どこにばら撒く 安倍総理懐の10兆円 

安倍総理懐の10兆円 
予備費といっても 税金です 底なし沼の借金です

どこにばら撒くのか 見届けましょう

財政健全化など ほったらかし 知らんぷり
多分 最後のお務め なぜばら撒くのか 伺いたいものです
 


  
 

 

 

●2次補正、一般会計31.9兆円=赤字国債22.6兆円―予備費10兆円追加 5/27 
新型コロナウイルスの感染拡大に対応する2020年度第2次補正予算案の一般会計総額が31兆9114億円となることが27日、分かった。財源は全額国債発行で賄い、そのうち赤字国債は22兆6124億円となる。政府は同日午後、閣議決定する。
2次補正には、中小企業の家賃支援や資金繰り強化、雇用の下支えなどを盛り込む。政府のコロナ対策に特化して使用できる予備費も10兆円増額する。
特別会計や財政投融資も合わせた財政支出は72.7兆円で、民間融資なども含めた総合的な事業規模は117.1兆円となる。
事業規模は1次補正などと合わせると233.9兆円となり、安倍晋三首相は官邸で開いた政府・与党の政策懇談会で「GDP(国内総生産)の4割に上る世界最大の対策によって日本経済を守り抜く」と強調した。 

 

●10兆円予備費、前例なき巨額 安倍首相、会期延長回避に布石 5/28 
政府は27日に閣議決定した2020年度第2次補正予算案に、10兆円という前例のない巨額予備費を計上した。長期化必至の新型コロナウイルス対策に臨機応変に対処するためと説明するが、野党に押され気味の今国会を延長せず、会期末の6月17日に閉じたいという狙いが透ける。予備費は政府の裁量で支出できるため、野党からは事実上の白紙委任になるとの批判の声も上がった。
2次補正は、一般会計総額約32兆円の3分の1近くを予備費に充てた。安倍晋三首相は27日の政府・与党政策懇談会で「今後の長期戦を見据え、状況変化に応じた臨機応変な対応ができるように10兆円の予備費を追加する」と表明。1次補正の1.5兆円から大幅に上積みした。
自民党は20日の提言で「強大な予備費」を求めていた。10兆円という規模に、首相に近い党幹部は「本当に驚きだ。5兆円かなと思っていた」と明かし、公明党の石田祝稔政調会長も記者会見で「10兆円までいくとは思っていなかった」と驚嘆した。当初予算の予備費5000億円と比較しても、異例の規模であることが分かる。
第2波、第3波の感染拡大が懸念される中、自民党幹部は今回の予備費で「冬まで持つ」と指摘。別の党幹部も「国会閉会中に緊急の案件があったとき、また一から予算編成をすると時間がかかる。予備費での対応が最善策だ」と評価した。
党内には、国会会期延長を前提に3次補正を求める声もあったが、東京高検検事長の定年延長や辞職問題などで内閣支持率は急落。勢いづく野党の攻勢を封じるためにも、国会を早く閉じたいのが政権中枢の本音だ。党参院幹部は、10兆円予備費で、秋の召集が恒例の臨時国会を「開く必要もなくなる」とまで言い切った。
これに対し、立憲民主党の安住淳国対委員長は「10兆円を政府が好き勝手に使える」と記者団に語り、問題視。国民民主党の玉木雄一郎代表も会見で、予算の具体的使途を国会がチェックできなくなるとして「財政民主主義の観点からどうなのか」と批判した。野党は衆参両院の予算委員会で政府の姿勢を厳しくただす方針だが、補正自体には野党の要望も反映されていることから「賛成せざるを得ない」(国民中堅)との声が漏れる。  

 

●10兆円の予備費「議論の余地がある」石破氏 6/2 
政府の第2次補正予算案、総額約32兆円のうち、その3分の1にあたる10兆円を「予備費」としていることに「政府に白紙委任状を渡すことになる」「財政民主主義に観点から問題だ」「臨時国会も開くつもりもないのか」との指摘が野党から相次いでいるが、自民党の石破茂元幹事長もブログで「財政民主主義の観点から議論の余地がある」と議論するよう提起した。
石破氏は「早期成立を期すべきことは当然ですが、使途につき、国会審議を経る必要のない予備費10兆円は『財政民主主義』の観点から議論の余地がある」とした。
石破氏は「財政の持続可能性については、消費税が果たすべき役割の変化(格差の拡大という背景)、グローバリゼーションを前提とした法人課税の在り方、一人一人の幸せの実現を志向した社会保障制度の再検討(特に医療制度)等が必要」と発信。
予備費10兆円について「官の一貫した価値観は公平性と公正性ですが、現下の非常時にあっては迅速性と簡便性がそれに勝るのであり、その責任を負うことこそが政治の役割であることを十二分に承知した上で、(財政民主主義の観点から議論の余地があると)そのように考えております」と議論の必要を提起。
社会民主党の吉田忠智幹事長も10兆円の予備費について「財政民主主義や国会の予算審議権、予算の事前議決原則との関係も踏まえ、使途や規模の妥当性について十分な検討が必要」との談話を発表している。早期成立は求められるが、10兆円を巡っては国民も納得のいく議論が必要。 

 

