後手ごての緊急事態宣言

コロナ感染拡大
後手ごての緊急事態宣言
中身は緩るゆる

経済と安全 両立は不可能
ロックダウン 国民は覚悟しています
 


1/7 緊急事態宣言記者会見首相と知事・・・ 
諸話 1/71/81/91/10
    1/111/121/137府県追加1/141/151/161/171/181/191/20
    1/211/221/231/241/251/261/271/281/291/301/31
    2/12/2緊急事態延長2/32/42/52/62/7・・・その後・・・

     Go To トラブル 延長
 
 

 

●新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言 1/7
令和3年1月7日、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、緊急事態宣言が行われました。国民のみなさまにおかれましては、感染拡大の防止にご協力をお願いします。
緊急事態措置の実施期間 / 令和3年1月8日〜2月7日
緊急事態措置の実施区域 / 埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
〇 1/8〜2/7(31日間)を期間として、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県(1都3県)を対象に、緊急事態宣言が行われました。
〇 首都圏を中心に、新規感染報告が過去最多を記録し続け、医療体制がひっ迫しています。この現状に歯止めをかけ、減少傾向に転じさせることが目的です。
〇 これまでの感染拡大期の経験や、国内外の様々な研究などの知見(例えば、感染経路の分析)を踏まえ、より効果的・集中的な感染防止策を講じます。
緊急事態宣言でお願いする対策の考え方
〇 今回の緊急事態宣言は、社会経済活動を幅広く止めるのではなく、感染リスクの高い場面に絞って、効果的・重点的な対策を徹底します。
〇 具体的には、飲食を伴うものを中心として対策を講じます。そのため、飲食につながる人の流れを制限する、飲食店に対する営業時間短縮要請を行うと共に、夜間の外出自粛の要請、テレワークの推進などを行います。
緊急事態宣言の期間中、以下の取組をお願いしています。
(1)外出・移動
〇 住民の皆様には、不要不急の外出や移動について、感染拡大予防のため、自粛を要請します。
〇 飲食による感染リスクが高い場面を回避する各種の対策を行います。これらの対策の実効性を高めるため、「20時以降」の外出自粛の徹底を、特にお願いします。
〇 出勤や通院、散歩など、生活や健康の維持に必要な外出・移動は除かれます。
(2)イベントなどの開催
〇 不特定多数が集まるようなイベントは、人と人との接触機会が多いこと、飲食につながる場合が多いことなどから、特別な対応が必要です。開催者の皆様には、規模などの要件に沿った開催を要請いたします。
〇 人数の上限や、収容率、飲食を伴わないこと等が要件となります。
(3)施設の使用
〇 専門家による分析の結果、飲食はマスクを外したりして感染リスクが高く、感染拡大の主な起点であるとされています。感染経路が不明のものでも、その多くは飲食経由であるとの専門家の見解もあります。
〇 飲食店やカラオケボックスなどへ、営業時間の短縮(営業は20時まで、酒類の提供は11時から19時まで) を要請いたします。
〇 政府は、1都3県が時短要請を行う場合に支払う「協力金」について支援します(月30日換算120万円→180万円へ引き上げ)。
〇 また、遊戯場や大規模な店舗などに対しても、飲食店と同様の働きかけ(営業は20時まで、酒類の提供は11時から19時まで)を行います。
(4)テレワーク
〇 職場への出勤自体は、自粛要請の対象ではありませんが、対策の実効性を高めるための環境づくりとして、人と人の接触機会を減らすことは大変重要です。
〇 そのため、「出勤者数の7割削減」を目指し、テレワークやローテーション勤務、時差通勤などを、政府や1都3県として、事業者の皆さんにお願いします。
〇 また、20時以降の外出自粛のため、事業継続に必要な場合を除き、20時以降の勤務抑制をお願いします。
学校等については以下のとおりとなります。
(5)学校等
〇 一律の臨時休業(いわゆる一斉休校)は要請しません。保育所や放課後児童クラブなどについても、開所を要請いたします。
〇 特に受験シーズンに入っており、政府と1都3県は、各学校と協力し、感染防止対策、面接授業・遠隔授業の効果的実施など、学修機会の確保に努めます。
〇 入試などは、予定通り実施されます。
〇 ただし、大学などでの部活動や、学生寮での感染防止対策、懇親会や飲み会の開催などについて、学生への注意喚起の徹底をお願いします。
〇 特に、1都3県では、部活動における感染リスクの高い活動の制限を要請いたします。
 
 
 

 

●菅首相 「必ず事態を改善させるため ありとあらゆる方策を」 1/7
特別措置法に基づく緊急事態宣言を受けて、菅総理大臣は7日夜、総理大臣官邸で記者会見し、「1か月後には、必ず事態を改善させるため、ありとあらゆる方策を講じていく」と述べ、国民に協力を呼びかけました。
菅総理大臣は記者会見で「先ほど新型コロナウイルス対策本部を開き、緊急事態宣言を決定した。宣言の対象は東京、千葉、埼玉、神奈川の1都3県で、期間は1か月とした」と述べました。
その上で、具体的な措置について「第1に飲食店の20時までの営業時間短縮、第2にテレワークによる出勤者数7割減、第3に20時以降の不要不急の外出の自粛、第4にスポーツ観戦、コンサートなどの入場制限だ」と説明しまし
菅総理大臣は「飲食店の営業時間短縮以外にも感染減少に効果的な対策を打ち出す。まずはテレワークだ。出勤すればどうしても同僚との食事や会話が増える。そうした機会をできる限り減らし、出勤者数の7割減をお願いしたい。昨年来、定着しつつある新しい働き方をさらに進め、都会でも地方でも同じ働き方ができるようにテレワークを強力に推進したい」と述べました。
菅総理大臣は「飲食店については、20時までの時間短縮を徹底する。お酒の提供は、19時までとすることを要請する。また、本日の政令改正によって、各知事が要請に従わない飲食店を公表することも可能になった」と述べました。そのうえで「多くの事業者は、すでに1か月以上にわたって、時間短縮にご協力をいただいており、厳しい経営状況にある。そのため、協力金に対する支援額を引き上げ、1都3県の20時までの時間短縮に対しては、1か月あたり180万円までの協力金を国が支援をする」と述べました。
教育現場への対応について「学校については、これまで学校から地域に感染が広がった例はほとんどなく、その中で、未来を担う子どもたちの学びの機会を守りたい。今回は小学校、中学校、高校、大学、幼稚園、保育園について休校、休園はお願いしない。大学については、対面の授業とオンラインでの授業を効果的に組み合わせていただくように要請する」と述べました。
菅総理大臣は「昨年以来、コロナの感染拡大の中でも、わが国の失業率は直近で2.9%で、主要国の中で最も低い水準で推移している。雇用を守ることが政治の責務だ。今後も雇用を守り、事業を継続していただくことを優先に取り組みを続ける」と述べました。そのうえで「パートや非正規労働の方々を含めて、休業した場合の雇用調整助成金は、1日最大1万5000円を支給している。手元の資金に困っている方々のための最大140万円の緊急小口融資についても、昨年来、5000億円を利用いただいている。公庫などから最大4000万円の無利子無担保の融資も行っており、そのための十分な資金を用意した。ぜひみなさまに使っていただくよう、手続きも簡単にしたい」と述べました。
菅総理大臣は「早期に営業時間の短縮に取り組んでいただいた地域では その効果があらわれ、感染者を抑えることができている。現在の感染の中心は1都3県だ。この2週間で、全国平均の感染者数の約半分がこの1都3県に集中している。年末年始から本日に至るまで感染者数は極めて高く、本日、東京では2400人を上回るなど厳しい状況であり、大変な危機感を持っている」と述べました。
菅総理大臣は、「今後、緊急事態宣言による対策に続き、特別措置法の改正、ワクチンの早期接種と、段階を踏んで取り組む。まずは緊急事態宣言により、効果的な対策を行い、なんとしても感染拡大を食い止め、減少傾向に転じさせる」と述べました。その上で、特別措置法の改正について「罰則などにより強制力を付与することによって、より実効的な対策を可能にしたい。法案の内容に関する議論を急ぎ、早期に国会に提出する」と述べました。
ワクチンの接種について「製薬会社の治験データの作業を前倒しし、安全性、有効性の審査を行った上で、できる限り、2月下旬までには接種を開始できるように準備する」と述べました。
菅総理大臣は、医療提供体制に関して「病床がひっ迫する1都3県で、コロナ対応の病床を大幅に増やすことができるようにする。民間病院をはじめ、新たに対応病床を増やした場合には、1床あたり450万円の補助を、従来の支援に上乗せし、これにより重症者の病床があれば、1床あたりおよそ2000万円の強力な支援が行われるようになる。また、各知事の要請があれば、自衛隊の医療チームをいつでも投入することができるように万全の体制を整えている」と述べました。
菅総理大臣は「最近の1都3県における感染者の半分以上が30代以下の若者だ。皆さんは、感染しても多くの場合、重い症状が出ることはない。しかし、若い方々への感染が、さらなる感染拡大につながっているという現実がある。どうか、両親や家庭、友人など、世代を超えて、大切な命を守るために、自身のことと捉え、行動をお願いをしたい」と若者に向けて呼びかけました。その上で「1か月後には、必ず事態を改善させる。そのためにも、私自身、内閣総理大臣として、感染拡大防止のために全力を尽くし、ありとあらゆる方策を講じていく」と述べました。
菅総理大臣は「夜間の飲食や会話を含めた、感染リスクを防ぐため、午後8時以降の不要不急の外出の自粛をお願いをする。ぜひ徹底していただきたい。さらに、スポーツ観戦、コンサートについては、今回、入場者数を厳格化し、一律に入場者数を5000人までにするとともに、場内の飲食を控えるように要請をする」と述べました。
菅総理大臣は「PCR検査については全額、国の負担により機器を整備しており、検査の必要性を踏まえて検査体制を拡充していきたい。必要な方には検査を受けられるようにしたい」と述べました。
菅総理大臣は、記者団から感染が収まらなかった場合、飲食が中心となっている対策の範囲を広げ、期間や対象地域の拡大を検討するのか質問されたのに対し「まずは専門家が感染防止対策の急所としている飲食店の営業時間短縮を今回行い、テレワークの7割実現、20時以降の外出自粛、イベントの人数制限の4点をパッケージとして随時、状況を見ながら必要な対策を取っていきたい」と述べました。その上で、経済への影響について「経済への影響は避けられないと思うが、先に財政支出40兆円、事業規模74兆円の経済対策を決定しているので、こうしたものを活用しながら雇用の維持と事業継続にしっかりと対応していきたい」と述べました。
菅総理大臣は、大阪府や愛知県の知事が、緊急事態宣言の必要性に言及していることについて「大阪府や愛知県は、緊急事態宣言に準じる対応をすることができるようになっているので、状況を見ながらしっかりと対応していきたい」と述べました。また、緊急事態宣言の延長の可能性を質問されたのに対し「仮定のことについて私からは答えは控えたい。とにかく1か月で、何としても感染拡大防止をしたいという思いで取り組んでいきたい」と述べました。
菅総理大臣は「1年近くにわたるコロナとの戦いで、痛みを伴う自粛要請に協力をいただいている。国民の皆さまに心から感謝を申し上げる。今回の世界規模の感染の波は、私たちが想像をしていたものを越え、厳しいものになっている。しかし、私はこの状況は必ず克服できると思う」と述べました。その上で「そのために、もう一度皆さまに制約のある生活をお願いせざるを得ない。私たちはこの1年間の経験で、多くのことを学んできた。大事なことは、会話のときは必ずマスクをする。さらに外食を控えて、テレワーク7割、夜8時以降の不要不急の外出の自粛、この3点を徹底すれば、必ず感染を抑えることはできる」と指摘しました。
東京オリンピック・パラリンピックの開催について「感染対策を万全にして安全安心な大会を実現したいという決意だ。世界でワクチンの接種が始まっており、日本でも、2月下旬までにはなんとか予防接種をしたいと思っている。こうしたことにしっかり対応していくことによって、国民の雰囲気も変わってくるのではないか」と述べました。
菅総理大臣は、記者団から大阪府や愛知県に対して緊急事態宣言を出すかどうか質問されたのに対し「緊急事態宣言を出すには、専門家の委員のご理解をいただくなかで行うわけだが、現時点においては、私はそうした状況にはないと思う」と述べました。
菅総理大臣は記者会見で、特別措置法の改正について「特別措置法では、国民の自由と権利に制限が加えられるときでも、必要最小限でなければならないと規定されている。この規定に従って適切に対処するのが、政府の基本的な考え方だ。また、憲法上、財産権に関しては、公共の福祉の実現のため、必要がある場合に、法律により合理的な範囲内の制約を加えることがあると規定されている。こうした規定のなかで、適切に対処していきたい」と述べました。
菅総理大臣は、持続化給付金の第2弾を検討するかどうか問われ、「雇用を守って事業を継続することが大事だと思っている。まずは資金繰りの支援を行っていきたい。1都3県では、緊急事態宣言による飲食店の時間短縮などで厳しい影響を受ける方も出てくると思う。そうした方についてはどのような支援策があるのか検討していきたい」と述べました。
菅総理大臣は「何としてもこれ以上の感染拡大を食い止め、感染を減少傾向に転じさせる。そのために今回の緊急事態宣言を決断した」と述べました。

 

●首相と知事の「ちぐはぐ」が散見される根本要因 2020/12 
首相の指導力
2019年12月31日に中国・武漢市において原因不明のウイルス性肺炎の発症が報告されてから、2020年9月16日に第4次安倍第2次改造内閣が総辞職するまでの政治過程は、日本の権力構造についてどのような意味を持っているのか。この過程はこれまでの研究とは異なる、現在の首相の指導力のあり方の1つの特徴を明らかにしている。
これまで多くの研究者が、1994年の政治改革と2001年の省庁再編の結果、首相の権力が拡大したことを論じてきた。筆者は首相が強い指導力を発揮できるようになった政治状況を「首相支配」と形容している。2014年に公務員制度改革が行われたことにより首相の権力はさらに強化された。
2012年12月に再登板を果たした安倍晋三・前首相は強化された権力を十二分に活用し、さまざまな政策を実現し、憲政史上、最長となる在任記録などを打ち立てた。こうした政治状況は安倍「1強」とも称された。
首相は人事権を行使して大規模な金融緩和を行うために日銀総裁に黒田東彦氏を起用した。国内経済政策の面では電力自由化、法人税減税、コーポレートガバナンス改革、訪日外国人拡大などを実現する。その一方で、労働政策として残業時間に関する厳しい規制を設けることに成功する。
対外政策面では、日・EU経済連携協定を2017年12月に、さらに、TPP11交渉を2018年3月に調印に導いた。安全保障政策の面で、安倍首相は2015年9月に安保関連法制を成立させ、一定の条件の下で集団的自衛権を行使することに道を開いた。
コロナ危機をめぐる政策決定過程は、政治過程における首相の指導力について新しい1面を示し、我々に「首相支配」が成立する条件についてあらためて考える契機を与えてくれる。
すなわち首相は、首相が率いる政権の権限が及ぶ政策分野においては、与党勢力が衆参両院で過半数を確保していることを前提に、強い指導力を発揮することができる。
とはいえ、現在の日本の法制度の下で、政権がすべての政策分野に対して法的な影響力を持っているわけではない。感染症という政策分野では国に加え、都道府県、そして、保健所設置市・特別区が感染症に対処する政策を立案し、実施する権限を持つ。新型インフルエンザ等対策特別措置法、感染症法などの個別法、さらには国と地方公共団体の関係全般を規定する地方自治法の下では、政権が地方公共団体に指示を下す余地はある。
しかし、実際の個別法の運用上、それは難しい。加藤勝信・現官房長官の厚生労働相時代の発言を引用すれば、感染症対策の分野においては国、都道府県、保健所設置市・特別区の間は「フラットな関係にある」。国が担当する政策分野においていくら首相が強い権力を誇っても、地方公共団体が権限を持つことが法律で決まっている政策分野は「首相支配」の版図外であり、首相の指導力は制約される。
首相と知事の齟齬
首相と都道府県知事、保健所が同一の政策を実施することを目指せば、政策の実施は迅速かつ統合的に行われることが期待できる。
ただ、新型コロナウイルス感染症に対する対応では、安倍政権と知事や保健所が常に同じ姿勢を持っていたわけではなかった。
特に医療提供体制の確立、休業要請の内容、経済振興の進め方をめぐって、安倍首相と東京都知事などの間で齟齬が生まれた。このため、安倍政権が期待するような形で医療提供体制の準備は進まなかった。また、安倍首相が想定したのとは異なった形で休業や時短営業の要請がなされることになった。
さらに、安倍政権はGoToキャンペーンの実施方法を見直すことを余儀なくされた。一方、第1波のときに一部の保健所は独自の判断で、政権が想定するより厳しい基準で検査の手配を行った。さらに、安倍首相が大きな権力を持っていても、安倍政権が希望したような形で、繁華街において接待を伴う飲食店に対する集中検査が広く行われるようになったわけではなかった。
こうした「フラットな関係」が生まれた要因については、1990年代以降のさまざまな制度改革を総覧する待鳥聡史氏の最近の研究が貴重な知見を与えてくれる。待鳥氏は政治改革、省庁再編のほか、司法制度改革、地方分権改革などを対象に改革の背景や帰結について分析している。
重要な議論は次の2点である。第1に、各改革は個別に行われたため、日本の公共部門のなかで集権化と分権化が同時に進み、全体として整合性を欠くことになったこと。第2に、地方分権の結果、国から地方への権限委譲が進み、地方公共団体の自律性がさらに高まったこと。
1994年の政治改革以降、首相の指導力は高まった。しかし、分権改革も実施されたために国と地方公共団体の調整は以前より困難になったわけである。
首相の指導力と地方分権制度
これまで政府内で首相の指導力が強化されてきたことを踏まえ、首相の指導力を制約する要因として国会制度、参議院制度が注目されてきた。コロナ危機をめぐる政治過程は、地方公共団体が担当する政策分野においては、特に首相と都道府県知事と意見が異なる場合に、首相の政策立案は知事の意向によって制約されることを明らかにしている。さらに首相が都道府県知事の担当する分野において特定の政策の実現を望むのであれば、知事との調整が必要であることも示している。
近年、国と地方公共団体の政治制度が違うことや所掌事務および権限が異なることが政治組織や政治過程に及ぼす影響は研究者の関心を集めてきた。ただ、政策分野によって国と地方公共団体の持つ権限がいかに違い、その違いが首相の指導力に及ぼしてきた制約について体系的研究が行われてきたということは難しい。このため、今後さらに分析を深める余地が広がっている。
首相が関与する政策分野において、都道府県、あるいは政令市・特別区も権限を持っている場合、首相の指導力は制約される可能性が高く、そのことを念頭において分析を行う必要がある。
これまでも例えば、沖縄県におけるアメリカ海兵隊普天間飛行場の辺野古移設問題に見られるように、地方公共団体の持つ権限が時の政権の政策形成に影響を及ぼすことはあった。しかし、国と地方公共団体の権限関係の摩擦が直ちに多くの国民に影響を与えるような事例は多くなかった。
これに対し、コロナ危機の特徴は、安倍政権と地方公共団体の関係が多くの国民に直接大きな影響を及ぼしたことである。果たして、国と地方公共団体の関係が首相の指導力を制約し、国民生活に作用するような政策分野がどれほど存在するのかを探ることは、今後の重要な研究課題である。
最後に感染症について言えば、感染症はその性質上、一部地域での対応の結果が全国的な影響を及ぼす問題である。一部の地方公共団体の対応が遅れ、その地域で感染症が拡大した場合には、そこから他の地域にも波及する恐れが高い。
現在の法制度の下では、一部の地方公共団体の対策が遅れる場合に、国や影響を受ける他の地方公共団体が対応する術がほとんどない。したがって、感染症対策について現在の国と地方公共団体の権限関係をあらためて精査し、権限配分が的確なのか、そのあり方を再検討する段階に来ている。 
 
 

 

●政府、1都3県に緊急事態宣言再発令を決定 8日から2月7日まで 1/7
政府は7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて対策本部の会合を開き、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」の再発令を決定した。東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏4都県が対象で、期間は8日から2月7日までの1カ月間。経済活動を大幅に制限した前回の宣言とは異なり、感染リスクが高いとされる飲食店を中心に午後8時までの営業時間短縮を要請するなど対象を限定した。
菅義偉首相は対策本部会合で「全国的かつ急速なまん延により、国民生活及び経済に甚大な影響を及ぼす恐れがある事態が発生した」と述べた。対策本部会合に先立ち、首相の諮問を受けた専門家による「基本的対処方針等諮問委員会」は政府の再発令の方針を了承した。西村康稔経済再生担当相は「経済活動を幅広く止めるのではなく、感染リスクの高い飲食を伴うものを中心として対策を講じ、飲食につながる人の流れを制限する」と説明した。
政府は宣言の具体的な内容を盛り込むため、新型コロナの基本的対処方針を改定した。飲食店には午後8時までの時短と、酒類の提供を午前11時から午後7時までに短縮することを要請。要請に応じない場合は店名を公表できる。政府は時短要請に応じた飲食店に都県が支払う「協力金」の上限を1日当たり4万円から6万円に拡充する。映画館、スポーツクラブといった運動・遊興施設などを対象に午後8時までの時短を働きかける。
時短について、8日から東京都は全飲食店、3県は酒類を提供する飲食店とカラオケ店(県庁所在地など一部地域)に要請する。3県は12日から全飲食店に拡大する。
政府はまた、午後8時以降の不要不急の外出自粛を要請。接触機会を減らすため企業などに対して「出勤者数の7割削減」を目指すとし、テレワークを推進する。必要な場合を除き、午後8時以降の勤務抑制を事業者に求める。
学校へは一斉休校は求めず、大学入学共通テストや高校入試は予定通り実施するが、感染リスクの高い部活動の制限は求める。イベントは「上限5000人」「収容率50%以下」に開催要件を再強化する。
宣言解除については、感染状況が4段階で最悪の「ステージ4(感染爆発)」から2番目に悪い「ステージ3(感染急増)」相当に下がっているかを踏まえて「総合的に判断する」とした。ただ、宣言解除後の感染拡大を懸念した専門家らの意見も踏まえ、解除後も「必要な対策はステージ2(感染漸増)以下に下がるまで続ける」との方針も示した。西村氏は解除基準に関し、感染者数が東京都で「1日当たり500人」に減少することを目安に掲げた。
政府は停止を検討していた中国や韓国など11カ国・地域のビジネス関係者らの短期滞在と長期滞在(ビジネス往来)について、「影響は限定的」と見て当面継続する。感染力が強い新型コロナウイルスの変異株が発生すれば停止する。
政府は昨年4月7日、東京や大阪府など7都府県に緊急事態宣言を初めて発令。同16日には全都道府県に対象を拡大し、5月25日に全面解除した。首相は経済への悪影響を懸念し当初、宣言の再発令に慎重だったが、感染拡大に歯止めがかからず医療提供体制が逼迫(ひっぱく)していることから再発令を判断した。東京都の小池百合子知事ら4都県の知事も再発令を要請していた。
●首相、1都3県に緊急事態宣言 8日から2月7日まで  1/7
菅義偉首相は7日、新型コロナウイルス対策本部を首相官邸で開き、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県に緊急事態宣言の発令を決めた。期間は8日から2月7日まで。発令後、対象地域の知事は飲食店などに営業時間短縮を要請する。首相はこの後、記者会見で感染防止策への協力を国民に呼びかけた。
宣言発令により新規感染者数の増加に歯止めがかからない首都圏の感染拡大を抑える。首相は「年末年始からの感染者数が極めて高く、全国的にさらに厳しい状況となっており、強い危機感を持っている」と述べた。
現在の状況について、感染症などの専門家で構成する基本的対処方針等諮問委員会で「全国的かつ急速な蔓延により、国民生活および国民経済に甚大な影響を及ぼす恐れがある事態が発生したと認められた」と説明した。「これを踏まえ、特別措置法の規定に基づき緊急事態宣言を発出する」と表明した。
「国民の命と暮らしを守ることを第一に都道府県と緊密に連携し、なんとしても感染拡大を食い止めるべく対策を進める」と強調した。関係閣僚に高い緊張感をもって全力で対策にあたってほしいと指示した。11日に全国一斉停止の期限を迎える観光需要喚起策「Go To トラベル」に関しては、緊急事態宣言中は停止を続けるとの方針を示した。
●菅首相 1都3県に緊急事態宣言 あすから2月7日まで  1/7
菅総理大臣は、政府の新型コロナウイルス対策本部で、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県を対象に、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言を出しました。期間は、2月7日までとしています。政府は、午後5時すぎから、総理大臣官邸で新型コロナウイルス対策本部を開き、菅総理大臣をはじめ、西村経済再生担当大臣や田村厚生労働大臣らが出席しました。この中で、菅総理大臣は「年末年始からの感染者数が極めて高く、東京では、2400人を上回るなど、全国的にさらに厳しい状況となっていて強い危機感を持っている。きょうの諮問委員会で、新型コロナウイルス感染症について、全国的かつ急速なまん延により国民生活と国民経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある事態が発生したと認められた」と述べました。そのうえで、菅総理大臣は、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県を対象に、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言を出しました。
期間は、2月7日までとしています。
菅総理大臣は「今回は、これまでの経験に基づき、効果のある対象に徹底的な対策を行うとともに、飲食店の営業時間短縮や、テレワークによる出勤の7割減、午後8時以降の外出自粛、イベントの人数制限の4点をパッケージで対策を行っていく。『Go Toトラベル』などについては、緊急事態宣言中は停止する扱いを継続する」と述べました。そのうえで「政府は、国民の命と暮らしを守ることを第一に都道府県と緊密に連携しながら、何としてもこの感染拡大を食い止めるべく対策を進めていく。各大臣は、基本的対処方針に基づき、これまで以上に高い緊張感をもって、全力で対策にあたってほしい」と指示しました。
埼玉県 大野知事「正念場 一層の協力を」
埼玉県は7日午後5時半すぎから新型コロナウイルスに関する対策本部会議を開き、県としての緊急事態措置を決めました。会議で大野知事は「きょうも過去最多の460人の陽性者が確認された。今こそ正念場で県民になお一層の協力をお願いしたい」と述べました。そのうえで「なんとしても爆発的拡大を食い止め、医療崩壊を防がなければいけない」として、来月7日まで県民に対し、不要不急の外出の自粛を求めるとともに飲食店などに午後8時までの営業時間短縮を要請することを決めました。緊急事態措置によりますと、8日から来月7日まで通院や生活必需品の買い出し、通学や必要な出勤などを除いて、不要不急の外出や県をまたぐ移動の自粛を求めるとしています。また、8日から今月11日までは、さいたま市大宮区と川口市、それに越谷市の酒を出す飲食店とカラオケ店の営業時間を午後8時まで短縮するよう求めます。今月12日から来月7日までは、県内全域のすべての飲食店、バーやカラオケ店が対象となります。宅配やテイクアウトのサービスは対象外で、ネットカフェや漫画喫茶についても対象外とし、感染防止対策を徹底するよう求めています。営業時間の短縮要請に応じた事業者に対しては、店舗ごとに1日当たり6万円の協力金を支払うとしています。事業者に対しては時差出勤や在宅勤務、それにテレワークを徹底し、出勤者の数を7割減らすことを目標とするとしています。
また、イベントの開催については、収容人数が1万人を超える場合、5000人を上限とし、1万人以下の場合は、収容率50%を上限とするとしています。県のイベントなどは原則中止か延期とするほか、さいたまスーパーアリーナや体育館、それに美術館や博物館など県の46の屋内施設についても原則として休館するとしています。また、県立学校の休校は行わず、感染防止策を徹底するとしています。そのうえで、授業などでの合唱や調理実習は中止とし、部活動も原則中止とするほか、登下校時の3密を避けるため、始業時間の繰り下げや短縮授業などを行うとしています。大野知事は7日夜の記者会見で、営業時間短縮の要請に応じない飲食店などの公表については「感染爆発をしずめるためのもので、懲罰を行うことが目的ではなく効果をあげることが目的で、慎重な形で対応したい」と述べました。
千葉県 臨時医療施設を約1か月後めどに開設へ
千葉県は午後6時すぎから対策本部会議を開きました。まず、森田知事は「きょうの感染者は過去最多の450人となり、感染拡大が収まらない状況だ。1都3県で連携して、外出自粛や営業時間の短縮、テレワークの徹底を要請していく」と述べました。そのあと、会議では患者の急増に対応するため臨時の医療施設の開設準備を始める方針を決めました。施設は、千葉市中央区にある県がんセンターの現在は使われていない病棟を活用して66床を確保する予定で、およそ1か月後の開設を目指すとしています。
このほか、対策本部会議では、飲食店に午後8時までの営業時間短縮を要請し、これに応じた場合1日6万円を支払うことや、映画館や遊興施設などに対しても法律に基づかない「お願い」として午後8時以降の営業の自粛を求める方針なども確認されました。会議の終了後、森田知事は記者会見を開きました。森田知事は「国がすぐに応えてくれて、速やかに宣言が出されたことはよかったと思います。1都3県が一致団結してこの状況を乗り越えたい」と述べました。そのうえで、千葉県内の感染者が7日まで3日間連続して最多を更新していることについて「困難な局面を迎えている。なんとしても、ここで感染を抑え込み、医療の崩壊を防がなくてはいけない。まさにここが正念場で、県民の皆さんの行動の変化が大切です」と呼びかけました。また、森田知事は、要請に応じた飲食店などに支給される協力金について、規模の大きな店舗からは一律の金額では不公平ではないかなどと指摘する声があがっていることについて「この急がれる状況なので、ひとまず国はこういう制度で考えたと思いますが、今後、議論されるべき問題ではないかと思います」と話していました。
神奈川県 黒岩知事「危機的状況 一刻も早く措置」
神奈川県は午後6時半から対策本部会議を開き、県の対応を決定しました。会議の中で黒岩知事は「このままでは近いうちに入院が必要な患者の数が病床の数を上回ってしまう。一刻も早く新たな感染者を減らすための措置が必要だ」と述べ、強い危機感を示しました。会議では、今月11日まで横浜市と川崎市の酒類を提供している飲食店などに出している営業時間の短縮要請を、午後8時までに前倒しするほか、今月12日以降は、対象を酒類を出しているかどうかにかかわらず、県内全域の飲食店などに広げ、期間は来月7日までとすることなどを決めました。協力した店舗については、1日6万円を支給するということです。
また、県民に対して不要不急の外出の自粛を求め、特に午後8時以降の外出自粛を強く要請するとしています。さらに、大型の商業施設や劇場などについては、法律に基づかない「呼びかけ」として、営業を午後8時までに短縮するよう働きかけることも決めました。このほか、県内の事業者に対しては、テレワークや時差出勤の活用により、出勤する人の数を7割削減するよう呼びかけるとしています。会議のあと黒岩知事は「医療崩壊は目前に迫っている。緊急事態宣言は感染拡大を止めるための重要なカードで、大切な人の命を守るため、危機意識を共有し、県民総ぐるみで乗り越えていきたい」と述べました。
●これは本当に緊急事態宣言なのか 1/7 
新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、政府は7日、首都圏の1都3県を対象に緊急事態宣言の再発令を決めた。「遅きに失した」「対応が後手後手」という批判は、すでに聞き飽きるほど出ているので、ここで繰り返すことはしない。ただ、この問題は考えれば考えるほど、どんどん意味が分からなくなってくる。これは本当に「緊急事態宣言」なのだろうか。
「Gotoイート」打ち出していたのに
まず驚いたのは、今回の宣言が「飲食店の営業時間短縮」をターゲットにしたことだ。菅義偉首相は、緊急事態宣言の再発令を表明した4日の記者会見で、緊急事態宣言の必要性についてこう述べた。
「経路不明の感染原因の多くは飲食によるものと、専門家が指摘いたしております。飲食でのリスクを抑えることが重要です。そのため、夜の会合を控え、飲食店の時間短縮にご協力いただくことが最も有効ということであります」
わずか半月前に「ステーキ会食」「はしご会食」で散々国民の批判を受けた張本人が、堂々とこう口にしたのである。
そもそも「GoToイート」なる経済振興策を打ち出して、国民に会食するようあおってきたのは、当の菅首相自身である。その人がいきなり、つい先日まで訴えてきたのと正反対のことを、何の総括もなくいきなり打ち出す。
菅首相はこれで本当に「国民はついてくる」と考えているのだろうか。
先月24日公開の小欄「菅政権はなぜ国民の行動に口先だけ介入するのか」でも指摘したが、菅首相はおそらく「会食しても感染拡大の恐れが少ない」、すなわち「会食を自粛しても感染拡大防止の効果は小さい」と考えてきた。だからこそ、専門家に飲食と感染原因の関係を指摘されても、平然とそれを無視して会食を続けてきたわけだ。
それを改めて正反対の施策を打つというのなら、まずこれまでの施策の誤りを明確に認めた上で、判断を大きく変えた理由を、誰にでも分かるように懇切丁寧に説明すべきではないか。そして「GoTo」に期待し、それを織り込んで営業を続けてきた飲食店に対しては、政府の場当たり的な政策変更で死活的な影響を与えてしまうことに、心のこもった謝罪と、丁重な協力依頼が最低限必要だろう。
何事もなかったように突然「これからは『会食NG』の方向で行くからね、よろしくね」と言われて、それで国民が納得すると思っているなら、首相は相当に甘いのではないか。
4知事への時短要請から2日で方針転換
訳が分からないのは、緊急事態宣言の肝である「飲食店の午後8時までの時間短縮」は、すでに西村康稔経済再生相が2日、首都圏の4知事に要請済みであることだ。少なくとも2日の段階では、菅政権は緊急事態宣言を出すことなく、法的根拠を伴わない時短要請で乗り切ろうと考えていたはずだ。
なぜ菅首相が、わずか2日で「緊急事態宣言を出して法的根拠のある要請に切り替える」と判断を変更したのか、全く分からない。
4日の記者会見で菅首相は「飲食の感染リスクの軽減を実効的なものにするために、内容を早急に詰めます」と述べた。なるほど、先に出した要請の実効性をさらに高めて、多くの店に時短要請に従ってもらうために緊急事態宣言を出す、ということなのかもしれない。
でも、そうであれば、お店への補償(給付金)であれ罰則であれ(筆者は罰則の効果については極めて懐疑的だが)、要請の実効性を高めるための新たな「武器」が必要だろう。その「武器」となるものが、緊急事態宣言の根拠法である新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正である。法改正がまずあって、補償なり罰則なりの「武器」を用意して、それから緊急事態宣言を出すのが筋だ。
ところが、菅首相はこう言うのだ。
「給付金と罰則をセットにして、より実効的な対策を採るために、特措法を通常国会に提出いたします」
緊急事態宣言を出した後に特措法を改正するという。ということは、緊急事態宣言の発令前に出された時短要請と、宣言発令による時短要請とでは、少なくとも「実効性を高める」意味では何の違いもない、ということにならないか。
ここまで考えて、筆者は本当に分からなくなった。
菅首相は一体何のために、緊急事態宣言を発令するのか。緊急事態宣言が発令されることで、政府のコロナ対策は、何か新しい段階に突入するのか。とてもそうは思えない。
医療体制保持のための具体策みえず
ここまで「飲食店の時短要請」について書いてきたが、もう一つ、最も根本的なことを指摘しておきたい。今回の緊急事態宣言で「想定されていない」ことについてである。
菅首相が今回、緊急事態宣言を発令しなければならない最大の目的は、医療体制を守ることだ。感染者数を減らすことは確かに大事だが、なぜそれが大事かというと、これ以上感染者が増えれば医療体制が崩壊してしまうからだ。
「医療体制を守るために、強権を発動してでも政治の責任を示す」ことが、緊急事態宣言の最も重要な目的でなければならない。だが、そのことについて菅首相が4日の記者会見で語った言葉はこうだ。
「特に東京を始めとするいくつかの都市で逼迫(ひっぱく)する状況が続いております。各地域において新型コロナウイルス感染者を受け入れる病院、病床の数を増やしていただく必要があります。国として、看護師などスタッフの確保、財政支援を徹底して行うとともに、各自治体と一体となって病床確保を進めてまいります。必要ならば、自衛隊の医療チームの投入も躊躇(ちゅうちょ)いたしません。医療崩壊を絶対に防ぎ、必要な方に必要な医療を提供いたします」
これだけである。どこにも具体的な対策がない。これでは、医療従事者の皆さんは安心して仕事ができないだろう。
いろいろ書いてきたが、まとめればこういうことだ。
菅首相は本当は、緊急事態宣言なんか出したくない。しかし国民の批判を受けるから、仕方なく出すことにした。出すのは出すけれど「宣言を出すことで政治は何をしたいのか」がまるでない。だから国民に「これまで同様の対策を」と要請することしかしない。
要請によって政府が多額の補償をする事態は避けたい。だから、対象をできるだけ絞り込んだ「小さな宣言」にしたい。補償をしなくても、国民には自発的に国の要請に従ってほしい―。
悲しいかな、首相のそんな本音は、あの記者会見だけで十分に感じ取れた。
飲食店の営業時間というごく限られた分野に限り、補償の内容も事前に明らかにせず、最も肝心な「医療体制を守る」ことには何の具体策もない。
そんな緊急事態宣言に、一体どれほどの意味があるのか。
残念ながら、おそらく国民は「緊急」という言葉に、悪い意味で慣れっこになってしまった。政府も自治体もこれまで、単に「やってる感」を出すためだけに、たいした緊張感もなく「緊急」「重大」といった言葉を安易に使いすぎたからだ。
もはや国民の多くは、法的根拠を伴う今回の緊急事態宣言との区別も、十分につかなくなっているのではないか。実際、街を歩いていても、昨年春に最初の緊急事態宣言が出た時のような緊張感は、ほとんど感じられない。
菅首相は緊急事態宣言の使い方を間違えて、コロナ対策の「最後の切り札」をこれほどまでに無力なものにしてしまった。その責任は本当に重い。 
●菅首相 官房長官時代に使った機密費“86億8000万円”の衝撃 1/7 
7日首都圏の1都3県を対象とする緊急事態宣言が発令され、多くの国民が先行きに不安を感じている。
夜8時までの時短営業に応じる飲食店も、1日6万円の協力金だけでは持ちこたえられない事業者は少なくない。倒産や廃業、失業が相次げば生活に困窮する労働者も増える。それなのに、十分な補償を示そうとせず、罰則強化にシャカリキな政府・与党には不信感が募る一方だ。しかも、国民には出し渋るのに、菅首相自身は巨額の税金を好き勝手に使っていたことが分かった。
「しんぶん赤旗」(1月4日付)によると、菅首相が第2次安倍政権で官房長官を務めた7年8カ月(2822日)で支出した官房機密費は95億4200万円超。その約91%にあたる86億8000万円を領収書なしで菅首相が自由に使える「政策推進費」に振り分けていたことが、情報公開で判明したという。単純計算で1日平均307万円を使っていた計算だ。
官房機密費は会計検査院に対しても支出先や使途を明らかにする必要はない。その中でも「政策推進費」は官房長官が自由に使途を決められる。いわば“つかみ金”だが、約87億円ものカネを一体、何に使っていたのか。毎晩のステーキ会食でも使い切れないだろう。
注目すべきは、昨年の自民党総裁選の直前にも巨額が引き出されていたことだ。菅首相が総裁選出馬を表明したのは昨年9月2日。赤旗によると、その前日に菅首相は機密費から9020万円を自由に使える「政策推進費」に振り分けていた。菅氏が首相に指名された9月16日に機密費の引き継ぎが行われたが、9月1日からの16日間で4820万円が使われていたという。まさか総裁選勝利のために機密費を使ったわけではないだろうが……。
「国民の命と生活よりも、政権の延命や自分の政治生命を優先する官房長官では、機密費という“闇金”を何に使っていても不思議はありません。機密費も税金ですから、国民に説明できない使い方をすべきではないのですが、安倍政権以降、政治と税金の私物化が甚だしい。まったく信用できません」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)
コロナ対策にしてもそうだが、国民の税金は適切に使ってもらいたい。 
 
 

 

●1都3県で緊急事態宣言を再発出 基本的対処方針も変更 1/8
新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収まらず、令和3年1月7日、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が再度発出されました。
緊急事態措置の実施期間→令和3年1月8日〜2月7日。
緊急事態措置の実施区域→埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県。
首都圏を中心に、新規感染報告が過去最多を記録し続け、医療体制がひっ迫していることから、この現状に歯止めをかけ、減少傾向に転じさせることが目的です。
これまでの感染拡大期の経験や、国内外の様々な研究などの知見(例えば、感染経路の分析)を踏まえ、より効果的・集中的な感染防止策を講じることとしています。
今回の緊急事態宣言による対策の考え方は次のとおりとされています。
○今回の緊急事態宣言は、社会経済活動を幅広く止めるのではなく、感染リスクの高い場面に絞って、効果的・重点的な対策を徹底します。
○具体的には、飲食を伴うものを中心として対策を講じます。そのため、飲食につながる人の流れを制限する、飲食店に対する営業時間短縮要請を行うと共に、夜間の外出自粛の要請、テレワークの推進などを行います。
緊急事態宣言の発出に伴い、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」も変更されましたが、事業者に対して、「出勤者数の7割削減」を目指すことも含め接触機会の低減に向け、在宅勤務(テレワーク)等を強力に推進することなどが盛り込まれています。  
●菅首相の機能不全。「軍師不在」で「裸の王様」 1/8
東京都の小池百合子知事が政府に緊急事態宣言の発令を直接求めようとしていた元日。菅義偉首相はこう言って、突っぱねる姿勢を示していた。「小池はやること(午後8時までの営業時間短縮要請)をやらずに求めることばかり。1都3県の足並みが揃わなければやらない」 これを間接的に聞いた小池知事は、まず埼玉県の大野元裕知事に「一緒に西村(康稔・経済再生担当)大臣に直談判しよう」と電話で了承を取り付け、その後、神奈川県の黒岩祐治知事にも同行を求めた。
こうして2日夕、千葉県の森田健作知事も合わせ、4知事で西村大臣と面会することになるのだが、菅首相は小池知事により着々と外堀を埋められていることを知らなかったという。彼らの動向に関する情報が入っておらず、西村大臣も菅首相に細かな説明をしていなかったのだ。結局、4日の年頭記者会見で緊急事態宣言の発令検討を表明せざるを得ない事態に追い込まれた菅首相は、小池氏の対応の「後手」という印象をぬぐえない。このところ、ちぐはぐな政権運営の原因として指摘されるのが、菅首相の「軍師」となるような調整役の不在だ。外部の危機を首相の耳に入れる側近が少なく、これが政権としてのチームワークの欠如にもつながっている。
「官邸がどうしたいのか分からない」
「官邸が一体どうしたいのかよく分からない。下村さんの発信ばかりが目立ち、正直困っている。特措法を本気でやるなら、こちらもそれ相応の準備が必要だ」
自民党の森山裕国対委員長は12月17日、衆院本会議場の裏にある控室を密かに訪れた加藤勝信官房長官に不満をぶちまけた。
自民党の下村博文政調会長がこの直前、コロナ対策を強化するための新型インフルエンザ特別措置法の改正議論をめぐり、次期通常国会で改正する意向を突然ぶちあげていた。
森山氏は当初、政府側から「特措法に手を付けるのはコロナの収束後」と聞いていただけに、官邸の真意をつかもうと加藤氏を呼び出したのだ。
現行の特措法では、感染防止策として飲食店などに休業要請したり外出を自粛するよう求めたりすることに、罰則規定がない。全国知事会などは感染対策の実効性を強めるため、罰則を加えた法改正を求めているが、私権制限を一気に強めることにつながるほか、休業を強いる見返りとしての金銭補償の定義など、随所に細かな制度設計も必要だ。
自民党国対幹部は、特措法の改正は「通常なら1年以上かけて微細な議論をしなければならない案件」と説明する。
今年は7月に東京都議選や東京五輪の開幕を控えるだけに、6月に会期末を迎える通常国会の大幅な延長は難しい。政府が当初、「改正議論は今回のコロナが収束した後」と考えたのはこのためだ。
加藤氏は12月17日、森山氏に「政府はあくまで感染収束後に抜本的な法改正に着手するという立場だ」と重ねて説明したが、当の菅首相が数日後、次期通常国会で改正を目指す方針を講演などで表明し始めた。
「本気で特措法を仕上げるなら、次の国会の運営方法も相当工夫しなければならないのに、官邸はどうなっているんだ」と周囲に怒りをぶちまけたという。
機能していない官房副長官
「加藤氏が直接森山氏のもとを訪れた経緯には、もう1つ深刻な危機が隠れている」
別の自民党国対関係者は、憤りながら政権のさらなる足並みの乱れを訴える。
本来、官邸と自民党国対をつなぐ橋渡し役は、官房長官でなく、その下の官房副長官が行うはずだが、その役割を担うはずの坂井学官房副長官が機能していないというのだ。
坂井氏は毎週自民党国対の朝の打ち合わせに参加し、政権の動きなどを報告している。しかし、この国対関係者によると、坂井氏は菅首相の初外遊となった2020年10月のベトナム・インドネシア歴訪の日程などを森山氏に詳細に伝えず、同月に始めた臨時国会の召集時期などが二転三転する原因となった。
以後、森山氏と坂井氏との間はぎくしゃくし続けている。森山氏が加藤氏を直接呼んだのも、坂井氏への潜在的な不信感の裏返しと言える。
坂井氏はもともと無派閥で、菅首相の側近グループ「ガネーシャの会」のリーダー的な存在だ。官房副長官となったのは、菅氏が同じ神奈川県選出で特に親しいことを見込んでのことだった。
ただ、官房副長官は、自民党と官邸をつなぐ連絡係だけでなく、霞が関の省庁に細かな指示を下し、彼らの要望を首相に上申すべきものかどうかを振り分ける「下手な閣僚ポストより権限が集まりやすい」(閣僚経験者)重職だ。安倍晋三前首相や加藤氏が頭角を現した政界の登竜門でもある。
ただ、自民党幹部は、「坂井は党の主要派閥に人脈がなく、個人的にも調整能力に乏しい。逆を言えば、外部から火の手が近づいていたとしても、情報をキャッチする能力も低い」と手厳しく語る。
「伝書鳩」のような側近は不要
もっとも、首相も坂井氏を登用する際、その政治能力をまったく知らなかったわけではないだろう。
首相は就任時、「国民のために働く内閣」と定義づけ、携帯電話料金の値下げや不妊治療への公的医療保険の適用拡大などを素早く実現すると訴えた。
この背景には、「首相が官房長官時代のように自分でそれぞれの所管省庁に細かく工程表などの指示を出す」(首相周辺)ワンマン的な手法で乗り切れるという自負があった。
実際、携帯電話を所管する総務省幹部は、「大手3社の主力ブランドがどの程度値下げしなければならないかまで、首相から直接電話で指示を受ける」と打ち明ける。
言い換えれば、「伝書鳩」のような側近は不要ということだろう。
政権運営において首相の指示が際立っている現状は、前任の安倍首相時代とは大きく異なる。
野党からは「ワンマンの安倍1強」などと批判されたが、実際は安倍首相だけでなく、当時は官房長官として首相の軍師役だった菅氏や今井尚哉首相補佐官らの官邸官僚らが丁々発止のやりとりを行い、重要政策の行方を決めていた。
国内で新型コロナの初感染が確認された2020年1月から春ごろまでは、菅氏と今井氏が対立することもあったが、夏以降は、菅氏が肝入りで進めた観光支援策「Go Toトラベル」を首相以下官邸が一丸となって支えるなど、チーム力が光った。
安倍氏に仕えた佐伯耕三元首相秘書官は、9月に官邸を去った後、「よく『安倍独裁政治』などといわれたが、安倍さんはスタッフの諫言を割と柔軟に聞くタイプだった」と周囲に語ったこともある。
これが7年9カ月もの長期政権のバックボーンとなった。
翻って今の菅官邸の内情はどうだろうか。
本来、女房役となる加藤氏について、官邸関係者は、「良くも悪くも大蔵省出身の役人気質が抜けず、政治家として『ここがリスク』と進言するような機会が少ない」得意の厚生労働分野でも、科学的知見に基づく意見を淡々と語るだけで、世論の批判が急速に高まった「Go To トラベル」をめぐっても、事業継続に固執する首相をたしなめるような場面は「ほとんどなかった」(同)という。
西村経済再生担当相との溝
菅首相は、コロナ対策の司令塔を担う西村康稔大臣とも溝が深まっている。
最近の西村氏は全国で感染が急拡大している現状を見据え、政府の新型コロナ分科会の尾身茂会長とともに、首相により厳しい対策を取るよう日に影に求めている。
しかし首相は12月上旬、気の置けない党内の若手議員と会食した際、「Go To トラベル」を全国一斉に即時停止するよう暗に求めた西村氏への不満をまくし立てたという。
「新幹線や飛行機に乗って移動することが感染を広げるわけではないでしょ。旅先だろうが日常生活だろうが、大人数の会食やマスクの非着用や取り外しが感染拡大の理由であることには変わりない。なのに医者たちは、感染者がゼロになるために最適な手段ばかり考える。最近の西村は『医者の側』に行ってしまった」
政治家ならば、一定のリスクを負っても経済不況を忘れてはならない――。言下にこう言いたかったのだろう。
西村氏は12月13日夕、官邸で首相と加藤氏、田村憲久厚生労働相を交えた協議に臨み、尾身氏の助言をもとに、「年末年始の人の移動を極力抑えなければならない」として、全国一斉の運用一時停止に踏み切るよう強く求めた。
しかし、当時の首相はこの場で難色を示したばかりか、西村氏に北海道が感染拡大のピークを越えたとして、事業を一時停止している札幌市の規制を緩和できないか打診したという。西村氏は、「そんなのは世論が持ちません」と激高。
結局、首相は提案を取り下げ、翌14日に28日から1月11日まで事業を全国一斉に一時停止することを発表した。
「官邸官僚」の影響力もなし
「官邸官僚」と呼ばれる面々も、安倍政権時代ほど影響力を持っている輩は見当たらない。
当初、往時の今井氏のような存在になると見られていたのが、旧民主党政権から官邸に居続ける和泉洋人首相補佐官だった。
首相が10月、ベトナムで首脳会談に臨んだ際、和泉氏は首相と通訳を挟んだすぐ左隣に座り、同じく同行した北村滋国家安全保障局長らを飛び越え、「政治家以外では随行トップ」(官邸関係者)の地位となった。
安倍政権下では、海外出張の際に、当時部下だった大坪寛子・現厚生労働省大臣官房審議官を同行させ、「コネクティングルームに一緒に宿泊した公私混同」などと騒がれた和泉氏だが、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に向けた工事着手などでは司令塔的な役割を担い、基地問題に入れ込んでいた菅氏も厚い信頼を寄せるようになった。
しかし、和泉氏は現在、政権の看板政策である「デジタル庁」設置に向けた「データ戦略タスクフォース」などの指揮を執るものの、今井氏のように政権運営全般に口を出すような様子は見られない。
和泉氏の古巣の国土交通省が所管する「Go To トラベル」をめぐっても、「経済再生に不可欠」と事業継続に固執する首相に的確なアドバイスをしたような様子は見られない。
そもそも政府が7月に事業を始めた際、官邸は急に東京除外やキャンセル料の負担などを言い出し、対応が二転三転。所管する観光庁の職員は、何日間も未明まで残業を続ける地獄を味わった。
国交省幹部は、「和泉氏は急に無理筋の指示を出せば、所管官庁がどんな厳しい目に合うかわかるはずなのに、首相にきちんと進言した形跡はない」 6人の事務担当の首相秘書官もあまり機能している節がない。菅首相はこのうち4人を官房長官時代からそのまま登用し、当初は「チーム菅」を構成するようにも見えた。
このなかには、特に首相がかわいがっている外務省出身の高羽陽氏のような存在もいる。しかし、官邸の内情をよく知るスタッフは、「それぞれの秘書官は自身の出身官庁のノリを超えて仕事をするような雰囲気がなく、みんな他人行儀のように映る」と現状を打ち明ける。
「何でも自分で決めすぎる」
即座に政権の成果をあげるためにも、自分がトップダウンで指示を出せばいい――。官房長官時代に「強面」で鳴らした菅首相はこう考えたのかもしれない。これが、側近の弱体化を招いた原因という指摘は多い。
側近らもいつの間にか、菅首相の指示を待つ機会が増え、能動的に政権の危機に対処するような力が弱まったという面もある。あるいは、坂井氏のように、最初から菅首相が「割り切ってポストを充てた」(自民党幹部)人事もあっただろう。
しかし、官房長官時代と違い、菅首相は国民の命がかかるような政治決断を、毎日のように行わなければならない存在だ。その過程を最初から最後まで個別に把握して処理するには限界がある。逆に、時には厳しく諫言できる側近がいなければ、菅首相が「裸の王様」となるのにそう時間はかからない。
菅首相は12月上旬、知己のメディア関係者に、「首相になってから、情報がまったく入らなくなった」と愚痴をこぼした。ある官邸スタッフは「首相はなんでも自分で決めすぎる。現場に決断をゆだねない弊害は『Go To』などで一気に出た」とも分析する。
もし、緊急事態宣言が発令されるこの局面で菅首相が対応を誤り、欧米のような爆発的感染を日本でも招いたならば、再選がかかる今年9月の自民党総裁選や次期衆院選は大荒れとなりかねない。このピンチは首相1人の力では乗り越えられないはずだ。 
 
 

 

●緊急事態宣言直後の週末人出、「前回」より減少せず  1/9
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が再発令されて初の土曜日となった東京、埼玉、千葉、神奈川の9日正午時点の人出は、前回の緊急事態宣言直後の土曜日(昨年4月11日)より多かったことが、スマートフォンなどの位置情報から滞在人口を推計するNTTドコモの「モバイル空間統計」のデータでわかった。今回の宣言でも「不要不急の外出自粛」が呼びかけられているが、前回より効果は限定的となっている。
東京都内の新宿、銀座、渋谷センター街や、周辺3県の主要駅(横浜、千葉、大宮)周辺の正午時点の人出について、感染拡大前の土曜日(昨年1月11日)と比較した。
銀座、渋谷、新宿では、前回宣言時はいずれも感染拡大前より人出が7割前後減少していたが、9日は3割台の減少にとどまった。横浜、千葉、大宮各駅でも、前回の減少幅は6〜7割に上ったのに、9日は1〜3割しか減らなかった。
一方、スマホの位置情報を利用するソフトバンク系のIT企業「アグープ」のデータを分析すると、宣言初日の8日、午後8時以降の人出は、前日の7日と比べて渋谷センター街で2〜3割、新宿・歌舞伎町でも1〜2割減っていた。ただ、昨年4月の宣言後の平日と比べれば、いずれの場所も人出は増えていた。
●大阪・兵庫・京都、緊急事態宣言を要請 …1週間程度状況を見極める  1/9
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大阪、京都、兵庫の3府県知事は9日、西村経済再生相とオンラインで会談し、新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の発令を要請した。西村氏は会談後、記者団に「専門家の意見を聞いて検討する」と述べ、今後1週間程度の状況を見極めたうえで慎重に判断する考えを示した。
大阪府の吉村洋文知事は会談で「医療体制は今後さらなる逼迫ひっぱくが予想される」と訴え、東京など1都3県に続いて関西3府県でも緊急事態宣言の発令を検討するよう求めた。西村氏は「宣言が視野に入る極めて厳しい状況だという認識を共有した」と応じ、3府県を一体的に判断する意向を示した。その上で、まずは飲食店への午後8時までの営業時間の短縮要請など、1都3県に準じた感染対策を検討するよう求めた。
吉村氏は会談後、大阪市内の居酒屋などを対象に行っている時短営業要請について、14日から2月7日まで府内全域に拡大し、午後9時までとしている営業時間を午後8時までに繰り上げる方針を示した。
兵庫県は12日から、神戸市など4市で午後9時までの時短営業要請を始める。京都府も既に京都市内で実施している午後9時までの時短要請を2月7日まで延長する方針だ。ただ、兵庫県の井戸敏三知事は「感染者が少ない地域もある」、京都府の西脇隆俊知事も「全部一律で、ということではない」として府県内全域での実施は見送る方向だ。
3府県ではここ数日、感染者が急増している。大阪府は感染状況が最も深刻な「ステージ4」の水準となり、9日の新規感染者も過去2番目の647人だった。兵庫県でも同日、324人と4日連続で過去最多の感染者を確認。京都府も126人と、5日連続で100人を超えた。
一方、感染拡大が続く愛知、岐阜、栃木各県も緊急事態宣言を要請する方向で調整している。愛知県の大村秀章知事は9日、全国知事会のテレビ会議で「愛知、岐阜で足並みをそろえて要請していこうと協議・調整に入った」と述べ、岐阜県の古田肇知事も「宣言が発出されてもおかしくない」と危機感を示した。 
 
 

 

●街の人出、減り方鈍く…「かえって店すいている」と外出  1/10
東京・銀座。冬晴れの9日午後1時過ぎ、数寄屋橋交差点付近は、色とりどりのマスクをした若者やカップルらが行き交っていた。百貨店などの商業施設が新春セールを開催し、正月向けのBGMも聞こえる。ファストフード店前には、客の列ができていた。
洋服を買いに来た横浜市の会社員女性(26)は「前回の緊急事態宣言の時は出歩かなかったけど、今回は店が開いているし、宣言が出てかえってすいていると思った」と話した。
昨年4月11日、緊急事態宣言が出て初の土曜日の同じ時間帯。多くの商業施設が休業し、付近からは人影が消え、ハトやスズメが歩道を闊歩かっぽしていた。それから9か月。今回は人出の減り方が鈍い。NTTドコモの「モバイル空間統計」のデータによると、昨年4月11日の銀座の人出は感染拡大前から66%減ったが、今回は30%減にとどまる。
ただ、長引く新型コロナの影響は徐々に街を疲弊させている。シニア向けの靴を扱う店にはこの日、正午を過ぎても客が一人も訪れなかった。「銀座は、ぶらぶら歩いて買い物をしたり、食事をしたりして楽しむ街。うちの店もそんな客が多かったが、今は開店休業状態で、いつまで持つか」。店長の男性(61)がぼそりとつぶやいた。
新型コロナウイルスの感染が拡大する東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県は9日、2度目の緊急事態宣言が出てから初となる週末を迎えた。昨年4月の緊急事態宣言の直後は百貨店や小売店などの商業施設が軒並み店を閉め、人影が消えたが、今回は多くの人が街に繰り出している。
首都圏から多くの若者らが集まる東京・渋谷。9日正午過ぎ、駅前のスクランブル交差点では、人をよけながら歩く大勢の人の姿があった。前回の緊急事態宣言直後の土曜日(昨年4月11日)の同じ時間帯に、ガラガラの交差点を通行人が真っすぐ歩いていたのとは対照的だった。 ・・・
●不満にじませる吉村知事「感染急拡大の後では対応困難」 1/10
大阪、京都、兵庫の3府県が緊急事態宣言の発令を要請した9日、政府は1週間程度状況を見る方針を示した。専門家の間では、感染の急拡大は一時的なものとの見方もある。しかし、感染者数は3府県ともこの日も高水準で、大阪、兵庫の両知事は発令を待たず新たな対策を検討する考えだ。
9日午後2時から行われた3知事と西村経済再生相の非公開のオンライン会議。終了後、記者団の取材に応じた知事らの口ぶりは、いずれも歯切れの悪いものとなった。
緊急事態宣言は、新型インフルエンザ対策特措法に基づき、首相が区域と期間を定めて発令する。事前に専門家でつくる委員会に諮る必要があり、都道府県知事の意向だけでは決まらない。
「大阪の感染状況は非常に厳しく、緊急事態宣言に該当すると思う。ただ最終的には国の判断だ」大阪府の吉村洋文知事は不満をにじませた。
政府の基本的対処方針では、感染状況が悪化した地域では、宣言下の自治体に準じた対応を取ることができる。西村氏は会議で3府県に対し、この規定を利用するよう求めた。
府は、独自に大阪市内で実施する午後9時までの居酒屋などへの時短営業の要請を、首都圏の緊急事態宣言に合わせて2月7日まで延長。対象も府内全域の全ての飲食店に拡大し、時間も1時間繰り上げる。ただ要請に従わない店舗名の公表など、より強い措置は発令がないと実施できない。
吉村知事はこの点を踏まえ、「大阪の医療体制はこれからも逼迫ひっぱくしてくる。完全に感染が急拡大してからでは対応が困難で、臨機応変に対応してほしい」と述べ、状況次第では1週間程度という期限にこだわらず、判断するように求めた。
「病床の状況は限界がきている」。兵庫県の井戸敏三知事も危機感をにじませ、「宣言が出せるよう検討を急いでほしいと国に申し上げた」と明かした。県では12日から神戸、尼崎、西宮、芦屋の4市内の飲食店などに対し、午後9時までの時短営業を要請することを決めている。大阪府と近接し、通勤・通学する人が多い地域で、県内の飲食店などの5割以上が4市に集中しているからだ。井戸知事は、対処方針に盛り込まれている「夜間の外出の自粛」「イベントの人数制限」「テレワークの強化」などの対策の前倒しについても、「飲食につながる人の流れを呼び起こす動きに対しては、取り組みの強化を検討したい」と、前向きな姿勢を示した。
一方、京都府の西脇隆俊知事は、京都市内での時短営業を延長する方針は既に示しているものの、それ以上の対策の実施については、「検討するが、難しいのではないか」と消極的だった。昨年12月の感染者のデータ分析では、感染の原因とされる会食場所は9割が京都市内。1月8日までの1週間に確認された感染者計759人のうち65%が京都市在住者だ。当面は現状の対策を続ける姿勢で、西脇知事は、「より深刻な状況になれば、3府県の知事でそろって、緊急事態宣言の発令を国に求めたい」と述べた。 
●菅内閣支持率、続落41% 緊急事態宣言「遅すぎ」79% 共同通信調査 1/10 
共同通信社が9、10両日に実施した全国電話世論調査によると、菅内閣の支持率は41・3%だった。12・7ポイント急落した昨年12月の前回調査から、さらに9・0ポイント下落した。今回の不支持率は42・8%で、政権発足から約4カ月で不支持と支持が拮抗(きっこう)した。新型コロナウイルス感染拡大で1都3県に再発令した緊急事態宣言のタイミングは「遅過ぎた」との回答が79・2%に上った。政府のコロナ対応を「評価しない」が68・3%。「評価する」は24・9%で安倍政権下を含め最も低かった。
内閣不支持理由では「首相に指導力がない」が41・2%で最多。後手に回ったとの批判が出ている、菅義偉首相のコロナ対応への不信が支持率続落につながったとみられる。
営業時間の短縮要請に応じた飲食店に協力金を給付する一方、要請に従わない場合には罰則を科すとの菅義偉首相の方針に絡み、罰則導入に反対が48・7%で、賛成の42・7%を上回った。緊急事態宣言の対象地域について「他の都市圏も含めるべきだ」との回答が39・8%で、「全国を対象にするべきだ」の37・7%を合わせると77・5%が対象地域の拡大が必要だとした。
「桜を見る会」前日の夕食会費用補てん問題について、これまでの国会答弁を訂正し謝罪した一方で、ホテルが発行した明細書の提示を拒否した安倍晋三前首相の対応は「不十分だ」との回答が78・1%に上った。
東京五輪・パラリンピックの今年夏の開催は「中止するべき」が35・3%で、「再延期するべき」の44・8%を含めると80・1%が見直しを求めた。 
 
 

 

●関西3府県の緊急事態宣言、13日にも発令…愛知・岐阜も要請へ  1/11
政府は、新型コロナウイルスの感染が拡大する大阪、京都、兵庫の関西3府県について、新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象区域に追加する方向で調整に入った。すでに宣言を発令している東京など4都県に加える形で、13日にも発令する見通しだ。
菅首相は11日、首相公邸で田村厚生労働相や西村経済再生相、加藤官房長官らと関西3府県の感染状況を確認し、発令の必要性について協議した。政府高官は「宣言発令で3府県の対策に実効性を持たせる必要がある」と述べ、発令する方針を明らかにした。
3府県の知事は9日、新型コロナ対策を担当する西村氏に発令を要請していた。政府は、近く専門家でつくる基本的対処方針等諮問委員会の意見を聞き、正式に発令を決定する予定だ。
3府県の感染状況は深刻さを増している。大阪府の新規感染者数は今月8日に過去最多の654人となり、10日まで5日連続で500人を超えた。重症病床使用率は71・6%(11日時点)に達し、病床の逼迫ひっぱくが続く。兵庫県も9日に過去最多の324人の感染を確認した。
緊急事態宣言は昨年4〜5月以来で、東京都と埼玉、千葉、神奈川県を対象に8日〜2月7日の期間で再発令されている。
愛知県の大村秀章知事は11日、民放番組に出演し、12日にも岐阜県とともに緊急事態宣言の発令を政府に要請する考えを示した。政府は3府県と合わせて慎重に検討する方針だ。
●緊急事態、対象外の地域でも…「朝から一人も客が来ない」 1/11
1都3県に緊急事態宣言が再発令されて初の週末となった9日、九州・沖縄の繁華街などでは、人出が大きく減った。宣言の対象外の地域でも、新型コロナウイルスの感染が広がる県では外出自粛などの対策が取られている。商店街や観光地にとって「厳冬」の3連休初日となった。
福岡市・天神の新天町商店街は9日昼過ぎ、人影はまばらだった。
「朝から一人もお客さんが来てないのよ」。洋服店の女性店員(66)はため息をついた。60〜80歳代の女性向けの服をそろえるが、新型コロナの影響で常連客が外出を控え、売り上げは例年の2割ほどだ。この日は雪で足元が悪く、さらに客足が落ち込んだ。
連日感染者が300人を超える福岡県は8日、1都3県への移動自粛を県民に要請した。9日は時間帯によって、博多発東京行き新幹線は指定席の予約がいつもの連休の半分ほどに。天神にある洋菓子店は土産用の売り上げが激減し、あまおうや卵など地元食材の仕入れを減らしている。店長(40)は「東京の経済が止まれば、ドミノ倒しだ」とこぼした。例年なら受験生でにぎわう太宰府天満宮(福岡県太宰府市)も、人通りは少なかった。
独自の緊急事態宣言を出した宮崎県。外出自粛の要請などが始まった9日、宮崎市の目抜き通り「橘通り」は閑散としていた。百貨店「宮崎山形屋」はセール中なのに、フロアにほとんど客がいない状態。川俣順司販促課長は「宣言は仕方ないが、売り上げへの影響は大きい」と語った。
沖縄県も、今月6日以降の新規感染者が1日60〜80人台と高い水準にある。県は飲食店などへの営業時間の短縮要請を31日まで延長し、1都3県との往来自粛も求めている。
那覇市の観光名所・国際通りでは、シャッターを閉じた店が目立った。土産物店の女性従業員(61)は「三が日が明けてから、お客さんがほとんどいない」と寂しそうに話した。 
●JNN世論調査、内閣支持と不支持が逆転 コロナ対応で軒並み厳しい評価 1/11 
最新のJNNの世論調査で、菅内閣の支持率は先月より14.3ポイント下落して41.0%となり、支持と不支持が逆転しました。政府の新型コロナ対応にも厳しい評価が出ています。
菅内閣を支持できるという人は、先月の調査結果より14.3ポイント減って41.0%でした。一方、支持できないという人は14.8ポイント増加し55.9%と、支持と不支持が初めて逆転しました。
新型コロナウイルスの感染防止に向けた政府のこれまでの取り組みについて聞いたところ「評価しない」が63%と、「評価する」を上回っています。
政府が1都3県に緊急事態宣言を出したことについて聞きました。宣言発表を「評価する」人は65%、「評価しない」人は30%でしたが、タイミングについて尋ねたところ、「遅すぎる」が83%に達しました。
今回の宣言は飲食店などへの時短要請や不要不急の外出自粛呼びかけなどが柱となっていますが、これを「過剰だ」と答えた人は6%、「適切だ」は36%、「不十分だ」は55%でした。緊急事態宣言の期間は来月7日までとなっていますが、1か月で宣言を解除「できると思う」と答えた人は7%にとどまり、「できるとは思わない」人が87%に達しています。
新型コロナ特措法の改正について聞きました。飲食店などが時短要請に応じない場合に罰則を設けることの是非を尋ねたところ、「賛成」は35%、「反対」は55%でした。
今年夏に予定される東京オリンピック・パラリンピックについて、「開催できると思う」と答えた人は13%、「開催できると思わない」と答えた人は81%でした。
「桜を見る会」の前夜祭をめぐる事件で、これまでの安倍前総理の説明に「納得できる」と答えた人は12%にとどまり、「納得できない」が80%にのぼりました。 
 
 

 

