驕り傲慢 総理の花見

安倍総理のヤジ 
長期の一強独裁政権 驕り傲慢の表れ
「私は総理大臣だ」  気分転換 指さし ヤジ将軍

行政の頭 税金も 財布のお金もゴチャゴチャ
総理の花見
「桜を見る会」 公私混同 驕りの極み 
 


首相 指さしヤジ謝罪11/611/711/811/911/1011/1111/12
ヤジ将軍史三木武吉浜田幸一丸川珠代大西英男初鹿明博宮崎岳志
安倍首相のヤジ2015安倍首相の朝日バッシング
「桜を見る会」ご招待10月11月・・・11/8質疑・・・11/911/1011/1111/1211/13来年度中止決定11/1411/1511/1611/1711/1811/1911/2011/2111/2211/2311/2411/2511/2611/2711/2811/2911/3012/112/212/312/412/5・・・
 
 
 

 

 
 

 

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首相、質問議員にやじと指さし 謝罪するも発言取り消さず 11/6
安倍晋三首相は6日の衆院予算委員会で、質問する無所属の今井雅人氏に対し、自席から指をさしながらやじを飛ばした。議場は騒然となり、今井氏は発言を取り消すよう要求。首相は「座席から言葉を発したことは申し訳なかった」と謝罪したが、発言の取り消しには応じなかった。
今井氏は学校法人加計学園の問題について質問。萩生田光一文部科学相の関与をうかがわせる文書を示しながら「文科省の方が書いた文書か」と質問した。やじの後、今井氏は「あなたがつくったんじゃないの、と指さして(首相は)おっしゃった。大変侮辱だ」と反発した。 
安倍首相やじで審議中断=「つぶやいた」と釈明 11/6
6日の衆院予算委員会で、安倍晋三首相が自席から飛ばしたやじに野党が反発して、審議が一時中断した。
首相は発言を「つぶやき」などと釈明した。
立憲民主党などの共同会派に所属する今井雅人氏は、学校法人「加計学園」による獣医学部新設をめぐる問題を追及。今井氏が文部科学省内で作成されたメモを取り上げ、「誰かが作った」と指摘。内容の真偽をただしていたところ、首相が自席から「あなたが」などと声を上げた。
今井氏は「なぜ私が作れるのか。失礼だ」と抗議。これに対し、首相は「誰か分からない中では、誰だって可能性があり、今井氏だって、私だってとなる。そういう趣旨をつぶやいた。申し訳なかった」などと釈明した。 
加計問題と入試「ごっちゃにするな」色なす首相 11/6
「安倍1強」と言われてきた安倍政権下で、失言や不祥事が相次いでいます。6日午後、安倍晋三首相ら閣僚が出席して衆院予算委員会の集中審議が開かれました。
安倍晋三首相と野党議員の衆院予算委員会の論戦は、残念ながら深みに欠くやりとりが続きました。
首相はこの日、閣僚辞任をめぐり10回近く「責任を痛感」と口にし、「行政を前に進めていく」ことで責任を果たすとの考えを繰り返しました。野党側が角度を変えて質問をしても、似たような答弁ばかり。序盤は答弁メモに目を落としながら発言していましたが、途中からは暗唱するように答え続けました。「責任を痛感」との言葉の重みがどんどんと軽くなっていくように思えました。
棚橋委員長の差配も目につきました。野党統一会派で無所属の今井雅人氏が、加計学園の獣医学部新設問題をめぐり文部科学省内で見つかった文書を手に質問していたところ、首相は自席から「あなたが作ったのでは」などとヤジを飛ばす場面がありました。今井氏が「何ですかそれは。謝罪してください」と首相に発言を求めましたが、棚橋氏は「私には聞こえなかった」。野党議員は委員長席に詰め寄り、委員会運営を整理しようと質疑の一時中断を要求しましたが、棚橋氏は聞き入れません。今井氏に割り当てられた20分間のうち4分近くが、ここで費やされました。
16:10 首相が野党議員にヤジ 加計文書「あなたがつくったのでは」
野党統一会派で無所属の今井雅人氏が、加計学園の獣医学部新設問題をめぐり文部科学省内で見つかった文書を手に質問していたところ、首相は自席から「あなたが作ったのでは」などとヤジを飛ばす場面がありました。
16:50 首相、衆院解散「現時点では考えていない」
2人の閣僚が政治と金をめぐる問題で相次いで辞任したことについて、日本維新の会の浦野靖人氏は安倍晋三首相に対して「任命責任と言うならば、(衆院を)解散して国民の信を問うべきだ」と求めた。首相は「夏の参院選で国民に約束した政策の実現に専念すべきであり、現時点では(解散は)考えていない」と答えた。
17:00 予算委終わる
衆院予算委員会の集中審議は午後5時に散会した。安倍晋三首相は閣僚の連続辞任について陳謝しつつ、「行政を前に進めることで責任を果たす」と強調。萩生田光一文科相も大学入学共通テストへの英語民間試験の活用の見送りを謝罪したものの、「私の責任で制度を作り直す」と辞任を否定した。 
三原じゅん子氏「政権握るの総理だけ」発言に批判 11/6
自民党の三原じゅん子参院議員が党女性局の役員人事に関連し、ツイッターで「政権を握っているのは総理大臣だけ」などと発言したことが波紋を広げている。SNS上では「議院内閣制を分かっていない」「安倍首相による独裁国家だったのか」などと批判が相次ぎ、識者も「言葉に対する敏感さが足りない」と苦言を呈する。 
三原じゅん子氏「政権握るの首相だけ」 責任放棄の指摘 11/6
自民党の三原じゅん子参院議員が自らのツイッターに「政権を握っているのは総理大臣だけ」と書き込み、ネット空間で波紋を広げている。SNSユーザーからは「議院内閣制を知らないの?」という批判も出ているが、そもそも「政権」とは何なのか。専門家に聞き、考えてみた。
自民党女性局長でもある三原氏は1日、ツイッターで党女性局の役員を紹介。これに対し、「こんなんが政権握ってりゃ世の中、良くなる訳ない」と書き込まれると、三原氏は2日に「私たちは政権握っていませんよ(笑)」と反論した。さらに3日には「正確に申し上げましょう。政権を握っているのは総理大臣だけですよ」と投稿した。
役者出身で発信力のある三原氏の言動は、野党批判の急先鋒(きゅうせんぽう)に立っていることなどからも、もともとネット空間で注目されてきた。
6月の参院本会議では、野党が提出した安倍晋三首相への問責決議案に対して反対討論に立ち、本会議場の壇上から「まったくの常識外れ。恥を知りなさい」と批判したのが話題になった。今回のツイートをめぐっても、SNSでは炎上状態に。「政権って一個人が有する力なのか?」「それは独裁政治と呼ぶのでは」といった疑問や批判の書き込みが相次いだ。 
 11/7

 

安倍首相の「ヤジ」遍歴を振り返る 過去には発言撤回も 11/7
安倍晋三首相が国会で野党議員にヤジを飛ばした。こうした事態は異例――でも何でもなく、過去にも見受けられた。ただ今国会の序盤では、自身の側近、世耕弘成・自民党参院幹事長からも、国会での「謙虚で丁寧な対応」を求められていた。
どちらかと言えば、「(野党からの)ヤジにいちいち反応する」(世耕氏が紹介した「声」)印象が強い安倍首相だが、自身が発したヤジでも野党からの反発を招いてきた。どんなヤジが報じられてきたか、あらためて振り返ってみた。
「座席から言葉を発したのは申し訳なかったと思います」
2019年11月6日の衆院予算委員会で、加計学園問題を追及中の今井雅人氏(無所属、立民などの統一会派)が、質問を中断して「総理」と呼びかけた。文部科学省内で見つかっていた文書に関連して質問を行っていたが、安倍首相が今井氏を指さして、
「あなたが作ったんじゃんないの」
と発言したと説明して、「大変な侮辱」「謝罪してください」と反発した。
委員長席周辺ではしばらく、今井氏が指摘した安倍首相の「不規則発言」について、「聞こえなかった」「聞こえた」と理事らが協議していたが、答弁に立った安倍首相は発言したことは認めた。
発言の趣旨については、当該文書は作成者不明で、誰が作ったかは「水掛け論」になって答えようがなく、「誰だって(作成した)可能性があり、今井氏だって私だって...となってしまう」というつもりで「つぶやいた」と説明。一方で「正確な発言ではない訳でございます」「座席から言葉を発したのは申し訳なかったと思います」と陳謝した。
今井氏はなお、発言の「取り消し」も求めたが、安倍首相はこれには応じず、「指をさしてですね、不規則発言がございました」と認めたうえで、
「ああいう形で発言するのは、それぞれが控えないといけない事かもしれませんが...」
と反省を示しつつ、取り消しには応じなかった。「それぞれ」の内容については、自身側だけでなく、野党側のヤジ行為にも釘を刺すかのようにも受け取ることができるし、「指さし行為」と「ヤジ」を意味するとも考えられ、はっきりしない。
審議が終わったあと、棚橋泰文委員長(自民)は西村明宏・官房副長官を呼んで、閣僚席からの不規則発言について「謹んでほしい」と申し入れた。安倍首相と今井氏のやりとりが念頭にあるとみられる。
朝日「首相のヤジはいまに始まったことではないが、」
翌7日付の朝刊社説で安倍首相の国会答弁について取り上げた朝日新聞は、このヤジにも言及し、
「首相のヤジはいまに始まったことではないが、」
と指摘したうえで、「政権の政治姿勢が問われている集中審議のさなかに、不見識きわまるふるまいである」と断じた。
「いまに始まったことではない」安倍首相のヤジについて、17年6月の社説(18日付)で批判的に言及していたのは、これも朝日新聞(「安倍政権 『議論なき政治』の危機」)で、
「首相自ら野党の質問者にヤジを飛ばす。それなのに、野党からヤジられると『私が答弁しようとすると、ヤジで妨害するんですよ』などと繰り返し、審議時間を空費する」
としていた。具体的なヤジ内容については、6月の別の紙面で、6月5日の衆院決算行政監視委員会での「くだらない質問」「いいかげんな事ばっかり言うんじゃないよ」などを伝えている。
さらに2015年段階でも、「安倍首相、またヤジ」(朝日デジタル版、8月21日)の見出しが躍っていた。8月21日の参院特別委員会で、答弁中に混同があると指摘されると、
「そんなこといいじゃないか」
と発言したことを取り上げている。この際は委員長から注意を受けると、発言を撤回した。
他にも、5月の衆院特別委での「早く質問しろよ」、2月の衆院予算委で閣僚の献金問題について質問が出る際にあった「日教組はどうするんだよ」といったヤジにも触れている。2月のヤジについては読売新聞も、野党側のヤジ問題も含めて「ヤジ巡り泥試合 大島・予算委員長が両成敗」(15年2月21日付朝刊)と報じている。
若手時代から「よくヤジ」と報じられたことも
安倍首相については、1993年の衆院選初当選の当初から「よくヤジを飛ばしていた」という自民党同期会メンバーの証言もあり、朝日記事(2018年1月9日「『ポスト安倍』師走の思惑〜(略)」)で紹介している。
また、発言者がのちに訂正したため、必ずしも参考にはならないが、河村建夫・元官房長官が18年12月12日、安倍首相らとの会合を終えて、記者団に一旦は、安倍首相が「若い連中はもっと元気を出して、ヤジがもっと出てもいい」と語ったと説明。しかし程なく、先の内容は首相が言ったものではなかった、と訂正コメントを出したこともあった。
今国会で安倍首相は、冒頭で紹介した世耕氏による代表質問(10月8日)を受け、
「厳しいご忠告も頂いたところですが、この忠告を拳拳服膺(けんけんふくよう=常に心に留めて忘れずにいること)し、野党の皆様からも、謙虚で丁寧な総理大臣だと言ってもらえるよう努力を重ねていきたい」
と意気込みを語っていた。今国会の会期末は12月9日だ。 
やまぬ安倍首相のヤジ 今年だけで不規則発言20回超「民主主義の危機」 11/7
子供に見せたくないなあ、と思ってしまった。深夜番組ではない。国会のテレビ中継である。6日の衆院予算委員会で、国民の範たるべき安倍晋三首相が、またも閣僚席から国会議員にヤジを飛ばしたのだ。これまでも物議を醸した首相のヤジや不規則発言だが、国会会議録を調べると出るわ出るわ、今年だけでその数、20回超……。
6日のヤジは、立憲民主党などの会派に所属する今井雅人氏の質問中に発せられた。
加計学園問題を巡り、文部科学省が公表した文書に萩生田光一文科相が登場することから、萩生田氏に経緯を問う今井氏に、閣僚席の首相が「あなたが(文書を)作ったんじゃないの」とヤジった、とされる。当時の動画を見直すと、首相らしき声で「あなたが……」とつぶやく声が記録されている。
これで審議は一時中断。首相は「座席から言葉を発したことは申し訳なかった」と謝罪したが、発言は取り消さなかった。
振り返れば再登板後の安倍首相、質問中の野党議員に対するヤジが繰り返し問題視されてきたのはご存じの通りだ。例えば、
「日教組は(献金を)やっているよ」(2015年2月19日、衆院予算委。砂糖業界からの農相への献金問題を追及されて。後日、事実誤認として謝罪)
「早く質問しろよ」(同年5月28日、衆院特別委で)
「まあいいじゃん。そういうことは」(同年8月21日、参院特別委で。閣僚答弁の誤りを指摘されて)
「反論させろよ、いいかげんなことばかり言うんじゃないよ」(17年6月5日、衆院決算行政監視委で。加計学園問題をめぐる質問に)――あたりは、読者もご記憶だろう。
だが国会会議録を調べてみると、今年だけでも、話題にならなかった「口撃」を含め、少なくとも13の会議・委員会で26回のヤジなど不規則発言が記録されていた。どれも質問者の質問中に閣僚席から発したものだ。
 11/8

 

安倍首相また指さしてやじ…自民世耕氏からも苦言 11/8
安倍晋三首相が8日の参院予算委員会で、6日の衆院予算委に続いて再び野党の質問者を指さし、やじを飛ばした。立憲民主党の杉尾秀哉議員が、放送局に電波停止を命じる可能性に言及した16年の高市早苗総務相の発言に触れた際、首相は席から杉尾氏とは関係ない「共産党」と、やじ。金子原二郎委員長から「不規則発言は厳に慎んでほしい」と、注意を受けた。
首相は22日まで政権を維持すると、桂太郎を抜いて在職が歴代1位となるが、「宰相の器」には疑問符がつけられつつある。首相に近い自民党の世耕弘成参院幹事長も会見で「常にカメラの向こうには国民の目があると意識することが重要だ」と、苦言を呈した。 
自民・世耕氏 首相のヤジは「適切ではない」 11/8
自民党の世耕弘成参院幹事長は8日の記者会見で、安倍晋三首相が6日の衆院予算委員会で野党議員にヤジを飛ばしたことについて「(ヤジの)中身によらず、閣僚席から答弁ではない不規則発言をするのは適切ではない」と批判した。
世耕氏は「謙虚に丁寧にという気持ちを持ち続けることが何よりも重要だ。常にカメラの向こうには、国民の目があるということを意識することも重要ではないか」とも語った。
世耕氏は、10月8日の参院本会議で「ヤジにいちいち反応するところが嫌いだ」といった首相への有権者の意見を紹介し、「国会審議では謙虚で丁寧な対応に徹するよう強く求めたい」と答弁姿勢に注文を付けていた。 
「壊れたレコーダー」 同じ答弁繰り返す首相に野党批判 11/8
「壊れたテープレコーダーのように、同じことを繰り返す」――。8日の参院予算委員会の集中審議で、立憲民主党の福山哲郎幹事長が安倍晋三首相の答弁スタイルをこう表現した。福山氏が閣僚の連続辞任をめぐり角度を変えながら追及しても、首相は「お決まり答弁」の連発で押し通すためだ。
「責任を痛感している」。菅原一秀前経済産業相と河井克行前法相の連続辞任をめぐり、首相は福山氏から責任を重ねて問われ、最初の8分間で4度、「定番」のフレーズを使った。責任の取り方は「行政を前に進めていくことで果たす」の繰り返し。2日前の衆院予算委で連発した答弁と同じ内容だ。
福山氏は「これまでの説明ではない総理の答弁を」と前置きして質問に入ったが、首相は答弁ペーパーを棒読みするばかり。福山氏が「行政が遅滞なく進むようにするのは当たり前。なぜ(連続辞任の)事態になっているのか」と問うても、同様だった。委員会室は野党議員の「説明になっていないよ!」とのヤジが飛び交ったが、首相は自らの答弁のペースを貫いた。 
蓮舫氏 安倍首相の相次ぐ「やじ」を問題視「あまりにも品位がない」 11/8
立憲民主党の蓮舫副代表が8日、ツイッターに新規投稿。安倍晋三首相が6日の衆院予算委員会に続き、この日の参院予算委でも野党議員にやじをとばし、参院予算委員長に注意を受けながらも両手を広げて「納得してないとのジェスチャー」を示したとして問題視した。
安倍首相は、6日の衆院予算委で加計学園問題を追及する今井雅人氏(無所属、立民などの統一会派)が文部科学省内で見つかった文書に関した質問中、同氏を指さして「あなたが作ったんじゃないの」とやじ。さらに、8日の参院予算委では、立憲民主党の杉尾秀哉氏が放送局に電波停止を命じる可能性に言及した2016年の高市早苗総務相発言について質問した際、安倍首相は自席から杉尾氏を指さして「共産党」とやじ。金子原二郎参院予算委員長が「不規則発言は厳に慎んでほしい」と注意した。
蓮舫氏は「今日、も。杉尾秀哉議員の報道規制に関する質問に対して、総理大臣席からヤジ」と振り返り、「あまりにも品位がないとの私たちの抗議に対し、予算委員長が総理に注意。ところが、その注意の最中に両手を広げ納得してないとのジェスチャーです」と、反省の色を示さない態度を嘆いた。 
安倍首相、再びやじ飛ばす 野党議員に指さして 11/8
安倍晋三首相が8日の参院予算委員会で、質問する立憲民主党の杉尾秀哉氏を指さしながらやじを飛ばしたとして、杉尾氏が抗議する一幕があった。首相は6日の衆院予算委でも野党議員にやじを飛ばし、棚橋泰文衆院予算委員長が不規則発言を慎むよう要請した。短期間で同じ行動を繰り返しており、批判を招きそうだ。
杉尾氏によると、放送局に電波停止を命じる可能性に言及した2016年の高市早苗総務相発言について質問した際、首相が自席から杉尾氏を指さして「共産党」とやじ。金子原二郎参院予算委員長が「不規則発言は厳に慎んでほしい」と注意した。 
もはや恒例 また安倍総理が予算委員会で野次 新聞各紙はどう伝えたのか 11/8
安倍首相のヤジを新聞各紙はどう伝えたか。もう、これだけでも各紙の違いがみえて面白かったのです。
6日の衆院予算委員会で、安倍首相が自席から飛ばしたヤジに野党が反発して審議が一時中断した件。
『安倍首相やじで審議中断=「つぶやいた」と釈明―衆院予算委』(時事通信11月06日)
《立憲民主党などの共同会派に所属する今井雅人氏は、学校法人「加計学園」による獣医学部新設をめぐる問題を追及。今井氏が文部科学省内で作成されたメモを取り上げ、「誰かが作った」と指摘。内容の真偽をただしていたところ、首相が自席から「あなたが」などと声を上げた。》
《首相は「誰か分からない中では、誰だって可能性があり、今井氏だって、私だってとなる。そういう趣旨をつぶやいた。申し訳なかった」などと釈明した。》
さてこれを朝刊各紙はどう報じたか、11月7日の朝刊を見てみました。
まず、『朝日新聞』は2面で『首相、野党議員にヤジ』。加計学園の獣医学部新設についての追及に、
《この問題をめぐり、「丁寧な説明を尽くす」と語ってきた首相だったがいら立ちを隠せなかった。》
首相が以前に言った「丁寧な説明を尽くす」という言葉を引っ張り出してくるあたり、行間に皮肉を感じます。
続いて『毎日新聞』。
『首相ヤジで審議中断 予算委』(5面)。
《首相は過去にも国会審議中のヤジで撤回・謝罪に追い込まれたことがあり、10月8日の参院代表質問で側近の世耕弘成参院幹事長に「これからの審議では、ぜひ謙虚で丁寧な対応に徹していただきたい」と求められていた。》
世耕氏の「ぜひ謙虚で丁寧な対応に」を載せていた。あらためて読むとしみじみします。
『東京新聞』は見出しにその世耕氏を登場させています。
『「加計」で首相ヤジ 世耕氏進言効果なく』(3面)
《首相に謙虚に審議に臨むよう促していたが、効果はなかったようだ。》
ああ、東京新聞に「効果はなかった」と断言されてしまった。
では『産経新聞』にいこう。
『閣僚席からのヤジ 委員長「慎んで」』(5面)
注目したいのは見出しに「首相」の文字が無いことです。
「閣僚席からのヤジ」とすることで、誰がヤジを飛ばしたのかよくわからない。ややこしいですが、もしかしたらあえてこんな書き方をしたのでしょうか。
では『読売新聞』にいきます。読売にはありませんでした。首相のヤジについては。探してみると「国会論戦の詳報」というページにありました。
そこには「審議の主なやりとり」があるのですが(議事録みたいなやつ)、そのなかの一つに「首相不規則発言」という項目があり、「今井氏」「委員長」「首相」の順で発言が掲載されていました。あくまで「きのう国会で話されたこと」を淡々と報じるというスタイルです。
その代わり読売は政治面では「稲田氏 首相へ意欲」と伝えていました。自民党の稲田朋美氏がテレビ番組で首相への意欲を語ったというのです。とくに必要な情報だとは感じませんでしたが、稲田先生頑張ってください。
ちなみに『日経新聞』にもヤジ記事は無し。ただ日経の場合は国会の記事自体が少なかった。『ソフトバンクG7000億円赤字』というニュースに夢中でした。
そういえば10月24日、プロ野球・日本シリーズでソフトバンクが三連覇した翌日が印象的でした。各紙はソフトバンク日本一を大きく報じましたが、日経だけは「ソフトバンクG 強気の投資 岐路」と一面で報じていました。
私は一瞬「ソフトバンク対G(ジャイアンツ)」のことかと思ったのですが、日経だから経済の記事だと気づいたのです。新聞のキャラはいろいろあります。安倍首相のヤジをどう伝えるか、だけでも楽しめます。 
安倍首相またやじ 立憲議員に「共産党」 11/8
安倍晋三首相が8日の参院予算委員会で、質問する立憲民主党の杉尾秀哉氏を指さしながらやじを飛ばしたとして、杉尾氏が抗議する一幕があった。首相は6日の衆院予算委でも野党議員にやじを飛ばし、棚橋泰文衆院予算委員長が不規則発言を慎むよう要請した。短期間で同じ行動を繰り返しており、批判を招きそうだ。
杉尾氏によると、放送局に電波停止を命じる可能性に言及した2016年の高市早苗総務相発言について質問した際、首相が自席から杉尾氏を指さして「共産党」とやじ。金子原二郎参院予算委員長が「不規則発言は厳に慎んでほしい」と注意した。 
安倍首相、再びやじ飛ばす 11/8
安倍晋三首相が8日の参院予算委員会で、質問する立憲民主党の杉尾秀哉氏を指さしながらやじを飛ばしたとして、杉尾氏が抗議する一幕があった。首相は6日の衆院予算委でも野党議員にやじを飛ばし、棚橋泰文衆院予算委員長が不規則発言を慎むよう要請した。短期間で同じ行動を繰り返しており、批判を招きそうだ。
杉尾氏によると、放送局に電波停止を命じる可能性に言及した2016年の高市早苗総務相発言について質問した際、首相が自席から杉尾氏を指さして「共産党」とやじ。金子原二郎参院予算委員長が「不規則発言は厳に慎んでほしい」と注意した。 
「政権握るの」は・・・ 11/8
この方がおよそ政治も歴史も分かっていないことは「八紘一宇」以来分かっていることで、その品のなさも「愚か者」発言で知られているところです。だから、こんなツイッター発言があったとしてもそれほど驚かないのですが、それにしてもひどいですね。
「 三原じゅん子氏「政権握るの総理だけ」発言に批判 「議院内閣制を分かっていない」 自民党の三原じゅん子参院議員が党女性局の役員人事に関連し、ツイッターで「政権を握っているのは総理大臣だけ」などと発言したことが波紋を広げている。SNS上では「議院内閣制を分かっていない」「安倍首相による独裁国家だったのか」などと批判が相次ぎ、識者も「言葉に対する敏感さが足りない」と苦言を呈する。 「政権握るのは正確には総理大臣だけ」 自民党女性局は11月1日にツイッターで局の役員人事を紹介。これに対し「こんなんが政権握ってりゃ世の中、良くなる訳ない……」など批判的なコメントがあり、女性局長である三原氏は同2日に「私たちは政権握っていませんよ(笑)」、同4日に「皆様、コメントが凄(すご)いことになってますね〜(笑) では、正確に申し上げましょう。政権を握っているのは総理大臣だけですよ」などと返信した。・・・ 」
実を申しますと、政権を握っているのは誰かという問いをされたら、なんて答えるべきなのか、私は少し考えてしまいました。「政権」って、この場合どういう意味なのかと、飲み込めなくて。でも、考えてみれば、政府を動かす権限であれば与党を指すに決まってますね。もしもそれを別にしても「総理大臣だけ」が権限を握っているというのは、相当ヤバイ認識ですし、「正確に申し上げましょう」というセリフにいたっては、この方は、この種の問題について知らないのではなく、まともに考えることが出来るレベルにないとさえ思います。これで女性局長というのでは自民党もお恥ずかしいことでしょう。
記事には政治学者による解説がされています。
「 三原氏の一連のツイートに対し、田中信一郎・千葉商科大准教授(政治学)は「結論から言うと、議院内閣制を理解していないの一言に尽きます」。田中氏によると、「政権」は法律で明記されているわけではないものの、議院内閣制においては、一般的には「国会で大多数を占めて首相を選出している側」、つまり政府与党を意味するという。「自民党の女性局長という幹部である三原氏も当然政権の側にいて、与党の一員として政権運営に責任を負う立場です。それにもかかわらず『政権を握っているのは総理だけ』という表現は無責任だし、言葉に対する敏感さが足りません」と批判する。 」
明快ですね。今ならば、政権=自民党+公明党、ということでしょう。どこからどう見ても、「総理が握っている」という意味にはなりません。とりあえず、誰か三原氏に教えてあげてください。 
 11/9

 

首相ヤジ、立憲議員に「共産党」 審議中断に与党も苦言 11/9
8日の参院予算委員会では、立憲民主党の杉尾秀哉氏の質問中に安倍晋三首相がヤジを飛ばし、審議が一時中断する場面があった。6日の衆院予算委でも安倍首相はヤジで陳謝しており、与党内からも苦言が出ている。
ヤジが飛び出したのは、杉尾氏が2014年の衆院選の公示を前に自民党が各テレビ局に宛てた文書を取り上… 
安倍首相の「共産党か」ヤジはネトウヨの常套句! 11/9
つくづく懲りない男だ。昨日8日の参院予算委員会で、安倍首相がまたもや“悪質ヤジ”を飛ばしたことが波紋を広げている。立憲民主党の杉尾秀哉議員が、2016年の高市早苗総務相による「電波停止」発言について質問したときのこと。安倍首相は座ったまま杉尾議員を指差し、「共産党か!」なるヤジを飛ばしたのだ。
杉尾氏は立憲民主党の議員なのに「共産党か!」って……コレ、所属政党を間違えたわけではなくて、ネトウヨがリベラル派や政権批判にレッテル貼りをするときに使うお決まりの文句なのだ。あらためてその品性に愕然とするが、重要なのはヤジがどのような文脈で出てきたかということ。質疑の流れを検証してみると、明らかに、突きつけられた不都合な真実に対する“逆ギレ”であることがわかる。
そのためにも、安倍首相の「共産党か!」ヤジが飛び出すまでの杉尾議員との国会質疑を、振り返っておこう。まず杉尾議員は、公選法違反疑惑で大臣を辞任した河井克行・前法務相の妻で、先の参院選では自民党公認で初当選した河井案里議員が、今春の広島県議選の期間中、複数の自民党県議に現金を持ってきたという中国新聞の報道をあげ、「公選法が禁じる買収や寄付行為にあたるのではないか」「これは極めて重大な問題。安倍首相は事実関係を確認してもらえないでしょうか」と追及した。
すると安倍首相は、「これは内閣の中にいようが外にいようが、与党の議員であろうが野党の議員であろうが、当然、説明責任を果たしていくことが求められているわけであります」と答弁し、議場は騒然。当然だろう。安倍首相が法務大臣に任命した河井克行氏と、その妻で自民党の河井案里氏という「与党議員」に揃って公選法違反という疑惑が浮上しているのに、安倍首相は全く関係のない「野党」まで持ち出して、「与党であろうと野党であろうとこれは同じ」などと繰り出したのだ。杉尾議員も「野党は関係ありません」と突っ込んでいたが、明らかに疑惑を矮小化するためのスリカエ・印象操作ではないか。
次に、杉尾議員は萩生田光一文科相の“資質”とメディアの萎縮について言及。本サイトでも取り上げてきた、大学入学共通テストの英語民間試験の導入をめぐる「身の丈にあってがんばれ」発言を批判し、萩生田大臣を守るために官邸主導で英語民間試験の見送りを決めたのではないかと追及した上で、「今日はどうしても聞きたいテーマがある」と言って、萩生田氏によるあの“報道圧力”文書問題に切り込んだ。
念のため振り返っておくが、これは2014年の総選挙直前に、当時、自民党が在京テレビ局に選挙報道をめぐる圧力をかけた問題だ。『NEWS23』がアベノミクスについて否定的な街頭インタビューを報じたことに対し、安倍首相は「厳しい意見を意図的に選んでいる」と陰謀論まがいの主張をまくしたててブチ切れたのだが、放送から2日後、在京キー局に向けて萩生田光一・自民党筆副頭幹事長(当時)の名前で〈選挙時期における報道の公平中立ならびに公正の確保についてのお願い〉なる恫喝文書を送りつけたのだ。
長らくTBSで報道記者を務めていた杉尾議員は、当事、局内にいた“当事者”の一人としての実感からこう質問した。
「私も当時メディアにいて、この文書を見ました。最後のパネルの下のほうですけども、出演者の発言回数、ゲストやテーマの選定、街頭インタビューや資料映像にいたるまで、事細かに注文をつけています。この文書が出る前日に、TBSの『NEWS23』に総理が出られて、街頭インタビューに対して『編集してますね』と噛みついた。それを受けての文書だと私は理解してます。文面は非常に丁寧なんですけども、内容は、言葉は悪いんですけど恫喝に等しいんですよ。私は長くテレビ報道で仕事をしてましたけど、こんな文書見たことありません。萩生田大臣、なんでこんな露骨な圧力をかけたんでしょうか」
しかし、萩生田文科相は、まったく悪びれることなく「過去にも選挙前にこういう形でメディアのみなさんに、ぜひよろしくということで発出した経緯もございます」などと答弁し、報道圧力を正当化しようとした。これに対し、杉尾議員は「いや、これ以前にこんな文書はありませんよ。ここまで細かく書いているものはございません」と反論。さらに安倍政権による報道圧力の問題を掘り下げるため、2016年2月、当時も総務大臣だった高市早苗総務相が、国会で「国は放送局に対して電波停止できる」という趣旨の発言を繰り出した「電波停止」発言について述べようとした。
ところが、その杉尾議員が高市総務相に、放送法における「政治的公平性」の解釈について問おうとしている最中、安倍首相が大臣席から突如、「共産党か!」なるヤジを飛ばしたのだ。
当然、杉尾氏は「野次らないでください、なに野次ってるんですか、何が共産党なんだ」と反発。速記が止まるなど、国会進行に支障をきたすなか、金子原二郎参院予算委員長が不規則発言を慎むよう注意したが、議場はなおも紛糾し、金子委員長は「もう謝ったんだからいいじゃないですか」などと適当に流そうとした。安倍首相はその間も、腕を組んだまま椅子にふんぞり返り、またもや野党側に指をさして何か口を動かしていた。
この一連の流れをたどれば、安倍首相がどういった文脈でヤジを繰り出したかは歴然だろう。ようするに、自民党議員の重大疑惑に続き、閣僚による圧力問題を追及されるなかで、安倍首相はいきなり「共産党か!」なるヤジを飛ばしたのだ。つまり、ネトウヨ的な不規則発言をかますことで、追及に対してきちんと説明することを放棄し、議場を混乱させているのである。まったく救い難いではないか。
この日の夜の『NEWS23』では、アンカーの星浩氏が安倍首相のヤジについて、「これもまた非常に悪質。こんなに自分の席からヤジを飛ばす総理大臣って私も見たことありません」と述べていたが、その通りとしか言いようがない。
周知の通り、安倍首相はこのつい2日前、6日の衆院予算委員会でも、同じような悪質なヤジを飛ばしている。無所属の今井雅人議員が、加計学園問題をめぐる「萩生田副長官ご発言概要」について、萩生田文科相に「文科省でこのメモは見つかったわけですよね。であれば、これは文科省の人が書いたと思われますが」「文科省で見つかったと松野(博一・元文科)大臣がおっしゃっていますから、内容からして誰かがつくっているわけです」と質問を行ったのだが、そこで安倍首相は自席に座りながら、今井議員に指さして「あなたがつくったんじゃないの」なる陰謀論むき出しのヤジを放った。
それだけはない。毎日新聞デジタル版7日付記事(「やまぬ安倍首相のヤジ 今年だけで不規則発言20回超『民主主義の危機』」)によれば、今年、安倍首相は11月6日までの国会で質問者の質問中に発したヤジは、少なくとも26回に及ぶという。たとえば、2月4日の衆院予算委では、厚労省の統計不正問題に関する統計作成などの政治的中立性への疑問に対して「ないよ、そんなもん」。2月18日の同委では、実質賃金の伸び悩みを指摘する野党議員に「(自民党は)選挙で5回勝っている」と驕りまくったヤジを飛ばした。8日の「共産党か!」ヤジも含めれば、今年だけで27回だ。
もっとも、安倍首相は今年に限らず、これまでも散々国会で追い詰められるたびに信じられないようなヤジを飛ばしてきた。
代表的なのは、2015年2月の衆院予算委員会。当時の西川公也農水相への献金問題を追及していた民主党議員に対し、安倍首相はニヤニヤしながら「日教組!」「日教組どうするの日教組!」というヤジだろう。安倍首相は“民主党は日教組から金をもらってるだろ?”とレッテル貼りをしたわけだが、これは完全なデマ。安倍首相も後に事実誤認であることを認め、発言を訂正するにいたった。
同じ年の5月の衆院特別委に、安保法制をめぐる自衛隊の機雷掃海のリスクについて指摘する辻元清美議員に「早く質問しろよ!」とイライラした調子で声を張り上げた。このヤジの前日、安倍首相は「与党側はこんなに静かに礼儀正しく聞いてるじゃないですか。みなさんも少しは見習ったらどうですか」「議論の妨害はやめていただきたい。学校で習いませんでしたか」などとヤジを批判していたにもかかわらずだ。しかも、安倍首相は「早く質問しろよ!」ヤジの3カ月後にも「まあいいじゃん、それで」というヤジをかましている。まったく反省の色がないのだ。
安倍首相は曖昧な答弁が批判を受けると、すぐに「ヤジはやめませんか、いま私が話してるんですから」「国民のみなさん、私が答弁しようとするとこうやってヤジで妨害するんです」などと被害者ヅラするが、他ならぬ本人が野党の質問をヤジりまくっているのである。
前述の毎日記事では、ベテラン政治評論家の森田実氏が「品格がなさ過ぎる。戦後、こんな首相がいたでしょうか」と苦言を呈しているが、もはや“品格のなさ”というより“サイコパス”ではないのか。実際、安倍首相は2016年5月、松本人志の『ワイドナショー』(フジテレビ)に出演した際、国会でヤジを飛ばすことについてこう話していた。
「(国会でのヤジは)独り言だったんですが、独り言(の声)が大きくなった。修行が足りないですね」
国会で追及される政権の問題や政策の不備について、本来、しっかり国民へ説明せねばならないのに、それを放棄して「日教組!」「共産党か!」などと“独り言”でヤジってしまうのだとすれば、はっきり言ってヤバすぎる。6日の「あなたがつくったんじゃないの」ヤジもそうだったが、安倍首相は完全にネトウヨ的陰謀論に支配されて、おかしくなっているのだろう。もはや常人には理解不能の領域だ。このまま、本当に総理の椅子に座らせておいていいのか。有権者はもっと真剣に考えるべきだ。 
 11/10

 

青木理氏、安倍首相の国会でのヤジに「非常に低劣」 11/10
10日放送のTBS系「サンデーモーニング」(日曜・前8時)で安倍晋三首相が8日の参院予算委員会で立憲民主党の杉尾秀哉参院議員の質問時に「共産党」とヤジを飛ばしたことを報じた。
安倍首相は6日の衆院予算委員会でも加計学園をめぐる文書に関して「立・国・社」会派の今井雅人衆院議員が質問した時に「あなたが」と発言した。
こうした発言にジャーナリストの青木理氏は、行政府の長である首相が「最低限の礼節を尽くして真摯に説明するのは、政治思想の右とか左とかではなくて、近代民主主義の基本的な所作なわけです」とした上で「共産党」とのヤジに「批判の言葉と捉える発想は、あえて言えばネトウヨ的。非常に低劣っていうか。そういう言葉を批判の言葉だと思っている首相が国会で発している、それも野党に対してというところの問題の根深さ。つまり、三権分立とか国会とか行政府が何かという根底が不快じゃないだけでなくて、壊れていく気配じゃないかと僕ら敏感に感じなくちゃいけないと思います」とコメントしていた。 
関口宏 「何だろうこの国会は。ダラダラダラダラ流れていってしまう…」 11/10
10日放送のTBS系「サンデーモーニング」(日曜・前8時)で安倍晋三首相が8日の参院予算委員会で立憲民主党の杉尾秀哉参院議員の質問時に「共産党」とヤジを飛ばしたことを報じた。
安倍首相は6日の衆院予算委員会でも加計学園をめぐる文書に関して「立・国・社」会派の今井雅人衆院議員が質問した時に「あなたが」と発言した。こうした国会に司会の関口宏は「今、国会が開かれている最中ですが、いろんな問題が出てきていて何か僕は緊張感足らなくないかなって感じているんです」と指摘した。
さらにVTRを見て関口は「何だろうこの国会は。ダラダラダラダラ流れていってしまうようなそんな感じが僕はしちゃうんですが」とコメントしていた。 
安倍首相は、ヤジ将軍に成り下がったのか。 11/10
相次ぐ閣僚の辞任や失言、英語検定問題などイラつくことが多いせいか、安倍晋三首相のヤジが止まらない。
先の衆議院予算委員会で立憲民主党の今井雅人氏が加計学園問題を巡り質問したところ、安倍首相が今井氏に対し「文書を作ったのは貴方じゃないか」と意味不明のヤジを飛ばし、質疑は一時中断した。
その口が乾かないのに、今度は参議院予算委員会で立憲民主党の杉尾秀哉議員が、高市早苗総務相による「電波停止」発言について質問したときのこと。安倍首相は座ったまま杉尾議員を指差し、「共産党か!」なるヤジを飛ばしたのだ。
安倍首相の度重なる閣僚席からのヤジは、単なる相手に反論するためのものではなく、今井氏や杉尾氏に発したように意味するものが悪質極まりないものだ。
ただ、彼が飛ばす悪質なヤジが感情を露骨に表す中で、今井氏の時のように「文書は誰でも作れるから、偽文書だ」と言いたいことや、杉尾氏に対してのように「共産党=悪」と決めつけ自身の思想感を表しており、共に意識的なものであるだけに始末が悪い。
安倍首相のヤジについては、今臨時国会の参議院代表質問の際、側近中の側近世耕弘成自民党参議院幹事長からやんわり戒められている。
安倍首相のヤジは、今年に入って議事録中20超の不規則発言として記録されているとのことだ。
このような若手のヤジ専門の議員や、その他大勢の陣笠議員が発するような低俗なヤジを飛ばす首相は今まで見たことも聞いたことも無い。
それだけ、安倍首相の資質の低さや狭量な性格を示しているのだろうが、この人が間もなく憲政史上最も長期政権を担った首相になるというのだからがっかりする。
そう言えば、安倍氏がドナルドと敬愛するアメリかのトランプ大統領が、敵対する者総てに薄汚いヤジや暴言を発している映像を時々見かける。若しかしたら、安倍首相の度重なるヤジはトランプ氏の影響を受けているのかも知れない。 
 11/11

 

「安倍総理がメディアに報道内容を指示」立民・杉尾議員が発言 11/11
8日の参院予算委員会で質問に立った立憲民主党の杉尾秀哉参院議員が、安倍晋三総理大臣が過去に「報道機関の現場記者に直接内容を指示している」と発言したことが注目を集めています。
この質問の時間には、安倍総理が杉尾議員に対し「共産党」とヤジを飛ばしたことも話題になっていますが、質疑のやりとりから報道に関する内容の箇所をお伝えします。
衆院選前に自民党がテレビ各社に文書送付
杉尾秀哉議員(以下、杉尾): もう一つですね、今日はどうしても聞いておきたいテーマがあって、言論表現の自由なんですけど、前回の予算委員会の最後にですね、私もちょっと聞いたんですが、「報道機関に萎縮なんてない」とこういう風に総理は断言されました。だけど私はですね、報道機関に長くいて、総理の言葉はですね、信用できません。例えば2014年11月の日付が入った文書、お配りしました資料です。衆議院解散の前日です。在京テレビ各社に当てた文書、これ当時自民党の筆頭副幹事長だった萩生田大臣が出したもの、萩生田氏が出したもの、これは間違いないですね?
議長: どなたに聞いていますか?…はい、萩生田文部科学大臣。
萩生田光一文部科学大臣(以下、萩生田): ええと、筆頭副幹事長として私と報道局長の連名でお出ししたものです。
議長: はい、杉尾くん。
杉尾: 私も当時メディアにいてこの文書を見ました。最後の、パネルの下の方ですけど、出演者の発言回数、ゲストやテーマの選定、街頭インタビューや資料映像に至るまで選挙報道に事細かに注文をつけてます。この文書が出る前日にTBSの「NEWS23」に総理が出られて街頭インタビューに対して「編集してますね」と噛みついた。それを受けての私は文書だという理解でございました。文面は非常に丁寧なんですけど、内容はですね、言葉は悪いですが恫喝に等しいんですよ。私は長くテレビ報道で仕事していましたけど、こんな文書見たことありません!萩生田大臣、なんでこんな露骨な圧力をかけたんでしょうか。
議長: 萩生田文部科学大臣。
萩生田: これは告示を前にしてですね、事前報道の段階でもちろん政権与党に厳しいものがあることはやむを得ないと思いますけども、いよいよ明日から本番の選挙が始まるというなかで、言わずもがなの公職選挙法、あるいは放送法を守って報道していただきたいということで、党の役員会で打ち合わせの上、当日ですね、これをお配り、お渡し、お送りするんじゃなくて、平河クラブにいらっしゃる社に誤解のないようにきちんと説明をしながら一枚一枚渡そうということで、その時にいた党幹部が私、あの皆さんもうそれぞれ地方に行ってましたので、私の名前で出すことになりました。これは初めてじゃなくて、過去にも選挙前にこういう形でメディアの皆さんに、まああの、ぜひよろしくということで発出した経緯もございます。
「共産党」ヤジで委員会が紛糾
議長: 杉尾秀哉くん。
杉尾: いや、これ以前にこんな文書ありませんよ。ここまで細かく書いているものはございません、ございません。あのね、あのもう一つ伺いたいんです。今日は高市総務大臣に来ていただいた理由なんですけど、大臣は2016年の2月、あの時の総務大臣…ヤジらないでください。総務大臣として、放送法4条の政治的公平性の解釈についてひとつの番組だけでも…何ヤジってるんですか。何が共産党なんだ!何言ってるんですか!ちょっとやめてください。
(場内騒然、数名の野党議員が議長席の周りに集まる)
議長: ヤジじゃないから…(音声放送中止)
(約50秒後、質疑が再開)
議長: はい、えー内閣の皆さん方にお願いしますが、委員会の進行を妨げるような不規則発言につきましては厳に謹んでいただくようにお願いします。小さい声でよろしくお願いいたします。
(再び場内騒然)
議長: いいからいいから。いやいやいや、もう言ったから。もうもうもう。もう謝ったんだから、注意したんだからいいじゃないですか。注意したから。注意したから。
(数名の野党議員が議長席の周りに集まる。蓮舫議員らが抗議)
議長: はい、それじゃあ議事進行。速記起こしてください。改めてご注意を申し上げます。今後、厳に不規則発言については慎んでいただくようにお願いいたします。はい、イワオくん…杉尾くん、杉尾くん。杉尾くん。
「電波停止命令」は民主党時代に同様の発言
杉尾: すみません、私、立憲民主党です。共同会派でございます、新会派でございます。間違えないでください。あの、質問続けますけども、それまで総務省はですね、番組全体を見て判断するという、そういう見解をずっと取っていていました。それをですね、一つの番組だけでも放送局に電波停止を命じる可能性があるって言ったのは高市大臣初めてなんですよ。この発言、変えるおつもり、また再び総務大臣になられましたけど、ありますか?
議長: 高市総務大臣。
高市早苗総務大臣(以下、高市): あの、一つの番組だけで、電波停止を命じる可能性があるという発言を私がした事実はございません。
議長: 杉尾くん。
杉尾: そういう趣旨で答えた、そういう記憶はないですか?
議長: 高市総務大臣。
高市: そもそも放送法の第4条について、ご質問がございましたけど、放送法第4条に定める番組準則、公安および善良な風俗を害しないこと、政治的に公平であること、報道は事実を曲げないですること、意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすること、の4点がございます。放送法は民主党の政権時の平成22年に抜本的改正が行われました。その審議の際にも第4条の番組準則は法規範性を有すること、番組準則に違反した場合には総務大臣は放送法第174条に基づく業務停止命令や電波法第76条に基づく無線局運用停止命令ができること、それらの命令については極めて限定的な状況のみに行うこととするなど慎重な配慮のもと、運用すべきであることについて、平成22年11月26日の参議院総務委員会で当時の副大臣が答弁をされています。私は行政の継続性の観点から、同様の答弁をさせていただきました。
杉尾氏、安倍首相の電話指示を主張
議長: 杉尾くん。
杉尾: いや、違うんですよ。それでね、時間が2分なんでちょっとこれをですね、前回最後に聞けなかったんですけど、こういういろんな積み重ね、これは今2つはほんの一例なんです。総理に伺います。報道機関に圧力を加えたことがないという風に繰り返しておられますけれども、まさか一国の総理大臣がですね、あなたが、個々のニュースや報道内容をめぐって現場の記者、デスク、キャップ、電話で直接注文をつける、そんなことはしていないですよね?
議長: 安倍内閣総理大臣。
安倍晋三総理大臣: え、先ほど高市大臣の答弁についても、高市大臣からですね、明確に杉尾さんの指摘は違うとの主旨の答弁があった、こう思うわけでございますし、民主党時代の副大臣の答弁と同じ答弁をされたということを明確にされていますから、指摘は間違っているんではないか、ということはまず申し上げておきたいと、こう思うところでございます。あの、事実を申し上げております。まあ事実を申し上げると都合が悪いということかもしれませんが、私は事実を申し上げて、先ほどから事実を申し上げているところでございます。その上で申し上げると、私がいちいち電話をかけて圧力をかけたことはないということは申し上げておきたいと、こう思う次第でございます。そういうご指摘をされることは、この場でまさに、この、国民の皆様が見ておられるこの場を使って、そういう指摘をされることは、まさに間違っていると私は思います。
議長: 杉尾くん、時間が来ております。
杉尾: このニュースを流すな、この論調はおかしい、どうして報道しなかったんだ、こういう電話をしています。これだけははっきり申し上げておきます。
議長: はい、以上で杉尾秀哉くんの質疑は終了します。 
 11/12

 

 
 
 

 

 

 

●ヤジ将軍史
怒号と罵声で荒れる通常国会 2010/2/4
美辞麗句を並べる鳩山と突っ込み不足の谷垣
通常国会が始まった。会期は6月16日までの150日間だ。首相の鳩山由紀夫の偽装政治献金疑惑、民主党幹事長の小沢一郎による「陸山会」土地購入事件、さらには沖縄県のアメリカ軍普天間基地移設問題や永住外国人への地方選挙権付与法案とネタにはこと欠かない。
だが、質疑を見ていると、どうも問う方も答える方も、四角四面の堅苦しいやり取りばかりが目立つ。1月21日の鳩山と自民党総裁の谷垣禎一による衆院予算委員会での初対決も味も素っ気もなかった。谷垣の追及も迫力に欠け、鳩山も通り一辺倒の答弁に終始。国民が思わず身を乗り出して、テレビ画面に釘付けになるような質疑を展開してもらいたいものである。
それにしても、相変わらずの下品な野次の応酬は、いい加減してもらいたい。中には女性に対してセクハラ紛いの野次を飛ばす男性もいる。国会は、憲法第41条で「国権の最高機関」と明記されているように極めて権威のある存在だ。聞くに堪えない野次は国会の威厳を汚す。
国会での発言は、本会議や委員会の進行役たる議長、委員長の許可を得た者の発言だけが正規の発言とされ、それ以外は怒鳴っても叫んでも「不規則発言」という扱いを受けるのみで、議事録には「発言する者あり」や「発言する者多し」とだけ記される。
一応、国会法第119条に「各議院において、無礼の言を用い、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない」とあり、あまりに汚い野次は基本的に禁止されているものの、記録に残らないため言いたい放題である。
「ハマコー」の野次伝説
かつて、国会には血気盛んな「自民党の3大野次将軍」と呼ばれるトリオがいた。鈴木宗男、松田九郎(旧長崎2区)、東力(旧和歌山2区)だ。3人は本会議や委員会の前方を陣取り、質問者に十字砲火に野次を浴びせ、しばしば野党の委員長、書記長クラスの大物政治家を震え上がらせた。
1986年10月、衆院本会議で演壇に立った社会党の川崎寛治に3人衆の1人の鈴木が野次った。怒り心頭の川崎は思わず「黙れ」と大声で一言。議長の原健三郎から「不規則発言に対して発言をしないでください」と注意される一幕があった。松田と東は、その後、落選を続け引退。鈴木は今、新党大地代表として民主党とタッグを組み政権の中枢で活躍中だ。その冗舌ぶりは今も健在である。
「ハマコー」の愛称で親しまれる浜田幸一も、3人衆と並んで「ヤジ将軍」で鳴らした。1978年2月、衆院予算委員会で質問に立った社会党の安宅常彦に向け「強姦やったヤツが、法律違反なんて、生意気なことを言うんじゃない、この野郎」と野次り大騒ぎ。
さらに1988年2月には、自ら衆院予算委員長であるにも関わらず、「殺人者である宮本顕治君を国政の中に参加せしめるような状況をつくり出したときから、日本共産党に対しては最大の懸念を持ち、最大の闘争理念を持ってまいりました」と、共産党議長の宮本顕治を殺人者呼ばわりし大騒ぎとなった。
しかも「ミヤザワケンジ君が人を殺したと言っただけじゃないですか」と、「宮本顕治」を詩人で作家の「宮沢賢治」に呼び間違えるというオマケも付いた。「ハマコー」らしい珍言である。
2000年11月には、当時の森喜朗内閣への不信任決議案に対し、反対討論を行っていた保守党の松浪健四郎が、最前列にいた民主党の若手から飛んできた汚い野次に激怒。壇上から民主党席に向かってコップに入った水を掛け大騒動となったのは記憶に新しい。
ユーモアたっぷりの野次を
野次と言えば、自民党結成の功労者として知られ、「策士」、「政界の大狸」との異名を取った三木武吉も、野次に関する数々の逸話を残した。1920年6月、原敬内閣の大蔵大臣である高橋是清が、戦艦8隻、巡洋艦8隻の海軍の拡張を説明中、「国防のごときは、1年限りの経費で済まないものである。海軍においては8年」と言った瞬間、「達磨は9年」との野次が飛んだ。若き日の三木である。
つまり、禅宗の祖とされる達磨大師が、中国の嵩山少林寺で無言のまま9年間、壁に向かって座禅し、悟りを開いたという「面壁9年」と、高橋のニックネーム「達磨」を引っ掛けたものだ。このタイミング抜群の野次に高橋本人も苦笑し、一時、演説がストップしたという。
野次は「議場の華」と言われる。喧喧諤諤互いに激しい論戦を展開するのは大いに結構だが、程度の低い「雑音」や「騒音」ではなく、寸鉄人を刺すようなセンスのいい野次、だらけた議場を一瞬にしてピリッとさせる野次を期待したい。居眠りする大臣たちの眠気覚ましにもなる。 
機転や勘所が大事 「やじ将軍」鈴木宗男代表の流儀 2015/5/30
安保法制関連法案の審議が始まった衆院平和安全法制特別委員会。実質審議2日目から、安倍晋三首相が放った「早く質問しろよ」のやじで紛糾した。5月29日は岸田文雄外相の答弁をめぐって、審議が中断。中途半端な散会に追い込まれた。波乱のスタートだ。
波乱は予想されたが、こんなに早く、荒れるきっかけをつくったのが、首相のやじだったことは間違いない。やじは、論戦を活性化させる期待から「議場の華」といわれてきた。最近のやじ合戦は、果たして「華」といえるのだろうか。
法案の趣旨説明が行われた5月26日の衆院本会議でも、いろんなやじが飛んでいた。1つだけ、心にズシンと響いたやじがあった。
首相が共産党の志位和夫委員長への答弁中、のどを潤すために水を飲んだ時だ。その直前、首相は、自衛隊員による後方支援活動が武力行使になるとの指摘は当たらないと、志位氏の主張に反論した。すると「戦争を知らないから、そういうことが言えるんだよ。沖縄の戦争。調べてごらん」と、低い声が響いた。
発言したのは、昨年の衆院選沖縄4区で初当選した仲里利信議員(78)。米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対した「オール沖縄」候補の1人で、自民党公認候補を小選挙区でやぶった。仲里氏は沖縄戦を経験し、家族を失っている。
戦後生まれ(1954年)の首相にも、恐らく聞こえたはずだ。首相は反応することはなかったが、水を飲んでいたスピードが一瞬、緩んだようにも感じた。 仲里氏にやじの背景について話を聞くと、首相が水を飲んでいるタイミングにあえて、やじを飛ばしたと教えてくれた。静かな議場に声が広がる、「効果」を考えたのだろう。
自民党の国会議員時代、「やじ将軍」といわれた新党大地の鈴木宗男代表(67)に、以前「やじの流儀」について話を聞いたことがある。宗男氏も、やじがもたらす影響や効果を深く考えた上で、発言していたように感じた。
宗男氏によると、やじとは本来「機転や勘所が大事で、頭の良さや、飛ばす側の資質が問われる」という。やじを飛ばしながら、「これ以上言ってはいけないと、ある程度コントロールしていた」というから、かなり、奥深いものなのかもしれない。
最近のやじについては「うるさすぎる」と苦言を呈し、「ただガーガーと言うのではだめ。明るく、場が和むようなものでなくてはならないし、陰湿な言い方もよくない。迫力も必要ですが、今は迫力がなくてうるさいだけですね」。ヤジ将軍というネーミングは、「『やじ馬』といわれれば恥ずかしいが、ゼネラル(将軍)ですから。誇りを持っていた」と振り返った。
そういえば最近、「やじ将軍」と呼ばれる議員はあまり聞かない気がする。そんな現実が、最近の「やじ国会」を象徴しているのかもしれない。 

 

●三木武吉
(1884 - 1956) 日本の政治家。鳩山一郎の盟友で、自由民主党結党による保守合同を成し遂げた最大の功労者。「ヤジ将軍」「策士」「政界の大狸」などの異名を取った。
原敬内閣の高橋是清大蔵大臣が海軍予算を説明中、「陸海軍共に難きを忍んで長期の計画と致し、陸軍は十年、海軍は八年の…」と言いかけたときに「ダルマは九年!」とヤジった。これは、高橋のあだ名の「ダルマ」に、「達磨大師(だるまたいし)が、中国の少林寺で壁に向かって九年間座禅し、悟りを開いた」という面壁九年の故事をかけた、機知に富んだものだった。議場は爆笑に包まれ、高橋も演説を中断して、ひな壇にいた原を振り返り、苦笑いした。普段から謹厳なことで知られる加藤高明や濱口雄幸までが議席で笑い声をあげたという。
原内閣のある閣僚が、何の抑揚もないお経のような調子で、提出法案の趣旨説明をすると、一区切りついたところで「次のお焼香の方、どうぞ」とやじり、議場は爆笑に包まれた。
赤線関係のボスである大阪選出の立憲政友会議員が、その議席からまったく議場に通らないような声で、「一身上の都合で弁明したい」と発言しくどくど弁明を始めると、三木は、「どうぞご登壇ください、ご登壇を」とやわらかくヤジった。その代議士が壇上に上がり一礼すると、「お名前は?」とヤジり、その代議士が「○○だんね。覚えときなはれ」と大阪弁で名乗った。するとすかさず「ご商売は?」とヤジり、その代議士は何もいえなくなってしまい、その人物の職業は誰もが知っているため、議場がわいた。  

 

●浜田幸一
政界の暴れん坊・ハマコーさん
浜田幸一 (1928 - 2012) 日本の政治家、タレント。株式会社YAMATO名誉顧問。自由民主党の衆議院議員として通算7回の当選に及び、衆議院予算委員長、自由民主党広報委員長、自由民主党副幹事長などを歴任したが、国務大臣の任命経験が得られないまま、1993年(平成5年)に政界を引退した。「ハマコー」の愛称で知られ、また、「国会の暴れん坊」「政界の暴れん坊」の異名をもつ。政界引退後は「政治活動家」と自称していたほか、テレビ番組 『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日)では、「悪党党幹事長」を名乗っていた。
「元ヤクザ」
テレビ等のメディアにおいて「千葉でヤクザをしていた」と公言。自身の著書において、第二次世界大戦後、法律の枠外に置かれた在日朝鮮人の不良行為に対して我慢ならず現場を見つけては撃退していたと語っている。
傷害事件を起こすなどし、以後、さまざまな非行を重ねて「木更津のダニ」(「町のダニ」とも)の悪名をとった。TVタックルでは、富津のダニと言っていた。この渾名は当時(1951年(昭和26年))の地元の新聞記事でも用いられている。24歳のころケンカに巻き込まれ、相手を刺してしまい、『日雇い人夫浜田幸一』の見出しで報じられた。この時、浜田の母が、木更津で最も有名な弁護士を雇い息子を助けた。
自ら「尊敬する人物」と公言してはばからないのが熱海の暴力団、稲川会初代会長の稲川聖城であった。上記の事件で懲役1年の実刑判決を受け、刑務所へ服役、出所してみると所属していたヤクザ組織は稲川組に吸収されていた。1950年代半ば、所属する組の親分が死んだため稲川に相談したところ、別の道を考えたほうがよいと言われ、政治に関心があると答えると、児玉誉士夫に紹介してくれた。後年『新潮45』の企画にてビートたけしと対談した稲川は、「あれでいいところもあるから監督(たけしのこと。「芸人ビートたけし」としては五寸の挨拶は許されないため、「映画監督北野武」として処遇)も面倒みてください」と浜田を気遣っていた。
児玉邸に2、3年住み込み下働きを務め、その後約10年間小佐野の経営する国際興業で不動産取引の勉強をした。児玉とかつて所属していた組に援助され、富津町議会議員から千葉県議会議員になった。公費では運転手は付かないため、そのあいだ浜田は移動用の車と運転手の面倒をみてもらった。この運転手が後のバーニングプロダクション社長・周防郁雄である。1969年(昭和44年)に衆議院議員選挙に挑戦して初当選した。国会議員になってからは児玉と小佐野賢治に加え笹川良一や町井久之が後援者に加わったとされる。当選後ある議員に「あいつはヤクザじゃないか」と罵られた時、「自分は確かに、かつて一時期そういう時代もあった。それを否定しない。その過去を責められたら素直に認める。しかし、それをもって私の存在自体を否定したり、また再びチャレンジ(=再チャレンジ)できないような社会をつくってはいけない」と述べている。
政治学者の高畠通敏は、1980年代半ばのフィールドワークにおいて、当初はヤクザ上がりの政治家だと思っていたところ、「地元では、浜幸を"現役"ヤクザの一員として誰も怪しまない」ことに驚いたという。
成田空港問題
千葉県議会議員・千葉県選出の国会議員として、成田空港問題とのかかわりが深い政治家であった。
三里塚での空港建設が閣議決定された直後の1966年8月17日に、浜田は自民党県議団の一員として現地を視察したが、その際反対派に取り囲まれ、警察によって進路が確保されるまで一時立ち往生している。
1968年2月26日に、三里塚芝山連合空港反対同盟と新左翼学生らが成田市街地で機動隊と衝突した際、千葉県連青年部長として現地に派遣された浜田は、地元議員の伊能繁次郎・自民党学生部長の佐藤文生らとともに、流血の惨事を目撃した(成田デモ事件)。
新東京国際空港(現・成田国際空港)開港前に、浜田はテレビ討論で三里塚闘争のリーダーである戸村一作に「あなたは農民でもないのに、なぜ反対するのですか」と非常に厳しく糾弾し、戸村を憤慨させた(戸村は成田市三里塚の中でも、空港敷地外である市街地に居住しており、農民相手の農機販売業を営んでいた)。
1978年3月26日の成田空港管制塔占拠事件を受けて、同年4月4日に開催された自民党衆参両議院総会で、青嵐会に属するタカ派議員であった浜田は、福田赳夫に対して「この(福田)内閣には統治の責任が欠けている。現行法で何ができるのか。立党の精神、政策綱領を守り、自由主義国家の責任ある体制強化を図らねばならない。5月20日の(出直し)開港に当たって、『火炎瓶攻撃を仕掛ける者があれば射殺せよと命令する責任がある』と首相は明言すべきだ。射殺することが法に触れるかどうかは裁判をやってみればよい。政権を投げ出してでも、国民の信頼を取り戻す首相であることを願う」と強硬論を主張し、福田が現行法を最大限活用するとともに足りないことは新立法を用いて成田開港と日本全体の治安を確たるものすることを約束したうえで「浜田君から訓示めいた話があったが、私は訓示を聞くまでもなく日本国に責任を負っている」と答えた。これに対し、浜田は「訓示というつもりではない。あなたの将来は短くても、国家の将来は長いのだから」と述べた。
同4月7日の運輸委員会でも、浜田は日本共産党・日本社会党・極左暴力集団・戸村を厳しく批判したうえで、成田空港問題に取り組んできた友納武人前千葉県知事を賞賛するとともに、大塚茂新東京国際空港公団総裁を激励した。
浜田は一方で、反対派と行政側が話し合いをする前段階として「地域振興連絡協議会」が開港後の1990年に設立される際に、広い参加を呼び掛ける反対同盟熱田派と沼田武千葉県知事と間で斡旋を行った。
後述する自由民主党本部放火襲撃事件や1984年(昭和59年)11月27日に木更津市にあった浜田の事務所への放火事件も、成田空港問題絡みの中核派による左翼テロとされる。
金丸信
川島派解散後は無派閥となったが、田中派の金丸信の所へ押しかけ強引に用心棒となった。金丸の関係者は浜田を侍らすことを心配したが、金丸は「なんとかとハサミだ。あれはあれで使い道がある」と意に介さなかったという。ただし、副幹事長時代、社会労働委員長の田川誠一が約束の日に採決を取らなかった際、幹事長の金丸に真顔で「田川を刺します」と言い、これにはさすがの金丸も止めたらしい。
ハマコーの武功
1979年(昭和54年)、自民党が内部分裂状態となった四十日抗争で、党内の反主流派が両院議員総会を阻止するために築いたバリケードを強行突破し、両院議員総会の開催を導いた。
当日、大平正芳と面会した際、大平に「浜田君、(この騒ぎ)何とかならんかね」と言われ、「わかりました」と返答し党本部ロビーへ向うと反主流派がバリケードを築いていた。党の備品である椅子や机でバリケードを築いた反主流派に対して自分の私的所有物でもない物品でバリケードを築いたことに怒りを爆発させる。
バリケードを一人で破壊する姿はテレビでよく流される。この時に、「いいか、断っとくけどなー。かわいい子供達の時代のために自民党があるっちゅうことを忘れるな!お前らのためにだけ自民党があるんじゃないぞ!」という演説を張る。実際は、浜田がバリケードを突破するところではなく、主流派が部屋に乗り込んだ際に破られていたバリケードを片付けている最中の姿であった。しかしこの場面はテレビで何百回と繰り返し放送されたため、浜田がバリケードを築き、騒ぎながら椅子や机を投げ飛ばしていると勘違いされている。
浜田は前日にテレビ各局に「明日、やるからな」と電話をかけた上でのことだったが、「NHKに出ると必ずこの時の映像が流れる」と本人も苦笑していた。 浜田本人は“片付け”をしたと何度も著書内などで記述。バリケードを片付けて帰ってきた浜田に、大平は笑顔で「ご苦労さん」と言ってくれたと言う。
ラスベガス事件
1980年(昭和55年)3月6日に発覚した。1973年(昭和48年)11月に「ラスベガスのカジノで、当時の為替レートに換算して4億6000万円程度を一晩ですってしまった」事件である。
当然そんな大金を浜田が用意できるわけはなく、当時浜田が不動産関係で世話になっていた小佐野賢治が代わりに用立てて支払った。ところが、その金が実はロッキードから小佐野に流れた金であるとのアメリカ合衆国議会での証言が、アメリカ合衆国で行われ大騒ぎになった。浜田も言うとおり、ロッキード事件とは直接関係はなかった。
しかし、ロッキード事件渦中の小佐野から大金を用立てされている繋がりや、当時の外国為替管理法に違反し、届け出無しで外国に日本円を持ち出して、アメリカ合衆国ドルへ両替した事実(発覚時は公訴時効が成立)なども報じられ、また刑法で賭博を禁じている立場の与党国会議員が、脱法的に海外で賭博を行ったことへの道義的非難も受ける。
野党も「浜田問題」を与党追及の柱に掲げたため、まずは党の国民運動本部長を辞任、ついで議員辞職を余儀なくされ、さらにこの年に行われた総選挙へ自民党の公認が得られなかった。自ら出馬を見送り収入の無くなった浜田は、小佐野の不動産会社で真面目に働き、土地の売買等を通じて数年かけて借金を全額小佐野に返済したと語っている。
なぜ4億6000万円という金額になったのか、一体何をしたのかを、テレビ番組で平沢勝栄に問われ、「一度失敗すると500万失くす」ゲーム(バカラ)で損失が膨らんだと答えた。また、当時のことを振り返り、「ラスベガス大学に留学していた」と自嘲し、笑いを誘うことがあった。
現地の日本人向け旅行会社では、ツアーガイドが浜田が大損をしたホテル(サンズホテル(英語版))の前で「あれがかのハマコーさんが4億5000万円をすったホテルです」とアナウンスをしていた。本人もこの事をネタにしていた。
法相殴打事件
1984年(昭和59年)9月19日に、自由民主党本部が成田空港二期工事に反対する新左翼の中核派に放火され、炎上した。浜田はいち早く駆けつけ消火にあたった。そこへ当時の法務大臣であった住栄作が酔っ払った状態で現れ、「マッチポンプな真似しやがって」と発言した。それに怒りを感じた浜田は、住を殴りつけてしまった。後に住は発言が不適当だったことを認め、浜田に謝罪した。
1984年(昭和59年)9月20日に、日本テレビのワイドショーにおいて、浜田は「(自民党本部放火事件の)責任はだれにあるというかというと、泳がしていた我々にあると思いますよ。『中核派』を泳がしていた。やっぱり法律違反で破壊するものを泳がした。そういう一つの政策の誤りがあるんじゃないですか」と「過激派の泳がせ政策」を認めている。
1984年(昭和59年)11月27日には、中核派によって木更津市の事務所に時限爆弾を仕掛けられるなど、激しい攻撃も受けた。
「宮本顕治人殺し」発言
1988年(昭和63年)の通常国会で衆議院予算委員長に就任。2月6日、予算委員会で質疑に立った日本共産党の正森成二議員が、「過激派への政府の対応は、泳がせ政策ではないか」との趣旨の発言をし、竹下登首相が「泳がせ政策などをとったことはない」と答弁した。
これに対し正森が、自由民主党本部放火襲撃事件後にワイドショーで当時同委員会委員長だった浜田が述べた発言を引用したところ、浜田はその発言を認めたうえで「我が党は旧来より、終戦直後より、殺人者である宮本顕治君を国政の中に参加せしめるような状況をつくり出したときから、日本共産党に対しては最大の懸念を持ち、最大の闘争理念を持ってまいりました」と主張した。正森は激昂したが、浜田が正森の言う「泳がせ政策」発言を肯定したこともあり、正森は浜田とのやり取りを打ち切り、他の質問に移った。
しかし委員会終了間際、円ドル為替問題についての質疑中であった正森に、唐突に浜田が、
「 昭和八年十二月二十四日、宮本顕治ほか数名により、当時の財政部長小畑達夫を股間に……針金で絞め、リンチで殺した。このことだけは的確に申し上げておきますからね。私が言っているのは、ミヤザワケンジ君(宮本顕治の誤り)が人を殺したと言っただけじゃないですか。 」
と発言(日本共産党スパイ査問事件を指す)。正森が発言の撤回を求めて抗議し、委員会室は一時騒然となった。
浜田本人は、この国会中継の審議の模様はNHK総合テレビで生放送されており、中継放送の終了時間を逆算したうえでの、自分の意見と共産党の意見は違うと印象づけるための確信的発言であると述べている。
この時、浜田を予算委員長に推薦した金丸信の妻・悦子は「バカ!あんたなんか死んじゃえばいいんだ」と号泣した。浜田は、自分の首と議事録削除阻止を狙っていたが、結局予算委員長を辞任した。NHKはこの模様を時間の関係上途中で打ち切って「大草原の小さな家」を再放送したことに対し、NHKには苦情の電話が殺到した。
後日国会議事堂の廊下で正森とすれ違った際に、浜田は「俺の首を獲りやがって」と発言したが、目は笑っていたという。  

 

