放送の基幹放送に新たに認定されており、一方でスターチャンネルは昨年11月30日に帯域を縮減している。 とすれば、このやりとりは正剛氏と木田社長の連携プレーによる、東北新社へのスロット=帯域割り当ての陳情ではないのか。 まず、スターチャンネルがスロット=帯域が返上させられたという話を正剛氏が切り出し、木田社長がそれをたしなめるふりをする。そこで、正剛氏がそれを押し切るような形で、返上したんだから別のチャンネルを新規参入させてほしい、新たに空いた帯域=スロットを割り当ててほしいと要求する──。そんな作戦だったのではないか。 たしかに、新規参入で競争が厳しくなるなか、東北新社側がこうした思惑を持っていても不思議はない。実際、今回の報告書を見ると、吉本の子会社ら3事業者が認定を受けた2019年9月9日の直前である8〜9月初旬には、なんと5回もの接待が集中的に繰り広げられていたことが新たに判明している。 昨日の衆院予算委員会では、弁護士立ち会いでおこなわれたというヒアリングの場で正剛氏が「不適切な働きかけや行政を歪める行為はおこなっていない」と述べていることを総務省の原邦彰官房長が答弁し、武田良太総務相も「行政が歪められた事実は確認されていない」と言い張ったが、接待を受けていた総務省の調査結果で事実が明らかになるわけがない。むしろ、外形的事実は接待を受けて便宜を図ってきたという贈収賄の疑いが濃厚になるばかりだ。 ●山田真貴子内閣広報官も高額接待を受けた時期に、職務権限を使って東北新社を異例の業務認定 そして、もっとも重要なのは、これだけの接待を総務官僚たちが受け、便宜を図ったのではないかと見られている背景にあるのが、正剛氏が菅首相の長男であるという事実だ。 今回、総務省も違反を認めたかたちとなった国家公務員倫理規定は、大蔵省官僚が大手銀行や証券会社から「ノーパンしゃぶしゃぶ」店などでの会食やゴルフの接待を受けた見返りに便宜を図っていたことが発覚し、多数の逮捕者を出した「大蔵省接待汚職事件」をはじめ、国家公務員の不祥事が相次いだことから制定されたもので、ノーパンしゃぶしゃぶ接待は結果として大蔵省解体の要因となるほどの問題となった。これ以降、利害関係者が相手でなくてもたった一杯のコーヒーさえ奢られることを避けるなど、官僚の接待への警戒はかなり厳しくなっていた。 にもかかわらず、たった5年間のあいだに少なくとも39回にものぼる接待、しかも1回の1人あたりの単価が7万円を超えるような高級接待を、どうして総務省の官僚たちは受けてきたのか。それはどう考えても、総理大臣、あるいは次期総理候補と呼ばれると同時に官僚の人事権を一手に握ってきた菅氏の長男・所属企業が相手だったからだ。 現に、昨日の衆院予算委員会では、接待を受けてきた谷脇氏と吉田氏が、東北新社以外のほかの衛星放送事業者と同じような会食をしたことはないと答弁。東北新社だけが特別扱いを受けてきたのだ。 その上、菅首相は総務大臣時に正剛氏を大臣秘書官として登用しており、その関係を知らぬ者は省内にいない。さらに、菅氏は総務相として「ふるさと納税」制度やNHK改革をゴリ推しし、気に入らぬ官僚を左遷するなど強権性を発揮。その後、第二次安倍政権で官房長官となったあとも総務省に絶大な影響力を誇示・行使してきた。そんな菅首相の長男からの誘いを総務官僚が断ることなどできるわけがないだろう。 実際、正剛氏は東北新社で部長職にあるだけではなく同社の子会社であるCS局「囲碁・将棋チャンネル」を運営する株式会社囲碁将棋チャンネルの取締役も兼任しており、その「囲碁将棋チャンネル」の番組はハイビジョンではない標準テレビジョンであるにもかかわらず2018年に「東経110度CS放送に係る衛星基幹放送の業務認定」を総務省から受けている。この認定を判断する最高責任者の総務省情報流通行政局長の職にあったのは、今回、正剛氏らからの高額接待が明らかになった、あの山田真貴子・現内閣広報官だった。 この特別待遇と言うべき認定については、山田氏が圧力をかけ、無理やり認定をさせた可能性は高い。実際、当時から総務省内でも話題となり、「菅さんの案件だから特別待遇だったんだろう」という見方が流れていたという。 ●菅首相が使う総務省マフィアは行政を歪めるだけでなくメディアに圧力をかける力を持っている ようするに、安倍晋三・前首相や昭恵氏が立場を利用して政治を私物化し、官僚が忖度して行政を歪めてきたのとまったく同じように、菅首相も「私物化」によって官僚による忖度を引き出し、行政を歪めてきたのだ。 しかも、問題なのは、菅首相の尖兵となっている総務省マフィアが、行政を歪め、菅首相の利権をアシストするだけでなく、メディアに直接、圧力をかけるちからをもっていつことだ。 その象徴が、今回の報告書によって総務省総務審議官時代に高額接待を受けていたことが判明した山田真貴子内閣広報官だ。山田内閣広報官といえば、安倍政権下の2013年から2015年まで広報担当の首相秘書官を務めたあと総務省に戻っていたが、菅首相が新政権発足にともなって官邸に呼び戻した典型的な“菅の子飼い”官僚。そして、NHKに圧力をかけ、『ニュースウオッチ9』の有馬嘉男キャスターを降板に追い込んだ張本人とも目されている。 子飼い官僚として菅首相の長男に便宜を図ったのと同じように、現在は総務省出身という立場を内閣広報官として活用し、総務省を恐れるNHKに恫喝をかけ、キャスターを降板させるまで追い込む──。つまり、菅首相のもとで飼い慣らされた官僚が放送行政の私物化に動いた疑いだけではなく、メディアへの圧力というかたちでも発揮されていることがあらためて証明されたと言えるだろう。 ともかく、この問題は官僚の懲戒処分だけで終わらせられるような問題ではない。安倍政権下からつづく「私物化」という膿を、いまこそ出し切るべきときだ。 |
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●「ササニシキ送りますよ」菅首相長男の“接待攻勢”音声 2/24 | |
衛星放送事業などを手掛ける東北新社に勤務する菅義偉首相の長男・菅正剛氏らが、総務省幹部を高級料亭などに招いていた「違法接待」問題。総務省は24日、公務員倫理法違反にあたるとして、接待を受けた官僚の懲戒処分を発表する予定だ。だが、こうした問題を起こした張本人は、衛星放送事業に関わる官僚たちに接待を持ちかけ、飲食代を支払い、手土産、タクシーチケットなどの金品を渡していた正剛氏ら東北新社だ。正剛氏らは、どのような接待を行っていたのか。現場音声からは、その接待攻勢ぶりが浮かび上がる。音声は、接待が行われた店に客として入店した複数の「週刊文春」記者が、付近の座席から録音し、他の客の声や雑音などを専門業者に依頼して除去し、解析を進めてきた。
秋本氏 秋田はブドウできないでしょ? 木田氏 りんごさんしかできない。 正剛氏 いや、米もできますよ、さくらんぼもできますよ。送れって感じですか(笑)。 木田氏 いやいやいや(笑)。いいよ送んなくて。 正剛氏 ササニシキ、送りますよ。 木田氏 米はいらない、めんどくさい。米はいらない。 正剛氏 桐箱に入ったさくらんぼ、いつか送りますよ。 六本木の小料理屋のカウンターで、正剛氏と木田氏に挟まれていたのが秋本芳徳情報流通行政局長(当時)だ。これまでの総務省の調査で、秋本氏は少なくとも計7回、計10万3276円(1人当たり)の接待を受けていたことが明らかになっている。秋本氏の面前で繰り広げられるこうしたやり取りからは、正剛氏ら東北新社側が許認可権を持つ総務官僚に金品を贈ろうとする行動が、常態化していた様子が見て取れる。この日、秋本氏はベルギー王室御用達の高級チョコ「レオニダス」(2000円分)を受領している。 さらに後段ではこんなやり取りもあった。 木田氏 あ、吉田さんがなんかうちの岡本さんの面倒をみてもらっているみたいで……すみません。 秋本氏 あーあ。 木田氏 すみません、本当にすみません。 正剛氏 あんないい仕事。 秋本氏 じゃあ、身引くときに私……。 正剛氏 ええ。 「吉田さん」とは、同じ小料理屋でこの2日前、昨年12月8日に正剛氏と木田氏の接待を受けていた吉田眞人総務審議官の可能性が疑われる。一方の「岡本さん」とは、東北新社の元常務で、子会社の株式会社囲碁将棋チャンネルで2018年まで社長を務めた岡本光正氏を指すのは前後の文脈から明らかだ。現在、岡本氏は業界団体である一般社団法人・衛星放送協会の専務理事のポストにある。こうしたやり取りは何を示しているのか。 吉田氏は、小誌の取材に「岡本氏と面識はあるが、会食まではなかったような気がする。(面倒が)何のことかさっぱりわからない」と答えた。 一方、岡本氏に取材を申し入れると、衛星放送協会を通じて次のように文書で回答した。 「弊協会および専務理事・岡本光正として吉田眞人総務審議官から便宜供与、仕事やポジションの提供を受けたことは一切ございません。また、逆に吉田氏に対する退官後の仕事やポジションを用意したというような事実も一切ございません」 |
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●総務省、違法接待認め11人処分 山田内閣広報官を厳重注意 2/24 | |
菅義偉首相の長男・正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」による接待問題で、総務省は24日、正剛氏らとの会食は利害関係者からの違法接待と認め、事務次官級の谷脇康彦総務審議官(60)ら9人を減給や戒告の懲戒処分とするなど計11人の処分を発表した。菅首相は総務審議官当時に正剛氏らから7万円超の接待を受けた山田真貴子内閣広報官(60)を厳重注意した。山田氏は給与10分の2の3カ月分に相当する額を一括で自主返納する。
菅首相は官邸で記者団に「私の長男が関係して結果的に違反行為をさせてしまった。大変申し訳なく、国民におわびをしたい」と陳謝した。 |
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●山田広報官、25日に国会出席 首相長男の7万円接待説明 2/24 | |
菅義偉首相の長男正剛氏らが総務省幹部を接待した問題で、総務審議官当時に正剛氏らと会食した山田真貴子内閣広報官が25日、衆院予算委員会の一般質疑に出席する。野党の参考人招致要求に対し、24日午後の予算委理事会で与党が受け入れた。山田氏が、正剛氏らを利害関係者と認識せず会食に参加し「深く反省している」と話していることも明らかになった。
会食は2019年11月6日で、費用は正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」の負担で1人当たり約7万4千円に上った。政府は正剛氏らについて、山田氏の職歴上、接待を禁じる「利害関係者」に該当していた可能性が高いとしている。 |
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●総務相、接待問題の調査を継続 山田広報官「責任痛感」 2/24 | |
菅義偉首相の長男の菅正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」による接待問題を巡り、武田良太総務相は24日午前の記者会見で、便宜供与など同省幹部による不正がなかったかどうか引き続き調べる意向を示した。国家公務員倫理規程に関する調査は終了し、同日午後、接待を受けた幹部ら13人のうち11人の処分を発表する。当時総務審議官だった山田真貴子・現内閣広報官は「責任を痛感している」と述べた。野党は衆院予算委員会理事会で、山田氏を25日に参考人として招致するよう与党に要求した。
武田総務相は記者会見で「国民の疑念を招き、深くおわびする」と改めて陳謝した。 |
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●菅首相長男の接待疑惑…山田内閣広報官の処分要求 2/24 | |
菅義偉首相の長男らによる総務省幹部らへの接待疑惑は24日午前の衆院内閣委員会でも追及され、山田真貴子広報官の処遇がやり玉に挙がった。
立憲民主党の柚木道義氏は「今日にも処分される事案は内閣委員会とも無縁じゃない。山田真貴子内閣広報官は首相会見などを司会、取り仕切っている。この所管は内閣委員会」と指摘した。 山田氏は総務省の調査で接待を受けたことが確認され、1回の飲食単価が約7万4203円と突出して高額だった。 一連の接待疑惑では総務省が許認可権を持つ放送行政が、ゆがめられた可能性を指摘されている。柚木氏は「今度の菅首相の会見までに政府として処分、更迭すべきだ」とし、「内閣広報官なのですから内閣委員会に参考人としてお呼びいただきたい」と迫った。 |
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●接待問題の山田広報官、給与を自主返納 飲食代も返金 2/24 | |
菅義偉首相の長男の勤め先の放送関連会社「東北新社」から接待を受けていた総務省出身の山田真貴子・内閣広報官は24日、1カ月分給与の10分の6を自主返納し、7万4千円とされる飲食代を東北新社側に返金することを、加藤勝信官房長官に伝えた。広報官の職は続けるという。
加藤氏が記者会見で明らかにした。加藤氏によると、山田氏は「深く反省する」として、自主返納や飲食代の返金を申し出たという。加藤氏は「本人は今回のことを深く反省し、職責の重さを十分に踏まえた対応と受け止めた」と述べた。山田氏には「高い倫理観をもって公正に職務を遂行するよう、いっそう精励してもらいたい」と伝えたという。 総務省は接待問題で同省職員を処分したが、すでに同省を退職した山田氏は対象外となっていた。 |
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●山田広報官、給与自主返納 職務は継続 2/24 | |
加藤勝信官房長官は24日の記者会見で、菅義偉首相の長男らから高額接待を受けていた総務省出身の山田真貴子内閣広報官が利害関係者と会食していたなどとして、給与報酬月額の10分の6を自主返納すると発表した。加藤氏は「職務に一層精励してもらいたい」と述べ、山田氏に職務を継続させる考えを示した。
ただ、政権内部や野党からは、山田氏が続投することに疑問を呈する声も出ており、政府は説明を求められそうだ。 山田氏は総務審議官当時の2019年11月、首相の長男ら放送関連会社「東北新社」の幹部と東京都内で会食。和牛ステーキや海鮮料理が提供され、接待額は約7万4000円に上った。同省退官後の昨年9月に内閣官房の特別職である内閣広報官に就任。同省の処分対象から外れるため、自主的な給与返納の形を取った。 加藤氏によると、山田氏は「国民の疑念を招く事態となっていることを重く受け止め、責任を痛感している」と説明、東北新社に会食費用を返金する考えを示したという。加藤氏は厳重注意した。 |
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●山田真貴子・内閣広報官が給与自主返納へ 「月額10分の6」 2/24 | |
加藤勝信官房長官は24日午後の記者会見で、山田真貴子内閣広報官から「内閣広報官としての給与の自主返納を行いたい。月額の10分の6を返納する」と申し出があったと明らかにした。
総務省幹部が菅義偉首相の長男が勤める放送関連会社「東北新社」側から接待を受けていた問題では、総務省は24日、同社関係者と会食した職員計13人のうち11人を処分した。谷脇康彦総務審議官など7人を減給、2人を戒告、2人を訓告(及び訓告相当)とした。13人のうち山田内閣広報官は総務省の総務審議官だった2019年11月、1人あたり飲食代7万4203円の接待を受けていたが、総務省を退職し、現在「特別職」のため今回の処分には含まなかった。 |
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●菅首相長男から接待された官僚たちは「ワクワクして行ったと思います」 2/24 | |
元経産省官僚で政策アナリストの石川和男氏が24日、TBS系情報番組「ゴゴスマ〜GOGO!Smile!〜」(月〜金曜後1・55)に電話出演。菅義偉首相の長男の菅正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」による接待問題について言及した。
国家公務員倫理規程に関する調査は終了し、24日夕にも接待を受けた総務省幹部ら13人のうち11人の処分を発表する。当時総務審議官だった山田真貴子・現内閣広報官の接待を巡っては、東北新社の費用負担が7万4203円分に上ることが判明。加藤勝信官房長官は衆院内閣委員会で、和牛ステーキと海鮮料理だったと明らかにした。野党は衆院予算委員会理事会で、山田氏を25日に参考人として招致するよう与党に要求した。 石川氏は、「霞が関にいた経験からすると残念」とし、山田氏について「7万円って今のご時世で、海鮮料理でしたっけ。、和牛ステーキでしたっけねえ。そりゃあ、今のご時世じゃあ、こりゃあ持たないですよ。こりゃあダメ」と切り捨てた。そして「今回は、菅総理のご長男ですよね。総理になったのは最近なので(接待の多くは)官房長官あるいは元総務大臣の時だというと、これはおそらく多くの役人の方々は、仕方なく行ったみたいになってますけど、違うと思う。逆だと思う。半分以上はワクワクして行ったと思いますよ」と自身の見解を述べ、「これね、私は経産省に長くいて分かるんですけども、菅さんというと大官房長官ですよ。はっきり言って。しかも総務大臣もやられた方でしょ。そりゃあねえ、やっぱりね、関係はつくりたいですよ。仕事上大事なんですよ、重要な与党の政治家と関係を持つ、そのきっかけをつくるのは官僚としては大事なこと。ご飯とかゴルフ以外であれば、ものすごくワクワク感があって行くんですよ。ただ今回はたまたまご飯がくっ付いてきちゃったので、そういう点では良くないんですけど、仕方なく行ったっていうのは違うと思います」と自身の経験を基に説明した。 菅首相の長男の正剛氏は総務省から衛星放送の認可を受けた子会社の役員を兼ねている。総務省は関係者への聞き取りなどにより、正剛氏らを国家公務員倫理規程上の「利害関係者」と認定。利害関係者からの接待を禁じる倫理規程違反と判断した。人事院は減給または戒告の懲戒処分に当たるとしている。総務省によると、接待を受けたのは山田氏のほか、事務次官級の谷脇康彦、吉田真人両総務審議官、秋本芳徳・前情報流通行政局長ら計13人。接待は2016年7月〜20年12月に延べ39件あり、会社側の負担は総額約60万8000円に上る。 |
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●「誰のために政治をやっているんだ」福山幹事長 2/24 | |
福山哲郎幹事長は24日、常任幹事会終了後に定例の記者会見を国会内で開きました。総務省が同日、菅総理の長男ら利害関係者から接待を受けた問題で、国家公務員倫理規程に違反するとして11人を処分した問題について言及しました。
接待時の総務省幹部の音声が明るみに出た後、総務省側が事実関係を認めたという経緯に触れ、「大臣は国会で『行政は歪められていない』とずいぶん胸を張っていたが、結果としてはその答弁とはまったく逆の、放送行政に携わる官僚が組織ぐるみで接待を受けたという、非常にかっこ悪い状況、みっともない状況が総務省の中ではあった」と指摘。その接待の中心に菅総理の長男がいたことから「総理や総務大臣の政治的な責任は、当然大きいと言わざるを得ない」と政治家の責任を厳しく追及しました。 今回の総務省接待問題について、安倍政権時の森友学園や加計学園問題と「全部、根っこは一緒だ」と問題視しました。総理や夫人と親しい民間人が、総理の威光を借り、官邸官僚の特別な計らいを受けて、小学校を設立しようとしたり、獣医学部を設置したりしたのと同じだと説明。今回は、菅総理の長男が勤める企業と総務省がぐるになって、放送行政を歪めたことから「縦割り行政の打破とか。何を言ってるんだ。誰のために政治をやっているんだ」と痛烈に批判しました。 |
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●霞ヶ関高級官僚接待の系譜 2/24 | |
菅総理の長男の総務省官僚接待疑惑が問題になっている。
総務省で放送・通信行政を所管する部署の幹部、谷脇康彦総務審議官、同吉田真人と秋本芳徳情報流通行政局長、湯本博信官房審議官が、放送関連会社「東北新社」に勤める菅首相の長男から通算12回もの接待を受けていたという話だ。 これまでにこの4人の他、9人の計13人が、国家公務員倫理法規程に違反する疑いがある接待を受けていたという。その数、39件に上る。山田真貴子内閣広報官も、総務審議官に在職中の令和元年11月6日に東北新社から飲食費7万4203円の接待を受けていたと明らかになった。 武田良太総務大臣は接待を受けた秋本、湯本両氏を異動させたが、これを「通常の人事」などと思う人間はいまい。今週にも残りの官僚の処分が出るものと思われる。 この一連の騒動を聞き、「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」を思い出すのは、50才以上の人だろう。この事件は、「大蔵省接待汚職事件」と呼ばれ、1998年(平成10年)に発覚した大蔵省を舞台とした汚職事件だ。 大蔵省の職員らが、東京都新宿区歌舞伎町のノーパンしゃぶしゃぶ店「楼蘭」で金融機関から頻繁に接待を受けていた事が発覚したのだ。その名の通り、ノーパンの女性が接客するといういかがわしい店で大蔵省幹部は接待を受けていた。 この事件は官僚7人の逮捕・起訴に発展。起訴された7人は、執行猶予付きの有罪判決が確定した。この責任を取り、三塚博大蔵大臣と松下康雄日本銀行総裁、小村武事務次官、長野厖士証券局長らが引責辞任し、その後の財政・金融分離と大蔵省解体の一つの要因となった。大蔵省から銀行と証券の関連業務が分離されて金融監督庁(現金融庁)ができ、大蔵省は財務省になった。 信じられないかも知れないが、当時、金融機関には「MOF(モフ)担」と呼ばれる人間がいた。MOFとは“Ministry of Finace”、つまり大蔵省の英訳の頭文字だ。彼らは、年間1億円(当時)ともいわれる巨額の交際費を持ち、接待攻勢をかけた。金融検査のタイミングや、許認可情報を事前に入手するためだ。大蔵官僚は銀行の金で遊興に明け暮れ、その後の人生を棒に振った。 今も昔も、民間企業の接待攻勢は変わらないということだ。そして、今回の総務官僚の接待疑惑。何故霞ヶ関のエリート官僚達はこうも脇が甘いのか。総務省幹部らは「利害関係者とは思わなかった」などと言っているが、そんな言い訳が通用するとでも思っているのか。過去の接待汚職事件から何も学んでいないことに、「天を仰ぐような驚愕する思い」(総務省幹部)をしているのはこちらの方だ。 ちなみに、国家公務員倫理規定によると、「利害関係者」は以下のように規定されている。 「利害関係者」とは、国家公務員が接触する相手方のうち、特に慎重な接触が求められるものです。 ある国家公務員にとって「利害関係者」とは、その国家公務員が現に携わっている1〜8の事務の相手方をいいます。ただし、基本的に同一省庁内の国家公務員同士は利害関係者にはならないものとして取り扱うこととしています。 1 許認可等の申請をしようとしている者、許認可等の申請をしている者及び許認可等を受けて事業を行っている者 2 補助金等の交付の申請をしようとしている者、補助金等の交付を申請している者及び補助金等の交付を受けている者 3 立入検査、監査又は監察を受ける者 4 不利益処分の名あて人となるべき者 5 行政指導により現に一定の作為又は不作為を求められている者 6 所管する業界において事業を営む企業 7 契約の申込みをしようとしている者、契約の申込みをしている者及び契約を締結して債権・債務関係にある者 8 予算、級別定数又は定員の査定を受ける国の機関 また、同倫理規定は国会公務員は以下のような規制を受けていると説明している。 倫理規程では、国家公務員が、許認可等の相手方、補助金等の交付を受ける者など、国家公務員の職務と利害関係を有する者(利害関係者)から金銭・物品の贈与や接待を受けたりすることなどを禁止しているほか、割り勘の場合でも利害関係者と共にゴルフや旅行などを行うことを禁止しています。また、国の補助金や経費で作成される書籍等、国が作成数の過半数を買い入れる書籍等について、国家公務員が監修料等を受領することも禁止しています。 そもそもこの倫理規定、先の「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」を受けて、2000年4月施行された国家公務員倫理法を元に作られたものだ。喉元過ぎればなんとやら、すっかり形骸化したようだ。 そもそも政治の世界もモラルが欠如している。省庁トップの大臣がそうなのだから、その下は推して知るべしだ。大手鶏卵業者から大臣在任中に現金500万円の賄賂を受け取ったとして、東京地検特捜部が、収賄罪で吉川貴盛元農林水産相を在宅起訴したのは記憶に新しい。 さて、話を総務省幹部の接待疑惑に戻すと、東北新社との会食時の会話録音が流出している。誰が、何のために録音したかは置いておいて、これまでのところ、許認可に関わるような会話は確認されていない。が、少なくとも総務省幹部が「利害関係者」とズブズブだったことだけはわかった。倫理観もなにもあったものではない。単なる更迭だけですませていいのか。徹底的な調査が必要だ。 緊急事態宣言下、国民に自粛を強いておきながら、銀座や西麻布で飲み食いする政治家、平気で民間の高額接待を受ける官僚。彼らの感覚は麻痺しているとしか言いようがない。 新聞には連日、企業の「破綻・廃業」、従業員の「早期退職」の文字ばかりが目につく。これ以上経済を締め付けたら、新型コロナウイルス感染症による死者よりも、仕事を失って経済的に立ちゆかなくなり、命を絶つ人の数の方が多くなるのは目に見えている。 コロナ対策しかり、ワクチン接種の見通ししかり、オリンピック組織委員会トップの人事問題しかり、あらゆる問題が後手後手だ。それなのに菅首相から危機感が感じられないと思うのは筆者だけか?少なくともリーダーシップを発揮出来ていないのは誰の目にも明らかだ。ましていわんや、今回は首相の長男が関係している。「別人格」で通ると思っている国民はいまい。 国民の間に政府・与党に対する不満がふつふつと溜まっているのがわからないのだろうか。このままいくと、とんでもないしっぺ返しが待っていると言っておこう。総選挙は年内に、ある。 |
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●菅首相長男から7万4000円接待≠熄分ナシ! 2/25 | |
菅義偉首相(72)の長男・正剛氏から総務審議官だったときに、和牛ステーキや海鮮料理などの7万4000円高額接待≠受けた山田真貴子内閣広報官の酷い評判が永田町で駆け巡っている。
総務省の接待問題を受けて、給与の6割を自主返納した山田氏。ところが、菅首相のお気に入りとあってか、処分は見送られて内閣広報官を続けることになった。 野党の強い要請を受けて25日の衆院予算委員会で、菅首相の長男から接待を受けた経緯について説明する山田氏。注目されているのは、昨年10月26日に菅首相が出演したNHK「ニュースウオッチ9」の放送翌日に、NHKに「総理が怒ってますよ」などと抗議電話を入れた問題。この件については、日本学術会議の任命問題に触れた有馬嘉男キャスターに抗議したとされているが…。 立憲民主党の福山哲郎幹事長(59)は24日に国会内で行った会見で山田氏に向け「(野党の質問に)正直に答えてほしい」とした上で、「菅内閣の(山田氏に対する)姿勢が問われていると言わざるを得ないです。『誰のために政治をやっているんだ!』という感じです」と声を大にした。 山田氏といえば、菅首相会見の仕切り役だ。 マスコミ関係者は「山田氏は会見で多くの方が(菅首相に)質問できるよう一人一問とした。時間は15分程度。しかし幹事社以外、4人の質問で打ち切ったりするんです。国民の知る権利を奪う山田氏は酷い人≠ニいわれています」と話した。 ネット上では山田氏の内閣広報官としての職務続投を決めた菅首相に対して「行政罰、刑事罰はなしか」と批判の内容が書き込まれている。 |
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●菅首相長男から高額接待の山田真貴子氏がグダグダ回答 2/25 | |
菅義偉首相(72)の長男正剛氏による総務省幹部への接待疑惑で25日、山田真貴子内閣広報官が衆院予算委員会に参考人として出席した。
山田氏は正剛氏ら東北新社側から1人当たり約7万4000円もの接待を受けていたことが判明している。 山田氏は「公務員の信用を損なうことになり反省しています」と弱々しい声で謝罪。とはいえ肝心の接待については要領の得ない回答に終始した。 例えば立憲民主党の今井雅人衆院議員から「会合の時点で正剛氏が誰であるか認識はしていたか」と聞かれると、「認識はしていたと思います。ただ、当日は名刺交換をしておらず、席は横並びで話してもいない。にわかに思い出せない」とはっきりしない。 これには今井氏も「(接待する側が)7万4000円も払ってこんな会食あるんでしょうか」とビックリ。これだけ庶民離れした高額の食事をオゴってもらいながら山田氏が何も覚えていないというなら、接待し損である。 さらに山田氏は「仕事でもプライベートでも相手がどういった方のご子息かはお付き合いには関係がない。(正剛氏が菅首相の息子かは)私にとって大きな事実ではなかったと思う」と言ってのけ、今井氏をあきれさせた。 また、「ほかの企業からもごちそうしてもらうことはよくあるのか」と問われると、「ルールにのっとって対応してきた」と山田氏。さすがに「そのルールを分かってなかったろ!」とヤジが飛んだ。 結局、高額接待で何を話したかは分からずじまい。まだまだ尾を引きそうだ。 |