●10兆円の予備費の使途の明確化等を要求  6/4 
新型コロナウイルス感染拡大に対応する政府・与野党連絡協議会が4日夕方、国会内で開催され、国民民主党からは泉健太政務調査会長が出席した。政府から第2次補正予算案の概要について説明を受け、共同会派は第2次補正予算に関する事項を含め、24項目の要望事項を提示した。
会議終了後、政調会長らは記者団に「本日は、(1)10兆円の予備費は規模が大きすぎ、財政民主主義の観点から問題があり、その使途について明確化し、今後必要に応じて第3次補正を編成すること(2)オリンピック関連予算をはじめ、既に計上している不要不急な予算については見直すこと(3)持続化給付金やGoToキャンペーンなどの事業委託について不明瞭な点が上がっているので説明責任を果たし、委託費の削減を図ること(4)公益法人・一般法人について時限的に信用保証制度を対象とし、日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付の対象にも入れること──などを要望した。今日の大きな論点は、経営が厳しい状況になっている医療機関や福祉施設、交通機関に対する損失補償をどうするかということを、政府・与党にただした」と報告した。
泉政調会長は、「今日は有意義な協議ができた。我々は以前から、(新型コロナの第2派、第3派と重なる恐れがることから)秋のインフルエンザの流行期を想定をして、予防接種を行える数を増やし、できれば無償にすべきだと要求してきた。今週になってようやく増産を要請している、という状況まで進展した。また、一部かもしれないが接種にかかる負担の軽減についても検討するという状況に至ったと受け止めている。増産が簡単ではないとの説明を受けたが、この秋の医療崩壊を防ぐために対策を講じるべきだということについて、政府・与党の理解はだいぶ進んだのではないかと思う」と語った。
また、「2つ目は慰労金の話。病院で医療事務等の業務委託を受けている方は同じ現場で働いていても、雇われている事業者が違うということで排除されている残念な仕組みだ。与党からは、そういう仕組みだとの認識はなかったので、早急に、再検討、詰めをしていきたいという話があった。我々からは強く、業務委託であっても同じ敷地内・施設内で一緒に働いているのだから、当然慰労金の対象であるべきだと主張した」と述べた。
さらに、「3つ目は大学生への給付金。学生からは、大学ごとに申請者を受け入れる人数の枠が決まっているんですよね、というあきらめの声があがっている。大学ごとにキャップがあるという前提で、大学が申請要件を厳しくしてしまっているケースがあり、学生が申請をあきらめている状況がうまれてきている。持続化給金も予算を2.3兆円組んでも足りなかったから1.9兆円増額するわけで、学生への給付金も申請されたものを断るのではなく、ニーズに応じて予算の積み増しをしていくべきだと言う話をした。政府・与党は、そういう制度だと現場に言ったことはないが、そのように受け止められているのであれば、状況を調べ、、足りなければ追加することも検討するという回答だった。早急に全国の大学に対して、給付の枠に上限があるのではなく、まずは学生たちの申請をしっかり受け止めることだ、と広報していくことも併せて要請した」と語った。 

 

●コロナ対策に10兆円 予備費とは?何が問題? 6/5 
新型コロナ対策のために政府はさらに予算を積み増そうとしています。それが、第2次補正予算案に盛り込まれた予備費10兆円です。予備費としては過去最大の規模。そもそも予備費とは何か、そして、どこが問題なのでしょうか。小栗泉解説委員が解説します。
予備費 家計に例えると“へそくり”
予備費とは?…緊急なことが起きて予算が足りない時のためにあらかじめ、使い道を決めずにとっておくお金。今回は新型コロナ対策関連に限定しているが、使うも使わないも、また具体的に何に使うかも、政府の判断で決めることが出来る。使った場合は、国会に報告をする。
今回の10兆円は多い?過去の予備費と比較
過去の緊急時に組まれた予備費と比べてみます。
〇 1兆円 リーマンショック後の2009年度の当初予算
〇 8000億円 2011年の東日本大震災のあとに組まれた第2次補正予算
これらと比べても、今回は10兆円ですから10倍で過去最大の規模です。過去最大規模の予備費10兆円、何に使うのか。ある財務省幹部によると、今私たちの手元に配られようとしている10万円の費用が、およそ12兆円。
「10万円をもう1回、国民みんなに配布できると説明したいから」と自民党幹部が財務省に要望して、最終的に麻生財務大臣、安倍総理がこの額を決めたというんです。この10万円の再配布という案には、政権幹部が「なに漫画みたいなことを言っているんだ」と怒ったということで、まだ決まったわけではないので、どういう使い道になるかは、分かりません。
自民党議員語る 政府が避けたいコト
これだけの額、もともとは税金ですから、コロナ対策とはいえ政府が全部自由に使えるようにしていいのか。野党は新たな補正予算案を組んで、その使い道を国会できちんと議論するべきだと主張しています。これに対し、安倍総理は、コロナで第2波・第3波が来た場合、すぐに対応する必要があるので国会で議論するのではなく、あらかじめ予備費として持っておく必要があると話しています。
しかし身内である自民党のある議員は、「予備費10兆円を積んだのは、臨時国会を開きたくないからだろう。ふざけている」と批判。どういうことかというと、改めて予算案を組んで国会で議論したら、予算案に限らず様々な疑惑を野党から追及される場になってしまうかもしれない、だから、政府としてはそういった場を避けたい。それで、あらかじめ予備費を組むという思惑があるということなんです。
桁外れの額のため、本来は国会で野党も巻き込み、スピーディに対応していくというのが筋です。そう出来る懐の深さと信頼感があるのか、いま政府与党に問われているように思います。 
●予備費10兆円 安倍首相、必要性を強調 6/5 
安倍首相は、第2次補正予算案の予備費が10兆円にのぼっていることについて、新型コロナウイルス対策のため「臨機応変な対応が必要だ」と必要性を強調しました。
予備費は具体的な使い道を決めずに計上される経費で、政府の判断で使うことができるため、野党側は「国会がチェックできない」などと反発しています。
社民党・福島みずほ党首「10兆円という予備費、これなんですか。国会の承認なくして出すのは財政民主主義を踏みにじるものではないですか」
安倍首相「新型コロナウイルス感染症については今後の長期戦を見据え、状況の変化に応じて臨機応変にかつ時期を逸することなく対応することが必要であります」
安倍首相は、さらに、今回の予備費については「新型コロナウイルス感染症に関係する経費に使途が限定されている」と説明しました。その上で、「必要な予算に不足が生じた場合に備えて万全の対応をとりたい」と理解を求めました。
一方、政府が「持続化給付金」の手続き業務を委託した民間団体の実態が不透明だと指摘されている問題については、「必要な情報開示を行うことも含めて丁寧な説明を行わせたい」などと述べるにとどめました。 

 