●緊急事態宣言の要請相次ぐ 各地で危機感 1/12
新型コロナウイルス対策をめぐり、菅総理大臣は、政府与党連絡会議で、緊急事態宣言の対象地域の拡大について検討に入る考えを示しました。政府は、13日にも、大阪、兵庫、京都の3府県を対象に宣言を出す方向で調整しています。また、愛知県と岐阜県、栃木県も12日、国に対して、緊急事態宣言を出すよう要請しました。
総理大臣官邸で開かれた政府与党連絡会議で、菅総理大臣は「先週、大幅な感染拡大が続いている1都3県に対し、緊急事態宣言を決定したが、1都3県以外にも、大阪をはじめ、感染が大幅に拡大している地域がある。こうした状況を踏まえ、宣言の対象地域の拡大について検討に入る」と述べました。また、菅総理大臣は「これまでの経験に基づいて、効果のある対象を徹底的に絞って、対策を講じている」と述べ、▽飲食店の午後8時までの営業時間短縮、▽テレワークによる出勤者数の7割削減、▽午後8時以降の不要不急の外出の自粛、▽イベントの人数制限の4点に重点を置いて、感染を抑え込みたいと重ねて強調しました。そして「政府与党一体となって、あらゆる対策を講じ、感染拡大を何としても乗り越えて、国民の皆さんの安心と希望を実現したい」と述べました。
愛知県の大村知事と岐阜県の古田知事は、12日午後、三重県も含めた3県の知事によるオンライン会議を開き、国に対して、愛知・岐阜の両県を対象に速やかに特別措置法に基づく緊急事態宣言を出すよう要請することを確認しました。このあと、3県の知事が西村経済再生担当大臣とオンラインで会談し、愛知・岐阜の両県に速やかに緊急事態宣言を出すよう要請しました。さらに、栃木県の福田知事も西村大臣と電話会談を行い、栃木県に緊急事態宣言を出すよう要請しました。西村大臣は「今後の感染状況を注視し、国の専門家会議でも検討しながら国として判断する」と回答したということです。
西村経済再生担当大臣は、全国知事会の飯泉会長とテレビ会議を行い、緊急事態宣言の対象地域の拡大について、あす、感染症の専門家などでつくる「諮問委員会」に意見を求め、判断する考えを示しました。新型コロナウイルス対策で、政府は、あすにも、大阪、兵庫、京都の3府県を対象に、緊急事態宣言を出す方向で調整しています。一方、愛知、岐阜両県については、知事の意向や専門家の意見も聴きながら、宣言の対象とするか検討する方針です。こうした中、西村経済再生担当大臣は、全国知事会の飯泉会長とテレビ会議を行い、宣言の対象地域の拡大について「それぞれの感染拡大地域の知事と連絡を取らせていただいている。あす、『諮問委員会』にお諮りして、専門家の意見を聴き、判断したいと思う」と述べました。これに対し、飯泉会長は「緊急事態宣言については、京阪神2府1県、あるいは、愛知、岐阜、栃木と要請が続いており、ぜひ迅速な判断をお願いしたい」と述べました。
●「緊急事態宣言」で東京一極集中に高まるリスク 1/12
拡大一途のコロナ禍に政府の対応が後手後手を極めている。1都3県への緊急事態宣言発令に続き、明日13日にも大阪、兵庫、京都の3府県に対しても宣言を発令する方向で最終調整に入っているという。3府県の知事が宣言発令を要請したのは9日。翌10日のNHKのテレビ討論番組で菅首相は3府県への発令に関し「すぐに対応できるよう準備している」としながら「もう数日の状況を見る必要がある」と慎重だった。ところが、テレビ発言の翌日に、「発令の方向で調整」と一変した。その背景には、一連のコロナ対策への世論の反発、支持率低下があったのではとの声がネット上などで渦巻いている。飲食店の営業時間短縮に絞った対応や、夜8時以降の不要不急の外出自粛要請、テレワーク推進による出勤者数の7割削減、イベント人数制限という感染拡大防止策についても「中途半端」「不公平」といった声が強い。実際、3連休中の人出は、春の緊急事態宣言時に比べ大幅に増加していると報じられている。夜8時以降の営業を続けると公言する事業者もいる。後手後手で場当たり的な「宣言」と「対策」に国民の不満と不信は高まる一方である。
外国人の東京離れが進む
さて、コロナ禍が長期化する中で、見逃せないリスク要因がある。東京一極集中問題だ。昨年は東京都の人口の転出超過が話題となった。実際、5月、7月、8月、9月、10月、11月と1年のうち半分の月が転出超過だった。コロナ感染を防ぐための移住や、リモートワークの広がりやオンライン環境の拡充に伴う首都圏近郊への移住が増えているとの報道もみられた。たしかに、一部ではそうした動きはあったが、基本的には東京一極集中の現実に変わりはない。最新の2020年12月1日時点の東京都の人口(住民基本台帳ベース)は1384万6014人。1年前と比べると8753人の増加だ。多くの人は気付いていないと思うが、人口増加の主因は日本人人口の増加である。東京都全体で見ると日本人人口は4万6291人の増加。一方、外国人人口は3万7538人の減少。つまり、転出超過の真相は、外国人の東京離れにすぎないのだ。
さらに詳しく見てみよう。2020年12月1日時点での23区の総人口は、957万5842人で、前年同月と比べ3349人増。このうち日本人は3万8426人増、外国人は3万5077人減少となっている。外国人の転出超過が歴然としている。23区のうち江戸川区を除く22区で日本人人口が増えているのが実態だ。逆に外国人人口は23区すべてで減少している。詳しくは表をご覧いただきたいが、象徴的なのが新宿区だ。(外部配信先ではグラフや図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)
新宿区全体の人口は4376人減だが、日本人に限ると1733人の増加。それに引き換え、外国人は6109人もの大幅減少である。新宿区には都内で最多の3万7827人の外国人が暮らしている(2021年1月1日時点)。その国籍はなんと127にも及ぶ。まさに人種のるつぼである。2017年から2020年にかけては外国人人口は4万人を超え、2020年1月時点では4万2598人だった。それが昨年1年間で約11%減ったことになる。外国人住民の上位6位までを占める中国、韓国、ベトナム、ネパール、台湾、ミャンマーの人々の減少幅が大きい。
コロナ感染で露呈した一極集中リスク
東京一極集中と地方創生に関しては、年初に興味深い世論調査結果が発表された。日本世論調査会が昨年11月から12月にかけて行った世論調査だ。それによると、「地方創生は進んでいない・どちらかと言えば進んでいない」が89%に達した。地方創生は安倍前政権の看板政策。世間の評価は「落第点」だった。一方、「東京一極集中」については、「ある程度」を含め79%が「是正が必要」と回答。一極集中の問題点として「東京と地方の格差拡大や地方の衰退」「地震などの災害による中枢機能マヒ」に回答が集中した。この懸念は今のコロナ禍で既に証明済みである。東京都の感染者数は日に日に膨れ上がり、1月8日時点では累計で7万人を超え、死者は674人となった。東京都の新規感染者数が2477人となった7日までの23区別の累計感染者数、10万人当たりの感染者数は前出の表の通り。人口は住民基本台帳ベースの2020年12月1日現在で算出した。感染者数がもっとも多いのは世田谷区(5300人)だが、10万人当たりで見ると新宿区が1424人と突出している。次いで港区の1091人、渋谷区の995人となっている。逆に10万人当たりの感染者数が最も少ないのはいち早く独自の対策に乗り出した江戸川区で362人。新宿区の約4分の1の水準だ。
都道府県別の感染状況はどうか。NHKがまとめている「直近1週間の人口10万人当たりの感染者数」(1月7日まで 人口は総務省人口推計2019年10月1日現在)を見ると、東京都が61.87人で最多となっている。以下は神奈川県38.26人、栃木県32.37人、宮崎県31.78人、大阪府29.74人、千葉県29.08人、埼玉県28.63人の順。上位に緊急事態宣言発令の1都3県や大阪府が入っている。コロナ感染拡大防止対策では、人の移動を制限することが必要とされているが、東京を舞台とした人の移動は驚くほどの数だ。その最たるものが通勤・通学者数である。東京都のHPに掲載されている2015年の国勢調査をベースにした通勤・通学者数を見てみよう。東京都内に在住している人で見ると、都内に通勤・通学している人は739万8000人。都外へ通勤・通学している人が50万1000人。合計で789万9000人が通勤・通学で移動しているわけだ。これに都外からの通勤・通学者が290万6000人いる。東京を中心とした通勤・通学者の総数は1080万5000人となる。この流れを大きく制限しない限り、感染拡大に歯止めはかからないだろう。
一極集中は変わるのか
昨年は、コロナ禍での大きな災害に見舞われずに済んだことがせめてもの救いだったが、今年はどうなるかわからない。1日も早い一極集中是正に向けた政策の実施が望まれる。先の日本世論調査会の調査に「一極集中是正に有効な政策」という設問があった。回答が多かったのは以下の通り。
   1 企業の本社移転
   2 子育て世代が地方移住しやすい環境整備
   3 東京と地方の賃金格差是正
   4 地方のIT環境整備
   5 国の機関の地方移転
どれも必要かつ有効な政策だが、現実は遅々として進んでいない。本社移転に関しては、国土交通省の「企業等の東京一極集中に関する懇談会」の資料によると、東京にある上場企業375社を対象にした調査で「検討していない」が74%だった。地方の環境はどうか。どの自治体も企業誘致や移住者受け入れには熱心だが、雇用環境は十分とは言えない。有効求人倍率はコロナ禍で大きく低下している。2020年1月に1.49倍(全国)だったのが、10月は1.04倍まで下がった。沖縄県0.66倍、神奈川県0.75倍など14の道県が1倍を切っている(10月)。移住先として人気の山梨県も0.95倍だ。地方に関しては、閉鎖的な土地柄がネックとなるケースも少なくない。
賃金格差は、物価水準との比較もあるので単純ではないが、最低賃金を比較すると最高は東京の1013円。最低は沖縄県、秋田県など7県の792円。1.28倍となっている。IT環境整備については、徐々に進んでいるが、地方での環境格差が大きい。筆者が毎年訪れる北海道のある地方では、ちょっと市街地を外れるとWi-Fiがつながらない。ある民間通信企業の調査(2018年)によると、Wi-Fi設置数が最も多い東京(2万3990)と最も少ない高知県(862)の格差は27.8倍だった。国の機関の地方移転に関しては、消費者庁の一部が徳島県に移転した他は、文化庁の京都移転などごく一部の移転が予定されているのみ。その文化庁の移転も当初の2021年度に間に合わず、2022年度以降にずれ込む見通しだ。
一極集中の是正は進みそうにない
残念ながら、こうしてみると一極集中の是正はなかなか進みそうにない。先の世論調査でも「コロナ禍を機に一極集中が緩やかになるか」との問いに76%が「穏やかにならない」と否定的な回答を寄せていた。これが現実である。一向に進まない一極集中是正を尻目に、一極集中リスクは高まる一方だ。進行中のコロナ禍に加え、大規模な災害や新たな感染症はいつ襲ってくるかわからない。国民の安心・安全と国の未来を考えるのが国会議員や官僚の仕事。一極集中・地方創生実現に向けた明快なビジョンと、誰もが納得できるような工程表を国民に示すべきだろう。こんな危機的状況下にあるにもかかわらず、国会が閉会中とは、信じがたい話である。
●3連休 1都3県の人出 前回の緊急事態宣言時を大幅に上回る  1/12
11日までの3連休の人出について、2回目の緊急事態宣言が出ている1都3県の各地で分析したところ、いずれも先月の土日・祝日より減少したものの、去年の1回目の宣言時を大幅に上回ったことがビッグデータの分析から分かりました。NHKは、IT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使って、1都3県の主要な駅周辺や繁華街の3連休中の人の数を分析しました。
分析した時間は、駅周辺が日中時間帯の午前6時から午後6時、繁華街は夜間帯の午後6時から翌午前0時です。
主要駅周辺の人出
その結果、主要な駅周辺の人出は、いずれも先月の土日・祝日の平均より5%から40%近く減少していたものの、去年の緊急事態宣言時の土日・祝日の平均と比べると2倍以上に増えていました。このうち東京駅は、先月と比べて38%減少しましたが、去年の宣言時と比べるとおよそ2.4倍にあたる135%の増加となりました。このほか横浜駅は先月と比べて38%減少し、去年の宣言時と比べるとおよそ2.7倍にあたる172%増、大宮駅は先月と比べて30%減少し、去年の宣言時と比べるとおよそ2.4倍にあたる138%増、千葉駅は先月と比べて5%減少し、去年の宣言時と比べるとおよそ2.1倍にあたる113%増でした。
繁華街の人出
また、繁華街も同じ傾向で、いずれも先月の土日・祝日の平均より30%から50%近く減少していたものの、去年の宣言時の土日・祝日の平均と比べると多いところでは4倍に増加していました。このうち銀座は先月と比べて38%減少しましたが、去年の宣言時と比べるとおよそ4倍にあたる299%の増加となりました。このほか新宿・歌舞伎町は先月と比べて42%減少し、去年の宣言時と比べるとおよそ2.5倍にあたる152%増、渋谷スクランブル交差点は先月と比べて46%減少し、去年の宣言時と比べるとおよそ3.1倍にあたる212%増、六本木は先月と比べて34%減少し、去年の宣言時と比べると68%の増加となりました。
連休明け 東京駅の人出 先月とほぼ同じ水準
12日朝の東京駅の人出は、緊急事態宣言の初日の今月8日から大きな変化は無く、先月の平日とほぼ同じ水準で、去年の1回目の宣言時と比較すると20%ほど多くなっている事がビッグデータの分析から分かりました。NHKはNTTドコモが携帯電話の基地局からプライバシーを保護した形で集めたビッグデータを使って、12日午前8時台の東京駅周辺の人の数を分析しました。その結果、緊急事態宣言の初日となった今月8日の朝と比べると3%の増加と、大きな変化は無く、先月の平日の平均と比べても2%の減少とほぼ同じ水準となっています。一方、去年4月から5月にかけての前回の緊急事態宣言時の平日の平均と比べると20%ほど多くなっています。  
●医療逼迫の奈良、緊急事態再発令には否定的 滋賀は宣言要請を視野に 1/12
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて13日夕、大阪、京都、兵庫の3府県にも緊急事態宣言が再発令される。ただ、大阪への通勤・通学者が多い奈良県では8日に新規感染者が56人と1日当たり過去最多を更新。病床使用率は深刻な状況で、一般診療にも影響が出始めている。同県内では大阪府から約2週間遅れて感染者数のピークを迎える傾向があり、医療関係者からは宣言を求める声が上がる。大阪の他に京都へも通勤・通学が多い滋賀県は知事も宣言要請の可能性に言及し、情勢を見極めている。
「コロナ病床を増やすと地域医療がかなり圧迫される。どういう影響が出るか把握しているのか」
2020年12月17日、奈良県や医療機関、医師会などの幹部が出席した新型コロナの連絡会で、中心的役割を担う県立医大付属病院(同県橿原市)の医師が県幹部に詰め寄った。県はこの1週間前、感染者の急増を受けて県内の医療機関にコロナ病床を増やすよう要請。これに反発した発言だった。
県は自宅療養を認めず、無症状者も含めた感染者全員を医療機関か宿泊療養施設に収容している。複数の医療機関でコロナ専用増床に伴う一般病床削減や手術延期などのしわ寄せが発生。当初、150床の確保を求められた県立医大付属病院は一般病床への入院やコロナ以外の患者の手術を6割程度に減らしている。他院から重症者の受け入れ要請も多く、病院幹部は「ぎりぎりの状態だ」と語る。
こうした声を受け、荒井正吾知事は12月25日に医療機関の幹部と協議。コロナ病床の確保目標を467床から358床に大幅に減らし、付属病院も当初予定から約70床減った。だが、大和郡山病院(大和郡山市)がコロナの院内感染で受け入れを一時中止する事態になり、1月3日には県全体で対応可能な324床に277人が入院、病床使用率は一時85%に達した。県は宿泊療養施設を増やして軽症者の一部も受け入れることで改善を図るが、現場からは「容体が急変した場合に対応できるのか」と不安の声も上がる。
だが、緊急事態宣言の再発令について荒井知事は4日の記者会見で「大都市とは違い、宣言を期待する県ではない」と否定的な見解を示し、その後も要請への動きは見せていない。これに対し、県医師会の安東範明副会長は「奈良も発令を政府に要請すべきだ」と訴えた。その上で「新規感染者数をいつまでにどのくらい減らしたいのか、そのためにはどの程度の制限をどれくらいの期間必要とするのか。理論疫学的に検討し、明確に示して対策を講じるべきだ」と話した。
一方、滋賀県の三日月大造知事は12日の定例記者会見で「医療体制は逼迫(ひっぱく)しており、非常事態と言わざるを得ない」と述べ、感染が更に拡大すれば「宣言の対象地域に加えるよう要請しなければいけない」との認識を示した。12日現在で30%となっている県内の重症者用病床の使用率が50%を超えるかどうかを「一つの指標にする」としている。同県では全体では12日現在で239床に207人が入院し、県は月内に280床を確保する方針。2月初旬をめどに宿泊療養施設を増やす他、これまで宿泊療養施設で受け入れていた65歳未満の軽症・無症状者は今後、医師の判断で自宅療養も可能とする方針だ。
和歌山県では新型コロナ感染者用に確保している病床272床の使用率は50%未満だが、県福祉保健部の野尻孝子技監は「50%に近付いている」と危機感を示す。大阪府など県外に出て感染した人が多いと言い、大阪など3府県への宣言発令について「県外での接触が減り、感染者が減少することを期待したい」と歓迎する。仁坂吉伸知事は13日の定例記者会見で「現時点では保健医療行政(接触者の囲い込みなど)を一生懸命やっているので(緊急事態宣言を)要請する必要はない」と述べた。
●7府県に緊急事態宣言へ 東海2県、栃木、福岡に拡大 1/12
政府は12日、新型コロナウイルスの感染者が急増している7府県に対し、特別措置法に基づく緊急事態を宣言する方針を固めた。7府県は大阪、京都、兵庫の関西3府県と、愛知、岐阜の東海2県、栃木、福岡の両県で、13日に決定する。
宣言の区域は、首都圏4都県に出した7日から1週間足らずで、11都府県に広がる。実施期間は、2月7日まで。飲食店の閉店時間を午後8時までとする営業時間の短縮要請や、出勤者数の7割削減をめざした在宅勤務(テレワーク)や交代勤務の徹底などを同じように求める。
宣言に先立ち、感染症や経済の専門家らでつくる諮問委員会の意見を聴いたうえで、国会に説明。対策本部で決める。首相が記者会見を行い説明する予定だ。
首相は今月7日の会見で「現時点において、そうした状況にはないと思う」と首都圏以外への宣言に否定的だったが、各地で感染が広がって知事から相次いで要請を受ける状況となり、追加に踏み切った形だ。首相官邸で12日に開かれた政府与党連絡会議では、首都圏以外でも感染者が急増する地域があるとして、「宣言の対象地域の拡大について検討に入る」と述べた。
12日は愛知、岐阜、栃木3県の知事が、西村康稔経済再生相との電話会談で、宣言の対象区域に加えるよう要請した。政府は13日午前に開かれる厚生労働省の専門家組織による感染状況の分析を踏まえ、追加する区域を最終的に判断する。
政府は、追加地域の知事が飲食店などへの時短要請を強化すれば、協力金の上限を1店当たり1日4万円から、4都県と同じ6万円に引き上げる見込みだ。
自民党の森山裕国会対策委員長は、追加指定によって必要となる協力金の予算を予備費から支出することを15日にも閣議決定する、との政府の方針を記者団に明らかにした。
大阪府の吉村洋文知事は12日、政府が13日に緊急事態を宣言する方針を固めたことについて、「スピード感をもって判断をいただいた。国と協力しながら、感染爆発、医療崩壊を防がないといけない時期だ」と記者団に語った。 
●伏し目がちな会見で説得力ゼロ、見放される菅首相 1/12 
何もかもが遅い
共同通信が1月9日、10日に行った世論調査によると1都3県の緊急事態宣言について、「遅過ぎた」が79.2%に上っている。政府のコロナ対応を「評価しない」も68.3%になっている。ほとんどの人が菅政権のコロナ対応に不満を持っているということだ。
感染者の急増は1都3県だけではない。大阪府、京都府、兵庫県の近畿3府県も政府に緊急事態宣言の発令を要請した。愛知県や栃木県も同様の要請を行っている。感染者が爆発的に増えているからだ。だが菅義偉政権は、いまだにこの要請に応えていない。何をためらっているのか、理解できない。
1月10日、NHKの日曜討論に出席した菅首相は、関西3府県知事が緊急事態宣言の対象に追加するよう要請していることに対して、「緊迫した状況であることは承知している」と述べた上で、「政府分科会の先生方は、もうしばらく様子を見て、分析したいという方向だったようだ」と述べた。まるで他人事のような答えだ。菅首相は、これまでの数少ない、短時間の記者会見でも、大事なことは同席している分科会の尾身茂会長に丸投げしてきた。
専門家でないと答えられないような質問ならともかく、緊急事態宣言を発令するかどうかは政治判断の問題でもある。もちろん専門家の意見を踏まえることは大事だが、菅首相の場合、あまりにも自分の判断がなさ過ぎる。
東京の小池百合子知事や大阪の吉村洋文知事は、すべて自分の言葉で語っている。小池知事は時間制限など設けずに、しっかりと記者の顔を見ながら回答している。2人とも目力を感じる。ところが菅首相は、目を伏せ、目が泳ぐことが多すぎる。これではメッセージ力がないのも当然である。
だから支持率も下がるのだ。前述の共同通信の調査では、昨年(2020年)12月の調査で12.7%下がったのに続いて、今月も9.0%下がった。その結果、支持率は41.3%なのに対して、不支持率は42.8%となり、不支持率が上回った。
説明責任を果たさないことが常態化している
菅首相が官房長官時代に、記者会見での対応・回答が「安定している」という評価があったようだ。正直、この評価には驚いた。この当時、ある週刊誌から安倍晋三首相の後継として、菅官房長官をどう評価するか聞かれたことがあった。その際の私の回答は次のようなものだった。
結論としては、次の首相にまったくふさわしくない。それは官房長官としての記者会見を見れば分かる。菅氏の会見は、国民に何かを分かってもらおうという意思がまったく感じられない。国民への訴える力があまりにも乏しい。的確に情報を国民に知らせようという気もまったくない。後で手を縛られるような情報をできるだけ出さずに、その場をかわせば良い、というものだ。こんな会見しかできない人が首相になってもろくなことはない。
今思えば、ああいう会見しかできなかったのかも知れない。ただ現在の加藤勝信官房長官も、菅氏と同様にできるだけ話さないようにしているとしか思えない。いつから日本はこんな政治家ばかりになってしまったのか。
ニュージーランドのアーダーン首相は、新型コロナ問題で連日記者会見を行い、国民に情報を発信してきた。そして見事に新型コロナを押さえ込んだ。ドイツのメルケル首相も心を打つ演説を行ってきた。こういう政治家が日本にはいないのか。情けなくなる。
緊急事態宣言を出さないのなら、その判断を誰もが納得するように語るのが首相の、政治家の責任である。「政府分科会の先生方は、もうしばらく様子を見て、分析したいという方向だったようだ」、こんなことしか言えないのならテレビになど出てくるなと言いたい。
こんな緊急事態宣言では感染者は減らない
今回の緊急事態宣言でよく分からないのは、午後8時以降の外出自粛を強く要請するとしていることだ。昼間も不要不急の外出自粛を求めているというが、これは明らかに誤ったメッセージになっている。渋谷にいる若者にあるテレビ局がインタビューをしていたが、「午後8時以降は自粛を求められているので、それまで遊ぼうと思っている」という主旨の回答をしていた。そう受け取って当然である。
事実、東京や大阪の繁華街の人出は、昨年の緊急事態宣言時に比べて2倍から4倍になっている。不要不急の外出自粛などまったく効いていないのだ。20代、30代の若者の感染者が多くなっているが、若者には外出自粛要請がまったく届いていない。これで感染者が増えるのが当然で、減るわけがない。不要不急の外出自粛を強力に呼びかけるべきである。
中国、韓国を含む11カ国・地域との間のビジネス関係者らの往来に関しては、継続する方針を決めた。新型コロナ変異種の市中感染が「1例でもあったら(当該国との往来は)即停止する」としているが、果たして十分なチェックができるのか。すでに日本には変異種が入ってもきている。現在の感染者数の急増とこの変異種の関係はまだ解明されていないが、関係がある可能性も存在するということを指摘する専門家もいる。ビジネスも含めて完全に入国禁止措置をとるべきである。
そもそも今回の緊急事態宣言は、飲食規制を行った北海道や大阪で感染を押さえ込めたということが前提になっている。この前提がすでに崩壊しているのだ。それは大阪の感染者数の急増を見れば分かる。北海道もさほど劇的に減っているわけではない。
前回の緊急事態宣言は、もっと緊迫感があった。街からは劇的に人が減った。だが今回は飲食店対策が中心である。感染拡大は飲食店だけではない。家庭でも感染が広がっている。日本医師会の釜萢敏(かまやち・さとし)常任理事も「飲食だけを抑えれば、うまくいくわけではないというのが共通認識。1カ月半、2カ月ぐらいの期間をみなければいけないのではないか」と語り、「感染地域をまたいだ人の出入りをどれぐらい抑えられるかがポイントになる」と強調している(1月7日付「産経新聞」)。
釜萢氏は分科会のメンバーである。その分科会の共通認識が緊急事態宣言に反映されていないということだ。何か聞かれれば分科会に丸投げをしてきたにもかかわらず、都合の良いところだけをつまみ食いしているのが、今回の緊急事態宣言なのである。分科会の共通認識を取り込めば、飲食中心にはならなかったはずだ。県境をまたぐ移動制限も強力に推し進める必要もあるのだ。だがそういうメッセージはまったくなされていない。
昨年の2月末に、当時の安倍首相が学校一斉休校の方針を打ち出した。これには自治体や医療関係者、自民党内からも「首相の独走」だという批判の声があがった。コロナ民間臨調によれば、ある官邸スタッフはコロナ民間臨調の聞き取りに対して、「同時期に行った一斉休校要請に対する世論の反発と批判の大きさに安倍首相が『かなり参っていた』ことから、さらなる批判を受けるおそれが高い旅行中止措置を総理連絡会議において提案することができなかった」と語っていたという。
しかし、今から思えばこの一斉休校の方針は、決して悪いものではなかったと思う。これによって社会に緊張感をもたらしたからだ。GoToトラベルやGoToイートは、逆に国民から緊張感を奪ってしまったように思えてならない。もう一度、この時の緊張感を取り戻さないと感染拡大は止められないだろう。近所のスーパーマーケットを見ても、昨年の緊急事態宣言の際には入場制限を行っていたが、大晦日など超密状態でも制限はなかった。入場制限の呼びかけも行った方が良い。
緩んでいる菅政権は、覚醒して責任を果たせと言いたい。 
●内閣支持率 1/12 
内閣支持40%、不支持41%
NHKは、今月9日から3日間、全国の18歳以上を対象にコンピューターで無作為に発生させた固定電話と携帯電話の番号に電話をかける「RDD」という方法で(アールディーディー)世論調査を行いました。調査の対象となったのは、2168人で、59%にあたる1278人から回答を得ました。それによりますと、菅内閣を「支持する」と答えた人は、先月より2ポイント下がって40%、「支持しない」と答えた人は、5ポイント上がって41%で、支持と不支持が逆転しました。支持と不支持が逆転したのは、去年8月に安倍前総理大臣が辞任を表明する直前に行われた調査以来で、去年9月の菅内閣発足以降では初めてです。内閣を支持する理由では、「他の内閣より良さそうだから」が39%、「人柄が信頼できるから」が23%、「支持する政党の内閣だから」が21%などとなりました。支持しない理由では、「実行力がないから」が40%、「政策に期待が持てないから」が33%、「人柄が信頼できないから」が11%などとなりました。
   自民党           37.8 
   立憲民主党          6.6
   公明党           3.0
   日本維新の会         1.1
   共産党            2.9
   国民民主党          0.5
   社民党            0.5
   れいわ新選組         0.5
   NHKから自国民を守る党    0.2
   その他の政治団体       0.5
   特に支持している政党はない 40.5 
   わからない、無回答      6.0

新型コロナ 感染の不安
新型コロナウイルスに自分や家族が感染する不安をどの程度感じるか聞いたところ、「大いに感じる」が45%、「ある程度感じる」が42%、「あまり感じない」が9%、「まったく感じない」が2%でした。
新型コロナ 政府の対応の評価
新型コロナウイルスをめぐる政府のこれまでの対応について、「大いに評価する」が3%、「ある程度評価する」が35%、「あまり評価しない」が41%、「まったく評価しない」が17%でした。
緊急事態宣言のタイミングの評価
政府は、東京など1都3県に緊急事態宣言を出しました。このタイミングをどう思うか聞いたところ、「適切だ」が12%、「遅すぎた」が79%、「宣言を出すべきではなかった」が3%でした。
緊急事態宣言の対象地域の評価
宣言の対象地域が、1都3県で適切だと思うか聞いたところ、「適切だ」が12%、「ほかの地域にも出すべき」が47%、「全国で出すべき」が33%、「出す必要はない」が3%でした。
宣言は2月7日に解除できるか
宣言の期間の来月7日までに宣言が解除できると思うか聞いたところ、「できると思う」が6%、「できないと思う」が88%、「わからない、無回答」が7%でした。
新型コロナ ワクチンを接種したいか
政府は、来月下旬までにワクチンを接種できるよう準備を進めています。接種したいかどうか聞いたところ、「接種したい」が50%、「接種したくない」が38%、「わからない、無回答」が13%でした。
特措法に罰則明記の賛否
特別措置法について、政府は、事業者への財政支援と罰則をセットにした改正を目指しています。罰則の明記について聞いたところ、「賛成」が48%、「反対」が33%、「わからない、無回答」が18%でした。
東京五輪・パラは開催すべきか
ことしに延期され夏の開幕に向け準備が進められている東京オリンピック・パラリンピックについて聞いたところ、「開催すべき」が16%、「中止すべき」が38%、「さらに延期すべき」が39%でした。先月に比べて「開催すべき」が11ポイント減り、「中止すべき」と「さらに延期すべき」はいずれも7ポイント前後増え、あわせると77%になりました。
桜を見る会 安倍氏の説明納得度
「桜を見る会」前日の懇親会をめぐる問題で、安倍前総理大臣は、過去の国会答弁が事実と異なっていたと説明し、謝罪しました。安倍氏の説明にどの程度納得しているか聞いたところ、「大いに納得している」が3%、「ある程度納得している」が18%、「あまり納得していない」が32%、「まったく納得していない」が40%でした。  
●内閣支持率急落で安倍・西村が仕掛ける「菅包囲網」の核心 1/12 
菅義偉首相(72)による新政権が発足して約3ヵ月半。携帯電話料金の値下げや不妊治療への保険適用の拡大といった政策を打ち出し、滑り出しは比較的順調に見えた。しかし、『Go To トラベル』の一時停止決定が遅れ、新型コロナウイルス感染拡大が深刻化するにつれ、支持率は低下していく一方だ。
そして、極め付きは12月14日夜のこと。菅首相は二階俊博自民党幹事長(81)らと8人で、「ステーキ会食」を開いていたことが明らかになったのだ。
一方、12月15日夜、東京・渋谷の超高級イタリアンの前に、安倍晋三前首相(66)と西村康稔(やすとし)経済再生担当大臣(58)の姿があった。SPに見守られながらそれぞれ出迎えの車に乗り込みその場を去っていく二人。どうやら菅首相が8人で会食を開いたのとは対照的に、二人きりでひっそりと密談を交わしていたようだ。いったい何を話していたのか。
「菅首相の動向について、安倍前首相が西村大臣から情報収集をしていたのでしょう。菅首相は『コロナ対策』や『敵基地攻撃能力の保有』をはじめとする安倍政権からの継続案件を実行していません。安倍前首相はそのことを不満に感じ、’21年9月の自民党総裁選に向け、菅首相に揺さぶりをかけようとしているのです」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
思えば菅首相は総理大臣就任以後、安倍前首相の最側近だった今井尚哉前首相補佐官をはじめ、安倍前首相を支えた経産官僚を次々と切り捨ててきた。
「現在、『桜を見る会』の前夜祭の会費を安倍前首相側が補塡(ほてん)したとして検察の捜査が本格化しています。ここに来て急に捜査が進んでいるのは、菅首相サイドが検察の捜査を黙認しているからと言われています」(全国紙政治部記者)
そんな、菅首相による裏切り行為≠ニも言える動きを受けての今回の密談。
「菅の自由にはさせない」という安倍前首相による反撃の狼煙(のろし)が上がった――。 
●ビットコインの「暴落」が暗示する株価下落 1/12 
1月7日以降、国内における1日あたり新型コロナウイルス感染者数が7000人台に達した。「感染拡大第3波」は、第1波や第2波とは大きく違うスケールで日本を襲っている。関東の1都3県の緊急事態宣言発令に続き、9日には関西の3府県知事も西村康稔経済財政・再生相に発令を要請した。
違和感とともに「ハイブリッド相場」が続いている
しかし、株価と言えばそのような環境のなかで、強気の筆者の想定を超えるスピードで上昇している。まさにコロナ禍と株高が違和感とともに「併走」状態だ。
コロナ禍は、人類における100年に1度と言われる疫病となっているが、ワクチンでの対策はスタートしたばかりで、現在最大の対策は「お金」(資金支援)となっている。
相場用語で言うと、そのお金からなる「需給相場」と、ワクチン等による景気回復期待の「業績相場」が「併走」しているわけだ。この相場を筆者の兜町の友人は「ハイブリット相場」と名付けた。そんな新語から連想してしまったのが、以下の話である。
その昔、日本政府は2001年に「e−japan戦略」を発表し世界最先端のIT国家を高らかに謳ったはずだ。だが、このIT国家構想はほぼ20年間進んでおらず、国家としてデジタル化が世界の先端からは大きく遅れていることがコロナ禍で露見した。
遅れを取り戻すため、菅政権は「デジタル庁の創設」を打ち出し、高速・大容量、低遅延、多接続の次世代通信としての5G・IoT革命を一括管理するという。
政府によると、新組織は平井卓也デジタル改革担当相のもと、500人体制で9月1日に発足するという。
そのうち100人程度は専門の能力を持つ民間人材を起用する方針で、早速1月4日からは民間人材の募集が始まり、まず30人程度を非常勤の国家公務員として4月から採用するとのことだ。
現状は「令和・平成・昭和」が「同居」
しかし、5G・IoT革命は簡単ではない。現在日本国内では4Gどころか、その前の旧システム(レガシーシステム)が至るところで動いている。
例えて言えば、製造ラインでは「令和のマシン(機械)」が増加しているが、まだ主流は平成マシンで、しかもそのラインの至るところに昭和のマシンも組み込まれている町工場のようなものだ。しかも、もし昭和のマシンが故障しても、それを直す技術者がほとんど引退していてメンテナンスが追いつかない町工場だ。
昭和のマシンを直さなければ生産ラインが止まる危険があるが、令和のマシンと簡単には交換できない。マシンとマシンの連結部分のサイズや耐久性などに問題があるからだ。新しい生産ラインに替えるには、費用と時間がまだまだかかる。
このように、町工場を例にとったのは、5GやIoTはアプリやソフトの革命だけではなく、ハードの革命も一緒に必要だと言いたかったからである。そしてハードの中心にあるのが半導体だ。
5G・IoTは「半導体の塊」であると言っても過言ではない。トヨタ自動車やホンダや日産自動車が、半導体不足で自動車の生産調整をせざるをえなくなるなどはその驚きの例だが、問題点を抱えれば抱えるほど株価はそれを材料に、逆に下がらなくなる。2021年のテーマもニューエコノミーだけではない。オールドエコノミーまで含めると、10指に余ると言えるだろう。
2021年日経平均株価は筆者の想定レートを超える勢いで展開している。だがその「年間のチャートの形は」と問われれば、「1月20日高」(ジョー・バイデンアメリカ大統領就任)〜「3月安」〜「年末高」であり、この予想は変わらない。
前回の本欄「2021年、日経平均は3万2000円でも驚かない」(昨年12月28日配信)では、「明日からの2日間に2021年への期待感を見たい」としたが、実際に12月29日の日経平均株価は714円高(掉尾の一振)でその答えを得た。
また、コロナ収束と景気回復の時期によって、その日柄と値ごろが違って来るが、その経過中の数字については「逆指数的」に考えるべきとして、今年1月8日の米雇用統計を注目した。
その結果はどうだったか。非農業部門の雇用者数はマイナス14万人と、予想のプラス5万人、11月のプラス24.5万人を大きく下回った。だが、この日のニューヨークダウ、ナスダック、S&P500指数は3指数揃い踏みの史上最高値更新で、その答えも得た。
今後は格言通り「節分天井彼岸底」に?
しかし、当面は注意が必要だ。というのも、現状は世界の余剰資金がファンドに流入し、「株買いニーズ」が高い状況だ。新年スタートの株高で、結局、「我先に買わざるを得ない状態」になり、相場水準を無視しているのも事実だからだ。
それは、昨年11月初めに100万円台前半であったビットコインの価格が、同12月には200万円を超え、新年早々300万円を超え、その後1週間で420万円超になったことにも表れている(その後は「暴落」するなど値動きが激しくなっている)。
だが、これはいかにも面白くない。有名な相場格言に「節分天井彼岸底」がある。節分の時期(2月上旬)に高値をつけ、彼岸の時期(3月中旬)に安値をつける習性を表したものだ。資金が集まって手に負えない海外ファンドが、新会計年度スタートの株高で浮足立っているようにも見える今、この相場格言を思い出してもらいたい。
相場格言はときに相場のリズムも表しており、単なる迷信では片付けられない。日本企業の2020年10〜12月期決算の出る節分(2月2日)前後までに、その数字(決算)が良くても悪くても、小波動のピークがあってもおかしくない。 
 
 

 

●なぜ頼りないリーダー? コロナでちぐはぐ対応続ける政権を考える 1/13
つい1カ月前まで、旅行と外食を国民に推奨していたのは一体何だったのだろう。7日に緊急事態宣言を再発令した、菅義偉首相のことである。医療関係者から「GoToキャンペーン」への懸念の声が上がっても、「(感染拡大の主原因という)エビデンスは存在しない」と拒み、自らも会食にいそしんできた。それが一転、一時中断したと思ったら、今度は緊急事態宣言を再発令するという。前任の安倍政権時代には、「アベノマスク」に多額の税金を投じて批判を浴びたこともあった。なぜ政府はコロナ対策で、ちぐはぐな対応を取ってしまうのか。政治学者に読み解いてもらった。
強行したGoTo事業
感染対策を小出しにしたかと思えば、収束からほど遠い状況下でとっぴな経済政策を打つ――。思えば乱高下するジェットコースターに乗っているような1年だった。改めて、これまでの政府の対応を振り返ってみたい。
当時の安倍晋三首相が全国の小中高校に臨時休校を要請する考えを示したのは昨年2月27日だった。わずか4日後の3月2日に休校するよう求める唐突さで、学校現場や子育て世帯に混乱を与えたのは記憶に新しい。4月7日に7都府県での緊急事態宣言を発令(その後全国に拡大)したが、この時期に官邸主導で行ったのが、「アベノマスク」と呼ばれた布マスク2枚の全世帯配布だ。約260億円もの多額の費用と、配り終えるまでに2カ月以上もかかるという拙劣な対応が、国民の強い批判を浴びた。
新規感染者数の減少などを受け、政府は5月25日に宣言を全面解除したものの、1週間後には東京都が感染状況の悪化を示す「東京アラート」を発令するなど、収束には遠い状況が続いた。そして感染者数がじわじわと増え始めた第2波のさなかの7月22日に政府が開始したのが、旅行代金の一部を補助する「GoToトラベル」だった。この時も、開始直前に東京都を対象から除外するなど、ドタバタの対応が続いた。
このGoToキャンペーンの継続に、政府は第3波が始まった秋以降も固執し続けた。日本医師会の中川俊男会長が11月18日、GoTo事業が感染拡大に「間違いなく十分に関与している」と述べたのに対し、菅首相は衆院予算委員会で「感染拡大の主要な原因というエビデンスは、現在のところ存在しない」と反論。12月中旬にネットメディアに出演した際も「いつの間にかGoToが悪いことになってきちゃったんですけど、(新型コロナウイルス感染症対策分科会から)移動では感染しないという提言もいただいていた」と継続の意思を示していた。
ところが、だ。12月12日に実施した毎日新聞の世論調査で、GoToトラベルを「中止すべきだ」との回答が67%に達し、内閣支持率が前回11月7日調査の57%から40%に急落すると、態度を一変させる。菅首相は12月14日、全国でのGoToトラベルの一時停止を表明。さらに年が明けると、東京など4都県の知事の要請に押し切られる形で、緊急事態宣言の再発令に踏み切った。
官邸主導を誤認、判断ゆがむ
いくら前例のない事態とはいえ、失礼ながら一連の対応は「右往左往」という言葉がぴったりくる。実際、政府の危機対応能力に対する国民の評価は極めて厳しい。毎日新聞の12月の世論調査では、菅政権の新型コロナ対策を「評価する」と回答した人はわずか14%にとどまり、「評価しない」は62%に上った。安倍政権に対しても、昨年7〜8月に英調査会社ユーガブが実施した国際世論調査では、政府のコロナ対応を「よくない」と回答した割合は73%に達し、調査した25カ国中で最悪の数字だった。国民の期待と政府の行動とのギャップがここまで大きいと、首相個人の資質だけでなく、構造的な問題にも思えてくる。
こうした状況を専門家はどう見ているのか。日本政治が専門の学習院大法学部長、野中尚人教授に尋ねると、問題の背景には「二つの理由」があるという。
「まずは、官邸主導の本来のあり方を誤解している政治家の存在です。特に第2次安倍政権では ・・・
●福岡にも緊急事態宣言発令へ 県担当者「政府と認識が違った」と驚き 1/13
政府が新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の対象地域を拡大して新たに福岡、大阪など7府県を追加し、13日午後に発令する見通しになった。他の6府県と異なり福岡県は宣言に慎重だっただけに、担当者は「政府と認識が違った」と驚きを隠せない。福岡市のJR博多駅前は13日朝もマスク姿の通勤客で混雑しており「宣言で密が緩和されれば」と期待する声が聞かれた。 
博多駅前のバス停はバス待ちの通勤、通学客でごった返していた。福岡市博多区の会社員男性(48)はこれまで福岡県が「医療体制は逼迫(ひっぱく)していない」として宣言の対象地域に加えるよう政府に要請していなかったことについて「医療が逼迫してからでは間に合わないわけで、むしろ遅い。福岡が対象に入るのは当然だ」と話した。
福岡県では6日以降、4日連続で1日の新規感染者数が300人を超えるなど感染拡大が続いていたが、県内では朝夕の通勤混雑が続き、働く人たちの不安が大きくなっていた。コールセンターで勤務する福岡市の40代女性は「昨年4月に緊急事態宣言が出た時は一気に朝の通勤客が減った。私はテレワークできない職種なので、周りが減って密を避けられればありがたい」と期待した。
一方、食品販売業の男性(23)は前回の宣言時に比べて今回は市民の緊張感が乏しいと指摘し「毎朝の通勤は密になるので感染不安はあるけれど、宣言が出たとしても効果があるか疑問。何も変わらない気がする」と心配そうに話した。
福岡県は小川洋知事が「医療提供体制などの総合的判断」などとして「宣言対象の段階ではない」と繰り返し説明。県医師会も7日の緊急記者会見で医療体制について「逼迫していない」としていた。
しかし、コロナ患者を受け入れる医療現場の実感とは温度差があった。重症患者を受け入れる福岡市内の病院の院長は、既に病床に余裕がなく「患者がこれ以上増えたら全ての重症者をみられなくなる」と危機感を募らせ、飲食店などへの時短要請を求めていた。
県内のコロナ対応病床で診療に当たる男性医師は「(逼迫していないとする)県の数字は実態を表していない。すぐに入れる病床はもう90%以上埋まっている」と警鐘を鳴らした。
●西村担当相、緊急事態宣言のさらなる追加「考えず」 福岡県知事に明かす 1/13
政府が福岡県も緊急事態宣言の対象とする方針を固めたことを受け、福岡県の小川洋知事は13日午前、記者団の取材に応じ、12日夕に西村康稔経済再生担当相から電話で「福岡を宣言対象に加える」と伝えられたことを明らかにした。知事は今後の感染状況を見て宣言を要請する考えを示したが西村氏に「追加指定は考えていない。最後の船だ」と迫られて応じたという。
小川知事によると、12日午前に西村氏から電話があり、県内の状況について意見交換した。同日夕に再び電話があり「専門家の間では福岡の数字は改善していない。政府として大都市からの感染拡大を防ぐため、宣言の対象に福岡を加える。国として短期集中で感染拡大を食い止めたい」と伝えられたという。
県は13日午後に対策本部会議を開いて具体的な対応を決める。飲食店などを対象に全県で営業時間を午後8時まで(酒類提供は午後7時まで)に短縮するよう要請し、応じた店に1店舗当たり1日6万円を支給する方針。県民にも不要不急の外出自粛を求める。
福岡県は今月6日から4日連続で300人を超えるなど新型コロナウイルスの新規感染者数が急増。政府分科会が感染状況を判断する目安として示す7指標のうち五つが11日時点で「ステージ4(感染爆発)」に達していた。13日に新たに宣言対象になる見通しの7府県のうち、福岡県だけは政府に発令を要請していなかったが、政府は九州の経済活動の中心地・福岡で感染者数を早期に抑える必要があると判断したとみられる。
●7府県に緊急事態宣言、今夕に正式決定 午後7時から首相が記者会見 1/13
政府は13日夕、新型コロナウイルスの全国的な感染拡大を受けて対策本部の会合を開き、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」の対象地域として新たに大阪、京都、兵庫、愛知、岐阜、栃木、福岡の7府県を追加する方針を正式決定する。期間は既に宣言を再発令している東京など1都3県と同じ2月7日まで。対象地域は3大都市圏を含めた計11都府県に拡大する。
菅義偉首相は対策本部会合で7府県の追加を決めた後、午後7時から首相官邸で記者会見を開き、対象地域の追加の理由などを説明し、国民に改めて協力を呼び掛ける。会合に先立ち、政府は専門家による「基本的対処方針等諮問委員会」に諮り、衆参両院の議院運営委員会で事前説明を行う。
西村康稔経済再生担当相は13日午前の衆院内閣委員会の閉会中審査で「ステージ3(感染急増)からステージ4(感染爆発)の対策が必要となってきている都道府県が1都3県以外にもいくつか出てきている状況も踏まえながら、諮問委に諮るべく、専門家とも話をしながら最終的に国としての案をまとめていきたい」と述べた。また「一体となって取り組めば、必ず感染者数を減少傾向にできる。全力を挙げて取り組みたい」と語った。
大阪府など関西3府県は9日に、愛知、岐阜、栃木の3県は12日に、それぞれ宣言の対象地域に加えるよう政府に求めた。福岡県は要請しなかったが、政府は同県を含めた7府県で、いずれも直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数が4段階で最悪のステージ4の目安(25人以上)を超えるかほぼ並び、医療提供体制も逼迫(ひっぱく)しつつあることから、宣言再発令が必要と判断した。西村氏は衆院内閣委で緊急事態宣言の対象地域について「都道府県からの要請が要件ではない。病床を確保できているのか確認しながら判断する」と説明した。
追加される7府県では、1都3県と同様に、飲食店の午後8時までの営業時間短縮や午後8時以降の不要不急の外出自粛、「出勤者数の7割削減」に向けたテレワークの推進などを求める。
●小池都知事、緊急事態宣言要請で責任転嫁? 1/13
「犬猿の仲」菅首相と責任のなすり合い
「GoToトラベル」を頑なに推し進めてきた菅政権が、ついに緊急事態宣言を出すに至った。東京都と周辺3県の知事らに押し切られる形での宣言となったが、この裏には都知事による責任のなすりつけという側面もあるようだ。
機能しない政府を横目に動いたのは、菅首相とは犬猿の仲と言われる「あの人」だった。
年明け間もない1月2日。神奈川、千葉、埼玉の3知事を従えて西村康稔経済再生担当大臣を訪ねた小池百合子・東京都知事は、新型コロナ特措法に基づく緊急事態宣言の発令を政府に求めた。コロナ禍とはいえ1月2日から、晴れ着どころか地味な作業服に身を包んでの直談判に官邸は揺れた。しかも首都近郊の4知事が連れ立ってとなると、さすがに官邸も無視はできない。
小池氏の奇襲には伏線があった。12月30日の臨時記者会見。年末年始で感染を抑えることができなければ、宣言の発出を国に要請せざるを得なくなる、と言及していた。そして翌31日には都内の感染者が1337人と過去最多を更新。都庁内の緊張感は最高潮に達した。結局、この1都3県の知事の行動に押し切られる格好で、菅首相は緊急事態宣言の発令の決断を強いられる。都関係者の一人は、ここぞというタイミングでの小池氏の行動には、菅首相を上回る覚悟が感じられたと語った。
「東京都はこれまで飲食店に対し、午後10時までの時短営業を要請してはいたものの、政府の要請だった『午後8時までの時短営業』に応じてこなかったという負い目があった。ただ、新規感染者数が1千人の大台に乗ったことを機に、東京都で感染を抑えられない原因は、国が緊急事態宣言の発出を決断しないからと匙を投げるふりをして国にその責任を転嫁してみせた。結局、都も政府もお互いに責任をなすりつけ合っているのです」
4日の菅首相の記者会見で、緊急事態宣言の発出以上に注目された場面があった。それは今年、必ず行われる総選挙の時期に関する言及だった。
「秋のどこかで衆院選を行わなければならない」
言い換えれば、秋まで衆議院を解散しないというその一言に一瞬、会場が静まりかえった。時の首相が自らの専権事項である衆議院解散について、その時期を特定して言及することは極めて異例だ。結局、会見後、官邸は「秋までのどこかで」の間違いだと訂正に追われた。
しかし、今年の政治スケジュールから逆算すると、衆議院解散のタイミングは二つに絞られる。一つは「春」。本予算成立後の3月説、もしくは、4月下旬に開催される補欠選挙(衆院北海道2区、参議院長野選挙区)との同日選説だ。
もう一つは「秋」。五輪、パラリンピック後の9月説だ。永田町では、菅首相の「秋のどこかで」発言は、そもそも言い間違えではなく本音ではないのかと推察する人は多い。
仮に緊急事態宣言が効果をあげ、ワクチン接種が前倒しになったとしても、4カ月後の選挙を想像できるだろうか。首相本人も「春」は到底無理だと高をくくっているのではないか。
菅首相が描くベストシナリオは「コロナを収束させ、五輪を開催し、支持率を復活させてから選挙に臨み、自民党総裁選でも満を持して再選される」ことだ。しかし、この数カ月で収束のめどを立てられなければ、総裁選を前倒しし、新たな首相の下で総選挙をという「菅おろし」の風が吹く。そうなると選挙を前に自民党内の派閥闘争を国民の面前にさらすことになる。
いずれにしてもカギになるのは、新型コロナ感染症の拡大収束だ。その意味では2021年もコロナ政局に翻弄される一年になることは間違いない。
●緊急事態宣言拡大、損失1兆円程度か 1/13
政府は、緊急事態宣言の対象地域を11都府県に拡大させる。前回宣言時と比べ制限が緩く影響は国内需要の悪化に限定されるため、1カ月程度の発令であれば経済損失は消費を中心に1兆円程度と、昨年の宣言時より小幅にとどまると民間調査機関では試算している。ただ、1年にわたる経済活動の低下により雇用や企業の体力はすでに弱まっており、見かけの数字以上に影響は深刻なものとなる可能性がある。
<経済損失は約1兆円、宣言解除されれば復調>
基本的対処方針等諮問委員会は13日、緊急事態宣言の対象地域を首都圏1都3県に加えて大阪、兵庫、京都、愛知、岐阜、福岡、栃木県の11都府県に拡大する案を了承した。これら地域における消費は全国の約6割を占めており、外出自粛や外食需要の減少、サービス消費への影響は大きい。消費の停滞は、関連する設備投資の減少にもつながる。
ただ、今回は飲食店などへの短縮営業要請が夜間に絞られていることなどから、民間調査機関では緊急事態宣言を受けたことによる経済損失は約1兆円程度と、昨年の宣言時の1カ月でのおよそ3兆円程度(大和総研試算)よりはかなり小さくとどまると見込んでいる。急激に落ち込んでいた世界経済が、昨年に比べれば回復していることも支えだ。
緊急事態宣言がなかった場合と比べて、1カ月間の経済損失はSMBC日興証券の牧野潤一・チーフエコノミストが1兆円程度と試算、みずほ証券の小林俊介・チーフエコノミストも1.2兆円程度、大和総研の神田慶司・シニアエコノミストは1.3兆円度と見込む。
みずほ証券では従来1─3月期の成長率を前期比年率プラス0.5%と想定(昨年12月時点)していたが、緊急事態宣言を受けて同3.5%のマイナス成長に転じると試算し直した。
もっとも、緊急事態宣言が解除されれば「宣言前の水準に戻ろうとするため4─6月期には挽回し、その後は年末に向け緩やかに回復していく」(SMBC日興の牧野氏)と予想されている。
<疲労蓄積、期間延長なら「日本経済への最後の一撃」にも>
しかし、昨年2月以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響は経済の多方面に累積している状態だ。企業の財務状況や、雇用環境、所得状況などはすでに大きく悪化している。
第一生命経済研究所の永濱利廣・首席エコノミストによると、失業者の増加は国内総生産(GDP)の悪化に2四半期遅れて反映されるため、「今回の緊急事態宣言発出が雇用環境に及ぼす影響は今年の夏場にかけて拡大する可能性がある」と指摘する。
賃金に至っては、すでに残業代の減少や業績悪化に伴うボーナス削減などの影響が出始めているが、肝心の基本給については今年度の企業業績が反映される今年の春闘でコロナショックの影響が織り込まれることから、永濱氏は「家計の所得環境の悪化はこれからが本番」とみている。
大和総研の神田氏は「経済損失の金額自体は昨年時より小さいとはいえ、企業の『肌感覚』としては見かけの数字よりも厳しいだろう」と指摘する。
財政支援の余地がそれほど大きくないことも課題だ。神田氏の試算では、昨年からのコロナ対策に関連する財政支援のうち、投資や事業活動維持への支援金を除く「経済的な資産として残らない支援金」はおよそ40兆円に上るという。国の財政支出の最大費目である社会保障関係費1年間分をしのぐ金額だ。
緊急事態宣言が1カ月以上に長引く、あるいは全国への対象拡大となった場合には「日本経済にとって、最後の一撃となる可能性もある」(神田氏)という。 
●菅首相のコロナ対応がこんなにもお粗末な理由 1/13
「みなさん、こんにちは。ガースーです」――インターネット番組でこう自己紹介する菅義偉首相の姿を見て“これが一国の宰相か”と、全身から力が抜ける思いがしました。安倍政権を官房長官としてあれだけ長く支えてきたのだから、推進する政策の是非は脇に置くとしても、少なくとも“カミソリのような切れ者”だったのではなかったのか、とこれまでの認識も裏切られました。
「ニコニコ生放送」(昨年12月11日)での菅首相の挨拶に、こう“愕然とした”というのは、慶應義塾大学教授で政治学者の片山杜秀氏だ。
ちぐはぐなコロナ対応
菅首相は、12月31日の時点でも「緊急事態宣言」に消極姿勢を見せていたが、わずか4日後の1月4日には前言を翻し、結局、発令に至った。
しかし「緊急事態宣言」発令後も、「(中韓を含む11カ国・地域からの)ビジネス関係者の入国」は継続するという、ちぐはぐな対応をいまだに続けている。
今回「飲食店」に時短営業を要請するにあたって、「飲食による感染リスク」をとくに強調する菅首相の言葉も、(みずから夜の会食を続けていただけに)あまりに説得力を欠いている。
まさに“迷走”というほかなく、片山氏は「統治権力としてあまりにお粗末」だと指摘する。
例えば、政府として「5人以上の会食」を控えるよう呼びかけているにもかかわらず、「GoToの全国一斉停止」を発表した、まさに当日の夜に、菅首相みずから「8人での会食」に行ってしまう。本来、誰かが「まずいですよ」と言えば止められる話なのに、首相の周囲にそういうスタッフがいないわけです。権力中枢のあり方として由々しき問題です。
さらに、西村康稔経済再生担当大臣が、「一律に5人以上は駄目だと申し上げているわけではない」と釈明すると、これまたその日のうちに、「国民の誤解を招くという意味においては、真摯に反省している」と、菅首相自身がひっくり返してしまう。
多岐にわたる行政機構の各部門を束ねる“調整力”こそ、権力の中枢たる首相官邸の“力量”であるはずです。にもかかわらず、驚くべきことに官邸の内部ですら、この程度の行動や発言を“調整”できていないのです。統治権力としてあまりにお粗末です。こんな官邸に危機管理などできるわけがありません。
“見せかけの危機”と“本物の危機”
だが、片山氏によれば、このような“迷走”は、菅政権からではなく、安倍政権から始まっていた。
安倍首相の辞任は、表向きは「健康上の理由」とされています。実際、本人のご体調の問題もあったのでしょう。しかし、安倍政権末期の一連の経緯を見ていると、結局のところ、コロナ危機を前にして、それまでのやり方が手詰まりになった。いわば“政権を放り出した”と思えてならないのです〉
ここに言う安倍政権の「それまでのやり方」とは、一言で言えば“平時の非常時化”です。つまり“平時”において“非常時”を煽る。ありもしない“危機”を演出して、その危機から国民を守っているように見せかける。現在を実際よりも深刻に見せて、未来に希望を先延ばしする。これが安倍政権の得意技で、これによって政権浮揚を図ってきたのです。
それほどの危機でないような時に、Jアラート(ミサイル発射などに対する全国瞬時警報システム)を鳴らして“危機”を煽ってみたり、東京五輪や大阪万博を誘致して、未来に何か良いことがあるかのように見せる。それは一種の幻影にすぎません。しかし、そう疑われても、また次の幻影を見せればいい。安倍政権は、こういう演出を一生懸命にやって延命してきました。
ところが、コロナ危機で、安倍政権は“本物の非常時”に直面することになります。こうして“見せかけの危機”を演出して長期政権を維持してきた安倍政権は、コロナという“本物の危機”に直面することで迷走し始めました。
効果ゼロでも“とにかく何かやらなければいけない”
“本物の危機”に追い詰められた安倍首相は、どのような行動に出たか。
象徴的だったのは、2020年2月27日に、安倍首相から唐突に発表された「全国一斉休校の要請」です。私はすぐに、東日本大震災後の当時の菅直人首相による「浜岡原発の停止要請」を思い出しました。トップダウンだと言えば、トップダウンですが、あまりに唐突。何の手続きも、何の科学的根拠も、何の法的根拠もない。事故を起こした福島第一原発にヘリコプターから水をかけたのと同じで、効果はほぼゼロなのに“とにかく何かやらなければいけない”というので動いただけ。
“敵前逃亡”でうやむやにされたままの「政治責任」
結局、安倍政権は、コロナ危機にうまく対応できず、“平時の非常時化”という得意技も封印されることで終わりを迎えることになりました。にもかかわらず、8月末の辞任会見では、「あくまでも健康上の理由による辞任だ」として、みずからの“政治責任”について言及することを巧みに避けました。私には“敵前逃亡”にしか見えませんでした。
このような形で安倍政権を引き継いだ菅政権は、実は“敗戦処理内閣”としての役割を担っています。ところが“安倍路線を継承すれば上手くいく”という表向きで菅政権はスタートしました。ここに私は、政治責任をうやむやにする不誠実さを感じるのです。
この他、安倍政権が推し進め、さらに菅政権では安倍政権以上に「官邸主導」が実現したことで、かえって「各省庁」「国会」「野党」さらには「自民党自身」に悪影響が及び、現在の混迷がよりいっそう深まっている、と指摘する片山氏。  
●「絶望的な状況」緊急事態宣言 拡大へ 各地の反応は  1/13
岐阜 高山の土産物店
岐阜県を含む7府県を対象にした緊急事態宣言の追加について、古い町並みなどが人気の岐阜県高山市の土産物店からは、先の見通せない不安や今後の経営を危ぶむ声が聞かれました。江戸時代の風情が残る高山市の古い町並みには、例年は国内外から多くの観光客が訪れますが、今は観光客の姿はほとんど見られず、休業している店も多く、閑散としています。和装用の小物を販売する土産物店の社長は「緊急事態宣言の影響か、きょうは定休日でもないのに開いていない店も多いです。店の売り上げの8割ほどが観光客によるものなので、観光客が1人も歩いていないような状況が、緊急事態宣言終了まで1か月ほど続くのであれば経営は絶望的な状態です」と話していました。また、別の土産物店の支配人は「高山市を訪れてくれる数少ない観光客におもてなしをしたいので、緊急事態宣言が出ても、何とか営業を続けたいです。『Go Toトラベル』で多くの観光客が来たことを受けて、たくさんの商品を仕入れましたが、再び観光客がいなくなって在庫をどうすればいいか困っています」と話していました。
福岡の医師は…
福岡県を含む緊急事態宣言の対象地域の拡大について、患者の入院調整などにあたる県の調整本部の副本部長を務める野田英一郎医師は「2週間後には県が確保している病床が埋まってしまう可能性があると考えており、この時点での緊急事態宣言というのは医療機関にとっても県の調整本部としてもありがたい」と述べました。そのうえで「中途半端な対策をとればとるほど緊急事態宣言が必要な時間が長くなる。一気に対策をとって感染のリスクを減らしてしまえば、緊急事態宣言が必要な期間は短くて済むので県民にはしっかりと対策、対応をとってほしい」と述べました。
福岡のもつ鍋店
福岡県を含む緊急事態宣言の拡大について、福岡市のもつ鍋店は、「開店休業の状態になるが、テイクアウトなどで何とか乗り切りたい」と苦しい心境を語りました。福岡市内で9つの店舗を営業するもつ鍋店では、席ごとに仕切りを設けたり、鍋を取り分けるおたまを一人一人に個別に用意したりして感染対策を行ってきました。去年11月には、「Go Toキャンペーン」の影響もあり、売り上げが前の年を上回るほど客足が回復していましたが、感染の拡大にともなって客が減り、先月のそれぞれの店舗の売り上げは、前の年に比べて6割から7割にまで減ったということです。そうした中での緊急事態宣言となり、このもつ鍋店では、店舗ごとに午前0時から2時までとなっている営業時間を早ければ14日から午後8時までに短縮する方向で検討しているということです。もつ鍋店の水谷崇社長は「営業時間を短縮すると開店休業の状態になってしまうが、命がいちばん大切なのでしかたない。テイクアウトや冷凍のもつ鍋セットの通信販売にも力を入れてなんとか乗り切りたい」と話していました。
兵庫 “協力金”の問い合わせ相次ぐ
政府が緊急事態宣言を出すのを前に、飲食店に支払われる協力金に関心が集まっています。宣言を受けて、兵庫県は14日から県内全域の飲食店を対象に営業時間を午後8時までに短縮するよう要請し、要請に応じた事業者に対して1日当たり6万円の協力金を支給します。県が設置した協力金の問い合わせ窓口にはすでに1日400件以上の問い合わせが相次いでいて、13日も10人の職員が、対応に追われていました。県によりますと、協力金の対象となる県内の飲食店はおよそ2万8000店で申請の受け付けは緊急事態宣言の期限が終わる来月8日から始まります。申請書の書式は今月下旬に公表する見通しだということで、県は、対象となる飲食店に、営業許可証など添付書類の準備を進めるよう呼びかけています。県防災企画課の小野山正課長は「コロナの感染を止めるために営業時間の短縮に協力をお願いしたい。そのために協力金をぜひ活用してほしい」と話しています。
淡路島のホテル 休業検討も
緊急事態宣言に向けて、関西有数の観光地、淡路島では休業を検討するホテルも出ています。兵庫県淡路島のなかで人気の観光地の1つ、洲本市の洲本温泉にある「淡路インターナショナルホテル ザ・サンプラザ」は、13日情報の収集に追われていました。このホテルは54の客室があり、「Go Toトラベル」の一時停止で、年末年始の稼働率はおよそ60%と厳しい状況でした。兵庫県が先週8日に緊急事態宣言を出すよう政府に要請する方針を決定して以降、これまでにおよそ400件のキャンセルがあり、今後も増えることが見込まれるため来月7日までの期間中、休業することを検討しています。このホテルは去年の緊急事態宣言のときも休業しました。去年4月から12月までの9か月間の売り上げは前の年の同じ時期と比べておよそ25%減少し、厳しい状況が続いていますが、正社員やパートおよそ80人の雇用は雇用調整助成金を活用して守り、休業中には施設のメンテナンスを行って春の観光シーズンに備えたいとしています。ホテルの樫本文昭社長は、「スタッフは感染対策に神経を使い疲れも出ているので、この機会に休養してもらうことも必要だ。次のスタートダッシュに向けて準備を進めたい。緊急事態宣言は来月で終えてもらい、『Go Toトラベル』を早く復活させてほしい」と話していました。
栃木 足利のおでん屋
栃木県足利市の中心部にあるおでん屋では、これまで、座席数を減らして間隔を空けるなどの感染予防対策をとり、午後11時まで営業を続けてきました。しかし、栃木県に緊急事態宣言が出される見通しとなり、県内すべての飲食店に営業時間の短縮要請が行われる可能性があることから、この店では要請に応じて営業時間を短縮したうえで、テイクアウトのメニューを充実させて、売り上げを確保する対策を検討しているということです。足利市のおでん屋「もっくもっく」の木村勲武店長は、「時短営業になるのは、厳しい面があるのは事実ですが、今回の自粛で徹底的にウイルスを封じ込めてまたお客さんに気兼ねなく飲みにきてほしいです」と話していました。
京都 観光地では休業する店も
緊急事態宣言の対象地域に京都も追加されることを受けて、京都の観光地では、休業する店も多く見られました。土産物店や飲食店が建ち並ぶ京都市東山区の清水寺周辺では、13日昼ごろの人通りは少なく、シャッターを閉めて休業する店も多く見られました。このうち八ッ橋の販売店では、13日から店を閉めることを決め、来月7日まで臨時休業することを知らせる貼り紙を店の前に貼っていました。販売店の店長は「関西も感染者が増えていたし宣言が出されることはしかたないと思いますが、経営的には厳しいです。来月7日まで閉めることにしていますが、そのあとまたどうなるのか不安です」と話していました。また、別の土産物店は、13日から営業時間を短縮するということで、この店の店長は「緊急事態宣言はもう1度出されるだろうと思っていました。周りの店ではきのう休業を決めた店も多く、すごくさみしそうに閉めていました。飲食店だけでなくすべての業種で補償をしてほしいです」と話していました。また、雑貨店の20代の女性店員は「営業は続ける予定ですが、前回の緊急事態宣言では売り上げが例年の10分の1ほどになり、今回の宣言でお店が存続できるのか不安です。お客さんに来ていただきたいという気持ちはありますが、いまは自粛して、感染が収まったあとにまた皆さんに気持ちよく来ていただきたいです」と話していました。 
●特別定額給付金の再支給がいよいよ現実的に 1/13
緊急事態宣言は総人口の半数以上が影響を受ける
昨年4月と同様に小出しとなった緊急事態宣言
1月7日、埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県の1都3県を対象とした緊急事態宣言が発出されました。また、その後の各知事からの要請に基づき、政府は今日13日にも、大阪府、兵庫県、京都府、愛知県、岐阜県、福岡県、栃木県の合わせて7府県を対象に緊急事態宣言を出す方針です。
昨年の緊急事態宣言も、4月7日に7都府県を対象に発出された後に、16日に全国を対象に発出されました。5月上旬の大型連休を前に行動を抑制するということが目的だったはずですが、今回の緊急事態宣言について政府は、感染の少ない地域もあることから、ステージ4相当の地域に発出することを目安にすると答弁していますが、現時点でステージ4相当に一部でも該当する都道府県は他にも複数あり、状況を静観しているだけではいずれ全国への発出も視野に入ってくることでしょう。
では、なぜ政府は今回、緊急事態宣言の全国再発出に消極的なのでしょうか。これについては、拙稿『再度の緊急事態宣言、都が発令を求め、国が発令をためらう理由とは』でも述べた通り、全国への緊急事態宣言の発出は、それが特別定額給付金や持続化給付金の再支給に繋がるからだと考えます。麻生太郎副総理・財務大臣の下記の発言は、言い換えれば緊急事態宣言が全国に出されている国難の状態では特別定額給付金の支給理由になり得るとも言えるからです。
「特別定額給付金というのは、緊急事態宣言を全国に拡大したという状況を踏まえて簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計の支援を行って、我々が連帯して国難を乗り越えていくためのものというのがあのときの、特別定額給付金を出したときの大前提です。緊急事態宣言が解除されている現在とは異なる状況で決定されたものであることはまず最初に申し上げておかなければいけないところだと思います。」(麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和2年10月16日))
11都道府県といっても人口比では半数を超える
政府の答弁通り、確かに47都道府県のうち11都道府県、割合としては4分の1という一部地域への発出であり、全国に拡大したという状況ではありません。一方、今日13日に発出される大阪府、兵庫県、京都府、愛知県、岐阜県、福岡県、栃木県を加えた11都道府県の人口は、約7182万人であり、日本の総人口約1億2616万人のうち、約57%にもなります(出典:総務省統計局人口推計(2019年(令和元年)10月1日現在))。現実的に、ステージ4相当の都道府県がほかにもあることや、熊本県など要請を検討している県がほかにもあることからも、「まだ11都府県」という感覚ではなく、「全人口の半数以上」が緊急事態宣言下にあるという認識を持つべきではないでしょうか。
特にこれから年度末を迎えます。年末年始も経済的困窮者や生活弱者を中心とした支援が非営利組織を中心に多く行われてきましたが、年度末の決算時期を迎えて事業者の中にも事業継続の可能性を検討したり、大規模なリストラ、雇用契約の見直し(雇い止め)などを行う事業者も多く想定されます。政府は雇用調整助成金の活用などを事業者に呼びかけていますが、そのような中でも、既にコロナによる解雇や雇い止めが8万人を超えていることを踏まえれば、国民一人一人の生活をバックアップするための特別定額給付金の再支給など、経済的な支援策は更に強化すべきだと考えます。
持続化給付金はどうでしょうか。人口の半数以上が直接的に緊急事態宣言の影響を受けるという事実に加え、これらの緊急事態宣言の影響を受ける都道府県の飲食店などが営業自粛をすることになれば、緊急事態宣言の対象外となる36道県に所在する取引業者や農業従事者にも明らかに影響を与えます。この影響というのが間接的であったり時間差があることで注目を集めにくいところなのですが、政府は今回、中小事業者に対する支援として、緊急事態宣言に伴う飲食店の自粛営業や不要不急の外出・移動の自粛により影響を受け、売上が減少した中堅・中小事業者に対して、法人40万円以内、個人事業者等は20万円以内の額を支給する一時金の支給を決定したと報じられています。
一方、この要件として売上高が対前年比50%以上減少した場合となっていることや、金額が昨年実施した持続化給付金(中小企業最大200万円、個人事業主最大100万円)の金額のわずか20%であることから、対象となる事業者や十分な補償を受ける事業者が相当限定されることになります。また、「影響を受けた」という定義というところも曖昧であり、今日13日の衆議院内閣委員会の閉会中審査でもこの点が問題になりました。その点、全国一律の持続化給付金であれば、このような問題は起きません。
仮に再給付が決定しても、支給までは相当の時間が見込まれる
昨年、特別定額給付金や持続化給付金の支給が決定した際にも問題になったことですが、給付事務を担当する事務局の入札などの手続きにより、支給施策の決定から実際の支給までに相当の時間がかかりました。また、事務局の入札では落札した社団法人による「中抜き」の実態などが問題になったことから、年度内における給付事務委託先の変更という異常事態をもたらしています。これらの問題は全く看過できないものですが、一方で通常の入札案件にしてしまえば、国民へ給付金が支給されるのは、(昨年の前例をみるに)仮に2月中に支給施策を決定しても、年度内は厳しいのではないでしょうか。
年度末の資金需要に対して十分に応えられなければ、事業者の意欲はさらに削がれることとなり、経済不況が加速することになります。また、それらは直接的に雇い止めや解雇をもたらすことにもなることから、経済施策についても「先手」の対応が菅政権に求められています。筆者は、現実問題として、全国へ緊急事態宣言発出は時間の問題でもあり、その際には特別定額給付金の再支給も現実的になると考えています。これまでも繰り返し述べていることですが、これらの積極的な経済的施策を政局や選挙前のバラマキとせずに弾力的に運用していくことが必要です。 
●都内中小企業8割が経営に影響と回答 緊急事態宣言でアンケート  1/13
今回の緊急事態宣言に伴う影響について都内の中小企業を対象に行ったアンケートで8割の企業が経営に影響があると回答し、3割近くの企業が新たな業態やサービスへの進出を検討していると答えたことが分かりました。
このアンケートは中小企業の経営者で作る「東京中小企業家同友会」が先週、会員企業およそ2300社を対象に行い、186社から回答を得ました。
それによりますと、1都3県に出された緊急事態宣言について全体の80.6%の企業が経営に影響があると答えました。
このうち、今回の宣言の影響を踏まえた年間売上の見通しについては「1割以上3割未満の減少」と答えた企業が35.1%で最も多く、「3割以上の減少」も20.1%に上りました。
また、資金繰りについて人件費などの固定費を何か月分確保できているか尋ねたところ、3か月以上6か月未満が全体の24.6%で最も多く、2か月未満とした企業も12.6%ありました。
一方、緊急事態宣言への対応を尋ねた質問では、28%の企業が新たな業態やサービスに進出することを検討していると回答しました。
東京中小企業家同友会は「緊急事態宣言が長期化すれば資金繰りが大変厳しい状況になる。政府と東京都には経営安定化政策の継続はもちろん、新たな事業展開などを育てていく政策が期待される」としています。 
●緊急事態宣言の影響で・・・ 不安続々
再びの緊急事態宣言で、生活にも深刻な影響が出そうです。時短営業を求められる飲食店だけでなく、店におしぼりを納入する会社。さらに、親からの仕送りがなくアルバイトが生活の柱になっている大学生まで、不安の声があがっています。
まだ人通りの少ない午前7時の新宿。こちらの焼き鳥店の店頭に張り出されたのは、朝食メニューです。この日のメニューは、「鶏天うどん」と「かしわ飯」。7日に思い立ち、8日から始めたそうです。
「緊急事態宣言に伴って20時までの営業になりまして、どう売り上げを立てていくかとなったら、やっぱり朝だなと」(陽ノ鳥 店長)
本来、夜が主戦場の焼き鳥店。しかし、さらなる時短要請に伴い、収益をどう確保するか、摸索が続いています。
「正直本音を言うと苦しいところはあるが、ある意味チャンスだとうちらの会社は捉えている」(陽ノ鳥 店長)
飲食店が打撃を受けることで、こちらの会社にも大きな影響が出ています。飲食店にレンタルのおしぼりを納入する会社です。
「通常は3つのレーンで全て人数いっぱいの状態で稼働してるが、今はコロナの影響もあって、2ラインの稼働になっている」(東京すずらん 総務部部長)
検品や包装をする3つのラインのうち1つを停止。100人いる従業員のうち出勤を3分の2に減らして対応しています。7日と8日で、会社にはキャンセルの電話が相次いでいます。
「再開するときは、また新しいものを納品しますので」
売り上げは、去年の緊急事態宣言のときに半分以下まで落ち込みましたが、その後、8割程度にまで回復。しかし今回、再び大幅に落ち込むのではないかと危機感を強めています。飲食店に関連の業界へも何らかの支援が必要だと訴えます。
「今後この状況が続くと私ども従業員約100名ぐらいいるので、雇用について、すごく厳しくなってくるのではと予測される。(支援を)もし検討いただけるものがあれば、何か検討いただければと強く思います」(東京すずらん 総務部部長)
影響は、こんなところにも・・・。神奈川県で1人暮らしをしている大学3年の辻昌歩さん(21)。親からの仕送りはなく、家賃と生活費はすべてアルバイト代でまかなっています。
「シフト減らされちゃったりしたら、生活費どうしようと、いろいろ考えてます」(神奈川県の大学3年生)
前回の緊急事態宣言では、アルバイト先が休業となり、1日1食50円に切り詰めて生活していました。現在はパチンコ店で週4日働き、月に15万円ほどの収入があるといいますが、店が休業や時短営業となれば、再び収入が減ることになると不安を感じています。
「(夏の間に)アルバイト多めに入ったりして、そこで貯めたお金で家の更新料とか、想定していなかった大きい出費は、貯金を切り崩して生活している感じで。(バイト先が)時短とか休業するとなった場合は、その貯金からさらに切り崩す感じになる」(神奈川県の大学3年生) 
●中途半端な「緊急事態宣言」は、守りたいはずの経済にも逆効果か 1/13 
<前回より緩い宣言は経済に大きな打撃を与えないとも言われるが、長期的には必ずしもそうではない>
新型コロナウイルスの感染が急速に拡大していることから、政府は2度目の緊急事態宣言に踏み切った。経済の落ち込みが懸念されるが、前回と比較して規制の内容が緩く、それほど大きな影響を与えない可能性もある。
昨年の大みそかにおける新型コロナウイルスの新規感染者数(東京都)は、これまでの水準を大きく超える1337人と衝撃的な結果になった。事態を重くみた菅義偉首相は正月返上で対応に当たったが、2日には小池百合子東京都知事をはじめ1都3県の知事が政府に緊急事態宣言の発令を要請。知事らに押し切られる形で、政府は緊急事態宣言の発令に踏み切った。
昨年は地域別に1カ月から1カ月半にわたって発令され、2020年4〜6月期の実質GDPは記録的な落ち込みとなった。今回はとりあえず1都3県のみが対象(編集部注:13日には大阪、愛知など7府県にも拡大される見通し)だが、それでも日本全体のGDPの約3割を占めるため首都圏の消費が停滞する影響は大きいだろう。
日本の消費者は1カ月当たり約20兆円の支出を行っているが、不要不急の外出が制限されると、必需品しか購入しなくなるため、統計上はおおよそ半分の消費がストップする。単純に1都3県で個人消費が半分になった場合、1カ月当たりの減少額は約3.3兆円と計算される。
昨年の緊急事態宣言では1カ月当たり10兆円の消費が失われたので、大ざっぱに言えば、前回の3分の1程度の影響が予想される。
一方で、今回の宣言では大きなマイナスにはならないとの見方もある。対象が1都3県に限定され、施設の使用制限も基本的に飲食店が中心であることから、事実上、首都圏の飲食店を対象にした営業自粛要請にすぎないとの解釈も可能だ。
そうなると日常的なビジネスは今までどおり維持されるので、影響は特定業種に集中することになる。飲食店にとっては大打撃なので、十分な支援策が必要だが、全国民に10万円を給付した前回のような大型の支援策も検討されない可能性が高いだろう。
もっとも、今回の宣言が経済的に大きな打撃を与えないのであれば、疫学的には、感染拡大を抑止する効果が薄いことを意味している。感染症の専門家のほとんどが、人の移動が増えるとその分だけ感染が拡大すると指摘している。
経済学的な視点に立てば、デジタル化を通じて同じ取引を非接触・非対面に置き換えない限り、消費を活発にすると、ほぼ確実に人の移動が増える。
飲食店が感染拡大の大きな要因の1つとなっているのは事実だろうが、感染経路不明も含めて、それ以外の経路がたくさん存在するので、今回の宣言ではその部分はカバーされない。感染状況が悪化すればオリンピックの開催が危ぶまれることも考え合わせると、中途半端な宣言が、逆に経済的にも中長期の不確実性を高めた可能性もある。
経済界からは、外出自粛による急激な経済の落ち込みが回避できたことを安堵する声と、感染状況の悪化を懸念する声の両方が聞こえてくる。今回の宣言を受けて全面的なテレワークに戻る企業も出てくるだろうが、宣言前の状態を維持する企業も多いだろう。
現在は感染防止策が事実上、企業に一任されている状況なので、自主的なコロナ対策で社員を守る企業とそうでない企業の違いが鮮明になる。企業間の格差が拡大するという望ましくない結果をもたらす可能性も否定できない。 
●緊急事態宣言でマイナス成長も、「コロナ後」予備費不足 1/13 
政府が7日に緊急事態宣言を発令した。国内経済への影響は相応に発生し、今年1〜3月期の国内総生産(GDP)がマイナス成長になる可能性も出てきた。政府が編成した2021年度予算案では、ポストコロナ前提で予備費は5兆円しかなく、新たな打撃に「窮屈」な対応を余儀なくされる。10万円の特別定額給付金の再交付は、予算の組み替えなしにはできない。
今回の緊急事態宣言は、飲食店への休業や営業時間短縮の要請が中心となり、百貨店や劇場、映画館などは対象から除外されるとみられている。また、大規模なイベントの開催も前回より規制のバーが上がり、中小規模のイベントは開催が可能になるとの見通しも出ている。
ただ、東京都などはすでに午後8時以降の外出自粛要請を決めており、飲食店だけでなく幅広いサービス業に大きな影響が出るのは必至だ。変動要素が多いため、今回の緊急事態宣言でどの程度の打撃が発生するのかはっきりしないが、複数の国内エコノミストは2兆円台から4兆円台のマイナスになると試算している。
個人消費全般への波及がかなり広がると仮定すると、緊急事態宣言発令のマイナス効果が、人の往来の先細りなどを経路として全国レベルに広がる可能性が大きいと予想するのが合理的ではないか。
昨年7〜9月期のGDPは前期比・年率プラス22.9%だったが、10〜12月期は同3〜4%に減速する可能性が高い。ここに今回の緊急事態宣言によるマイナス効果が加わると、2021年1〜3月期は同2〜3%のマイナス成長に陥る可能性がある。いわゆる「二番底危機」だ。
ところが、2020年度第3次補正予算案と21年度予算案は、コロナの感染者が急増しない前提で、「ポストコロナ」の下でDX(デジタルトランスフォーメーション)を推し進めたり、脱炭素社会への転換を目指すGX(グリーントランスフォーメーション)とも言える構造転換に力点を置いた政策が並んだ。
他方、失業者が急増したり、感染爆発のような事態が発生した場合の対応は、なおざりにされていたと言ってもいいだろう。実際、個人消費の勢いが1月以降、急速に衰えてきたことが確認されたとして、全国民1人に10万円の特別定額給付金を再交付しようとすると、諸経費込みで13兆円超の費用がかかる。だが、予備費は5兆円しか計上されておらず、今の予算案の構成のままでは再交付はできないことになる。
米国では9,000億ドルの追加コロナ対策法案が成立し、財政面からコロナの感染拡大に対応しようとしているのに、日本ではポストコロナ全体の予算費目が目立つだけで、コロナ拡大時に国民生活を直接サポートするような費目への予算計上が小さい。
18日から始まる通常国会ではまず3次補正から審議が始まるが、政府はメンツをかなぐり捨てて大規模な追加の消費喚起策が実現できるような予算案に組み替えをするべきではないか。
21年度予算案を組み替える手法もあるが、それでは予算案が成立する3月末以降にしか支出ができず、機動的な財政出動が難しくなる。昨年も10万円の特別定額給付金の交付のため、20年度補正予算案の組み替えを決めた経緯がある。
かつては予算案の組み替えが「内閣総辞職に直結する」として拒否する「慣行」があったが、昨年の前例がすでに存在する。
菅義偉首相は、そこまで見据えて対応するべきではないか。緊急事態宣言を発令しても、コロナ患者数が急速に減少することが見えない以上、国民生活の底割れを防ぐ「セーフティネット」を張る必要があると考える。 
●緊急事態宣言の対象拡大と特措法改正の論点 1/13 
対象区域11都府県まで拡大の経済効果
1月7日に首都圏4都県で発令した緊急事態宣言の対象区域を、政府は11都府県まで広げることを、13日に正式に決定する。新たに対象に加わるのは、京都、大阪、兵庫、栃木、岐阜、愛知、福岡の7府県だ。期間は2月7日までとなる。その結果、対象地域の経済規模(県民所得)は、35.0%から60.6%まで一気に拡大する。菅首相は7日の時点では、その他地域に宣言の対象を拡大する状況にはない、と説明していたが、感染のさらなる拡大や知事からの要請、世論の動向などを受けて、短期間で方針を変えた。
11都府県で2月7日まで緊急事態宣言が続けられる場合、失われる個人消費は2.3兆円と試算される。それは、1年間の名目GDPの0.40%に相当し、失業者を37.3万人増加させ、失業率を0.55%上昇させる計算となる。
特措法改正で宣言前の予防的措置を検討
政府は新型コロナウイルス感染症対応の特別措置法(以下特措法)改正を通じて、それに基づく緊急事態宣言の効力を高めることを目指している。
特措法改正では、知事が事業者に休業・時短を命令できるようにし、さらに拒否した事業者には50万円以下の過料(軽度な行政罰)を科すことが検討されている。他方、休業・時短の命令を受け入れた事業者には、財政的な支援措置を講じることが明記される。いわば「アメとムチ」の仕組みを導入することが検討されているのである。
これに加えて、今回の特措法改正では、宣言を発令する前に「予防的措置」を導入することが検討されているという。このもとでは、知事が事業者に休業・時短を命令することができ(現在は「指示」)、拒否した事業者には過料を科す。これは、特措法改正後の緊急事態宣言下での知事の権限と同じように思えるが、政府が現在検討中の案によれば、過料の金額が宣言前では30万円以下なのに対して、宣言後は50万円以下へと増額される。
知事の権限に段階を設けることは意味があると思うが、既に宣言が出され、経済規模で6割までの地域が対象になった後に、宣言前の「予防的措置」を決めても、やや遅きに失した感は否めない。
より厳しい「緊急事態宣言2.0」も選択肢か
むしろ、緊急事態宣言下での知事の権限に段階を設け、より厳しい対応もできるように準備しておくことの方が重要なのではないか。
感染抑制策で、緊急事態宣言の発令は事実上最後の手段と位置付けられてきた。しかし実際に首都圏4都県に発令されても、個人の行動に与える影響は限られ、感染抑制の効果には大きな不安が残るのが現状である。そこで、特措法改正を通じて、より厳しい規制の導入を可能にする「緊急事態宣言2.0」のようなものを準備しておくことは、検討に値するのではないか。
より厳しい規制となれば、事業者ではなく個人が対象となり、外出規制などが選択肢となろう。これについては、「私権の制限」という観点から慎重意見は多い。しかし、感染拡大がここまで広まってしまった以上、問題を覚悟の上で、より厳しい規制措置の導入も検討すべきではないか。それが適用されなくて済めば、それに越したことはない。
実際に「緊急事態宣言2.0」は発令されなくても、発令されれば個人の行動が強く制限されるとの懸念が個人の外出自粛の意識を高める、といった効果も期待できるのではないか。
ただし、「私権の制限」が濫用されることがないよう、その発令は国会の承認を必要とすることや、1年間の時限措置にすること等も選択肢になるのではないか。いずれにしても、通常国会で特措法が改正された後も、現状の政府案の下では、緊急事態宣言が感染抑制拡大に大きな効力を発揮するようには見えない。個人の意識を大きく変えるような何らかの工夫が必要なのではないか。
国と知事との権限の明確化を
さらに、特措法では、緊急事態宣言に関して国と知事との権限が曖昧であることが、大きな問題だ。昨年も、緊急事態宣言の発令の是非、発令後の休業・時短要請の範囲、解除の条件などを巡って、国と知事らとの間に大きな対立が生じた。それは、国民に不安をもたらした。
現在の特措法のもとでは、対象と期間を伴う緊急事態宣言の発令は、国の権限で決められる。他方、ひとたび緊急事態宣言が発令されれば、具体的な措置は知事が決められる、と規定されている。しかし実際には、国は「基本的対処方針」で知事の決定に大きな影響力を行使できるのである。このような複雑かつ曖昧な権限の規定を、今回の特措法改正の機会に見直し、改善することも検討すべきではないか。
また、緊急事態宣言の発令は、国の単独の判断ではなく、知事との協議に基づいて国が決定する、といった手続きに変えることも一案ではないか。今回の緊急事態宣言に際しても、国は都府県知事らの強い要請に屈して決めた印象もある。それならば、それを法律上、正式な手続きとしたらどうだろうか。
このように、特措法改正には大きな論点がなお多く残されている。今後、感染が爆発的に拡大するリスクを視野に入れて、必要であればかなり厳しい措置を講じることが可能となるような対応余地を法的に準備しておくことは重要ではないか。
政府には、短期間での法改正を目指すあまり、中途半端な見直しで終わることがないように努めて欲しい。 
●熊本県独自の緊急事態宣言を発令します 1/13
○ 本日中に、新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言が、新たに福岡県を含む7府県に発令されると聞いております。
○ この7府県に熊本県は含まれておりません。
○ 本県に対する緊急事態宣言の発令について、昨日、西村大臣と電話で協議・調整を行いました。
○ 本県の状況が大変厳しい段階にあることを、西村大臣とも共有することができました。
○ その中で、重症者向けの病床使用率やリンク不明の感染者数の割合など、「ステージ4」の指標に達していないものもあるとの御指摘もあり、国からは、熊本県に対し緊急事態宣言を発令する判断は示されませんでした。
○ しかしながら、重症病床使用率は既に30%を超えています。ただ、複数の高齢者施設でクラスターが発生している状況を踏まえると、いつ「ステージ4」の基準である50%に達してもおかしくない状況です。
○ また、先日の対策本部会議において、連携が必要と申し上げた、隣接県であり、県民の往来も多い福岡県が緊急事態宣言の対象区域となるなど、状況はさらに切迫してきています。
○ そのため、明日1月14日から2月7日まで、「熊本県独自の緊急事態宣言」を発令することとします。
○ これに伴い、3点の対策を強化いたします
○ 1点目は、営業時間短縮要請についてです。
○ これまで、熊本市中心部の酒類を提供する飲食店に対し、午後10時以降の営業を行わないよう要請してきました。
○ この要請について、1月18日から2月7日まで、次のとおり内容を強化いたします。
○ まず、対象区域を、熊本市中心部から、県下全域へ拡大します。
○ また、対象施設を、酒類を提供する飲食店から、全ての飲食店へ拡大します。
○ さらに、営業の終了時間を、午後10時から、午後8時へ前倒しします。加えて、酒類の提供時間を、午前11時から午後7時までとします。
○ 事業者の皆さまには、御負担をおかけすることになりますが、これ以上の感染拡大を何としても抑え込むため、御協力をお願いします。
○ 2点目は、外出についてです。
○ 県内全域において、不要不急の外出を自粛してください。特に、午後8時以降については徹底してください。
○ なお、食料・生活必需品の買い物や、医療機関への通院、必要な職場への出勤、屋外での運動など、生活や健康の維持のために必要なものについては、外出自粛の対象外とします。
○ 3点目として、イベント開催に関する制限を強化するとともに、テレワークや時差出勤の推進について要請いたします。
○ 最後に、県民の皆様へのお願いです。
○ 本県は、いつ、国による緊急事態宣言が発令されてもおかしくない、危機的状況にあります。
○ これ以上の感染拡大を防ぎ、医療崩壊を防ぐためにも、営業時間短縮や外出自粛要請に御協力いただくよう、強くお願いします。
○ そして何よりも、マスクの着用や、こまめな手洗いなどの基本的な感染防止対策を徹底し、常に、「感染しない」、「感染させない」ことを意識しながら、行動していただくようお願いします。
○ 国による緊急事態宣言発出という状況にならないよう、私が先頭に立ち、九州各県とも緊密に連携しながら、引き続き、全力を尽くして参ります。
○ 県民一丸となって、この難局を乗り越えて行きましょう。  