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●山田広報官が陳謝、辞任は否定 2/25 | |
菅義偉首相の長男が勤める放送事業会社側から7万円超の会食接待を受けた山田真貴子内閣広報官は25日、衆院予算委員会に出席し、高額接待を受けたことを陳謝した。辞任は否定した。武田良太総務相は接待が認定された幹部のうち、会食を自ら申告した者はいなかったと説明。山田氏は会食で働き掛けはなかったとし、他の事業者とはルールに基づいた会食はあったと認めた。加藤勝信官房長官は記者会見で、山田氏が申し出た給与の自主返納額は70万5千円と明らかにした。
山田氏は「総務省在職中の違反行為で公務員の信用を損なうことになり、深く反省している。申し訳ありませんでした」と答弁した。 |
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●山田広報官が陳謝「深く反省」 接待問題、辞任は否定 2/25 | |
菅義偉首相の長男らによる総務省幹部への接待問題で、総務審議官時代に接待を受けた山田真貴子内閣広報官が25日午前、衆院予算委員会に出席した。「公務員の信用を損なったことを深く反省する。申し訳なかった」と陳謝した。
総務省の調査によると山田氏は2019年に首相の長男を含む放送事業会社「東北新社」の幹部と会食し、1人7万円超の費用を同社が負担した。山田氏は予算委で「心の緩みがあった。(東北新社が)利害関係者にあたるかどうかのチェックが十分でなかった」と釈明した。 加藤勝信官房長官は同日の記者会見で、山田氏が月給の10分の6にあたる70万5千円を自主返納すると明らかにした。 山田氏は予算委で東北新社との会食は「この1回、確認されているのみだ」と述べた。レストランでステーキや海鮮料理が提供されたと説明した。 会食は「放送業界全般の実情に関する話はあったかもしれないが、一般的な懇談だ」と発言した。東北新社側からの「働きかけはなかった」と言明した。 調査で判明した以外の事業者との会食は「必要に応じルールにのっとって行うことはあった」と語った。「職務を続けていくなかで、できる限り自らを改善していきたい」と辞任を否定した。 武田良太総務相は総務省の調査について、首相の長男との会食を自ら申告した職員はいなかったと言及した。自身が引責辞任をしない考えも示した。立憲民主党の黒岩宇洋、後藤祐一、今井雅人各氏の質問に答えた。 立民の安住淳国会対策委員長は同日、自民党の森山裕国対委員長と会談し、山田氏の辞任を求めた。 総務省は24日、接待を受けていた幹部ら11人を処分した。既に総務省を退職している山田氏は処分対象外のため、月給の自主返納を申し出た。首相は厳重注意し、続投させる考えだ。 山田氏は旧郵政省出身で、第2次安倍政権下の13年に女性初の首相秘書官に就任した。総務省では放送事業を所管する情報流通行政局長や総務審議官を務めた。20年9月の菅内閣発足時に内閣広報官に起用された。 |
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●山田内閣広報官 菅首相の長男との7万円接待を謝罪 2/25 | |
総務省の幹部が放送事業会社「東北新社」に勤める菅義偉首相の長男・正剛氏らから接待を受けていた問題で、2月25日の衆院予算委員会に内閣広報官の山田真貴子氏が参考人として出席した。
総務省は2月24日、国家公務員倫理規定における「利害関係者」から供応接待などを受けたとして、谷脇康彦総務審議官ら11人の処分を発表。 一連の問題が明るみになる中、山田氏も総務審議官だった2019年11月に正剛氏ら東北新社幹部と都内で会食していたことが発覚。国家公務員倫理規定に抵触する接待だと指摘されている。 山田氏は「総務省在職中の国家公務員倫理法違反にあたる行為」と認めた上で、「公務員の信用を損なうことになったことを深く反省しております。本当に申し訳ございませんでした」と謝罪した。 ●「牛肉のステーキ、あるいは海鮮料理だった」 加藤勝信官房長官は2月24日の内閣委員会で、山田氏が菅正剛氏ら東北新社の幹部との会食で和牛ステーキや海鮮料理などを供され、その単価が7万4203円だったと明らかにしている。 山田氏も25日の衆院予算委員会で「牛肉のステーキ、あるいは海鮮料理であったと記憶している」「(接待場所は虎ノ門の)和食レストランというカテゴリだと思う」と接待内容を認めた。 一方で、東北新社側との会食は「一回のみだった」と主張した。 ●菅氏の息子と認識していたか? 山田氏、曖昧な答弁 総務省幹部らの接待が問題視されたが、22日に接待事実が発覚するまで、山田氏は「記憶がない」として東北新社との会食を否定していた。 立憲民主党の今井雅人氏は「2019年11月、東北新社との会食の場に行った時、正剛氏がいると認識していたのか」を山田氏に問いただした。 山田氏は「交流がなかったため、事前に認識していたかというと、そうではなかったのではなかったのではないか。曖昧で恐縮でございますが……」と、当時の記憶が不明瞭であると認めた上で答弁した。 ここで今井氏は「会食時には菅正剛氏がいたと認識していたのか」と改めて質問。 山田氏は「会食していた時点では、認識していたのかなと思う」と証言する一方、「当時は名刺交換もなかったと思う。横並びだったので、お話もしていない。恐縮だが、その場でどういう人がいたかは、にわかに思い出せなかった」と述べた。 今井氏は「官房長官(当時)の長男だと認識していたか」と重ねて質問。山田氏は「認識はしていたんじゃないかなと思う」と答えた。 ここで今井氏は「(菅首相の)息子だと認識していたのに、そこに(正剛氏が)いたかどうか覚えていないということがあるのか。5人の会食で、わからないことがあるのか」と再質問した。 山田氏はこれに対し「どういった方のご子息であるかお付き合いに関係ないと思っている。菅様がいらっしゃったかは、こういう言い方が適当かどうかわからないが、私にとって大きな事実かどうかというと必ずしもそうでもない」と釈明した。 山田氏はすでに総務省を退官しており、現在は内閣官房の特別職の身分にある。そのため法律上、総務省の処分対象とはならないが、月給の10分の6を自主返納するという。処分された総務官僚11人の中で最も重い処分となった「減給」と一致させたかたちだ。 菅首相は山田氏を続投させる意向だ。 ●「飲み会断らない女」発言、今の心境は…… 国会では、山田氏は2020年に収録された若者に向けたメッセージ動画で「飲み会を絶対に断らない女としてやってきた」「飲み会を断ったら二度と誘われない」と述べていたことも話題になった。 立憲民主党の黒岩宇洋氏は「飲み会への出席強制はパワハラにあたる。いまも信念か」と質した。 これに対し山田氏は「若い方々にとって仕事の上で人脈を作ることは大変重要なことだと思って申し上げた」とする一方、「私自身は二度ほど大病もしており、最近そういったことはなかなか難しい状況。そういう意味では、若い方に言っていることと、私が今やっていることとは若干ズレがある。そこはご容赦いただきたい」と述べた。 |
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●汚職の教訓から生まれた「国家公務員倫理規定」 2/25 | |
放送政策を所管する総務省の幹部が放送事業会社「東北新社」に勤める菅義偉首相の長男・正剛氏らから複数回に渡って接待を受けていた問題で、総務省は2月24日、谷脇康彦総務審議官ら11人の処分を発表した。
この問題は週刊文春オンラインが2月3日、総務省で衛星放送の許認可を担当する秋本芳徳・情報流通行政局長(当時、現在官房付)をはじめ、谷脇康彦・総務審議官、吉田眞人・総務審議官、湯本博信・官房審議官(当時、現在官房付)の4幹部が個別に接待を受けていたと報道。利害関係者との「違法接待」と指摘していた。 国会で野党から追及を受けた総務省側は、当初は省内の調査結果として報道内容を否定。秋本氏は「東北出身者の懇親会」と釈明。放送事業についても「話題にあがった記憶はない」などと疑惑を否定していた。 ところが2月17日、週刊文春オンラインは疑惑を裏付ける音声データを会食時の会話記録として公開。総務省側の国会答弁を「虚偽」と報じた。 総務省は2月19日の衆院予算委員会で、これまでの説明を一転。接待の場で放送事業に関する会話があったこと、正剛氏が「利害関係者」であることを認めた。秋本氏は「利害関係者ではないと思い込んでいた」「記憶力不足を反省する」「文春の報道が出たとき、天を仰ぐような驚愕する思いだった」と釈明した。 総務省は2月24日、国家公務員倫理規定違反にあたるとして11人を処分。うち7人が減給、2人が戒告、1人を訓告、1人を訓告相当とした。秋本氏は大臣官房付に異動となり、事実上更迭された。武田良太総務相も大臣給与3カ月分を自主返納する。 ●山田内閣広報官も総務審議官時代に7万超の接待「和牛ステーキや海鮮料理」 また、首相会見などを仕切る山田真貴子内閣広報官も2019年、総務審議官時代に正剛氏ら東北新社の幹部と都内で会食。加藤勝信官房長官は2月24日の内閣委員会で、山田氏が和牛ステーキや海鮮料理などが供され、7万4203円の接待を受けていたことを明らかにした。 山田氏はすでに総務省を退官しており、現在は内閣官房の特別職の身分にある。そのため法律上、総務省の処分対象とはならないが、月給の10分の6を自主返納するという。総務省側の「減給」処分と一致させたかたちだ。菅首相は山田氏を続投させる意向だ。 野党側は、正剛氏の接待を受けたことで政府の放送事業に「ゆがみ」が生じていないか、さらに追及する構え。山田氏は2月25日、国会の求めに応じて衆院予算委員会に出席する。 ●総務省、農水省…相次ぐ「国家公務員倫理規定」への抵触 国家公務員をめぐっては、利害関係者による接待をめぐる問題が相次いでいる。 今回明らかになった総務省幹部の接待のほか、鶏卵大手「アキタフーズ」前代表と吉川貴盛・元農水相(収賄罪で在宅起訴)の会食で農水省幹部が飲食費を負担せずに同席していたことが発覚。枝元真徹・事務次官ら幹部数人が近く処分される見通しだ。 ●国家公務員は「国民全体の奉仕者」——汚職を教訓とした「国家公務員倫理規定」 そもそも憲法15条第2項では「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」と定められている。 また、国家公務員法96条では「すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務しなければならない」と定めている。 こうした憲法や法律に記された「国民全体の奉仕者」たる国家公務員の職務を公正・公平なものにするため、民間の関係者との関係について定められた政令が「国家公務員倫理規程」だ。旧大蔵省の官僚が金融機関から過剰な接待を受けた汚職事件を受けて、2000年に施行された。 国家公務員倫理規程2条では、国家公務員が職務上で関わる以下の8つの事業者・個人を「利害関係者」と位置づけている。 1.許認可等の申請をしている者、許認可等の申請をしている者、許認可等を受けて事業を行っている者 2.補助金等の交付を申請しようとしている者、補助金等の交付を申請している者、補助金等の交付の対象になっている者 3.立入検査、監査、監察を受ける者(*原則、法令規定により立入検査などをされ得る状態にある時は「利害関係者」となる) 4.不利益処分の名宛人となるべき者(*追徴課税や営業停止処分を受ける相手方) 5.行政指導により現に一定の作為または不作為を求められている者 6.内閣府または各省が所掌する事務のうち事業の発達、改善及び調整に関する事業を行っている者(*各省庁が所管する業界で営利目的で事業を営む企業) 7.国との契約を申込もうとしている者、契約の申込みをしている者、契約を締結して債権・債務関係にある者 8.予算・級別定数・定員の査定を受ける国の機関 今回明らかになった菅首相の長男らによる接待は、「1」の規定に抵触する。 国家公務員は「利害関係者」から飲食やゴルフ、旅行、麻雀などの接待を受けることが原則禁じられている。また、香典や花輪の受け取りにも禁止規定がある。 (*)ゴルフに関しては「利害関係者の参加が想定できない大規模なコンペで利害関係者と一緒になってしまった場合」、旅行に関しては「公務のための旅行の場合、ツアー旅行で利害関係者と偶然一緒になった場合」は可能。 また、利害関係者でなくとも同じ対象から複数回にわたり費用を負担せずに飲食の饗応を受けるなど、社会通念を超える接待を受けることもNGだ。 「割り勘」についても規定がある。国家公務員は自ら飲食費を負担したり、利害関係者以外(第三者)が負担する場合に限り、利害関係者と飲食をすることができる。 ただし、金額が「1万円」を超える場合は自己負担でも倫理監督官へ事前の届け出が必要になる。また、利害関係者以外でも課長補佐級以上の職員には、5000円以上の接待・贈与では報告を義務付けている。 国家公務員倫理規程に抵触した可能性がある場合、各省庁は人事院の国家公務員倫理審査会に報告。懲戒処分を下す場合は、審査会の承認を得た上で処分する。 ●祝儀は?香典は?「倫理保持のルール」の例 以下に、国家公務員倫理審査会の「国家公務員の倫理保持のためのルール」から抜粋した倫理規定の内容を紹介する。 Q.利害関係者は、国家公務員の結婚披露宴で祝儀を渡せるか? A.○ 国家公務員は、利害関係者からであっても、披露宴の実費相当の祝儀を受け取ることができる。また、配偶者や親との関係で出席した利害関係者から、通常の社交儀礼の範囲内の祝儀を受けとることは認められる。 Q.利害関係者は、国家公務員が喪主となっている葬儀に香典を渡せるか? A.△ 国家公務員は、本人との関係に基づいて利害関係者が持参した香典は受け取ることができない。ただし、亡くなった家族との関係に基づいて持参された香典は、利害関係者であっても、通常の社交儀礼の範囲内のものであれば受け取ることができる。 Q.利害関係者は弔電、花輪を贈ることができるか? A.弔電は○、花輪は× 国家公務員が、本人との関係に基づいて利害関係者からの“弔電”を受け取ることは問題ない。しかし、利害関係者からの“花輪”の提供は、倫理規定で禁じられている『物品の贈与』にあたるため受け取ることができない。 |
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●接待総務官僚処分 首相責任で徹底解明を 2/25 | |
放送事業会社「東北新社」による接待問題で、総務省は事務方ナンバー2の総務審議官ら官僚9人を減給、戒告の懲戒処分、2人を訓告処分などとした。「利害関係者からの接待」を禁じた国家公務員倫理規程に違反したのが理由だ。
接待したのは同社勤務で子会社役員を兼ねる菅義偉首相の長男・正剛氏ら。会社側は何の目的で接待を繰り返したのか。官僚はなぜ応じたのか。核心部分の疑問は解けていない。 同業他社による同様の接待はなかったとされ、創業者が本県出身である東北新社と同省の特別な関係が際立つ。元社長らが菅首相側に献金していた経緯もあり、疑念は深まるばかりだ。 菅政権への国民の不信感も募らざるを得ない。同省は許認可権を握る監督官庁として、子会社の衛星放送を認可している。一部の接待は認可の更新直前に集中していた。行政の判断がゆがめられたことは本当になかったのかどうか。 同省は副大臣をトップとする検証委員会を設置、放送行政に影響がなかったかを調べる。政権の責任として徹底検証するのは当然だ。ただ内部調査には限界がある。第三者の視点を十分取り入れ、公正で透明性のあるものとしなければならない。 同省によると計13人が接待を受けていた。2016年7月〜20年12月、延べ39件行われ、同社は計60万円余を負担。正剛氏はうち、21件に参加していた。 額が最も多かったのは有力事務次官候補とみられていた谷脇康彦総務審議官の約11万8千円(計4回)。現内閣広報官の山田真貴子氏は総務審議官当時の19年、1回7万円超の接待を受けていた。処分では官僚1人を利害関係がなかったとして除外。同省を退職している山田氏は給与の一部を自主返納する。 理解し難いのは、正剛氏らが「利害関係者」との認識はなかった―と官僚が口をそろえた点にある。接待を申し出た相手や出席予定者の肩書を慎重に調べれば、利害関係者か否かはすぐに分かったはずだ。 その確認もせずに接待を受けたとすれば、あまりに不用意だろう。幹部の行為として信じ難い。本人がいくら否定しても、首相の長男のいる会社であるが故に「忖度(そんたく)」したと見られても仕方がないのではないか。 正剛氏は菅首相の総務相時代に秘書官を務めた経緯がある。東北新社に入社する際には「総務省とは距離を置いて付き合うよう言った」と、菅首相は国会で答弁。同省幹部との度重なる会食に「驚いた」と述べた。 一連の接待を見ると、正剛氏は同省との距離を「縮める」役割を担っていたようにも映る。秘書官という経歴や父親の威光を利用していた側面はなかったのか。長男は「別人格」とはいえ、菅首相には政治責任がある。正剛氏への調査も含め、指導力を発揮して事実関係を徹底して明らかにすべきだ。 |
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●長男接待問題で菅首相に「大逆風」…選挙で「致命傷」を負うかもしれない 2/25 | |
菅義偉首相の不支持率が支持率を上回る状況が続いている。
不人気も無理はない――。 官房長官時代の手堅さは、発信力のなさを質問を封じて他者を寄せ付けない非情の裏返し。GoToトラベルの決断は、観光利権の人であることの証明で、そのこだわりが感染爆発につながった。加えて長男の総務官僚接待では、安倍晋三首相の「モリ・カケ」と同じ脇の甘さを見せつけた。 「この(菅首相の)顔では選挙を戦えない」と、自民党内で不安が高まり、4月25日に行なわれる衆参3つの選挙に関しては、「全敗」を予想する向きもある。 仮に、その時、「菅おろし」が始まり、それをしのいだとしても、8月には横浜市長選が控えている。横浜は神奈川2区選出の首相のお膝元。横浜IR(カジノを含む統合型リゾート)は、現在、3期目の林文子市長が菅首相の意を受けて推進しており、観光と開発で日本再生を狙う「菅流」の是非が問われる選挙でもある。 横浜の民意はカジノ反対だ。あらゆるアンケート調査で6割以上の人が反対を表明。カジノ誘致の賛否を問う住民投票を求める署名活動には、法定数の3倍を超える約20万筆が集まった。 現在、74歳の林市長が4選を目指すかどうかは微妙だ。17年7月の前回選挙では、カジノ反対派の勢いに恐れをなして、それまでの推進姿勢を封印、「白紙」を宣言して勝利。それだけに「裏切られた」という思いの市民は少なくない。 今回、コロナ禍に見舞われなければ、市長選までに業者選定を終え、国交省への申請を済ませ、後戻りは不可能だった。だが、コロナでスケジュールは半年ズレ込み、申請期間が今年10月1日からとなった。まさに市長選は、カジノの是非を問う選挙となったのである。 反「菅-林ライン」を主導しているのは立憲民主党の江田憲司代表代行である。横浜選出(神奈川8区)代議士で、前回の市長選では反カジノ候補を推して戦い、今回も「カジノを誘致する菅流政治の是非を問う天王山の戦い」と位置付け、総力を上げる。 江田氏に、菅首相の足元が揺らぐなか、とどめを刺しかねない市長選の行方を聞いた。 ●林市長は存在感を出せなかった ――戦いの相手は林市長ですか。 「まだ立場を明確にされておらず、それはわかりませんが、前回は白紙で勝利。今回は逃げられず、カジノを争点化しやすい相手ではあります。ただ、噂では著名な現職議員の名前が上がっていたりもします。対戦相手はまだ見えていません」 ――候補者の選定は進んでいますか。 「まさに人選の最中です。ただ、メディアに登場している人や著名人などは、うかつに名前が浮上するだけで立候補の妨げになる。今回、横浜市長選での勝利は至上命題で、(立憲民主)党本部も同じ認識の下、1月末の党大会でも活動方針で重要な選挙と位置づけました。その勝敗が菅政権を左右することになるので、慎重な候補者選びを続けています」 ――江田代表代行が出馬するという噂もあります。 「ありません。(カジノ反対の急先鋒に立つ『ハマのドン』の)藤木(幸夫・藤木企業)会長や、(住民投票署名運動代表の)小林(節・慶応大学名誉教授)先生からもお話をいただきましたが、私は国政ひと筋、『自民党に代わる政党を!』という一心で、これまで四つの政党(みんなの党、結いの党、維新の党、民進党)を立ち上げ、試行錯誤してきました。しかし、未だ道半ばです。『餅は餅屋』、地方自治に移ることはありません」 ――どんな候補者が望ましいのでしょうか。 「地方自治、都市経営に精通した人が良いと思います。横浜には歴史があり、観光資源が豊富で都心にも近く、都市としてのポテンシャルはすこぶる高い。その強みをどうして活かせないのか。林さんは、自動車セールスや企業経営の経験を売りにしましたが、その片鱗はうかがえない。370万都市の存在感も出せず、将来展望も開けなかった。そのあげくに市民生活を崩壊させるカジノ(賭博)に乗った。退いてもらって、対極にある人を選ばなければ」 ●「経済効果1兆円」は絵空事 ――そもそもカジノに反対する理由は? 「失敗例の韓国・カンウォンランドの悲劇を目の当たりにしたことが大きい。そこは韓国で唯一、内国人が入国できるカジノで、炭鉱が閉鎖され、地域振興の目玉として誘致されました。が、目論見は見事に外れ、今やギャンブル依存症で自殺率は国内トップ、質屋や風俗店が建ち並び、あまりの風紀や治安の乱れに、小学校までが隣の町に移転し、人口も15万人から3万8千人に減った。地元自治体の職員は私に『青少年に顔向けできない』と嘆いていました。ここの社長は、韓国でパチンコを禁止した、最高検検事や国会議員も務めた著名な方ですが、横浜カジノ計画を伝えると、『そんな大都市にカジノを誘致してはいけない。規制や取り締まりが追いつかない大変な事態になりますよ』と反対されました」 ――横浜市は、経済効果1兆円、税収増1000億円と“夢”を語っています。 「絵空事です。もともと過当競争とオンラインカジノの普及で斜陽産業だったカジノは、コロナ禍でとどめを刺され、軒並み大幅な減益です。横浜IRからサンズ、ウィンなど米系業者が撤退したのも、将来性のなさの表われでしょう。また、カジノには『カニバリゼーション(共食い)』といった問題もあり、地域振興どころか、逆にカジノを含むIR(巨大ホテルや飲食街、ショッピングセンター)が、周辺地域から4割〜6割の消費を吸い上げるという米国州政府の報告書もあります」 ――百害あって一利なし、という結論でしょうか。 「結果は明らかです。ギャンブル依存症患者が飛躍的に増え、治安や風紀は乱れ、地元経済は疲弊、一時的な建設投資効果はありますが持続可能性はありません。それが見えているからこそ多くの市民が反対しているのに、このコロナ禍の下でも、横浜市は事業者公募をスタート、着々とカジノ誘致を進めています。この流れを止めるには、反カジノ派の市長を誕生させるしかないのです」 ●「天王山の戦い」の行方 菅政権発足から半年が経過、菅氏の地味な番頭イメージは払拭され、逆に依怙地で人の意見は聞いても従うことはない、といった強気の側面が表に出るようになった。スターリンをもじってスガーリン、あるいは安倍一強ならぬ菅一存、といった言葉が飛び交う。 GoToで見せた「経済を前に回す」というこだわりは、日本を再度、経済成長に乗せたいという意欲につながり、横浜IRの事業化は、首相となった菅氏にとって譲られぬ一線である。 だから、林氏がダメなら次を用意するなど総力戦で戦うつもりである。それだけに、野党にとっては菅体制に引導を渡す「天王山の戦い」となる。これから本格化する市長選の攻防から目が離せない。 |
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●NHKが山田内閣広報官にビビる事情? 参考人招致を中継せず 2/25 | |
総務省の幹部らが衛星放送関連会社に勤める菅義偉首相の長男などから繰り返し接待を受けていた問題で、同省は24日、幹部や職員計11人の処分を発表した。武田良太総務相は大臣給与3カ月分の自主返納を行い、黒田武一郎・事務次官は厳重注意となった。大臣から幹部まで大量に処分を受けるという不祥事に巨大官庁が揺れている。
●“接待漬け”になり麻痺してしまった総務省 総務省の調査では、11人を含む計13人が2016年以降、39回にわたり東北新社から60万円超の接待を受けたとしている。 11人のうち谷脇康彦、吉田真人両総務審議官と秋本芳徳・前情報流通行政局長は減給3カ月(10分の2〜1)、湯本博信・前官房審議官や衛星放送担当課長ら4人は減給1カ月(10分の1)。2人は戒告、2人は訓告・訓告相当とした。時事通信などが報じた。 13人のうち1人は倫理規程に反していないと判断されたが、残るもう1人は山田真貴子・内閣広報官だ。 山田氏は総務審議官時代の2019年11月に7万円超の接待を受けたことが明らかになっている。しかし、すでに総務省を退職しているため、同省の処分対象にはならなかった。 ●山田広報官はなぜ処分されないのか?背景にある闇 現在は内閣広報官を務める山田氏。安倍政権時代の2013年には女性初の首相秘書官に抜擢されるなど、華麗なる出世を遂げてきた。総務省時代から、当時大臣であった菅首相に目を掛けられてきたとされている。 その山田氏が接待を受けたことについて、菅首相は「深く反省し、おわび申し上げている。やはり女性の広報官として期待しているので、そのまま専念してほしい」と述べ、続投させる考えを示した。 山田氏も「私自身、内閣広報官として任命して頂いている立場。辞表をお渡ししようとしたことはない」と述べ、辞任を否定している。 接待漬けとなっていた総務省の実態が明らかとなっただけではなく、自らの長男が関わっていたことで菅政権には大きなダメージとなった。 事態を収拾するには山田氏を辞職させた方が早そうだが、なぜ菅政権は山田氏の続投を決めたのか。 朝日新聞は自民党幹部の話として、「山田氏が辞めたら、芋づる式に総務省の幹部全員を処分しないといけなくなる」ため、それを防ぐためだと報じている。 〈自民党幹部は「山田氏が辞めたら、芋づる式に総務省の幹部全員を処分しないといけなくなる」と話す〉 幹部全員がこんな接待を受けているということですか? ならば徹底的にウミを出さなければ。 接待問題の山田氏、処遇は「辞めたら省幹部全員を…」朝日新聞デジタル — 小池晃(日本共産党) そういうことなのですね。 — 長妻昭・立憲民主党 自民党幹部「山田氏が辞めたら、芋づる式に総務省の幹部全員を処分しないといけなくなる」 形ばかりの減給ではなく免職すべき。こうして腐り切った自民党政権に振り回される霞が関の実態が可視化されたからには、官僚志望の大学生はさらに激減し、若手官僚の退職は続出する — 盛田隆二 山田氏を辞めさせることで総務省が崩壊してしまうという恐れ。しかし、いくら有能だとはいえ、接待まみれに溺れてしまった職員が本当に必要なのか。 内閣広報官の月収117万5千円の6割にあたる、70万4千円を山田氏が自主返納することがわかっているが、他の処分された総務省幹部らと足並みを揃えた減給であることは明らか。この問題のウミはまだまだ出てきそうだ。 ●NHKで国会中継が行われなかった理由 その山田氏が25日、衆院予算委員会に参考人として出席。高額接待を受けたことに対する質疑が行われた。 会食はあったものの、一般的な懇談で特別な働きかけはなかったと説明。「総務省在職中の違反行為で公務員の信用を損なうことになり、深く反省している。大変申し訳なかった」と陳謝した。 また、菅首相の長男が会食に出席していたことについて問われると、認識はしていたと答える一方、「私にとって大きな事実ではない」などと述べた。 山田氏は記憶が不明瞭だとの趣旨の説明を繰り返し、核心部分についてそれ以上触れられることはなかった。 国会で山田氏がどのような発言をするのか、国民の関心も高かったはずだが、NHKでこの国会中継が放送されることはなかった。 議員が居眠りしているような国会の様子は中継するのに、なぜこのような大事な日の中継が行われなかったのか? そこには山田真貴子・内閣広報官に対するNHKの“忖度”があったのではとの見方がある。 ●官邸だけでなく山田氏にも忖度するNHK 実は山田氏とNHKはただならない関係にある。 NHKの看板ニュース番組『ニュースウオッチ9』の有馬嘉男キャスター(55)が3月末で番組を降板することが決まっているが、その原因は有馬氏が菅首相を怒らせたことにあるとされている。 というのも、昨年10月、NHKは「所信表明の話を聞きたい」として菅首相に出演を依頼。しかし、予定には“なかった”学術会議問題について有馬氏が、「説明が欲しいという国民の声もあるようには思うんですが」と問いただした。 これに対して菅首相サイドが激怒。 放送翌日にNHKに官邸から抗議の電話が入ったといい、その連絡をした張本人が山田氏であると報道された。 25日の衆院予算委員会でこの疑惑について尋ねられた山田氏は、「番組出演後に電話を行ったことはございません」と否定。 同委に出席していたNHKの前田晃伸会長も、「山田広報官から抗議の電話を受けた事実はない」と述べた。 しかし、抗議でなくても電話がかかってきた事実はあるかと問われると、前田氏は「お答えは差し控えます」と回答し、その後も同様の発言を繰り返した。 これは明らかにNHK側が内閣広報官である山田氏に気を使っていると言わざるを得ない。 受信料の値下げなどでやり玉に挙げられているNHK、これ以上菅政権に睨みをきかされることは避けたいはずだ。 今回の国会中継がなかったことに関しても、NHKが山田氏、ひいては菅政権に忖度したがゆえの出来事だったに違いない。 ●Twitterの反応 え、国会やってるやん山田さん出てきてるやんこれこそ、公共放送として中継せなあかんやろ、NHKよ!不登校も大事やけど、何のためにチャンネルをいくつも持ってんねん。 — ここんとこ NHKはなんで山田広報官の国会中継しないんだ。カネ返せ! — ベータケ これ今日なんだけど、どうしてNHKは国会中継を放送しないわけ?他に重要な番組があるわけでもないのに。接待問題 山田内閣広報官が国会出席へ 野党側は経緯ただす方針 — nanaminyan 山田広報官が菅首相長男らの接待で陳謝(共同通信) Yahooニュース NHKはなぜ国会中継しないの?日頃付き合いのある広報官だから、国民の前に醜態晒すの許そうと忖度したの?まさか、自分も接待してたから? — 七福金星 今日、国会で山田氏とNHKの参考人は、お互いにニュース9の有馬アナウンサーのゲストの菅に対しての発言に対して、山田氏が抗議電話をしてない。と答弁したようだが、私は当日の山田の携帯の通信記録とNHKの受信記録を見せてもらわないと、到底、信じられないね — マイティー 甘すぎる。なぜ自分で処分を決められるのか?給与を一部自主返納したり、飲食代を返金してそれで済む問題ではない。しかも広報官の職は継続。実質的に処分はなし。一般市民はコーヒー差額50円ごまかしただけで逮捕されるのに。今後野党は国会で厳しく追及してほしい。 — 凡人エリック 国会中継で山田広報官がNHKに圧力をかけたかどうかという質疑にのらりくらり稚拙に答えている。嫌な奴だ。連絡したかを連絡手段にすりかえて携帯電話には記録がないとか話をずらして連絡した覚えはないとしたおらしい。およそ誠意がない。菅さんの周囲はこんな卑劣な人物ばかり。 — カバ 予算委員会 山田内閣広報官の参加した予算委員会を見ていたが野党のツメが甘すぎる。NHKへの抗議電話についてもただ相手に口裏があっているような内容を言わせるだけで、野党側としてそれを覆すような証拠も知恵もなかった。政府側の答弁も全く予想された内容で緊張感のない国会にガッカリだ。 — john-koji |