●丸川珠代
日本の政治家、元テレビ朝日アナウンサー。自由民主党所属の参議院議員(2期)。丸川は旧姓であり、戸籍名は大 珠代(おおつか たまよ)。愛称は「丸珠」(まるたま)。第3次安倍第2次改造内閣で国務大臣、第3次安倍第1次改造内閣で環境大臣(第22代)及び内閣府特命担当大臣(原子力防災)を務めたほか、厚生労働大臣政務官(第2次安倍内閣)、参議院厚生労働委員長等を歴任した。 夫は自由民主党衆議院議員の大塚拓。
人物
クイズプレゼンバラエティー Qさま!!(2007年5月21日放送)では丸川も出演者の一人だったが、参院選出馬が報じられた後だったため、オンエアでは丸川が映っているシーンはカットされていた。
丸川を含む参議院自民党の議員の議会におけるヤジがたびたびメディアで報じられ、伊吹文明から苦言を呈された。
2010年3月25日、参議院厚生労働委員会で与党・民主党の主導により子ども手当法案が強行採決された際、厚生労働委員長の柳田稔に対し「この愚か者めが!」「このくだらん選択をしたバカ者どもを絶対忘れん!」と委員会室で絶叫した。自民党は同年5月20日、「この愚か者めが」をデザインしたTシャツを発売した。
2010年5月21日、参議院本会議において鳩山由紀夫内閣総理大臣(当時)に対して「ルーピー」と野次を飛ばした。 (新ヤジ将軍誕生。21日午前の参院本会議で、鳩山由紀夫首相が地球温暖化対策基本法案の答弁に立った際、自民党の 丸川珠代参院議員(39)らが大声で「ルーピー」とヤジを飛ばし議場が騒然となった。「ルーピー」とは、米紙ワシントン・ポストが4月に首相を酷評する際に使用した言葉で、「愚か」などと訳される。すでに、首相夫妻を モデルにしたルーピーTシャツなども発売されており、今回、とうとう国会のヤジでも登場した格好だ。丸川氏は、民主党が子ども手当法案を強行採決した際にも、「この愚か者めが」「この下らん選択をしたバカ者どもを絶対忘れん」 などと痛烈に抗議。それが話題となり、自民党は「この愚か者めが」Tシャツを6月初旬から発売する。アナウンサー時代とはうって変わった丸川氏の変身ぶりには、「いったい何があったの?」(自民党中堅)と、クビをかしげる向きも出ている。)
自民党は2014年から「120万党員獲得運動」を始め、所属全議員に新規と継続を合わせた党員を1千人以上集めるよう指示し、達成しなければ不足1人につき2千円の罰金を命じていたが、丸川は2016年2人の獲得に留まった。 

 

●大西英男
大西英男衆議院議員 ヤジ将軍の失言 
自由民主党所属の衆議院議員(3期)。元総務政務官。元東京都議会議員(4期)。元江戸川区議会議員(4期)。
「まず自分が子どもを産まないとダメ」発言
2014年4月の衆議院総務委員会で、上西小百合議員の質問中に「まず自分が子どもを産まないとダメだぞ」とヤジを飛ばし、問題となった。
大西は当初、ヤジを行った「記憶がない」と述べていたが、後にヤジは自分が飛ばしたと認め、上西に謝罪した。
大西は自身のウェブサイトで「(上西に対する)親しみから不用意な発言をし、ご迷惑をおかけし反省している。今日午前中に謝罪の電話をおかけし、快く受け入れていただいた」「今後、発言に十分に注意するよう肝に銘じ、ライフワークである少子化問題にさらに一層の努力を続けたい」と記載した。
石破茂自民党幹事長は、電話で「二度とこういうことがないように」と大西に厳重注意した。さらに、石破は自民党所属の国会議員および地方議員に対して「発言に十分注意し、議会人として厳に自己を律して行動する」よう求める注意通達を出した。
森雅子少子化担当相は、「マタハラ、妊娠出産の女性へのハラスメントだ。党派を超え女性の立場として断じて許されない」として大西のヤジを批判したが、大西は「セクハラや女性蔑視ではない」と述べた。
高木陽介衆議院総務委員長は、「思慮のない発言は到底許されない。各委員は国民の負託の重大さを受け止め、品位を重んじて委員会活動に臨んでほしい」とする談話を発表した。
毎日新聞は社説で「女性を蔑視した」、「『女は産むためのもの』と言わんばかりのヤジ」、「女性に『結婚しろ』『産め』といった言葉を投げつける行為は、場所がどこであれ許されない」と大西のヤジを批判した。しかし大西は「女性だけでなく、男性の若手にも『日本のためにも、早く結婚して子どもをつくった方がいい』と言っている。女性蔑視とは考えていない」として、女性蔑視にはあたらないと主張した。
「マスコミを懲らしめる」発言
2015年6月25日、自民党内の勉強会文化芸術懇話会において、「マスコミを懲らしめるには、広告料収入がなくなるのが一番だ。文化人や民間人が不買運動、日本を危うくするマスコミはとんでもないと経団連などに働きかけてほしい」と発言したことが明らかになり問題となった。
安倍晋三首相は、翌日の衆議院平和安全法制特別委員会で「(大西が発言したという)報道が事実なら大変遺憾だ」と述べた。
その日の午後の審議では、冒頭で浜田靖一委員長が「そのような趣旨の発言があったことが分かった」と認め、「甚だ遺憾だ」と述べた。
菅義偉官房長官も「報じられたことが事実だとすれば、どう考えても非常識だと思う。国民の審判を受けて国会に来た人は、自らの発言に責任を持つべきだ」と述べ、大西の発言に不快感を示した。
谷垣禎一自民党幹事長は大西を厳重注意し、同月30日に再度大西を厳重注意した。しかし大西は同日、自らの発言に「問題があったとは思わない」と反論した。そして「日本の国を過てるような報道に対しては広告を自粛すべきだと個人的には思う」と自身の発言を正当化した。さらに「(報道機関を)懲らしめようという気はある」と繰り返した。これに対して二階俊博自民党総務会長は「言いたい放題を言って歩いたらいいというもんじゃない」と述べて大西を批判し、公明党の大口善徳も「党のガバナンス(統治)にも関わることで、看過できない」と自民党側に伝えた。
公明党の山口那津男代表は、「報道の自由は憲法で保障された基本的人権の中核で、それを損なうような発言は厳に慎むべきだ」と述べた。
自民党岩手県支部は自民党本部に対して「報道機関に圧力をかける発言をした大西英男衆院議員が党から厳重注意を受けながら、問題発言を繰り返したことに強く抗議する」との抗議文を送付した。
大西の問題発言を受け、安倍首相は衆議院特別委員会で「(発言は)大変遺憾だ。非常識で、国民の信頼を大きく損ねる発言で、看過できない」と述べ、「党を率いる総裁として国民に心からおわびを申し上げたい」と謝罪した。
各メディアからも批判の声が上がった。読売新聞は「看過できない『報道規制』発言」(6月27日)、毎日新聞は「言論統制の危険な風潮」(6月27日)、朝日新聞は「自民の傲慢は度し難い」(6月27日)および「陳謝でも消えぬ疑念」(7月4日)、日本経済新聞は「懲らしめられるのは誰だろう」(6月28日)、産経新聞は「与党議員の自覚に欠ける」(6月30日)と題した社説で、それぞれ大西を批判した。
ジャーナリストの池上彰も、「(大西の発言は)そもそも民主主義の基本においてありえないこと」と批判した。
「巫女さんのくせに」発言
2016年3月24日、衆議院北海道第5区補欠選挙の応援で北海道内の神社を訪れた後、細田派の派閥会合で「世話を焼いてくれた巫女さんは20歳くらいで『自民党はあまり好きじゃない』と言う。『おい、巫女さんのくせになんだ』と思った」と発言し、さらに「ひとつ口説いてやろうと思った」「巫女さんを誘って夜、説得しようと思った」と述べた。
直後に挨拶した派閥会長の細田博之幹事長代行は、「ちょっとハラハラしながら(大西の発言を)聞いていた。言動に十分注意して、本務に精励していただきたい」と制した。
大西はこの会合中に発言を撤回した。
谷垣禎一自民党幹事長は、「(大西の発言は)意味不明であり、誠に不適切」と不快感を示し、二階俊博自民党総務会長は、「国会議員は発言、行動を自ら戒めるべきだ」とコメントした。
小此木八郎国対委員長代理は「はばかり、恥じらいといった気持ちをまず人間として持つことが必要」と苦言を呈した。
北海道内の神社関係者からは「神社にいる者を軽んじる発言で腹立たしい。神社関係者は自民党支持者だと決めつけているようだ」という批判の声が上がったほか、北海道内に住む巫女からは「私たちだけでなく女性を侮蔑した発言だと感じて不快」との声も上がった。
「働かなければいい」発言
2017年5月15日、飲食店における受動喫煙対策に関連した自民党厚生労働部会において、三原じゅん子参議院議員が「患者側は店や仕事場を選べない」などと述べたことに対し、大西が「働かなければいいんだよ」と発言して問題となった。
当初は取材に対し、「『(がん患者は)働かなくていい』という発言を私が行ったという問い合わせがあることに驚いている」「私がご指摘のような発言をしたことは絶対にありません」と文書で回答していたが、後に会議の音声データがマスコミに提供されたことにより大西自身の発言であることが発覚した。
大西は、自身は喫煙所を置けない小規模飲食店の廃業・倒産を懸念する観点から、それらの小規模飲食店では喫煙表示の厳格化を条件に喫煙を認めてもいいのではないか、と考えており、当該発言は喫煙可能な店舗で無理をして働かなくてもいいのではないかと述べたもので、「がん患者が働かなくてもいい」いう趣旨ではないが、がんの患者や元患者の気持ちを傷つけたのではないかとして、同月22日に謝罪をおこなった。その反面、「がん患者のご努力を傷つけるような発言はなかった」とも主張している。
5月23日には、発言について下村博文幹事長代行から厳重注意を受け、自民党都連副会長を辞任した。
全国がん患者団体連合会などは「治療と仕事の両立が政策として実行されてきた中で、逆行する発言だ」「怒りというよりも悲しい」と大西の発言を批判した。
大西はAERAの取材に対し、「私の発言の前に行われている受け止め手の議員の方のお話自体が、『喫煙・非喫煙の表示義務を課したうえで、極めて小規模の飲食店に喫煙を認めたとき』に限定された話。私の発言に補足をするなら、『(極めて小規模な飲食店で喫煙を認めたとして、そこで無理して)働かなくてもいい』のはずですが、がん患者全体、オフィスを含めたあらゆる職場における発言をしたように受け止められています」、「(がん患者は)働かなくてよいという趣旨での発言をしてはいないので、発言自体は撤回していません。また撤回したら、あとあと私の政策や信条とつじつまがあわなくなります。小規模飲食店での就労を受動喫煙で敬遠せざるを得ない点については、仕事と治療の両立を掲げる働き方改革の中で就労支援や再就職支援の充実などが重要と考えています。私はこういう主張を報道当初からずっとブログなどで続けてきました」と述べた。
当初は発言したこと自体を認めず、後日報道各社から問い詰められたことにより発言を認めた経緯ついて、現代ビジネスが「この二転三転ぶりには、呆れるほかない」と論じたところ、大西は事務所を通じて、「『喫煙可能な店で、無理をして働かなくていい』という意味であった。回答は、働かなくていいという発言をしたことを否定するものではない。よって、二転三転してはいない」と反論した。
2018年5月8日にダイヤモンド社が当発言について「看過しがたい」と論じたところ、大西は事務所を通じて、「発言の前後関係はちゃんとチェックしたのか」と抗議した。
2018年7月10日の参院厚生労働委員会において、三原じゅん子が大西の一連の行動について、「当初は様子を伺って、世間からの批判が大きくなって初めて、言い逃れのような釈明を行うというのも潔くないなと感じました」と評した。また、大西の発言内容についても、「がん患者の方々もがん患者の就労はまだまだ厳しい中、危機感を持っている。患者らからも怒りや悲しいという声が寄せられたと述べておられました。私も全く同感です」と述べた。 

 

●初鹿明博
「新・ヤジ将軍」が民進党に誕生 2016/10/16
旧民主党政権時代、野党・自民党には多くの「ヤジ将軍」がいた。「愚か者めが!」で話題を呼んだ丸川珠代五輪相、「参院一のヤジ将軍」と呼ばれた西田昌司氏…。現在の野党には逸材がいないのかと案じていたら、今臨時国会で注目株が現れた。安倍晋三首相が思わずその名を口走ってしまう「新・ヤジ将軍」とは、いったいどんな人物なのか−。
9月30日の衆院予算委員会。安倍首相が民進党の細野豪志代表代行の質問に応じている最中、答弁をさえぎるように甲高い声が室内に響いた。ヤジの主に視線を向けた首相は、「また、あなたですか…」と言わんばかりの苦笑を浮かべ、こう答弁を続けた。
「初鹿さんですか? ヤジで(意思を)あらわす方もいますね。御党はこうやってヤジで意思をあらわされるわけですね」
「初鹿さん」とは、民進党の初鹿明博青年局長(47)である。答弁者がヤジに反論することはしばしばあるが、その主を名指しすることは珍しい。ヤジを飛ばしても一顧だにされない議員も大勢いることを考えれば、「悪名は無名に勝る」といわれる永田町にあっては誇るべきことなのかもしれないが…。
初鹿氏は、鳩山由紀夫元首相の秘書や東京都議を経て、旧民主党が政権交代を果たした平成21年の衆院選で同党公認で初当選した。24年11月の衆院解散の日に離党届を提出し、翌月の衆院選には日本未来の党から出馬して落選。浪人中は、みどりの風東京都支部長などを務めていたが、26年衆院選の直前に旧維新の党に入り同党から国政に返り咲いた。その後、今年3月の旧民主、旧維新両党の合流に伴って民進党に参加した。
所属政党の遍歴を見ただけで察しはつくだろうが、とにかく初鹿氏の具体的な政治的主張を吟味してみよう。
24年衆院選の街頭演説会で初鹿氏が配布したビラには、三下り半を突きつけた民主党への批判が次のように書き連ねられている。
「私の考えは全て民主党の方針と正反対になってしまいました。自分の信念を曲げてまで大きな組織に依存し続けることはできないと考え、信念を貫くために民主党を離れる決断をしました」
前述の通り、初鹿氏はその後、民主党が衣替えした民進党に加わり、実質的な“復党”を果たしている。「全て正反対」と言い放った政党に戻り、役員(青年局長)にまで名を連ねているわけだ。立派な「信念」というべきか。
ビラには次のような文言も踊っている。
「民主党は自民党と変わらない新自由主義の政策を取るようになっています。第三極と言われる(日本)維新の会も基本的には民主、自民と同じ新自由主義。そして、外交面ではどこもタカ派」
「第三極とはまやかしで一極化が進んでおり、どこが政権を担うことになっても、進みゆく方向は全く同じであります」
文中で痛罵を浴びせている旧日本維新の会は、初鹿氏がこの2年後の衆院選で公認を得る維新の党の前身である。「舌の根も乾かぬうちに」という言葉を思い浮かべるのは、私だけではないはずだ。
初鹿氏は、維新の党から出馬した26年の衆院選では、選挙区で惨敗して比例復活に救われている。惜敗率(当選者の得票数に対する落選者の得票数の比率)はわずか57・54%であり、有権者にノーを突きつけられた候補者が政党の看板に助けられた典型例といえる。自身が「まやかし」と断じた政党の票によってバッジをつけるという「信念」の貫き方に、われわれは何を学べばいいのだろう。
比例復活当選が決まった直後に、初鹿氏はこんな持論をツイッターに投稿している。
「維新の党に入ったことに対するご批判もいただきましたが、無所属や他の野党では当選出来なかったので、結果オーライと思って下さい」
比例復活狙いで政党を選ぶ候補者は少なくないが、ここまで本音トークを炸裂させる政治家はさすがに珍しい。
そもそも、私は、国会論戦でのヤジを無条件に否定する気はない。与党議員によるくだらない不規則発言も多々あるわけだから、野党議員のヤジをことさら問題視しようとも思わない。ただ、ツッコミどころ満載の初鹿氏のような人物が、人にツッコミを入れている姿には失笑を禁じえないのだ。
ちなみに、前回衆院選で初鹿氏を選挙区(東京16区)で破ったのは、自民党の大西英男衆院議員である。大西氏も「ヤジ」で知られる議員で、26年4月の衆院総務委員会で女性議員に「早く結婚して子供を産まないとダメだぞ」とヤジを飛ばし、石破茂幹事長(当時)から厳重注意を受けた。
こんな選択肢を突き付けられる有権者はお気の毒というほかない。 

 

●宮崎岳志
“民進党ヤジ将軍”と安倍晋三首相の意外な縁 2017/2/3
「初当選以来初めて、安倍晋三首相への質問をさせていただきます」 3日午後の衆院予算委員会で質問に立った民進党の宮崎岳志氏は、こう発言を切り出した。
宮崎氏といえば、本会議場で大声で政府側をヤジっている姿のイメージがあまりにも強い。それだけに、安倍首相との「対決」が初めてという事実には意外な印象も受ける。
さらに宮崎氏は、安倍首相の祖父・岸信介元首相と自身の祖父の意外な縁についても語り始めた。
「私事になりますが、しばらく前に亡くなった私の祖父が、常々ですね、『わしは終戦前に商工省に奉職していて、岸信介さんの部下だったんだ』と。『私と岸さんは親友だった』と言っていたんですね」
「ただ、孫から見ても、非常に発言の大げさな方でありまして、真偽のほどは少々分からないんでありますが、安倍首相との個人的なご縁も感じつつですね、かつ心を鬼にして、国民のために心ならずも厳しいことを言わせていただくということでございます」
普段は容赦なくヤジを浴びせてくる議員からの意外な告白に、首相も不意を突かれた様子。「今回、不規則な“ご質問”をいただいておりますが…」と困惑した様子で答弁を切り出し、「面と向かっての質疑は初めてになりますので、誠心誠意をもってお答えをさせていただきたいと思います」と言葉を続けた。  
 

 



2019/11

 

●安倍首相のヤジ 2015

 

「さすがテロ政党」共産党へのヤジは山田賢司衆院議員 自民党が謝罪 2/19
共産党の志位和夫委員長が衆院本会議の代表質問中に「さすがテロ政党」とヤジを浴びた問題について、自民党は2月19日、山田賢司議員がヤジを飛ばしたことを認め、共産党に謝罪した。
志位氏は2月17日、衆院本会議の代表質問で、日本人人質事件に関連し、2003年のイラク戦争への支持や自衛隊の派遣など「真摯な歴史的検証を行うべきではないか」と、安倍晋三首相の見解を尋ねた。この直後「さすがテロ政党」とのヤジが飛んだ。
共産党は、自民党の議席の方向からヤジが発せられた可能性があるとして、衆院議院運営委員長に真相解明を求めていた。
山田氏は銀行勤務などを経て、2012年の衆院選で兵庫7区から自民党公認で初当選し、現在2期目。
ヘイトスピーチ(差別的憎悪表現)規制の是非をめぐり、2014年8月28日に開かれた自民党の「ヘイトスピーチ対策等に関するプロジェクトチーム」の初会合に出席し、ヘイトスピーチ規制などを求める国連人権規約委員会の勧告を「日本を貶めるために仕掛けられている」と批判し、以下のように主張していた。
「これだけの会議やってるんだから、皆さんちゃんと調べて資料出していただきたいんですけど、いわゆる国連に、あのー、このチンコロというと怒られますね。あのー、ご注進している人権団体はどういう団体なんだと。これはネットでちょっと調べればばっと出てきますよ。それを鵜呑みにしちゃいけないけど、ほとんどが朝鮮総連だとか朝鮮系の団体が皆こう言ってるんでしょ? (中略) 人権を考えている団体かと思うとそうじゃなくて、日本を貶めるために人権団体と言っているだけなんですね。本当に表現の自由だとか、名誉を守るためだったら、日本人の人権がこんだけ侵害されている。あるいは表現の自由を守るんだったら、産経新聞の人がソウルで拘束されるとかいう話もあるけれども、大統領を批判したら呼び出されて警察に捕まるような、そんな国こそ人権侵害なんだってことを言い返さないといけないんですよね。右翼車両がうるさいから注意しているということなんですけども、確かに右翼の車両って来たらですね、警察の人が来てすぐいなくなってしまうんですけど、左翼の人たち、ずっといるんですね。むしろそれの方がうるさくて、それは取り締まらなくていいのか、とか、排除しなくていいのか。僕は別に表現の自由は大事だと思うんですけど、太鼓鳴らしてドンドンやったり拡声器やったりギターまで出したりとかですね、本当にうるさくて、事務所の近所でやったらどう見ても騒音、迷惑行為だろうと思うんですけど、それは取り締まらなくていいのか、というのと、不法占拠も、あわせてね、なんでこれ放置してるのか。こういうのもちゃんと対処していただけるのか。それとも左翼は言うとうるさいからちょっと抑え気味に言おうというのか」 
「日教組!」安倍首相が突然ヤジ 衆院予算委、自民委員長も困惑 2/19
安倍首相が19日の衆院予算委員会で、民主党議員の質問の最中、唐突に「日教組!」などとヤジを飛ばし、委員長からたしなめられる一幕がありました。玉木雄一郎議員の質問は、西川農水相側が砂糖業界から受けた寄付金を巡る内容。玉木議員は日教組の出身ではありませんが、過去の日教組による民主党議員への献金事件を指したとみられます。
安倍首相のヤジがあったのは、19日午後にあった民主党の玉木雄一郎衆院議員の質問中。砂糖の業界団体の関連企業から、西川公也農林水産相の政党支部に献金があった問題を巡り、西川農水相が答弁していました。
すると、開始20分過ぎごろ、座って聞いていた安倍首相がいきなり「日教組!」と口にします。
そこから玉木議員、自民党の大島理森委員長らとヤジを巡って応酬があり、30秒ほど質疑が中断しました。
以下、安倍首相ら3人の発言内容です。
安倍首相「日教組!」
玉木議員「総理、ヤジを飛ばさないでください」
玉木議員「いま私、話してますから総理」
玉木議員「ヤジを飛ばさないでください、総理」
玉木議員「これマジメな話ですよ。政治に対する信頼をどう確保するかの話をしてるんですよ」
安倍首相「日教組どうすんだ!日教組!」
大島委員長「いやいや、総理、総理……ちょっと静かに」
安倍首相「日教組どうすんだ!」
大島委員長「いや、総理、ちょ…」
玉木議員「日教組のことなんか私話してないじゃないですか!?」
大島委員長「あのー野次同士のやり取りしないで。総理もちょっと…」
玉木議員「いやとにかく私が、申し上げたいのは…」
玉木議員「もう総理、興奮しないでください」
この応酬に、議場からは「関係ないヤジじゃないか」などのヤジが聞かれ、一時騒然となりました。
玉木議員は、東大卒業後に旧大蔵省に入省。財務省主計局主査などを経て、2009年に香川2区から立候補して初当選しています。本人の経歴は、日教組とは直接の関係はなさそうです。
一方で、日教組による民主党議員への献金を巡っては、過去に政治資金規正法違反で有罪判決が下るなどの事件がありました。
ツイッターでは、「なんていうかハチャメチャ」「見ているほうが恥ずかしくなる」といった声が上がっています。
安倍首相はこれまで、選挙演説などで「日教組が日本の教育をゆがめてきた」との持論を繰り返し展開。今国会での施政方針演説では、教育再生を課題の一つに挙げています。
一方、13年4月には、参院予算委員会の集中審議で、安倍首相が年金問題について説明している最中に民主党議員がヤジを飛ばすと、「国民のみなさん、私が答弁をしているのにヤジって良いんですか。テレビをご覧のみなさん、この状況を見てくださいよ」と話していました。 
 

 

「なぜあの時、日教組と言ったかというと...」 前原元外相とヤジ第2ラウンド 3/8
2月20日の予算委員会で、前日に続いて安倍首相と民主党議員の間で、ヤジを巡って激しく言い争う場面があった。
この日、民主党の前原誠司元外相は、安倍首相が19日の予算委員会で答弁席から「日教組どうするの」とヤジを飛ばしたことについて、「答弁席から野次を飛ばすことは、言語同断」と非難。首相に対して猛省を促した。
前原氏はさらに、この非難に対する安倍首相の答弁内容に、「反省していない。素直ではないし、器量が小さい」などと立て続けに指摘。与党席からも「偉そうに」とヤジが飛ばされるなど、一時、議場が騒然となった。以下に、答弁の全文を紹介する。
前原: 昨日もそうですが、国会中、閣僚席からや野次を飛ばされるということ、これは極めて品位に欠ける。また、(首相)ご自身が、自らが答弁席から野次を飛ばされることは、言語同断だと思います。(ヤジ:そうだ) 厳しく反省していただきたい。一言お願いします。
安倍: 事実誤認が明らかである場合には、ここで訂正したこともありますが、今後ですね、静かな討論に心がけたいと、与野党お互いにそういう雰囲気を作っていくように私も心がていきたいたいと思います。
(ヤジ:さすが総理だ)
前原: ちょっと反省が足りないんじゃないですか。事実誤認って、昨日、農林水産大臣の(話の)時に、なんで日教組が出てくるんですか。そこで野次を飛ばしたのはは総理自身でしょう?反省をもっとしてもらいたい。しっかりと「自分自身が反省する」ということを言ってもらいたいと言っているんです。もう一言お願いします
安倍: なぜあの時、日教組といったかといえば、日教組は補助金をもらっていて、そして、教育会館というものがあるわけでありますが、教育会館から献金をもらっている議員が民主党にはおられて、それに対する質問をかつてかつて我が党がした時に、「これは別の団体だから関係ない」というのが、当時の民主党の政府としての大臣が答弁した見解であったわけでありますから、それをどう考えるかという指摘をしたところでございます。
前原: 全く反省していないですねあなた。昨日は西川さんのいわゆる献金疑惑について玉木議員が質問して、それに対して、あなたはそこ(答弁席)から野次を飛ばしたんですよ。聞かれたらそれを答弁するならわかりますよ。それを開き直って、また答弁する。全然反省が足りないじゃないじゃないですか。反省をしなさいと言っているんですよ。反省をすべきだ。
(ヤジ:偉そうに)
前原: 何が「偉そう」だ。この議場で、その答弁席から野次を飛ばすのほうが品位に欠けるじゃないか。しっかり反省をすべきだ。もう一度答弁ください。
安倍: まあいわば、議論の答弁をしている最中に、それを完全に妨害するということについては、お互いに、避けなければいけないわけでありますが、様々な議論の中でお互いに指摘をしあうというのは、議論が白中するなかでですでね。それについても静かな議論を心がけていきたいと思っていると申し上げたわけです。
前原: まあ、反省はしないし、素直ではないし、器量が小さい。まあそれを国民の皆様方に示したと思います。委員長、総理のみならず他の大臣、名前は言いませんよ。多分自分自身だと思っている方もおられると思いますが。答弁席からの野次がひどい。委員長の方から閣僚の方に指摘をしていただきたい。
大島理森委員長: 閣僚の皆様方も、品性を持った委員会を運営するということにおいては、気持ちは同じだと思います。答弁席で答えることはしっかりし、野次については自己を抑制していただきたいと思うと同時に、委員各位の皆様方にも、答弁中に野次るということは、これは私はあまりいいことではない、むしろ、的確と言っては語弊がありますが、それは議員のいろんな発言があります。お互いに、そこはこの権威ある予算委員会を実りある議論をするためにもお互いに注意していこうではございませんか。
前原: まあこんなくだらんことで5分も時間を使うというのは情けない話であります。 

 

「安倍首相のヤジ」、戦前の国家総動員法審議と共通 6/15
保坂正康氏(評論家)が毎日新聞6月13日朝刊に寄稿した「安倍晋三首相のヤジは、国家総動員法審議と共通」との鋭い指摘に活目させられた。
安倍首相が5月28日の衆院安保法制特別委で野党議員に「早く質問しろよ」とヤジを飛ばした事件だが、これが1938年3月の国家総動員法案委員会での「黙れ!」発言と酷似しているという。この妄言は、陸軍省軍務局の佐藤賢了中佐が怒鳴り飛ばしたものだ。
国家総動員法は1938(昭和13)年、第1次近衛文麿内閣のときに制定されたもので、戦争に備え、国の経済や国民生活をすべて統制できる権限を政府に与えた悪法で、戦前日本を誤らせた元凶である。
「国家総動員法によって、内閣が自在に戦時体制を作り、国民を兵力に組み込むことができたように、今回の安保法案も政府の裁量に一任する点が多いこと、などである。斉藤は国民の生存権に制限を加えようとすると批判したが、安保法案にその危険性が内在していることも類似点といえるかもしれない(中略)「黙れ!」も「早く質問しろよ」もあまりにも品がない言葉であることに気づくと、こうした法案で命を失う人々が出たこと、あるいは出るかもしれないことに慄然としてくるのである」と保坂氏が問題点を指摘していたように、危険な安保法制を阻止しないと、戦前回帰≠ノつながる恐れがある。 

 

 

●安倍首相の朝日バッシング 2019/11/10
菅義偉・官房長官の記者会見をめぐる望月衣塑子・東京新聞記者の質問内容について、長谷川栄一内閣広報官ら首相官邸側が、東京新聞側に申し入れたのは合計9件だった。
このうち、官邸が「事実誤認・事実に反する」などとしたのが5件あった。残りは、質問ではなく「意見」「要請」「個人的見解」との指摘で、それぞれ1件。そして、報道発表前の情報に質問のなかで触れたとして抗議したのが1件――という内訳だ。
今回は「事実誤認だ」とする2018年3月2日の申し入れを取り上げたい。
「朝日新聞が誤りを認め、記事の内容を正した記事は書かれていない」――。
東京新聞が2019年2月20日朝刊に掲載した特集記事「検証と見解/官邸側の本紙記者質問制限と申し入れ」によると、同紙がそう記された文書を首相官邸から受け取ったのは、2018年3月2日だったという。
前日(1日)午後の菅長官の記者会見。望月記者は、「森友学園」問題に関する朝日報道を批判する安倍晋三首相の国会答弁について質問をぶつけていた。
「 首相の国会での答弁についてお聞きします。去年(2017年)11月に財務省の情報開示によって籠池前理事長がつくる学校が安倍記念小学校でなく、開成小学校であることがわかりました。これについて報道していた朝日新聞が修正記事を出しております。しかしながら、この報道が出ているにもかかわらず、1月、2月と計5回ですね、予算委員会の場で「間違いだ」とか、「裏取りがない」などと再三、安倍首相が発言されました。首相が国会の場で修正記事が出ているにもかかわらず、このように名指ししてですね、一社の批判を続けるのはかなり異例だと思うのですが、政府としてこの安倍首相の国会答弁に問題がないというお考えでしょうか 」
これに対して、菅長官は「政府として答える話じゃないですけれども」としたうえで、「総理の言われた通りだと思います」と首相答弁の内容を支持しながら、朝日批判を繰り返す安倍首相の答弁姿勢の是非については、言及しなかった。
望月記者は「(菅長官が)言われたとおりですけれども修正しているにもかかわらず、再三にわたって批判を続けることの問題をもう一度、政府に考えて頂きたいと思います」と注文を付けたのだった。
望月記者の質問の背景にある出来事をさかのぼってみていきたい。
「虚偽答弁」を決して認めなかった財務省
「森友学園」問題は2017年10月の衆院選で自民党が圧勝し、同年11月には、会計検査院が大阪府豊中市の国有地売却をめぐって値引きの根拠となったごみ推計量について「十分な根拠が確認できない」とする検査結果をまとめたことで政治的には幕引きムードだった。
しかし、年が明けると、2018年の通常国会(1月22日召集)での再燃を予感させる報道が開会直前に出た。
毎日新聞が1月20日朝刊で財務省近畿財務局が森友学園との交渉について役所内部で検討した詳細な文書が存在することをスクープした。毎日からの「学園との面談・交渉に関する文書」として情報公開法に基づく請求に対して近畿財務局が開示したもので、近畿財務局が2016年年3月〜5月に作成した「照会票」と「相談記録」だ。
そこには、森友学園側が小学校建設のために借りていた国有地から廃棄物が出たことで、安値での買い取りを近畿財務局に持ちかけていたことなどが記されていたのである。
毎日が開示を受けたこれらの文書は会計検査院にさえ提出が遅れ、2017年11月23日の国会への検査報告の前日だったという。この後、財務省は五月雨式に関係する文書を開示していくのである。
公文書だけでなく売却額を巡って森友学園側と近畿財務局職員が交わした会話の音声データの存在も明らかになっている。池田靖近畿財務局統括国有財産管理官(当時)が「1億3000万円」と言及し、森友学園側は「ゼロに近い形で払い下げを」と求めていた。2018年の国会で共産党は独自に入手したという別の音声データを元に「森友学園側は『1億5000万円かかる分、航空局からもらって、それより低い金額で買いたい』と発言している」などと追及した。
財務省はそれまで交渉経緯を記載した文書はすでに廃棄し、価格交渉もしていないと答弁しており、文書や音声データの内容が事実だとすれば、財務省は虚偽の国会答弁をしていたことになる。佐川宣寿・財務省理財局長(当時)は、売却交渉の経緯を示す文書については「廃棄した」とし、金額のやりとりについても「(価格について)こちらから提示したことも、先方からいくらで買いたいといった希望があったこともない」と国会で答弁を繰り返していたからである。
一連の文書について、麻生太郎財務相は「法的な論点について近畿財務局内で検討を行った法律相談の文書でありまして、いわゆる森友学園との交渉記録ではありません。(佐川氏の)虚偽答弁との指摘は当たらない」とし、太田充理財局長(同)は「買受け希望の金額を承るということはない」という答弁を繰り返し、虚偽答弁とは決して認めなかった。
そもそもなぜ、財務省は自ら窮地に追い込まれかねないような文書の開示に踏み切ったのだろうか。
森友学園の取材にかかわったある全国紙の記者が筆者にしてくれた解説がもっとも説得力があるように思えた。当時、財務省は市民からの告発を受けた大阪地検の捜査対象で、たくさんの資料を提出していた。財務省が隠しておきたかった文書が手を離れてしまった以上、裁判にでもなれば、いずれ公になることも予測される。「財務省にとって佐川氏の国会答弁との整合性が取れそうなダメージの少ないものだけを開示したのだと思う」。国会での追及は織り込み済みだというわけで、安倍首相の朝日批判もその戦略の一つだというのである。
この点は最後に考えてみたい。話を元に戻す。
安倍首相の度重なる朝日新聞批判
「『安倍晋三記念小学校』との名で申請したと朝日新聞は報じ、民進党も、それを前提に国会で質問した。実際には『開成小学校』だった。裏付けを取らず、事実ではない報道をした」
安倍首相は国会での野党の追及に正面から応えず、代わって持ち出したのが朝日新聞批判だったが、それは、望月記者が質問した2018年3月1日までに▽1月29日衆院予算委員会▽1月31日参院予算委員会▽2月1日参院予算委員会▽2月5日衆院予算委員会▽2月13日衆院予算委員会――の5回にも上った。例えば、次のようにだ。
「 私は自分の名前を冠した学校をつくるというつもりはございませんので、はっきりとお断りをしていました。そこで、これ朝日新聞の報道でございますが、籠池さんは安倍晋三記念小学校という名前で申請をしたと、こう言ったわけでありまして、事実かのごとくこれ報道されてありました。この国会においても民進党の方がそれを事実と前提に私に質問をし、だから忖度されたんだろうということであったわけでありますが、実際は開成小学校という名前でございました。ご本人(籠池氏)は当然、原本のコピーは当然持っておられるはずでありますから、(朝日新聞は)それに当たるべきであった。また、当然、だから恐らくご本人はそうではないことを知っていてそうおっしゃったんだろうと。朝日新聞の方も裏を取らずに事実かのごとくに報道したということは間違いないんだろうということでございます。(1月31日) 」
「 安倍晋三記念小学校という、これは全く違ったわけであります。しかし、これを訂正もしていないわけでありますから、まさに国民の間にそういう安倍晋三記念小学校だったということが浸透している。しかし、実際は開成小学校だった。そして、(朝日新聞は後述する)検証記事を書いた。検証記事を書いたにもかかわらず、これは籠池さんが言ったから、それはそのまま書いたということしか書いていない。自分たちが記者として最低限果たすべき裏づけをとらなかったということについては全く言及がないということについては、これで私はあきれたわけであります(2月13日) 」
安倍首相の批判の矢面に立たされた朝日新聞は、2月6日朝刊で「朝日新聞の報道経緯は」という検証記事を掲載し、批判に答えている。2017年5月9日朝刊での報道当時、財務省は森友学園が近畿財務局に提出した設置趣意書を非公開扱いし、説明も拒んだため、籠池氏に独自に確認して、「証言した」という形で報じたという経緯を明かした。
望月記者の指摘に対して、菅長官がもう一度考えた結果が、東京新聞への抗議の申し入れというのだから穏やかではない。
安倍首相と朝日新聞の間でいったい何が起こったのだろうか。
「安倍晋三記念小学校」の爆弾質問
そもそも「森友学園」問題は、朝日新聞が2017年2月9日朝刊で報じた「金額非公表 近隣の一割か 大阪の国有地 学校法人に売却」(東京本社版では第二社会面で三段見出しの地味な扱いだった)との記事をきっかけに浮上した。
その焦点の一つは、安倍首相の妻・昭恵氏が2017年4月の開校を目指した「瑞穂の國記念小学院」の名誉校長に就任していたり、寄付金集めのための「払込取扱票」の通信欄に「安倍晋三記念小学校」と印刷してあったりすることが発覚するなど、安倍首相側との距離を縮めようとする森友学園の要望に沿う形で8億2000万円(評価額は9億5600万円)もの値引きをした大阪府豊中市の国有地売却をめぐる安倍首相側の関与だった。
「私や妻が関係していたということになれば、まさにこれはもう私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい。全く関係ないということは申し上げておきたいと思います」
安倍首相は2017年2月17日の衆院予算委員会でそう豪語したのだから自ら政治問題に引き上げたようなものだった。
安倍首相側の関与を示す傍証の一つとして疑われたのが、森友学園が近畿財務局に提出した設置趣旨書に記載された学校名だった。ところが財務省は当初、この校名や本文の部分を黒塗りにして、非公開扱いとし、国会議員の開示請求に対しても明かさなかった。
この疑惑を国会で取り上げたのが、民進党の福島伸享氏(2017年10月の衆院選で落選)で、2017年5月8日の衆院予算委員会で追及したのだった。
「 平成25年(2013年)9月2日に森友学園から近畿財務局に出された取得等要望書。財務省に出してもらったんですけれども真っ黒、黒塗り。籠池さんはもう、民事再生までやって、学校設置の認可も取り消されて、失うものは何もないんですよ。(森友学園側は)学校設置の認可が取り消されたわけですから、秘密に当たらないですから開示していいですよという承認ももらって、財務省にもそのことを伝えております。設置趣意書の黒塗りのところ、一体これはどう書いてあったんでしょうか 」
ところが、佐川宣寿・財務省理財局長の答弁はゼロ回答だった。次の3点を理由にあげた。
「 1 学校法人として存続していることを踏まえれば、当該情報は不開示情報に該当すると考えられる 2 民事再生手続が開始されている。法令上、業務の遂行並びに財産の管理及び処分をする権利は管財人に専属している 3 仮に開示する場合でも、改めて財務省から先方に確認の上、対応していく必要がある 」
福島氏は、この日、国会で傍聴している籠池泰典・元理事長の開示の同意書も得るなど周到な準備をした上で臨んだ質問だった。佐川局長の答弁には納得するはずもない。
福島氏は「何で設立趣意書の趣意の部分が開示できないんですか。何で設立趣意書のタイトルすら開示できないんですか。ちゃんちゃらおかしいと思いますよ」と前置きしたうえでたたみかけた。
「 なぜそれを聞くかというと、これは何と書いてあったかというと、籠池前理事長の記憶では、安倍晋三記念小学院の設置趣意書だったからなんですよ。それを出したくないから黒塗りにしたんじゃないですか。そもそも、最初の設立趣意書がその名前だったからこそ、さまざまな忖度がなされ、特例措置が講じられることになったんじゃないですか。 」
一種の爆弾質問である。
これに対して、佐川理財局長は「タイトルを含めて一体としてこの学校の経営方針ということでございますので、不開示情報としている」と答弁している。当時、森友学園は約28億円の負債を抱え経営は行き詰まっていた。大阪地裁は17年4月28日に民事再生手続きの開始を決定し、森友学園は確かに管財人の管理下にあった。
しかし、佐川氏による答弁は、かえって福島氏の疑念を深めさせた。福島氏は「まさに安倍晋三という名前がこの特例を得るためのノウハウになっているから示せないということを言っているだけじゃないですか。何でそこまで忖度するんですか」と憤りをみせていた。
設置趣意書の表題に「安倍晋三記念小学校」との記載があるのが事実なら、大きなニュースである。
東京新聞に申し入れた首相官邸の方こそ事実誤認
朝日新聞は、翌5月9日付朝刊一面で、籠池・元理事長に前夜(8日)に直接インタビューし、その内容を一面(安倍昭恵氏の両脇に籠池夫妻が並んだ写真を掲載)と第二社会面で伝えた。
「 −−近畿財務局に設立趣意書を提出する際にはどういう表記をしたのか、「安倍晋三記念小学校と表記をしていましたね」(第二社会面の「籠池氏との主なやりとり」から抜粋) 」
ただ、朝日記者も原本や写しの入手はできなかったようだ。記事は証言を元にしたもので、一面、第二社会面のいずれにも、見出しにはなっていなかった。籠池氏が当時、所持していた書類の中に設立趣意書の原本や写しはなかったらしい。
財務省が半年も経った2017年11月22日になって立憲民主党、24日には神戸市の大学教授らに対し黒塗りされていない趣意書の全文を開示したことで、正しくは「開成小学校」だったことが分かった。
籠池氏が朝日新聞記者にした証言は、真実ではなかった。朝日は2017年11月25日朝刊三面で「森友の設置趣意書を開示 小学校名は『開成小学校』 財務省」と修正する記事を掲載し、「校名などが当初、黒塗りになっていたため、朝日新聞は籠池氏への取材に基づいて、籠池氏が『安倍晋三記念小学校』の校名を記した趣意書を財務省近畿財務局に出したと明らかにした、と5月9日付朝刊で報じた」と書いた。
望月記者が記者会見で「朝日新聞が修正記事を出しております」とした記事はこれを指す。
安倍首相は、森友学園問題の追及を受けるたびに朝日の「誤報」を国会であげつらってはいるが、先に記した「払込取扱票」には「安倍晋三記念小学校」と印刷されていただけでなく、2018年5月に財務省が公表した土地の売却に関する資料の中からは、森友学園側が2014年3月4日、小学校の認可申請先だった大阪府に対して校名を「安倍晋三記念小学校」と説明していたことを示す記載が見つかっている。
共同通信は2017年3月1日に「府私学課によると、2013年ごろ、森友学園の籠池泰典理事長から『豊中市の国有地を取得して小学校を建てたい。安倍晋三記念小学校という校名を考えている』と認可申請の方法について問い合わせがあった」との記事を配信していた。
また、朝日の初報(2017年2月)後に野党が行ったヒアリングに対して、大阪府は森友学園側の構想に苦慮したことを明かしていたという。
こうした別の証拠からも籠池氏自身が「安倍晋三記念小学校」という校名に強いこだわりを抱いていたことははっきりしているし、財務省も認識していたことは、財務省の保有する一連の資料からも明らかだった。言ってみれば、設立趣意書には記載されていなかった――ということにすぎない。
森友学園は2017年4月28日に民事再生手続きが決定し、業務の遂行や財産の管理、処分をする権利は管財人に専属することになった。安倍首相は「原本のコピーに当たるべきだった」と朝日記者に取材のわざわざ”アドバイス”をしているが、そもそもは非公開とした政府の決定が問題なのではないか。
繰り返しになるが、朝日が2017年11月25日に修正する記事を掲載し、2018年2月6日には取材経緯も明かしたのである。東京新聞に申し入れた首相官邸の方こそ事実認識に誤りがあることは、もはやだれの目にも明らかだろう。
東京新聞は2018年3月6日、首相官邸に対して、「朝日新聞の17年5月の記事は学園前理事長の証言として名称を『安倍晋三記念小学校』としていたが、17年11月の記事で『開成小学校』と修正している」とする回答を出したという。
首相官邸が東京新聞に申し入れた2018年3月2日は、奇しくも朝日新聞が朝刊で「森友文書 書き換えの疑い 財務省、問題発覚後か 交渉経緯など複数箇所」とする記事を一面トップで報道した日だった。政権を揺るがす大スクープのさなかで、安倍首相の威勢の良い朝日批判はどこかに行ってしまった。
このため、官邸は、安倍首相に教えてあげる機会を逸してしまったのだろうか。1年4カ月たった後も安倍首相は同じ批判を繰り返していた。
2019年7月3日、日本記者クラブ(東京・内幸町)であった参院選(4日公示・21日投開票)を前にした、与野党の7党首による討論会。安倍首相(自民党総裁)は朝日記者からの「森友学園問題、加計学園問題はもう終わったと認識しているか」との質問に「朝日新聞は『安倍晋三(記念)小学校』があったという記事を書いたが、訂正していない。自分たちが間違えたことは全く関係ないという姿勢はおかしい」などと述べていた。
朝日新聞「記事取り消し」の後遺症
なぜ安倍首相はこれほどまでに朝日の報道にこだわり続けるのだろうか。そこには安倍首相らのある成功体験の影響があるのではないだろうか。
それは2014年8月に朝日新聞が行った「慰安婦」をめぐる報道の一部記事の取り消しである。
朝日新聞は同年8月5日朝刊で、韓国の済州島で女性を強制連行して慰安婦にしたとする吉田清治氏(故人)の証言(吉田証言)を紹介した記事を取り消した。この取り消しのもたらした影響は極めて大きかった。
愛知県で開かれた「あいちトリエンナーレ2019」(8月1日〜10月14日)の企画展の一つ、「表現の不自由展・その後」。「慰安婦」を象徴した「平和の少女像」の展示に異を唱えた河村たかし氏は筆者の取材に対して「朝日新聞が記事を取り消したようにそもそも間違えとった可能性があるわけ。私も国会議員時代にワシントン・ポストに40人ぐらい名前連ねて、強制連行の証拠はないんだと(いう記事を載せた)」と口にした。
このように、吉田証言を朝日が取り消したというたった1点で、あたかも「慰安婦」に対する戦後補償の問題がそもそも存在しないかのような言説を信じる人がネットを通じて広がったことだ。
米ワシントン・ポスト紙に載った意見広告の内容については、吉見義明氏の「日本軍『慰安婦』制度とは何か」(岩波ブックレット)など研究者らから有力な反論がなされているので詳細はそちらに譲るが、安倍首相をはじめとするこうした歴史観に共鳴する人にとっては、朝日を狙い撃ちにした「慰安婦」報道攻撃は、大きな戦果を上げた成功体験だったに違いない。
2017年10月の衆院選(10日公示・22日投開票)のさなかに「約束の日 安倍晋三試論」の著者・小川栄太郎氏による「徹底検証 『森友・加計事件』朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」という安倍首相を援護射撃するような本も出版された。
「安倍首相による朝日バッシングは、『吉田証言』をめぐる朝日の『慰安婦』報道批判と似ている。安倍首相は、籠池氏の証言を報じた朝日の報道が誤りだったことを強調し続けることで、森友学園問題そのものが実は存在しないのだという構図を演出し、国会を乗り切ろうとしたのではないか」。ある朝日関係者はそう明かしていた。
「名指しで一社の批判を続けるのはかなり異例だと思う」
望月記者の質問からは、さまざまな安倍政権の思惑が浮かび上がってくるのである。  

 

 
 

 

●「桜を見る会」ご招待 
「桜を見る会」
「桜を見る会」の目的は「各界において功績、功労のあった方々を招き日頃の労苦を慰労するため」と安倍総理は説明している。2019年10月15日、安倍内閣は「内閣総理大臣が各界において功績、功労のあった方々を招き、日頃の御苦労を慰労するとともに、親しく懇談する内閣の公的行事として開催しているものであり、意義あるものと考えている」と閣議決定した答弁書を公開した。
新宿御苑において開催される。新宿御苑は日本さくら名所100選に選定されており、65種・約1300本の桜があり、春には花見の名所として大勢の観光客で賑わう。ソメイヨシノが見ごろを迎える3月下旬から4月上旬にかけても多くの来園者を迎えるが、一般財団法人国民公園協会ではイチヨウを御苑の桜の代表品種として位置付けており、イチヨウ等の多品種のヤエザクラが見ごろを迎える4月中旬から下旬を御苑の桜のベストシーズンと位置付けており、桜を見る会もこの時期に開催されることが多い。開催中の時間帯は招待客のみが入園できる。開催の可否は内閣官房長官が決定し、中止になった場合は招待客への開放のみ行われ、開催時と同様に茶菓の提供が行われる。2019年の設営は開催日の前々日から2日間行われ、新宿御苑の中央付近(イギリス風景式庭園辺り)にて設営された。
会は内閣総理大臣が主催するが、招待客の選定は各府省庁からの意見を踏まえて内閣官房/内閣府が最終的にとりまとめる。実態として、与党議員に推薦枠が割り振られている。案内状の発送は内閣府が一括し、必ず招待客一人ひとりに宛てて送付を行う。招待客の対象は「皇族、元皇族、各国大使等、衆・参両院議長及び副議長、最高裁判所長官、国務大臣、副大臣及び大臣政務官、国会議員、認証官、事務次官等及び局長等の一部、都道府県の知事及び議会の議長等の一部、その他各界の代表者等」であり、参加にあたってのドレスコードは平服となっている。
歴史
桜を見る会の前身として「観桜会」がある。この観桜会は1881年(明治14年)に吹上御所で「観桜御宴」が行われたのを起源とし、1883年(明治16年)から1916年(大正5年)までは浜離宮、1917年(大正6年)から1938年(昭和13年)までは新宿御苑に会場を移し、いずれも国際親善を目的として皇室主催で行われていた。この観桜会を復活させる形で1952年(昭和27年)に吉田茂が総理大臣主催の会として始めたのが桜を見る会である。1970年(昭和45年)にはそれまでごく僅かであった自衛官の招待数を増やした。1995年(平成7年)は阪神・淡路大震災、2011年(平成23年)は東日本大震災、2012年(平成24年)は北朝鮮の弾道ミサイル発射への対応を理由として中止された。  
 2019/10月

 

安倍首相が「桜を見る会」で税金使って地元後援者を大量招待! 10/11
 公的イベントを支援者接待と政治資金集めに利用
森友・加計学園問題で露呈した安倍首相による「政治の私物化」だが、またしても信じがたい事実が発覚した。毎年おこなわれている首相主催の「桜を見る会」で、安倍事務所が地元・山口から後援会員を大量に招待し、“おもてなしツアー”として利用していたことがわかったからだ。
そもそも、「桜を見る会」というのは各界の功労者を総理大臣がねぎらうイベントだが、第二次安倍政権下では安倍首相の私物化が目に余るとして問題になってきた。たとえば、毎年のように多くの芸能人やアスリートらが招待され、そうした人気者たちと仲よさげに写真におさまることで安倍首相は自分のPRの場として活用してきたが、今年4月に開かれた会では、なんとあのネトウヨ番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)の出演陣である百田尚樹や有本香、ケント・ギルバート、竹田恒泰、上念司などといったネトウヨ安倍応援団をこぞって招待したのだった。
しかも、問題はその「おもてなし」の費用だ。会の予算額は、2014年度以降は約1767万円で固定されていたのだが、同年度の支出は予算を大きく上回る3005万円に。支出は年々増えていき、今年2019年度は5519万円にものぼった。
なぜ予算を3倍も超えるほどの金がかかっているのか。その原因のひとつと考えられているのが、第二次安倍政権下での招待客の増加だ。招待者の人数の目安は1万人とされているのに対し、今年招待された人は1万5400人、参加者は1万8200人にもなっている。
しかし、「どうして招待客が増えたのか」という国会での追及に対して、政府は「各府省庁からの意見を踏まえ幅広く招待」と述べるばかり。「どこの省が増えたのか」と訊いても、「資料は破棄した」の一点張りだった。
ところが、ここにきて、冒頭でもふれたように、「桜を見る会」が安倍首相の支持者のための“おもてなしツアー”にも使われていたことがわかったのだ。
この問題をスクープしたのは、「しんぶん赤旗日曜版」10月13日号。その記事では、安倍首相の地元・山口の後援会関係者や後援会員らが、こんな証言をおこなっているのだ。
「桜を見る会には毎年参加している。地元の後援会員が数百人規模で上京し、みんなで首相と記念写真をとっている。安倍事務所の恒例行事だよ」
「下関の安倍事務所から参加確認があり、希望すれば、内閣府から招待状が送られてくる」
つまり、本来は「各界の功労者をねぎらう」会であるはずなのに、安倍首相はそこに自分の支持者を大量に招待していたというのである。
証言者によると、「旅費は自分持ち」だと言うが、飛行機や宿泊先のホテル、貸し切りバスなどはすべて安倍事務所が手配。しかも、都内観光もセットになっているほか、「桜を見る会」では安倍首相との写真撮影にくわえ、芸能人やスポーツ選手に会え、無料で飲み食いでき、お土産までついてくる。その上、「桜を見る会」の一般招待客は手荷物検査を受けるが、後援会員の場合はそれもなく、「バスの駐車場がある“裏口”から入るのが恒例」だという。まさに至れり尽くせりの接待ツアーではないか。
さらに驚かされるのが、その参加人数だ。この「桜を見る会」ツアーに参加した山口県在住の女性はこう話している。
「集合場所のホテルニューオータニから大型バスで会場の新宿御苑に行きました。私が乗ったのは十数台目。号車や時間は安倍事務所の指定でした。バスは17台と聞きました」
単純計算で、もしこのバスが定員40人として満員だった場合、参加者人数は680人にものぼることになるのだ。
しかも、記事ではこうした「安倍首相の地元後援会」枠だけでなく、“「昭恵」枠”も存在するのではないかと示唆。というのも、昭恵氏が名誉会長を務めたスキーイベントの実行委員や、昭恵氏の農業仲間、昭恵氏と日本酒をつくる女性のグループなどが「桜を見る会」に招待されているからだ。実際、ある男性は、とあるイベントで昭恵氏と名刺交換して以降、「会の招待状が届くようになった」と言い、「僕は政治家の知り合いがいないし、自民党支持者でもない。“昭恵夫人枠”としか考えられない」と証言している。
ようするに、安倍首相は「各界の功労者」をねぎらうための公的イベントに、数百人規模にもなる自分の後援会員や、自分の妻のお友だちたちを招待し、税金で手厚くもてなしているというのである。
これらの事実だけでも、いかに安倍首相と昭恵氏によってこの国が食い物にされているかがよくわかるが、「しんぶん赤旗日曜版」の記事では、さらに重大な問題が取り上げられている。
じつは、「桜を見る会」の前日の夜には、「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」なる催しが開催されており、ここに安倍首相も参加している。現に、今年は「桜を見る会」は4月13日におこなわれたが、前日12日の首相動静を確認すると、〈午後6時33分、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ着。同ホテル内の宴会場「鶴の間」で昭恵夫人とともに「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」に出席〉とある。
そして、この「前夜祭」参加者によると、会は立食式のパーティで、安倍首相や昭恵氏と記念写真をおこなったり、歌手が登場するなどの盛大なものであるらしい。実際、今年、出演した歌手はブログで〈シャンソン、ラテンに交えてオリジナル新曲も歌わせていただきました〉〈1000人程のお客様〉〈ハードスケジュールの中お一人おひとりに笑顔で丁寧に握手をされる安倍首相と昭恵夫人のお姿に感動致しました〉と、安倍首相と昭恵氏とのスリーショット写真付きで報告している。
だが、問題なのは、この「前夜祭」では複数の参加者が「5000円の会費を払った」と証言していることだ。政治資金規正法では「対価を徴収して行われる催物」は政治資金パーティーと規定されており、その収入や経費などは収支報告書に記載しなければならない。だが、〈安倍首相が代表の政党支部や関係する政治団体の収支報告書には、前夜祭の収支の記載がありません〉というのである。つまり、政治資金規正法違反の疑いがあるのだ。
「桜を見る会」という公的イベントを私物化し、税金を使って自分や妻の支持者やお友だちを接待する一方、「桜を見る会」を利用するかたちで開催した政治資金パーティーには違法の疑いまで──。まったく腐りきっているとしか言いようがない。
しかも、信じられないことに、2020年度予算の概算要求では、内閣府は安倍首相が私物化するこの「桜を見る会」の関連経費として、本年2019年度の3倍を超える5729万円を計上。前述したように、これまで会の予算額が1767万円なのに対し2019年度は5519万円もかかったが、それが問題になったことで無駄遣いを見直すのではなく、逆に予算額を増やしてきたのだ。完全に国民を舐めているとしか思えない態度ではないか。
国民が汗水垂らしておさめた税金が、安倍首相の応援団や後援会員、昭恵氏のお友だちたちを接待するために浪費されてゆく……。はっきり言って、そんな「桜を見る会」など廃止するべきだが、そのためにも、この安倍首相の公的イベントの私物化、税金の無駄遣いについて徹底的した追及がおこなわれることに期待したい。 
後援会招待だけでない 安倍首相の「桜を見る会」私物化の実態! 10/19
これまでもトンデモ閣議決定を連発してきた安倍政権だが、またも国民を舐めきった閣議決定がおこなわれた。15日、政府は安倍首相主催でおこなわれている「桜を見る会」について、こんな答弁書を閣議決定したのである。
〈「桜を見る会」は、内閣総理大臣が各界において功績、功労のあった方々を招き、日頃の御苦労を慰労するとともに、親しく懇談する内閣の公的行事として開催しているものであり、意義あるものと考えている。〉
「桜を見る会」は意義あるもの──。まったく馬鹿を言うなという話だろう。本サイトでもいち早くお伝えしたように、「桜を見る会」をめぐっては、「しんぶん赤旗日曜版」10月13日号が、安倍首相が地元・山口の後援会員を数百人規模で招待していることをスクープ。都内観光とセットにしたこのツアーは「後援会の目玉行事」となっていたといい、さらには妻・昭恵氏が名誉会長を務めたスキーイベントの実行委員をはじめ、昭恵氏の農業仲間や日本酒をつくる女性のグループなども招待されている事実を紹介したばかりだ。
それでなくても、「桜を見る会」にかかる支出は第二次安倍政権下で大幅に増えており、予算額は2014年度以降約1767万円で固定されていたのに、支出は年々増え今年2019年度は5519万円と約3倍にものぼっている。しかも、このことが問題になると、2020年度予算の概算要求で内閣府は「桜を見る会」の関連経費として本年度の3倍を超える5729万円を計上。無駄遣いを見直すのではなく、逆に予算額を増やしてきたのだ。
そして、公的イベントである「桜を見る会」を自分の支持者をおもてなしする場として私物化していたことがあかるみに出たというのに、それを一顧だにせず「公的行事として意義あるもの」だと開き直ったのである。
この10月1日から消費税率は10%に引き上げられ、国民の生活はさらに厳しさを増している。にもかかわらず、安倍首相は国民に痛みを押し付けるばかりで、「後援会の目玉行事」と化している税金の無駄遣いのイベントを正当化し、予算額を約3倍に引き上げるというのである。完全に国民を馬鹿にしているとしか言いようがないだろう。
しかも、だ。「桜を見る会」を私物化しているのは、安倍首相だけではない。というのも、「桜を見る会」の招待状を、自民党議員が高値で売っている、という疑惑まであるのだ。
今年4月16日付の「FRIDAYデジタル」の記事によると、〈毎年、会が近くなると、どこからともなくブローカーが沸いて出て、招待状の買い取りを持ちかけてくる〉といい、同編集部が接触した購入希望者のA氏の場合、ブローカーから提示された価格は、招待状1通で8万円だったという。
たしかに、「桜を見る会」の招待状を持っていることや、会で安倍首相や有力議員らと写真を撮ることで、自分の信頼性を高めたり箔付けにしてビジネス上で利用したいと考える輩は多いだろう。だが、まさかその招待状が売買されているとは……。
では、一体、誰が招待状を売りさばいているのか。その内幕について、永田町関係者は記事のなかでこう語っている。
「招待状は自民党議員に一定枠与えられ、希望があれば、追加でもらうことも可能です。招待状をブローカーに売りつけ、小銭稼ぎしている議員がいることは、以前にも聞いたことがあります」
しかも、驚くのはこのあとだ。前出A氏は「ブローカーからは『桜を見る会』の招待状を買えば、もれなく自民党有力派閥のパーティー入場券も付けると言われました」と証言。それは、今年5月におこなわれる、会費2万円の〈派閥のパーティー券〉だったという。
ようするに、安倍首相と近づくことができる「桜を見る会」をダシにして、自民党議員は派閥のパーティ券までさばいている、というのである。
招待状をタダで手に入れられる自民党議員が“転売”し、さらには派閥の影響力を誇示する場でもある政治資金パーティにまで利用する──。つまり、安倍首相による私物化だけでなく、政権与党である自民党ぐるみで「桜を見る会」を食い物にしているのである。
これでよく安倍政権は「桜を見る会」を「公的行事として意義あるもの」などと言い切ったものだと呆れるが、こうした報道が出ている以上、このまま「桜を見る会」を放置容認することはできないだろう。
実際、「桜を見る会」に対しては、こんな声もあがりはじめている。それは、会計検査院が「不当事項」として認定する可能性があるのではないか、というものだ。
じつは、安倍首相の後援会員招待問題を報じた「しんぶん赤旗」が10月20日号で続報として、会計検査院の元職員らに取材。そこでは「本来の招待範囲を逸脱している」という指摘が出ているのだ。
まず、会計検査院元職員らが問題視するのは、今年1月に閣議で配布された「桜を見る会『開催要領』」にある「招待範囲」の記述だ。以下に引用しよう。
〈皇族、元皇族/各国大公使等/衆・参両院議長及び副議長/最高裁判所長官/国務大臣/副大臣及び大臣政務官/国会議員/認証官/事務次官等及び局長等の一部/都道府県の知事及び議会の議長等の一部/その他各界の代表者等〉
安倍首相は自分の後援会員のみならず、今年の「桜を見る会」ではネトウヨ番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)の出演陣である百田尚樹や有本香、ケント・ギルバート、竹田恒泰、上念司などといったネトウヨ安倍応援団をこぞって招待したが、後援会員含め、一体彼らがこの「招待範囲」のどこに当てはまるというのだろうか。会計検査院の元調査官は「安倍首相は、招待範囲にある『各界の代表者等』の“等”の1字を根拠に自身の後援者を招いているのでしょう」と指摘するが、そんな詭弁が通用するはずがない。元調査官はこう批判している。
「開催要領のような行政文書で“等”が示す範囲は、ほぼ同等でなければ認められません。安倍後援会の後援会員のように、まったく関係ない人物の招待は想定していない」
そして、別の検査院関係者もこう指摘するのだ。
「一般論として、開催要領や予算にもとづかない支出をした場合、会計検査院が『改善の処置を要求』したり、税金が無駄になった『不当事項』に認定したりすることが考えられます」
当然だろう。安倍首相の支持者やネトウヨの応援団員たちを接待するために、国民は税金をおさめているわけではない。こんな公然と税金の無駄遣いをおこなう公的行事が放置されていていいわけがないのだ。今後、会計検査院のメスが入ることに期待しつつ、引きつづき安倍政権が「桜を見る会」をどのように食い物にしているか、徹底追及が必要だ。 
 2019/11月

 