 

●菅首相「日中も外出控えて」発言を軌道修正 緊急事態宣言 7府県追加 1/13 
菅義偉首相は13日、政府の新型コロナウイルス感染症対策本部を官邸で開き、新型コロナ特別措置法に基づく緊急事態宣言を栃木、愛知、岐阜、京都、大阪、兵庫、福岡の7府県に追加で再発令した。期間は14日から2月7日まで。宣言は今月7日に首都圏の1都3県に再発令したが、感染拡大に歯止めがかからず、対象地域は大都市部を中心に11都府県に拡大した。
首相は対策本部後に記者会見を開き、対象地域を追加した理由を「全国への感染拡大を防ぐため」と説明した。「厳しい状況を好転させるためには欠かせない措置だ」と、国民に理解を求めた。
対象地域の11都府県とは、政府との連絡会議を新たに設置し、地域の実情を踏まえた対策や国の支援策を具体的に検討していく方針を表明。対象地域以外でも、飲食店への営業時間短縮要請など宣言に準じた対策を自治体が講じる場合は、対象地域と同様の支援を行う考えを示した。
不要不急の外出自粛について「午後8時以降だけでなく、日中も控えるようにお願いしたい」と語った。今月7日の会見では「午後8時以降」の外出自粛を重ねて要請しており、自らの発言を軌道修正した。
水際対策に関連し、中国、韓国など11カ国・地域で例外的に認めてきたビジネス関係者の往来は、緊急事態宣言の発令中は一時停止することも明らかにした。外国人の新規入国は原則停止となる。
首相は対象地域の追加に関連し、7日の会見では、愛知や大阪について「再発令する状況にはない」との見方を示していた。だが、新規感染者が高止まりの状態となり、政府に対し、対象地域に含めるよう要請する府県が相次いでいた。
対象地域の11都府県では、感染リスクが高いとされる飲食店に午後8時までの時短を要請し、応じない場合は特措法に基づき知事が店名を公表できる。時短要請に応じた店舗に支払う協力金の上限は1日当たり現行の4万円から6万円に引き上げる。
テレワークなどにより通勤の7割削減を事業者に働き掛ける。スポーツやコンサートなどのイベントは参加者数を最大5000人、収容率は50%を上限に定める。 
●菅首相 7府県に緊急事態宣言 対象地域拡大 期間は来月7日まで  1/13 
菅総理大臣は、大阪、愛知、福岡など合わせて7つの府県を対象に、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく、緊急事態宣言を出しました。期間は来月7日までで、これによって宣言の対象地域は11の都府県に拡大されます。
政府は、13日午後6時15分ごろから、総理大臣官邸で新型コロナウイルス対策本部を開きました。
この中で、菅総理大臣は「年末からの首都圏、特に東京での急速な感染拡大に加え、年明けからは、中京圏、関西圏などでも感染者数が急増し、強い危機感を持っている。大都市圏から全国に感染が広がる前に対策を講じる必要があることを踏まえて判断した」と述べました。
そのうえで、大阪、兵庫、京都の関西3府県、愛知と岐阜の東海2県、それに福岡と栃木の合わせて7つの府県を対象に、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言を出しました。
期間は来月7日までで、宣言の対象地域は11の都府県に拡大されます。
菅総理大臣は「対策全体が効果を上げるには、国と自治体がしっかり連携し、国民の協力をいただくことが極めて重要だ。今後、国と宣言対象の各都府県との連絡会議を新たに設け、会議での議論を通じて、自治体には、地域の実情を踏まえた対策を実行していただき、国は、最大限、必要な支援を行っていく」と述べました。
また「最近の国内の厳しい状況や海外からの入国者から変異株が確認された事例を踏まえ、さらに徹底した水際対策を行う」と述べました。
菅総理大臣は、午後7時をめどに記者会見し、対象地域拡大の理由を説明し、対策への協力を改めて呼びかけることにしています。
「基本的対処方針」も変更へ
緊急事態宣言の対象地域の拡大に合わせて「基本的対処方針」も変更されることになります。
緊急事態措置を実施すべき区域に栃木県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県が加えられ、措置を実施すべき期間は14日から来月7日までの25日間となります。
対象となる地域での具体的な対応は、1都3県に宣言が出された際と同様です。
特に、午後8時以降の不要不急の外出の自粛を住民に徹底するとしているほか、飲食店に対して営業時間を午後8時までに短縮し、酒類の提供は午前11時から午後7時までとするよう要請するとしています。
正当な理由がないにもかかわらず要請に応じない場合には、特別措置法に基づく指示を行い、公表するとしています。
一方で、政府は、要請に応じた飲食店に対して協力金の支払いを行う都道府県を支援するとしています。
イベントについては、人数の上限や収容率のほか、飲食をともなわないことなどの要件を設定し、それに沿った開催を要請するとしています。
職場への出勤については、「出勤者数の7割削減」を目指すことも含め人と人との接触の機会を減らすよう、テレワークやローテーション勤務などを強力に推進するとしています。
また、事業の継続に必要な場合を除き、午後8時以降の勤務を抑えることや、時差出勤や自転車通勤などの取り組みを進めることも盛り込んでいます。
一方で、学校などに対しては、一律に臨時休校は求めず、地域の感染状況に応じた感染防止策の徹底を要請するとしています。そして、大学入学共通テストや高校入試については、感染防止策や追試験など受験機会の確保に万全を期したうえで予定どおり実施するとしています。
また、保育所や放課後児童クラブなどについても感染防止策を徹底し、原則、開所するとしています。
さらに緊急事態宣言が出されていない道や県でも、感染状況やリスクなどの評価を行いながら、必要に応じて外出の自粛やイベントの開催制限、施設の使用制限などの要請を機動的に行うとしています。
また、都道府県をまたぐ移動は、基本的な感染防止策を徹底するとともに、特に大人数の会食を控えるなど注意を促すなどとしています。
このほか、医療をめぐっては、病床がひっ迫する場合には、高齢者も含めて入院の必要がない無症状者や軽症者は、宿泊施設で療養することで、入院が必要な患者の医療提供体制の確保を図るなどとしています。
一方、宣言の解除については、感染や医療のひっ迫状況が「ステージ3」相当になっているかなどを踏まえて総合的に判断するとしています。
さらに、緊急事態宣言の解除後も対策の緩和は段階的に行い、必要な対策は「ステージ2」相当以下に下がるまで続けるとしています。 
●緊急事態宣言11都府県に拡大 日中も不要不急の外出自粛を 政府  1/13 
新型コロナウイルス対策で、菅総理大臣は、大阪や愛知など7つの府県を対象に緊急事態宣言を出し、対象地域が11の都府県に拡大されました。政府は、午後8時以降だけでなく、日中も不要不急の外出を控えるよう求めるなど、2月7日までの宣言の期間で、感染拡大を抑え込みたいとしています。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、菅総理大臣は、13日、大阪、兵庫、京都の関西3府県、愛知と岐阜の東海2県、それに福岡と栃木の合わせて7つの府県を対象に、2月7日までの期間、特別措置法に基づく緊急事態宣言を出しました。
これにより、宣言の対象地域は11の都府県に拡大され、菅総理大臣は「厳しい状況を好転させるための欠かせない措置だ」と述べ、重ねて対策への協力を呼びかけました。
政府は、宣言の対象地域で、飲食店の午後8時までの営業時間短縮、不要不急の外出の自粛、テレワークによる出勤者数の7割削減、イベントの人数制限など、首都圏の1都3県と同様の措置を講じることにしています。
そのうえで、飲食店が閉まる午後8時以降だけでなく、日中も不要不急の外出を控えるよう求めるほか、政府と11の都府県との連絡会議を設け、地域の実情を踏まえた対策を行うなど、2月7日までの宣言の期間で、感染拡大を抑え込みたいとしています。
一方、政府は、宣言の対象以外でも、感染が急拡大していると判断した地域では、宣言に準じる措置を講じるとして、飲食店の営業時間の短縮要請を行う場合の1日あたり6万円の事業者への協力金も含め支援を行うことにしています。 
●「罰則ありき」のコロナ対策強化 野党「理解に苦しむ」  1/13 
政府は12日、新型コロナウイルス対策の強化に向けた関連法改正案の概要を自民、公明両党に提示した。入院勧告に従わない感染者には感染症法で「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」の刑事罰を設け、緊急事態宣言下で事業者に休業を命令できるよう新型コロナ特別措置法を見直し、違反した場合に行政罰の「過料」を科すのが柱。強制力を持たせて対策の実効性を高める狙いだが、罰則で行動を抑え込む内容が目立ち、与野党から異論が相次いだ。
特措法では、緊急事態宣言を避けるために前段階で対策を講じられる「予防的措置」(仮称)を新設。首相が措置を実施する期間や都道府県単位の区域を指定して、都道府県知事は飲食店など対象施設に営業時間の短縮などを「要請」し、正当な理由なく従わなければ「命令」に切り替える。違反者への過料も導入し、政府関係者によると、予防的措置下では30万円以下、緊急事態宣言下では50万円以下とする方向で調整している。
一方、休業要請・命令を受けた事業者への経済支援は努力規定にとどまり、国の責務は「地方公共団体の施策を支援するために必要な財政上の措置等を講ずるよう努める」とされた。自民党の会合では出席者が「事業者の財産権を侵害する可能性があるのに、国の支援が努力義務ではバランスを欠く」と懸念。立憲民主党の福山哲郎幹事長は記者会見で「十分な補償に見合った時短要請にするべきだ。罰則ありきで議論が進むことは非常に理解に苦しむ」と批判した。
感染症法では、入院勧告拒否への罰則のほか、保健所が感染経路を把握するために実施する行動歴などの聞き取り調査を拒んだ場合にも50万円以下の罰金とする案を示した。現在は規定がない都道府県知事による自宅・宿泊療養の要請も法律に定める。
政府は18日召集の通常国会に関連法改正案を提出し、2月初めごろまでに成立させる方針。 
 
 

 

●緊急事態宣言11都府県に拡大 日中も不要不急の外出自粛を 政府  1/14 
新型コロナウイルス対策で、菅総理大臣は、大阪や愛知など7つの府県を対象に緊急事態宣言を出し、対象地域が11の都府県に拡大されました。政府は、午後8時以降だけでなく、日中も不要不急の外出を控えるよう求めるなど、2月7日までの宣言の期間で、感染拡大を抑え込みたいとしています。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、菅総理大臣は、13日、大阪、兵庫、京都の関西3府県、愛知と岐阜の東海2県、それに福岡と栃木の合わせて7つの府県を対象に、2月7日までの期間、特別措置法に基づく緊急事態宣言を出しました。
これにより、宣言の対象地域は11の都府県に拡大され、菅総理大臣は「厳しい状況を好転させるための欠かせない措置だ」と述べ、重ねて対策への協力を呼びかけました。
政府は、宣言の対象地域で、飲食店の午後8時までの営業時間短縮、不要不急の外出の自粛、テレワークによる出勤者数の7割削減、イベントの人数制限など、首都圏の1都3県と同様の措置を講じることにしています。
そのうえで、飲食店が閉まる午後8時以降だけでなく、日中も不要不急の外出を控えるよう求めるほか、政府と11の都府県との連絡会議を設け、地域の実情を踏まえた対策を行うなど、2月7日までの宣言の期間で、感染拡大を抑え込みたいとしています。
一方、政府は、宣言の対象以外でも、感染が急拡大していると判断した地域では、宣言に準じる措置を講じるとして、飲食店の営業時間の短縮要請を行う場合の1日あたり6万円の事業者への協力金も含め支援を行うことにしています。 
●緊急事態宣言 “状況次第で対象地域の追加も” 西村経済再生相  1/14 
緊急事態宣言の対象地域が11の都府県に拡大されたことを踏まえ、西村経済再生担当大臣は参議院内閣委員会の閉会中審査で、宣言の対象地域を全国に拡大することには重ねて否定的な考えを示す一方、感染などの状況次第では対象地域のさらなる追加もありうるという認識を示しました。
国会では14日、参議院内閣委員会で閉会中審査が開かれ、13日緊急事態宣言の対象地域が11の都府県に拡大されたことを踏まえ、質疑が行われました。
この中で自民党の和田政宗氏は「緊急事態宣言が再発出されたが、国民は必死に耐えている。どのように指導力を発揮するのか」と質問しました。
これに対し、西村大臣は「国民には大変な不便をおかけするが、何としても感染拡大を抑えていく強い決意で臨んでいる。対策を実行する知事とは頻繁に連絡を取り合い、時には背中を押す役割も果たしながら、厳しい状況にある皆さんに支援していく」と述べました。
立憲民主党の杉尾秀哉氏は、宣言の対象地域に追加された福岡県の小川知事が、西村大臣から「最後の船だ」という説明を受けたと発言したあと、その発言を撤回したことについて事実関係の確認を求めたうえで「宣言の対象地域のさらなる追加は考えていないのか」とただしました。
これに対し、西村大臣は「私は小川知事にそういった発言は一切していない。今後のことは、感染状況や医療のひっ迫状況などを含めて判断し、状況次第では追加もあるが、全国に拡大するかは慎重に考えなければいけない」と述べ、宣言の対象地域を全国に拡大することには重ねて否定的な考えを示す一方、感染などの状況次第では対象地域のさらなる追加もありうるという認識を示しました。
政府の分科会の尾身茂会長は参議院内閣委員会の閉会中審査で、緊急事態宣言の期限以降の対応について「来月7日の期限が近くなったときに、感染が期待どおり下がってくれば、少しずつ対策を緩めていけばいいと思う。しかし、感染が横ばいや少しずつ増加している状況、あるいは減少していても非常に緩やかな場合には、それまで取ってきた緊急事態宣言の対策のままでは無理でより強い対策が必要になる」と述べました。
そのうえで具体的な対策について「どういった対策をとるかは、これから適宜感染状況をモニターして対策の効果を評価するので、それによって決めればいいと思う。場合によっては休業要請ということも一つの選択肢としてはありうる」と述べ、感染状況を分析しながら緊急事態宣言の効果が十分に見られなかった場合を想定し、取るべき対策について検討する考えを示しました。 
●緊急事態宣言で栃木県内 人の動きに急ブレーキ 1/14
新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の対象区域に栃木県が加わることが13日、決まった。飲食業界は臨時休業や時短営業の動きが加速し、学校関係者は感染対策の意識をさらに高める。プロスポーツ界では試合の中止も出始めた。県内2度目の宣言発令−。さらなる行動変容を求められ、県民は先の見通せない不安を抱えながら、感染収束への願いを強めている。
餃子会直営店、平日休業を決断
宇都宮餃子(ぎょーざ)会の直営店「来らっせ本店」(宇都宮市馬場通り2丁目)は一層の感染防止策として、13日から「常設店舗」の臨時休業に踏み切った。期間は2月7日までの平日。来らっせ本店は「常設店舗」と「日替わり店舗」で、加盟店のギョーザが食べ比べできる人気の観光スポット。常設店舗は行列が絶えない人気店も多く、同会は「昼の食事でも感染が広がる可能性がある」と休業を決めた。日替わり店舗は時短営業している。13日午後。いつもはひっきりなしに客が行き交う常設店舗の入り口はネットが張られ、中は暗く静まり返っていた。今後の感染状況や客足によっては土日の休業も検討しているという。同会の鈴木章弘事務局長は「後手後手の対策では経済が沈み込むだけ。国や県には飲食店だけでなく生産者などの苦境も考慮し、先手先手で対策を講じてほしい」と注文した。
コロナ慣れ警戒 学校・部活動
13日朝、県北にある県立高。同校校長は打ち合わせで教職員へ感染対策の徹底を改めて呼び掛けたという。「対策はすでに講じている。気を緩めてはいないが、再度確認として伝えた」と校長。「3密防止など生徒一人一人へ再度、注意を促していく」と力を込めた。県南の県立高で教頭を務める男性は「これだけ感染者が出ているので、そういった判断もあると思う」と宣言発令の動きを冷静に受け止める。「マスクや消毒に少し慣れてきた部分もある。警戒度をどう高めるか考えていく」と話した。部活動は他校との練習試合中止などが求められる。生徒からは「いつ部活が中止になるか」といった不安の声が上がっているという。
リーグ戦中止、追加も プロスポーツ
アイスホッケーアジアリーグのHC栃木日光アイスバックスは23、24の両日、東京都西東京市のダイドードリンコアイスアリーナで予定していたジャパンカップ(JC)のホーム東北戦を中止すると発表した。バックスは日光霧降アイスアリーナの改修工事に伴い、9日から始まったJC後半戦のホーム戦会場をダイドードリンコアイスアリーナに変更。新型コロナウイルス感染拡大防止を目的にチケットを座席数の半数以下の販売に制限していたが、不要不急の外出自粛要請を踏まえてリーグ実行委員会で決定した。バックスの土田英二(つちだひでじ)チームディレクター(47)は「影響は出ると思っていたが、首都圏のファンにアピールする機会を失ったダメージは実損より大きい」と肩を落とす。14日からチケットの払い戻し対応を行う。さらに、緊急事態宣言の対象地域に本県が追加されたことを受け、今月30、31日に北海道で開催予定だったアウェー王子戦も中止となる可能性が高いという。4月にプロ野球選手輩出を目的とした専門スクールの開校を予定しているエイジェックスポーツマネジメント(東京都千代田区、古後昌彦(こごまさひこ)社長)は、22日に栃木市で開催を予定していた第1回入校トライアウトを中止すると発表した。バスケットボールB1宇都宮ブレックスは2月7日までの緊急事態宣言期間中にホーム戦5試合とアウェー戦2試合があるが、Bリーグは開催可否を発表していない。サッカーJ2栃木SCはJリーグによるPCR検査を実施した上で、18日からトップチームの全体練習を開始。2月上旬から宮崎キャンプを行う予定。 
●政府、スポーツ入国特例も停止 緊急事態宣言の期間 1/14
今夏の東京五輪・パラリンピックに向けた国際大会や強化合宿に参加する外国の選手、スタッフの入国を認めるスポーツの特例措置に関し、政府が一時停止することを競技団体などに伝えたことが14日、分かった。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の期限となる2月7日まで。全ての国・地域からの外国人の新規入国を原則認めない。
海外に遠征していた日本選手の帰国や在留資格を持つ外国人の入国は認められるが、14日間の自主待機措置の緩和はなくなる。
2月にキャンプイン予定のプロ野球や、2月に開幕するサッカーのJリーグで在留資格を持たない新外国人選手の来日に影響する可能性がある。 
●「緊急事態宣言」拡大 2府5県 けさの人出に大きな変化なし  1/14
2回目の緊急事態宣言が2府5県に拡大してから一夜明けた14日朝、主な駅周辺の人出をビッグデータを使って分析したところ、多くの地点で先月の平日から大きな変化はなく、去年の宣言時と比べると多いところで50%近く増加していることが分かりました。
NHKは、NTTドコモが携帯電話の基地局からプライバシーを保護した形で集めたビッグデータを使って、緊急事態宣言が拡大した2府5県の主要な駅周辺の14日午前8時台の人の数を分析しました。
その結果、大阪 梅田駅、神戸市の三ノ宮駅、名古屋駅、岐阜駅、福岡市の博多駅、宇都宮駅の、周辺の人出は、先月の平日の平均と比べて最大で6%の減少と、いずれも大きな変化はありませんでした。
一方、去年の緊急事態宣言時の平日の平均と比べると、13%から49%増加しています。各地点の具体的なデータを見てみます。
大阪 梅田駅は、先月の平日の平均と比べて2%減少しましたが、去年の宣言時の平日平均と比べると44%増加しています。
京都駅は、先月と比べて13%減少しましたが、去年の宣言時より34%増加。
三ノ宮駅は、先月より4%減少し、去年の宣言時と比べると23%増加。
名古屋駅は、先月より4%減少し、去年の宣言時と比べると49%増加。
岐阜駅は、先月と変わらず、去年の宣言時と比べると13%増加。
博多駅は、先月より6%減少し、去年の宣言時と比べると23%増加。
宇都宮駅は、先月より1%減少し、去年の宣言時と比べると21%増加しています。 
●14日朝の人出に大きな変化なし 1/14
新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言が、13日夜、愛知県と岐阜県にも出されました。一夜明けた14日朝、名古屋市で仕事に向かう人たちからは、より一層、感染対策に気をつけたいという声が聞かれました。
新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言が13日夜、愛知県と岐阜県などあわせて7つの府県を対象に出されました。
これを受けて愛知県は、県内で講じる対策を盛り込んだ「緊急事態措置」を発表し、徹底した外出の自粛を要請し、特に午後8時以降の不要不急の外出自粛を強く呼びかけているほか、事業者に対して、「出勤者数の7割削減」を目指すことを含めてテレワークなどの徹底を求め、事業の継続に必要な場合を除き、午後8時以降の勤務を控えるよう要請しています。
14日朝、名古屋市の中心部で、通勤途中の人に話を聞きました。
愛知県東浦町に住む金融業の30代の男性は「テレワークは進めないといけないと思うが、店舗での接客が必要なので出社した。けさは電車で出勤してきたが、混雑具合は普段と変わらず、前回の緊急事態宣言の時ほど減っていないと感じた。仕事以外での外出を極力減らすなどできる工夫をしていきたい」と話していました。
名古屋市の50代の清掃業の女性は「緊急事態宣言は遅すぎで、年末に出した方が良かった。息子の会社は在宅勤務になっていて、テレワークも進んでいます。自分の仕事は清掃業で在宅が難しいのですが、昼食はコンビニで買って会社で食べるなど、できるだけ人との接触をしないよう気をつけます」と話していました。
また、岐阜県可児市の金融業の60代の男性は「きょうは仕事で必要があって出勤した。県をまたいた出張がしにくいので、会わなくても意思疎通が取れるよう気をつけたい。緊急事態宣言が出て、また孫とも会えなくなるが、この状況ではみんなが我慢するしかないと思う」と話していました。
NHKは、NTTドコモが携帯電話の基地局からプライバシーを保護した形で集めたビッグデータを使って、緊急事態宣言が拡大した名古屋駅と岐阜駅周辺の14日午前8時台の人の数を分析しました。
その結果です。
12月の平日の平均と比べると、名古屋駅周辺の人出は、4%減少しました。
また、岐阜駅周辺の人出は、12月と変わらず、今回の緊急事態宣言に伴い人出に大きな減少はみられませんでした。
一方、去年の国の緊急事態宣言時の平日の平均と比べると、名古屋駅では49%増加したほか、岐阜駅でも13%増加していて、去年の春と比べて大きく人出が増加していました。 
●緊急事態拡大初日の三大都市圏 「通勤の人出変わらず」 1/14
緊急事態宣言が大阪や愛知、福岡など7府県に追加発令され、対象期間の初日となった14日、都市圏では普段と同様に多くの通勤客らの姿がみられた。「人出はあまり変わっていない」との声が目立った。
大阪市のJR大阪駅前では、この日も朝から大勢の通勤・通学客が行き交った。男性会社員(39)は、「電車は混雑していた」と印象を語った。前回の緊急事態宣言時の在宅勤務では「コミュニケーションなどで支障が出た」といい、今回は当面出社を続けるという。
繁華街では自粛ムードが広がる。大阪市中央区の「アメリカ村」の鍋料理店「もつ彦 なんばアメ村店」は13日から休業。時短要請に従えば2時間しか営業できず「ギリギリまで悩んだが、休業した方が人件費や材料費がかからず赤字を減らせると判断した」(店主)という。
名古屋市中心部と郊外を結ぶ市営地下鉄東山線に乗っていた40代の女性会社員は「混み具合はあまり変わらない」。糖尿病を抱える50代女性会社員は来週から週4日はテレワークになるといい「事態が落ち着いてくれれば」と宣言への効果を期待した。
県の要請がない中で宣言が発令された福岡県でも、JR博多駅には多くの通勤客らの姿が見られた。地下鉄ではエスカレーターの乗り口にマスクをつけた人々の列ができ、福岡市南区の60代男性は「人通りも車も多く、前回の緊急事態宣言時より緊迫感がない」と話した。 
●「中途半端で効果あるのか」宣言一夜明け 変わらぬ人出 1/14 
新型コロナウイルスの感染拡大で再び出された緊急事態宣言から一夜明けた14日、福岡都市圏では人出の抑制とはいかず、宣言前と変わらぬ通勤や帰宅時の風景が広がった。緩やかな自粛のスタートに「中途半端な対応で効果はあるのか」と不安視する声もあった。
帰宅時間帯のJR博多駅。行き交う人は多く、昨年4月の緊急事態宣言発令時のように人出が激減することはなかった。
福岡県久山町に帰宅途中の会社員の女性(49)は「通勤電車も混んでいて大きな変化はなかった」と感想。在宅勤務が増えた前回発令時と比べて「会社に出てくる人はまだ多く、影響はこれからでは」。岡山県への出張から戻ってきた福岡市城南区の会社員佐藤孝紀さん(29)は「仕事柄、出張が多いので心配。ただ、周囲からも危機感は感じられない」と話した。
前回発令時は幅広い業種に休業要請が広がった。軒並み休業した博多駅構内の土産店は今回、営業を午後8時までに短縮する。14日の客数は「気持ち少なくなったかなという程度」(女性店員)という。
研修で福岡市に滞在していた鹿児島市の会社員の男性(28)は、研修が中断となった。「飲食店だけではなく、いろいろな業種が対策を徹底しないと意味がないんじゃないか」と話し、帰路に就いた。 
●宣言再発令1週間、効果兆しなく 重症者最多920人、病床逼迫 1/14 
政府が新型コロナウイルスの感染が広がる東京と埼玉、千葉、神奈川の1都3県を対象に、緊急事態宣言を再発令してから14日で1週間となった。効果の兆しは見えず感染者数が膨らみ、14日は全国で新たに6608人の感染者と66人の死者が報告された。菅義偉首相は「1カ月後には事態を好転させる」と強調するが、重症者数も過去最多の920人となり病床の逼迫状況は悪化。人出の減少も限定的で、政府、与党内に危機感が募る。
政府は2月7日までの宣言期間中、飲食店の営業時間を午後8時までに短縮したり、不要不急の外出自粛を求めたりして感染を封じ込める方針。 
●テレワーク「前回の宣言時ほど行われていない可能性が高い」  1/14
感染拡大を抑えるため重要とされているのが「テレワーク」です。2回目の緊急事態宣言後、どれだけ実践されているのかを探るため、NHKがビッグデータを使って都内のオフィス街の人出を分析した結果、感染拡大前より40%以上減ったものの、去年の1回目の宣言時と比べると30%から50%ほど多いことがわかりました。専門家は「前回の宣言時ほどテレワークが行われていない可能性が高い」と指摘しています。
NHKは、NTTドコモが携帯電話の基地局からプライバシーを保護した形で集めたビッグデータを使って、東京駅と品川駅周辺のオフィス街について、去年3月から13日まで、日中時間帯の午後3時台の人の数を分析しました。
その結果、1都3県に2回目の緊急事態宣言が出された今月8日から、13日までの平日3日間の人出は、東京駅と品川駅の周辺でいずれも、感染拡大前の平日の平均と比べて45%ほど減少、先月の平日の平均と比べて9%減少していました。
一方で、去年の1回目の宣言時と比べると、東京駅周辺で52%、品川駅周辺で32%、いずれも多くなっていました。
人の移動の分析に詳しい早稲田大学の佐々木邦明教授は「この1年でテレワークは一定程度進んでいるものの、前回の宣言時ほどは行われていない可能性が高い。飲食店のリスクばかりが注目され、テレワークの必要性が浸透していないおそれもある。政府が目標として掲げる出勤者の7割削減を実現するためには、なぜそこまでの削減が必要か、理由を丁寧に説明していくべきだ」と指摘しています。
テレワークの実態と課題 調査では
民間のシンクタンク「パーソル総合研究所」は、新型コロナウイルスの感染の“第3波”に入っていた去年11月、従業員10人以上の企業で働くおよそ2万人を対象にテレワークの実態や課題を調査しました。
正社員のテレワークの実施率が、最も高かったのは東京都で45.8%、次いで神奈川県が34.9%、千葉県が26.2%、大阪府が24.4%、埼玉県が24%、愛知県が21.7%、兵庫県が19.3%と続きました。
このほか、今回の緊急事態宣言の対象地域では、京都府が17.1%、栃木県が16.7%、福岡県が16.4%、岐阜県が9.1%でした。
業種別では、「情報通信業」が最も高く55.7%、次いで「学術研究、専門・技術サービス業」が43.2%、「金融業・保険業」が30.2%でした。一方、低かったのは、「医療・介護・福祉」で4.3%、「宿泊業・飲食サービス業」が11.1%、「運輸業・郵便業」が11.3%でした。
企業の規模別では、従業員1万人以上の企業が45%だった一方、1000人から1万人未満は34.2%、100人から1000人未満は22.5%、100人未満の企業は13.1%で、規模が小さいほど実施率が低くなっていました。
テレワークができていない理由については、「テレワークで行える業務ではない」が45.1%と最も高く、次いで「テレワーク制度が未整備」が37.4%、「通信などの環境が未整備」が13.1%、「会社が消極的で実施しにくい」が10.4%で、技術的な環境よりも、業務内容や就業制度が実施率に影響していることがわかります。
出勤7割減「非常にハードル高い」
今回の緊急事態宣言で政府は、テレワークの導入によって出勤する人を7割減らすよう呼びかけていますが、対応が難しい職種もあり、課題が浮き彫りになっています。東京都内に本店を置く「朝日信用金庫」は、新型コロナウイルスの感染が拡大した去年3月にテレワークを導入しました。
在宅勤務中でも本部にある顧客の情報にリアルタイムでアクセスできるよう、社内のネットワークにつながったタブレット端末を新たに開発。およそ400人の営業職員に配布しました。これに加え、時差出勤制度や交代制の勤務制度、それに特別休暇なども相次いで導入し、感染拡大前に比べ、対面による顧客との接触を大幅に減らすことができたということです。
しかし、これだけの対策をしても、テレワークの実施率は現時点で3割ほど。「出勤者数の7割削減」には遠く及ばないということです。
最も大きい理由は、都内を中心に60以上ある店舗の日々の運営です。
現在必要最低限の人員でやりくりしていますが、お金を扱うだけに、窓口業務の担当者のほか、支店長や一部の管理職など、1店舗につき平均10人の出勤が必要だとしています。
この信用金庫では、感染拡大前と比べても来店する人の数はほぼ変わらないということです。
また、地域との結びつきが強い信用金庫にとって、商談などを電話やオンラインである程度までまとめても、取引先の中小企業の中には最終的には対面でのコミュニケーションを重視する経営者も多いということです。
朝日信用金庫の三澤敏幸専務理事は「地域の金融機関の社会的使命として地元のお客様への支援を最優先に考えれば、最低限の人員は必要になってくる。7割削減しなければならないという意識はあるが、非常にハードルが高いというのが正直な感想です」と話しています。
そのうえで「今回の緊急事態宣言を受け、今後顧客が影響を受けて、問い合わせが増えたり新たな支援が必要になることもありえる。当面はペーパーレス化やデジタル化などを進め、まずは5割削減を目指したい」としています。
専門家「会社の方針示されず 職場の判断に委ねられている」
パーソル総合研究所の小林祐児上席主任研究員は「ここ数日の動きを見ていると、今回テレワークの実施率が去年4月の緊急事態宣言の時を大きく上回ることにはならないのではないか。出勤者数の7割削減というのは難しい情勢だ」と話しています。
その理由について、小林研究員は「この1年で市民がコロナに関していろいろな情報を得て詳しくなった結果、警戒心に個人差が生じている。これに加え、コロナ下でビジネスを回していくことに多くの人が慣れてしまったため、業務自体を止めるという判断があまりみられない。つまり、“ウィズコロナ”のビジネス環境に働き手が順応してきた結果、テレワークの実施率が上がりにくくなっている」と指摘しています。
実施率を上げる方策については「会社全体としての方針が示されないまま、個別の職場ごとの判断に委ねられてしまっている状況が見受けられる。コロナへの警戒心がばらついている中で、属人的な判断に委ねるのではなく、まずは企業のトップが『出社3割を目指す』とか『対面の会議は避ける』といった具体的な指示を出すことが必要だ」と話しています。
そのうえで「顧客に対して納期を延ばせなかったり、取引先との間で書類の受け渡しが必要だったりと、企業どうしの関係性の中で、テレワークできるかどうか決まるケースもあるので、業界として全体の方針を定め、世間やクライアント企業にテレワークへの理解を求めていかないといけないし、政府や自治体も取り組みをお願いしていかねばならない」と指摘しています。 
●大阪・兵庫・京都でも再び「緊急事態宣言」…影響は? 1/14 
政府は1月13日、大阪府・兵庫県・京都府など7府県に再び緊急事態宣言を出しました。期間は2月7日までで、通院や食料品の買い出しなど生活と健康維持に必要な場合を除く不要不急の外出の自粛や、テレワークなどでの出勤7割減を求めていますが、1月14日朝のJR大阪駅前ではいつもと変わらない通勤風景が見られました。
「あまり人の数は変わっていないなという感じはありました。みんな慣れつつあるのかなと思います。」「本当だったらテレワークで家にいるのが一番なんですけど。自粛しないといけないけど、生活もしないといけないので。」
また、飲食店などには“営業時間は午後8時まで・酒類の提供は午後7時まで”とするよう要請しました。すでに午後9時までの時短営業をしていた大阪市中央区の居酒屋は…。
(鮮魚居酒屋「たつと」店主)「予約いただいていたお客さまからもかなりのキャンセルが入っている状態。仕入れをしてもお客さまが来ないとなると、その方が損失が大きいので、予約がない日は営業自体を休もうかなと思っています。」
大阪の百貨店も1月14日から営業時間を短縮して営業します。阪急うめだ本店は、去年4月に緊急事態宣言が出された際は1か月あまりにわたって地下の食品フロアを除いて休業しましたが、今回はレストランを含む全てのフロアで閉店時間を最大午後8時に繰り上げるということです。
このほか、大丸梅田店・神戸店・心斎橋店、高島屋大阪店・京都店なども最大午後8時までに営業時間を短縮するということです。
また、スーパーは通常通り営業しています。大阪市西成区のスーパー「越前屋」では、買い占めなど大きな混乱は見られず、感染防止対策を継続して営業を続けるということです。
(越前屋 取締役部長)「前回は買い占めでお客さんが殺到して、保存がきくものとか買い占めて行くなどしていたのですが、今回は普段どおりになっています。」
政府は2月7日までの期間内に感染を抑え込みたい考えです。 
●大阪コロナ死者数全国最多に「知事、市長は責任認め住民に謝罪すべき」 1/14 
山口二郎法政大学教授が14日、ツイッターに新規投稿。大阪府が同日、新型コロナウイルスに感染した60〜90代の男女11人が死亡したと発表し、累計の死者数が714人で、東京都の707人を上回り全国最多となったことを受け、「大阪の知事、市長は自らの責任を認め、住民に謝罪すべき」と訴えた。
山口氏は「テレビに出ることが本務のような維新の政治家をメディアがもてはやした結果」とその背景も挙げながら、「政治は結果責任なのだから、大阪の知事、市長は自らの責任を認め、住民に謝罪すべき」と指摘した。
新型コロナウイルス感染による累計死者数が714人で、東京都を上回って全国最多となった大阪府の重症者数は175人で過去最多となった。14日発表の感染者は592人で、2日続けて500人を超えた。検査数は8985件で、陽性率は6・6%。府内の感染確認は累計3万6434人となった。 
●宣言再発令1週間、効果兆しなく 重症者最多920人、病床逼迫  1/14 
政府が新型コロナウイルスの感染が広がる東京と埼玉、千葉、神奈川の1都3県を対象に、緊急事態宣言を再発令してから14日で1週間となった。効果の兆しは見えず感染者数が膨らみ、14日は全国で新たに6608人の感染者と66人の死者が報告された。菅義偉首相は「1カ月後には事態を好転させる」と強調するが、重症者数も過去最多の920人となり病床の逼迫状況は悪化。人出の減少も限定的で、政府、与党内に危機感が募る。
政府は2月7日までの宣言期間中、飲食店の営業時間を午後8時までに短縮したり、不要不急の外出自粛を求めたりして感染を封じ込める方針。 
●茨城県では新たに104人が感染 9日の県バスケ大会で20人超  1/14 
茨城県と水戸市は14日、新たに104人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日当たりの新規感染者が100人を超えたのは9日以来、5日ぶり。県内の感染者は計3458人となった。
居住地の内訳は、坂東市9人、水戸、つくば、神栖市各7人、日立、取手市各6人、古河、結城市各5人、土浦市、境町各4人、ひたちなか、笠間、下妻、常総、牛久、守谷、かすみがうら市各3人など。
県は、クラスター(感染者集団)となった可能性があるとしている土浦市の私立高校のバスケットボール部で、新たに生徒1人の感染を確認した。
部は9日に水戸市で開かれた県バスケ大会に参加していた。感染が判明した水戸市内の高校に通う市内在住の10代の男子高校生と、別の学校に勤務する市内の40代男性教職員もこの大会に参加していた。他校の生徒や大会関係者など感染者は20人を超えている。
また、クラスターの可能性がある群馬県太田市の教会「在日アッセンブレイア・デ・デウス・ベレン・キリスト教会」では、年明けの礼拝に訪れるなどした境町の男女3人の感染が新たに判明。本県の関係感染者は12人に上った。
美浦村の高齢者福祉施設でも、女性職員と入居女性の2人の感染が判明。施設関係の陽性者は計5人となった。
水戸赤十字病院(水戸市)では、新たに看護助手の50代女性の感染が判明。病院での感染者は計10人になった。
県と水戸市は、52人が退院するなどしたと発表。退院などは計2537人となった。
一方、県は、国が新たに緊急事態宣言の対象に追加した栃木、愛知、岐阜など7府県への不要不急の往来を自粛するよう求めた。 
●緊急事態宣言 11都府県に 各地の動きや業界の反応  1/14 
新型コロナウイルス対策で、菅総理大臣は大阪や愛知など7つの府県を対象に緊急事態宣言を出し、対象地域が11の都府県に拡大されました。政府は、宣言の対象地域で、飲食店の午後8時までの営業時間短縮、不要不急の外出の自粛、テレワークによる出勤者数の7割削減、イベントの人数制限、などの措置を講じることにしています。
緊急事態宣言が出されている地域の動きや各業界の反応をまとめました。
在宅勤務強化 オフィスを閉鎖の企業も
兵庫県伊丹市に本社がある大手タイヤメーカーの「TOYO TIRE」は、宣言が追加された兵庫県と愛知県にあるオフィスを14日から来月7日まで閉鎖し、原則、在宅勤務に切り替えました。このうち本社ではおよそ300人が勤務し、これまで出社する社員の割合を8割削減してきましたが、14日からはすべての社員が原則、在宅勤務となります。14日、オフィスには、オンラインの展示会に向け大容量のデータを扱う社員など一部を除き、人影はほとんど見られませんでした。会社では去年の緊急事態宣言のときにも同じように在宅勤務を導入し、その範囲を開発などの技術職にも広げてきました。エンジニアの男性は自宅で、会社から貸与されたパソコンを使って専用のシステムにアクセスし、タイヤの性能を予測するシミュレーションを行っていました。会社ではこのほか、対象地域を発着する出張は原則しないよう指示しているほか、社内外の会食はすべて禁止しているということです。TOYO TIREの経営基盤本部長は「前回の経験を学びとして、スムーズに完全在宅に移行できた。リモート環境を生かしながら意見交換を綿密に行い、事業を継続していきたい」と話していました。
千葉 銚子 水産関係者「一時金ではやりきれず」
水揚げ量10年連続日本一の千葉県銚子市の銚子漁港では、連日、首都圏の市場やスーパー、飲食店に出荷する魚の入札が行われています。地元の水産業者などで作る組合によりますと、2回目の緊急事態宣言が出されて以降、需要が減ったマグロやヒラメなどの高級魚を中心に価格が3割ほど下落し、売り上げを落とした水産業者が多いということです。政府は、営業時間を短縮した飲食店に食材を卸す取引先などにも最大で40万円の一時金を支給する方針ですが、魚問屋の堀井博之さんは「従業員を抱えており、数十万円の一時金ではやりきれず、前回よりも長く続くようなら、飲食店も弱っているので、連鎖倒産する業者も出るのではないか」と話していました。また、同じく魚問屋の島田政典さんは「一時金が出ることは悪いことではないが、買い付け金額や従業員の数がそれぞれ違うので、中長期的な対策を望んでいる」と話していました。
卸売業者「支援に条件あるのは不公平」
中小の卸売業者が軒を連ねる大阪 生野区の「鶴橋鮮魚市場」は、魚の仕入れ先として大阪市周辺の飲食店や鮮魚店を長年支えてきましたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う飲食店の時短営業の影響などで、去年1年間に8つの卸売業者が廃業し、卸売店組合の加盟業者はおよそ20まで減りました。組合の理事を務める早川博久さんの店でも、先月は売り上げが前の年に比べ、飲食店向けでおよそ70%、鮮魚店向けでおよそ50%減少しました。こうした中、緊急事態宣言が出され、飲食店の夜の営業時間が14日から短縮されることを受けて、仕入れなどで市場を訪れる客の姿はまばらでした。
早川さんの店でタイやアジを購入した近くのすし店の男性は「客が激減しているので、だいぶ買い控えしています」と話していました。今回の緊急事態宣言では営業時間の短縮要請に応じた飲食店に対して1日当たり6万円の協力金が支給されますが、卸売業者は支給の対象ではありません。政府は緊急事態宣言の対象地域で、飲食店の時短営業の影響を受けた卸売業などの取引先に対して、法人は最大40万円、個人事業主は最大20万円の一時金を支給するとしていますが、売り上げが前年比で50%以上減っていることを条件としています。早川さんは「飲食店と同様の影響があるのに、卸売業者は支援を受けるために条件があるのは不公平だ」と話しています。
また、千葉県野田市に食品の倉庫がある青果卸会社「フードサプライ」では、およそ5000店の飲食店に野菜や果物などを卸していましたが、緊急事態宣言が出されてから、取引先のおよそ半数の飲食店が休業し、残りのほとんどの飲食店も営業時間を短縮しているということです。これに伴い注文のキャンセルが相次いでいて、飲食店向けの在庫の大葉やミニトマトなどを中心に出荷先が見つからず、廃棄を余儀なくされています。ドライブスルー方式で一般向けの販売を行うなど販路の開拓を進めていますが、今月の売上は去年1月の半分ほどまで落ち込み、およそ3億円減少して赤字となる見通しだということです。政府は売り上げが去年の同じ月と比べて50%以上減少したことを条件に、飲食店と取り引きする中堅・中小企業などに最大で40万円の一時金を支給する方針ですが、檜原純営業統括部長は「億単位で売り上げが減る会社にとっては、一律で40万円の一時金では意味がなく、規模に応じた支援が必要だ。農家からの仕入れも減らさざるをえない状況で、心苦しい」と話していました。
横浜 生活困窮者支援で見守り活動
緊急事態宣言に伴って、生活に困窮し住む場所を失う人が増えるおそれもあるとして、13日夜、路上生活者を支援するグループのメンバーが横浜駅周辺で見回り活動を行いました。午後10時すぎから路上生活者が多い横浜駅の地下街などを支援グループのメンバー8人が巡回して、仕事を失って新たに路上で暮らし始めた人がいないかなどを確認しました。メンバーの1人で30年ほど前から路上生活者の支援を行う高沢幸男さんによりますと、緊急事態宣言が出された先週以降「家賃が払えない」という相談が相次いでいます。13日夜は新たに路上に出た人は確認されませんでしたが、高沢さんたちは路上で生活する人に、支援の窓口の電話番号が書かれたチラシや寄付された手編みの帽子などを配りながら、体調や雇用の状況を尋ねていました。高沢さんは「特に緊急事態宣言が出されて以降、もともと余力のなかった人が厳しい状況に追い込まれていると思います。貧困は自己責任ではないので、早めに声をあげ、支援を受けてほしいです」と話していました。 
●新型コロナ、治安への影響は 警察力に期待も困難な対応続く 1/14 
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い政府が再度発令した緊急事態宣言は、治安にも影響を与えそうだ。街中への人出は減少し人の接触が制限され、街頭犯罪が減少する一方、行動制限が人々のストレスを高め、他人の行動に不寛容になったり、攻撃的になったりする恐れがある。ウイルスへの不安に便乗した犯罪の増加もあり「警察力」への期待は高まっているが、警察当局は感染拡大を避けつつ、安心と安全と守る難しい対応を迫られている。
飲食店への立ち入りは…
今年に入り東京都など首都圏1都3県に緊急事態宣言が発令され、13日には対象地域に京都、大阪、兵庫の関西3府県と愛知、岐阜の東海2県、栃木、福岡の計7府県が追加された。
対象外の自治体でも独自に不要不急の外出や移動自粛を求めるなど全国で緊張感が高まる中、警察は過去にない事態に対応してきた。昨年の緊急事態宣言下では、国や自治体の求めに応じて感染拡大の一因とされた飲食店への対応をめぐり、業務を「拡大」する局面もあった。
当時、政府側は風営法に基づき、立ち入りができるとの見解だったが、感染対策は法律の範囲外。警察当局は、感染拡大を招きかねない不備があっても対応は不可能との見解だったが、要請の機運は強く、警察が立ち入りを行った後、自治体が感染防止を教える「2階建て」の策をとった。
警視庁は新宿・歌舞伎町などの「夜の街」で、風営法に基づく立ち入り検査を実施。ホストクラブやキャバクラで営業時間や従業員名簿を確認するなどした。さらに同行した東京都職員が、マスク着用や、人と一定の距離を保つソーシャルディスタンス(社会的距離)を徹底するよう呼びかけた。大阪府警、北海道警なども、繁華街で、こうした立ち入りを実施した。
ただ、警視庁によると同法に基づく立ち入り検査は午後10時以降が原則。今回の緊急事態宣言が求める「午後8時までの営業終了」に適用はできないため「都職員の立ち入りに同行し、見守る」という形を想定しているという。
変化する事件・事故傾向
人出が減少する中、繁華街ではトラブルが想定される。歌舞伎町では、警視庁の私服警官が悪質な客引きの取り締まりに対する見回りを始めた。状況に応じ、他の繁華街でも同様の活動を始める予定で、同庁幹部は「経営が打撃を受け、強引な客引きを行うケースが想定される」と警戒する。
新型コロナは犯罪の傾向にも影響をおよぼしている。警察庁のまとめでは、全国の刑法犯の認知件数は昨年1月〜11月、暫定値で56万6543件。前年同期比で17・7%の減少となり、1年を通して戦後最小を更新した昨年を下回るペースだった。刑法犯認知件数はすべての月で前年を下回り、緊急事態宣言が発令された5月は2万件以上減った。
警察庁の犯罪統計によると、路上強盗や車上狙いなど主な街頭犯罪が計16万2098件で同比で27・1%と激減。窃盗犯、殺人や強盗などの凶悪犯、詐欺などの知能犯も軒並み減少。担当者は「新型コロナの感染防止のための外出自粛が影響したとみられる」と分析。人やモノの接触が減った世情を反映した形だ。
交通事故も減少した。令和2年の全国の交通事故死者数は、前年より376人少ない2839人で、統計がある昭和23年以降最少だった。ただ、交通量が減少することでスピードを出す車が増え、重大事故のリスクが高まっているとの指摘もある。
感染拡大で困難な活動も
昨年の緊急事態宣言下では、警察に新型コロナ関連の通報が相次いだ。実際の事件だけではなく、不要不急とみられる外出や、マスクの未着用に対するクレームなども続発。警視庁管内では昨年4月の110番通報が前年同期を約3割も下回ったのに、コロナ絡みは1日平均で45件に達した。
一方、効用に根拠がないのにコロナ予防をうたった健康食品が販売され、営業実体がないのに持続化給付金をだまし取る事件も続発。感染を自覚しながら他人と接触して二次感染を招いたり、感染者を装って営業を妨害する行為も社会問題化した。
感染拡大を防ぐため、人やモノとの接触が不可避な捜査活動は大きな影響を受けている。警察官の感染確認も続き、感染がより広がれば、人員の確保にも支障をきたす懸念もあるが、治安を守るため、警察への期待感や要望は引きも切らない状況が続きそうだ。
警察幹部は「極めて難しい状況に変わりはない。士気を高め、試行錯誤をしていく」と話した。 
●「爆発的な感染拡大を疑わせる水準」都内状況で専門家が危機感  1/14
東京都の新型コロナウイルスの「モニタリング会議」が開かれ、専門家は、都内の感染状況と医療提供体制をいずれも最も高い警戒レベルで維持したうえで「新規陽性者数が経験したことのない速度で増加している。爆発的な感染拡大を疑わせる水準だ」と指摘し、非常に強い危機感を示しました。
東京都は14日、「モニタリング会議」を開き、専門家は、都内の感染状況と医療提供体制をいずれも最も高い警戒レベルで維持しました。
このうち感染状況について、感染確認の7日間平均が、先週の1029人から今週は1699人になったとして、「これまで経験したことのない速度で増加している」と分析しました。
そのうえで、新たな感染確認の増加比が165%になったと指摘し、「爆発的な感染拡大を疑わせる水準で推移している」と非常に強い危機感を示しました。
165%の増加比のままだと、1日の新たな感染確認が1週間後には1.7倍になり、2週間後には新たな入院患者だけで、都が確保している4000の病床を上回ると見込まれるということです。
専門家は「入院治療と宿泊療養の受け入れの限界を超え、通常の医療もひっ迫し、極めて深刻な感染状況だ。新規陽性者数の増加を徹底的に抑制しなければならない」と述べました。
一方、医療提供体制については「ひっ迫し、通常の救急医療も含めて危機的状況だ。破綻を回避するためには、新規陽性者数を減らし、重症患者数を減少させることが最も重要だ」と指摘しました。
そして、患者の入院の調整について、保健所から都への依頼が、新たな感染確認の急増に伴って、1月6日以降は連日400件を超えていると説明し、翌日以降に調整が繰り越され、待機を余儀なくされる事例が多数生じていることを明らかにしました。
モニタリング会議での分析結果
14日のモニタリング会議の中で示された、都内の感染状況と医療提供体制についての分析結果です。
感染状況
新たな感染の確認は13日時点の7日間の平均が1698.9人で、前の週からおよそ669人増えました。増加比は前の週からおよそ30ポイント増加のおよそ165%となり、専門家は「爆発的な感染拡大を疑わせる水準で推移している」と指摘しました。また「新規陽性者の7日間平均は5週連続で最大値を更新し、この1週間で1万2000人を超えた。現在の増加比のままでいくと、新規陽性者は1週間後には1.7倍の、1日当たりおよそ2803人となる。入院治療と宿泊療養の受け入れの限界を超え、通常の医療もひっ迫し、極めて深刻な感染状況となっており、新規陽性者数の増加を徹底的に抑制しなければならない」と呼びかけました。今週、確認された人を年代別の割合でみると20代が最も多く28.2%でした。
次いで、30代が20.2%、40代が15.6%、50代が12.8%、60代が6.3%、10代が5.7%、70代が4.9%、80代が2.9%、10歳未満が2.4%、90代以上が1%でした。
また、65歳以上の高齢者は前の週より638人増えて1415人と2倍以上になりました。
専門家は「家庭、施設をはじめ、重症化リスクの高い高齢者への感染の機会をあらゆる場面で減らすとともに、基本的な感染予防策を徹底する必要がある」と指摘しました。
そのうえで「高齢者の家庭内感染を防ぐためには、外で活動する家族が感染しないことが最も重要だ。無症状であっても感染リスクがあることに留意する必要がある」と呼びかけています。
一方、感染経路が分かっている人のうち、家庭内での感染は前の週からおよそ10ポイント増え57.2%で、感染経路別では24週連続で最も多くなりました。
年代別にみると、80代以上を除くすべての年代で家庭内感染が最も多くなりました。
80代以上では病院や高齢者施設などの施設内での感染が50.8%と最も多くなりました。
このほか、感染経路が分かっている人のうち、会食が10.8%、職場内は6.9%、施設内は6.3%、夜間営業する接待を伴う飲食店は0.7%でした。
家庭内で感染する人の数が著しく増加するとともに、会食で感染する人も大きく増えました。
専門家は「同居する人からの感染が最も多いのは、職場、施設、会食、接待を伴う飲食店などから家庭内に持ち込まれた結果と考えられる。日常生活の中で感染するリスクが高まっており、テレワーク、時差通勤・通学などの拡充を図り、感染リスクを大幅に減らす必要がある」と指摘しました。
そのうえで「いま一度みずから基本的な感染予防策を徹底する必要がある。特に、不特定多数が集まる場では、外が寒く暖房を入れていてもこまめな換気を徹底する必要がある」と呼びかけました。
このほか、今週は親戚との集まり、大学生の年越しパーティーのほか、特に20代や30代の会食などを通じての感染例が多数報告されていることを明らかにしました。
また「感染の広がりを反映する指標」としている、感染経路の分からない人の7日間平均は13日時点で1096.3人です。
前の週よりおよそ398人増え、これまでで最も多くなりました。
増加比はおよそ157%と高い水準で推移しています。
専門家は「この増加比が2週間続くと今月27日には1日当たりおよそ2702人、来月10日には1日当たりおよそ6659人の感染経路の分からない人が発生することになる」と分析しています。
今週の全体の新規陽性者のうち、感染経路の分からない人の割合はおよそ66%でした。
専門家は「積極的な疫学調査による接触歴の把握が難しくなり、感染経路が分からない人の数とその割合も増加している可能性がある。調査の優先度を踏まえ、作業の効率化を図るなどの取り組みを進めるとともに、保健所への支援が必要である。また、20代から30代で感染経路が分からない人の割合が3週続けて70%を超えていて、感染経路の追跡が困難になりつつある」と指摘し、強い危機感を示しました。
このほか、今月11日までの1週間で確認された新規陽性者のうち16.2%が無症状でした。
専門家は「引き続き、感染機会があった無症状者を含めた集中的な検査などの体制強化が求められる」と指摘しています。
都は都外に住む人がPCR検査のためだ液を都内の医療機関に送り、その後、都内の保健所に陽性の届けが出たケースを除いて分析・評価していますが、今週はこうしたケースが317人いました。
医療提供体制
検査の「陽性率」は13日時点で14.2%と、1週間前の14.4%とほぼ変わりませんが、専門家は「非常に高い値で推移している」と分析しています。
入院患者は13日時点で3266人で、今月6日の時点より176人増えています。
専門家は「入院患者は非常に高い水準で増加が続いていて、医療提供体制がひっ迫し、通常の救急医療なども含めて危機的状況にある」と述べました。
そのうえで「新規陽性者がこのままの比率で増えると、2週間後には新規の入院患者だけで確保した4000床を超える。現時点の入院患者の約半数が入院し続けると仮定すれば、1週間後には入院患者はおよそ4600人、2週間後にはおよそ7000人となり、医療提供体制は破綻の危機に直面する」と指摘しました。
そして「新規感染者の急増に対応する病床を確保するためには、通常の医療をさらに縮小せざるをえない」として強い危機感を示しました。
また入院患者の受け入れ態勢がひっ迫して、受け入れ調整が難航していることを踏まえ「保健所から都に寄せられる入院調整の依頼は年末年始の期間に非常に多い水準で推移し、今月6日以降は連日1日に400件を超え、翌日以降の調整に繰り越したり、待機を余儀なくされたりする例が多数生じている。新規の陽性者を大幅に減少させるために、実効性のある対策を直ちに行う必要がある」と指摘しました。
このほか、自宅で療養している人は13日時点で8414人と、前回より3513人増えていて、専門家は「自宅療養者の急激な増加に伴い、健康観察を行う保健所の業務が急増している」と指摘しました。
また、都の基準で集計した13日時点の重症患者は前回より28人増えて141人でした。
年代別にみると、20代が1人、40代が12人、50代が11人、60代が40人、70代が56人、80代が20人、90代が1人でした。
性別では、男性は108人、女性は33人でした。
専門家は「新規陽性者のおよそ1%が重症化する現状が続けば、今月20日までに新たに発生する重症患者は、およそ196人となり、病床の不足がより顕在化する。重症用の病床の拡大は限界を迎えている」と指摘しました。
そのうえで「重症用病床の確保に向けて、医療機関は予定している手術の制限などを余儀なくされるだけでなく、感染症以外の救命救急医療も困難になってきている。現状の患者動向が継続すれば、新型コロナの重症患者だけでなく、ほかの傷病による重症患者の受け入れが困難になり、多くの命が失われる可能性がある」と危機感を示しました。
一方、今月11日までの1週間で都に報告された亡くなった人は、前の1週間より34人増えて55人でした。このうち41人は70代以上でした。 
 
 

 