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●官僚も姑息。菅首相ロン毛長男を違法接待に走らせた衛星放送利権の闇 2/26 | |
繰り返し放たれる「文春砲」により次々と事実が明らかになってゆく、菅首相の長男による総務省のエリート官僚らへの違法接待疑惑。これまでに同省幹部11人の処分が発表されましたが、官邸サイドはこれを以て当案件の幕を引くつもりでいるのでしょうか。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では元全国紙社会部記者の新恭さんが、週刊文春が暴露した接待時の音声データの内容から窺い知れる参加者たちの思惑を推測。さらにこのような接待は「社交儀礼の範囲内」であるとは思えないとし、贈収賄に当たる可能性にも言及しています。
●衛星放送利権の闇に紛れ、菅ジュニアの誘いに応じ続けた高級官僚たち 菅首相がかつて総務大臣だったころ、大学を卒業後間もない25歳の長男、正剛氏を政務秘書官にした意図はどこにあったのだろう。 いまや中年となった菅正剛氏は、東北新社なる衛星放送関連会社の部長として、昔なじみの幹部官僚たちを高級料亭などでもてなし、違法接待事件の主役に躍り出ているが、まさか菅首相がそんな活動を待ち望んだということはあるまい。 正剛氏らが衛星放送事業を有利に運ぼうとしていた疑惑を裏付けるような音声データつきの第2弾を文春砲がぶっ放し、総務省が調査報告や懲戒処分で幕引きを焦るなか、ようやくテレビの報道番組も、監督官庁に起きた不祥事の報道に本腰を入れ始めた。 接待されたなかには、これまでに文春が報じた4人の幹部官僚のみならず、菅首相の記者会見を取り仕切る山田真貴子内閣広報官らも含まれ、発表されただけでも13人、のべ39件の会食が判明、深刻な汚染状況が明瞭になりつつある。 総務省が2月22日に発表した調査報告によると、39件はいずれも東北新社側が費用を負担しており、国家公務員倫理規程に違反する疑いがある。接待されたのは、総務審議官、情報流通行政局長、その下の衛星・地域放送課長といった面々だ。BSやCSなど10チャンネルを子会社が運営する東北新社はあきらかに利害関係者である。 山田内閣広報官は、総務審議官当時の一昨年11月に菅正剛氏らと会食していたという。なんと、このときの食事代金は1人あたり7万4,203円。よほど高い酒でも飲まないかぎり、こんな額にはならないだろう。 山田氏は、安倍政権下の2013年から15年まで広報担当の首相秘書官を務め、いったん出身官庁である総務省に移ったが、菅首相が内閣発足とともに呼び戻した。放送メディアへ睨みを利かせるための人事でもあった。 谷脇康彦総務審議官、吉田眞人総務審議官、秋本芳徳情報流通行政局長、湯本博信情報流通行政局官房審議官の4人についても、東北新社との会食は、これまで国会で報告された回数を上まわることがわかった。2016年7月から20年12月にかけて延べ19件。谷脇氏が4件、吉田氏が5件、秋本氏が7件、湯本氏が3件というから、まさにズブズブの関係といえる。 おそらく、菅首相と東北新社の親密な関係は、総務省の電波・放送畑では周知の事実なのだろう。 2月22日の衆議院予算委員会。文春砲でこの一件が暴露されて以来、国会初お目見えとなった総務省ナンバー2、谷脇総務審議官(事務次官級)は、東北新社からどのような形で会食の誘いがあったかについて、こう述べた。 「4回とも、私はやりとりしていない。秘書と先方の担当者で日程調整をした。昨年10月7日の会食は、秘書のパソコンにメールで案内が入り、秘書を通して出席の返事をした」 そのメールには東北新社側の出席予定者が記されており、正剛氏の名もあったという。 谷脇氏は旧郵政省組のトップだが、主に情報通信分野を歩み、安倍政権では内閣官房のIT担当審議官として当時の菅官房長官に重用されていた。携帯料金値下げを推進するキーマンでもある。 放送行政に関しては、谷脇氏は実務経験がなく、業界とのつながりも薄い。それでも、あたかも公務であるかのごとく、秘書を通じて高級料亭での会食に出席の返事をしている。菅首相と東北新社の関係に配慮したとしか思えないのである。 もちろん、2006年からしばらくの間、菅総務大臣の政務秘書官だった正剛氏を谷脇氏は知っているだろう。 菅首相は、東北新社との関係や、正剛氏が入社したときのいきさつについて、2月22日の衆院予算委で、こう語った。 「東北新社の創業者(故植村伴次郎氏)は同じ秋田の出身で懇意にしていた。長男(正剛氏)は、私が植村さんに会うとき一緒についてきていた。政務秘書官時代に2人の関係が深くなったのも事実で、就職が決まった後、私は報告を受けた」 東北新社の創業者とは親しかったが、正剛氏の就職を頼んだおぼえはない、というわけだ。 2月17日の衆院予算委で、菅首相は植村伴次郎氏から2012年に150万円、植村氏の長男で当時社長だった植村徹氏から12年12月〜18年10月に計350万円、合わせて500万円にのぼる献金があったことを明かしている。 東北新社を、衛星放送業者のなかでも菅銘柄の特別な存在として、総務官僚たちが見ていたのは間違いない。 企業が監督官庁の役人を接待する目的は、法運用などで自社に有利に取り計らってもらいたいからだ。東北新社は、大臣秘書官時代に築いた菅正剛氏の総務省人脈を活用し、スターチャンネルなど衛星放送における既得権益の維持、拡大をはかろうとしてきた。 2017年1月には、悲願の「超高精細度テレビジョン放送に係る衛星基幹放送業務」の認可を取得し4K、8K時代に対応する準備を整えた。 そして、「スターチャンネル」「ザ・シネマ」の4K放送が、2018年12月にスタートしたのだが、総務省はほぼ同時期に、BS放送で3チャンネル分の新規参入事業者を募集し始めた。東北新社の総務省に対する警戒感が強まったのは間違いない。 週刊文春が文春オンラインや誌上で暴露した、会食時の音声データは、そんな事情の断片をうかがわせる。 総務省の秋本情報流通行政局長が、昨年12月10日、六本木の小料理屋で、菅正剛氏らの接待を受けたさい、複数の文春記者が客として入店し、ひそかに録音していた。以下は、東北新社の部長にして株式会社囲碁将棋チャンネルの取締役でもある正剛氏と、同じく子会社の東北新社メディアサービス社長、木田由紀夫氏が、秋本局長と交わした会話だ。 正剛氏「今回の衛星の移動も……」 木田氏「どれが?」 正剛氏「BS、BS。BSの。スター(チャンネル)がスロット(を)返して」 木田氏「あぁ、新規の話?それ言ったってしょうがないよ。通っちゃってるもん」 正剛氏「うちがスロットを……」 木田氏「俺たちが悪いんじゃなくて小林が悪いんだよ」 秋本氏「そうだよ」 木田氏「俺たちは別に逆らえないからやっただけで。だから手伝うところ手伝っているけど」 正剛氏「次の有望株なんですから、小林」 秋本氏「いやぁ、でもどっかで一敗地に塗れないと、全然勘違いのままいっちゃいますよねぇ」 この会話をどう読み解けばいいのか。ポイントは「小林」だ。17年8月から翌年10月まで総務政務官だったNTTドコモ出身の小林史明衆院議員のことであるのは間違いない。 小林議員は総務政務官だった当時、BS帯域の再編に人一倍熱心だった。テクノロジーの進化で、画質を保ったまま電波帯域を圧縮することが可能になったため、空いた帯域を放送会社から国に返してもらって、そこに新規参入を促すという政策の推進役をつとめていた。 「スター(チャンネル)がスロット(を)返して」という正剛氏の発言は、東北新社が空き帯域を国に返上したという意味であろう。昨年11月30日以降、「スターチャンネル」など既存のチャンネルは、使わずにすんでいるスロット(帯域)の返還を迫られている。おそらくこの会食は、返還した直後のタイミングだったのではないか。 総務省は、既存の衛星放送事業者の「自主返上」によって空いたとするBSの周波数帯域で、新規参入事業者を公募。9社から応募があった。 19年9月、電波監理審議会へ諮問した結果、吉本興業、ジャパネットホールディングス、松竹ブロードキャスティングの子会社の3事業者が認定された。3つのチャンネルは21年末に放送開始の予定だ。 木田氏は、逆らえないからスロットを返した、それは「小林が悪い」のだと愚痴を言い、「秋本さんらは悪くない」の含意を感じ取った秋本氏が「そうだよ」と同調。 正剛氏が「有望株ですから」と皮肉まじりに小林を持ち上げたのに反応して、「一敗地に塗れないと、全然勘違いのままいっちゃいますよ」と、秋本氏は、2人の機嫌を取るように言う。そんな情景が、この音声から浮かび上がってくる。 秋本氏が局長をつとめる総務省情報流通行政局は2019年3月、「放送法の一部を改正する法律案」をまとめた。そのなかで、衛星基幹放送の新規参入や多様化、高度化をはかるため、新たに周波数使用基準を定めて、許認可審査の要件とする方針を打ち出している。 つまり、限られた電波を効率的に利用することで、より多くの事業者が参加できる環境を整え、競争のなかから質の高い放送を生み出そうという目論見だろう。 しかし競争激化は、東北新社のような既得権を持つ事業者にとっては好ましいことではない。衛星放送関係のエリート官僚たちをできる限り取り込んでおこうという魂胆の接待攻勢は、環境変化を怖れるがゆえの悪あがきといえる。 一方、接待される官僚の側からみれば、秘書官のころから知っている菅首相の息子の誘いゆえに、気安くもある半面、菅首相の影を感じるプレッシャーもあり、畢竟、味方の顔をしておくのが得策というズルい考えも働いたに違いない。 いずれにせよ、東北新社が躍起になって官僚たちを接待し、倫理規程違反を承知で官僚たちが馳せ参じたのは確かである。官僚たちは、接待の意味するところを汲み取り、いくばくかのマル秘情報を提供するくらいのことはしただろう。 上記3人のわずかな時間の音声データにおいてさえ、総務省の所管業務に関連したディープな話が出ている。こうした接待が「社交儀礼の範囲内」であるとは思えない。贈収賄の色合いがますます濃くなってきた。 |
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●「菅首相の息子」接待疑惑は、ワキが甘すぎる総務省こそ問題だ 2/26 | |
●野党の主張には無理があるのでは?
結論から言えば、主に立憲民主党が主張する“総理の息子がいるから東北新社が優遇された”“総理の息子によって行政が歪められた”という言い分には、ちょっと無理があるのではないかと思います。 もちろん、総理の息子にも大きな非があります。彼が高額接待を繰り返した動機について、私は個人的に、総務省の衛星放送業務に影響力を行使するというよりも、“総務省幹部との繋がり”を誇示することで、自身の職場である東北新社で自分の価値を高めたかったのではないかと思っています。 とにかく彼は、公務員倫理規程に違反することを当然知りながら高額の接待を繰り返したという点で、社会人として明らかに非常識であり、強く非難されて然るべきです。 ただ、そもそも衛星放送業務が総務省に認定されるには、事務方の審査のみならず、電波監理審議会での審査を経る必要があります。審議会の委員は御用学者ばかりなので事務方がいくらでもコントロールできるのではと思われるかもしれませんが、実際には委員全員が御用学者というのはあり得ません。 ですので、仮に東北新社が総理の息子を使って衛星放送に関する総務省の意思決定に影響力を行使しようとしても、限界があるのです。 かつ、例えば立憲民主党は、“2018年のCS放送業務の認定は、ハイビジョン対応を主眼としていたのに、認定された12社16番組のうち、東北新社の子会社が手がける囲碁将棋チャンネルだけがハイビジョンでない形で認定された”と問題視しています。 しかし、この18年の認定の際には、ハイビジョン対応で17番組、非ハイビジョン対応で4番組の申請がありました。つまり、非ハイビジョン対応でもそれなりの数の応募がありました。4番組の中で囲碁将棋チャンネルが選ばれたことに“総理の息子”ファクターが影響したのどうかは、精査する必要があるかもしれません。しかし、ハイビジョンでない東北新社の番組が選ばれたことで行政が歪められたと主張するのは、さすがに無理があると思います。 かつ、総務省が発表した同省職員と東北新社の会食リストを見ると、認定が行われた18年5月の直近時点で会食が行われたのは、前年の10月の一度だけです。普通、行政を歪めて自社に有利な判断をさせようと思ったら、認定の前にもっと集中的に接待・会食を行っていて然るべきです。 なお、20年12月15日に、東北新社の子会社が運営するスターチャンネルの認定が更新されています。その時は、更新の発表直前の一週間に3回の会食・接待が行われていますが、通常、こうした行政の意思決定は発表の直前ではなく、ある程度前に行われるものであることを考えると、この更新に会食・接待が影響したと主張するのも無理があると思います。 ちなみに、東北新社による会食・接待は贈収賄の疑いもあるという論調をたまに目にしますが、会食の金額とか回数を考えると、これで贈収賄と主張するのは明らかに無理です。 ●総務省の間違った対応が問題を炎上させた 以上のように、一部の野党、メディアそして評論家の主張はかなり無理があり、モリカケ問題の再来のように扱うのはどうかと思うのですが、それでもこの問題が必要以上の大騒ぎになったのは、総務省の側の対応がひどかったからではないかと思います。 それをご理解いただくため、まず公務員倫理規程における接待の扱いを見ておくと、概要以下の通りとなっています。 ・利害関係者から供応接待を受けてはならない(第3条) ・利害関係者に該当しない事業者から、社会通念上相当と認められる程度を超えて供応接待を受けてはならない(第5条) さて、「週刊文春」の報道により、東北新社による接待が明るみに出た後、総務省は初動で明らかなミスをしています。 秋本芳徳前情報流通行政局長は当初、国会で「東北新社側の出席者が利害関係者と知らなかった」「会食で東北新社の事業は話題に出なかった」と答弁し、第3条の規定に違反する意図はなかったという入り口論の部分で防衛線を引いたと類推できます。 しかし、1点目の主張は詭弁に過ぎません。そもそも会えば必ず名刺交換しているはずなので、名刺を見れば利害関係者であることはすぐに分かります。さらに言えば、通信・放送は市場規模こそ大きいものの狭い世界ですから、旧郵政省出身で現在幹部である秋本前局長が知らなかったというのも無理があります。 かつ2点目の主張も、事業者の側は自分の話を聞いてほしくて会食をするのですから、屁理屈にもなっていません。ついでに言えば、すべての会食が個室で行われ絶対に第三者に聞かれていないと自信がなければ、言うべきではありません。実際、「週刊文春」が公開した録音の音声で即座に否定されました。 つまり、本来は総務省の側がすぐに非を認めてさっさと関係者を処分すれば良かったのに、初動時点で明らかに無理なラインに防衛線を引いた結果、「週刊文春」の追撃や野党の追及により大騒ぎになったと言えます。総務省の危機管理能力のなさが騒ぎを拡大したのです。 ●総務省は関係者の処分でも大きな間違いを犯している そして、総務省の酷さは初動のミスに限定されません。総務省の緩さと脇の甘さにも呆れるしかありません。 総務省内での調査では否定されていますが、幹部職員が東北新社と頻繁に会っていたのには、総理の息子の存在も当然、ある程度影響しているはずです。 しかし、総理の息子の存在ゆえに東北新社の幹部と会わざるを得なかったとしても、昼間に役所の会議室で会えば、少なくとも総理への義理は果たせます。それなのに、夜の会食に何度も参加したというのは、美味しいものを人のカネで食べることに慣れてしまっている証左です。 しかも、「週刊文春」が公開した音声で明らかになったように、会食は個室ではなく他の客もいる一般席で行われていたと推察できますが、公務員倫理規程違反の行為を他人の目がある場所で堂々とやっていたこと自体が愚かの極みです。 私は、これらの当たり前の事実から、行政を歪めたのは総理の息子の存在というよりも、総務省の緩さと脇の甘さだと思っています。 ちなみに、2月24日に東北新社の接待に応じた職員への処分が発表されましたが、総務省はここでも非常に間違った愚かな判断を下しています。 メディアでは、総務省の幹部職員7人が減給、4人の職員が戒告か訓告、総務省出身で現在は特別職公務員である山田真貴子内閣広報官は1カ月分の給料の6/10自主返納、という表面的な事実しか伝えられていません。しかし、処分の詳細を見ると、非常にアンフェアな内容の処分なっていると思います。 というのは、総務省で接待を受けた11人中もっとも有名になってしまった秋本前局長は、東北新社から7回接待を受けています(過去の5回については東北新社は利害関係者に該当せず、直近の2回だけが利害関係者に該当)が、秋本氏はそのうち最直近の1回を除く6回の接待について、その場で自分の飲食代を払っています。ちなみに、接待を受けた他の10人は誰もその場で自己負担をしていません。 つまり、秋本前局長は他の10人と違って公務員倫理規程を守ろうという意識があったのです。ただ、おそらく東北新社側に会計の金額を聞いて払ったのでしょうから、実際の自己負担相当額には足りませんでした。 その結果、過去の5回については第5条違反、直近の2回については第3条違反ということで、減給という処分になりました。ちなみに、接待で公務員倫理規程違反となった場合は、減給か戒告の処分となるので、厳しい方の処分を下したことになります。 しかし、その場で自分の飲食代を一度も払わなかった他の幹部と同じ減給処分というのは厳し過ぎます。その場での支払額が実際の自己負担相当額に足りなかったので、その差額を接待と認定したのでしょうが、酒も入った席で東北新社に詰め寄って正確な金額を計算させるのは現実には考えにくいことを考えると、社会通念上は自己負担相当額の全額を払ってなくても許されるのではないでしょうか。 ●秋本氏が可哀想でならない そう考えると、秋本氏については、過去の5回について第5条違反とするのは過剰な判断であり、その場で自己負担しなかった最直近の1回についてのみ第3条違反とする方が妥当ではないかと思います。 それなのに、真面目に7回中6回の接待で自己負担をした秋本氏は、局長から更迭されて減給処分も受けました。一方、湯本博信前官房審議官も大臣官房付に更迭され減給となりましたが、他の幹部は数回の接待で、その場で自己負担をまったくしなかったのに、減給の処分だけで今のポストにとどまるというのは、公平性を失しており明らかに不当な判断ではないでしょうか。 ついでに言えば、山田内閣広報官が給与の自主返納だけで今のポストにとどまるというのも、もちろんこれは総務省ではなく官邸の判断ですが、秋本前局長への処分と比べると、そして夜8時以降の外食自粛という“ルール”を破っただけで与党の国会議員が辞任や離党していることと比べると、「へー、そうなんだ…」としか思えません。 本件について総理の息子を含むほぼ全ての登場人物を知っている私としては、その中でも秋本前局長がもっとも真面目な人物だと思っていますし、実際その通りに7回中6回の接待ではその場で自己負担をしていました。繰り返しになりますが、その秋本氏が一度もその場で自己負担をしなかった他の幹部と同様に減給の処分を受けることには、違和感しかありません。 率直に言えば、報道ゆえに接待を受けた幹部の中でもっとも目立つ存在となってしまい、その影響もあってか長年献身的に尽くしてきた組織から人身御供的に扱われてしまった秋本氏が可哀想でなりません。 今回の一件から学ぶべきは、総務省は思った以上にダメ組織だということです。野党やメディアの皆さんも、もし本当に日本を良くしたいと思うなら、総理の息子を理由に無理な疑惑を叫ぶより、どうやったらこのダメ組織の性根を叩き直せるかを考える方が有益ではないでしょうか。 |
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●菅首相メッキ剥がれる…東北新社「わからない」答弁の超テキトーぶり 2/26 | |
総務省幹部の接待問題で明らかになったのは、菅首相親子を中心とした官民の癒着構造だけではない。菅首相の答弁がいかにテキトーか、改めて浮き彫りになった。
25日の衆院予算委員会で、立憲民主党の黒岩宇洋議員が接待問題を巡る菅首相の答弁を問題視。国家公務員倫理審査会が総務官僚の倫理法違反を認定する前に、菅首相が違反と断定していたことを追及した。 問題の答弁は22日の衆院予算委で飛び出した。菅首相は「私の長男が関係して、結果として公務員が倫理法に違反する行為をすることになった」と陳謝。総務省が接待問題を調査している最中だったにもかかわらず、だ。 違反が濃厚だったとはいえ、菅首相には白黒を断定する権限はない。答弁を作成したはずの総務省は、黒岩議員から「総理が答弁した時点で違反したと認定していたか」と問われ、「しておりません」(武田総務相)と否定。黒岩議員によると、「参事官は『総務省はこの答弁は作っていない』と言っていた」というから、菅首相が先走って答弁したのは明らかだ。 首相就任以来、菅首相の答弁のメッキは、すっかりボロボロ。テキトーぶりは、総務官僚を接待した東北新社に関する答弁にも表れている。 15日の衆院予算委で東北新社がどのような会社か問われた菅首相は、「映像とか、そういう仕事をしている会社っちゅうことは漠然と分かっていますけど、具体的に何がどうこうというところまで知りません」と答えている。ところが、間違いなく知っている証拠が残っているのだ。 東北新社のニュースリリース「〜囲碁・将棋界の発展に向けて〜『囲碁・将棋チャンネル』新社名披露パーティーを開催!」(2010年8月10日付)には、〈主な出席者〉として〈菅義偉衆院議員〉と明記されている。主催はもちろん、東北新社だ。 「囲碁将棋チャンネル」は東北新社の子会社であり、首相の長男・正剛氏が取締役を務めている。お披露目パーティーに出席する間柄なのに、「漠然としか分からない」のはいくら何でも不自然である。 「鉄壁」とモテはやされたガースー答弁なんて、しょせんこんなものだ。 |
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●東北新社子会社パーティー 2010年 菅首相 無関係言うが出席 2/26 | |
総務省幹部らが菅義偉首相の長男・正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」から国家公務員倫理規程に違反する接待を受けた問題で、同社の子会社が開いたパーティーに菅氏が出席していたことが25日までに分かりました。同社グループの主な事業である衛星放送の運営について、菅氏は「よく理解しませんでした」(22日、衆院予算委員会)と説明しましたが、実際には同社の事業内容を知っていたことになります。
菅氏が出席したのは、2010年8月6日にホテルオークラ東京(東京都港区)で東北新社の子会社「囲碁将棋チャンネル」が開催した「新社名披露パーティー」です。 東北新社のプレスリリース(同年8月10日)には、「主な出席者」として当時の政権幹部とともに野党議員だった菅氏の名前があります。本紙の取材に、同社広報室は「菅義偉衆院議員にご出席いただきました」と回答しました。 プレスリリースによると、同パーティーでは「『囲碁・将棋チャンネル』20周年の歴史と今後の取り組みを映像で紹介」する場面もあったといいます。 菅氏のもとで総務相秘書官を務めた正剛氏は2008年、天下りする形で東北新社に入社しました。 この経緯について菅氏は、同郷で「20年近い付き合い」だという東北新社の創業者・植村伴次郎氏(故人)と懇意な間柄で「そういう中で創業者と長男が会って、(就職が)決まった後から私が報告を受けました」(22日、衆院予算委)と述べています。 植村氏らは、菅氏が代表を務める自民党神奈川県第2選挙区支部に総額500万円の個人献金をするほどの関係です。 それでも菅氏は「長男とは会社の話は一切していません」「完全に別人格ですから」などと述べ、接待問題で自身は無関係だと主張しています。 「囲碁将棋チャンネル」は、総務省情報流通行政局が所管する放送法に基づく衛星基幹放送の認定を受けています。正剛氏は20年3月から「囲碁将棋チャンネル」の取締役を務めています。正剛氏は、総務省が接待を受けることを禁じる「利害関係者」にあたります。 総務省などの報告によると、東北新社による同省幹部ら13人の接待は、16年7月から20年12月にかけて延べ39件にのぼります。正剛氏は半数を超える接待の場に同席していました。 「文春オンライン」が公開した音声記録によると、接待時に秋本芳徳・情報流通行政局長(当時)と正剛氏の間で「BS」「CS」「スターチャンネル」など、放送事業に関する言葉が交わされていました。 接待を受けた同省幹部らは「他の放送事業者とは同様のことはなかった」と述べており、衛星放送の許認可をめぐって行政がゆがめられた疑いがもたれています。 |
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●東北新社、二宮社長が引責辞任 菅首相長男を懲戒処分 2/26 | |
東北新社は26日、総務省幹部への接待問題の責任を取り、二宮清隆社長が辞任したと発表した。後任には中島信也副社長が昇格した。二宮氏も総務省幹部との会食に同席していた。菅義偉首相の長男で、メディア事業部の統括部長を務めていた正剛氏は懲戒処分とし、人事部付に更迭した。いずれも同日付。
同日の取締役会で決定した。正剛氏は子会社の「囲碁将棋チャンネル」の取締役も辞任した。このほか、会食に参加した三上義之、木田由紀夫両執行役員を解任した。 東北新社は12日、今回の接待問題で特別調査委員会(委員長・井上真一郎弁護士)を設置。これまでの調査では、木田氏が会食の多くを主導し、正剛氏は木田氏に従って参加していたケースが多いという。同社は「役職員のコンプライアンス(法令順守)意識が希薄、欠如していた」と釈明している。 総務省によると、東北新社と総務省幹部らの会食は2016年以降延べ39回に上った。会食費を東北新社に負担してもらったり、タクシーチケットや手土産を受け取ったりした例も確認された。 東北新社は「一部役職員の行動に起因し、総務省職員が国家公務員倫理規程違反で懲戒処分を受けるという重大な事態を招き、深くおわびする」とのコメントを発表。今後、特別調査委が、放送許認可の更新手続きへの影響も含めて報告書をまとめる。 |
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●血税の官房機密費で返納か? 渦中の山田広報官に怨嗟の声 2/26 | |
<いやはや、首相会見を仕切るだけで、そんなにもらえるのか><これじゃあ、どれほど批判の声が出たって辞めないわけだよ>