●予備費10兆円!信用できない安倍政権には、これまで以上の監視が必要 6/10 
予備費10兆円という大枚
3,095億円ものお金が、GOTOキャンペーンの事務費だと聞いてひっくり返りそうになった方も多いと思います。今度は、二次補正予算の中に予備費で10兆円の計上。金銭感覚は麻痺しそうです。10兆円というと大き過ぎてピンとこない方も多いと思いますが、2020年度一般会計の公共事業費総額6兆8,571億円、文教費総額5兆5,055億円、防衛費総額5兆3,133億円を考えると、その金額がいかに異様なのかが分かります。
予備費って?
予算は通常なら、使用する項目と共に請求し認められ計上されます。企業では当たり前です。一方で、先が読めない状況であれば、ある程度の予備費が計上されるのはやむを得ないでしょう。これまでも計上されたことがありました。しかしながら、リーマンショック時の経済危機対応で1兆円、原発事故の際は復興復旧に8,000億円と比較すると、10兆円の異常さがわかります。そもそも10兆円も使うのに、何に使うか先に目安を示せないような行政は、普通に考えればお粗末極まりないと言わざるを得ません。
野党の要求により、5兆円は政府に事前に明らかにさせることになりました。更に採決時残りの金額の減額の動議を出しましたが、そのまま可決されました。今回の野党の賛成は、国民の皆さんへの給付遅れが懸念される中、二次補正予算を早急に決めなければならないという環境下では、野党としてはやむを得なかったと考えます。
自分のお立場が分かっておられない安倍首相
安倍総理には、本来、10兆円もの国会の事前審議を経ないお金を使う信用に大きく欠如しています。内閣不支持率が支持率を上回っていますが、不支持の理由の一番が「首相の人柄が信用できない」です。モリ・カケ・サクラでごまかし続け、公文書の隠ぺい・改ざん・破棄に加え、黒川検事長の定年延長では三権分立を揺るがす閣議決定に後追いで法律を通そうとする、IR疑獄や公選法違反等々、安倍政権の政治の私物化スキャンダルが後を絶たないのだから仕方ないでしょう。安倍首相は信用できない人ということです。
今回の10兆円という予備費も国会審議や追及を避ける目的か?また3,095億円にみられるようなお友達へのバラマキに使われる疑惑はないか?という懸念があるます。10兆円予備費の入る二次補正予算は、国民のみなさんの困窮へのサポートであるが故に可及的速やかに通過させなければならないという事態を逆手にとって通したものの、これまで以上に、国会だけでなく国民の監視の目を光らせていかなければならないと考えます。  

 

●予備費10兆円、100年に一度の国難に幅を持って対応するため=安倍首相 6/11 
安倍晋三首相は11日の参院予算委員会で、2020年度第2次補正予算案に10兆円と巨額の予備費を盛り込んだのは、新型コロナウイルスが「100年に一度の国難」であり「予見し難い予算の不足に幅を持って対応する必要があるため」と述べ、理解を求めた。片山虎之助委員(維新)への答弁。
片山委員は、予備費は20年度は当初予算で5000億円、1次補正で1.5兆円だったが、これが今回10兆円に膨らんだ経緯を質問。野党の反対によって5兆円は使途を決めたものの残り5兆円は未定であるとし、省庁の年間予算に匹敵する予備費は「昔の財務省なら体を張って反対した」と懸念を示し、むしろ「3次補正予算を組めばいい」と指摘した。
その上で、5兆円の予備費は消費税率で2ポイント分に相当するとして、消費税率を10%から8%へ引き下げることも提案した。これに対して麻生太郎財務相は「コロナによって消費税率を下げることは考えていない」との従来の答弁を繰り返した。  

 