●小池知事 緊急事態宣言から1週間「異なるステージ入った」  1/15 
緊急事態宣言の再発令から1週間を迎えた15日、東京都の小池百合子知事は会見を開き、「現在の状況は、これまでとは全く違うんだ、異なるステージに入ったんだと改めて申したい」と危機感を訴えた。
新型コロナウイルスの感染の歯止めがかからず、都内の感染者数は14日に8万人を超えた。
小池氏は「感染拡大を食い止めるためには、もう一段、人流の抑制を徹底していくことが不可欠。ひと言で言えば、ステイホームをお願いしたい」と強調した。  
●都立墨東病院コロナ確認の病棟で新規入院一時停止 1/15 
東京都新型コロナウイルス感染症対策本部は14日、職員らが新型コロナウイルスに感染するケースが相次いでいる都立墨東病院(墨田区、一般719床、精神科36床、感染症10床)について、新たに看護師2人と入院患者3人が新型コロナウイルスに感染したことが判明したと発表した。このうち患者1人が13日に死亡したことも明らかにした。
同病院を巡っては、対策本部が8日、一般病棟の看護師1人と、その病棟の入院患者3人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表。12日にも医師、看護師、患者のそれぞれ1人が新型コロナウイルスに感染したことが判明したと発表していた。医師を除き、いずれも同じ病棟に係わっていた。
対策本部によると、今回感染が判明した5人も同じ病棟に係わっていたり、同室だったりした。濃厚接触者に該当すると考えられる職員23人(医師5人、看護師等16人、診療放射線技師2人)を自宅待機とした。今後の診療については、「感染拡大を防止するため、当該病棟の新規入院患者の受入れを一時停止し、他の病棟で受入れを行う」と説明している。 
●東京都15日のコロナ感染2001人、緊急事態宣言1週間でも減少せず 1/15 
東京都は15日、都内で新たに2001人の新型コロナウイルス陽性者が確認されたと発表した。1日に2000人を超えるのは9日以来6日ぶり。また金曜日としては過去2番目に多い数字となった。また、重症者は前日の135人に対して2人減って133人となっている。
これで1月に入って都内で確認された陽性者の合計は19,624人。また累計では82,069人となった。
11月から顕著となってきた新型コロナウイルスの感染第3波は、感染経路として家庭内での感染がもっとも多くなっているほか、企業や飲食店などでもクラスターが発生し感染拡大防止が難しい状況になっている。
また感染拡大による医療提供体制のひっ迫を受けて自宅療養者と入院・療養等調整中が増加。自宅療養者は8,837人と最多を更新した。
これらの人びとの体調確認などに保健所が忙殺されることで、新規陽性者の感染経路を追い切れず、さらなる新規陽性者が増加するという悪循環が生じている。
小池知事「飲食店への時短要請を休業に強化もあり得る」
こうしたなか、東京都の小池知事は15日午後の定例記者会見で、「1月4日から緊急事態宣言下に入ってちょうど1週間が経ったが、1都3県の感染状況は極めて厳しい状況が続いている。専門家からは医療提供体制がひっ迫し危機的状況にあるということなど厳しい指摘があった。現在の状況はもうこれまでとはまったく異なるステージに入った。これを改めて皆さんに申し上げたい」として、感染対策により一層の協力を求めた。
そのうえで「無症状で感染したことを知らずにあちこち歩いてしまっていた、ということが感染拡大に拍車をかけることになる。若い人でも入院・重症化することもあり、長引く後遺症に悩まされる方もいる。誰もが自分が感染してるかもしれないという意識で行動していただきたい」と語り、不要不急の外出を自粛し、自宅で過ごすことを訴えた。
また、昨年の緊急事態宣言では飲食店以外も含めて休業を要請したことについて触れ、「休業要請は街全体が沈むマイナス点もあるので、そうならないために皆さんに今協力をお願いをしている。ただ休業要請はいろんな選択肢の一つとして『アリ』だと考えている。ただそうならないための今、皆さんへのご協力をお願いするということだ」と述べ、改めて飲食店を対象とした営業時間短縮について理解を求めた。 
●吉村知事、緊急事態宣言の効果を疑問視する声に「効果はつくり出せる」 1/15 
大阪府の吉村洋文知事(45)が15日、府庁で囲み会見に応じ、同府に再発令された緊急事態宣言の効果を疑問視する声に対して「効果はつくり出すべき。つくり出せるものだと思っています」と述べた。
大阪府でも14日、飲食店などに午後8時までの営業時短要請が始まったが、非協力店に客が詰めかけるなど店側の対応にもばらつきがみられている。吉村知事は「府民のみなさまのご協力で、14日以降の感染者の数は変えられる。ご協力をいろんな場面でお願いしていく」と訴えた。
営業時短要請など、緊急事態宣言下の措置について「人との接触であったり、お酒飲んでワーワーする場面であったりとか、期間集中で抑えていきましょうっていうのを2月までの期間、定めたわけですから。僕からも徹底的にお願いしていきたい」として、府民に一致団結を求めた。
8日から緊急事態宣言が発令された東京など1都3県や、大阪府の新規感染者数は高止まりしたまま。吉村知事は「おのずと効果はついてくると思っています」と強調した。 
●緊急事態、7府県追加 甘い見通し許されない 1/15 
新型コロナウイルスの感染拡大にブレーキがかからない。政府は、特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象地域に7府県を追加した。エリア拡大に菅義偉首相は一貫して否定的だったが、関西圏、中部圏、福岡県を加えざるを得なくなった。
それほど医療崩壊の危機感は増している。全国の感染者は3週間で10万人増え、累計で30万人を突破。重症者も900人を超え、過去最高を更新した。
陽性と分かっても入院先や宿泊療養先が決まらない人も急増中だ。政府に助言する専門家組織によると、今月3〜9日で計6千人と前の週の倍になった。
大阪府のまとめでは、一般病床に居たまま亡くなった人の数は、重症病床で亡くなった人の3倍。軽症でも安心できない。
感染者の急増は医療体制全体も揺さぶっている。急病人らの搬送先がすぐ決まらないことが今月4〜10日、全国で2707件あった。1カ月前の倍。集計した総務省消防庁は、病床逼迫(ひっぱく)で通常の医療に十分対応できなくなっていると分析している。
こうした状況を政府はどこまで把握しているのか。後手後手の対策しか打ち出せないのは、現状認識の甘さと危機感の乏しさの表れと言えよう。
菅氏の会見でも認識不足がうかがえた。7府県追加の理由を「全国への感染拡大を防ぐためだ」と説明した。しかし感染は既に広がっている。新たな対策を講じても効果が出るまで約2週間かかる。状況が深刻になってからの対策では遅すぎる。
乏しい危機感は、菅氏の率いる自民党にも共通する。党幹事長も務めた石破茂衆院議員(鳥取1区)が先週、大人数の会食に参加していた。これでは危機意識は国民には届くまい。ましてや行動を変えてもらうなど到底期待できない。
前言撤回も目立つ。大阪府について、菅氏は飲食店の営業時間短縮効果により感染者が減ったとの認識を示すなど「優等生」扱いしてきた。宣言発令にも否定的だった。
11カ国・地域とのビジネス往来も一時停止にするという。これまでは問題ないとしていたが、急に方針転換した。会食とりわけ夜の飲食を問題視してきたが、ここに来て日中も駄目だと強調し始めた。どれも、泥縄式に対策を小出しにしているとしか見えない。なぜ最初から他人との接触を徹底的に減らそうと、呼び掛けなかったのか。
見通しが甘いどころか、先々を見ようともしていないようだ。民放の番組で先日、宣言の延長や拡大の可能性を問われ、「仮定のことは考えない」と答えていた。最悪の事態も含め、さまざまな想定をした上で、どんな場合にも対応できるようにしておく―。それが危機管理の基本ではないか。安易な楽観や決めつけを排し、万全な備えを心掛ける。そうしないと、この危機は乗り越えられまい。
国民が納得できる説明をするには、科学的なデータや客観的な基準に沿った対策が欠かせない。菅氏は、根本からコロナ対策を考え直すべきである。
中国地方も、首都圏や関西圏のような危機的状況に陥らないとは限らない。広島県は集中対策を来月7日まで再延長する。私たちも命や健康、地域の医療体制を守るため、危機感をさらに強めなければならない。 
●緊急事態宣言の経済損失試算が大きく違うわけ 1/15 
政府は新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、「緊急事態宣言」を再発出した。対象地域は当初、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県に限定されたが、足元では11都府県に拡大された。期限は1月8日から2月7日までだ。前回、2020年4〜5月に「緊急事態宣言」が発出された際には、同年4〜6月期の個人消費が前期比マイナス8.3%となり、実質GDP(国内総生産)も同じく前期比マイナス8.3%となった。金額にすれば、それぞれマイナス6.1兆円、マイナス11.3兆円となった。
1都3県までの段階ですでに、今回の「再緊急事態宣言」が及ぼす経済損失について、多くのシンクタンクやエコノミストが試算を発表している。そして、各社の試算値の報道をみて、筆者は「かなりバラつきが大きいな」と感じた。筆者は各社の試算をすべて把握しているわけではないが、損失額は大きいほうで3兆円台(年度の成長率への押し下げ効果はマイナス0.7%ポイント程度)、小さいものだと数千億円(仮に5000憶円とすれば、同マイナス0.1%ポイント程度)である。これでは、経済への影響は大きいとも小さいとも言い難い。
そこで、なぜ今回の「再緊急事態宣言」の経済損失にはこれほどばらつきが出るのかを今回のコラムでは考察したい。結論を先に述べると、「人々の行動変化(自粛の強さ)を予想することが困難」であることや、一方で、「自粛が限定的となれば、『緊急事態宣言』の延長されるリスクが高まり、それによってさまざまな『波及効果』を考慮せざるをえない」という難しさがある。
自粛の範囲と期間とにトレードオフの関係
限定的な「自粛」は経済活動をそれほど抑制しない可能性がある一方、長引けば経済へのダメージはじわじわと大きくなる。そして、ここにはトレードオフの関係(自粛が弱ければ期間は長くなる)があると予想され、経済パスを予想することは一段と困難である。人々の「心理面」の変化と未知のウイルスの感染動向をエコノミストが予想するのには限界があると言わざるをえない。
限界があると認識しながらも、筆者もエコノミストとして、すでに所属先から「再緊急事態宣言」の影響についてレポートを出している。その際に基準とした試算は下記である。
前回の「緊急事態宣言」時(4月7日〜5月25日)とほぼ一致する2020年4〜5月の2カ月間の個人消費の減少率を確認すると、季節調整済み月平均で比較して、同年1〜3月期のマイナス9.0%だった。
この結果を勘案し、下記のように今回の「再緊急事態宣言」の影響を試算すると約1.4兆円の消費減と見積もることができる。
「月次の個人消費」(約25.3兆円)×「前回緊急事態宣言時の消費減少率」(9.0%)×「1都10県経済の全国比」(59.7%)= 約1.4兆円
ただし、前回の「緊急事態宣言」の例を単純に当てはめることは正しくないだろう。前回とは前提が異なる点も少なくない。筆者は少なくとも考慮すべき前提の変化が3つあると考えている。この3つを考慮すると、「経済損失」は上記の3分の1以下の約マイナス0.5兆円にまで影響は縮まるとみている。
3つの変化が前回よりも影響を小さくする
ポイント1:人々の移動を抑制していた「恐怖心」はかなり軽減されている
1つ目は、人々の行動を抑制していた「恐怖心」(行動経済学的なバイアス)が、かなり軽減されている点である。この点に関して、5日の朝日新聞は東京大学経済学部の渡辺努教授らの研究を紹介している。渡辺教授らの研究によると前回の「緊急事態宣言」による外出抑制効果は約8%にすぎず、増加する感染者や死者数の情報から得る恐怖心による効果のほうが大きかったという。渡辺教授は「恐怖心は春をピークに弱まっている。今や若い世代の大半は恐怖心を持っていない」などと指摘しているという。
筆者も、2020年12月26日のコラム『コロナ「第3波」、行動への影響は統計的に「ゼロ」』にて、感染「第1波」から足元の「第3波」までの時間の経過の中で「感染者数の変化」と人々の行動データ(Googleのモビリティーデータ)の相関関係が薄れていることを示し、足元では「人々は日々の『感染者数』のヘッドラインにより行動を変化させることが極めて少なくなった」とした。
これは、人々の「マインドセット」の変化によってもたらされている可能性が高い。具体的には、感染のリスクを過剰に解釈してしまう「損失回避」のバイアスと、ウイルスに関する情報の不足によって悪い情報を過剰に重視してしまう「利用可能性ヒューリスティック」のバイアスが、徐々に解消されてきたことが大きいだろう。
12月26日のコラムで示した筆者の推計では、感染「第1波」にレストラン・ショッピングセンターの利用がマイナス30%となった要因のうち、「緊急事態宣言」による直接の影響はマイナス20%だった。残りのマイナス10%は「恐怖心」や「損失回避」などのバイアスによるものだったとみられる。したがって、「再緊急事態宣言」による行動の抑制効果は前回の約3分の2にとどまるだろう。
ポイント2:今回は制限の対象が「飲食店」に限られる
今回の「緊急事態宣言」では、営業制限の対象が「飲食店」に限られる。Googleの移動データによると、前回の「緊急事態宣言」は「食料品市場、ドラッグストア等」や「国立公園、公共ビーチ等」の利用も減少させたが、今回はこれらの利用が制限されることはあまりないだろう。
個人消費における「一般外食」の比率はコロナ前(2019年平均)でも約4.0%にとどまる点を考慮すれば、影響は一段と限定的となるだろう。
ポイント3:すでに人々は「新しい行動様式」に対応している
前回の「緊急事態宣言」が個人消費に与える影響が大きかった理由として、人々が突如として強制的に「新しい生活様式」に対応せざるを得なかった面がある。
外食を減らして自炊をしたり、移動は自転車を使ったり、休暇は近所で過ごすようになったといった変化が急に生じた影響は大きかった。この点について、今回の「再緊急事態宣言」では「慣れ」や「経験」が影響を小さくするだろう。
不要不急支出はなかなか回復しない
筆者は2020年6月12日のコラム『消費を「不要不急」と「必要」に分けて調べてみた』にて、家計調査の502品目を独自に分類し、「不要不急支出」(代替・先送りされやすい品目)と「必要支出」(代替・先送りされにくい品目)を作成した。
足元のこれらの推移を見ると、「不要不急支出」は大幅に減少した後、足元では回復傾向にあるものの、依然としてコロナ前の水準を10%程度下回っている。一方で、「必要支出」はコロナ後に増えたまま高水準を維持している。これは、人々が感染「第1波」や「第2波」を経て、すでに「新しい生活様式」を定着させている可能性が高いことを示している。
このような状況では、新たに「再緊急事態宣言」が発出されたとしても、消費行動はそれほど変わらない可能性が高く、つまり、変化の余地は大きくない。「再緊急事態宣言」の影響を考える際には、この点も割り引いて考える必要がある。具体的には、昨年末と比べると、足元で回復した「不要不急支出」はボトムから半分程度であるため、「再緊急事態宣言」の影響は最大でも前回の半分程度と考えられる。
「再緊急事態宣言」について、前回の「緊急事態宣言」と比較した場合の3つの前提の変化を考慮すると、「経済損失」は前述のシンプルな試算からはかなり小さくなる可能性がある。
まとめると、「ポイント1:人々の移動を抑制していた『恐怖心』はかなり軽減されている」によって影響は3分の2に縮小すると考えられるうえに、「ポイント3:すでに人々は『新しい行動様式』に対応している」ことによって影響は2分の1になると予想できるため、少なくとも個人消費の減少は前回の3分の1(=2/3×1/2)程度と見積もることができるだろう。金額で言えばマイナス0.5兆円(マイナス1.4兆円×1/3)となる。
延長されれば「数兆円の損失」が現実に
ただし、この試算は、「再緊急事態宣言」の対象が「1都10県」で期間が「1カ月」にとどまるという仮定を置いている。そのため、個人消費の減少による「個人消費以外への波及効果」を考慮していない点には留意が必要である。
冒頭で述べたように、筆者は各社の試算結果をすべて把握しているわけではないが、「経済損失は数兆円規模」とされている試算は多かれ少なかれ「波及効果」を損失に含めているのだろう。
例えば、個人消費が減少すれば、企業業績の悪化が予想され、関連業種の労働者の賃金が減少することは想像に難くない。その場合、「緊急事態宣言」が解除された後の以降の個人消費も抑制されるだろう。次年度まで影響を考えれば、企業が業績悪化によって設備投資を抑制する可能性もあるだろう。これらの「波及効果」は多数の数式を用いたマクロ経済モデルなどで試算することができる。
しかし、どのようなタイムラインで「波及効果」が出てくるのかどうかを予想することは困難であるだけでなく、「緊急事態宣言」の期間がどの程度延長されるのかも予想しがたい。さらに、「緊急事態宣言」が延長されるということは「自粛が弱い」ことが前提となっている可能性も考えると、経済のパスはさらに複雑化する。
さまざまな試算結果はある程度幅を持ってみる必要があるだろう。そして、「再緊急事態宣言」が経済に与える影響は、人々の行動変化と感染「第3波」の収束状況を丁寧にウォッチしていく必要がある。 
●緊急事態宣言も望み薄か、コロナ感染爆発を食い止める「現実的な行動」 1/15 
グーグルAIの予測が変化 「コロナ陽性者は増え続ける」
直近のグーグルのAIの「新型コロナ感染予測」によれば、これから28日間について、「2月6日まで新規陽性者数はひたすら増え続け1日1万人を超えるようになる」のだそうです。先週は同じAIが「緊急事態宣言発令を受けて、陽性者数が1月下旬に減少に転じる」と予測していましたが、判断を変えたようです。
AIがどう考えているのか、中身はブラックボックスなので人間にはわかりません。ただ想像するに、この1週間でグーグルのAIはGPS情報のビッグデータなどをもとに「緊急事態宣言だけでは新型コロナの第3波は抑え込めない」と判断したのではないでしょうか。
街の声からも不安が感じ取れます。飲食店の営業時間が20時までに制限される一方で、街の風景はそれ以外、大きくは変わっていません。「そもそも時間で区切ることで効果が出るわけではないだろう」という意見は、「休日昼間の繁華街で人出が宣言前よりも増加している」といった報道に触れると、もっともな主張に思えます。
この点に関しては色々な政治家が色々なことを言っており、結果として国民が混乱しています。具体的に言えば、緊急事態宣言下の都府県では「20時以降の外出の自粛」が当初唱えられていましたが、これは若者を含めてかなり徹底されていたわけです。
そこにあとから「誤解がある」「昼食はリスクが低いということではない」と、当初の呼びかけを否定するようなコメントも出てきました。自粛の効果を上げるためには国民が自粛期間に何をすべきかを指示することこそが重要なのですが、そこが混乱しています。
著書『日本経済予言の書』でも述べましたが、この冬の緊急事態宣言は日本経済にとって昨年以上に重要な局面です。普通の対策では自粛が昨年以上に長期化し、そうなればぎりぎりで持ちこたえている中小企業の連鎖破綻が起きる可能性がある。そうならないために、コロナを早期かつ確実に収束させる「現実的な行動」を打ち出す必要があります。
では、効果を期待できる指示は何かというと、昨年のコロナ流行時において明らかに効果が認められたものは、以下のような行動でしょう。
   (1)マスクの着用
   (2)ソーシャルディスタンスという概念の導入
   (3)手洗い、うがいの励行
「3密を避ける」という言葉もわかりやすかったと思います。
マスク、手洗い、うがいの他に さらにとるべき行動とは
そして現在の問題は、この3つの行動が徹底されているにもかかわらず、第3波が本格化してきたことで、「従来の行動に加えてさらに効果がある行動をとらなければいけない」ということです。本稿では、それが何なのかを探っていきたいと思います。
私は医学の専門家ではないので、本稿の前提として、医学の観点ではなく人間行動学の観点からその「効果がある行動」をお話したいことを、先にお断りしておきます。その違いは、昨年起きた「マスク論争」を思い起こしてもらえるとわかります。
医学の観点では、市販の不織布マスクには新型コロナから自分の身を守る効果は期待できないそうです。ウイルスが網目よりずっと小さいからです。しかし、人間行動学の観点では、皆がマスクをすれば新型コロナの拡大は一定数防げます。理由は、不織布マスクには他人に飛ぶ飛沫を減らせるメリットがあるし、マスクをすることで手に付いたウイルスを無意識に口に運ぶことを防げるからです。
今求められるのは、これと同じ考え方です。たとえ医学的に厳密ではなくても、効果がありそうな社会的な施策は存在します。先ほど挙げた3つの習慣もそうだし、東京都知事が広めた「3密」や「5つの小」は、人間の行動を変えることでコロナを収束させる効果が期待できました。
もし医学的に新型コロナの拡大を封じ込めようとしたら、完全に都市をロックダウンするしかないわけです。しかし、それをやりたくないため、日本政府は学校にも公共交通機関にも昼間の商業施設にも営業や運営を容認しています。それが前提となっているわけなので、従来の取り組みに「何か簡単に実行できる新しい習慣」をもう1つ加えることで、より効果を導き出せないか。私たちはそこを考えるべきだと思います。
では、ある程度自粛生活をしながら、新型コロナから身を守るにはどうすればいいでしょうか。ここで感染者との接触確率を考えてみます。冒頭のグーグルのAIの予測を前提に考えると、これからの1カ月間で予測される新規の陽性患者数は、約23万人とされています。これまでの1年間の累計感染者数が30万人ですから、それにほぼ匹敵する数字です。
とすると、自分の目の前に座っている人が新型コロナ感染者である確率はどれくらいでしょうか。23万人を日本の人口で割ると、確率は約0.2%と計算されます。言い換えると500人に1人。自分のとる行動が打ち合わせだとしても、会食だとしても、レジでのやりとりだとしても、混雑した電車に乗ることだったとしても、リスクは同じ確率です。
数字的には微妙に現実的な怖さを感じる一方で、500人のうち499人はセーフです。つまり今年の第3波の流行では、感染者との接触確率は昨年よりもかなり高くなった一方で、それでもなかなか当たらないロシアンルーレットのような状態だという、微妙な線なのです。
自分が他人にうつす確率を減らすための行動は、まだ残っている
そうした前提で「接触については自粛できるだけ自粛し、これまでの新しい生活習慣を継続したうえで、それ以外に感染確率を減らす方法はないだろうか」という点について考えてみましょう。
この問題を考えていくと、先ほどの「マスク論議」と同じ構造であることに気づきます。つまり、自分が感染する確率はこれ以上減らせないものの、自分が他人にうつす確率を減らすための行動がまだ残っているようです。
繰り返しますが、これは医学的な見地からは決して厳密な提言ではありません。あくまで人間行動学的に効果がありそうだという意味です。自分が他人に新型コロナをうつす確率を減らす方法は、新しいマナーとして、次の行動を新たに加えるというものです。
   (1)発熱したら周囲に宣言する
   (2)発熱宣言をした人と過去2日以内に接触した人は、
     今日を含め3日間外出を自粛する
特に(2)が、自分が他人に新型コロナをうつしてしまうリスクを減らすカギです。
これはいくつかの点で、医学的な見地からの提言とは異質なものです。現在の医学的な提言では、新型コロナウイルスの陽性が判明した人を基準として、その陽性者が発症する2日前までに接触者した人を「濃厚接触者」と定義し、強い行動の自粛を求めています。そこに私の提案を採用すると、濃厚接触者よりも広い範囲に自粛を広げることになります。
一方で、接触から自粛終了まで合計5日程度ということは、コロナの最大潜伏期間である14日間よりもずっと短い。つまり、完璧からはほど遠い提案ということになります。しかしこの設定は、社会学的に意味があると私は考えています。
松村邦洋さんのケースで考える コロナ感染が最も危険な時期
この行動の意義を説明するために、昨年末に新型コロナに感染したタレントの松村邦洋さんの体験談を例にとってお話しします。松村さんは12月26日の朝に38.4度の発熱をして、病院にいきました。病院に着くころには熱は36度まで下がり、抗原検査についても陰性だったそうです。
その後平熱のまま仕事を続けますが、28日に舞台の稽古のために受けたPCR検査で29日に陽性の連絡を受けます。咳と痰が増えて呼吸が苦しくなったのは、30日からだそうです。
さて、この松村さんのケースでは、発症と定義されるのは実は26日だそうです。そしてここが新型コロナの怖ろしい点ですが、研究によれば他人に感染させる力は発症の2日前から強まり、しかも発症前のほうが感染力が高く、PCR検査で陽性が判明する頃にはそれがかなり下がっているというのです。
つまり松村さんのケースの場合、12月24日頃からの数日間が最も他人にコロナを感染させる可能性が高かった時期なのですが、本人はまだこの時点では自分が新型コロナに感染しているとは知らないまま、29日まで行動しているわけです。
新型コロナは多くの場合、発症日の段階では症状が風邪と区別がつきません。熱が出て「やばいな」と思ったら、比較的すぐに熱がひいたりする。それで数日様子を見ていると、また熱が上がり、そこから症状が悪化していく。松村さんと同い歳で、残念ながら新型コロナで亡くなってしまった羽田雄一郎・参議院議員のケースでも、初期症状は同じでした。
これらのケースから私たち一般人が知っておくべきことは、コロナの新規陽性者は陽性が判明する数日前に風邪の初期症状を示す、という事実です。風邪の諸症状には咳、喉の腫れなどいろいろありますが、新型コロナ感染者の9割近くが共通して体験している風邪症状が発熱だといいます。
発熱したらすぐに宣言する そして3日間、自粛する
そこから考えれば、自分が他人に新型コロナをうつさないためにできることは、発熱したらすぐ周囲に宣言することではないでしょうか。
私の日常でも「熱が出たので今日のアポイントをキャンセルさせてほしい」という相談が実際にあります。当然ですが、その申し出は歓迎です。こちらとしては、発熱を内緒にしてアポを優先してほしくはないわけです。
そして、発熱を宣言した人が周囲にいて、かつ自分がその人に過去2日以内に接触していたら、その場合は自分も今日から3日間、外出せずに自粛することを社会のマナーとして広めるというのが、私のアイデアです。医学的には新型コロナは最長で14日間潜伏する可能性がありますが、多くのケースでは感染から5日以内に発症します。
発熱がなくても発熱するかもしれないと考え、マナーとして仕事を休む期間として考えると、3日間ならかなり多くの人が実行可能な範囲に含まれるのではないでしょうか。もし感染していた場合、その間が一番他人にうつしやすい時期であるという前提を考慮すれば、陽性判明段階ではなく発熱した段階で自分以外に周囲にも行動自粛を促すのは、社会学的に意味のある行動です。
ここで注意していただきたいのは、この私案のガイドラインは医学的に厳密ではないけれども、社会学的には効果があるかもしれない、という範囲の提案だということです。そもそも、3密もソーシャルディスタンスもその意味では同じで、厳密ではなくともこれまでのコロナの予防にはそれなりに効果がありました。今、新たな局面で求められているのは、それらと同じ意味での社会学的な行動指針なのだと私は思います。
いかがでしょうか。「発熱をしたら宣言する」「その人と接触があったら自分も3日自粛する」ということは、政府の言う「できる限りの自粛を強くお願いする」ということよりも何をすればいいかわかりやすいうえに、「全面的に自粛する」という対策よりも社会として導入しやすい、新しいマナーだと思うのです。
ただ問題としては、これを表すいいキャッチコピーが思い浮かばないこと。小池知事あたりが何かいい言葉を考案してくれるといいのですが、どうでしょう。 
●緊急事態宣言、茨城も秒読み? ステージ4超える  1/15 
新型コロナウイルスの感染拡大が県内でも止まらない。政府は新型コロナ特別措置法に基づく緊急事態宣言を、本県に隣接する埼玉、千葉、栃木県を含む十一都府県に発令した。県は、宣言を政府に要請する際の基準として、病床に対する入院者数の割合を示す病床使用率を挙げる。まだ増床の余地があり基準は超えていないが、使用率が徐々に上がっており、緊急事態宣言は近づいている。
「そんなに先でない時期に、緊急事態宣言の要請を検討せざるを得ないのではないか」 大井川和彦知事は十四日の記者会見で、そう危機感を示した。県は二十日までの期間、県内全域で外出自粛を求めるとともに、「感染拡大市町村」に指定した二十八市町村の全飲食店(約七千八百十事業所)に午後八時〜翌午前五時の営業自粛を要請中だ。だが、十四日も百人を超える新規感染が判明。知事は「率直に申し上げて、まだ期待された効果は表れていない」と歯がみする。
政府は八日、東京、埼玉、千葉、神奈川の四都県を対象に緊急事態宣言を発令し、十三日には栃木県など七府県を追加。西村康稔・新型コロナ対策担当相は十四日、対象地域をさらに広げる可能性もあり得るとの認識を示した。県が宣言を要請する判断基準として重視しているのは「病床使用率」だ。県内で現在確保済みのベッドは四百十床(重症者用五十六床)で、十四日時点の入院者は二百四十七人になった。県によると、一月中には五百床(重症者用七十床)まで拡充できる見通しで、さらに七十〜八十床を追加確保する準備に着手している。「五百床」を分母にした直近一週間の平均使用率は54・2%。県は、これが60%(三百床)を超えた段階で宣言要請の検討に入る方針だ。余裕はなくなってきている。
仮に本県が緊急事態宣言の対象に追加された場合、何か新しい対策が講じられることになるのか。宣言対象の十一都府県では、時短営業に応じた店舗に一日当たり六万円の協力金が支払われる。一方、菅義偉首相は十三日、宣言対象地域以外でも一日当たり六万円にすると発表。県が支払う協力金は現在、一日当たり四万円だが、これにより宣言の発令前でも六万円に引き上げられることになる。大井川知事は、時短営業を要請している飲食店以外の業種に対し、より弱い「働き掛け」を実施する可能性には触れたものの、「(対策の)中身自体が大きく変わることはないと思う」と指摘。その上で「皆さんへのアナウンス効果、危機感を醸成する意味は大きい」と強調した。  
●新型コロナ、茨城県が独自の緊急事態宣言発令へ 1/15 
茨城県の大井川和彦知事は15日夕、臨時会見し、新型コロナウイルス感染者が県内で急速に拡大し、県の判断指標が初めてステージ4に入ったことなどを受けて、県独自の緊急事態宣言を県内全域に発令すると発表した。期間は18日から来月7日まで。
県内全域で不要不急の外出・移動の自粛を求めるほか、県内の全飲食店に対し午後8時から午前5時までの営業自粛を求める。酒類の提供は午後7時までとする。県有施設については、県立図書館を除いて全て休館し、宿泊施設は新規予約の受け付けを中止する。
大井川知事は県独自の緊急事態宣言発令について、「このままのペースで感染者が増えると、コロナ病床の稼働が20日に300床を超え、24日には稼働率が9割に達してしまう」などと、医療崩壊を防ぐための措置であると説明した。
---独自の緊急事態措置(対策)の内容---
県内の不要不急の外出自粛(継続)
・県内全域において、不要不急の外出・移動の自粛を要請
営業時間短縮要請等(拡充)
・県内すべての飲食店に対し、午後8時から午前5時まで営業自粛(酒類の提供は午後7時まで)を要請
※テイクアウトとデリバリーは午後8時以降も営業可
催物(イベント等)開催制限(新規)
・イベントを開催する場合は、人数上限5,000人、かつ、収容率50%以下とすることを要請
※COCOA、いばらきアマビエちゃん普及促進
他都道府県との不要不急の往来自粛等(継続)
・緊急事態宣言が発令されている都道府県との不要不急の往来自粛を要請
・直近1週間の陽性者が人口10万人あたり15人を超える都道府県との往来
(通勤・通学含む)の際は、感染症対策を徹底するなど特に注意するよう要請
出勤者数の削減(継続)
・テレワークを積極的に活用し、可能な限り出勤職員数を削減することを要請
・混雑緩和のため時差出勤の活用を要請
部活動の制限(新規)
・大会は、主催団体に延期又は中止を要請
・県立学校は、他校との練習試合、合宿等は中止
・その他の公立学校及び私立学校は、他校との練習試合、合宿等の中止を要請
※感染症対策を徹底し、自校のみの活動
県有施設の営業自粛(新規)
・県有施設については、県立図書館を除いてすべて休館
・宿泊施設は、新規予約受付を中止
社会福祉施設従業員の検査(継続)
・福祉施設におけるクラスター発生の可能性を低減するため、従事者に対する緊急検査を実施 
●頭抱える大分の観光 福岡の緊急事態宣言 1/15 
新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言の対象地域に大分県の隣県の福岡県が追加された。頻繁に人が往来し経済の結び付きも強い県境地域では14日、今後の影響を不安視する声が聞かれた。
日田市の老舗ホテル「亀山亭ホテル」はコロナ禍で客が減る中、年末年始の客室稼働率は何とか約5割で踏みとどまった。福岡県からの宿泊客も徐々に増えていただけに、「Go To トラベル」の一時停止に続いて冷や水を浴びせられた格好。諌山寿明社長(63)は「福岡(の追加)は本当に痛い。従業員を休ませるしかないのか…」と頭を抱えた。
人気観光地の鯛生金山(同市中津江村)の来場者は福岡、熊本県からが9割。両県からアクセスがよく天気のよい日は、ツーリング客でにぎわう。熊本県は独自の緊急事態宣言を出し、頼みの綱の2県の動向が気になる松尾裕次所長(60)は「移動の自粛が本格化すればいよいよ厳しくなる」と表情を曇らせた。
一方で影響は限定的とする見方も。日田市の高校に福岡県久留米市から通う守屋和奏(わかな)さん(18)は「宣言が出ても生活は変わらない」ときっぱり。中津市のイオンモール三光の担当者は「1回目の緊急事態宣言以降、安全で安心して買い物ができる環境に努めてきた。それだけに影響は少ないのではないか」とみている。
従業員約3700人が働く同市のダイハツ九州は福岡県から通勤する人もいるが、製造業はテレワークできず従来通り操業している。今後もマスク着用や不要不急の外出や出張の取りやめ、会食の自粛などコロナ対策を続ける方針だ。
中津市は14日、コロナで影響を受けた中小企業などへの追加支援策を発表した。奥塚正典市長は「“仲間”の福岡県と感染防止を図り、影響を最小限にとどめたい」と力を込めた。 
●緊急事態再び、支援策急ぐ 協力金669億円計上へ 福岡県 1/15
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため福岡県にも2回目の緊急事態宣言が出されたことを受け、県は13日夜、宣言の対象となった他の都府県と同様、不要不急の外出自粛や飲食店の午後8時までの営業時間短縮、出勤者の7割削減などを求めると発表した。県内全域が対象で、2月7日まで。飲食店への要請は1月16日からで、協力金を給付するための補正予算案を15日開会の臨時県議会に提出する。
補正予算案は総額669億1千万円。時短営業への協力金として1日6万円を支払う。支給対象は約4万8千店。財源は国の臨時交付金をあてる。要請期間の終了後に申請の受け付けを始める予定だが、詳細は検討中。
12日現在の県内の感染者は、再陽性を含み累計1万1757人。このうち133人(1・1%)が亡くなっている。感染者の居住地別では福岡地域が約7割を占め、中でも福岡市が全体の55%と突出している。年代別では20代が3140人(27%)と最多で、次が30代の1883人(16%)。40、50、60代もそれぞれ千人を超える。夏の「第2波」は20、30代が中心だったが、今冬は20〜50代に広く感染がみられるという。
県はコロナ患者の急増を受け、専用病床を10床増やし、計620床とした。軽傷・無症状者の宿泊療養施設は、15日から5施設の計1194室となる。
小川洋知事は13日夜、臨時会見を開き、「感染拡大に歯止めをかけたい」として、県民に理解と協力を求めた。主な一問一答は以下の通り。
――対策の一番の狙いは
医療提供の維持確保を中心に据え、社会経済活動への影響を最小限に抑えようと一生懸命取り組んできたが、残念ながら感染拡大に歯止めがかからない状況。これまで協力いただいた県民、事業者に改めてお願いするのは心苦しいが、とりわけ終日の不要不急の外出自粛、飲食店の営業時間の短縮をお願いしたい。
――営業自粛要請はピンポイントで飲食店が対象
短期集中的に実効性をあげ、一方で経済もにらみながら対象を絞ってやると(宣言で)示されている。
――これまでステージ3(感染急増)にも該当しないという認識を示してきたが、ステージ4(感染爆発)との認識か
かろうじて(ステージ2「感染漸増」を)保っているかなと思っていたが、歯止めがかからず、ステージ4にあたっている部分がある。国としては4にあたるという判断で、我々もその判断をしっかり受け止め、脱却を図りたい。
――飲食店に県独自の支援策をつくる考えは
これまでやってきた家賃の上乗せはある。そういったものを除けば、今回県単独でということはない。
――県の観光キャンペーン「福岡の避密の旅」はどう扱うか
宣言期間中の利用は自粛をお願いしたい。 
●知事、往来自粛を強く要請 福岡の緊急事態宣言対象で 1/15
新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言の対象区域に福岡県が追加されたことを受けて、九州地方知事会は14日、臨時のウェブ会議を開いた。山口県の村岡嗣政知事は「福岡県とは1日に1万人の往来がある。不要不急の往来自粛を(県民に)強くお願いする」と発言した。
通勤や通学で往来する県民については「どうしても必要なものは感染防止対策に気をつけていただくことをお願いしたい」と発言した。県内の感染状況については「日々、感染者が十数人という状況が続いている。感染が全国で広がっている状況で、山口県でも拡大するのではと懸念している」と述べた。
熊本、宮崎両県は独自の緊急事態宣言を発出した。会議後、取材に応じた村岡知事は両県への移動についても「ぜひ控えてほしい」と話した。広島県への移動については「感染状況は一時に比べれば少ない。状況を見ながら慎重に判断していただきたい」と述べた。
県独自の緊急事態宣言の発出については「接触者の調査で感染の広がりを封じ込めている状態。行動を制約したりする状況ではない」と述べ、現時点では不要との見方を示した。
下関市の前田晋太郎市長は14日、記者会見し「福岡県への不要不急の往来を控えて」と呼びかけた。
160人近い市職員が北九州市から通勤するなど生活圏が一体化していることもあり、昨年5月に北九州市で新型コロナの感染者が急増した際は市立水族館「海響館」の休館延長などを決めた。今回は「情報と知識を得てきた。必要以上に動きを止めて経済が圧迫されるのが怖い」として、公共施設の休館などの措置はとらない方針。使っている病床の割合は14日時点で19%弱。この割合が25%に達した段階で新たな対策を打ち出していくという。 
●緊急事態宣言地域への「往来自粛を」 鳥取県知事が呼びかけ 1/15
首都圏の4都県に加え、関西などの7府県に緊急事態宣言が拡大されたことを受け、平井伸治知事は14日、宣言地域との往来を自粛するよう県民に呼びかけた。ただし、兵庫県の一部地域については、自粛のレベルを緩和する。同日の定例会見で説明した。
宣言が出された11都府県について、平日・休日を問わず可能な限りの往来を控えるよう求めた。なお、鳥取県東部と生活圏が近い兵庫県新温泉町、香美町は、通勤、通学、生活用品の買い物など、不要不急を除く行き来は例外として許容する。
また、年末から県内でも感染者が急増し、山陽地域に関連する感染者も目立つことから岡山県、広島県についても不要不急の往来は控えてほしいとした。平井知事は「全国どこも感染が広がっている。緊急事態宣言の期間に抑制がはかられるよう、どうかご協力いただきたい」と話す。
期間中に予定していた宣言地域や宣言地域からの参加が見込まれる県主催のイベントについては、原則として延期・中止にする。 
●緊急事態対象11都府県への往来自粛要請 対策本部会議 島根 1/15
新型コロナウイルスの緊急事態宣言が、首都圏の1都3県に加え、関西や東海などの7府県に拡大されたことを受けて、県は14日、対策本部会議を開いた。県民に対し、宣言が出されている11都府県への往来を自粛するよう求めた。
7日に宣言が出された首都圏の1都3県に加え、新たに往来の自粛を要請するのは大阪、京都、兵庫、愛知、岐阜、福岡、栃木の7府県。
県は、首都圏の1都3県で感染経路を追う保健所の調査対象が限定的になったり、限定的にすることが検討されていたりするとして、7府県より強く往来の自粛を求めた。
丸山達也知事は「1都3県は保健所の重要な機能を縮小せざるを得ない機能不全の状況だ」と危機感を示した上で、受験やビジネス、家族の危篤など、往来を先延ばしできないもの以外は宣言の解除後に予定を延期するよう求めた。
このほか、熊本県や札幌市など、自治体による不要不急の外出自粛要請が出ている地域への往来を慎重に判断すること▽県外の人との飲食を控えることなどを改めて求めた。
丸山知事は往来自粛の対象地域について「政府の緊急事態宣言をなぞるだけでなく、今後各地域の感染状況を踏まえ、県としてオリジナルの判断をする必要がある」と話した。 
●緊急事態11都府県への「往来自粛を」 徳島県知事 1/15
新型コロナウイルスの緊急事態宣言の対象地域が大阪、兵庫などを含む11都府県に拡大されたのを受け、徳島県が13日夜に開いた対策本部会議で、飯泉嘉門知事は県民に対し、宣言期間中の11都府県への不要不急の往来自粛を求めた。一方で、受験などやむを得ない事情で対象地域へ出かける場合は感染予防を徹底するよう呼びかけた。
会議では年末以降、県外から訪れた人との接触や県外へ出かけた人を起点にした感染事例が相次いでいることが報告された。今月に入り、徳島市の高齢者施設でクラスター(感染者集団)が発生したことから、県内の各施設に対し、発熱などの症状がある高齢者や職員の検査の徹底など重点的な対策を講じることを決めた。
飯泉知事は会議後の記者会見で、「とくしまアラート」の発動や緊急事態宣言の発出要請について、県内の感染状況を示す指標から「今はその段階ではない」と説明。ただ、病床のひっぱく具合や感染経路不明者の割合が急激に高まれば、「強い措置を求めることになる」と述べた。 
●沖縄コロナ感染、週800人予測 拡大続けば「緊急宣言の要請も」 1/15
沖縄県は14日、新たに10歳未満から80代までの男女計70人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。新型コロナに感染した那覇市の80代女性の死亡も確認された。玉城デニー知事は記者会見で、年末年始や成人式を挟んだ3連休の影響などで、今後1週間の新規感染者数が500〜800人に上るとの県の推計を明かした。感染拡大が続いた場合、政府の緊急事態宣言の対象に沖縄を加えるよう要請する考えも示した。
玉城知事は14日から政府の緊急事態宣言の対象となった大阪府など7府県との不要不急の往来自粛を求めた。現時点で宣言の対象に沖縄を追加するよう要請しないことについて、感染の状況などを「総合的に判断している」と説明した。
県が7市の飲食店や遊興施設に出している時短営業の要請を、午後10時までから午後8時までと2時間縮めることについては「午後8時となれば、ほぼ休業になるというのが関係者の意見。政府の示す1日6万円(の協力金)で足りるかどうかの議論が出てくる」と慎重な姿勢を示した。
新規感染者の70人のうち感染経路が判明したのは31人。内訳は家族17人、職場関係5人、会食4人、知人友人2人など。成人式とその後の宴会に参加した新成人3人の感染も初めて確認された。
非コロナ病床使用率は県全体で93・8%。地域別では中部が102・0%で初めて100%を超えた。県の糸数公保健衛生統括監は「退院と入院のタイムラグがあり、一時的に数字が超過した。緊急搬送で入院できない例は聞いていないが、逼迫(ひっぱく)している状況には変わりない」と説明した。
直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者は29・24人で全国12番目。最多は東京都の87・42人だった。
在沖米軍関係は8人が確認された。内訳は嘉手納基地1人、キャンプ・ハンセン2人、キンザー3人、コートニー1人、シュワブ1人。  
●緊急事態宣言 準じた対策とる地域 発出避ける観点から判断  1/15 
緊急事態宣言の対象地域に準じた対策をとる地域について、西村経済再生担当大臣は、早めに強い措置を講じることで、宣言の発出を避ける観点から判断していく考えを示しました。
政府は緊急事態宣言の対象となっていない地域でも、感染が急速に拡大し「ステージ4」に近づきつつある場合は、宣言の対象地域と同様の措置を講じ、財政面での支援も拡充することにしており、現在、広島市を対象とする方向で調整しています。
西村経済再生担当大臣は、閣議のあとの記者会見で「『ステージ4』の対策が必要になってくれば、緊急事態宣言が視野に入ってくる。早めに強い措置を講じることでそれを避けるという観点から、地域の状況を見ながら判断していく」と述べました。
そのうえで、対象範囲を都道府県とするか市町村とするかについて「臨機応変にさまざまな対応を取っていきたい。県の中心部に感染が集中しているところもあれば、県内に幅広く発生しているケースもあるので、事情をよく見ながら判断したい」と述べました。
一方、宣言の対象地域の人出について西村大臣は、去年の宣言の際と比較して減っていないと指摘し、不要不急の外出の自粛やテレワークの推進などに重ねて協力を呼びかけました。  
●緊急事態宣言の11都府県 感染状況「6つの指標」は  1/15 
政府の分科会は、感染状況を示す4つのステージのうち、どのステージにあるか判断するための指標として、「病床のひっ迫具合」、「療養者数」、「PCR検査の陽性率」、「新規感染者数」、「直近1週間と前の週の感染者数の比較」、「感染経路が不明な人の割合」の6つを挙げています。内閣官房によりますと、今月13日時点で、緊急事態宣言が出た11の都府県では、いくつもの指標で最も深刻な「ステージ4」の目安の値を超えています。
1. 病床のひっ迫
まず病床のひっ迫具合です。病床使用率は「ステージ3」が20%、「ステージ4」は50%が目安です。
【病床全体の使用率】
東京都で81.7%、埼玉県で64.2%、千葉県で52.3%、神奈川県で42.9%、栃木県で56.8%、愛知県で63.7%、岐阜県で59.4%、大阪府で68.3%、兵庫県で77.5%、京都府で37.1%、福岡県で58.6
【重症者用の病床使用率】
東京都で87.4%、埼玉県で33.5%、千葉県で19.4%、神奈川県で50.0%、栃木県で41.3%、愛知県で42.1%、岐阜県で35.3%、大阪府で67.5%、兵庫県で58.3%、京都府で31.4%、福岡県で17.3%
2. 療養者数
続いて療養者数は人口10万人当たり、「ステージ3」が15人、「ステージ4」は25人が目安です。
東京都で138.0人、埼玉県で68.5人、千葉県で74.0人、神奈川県で65.8人、栃木県で69.6人、愛知県で43.5人、岐阜県で34.2人、大阪府で68.4人、兵庫県で29.1人、京都府で56.7人、福岡県で61.0人
3. 検査陽性率
最近1週間のPCR検査などの陽性率です。目安の値は「ステージ3」、「ステージ4」ともに10%です。
東京都が14.2%、埼玉県が8.4%、千葉県が13.8%、神奈川県が17.0%、栃木県が13.9%、愛知県が9.6%、岐阜県が8.1%、大阪府が9.0%、兵庫県が11.9%、京都府が11.8%、福岡県が12.3%
4. 新規感染者数
人口10万人当たりの新規感染者は「ステージ3」が15人、「ステージ4」は25人が目安です。
東京都が87.8人、埼玉県が39.3人、千葉県が47.1人、神奈川県が61.0人、栃木県が41.7人、愛知県が29.0人、岐阜県が25.3人、大阪府が43.5人、兵庫県が32.5人、京都府が37.1人、福岡県が39.8人
5. 直近1週間と前の週の新規感染者数の比較
直近の1週間と、その前の週の感染者数の比較は、目安の値は「ステージ3」、「ステージ4」ともに1倍です。
東京都が1.6倍、埼玉県が1.5倍、千葉県が1.8倍、神奈川県が1.6倍、栃木県が1.4倍、愛知県が1.4倍、岐阜県が1.0倍、大阪府が1.7倍、兵庫県が1.6倍、京都府が1.4倍、福岡県が1.7倍となっています。
6. 感染経路不明者の割合
最後に感染経路が不明な人の割合です。目安の値は「ステージ3」、「ステージ4」ともに50%です。
東京都で63.4%、埼玉県で39.5%、千葉県で78.4%、神奈川県で57.9%、栃木県で46.1%、愛知県で49.6%、岐阜県で40.0%、大阪府で59.9%、兵庫県で27.3%、京都府で43.5%、福岡県で38.7%  
●「実効再生産数」 11都府県で「1」超続く 緊急事態宣言1週間  1/15 
緊急事態宣言が出されてから15日で1週間になります。今週から新たに対象地域となった7府県を加えた11都府県について、NHKが感染状況を見る指標で、1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す「実効再生産数」を専門家に監修を受けた簡易な方法で計算しました。11都府県すべてで感染が拡大に向かうことを示す「1」を上回っていて、拡大のペースが上がっている地域も見られます。NHKは、疫学の専門家で国立感染症研究所の鈴木基感染症疫学センター長の監修を受けて、簡易な方法で、緊急事態宣言が出ている11都府県について、14日までのデータに基づいて、実効再生産数を計算しました。実効再生産数は、「1」を上回ると感染が拡大に向かう一方、「1」を下回ると収束に向かうとされていて、より正確に出すためには、発症日を推定して計算するなど、さらに多くの条件を考慮する必要がありますが、時間がかかるため、確認された日ごとの感染者の数をもとに簡易な手法で計算しています。
東京都の実効再生産数は、先月24日時点では1.10、先月31日時点で1.24、年が明けて緊急事態宣言が出された今月7日時点で1.27、14日の時点でも1.21と、「1」を超えて拡大する傾向が見られます。
神奈川県では、先月24日時点では1.22、先月31日時点で1.25、今月7日時点で1.11、14日の時点では1.45と緊急事態宣言が出されたあとでも大きく上昇しています。
埼玉県では、先月24日時点では1.12、先月31日時点で1.22、今月7日時点で1.10、14日の時点で1.25と、緊急事態宣言が出されたあとでも上昇しています。
千葉県では、先月24日時点では1.19、先月31日時点で1.22、今月7日時点で1.22、14日の時点で1.42と、緊急事態宣言が出されたあとでも上昇しています。
1都3県で見ても、先月24日時点では1.14、先月31日時点で1.24、今月7日時点で1.20、14日の時点で1.29と、「1」を超えて拡大する傾向は止まっていません。
新たに緊急事態宣言の対象となった栃木県では、先月24日時点では1.08だったのが、先月31日時点で1.73に急激に上昇し、今月7日時点で1.52、14日の時点で1.20と、感染は依然として拡大する傾向にあります。
愛知県は、先月24日時点では1.00、先月31日時点で1.12、今月7日時点で1.05、14日の時点で1.13と、「1」を上回る状態が続いています。
岐阜県は、先月24日時点では1.05、先月31日時点で1.33、今月7日時点で1.17、14日の時点で1.01と、「1」を上回っています。
大阪府は、先月24日時点で0.87、先月31日時点では0.99と「1」を下回って減少に向かう方向でしたが、年末年始を挟んで急激に感染者が増加し、今月7日時点で1.26、14日の時点で1.31と、年明けから感染が拡大に転じています。
京都府は、先月24日時点では1.09、先月31日時点で1.19、今月7日時点で1.02、14日の時点で1.22と、「1」を下回らず、高い状態が続いています。
兵庫県は、先月24日時点では1.05、先月31日時点で1.25、今月7日時点で0.97と一時的に「1」を下回りましたが、14日の時点で1.33と、上昇に転じ、再び拡大する傾向となっています。
関西の2府1県で見ると、先月24日時点では0.95、先月31日時点で1.09、今月7日時点で1.12、14日の時点で1.30と年末以降、拡大傾向に転じています。
福岡県は、先月24日時点では1.21、先月31日時点で1.20、今月7日時点で1.18、14日の時点で1.28と、多少の増減はみられるものの、先月以降、感染が拡大する状態が続いています。
また、全国でも、先月24日時点では1.05、先月31日時点で1.18、今月7日時点で1.17、14日の時点で1.27と、感染が拡大する傾向が続いています。
日本感染症学会の理事長で東邦大学の舘田一博教授は「一番感染者が多い東京で感染が拡大する傾向が続く中、その周辺の神奈川や千葉でも広がるなど、大都市部から周辺にしみ出すように感染が拡大している傾向が見て取れる。来週も同じ程度の人数の感染者が出るなど、傾向が変わらなければ、より広い範囲を対象により強い要請を伴った形で緊急事態宣言を出さざるを得なくなるだろう。感染状況を少しでも好転させるためには、会食を避けるのはもちろん、テレワークを進め、外出して人と会う機会を極力減らすなど、徹底した対策を取る必要がある」と話しています。 
●1都3県の緊急事態宣言から1週間・・・効果は? 1/15 
東京を含む1都3県に緊急事態宣言が発表されて1週間。連日、外出自粛が呼びかけられる中、どれくらい人出に変化があったのでしょうか。一方、都の新規感染者は6日ぶりに2000人を超え、通常医療にも影響が出ています。
病床使用率 19都府県で緊急事態宣言相当の水準
各都道府県の新型コロナウイルスの患者向けの病床使用率が公表され、東京では8割を超えたことがわかりました。19都府県で緊急事態宣言の対象となる「ステージ4」の水準を超えています。政府のコロナ対策分科会は、感染状況のうち緊急事態宣言の対象となる最も深刻な「ステージ4」の指標の1つに「病床使用率50%以上」を挙げています。厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスの患者向けの病床使用率は今月13日時点で東京で80%以上になるなど、あわせて19都府県で50%を超えました。東京が83%と最も高く、次いで兵庫が78%、滋賀と大阪でも70%を超えています。また、全国の自宅療養者は3万208人で、前の週の1.7倍に増加しました。自宅療養者の増加の背景には病床のひっ迫があるとみられます。
全国で6918人の感染発表 埼玉・山口・福岡で最多
新型コロナについて、全国では16日これまでに6918人の感染が発表されています。緊急事態宣言が出ている11の都府県では、埼玉県と福岡県で1日の感染者数の過去最多を更新。山口県も過去最多です。また、長崎県は長崎市に対し、県独自の緊急事態宣言を発表しました。厚労省によりますと、全国の重症者は前の日から31人増えて965人となりました。病床の使用率は19の都道府県で50%を超え、緊急事態宣言の対象となる「ステージ4」の水準になっています。
埼玉県で582人の新規感染者 過去最多
埼玉県内では16日、新型コロナウイルスの新規感染者が582人確認され、今月9日に確認された518人を抜いて過去最多となりました。
福岡県知事が街頭で外出自粛訴え
JR博多駅前広場では、福岡県の小川洋知事が不要不急の外出の自粛を道行く人たちに呼びかけました。「不要不急の外出・移動の自粛をお願いします」「2月7日まで、なんとしても感染拡大に歯止めをかけないといけません」(福岡県 小川洋知事)新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、福岡県は再び緊急事態宣言の対象となりました。携帯電話の位置情報をもとにNTTドコモが集計したJR博多駅周辺の人出分析では、16日は去年の同じ時期に比べると減っています。県は16日から来月7日までの間、県内全域の飲食店などに対し、営業時間を午後8時までとする時短営業を要請しています。
全国の自宅療養者 3万人超える
新型コロナウイルスについて、東京都は16日、新たに1809人の感染を発表しました。厚生労働省によりますと、全国の自宅療養者は3万人を超えています。東京都が16日、新たに発表した感染者は1809人。年代別では、20代が最も多く379人で、重症化リスクが高い65歳以上の高齢者は318人でした。「重症者」は15日から3人増えて136人となっています。「緊急事態宣言が出ているわりに(感染者数は)多いのかなと思います」(街の人) 「なかなか減らないなというのが、ちょっと心配ではある」(街の人)東京都はこの週末、銀座、新宿、秋葉原の歩行者天国を中止しましたが、人出に目立った変化は見られませんでした。一方、厚生労働省は、全国の自宅療養者について、今月13日の時点で3万人を超えたと発表しました。前の週の1.7倍にあたり、東京で病床の使用率が83%を超えるなど、全国の病床ひっ迫が背景にあるとみられています。
死者最多の大阪 繁華街の人出は
大阪や愛知など7府県に緊急事態宣言のエリアが拡大され、初めての週末を迎えました。大阪は新型コロナによる累計の死者数が15日時点で東京を上回り、全国最多の726人となりました。危機感が広がる一方で、繁華街の人出は極端には減っていないようです。
米では今後「変異ウイルス」主流か
新型コロナウイルスによる死者が世界全体で200万人を超えました。最も多いアメリカでは、変異したウイルスが今後、主流になる可能性が指摘されています。アメリカのCDC=疾病対策センターは、イギリスでまん延している「変異ウイルス」がことし3月にも、国内で流行する新型コロナウイルスの主流になる可能性があると発表しました。これまでのものより感染力が高いことから急激に拡大し、さらにはパンデミックを悪化させる可能性があると指摘しています。「こちらの薬局では、ワクチンの接種を求める人たちの長い列ができています」(記者)一方、イギリスでは、病院や大規模施設などで行ってきた新型コロナのワクチン接種が薬局でも始まりました。政府は今後、スーパーマーケットなどでも行い、国民への接種の速度を速めたい考えです。そして、こちらは感染が急拡大している南米ブラジル。ボルソナロ大統領の対策が不十分だとして、各地で市民が抗議の意思を示すため、鍋をたたく音が響き渡りました。今月、ブラジルから日本に入国した男女4人から新型コロナの変異種が見つかっていますが、その4人の出発地とされる北西部アマゾナス州では病床の使用率が100%になり、空軍機で他の州へ患者を移送する事態になっています。
岐阜・愛知でも飲食店の不安高まる
緊急事態宣言が出されている岐阜県高山市では、観光客の姿はほとんど見られません。岐阜県では、16日から時短要請を拡大し、県内すべての飲食店に午後8時までの営業とするよう求めます。「このままでは街全体が死んでしまう」「春先よりも、もっとひどい。どうやって生活していけばいいのか」 一方、名古屋・栄にある、この焼き肉店は、去年4月に緊急事態宣言が出た後、ランチの営業を始めましたが、今回の宣言には不安もあると言います。「昼も外で食べるなという会社が増えてきた。飲食店からするとしんどい」(ヤキニクぼんず 渡辺麻美さん)
大阪・京都など緊急事態宣言に追加の7府県、初の週末は
大阪や愛知など7府県では、緊急事態宣言が再び出されて初めての週末を迎えました。15日に新たに568人の感染が確認された大阪府、累計の死者数は全国最多の726人となっています。週末の土曜日ともなれば多くの買い物客らでにぎわう梅田の周辺は・・・。「テレワークができない仕事なので出勤しています」(女性) 一方、京都市内ではシャッターを閉める店が目立ち、いつもの週末に比べると人通りもまばらです。「全然、お客さんが来ないので残念。早く緊急事態宣言が終わってほしい」(周辺のホテルで働く人) また、京都市東山区の建仁寺では緊急事態宣言の発表を受けて15日から拝観を休止しています。来月7日まで休止するとしていますが、今後の感染状況次第で延長する可能性もあるということです。
新型コロナ 世界の死者200万人超
新型コロナウイルスによる死者が、世界全体で200万人を超えました。最も多いアメリカでは、変異したウイルスが今後、主流になる可能性が指摘されています。アメリカのCDC=疾病対策センターは、イギリスでまん延している「変異ウイルス」が今年3月にも国内で流行する新型コロナウイルスの主流になる可能性があると発表しました。現時点で、この変異ウイルスが国内で流行しているウイルスのうちどの程度の割合を占めるかについては「0.5%未満と考えられる」としていますが、これまでのものより感染力が高いことから急激に拡大し、さらにはパンデミックを悪化させる可能性があると指摘。ソーシャルディスタンスの徹底やマスクの着用などの対策を改めて呼びかけています。「ワクチンは我々の希望だが、これまでの展開は悲惨な失敗だった」(バイデン次期大統領) こうした中、バイデン次期大統領は、計画より大幅に遅れている新型コロナのワクチン接種を加速させるため、対策を発表しました。大統領就任後、1か月以内に100か所の「ワクチン接種センター」を開設し、その後、全米で数千か所まで増やすほか、国防生産法を発動し、大統領の権限でワクチンの製造や供給に必要な物資を増産するとしています。
WHO緊急委員会、ワクチン証明書を義務化しないよう提言
WHO=世界保健機関で3か月ごとに新型コロナウイルスの感染状況などを協議する緊急委員会は、加盟各国に現段階でワクチンの「接種証明」を義務化しないよう求める提言をまとめました。「接種証明」やいわゆる「ワクチンパスポート」は、各国でワクチンの普及が進むのに合わせ、国境間の移動や経済活動を再開させるために検討が進んでいます。しかし、WHOの緊急委員会は現時点では「接種証明」を義務化しないよう求める提言をまとめ、15日、発表しました。その理由として、まだ誰もがワクチンを接種できる状況では無く、ワクチンが感染をどれだけ抑制するかはっきりしていないことなどを挙げています。接種証明書の導入に関しては健康状態で人を区別し、移動の自由を制限することができるなどとして、個人情報や人権上の観点からも議論を呼んでいます。また、緊急委員会は、公衆衛生上の緊急事態は続いているとして、テドロス事務局長が緊急事態宣言の延長を決めています。
英の変異ウイルス、3月にも米で感染の主流に躍り出る可能性
アメリカの保健当局は、イギリスで蔓延している新型コロナの変異ウイルスが、今年3月にもアメリカ国内で感染の主流になる可能性があると発表しました。CDC=アメリカ疾病対策センターは、イギリスで最初に確認された変異ウイルスがこれまでにアメリカの10以上の州で70人以上の患者から検出されたと報告しています。現時点で、この変異ウイルスがアメリカ国内で流行しているウイルスのうちどの程度の割合を占めているかは「不明」としながらも、「0.5%未満と考えられる」と分析。一方、変異ウイルスはこれまでのものより感染力が高いことから急激に拡大し、3月にはアメリカ国内で感染を広げる新型コロナの主流となり、パンデミックをより悪化させる可能性があると指摘しています。これらを防ぐため、ソーシャルディスタンスの徹底やマスクの着用などの感染対策を改めて呼びかけています。 
 
 

 

●森田知事「医療崩壊、始まっている」「緊急事態宣言の効果見えない」  1/16 
新型コロナウイルス感染拡大を巡り、千葉県の森田知事は15日、首都圏1都3県の知事によるテレビ会議に出席した。「医療崩壊が始まっているのではないかと感じている」と述べ、県の病床確保計画について、最も深刻な段階に引き上げる準備を進めていることを明らかにした。
森田知事は、14日時点の病床稼働率が約64%に達し、重症者は1週間で2倍近く増えたと指摘。「緊急事態宣言の効果はいまだ見えない」として、昼夜を問わない不要不急の外出自粛を訴えた。感染拡大が続いた場合、さらに強い措置を取る可能性にも言及した。
会議では、新型インフルエンザ対策特別措置法などの改正にあたり、勧告に従わない事業者への罰則や知事の権限強化を盛り込むよう国に求める要望書を了承した。 
●北海道 新型コロナ 7人死亡 192人感染確認  1/16 
北海道は61人が、小樽市は13人が新たに新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。このほか札幌市が86人、函館市が30人、旭川市が2人の感染確認を発表しています。道内の1日の感染確認は、合わせて192人となりました。
一方、北海道は3人、小樽市は1人が亡くなったと発表しました。札幌市も市内に住む60代の男性1人と80代の男性2人の合わせて3人が亡くなったと発表していて、道内で発表された死亡した人の数は合わせて7人となりました。
これで、道内の感染者は延べ1万5694人となり、このうち死亡した人は534人となっています。 
●東京都 新型コロナ 1809人感染確認 土曜としては2番目  1/16 
東京都は、16日午後3時時点の速報値で都内で新たに1809人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1日の感染の確認が1000人を超えるのは4日連続で、土曜日としてはこれまでで2番目に多くなりました。
東京都は、都内で新たに10歳未満から100歳以上までの男女合わせて1809人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1日の感染の確認が1000人を超えるのは4日連続です。
土曜日としては、1週間前の今月9日の2268人に次いでこれまでで2番目に多くなりました。
これで都内で感染が確認されたのは合わせて8万3878人になりました。一方、都の基準で集計した重症の患者は15日より3人増えて136人でした。 
●病院でクラスター発生 入院患者31人死亡 感染310人 埼玉 戸田  1/16 
埼玉県戸田市の戸田中央総合病院で、感染者の集団=クラスターが起き、14日までに患者と職員合わせて310人の感染が確認され、31人が死亡したことが明らかになりました。埼玉県によりますと、戸田市の戸田中央総合病院では、去年11月に職員の感染が確認されて以降、感染者が相次ぎ、14日までに患者と職員合わせて310人に上るということです。このうち、入院患者31人が死亡したということです。
県は感染者の集団=クラスターが起きたとして、感染がどのように拡大したか調査をしています。戸田中央総合病院は災害拠点病院に指定されるなど地域の基幹病院ですが、現在も新規の外来と救急外来を停止しているということです。
県は、今月6日に国のクラスター対策班を迎えて対策本部を設置し、病院の医療機能の回復に向けて支援していますが、感染は収束に向かいつつあるということで、「早期の医療機能の回復を支援することで地域の医療体制を守っていきたい」と話しています。 
●緊急事態宣言拡大後 初の週末 各地で人出減少も  1/16 
緊急事態宣言の対象地域が11の都府県に拡大されてから初めての週末を迎え、各地の観光地などは人出が減少している様子がうかがえます。
緊急事態宣言の対象地域が11の都府県に拡大されてから初めての週末を迎えましたが、政府は、去年春の宣言の際に比べて人の流れが減っていないとしています。このため政府は、16日から、東京 新宿区の大型モニターで、西村経済再生担当大臣らのメッセージを流し、不要不急の外出を控えるよう呼びかけています。メッセージで西村大臣は「不要不急の外出や移動、県をまたぐ移動も含め、控えてほしい。今すぐ対策を強化することで、必ず感染拡大を止めることができる」と訴えています。また、政府の分科会の尾身茂会長も「話すときはマスクを着用し、会食や飲み会は延期してほしい」と求めています。近くに住む20代の会社員男性は「きょうは買い物のために外に出たが、感染源とならないよう必要のない外出はやめている」と話していました。一方、20代の大学生の女性は「午後8時までなら外出や会食は大丈夫だという雰囲気を感じるので、もっと強い措置が必要だと思う」と話していました。政府は、ほかの繁華街での呼びかけや、外国語のメッセージも予定するなど、呼びかけを強化していく方針です。
大阪のシンボル、通天閣がある観光名所「新世界」は休業している店も多く街は閑散としています。通天閣がそびえ立ち串カツの発祥地とされる「新世界」は、ふだんは、人の行き来が絶えませんが、緊急事態宣言が出されたことで、来月7日まで休業する飲食店も多く、16日は地元の人や家族連れなどがわずかにみられる程度で街は閑散としています。大阪 浪速区の通天閣は、関西の3府県に緊急事態宣言が出てからは、訪れる人が例年の1割にも満たない1日100人ほどに減っているということです。府内から通天閣を訪れた70代の女性は「近くで用事があったので、久しぶりに登りました。昔はもっと人通りがあったと思います。早くコロナがなくなって普通どおりの生活になることを願います」と話していました。通天閣観光株式会社の高井隆光社長は「宣言は本当にショックで、昼間でも街が閑散としていて、ゴーストタウン化していると感じます。正直、経営は苦しいですが、街のシンボルとして通天閣が休業してしまうと、街自体にも大きな影響があるので歯を食いしばりながら立ち続けています」と話していました。
福岡県朝倉市の道の駅「ファームステーションバサロ」は、とれたての野菜や果物など旬の食材が並ぶ人気の道の駅で、ふだんの週末は多くの人たちでにぎわいます。しかし、緊急事態宣言が出されて初めての週末となった16日、午前中に訪れた人の姿はまばらでした。道の駅によりますと「Go Toトラベル」が一時停止された先月28日以降、来客数が減り始め、緊急事態宣言が出されてからさらに減少傾向にあるということです。このため、収益の確保に向け、午後5時半までの営業時間の短縮や、インターネット販売の充実などを検討していくとしています。道の駅の運営会社の布木昌行取締役は「今後、どのように人の動きが変わるのか分かりません。宣言が出されすでに2割くらい減少していてさらに減少していく可能性があるので、対策を打っていきたい」と話していました。
岐阜県では県民に対して不要不急の外出、特に午後8時以降の外出と県をまたぐ移動について自粛するよう要請しています。岐阜市の中心部JRの岐阜駅周辺は、ふだんの週末は名古屋などに出かける人でにぎわっていますが、16日は閑散としています。岐阜市の20代の女性は「アルバイトのため通勤でJRを利用しましたが、いつもより人が少なくて驚いています。ふだんはなるべく外出をしないように心がけています」と話していました。また、岐阜県はこれまで酒を提供する飲食店に限ってきた午後8時までの営業時間の短縮要請を、16日からすべての飲食店に拡大します。岐阜市の飲食店街、玉宮地区では営業時間を短縮している飲食店に加えて、緊急事態宣言の期間中休業する店も多く見られました。飲食店の副店長の男性は「ランチや弁当の売り上げは上がっていますが、営業時間の短縮は大きな打撃です。苦しい状況ですがなんとか営業を続けていきたいと思います」と話していました。 
●ステージ4が無実化…見捨てられた「緊急事態宣言」5つの自治体 1/16 
「感染爆発」の惨状をごまかしたかったのか。厚労省が16日未明、新型コロナウイルスに関する「都道府県の医療提供体制等の状況」の集計作業を終え、ようやく更新。全国の数値は、政府の分科会が示した6つの指標の全てが「ステージ4」(爆発的感染拡大)を超えてしまった。
緊急事態宣言の対象となった11都府県のうち、栃木、千葉、東京、大阪、兵庫、福岡は6指標の全てがステージ4を大幅に超えているところもある。対象外の自治体のうち、特に深刻な地域は〈別表〉の通り。
県独自の緊急事態宣言を発令した熊本は5つ、沖縄は4つ、群馬、三重、宮崎は3つの指標がステージ4に相当する。宣言対象の京都が上回った指標は3つ、広島市が宣言地に準じた地域として政府の手厚い支援を受ける広島県は2つにとどまる。
厚労省はこれまで毎週金曜午後8時をメドに全国の6指標を公表。15日は“不都合な真実”を伝えるのを遅らせたかったのか、なぜか集計作業が遅れに遅れ、16日午前2時すぎの異例の公表となった。
曖昧な基準で宣言の対象地域を絞り、後出し批判を避けようと、広島市を対象に特措法改正案に盛り込む「予防的措置」をプレ施行してお茶を濁す。菅政権のデタラメ対応に、医療が逼迫しても支援なしの自治体から怨嗟の声が聞こえてくる。サッサと宣言を全国に拡大したらどうか。 
●緊急事態宣言 対象地域の拡大後初の週末 観光地は休業も相次ぐ  1/16 
緊急事態宣言の対象地域が拡大されて初めての週末を迎え、観光地では店や宿泊施設が休業を余儀なくされています。
関西の3府県に緊急事態宣言が出されて初めての週末、京都の観光名所、清水寺の周辺では休業している店が目立ち、人通りもまばらでした。清水寺周辺は、飲食店や土産物店が建ち並ぶ京都を代表する観光地で、ふだんは大勢の観光客でにぎわいます。しかし、緊急事態宣言が出されたことで、来月7日までの休業を知らせるはり紙をしてシャッターを閉めている店も目立ち、人通りもまばらでした。こうした中、16日もふだんどおり午前10時ごろから店を開けているという、キーホルダーなどを扱う土産物店もありますが、訪れる客は8割ほど減っているということです。土産物店を営む男性は「去年の緊急事態宣言のときのように人通りが減っていて、この先どうなるか不安だ。営業時間短縮に応じた飲食店と同じようにわれわれのような店にも支援をしてもらいたい」と話していました。
神戸市の繁華街は買い物客がふだんの半分程度で、商店街の人たちからは今後に向けて不安の声が聞かれました。兵庫県では緊急事態宣言を出されたことを受けて県民に対して不要不急の外出の自粛、特に午後8時以降については徹底した外出自粛を要請しています。神戸 三宮の繁華街にある商店街には、家族連れなどが訪れていて去年の宣言時のような閑散とした状況にはなりませんでした。それでも買い物客はかなり減っているということで、婦人靴販売店の34歳の女性店長は「商店街の人出は先週と比べても少ないです。店の客も半分に減っていて、運営が厳しいです。コロナに負けないように頑張って接客しています」と話していました。また、紳士服店の23歳の女性店員は「きょうの人出は平日のようで、いつもの週末と比べて減っていると思います。成人式も延期になりましたし、客も減っています」と話していました。商店街を訪れた神戸市の28歳の男性は「買い物のために来ました。コロナの感染が広がっているので、なるべく早めに用事を済ませて家に帰り、夜は出歩かないようにしています」と話していました。また、夫婦で買い物に来た神戸市の50代の男性は「緊急事態宣言で、“ステイホーム”になるので、そのための買い出しにきました。コロナは早く収束してほしいです」と話していました。
栃木県日光市の鬼怒川温泉では、ホテルや旅館が休業を余儀なくされています。このうち「鬼怒川グランドホテル夢の季」では先月、国の「Go Toトラベル」の一時停止でおよそ2000人の予約がキャンセルとなったうえ、緊急事態宣言のあとは予約がほぼなくなったため、来月いっぱいの休業を決めました。休業によってホテルの従業員のほか、食材や施設の管理に携わる取引業者などにも幅広く影響が出ているということですが、ホテル側は個別に連絡を取るなどして理解を求めているということです。波木恵美社長は「自主的に休業していますが、休業補償がないので一段と厳しい状況です。こういう形があと1、2回続いたら、来年以降、営業できるか考えなければなりません」と話していました。地元の観光協会によりますと、来月7日までの緊急事態宣言の期間中、平日は多いときで、組合に加盟するホテルや旅館のうちおよそ8割が休業を予定しているということです。日光市観光協会鬼怒川・川治支部の沼尾鬼子造事務所長は、「首都圏のお客様に来ていただけないのはこの地域に非常に痛手となっています。感染が早く終息してほしいです」と話していました。 
●無能クズっぷり全国トップの吉村知事が「評価」される怖さ 1/16 
もうなにがなんだかわからない。世の中が怖い。朝日新聞社が新型コロナウイルスに関し「対応を評価する日本の政治家」の名前を聞いたところ、第1位は大阪府知事の吉村洋文、第2位は東京都知事の小池百合子、第3位は北海道知事の鈴木直道、第4位は首相の菅義偉、第5位は各種疑惑追及から現在逃亡中の国会議員安倍晋三だった(昨年11〜12月調査)。
「最も評価できない政治家」を聞いたのなら理解できるが、やはり日本は完全に壊れてしまったのだろう。
大阪で新型コロナの感染急拡大が進む中、吉村は緊急事態宣言について「大阪は現状で感染急拡大をなんとか抑えられている。今の段階では国に対して要請するつもりはない」と発言(1月4日)。このバカ発言が批判されると、「感染拡大の明らかな兆しが見えているので先手を打つべき」「大阪として緊急事態宣言の要請をすべきだというのが僕の考え方」(同7日)と、3日前と正反対のことを言い出した。なにが「先手を打つべき」なのか。すべて後手後手にまわった結果が今の大阪の惨状ではないか。
要するに、新型コロナで府民が苦しもうが知ったことではないと思っているのだろう。感染が拡大する中、愚にもつかない大阪市解体の住民投票を断行したり、他の自治体で発生したいかがわしいリコール騒動に賛意を示したり、「嘘のような本当の話」と言いながらイソジンで新型コロナに打ち勝てると「嘘のような嘘」を拡散させたり。最近は「国際金融都市構想」として、大阪に特区をつくり、法人税や所得税の引き下げ、外国人の在留資格緩和などを訴えていた。
「東京に総合力では勝てない」「国内における第2の国際金融都市を目指す」とも言っていたが、先月の大阪のコロナ感染者の死者数は東京の2倍である。無能さとクズっぷりでは吉村は全国トップを走り続けている。
記者会見で「いつ(緊急事態宣言)発令要請にと考えが変わったのか?」と聞かれた吉村は、「一つは560名の一挙にガラスの天井が突き抜けた瞬間」と返答。「ガラスの天井」とは、資質・実績があっても女性やマイノリティーを一定の職位以上には昇進させようとしない組織内の障壁のことである。リコールしなくてはならないのは、この手のバカである。 
●緊急事態宣言の地域など 休業手当の助成率 大企業も100%に  1/16 
経営が悪化した企業が雇用を維持するために利用できる「雇用調整助成金」について、厚生労働省は緊急事態宣言が出された地域や同様の措置を取る自治体には、従業員に支払った休業手当の助成率を自粛に協力する大企業についても100%に引き上げる予定で、企業に雇用を維持するよう呼びかけています。
「雇用調整助成金」は売り上げが減少しても企業が従業員を休業させるなどして雇用を維持した場合に国が休業手当などの一部を助成する制度です。
厚生労働省は、新型コロナウイルスの影響を踏まえ、従業員に支払った休業手当の助成率を大企業は75%に、中小企業は100%に引き上げるなど、特例措置を実施しています。
緊急事態宣言が出された1都3県で自粛に協力する外食産業などの大企業についても助成率を100%に引き上げることにしていますが、これを宣言が新たに出された地域や今後同様の措置をとる自治体にも適用することになりました。
営業時間の短縮が要請されている飲食店などでは非正規雇用で働く人がシフトを減らされたものの休業手当を十分に受け取れないケースが相次いでいて、厚生労働省は「大企業にも負担がかからなくなったので、企業は雇用調整助成金を積極的に活用して働く人の生活を守ってほしい」と呼びかけています。 
●緊急事態宣言拡大、菅首相発言が「絶対にアカン」理由 1/16 
毎年恒例の正月番組に「芸能人格付けチェック!」という人気番組がある。著名芸能人の出演者が、味覚や音感などの「格付けチェック」に挑み、間違える度に、一流→二流→三流→そっくりさん、そして、最後には「映す価値なし」とランクがどんどん下がっていく番組だ。その中で、例えば、超高級和牛を見分ける「格付けチェック」で、豚肉を選んでしまった場合など、「絶対にアカン」という選択肢があり、それを選ぶと、その芸能人は画面から消える。2021年の年明けからまだ半月だが、その間に、政治家の「絶対にアカン」が相次いでいる。
吉川元農水大臣の“大臣室での現金収賄”
1月15日には、吉川貴盛元農水大臣が、収賄の事実で在宅起訴された。2018年10月から2019年9月まで第4次安倍改造内閣で農林水産大臣を務めていたが、大臣在任中の18年11月21日に都内のホテルで200万円、19年3月26日に大臣室で200万円、8月2日に大臣室で100万円を受け取ったとのことだ。大臣就任前から業界からの要請を受け、政治献金を受けていたとしても、大臣に就任した以上、「職務に関連する政治献金は、賄賂に当たる」として拒絶するのが当然だ。それを、こともあろうに、大臣室で現金を受け取ったというのは、唖然とするような話だ。「安倍一強」と言われる政治状況が長期化する中で、大臣室で業者から現金を受け取った甘利明元経済再生担当大臣が、刑事責任を問われることなく、事件が有耶無耶にされたまま自民党の要職に返り咲いていることなどから、大臣としての当然の規範意識も緊張感も失ったということであろう。まさに政治家として「絶対アカン」ということは間違いない。
菅首相「福岡県」を「静岡県」に言い間違え
吉川氏が、既に議員も辞職しており「過去の人」になりつつあるので、その刑事事件は、現在の国民に与える影響は大きくない。それとは異なり、まさに現在、コロナ感染で緊急事態宣言が出され、国民生活に大きな影響を与えている状況下で、「絶対にアカン」のが、菅義偉首相の発言だ。1月13日の午後、菅首相は、総理大臣官邸で第52回新型コロナウイルス感染症対策本部会議を開催し、新型コロナウイルス感染症への対応について議論を行い、その結果を踏まえて、緊急事態宣言に7府県を追加し、対象地域を11都府県に拡大することを明らかにした。この際の首相発言は、生中継のカメラの前で行われ、宣言が拡大される府県にとっては、それが、初めて公に明らかにされた瞬間だった。そこで、菅総理は、拡大の対象府県を、
「大阪府、京都府、兵庫県、愛知県、岐阜県、静岡県、栃木県」と発言した。
この「静岡県」というのは、実は、「福岡県」の誤りで、会議直後に、西村康稔新型コロナ対策担当大臣が訂正した。菅首相は、今回のコロナ感染急拡大の中で、緊急事態宣言の発出が遅れたのではないかとの指摘に対して、「緊急事態宣言は対象地域の国民の生活に重大な影響を及ぼすから慎重に判断してきた」と何回も繰り返して説明してきた。その重大な影響を及ぼす緊急事態宣言の拡大を公表する際に、その対象の府県を言い間違える、というのが、総理大臣として絶対にあってはならない「言い間違え」であり、まさに、「格付けチェック」であれば、「絶対にアカン」とされて、ただちに、画面から消えてなくなるような「大チョンボ」というべきだ。「福岡県」を「静岡県」と間違えたことに関して、「福岡」も「静岡」も同じ「岡」がつく県名なので、単に言い間違えただけであるかのように思える。そうだとすれば、あまりに軽率であり、一流政治家の総理大臣として「絶対アカン」のレベルだ。しかし、本当に単なる「言い間違え」なのだろうか。
「静岡県との言い間違え」の背景
むしろ、菅総理の頭の中には、「静岡県」が、対象地域の候補として強く刻み込まれていたのではないだろうか。そう考える理由の一つが、東京都から大阪府までの東海道新幹線が通る太平洋側のエリアでは静岡県地域だけが空白になっていることだ。その静岡県でも、このところクラスターが多発し、感染が拡大しており、ちょうど、宣言の対象地域拡大の前日の12日に、感染ステージが「3」に引き上げられている。そういう意味では、静岡県が対象地域となることも十分に考えられるところだった。それだけに、「言い間違え」の影響は大きい。そして、もう一つ、菅総理にとって、「静岡県」には個人的動機がある。静岡県の川勝平太知事が、昨年秋、日本学術会議の新会員候補6人の任命拒否問題を巡って「菅義偉首相の教養レベルが図らずも露見した」などと発言し、その後、発言を撤回して陳謝したことがあった。この川勝知事の発言に対して、就任直後に、自身の学歴に関してプライドを傷つけられた菅首相が、相当強い個人的な反感を持ったであろうことは想像に難くない。そういうこともあって、菅首相の頭の中に「静岡県」が刻み込まれていて、対策本部での「言い間違え」につながったということも考えられる。いずれにしても、菅首相の「静岡県」の「言い間違え」は首相として「絶対アカン」のレベルというべきだ。
官邸会見での「国民皆保険」発言
そして、その「言い間違え」の直後、菅首相は、総理官邸で開かれた「緊急事態宣言7府県に拡大」についての記者会見の最後に、ジャーナリスト神保哲生氏の質問に対して、「国民皆保険」に言及し、物議をかもすことになった。会見は、冒頭の発言に続いて質疑に入ったが、菅首相は、ほとんどの質問に「原稿棒読み」で答えていた。つまり、質問内容が予め提示されていたということだ。そして、最後に、クラブ外の会見参加者の神保氏が、
「日本は人口あたりの病床数は世界一多い国、感染者数はアメリカの100分の1くらいなのに、医療が逼迫して、緊急事態を迎えているという状況について、政治が法制度を変えれば、変えられるのではないか。現在の医療法では病床の転換は病院にお願いするしかないが、医療法を改正することは政府のアジェンダに入ってないのか。軽症者でも厳重に扱わなくてはいけない感染症法の改正を行うつもりはないのか。」との趣旨の質問を行った。
この質問については、事前の質問提示がなかったようだ。菅首相は、言い淀みながら、それまでの政府の対応について説明した後、医療体制の問題について、以下のような発言をした。
「そして、感染症法については先ほど申し上げましたけども、そういう法律改正は行うわけであります。それと同時に医療法について、今のままで、結果的にいいのかどうか、国民皆保険、そして、多くの皆さんが、その診察を受けられる今の仕組みを続けていく中で今回のコロナがあって、そうしたことも含めてですね、もう一度、検証していく必要があるというふうに思ってます。それによって必要であれば、そこは改正するというのは当然のことだと思います。」
意味が不明瞭だが、「国民皆保険で多くの国民が診察を受けられる今の仕組みを含めて、もう一度検証していく必要があると思っている。必要であれば、そこは改正をするというのは当然のこと」という趣旨のように読み取れる。コロナ感染者、死者が世界で最多のアメリカに関して、医療保険がないことがその原因の一つだとかねてから指摘されてきた。医療保険をもたない国民が約2750万人(人口の8.5%)に上り、新型コロナウイルス感染が疑われる症状がでても、病院に行くことをためらう人の率が14%、低所得者や非白人になるとその率は22%(5人に1人)に上るとの報道もある。ファウチ国立アレルギー感染症研究所所長は2020年5月12日の議会証言で、自宅で亡くなる人など統計外の死者が多数いると述べている。そういう医療保険がないアメリカで死者が爆発的に増えているというのに、コロナ感染に対する緊急事態宣言拡大の記者会見で、日本の医療制度について質問された時に、「国民皆保険制度を含めて検証する、必要であれば改正する」という趣旨で発言したとすれば、感染が急拡大して多くの国民が不安に思っている中で、あまりに無神経だ。翌日、加藤勝信官房長官は、菅首相の発言について、
「皆保険制度という根幹をしっかりと守っていく中でどう考えていくのか検証、検討していきたいという趣旨で言ったと思う。」と説明した。
もし、加藤官房長官の説明のとおりだとすると、菅首相の発言は、あまりに不正確で、極めて重要な事項に関わる首相として最低限の「説明能力」すらないということになる。
「国民皆保険」発言の背景として考えられること
それだけではない。この発言も、単なる無神経で軽率な発言というだけでは済まされない、菅首相の脳裏に刻み込まれた「国民皆保険制度への問題意識」が背景となった可能性がある。神保氏の質問で「医療法の改正」と言っているのは、病院・診療所等の医療機関の開設・管理についての都道府県への報告義務等について定める法律である医療法を改正して、国や自治体の権限でコロナ病床を増やすことを強制することができないか、ということだ。医療機関の設置について、医療者側の自主的判断と都道府県への報告を中心にしている医療法の枠組みに、国や都道府県側の強制力を持たせることは、医療体制の根幹に関わる問題なので軽々に行えることではない。質問に対する首相の回答としては、「そのような意見があることは承知しているが、医療法の枠組みにも関わる問題なので慎重に検討しつつ、コロナ感染拡大に対する医療体制の確保に万全を期していきたい。」というような答えをするのが通常であろう。ところが、菅首相は、そこで、こともあろうに「国民皆保険」の問題を持ち出したのだ。それが、単に、その質問だけ原稿なく自分の言葉で答えなくてはならなくなって、支離滅裂なことを言っている中で、たまたま日本の医療制度の根幹である「国民皆保険」という言葉が出てきてしまったということであれば、「答弁能力」「説明能力」の問題だということになる(それも「絶対アカン」のレベルだが)。しかし、この発言も、そのような単純な話のようには思えない。
国民皆保険制度をめぐる利害
「国民皆保険」という日本の制度の下では、国民誰もが、いかなる場合でも医療機関を受診でき、医療者側には応召義務があるため、医療提供を拒否できない。誰しもが保険医療の範囲で、等しく一定レベルの医療の提供を受けられることを保障するものだ。しかし、一方で、自己負担をしてでも高度の医療を受けたいと思う富裕層にとっては、そのメリットはあまりなく、むしろ、保険診療と保険外診療と併用する混合診療については原則として全額が患者の自己負担になることなどに対して不満が根強い。アメリカの例を考えれば、コロナ感染によって国民の命が危険に晒されている状況においては、「国民皆保険」は、国民全体の命を守る砦と言ってもよいだろう。しかし、一方で、競争原理・個人責任の徹底を中心とする新自由主義の立場から、「貧乏人の命」と、「経済社会で活躍する富裕者の命」とは価値が異なるという考え方をすると、今の日本で、人口当たりの感染者がアメリカより遥かに少ないのに医療崩壊の危機に瀕するのは、「国民皆保険」の制度の下で、限られた医療資源が多くの貧者に提供されていることが原因だという考え方が出てくるのかもしれない。菅首相のこれまでの政治思想、そして、日本では「新自由主義の教祖」のような存在である竹中平蔵氏らと親しいことなどからすると、日本が「医療崩壊」の危機に至り、緊急事態宣言を出さざるを得なくなっていることに対して、「国民皆保険」に根本的な原因があるような考え方が頭の中に刻み込まれていて、それが、思わず、口から出てしまったということかもしれない。しかし、菅首相の発言の背景にそのような考え方があるとすれば、今、コロナ感染で国民の命が危険に晒されている状況での国のトップの発言として、絶対に容認することはできない。
日本の医療には様々な問題があり、それが、現在のコロナ感染急拡大の状況で露呈していることは確かだ。神保氏が問いかけた「医療法の改正」のほかに、新型コロナ特措法31条に基づき医療関係者に対して「医療を行うよう要請」すべきとの意見もある。そのような法律の活用や法改正については精一杯検討すべきだ。ところが、いきなり「国民皆保険」という言葉が出てくる菅総理の頭の中は、一体どうなっているのだろうか。少なくとも、政府の対応を考える上で、絶対に疎かにしてはならないことは、「富める者も、貧しい者も、等しく、その命と健康と暮らしが最大限に尊重される」ということだ。この危機的な状況における日本政府のトップは、そういう考え方でなければならない。宣言対象地域拡大の官邸記者会見での菅首相の発言は、単なる「答弁能力」「説明能力」の問題ではない、現在の危機的状況の日本を率いる政治家として失格だ。「絶対にアカン」とされて、ただちに画面(官邸)から消えるのが当然だと思う。 
●緊急事態宣言追加の7府県 夜の人出は減少 1都3県は増加地点も 1/16 
今週、新たに緊急事態宣言が出された7つの府県では、15日夜、ほとんどの地点で1週間前に比べて人出が減少しました。一方、先週の時点ですでに緊急事態宣言が出ていた首都圏の1都3県では、人出が増えたところもあります。NHKは、IT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使い、15日午後6時から16日午前0時までの人の数を分析しました。
新たに緊急事態宣言の対象となった7つの府県をみますと、15日夜の人出は1週間前の8日と比べて、宇都宮駅付近で44%減少したのをはじめ、小倉駅付近で21%、神戸・三ノ宮駅付近で19%、名古屋駅付近で17%、京都駅付近と大阪梅田駅付近で14%、岐阜駅付近で12%減少しました。このように、ほとんどの地点で人出は減りましたが、博多駅付近は反対に23%増加しました。
また、先週8日の時点ですでに緊急事態宣言が出ていた1都3県の15日夜の人出は、東京の銀座付近で18%、大宮駅付近で15%、東京駅付近で14%、新宿歌舞伎町付近で2%減少しました。
その一方で、東京の六本木付近で23%増加したのをはじめ、東京の渋谷スクランブル交差点付近で16%、横浜駅付近で11%、千葉駅付近で2%増加しています。
さらに去年、1回目の緊急事態宣言が出た時に比べますと、11の都府県のすべての地点で夜間の人出は増加しています。 
 