「桜を見る会」疑惑・まとめ〜11月8日から25日
「桜を見る会」問題をめぐり、野党が合同で「追及本部」を立ち上げたのが週明けの11月25日。76人という「大所帯」となり、初会合の場では安倍政権に対して追及の手を緩めない、と気勢を上げた。そしてこの「追及本部」結成後も、次から次へと新事実が明らかになっている。
問題の本質は、この「桜を見る会」が現職総理大臣個人の「公的行事の私物化」にとどまらず、政府・自民党による「党を挙げての政治買収」の疑いが濃くなってきているという点である。真相を解明する最大の鍵になるのが、安倍晋三内閣総理大臣及びその妻昭恵夫人、さらには政府の閣僚をはじめとする自民党の議員らによる「招待客」の実態である。まず、これまでに判明しているここ数年の「桜を見る会」の招待客について整理してみたい。
そもそも「桜を見る会」とは1952年から内閣総理大臣の主催で毎年行われている公的行事であり、「各界において功績・功労のあった方々を招き、日頃の労苦を慰労するため」に、皇族や各国大使、衆議院・参議院議長や最高裁長官、都道府県知事なども参加する中、主に直近の1年間のうちに各界において活躍した人などを招待する場である。招待客からは参加費をとらず、会場となっている新宿御苑の入場料も無料とし、場内では食事や酒類が振る舞われるが、これらの費用は全て税金で賄われる。
11月8日の参議院予算委員会で質問に立った日本共産党の田村智子議員が、この「桜を見る会」の実態を白日の下にさらした。これが今回の一連の疑惑解明のスタート点である。
田村議員が質問で明らかにしたのは、年々費用と参加者の数が増大しているこの「桜を見る会」に、安倍総理以下多数の自民党議員が、自分の地元の後援会員などを多数招待し、税金を乱用してもてなしていたのではないか、という疑惑であった。
ほどなく、今年の「桜を見る会」の招待枠として安倍総理と官房長官らで2000人ほどあり、安倍総理が今年は地元の後援者を約850人招待したという話が出てきた。
招待された支援者の総数が千人単位にのぼるだけに、「モリカケ」の時とは異なり、政府や安倍総理側が完全に事実を覆い隠すことは不可能だった。
安倍総理の地元・山口県下関市等の地方議員やライオンズクラブの会員等が、ブログや刊行物で参加したときの模様を自ら発信しており、かねてから精力的に取材をしていた日本共産党の機関誌「しんぶん赤旗」など各メディアも、そうした公開された情報を収集することで、証言や証拠を得ることができたのである。
公益団体を長年運営してきた人物であるとか、優れた研究成果を出した人物、あるいはスポーツ大会で優勝したアスリートや国際的な映画祭で賞をもらった俳優などが招待されているのであれば、招待客の基準を満たしているといえるだろうが、政治家の地元支援者たちにそのような「功績・功労」があったとはいえない。その点について野党側が安倍総理らに問いただすと、「町内会やPTAの会長として活動してくれた人など」という答えが返ってきた。
町内会長やPTA会長ならば全国に存在している。安倍総理の選挙区のある山口県下関市など、特定の自治体の町内会長やPTA会長だけ招待することを正当化する理屈はどこにもない。仮にこうした町内会長・PTA会長を全国から公平に全員招待するとなれば、とても1万8000人の規模ではすまないはずである。
これ以後、「桜を見る会」に関する与野党の質疑応答は、与党政治家や官僚が荒唐無稽な言い訳をしては前言撤回や発言修正を繰り返す、まるで「コント」のような様相を度々見せるようになっていく。
今年の「桜を見る会」が開催されたのは4月13日だが、今年はその前後の7日と21日に統一地方選挙が行われている。参加者への招待は投票日より前の2月から3月にかけて行われており、この時点で支援者を多数「桜を見る会」に招き、無料で飲食を提供するのは、招待客らを自身・自党への投票に誘導する意図があったのではないかと疑われて当然である。公職選挙法の買収罪や利益誘導罪に抵触するとともに、税金の目的外使用として財政法にも違反している可能性がある。
あわせて、安倍総理の支援者として「桜を見る会」に招待された山口県からの参加者には、その前日に都内観光と、「前夜祭」と称する安倍総理主催の立食パーティーというオプションのついた「ツアー」として提供されていたことが判明している。
ツアーの企画や参加者の受付窓口は、安倍総理の事務所が行っており、本来「桜を見る会」は各省庁からの推薦を受けて内閣府・内閣官房が招待客を選定するとしている政府側の説明とも整合しない。
また、今年の「前夜祭」が開催されたのは東京都内の「ホテルニューオータニ」であるが、参加者の会費が1人5000円というのは会場の格から見ても安すぎる、という指摘も早々になされていた。複数のメディアがホテル関係者などから、この会場でパーティー等を執り行う場合最低でも1万1000円はかかるという情報も得ていた。
仮に実際1人1万1000円かかるところ、差額の6000円分を安倍総理の事務所が補填したとすると、有権者への「利益供与」として公職選挙法違反の「寄附行為」となり得る。また、安倍総理の事務所とホテルの間に金銭のやりとりが発生した場合、政治資金収支報告書への記載がなければ政治資金規正法違反にもなる。
そのことを警戒してか、安倍総理側は「参加者はホテルの宿泊者でもあったので会費はホテル側が設定した料金」「唐揚げを増やして費用を安く抑えた」「事務所はホテルの領収書を手交しただけで金銭の授受はない」等の弁明を繰り返した。しかしこれも参加者がSNSに掲載した写真や証言・検証などにより、虚偽の疑いが強くなってきている。
ホテルニューオータニでは先日、天皇陛下の「即位の礼」翌日に行われた晩餐会も開催された。この晩餐会の主催も、安倍総理夫妻である。ホテルの取締役である今井敬名誉会長は、安倍総理の側近である今井尚哉総理補佐官の叔父に当たり、またホテルの総支配人である清水肇取締役は、アパグループ会長の元谷外志雄夫妻と親しい関係にあり、安倍総理を「天皇の次くらいの人」と呼ぶほどの「安倍応援団」であると見られている。
清水氏は「前夜祭」の費用設定に関する週刊文春(11月21日発売・11月28日号)の取材に対し、「天皇陛下即位の晩餐会もやっていただいたから」とコメントしている。この晩餐会は約600人が出席し、予算は1億7200万円となっている。料理の内容等が同じとは限らないため単純比較はできないが、1人5000円で800人が参加した場合の費用400万円とは雲泥の差である。
そこで浮上してきているのが、安倍事務所とニューオータニとの「裏取引」疑惑である。つまり、「前夜祭」において総理の事務所が収支に関与していないという安倍総理側の主張に嘘がないとすると、「前夜祭」で生じた赤字分をこの晩餐会で埋め合わせた可能性もが生じてくる。そうすると、ホテルニューオータニも安倍総理との「共犯者」になってしまうことになる。
ところで安倍総理が自身の「招待枠」として招いたのは、自身の選挙区の有権者だけではないようである。11月25日の参議院行政監視委員会で、再び田村智子議員が鋭い一撃を放った。
2015年の「桜を見る会」に、昨年倒産した磁気治療器メーカー「ジャパンライフ」の会長であった山口隆祥氏を、安倍総理あるいは昭恵夫人が招待していたのではないかという問題である。ジャパンライフは主に高齢者を標的にした「マルチ商法」による磁気ネックレスの販売などで、消費者庁から4回にわたる行政処分を受けてきた会社である。今年に入って、特定商取引法違反容疑で6都県警が捜査にも乗り出している。
このような「悪徳業者」であるにもかかわらず、なぜかジャパンライフの広告塔には総理夫人の安倍昭恵氏の他、二階俊博幹事長や加藤勝信厚生労働大臣といった総理側近の党幹部、さらには田崎史郎氏やNHKの島田敏男氏といった「御用ジャーナリスト」たちまで起用されている。
ジャパンライフ側も、こうした「つながり」を会社の信用獲得に利用していたと考えられ、実際に山口会長宛に届いた2015年の「桜を見る会」の招待状の画像を消費者向けに配信していたことが、日本共産党の大門実紀史参議院議員の指摘で明らかになっている。
山口会長を招待したのが安倍総理か昭恵夫人である可能性が高いことを田村議員が指摘できたのは、個々の招待客に送付される「受付票」に付された番号について、山口会長が公開していたものが「60番台」であったことによる。11月25日から「追及本部」に格上げされた野党の「追及チーム」は、これまで「桜を見る会」に招待する人の推薦名簿等の開示を求めてきたが、内閣府は名簿等をシュレッダーで処分したなどとして拒んできた。
そのようにしてなかなか名簿の開示がされない中で、田村議員らは独自のルートで情報を入手し、悪徳業者を総理夫妻自らが招待していた可能性があることを暴いたわけである。ジャパンライフは2014年の段階で既に行政指導を受けており、経営に問題があることは明らかになっていた。
にもかかわらず、翌年の「桜を見る会」の招待状が会長宛てに届いており、総理夫妻はジャパンライフの問題を「知りながら」会長を税金で接待する意図があったということになる。
「桜を見る会」の招待枠には、選挙で選ばれた議員ではない、閣議決定で「私人」とまで認定された安倍昭恵夫人の招待枠まであった可能性が濃厚になっている。
現在、この数字も過少なものではないかと疑われているが、安倍総理の「1000人」の枠の中に昭恵夫人の持ち分が含まれるのか、それとも別枠になっているのか定かではない。しかし、これもブログやSNSなどによる参加者の発信から、昭恵夫人の招待を受けて「桜を見る会」の会場に訪れたとみられる者が複数おり、昭恵夫人本人も後に取材に対して「招待客の案を何人か出した」と答えており、招待客の選定に何らかの関与があったことが明らかになっている。
主な招待客は、昭恵夫人の学生時代の同級生や自身が運営している講座型スクールの関係者、映画プロデューサーなどの「お友達」である。本来の「桜を見る会」招待客の基準を満たしているとは到底考えにくく、いわば「私人」が国民の税金を使って、自分の個人的な友人に酒食を振る舞っていたということになる。
また、「ジャパンライフ」の他にも、同じくマルチ商法で取引停止の処分を受けた仮想通貨販売会社「48ホールディングス」の淡路明人社長が、2016年に「桜を見る会」と安倍首相主催の前夜祭に参加しており、菅義偉内閣官房長官や片山さつき参議院議員と一緒に写真に収まっている。
「桜を見る会」の招待状は、一部で転売等がされていたという疑いもあり、こうした形で招待状を入手した会社経営者などが、総理や有力政治家、著名人と一緒に写真を撮ることで信用の獲得に利用していたケースもあったのではないかとも考えられる。
加えて、この「桜を見る会」にはいわゆる「反社会的勢力」も招待されていたという極めて深刻な事実も判明しつつある。
菅官房長官と一緒に写真に収まっていた人物が、別の写真から逮捕歴のある暴力団系の団体幹部と同一人物である疑いが強まった。菅官房長官は「出席は把握していないが結果的に入っていたかもしれない」と弁明している。
まるで野良犬が紛れ込んできたような言い草だが、議員から直接招待を受けたか、転売等で招待状を手に入れて出席した可能性も否定できない。皇族や各国大使も集う場に暴力団関係者が紛れ込み、あるいは招き入れて、税金で飲み食いをしていた、あるいはさせていた、ということになれば大問題である。日本の政権が反社会的勢力と付き合いがあった、だけではすまない。政権そのものが「反社」である、ということになるからだ。
政府・自民党は、セキュリティーの強化やテロ対策を表向きの理由にして「桜を見る会」などの予算を増やしてきたが、それが中身のない「建前」に過ぎないことはもはや明らかである。
一方、安倍総理以下自民党議員の私的な友人や支援者などではなく、少なくとも形の上では行政官庁などの推薦を受けて招待を受けた参加者についてはどのようになっていたのであろうか。
大手芸能事務所によると、招待状はタレントを名指しにして事務所に郵送されてくるので、事務所側はタレントのスケジュールを照会して都合が合えば参加をさせているという。事務所やタレントの側も、「総理公認タレント」となることにメリットがあると考えている。
しかし、招待客のラインナップを見ていると、特に前年目立った活動をしていた訳でもないのに毎年安倍総理と写真に写っているアイドルグループや芸人の姿も見受けられる。招待するタレントと招待されないタレントの基準もはっきりしない。
たとえば、スポーツ選手であるが3回連続でオリンピックの金メダルに輝いた柔道の野村忠宏氏は、一度も「桜を見る会」に招待されたことはない、とテレビ番組の中で語っていたという。
興味深いのは、俳優の石田純一氏である。石田氏といえば、2016年に野党統一候補として東京都知事選の出馬を表明したこともあるが、近年は度々安倍政権を批判する発言をしている。
もともと石田氏は安倍総理と同年代で、毎年「桜を見る会」の招待状が届いていたという。それが2018年に、招待状を送ってきた官邸から「参加を取りやめてほしい」という通告があったそうである。
もしタレントやスポーツ選手に招待客としての基準があるとしたら、「親安倍」か「反安倍」か、というチェックによって選別をしているのではないだろうか。
また実際に招待された芸能人らは、当日は一定の「エリア」に集められ、そこには食べ物や飲み物が置かれていなかった、という証言も出てきている。総理以下自民党の議員が招待した支援者の目につきやすい場所に配置され、いわば「見世物」のような役目だったのではないかといぶかる声も挙がっている。
つまり、安倍政権になってからの「桜を見る会」は、各界の功労者を慰労する催しなどではなく、安倍総理以下自民党の支持者を、芸能人を「見世物」にして税金でもてなし、自党への投票に誘導する「買収工作」の性格を強めていったのはないかと考えられる。これこそ、岩上安身が命名した「芸能ミーハーファシズム」ではないか。田村智子議員は、岩上安身のこの指摘に対し、真剣な表情で「怖いですね、腐っていく軽さ!」と応じた。
また、「桜を見る会」本来の招待客である「各界の功労者」たちの扱いについても、この催しの趣旨が相当歪められている現状を見ることができる。
法律上の見地から、今回の「桜を見る会」の問題についても様々な指摘を続けている元検事で弁護士の郷原信郎氏も、2013年と2014年に総務省の年金業務監視委員会の委員長として「桜を見る会」に招待されていた。開場時間に入場したものの料理やお酒は殆ど残っておらず、おそらく開場前に入っていた支援者に食べ尽くされてしまっていたようだ、ということをツイッターで述べている。
「招待者」の問題以外にも、この「桜を見る会」は安倍政権の腐敗ぶりを象徴する様々な側面が露わになった問題であることが、徐々に判明してきている。
「桜を見る会」での飲食物の提供は、取締役が安倍総理夫妻と親しい間柄とされるケータリング業者「ジェーシー・コムサ」が7年間受注を独占している。このことについて立憲民主党の蓮舫参議院議員が内閣府にその話をした直後、蓮舫議員の携帯電話に同社の社長から電話が入った、という一件があった。
ジェーシー・コムサ社の受注独占は、言ってみれば加計学園問題等と共通する「お友達優遇」であり、蓮舫議員への電話は、おそらく同議員が受注独占の問題について調査を進めているという情報を内閣から同社に漏洩したことによるもので、先日国民民主党の森ゆうこ参議院議員が質問を予定していた項目について、事前に関係者に知らされていた問題等と同根ということもできるだろう。
また、いわゆる「反社会的勢力」が入場していた問題は、安倍総理がかつて地元・下関の市長選において、暴力団関係者を使って自民党の対立候補の選挙妨害を行ったとされる「ケチって火炎瓶」の事件を想起させるものでもある。
そのような事態であるからこそ、この問題を重く見て、野党は70人規模の「追及本部」を結成し、超党派で真相の究明に取りかかる決意を11月25日に表明した。この問題は自民党による大がかりな法律違反・公金の私物化であり、政府与党が党を挙げて買収行為を行っているという、民主主義の根幹を破壊しかねない重大な事態であるという認識の下、これまでに例をみなかった大規模な「野党共闘」がいよいよ動き始めた。 
安倍事務所
神戸学院大学教授はホテル側が赤字覚悟で安い料金を設定したとなると安倍首相側から招待された有権者への寄付ではなくホテルから安倍事務所への寄付になり法律に違反する可能性が出てくるという。「高級なホテルの料理の価値と5000円との間で差額が生じる。この分はホテルが寄付したことになってしまう。例えば100万円するものを1万円引いたものだったら世の中あるが、ところが何百万も合計するとなるのに、それを半分以下に値引いたとなるとこれを通常の商取引でやるかといったら中々やらない。こんな高額な値引きについては相手が提案した場合、寄付と考えるべき。そうするとこれは政治資金規正法違反。政治資金規正法というのは、会社や労働組合などその他の団体が寄付できるところを限定している。政党にはできますが政治団体にはできませんという法律になっている。寄付した側も処罰されるし、受けた側も処罰される」とコメント。
5000円の会費の徴収問題について元東京地検特捜部の弁護士は「常識的に考えてホテルニューオータニほどの一流ホテルがお金をもらってもいないのに領収書を安倍事務所関係者にわたすということはありえない。後援会とか事務所が払っているとすると支出したということになる、1人5000円分の会費を安倍後援会から支出したということでそれは政治資金収支報告書に記載しないといけない」とコメント。菅官房長官は会見で「首相らは飲食はしなかった」とコメントしているが。元東京地検特捜部の弁護士によると乾杯すれば、その飲み物は本人が消費したとみなされ飲食になるという。その上で安倍首相が会費を支払っていないとすると「ニューオータニ側に本来払うべきお金を払っていないことに。言ってみればニューオータニ側から寄付を受けたのか、あるいは未払いなのか、あるいは無銭飲食になっているのかということになる」とコメント。また、神戸学院大学教授は会費の支払いに関して別の問題があるとして「事務所の職員が参加者から5000円を受け取ったと話している。そうなると支払っている人はホテルに支払っていないから、払っているのはあくまでも政治団体に払っている。ということはこのお金を受け取ったということは政治団体がお金を受け取ったという事実になる。政治資金収支報告書には必ず書かないといけない」とコメント。元東京地検特捜部の弁護士は「検察が最終的に動くかというと動かない可能性が高い」と話した。 
 
 11/8

 

共産、「桜を見る会」の支出増を批判 11/8
共産党の田村智子氏は8日の参院予算委員会で、毎年春に安倍晋三首相主催で開く「桜を見る会」の参加者数と支出額が増え続けていると批判した。田村氏は首相や閣僚の後援会関係者に招待枠を設けているのではないかと追及した。
首相は「各界で功績のあった方々を各省庁からの意見などを踏まえて幅広く招待している」と説明した。「主催者としてあいさつや招待者の接遇をするが、招待者のとりまとめには関与していない」と反論した。招待者の詳細については「個人に関する情報であり、従来から回答を差し控えている」と述べた。
桜を見る会は4月に都内の新宿御苑で開催している。今年は4月13日に開き、芸能界やスポーツ界から約1万8千人が参加した。 
「桜を見る会」 参議院予算委員会質疑 田村智子議員 11/8
2019年11月8日 参議院予算委員会 / 田村智子議員(日本共産党) vs 安倍首相・萩生田文部科学大臣・大塚内閣府大臣官房長
   ●金子原二郎(予算委員長)
   次に、田村智子君の質疑を行います。田村智子君。
田村智子(日本共産党)
日本共産党の田村智子です。安倍内閣のモラルハザードが問われていますが、私は総理自身の問題を質問いたします。毎年4月、総理大臣主催の「桜を見る会」が新宿御苑で行われていますが、安倍総理の下で参加者数、支出額が、年々増えています。これ、2013年以前は資料がないということですので、2014年を見ると、参加者1万3700人、支出額3005万円。予算の1.7倍です。ここから伸び続けて、今年は参加者1万8200人、支出額5520万円。予算の3倍を超えました。驚くのは、来年度の要求額ですね。先の国会で、予算とかけ離れていると批判されたからなのか、今年度の支出額を超えて、5730万円を要求しているわけなんです。総理、なぜこんなに参加者と支出額を増やしてきたんですか。
   ●金子
   内閣府大臣官房長大塚幸寛君。
大塚幸寛(内閣府大臣官房長)
あの、お答えをいたします。まず要求額でございますが、あの、この桜を見る会の概算要求に当たりましては、例えばテロ対策の強化や混雑緩和のための措置などの、近年に講じた改善点を反映させるなどいたしまして、まあ、実態に合わせた積算をさせていただきました。その結果として、今、ただいまご紹介ございました、来年度要求は5,728万8千円を要求をさせていただいているところでございます。それからあの、招待者等が増えている理由でございますが、こちらにつきましては、桜を見る会には、例えば外交団、国会議員、都道府県知事、議長をはじめ、各界において功績・功労のあった方々を、これは各省庁からの意見等を踏まえ、幅広く招待をしております。そしてその上で、内閣官房および内閣府において最終的に取りまとめているところでございますが、そうした結果といたしまして、こうした招待者、参加者が増えているということでございます。
   ●金子
   田村智子さん。
田村
まあ、総理主催ですからね、総理に答えていただきたいんですね。あの、次の資料でね、じゃあ、今、テロ対策等と言いましたけど、支出内訳見てくださいよ。一番経費がかかっているのは、飲食物提供ですね。で、これ、案内状も実は 2.5倍に増えてるんですよ。これ、案内状というのは、封筒の裏面は総理のお名前です。表面に招待者の名前を記して、必ず一人一人に送付をいたします。これ、招待者が本当に増えたってことがわかるわけですよ。で、招待者が増えれば参加者も増える、混雑緩和のために会場設営費もどんどん増えるとこういうことですね。もう一つ見たいんです。桜を見る会の開催要領、これ、あの、毎年閣議に配布がされているということなんですけれども、この中の招待範囲、今、色々言いましたね。確かに皇族とか各国大使、また議会関係や、あの、地方議会関係、行政関係、このあたりはですね、年々増えるってありえないんですよ。(「そうだ!」) 内閣府に聞きましたら、推定だがまぁ2000人くらいでほぼ固定的だって言うんですね。そうすると、一番下ですね、「その他各界の代表者等」、これが増えたってことだと思うんですが。じゃあこれ、内閣府でいいですよ。その「等」を含めて、これはどういう方々で、一体どうやって、招待する人を決めるんですか。
   ●金子
   大塚幸寛内閣府大臣官房長。
大塚
お答えをいたします。あの、今のその開催要領にあります、その「その他各界の代表者等」の「等」でございますが、これはあの、まさしくその各界において、その功績のあった方々を幅広く招待できるよう、「等」をつけているというものでございまして、なにかその、特定の分野ですとかカテゴリーを、あの、想定しているものではございません。あの、まさしくこういったことを含めまして、各省庁から幅広くご推薦をいただき、最終的に私ども内閣府、内閣官房において、取りまとめているところでございます。
   ●金子
   田村さん。
田村
各省庁から推薦をいただいて、功労・功績が認められる方ってことなんですね。「等」を含めて。で、あの、開催要領にはね、その計、約1万人なんですよ、招待範囲。当然、各府省はこれを念頭に入れて、功労・功績のある方を推薦しているはずで、事実、安倍総理より前は、だいたい 1万人前後なんですよ。なぜ1.8万人にもなるのかってことです。桜を見る会に参加したみなさんは、インターネットでその模様をたくさん発信していただいているので、見てみました。稲田朋美「日々の活動報告」、平成26年4月12日。桜を見る会、地元福井の後援会の、地元福井の後援会のみなさまも多数お越しくださり、大変思い出深い会になりました。これ、当時、規制改革担当大臣。「世耕弘成後援会ニュース」、2016年新年号。桜を見る会にて、地元女性支援グループのみなさんと、と。こういう写真が載っています。当時、官房副長。2016年に初入閣された松本純衆院議員の「国会奮戦記」。なかなか興味深いものがありました。2013年4月20日。内閣総理大臣主催、桜を見る会。役職ごとに案内状が割り当てられます。今回は限られた少数の案内しか入手できず、残念ながら後援会の皆様にご案内することができず、やむなくわが陣営は不参加。その後、2015年4月18日。選挙のウグイス嬢の皆様をはじめ、後援会の皆様と参加いたしました。もう一人ご紹介します。「はぎうだ光一の永田町見聞録」、2014年4月18日。総理主催の桜を見る会が催され、今年は平素ご面倒をかけている常任幹事会の皆様を「お招き」しました。夫婦でね 、はい。萩生田大臣。当時は自民党総裁特別補佐ですけれども、「常任幹事会の皆様」というのは、どういう方で、どの府省が推薦してくださったんでしょうね。
   ●金子
   萩生田文部科学大臣。
萩生田光一(文部科学大臣)
桜を見る会については、各界において功績・功労のある方々を、各省庁からの意見等を踏まえ、幅広く招待しているものと承知しており、最終的な取りまとめは内閣官房及び内閣府において行われていると承知しております。実際に参加された方は、手続きに則り招待された方であると承知をしております。
   ●金子
   田村さん。(「いやいやいやいや」) 田村さん。(「止めてください」) 田村さん。 (「止めてください」「申し訳ないんですけど、時計を止めてください」「止めてますか」)(速記、止まる) 萩生田文部科学大臣。
萩生田
あの、自分の知り合いの方を、のべつまくなし呼べるという仕組みに、なっておりません。その方たちが、例えば各種業界団体の東京都単位の役員になっている、そういうような方について・・・・・・それは何年のでしょう・・・・・・常任幹事の中に(笑)、そういう各種団体の長の方がいらっしゃって、その方達がお招きをされたと承知しております。まああの、私が主催者じゃないのに、何かお招きしたというのはちょっとあの、僭越ないいまわしだなと思います。
   ●金子
   はい。田村智子さん。
田村
常任幹事会って何ですか。常任幹事会って、何の団体の常任幹事なんですか。
   ●金子
   萩生田文部科学大臣。
萩生田
2014年の常任幹事会というのは、後援会の中の常任幹事の方ということだと思います。
   ●金子
   はい、田村智子さん。
田村
後援会なんですよ。総理ね、つまり自民党の閣僚や議員のみなさんは、後援会支援者の招待枠、これ、自民党の中で割り振ってるってことじゃないんですか。これ、総理じゃなきゃ答えられない。総理、お答えください。総理でなきゃ答えられない。総理でなきゃ答えられないでしょ。
   ●金子
   大塚・・・・・・(「答えられない」)・・・・・・安倍内閣総理大臣。
安倍晋三(内閣総理大臣)
あの・・・・・・(「なんで内閣府が答えられるの!?」) ・・・・・・あの、いや、今、説明しますから。 桜を見る会についてはですね、各界において功績・功労のあった方々をですね、各省庁からの意見等を踏まえ、幅広く招待をしております。招待者については、内閣官房および内閣府において、最終的に取りまとめをしているものと承知をしております。私は、主催者としての挨拶や招待者の接遇は行うのでありますが、招待者のとりまとめ等には関与していないわけであります。その上で、個々の招待者については、招待されたかどうかを含めて、個人に関する情報であるため、従来から回答を差し控えさせているものと承知をしておりますが、詳細についてはですね、詳細については、政府参考人に答弁させます。
   ●金子
   田村さん。
田村
いや、もうちょっと安倍総理のことでお聞きしますよ。友田たもつ、下関市選出の山口県議会議員のブログ。2014年5月1日号。4月12日、安倍首相が主催する桜を見る会に行ってまいりました。今回は私の後援会女性部の 7名の会員の方と同行しました。早朝7時30分にホテルを出発し、「貸し切りバス」で新宿御苑に向かい、到着するとすぐに安倍首相夫妻との写真撮影会。安倍首相には長く政権を続けてもらい、今後もずっと、桜を見る会に下関のみなさんを招いていただきたい、とあるのですね。ホテルから貸し切りバスで移動する、と。総理ね、総理ご自身も、地元後援会のみなさんを多数、招待されてるんじゃないですか。
   ●金子
   安倍内閣総理大臣。
安倍
あの、今、申し上げましたように、桜を見る会についてはですね、これは昭和27年以来、内閣総理大臣が各界において功績・功労のあった方々をお招きをし、日頃の労苦、慰労をするためなどのため、開催しているものと承知をしておりますが、これは萩生田大臣からも答弁させていただいた通りですね、様々な、例えば地元において自治会等等等ですね、あるいはPTA等で役員をされている方々もおられるわけでございますから、当然そういう方々とですね、これは、あの、後援会に入っている方々が、これは重複することも当然あるわけでございまして、そういう中で招待されているものと承知しております。
   ●金子
   田村さん。
田村
これね、じゃあちゃんと調べてくださいよ。例えば、友田県議後援会の女性部、どういう功労・功績が認められたのかと。で、どの府省が、府省っていうのは、内閣府とその他いろいろな省ってことですよね、どの府省の推薦で招待されたのか、ちゃんと調べてくださいよ。総理。
   ●金子
   はい、大塚官房長。
大塚
あの、具体的な、その招待者の、その推薦、例えば推薦名簿ですとか、推薦に係る書類は、これはあの、毎回のその桜の会の終了をもって使用目的を終えるということもございますし、それからその、個人情報を含んだ膨大な量の文書を適切に管理すると必要が生じることもございまして、これは従前から、その一連の種類につきましては、保存期間1年未満の文書として、終了後遅滞なく廃棄する取り扱いとしているところでございます。
   ●金子
   田村さん。 (「いやいやいやいや」)
田村
いや、あの、本当にね、検証ができない状態なんですよね。私もね、友田県議とか下関の後援会の人が、なんで招待されるんだろうかと。だって、内閣府が発送しているので。で、わが党のしんぶん赤旗、現地取材をしました。下関市の後援会員の男性は、今年の桜を見る会について、こうお話ししてるんです。2月ごろ、下関市の安倍事務所から、桜を見る会に行きませんかと、案内がきた。名前や住所などの必要事項を紙に書いて、安倍事務所に送り返すと、内閣府から桜を見る会の招待状が届いた。安倍政権になってから、毎年参加している。下関からは、毎年数百人が上京すると。(「えー!?」) 案内状というのは、発送は内閣府が一括して行い、必ず招待者一人ひとりに当てて送付をする。これ以外の発送ルートは、ありません。総理、安倍事務所が取りまとめをしなければ、下関市の後援会員の名前や住所が、どうしてわかるんでしょうか 。(「そうだ!」) これ、もしね、内閣府が独自に知っていたってことになると、さらに大問題だと思うんですけれども、総理いかがですか。(「いや総理で」)
   ●金子
   大塚大臣官房長。
大塚
あの、お尋ねの招待状につきましては、あの、まさしく各府省等を通じて、もともとご推薦をいただいておりますし、その各府省等を通じて発送いただくなど、できるだけ最も効率的と考えられる方法で招待者のお手元に届くように、毎回しているところでございます。
   ●金子
   田村智子さん。
田村
あのね、そんなことを聞いてんじゃないんですよ。その下関市の後援会の人たちの名前を、じゃ内閣府、もうお答えいただくって言うんだったらね、どうやって確認したんですか。どうしてわかったんですか。各府省のとりまとめなんでしょ。どの府省が下関の、ね、あの安倍さん関係の後援会の人の名前と住所を、押さえることができるってことなんですか。
   ●金子
   大塚大臣官房長。
大塚
あの、その具体的な、各、その推薦者の、最初の取りまとめの検討の過程に係る情報につきましては、あの、これを明らかにすることは、内閣官房、内閣府におけます円滑な取りまとめに支障を及ぼす恐れがあると考えてございまして、あの、ただいまのお尋ねにつきましては、お答えを差し控えさせていただきたいと考えております。
   ●金子
   田村智子さん。
田村
これね、私たちはね、総理、お答えくださいよ。「安倍事務所」に申し込んだら内閣府から招待状が来たという証言を、複数の方から得ているんですよ。得ているんですよ。それ以外に発送する術は、ないんですよ。そうじゃないって言うんだったら、これ、ちゃんと安倍事務所に確認してくださいよ。地元事務所に。総理。
   ●金子
   安倍内閣総理大臣。
安倍
あの、これ、先ほど、あの、赤旗の取材に、私の後援者が、あの、答えたということは、私も寡聞にして存じ上げないのですが。あの(笑)、そこでですね、今もうすでに申し上げておりますように、個別の方については、招待されたかを含め、個人に関する情報であるため、回答を差し控えさせているというのが、従来からの政府の立場でございます。
   ●金子
   田村智子さん。
田村
これね、開催要領の逸脱が疑われてるんですよ。(「そうだ!」) 各界を代表する、功労・功績のあった方を、府省が取りまとめて、ね、招待するんですよ。これ以外ないんですよ。じゃ、萩生田さんの後援会の常任幹事。萩生田さん、これ何の功労・功績があったと思われます?(「何であなたが答えるの!?」)
   ●金子
   大臣官房大塚君。(「何であなたが答えるの!?」) 大塚君。はい。大臣官房長。
大塚
あの、先ほど総理からもご説明いたしましたが、その個々の方について、その功績・功労は何か、その以前に、その招待されたかどうかということは、これはあの、個人に関する情報でございまして、あの、お答えを従来から差し控えさせていただいているところでございます。
   ●金子
   はい、田村智子さん。
田村
これね、今、後ろからもありました。税金を使った公的行事なんですよ。(「そうだ!」) 誰でも参加できるわけじゃないんですよ。(「そうだ!」) だから、招待範囲も人数も、開催要領を閣議に配って、それで府省からの推薦で、功労・功績が 認められる方を招待するんですよ。そしたらね、当然、それぞれの方にどのような功労・功績があるのか、これ、説明できなきゃおかしいですよ。 (「そうだ!」) それが、桜を見る会なんじゃないんですか、総理。総理、お答えくださいよ。そういうものでしょ。
   ●金子
   大塚大臣官房長。
田村
公的行事で、あなた(大塚大臣官房長)、もういい、もういい、もういい。手、あげないで。
   ●金子
   安倍内閣総理大臣。
安倍
あの、先ほど来答弁をさせていただいておりますようにですね、桜を見る会については、 昭和27年以来、内閣総理大臣が、各界において功績・功労があった方々をお招きをし、日頃の労苦をですね、日頃の労苦を慰労するため、開催をしているものでございます。で、先ほど申し上げて来、申し上げておりますようにですね、個々の方々につきましてはですね、個人情報であるため、回答を控えさせていただいているということでございます。
   ●金子
   田村智子さん。 (「全然だめ!」)(「全然だめ!」) 田村智子さん。 (「ちょっと時間止めてください」)(「全然答えになっていない」) (「ちょっと時間止めてもらえますか」) 速記止めてください。(速記、止まる) 田村智子さん。
田村
そしたらね、委員長ね、私の質問、全然、お答えいただいてませんので、先ほどの萩生田幹事長の常任幹事会、後援会、常任幹事会、これ、どの府省からなのか。下関の安倍事務所、ね、これね、安倍事務所に、どっかの府省が連絡とったのか、こういうことをぜひね、これ、お調べいだだいて、ちゃんと委員会にご報告いただきたいというふうに思うんですね。はい、お願いします。
   ●金子
   じゃあ、後刻理事会で協議をさせていただきます。はい、田村智子さん。
田村
もうちょっと、ブログ、見てみたいんですよ。藤井律子、山口県周南市長のブログ。2018年5月4日。これ、当時、あの山口の県議なんですけどね。桜を見る会に行ってきました。片山さつき先生とも久しぶりの再会を果たしました。「今日は山口県からたくさんの人が来てくださっているわね、10メートル歩いたら 山口県の人に出会うわよ」といつものように元気よく、お声をかけていただきました。まあ、こういうのはねぇ、もう、いっぱいあるんです。インターネットで検索すると。結局ね、私はね、税金を使った公的行事っていう自覚もなく、安倍総理が地元からの招待者を どんどん増やしたんじゃないかと。さらにはね、地元後援会の恒例行事にしてきたんじゃないかっていうことも指摘したいんです。先ほどの友田県議のブログです。桜を見る会の記述は、前日の行動から始まります。前日の早朝に飛行機で上京。夜にはANAのインターコンチネンタルホテルの大広間において、下関市、長門市、そして山口県内外からの招待客約400人による安倍首相夫婦を囲んだ盛大なパーティー。次の日、早朝7時30分にホテルを出発し、貸し切りバスで新宿御苑にと、続いていくんですね。もう一つ、吉田真次、下関市議会議員。今年の桜を見る会について、ブログで発信しています。やはり前日12日に飛行機で東京へ。夜は桜を見る会の前夜祭。安倍総理夫妻と写真をとっていただきました。で、前夜祭の宴会会場の写真。続けて翌日の新宿御苑の写真なんですね。総理ね、もうこれね、総理しか答えられないです。桜を見る会は、安倍晋三後援会桜を見る会前夜祭とセットで、総理が後援会や支援者、山口県の関係者のご苦労を慰労し親睦を深める、そういう行事になってんじゃないですか。
   ●金子
   安倍内閣総理大臣。
安倍
あの、桜を見る会につきましては、すでに政府委員から答弁をしている通りでございまして、個々の個人名等々については、お答えは差し控えさせていただきたいということでございます。
   ●金子
   田村智子さん。
田村
前夜祭と一体でしょ。で、もう少し示しますよ。首相動静。この3年間、桜を見る会の前日、ホテルニューオータニの宴会場で安倍晋三後援会、桜を見る会前夜祭に出席と。3年間ずっとあるんですよ、総理。それ以前も、ホテルや名称は異なりますが、必ず前日夜は後援会の方々と懇親会、宴会に、ご夫婦でご出席されてるんですよ。総理は。よくご存じでしょう。ご自身が。 (「そりゃそうだ」) 今年の前夜祭の参加者は約850人。 (「おー!」)(「えーっ!?」) 翌朝、貸切バス17台で新宿御苑に移動。 (「おいおい」) これはね、あの、防府市ライオンズクラブの会報に寄せられた寄稿。あの、寄せられた文章からわかりました。また、私たちの取材でも、複数の参加者からですね、貸切バス17台だと。で、自分は何番目に乗るんだということがね、全部確認できたわけですよ。まさに安倍総理の後援会の一大行事になってるんじゃないかと。 (「税金使うな」) 違いますか、セットでしょ。総理も、総理にとっても、桜を見る会前夜祭と翌日の桜を見る会がセットになって、山口県のみなさんと親しく懇親をする、そういう場になってんじゃないですか。
   ●金子
   安倍内閣総理大臣。
安倍
あの、その、懇親会にですね、私が出席をして、写真等をとっているのは事実でございます。もちろんそれは、各個人がですね、それぞれの費用によって、この、上京し、そして、この、その、ホテルとの関係においても、それ、ホテルに直接、払い込みをしているというふうに、承知をしているところでございます。なお、この招待客については、先ほど来から答弁をしているとおりでございます。(「それでいいんですか!?」)
   ●金子
   田村智子さん。
田村
セットなんですよ。じゃあね、桜を見る会当日の首相動静、これも指摘します。今年は午前7時48分、総理は夫妻で新宿御苑に到着。そして7時49分、昭恵夫人とともに地元の後援会関係者らと写真撮影とあります。さかのぼれば毎年、午前8時前に地元後援会関係者らと写真撮影されているんですね。桜を見る会の開門及び受付時間は、午前8時30分です。開門もしていないのに、会場で地元後援会のみなさんと記念撮影を毎年されておられる。これ、まさに後援会活動そのものじゃないですか。(「そうだ!」)
   ●金子
   安倍内閣総理大臣。大塚大臣官房長。(「だめだめだめ!」)(「なんで内閣府が答えられるんですか!?」) (「委員長」) 大塚大臣官房長。(「大問題ですよ」) (「委員長、これはだめです」)(「これはだめです。これはだめです」)(「なんで分かるんですか、総理の後援会活動が」)(「時間止めてますか」)(「運営なんか聞いていませんよ」)(「時間止めてますか」) (「委員長、だめです、総理です」)(「一応そっちから答えたから」) (「総理からまた)」(「だめです」)(「終わっちゃうでしょ」) はい、大塚大臣官房長。はい。
大塚
あの、桜を見る会の、あの開園時間につきましては、開催要領で定めております通り、午前8時半から午前10時30分の間の随時入園、参観ということになっております。これが桜を見る会でございます。
   ●金子
   安倍内閣総理大臣。 (「なんで出てきたんだ」) あの・・・・・・ (「なんで出てきたの」)・・・・・・これは、招待者のですね、ええ、その、それぞれの受付時間の対応に関するこの情報につきましては、これはセキュリティに関することであるため、回答を差し控えさせていただきたいと、このように思います。
   ●金子
   田村智子さん。
田村
だから、なんで開門前に、山口の後援会のみなさんと、あなた、写真を撮ってるんですかってことなんですよ。答えてくださいよ。
   ●金子
   安倍内閣総理大臣。
安倍
あの、これについてはですね、どういう形で私が動くかということにも関わってまいりますので、その、セキュリティに関わることでございますので、回答を控えさせていただきたいと思います。
   ●金子
   田村さん。
田村
しんぶん赤旗の取材でね、下関市の後援会の男性。到着すると安倍事務所の秘書らがバスの座席を回って、入場のための受付票を回収する。その秘書が受付を済ませ、参加者用のリボンを配る。まとめてのチェックインで、手荷物検査はなかった。何がテロ対策を強めたですか。 (「何がセキュリティーだ」) これ、調べてください。調べてください、総理。
   ●金子
   はい、大塚大臣官房長。(「だめです、だめです、だめですよ。止めてください、ちょっと」)(「時間止めてください。まず時間を止めて。時間止めて」) 速記を止めてください。(速記、止まる) はい、大臣官房大塚君。簡単に。
大塚
お答えいたします。あの、受付に関する、その、お尋ねだというふうに、あの受け止めました。あの、受付時の対応に関する情報は、これはまさしくセキュリティに関することであるため、あの、お答えは差し控えさせていただきたいと考えております。
   ●金子
   はい、安倍内閣総理大臣。 (「時間」)
安倍
あの、今、あの、政府参考人からお答えをさせていただきましたように、受付の仕方、等々につきましてもですね、これはあの、まさにこれは、例えば、まあ、その後の私との関係においてもですね、これはセキュリティに関わることでございますから、これはお答えを差し控えさせていただきたいと、このように思います。
   ●金子
   時間が・・・・・・
田村
開門前にね、手荷物検査もしないで大量に入ったら、それこそセキュリティ上の問題じゃないですか。(「そうだ!」) 桜を見る会は参加費、無料なんですよ。会場内でも無料で、樽酒その他のアルコール、オードブルやお菓子、お土産を振る舞うんですよ。(「はい時間が来ております」) ね、これを政治家が自分のお金でやったら、明らかに公職選挙法違反。 (「そうだ!」) そういうことをあなたは、公的行事で、税金を利用して行なっているんですよ。(「時間が来ておりますので」) これだけの重大問題だと、まさにモラルハザードは、(「時間が来ております」)安倍総理が起こしていると、このことを指摘して質問を終わります。
   ●金子
   以上で、田村君の質疑は終了いたします。 
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桜を見る会 公的行事を私物化 田村氏の追及で浮き彫り 11/9
日本共産党の田村智子議員は8日の参院予算委員会で、安倍晋三首相をはじめ、自民党の閣僚や議員が、首相主催の「桜を見る会」に地元の後援会員を多数招いている実態を突き付け、安倍首相の認識を追及しました。安倍首相はまったく答えられず、税金でまかなう公的行事が安倍内閣のもとで私物化されている実態が浮き彫りになりました。
桜を見る会は“各界で功労・功績のあった人たちを慰労し、懇談すること”を目的に毎年4月に東京・新宿御苑で開かれます。参加費は無料で、たる酒その他のアルコール、オードブルやお菓子、お土産がふるまわれ、芸能人・著名人に直接会うこともできます。
田村氏は、桜を見る会には、功労・功績のあった人たちを各府省の推薦で招待することになっていると指摘。ところが、自民党の閣僚や議員が地元後援会員を招待し、その模様を発信しているとして、その一部を紹介しました。
○「稲田朋美 日々の活動報告」/桜を見る会 「地元福井の後援会の皆様も多数お越しくださり、たいへん思い出深い会になりました」
○「世耕弘成後援会ニュース」/「『桜を見る会』にて 地元女性支援グループの皆さんと」
○松本純衆院議員の「国会奮闘記」/「内閣総理大臣主催『桜を見る会』 役職ごとに案内状が割り当てられます」「選挙のうぐいす嬢の皆様をはじめ後援会の皆様と参加いたしました」
田村氏は、萩生田光一文部科学相もネットで「総理主催の『桜を見る会』が催され、今年は平素ご面倒をかけている常任幹事会の皆様をお招きしました」と発信していることを指摘し、次のようにただしました。
田村 (常任幹事会の皆様は各府省の)どの部署が推薦したのか。
萩生田文科相 実際に参加された方は、手続きにのっとり招待された方だ。
田村 何の団体の常任幹事か。
文科相 後援会の中の常任幹事の方だ。
萩生田氏はしどろもどろになりながらも自らの後援会員を招待していたことをしぶしぶ認めました。
田村氏は「後援会・支援者の招待枠を自民党のなかで割り振っているのではないか」と追及。安倍首相が「私は主催者としてのあいさつや、招待者の接遇は行うが、招待者の取りまとめ等には関与していない」などと人ごとのように答えたのに対し、田村氏は「後援会のみなさんを最も大勢招待しているのが、安倍首相だ」とさらにたたみかけました。
田村氏は、下関市選出の友田有・山口県議会議員がブログで「今回は私の後援会女性部の7名の会員の方と同行しました」と発信していることなどを紹介。安倍首相の後援会員が、安倍事務所が取りまとめ役になって「下関から毎年数百人が上京する」と証言していることなどを紹介すると、委員会室からは「ひどいな」などのどよめきがおきました。田村氏は、安倍首相自身が後援会員を広く招待している事実を突き付けて次のように迫りました。
田村 案内状発送は内閣府が一括して行い、必ず招待者一人ひとりにあてて送付する。安倍事務所がとりまとめをしなければ、下関市の後援会員の名前や住所がどうしてわかるのか。
大塚幸寛・内閣府大臣官房長 推薦者のとりまとめにかかる情報は、円滑な取りまとめに支障をきたす恐れがあるので、答えは差し控える。
田村 安倍事務所に確認してください。
安倍首相 個人に関する情報であるため、回答を差し控える。
安倍首相らが質問にまったく答えないため、質疑は何度も中断。田村氏は「税金を使った公的行事だ。どのような功労・功績があるのか説明できないとおかしい」として、きちんと調べて報告するよう要求しました。
さらに、田村氏は、安倍首相の後援会員の証言や首相動静から、桜を見る会の前日には安倍首相夫妻出席のもと毎年、前夜祭が開かれていることを明らかにして、安倍首相が桜を見る会への招待を地元後援会の恒例行事にしてきたことを指摘。桜を見る会の開門・受付開始は午前8時30分なのに、毎年午前8時前後に安倍首相が地元後援会の人と新宿御苑内で記念撮影をしていることもあげ、次のようにただしました。
田村 なんで開門前に、山口の後援会のみなさんと、あなたは写真をとっているのか。
首相 セキュリティー(安全)にかかわることなので回答を差し控える。
答弁に窮した安倍首相は「セキュリティー」を持ち出して、答えることをかたくなに拒否。田村氏は、安倍首相の後援会員が手荷物検査も受けずに受付をすませていたと証言していることを示し、「開門前に手荷物検査もしないで大量に人が入ったら、それこそセキュリティー上問題だ」と述べ、「そういうことを、公的行事で税金を利用して行っている。まさに(政治の)モラルハザードは安倍首相が起こしている」と厳しく批判しました。 
安倍首相「桜を見る会」の税金を使った不正が国会で明らかに! 11/9
公選法違反疑惑によって大臣辞任が相次ぐ安倍内閣だが、本日、おこなわれた参院予算委員会では、ついに総理自身の疑惑追及がおこなわれた。そう、「桜を見る会」の私物化問題が安倍首相にぶつけられたのだ。
本サイトでもお伝えしてきたように、「桜を見る会」にかかる支出は第二次安倍政権下で大幅に増えており、予算額は2014年度以降約1767万円で固定されていたのに、支出は年々増え今年2019年度は5519万円と約3倍に。しかも、このことが問題になると、2020年度予算の概算要求で内閣府は「桜を見る会」の関連経費として本年度の3倍を超える5729万円を計上。無駄遣いを見直すのではなく、逆に予算額を増やしてきたのだ。
しかし、そんななかで「しんぶん赤旗日曜版」10月13日号は、安倍首相が地元・山口の後援会員を数百人規模で招待していることをスクープ。都内観光とセットにしたこのツアーは「後援会の目玉行事」となっていたといい、さらには妻・昭恵氏が名誉会長を務めたスキーイベントの実行委員をはじめ、昭恵氏の農業仲間や日本酒をつくる女性のグループなども招待されている事実を突き止めていた。
しかも、きょうの参院予算委員会で質問に立った共産党の田村智子議員は、新たな事実を安倍内閣に突きつけた。それは、安倍自民党全体で私物化している実態だ。
田村議員が読み上げたのは、安倍自民党の大臣や閣僚経験者らによる「桜を見る会」の報告。そこにはこんな記述があったのだ。
稲田朋美・元防衛相〈地元福井の後援会の皆様も多数お越し下さり、たいへん思い出深い会となりました。〉(2014年4月12日「日々の活動報告」)
世耕弘成・前経産相〈『桜を見る会』にて 地元女性支援グループの皆さんと〉(「世耕弘成後援会ニュースKawara-Ban」2016年新年号)
松本純・元国家公安委員会委員長〈選挙のうぐいす嬢の皆様をはじめ後援会の皆様と参加致しました。〉(同上2015年4月18日)
萩生田光一・文科相〈総理主催の「桜を見る会」が催され、今年は平素ご面倒をかけている(編集部注:後援会の)常任幹事会の皆様をご夫婦でお招きしました。〉(「はぎうだ光一の永田町見聞録」2016年4月18日)
なんと、稲田氏や萩生田氏、世耕氏といった安倍首相の側近議員たちも、安倍首相と同じように地元後援会も関係者を招待し、もてなしていたというのだ。
さらに、松本元国家公安委員長は、このようにも綴っていた。
〈役職ごとに案内状が割り当てられます。参加するにはこの案内状が無ければ入場できません。今回は限られた少数の案内しか入手できず、残念ながら後援会の皆様にご案内することができず、やむなく我が陣営は不参加ということになってしまいました。ご期待いただいていた皆様にはお詫び申し上げます。もっと偉くなりたいですね。〉(「松本純の国会奮戦記」2013年4月20日)
つまりこれは、自民党は党内で役職ごとに後援会や支援者の招待枠を割り振っているということだろう。
念のため言っておくが、議員の後援会や支持者というのは、「桜を見る会」の招待範囲に含まれていない。税金が投入された公的行事なのだから当然だ。実際、今年1月に閣議で配布された「桜を見る会『開催要領』」にある「招待範囲」には、こうある。
〈皇族、元皇族/各国大公使等/衆・参両院議長及び副議長/最高裁判所長官/国務大臣/副大臣及び大臣政務官/国会議員/認証官/事務次官等及び局長等の一部/都道府県の知事及び議会の議長等の一部/その他各界の代表者等〉
皇族や大使・公使、政府・自治体関係者の数は、内閣府も「2000人くらいでほぼ固定的」と認めている。ようするに、〈その他各界の代表者等〉が安倍政権下で大幅に増え、予算も増加しているのだ。一方、今回判明した、安倍首相を筆頭に安倍自民党の議員たちが後援会・支持者をもてなす場として税金を使って「桜を見る会」を利用してきた実態……。これが支出増加の原因だとしか考えられないのだ。
さらに田村議員は「下関の安倍事務所から参加確認があり、希望すれば、内閣府から招待状が送られてくる」という安倍首相の地元・山口の後援会関係者や後援会員の証言を紹介。安倍事務所が取りまとめの窓口となっているのではないかと、安倍首相に質した。
安倍後援会大量招待を問われた安倍首相は「地元の自治会やPTAの役員…」
しかし、きょうの国会では、田村議員が安倍首相に答弁を求めているにもかかわらず、内閣府の大塚幸寛大臣官房長を指差して自分は大臣席に座ったまま。こうした場面が何度もつづき、答弁拒否を繰り返した。そして、「後援会や支援者の招待枠を自民党内で割り振っているのでは」という質問には、田村議員が「総理じゃなきゃ答えられない! 総理がお答えください!」と食い下がった結果、安倍首相はしぶしぶ重い腰をあげたのだった。
だが、その答弁は、紙に目を落としたままそれを読み上げるだけという、無責任極まりないものだ。
「『桜を見る会』についてはですね、各界において功績・功労のあった方々を各省庁からの意見等を踏まえ、幅広く招待をしております。招待者については、内閣官房および内閣府において最終的なとりまとめをしているものと承知をしております。私は主催者として、挨拶や招待者の接遇はおこなうのでありますが、招待者のとりまとめ等には関与していないわけであります。その上で、個々の招待者については、招待されたかどうかを含めて、個人にかんする情報であるため、従来から回答を差し控えさせているものと承知をしております」
個人情報だから答えられない──。しかも、田村議員が「総理も後援会関係者を多数招待しているのではないか」と追及すると、こんなことを言い出したのだ。
「さまざまな、たとえば地元において自治会等々でですね、あるいはPTA等で役員をされている方もおられるわけでございますから、当然、そういう方々とですね、これは後援会に入っている方々が、これは重複することも当然あるわけでございまして、そういうなかで招待されているものと承知をしております」
まさに噴飯モノの答弁だろう。ようするに安倍首相は、地元の自治会・PTAの役員を「各界において功績・功労のあった代表者」だと言い張ったのだ。
こんなことを言い出したら、全国の自治会・PTA役員を「桜を見る会」に招待しなければ公平性は保たれない。それとも安倍首相は、自分や自民党議員の後援会・支持者でなければ「各界において功績・功労のあった代表者」とは認めないとでも言うのだろうか……。
しかも、招待者に何の功績があったのか、招待者の検討過程はどうなっているのかを問いただしても、安倍首相をはじめ政府から出てくる答弁は「リストや資料は終了後遅滞なく廃棄している」だの「個人情報であるため回答を差し控えている」の一点張り。税金が投入された公的イベントに持ち上がった私物化疑惑に対し、事実上の答弁拒否を繰り返したのだ。
「テロ対策で予算が増えた」と言い訳する一方、安倍首相の地元後援者は手荷物検査なしで入場
まったく税金を何だと思っているのかと怒りを覚えずにいられないが、さらに新たな疑惑も発覚。なんと、「桜を見る会」がはじまる前に、安倍首相の後援者が入場し、安倍首相と写真撮影をおこなっているというのである。
実際、今年の「桜を見る会」がおこなわれた4月13日の首相動静によると、こうある。
〈午前7時48分、東京・内藤町の新宿御苑着。午前7時49分から同8時31分まで、昭恵夫人とともに警視庁幹部、前田晋太郎山口県下関市長、地元の後援会関係者らと写真撮影。〉
田村議員によれば、安倍首相は例年、午前8時30分より前に地元後援会関係者と写真撮影をおこなっているというのだが、しかし、「桜を見る会」の開門および受付時間は午前8時30分。つまり、先に入場させて写真撮影するという「後援会活動」を、安倍首相はおこなっているのだ。
しかし、この問題の追及に対しても、安倍首相は指名を受けているのに立ち上がろうともせず、大塚大臣官房長に答弁を促すだけ。そして、ようやく答弁席に立つと、こんな主張をはじめたのだ。
「招待者の、それぞれの受付時間の対応にかんする情報につきましては、これはセキュリティにかんすることであるため、回答を差し控えさせていただきたい」
まったく何を言っているんだか。しんぶん赤旗の取材では、下関市の自民党関係者や安倍首相の地元後援会員がこうはっきりと証言しているからだ。
「新宿御苑で一般招待客は並んで手荷物検査がある。しかし“下関組”はバスの駐車場がある“裏口”から入るのが恒例だ」
「(新宿御苑に)到着すると、安倍事務所の秘書らがバスの座席をまわって、入場のための受付票を回収する。その秘書が受け付けを済ませ、参加者用のリボンを配る。まとめてのチェックインで手荷物検査はなかった」
政府は「桜を見る会」の来年度予算を今年度予算の3倍を超える5729万円を計上したことについて、「テロ対策の強化や混雑緩和のための措置」とする答弁書を閣議決定している。こうして「テロ対策で予算が増えた」と主張する一方で、実際には安倍首相は、手荷物検査もおこなわせずに後援会関係者を裏口から通しているのだ。
これで何がテロ対策だ、と言いたくなるが、その上、安倍首相は「セキュリティにかかわるから回答しない」などと逃げたのである。
ともかく、きょうの国会追及によって、安倍首相がいかに「桜を見る会」を私物化し、自分の後援会員や支持者のおもてなしのために税金をさらに投入しようとしていることが、はっきりとした。税金の無駄遣いの問題を「リスト・資料は破棄した」では済まされない。
田村議員は「桜を見る会は参加無料なんです。会場内で樽酒その他のアルコール、オードブル、お菓子、お土産をふるまうんですよ。これを政治家が自分のお金で行ったら明らかに公職選挙法違反。そういうことを、あなたは公的行事で税金を利用して、行っているんですよ。これは重大問題、まさにモラルハザードは安倍総理が起こしている」と喝破して質問を終えたが、まさにそのとおりだろう。
政府はしっかりと調査し国民に報告することを強く要求したい。 
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“「桜を見る会」は問題ない“ 招待者数精査は検討 官房長官  11/11
総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐり、野党側が参加者数や支出が増えていると批判していることについて、菅官房長官は、実態に合わせて開催に必要な予算を要求しており問題はないという認識を示す一方、今後、招待者数の精査を検討する考えを示しました。
総理大臣主催で行われている「桜を見る会」をめぐり、先週の参議院予算委員会で、共産党の議員が、参加者数や支出が年々増えているほか、安倍総理大臣の地元の後援会からも多数の人を招待しているなどと批判しました。
これについて、菅官房長官は、午前の記者会見で「『桜を見る会』は、昭和27年以来、総理大臣が、各界で功績や功労のあった方々をお招きし、日頃のご苦労などを慰労するとともに親しく懇談する内閣の公式行事として開催されており、内閣官房および内閣府で最終的な取りまとめを行っている」と述べました。
そのうえで、「来年度の概算要求では、テロ対策の強化や混雑緩和の措置など、近年に講じた改善点を反映させており、実態にあわせた要求を行っている」と述べ、予算の要求額に問題はないという認識を示しました。
一方、「招待者数を精査する考えはあるか」と質問されたのに対し、菅官房長官は、今後検討する考えを示しました。
自民党の石破元幹事長は記者団に、「誰をどう招待するかは招待者の権能によるのではないか。ただ一般論で言えば、総理大臣が呼ぶなら当然、公平性が要求される」と述べました。
また「私は『桜を見る会』に自分の後援会を招いてはいない。そういう枚数があったら、期数の若い議員にあげたい。党の役職をしている時に枠があったが、使ったことはない」と述べました。 
「桜を見る会」招待者がブログ削除 11/11
 山口県周南市長「騒動に巻き込まれるのは嫌」
内閣総理大臣が主催する「桜を見る会」で、安倍晋三首相の地元・山口県の関係者が多数招待されていると批判を集める問題で、出席者が当日の模様を紹介するブログ記事を削除したことが分かった。その一人である、山口県周南市の藤井律子市長は取材に「何らやましいことをしておりませんけど、騒動に巻き込まれるのは嫌だから削除いたしました」と話す。
「10メートル歩いたら、山口県の人に出会うわよ!」
「税金を使った公的行事との自覚がなく、安倍総理が地元からの招待者をどんどん増やしたんじゃないか。さらには地元後援会の恒例行事にしてきたんじゃないか」
2019年11月8日の参院予算委員会で、日本共産党の田村智子議員が舌鋒鋭く指摘した。
首相が例年4月に主催する「桜を見る会」で、参加者、支出額が年々増えているとした上で、特に安倍首相の地元から選定基準が不透明な人物が多数呼ばれている――との主張だ。
その根拠としたのが、山口県を地盤とする政治家のブログ記事だ。
「 今回は私の後援会女性部の7名の会員の方と同行しました」「(桜を見る会の前夜祭で)下関市・長門市そして山口県内からの招待客400人による安倍首相夫婦を囲んだ盛大なパーティーが開かれました」「今後もずっと『桜を見る会』に下関の皆さんを招いていただきたい 」(下関市選出の友田保・山口県議の14年5月1日号記事)
「 片山さつき先生とも久しぶりに再会を果たしました。『今日は、山口県からたくさんの人が来てくださっているわね〜。10メートル歩いたら、山口県の人に出会うわよ!』といつものように元気よくお声をかけていただきました 」(当時・山口県議、現・周南市長の藤井律子氏の18年5月8日付記事)
自民党内では常識?
なお、同様の"疑惑"は他の自民議員にも向けられた。田村氏は複数のブログ記事から、党内での地元後援会員の招待が常態化していると推測する。
「 地元福井の後援会の皆様も多数お越し下さり、たいへん思い出深い会となりました 」(稲田朋美衆院議員の14年4月16日付記事)
「 『桜を見る会』にて地元女性支援グループの皆さんと 」(世耕弘成参院議員の16年後援会レポート)
「 役職ごとに案内状が割り当てられます。参加するにはこの案内状が無ければ入場できません。今回は限られた少数の案内しか入手できず、残念ながら後援会の皆様にご案内することができず、やむなく我が陣営は不参加ということになってしまいました 」(松本純衆院議員の13年4月20日付記事)
「 今年は平素ご面倒をかけている常任幹事会の皆様をご夫婦でお招きしました 」(萩生田光一文部科学相の14年4月18日付記事)
「税金の私物化、権力の私物化は明らか」
政府は19年10月15日、桜を見る会は「内閣総理大臣が各界において功績、功労のあった方々を招き、日頃の御苦労を慰労するとともに、親しく懇談する内閣の公的行事として開催しているものであり、意義あるものと考えている」とする答弁書を閣議決定している。
しかし11月8日の予算委員会では、招待者の明確な選定基準が示されず、出席者のリストはすぐに廃棄されていることも分かり、SNS上では「税金の私物化、権力の私物化は明らか」と批判が渦巻いた。
さらに、前述の藤井氏、友田氏の記事が削除されたため、「やましいことがなければ、削除する必要はない」「証拠隠滅って事だね」と波紋を広げている。藤井氏は18年の記事に加え、14年の記事「桜を見る会に参加して」も消している。
藤井氏は11日、J-CASTニュースの取材に、削除は自らの判断だと明かし、「予算委員会の日に、いろんな声を頂いたというかね、話題になったもんで、何らやましいことをしておりませんけど、騒動に巻き込まれるのは嫌だから削除いたしました。もう一つは、ほかの人の名前を出していましたのでその人に迷惑がかかってはいけないので」と話した。 
私物化!? 「桜を見る会」 11/11
公費超過・公務(公費)私物化!?で話題の安倍首相主催「桜を見る会」。招待リストも削除され、私物化疑惑だけでなく、浮上している招待状1通8万円の転売疑惑も有耶無耶になる予感。「桜を見る会」出席者の当時のブログSNSも一斉に削除され、入手された唯一のエビデンスが安倍後援会に向けた「桜を見る会のご案」コピー。これからの疑惑解明に期待したい。
そもそもの「桜を見る会」
元々の「桜を見る会」の目的と招待客
開催要領による本来の目的
「 内閣総理大臣が主催し、各界において功績、功労のあった方々を招き、日頃の御苦労を慰労するとともに、親しく懇談する内閣の公的行事として開催するもの。 」
開催要領による本来の招待客
「 皇族、元皇族、各国大使等、衆・参両院議長及び副議長、最高裁判所長官、国務大臣、副大臣及び大臣政務官、国会議員、認証官、事務次官等及び局長等の一部、都道府県の知事及び議会の議長等の一部、その他各界の代表者等 計 約1万人。その他各界代表者等には、その年に功績・功労のあったスポーツ界、芸能界を始めとする有名人と同じく功績・功労のあった一般人が招待される。その数、約8千人。 」
この招待客を、各府省庁からの意見を踏まえて内閣官房・内閣府が最終的にとりまとめるというのが元々のガイドライン。
実際は謎のルールが存在!?
実際のところ、自民党議員に招待客の推薦枠を割り振らているという謎のルールで運用されていたようだ。これが安倍後援会の恒例行事化に繋がっているのだが、主催者自らが謎のルールを最大活用していれば、その結果は想像できる。しかし、この謎のルールは公務(公費)私物化以外にも招待状の転売疑惑も浮上している。闇は意外にも深そうだ。
疑問視される「桜を見る会」の実態
招待来場者が倍増の1万8千2百人
招待者数と予算大幅超過
開催要領での招待者数は約1万人(内その他各界の代表者等は約8千人)。これに対して、安倍内閣時代から招待者数が年々増加し、2019年度の招待来場者数は1万8千2百人(招待者約1万5千4百人とその同伴者)と倍増した。ちなみに、開催費も約17百万円の予算に対し、実際の支出額は今年度約55百万円と大幅に超過。2014年から年々規模を拡大し、予算は毎年超過していたようだ。
招待者数が倍増した理由
その他各界代表者等の招待者を決めるにあたっての公式回答が、
「 各省庁からの意見を踏まえて幅広く招待している (菅官房長官) 」
しかし、これはあくまで表向きの説明で、実際には「えたいの知れない人が来ないよう議員に枠が割り振られる」と自民党幹部も認めているようだ。この謎のルールで運用されたことで、招待枠を持つ自民党議員が地元の後援会・支援者を招待客として優先するようになったのだろう。しかも、自民党議員、その後援会・支援者のモラルを一掃してしまったのが「桜を見る会」主催者であるはずの安倍首相が自ら後援会・支援者を最優先していたとは。実際、安倍首相が招待した地元山口からの後援会・支援者の数は850人にものぼっていた。他の自民党議員が後援会・支援者の(招待状の)要求を受けていたら招待者数が膨れ上がってくるのも頷ける。ちなみに、某自民党議員のブログにこのようなものが↓↓(現在は削除済み)、、、もう感覚がおかしくなっている。
「 大臣政務官としてご招待出来る枠を数件頂いたので、後援会役員の方に声を掛けさせて頂いた。私が許された枠は5組だけ、お世話になっている地元関係者へご案内を申し上げている。(某自民党議員) 」
招待者リストを全て破棄!?
野党から、安倍首相の公務(公費)私物化疑惑で招待者リストの提出を求められてが、
「 具体的な招待者の推薦にかかる書類は、保存期間1年未満の文書として廃棄している(内閣府大臣官房長) 」
「 個人情報の観点から会終了後に破棄したもの(菅官房長官) 」
招待者リストが公になり事実関係が判明した場合、内閣総理大臣がその地位を利用して個人の後援会活動に利用したこと、つまり税金で主催する公的行事で後援会・支援者を接待したことになる。更に、招待者リストが公開されれば、この私物化疑惑だけでなく、浮上した(マスメディアでは未だ取り上げないが)招待状の転売疑惑も明らかになるはず。これは一大事である。
首相後援会の私物化とは!?
阿部首相後援会には前夜祭付き
安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭
約850人に登る安倍首相の後援会・支援者の恒例行事は2013年の「桜を見る会」から続いてようだが、これには毎年恒例の前夜祭がセットされた一大行事になっていた。
2013年4月19日 / 東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京の宴会場 「安倍晋三後援会 桜を見る会懇親会」に出席
2014年4月11日 / 東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京の宴会場 「安倍晋三後援会 桜を見る会懇親会」に出席
2015年4月17日 / 東京・紀尾井町のホテルニューオータニの宴会場「鳳凰の間」「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」に出席
2016年4月8日 / 東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京の宴会場 「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」に出席
2017年4月14日 / 東京・紀尾井町のホテルニューオータニの宴会場「鳳凰の間」「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」昭恵夫人と共に出席
2018年4月20日 / 東京・紀尾井町のホテルニューオータニの宴会場「鳳凰の間」「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」昭恵夫人と共に出席
2019年4月12日 / 東京・紀尾井町のホテルニューオータニの宴会場「鳳凰の間」「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」昭恵夫人と共に出席
   ○ 前夜祭参加費:5千円/1人 
   ○ 宿泊費:不明
   ○ 送 迎:バス17台で翌日「桜を見る会」の会場(新宿御苑)へ
次々に「桜を見る会」の投稿を削除
山口県 周南市長
削除された藤井市長のブログ。県議時代に桜を見る会に参加した様子をつづる
安倍晋三首相が東京の新宿御苑で主催する「桜を見る会」に地元山口県の支援者を大量に招き、野党が「公式行事の私物化」と批判する問題で、周南市の藤井律子市長は県議時代に参加した様子をつづるブログの投稿を削除した。藤井市長は「関係者に迷惑が掛かる」と話している。自民党県連幹事長も投稿を消し、首相の地元関係者の削除が相次ぐ。藤井市長はブログの2018年5月8日付で「『桜を見る会』に行ってきました」と題し投稿。会場で片山さつき参院議員から「10メートル歩いたら、山口県の人に出会うわよ!」と声を掛けられたことを紹介する。8日の参院予算委員会で野党議員が藤井市長のブログを引用し、国の予算を使い安倍首相の地元である山口県の関係者が多く招待されていると批判。その後、投稿はなくなった。藤井市長は14年に参加した際の投稿も8日以降に削除した。藤井市長は中国新聞の取材に「関係者に迷惑が掛かるといけないので削除した。案内が来たから参加した。それだけ」と述べた。
山口県下関市 友田有県議
自民党県連幹事長で安倍首相の地元下関市の友田有県議は「今後もずっと『桜を見る会』に下関の皆さんを招いていただきたい」とのブログの投稿を削除。友田氏は「理由は特にない。私費で参加しており何も問題ない」と述べた。
安倍首相後援会
入手された唯一のエビデンスが安倍後援会に向けた「桜を見る会のご案」コピー
招待状の転売疑惑!?
自民党議員の招待枠から流通!?
「桜を見る会」の招待状は、その年の功績・功労を認められた者に送られ、桜を見るだけでなく、国の有力者、有名人と同じ場所に集えるという、人によってはプレミアムチケット。このチケットは自民党議員に割り当てられた枠から流通される謎のルールがあることから、後援会・事務所ルートを探り求めるものとの仲介が水面下であるようだ。これが悪い方に進んでいて、自民党議員枠の招待状が転売されているという疑惑が浮上しているのだ。
FRIDYデジタル他より
「桜を見る会」の招待状が自民党の派閥のパーティー券と抱き合わせで8万円で売買されているというもの。
「 招待状は自民党議員に一定枠与えられ、希望があれば、追加でもらうことが可能。それを自身の派閥のパーティー券と一緒にブローカーに売りつけるんです。つまり「桜を見る会」の招待状を利用して、小銭稼ぎしている議員がいるということ 」
ブローカーに接触した購入希望者によると、(エビデンス不明)
「 提示された招待状1通の値段は8万円で、ブローカーは芸能関係者で招待状を20枚近く購入しているとのこと。ブローカーから「桜を見る会」の招待状にはもれなく自民党有力派閥のパーティー券付きと言われ、派閥のパーティー券無しでディスカウントをお願いしたところ断られた 」
「 議員の小遣い稼ぎでやっているのか、派閥のパーティー券を捌くための一石二鳥のやり方なのかは分からないが、何れにせよ「桜を見る会」の招待状はいくらでも捌けるらしい。 」
「桜を見る会」の出席者によると、(エビデンス不明)
「 ヨレヨレのスーツを着た人や、怪しげな雰囲気の老人もいた 」
エビデンス不明とはいえ、実際に招待状の割り当てがあるとすれば、絶対無いとは言い切れない話である。
人寄せ利用の参加有名人、辞退する有名人
2019年「桜を見る会」参加有名人
開催場所 :東京都内の庭園「新宿御苑」
安倍首相 :開催挨拶、乾杯、招待来場者との握手、写真撮影、歓談
招待来場者:新宿御苑の桜鑑賞、飲食・歓談、首相との握手・撮影・歓談
招待有名人:首相との握手・撮影・歓談、(招待来場者からの撮影など)
ももいろクローバーZ / 湯原昌幸 / 加藤一二三(将棋) / さかなクン / なべやかん / なべおさみ / デヴィ夫人 / 由紀さおり / 石坂浩二 / デーブスペクター / 林家ペーパー夫妻 / IKKO / 神田うの / 梅宮アンナ / 綾小路きみまろ / ピコ太郎 / 高木ブー / 五木ひろし / 野々村真 / ミッツマングローブ / ナジャ・グランディーパ / 辺見エミリ / 高島礼子 / 寺田心 / 市川猿之助 / 渡辺裕太 / 鈴木福 / カズレーザー / 安藤なつ / 小峠英二 / 千原せいじ / パックンマックン / トレンディーエンジェル / 相川七瀬 / May J / 白濱亜嵐 / 丸山香里奈 / ラモス瑠偉 / エンリケ / 愛沢えみり / 落合シェフ
招待を辞退した芸能人
千原兄弟の千原ジュニアがAbemaTVで「桜を見る会」に関し語ったコメント
「 今年も声掛けてもうたんですけど、知らんオッサンと見たないわって、断ったんですけど。(千原)せいじやったらひょいひょい行くもんな。 」
ちなみに、千原せいじは「桜を見る会」に参加していた、、
千原ジュニア以外にも「桜を見る会」の招待を受け辞退している芸能人におぎやはぎなどがあがっているが、実際、感の良い芸能人であれば、政治家の後援会・支援者への人寄せに利用されることは好まないだろう。 
 11/12

 