●10兆円予備費は選挙対策か、安倍政権打破へ野党結集を 6/27 
通常国会が閉幕した。この5カ月間、安倍政権の倫理的腐食と政策的無能があらわになった。持続化給付金や観光・外食産業の支援策の実施における怪しげなトンネル団体の介在と電通への業務委託の実態について、追及を続けなければならない。来年の東京オリンピック開催が危ぶまれる中、電通に巨額の政府事業を受注させることは、オリンピック関連の損失を補填するためではないかという疑惑を招く。ここは政治ジャーナリズムの力量が問われる。
安倍政権の反憲法的政権運営について批判することには、毎度のことながら無力感が付きまとう。
しかし、論点を書き残しておくことは政治学者としての務めであり、今後の政治に対する戒めになると信じるしかない。
安倍晋三首相が通常国会の閉幕直前にイタチの最後っ屁のように繰り出したのは、第2次補正予算における10兆円の予備費である。確かに、憲法87条は、「予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる」と規定している。本年度当初予算の予備費は5000億円で、10兆円といえば通例では補正予算の1回ないし2回分の金額である。野党の要求を入れて、そのうち5兆円についてはおよその使途を明らかにしたが、極めて大ざっぱである。これだけの公金を内閣の裁量で自由に使わせることは、財政民主主義の破壊である。
しかも、第1次補正予算の持続化給付金などの執行をめぐって、政府自身の実施体制がないため、民間団体・企業に丸投げしている。このうえ、10兆円の財政資金について適切な積算と執行管理ができるのだろうか。
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●全てが混乱、会見も開かず “まるで死相”のような安倍首相 7/22 
映像は残酷だ。21日正午からのNHKニュース。午前中に自民党役員会に臨んだ安倍首相を映し出したが、見た人はギョッとしたはずだ。髪は乱れ、顔は土気色。目はうつろで、生気が感じられない。「まるで死相」のような表情は、これぞ政権末期という惨状の象徴だった。
22日から始まる「Go To トラベル」は、今や「Go To トラブル」。朝令暮改の見本市と化している。17日に一度は「補償しない」と決めた「東京外し」に伴うキャンセル料について批判が相次ぐと、急きょ方針転換。実施前日の21日、一転して「補償する」と明言するに至った。支援するはずの観光業界の困惑など、お構いなし。二転三転の要因は、全て政治的駆け引きに過ぎない。
公明出身の赤羽国交相が「補償しない」と表明したことに、同僚の石田祝稔政調会長は「(補償を)国が考えていかなくてはいけない」と反発。裏には党の事情が透けて見える。公明にとって「完勝」を目指す来夏の東京都議選は党の最重要課題。方針転換は、都民の逆風を恐れた公明の事情をくんだに違いない。
実施まで1週間を切った16日の「東京外し」も、菅官房長官が強硬に主張。背景には「感染防止」への科学的根拠はなく、単なる私憤だ。政府を挑発する都知事の「小池潰し」を仕掛けた結果、混乱に拍車をかけた。
そもそも「Go To」の前倒し実施は観光族のドン、二階幹事長の意向に沿ったゴリ押し。政府・与党の中枢が個人的感情や選挙事情などを優先させ、それぞれが勝手な考えで動き出せば収まるものも収まらない。大混乱は当然の帰結で、安倍の顔色が一層、冴えなくなるわけだ。
振り返れば、安倍政権の新型コロナ禍の経済再生策は常に政局絡み。“大物”の思惑が交錯し、どんでん返しの連続。全て裏目に出てきた。
約13兆円もの予算を費やした国民への現金給付が「減収世帯30万円」から「1人一律10万円」にひっくり返ったドタバタも、水面下で「ポスト安倍」を巡る攻防が見え隠れした。安倍が後継者に据えたがる岸田政調会長に「見せ場」を用意したものの、“アンチ岸田”の二階と菅が公明を抱き込み、巻き返したと言われた。
薄汚い思惑含みは霞が関の役人も同じ。トラベルを含めた4事業で構成される「Go To キャンペーン」は総額1・7兆円の巨大プロジェクトだ。仕切ったのは経産省の新原浩朗・経済産業政策局長。昨秋、女優・菊池桃子との“電撃婚”で話題となった人物だ。
安倍の覚えめでたい桃子の旦那は、Go Toの委託費として約3000億円もの予算を獲得。委託先は「電通」を想定していたとされる。ところが、「持続化給付金」の不透明な委託問題が露呈。経産省と電通の癒着が取り沙汰された流れで、Go Toの高額委託費も疑いの視線で見られ出すと、新原氏は早々に“炎上案件”から身を引いたようだ。
元トップアイドルを口説き落とした“一途さ”が嘘のような変わり身の早さ。その結果、4事業の委託先は経産、国交、農水3省に分けて選定をやり直し。実施直前まで旅行支援の制度の中身が定まらない異常事態の遠因となっている。
何せ、Go To トラベルの事務局が観光業界に初めて説明会を開いたのは、実施前日の21日。国交省は旅行業者約1万、宿泊業者約5万の参加を見込むが、登録はまだ始まったばかりだ。
しかも「Go To 感染拡大」との非難に耐えきれず、登録要件にはコロナ対策の徹底を課した。利用者にすれば、後で宿泊先が対策不十分だと判明すると、補助の対象外。値引きをアテ込んだ旅行プランはパーだ。
まさしく国民不在の場当たり対応と見切り発車。制度設計も甘ければ、方針もクルクル変わる前代未聞は、政府・与党のオツム停止をうかがわせるのに十分だ。この政権は既に死に体なのである。法大名誉教授の五十嵐仁氏はこう言った。
「司令塔不在で、政権内部も霞が関も空中分解し、司令塔役を担うはずの安倍首相の存在感は皆無です。感染再拡大のブレーキが求められる中、Go To強行のアクセルを吹かすアベコベ対応で、感染者増は収まらない。右往左往政権の迷走に『責任者、出てこい!』と言いたくなりますが、決して矢面に立とうとしない。
西村コロナ担当相らを“弾よけ”にして身を隠し、混乱の説明を求められても国会の閉会中審査はもちろん、記者会見にも応じない。21日のNHKニュースで私も首相の顔を見ましたが、覇気はゼロ。何をやっていいのか分からず、自信がないから、批判を受ければ撤回の繰り返し。自分の役割を放棄し、完全にやる気を失っているとしか思えません」
安倍の曇った表情は、長期政権の無残な崩壊の始まりを雄弁に物語っている。
異様な顔つきは、21日だけに限らない。最近はテレビに安倍が映るたびに「顔色がヤバい」と、自民党議員は心配の声を上げている。
安倍の持病である潰瘍性大腸炎の大敵はストレス。先月19日、約3カ月ぶりに夜の会食を再開させたが、都内の感染再拡大で再び私邸と官邸を往来するだけの日々に逆戻り。2年前には月1・5回ペースでプレーした大好きなゴルフも、今年は年明け早々2回でお預け。行きつけの六本木の高級ホテル内のスポーツジムにも、1月3日を最後に足を運べていない。
“3密”回避で鬱憤をため込んでいるようだが、何よりツラいのは1月中旬の中東3カ国歴訪以来、半年以上も外遊がストップしていることらしい。安倍ほど外遊の多い首相は過去にいない。再登板後の約7年半で81回、のべ訪問国・地域数176はぶっちぎりの憲政史上最多。文字通りの「外遊」で大型連休や夏季・冬季休暇に気分転換を兼ねた海外旅行の色合いが濃厚だった。
国会閉会後に回復を見込んだ内閣支持率の低迷に加え、ゴルフも海外旅行も封印されてストレス解消もままならない。とはいえ、安倍にとってのストレスフルな日々は市井の人々には当然の暮らし。それだけ無責任首相は「気楽な稼業ときたもんだ」だったのか。
政治評論家の森田実氏が「ピンチな時ほど活力がみなぎるのが、政治リーダーの必要条件。精神フニャフニャのリーダーは国民を不幸にするだけです」と言う通り、ストレスフルな日々に耐えられないヤワなトップの存在自体、コロナ禍では害悪でしかない。
永田町では「3前解散論」が浮上している。「東京五輪中止決定の前」「米大統領選の前」「新型コロナ第2波の前」に解散・総選挙を断行すべきとの考えだ。11月の米大統領選はトランプの敗色濃厚。9月下旬のIOC総会での五輪中止説も流れる中、ひとつでも実現すれば、その瞬間、安倍は政権をブン投げるとの危機感の裏返しでもある。だとしたら一刻も早く辞めさせるのが当たり前だ。
「むしろ、ブン投げてもらった方がいい」と言うのは、前出の森田実氏だ。こう続けた。
「佐藤栄作超えの連続在任記録更新にこだわる総理の周りで浅知恵官僚が勝手にうごめき、長期政権がダラダラ続くよりも、はるかにマシです。古代中国の儒学家・荀子が残した『政事乱るるは則ち冢宰(一国の総理)の罪なり』との言葉は、この国の惨状を言い表しています。もう、安倍政権は引き時です」
政権末期の惨状に正気を失ったような容貌の首相では、この国はもたない。そろそろ、国民が「おまえはもう死んでいる」と安倍に引導を渡す時期である。 

 