 

 

●16日の人出 前回“宣言”時より大幅増 対象地域拡大後初の週末  1/17
緊急事態宣言の対象地域が11の都府県に拡大されてから初めての週末となった16日、主な地点の人出は、日中、夜間とも1回目の宣言のときより大幅に増えました。NHKは、IT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使い、16日午前6時から午後6時までの「日中」の人の数と、16日午後6時から17日午前0時までの「夜間」の人の数を分析しました。その結果、緊急事態宣言が出された11都府県の主な地点の人出は、日中、夜間とも1回目の宣言のときの土日・祝日の平均より大幅に増えました。
1回目の宣言時に比べた「日中」の増加幅は、福岡市の博多駅付近が6.2倍(524%)、大阪梅田駅付近が5.9倍(497%)、京都駅付近と神戸市の三ノ宮駅付近が3.8倍(288%・285%)、宇都宮駅付近が3.6倍(261%)、名古屋駅付近が3.3倍(230%)などとなりました。
また、1回目の宣言時に比べた「夜間」の増加幅は、東京・銀座付近が7.6倍(663%)、宇都宮駅付近が7.4倍(642%)、博多駅付近が7.1倍(616%)、大阪梅田駅付近が6倍(509%)、三ノ宮駅付近が4.3倍(337%)、京都駅付近が4倍(309%)などとなりました。 
●“緊急事態”下の都心 2度目の週末は人出が増加 1/17
緊急事態宣言が11の都府県に拡大されて初めての土曜日となった16日、東京都心の人出は1週間前よりも増加した地点が多かったことが分かりました。
ソフトバンクの子会社「Agoop」によりますと、午後3時台の都心の人出は1週間前と比べて渋谷センター街で10.2%、秋葉原で5.2%、浅草で2.7%増加しました。
東京は16日、緊急事態宣言が出てから2度目の土曜日でしたが、これを去年春に行われた前回の宣言の場合と比べても渋谷センター街は5.7倍、秋葉原は2.9倍、銀座は4.4倍も多くなっています。
一方、宣言の対象が拡大して16日が初めての土曜日となった府県でも、人出は1週間前と比べて大阪駅で94.9%、名古屋・栄で97.7%、福岡・天神で94.6%とわずかな減少にとどまっていて、こちらも前回の宣言の場合と比べると2倍から3倍となっています。 
●「宣言」追加7府県 週末の人出“減少傾向” 1/17
緊急事態宣言の対象に大阪など7つの府県が追加されてから初めて迎えた週末、主な駅の周辺では人出が減少している傾向が見られました。
緊急事態宣言が追加して発表された大阪・愛知・福岡など7つの府県では、国がテレワークの実施や出勤する人の7割削減を求めています。
7府県での宣言後、初めての土曜日となった16日の午後3時台と1週間前の9日土曜日の同じ時間帯を比較すると、対象となった地域の主要な駅は、京都の河原町駅で14.4%、福岡の博多駅で5.4%、大阪の梅田駅で4.8%、愛知の栄駅で2.2%など、それぞれ人出が減少している傾向がみてとれます。一方、東京の渋谷駅でも2.3%の人出の減少がみられました。
ただし、緊急事態宣言が初めて出された去年4月ほどの大幅な人出の減少にはなっていないようです。 
●レジャー施設 客入り激減 那須塩原のスキー場 1/17
栃木県那須塩原市湯本塩原のスキー場「ハンターマウンテン塩原」は16日、例年の週末ピーク時の4分の1程度の人出となった。
同スキー場によると、今季は新型コロナがなければ、昨年12月中旬からスキー場前の日塩有料道路が無料化され、天然雪が多く、客入りに期待できる好条件。例年の週末はピーク時、6千人が来場するという。
しかし16日は緊急事態宣言追加前の先週末の約2500人から約1300人に減少した。中條健一(なかじょうけんいち)支配人(46)は「必要以上の感染対策を講じているが、ここまで人が少ないと事業縮小せざるを得ない」と話し、来週から客入りに応じて計画的なリフト運休などを検討する。
この日、利用客はマスク着用など感染対策をしてスキーやスノーボードを楽しんだ。同僚2人と都内から訪れた会社員男性(26)は「コロナに気を付けて人が多いところは避けながら車で遊びに来た」と話した。
●配達員「稼げる」飲食店「つらい」福岡に緊急事態再宣言後、初の週末 1/17
福岡県に2度目の緊急事態宣言が出されてから初の週末となった16日、県内では飲食店に対して午後8時までの営業時間短縮要請が始まった。長引く新型コロナウイルス禍で、一部には「慣れ」の風景も。行楽地や歓楽街の表情を追った。
午前6時48分 「走っている時間は不安を忘れられるから」。まだ暗い大濠公園(福岡市)には普段と同じくランナーの足音。元料理人の男性(28)は昨年秋、和食店を辞めて帰郷した。次の仕事は決まったが、収入は大きく減る。「未来予想図は描けていないんです」
同9時半 週末の道の駅うきは(うきは市)は市外客が多いが、先週と比べ客は2、3割減。春日市から夫婦で訪れた女性(65)は「いつもは果物や野菜がすぐなくなるので朝方に来るが、今日はそこそこ残っていた」。駐車場も空きが目立った。
同11時20分 福岡市・天神では、外出自粛で急増中の外食宅配サービスの配達員たちが路上で受注を待つ光景が見られた。ファストフード店近くで待機した配達員(23)は「今日は稼げそうだな」。
正午ごろ 北九州市民の台所といわれる「旦過市場」の人通りはまばら。「旦過うどん」おかみの水上桂子さん(55)は減った客足に「乗り越えたかと思ったのに再び緊急事態。安心できるのはいつになるのか」と表情を曇らせた。
午後0時58分 JR博多駅前広場で小川洋知事が「不要不急の外出は自粛を」と書いたパネルを掲げ、頭を下げながら感染防止を訴えた。感染から回復したばかりの吉松源昭県議会議長も参加し、取材に「38度台の発熱が11日間続き、食事もできなかった」と体験を語った。
同2時10分 太宰府天満宮(太宰府市)は初詣や合格祈願の人たちでにぎわった。嘉麻市の中学校教諭は受験を控えた3年生約90人が書いた絵馬を持参。「人が多くて驚いたが良い卒業ができますように」。人出の抑制効果はいまひとつのようだ。
同2時半 久留米市六ツ門町の商店街は平常時と変わらない人通りで子連れや若者の姿が多い。それを横目に、40代の飲食店主の男性は「昼の営業をしていなかった店がランチを始めている。もはや飲食店同士の食い合いだ。いっそ休業してしまおうか」と吐き捨てるように言った。
同6時半 博多の名物として知られる福岡市博多区・那珂川沿いに明かりをともすはずの屋台街は2店舗だけの営業。赤ちょうちんが寂しげに風に揺られていた。
同8時前 九州最大の歓楽街・中洲では営業中だった飲食店が片付けの準備に。短縮営業をする老舗料理店「博多程よし」では、店主の林田浩暉さん(30)が看板とのれんを店内に運び入れた。今回の宣言後、予約はほぼキャンセル。この日は一人の来店もなかった。林田さんはしみじみと語った。「ちょうど盛り上がる時間帯に閉めなきゃならないのがつらい。でも今は我慢。まずはコロナを収束させないと」 
●宣言再発令1週間 冷静の中にも募る不安「自粛に慣れ」「商売にならない」 1/17
緊急事態宣言の再発令から十五日で一週間がたった。この間も新型コロナウイルスの感染拡大は続き、まだ効果は見えてこない。県民は冷静さを保ちながらも、それぞれに不安や悩みを抱え、重苦しい雰囲気が漂う。
さいたま市南区の別所沼公園は日中、親子連れや散歩する人でにぎわう。三歳の長男と遊んでいた同市中央区の高山知美さん(30)は「昨年は不安だったが、今は自粛生活に慣れている。スーパーも混んでいないし、生活にあまり変化はない」と話す。ただ今後、時短営業や施設の休業が広がれば、生活への影響は避けられない。四月から長男が幼稚園に入る予定で、「始まらなかったらどうしよう」と表情を曇らせた。同市浦和区の会社員紺野幸子さん(51)も「今回は精神的に落ち着いている」というが、仕事のことで頭を悩ます。部下の監督などリモートワークでは難しい面もあり、「できない仕事があることも国には考えてほしい」と訴えた。
感染対策の「急所」として、営業時間を午後八時までとするよう要請されている飲食店。JR南越谷駅近くの居酒屋「鳥の王様新越谷店」では常連客の足も遠のき、売り上げは前週比で三割減。テークアウトを増やして苦境をしのぐが、客足のピークは午後七〜九時のため時短営業の影響は大きい。一日六万円の協力金はアルバイトの人件費などに充てるといい、店長の村松幸久さん(44)は「宣言の期間が長引くとどうなってしまうのか」と嘆く。
観光地も深刻な状況が続く。川越市の菓子屋横丁の菓子店では、昨年十月下旬から一カ月ほどは若者を中心に客足が戻ったが、十二月の感染拡大で再び人出が減った。店主の男性(73)は「正月も思ったほど人は来なかった。今回の緊急事態宣言の後はさらに客が減った」とあきらめ顔。好転の兆しは見えず、「この状態では商売にならない。うちは私一人だからいいが、人を雇っている店は厳しいと思う」と口を結んだ。十二日に公開が始まった秩父三大氷柱の一つ「あしがくぼの氷柱」は、ライトアップを一時間短縮し、土日と祝日は事前予約制にするなど慎重に運営している。横瀬町観光協会の金子るみさんによると、十四日の来場者は四百八十一人。例年との人出の違いはまだ分からず、様子見の状況という。多くの人に訪れてほしいが、感染を広げるわけにはいかず、金子さんは「今後も対策を徹底しながら公開していく」と話した。
●居酒屋、キャバクラ、ホストクラブ… 20時に閉店できない店主たちの本音 1/17 
新型コロナウイルス感染拡大を受けての緊急事態宣言発出で、飲食店には午後8時以降の営業自粛が要請された。しかし、午後8時以降に新宿、銀座、新橋など繁華街を歩くと、客で賑わう飲食店がちらほら。その“言い分”を聞こうと40軒以上の店に声をかけるも、取材はのきなみNG。そんななかで取材OKが出た店の店主たちの本音を紹介する。
まずは、新宿の居酒屋の「鳥田むら」だ。
同店の創業は1974年。継ぎ足しのタレが絶妙に絡み合う、備長炭を使った焼き鳥が味わえる。昭和の雰囲気がほどよく刻まれた店内は居心地がよく、長年通い続けるファンも多い。田村彰夫社長はいう。
「うちは新宿に2店舗、渋谷に1店舗あり、全部で家賃は200万円。人件費はざっと600万円です。国や都が提示している補助金を満額もらったとしても、とてもまかないきれない。従業員の生活を守らなければならないし、うちが閉めたら仕入れ先の方々はどうするんですか。国の言うことを聞いていたら、こちらの身が持たないんですよ。だから、20時を過ぎても営業します。
従わないと罰金50万円? もしそんなことを言われたら戦います。弁護士とも相談済みですから、準備はできています」
いわゆる「夜の店」と呼ばれる接待飲食業にとっては、もともと開店時間が遅いため、実質的な休業要請となっている。続いて、銀座の高級クラブ『ル・ジャルダン』の望月明美ママはいう。
「20時から店が始まるのに、20時に閉めてどうしろと言うのでしょうか。本当は休みたいけれど、休めないんです。前回はある程度の補償金がおりたので、120人いた女の子全員の生活を守ることができた。でも、今回の1店舗6万円の協力金だけでは、家賃にもなりません。
コロナ前、ウチは4店舗で年商10億円を売り上げ、税金もきちんと納めてきた。納税額に応じて協力金を支給していただけないものでしょうか。大きな店も小さな店も一律6万円では、不公平ですし、無理があります」(望月明美ママ)
ビルと店の入り口、座席で計3回の検温を行ない、店内は15台の扇風機を稼働させ、三密回避を徹底しているという『ル・ジャルダン』。同じく銀座のキャバクラ『Geraffe』の齋藤祐大店長も、苦しい胸の内を語る。
「休むことを求められているのは、十分理解しています。でも、1日6万円の協力金では、完全にマイナスになってしまう。昨年春の時点で内部留保は使い切っており、20時で閉めるのは現実的ではありません。
時間で区切るのではなく、席数の50%までとか1平米あたり何人までとか、人数制限する形のほうが良かったのでは。今はお客さんが少ないので、そもそも密にならないんです。キャストは半減し、残った者もシフトを減らさざるを得ないので厳しい状況です」
取材時の入店客は2組のみ。ビジネスマンの接待利用はゼロになり、客層は落ち着いた大人よりも派手な感じの若者が増えたという。キャバクラも苦しいが、ホストクラブも状況は変わらない。新宿歌舞伎町のホストクラブ『SINCE YOU…本店』の小田桐蓮総支配人はいう。
「現在の状況では20時からの営業を続けざるを得ません。これまでマスク着用や回し飲みの禁止等、真面目に対策してきました。歌舞伎町だけで約200店舗の飲食店が潰れたと聞いています。ウチだって1か月も休業したら、お客さんの気持ちが冷めて、店との関係が壊れてしまう。時短より、思い切って2週間の完全ロックダウンとかのほうが、公平で効果も大きいのでは。今回の時短営業の設定は特に水商売の人間に逆風が強い印象を受けます」
総支配人の小田桐蓮氏は、接客時もマスク着用を徹底。同店では入り口に設置された、消毒液のミストを噴射する「クリーンゲート」を通ってから入店する。
こうした状況について、日本水商売協会の甲賀香織代表理事はこう指摘する。
「前回の緊急事態宣言時よりも資金繰りに余裕がない店がほとんど。1日6万円の協力金では従業員の雇用を守れず、時短に応じられない店が続出しています。一方で休業する店の女性が困窮してパパ活やギャラ飲みなどに流れれば、感染が拡大するおそれもあります」
飲食店の取引先業者には最大40万円の支援金も発表されたが、焼け石に水。“瀬戸際の戦い”は、1か月後に終焉するのだろうか。 
●緊急事態宣言、7府県拡大後初の週末 小倉駅など4地点で人出増加  1/17
政府が緊急事態宣言の対象に7府県を加えてから最初の週末となった16日、NTTドコモが午後3時時点でまとめた主要駅や繁華街の往来データによると、7府県の計17地点のうち4地点で前週末の9日に比べ人出が増加した。
新型コロナウイルス感染拡大前(昨年1月18日〜2月14日)の休日平均からの増減率を9日と比較した。7府県では福岡県の小倉駅の人出が9日から最も大きく増えたほか、宇都宮駅や大阪・堺東駅は感染拡大前と比べても多くの往来が見られた。1都3県でも東京・銀座など20地点中13地点で増加した。
≪国内新規感染者7014人≫東京都は16日、新型コロナウイルスの感染者が新たに1809人報告されたと明らかにした。入院中の重症患者は136人となった。都内では今月に入り、1日当たりの感染者数が1000人を超える日が続出。医療提供体制の逼迫が深刻となっている。国内では新たに7014人の感染が確認された。 
●広島市は緊急事態の準宣言地域と判断できず 1/17
広島県は16日夜、新型コロナウイルス対策で広島市を国の緊急事態宣言に準じる地域とする対応について「現時点で準じる地域に該当するとは判断できない」と政府から伝えられたと明らかにした。14日に政府との調整入りを発表後、市の感染者数が想定以上に減ったためという。県は感染をさらに抑え込むため、集中対策の期限を17日から2月7日へ再延長して予定通り対策を強化するが、営業時間の短縮を要請する広島市の飲食店向けの協力金は84万円とし、公表していた126万円から減らす。
湯崎英彦知事が県庁で臨時の記者会見を開き、経緯を説明した。西村康稔経済再生担当相からこの日夕、新型コロナ特別措置法に基づく緊急事態宣言に準じる地域に広島市は該当しないという連絡を受けたと表明。市の直近1週間の新規感染者数(人口10万人当たり)は16・3人となり、13日時点の25・7人から減ったとして「想定以上に改善した」と述べた。
一方、感染拡大前の11月ごろに比べて依然多く、再拡大を防ぐために集中対策を再延長すると強調。宣言地域と同程度の対策で「徹底的に抑え込みたい」と県民に協力を求めた。
ただ集中対策のうち、午後8時までの時短に全期間協力した広島市全域の飲食店やカラオケ店に払う協力金は1店舗当たり3分の2に減らす。宣言に準じる地域として、政府の財政支援を当て込んで1日6万円で計算していたのが、4万円となるためという。
湯崎知事は「情報が混乱し、申し訳ない」と陳謝。国が、宣言に準じる地域を対象にする方針を示す飲食店の取引先への一時金も、広島市は直接対象にならないとしつつ、適用拡大を働き掛ける意向を示した。広島市中、東、南、西の4区の全住民や働く人約80万人を対象とするPCR検査は実施へ検討を続ける。
県は昨年12月12日に広島市を中心にした集中対策を開始。市民の外出機会の削減や市中心部の酒を出す飲食店の時短を求め、当初は今月3日までだった期限を17日まで延ばした。
対策を緩めると再拡大の恐れがあるとして、湯崎知事が14日、期限を再延長し、広島市で緊急事態宣言の対象地域と同程度の対策を取る方針を発表。市の感染状況を政府分科会の区分で下から2番目の「ステージ2」(漸増)以下にし、県全体もより低い水準にするのを目標に掲げた。
西村担当相も14日に都内で記者会見し、広島市を全国で初めて緊急事態宣言に準じる地域とする方向で調整中だと言明していた。 
●緊急事態宣言 食品の卸会社にも影響拡大 大量廃棄の事態も  1/17 
緊急事態宣言の影響は、時短営業を行う飲食店だけでなく、食材などを卸す取り引き先の企業にも広がり、売り上げの減少に加えて、食品を大量に廃棄せざるをえない事態にも直面しています。
このうち、外食向けの食品の卸会社は、飲食店の営業時間の短縮や企業で在宅勤務が広がっている影響で、居酒屋や社員食堂などからの注文が大幅に減少しました。
この会社の埼玉県戸田市にある物流センターでは、注文の減少を受けて食品を配送するトラックを小型のものに変えましたが、配送する商品が少ないため人件費や燃料代が負担となっています。
一方で、緊急事態宣言を受けて賞味期限が切れた食品の在庫が急増し、倉庫の一角には、近く廃棄する予定の冷凍のカニやカット野菜などが山積みになっていました。
この会社では、賞味期限が切れる前に支援団体などに食品を寄付することもありますが、大部分は廃棄せざるをえないのが実情で、廃棄のための費用もかさみます。
久世真也社長は「顧客である店舗で食材を欠品させないようにするため在庫に余裕をもたせてきたが、緊急事態宣言で需給のバランスが変化し、在庫を多く抱える形になった。廃棄を減らすために、取引先に新たなメニューを提案するなど努力をしているが、とても追いつかない」と話していました。 
●西村担当相、緊急事態宣言の拡大「適切に判断」 1/17 
西村康稔経済再生担当相は17日のNHK番組で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い発令した緊急事態宣言の対象地域拡大に関し「状況を見ながら適切に判断していきたい」と述べ、感染や病床の状況に応じ、地域を拡大する可能性に触れた。「東北や山陰など感染を低く抑えている地域もある」として、全国への拡大には否定的な考えを示した。
西村氏は「独自に緊急事態宣言を出し、国の宣言につながらないよう頑張っているところがいくつかある」と述べ、熊本、宮崎、茨城、三重、沖縄の各県に言及。「こういった地域の状況を日々、確認しながら、専門家の意見を聞いて適切に判断していきたい」と語った。
16日に7000人超の感染が確認されたことには「(感染時期にあたる)2週間前はお正月で人出が減った時期にも関わらず、これだけの数が出た」と危機感を表明。飲食店への休業要請など、さらなる措置をとる可能性については「さまざまな事態を想定し、専門家と議論を重ねている。最悪の事態も考えなくてはいけない」と述べつつ、当面は不要不急の外出自粛など、現行の対策を徹底する考えを示した。
同じ番組で、政府のコロナ分科会メンバーの舘田一博・日本感染症学会理事長は「今週で(発令から)2週間目を迎える。その時点で、例えば東京都で2000人を超える状況が続くようなら、宣言の効果が限定的だと考えざるを得ない」と述べ、「足りないようなら、追加の策を講じていくことが大事だ」と指摘した。
一方、西村氏は「緊急事態宣言に準じる地域」として、時短協力金引き上げなどの措置を検討していた広島市に関し、措置を見送る考えを表明した。「ここ数日(感染状況が)急速に改善された」と理由を語った。 
●コロナ対策 “去年春の緊急事態宣言時並みの徹底を” 西村大臣  1/17 
新型コロナウイルス対策をめぐり西村経済再生担当大臣は、NHKの「日曜討論」で、緊急事態宣言を長引かせないためにも、不要不急の外出自粛や出勤者の7割削減などの対策を去年春に宣言が出された時のように徹底するよう呼びかけました。
この中で、西村経済再生担当大臣は「午後8時までの営業時間短縮を飲食店にお願いし、その分、しっかりと支援していく。そのうえで、人の流れと、人と人との接触も減らさなくてはならず、不要不急の外出自粛と、出勤者の7割削減をお願いしている」と述べました。
そのうえで「これらは、去年の春にもお願いしたことで、徹底できれば、効果が上がってくると専門家にも言っていただいている。今、対策を徹底的にやって、効果は2週間後に表れてくるので、緊急事態宣言を長引かせないためにも、一体となって、徹底した対策をお願いしたい」と呼びかけました。
一方、西村大臣は、特別措置法の改正案について「大事なのが『予防的措置』で『まん延防止等重点措置』と法律上は書こうと思っている。緊急事態宣言は、広く、さまざまな制限がかかるが、前の段階で、地域や業種を絞り、措置をとっていく。実効性を上げ、宣言に至らないようにするということで、強制力を持てるようにしたい」と述べました。
そのうえで、事業者への罰則や支援について「行政的に手順を踏んで、理解をいただきながら進めていくので、いきなり罰則ということではなく、基本的人権を尊重し、私権の制約は最小限にすることを頭に置きながら、法案を作り、実際の運用もそうなるようにしたい。支援については『講ずる』と明記する方向で検討している」と述べました。 
 
 

 

●感染89人で高止まり続く沖縄 今夜にも「緊急事態宣言」か 1/18
沖縄県は17日、緊急事態宣言の発令などについて経済団体や県医師会と意見交換した。県によると、経済団体側から反対はなかった。県は18日、宮古や石垣の経済団体も含む「経済対策関係団体会議」に意向を確認後、定例の新型コロナウイルス対策本部会議を開いて宣言の発令を議論。早ければ同日夜にも発表する見通し。17日は10歳未満〜90代の男女89人が新型コロナに感染し、高止まりが続いている。
意見交換は、新規感染者数が100人を超えるなど感染が収まらない状況を受け、医師会が県に打診して開いた。関係者によると、県は「宣言を発令せざるを得ない状況だ」と必要性を指摘。国に要請するか、県独自で宣言を出すかは明言しなかった。国の財政的な支援なども確認した上で、総合的に判断する。
経済団体は「観光へのダメージが大きい」として往来自粛は求めないよう要望。一方、県医師会は往来自粛は必要との認識を示したという。県は往来自粛の表現について検討する考えを伝えた。経済団体は協力金支給対象の全県拡大や、経営者単位ではなく店舗単位での支給も求めた。医師会からは2月のプロ野球キャンプを「無観客でできないか」という意見もあった。
県は意見交換に先立ち対策本部会議を開き、医療の状況など確認した。
17日時点の累計感染者数は6400人。直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は33・08人で全国で9番目に多かった。
●週末の人出、梅田周辺は「約3.7倍」(前回宣言比) 京都市や神戸市も2倍に 1/18
関西の3府県に緊急事態宣言が出てから初めての週末の人出は、前回の宣言の時より大幅に増えたことがわかりました。今回の緊急事態宣言と去年4月の宣言の初めての週末の人出を比較すると、大阪・梅田駅周辺は、約3.7倍に増え、京都市や神戸市でも約2倍に増加しました。
【会社員】「週末はずっと家にいました普段平日も人出が多いので、休日もきっと多いんだろうと思って、あまり出ないようにしてました」
【会社員】「4月の時に比べたら正直あんまり変わってないなっていう感じがします。電車の中でも、早い時間に電車乗って来るんやけど、かなり混んでいるから」
京都では…
【ホテル関係の仕事】「ホテル関係です。ですから現場に行かないことには仕事にならないので。やむを得ず申し訳ないなとは思いますけど」
【専門学生】「朝の感じですと(人出は)あまり変わらない気がしますね」「僕ら専門学生なんですけど、オンライン授業してほしかった感じはありますけどなかったんで、僕の学校では」
●佐賀県が21日から時短要請 飲食店に協力金1日4万円 1/18
佐賀県は18日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、県内の飲食店に営業時間短縮を要請することを決めた。期間は21日〜2月7日。酒類の提供は午後7時まで、営業は午後8時までとする。飲食店には1日当たり4万円の協力金を支給する。
佐賀県内の飲食店への時短要請は、昨年4月22日〜5月6日に実施して以来。 
●茨城県 独自の緊急事態宣言を発出 新型コロナ 感染急拡大 1/18
茨城県は新型コロナウイルスの感染が急拡大し、病床の確保が追いつかなくなるおそれがあるとして、18日、独自の緊急事態宣言を出しました。
18日出された茨城県の独自の緊急事態宣言は、期間は政府の緊急事態宣言と同じ来月7日までの予定で、県はこの間、特別措置法に基づいて、県内全域での不要不急の外出自粛や、すべての飲食店を対象に、午後8時から午前5時までの営業の自粛を要請します。
県は、すべての日で営業時間の短縮に協力した店には、1店舗当たり84万円の協力金を支給するとしています。
さらに県は、政府の緊急事態宣言が出されている11の都府県との不要不急の往来の自粛のほか、学校の部活動の大会や練習試合、それに合宿の中止も要請しています。
このほか、水族館や博物館といった一般の人が利用する県の施設は、県立図書館を除いてすべて休館となっています。
県は今後も感染拡大が止まらず、病床の稼働率が、さらに悪化した場合には、政府に緊急事態宣言の発出の要請を検討せざるを得なくなるとしていて、感染対策への協力を呼びかけています。 
●大企業にも時短協力金、都が検討 小池知事が明らかに 1/18
新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言を受けて、飲食店などに要請している営業時間の短縮に伴う協力金について、東京都の小池百合子知事は18日、中小企業に限られている支給対象に大企業も含めるよう検討する方針を明らかにした。
都は現在、新型コロナ対応の特別措置法に基づき、飲食店やカラオケ店などに、営業時間を午後8時までに短縮するよう求めている。資本金や社員数などによって国が定める中小企業の定義に入る事業者には、時短要請に応じた場合、1日6万円を支給することにしている。だが、大企業には時短を要請する一方で、財政支援がないことから、「不公平だ」といった声が出ていた。
同様の時短要請を出している首都圏の神奈川、埼玉、千葉の3県は大企業も協力金の支給対象にしていた。
都によると、現在支給の対象としている中小企業は都内に約8万店ある。大企業を含めた店舗数は現在、集計しているという。小池知事は18日、報道陣の取材に対し、「できるだけ早く検討するよう担当に指示している」と述べた。 
●東京都 新型コロナ 1204人の感染確認 月曜日で2番目の多さ  1/18
東京都は、18日午後3時時点の速報値で都内で新たに1204人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1日の感染の確認が1000人を超えるのは6日連続で、月曜日としては2番目に多くなりました。東京都は、18日午後3時時点の速報値で都内で新たに10歳未満から90代までの男女合わせて1204人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1日の感染の確認が1000人を超えるのは6日連続で、月曜日としては、1週間前(11日)の1219人に次いで2番目に多くなりました。
これで都内で感染が確認されたのは合わせて8万6674人になりました。また、都の基準で集計した18日時点の重症の患者は、17日より5人増えて143人でした。 
●小池知事 東京五輪の中止可能性の報道に「粛々と進めていく」 1/18
東京都の小池百合子知事は18日、米有力紙ニューヨーク・タイムズが今夏の東京五輪・パラリンピックの中止の可能性を伝えたことについて「東京都は、ホストシティ。開催都市としての責任がある。それを粛々と進めていく。このことに変わりありません」と述べた。
記者団から報道への感想を尋ねられたのに答えた。
米有力紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は15日、新型コロナウイルスの影響で今夏の東京五輪の開催見通しが日々厳しさを増しており、第2次大戦後、初の五輪開催中止に追い込まれる可能性があると伝えた。  
●山口県宇部市のクラスターは扶老会病院 感染者は70人 1/18
山口県で18日、新たに88人の新型コロナウイルス感染が確認された。県内の1日の感染者数としては過去最多。うち68人は宇部市の扶老会病院の患者と職員で、県は同病院を巡って県内13件目のクラスター(感染者集団)が発生したと発表した。同病院では先に職員2人の感染が確認されており、一連の感染者は70人と県内では過去最大のクラスターとなった。 
●緊急事態宣言再発令の翌日 神戸・中心部も人出増 1/18
新型コロナウイルス感染急拡大による緊急事態宣言が再発令された翌日、神戸市中心部の人出が前週より増えたことが市の調査などで分かった。三宮や元町など9地点のうち8地点で増え、増加率が7割に迫る場所も。昨年4月の宣言後は大半の地点で減少したが、再発令による外出抑制の効果が出ていない実態が明らかになった。
同市は、関西電力などが街中に設置した赤外線センサーで集計した歩行者数のうち、主な9地点のデータを公開している。
再発令翌日の14日と1週間前の7日の数値を比べたところ、14日の歩行者数が上回ったのは8地点。約1万4千人増の神戸マルイ東側が最大で、増加率も69・1%と最も高かった。このほか、ジュンク堂書店三宮店の南西(7日比44・7%増)、阪急神戸三宮駅西口前(同43・4%増)など前週から4割前後増えたのが5地点に上った。減少したのは、大丸神戸店南西(同62・6%減)のみだった。
県は飲食店に午後8時までの営業を要請しているが、周辺に店が多い阪急神戸三宮駅西口前やJR元町駅東口南東で14日午後8〜12時の人出は、7日よりも500〜600人多かった。
1回目の宣言が出された昨年4月7日の翌8日と前週の同1日では、7地点中5地点で宣言後に約19〜33%減っていた。
市は、夜間の外出を抑えるため、市営地下鉄と市バスの一部路線を22日から、午後10時以降の2〜3割を減便する。
一方、兵庫県も18日、再発令後の週末の人出が県内主要駅周辺で、昨年4月の宣言直後を大幅に上回っていることを明らかにした。JR姫路駅周辺では60%も多かった。
ヤフー・データソリューションから提供された情報で、三ノ宮駅周辺で37・8%、西宮北口は58・2%増。阪神尼崎駅周辺は19・5%減った。
●緊急事態宣言後の県内主要駅人出 前回比で大幅増 1/18
兵庫県は18日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言再発令(13日)後の週末の人出が、県内主要駅周辺で、4月の宣言直後を大幅に上回っていることを明らかにした。JR姫路駅周辺では60%も多かった。一定の外出自粛はみられるが、飲食店などの休業要請にまで踏み切った前回と比べ、効果は薄くなっている。
県がヤフー・データソリューションから提供された情報を示した。JR三ノ宮、阪神尼崎、阪急西宮北口、JR姫路駅周辺の4地域について来訪者数を比較した。
調査によると、再発令後初めての土曜日となった1月16日と、前回の宣言直後の土曜日の4月11日を比べると、人出は三ノ宮駅周辺で37・8%増加。西宮北口は58・2%、姫路駅周辺は60・0%増えた。阪神尼崎駅周辺は19・5%減った。
1月16日と再発令直前の土曜日の9日を比べると、4地域の人出は4・9〜18・4%減少した。
●コロナ変異種、市中感染か 静岡の男女、初の経路不明―厚労省 1/18
厚生労働省は18日、新型コロナウイルスに感染した静岡県内の男女3人から、英国で流行しているのと同じ型の変異種が検出されたと発表した。英国を含む海外への渡航歴や、入国者との接触はない。感染経路不明の感染者が確認されたのは初めてで、日常生活を送る中でうつる「市中感染」の疑いがあり、厚労省が警戒を強めている。
厚労省によると、3人は20代と40代の女性、60代男性でいずれも1月上旬に発症。3人とも重症ではなく、自宅療養をしている。不特定多数との接触はない。
女性2人は、PCR検査で変異種感染の疑いが出ていた人の追跡調査を通じて感染が発覚した。男性は、変異種調査のために実施している陽性者の全遺伝情報(ゲノム)解析を進める中で感染が分かった。40代女性は20代女性の濃厚接触者で、20代女性からうつった可能性もあるが、断定は難しいという。
女性2人の変異種感染が発覚するきっかけとなった人は1月に感染が発覚。英国に渡航歴はないという。
国立感染症研究所の脇田隆字所長は18日夜、記者会見し、「感染に面的な広がりはないが、状況から国内感染が起きたと推定できる」と述べた。脇田所長によると、3人から検出された変異種の遺伝子配列はほぼ同じという。感染研は変異種の構造を詳しく調べるとともに、静岡県内での調査体制を強化する方針だ。
厚労省は18日、昨年12月31日に英国から入国した東京都の20代男性の変異種感染が新たに確認されたことも発表した。国内での変異種感染者は計45人になった。
●「新型コロナウイルス」関連破たん 1/18
1月18日は17時時点で「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が1件(倒産1件)判明し、2月からの累計は全国で884件(倒産812件、弁護士一任・準備中72件)となった。月別では、103件発生した6月以来、7月は80件、8月は67件と前月を下回ったが、9月は100件で3カ月ぶりに前月を上回り、以降11月まで3カ月連続で100件を上回った。12月は100件を下回ったが、96件と依然として高止まりで推移。1月も18日時点で41件が判明し、100件ペースが続く。なお、集計対象外だが、負債1,000万円未満の小規模倒産は累計45件判明。この結果、負債1,000万円未満を含めた新型コロナウイルス関連破たんは累計929件となった。1都3県で始まった緊急事態宣言の再発令から10日が経過した。この間、対象地域が拡大する一方、感染者数は減少の気配はみられない。対象地域では飲食店に対する時短営業が続くなか、外出自粛要請で消費の停滞が広がり、関連業界への深刻な影響が懸念される。感染拡大を防止する難しい舵取りが続く一方で、事業環境の悪化で新型コロナ破たんはさらに増加する可能性もあり、断続的な資金繰り支援が求められている。
都道府県別 / 都道府県別では、東京都が220件(倒産203件、準備中17件)に達し、全体の4分の1(構成比24.8%)を占め、突出している。以下、大阪府が82件(倒産78件、準備中4件)、愛知県43件(倒産42件、準備中1件)、神奈川県41件(倒産37件、準備中4件)、兵庫県39件(倒産35件、準備中4件)、北海道35件(倒産34件、準備中1件)と続く。18日は山形県で1件判明した。都道府県別では10〜20件未満が15府県、20〜30件未満が4県、30件以上は7都道府県に広がっている。
業種別 / 業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が153件に達した。緊急事態宣言の再発令の影響で飲食業の新型コロナ破たんがさらに増加する可能性が強まっている。次いで、百貨店や小売店の休業が影響したアパレル関連(製造、販売)が84件。工事計画の見直しなどの影響を受けた建設業が71件、インバウンドの需要消失や旅行・出張の自粛が影響したホテル,旅館の宿泊業が60件と続く。また、飲食業などの不振に引きずられている飲食料品卸売業が44件、食品製造業も31件と目立ち、飲食業界の不振が関連業種にも影響している。
負債額別 / 負債額が判明した865件の負債額別では、最多が1億円以上5億円未満で317件(構成比36.6%)。次に、1千万円以上5千万円未満275件(同31.7%)、5千万円以上1億円未満150件(同17.3%)、10億円以上62件(同7.1%)、5億円以上10億円未満61件(同7.0%)の順。負債1億円未満が425件(同49.1%)を占める。一方、100億円以上の大型倒産も5件発生しており、小・零細企業から大企業まで経営破たんが広がっている。
形態別 / 「新型コロナ」関連破たんのうち、倒産した812件の形態別では、破産が717件(構成比88.3%)で最多。次いで民事再生法が46件(同5.6%)、取引停止処分が45件(同5.5%)、特別清算3件(同0.3%)、会社更生法が1件(同0.1%)と続く。「新型コロナ」関連倒産の約9割を消滅型の破産が占め、再建型の会社更生法と民事再生法は1割未満にとどまる。業績不振が続いていたところに新型コロナのダメージがとどめを刺すかたちで脱落するケースが大半。先行きのめどが立たず、再建型の選択が難しいことが浮き彫りとなっている。
従業員数別 / 「新型コロナ」関連破たんのうち、従業員数(正社員)が判明した811件の従業員数の合計は1万3,033人にのぼった。811件の内訳では従業員5人未満が399件(構成比49.1%)と、約半数を占めた。次いで、5人以上10人未満が157件(同19.3%)、10人以上20人未満が131件(同16.1%)と続き、従業員数が少ない小規模事業者に、新型コロナ破たんが集中している。従業員50名以上の破たんは8月以降、月間2件以下の発生にとどまり、小規模化が顕著となっている。 
 
 

 

●コロナ拡大止まらず、東京1240人 沖縄は緊急宣言への追加要請か 1/19
全国的な新型コロナウイルス感染拡大が止まらず、東京都では19日、新たに1240人の感染が確認された。政府が緊急事態宣言を発令した都府県以外でも、国に対象への追加を要請する動きや、独自の緊急宣言の発出が相次いでいる。
東京都の新規感染者は7日連続で1000人を超えている。重症者は19日現在で155人と前日から12人増加し、過去最多を更新した。
政府が緊急事態宣言を発令した1都10府県以外でも感染は拡大しており、読売新聞は同日、沖縄県が緊急事態宣言の対象区域に追加するよう国へ要請する方向で最終調整していると報じた。
また、県内で新型コロナ変異種の感染例が確認された静岡県の川勝平太知事は、県独自の「感染拡大緊急警報」を発令した。
●沖縄県、独自の緊急事態宣言へ 期間は2月7日まで 午後の会議で決定 1/19
沖縄県は19日、新型コロナウイルスの感染拡大による医療崩壊を防ぐため、県独自の緊急事態宣言を発出する方針を固めた。玉城デニー知事らが同日午後の対策本部会議で決定する。関係者によると、期間は2月7日までで、人と人の接触を減らす対策を打ち出す。
具体的な内容では、現在の緊急特別対策では午後10時までで要請している飲食店や遊興施設の営業を午後8時までに2時間前倒しする。応じた場合の協力金は当面現行の1日4万円で算出する。
その上で、国の緊急事態宣言に準じた地域に指定するよう政府に要請し、認められば飲食関連の協力金を1日6万円で算出できるよう支援を拡充するほか、飲食店との取引先や観光業など緊急事態宣言で影響を受ける業種への新たな支援を求める考えだ。
県民には午後8時以降の不要不急の外出自粛などを求める方向で調整している。
●沖縄、きょう夕に独自の緊急事態宣言発出へ 1/19
沖縄県は新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めをかけるため、県独自の緊急事態宣言を19日夕、発出する。2月7日までの期間とし、飲食店などへの営業時間短縮要請は現行の7市を対象にした午後10時までから、全市町村を対象に午後8時までに前倒しする。テレワークによる出勤7割減、イベントの開催制限なども県民に求める。時短要請に応じた事業者には1日4万円の協力金を支給する見込み。経済界や市町村と調整し、県の対策本部会議を開いた後、玉城デニー知事が発表する。一方、経済界が求める営業補償の拡充や1日6万円の協力金支給に対応する財源確保のためにも、国の緊急事態宣言対象地域へ追加要請する2段構えとする。県独自の緊急事態宣言発出は、2020年4月、7月に次いで3度目となる。
県内では年明けから感染が再拡大し、16日には過去2番目に多い130人の新規感染が確認された。18日に県が発表した新規感染者は67人で、月曜日で最多だった。累計は6467人。直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は34・11人(全国8位)で、政府の感染状況を示す指標では「ステージ4」(爆発的感染拡大)に該当している。県は17、18日に対策本部会議や、医療関係者、経済界との会合を開き、対応を協議した。
県内の医療提供体制は逼迫しており、落ち込む県経済の下支えのためにも、国の緊急事態宣言対象地域への追加を求めるが、追加は政府の判断となるため、まずは県独自の宣言で医療と経済の両輪維持に取り組む考えだ。
●沖縄県が独自の緊急事態宣言を発出 知事「全県民の行動変容を」 1/19
玉城デニー知事は19日午後7時ごろ、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて警戒レベルを第4段階(感染まん延期)に引き上げ、県独自の緊急事態宣言を発出した。期間は20日から2月7日まで。県民に不要不急の外出を控え、特に午後8時以降は自粛するよう県民に求めている。玉城知事は記者会見を開き「地域の別なく全世代に感染が拡大している。地域医療崩壊が目の前だ。感染拡大を押さえ込むには全ての県民の行動変容が求められている」と呼び掛けた。
飲食店などへの営業時間短縮要請は現行の7市対象の午後10時までから、午後8時までに2時間前倒しし、県内全域に対象を拡大する。
国の緊急事態宣言が発出されている地域や独自の緊急事態宣言を出している地域、県内離島との往来は控えるよう求めた。それ以外の地域との往来については自粛は求めなかった。各職場ではリモートワークなどの導入で出勤者を7割削減を目指すよう要請した。
併せて経済界が求める営業補償の拡充や1日6万円の協力金支給に対応する財源確保のためにも、国の緊急事態宣言対象地域へ追加要請する方針を示した。
19日の対策本部委会議で決定した。県独自の緊急事態宣言発出は、2020年4月、7月に次いで3度目となる。
県内では年明けから感染が再拡大し、16日には過去2番目に多い130人、19日には過去3番目に多い113人の新規感染者が確認された。
●大野知事「危機的な状況続く」 1/19
緊急事態宣言が出されてからまもなく2週間となる中、埼玉県の大野知事は19日の記者会見で「感染拡大のスピードは一定程度、鈍化したものの、いくつかの数値は増加傾向にあり、危機的な状況は続いている」と述べ、改めて危機感を示しました。
埼玉県では、感染状況などに関する6つの指標が、先週は5つの項目で最も深刻な「ステージ4」の状態でしたが、18日の時点では、PCR検査の陽性率と、直近1週間の新規陽性者と前の週との比較の、2つの項目がステージ4の基準を下回りました。
これについて、大野知事は19日の記者会見で「感染拡大のスピードは一定程度、鈍化したものの、重症の病床率は、病床を順次拡大している中でも増加傾向にあるなど、危機的な状況は続いている」と述べました。
そのうえで「今週は緊急事態宣言が出された直後よりも人出が増えている所もある。最初の感染確認から1年が経ち、県民が自粛にあきあきしているのもしかたがないとは思うが、今まで以上に感染が広がっている状況であり、特に今まで自粛に協力していただいていない方に協力をお願いしたい」と述べ、あらためて不要不急の外出の自粛への協力を呼びかけました。
●都内1240人感染 重症は最多 1/19
東京都は、19日午後3時時点の速報値で、火曜日としては2番目に多い1240人が都内で新たに新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1日の感染の確認が1000人を超えるのは7日連続です。また、都の基準で集計した19日時点の重症の患者は前日より12人増えて155人となり、これまでで最も多くなりました。
東京都は、19日午後3時時点の速報値で都内で新たに10歳未満から90代までの男女あわせて1240人が、新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1日の感染の確認が1000人を超えるのは7日連続で、火曜日としては、今月5日の1278人に次いで2番目に多くなりました。この日1240人の年代別は、10歳未満が28人、10代が60人、20代が282人、30代が211人、40代が192人、50代が186人、60代が104人、70代が92人、80代が69人、90代が16人です。
これで都内で感染が確認されたのはあわせて8万7914人になりました。また、都の基準で集計した19日時点の重症の患者は前日より12人増えて155人となり、今月12日の144人を上回ってこれまでで最も多くなりました。
●東京 新型コロナ 死亡は最多16人 感染確認1240人 重症者も最多  1/19 
東京都は19日、火曜日としては2番目に多い1240人が都内で新たに新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。都の基準で集計した19日時点の重症の患者は155人となり、過去最多です。また、都は感染が確認された16人が死亡したことを明らかにし、1日の発表人数としては最も多くなりました。東京都は19日、都内で新たに10歳未満から90代までの男女、合わせて1240人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1日の感染の確認が1000人を超えるのは7日連続で、火曜日としては今月5日の1278人に次いで2番目に多くなりました。
19日の1240人のうち、およそ40%にあたる491人は、これまでに感染が確認された人の濃厚接触者で、残りのおよそ60%にあたる749人は、これまでのところ感染経路がわかっていないということです。これで、都内で感染が確認されたのは、合わせて8万7914人になりました。一方、都の基準で集計した19日時点の重症の患者は、18日より12人増えて155人となり、今月12日の144人を上回って、これまでで最も多くなりました。また、都は、感染が確認された16人が死亡したことを明らかにしました。1日の発表人数としては、去年5月2日の15人を上回って最も多くなりました。これで都内で死亡した人は、合わせて744人になりました。
都内で新型コロナウイルスの感染が確認された人のうち、都の基準で集計した重症の患者が、19日時点で過去最多の155人となったことについて、小池知事は記者団に対し「非常に多い数字だ。持病がある高齢者がこじらせて重症になるケースが増えてきている。ベッドも確保できているが、重症にならないためにも、できるだけ早く対応できるようにしたい」と述べました。
また、19日、1日の発表人数としては、これまでで最も多い16人が死亡したことに関連して、小池知事は「病院の報告の関係でまとまった数字になったと聞いている。やはり高齢の方がほとんどだ」と述べました。 
●「自粛警察」なぜ消えた? 専門家、罰則導入で再燃懸念 1/19
昨年の緊急事態宣言時に話題となり、流行語にもなった「自粛警察」。政府や自治体の要請に反して外出する人や営業する店舗を過度に批判したり、嫌がらせをしたりする人たちを指した造語だが、今回の緊急事態宣言では鳴りを潜めたように見える。専門家は「正義に自信がなくなったことにある」と背景を分析する。
昨年は、既に休業していた店舗にまで「オミセシメロ」との貼り紙がされたり、県外ナンバーの車が傷つけられたりした。営業中のスポーツクラブのドアを蹴り壊して、男が器物損壊容疑で逮捕されたこともあった。
個人と社会の関係などを研究する同志社大の太田肇教授(組織論)は、「振りかざした正義が批判された人たちは、多くの人の支持を得られなかったと自信を失い、同時に多様な価値観を学んで減っていった」と推測する。
再度の緊急事態宣言発令後も自粛警察が表面化しない理由は、「ルールとなる自粛の基準が曖昧な上、要請に従わない人が多く、正義への自信が持てないままになっている」と分析。新型コロナウイルスへの理解が進み、漠然としていた感染への恐怖や不安が薄らいだことも要因として指摘した。
新潟青陵大大学院の碓井真史教授(社会心理学)は、休業要請に応じない事業者などへの罰則検討の影響を挙げる。罰則化の議論により、自粛警察は自身の気持ちが理解されたように感じ、怒りが緩和されて減少したという考え方だ。ただ、実際に罰則が導入された場合には、「法律ができても取り締まられなければ、『自分が裁くしかない』とまた増えてくるかもしれない」と危惧する。
碓井氏は、善意の思い込みと不安が強く、行動力のある人ほど自粛警察化する恐れがあると指摘。「衝動的にならないよう冷静に行動してほしい。人権を侵害するような私刑はあってはならない」と訴えた。
●五輪開催、ワクチン前提とせず 加藤官房長官 1/19
加藤勝信官房長官は19日の記者会見で、東京五輪・パラリンピックの開催は新型コロナウイルスのワクチン接種を前提としないとの考えを示した。加藤氏は「ワクチンを前提としなくても、安全・安心な大会を開催できるよう、必要な検査、行動管理をはじめとした総合的な感染症対策について検討が進められている」と述べた。
●変異種、全国で監視強化 加藤官房長官 1/19 
加藤勝信官房長官は19日の記者会見で、英国で流行している新型コロナウイルスの変異種が静岡県内で確認され、市中感染が疑われていることに関し、「他地域においても変異種の感染の可能性を想定しながら、全地域で変異が起きているかいないか監視体制を強化していく」と説明した。
加藤氏はまた、「変異種でも予防対策は基本的に一緒だ」と述べ、マスク着用や3密回避、手洗いの徹底に努めるよう呼び掛けた。
●“コロナ感染拡大初期段階で中国の対応に遅れ” WHO独立委 1/19
新型コロナウイルスについてWHO=世界保健機関や各国の対応を検証している独立委員会が中間報告を公表し、感染拡大の初期段階で中国の対応に遅れがあったなどと指摘しました。
去年7月に設置された独立委員会は、今後の感染症対策への教訓を得ようと新型コロナウイルスが世界的な大流行に至った経緯のほか、WHOや各国の対応を検証しています。
18日に公表された中間報告によりますと、おととし12月の時点で中国・湖北省の武漢で確認された原因不明の肺炎は新型のウイルスによるものだと予測できただけの証拠があるとしています。
そのうえで「明白なのは、中国の保健当局は去年1月の時点でより強力な公衆衛生上の措置を取れたはずだということだ」として、感染拡大の初期段階で中国の対応に遅れがあったと指摘しています。
またWHOについては、中国国外にも感染が拡大する中「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言が去年1月30日まで出されなかったことを疑問視し、宣言のあともほとんどの国で必要な措置が取られなかったとして、各国に警告する仕組みをつくり直す必要があると指摘しています。
独立委員会は19日に開かれるWHOの執行理事会で中間報告を示したあと、5月のWHO年次総会に最終報告を提出する予定です。
加藤官房長官は、閣議のあとの記者会見で「中間報告で、中国に関して『対応の初動において基本的な公共保健措置を実施する機会が失われている』などと指摘されていると承知している。発生起源や人への伝ぱ経路の調査のために、WHOの国際調査団がすべての必要な情報にアクセスし、科学的、客観的で透明性のある調査を現地で行っていくことが重要だ。今後、現地調査の結果、科学的な知見が得られ、5月に予定しているWHO総会に最終的な報告書が提出されることを期待したい」と述べました。 
●国民の権利を封じる…コロナ特措法導入のウラで進んでいた「ヤバい議論」 1/19 
憲法違反にもなりかねない
菅政権はようやく重い腰を上げて、遅れていた「特措法」(新型インフルエンザ等対策特別措置法=新型コロナウイルス感染症対策特別措置法)と「感染症法」(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)の改正に向けて動き出した。しかし、早くも、その内容作りが混乱を極めているようだ。
中でも筆者が危惧するのは、「迅速な対応」の美名のもとに、緊急事態宣言が発出される前の段階を想定した「まん延防止等重点措置」という概念を新たに特措法に導入するという議論だ。
この予防的措置の期間中、内閣総理大臣が政府対策本部長となり措置の期間や都道府県単位の区域を指定したうえで、対象となった都道府県の知事が事業者に営業時間の変更を「要請」できることとし、正当な理由なく従わなければ「命令」に切り替えて、違反した場合は行政法上の過料(30万円以下)を科す仕組みにすると報じられているのである。
これほど憲法をないがしろにする話はないだろう。ここに至っても繁華街の人出が十分に減らない現実を踏まえれば、感染症が蔓延する“有事”に対策の有効性を高めるため、個人の権利を一定の範囲で制限することは止むを得ない。
しかし、緊急事態という“有事”を宣言せずに、言い換えれば、“有事”でもないのに、憲法で保障された国民の自由な権利を制限するのは、憲法違反にもなりかねない蛮行だ。
加えて、報道によると、営業の自粛や営業時間の短縮、外出の自粛など様々な私権制限に伴う措置に従った企業や人々に対する補償や支援について、政府は直接の責任を負わない方針と伝えられていた。
改正法に明記するのは、自治体への「財政的な支援に努める」という文言だけで、政府は都道府県への支援の努力義務しか負わないというのである。これでは、十分な財源のない自治体がどこまで企業や人々を支援できるか不透明だったのだ。
刑罰や過料の具体例まで出ている
さらに、感染症法や特措法に違反した場合の処分が厳し過ぎないかという問題も存在する。
そして、具体的な改正案をこの段階に至るまで、国民に広く公表しようとせず、パブリックコメントにも付さずに政府案を閣議決定しようとしているとみられることも、菅内閣の政治姿勢が問われてもおかしくない大きな問題だ。
安倍前政権は現行法でできることをやらずに、現行法にできないことばかりを言い募り、昨年の通常国会の改正時にはおざなりの改正しか行わなかった。これでは無責任とのそしりを免れない。
そして、菅内閣は、昨年秋の国会で喫緊の課題だった再改正論議を封印し、だらだらと旅行需要喚起策である「Go To トラベル事業」を継続。各種世論調査において内閣支持率の急落に直面して、ようやく懸案の特措法と感染症法の改正に重い腰をあげた途端、独裁国家のような改正案作りを密かに推し進めている。コロナ危機を一段と深刻なものにしかねない危うい状況に、与党内でも不安と不満が溜まり始めているという。
散発的な新聞やテレビの報道によると、特措法と感染症法の再改正方針やその内容について、政府は昨年12月17日の厚生労働省の厚生科学審議会感染症部会に諮ったほか、1月12日に与野党に対して改正案を提示、さらに1月15日に内閣官房の新型コロナウイルス感染症対策分科会にも内容を諮問したことになっている。
さらに、本稿掲載の前日にあたる1月18日には、自民党のコロナ本部・関係部会合同会議で、法案審議を行った。
ところが、報道によると、政府が18日に自民党から了解をとりつけたという案でも、依然として「必要な措置を効果的に講ずる」との表現にとどまっており、十分な支援や補償が行われるか疑問な状況である。
しかし、それらを通じて議論された法案の内容が共有されているのは、永田町と霞が関の一部だけだ。国民にはいまだに全容が開示されていない。当然、広く国民の意見を聞くパブリックコメントに付す動きも見られない。
それどころか、厚労省と内閣官房の該当会議のホームページでも、刑罰や過料などを含む具体策を記した討議資料がアップされていないのだ。
量刑はあるのに補償は曖昧…
政府案は政府が万全を期して国会に提出すべきものだ。ここまでの菅政権の振る舞いが意味するのは、国民的な議論を経ないないまま、有事法制の一種である特措法と感染症法の再改正に関する政府案の決定を押し進めようとしていることに他ならない。
政府案の国会提出後に国会審議が控えているとはいえ、私権を制限する特措法と感染症法の改正が過去にあまり例のない有事法制の改正に該当することを勘案すれば、あまりにも安易かつ乱暴で、民主主義国家にあるまじき政策決定プロセスと言わざるを得ない。
問題は、手続きにとどまらない。前述の部会、与野党への説明、分科会の状況に関する散発的な報道から推し量るしかないが、肝心の内容も冒頭で記したように法秩序をないがしろにするものなのだ。
繰り返しになるが、第一は、憲法で規定されている国民の権利をいたずらに侵害しかねない「まん延防止等重点措置」の問題だ。民主主義国家において、私権の制限や民間企業に対する営業時間の短縮や休業の要請・勧告といったことは、国家の存亡に関わるような危機的な状況下において、制限的にしか認められないはずである。
しかも、一部報道にあるように、予防的措置の段階で、内閣総理大臣が対策本部長となり、対象の期間や地域を決定するというなら、その段階で緊急事態宣言が発出できるはずである。中途半端な「予防的措置」の新設は、憲法を頂点とする司法体系を揺るがしかねず、百害あって一利なしである。
第2の補償の問題も深刻だ。緊急事態宣言に基づく経済活動の制約のもと、各個人や個別企業の損害に応じて丁寧に補償を行うのは現実的、技術的に不可能だというなら、金額の多寡は別として、昨年春に実施した1人一律10万円の特別給付金のような形でも良いから、困窮する人や企業を必ず支援する仕組みを導入するなど、政府の義務をきちんと明記しなければならない。
第3が量刑だ。これも報道ベースだが、重い順に、感染症法の改正で、入院勧告に従わない感染者には「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」の刑事罰を設け、保健所が感染経路を把握するために行う聞き取り調査への協力を拒んだ者には「50万円以下の罰金」を科すという。
有事法制でより乱暴な理屈がまかり通ってしまう
また、現在は規定がない都道府県知事による自宅・宿泊療養の要請を明記したうえで、従わないケースでは入院勧告に切り替えられるようにする。それにも従わない者には、前述の「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科される仕組みになるというのだ。
特措法改正では、都道府県知事が飲食店など対象施設に営業時間の短縮などを「要請」し、正当な理由なく従わなければ「命令」に切り替え、それにも従わなければ、緊急事態宣言下で50万円以下、予防的措置下で30万円以下の過料が待ち受けることになるという。
筆者は本コラムで処分規定の新設が必要だと主張してきたが、政府が目論む刑罰や過料は厳し過ぎると感じないではいられない。政府は謙虚に国民の声を聞く機会を設けるべきではないだろうか。
筆者の周りには、こうした法改正議論に至った日本の構造問題を憂える向きが多い。
昨年早春から国民に対する危機の周知徹底と、改正前の特措法の下での緊急事態宣言の発出を渋った安倍前政権の怠慢を追及する声や、その裏で自粛に応じた店舗への支援・補償に伴う財政支出を嫌った財務省官僚の官邸への働きかけを問題視する声だ。
さらには、前政権の基本方針を踏襲した菅政権のコントロールタワー不在や、中途半端な経済振興策を進講し続けた政策スタッフたちの不見識を指摘する声もある。が、現状は切羽詰まっており、そうした構造問題の検証に割く時間の有用はないだろう。
一方で、感染が下火になる兆しのない状況だけに、少しでも効力のある特措法と感染症法を求めて、迅速な対応や厳しい処分の手当てを速やかに求める向きも少なくない。しかし、そうした声に押されて、現在の政府案のような改正が拙速に実現することがあってはならない。
将来、戦争などを想定した本格的な有事法制で、より乱暴な法体系作りに道を開く悪しき前例になりかねないからだ。 
●コロナ禍で集まれない...遠くの親戚より近くの他人 1/19 
「アーケードハウス」で人を呼ぶ!シャッター商店街を救う秘策
新型コロナの影響で人々の生活が一変する中、「地域課題」が山積みの日本。しかし、そんな身近な問題を、住まいで解決する「課題解決型住宅」が次々と生まれている。福岡県北九州市にある「寿通り」は戦後から商店街としてにぎわい、地元の人たちの生活を支えてきた。しかし近年は時代の波にのまれ、多くの商店街同様、シャッター通りと化していた。
寿通りの惣菜店「コトブキッチン」。店主の福岡佐知子さんは、町おこしのイベントで寿通りに関わったことがきっかけで、3年前に店をオープン。今ではすっかり地域に馴染み、「寿通りがどうにか過ごしやすい、楽しいと思えるところにしたい」と願う。そんな福岡さんには、商店街を蘇らせるある秘策が。
去年3月、福岡さんの想いに共感した一級建築士の田村晟一朗さんが訪れたのは、廃業した時計店。荒れ放題になっていた建物を隈なく調べる。実は福岡さんと田村さんは、この時計店など3店舗をぶち抜き、「アーケードハウス」として集合住宅に生まれ変わらせようとしていた。店を呼ぶのではなく、2階に住まいを作る。「人が戻れば店も増える」という逆転の発想だ。
2人の熱意に周囲も賛同。建物の大家さんからも積極的な協力が得られることに。長くこの街を見守ってきた大家さんも「商店街をなんとかしたい」と考えていたのだ。強力なバックアップを得て、本格的な作業に入った田村さんは、古く傷んだ建物に悪戦苦闘しながらもプランを進める。
ここまで順調だった計画は思わぬ事態に。去年4月には緊急事態宣言が発令され、計画は中断を余儀なくされる。時を同じくして、駅前の大型デパートが8月に撤退する知らせが...。しかし、街に暗雲が立ち込める中、なぜか寿通りに新店舗が続々オープン! 果たして、商店街にいったい何があったのか。前代未聞の「シャッター商店街住宅化計画」の行方は?
ギブアンドテイクで助け合い!介護の人手不足も解消
高齢化社会と呼ばれて久しい日本。兵庫県神戸市長田区は、2025年には65歳以上の人口が35%になると言われるほど高齢化が顕著な街。日本有数の「都市型高齢化地域」とあり、住まいで問題を解決するユニークな取り組みが注目を集めている。4年前にできた高齢者施設「はっぴーの家ろっけん」は、6階建ての2階から上でお年寄り32人が暮らしている。ところが1階へ降りると、親子連れや学生、外国人といった介護とは無縁の人々で大賑わい。コミュニティスペースとして近所の人の憩いの場となっていた。母親が買い物している間、入居者に子どもを見てもらう一方で、入居者の話し相手をしたり、資格が必要ない簡単な介助をする。そこには世代を超えた交流が生まれ、介護スタッフの負担軽減にも繋がっていた。
「Happy」代表・首藤義敬さんがこの施設を作ったきっかけには、長田区の歴史が深く関わっている。かつては長屋が立ち並び、ご近所同士が支え合いながら暮らす典型的な下町だった。この地で生まれ育った首藤さんは、小学3年生の時、阪神・淡路大震災に見舞われる。未曾有の大災害を家族や近所の人たちと助け合って乗り越えた経験を持つ首藤さんが、人の繋がりを取り戻したいと作ったのが「はっぴーの家」だった。
ここでは、介護の人手不足も無縁。旅の途中や家族の入居相談で訪れた若者が「ここで働きたい」と続々集まってくるのだ。みんなが楽しそうだから、働きたくなる。介護の常識を変えた運営方法には行政からも視察が殺到しており、「この街で子育てがしたい」と、「はっぴーの家」周辺には約20世帯が移住してきた。地域の活性化にも繋がっているのだ。
そんな好循環にもコロナの足音は迫っていた。去年3月、全国の高齢者施設でクラスターが多発。「はっぴーの家」では感染者が出ていないものの、以前のように大勢で集まることはできない状況に。施設の売りを根底から揺るがす由々しき事態...それでも前を向く首藤さんは、コロナがきっかけで生まれた新しいプロジェクトに動き出していた。 
 
 

 

●「緊急事態宣言」要請の基準 直近10万人あたり感染者「北海道21人」 1/20
新型コロナウイルスの20日の感染者は、北海道で164人でした。鈴木直道知事は、直前1週間の10万人あたりの新規感染者が25人を超えた場合、政府に緊急事態宣言の検討を要請することを明らかにしています。20日現在は「21人」で、基準を下回っています。
北海道の感染者(1月) / 20日 164人 / 19日 92人 / 18日 125人 / 17日 124人 / 16日 192人 / 15日 202人 / 14日 194人 / 13日 109人 / 12日 145人 / 11日 135人 / 10日 188人 / 9日 215人 / 8日 181人 / 7日 161人 / 6日 115人 / 5日 79人 / 4日 93人 / 3日 68人 / 2日 77人 / 1日 98人
●20日夜から終電繰り上げ 緊急事態宣言で首都圏の鉄道各社  1/20
緊急事態宣言に伴って、首都圏の鉄道各社が行う終電の繰り上げは20日の夜からです。各社では、駅のポスターやホームページなどで周知しています。
首都圏の鉄道各社は、緊急事態宣言に伴って、国と東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県から要請を受けて、20日夜から終電を繰り上げることになりました。
各社ごとにみますと、JR東日本では山手線、京浜東北線、中央線、総武線の各駅停車など11の路線で、10分から30分程度繰り上げるとしています。
私鉄各社のうち東武鉄道は東武スカイツリーライン、東武アーバンパークライン、東武東上線で最大で18分繰り上げます。
東急電鉄は、こどもの国線を除く全線で3分から28分繰り上げます。
京浜急行電鉄は京急本線、久里浜線、逗子線で、平日のみ10分〜30分、このほか東京メトロと都営地下鉄でも全路線でおおむね10分から20分程度繰り上げます。
そのほかの各社も同様の対応をすることにしていて、各社では駅のポスターや構内アナウンス、ホームページなどで周知するとともに、利用者に時刻表を確認してほしいと呼びかけています。 
 
 

 

●東京、1471人 緊急事態宣言にネット「減らない。延長するのかね」 1/21
東京都の新型コロナウイルス新規感染者が21日、1471人に達した。8日に緊急事態宣言が発令されて約2週間経過したが、前週木曜日の1502人とほぼ同水準。ネット上には緊急事態宣言の延長についての声が見られた。
菅義偉首相は20日の国会で緊急事態宣言について「宣言解除の前提として、速やかにステージ3まで下げるよう専門家の提言を受けた。緊急事態宣言のレベルであるステージ4を早急に脱却し」などと述べた。
ネット上には「非常事態宣言出しても現状維持が精一杯な感じ。少しでも緩めれば一気に感染爆発しそうな気がします」「緊急事態終了予定の2月7日まで500人台は無理でしょう。恐らく2月7日時点で900人台位かなぁ?1月延長した方が良いのでは?」「緊急事態宣言から2週間。そろそろ延長か、予定通り終えるかの議論を始める時期だと思われるけど、これは予想通り継続になりそうな」「減らないね、緊急事態宣言は延長するのかね」などの投稿が。
他方、「さすがに宣言効果出てきましたね。2週続けて数が落ち着いてる。これでワクチン始まれば一層落ち着くとすると日本人は夏には正常化してそう」などと期待する声もあった。
●国内感染5668人=東京1471人―新型コロナ 1/21
国内では21日、新たに5668人の新型コロナウイルス感染が確認された。厚生労働省によると、重症者は過去最多の前日と並び、1014人。東京都では1471人の新規感染者が確認された。1000人を超えたのは9日連続で、都の累計感染者は9万人を超えた。
死者は大阪府で19人、兵庫県で10人など各地で94人増え、累計4886人。
都によると、新規感染者は20代が300人と最多で、30代241人、50代222人と続いた。65歳以上は290人。都の基準による重症者は159人で、過去最多だった前日から1人減った。
●国内感染者35万人 1/21
21日午後、国内での新型コロナウイルス感染者が累計で35万人を超えました。  25万人を超えたのが5日でした。今年に入ってから11万人以上の感染が確認されていて、全感染者の3人に1人が今年に入ってからの感染確認ということになります。  21日のこれまでに分かっている全国の新規感染者数です。  まずは緊急事態宣言が出されている首都圏です。東京は1471人で、重症の患者は20日から1人減って159人となりました。午後5時半現在で千葉は480人、埼玉は現時点で77人、神奈川は682人です。  続いてこの他の緊急事態宣言の対象となっている地域でこれまでに分かっている感染者数です。栃木で49人、愛知は270人、岐阜は57人です。  関西では大阪が501人。死者数が一日の発表としては過去最多に並ぶ19人です。兵庫は237人、京都は140人です。  このほか、大分で過去最多となる33人の感染が確認されています。 
●コロナ 特措法など改正案 罰則内容で来週 与野党間調整へ  1/21 
新型コロナウイルス対策の特別措置法などの改正案について、与党側は、罰則を盛り込むことに慎重な野党側の意見を踏まえ、国会への提出後に修正協議に応じる構えで、罰則の内容などをめぐり、来週にも与野党の間で調整が行われる見通しです。
新型コロナウイルス対策の実効性を高めるため、政府は、営業時間の短縮の命令に応じない事業者に50万円以下の過料を科すとした特別措置法の改正案や、入院勧告に応じない感染者に懲役を含む刑事罰を科すとした感染症法の改正案などを、22日閣議決定し、国会に提出する方針です。
これに対し立憲民主党など野党側は、罰則を設けても事業者への十分な補償がなければ効果があがらず、入院勧告に応じない感染者に懲役刑を科すのも行き過ぎだなどとして、改正案の修正を求めています。
こうした中、与党側は、早期成立を図るためには野党側の協力が必要だとして、改正案が国会に提出されたあと、野党側からの要求があれば、修正協議に応じる構えです。
与党側は来月初めに改正案を可決・成立させたいとして審議を急ぐ考えで、罰則の内容などをめぐり、来週にも与野党の間で調整が行われる見通しです。 
 
 

 

●東京都 新型コロナ 1175人感染確認 12日入院調整つかず死亡も  1/22
東京都は、22日、都内で新たに1175人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。また、これまでに感染が確認されていた9人が死亡したことを明らかにしました。このうち、90代の女性は陽性が判明してから12日たっても入院の調整がつかず、暮らしていた高齢者施設で亡くなったということです。東京都は、22日都内で新たに10歳未満から100歳以上までの男女合わせて1175人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1日の感染の確認が1000人を超えるのは10日連続です。
22日の1175人のうち、およそ46%にあたる540人はこれまでに感染が確認された人の濃厚接触者で、およそ54%の635人はこれまでのところ感染経路がわかっていないということです。濃厚接触者の内訳は、「家庭内」が最も多く269人、「施設内」が151人、「職場内」が38人、「会食」が16人などとなっています。このうち、「施設内」はこれまでで最も多くなり、18の医療機関で患者と職員合わせて73人が、19の高齢者施設で利用者・入所者と職員合わせて71人が感染したということです。これで都内で感染が確認されたのは合わせて9万1834人になりました。また、22日時点で入院している人は21日より74人減って2746人でした。「現在確保している病床に占める割合」は68.7%です。このうち、都の基準で集計した22日時点の重症の患者は21日より1人減って158人でした。重症患者用の病床の63.2%を使用しています。また、感染が確認されている人のうち、自宅で療養している人は21日より113人減って8814人でした。このほか、都が確保したホテルなどで療養している人は21日より13人増えて873人、医療機関に入院するか、ホテルや自宅で療養するか調整中の人は21日より598人減って6276人でした。
また、都は、これまでに感染が確認されていた30代と40代、それに60代から100歳以上までの男女合わせて9人が死亡したことを明らかにしました。このうち、高齢者施設で暮らしていた90代の女性は1月8日に陽性と判明し、入院の調整が行われましたが受け入れ先が見つからず、判明から12日後の20日、施設で亡くなったということです。都の担当者は「施設にいる医師が定期的に診察していたため、優先順位の関係もあって受け入れ先が見つからなかった面もある。これだけ感染の確認が増える中で、どう判断し、調整していくかは非常に難しい。こうしたことが起きないように対策を考えていくのはもちろんだが、とにかく感染者を減らすことが重要だ」と話しています。また、30代の女性は感染が確認されたあと、自宅療養中に自殺したということです。都によりますと、自宅療養中に死亡したのは、この2人を含めてこれまでで8人になるということです。これで都内で死亡した人は合わせて770人になりました。このうち、1月に死亡した人は101人となり、2か月連続で100人を超えました。
首都圏の1都3県に緊急事態宣言が出されてから2週間となった現在の感染状況について、東京都の小池知事は記者会見で「人の流れは、夜間は低下に転じているが、昼を含めた全体として見れば十分には抑えきれていない。残念なことに感染の拡大は止まっていない」と述べました。そのうえで、「ここが正念場だ。テレワークの徹底や不要不急の外出の自粛を改めてお願いしたい。社会全体で集中的に感染拡大を食い止め、収束させたい」と述べ、協力を呼びかけました。また、ワクチンの接種に向けた都の対応については「できるだけ速やかに必要な方に接種が開始できるよう、区市町村と連携しながら医療機関の確保などの準備を進めている。対応に万全を期すためにワクチンの担当がすでにいるが、体制を強化をしてしっかり対応していく」と述べました。さらに、政府が新型コロナウイルス対策の特別措置法や感染症法の改正案を決定したことについて、「罰則の規定を盛り込むことは事業者に対する要請の実効性の確保に資するものになると思う。これまでいろいろことばを変えながらメッセージだけで取り組んできた部分も半分ぐらいあるが、法的な根拠や『法的』ということばが持つ別の意味のメッセージが感染拡大の防止につながることを期待している」と述べました。
東京都は保健所の業務負担を減らすため、新型コロナウイルスの感染が確認された人の感染経路の調査などについて、今後は、臨時の対応として優先順位をつけて行うよう都内の保健所に通知しました。具体的には、重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患がある人、または、医療機関や高齢者施設などを重点的に調査するとしています。また、入院調整では重症化リスクの高い人を優先するほか、リスクの高い人以外は、陽性か陰性かを調べる検査が必要かどうかなどを保健所ではなく医療機関の医師が判断するとしています。
●全国で新たに5046人感染 1日の死者、最多108人 1/22
新型コロナウイルスの国内感染者は22日午後8時半現在で、新たに5046人が確認された。死者は108人増え、1日当たりの死者数としては過去最多となった。21日時点の重症者は1011人で、4日連続で1千人を超えた。
新規感染者を地域別で見ると、東京は1175人と10日連続で1千人を上回った。神奈川627人、埼玉358人、千葉463人で、首都圏4都県はいずれも前日より減少したが、高止まりが続いている。
大阪府では450人の感染が確認され、4日ぶりに500人を下回った。三重県では1日当たりでは最多となる54人が確認された。
また、東京都と千葉県は自宅療養中だった感染者が死亡したと発表。それぞれ2人、1人が亡くなった。
千葉県では同県栄町の60代男性が亡くなった。男性は今月上旬に体のだるさやせきの症状を訴え、その後、嗅覚(きゅうかく)異常も出たため医療機関を受診。13日に感染が確認された。軽症とされ、自宅療養していたが、容体が急変して19日に死亡した。
和歌山市は感染を確認した市内 ・・・ 
●夜の街“優良店”でもクラスター 1/22 
新型コロナウイルスで感染の懸念が高いとされる「夜の街」。国立感染症研究所が行った東京・歌舞伎町のホストクラブなどへの実態調査で、積極的に感染防止対策をしていた店舗でもクラスター(感染集団)が発生していたことが判明した。緊急事態宣言が再発令され、飲食店への営業時間短縮要請が続く中、酒食を供する場での行動変容の難しさが改めて浮かび上がった。
日本有数の歓楽街である歌舞伎町は、昨春の「第1波」で、感染拡大の“震源”として名指しされた。
感染研は、経済・社会的活動と流行抑制の両立には歌舞伎町の分析が重要と判断。昨年7月から、ホストクラブ4店舗の従業員に対する定期的なPCR・抗体検査▽従業員へのアンケート▽店舗の視察▽ホストクラブ、キャバクラなど接待を伴う飲食店の代表者・幹部への聞き取り−といった調査を実施。昨年末に中間報告を公表した。
PCR・抗体検査の対象となった4店舗は、感染防止対策に比較的熱心に取り組んでいる、いわゆる優良店だった。だが中間報告によると、新型コロナの感染者は調査した従業員68人中31人、46%に上っていた。
従業員へのアンケートを見ると、感染対策への意識は高かったとみられる一方、店を出た後の行動や、客の対応に問題があったことがうかがえる。
特に際立ったのが、マスクに対する店と客の「意識の差」だ。接客時間中の8割近くでマスクを着用していた従業員は62%にのぼったが、来店時間の半分以上マスクをしていた客は43%にとどまった。飲食時だけでなく、談笑時などにマスクを外すことが多かったためとみられる。
ホストクラブやキャバクラは、客だけでなくホストやホステスも業務で酒を飲む機会が多い。アンケートからは、「酔い」の悪影響もうかがえた。
勤務中に当たる午後7時〜翌午前2時に「泥酔・酩酊(めいてい)状態」だったと答えた従業員は21%。閉店後に客と飲酒する「アフター」の時間帯になると、33%に増えていた。
自分の店では気をつけていても、酒が入った状態で訪れた別の飲食店で感染対策がおろそかになる可能性がある。アンケートでは「酔いが回ることで感染対策への意識が低下する」との声も寄せられた。
店側がとっている感染対策が、実際には有効ではなかった事例も見つかった。
調査店舗の多くは、5月初旬から感染症対策の強化に努めていた。従業員のマスク着用や検温、客への手指消毒・体温測定も実施。客数は制限して店内も頻繁に消毒し、回し飲みの自粛や、換気対策も行っていたという。
だが、例えば手指消毒では、本来なら入店前だけでなくテーブルから離れて再び席につくたびに消毒をする必要があるが、それが徹底されていない従業員も多かった。
テーブルの消毒で次亜塩素酸水を使っている場合も、厚生労働省などは「汚れを落とした後に表面をぬらし、20秒程度時間を置いてから布で拭く」ことを奨励しているが、実際にはアルコール液のように、さっと吹きかけて拭くだけの店もあった。
さらに悩ましいのは換気だ。そもそも接待を伴う飲食店は、風営法上で「客室の内部が外部から容易に見通すことができないもの」にするよう求められている。換気のために窓を開けることが構造的に難しいという事情もある。
「しらふであれば感染対策ができている人も、酔ってしまえばマスクの着用をはじめ対策が甘くなり、感染リスクが高まることが改めて分かった」。今回の調査結果について、感染研の担当者はこう話し、店を訪れる客に対し、店内でのマスクの率先着用を求めるメッセージを発信する予定だと明かした。
店側に対しても、「窓が開けられなくても換気扇やサーキュレーターを店舗の入り口に置くだけでも換気が改善される」として、さらに徹底した感染防止対策を求めていくという。
経済を回しながら感染を抑えるには、店と客双方の努力が不可欠。感染拡大の第3波が続く中、「夜の街」の教訓は、それ以外の飲食店などにも当てはまるといえそうだ。 
 