「桜を見る会の招待適正 名簿廃棄で調査困難」 内閣府 11/12
総理大臣主催の「桜を見る会」について、内閣府の官房長は、衆議院地方創生特別委員会で、招待者の取りまとめは適正だったとしたうえで、招待者の名簿は開催後速やかに廃棄しており、取りまとめの経緯などを調査することは困難だという認識を示しました。
この中で、内閣府の大塚幸寛官房長は、衆議院地方創生特別委員会で、「『桜を見る会』は、各界で功績や功労のあった方々を、各省庁からの意見を踏まえて、内閣官房と内閣府で最終的に取りまとめており、プロセスについては適正だと考えている。招待者の取りまとめは、これまでのやり方で引き続き行いたい」と述べました。
また、野党議員が、「参加者の選定の際に議員からの推薦が考慮されているのではないか」とただしたのに対し、「そのような観点で逐一確認しているわけではなく、あくまでも全体の意見等を踏まえたうえで取りまとめている」と説明しました。
さらに、大塚官房長は、招待者の名簿について、「保存期間1年未満の文書と位置づけており、会の終了後、速やかに廃棄している。事実上、調べることはできない。各省庁の推薦する側としての情報の保管状況については確認させていただきたい」と述べました。
そのうえで、各省庁に対し、招待者を選ぶ基準などを調査するかどうかについて、「現時点では、そうした考えはない」と述べました。  
桜を見る会 招待客の選定経緯「調査しない」 内閣府 11/12
内閣府の大塚幸寛官房長は12日の衆院地方創生特別委員会で、各省庁が安倍晋三首相主催の「桜を見る会」の招待客を決める際、国会議員などの推薦を考慮しているかどうか調査するよう求められ、「(選定は)適正に実施していると考えている。今時点で行う考えはない」と述べた。立憲民主党などの統一会派の今井雅人氏(無所属)への答弁。
大塚氏は、招待客について「各省庁の具体的な選定プロセスをつまびらかに承知していないが、(各省庁の)功績功労について意見を聞き、とりまとめている」と説明し、今後についても「同様の形で選定を進めていきたい」と強調。今井氏が「後援会が桜を見る会に参加する要項に合致しているか」と追及すると、「後援会うんぬんということは、功績功労うんぬんとは直接結びつかない」と述べた。
また、招待客名簿については「(保存期間)1年未満の文書と位置づけており、会の終了後、速やかに破棄している」とし、「事実上、もう調べることはできない」とした。
桜を見る会を巡っては、首相が自身の後援会関係者を多数招き、「私物化だ」などと批判を浴びている。 
「桜を見る会」の招待者名簿、「速やかに廃棄」答弁で広がる波紋 11/12
総理主催の「桜を見る会」に安倍総理の後援会関係者らが多数出席していたとされる問題です。招待者をどのように選んでいるのか不透明だと野党側が追及する中、菅官房長官は選定プロセスを明確化する考えを明らかにしました。
「安倍総理らが私物化しているのでは」と野党側が追及している総理主催の「桜を見る会」。招待者の名簿について、野党側が公表を求める中、菅官房長官は廃棄したことを明らかにしました。
「招待者名簿については会の終了をもって使用目的を終えることに加え、これを全て保存すれば、個人情報を含んだ膨大な量の文書を適切に管理する必要が生じることもあり、終了後、遅滞なく廃棄する取り扱いと承知をしてます」(菅 義偉 官房長官)
この答弁に対し、野党は反発。午後に行われた野党の合同ヒアリングでは文書の保存期間が内閣府のみ「1年未満」と、ほかの省庁よりも短いことが繰り返し問われました。そして・・・
「それ、ちゃんと出してください」(野党議員)
「コピー、とってください」(野党議員)
内閣府の担当者がしぶしぶ出した内閣府の「文書保存期間表」には「行事等の推薦」は保存期間が1年と記されていました。これが事実なら「速やかに廃棄した」との菅長官の答弁と食い違うことになります。
「1年なんです。これはあるでしょう。なければおかしい」(野党議員)
野党側は「少なくとも各省庁が推薦したリストは残っているはずだ」と、引き続き追及することにしています。
一方、招待者の選定プロセスについても新たな動きが・・・
「内閣府から議員に推薦を出して下さいと依頼が来る。この人ならテロを起こさない、安全だと推薦するわけ」(与党幹部)
ある与党幹部は、議員らに一定枠の割り当てがあると明かしていますが、この選定プロセスについて菅官房長官は・・・
「特定の分野とかカテゴリーを想定しているものではないわけで、こうしたことについて政府として、そこは検討していく」(菅 義偉 官房長官)
選定の基準を見直し、より明確にする考えを示しました。 
桜を見る会 政府・与党「問題なし」 11/12
総理大臣主催の「桜を見る会」の参加者が年々増えていることについて、政府・与党側は問題はないとしているのに対し、野党側は12日、追及チームの初会合を開き、招待者を選ぶ基準などをただすことにしています。
総理大臣主催で毎年開かれている「桜を見る会」は年々、参加者が増えていて、ことしは各界から招待された1万8000人余りが出席しました。
これについて菅官房長官は「各界で功績や功労のあった人を各省庁からの意見を踏まえて幅広く招待している」と説明し、自民党の岸田政務調査会長も「意義のあることで、問題があるとは認識していない」と述べました。
これに対し野党側は、安倍総理大臣の後援会から多くの人が招待されているとして「公的な行事の私物化だ」などと批判を強め、立憲民主党の安住国会対策委員長は「税金で安倍総理大臣自身の支援者の接待をしていたと受け取られかねない事案だ」と述べました。
野党側は12日、追及チームの初会合を開き、招待者を選ぶ基準などを政府側にただすことにしているほか、安倍総理大臣から直接説明を聞く必要があるとして、今後、予算委員会の集中審議を行うよう与党側に求めていく方針です。 
桜を見る会 “首相後援会への便宜” 追及の考え 11/12
総理大臣主催の「桜を見る会」について、国民民主党の原口国会対策委員長は、安倍総理大臣の後援会から多くの人が招かれていたとすれば公益の私物化だと批判し、後援会のメンバーに便宜が図られていないか追及する考えを示しました。
総理大臣主催で毎年開かれている「桜を見る会」は年々、参加者が増えていて、野党側は、安倍総理大臣の後援会から多くの人が招待されているとして批判を強めています。
これについて、国民民主党の原口国会対策委員長は記者会見で、「本来はさまざまな分野で貢献された方の労苦に報いる意味合いの会だが、招かれたのが安倍総理大臣の後援会であったとすれば、公益の私物化だ」と指摘しました。
そのうえで、原口氏は、「前日に行われた後援会行事の『前夜祭』などが、どのような会計で行われたのか、安倍総理大臣の政治団体や自民党の選挙区支部の収支報告書を見ても分からない」と述べて、後援会のメンバーに便宜が図られていないか追及する考えを示しました。
菅官房長官「前日の懇親会 承知せず」 / 菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、「『桜を見る会』は、開催要領に基づいて各省庁からの意見などを踏まえて幅広く招待しており、内閣官房および内閣府で最終的に取りまとめを行っている」と述べました。そのうえで菅官房長官は、桜を見る会に関する来年度予算案の概算要求が5700万円余りと、前年までの3倍ほどになっていることについて、「テロ対策の強化や混雑緩和のための措置などの近年に講じた改善点を反映させるなど、その時々の情勢を踏まえて内閣府で実態にあわせた要求をしている」と述べました。さらに、安倍総理大臣の後援会が、「桜を見る会」の前日に開催した懇親会について、菅官房長官は、「懇親会と後援会活動については承知していない」と述べました。
自民 二階幹事長「選挙区からの参加は当然」 / 自民党の二階幹事長は、記者会見で「『桜を見る会』の招待者の枠が党に何枚割り当てられているのか、ほとんど興味がないし、そんなことは知らない。枠があったとしても別にいいのではないか。それが問題になることがあるのか。議員は誰でも選挙区の皆さんにできるだけ呼びかけて参加してもらうのは当然のことではないか」と述べました。
自民 世耕参議院幹事長「後援会にも功績のある人いる」 / 自民党の世耕参議院幹事長は、記者会見で、「桜を見る会」への地元・和歌山県からの参加者について、「私の後援会の人もいるかもしれないが、後援会にも自治会活動や消防団活動などで功績のある人はいると思う。私は招待する立場になく、招待者は内閣府と内閣官房で取りまとめていると聞いている」と述べました。また、世耕氏は、みずからのホームページに掲載されていた「桜を見る会」の写真が削除されたことについて、「きのう事務所がチェックしたところ、個人の顔がしっかり写り込んでいる写真があったので、プライバシー上、配慮が足りないとして削除したという報告を受けた」と述べました。
立民 安住国対委員長「予算委で集中審議を」 / 立憲民主党の安住国会対策委員長は、会派の代議士会で、「長期政権のおごりとゆがみを象徴する話だ。税金で開催し、食事を提供しているところに、山口県から後援会を呼ぶことがいかに異様かが分かると思う。安倍総理大臣に国会に来てもらい、徹底的に聞かなければならない。予算委員会で集中審議を行うよう求め、徹底的に追及したい」と述べました。
公明 山口代表「本来の精神見据えて対応を」 / 公明党の山口代表は、記者団に対し、「『桜を見る会』は政権が交代しても、その時々の総理大臣が主催してきたものだ。国会議員には招待状が来るが、ほかの人がどういう範囲で招待されるかは、われわれにはよく分からないところがある。国民とともに桜をめでる本来の精神をしっかり見据えたうえで、対応していくべきだ」と述べました。
維新 馬場幹事長「超党派で適正化について合意を」 / 日本維新の会の馬場幹事長は、党の代議士会で、「安倍内閣になってから年々、参加者が増え、経費も増大している。これは税金を使った選挙活動であり、政府・与党に対して適正化を求めたい。わが党以外の野党は追及チームを作ったようだが、この件については、超党派で適正化について合意することが大事だ」と述べました。
社民 吉川幹事長「公金の私物化」 / 社民党の吉川幹事長は記者会見で、「公金の私物化と言わざるをえない。税金で行うことには客観的・外形的な基準があるものだが、『桜を見る会』については、そういった基準がどこにあるのか、安倍総理大臣自身が予算委員会で説明すべきだ」と述べました。 
首相主催「桜を見る会」 毎年前夜に後援会と懇親 11/12
安倍晋三首相が第二次安倍政権発足後の二〇一三年以降、四月に東京・新宿御苑で開いてきた「桜を見る会」の前夜に、都内で後援会と懇親会を毎年開いていたことが分かった。桜を見る会当日も、首相は毎年、会場で後援会と記念撮影していた。野党は「公式行事の私物化だ」と批判した。参加した首相の地元関係者らには、当時の様子を伝えたブログの投稿削除が相次いだ。
本紙掲載の「首相の一日」によると、首相は今年四月十二日夜、都内ホテルの宴会場で開かれた「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」に出席。翌十三日午前は、桜を見る会の開始時刻前に会場で後援会関係者と写真撮影をした。
一三〜一八年も今年と同様、桜を見る会の前夜に懇親会、当日に写真撮影があったことが確認できる。
共産党の田村智子参院議員は十一日、記者団に「首相が桜を見る会を後援会の一大行事に位置付けてきたのは、客観的な情報で確定だろう」と指摘した。立憲民主、国民民主、共産の野党三党の国対委員長は同日、国会内で会談。追及チームを十二日に設置し、首相の一連の動きが政治資金規正法や公選法などに従って行われているか調査していく方針を確認した。
桜を見る会に関し、友田有(たもつ)・山口県議は一四年について「貸し切りバスで新宿御苑に向かい」などとブログで記載していたが、十一日午後の時点で閲覧できない状態になった。一八年について「十メートル歩いたら、山口県の人に出会う」との国会議員の言葉を紹介した藤井律子・同県周南市長(当時は県議)のブログ記事も見られなくなった。
桜を見る会については、田村氏が八日の参院予算委員会で、ブログや同県防府(ほうふ)市のライオンズクラブ会報への寄稿をもとに追及。寄稿には、今年の前夜祭に後援会の約八百五十人が参加し、翌朝には貸し切りバス十七台に分乗して新宿御苑に向かったとの記載があることを指摘し「税金を使った行事で後援会活動をしている」と批判していた。
首相は、桜を見る会の招待者について「個人情報」であることを理由に明らかにしていない。
桜を見る会は首相が主催し、例年四月に各界の功労者らを招いて開いている。参加者や開催費は一三年以降、年々増えている。
「桜を見る会」19年の動静 <首相の一日> 
(2019年4月12日)【午後】6時33分、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ。宴会場「鶴の間」で昭恵夫人と共に「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」に出席。
(2019年4月13日)【午前】7時48分、東京・内藤町の新宿御苑。49分、昭恵夫人と共に警視庁幹部、前田晋太郎山口県下関市長、地元の後援会関係者らと写真撮影。8時34分、柴山昌彦文部科学相、根本匠厚生労働相、世耕弘成経済産業相、原田義昭環境相、加藤勝信自民党総務会長らと写真撮影。59分、首相主催の「桜を見る会」。あいさつ。歌舞伎俳優の市川猿之助さん、子役の寺田心君、元サッカー女子日本代表の丸山桂里奈さんらと写真撮影。 
「桜を見る会」招待客の人選は? 与党議員の推薦枠も 11/12
安倍晋三首相が主催する「桜を見る会」に毎年、多数の地元支持者を招待している可能性が浮上し、野党が「私物化だ」と批判しています。どのような行事なのか、おさらいしました。
Q 会の目的は?
A 政府は「各界において功績、功労のあった方々」を招いて慰労する公的行事に位置付けています。例年四月、東京都内の庭園「新宿御苑」で開きます。
Q どんな内容ですか。
A 首相あいさつと乾杯のほかには特になく、来場者は庭園を楽しみながら歓談します。首相は来場者と握手したり、記念撮影に応じたりしています。
Q 多くの人が招待されているようですね。
A 政府の開催要領で招待者一万人が目安とされますが、二〇一四年度以降、招待者も来場者も増加が続いています。本年度は招待者約一万五千四百人に対し、同伴者を含め約一万八千二百人が来場しました。
Q そうなら国が使うおカネも増えますね。
A 開催費は一四年度以降、毎年千七百万円余を予算計上していましたが、実際の支出はそれを大幅に超え、年々増えています。本年度の費用は約五千五百万円。これが国会審議で批判されると、政府は「実態に合わせる」として来年度予算に五千七百万円余を概算要求しました。
Q 招待されるのはどんな人ですか。
A 開催要領には、皇族や各国大使、国会議員らが明記されています。「各界の代表者等」として、スポーツ分野や芸能界、報道関係者も招待されます。
Q どう選ぶの?
A 「各省庁からの意見を踏まえて幅広く招待している」(菅義偉官房長官)というのは、政府の表向きの説明です。自民党幹部は「えたいの知れない人が来ないよう議員に枠が割り振られる」と認めています。実態は与党議員の推薦枠があり、地元の支持者も多数招かれているようです。
「桜を見る会」13〜19年の動静 <首相の一日>
<2013年4月19日> 【午後】7時25分、東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京。宴会場で安倍晋三後援会の懇親会に出席。(同20日)【午前】8時14分、東京・内藤町の新宿御苑。15分、西村泰彦警視総監ら警視庁幹部、地元の後援会関係者らと写真撮影。9時1分、昭恵夫人とともに首相主催の「桜を見る会」。歌手の北島三郎さん、元「AKB48」の前田敦子さんらと写真撮影。
<2014年4月11日> 【午後】6時41分、東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京。宴会場「プロミネンス」で「安倍晋三桜を見る会懇親会」に出席。(同12日)【午前】8時21分、昭恵夫人と共に東京・内藤町の新宿御苑。22分、高綱直良警視総監ら警視庁幹部、地元の後援会関係者らと写真撮影。9時、首相主催の「桜を見る会」。ソチ冬季パラリンピックのアルペンスキー男子座位で2冠の狩野亮選手らと写真撮影。
<2015年4月17日> 【午後】6時29分、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ。宴会場「鳳凰の間」で「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」に出席し、あいさつ。(同18日)【午前】7時57分、昭恵夫人と共に東京・内藤町の新宿御苑。58分、高綱直良警視総監ら警視庁幹部、地元の後援会関係者らと写真撮影。8時35分、望月義夫環境相。9時、首相主催の「桜を見る会」。あいさつ。NHKの連続テレビ小説「まれ」でヒロインを務める土屋太鳳さんらと写真撮影。
<2016年4月 8日> 【午後】8時18分、東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京。宴会場「ギャラクシー」で「桜を見る会 安倍晋三後援会」の懇親会に出席し、あいさつ。(同9日)【午前】7時46分、昭恵夫人と共に東京・内藤町の新宿御苑。47分、高橋清孝警視総監ら警視庁幹部、地元の後援会関係者らと写真撮影。9時2分、首相主催の「桜を見る会」。あいさつ。アイドルグループ「ももいろクローバーZ」のメンバーやレスリング女子の吉田沙保里選手らと写真撮影。
<2017年4月14日> 【午後】6時46分、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ。宴会場「鳳凰の間」で昭恵夫人と共に「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」に出席。(同15日)【午前】7時49分、東京・内藤町の新宿御苑。50分、昭恵夫人と共に沖田芳樹警視総監ら警視庁幹部、高島宗一郎福岡市長、地元の後援会関係者らと写真撮影。8時59分、首相主催の「桜を見る会」。あいさつ。アイドルグループ「ももいろクローバーZ」のメンバーや車いすテニスの上地結衣選手らと写真撮影。
<2018年4月20日> 【午後】7時、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ。宴会場「鳳凰の間」で昭恵夫人と共に「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」に出席。(同21日)【午前】7時48分、東京・内藤町の新宿御苑。49分、昭恵夫人と共に吉田尚正警視総監ら警視庁幹部、前田晋太郎山口県下関市長、地元の後援会関係者らと写真撮影。8時54分、首相主催の「桜を見る会」。あいさつ。将棋の加藤一二三・九段、スピードスケート女子の高木美帆選手、歌手のピコ太郎さんらと写真撮影。
<2019年4月12日> 【午後】6時33分、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ。宴会場「鶴の間」で昭恵夫人と共に「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」に出席。(同13日)【午前】7時48分、東京・内藤町の新宿御苑。49分、昭恵夫人と共に警視庁幹部、前田晋太郎山口県下関市長、地元の後援会関係者らと写真撮影。8時34分、柴山昌彦文部科学相、根本匠厚生労働相、世耕弘成経済産業相、原田義昭環境相、加藤勝信自民党総務会長らと写真撮影。59分、首相主催の「桜を見る会」。あいさつ。歌舞伎俳優の市川猿之助さん、子役の寺田心君、元サッカー女子日本代表の丸山桂里奈さんらと写真撮影。 
桜を見る会で首相私物化疑惑、予算額が不可解な急増 11/12
首相主催の「桜を見る会」をめぐり、第2次安倍政権発足後の14年以降、参加人数や費用が急増している問題で、安倍晋三首相の地元後援者が約850人参加したとされる疑惑が、首相の公的行事の「私物化」として、波紋を広げている。
野党は12日、追及チームの初会合を開催。招待客選定を担当する内閣府は、今年の招待者リスト提出を求められたが、保存期間が1年未満とされる文書として「終了後、文書、電子媒体とも廃棄した」と拒んだ。ただ、目的次第では文書保存を「1年」とする規定もあることが判明。その規定を書いた内部文書を提出させられるはめになった担当者は「いったん持ち帰らせてほしい」と、釈明した。
政府側は「各省庁の意見を踏まえ、功績があった方を幅広く招待する」と繰り返したが、野党側は「安倍事務所を通せば、フリーパスで行ける枠があるのではないか」と追及。また、招待状の名前と実際の訪問者の本人確認をしていないことが分かり、野党が「キャバクラ嬢という方が参加したとネットで公表している」として、警察庁に推薦の有無を問う場面もあった。
政府答弁は終始歯切れが悪かった。予算額も従来の約1766万円が来年度要求額は約5728万円と、不可解なほど急増。野党は「本丸直撃」(立憲民主党の枝野幸男代表)と位置づけ、「外堀を埋め、総理が答えるしかない状況をつくる」と息巻く。首相の「私物化疑惑」は政権にも打撃だ。菅義偉官房長官は会見で招待客の選定基準の明確化を検討すると、火消しに走り始めた。 
二階幹事長記者会見 11/12
Q 毎日新聞です。昨日、石破元幹事長が桜を見る会の参加者について、党の役職をしているときに枠があったが使ったことはないと述べ、自民党に招待者の枠が割り当てられていること認めました。自民党に招待者の枠が割り当てられているかの事実関係についてお願いします。
A ほとんど興味ありませんし、何枚割り当てられておるのか、そんなことは存じません。
Q NHKです。桜を見る会に関連して、公費で行っているものについて安倍総理が後援会のメンバーを多く呼んでいるということ自体が公私混同だという指摘があります。これについていかがお考えでしょうか。
A 誰でも議員は、選挙区の皆さんに機会あるごとに何か出来るだけのことを呼び掛けてご参加いただくということに配慮するのは当然のことではないかと思います。
・・・
Q TBSです。桜を見る会について、割り当てがあるかどうかは存じ上げないとのご発言がありました。幹事長ご自身が、幹事長室の割り当てを使って誰かを招待をしたという事実は無いということでしょうか。.
A そんなことも十分承知しておりません。それはあったって別に良いんじゃないですか。なにか特別そのことが問題になることはありますか。.
Q TBSです。野党側の指摘は、総理ご自身が税金を使った行事に後援会の人々を多く読んでいるという事が問題、公私混同では無いかという内容です。幹事長ご自身は、自身の後援会や関係者を呼んだという事実は無いでしょうか。.
A 長い政治活動の中ですから、何があったか思い出せませんが、記憶にあるところではそんな大きな印象に残るようなことはありません。 ・・・ 
桜を見る会で炎上の三原議員が反論「受け取り方の違い」 11/12
自民党の三原じゅん子参院議員が12日夜、ツイッターに新規投稿。この日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で三原氏の母と叔母が税金で行われている「桜を見る会」に出席したことについて、玉川徹氏、青木理氏が「どういう功労があるんだろう」などとコメントしたことに「侮辱発言」と怒りのツイートをしたことが“炎上”。「侮辱ではなく疑問では」と三原氏の反応をいさめる声に対して「受け取り方の違い」と反応した。
「桜を見る会」は公費が使われ、「各界において功績功労のあった方々を招く内閣の公式行事」として番組で説明。三原氏が14年4月に「今年は母や叔母たちも参加し喜んでおりました」とブログに記していたことが紹介され、玉川氏や青木氏が「どういう功労があるんだろう」とコメント。これに対し、三原氏は「番組での2人の母への発言は許しがたい侮辱発言だと思います。厳重に抗議します!」とツイッターに怒りの投稿をした。
ツイッターでは三原氏への反論が殺到。「厳重抗議の前に母や叔母が国民の為にどのような功績功労があったのか説明すべき、抗議はそれからでは」「侮辱とかじゃなくて納得のいく答えを伝えてあげればいいのでは」「母親と叔母さんにどんな功績、功労あったのか?と聞いてるだけ」などと、“侮辱”という言葉を発する前に与党の国会議員として疑問に答えるべきという意見が多数を占めた。
その中で、三原氏は「招待条件である、功労があるんですか?という素朴な疑問です。お二人はお母様をけっして侮辱してはいません。どう聞けばそう聞こえるのか?流石、総理が政権を握るとおっしゃるお方、思考が違いますね」というリプライに対し、「受け取り方の違いですね」との新たな投稿で反応したが、疑問に対応する姿勢は示さなかった。
一方、「内閣府のルールに則って、招待された人が出席したまでです」という三原氏のツイートに対して、「では『内閣府のルール』を教えてください。お母様、叔母様が桜を見る会に招待されるのか、端的にご説明ください。税金で饗応するのですから、適切であることを政権与党のあなた方が説明すべきです」「なぜ招待される側の三原議員が『内閣府のルール』をご存知なのでしょうか?」といった疑問が続いた。 
「母を侮辱!」三原じゅん子議員が「桜を見る会」問題で激怒 11/12
《この件は内閣府のルールに則って、招待された人が出席したまでです。しかしながら番組での二人の母への発言は許しがたい侮辱発言だと思います。厳重に抗議します!》
そう気色ばんだのは、自由民主党の三原じゅん子衆院議員(55)だ。安倍晋三首相をはじめとした自民党議員たちが、関係者を慰労する場として総理大臣主催の「桜を見る会」を私物化していたのではないかという批判を集めている問題。
11月12日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・午前8時〜)でもこの問題を取り上げたが、そこで紹介されたのが三原議員の2014年4月18日付けのブログの一文だった。
《「桜を見る会」に出席してまいりました 今年は母や叔母たちも参加し喜んでおりました》
「外交団、国会議員、都道府県知事、議長を始め、各界において功績、功労のあった方々を、各府省庁からの意見等を踏まえ幅広く招待」(大塚幸寛内閣府大臣官房長)というのが「桜を見る会」の建前。三原議員の母や叔母が参加していたことに疑問を呈したのが、番組のコメンテーターたちだ。
ジャーナリストの青木理氏が「どういう功労があるんだろう」言うと、コメンテーターの玉川徹氏は「お母さんにどういう功労があるの」と同調した。
それに対して三原議員は、冒頭のように「番組での二人の母への発言は許しがたい侮辱発言」と怒りを表明。ツイートの返信欄で“招待の対象者の条件に当てはまっているかどうか、という話ではないか?”と指摘されると、三原氏は《内閣府のルールに則り招待されたまでです》と反論。だが、どのようにルールに則っているのかは、明らかにはしなかった。
11月4日には《政権を握っているのは総理大臣だけですよ》と、議院内閣制をとっている日本ではありえない見解をツイートして、顰蹙を買った三原議員。また、国会議員に初当選した2010年には、配偶者を公設秘書にすることが禁じられているにも関わらず、11歳年下の“恋人”を公設秘書にしていることが報じられ、批判を浴びた(2016年に三原氏は24歳年下の別の秘書と結婚)。
かねてから独特の法解釈を重ねてきただけに、三原議員のいう“ルール”というものがどういうものなのかは気になるところだ。 
桜を見る会、自民党の「枠」 二階幹事長は「特別問題になることがありますか」 11/12
首相主催の「桜を見る会」を巡り、自民党議員に関係者を招待できる「枠」があったとする石破茂元幹事長の発言に関し、二階俊博幹事長は12日の記者会見で「ほとんど興味はないし、何枚割り当てられているのか知らない」としつつ、「枠」の存在については「それはあったって別にいいんじゃないですか。特別問題になることがありますか」と述べ、問題ではないとの認識を示した。
二階氏は「誰でも議員は選挙区の皆さんに機会あるごとに、できるだけのことを呼びかけて参加いただくことに配慮するのは当然だ」とも話した。
石破氏は11日夜、記者団に「桜を見る会」について問われた際、「自分の後援者を行かせてあげたいと当選1、2回生の方がもっと思っているかもしれない。私は自分の後援会を大勢招いたことはないが、枚数があったら期数の若い人にあげたいと思ってきた」などと述べた。
社民党の吉川元・幹事長は12日の記者会見で「税金を使っているのに与党議員の枠があるのはおかしなことだ」と指摘した。
招待者は、各省庁からの推薦を踏まえて内閣府と内閣官房がとりまとめる。これに関し共産党は、今年の「桜を見る会」に、首相の後援会関係者が貸し切りバス17台で参加したなどと指摘。「税金を使った大々的な公的行事を自らの後援会のために私物化していたとすれば、総理の職責に関わる重大な疑惑だ」(小池晃共産党書記局長)と追及を強めている。8日の参院予算委員会で、首相は「とりまとめには関与していない」と否定している。 
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桜を見る会「首相の事務所から招待者の推薦」内閣官房担当者 11/13
総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐり、野党側の追及チームの会合が開かれ、政府側は安倍総理大臣の事務所から招待者の推薦があったことや、招待状を持参した人に本人確認を行っていなかったことを明らかにしました。
総理大臣主催で毎年開かれている「桜を見る会」について、野党側の追及チームは、12日に続き、内閣府などからヒアリングを行いました。
この中で、来年の会の開催中止が決まったことについて、議員から「疑惑はさらに深まった」とか、「火の粉が降りかかりそうになるや中止するようなやり方は絶対に許せない」などという声が相次ぎました。
また、会合で内閣官房の担当者は、安倍総理大臣の事務所から招待者の推薦があったことを明らかにしたうえで、「本人はご存じなかった可能性がある」と述べました。
これに対し、議員からは「安倍総理大臣の参議院予算委員会での『招待者の取りまとめなどには関与していない』という発言は虚偽答弁であり、『事務所がやったことで知らない』では通らない」などと批判が相次ぎました。
一方、議員が、セキュリティー対策について、本人以外の第三者が招待状を持参しても会場に入れるのかただしたのに対し、担当者は「本人確認は行っていない」と答えました。
さらに、「手荷物検査は全員に行っているのか」と質問したのに対し、担当者は「セキュリティーに関することなのでお答えできない」と述べました。 
安倍首相事務所が案内状 桜を見る会、内閣府に仲介? 11/13
立憲民主党などの共同会派に所属する柚木道義氏は13日の衆院厚生労働委員会で、安倍晋三首相の事務所が2018年4月に行われた「桜を見る会」の参加希望者に送った案内状を入手したとして、政府側を追及した。正式な招待状については「内閣府より、ご連絡いただいた住所に送付されます」との記載があり、事務所の仲介をうかがわせる内容だ。
「『桜を見る会』について(ご連絡)」と題された案内状は18年2月付。「あべ晋三事務所」名義で、東京都内の観光ツアーや、桜を見る会の前夜に催された夕食会、当日の日程などを通知。夕食会の主催は「あべ晋三後援会」、会費は1人5000円と説明している。
桜を見る会当日はホテルから送迎バスを運行すると紹介し、「総理夫妻との写真撮影はバス号車ごとに行います。乗車されない方は写真撮影が困難となります」との断り書きもある。柚木氏は「税金による後援会活動だ。国民に説明がつくのか」と批判した。  
二階幹事長の「配慮は当然」発言に「完全に火に油を注いだ形に…」玉川徹氏
13日放送のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・前8時)では、例年4月に新宿御苑で行われている「桜を見る会」に安倍晋三首相の後援会関係者が約850人が招待されるなど、野党が税金の私物化と批判を強めていることを特集した。
番組では12日に自民党の二階俊博幹事長が記者会見で「誰でも議員は選挙区の皆さんに機会あるごとにできるだけのことを呼びかけて、ご参加いただくことに配慮するのは当然だ」との発言を報じた。一方で菅義偉官房長官が今後、招待者の範囲について「政府としても検討していくことも必要」と発言したことも伝えた。
二階氏の発言についてコメンテーターで同局の玉川徹氏は「完全に火に油を注いだ形になっていますよね」と指摘し、二階氏の発言がSNS上で「ツイッターの中で素晴らしいあの二階からガソリンっていう」と紹介し、司会の羽鳥慎一アナウンサーが「二階から目薬じゃなくてね」とフォローすると玉川氏は「座布団一枚です」とコメントしていた。 
桜を見る会ツアー、首相事務所から案内 地元有権者語る 11/13
国の予算を使って首相が毎年4月に開く「桜を見る会」をめぐる問題で、この会を日程に含んだ観光ツアーを案内する文書が、安倍晋三首相の事務所名で、地元有権者に届いていたことがわかった。
政府はこれまで桜を見る会の招待者について、開催要領に基づき、各省庁からの意見を踏まえ、内閣官房、内閣府で最終的に取りまとめているなどと説明してきた。安倍首相は8日の参院予算委員会で、共産党の田村智子氏の質問に対し、「私は主催者としてあいさつや招待者の接遇は行うが、招待者の取りまとめなどには関与していない」と答弁していた。
朝日新聞が入手した文書は、2018年4月21日に開かれた「桜を見る会」の際のもの。「『桜を見る会』について(ご連絡)」と題し、「平成30年2月吉日」の日付や「あべ晋三事務所」として地元事務所の電話番号が記載されている。桜を見る会とその前日に都内のホテルで行う首相夫妻同席の夕食会に加え、4コースの中から選べる都内観光ツアーを提示。「招待状は内閣府より、直接、ご連絡いただいた住所に送付されます」などの注意書きもあった。
文書は首相の地元である山口県下関市の男性のもとに同年2月、「あべ晋三事務所」の文字と住所などが印刷された封筒に入って届いた。この男性はその前に首相の地元秘書と会った際、参加の意思確認を受けていたという。
4月に入ると、再び「あべ晋三事務所」の封筒で、飛行機や観光バスの発着時間などが書かれた「『桜を見る会』あべ事務所ツアースケジュール」が男性のもとに届いた。「桜を見る会注意点」として、安倍首相夫妻との記念撮影の手順を記した案内もあった。
その後、送り主を「内閣総理大臣 安倍晋三」とした案内状が届いた。男性は「政府側からの連絡はこれ以外にない」と証言。このツアーに参加し、代金7万円以上を地元旅行会社に振り込んだ。
今年の桜を見る会に参加した別の男性の場合は、地元地方議員を通じてツアーに応募した。この男性は安倍首相の後援会員で、18年の男性とほぼ同様の手続きを経て桜を見る会に参加したという。夕食会には「何百人もいた」と語った。首相は国会で、同会への参加条件を「各界で功績・功労があった方々を招いている」と説明したが、男性は自分が桜を見る会に参加できた理由について「説明はされていない」と話す。
朝日新聞は、安倍首相の地元事務所に質問状を送付したが、12日午後9時までに回答はなかった。 
支持者を堂々と「税金」で接待する安倍氏の驕り  11/13
「安倍氏の安倍氏による安倍氏のための会」
首相主催の「桜を見る会」が大炎上している。
毎年4月に開かれるこの会は、安倍政権の長期化によって少しずつ膨張してきた。プレジデントオンライン編集部では、今年5月にその問題点を指摘していたが、ここにきて「税金で地元有権者を接待している」という点に目が向くようになった。自民党の対応は鈍く、長期政権の致命傷となる可能性が出てきた。
プレジデントオンライン編集部は、以前から「桜を見る会」の問題に注目してきた。今年5月17日には「予算の3倍に膨張『桜を見る会』の政治利用」という記事を公開している。ここでは、安倍政権のもとで「桜を見る会」の参加者数や費用が右肩上がりに増えている点を指摘した。さらに今年の「桜を見る会」では作家の百田尚樹氏ら保守系の論客、つまり安倍晋三首相の「お友だち」が大挙して参加していたことから、「安倍氏の安倍氏による安倍氏のための会」ではないかと問題提起した。
バス17台連ねて850人が安倍氏の地元から上京
この問題が再燃したのは11月8日。参院予算委員会で共産党の田村智子氏が独自調査をもとにこの問題を取り上げた。
田村氏は、安倍内閣で閣僚だった稲田朋美氏、官房副長官だった世耕弘成氏、自民党総裁特別補佐だった萩生田光一氏らの後援会活動報告などに、後援会のメンバーが多数「桜を見る会」に参加したことが分かる記載や写真が掲載されていることを指摘していった。
さらに矛先は安倍氏に向けられ、地元の山口県議が14年の「桜を見る会」に際しブログで「今回は私の後援会女性部の7人の会員の方と同行しました。(中略)貸し切りバスで新宿御苑に向かい、到着するとすぐに安倍首相夫妻との写真撮影会」などと書いている話を暴露(現在は閲覧できなくなっている)。山口県防府市のライオンズクラブの会報を基に、安倍氏の地元から850人が貸し切りバス17台を連ねて参加したのではないかとただした。
自腹のカネが有権者に渡っただけでも辞任している
安倍氏は、懇親会などで後援者らと写真を撮っている事実は認めながら、招待客の選定基準といった内容については、セキュリティーなどの理由で「答えは差し控える」と述べるにとどめた。
田村氏の質問は、自民党議員らの情報を丹念に調べた労作ではある。ただし、「桜を見る会」に政権与党の後援者が相当数参加していることは周知の事実だ。安倍氏の「お友達」や後援者が多数含まれていることも多くの人が知っていた。それなのになぜ、秋も深まった今、「桜を見る会」の問題が盛り上がっているのか。
大きな理由は10月末の2つのスキャンダルだろう。
菅原一秀経済産業相は10月25日、秘書が有権者に香典を渡し、選挙区の有権者にメロンやカニを贈っていた疑いなどを指摘されて辞任。31日には河井克行法相が、参院選に出馬した妻の運動員に法定を超える報酬を渡していた疑いを報じられて辞任した。2人が批判を受けたのは「政治とカネ」の認識の甘さだ。いずれも自腹のカネが有権者や運動員に渡ったことの責任を取った。
「桜を見る会」はどうか。出席者によると樽酒、オードブル、軽食などが提供された。みやげもあった。メルカリをはじめとするフリマアプリには、みやげとして提供された酒升などが出品されている。
地元後援会の人間を堂々と「税金」を使って接待
もちろん選挙区から上京してくる後援者らは、交通費、宿泊費など応分の負担はしているだろう。それは後援会のツアーで東京1泊旅行をするのと同じだ。しかし、同じ1泊旅行でも浅草やスカイツリーを見学して帰る旅行に、「桜を見る会」が加われば価値は変わってくる。
菅原氏や河井氏は有権者に「自腹」で金品を配った。一方、安倍政権の幹部たちは「桜を見る会」において、地元後援会の人間を堂々と税金を使って接待している。
「政治家が自分のお金でやったら明らかに公職選挙法違反。(今回の件では)税金を利用している。モラルハザードを安倍政権が起こしている」という田村氏の指摘は多くの国民が共感しているのではないか。
「桜を見る会」の問題は、菅原、河井の両氏が辞任したスキャンダルよりも悪質ではないか。そういう疑念が広がりつつある。
二階氏は「何か問題あるか」と開き直ったが…
これに対して、政府・自民党側の動きは鈍い。二階俊博幹事長は12日の記者会見で、「桜を見る会」に自民党議員の後援者らが招待されていることについて「議員は選挙区の皆さんに、できるだけのことを配慮するのは当然のことだ」と発言。さらに党役員に「桜を見る会」に参加できる枠が割り当てられているとの指摘に対しては「あったって別にいいんじゃないですか。何か問題になることはありますか」と開き直るように、質問した記者にかみついた。
恐らく自民党議員の多くは二階氏と同じ考えなのだろう。長い間、政府と党による持ちつ持たれつの関係が染み付いてしまっているため、批判されていることに鈍感になっているのだろう。
安倍政権側は、菅原、河井の両氏が辞任した時に内閣や自民党の支持率が落ちなかったことで自信を深めている。しかし閣僚辞任ドミノではびくともしなかった政権の屋台骨が「桜を見る会」で揺らぐ可能性もあるのだ。
菅義偉官房長官は12日夕の記者会見で「桜を見る会」の開催要領を見直す考えを示した。しかし朝日新聞は翌13日の朝刊1面トップで「首相事務所 ツアー案内」という記事を掲載。安倍氏の事務所が「桜を見る会」を目玉とするツアー日程をプロデュースしている実態を浮き彫りにした。当面、国民の怒りは静まりそうにない。
対応の鈍さは、長期政権の致命傷となりえる
最後に「ブーメラン」の可能性について触れておきたい。ここ数年、政権与党側に問題が起きると、数日後に旧民主党などの野党勢力側にも同様の問題が浮上し、痛み分けとなるパターンが続く。「桜を見る会」についても、民主党政権時のことが「ブーメラン」となって返ってくるかもしれない。
民主党政権下では3度、「桜」の季節を迎えている。最初の2010年、鳩山政権下で一度行われたが、安倍政権で肥大化した現在の規模と比べると、内容は抑制的だったようだ。当時の民主党幹部らの後援会の参加が、今後取り沙汰されるだろうが、今の自民党幹部と比べると規模は格段に小さい。その後の2年は、東日本大震災後の対応などを優先して行わなかった。
この件に関しては野党側の傷は浅く、「ブーメラン」となることはなさそうだ。だからこそ、自民党の対応の鈍さは長期政権の致命傷となるかもしれない。 
安倍政権で「桜を見る会」の参加者が急増したからくり 11/13
共産党の追及がきっかけに
毎年4月に新宿御苑で開かれる総理大臣主催の「桜を見る会」が話題になっている。きっかけは、共産党の田村智子参議院議員が11月8日の参議院予算委員会で行った質問だ。田村議員は今年4月13日に開かれた「桜を見る会」で、安倍晋三首相や閣僚らが多数の地元後援会員を招待していたことを追及した。
「安倍総理の下で参加者数、支出額が年々増えています。2013年以前は資料がないということなので、2014年を見ると参加者1万3700人、支出額3005万円。予算の1.7倍です。ここから伸び続けて、今年は参加者1万8200人、支出額5520万円。予算の3倍を超えました。驚くのは予算の要求額ですね。先の国会で『予算とかけ離れている』と批判されたからなのか(たとえば2019年5月21日の衆議院財政金融委員会で共産党の宮本徹衆議院議員が質問している)、今年度の支出額を超えて、5730万円を要求しているわけなんです。総理、なぜこんなに参加者と支出額を増やしてきたんですか」
田村議員の質問の通り、2014年時と比べて2019年の「桜を見る会」では、参加者数が33%、支出額に至っては84%も増えている。支出の内訳を見ると、会場設営等が929万円から2167万円と233%、飲食物提供費用は1432万円から2262万円と58%も増加している。
そもそも総理大臣主催の「桜を見る会」とは、吉田茂首相の時代の1952年に始まったセレモニー。内閣の公式の行事として、文化、芸上、スポーツ、政界などの各界で功績や功労があった人を招き、総理大臣が慰労しながら懇談するというのが本来の目的だ。1995年の阪神大震災時と2011年の東日本大震災時、そして北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射すると宣言した2012年には中止されたため、今年で64回目となる。
参加者数は長らく1万人までだった
では一体どれほどの人が「桜を見る会」に参加してきたのか。公式資料にはないが、過去の新聞を見ていくと、その数は政治的情勢とほぼリンクしていることがわかる。
中曽根康弘首相時には概ね7000〜8000人だった参加者数は、竹下登首相時代の1988年4月14日の「桜を見る会」でも7000人を維持。しかし翌年4月20日の「桜を見る会」では前年比1割減の6800人までに落ち込んだ。ちょうど4月1日から消費税3%がスタートしたばかりだった。
海部内閣時の1990年4月18日の「桜を見る会」では、1万人に招待状が送付され、7000人が参加した。派閥の領袖ではない首相のせいか、参加者は後援会メンバーが目立ったという。それでも翌1991年4月10日の「桜を見る会」では、8000人が参加した。
そして宮沢政権時の1992年4月15日の「桜を見る会」には、参加者は約1万人となった。翌1993年4月15日の参加者数が8700人に激減したのは、8月の政権交代の前兆だったかもしれない。
細川政権時の1994年4月20日には7400人が出席したが、翌1995年の「桜を見る会」は1月に勃発した阪神淡路大震災のために中止された。そして橋本政権になった1996年4月10日の「桜を見る会」には、1万人が参加。1997年(4月16日開催)と1998年(4月18日開催)は8000人にとどまったが、小渕政権時の1999年4月17日の「桜を見る会」には1万1000人が駆けつけている。
森政権時に開かれた2000年4月15日と2001年4月21日の「桜を見る会」には、それぞれ8500人と8000人。小泉政権時の2002年(4月20日)と2003年(4月19日)も参加者は8000人。ただし2004年4月17日の「桜を見る会」では8400人が参加し、小泉純一郎首相(当時)は本居宣長の「敷島の大和心を人問わば、朝日に匂う山桜花」の歌を披露。それは翌年の郵政選挙の圧勝を予期させるものだった。
そして2005年4月9日の「桜を見る会」には8700人が参加したが、翌年4月15日の会には1万1000人が参加。小泉首相は安倍首相に“禅譲”して成立した第1次安倍政権時、2007年4月14日に開かれた「桜を見る会」には1万1000人が集まった。
福田政権時の2008年4月12日には1万人、麻生政権時の2009年4月19日には 1万1000人が新宿御苑に駆けつけた。そして政権が交代し、鳩山政権で「桜を見る会」が開かれた2010年4月17日には、明け方まで雪が降る真冬並みの寒さのためか、参加者は1万人に減少している。
2011年は東日本大震災のために会は中止。2012年は4月14日に開催を予定していたものの、北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射の予告(北朝鮮はIMOに12日から16日までの7時から正午までの間に発射予定と通告)を受けて再度中止された。
第2次安倍政権から参加者数は急上昇
同年12月に民主党政権から自民党政権へと交代し、第2次安倍政権で初めて開かれた2013年4月20日の「桜を見る会」には1万人が駆けつけた。その後の「桜を見る会」の参加者数は増える一方で、2014年4月12日の「桜を見る会」では1万3200人で、今年はなんと1万8200人に至ったのだ。
参加者総数が増加したのは、招待者数が増えたからだ。それまで1万人程度だったが、2014年は1万2800人が招待され、2019年には1万5400人に招待状が送られた。また招待者の配偶者なら「桜を見る会」に参加することができるが、2014年には900人の配偶者が参加したのに対し、2019年にはその3倍強の2800人も参加したことになる。
こうしたことがコストの急増をもたらしたが、予算は2014年から1766万6000円と変わらなかった。さすがに2020年度の概算要求では5728万8000円が計上されたが、このままではさらに膨らんでいくに違いない。
緩すぎる招待客の選考基準
これについて菅義偉内閣官房長官は11月11日の会見で、「招待者数は内閣官房や内閣府で検討すると思う」と述べたが、選定基準は明らかにされていない。12日に開かれた野党ヒアリングでも、参加者名簿は明らかにされなかった。ひとつは個人情報の保護のためだが、もうひとつは案内送付については保存期間が「1年未満」とされているため、「すでに破棄した」とのことだった。
だがこの問題の本質は、選考基準そのものにある。参加者が増加すれば、テロ対策や混雑緩和のための経費、および飲食代も嵩んでくる。毎年同じ予算を計上しているのなら、参加者を減らすように努力すべきだろう。実際に2018年に送付された招待状の数は1万5900通だったが、2019年は1万5400通に減らされている。
ところが参加者総数は700名も増加した。配偶者を同伴した参加者が増加したためだが、果たしてきちんと身分確認は行われたのか。安倍首相の後援会には新宿御苑へ入園の際に特別な扱いがあったと聞くが、それでテロ対策など警備は大丈夫なのか。
桜を見る人のいない「桜を見る会」
そもそも参加者の選考に際し、政治家からのごり押しはなかったのか。開催要領に外れる招待客はいなかったのか。政治とは無関係の安倍昭恵夫人の知人が招待されたとSNSで発信していたが、なぜ閣議決定で私人とされた昭恵夫人の関係者枠が設けられたのか。疑問は多々ある。
「一番の問題は“桜を見る会”なのに、誰も桜を見ていないことです」
国民民主党の玉木雄一郎代表は12日午後、ため息をついてこう述べた。四季の移ろいを惜しみつつ愉しみ、そうした豊かな自然の下で様々な分野の才能が交流し、親交を温める――。本来の桜を見る会や園遊会などは、そうしたことを目的としたはずだ。にもかかわらず、公的セレモニーの名前の下でオトモダチを呼んで飲ませて食わせて有名人と写真を撮らせる単なる“お遊び”では、文化を知る国民なら納得できるはずがない。 
菅官房長官、桜を見る会「議員推薦」認める 11/13
菅義偉官房長官は13日の記者会見で、首相主催の「桜を見る会」の招待客選定に関し、各省庁以外に国会議員からも推薦を受け付けていると認めた。「政治家からの推薦、働き掛けはあるか」との質問に「そうしたものも含まれているんだろうと思っている」と答えた。
安倍晋三首相の事務所が、同会を含む観光ツアーを地元支援者に案内していたとの報道に関しては「承知していない」と回答。菅氏自身の事務所が同様の仲介をしているかに関しても「私は承知してない」と述べた。  
桜を見る会 “政治家の働きかけで招待のケースも” 官房長官  11/13
総理大臣主催の「桜を見る会」について、菅官房長官は、午前の記者会見で、政治家からの働きかけによって招待者が選ばれたケースもあったという認識を示しました。
総理大臣主催で毎年開かれている「桜を見る会」は、年々、参加者が増えていて、野党側は、安倍総理大臣の後援会から多くの人が招待されているなどとして批判を強めています。
これについて菅官房長官は午前の記者会見で、招待者を選ぶ際に、政治家から推薦や働きかけがあったのか問われたのに対し、「昭和27年から続いている行事なので、そうしたものも含まれているのだろうと思っている」と述べました。
そのうえで「昭和27年以来の慣行が続いてきている。政権交代した際も、新しい政権の中で、そうした慣行の中で、取り組みが行われてきている」と指摘しました。
また、安倍総理大臣の事務所が地元の有権者を対象に「桜を見る会」を含む観光ツアーの案内を出していたと一部で報じられたことについて、「安倍総理大臣の後援会については承知していない。総理自身が国会で答弁しているとおりだと思う」と述べました。
さらに招待者の選定にあたって、菅官房長官の事務所などが働きかけたことがあるか問われたのに対し、「個々の招待は、個人に関する情報であり、控えさせていただきたい。事務所が働きかけをしたかどうか、私は承知していない」と述べました。
そして、菅官房長官は招待基準などについて、「見直すべき点があれば、見直すべきではないかと申し上げている」と述べるとともに、見直しにより、開催に必要な予算額を減らすことができるという認識を示しました。
一方、各省庁が招待者の名簿を保存しているかどうか調査を行う考えがあるか質問されたのに対し、「各省の文書管理については承知していない。各省で対応することになる」と述べました。
ことしの前夜祭の様子
インターネット上には、安倍総理大臣の後援会が主催してことし4月に東京都内のホテルで開かれた「桜を見る会」の前夜祭の様子が写真付きで詳しく紹介されています。
シャンソン歌手のケイ潤子さんのブログに4月13日付で掲載された「安倍晋三『桜を見る会』」というタイトルの記事には、冒頭、「昨日、安倍総理大臣の『桜を見る会』前夜祭がホテルニューオータニ東京鶴の間にて開催。シャンソン、ラテンに交えてオリジナル新曲も歌わせていただききました」と書かれています。
また、「安倍晋三後援会桜を見る会前夜祭」と書かれた看板や、前夜祭の式次第、マイクを持ってステージに立つケイ潤子さんなどの写真のほか、「1000人ほどのお客様」というコメントとともに大勢の人が埋め尽くされた会場の写真が掲載されています。
このほか、ケイ潤子さんと安倍総理大臣夫妻が会話を交わしている様子や3人で笑顔で並んでいる様子の写真も掲載されています。
さらに、「本日は新宿御苑にて開催の『桜を見る会』にもご招待いただき重ねてお礼申し上げます」というコメントとともに、「桜を見る会」の会場で撮影されたとみられる写真と、出席者に記念に配られた升などの写真も掲載されていました。
安倍事務所の名前で案内文
総理大臣主催の「桜を見る会」について、NHKは、山口県下関市にある安倍総理大臣の事務所名で出された、地元関係者に参加を募る内容の案内文を入手しました。
案内文には、「内閣府での取りまとめになります」という記載がある一方で、会の前日に都内の観光ツアーや後援会主催の夕食会などを行うことも記されていて、安倍総理大臣の地元事務所が支援者などの参加を取りまとめていた実態がうかがえます。
入手したのは、総理大臣主催の「桜を見る会」が、おととしと去年に開催された際の、地元関係者への案内文です。
いずれも、「『桜を見る会』のご案内」というタイトルで、「安倍晋三事務所」という記載とともに地元・下関市の事務所の電話番号が記されています。
総理大臣主催の「桜を見る会」とその前日に安倍総理大臣が出席して行われる後援会主催の夕食会を案内する内容で、出席する場合には安倍事務所か担当秘書に連絡してほしいと記されています。
案内文には、「内閣府での取りまとめになります」という記載がありますが、参加申し込みの文書には、送り先として安倍総理大臣の地元事務所のファックス番号が記され、「参加される方が、ご家族、知人、友人の場合は、別途用紙でお申し込みください」とか、「紹介者欄は必ずご記入ください」などと書かれています。
また、去年の申し込み文書には「後日、郵送で内閣府から招待状が届くので、必ず現住所をご記入ください」という記述もあり、安倍総理大臣の地元事務所が支援者などの参加を取りまとめていた実態がうかがえます。
このほか、NHKは参加を申し込んだ人に飛行機やホテルの手配を事務所に求めるかどうかや、会の当日に会場まで手配したバスを利用するかどうかなどを尋ねるアンケートも入手しました。
この中では、「安倍事務所ツアー」として、「桜を見る会」の前日に都内の観光名所をめぐる4つのコースと終日自由行動のコースのスケジュールが詳細に記されています。
ホテルに1人で宿泊した場合の参加費の総額は、8万1000円から8万7500円となっていて、このうち最も参加費が高いコースは、東京タワーを見学したあと、屋形船で昼食をとり、明治神宮周辺を見学する内容でした。
すべてのコースには、都内の高級ホテルで開かれる後援会主催の夕食会が組み込まれ、その会費は1人5000円と記されています。
こうした文書について、山口県下関市にある安倍総理大臣の事務所は、「詳細が分からず、答えられない」とコメントしています。
地元議員「安倍首相の事務所か後援会が開いていると思った」
「桜を見る会」に出席したことがある安倍総理大臣の地元、山口県下関市の複数の自民党関係者によりますと、毎年2月ごろになると、安倍事務所から「桜を見る会」への出席を希望するかどうか尋ねる書面が送られてきたということです。
そして出席と回答をすると、会の前日に組まれている都内観光や夕食会などを含めた一連のツアーの日程や費用が書かれた書面が送られてきたということです。
「桜を見る会」の会場では酒やつまみなどの軽食が無料でふるまわれたほか、土産として一合升も配られたということです。
取材に応じた地元議員は「毎年呼ばれるので1度は行かなくてはと思い、3〜4年前に参加した」としたうえで、国会で議論になっていることについては「税金を使っている行事なので批判されるのはしかたないのだろう」と話していました。
また、別の議員は「安倍事務所から出席の意思確認の電話があり、ことしの『桜を見る会』に出席した。安倍総理大臣の事務所か、後援会が開いているものだと思っていたので、今回の報道で公的な行事であることを初めて知った」と話していました。
桜を見る会の参加者「安倍事務所の催しかと」
山口県防府市の70代の女性は、ことし4月13日に行われた「桜を見る会」に出席しました。
この女性は安倍総理大臣の後援会には入っていませんが、知り合いの企業経営者から誘われて参加の希望を伝えたところ、ことし2月ごろ、安倍総理大臣の事務所から氏名や住所を記入する申し込み用紙が送られてきたということです。
申し込み用紙を提出すると「桜を見る会」のツアースケジュールのほか、飛行機やホテルの手配を事務所に求めるかどうかや、観光ツアーへの参加を希望するかどうかなどを確認するアンケートが送られてきたということです。
この女性は航空券やホテルを自分で手配し、「桜を見る会」の会場に移動するため片道分のバスだけを利用すると事務所に申し込み費用を払ったということです。
また「桜を見る会」の前日に東京都内の高級ホテルで開かれた夕食会にも出席し、5000円の会費を支払ったということで、夕食会では安倍総理大臣夫妻と記念撮影したということです。
女性は「ホテルの人に何人ぐらい参加しているかを尋ねたところ、850人ぐらいとのことだった。ただ全員が後援会の関係者だったわけではない」と話しています。
そして「桜を見る会」の当日は、貸し切りバスで、夕食会が開かれたホテルから会場の新宿御苑に移動し、バスに乗った人たちはセキュリティーチェックを受けずに会場内に入ることができたということで、会場ではタケノコごはんや和菓子、甘酒などが無料でふるまわれたということです。
女性は、政府が招待者を選ぶ基準について「各界で功績のあった人を幅広く招待している」と説明していることについて、「私は功績者にはあたらず、安倍総理大臣の事務所を通して希望すれば参加できる催しだと思っていた。振り返ってみると、『桜を見る会』に税金が使われていたことに少し抵抗がある」と話していました。 
桜を見る会 「私物化」は許されない 11/13
安倍晋三首相が、自ら主催する「桜を見る会」に、後援会関係者らを多数招いていた。公金を使った便宜供与なら、違法性を問われかねない。あいまいな説明やごまかしは許されない。
毎年四月、東京・新宿御苑で行われる桜を見る会は、各界で功績のある人や著名人を首相が慰労する趣旨で開催され、無料で酒や食事、土産物が振る舞われる。
首相がこの場で選挙区の有権者を接待したのなら、公職選挙法が禁じる寄付行為や税金の目的外支出という財政法違反などに当たる可能性が出てくる。
八日の参院予算委員会で共産党の田村智子氏は、第二次安倍内閣以降、会の参加者と支出は伸び続け今年は参加者一万八千二百人、支出約五千五百万円と二〇一四年から五年間でそれぞれ一・三、一・八倍になっていると追及した。
内閣府の開催要領は、招待範囲として皇族や各国大使、最高裁長官、都道府県知事らに加え「その他各界の代表者等」を示す。この枠を使い、首相ら与党議員が後援者らを招いているとみられる。
首相の地元、山口県内の県議や市長、ライオンズクラブ会員などはたびたびブログや会報で会への参加を報告。今年はバス十七台に分乗して新宿御苑に向かったとの記述もあり、首相の後援者らの参加は数百人に上ったようだ。
このほか、萩生田光一文部科学相や稲田朋美元防衛相も、後援者が会に参加したことをネットなどで記している。
会が与党議員の後援会活動の場と化しているとしたら、公的行事の「私物化」であり、言語道断である。
首相は予算委で招待者を選ぶ基準を問われたが明確に答えられず、名簿公表も「個人情報」を理由に拒否した。会への参加が記念写真と共に公表されているのに、全く理屈に合わない。内閣府が招待者名簿を終了直後に廃棄したとしているのも極めて不自然だ。
首相の後援者には会の前日、都内のホテルで「前夜祭」が催されそこでも飲食が提供されたという。五千円の会費制で行ったとの証言もあるが、会場費などについての記載が首相側の政治資金収支報告書にはなく、政治資金規正法違反の疑いも指摘される。
安倍内閣では、後援者を観劇に招待し閣僚を辞任した例がある。首相の違法行為は内閣総辞職に値する。首相自身が説明を尽くさなくては疑いは一切晴れない。重い責任を感じるべきだ。 
桜を見る会 首相の私物化許されぬ 11/13
税金で賄われる内閣の公的な行事を私物化していると批判されても仕方あるまい。安倍首相にはきちんと疑問に答えてもらわねばならない。
毎春、東京・新宿御苑で行われる首相主催の「桜を見る会」の出席者が、第2次安倍政権発足以降、年々増え続け、首相の後援会関係者が大勢招待されていることが明らかになった。
「開催要領」には計約1万人と明記されているにもかかわらず、今年の参加者は5年前より4千人以上多い約1万8200人。予算は毎年一律の約1767万円だったが、実際の支出は膨らみ続け、今年は3倍以上の5519万円となった。ずさんな予算管理に驚く。
なぜ、これほど参加者が増えたのか。先週の参院予算委員会で、共産党議員が問題視したのが、首相や閣僚、自民党国会議員の後援会関係者の招待だった。とりわけ、首相について、都内のホテルで開かれた前夜祭に850人が出席し、当日はバス17台に分乗して会場に向かったという、今年の参加者からの情報を示し、「後援会活動そのものではないか」と追及した。
1952年に当時の吉田茂首相が始めたこの会は、各界で「功績・功労」のあった人たちを慰労し親睦を深めるのが目的とされる。開催要領は、招待の対象を皇族や各国大使、国会議員、都道府県知事らのほか、「その他各界の代表者等」と定める。この「その他」に後援会関係者が含まれるとみられるが、個々の議員の活動を支える支援者を、国全体にとって「功績・功労」があったと認めるのは筋が違うだろう。
ところが首相は予算委で、「個人情報」を口実に、招待に関する具体的な説明を拒んだ。また、内閣府の担当者は、招待者名簿などの資料は会の終了後、「遅滞なく廃棄」したと述べた。翌年の準備のために保管しておくのが当然ではないのか。天皇、皇后両陛下が主催する園遊会の招待者名簿は公表されており、不透明きわまる。
首相は「招待者のとりまとめには関与していない」とも述べた。しかし、朝日新聞の調べで、首相の事務所名義で、桜を見る会を含む都内の観光ツアーを案内する文書の存在が明らかになった。
首相は13年以降、会の前夜に開かれる後援会との懇親会に欠かさず出席もしている。一連の経緯を承知していないはずはなかろう。
首相に近しい者が特別な便宜を受けたのではないか。森友・加計問題でも指摘された、政治の公平・公正に関わる問題であると、首相は深刻に受け止めるべきだ。 
安倍首相、政府公式行事の「桜を見る会」私物化の波紋 11/13
毎年春になると、日本の全域では花見の熱気で盛り上がる。日本は政府の公式行事としても一種の“花見”を行っているが、安倍晋三首相がこの行事を首相個人に対する後援に活用するなど、私有化しているという議論に覆われた。
野党の立憲民主党と国民民主党、日本共産党は11日、首相主催行事である「桜を見る会」に対する論議を調査するチームを共同で発足することに決めた。野党は国会で政府を相手にこの問題を追及する方針だ。
「桜を見る会」は1952年から毎年4月に桜の名所で有名な東京の都心の公園である新宿御苑で開かれている。1995年の阪神淡路大震災や2011年の東日本大震災の時などを除き、ほぼ毎年開かれた。行事には皇室関係者、国会議員、各国の外交官、ジャーナリスト、各界代表などが招待される。
問題は、政府の公式行事である「桜を見る会」に安倍首相の後援会員らが大勢参加した情況が、最近続々と明らかになっていることだ。共産党の田村智子議員は8日の参議院予算委員会で、今年の行事前日には安倍首相の後援会が主催する前夜祭が開かれており、約850人が参加したと主張した。翌日の行事当日には前夜祭の参加者たちが貸し切りバス17台に乗って会場に向かったという疑惑も提起した。田村議員が根拠に挙げたのは、関係者らがブログに残した内容だが、現在は削除されている。
山口県議会の藤井律子議員(2018年当時、現周南市長)は、昨年の行事の際「『10メートル歩いたら、山口県の人に出会うわよ!』と片山さつき議員に聞いた」とブログに書いた。安倍首相の選挙区の山口県の人々が大規模に行事に参加したという情況がうかがえる。
実際、安倍首相の第2次政権以降、「桜を見る会」の規模も大きくなっている。2014年の支出経費は3005万円だったが、来年2020年には予算だけでも5728万円と倍近く増加している。出席者数も2014年には1万3700人だったのが今年は1万8200人に増えた。 
   「桜を見る会」来年度中止 決定 

 

「桜を見る会」来年度中止 「私物化」批判が強まる中 11/13
菅官房長官は会見で、来年度の桜を見る会を中止すると発表しました。
「(「桜を見る会」については)全般的な見直しを幅広く意見を聞きながら行うこととし、来年度の桜を見る会は中止をする」(菅義偉 官房長官)
突然の中止の理由について菅長官は、招待者を呼ぶ基準などが分かりづらいことなどをあげました。12日の会見では、“基準の明確化”など選定の見直しを行う考えを示していましたが、なぜ一日で急転直下の方針転換となったのでしょうか。
安倍総理や政府与党幹部が、桜を見る会を「私物化しているのでは」と指摘する野党は、13日も国会でこの問題を追及。安倍総理は、招待客の決定への自らの関与は否定していますが、JNNは「安倍晋三事務所」名義で作成された「桜を見る会」の参加案内書を入手。そこには、事務所や担当秘書を窓口として、内閣府が取りまとめることなどが記されていたほか、東京観光とセットとなったツアーも記されています。野党は、招待者が決まる過程での安倍事務所の関与について政府を質しました。
「政府として取りまとめを行うに当たって、安倍晋三事務所から『誰誰に』『何名』も含めて、連絡をしてくださいという事務的な連絡はありましたね」(「立国社」会派 小川淳也 衆院議員)
「私は承知してございません。各省庁“等”の意見を踏まえて、内閣官房・内閣府において取りまとめているもの」(内閣府 大塚大臣官房長)
「各省庁などの中に、安倍先生の事務所は入りますか」(「立国社」会派 小川淳也 衆院議員)
「あくまでも私ども“各省庁等から”の取りまとめを行っているもの」(内閣府 大塚大臣官房長)
「“等”は何かって聞いてる!」
一方、菅長官は会見で、招待者選定の具体的な手続きを確認したところ、取りまとめを行う内閣府と内閣官房は各省庁に推薦依頼をしたほか、総理や副総理、官房長官、官房副長官にも“事務的”に推薦依頼が行われていたと明らかにしました。事実上、総理らの政権幹部らの“政治枠”があったことを認めた格好です。
安倍総理側への批判が強まる中、突然の「桜を見る会」の中止は総理が決めたということですが、野党側は・・・
「総理が出てこないかぎり、この話は終わらない」(立憲民主党 安住淳 国対委員長)
「廃止だ中止だって政府与党から公然と声が出てきて、この問題をなかったことに、蓋をしようとするイメージがあること自体が、国民の問題認識、私たちの問題認識と大きくかけ離れている」(立憲民主党 蓮舫 副代表)
また、内閣官房は野党側に対し、安倍事務所が取りまとめた推薦者の名簿の提供を受けたことを明らかにしました。 
「桜を見る会」来年度は中止 官房長官が発表 11/13
菅義偉官房長官は13日の記者会見で、首相主催で毎年春に新宿御苑で開かれる「桜を見る会」を来年度は中止すると発表した。安倍晋三首相の地元後援会関係者が多数参加し、招待基準が不透明だと野党が批判しており、菅氏は「さまざまな意見があることを踏まえ、政府として、招待基準の明確化や招待プロセスの透明化を検討していく」と話した。
また「長年の慣行」として首相官邸や与党に対して招待者の推薦依頼を行っていたことも明らかにした。官邸分については「首相、副総理、正副官房長官に推薦依頼を行ったうえで、提出された推薦者のとりまとめを行っている」として、事実上の招待「枠」があったことを認めた。 
政府、「桜を見る会」来年度中止 招待基準の明確化検討 11/13
政府は13日、例年4月に開かれる首相主催の「桜を見る会」を2020年度は中止することを決めた。菅義偉官房長官が午後の記者会見で発表した。21年度以降の再開を目指し、招待基準の明確化や選考手続きの透明化など見直しを進める。野党が「税金の私物化」として徹底追及する構えを見せていることを踏まえ、中止発表で機先を制する狙いがある。
安倍晋三首相は13日夕、首相官邸で記者団に「私の判断で中止することにした」と強調した。2閣僚辞任や大学入試の英語民間試験をめぐる混乱など、安倍政権の不手際が相次いでおり、早期の幕引きを図ることで打撃を最小限に食い止めたい考えだ。
桜を見る会をめぐり、野党は首相の後援会関係者が多数招かれているとして連日追及。自民党内からも「やめた方がいい」と中止を求める声が出ていた。
菅氏は会見で、来年度予算案の編成作業が本格化する前に決断する必要があったと説明。再開する場合には、開催規模の縮小や被災地からの招待を検討する考えを示した。
菅氏はまた、これまでの招待者選考に関し、内閣官房が首相、副総理、官房長官、官房副長官や与党に推薦を依頼していたと明かした。菅氏はこうした手続きが、安倍政権以前から続いていたと指摘。「長年の慣行について、一度しっかり見直すべきではないかとの考えに至った」と述べた。  
来年の「桜を見る会」は中止 菅官房長官  11/13
総理大臣主催の「桜を見る会」について、菅官房長官は午後の記者会見で、招待者の基準の明確化などを図り、予算や招待者数の削減も含め、全般的な見直しを検討するとして、来年の開催を中止することを発表しました。また、安倍総理大臣は13日午後7時前、総理大臣官邸を出る際、記者団に対し、「すでに菅官房長官が説明したとおり、私の判断で中止することにした」と述べました。
この中で、菅官房長官は「桜を見る会」の招待者について「内閣官房の取りまとめにあたっては、総理大臣官邸内や与党にも推薦依頼を行っており、官邸内は、総理、副総理、官房長官、官房副長官に対し、事務的に推薦依頼を行ったうえで、提出された推薦者の取りまとめを行っている」と述べました。
そして「こうした手続きは、長年の慣行で行ってきているものだが、さまざまな意見があることを踏まえ、政府として、招待基準の明確化や、招待プロセスの透明化を検討したい。予算や招待人数も含めて、全般的な見直しを幅広く意見を聞きながら行うこととし、来年度の桜を見る会は中止をすることにした」と述べました。
また菅官房長官は、来年の開催中止は安倍総理大臣が判断したことを明らかにしたうえで、再来年以降は再開する前提で見直しを進めていく考えを示しました。
さらに、見直しにあたっては、規模の縮小が念頭にあるのかと問われたのに対し、「当然だ」と述べました。
一方、みずからに対しても招待者に関する事務的な推薦依頼があったことについては、「慣行だったので、それが自然のことかなと、ずっと思っていた」と述べました。
そして、「私どもが野党の時も、その時の政権が行っており、やはり慣行だったのだろう。さまざまな意見を真摯(しんし)に受け止め、疑問点を明確にしていきたい」と述べました。
総理大臣主催で毎年開かれている「桜を見る会」をめぐっては、年々、参加者が増えていて、野党側は、安倍総理大臣の後援会から多くの人が招待されているとして、「公的行事の私物化だ」などと追及しています。
安倍首相「私の判断で中止」
安倍総理大臣は13日午後7時前、総理大臣官邸を出る際、記者団に対し、「すでに菅官房長官が説明したとおり、私の判断で中止することにした」と述べました。
後援会主催の夕食会 収支報告書に記載なし
NHKが入手した「桜を見る会」の案内文には、「安倍晋三事務所」の名称や安倍総理大臣の地元・山口県下関市の事務所の電話番号とともに、「桜を見る会」の前日に後援会が主催して開かれる会費制の夕食会の案内も記されていました。
政治資金規正法は政治団体が会費制の催しを行った場合は、その収支を政治資金収支報告書に記載することを義務づけています。
しかし、この年の「安倍晋三後援会」の収支報告書には、この「後援会」主催の夕食会に関係する収入の記載は確認できません。
専門家は会費制の催しを行った政治団体は、会計を旅行会社に任せた場合や利益が出なかった場合でも収支や日時、それに参加人数などを記載するべきだと指摘していて、過去には不記載だとの指摘を受けて収支報告書を訂正したケースが相次いでいます。
安倍首相に関する仕事後 招待状届いた人も
「桜を見る会」の参加者の中には、安倍総理大臣に関係する仕事に関わったあと、会の招待状が毎年届くようになったという人もいます。
山口県下関市の会社役員の男性によりますと、安倍総理大臣に関係する仕事に関わったあとの3、4年前に突然安倍総理大臣の名前で「桜を見る会」に出席するかどうかを尋ねる文書が郵送されてきたということです。
男性は、「自分のところに総理大臣から何かが届くとは思わなかったので、驚いたし、誉れな感じを抱いた」と話しました。男性は、飛行機やホテルはみずから確保し、5万円以上かかった交通費や宿泊費などは自己負担したということです。
「桜を見る会」には、多くの芸能人も参加していたということで、男性は「山口県からかなりの人数が参加していたようだ。地方の人からすると、テレビで見る人たちが実際にいて記念写真を撮れたので、とても楽しかったという思い出になっている」と振り返りました。
男性の元には、その後も毎年安倍総理大臣の名前で招待状が届いているということで、男性は「思い返してみると、安倍総理大臣の周りの方と近い関係になったり地元に貢献したりすることで、ご褒美のようなものを受けたということはあるかもしれない」と話していました。
政治資金専門家「公私混同だ」
政治資金の問題に詳しい日本大学の岩井奉信教授は、NHKが入手した案内文を見て「政府が税金を使って開催し一定の参加基準があるとされる『桜を見る会』の案内に、前日に開かれる安倍総理大臣を応援する私的な後援会の夕食会の案内も書かれている。この文書からは、誰でも希望をすれば『桜を見る会』に参加できるように感じられ、政府の説明と矛盾している。事実上の選挙区サービスで、公私混同と言わざるをえない」と指摘しました。
そのうえで「『桜を見る会』では飲食が提供され、お土産も出たと言われているが、こうした場に地元の後援会関係者を招いていたのであれば、公職選挙法で禁じられている選挙区内の有権者などに対する寄付にあたると思う。前日の夕食会は、後援会主催の行事ということなら政治資金規正法で収支の報告が義務づけられているが、後援会の政治資金収支報告書には一切記載が見られず、不記載として法律違反となる疑いがある」と話しました。 
「桜を見る会」来年は中止 総理なぜ早急に火消し? 11/13
安倍総理大臣主催の「桜を見る会」について政府は13日、来年の会の中止を発表しました。素早い火消しの背景には何があるのでしょうか。
突然の中止宣言。今年の安倍総理主催の桜を見る会に総理の後援会の関係者が850人も招待されていたとして野党が追及していた問題。そもそも桜を見る会は各界で功績を収めた人たちを慰労するために毎年4月に新宿御苑で開かれる行事で、今年で64回を数えます。桜を見る会は歴代政権で開催されていて、民主党政権でも。2010年4月の桜を見る会は著名人から地方の関係者まで約1万人が招待されました。アベプラファミリーではパックンも去年と今年、招待されました。一連の追及劇のきっかけは今月8日の参議院予算委員会でした。
共産党・田村智子議員: 「税金を使った公的行事なんですよ。功労、功労が認められた方を招待するんですよ」
安倍総理は個々の招待客について、個人情報であるため回答できないとしながら…。
安倍総理大臣: 「地元において自治会等々で、あるいはPTA等で役員をされている方々もおられるわけでございますから」
この日から招待者を選ぶ基準はどこにあるのか、総理は税金を使って行われる式典を私物化しているのではないか、野党の追及が始まりました。12日、自民党の議員に割当枠があるのではという指摘に二階幹事長は…。
自民党・二階幹事長: 「それはあったって別にいいじゃないですか。あなたがいかにも問題ありそうな発言しているが、問題になるようなことがありますかって聞いてるんだよ…」
この発言で批判が殺到。そして13日、こんな文書が国会で取りざたされました。差出人は「あべ晋三事務所」となっていて、桜を見る会を含む都内観光ツアーが案内されています。
安倍総理大臣: 「招待者の取りまとめ等においては関与していないわけであります」
安倍総理は8日、そう発言していましたが…。
無所属・柚木道義議員: 「安倍晋三後援会主催となってるんですよ?めちゃめちゃ関与しているじゃないですか」
内閣府・大塚大臣官房長: 「(招待者は)各省庁から幅広く推薦を頂いて、私ども内閣府・内閣官房において取りまとめているところでございます」 
これでさらに追及が強まるかと思われましたが、13日夕方に菅官房長官が来年度の「桜を見る会」の中止を発表したのです。
安倍総理大臣: 「すでに来年の『桜を見る会』についてはすでに官房長官が説明した通りであります。私の判断で中止をすることになりました」
8日の問題提起からわずか5日。この早すぎるとも思える幕引きの裏には何があったのでしょうか。 
「桜を見る会」来年は中止 総理事務所のツアーに… 11/13
急転直下の発表です。数々の問題が指摘されている総理大臣主催の「桜を見る会」が来年は中止となりました。桜を見る会については安倍総理大臣の事務所名の観光ツアーに組み込まれていたことも分かりました。
差出人は、あべ晋三事務所。今年、安倍総理の事務所が後援会関係者に送った都内観光ツアーの案内です。桜を見る会の前日の都内観光や夕食会、当日の送迎のバスなどについて記されていて、都内観光のコースなどを選んで期日までに返信するようにとなっています。桜を見る会が組み込まれたツアーの参加者を安倍総理の事務所が取りまとめているようにも見えます。そもそも、安倍総理はこう話していました。
安倍総理大臣: 「招待者の取りまとめ等には関与していないわけであります」
13日の焦点は安倍総理の関与です。
無所属・小川淳也議員: 「政府として取りまとめを行うにあたって、安倍晋三事務所から誰々に何名も含めて連絡をして下さいという事務的な連絡はありましたね」
内閣府・大塚大臣官房長: 「各省庁との意見を踏まえて内閣官房、内閣府において取りまとめてるものでございます」
無所属・小川淳也議員: 「各省庁等のなかに安倍先生の事務所は入りますか」
また、追及されたのは安倍総理だけではありません。
立憲民主党・村上史好議員: 「昨年の桜を見る会にまたブログでですね、お招きした町内会自治会連合会役員の皆さんと合流をしたとブログで発信されております」
萩生田文科大臣: 「あくまで個人が招待されておりまして、その方々たちと現場でお会いしたということ」「(Q.推薦したということ?)推薦する仕組みはございません」
と、この約2時間半後…。
菅官房長官: 「(Q.各省庁の意見などを踏まえて、この『など』には政治家の推薦であったり、働き掛けがあるのか?)『など』については昭和27年から続いている行事でありますので、そうしたものも含まれているのだろうと思っています」
長年の慣行のなかで政治家による推薦が行われてきたとの認識を示したのです。ある自民党幹部は問題が長引くことは避けたいと話します。一方、民主党政権時代の話も出てきました。
国民民主党・玉木雄一郎代表(元民主党): 「(鳩山総理の時)各議員4名だったと思うが、推薦枠があって各議員も紹介してくれということで、私自身もお世話になった方々を連れて行った記憶がございます。民主党政権時代を含めて選考についてはなかなか明確な基準があいまいなところがあるのは事実だと思います。廃止も含めて検討していく」
菅官房長官: 「様々なご意見があることを踏まえ、ついては来年度の桜を見る会は中止をすることにしました」  
 11/14

 