ネット上では怨嗟の声が広がっている。放送関連会社「東北新社」に務める菅義偉首相の長男らによる総務省幹部接待問題で、同社から総務審議官時代の2019年11月に約7万4000円に上る高額な接待を受けていた山田真貴子・内閣広報官(60)。山田広報官は25日の衆院予算委に参考人として出席。「公務員の信用を損なったことを深く反省している。本当に申し訳なかった」と陳謝したものの、「今後、職務を続ける中で、できる限り自らを改善したい」と述べ、引き続き内閣広報官を務める意向を示した。 90年代前半のテレビCM「反省だけなら、サルでもできる」のセリフではないが、反省して謝ったからオシマイではないだろう。内閣広報官とは文字通り、内閣の広報マンという重責を担う「顔」だ。今後、首相会見に登場する度、記者や国民からは疑惑の目で見られることになる。「本当に申し訳ない」と思うのであれば、きちんとけじめをつけるために広報官を辞するべきではないのか。 国民が不信感を募らせているのは、山田広報官が何ら“お咎めなし”という理由だけではない。その破格というも言える高額な給料に対しても憤りの声が上がっている。 加藤勝信官房長官は25日の会見で、接待問題を受けて給与報酬月額の10分の6を自主返納することになった山田広報官の返納額が70万5000円に上ると明らかにした。つまり、広報官の給与報酬は月額で117万5000円。地域手当などを含めると給与は月額で約140万円ほどになるだろう。 国税庁の調査によると、サラリーマン全体の平均月収は約35万円(推定)だが、このコロナ禍では残業代も減り、給与はさらに下がっているだろう。わが身を削る思いで必死に納めた税金が、疑惑の広報マンに対して自分たちの月収の約5倍も支払われ、さらに業者からも賄賂性の高い飲食代を負担してもらっていたのだから驚天動地だ。 <10分の6じゃなく全額返納しろ><俺たちの税金を何だと思っているんだ> ネット上で怒りの連鎖が広がっているのも無理はない。 野党国会議員がため息交じりにこう言う。 「国民には自助を求めながら、家族や取り巻きには公助するのが菅首相。山田さんは菅首相のお気に入りのため、自主返納すると説明されているお金の原資も実は官房機密費ではないか、などとささやかれています」 不祥事で返納するお金も税金でなんて冗談ではない。 |
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●山田広報官隠し!? 菅総理きょうの会見を見送り 2/26 | |
緊急事態宣言の一部解除を決める26日、当初は記者会見を開く方針だった菅総理大臣。ところが一転、会見を開かないことが決まりました。
総理就任以降、官邸の記者会見室で行われた7回すべての会見で司会を務めていたのが、菅総理の長男らからの接待問題で陳謝した山田広報官でした。 26日、山田広報官が司会を務める会見を開けば菅総理がこの問題で質問を受ける可能性があるため、会見が見送られたのではとの臆測が与党内からも出ています。 これに対し、加藤官房長官は「緊急事態宣言が全面解除された場合は国民に説明する」とし、一部解除の場合は先例にならって会見は開かないと説明。 政府関係者によりますと、当初は26日の会見で6府県については「今月末の解除」、残る首都圏ついては「来月7日に解除する見通し」を説明する予定だったといいます。しかし、専門家らは現時点では首都圏の解除は見通せないと慎重論が相次いだということで、状況を見極めてから説明することにしたということです。 いずれにしろ菅総理、26日は会見を開かず、官邸入り口での短時間の取材に応じるということです。 |
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●元キマグレン・クレイ勇輝、菅総理長男メンバー説を完全否定 2/26 | |
元キマグレンのクレイ勇輝が25日、ツイッターを更新し、キマグレンに菅義偉総理の長男がかつて在籍していたという一部報道を完全否定した。
クレイは、総務省への接待問題で注目を集める菅総理の長男について、一部報道で、キマグレンのメンバーだったとされていることに「黙ってようと思ったけど、最近あまりにも言われるし、変な誤解をうむので」と切り出し「キマグレンはクレイとイセキの二人組です」と訴えた。 菅総理の長男についても「顔も知らないし会った事すらない」と面識はないといい、「フェイクニュースほどほどにせいや!既に解散してるのに取り上げてもらってありがたいが、嘘はやめて欲しい」と怒りをにじませていた。 キマグレンは地元の神奈川・逗子を拠点に活動。08年にメジャーデビューし、「LIFE」が大ヒット。同年のNHK紅白歌合戦にも出場した。15年に解散。 |
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●片山善博氏「菅首相の息子と分からなかった」の山田内閣広報官に苦言 2/26 | |
26日放送のTBS系「ひるおび!」(月〜金曜・午前10時25分)では、総務審議官時代に首相の長男ら利害関係者から1回で7万円を超える接待を受けた山田真貴子内閣広報官(60)が衆院予算委員会に参考人招致されたことを報じた。
コメンテーターで出演の前鳥取県知事・片山善博氏(69)は山田氏が質疑の中で「同席したのが菅首相の長男とは分からなかった。たとえそうであっても私には大きな事実ではない」と答えたことについて「総理の長男が声をかけたから、こういう接待が繰り返されたということを消したいんでしょうね。確かに総理の息子さんはいたかも知れないけど、私にとっては大したことじゃない、大きな事実ではないんですと。そういうストーリー展開にしたんでしょうね」とコメント。 「でも、これ変ですよ。総理の息子さんは大した存在じゃないんですって言っている割に、菅正剛様とか言ってましたけどね」と苦笑すると、「多分、総理とも了解の上で『失礼なことを言いますけど』って、そういうストーリーに仕立てたのかなって」と推測した上で「私は山田さんを知っているから言うんですけど、あまり自らをおとしめるようなことは言わない方がいいと思いますよ。聞きようによっては誰とメシ食うなんて私は関係ないですと聞こえる。極端な話で反社の人がいたら、どうするんですか?やっぱりね、官僚になれば、どういう人と食事するかは注意しますよ。だけど、あえて誰がいても関係ないです。私はステーキに関心あるんですみたいなことでしょ。それはいけませんよ。ご本人をおとしめるようなことは言わない方がいい」と、たしなめていた。 |
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2/27 | |
●菅首相長男らの違法接待で深まる謎…東北新社の正体とは? 2/27 | |
「企業のコンプライアンスが叫ばれる今の時代になっても、あそこまでの官僚接待をやっているとは……」
総務省幹部ら計13人が菅首相の長男・正剛氏らから違法な接待を受け、11人が処分された問題。衛星放送業界の関係者は、こう言って驚いていたが、長男が部長職(26日付で解任され人事部付に)を務めた「東北新社」とは一体、どんな会社なのか。 同社は1961年、菅首相と同じ秋田県出身の創業者・植村伴次郎氏(故人)が設立。外国映画やドラマの日本語吹き替えや配給事業からスタートし、CMやテレビ番組の制作、衛星放送など事業を広げていった。 ●30年前から総務省と“親密”な関係か 同社と総務省との“親密”な関係が築かれたのは、同社が「スターチャンネル」で衛星放送に参入した1980年代〜90年代に遡るとも。その立役者が創業者の植村氏だったと、前出の関係者は話す。 「当時はまだおおらかな時代でしたからね。植村氏は総務省の若手の役人とも親しく付き合っていて、いろいろ面倒も見ていたそうです。そうした官僚たちがその後、出世して偉くなっていった。植村氏が総務省を訪れると、局長や審議官クラスの役人たちが三顧の礼で迎えたそうです」 植村氏は2004〜10年に一般社団法人衛星放送協会の会長を務めた。植村氏も同社も、衛星放送業界で主導的な役割を果たしてきたとされる。植村氏は03年に同社会長、09年に最高顧問となったが、長男の徹氏(故人)が10年から19年まで社長を務めた。 植村親子による菅首相サイドへの献金は、少なくとも12〜18年の間に500万円あったことを首相自身が認めている。 今回の違法接待問題では、総務大臣秘書官を務めた菅首相の長男が同社と総務省とのパイプ役になったというのが大方の見方だが、同社は30年前から総務省に食い込んでいたということか。もっとも、そこへ菅首相の長男が入社し、体制はさらに盤石になったわけだ。 「『Netflix』などのインターネット動画配信サービスに押されて、いまや衛星放送は斜陽産業です。業界の懸案は人工衛星の運用会社に支払う利用料金の負担軽減。これについても、東北新社が業界を代表する形で積極的に動いているようです」(前出の関係者) なお同社は26日、総務省接待問題を受け、二宮清隆社長が引責辞任したと発表した。二宮氏は総務省幹部との会食に参加していた。後任には中島信也副社長が昇格した。 とはいえこの問題、まだまだ解明されていない謎がたくさんありそうだ。 |
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●「誰かを落とすため」東国原氏 菅首相長男音声データは“内部リーク” 2/27 | |
元宮崎県知事でタレントの東国原英夫(63)が27日、関西テレビ「胸いっぱいサミット!」に出演。菅義偉首相の長男・正剛氏による総務省幹部の接待問題に関し、「週刊文春」が公開した会食時の音声データについて語った。
週刊文春編集部は、音声データについて「客として入店した複数の記者が付近の座席から録音し、他の客の声などの雑音を専門業者に依頼して除去し、解析を進めてきた」としている。 東国原氏は「僕は文春さんの高度なテクニック、これはアリだと思う」とした上で「今回の場合に限り、文春さんの記者が周りにずっといてお客さんのフリをしていたというよりも、僕は内部リークだと思ってます。つまり音声データ(を録音する機材)を誰かが仕込んでいた。会食の中の1人か2人が。推察ですよ。あくまでも」とコメント。 その理由については「誰かを落とすためです。正剛さんのお父さんかもしれない。あるいは社内かもしれない。あるいは総務省の中かもしれない。今、谷脇(康彦)さんは審議官。だけど中で『事務次官になるよね』と。この人を落としたいという人がいるかもしれない。推察ですよ」と言葉を選びながら指摘した。 MCの「ますだおかだ」増田英彦から「その人も処分されることになる」と疑問を投げかけられたが、東国原氏は「それでも落としたいという人がいたらどうですか?」と慎重に語った。 |
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●安倍・菅長期政権が招いた永田町・霞が関のこの惨状 2/27 | |
菅首相の長男による総務省官僚の接待問題が政権を揺るがしている。幹部を中心に11人の総務官僚が、国家公務員倫理規定に違反したとして減給などの処分の対象になった。38回の接待のうち、7回が、新型コロナウイルスの感染が続いていた昨年7月以降であった。
また、山田真貴子内閣広報官は、総務審議官時代に7万4000円を超える接待を受けていたことが判明し、月額給与の10分の6を自主返納することになった。 ●携帯料金値下げにふるさと納税、総務省マターが多い菅首相の目玉政策 規定では利害関係者からの接待や金品贈与は禁止されているが、菅首相長男が勤務する「東北新社」やその関連会社は放送などが業務であり、利害関係者に当たる。 単純に考えれば、総務大臣、官房長官、内閣総理大臣を歴任した菅氏の長男の誘いを、総務省の役人が断るわけにはいかなかったのであろう。この長男は、菅総務大臣秘書官も務めた人物である。重要なのは、接待によって放送行政が歪められたかどうかという問題である。 総務省は放送業務を認定するという絶大な権限を持つので、テレビ局などは頭が上がらない。携帯電話料金値下げ、ふるさと納税など、菅首相の目玉政策は総務省が許認可権限を握っている。菅氏の長男を使って総務省に接近したがる業者が出てくるのは当然である。 また、農水省は、贈収賄容疑で起訴された吉川貴盛元農水相と鶏卵生産大手「アキタフーズ」との会食に同席した幹部職員6人を処分した。大臣に同席を求められれば断るわけにはいかないだろうが、これもまた、総務省と同じような構図である。 ●絶対的権力は絶対に腐敗する 日本の官僚機構も劣化したと言わざるをえないが、日本政府全体のガバナンスが低下しているようであり、その一環として、この倫理規定違反問題を位置づけることができよう。 その理由の一つは、安倍晋三、菅義偉と続く長期政権である。「権力は腐敗する、絶対的権力は絶対に腐敗する」というアクトン卿の言葉通り、8年もの長きにわたる権力が公正な行政を歪めることは必然である。加計・森友問題、「桜を見る会」前夜祭の経理などに見る通り、役人は権力者の意向に沿う方向で動く。いわゆる忖度である。 政権をとる能力のない野党は問題であるが、政権党のほうにも、何があっても政権は失わないという奢りがある。不祥事が続いても、菅内閣支持率は40%前後を維持し、20%台という危険水準には落ちていない。 私が閣僚として、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎の三首相に仕えた2007〜2009年は、野党が参議院では多数派を握るという「ねじれ国会」であり、常に野党に妥協を迫られる緊張した政権運営を余儀なくされた。そして、麻生内閣の下で行われた解散総選挙で、自民党は敗北して野に下り、民主党政権が誕生したのである。 「ねじれ国会」には様々な問題もあったが、政権側の奢り、官僚の忖度などはなかった。政治の安定という観点からは今の方が良いのかもしれないが、政治の緊張感という意味では、「ねじれ国会」時代のほうが利点があったと言えよう。 官僚機構にしても、時の政権に左右されることなく、省庁として維持しなければならない原則や方針があるはずであり、それができなければ近代官僚制の基本が覆されることになる。政権交代の度に猟官制度(spoils system)が機能し、政策も大きく変わる大統領制のアメリカでも、その基本は維持されている。型破りのトランプ政権下であっても、である。 ところが、議院内閣制の日本で、内閣総理大臣に権力が集中する現象が顕著になっている。2014年5月30日に内閣人事局が設置され、幹部官僚の人事を首相官邸が握るようになって以来、忖度行政の度合いが強まっていった。 とくに、官房長官として全官僚機構に睨みをきかす菅氏の存在を役人は恐れざるをえなくなった。それは、菅氏の意向に反して左遷された官僚の例を間近に見ているからである。出世を望まない官僚はいない。 国会議員として、また大臣として、「省あって国なし、局あって省なし」と言われるような縦割り行政の弊害に直面してきた私は、内閣人事局構想に賛成であった。しかし、実際に設置してみると、小選挙区制と同じように、弊害のほうが目立つようになってきた。 その背景には政権交代がないことがあるのは当然だが、首相のポストも、官房長官のポストも同一人物が8年近くも務めることが多くの問題を生んでいると言えよう。 ●コロナに関わる大臣が3人もいるのはガバナンス力低下の表れ 政府のガバナンスの低下は新型コロナウイルス対策でも露呈してきた。そもそも、感染症対策を担う厚労大臣がいるのに、緊急事態宣言担当として西村康稔大臣を任命した。さらに、今度はワクチン担当として河野太郎大臣を引っ張り出してきた。田村憲久厚労大臣を含め、コロナ関連の担当大臣が3人もいる国は、私の知るかぎり日本だけである。 安倍政権の失敗に輪をかけているとしか言いようがない。河野大臣の下でワクチン接種が順調に行われているかと言えば、答えは否である。何度も予定を変更したりしているが、そもそも予定している量のワクチンがスケジュール通りに供給されるのか。世界では、供給不足でワクチンの争奪戦が展開されている。 2009年の新型インフルエンザ流行のときには、厚労大臣の私は、国産に拘る医系技官たちを抑え、いち早く海外の製薬メーカーと契約し、8月の総選挙で麻生政権が敗北するまでには供給体制を整えていた。 今回のコロナ・ワクチンについては、海外での確保に手間取り、先進国の中で大きく接種が遅れている。英米と比べると、2カ月の遅れである。イスラエルでは国民の約3割が既に2回の接種を終わっているが、その情報力とワクチン調達能力は、日本政府とは対極的である。 メッセンジャーRNAによるワクチン開発ができない日本は、その点でも絶望的に立ち後れている。政府のガバナンスのみならず、日本の国力そのものの低下を憂えざるをえない。 ●ワクチン接種の状況に関わらず東京五輪は「開催」 「女性蔑視」発言で去った森喜朗会長の後任に橋本聖子五輪相が決まったが、国会議員を辞職せずに兼職することには問題が多い。しかし、内外の世論対策として、女性であること、7回も五輪に参加していることなどが買われ、すんなりと決まってしまった。しかし、これで政府や組織委のガバナンスが向上するとは思えない。東京五輪の開催は、今のところは、全てワクチン頼みといった感じである。 しかし、ワクチン接種が予定通りに実施される保証はない。高齢者は4月1日から開始する予定だったが、実際はそれよりも遅れて12日からだという。そして、接種が本格化するのは、4月26日からだという。3600万人の高齢者に4月〜6月に接種を行うというスケジュールは守れそうもない。 国民の6割以上が免疫を持つと集団免疫を獲得したことになるが、イスラエルは、今のペースで接種が進めば、4〜5月頃にはそうなると予想されている。アメリカは秋である。 EUや日本は遙かに遅れ、来年以降になると見られている。しかしながら、日本が集団免疫を獲得しなくても、東京五輪は開催すると政府、東京都、組織委は断言している。しかも、ワクチン接種の実施状態は考慮しないという。これは、少し無謀ではないか。2月20日、菅首相はG7が東京五輪を支持したと胸を張ったが、G7は東京五輪開催への日本の「決意」を支持しただけである。 ●今年実施される総選挙、必ずしも「自民安泰」とは言えなくなってきた 3月25日には聖火リレーがスタートする。しかし、丸山達也・島根県知事は、コロナ感染状況に鑑み、東京五輪開催反対を唱え、島根県内での聖火リレー中止を検討すると述べ、大きな反響を呼んでいる。これは、地方の反乱と言うよりも、五輪開催論一本槍で、中止の検討すらしない政府や東京都や組織委のガバナンス能力の欠如を問題にしたものである。 この丸山発言に対して、島根2区選出の竹下亘衆議院議員が「知事を呼んで注意をしっかりしなくてはいけないなと思う」と述べたが、竹下発言への批判も高まっている。島根県知事選がそうだったが、最近は首長選挙で保守分裂というケースも増えており、同じ自民党でも国会議員と首長との亀裂が生じている。そして、それが野党を利することにもなる。 4月25日には、衆議院北海道2区、参議院の広島と長野で補選が行われる。自民党は北海道は不戦敗、長野は故羽田雄一郎氏の弔い合戦で自民党には厳しい戦いである。広島も河井案里議員の辞職に伴うもので、自民党は過剰な楽観は禁物である。 7月4日には都議会選、秋までには衆議院選が行われる。非力で分裂したままの野党では、自民党は安泰であろうが、政府のガバナンスの低下は、真綿で締め付けるように自民党政権を窒息させる危険性がある。菅内閣が、自民党政権の終わりの始まりにならないという保証はない。 |
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●菅首相長男のキマグレン騒動、「フェイクニュースほどほどにせいや」 2/27 | |
総務省幹部らへの接待問題で波紋を広げている菅義偉首相の長男・正剛氏。ネット上では、正剛氏が2015年に解散した音楽ユニット「キマグレン」の元メンバーだったと話題になっているが、この噂をキマグレンのクレイ勇輝が完全否定した。
クレイ勇輝は2月25日にTwitterを更新。正剛氏が元メンバーだというのはフェイクニュースだといい、以下の苦言を綴った。 <黙ってようと思ったけど、最近あまりにも言われるし、変な誤解をうむので。キマグレンは、クレイとイセキの二人組です。菅総理の長男の顔も知らないし、会った事すらない。フェイクニュースほどほどにせいや! 既に解散してるのに取り上げてもらってありがたいが、嘘はやめて欲しい。> 情報の出所は父親・菅義偉首相だった? 正剛氏がキマグレンの元メンバーだという噂が広まった経緯はどうだったのか。まず、「週刊文春」2021年2月18日号(文藝春秋)は、正剛氏の生い立ちを以下のように記述している。 <地元横浜で生まれた正剛氏は明治学院大に進学後、「世界民族音楽研究会」に所属。音楽ユニット「キマグレン」の元メンバーと共に、「COTE-DOR」というバンドを組んで活躍。卒業後、同級生が社会人となる中、一向に定職に就かない長男の行く末を菅氏は非常に心配していたという。そして、06年に総務大臣として初入閣を果たすと、社会人経験のない25歳の長男を大臣秘書官に抜擢。後に菅氏は雑誌の取材に「バンドを辞めてプラプラしていたから」と語っている。> しかし、前述のようにクレイ勇輝は、「菅総理の長男の顔も知らないし会った事すらない。」と、これを全否定。一体どういうことなのか。 おそらくだが、情報の火元は、父親である菅義偉首相のようだ。 2009年6月発売の『週刊プレイボーイ』(集英社)では、当時、菅首相が自分の長男を大臣秘書官にしていたという情報をスクープ。同誌は、フリーライターの畠山理仁氏が菅首相を直撃した様子を掲載しているが、畠山氏から「長男は政治活動に興味はあったのか」と問われた菅首相は、息子は元々はバンドをやっていて「キマグレン」のメンバーと活動していたと明かしたのだ。 菅首相<バンドをやってたの。今はもうやめましたけど、あれと一緒に…。紅白にも出た、湘南の海でやってて100万枚くらい売れた…なんだっけ(と、ケータイでどこかに電話をして聞いてくれるセンセイ)。『きまぐれ』だって」 畠山氏<—キマグレンですか?(苦笑)> 菅首相<あのグループと組んでいたんですよ。で、バンドの人が体を壊して辞めて。(長男は)プラプラしていたからその間だけ。選挙の間だけ> ただ、クレイ勇輝が正剛氏に会ったことがないのも本当なのだろう。調べると、キマグレンのもうひとりのメンバー・ISEKIが正剛氏と「COTE-DOR」を組んでいたようだ。相方の昔のバンドのメンバーであれば、クレイがそのことを知らないのも仕方がないかもしれない。 前出「文春」によると、正剛氏は2011年に大学時代に同じサークルに所属していた女性と結婚し、同年2月に結婚式を挙げたとのことだったが、ISEKIも同年2月にブログで、<昔のバンドメンバーが結婚するということでお邪魔してきました>と綴っている。 ISEKIの当該ブログ記事はタイトルが「コートドール」であるうえ、<新郎の人徳もありすごい人達が集まりました。その中にあの元内閣総理大臣も>という言葉と共に安倍晋三氏とのツーショット写真もアップしており、確定だと見られている。安倍氏は、正剛氏の結婚式に出席していたのだろう。 正剛氏の「キマグレン元メンバー」騒動は、彼がキマグレンに所属していたわけではなく、「キマグレンのメンバーのひとりと昔、バンドを組んでいた」という表現が正しいようだ。 |
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●菅長男ら違法接待で東北新社社長辞任の茶番…刷新は形式的 2/27 | |
「内閣広報官隠し」「東北新社隠し」の意図がミエミエだ。長男が絡む違法接待問題が直撃している菅首相は26日、緊急事態宣言の6府県先行解除を決定したにもかかわらず、会見を拒否。官邸でのぶら下がり取材でお茶を濁そうとしたが、イライラを隠せず、長男がアキレス腱であることを露呈。疑惑はますます深まっている。
総務省に接待攻勢をかけていた東北新社は26日、「総務省職員の処分という重大な事態を招き、関係者に深くおわび申し上げる」として関係者を処分。2019年11月に山田真貴子内閣広報官(当時は総務審議官)を招き、単価7万円超えの「社長就任パーティー」を催した二宮清隆社長が引責辞任。三上義之氏と木田由紀夫氏も執行役員を解任された。 そして、菅首相長男の菅正剛氏も懲戒処分とし、メディア事業部趣味・エンタメコミュニティ統括部長を解任し、人事部付に。ハイビジョンに対応していないのに、他社を押しのけて認定された子会社の囲碁将棋チャンネルの取締役も辞任した。ただ東北新社は「多くは木田氏にしたがって参加していた」と従属的立場だったと強調。“温情”をにじませた。 「総務省が幹部ら11人に減給などの処分を下したのとバランスを取ったのでしょう。もっとも、社長辞任といっても、形式的なもの。二宮氏は創業者の植村伴次郎氏(故人)の娘婿で、オーナー一族のひとり。夫人は大株主で、夫妻の持ち株比率は10%を上回る。経営への影響力は変わらないでしょう」(放送業界関係者) 東証ジャスダックに上場する同社株は下落傾向で、株価対策の側面も否めないが、菅首相への影響を計算した絶妙なタイミングでもある。 ぶら下がりでの菅首相は出だしこそ穏やかだったものの、進行を務める広報官不在が次第に裏目に。 「高額接待を受けた山田内閣広報官の問題が影響したのですか」などと会見拒否の理由を矢継ぎ早に何度も問われ、「全く関係ありません」「こうして『ぶら下がり会見』をやってる」とイキリ立ち、しまいには「同じような質問ばっかり」とブチ切れた。「完全に別人格」とする長男の処分については「私は承知していない。会社としてのケジメだと思う」とぶぜんとした表情だった。 「こういうことだけは手際良く幕引きを図るつもりが、菅首相はどんどんボロを出してしまっている。官邸記者クラブも山田氏が広報官では会見が成立しないと通告する気概を見せてほしいものです」(政治ジャーナリストの角谷浩一氏) 何もかも泥縄だ。 |
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●菅首相長男らの違法接待で深まる謎…東北新社の正体とは? 2/27 | |
「企業のコンプライアンスが叫ばれる今の時代になっても、あそこまでの官僚接待をやっているとは……」
総務省幹部ら計13人が菅首相の長男・正剛氏らから違法な接待を受け、11人が処分された問題。衛星放送業界の関係者は、こう言って驚いていたが、長男が部長職(26日付で解任され人事部付に)を務めた「東北新社」とは一体、どんな会社なのか。 同社は1961年、菅首相と同じ秋田県出身の創業者・植村伴次郎氏(故人)が設立。外国映画やドラマの日本語吹き替えや配給事業からスタートし、CMやテレビ番組の制作、衛星放送など事業を広げていった。 同社と総務省との“親密”な関係が築かれたのは、同社が「スターチャンネル」で衛星放送に参入した1980年代〜90年代に遡るとも。その立役者が創業者の植村氏だったと、前出の関係者は話す。 「当時はまだおおらかな時代でしたからね。植村氏は総務省の若手の役人とも親しく付き合っていて、いろいろ面倒も見ていたそうです。そうした官僚たちがその後、出世して偉くなっていった。植村氏が総務省を訪れると、局長や審議官クラスの役人たちが三顧の礼で迎えたそうです」 植村氏は2004〜10年に一般社団法人衛星放送協会の会長を務めた。植村氏も同社も、衛星放送業界で主導的な役割を果たしてきたとされる。植村氏は03年に同社会長、09年に最高顧問となったが、長男の徹氏(故人)が10年から19年まで社長を務めた。 植村親子による菅首相サイドへの献金は、少なくとも12〜18年の間に500万円あったことを首相自身が認めている。 今回の違法接待問題では、総務大臣秘書官を務めた菅首相の長男が同社と総務省とのパイプ役になったというのが大方の見方だが、同社は30年前から総務省に食い込んでいたということか。もっとも、そこへ菅首相の長男が入社し、体制はさらに盤石になったわけだ。 「『Netflix』などのインターネット動画配信サービスに押されて、いまや衛星放送は斜陽産業です。業界の懸案は人工衛星の運用会社に支払う利用料金の負担軽減。これについても、東北新社が業界を代表する形で積極的に動いているようです」(前出の関係者) なお同社は26日、総務省接待問題を受け、二宮清隆社長が引責辞任したと発表した。二宮氏は総務省幹部との会食に参加していた。後任には中島信也副社長が昇格した。 とはいえこの問題、まだまだ解明されていない謎がたくさんありそうだ。 |
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●接待問題の菅首相長男は「ちゃらいけどいいやつ」 2/28 | |
慶大大学院の岸博幸教授(58)が28日、TBSテレビの情報番組「サンデー・ジャポン」に出演。総務省の接待問題に関与した菅義偉首相の長男について「本人を知っていますから弁護しておくと、ちゃらいけどいいやつですよ」と語った。
番組では、長髪にたばこをくわえてスマートフォンを操作する長男の写真を紹介。司会の太田光が「まさかあのちゃらいやつが菅さんの息子とは、(接待を受けた山田真貴子内閣広報官は)思いもしなかったと」と皮肉を込めて話したことに応じ、岸さんが擁護した。 一方、山田広報官が接待を受けているのが菅首相の長男からだと分かっていたかについて、岸さんは「(長男と)分からないことはないと思います」とし、認識していたと推測した。 さらに「菅さんが総務大臣時代に(長男が)政務秘書官をしていて、そうなると課長以上は大臣説明がありますから、(山田広報官は長男を)見ているはず」とした上で「息子さんが東北新社に入ったら、総務省といい関係をつくりたかったでしょうから、当然、名刺であいさつしているはずですから、常識的に考えて、知らないということはあるのかな、という感じがします」と会食以前に接点があった可能性を指摘した。 山田広報官は25日の衆院委員会で、会食で長男と認識していたかについて「そうではなかったのではないか」「会食していた時点では認識していたのかなと思う」とあいまいな答弁をした。 |
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●接待受けた山田真貴子広報官を「持ち上げすぎ」 2/28 | |
慶大大学院の岸博幸教授(58)が28日、TBSテレビの情報番組「サンデー・ジャポン」に出演し、菅義偉首相の長男が勤務する会社による総務省職員への接待問題について、経産省の勤務経験から、接待を受けた山田真貴子内閣広報官(60)を「持ち上げすぎだなと思います」と指摘した。