 

 

●飲食店への時短要請 知事「県警の協力も」 1/23
埼玉県の大野元裕知事は22日、新型コロナウイルスの緊急事態宣言に伴う「午後8時まで」の営業時間の短縮要請について、応じていない店舗には県警と協力し、呼びかけを行う考えを示した。同日あった新型コロナの県対策本部会議で「県警の協力もいただき、戸別訪問するなど粘り強く短縮を働きかけていく」と述べた。
大野知事は会議後、要請に関して「国から警察と協力の体制を組むよう連絡があった」と説明。県警が日ごろから防犯などについて呼びかけをしていることに触れ、「仰々しく『ガサ入れ』をするようなイメージには考えていただきたくない」と話した。
県は18〜21日に大宮や浦和、川口など六つの地域で時短要請の協力状況を調査。681店中663店(97%)が、午後8時以降は店を閉めていた。協力に応じていない店舗にはまず、電話や協力金の案内文を送るなどして理解を求めていく方針だという。
●時短営業要請 仙台市全域へ 2月7日まで延長 県方針 1/23
新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、仙台市青葉区の国分町周辺の飲食店に出している営業時間の短縮要請について、宮城県は、範囲を仙台市全域に広げる方針を固めた。今月下旬までとしている要請期間を、2月7日まで延長する。
県は現在、国分町周辺の接待を伴う飲食店や酒類を提供する飲食店に、今月下旬までは、午後10時以降の夜間営業をしないよう求めている。関係者によると、県は要請する地域を仙台市全域に広げ、緊急事態宣言の期限である2月7日まで期間を延長する方針だ。
対象の業種は、これまでと同じとする見通し。時短営業に応じた店に払う協力金は、1日あたり4万円を支給する方向で調整している。
県は、首都圏で緊急事態宣言が続いており、特に仙台市で感染者が増加していることを踏まえて判断したとみられる。村井嘉浩知事や郡和子・仙台市長が23日に共同で記者会見し、表明する見通しだ。
●愛媛県の新型コロナ「特別警戒期間」、2月7日まで延長 1/23
年末年始の新型コロナウイルス感染拡大を受けて県が打ち出した26日までの特別警戒期間について中村時広知事は22日、来月7日まで12日間延長すると発表した。松山市内で酒類を提供する飲食店など約3千店への午後8時までの営業時間短縮要請(酒類提供は午後7時まで)も延長し、県市連携分の協力金は増額して継続する。
知事は会見で、特別警戒期間について「終える状況ではない」と述べ、「感染経路の不明が増えている。市中感染の蔓延(まんえん)につながらないよう警戒が必要だ」と延長について説明。「経済活動への影響も考慮すると苦渋の選択。県民や事業者に引き続き痛みを伴う要請や対応をお願いせざるを得ない」と理解を求めた。
県によると、感染者が1日あたり20人前後で高止まりし、新規の感染事例も減少傾向が見られず、医療現場の負担も大きい状態が続く。延長期間は国の緊急事態宣言の期間に合わせたとした。
延長期間の県市連携分の協力金は、全期間協力した店ごとに36万円(1日3万円)を払う。26日までは28万円(1日2万円)で、1日1万円の増額となる。新たな財政負担は国と県市で計約11億円と見込む。
県の時短要請に伴う26日までの協力金は、これと別に松山市が独自で最大52万円を給付するが、市は延長期間の枠組みについて近く発表する。21日までの協力金申請の受付件数は1568件。
期間延長に伴い、県は新たに人混みや人との接触を避けてなるべく「ステイホーム」することや、感染拡大地域の人との会食を避けることなどを求めるとしている。
愛媛県は22日、新たに18人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表した。県内の感染者は計909人になった。
感染が判明したのは10〜80代の男女で、居住地は松山市12人、四国中央市3人、今治市、西条市、砥部町で各1人。新規事例は9件9人だった。クラスター(感染者集団)関連では、今治署で50代の男性警察官1人、四国中央市の高齢者施設で入居者や職員ら3人の感染が確認された。
一方、松山市は同日、産業経済部の職員2人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。いずれも20代の男女で、所属課は別。内部業務を担当し、不特定多数の人との接触はなかったという。男性の同僚9人のPCR検査を予定している。
愛媛県中小企業家同友会は22日、県の営業時間短縮要請に伴って、松山市内の飲食店との取引がある生産者・納入企業などへの支援策を講じるよう、県と松山市に提言・要望を申し入れた。 
●通りはシャッター街に 人出変わらない夜の街も 沖縄で時短営業始まる 1/23 
沖縄県独自の緊急事態宣言で、全県の飲食店やスナックなどの遊興施設を対象にした午後8時までの時短要請が22日、始まった。県内各地の繁華街では「感染対策のため」と要請通りに閉める飲食店がある一方、キャバクラ店や一部の飲食店は少ない客を招き入れ、いつもと変わらない光景が続いていた。
午後8時。名護市の社交街「みどり街」では多くの店がシャッターを閉め、客はタクシーに乗り込む。要請通り店を閉めた居酒屋の男性店長(24)は「協力金4万円だと厳しいが、この状況なので仕方ない」と受け入れ「国の宣言対象になり2万円増えると助かる」と対象地域の指定を求めた。
別の飲食店の男性店長(35)は「従業員の生活を守るため」と午後8時以降も営業を続ける。国の対象となれば店名公表があり「悪い印象を持たれるため、国の対象になれば閉めるしかない」と吐露した。
那覇市松山の繁華街。午後8時前、居酒屋やラーメン店などからは足早に退店する客の姿があった。
居酒屋で店閉まいの作業に追われていた男性(44)は「店を開けていても人件費や光熱費がかかるだけ」とうつむく。協力金が無いよりはいいと要請に応じ「感染も怖いですし…」と目を向ける先には、色鮮やかな看板が光るキャバクラ店。
午後9時前、傘を手に歩く複数の若い男性グループにキャバクラ店の従業員が声を掛けていた。観光客に来店を勧めていた男性(35)によると、キャバクラ店は時短要請に応じない店が多いという。「開けても赤字、閉めても赤字なら少しでも利益を上げようとしますよ」。別の従業員の男性(26)は「自分の店にはコロナ出ていませんから」。
沖縄市では、桑江朝千夫市長らが市内の一番街商店街などを巡視。公用車4台を使い、スピーカーで時短営業へ協力を求めた。午後9時過ぎ。歓楽街「中の町」の一部のキャバクラやスナックは開店するが、ほとんど出歩く人はいない。バーの女性店長(26)は午後8時まで、常連客だけを店に入れる。「売り上げは以前の10分の1。厳しい中だが、しっかり感染対策して店を続けたい」と話した。 
 
 

 

●大量閉店は「ギンザ シックス」だけではない 銀座エリアからの撤退相次ぐ 1/24 
4月20日に開業4周年を迎える「ギンザ シックス(GINZA SIX)」だが、1月19日までに全店舗の約1割にあたる22店舗が営業を終了した。ファッションでは、「アディアム(ADEAM)」や「3.1 フィリップ リム(Phillip Lim)」「モスキーノ(MOSCHINO)」「アニヤ・ハインドマーチ(Anya Hindmarch)」「ブルマリン(Blumarine)」「ビームス ハウス ウィメン(BEAMS HOUSE WOMEN)」などが撤退し、化粧品では、「キールズ(Kiehl’s)」「シュウ ウエムラ(shu uemura)」「シセイドウ(SHISEIDO)」「ジョンマスターオーガニック セレクト(john masters organics select)」「ハッチ(HACCHI)」などが撤退し、「カフェエクスペルト(CAFÉ EXPERTO)」や「銀座大食堂」などの飲食店も営業を終了した。「ギンザ シックス」は開業した初年度に2000万人が訪れたものの、昨年は新型コロナウイルスの感染拡大でインバウンド消費は消滅し、苦戦を強いられていた。
銀座エリアでは、「ギンザ シックス」内の店舗だけではなく、他の商業施設や路面店からの撤退も相次いでいる。「東急プラザ 銀座」内の「クルチアーニ(Cruciani)」は昨年12月9日に撤退し、「アーバンリサーチ(URBAN RESEARCH)」は今年1月28日で営業を終了する。「タルボット(Talbots)」の銀座店は昨年5月31日をもってイオンにおけるタルボットジャパン事業の終了に伴い閉店した。他に、6月25日に並木通りの「バルマン(Balmain)」、9月26日に「リヤドロブティック(LLADRÓ Boutique)」銀座本店、11月23日に「ストラスブルゴ(STRASBURGO)」銀座店 、12月31日にサザビーリーグが手掛ける「アコメヤ(AKOMEYA)」銀座本店が営業を終了した。8月30日には三陽商会が「ギンザ・タイムレス・エイト(GINZA TIMELESS 8)」を閉店し、ビル自体を売却した。
今年に入り2度目の緊急事態宣言が発出され、春夏シーズンの立ち上げのタイミングで再び人の移動に制限ができた。アパレル業界では店舗撤退だけではなくリストラも進んでいる。新型コロナウイルスによって追い込まれるブランドがさらに増える可能性は拭えないだろう。
閉店のお知らせ
「銀座ライオン 丸の内センタービル店」「銀座ライオン 品川インターシティ店」「銀座ライオン 大手町ファーストスクエア店」は、2021年1月29日(金)をもちまして閉店いたしました。ご愛顧いただき誠にありがとうございました。
「くつ炉ぎ・うま酒 かこいや 秋葉原駅前店」は、2021年1月29日(金)をもちまして閉店いたしました。ご愛顧いただき誠にありがとうございました。
コロナ禍で「昭和の大物」も愛した銀座の老舗が次々閉店 2020/8
日本一地価が高い街・銀座──普段なら多くの人で溢れかえるが、コロナ禍では、その賑わいも鳴りを潜めている。街が閑散とする中、高すぎる地価や家賃に悲鳴を上げ、企業や資産家が店舗を手放すケースが続出している。
“昭和の大物”が愛した老舗も、次々とその歴史に幕を降ろしている。
4月から地下1階から2階までの3フロアをKDDIに貸し出すことを発表した「山野楽器銀座本店」から晴海通りを築地方面に進むと、歌舞伎座がある。その近くで歌舞伎座が開場する前から152年間にわたって営業を続けてきた老舗弁当店「木挽町辨松(こびきちょうべんまつ)」は、4月20日をもって廃業の決断を下した。美食家として知られた作家・池波正太郎や、十八代目中村勘三郎ら歌舞伎俳優に愛されたが、新型コロナによる歌舞伎座の休演で売り上げが落ち込んだことが決め手になったという。
歌舞伎座からほど近く、1947年に創業した築地のビアレストラン「レバンテ」は3月25日に閉店。帝国データバンクによれば、同日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。作家・松本清張の『点と線』など、多くの作品の舞台となった名店だが、近年は赤字決算が散発され、コロナ禍でさらに業績が悪化してしまった。
半世紀以上続く展示会場「ニコンプラザ銀座」(7丁目)も、10月末での業務終了予定を発表。写真家の荒木経惟氏がフリーになった直後の1976年に個展「わが愛・陽子」を行なったことでも知られる。「若手・ベテランを問わず、写真家にとってここで個展を開くことは名誉なことでした」(50代ベテランカメラマン)
昨年の海外からの観光客数は3188万人と過去最高を記録したが、今年は500万人未満に落ち込むと見込まれる。そのためインバウンド需要を見越していた業種も岐路に立たされている。中古ブランド品販売店「ロコシーラ」は5月26日、銀座本店を含む全5店舗の閉店を発表。店舗によっては売り上げの大半がインバウンド客によるものだったという。
ワイドショーなどで盛んに喧伝される「夜の街」界隈の影響も深刻だ。通常なら夜の接待帰りの会社員や、インバウンド客が長蛇の列を作る銀座6丁目のタクシー乗り場を訪れると、数人の乗客がタクシーを待つだけで閑古鳥が鳴いていた。ある運転手が嘆く。「銀座のお客様は、接待相手を家まで送ったり、同僚が順番に降りたりして長距離乗ってくれるので、狙って営業する運転手は多いのですが、いまは在宅勤務や会食禁止の会社が多くて、1時間半以上待ってもお客さんを乗せられない。緊急事態宣言が出た4月以降は、新橋駅高架下の1番乗り場、6丁目の11番乗り場などの人気乗り場もほとんど人がいません」その影響もあってか、東京リムジン株式会社(飛鳥交通グループ)の銀座営業所は、7月1日付けで北区赤羽に移転した。 
●不安と不信の「緊急事態再宣言」 1/24
令和3(2021)年は、全国民がパンデミック(世界的大流行)の恐怖に怯える「悪夢のような年明け」(閣僚経験者)となった。新型コロナウイルスによる感染が年末年始に急拡大し、首都圏が「感染爆発」状態になったからだ。慌てた菅義偉首相は7日、東京、神奈川などまず1都3県を対象に2度目の緊急事態宣言を発令し、国民に最大限の協力を呼び掛けた。ただ、飲食店の営業時間短縮や住民の外出自粛要請など「前回宣言よりかなり手ぬるい内容」(自民党幹部)となった。このため、首相が明言した「1カ月での事態改善」は困難視され、相次ぐ「場当たり的な首相発言」(自民若手)には、国民の不安と不信が広がる。
昨年12月下旬まで緊急事態宣言に慎重だった首相が、方針大転換を決断したのは、大晦日の東京の新規感染者が一気に1300人超に激増したのが原因だ。首相はこの事態を「想定外」(政府筋)と受け止め、宣言発令に踏み出さざるを得なかった。年末から宣言発令を求めていた小池百合子都知事が2日、埼玉、千葉、神奈川の3県知事を引き連れて、西村康稔経済再生担当相に直談判したことも踏まえ、首相は4日の年頭会見で宣言発令を「検討する」と明言。政府は7日に基本的対処方針等諮問委員会と国会報告の手続きを経て、同日夕の対策本部で8日から2月7日までの1カ月間、1都3県を対象とする宣言の発令を決定した。
その後官邸で記者会見した首相は、冒頭発言で「国民の皆さんへのお願い」としてマスク着用、外食・外出自粛、テレワーク7割の徹底を求め、「1カ月後には必ず事態を改善させる」と決意表明した。ただ、従来通り発言はほぼメモの棒読みで、しかも最後に顔を上げて「(冒頭発言を)私からの挨拶とさせていただきます」と、通常の会合のような結びの言葉を付け加えたことが「本気度を疑わせる大ミス」(閣僚経験者)となった。会見はネット上でも中継されており、画面には瞬時に「挨拶とはなんだ!」「危機感ゼロ!」などの書き込みがあふれた。
そもそも首相は、昨年秋口から多くの専門家の「寒くなったら必ず感染が拡大する」との危惧を無視するかのように「経済の活性化」を掲げてGo To トラベルなどの観光業救済策を推進した。このため、年明け早々にアクセルとブレーキを突然踏み換えるような宣言発令には「後手後手の極致」(立憲民主党幹部)との批判が集中。首都圏の住民も、「政府は信用できない」と前回宣言時のような外出自粛を徹底せず、都心部での劇的な人出減少にもつながらなかった。
こうした国民の鈍い反応の中、首相は宣言が発令された8日夜の民放テレビの情報番組に録画出演したが、その中で年末年始の首都圏での「感染爆発」については「想像していなかった」と開き直ったことも批判を呼んだ。さらに、1カ月後の宣言延長の可能性を問われると「仮定のことは考えない」とはぐらかして「危機意識の薄さ」(共産党幹部)を露呈。有識者も「想像力も決断力も感じられず、首相の器ではない」と厳しく指弾した。
首相は10日午前のNHK番組「党首に問う」でも「批判は真摯に受け止める」としながらも、「国民の皆さんにいま一度協力していただければ、必ず1カ月で(感染の)ベクトルは下がる」と哀願するだけだった。就任4カ月、発信力不足を指摘されてきた首相だけに、年明け以降は連続的にテレビ出演を重ねているが、「出るたびに不信を招く“自滅の刃”」(自民長老)にも見える。現状の「神頼みのような対応」(同)を続ければ、3月にも政権危機に陥りかねないのが実態だ。
●緊急事態宣言の効果は限定的 危惧される「緊急事態慣れ」 1/24
緊急事態宣言発令の効果
首都圏に2度目の緊急事態宣言が発令されてから2週間余りが過ぎました。気になる感染状況ですが、全国や東京都では実効再生産数はわずかに1を切り始めたものの、埼玉県や千葉県などでは依然として1を超えています(『東洋経済オンライン「新型コロナウイルス 国内感染の状況」制作:荻原和樹』)。つまり、感染はまだ高止まりで、宣言の効果はほとんど出ていないと言えるでしょう。政府関係者は延長を視野に入れた検討に着手したと報じられています。目標であった「ステージ3」に戻ること、あるいは都内の1日当たりの感染者数が500人を切るには、この状態だとあと何か月もかかるという見通しすら出ています。このままずるずると「緊急事態宣言」が続くのでは、もはやそれは緊急でも何でもない「新しい不自由な日常」になってしまいます。そのとき懸念されるのは、「緊急事態慣れ」です。もはや人々は、今が「緊急事態」だとは思わず、生活様式にも緩みが出て漫然と元の生活に戻ってしまい、政府や専門家が何を言っても聞き流してしまうということにもなりかねません。心理的には「どうせ何をしても変わらない」といったあきらめが前面に出て、「我慢の限界」「我慢を続けるのがばからしい」といった努力の放棄にもつながるかもしれません。今回の緊急事態宣言が発令される直前、私はYahoo!ニュースに「人々はなぜ行動変容できないか・・・再度の緊急事態宣言の前に考えるべきこと」という記事をアップしました。そこでは、メッセージの出し方を工夫しないと、前回のような効果は得られないことを警告しましたが、残念ながら今まさにそのとおりのことが起こっています。
改めて人々の行動を分析すると
緊急事態宣言発令後の人々の様子を振り返ると、2つの事実が見えてきました。1つ目は、政府の要請を守る人と守らない人に分かれているということです。ニュースで流される繁華街や駅前の様子を見ると、たしかに人通りは減少しています。多くの人は、外出を控えていることがわかります。しかし、前回ほどではないということは、要請を守らない人や軽視する一部の人がいるということです。2つ目は、同じ人でも要請を守るときと守らないときがあるということです。前回の緊急事態宣言のときは、期間を通してほぼ自粛要請が守られていました。したがって、街から人の流れが長い期間途絶えたし、テレワークも続いたのです。一方、今回はそうではありません。夜8時以降は出歩かなくても、その前ならいいだろうと考えて昼間や夕方に大勢で食事をする人がいます。また、「先週の週末は家にいたから、今度は出かけよう」などと考える人もいます。テレワークを導入する会社も減っているのか、電車の混雑はそれほど緩和されたように思えません。このように「中途半端」としか言いようのない状況であるため、感染減少もまさに中途半端なままなのです。
何が悪かったのか
では、なぜこのような事態になっているのでしょうか。その原因はすでに前回の記事で触れたことと重なるので、詳しくはそちらをお読みいただいたうえで、簡単に列挙すると以下のようになります。
1 そもそも要請されていることは、人間の習性に反したことばかりだから
2 自分や周囲が感染していない人には「楽観主義バイアス」が強まっているから
3 感染による害が実感できず、自粛による害のほうが目立つから
4 それまでGoToによって旅行や外食が奨励されていたことと矛盾するから
5 心理的コストの大きな行動(面倒なことや抵抗感のあること)を回避したいから
ほかにも、「恐怖メッセージ」や陳腐なスローガン一辺倒のメッセージの出し方では、もはや国民の賛同を得られないことも指摘しました。さらに、菅総理をはじめ外食をやめることのできない政治家の言うことは、空々しく響いてしまうことも事実です。
失敗したメッセージ
現時点で再度、現在の状況を分析してみると、新たに次のようなことが指摘できます。第一に、悪者やスケープゴートを作るやり方には、弊害が大きいということです。最初の緊急事態宣言では、パチンコ店が槍玉に上がり、その後は若者や夜の街が標的にされました。現在は、居酒屋やバーなどをはじめとする飲食店がターゲットとなっています。たしかにこれらの場所では感染の危険が大きいのかもしれません。事実、かつて新宿歌舞伎町ではクラスターが発生しました。感染者には若い世代が目立ちます。飲酒のうえでの会話には、飛沫感染のリスクが高まります。しかし、このような方法は反発を生みます。悪者にされて喜ぶ人はいません。緊急事態宣言が長引くと、もはや要請を拒絶する店が出てくるのは時間の問題でしょう。「医療を守るために飲食店をつぶすのか」という声も聞こえてきています。さらに、もっと危険なのは、標的にされていない人々が「自分たちは安全」「自分には関係ない」と思ってしまうことです。パチンコもしない、夜の街にも行かない、8時以降に飲み歩くこともしない、しかし昼にファミレスや喫茶店でマスクを外して大声で会話をする、こういう人々を見るのはめずらしいことではありません。それは若者だけではありません。このように、あまり限定的なメッセージを出すと、それにあてはまらない人がメッセージをスルーしてしまうという危険性があります。
第二に、今回の緊急事態宣言では、地域や対象が限定的です。まず首都圏1都3県に宣言が出され、その後地域が拡大されましたが、全国的な発令はされていません。前回は、まず7都道府県に出され、9日後に全国に拡大されています。また、最初は「夜8時以降の不要不急の外出は控えるように」と言っていたのが、あとであわてて「昼間も避けて」などと修正しました。このように徐々に対象やメッセージを拡大していく方法は、悪手です。経済的な打撃をできるだけ少なくしようという意図は理解します。しかし、逆に最初はガーンと厳しくしておいて、徐々に緩和していくほうが効果的で、結果的には経済的ダメージも小さくて済むように思います。なぜならば、ゆるやかな緊急事態宣言は、好ましくない「メタメッセージ」を伝えてしまうからです。「メタメッセージ」というのは、伝えようとしていること以外の余計なメッセージのことです。
最初に甘い対策やメッセージしか出さないと、すでにコロナ慣れしている人々、前回の緊急事態のことを覚えている人々には、意図せずとも「今回の宣言は大したことないですよ」という「メタメッセージ」を伝えてしまいます。その結果、人々は「ちょっとくらい従わなくても大丈夫かな」などと軽く受け止めてしまい、十分な心構えができません。それが冒頭に述べたような「緊急事態慣れ」につながってしまい、人出もさほど減少しない状態がずるずると続くのです。逆に、厳しいところから始めると、そこでは「今は本当に大変な事態である」という「メタメッセージ」が伝わり、緊張感が生まれ気持ちが引き締まります。まさに前回、初めて経験する緊急事態のときがそうだったのです。そして、状況に応じて徐々に緩和することで、それがインセンティブになり、もう少し頑張ろうという気持ちになれるし、何より心が明るくなります。逆に今のように、徐々に制限が拡大されていくと、感染は減らず、心も暗くなる一方です。前回の記事でも述べたことですが、人は「得」より「損失」のほうにより敏感に反応するからです。
再度の提言
ここから言えることは、感染症対策を効果的に講じるためには、感染症の専門家だけに任せておくことに限界があるということです。もちろん、「何をすべきか」という点に関しては、エビデンスに基づいている限り、これらの専門家の言うことが一番正しいのだと思います。しかし、するべきことを「どのように伝えるべきか」という点に関しては、やはり人間の心理や行動を熟知した心理学、行動経済学など行動科学の専門家の知見を取り入れるべきでしょう。たとえば、よりメッセージの効果を高めるためには、「要請を守る人と守らない人の違いは何か」「同じ人でも要請を守るときも守らないときの違いは何か」などを詳細に分析する必要があるでしょう。また、状況が明らかに前回とは変わっているのに、前回うまくいったからといって、今回もうまくいくとは限らないのです。人間の心は状況に応じて、すばやく変化するからです。その時々の心理状態に合わせて、一番効果的なメッセージの出し方を組み合わせることが大切です。特に、今の行動が明るい未来につながると確信できるようなメッセージを出すべきなのです。暗い顔をした政治家が繰り返す恐怖メッセージの連呼よりも、われわれは希望に満ちた明るいメッセージを聞きたいのです。 
●「先に支援拡充を」 罰則強化に大阪の繁華街悲鳴 特措法改正案 1/24 
国会で審議入りする新型コロナウイルス対策の特別措置法改正案で、政府は営業時間の短縮などの命令に従わない事業者に対する過料を設けた。現行法でも時短や休業の要請に応じなければ知事は店名を公表することができるが、ペナルティーを強めようとする政府に対し、飲食店の関係者からは「経営の支援拡充が先ではないか」と疑問の声が上がる。
「経営が苦しいので、過料という不要な支払いは避けたい」。大阪市の繁華街・ミナミで数店のたこ焼き店を展開する運営会社の男性マネジャー(48)は、心理的な影響よりも経済的な事情を口にする。
2020年11月下旬から延長が繰り返された大阪府の時短要請には応じていなかったが、緊急事態宣言後の14日からは要請に従っている。店内飲食は午後8時までに限り、宅配は深夜まで営業して夜の仕事を続ける常連客にも対応。「国による緊急事態宣言は重みが違い、医療崩壊や感染拡大を防ぐために協力する」と話す。
「時短に応じたくないのが本音」
一方、要請に応じた店舗に支払われる1日当たり6万円の協力金について「人件費をまかなえる金額にはほど遠い。従業員の生活を守るために時短には応じたくないのが本音だ」と嘆く。街の人出を見極めながら通常営業に戻すことも考え始めている。
気がかりなのは時短を拒んだ場合の店名公表だ。20年春の緊急事態宣言では要請に応じなかったパチンコ店への激しいバッシングが起きた。「店の名前が出れば、嫌がらせの電話や、SNS(ネット交流サービス)で中傷の書き込みをされるかもしれない。『自粛警察』から店や従業員の安全を守る必要がある」と悩みは深まる。
大阪府内の飲食店やバーなど約1000店が加盟する府社交飲食業生活衛生同業組合の福長徳治理事長(79)は罰則や店名公表について「政府による『最後の手段』と理解はするが、ペナルティーを科しても、経営が苦しければ店が要請に応じるとは限らない」と語り、効果は限定的だとみる。
福長さんが強く求めるのは、政府からの丁寧な説明や協力金の拡充だ。「国や専門家から科学的な根拠に基づいた納得できる説明がないまま、飲食店ばかりが不利益を被るのはおかしい。個人経営でも従業員が多い店でも協力金を一律の金額にするのは、本当の意味での平等にはならない。十分な補償ができるよう議論を深めてほしい」と訴える。
府内に飲食店10万店、行政の実情把握難航
大阪府の吉村洋文知事は飲食店への時短要請に「大半が協力してくれている」として、応じない場合の店名公表には慎重だ。飲食店の数が約10万と膨大で、公平な公表が簡単ではない実情もある。府は市町村と連携して見回りを強め、協力を求め続ける方針だ。
府内に約10万店ある飲食店のうち、元々午後8時までに閉店する店もあり、正確な対象店舗数は分からないのが実態。府幹部は「公表するには公平性を確保する必要があるが、10万もの店を職員が実際に見て回ることは難しい」と打ち明ける。吉村知事は20日の記者会見で「感染防止策を取っていない危険な店があるという報告はない。協力を引き続きお願いしたい」と述べた。 
 
 

 

●緊急事態宣言、東京の新規感染者500人でも直ちに解除しない=再生相 1/25
西村康稔経済再生相は25日午前の衆院予算委員会で、緊急事態宣言の解除要件について、東京都の新規感染者が500人まで減少しても、直ちに解除するわけではないと述べた。新型コロナウイルス対策は1カ月を単位に考えているとも述べた。後藤茂之委員(自民・無所属)への答弁。
西村再生相は、緊急事態宣言解除の要件について、感染状況が最も厳しい「ステージ4」からの脱却だと説明し、コロナ患者用病床の使用率が50%、1日の新規感染者が10万人当たり25人、東京に当てはめると500人など、6つの指標を参照しつつ「総合的に判断し、段階的に解除する」と説明した。
現在発出されている緊急事態宣言の期間が1カ月である根拠を問われ、宣言の成果が2週間後に現れるため、「2週間プラス2週間で1カ月を単位」としていると説明した。 
●「焼肉店」の倒産が過去10年で最少 1/25 
新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が続き、特に飲食店の経営が苦しい現在。そのような中で、焼肉店が健闘している。東京商工リサーチによると、2020年の「焼肉店」の倒産件数は全国で14件。前年比で33.3%減で、過去10年間でみると最少となった。
また、一般社団法人日本フードサービス協会によると、「焼肉店」の2020年11月の売上高は前年同月比で9.4%増と、10月に続いて2カ月連続でプラスとなった。対照的に「居酒屋」の2020年11月の売上高は、前年同月比41.2%減と大幅なマイナスとなっている。コロナ禍にもかかわらず、倒産件数が過去10年で最少。しかも、売上高がプラスとなっている焼肉店。危機的な状況の飲食店も多い中で、なぜ好調なのだろうか? 東京商工リサーチの担当者に話を聞いた。
「換気が良いかどうかを注目している利用客は多い」
――他の飲食店と比べても、焼肉店の倒産件数はやはり少ない?
2020年の飲食業の倒産は842件で、年間最多だった2011年の800件を上回り、過去最多を記録しています。「酒場、ビヤホール(居酒屋)」は174件(前年137件)と急増し、これまで最多だった2012年(141件)を大きく上回りました。このほか、インバウンド需要の消失や外出自粛、在宅勤務の影響が広がり、「すし店」(前年20件から32件に増加)、「そば・うどん店」(前年13件から19件に増加)なども、増加が際立っています。
――焼肉店の倒産件数が少ないのは、どのような理由が考えられる?
無煙ロースターなどの排煙装置による“換気”や、自分自身で目の前で焼くことなどが、コロナ禍で注目されたためとみています。換気が良いかどうかを注目している利用客は多いと思います。
――焼肉店も、昨年は緊急事態宣言の影響は受けた?
もちろん受けております。店舗の休業や時短営業でダメージを受けたのは間違いありません。
――そして今回の緊急事態宣言。他の飲食店と比べると、焼肉店の影響は少ない?
居酒屋などお酒を飲むことがメインのところはかなり厳しいですが、一人焼肉などの焼肉人気も背景に、影響は居酒屋などと比べると少ないとみられています。
“郊外”に外食需要がシフト
コロナ禍で「焼肉店」が健闘している理由。“換気”以外ではどのような理由が考えられるのか? 日本フードサービス協会の担当者にも話を聞いてみた。
――昨年1月〜10月の焼肉店の売上高の推移は?
以下は昨年1月〜10月の前年同月比の売上高の増減です。
1月:5.0%増 / 2月:24.4%増 / 3月:6.7%減 / 4月:69.1%減 / 5月:49.1%減 / 6月:11.3%減 / 7月:4.7%減 / 8月:14.4%減 / 9月:8.3%減 / 10月:8.7%増
――他の飲食店が苦境に立たされる中、焼肉店が好調のようだ。この理由は?
そもそも「焼き肉」などの業態は、新型コロナウイルスの感染拡大前から好調であったことに加え、感染拡大した後は、テレワークの浸透や、3密を避ける消費者の行動などによって、“郊外”に外食需要がシフトしたことで、郊外店などが主力の一部の焼肉チェーンでは、売上が好調な状態で推移しています。また、排煙装置など、他の飲食店にはない設備が“換気”につながるイメージとして、消費者に受け取られている可能性もあります。
――なぜ“郊外”にシフトした?
確かな理由は分かりませんが、郊外に住んでいる方が、自宅の近くの飲食店に行く傾向が見られます。
――今回の緊急事態宣言の発令後、焼肉店に影響は出ている?
現時点では把握できておりません。1月調査の公表は、2月25日を予定しております。
約3分半で客席全体の空気を入れ替え
東京商工リサーチと日本フードサービス協会。両方が理由としてあげていたのが“換気の良さ”だ。 実際のところ、換気は良いのだろうか? 無煙ロースターの最大手、シンポ株式会社の担当者にも話を聞いた。
――コロナ禍で無煙ロースターの注文は増えている?
新型コロナウイルスの影響で、8月は前年比でかなり注文が減りましたが、9月から12月にかけては徐々に注文台数は増えてきております。
――9月以降、注文台数が増えている。その理由は?
焼肉店の好調さではないでしょうか。また、“換気”の良さも、消費者に浸透してきていると思われます。
――“換気”の良さを裏付ける調査結果はある?
一定の条件下の焼肉店を想定し、客席全体の容積と「無煙ロースター」の空気の吸い込み量から換気の量を計算したところ、焼肉店は「無煙ロースター」で焼肉の煙と一緒に店内の空気を店外に排気していて、約3分半で客席全体の空気を入れ替えることができることが分かっています。また、「上引きフード」も同様の条件で計算をしたところ、焼肉店は「上引きフード」で焼肉の煙と一緒に店内の空気を店外に排気していて、約3分半で客席全体の空気を入れ替えることができることも分かっています。なお、計算に用いた「一定の条件下」とは以下となります。
客席床面積:77平方メートル(23.3坪) / 天井の高さ:2.6m / 客席全体の容積:約200立方メートル / テーブル数:11 卓
昨年の緊急事態宣言の発令後には、一時は売上が大きく減少していた「焼肉店」。再発令後の影響は読めないが、東京商工リサーチは焼肉店においても「デリバリー開拓も必要かもしれない」と分析している。ただ、コロナによる飛沫感染が心配される中、「約3分半で客席全体の空気を入れ替えることができる」のは、今後も飲食店の利用客におけるニーズは大きいはずだ。 
●新潟市 「夜の街クラスター」関連感染21人に  1/25
新潟県内では25日、新たに5人の新型コロナウイルス感染が確認されました。このうち2人は、これまでに複数の感染が確認されている新潟市内の飲食店の関連で、新潟市は「夜の街クラスター」が発生したとしています。
県内で新たに感染が確認されたのは20代〜90代の男女で、新潟市が4人、新発田市が1人のあわせて5人です。これで、新潟県内の感染者は850人になりました。
新潟市の感染者のうち2人は市内の飲食店の関連で、すでに感染が確認されている人の濃厚接触者です。この飲食店の関連の感染は、これで経営者の男性と、従業員2人、客が15人、さらに感染者からの2次感染であわせて21人となりました。
新潟市によりますとこの店は深夜まで営業し、酒を提供する形態で、新潟市はいわゆる「夜の街でのクラスター」としています。
新潟市保健衛生部 野島晶子部長 「こういう形のお店で飲食したときに、ひとたび感染者がいると非常に広がりやすい」 新発田市に住む90代の女性は、高齢者福祉施設「陽だまり苑」の利用者で、これでこの施設の感染者は職員や利用者あわせて12人になりました。
一方、県は感染者の個人情報が含まれた宿泊・自宅療養証明書を、取り違えて別の感染者に送付するミスがあったと発表しました。書類には感染者の名前や生年月日、療養施設の名前などが記されていたということで、県は再発防止に努めるとしています。 
●夜営業継続の店 時短要請に応じないワケは? 福岡 1/25
飲食店に大きな影響を与えている時短営業ですが、多くの店が福岡県の要請に従う一方で夜の営業を続けている店もあります。要請に応じない理由を取材しました。24日午後8時の福岡市・天神地区。時短要請に応じる形で、飲食店関係者が次々とシャッターを閉める姿がー 街の人通りも少なくなる中、街の一角でこうこうと看板の明かりを灯し続けている店がありました。店の入り口の前には「20時以降も営業中」の張り紙がー 店側の許可を得て取材班が中に入ってみると、店内は若者や会社員と見られる客で賑わっていました。
記者
「座席のほとんどが埋まっているような状態です」
大学生
「初めて来ました。20時以降も営業しているって書いてあったのでいいじゃんって感じで入りました。お店側もちゃんと対策してくれているので大丈夫かなって感じです」「どこも行く店ないから20時に帰るのは早すぎるからここにこようかなとなりますよね」
県の時短要請に応じずに午後8時以降も営業を続ける理由について、店側はー
ごちや 天神店 三明慎治店長
「6万円っていう補償がありますけども大きい店はそれでは戦えないので、全然足りないので全くフェアじゃない。正直な話、事業の継続が厳しくなってしまうところもございますので、営業していこうという方針になっております」この居酒屋を運営する会社は福岡県内で16店舗を展開。そのうち家賃など固定費の負担が大きい7店舗で、経営維持のためにやむを得ず通常営業を続けているということです。「すべて飲食店が悪いみたいな感じになっているので、ちょっとおかしな話なんじゃないかなと正直な話思っています」先週閣議決定されたコロナ対策の特措法改正案では、休業や時短営業の命令に応じない場合は50万円以下の過料を科せることが盛り込まれました。この罰則についてはー 「正直な話あまり納得がいかない部分であって、しっかり補填していただけるっていう確約があるならば応じるかと思うんですけど、曖昧なままだと罰金を払ってでも営業をするという考えも持っています」 店を運営する会社は「賛否あるのは重々承知した上での判断。感染対策には十分気をつけながら、闇営業ではなく正々堂々と営業を続けていきたい」としています。  
 
 

 

●東京都 新型コロナ 13人死亡 1026人感染確認で再び1000人超  1/26 
東京都は、26日都内で新たに1026人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。都内の1日の感染確認は24日、25日と1000人を下回っていましたが、再び1000人を超えました。
また都は感染が確認された男女13人が死亡したことを明らかにしました。
東京都は26日、都内で新たに10歳未満から100歳以上までの男女合わせて1026人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。都内の1日の感染確認は、24日、25日と1000人を下回っていましたが、再び1000人を超えました。これについて都の担当者は「1週間平均では少しずつ減ってきているが、1日1000人前後は決して少なくない。感染者全体や感染経路が分からない人の数がまだ一定数いるため、今後、急激に減ることは基本的にないと思う。引き続きステイホームをして接触機会を減らして欲しい。みんなの努力が感染者の減少につながるので少し減ってきたといっても油断しないで欲しい」と話しています。
1026人のうち、およそ45%にあたる466人はこれまでに感染が確認された人の濃厚接触者で、残りのおよそ55%の560人はこれまでのところ感染経路がわかっていないということです。濃厚接触者の内訳は、「家庭内」が最も多く230人、「施設内」が150人、「職場内」が30人、「会食」が18人などとなっています。このうち「施設内」は22の医療機関で患者と職員あわせて86人、28の高齢者施設で利用者と職員合わせて62人の感染が確認されました。
これで都内で感染が確認されたのは合わせて9万5534人になりました。また26日時点で入院している人は25日より39人増えて2847人となりました。「現在確保している病床に占める割合」は71.2%です。(2847÷4000床)。このうち、都の基準で集計した26日時点の重症の患者は25日と同じ148人で、重症患者用の病床の59.2%を使用しています。(148人÷250床)。
感染が確認された人のうち、自宅で療養している人は25日より553人減って7510人でした。都が確保したホテルなどで療養している人は25日より76人減って800人で、医療機関に入院するか、ホテルや自宅で療養するか調整中の人は25日より28人減って5540人でした。
また都は、感染が確認された70代から90代の男女13人が死亡したことを明らかにしました。このうち3人は入院していた病院内で、2人は家庭内で、1人は高齢者施設でそれぞれ感染したということです。これで都内で死亡した人は800人を超えて809人になりました。 
●コロナ 特措法と感染症法の改正案 きょうから与野党の修正協議  1/26
新型コロナウイルス対策の特別措置法と感染症法の改正案をめぐる、与野党の修正協議が26日から始まります。野党側が求める、入院勧告を拒否した感染者への懲役刑の撤回などについて、合意が得られるかが焦点になります。
新型コロナウイルス対策の実効性を高めるための特別措置法と感染症法の改正案をめぐり、自民党と立憲民主党の国会対策委員長は25日、衆議院内閣委員会と厚生労働委員会の筆頭理事の間で26日と27日の2日間、修正協議を行うことで合意しました。
協議では、野党側の意見を踏まえ、営業時間の短縮命令に応じない事業者に対する過料や、入院勧告を拒否した感染者への懲役刑など、罰則の内容について修正するかどうか意見が交わされる見通しです。
このうち、野党側が撤回を求める感染者に対する懲役刑については、与党内からも「厳しすぎるのではないか」として見直しを容認する意見が出ていて、与野党で合意が得られるかが焦点になります。
また、要請に応じた事業者への財政支援や、緊急事態宣言が出される前の「まん延防止等重点措置」の在り方についても、政府の対応を付帯決議などで明記することも含め協議が行われる見通しです。
国会では、今年度の第3次補正予算案が26日衆議院を通過し、28日参議院で成立する見込みで、与党側はその後、速やかに改正案の審議を始め早期の成立を目指していることから、27日までに一定の合意を得たいとしています。 
●特措法、感染症法の罰則規定はなぜ問題なのか 1/26
新型コロナ対策としていわゆる「特措法」(新型インフルエンザ等対策特別措置法)と「感染症法」(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)の改正案が国会で審議されている。
問題になっているのは特措法改正案において、営業時間の変更等の要請・命令に違反した事業者への過料を規定している点、そして感染症法改正案において、入院措置に応じない場合や入院先から逃げた場合に罰則を科すとしている点である。事業者に対する過料は行政罰で、30万円以下の罰金、緊急事態宣言が出されているときには50万円以下の罰金、入院を拒否した人への罰則は1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金という刑事罰である。
事業者に十分な休業補償を約束せずにこのような過料を適用すれば財産権の侵害に当たる。また、新型コロナ感染症で入院拒否をすることが、感染の拡大につながり他人や社会に損害を与えるのかどうかの因果関係も証明されていないのに、懲役刑のような刑事罰を規定することは人権侵害というよりほかない。感染症法の前文には「ハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見」への反省が述べられているだけに、教訓が生きていないことに驚きを禁じえない。
人権問題という観点からは日本弁護士連合会や野党、日本医学会連合も反対の声明を出しているので、ここでは別の3つの問題に触れたい。
医療機関には手厚い協力金があり、罰則はない
第1に、事業者や一般の国民を対象に罰則を導入するとしながら、医療サイドへの要求は緩いという不均衡がある。感染症法改正案には緊急時に協力を求められた医療関係者・検査機関が正当な理由なく応じなかったときは勧告・公表される、と盛り込まれただけで、罰則規定はない。
そもそも政府がこれらの法改正を急ぐ理由は「医療崩壊」を回避すべきということであり、日本医師会の強い要請が背景にある。医療崩壊が起きるのは、新型コロナの治療の需要に医療の提供という供給が追いつかないということだ。そこで、今回の改正案には感染拡大の抑止策と共に、臨時の医療施設の開設なども盛り込まれている。
しかし、日本医師会はこれまで一貫して、感染拡大の抑制、つまり新型コロナによる医療需要の削減ばかりを訴えてきた。なぜ、病床や対応できる医師・看護師の確保という供給力の向上をもっと進めることができなかったのか。呼吸器ウイルスという病気の性質上、冬に感染が広がりやすいということは早くから予想されていた。
新型コロナの治療に十分対応できない理由として、日本では約8500ある病院のうち公立病院が少なく8割が比較的規模の小さな民間病院であること、166万の病床数のうち33万は精神科である、などが挙げられている。だが、少なくとも68万の急性期・高度急性期病院の病床数があるのに、1月20日時点で新型コロナ対応向けに確保されたのは約2.8万と4%にすぎない。
昨年の12月25日には厚生労働省が1病床ごとに入院患者の受け入れに450万円、重症患者で1500万円の協力金の給付を決め、1月7日には緊急事態宣言下の都道府県に対してはさらに450万円が、それ以外のところに対しても300万円の上積みが発表された。さらに、自治体独自の協力金もある。診療報酬とは別に、である。それでも、医療機関の協力は進まない。
院内感染のリスクがあっても果敢に受け入れた一部の医療従事者が過酷な状況に置かれている一方で、手厚い協力金や感染対策支援を用意されても協力しない急性期・高度急性期病院の存在価値を、日本医師会はどう捉えているのか
差別を助長する日本医師会関係者の発言
そうした指摘に対し、日本医師会は新型コロナ以外の病気への対応の必要性を主張するが、これまでは、新型コロナへの感染を恐れてお客が来ないことによる経営難への支援策を政府に求めていたのである。また、例年なら対応に追われるインフルエンザの流行が今冬はほぼ消滅している。問題点があるなら、それを解消すべく、自治体と協力して知恵を出すべきだった。
外食産業や宿泊業とは異なり、医療機関に独占が認められ、決まった診療報酬が約束されているのは、社会的インフラであるという位置づけだからだ。医療機関ばかりが特別扱いを認められ、日本医師会という開業医の利権を守る業界団体への配慮が目立つのでは、菅義偉首相の「既得権益の打破」という言葉もむなしい。
日本医師会の中川俊男会長は「国民に緊張感を取り戻さなければならない」「強制力を持った行動制限が必要」などと発言し、同様の発言は医師会関係者からたびたび出る。こうした言葉には強烈な違和感がある。国民の行いが悪いので感染が広がっているといわんばかりである。こうした発言が、感染を確率の問題ではなくスティグマ(汚点)にして、差別を助長する。時短や在宅要請に対応したのでは生きていけない人もいるということへの配慮が感じられない。
特措法・感染症法の改正により罰則の適用を受ける可能性は弱者のほうが高いというのが第2の問題点だ。
帝国データバンクの調査によれば、1月25日時点で新型コロナを原因とした倒産は929件に達している。当然、業種は飲食店や建設・工事業、ホテル・旅館に集中している。新型コロナ対策としては政府の資金繰り支援、金融機関による特例融資や返済のリスケジュールなどが導入されているものの、あくまでも融資。持続化給付金には法人は年200万円、個人事業主は年100万円の上限がある。日銭に頼っている事業の場合、人々の移動制限や時短要請によって毎日の売り上げそのものが入ってこない状態が長引けば立ちゆかなくなる。
今回の特措法改正案では、必要な財政上の措置を講ずるとしている。ただ、飲食業などの事業者に所得補償を設けるとは明記されず、罰金の条項は先行して決められている。
より大きな問題があるのは、個人の入院拒否に対する罰金や懲役刑といった刑事罰の規定だ。感染リスクにさらされる移動が避けられない職種には非正規社員が多い。
非正規の従業員は雇用調整助成金の対象にならず解雇されやすい。非正規の従業員は新型コロナ流行前の昨年2月に2159万人だったが、緊急事態宣言により、7月には2043万人まで減り、100万人が職を失った。その後、直近データの11月までは2124万人まで回復してきたが、足元の緊急事態宣言の再発出で再び回復にはブレーキが掛かっていると予想される。野村総合研究所の昨年12月の調査によれば、パート・アルバイトの女性で仕事が5割以上減少し、かつ、さまざまな理由で休業手当を受け取れていない「実質的失業者」は90万人にのぼる。
こうした実態を踏まえれば、非正規の人々は仕事探しに必死であり、感染リスクにもさらされやすい。入院を要請されても、収入が途絶えることをおそれて二の足を踏む人は多いだろう。
罰則は感染の把握や防止には逆効果になる
第3の問題は単純で、人々の心理や行動からすると、罰則の導入は逆効果にしかならないということだ。入院を拒否すれば罰則がある、となれば、入院を避けたい人は、感染の可能性のあるような場所に身を置いたりしたことをひた隠しにするだろう。接触アプリをダウンロードしていたような人もその利用をやめるだろう。そうして実態がわかりにくくなる結果、むしろ感染の把握・抑制は難しくなる。
入院が困難な立場の人には、その事情に耳を傾ける必要がある。感染を減らすには、国民が進んで協力するような形をつくるのが得策だ。共感を欠き、脅しによって従わせようという法改正はナンセンスで、民主主義国家にあるまじき暴挙だ。 
●自・立、コロナ特措法改正で修正協議 罰則・国会報告の是非焦点 1/26
自民、立憲民主両党は26日昼、政府が今国会に提出した新型コロナウイルス対策の特別措置法や感染症法の改正案について、国会内で修正協議を始めた。立憲側は、刑事罰である懲役・罰金を削除することや、緊急事態宣言の前段階として設ける「まん延防止等重点措置」に国会報告を義務付けることなどを要求。自民側の対応が焦点だ。
協議は衆院の内閣、厚生労働両委員会の与野党筆頭理事間で27日まで行われる予定。自民側は週内決着を目指し、一定の修正を受け入れる姿勢を示している。  
●公明党ホープ・遠山前財務副大臣「銀座高級クラブ」で党から厳重注意 1/26 
昨秋まで財務副大臣を務め、25日の予算委員会でも質問に立った公明党の遠山清彦衆院議員(51)が、緊急事態宣言下の深夜に銀座の高級クラブを知人らと訪れていたことが「週刊文春」の取材で分かった。
1月22日の金曜日、高級クラブが軒を連ね、普段なら週末は特に賑わう銀座の繁華街も、緊急事態宣言を受けて閑散としていた。遠山氏がその一角にある完全会員制の高級クラブXを訪れたのは午後11時過ぎだった。すでに店のシャッターは下りていたが、遠山氏は人目を忍ぶように裏口に回ると、ビル内のエレベーターを使って店に入った。
「Xは数年前に新規出店した大型店。地下には複数の個室があり、外部のエレベーターから直接VIPルームに入れるため、人目につくことを嫌う著名人や財界人の顧客に好まれている」(銀座の飲食店関係者)
銀座には高級クラブが1000軒近くあるが、約半数の店が目下、国の要請に従い、午後8時には店を閉めている。もっとも、中には看板の明かりを消して表向きは閉店を装いながら、深夜まで“闇営業”を続ける店もあるという。
遠山氏は外務政務官や財務副大臣を歴任してきた公明党のホープ。党内では次世代の代表候補の呼び声も高い。来る衆院選では、神奈川6区から出馬することが内定している。
「創価高校から創価大学法学部を卒業し、イギリスの大学院でも学んだエリートで平和学の博士号を持っている。これまでは比例(九州ブロック)選出だったが、党のトップを目指すなら小選挙区できちんと勝ち上がってこい、という意味も込めて、神奈川6区を割り振られた。1月25日に予算委員会で質問に立ったのも、年内の衆院選を見据えた顔見せの意味がありました」(政治部記者)
輝かしい経歴に、彫りの深い甘いマスク。巧みな弁舌にも定評があり、支持母体の創価学会・婦人部からも人気がある。支援者からは親しみを込めて「(遠山の)金さん」と呼ばれているという。
遠山氏に事実関係を尋ねると、書面でこう回答した。
「その日はある会社社長と18時より食事をしながら意見交換しました。店を20時に出た後、『個室を取っているので、そこで話の続きを聞いてもらいたい』と誘われ、行ったところがご指摘の場所でありました。20時以降の不要不急の外出を控えるよう政府が呼びかけている中で、結果として深夜まで外出していたことは極めて不適切であり、猛省しております。党幹事長から厳しく指導を受けました。二度とこのようなことを起こさないように致します」
折しも、遠山氏が高級クラブを訪れた22日は、公明党の山口那津男代表が国会の代表質問で、「コロナとの戦いは国民生活に影響を与えている。国民が一丸となって危機を乗り越え、諸課題を前に進めるためには政治の安定と信頼が不可欠。政治家自らが襟を正し、国民生活の向上のために働き、結果を出す中でしか信頼を回復できない」と述べたばかりだった。政権与党の一角として、公明党の今後の対応が注目されそうだ。 
●「コロナ特措法、罰則の重さを論じている場合じゃない」 橋下徹 1/26
野党よ、与野党協議で特措法の「あるべき姿」を追求せよ
コロナ対応に必要不可欠な新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)の改正論議が、やっと国会で始まった。
僕は昨年の3月くらいからこの特措法のクソっぷりを、このメルマガやテレビなどのメディアで言い続けてきたが、一民間人コメンテーターの意見なんぞ何の力もない。政府与党をはじめ日本の政治は特措法の改正をずっと放置し続けてきた。
そんな中昨年末頃からやっと特措法改正論議が湧き起こり、年明け1カ月ちょっとで改正法が成立しそうな勢いだ。
それならなぜ、昨年の5月、6月、7月頃、一度目の緊急事態宣言の後に感染者数が比較的落ち着いた頃に、特措法改正を実行しなかったのか。この政治の怠慢は、強く非難を受けてしかるべきだ。
それは横に置いておいても、今回出てきたこの特措法改正案だが、これまたそのクソっぷりが甚だしい。
前号のメルマガ(なぜ僕は「罰としての店名公表」に断固反対するか)では、罰則規定に関する議論が優先され、営業の自由を制限したことへの補償額・支援額の算定基準があいまいな点を一番問題視した。
法案には、「支援を講じる」としか書かれていない。どのようなお店に、どのような金額が出されるのか、全く分からない。つまり、すべては「お上」にお任せするというクソっぷりな法案だ。
そして今国会では、与野党で「罰則の重さ」について協議に入っている。
政府与党が出してきた法案が、初めから与野党協議となるのは珍しいことだが(普通は政府与党の出した法案は、賛成多数で可決されるか、世間や野党の批判が激しい場合には取り下げられる)、これは法案を通すための政府与党のテクニックだ。
野党の意見を取り入れて修正すれば、野党に花を持たせることができる。そして政府与党は、国民から批判の声が大きい罰則規定について、自分たちの意見を押し通したのではなく、野党の意見も聞きましたよ、という言い訳ができる。
他方、野党にしてみれば、法案修正は一般的になかなか出すことのできない成果である。ゆえに罰則の修正に飛びつく可能性があるのだが、ここは自分たちの成果にこだわらず、特措法の「あるべき姿」を追求してもらいたい。
現在の支援金はお上からの「施し」である
前号でも論じたが、ここでの罰則とは、補償額・支援額を導き出すための方便だ。
営業の自由の制限(休業・時短)を「お上」がお店にお願い・要請をする現行の特措法では、そのお願い・要請に従うか否かはお店の自由だというのが建前となっている。そもそもこの建前がおかしい。お上からのお願い・要請には従わざるを得ないのが現実なんだから。
それでもこの建前があることで、自分の意思でお店を休んだり、時短営業をしたりしても、「お上」からは補償や支援は出ない。これが現行の特措法の考え、ロジックだ。
ゆえに今、政治行政が出している支援金は、あくまでも「お上」からの「施し」に過ぎない。法に基づいたお店の権利に応えたものとはなっていないのだ。
だから金額もいい加減だし、どの業種に出すのかもすべて「お上」の胸三寸となっている。お店からすればたまったものじゃないよね。 ・・・  
  
 

 

●函館で14人感染確認 2人死亡 1/27
函館市は27日、新たに14人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。また市は、これまでに感染が確認されていた2人が亡くなったと発表しました。これで道内の感染者はのべ1万6877人となり、死亡した人は581人となっています。
●京都で新たに128人の感染確認 感染者2人が死亡 1/27
京都府で27日、新たに128人の新型コロナウイルス感染が確認されました。新たに感染が確認されたのは、京都市で98人、その他府内で30人です。また、感染者2人の死亡が確認されました。
●大阪で新たに357人の感染確認 死亡確認は過去最多の23人 1/27
大阪府で27日、新たに357人の新型コロナウイルス感染が確認されました。大阪府内で確認された感染者数は、計4万2427人となります。また、大阪府内では、感染者23人の死亡が確認されました。1日に確認された死亡者数としては過去最多です。
●福岡 新型コロナ 3人死亡 185人感染確認 1/27
福岡県は、27日県内で新たに185人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。県内の1日の感染者数が200人を下回るのは3日連続です。内訳は、福岡市で97人、北九州市で20人などとなっています。福岡県内で感染が確認された人は、延べ1万5552人になりました。また、80代の男性1人、90代以上の男性1人と女性1人の合わせて3人が死亡したことが確認され、福岡県内で死亡した感染者は173人となりました。 
●菅義偉首相 自民党松本純と公明党遠山清彦の銀座クラブ報道に陳謝 1/27
菅義偉首相は27日午前の参院予算委員会で、自民党の松本純・国会対策委員長代理と公明党の遠山清彦・前財務副大臣が、それぞれ緊急事態宣言下の夜に東京・銀座のクラブに行っていたと報じられた問題について、「国民の皆さんに(自粛を)お願いする中で発生したことは申し訳ない。理解を得られる行動をすべきで、しっかりとこれから対応をさせて頂きたい」と陳謝した。
立憲民主党の徳永エリ氏が「特別措置法の改正案では、要請に従わない人には罰則を科す。自分たちは(自粛を)守らないで、国民には守らないと罰則を科すなんてメチャクチャではないか。この2人の不適切な行動に対して、厳格な処分を下すべきではないか」と求めた質問に答えた。
公明の赤羽一嘉国土交通相も「あってはならないことだ。しっかり指導したい」と答弁した。
●「深夜まで銀座のクラブ」が響き…時短営業の罰則巡る与野党協議、折り合わず 1/27  
新型コロナウイルス対策を巡り、自民、立憲民主両党は27日、新型インフルエンザ対策特別措置法と感染症法の両改正案の修正協議を26日に続いて行った。しかし、焦点の罰則のあり方で折り合えず、両党は28日にも協議を幹事長間に格上げして決着を目指す。
衆院内閣、厚生労働両委員会の与野党筆頭理事が27日、国会内で午前と午後の2回協議したが、歩み寄れなかった。与党議員が緊急事態宣言下の東京都内のクラブに深夜まで滞在していたことが明らかになり、野党は態度を硬化させた。
内閣委の野党筆頭理事を務める立民の今井雅人氏は「時短営業ができない店側だけを罰し、通う人を罰しないのは言語道断だ」と批判。特措法改正案に盛り込まれた、休業などの命令に応じない事業者への過料を撤回するよう迫った。
感染症法改正案についても、立民は入院を拒んだ感染者らに対する刑事罰の撤回を求めた。これに対し、自民は「罰則は必要」との姿勢を崩さず、議論は平行線に終わった。
この日の協議では、緊急事態宣言の前段階の「まん延防止等重点措置」を発令する時は国会報告を求めることと、休業命令などに応じた事業者への財政支援については付帯決議などで具体化を図ること――の2点については一致した。
立民内には「罰則が残れば、法案に賛成できない」(若手)との意見がなお残る。立民幹部は「与党議員の不祥事で空気が変わった。刑事罰があることを理由に反対しても、世論の理解は得られる」と語った。
自民、立民両党は、筆頭理事間の協議をこれ以上続けることはやめて、より高いレベルで合意を図る方針だ。与党としては、28日にも両党の幹事長会談などを開いた上で、29日の法案審議入りを目指している。 
●政府内で緊急事態宣言延長の声も コロナ感染状況 大幅改善せず  1/27 
東京などで新型コロナウイルスの感染状況に大幅な改善が見られない中、政府内ではこのままの状況が続けば来月7日が期限となっている緊急事態宣言を延長せざるをえないという声も出始めています。政府は、全国の感染状況も注視しながら延長するかどうか検討を進めていく方針です。
新型コロナウイルスの東京都内の1日の感染者数は今月7日に緊急事態宣言が出されて以降徐々に減少していますが、大幅には改善していないうえ、高齢者の占める割合が高くなる傾向が出ていると指摘されています。
政府は、医療提供体制のひっ迫状況が依然として続いていることに加え、高齢者の感染が増え続ければ、今後さらに重症者が増加する可能性もあるとして、引き続き対策を徹底するよう呼びかけています。
来月7日が期限となっている緊急事態宣言の扱いについて、西村経済再生担当大臣はきのう衆議院予算委員会で「直前になると混乱し対応できないこともあるので、しかるべきタイミングで最終的に判断していきたい」と述べました。
政府内では「このまま大幅な改善が見られなければ宣言を延長せざるをえない」という声も出始めていて、全国の感染状況や医療提供体制を注視しながら延長するかどうか検討を進めていく方針です。 
●菅首相 緊急事態宣言の延長、期限の数日前に判断へ 1/27 
菅義偉首相は27日の参院予算委で、1月7日に新型コロナウイルスの緊急事態宣言を再発令した際に「1カ月後には必ず事態を改善させる」と発言した根拠を問われて「強い決意を申し上げた。最初から延長するとは言うべきではない」と答えた。
首相は、緊急事態宣言を延長するかどうか判断する時期について「2月7日の直近だと準備もあるし、あまり手前だと効果の見極めも必要だ」と述べ、期限となる2月7日の数日前が目安との認識を示した。
西村康稔経済再生担当相は延長の要否に関して「データを分析しながら何日か前には判断したい」と指摘。感染者数の指標が宣言解除の目安の「ステージ3」相当になったとしても「直ちに解除ではなく、病床や療養者数も見ながら総合的に判断する」と述べた。
経済対策については、首相は前回の緊急事態宣言に合わせて国民1人当たり10万円を配った特別定額給付金の再支給を「考えていない」と否定。新型コロナの影響で収入が減った中小企業などに最大200万円を支給した持続化給付金も「飲食店への協力金や影響を受ける事業者への一時金を支給する」として再支給しない考えを示した。
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、昨年末以降に全国で感染者が急増した要因について「忘年会などで感染が急激に増えたことはほぼ間違いない」と分析。緊急事態宣言の効果は今週末か来週初めに表れるとし、効果を見極めてから解除の判断をすべきだとの考えを示した。 
●新型コロナ 世界の感染者1億人超える  1/27 
アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、新型コロナウイルスの感染が確認された人は日本時間の27日、世界全体で1億人を超えました。先進国を中心にワクチンの接種が進められていますがまだ一部にとどまっていて変異ウイルスも広がるなど、感染拡大に歯止めがかからない状況が続いています。
アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、世界全体で新型コロナウイルスの感染が確認された人は、日本時間の27日午前6時半の時点で1億6万3707人と1億人を超えました。
感染者の割合を地域別に見ますと、南北アメリカ大陸が4000万人以上と全体の40%以上を占めていて、感染者が最も多いアメリカでは、この1週間の平均で1日当たり17万人ほどの感染者が新たに確認されています。
一方、ワクチンの接種は先進国を中心に進んでいますが、各国の政府などが公表したデータをまとめているイギリス・オックスフォード大学の研究者などが運営するウェブサイト「アワ・ワールド・イン・データ」によりますと、今月26日の時点で全世界で接種された新型コロナウイルスのワクチンは合わせておよそ6900万回分で、少なくとも1回は接種を受けた人の数もおよそ6300万人と世界の人口からみると一部にとどまっています。
新型コロナウイルスはイギリスで変異したウイルスが見つかり、その後、ヨーロッパや中東、アジアなど世界各地でこの変異ウイルスが確認されたほか、南アフリカでも別の変異ウイルスが見つかるなどしていて感染拡大に歯止めがかからない状況が続いています。 
 
 

 