安倍首相「桜を見る会」の怪しすぎる招待客選定プロセス 11/14
安倍首相の後援会関係者850人を招き、タダで飲み食いをさせていたことが判明し、大問題となっている「桜を見る会」。税金を使った公式行事に有権者を招き、接待していたのだから、ほとんど“買収”みたいなものだ。なのに、安倍政権は招待客選定について「適正だった」と強弁しているのだから、度しがたい。「桜を見る会」には、「適正」どころか、怪しい人物が大挙していた。
12日の衆院地方創生特別委員会。内閣府官房長は招待客の選定基準について、内閣府と内閣官房が各省庁の意見を踏まえて決定しているとし、「選定プロセスは適正だ」と言い張った。招待客の基準は、〈各界において功績・功労のあった方々〉と規定されているが、今年、招かれた安倍首相の後援会関係者850人全員に、いったいどんな「功績・功労」があるのか、説明はされないままだ。
そもそも「桜を見る会」には、「功績ある人」どころか、“悪党”がゾロゾロと呼ばれているのが実態だ。「適正」とは思えない招待客について別表にまとめた。
日刊ゲンダイは昨年末、磁気治療器の預託商法を展開し、2017年末に倒産した「ジャパンライフ」の山口隆祥元会長が桜を見る会に招待されていたことを報じた。同社の宣伝チラシには、〈安倍晋三内閣総理大臣から山口会長に「桜を見る会」のご招待状が届きました〉と記されており、招待状には〈平成二十七年三月〉と印字してある。
ジャパンライフを巡っては、多額の預託金が返還されず多くの被害者を出し、社会問題化。警視庁などが特定商取引法違反で捜査中だ。80年代には、同社による「マルチ商法」被害が拡大し、国会で「ジャパンライフ問題」の集中審議が行われたほど。山口氏は“札付き”というわけだ。
招待客の基準など、あってないようなもの。
さらに、独自開発の仮想通貨を商材に連鎖販売取引を展開し、17年10月に消費者庁から3カ月間の業務停止命令を受けた「48(よつば)ホールディングス(HD)」の幹部が、桜を見る会で安倍首相や菅官房長官と一緒に写る写真がネットに出回っている。また、共産党女性議員の不倫デマを拡散した「政治知新」なるニュースサイトの運営者も、日刊ゲンダイの取材に、過去、桜を見る会に招待されていたことを認めていた。
12日開催された野党追及チームでは驚くべき指摘が飛び出した。「キャバクラ嬢と自称する女性も出席」「反社会的勢力の関係者が参加したとの情報もある」というのだ。
「桜を見る会で手渡される記念品などがネットオークションで出回っているほどですから、自民党議員の事務所から招待状を受け取った後援会関係者は、軽い気持ちで飲み屋の女性などに手渡してしまっているのではないか。招待客の基準など、あってないようなものです」(永田町関係者)
桜を見る会の18年度の開催費用は、予算の3倍の5200万円にも上る。菅義偉官房長官は13日の記者会見で、来年度の「桜を見る会」を中止すると発表したが、“有象無象”が集まる「花見会」など中止で当然だ。 
桜を見る会中止 「私物化」の疑惑さらに 11/14
「私物化」との批判が強まる中、政府は来春の「桜を見る会」の中止を発表した。やめたからといって、疑惑が払拭(ふっしょく)されたわけではない。公的行事の公平・公正性が保たれたのか。説明責任を果たすとともに、きちんとした検証を求めたい。
東京・新宿御苑で開かれた首相主催の桜を見る会の招待者が、第2次安倍政権発足以降、増え続け、費用もふくれあがっている問題である。開催要領に約1万人と明記されているにもかかわらず、今年は約1万8千人が出席。予算は2014年の約3千万円から約5500万円となった。会場では無料で酒や食事が振る舞われ、お土産まで配られる。
1952年に吉田茂首相が始めたこの会は、各界で「功績・功労」のあった人たちを慰労し親睦を深めるのが目的だ。
この問題を国会で追及してきた共産党の調査によると、安倍晋三首相の後援会関係者は前夜、東京都内のホテルで850人規模のパーティーを開いており、桜を見る会とセットになっていた。貸し切りバス17台も用意された。
安倍首相は「各界で功績、功労のあった方々を招いている。地元には自治会やPTAなどの役員をしている方々もいるので後援会と重複することもある」と答弁したが、詳しい説明は避けた。支援者を功労者に仕立て上げるという無理のある説明ではないか。
同問題は衆院内閣委員会で来週にも質疑される見通しで、実態解明につながる質疑を期待したい。
公金を使った便宜供与は違法性を問われかねない。あいまいな説明も許されない。

国の予算を使う以上、具体的な支出項目と招待者の名前と肩書を公開することは当然だ。ところが首相は、国会で「個人情報」を口実に、具体的な説明を拒んだ。内閣府の担当者も、保存期間1年未満の文書として「破棄した」と説明。次回の開催に向けた準備のために必要なはずの文書の「破棄」は、にわかには信じがたい。その証拠に、文部科学省と総務省では、招待者の推薦名簿は保存期間が10年で、残っていることが明らかになっている。安倍政権下では、陸上自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)問題や「森友文書」の改ざんなど、公文書を巡る不祥事が頻発している。横たわるのは都合の悪い公文書はできるだけ公開しないようにという政府の姿勢だ。

政治家が自分の金で地元有権者に酒食を振る舞えば、公職選挙法違反となる。
首相事務所が、正当な資格のない支援者を招待したのであれば、公金を使った「おもてなし」だ。公的行事の私物化が疑われており、道義的責任が問われる。
安倍首相は今回、自らの判断で中止を決めたと言い、早期の幕引きを図ろうとしているように見えるが、認識があまりに甘すぎる。桜を見る会、その前夜のパーティーがどう運営されたのか。こうした疑問に答えられなければ、首相を続ける資格はない。 
桜を見る会 来年中止 首相「私物化」批判受け 11/14
安倍晋三首相は十三日、首相主催で毎年四月に開いてきた「桜を見る会」を、来年は取りやめることを決めた。菅義偉(すがよしひで)官房長官が同日午後の記者会見で明らかにした。菅氏は当初「首相枠、政治枠はない」としていた招待客についても、首相や官房長官、与党に内閣官房から推薦を依頼していたと認めた。首相の地元支持者を多数招いていたとの指摘を受け「私物化」との批判が強まったため、中止表明で問題の幕引きを図ったとみられる。 (中根政人)
首相は同日夜、桜を見る会の中止について「私の判断だ」と官邸で記者団に語った。
菅氏は会見で、中止の判断について「いろいろと指摘されている。そういうことを踏まえ、長年の慣行で行っているものは見直すとの考え方だ」と話した。招待基準の明確化や招待手続きの透明化、予算や招待客数など全般的な見直しをした上で、二〇二一年以降の再開を検討する考え。
菅氏は招待客について、首相、副総理、官房長官、官房副長官、与党に内閣官房が推薦を依頼していたと説明。推薦した中に「自治会やPTA(関係者)の方もいた」と認めた。「幅広く招待していた。慣行で続いてきたが、指摘を受けたので立ち止まって対応する」とした。具体的な推薦人数は「承知していない」と話すにとどめた。
桜を見る会は、各界の功績のあった人や功労があった人を慰労する公的行事として一九五二年から始まった。第二次安倍政権では参加者と開催費が年々増加。来年の開催費は二〇年度予算の概算要求で約五千七百万円を盛り込んでいた。
今月八日の参院予算委員会で、首相の地元後援会が今年の桜を見る会に多数参加していた可能性があることが取り上げられて以降、野党が追及を強めていた。
それより先に、あなたにはやることがあるのではないか。来年の「桜を見る会」中止を決めた安倍晋三首相に、そう言いたい。
桜を見る会は、各界で功績、功労のあった人を慰労する目的で七十年近く続いてきた。これ自体は意義のあるイベントで、国費で運営されている。
見直すべきなのは、趣旨をねじ曲げて、自らの後援会関係者を大勢招いて事実上の選挙運動に利用してきた政治家のさもしさ、あさましさだ。その先頭に立ってきたのが安倍首相。第二次安倍政権の発足後、桜を見る会は参加人数も開催費もうなぎ上りに増えた。今年、首相の後援会による前夜祭には約八百五十人が参加したという。首相や官房長官、与党議員らに招待客の推薦枠があったことも判明している。
にもかかわらず、首相は来場客の人選に関与したとは認めていない。国費で慰労するような功績があったとまで言えない後援会関係者らを参加させる仕組みや経緯を詳しく説明し、二度と招かないと明言することこそ、今やるべきことのはずだ。
菅義偉官房長官も十三日の記者会見で、与党議員の後援会関係者はもう招待しないのかと聞かれ、明確な答えを避けた。そこを明言しないで何を見直すのか。
首相は閣僚辞任に際しても「任命責任は私にある」と言い、幕引きを図るパターンを繰り返してきた。桜を見る会の中止も、本質に切り込まずに沈静化を待つ方便に思えてならない。 
桜を見る会 首相は「私物化」説明せよ 11/14
税金が投入される公的行事を選挙のために利用するような行為があったのか。事実なら公金の私物化ともいえる由々しき事態だ。野党は公選法違反の疑いにも言及している。
安倍晋三首相は批判から逃げることなく、国会の場できちんと説明すべきだ。
毎年春に東京・新宿御苑で開かれてきた首相主催の「桜を見る会」が、後半国会の焦点に浮上した。首相の地元後援会員が多数招待されていたのではないか。そんな疑惑が持ち上がったためだ。
桜を見る会は、首相が各界で功績のあった人を慰労する目的で1952年に始まった。出席者に対しては、無料で飲食の提供もある。
疑惑は、8日の参院予算委員会で共産党議員が提起した。
4月の桜を見る会の前日に都内で開かれた首相後援会の前夜祭に約850人が参加したとして、「桜を見る会とセットで後援会の一大行事になっている」などと指摘した。
首相は招待者について回答を差し控えるとしたが、地元山口県の後援会関係者は、毎年首相の地元事務所から、桜を見る会の参加者を募集する案内があると証言した。
別の関係者によると、桜を見る会に東京観光を組み合わせた旅行プランの申し込みを事務所が受け付け、代理店に申し込む形で支援者らを参加させているという。
疑念はますます募る。桜を見る会は、首相の後援会にとってどんな位置付けだったのか。どの程度の人数が参加していたのか。首相は責任を持って明らかにしなければならない。
今回の問題を巡っては、与党幹部の認識の甘さも見過ごせない。自民党の二階俊博幹事長は桜を見る会に地元の後援会員を招待する是非について「議員が選挙区の皆さんに配慮するのは当然だ」と語った。
税金が支出される公的行事に自身の後援会員を招くことを肯定するような物言いは、問題の本質を分かっているとは思えない。あまりにずれている。
そもそも安倍政権下では、桜を見る会の支出額や規模が膨張する傾向にあった。2014年は支出額約3千万円、ことしは約5500万円となった。参加者も約1万4千人から約1万8千人へと右肩上がりである。
一方、招待客名簿に関して内閣府は「会の終了後、遅滞なく速やかに廃棄している」と説明し、現在では調べることは困難だと主張した。
会の運営は適切なものだったといえるのか。招待基準はどうなっていたのか。民主党政権時代も含め、過去にさかのぼっての厳しい検証が不可欠だ。
批判の高まりを受け、13日には来年度の桜を見る会の中止が決まった。菅義偉官房長官は招待基準や予算、人数など全般的に見直すと説明し、首相は中止は自らの判断だと強調した。
だが、肝心の疑問が晴れたわけではない。これで幕引きとはいかない。 
私物化批判で急きょ中止「桜を見る会」 11/14
来年の中止が決まった「桜を見る会」を巡る問題で安倍晋三首相を追及すると意気込んでいる野党が、旧民主党政権時代をむし返される“ブーメラン”を恐れている。
政府は13日、桜を見る会を中止すると発表。今後は招待者数や予算額を縮小する方向だ。
桜を見る会は安倍首相の事務所が、同会を含む観光ツアーを地元支援者に案内したことや招待客選定に関し、各省庁以外に自民党議員からも推薦を受けていたことが明らかになっている。
立憲民主党の安住淳国対委員長は同日、安倍首相が同会を突然中止させたことに「消しゴムで消せるようなものではない。むしろ非を認めたということなので徹底的にやらせてもらう」と意気込みを語った。
しかし同会は、旧民主党の鳩山由紀夫政権時代にも後援会や民主党県連の関係者などを集めて、盛大に開かれていた。招待客には鳩山氏の後援会関係者が数十人いたという情報もある。
2010年4月17日に開かれた同会について国民民主党議員秘書は当時をこう振り返った。
「雨が降って寒かったのを覚えています。功労者や功績者に関係ない後援会の人たちを桜を見る会に呼んでいます。各支部長から『区議は数人参加できる』と言われて、ジャンケンで勝った区議が出席していました。今回の安倍政権とそう変わりがなかったかもしれない…」
また、ある国民民主党議員は「次の選挙に立候補する旧民主党議員は当時のブログ記事を削除した。選挙戦で与党側のネガティブ材料にされるのを恐れてのことです。国会でまだ集中審議が開かれない舞台裏としては、与野党国対会談の中で与党側に『旧民主党政権下の桜を見る会でも、功労・功績者が出席していないだろう』と問い詰められているからではないかといわれています」と明かす。
ブーメランどころか、旧民主党系の野党の自爆となる可能性もありそうだ。 
「桜を見る会」中止、自民・石破氏が苦言 11/14
自民党の石破茂元幹事長は14日の石破派例会で、政府が「桜を見る会」招待者名簿を廃棄したと説明していることについて、「どうすれば公正性が確保されるのか。やはり名簿はちゃんと残しておかなければいけない」と述べ、保存が必要と訴えた。
政府が来年度の開催を中止にした総理主催の「桜を見る会」について、「(桜を見る会は)本来の趣旨に従って運営されることが大事であって、やめちゃえばそれでいいという話ではないのだと思っています」と苦言を呈しました。
与党内からは会の中止により早期の幕引きを図る声も出ていますが、野党側は予算委員会の集中審議で安倍総理が自ら説明するよう求めていて、引き続き追及を続ける方針です。 
「桜を見る会」自民 派閥会合 “招待基準見直し進めるべき”  11/14
総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐって、自民党の派閥の会合では、招待者を選ぶ基準などの見直しを進めるべきだという意見が出されました。
石原元幹事長は「どういう方々が呼ばれるにふさわしいのか、もう一度考えるのは当然のことだ」と指摘しました。
そのうえで「『長期政権は腐敗する』とか『緩みだ』などと批判されている。長期政権と言えども、いいことばかり言う『イエスマン』が周りにいて、直言して嫌なことでも言う者がいなくなると、ぐらつく。そういうことがないよう、しっかりと正すことは正し、手綱を締めて終盤国会に臨もう」と述べました。
石破元幹事長は「同じ人が何回も来ないように心がけなければならず、公平性が確保されるよう、招待者の名簿はちゃんと残しておかなければいけないと思う。本来の趣旨に従って運営されることが大事で、やめればいいという話ではない。喜んでくださる方も大勢いるので、何が趣旨に沿うものなのか議論をきちんとして国民の理解を得たい」と述べました。
茂木外務大臣は、記者団に対し「野党の議員でも、後援会の人を連れて行ったと言っている人もいるので、まずは基準をしっかり見直すことが必要だ。そういう判断を官邸でしたということなので、粛々とそれに沿ってやってもらいたい」と述べました。 
「桜を見る会」を中止に追い込んだ本当の事情 11/14
菅長官が突然に中止を発表
「『桜を見る会』は昭和27年以来、内閣総理大臣が各省庁からの意見等を踏まえ、各界において功績・功労のあった方々などを幅広く招待をし、日頃のご労苦を慰労するとともに、親しく懇談される内閣の公式・公的行事として開催をしているものです。今般、様々なご意見があることを踏まえ、具体的な手続きを確認をいたしましたところ、具体的にはとりまとめの内閣官房及び内閣府から各省庁に推薦依頼を行った上で、提出された推薦者につき、とりまとめを行っております。その際、内閣官房のとりまとめにあたっては、官邸内や与党にも推薦依頼を行っており、官邸内では総理、副総理、官房長官 副長官につき、事務的に推薦依頼を行った上で、提出された推薦者につき、とりまとめを行っております。
こうした手続きは長年の慣行で行ってきていることであるが、様々なご意見があることを踏まえ、『桜を見る会』について政府として、招待基準の明確化や招待プロセスの透明化を検討したい。予算や招待人数を含めて、全般的な見直しを幅広く行うこととし、ついては来年度の『桜を見る会』を中止することとしました」
安倍晋三首相の後援会メンバーが多数で参加していたことが問題になった総理大臣主催の「桜を見る会」について、菅義偉官房長官は11月13日午後の会見で来年の開催中止を宣言した。中止を決定したのは安倍首相。恐らくはこれ以上、問題を広げないための方策だろう。しかしいったん火の付いた騒動は収まる気配はない。
「中止という速報に驚いている。意義のある行事だかといって来年度、これまでの予算の3倍も超える要求をしておきながら、今度は火の粉がふりかかりそうになるや、突然、その『予算を増やしてでもやる意義がある』と言っていた『桜を見る会』を中止する。これは徹頭徹尾私物化ですよね。こんなやり方は絶対に許すわけにはいかない」
同日夕方に国会内で開かれた「総理主催『桜を見る会』追及チーム野党合同ヒアリング」で、副座長の田村智子参議院議員は怒りを込めてこう述べている。共産党の田村議員は11月8日の参議院予算委員会でこの件について安倍首相を追及し、問題に火をつけた。
「桜を見る会」についてはこれまで、2011年に東日本大震災で、2012年には北朝鮮に長距離弾道ミサイル発射予告といった“外部要因”で中止されたことがあるが、内閣の都合で中止になるのは初めてだ。菅長官も11日の会見で「招待客数については内閣官房・内閣府で検討する」と述べ、12日の会見では「(招待範囲や選定の基準を)政府として検討していく必要があると思っている」と前向きに言及。中止について述べることはなかった。しかし13日に一転して安倍首相が中止を決定。これには「官邸が火消しにかかった」と見る向きも多い。
自民党内でも不満が鬱積
ではどうして安倍首相は「桜を見る会」の中止を決めたのか。それは足元から批判が出たからではないか。
「桜を見る会」の招待客については、内閣府と内閣官房が各省庁から推薦者を集め、取りまとめることになっている。その時に政府与党からも推薦者を募ることが恒例で、菅長官はこのように述べている。
「野党の時の政権も、こういうことを行ってきたはず。慣行だったのだろう」
しかし民主党政権で「桜を見る会」が開かれたのは、鳩山政権時のただ1度だけであり、そのやり方も自民党政権時とかなり異なるようだ。
民主党政権では1年生議員でも4名までの招待客を招くことができた。これは国民民主党の玉木雄一郎代表が13日の会見で明かしている。
そして鳩山由紀夫首相(当時)の招待枠は数十名で、安倍首相の招待客数の20分の1程度。しかも支援者との記念撮影は開場時間以降の8時31分から59分までで、安倍首相のように支援者を開場前に特別扱いで新宿御苑に入園させてはいない。
このような事実に自民党内から批判の声が聞こえている。
「招待枠?内閣府が選定するから、うちの事務所は無関係だね」
ある1年生議員の秘書はこう述べた。また秘書歴20年以上の別の秘書は、「政権交代以前から、自民党の場合は一部の幹部だけ招待枠を独占して、ヒラの議員にはまわさない。かねてから不公平だという声があった」と打ち明ける。
決定的証拠を入手!
さて筆者はまさに今年2月に地元の安倍事務所が支持者に対し、「桜を見る会」への参加を呼びかけた案内及び申込書を入手した。
案内には2月20日までに申込用紙に記入して事務所あるいは担当秘書に連絡してほしいこと、そして下段には4月12日午後7時からホテルニューオータニで行う「あべ晋三後援会主催 前日夕食会(会費制)」の紹介もあった。
問題は参加申し込み書に記された留意点だ。
※ ご夫婦で参加の場合は、配偶者欄もご記入下さい。
※ 後日郵送で内閣府より招待状が届きますので、必ず、現住所をお書きください。
※ 参加される方が、ご家族(同居を含む)、知人、友人の場合は、別途用紙でお申し込み下さい。(コピーしてご利用ください)
※ 紹介者欄は必ずご記入ください。(本人の場合は「本人」とご記入ください。)
※ 前日の「夕食会」「観光」「飛行機」等につきましては、後日、あらためて参加者の方にアンケートさせていただきます。
2019年1月25日に内閣官房・内閣府が公表した「桜を見る会」開催要領によれば、招待範囲は「皇族・元皇族」や「各国大公使等」の外交使節団、衆参両院議長と副議長や最高裁長官、大臣や国会議員に加え、認証官や都道府県の知事など、一定の地位や“身分”を有する人たちを列挙。これに「その他各界の代表者等」が加わる。安倍事務所はこの「等」に支持者たちを入れ込ませたわけだが、「申し込み用紙が足りなければコピーして使え」などと、まさに招待基準も招待枠もなし崩しにしている。
これが公職選挙法で禁止されている饗応などに当たるかどうかは、野党の調査チームによるヒアリングに呼ばれた総務省は必ずしも明らかにしなかった。しかし普通に考えて、これを異常なものとして受け止める国民は多いはずだ。
だが問題解決は簡単だ。そもそもの原因は内閣官房や内閣府が拒否できないことをいいことに、安倍首相側がごり押ししたことにある。それを素直に認めて次回から改めれば、何の問題もない。立憲民主党の安住淳国対委員長は13日夕方に「来年の国会でも追及する」と息巻いたが、そこまで国民は望んではいない。むしろ早期の解決を希望している。
「中止」で胡麻化さず、原点に戻るべきだ
1952年に故・吉田茂首相が始めた時、「桜を見る会」の参加者は1000人程度で格調が高かったという。これは貴族趣味で知られた吉田首相の影響もあるだろうが、本来の社交とはそういうものだ。そのような歴史を持つ「桜を見る会」は本来の姿を取り戻すべきで、それにはまず推薦する側もされる側も、品位と見識が必要だろう。そうした観点を持たず、ただ目の前の批判から逃れるために「桜を見る会」を中止するのなら、不祥事の証拠として歴史に汚点を残すだけだろう。  
桜を見る会の廃止「現時点で考えていない」…菅長官  11/14
菅官房長官は14日の記者会見で、首相主催の「桜を見る会」について、「現時点で廃止することは考えていない」と述べた。政府は来年度の開催中止を発表しており、招待基準や参加人数、予算額などを見直した上で2021年度に再開する方針だ。
菅氏は「各界の功績、功労のあった方々などを幅広く招待し、慰労するとともに親しく懇談する内閣の公的行事だ。各国の大使、公使もお招きしている」と意義を強調した。
一方、立憲民主党や国民民主党など野党4党の国会対策委員長は14日、追及チームの態勢を現在の11人から3倍以上に増やし、来週以降に追及本部に格上げすることを決めた。立民の安住淳国対委員長は記者団に「総力を挙げて本格的な調査に入る」と語った。
野党は、「桜を見る会」前夜に安倍首相の後援会員らが参加した東京都内のホテルでの会合について「参加費5000円は安すぎる。後援会が差額を払っていれば問題だ」などと主張している。 
桜を見る会の攻防が示す政治の劣化 11/14
問題だらけの朝鮮半島、要求する米国、一党独裁の不気味さを偽りの微笑で隠して膨張する中国。日本はこうした難題に直面している。どれも解決は容易ではない。そこでいま、一番働かなければならないのが政治家だ。厳しい国際情勢を理解し、解決策を打ち出し、国益を守り通さずして、政治家たる意味はない。
にも拘わらず、彼らは一体何をしているのか。日本共産党の田村智子氏が11月8日の参議院予算委員会で首相主催の「桜を見る会」を取り上げた。以降、多くの野党は恰(あたか)もこれが日本の最重要問題であるかのように政権を攻め始めた。立憲民主党国会対策委員長、安住淳氏らは「徹底的に」追及するそうだ。
首相は13日、来年春の会は中止し、招待の基準などを見直すと発表した。確かに、桜を見る会への招待者は年々ふえており、ここで一旦中止して見直すのは正しい判断であろう。元民主党衆議院議員で、現在は立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムに属する松原仁氏が批判した。
「我々も枠をもらって招待していましたが、安倍首相の場合、人数が多いのが際立ちます。事務所が動員をかけたような形になっているのはどう見てもやりすぎです」
民主党から自民党に移籍した衆議院議員の長島昭久氏はこう見る。
「民主党のとき、我々も全く同じことをしていました。各議員に招待枠があって、後援会の人々を招きました。招待客一人一人にどんな功績があるのか明らかにせよと立憲民主は首相に要求していますが、地域で頑張っている方ではあっても特別の功労者ではない人を、私たちも沢山招いた。日頃お世話になった方たちという意味では支援者の方々です。これは皆、同じでしょう」
国会で説明すると明言
安住氏らは、安倍後援会は前夜祭を開いたが、1人5000円の参加費は安すぎると問題視する。最低「1人1万1000円かかる」と主張し、その差額を首相側が補填していれば公職選挙法違反だと息巻く。この点についても長島氏が語った。
「我々がパーティを開くとき、1人2万円の会費で、ホテルに支払う食事代は精々1人2000〜3000円です。ホテル側にとって、数百人単位のお客が宿泊し、食事をしてくれるのは大変有難いことで、格安にするのは自然なことでしょう。立憲民主を含めて野党政治家はこのことを十分理解しています。にも拘わらず、細かなことに拘り追及し続けるのは、選挙を意識しているからです」
立憲民主、国民民主の両党はいまや共産党の支持なしに選挙に打ち勝つのは難しい。とりわけ、立憲民主の若い政治家達の後援会組織はほとんど無いに等しく、全国に支援組織を有する共産党の協力なしにはとても選挙を戦えないとして、長島氏は厳しく分析する。
「旧民主党勢力、とりわけ立憲民主党にとっての共産党は、自民党にとっての公明党よりも重要だと思います」
安倍首相が来春の会の中止と招待基準の見直しを決定しても、野党側は納得せず、追及チームを11人態勢から3倍規模に拡大した。安住氏の徹底追及の意向は首相のぶら下がり会見への批判からも読みとれる。「立憲民主党国会Twitter」の「安住委員長ぶら下がり(総理ぶら下がりの受け止め)2019年11月15日」から見てみよう。
氏が問題視する総理に対する取材は、15日の昼と夕方の2度、官邸記者クラブの要請で行われた。昼の回で、「国会で説明するか」と問われ、首相は「国会から求められれば、説明するのは当然です」と答えた。
立ち去りかけた首相に、記者が「集中審議に応じるか」との質問を放った。それで首相は記者達の所に戻り、「当然です」と答えている。
求められれば必ず国会で説明すると明言したのだ。野党が論難する逃げの姿勢ではない。
夕方、前述したように記者クラブ側の要請で首相は再び対応した。21分間続いた説明は、「異例の長さ」と報じられた。この場で首相は前夜祭などの費用は全て参加者の自己負担だったことなどを説明している。質問が途絶えたとき「何か、ご質問どうぞ」と促してもいる。
さらに14〜15の質問の後、「本日時間がない中ということで、後日会見を開く予定はあるか」と問われた。それに対して首相は「もし質問されるのであれば、今、質問された方がよいと思いますよ」と答えた。
「改めて……」と記者が口ごもりながら重ねて問うと、首相は「改めて会見ということであれば、今質問して下さい」と促した。
安住氏こそ記者を侮辱
昼の短いぶら下がりでは不十分だったとして記者クラブ側が要求し、夕方に2度目の取材となった経緯を考えれば、夕方の時間までに、否、それ以前から記者たちは調査し、質問を準備したはずだ。だからこそ首相は、いま聞いてくれれば答えますと言っている。首相は答えようとしていたのであり、そこには他意も悪意もない。だが、安住氏はこのやりとりを以下のように批判した。
「大変驚きました。(略)失礼ですけど、総理番の記者のところに、突然、準備のない記者さんに対して『私の言うことを聞け、私に質問しろ』っていう態度は(略)メディアの皆さんに対する冒涜でもあるしね」
どのような思考回路でこんな解釈になるのか。氏は前後の状況を知らずに発言したのだろうか。繰り返すが、夕方の会見は記者側がもっと問いたいとして要求したものだ。当然、質問は準備されていた。首相は誠実に答えこそすれ、「私の言うことを聞け」などという態度で臨んではいない。メディアを冒涜してもいない。
安住氏の言う「準備のない記者さん」も事実ではない。記者達はこれまた前述したが、準備していた。安住氏こそ記者を侮辱している。
安住氏はほかにも官邸の記者について次のように語っている。
「何もそういう準備をしていない、総理番の若い記者さんのところに突然総理が降りてきて」「何にも知らない記者の前に来て」「何も基礎知識を持っていない記者さんの前に突然来られて」「余りこのことに基礎知識のない記者さんたちを前に」と、延々と繰り返したのである。
官邸詰めの記者達も随分と軽く見られたものだ。立憲民主のたかだか一政治家にここまで見下されて口惜しくないのか。政治の中枢を取材する記者らが憤らないとしたら、これまた、なんと誇りなきことか。
日本は本当に多くの深刻な問題を抱えている。政治家なら、桜を見る会の在り方は見直すとして、日本の運命を左右するより大きな課題に命懸けで取り組むことだ。その心構えも発想もない野党政治家の存在の余りの無意味さに、私は戦慄する。 
「桜を見る会」案内状、野党議員が次々と入手 「首相関与」厳しく批判 11/14
安倍晋三首相(山口4区)の地元山口の関係者が数多く招かれていた「桜を見る会」を巡り、首相の事務所が過去に出したとみられる案内状を野党議員が次々と入手している。立憲民主、国民民主、共産党は14日、3日連続となる追及チームの会合を開き、首相が参加者選定に関与していないと国会で述べたことを「虚偽答弁だ」と厳しく批判した。
立民の杉尾秀哉氏は、2017、19の各年の案内状を入手。例えば、17年分は、「『桜を見る会』のご案内」の文書とその申込書、「安倍事務所ツアー(スケジュール)」のタイトルがある日程表、都内での観光コースや料金などが記された「『桜を見る会』アンケートについて」とその申込書がある。
「『桜を見る会』アンケートについて」と申込書は、会前日の4月14日に企画した五つの観光コースを紹介。Aコースは東京スカイツリー、Bコースは浅草、Cコースは東京タワー、DコースはNHKスタジオなどを巡り、Eコースは「自由コース」として希望を募っている。
往復の飛行機代やホテル代などを含めた参加費は、「おおよその額」としてA〜Dコースが6万6千〜8万7500円。Eコースは「各自支払」で「移動バス代」が3千円としている。この日の夕食会費は1人5千円で「受付にてお支払下さい」と記している。
19年の案内状には「別紙申込書に必要事項をご記入の上、安倍事務所または、担当秘書までご連絡ください」などと記されている。
野党の追及チームの会合で、野党系無所属の山井和則氏は「首相の事務所が参加者の飛行機やホテルを手配していた。首相は関与しまくりだ」と強調した。 
「桜を見る会」安倍首相の国会答弁と食い違う証言  11/14
総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐる問題。関係者への取材を進めると、安倍総理大臣の国会答弁とは食い違う証言が出てきています。
「桜を見る会」前日の懇親会は
まず「桜を見る会」の前日に「前夜祭」などと称して安倍総理大臣の後援会が都内のホテルで毎年、開いていた懇親会についてです。NHKが入手した「桜を見る会」の案内文には、前日の懇親会について、安倍総理大臣の後援会が主催し会費は5000円だったと記されていて、ことしの懇親会に出席した女性は「850人ぐらいが出席していた」と証言しています。政治資金規正法は、政治団体が会費を徴収して催し物を開いた場合には、その収支を政治資金収支報告書に記載することを義務づけていますが、政治団体「安倍晋三後援会」の収支報告書にはこうした懇親会の収支の記載はありません。懇親会について安倍総理大臣は今月8日の参議院予算委員会で「各個人がホテルとの関係においてもそれはホテルに直接払い込みをしているというふうに承知している」と答弁し、会費は出席者がそれぞれホテル側に直接支払ったと受け取れる説明をしています。
「代金は一括で受け取る」「最低で1人1万1000円から」
数百人規模のパーティーの代金を出席者一人一人がホテル側に直接支払うことは可能なのでしょうか? NHKは過去に懇親会が開かれていた都内の2つのホテルに取材しました。いずれも個別のケースについては答えられないとしましたが、「ANAインターコンチネンタルホテル東京」は「パーティーの代金は原則として出席者から個別に受け取ることはなく主催者や代表者から一括で受け取る」と説明しました。「ホテルニューオータニ」は「代金を個別に受け取るか一括かはケースバイケースで相談次第だ」と回答したうえで、会費5000円のパーティーのプランはあるかどうか尋ねたところ「パーティープランの最低価格は1人1万1000円からで値切り交渉などには応じられない」などと説明しました。
官房長官「5000円でできないことはないのでは」
菅官房長官は14日午後の記者会見で、安倍総理大臣の後援会が「桜を見る会」の前日夜に、東京都内で開いた懇親会の会費が1人5000円だったとされることについて、「安倍総理大臣の事務所のことなので承知していないが、5000円でできないことはないのではないか。想定の範囲だと思う」と述べました。
地方議員「首相の事務所関係者に支払ったと思う」
NHKは懇親会に出席した複数の関係者も取材しました。このうちことし4月の懇親会に出席した山口県内の地方議員は「5000円の会費は会場の部屋の前に設けられた受付でホテルの従業員ではなく安倍総理大臣の事務所の関係者に支払ったと思う。このような会合でホテル関係者に会費を支払うということはありえない」と証言しました。そのうえでこの議員は、5000円の会費について「ホテルで開かれるパーティーと考えると、少し安いと感じた」と話しました。
招待者の取りまとめは
このほか安倍総理大臣は「桜を見る会」の招待者について「各界において功績・功労のあった方を各省庁からの意見等を踏まえ幅広く招待している。私は招待者の取りまとめ等には関与していない」と答弁しています。しかしNHKが入手した「桜を見る会」の案内文は安倍総理大臣の事務所が地元関係者に参加を募る内容になっていて、実質的に安倍総理大臣の事務所が支援者の参加を取りまとめていたことを伺わせる内容になっています。
地方議員「推薦枠 割りふる仕事をした」
かつて自民党の国会議員の秘書を務めていた地方議員がNHKの取材に応じ、総理大臣主催の「桜を見る会」には国会議員の推薦枠があったとしたうえで、「みずからもその枠を割りふる仕事をしたことがある」と証言しました。この地方議員によりますと、十数年前の自民党政権時代に自民党の国会議員の秘書を務めていた際、総理大臣主催の「桜を見る会」の参加者に国会議員の推薦枠があることを知らされ、その枠を議員の支援者に割りふる仕事を担当したということです。この議員は、「秘書の仕事として、議員の指示を受けて支援者に『桜を見る会』への参加を呼びかけたことがある。割り当てられた推薦枠は5人ほどで、後援会で功労があった方やお世話になった方に声をかけていた」と証言しました。そのうえで、「桜を見る会」は公的行事というより政治活動の色彩が強いのかという質問に対し、「そのように指摘されても否定しづらい部分は大いにある」と述べました。さらに、地方議員になったあと、「桜を見る会」に実際に参加した際に感じた違和感についても証言しました。この議員が住んでいる地域では、地方議員が「桜を見る会」に招かれることはふだんはほとんどなかったということですが、自民党の総裁選を控えていた去年の『桜を見る会』には、この議員を含めて多くの自民党の地方議員が会に招かれたということです。この議員は「ふだんは招待されないのに総裁選前に全国の自民党の地方議員が呼ばれたということは、3選を目指ざす安倍総理大臣への支持固めという意味合いがあるのではないかという疑いを感じた」と話していました。
政治資金収支報告書への記載漏れ たびたび問題に
国会議員の政治団体が開催した会費制の催しをめぐっては、政治資金収支報告書への記載漏れがたびたび問題となり、収支報告書を訂正するケースも相次いでいます。去年12月には菅原 前経済産業大臣の政治団体「菅原一秀後援会」が支援者などから会費を集めたバス旅行の収支を複数年にわたって政治資金収支報告書に記載していなかったことが分かり、菅原氏側は収支報告書を訂正しました。当時、菅原氏の事務所は「旅行業者に任せた行事で、担当者が後援会の収支として報告する必要がないと誤解していた。今後はしっかりと収支報告をしてまいります」とコメントしていました。また去年9月には自民党の工藤彰三衆議院議員の政治団体「彰友会」が、平成26年から27年にかけて支援者から会費を集めた「総会」や「国政報告会」を名古屋市のホテルで開いていましたが、こうした集会の収支を記載していなかったことが分かり、記載に漏れがあったことを認めて収支報告書を訂正しました。このほか去年10月には立憲民主党の近藤昭一元副代表の政治団体も、平成26年と27年に支援者らから会費を集めて開いた催しの収入を収支報告書に記載していなかったことが明らかになったほか、去年12月には立憲民主党の川内博史衆議院議員の後援会が3年前に開いたパーティーの収入を収支報告書に記載していなかったことが分かり、いずれも収支報告書を訂正していました。 
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「桜を見る会」安倍首相「すべての費用は参加者の自己負担」  11/15
総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐり、安倍総理大臣は、前日夜の懇親会を含め、旅費などのすべての費用は参加者の自己負担であり、みずからの事務所や後援会の収支はないことを確認したとして、政治資金規正法違反にはあたらないという認識を示しました。
総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐり、安倍総理大臣は15日夜、総理大臣官邸で記者団に対し、「さまざま報道があったので事務所から詳細について、きょう報告を受けた。夕食会を含めて、旅費・宿泊費等のすべての費用は、参加者の自己負担で支払われており、安倍事務所なり、安倍晋三後援会としての収入・支出は一切ないことを改めて確認した」と述べました。
そして、旅費や宿泊費は、参加者それぞれが旅行代理店に支払い、懇親会の会費は、会場の入り口で事務所の職員が集めてホテル側に渡す形をとっていたと説明しました。
また、安倍総理大臣は、前日夜に開かれた懇親会について広い意味での後援会活動だという認識を示すとともに、「価格設定が安すぎるのではないかという指摘があるが、5000円という会費は、大多数がホテルの宿泊者だという事情を踏まえ、ホテル側が設定した価格だと報告を受けている」と述べました。
そのうえで「収支報告書への記載は、収支が発生して初めて義務が生じる。交通費や宿泊費などを直接、旅行代理店に支払っていれば後援会に収支は発生せず、前夜祭についても、お金をそのままホテルに渡していれば収支は発生しないので、政治資金規正法上の違反には全くあたらない」と述べました。
一方、安倍総理大臣は官邸内や与党にも招待者の推薦依頼が出されていたことについて、「『桜を見る会』には、叙勲を受けた人や会社のトップなどもたくさん来るが、市井の方々も来られる。どのように選ぶかはなかなか難しく、今までの手法がとられてきたのだろう」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は「基準があいまいで、プロセスが不透明ではないかという指摘があり、年数を経るごとにだんだん人数が多くなってきたことも反省しなければならない」と述べ、招待基準の明確化などの見直しを進めていく考えを示しました。
また、安倍総理大臣は、国会から求められれば説明責任を果たすのは当然だと強調したうえで、記者団から「長期政権の緩みがあったのではないか」と指摘されたのに対し、「長期政権というのは、日々、全力を尽くした結果なんだろうと思う。当然、そのうえで緩みが出ないか、みずからに問いかけつつ、より緊張感をもって進んでいきたい」と述べました。
立憲民主党の安住国会対策委員長は、国会内で記者団に対し、「不意打ちのように、記者に『私に質問しろ』という態度に驚いた。国会に対して大変失礼なうえ、説明責任を果たしたことにはならず、火に油を注いでいる。安倍総理大臣が、ひと言『予算委員会に出席する』と言えば、すぐにでも開けるはずだ」と述べ、安倍総理大臣に対し、改めて、国会で説明するよう求めました。
そのうえで、前日夜に開かれた懇親会について、「広い意味で後援会活動だと認めており、政治資金収支報告書に記載しなければならない。われわれの認識とにはずれがあり、領収書を見せてもらわないと納得できない」と述べました。  
「桜を見る会」事務所で招待の作業も 萩生田文部科学相  11/15
総理大臣主催の「桜を見る会」について、衆議院文部科学委員会で、立憲民主党の初鹿明博氏は「『地元で貢献しているから、この人を呼んでいただけないか』ということを伝えて招待されていたということはあったか」と質問したのに対し、萩生田文部科学大臣は「率直に申し上げて、私が『Aさんを』とか『Bさんを』ということではなく、事務的に『こういう団体の皆さんを』ということで、事務所のほうでそういった作業をしていたということは、のちに報告を受けている」と述べました。
一方、萩生田大臣は「内閣官房および内閣府が行っている取りまとめ作業に私自身は関与していない。その作業過程の中で、総理大臣官邸の幹部や与党が推薦できる仕組みがあるとは思っていなかった」と述べました。 
「桜を見る会」安倍首相「国会から求められれば説明する」  11/15
総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐり、安倍総理大臣は、15日正午すぎ、総理大臣官邸で記者団に対し、野党側が説明責任を果たすよう求めていることについて、「国会から求められれば、説明するのは当然だ」と述べました。
この中で、安倍総理大臣は、総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐり、記者団から、「野党側は、後援会の懇親会などについて追及を強めているが、みずからが国会で説明することはないのか」と問われたのに対し、「国会のことは国会で決めることだが、政府としては、国会から求められれば、出て行って説明するのは当然のことだ」と述べました。
また、公職選挙法違反の疑いや政治資金規正法違反の疑いが指摘されていることについて質問されたのに対し、安倍総理大臣は、「その件は、すでに国会で申し上げているとおり、きちんと事務所のほうで対応していると聞いている」と述べました。
自民党の世耕参議院幹事長は記者会見で、「桜を見る会」の前日の夜に開かれた安倍総理大臣の後援会の懇親会について「会費などが問題になっているが、われわれがパーティーをやる時も、当事者どうしで値段が決まることもあり、安倍総理大臣は十分説明が可能だろう。国会審議ありきというより、安倍総理大臣自身ができるだけ早く何らかの形で説明すればいい」と述べました。また、総理大臣官邸のホームページで公開されている2年前の「桜を見る会」の動画に安倍総理大臣と世耕氏が「招待枠」ということばなどをやり取りする様子が記録されていることについて、「不明瞭な立ち話、雑談のたぐいで、明確に論評するのは難しい。私も動画を見たが、招待枠を持っているとか、招待を決めているという話にはなっていない」と述べました。
立憲民主党の福山幹事長は、国会内で記者団に対し「新たな疑問が次々と出ており、安倍総理大臣に説明してもらうしかない。衆参両院で予算委員会の集中審議を開くよう強く求めたい。特に、前日の夜に開かれた安倍総理大臣の後援会の懇親会は、誰が、誰の指示で、どういう名目で資金を集めたのか不明なままなので徹底的に明らかにしたい」と述べました。
立憲民主党の蓮舫参議院幹事長は、「前日の夜に開かれた安倍総理大臣の後援会の懇親会は、大きなホテルだが、1人5000円の会費でできるものなのか。安倍総理大臣は『国会から求められれば説明するのは当然だ』と言っているが、われわれは予算委員会の集中審議を求めている。自民党が拒否をすることはないと思うが答えられるのは本人しかいない」と述べました。
国民民主党の大塚代表代行は「安倍総理大臣は、説明をしても国民が納得できなければ、みずから身の処し方を考えるべきだ。実態に即した適切な対処ができなければ、『厚顔無恥』ということになる。しっかり説明責任を果たすよう求めていきたい」と述べました。 
菅官房長官 「桜を見る会」招待者名簿廃棄 適切対応の認識  11/15
総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐり、菅官房長官は、ことしの招待者名簿が5月に廃棄されていたことに関連し、会の終了で使用目的を終えたことなどから遅滞なく廃棄したと説明し、適切な対応だったという認識を示しました。
総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐり、内閣府の担当者は14日、ことしの招待者名簿などを、会の開催からおよそ1か月後の5月9日に廃棄したと明らかにしました。
菅官房長官は午前の記者会見で、「招待者名簿は、会の終了で使用目的を終えることに加え、すべて保存すれば個人情報が含まれた膨大な量の文書を適切に管理する必要が生じることもあり、内閣府で遅滞なく廃棄した」と述べ、適切な対応だったという認識を示しました。
そのうえで、記者団が、公文書管理の在り方を見直すかどうか質問したのに対し、菅官房長官は現時点で、運用を見直す必要はないという考えを示しました。
また、安倍総理大臣の後援会が前日夜に開いた懇親会の会費が1人5000円だったとされていることをめぐり、野党側が「ありえない」などと批判していることについて、「会の趣旨などをホテル側と話すことで柔軟に対応いただけると思っている。飲食などは、100人来れば100人分を立食で用意することは常識的にはないのではないか」と述べました。
共産党の笠井政策委員長は、記者会見で、「招待者名簿などは、共産党の議員が国会で質問をするために内閣府に関係する資料を要求した5月9日に廃棄されていた。あまりにドンピシャだ。『遅滞なく廃棄した』と言うなら会が開かれた4月のうちに捨てていてもよいものだが、わざわざ資料を要求された日に捨てているのは、追及逃れではないか。解明が必要だ」と述べました。 
安倍総理の事務所に公開質問状 野党4党の追及チーム  11/15
総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐり、野党側の追及チームは、安倍総理大臣の事務所に対し、事務所からの紹介で参加した人数や前日の夜に開かれた後援会の懇親会の会計処理などについてただす公開質問状を出しました。
立憲民主党など野党4党の「桜を見る会」の追及チームは15日、衆議院議員会館の安倍総理大臣の事務所を訪れ、公開質問状を提出しました。
質問状では、ことしの会に事務所からの紹介で何人が参加したのかや、前日の夜に開かれた後援会の懇親会は、どの団体が主催したのか、それに懇親会の会費は誰が集めてホテルに支払ったのかなどをただしています。
また、懇親会の会費が1人5000円だったとされることについて、「非常に安いと感じる」としたうえで、事務所から補填(ほてん)をしていないのか尋ねています。
追及チームは、来週18日の午後2時までに文書で回答するよう求め、事務所側は、秘書が「確かにお預かりしておきます」と述べました。
チームの座長を務める立憲民主党の黒岩国会対策委員長代理は、記者団に対し「公式行事の私物化から始まり、法律に違反する可能性も高まっている。野放しにはできない深刻な事案だ」と述べました。 
田崎史郎氏「私ですら...」桜を見る会問題には辛口論評 11/15
総理大臣主催の「桜を見る会」について、政府は来2020年度分の中止を発表したが、その後も厳しい声が出ている。中止発表は19年11月13日。15日付の新聞朝刊を見ても、安倍政権に批判的なことで知られる朝日新聞などだけでなく、読売新聞と産経新聞も1面コラムや社説で厳しい論調を展開している。安倍首相に「近い」ことで知られる政治ジャーナリストの田崎史郎氏も、安倍晋三首相自らが説明をしないと「ストンと胸に落ちない」と指摘している。
読売新聞(15日付朝刊)の1面コラム「編集手帳」は、「『桜を見る会』にげんなりする」として、内閣府が「今年の招待者の名簿」を廃棄したとしている点などについて、「多くの国民が政治の暗くこそこそした部分と見比べるでしょうよ、安倍さん」 「(略)政府は来年度の会の中止を決めた。弥縫策だろう」と厳しく断じている。
産経新聞(同)の社説(主張)では、「反省しあるべき姿見直せ」の見出しで、「(来春の中止決定の)判断は妥当である」としつつ、「見直しが必要なほど、あるべき姿から遠のいていたことについては、大いなる反省が必要だ」と求めた。名簿破棄にも「不透明さは否めなかった」と指摘、「(略)税金の使途に国民の厳しい目が注がれる中で、不明確な『慣行』は、もはや通らない」として、「あるべき姿を取り戻して再開すればいい」と提言した。
「桜を見る会」問題は、8日の参院予算員会での質疑を機に大きな注目を集め、テレビのワイドショーでも特集された。12日の「ひるおび!」(TBS系)に出演した政治ジャーナリスト(元時事通信解説委員長)で、安倍首相ら政権幹部との太いパイプを生かした情報を発信している田崎史郎氏は、安倍首相の後援会から約850人が参加したとされる点について、「度が過ぎた。やりすぎ」と指摘し、「私ですら...(そう思う)」と続けた。スタジオでは小さな笑いが起き、MCの恵俊彰氏は「『私ですら』どうなんですか」と、田崎氏発言を繰り返していた。笑いが起きたのは、田崎氏と安倍政権の「近さ」はよく知られており、田崎氏に焦点を当てた毎日新聞夕刊(10月18日)の人もの記事では、「時に『安倍政権ベッタリ』などと皮肉る声が聞こえてこようとも『(略)いずれ書くぞ、という刀を懐に(略)』と意に介さない」というくだりも出ていた。
その田崎氏も連日のワイドショー出演で、時おりは安倍政権に同情的だったり、批判に慎重だったりする姿勢を見せる一方で、先のような苦言も呈した。さらには、政府の対応を先取りするかのようなタイミングでの「予測」発言もあった。なお、自身への「桜を見る会」招待状は「毎年来てますよ」とのことだが、「でも行ったことない」そうだ(11月12日「ひるおび!」)。
同情的な発言としては、「法律違反ではなさそうですよ。調べてみると」(12日「ひるおび!」) 「(会場では)樽酒をなめる程度で、『アルコールをふるまってる』というイメージを与えるのは間違ってる」(同)「(人選基準の)『功績』というのが誰の基準なのか判断しづらい。規定があいまい過ぎる」(13日、同)などがあった。
首相が記者団に2回も戻って来て...「苦言」は、先に紹介した他に、「(親族を連れて行った議員に)勘違いしてしまっている。(略)いい加減になっている。公私の峻別という点で」(12日、同)「(首相後援会の「前夜祭」での費用負担疑惑も含め)道義的に問題ある(法律論は慎重な議論が必要)」(13日、同)「安倍総理ご本人が説明しないとストンと胸に落ちないですよね」(14日「羽鳥慎一モーニングショー」<テレビ朝日系>)といった具合だ。
「(13日の中止決定は)スピード、中止という点では良かった。危機管理としてはスピード、ここが一番大事なんですね。そういう意味では優れた内閣だと思います」(14日「モーニングショー」)としていた。
また、偶然かもしれないが、結果的に政府の動きを先取りしているかのようなタイミングでの発言もあった。13日午前の菅義偉官房長官の会見段階では「中止決定」の話は出ていなかったが、同日の「ひるおび!」で13時過ぎ、田崎氏は「来年の会はとりあえず中止にして、一旦中止にしてもいいと思いますよ」と指摘。同日16時からの午後会見で菅長官は、来春の会の中止を発表した。また、14日の「羽鳥〜」では「安倍総理自身、いずれご自身で説明するおつもりがあるように思います」と感触を披露。翌15日、安倍首相は記者団に対し、「国会から求められれば、説明するのは当然だ」と述べた。それも、一旦は説明を終えて歩き出したが、記者の追加質問を受けて戻ってきてまた説明、という流れを2回も繰り返すという「珍しいシーン」(TBS系ニュースなど)対応を見せていた。さらに15日夜には、「桜を見る会」前日にあった自身の後援会の夕食会の費用負担について、夕食会を含め、旅費、宿泊費などすべて参加者の自己負担だったと説明した。 
桜を見る会 事務所ツアー 首相、際立つ地元優遇 11/15
安倍晋三首相の地元山口県の事務所を通じ、首相主催の「桜を見る会」に参加した複数の後援会関係者が、前夜祭などを含めた「ツアー」の実態を証言した。会場に向かうバス車内で事務所の職員が案内状を回収し「受け付け」を実施、手荷物検査もなく、下車後は次々と首相夫妻と記念撮影するなど優遇ぶりがあらわになった。
会には各界で功績、功労があった人だけでなく、首相の支援者が招かれており、招待基準の不透明さや人数肥大化が問題視されている。参加者の一人は「特にすることはなく、芸能人を探して楽しんだ」と振り返った。
地元事務所の秘書から誘われ、二〇一五年四月の会に参加した男性は、事前に代金を事務所職員に手渡していた。会の当日、地域ごとに大型バス約十台に乗り、午前七時に東京都内のホテルを出発。顔見知りの事務所職員が車内で案内状を集め、記念品の升を配った。
バスは新宿御苑内の駐車場に乗り入れ、手荷物検査をする受付には立ち寄らなかった。事務所が用意した御苑の地図に星印が付き「安倍後援会集合ポイント(写真撮影)」を案内。「カメラは事務所にお任せください」との記述もあった。下車後、首相夫妻が桜の木の近くに現れ、地域ごとに記念撮影が行われた。
安倍首相主催の会に参加したことはないという後援会メンバーの一人は「地元の人に功労者などいない。誘われた人が別の人を誘い、増えていったんじゃないか。これ以上の騒ぎになれば選挙にも響く。なくなってしまえばいいと思う」と話す。
前日、都内で開かれた首相後援会「前夜祭」の様子も分かってきた。参加した男性によると、費用は五千円でホテル名での領収証を受け取った。複数の丸いテーブルを十人ほどで囲む立食形式で、卓上に瓶ビールが五本ほど。食事はカツオのカルパッチョや焼き魚、巻きずしなどだった。
野党は代金が安過ぎるとし、差額分を首相側が補填(ほてん)した可能性に焦点を当てるが、男性は「会場はぎゅうぎゅうで五千円は高い。ぼったくりかと思った」とこぼした。 
桜を見る会中止、安倍首相「逃げ恥作戦」の成否 11/15
11月20日に在任期間が史上最長となる安倍晋三首相が、栄誉を前に窮地に追い込まれている。「政治とカネ」絡みでの主要2閣僚連続辞任、大学入試共通テストでの英語民間試験活用の実施見送りに加え、来年度の「桜を見る会」の中止を余儀なくされたからだ。
この一連の騒動に統一会派を結成した主要野党は勢いづき、臨時国会の審議遅延で、政府与党が最優先課題とする日米新貿易協定の会期内承認も危うくなっている。相次ぐ政権スキャンダルを「即時消火という逃げ恥作戦」(自民幹部)で窮地脱出を狙うが、与党内には「いよいよ終わりの始まり」(閣僚経験者)との不安の声も広がっている。
菅義偉官房長官は13日午後の記者会見で、毎年4月に行われてきた首相主催の桜を見る会を来年度は中止すると発表した。首相の後援会関係者が多数招待されていることや、「税金の無駄遣い」などの国民的批判を受けた措置だ。
菅氏は会見で、内閣官房事務局が首相官邸や与党に招待者の推薦依頼を行っていたことを認め、中止の理由を「予算や招待人数も含めて、全般的な見直しを行うため」と説明した。安倍首相も同日夜、記者団に「私の判断で中止することにした」と憮然とした表情で語った。
今回の桜を見る会をめぐる騒動は、11月8日の参院予算委員会の集中審議の中で、共産党議員が「招待者に多数の首相後援会関係者が含まれている。税金で運営されている公的行事の私物化ではないか」と、具体的資料も提示して追及したのが発端だ。
安倍首相は「私は主催者としてあいさつや招待者の接遇は行うが、招待者の取りまとめなどには関与していない」と釈明したが、首相の事務所名が明記された参加者募集文書を有権者へ配布したことも判明し、野党側は「首相の関与は明らか、公選法違反の疑いもあり、内閣総辞職にも値する事態だ」(立憲民主党幹部)と攻勢を強めた。
そもそもこの会は、1952年に当時の吉田茂内閣が始めたものだ。それ以来、国会議員や都道府県知事、財界幹部、各国大公使に芸能・スポーツの有名人なども加えた「各界の代表者」を招き、首相を中心に歓談する公的行事として定例化してきた。
ただ、第2次安倍政権発足以降、招待者約1万人、関連予算約1700万円という「最近の原則」(政府筋)を無視するかのように、年々招待者数と関連経費が増大。今年4月は参加者約1万8200人、経費約5500万円に膨らんでいた。
しかも、首相の地元の山口県の有権者に対し、「あべ晋三事務所」と明記された観光ツアーの参加受付文書が送られていたことが発覚した。首相関連の招待者は850人と突出しているとされ、瞬く間に首相自身の政治的スキャンダルに発展した。
8日の答弁で「私は関与していない」と交わした安倍首相だが、連日民放テレビのワイドショーで取り上げられたことから、首相サイドも「早く火消しをしないと、今後の政権運営の大きな火種になりかねない」(官邸筋)と焦燥感を強め、急遽、来年度中止に踏み切ったとみられている。
2閣僚辞任劇や民間英語試験の導入見送りを「政権打倒のチャンス」と位置づけた野党側は、「いよいよ本丸(首相)攻撃だ」(共産党幹部)と勢いづいている。
開催中止発表を受けて野党側は「中止したこと自体が(公的行事の)私物化を認めたことで、首相の責任が問われる」(小池晃共産党書記局長)とし、この問題に関する衆参両院での集中審議開催を要求するなど徹底追及の方針で、安倍首相も応じざるを得ない状況とみられている。
その一方で、自民党は「それぞれの委員会で審議すればいい」とガードを固めている。「そもそも、『桜を見る会』は民主党政権時代にも開催されており、野党の追及はすぐブーメランになる」(自民国対)との読みもあるからだ。
民主党政権下の2010年に当時の鳩山由紀夫内閣が桜を見る会を開催した(2011年の菅直人内閣は東日本大震災で、2012年の野田佳彦内閣は北朝鮮のミサイル発射予告でそれぞれ中止)。当時政権の一員だった玉木雄一郎・国民民主党代表は13日の記者会見で「(当時は)各議員に4人の推薦枠があり、私もお世話になった方々を連れていった」と自戒交じりに語った。
ただ、「各界の功績・功労があった人」を招待するのが原則なのに、政府・自民党の幹部は多数の支援者を招待客に紛れ込ませていたとされる。二階俊博自民党幹事長は12日、「支援者に配慮するのは自民党として当たり前」「(党への招待者割り当ては)あったって別にいいんじゃないですか、何か問題になることがありますか?」といつもの二階節で開き直ったことが、政権批判を加速させた。
この二階発言はすぐさまインターネットで大炎上し、「火に油を注いだ」「二階からガソリンをかけた」などの書き込みが相次いだ。
「私の判断で中止した」と13日に首相官邸で語った安倍首相は、その一言だけでそそくさと立ち去ったが、表情にはいら立ちを隠せなかった。安倍首相には、2017年2月に森友学園問題が浮上した際、衆院予算委の答弁で「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と発言し、「それが財務省の森友問題関連の公文書改ざんにつながった」(立憲民主幹部)とされる過去がある。
しかし、今回は事務所の関与が明らかで、桜を見る会の前夜祭として都心の高級ホテルで開催された会合に首相夫妻も出席、あいさつしていたことなどが、新聞各紙の首相動静欄にも記録されている。
さらに、2014年の桜を見る会の際などには、昭恵夫人が「桜を見る会にご出席の皆様と。地元でずっと応援してくださっている後援者の皆さんのお陰で主人の今があります」などと自らのフェイスブックに書き込んでいる。このため、自民党内でも「私は関与していないという首相の言い訳も、今回ばかりは通用しない」(自民長老)との見方が支配的だ。
今回の2閣僚辞任と同様、2014年10月には政治とカネや公選法違反疑惑などで小渕優子経済産業相と松島みどり法相がダブル辞任に追い込まれた。その際、小渕氏は大型バスによる地元有権者の観劇ツアーの一部経費を負担していたことなどが公選法違反に問われ、司法当局の捜査を受け、政権への大きな打撃となった。
ただ、消費税先送りを大義名分として断行した2014年12月の衆院選で圧勝し、その後の1強政権の確立につなげた。2017年前半に相次いで浮上した森友・加計学園疑惑も、同年10月の衆院選での自民圧勝で乗り越えている。
今回も永田町では年末・年始の解散説が流布されており、自らの発言で事態を深刻化させた二階幹事長は13日の自民党会合で、「近いうちに選挙をやろうというときに、もうちょっと気合掛けなきゃだめじゃないか」と発言してみせた。
政府与党にとって、今国会で審議が遅れている日米新貿易協定の承認が最優先の課題だ。さらに、安倍首相は大規模な台風災害に対応するための大型補正予算を来年度予算とともに年内に編成する方針を打ち出したばかりで、日程的に年内解散はありえそうもない。
ただ、与党内には「年明けの通常国会冒頭で補正予算を処理したら解散」(自民幹部)との声もあり、「1月下旬解散―2月16日投開票」という具体的日程も取り沙汰されている。
そうした中、与党内では「もう少しで『桜を見る会』が(流行語大賞の)候補になるところだった」との声も出る。今回の首相らの対応を「逃げ恥作戦」と揶揄する向きがあるが、その元ネタはちょうど3年前に大ヒットしたテレビドラマの題名で、当時「逃げ恥」は流行語大賞の有力候補ともされた。
「在庫一掃閉店大セール」と酷評された第4次安倍再改造内閣では、目玉閣僚の小泉進次郎環境相が人気急落の憂き目に遭っている。その父親で安倍首相の政界の師でもある小泉純一郎元首相は常々「人生には3つの坂がある。『のぼり坂』『くだり坂』そして『まさか』である」と周囲を煙に巻いてきた。
11月20日に史上最長政権という勲章を手中にする首相だが、党内では「これが安倍政権の頂点。あとは坂を下るだけ」と皮肉る声も少なくない。
今回の逃げ恥作戦が通用するかどうかはまだまだ不明だが、党内では「『まさか』の年明け解散の先にあるのは、政権の『真っ逆さまの急降下』では」との厳しい声が広がっている。 
総理の辞任不可避か。明るみに出た「桜を見る会」の不都合な真実 11/15
総理大臣主催の「桜を見る会」に関して野党の激しい追求を受けるや、突然2020年の会の開催中止を発表した政府。早期の幕引きを図りたいという意図は明白ですが、事は官邸の思惑通りに進むのでしょうか。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では元全国紙社会部記者の新 恭さんが、改めてこの「疑惑」について整理し不可解な点を洗い出すとともに、「桜を見る会」が選挙対策の一つと見られても仕方がないという見方を示しています。
「内閣総理大臣 安倍晋三」の名でその“晴れの催し”の招待状は送られてくる。
季節外れの話のようではばかられるが、毎春恒例の総理主催「桜を見る会」が、今国会のホットな問題になっている。ある理由によって。
吉田茂氏が総理大臣の頃から続く「桜を見る会」。その一般的なイメージは、各界の著名人や功労者が会場の新宿御苑に集い、桜を愛でながら歓談する風景に違いない。もちろん、税金が使われる催しであるから、ときの首相が、招いた人々の日ごろの活躍や努力をたたえ、慰労するという意味合いがあるだろう。
しかし、その実態たるや、型通りの美しい言葉だけで尽くせるものではないようだ。「桜を見る会」のニュースに映し出されるテレビでなじみの顔に隠れて目立たないながらも、政治権力の蜜のひとしずくの甘さをいちばん知っているのは、安倍首相や有力議員らの後援会の人々らしいのである。
11月8日の参議院予算委員会で、「桜を見る会」をめぐり、共産党の田村智子議員が安倍首相らに投げかけた問題提起は、「さもありなん」と思わせる内容だった。
安倍晋三氏が総理になって「桜を見る会」の参加者は年々増え、安倍以前は参加者が概ね1万人程度だったのに2014年になると1万3,700人、今年はなんと1万8,000人に。
当然、かかる費用もどんどん増加し14年の3,000万円から19年は5,520万円にふくらんだ。もちろん、この費用は税金で賄われている。
なぜ参加者が増えたかの内訳をみると、皇族、各国大使、地方議会、行政関係者の数は約2,000人ほどでほぼ一定しているが、「その他各界の代表者等」が大幅に増加している。
各界の代表者まではいい。どうやら「等」が曲者らしい。「等」は誰を指すのか、と田村議員が安倍首相に問う。大塚幸寛・内閣府大臣官房長が手を挙げた。
「等、でございますが、幅広く招待できるよう“等”をつけているものでして、特定の分野、カテゴリーを想定しているものではございません。各省庁からご推薦をいただき、最終的には内閣府でとりまとめております」。
質問に答えていない。安倍首相も口を閉ざしたままだ。
そこで、田村議員はとっておきのネタを次々と繰り出した。自民党議員たちのブログなどの記事らしい。稲田朋美、世耕弘成、松本純といった大物自民党議員の名前が続々と登場する。
「稲田朋美・日々の活動報告には、桜を見る会に地元福井の後援会の皆様も多数お越しくださり、たいへん思い出深い会になりました、とあります」「世耕弘成後援会ニュースには、桜を見る会にて、地元女性支援グループの皆さんとと、写真が載っています」「松本純衆院議員・国会奮闘記には、選挙のうぐいす嬢の皆様をはじめ後援会の皆様と参加いたしましたと書かれています」
どうやら「等」は、後援会の人々のことのようである。こうした議員の後援会に入っていれば、総理大臣名で招待状が届くのである。ありがたいことではないか。きっと、家宝として、名誉の証として、大切に招待状と封筒は保管されているに違いない。
そして新宿御苑のみごとな桜並木の下、あちらこちらと移動して回ってくる安倍総理と運よくカメラにおさまることができれば最高だが、それが叶わぬとも、自分はこういう場に招かれる人間だという錯覚に陥らせてくれる。あらためて、自民党大物議員の後援会員であることに喜びを感じるのだ。
田村議員はまだ切り札を隠し持っていた。この日の予算委員会には今国会で野党から最大のターゲットにされている「身の丈」発言の萩生田光一文部科学大臣も出席していた。萩生田大臣は、かつて永田町見聞録なるブログにこんな投稿をしている。
「総理主催の桜を見る会が催され、今年は平素ご面倒をかけている常任幹事会の皆様をご夫婦でお招きしました。しかしご夫婦で参加されたのはほんの数組であとは単身、本当に奥様達に伝わっているのでしょうか?(笑)」(2014年04月18日)
総裁特別補佐だった時期の記事。「お招きしました」などと、まさに主催者である安倍首相の気分になりきっている。
それにしても、何の常任幹事会なのか。田村議員はこれも後援会だろうと目星をつけたうえで、「常任幹事会はどういう人たちで、どこの府省が推薦してくれたんですか」と質問した。それに対する答弁。
萩生田文科相 「桜を見る会は各界において功績、功労のある方を各省庁からの意見を踏まえ幅広く招待している。最終的にはとりまとめは内閣官房および内閣府において行われている。実際に参加された方は、手続きにのっとり招待された方であると承知している」
萩生田氏は内閣府大臣官房が用意したペーパーをそのまま読み上げた。むろん、田村議員は納得できない。あきれたように苦笑いし、予算委の理事が議長席に集まって一時中断、という毎度の風景。
萩生田文科相は「自分の知り合いをのべつまくなく呼べる仕組みにはなっていない。常任幹事の方に長がいらっしゃって、その方たちが…」とかなんとか、ごまかそうとする。
そこで田村議員が「何の団体の常任幹事か」とあらためて追及すると、ようやくあきらめたのか、「後援会の中の常任幹事の方だと思います」。
安倍首相のいちばんの子分も、後援会の世話人たちを春の宴に送り込んでいた。「招待枠を自民党内で割り振っているのではないか」という田村議員の指摘はおそらく間違っていないだろう。
だが、田村議員の真のターゲットは、萩生田氏でもなかった。満を持して切り出したのは、これだ。
「後援会のみなさんを最も大勢招待しているのは、安倍首相です」
安倍首相の地元、山口県の下関から「安倍事務所がとりまとめ役となって毎年数百人が(桜を見る会出席のため)上京する」と、安倍首相の後援会会員が証言したというのだ。
安倍首相自身の後援会だけではない。下関市選出の友田有・山口県議会議員がブログで「今回は私の後援会女性部の7名の会員の方と貸し切りバスで同行しました」と発信していることからして、安倍首相を支持する地元議員の後援会メンバーまでもが招待されているのだ。
田村議員 「案内状発送は内閣府が一括して行い、必ず招待者一人ひとりにあてて送付する。安倍事務所がとりまとめをしなければ、下関市の後援会員の名前や住所がどうしてわかるのか」
安倍首相は答えない。代わりに、大塚・内閣府大臣官房長が答弁する。
「推薦者のとりまとめにかかる情報は、円滑な取りまとめに支障をきたす恐れがあるので、答えは差し控える」
田村議員 「総理、安倍事務所に確認してください」
ここで、しぶしぶ、安倍首相が立ち上がった。「個人に関する情報であるため、回答を差し控える」。この政府、都合が悪いと「差し控える」だ。
いずれにせよ、安倍首相も、後援会の会員を多数招待するのはマズイかもと、少なからず後ろめたい気分が湧いてきたようだ。
田村議員は「税金を使った公的行事だ。どのような功労・功績があるのか説明できないとおかしい」と迫った。
今年、安倍首相の後援会関係者850人が「桜を見る会」参加のために上京し、安倍晋三後援会の「桜を見る会前夜祭」で気勢を上げた後、当日早朝、宿泊先のホテルから貸し切りバス17台を連ねて新宿御苑につめかけたという。
しかも、安倍首相は桜を見る会の開門より30分も前に、地元後援会の人々を会場内に招き入れて記念撮影をしていたといわれる。なぜそんな特別扱いができるのか。
これについて安倍首相は「セキュリティーにかかわることなので回答を差し控える」と、事実上の答弁拒否をした。セキュリティーとどうかかわるのか、教えてほしいものだ。
本物の桜もさることながら、有名人の「サクラ」も、このイベントに彩りを添え、参加者の気持ちを高ぶらせる要素だろうが、税金を5,000万円以上もつぎ込んで、国会議員の選挙応援団を招待し、1万8,000人もの規模に膨張させる安倍首相は何を考えているのだろうか。「桜を見る会」が選挙対策の一つと見られても仕方がない。
蛇足ながら、この件について各メディア、とりわけテレビ各局はほとんど取り上げていなかったが、11日に野党統一会派が共産党とともに追及チームを立ち上げると、いっせいに派手な報道を始めた。そのおかげで、「桜を見る会」を日程に組み込んだ観光ツアーの案内状が「あべ晋三事務所」から地元有権者あてに送られていたことなど、新事実も判明した。
それにしても、メディアの反応がいささか鈍かったのが気になる。「赤旗」の後追いになろうとも、どの党の議員の質疑であろうとも、問題提起にニュースバリューがあると思えば、積極的に報じるべきだった。
大手メディアの幹部は毎年、招待状を受け取り、若手記者が取材に駆けつけていたはずだ。あたかも春の風物詩のごとく、タレントらと写真におさまる首相の誇らしげな姿を垂れ流すだけで、何の疑問も抱かなかったのだろうか。実態を知っていて、その中に同化するばかりだったとしたら、メディアの罪は重い。 
桜を見る会の巨額税金支出、財務省が見過ごしか… 11/15
 米国有利の日米FTA交渉の目くらましか
相変わらず、「桜を見る会」の問題が炎上していますね。記者さんや編集者さんからは「国会を知り尽くしている秘書さん的には『何を今さら』なお話なんですよね?」と聞かれますが、実はそうでもないです。こんなにお金がかかっているとは知りませんでした。
桜を見る会の起源は皇室行事です。明治時代から国際親善を目的として行われていた会を、戦後の1952年に当時の吉田茂首相が内閣総理大臣主催の桜を見る会として始めたのです。阪神・淡路大震災や東日本大震災の発生などで中止した年はありますが、ずっと続いている行事です。
国の予算で行われているのですから、内容が不透明な状態は良くないですよね。例年の桜を見る会の国家予算は1766万円でしたが、安倍晋三首相が主催するようになったこの6年ほどの支出額を見ると、2014年が3005万円で、それから年々増加を続け、19年は5518万円にもなっています。つまり、実際の支出額が予算額の3倍にもなっているのです。これを見るだけでも、あり得ないことが起きているといえます。
一般的に、予算を要求する際は前年度の支出を参考にします。14年に支出額が3005万円だった時点で、通常の感覚なら要求予算額を増やすものです。しかし、19年まで予算額は1766万円のままで実際の支出は増えているのですから、不審に思われても仕方ないでしょう。こんなに大幅に予算オーバーするなんて、プロジェクトの予算管理としては大失敗です。通常なら財務省から大目玉を食らいますし、会計検査院も黙っていません。今回は見過ごしていたということなのでしょうか?
とはいえ、「ここまでヒートアップする話題なのかな?」というのが永田町の住人たちの見方です。一般常識からすれば「何千万円のお金が不透明な使われ方をしているのはおかしい」ということになりますが、ここまでお金がかかってしまっているのは、桜を見る会に呼ばれたい人が多いからだと思いますよ。
通常は招待客は1万人程度ですが、いつの間にか倍近くの約1万8000人になっています。2万人近くを無料で招待するのですから、お金がかかるに決まっていますよね。政権与党の国会議員たちにはゲストを呼べる特権があるので、地元の支持者たちは議員事務所が忖度して招待客リストに名前を載せてくれるのを待っています。
その究極の「醜い形」が、安倍首相の後援会関係者が850名も招待されていた案件です。人数の規模があり得ないですし、本来は「国家に貢献された方」が対象のはずですが、これではほとんど“支援者感謝祭”です。「安倍首相後援会ツアーのイベントのひとつに加えられていた」という情報もあり、政治資金規正法や公職選挙法の観点からも追及されると思います。
すでに、桜を見る会の前夜祭の収支が政治団体「安倍晋三後援会」の収支報告書に記載されていなかったことで、政治資金規正法に抵触する恐れも指摘されています。14年には、後援会のツアー料金をめぐって実際の費用と参加者から徴収した費用の差が大きいことが問題になり、小渕優子経済産業大臣が辞任したこともありました。
メディアで問題視されるようになると、招待客リストの選定基準を見直すとか、規模を縮小して予算内に収まるようにするなどの対応もなく、菅義偉官房長官がいきなり「来年は中止」と発表したのもまずかったですね。これにより、「やっぱり問題が山積みだから逃げたんじゃないか」と、ますます炎上してしまいました。
とりあえず目の前の問題点を排除して、危機を乗り切ろうとしているのかもしれませんね。今は安倍政権のイメージが悪くなっているので、仮に解散総選挙をしても不利になるでしょうからね。
一方、野党は「うまくいけば安倍総理退陣までもっていける」と息巻いていますが、そう簡単ではないと思います。民主党政権時代、そういう「特権」があると知った与党議員たちは、こぞって自分の後援会幹部を招待客リストに押し込んでもらっていました。そのため、今回の問題を追及すれば、共産党を除く野党にとっては“ブーメラン”になりかねません。
ちなみに、この話題が炎上した理由のひとつに、自民党の二階俊博幹事長の「選挙区のみなさんに配慮するのは当然だ」「問題になるようなことはあるのか」という、まったく悪びれない発言があったと思います。自民党は長年の習慣として、支持者から「桜を見る会に参加させてほしい」という要望を受けてきていたでしょうから、「それのどこが悪いんだ」という二階幹事長のコメントは、永田町的には正論に思われます。
でも、これって世間の常識からはものすごく外れていますよね。今回の議論をきっかけに、一部の特権的な支持者からの要望を忖度しなくてもいいようにできればいいのですが……。
桜を見る会の問題がどうでもいいとは言いませんが、正直、国会はそんなことよりも重要な課題をたくさん抱えています。日米貿易協定のように、外交だけでなく日本の経済に大打撃を与えるかもしれない重要な法案が審議されている真っ最中なんです。
そんな大事な時期に桜を見る会に世間の注目が集まることで、「日米FTA交渉をアメリカ有利に進める作戦に、まんまとハマっているのではないか」と心配になってしまいます。
日米貿易協定承認案は11月15日に衆議院の外務委員会で可決され、19日の本会議で衆議院を通過する見込みですが、これには「拙速」との批判もあります。
たとえば、元経済産業省貿易管理部長の細川昌彦中部大学特任教授は10月29日付「日経ビジネスオンライン」記事で、日米交渉での関税引き下げがEUなどから批判を受けていることを挙げ、「現実論として譲歩自体は仕方ないが、今回の協定は越えてはならない一線を越えている。もう少し時間をかけてでも、一線を越えない範囲にとどめる努力をすべきではなかったか」と指摘しています。
日本の農産物を守るためにも、もっと議論してほしいです。桜を見る会の問題が大事でないとは言いませんが、貿易のほうがもっともっと大事ですよ。ほかにも、憲法改正手続きや教員の労働時間などの問題でも議論が求められています。今は臨時国会でただでさえ会期が短いので、早くきちんとした議論が行われてほしいです。 
安倍首相、暴力団関係者と直接面談の疑惑… 11/15
 地元の対立陣営に選挙妨害を行った人物
いま国会で話題になっている「桜を見る会」。内閣総理大臣が主催する花見の会であり、税金を投入した公的行事なのに、安倍晋三首相の後援会関係者を850人招いていたことが発覚。さらに、萩生田光一文部科学相も11月13日の衆院文科委員会で、自身の後援会関係者が「桜を見る会」に参加したことがあると認めた。一連の事態を受けて菅義偉官房長官は、来年度の「桜を見る会」開催を中止すると発表した。
多くの専門家は、「有権者に対する買収にあたる」と指摘する。これだけで安倍政権は大ピンチとなるはずである。官僚の忖度などではなく、安倍事務所が直接かかわっているからだ。
だが、これで驚いてはいけない。事務所がかかわったどころか、安倍首相自身が暴力団関係者と直接対面して、選挙妨害工作の後処理について交渉をしていたことが明らかになったのである。確認書類などの証拠書類も存在するため、逃れることはできないだろう。
その事件とは、インターネット上では「ケチって火炎瓶」とも呼ばれる選挙妨害事件だ。これこそ野党が追及すべき重大事件ではないのか。
暴力団関係者と交わした3通の確認書類
話は1999年にさかのぼる。安倍首相が衆議院議員になって2期目の同年4月の山口県下関市長選で事件は起きた。
安倍陣営の江島潔候補(現参議院議員)を応援するため、建設会社会長の小山佐市氏が、対立候補の古賀敬章氏に対する誹謗中傷ビラを撒いた。これについて小山氏は、安倍首相の竹田力筆頭秘書(元山口県警警視、故人)や、佐伯伸之秘書(元菊川町議会議員、故人)から中傷ビラ配布を頼まれたと主張している。
そもそもなぜ、2期目だった安倍氏の陣営が、下関市長選で古賀氏を落選させる必要があるのか。片や国会議員、片や地方都市の市長を目指す人物だ。
実は古賀氏は93年の衆院選で、新生党から出馬し初当選。しかし、再選を目指した96年の衆議院選では新進党から出馬し、安倍氏に負けて落選している。
現在の小選挙区制が導入された最初の選挙であり、1人しか当選でない激戦になったのである。
古賀氏が山口4区という山口県最大の大得票田である下関市長に当選すれば、かなりの力をつける。首長の権限は強く、当選して基盤を固めた古賀氏が再び衆院選に挑戦すると、安倍氏にとっては手強いライバルになる。
99年の下関市長選には、このような背景があったのである。そして、安倍陣営が推す江島氏が当選した。
ところが、せっかく対立候補を落選させたのに、“見返り”がなかったことから小山氏は安倍事務所と交渉した。その結果が、以下の文書類に記されているのだ。
・6月17日 一通目の確認書
・6月22日 願書(竹田筆頭秘書が小山氏に対し、7月3日午前10時に事務所で安倍首相と面談してほしいと依頼)
・7月3日 安倍首相と小山氏が2時間面談
・7月13日 上記の直接面談を踏まえ、2通目の確認書
1通目の確認書では、竹田筆頭秘書とのやりとりや、「古賀つぶし」(選挙妨害)についても触れられている。
安倍首相と面談後に作成された2通目の確認書では、地元への大型スーパー出店をめぐり、都市計画を変更し便宜を図ることをにおわせる文言が記載されている。
どの文書も、当事者でしか知りえない事実が記載されている。
安倍首相宅などに火炎瓶
しかし、確認書を交わしたにもかかわらず、合意通りに実行されなかった。それどころか8月30日、逆に佐伯秘書に対する恐喝容疑で小山氏は逮捕された(9月21日に不起訴)。
怒った小山氏は、指定暴力団「工藤会」系の高野組・高野基組長に依頼して、2000年6月から8月にかけて、安倍氏自宅などに4回も火炎瓶を投げさせた。その事件から3年後の03年11月、小山氏や高野組長ら数名が逮捕された。裁判の末、小山氏は懲役13年、高野組長は懲役20年(余罪あり。現在も服役中)の判決が確定する。
ジャーナリストの山岡俊介氏は、最初にこの事件の追及を始め、次いで同じくジャーナリストの寺澤有氏も取材を開始。2人は共同で取材することもあった。
第一次安倍政権が発足する直前には、共同通信社がこの事件を報じる予定だったが、社内で大議論の末、寸前のところで出稿を見合わせた。
このときに共同通信が記事を配信すれば、安倍政権は誕生していなかった可能性が高い。
事態が急変したのは、服役していた小山氏が昨年2月に出所し、5月に山岡俊介氏と寺澤氏に連絡してきたことによる。出所した小山氏を山岡・寺澤両氏が直接取材すると、存在することは確実とされていたが現物は確認されていなかった「確認書等」3通を小山氏が見せた。それを撮影し、2人は公開したのだ。
1通目確認書。すでに竹田力筆頭秘書とのやりとりや、「古賀つぶし」(選挙妨害)についても触れられている。(※資料:山岡俊介氏提供、以下同)
2通目願書。竹田秘書により、7月3日午前10時に安倍晋三氏と小山氏を直接対面させる旨が記されている。
3通目確認書。上記の直接面談を踏まえた文書。
山岡氏は、自身が運営するニュースサイト「アクセスジャーナル」で連日、報道した。一方、確認書類3通も載せて寺澤氏は、電子書籍『安倍晋三秘書が放火未遂犯とかわした疑惑の「確認書」』(インシデンツ)を発表した。
ここ数年、騒がれていた森友学園疑獄、加計学園疑獄は「忖度」が問題になった。しかし、「桜を見る会」では安倍晋三事務所が直接、関与していたことが問題視されている。
そしてそれを上回る“直接性”を持つのが、この「火炎瓶事件」だ。安倍氏が暴力団につながる人物と直接面談し、「確認書」を交わすという前代未聞の大スキャンダルである。
国会ですべて明らかにすべきであろう。 
英米メディアも食いついた! 「桜を見る会」突然中止の裏 11/15
首相主催で開かれる「桜を見る会」が、2020年度は取りやめになると発表されました。安倍晋三首相の後援者が多数参加して「税金の私物化」との批判が殺到していましたが、なぜ、突然中止する羽目になったのか――。さっそく、英米がその「真相」に注目しています。
海外が報じた「桜を見る会」の「注目ポイント」とは? 「桜を見る会」を語る英語フレーズも合わせてお伝えします。
「桜を見る会」は、国の予算で毎年「新宿御苑」で開かれていましたが、安倍首相の後援者「招待枠」の存在や、ホテルニューオータニでの豪華前夜祭の様子などが明らかになるにつれ、突然「中止」が発表されました。
日本国内のドメスティックな話題かと思いきや、意外にも(!) 海外のメディアがこのニュースに反応! 速報に近い形で「桜を見る会中止」を報じました。70年近く続いた行事の突然の中止は、「裏に何かあるはずだ」との疑念を抱かせたようです。
まずは英国BBC放送の見出しから。ストレートに、「えこひいき」と報じています。
Japan cancels cherry blossom party amid cronyism accusations (日本は、えこひいき批判の真っ只中で、桜を見る会をキャンセルした) cherry blossom party:桜を見る会 amid:〜の真っ最中に cronyism:えこひいき、身びいき accusations:非難、批判
英BBCは、「桜を見る会」を「cherry blossom party」としています。直訳すると「桜パーティー」ですね。それにしても、「えこひいき」とは随分とストレートだな、と思って記事を読むと、「東京から1000キロメートルも離れた地元(山口県)から850人も招待した」と、首相がたくさんの支援者をわざわざ「遠方から」呼び寄せたことを強調していました。さらに、「花見は日本人にとって特別な文化」「桜の満開は4月のたった2週間」など、「桜を見る会」がいかにスペシャルなものかを紹介して、首相の支援者が「特別に配慮された」ことをほのめかしています。確かに、「1000キロメートルの遠方から、わざわざ花見にご招待」とは「えこひいき」の印象を強くします。事実を淡々と述べながら「問題点」を浮き彫りにする......。英国人らしい、皮肉の効いた報じ方だと感心しました。
米国のメディアは別の見方をしています。ニューヨークを拠点とする情報通信社ブルームバーグは、安倍首相が米国との貿易協定のために「桜の木を切った」と断じました。
Japan's Abe axes cherry blossom in bid for U.S. trade pact (日本の安倍首相は、日米貿易協定のために桜の木を斧で切った〜桜を見る会を中止にした) axe:斧で切る、終わらせる、壊す in bid for:〜のために U.S. trade pact:米国貿易協定
米ブルームバーグは、今国会での安倍内閣の最優先事項は米国との「貿易協定」を承認することであり、そのための「障害」を取り除く目的で「桜を見る会」を中止にしたと断言しています。さらに背景には、ウクライナ疑惑で窮地に立たされているトランプ米大統領の存在があり、のどから手が出るほど「疑惑を打ち消す成果」を欲しがっているトランプ大統領が、「貿易協定の締結」を急いでいる、というのです。ということは、日米貿易協定はやっぱり「米国に有利」な内容だということでしょうか?
それでは、「今週のニュースな英語」は、「桜を見る会」を伝える英語フレーズをご紹介します。せひ、使ってみて下さい。
Prime Minister Shinzo Abe canceled cherry blossom party (安倍晋三総理大臣が、「桜を見る会」を中止にした)
The publicly funded event with a nearly 70-year history (70年近い歴史を持つ、国の予算で行われるイベント) publicly funded:公的予算で、国の予算で
The abrupt decision came after scandals in Abe's cabinet (安倍内閣のスキャンダル発覚の後、突然決断された) abrupt decision:突然の決断 Abe cabinet:安倍内閣
Many of Abe's supporters were invited to the last event  (多くの安倍首相支援者が昨年のイベントに招待されていた) invite:招待する supporters:支援者たち
いずれにしても、一向に収束する気配のない「桜を見る会」騒動。中止の判断が吉と出るか否か、まだまだアツイ報道合戦が続きそうです。  
 11/16