岸教授は山田広報官とは30年来の知り合いといい、「役人で優秀なのは2種類あって、新しい政策を考え改革できる人と、人間関係で利害関係を足して2で割るのがうまい人」と持論を語った上で「(山田広報官は)後者という印象。人間関係で上に上がっていくのは私がいた経産省にもいましたから、そういうのがうまい人なんだろうな」と分類した。 山田広報官は1984年入省で「この年代は女性キャリアが少ない。そうなると周りから声がかかりますから、うまく使って人脈を増やしていったんだろうなという気がします」と官僚の特性をあてはめた。 |
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●長男問題、会見先送り…「菅政権の終焉」がいよいよ現実味を帯びてきた 2/28 | |
笑顔を見せても表情が歪んでいる。熱心に話しても、モゴモゴと口ごもって聞こえる。きっと不器用なのだ。でも国民はいま、そんな陰気なオーラのリーダーを求めていない。気分が滅入ってしまう。
●キョロキョロ、オドオド 官邸内の暗がりの中に、落ち武者のような菅義偉総理の姿が、白く淡いライトを浴びて、ぼうっと浮き上がる。 「ニヤァ」 そして菅は、チラチラ左右に目を泳がせながら幽鬼のように笑う。いや、笑ってはいないのかもしれないが、そう見える。 全国民が感じてしまう、菅という男の耐えがたい暗さ—。 異様な姿を見かねたのか、ついに二階俊博幹事長が横から口を出し、叱咤激励したという。 「おい、街頭演説するような気持ちでしゃべれ!」 二階派議員の一人がこう語る。 「最近、菅総理は会見時に、原稿が目の前に表示されるプロンプターを使用し始めた。実は、二階さんが『それ、いいじゃないか。早く買ってやれ』などと勧めて、使うようになったのです。総理は記者が集まる前に密かに使い方を練習して、視線をどこに置くかなど、必死に研究している」 もともと菅は、プロンプターの使用には消極的だった。プロンプターというと、かつて細川護熙元総理が使っていたというイメージが強く、「キザったらしい」ということで、菅の流儀に合わないことが理由の一つ。 もう一つの理由は、「天敵」の小池百合子東京都知事がやはりプロンプターを駆使しているため、「あの女の真似はしたくない」という、菅の意地とプライドの問題だった。 だが、それら菅の個人的事情も、二階大幹事長の鶴の一声によって吹き飛んだようだ。菅はついにプロンプターを導入し、「明るい会見」に向けた第一歩をようやく踏み出したのだった。 ところが、いざ使ってみると、なぜか逆効果になってしまった。 自民党中堅議員がこう言って嘆息する。 「会見の時の総理の目線がおかしいでしょ。使い慣れなくて自信がないのか、菅さんは会見の冒頭にプロンプターがきちんと作動しているか、そちらを神経質にチラチラと見るんですよ。そのため、キョロキョロ、オドオドと目線が左右する、いわゆる『キョドった』状態に見えてしまい、不安感がさらに増した。イメージは、むしろ前より悪化しているのではないか」 もうすぐ、季節は巡って春となる。 緊急事態宣言は延長され、東京などは3月7日まで続く可能性が高いが、その頃には草木が芽吹き、花も咲き始め、人々は新しい春の訪れを寿いでいるに違いない。 なのに菅総理は、あまりにも暗い、暗すぎる。 春の足音とともに、このコロナ禍を暖かい風が吹き飛ばしてくれるのではないか。国民の誰もが願い、希望を抱いている中、菅が醸し出す陰々滅々としたオーラは、一体どうしたことなのか。 「菅さんは、いよいよ疲れ切っているんです」 そう話すのは、官邸内の様子に詳しい関係者の一人である。 「現在、通常国会が開幕中ですが、連日の予算委員会などでのやり取りで、菅さんは疲労困憊して、官邸に戻るとしばらくソファでぐったりしている。2月5日には、答弁書を執務室に忘れて答弁に詰まってしまい、事務方が慌てる一幕もありました。その上、最近は執務室に入る際、周囲にいる人間をぎょろりと睨むような仕草をするようになった。孤立感を深め、一人きりで執務室にこもる時間が増えています」 憔悴のためか、食も細くなっているという。 「総理は、昼になるとステーキ弁当など、精が付くものをよく注文して食べているのですが、以前は完食していたのに、このところは残してしまうことが多いそうです。近くで見ると一回り小さくなったようにも見える。このままでは倒れるのではないか、という心配の声も上がっています」(官邸スタッフの一人) ●涙ぐましい努力を重ねて 暗い、陰気だ、顔を見ると滅入る—。そうした厳しい世論は、菅自身が百も承知している。そのため、菅は菅なりに、必死で負のイメージを払拭しようとしてきた。だが、うまくいかない。 二階派幹部の一人は、「菅総理は、実に涙ぐましい努力を続けている」として、こう語る。 「1月18日に行われた施政方針演説に、総理はすべてを懸けていた。直前の週末、総理は議員宿舎の自室から一歩も外へ出ず、2日間引きこもって演説の練習をひたすら続けた。緊急事態宣言の対象地域について、『福岡』を『静岡』と言ってしまったり、菅総理と言えば言い間違いというイメージが定着している。施政方針演説では、そうした間違いが起きないよう、全身全霊を傾けた」 血のにじむような猛特訓の結果、いざ本番の施政方針演説は、以下のような顛末に至る。 〈施政方針参院で言い直す場面も〉 〈衆院本会議ではほぼ原稿通り読み上げたが、その後の参院本会議では、新型コロナウイルス感染症対策の緊急事態宣言をめぐり、「徹底的な対策」というべきところを「限定的な対策」、35人学級について「小学校」と言うべきところを「小中学校」と口にし、言い直す場面もあった〉(「朝日新聞」1月19日付) 努力は、まったく報われなかったのである。 前出・二階派幹部は、無念さを滲ませながら、こう続けた。 「新聞に出ているほかにも、『うしろめたい』を『うしろめいた』と言ったり、『機能を強化』を『気運を強化』などと、数々の言い間違いを防げなかった。国民は、菅総理と一緒に難局を乗り越えていこうという気持ちにはならないだろう。残念だ」 春なのに、涙がこぼれます……。それは菅の涙ではなく、泣きたいのは国民のほうだ。 ●息子問題で犯人探し 菅の心身を蝕むストレスの大きな要因が、コロナ禍にあることは間違いない。だが、それに輪をかけて、いまその身の回りでは問題が続出している。 その一つが、自身の長男が絡んだ醜聞だ。 「『週刊文春』が報じた、総理の長男・菅正剛氏が総務省の高級官僚を接待していた件は、直前まで総理に知らされなかった。2月3日に何か政権批判の記事が出るらしいと秘書官から聞いて、『また夜の銀座か?』などと、総理は愚痴っていましたが、その直後、実は息子のスキャンダルだと知ると蒼ざめ、『みんな下がれ』と秘書官らを執務室から追い出し、一人で閉じこもってしまった」(別の官邸関係者) 菅が総務大臣を務めた際、大臣秘書官を務めていた正剛氏は、その後、衛星放送などを運営するメディア企業・東北新社に「天下り」。いわゆる「接待・宴会部長」的な役割を担っていたという。 「正剛氏は総務大臣秘書官時代、実務は事務方任せで、『あれではバカ息子じゃないか』と眉を顰められていた。当時、菅さんは若手キャリア官僚を招いた勉強会を開いており、今回、接待を受けたとされる官僚たちはその勉強会メンバーで、菅さんの大のお気に入り。筆頭格で次期事務次官と言われた谷脇康彦審議官は、総理の肝いりで進められた携帯電話料金引き下げの旗振り役でもある。息子と子飼いの官僚が癒着したこの違法接待疑惑は、道義面以上に政策的な意味でも、総理のダメージが大きい」(全国紙政治部記者) この件を国会で野党から追及された菅は、「(長男は)べちゅ、別人格ですから!」などと色をなして反論したが、これも世論の反発以上に、与党内で不興を買ってしまったという。 自民党ベテラン議員がこう嘆息する。 「長男は関係ない、と否定せざるを得ないのは分かる。だが、息子を『別人格』と言い放ち、『会ってもいない』と切り離したところに、菅総理の暗さ、温かみの無さを感じた同僚議員も多い。せめて、『コロナのせいで、会いたくても会えていないんです』くらいのことを言えば、多少は国民が受ける印象も変わっただろう。だが菅総理には、そうした柔軟性や政治センスもない」 自助などと言って、困窮する国民に自己責任を強いておきながら、息子には「コネ」で美味しい思いをさせていたのだ。猛反省してもそれで済む問題ではないが、スキャンダル発覚後、菅が実施したのはまたも根暗な「犯人捜し」である。 「いまや唯一の側近となった和泉洋人首相補佐官に命じて、総務省から誰が情報を漏らしたのか、裏切り者を特定しようとしている。しかし、国交省出の和泉をいくら走らせても、総務省内での犯人捜しなどできっこない」(前出・官邸関係者) 自分や息子の不始末を真摯に釈明するわけでもなく、人間不信に陥った菅は、ますます独り言や愚痴が増え、一人で焦って迷走しているという。 「ワクチン接種の段取りが想定以上に難航しており、総理は焦燥感を強めています。以前は一日に2〜3回、河野(太郎)ワクチン担当相に電話をかけて『早くしろ』とせっついていましたが、今は一日に5〜6回は電話している。2月中旬以降、なんとか1万人分のワクチン接種が開始できそうですが、最初に打つ予定の医療従事者だけで約370万人おり、まるで足りません。一方、河野さんの裏で存在感が薄れた加藤(勝信)官房長官に、菅さんは不満を抱いている。加藤さんは『総理を支える立場なので、自分の気配を消すのが仕事だ』などと言っていましたが、『だからと言って、本当に消えてどうする』と、やる気を見せない加藤さんに憤慨しているのです」(別の官邸スタッフ) ●二階をシカト 何をやっても、どう努力してもうまくいかない。周りにいるのは面従腹背のバカばかり……。 菅の怒りとイラつきの矛先は、とうとう、政権の後ろ盾となっている二階にも向けられ始めた。 「4月に北海道、長野、広島で3つの国政選挙が行われるが、自民党は苦戦や不戦敗が見込まれている。この件で頻繁に、二階から菅に電話がかかってくるが、最近は『かけなおす』と言って総理が電話に出ないことが増えたという。秘書官らにも『二階さんからの電話でも、すぐに取り次がなくていい』と伝えているようだ。選挙のことしか頭にない二階に、菅もさすがにうんざりしたのかもしれない」(自民党幹部) 菅は最近、「俺は総理のガラじゃない」と、ポツリと漏らすことがあるという。総理には向いていなかった。菅自身が、それを痛感しているのだ。今さらそんなことを自覚されても、国民からすればたまったものではない。 「この政権は、もはやリカバリーできないところに来てしまった。菅政権はもう終わりだという雰囲気が強まっている。しかし、すぐに菅降ろしにはならない。コロナ禍、東京五輪と難題山積の中、いま総理が交代したら、秋の自民党総裁選、その後の衆院選までに、次期政権も追い詰められてしまう可能性が高い。たとえ支持率が1%になっても、菅総理には秋まで粘ってもらう。その後、『選挙の顔』にクビをすげ替えるというのが、残された唯一の道だ」(細田派議員) どうやら我々は、暗闇に浮かぶ菅の顔を、まだしばらく眺めて暮らさねばならない。真の春は、はるか遠い。 |
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●総務省なぜ今公表?携帯2社「解約ページ問題」で批判かわす 2/28 | |
菅政権による携帯電話料金の引き下げ要請により、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3社の料金プランは、月額2980円に集約された。サービス内容は「データ使用量20ギガバイト」、「5分以内の国内通話無料」込みのプランで、現状の6割減と大幅な値下げとなった。
ようやく決着がついた携帯料金の値下げ問題だが、26日に総務省は大手2社の不正を公表した。 ドコモとKDDIが自社の解約ページを検索しても、意図的に表示させないようにしていたのだ。ホームページのHTMLタグに「noindex」というタグを入れることで、検索しても表示されなくなる仕組みになっているが、両社は解約ページにこの細工をしていたというのだ。 しかし、ドコモ、KDDIは、すでにこの年末年始で改善しており、現在、解約ページは表示されるようになっている。なぜ、総務省はこのタイミングで発表したのか。 「契約者の離脱を防ごうと、すぐにバレるような細工をしていた2社も問題です。しかし、このタイミングでの発表は、菅義偉首相長男の接待問題で揺れる総務省が、違う問題に批判の矛先を向けようとしたとしか思えません」(市場関係者) 菅首相の長男で、放送事業関連会社の東北新社勤務の正剛氏が繰り返していた総務省幹部への違法接待問題が、連日大きく取り上げられている。くしくも、総務省が今回の解約ページ問題を公表した26日に行われるはずだった、緊急事態宣言の先行解除に関する菅首相の記者会見は、急きょ取りやめになった。 会見中止の理由は、正剛氏から7万円超の接待を受けていた司会進行役の山田真貴子内閣報道官が、集中砲火を浴びるのを避けるためといわれている。 長男の“パパ活”による、政権崩壊の危機を食い止めるのに必死なようだ。 |
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●20WG報告書案で東北新社要望を反映 2/28 | |
総務省審議官ら総務省幹部多数が菅義偉総理の長男で東北新社勤務の菅正剛氏らから供応接待を受けていた問題で、日本共産党の藤野保史議員は25日の衆院予算委員会で東北新社による39回に及ぶ接待攻勢で、総務省の有識者会議「衛星放送の未来像に関するワーキンググループ」の報告書案が2020年報告書案では東北新社の要望を受けた内容を反映するものになっていると指摘した。
藤野議員は2018年の報告書案になかった人工衛星など「事業者側のインフラ利用料金の負担軽減」が2020年の報告書案に盛り込まれた。また2018年報告書では右旋帯域利用枠について「公募するか、新規参入が適当」という内容だったが、2020年報告書案では「4K事業者に割り当てるべき」となったと指摘した。接待攻勢の時期と報告書案の変更時期が集中していることに注視した。 総務省審議官時代7万円超の飲食接待を受けた山田真貴子内閣広報官は25日の衆院予算委員会で飲食懇談の際に「放送業界全般の話はあったかもしれないが、一般的な懇談だった。放送行政をゆがめるような働きかけはなかった」と旨を強調。 しかし、ワーキンググループの報告書案変更点が東北新社の要望と合致している点をどう説明するのか。日本共産党の志位和夫委員長は(1)「東北新社」は何の目的で39件もの接待を行ったか。(2)総務省幹部が我も我もと接待に応じた「理由」は何か。首相への忖度が働いたのではないか。(3)放送行政が歪められたのではないか「初歩的な疑問が不明なままだ」と提起し、東北新社、総務省双方の関係者の国会招致で更なる解明が必要としている。 |
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3/1 | |
●辞任の山田内閣広報官、「2週間程度の加療必要」の診断… 3/1 | |
政府は1日、山田真貴子内閣広報官(60)の辞職を持ち回り閣議で決定した。総務審議官時代に菅首相の長男が勤務する放送関連会社「東北新社」から高額な接待を受けたことが問題となっており、野党が早期の辞職を求めていた。
首相は1日、首相官邸で記者団に、「国会審議の極めて重要な時期にこうした事態に至り、国会はじめ皆様方に迷惑をかけたことを大変申し訳なく思う」と陳謝した。山田氏の後任については、「業務に支障を来さないよう、できる限り早く決定したい」と語った。 政府によると、山田氏は2月28日、体調不良により入院し、杉田和博官房副長官を通じて辞職を申し出た。「2週間程度の加療が必要」と診断されたといい、1日に辞表を提出。参考人として出席予定だった1日の衆院予算委員会を欠席した。2月25日の衆院予算委では、自身の健康状態について「大病もしている」と述べていた。 総務省の調査では、山田氏は2019年11月、首相の長男ら同社関係者4人と会食し、1人あたり7万4203円の接待を受けた。首相は加藤官房長官を通じて厳重注意し、山田氏は1か月分の給与報酬の10分の6の自主返納を決めていた。 山田氏は1984年に旧郵政省(現総務省)に入省し、第2次安倍内閣で女性初の首相秘書官を務めた。次官級の総務審議官などを経て、昨年9月に発足した菅内閣で内閣広報官に就任した。 |
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●山田真貴子内閣広報官の辞職を決定 政府 3/1 | |
菅総理大臣の長男らから7万円を超える接待を受け追及されていた山田真貴子内閣広報官について、政府は持ち回りの閣議で辞職を決定した。
山田氏は先週国会で、菅総理の長男らから受けた接待について、「一般的な懇談で働きかけはなかった」と説明し辞職を否定していた。また、菅総理も「女性の広報官として期待している」として続投させる考えを示していた。 一方、先週金曜日に関西など6府県に対して緊急事態宣言の解除を決定した際に菅総理が記者会見を開かなかったことから、会見の仕切り役となる「山田広報官隠しだ」などの批判が与野党から出ていた。 |
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●「傷口を最大限に広げてから…」政府関係者 山田真貴子広報官 辞職 3/1 | |
接待を受けていた山田真貴子内閣広報官が1日、辞職した。
山田広報官が辞職した背景と、政権への影響について、フジテレビ政治部・鹿嶋豪心記者が中継でお伝えする。 山田広報官の辞職をめぐっては、菅首相の判断が遅かったのではないかという指摘が、政府内からも出ている。 立憲民主党・枝野代表「(首相が)先週の段階で辞めてくださいとお願いすべきではなかったか。遅きに失したと思わないか?」 菅首相「(山田氏が)入院先から、杉田副長官に辞意、その夜に私にその旨の報告があり、わたし自身は、そういう状況であればやむを得ないと判断した」 衆議院予算委員会で、立憲民主党の枝野代表は、「山田氏が先週辞職していれば、緊急事態宣言が一部解除された先週金曜日に記者会見を行うことができたのではないか」とただした。 これに対し、菅首相は「首相官邸でのぶら下がりの中で丁寧に説明した」と反論した。 山田氏の辞職について、政府関係者は「傷口が浅いうちではなく、傷口を最大限に広げてからの辞職になった」と話している。 一方、6つの府県で宣言が解除されたことに関連し、菅首相は「3月7日に予定通りすべての地域で解除すべく、これまでの対策を徹底することが重要だ」と強調した。 さらに、ワクチン接種に関する費用負担について、「各自治体が算出した所要額は、すべて国が責任を持って支払いたい」と明言した。 |
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●高額接待、山田真貴子広報官が辞表提出 体調不良で入院 3/1 | |
菅義偉首相の長男が勤める放送関連会社「東北新社」から7万4千円超の接待を受けた山田真貴子・内閣広報官は、1日付で辞表を提出した。持ち回り閣議で辞職が決まった。
首相は1日の衆院予算委員会で、山田氏が2月28日に体調不良で入院したことを明らかにした上で、「(山田氏が)入院先から杉田和博官房副長官に辞意を伝え、その夜、副長官からその旨報告があり、そういう状況であればやむを得ないという判断をした」と述べた。山田氏は1日の衆院予算委に参考人として招致されていたが、出席は取りやめとなった。 加藤勝信官房長官は記者会見で、「体調は本人しか分からない。私個人としては、体調のそういうことがなければ、引き続きがんばっていただきたいと思っていた」と語った。 山田氏は総務審議官だった2019年11月、東北新社から7万円超の接待を受けた。先月25日の衆院予算委では、東北新社からの放送行政に関する働きかけを否定したうえで、「職務を続けていくなかで、自らを改善していきたい」と述べ、広報官を続投する意向を示した。 首相も同24日の時点では「深く反省している。女性の広報官として期待しているので、そのまま専念してほしい」と語っていた。 接待問題をめぐっては、総務省の調査では、東北新社は「利害関係者」と認定された。接待を受けた同省幹部ら11人について、国家公務員倫理規程に違反したとして減給などの処分を行った。山田氏はすでに総務省を退官しており、同省の処分の対象外だった。このため、自ら月額給与10分の6(70万5千円)を自主返納し、会食代も東北新社側に返金することを申し出ていた。 山田氏は総務省の情報通信国際戦略局長などを歴任。第2次安倍政権では女性初の首相秘書官に就いた。昨年7月に総務省を退官した後、政府広報のトップとして菅政権の内閣広報官に抜擢(ばってき)された。 |
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●山田真貴子内閣広報官が辞職 3/1 | |
衛星放送関連会社に勤める菅総理大臣の長男などから接待を受けていた山田真貴子・内閣広報官は、28日体調不良を理由に入院し、1日辞職しました。菅総理大臣は、国会で、今回の接待問題を改めて陳謝しました。
山田真貴子・内閣広報官は、総務審議官当時、衛星放送関連会社「東北新社」に勤める菅総理大臣の長男などから1回で1人あたり7万円を超える飲食の接待を受けていました。 先月25日には、参考人として国会に出席し「公務員の信用を損なうことになり、深く反省している」と陳謝し事業に関する働きかけはなかったなどと説明したうえで、辞職を否定していました。 また、菅総理大臣も先週、「今後とも、頑張って欲しいと思っている」と述べ、続投させる意向を示していました。 しかし、野党側は山田氏の国会での説明は不十分だなどとして内閣広報官を辞職するよう求めていました。 こうした中で、山田氏は、28日体調不良で入院して1日付けで「職務を続けるのは困難だ」として辞表を提出し、持ち回りの閣議で認められました。 この影響で、午前9時から予定されていた衆議院予算委員会の集中審議は、30分遅れて始まり、菅総理大臣は「私の家族が関係して、結果として公務員が倫理法に違反する行為をしたことは、大変申し訳なく、国民に深くおわび申し上げる。行政に対する国民の信頼を大きく損なう事態になったことは、深く反省しなければならない」と陳謝しました。 山田氏は、旧郵政省出身で、第2次安倍政権で、女性として初めての総理大臣秘書官を務めました。 総務省を退官したあと、去年9月に内閣広報官に起用され菅総理大臣の記者会見で進行役を務めていました。 |
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●「人事の宝刀」振りかざす菅首相が身内には大甘処分 3/1 | |
総務省の大臣秘書官から東北新社に移った菅氏長男らによる同省幹部への接待疑惑。調査結果が公表されたが処分は大甘で、身内に甘い菅首相の姿勢が露呈した。総務省は2月22日、「倫理規程に違反する疑いがある会食一覧」というリストを発表した。菅義偉首相の長男である菅正剛氏が勤める「東北新社」から総務省幹部らが受けた接待の詳細が記されており、銀座、赤坂、六本木などの歓楽街にある高級飲食店で計39回の接待が行われたことがわかる。
●関係取り持った正剛氏 「意見交換」「親睦会」「忘年会」「暑気払い」……。そんな名目で開かれた会食で総務省幹部ら13人が「おごられた」総額は、57万7005円。ほかにお土産代、タクシー代なども記されており、菅正剛氏ら接待する側の飲食代を含め、東北新社側が支払った金額は190万円を超える。 東北新社の出席者は、当時の二宮清隆・東北新社代表取締役社長、三上義之・取締役執行役員(株式会社囲碁将棋チャンネル取締役、株式会社スター・チャンネル取締役兼務)ら。そして、総務省と同社の間を取り持ったとされるのが、「首相の長男」の看板を背負う菅正剛メディア事業部趣味・エンタメコミュニティ統括部長(株式会社囲碁将棋チャンネル取締役兼務)だった(いずれも現在は役職を辞任)。 正剛氏は菅首相が総務大臣だった時、大臣秘書官に抜擢された。その後、霞が関から東北新社へと転職している。 衛星放送は総務省の許認可事業だ。総務省は東北新社の子会社である「株式会社東北新社メディアサービス」「株式会社スター・チャンネル」「株式会社囲碁将棋チャンネル」が、放送法に基づく衛星基幹放送の業務認定を受けている会社であることを認めている。会食にはこれらの会社の役員が複数参加しており、東北新社側が衛星放送事業を有利に進める目的で、総務官僚に接近したことが分かる。 まさにその認定を行う情報流通行政局の秋本芳徳局長(当時)や衛星・地域放送課長は言うまでもないが、事実上の総務省ナンバー2だった谷脇康彦・総務審議官ら他の幹部にとっても、東北新社が「利害関係者」にあたる疑いがあることは明らかだ。国家公務員倫理規程違反の疑いがあるにもかかわらず、幹部たちが会食に参加した理由が正剛氏の存在だったことは想像に難くない。 ●身内による調査に疑問 利害関係者による接待への参加は、表向きには禁止されているが、霞が関では日常的に行われているのが実態だ。このリストを見た別の総務官僚は、その人選や店選びを含め、霞が関の慣習にのっとった実によく出来た接待だと語る。 「課長クラスで客単価1万円前後の居酒屋。局長級で客単価2万円、個室のある高級レストラン、次官級で客単価4万円以上の高級料亭。それにお土産と帰りのタクシーチケット。まさに接待のお手本となるようなリストですね。そもそも次官級官僚と定期的に飯を食う関係を作るには、間を取り持つ人物が接待をする側の会社の内部にいないと成立しない。正剛氏はまさに適任だったのでしょう」 2月24日、総務省は一連の飲み食いを利害関係者からの違法接待と認めた。一方、この一連の接待によって総務行政が歪められた事実はないとし、次官級の谷脇康彦、吉田真人両総務審議官を減給10分の2(3カ月)の懲戒とするなど、計11人を処分した。 ところが、この調査が結論ありきのずさんな調査だった疑いが翌25日浮上する。衆議院予算委員会での今井雅人議員(立憲民主党)による質疑で、この調査に入った弁護士が総務省の職員(非常勤の公務員)だったことが判明したのだ。 外部ではなく総務省に雇われている身内が、身内の不祥事を調査して「問題なし」と報告する。答えに窮した武田良太総務大臣は「弁護士さんは弁護士さんだと思う」と発言し、議場は騒然となった。この問題を一日も早く幕引きにしたい菅政権の思惑が垣間見られる。 ある自民党幹部は菅首相の胸の内をこう代弁する。 「とにかく調査報告が出る前に、何らかの処分を先に発表する。その上で調査内容については、徹底的に小出しにする。発表された報告書をよく見ると『令和3年2月22日時点で確認できた事実関係』と書かれていて、本当はもっとあるのかもしれない。菅さんにしてみれば、自身の長男が関わる不祥事が、安倍晋三前首相の妻、昭恵さんが引き起こした不祥事と同じような印象を国民に与えることだけは避けたいと思っている。予算委員会は6月まで続くので、逃げ切りを図るにも難しい」 ●側近が受けた豪華饗応 総務省が出したリストには載っていなかった接待がある。その額は、全体でもダントツの7万4203円。総額ではなく、1人あたりの金額だ。接待を受けたのは、当時総務審議官で、内閣広報官として菅首相の側近を務めてきた山田真貴子氏だ。形式上総務省を外れているため、別建ての発表となった。 山田氏と、前出の谷脇氏は当時、同じ総務審議官。しかも2人は同期入省組で旧郵政省出身という共通点がある。菅首相に近い自民党議員はこう証言する。 「谷脇氏は菅政権肝煎りの携帯電話料金値下げ事業のキーパーソン。山田氏は内閣広報官として菅首相の記者会見を矢面に立って差配する。2人とも菅首相にとっては頼りがいのある優秀な人材ですよ」 山田氏は25日の衆院予算委で会食を認め謝罪したが、正剛氏が同席していたかや会話の内容は「記憶にない」とはぐらかした。総務政務官の経験がある国会議員は、かつて部下だった山田氏を「実務をこなせる優秀なキャリア人材。行き届いた気配りに長けた人物」と評する。 しかし、その「行き届いた気配り」は、時に「行きすぎ」となる。山田氏は菅首相がNHK番組に出演した際、学術会議問題に関しキャスターが想定にない質問をしつこく重ねたことを問題視し、NHKに抗議の電話をかけたとも言われている。また、総務省時代、これから社会人となる若者へのメッセージの中で「飲み会を断ったら二度と誘われない。私は飲み会を断らない女です」と発言していたことも話題をさらった。 国会に参考人として出席し、陳謝した山田氏に、野党は一斉に広報官の辞任を要求。共産党の志位和夫委員長は25日の会見で「広報官は首相会見を運営する。記者から(自身の問題を)問われ『もう時間だから』と打ち切るつもりか」と批判した。 ●「女性として」にも反発 しかし菅首相は「本人は深く反省し、おわび申し上げている。やはり女性の広報官として期待しているので、そのまま専念してほしい」と続投を明言。山田氏が月給の6割にあたる70万円を自主返納することで幕引きを図ろうとしたが、沸き上がる世論の反発に抗しきれず、3月1日の閣議で辞任が決まった。前出の自民党議員は、追い込まれるまで山田氏の更迭を決断できなかったことが後々命取りになるのではと危惧する。 「自主返納だけでこの問題を済ませ、広報官を続投させようとした。『首相は自らの意に沿わない官僚には人事を振りかざし更迭させるが、長男(正剛氏)や山田氏ら身内には甘い』との批判がいつまでも噴出し続ける」 また菅首相が続投の理由として「女性」を持ち出したことにも世論は反発。結果的に山田氏が辞任に追い込まれたあとも予算委員会での追及は終わる気配がなく、政権への深刻なダメージとなるのは必至だ。 |