●東京都 新型コロナ 1064人感染確認 過去最多の20人死亡  1/28
東京都は28日、都内で新たに1064人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。また、感染が確認された男女20人が死亡したことを明らかにしました。1日に発表される死亡した人の数としては過去最多です。東京都は28日、都内で新たに10歳未満から100歳以上までの男女合わせて1064人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1日の感染確認が1000人を超えるのは1月26日以来です。
28日の1064人のうち、およそ51%の545人はこれまでに感染が確認された人の濃厚接触者で、残りのおよそ49%の518人はこれまでのところ感染経路がわかっていないということです。このほか、アメリカへの渡航歴がある人が1人いるということです。
濃厚接触者の内訳は、「家庭内」が最も多く306人、次いで「施設内」が162人、「職場内」が22人、「会食」が14人などとなっています。このうち「施設内」は、1月24日の160人を上回って過去最多となり、19の医療機関で患者と職員合わせて73人、28の高齢者施設で利用者と職員合わせて70人の感染が確認されました。これで都内で感染が確認されたのは合わせて9万7571人になりました。
また、28日時点で入院している人は、27日より17人増えて2888人となりました。「現在確保している病床に占める割合」は61.4%です。このうち、都の基準で集計した28日時点の重症の患者は、27日より9人減って150人で、重症患者用の病床の56.6%を使用しています。感染が確認された人のうち、自宅で療養している人は27日より559人減って6600人でした。
都が確保したホテルなどで療養している人は27日より78人減って659人で、医療機関に入院するか、ホテルや自宅で療養するか調整中の人は27日より543人減って4810人でした。
また都は、感染が確認された60代から90代の男女20人が死亡したことを明らかにしました。都内で1日に発表される死亡した人の数としては27日の18人を上回って過去最多となりました。20人のうち7人は、病院内での集団感染だったということです。このほか、90代の女性は、家族との話し合いなどの結果、入院調整はしなかったものの入所していた特別養護老人ホームで亡くなったということです。これで「自宅療養中」に亡くなった人は都内で16人になりました。また、これまでに死亡した人は合わせて847人になりました。また、1月死亡した人は177人となり、月別では去年4月の181人に次いで2番目に多くなっています。都の担当者は「施設内や病院内での感染が多く、基礎疾患を持っている方はリスクが高い。全体の新規陽性者の数を減らすと同時に、施設内や病院内での感染をどう防ぐかが重要だ」と話しています。
東京都の小池知事は過去最多となる20人の死亡が28日、発表されたことについて「死亡者を出さないというのは都としても重要だ。重症者の回復を願い、病床の確保もさらに進めていきたい」と述べました。そして「基本だが、感染しない、させない、これを徹底してください」と述べ、感染防止対策をとるよう改めて呼びかけました。
●神奈川 新型コロナ 11人死亡 433人感染確認  1/28
神奈川県内では28日、合わせて433人が新型コロナウイルスに感染したことが確認されたと発表されました。県内の1日当たりの感染者数は、27日まで3日連続で300人台でしたが、28日は400人台となりました。
一方、50代から90代までの男女、合わせて11人の死亡が発表されました。
また、相模原市が今月24日に発表した20代の女性について、県外で発表された人と重複していたとして、横須賀市が今月14日に発表した70代の女性について再検査を行ったところ陰性だったとして、これまでの感染者数を訂正してそれぞれ1人ずつ減らしました。
県内で発表された感染者は、これで3万9589人となり、このうち443人が死亡しています。
●埼玉県で新たに292人感染 3人が変異種感染、県内初確認  1/28
埼玉県内では28日、新型コロナウイルスの新たな感染者292人と、死者9人が発表された。死亡したのは30〜90代の男女。うち70代と80代の男性2人はクラスター(感染者集団)が発生した戸田中央総合病院(戸田市)の入院患者だった。
さいたま市桜区の通所介護施設「ゆめの園 りふれ浦和」で利用者2人の感染が判明し、同施設の感染者は計16人となった。市内の特別養護老人ホームでは従業員1人の感染が判明し、計10人。県内の病院でも新たに21人の感染が判明し、この病院の感染者は計28人となった。
また、英国に滞在歴のない県内在住の20〜30代の男女3人が、新型コロナの変異ウイルスに感染していたことが28日に判明した。県によると、3人は既に変異ウイルス感染が公表されている東京都の40代男性の職場の同僚。3人とも入院中だが、重症ではないという。
変異ウイルス感染の確認は県内では初めて。県は渡航歴のない県内の感染者に抜き打ちで変異ウイルスの検査を行うなど、監視体制を強める。 
●愛知 新型コロナ 9人死亡 244人感染確認 3日連続200人超  1/28
愛知県は、新型コロナウイルスへの感染が確認され医療機関に入院していた、県内に住む高齢者4人が28日までに死亡したと発表しました。28日は、名古屋市と豊田市で感染者5人の死亡が発表されていて、愛知県内の死亡の発表は合わせて9人となりました。愛知県内で死亡した感染者は388人となりました。
また愛知県は、県内で新たに244人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。県内で1日に発表される感染者の数が200人を超えるのは3日連続で、愛知県内での感染確認は、延べ2万3636人となりました。
●空港で感染確認、その後死亡 パキスタンから到着の男性 1/28
厚生労働省は28日、米国やエジプト、カタール、ナイジェリアから到着した20〜40代の男女5人について、空港検疫で新型コロナウイルスの感染が確認されたと発表した。5人は27、28日に成田、羽田両空港に到着。ナイジェリアから到着した40代男性に発熱の症状があり、残る4人に症状はないという。
また、パキスタンから成田空港に15日に到着して新型コロナの感染が確認された50代の外国籍の男性が、27日に亡くなったことも発表した。せきの症状があり、医療機関に入院したが、その後症状が悪化したという。空港検疫で感染が確認された人が死亡したのは2人目。 
●特措法など改正案修正協議 刑事罰削除で正式合意 自民・立民  1/28 
新型コロナウイルス対策の特別措置法などの改正案をめぐる修正協議で、自民党と立憲民主党は入院を拒否した感染者に対する刑事罰を削除するとともに、営業時間の短縮命令などに応じない事業者に対する過料も引き下げることなどで正式に合意しました。
5項目で正式合意
新型コロナウイルス対策の特別措置法と感染症法の改正案をめぐる与野党の修正協議は27日まで行われた実務者協議の結果を踏まえ28日、自民党と立憲民主党の国会対策委員長が断続的に会談して、詰めの調整を進め午後5時半ごろから両党の幹事長が会談して5つの項目について正式に合意しました。
感染症法の改正案
入院を拒否した感染者に対する刑事罰について「1年以下の懲役か100万円以下の罰金を科す」としていたのを、懲役刑を削除するとともに罰金を行政罰である「50万円以下の過料」に改めるとしています。保健所の調査に虚偽の申告をしたり拒否したりした場合は「50万円以下の罰金を科す」としていましたが、これも「30万円以下の過料」に改めるとしています。
特別措置法の改正案
営業時間の短縮などの命令に応じない事業者に対する過料について、緊急事態宣言が出されている場合は50万円以下、「まん延防止等重点措置」の場合は30万円以下としていたのをそれぞれ30万円以下と、20万円以下に減額するとしています。このほか、「まん延防止等重点措置」を実施する際は速やかに国会へ報告することを付帯決議に明記するとともに、事業者に対する財政支援については事業規模に応じた支援のあり方を付帯決議や国会答弁で明確にするとしています。いずれも与党側が譲歩する形で決着しました。修正協議の合意を受けて特別措置法などの改正案は29日の衆議院本会議で審議入りし、菅総理大臣も出席して趣旨説明と質疑が行われる予定で来週にも成立する見通しです。
衆議院内閣委員会 29日に参考人質疑
衆議院内閣委員会は理事懇談会を開き、29日、衆議院本会議で改正案が審議入りしたあと、委員会を開いて趣旨説明を行い、感染症の専門家らを招いて参考人質疑を行うことで与野党が合意しました。
改正案 来月3日にも成立見通し
新型コロナウイルス対策の特別措置法などの改正案について自民党の末松参議院国会対策委員長と、立憲民主党の難波参議院国会対策委員長が国会内で会談し、審議日程を協議しました。その結果、衆議院から来月1日に改正案が送られてくれば、翌2日に菅総理大臣も出席して参議院本会議を開いて法案の趣旨説明と質疑を行い、審議に入ることで合意しました。そして、来月2日と3日の2日間で委員会質疑などを行ったうえで採決することでも大筋で合意し、改正案は、来月3日にも成立する見通しとなりました。
決着は与党側が譲歩する形で
今回の修正協議は5つの項目について行われましたが、いずれも与党側が譲歩する形で決着しました。国会で新年度予算案の審議を控える中、与党側は特別措置法などの改正案を早期に成立させるためには野党側の協力が欠かせないとして柔軟な姿勢で協議に臨んできました。加えて、修正協議のさなかに自民党と公明党の幹部がそれぞれ都内の飲食店を深夜まで訪れていたことが明らかになったのも協議に影響したものとみられます。野党側は政治への信頼が低下し国民に厳しい罰則を科せる状況ではなくなったと反発を強めました。とりわけ、焦点となっていた入院を拒否した感染者に対する罰則について与党側は当初、懲役刑の削除には応じるものの罰金は残す形で理解を得たいとしていましたが、野党側の反発を受けて刑事罰そのものの削除を余儀なくされました。一方、野党内には行政罰として過料を科すことにも慎重な意見が根強くありますが、自治体から対策の実効性の確保を求める声が出ている中、すべて反対するのは世論の理解は得られないとして一定の罰則を容認する判断に傾いたものとみられます。
自民 森山国対委員長「野党の理解と協力にも深く感謝」
自民党の森山国会対策委員長は、記者団に対し「コロナ禍での国民の不安な気持ちを考え、できるだけ多くの会派で修正協議が整うことが、国民に安心感を与えると思ってやってきた。スピーディーに改正案が成立する見込みが立ち大変ありがたく、野党の理解と協力にも深く感謝申し上げたい」と述べました。
立民 修正案に賛成
新型コロナウイルス対策の特別措置法の改正案などの修正協議で与野党が合意したことから、立憲民主党は、政調審議会を開き、党としての対応を協議しました。その結果、修正内容は、党の主張がおおむね反映されたものだとして、賛成することを決めました。立憲民主党の福山幹事長は、記者団に対し「刑事罰の懲役刑や罰金が取り下げられたことは大変評価したいし、それぞれの過料が引き下げられたことについても一定の評価をしたい。さらには事業者支援を事業規模などに応じて検討していくことを国会答弁や付帯決議で確認できるようになったことは大きな1歩だ」と述べました。また、福山氏は、改正案への賛否について「今回の改正に一定の責任を負ったと考える」と述べました。
日本公衆衛生看護学会 罰則に反対
保健師や研究者、およそ2000人が所属している日本公衆衛生看護学会は、入院を拒否するなどした感染者に対する罰則に反対しています。NHKの取材に対し、麻原きよみ理事長は「保健所の調査に虚偽の申告をするなど情報提供を拒否した場合には行政罰として過料が科せられることになるが行政罰も罰であることに変わりない。そうなれば保健師はいわば罰する側になってしまうので、住民との関係性が崩れ、聞き取りに協力してもらえなくなるなど、業務に影響が出ることを懸念している」と話しています。そのうえで「検査を受けなかったり症状を隠す人などが出て感染拡大につながるおそれがある。罰則の導入によって感染者の差別にもつながり人々の不安が拡大することにならないか危惧している」と述べました。
専門家“過料は現実的だが…”
憲法学が専門の専修大学の棟居快行教授は「新型コロナウイルスという実態がよくわかっていない感染症に対しては個人の『自由』と、感染拡大を抑える『安全』のはざまで憲法学的に、はっきりとしたラインを引くのは難しい」と話しています。そのうえで「刑事罰ではなく過料という形にするのは感染拡大を抑えるために現実的だが、あくまで個人の判断だった『自粛』ではなく国民に対してペナルティーを科し自由を制限する以上は、それに見合うか、それ以上の利益を国民に提供しなければいけない」と指摘しました。そして「規制を行う目的やそれに対する補償などの全体の仕組みをしっかり議論し、国民に提示してほしい」と話していました。
菅首相「今まで以上に実効性あるものに」
菅総理大臣は28日夜、総理大臣官邸で「与野党の関係者に感謝申し上げる。政府としては合意を尊重して対応したい。改正によって飲食店の営業時間短縮など、今まで以上に実効性のあるものになると思っている。感染を縮小させるために全力で頑張っていく」と述べました。また、実効性を担保できるのかと問われたのに対し「与野党で合意する中で過料が新しくできるわけで、政府も努力して実効性を上げられるよう頑張っていきたい」と述べました。一方、記者団が「人出が減らないのは菅総理大臣の呼びかけかたや政治家の言動に問題があるという指摘があるが」と質問したのに対し、菅総理大臣は「いろいろなことを国会でも言われているが、政府を挙げて国民に協力をいただく中で、しっかりと実効性を高めていきたい」と述べました。
公明 山口代表「早期成立に取り組みたい」
公明党の山口代表は、党の参議院議員総会で「与野党の努力によって、新型コロナウイルスの克服に向けて、国民の声を取り入れた内容になっている。対策の実効性を高められるよう、早期成立に取り組みたい」と述べました。  
●感染症法改正、刑事罰を撤回 過料は減額、自・立合意―来月3日に成立 1/28
自民、立憲民主両党は28日、新型コロナウイルス対策の実効性を高めるための政府提出法案の修正協議で、感染症法改正案に盛り込んだ刑事罰を撤回することで合意した。入院を拒否した感染者らへの懲役は削除し、「罰金」は行政罰の「過料」に切り替える。過料は特別措置法改正案に規定したものを含めて減額する。
両党の国対委員長が国会内で断続的に調整し、幹事長会談で正式合意した。改正案は29日の衆院本会議で審議入り。2月3日に成立する見通しだ。菅義偉首相は28日夜、首相官邸で記者団に「合意を尊重する」と表明。「改正により今まで以上に実効性のあるものになる」と強調した。
政府提出の感染症法改正案は、入院を拒否したり入院先から逃げたりした感染者に対し、1年以下の懲役または100万円以下の罰金を規定。感染経路を追跡する「積極的疫学調査」に協力しなかった人にも、50万円以下の罰金を科すと定めていた。修正により、罰則を過料のみとし、金額もそれぞれ100万円以下を50万円以下、50万円以下を30万円以下に引き下げる。
特措法改正案は休業や営業時間短縮の命令に反した事業者らに対し、緊急事態宣言下なら50万円以下、前段階の「まん延防止等重点措置」の下なら30万円以下の過料を定めていた。修正合意によりそれぞれ30万円以下、20万円以下となった。
事業者への給付に関しては、政府が事業規模に応じた支援の在り方を検討し、「効果的な支援」に取り組むことを国会答弁と付帯決議で明確化すると申し合わせた。まん延防止等重点措置については「速やかな国会報告」を付帯決議で担保することを確認した。
共産党や国民民主党は修正内容が不十分だとの立場。日本維新の会は、知事が医療機関に協力を要請できることを明確にする独自の修正案を与党が受け入れたことを踏まえ、賛成する見通しだ。
衆院議院運営委員会は28日の理事会で、29日の本会議で首相が出席して改正案の趣旨説明と質疑を行うことを決めた。同日中に衆院内閣委員会で参考人質疑を実施。2月1日に同委と厚生労働委員会の連合審査などを行った上で、衆院で採決して参院に送付する見通しだ。一方、自民、立憲の参院国対委員長は、2月3日に参院本会議で採決することで大筋合意した。
自民党は当初、首相の委員会出席が求められる「重要広範議案」と位置付ける考えだったが、28日になって首相出席に応じないと立憲に伝えた。
●入院拒否者への刑事罰削除で合意…「罰金」から行政罰「過料」に修正  1/28
新型コロナウイルス対策強化をめぐり、自民党と立憲民主党は28日、感染症法改正案のうち、入院に応じない感染者への刑事罰を行政罰の「過料」に修正することで合意した。感染者が保健所による調査を拒んだり、調査に虚偽の回答をしたりした場合の「50万円以下の罰金」も過料に修正することで一致した。これにより、感染症法改正案から新たな刑事罰を科す規定はなくなる。
自民の森山裕、立民の安住淳両国会対策委員長が28日午前、国会内で会談し、一致した。午後も断続的に修正協議を続け、与党は28日中にも両党の幹事長会談で正式合意にこぎつけたい考えだ。
政府が国会提出した感染症法改正案では、感染者が入院に応じなかったり、入院先から逃げたりした場合、刑事罰として「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」を科すと明記していた。
自民党はこのうち懲役刑を削除し、罰金についても「50万円以下」とする構えだった。しかし、立民が27日に行われた与野党の修正協議で、「刑事罰を科すこと自体が厳しすぎる」と訴えたため、罰金も見直して行政罰にとどめることにした。過料の金額については今後、調整する。
新型インフルエンザ対策特別措置法改正案では、緊急事態宣言中に休業や営業時間短縮の命令に応じない事業者に科す「50万円以下の過料」や、まん延防止等重点措置で時短などの命令に応じない事業者に科す「30万円以下の過料」をそれぞれ減額する方向だ。
●コロナ関連法案、与野党が合意 刑事罰を削除し過料減額 1/28
自民、立憲民主両党は28日、新型コロナウイルス感染症に対応する特別措置法と感染症法の改正案を修正することで合意した。入院拒否などに懲役刑や罰金を科すとしていた当初の政府案の刑事罰の規定を削除した。改正案には野党第1党の立憲も賛成する。2月3日にも成立する見込みだ。
自民党の二階俊博幹事長と立憲民主党の福山哲郎幹事長が28日、国会内で会談し、合意した。
政府が22日に閣議決定した感染症法改正案は、入院拒否や入院先からの逃亡に「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」を科す刑事罰が盛り込まれていた。立憲民主党の枝野幸男代表が「刑事罰はとうてい考えられない」と述べるなど、野党側は反対の姿勢を示していた。自民、立憲両党は28日の会談で、刑事罰を削除し、行政罰である50万円以下の過料に修正することで合意した。保健所の疫学調査を正当な理由無く拒否した人らには「50万円以下の罰金」としていた刑事罰も削除し、30万円以下の過料に修正した。
特措法改正案でも、行政罰となる過料の金額を引き下げることで合意した。
時短営業などの命令に違反した事業者に科すことにしていた50万円以下の過料は、30万円以下に減額する。緊急事態宣言の前から罰則を科せる「まん延防止等重点措置」の場合も、同様の命令に違反した事業者に30万円以下の過料を科すとしていたが、20万円以下に減額する。同措置を指定した際の国会の関わり方も論点だったが、「速やかな国会報告」を行うよう付帯決議に盛り込むことで一致した。
コロナの影響を受けた事業者への財政支援については、現在、時短に応じる飲食店への協力金の上限が、1日当たり6万円にとどまっている現状を踏まえ、「事業規模に応じた支援のあり方について、事業者の状況や必要性を踏まえて検討し、支援が効果的なものとなるよう取り組むことを国会答弁や付帯決議で明確化する」とした。
改正案をめぐっては、与野党の ・・・
●過料 (かりょう)
1 国や地方公共団体などが、行政上の義務の違反者に対し、金銭の支払いを求める制裁の1つです。主に「秩序罰としての過料」、「執行罰としての過料」、「懲戒罰としての過料」の3つに分けられます。秩序罰としての過料は、転居したにもかかわらず住民票を移さないなどの場合、懲戒罰としての過料は路上喫煙防止条例の違反などの場合に科せられます。執行罰としての過料は「砂防法」に規定が残っていますが、同法での過料は500円以内とされており、事実上は機能していません。なお、過料は罰金や科料と異なり刑罰ではなく、前科にはなりません。
2 行政上の秩序を維持するために、行政法規上の義務違反に対して少額の金銭を徴収するという罰則のこと。行政法学では「行政上の秩序罰」として分類している。過料は刑罰ではないので、刑法、刑事訴訟法は適用されない。これに対して「罰金」「科料」は刑罰であり、刑法、刑事訴訟法が適用される。特に刑罰である「科料」と行政上の秩序罰である「過料」は混同されやすい。そのため前者を「とがりょう」、後者を「あやまちりょう」と呼んで区別することがある。
3 過料と科料
「科料」と「過料」の違いを知ってられるでしょうか。双方とも読みは「かりょう」ですが、区別する意味で、「科料」は「とがりょう」、「過料」は「あやまちりょう」とも読みます。一般に、「科料」は「刑事罰」、「過料」は「秩序罰」といわれています。
まず「科料」は、刑罰の一種で、広い意味の罰金の一種です。罰金と科料との相違は、金額の相違です。罰金は1万円以上であり(刑法第15条。なお、減軽して1万円未満になることもあります)、科料は、1000円以上1万円未満です(刑法第17条。1000円未満には下がりません)。1万円以下ですから、比較的軽い罪の罰則ということになります。ただ、例え、1万円未満でも、納付しなければ、罰金と同様、「労役場留置」といって、刑務所に収監されて、1日いくらと定められた額で払い終わるまで働かされます。例えば、8000円で、1日2000円と判決主文に書かれてあれば、納付しなければ、4日間刑務所で働かされることになります。刑法では、偽札をつかまされたものが、偽札であるということを知っていながら使った場合(ある意味気の毒ですが、警察に届けましょう)、公然わいせつのうち犯情の軽いもの、わいせつな文書・図画の頒布・販売・公然陳列のうち犯情の軽いもの、違法な宝くじを受取った者のうち犯情の軽いもの、変死者を密葬した者のうち犯情の軽いもの、傷害現場で「傷害をはやしたてたもの」(チア・リーダーはスポーツだからいいのです)のうち犯情の軽いもの、侮辱のうち犯情の軽いもの、猫ばば(遺失物等横領といいます)のうち犯情の軽いもの、器物損壊のうち犯情の軽いものなどが規定されています。条例で定められている科料もあります。1万円未満の「広い意味の罰金」です。くどいようですが、立派な(?)犯罪で、もちろん「前科」になります。
次に、過料について説明します。「過料」は、大きく分けて「秩序罰としての過料」「執行罰としての過料」「懲戒罰としての過料」があります。「秩序罰としての過料」というのは、民事上の義務違反に対するもの、民事訴訟上の義務違反に対するもの、行政上の義務違反に対するもの、地方公共団体の条例・規則違反に対するものがあります。
民事上の義務違反に対するものとしては、法人清算で登記を怠った、正しくない登記をしたものが多く、民事訴訟上の義務違反に対するものとしては、原告被告本人が、宣誓の上、虚偽の供述をした(証人の偽証は刑罰ですが、原告被告本人は、嘘をついても刑罰は一切受けません)、転居したのに、住民票を移転せずに長期間経過したなどです。なお、学生さんが親元に住所をおいたままにしていると、過料を食らう場合があります。執行罰としての過料は、規定があるだけで、実際機能していません。懲戒罰としての過料は、規律維持のため、義務違反に対し制裁を科すことをいいます。裁判官や公証人の懲戒があります。また、裁判員制度において裁判員(又は裁判員候補者)の虚偽記載や出頭義務違反等に科される過料も、懲戒罰としての過料に当たると解されれています。ぽい捨て・路上喫煙防止条例の過料も、これに含まれます。くどいようですが、犯罪ではなく、「前科」になりません。もっとも「1万円未満」などというなまやさしいものではなく「目の玉の飛び出るような金額の過料」もありえます。ただ、科料と違って、労役場留置はなく、税金と同じような手続きで回収されます。 
●銀座クラブ訪問で公明陳謝 1/28
公明党の山口那津男代表は28日の党会合で、新型コロナの緊急事態宣言再発令中の深夜に東京・銀座のクラブを訪れた遠山清彦幹事長代理の行動を陳謝した。遠山氏を厳しく注意したと明らかにした上で「わが党からこうした振る舞いをする議員を出し、国民の皆さまに党を代表して心からおわび申し上げたい」と述べた。
麻生太郎副総理兼財務相も自民党麻生派会合で、同派の松本純国対委員長代理が銀座のクラブを訪問したことに「甚だ不適切だ。関係者にご迷惑をお掛けした。おわび申し上げる」と語った。
●暴れん坊将軍に、銀座クラブ議員を叱ってもらいたい 1/28
時代劇「暴れん坊将軍」のモデルになった8代将軍徳川吉宗。破綻しかけた財政の再建や、目安箱を設けて庶民の声を政治に生かすなどの改革を断行し、江戸幕府の「中興の祖」とされる。節約を庶民にまで強いたので、吉宗自身も倹約に徹した。肌着は安価な木綿を愛用し、食事は朝夕の2回、一汁一菜が原則。庶民に苦労や我慢を強いるのなら、強いる側は自ら襟を正し範を示す−は現代にも通じる。
新型コロナの感染が拡大した地域に緊急事態が宣言され、政府は午後8時以降の外出自粛や飲食店の閉店を求めている。国会では、従わない店などに罰則を科す法改正が論議されている。そのさなかである。自民党の松本純国対委員長代理が18日、午後11時ごろまで銀座のクラブなど3軒をはしごし、公明党の遠山清彦幹事長代理は22日深夜まで銀座のクラブにいた、と報じられた。
松本氏は、3軒とも「(店からの)要望を聞くために訪問した」と釈明した。目安箱ならぬネット上の声は「銀座のママなら与党幹部に陳情できるの?」「真面目に自粛している国民をなめるな!」「こんな議員がどの口で自粛や罰則を?」。
菅義偉首相がステーキ会食で批判を浴び、支持率低下を招いたことが何の教訓にもなっていない。この危機感のなさは度し難い。ドラマなら「その悪事、許すわけにはいかぬな」と、暴れん坊将軍のせりふが夜の銀座に響くのだろうが。 
 
 

 

●東京都 新型コロナ 868人感染確認 17人死亡  1/29
東京都は29日、都内で新たに868人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。また、17人が死亡したことを明らかにしました。東京都は29日、都内で新たに10歳未満から100歳以上までの男女合わせて868人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。都内では、28日は1064人、27日は973人、26日は1026人の感染がそれぞれ確認されるなど、今週は1000人前後で推移しています。
29日の868人のうち、およそ50%の437人は、これまでに感染が確認された人の濃厚接触者で、残りのおよそ50%の430人は、これまでのところ感染経路がわかっていないということです。このほか、海外への渡航歴がある人が、1人いるということです。これで都内で感染が確認されたのは、合わせて9万8439人になりました。一方、都の基準で集計した29日時点の重症の患者は、28日より3人減って147人でした。また、都は、感染が確認された17人が死亡したことを明らかにしました。これで都内で死亡した人は、合わせて864人になりました。また、東京都内で新型コロナウイルスに感染して今月死亡した人は、29日までに194人となり、181人が死亡した去年4月を上回って月別では最も多くなりました。都内の死者は、第1波で、医療機関での大規模なクラスターが発生するなどした去年4月に181人、5月に107人と、2か月連続で100人を超えました。その後、減少したものの、第2波が来ていた去年8月以降、再び増加しました。そして、第3波の先月は前の月の11月の3倍近い154人となっていました。
●小池都知事「『もういいや』となると努力が水泡に帰す」  1/29
東京都の小池知事は記者会見で、緊急事態宣言の発出から3週間がたち新規陽性者数は減少傾向だが全体とすれば変化は顕著に出ていないという認識を示したうえで「『もういいや』となると、これまでの努力が水泡に帰してしまう」と指摘し、対策の徹底を改めて強く呼びかけました。
このなかで小池知事は、緊急事態宣言の発出から3週間がたった都内の感染状況について「新規陽性者数は減少傾向にあるが、1日1000人前後でほかの指標もまだ高い。全体とすれば変化は顕著に出ていない。65歳以上の高齢者も増加傾向にあり重症者の増加につながる可能性は否定できない」と述べました。
そのうえで「だらだら続けるか、もうひと頑張りして早くこの中途半端な状況を脱していくのか。『少し明かりが見え始めている』という状況だが、皆で『もういいや』となると、これまでの努力が水泡に帰してしまう」と指摘し、人の流れを減らして感染をさらに抑え込むため対策の徹底を改めて強く呼びかけました。
一方小池知事は、緊急事態宣言を延長すべきかどうかの認識を問われたのに対し「依然、感染状況と医療提供体制は危機的状況で宣言の延長は今後の感染状況による。今のような状況が続く場合はさらなる対策の強化も選択肢としてありうるが、そうならないために『ここが分岐点で、ここで頑張る』という意識を皆さんと共有したい」と述べました。
●神奈川県385人感染18人死亡 1/29
神奈川県内では29日、あわせて385人が新型コロナウイルスに感染したことが確認されたと発表されました。 一方、60代から90代までの男女、あわせて18人の死亡が発表され、県内の1日の死者数としては、これまでの13人を超えて最も多くなりました。
神奈川県や保健所を設置している各自治体は、29日、あわせて385人の感染を発表しました。県内の感染者数は、今週月曜日から3日連続で、300人台にとどまり28日400人台に増えましたが、再び300人台となりました。内訳は、横浜市が166人、県の発表分が80人、川崎市が70人、藤沢市が25人、横須賀市が19人、相模原市が17人、茅ヶ崎市が8人でした。感染者を居住地別にみると、横浜市が167人、川崎市が60人、藤沢市が20人、横須賀市が18人、相模原市が17人、厚木市が12人、海老名市と座間市がそれぞれ9人、愛川町が8人、小田原市が7人、平塚市が6人、逗子市が5人、茅ヶ崎市、秦野市、伊勢原市がそれぞれ4人、大和市、葉山町、寒川町がそれぞれ3人、綾瀬市が1人、都内が9人、詳しい場所が明かされない人も16人いました。年代別では、10歳未満が15人、10代が17人、20代が67人、30代が54人、40代が51人、50代が66人、60代が32人、70代が33人、80代が35人、90代が14人、100歳以上が1人となっています。症状別では、重症が1人、中等症が6人、軽症または無症状が364人、調査中が14人となっています。また、全体の半数近くにあたる175人の感染経路がわかっていないということです。
横浜市によりますと、横浜市港南区の「港南台病院」で新たにクラスターが発生し、関係する感染者は6人となっています。また、すでにクラスターとなっている横浜刑務所、病院、それに高齢者施設、あわせて11か所で新たに25人の感染が確認されました。
神奈川県の発表によりますと、今月12日に最初の感染が確認され、クラスターと認定されている厚木保健福祉事務所管内の高齢者福祉施設で、職員2人の感染が判明し、感染者は21人になりました。また、同じくクラスターになっている綾瀬市の介護老人保健施設「メイプル」で、新たに職員1人の感染が確認され、関連する感染者は58人になりました。このほか、クラスターが起きている横浜市の介護付き有料老人ホームでも、あらたに90代の入所者3人の感染が確認されました。
川崎市によりますと、すでにクラスターが起きている川崎市内の4か所の介護施設でさらに感染が広がり、多摩区の有料老人ホームでは職員と入居者あわせて3人の感染がわかり、感染した人は38人にのぼっています。このほか都内の有料老人ホームに入居していた80代から100歳以上の男女5人の感染も確認されています。5人は川崎市内の病院を受診して検査を受け、感染が分かったということです。
また、高津区の小学校で給食の調理にあたる業者の従業員が感染が確認され、同僚に濃厚接触者がいたことから小学校では29日の給食の提供を中止する対応をとったということです。
横須賀市の発表では、今月16日以降、4つの病棟で、あわせて52人のクラスターが発生している「市立うわまち病院」では、新たに職員3人の感染が確認されました。このほか、横須賀市にある介護事業所の「デイサービスのぞみ」で、29日までに職員1人と利用者5人の感染が確認され、市はクラスターと診断して調査を行っています。
茅ヶ崎市によりますと、これまでに27人のクラスターが発生した、茅ヶ崎市の湘南東部総合病院では、新たに職員4人の感染が確認されました。
一方、横浜市によりますと、死亡したのは90代の男性3人と80代の男女それぞれ2人、70代の男性1人のあわせて8人です。このうち6人は、クラスターが発生した病院や高齢者施設で感染が確認され、今月26日から28日にかけて、死亡したということです。また、ほかの2人は市内の病院に入院していましたが今月24日と26日にそれぞれ死亡したということです。神奈川県によりますと、死亡したのは、横浜市の70代の男性と厚木市の80代の男性です。このうち横浜市の男性は、今月9日に感染が確認され、中等症と診断されて、病院で治療を受けていましたが、28日に死亡しました。また、厚木市の80代の男性は、今月5日に陽性が判明し、翌日から入院していましたが、28日に死亡したということです。
川崎市によりますと、死亡したのはいずれも市内に住む80代から90代の男女3人です。このうち、90代の男性と女性は、それぞれ入居していた有料老人ホームでクラスターが起きて、感染が確認されたということです。
藤沢市によりますと、クラスターが発生した湘南藤沢徳州会病院に入院していた60代の男性が、今月12日に感染が確認され、当初は軽い症状でしたが、今月26日に死亡しました。
横須賀市によりますと、死亡が確認されたのは、市内に住む70代の男性と80代の男性で、感染が確認されたあと市内の病院に入院して治療を受けていましたが、28日までに死亡したということです。
相模原市によりますと、死亡したのは、相模原市の70代と大和市の基礎疾患のある90代の男性です。70代の男性は、今月上旬に、90代の男性は、今月中旬に、それぞれ症状が出て、市内の病院に入院して治療を受けていましたが、いずれも今月26日に死亡したということです。
NHKのまとめでは、県内で発表された感染者は、これで3万9974人となり、このうち461人が死亡しています。
●千葉県 コロナ 1日の発表では過去最多10人死亡 339人感染確認  1/29
千葉県内で29日発表された新型コロナウイルスの新たな感染者は339人でした。県内で発表された感染者は、2万1772人となりました。また、1日の発表としてこれまでで最も多い10人の死亡が発表され、県によりますと、このうち1人は市川市に住む20代の男性だということです。
県によりますと、男性は肥満だったということで、先月29日に発熱などの症状がでたあと、今月3日に医療機関を受診して感染が確認されました。男性は、その直後、症状が悪化して救急搬送され、ECMOなどを使った治療を受けていましたが、今月26日に亡くなったということです。
県内でこれまでに死亡した感染者は合わせて238人となりました。
●大阪府 新型コロナ 10人死亡 346人感染確認 府内計4万3170人に  1/29
大阪府は29日、府内で新たに346人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。
大阪府内で感染が確認された人は、合わせて4万3170人となりました。また、29日は新たに10人の死亡が確認され、大阪府内で亡くなった人は905人となりました。 
●緊急事態宣言延長でも日経平均3万円の可能性 1/29 
日経平均株価がおよそ30年ぶりの高値水準となる2万8000円台を回復、一時は2万9000円まであと一歩と迫った。折りしも国内では新型コロナの感染拡大が再び勢いを増し、昨年春以来、2度目の緊急事態宣言が発令され、延長も取りざたされる。感染症への不安と経済の冷え込みが警戒されているだけに「株式市場の動きは実体経済と大きく乖離している」との意見も増えている。だが実体経済と株式市場の動きが乖離することは、しばしば見られたことであり、特に珍しいことではない。なぜなら、「株価は先を読んで動く」ものだから。
ドル建て日経平均は過去最高値を更新
日本の上場企業は圧倒的に3月期決算が多いが、今3月期は大幅な減益が予想されている。しかし、春ごろからは「ワクチン効果」も期待できるので緩やかながら感染が縮小に向かい、経済活動の正常化が進む。それにつれて、来年度である2022年3月期の業績は大幅な回復が見込まれる。
世界的にかつてない規模の緩和的な金融政策が継続されるいっぽうで、企業業績が力強い回復軌道を描くという好環境が続けば、日経平均株価の3万円台回復も視野に入ってくる。
それを予感させるのがドル建て日経平均株価の力強い値動きだ。1月13日終値でドル建ての日経平均が過去最高値を更新した。それまでは1989年12月29日が最高値だった。そのときのドル建ての日経平均は273.06ドル。日経平均は3万8806円13銭、ドル円相場は1ドル=142円10銭だった。
これに対して、2021年1月13日のドル建ての日経平均は273.94ドルで、31年ぶりの最高値更新となった。同日の日経平均は2万8456円59銭、ドル円相場は1ドル=103円88銭であり、日経平均自体は当時の高値にはまだ遠く及ばないが、円相場がドルに対して約37%上昇したことが効いている。
輸出に頼る製造業が多い日本の上場企業にとって37%の円高進行は、かなり強い逆風だったはずだが、それを乗り越えての高値奪回は、円高への抵抗力を増した日本企業の姿が見て取れる。
アメリカのファンドなど海外投資家は日本株の動きを見る際にドル建て日経平均を参考にすることが多いので、ドル建て日経平均の高値更新は、海外勢に日本株復活を強く印象づけ、さらなる買いを誘う要因になるのではないだろうか。「次は円建てでの最高値更新を……」との期待も膨らむ。
先行きの明るさを増してきた2021年の株式相場だが、「環境とデジタル」という投資テーマ2本柱の存在も心強い。
特に、アメリカのジョー・バイデン新大統領は、前政権とは180度方向転換した環境重視の政策を進める方針で、4年間で約2兆ドルの環境インフラ投資を公約に掲げてきた。アメリカでは、大統領、下院に続き上院も民主党が制する「ブルーウェイブ」と呼ばれる状況になったことで、バイデン新大統領の目玉政策である脱炭素への取り組みが加速することになるだろう。
一方で、これも公約として掲げてきた「トランプ法人減税の巻き戻し」や富裕層を対象とするキャピタルゲイン課税の強化、大型ハイテク企業に対する規制強化などは、コロナ禍による経済の落ち込みを考えれば先送りとなる公算が大きい。
当面は、環境インフラ投資を進めながら脱炭素と景気回復の一石二鳥を狙うような財政出動が見込まれる。
世界最大の経済大国アメリカが脱炭素に向けての取り組みを強化することで、世界の主要国は脱炭素の先陣を競うことになり、それが株式市場に息の長い明確な投資テーマを与えてくれることになる。菅義偉首相が「2050年に温暖化効果ガス実質ゼロ」という挑戦的な目標を示した日本においても、脱炭素が株式相場のメインテーマとしてどっしりと腰を据えることになるだろう。
脱ガソリンでEV関連に注目集まる
脱炭素への取り組みの中でも、最近特に注目されているのが自動車における「脱ガソリン」、EV化の流れだ。主要国や地域がそろって「脱ガソリン車」の達成スケジュールを示しており、今後は世界的にEV車の普及が急速に進むものと見られている。
2019年に200万台弱だった世界のEVは、10年後には10倍の2000万台を超えるとも言われる。省エネ、低燃費で世界をリードしてきた日本の自動車業界も急ピッチでの構造転換を迫られることになりそうだ。
現在、世界のEV市場は、アメリカのテスラ社を中国勢が追撃するような形になっているが、いずれもEVの専業。高い技術力を誇る日本の自動車メーカーにとって、EVを開発・生産することはそんなに難しいことではないだろうが、むしろ、現在の主力であるガソリン車生産を止めるタイミングの決断が非常に難しい課題になりそうだ。
日本製のEVが世界中の道路を走るようになるには、時間がかかるかもしれない。ただ、世界中を走るEVの目に見えないところ、言わば、縁の下の力持ちとして日本企業の活躍は大いに期待できるだろう。
まずは、EVの心臓部とも言えるモーターで日本電産(6594)。モーターとモーターを制御するインバーター、そしてギアを一体化させた駆動システム「eアクスル」は、すでに20社以上で採用が進んでおり、EVの駆動システムとして世界標準となる可能性も大きい。
そして、バッテリーのパナソニック(6752)は、アメリカテスラ向けの数量が順調に増加しているが、さらに高容量電池の開発を進め、トヨタ自動車(7203)と合弁を設立するなど国内のハイブリッド車向けも強化して電池事業の拡大を目指す。
電装化の進展で自動車向け出荷が増加
また、村田製作所(6981)やTDK(6762)は、電装化の進展で自動車向けの出荷が増加している積層セラミックコンデンサが、自動車の電動化が進むことで需要拡大が加速することになりそうだ。
さらにシリコンカーバイドという新材料での量産体制が整いつつあるローム(6963)は、自動車向けパワー半導体が期待できそうだ。センサーの有力企業である日本セラミック(6929)は、電流センサーの需要拡大に注目しておきたい。非常に裾野が広い日本の自動車産業だが、これからのEV時代で大きな新陳代謝が起こりそうだ。しかし、多くの企業が世界の舞台で新たな活躍の場を見いだすことは間違いないだろう。 
●緊急事態宣言、延長不可避の情勢 1カ月程度想定か 来週判断へ 1/29
西村康稔経済再生担当相は29日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2月7日を期限として11都府県に発令している緊急事態宣言の延長の是非について、来週、基本的対処方針等諮問委員会を開き、専門家の意見を踏まえて判断する考えを示した。東京など首都圏1都3県などでは、新規感染者数が依然高い水準で推移し、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)も続いていることから、延長は不可避の情勢となっている。延長する場合は2月末までか1カ月程度を想定している。
西村氏は会見で、飲食店への営業時間短縮要請の効果について「直近10日間では飲食や会食を含めたクラスター(感染者集団)は全体の10分の1になっている」と指摘した。ただし、高齢者の新規感染者数が増えているとし、全体としては「感染者数は高水準で、病床も引き続き逼迫している状況だ」と説明。「来週、適切なタイミングで諮問委を開き、専門家の判断を頂いて、今後の対応を判断していきたい」と述べた。
政府の28日時点のまとめでは、直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、京都、福岡の7都府県で、4段階で最悪の「ステージ4(感染爆発)」の目安となる25人を上回り、兵庫県は25人となっている。一方、栃木県は13人と「ステージ3(感染急増)」の目安である15人を下回った。愛知、岐阜両県はそれぞれ19人、16人でステージ3相当の水準だ。
病床使用率は神奈川、栃木、京都を除く8都府県でステージ4の基準となる50%を上回っている。
政府の新型コロナ対策分科会メンバーの一人は「栃木県以外は感染が高止まりしている状況だ。緊急事態宣言は延長せざるを得ないだろう」と話した。政府は週末から週明けの感染状況を見極めながら、専門家の意見を踏まえ、最終的に判断する。
また首都圏の1都3県の知事は29日、テレビ会議を開いた。東京都の小池百合子知事は「まだまだ厳しい状況が続いているというのは1都3県としての共有認識」と語り、感染状況や医療提供体制が深刻な状況にあるとの認識で一致した。4知事は緊急事態宣言が延長された場合、休業要請など強い措置を検討するとした共同宣言をまとめ、国に財政措置を求めた。
●緊急事態宣言延長へ 政府、2日にも判断 栃木など解除検討 1/29
政府が新型コロナウイルスの感染拡大に伴い発令している緊急事態宣言について、2月7日までの期限を延長する方向で調整に入ったことが29日、分かった。栃木県など新規感染者数が減少している地域は解除も含めて検討する。延長幅は1カ月程度を見込み、感染状況や医療提供体制が改善されれば、解除を前倒しする方針。延長する対象地域や期間などは、週明けの感染状況を踏まえて最終判断する。
厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」の会合を2月1日に開き、感染状況を分析した上で2日にも判断する。
対象地域の新規感染者は減少傾向にあるが、田村憲久厚生労働相は29日の記者会見で「足元で(新規感染者の)数が減ってきているからといって予断は許さない」と述べた。
政府は病床の逼迫(ひっぱく)度などが改善されなければ解除は難しいとみており、政府高官は「新規感染者数が減っても入院者数は簡単に減らない。医療体制の逼迫具合を見るには、今後も感染者数が落ち続ける見通しが必要だ」と語った。
緊急事態宣言の対象となっているのは栃木、東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、岐阜、大阪、京都、兵庫、福岡の11都府県。
政府は新型コロナ感染症対策分科会が示す基準で最も深刻な「ステージ4(爆発的感染拡大)」から「ステージ3(感染急増)」への移行を宣言解除の目安としている。生活圏が一体となっている首都圏、中京圏、関西圏は1県で感染状況が改善しても、単独での解除は見送る。
延長幅は1週間や2週間などの小刻みには区切らず、1カ月程度とする見通し。感染状況が改善されれば期限前の解除も検討する。昨年4月7日に発令した緊急事態宣言は5月6日を期限としていたが、31日まで延長し、25日に前倒しする形で全面解除となった。
一方、新型コロナ対策の実効性を強化するための新型コロナ特別措置法と感染症法の改正案が29日、衆院本会議で審議入りした。菅義偉(すが・よしひで)首相は「事業者や個人の権利に十分配慮しつつ、罰則規定を設けるなど、対策の実効性を高めるために必要な見直しを盛り込んだ」と述べた。
本会議に続き、衆院内閣委員会で感染症の専門家を招いた参考人質疑も実施。2月1日に衆院を通過し、参院での審議を経て3日に成立する見通しだ。 
 
 

 

●緊急事態延長で政府調整、状況改善の栃木は解除を検討  1/30 
政府は、新型コロナウイルス対策で11都府県に発令している緊急事態宣言について、首都圏1都3県や関西圏3府県、福岡県などを対象に2月7日までの期限を延長する方向で調整に入った。医療提供体制は大都市を中心に依然厳しい状況にあり、夜間の外出自粛や会食制限などを継続する必要があると判断した。感染状況が改善しつつある栃木県は宣言の解除を検討している。
宣言の延長幅は、2週間〜1か月間程度とする案が浮上している。政府内には、愛知、岐阜両県も週末の感染状況によっては解除することが可能だとの見方があり、離島で感染が拡大している沖縄県を対象に追加すべきだとの意見もある。
西村経済再生相は29日の記者会見で、「病床は引き続き逼迫ひっぱくしている状況だ」と指摘し、「来週、適切なタイミングで基本的対処方針等諮問委員会を開き、対応を判断したい」と述べた。
首相は諮問委での専門家の議論を踏まえ、宣言の延長に関し、最終的に対応を決める。延長に踏み切る場合、西村氏が衆参の議院運営委員会に事前報告し、首相が記者会見で国民に理解を求める見通しだ。 ・・・  
●新型コロナ 東京都で新たに769人の感染確認 1/30
東京都ではきょう新たに769人が新型コロナウイルスに感染したことがわかりました。
都内できょう新たに感染が確認されたのは769人で、2日連続で1000人を下回りました。年代別では、20代が145人、30代が130人、40代が102人、50代が117人、60代が63人、70代が65人、80代が56人などとなっています。一方、重症者はきのうから6人減って141人でした。
●改正案の罰則導入「正当性ない」 憲法学者70人超が反対声明 1/30 
新型コロナウイルス特別措置法や感染症法の改正案を巡り、70人以上の憲法学者が30日、「政府の失策を個人責任に転嫁するものだ」とする反対声明を公表した。当初案で示された刑事罰の導入は見送られた一方、行政罰は残ると指摘し、罰則導入自体に「全く正当性がない」と強調した。
声明を出したのは、稲正樹・元国際基督教大学教授ら。
改正案は当初、入院拒否者を刑事罰の対象としていたが、行政罰の過料に修正することで自民党と立憲民主党が合意。声明は「修正がなされても、『罰則』を設ける妥当性の問題は解決されない」とした。 
●コロナ1億人感染/ワクチン公平配布で収束を 1/30
新型コロナウイルスが世界で最初に確認されたのは中国・武漢市だった。感染爆発に至り、昨年1月23日に都市封鎖されてから1年が過ぎた。中国政府が異例の厳戒態勢で感染を抑え込み、現在は日常生活を取り戻しつつある。
入れ替わるように、世界全体の感染者が1億人を超えた。欧米などで感染が急拡大している上、日本を含む各国でウイルスの変異種という新たな脅威も生まれ、収束の気配がない。
各国はこの1年間に得られたウイルスに関する知見を共有し、感染抑止に全力を挙げなければならない。有力な対抗手段はワクチンだが、先進国を中心とする「争奪戦」が懸念される。公平に行き渡るよう調整するべきだ。
世界の感染者は、昨年11月上旬に5000万人に達してから約2カ月半で倍増した。約80人弱に1人の割合で感染したことになる。死者も210万人を超えた。
国別では米国が感染者2500万人、死者42万人超と突出している。感染者はインドの1100万人、ブラジル900万人、ロシアと英国370万人と続く。
新型コロナは厄介な特性がある。昨年の米国調査で、自覚症状のない人の抗体保有率が夏、秋、冬と3カ月ごとにほぼ倍増し、12月には30歳未満で15%を超えたことが分かった。無症状患者からの感染が約6割を占めるとの報告もあり、水面下でまん延しているのは明らかだ。
フランスの研究チームによると、入院患者の致死率は季節性インフルエンザの3倍近くで、集中治療室(ICU)の入院期間もほぼ倍になっている。
感染拡大防止に有効性が証明されている対人距離の確保や手指の消毒などの継続に努めるしかない。
世界の死亡率は減少傾向にある。昨年4月に8%だったが7月には2%に下がり、その後は横ばいとなっている。医師が治療経験を重ねたことが影響しているとみられる。
ワクチンへの期待は一層高まっている。世界保健機関(WHO)によると、接種は50カ国で実施された。大半が資金力のある先進国で、途上国へのワクチン供給を目指す国際的枠組み「COVAX(コバックス)」で接種が始まるのは早くても2月以降だ。
「自国優先主義」がはびこれば、公平なワクチン接種は望めない。
国際商業会議所(パリ)は偏った形で接種が進むと、世界規模の流行は抑えられず、世界の国内総生産(GDP)が今年、9兆2000億ドル(約954兆円)減少する可能性があると指摘。うちの半分は高所得国で失われ、先進国にしわ寄せが来ると警告している。
遠回りのようでも、公平なワクチン普及こそが経済回復の早道であることを先進国は認識する必要がある。 
 
 

 

●2673人感染、65人死亡 国内の新型コロナ 1/31
国内で31日、新たに2673人の新型コロナウイルス感染者が報告された。東京633人、神奈川390人、埼玉243人など。死者は大阪11人、埼玉9人など計65人だった。
厚生労働省によると、重症者は1人減り973人。北海道で1人、過去の感染者の取り下げがあった。
●全国で2673人感染 1月の死者と感染者、月間最多 1/31 
新型コロナウイルスの国内感染者は31日午後8時半現在で新たに2673人が確認され、死者は65人増えた。1月の1カ月間ではそれぞれ15万4247人、2261人に上り、ともに月間で最多となった。30日時点の重症者は973人(前日比1人減)だった。
1日当たりの感染者が2千人台まで減るのは6日ぶり。最多は東京都の633人で、3日連続で1千人を下回った。都基準の重症者は140人(同)だった。大阪府では214人の感染が判明。愛知県は121人で、30日時点で入院患者数が724人と過去最多になった。
●千葉県内212人感染、7人死亡 3高齢者施設でクラスター 1/31
千葉県内で31日、新型コロナウイルスに感染した7人の死亡と212人の感染が判明した。感染者が300人を下回ったのは、27日以来4日ぶり。累計感染者は2万2316人、死亡は250人。柏市、流山市、千葉市の高齢者施設でクラスター(感染者集団)が発生した。
柏市は、感染が分かり入院していた40代〜90代以上の男女4人の死亡を発表した。市内の40代男性は肺炎と高血圧の基礎疾患があり、軽症だったが入院後に重症化した。野田市の90代以上女性はクラスターが発生した柏市の「北柏リハビリ総合病院」の入院患者で、糖尿病や腎疾患などの持病があった。
市川市の80代男性はクラスターが確認されている特別養護老人ホーム「市川あさひ荘」(市川市)の入所者。柏市内の90歳以上女性は、感染者計5人が確認され新たにクラスター認定された同市の特別養護老人ホーム「かしわ安心館」の入所者だった。
県は流山市の介護老人保健施設「ナーシングプラザ流山」で新規クラスターを確認。30代〜80代の入所者と職員男女5人の陽性が分かり、同施設での感染者は判明済みの9人と合わせ計14人。県は八千代市の90代以上男性の死亡も発表した。
千葉市は、市内の介護老人保健施設で30代〜90代の男女10人(職員5人、入所者5人)の感染を発表。既に判明済みの22人と合わせて、32人のクラスターと認定された。市内居住の80代男性の死亡も発表した。
31日に感染が判明した人の居住地別では▽千葉市31人▽船橋市24人▽市川市22人▽柏市、佐倉市が各16人▽流山市15人▽松戸市13人▽我孫子市、印西市、四街道市が各11人▽成田市8人▽浦安市7人▽鎌ケ谷市、富里市が各4人▽八千代市、野田市、香取市が各3人▽習志野市、八街市が各2人▽市原市、白井市、匝瑳市、栄町、鋸南町が各1人▽県外が1人だった。 
 
 
 

 

●新型コロナ 世界の感染者1億275万人 死者222万人 2/1
ジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、新型コロナウイルスの感染が確認された人は、日本時間の1日午前3時の時点で、世界全体で1億275万7569人となりました。また、亡くなった人は世界全体で222万3969人となっています。
感染者の多い国 / アメリカで2609万8585人、次いでインドが1074万6174人、ブラジルが917万6975人、イギリスが382万8131人、ロシアが380万8348人、となっています。
死者の多い国 / アメリカで44万94人、次いで、ブラジルが22万3945人、メキシコが15万8074人、インドが15万4274人、イギリスが10万6367人となっています。
●東京 新型コロナ 393人の感染確認 12月21日以来400人下回る  2/1
東京都は、1日午後3時時点の速報値で都内で新たに393人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。500人を下回るのは去年12月28日以来で、400人を下回るのは去年12月21日以来です。都によりますと、感染が確認されたのは10歳未満から90代までの男女合わせて393人です。1日の感染の確認が500人を下回るのは1か月余り前の去年12月28日以来で、400人を下回るのは去年12月21日以来です。
これで都内で感染が確認されたのは、10万人を超えて合わせて10万234人になりました。一方、都の基準で集計した1日時点の重症の患者は、31日より7人減って133人でした。
加藤官房長官は午後の記者会見で「先週から減少傾向が続いているが、引き続き警戒が必要な状況と考えている。東京都でも引き続き知事から不要不急の外出自粛や、営業時間短縮などの協力の要請が出されているところだ」と述べました。そのうえで「厚生労働省の専門家会合でも専門家による評価・分析が行われているところで、それをしっかり踏まえながら東京都の取り組みを支援したい。今後の緊急事態宣言の取り扱いについても総合的な判断を行っていきたい」と述べました。
●東京 新型コロナ 先月の65歳以上の感染者 前月の2.5倍に増加  2/1
東京都内で先月、新型コロナウイルスの感染が確認された65歳以上の高齢者は前の月の2.5倍に増加し、このうち感染経路がわかっている人の9割近くは、施設内と家庭内での感染だったことが都のまとめでわかりました。
東京都内で先月、新型コロナウイルスに感染していることが確認された、3万9664人のうち65歳以上の高齢者は6477人でした。前の月の2569人から2.5倍の増加です。
感染が確認された全員に占める65歳以上の高齢者の割合も、先月は16.3%と前の月から3ポイント上昇しました。
都によりますと、高齢者が入院や入所している医療機関や高齢者施設での「施設内感染」や「家庭内感染」が多いことが要因です。
感染経路がわかっている65歳以上の高齢者3496人のうち「施設内感染」は47.2%の1649人、「家庭内感染」は39.8%の1392人で、この2つで9割近くを占めるということです。
都は、施設に対しては検査を積極的に行うなどして感染拡大を抑えるとともに、高齢者や同居する家族に対しても改めて対策の徹底を呼びかけています。
●緊急事態宣言 政府 あす延長を判断へ  2/1
政府は、今月7日が期限の緊急事態宣言について、2日、感染症の専門家などでつくる「諮問委員会」に諮問し、宣言の扱いを判断する方針を固めました。首都圏や関西圏では、医療提供体制が依然としてひっ迫していることなどから、宣言を延長する方向で調整しています。東京や大阪など11の都府県に出されている緊急事態宣言は、今月7日に期限を迎えますが、直近1週間の新規感染者数は前の週と比べて減少傾向にある一方、新規感染者のうち重症化するリスクの高い高齢者の割合は増加しています。こうした中、政府は、2日、感染症の専門家などでつくる「諮問委員会」に諮問し、宣言の扱いを判断する方針を固めました。政府は、首都圏や関西圏では、医療提供体制が依然としてひっ迫していることなどから、今月7日が期限の緊急事態宣言を延長する方向で調整しています。一方、対象地域のうち栃木県については、新規感染者数が減少し、医療提供体制のひっ迫度合いも改善していることから宣言を解除できないか検討しています。
3府県知事「宣言延長やむなし」
今月7日が期限の緊急事態宣言をめぐって、対象地域の大阪、兵庫、京都の3府県の知事が会談し、病床のひっ迫が続くなか宣言の延長はやむをえないという考えで一致しました。一方、解除の時期は地元の意見を尊重して柔軟に判断すべきだとして、こうした考えを国に伝えました。大阪府の吉村知事と兵庫県の井戸知事、それに京都府の西脇知事の会談は1日午後、オンラインで行われました。この中で吉村知事は「大阪の感染者は減少傾向にあるが、病床のひっ迫は続いている。緊急事態宣言の延長はやむをえないかと思う」と述べました。また、西脇知事は「いま解除したら再び病床の運用率が上昇しないかと危惧している」と述べたほか、井戸知事は「これまでの努力が無に帰することになりかねず、いま解除するほうが危険だ」と述べ、宣言の延長はやむをえないという考えで一致しました。一方、解除のタイミングは地域の実情によって異なるとして、地元の知事の意向を尊重して柔軟に判断すべきだということでも一致しました。さらに、宣言が延長されれば飲食店などへの営業時間の短縮要請も続けるとして、協力金の財源措置を国に要請することを合わせて決め、会談のあとこうした考えを国に伝えました。
愛知 大村知事「宣言解除 厳しい状況」
愛知県の大村知事は今月7日が期限の緊急事態宣言の解除について、愛知県内では新型コロナウイルスに感染して入院している患者数が減っていないとして、厳しい状況だという認識を示しました。愛知県の大村知事は午前の記者会見で、今月7日が期限で愛知県も対象になっている緊急事態宣言について「ここ1か月の状況を見ると新たな感染者の数が右肩下がりで減ってきているのは事実だが、冬の厳しい気候の中で中等症以上になる人も多く、入院患者の数がなかなか減っていない」と述べました。そのうえで緊急事態宣言の解除について「医療のひっ迫度合いを考えるとなかなか厳しい状況だ。国ともしっかり協議して、愛知県の感染状況を率直に伝えていきたい」と述べました。
福岡 高島市長“延長やむなし”
福岡市の高島市長は記者会見で、福岡県も対象となっている緊急事態宣言について「延長されれば非常に悔しい。経済も傷んで苦しい状況になる」と述べる一方、「感染者数は明らかに減っているが、病床の使用率は高い」として、延長もやむをえないという認識を示しました。また、高島市長は新型コロナウイルスのワクチン接種について、福岡市は、地域のクリニックを中心に高齢者とともに介護施設の職員などに優先的に実施したあと、それ以外の市民に接種し、5か月で完了を目指す方針を示しました。
千葉 森田知事「宣言 延長すべき」
今月7日が期限の緊急事態宣言について、千葉県の森田知事は、重症者が増加するなど危機的状況は続いているとして、延長すべきだという認識を示しました。千葉県の森田知事は1日、記者団の取材に応じ、千葉県が対象の1つになっている緊急事態宣言について「今の状況からすると延長するべきだ。国や1都3県、全国の国民が一致団結して、感染者数が少しずつ減ってきたのでこれが戻ることがないように、しっかり対処していくことが大事だと思う」と述べました。そのうえで「重症者が増加するなど、危機的な状況に変わりはない」として、宣言が延長された場合には、現在行っている飲食店への営業時間の短縮要請などについても延長する考えを示しました。また、森田知事は「今まで感染者を受け入れていない病院にも後方支援をお願いしており、こうした病院の支援が得られれば、重症者のベッド利用がしやすくなると思う」と述べ、患者の受け入れへの協力をさらに求めていく考えを示しました。
協力金支払われない映画館は
政府が緊急事態宣言を延長する方向で調整していることについて、大阪市内の映画館からは支援を求める声が聞かれました。緊急事態宣言にともない、運動施設や遊技場といった施設は午後8時までに営業を終えるよう求められていますが、飲食店と違い、応じても協力金は支払われません。大阪 淀川区の映画館「第七藝術劇場」ではおよそ100席ある客席を感染防止対策のために減らしたうえ、午後8時以降のレイトショーを取りやめています。外出の自粛に加え、仕事終わりの人たちの来場がなくなったことで売り上げはふだんと比べ3割ほど落ち込み、苦しい経営状態が続いているということです。小坂誠支配人は「緊急事態宣言の延長は感染拡大を収束させるために必要なのであればやむえないことだと思う」と理解を示しています。一方、営業時間短縮の要請と協力金の在り方については「飲食店は『要請』のため協力金が支払われ、映画館などは『協力依頼』だから支払われないのは理不尽だ。行政が私たちのような飲食以外の業界のことも考えてくれていると少しでも感じられれば多少の売り上げの減少はいとわないが、何も示されなければ精神的にもつらい。宣言を延長するならば補償についても考えてほしい」と話していました。 
●罰則の判断あいまいのまま…コロナ関連法改正案、課題残して衆院通過 2/1
新型コロナウイルス対策の関連法改正案は29日、当初の政府案に盛り込まれた刑事罰を外すなどの修正をした上で、衆院本会議に緊急上程され、自民、立憲民主、公明、日本維新の会の各党の賛成多数で可決した。共産、国民民主両党は反対した。刑事罰は前科とならない行政罰に変更されたが、罰則適用の可否を判断する線引きが不明確なままなど、課題も残る。
●「行政罰でも人権脅かす」コロナ関連法改正案に反対の声相次ぐ 2/1
衆院を1日に通過した新型コロナウイルス対策の関連法改正案のうち、感染症法改正案に罰則が残ったことに対し、関係団体の反対声明が相次いでいる。自民、立憲民主両党の修正協議で、政府案に当初盛り込まれた刑事罰が前科にならない行政罰に切り替わったが「感染者の基本的人権を脅かす点では同じ」と訴えている。
処罰規定の新設に反対していた医療問題弁護団(東京)は1日、菅義偉首相と田村憲久厚生労働相に2度目の意見書を提出。入院を拒んだ人らへの罰則による人権制約を正当化する根拠がなく、感染者への差別・偏見の助長や検査回避の誘発につながるとして、行政罰の撤回を求めた。
ハンセン病違憲国家賠償訴訟全国原告団協議会(鹿児島)も2度目の意見表明で、罰則は感染者を人権制約の対象だと「社会的に位置づける」と批判した。
医師や弁護士、市民らでつくる薬害オンブズパースン会議(東京)も反対声明を発出。事務局長の水口真寿美弁護士は本紙の取材に「罰則で入院などを強制すること自体に問題がある。政府などは各団体が反対する理由を理解していないのではないか」と語った。 
●自民3氏の銀座クラブ問題で菅首相が陳謝 2/1 
自民党は1日、新型コロナウイルス緊急事態宣言中に深夜、東京・銀座のクラブで飲食した松本純元国家公安委員長(70)、田野瀬太道文部科学副大臣(46)、大塚高司衆院議院運営委員会理事(56)を離党勧告処分とした。3氏は離党した。菅義偉首相は田野瀬氏を更迭した。同様に銀座クラブを訪問した公明党の遠山清彦衆院議員(51)=比例九州=は辞職願を衆院に提出し、本会議で許可された。首相は野党の要求に応じ、2日に国会で説明する。
首相は官邸で田野瀬氏から報告を受け「あるまじき行為だ」と叱責しっせきした。更迭理由について記者団に「緊急事態宣言下で深夜まで会食し、今日まで明らかにしなかった」と指摘。その上で「国民に無理をお願いする中、政治家は襟を正さなければならない。国民におわびしたい」と陳謝した。
政府は後任に、文科副大臣経験者で自民党の丹羽秀樹衆院議員(48)を起用する人事を持ち回り閣議で決めた。
自民党の処分規定で、離党勧告は除名の次に重い。松本氏は国対委員長代理を辞任した先月29日、銀座クラブには1人で行ったと話していた。処分後、記者団に「事実と違うことを申し上げた」と謝罪した。田野瀬氏はこれまで名乗り出なかったことに関し「松本氏がかばおうとしてくれており、心苦しかった」と語った。
立憲民主党の安住淳国対委員長は、緊急事態宣言の延長を巡る国会報告に首相が出席し、今回の不祥事も説明するよう自民党に求めた。自民党の森山裕国対委員長は受け入れた。2日に衆院議運委を開催する。
前回衆院選の比例九州ブロックで公明党名簿の次点だった候補は現在地方議員を務めており、遠山氏の辞職で繰り上がる候補を党内で調整する。 
●松本純 2/1 
自民離党の松本純氏 平気で嘘をついていた 政治家のモラル崩壊 2/1
こうやって好き勝手にふるまう人がいるから、新型コロナウイルスの感染拡大はおさまらず、緊急事態宣言は延長になるのではないか。それが与党重鎮の国会議員だったとは残念でたまらない。
緊急事態宣言下で政府が国民に不要不急の外出や外食自粛を呼びかける中、深夜に東京・銀座のクラブを訪れていたことが報じられた自民党の松本純前国対委員長代理(70)。1日に党に離党届を提出したものの、許せないのは銀座のクラブを訪問していた問題よりも、国民に対して平気で嘘の説明をしていたことではないだろうか。
この日、離党届を提出した松本議員とともに同席していたのが、田野瀬太道文部科学副大臣(46)と大塚高司国対副委員長(56)。記者たちは「?」となる中、松本議員は「1人だったと説明したが、実は後輩議員2人とともに訪問した。事実と違うことを申し上げ、心からおわびしたい」と謝罪した。
松本議員は「前途ある有望な彼らにはこれからのこともある」などと言い、嘘の説明について釈明していたが、「国対委員長代理」という肩書を持ち、国会対応を任された与党幹部が平気の平左で国民に対して嘘をついていたことには驚愕してしまう。
不要不急の外出自粛が呼びかけられる中、「深夜まで銀座で飲み食い」をしても構わないと考えている国会議員は、「前途ある有望な人物」と呼べるのか。
今年は総選挙がある。国民は投票先をよく考えるべきだろう。
「兄貴」と慕う上下関係が裏目に 深夜会食で離党の自民3氏 2/1
自民党の松本純前国対委員長代理が緊急事態宣言発令中の東京都内で深夜まで銀座のクラブを訪れていた問題は、新たに田野瀬太道文部科学副大臣と大塚高司国対副委員長が同席していたことが判明し、自民に激震が走った。田野瀬氏が文科副大臣を更迭されたうえで、3氏が離党する事態に発展した。これまで「1人で行った」と説明していた松本氏は後輩を守るために嘘をついたことを認め、結果的に自民の傷口を広げた。国会で野党から追及を受ける菅義偉(すが・よしひで)首相にとっても大きな打撃となる。
松本氏と田野瀬氏、大塚氏の仲の良さは永田町では有名で、頻繁に酒席を共にしていた。田野瀬氏は昨年9月に副大臣に就任する前まで国対副委員長を務め、大塚氏は松本氏を「兄貴」と慕っていた。松本氏も2人を高く評価するなど、深い信頼関係が築かれていた。
今回の問題が発覚する端緒となったのは、週刊新潮ウェブ版が1月26日に配信した記事だ。松本氏が同月18日午後11時過ぎまで銀座のクラブなど飲食店3軒をはしごしたと報じられ、松本氏は同26日、記者団に事実関係を認めたうえで「店には1人で訪れた」と説明した。
当初、松本氏は党役職の辞任を否定したが、社会的な反響が大きく、同29日に国対代理の辞職に追い込まれた。ただ、松本氏はこの期に及んでも、1人で行ったとの説明を「変わりない」と記者団に語っていた。
ある党幹部は「松本氏は、一緒にいた人をかばったんだろう」と沈痛な面持ちで語ったが、結果的に2人は同席を認めた。3氏は今月1日に党本部を訪れ、二階俊博幹事長から離党勧告を受けた。
これを受け入れた松本氏は同日、「1人だったと説明したが、実は後輩議員2人と共に訪問した。事実と違うことを申し上げ、心からおわびしたい」と虚偽の説明だったことを明らかにし、頭を下げた。
田野瀬氏も記者団に「松本氏が私たち2人をかばおうとしているのを知っていた。心苦しかった」と釈明した。一連の危機管理上の失態が傷口を広め、党全体のイメージを悪化させたといえる。
松本氏は麻生派(志公会)、田野瀬氏は石原派(近未来政治研究会)、大塚氏は竹下派(平成研究会)に所属している。いずれの派閥も昨年の党総裁選で首相を支持した。
首相は1日、官邸を訪れた田野瀬氏を厳しく叱責したうえで、文科副大臣を更迭する意向を伝えた。党関係者は「重要法案を審議する大事な国会中に足を引っ張るとは何事か」と語気を強めたが、自民党全体の「気の緩み」が印象づけられたのは間違いない。公明党の遠山清彦衆院議員の議員辞職と合わせ、秋までに行われる衆院選に向け、与党は抜本的な戦略の見直しを迫られる。
銀座クラブ訪問の松本純氏、虚偽説明を謝罪「1人で訪問、事実と違った」 2/1
緊急事態宣言下で深夜に東京・銀座のクラブを訪れていた問題で自民党に離党届を提出、受理された松本純前国対委員長代理は1日、クラブ訪問について党本部で記者団に「1人だったと説明したが、実は後輩議員2人とともに訪問した。事実と違うことを申し上げ、心からおわびしたい」と謝罪した。クラブには、松本氏とともに離党届を提出、受理された田野瀬太道文部科学副大臣と大塚高司国対副委員長が同席していた。
また、田野瀬氏は1日に首相官邸で面会した菅義偉首相から文科副大臣を更迭すると伝えられたことを明らかにした。 
●遠山清彦 2/1 
公明 遠山衆議院議員 議員辞職「政治への信頼傷つけた」  2/1
公明党の遠山清彦・前財務副大臣は緊急事態宣言が続く中、銀座のクラブを訪れていたことなどが明らかになったのを受けて1日、衆議院議員を辞職しました。
衆議院比例代表・九州ブロック選出の遠山清彦・前財務副大臣は先月、緊急事態宣言が続く中で、銀座のクラブを深夜まで訪れていたことや、みずからの資金管理団体がキャバクラ店などに支出していたことが明らかになったのを受けて、1日午前、大島衆議院議長あてに議員辞職願を提出しました。
このあと遠山氏は国会内で記者団に対し「極めて不適切な行動と、資金管理団体の過去の不祥事で、国民の政治への信頼を深く傷つけてしまった。改めて心からおわびしたい」と陳謝し、次の衆議院選挙には立候補しない意向を明らかにしました。
遠山氏の辞職は1日の衆議院本会議で全会一致で認められ、これに伴って比例代表・九州ブロックの公明党の名簿から落選した候補者が繰り上げ当選する見通しです。
公明党の山口代表は国会内で記者団に対し「国民の皆さんに強い政治不信をもたらしてしまい、党を代表して深くおわび申し上げる。党が一丸となり信頼回復に尽力していきたい。政権運営への影響を最小限に食い止められるよう、最大の努力をしていきたい」と述べました。
加藤官房長官は午前の記者会見で「公明党の遠山清彦衆議院議員が議員辞職の意向を固めたという報道は承知している。政治家の出処進退は、本人が判断するべきものだ。個々の点についてはコメントを差し控えたい」と述べました。そのうえで「現在、緊急事態宣言のもと、飲食による感染リスクを抑えるために飲食店の営業時間の短縮や不要不急の外出・移動の自粛の徹底をお願いしている。いろいろと負担もあるなか、国民には要請の協力をしてもらっている。私ども議員、国政を担う者としては、それを踏まえて、しっかりと対応していくことが当然求められる」と述べました。
立憲民主党の安住国会対策委員長は、記者団に対し「当初はおわびだけで、批判を受けたら党の幹事長代理を辞任し、さらに世論の批判を受けたら議員辞職となった。結局、公明党として自浄作用を働かせたのではなく、世論に追い詰められる形で辞任、辞職ということになった印象は拭えず、与党議員のおごりが見え隠れしている一例だ」と述べました。
国民民主党の玉木代表は記者団に対し「議員の地位をみずから辞するというのは重大な決断で、重く受け止めたい。国民の政治に対する不信を招かないよう、われわれ野党も注意しなければならないし、特に政府・与党側には、国民に対策をお願いしている立場として十分気をつけてもらいたい」と述べました。
深夜の銀座クラブ訪問で政界引退 衆院神奈川6区での擁立白紙に 2/1
公明党の遠山清彦衆院議員(51)=比例代表九州ブロック=は1日、大島理森衆院議長宛てに議員辞職願を提出し、同日の本会議で許可された。新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言下の深夜に東京・銀座のクラブを訪問した問題などの責任を取った。同党は次期衆院選で遠山氏を神奈川6区から擁立する方針だったが撤回し、遠山氏は政界を引退する。
遠山氏は1日、国会内で記者団に「国民の政治への信頼を深く傷つけた。このような形で政界を離れる結果になったことに改めておわび申し上げたい」と謝罪。今後の政治活動について「神奈川6区を含め、どこかで立候補する意思は持っていない」と述べた。
遠山氏は1月22日、深夜まで東京・銀座の会員制クラブを知人と訪問したと、同26日の週刊文春電子版が報じた。また、2019年の政治資金収支報告書にキャバクラなどの飲食費計11万円を計上したことも発覚した。1月29日に党幹事長代理を辞任したが、自身や公明党への批判は収まらず、「より重い決断をしなければ信頼回復はできない」と判断。同31日に党幹部や支持者らと協議して議員辞職を決意したという。
山口那津男代表は1日、記者団に「国民の皆様に強い政治不信をもたらしたことを党を代表しておわびする」と陳謝し、神奈川6区の対応は「今後地元の皆さんと話し合い対応を検討する」と述べるにとどめた。 遠山氏の辞職に伴い、比例九州ブロックの公明党名簿から落選した候補者が繰り上げ当選する見通し。
公明、神奈川6区擁立は見送りへ 次期衆院選 2/2
神奈川県内の自民、公明両党の関係者に1日、激震が走った。緊急事態宣言中の夜、東京・銀座のクラブに行っていたことなどを批判され、神奈川1区選出の松本純衆院議員(自民党)が離党届を提出。次期衆院選で神奈川6区から立候補すると表明していた遠山清彦衆院議員(公明党)が議員辞職を表明した。公明党は次期衆院選で、6区の候補者擁立を見送る方針だ。
「選挙区で多くの方々に一緒に歩いていただき、応援していただいた。その方々の期待と信頼を裏切ることになった」。1日午前、東京・永田町で議員辞職を表明した遠山氏は、立候補を予定していた6区(横浜市保土ケ谷、旭区)の有権者への思いを問われ、謝罪の言葉を繰り返した。
公明党は前回2017年衆院選で、8選を目指した6区の上田勇氏が約3500票の僅差(きんさ)で立憲民主党の青柳陽一郎氏に敗れ、県内唯一の小選挙区の議席を失った。その議席を奪い返すべく党が昨年7月に擁立を発表したのが、当時財務副大臣だった比例九州ブロック選出の遠山氏だった。
だが、緊急事態宣言中の深夜に銀座のクラブを訪れたことが報じられると、地元事務所には日に50件を超える電話が支援者や有権者らから寄せられたという。秘書の一人は「これまで頑張ってきたんだからという激励の言葉もあったが、大半はおしかりの電話。怒鳴りつける人も多かった」と言う。 

 

●新規感染556人、重症者129人 小池知事「新規陽性者を7割以下に」 2/2 
東京都は2月2日、都内で新たに556人の新型コロナウイルス陽性者が確認されたと発表した。
この日確認された陽性者の内訳は、10歳未満:13人(約2%) / 10代:25人(約4%) / 20代:114人(約21%) / 30代:93人(約17%) / 40代:89人(約16%) / 50代:67人(約12%) / 60代:47人(約8%) / 70代:36人(約6%) / 80代:51人(約9%) / 90代:20人(約4%) / 100歳以上1人(約0.18%)となっている。また65歳以上の高齢者は133人となっており、全体の24%を占めている。
また、重症者は前日の133人に対して129人となっている。これで東京都内で確認された陽性者の累計は10,0790人となった。
新規陽性者が減少傾向に転じたことから、医療提供体制のひっ迫を受けて増加していた自宅療養者と入院・療養等調整中も減少しつつある。自宅療養者は3,851人と1月3日以来、約1カ月ぶりに4000人を下回り、入院・療養等調整中も3,433人となっている。
またPCR検査などでの陽性率も1月7日の14.5%から徐々に下がりはじめており、7日間移動平均値をもとに算出した1日の数値は6.6%にまで低下している。
こうしたなか、政府は1月7日から2月7日を期限に発令している緊急事態宣言について、新規陽性者は減少傾向にあるものの、まだ十分ではないとして栃木県を除く10都府県で3月7日まで延長することを決定した。
これを受けて東京都小池知事は臨時の記者会見で「都では新規陽性者数がご承知のように減少傾向にはあるが、年末年始の急拡大でその前の水準に戻ったということに過ぎない。重症者の数は高止まりをしており、そして医療提供体制のひっ迫は長期化しているという状況である。ここで緩めてしまうとすぐに再拡大をする、このことに気を使わなければならない。東京の医療を守り都民の命を守る、そのためには徹底をして人の流れを抑え込む対策を取っていく。なんとしてでも今ここでウイルスを抑え込んでいかなければならない」と語った。
そのうえで「ここ数日の新規陽性者数を7日間の移動平均で見ると前週に比べて約7割前後まで抑えられている。仮に今後新規陽性者数が1週間前の7割以下で推移をしていった場合にどうなるか? 3月初旬には1日あたりの新規陽性者が140人、つまり都民10万人あたり1人以下になる。7日間移動平均を7割以下にする、これを目安に今こそもう一段のご協力を皆様さんにお願いしたい」と述べ、いま一段の感染症対策の徹底を呼びかけた。  
●緊急事態「再延長ならもう終わり」 東京オリンピック 飲食店の体力も限界に 2/2 
菅義偉首相は2日の国会で、新型コロナウイルスの感染拡大に対応する緊急事態宣言の延長によって「なんとしても感染拡大に終止符を打ちたい」と強調した。1月7日の宣言再発令で新規感染者が減少傾向にあるものの医療の逼迫(ひっぱく)状況は続いている。政権は飲食という「急所」に焦点をあてた対策の徹底で、3月7日までの宣言解除を目指す。経済再生や東京オリンピック実現を目指す首相にとって、宣言解除という「出口」に政権の浮沈がかかっている。
新型コロナウイルスの感染拡大で開催が危ぶまれる今夏の東京オリンピック・パラリンピックは緊急事態宣言の延長で正念場を迎える。政府は今春に観客の上限や海外客の取り扱いを決めるほか、聖火リレーのスタートが3月25日に控える。この1カ月で収束の見通しが立たなければ、開催への道のりは険しさを増す。
大会組織委員会の森喜朗会長は2日、自民党のスポーツ政策を推進する会合で「一番大きな問題は世論が五輪をどう感じているか」と危機感をにじませつつも「私たちはコロナがどうであろうと必ずやり抜く。やるかやらないか議論するのではなく、どうやるかだ」と改めて強い決意を示した。
ただ、感染状況が悪化した年明け以降、五輪準備は逆風にさらされている。複数の報道機関の世論調査では ・・・ 
●緊急事態宣言 10都府県で来月7日まで延長 今夜正式決定へ 2/2
11の都府県を対象にした緊急事態宣言について、政府はこのあと7時から対策本部を開き栃木県は解除する一方、東京や大阪など10の都府県は来月7日まで延長することを正式に決定します。緊急事態宣言が今月7日に期限を迎えるのを前に2日午後、感染症の専門家などでつくる諮問委員会が開かれました。この中で、西村経済再生担当大臣は11の都府県のうち、栃木県は新規感染者数や医療提供体制の状況が改善しているとして解除し、対策を段階的に緩和していく考えを示しました。一方で、東京や大阪など10の都府県は来月7日まで1か月延長する方針を示し、飲食店の午後8時までの営業時間短縮や、不要不急の外出自粛などの要請を継続する考えを示しました。諮問委員会では、対象地域や期間が妥当かどうかなどをめぐって意見が交わされ、政府の方針は了承されました。これを受けて菅総理大臣は、衆参両院の議院運営委員会に、こうした経過を報告し「今後とも、国民の命と暮らしを守ることを第一に、感染拡大防止に向けた取り組みを徹底していく」と述べ、理解と協力を求めました。政府は、このあと7時から対策本部を開いて、10の都府県で宣言を延長することを正式に決定します。その後、菅総理大臣が記者会見して、延長の理由などを説明し、対策への協力を呼びかける見通しです。
田村厚労相「減少傾向も収まらず」
田村厚生労働大臣は諮問委員会の中で「先月中旬以降、感染者数の減少傾向が続いているが感染状況は収まっていない。専門家からも『感染者数の減少が入院患者数や重症者数の減少につながるには一定の期間が見込まれ、まだまだ保健所や医療機関が大変な状況にあるのは確かだ』という意見もいただいており、引き続き緊張感を持って機動的な対応を行っていく」と述べました。
尾身会長「政府案を了承」
諮問委員会のあと、尾身茂会長は報道陣の取材に応じ「緊急事態宣言を延長する期間や地域について政府案を了承した。基本的対処方針の細かい内容については、たとえば感染が下火になって宣言を解除したところでも、感染が再拡大しないよう検査を集中的に行って拡大の予兆を素早く見つける対策などをもっとはっきり示したほうがよいのではないかという意見があり、いくつか修正をしてもらった」と述べました。
東京財団政策研究所 小林研究主幹「リバウンド対策必要」
経済の専門家の立場で諮問委員会の委員を務める、東京財団政策研究所の小林慶一郎研究主幹は、記者団に対し「感染者数が再び増加するリバウンドが起きることが非常に問題なので、歓楽街やそれ以外の地域も含めて、PCR検査などの面的な検査の拡充をやるべきだ。東京で1日の感染者を200人程度の低いレベルに落としたあとで、経済を回していくというのが、リバウンドを避けて経済を正常化していくいちばんいいやり方だと思う」と述べました。
西村経済再生相「栃木県は病床を注視 対策を段階的に緩和」
西村経済再生担当大臣は諮問委員会のあと記者団に対し「栃木県は今月7日をもって緊急事態措置の対象区域から除外し、それ以外の10都府県は来月7日まで措置を実施する区域とすることで了承をいただいた」と述べました。また、栃木県については「新規陽性者の数が『ステージ3』を下回り病床の使用率も低下してきているが、まだまだ安心できる状況ではない。引き続き病床を注視しながら対策を段階的に緩和し、確実に『ステージ2』以下になっていくよう対策を講じていきたい」と述べました。そのうえで「衆参の議院運営委員会で説明し政府の対策本部での決定を経て期間と区域の変更について、きょう中に官報で公示したい」と述べました。
加藤官房長官「しばらくは警戒が必要」
加藤官房長官は閣議のあとの記者会見で「感染者数が減少傾向にあるが、しばらくは警戒が必要な状況と認識しており、きょう諮問委員会に意見を伺って決定することになる。飲食店への時間短縮要請などの取り扱いについても感染防止対策全体の中で議論され、協力金や一時金などを含め必要な支援策を検討していく。与党の意見も伺いながら引き続き必要な支援を行っていきたい」と述べました。
●緊急事態宣言、10都府県で3月7日まで延長 2/2
政府は、10都府県における緊急事態宣言を3月7日まで延長することを決定した。栃木県のみ2月7日をもって解除する。当初は1月8日から2月7日までの1カ月だったが、感染拡大は止まったものの医療体制の逼迫などを理由に延長を決めた。
継続するのは東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、京都、愛知、岐阜、福岡の10都道府県。ただし、対策が徹底し、状況が改善された都府県においては3月7日の期限を待たずに順次宣言を解除する。
感染拡大のステージ3相当を目指し、感染者数は東京で500人/日、大阪で300人/日を下回り、病床の逼迫に改善が見られることを目安とする。そのため、テレワークの拡大、イベント規模制限、飲食店の時短要請などを引き続き呼びかけていく。
ワクチンについては、「一日も早く接種に向かう」(菅総理)とし、有効性・安全性を確認した上、2月中旬に医療関係者からスタートする。これまで目標としていた2月下旬からやや前倒しした。
●緊急事態宣言、10都府県で延長 3月7日まで、栃木は解除 2/2
菅義偉首相は2日の衆院議院運営委員会で、新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言に関し、発令中の11都府県のうち栃木県のみ解除し10都府県で延長すると表明した。今月7日の期限は3月7日までとする。新たな感染者数は全体として減少傾向にあるものの医療体制は依然、逼迫しているとの専門家の見解を踏まえた。
首相は議運委で「対策を徹底して、速やかに解除できるように全力で取り組みたい」と述べ、状況が改善すれば繰り上げて解除する意向を表明。高止まり状態の病床使用率を下げるため、入院者数、重症者数を減少させる重要性も指摘した。
●コロナ緊急事態宣言を延長 10都府県で3月7日まで 2/2 
政府は2日の新型コロナウイルス感染症対策本部で、新型コロナ特別措置法に基づき11都府県に発令中の緊急事態宣言について、栃木県のみ解除し、10都府県では1カ月間延長すると決定した。新たな期限は3月7日まで。菅義偉首相は対策本部で、10都府県でも感染状況が改善すれば、期限を待たずに順次、宣言を解除する方針を表明した。
延長となるのは、東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏4都県、大阪、京都、兵庫の関西3府県、愛知、岐阜の東海2県と福岡県。対象地域での医療提供体制の逼迫ひっぱくが依然、深刻な状況にあることなどを踏まえ、継続が必要と判断した。
首相は衆参両院の議院運営委員会で、延長に関し「全国の新規感染者数は減少傾向にあるが、今後もこの傾向を継続させ、入院者数や重症者数を減少させる必要がある」と説明した。
当初予定した1カ月で宣言を解除できなかったことについて「大変申し訳なく思う。責任は全て私が背負う。そういう中でもう1度国民にお願いさせていただきたい」と理解を求めた。
一方、栃木県は感染状況が落ち着いたとして、当初の期限だった今月7日で解除する。一部地域で医療体制が逼迫する沖縄県は、対象地域に追加しなかった。
首相は対策本部後の記者会見で、首都圏4都県が宣言延長の際に飲食店などへの休業要請の検討を要請したことに関し「休業要請は求めていない」と指摘。対象地域では今後も営業時間短縮を中心に対策を徹底していく考えを示した。
新型コロナのワクチンについては「確保は早かったが、接種が遅れているのは事実だ」と説明。医療従事者への接種は今月中旬に始めたい意向を示した。与党幹部が緊急事態宣言下の深夜に東京・銀座のクラブを訪れていた問題には「素直におわびする」と改めて陳謝した。
東京五輪・パラリンピックを無観客で開催する可能性については「内外の感染状況を勘案し、安全安心の大会にすることを最優先に検討を進めたい」と話し、否定はしなかった。
政府が宣言の延長に伴い改定した基本的対処方針では、対象地域での不要不急の外出・移動の自粛の要請について新たに「日中も含めた」と追記した。観光支援事業「Go To トラベル」の全国一斉停止や、外国人の新規入国を全面的に止める「水際対策」は、今月8日以降も継続する。 
●緊急事態宣言 10都府県は来月7日まで延長 栃木県は解除 菅首相  2/2
新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言について、菅総理大臣は栃木県は解除し東京や大阪などの10の都府県は来月7日まで延長することを表明しました。
政府は2日夜、総理大臣官邸で新型コロナウイルス対策本部を開き、菅総理大臣のほか西村経済再生担当大臣や田村厚生労働大臣らが出席しました。
この中で菅総理大臣は「先月の緊急事態宣言の発出以降、東京をはじめ全国の新規感染者数は減少傾向にあり、飲食店の時間短縮を中心とする今回の対策がはっきり効果を上げていると考えられる。今後も減少傾向を継続させ入院者数、重症者数を減少させる必要がある」と述べました。
そのうえで、緊急事態宣言について栃木県は今月7日で解除し、東京や大阪などの10の都府県は来月7日まで延長することを表明しました。
一方、感染状況などが改善した場合は期限の前でも解除する考えを示しました。
そして「必要な方が必要な医療を受けることができるように引き続き各自治体と一体となって病床の確保に全力を挙げていく。国民の命と暮らしを守るため、各大臣は引き続き対策を徹底し、感染の減少に向けて全力で取り組むようお願いする」と指示しました。
このあと菅総理大臣は記者会見し、延長の理由などを説明し対策への協力を呼びかける見通しです。
緊急事態宣言の延長に合わせて「基本的対処方針」も変更されます。
緊急事態措置を実施すべき区域から、栃木県が除外され、東京都や大阪府、愛知県、福岡県など10都府県とし、措置を実施すべき期間は、来月7日まで延長されます。
一方、緊急事態措置を実施する必要がなくなったと認められる時は、速やかに緊急事態を解除するとしています。
具体的な対応では、宣言の対象地域で要請してきた外出や移動の自粛について「日中も含め」と新たに明記しました。
そして、都道府県をまたいだ移動や、感染が拡大している地域への移動は極力控えるよう促すとしています。
また、飲食店に対しては引き続き、営業時間を午後8時までに短縮することに加え、業種別の感染防止のガイドラインを順守するよう要請するとしていて、できるかぎり個別に施設に対して働きかけを行うよう求めています。
さらに「出勤者数の7割削減」を目指すことも含め、接触機会を減らすため、テレワークなどをさらに徹底することとしています。
一方、病床のひっ迫により、自宅療養する人が増えていることから、血液中の酸素濃度を測る「パルスオキシメーター」の貸与を行うなど、患者の症状の変化を迅速に把握できるよう、環境整備を進めるとしています。
また、病床のひっ迫を改善するため、症状が回復した患者の転院先となる医療機関の確保をさらに進めるほか、高齢者施設などでの受け入れを促進することとしています。
さらに、感染者が多い地域では、高齢者施設の従事者などへの検査を来月までをめどに集中的に実施し、その後も地域の感染状況に応じ、定期的に実施するとしています。
そして、高齢者施設などで感染者が一例でも確認された場合には、感染制御や業務継続を支援するチームを迅速に派遣するなど、都道府県に、支援の仕組みを構築するよう努めることを求めています。
このほか変異した新型コロナウイルスについて、検疫の強化を検討するほか、国内の監視体制を強化するとしています。
一方、緊急事態宣言が解除される地域については、対策の緩和は段階的に行い、必要な対策は「ステージ2」相当以下に下がるまで続けることを基本としています。
具体的には、外出の自粛は当面、日中も含めて要請するとしていて、地域の感染状況などを踏まえ、段階的に緩和することとしています。
また、飲食店の営業時間の短縮についても「ステージ2」相当以下に下がるまで継続するとし、営業時間や対象地域などは知事が判断するとしています。
●緊急事態宣言延長「経済への影響は限定的」経済同友会代表幹事  2/2
新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が延長されることについて、経済同友会の櫻田代表幹事は定例の会見で「やむをえない」としたうえで、日本経済への影響は去年春の緊急事態宣言の時と比べると、限定的になるという見方を示しました。
この中で櫻田代表幹事は、緊急事態宣言が東京や大阪など10の都府県で、来月7日まで延長されることについて「ここで対策を緩めると感染拡大のペースが元に戻ることが懸念されるので、延長はやむをえない」と述べました。
そのうえで、日本経済への影響については「もちろんマイナスの影響はあるが、去年春の緊急事態宣言と比べると対象地域の範囲や期間を限っている。鋭くピンポイントにねらっているので、マイナスの影響はそれほど大きくない」と述べ、1回目の宣言のときと比べて限定的になるという見方を示しました。
一方、緊急事態宣言が続く中、深夜まで飲食店に出入りしていた与党議員が議員辞職や離党をしたことについては「理解できないというふうにしか申し上げられない」と述べました。
●緊急事態宣言延長 全国知事会長 “経済や雇用厳しい 対策を” 2/2
東京や大阪など10の都府県で緊急事態宣言が延長されることになったことについて、全国知事会の飯泉会長は、全国的に経済や雇用情勢が大変厳しくなっているとして、国にさらなる対策を求める考えを示しました。
全国知事会の会長を務める徳島県の飯泉知事は、政府の諮問委員会に出席したあと、NHKの取材に対し「新規感染者数は減少したが、病床のひっ迫状況や重症者数がなかなか減っていないことを考えると、宣言の延長はやむをえない」と述べました。
そのうえで、「宣言が出ていない地域も含め、全国的に経済や雇用が大変厳しくなっているので、国にはもう一段踏み込んだ対策を行ってもらいたい」と述べ、「持続化給付金」や「家賃支援給付金」の事業を再び行うことや、リーマンショックの際に行われた緊急雇用創出事業の実施などを国に求めていく考えを示しました。
また、今後の宣言の解除について、飯泉会長は「知事側から『そろそろ解除できないか』という話があった時に、国が速やかに回答をおこない、場合によっては、段階的に解除することもお願いしたい」と述べ、対象地域の知事の意向も踏まえて判断するよう求めました。
●東京都 時短営業や不要不急の外出自粛を要請  2/2
緊急事態宣言が延長されることを受けて、東京都は、引き続き飲食店に対して午後8時までの営業時間の短縮を要請するとともに、人の流れをさらに抑えるため、日中も含めた不要不急の外出自粛を要請することを決めました。
新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言が来月7日まで延長されることを受けて、東京都は対策本部会議を開き、国の基本的対処方針の変更などを踏まえた今後の対応を協議しました。
この中で都は、夜間だけでなく昼間も人の流れをさらに抑える必要があるとして、都民に対して日中も含めて不要不急の外出を自粛するよう要請することを決めました。
また、事業者に対しては引き続き営業時間の短縮などを求めることを決めました。
具体的には、居酒屋を含む飲食店、喫茶店、バー、カラオケ店などに対して、法律に基づいて営業時間を午後8時までに短縮するとともに、業種別のガイドラインを順守するよう要請します。
イベントは人数の上限を5000人、かつ、収容率を50%以下とするよう施設の管理者や主催者に要請します。
そして、百貨店や映画館、遊技場などに対しても、法律に基づかない「呼びかけ」として、営業時間を午後8時までとするよう協力を求めます。
事業者に対するこうした要請や呼びかけは、緊急事態宣言の期間が始まった先月から実施しているものとほぼ同じ内容です。
●新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態措置について 福岡県 2/2 
緊急事態措置の延長について
本日、緊急事態宣言の期間が3月7日まで延長され、本県については、感染状況や医療提供体制を踏まえ、引き続き対象区域とされました。
これまで、県民及び事業者の皆さまには、不要不急の外出自粛や営業時間の短縮などの厳しい措置にもご理解とご協力をいただき、また、県としても感染防止対策を徹底してきました。おかげをもちまして、新規陽性者数は減少していますが、病床稼働率は高い水準であり、医療提供体制については依然として厳しい状況が続いていることから、延長という国の総合的な判断となりました。県としては、解除されないことは大変残念ですが、受け入れざるを得ないと考えます。
これまでも県民及び事業者の皆さまにつきましては、ご不便とご苦労をおかけする中、引き続き外出自粛や営業時間の短縮などをお願いすることとなり、誠に申し訳なく思います。
延長の期間は3月7日までとされていますが、今後の取組みによって、感染状況や医療提供体制が次の基準を満たした場合には、専門家の意見も伺った上で、宣言期間の到来を待たず速やかに国に対して解除を要請することとします。
• 直近7日間の新規陽性者数の平均が、7日連続で180人未満となること。
• 最大確保病床(760床)の稼働率が50%未満となることが見込まれること。
県としては、引き続き、病床の確保や宿泊療養施設の効率的な運用を図ります。さらに新型コロナから回復後も別の疾患等により引き続き入院が必要な患者の転院を受け入れる後方支援病院を新たに100以上確保しており、今後、県医師会とも協力しながら、円滑な転院のための調整を図ってまいります。
県民及び事業者の皆さまには、引き続き、ご不便、ご苦労をおかけすることになりますが、できるだけ早く緊急事態宣言の対象区域から脱することができるよう、次のとおり協力を要請します。
(1)県民の皆さま
生活や健康の維持に必要な場合を除き、日中も含めた不要不急の外出・移動を自粛すること。特に、20時以降の不要不急の外出自粛を徹底すること。なお、その際、不要不急の都道府県間の移動や、感染が拡大している地域への不要不急の移動は、極力控えること。
(2)飲食店の皆さま
3月7日まで、営業時間を5時から20時までの間とし、お酒の提供時間を11時から19時までとすること。業種別ガイドラインに従った感染防止対策を徹底し、「感染防止宣言ステッカー」の掲示により、取組みを実施している旨を明示すること。飲食店の皆さまには、一日も早く対象区域から脱することができるよう、引き続き、時間短縮営業へのご理解とご協力をお願いします。2月8日(月曜日)0時から3月7日(日曜日)24時まで営業時間の短縮に協力した飲食店に対して、第二期目として、福岡県感染拡大防止協力金を支給します。申請方法等の詳細は後日お知らせします。
(3)職場への出勤等
• 「出勤者の7割削減」を目指すことも含め、接触機会の低減に向け、在宅勤務(テレワーク)や、出勤が必要となる職場でもローテーション勤務等を更に徹底すること。
• 20時以降の不要不急の外出自粛を徹底することを踏まえ、事業の継続に必要な場合を除き、20時以降の勤務を抑制すること。
• 業種別ガイドラインに従った感染防止対策を徹底し、「感染防止宣言ステッカー」などの掲示により、取組みを実施している旨を明示すること。
(4)その他
飲食店以外の施設、催物(イベント等)の開催制限、学校等の取り扱いについては、これまでの措置を継続します。引き続きお願いします。
終わりに
現在の改善傾向を加速させ、新規陽性者を減らし、医療への負荷を軽減するために、県として全力で取り組みます。福岡県感染拡大防止協力金に関して予算措置が緊急に必要となりますが、県議会のご協力を得ながら、対応していきます。また、今後、議会に諮ってまいる2月補正予算において、県民及び事業者の皆様を対象とした経済対策を措置することとしています。県議会の皆様からご助言をいただき、連携・協力しながら、様々な対策に当たっていきたいと思います。さらに、国に対しても、地方創生臨時交付金の重点配分や飲食業に限らず幅広い業種の事業者を支援するため、持続化給付金や家賃支援給付金、ひとり親世帯を対象とした臨時特別交付金の再給付など様々な側面からの支援について、要望してまいります。引き続き、一日も早く緊急事態宣言が解除されるよう、県としても全力で取り組みますので、県民及び事業者の皆様のご理解、ご協力をお願いします。 
●コロナ破綻、1000件に 解雇は8.4万人―緊急宣言延長「我慢は限界」 2/2
新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言の延長により、営業時間短縮の継続を求められる飲食店などは一段と厳しい状況に追い込まれる。新型コロナ関連の経営破綻は、2日時点で飲食業を中心に累計1000件に達した。解雇や雇い止めは1日時点で8万4883人。コロナ禍は既に1年に及び、飲食業界を中心に「我慢は限界」と悲鳴が上がっている。
東京商工リサーチによると、新型コロナの影響を受けた最初の経営破綻は、昨年2月に事業停止した愛知県の旅館。6月に月104件を記録すると、7、8月は小康状態となったが、9月以降は月100件前後で高止まりしている。
業種別の最多は飲食業の182件で、飲食料品卸売業が46件、食品製造業が31件など関連業種にも影響が拡大。このほかホテル・旅館が62件など、対面でのサービス業への打撃が続く。 
●ワクチン接種、2月中旬から開始へ 菅首相が表明 2/2
菅義偉首相は2日夜の記者会見で、新型コロナウイルスのワクチンについて、2月中旬に接種を始める方針を明らかにした。これまでは医療従事者への接種開始時期を「2月下旬」としてきたが、「今後、有効性、安全性を確認した上で、2月中旬に接種をスタートしたい」と表明した。
高齢者への接種については、「4月から接種を進める」とした。
首相はまた、自民党の衆院議員3人が緊急事態宣言下の深夜に東京・銀座のクラブなどを訪れていた問題について「あってはならないことだ。素直におわびを申し上げる」と改めて陳謝し、頭を下げた。 