●自民・世耕氏「臨時国会を急いで開く理由はない」 7/28 
自民党の世耕弘成参院幹事長は28日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大や豪雨災害への対応などについて、野党側が要求している臨時国会の召集について「予備費が10兆円ほど積まれており、これを適宜使用しながら対応できている状況だ。当面、臨時国会を急いで開かなければいけない理由はないのではないか」と述べた。
また、安倍晋三首相が6月18日以降、記者会見を開いていないことに関し、世耕氏は「ぶら下がりという形ではあるが、首相もメッセージを発している。大きな節目などが来れば、首相の会見もどこかのタイミングで行われると思っている」との見方を示した。  
●額は前代未聞の10兆円。果たしてその使い道は? 7/31 
コロナ禍収束がまだまだ見通せないなか、通常国会は会期延長なしで、さっさと閉会した。「何かあった時に、大丈夫?」「感染第2波、第3波への備えは?」といった心配の声も少なくないが、それに対する政府の答えが、10兆円の「予備費」の支出決定だった。
予備費とは日本国憲法第87条に規定されているもので、「予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて予備費を設け、内閣の責任で支出することができる」とされている。
本来、予算はそれこそ1円単位まで国会で審議されたうえで「使っていいよ」となるものだが、予備費は額が決まってしまえば、あとは政府が自由に使えるお金に化ける(?)ことになる。
必要が生じた時、即座に支出できるというメリットはあるが、国民が納めた血税がもとになっている予算を、国民の代表である国会のチェックなしで使うわけだから、極めて例外的な予算ともいえる。
つけ加えれば、今回は総額約31.9兆円の第2次補正予算の約3分の1にあたる、10兆円という巨額の予備費が組まれたことも異例だ。過去の予備費は通常で5000億円程度、東日本大震災の後でも1兆1600億円(通常の予備費3500億に8100億を計上)だった。
野党は、財政に関する権限は国会の議決に基づくという「財政民主主義」に反する、と批判している。
いずれにしろ、この巨額の予備費、誰が見ても適切だと思えるような使い方をする責任が政府にはあるだろう。 

 

●予備費1兆円超、7日に決定 政府、コロナ対策で支出 8/5 
政府は新型コロナウイルス対策として、1兆2千億円規模の予備費の支出を7日に閣議決定する。2020年度第1次、第2次補正予算の一部を充てる方針。野党は安倍晋三首相の国会出席を要求しているが、首相は拒否の姿勢を崩していない。使途に関する説明が不足したまま、巨費が執行される可能性がある。2次補正には10兆円の予備費が計上されている。
菅義偉官房長官は「予備費は必要に応じて使用する」と述べ、具体的な内容について言及を避けた。
財務省の立憲民主党への事前説明によると、約1兆2千億円のうち、中小企業やフリーランスらを支援する「持続化給付金」に約9千億円を充てる。 
●コロナ対策、予備費1.2兆円支出=持続化給付金で80万社支援―政府 8/6 
政府は5日、新型コロナウイルス対策として2020年度第2次補正予算で確保した10兆円の予備費から、約1兆2000億円を支出する方針を決めた。内訳は、売り上げが急減した中小企業などを救済する持続化給付金に約9000億円、個人向けの緊急小口融資に約2000億円など。7日に閣議決定する予定。
持続化給付金は5月の受け付け開始後、申請件数が急増しており、予算が不足する懸念が出ている。予備費支出でさらに80万社の支援が可能になる見込み。新型コロナの影響で前年同月と比べて売上高が半減した月がひと月でもあれば、減収分を上限として個人事業者に最大100万円、法人に同200万円を支給する。
緊急小口融資は生活苦に陥った世帯に無利子で最大20万円を貸し出す。また、PCR検査など入国者の検疫強化にも300億円前後を充てる。 
予備費は政府の裁量で支出を決められるが、10兆円の規模をめぐり野党から批判が出ている。政府はコロナ禍に臨機応変に対応するために必要との立場だ。 
●予備費から1兆円支出 政府の説明に野党反発  8/7 
予備費の使用に関する政府の説明に、野党が猛反発。
立憲民主・蓮舫副代表「配布された資料、わずかこれ1枚です。3行。これで1兆1,257億円使うのを了解してくれといわれて、さすがにあぜんとしました」
政府は7日の閣議で、持続化給付金などの新型コロナウイルス対策として、予備費からおよそ1兆1,000億円を支出することを決め、国会に説明した。
野党側は、国民に非公開の場での説明だったことなどに反発し、安倍首相が予算委員会で説明するよう求めている。 
●予備費支出を閣議決定 8/8 
政府は7日の閣議で、新型コロナウイルス対策として確保した予備費から1兆1257億円を支出すると決定した。売り上げが半減した中小企業などの法人に最大200万円、フリーランスを含む個人事業主に最大100万円を支払う「持続化給付金」について、申請件数の急増に伴い財源不足に陥る懸念が出ており、9150億円の経費を追加で計上する。
持続化給付金の申請・給付実績について、梶山弘志経済産業相は同日の閣議後の会見で、6日までに約316万件の申請を受け、このうち約294万件、約3兆8320億円を給付したことを表明。今後さらに約80万件程度の給付が必要になると想定されることから、予備費で措置することにしたと説明した。
一方、休業や失業で生活に困窮する人に対し、都道府県の社会福祉協議会から無利子で最大20万円を貸し付ける「緊急小口資金」などには予備費から1777億円を支出。同資金などの特例貸し付けについて公明党は、速やかな財源の積み増しを提案していた。
このほか、日本への入国者に対するPCR検査の実施や、検査結果が判明するまで待機する際のホテルの借り上げなど、検疫体制の強化にも予備費から330億円を充てる。
政府は、新型コロナ対策を迅速に行う必要があるとして、2020年度第1次・2次補正予算で計11兆5000億円の予備費を確保している。今回の支出で残額は10兆1372億円となる。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

 



2020/7
 

 