 

「桜を見る会」めぐり安倍首相、“ツアー費用”は全て参加者の自己負担 11/16
野党が追及を強める「桜を見る会」をめぐって安倍総理は、後援会関係者が参加したツアーの費用は全て参加者の自己負担だと述べました。
「全ての費用は参加者の自己負担で、支払われております」(安倍首相)
安倍総理はツアー費用について、旅費・宿泊費は参加者が旅行会社に支払い、前夜祭の会費は事務所側が会場で集金してホテルに渡したことを確認したと明らかにしました。そのうえで、事務所の収入・支出はなく、政治資金収支報告書への記載義務は発生しないと強調しました。
これに対し、立憲民主党の安住国対委員長は、「(総理が)後援会活動と認めた以上、収支は報告しなければならない」として、法律違反の疑いがあると指摘しました。
一方、前夜祭の会費が5000円と安すぎるという指摘について、安倍総理は、「大多数が当該ホテルの宿泊者という事情等を踏まえ、ホテル側が設定した価格と報告を受けた」などと答えました。 
読売も「襟を正せ」となじる「桜を見る会」の節度 11/16
心から桜の花を楽しみ、愛でる催しではない
〈世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし〉
六歌仙や三十六歌仙の1人として知られる平安時代の歌人、在原業平の歌である。『古今和歌集』に収められている。桜が咲くのを待ち焦がれ、咲いたら咲いたらで今度は散るのが気になって落ち着かない。桜の花に対する愛惜の念を「世の中にたえて桜のなかりせば」と逆説的に歌い上げている。桜の花は古代から日本人によって親しみ深く、愛されてきた。だが、問題の「桜を見る会」は心から桜の花を楽しみ、愛でる催しではなかったようだ。菅義偉官房長官が11月13日の記者会見で、毎年4月に東京・新宿御苑で開かれる首相主催の「桜を見る会」について「来年度は中止する」と発表。安倍晋三首相も首相官邸で「私の判断で中止をすることにした」と記者団に説明した。野党から「安倍首相の後援会関係者が多数招待されている」「公的行事の私物化だ」と追及され、中止に追い込まれた。
安倍首相の地元支持者らを招待する「公私混同」
今年4月の開催要領によると、「招待範囲」については皇族や各国大使、国務大臣、国会議員ら以外に、「その他各界の代表者等」とだけ記されていた。菅氏は記者会見で「予算や招待人数も含めて、全般的な見直しを幅広く意見を聞きながら行う」と説明し、「見直しにあたっては規模を縮小し、再来年度の再開を目指したい」と話した。功績や功労のあった各界の人々を慰労するのが本来の目的だ。そこに安倍首相の地元支持者らがひろく招待されているというのでは、野党だけでなく、多くの国民も納得できまい。沙鴎一歩は、この問題の本質は、長期政権ゆえの緩みや思い上がりだと考える。安倍首相は野党の批判や国民の声にしっかりと耳を傾け、深く反省してほしい。また安倍首相には桜の花に対する愛惜の情というものがあるのか、これも疑問だ。
前身は戦前の皇室主催の「観桜会」
「桜を見る会」の前身は、戦前の皇室主催の観桜会だ。戦後になって首相が招待する形に変わった。吉田茂内閣時代の1952年に始まり、政財界の関係者やタレント、スポーツ選手らを新宿御苑に招き、枡酒などで接待する。民主党政権時代も2010年の鳩山内閣で実施されたが、2011年は東日本大震災で、2012年は北朝鮮のミサイル発射の予告で中止となった。安倍政権にかわり、規模は毎年膨らんでいた。それは今年5月の記事でプレジデントオンラインが指摘している通りだ。だが11月8日の参院予算委員会で、共産党の田村智子・参院議員が「首相は後援会関係者を多数招待しているのではないか」と追及したことから、問題が大きく浮上した。安倍首相は「招待者の取りまとめには関与していない」と釈明したが、結局中止に追い込まれた。開催要領は皇族や国会議員ら以外に「その他各界の代表者等」を対象としている。野党は「これではいくらでも拡大解釈が可能だ」と批判している。費用も2014年の3000万円から5年後の2019年には5500万円に跳ね上がり、参加者も1万3700人から1万8200人に増加した。政府は来春に向けて2020年度予算で5730万円を要求していた。
自民党内からも「運営に不透明感がある」と批判の声
事務局の内閣府によって招待者名簿が廃棄されたことも明らかになり、自民党内からも「運営に不透明感がある」との声が出た。菅官房長官は12日、招待者の選定基準を明確化する考えを表明したが、結局、翌13日になって中止を発表した。早い対応である。政治とカネが問題となった菅原一秀経済産業相と河井克行法相の更迭も早かった。安倍首相は早期の幕引きを図り、憲法改正など手付かずの問題の審議を進めたいのだろう。
「首相の私物化許されぬ」と手厳しい朝日社説
「税金で賄われる内閣の公的な行事を私物化していると批判されても仕方あるまい。安倍首相にはきちんと疑問に答えてもらわねばならない」こう冒頭から批判するのは、11月13日付の朝日新聞の社説だ。見出しも「桜を見る会 首相の私物化許されぬ」と手厳しい。さすが安倍首相嫌いの朝日社説である。朝日社説は「なぜ、これほど参加者が増えたのか」と疑問を投げかけ、その後でこう書く。「先週の参院予算委員会で、共産党議員が問題視したのが、首相や閣僚、自民党国会議員の後援会関係者の招待だった。とりわけ、首相について、都内のホテルで開かれた前夜祭に850人が出席し、当日はバス17台に分乗して会場に向かったという、今年の参加者からの情報を示し、『後援会活動そのものではないか』と追及した」「招待範囲」の「その他各界の代表者等」について朝日社説はこう指摘する。「この『その他』に後援会関係者が含まれるとみられるが、個々の議員の活動を支える支援者を、国全体にとって『功績・功労』があったと認めるのは筋が違うだろう」「筋が違う」というより、これはもう詐欺だ。安倍首相は私たち国民を愚弄している。
安倍首相の「関与していない」は信じられるか
朝日社説は続ける。「首相は『招待者のとりまとめには関与していない』とも述べた。しかし、朝日新聞の調べで、首相の事務所名義で、桜を見る会を含む都内の観光ツアーを案内する文書の存在が明らかになった」「首相は13年以降、会の前夜に開かれる後援会との懇親会に欠かさず出席もしている。一連の経緯を承知していないはずはなかろう」この安倍首相の「関与していない」との答弁は信じられるものなのか。今後の国会での安倍首相と野党との論戦が楽しみである。
「長期政権ゆえの緩みが背景にあるのではないか」
安倍政権寄りの読売新聞も、11月14日の社説で「桜を見る会中止 疑念の払拭へ政府は襟を正せ」との見出しを立て、疑念の払拭を求める。書き出しも厳しい。「疑念を招き、開催基準を見直すことになった以上、来年度の中止はやむを得まい。安倍内閣は襟を正さねばならない」読売社説はさらに書く。「公私の区別が曖昧になっていたとすれば問題だ。節度を欠いていたとの批判は免れまい。長期政権ゆえの緩みが背景にあるのではないか。首相は自らを律し、政権運営にあたるべきだ」安倍政権には長期政権ゆえの緩みがある、という指摘にはうなずける。そこを安倍首相自身が問題視していないところが深刻なのである。
「今年の招待者の名簿を廃棄した」という見え透いたウソ
読売社説はこうも指摘する。「内閣府は、今年の招待者の名簿を廃棄したと答えた。公文書管理の観点から手続きが適正だったかどうか検証する必要がある」「首相の後援会は、桜を見る会の前日夜に会合を開いてきた。野党は、首相が代表を務める政治団体の政治資金収支報告書に記載がないとして問題視している。首相側には説明責任が生じよう」内閣府の「破棄した」というのはたぶん嘘(うそ)だ。安倍首相を忖度(そんたく)したのかもしれない。そのうち野党に追及され、招待者名簿を出さざるを得なくなるに違いない。それが繰り返されてきたパターンだからである。最後に読売社説は「政財界に限らず、その時々に文化やスポーツなどで活躍した人をたたえる意義はあろう」と指摘し、こう主張する。「長年の慣行にとらわれずに、招待者の範囲や人数、予算規模などを抜本的に見直し、不信感を払拭することが求められる」読売社説は「桜を見る会」そのものには、賛成のようである。 
橋下徹氏、「桜を見る会」は「政治資金パーティーです。 11/16
16日放送の日本テレビ系「ウェークアップ!ぷらす」(土曜・前8時)では、政府が首相主催の「桜を見る会」について来年の開催中止を決めたことを特集した。
番組では、今回の問題の焦点が会の前日に都内ホテルで開かれた安倍晋三首相の後援会「前夜祭」の夕食会会費が5000円だったと伝え、野党は首相側が差額分を負担した場合は、公職選挙法に抵触する可能性があるとして追及する構えだが一方で安倍首相は15日に記者団に「事務所や後援会としての収入、支出は一切ない」と述べ「大多数がホテルの宿泊者であり、事情を踏まえ、ホテル側が設定した」と説明した。
スタジオに元大阪府知事の橋下徹氏が出演。橋下氏は「桜を見る会」について「目的が何なのか分からないです」とした。辛坊治郎キャスターが「もともと1952年、吉田内閣の時に総理に対するもともとが求心力を高めるという私的な目的で公金を使って始めたという感じがそもそもします」などと指摘すると橋下氏は「政府与党が一体の中で政治と行政がごちゃまぜになっている日本の悪しき例です。これ政治資金パーティーです。参加申し込み書見ても、政治資金パーティーなんだから会費取ってきちんとやればよかったんだけど、与党と政府が一体となっている中で何となく日本政府の行事を使いながら政治家が政治資金パーティーをやったていう話です」と持論を展開していた。 
前夜祭の参加費5千円…首相「ホテルが設定」、野党「法律違反も」 11/16
安倍首相は15日夜、首相主催の「桜を見る会」を巡る問題で、後援会員らが参加する「前夜祭」や観光ツアーの旅費、宿泊費などの費用は全額、参加者の自己負担で、「事務所や後援会としての収入、支出は一切ない」と述べた。政治資金規正法や公職選挙法に違反しないとの認識を示した。首相官邸で記者団に語った。
今年の「桜を見る会」の前日にあたる4月12日夜に東京都内のホテルで自身の後援会員らを集めた前夜祭については、野党から、参加費5000円が安すぎ、「法律違反の可能性がある」との指摘が出ていた。
首相は価格について、「大多数がホテルの宿泊者であり、事情を踏まえ、ホテル側が設定した」と説明。会場入り口で事務所側が集めた参加費をホテル側に全額渡し、自身の事務所の収入や支出はないとした。そのうえで、政治資金規正法上の収支報告書への記載は必要なく、有権者への寄付を禁じた公職選挙法違反にも当たらないとの認識を示した。
首相は、自らの事務所が参加者を募集し、参加人数が膨らんでいたことについて、「長年の慣行とはいえ、私自身も反省しなければならない」と陳謝した。桜を見る会の開催要領によると、「招待範囲」は約1万人だったが、2014年度以降、出席者は年々増え、今年度は約1万8200人だった。
野党は衆参両院予算委員会での集中審議開催を求めている。首相はこの点について、「国会から求められれば、説明責任を果たすのは当然のことだ」と述べるにとどめた。 
「推薦枠」なんて初耳!桜を見る会は「廃止」が当然 11/16
11月20には、安倍首相の在任日数が、桂太郎の2886日を抜いて憲政史上最長になる。安倍政権がかくも長期になっている最大の理由は野党が非力であることと、党内にライバルが不在なことである。
経済については、他の先進国が失業に悩む中で、人手不足が問題になるくらいに順調であるが、格差が拡大していることは否めない。外交については、トランプ大統領との信頼関係を基にして良好な日米関係を維持していることは評価できるが、ロシアとの北方領土問題や北朝鮮との拉致問題は進展がなく、日韓関係は最悪である。また、憲法改正への道筋も立っていない。
そのような中で、首相主催の「桜を見る会」に安倍後援会から850人もが招待されていたことに批判が集まり、野党が国会で厳しく追及した。それを受けて、政府は来年度の開催を中止した。招待基準や招待者数を見直すためだという。
菅原経済産業大臣や河井法務大臣を更迭し、すぐに後任を任命したように、また、英語民間試験導入を即決で撤回したように、問題が発生すれば即座に対応し、火を消すという手法は危機管理のお手本かもしれない。しかし、自らの後援会員を大量に招待していたことは、様々な疑念を投げかけている。
また、安倍後援会主催のホテルでの前夜祭については、公職選挙法や政治資金規正法に違反するのではないかという疑問も呈されている。さらには、「招待者名簿の破棄」という答弁についても、各省庁の保管規則に反しているとの指摘がある。
私は、国会議員として招かれ、「桜を見る会」に行ってみたことがあるが、芋の子を洗うような中でもみくちゃにされて閉口したので、それ以降二度と参加しなかった。「各界で功績・功労のあった人」を招待するというが、芸能人にしても「功績があったから」というより政権の景気づけのために招かれていたようである。また、有識者については、政権寄りで右翼的思想に固まった御用学者・御用評論家がほとんどであった。
私は、閣僚も政党幹部も歴任したが、「一定数の枠があるから使って下さい」などという話は、党からも内閣府からも一度も来なかった。大臣や国会議員枠などというものは、いつから出来て、どのように活用されてきたのか、それも不透明なままである。
記録が残っているかぎりでは、参加者数は、2014年が約1万3700人だったが、2019年は1万8200人と増えている。予算は、それぞれ3005万円、5520万円である。安倍政権の幹部が、支持者を招待するために大臣枠などを利用したとすれば、それを公費で負担することはやはり問題であろう。
これは長期政権の弊害だと言ってもよい。私は、安倍(第一次)、福田、麻生の三総理大臣に閣僚として仕えたが、いずれも1年未満の短期政権だったので、「桜を見る会」に誰を招くかを考えるどころではなかったのかもしれない。政権交代で民主党政権に移行したが、その後、再び自民党に政権が戻り、安倍首相が長期政権を謳歌している。それに伴う奢りと慢心が、今回のような事態の引き金になったと思われる。
民主主義社会における長期政権の弊害は、「権力の個人化(personalization of power)」と呼ばれる現象が起こりやすくなることである。つまり、大統領や首相というポストの重みよりも、そのポストに就いている個人の特質が政権運営を大きく左右するようになる。そして、それが嵩じると独裁に近くなる。しかも、ポピュリズムが跋扈する今日、その傾向はますます強くなっている。
元祖ポピュリストとでも呼ばれるべきは、アルゼンチンのペロン大統領である。妻は、ミュージカル『エビータ』で有名なエバ・ペロンである。ばらまき政策を実行することによって大衆の支持を調達し、個人崇拝とも言えるような専制政治を行った。
このペロニズムは南米の政治の特色であり、ブラジルで2003年から8年間政権の座にあったルーラ大統領も同じ政治スタイルであった。ルーラは2018年4月から収賄の罪で収監されていたが、最高裁判決によって最近(11月8日)釈放された。その結果、「ブラジルのトランプ」を自称する極右のボルソナーロ大統領との間で緊張が高まっている。
アルゼンチンでは、10月29日の大統領選で、野党であり左派のアルベルト・フェルナンデス元首相が、中道右派のマウリシオ・マクリ大統領らを破って当選した。彼もまた、ペロニズム的な大衆迎合政策を掲げている。
ボリビアの先住民であるモラレス大統領も、同様な政治手法で人気を博してきたが、不正によって4選を果たしたとして、辞任の余儀なきに至り、11月12日、メキシコに亡命した。
チリでは、地下鉄運賃の値上げを引き金に反政府デモが拡大し、APECやCOP25開催を断念している。チリは、OECDの中で格差が最も拡大した国となっており、そこでも大衆はペロニズムのようなばらまき政策を求めている。
最近における南米の政治変動を観察していると、ポピュリズムや個人崇拝(権力の個人化)の伝統を感じざるをえないが、安倍首相による「桜を見る会」の私物化は、スケールは全く異なるとはいえ、日本政治の南米化を見るようで、あまり感じのよいものではない。「桜を見る会」招待券のばらまきによるミニ大衆迎合政策である。
戦前の日本で天皇機関説が政治問題になったことがあるが、首相のポストも機関である。しかし、長期政権化すると、そのポストに座っている個人の色が濃く出てくるようになる。その弊害が、この「桜を見る会」に典型的に表れたと見てよい。短期政権も問題があるが、頻繁に政権交代していれば、このような「権力の個人化」は起こらない。
ちなみに、園遊会は、天皇・皇后陛下が主催するもので、招待基準も明確であり、格式も違う。私はこれにも参加したことがあるので、園遊会と比較して「桜を見る会」のあまりの喧噪に呆れて二度と出席しなくなったのである。総理大臣といえども、園遊会には自分の後援会員を大量に参加させることはできない。しかし、「桜を見る会」は、首相自らが主催者なので、私物化が可能となったのである。
これは、有権者の支持を調達する手段としては、極めて安上がりで、しかも効果的である。招かれた人々が政権を賞賛することはあっても、批判することはないからである。民主政治とはルールである。「人治」ではなく「法治」でルール違反をすれば、批判されるのは当然である。
政府は来年度の「桜を見る会」を中止して、招待客を決める基準などを再検討するとしている。しかし、今回の騒動で、芸能人や識者などはこの会に出席すること自体がマイナスのイメージを付与されることになり、辞退者が続出するであろう。
菅官房長官は「桜を見る会」の廃止はないと述べ、その理由として外国の大使や公使も招いていることを挙げているが、各国の大使などは、たとえば、お茶会(野点)など日本の伝統に則った儀式に招けばよい。皇室も、宮内庁の鴨場に駐日外交官を招待しており、伝統的様式の鴨狩りを楽しんでもらって、たいへんに喜ばれている。
あのような芋の子を洗うような騒がしいイベントでは、首相とゆっくりと語ることもできない。大使や公使も、そのような会に喜んで出席しているわけではあるまい。私は、この会はもう廃止すべきだと思っている。 
11/17

 

桜を見る会「疑惑」の法的検討:買収罪は成立するか 11/17
安倍首相主催の「桜を見る会」問題
11月8日の参院予算委で共産党の田村智子議員は、毎年行われてきた安倍首相主催の「桜を見る会」について、「本来は各界の功労者を招待する催しにも拘わらず、首相の地元後援会員らを多数招待し公費で接待しており、公私混同ではないか」などと安倍首相を鋭く追及した。
その後、これを契機として、立憲、国民、共産の主要野党は、12日「野党合同追及チーム」を立ち上げ、安倍首相による「公的行事の私物化」や「公選法違反」の疑いがあるとして、厳しく追及した。その結果、13日、菅官房長官は来年度の「桜を見る会」の中止を発表し、今後「招待基準の見直しや明確化を検討する」と述べた。
主要野党による「疑惑追及」三点セット
上記主要野党は、政府による中止決定を受け、「疑惑は一層深まった」として勢いづき、招待客の取りまとめをした内閣府に対し招待客名簿の提出や、推薦をした各省庁等に対し推薦者名簿の提出を求め、安倍首相に対しても、衆参予算委での説明を求め、徹底追及している。安倍首相は15日、国会の要請があれば、出席して説明すると述べた。
主要野党の「疑惑」追及は、(1)首相が招待規準を満たさない後援会関係者を多数招いた「私物化疑惑」、(2)首相の8日参院予算委での、私は招待者の取りまとめをしていないとの「虚偽答弁疑惑」、(3)会前日の都内ホテルでの「前夜祭」における「会費不足額補填疑惑」の三点とされる。
主要野党は、上記(1)(3)については、公職選挙法違反の「買収」の疑いがあると厳しく追求している。なお、一部学者からは、上記(1)は予算の目的外使用として「財政法32条違反」の疑いも指摘されている。主要野党は安倍首相の辞職を要求し、「桜を見る会」問題は早くも政局化している。
「疑惑追及」三点セットの法的検討
まず、上記(1)の「私物化疑惑」について法的に検討する。
公職選挙法221条1項1号「買収罪」の犯罪構成要件は、「当選する目的をもって、選挙人に対して金銭、物品その他財産上の利益を供与し、又は供応接待した場合」には3年以下の懲役若しくは禁固又は50万円以下の罰金となっている。
本件の場合は、(A)招待規準を満たさない後援会関係者約850人を招待した事実の法的評価、(B)財産上の利益供与又は供応接待の事実と故意の有無、(C)買収の故意の有無が重要である。
上記(A)については、上記(B)の飲食等の提供を伴う「桜を見る会」は、本来各界の功績者・功労者を招待するものとされているところ、2010年の旧民主党鳩山政権時代にも、特段「功績者・功労者」に限らず、旧民主党国会議員の後援会関係者や支持者なども幅広く多数招待されていたことは公知の事実であり、長年の慣行でもあったと認められる(国民民主党玉木雄一郎代表13日記者会見等)。
そうすると、安倍晋三事務所による地元後援会関係者らの招待も、やや招待者数が多く道義的な批判の余地はあるものの、長年の慣行に基づくものとして、特段「違法性の認識」は認められず、「私物化」とは言えない。
したがって、以上の事実関係によれば、安倍晋三事務所には「違法性の認識」がないから、上記(B)の利益供与・供応接待の事実と故意、及び上記(C)の買収の故意は認められず、直ちに処罰すべき「可罰的違法性」は存在しない。よって、安倍晋三事務所については、公職選挙法221条1項1号の「買収罪」は成立しない。
次に、前記(2)の「虚偽答弁疑惑」について法的に検討する。
招待者の取りまとめは安倍晋三事務所ではなく内閣府である。一般論として、
国会における「虚偽答弁」は、故意によるもの以外に、錯誤や記憶違い等に基づく場合も否定できず、又、仮に故意による虚偽答弁であったとしても、直ちに法的責任を生ずる問題ではない。そのうえ、後記の通り、本件「桜を見る会」や「前夜祭」を含むパック旅行を企画実施したのは地元旅行会社であり、安倍晋三事務所ではない。
最後に、前記(3)の「会費不足額補填疑惑」について法的に検討する。
公選法221条1項1号の「買収罪」が成立するための犯罪構成要件は、(A)会費不足額補填の事実と故意、(B)買収の故意、が必要である。
本件の場合は、上記(A)については、当該ホテルによる本件一人当たり飲食費等の実際の請求額が、前夜祭の会費5000円であったかどうか、即ち会費不足額の有無・程度が問題となる。
しかし、本件のように多数の団体参加者の場合は、料理の内容や品質、品数、数量等を調整して上記会費以内に適合させることもホテル経営上可能である。また、首相との交流や特段の配慮による特別サービス料金もあり得る。即ち、いわゆる「損をして得をする」ことである。
いずれにしても、実際の請求額と会費が合致しておれば何らの問題もない。仮に、不足額が生じ、これを仮に安倍晋三事務所が負担したとしても、後援会員の日常の会費や積立金等から支払った場合は、「利益の供与」には該当しないであろう。
さらに、15日付け「毎日新聞」によれば、本件「桜を見る会」はパック旅行として地元旅行会社が企画実施したとされる。仮にそうであれば、本件「桜を見る会」や「前夜祭」を含むパック旅行の主体は旅行会社となり、安倍晋三事務所ではない。よって、政治資金規正法12条の収支報告書への記載義務もない。なお、上記新聞には2015年4月17日付けホテル発行の「5000円領収証」のコピーが掲載されている。
したがって、以上の事実関係によれば、前記(3)の「会費不足額補填疑惑」については、上記(A)の「会費不足額補填」の事実と故意、及び上記(B)の「買収の故意」は認められないから、安倍晋三事務所には、「違法性の認識」はなく、直ちに処罰すべき「可罰的違法性」は存在しない。よって、安倍晋三事務所については、公選法221条1項1号の「買収罪」は成立しない。
なお、一部学者による「財政法32条違反」(予算の目的外使用)の指摘は、公選法とは関係がなく、仮に一部目的外使用があるとすれば、会計検査院の問題である。
結論
以上の法的検討の結果、本件「桜を見る会」に関する野党追及の各種「疑惑」については、「私物化」や「会費不足額補填」の事実は認められず、いずれも「違法性の認識」がなく、直ちに処罰すべき「可罰的違法性」は存在しないから、公職選挙法221条1項1号の「買収罪」が成立しないことは明白である。 
 11/18

 

「桜を見る会」が日本政治に突きつけた本当の問題 11/18
「桜を見る会」をめぐり、政界がざわついています。招待者の選考基準のあいまいさ、予算の膨張が問題となるや、突如、中止が決定されましたが、今なお疑念が晴れたとはいえず、安倍晋三総理の後援会会員を対象とした「夕食会」をはじめ、多くの問題が議論を呼んでいます。
すでに多くの論者によって論じられているところではありますが、「桜を見る会」の一体、何が問題なのか。1「桜を見る会」の前夜に行われた安倍晋三後援会の「夕食会」、2「桜を見る会」自体の二つに分けて、私見を述べたいと思います。
前夜の「夕食会」について総理の説明は
まず安倍晋三後援会の「夕食会」について論じます。
この「夕食会」については「ホテル・ニューオータニで1人あたり会費5000円のパーティーが可能か否か」が世間の注目を集めると同時に、2013年から昨年まで安倍総理関連の後援会の政治資金収支報告書にこの「夕食会」の記載がないことが、政治資金規正法に反するのではないかという疑いが提起されています。
これに対して安倍総理は、記者会見で次のように説明しています。
「夕食会の価格設定が安過ぎるのではないかという指摘がございます。そういう報道もありますが、参加者1人5000円という会費については、これはまさに大多数が当該ホテルの宿泊者であるという事情等を踏まえ、ホテル側が設定した価格である、との報告を受けております。以上、以前すでに行った国会での私の説明を、正確に補足させていただいたところでございます」
「収支報告書への記載は、収支が発生して初めてそれは発生するんです。公職選挙法を見ていただければ明らかなんですが、それは政治資金規正法上、収支が発生して初めて記入義務が生じます。いま申し上げましたように、交通費、宿泊費等について、直接代理店に支払っていれば、これは後援会に収支は発生しません。前夜祭についても、ホテルが領収書を出し、そしてそこで入ったお金をそのままホテルに渡していれば、収支は発生しないわけでありますから、政治資金規正法上の違反にはまったく当たらないということであります。その際、事務所の者がそこで受付をするということは、これは問題ないということでございます」
これは本当でしょうか。
「夕食会」について確定している「事実」
まず、「安倍晋三後援会(複数の後援会が存在しますがそれらを総称して)に収支は発生していない」という点を考えます。本年の「夕食会」について、確定している「事実」は以下の通りです。
(1) 2019年2月 安倍晋三事務所から後援会員に、「桜を見る会」の申込案内が出された(締切2月20日締切)。この案内には4月20日19時よりホテルニューオータニの鳳凰の間で会費5000円で夕食会が開かれる事が明記され、会費は当日会場で払う事となっていた。
(2)2019年4月20日 推定800人参加で夕食会が開催された(部屋は「鶴の間」に変更された。「鳳凰の間」は立食500人なので、人数が増え立食800人の「鶴の間(東)」に変更されたと思われる。こちらを参照)。
さらに総理は11月18日、記者から問われて、夕食会の総額を示す明細書はないと答えています。(朝日新聞デジタル2019年11月18日)
総理の説明から「推定」した「事実関係」
これらの「事実」と安倍総理の説明に従って「事実関係」を「推定」すると、以下の通りとなります。
まず、(1)についてです。
12019年2月にニューオータニと安倍晋三事務所との間で「1人5000円」という値段がニューオータニの提示で決まった。
2この時、ニューオータニと安倍晋三事務所は「総額」を固定せず、「費用は5000円×来場者」と定めた(「総額」を固定すると、見込み人数と実人数が食い違った時に安倍晋三後援会に収支が発生します)。この取り決めについて、文書が作成されたか否かは不明。
3手付等がまったく支払われないまま、ニューオータニは「鳳凰の間」をおさえた(手付等を支払うと安倍晋三後援会に収支が発生します)。
4その後、参加見込み人数が増えたため、ニューオータニは会場を「鳳凰の間」から「鶴の間(東)」に変更し、やはり全く手付等が支払われないまま「鶴の間(東)」をおさえた(手付等を支払うと安倍晋三後援会に収支が発生します)。
次に(2)についてです。
12019年4月20日、「夕食会」開催前に、ニューオータニは、代金を1円も受け取っていないにもかかわらず(見込みで代金を支払っていたなら安倍晋三後援会に収支が発生します)、来場見込みの800人+α分の、1枚5000円で宛名が白紙のニューオータニ名義の領収書を安倍晋三事務所職員に手交した(正確に800人と分かっているわけではないし、予備も必要です)。
2「夕食会」開始前の18時〜20時程度の間に参加者が其々1人5000円を支払って入場し、宛名が白紙のニューオータニ名義の領収書を得た。
3入場を締め切った時点で初めて全来場者数が確定し、これにより、代金総額が決まった。安倍晋三事務所職員が代金総額全額をニューオータニに支払い、これにより支払いは終了した(この時点でニューオータニの請求額と安倍晋三後援会の支払額に齟齬があると、安倍晋三後援会に収支が発生します)。
4この時、ニューオータニは、安倍晋三後援会に総額についての計算書、受取書、領収書等を一切手交しなかった。
5安倍晋三事務所職員は、余った1枚5000円で宛名が白紙の領収書を全てニューオータニに返還した(すべて返還しないと脱税に用いられる恐れがあります)。
「推定される事実関係」の不自然な点
この「推定される事実関係」には、普通に考えて、極めて不自然な点が複数あります。
まず、(1)の1ですが、通常ホテルのパーティーコースは複数あり、ホテルは当然それなりの利幅のものをやろうとしますから、「1人5000円」という、後述する通り、仮に可能であったとしても、採算ラインぎりぎりか採算割れになることが必至の値段を提示するのは、考えづらいといえます。
(1)の2も、総額を固定しないホテルのパーティープランは通常考え難いものです(追加料金等の取り決めはありうるとして)。
さらに(1)の3も、800人×5000円は400万円であり、400万円ものパーティーについて手付等が一切ないことは通常、めったにありません。
(1)については、まだ程度問題ですが、(2)の1に関していえば、代金を1円も受け取っていないのに、400万円分もの宛名が白紙の領収書を渡すということは、ほとんどありえないというほど考え難く、ニューオータニがこの様な対応をしていたなら、ニューオータニのコンプライアンス上、いかがなものかと思われます(より詳しくは郷原信郎弁護士の解説参照)。
(2)の4に至っては、ニューオータニのようなホテルが、400万円もの現金を受け取って、計算書、受取書、領収書を一切交付しないという事は社会通念上、極めて考えづらく、これが「真実」であると信ずる人はいないと言って過言ではないでしょう。
もちろん上記の「推定される事実関係」の不自然さは、あくまで不自然さに過ぎず、安倍総理があくまでこの「推定される事実関係」が真実だと主張し続けるなら(主張し続けるのでしょう)、捜査権のない私や国民が、なにかできるわけではありません。とはいえ、通常行われている商取引と比較して、上記の「推定される事実関係」はあまりに不自然かつ不合理な点が多く、それが「真実でないのではないか」という疑念は消えません。
総理にとって「不都合な真実」とは
一方で、こうした疑念を安倍総理がはらすことは、極めて簡単です。
もし上記の「推定される事実関係」が真実なら、通常は(1)の2の時点で見積書・契約書が作成されるか、(2)の4の時点で、総理は受け取っていないと言っていますが、万が一、仮に本当にそれが事実であったとしても、少なくともニューオータニの側では「総額」を計算しているはずであり(400万円ものお金を受け取って、何の計算もしていないとはおよそ考えられません)、総理が求めれば、計算書、受取書、領収書等、何らかの形で総額を示す書面を得る事は容易で(ニューオータニにとっては何程の手間でもありません)、総理がこれを取得して公開すれば、いとも簡単に「推定される事実関係」が「真実」であると証明することができるのです。
にもかかわらず、安倍総理は今に至ってもそれを行っていません。その理由は何か?
考えられることは二つ。(A)そもそも安倍総理の説明自体が「真実」でない。(B)上記の説明自体は真実で、従って(1)の2、(2)の4の書類は存在するか、少なくともそれを取得する事は可能だが、これを公開すると、そこには、より一層「不都合な真実」が記載されている――です。
そして、(1)の2もしくは(2)の4に記載されているであろう「不都合な真実」が、話題となっている「ニューオータニで1人5000円のパーティーが可能か」なのです。
(1)の2、もしくは(2)の4でこの夕食会の総額と人数が確定すると、そこから1人当たりにかかった「実費用」が計算されます。もしこれが5000円を超えると、公職選挙法199条の2の「寄附」に該当し、一年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金となってしまうのです。
極めて難しい1人5000円のパーティー
それでは、実際に「ニューオータニで1人5000円のパーティー」は可能でしょうか。この「1人5000円パーティー問題」については、立憲民主党の石川大我参議院議員が自らの事務所の宴会としてニューオータニに見積もりを依頼し、1万3127円との回答を得たと報告(石川大我議員のツイッター)しています。
パーティーの料金はオプションの付け方によってもかわるので、この1万3127円という見積もりの値段が安倍総理の「夕食会」にそのまま当てはまるとは言えませんが、ほぼ間違いなく当てはまると考えられる項目が二つあります。それは、「ビール・ソフトドリンク」の1人1800円、室料275万円を800人で割った1人3438円です(実際に使われた「鶴の間東」と同程度の広さの「芙蓉の間東中」の室料。同じ部屋ではありませんが、室料はほぼ広さに比例します。こちらを参照)
私自身、落選中何度もこの手のパーティーを行い、自分自身でホテル担当者と交渉しているのでよくわかりますが、ホテルは食事の値段については、官邸幹部が主張するように、「唐揚げを増やし」たり、究極「乾いたチーズとサキイカと柿ピーナッツだけを出す」などして比較的柔軟(?)に対応してくれるのですが、アルコール代と会場費だけは、まず値引きしてくれません(より正確には、食事代等でアルコール代と会場費を大幅に上回れば総額での値引きもありえますが、アルコール代と会場費を足した金額より値引くことはまずありません)。
この二つを足すと1人5238円となり、それだけで5000円をオーバーしてしまいます。従って、いかに唐揚げを増やす“努力”をしても、食事代が上がるだけ。ホテル・ニューオータニで、1人5000円でパーティーを行うことは実際問題、極めて困難だと思われます。
安倍総理には疑いをはらす義務がある
これについても、安倍総理があくまで「これが真実だ」と主張し続けるなら(主張し続けるんでしょう)、捜査権のない私や国民が、なにかできるわけではありません。しかし、いくら首相が主張し続けたところで、アルコール代と会場費だけで5000円を超えてしまう会場で、出席者が「盛大なパーティー」「料理は結構出ました」(デジタル毎日2019年11月14日)と記載するようなパーティーを開催している以上、その経費は実のところ1人5000円を超えていたのではないかと言う疑念は消えません。
この疑念を安倍総理が晴らすこともまた、上記の通り極めて簡単で 、(1)の2の見積書・契約書、 (2)の4の計算書、受取書、領収書を、万が一仮に本当に受け取っていないなら、今からでもニューオータニから取得して公開すればいいことですが、総理は今に至ってもそれを行っていません。なぜか。これを説明する答えはただ一つ、「『1人5000円のパーティー』は事実ではなく、(1)の2もしくは(2)の4の書類には、これと異なる事実が記載されている(記載される事になる)」しか考えられません。
繰り返しますが、「安倍晋三後援会に収支が発生していた」も「夕食会の経費は1人5000円を超えていた」も、私が提起できるのはあくまで「疑念」であって、それを立証することはできません。しかし、民主主義国家においては、為政者は国民から選ばれたことによって正当性を持つのであり、国民の疑念に対しては、適切に説明する義務があります。
しかも、上記の通り、この「疑念」は社会通念上ごく自然なものであると同時に、総理の主張が真実であるなら、極めて簡単にこれをはらすことができるものです。私は、総理が自らの主張が「真実」であると主張するなら、早期に上記の証拠をもってその疑いをはらす義務があると思います。
「夕食会」が明らかにした最大の問題
にもかかわらず、今に至るまで安倍総理はこれを行わず、与党自民党もまた、本件については安倍総理の国会での集中審議を拒否する意向と報じられています。それどころか上記の通り安倍総理は、この「夕食会」において、総額を示す明細書等は一切ないという社会通念上およそ真実とは信じがたい主張を堂々と行っています。
それはすなわち、安倍総理にも与党自民党にも、国民の疑念に対して説明義務を果たす意思がないどころか、自らのつじつま合わせの為には、どれほど社会通念上およそ信じがたく、合理性・信ぴょう性が一切ない主張をしても問題ないと思っているということです。それは、彼らにとって「為政者は国民から選ばれたことによって正当性を持つ」のではなく、「為政者は、為政者ゆえに正当性を持つのであり、説明どころか、主張の合理性・信ぴょう性すら不要である」と考えている証左であるように、私には思えます。
そして私は、「1人5000円」が真実でないなら公職選挙法違反であり大問題であることはもちろんですが、それと同時に、この「為政者は国民から選ばれたことによって正当性を持つ」という意識の欠如こそが、「桜を見る会」の前夜に行われた安倍晋三後援会の「夕食会」で明らかになった最大の問題であると、思います。 ・・・ 
丁寧に説明するほど疑惑増す「安倍首相の逆説」  11/18
安倍晋三首相が「桜を見る会」で追い込まれている。
税金が使われる公的行事に後援会メンバーを大量に招き「私物化」を図っているとの批判が吹き荒れているのだ。事態を重く見た安倍氏は、自らマスコミの前で丁寧に説明する手段に打って出た。しかし、その手法は安倍氏にとっては「鬼門」でもある。
2006年からの第1次安倍政権では、まさに記者団との質疑に丁寧に応じた結果、支持が右肩下がりになり、短期政権で終わってしまった苦い過去があるからだ。
15日午後6時21分。安倍氏は首相官邸の執務室を出て記者団の前に現れた。「桜を見る会」への対応、そして中国で拘束された大学教授が解放されたのを受けて記者団がコメントを求めたのに応じた形だ。
冒頭、「教授の解放」と「桜を見る会」の2問質問すると、安倍氏は「まず『桜を見る会』について答えます」と前置きした上で、とうとうと語り始めた。記者から問われた2問のうち、大学教授の解放については、答えやすい質問。それよりも先に「桜を見る会」について語り始めたのは「まず面倒なものを先にかたづけよう」という思いがのぞいた。
「桜を見る会」を巡っては、前日に後援会メンバーを集めて都内のホテルで行われた「前夜祭」の参加費が「5000円」と安い設定になっていたことから安倍氏側が穴埋めしたのではないか、という疑念が持たれている。
安倍氏は「きょう(15日)、事務所から詳細に報告を受けた」と前置きしたうえで「旅費、宿泊費等の全ての費用は参加者の自己負担で支払われた」と言い切った。
旅費、宿泊費は個々が旅行業者に支払い、「前夜祭」の5000円は会場入り口でいったん安倍事務所のスタッフが集金したがその場でホテル側に渡したという。要するに安倍晋三後援会の収支はなく、公職選挙法上も政治資金規正法上も問題はないという主張である。
また「桜を見る会」の参加者を推薦していたかどうかについては「総理、副総理、官房長官、副長官が推薦をする長年の慣行があり、基準があいまいでプロセスが不透明だという指摘があった。そこは反省して、見直しを行いたい」と語った。安倍氏としては、現段階で自分に向けられた疑問をできるだけ丁寧に答えたつもりなのだろう。
それにしても、この日の光景は異例だった。内閣記者会が安倍氏にインタビューを求めることはままあるが、安倍氏が応じることは少ない。北朝鮮のミサイル発射や閣僚の辞任といった事態になった時は応じるが、安倍氏は、あらかじめ準備していたコメントを読み上げて、記者からの質問は受けずに引き返すというパターンが続く。
ところが、この日は約30問にわたって記者団の質問に応じた。計21分に及ぶ。記者団から「改めて記者会見を開く考えはあるのか」と聞かれると「もし質問するなら、今されたほうがいいと思います。今、してください」と促した。
報道各社の首相担当は年少の記者が務めることが多い。昼夜首相をウオッチする激務だが、実際に首相と会話をする機会はほとんどなない。この日のインタビューで初めて安倍氏とやりとりをした若い記者もいたのかもしれない。
驚くことに、この日は昼にも一度目の記者インタビューに応じている。この時は1分足らずで打ち切っているが、それでも2問の追加質問を受けている。
「質問するなら今」という発言を含めて考えると、とにかく疑惑追及を打ち止めにしようという執念が感じ取れる。
「1日に2回の記者インタビュー」といえば、2001年から2006年まで首相を務めた小泉純一郎氏も、在任中は1日2回の記者インタビューに応じた。小泉氏は、硬軟とりまぜた質問に、時には舌鋒鋭く、時にはユーモアを交えて短いコメントを発し続けた。「失言」と批判されることもあったが、総じてテレビの報道番組などが優先的に報道して政権アピールには有効だった。
その後、2006年に首相に就任した安倍氏も小泉氏と同じ手法を取った。しかし当時52歳の安倍氏は小泉氏のような経験は乏しかった。コメントは面白くなく、カメラ目線で語ると「気持ち悪い」、カメラから目をそらすと「目が泳いでいる」と批判を受けた。
極め付きは同年末のやりとりだ。記者から「首相にとって今年の1文字は」と聞かれて「それは……『責任』ですね」と「字余り」で回答。「アドリブが利かず、質問の意図も理解できない。総理の資質を欠く」というイメージが定着してしまった。1年足らずで首相官邸を去る遠因のひとつとなったと言ってもいい。
2012年、首相に復帰した安倍氏は、過去の反省から、定例の記者インタビューに応じないようになった。それが7年に及ぶ長期政権につながったとみることもできるのだ。
自ら禁を破って記者インタビューを「解禁」した安倍氏。マスコミを通じて直接国民に語りかけることは悪いことではない。しかし、語れば語るほど後から説明がつかなくなる危険があるのは言うまでもない。
15日、20分以上に及ぶインタビューでも野党側から寄せられている「『桜を見る会』の参加条件に『功績・功労』があるかどうか」「安倍事務所が紹介して内閣府が却下した例はあるか」など、安倍氏が答えなかった質問には答えていない。安倍氏の思惑通り、この問題を打ち切ることはできない。
説明責任を果たす姿勢を見せれば見せるほど、説明すべきことが増えてしまい、結果として墓穴を掘ることもある。そのことは12年前、安倍氏自身が証明しているのだ。
「案の定」といおうか安倍氏は週をまたいで18日にも記者団の前に立ち、改めて公職選挙法や政治資金規正法に違反するようなことはないと釈明。その一方で「前夜祭」の経費の総額を示す明細書や、自身の後援会や事務所が発行した領収書は残っていないと説明した。
野党側はこれに一斉に反発しており、安倍氏はさらに説明に追われることになるだろう。
読売新聞が15日から17日に行った世論調査で、内閣支持率は前回調査と比べて6ポイント下落、49%で9カ月ぶりに5割を下回った。桂太郎を抜いて首相在任日数が憲政史上最長になろうとしている安倍氏は世論の動向をにらみながら「説明責任」に悩まされ続けることになる。 
「桜を見る会」批判があまりに的外れな理由 11/18
野党は、今年4月に安倍総理が主催した「桜を見る会」について、税金の私物化だと追及する動きを強めている。と思っていたら、菅官房長官は13日の記者会見で、招待者の基準の明確化など全般的な見直しを検討するとして、来年の開催を中止することを発表した。野党が追及チームを立ち上げようとした矢先、安倍政権のリスク管理で機先を制する形になった。
それでも野党は、桜を見る会の前日に行われた「前夜祭」について、「会費5000円は安すぎる」「政治収支報告書に記載されていないのはおかしい」などと批判している。
どこまでも「疑惑あり」という野党の印象操作の感がある。15日の安倍首相による会見を聞くまでもなく、ホテルと交渉することを考えれば、5000円の会費は異常な廉価ともいえないし、ホテル代や交通費などで安倍事務所側の負担がないなら、収支報告書に記載する意味も乏しい。
ネット上では、沢尻エリカ容疑者の逮捕を受けて、「政府が問題を起こすと芸能人が逮捕される」と言う芸能人まで出てきたが、これが「問題」と言うべきかというそもそも論があるうえ、政治については常に野党が「政府与党の問題」に仕立てたいと奮闘しているし、一方で芸能人の逮捕は毎月のように起きているので、両者の間に因果関係があるという主張は無理があろう。
「桜を見る会」は、1952年から、例年4月に新宿御苑で行われる内閣総理大臣主催の公的行事である。その前身は、天皇主催で1881年から開催されていた観桜会だ。現在の「桜を見る会」は、総理が各界において功績、功労のあった方々を招き、日頃の慰労をするとともに、親しく懇談するための内閣の公的行事として開催しているものだ。
もちろん、民主党政権の時も行われている。これを批判し報道しているマスコミ関係者も数多く参加してきた。
実は筆者は「桜を見る会」に参加したことがないが、参加者に聞くと、食べ物などのお土産が出るという。しかし、費用はせいぜい1000円程度だろう。
今年は、1・8万人が参加し、予算は総額5500万円という。一人当たり3000円程度だ。予算の多くは警備や会場費用に当てられるので、お土産代1000円というのは社会的儀礼の範囲だ。地元の後援会の人を招いたというが、交通費はそれぞれが負担すれば法的な問題はない。
筆者のように数字ばかり見る人間にとって、5500万円の予算を野党が一斉に「税金の無駄遣い」と非難するのは、会計の重要性原則からみれば的外れだ。
会計の重要性原則には、質的なものと量的なものがある。質的には問題となりうるが、「桜を見る会」にはこれまで60回以上平穏に開催されてきたという過去の実績もある。
量的には、国家予算100兆円の僅か0.00005%にすぎない。この程度の金額は、先日森ゆうこ議員が国会での質問通告を遅れさせ、霞が関官僚が残業せざるを得なくなったために被った1日の無駄金と同じだ。質問通告の時間厳守を維新の会のようにルール化すれば、国会会期が150日とすると、こちらのほうが100倍以上も有益だ。
ただし、前身の観桜会を含めれば130年以上も続いた歴史的伝統行事として、「桜を見る会」を国民が受け入れているかどうかがポイントである。
招待客には、政治家向けに一定の枠も設けられていたようであり、時代にふさわしいように再来年から簡素化・廃止という選択肢もあり得るが、ここは招待者の選定基準をしっかり見直し、歴史と伝統を受け継いでもらいたい。
この意味で、官房長官が記者会見で述べた招待客基準の見直しなどの対応は、時宜を得たものである。ここで一度立ち止まって原点に帰り、杜撰な運営を改めるほうがいい。
筆者が関係者に聞くと、招待客の入場時にはきちんとした身元確認もなされていないという。これは、セキュリティの観点からも問題がある。これでは、仮に招待者リストがでてきても、それが実際の入場者には必ずしも一致しないわけだ。
なにより、こうした問題で国会の時間が費やされるのは国民にとって好ましくない。
さらに、実は筆者らにとっても、今回の決定は朗報だ。最近の本コラムで、筆者は森ゆうこ議員ら(国民民主党)のとんでもない国会質疑と、原英史氏の自宅住所を公開するなどの暴走について書いている。そのたびに原氏らは抗議しているが、謝罪もない。「桜を見る会」への追及によって、森議員の問題がフェードアウトするおそれもある。
こうした点から、森議員らの「逃げ得」を許さないためにも、今回の「桜を見る会」の見直しはいいタイミングであると思う。
今国会では、補正予算など国民生活に直結した緊急課題をもっと議論してほしい。筆者は、野党がマイナス金利を利用して「100兆円基金」を提案し、インフラ整備や研究開発投資などを主張してくれたら評価するが、そうした議論が行われないことに落胆していた。すると、11月7日の参議院財政金融委員会で、渡辺喜美議員の質疑があった。このような議論を今国会でもっと広げるべきだ。
渡辺議員の質疑をインターネット動画から再現すると、重要な箇所は以下の2つだ。まずはマイナス金利の活用である。
「 ○渡辺喜美君 例えば、この前首里城が焼けましたけれども、例えば8年国債、8年債を出すと、これ11月1日現在、ちょっと古いんですけれども、マイナス0・3%ですね、8年債はね。で、仮にゼロクーポンとすると、これを1兆円出すと、発行収入は、8年間ですから8、3、24、240億円、1兆240億円。このうち1兆円を8年間塩漬けにして8年後の償還財源とすると、首里城再建に240億円の財源ができてしまうということですよ。こういう具合に、国債発行が将来のツケにならないどころか、今現在の世代のギフトになるということがあるんですね。・・・ (中略)いまだに2%が達成されていないのは、もうはっきり言って増税のせいですよ、これは。だから、もうこれは補正予算でもって、まず国債発行枠、授権枠を広げると。後はマーケット相手にやればいいじゃないですか。どうですか、大臣、補正予算。
○国務大臣(麻生太郎君) 御意見として伺っておきます。 」
つまり麻生大臣は、マイナス金利で国債発行すると首里城再建の財源作りになるという具体例まで出し、ゼロ金利まで国債を無制限発行するという渡辺議員の提案について「意見として聞いておく」と発言せざるを得なかった。この答弁はつまり、「ロジカルには渡辺議員の意見を否定できないが、今は勘弁してくれ」という意味だ。政府への攻めどころである。
本来であれば、日銀はもっとマイナス金利のメリットを政府に説明すべきだ。しかし、財務省出身の黒田総裁は積極的でなく、むしろ消極的にすら見える。2017年11月のスイスでの講演で黒田総裁は、金利の引き下げは金融機関収益に問題を与えるので引き下げには下限があるとする「リバーサル・レート論」を引き合いに出したのだ。
この理論は、筆者から見れば、マイナス金利でも国債増発しない財務省のような非合理的主体の存在を前提としているようだ。そうした非合理性がなければ、そもそも金利がマイナスになりにくい。マイナス金利なら、国債増発を財務省にやらせた上で、こうした新理論を議論すべきではないか。
なお、このマイナス金利の手法は地方創生のためにも活用できる。地方自治体は、財政投融資制度を使って国から借入をできる。その際、国から地方自治体への貸出金利は財務大臣が決める。
財政投融資制度で国は儲ける必要はないので、この貸出金利は調達金利と同じである。国は財政投融資資金を財投債という国債で調達できるので、地方自治体への貸出金利はマイナスにしてもいいはずだ。そうすれば、マイナス金利のメリットを地方自治体も享受でき、地方創生の助けにもなる。
国から地方自治体への貸付枠は、特別会計予算の予算総則19条に定められている。今年度は2・9兆円だ。ただし弾力条項があるので、補正予算なしでその半額の1.4兆円までは増額できる。いうなれば、財務大臣が国から地方自治体への貸付金利をマイナス(財投債金利と同じ)にすれば、すぐにも地方自治体はマイナス金利のメリットを受けられる。
もっとも、今国会で折角補正予算を出すのであれば、この際、特別会計予算の予算総則も見直して、50兆円程度の枠を設定し地方創生に充てたらいいだろう。
財務省は「マイナス金利の貸付は法的にできない」と詭弁を弄して抵抗するだろうが、筆者は大蔵省時代に、今の財政制度の制度設計をした経験がある。
そのときには「中興の祖」といわれたものだが、その筆者からみれば、調達金利と貸付金利を同じにするというのは伝統的に財政投融資がやってきた手法であり、この手法を継続するのは法律上もまったく問題ない。
次は、今の公共事業採択時の割引率の問題だ。再び渡辺議員の質問を見てみよう。
「 ○渡辺喜美君 国交省に聞きますけど、何でこんな御時世に、金利がマイナスなのに、BバイCの割引率は4%なんですか、教えてください。
○政府参考人(東川直正君) 事業評価におきます費用便益分析につきましては、外部有識者会議での議論を踏まえまして、公共事業評価の費用便益分析に関する技術指針を平成16年2月に国土交通省が策定しております。議員御指摘の社会的割引率の設定を含む国土交通省における統一的な取扱いを定めさせていただいているところでございます。その指針の中におきましては、社会的割引率でございますけれども、10年物の国債の実質利回りや海外の費用便益分析における設定状況などを勘案して、全事業統一的に4%と設定したところでございます。
○渡辺喜美君 あのね、国交省の資料は、当然これは公開されていますから、私も見ましたよ。4%の根拠、何て書いてあるかというと、国債の実質利回りが参考値として用いられていると。国債の実質利回りというのは、10年物とすれば、名目利回りからGDPデフレーターを割り戻した後の数字ですよ。これ、いつ頃の資料だって、見たら、これ平成14年頃、今から15、6年前じゃないですか。今、数字はどうなるんですかって聞いているんですよ、私は。4%ってあり得ないでしょう。いかがですか。
○政府参考人(東川直正君) 社会的割引率を4%と設定いたしましたのは平成16年のマニュアルでございまして、その際には14年から16年の時点での議論をしたところでございます。最近、学識経験者の方からは、4%は実質金利と懸け離れているために実態と合っていないのではないかという意見もある一方で、割引率を変えると過去の事業との比較ができなくなるというような意見もあるところ、様々な意見があるところでございます。社会的割引率の妥当性につきましては、学識経験者などで構成される公共事業評価手法研究委員会などにおきまして今後も引き続き議論してまいりたいと考えております。 」
これもいい質疑だ。渡辺議員が公共事業のB/C(費用便益分析)の割引率4%問題を指摘したら、国交省は「15年ほど見直していないが、有識者で議論する」と言わざるを得なかった。
先日の本コラムでも指摘したように、割引率4%は今の金利環境では高すぎて、日本の公共投資を過小にしてきた。まともに見直すと、採択可能な公共事業は今の3倍以上に増えるだろう。これは、ここ数年間6兆円程度で推移してきた建設国債について、20兆円以上は発行できることを意味する。
建設国債とは、財政法4条1項の但し書きの規定により発行される国債だ。その上限枠は、毎年の一般会計予算の予算総則6条に定められている。
B/Cの割引率を見直すことによって、公共事業の採択が増えたら、その分の建設国債を発行できる。そのためには、一般会計予算の予算総則6条を見直す必要がある。是非とも、今国会で予定されている補正予算に取り込んでもらいたい。
さらに、マイナス金利を生かして、マイナス金利部分だけの利益を受けるのもいいが、折角のチャンスであるので、インフラ整備や研究開発投資のために100兆円程度の基金を設けるのも、将来投資となるので日本経済のためには時宜を得た政策だ。
ちなみに、これまでの話は最近はやりのMMT(現代貨幣理論)とは無関係だ。一部の野党でMMT(現代貨幣理論)がもてはやされているが、その思想を説明するよりも、実務的にはロジカルに割引率を見直した方が、公共事業の拡充には早道である。
この割引率問題を直さずにMMTなどの思想に走るのは、本質からズレているといわざるを得ない。MMT思想をいくら主張しても、実務においては割引率を是正しないと公共事業を行うことはできないのが真相だ。 
「桜を見る会」批判〜これで「解散総選挙」に追い込むほどの問題か 11/18
総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐって安倍総理は15日、前日夜の懇親会や旅費などのすべての費用は参加者の自己負担であり、自らの事務所や後援会の収支はないことを確認したとして、政治資金規正法違反には当たらないという認識を示した。これに対して野党は衆参両院の予算委員会を開き、総理が質疑に応じるよう求めている。
飯田)異例の21分間にわたる説明、という速報も流れました。そのものの議論ではなくなって来ていますよね。
須田)「桜を見る会」に関して言うと、私も招待を受けて出席したことがあるので、公正中立な立場ではないと思いますので。
飯田)それを言ったら、メディアの幹部たちはみんな行っていますからね。
須田)この是非については発言を避けたいのですが、小泉政権、鳩山政権でも招待状を貰いました。小泉政権のときに出席させていただいた立場から言うと、こういった会があってもいいのではないかと思います。ただ今回、問題になっているのは会そのものではなくて、前段にあった前夜祭と称するイベントです。これに対して、支払った金額以上のサービスがあったのかということが焦点になっていますが、そうなると後援会活動がどうなのか、与野党含め他の議員も検証してみないと、公平さを欠くと思います。「総理だから問題なのだ」という主張になっていますよね。加えて、立憲民主党の枝野代表はこれで解散総選挙に追い込むのだと息巻いていますが、その際の争点は何になるのでしょうか。
飯田)後援会活動をしてはいけないということになると、今度はあなたたちも困ってしまいますがいいのですか、ということになってしまいますね。
須田)政治センスがないな、と思います。多くの有権者や国民は、「いまそんなことをやっている場合か」と思っているでしょう。日本を取り巻く国際環境においても、いろいろな問題が山積していて、国内においても大学入試の問題も話題から飛んでしまいました。場合によっては民主党政権に跳ね返って来かねない問題だということもあるのかも知れません。いま抱えている問題を国会で議論して、問題解決を図るべきだというのが多くの国民の声ではないでしょうか。 
「沢尻エリカ逮捕は桜を見る会から目を逸らすため」という陰謀論 11/19
安倍晋三首相の主催による「桜を見る会」に関するニュースが連日、報じられてきた。今年の同会前日、地元有権者らを招いた夕食会が開かれたが、開催場所となったホテルニューオータニのグレードや宿泊費などを鑑みると「会費5000円」で到底賄える額ではなく、安倍首相の事務所や後援会がその差額を負担したのでは、という疑惑が浮上しているためだ。
公職選挙法違反や政治資金規正法違反に該当する可能性を追及され、安倍首相は18日の会見で疑惑を否定。「桜を見る会の前日の夕食パーティーについて、事務所も後援会にも一切入金はありません」としたものの、「(事務所は)領収書を発行していないし受け取りもない」と開き直り、同会の経費が書かれた明細書もないという。この杜撰な説明で、騒動が収束するわけがないだろう。
さて、この「桜を見る会」問題で国会が揺れる中、女優の沢尻エリカが合成麻薬MDMAを所持していたとして麻薬取締法違反の疑いで逮捕されたことを受け、タレントのラサール石井がTwitterでこうつぶやき、拡散された。
<まただよ。政府が問題を起こし、マスコミがネタにし始めると芸能人が逮捕される。これもう冗談じゃなく、次期逮捕予定者リストがあって、誰かがゴーサイン出してるでしょ>
つまり、自民党に不利益なことが事件が起きると、世間の関心を逸らすために有名人を逮捕する“工作”が行われている……という指摘だ。Twitterではそれに同調する声も多かった。
たとえば2016年1月、甘利明元経済再生担当相が千葉県の建設業者から口利きの見返りとして現金を受け取るも、政治資金収支報告書に記載していなかった疑惑が浮上した際、元プロ野球選手の清原和博が覚せい剤取締法違反の容疑で逮捕された。また今年2月、自民党の悲願である米軍普天間飛行場の辺野古移設を問う県民投票が開かれ反対が約7割に達したが、3月にピエール瀧が麻薬取締法違反で逮捕された。こうしたことから、自民党に悪い風が吹くと著名人が逮捕されるという“陰謀論”を唱える声がある。
現在の安倍一強長期政権において、マスコミや官僚の忖度が目に余ることは確かだ。しかし「政局に合わせてタイミングよく著名人を逮捕すること」もしもそれが可能で実行されているとしたら、この国の公権力は一切合切信用できないものになってしまう。そして裏付けなしに“陰謀論”を唱えることは、リベラル界隈の知識人の信用を下げてしまいかねない。
なによりラサール石井のツイートは沢尻が逮捕されたニュースと同じように“芸能ニュース”として消費されており、ラサール石井自身が桜を見る会問題の論点をズラすことに貢献してしまっているのではないか。これは皮肉な話だ。ラサール石井や追随する人々へのバッシングと嘲笑も激しい。
一方で前述したようにマスコミから政権への忖度があることは見逃せない。テレビや新聞をはじめとしたマスメディアは、沢尻エリカ容疑者について報じる以上に、「桜を見る会」の疑惑追及を止めてはいけないはずだ。 
 11/19