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3/2 | |
●なぜ東北新社は「首相の息子で官僚を接待」 3/2 | |
庶民派イメージを売る菅義偉首相の長男が、総務省から許認可を受ける放送事業会社・東北新社の部長として、幹部官僚らに7万円のステーキやらの高額接待をしていた。
しかも、その長男には「コネ入社」の疑惑も持ち上がっている。東北新社の創業者が菅首相の支援者で多額の献金をしているからだ。 それが事実なら、パパの力で総務大臣秘書官となり、パパのパトロンの会社に入り、パパの威光で総務省幹部に懐柔させていたことになる。「既得権益の打破」を訴えていた菅首相が、実は政治家という特権的立場をフル活用して身内に利益をもたらす、ゴリゴリの「既得権益おじさん」だったという事実に、政治や行政への不信感が高まっている人も多いだろう。 筆者もまったく同感だが一方で、報道対策アドバイザーとしてさまざまな企業不祥事に立ち会ってきた立場として、それよりも関心があるというか、不思議でしょうがないことがある。それは、なぜ東北新社の経営陣が「首相の息子に官僚を接待させる」という明らかにアウトな戦略を何年も続けていたのか、ということだ。 東北新社のWebサイトに掲載された、中間報告概要によれば、執行役員が「自ら主導をして多数回の会食を実施」、その執行役員を管理監督すべき立場にあった取締役執行役員も「自らも複数回の会食を主導」、さらに前社長の二宮清隆氏も「自ら上記会食に同席」していた。 つまり、「総務官僚への接待攻勢」は、なにも菅首相長男が自分の人脈をひけらかすために勝手にやっていたことではなく、東北新社経営陣が会社の方針として決定し、自らも進んで動いていた「事業戦略」なのだ。 ●総務省へのロビイングは続いていた 実際、総務省などの報告では、東北新社による幹部ら13人の接待は、2016年7月から20年12月にかけてのべ39件にのぼる。「たまたま」「うっかり」という言葉では説明できない数字であり、「絶対に幹部を接待漬けにしてやるぞ」という強い意志さえ感じる。そんなアウトロー的な経営方針に加えて、筆者が驚いているのが、この39件の半分に菅首相の長男を同席させている点だ。 東北新社が接待攻勢を強めていく18年、森友・加計学園問題が発覚して「官僚への忖度」「アベ友」なんて言葉が連日のように取り沙汰されたのは、記憶に新しいだろう。 首相の夫人や友人たちが関わる事業がことごとく「政治の介入があったのでは」と疑惑の目を向けられる社会の風潮のなかで、菅官房長官(当時)の長男の、総務大臣政務秘書官時代に培った人脈を利用して、総務省幹部を接待していることに対して、東北新社の経営陣がなんのリスクも感じなかったとは考えにくい。 官僚人事を支配する「菅官房長官」とのパイプをちらつかせて、幹部官僚に接待攻勢を仕掛けて許認可に影響を与えていたとしたら、モリカケ問題よりはるかに悪質だ。会社がひっくり返る大スキャンダルである。しかし、経営陣は「首相の長男」を引っ込めるどころか、接待の最前線に立たせ続けていた。 経営陣が超お気楽だったという可能性も否めないが、常識的に考えればこれは「菅首相の長男を用いてのロビイング」が、東北新社経営陣とって、リスクを上回るメリットが感じられたということではないのか。 例えば、総務省の有識者会議「衛星放送の未来像に関するワーキンググループ」の18年の報告書で、右旋帯域利用枠について「公募するか、新規参入が適当」とあったものが、20年の報告書案では「4K事業者に割り当てるべき」と変更され、東北新社など既存事業者の要望に沿う形に変更されている。これについて2月25日の衆院予算委員会で、日本共産党の藤野保史議員が、東北新社の接待攻勢によって要望が反映されたのではないかと指摘している。 ●リスキーな戦略を選んだ背景 東北新社は子会社を通じて「スター・チャンネル」や「囲碁将棋チャンネル」など8つの衛星チャンネルを手がけているが、これは地上波テレビ局のように電波を「独占」できるような立場ではない。 実際、既存の放送事業者が使う電波が圧縮され、チャンネルの空きが出たことで、総務省はBS放送で3チャンネル分の新規参入事業者を募集し、ジャパネットホールディングス、吉本興業、松竹ブロードキャスティングの3社が加わっている。そんな風に競合が増えているなかで、衛星チャンネルの視聴者も増えているかというとそうとは言い難い。Netflixなど動画配信サービスのシェアが急速に拡大しているからだ。 このように市場の競争が年々激しくなっていくなかで、少しでも自社のビジネスを有利に進めようとしたとき、許認可権を掌握する役人に手もみしながらすり寄っていくことを選ぶ経営者も少なくない、というのは元農水相にカネを渡していた鶏卵大手・アキタフーズの元会長が、農水事務次官ら幹部職員を接待していた事実からも明らかだ。 そこに加えて、東北新社が「菅首相の長男に官僚を接待させる」というリスキーな戦略を選んだ背景には、政治や行政という権力に近づきすぎて、「世間一般の感覚」を失ってしまったことも大きいのではないかと感じている。 仕事柄、企業でロビイングを担当している人によく会う。ほとんどは、ちゃんとルールを守って、政治家や官僚と面会して、自社や業界のための政策実現に向けて陳情や提言をしている方たちだが、なかには、永田町や霞ヶ関であまりに長く過ごしたせいで、「世間ズレ」してしまう方も少なくない。「政治・役人ムラ」のなかでしか通用しない異様なルールが、日本社会を支配していると勘違いしてしまうのだ。 例えば、分かりやすいのが、何かとつけて大物政治家とのパイプを誇示して、官僚をマウンティングする人たちだ。頼んでもいないのにツーショットの写真や名刺を見せびらかして、「オレを軽く扱うとあなたの公務員キャリアに傷がつきますよ」と暗に脅して、自分の要望を通そうとする。 一般庶民の感覚としては、「暴力団の名前を出して粋がる昔のチンピラじゃないんだから」とドン引きするような話だが、やっている本人たちからすれば「役所を動かす正しい方法」で、後ろ指を刺されるようなものではない。つまり、このように世間ズレしたロビイストたちは、大物政治家との強固なパイプさえあれば、無理な話もだいたい通るし、都合の悪い話もモミ消すことができるという錯覚に陥ってしまうのだ。 ●自分たちまで権力を握ったように錯覚 東北新社の創業者である故・植村伴次郎氏と、菅首相は同じ秋田出身ということで20年ほどの付き合いがあって、その縁で長男も植村伴次郎氏と面識があったと首相本人が国会で答えている。また、植村氏は息子である故・植村徹氏とともにこれまで500万円の献金を菅首相にしている。 この親子二代に渡る手厚い支援に、菅首相もちゃんと応えている。「囲碁将棋チャンネル」が10年8月に開催した「新社名披露パーティー」に、菅氏は出席した。当時は下野していたとはいえ、「元総務大臣」を呼べると示した意味は大きい。おまけに総務大臣秘書官を務めて息子までいる。この一件で、総務省幹部たちの頭には「東北新社=菅系企業」と叩き込まれたはずだ。 このように「政治家とのパイプ」を長く誇示してきた企業はどうなるのかというと、感覚が麻痺してしまいがちだ。その政治家が権力を握るにつれて、何やら自分たちまで権力を握ったように錯覚してしまう。政治家や官僚のように国民感覚とかけ離れた非常識さが当たり前になってしまうのだ。 つまり、このご時世、東北新社が「首相の長男に官僚を接待させる」という時代錯誤的なロビイングをしてしまったのは、「われわれは創業者から20年来の付き合いもある菅系企業だ」という「おごり」によって経営陣のモラルが壊れてしまった可能性があるのだ。 ただ、東北新社をかばうわけではないが、彼らがこのような一般人の感覚とかけ離れた勘違いをしてしまったのにはしょうがない部分もある。放送事業の世界では、戦国時代の政略結婚ではないが、「政治家の子息」を入社させることで、総務官僚を萎縮させるというロビイングのスタイルがずいぶん前から「常識」となっていたからだ。 例えば、昨年退社をしたが、安倍晋三前首相の甥はフジテレビ社員だった。加藤勝信官房長官の娘さんもフジテレビにいると週刊誌が報道している。TBSでは、麻生太郎副総理兼財務相の甥が在籍しているのは有名だ。 これが氷山の一角であることは、「テレビ局出身の世襲議員」が多くいることが示している。石原伸晃衆議院議員は日本テレビにいたし、小渕優子衆議院議員もTBSにいた。平井卓也デジタル大臣など、西日本放送の社長まで務めている。 ●永田町・霞ヶ関の常識は、世間の非常識 ほかにも電波事業者には、政治家の地縁・血縁がうじゃうじゃいる。なぜかというと、放送事業者側が求めるからだ。「政治家とのパイプ」をちらつかせれば官僚は萎縮する。交渉を有利にすることができるし、場合によっては仲間になってくれる。 総務官僚は事業者に強いが、政治家に弱い。一方、政治家は事業者に選挙や献金で世話になるので頭が上がらないが、総務官僚はアゴで使うことができる。そんな「ジャンケン」のような3すくみ状態で物事を進めていくのが、昔ながらの放送業界の「ルール」なのだ。そのような意味で考えると、東北新社は実は「ムラの掟」を踏襲しただけにすぎない。 われわれ国民の感覚では、今回の高額接待問題は非常識極まりない話だが、放送事業者と総務省幹部からすれば、本音のところでは「東北新社も運が悪かったなあ、あれくらいのことみんなやっているのに」くらいの感覚かもしれないのだ。 どんな世界にもその世界でしか通用しない非常識なルールがある。しかし、それが社会全体に通用するわけがない。政治家や官僚に対してロビイングをする企業の担当者は、ぜひ「永田町・霞ヶ関の常識は、世間の非常識」を肝に銘じていただきたい。 |
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●総務省と東北新社の違法接待問題 疑惑の本丸 3/2 | |
菅首相の長男が勤める東北新社による総務官僚への違法接待問題が国会を揺るがしている。疑惑の本丸は、接待によって「行政がゆがめられた」可能性だ。その一端が議事要旨からうかがえるのが、東北新社幹部や接待官僚が参加した総務省の有識者会議。この“癒着会議”に調査のメスを入れるべきだ。
問題の有識者会議は、2018年2月に設置された「衛星放送の未来像に関するワーキンググループ(WG)」だ。4K、8K放送の開始に合わせ、衛星放送の将来的なあり方などについて検討することを目的とした会議体である。東北新社の社外取締役が会長を務める「衛星放送協会」など業界関係者や有識者に加え、東北新社から接待攻勢にあった総務官僚もメンバーに名を連ねる。 「発足を主導したのは当時、総務政務官だった改革派の小林史明・自民党衆院議員です。菅首相の長男と会食した秋本芳徳・前情報流通行政局長に、『一敗地にまみれないと』と揶揄された人物です」(霞が関関係者) WGは同年5月の第5回会議で報告書案をまとめると、休眠状態になった。休眠中は菅長男ら東北新社による接待攻勢が増加。WGメンバーのうち接待を受けたのは19年7月まで約2年間、放送行政を所管する情報流通行政局長だった山田真貴子氏を含む9人。この間だけで19回もの接待漬けだ。 すると、休眠から2年後の20年4月にWGは突然、再開。途端に方向性が「東北新社寄り」のペースになっていくのだ。 総務省のHPに公開されたWGの議事要旨からは、コスト低減を狙いたい衛星放送協会の「要望」が随所に見て取れる。WG再開後初の会議では、協会が〈投資を行うためには、更なる固定費の削減が必要になる〉と記された資料を配布。同年9月に提出した資料には〈衛星放送の固定費負担は大きい〉〈固定費の低廉化で…○コンテンツに投資を! ○さらなるサービス料金の値下げにフィードバックを!〉と、固定費の低減を強く求める文言が入っている。 同日のWGの議事要旨によると、ある有識者が「(衛星放送関連会社と)衛星放送協会が連携して、固定費問題等を検討することが重要だ」と発言。この人物は協会の理事を務めている。 つまり、WG再開後も東北新社の接待攻勢は過熱し、同社の役員と関連のある有識者、接待官僚の3者で検討が行われていたわけだ。結果的に、同年12月にまとめられた報告書案には協会側の望み通り〈利用料金低減に向けた取り組みを積極的に進める〉〈総務省においても必要な対応を行う〉との文言が入った。18年5月の報告書案にはなかった「事業者コストの低減」が盛り込まれたのである。 やはり、行政はゆがめられたのではないか。電波行政に詳しいジャーナリストの松岡久蔵氏はこう言う。 「今回の一件は、改革派の小林議員が18年5月に一定の方向性をつけた後、休眠状態になったWGが総務官僚や東北新社に“換骨奪胎”とばかりに利用されたように見えます。WGが行われているさなかの接待攻勢ですから、東北新社に有利な結論が導かれた可能性は否定できません。総務省の検証委員会は今後、徹底的に突っ込んだ調査が必要です」 より詳細な「議事録」を公開し、“疑惑の本丸”に切り込むべきだ。 |
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●東北新社「コネ問題」 新キーマン“元NHK看板キャスター”と“菅首相の弟” 3/2 | |
本誌の直撃取材に答える、ダンディな白髪の男性――。彼はかつて『NHKニュース10』のメインキャスターを務めていた、今井環氏(68)だ。久米宏(76)を擁する『ニュースステーション』(テレビ朝日系)に対抗してスタートした『ニュース10』。そこに抜擢された後、NHKの理事にもなった今井氏を今回、直撃したのには理由がある。
「じつは今井さんは、渦中の東北新社で『顧問』に就任しているんです。しかし役員一覧などに名前はなく、公表はされていません」(政界関係者) 東北新社は、衛星放送事業などをおこなっている企業。現在、菅義偉総理(72)の長男・正剛氏が “コネ入社” し、総務省幹部に高額接待を繰り返していたことが明らかになり、日本中を騒がせている。なぜ、その企業に今井氏が「顧問」として関わっているのだろうか。放送業界関係者が話す。 「NHKはコスト削減のために、2023年度に4Kを含むBS波を、3波から2波に減らし、さらなる削減の可能性も検討しています。東北新社は、そのNHKが手放したBS波を取得して、さらなる利益増を考えているようです。 そこで、BS番組の制作などを手がける『NHKエンタープライズ』の社長も2016年まで務めていた今井氏を招聘し、NHKや衛星放送事業界に顔が利く “取りまとめ役” として期待しているのでしょう」 また、今井氏にはもうひとつ、“同窓生” という大きな武器があった、と前出の政界関係者が話す。 「今井さんは愛媛県出身で、県内の名門・愛光高校を卒業しました。この愛光高校の6つ下の後輩に、接待問題にも登場する総務省の谷脇康彦総務審議官(61)がいるんです」 今回、東北新社から受けた “接待の金額” がトップだったことで注目された谷脇氏は、衛星放送事業を管轄する総務省のナンバー2。「次期事務次官は間違いない」といわれてきた。 事務次官になれば、NHKが手放したBS波の割り当てについての決裁にも関わってくる。東北新社は、この「愛媛ルート」に期待して、今井氏を迎え入れたのか――。2月26日、自宅から出てきた今井氏を直撃した。 ーー東北新社の顧問に就任されたのは事実でしょうか? 「はい。2020年の5月からです」 ーーどういった業務を? 「NHK出身で、NHKエンタープライズでは番組制作もやっていましたから。人の紹介などを手伝っています」 ーー総務省の谷脇氏と、業務上のつき合いはありますか? 「つき合い……。つき合いというほどでは。後輩にあたるかな、愛光の。(連絡は)まったく取っていません」 ーー接待問題については? 「顧問といっても、総務省関連はまったくタッチしていないから、わからないです」 最後に「もうこのあたりで」と言い、今井氏は立ち去った。 今回の接待問題は、もとを正せば正剛氏が “親の威光” で、2008年にコネ入社したことから始まった。そして、この「菅家のコネ入社」の歴史を遡っていくと、菅総理の弟・秀介氏に行きつくのだ。 月刊『文藝春秋』によると、秀介氏は2002年に自己破産したあと、半年もたたないうちに「菅総理とJR東日本の関係」から、JR東日本の子会社である「千葉ステーションビル」に、部長として入社したとされる。 千葉ステーションビルに入社の経緯を尋ねると、「当時のことはわかりません。(コネ入社だという)事実は承知していません」との回答だった。 甥の正剛氏の騒動をどう見ているのか。2月25日、細身のスーツを着て自宅から出てきた秀介氏を直撃した。 ーー甥御さんの “コネ問題” が騒ぎになっていますが……。 「勘弁してください」 秀介氏は不機嫌そうな表情で、そう答えるだけだった。総理には “自助う作用” を求めたい。 |
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●東北新社で前部長 菅首相の長男は総務省幹部との「パイプ役」 3/3 | |
菅正剛。いまや“時の人”である。菅義偉首相の長男で、衛星放送のチャンネルを運営する東北新社(ジャスダック上場)の前部長。先月4日発売の「週刊文春」(2月11日号)がスクープした、〈東北新社による総務官僚4人の接待〉が連日、国会で取り上げられ、広がりを見せている。
衛星放送は総務省の許認可事業だ。東北新社から高額の飲食接待を受けたことは国家公務員倫理法に基づく倫理規程に抵触する。東北新社は菅首相の威光を利用して官界工作をしていたのではないか、との疑惑が渦巻く。まさに政官財の癒着の構図だ。 秋本芳徳・前情報流通行政局長と正剛らが昨年12月10日に会食した際の音声データ(2月17日付文春オンライン)がトドメを刺した。BS、CS、スターチャンネルなど放送事業に関するやりとりがバッチリ録音されていた。 総務省は幕引きをはかる。先月22日、総務省幹部ら13人が延べ39回にわたり計60万円超の接待を受けていたとする調査結果を発表した。正剛が参加したのは21回。新たに判明した総務省職員8人は課長級が中心で衛星放送の担当課長や元課長も含まれる。総務省は職員12人中11人が国家公務員倫理規程に違反していたとして減給などの処分を実施した。 一方、“美人広報官”として知られた山田真貴子・前内閣広報官は、総務審議官だった2019年11月6日に接待を受け、和牛ステーキと海鮮料理などで7万4000円超の飲食費を負担させていた。この会合に、東北新社は、前社長や正剛ら4人が参加していた。ただ山田は昨年、総務省を退職していることから処分の対象にはならないが、菅首相が厳重注意し、給与10分の2の3カ月分に相当する額を一括で自主返納。3月1日に辞職した。 1990年代、金融機関による大蔵省(当時)、日銀への接待攻勢は悪名をとどろかせ、1人1万円程度は「ざぶん」、5万円前後は「どぼん」の隠語が使われた。この伝でいけば、総務審議官だった山田への接待は「どぼん」以上だったことになる。 監督官庁である総務省の官僚の接待はアゴアシ付きが“常識”といわれている。アゴは飲食代、アシは交通費(タクシーチケットなど)。東北新社の接待にはアゴアシ付きの案件が、多数、含まれていた。 菅首相には3人の息子がいる。 文春の報道によると、一番能力を買い信頼していたのは次男だそうで、大学卒業後、三井物産に就職して、「オヤジさんにうりふたつ」(三井物産幹部)といわれている。 三男は法政大学のアメフト部で活躍し、大手ゼネコンで働いている。 菅が頭を痛めていたのが長男、正剛だったそうだ。 正剛は81年、横浜市生まれだから、今年40歳。“湘南ボーイ”が集う逗子開成中学、高校から明治学院大学に進み、ミュージシャンを目指していた。 そんな正剛の行く末を心配したのだろう。 06年9月26日、第1次安倍内閣の総務大臣として初入閣した菅は、正剛を大臣秘書官に起用した。25歳の時だ。 菅は「週刊プレイボーイ」(09年6月22日号)で、こう語っている。〈秘書が選挙に出たので人が足りなくなり、「プラプラしていた」長男を採用した〉。大臣秘書官は官庁内に席はあるが、特別職なので出勤簿やタイムカードはない。特別職の公務員として税金から給与が支払われる。 翌07年7月5日まで総務大臣秘書官として務めた。 08年、首相と同じ秋田県出身で有力後援者であった東北新社の創業者・植村伴次郎に、正剛を「カバン持ち」として預けている。伴次郎、その長男で元社長の徹(ともに死去)の創業一族から首相は計500万円の政治献金を受けていた。 正剛は入社時から映画専門のスターチャンネルなどの衛星放送事業に関わってきたという。昨年5月、メディア事業部の趣味・エンタメコミュニティ統括部長に就任。東北新社グループの活ヘ碁将棋チャンネルの取締役を兼務していた。 「上層部から期待されている彼(正剛)の“特命任務”は総務省幹部とのパイプ役」(東北新社関係者) そりゃそうだろう。総務省は菅首相の“天領”といわれているのだから。 菅首相は常々、「人事権を使って官僚を意のままに動かす」と公言している。官僚にとって最も大事な人事を握っているのだから最強の人だ。 「首相の長男が参加するという会合であれば、断れない」――これが官僚の本音だろう。 東北新社の接待攻勢は子会社が手掛ける衛星放送の認可・更新の時期に集中していた、との証言もある。 |
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●山田広報官辞職 疑惑は残されたままだ 3/3 | |
これで幕引きとはならない。総務省に対する接待攻勢の裏に何があったのか疑惑は残されたままだ。
放送事業会社・東北新社に勤める菅義偉首相の長男正剛氏側からの高額接待を批判された山田真貴子内閣広報官が辞職した。体調不良が辞職の理由だが、事実上の引責辞任である。それでも高額接待の責任を取ったとは言えない。 接待問題で総務省は幹部ら9人を減給や戒告の懲戒処分にするなど11人を処分した。ところが、武田良太総務相は処分対象者のほとんどを現職に留め置くなど身内に甘い処分だった。 菅首相が広報官に抜てきした山田氏への対応も誤った。山田氏が辞任する用意があると伝達していたのに官邸は続投で乗り切れると判断した。首相の任命責任が問われる事態を避けたかったのだろう。官邸側の保身によって対応は後手に回り、傷口を広げた。 今後、東北新社の接待攻勢が何を目的としたものなのか、放送行政がゆがめられなかったかが明らかにされなければならない。 東北新社と総務省幹部らの会食は2016年7月から20年12月にかけ延べ39件行われた。この間の東北新社に関する許認可への影響の有無について具体的に調査し、解明すべきだ。内部調査で明らかにならなければ、第三者機関による調査も必要である。 菅正剛氏の存在や果たした役割についても明らかにするべきだ。菅首相が総務相時代、正剛氏は秘書官を務めていた。その後の東北新社への就職は「天下り」と見られても仕方ない。一連の問題で菅首相は「私と長男は別人格」と抗弁したが、ほとんど説得力を持たない。首相は接待問題について自らの言葉で明らかにすべきだ。 菅首相は総務相時代、自身の政策に異議を唱えた課長を更迭した過去がある。今も総務省に対し影響力を及ぼしているみられている。強権を誇る首相と忖度(そんたく)する官僚という構図が問題の背景にある。 昨年9月に菅政権が発足して以来、疑惑や不祥事が次々と判明した。ところが菅首相は疑惑を明らかにし、国民の信を取り戻そうという姿勢からほど遠い。 「桜を見る会」の前夜祭会場だったホテル側が作成した明細書が明らかになり問題が再燃したが、菅首相は再調査を拒んだ。吉川貴盛元農相が在任中、広島県の大手鶏卵会社前代表から現金を受領し、収賄罪で在宅起訴された問題でも菅首相は「大変残念」と述べるだけで実態解明には踏み込まなかった。 田中氏の問題でも菅首相は先月26日、緊急事態宣言一部解除を受けた会見を開かず「山田氏隠し」と批判された。 菅首相の態度は責任回避に終始するものであり、国民の不審は高まるばかりだ。今回も山田氏辞職で済む話ではない。説明責任を果たすべきは菅首相である。 |
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●“接待”市民団体が菅首相や長男ら刑事告発 3/3 | |
菅総理大臣の長男らから総務省幹部が接待を受けた問題で、市民団体が、菅総理大臣の長男や総務省幹部などを贈収賄の疑いで、東京地検特捜部に刑事告発しました。
贈賄の疑いで告発されたのは、衛星放送関連会社「東北新社」の二宮清隆前社長と、勤務する菅総理大臣の長男ら4人、収賄の疑いで告発されたのは、総務省の谷脇康彦総務審議官ら幹部4人と、内閣広報官を辞職した山田真貴子氏です。 告発した市民団体によりますと、二宮前社長や菅総理大臣の長男らは、谷脇総務審議官ら総務省幹部4人と山田氏に、飲食代などおよそ20万円を賄賂として送った疑いがあるとしています。 また、菅総理大臣についても、自らの政治団体に東北新社の元社長から賄賂として50万円の寄付を受けたとして、あっせん収賄の疑いで告発しました。 |
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●首相、総務省の利害関係者と認識 違法接待の長男勤務先 3/3 | |
菅義偉首相は3日の参院予算委員会で、総務省幹部を違法に接待した長男正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」について、正剛氏の就職当時から総務省の利害関係者と認識していたと認めた。「放送に関与することは知っていた」と述べた。新型コロナウイルス感染症対策などを盛り込んだ21年度予算案は参院予算委で実質審議入りした。
立憲民主党の森裕子氏は、東北新社に放送事業の許認可を出した際の決裁文書に、接待の同席者の名前が明記されていると指摘。決裁した吉田真人総務審議官に「利害関係者との認識がなかったというのは本当か」と迫ったが、吉田氏は「認識していなかった」と釈明した。 |
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●東北新社の接待問題は「贈収賄疑惑」が焦点 3/3 | |
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菅総理の長男が勤務する東北新社の接待疑惑は、公務員倫理規程違反にとどまらず贈収賄の疑惑に焦点が移りました。これまで野党は総務省に接待の事実を細かく確認してきましたが、3/1衆院予算委員会での塩川鉄也議員の追求で一気にそれらが繋がり全体像が見えるようになりました。2018年5月に出された衛星放送の有識者会議(ワーキンググループ)の報告書は、新規参入を促すなど東北新社に不利な内容でした。その後なぜか2020年4月に同じワーキンググループが再始動され、2020年12月には新たに東北新社に有利な報告書が出ました。塩川議員の質問により、総務省幹部の参加する接待が2018年の報告書以降、2020年12月の報告書までの間に集中的に行われていたことが明らかになりました。姑息だったのは現在総務省幹部ではないという理由で山田真貴子氏がカウントされていなかったことです。塩川議員の指摘で1件追加也。さらに参加者の構成メンバーから、東北新社がワーキンググループの事務方ばかりを誘って接待攻勢を行なっていた実態が判明です。しかも、なんとこの時期に東北新社から菅総理自身にも献金50万円がありました。2018年は選挙もなく菅総理の「選挙見舞い」の答弁は成り立ちません。これはもう塩川議員の「菅首相の存在が行政をゆがめる大本にあった」という指摘が核心を突いています。
● やっとメディアが報じました。総務省幹部を菅首相長男を含む東北新社幹部が接待した結果、放送行政がゆがめられたことを示す事実経過。真相の徹底究明が必要です。 東北新社に不利な審議会報告書(2018年5月)ー 接待21回 ー 審議会再開(2020年4月) ー 接待7回 ー 東北新社に有利な審議会報告書(2020年12月) ● 接待攻勢で放送行政がどのようにゆがめられたか。共産・塩川議員の衆院予算委員会での追及です。週刊文春が暴露した接待中の会話の意味がくっきりと浮かび上がってきます。 ● 新疑惑!東北新社元社長が菅首相に送った“謎の献金50万円” 献金額は50万円。これは、東北新社による総務官僚への接待攻勢が加速した時期なのだ。総務省と東北新社の幹部が会長を務める『衛星放送協会』による有識者会議が休眠状態になった直後。 ● 「接待問題」ではなく「(放送許認可権の)贈収賄疑惑」と報ずるべき… ● 予算委員会・塩川鉄也衆院議員「東北新社から菅首相に献金があった時期と、衛星放送が自社に有利になるよう総務省幹部と会食していた時期が重なっている」 菅首相「いずれにしろ」 ● 「接待攻勢 行政ゆがめた」衛星放送WG職員に集中 「東北新社に有利」塩川議員追及 衆院予算委 菅義偉首相の長男、正剛氏が勤務する放送関連会社「東北新社」の総務省接待をめぐり、同社の接待の大部分が衛星放送に関する同省のワーキンググループ(WG)の事務方職員に対して行われ、東北新社にとって有利な内容を盛り込んだWG報告書案が作成される期間に集中していたことが、1日の衆院予算委員会での日本共産党の塩川鉄也議員の追及で明らかになりました。塩川氏は「一連の接待攻勢で、東北新社に有利になるように行政がゆがめられた」と告発しました。 ● 新疑惑!東北新社元社長が菅首相に送った“謎の献金50万円” 菅首相の長男が勤める東北新社による違法接待問題を巡って、新たな疑惑が国会で浮上した。東北新社の元社長が菅首相側に送った「謎の献金」だ。(中略) 18年分の献金額は50万円。日付は10月3日だ。これは、東北新社による総務官僚への接待攻勢が加速した時期なのだ。 「ちょうどこの時期は、総務省と、東北新社の幹部が会長を務める『衛星放送協会』による有識者会議が休眠状態になった直後です。この頃から東北新社は、会議メンバーの総務官僚に接待攻勢している。その結果なのか、同会議は20年12月、協会側に有利な報告書案をまとめています」(霞が関関係者) 報告書案は、事業者のコスト低減など、協会の利益につながる内容になった。 |