●許せん! 安倍晋三首相がバラ撒いた「血税60兆円」の内訳 2019/6 
「誰の政治ですか。税金は安倍総理のポケットマネーではありません!」と、社民党の福島瑞穂議員が国会で追及したのは昨年1月のこと。第2次安倍政権発足以降、54兆3621億円を外国へバラまいていることへの発言だが、その額は増える一方なのだ。
「この6月12日にも、安倍晋三首相は集中審議をドタキャンしてイラクに出発。“老後2000万円”問題で揺れる国会を離れてまで“米国とイランの橋渡し”をするとの触れ込みでしたが、トランプ米大統領からは、“取引は時期尚早”と不快感をにじませるようなツイートをされる始末です」と言うのは全国紙政治部記者。さらに、こう続ける。「イランの洪水被害に対し、2億7500万円の緊急無償援助を約束しましたが、永田町では“金を払わないと会ってくれないのか”という声も聞こえてきます」
なんの成果もないまま続けられるバラまきに対し『社会新報』編集次長で、ジャーナリストの田中稔氏は呆れ顔で、こう語る。
「福島氏の質問から約1年半。この間の新たな海外バラまき分として、6月のトランプ来日でF35戦闘機105機購入約束で1兆2000億円、イージス・アショアは基地建設も含め8000億円など、トランプ政権発足後に5兆円超も米国に差し出していることなどを合わせれば、60兆円はバラまいているでしょう。本当は、こういう巨額資金は国会の同意を得るべきなのに、閣議決定だけで行われる。一方で、国民の社会保障は削られるばかり。本当におかしな話です」
さらに、あるベテラン代議士秘書は、こう漏らす。「海外への支出の多くは、各国現地でのインフラ工事を我が国の大企業が受注するためのまき餌。焦げつき分も多く、得をするのは自民党政権と癒着した大企業。今年1月のプーチンとの会談(2016年に3000億円の経済援助を約束)もそうだが、バラまき外交の成果はほぼ皆無です」
これまで75回外遊し、延べ150か国以上を巡った安倍首相。「スタンプラリー外交」という批判も、あながち外れてないかも!?  
●菅 ・ 麻生 ・ 二階、内閣改造裏テーマはカジノ3兆円利権争奪戦 2019/9 
「東京五輪の次の巨大政治利権」と呼ばれるカジノ誘致に横浜市が名乗りをあげ、一気に“本命”に躍り出た。候補地は全国10都市あまりあるが、国の認可の上限は3か所。地元に持ってきたい大物政治家たちが水面下で食うか食われるかの暗闘を繰り広げ、どこに決まるかで政界勢力図が大きく変わる。そのカギを握るのが9月の内閣改造人事だ。
カジノは巨大ホテルや国際会議場・展示場を併設する統合型リゾート(IR)として一体的に開発される。施設の中でカジノ部分の床面積は全体の3%未満と定められ、大規模にするには他の施設を巨大化しなければならない仕組みだ。その規模は空前絶後のものになる。
政府はIR施行令で各施設の基準も定めている。それによると、ホテルの客室の総床面積は「10万平米以上」とされ、これは現在客室数国内最大(3560室)の品川プリンスホテルを軽く超える。国際会議場の基準は「パシフィコ横浜」(5000人)、展示場(アリーナ)は「東京ビッグサイト」を上回り、日本最大級のホテル、会議場、アリーナが建ち並ぶのだ。それが日本に最大3か所である。
投資額は「1か所1兆円」と言われ、総額3兆円の超巨大プロジェクトになる。政治家や自治体が目の色を変えるはずである。
正式に誘致を表明しているのは大阪、横浜の他、北海道、和歌山、長崎だが、横浜の立候補に刺激されて千葉市が幕張新都心へ誘致する方針を固め、愛知県の大村秀章・知事はセントレア空港周辺、河村たかし・名古屋市長も独自に市内に候補地を探している。静岡、宮崎、沖縄なども誘致を検討してきた。
その中でも大阪、横浜のライバルに挙げられるのが大物政治家の後押しを受ける和歌山と長崎だ。
二階俊博・自民党幹事長の地元・和歌山県は大阪万博前の2024年までに人工島「マリーナシティ」に誘致する計画を進め、麻生太郎・副総理兼財務相の実弟の麻生泰・九州経済連合会会長は長崎県が推進しているハウステンボスの「海中カジノ」計画をバックアップしている。
国が認可する3か所のカジノは「首都圏1」「関西1」「地方1」に分散されるという見方が有力で、従来の自民党の選び方であれば政権の実力者である菅義偉・官房長官のお膝元である横浜、二階氏の和歌山、麻生氏の九州(長崎)で分け合う発想になる。
だが、今回はそうならない可能性が高い。カジノ問題に詳しいジャーナリスト・横関寿寛氏が指摘する。
「まず有力なのは大阪。万博成功を考えると落選させるわけにはいかない。維新の会と近い菅官房長官も推しています。首都圏は横浜、そして地方では北海道が伏兵です。4月の道知事選で菅さんが擁立した元夕張市長の鈴木直道知事が誕生し、菅さんは北海道カジノを推すのではないかという見方がある」
そうなれば3か所とも菅氏の“総取り”ではないか。もちろん、二階氏や麻生氏が黙って見ているとは思えない。
3兆円利権争奪戦の行方を左右するのが内閣改造だ。そもそもカジノの所管は複数の官庁にまたがる。
自治体が申請するIR施設の建設を認可するのは観光庁を傘下に置く国交省だが、カジノ運営事業者を審査・監督するカジノ管理委員会は内閣府に置かれて官房長官が握る。エンターテインメント業界は経産省、賭博関連は警察の所管で、ギャンブルの上がりの3割は国庫に納付されるから財務省、ギャンブル依存症対策は厚労省の担当になる。
最高意思決定機関の“カジノ関係閣僚会議”を開く場合、総理の他に官房長官と財務、国交、経産、厚労の各大臣、国家公安委員長(警察担当大臣)の6閣僚がメンバーになる。
安倍首相は内閣改造で政権の要である麻生氏と菅氏を続投させると見られており、2つの席は埋まっている。国交大臣は公明党の指定席となっているものの、国交省と観光庁は建設・観光業界のドンである二階氏の影響力が強く、事実上、ライバル3人が1枠ずつ押さえているとみていい。
カジノ利権を制するには、残る経産大臣、厚労大臣、国家公安委員長のポストに誰が“子分”を送り込むかの勝負になる。これが内閣改造の裏テーマといっていい。
厚労大臣の有力候補が、菅氏に急接近している神奈川選出の小泉進次郎氏だ。いざ、カジノ選定にあたって“進次郎厚労相”がキーマンになる可能性がある。
「厚労省はギャンブル依存症対策として都道府県や政令市に治療拠点病院の指定を義務づけているが、ギャンブル依存は専門の医師や看護師の数が少なく、指定が進んでいない。自治体がカジノ建設を申請しても、厚労大臣が『依存症対策が不十分』と主張すれば大きな減点になる」(カジノ議連幹部)
進次郎氏に近い菅氏にアドバンテージがありそうだ。
劣勢なのは二階氏で、安倍周辺からは幹事長交代で副総裁就任説が流れており、党務の実権を失うとカジノでも発言力は低下してしまう。巻き返すには二階派議員を国家公安委員長や経産相に押し込む必要がある。
水面下では菅vs二階の暗闘は激しさを増している。前出の横関氏が語る。
「二階さんは“ハマのドン”と称される藤木会長と昵懇の間柄で知られる。藤木さんが横浜カジノに大反対しているのは、二階さんと菅さんの代理戦争の構図にみえます」
しかも、二階氏にはまだ切り札がある。「築地カジノ」構想だ。
小池百合子・東京都知事は東京へのカジノ誘致について「IRはプラスの面も、デメリットもある。是非を検討する必要があると、常々申し上げてきた」と態度を鮮明にしていない。だが、東京五輪後の起爆剤として誘致に関心がないわけではない。
「東京都港湾局は今年6月に築地市場跡地、青海、品川〜田町間のエリアの3か所を候補地として、IR誘致についての調査を大手シンクタンクに依頼し、誘致の可能性を探り始めています」(横関氏)
築地跡地に巨大カジノ建設となれば、市場規模からいっても、横浜の山下埠頭をしのぐ好立地だろう。
トランプ大統領の盟友で、元々は大阪進出を目指していた米国ラスベガス・サンズ社のアデルソン会長も、「東京か横浜」と今は名指ししており、“大本命”の東京が正式に誘致に名乗りをあげれば海外資本が雪崩を打つ可能性がある。
有利に見える横浜だが、万が一“落選”となれば菅氏の権勢に大きな傷になりかねない。それを菅氏が阻止できるか。カジノ争奪は権力の座を賭けた戦いになりつつある。 