 

桜を見る会 前夜祭問題 明細書は誰に ホテル各社に聞いてみた  11/19
「桜を見る会」の前日に安倍総理大臣の後援会が開いていた「前夜祭」をめぐる問題。野党は「明細書がないなんて戦後日本で聞いたことがない」などと徹底的に調査する構えを見せています。そもそもホテルで開かれるパーティーはどのような仕組みになっているのでしょうか? 都内のホテル各社に聞いてみました。
野党が追及を強めている桜を見る会の「前夜祭」。この「前夜祭」について安倍総理大臣は今月15日と18日、3回にわたって説明しています。
それによりますと「前夜祭」の出席者はおよそ800人。会費については「5000円という会費は大多数がホテルの宿泊者という事情などを踏まえ、ホテル側が設定した価格だ」と説明しています。
そして支払い方法については「費用は会場の入り口の受け付けで安倍事務所の職員が1人5000円を集金しホテル名義の領収書をその場で手交した。受け付け終了後に、集金したすべての現金をその場でホテル側に渡すという形で、参加者からホテル側への支払いがなされた」と説明しました。
安倍総理大臣は「前夜祭」の代金は政治団体である「安倍晋三後援会」が支払ったのではなく、あくまで参加者個人がホテル側に支払う形になっていたと説明。事務所や後援会の収支は一切なく、政治資金収支報告書に記載する義務はないとしています。
そしてパーティー代金などの総額が記された明細書についても「事務所に確認しているがそうしたものはない」と説明しました。
安倍総理大臣のこうした説明に3年連続で会場となった「ホテルニューオータニ」は会費の設定やパーティー代金の支払い方法などについていずれも「一概には申し上げられません」などと回答しています。
そもそもホテルで開かれるパーティーは一般的にどのような仕組みになっているのでしょうか? NHKは過去に国会議員の政治資金パーティーなどが開かれている都内の別の5つのホテルに取材しました。
まず数百人規模のパーティーの代金を参加者個人がホテル側に支払うことはあるのか尋ねました。
すると5つのホテルはいずれも「原則として代金は主催者からまとめて支払いを受けます」と回答しました。
このうち「帝国ホテル」は「ホテルが主催するパーティーの場合は参加者個人が代金を支払うことができますが、それ以外は主催者にまとめて支払っていただきます」と説明。
「オークラ東京」は「パーティーの代金は計算ミスなどのトラブルを防ぐため必ず主催者側に総額の明細書を発行し、まとめて支払いを受けます」と説明しています。
次にパーティー代金の支払いが終わる前にホテル側が参加者に領収書を発行することはあるのか聞きました。
これについて5つのホテルとも「ありません」と答えました。
このうち「ANAインターコンチネンタルホテル東京」は「参加人数が分からない段階で領収書を発行することは通常、ありません」と回答。
「オークラ東京」は「領収書はパーティーが終了し、明細書とのそごがないことを確認してから発行します。金額が確定していない段階で領収書を出すのは経理の原則としてありえません」と説明しました。
ホテル側が発行するパーティーの明細書についても聞きました。
5つのホテルはいずれも「パーティーについては原則として主催者側に明細書を発行します」と答えました。そして主催者側が明細書を紛失した場合もいずれも「再発行は可能です」と回答しました。
「ANAインターコンチネンタルホテル東京」は「明細書の保存期限は社内規定で7年程度となっていて履歴も残っているので、ご要望があれば過去にさかのぼって発行することが可能です」と回答。
「帝国ホテル」は「保存期限は7年間で主催者側から要請があり、本人確認ができれば可能です」と説明しています。 
「桜を見る会」問題は、政治家が国民を信頼していない証拠である理由 11/19
安倍晋三首相が国家予算を使って毎年開催してきた「桜を見る会」について、政府は来年度の開催を中止すると決定した。安倍首相や自民党議員の地元支持者が多数招待されて、規模が年々拡大してきた「私物化」が問題となっている。
首相は、中止を決断することで幕引きを図りたい考えだったが、立憲民主党の安住淳国対委員長は「むしろ非を認めたということなので徹底的にやらせていただきます」と発言し、野党はさらに首相を追及する方針だ。
筆者が、政治を論じる際に気を遣ってきたことは、主観的な思い込みと感情論を避けることだ。例えば、よく「まず政治家が身を切るべきだ」といわれる。無駄の削減や増税による財政再建など、国民に痛みを強いる政策を実行する場合には、まず政治家自らが痛みを感じるべきだという主張だ。
しかし、実際には財政再建と国会議員の定数削減には何も関連性がない。例えば、2012年に野田佳彦政権が消費増税を決めた際に「衆院比例代表の定数を80減らす」という提案をした。だが、それを実行しても年間30億〜50億円程度の節減に過ぎない。国家予算の一般会計約100兆円に対して、何のインパクトもないのだ。
「桜を見る会」については、高橋洋一氏が主観、感情論抜きの冷静な計算をしている(高橋洋一の霞が関ウォッチ 「中止決定の『桜を見る会』 会計の重要性原則から見ると」J-CAST NEWS)。「桜を見る会」の予算は5500万円で、今年の参加者は1.8万人なので、1人当たりの予算は3000円程度となる。そこから、警備や会場費用を引けば、1人当たりの食べ物などのお土産は、せいぜい1000円程度だ。高橋氏は、これを「社会儀礼の範囲内」だとする。
また、高橋氏は、国家予算100兆円のわずか0.00005%にすぎない5500万円の予算を野党が一斉に「税金の無駄遣い」と非難するのは、会計の重要性原則からみれば的外れだという。筆者は、高橋氏に同意する。
一方、「桜を見る会」に安倍首相や自民党議員の後援者が多数招待されたことが「公私混同」だとも批判されている。特に問題視されているのが、首相が都内ホテルに自身の後援会関係者850人を招いて「前夜祭」を行ったこと、そして「桜を見る会」当日に、貸し切りバス17台に分乗して会場に向かったことだ。
安倍首相の後援会関係者は「前夜祭」の会費として5000円を払ったという。だが、ホテルのグレードや料理の質から、この金額では不可能なパーティだと疑われている。もし、会費と実際にかかった費用の差額分、当日の貸し切りバスの費用などを税金か首相のポケットマネーで補填していたら、「公職選挙法違反」の可能性がある。
ただ、本稿は「公職選挙法違反」なのかどうかを直接的に論じるつもりはない。仮に違反ではないとしても、それで収束とはいかない問題があるからだ。本稿は、「桜を見る会」が含む、日本政治のより本質的な問題を考えてみたい。
憲政史上最長の長期政権を築きつつある安倍政権を見ていて思うのは、国民をまったく信頼していないということだ。それも、反対派や野党を信頼しないだけでなく、支持者すら信じていないと感じる。
よく、「国民が政治を信頼していない」といわれる。だが、筆者は逆だと考えてきた。むしろ、「政治家が国民を全く信頼していない」のが、日本政治の特徴である。政治家は本音では、冠婚葬祭や子どもの進学・就職などに至るまで、国民からの便宜供与の要求に応えるのが面倒だと思っている。カネがかかってしまうし、汚職に走らざるを得なくなるリスクがあるからだ。
また、規制緩和・自由化、財政改革など「痛み」を伴う重要な政策を、国民が理解しようとしないことに不満を持っている。だから政治家は、利益誘導に必死になる一方で、改革をしても無駄だと思い抵抗する。腰を落ち着けて、中長期的な観点から政策に取り組もうとしなくなる。その上、国民は政治家の失言などに過敏に反応するだけで、論理的な判断ができないと思っている。
安倍首相は、06〜07年の「第1次安倍政権」時の挫折を通じて、国民に対する不信感を強めたと思われる。第1次政権時、首相は「戦後レジームからの脱却」をスローガンに、歴代自民党政権が成し遂げられなかった「教育基本法改正」「防衛庁の省昇格」「国民投票法」など、首相の考える「理想」の実現に突き進もうとした。
だが、「消えた年金」問題、閣僚の不祥事・失言など、さまざまな問題の噴出で支持率が急落し、わずか365日で退陣することになった。この苦い経験から、安倍首相は理想を掲げても国民は理解してくれない、政権を維持するには何よりも高支持率を維持することが大事だと考えるようになったようだ。
12年、第2次安倍政権が発足すると、首相は憲法改正について「私のライフワークだ。何のために政治家になったのか。何としてもやり遂げたい」と述べ、強い意欲を全く隠してこなかった。そして、その前段階として、「国家安全保障会議(日本版NSC)」の設置、「特定秘密保護法」、「安全保障法制」、「テロ等準備罪法」など、次々と保守色の強い「やりたい政策」を成立させてきた。
だが、安倍首相は、第1次政権期と違っていた。安倍政権は、国会では議論を軽視し、数の力で押し切る「強行採決」を続けてきた。ここまでは第1次政権期と同じだ。一方、国民に対して理想を正面から訴えることはしなかった。経済対策を次々に打ち出すことで支持率を維持しようとしたのだ。
安倍首相の眼には、「失われた20年」と呼ばれた長年のデフレとの戦いに疲弊し切って、「とにかく景気回復」を望んでいる国民の姿が映っていた。そして、経済さえうまく運営すれば、憲法や安全保障で保守的な政策を打ち出しても、今すぐ戦争が起こるという実感のない「平和ボケ」の国民は、問題視せずに通すだろうと考えたのだ。
アベノミクスの「第一の矢(金融緩和)」「第二の矢(公共事業)」は、本来「第三の矢(成長戦略)」が効果を発揮するまでの「時間稼ぎ」に過ぎないものだが、現在でも継続されている。安倍首相は、景気後退局面に入りそうになると、より一層の金融緩和や補正予算を打ち出すなど、「第一の矢「第二の矢」をちゅうちょなく繰り出してきた。
一方、本格的な経済回復のために必要な「第三の矢(成長戦略)」は、さまざまな業界の既得権を奪うことになる規制緩和や構造改革が中心であり、内閣支持率低下に直結する。そのため、安倍首相はできるだけ先送りしようとした。そもそも、安倍政権が「成長戦略」と考えた数々の政策は、多かれ少なかれ、端的にいえば従来型の「日本企業の競争力強化策」であり、基本的に誰も反対しない政策案の羅列でしかなかった。
もっと踏み込んでいえば、安倍首相は成長戦略を「支持率維持の道具」としか考えていないことが問題だ。たとえば、かつて経済産業相を務めた世耕弘成氏は、初入閣で経済政策通とはいえず、むしろ自民党の広報戦略を担ってきたことで知られていた政治家だった。
また、「一億総活躍担当相」に起用された経験を持つ加藤勝信氏は、「働き方改革担当相」「女性活躍担当相」「再チャレンジ担当相」「拉致問題担当相」「国土強靱化担当相」「内閣府特命担当相(少子化対策男女共同参画)」なども兼務した。まるで一貫性のなさそうなこれらの担当業務には「国民の支持を受けやすい課題」という共通点があった。つまり、加藤氏は事実上「支持率調整担当相」であり、支持率が下がりそうになったらタイミングよく国民に受ける政治課題を出していくのが真の役割だったといえる。
安倍政権の「国民不信」がもっと露骨に出たのが、選挙である。安倍政権は、12年12月衆院総選挙、13年7月参院選挙、14年12月衆院総選挙、16年7月参院選挙、17年10月衆院総選挙、19年7月参院選と国政選挙で連勝を続けた。
だが、安倍政権の選挙戦の特徴は、「アベノミクス」の成果のみをひたすら強調し、政治が取り組むべきさまざまな重要課題について、ほとんど何も語らないことであった。世論が割れがちな憲法改正や外交・安全保障、原子力発電の政策などにについて、徹底して言及を避けたのである。安倍首相は、とりあえず景気さえよくなれば重要な争点はどうでもいいじゃないかという「究極のポピュリズム選挙」を続けた。しかし、国民は容認して圧倒的多数を与え続けたのである。
ところが、安倍政権は選挙に勝利すると、手のひらを返して経済だけではなく、全ての政策について「国民の信任を受けた」と宣言した。そして、「国家安全保障会議(日本版NSC)」設置、「特定秘密保護法」「安全保障法制」などを次々と国会通過させていった。それでも国民はそれを「野党よりまだマシ」と言って、選挙で安倍政権を勝たせ続けたのである。
安倍政権は、8%から10%に税率を上げる消費増税を、2度の延期を経た後、2019年10月に実現した。国民に不人気だが重要な政策を実行したことについては、高く評価したいと思う。しかし、それから1カ月も経っていない11月に、首相は消費増税後の景気下支えを目的とする経済対策の取りまとめを指示した。約5兆円規模となる見込みで、19年度補正予算と20年度予算に盛り込まれることになる。20年度予算は前年度に引き続き総額100兆円を超えることが予想され、財政再建はますます遠ざかりそうだ。
このように、安倍政権の経済政策・安全保障政策を振り返ると、安倍首相がいかに国民に対して強い不信感を持ち、国民の機嫌を損ねないように慎重に政権運営を進めてきたかがわかる。そして重要なのは、その不信感は突き詰めると、野党・反対派に対するものではないということだ。
なぜなら、安倍首相は、野党・反対派と国会での話し合いに応じない上に、汚い言葉でヤジを飛ばすなど、根っから毛嫌いし排除してきた。一方、アベノミクスによる「利益誘導」は、基本的に支持者に対して行うものだ。つまり、安倍首相が不信感を持って、慎重に扱ってきたのは、むしろ支持者のほうだということだ。
つまり、第2次安倍政権発足後、「桜を見る会」の規模が大きくなり、特に安倍首相や自民党議員の支持者の参加が年々増えたことは、安倍首相の支持者に対する強い不信感を示しているのではないだろうか。信頼できない人たちだと思うからこそ、さまざまな機会で歓待し続けなければならないのだろう。
「桜を見る会」を巡っては、ワイドショーで連日、識者が「国民の政治に対する信頼感が下がっている」とコメントしている。しかし、われわれは一度考えてみるべきではないだろうか。実は、「政治家が国民を信頼していない」から、さまざまな問題が起きているのではないかと。「国民は、その民度に合った政治家を選ぶ」ものなのだから。 
「桜を見る会前夜祭」問題でニューオータニ元社員が「5000円ありえない」 11/19
 安倍首相の強気の裏にニューオータニ幹部との関係
公選法と政治資金規正法違反が指摘されている「桜を見る会」の「前夜祭」問題だが、安倍首相は完全に開き直っているようだ。
先週15日、安倍首相が記者団に「会費5000円はホテル側が設定した価格」「参加者からホテル側への支払いがなされた」と説明をおこなったが、明細書などを出さずに「問題は一切ない」と言われたところで納得できるはずがない。しかし、安倍首相は昨日18日午前のぶら下がり取材で「総額を示す明細書等はあるのか、ないのか」と問われると、こう言い放ったのだ。
「事務所のほうに確認していますが、そうしたものはないということです」
つまり、安倍首相は常識では考えられないような話を証拠もなく主張しているのだ。
しかも、こんな到底納得しようのない説明をおこないながら、ぶら下がり取材の場を何度も立ち去ろうとした挙げ句、記者が「領収書についてなんですが」と“更問い”した際には「ちょっとすみません、時間がありませんので最後の質問にしてもらえますか」と苦言。いま時間がないと言うのなら別途、正式な記者会見をセットするか予算委員会の集中審議に応じるべきだが、与党は集中審議の開催を拒否。安倍首相は証拠も示していないのに「もう説明はし尽くした」という立場に立っているのである。
だが、安倍首相がいくら言い張っても、その主張がまるっきりの嘘であることが、どんどんバレてきている。まず、そのひとつが「会費5000円はホテル側が設定した価格」という点。今年の「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」が開催されたホテルニューオータニは本サイトやNHKの取材に「最低でも1万1000円」「値切り交渉などには応じられない」と答えているが、安倍首相は15日のぶら下がりで「(「前夜祭」参加者の)大多数が当該ホテルの宿泊者であるという事情等を踏まえ、ホテル側が設定した価格」と主張した。
これについて、他でもないホテルニューオータニの元社員が完全否定したのだ。ホテルニューオータニに22年間勤務し、営業や宣伝を担当した経歴をもつプリンシプル・ホテルコンサルティング所長の中山晴史氏が、17日に放送された『サンデーステーション』(テレビ朝日)にVTR出演。「今回、(安倍首相は)『ホテル側が勘案した』というふうにおっしゃっていますが、ホテル側が自ら進んでこういう話を提案するということはまずないと思います」と証言した上、こうつづけた。
「あのようなパーティの場合は食事で売り上げを立てようというのはまず第一義的に考えるわけですから、スタートラインが5000円ではどういうメニュー構成にしようかというのが、おそらく調理部門に持っていけば突き返されちゃうと思いますね」
さらに、中山氏は“どういう内容なら5000円であり得るか”という問いに対し、こう答えた。
「若干の乾き物とおつまみ程度で、飲み物もビールひとり1本くらいで構わないというようなお話であれば」
だが、「前夜祭」参加者がネット上で「料理は結構出ました」と報告していたように、けっして「乾き物とつまみにビールひとり1本」などというケチくさいものではなかった。ようするに、5000円でそれなりの食事と飲み放題を用意することはホテル側にとっては常識はずれの大出血サービスであり、いくら宿泊者が多いからといって引き受けられるようなものではないのだ。
さらに、この安倍首相の主張でもっとも疑義が集まっているのが、「前夜祭」の収支の問題だ。安倍首相は15日のぶら下がりで、こう述べた。
「夕食会費用については、会場の入り口の受付にて、安倍事務所職員が1人5000円を集金をし、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受付終了後に、集金したすべての現金をその場でホテル側に渡すというかたちで、参加者からホテル側への支払いがなされたということでございます」
つまり、安倍首相は受付係として集金しただけで、精算もせず、その金はそっくりそのままホテルに渡した、と主張したのだが、そんなバカな話があるがはずがない。そもそも、いくら前もって参加者を募っていても、これほど大規模なパーティなら事情があってドタキャンする人は必ず出てくるものだ。その当日キャンセル分の補填は誰がおこなったというのだろうか。あるいは万が一多すぎた場合の余剰分は誰の懐に入るのか。
たしかに、こうしたパーティの場合、領収書をホテル名義で渡すことはあるし、実際、今回の「前夜祭」でも参加者にはホテル名義で領収証が渡されている。しかし、本サイトが先週ニューオータニに問い合わせた際には、そういった便宜を図るケースはあるとした上で「総額の範囲内であれば」「個別のお客様からではなく、主催者からのご依頼がある場合」と強調していた。実際、ホテル名義での領収書発行は参加者が経費を清算する際にパーティ名が特定されないよう便宜を図るサービスに過ぎず、総額の料金はあくまで主催者が支払う必要があるのだ。しかも、ニューオータニが「総額の範囲内」と語っていたように、領収書の発行総額はパーティ総額料金を下回るのが普通だ。
つまり、「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」という開催名どおり、安倍晋三後援会が主催していた場合、おおよその参加者数を把握した上で、ホテル側に宴会の手配をおこない、前払い、あるいは当日集金した会費との差額を補填または余剰分の差し引きといった会計作業が発生する必要があるのだ。
安倍首相は「事務所や後援会の収入、支出は一切ない。収支は発生していないから政治資金規制上の違反にはまったくあたらない」と主張しているが、このように、そんなことは現実的にありえない。もしそう言い張るならば、ホテルに宴会を手配した安倍首相側が何らかの証拠を出すしかない。
しかも、「桜を見る会ツアー」の旅行代理店は、野党のヒアリングに対して、前夜祭についても宿泊についてもニューオータニとの交渉には一切関与していないと回答している。ニューオータニとの交渉や宴会の手配を担ったのは、安倍事務所か安倍首相の後援会以外に、あり得ないのだ。
だが、昨日のぶら下がりでは、記者が「ホテル側から領収書をもらうためには先にホテル側に支払いをしないといけないのではないかという指摘もある。先にホテル側に払っているというようなことは一切ないということか」と質問しても、安倍首相はただ「それはありません」と否定しただけ。やはり、その証拠を示そうともしなかったのだ。
口だけで否定して「はい、終わり」になるはずがないのだが、しかし、ここで気になるのは、ホテル側に問題を押し付ける、安倍首相のその強気な姿勢だ。
これまでも指摘してきたように、もし仮に一般客には値引きに応じられないと言っているのに、ホテル側が安倍首相にだけ「宿泊客が大半だから半額以下に」などと大幅な値引きしていたとしたら、この値引き分が事実上の政治献金にあたる可能性がある。だが、「ホテル側が決めたこと」などという説明をはじめたということは、すでにホテル側との口裏合わせなどの手回しは完了しているということだろう。
振り返ると、「桜を見る会」問題について安倍首相に直接追及がおこなわれて大きな注目を集めたのは、ご存知のとおり8日(金)の参院予算委員会だ。だが、このとき安倍首相は妙な答弁をおこなっている。
というのも、追及した共産党の田村智子議員は「桜を見る会」が後援会ツアーになっていることを指摘するなかで「前夜祭」の存在に軽くふれ、「『桜を見る会前夜祭』と翌日の『桜を見る会』がセットになって、山口県のみなさんと親しく懇親をする。そういう場になっているんじゃないですか」と質問したのだが、対する安倍首相は「(「前夜祭」の会費は)ホテルに直接払い込みをしている」と、訊かれてもいない「前夜祭」の言い訳をはじめたのである。
しかも、さらに怪しいのはその後の動きだ。首相動静によると、週明けの11日(月)の夜、安倍首相はこんな人物と会食をおこなっている。
〈午後6時49分、官邸発。同59分、東京・銀座の日本料理店「東京吉兆」着。経団連の今井敬、御手洗冨士夫両名誉会長ら財界人と会食。〉
いつもの財界安倍応援団の会食かと流しそうになるが、じつは、今井敬氏はニューオータニの取締役なのだ。ここで何らかの根回しをした可能性もゼロではない。
また、周知のとおり今井敬氏は安倍首相の懐刀である今井尚哉首相秘書官兼補佐官の叔父にあたる人物だ。この会食で安倍首相が直接言及せずとも、今井首相秘書官がニューオータニ取締役の叔父に根回ししていても不思議ではない。
さらにニューオータニにはもうひとり、安倍首相に協力してもおかしくない幹部がいる。ニューオータニの代表取締役常務であり総支配人の清水肇氏のFacebookを見ると、安倍首相そして夫人の昭恵氏の両方と「友達」となっているのだ。しかも清水氏はFB で、安倍首相の“ビッグサポーター”として知られるアパグループの元谷外志雄代表の私塾「勝兵塾」に「いいね」をしていたり、元谷芙美子アパホテル社長とカラオケを楽しむ様子をが投稿したりしており、人脈や思想が安倍首相と近いことがうかがえる。
安倍官邸はもっと早くから「桜を見る会」問題に警戒してきたふしがある。「桜を見る会」をめぐっては、菅義偉官房長官や内閣府は今年の招待者名簿について「会の終了後、遅滞なく廃棄した」と説明しているが、招待者名簿が廃棄されたのは5月9日だったことが14日の野党合同ヒアリングで判明した。じつは、この5月9日というのは、同月13日にはじめて「桜を見る会」問題を国会追及した共産党・宮本徹議員が、質問準備のために内閣府・内閣官房宛てで「桜を見る会」にかんする招待者が増加した理由や選考基準を明記した文書などを資料請求した、その日なのだ。
内閣府は宮本事務所に対し「偶然」などと述べているというが、そんな奇跡のような話があるはずがない。むしろ、内閣官房は国会追及の動きを知って急いで内閣府に招待者名簿を廃棄させたと考えるのが自然だ。
森友問題の国会追及で「関与していたら総理も国会議員も辞める」と安倍首相が逆ギレ答弁をして財務省の公文書改ざんがはじまったように、今回も安倍首相の地元後援会関係者が大量に招待されていたことを隠すため、先回りして文書を破棄した──。この一件ひとつをとっても、森友・加計問題と同じことがいかにこの国では繰り返されているのか、その闇が浮き彫りになっているだろう。安倍首相の「やりたい放題」を許し、疑惑追及を封じ込める隠蔽構造が、すでにできあがってしまっているのだ。
だからこそ、もう二度と逃すわけにはいかない。「問題はまったくない」と言うのであれば、安倍自民党は正々堂々と国会の集中審議に応じ、安倍首相は自身に持ち上がっている違法疑惑に対してはっきりとした証拠を出していただこうではないか。それができないということは、一体どういうことなのか。国民はしっかりと見定める必要がある。 
つるの剛士が「桜を見る会」問題で台風被災者をダシに安倍擁護の悪質! 11/19
 辛坊治郎、三浦瑠麗も森友加計のときと同じ手口で
公私混同・税金の私物化が大問題になった安倍首相主催の「桜を見る会」。その「前夜祭」でも公職選挙法違反疑惑が濃くなっていることは連日お伝えしているとおり。しかし、政権が強引に幕引きを図ろうとするなか、案の定、安倍応援団タレントや文化人たちがなりふり構わぬ醜悪なアシストを始めた。
その一人が、つるの剛士だろう。つるのといえば、テレビでは“おバカだけで誠実なパパキャラ”のイメージで売り出しているが、実は安倍政権が批判されるたびに政権を擁護するゴリゴリの“応援団タレント”。2014年にちゃっかり「桜を見る会」にも参加している。そんなつるのが16日、Twitterにこんな投稿をしたのだ。
〈政治家の皆さんお願いします。台風の被害で被災された地域の方々が大変な生活を強いられています。くだらないことに大切な時間を使ってないで来年の春に桜を見せてあげてください。本当にお願いします〉
ようするに、つるのは「桜を見る会」問題を「くだらないこと」と表現して、国会での野党の追及を批判しているのだ。言っておくが、この問題は、政権が血税を使って支援者や応援団文化人たちを“接待”しているという私物化の問題であり、さらには公選法違反の疑いもある。「政治の公正性」という政権の根本が問われる重大問題だ。それを「くだらないこと」などと言うのは、矮小化もいいところである。
しかも、愕然とするのは「台風で被害を受けた被災地」をダシに使っていること。それなら、10月に台風15号が直撃するなか、内閣改造に夢中で、非常災害対策本部はおろか関係閣僚会議すら開かずに放置し、甚大な被害が出ているにもかかわらず改造を強行、対応が後手に回っていた時に言うべきだろう。しかし、つるのはあの時はそんなことは一言も言わなかった。それを今になって、“野党が国会で追及するせいで被災地が困っている”というふうにミスリードするとは……。
だいたい、被災者に「来年の春に桜を見せてあげてください」とか、よくこんな無神経なことが言えるものだ。被災者が今、一番求めているのは、壊れた家屋やインフラの復旧であって、桜なんて何の関係もない。政権が「桜を見る会」を中止にしたことことかけてうまいこと言ったつもりなのだろうが、被災者をバカにしているとしか言いようがない。
しかし、つるののこうしたスリカエはいつもの手口とも言える。この男はこれまでも、安倍政権が不祥事を起こして、批判を受けるたびに、安倍政権に都合が悪いことを一切ネグり、野党や政権批判への攻撃にすり替えてきた。しかも、つるのが悪質なのは、こういう安倍政権擁護のためのスリカエを“おバカだけど誠実なパパキャラ”として発信することで、巧妙にカモフラージュしていることだ。
たとえば2015年7月には、安保法制の衆院通過をめぐり〈「反対反対」ばかりで「賛成」の意見や声も聞きたいなぁって報道やニュース観ていていつも思う。賛成派だって反対派だって平和への想い、戦争反対の想いは同じ〉〈強行採決。。いや、民主主義に則った多数決だとおもいます〉などとツイート。2016年にはユーキャン新語・流行語大賞の「保育園落ちた日本死ね」をめぐり〈こんな汚い言葉に国会議員が満面の笑みで登壇、授与って。なんだか日本人としても親としても僕はとても悲しい気持ちになりました〉と批判した。加計問題が閉会中審査で追及されていた2017年7月には〈そんな間に、現実に毎日のように外国船が領海侵入してきたり、ミサイルが飛んで来たりしてるのにね。。どっちが大切な審議や議論なんだか〉とツイートしたこともあった。
しかし、その本質は、ネトウヨ安倍応援団と変わりはない。実際、昨年にはフェイクだらけのネトウヨ番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)にも出演し、「別に愛国心がある人を、足引っ張る必要ないんじゃないかと。ほっといてほしいし」などと発言していた。
そう考えると、今回の「台風被災者」をダシにした安倍政権追及封じ込めは、まさに予想通りの行動と言えるだろう。
しかし、同じような論法で疑惑封じ込めを図っているのは、つるのだけではない。たとえば、フリーアナウンサーの辛坊治郎氏は、16日放送の『ウェークアップ!ぷらす』(読売テレビ)で「これを連日追及している野党の人たちはバカなんじゃないか」などと発言。同じ16日午後のラジオ『週刊ニュース解説 辛坊治郎のズバリ&どうよ!』(ABCラジオ)でも、こんな露骨な“野党ディス”を展開した。
「今回のことでよくわかったのは、例のモリカケ問題であれだけ騒いだのも同じ構図。もともとそんなに大した話じゃない問題を、とにかく騒ぐことで国会の審議を止め、なおかつ支持率を下げるという一点で国会の活動が行われている。本質的な議論がされずに時間だけが浪費されている。その国会の維持費に、お前ら一体いくらかかっていると思っているんだ」
あの、だからね、「桜を見る会」問題はまさに税金の使い道として妥当かどうかという話であって、行政の長が国会で追及されるのは当たり前なのだよ。
むしろ、国会で追及されなければ、総理大臣はいくらでも血税を私物化できてしまうだろう。辛坊は森友・加計問題を持ち出して「野党が騒ぐことで他の審議ができない」などと言っているが、それこそ、モリカケのときに安倍応援団は同じ論法で疑惑の矮小化しようとしていた。「同じ構図」などというのは、まさに辛坊のような権力にべったりの腰巾着たちにこそふさわしいだろう。なお、辛坊のもとにも毎年、安倍首相主催の「桜を見る会」の招待状が届いているという。
ようするに、安倍応援団たちは森友・加計学園問題のときと全く同じように、「野党のせいで他の審議が遅れている」「行政がやらなきゃいけないことは他にあるのに!」と叫ぶことで、政権のための“幕引きムード”に誘導しようとしているのだ。
ほかにも、近年、急激に安倍御用っぷりが高まっている経済学者の高橋洋一氏は、18日、ウェブメディア「現代ビジネス」に「「桜を見る会」批判があまりに的外れな理由」と題して寄稿。〈どこまでも「疑惑あり」という野党の印象操作の感がある〉〈筆者のように数字ばかり見る人間にとって、5500万円の予算を野党が一斉に「税金の無駄遣い」と非難するのは、会計の重要性原則からみれば的外れだ〉と野党を批判したうえで、〈質問通告の時間厳守を維新の会のようにルール化すれば、国会会期が150日とすると、こちらのほうが100倍以上も有益だ〉などと問題を露骨にすり替えている。
また、上念司氏も13日、ツイッターへ〈新しい顧客は政策論争を望んでおり、カツカレーや桜を観る会なんてハッキリ言ってどーでもいいと思っています。でも、古い野党は古い演目しか演じられないんです。そして、最初から主役を張る気もなし。これじゃ永久にやられメカですよ。頼むからザクとは違うところ見せてくれ〉と投稿した。
自分も「参加者」のくせに「どーでもいい」などとごまかし、税金の私物化を追及することを「古い演目」などという。自分たちこそ独裁権力が何でもやり放題の「古い国家」復活を目指しているくせに、何を言っているのか。
今年娘とともに「桜を見る会」に参加していた三浦瑠麗氏も、14日ツイッターで〈桜を見る会が中止に。おそらく「国民感情」への配慮。時の権力者が催す宴には「なぜあいつが呼ばれた」になりがち。全ては国民感情次第ということなのでしょう。〉と「呼ばれていない人の嫉妬」に矮小化。さらに三浦は、今朝の『とくダネ!』(フジテレビ)では「野党の攻め方がまずい」「収支報告のルールを統一されていない」「(前夜祭の)収支は報告書に書いたほうがいいと思うが、おそらく野党もやっている」などと、論点をすり替えた挙句、問題の張本人である安倍首相や自民党でなく野党のほうを攻撃していた。
他にも“安倍御用評論家”の加藤清隆氏は〈野党が騒いでいた「桜を見る会」前夜祭について、会費5000円でできたことがホテル側が出した領収書が発見され、一件落着〉と16日にツイート。〈野党側が入手したという1人1万1000円の見積もりはホテル側が否定。また高級寿司店の久兵衛が出店していたという野党側の主張も店側が完全否定。見事なくらい嘘だらけ〉と勝どきをあげているが、これこそフェイクだ。
昨日の記事でも指摘したように、ホテル名義の領収証は、パーティが特定されないように主催者名を外すサービスで、招待客が5000円しか払っていないという証拠に過ぎない。主催者が精算して領収証の発行総額を超えるパーティ総額を払っているのだ。しかも、「1万1000円をホテル側が否定」とか、ホテル側は「最低1万1千円」であると公知しているのに、いったい何を寝言を言っているのか。
また、寿司店・銀座久兵衛が「桜を見る会」前夜祭に提供していないことについては、加藤だけでなく、いま、ネトウヨたちが一斉に「野党のデマ」「安倍首相の無実が証明された」として吹き上がっているが、コレ、問題の本質には1ミリも関係ない。
というのも、本サイトでもお伝えしているように、「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」の会費は5000円であり、これで会の費用を賄えず補填がおこなわれていた場合、公選法違反にあたる。そして、本サイトが会場であるホテルニューオータニに取材し、会場費と料理代を含めて「もっとも安くていくらからか」と尋ねると「1万1000円のプラン」と回答し、「5000円のプラン」の存在をはっきりと否定した。久兵衛の寿司は「4貫2000円」との金額のオプションになるという。
ようするに、たとえ「4貫2000円」の久兵衛寿司オプションをつけていなかったとしても、ニューオータニが公知しているパーティプランでは最低1人あたり「1万1000円」はかかるわけで、参加費の「5000円」では足りないことには変わりはない。つまり、久兵衛の寿司が出ていようが出ていなかろうが、公職選挙法違反の疑惑はまったく晴れないのである。また一般客には応じられないとしている値引きを大幅にしていたとすれば、事実上の政治献金に当たる可能性も出てくる。
結局のところ、つるの剛士ら安倍応援団が言っているのは、「他の審議をしろ!」と野党批判にすり替えたり、久兵衛の寿司の件のように針小棒大に「野党のデマ」と騒ぎ立てることで、問題の矮小化をしているのだ。まさに、森友・加計問題でもまったく関係のない野党議員の「スキャンダル」を持ち出したり、北朝鮮問題などをあげて「モリカケやってる場合か!」などと叫んでいたことがフラッシュバックするかのようではないか。
だが、何度も同じ手口が通用すると思ったら大間違いだ。繰り返すが、「桜を見る会」をめぐる一連の問題は、総理大臣による私物化と税金の無駄遣い、そして後援会など一部の支援者だけに“ご褒美”を与えていることに他ならない。政治の大きな役割の一つが納税者から集めた税金をどう分配するのか、ということを考えれば、これは決して「くだらない」ではすまない。むしろ、安倍政権で何度も表面化している“お友だち優遇”問題と地続きの疑惑なのだ。
あらためて言っておく。日頃から政権を擁護することで本を売ったりメディアに出演している連中こそ、「桜を見る会」を私物化している総理大臣と一蓮托生。“同じ穴のムジナ”であって、どう詭弁を弄しても信用性など皆無だ。国民は怒っている。絶対に幕引きにさせてはいけない。 
桜を見る会だけじゃない。安倍首相の地元で公共事業が激増の衝撃 11/19
直近で言えば「桜を見る会」、遡れば「モリカケ問題」等々、その真偽のほどは別として「脇が甘い」と言わざるを得ない安倍首相ですが、またしても捨て置けない「疑惑」が明るみになりました。元国税調査官で作家の大村大次郎さんは今回、自身のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』で、首相の再就任以来、地元である山口県の公共事業が激増している事実を白日の下に晒しています。
昨今、「桜を見る会」について話題になっていますが、「桜を見る会」に限らず安倍首相というのは、かなりわきが甘い政治家です。「森友問題」や「加計学園問題」も一時期、話題になりましたが、それよりももっとわかりやすく身内優遇をしていることがあります。それは、「安倍首相の地元の公共事業」です。
あまり話題になることはありませんが、実は安倍首相が首相に再就任して以来、安倍首相のおひざ元である山口県の公共事業費は激増しているのです。
国土交通省のサイトから都道府県別の国の公共事業の支出額を見てみましょう。安倍首相が首相に再就任したのは2012年の12月です。だから、安倍内閣は、2013年分から予算策定しているわけです。で、2013年から山口県の公共事業がうなぎ上りに増加しているのです。
安倍首相が再就任する前の2013年では、山口県の公共事業費は500億円ちょっとしかありませんでした。が、2013年から激増し、2016年は1,600億円もの公共事業を受注しているのです。なんと2012年の3倍以上です。2017年には下がっていますが、このときは森友問題などが発覚しており、さすがにまずいと思って下げたのでしょう。それでも、2017年の県民一人当たりの公共事業費は全国平均の2倍以上となっているのです。
   山口県の公共事業受注額(国の予算)
   2011年          681億円
   2012年          532億円
   2013年(安倍内閣予算策定)829億円
   2014年(安倍内閣予算策定)927億円
   2015年(安倍内閣予算策定)1,367億円
   2016年(安倍内閣予算策定)1,620億円
   2017年(安倍内閣予算策定)987億円
安倍首相の就任前も山口県は公共事業が少ない県ではありませんでした。なぜなら山口県では2011年に国体が開かれているからです。国体というのは、各都道府県が持ち回りとなっており、国体が開催される県は国からそれなりの公共事業費が投じられるため、インフラ整備としての役割があります。47年に一回、国体が開催されることで、各都道府県はインフラを大きく整備できることになっているのです。だから、2011年の681億円というのは、国としては山口県に大盤振る舞いをしたわけです。実際、2011年の山口県の県民一人当たりの公共事業受注額は、全国平均の2倍を超えています。
しかし、その国体があった2011年よりも、安倍首相が再就任してからの方が、はるかに巨額の公共事業を受注しているのです。2015年、2016年にいたっては、都道府県民一人当たりの公共事業受注額は、全国平均の約3倍なのです。これは、沖縄、北海道や復興事業が行われている東北地方を除けば、異常に高い数値です。
   山口県民一人あたりの公共事業費
   2012年(安倍首相再就任前)  山口県・約3万9,000円  全国平均・約2万9,000円
   •2013年(安倍首相再就任初年)  山口県・約6万1,000円  全国平均・約4万円
   •2016年(安倍首相再就任3年目)  山口県・約11万8,000円 全国平均・約3万5,000円
山口県の隣県である広島県と比較すれば、山口県の異常な優遇さがわかります。山口県と広島県は、同じ瀬戸内海に面した中国地方の県であり、地域的な条件はあまり変わりません。広島県の人口は約282万人です。山口県はその半分以下の約137万人です。両県は、安倍首相の再就任前までは、県民一人当たりの公共事業費はそれほど大きな違いはありませんでした。しかし安倍首相の再就任以降、山口県の予算は急増し、広島県の予算は急減するのです。
2014年以降は、人口が半分以下の山口県の方が広島県よりも公共事業費の総額で上回っています。県民一人あたりにすると山口県は広島県の2倍以上となっており、2016年にはなんと7倍以上になっているのです。国は「山口県では2016年に日露首脳会談が行われており、そのために公共事業費がかさんだ」と言い訳するでしょうが、主要国との首脳会談などは毎年のように行われているものであり、そのたびに公共事業費が跳ね上がっていては歳入がいくらあっても足りないというものです。
また日露首脳会談が行われたのは2016年であり、たかが一国との首脳会談で準備に何年もかけたわけではないので、2016年以外の公共事業費の激増は説明がつきません。
そもそも日露首脳会談を安倍首相のおひざ元でわざわざ行うこと自体、不自然なのです。山口県は、他の主要都市に比べるとインフラ等が整っていないので、ここで主要国との首脳会談などを行うと、建設費や警備費がかさむことはわかっていたはずです。外国人が喜ぶ京都などで行うならまだしも、それほど有名ではない山口で行う必要はなかったはずです。とにもかくにも、国の公共事業費の山口県への支出は、明らかに不審な点があるということです。
   山口県と広島県の県民一人当たりの公共事業費
   •2012年(安倍首相再就任前) 山口県・約3万9,000円  広島県・約3万1,000円
   •2013年(安倍首相再就任初年) 山口県・約6万1,000円  広島県・約3万2,000円
   •2016年(安倍首相再就任3年目 山口県・約11万8,000円 広島県・約1万7,000円
まあ、これらのデータを見れば、安倍首相が再就任して以降、山口県が異常に公共事業で優遇されていることは、どう頑張っても否定できないところです。これらは、国土交通省のサイトに行けば公表されているデータであり、誰でも見ることができます。
だれでも見ることができるデータの中で、これほど明確に地元を優遇しているのだから、そのわきの甘さには、驚嘆してしまいます。
そして、誰でも見ることのできるデータでさえ、これほど優遇されているのがわかるのですから、データで見えない部分は、さらにもっとすごいことになっていることが予想されます。
と、ここまで安倍首相のわきの甘さを追求してきたわけですが、これを単純な「安倍首相批判」とは受け取ってほしくないのです。「身内を優遇する」というのは、現代の政治家としては失格だと思われます。が、では安倍首相の代わりが誰かいるかといえば、与野党も含め、誰もいないのです。消費税の増税なども含め、安倍首相の政策には疑問点が多々あります。わきも甘いです。
でも、ほかの政治家やほかの政党が政権を担うよりは、まだマシという状況があります。日本の政治の本当の貧困さは、そこにあると思われます。そして、そういう政治家を選んできたのは、我々国民なのです。
日本の政治というのは、国民全体で相当の覚悟を持って根本からリニューアルしないとならない時期に差し掛かっているものだと思われます。 
 11/20

 

安倍首相、桜を見る会1000人推薦認める。「昭恵枠」に批判殺到 11/20
安倍晋三首相は20日の参院本会議で、公費による首相主催の「桜を見る会」招待者の推薦について自身の議員事務所に意見を述べたと明らかにし、参加者の人選過程に事実上、関与を認めたと、共同通信、時事通信、朝日新聞などが速報で伝えた。これまで自らの関与を否定していたが、それを修正した形となった。
共同通信によると、招待基準があいまいだったなどとして「これまでの運用は大いに反省すべきだ」とも語ったという。菅義偉官房長官は衆院内閣委員会で推薦枠に関し、自民党が6千人、首相が千人程度だったと説明。朝日新聞によると、大西証史内閣審議官は「安倍事務所において幅広く参加希望者を募るプロセスの中で、(昭恵)夫人からの推薦もあった」と明らかにした。時事通信によると、これらの発言は、立憲民主党の那谷屋正義氏への答弁として出たもので、野党は「公私混同の極みだ」と追及したという。安倍首相がこの問題について国会で説明したのは、8日の参院予算委員会以来。同日の質疑では「私は主催者としてあいさつや接遇は行うが、招待者の取りまとめには関与していない」と答弁していた。20日は「内閣官房および内閣府における最終的な取りまとめプロセスには一切関与していない」と強調している。
この安倍首相の答弁を受けて、日本のネット上では「やっぱり」「私人なのに昭恵夫人枠もあったのか」「首相の枠が1000人て」「修正した形って、単に嘘だったんでしょ」など、厳しい意見が多数投稿されている。 
首相、推薦関与認める 桜を見る会 招待枠1000人 11/20
安倍晋三首相は二十日午前の参院本会議で、首相主催の「桜を見る会」に多数の後援会関係者を招いた問題について「私の事務所が内閣官房からの推薦依頼を受け、幅広く参加希望者を募ってきたと承知しており、私も事務所から相談を受ければ、推薦者について意見を言うこともあった」と話し、自身の招待客推薦への関与を認めた。 (横山大輔、中根政人、妹尾聡太)
首相は八日の参院予算委員会で「私は主催者としてのあいさつや招待者の接遇は行うが、招待者の取りまとめなどには関与していない」と明言した。この発言との整合性については「内閣官房や内閣府が行う招待者の最終的な取りまとめには一切関与しておらず、答弁が虚偽だったとの指摘は当たらない」と語った。
地元後援者の招待が、公職選挙法の禁じる寄付行為に当たる可能性があるとの指摘についても、最終的な人選に関わっていないとして「指摘は当たらない」と話した。
首相は、二〇一五年の桜を見る会の前日に、地元後援者らを招いて開いた夕食会の会場が、参加者の宿泊したホテルと異なったことを「事務的な手違い」だったと説明。費用は「大多数の参加者の宿泊先と同一でなくなったが、ホテル側と相談し一人当たり五千円となった」と述べた。首相は十五日、参加費が五千円である理由を「大多数がホテルの宿泊者という事情」と記者団に説明した。
これに関連し、菅義偉(すがよしひで)官房長官は二十日午前の衆院内閣委員会で、今年の桜を見る会の招待客一万五千人のうち、首相の推薦者が千人、自民党の推薦者が六千人だったことを明らかにした。麻生太郎副総理兼財務相や菅氏ら官邸幹部の関係者も千人程度に上り、半数以上を与党政治家の推薦者が占めた。
菅氏はその他の招待客については、芸術・文化、報道、公明党の関係者が千人程度で、各省庁が推薦した各界の功労者、各国大使、国会議員、勲章受章者などの合計は六千人程度にとどまると説明した。
大西証史内閣審議官は、首相の妻昭恵氏が推薦した招待客の有無について「夫人(昭恵氏)からの推薦もあったとうかがっている」と説明した。 
昭恵氏からも推薦者 桜見る会の内訳、首相枠は1千人 11/20
菅義偉官房長官は20日午前の衆院内閣委員会で、国の税金を使い、首相が主催する内閣の公的行事として行われる「桜を見る会」の招待客をめぐる推薦者の内訳を明らかにした。安倍晋三首相の妻昭恵氏から推薦があったことも分かった。
菅氏によると、約1万5千人の招待者の内訳は、各省庁推薦の功労者や各国大使、国会議員、勲章受章者などは合計約6千人程度。残りの約9千人は、安倍首相の推薦が約1千人、麻生太郎副総理や菅官房長官、官房副長官の推薦が1千人、自民党関係者の推薦が6千人などという。菅氏は「長年の積み重ねの中でだんだんと人数が多くなってきた。反省し、全面的な見直しを行っていく」と語った。
また、大西証史内閣審議官は「安倍事務所において幅広く参加希望者を募るプロセスの中で、夫人からの推薦もあった」と明らかにした。
いずれも、共産党の宮本徹氏の質問に答えた。 
「案を何人か」 安倍昭恵夫人が「桜を見る会」アッキー枠を認めた 11/20
安倍晋三首相が多数の後援者を税金で接待し「私物化」が問題視されている首相主催の「桜を見る会」。そこに、安倍首相夫人の昭恵氏も知人を推薦していたことを「週刊文春」の取材で認めた。「アッキー枠」の存在は、これまで報じられてきたが、昭恵夫人自身がこの件について語ったのは初めて。
これまで“昭恵夫人枠”ではないかと見られる参加者の存在が報じられてきた。彼女が小、中、高、専門学校までを過ごした聖心時代の同級生、昭恵校長率いる講座型スクール「UZUの学校」の卒業生、ヒーリングフード提唱者、大麻解禁論者、スピリチュアリスト等々だ。
昭恵氏が鳥取の大麻畑を視察した際に同行した友人で、映画プロデューサーの龍村ゆかり氏はこう語る。
「私は“月待ち講”という女性有志の集まりを、昭恵さんと一緒にやってきました。そうして7年ほど経った頃でしょうか、『よかったらぜひお越しください』と言っていただき、桜を見る会に参加しました」
推薦する際、どのような基準で昭恵氏は「功績・功労」をはかっているのだろう。昭恵氏を「週刊文春」が電話で直撃したところ、次のように答えた。
「こういう人たちが色々と活躍しているのでどうですかという(推薦)案を、何人か出させて貰っているのですが……」
――UZUの学校の卒業生などもそうですか。
「ごめんなさい。勝手にお答えできないので」
――前夜祭については。
「私はただ(その場に)行っているだけなので」
昭恵氏を巡っては、森友問題で関与が取り沙汰された際、2017年3月14日に安倍政権は「首相夫人は公人ではなく私人である」とする答弁書を閣議決定している。今後、「私人」である同氏がいかなる権限で政府の公式行事の人選に影響力を行使したのか、議論を呼びそうだ。 
安倍首相の噴飯答弁「自分は推薦しただけ」「ミスで会場が」  11/20
安倍晋三首相(65)が、多数の後援会関係者を「桜を見る会」に招待して私物化していた問題。連日続く野党とマスコミの追及によって、これまでの安倍首相の答弁に虚偽があったのではないかとの疑惑がもたれている。11月20日、これらの疑惑に応えるために、安倍首相は参議院本会議で答弁を行ったが、どうやら逆効果だったようで……。
【1】「推薦はしたけど、決めていない」
「私は主催者として、あいさつや招待者の接遇(せつぐう)は行うのではありますが、招待者の取りまとめ等には関与していないわけであります」
安倍首相がそう明言したのは11月8日の参議員予算委員会でのこと。“功績や功労のあった方々を、各省庁からの意見を踏まえて、内閣官房と内閣府で最終的に取りまとめて招待する”というのが政府の公式見解だった。しかし、800人を超える安倍首相の後援会関係者が「桜を見る会」に参加していたことが発覚。言い逃れができないと考えたのか、11月20日の参議員本会議において、安倍首相は下記のように話したのだ。
「私の事務所が内閣官房からの推薦依頼を受け、幅広く参加希望者を募ってきたと承知しており、私自身も事務所から相談を受ければ、推薦者について意見を言うこともありました」
これまでの発言から一転、招待者の選定に自分が関与していたことを認めた。さらに、この日、安倍首相に1,000人程度の推薦枠が設けられていたことも菅義偉官房長官(70)が明らかにしている。
普通に考えれば、11月8日の「関与していない」答弁は虚偽だったということになるのだが、安倍首相は「内閣官房および内閣府における最終的な取りまとめプロセスには関与していない」ことを強調。要は、自分は参加者を“推薦”はしたけれど、“招待”したのは「内閣官房および内閣府」という論理だ。しかし、内閣官房および内閣府は“内閣”総理大臣の推薦を拒否できるような立場にはなく、詭弁との誹りは免れないだろう。
【2】「ホテルの手違いで会場が取れなかった」
「参加者1人5,000円という会費については、これはまさに大多数が当該ホテルの宿泊者であるという事情等を踏まえ、ホテル側が設定した価格である、との報告を受けております」
11月15日、総理大臣官邸で行った会見でこう語った安倍首相。「桜を見る会」前夜に都内の高級ホテルで「前夜祭」を行うことを恒例としていたが、1人5,000円という会費が安すぎるのではないかとの指摘を受けていた。4回の「前夜祭」を行なったホテルニューオータニ(東京都千代田区)の宴会料金は11,000円〜。仮に、実際にかかった費用と会費の差額を安倍首相が補填していた場合、公職選挙法違反となる可能性が高い。
安倍首相は「宴会の参加者の多くがそのまま泊まるので、ホテルが宴会代を安くしてくれた」と、会費5,000円の妥当性を主張していたのだが……。’15年の「前夜祭」はニューオータニが会場だったにも関わらず、地元から募ったツアーの宿泊先にニューオータニが含まれていないことが発覚。これまでの説明が崩れることに。すると、11月20日の参議員本会議において安倍首相はこう言い放ったのだった。
「夕食会場であり、かつ多くの参加者が宿泊することが予定されていたホテルにおいて、事務的な手違いにより、夕食会場が確保できないことが判明し、急きょ別のホテルに夕食会場を変更したとの事情があったと聞いております」
その結果、「多くの参加者が泊まったホテル」と「『前夜祭』を行ったホテル」が別になってしまったという。数百人規模の宴会の会場を手配し損なうなど、にわかには信じがたい“手違い”なのだが、さらに驚くべきは急きょ会場となったニューオータニ側の対応だ。
「ホテル側と相談を行った結果、提供するサービスの内容や参加者の規模等を勘案し、1人あたり5,000円という価格設定になった」
多くの参加者は別のホテルに泊まっているにもかかわらず、ニューオータニは5,000円の会費を提示したというのだ。会見での“いっぱい泊まるから安くなった”発言はなんだったのか。
発言をコロコロと変える安倍首相。これ以上、答弁の内容が修正されることはないとは願いたいのだが……。  
ナゾの面々が集まる「桜を見る会」 半グレ組織のトップも 11/20
安倍晋三首相主催の「桜を見る会」には、芸能人や有名キャバクラ嬢といった様々な業界の人が多数、招待されている。だれが、どんな理由で呼んだのだろうか。なかには反社会的勢力と見まがうような人の姿も……。
安倍首相と昭恵夫人を中心に、五木ひろし、由紀さおり、高島礼子、デヴィ夫人、ピコ太郎、Jリーグの元サッカー選手ラモス瑠偉……数多くの芸能人が写っている写真がある。芸能人と安倍首相が写っている写真はほかにもたくさんある。もちろんすべて「安倍枠」で呼ばれているわけではないだろうし、だれが何のために呼ぶのだろう。
ある大物俳優はこう話す。
「安倍総理の地元山口県の後援会関係者が800人以上参加していたそうだけど、だれでも知っているタレントたちに会わせれば、そりゃ喜びますよ。それが票につながる」
一方、これまで何人もタレントを参加させている大手芸能事務所の担当者は、こう明かす。
「招待状はタレントを名指しにして、事務所に郵送されてきます。複数いる場合は、一人ひとり分けて封書で来ます。結婚式の招待状と同じですよ。大手事務所はどこも同じだと思います。名指しされたタレントのスケジュールを確認して、合えば参加させています」
タレントはノーギャラというが……。
「安倍さんと付き合いができる、もしくはよく思われることはタレントにとってもメリットがある。安倍さん公認のタレントになれますし、場合によっては官邸に出入りしているスポンサーからCMがもらえる場合だってあるかもしれない」(前出の大物俳優)
一方、SNSで話題になっている写真がある。今年4月の「桜を見る会」で撮影された10枚ほどの写真。<桜を見る会2019招待していただきました>とメッセージが添えられている。その中の一枚にはこんな人物が写っていた。
かつて大阪で「地下格闘技」団体を主催、大阪の半グレ組織のトップに君臨していたX氏だ。X氏は2017年3月、山口組の組長とともに、5千万円を恐喝した容疑で大阪府警に逮捕された。10年と11年にも詐欺容疑で府警に逮捕されている。
「SNSにアップされている写真を見て、Xが桜を見る会に出とるなんてびっくりや。暴力団と深い関係で、一緒に逮捕された山口組の幹部は子分のように扱っていた。よくこんな連中が入れたもんや」(捜査関係者)
「桜を見る会」に出席したことのある、暴力団に詳しい人物は、「数年前、会場で、暴力団系の団体の幹部を見ました。今は組織上、この団体とヤクザを分けています。彼は20人くらい引き連れていて、中には高級クラブのホステスが3〜4人いました」と話し、こう続けた。「これまで、税金が反社会的組織の人物に使われてきた。招待客の名簿が徹底的に調べられれば、内閣が潰れる事態だって起こり得ます」
会場の警備態勢はどうなっているのか。以前、「桜を見る会」に現場スタッフとして入ったというある役人は、「『厳重な警備』という感じではないです」と話す。「会には、内閣府や内閣官房の職員らがかり出されて、駐車場や入り口で案内役などをやらされます。議員が枠を超えた数の支持者を連れてきても、わざわざ来たんだから通してあげよう、てなる。政治家に、通してよ、て言われればなおさら」
昨年は、招待された名古屋のキャバクラ嬢(当時30)に、本誌が直撃取材している。彼女はキツネにつままれたように、「国会議員や自民党員の知り合いはいないし、安倍首相と面識もない。いったいどういう理由で招待されたのかわからない」と驚いて答えていた。
1枚30万円で転売した自民党元職員 / 本誌は2008年6月6日号ですでに「桜を見る会」の問題について報じていた。
自民党の元職員が、「桜を見る会」の招待状を、自身と親しい環境関連業者や農水産関連業者に売っていたという問題だ。元職員から本来、無料の招待状を1枚30万円で買ったというAさんを取材した。
「30万円で元職員から何度か買ったのは事実。別の業者は買った招待状を50万円で転売したという話も聞いた。それが、元暴力団組員に渡って、『本当に桜を見る会に行って総理と写真まで撮ったようだ。ちょっとまずかった』と言っていました」
Aさんの話には続きがあった。「元職員が実質的にはクビになった後、招待状は回ってこないと思っていた。それが2年前、1枚5万円で招待状を売るので行かないかと自民党支援者から誘われた。私は行かなかったが、その人の声掛けで2〜3人が行ったそうです」
「桜を見る会」の支出は前述のとおり、安倍首相の返り咲きから額が跳ね上がり、招待客もかなり増えているという。自民党のベテラン議員がこう言う。「昔は国会議員でも招待状を確保するのが難しかったが、最近は安倍首相だけじゃなく、自民党の議員が地元支援者を数多く招待できるようになった。ここ数年は割り当てが国会議員1人につき5枚とされ、とりやすくなった」 
「桜を見る会」巡り市民団体が刑事告発 11/20
「桜を見る会」を巡る問題で、公選法違反だなどと主張して市民団体が安倍晋三首相に対する刑事告発状を東京地検に提出したと報じられ、今後は、地検がどう対処するかが焦点になっている。
安倍首相側は、参加者が費用を自己負担したなどと説明している。地検が起訴する可能性などについて、専門家に話を聞いた。
「告発を理由に国会答弁で逃げられる」との懸念も
ジャーナリストや弁護士ら約50人でつくる「税金私物化を許さない市民の会」は2019年11月20日、安倍首相が公職選挙法と政治資金規正法に違反しているとして告発状を提出したことを会見で明かした。
市民の会は、18日に会見するなどして、告発の内容を説明している。それによると、安倍首相が後援会などから約850人を「桜を見る会」に招待し、食事や酒を無料提供したことは、公選法上の買収に当たるとした。また、前日に都内のホテルで行われた夕食会については、会費5000円以外の差額を安倍事務所が負担したとすれば、公選法上の寄付に当たると指摘している。
事務所が参加者から集金する前にホテルに支払いをしていれば、政治資金収支報告書に載せる必要があり、載せていないのは政治資金規正法違反だとしている。
告発状の提出については、ニュースサイトのコメント欄などで様々な意見が書き込まれている。
市民の会メンバーのSNSなどを見ると、憲法第9条を守る活動をしている人も多い。安倍首相を批判する人たちの間でも温度差があるようで、「告訴されてるから議会で答えられないと言って逃げられる」「もう少し推移を見守ってからでも遅くは無い」との疑問も上がった。
これに対し、市民の会共同代表の田中正道さんは19日、過激な一部書き込みについて、こうした個人攻撃的な批判があるから市民運動がなかなか広がらないとフェイスブックで苦言を呈した。
「犯罪として、必ずしも特定されていない」
一方、告発状提出に賛意を示す声としては、「総理の答弁に不明確なものがあるのだから仕方がない」「疑惑があるならこの方法が最も適切だ」「国会で裁判ごっこやってるよりはいい」などと書き込まれている。
地検がどう対処するかについて、元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は11月20日、J-CASTニュースの取材に次のような見方を示した。
「検察が起訴できる可能性は、極めて少ないと思います。犯罪として、必ずしも特定されていないからです。私は、桜を見る会には問題があると思いますが、そもそも告発もすんなり検察に受理されない可能性がありますね」
ただ、若狭氏は、さらに大きな事件として立件できる可能性は残っていると指摘した。
「もしホテルが実際の料金との差額を負担し、事務所が会場費を支払わなかったりしていれば、ホテルが費用を安くしたことによる贈収賄も考えられます。総理の職務権限はオールマイティですので、ホテルへの何らかの許認可が絡んでいるかがポイントになると思います」
もっとも、こうした事実は確認されていない。いずれにしても、若狭氏は、「検察が立件するのは、そんなに簡単ではありませんね」と話している。 
 11/21

 