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●山田内閣広報官は辞任する必要があったのだろうか 3/3 | |
●山田内閣広報官が辞任
菅総理大臣の長男が勤務する放送関連会社から接待を受けた問題で、野党から批判を受けていた山田真貴子内閣広報官は3月1日、辞職願を提出し、辞任が認められた。菅総理大臣は「国会審議の極めて重大な時期にこうした事態に至り、大変申し訳なく思う」と陳謝している。 飯田)政府によると、山田氏は2月28日に体調不良で入院し、2週間程度の加療が必要と診断されたということで、3月1日に辞表を提出し、受理されたということであります。 ●単に「一業者から接待を受けた」というだけのこと〜それによって東北新社に便宜が図られた形跡はない 有本)これは、公務員倫理規程というのでしょうか、これに反することがあれば、もちろん相応の処分は必要だと思います。だけど、この件は、総理の息子さんがそこにいたということを横に置いたとして、接待を受けたということによって、東北新社に特別な便宜が図られたというのであればこれは問題なのですが、そういう形跡がないとすると、単に「一業者から接待を受けた」というだけの話ですよね。それでここまで大騒ぎしますか? 飯田)接待そのものと考えると、特にコロナ前はいろいろなところでありました。 有本)そういうことをいま持ち出して来る。これも週刊誌報道が発端ですよね。ここまで騒いで、しかも、これは収賄ではないわけですよね。 飯田)かつてあったような大蔵省での接待汚職事件とは金額が違う。 有本)違いますよね。金額の問題もさることながら、その後、その特定の企業に対して何か便宜を図ったという形跡がないのであれば、単に過分な接待を受けてしまったという話でしかないわけでしょう。それでここまで大騒ぎをしますか。 飯田)そうですね。 ●ネットリンチのような山田元内閣広報官への攻撃 有本)それと、山田元内閣広報官の、個人的なことを相当晒してメディアが攻撃しましたよね。私はむしろこれが不適切だと思います。この人が個人として自宅をどう買ったかなど、そういうことまで晒す。また、これはメディアもネットも両方ですけれど、「この人は名誉男性なのだ」と。 飯田)職業の訓示の話を引っ張って来て、「私は飲み会に一切断らずに出ました」というような発言も。 有本)それは、昭和の時代から働いている人のガンバリズムみたいなものでしょう。それを言ったからと全人格を否定するようなことまで言うという、この種のリンチみたいなものですよね。 飯田)1984年に旧郵政省入省という山田さんのキャリアを考えると、男女雇用機会均等法の前ですよね。 有本)私より少し年上です。時代背景を考えれば、この人たちのそうした苦労というものがあったから、女性の地位が上がって来たという部分があるわけです。それをあのように侮辱するというのは、ついこの間まで「女の人を大事にしろ」と言っていた人たちから、なぜこの人への擁護の声が上がらないのかということに、矛盾のようなものを感じます。 飯田)名誉男性という言い方は。 有本)この名誉男性という言い方は、私も言われたことがあるのだけれど、これほど女性を侮辱した言い方はないですよ。 飯田)もともと「名誉〜」という言い方は、南アフリカでアパルトヘイトがあったときに……。 有本)名誉白人とかね。 飯田)我々日本人のようなアジア人で、所得の高い人を白人に準ずる扱いにしたという、ある意味の人種差別を容認しながら、というなかで生まれて来た価値観の言葉です。 ●この問題を扱うことは、国民にとって何の益もない国会の独占 有本)それと、日本が多くの問題を抱えているなかで、ここまで国会の審議時間を独占するほど重要な問題なのかということです。菅総理のご長男が絡んでいたということを問題にしたいわけでしょう。ただ、これもなかなか難しいところで、結局、菅総理側もご長男が絡んでいるということで、山田さんを庇おうとしたのだけれども、庇いきれなかったということです。本来はそれほど大きな問題でもないのに、野党のここ数年の攻め口というのは、安倍政権のときもそうだったのですが、「夫人がどうのこうの」とか、「息子さんが」とか、確かに、あまり褒められた状況ではないということはあります。そういうところを攻め口にすることによって、総理の気持ちを折ろうとする、この戦法ですよね。だけど、これは国民にとって、ほとんど何の益もない国会の独占です。いまそんなことをしている場合なのかなという感じがします。 ●処分を受けたのは電波行政に絡んでいる人たち 飯田)放送関連会社、東北新社ということで、これは電波行政にも絡むところです。山田さんは旧郵政省の出身です。郵政省がかつては電波行政をやっていた。今回、接待された側というのも旧郵政関係が多いのですよね。 有本)そうなのです。私はこの件、あまり言うと憶測が過ぎると怒られてしまうかも知れませんが、山田さんが昨年(2020年)、NHKに対して、総理が出演されたときの状況がよくなかったということをクレームしたという報道がありました。放送内容に対して直接口を出すことが適切かどうかということには、疑問があります。しかし、行き過ぎたものに対して、特に公共放送である以上は、政治側、あるいは政府側が何かを言うという場面は、あっても然るべきではないでしょうか。それから、今回この一連のことで、局長や審議官たちも同じように処分対象になっているわけですけれども、みんなNHKに厳しい人ばかりなのですよね。むしろ、審議官や局長はいわゆる「NHK改革」に期待されていた方たちと聞いていましたけれども、軒並み、飯田さんがおっしゃったように、電波行政に絡んでいる人たちです。こういう人たちが一連のことで処分を受けるということなのです。何となく、そういう背景は、いろいろ今回のメディアと野党の連合軍で、山田さんをすごい勢いで責め立てたというところと関連しているのかなと、勘ぐったりもします。 |
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●首相、接待問題沈静化狙う 3/3 | |
菅義偉首相は3日、小野日子外務副報道官を内閣広報官に起用したのを機に、自身の長男正剛氏が関係した違法接待問題の沈静化を図る考えだ。政府内では、外務省や官邸で国際広報担当を歴任した小野氏の経験を踏まえ、菅政権の発信力強化を期待する声も出ている。緊急事態宣言を巡って近く実施される、菅首相の記者会見で進行役を務める見通しだ。
小野氏は首相から辞令交付を受けた後、官邸で記者団に「重責に身が引き締まる思いだ。内閣の重要課題を、しっかりと分かりやすく伝えるのが自分の仕事だと思っている」と述べた。首相は「しっかり頑張るように」と激励したという。 |
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●NTTも総務省高額接待か 社長出席、日時や金額は調査中 3/3 | |
総務省の接待問題を巡り、NTTの澤田純社長も同省幹部らと会食していたことが3日、分かった。内閣広報官を辞職した山田真貴子氏や懲戒処分を受けた谷脇康彦総務審議官を含む数人を澤田氏らが高額な接待をしていたと文春オンラインが報じたのに対し、NTTは「会食を行ったことは事実」と認めた上で、日時や金額などの詳細は調査中とした。
総務省も事実関係の調査を始めた。菅義偉首相の長男の菅正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」に端を発した接待問題は、国内最大手の通信事業者に飛び火。谷脇氏は、東北新社以外から違法な接待は受けていないと国会で答弁し、整合性を問われるのは必至だ。 |
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●退社申出た菅首相長男、首相スポンサーの同族経営が終わった「東北新社」 3/4 | |
総務省のキャリア官僚に対する度重なる接待が問題視された「東北新社」は2月26日、二宮清隆社長が辞任し、接待を行っていた菅首相の長男を含む幹部3人の役職を解く処分を行ったことを発表した。長男は退社を申し出ているという。東北新社の創業者は菅首相のスポンサーで、その一族がトップを務めてきたが、それも終わることになる。
後任の社長には中島信也副社長が就任したことが発表された。 広告代理店の幹部に聞くと、「中島さんは広告クリエイティブ業界では超がつく有名人です。日清カップヌードルの『hungry?』や小便小僧が印象的なサントリーの『DAKARA』、宮沢りえと本木雅弘のサントリー『伊右衛門』など、誰もが見たことのあるCMシリーズを手がけてきました。実績はもちろん副社長という意味ではいつ社長になってもおかしくはなかったんですが、東北新社はファミリー経営でやってきた会社。今回の問題を受けての異例の登板であることは間違いない」 中島新社長と霞ヶ関との距離が“それなりにありそうなイメージ”も、出直しを期する会社のトップ就任を後押ししたはずだ。 この幹部に、「ファミリー経営」にも触れてもらうと、「一代で東北新社を築きあげた創業者の植村伴次郎さんは秋田出身で、同郷の菅さんを物心両面で長らく支援してきたようです。菅さんの長男を預かる形で入社させたことからも、『植村・菅』の関係の深さを物語っています。伴次郎さんが2010年に社長を退くと、長男の徹さんが後を引継ぎました」 そして伴次郎氏の体調が悪化するなどした19年の春に、社長は二宮清隆氏にスイッチした。 「二宮さんは伴次郎さんの娘婿に当たる。伴次郎さんはその年の秋に亡くなり、徹さんも昨年春にコロナに感染して死去。58歳の若さでした。そんな二宮さんもおよそ2年で引責辞任(特別顧問に就任)ということで、同族経営は一旦終わった形になりました。徹さんと二宮さんとの間には確執があったとされ、今回の一件の遠因と見る人もいますね」 その一方で、菅首相の長男は、メディア事業部の趣味・エンタメコミュニティ統括部長の役職を解かれ、人事部付に。兼務していた子会社「囲碁将棋チャンネル」の取締役も辞任した。 政治部デスクに聞くと、「本人は、総務省の最高幹部らのキャリアに泥をぬってしまったことに申し訳ないということ、世間を騒がせてしまったことについて反省しているようで、退社を申し出ていると聞いています。菅さんが総務大臣時代の大臣秘書官とはいえ、1年足らずですし、ミュージシャンをやってきた時間の方が長く、クリエイティブ部門で活躍する道もあったと思いますが、菅さんが創業者に“カバンもち”として預けた手前、そっちの方向に進むのも難しかったのかもしれません。その意味で、長男は気の毒だという声も聞こえてきますね」 首相の子息であり、その首相が影響力を保持する省庁の官僚としては会わない理由はないというのが一般的な対応ではある。 「ただ、長男本人はそれをひけらかして免許の更新に繋げたとか、行政を歪めるようなことがあったとか、そういうこともなく、実際そのような事実はないと社内調査には答えているようです。長男がいてくれるだけで、会社もありがたかったのは事実でしょうから、むげに扱うということはなく、慰留を続けると思われますが……」 |
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●東北新社 創業一族の二宮社長が違法接待問題で引責辞任 3/4 | |
東北新社は大揺れだ。2月26日付で創業家一族に連なる二宮清隆社長が引責辞任し、特別顧問となった。
二宮辞任に先立ち、総務省は2月24日、次官級の幹部ら11人が国家公務員倫理規程に違反していたとして減給などの懲戒処分と戒告・訓告を行った。 接待した側の東北新社は26日、二宮社長の後任にCMディレクターの中島信也副社長が昇格する人事を発表した。 接待を主導したメディア事業部長の三上義之取締役は解任(人事部付)。執行役員放送運用部長の木田由紀夫とメディア事業部の趣味・エンタメコミュニティ統括部長である菅義偉首相の長男、菅正剛は懲戒処分。いずれも人事部付に異動となった。 東北新社では、ここ数年、訃報が相次ぎ、今回の事件がこれに追い打ちをかけた。菅首相を窮地に立たせたのだから、深い傷痕が残りそうだ。 創業者の植村伴次郎は2019年10月15日、肺炎のため90歳で亡くなった。伴次郎の長男で前社長の植村徹も20年4月21日、58歳で死去した。早い死であった。 経営は伴次郎の娘婿、二宮清隆が引き継いだ。二宮が引責辞任したため経営陣から創業一族はいなくなった。 伴次郎は1929年3月、秋田県由利郡東滝沢村(現・由利本荘市)で生まれた。戦時中は、群馬県の中島飛行機の工場で学徒動員として汗を流した。 50年代、新橋で「COMO」というバーを経営。ここに劇団四季の若手俳優たちが集っていた。時代はラジオからテレビに移り、テレビ関係者も「COMO」に顔を見せた。 当時のテレビ業界は自社でドラマなどを制作する能力が不足していた。ビジネスチャンスとみた伴次郎は、59年、東北社を設立。「劇団四季の浅利慶太が、伴次郎が秋田出身であることから東北社と名付けた」(劇団四季の関係者)という。 オペラのプロデュースを目的として創業したが、伴次郎が外国テレビ映画の日本語吹き替えの仕事に乗り出したことで社長など他の経営陣と対立した。 61年4月、伴次郎は鞄喧k新社を立ち上げた。東北社から移籍した7人で、テレビ映画「ハイウェイ・パトロール」などの日本語版吹き替え事業を始めた。「奥さまは魔女」「スパイ大作戦」「ララミー牧場」などが次々とヒットし、吹き替えの仕事は大繁盛。64年、新日本映画製作所を買収してCM制作事業に手を染めた。 66年、SF特撮人形劇のテレビシリーズ「サンダーバード」で吹き替えだけでなく、自ら海外から番組を輸入する版権ビジネスに進出した。貿易自由化により、大手テレビ局以外も海外送金が自由化され、海外からテレビの版権を購入することができるようになったからだ。「サンダーバード」はNHKで放映され、子どもたちに爆発的な人気を博した。 アニメ作品「宇宙戦艦ヤマト」の版権を買い取り、ディズニー作品の日本語吹き替え版の製作を担当した。劇場アニメ「千と千尋の神隠し」を徳間書店、日本テレビ放送網(現日本テレビホールディングス)と共同製作したことが特筆される。 2002年、株式を店頭登録(現ジャスダック市場に上場)、港区赤坂に新本社ビルを完成させた。東北新社が大躍進する原動力になった版権ビジネスになぞらえて新しい本社は「サンダーバードビル」と呼ばれた。 これを機に伴次郎は第一線を退く。03年に会長となり、09年に最高顧問へと、さらに一歩下がった。 CM制作が主力となった時代だ。CM制作で手腕を発揮した林田洋が2代目社長に就き、10年まで務めた。 3代目社長が伴次郎の長男の植村徹。中学時代から海外生活が長い国際派。「第2のサンダーバードの発掘」を目指した。 19年、創業者の伴次郎が死去。徹も病に倒れ、社長を辞任。翌年亡くなった。経営は伴次郎の娘婿で博報堂(現博報堂DYホールディングス)出身の二宮清隆に託された。 東北新社はCM制作が主力で映像版権やBS・CS放送も手がける。映画の製作・配給もやっている。コロナ禍で各企業が広告費を削ったため、CM制作の仕事が大幅に減少。ユーチューブに軸足を移そうとしている。 21年3月期の連結決算は売上高が前期比13%減の522億3400万円、営業利益は71%減の8億6800万円。当期利益は63%減の6億5300万円と大幅な減益を見込む。配当は8円(20年同期16円)と半減する。 総務省官僚の接待問題が大火事となった。今回のスキャンダルが主力のCM制作にどう影響するかは見通せない。創業以来、最大の試練の秋を迎えたことだけは間違いない。 |
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●谷脇総務審議官、NTT社長らとの会食認める 3/4 | |
加藤勝信官房長官は4日の記者会見で、NTTから高額接待を受けていたとされる問題を巡り、総務省の調査に対し谷脇康彦総務審議官が澤田純NTT社長らとの会食の事実を認めたことを明らかにした。同時に総務省が3日付で、国家公務員倫理審査会に調査開始の通知を行ったと説明した。「総務省で迅速、正確かつ徹底して、真相究明に当たってもらいたい」と強調した。
谷脇氏は、東北新社以外から違法な接待は受けていないと国会で答弁していた。総務省幹部によると、今月2日までの聞き取りに対しても同様の説明をしていたという。 NTT側も谷脇氏や山田真貴子前内閣広報官を含む総務省幹部数人と会食の事実があったことは認めている。日時や金額などの詳細は調査中としている。 文春オンラインの報道などによると、澤田氏は2018年9月に谷脇氏と会食。会計は9万円弱だった。谷脇氏は同月と20年7月にも、それぞれ別のNTTグループ首脳級と会食し、3回で計17万円以上の接待を受けたことになるという。 |
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●東北新社が外資規制に違反 総務省、認定を取り消さず 3/5 | |
放送関連会社「東北新社」が高精細の「BS4K」放送の認定を受けた後、同社が放送法の外資規制に違反していたにもかかわらず、総務省が認定を取り消していなかったことがわかった。5日午前の参院予算委員会で小西洋之議員(立憲)が指摘した。武田良太総務相は「ルールにのっとって必要な対応をしていきたい」と述べた。
放送法は、地上波やBS放送などを行う事業者に外資規制を定めている。外国の個人・法人などが株式の20%以上を持つ事業者は放送を行えない。社会的影響力が大きく、公共性の高い電波の利用は国民の利益が優先されるためだ。認定後でも20%以上となれば、認定を取り消さなければならない。 BS4Kの申請の受付は2016年9〜10月にあり、同社は翌17年1月に認定を受けた。同社の有価証券報告書によると、外資比率は17年3月末時点で21・23%だった。だが、認定は取り消されていない。 総務省は「違反を当時認識していなかった」と答弁。同社が違反を認識していたかどうかは「確認中」とした。申請時の16年9月末時点の外資比率は19・96%だったという。 東北新社は認定を受けた地位について、17年10月、100%子会社の「東北新社メディアサービス」に承継した。この日の政府答弁によると、直前の同9月末時点の東北新社の外資比率は22・21%。しかし、同省は承継を認めた。決裁者のトップは当時、同省情報流通行政局長だった山田真貴子・前内閣広報官だった。 参院予算委で小西氏は「承継は違法、無効ではないか」とただしたが、総務省は「想定していないケースで、法律関係を整理する必要がある」と述べるにとどまった。 東北新社による総務省幹部への接待を巡っては、同省幹部ら11人が国家公務員倫理規程に違反していたとして減給などの処分を受けた。武田総務相は国会で、接待が行政の公平性に影響を及ぼしていないかを問われ、「行政がゆがめられた事実は確認されていない」と答弁している。 |
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●東北新社、放送法違反の疑い 3/5 | |
菅義偉首相の長男正剛氏が勤める放送事業会社「東北新社」を巡り、外資規制を定めた放送法違反の疑いが浮上した。立憲民主党の小西洋之氏が5日の参院予算委員会で、同社の過去の外資比率を指摘したのに対し、総務省の吉田博史情報流通行政局長は「事実であれば違反の可能性が高い」と認めた。
放送法は衛星基幹放送事業者に対する外国資本比率を20%未満とするよう定めている。小西氏は子会社に放送事業を承継する前の東北新社に関し、2017年3月末時点で20%超だったと指摘した。違反した場合は事業認定を取り消されるが、事業はそのまま子会社に引き継がれた。 |
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●武田総務相、東北新社は「放送法違反の可能性」 外資規制に抵触か 3/5 | |
武田良太総務相は5日の参院予算委員会で、放送事業会社「東北新社」が放送法で定める外資規制に「違反していた可能性が高い」と明らかにした。立憲民主党の小西洋之氏への答弁。
武田氏は東北新社からの聴取内容として、同社がBS4Kの業務認定を受ける前に19・96%(2016年9月末)だった外資比率が、認定後の17年3月末の株主名簿では21・23%となっていたと報告した。放送法は、20%以上を外資規制違反と規定しているため、武田氏は違反の可能性に言及したうえで、「ルールにのっとって必要な対応を取っていきたい」と述べた。 東北新社には菅義偉首相の長男正剛氏が勤めており、小西氏は「首相の長男が働いているから認定取り消しをしなかったのではないか」と追及したが、武田氏は「そういった事実は確認されていない」と否定した。 |
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●東北新社 放送法の外資規制に違反 武田総務相 3/5 | |
総務省の幹部らに接待を行っていた衛星放送関連会社「東北新社」について、武田総務大臣は、参議院予算委員会で、法律で定められた外資規制に違反していたことを明らかにしました。
総務省の幹部らが衛星放送関連会社「東北新社」に勤める菅総理大臣の長男らから違法な接待を受けていた問題に関連し、立憲民主党の小西洋之氏は、「東北新社」が放送法で定められた外資規制に違反しているのではないかとただしました。 これに対し武田総務大臣は「衛星基幹放送には、議決権の20%を基準に外資規制が課せられているが、東北新社に確認したところ、放送業務の認定を受けた時点の外資比率は20%未満だったが、その後、20%以上となっていて、その時点で、外資規制に違反していた可能性が高いと考えられる。ルールにのっとって必要な対応をとっていきたい」と述べました。 さらに小西氏が「なぜ放送法に基づいて認定を取り消さなかったのか。菅総理大臣の長男が働いている会社だったからではないのか」とただしたのに対し、総務省の吉田情報流通行政局長は「当時、総務省として外資規制に違反しているという認識がなかった」と述べました。 |
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●総務省幹部らNTT社長などと会食 総務相が陳謝「徹底的に調査」 3/5 | |
衛星放送関連会社からの接待問題で懲戒処分を受けた総務省の幹部ら2人が、NTTの社長などと会食していたことが明らかになったことについて、武田総務大臣は、重ね重ね、行政や国家公務員に対する疑念を招くことになったと陳謝したうえで、違法な接待がなかったか可能なかぎり対象職員を広げて徹底的に調査する考えを示しました。
衛星放送関連会社からの接待問題で懲戒処分を受けた総務省の谷脇総務審議官に加え、巻口国際戦略局長がNTTの社長などと会食をしていたことが明らかになり、総務省は違法な接待がなかったか調査を始めています。 武田総務大臣は、閣議のあと記者団に対し「重ね重ね、行政や国家公務員に対する疑念を招くに至ったことをおわび申し上げたい。しっかりと事実関係を明らかにし、再発防止と国民からの信頼回復に向けて、全力を挙げて取り組む」と陳謝しました。 そのうえで、今後の調査について「可能なかぎり対象職員を広げて徹底的に調査するよう指示した。国家公務員倫理審査会の指導も受けて、可能なかぎり迅速に進めたい」と述べました。 |
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●東北新社の許認可めぐり放送法違反だと追及 3/5 | |
参院予算委員会で5日、2021年度予算案に関する基本的質疑が総理入りで行われました。立憲民主党の1番手として質問に立った小西洋之議員は、(1)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策(2)東北新社等の接待問題(3)東北新社の放送法違反事案――について取り上げ、菅総理らの見解をただしました。
●COVID-19対策 COVID-19対策をめぐっては、首都圏の1都3県に出されている緊急事態宣言について、政府は今月7日の期限を2週間延長し、21日までとする方針を示していることから、再度の延長をしなければならないことの責任について、そもそも1月7日の発出のタイミングが適切だったのかどうかを含めて菅総理に答弁を求めました。 菅総理は、病床のひっ迫など厳しい状況であり、延長をしなければならないことには「率直に申し訳ない」と述べる一方、発令のタイミングについては専門家の意見を踏まえ適切に判断したものだと強弁。小西議員は、西村経済再生担当大臣が発令時の衆院議員運営委員会の質疑でも「(2020年)12月23日の専門家の分科会でも緊急事態宣言を出すような状況にはないとされた」と発言しているが、同日の分科会の議事録には、そうした発言はないと指摘し、発出が遅れた理由を分科会での議論とするのは詭弁だと断じました。 その上で、新たな変異株の可能性も含め、宣言解除後に感染が拡大する脅威について質問。独立行政法人地域医療機能推進機構理事長(初代)で政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、「再拡大、リバウンドの可能性が特に高いのは首都圏。さまざまな特殊性があり、現在でも感染の実態すべてが分かっているわけでない。諮問委員会の総意として、この2週間をどう活用するか、延長の意味を確認すること。最も大事な目的は、感染の拡大があっても対処できるよう、検査も含め体制を強化することだ」と答え、同日正式に延長が決まった際には7つのポイントを示す予定だと述べました。 小西議員は、COVID-19に係る医療体制や検査体制の構築に関し、政府は昨年3月の時点で地方自治体に通知を出し、患者推計や病床確保計画の策定等を含め、体制整備を進めるよう求めてきたにもかかわらず、想定されていた冬場の感染拡大に医療提供が追い付かず、医療崩壊を招いたのは政府の責任だと指摘。今回改正されたインフルエンザ等対策特別措置法の付帯決議に、自身が提起し、盛り込まれた「検査、保健所、医療提供体制を計画的に確保するため、国として基本的な方針を示す」「対策の実施状況について適時に公表する」ことなどが必要だと主張。国として基本方針を作る決意を尋ねましたが、菅総理からは前向きな答弁は聞かれませんでした。 ●東北新社等の総務省接待問題 菅総理長男が係わる東北新社等の総務省接待問題については、菅総理の長男は衛星放送課にはあいさつに訪れる程度であったにもかかわらず、総務省幹部との会食に20回も出席していることから、「最高幹部を招くための接待要員だったのではないか」と指摘。これに対し菅総理は「私からすればあり得ない」と根拠なく反論、「政治責任はないと考えるか」と迫る小西議員に対し、「家族が関係した事案で、結果的に公務員倫理法の違反する事態になったのは申し訳なくお詫び申し上げる」と述べるにとどまりました。小西議員は「私はかつて衛星放送課の課長補佐だったが、菅総理の長男あるいは長男が勤めている会社から違法な接待を申し込まれたとき、菅政権、安倍政権のもとでどうやって拒否することができるかを考えているが思い浮かばない。菅総理の長男から接待を申し込まれて断る選択肢はあったかと思うか」と述べ、菅総理に答弁を求めましたが、従来の答弁をなぞるだけでした。 ●放送法違反事案について その上で、小西議員は、東北新社の放送法違反事案に言及。放送法では、放送における内国性を保つため、地上波やBS放送などを行う事業者に対し、外資比率は20%未満という規制を設けています。しかしながら、東北新社は2017年1月に「BS4K」放送の認定を受けた後の同年3月時点で21.23%と、外資規制を超えていることから、違法ではないかと追及。総務省の担当者は「放送法103条第1項では『外資規制に反することがあったときには認定取り消さなければならない』と規定されている」と答えました。小西議員は「なぜ認定を取り消していないのか。菅総理の長男が働いている会社だから取り消さなかったのではないか」と問題視。東北新社が、1月に認定を受けた後1秒も放送しないまま、なぜか17年10月、子会社「東北新社メディアサービス」にその地位を承継、2017年9月末時点での東北新社の外資比率は22.12%と規制を超えていることにも触れ、「認可は無効ではないか」とただしました。総務省は「想定していなかったケースであり、法律関係について整備する必要があると考える」などと答弁。小西議員はまた、この子会社への地位の承継の決裁の最高責任者が当時の情報流通行政局長だった山田真貴子氏(前内閣広報官)だったことも確認し、「放送法がゆがめられているのではないか」と迫りました。 |
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●菅首相が東北新社創業者の“もうひとつの献金”を隠していた理由! 3/5 | |
菅義偉首相の長男による違法接待問題は、山田真貴子・前内閣広報官ら総務省幹部がNTTからも接待を受けたことが判明。批判の矛先は菅首相やその長男から総務省へ向かいつつある。しかし、忘れてはいけない。この違法接待の背景には、菅首相自身が長男の勤めていた東北新社と癒着し、総務省を通じて便宜供与をさせていたのではないかという疑惑が横たわっている。