 

 

●マイナンバーが漏洩しても…政府は「さあ?」 6/23 
特別定額給付金の手続きで、注目を集めるマイナンバーカード。政府は口座のひも付けを義務化したい考えだが、国民には様々なリスクがある。
熟慮されるべきは、「人間中心の社会」という言葉の真意なのである。ビッグデータやAI(人工知能)を駆使する国策「ソサエティー5.0」のキャッチフレーズだ。狩猟、農耕、工業、情報……と進んできた社会ステージを次の段階に引き上げ、<サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立>(内閣府HPより)できる近未来を構築するという。
いきなり何のことだと思われるかもしれないが、これは重大な問題提起であるはずだ。新型コロナ禍のただ中にある現在を、さらにはアフターコロナを生き抜いていくために。
政府は住民票があるすべての人に割り当てた12桁の“マイナンバー”と、預貯金口座のひも付けを義務化したい意向だ。来年の通常国会に関連法案の提出を目指すと、高市早苗総務相が9日、閣議後の記者会見で明らかにした。
当面は1人につき1口座。従来は全口座へのひも付けこそ「国民の負担軽減につながる」と強調していた高市氏だが、プライバシー権の侵害や、情報漏洩の恐れを懸念する声が大きいのに配慮した形らしい。
とはいえ全口座に網をかけたい政府の姿勢に変わりはない。2013年5月に可決・成立したマイナンバー法が、施行前の15年9月に改正された際に盛り込まれた通りの既定路線だ。問題は、それが今回、まるで今後のコロナ対策の一環でもあるかのように語られ、実行が急がれている点である。
高市発言の前提には、一律10万円の特別定額給付金をめぐる混乱がある。オンライン申請で暗証番号を忘れたり、入力を間違えてハネられた人々が全国の市区町村窓口に殺到。連日のシステムダウン、振り込みも大幅に遅れた惨状は記憶に新しい。
政府があらかじめ振込先を承知していたら、こんなことにはならない。全口座をひも付けて、各人の所得や資産の全容を把握できれば、本当に困窮している人だけへの、無駄のない支給が可能。社会保障番号制度が整備されている米国が、条件を絞って、最大1200ドルを直ちに振り込んだように、というのが、高市発言の趣旨だった。
だが、この論法には飛躍がありすぎる。あの混乱の原因は、オンライン申請に取得率わずか16%の、要は社会的に受容されていないマイナンバーカードを無理やり噛ませた愚挙に他ならない。この機に乗じてカードの浸透を企てたスケベ心が卑しい。
政府の個人情報保護委員会(PPC)の報告によれば、18年度におけるマイナンバー法違反またはその恐れのある情報漏洩などの事案は、134機関(地方自治体80、国の行政機関9、民間事業者45)で279件。もちろん氷山の一角だ。制度がスタートする直前、内閣府のフリーダイヤルに相談電話をかけてみた時の絶望を思い出す。
──私はフリーの物書きで、100社近い相手に番号を知らせることになります。取引先が多いと、情報漏洩のリスクも高くなる。怖いのですが。
「情報を不正に提供すれば、厳しい罰則があるので、漏れないことになっています」
──悪意がなくても漏れて、なりすましの被害に遭い、でも漏洩元は不明という場合は? 制度自体に欠陥があるわけだから、当然、政府の責任で、弁償してくれますよね。
「さあ?」
マイナンバーが国民に強いる負の部分を顧みる発想など、政府にはハナからない。そして今回の騒動で明白になったのは、人間を番号として扱うという大事業とはおよそ釣り合わぬ、彼らの恐るべき無能ぶりである。 

 

●鳥越俊太郎氏と舛添要一氏が政治家のコロナ対策アピール批判 7/13 
感染症などの有事にこそ、政治家の力量が問われるものだ。しかし、安倍晋三・首相や小池百合子・東京都知事、吉村洋文・大阪府知事については、新型コロナ対策を打ち出すことで「自らの“アピール”に利用した」との指摘もある。元厚労相で、前東京都知事の舛添要一氏が語る。
「2月末に鈴木直道・北海道知事が独自に緊急事態宣言を発令して評価されたので、安倍首相も真似しようと思ったのでしょう。そうではなく、PCR検査数の拡充や医療従事者用のマスク、防護服の確保などに力を入れるべきだった」
ジャーナリストの鳥越俊太郎氏も、安倍首相と小池都知事の“アピール”についてこう指摘する。
「安倍首相は給付金関連で10兆円以上のおカネをバラ撒きました。経済補償があって“助かった”と思っている人もいるかもしれないけど、元手は全て税金です。バラ撒いたぶんは後に税金を支払うかたちでツケが回ってくる。増税しても足りないぶんは国債を発行して賄っている。緊急事態宣言で経済的に困窮した人が多いタイミングで、自分は懐を痛めずに税金をバラ撒いていい顔をしただけです。
小池都知事も、東京アラートという不明確な基準を打ち出し、レインボーブリッジや都庁のライトアップで、マスコミを注目させることに重きを置いた。都知事選を前にして自分の“選挙活動”に終始したように見えます」
小池都知事は「夜の街」「パチンコ店」など感染リスクの高いスポットを名指ししたが、舛添氏は疑問を投げかける。
「『夜の街』という漠然とした対象を批判することで、夜間に営業する飲食店などの全てが悪いかのように一括りにしていますが、それによって従業員や経営者の生活を脅かしています。営業停止命令でなく、自粛要請を出すだけなので、自粛警察をする人も出てきます。
感染リスクが高いと指定するなら、こうした中途半端な指定や情報公開ではなく、歌舞伎町の全店舗の従業員にPCR検査を実施して、全員が陰性の店には証明のステッカーを貼る。そして陽性者が出た店舗だけ2週間休業してもらうほうがいいと思います。お店にとっても、再びいつ自粛要請がくるか分からない状況よりも、証明ができたり期限付きの休業のほうがいい。休業した店舗には無利子の貸し付けを行なうなどすれば、廃業する店舗も減らせるうえに、感染対策としても有効でしょう」
対策の実効性よりも政治家の支持率が優先された──そう見られているようだ。 