 

●緊急事態延長 2/2 
【冒頭発言】
先ほど新型コロナ対策本部を開催し、緊急事態宣言について、栃木県は2月7日で解除することとし、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県および福岡県については、3月7日まで1カ月延長することを決定した。
これまでの間の国民の皆さんのご協力に感謝を申し上げるとともに、全ての地域で緊急事態宣言を終えることができず、誠に申し訳なく思っている。
また先般、内閣の一員である副大臣や、わが党に所属した議員が深夜まで会食していた問題は、あってはならないことで、素直におわびを申し上げる次第だ。
全国の新規感染者数は、宣言を行った1月7日は7721人。その後、減少に転じ、2月1日は1783人だった。東京は、1月7日は2447人。その後、大幅に減少し、2月1日は393人。さらに本日は556人となっている。
ここで国民の皆さんにはもうひと踏ん張りしていただき、感染の減少傾向を確かなものにしなければならない。飲食店の時間短縮を中心に、メリハリをつけたこれまでの対策を続ける。
対策を徹底し、状況が改善された都府県は3月7日の期限を待たず、順次宣言を解除していく。引き続き制約の多い生活で苦労をおかけするが、今ひとたびのご協力をお願いする。
新規感染者数や病床利用率などについて、当面のめどであるステージ3へと改善していく。新規感染者数で言えば、東京で一日500人。大阪で一日300人を下回ること。さらに、病床の逼迫(ひっぱく)に改善がみられることが重要だ。20時までの飲食店の時間短縮、不要不急の外出自粛、テレワークのさらなる拡大やイベントの人数制限、こうした対策の徹底をお願いする。
患者を受け入れる医療機関が損失を受けることのないよう支援していく。新規感染者が減少しても、しばらくは入院を必要とする患者は減らない。引き続き手を緩めずに取り組む。
ワクチンは先日、3社から3億1400万回分の供給を受ける契約の締結に至った。接種の開始は、できる限り2月下旬と申し上げてきたが、今後、有効性や安全性を確認した上で2月中旬にスタートしたい。医療関係者から始め、高齢者は4月から接種を進める。
必要な費用の全ては国が負担する。効果や副反応なども分かりやすく情報発信していく。変異株については、迅速な検出を可能とする体制を強化する。
新型コロナの影響が長引く中で、支援の手が届いてないという声がある。生活資金にお困りの方には緊急小口資金などでお応えする。140万円の限度額を200万円まで拡大する。所得が減っている方々は返済を免除する。
家賃にお困りの方には住居確保給付金を用意しているが、再度の支給により、さらに3カ月分を支援する。大企業の非正規の方々について、休業手当の支払いが行われなかったり、雇用調整助成金が活用されない問題も検討を進めており、早急に対応する。
多くの無症状や軽症の若者から、外出や飲食により感染が広がり、世代を超えて高齢者にも広がっている。若者でも重症化する事例もある。いわゆる後遺症とされる報告もある。ぜひ、自身のこととして捉えていただきたい。一人一人が行動を変えていただくことで、感染をさらに大幅に縮小させることができる。
新型コロナの発生から1年以上がたった。私も日々悩み、考えながら走っている。国民の不安を少しでも解消するため、あらゆる方策を尽くし、私の全ての力を注いで取り組んでいく。
【質疑応答】
記者 これまでの対応は妥当だったか。今後1カ月で全面的な解除は可能か。
首相 専門家の意見を聞きながら、飲食店の時間短縮を中心にメリハリのある対策をしてきた。感染者数は減少傾向で、効果が表れ始めている。今後も飲食店の時短を中心とする対策をさらに徹底していく。
記者 医療資源を重症化リスクの高い人に集中させるためにも新型コロナの感染症法上の位置付けを五類に引き下げるべきだとの意見をどう考えるか。東京五輪・パラリンピックの無観客開催についての認識は。
首相 五類に分類した場合、コロナ患者を隔離できなくなる可能性があり、現状を考えれば適当ではない。東京五輪・パラリンピックの観客は国内外の感染状況も勘案しつつ、安全安心の大会にすることを最優先に検討を進めたい。
記者 10都府県は順次解除するというが、どのタイミングで判断するか。解除基準は。
首相 1カ月で解除できるよう対策の徹底を図っていきたい。まずステージ3にいくことを考え、専門家と相談しながら解除できるところは解除したい。
記者 テレワークに重要なのは電力だが、電力供給が切迫している状況にどう対処するか。
首相 電力が逼迫(ひっぱく)してきたのは事実。さまざまな対応を経産省を中心に行っていて、電力そのものが危機に陥ることはないという状況だ。
記者 病床の逼迫が続く中、自宅療養に対する不安をどう払拭(ふっしょく)するか。
首相 症状に変化があった時に速やかに医療機関などにつなぐため、各自治体に患者の容体をモニターする体制を作ってもらうなど、国と都道府県で連携しながら取り組んでいる。
記者 与党議員の政治とカネの問題や深夜の銀座訪問が判明した。どう対応するか。特措法改正による厳しい措置を今回の宣言下で行使する可能性はあるか。
首相 政府の副大臣と与党議員の深夜飲食はあってはならないことだ。(改正)特措法は周知期間に配慮しながら速やかに施行し、その後は改正法に基づいてより実効的な対策を講じることができる。個人の自由や権利に十分配慮するのは当然だ。
記者 今回の決定でどんな点を悩んだか。
首相 多くの地域を解除し、延長は短期間にした方がいいとか、いろんな考え方がある。そういう中で、感染をしっかり減少させ、病床の負荷を下げる必要があると判断した。
記者 飲食店への協力金についてより柔軟な対応を取る考えは。
首相 飲食店への協力金について1店舗あたり(1日)6万円を支給している。東京都の平均的な店舗の固定費をおおむね賄えるという報告を受けている。店舗ごとの支給とすることで大規模チェーンであっても店舗数に応じて支払われる。
記者 緊急事態宣言の発出について国会で「迷いに迷い、悩みに悩んだ」と答弁したが、具体的には。
首相 緊急事態宣言を発出することによって多くの国民に大きな制約をお願いするようになる。最良の判断を総理大臣としてしなければならないわけであり、いろんな方に相談し、海外の事例なども情報をいただく中で決断した。
記者 感染拡大防止と経済を両立させる判断は正しかったか。
首相 国民の命と暮らしを守るのは総理大臣として最大の責務だ。(観光支援事業の)Go To(トラベル)について全国一時停止という判断をしたが、コロナ対策、感染阻止を優先して取り組んでいることが分かっていただけるのではないか。
記者 ワクチン接種になぜこんなに時間がかかるのか。
首相 ワクチンの確保は日本は早かったと思う。ただ、接種までの時間が海外と(比べて)遅れていることは事実だ。
【首相会見の流れ】
菅首相の冒頭発言後、内閣記者会の幹事2社(各社の持ち回り制)が順に代表質問した。その後、司会の山田真貴子内閣広報官が挙手した記者の中から指名。本紙記者は指名されなかった。幹事社を含め11人が質問した後、挙手している記者がいる中で、予定していた時間が過ぎたとして49分で打ち切った。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長も同席した。  
●一都三県共同声明 2/2 
令和3年2月2日、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県の1都3県知事は連名で「緊急事態宣言の延長に関する一都三県共同声明」を発表いたしました。
緊急事態宣言の延長に関する一都三県共同声明について
現在、一都三県においては、新規感染報告者数と検査陽性率は減少傾向にあるものの、依然として高い水準にあり、医療提供体制についても、重症化リスクの高い高齢者の感染が減らないなど、重症者数の増加が懸念される中、重症者用病床を含め、逼迫した状態が続いている。また、変異株の市中感染やクラスターが確認されるなど、新たに警戒すべき事態も生じており、感染拡大を抑え込めるかどうかの分岐点にある。
そうした中、国が緊急事態宣言の延長を決定したことは、現在の措置を緩めることなく、ここで何としても感染拡大を食い止め、コロナとの闘いを終わらせる強い決意の表れとして受け止めている。
先般、我々も行動指針として「一都三県共同宣言」を発するとともに、国に対する要望事項を取りまとめ、提出したところである。
国には、現場で課題に直面している地方自治体の認識をしっかりと受け止め、改正特別措置法に基づく措置等について、十分な科学的根拠に基づく適切な判断、今後の基本的対処方針の改定に関する十分な事前協議を改めて求めていく。
また、措置の実効性を担保するため、一都三県が実施する施策に対して必要な財政措置を行うこと、特に、感染拡大防止協力金については、国の責任で制度を構築し、全額国費で負担することを重ねて要望していく。
我々一都三県は、今後も情報共有や意見交換を積極的に行い、連携を更に深め、テレワークの取組強化や世代の行動特性を意識した呼びかけの実施など、徹底した人流抑制に向けた取組を進め、感染拡大防止に全力を尽くす所存である。
令和3年2月2日 埼玉県知事 大野元裕 千葉県知事 森田健作 東京都知事 小池百合子 神奈川県知事 黒岩祐治   

 

●緊急事態宣言、10都府県で延長 時短はステージ2まで 2/3
政府は2日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて発令していた緊急事態宣言の延長を決めた。栃木県を除く10都府県は3月7日まで1カ月延ばす。午後8時までの飲食店の時短営業の要請などこれまでの対策は続け、新たに日中も不要不急の外出は自粛するよう求めた。
宣言を延長するのは東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、岐阜、大阪、京都、兵庫、福岡の10都府県。多くは病床の逼迫度などが4段階の感染状況で最も深刻な「ステージ4」にある。栃木県は状況が改善したため7日で解除する。
2日夜に新型コロナ対策本部を開き、菅義偉首相が延長を表明した。「感染状況などが改善した都府県は3月7日の期間満了を待たずに順次、宣言を解除する」と述べた。
宣言の解除は「ステージ4」からの脱却が条件になる。「直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数」など6指標で総合的に判断する。
首相は2日夜の記者会見で「1カ月で全ての都府県で解除できるよう対策を徹底したい」と強調した。「当面のメドである『ステージ3』へ改善させる」と説明し、東京都では1日あたり新規感染者数が500人、大阪府では300人を下回ることが目安だと例示した。
10都府県では従来の宣言で掲げていた1午後8時までの飲食店の時短営業2不要不急の外出自粛3イベントの人数制限4テレワークによる出勤7割削減――の4項目を引き続き求める。
時短営業に応じた店舗への1日6万円の協力金は維持する。観光需要喚起策「Go To トラベル」と外国人の新規入国の停止も続ける。
政府は2日、対策の内容を示した基本的対処方針を改定した。宣言の対象地域で「日中も含めた不要不急の外出」の自粛を促し「都道府県間の移動」も控えるよう求めた。
対処方針では、宣言を解除した地域でも「ステージ2」まで状況が改善するまで一連の対策を徐々に緩和して続けることを明示した。午後8時までの時短営業の要請を、午後9時、午後11時と変更するようなケースを想定している。
宣言の解除後に全ての対策がなくなることで感染が再び拡大するのを防ぐ狙いだ。外出自粛やイベントの開催制限も対象になる。時間や地域といった詳細な設計は知事が決める。自治体によって営業自粛の要請などに差が出る可能性もある。
首都圏の1都3県は、宣言を延長する場合は店舗などに「休業要請を検討する」と主張していた。首相は時短営業の徹底で十分な効果があると判断し、休業要請は認めない方針を示した。
感染症法や新型コロナに対応する特別措置法などの改正案が成立すれば、時短命令に従わない店舗に過料を科すこともできる。延長期間中の2月中旬に施行すれば、まず宣言地域で適用する。
政府は1月7日、1都3県を対象に2月7日までを期限とする宣言を発令した。首相は直後の記者会見で「1カ月後には必ず事態を改善させる」と語っていた。1月13日には大阪、京都、兵庫、愛知、岐阜、福岡、栃木の7府県を対象に追加していた。
●菅首相、崖っぷちの1カ月 五輪、政権運営を左右 緊急事態宣言延長 2/3
新型コロナウイルスへの対応に苦しむ菅義偉首相が10都府県を対象に緊急事態宣言の延長を決めた。
感染を抑え、逼迫(ひっぱく)する医療提供体制を立て直すためだが、1カ月間での事態好転を約束していただけに後のない状況だ。3月7日の期限までに結果が出なければ、夏の東京五輪・パラリンピック開催や政権運営を左右しかねない。
「あらゆる方策を尽くし、全ての力を注ぐ」。首相は2日の記者会見でこう述べ、感染収束への決意を示した。
首相は緊急事態宣言の再発令を決めた1月7日の会見で「1カ月後には必ず事態を改善させる」と明言し、飲食店を中心に営業時間短縮などの徹底を呼び掛けた。その結果、東京都の新規感染者は同日の2447人をピークに減少に転じ、2月1日時点で393人まで低下した。
だが、解除の目安は感染状況が2番目に深刻な「ステージ3」相当。東京では1日当たりの感染者数が500人を下回るのが条件となるが、宣言下の達成は2月1日のわずか1日だ。
「1カ月で(収束)できなかった責任は全て私が背負う」。首相は宣言延長について、事前報告の場となった2日の参院議院運営委員会で「大変申し訳ない」と陳謝し、無念さをにじませた。野党は立憲民主党の枝野幸男代表が「失策」と断じるなど、厳しく追及する姿勢だ。
関係者によると、首相は延長の判断に当たり、愛知、岐阜両県の解除に意欲を示した。しかし、解除対象を広げれば国民に緩みが生まれる可能性がある。両県とも延長不可避とする専門家の見解を最後に受け入れた。
東京五輪は7月23日に開幕する。昨年、五輪・パラリンピックの1年延期が決まったのは開会式4カ月前。今年3月25日には聖火リレーが始まる。今回の宣言期間中に感染を抑え込めなければ、中止・再延期論が内外で広がるのは必至だ。政府関係者は「今がラストチャンス」と語る。
首相は2日の会見で、無観客とする案について見解を問われ「安全・安心の大会にすることを最優先に検討を進めていきたい」と答えた。
ただ、与党議員が宣言下の深夜に東京・銀座のクラブに出入りした問題は重くのしかかる。首相は2日、国会答弁で何度も「おわび」に言及したが、首相自身が昨年12月に自民党の二階俊博幹事長らと「ステーキ会食」をした経緯もある。知事からも、国会議員が自粛を破るなら「国民も守らなくていい、ということに当然なる」(大阪府の吉村洋文知事)と不満が出た。感染抑制に不可欠な国民の協力をどこまで得られるか不透明だ。
感染防止や五輪開催の決め手とされるワクチン接種が順調に進むかも見通せない。仮に今回の宣言が再延長となったり、五輪開催に影響が及んだりすれば、政権への風当たりは一層厳しくなる。「菅政権の命運はこの1カ月に懸かっている」。ある自民党ベテランはこう指摘した。
●宣言延長 感染どうなる? 千葉知事は「勝利の1カ月」 2/3
新型コロナウイルスに対応する緊急事態宣言が延長された。昨春の1回目の宣言時と比べ、県内は首都圏の中で人出の減少は鈍く、療養者数や重症患者数も高止まりしている。森田健作知事が「コロナに打ち勝つ『勝利の1カ月』」と位置づける延長期間で改善できるか。
「コロナを何としても抑え込む。スクラムを組んで、この1カ月を勝利のときにしよう」。宣言延長を受けて2日夜、県庁で報道陣の取材に応じた森田知事は、こう訴えた。その後の対策本部会議では「新規感染者数は減ってきているが引き続き危機的な状況だ」との認識を示した。
昨春に続く2度目の宣言で、森田知事は「人出を減らしていかないといけない」と課題を挙げたが、昨春に遠く及ばなかった。
内閣官房によると、1月31日日曜日の人出は、1回目の宣言時(日曜日平均)と比べると、千葉駅が朝80%増、昼250%増。船橋駅も朝25%増、昼85%増だった。首都圏の中でも厳しい数字が並んだ。
医療面でも、政府の指標で、県内は最も深刻なステージ4に位置する数字が多く、解除の目安となるステージ3相当まで下がり切れていない。
1月31日時点で、人口10万人あたりの療養者数は93人で、宣言対象地域では東京都の95人に次ぐ多さだ。人口10万人あたりの新規感染者数も、東京都に次いで多い33人となっている。
確保を想定するコロナ病床1200床の使用率は60%(1月31日時点)と高止まりしている。感染経路不明の割合は76%(同)で、宣言対象地域で最も高い。感染者が多く、保健所などが感染経路を追い切れない危機的状況が続いている。
解除の基準について、森田知事は、新規感染者数で「2桁が約1週間続き、なおかつ医療提供体制が大丈夫だと確認できたとき、国と協議していきたい」と述べた。
宣言延長に伴い、特別措置法に基づく要請や、そのほかの県民への「お願い」が3月7日まで継続される。県内の全飲食店が対象となる時短営業の要請や、全県民の不要不急の外出自粛、大規模イベントの開催自粛、テレワークの推進なども続ける。
飲食店の午後8時までの時短営業について、森田知事は「現在のところ、少しずつ頑張り、努力が目に見えてきた」と述べた。現状、1日あたり6万円としている協力金については「お国はできる限りのことをすべきだと思います」と話した。
一方、国会では3日にも時短営業に応じない店や、入院拒否をする患者への過料を加えた改正特措法が可決される見込みだ。森田知事は「給付金等の支給も明記され、事業者が協力しやすくなることで実効性が高まると思う」と語った。
●神奈川県が時短と外出自粛の要請を継続 緊急事態宣言延長受け 2/3
緊急事態宣言の延長を受け、県の新型コロナウイルス感染症の対策本部会議が2日夜に県庁で開かれた。県内すべての飲食店に対する午後8時までの時短営業の要請や、県民への「徹底した外出自粛」の要請を1カ月延長し、3月7日まで継続することを決めた。
会議で県の阿南英明・医療危機対策統括官は足元の感染状況を説明。2日発表の県内の新規感染者は187人で43日ぶりに200人を下回ったが、「病床の逼迫(ひっぱく)度合いは依然として高い。本県の指標を並べると、まだ数字的にはステージ4(感染爆発)レベルだ」などと語った。
宣言延長を受け、県は時短要請などの継続を決定。県職員が1月15日以降に県内約4千店を巡回したところ97%が要請に応じていたという。要請に応じた事業者には引き続き協力金を払うが、2月8日以降は県の「感染防止対策取組書」などの掲示を支給条件に加える。
一方、昼間の人出が減っていないとして、企業にはテレワークの強化を求め、県民にはランチ時の出前やテイクアウトの活用も呼びかけることにした。会議で黒岩祐治知事は「県民のみなさんは娯楽や式典後の会食を控えるとともに、卒業旅行や謝恩会も控えてください」などと語った。
●栃木の緊急事態宣言、7日で終了 時短要請「継続検討」 2/3
栃木県に出されていた緊急事態宣言が期限切れの7日に解除されることが決まった。感染状況の改善を受け国が判断したが、県内の医療提供体制は依然として厳しい。県は宣言解除後も県内の飲食店に営業時間の短縮を引き続き求める方向で検討している。事業者には今後も「出口」の見えない不安が続く。
2日夜、福田富一知事は記者団に解除決定の受け止めを問われて「歓迎してはいない」「手放しでは喜べない」と語った。飲食店への時短営業要請は継続し、4日の県対策本部会議で段階的な緩和策を示す。継続する場合、協力金は引き続き支給する方針という。
国が緊急事態宣言の対象地域に栃木県を追加決定した1月13日と比べて、県内の感染状況は大きく改善した。2月1日時点の1週間の新規感染者数は計183人で、約8割減った。国の指標に照らすとステージ4からステージ3を下回るまでに改善した。
一方、医療提供体制の危機的状況は変わらない。病床稼働率は50%を切ってステージ3に下がったが、今も40%台が続く。重症者用の病床使用率は30%台だが、2日の重症者は13人。県が「医療危機警報」を出すと発表した昨年12月23日時点と同じだった。
1月は死者が急増した。これまでに49人が亡くなったが、1月だけで41人が死亡した。医療機関や療養者用ホテルに入れずに自宅で死亡した人も2人いた。在宅の感染者は2日時点でまだ118人いる。
新規感染者に対する死者の割合は1月は1・8%で12月までの約4・5倍。県は、高齢者施設でのクラスター(感染者集団)の頻発も影響したとみている。
県対策本部の担当者は「入院や療養の調整に時間がかかったり、高齢者施設からの移動ができなかったりして、容体が急変するケースがあった。入院・療養体制の充実が課題」と話した。(池田拓哉)
県内の飲食店や医療関係者らからは今後の見通しが立たず不安の声が漏れた。
宇都宮市の貸おしぼり会社は得意先の約8割が飲食店だ。緊急事態宣言で納入は6割に減ったという。男性役員(58)は「昨年の宣言時より休業や時短の店が多い。我々は協力金はもらえないから打撃は深刻。解除でよい方向に向かえばいいですが」と語った。宇都宮市中央5丁目の定食店「角常食堂」は1月21日に時短から休業に切り替えた。「時短ではとても採算が取れなかった」と水島隆博店長(47)。解除について「素直に喜べない。様々な店が協力し、時短をしてきた。解除されるとたがが外れてしまうのでは」と不安そうだった。
大田原市ですし店を経営する鈴木一樹さん(48)は時短要請前から自主的に休業してきた。途中で2日間営業したものの、酔客の機嫌を損なわずに帰宅を促す難しさなどから営業は諦めた。「何となく後ろめたさがわいて」。解除について「なじみ客は喜んでくれるだろうが、私たちが喜べるのはまだ先だね」とため息をついた。第一酒造(佐野市)の島田嘉紀社長は「この1カ月は飲食店の時短営業で売り上げは約3割減。夜の街にすぐお客さんが戻るとは考えづらいのでは」ともらした。
足利赤十字病院事務部長の石原匡司さんは「緊急事態宣言で感染者の発生が少し落ち着き、ひと息付けるかなと思っていた。解除されると再び感染者数が増えないか心配」と話した。
小山市の浅野正富市長は「病床稼働率など医療機関に関わる数値はあまり減少していない。市民は解除後も大切な人を守るために基本的な感染防止対策をしっかり継続してほしい」と訴えた。
●緊急事態延長の影響 新潟県内にも 2/3
政府が2日に決めた10都府県を対象にした緊急事態宣言の1カ月延長は、対象地域以外にも大きな影響を与えている。新潟県内の観光関係者は今後も首都圏からの客を見込めず、「我慢するしかない」と苦しい胸中を語る。対応を迫られる県内企業や首都圏志望の受験生も多い。宣言延長が感染収束につながることを願っている。
「1月の来場者は昨年の半分ほど。2月も3月も期待できない」。湯沢町のNASPAスキーガーデンの橋友幸さん(40)は声を落とした。
首都圏からの客が8、9割を占める。1月に首都圏対象の宣言が再発令され、客は一気に減った。先週末から客入りが戻ってきた直後の宣言延長。橋さんは「やはり痛い。営業時間の短縮や一部コースを閉鎖するなどで何とかしのいでいる」と明かす。
湯沢町の神立スノーリゾートも営業時間を短縮し経費削減を図る。営業部長の堀貴雄さん(39)は「冬季の従業員を県外から多く雇っているが、勤務時間を確保できないことがある。従業員に対して支援があるといい」と求めた。
ホテルへの影響も大きい。新潟市中央区のニイガタステーションホテルの1月の客は例年の半分。曽根隆夫社長(68)は「新型ウイルスに、大雪もありダブルパンチだ」とため息をつく。「客入りの回復には、感染が一定程度落ち着く必要がある。我慢するしかない」と受け止める。
先行きが見えない状況に、受験生も不安を抱える。代々木ゼミナール新潟校(新潟市中央区)では2日、首都圏を含め複数の私大の地方入試が行われた。
試験を終えた三条市の高校3年生の男性(18)は「首都圏の大学を志望し、新潟で受けられる大学を中心に受験している。今後、東京で受ける可能性もあり、感染の不安はあるが志望は変えたくない」と引き締まった表情で語った。
企業の営業活動にも影響が出ている。上越市の有沢製作所は、宣言の対象地域への出張は原則見合わせ、営業はウェブや電話で対応。担当者は「顔を合わせないとニュアンスが伝わらないこともある。通常の営業方式とはなっていないが、今は将来の需要を見据え製品開発や研究に力を入れている」と話した。
●緊急事態延長「地元経済への影響は大きい」 大阪府内の自治体は警戒 2/3
大阪府などに対して緊急事態宣言の来月7日までの延長が2日、決まった。宣言の再発令から1カ月。府内自治体の中からは感染者数の抑制などの効果を実感する声もあがる。一方で、「宣言延長がもたらす地元経済への影響は大きい」と危機感は根強い。
先月、緊急事態宣言の再発令を受けて、市内の飲食店に時間短縮営業への協力を求めた堺市は、千軒以上の店舗を調べ、9割以上が時短営業を実施していたことを確認した。担当者は「市内の感染経路不明者も徐々に減っているので、一定の効果があったのではないか」と協力に感謝する。
また、この1カ月、広報車を走らせて市民に不要不急の外出自粛などを呼びかけてきた豊中市は「新規感染者の発生を押さえ込めている」と分析。吹田市も1月下旬に新規感染者数が1ケタ台に落ち着いてきたことから「まだ油断はできないが、ようやく宣言の効果が出てきた」と評価する。
一方で、「重症者数の減少や医療態勢の逼迫を解消するほど、宣言の成果はなかなかみえない」とするのは東大阪市だ。1月は1日あたり数十人の新規感染者が出た日もあり、「依然、保健所業務においても厳しい状況が続く」と明かす。
さらに宣言延長がもたらす地元経済への影響は深刻だ。
「飲食店はもちろんだが食材などの納入業者も相当打撃を受けていると聞く。宅配など新たな試みや工夫を始め、頑張る店もあるがカバーはしきれない」と話すのは河内長野市の島田智明市長。「宣言延長で飲食店がさらに時短営業や休業を強いられる。解除後の支援策を検討する」と強調した。
また、岸和田市では府の中小企業向け無利子融資を受けるための認定書の発行が増えている。1週間当たりの発行数は1月8〜14日が19件だったのに対して、22〜28日は30件、2月1日だけで17件にのぼった。
苦境にあえぐ市民、地元経済のために即効性のある追加の支援策が期待されている。枚方市は時短要請でアルバイトの勤務時間が減ったひとり親世帯の市民や学生を市で短期任用する事業を1日から開始した。八尾市でも「国などの動向を注視し、対策を検討していきたい」としている。
●もう疲れ切っちゃった…緊急宣言の延長、飲食店から悲鳴 2/3
新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言は2日、10都府県で最長1カ月の延長が決まった。時短営業を続ける飲食店からは悲鳴が相次ぎ、日常生活はさらなる我慢を強いられる。「大変申し訳ない」。菅義偉首相は陳謝したが、政府の対策は後手に回り、与党議員の「夜の銀座」問題も明らかになった。「これで感染が収まるのか」。国民に不満と失望が広がった。
「緊急事態宣言は延びると思っていた」。埼玉県長瀞町長瀞で老舗旅館「長生館」を営む小埜和也常務(44)は冷静な様子で語った。緊急事態宣言の延長も見込み、1月11日から3月12日までは月曜から木曜の宿泊を休業している。「新型コロナウイルスをもう一段階抑え込むため、もう少し我慢したい」と話した。
川越市仲町の「マツザキスポーツ」店主松崎正裕さん(48)も延長に賛成を示す。「平日の人通りは減ったが、土日は若者を中心に多くの人が外出している。感染者数は日に日に減ってきているが、再拡大を防ぐためには、1回目の宣言のように、規制を強める必要があるのではないか」と話す。
ただ、外出自粛や時短営業の影響は冬の寒さのようにひしひしと身に染みる。酒と米の販売をしている上尾市の須田商店の須田悦正さん(48)は「いやあ、厳しいです。もう疲れ切っちゃって」。酒類の売り上げは前年比で4割ほどしかなく、米は飲食店への納品の落ち込みを店頭販売でカバーして何とか雇用を維持しているという。「去年の緊急事態宣言の時は飲食店を応援しなきゃという前向きな雰囲気があったけれど、今回はモチベーションが低い。まして延長で暗い気持ち」。
須田さんが肌で感じている空気には飲食店への補助金の問題がある。食品の納入業者や下請けの運送業者などに不公平感が漂っているという。「酒の蔵元や農家も厳しい。みんな連鎖しているから、飲食店にお客さんがたくさん入ればそれが一番いいはずなんですけどねえ」と複雑な心境を吐露した。
杉戸町で衣料品店を営んでいる男性(63)は「緊急事態宣言によりさらに客足が遠のき、昨年比で売り上げは半分以下とかなり厳しい状況だ」と話す。同じ商店会の中でも食品を扱う若手経営者は店舗だけでなく移動販売も手掛けるなど工夫しているが、全般的には打つ手がなく諦めの境地に至っているという。
「うちは学生服も扱っているので、寸法取りをする際、従来であれば体育館などに集まってもらい一回で処理することができた。延長されれば密を避けるため、店舗で人数制限をしながら何回かに分けて対応することになるので、周辺にも迷惑が掛かることなどが懸念される」
●緊急事態延長、追加策は予備費の範囲 与党内に異論も 2/3
10都府県を対象とする緊急事態宣言の1カ月延長で、日本経済に一段と下押し圧力がかかると予想されるが、政府は追加の経済対策を既に決まっている予備費で賄う方針だ。一方、与党内には、新型コロナ対策は不十分との世論に押される形で、追加の補正予算の議論を求める声も一部で出ている。
予備費は計8兆円超
菅義偉首相は2日、緊急事態宣言の延長に伴う記者会見で「緊急小口資金などの限度額を140万円から200万円に拡大する」など追加対策を打ち出した。「大企業にいる非正規社員について、休業手当が支払われず、雇用調整助成金が活用されない問題も検討を進めており、早急に対応する」とし、今後の対策拡充に前向きな姿勢を示した。しかし政府は、現時点の対コロナ経済対策は「予備費の範囲で支出する方針」(閣僚周辺)という。予備費は2021年度予算案で約5兆円計上されているほか、20年度分は1月15日時点、3兆8000億円強が残っている。緊急事態宣言が1カ月延長されたことで、日本経済のさらなる下振れは必至だ。だが、 民間エコノミストの間でも「今回の延長に伴う追加的な経済損失は約1.2兆円、2月7日までの損失と合わせて、経済への直接的な打撃は2カ月で2.4兆円。2.4兆円の対策ならば予備費の範囲で対応可能」(みずほ証券の小林俊介チーフエコノミスト)との試算がある。
メッセージが課題
これに対し、与党内では追加の財政出動を求める声が一定数ある。20年度3次補正予算は、コロナ第3波が本格化する直前に編成されたため、デジタル化や環境関連投資の比重が高い。今は停止中の観光刺激策GоToトラベル延期も盛り込まれており、コロナ対策としては不十分とみられている。緊急事態宣言が出された後の1月18日に自民党で開かれた有志による「経済成長戦略本部」の会合では、山本幸三衆院議員が「20─30兆円の追加の財政出動が不可欠で、(20年度)4次補正でも(21年度)1次補正でも構わない」と提唱していた。ある自民党中堅幹部は「3次補正予算の編成・審議過程で野党と握り、コロナ対策重視に組み替える手段もあった」(副大臣経験者)と振り返る。ただ、現時点の自民党内では4日から国会で審議される21年度本予算が成立する前にさらなる補正予算の議論をするのがいかがか、との意見が多い。上記会合に出席した安藤裕衆院議院は「本予算が通過(成立)した後は4月。その時にコロナ対策として追加補正を議論するのはメッセージの打ち出し方として弱い」と懸念する。菅政権の内閣支持率はコロナ対策が不十分との見方から昨年末に急落。直近の報道各社の調査では不支持率が支持率を上回っている。自民党議員3人が緊急事態宣言下、銀座で会食した責任を取り離党するなど、今秋までに衆院選を控える与党議員には不安要因となっている。元TBS解説委員の龍崎孝・流通経済大学教授は「国民の政治不信が広がっている」と指摘し、追加コロナ対策に関して「予備費の範囲で賄えるのかもしれないが、追加補正も辞さずとの姿勢を見せることが政権として必要」と話している。
●緊急宣言延長「ショック」 影響懸念/弘前 2/3
新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け10都府県への緊急事態宣言が延長された2日、冬場の閑散期とコロナ禍の二重苦に直面している弘前市内の観光・宿泊関係者からは「覚悟はしていたがショック」「休業する業者が増えるのでは」など不安の声が相次いだ。
観光関係者は、緊急事態宣言の延長に伴い政府の観光支事業「Go To トラベル」の全国停止が継続される影響を懸念する。
全国から団体客を受け入れる観光施設「つがる藩ねぷた村」は同日、1月から休止していた津軽三味線の実演について、宣言延長を受け「再開のめどが立たない」として演奏者との契約を急きょ打ち切った。宣言が再発令された1月以降の売り上げは前年の1割まで落ちており、中村元彦理事長は「有料の入場者がゼロの日もあった。宣言の延長は覚悟していたがショック」と肩を落とす。
取引先の旅行会社から、集客の在り方を団体客から個人客へシフトする旨の通知があり、経営戦略の一部見直しを図る必要性も感じている。「悲観的になってばかりもいられない。個人客の集客に向けたホームページの作り替えや、ネット通販事業のてこ入れなど、方策を考えて乗り切りたい」と話した。
●国の緊急事態宣言延長 宮崎県内にも影響 2/3
政府は2日、11都府県に発令している緊急事態宣言について栃木県を除き来月7日まで延長することを決めました。宮崎県内でも主に関東や関西を市場としている農畜産物の生産者などは、需要の回復が見込めず、不安を募らせています。
(菅義偉 首相)「何としても感染の減少傾向を確かなものにしなければならないそのように判断した」
菅首相は、2日、栃木県を除く10都府県に対する緊急事態宣言の延長を表明し、その理由を説明しました。緊急事態宣言の延長で、宮崎県内でも様々な影響が懸念されています。
(みやざき地頭鶏事業協同組合・宮本宏之 さん)「非常に打撃は大きい。生活がうまくできていくるのかなというのは心配はしている」
ジューシーで深みのある味わいが人気のみやざき地頭鶏は、生産量の半数以上が関東や関西など都市部の飲食店に出荷されますが、国の緊急事態宣言の影響で、先月の出荷量は、通常の2割に落ち込みました。生産者の一部は、すでに休業を余儀なくされていて、県内販売やネット販売で多少回復の兆しはあったものの、今回宣言の延長決定で大きな需要の回復は見込めなくなったといいます。
(みやざき地頭鶏事業協同組合・宮本宏之 さん)「高級食材は1か月に1回、2週間、1週に1回店に行ってもらって食べてもらうパターンが多いので非常にこういう状況になってくると厳しい。早く通常に戻ってほしい」
今は、ヒナの数を減らし生産量を調整していますが、状況は深刻なまま。国の緊急事態宣言が解除されるまで関係者の不安な日々が続きます。
●東北の知事、緊急事態宣言の延長評価「予断許さず」 2/3
新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言について10都府県で1カ月の延長が決まった2日、東北各県の知事は政府の判断を評価した。
「新規感染者は減少しているが、病床の逼迫(ひっぱく)が継続している」。村井嘉浩宮城県知事は、感染拡大防止のため政府が踏み切った決断を「適切」と指摘した。
県内では昨年末に仙台市青葉区国分町周辺の酒類提供店を対象に時短営業を要請し、1月末には市全域に拡大した。村井知事は時短要請の効果に手応えを感じつつ、「病床使用数は高止まりし、予断を許さない」と気を引き締めた。
内堀雅雄福島県知事は「入院調整中、自宅療養中の人が極めて多い現実がある。延長の判断は妥当と考える」との認識を示した。
国内で感染が広がり始めて1年以上経過し、地域経済は疲弊している。三村申吾青森県知事は「県内経済は厳しいが、宣言延長による影響は受け止めなければならない」と強調。「ワクチン接種が実現するまで、しのげるよう施策を講じる」と力を込めた。 
●沖縄県独自の緊急事態宣言延長へ コロナで医療逼迫、あす正式決定 2/3
沖縄県は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療体制が逼迫(ひっぱく)している状況を受け、県独自の緊急事態宣言を延長する方針を2日までに固めた。当初予定は7日までだった。県は緊急事態宣言を延長する場合、経済支援策が必須と考えており、3日に幹部会議を開き、対応を協議する。4日の県新型コロナウイルス感染症対策本部会議で、延長期間を含めて宣言の延長を正式に決める見通しだ。
政府が栃木県を除く10都府県で来月7日までの宣言延長を発表したが、沖縄は追加されなかったため、県は財政支援を求め引き続き対象地域やそれに準ずる地域への指定を求める考え。
玉城デニー知事は2日、報道陣の取材に「医療体制が逼迫する危機的な状況が続いている。県独自の緊急事態宣言については4日の対策本部会議でどういう方向性を持って行くかということを改めて議論したい」と述べた。国の宣言対象地域に追加されなかったが、3日、西村康稔経済再生担当相に電話で財政支援を依頼したと明らかにした。玉城知事は「(西村氏から)引き続き頑張るとの話を頂いた」と強調した。
県独自の緊急事態宣言を延長するかどうかについては、医師や専門家らでつくる県の専門家会議が1月29日、延長するべきだとの意見で一致した。県は2月2日に経済対策関係団体会議をオンラインで開き、経済界の意見を聞いた。関係者によると、延長による経済への打撃を懸念する声が上がった。
国の緊急事態宣言の対象地域やそれに準ずる地域に指定されれば、時短営業の協力金を現状の4万円から6万円へ引き上げるなど経済支援の拡充が見込める。一方、国は指定に慎重な姿勢だ。
●時短営業する千葉市の酒場 協力金「一律」変えて 2/3
緊急事態宣言の延長を受け、時短営業を続けてきた千葉市中央区の酒場「HAUNT(ハウント)」の代表、植草亮さん(38)は協力金の動きに注目している。売り上げが激減する中、一律給付を「はっきり言って不公平」と切り捨て「店の条件に応じた対応をしてほしい」と見直しを求めている。
店は2019年4月にオープン。昨年4〜5月の緊急事態宣言下で休業要請に応じ、1周年イベントは中止を余儀なくされた。苦境に立たされる中、国からの補助金や融資を受け、どうにか営業を継続。いくらか回復の兆しを見せた売り上げだが、1月初めからの緊急事態宣言再発令で客足は激減した。
この1カ月間、売り上げは全く伸びず。「閉めていた方が良かったかもしれない」と思ったほどだ。協力金の一律給付には不満があり、「店舗が駅に近く、路面に面していると家賃がかかる。足りている店から本当に必要としている店に回してほしい」と憤る。
かつては常連客らで深夜までにぎわっていた店。午後8時までの営業になってからは来店が減り、最近では一日に2組ほどが来店すれば良い方という。
期限の延長で「(協力金の)対応が変わらなければ営業日を半分減らす」との選択肢も脳裏をよぎる。不安は尽きないが、「今耐えれば大丈夫」という常連客からの励ましの言葉を支えに「今は準備期間だと思い、新しい料理や企画を考えたい」。植草さんは必死に前を向く。 
●罰則免除の「正当な理由」具体的には? コロナ関連法案 2/3
新型コロナウイルスの感染拡大に対応する特別措置法と感染症法の改正案では、「正当な理由」がないのに入院を拒否したり、時短命令に応じなかったりすれば罰則が科される。では、「正当な理由」とは何か。政府は国会の審議でいくつかの事例を挙げている。
感染症法の改正案では、入院拒否や入院先から逃げると、50万円以下の過料が科せられる。
2日の参院本会議で、自民党の園田修光氏は「小さな子どもや介護が必要な家族に十分なバックアップがなければならない」と求めた。
田村憲久厚生労働相は、「患者や家族に必要な介護や保育などのサービスが確保できないために(入院を)拒否していることが明らかになった場合は、『正当な理由』に該当する」と答弁。罰則の対象にはならないとした。
同改正案では、濃厚接触者を特定するために保健所が行う疫学調査を拒否した場合、30万円以下の過料が設けられる。
共産党の宮本徹氏は1日の衆院内閣委・厚労委の連合審査で、調査で名前を挙げた非正規雇用の友人が「濃厚接触者」に認定されて仕事を失う可能性を指摘。「友人の名前を言えないという判断は、過料の対象になるのか」と尋ねた。
田村氏は「(友人が)濃厚接触ではなく、感染している可能性もある。感染拡大を防ぐと同時に、その方の健康を守る意味もある」と理解を求めた。友人をかばう場合、調査を拒否する「正当な理由」にはあたらないとの認識を示した。
●時短命令拒否に過料、適用は慎重に判断 改正特措法など成立 2/3
新型コロナウイルス対策を強化する改正特別措置法と改正感染症法を含む関連法は3日、参院本会議で自民党、公明党、立憲民主党、日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。
改正特措法は営業時間短縮命令を拒んだ事業者に、緊急事態宣言下で30万円以下、「まん延防止等重点措置」下で20万円以下の過料を科す。改正感染症法は入院拒否者に対し50万円以下、疫学調査拒否者に30万円以下の過料を科す。
3日に成立した改正新型インフルエンザ等対策特別措置法では、都道府県知事による営業時間短縮などの「命令」に違反した事業者への罰則として、緊急事態宣言下で30万円以下、まん延防止等重点措置下で20万円以下の「過料」を科す規定が新たに設けられた。ただし、知事が命令を出すには段階を踏む必要があり、すぐに適用されるわけではない。政府は「抑止効果として罰則があること自体が大事だ」(関係者)との考えで、適用は慎重に判断する構えだ。
政府は2020年4〜5月の緊急事態宣言時の基本的対処方針で、知事が休業や時短を求める場合には、まず宣言前から可能な「協力の要請」をした上で、第2段階でより強い「要請」、第3段階で「指示」と段階を踏むよう明記。その都度、「国と協議」のうえ専門家の意見を踏まえるよう求めていた。知事が要請・指示をする際には、職員らが実際に店舗を訪れ、営業状況を確認するなどした上で店名を公表していた。
改正特措法は、知事が要請・命令を出す必要があるかを判断するに当たり、感染症の専門家らの意見を聞かなければならないと規定。要請・命令を出す際には今回の改正以前と同様の段階を踏む必要がある。
前回の宣言下で指示の対象となったのは一部のパチンコ店のみだった。現状で各知事が飲食店に求めている時短要請はいずれも協力要請で、今回の宣言下では罰則適用には至らないとみられる。 

 

●菅首相、緊急事態宣言の延長で謝罪連発のわけ 2/4
緊急事態宣言が大方の予想通り、1カ月延長された。
菅義偉首相は2月2日夜の記者会見で、「責任はすべて私が背負う」などと述べ、深々と頭を3回も下げた。そして、コロナ感染抑え込みに「すべての力を注ぐ」と強調し、トップリーダーとしての覚悟をアピールした。
菅首相は同時に、与党4議員の「夜の銀座」問題でも謝罪を連発するなど低姿勢に徹した。ここにきての新規感染者数の急減については「確実に効果が出ている」と強調。感染防止の決め手とされるワクチン接種を「2月中旬から開始したい」と日程前倒しを表明し、国民に対し「もうひと踏ん張りの協力をお願いしたい」と呼び掛けた。
4月から高齢者のワクチン接種を表明
今回の記者会見で菅首相はプロンプターを初めて使用し、これまでと違うカメラ目線で国民に訴え続けた。ただ、メモの代わりに投映された文字を読み続ける対応は変わらず、「1人1問」「途中で打ち切り」など質疑ルールも従来通りだった。
政府は2日、11都府県を対象に発令中の緊急事態宣言について、栃木県を除く10都府県で3月7日まで1カ月間延長することを決めた。これまで同様、飲食店の営業時間短縮などを柱とする感染対策を維持・徹底する方針だ。
菅首相は宣言を延長した理由について、「感染の減少傾向を確かなものにしなければならないと判断した」と説明。2月下旬からとしていた医療従事者へのワクチン優先接種は「2月中旬にスタートしたい」と前倒しを表明。4月から高齢者への接種を始める方針も示した。
今後の焦点となる宣言解除の条件については「新規感染者数で言えば、東京で1日500人、大阪で1日300人を下回ること、さらに病床の逼迫に改善がみられることが重要だ」と強調。「次の1カ月ですべての都府県で解除できるよう対策の徹底を図っていきたい」と述べた。
これに先立ち、政府は2日午後、基本的対処方針等諮問委員会に宣言延長の方針を示し、了承された。同日夕には衆参両院の議院運営委員会で菅首相自らが事前報告し、「何としても感染拡大を阻止したい」と各党の協力を要請、同夜の政府対策本部で宣言延長を正式決定した。
宣言延長に伴い、観光支援策「Go To トラベル」の全国停止や、外国人の新規入国禁止などの措置も継続となった。
菅首相は初めて出席した衆参議運委で、自民、公明両党の幹部議員が緊急事態宣言下で銀座のクラブに出入りし、議員辞職や離党を余儀なくされたことを「大変申し訳ない」と陳謝した。
プロンプター使用に漂う「痛々しさ」
一方、菅首相自身が2020年12月に銀座で「8人ステーキ会食」に参加したことについては、「大いに反省しているが、緊急事態宣言も出ていなかったし、会食自粛も午後10時までだった」と苦しい釈明に終始した。
菅首相の正式な記者会見は今年に入って4度目となる。2日はNHKの主要ニュース報道が終わる午後7時40分から始まるため、「記者団の質問に徹底して答えるのでは」との臆測も出ていたが、質疑時間は約40分間にとどまった。
プロンプターを初めて使ったことについて、首相周辺は「下を向いてメモを読むのでは国民に伝わりにくい、との秘書官らのアドバイスに従った」と説明。「すべての責任は私」のくだりでは、目を見開いて前方のテレビカメラを見据えて語るなど、「国民に訴える力が増した」(側近)のは事実だ。
ただ、プロンプターに不慣れのためか、顔を左右に向けて文字を読む様子が目立ち、「不得手なことを強いられる痛々しさ」(有識者)もぬぐえなかった。
宣言延長により、3月7日までが菅首相にとって「政権の命運もかかる勝負の1カ月」(自民長老)となるのは間違いない。感染が再拡大の恐れがない水準まで抑え込まれ、ワクチン接種が早期開始となれば、「反転攻勢のきっかけをつかめる」(自民幹部)ことになる。
その場合、3月下旬の福島を起点とする聖火リレーの前に、東京五輪・パラリンピックの開催を決められる可能性も出てくる。そうなれば、政界の一部で浮上している4月政変説も消え、ここにきて急低下していた菅首相の求心力も回復する。
東京五輪開催については2日、東京五輪組織委員会会長の森喜朗元首相が「無観客開催も選択肢」との認識を示した。これについて菅首相は、「今後、内外の感染状況も勘案しつつ、安心安全の大会にすることを最優先に検討したい」と明確な言及を避けた。
五輪強行なら激しい政権批判も
無観客開催については「参加国数も少なく、国際的にも正当な五輪とは認められない」(JOC関係者)との声も少なくない。最近の世論調査では、国民の8割以上が五輪の中止か再延期を求めている。「強引な開催決定はかえって政権批判につながる」(閣僚経験者)ことにもなりかねない。
五輪開催のカギを握るワクチンも、4月からの高齢者接種が順調に進む保証はない。日本のワクチン接種は世界の主要各国に比べ、周回遅れとなっている。「日本が各国に一気に追いつくのは不可能」(ワクチン専門家)との悲観論も多い。
「夜の銀座」への国民的批判も収まる気配がない。公明党は2日、遠山清彦前幹事長代理の議員辞職により、同氏が出馬予定だった衆院神奈川6区への候補擁立を断念した。二階俊博自民幹事長は「自民党としての与党候補擁立」を目指すとしているが、「勝てる候補者を立てられるかどうかは未知数」(地元県連)だ。
さらに、「夜の銀座」で事実を隠そうとし、離党に追い込まれた自民党の松本純前国対委員長代理(神奈川1区)、大塚高司前衆院議院運営委員会理事(大阪8区)、田野瀬太道前文部科学副大臣(奈良3区)についても、自民党は後任候補擁立に口を濁している。
自民党内には「次期衆院選には無所属で出馬させ、当選したら復党」(選対幹部)との声もある。しかし、その姿勢そのものが「反省しない自民党」との批判を招き、選挙での逆風につながる可能性も大きい。
菅首相が3月までの勝負の1カ月で、相次ぐ難題を乗り越えられるか。「すべての責任を背負う」と言い切っただけに、政権の命運は桜の開花宣言のころには決まることになりそうだ。 
●首都圏1都3県 緊急事態宣言から4週間 政府 経済的支援の拡充へ  2/4
首都圏の1都3県に緊急事態宣言が出されてから5日で4週間となります。政府は宣言の期間の延長も踏まえ、中小企業で働く人に支給される休業支援金の対象を大企業で働く人にも広げるための検討を急ぐなど、経済的な支援の拡充に取り組むことにしています。
新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言が、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県に出されてから5日で4週間となります。
こうした中、菅総理大臣は4日の衆議院予算委員会で「大企業にあっても休業手当を受け取りづらい勤務形態の方については休業支援金の対象とすることとし、早急に対応を取りまとめさせたい」と述べ、中小企業で働く人に支給される休業支援金の対象を拡大する考えを示しました。
政府は、栃木を除く10の都府県で緊急事態宣言の期間を来月7日まで延長することも踏まえ、休業支援金の支給対象を大企業で働く人にも広げるため具体的な対象や期間の検討を急ぐなど、経済的な支援の拡充に取り組むことにしています。
一方、今月中旬のワクチン接種の開始に向けて、政府は実務を担う自治体の準備に支障が出ないようにするため必要な費用をすべて国が負担するとともに、ワクチンの供給スケジュールなどの情報を速やかに提供するなど支援していくことにしています。
●東京都 新型コロナ 新たに734人感染 7日連続で1000人下回る  2/4
東京都は4日、都内で新たに734人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。また、都は感染が確認された男女25人が死亡したことを明らかにしました。このうち16人は施設内と病院内で感染して亡くなったということです。東京都は4日、都内で新たに10歳未満から90代までの男女合わせて734人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。1日の感染の確認が1000人を下回るのは7日連続です。
734人のうち、およそ50%の368人はこれまでに感染が確認された人の濃厚接触者で、50%近くの365人はこれまでのところ感染経路がわかっていないということです。このほか、東アフリカのタンザニアへの渡航歴がある人が1人いるということです。
濃厚接触者の内訳は、「家庭内」が最も多く180人、次いで、「施設内」が133人、「職場内」が21人、「会食」が8人などとなっています。このうち「施設内」では、32の医療機関で患者と職員合わせて80人、25の高齢者施設で利用者と職員合わせて46人の感染が確認されました。
4日の感染確認について都の担当者は「減少傾向にあると言える。都民の皆様の努力が現れている。きょう、あす取り組むことは1週間、2週間後の数に現れてくるので引き続き不要不急の外出を控え接触の機会を減らしてほしい。今まで以上に減らすには、さらに協力をいただかないといけないと思う」と話しています。これで都内で感染が確認されたのは合わせて10万2200人になりました。また、4日時点で入院している人は3日より21人減って2855人でした。「現在確保している病床に占める割合」は58.3%です。このうち、都の基準で集計した4日時点の重症の患者は3日より10人減って115人で、重症患者用の病床の36.5%を使用しています。
感染が確認された人のうち、自宅で療養している人は3日より149人減って3115人でした。都が確保したホテルなどで療養している人は3日より31人減って576人で、医療機関に入院するか、ホテルや自宅で療養するか調整中の人は3日より537人減って2570人でした。また、都は、感染が確認された60代から90代までの男女合わせて25人が死亡したことを明らかにしました。1日に発表される人数としては3日の32人に次いで2番目に多くなりました。
感染経路は有料老人ホームやデイサービスなどの高齢者施設内が8人、病院内が8人、そして家庭内が2人となっています。
これで都内で死亡した人は合わせて974人になりました。
●神奈川県で224人感染 男性がコロナ対応病院から転院、死亡 2/4
神奈川県内で4日、新型コロナウイルスに感染した14人の死亡と、224人の感染が明らかになった。感染経路不明は91人。県と6市の保健当局が発表した。
県は、いずれも80代で既往症のあった男性4人の死亡を発表した。このうち海老名市の男性はクラスター(感染者集団)が発生した介護老人保健施設「メイプル」(綾瀬市)の入所者。鎌倉市の男性は2日に陽性が判明して新型コロナに対応した病院に入院後、「人にうつす心配がなくなった」と判断されて20日に別の病院に転院したが、今月4日に肺炎で死亡した。
新規感染者は59人。県西地区の新型コロナ患者を受け入れていない病院で職員1人、県西地区のデイサービス施設で職員6人が感染し、クラスターは12人、14人になった。藤沢市の福祉施設で利用者と職員計9人が感染。感染者は少なくとも12人になった。
横浜市は5人の死亡と65人の感染を発表した。死亡した70代女性はクラスターが発生した横浜市立みなと赤十字病院(中区)の患者。新規感染者のうち3人は市内の高齢者デイサービス施設の職員や利用者。感染者が計6人となりクラスターと認定した。
横須賀市は3人の死亡を発表した。90代男性と80代女性は18日に死亡していたが、病院からの連絡を確認するのが遅れ、発表がずれ込んだという。新規感染者は5人。短期入所施設「愛加那」で1人の感染が新たに分かり、クラスターは29人になった。
茅ケ崎市は80代女性の死亡を発表した。クラスターが発生した市保健所管内の病院に入院中の1日に感染が判明し、3日に別の疾患が原因で亡くなったという。新規感染者は4人。うち2人はこの病院の看護師で、関連する感染者は計54人となった。
川崎市は東京都内の90代女性の肺炎による死亡と、未就学児から90代までの男女44人の感染を発表した。クラスターが起きた幸区の2カ所の特別養護老人ホームで、職員と入居者の陽性が判明し、感染者は計20人、9人に。川崎区の高齢者グループホームと高津区のデイサービス施設でもそれぞれ入居者2人と利用者2人が陽性となり、両施設のクラスターは計15人、9人となった。
相模原市は31人の感染を発表。クラスターが発生した市内の精神科病院で17人、高齢者グループホームで1人の感染が分かり、累計感染者はそれぞれ35人と8人になった。
藤沢市は16人の感染を発表した。このうち80〜90代の男女3人はクラスターが発生した高齢者施設の入所者で、関連する感染者は計38人となった。  

 

●抗体保有率、東京0.91% 新型コロナ、前回の9倍―厚労省 2/5
厚生労働省は5日、新型コロナウイルスへの感染歴を調べる抗体検査を行った結果、東京都での陽性率(保有率)が0.91%だったと発表した。大阪府は0.58%、愛知県0.54%などとなった。東京は昨年6月実施時の約9倍に増加した。
抗体検査は2回目で、厚労省は昨年12月14〜25日、東京など5都府県で同意を得た住民を対象に実施。東京3399人、大阪2746人、愛知2960人、宮城2860人、福岡3078人が参加した。
その結果、各地の保有率は、東京0.91%(前回0.10%)、大阪0.58%(同0.17%)、宮城0.14%(同0.03%)だった。新たに対象に加えた愛知は0.54%、福岡は0.19%。
人間の体内では、感染症にかかった後、同じウイルスが再び入ってきた際に体を守る特殊なタンパク質(抗体)が作られる。抗体検査はこのタンパク質の有無などを基に、体内に免疫があるかを調べる。新型コロナは感染者の約8割が軽症か無症状なため、抗体検査による感染状況の把握が有効とされる。
厚労省は保有率を正確に判定するため、前回検査と同様に、2社の試薬の両方で確認された人を抗体保有者と定義した。
●宣言解除でも時短要請は延長 知事「リスク依然高い」 栃木県 2/5
新型コロナウイルスの緊急事態宣言解除が決まった栃木県は4日、対策本部会議で宣言が明ける8日以降の対策方針を決めた。飲食店への営業時間短縮要請は2週間延長し、夜間は1時間緩和し午後9時までとする。1日あたりの協力金は4万円に引き下げた。21日まで県の警戒度を最高レベルの「特定警戒」に据え置き、「医療危機警報」を再発出する。
福田富一知事は記者会見で「さらに2週間、新規感染者の減少を図り、医療機関の負担を軽減するために協力をお願いしたい。卒業式や歓送迎会ができる自由を取り戻すために」と呼びかけた。
宣言は7日で解除されるが、県は独自の警戒度を4段階で最高の「特定警戒」に維持し、昨年末に発出した「医療危機警報」を再び出す決定をした。
福田知事は、病床稼働率の高さが国の指標で「ステージ3」の段階にあると指摘し、「医療提供体制の機能不全を招くリスクが依然として高い」と述べた。
県民には午後9時以降の外出自粛や勤務の抑制、首都圏1都3県など緊急事態宣言が継続される地域との往来を引き続き控えるよう求めた。一方、県立学校では休日の部活動が再開されることになった。
県内すべての飲食店(カラオケ店を含む)に対し、8日からは営業時間を1時間緩和し、午前5時から午後9時の間に営業するよう要請する。酒類の提供も1時間緩和し、午前11時から午後8時までとした。
福田知事は要請解除に向け、感染状況や病床稼働状況を示す国の全指標で「ステージ3」を下回ることをめざす考えを示した。営業時間を午後10時までとする案も検討したと明かし、「厳しい方を選んだ」と述べた。
要請に応じた飲食店に支給する協力金は1日6万円から4万円(全14日間で56万円)に引き下げられる。対象は約1万4千店。国が8割を負担し、残りを県と市町が3対1の割合で支出する。
飲食店への時短要請について県は市町に事前に説明した。首長からは「県内一律でなく、地域の特性を認めるべきだ」との意見も出たが、最終的には了承されたという。

飲食店が集まる宇都宮市中心部の商店街「オリオン通り」。通り沿いの焼きそば店従業員(34)は「客足が伸び悩む現状は変わらないのでは。むしろ宣言が解除されたことで気がゆるむのが心配だ」。ラーメン店「鉢とれんげ」の竹井聡店長(45)はダイニングバーも経営するが、バーは休業中だ。「1時間では客足も大して変わらないだろう。午後10時まで緩和されたらバーを再開しようと思っていたが」ともらした。
1月8日から休業を続ける焼き肉店「つむぎ」の林恒輝代表(31)は「家賃や光熱費の出費もあり、協力金があっても時短では採算が取れない。解除後も休業は続ける。感染を押さえ込んでほしい。春夏の繁忙期に緊急事態宣言が出るくらいなら、今は我慢すべきだと思う」と話した。
鹿沼市下材木町のラーメン店「安喜亭」は緊急事態宣言以降、午後5時に閉店している。売り上げはコロナ禍前の半分ほどという。店長の堀井秀一さん(56)は「店からコロナを出したくない。当分の間、夜は営業しない。売り上げは何とかやっていける程度。困った」と語った。
佐野市の岡部正英市長は「時短効果の検証はなされていないが、県が決めた段階的な時短対策は支持したい。コロナ対策はできることはすべてやる」。足利市の和泉聡市長も「何でも取り組む。今回の時短対策は市のホームページのほか商工会議所や商工会を通じて周知をしたい」。
矢板市の斎藤淳一郎市長は「どういう状況になったら(自粛要請を)終わらせるのか、県民にもっと分かりやすく説明すべきだ。自粛要請がいつまで続くのかという不安にもっと寄り添うべきだ」とコメントを出した。

県と宇都宮市は4日、新たに27人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。県内で確認された感染者は計3830人。
居住地別の新規感染者は宇都宮市・鹿沼市各10人、栃木市3人、那須烏山市・佐野市・小山市・壬生町各1人。鹿沼市の病院(入院患者199人)では県内34例目のクラスター(感染者集団)が発生した。患者5人と職員2人が感染しているという。
県民や事業所に対する県の主な要請
・県民は日中も含め不要不急の外出を自粛。特に午後9時以降の外出に注意
・緊急事態宣言の対象区域への往来は自粛を
・飲食店の営業は午前5時〜午後9時。酒類の提供は午前11時〜午後8時
●緊急事態宣言の解除目安 古田知事「愛知と同時に」 岐阜県 2/5
国の緊急事態宣言が3月7日まで延長されたことを受け、岐阜県は4日、新型コロナウイルス感染症対策本部員会議を開いた。感染拡大が続く福祉施設や外国人県民への支援のほか、新たに「後方支援病床」を確保するなどの対策強化を打ち出した。宣言解除の目安として「病床使用率20%未満」を掲げ、古田肇知事は「解除は愛知と同時」との見解を示した。
県によると、1月29日〜4日の直近1週間の新規感染者数は1日平均28・9人で、当初、目標とした50人を下回っている。一方、確保した病床は19床増えて694床となったが、3日時点の使用率は43%を超え、高い水準のままだ。
医療機関の病床を効率的に活用するため、新型コロナの退院基準を満たした後も引き続き持病などの治療が必要な高齢者らを優先的に受け入れる「後方支援病床」を20床確保した。
県病院協会によると、80歳以上の感染者の平均入院日数は27日で60歳以下の8日の3倍以上。感染者の約1割が「後方支援病床」への転院が必要とされる。古田知事は「スムーズな人の流れをつくり、コロナ病床を確保したい。国に予算的な支援策を求めていく」と話した。
高齢者福祉施設には、入所者に感染者が確認された場合、専門家を派遣し、感染防止策や業務の継続を支援。施設で働く人には優先的にワクチンを接種する。
また、接待を伴う飲食店で外国人が関連するクラスター(感染者集団)が多発している可児市では、従業員に対し、サンプリング調査としてPCR検査を実施する。
改正特措法で緊急事態宣言下で都道府県知事からの休業や営業時間の短縮の命令に応じない場合は過料を科すこともできるが、古田知事は「まずは丁寧に説得する努力をすることが大切」と述べるにとどまった。

県は4日、新型コロナウイルスのワクチン接種の見通しを明らかにした。今月下旬、岐阜市の国立長良医療センターの医療従事者を皮切りに、県内の医療従事者や救急隊員、自治体職員、高齢者と高齢者福祉施設従事者、基礎疾患がある人に対して順次接種し、一般県民への接種は5月以降になるという。県によると、ワクチンを零下75度以下で管理するための超低温冷凍庫(ディープフリーザー)が6月までに計164台配備される。接種は、拠点となる病院など27施設と連携する93施設で実施する予定。一般県民には市町村から4月にも接種券が郵送される。県は国からのワクチン供給量を見ながら接種する場所と医療従事者を確保することにしている。
岐阜県と岐阜市は4日、10歳未満から90代の男女24人が新たに新型コロナウイルスに感染したと発表した。県内の感染者は延べ4248人となった。入院していた岐阜市の80代女性と70代男性、可児市の90代男性の3人が亡くなり、県内の死者は計73人となった。県によると、美濃加茂市の木沢記念病院で発生したクラスター(感染者集団)では、新たに医療従事者1人と20〜90代の入院患者5人が陽性となり、感染者は計38人となった。岐阜市によると、岐阜清流病院のクラスターでも医療従事者1人の感染が判明した。
4日に感染が発表された24人の居住地は次の通り。美濃加茂市7人▽各務原市4人▽岐阜市3人▽可児市2人▽多治見市2人▽海津市1人▽関市1人▽本巣市1人▽大垣市1人▽川辺町1人▽岐南町1人
●緊急事態宣言解除へ 「感染拡大緊急警報」に 宮崎県 2/5
宮崎県は4日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため出していた県独自の緊急事態宣言を期限の7日までで解除すると明らかにした。8日から3月7日までは全県に「感染拡大緊急警報」を出し、会食やイベントの参加人数などに一定の制限をかける。いずれも新型コロナ対策協議会に提案した。
感染拡大緊急警報は「感染が再び拡大しかねない」という緊急警報。緊急事態宣言の解除に伴い、8日以降、飲食店の時短営業や外出の自粛、イベントの中止や延期の要請は解除される。一方で、会食時の「4人以下、2時間以内」という制限や県外との往来自粛、高齢者や障害者施設の面会制限などは緊急事態宣言中と同様に維持される。
対策協議会で県は3日現在の感染状況について、病床全体の占有率は27・6%、直近1週間の10万人あたりの新規感染者数は7・4人、感染経路不明の割合は19・1人などと報告。「総合的に判断して国の指標のレベル2にあたる」とし、再び感染が拡大しないようにするためには全面的な解除ではなく段階的に緩和することが必要とした。
河野俊嗣知事は「新規感染者は減ったが、火種が残っている。緊急事態宣言中でもクラスターが次々発生した。宣言は7日で解除するが、高いレベルでの警戒を維持する」と説明した。
県独自の緊急事態宣言は、年明けに感染者が一気に増えたことから、1月9〜22日の予定で発令され、その後、2月7日まで延長された。 

 

 

 

 

 

 
 
 

 



2021/1
                        日本国内一日の死者・感染者数