実際、本日5日の衆院予算委員会で新たな事実が判明した。東北新社は2017年1月にBS4K放送の認定を受けたが、放送法に違反する外資比率20%を超えていたにもかかわらず、認定が取り消されなかったというのだ。しかも、このときの決裁者のトップである情報流通行政局長は、山田真貴子・前内閣広報官だったというのである。 東北新社がBS4K放送の認定を受ける直前には、当時の秋本芳徳・総合通信基盤局総務課長や吉田眞人・大臣官房審議官も接待を受けていたが、まさか、放送法に違反する外資比率でも認定は取り消されずにいたとは──。いかに東北新社が特別扱いを受けていたかを裏付けるような新事実だが、じつは、本日の国会では、もっと重要な事実もあきらかにされた。 それは、疑惑の“本丸”である菅首相の献金問題だ。菅首相は2月17日の衆院予算委員会で、東北新社創業者の植村伴次郎氏と東北新社社長だった植村徹氏から、2012年から2018年の5回にわたって計500万円の献金を受けていたことを明かしていた。しかし、献金はこれだけではなかったというのだ。 立憲民主党の小西洋之参院議員によると、菅首相は2009年8月20日に植村伴次郎氏から100万円の寄付を受けていた、というのだ。 小西議員によるとこれは政治資金収支報告書に記載があったというのだが、なぜ菅首相はこの2009年の100万円の献金を隠していたのか。菅首相は「事務所で確認できたのはこれだけでした」などと答弁したが、意図的に隠蔽したのではないか。 というのも、元総務官僚で、2009年から2010年にかけて衛星放送課の課長補佐だった小西議員によると、この2009年というのは「BS放送の歴史のなかで、いちばん大きな免許、事業者の認定がおこなわれている」「スターチャンネルという東北新社の子会社は、2チャンネル、プラチナ帯と言いまして、いちばん視聴者の多い帯域で2チャンネル、チャンネルを得ることができている」というからだ。 たしかに当時、総務省は2011年のテレビ放送完全デジタル化に伴ってBSデジタル放送枠を追加することを公表、委託放送業務認定申請の受付を2009年2月から開始している。これにはウォルト・ディズニーやBBCといった有力な外資系も名乗りを上げるなど29社38チャンネルから申請がおこなわれたが、総務省は同年6月10日に9社の参入を決定。そして、このときスターチャンネルは新たに2番組のBS放送枠を得ているのだ。ちなみに、当時の株式会社スターチャンネルの代表取締役会長は植村伴次郎氏である。 そして、この激しい競争のもとでの2番組の参入が決まってから、わずか2カ月後に、代表取締役だった植村氏から100万円もの献金を菅首相は受けていたのだ。これはまさしく“口利きのお礼”だったのではないのか。 いや、そもそも菅首相の長男である正剛氏が植村伴次郎氏の“鞄持ち”になったとされているのは、2008年のこと。「週刊文春」(文藝春秋)2月11日号では〈正剛氏は植村家の鞄持ちの傍ら、入社時から映画専門「スターチャンネル」など衛星放送事業に関わる総務省の窓口を担当していた〉と記述されていた。 つまり、スターチャンネルがこのBSデジタル放送への新規参入申請をおこなった際も、「総務省の窓口」として正剛氏が動いていた可能性も十分考えられるのだ。 競争激化のなかで長男を伴次郎氏に預け、スターチャンネルが「いちばん視聴者の多い帯域で2つのチャンネルを得ることができた」という事実、さらに総務省が認可を決定してからわずか2カ月後の100万円の献金──。これまで、高級接待を受けてきた総務官僚たちが接待後に東北新社を特別優遇してきたことが取り沙汰されてきたが、しかし、今回判明した100万円の献金を考えても、紛れもなく菅首相こそが便宜供与の中心に存在しているのである。 小西議員から「当時、植村伴次郎氏からスターチャンネルの2チャンネルをプラチナ帯域に認定するように、そうした依頼を受け、総務省に働きかけたことはありませんか?」と追及された菅首相は、「植村さんという方は、私の秋田の田舎の出身で、私が国会に出てから、非常にかわいがっていただきました。しかし、どんな小さなことでも、依頼を受けたことは一切ありません」と否定した。 しかし、この期に及んでも2009年に献金を受けていた事実を隠していたのは、自身の便宜供与問題に発展するのを恐れてのこととしか思えない。 いずれにしても、こうした東北新社への便宜供与と隠されていた菅首相への献金を見れば、今回の高額接待問題が“総務省の体質”の問題でもなければ、“長男の暴走”でもない。菅首相自身の特定企業との癒着、行政の私物化が表出したものであることは明らかだろう。 実際、長男のいた東北新社をめぐる利権構造には、菅首相のもうひとりのオトモダチ経営者がからんでいた。 それは、「ぐるなび」の創業者で現会長の滝久雄氏。滝氏は菅首相の最大のタニマチといわれる人物で、経営する傘下の広告会社を通じて菅首相に多額の献金をしていた上、菅首相に頼まれて御用ジャーナリスト山口敬之氏に関連会社から顧問料を支払っていたことも明らかになっている。また、見返りとしての便宜供与もささやかれてきた。滝氏の経営する「ぐるなび」が菅首相が主導した「GoToイート」キャンペーンによって大きな恩恵を受けていたという問題はもちろん、滝会長は昨年10月、2020年度の文化功労者にまで選ばれている。 ところが、この滝会長と東北新社・正剛氏との間でもビジネスが行われていたことが判明したのだ。滝会長が文化功労者に選ばれた理由のひとつに「ペア碁の普及」なるものがあり、滝会長は2人1組で打つ囲碁を普及させる「日本ペア碁協会」の名誉会長を務めている。このペア碁の大会を、正剛氏が取締役だった東北新社の子会社「囲碁・将棋チャンネル」で放映してきたというのだ。 ジャーナリストの森功氏が「週刊ポスト」(小学館)2月26日・3月5日号と3月12日号の2号にわたっておこなったレポートでは、こんな証言を紹介している。 「ペア碁大会ではイベント協賛企業から年間ざっと3億5000万円のスポンサー料が集まり、東北新社が番組を流してビジネスにしてきた。滝さんは東北新社や菅さんの息子にそれだけ気を遣ってきた。切っても切れない関係でしょうね」(囲碁関係者) 「焦点は息子が東北新社で手掛けている『囲碁・将棋チャンネル』番組でしょう。実はこの番組づくりにかかわっているのが、菅首相のスポンサー企業です。菅の長年の支援者である『ぐるなび』の滝久雄会長が音頭を取り、JR東日本をはじめ、菅さんと縁の深い企業を番組のイベントスポンサーにつけています。そのつなぎ役として長男の正剛君が送り込まれた。そう見ていいのではないでしょうか」(官邸関係者) これはようするに、菅首相と癒着企業がある種の利益共同体を形成し、長男を迂回させるかたちで便宜供与や癒着ビジネスを行っていた可能性が出てきたということではないか。 よくもまあ「息子は別人格」などといえたものだが、ともかく、今回判明した東北新社への便宜供与、菅首相による2009年の“口利き疑惑”、そして「ぐるなび」滝会長もからむ問題について、さらなる追及が必要だ。繰り返すが、問題の本質は官僚への接待ではなく、その上に立つ菅首相の「官僚支配」「政治の私物化」にほかならないのだから。 |
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●新たな疑惑も…総務省幹部の相次ぐ“高額接待” 3/5 | |
総務省幹部の接待問題で新たな疑惑も浮上しています。
武田良太総務大臣:「疑念を招くに至ったことを、まず、本当におわびを申し上げたいと思います」 総務省の幹部による相次ぐ高額接待問題について謝罪した武田総務大臣。 国会では5日も、会食に参加した幹部に質問が及びますが…。 立憲民主党・白眞勲議員:「『割り勘』だという認識だったんですか?」 総務省・巻口英司国際戦略局長:「『会費』として、『自己分の負担費用』として、先方からご提示のあった1万円をお支払い致しました」 立憲民主党・白眞勲議員:「『お土産』はもらいましたか?」 総務省・巻口英司国際戦略局長:「『お土産』については、頂いたような記憶がございますが…」 立憲民主党・白眞勲議員:「中に、『現金』とかは入っていませんでしたよね?」 総務省・巻口英司国際戦略局長:「そのようなことはございません」 さらには、東北新社が放送業務の認定を受けた後に「外資比率は20%未満」という放送法で規定される外資比率に違反していたことも指摘されました。 武田良太総務大臣:「2017年3月末の東北新社の株主名簿では、外資比率は21.23%であったと。20%以上となった時点で、外資規制に違反していた可能性が高いと考えられます」 立憲民主党・小西洋之議員:「放送法において、『外資規制を超えてしまった場合』には、総務省は何をしなければいけませんか?」 総務省・吉田博史情報流通行政局長:「放送法第103条第1項では『外資規制に反することがあった時は、その認定を取り消さなければならない』とあります」 「認定取り消し」になるという大きな違反。では、なぜ「取り消し」行わなかったのか。 総務省・吉田博史情報流通行政局長:「東北新社が、外資規制に違反していると、総務省では当時、認識していなかったためだと考えております」 立憲民主党・小西洋之議員:「大臣、菅総理の長男が働いている放送局だから、認定取り消しをしなかったのでは?」 武田良太総務大臣:「そういった事実は、確認できておりません」 |
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●総務官僚の接待 身内調査の限界が明白だ 3/6 | |
菅義偉首相の長男正剛氏が勤める「東北新社」から繰り返し接待を受けていた総務省の幹部が、NTTからも高額の接待を受けていたことが分かった。
NTTは事業計画や取締役の選出について、総務省の許認可が必要だ。国家公務員倫理規程が接待を禁止する利害関係者に当たる。 接待を受けていた谷脇康彦総務審議官は、東北新社以外からの違法接待を国会で否定してきた。虚偽答弁の疑念が大きく、看過できない。責任は重い。 総務省は東北新社以外からの違法接待はないとの調査結果を公表したばかりだ。身内による甘い調査だったことは明らかだ。 総務省は今回の問題では、元検事の弁護士も加わった調査を実施して、実態の把握を急ぐとしている。それでも総務省が主導する調査には限界がある。結論を出しても国民の信頼は得られまい。 必要なのは、接待問題全体を対象とする第三者調査委員会をつくり、徹底して事実を解明することだ。手法や対象は委員会に一任して、総務省は調査への協力だけに徹するべきだ。 NTTや東北新社の接待で、行政はゆがめられていないのか。ほかの通信事業者との接待はなかったのか。判明している官僚以外も調べるべきだ。菅首相の長男が東北新社に在籍することの影響も、忖度(そんたく)なく調べる必要がある。 論点は多い。まず携帯電話料金の引き下げへの影響だ。谷脇氏は菅首相が官房長官時代から掲げる携帯電話料金の引き下げを主導してきた。接待の時期はいずれもNTTを所管する立場だった。 政策への影響はなかったのか。聞き取りだけでなく、決定過程などを内部文書などに基づいて詳細に検証するべきだ。 東北新社による接待では、衛星放送の将来像を話し合う有識者会議との関係性だ。 接待の対象は総務省側の出席者に集中している。会議が昨年12月にまとめた報告書は東北新社の要望に沿った形になったとされる。接待と関連があるのか。見過ごせない問題である。 納得できないのは、山田真貴子前内閣広報官を政府が調査対象にしないことだ。山田氏は東北新社だけでなく、NTTからも高額接待を受けており、当時の総務省での役職は放送や通信を所管していた。調べるのは当然である。 「既に退任し、一般の方」(加藤勝信官房長官)という理由を振りかざすようでは、政府の問題解明に対する真剣度が問われる。 |
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旧聞 |
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●今井環 (いまいたまき 1953 - ) | |
日本放送協会 (NHK) の職員。元公益財団法人NHK交響楽団理事長。
愛光高等学校を経て、東京大学文学部卒業。 1976年 NHK入局。仙台放送局、青森放送局三沢報道室などを歴任。 1981年 報道局政治部記者となり、自由民主党木曜クラブ・経世会の取材を担当した。 1993年 ワシントン支局へ異動し、ホワイトハウスや国防総省などの取材を担当した。 1996年6月 報道局取材センター(政治)記者 2001年6月 報道局取材センター(政治)統括担当部長 2002年6月 報道局記者主幹 (2002年4月から2006年3月まで『NHKニュース10』のメインキャスターを務めた) 2006年6月 報道局編集主幹 (2008年6月から2012年4月まで理事を務めた) 2013年4月 NHKエンタープライズ 経営主幹 6月 NHKエンタープライズ 専務取締役 2014年6月 NHKエンタープライズ 代表取締役社長 2016年3月 公益財団法人日本相撲協会 外部理事 2016年6月 公益財団法人NHK交響楽団理事長 2018年6月 退職 2020年5月 東北新社顧問 |
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●NHK「副会長人事」が会長人事よりも注目を集める、意外な理由 2017/1 | |
●実質、次の会長を決める人事?
籾井勝人氏(73)のNHK会長任期が、1月24日についに切れる。「政府が右ということを左というわけにはいかない」「(従軍慰安婦は)どこの国にもあった」など暴言を吐き大炎上、15年3月には、私用のゴルフで使ったハイヤー代を経費としてNHKに付け回すなど、公共放送のトップとしての資質に乏しかった籾井氏。 NHK放送センターの建て替え計画を見直し、3400億円の総工費の見積もりを1700億円に圧縮したことや、2016年度の受信料収入が6625億円と過去最高の収益を上げたことなどを評価する声は、ほとんど聞こえてこなかった。 「籾井会長は受信料を月50円値下げするプランをぶち上げ、続投の意欲を示した。しかし、昨年11月22日の経営委員会で否決されてしまった。12人の経営委員の中から再任を望む声は聞こえてきませんでした。否決後も『NHKの会長って楽しいな。だって色んな芸能人に会えるから』と関係者の前で話していたそうで、あまり堪えてはいないようですが……」(経営委員OB) 次期会長には元三菱商事副社長で常勤経営委員の上田良一氏(67)が就任する。「国際感覚に優れ、財務にも明るく、人柄は温厚」(経営委員OB)と評判は良好だ。籾井体制で付着した、負のイメージを払拭できるのか。その手腕には期待と注目が集まっている。 一方で、NHK内部でもっぱら関心の的となっているのが、次期副会長人事である。なぜ副会長人事が注目されるのか。その理由は二つあると、先の経営委員OBは語る。 「商社出身の上田氏が会長に就任することで、NHKの会長は四代連続で外部からの登用となりますが、NHK内には『会長はプロパーのほうが望ましい』との声が根強くあります。『上田氏の次の会長はプロパーだろう』という見方から、今回の副会長人事は次期会長人事を見越してのものとなる。だから、俄然注目を集めているわけです。 もう一つの理由が、3人の副会長候補のそれぞれの背後に、官邸やメディア界の大物たちの影が見えるからです。誰が副会長になるかで、官邸の距離や内外のバランスが変化する可能性があるのです」 現状、副会長候補として名前が挙がっているのが3人。まず、最有力と見られているのが、現副会長で籾井会長を三年間支えた堂元光氏の再任。二番手が、NHKエンタープタイズ社長の板野裕爾氏。そして大穴と言われるのが、元『ニュース10』のメーンキャスターで、現NHK交響楽団理事長の今井環氏だ。 この三氏には個々の“後ろ盾”がおり、それぞれの思惑が入り乱れ、官邸を巻き込んだ権力闘争に直結しているというのだ。 ●安倍官邸も一枚岩ではナシ 「堂元副会長を推しているのは、安倍政権の頭脳ともいわれる今井尚哉首相秘書官、NHK政治部の岩田明子解説委員、山口太一政治部長のラインです。 岩田さんは、安倍晋三総理の実母・洋子さんや今井秘書官と昵懇。総理との距離も近く、数々のスクープをものにしてきました。 たとえば、昨年5月27日にオバマ大統領が広島を訪問しました。訪問決定は5月10日午後9時過ぎの安倍総理の『ぶら下がり会見』で明らかにされましたが、官邸から報道各社にこのことが知らされたのは、ぶら下がり会見の3分前。突然の情報に各社は慌てふためき、総理のぶら下がり会見にカメラが間に合わず、自分のスマホで総理の発言を録画・撮影する社もあったほどでした。 ところが、NHKはその日の『ニュースウォッチ9』で、岩田さんの解説付きで広島訪問決定の裏側に迫る特集を放映しました。NHKだけが詳報を伝えられたのは、岩田さんが事前に官邸からこのことを知らされていたからだと言われています。それぐらい、官邸との距離が近いということです。 その手法や距離感の是非を問う声はありますが、他局を寄せ付けないスクープを放っていることも事実。元政治部長であった堂元副会長は、岩田さんの手腕を高く評価している。岩田さんの人脈で、『堂元副会長は籾井会長の下で改革を担ってきた。次期副会長は、堂元氏の再任が妥当』と官邸内で喧伝し、内外で堂元副会長再任路線を固めているのです」(NHK政治部記者) 今井秘書官も堂元氏を推しているため、堂元再任路線が最有力だとみられている。ところが、官邸内もNHK人事に関しては一枚岩ではないようだ。 「杉田和博官房副長官、菅義偉官房長官の二人がNHKエンタープタイズ社長の板野さんを推している。彼もまた官邸とのパイプが太く、『クローズアップ現代』などの番組に菅官房長官が出演する際には、板野ルートが使われていると言われています」 2014年7月、『クローズアップ現代』に菅官房長官が出演し、当時関心を集めていた安保関連法案について説明した際、国谷裕子氏が菅氏に食い下がり質問を続けたため、菅氏が明らかに不機嫌になる一幕があった。その後国谷氏は同番組を降板することになるが、局内では「官邸に気を使った板野さんが、国谷さんの降板を決めた」とささやかれているという。 その板野氏は、籾井会長就任当初は「籾井氏の側近」と目されていた。しかし、会長の失言が続き、あるときを境に籾井氏を見放したようだ。2015年12月、NHK関連団体9社による東京渋谷区の土地取得を巡る計画が持ち上がったが、板野氏は籾井会長の意向に逆らい、この計画に反対。これが籾井氏の怒りを買い、昨年4月、専務理事からNHKエンタープタイズ社長に「払下げ」になった、とまで言われている。 “大穴”と言われる最後の副会長候補は元キャスターの今井環氏だ。 「今井氏の後ろ盾は読売新聞主筆の渡邊恒雄氏です。今井氏の父・瑠璃男氏は愛媛新聞会長で、渡邊氏と付き合いが深かった。その縁あって息子の環さんの面倒も見ており、渡邊氏がマスコミ幹部を集めて大物政治家を講師として呼ぶ勉強会『山里会』のメンバーでもあります。メディアの世界にも官邸にも影響力のある渡邊氏のイチオシ、ということで、候補の一人と見られています」(前出の記者) 前述の通り、堂元・板野の両氏は安倍官邸との距離の近さを誇っており、「今井派」「杉田・菅派」という違いこそあれ、どちらが副会長になってもNHKと官邸の“蜜月”が続くことに変わりはなさそうだ。それがゆえに、局内からは「籾井会長下で『NHKが安倍カラーに染まった』と揶揄されることもあったが、今後も官邸寄りの報道を求められたり、番組制作に不自由が生じないか、懸念している」(現役ディレクター)との声も聞こえてくるのだ。 副会長人事の現状について経営委員OBはこう語る。 「昨年末までは『堂元氏の再任で決まり』の雰囲気でした。しかし、年明けに『週刊文春』がNHK職員の受信料横領を報じたり、福島放送局の記者のタクシー券の不正使用が発覚したりという不祥事が相次いで起こったため、堂元さんの再任に疑問符が付きだした」 副会長の人事は会長の推薦を受けて1月31日の経営委員会で承認される見込みだが、「12人いる経営委員会のメンバーの中で最も声が大きいのが、元JT会長で安倍総理の家庭教師だった本田勝彦氏。委員長の石原進氏よりも発言力があるという本田氏が堂元さんをあまり評価していないようで、一波乱ある気がする」(同)という見方も。 新会長となった上田氏は、先月の記者会見で「信頼される公共放送としての職務を全うする」と語っているが、どのような人事体制であれ、公正中立な報道を心がけることが「信頼への近道」であることを肝に銘じてほしいものだ。 |
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●菅義偉首相の実弟が自己破産後、JR企業の役員に就任 2020/11 | |
首相就任によってファーストレディの真理子夫人をはじめ家族関係がクローズアップされている菅義偉首相(71)。実弟の菅秀介(ひですけ)氏(69)は、51歳で自己破産した直後にJR東日本の子会社に幹部として入社しているが、異例の入社を遂げた背景には菅首相と同社の蜜月関係があったことが、ノンフィクション作家・森功氏の取材で分かった。
菅氏は小此木彦三郎元通産相の秘書だった時代からJR東日本(当初は国鉄)との関係を深め、今年5月に亡くなった松田昌士元会長をはじめ歴代の社長からバックアップを受けてきた。 首相に就任後、多忙を極める中にあっても、JR東日本グループの職域団体「東日本ときわ会」の幹部会に2度も出席、その場のあいさつでは、国鉄改革の立役者でJR東日本初代社長の住田正二氏への感謝の言葉を述べている。 1974年に慶應大学商学部を卒業した秀介氏は、菅氏が横浜市会議員に初当選した2年後の1989年1月、菓子屋「ヒデ製菓」を起業した。 ヒデ製菓は創業直後から東京駅構内のキヨスクを借りて、自前の菓子販売を行っていた。当時の店舗は八重洲中央改札近くの「銀の鈴」そばのコンコース(大通路)という一等地。キヨスクはJRが展開している売店であり、秀介氏の知人によれば、東京駅に出店するにあたっては、菅氏が自身の後援者を秀介氏に紹介し、販売する商品の相談などが行われたという。 ヒデ製菓は1日の売り上げが100万円を超えることもあったが、結局事業はうまく行かず、2002年10月、ヒデ製菓と秀介氏個人は東京地裁から破産を宣告された。 だが、その後、秀介氏は意外な転身を遂げていた。 半年ほど病院で介護職を務めた後、JR東日本の子会社である千葉ステーションビルに営業部付きの部長として入社していたのだ。2010年には取締役にも就任し、2017年まで務めている。 千葉ステーションビルは海浜幕張、津田沼、西船橋など10の駅ビルを運営しており、年間400億円近くを売り上げる優良企業だ。277店舗のテナントが入居する中核の千葉駅「ペリエ千葉」は、数あるJR東日本管内の不動産・ホテル事業のなかでも3番目の規模を誇る。 千葉ステーションビルに入社した当時、秀介氏は50歳を超えている。同社の元取締役は秀介氏が入社できたことについて、「(菅首相と)JR東日本の関係で入ってきたんだと思う」と語った。 秀介氏の自宅を訪ね、ヒデ製菓が東京駅で店舗を構えた経緯や千葉ステーションビル入社などについて尋ねると、「兄とは関係ない」と語った。 菅首相にも書面で取材を申し込んだが、期限までに回答はなかった。 |
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●菅首相、実弟をJR関連企業に捻じ込み? 2020/11 | |
菅義偉首相が自らが持つ人脈を用いて、実弟をJR東日本の関連企業に幹部として捻じ込んだのではという“文春砲”が、ネットで大きな話題となっている。また菅首相の歪んだ兄弟愛が垣間見える一場面を、なぜかデヴィ夫人のブログで確認することができる。これについても後述したい。
取沙汰されているのは、文春オンラインにて11月10日に公開された「菅義偉首相の実弟が自己破産後、JR企業の役員に就任していた」というタイトルの記事。それによると菅首相の実弟である菅秀介氏は1989年に菓子屋を起業し、創業直後から東京駅構内のキヨスクを借りて、自前の菓子販売を行っていたが、2002年に破産したという。しかし、その後程なくしてJR東日本の子会社である千葉ステーションビルに営業部付きの部長として入社。後に取締役にも就任し、2017年まで務めたという。 若き頃の菅首相が秘書を務めた小此木彦三郎氏は、国鉄民営化にも関わった人物としても知られ、菅首相もそれを端緒に当時の国鉄や後のJRの関係者との関わり合いを深めたとされる。記事では、秀介氏が菓子屋を起業し東京駅に出店した際に、当時横浜市会議員だった菅首相が自身の後援者を紹介したとあり、またJR東日本の子会社に部長待遇で入社したことに関しても、同社の元取締役の「(菅首相と)JR東日本の関係で入ってきたんだと思う」というコメントを紹介するなど、菅首相・秀介氏サイドとJRとの蜜月ぶりが書かれている。 ●場を変えても続く菅家の兄弟愛 首相就任以前は、パンケーキ絡みのネタぐらいしか話題のない地味な印象だった菅首相。ただ総裁選の頃から「苦学の末に立身した叩き上げの人物」といった話が流布し始め、さらに首相就任後はファーストレディの真理子夫人の話題など、その人物像や周辺人物のことについても徐々に詳らかになってきた。 実弟である秀介氏に関しても例外ではなく、これまで写真週刊誌ばかりだが何度か取り上げられている。10月5日付の「SmartFLASH」の記事では秀介氏の3人の息子、つまり菅首相の甥っ子が15年ほど前に子役俳優として活動していたとあり、そのうち長男は北野武監督映画の「Dolls」やフジテレビ系ドラマ「ほんとにあった怖い話」にも出演していたという。 また10月14日付の「FRIDAY DIGITAL」には、近所で飼い犬の秋田犬の散歩中だった秀介氏を直撃した記事が。JR東日本の子会社を辞めた後は、自動車販売会社など複数の会社の役員に就任したとのことで、記者の「現在も菅首相と連絡を取ることはあるんでしょうか」という問い掛けに対しては、「いや、あんましですね」と、最近はあまり関わっていないような返答をしている。 そこで菅秀介氏の現状を調べてみると、「御菓子城加賀藩」「小牧」「深川製磁」「ジーライオン」といった企業の取締役を務めていることがわかる。ちなみに「御菓子城加賀藩」は石川県加賀市にある和菓子の製造販売を行う会社、「小牧」は福井県は敦賀銘産のかまぼこ・ちくわを作っている会社、そして「深川製磁」は有田焼で有名な佐賀県有田町にある陶磁器メーカーと業種は様々だが、いずれもジーライオンの関連会社である。 ●デヴィ夫人が激写!ジーライオン関係者の結婚披露宴に菅首相が出席 このジーライオンとは、西日本を中心に国産新車・中古車販売事業・輸入車正規ディーラー事業を展開するグループで、経営が行き詰まった自動車ディーラーなどを次々買収することで規模を拡大させていった、比較的新しい企業だ。JR東日本の子会社を辞めた後、どのような所縁があったのかは不明だが、このジーライオングループに入った秀介氏。これで、ようやく“兄離れ”となったのかと思いきや、実際はそうではないようだ。 注目は、先日も「不妊の一番の理由は堕胎」とのトンデモ発言で大炎上を起こしてしまった、デヴィ夫人ことデヴィ・スカルノ氏のブログ。その2018年11月08日付の「帝国ホテル大阪での結婚披露宴」とのタイトルでエントリーされた記事には、ジーライオングループ代表・田畑利彦氏の子息の結婚披露宴にデヴィ夫人自身が出席したことが書かれており、そこに「来賓者の豪華なこと!!」ということで、財界の著名人や吉本芸人といった芸能人たちとともに、当時官房長官だった菅首相も出席していたとあり、おまけに樽酒を前にして微笑む写真も掲載されている。 菅首相と秀介氏の“兄弟愛”は、舞台を変えてもまだ続いているようだ。 ●菅首相の実弟に「叩き上げてない」の声 今回の文春砲に関して、ネット上での反応として特に目立つのが「叩き上げてない」という声だ。 ●あらっ!実弟の菅秀介氏(69)は、51歳で自己破産した直後にJR東日本の子会社に幹部として入社しているが、異例の入社を遂げた背景には菅首相と同社の蜜月関係があった。同社の元取締役「(菅首相と)JR東日本の関係で入ってきたんだと思う」。 「秋田の農家の長男に生まれ…」という決めセリフなどで、なにかと叩き上げのイメージを演出していた菅首相だが、少なくともその弟に関しては、自らの実力による叩き上げとは真逆の人生を歩んできている点。さらに秀介氏が慶應大学商学部を卒業していることにも反応する向きは多く、当時2人の子どもをともに東京の私学の大学にやった菅家は決して貧しい家ではない、菅首相の苦労人イメージも陰り気味といった声も聞かれた。 ●菅のいう叩き上げ、自助は我々の定義とは違うみたいですね。菅義偉首相の実弟が自己破産後、JR企業の役員に就任していた。 また、菅首相が発言した「自助・共助・公助」を揶揄して批判する人も多数。弟が困窮している際の多少の資金融通ぐらいなら、まだ兄弟愛の範疇で済む話かもしれないが、公選された議員という立場で得たパワーを一度ならず二度も弟のために使ったとなれば、それは批判を受けてもこれは仕方のないところであろう。 ●菅義偉首相の実弟の件、ろくに説明しない支離滅裂な菅を擁護したくはないけど、その擁護も批難もマスコミが一個人(私人)の個人情報を世に垂れ流すことを肯定した上でのもの。これはやりすぎ。 しかしその一方で、私人の個人情報を世に垂れ流しすぎではといった声も。首相の実弟で複数企業の取締役を務める人物は私人なのか公人なのかは議論を呼ぶところだが、当の秀介氏にとってはこの一連の報道はとんだトバッチリだったに違いない。 菅首相の実弟に狙いをつけた今回の“文春砲”。菅首相の政治生命に関わるといった大きな痛手を負わせるものではないが、総裁選から首相就任にかけて築かれてきた苦労人や叩き上げといったイメージを打ち消すことには功を奏した模様である。 |
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