 

●自民各派、解散・人事にらみ活動本格化 麻生派皮切り、資金パーティー 7/15 
自民党麻生派が16日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で4月から延期していた政治資金パーティーを各派に先んじて開く。
他派も9〜10月に相次ぎ行い、一部は合宿形式の研修会も実施。秋に取り沙汰される衆院解散・総選挙や内閣改造・自民党役員人事をにらみ、コロナ第2波も予想される中、派閥活動を本格化させる。
派閥パーティーは選挙の「軍資金」を集める重要な機会だ。例年は春から夏に開かれ、安倍晋三首相や党幹部、閣僚らが詰め掛け、会場は支持者で埋め尽くされる光景が広がる。今年はコロナに配慮して「新常態」での開催を模索、永田町の風景は一変しそうだ。
東京都の新規感染者数が急増する中、麻生派は感染防止に細心の注意を払う。都内のホテルに大型スクリーンを設置した3会場を準備して出席者を分散。収容人数の5割以下となる約3000人を上限とし、従来の立食形式から着席に変更。飲食は提供せず、検温やマスク着用を求める。首相のあいさつは事前収録した動画を再生する。
麻生派が真っ先に開くことから、麻生太郎副総理兼財務相が唱える「秋解散」への布石との臆測を呼んでいる。他派閥はこの場での首相や麻生氏の発言を注視するとともに、「コロナ下でのパーティーの参考にしたい」(二階派関係者)としている。
研修会日程が決まっているのは3派閥。人事や「ポスト安倍」選びに向け、派内の結束を強める狙いもある。細田派は8月23〜24日に、竹下派と石破派はそれぞれ9月7〜8日に予定する。  

 

●自治体財政 コロナと災害への準備整えよ 7/22 
感染症と豪雨災害に対応するには、国の強い支えと地方自治体のさらなる自助努力が必要だ。
新型コロナウイルスの感染拡大により、都道府県は大幅な歳出増を余儀なくされた。休業要請に応じた事業者への協力金がかさんだ。第2波に備え、計画的に準備をしておきたい。
第1波では、財政力の豊かな東京都と、その他の自治体で対応に大きな差が生じた。
東京都は、いち早く最大100万円の協力金支給を決め、事業者の理解を得た。隣接する神奈川県は30万円にとどまった。医療体制整備を優先し、協力金を出さなかった県もある。大阪府は、市町村と費用を折半した。
財政事情を理由に、休業要請など必要な対策をためらうことがあってはならない。政府は補正予算で3兆円の地方創生臨時交付金を確保した。各自治体は、感染状況など地域の実情を踏まえた適切な活用が責務となろう。
住民に現金を支給する市区町村も少なくない。コロナの流行は一段と長期化する恐れがある。安易なばらまきに陥らないよう、目的と効果を十分に検討したうえで施策を実施してもらいたい。
自治体の貯金にあたる財政調整基金を取り崩す都道府県が相次いだ。東京都は、9345億円あった基金の9割を取り崩した。災害の多発で基金が減り、コロナ対策に回せなかった県も目立つ。
増加していた財政調整基金について、国が借金を重ねる一方で、自治体が貯金を増やすのはおかしいという批判もあった。東京都に偏在することは課題だが、今回、緊急時に備えて余力を確保しておく意義が示されたと言えよう。
災害からの復旧には、国の役割が大きい。政府は、九州などの豪雨被害を受けて、今年度予算の予備費も活用して4000億円を上回る被災者支援を行う。迅速に手元に届けることが大切だ。
国と地方はともに、コロナ禍に伴う景気悪化により、税収減が避けられない。自治体は、不要不急の支出がないか、政策を予断なく見直すことが求められる。国に依存するのではなく、主体的な努力を続けることが重要である。
政府は、自治体の借金である地方債を機動的に発行できるようにするなど、地方の財政運営が滞らないよう支援を強化すべきだ。
人口が急激に減少する中で、高齢者医療・介護の需要増、インフラ老朽化に直面し、自治体財政の将来は険しい。不断に体質を改善し、危機に備えねばならない。 

 

●石破氏に逆転され官邸激震 自民支持層の“アベ離れ”ついに 7/22 
安倍官邸に衝撃が走っている。これまで岩盤と考えられていた固いアベ支持層が、ついに“アベ離れ”をはじめた可能性が出てきたからだ。
日経新聞が17〜19日に実施した世論調査によると、安倍内閣の支持率は43%、不支持率は50%だった。官邸に衝撃を走らせたのは、自民党支持層に「ポスト安倍にふさわしい人物は誰か」を聞いた回答結果だ。
2019年5月以降、初めて石破茂元幹事長が安倍首相を抜き、首位に立った。自民支持層の22%が石破氏の名前を挙げ、安倍首相は6月の前回調査から7ポイント低下し、21%だった。安倍首相の強みは自民党支持者から熱烈に支持され、石破氏の弱みは自民党支持者の支持が弱いことだった。ところが逆転した。
しかも、支持者ほど、早期解散に反対している。内閣支持層の75%が「解散は急ぐ必要はない」と答えている。官邸関係者がこう言う。
「石破さんに逆転されたあの調査には激震が走っています。もし、次回も同じ傾向だったら、安倍政権は一気にレームダック化する恐れがある。大きかったのは、内閣支持層の75%が早期解散に反対していることです。『解散している場合じゃないだろ』ということでしょう。これで秋の解散は難しくなった。やったら大敗しかねない。
7年間も首相をやりながらレガシーを一つも残せない安倍さんにとって、唯一の自慢は、国政選挙6連勝です。7戦目に惨敗したら勲章が消えてしまう。こうなったら、どんなに支持率が下落しても来年秋の任期満了まで総理をつづけるしかないのではないか。安倍政権は解散も打てず、野垂れ死にコースに入った恐れがあります」
安倍首相周辺にとって誤算だったのは、国民全員に一律10万円を給付しても支持率がアップしないことだという。10万円をプレゼントすれば、感謝されると計算していたという。いよいよ安倍政権の終わりが近づいてきた。