玉川徹氏、新たな問題噴出の「桜を見る会」に 11/21
21日放送のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」(月〜金曜・前8時)で首相主催で全額税金で賄われる「桜を見る会」を巡る問題を特集した。
番組では20日に菅義偉官房長官(70)は招待客の推薦者の内訳を明らかにし、安倍晋三首相(65)は約1000人、菅氏自らも数百人規模の推薦をしていたと述べた。昭恵・首相夫人(57)も推薦枠を持っていたことを伝えた。
さらに安倍首相がこの日の参院本会議で、招待客の取りまとめに関し「事務所から相談を受ければ推薦者について意見を言うこともあった」と明言。8日の参院予算委で「招待者の取りまとめには関与していない」としていた説明を修正したことなども報じた。
番組はスタジオで問題点を前夜祭の会費とサービスの差が贈収賄などの可能性、桜を見る会の招待客削減を検討も見送り、昭恵夫人に推薦枠などを紹介した。
この問題点にコメンテーターで同局の玉川徹氏は中でも「会費とサービスの差が贈収賄などの可能性」に注目し「法的な問題があるんじゃないかと」と指摘した。
その上で「どういう風な話になったとしても何らかの法律に抵触するんじゃないかという可能性がどんどん高まっている」とし前夜祭に関し「総理がおっしゃっているように参加した人がニューオータニにお金を払ったんだから関わってないという話で今までずっとしているわけですよね。じゃあいいです、その前提で。そうすると総理自身もいち出席者になるんでお金を払っていなくてはならない。もし払っているとすれば、払っているということで政治資金収支報告書に書かないといけない。払ってないということになるとホテル側の便宜供与になるんですって。だから便宜供与を受けたとして寄付になっちゃうからそれも政治資金収支報告書に書かなきゃいけない。それが両方とも書いていないとなると抵触する」と指摘した。
さらに前夜祭は「実態が後援会が主催する政治資金パーティーみたいなもんなんです。実態がそうなのに、いやそうじゃないそうじゃないと言っても、どっかに論理的なほころびが出てくる。実態をいくら違うと言って取り繕っても」と語り、「どんな小さな法律でももしか違反する可能性が出てきたら議員じゃなくて国のトップですから、総理大臣ですから、総理大臣続けられるのかっていう問題に最終的に行くんです。ポイントはいずれそこだなと思います」と指摘した。
この意見に司会の羽鳥慎一アナウンサーは「倫理的にどうかなと思うけど、違法ではないんじゃないかということだけではこのまま行けないんじゃないかと出てくる」と語り、玉川氏は「法的に大丈夫と言い切れないところにだんだん来ている気がします」と続けた。その上で羽鳥アナは「もう少し説明が必要だと思います」と指摘していた。 
「何が問題か、さっぱりわからない。政治外交にレセプションは欠かせない」 11/21
 桜を見る会問題に前産経政治部長・石橋文登氏
20日、通算在職日数が憲政史上最長となった安倍総理。しかし、感慨に浸る暇もなく、「桜を見る会」をめぐる疑念の払拭に追われている。
地元支援者の招待について安倍総理は「取りまとめプロセスには一切関与していない」としていたものの、同日の参議院本会議で「事務所から相談を受ければ、推薦者について意見を言うこともあった」と説明。さらに菅官房長官は今年の招待客の推薦枠に関し、自民党が6000人、安倍総理が1000人だったと明らかにした。さらに「安倍事務所において幅広く参加希望を募る過程で(昭恵)夫人からの推薦もあった」と、昭恵夫人も招待客の推薦をしていたことを認めた。
さらに「前夜祭」の会費5000円が安すぎるという指摘に安倍総理は「大多数が(同会場の)ホテル宿泊者という事情を踏まえホテル側が設定した価格」と説明してきたが、宿泊先とは別会場で前夜祭を行った2015年も会費が5000円だったことが分かり、「会場となったホテルとの交渉で、会費5000円の価格設定は維持」と釈明した。
前産経新聞政治部長で政治ジャーナリストの石橋文登氏は「僕は正直、桜を見る会の何が問題かさっぱりわからない」と話す。
「“こんな行事に政府が予算を使うのか”と言うけれど、政治外交にレセプションは欠かせない。市井の人にまで広げて人脈を作る唯一の機会が桜を見る会だ。それを自由参加にしてしまえば、“安倍政治を許さない”といったプラカードを掲げたり、“安倍帰れ”コールをする人が出てきたりして興ざめになる可能性もある。そう考えると、やはり一般人については議員推薦しか枠組みはないと思う。そんなの止めてしまえとなったら、政治家、海外の要人、財界、官僚、文化人、経営者など、それこそ“特権階級”だけのレセプションになってしまう。ここまで騒ぎが引っ張られると、呼ばれていた文化人が欠席し出し、“誰々もやめたらしい”という情報がどんどん広まってしまう。それが来年分を中止にした最大の理由だ」。
一方、今春の「桜を見る会」に参加したお笑い芸人のパックンは「桜を見てお酒を飲んでみんなでワイワイしよう、それでいいと思う。僕は呼ばれたら、また行く。アメリカなど海外の同様のイベントに比べて規模がとても小さいのにここまで騒いでいて、ちょっとかわいいなと思ってしまったし、日本はクリーンさにすごくこだわっていて良い国だと思う。ただ、問題は直すべき。石橋さんは野党のツッコミの意味が本当にわからないのだろうか。結局、衆院選で7割以上の議席を獲得している自民党も、実際は3〜4割程度の獲得票しかない。ということは、税金を払っている6割の方は自民党には票を入れていないということだ。もちろんレセプションは大事だが、自分の支持者以外も呼ぶべきではないだろうか。例えば議席に応じて、議員1人あたり何名、という招待枠を作ってもいいのではないか」と問題提起。
ジャーナリストの堀潤氏も「会の趣旨に立ち返った時、やはりプロパガンダと言われてもしょうがない。もし本当に興ざめではない状況にするなら“安倍総理やるね。反対派も呼んで桜を見ながらディスカッションするんだ”“市民に開かれた議会をここでやるんだ。よくやった。だったら税金使おう”であればいいが、そうではない。今のままでは安倍総理に近い方々や政権からリクエストがあった方々をおもてなしして、自分たちの姿勢を打ち出すという一つのショーだ。資料は廃棄している、証言が食い違う、報じられているホテル側との昔からの慣習的な取引などを見ていると、政治とカネで腐敗した旧来型のものから変わっていないんだなと実感させられる。国費を投入するには不適切だと思うし、政府が実施するのであれば、党派を超えてやるべきだし、2万歩くらい譲って今のまま開催するなら、どういう基準で、どういう会計で、どういった人たちが関わったのか、その情報公開をすべきだ」と訴えた。
こうした点について、石橋氏は「政治とカネの問題ではない。確かに人数や経費は増えているが、ほとんどセキュリティの経費だ。パックンさんもご存知だと思うが、芸能人のエリアには食べ物はほとんど無いだろう。そもそも70年前からずっとそうで、安倍政権だけが支持者を呼んだということではない。民主党政権の時は民主党の支持者を優先していた。今後は検討されるかもしれないが、基本的にレセプションとはそういうものではないか」と反論。
「昭恵夫人というだけでターゲットになっているが、かわいそうだ。どの政治家でも、地元の後援会は奥さんの影響力が大きい。多分、これで責められないと思ったから、今度は前夜祭を問題にしているんだと思う。実は僕も前夜祭に顔を出したことがあるが、本当にしょぼい。スパゲッティや焼きそば、唐揚げなどが少しあるだけだ。それでもなぜ参加者が毎回行くのかといえば、総理と写真を撮りたいからだ。そして終わった後は皆で赤坂などに飯を食べに行く。むしろ5000円は高いのではないか。もともと前九年の役で敗れた安倍貞任の弟の宗任が九州に流され、松浦水軍の婿養子になり、その子孫が源平合戦で平家に付き、こちらも敗けて下関に落ち延びた。そこで平家を名乗れば追討されるということで、安倍という旧姓に戻した。これが安倍総理の先祖と言われている。講演会は、そのご家来衆。だから何万円も払って東京に行く。そういう独特な後援会だ。手弁当で地方から来ているのに、“そんなやつは来るな”と言うのは、それこそ特権階級意識だ」。 
「桜を見る会」問題 選挙運動に利用許されぬ 11/21
皇族や各国駐日大使らのほかに「各界の代表等」を招いて開かれるが、推薦枠1万5千人のうち「等」に当たる人が9千人にも達していた。その大半が首相や議員らの支援者とみられ、野党から「選挙運動に公的行事を使っていた」と批判が出るのは当然だ。
安倍晋三首相の主催で毎春、東京・新宿御苑で開かれる「桜を見る会」の首相官邸や自民党による私物化が浮き彫りになった。菅義偉官房長官は衆院内閣委員会で推薦枠について自民党が6千人、首相が千人程度だったことを明らかにした。さらに、副総理と官房長官、官房副長官の合計で千人、公明党関係者や元国会議員、報道関係者合わせて千人、各省庁が推薦する功労者らは約6千人だったと説明した。閣議決定で「私人」とされた首相夫人、昭恵氏の推薦枠もあった。
会では酒や食べ物が振る舞われ、費用は税金で賄われる。約1万人が目安とされてきたが、今年は同伴者を含め約1万8千人が参加。2014年の支出額は約3千万円で、今年は約5500万円に膨れ上がっている。招待客の増加に伴うものだが、首相の地元では事務所からの申込書が何枚でもコピーできるようになっていたという。これでは毎年増え続けるばかりだ。
今春の会では、7月の参院選で改選を迎える自民党議員に、後援会関係者などを招待できる案内状が送られ、党が取りまとめをしていたともされる。政治家が自分のカネで地元の有権者に酒食を提供すれば公選法違反だ。菅原一秀前経済産業相や河井克行前法相はそうした疑いが浮上し辞任に追い込まれた。今回のケースは違法とまではいかないとされるものの、国民の血税を使ったもてなしであり到底許されない。
首相は8日の参院予算委員会で「主催者としてのあいさつや接遇はするが、招待者の取りまとめはしていない」と人選への関与は否定した。だが、昨日の参院本会議で「私自身も事務所から相談を受ければ、推薦者について意見を言うこともあった」と述べた。前言を翻したのに「先日の答弁が虚偽だったとの指摘は当たらない」と強弁した。
首相は、会の前日にあった後援会関係者向けの夕食会について、自身の後援会が主催したと明らかにした。会費の集金は事務所職員が行い、そのままホテルに渡していたと重ねて説明したが、明細書はないとしている。大半がそのホテルへの宿泊者とも述べたが、別のホテルで開催したケースがあるなど矛盾点も多い。自らの問題であるのに、野党の追及から逃れるような姿勢に終始しているのも国民の不信を招いている。予算委などで経緯を詳細に説明すべきだ。 
麻生氏「桜を見る会」に地元関係者ら200人招待 11/21
麻生太郎副総理兼財務相は21日の参院財政金融委員会で、今年の「桜を見る会」に招待した地元関係者らが100〜200人だったと明らかにした。
招待者名簿の有無を問われ「記録に残っていない」と述べた。国民民主党の原口一博国対委員長は記者会見で、安倍晋三首相が国会答弁を修正したことについて「疑惑はますます深まった」と批判した。参院内閣委員会は同日午後、桜を見る会に関する質疑を行った。菅義偉官房長官が出席。野党は首相答弁の矛盾を追及する。
政権ナンバー2である麻生氏の招待者数が明らかになったのは初めて。「公的行事の私物化」との批判が強まりそうだ。
菅氏はこれまで招待者の推薦枠として、首相の1000人程度とは別に、副総理と官房長官、官房副長官の合計で1000人程度があったと説明している。
麻生氏は、招待者が年々増加している点については首相も反省していると指摘した。立憲民主党の勝部賢志氏への答弁。
菅氏は会見で、招待者について内閣官房、内閣府が毎年同じ人を推薦しないように求めていたと説明。菅氏自身が、前年の招待者を再度推薦していたと質問で指摘されると「適切でなかった」と釈明した。
原口氏は会見で、桜を見る会の問題について「首相の説明がことごとく覆され、全く説得力がない。政治の私物化が極まったと言わざるを得ない。一刻も早く安倍政権を倒して、腐敗を取り除く」と強調した。
参院内閣委で野党は、首相が招待者の推薦を巡る自身の関与を認めたことを受け追及。私人である首相夫人の昭恵氏が推薦に関わった妥当性も取り上げる。立民の杉尾秀哉氏は、副総理などの推薦枠と実際の招待者数について尋ねる。
無所属の小西洋之、国民民主党の木戸口英司、共産党の田村智子、日本維新の会の清水貴之各氏も質問。
首相は20日の参院本会議で、招待者の推薦に関し、自身の議員事務所に対し意見を述べたと説明。人選への関与を否定していた従来の国会答弁を事実上修正した。 
「桜を見る会」シュレッダーが話題 40秒で1千枚細断 11/21
今年4月の「桜を見る会」について、政府が共産党から資料を要求されたのと同じ5月9日に招待者名簿を廃棄するのに使った大型シュレッダーは、大量の紙を瞬時に細断できる高性能のものだった。政府は国会で「連休前から使おうとしたところ、(内閣府の)各局の使用が重なって調整した結果、連休明けになった」と答弁。資料要求との因果関係を否定しているが、SNSでは疑問の声も上がっている。
内閣府が名簿の廃棄に使った大型シュレッダーは、東京・永田町の国会近くの同府本府にある。内閣府によると、製本・アルバム大手の「ナカバヤシ」社製の機種。同社に取材したところ、約40秒で最大約1千枚を細断できる性能だという。業務用で、大きさは横幅3・2メートル、高さ1・5メートル、奥行き1・7メートルある。
内閣府によると、大型シュレッダーは1台で、地下1階のシュレッダー室に設置。平日の午前9時から午後5時まで使うという運用だ。同室は施錠しており、予約して使用するたびに解錠するという。一方で、大型ではない通常のシュレッダーは、各部署ごとにあるという。
「5月9日」の廃棄日が問題になっているのは、共産の宮本徹衆院議員が桜を見る会の国会質問に備えて政府に資料を要求した日だからだ。政府は「会の終了後、遅滞なく廃棄する」という運用に沿って廃棄したと説明しているが、桜を見る会(4月13日)から約1カ月経っていた計算だ。
内閣府の大塚幸寛官房長は20日の衆院内閣委で「連休前から、廃棄の分量が多いから通常のシュレッダーではなく大型シュレッダーを使おうとしたところ、各局の使用が重なって調整した結果、連休明けの5月9日になった」と答弁している。 ・・・ 
“桜を見る会” 自民党から「そんたくされても遠慮しないと」  11/21
総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐり、自民党の派閥の会合では、ことしの招待者のうち1000人程度が安倍総理大臣からの推薦だったことなどについて、反発を招かないよう対応すべきだといった指摘などが出されました。
総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐり、政府は、ことしの招待者1万5000人余りのうち、1000人程度が安倍総理大臣からの推薦で、昭恵夫人からの推薦も含まれていたことを明らかにしました。
伊吹元衆議院議長「力あるやつが身内優遇 反発は非常に強い」
これについて、伊吹元衆議院議長は、「地位が上がり、周りがよかれと思ってそんたくしてくれる時に、遠慮する気持ちがないといけない。やはり、奥さんを含めて1000人も推薦するというのはちょっと多いのではないかと誰でも思う」と指摘しました。そのうえで「力のあるやつが身内を優遇したということに対する反発は非常に強く、隙を作らないようにしないといけない。事務所に不手際があったことをおわびして、できるだけ自分に厳しくすることがいちばんのポイントだ」と述べました。
石破元幹事長「政権に対する信頼を確保していくという思いを」
石破元幹事長は「国民が変だと思っていることがあるなら、きちんと答え、政権に対する信頼を確保していくという思いを持っていかなければならない。本来の『桜を見る会』の趣旨に戻し、透明性を保って開催することが大事だ」と指摘しました。
石原元幹事長「与党の一員として難題に取り組む姿勢を」
石原元幹事長は「政治の倫理に関する問題でガタガタするのではなく、私たちは与党の一員として難題に前向きに取り組む姿勢を示していくことが必要だ」と述べました。
公明 北側副代表「公費なので節度」必要
公明党の北側副代表は記者会見で「公費を使っているので節度を持った形で行われる必要がある。政府にはその方向で見直しをしてもらいたい」と述べました。また、安倍総理大臣の昭恵夫人からの招待者の推薦もあったことについて、「総理枠ということではないか。公費を使っている以上、節度ある対応が必要だ」と述べました。 
今度こそ安倍総理は「桜を見る会」疑惑から逃れられない 11/21
安倍晋三首相が2012年12月に2度目の政権についてから7年。第1次政権との通算で桂太郎内閣を超える最長政権の記録に達して権勢の頂点にありながら、いま最も信頼性への不信が広がっている。「桜を見る会」疑惑の噴出である。
菅原一秀経産相の辞任から6日後に河井克行法相が辞任。いずれも公選法違反疑惑が報じられ、説明責任を果たさず、逃げるように大臣の職を辞した。事実上の更迭である。次はどの大臣の疑惑が出るかとうわさが流れていたが、いわば「天守閣の住人」への疑惑が出てきたのが、首相主催の「桜を見る会」であった。内閣委員会での質疑や報道などを含め、この原稿が公開されるときも事態はまだ流動的だろう。
ポイントを二つ指摘しておく。第一の問題は「桜を見る会」の前夜に行われた安倍晋三後援会のパーティー代金の謎である。参加費は5千円。会場となったホテルニューオータニでの立食パーティーは1万千円からだ。だが、この金額は150人以下の宴会である。5千円で800人なら400万円だ。金額が合わない。果たして安倍事務所からの補塡(ほてん)はあったのか。
会場前で支払いが行われており、ホテルの領収書も渡されている。政治家が飲食を伴う会合を行うとき、事前に店から領収書をもらい、参加者に渡すことがあるから、ホテルの領収書があったことは不思議ではない。前夜祭の出席者は約800人。ホテルの規約では30日前に入金することになっている。安倍事務所が立て替えておき、当日に参加者から集金し、まとめてホテルに払ったなら、立て替えたときの支出とパーティー後の入金を政治資金収支報告書に記載しなければならない。
だが安倍首相の説明は違った。11月20日に行われた参議院本会議での答弁によると、パーティー会場に安倍事務所の担当者が立ち、参加者が代金を支払い、ホテル関係者が領収書を渡し、総額がホテルに支払われたという。安倍事務所への入金はないから政治資金規正法には抵触しないというわけだ。
参加者の多くがホテル宿泊者なら、料理の割引もあって不思議ではない。首相はそう答えていた。だが宿泊者はANAインターコンチネンタルホテルとホテルオークラ東京だった。首相はのちに手違いがあって別のホテルになったと説明した。なぜ説明が変化したのか。首相は料理や会場費などの明細書がないというが、商取引において、常識的にはありえない。ホテル側と安倍後援会との間に何らかの便宜供与があったのだろうか。
第二の問題は「桜を見る会」のあり方である。安倍政権になってから参加人数がどんどん増えていき、約1万人の予定が約1万5千人になった原因である。
すでに明らかになったように、自民党改選参議院議員が1人あたり「一般の方(友人、知人、後援会等)を、4組までご招待いただけます」と推薦ではなく招待できたこと、総理枠は1千人、副総理、官房長官、官房副長官枠が1千人、自民党枠が6千人だ。この数字は11月20日の衆議院内閣委員会で菅義偉官房長官から明らかにされた。内閣府は招待者の書類を破棄したと説明してきたのに、なぜこの数字が分かったのだろうか。首相が記者に語ってきたことが、なし崩しに訂正されていく。
安倍首相のお膝元の山口県では地方議員レベルまで、定員なしに希望者を招待できたから、安倍後援会からは約800人もの出席があった。これでは各界の功労者を中心に招待するという本来の趣旨から遠く離れていき、首相の後援会や自民党関係者を税金でもてなしたという批判を受けるのも当然だろう。安倍首相が来年の「桜を見る会」を中止して、招待者の見直しをするとしたのも、その実態にやましさを覚えたからだろう。
首相がいわゆる「ぶら下がり」会見で説明を終わらせようとしたことにも問題は残る。国会でルールに基づいて予算委員会の開催を要求しても、与党はそれを無視したままだ。安倍首相は野党の疑問に答えるために予算委員会に出席する義務がある。そのことを問われると「国会のことは国会でお決めになること」と答弁するが、本気で意思があれば自民党総裁として与党に出席すると命じればいいだけである。都合の悪い事実が明らかになっていき、追及にガマンできずヤジを発したりする姿をさらしたくないのが本音だろう。
私が驚くのは「桜を見る会」の招待券が売買されていたことである。元自民党職員が30万円で売ったと週刊朝日が2008年に報じていたが、今年4月にはフライデーが芸能界でも小遣い稼ぎに使われていたことを明らかにした。関係者によると、芸能事務所に20枚ほど招待状が配られるという。それを入手して1枚8万円で売ったという話もある。売れていないタレントが購入し、会場でテレビに映ったり、著名政治家と写真を撮って宣伝するのが目的である。公的行事が私的利益追求の場となっているのである。さらにはネットを中心に「反社会的勢力」の参加を疑う声もある。
「桜を見る会」は、昭和27(1952)年にサンフランシスコ講和条約の発効を記念する「観桜会」として吉田茂内閣からはじまった。最初はアメリカ、イギリス、フランス、ソ連などの外交官、陸海軍武官など「内外名士千余名」が参加したが、いまや安倍政権のもとで約1万5000人に膨れ上がった。
その「膨れた」人数の内訳が問題なのである。総理枠、副総理枠、官房長官枠、官房副長官枠、自民党枠で8千人、さらに安倍昭恵夫人枠まであり、それがタダで飲食できたという事実は衝撃的だ。これは買収行為が行われたと批判されても仕方ないだろう。
在職期間で史上最高の記録に達した11月20日という記念すべき日に、日本社会で問題になっているのが、安倍首相の税金の使途への疑惑であるとは、何とも恥ずかしい。 
「桜を見る会」反社会的勢力も参加か 官房長官 改善図る考え  11/21
総理大臣主催の「桜を見る会」について、菅官房長官は参議院内閣委員会で反社会的勢力と見られる人物などが参加していると指摘されていることに対し、今後の見直しで本人確認の徹底などセキュリティー面の改善を図る考えを示しました。
総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐり、野党側は、反社会的勢力と見られる人物などが参加しているとして、本人確認が行われていないのではないかと指摘しています。
これについて、菅官房長官は参議院内閣委員会で「個々の招待者の参加は承知していないが、出席者の一部について、さまざまな指摘がある。本人確認、セキュリティーの向上策については、今後の全般的な見直しの中で必要な対応をしていきたい」と述べました。
また菅官房長官は、安倍総理大臣夫人の昭恵氏による招待者の推薦について「安倍事務所で幅広く参加希望者を募る中で、夫人からのご意見もあったが、総理からの推薦およそ1000人の中に含まれている」と述べました。
また総理大臣や与党などへの推薦依頼について、内閣官房の大西証史内閣審議官は「人数の上限を確定的な数字としては申し上げていない。これまでの慣例的な数字で推薦をいただいている」と述べました。
法務省「名簿は6年分保存」森法務大臣「4人推薦した」
法務省は参議院法務委員会で推薦者名簿は、平成26年度から平成31年度までの6年分保存していて、その間、毎年度70人程度を推薦していたことを明らかにしました。
また、共産党の山添拓氏が「参議院の改選議員には特別枠があったとされているが、改選だった森法務大臣はことしの桜を見る会では特別枠も含めて何人招待し、後援会の方も招待したのか」とただしました。
これに対し森法務大臣は「特別枠というのは承知していないが、自民党の参議院の事務局から4人推薦するよう言われて4人推薦したと思う。地域のさまざまな活動にご貢献なされている方々を推薦した」と述べました。 
安倍首相、『桜を見る会』参加者人選関与認め「反省」 11/21
安倍晋三首相は20日の参院本会議で、公費による首相主催の「桜を見る会」招待者の推薦について自身の議員事務所に意見を述べたと明らかにし、参加者の人選過程に事実上、関与を認めた。関与を否定したこれまでの国会答弁を事実上修正。招待基準が曖昧だったとして「大いに反省すべきだ」とも語った。
菅義偉官房長官は衆院内閣委員会で推薦枠に関し、自民党が6000人、首相が1000人程度だったと説明。首相分には昭恵夫人の推薦も含まれていることも明らかになった。
また、2016年4月に開催された首相主催の「桜を見る会」を巡り、政府が警備強化などを理由に検討していた招待客の削減案の実施を見送っていたことも判明。首相はこの日、在職日数が2887日に達し憲政史上歴代1位になったが、立憲民主党の安住淳国対委員長は「最高権力者が疑惑を持たれている中で、そうした日を迎えたのは皮肉」と述べた。
ジャーナリストらでつくる市民団体「税金私物化を許さない市民の会」は同日、今年の「桜を見る会」に後援会関係者を無料で招待し、食事や酒を提供したことは有権者の買収に当たり、公選法に違反するとし、公選法違反と政治資金規正法違反の疑いで、首相に対する告発状を東京地検に提出した。 
安倍総理を公選法違反で市民らが東京地検に告発 11/21
安倍晋三総理が公費で主催する「桜を見る会」の前夜に、都内の一流ホテル・ニューオータニで安倍晋三後援会が主催した「夕食会」について、安倍総理が1人5000円だったと説明していることに疑問を持つ市民らが、安倍事務所や後援会が補填した可能性があるとして、安倍総理を公職選挙法違反容疑で東京地検に20日告発した。
告発したのは弁護士やジャーナリストらでつくる「税金の私物化を許さない市民の会」。市民らは「桜を見る会の幕引きをゆるすな!!税金私物化を許すな、安倍首相を告発へ」とアピールした。
夕食会をめぐっては20日、国会で安倍総理は「主催者は安倍晋三後援会」としたうえで「夕食会の各種段取りは私の事務所職員が会場のホテル側(ニューオータニの担当者)と相談していた。(事務所に確認した結果)その過程において、ホテル側から見積書などの発行はなかったということだった」と見積書などの提示がなかったとした。
また夕食会会費が1人5000円という点について「ホテル側と相談し(その)価格設定になったと承知している。夕食会参加費も参加者が実費で支払い、後援会の収入や支出は一切ない」と改めて述べ「政治資金収支報告書への記載の必要はないと認識している」と強調した。 
安倍晋三首相は、「桜を見る会」をめぐり、東京地検に刑事告発された 11/21
安倍晋三首相は、11月20日、国の予算で首相が毎春開催してきた「桜を見る会」をめぐり、公職選挙法違反と政治資金規正法違反の疑いで遂に東京地検に刑事告発された。告発したのは、ジャーナリストの浅野健一氏(71)ら「税金私物化を許さない市民の会」(市民約50人が参加)だ。告発状によると、桜を見る会の前日に開いた夕食会費用について、安倍事務所職員が参加者から1人5千円を集め、ホテル名義の領収書を発行したと首相が説明した点を疑問視。5千円では足りずに差額を事務所側が負担していれば、公選法が禁じる選挙区内での寄付行為に当たると主張、事務所が参加者から集金する前にホテル側に支払いをしていれば、政治資金収支報告書に記載する必要があると指摘。政治資金規正法違反の疑いがあるとしている。
菅義偉官房長官に近い情報筋によると、「私の個人的な付き合いの方で、小・中・高校の同級生が安倍晋三首相の昭恵夫人から呼ばれて参加している。本郷のビジネスホテルに前日から泊まって朝の『桜を見る会』に参加した。しかし、森友問題のときにあれだけ『昭恵さんは公人ではない』と否定してきたその昭恵さんが、相当な枠を持って招待しているのは事実だ。私の親友の女性は
『私も呼ばれちゃった〜』と言って、一張羅の訪問着を着て行った。ただし、安倍晋三首相の選挙区の人ではないので、前夜の招待は受けていない。山口県でも一番、町外れの村の女性だ。それにしても、酷い。ジャリタレを呼んで、酷すぎる。これで、メロンや梨で辞任しているのに、これで辞任しなかったら日本は闇だ」という。この話は、安倍晋三首相の選挙区(山口4区=下関市、長門市)内の有権者が、相当数招待されて、優遇されていたことを暗に裏付けている。
国の予算で首相が毎春開催する「桜を見る会」に安倍晋三首相の地元有権者が多数参加していた問題で、ジャーナリストの浅野健一さん(71)らでつくる市民団体が18日、東京都内で記者会見し、安倍首相を公職選挙法違反と政治資金規正法違反の疑いで東京地検に告発する方針を明らかにした。賛同者を募り20日に告発状を提出するという。この市民団体は「税金私物化を許さない市民の会」。市民約50人が参加している。
同会は、桜を見る会の前日に開いた夕食会費用について、安倍事務所職員が参加者から1人5千円を集め、ホテル名義の領収書を発行したと首相が説明した点を疑問視。5千円では足りずに差額を事務所側が負担していれば、公選法が禁じる選挙区内での寄付行為に当たると主張している。
また、事務所が参加者から集金する前にホテル側に支払いをしていれば、政治資金収支報告書に記載する必要があると指摘。政治資金規正法違反の疑いがあるとしている。
会見で浅野さんは「公選法違反や政治資金規正法違反は政治家にとって重い罪であり、許されない」と訴えた。
安倍晋三首相主催の「桜を見る会」には、社会的に功労のあった人が招かれることになっていて、政府は招待者名簿を「廃棄した」と説明していたはずなのに、菅義偉官房長官は11月20日の衆院内閣委員会で、「内閣官房および内閣府の事務方の話などを総合」した結果として招待者の内訳を初めて明らかにした。
それによると、「各省庁推薦の各界功労者、各国大使等、国会議員、勲章受章者など」が約6000人で、残り9000人程度について「内閣官房が推薦をいただくなどした上で、内閣官房および内閣府で取りまとめている」と説明。
さらに、約1万5000人の招待者のうち、約9000人が事実上の「政治枠」で、内訳は、「自民党関係者の推薦」が約6000人、「国際貢献・芸術文化等の特別招待者、報道関係者、公明党関係者、元国会議員など」「総理から」「副総理、官房長官、官房副長官から」が、それぞれ1000人程度だ。
つまり、安倍晋三首相からの推薦が、1000人であり、しかも悪いことに1000人の中には安倍昭恵夫人が推薦した人が含まれていたことも明らかになった。
大西証史・内閣官房内閣審議官は、「安倍事務所において幅広く参加を募る中で、夫人からの推薦もあったとのことだ」と答弁している。これは、「私人」のはずの昭恵夫人が公的行事への招待者選びに関与していた疑いも浮上してきたことを意味している。
昭恵夫人が2017年4月に開校予定だった小学校「瑞穂の国記念小学院」(大阪府豊中市)の「名誉校長に就任する」問題で、すったもんだした際、首相夫人は「公人」か「私人」かが国会でも取り上げられた。安倍晋三首相は、「妻は私人だ」と答弁していた。ところが、桜を見る会」では、昭恵夫人が公的行事への招待者選びに関与していたとなると、これは、どう見ても「公人」扱いとなり、安倍晋三首相の答弁と矛盾する。しかも、山口4区」の有権者から昭恵夫人の推薦で招待された人もいたとなれば、明らかに「公選法違反」が成立する。このため、野党はさらに追及する構えだ。
安倍晋三首相主催の「桜を見る会」の公職選挙法違反と政治資金規正法違反の疑いでに加えて、安倍晋三首相を追い詰めているのは、文部科学相を務めた下村博文党自由民主党選挙対策委員長が、今月導入が延期された[英語民間試験」について、2018年4月13日に開かれた自民党教育再生実行本部の会合で「東大に活用するよう指導を」と発言したことが、「学問の府への政治介入だ」として物議を醸している。NHKが、自民党の会議の音声データを入手しているという。
それでなくても、英語民間試験導入を見送った問題で、歴代文部科学相らの政治家や文部科学官僚に「袖の下」を渡した業者もいたという情報もあり、「贈収賄事件」に発展しそうだと厳しく指摘されている最中、安倍晋三首相は、厄介な問題を抱え込んでいる。これも、在任通算2887日という長期政権の末期症状の1つであろうか。 
 11/22-24

 

「桜を見る会」をめぐる20日の衆院内閣委員会の質疑で、政府は今年の招待者名簿について、野党から招待者数や支出額などの資料要求を受けた5月9日に「シュレッダーで廃棄した」と説明した。野党は、森友学園の公文書を廃棄・改ざんした問題と通じる安倍政権の体質だとして追及を強めている。政府が今年4月13日の「桜を見る会」の招待者名簿を廃棄した5月9日、共産党の宮本徹衆院議員が同13日の国会質問のために桜を見る会に関する資料を要求。2008〜19年の「各年の招待者数の推移」や予算額、参加者数が増えている理由などを求めていた。 
桜を見る会、招待状偽造疑惑のキャバ嬢が語っていた「経緯」 11/22
安倍首相主催の「桜を見る会」をめぐる問題は政界だけでなく、芸能界など各方面に飛び火している。参加した芸能人の選定基準の不透明さなどが取り沙汰されているのだ。そんななか『FLASH』(12月3日号)が〈「桜を見る会」偽造招待状で参加した「お水の女王」〉と題した記事で、有名キャバクラ嬢の小川えり氏(32)が「偽造招待状で出席した」と報じた。小川氏は名古屋の老舗キャバクラに在籍し、「2日で1億円以上を売り上げた」という“伝説のキャバ嬢”だ。
記事のなかでは招待状の偽造を手伝ったと語る人物が、「別人宛の招待状の封筒を手に入れて、もとの宛名を修正液で消し、彼女の本名を印刷した紙を貼りつけた」などと証言している。
実は昨年、桜を見る会が開催される直前、本誌・週刊ポストは彼女が桜を見る会に参加する予定であるとの情報を入手し、本人に直撃。当時、小川氏はこのように主張していた。
〈──どういう経緯で招待されたのですか?
「実は私もよく分かっていないのです。友人から“総理の『桜を見る会』に招待されるかもしれないから”と言われて住所を教えたら、しばらく経って案内状が届いたので驚きました。その友人は政府関係者か? いえ、その人の素性もよく知らない(笑い)」
──昭恵夫人と面識があったり?
「安倍総理や昭恵夫人とは会ったことはありません。水商売では納税とかにルーズな人もいるけど、私はこう見えて税金をきっちり払っているんです。かなりの額の。色恋も枕営業もしませんし、とにかくクリーンなところが良かったのでしょうか(笑い)」〉
今回、「桜を見る会」の招待客の人選について疑惑が持ち上がってから再び招待の経緯を聞こうと本人の携帯に連絡をとったが、電話がつながることはなかった(小川氏の所属事務所は『FLASH』の取材に「昨年の『桜を見る会』に、小川は参加しておりません。併せまして、偽造の事実もございません」と回答)。
すでに名簿は廃棄処分されているから“伝説のキャバ嬢”が本当に招待されていたかどうかは定かではないが、彼女の昨年の言葉は真実だったのだろうか。  
安倍晋三総理主催「桜を見る会」 元山口組組員まで招待されていた 11/22
問題ある「招待客」は、やはり後援会の面々だけではなかった。今年の「桜を見る会」に参加した1万8000人のなかには、一般的な感覚ならば招待など到底ありえない人物まで含まれていた。
「新澤良文(52)という男です。奈良県にある高取町の町議ですが、実はこの男、元々は山口組傘下組織の組員なんですよ。しかも、前科まである。元ヤクザであることは町の人間なら誰もが知っている。そんな男が、堂々と『桜を見る会』に参加し、首相や夫人とツーショット写真を撮影。それを自分のフェイスブックに投稿して自慢までしているんだから驚きです」(神戸山口組関係者)
「桜を見る会」は、安倍晋三首相(65)による地元後援者の招待が問題とされ、野党から「税金の私物化」と激しく追及されている。そこに反社会的な人物≠ワで呼んでいたとすればさらなる批判は免れないが、本当に元暴力団組員が参加していたのか。
本誌の取材に応じた新澤町議は、あっさりと元ヤクザであることを認めた。
「私がヤクザ組織に在籍していたのは、’86年頃からです。山健組系の臥龍会という組に所属していました。入れ墨も入っており、逮捕歴があるのも間違いありません。抜けたのは30歳のころ。組が代替わりして、冷や飯を食わされるようになったのがきっかけです。
40代半ばで出身である高取町に戻ってきましたが、当時、町では産廃の処理場を造る話が進んでいた。町民はみんな反対していましたが、バックにはヤクザがいるから誰も逆らえなかった。そこで私のところに『何とかしてくれ』と相談が来たんです。その流れで’13年に町議になったという経緯です。現在、町議は2期目。これだけはキチンと言わせていただきたいんですが、いまはカタギとして真面目にやっています」
新澤氏は「桜を見る会」に招待された経緯も、ざっくばらんに明かした。
「今年だけでなく、昨年も参加しています。自民党系の代議士などが集まる勉強会に参加したら、そのメンバーに誘われたんです。昨年は招待状を持っていなかったんですが、受付に行ったら何のチェックもなく入れました。そしたら、今年は招待状が届いたという経緯です」
「桜を見る会」を主催しているのは、安倍首相である。開催費用はもちろん税金で、その額は約5500万円にものぼる。元暴力団組員をノーチェックで招くことの是非は横に置いたとしても、「各界において功績、功労のあった方々を招き日頃の労苦を慰労する」という本来の目的は完全にないがしろにされている。政治ジャーナリストの角谷浩一氏が言う。
「自民党は民主党時代も招待枠を使っていたと批判をかわそうとしていましたが、『桜を見る会』の運用がこれほど杜撰(ずさん)になったのは安倍政権になってから。税金を投入している以上、会の中止でお茶を濁して済む話ではない。安倍首相はさまざまな疑惑について説明責任を果たすべきです」
この問題が安倍政権崩壊の「蟻の一穴」になるのか――。 
 11/23

 

 
 11/24

 

産経新聞の「桜を見る会」安倍首相擁護が無理やりすぎて笑える! 11/24
安倍首相主催「桜を見る会」をめぐる一連の疑惑で、窮地に追い込まれている安倍政権。最後に頼るのは“応援団メディア”ということらしい。
血税を私物化した悪質な選挙利用、「前夜祭」の公選法・政治資金規正法違反疑惑、やっぱりあった“昭恵フレンズ枠”などなど、もはや怒涛の疑惑ラッシュにあるなか、“安倍政権御用機関紙”こと産経新聞が、無理やりの“失笑カウンター”報道を乱発しているのである。
たとえば20日(産経ニュース)の「立憲・安住氏の朝食会『原価』1人1739円 首相の会費5000円より安く」と題した記事。立憲民主党の安住淳・国対委員長の資金管理団体が2012年、ホテルニューオータニで開いた政治資金パーティ「淳風会政経懇談会 朝食セミナー」について、〈会合の「原価」に当たるホテルの会場使用料が対価を支払った人1人当たりで1789円だった〉ことが政治資金収支報告書からわかったというのだが、これが笑えるくらい強引な難癖記事なのだ。
だいたい、いま問題になっている安倍事務所の「桜を見る会前夜祭」は夜のパーティだ。「朝食セミナー」と比べて、いったいなに言ってんの?って話だろう。
当たり前の話だが、夜のパーティと違って、政治資金パーティの朝食会は、出費を抑えて利ざやを増やすために、簡素なモーニングセットなどの軽食になることが多い。当然、飲み物もお茶や水だ。産経サンは鬼の首をとったかのように「首相の会費5000円より安く」と書きたてているが、そもそも比較できないものを同列に扱っている時点でアホ丸出しである。
まったく、この時点で相手にするのもバカバカしくなってくるが、一応、真面目に言っておくと、産経記事にある「1人1789円」なる算出方法もお笑いレベルだ。
これは、政治資金収支報告書をもとに、1062万円の収入があった2012年4月23日の「朝食セミナー」について、ホテルニューオータニへの支出額(会場費=約92万円)を購入されたパーティ券の人数(=531人)で割って出した数字らしいが、だいたい、政治家が会場の収容人数をはるかに上回る枚数を売りさばいているのは常識だろう。安住氏の「朝食セミナー」にしても、おそらく、実際に当日参加した人数は報告書の記載よりもずっと少なかったと思われる。
もっとも、これは政治資金規正法がザルすぎて事実上の献金になっているということで、倫理的な問題はあるが、それを言うなら安倍首相や麻生太郎財務相ら有力政治家たちはパー券でもっと荒稼ぎしている。たとえば自民党の岸田文雄政調会長は、年に複数回、「衆議院議員岸田文雄と国政を語る会」と題した政治資金パーティの朝食会を行なっており、その会場がホテルニューオータニの場合もある。試しに、産経と同じ方法で「一人あたりの金額」を出してみたところ、約2600万円の収入を得た2017年4月25日のニューオータニでの朝食会は、支出の「会場費」を「対価の支払いをした者の数」(=900人)で単純に割って1人2277円だった。もちろん、これも900人が来場したとは思えず、ようするに産経の算出方法自体がナンセンスなのである。
加えて言うなら、こうした「検証」ができるのも、そもそも安住議員の資金管理団体が政治資金パーティの収支をちゃんと政治資金収支報告書に記載しているからだろう。言うまでもなく、「桜を見る会前夜祭」をめぐる問題は、安倍首相の全関連団体の収支報告書にまったく記載がなかったところから始まっており、そこから政治資金規正法違反や公職選挙法違反などが指摘されてきたわけだ。本末転倒とはこのことだろう。
いずれにしても、産経新聞は安倍首相を擁護すべく、比較対象にならない簡素な政治資金パーティの「朝食会」と、酒飲み放題の「桜を見る会前夜祭」をわざと同列にならべて、安倍側が言い張る「会費5000円でできたもん!」を正当化しようというのだ。こんな子ども騙しの“フェイク”を堂々とぶってくるとは、逆に笑えてくるではないか。
いや、この「一人1789円」記事だけではない。産経は他にも必死すぎるあまり、一読して無茶苦茶な政権擁護記事を次々繰り出している。「首相夕食会『会費5000円、個別領収書あり得る』ホテル関係者」(産経ニュース19日)と題した記事なんて典型だ。
コレ、どういう話かというと、匿名の〈会場となったホテルの関係者〉が「安くても受けることがあり得る」「例えば『総額でこれくらいで収めてほしい』という相談があれば、応じざるを得ない」「注文を断れば収入はゼロになり、別の日への変更も不可能だ。スケールメリットなどを総合的に考える」「参加人数で割れば、いろいろな金額になることはある」などと証言した、と産経は言うのだが、お気づきだろうか。
実は、タイトルには「会費5000円、個別領収書あり得る」と書いてあるのに、記事のどこを読んでも、その「ホテル関係」なる匿名人物が「5000円でできます」とはまったく明言していないのである。
この人物が言っているのは、ようするに、予約が入りにくい閑散期や空きがあるときの直前予約などでは値引きすることもありうる、という一般論でしかない。しかも、問題の「桜を見る会前夜祭」が行われているのは4月で、閑散期でもなければ、直前に予約されているわけでもない。逆に産経は、「前夜祭」がスケージュールや条件的に、「注文を断れば収入はゼロ」になるような割引案件ではないことを、間接的に示してしまったとさえ言えるだろう。
しかも、はっきりと「5000円でできる」と明言する関係者がいない一方で、「5000円では無理だ」という証言はたくさんある。たとえば、先週発売の「週刊文春」(文藝春秋)でも、ホテルニューオータニで〈パーティーなどを担当する料飲営業部に所属経験のある現職社員〉がこう証言していた。
「会社からはこういった取材には答えるな、と言われているのですが……会費五千円はあり得ません。会場費は値下げができませんし、飲食費をディスカウントするといっても、限度がある。うちは居酒屋じゃないんです」
「スケールメリットはないんです。八百人規模ならば、通常、飲食費と会場費(今年は一番広い“鶴の間”で行われた)を含めれば、どれだけお安いメニューにして、提供する食事や飲み物の量を少なくしても、最低でも合計で一千万円はかかります」
安倍首相が言うように、出席者800人で一人あたり5000円の会費を払ったとしたら、実に600万円も足りないのである。この“不足分”は安倍側が埋めたのか、それともニューオータニ側が負担したのかが焦点になっているわけだが、産経新聞はひたすら「5000円でできるはずだ」との願望(妄想)ありきで、総理大臣の公選法違反疑惑などには全く踏み込もうとしないのだ。だったら、もう産経の社員を800人連れて「ひとり5000円でお願いします!」とニューオータニに申し込んでみたらどうか。
政権のピンチに青ざめ、必死になった産経新聞は、擁護記事ならもはや何でもアリ、というか、報道機関として当然求められるジャーナリズムを捨ててしまった。実際、全国各紙の社説を読んでも、あの読売新聞ですら政権を厳しく批判して前夜祭も含めて論じているのに、産経はどうか。11月23日までの社説「主張」では、最大の問題である前夜祭には一言も触れていない。ようするに“タブー化”しているのだ。
国民が疑っている疑惑の真相を追及できず、苦し紛れに野党をディスってみたり、デスクから「5000円でできる」なる妄想記事を書けと命じられる若手記者の心境は察するに余りあるが、産経はあくまで安倍政権と心中するつもりなのだろう。御用メディアの運命といえども、さすがに哀れである。 
 11/25

 

ダンマリのニューオータニに浮上 桜前夜祭「裏帳簿」疑惑 11/25
安倍首相主催の「桜を見る会」問題で、公選法違反や政治資金規正法違反の疑いが日増しに深まっているのが、前日夜に都内のホテルニューオータニ「鶴の間」で開かれた「安倍晋三後援会」主催の夕食会だ。
夕食会は立食パーティーで行われ、会費は1人5000円。同ホテルのHPによると、通常は1人当たり最低1万1000円から。仮に差額分を後援会が補填していれば、公選法が禁じる有権者への寄付に該当するし、ホテル側が料金を割り引いたのであれば、その分は献金扱いとなり、政治資金団体以外への企業献金を禁じた政治資金規正法に抵触する。
これまでの安倍首相の説明によると、パーティーの明細書は作らず、ホテルが会費を設定し、領収書はホテルが発行した、という。しかし、そうすると、ホテル側は当日の参加人数が分からないのに価格と料理内容を決め、かつ、事前に大量の白紙領収書を後援会に渡していたことになる。とてもじゃないが、政府要人も利用する国際ホテルの会計処理とは思えないし、税務署に粉飾決算を疑われかねないだろう。
不可解なのは、ホテル側がこうした疑惑に真正面から答えていないことだ。安倍首相の説明がウソであれば、会見を開くなどして「そういう処理は一切していない」「営業妨害だ」とキッパリ否定すればいいのだが、日刊ゲンダイの取材にも全く応じる様子がない。そこで思い出されるのが、2001年に発覚した外務省の裏金(プール金)事件だ。
コトの発端は、外務省の室長が億単位の機密費を詐取していた事実が判明したことだ。警視庁の関連捜査は95年のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)大阪会議にも及び、同省課長補佐(当時)らが会議費用を水増しし、だまし取っていた公金詐取事件に拡大したのだが、その手口は、ホテル代を水増しして差額をホテルに裏金としてプールし、私的流用していたことだった。事件の舞台となった主要ホテルが「ホテルニューオータニ」だ。
警察捜査や外務省の報告書などによると、ホテルは水増し分のプール金を「預り金」や「前受金」などの項目に計上して会計処理し、社内外で発覚しないよう裏帳簿で管理。当時の毎日新聞の記事では、ニューオータニの宿泊営業部担当が「少し余ったら(預り金として)次の会議に回す。赤字が出たら、それで補填する。会計システムがそうなっている以上、預り金は仕方ない」などと答える場面が出てくるのだが、今回の問題でも、安倍首相の説明通りなら、同様の疑いが浮上してくる。元検事の落合洋司弁護士はこう言う。
「前夜祭のお金の流れがいまだに明らかになっておらず、可能性で言うならば、(プール金から)補填していた疑いはあるでしょう。あるいは、他の宴会による帳尻合わせかもしれない。政府主催の催しであれば、値切りもありませんからね。いずれにしても、ホテル側がきちんと説明しないのは何らかの隠しておきたい事柄があるからと考えざるを得ない。政権とニューオータニの特殊な関係性は明らかでしょう」
悪徳政治家の「定宿」なんて「ニューオータニ」の看板が泣くゾ。 
 11/26

 

ジャパンライフ会長に招待状 15年の「桜を見る会」 11/26
衛藤晟一消費者相は26日の衆院消費者問題特別委員会で、預託商法により多額の資金を集めて破産し、4月に特定商取引法違反容疑で警視庁などの家宅捜索を受けた「ジャパンライフ」(東京)の当時の会長宛てに、2015年に行われた安倍晋三首相主催の「桜を見る会」の招待状が送られていたことを事実上認めた。
立憲民主党の山本和嘉子氏が共産党に寄せられた情報を基に招待の事実をただしたのに対し、衛藤氏は個人情報は答えられないと前置きしながら、「どこからどうして(招待者リストに)紛れ込んだのか不思議でしょうがない」と説明。招待状が会社の信用度のアピールに利用されていたとされる点にも言及し、「非常に残念というか遺憾」と語った。 
反社勢力、桜を見る会に出席 菅官房長官「結果として入った」 11/26
菅義偉官房長官は26日の記者会見で、首相主催の「桜を見る会」に反社会的勢力が出席していたことを事実上認めた。「出席は把握していなかったが、結果として入っていたのだろう」と述べた。
菅氏は「私が桜を見る会で(出席者と)写真を撮った中に、そうした方がいたという指摘を(マスコミから)受けた」と説明。ただ、具体的な時期については「全く分からない状況だ」と述べるにとどめた。  
「桜を見る会」に新疑惑 悪徳業者ジャパンライフは安倍首相の招待枠 11/26
公費で運営される「桜を見る会」に安倍首相の後援会関係者が850人も招待されていたことを暴いた共産党の田村智子参院議員が、また新たな疑惑をスッパ抜いた。
25日の参院行政監視委員会。わずか15分の質問時間を「桜を見る会」問題追及にあてた田村議員が問いただしたのは、悪質な預託商法を展開していた「ジャパンライフ」の山口隆祥元会長が2015年の会に招待されていた一件だった。
同社は17年に倒産。多額の預託金が返還されずに被害者が続出し、社会問題化した。国会でも集中審議が行われたほどで、警視庁などが特定商取引法違反で捜査中だ。消費者庁から4度も業務停止命令を受けており、14年には既に文書で行政指導されていたのに、翌年、元会長が招待されたのである。
同社は招待されたことをチラシで大々的に宣伝し、会社の信用につなげていた。
本紙(日刊ゲンダイ)も入手済みのチラシには、〈安倍晋三内閣総理大臣から山口会長に「桜を見る会」のご招待状が届きました〉と大見出しが掲げられ、招待状や封筒、受付票の写真がデカデカと掲載されている。
そのチラシで田村議員が注目したのは「受付票」にある「60―2357」という数字。頭の2ケタは誰による招待かを示す番号だという。内閣府が田村議員に提出した15年の桜を見る会の「仕様書」には、招待者の属性区分を記した表があり、
○両院議長、各党代表、国会議員「10」
○最高裁などの長官、行政・議会の幹部、知事「20」
○与党推薦者「64、65」
○総理、長官等「60〜63」となっている。
つまり、ジャパンライフ元会長の「60」は安倍首相枠での招待の可能性が極めて高いのだ。
動かぬ証拠を田村議員に突き付けられ、岡田直樹官房副長官と大塚幸寛内閣府官房長は顔面蒼白。「桜を見る会に全くふさわしくない人が招待された」として事実関係の調査を求められると、「個人に関する情報については、回答を差し控える」「保存期限の問題もあり、お答えを差し控える」と逃げの一手だった。
政治評論家の野上忠興氏が言う。「安倍首相が『桜を見る会の疑惑はもう幕引き』と思いこんでいるとしたら大間違い。世論調査では首相の発言を『納得できない』『信頼できない』が7割に上っている。真摯に対応しなければ、ますます信頼を失い、追い詰められると思います」
疑惑は底なし沼だ。 
菅氏「名簿廃棄し確認できない」 桜を見る会推薦枠 野党「過小説明」と批判 11/26
菅義偉官房長官は26日の記者会見で、内閣府が野党側に提供した2014年の首相主催の「桜を見る会」の首相や官房長官らの推薦者数を「3400人」とする内閣府の資料に関し「当時の(推薦者の)区分けをどういう考え方で行ったのか、招待者名簿を既に廃棄しているため、確認できていない」と釈明した。菅氏は今年の首相、官房長官らの推薦枠を「計約2000人」と説明しており、野党は「過小説明では」との疑いを強めている。
推薦枠を巡っては、25日の参院行政監視委員会で、共産党の田村智子参院議員が内閣府から提供された資料で14年の首相や官房長官らの推薦者数について「3400人」と記載されていたと明かし、「今年が14年より減ったということはありえない。(今年の2000人は)過小な数字ではないか」と疑問を呈していた。
田村氏が内閣府から提供された資料で14年の「与党等推薦者」は「2900人」で、首相や官房長官らの推薦者を合計すると「6300人」となる。今年の推薦者は首相1000人、副総理、官房長官、官房副長官1000人、自民党関係者6000人で、合計は「8000人」。首相や自民党などの合計が14年よりも増加する中で、首相枠の割合が大きく減り、自民党枠が大きく増えた。割合の変化が不自然なため、集計の仕方を変えた可能性がある。
菅氏は14年の首相らの推薦枠に関して「自民党関係者からの推薦も数多く入っている」と主張する。今年分の枠を実態に合わせたものに修正したのなら、説明に矛盾はない。一方、田村氏は、今年の自民党推薦6000人の枠に「首相が自分の分を入れこんでいるのでは」と疑問視する。実際の首相枠はもっと多かった可能性を指摘する。
菅氏は「ミシン目が難しい」とも述べ、首相枠か自民党枠かの線引きを明確にすることが難しいことを認めており、菅、田村両氏の主張はいずれの可能性もあり得る。ただし「名簿等が残っていない」(菅氏)ため、疑惑は残されたままだ。政府が主張の正しさを証明できるはずの公文書を、自ら闇に葬ってしまったからだ。 
「桜を見る会」疑惑で安倍首相を刑事告発 検察は動くのか 11/26
「告発は、かなり黒に近いグレーな疑惑に対して行いました。検察としても受理して捜査せざるを得ないでしょう」
こう語るのは、11月20日、安倍晋三首相を被告発人として刑事告発を行った「税金私物化を許さない市民の会」の代理人・山下幸夫弁護士である。
「桜を見る会」疑惑が、憲政史上最長の通算在職日数となった安倍氏を日々、追い詰めている。これまでも森友学園、加計学園と、疑惑の表面化で内閣が窮地に立つ局面はあったものの、当事者は安倍氏を忖度した「官僚」であって、安倍氏は疑惑の主体ではない。だが、今回は安倍氏と安倍晋三後援会が公職選挙法と政治資金規正法違反に問われている。
告発状はシンプルだ。まず、自らの推薦枠を利用、約850人の後援会関係者を、桜を見る会に招き無料で飲食を提供、公職選挙法第221条に触れるというもの。もうひとつは会の前日、ホテルニューオータニで開催された前夜祭において、参加者1人当たり5000円を徴収しながら政治資金として報告せず、政治資金規正法第12条などに抵触するというもの。
告発を端緒として捜査が始まれば疑惑は際限なく膨らむ。「見積書や明細書がない」という信じ難い“言い訳”は強制捜査の前では通らず、1人5000円というダンピング価格は、不足分を安倍晋三後援会が負担していれば公選法違反、ホテル側が格安サービスしていれば、その差額は企業献金とみなされて政治資金規正法違反だ。
また、ホテルニューオータニが、事業認可に絡んで格安サービスを行い、見返りを期待していれば、贈収賄を疑うこともできる。現在、ホテル側が安倍事務所に呼び出され「口裏合わせ」を行っているという報道もあるが、捜査が始まれば“事実”を述べざるを得ず、それは首相を窮地に陥れる。
検察には、そんな先行きが見えている。しかし、告発が今後も続くのは確実で、どこかで「受理して捜査」の流れになる。すると首相に捜査の手を伸ばさざるを得ず、それは避けたい選択だ。
「検察は今、政権と良好な関係。大阪地検が証拠改ざん事件を起こし窮地に立ったが、政権を動かして導入した司法取引でカルロス・ゴーン事件を手がけ、息を吹き返した。次期検事総長人事は、稲田伸夫検事総長から林真琴名古屋高検検事長につなげたいが、捜査着手となれば検察人事に横やりを入れられる可能性がある」(検察関係者)
検察が“暴走”すれば官邸が、菅義偉官房長官らの信任の厚い黒川弘務東京高検検事長を検事総長に持ってこようと工作するかもしれない。
告発を受けて順当に捜査するも地獄、なにもやらずに放置して国民的反発を食らうのも地獄。検察は今、つらい選択を迫られている。 
安保議論なき国会 「桜を見る会」は最優先課題か 11/26
今国会は12月9日の会期末まで残り2週間となった。最重要課題である日米貿易協定承認案は参院で審議が続くが、北朝鮮の弾道ミサイル発射や日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の問題など、日本を取り巻く安全保障環境に関しては国会の予算委員会でほとんど取り上げられていない。安倍晋三首相主催の「桜を見る会」の追及を最優先し、政権との対決姿勢を演出する主要野党の姿勢には疑問符が付く。
「公私混同の極みとしかいいようのない大問題だ」
日米貿易協定承認案が審議入りした20日の参院本会議。立憲民主党の那谷屋正義氏は「質問に先立ち一言申し上げる」と切り出し、首相が桜を見る会に多数の地元関係者を招いたことを批判した。「首相の言葉を借りれば、今こそ政治家として説明責任を果たすべき時だ」とも迫った。
共産党の紙智子氏も、質疑の冒頭で桜を見る会を取り上げた。那谷屋、紙の両氏はそれぞれの質疑時間の約半分を桜を見る会などの政権追及に費やした。
ただ、この日の主要議題はあくまで日米貿易協定の承認案だ。
22日の参院本会議で、教職員給与特別措置法(給特法)改正案の質疑に臨んだ日本維新の会の梅村みずほ氏は「一昨日の本会議と本日、学級崩壊を連想させる場面に遭遇した。登壇者の発言中に飛び交うヤジ。議論すべき日米貿易協定や給特法とは全く関係ない、桜を見る会の質疑だ」と皮肉を述べた。
梅村氏の前に質問した立憲民主党の斎藤嘉隆氏は、桜を見る会をめぐり、萩生田光一文部科学相を追及していた。梅村氏は語気を強めながら、こう質問を締めくくった。
「私は国語の時間には国語を、理科の時間には理科を勉強してきた。ここは国権の最高機関だ。ヤジは国会の花ならず。子供に見られて恥ずかしくない姿を良識の府の参院に求める」
「国権の最高機関」をうたうならば、当然ながら国政の課題を議論すべきだ。衆参予算委の審議内容はどうだったか。
首相が出席した予算委は10月10日以降、これまで衆参両院でそれぞれ3日間開かれ、審議時間は衆院で計約18時間20分、参院で計約19時間25分に上る。主なテーマは台風19号を含む災害対策や消費税率引き上げ、日米貿易協定などだった。
立民など主要野党は当初、関西電力役員らの金品受領問題を集中的に追及した。10月下旬からは辞任した2閣僚の公職選挙法違反疑惑▽大学入学共通テストへの英語民間試験の導入見送り▽桜を見る会−と次々に矛先を変えた。
一方、北朝鮮は国会召集直前の10月2日に新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を、同月31日には2発の弾道ミサイルをそれぞれ発射している。
この段階で日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)は韓国の破棄決定により失効の瀬戸際にあったが、予算委で積極的な安全保障論議が交わされた形跡はない。10月11日の衆院予算委で、国民民主党の前原誠司元外相が日本のミサイル防衛能力をただしたぐらいだ。
中国も尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域への侵入を続けている。予算委で、日中関係を「正常な軌道に戻った」と評価する首相に野党が現状を突き付け、来春に習近平国家主席を国賓として迎える妥当性をただす場面はみられなかった。
主要野党は「国民にもう1つの選択肢を常に用意する。緊張感のある政治を作り出す」(国民民主党の玉木雄一郎代表)と意気込むが、現実は厳しい。
桜を見る会がクローズアップされた後の16、17両日に産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が行った合同世論調査によると、立民の政党支持率は7・8%と前回調査(10月19、20両日実施)に比べ0・5ポイント増、共産は1・1ポイント増の3・2%でいずれも微増にとどまった。国民民主は0・5ポイント減の0・8%だった。
桜を見る会や政権の疑惑を徹底追及する主要野党の姿勢は、国民や有権者の支持を得ているとはいえないようだ。
もっとも、国政の重要課題にかかわる実質的な論戦が影を潜めた背景として、政府・与党側に2閣僚の辞任など追及材料を次々と与えた面はある。与党国対幹部は「野党の支持率が上がらない状況に安住してはいけない」と戒める。「国権の最高機関」にふさわしい、真に緊張感のある政策議論を期待したい。  
 11/27

 

「桜を見る会」疑惑はやっぱり晴れない? 11/27
 安倍首相が釈明で掘った「二つの墓穴」
季節外れの「桜」を巡る問題は、バカ騒ぎと捉えられても仕方がない。だが、予断を許さない状況が続いているのは、桜を見る会の「前夜祭」についてだ。
そのためか、返り血覚悟で攻勢を強める野党側に対し、安倍首相は今月15日、突然、記者団を前に21分間の釈明を行った。官邸での囲み取材に21分間もの長時間を割くのは極めて異例のことである。
「森友や加計における“忖度”とは違って、今回は首相を直撃する疑惑。取材に応じたのは危機感の表れでしょう。しかも、官邸側は“途中で記者の質問を遮るな”と周囲に指示していた。要は、この会見で問題を幕引きにしたい、と。ただ、予告なしで喫緊の課題をぶつけてくるのはさすがに大人げないと思いました」(政治部デスク)
今年の桜を見る会の前日、都内のホテルニューオータニでは「前夜祭」が開催され、安倍首相の地元・山口県下関市などから後援会関係者ら約800人が参加した。会費は1人につき5千円である。
最大の問題は、ニューオータニのパーティープランが最低価格でも1万1千円のところ、なぜ半額以下の会費で前夜祭が開けたのか、という点だ。
ちなみに、甘党で知られる菅官房長官の好物はこのホテルに入るレストラン「SATSUKI」のパンケーキで、お値段は3千円以上。それと比べると、やはり5千円は“破格”の値段に思える。
この点、ニューオータニの広報担当者は、「1万1千円はあくまでも基本的なお勧めプランのなかで最も安い価格設定ということです。人数や料理などに応じてそれを下回るお見積もりを出すことも有り得ます」と弁明するが、「会費だけでは赤字で、安倍首相側が差額分を補填していたとすれば、公職選挙法第199条の2に規定された“公職の候補者等の寄附の禁止”に違反することになります。ホテル側から見積書が出てこない限り、安倍首相が疑惑を払拭することは難しいのではないか」とは、政治資金問題に詳しい日本大学法学部の岩井奉信教授である。
確かに、一般的な感覚からすると一流ホテルがここまで大幅な値引きに応じるとは考えづらい。
だが、「永田町の常識」は少々異なるようだ。自民党関係者が明かす。
「政治資金パーティーで用意する料理は、参加人数の6〜7掛けに抑えるのが一般的。小洒落たオードブルの代わりにサンドイッチや唐揚げといった軽食を増やせば割安になるのも事実です。とはいえ、ニューオータニで5千円の会費はさすがに“格安”だと思います」
やはり、これだけで疑惑が晴れたとは言い難い。
先述した首相の会見も9割方は前夜祭に関する釈明に費やされたが、「その会見で安倍首相は、自ら“二つの墓穴”を掘ってしまったと言えます」そう断じるのは、神戸学院大学法学部の上脇博之教授である。まず1点目に挙げるのは、この発言だ。
〈夕食会場の入口の受付にて、安倍事務所職員が1人5千円を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受付終了後に、集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で、参加者からホテル側への支払いがなされた〉
上脇教授が続けるには、「もちろん、招待客が直接ホテルに会費を支払っていれば問題はありません。ただ、この発言は政治団体がホテルと招待客の間に介在していたと認めたようなもの。しかも、会場を予約したのは事務所か後援会以外に考えられないため、政治団体とホテルとの商取引と捉えるべきでしょう。仮にそうでなくとも、事務所が一旦、現金を受けとったのなら政治資金収支報告書に記載がないとおかしい。政治資金規正法の不記載罪に該当すれば、5年以下の禁錮または100万円以下の罰金となります」
桜を見る会の「前夜祭」は第2次安倍政権が発足した直後から毎年行われてきた。かつて前夜祭に出席した下関市の商工会関係者は、「参加者がまだ500〜600人程度の頃から会費は5千円だった。当時も会場の入口で安倍事務所の人に費を払いました」と振り返る。しかし、現在公開されている安倍首相関連の政治団体の収支報告書には、前夜祭に関する記載は見当たらないのだ。
「不記載罪の公訴時効は5年で、過去に遡って告発ができます。長年に亘って不記載が続いていたとなれば、形式上のミスではなく、常習的で悪質と判断されてもおかしくありません」
そう語る上脇教授が第2の「墓穴」と指摘するのは、〈夕食会の価格設定が安過ぎるのではないかという指摘がございます。そういう報道もありますが、参加者1人5千円という会費については、これは正に大多数が当該ホテルの宿泊者であるという事情等を踏まえ、ホテル側が設定した価格である、との報告を受けております〉との発言である。
「ホテル側が事情を踏まえて料金を値引いたとなれば、首相側は価格分以上のサービスを提供されたに等しい。この差額分は“寄附”に当たる可能性があります」(同)
総務省作成の資料では、物品やサービスの無償提供は、〈金額に換算して「寄附」として(収支報告書の)収入に計上〉すべしと記されている。そうしなければ、〈政治資金規正法の収支の公開や授受の規制といった基本理念を没却しかねない〉からだ。
「安倍首相の政治団体がホテルと結託して有権者に寄附を行っていたら、公職選挙法が禁じる寄附行為に当たり、両者は共犯となる。また、ホテルが政治団体に寄附したと考えると、収支報告書への不記載が問題になります。同時に、これは政治資金規正法が禁じる“企業献金”に該当する危険性も出てくる」(同)
物証が乏しいなか、こうした疑惑の数々が間違いなく罪に問えるとは言い切れない。しかし、野党側は「追及本部」まで立ち上げて、安倍首相を追い込もうと息巻いている。そうしたなか、チラつき始めたのは「解散」の2文字だ。
先の自民党関係者が続ける。
「首相は会見で明らかに感情的になっていた。“国会から求められれば、説明責任を果たすのは当然のこと”などと発言したのはどう考えても勇み足。官邸としては、予算委での集中審議には一切応じない構えです。今月20日に桂太郎元首相を抜いて、安倍首相の在任期間が歴代最長になるものの、この快挙にも水を差された格好。台風の被害を受けて一度は下火になった年明け解散説も、再び燻りはじめている。最大の波乱要因は、批判の集中砲火を浴びる首相の苛立ちにあります」
長期政権の緩みを指摘され、〈より緊張感を持って進んでいきたい〉と答えた安倍首相は、しかし、同じ会見で墓穴を掘った。
念願の「桂超え」を果たしたのであれば、蟻の穴から堤も崩れる、ことを改めて認識すべきだろう。 
安倍首相、地元スタッフ派遣か=桜を見る会、自民支部が旅費支出 11/27
安倍晋三首相が代表を務める自民党支部が2015年の「桜を見る会」と重なる時期に、首相の地元スタッフの出張経費とみられる支出を行ったことを示す領収書を入手したと、27日付の「週刊文春」電子版が報じた。
領収書は山口県下関市の旅行会社の名義で、自民党山口県第4選挙区支部から、15年4月17〜18日の「旅費」として89万710円を受領したとの内容。同年は4月17日に後援会主催の夕食会、同18日に桜を見る会がそれぞれ東京都内で開催されている。
記事は「参加者の接待のために地元事務所の秘書やスタッフが上京する際の旅費だったとみられる」と指摘。桜を見る会に関連して、安倍事務所や後援会の収入・支出は「一切ない」とした首相の説明を疑問視している。  
安倍首相が代表の選挙区支部 「桜を見る会」に旅費支出の疑い 11/27
「桜を見る会」とその前夜祭について、「週刊文春」は、安倍晋三首相の従来の説明と食い違う、新たな証拠を入手した。
安倍首相は11月15日の会見で、自身の政治団体の収支報告書に前夜祭などに関する記載がないことを政治資金規正法違反(不記載)と批判する声に、こう反論していた。
「夕食会(=前夜祭)を含めて旅費、宿泊費などすべての費用は参加者の自己負担で支払われており、安倍事務所、安倍晋三後援会としての収入・支出は一切ない」
だが、今回「週刊文春」は、一枚の領収書を入手。そこにはこう明記されている。
〈¥890,710 但し、2015/04/17〜2015/04/18 旅費として〉
これは、自由民主党山口県第四選挙区支部(以下第四支部)の収支報告書に添付された領収書で、第四支部が約89万円を「サンデン旅行」(山口県下関市)に支出したことを示している。サンデン旅行は安倍事務所と協力して「桜を見る会」ツアーを組んだ旅行会社であり、但し書きに記載された日付は、2015年の「桜を見る会」および「前夜祭」が行われた日付と符合している。ツアー参加者らの証言からは、参加者の接待のために地元事務所の秘書やスタッフがこぞって上京していたことが判明しており、この「89万710円」は、彼らが上京する際の旅費だったと見られる。
第四支部の代表は安倍首相。首相が前夜祭と桜を見る会のために上京するスタッフの旅費を出したのであれば、主体的に一連の行事にかかわっていた証拠といえる。
神戸学院大学の上脇博之教授が解説する。
「これらの行事に安倍事務所のスタッフが“政党支部″のお金を使って参加していたとすれば、問題はさらに深刻です。支部の代表は安倍首相ですから、れっきとした安倍首相主体の政治活動といえる。そうなれば、やはりツアーや前夜祭の開催について収支報告書に記載がないのは益々おかしい。また政党支部には税金が原資の政党交付金が支給されています。その使途について、支部の代表たる安倍首相は、きちんと説明する義務があります」
サンデン旅行の竹重秀敏社長を直撃すると「何も答えられない」。別の役員は「(旅費は)事務所の方が出張で飛行機に乗ったもの。宿泊費は入っていません」と答えた。
安倍事務所に質問状を送付したが、回答はなかった。 
 11/28

 

「桜を見る会」官僚がバカを装う苦しいウソ  11/28
22日、第5回目の野党ヒアリングで立憲・石垣のり子議員が、シュレッダーにかけられたいわゆる内閣府の「参加者全員分の名簿」のデータが、府内のどこかに残っているはずだと追及した。「アクセスログやファイル生成記録が残らないというのはおかしい」と追及する石垣議員に対して、「技術的に難しい」を繰り返す、酒田元洋内閣府総務課長。「技術的」と言えば、パソコン音痴はひるむとでも思っているのだろうか。話をはぐらかしているのか、当人もよく知らないのか、弱気そうにボソボソとしゃべる酒田氏に、石垣議員は容赦なく要求する。
石垣議員「この記録は、確実に残っていると私は思います。国の中枢機関で大事な書類を預かる内閣府の記録が、こんなずさんな管理をされていいはずがありません。ですので、今回削除された文書に関して、いくつか提出いただきたいものがございます。現在、内閣府で使用されている一般書類記録用サーバー、公文書記録用サーバーの仕様書、構築の際の契約書、サーバー及びサーバーに紐づいたクライアントPCの運用マニュアル。さらに、文書の削除を行う際の運用マニュアル、内閣府におけるメールサーバーの運用マニュアル、もしその管理が分散されている場合はそれぞれのサーバーの担当部署の割り当ての一覧。以上の文書を、ご提出いただければと思います。」
酒田元洋内閣府総務課長「すいません、あのーすべてにお応えできるか・・この場では・・お答えできないと・・」
原口議員「あるんですよ。あるものを出して。」
酒田氏「(要約)グダグダ・・あるのか、ないのか、この場では答えられない・・グダグダ。」
石垣議員「あるとか、ないとかではなく、そもそも契約をされている段階で、確実にないと困るものですので、あるはずです。」
内閣府の中年以上のお役人の人たちというのには、どれほどPC知識があるのだろう。知るすべもないが。若い石垣議員に、これだけの各種マニュアル名をポンポンと出され、それが何を指すのか理解しただろうか?まぁ、この酒田氏が理解したかどうかは、あまり問題ではない。分からなければ、当該担当者に尋ねればいいことなのだから。しかし、びっくりさせられるのは、週末を挟んだ4日後、第6回ヒアリングでの酒田氏の回答だ。
石垣議員「かなりの量をご準備頂くものだろうと思い、私は荷台を用意する勢いでお待ちしてたのですが・・・今日、ご用意いただいたものは、厚さ1p未満くらいのこの「Outlook2016」に関しての概要なんですけど。これは、私が要求した5つの項目のうちのどの書類に当たるのか、ご説明ください。」
酒田氏「(要約)グダグダ・・セキュリティ上の理由で開示できない・・グダグダ。」
おいおいおい、ちょっと待って。石垣議員が要求したのは、「公文書記録用サーバーの仕様書、構築の際の契約書、サーバー及びサーバーに紐づいたクライアントPCの運用マニュアル。さらに、文書の削除を行う際の運用マニュアル」だったんだけど・・・・ その回答が「Outlook2016」マニュアルって、どういうこと??メールサーバーの運用マニュアルとして「Outlook2016」の使用説明書を出してくるって、「高学歴がバカを装ってみた」みたいな劇場型のおとぼけ答弁なのだろうか。それとも、高学歴が「仕様と使用を勘違いしてみた」みたいな寸劇か。
しかも内閣府、「文書の削除を行う際の運用マニュアル」に関しては、「シュレッダーにかけます」と回答して来たらしい。バカなのか???それともこちらを、その程度で煙に巻ける「バカ」だと思っているのか。
官僚たちが、物理的に面と向かっているのは野党議員で、ひょっとしたら与党から「野党はバカにしてもいい」と刷り込まれているのかもしれないけれど、この人たちは、その後ろにいる国民の姿も想像できないくらい、頭が劣化してしまったのだろうか?
驚くのはこれだけではない。内閣府は、ご丁寧にもこの「Outlook2016」使用説明書に「黒塗り」を施して提出したのだ。マイクロソフトが配布しているようなマニュアルの、いったいどこを黒塗りしたのか?こんなものを「開示」してくること自体が、人をバカにした茶番なのだが、さらにそれを「のり弁加工」するとはなんのつもりなのだろう。黒塗りすることで、「公文書らしく」見えるという演出なのか?
こうした細部の出来事は、残念ながらメディアに取り上げられることはない。残念だが、それは仕方がないとも思っている。しかし、「桜を見る会」の一連の騒動で、決して腐っているのが長期政権だけではなく、その下で働いている官僚たちにも、腐敗が侵食していることを実感させられた。
メディアの安倍応援団には、シュレッダー視察を「くだらない野党のパフォーマンス」と蔑む人もいるが、そもそもこれは「シュレッダーが3週間の順番待ち」という、子供でもためらうような底の浅い官僚のウソに付き合わされている結果だ。世間で「シュレッダーなんてくだらない」という人は、新聞の見出ししか読んでいないことの証左で、むしろその発言から、いま政治で起きていることを、きちんと把握していないということを宣言しているに等しい。 
桜を見る会 疑惑は深まるばかりだ 11/28
安倍晋三首相主催の「桜を見る会」を巡り、新たな問題が続々と浮上している。首相や政府側の説明は迷走し、公金の私物化など疑惑は深まるばかりだ。首相には速やかな解明への責務がある。
桜を見る会の問題の中心は、首相や自民党議員が多くの後援者らを招いていたことだ。菅義偉官房長官はことしの約一万五千人の招待者について、首相と正副官房長官らの推薦が計二千人、自民党関係者枠が六千人で、半数以上が政治家枠だったと認めた。
首相や官房長官らの枠は二〇一四年には三千四百人あり、ことしの二千人というのは過少申告ではないかとの指摘がある。首相枠には「私人」と閣議決定された昭恵夫人の推薦者も含まれていた。
ネット上の画像からは、参加者の中に反社会的勢力がいたことが判明。一五年にはマルチ商法が問題化していた会社のトップが招待され、それも首相枠だった可能性が高いと野党側が追及している。
政治家枠の推薦依頼をした内閣官房側は、招待者を確定する「決裁」はしていないと明言。事実上推薦者を無審査で招いたとみられる。会場では、招待状さえあれば本人確認も行われていなかった。
首相は当初、招待者取りまとめに「関与していない」と国会で答弁していたが、「意見を言うこともあった」と修正した。虚偽答弁と指摘されても仕方がない。
ことしの招待者名簿が廃棄された経過も謎だらけだ。内閣府によると、印刷名簿を細断したのは五月九日午後、共産党議員が国会質問のため資料提出を請求してから約一時間後だった。部局間のシュレッダー利用が重なってたまたまその日になり、廃棄担当課は資料請求を知らなかったという。首相らに都合が悪い文書を官僚側が慌てて隠蔽(いんぺい)したと疑われて当然だ。
電子データの削除過程も不明であり、財務官僚が公文書を偽造した「森友問題」を想起させる。
長期政権のおごりともいうべきでたらめな行事運営への首相の責任は極めて重い。首相後援会主催の前夜祭を巡る収支の不透明さも放置されている。共同通信の世論調査では、会に関する首相発言を七割が信頼していない。
臨時国会会期末まで十日余り。首相は野党が求める予算委員会の集中審議に応じるべきだ。説明を尽くし、反省すべき点があるのなら謝罪と責任の処し方を示さねばなるまい。自らを直撃する疑惑から逃げ、国政を停滞させることは断じて許されない。 
疑惑深まる「桜を見る会」 これでも説明しないのか 11/28
「桜を見る会」をめぐる問題がますます深刻化している。
反社会的勢力の関係者が参加していたと指摘され、菅義偉官房長官が「結果として入っていたのだろう」と述べた。安倍晋三首相ら政権幹部の後援者を招待した「私物化」が批判されているが、反社勢力を公金でもてなしたとなればさらに深刻だ。
暴力団など反社勢力の排除に国を挙げて取り組んでいるときに、政治とのつながりをうやむやにして見過ごすことはあってはならない。吉本興業の芸能人が振り込め詐欺グループのパーティーに出演していたことが社会問題になったばかりだ。
悪質なマルチ商法で知られるジャパンライフの元会長が2015年の桜を見る会に招待され、それが首相の推薦枠だった疑いも浮上している。同社は14年に消費者庁から行政指導を受けていた。
共産党の入手した同社のチラシに招待状の写真が掲載されていた。政府のお墨付きを得たかのようにマルチ商法の宣伝に利用されたことになる。衛藤晟一消費者担当相は国会で「非常に遺憾」と答弁した。
これまで誰の推薦でどのような人物が招待されてきたのか、政府は実態を明らかにすべきだ。招待客の氏名も慎重に取り扱うべき個人情報ではあるが、各界の功労者をたたえるという開催趣旨に照らせば、公表しても支障はないはずだ。
ところが、今年4月の会について共産党が資料を要求した5月9日当日に内閣府が招待者名簿をシュレッダーにかけていた。隠蔽(いんぺい)目的の公文書廃棄が疑われる重大な問題だ。
招待者は省庁ごとに推薦する仕組みで、総務省や財務省などは名簿の保存期間を10年に設定している。
政党や政治家からの推薦名簿をとりまとめている内閣府と内閣官房だけが「遅滞なく廃棄」と対応が異なるのはふに落ちない。公にしたくない事情があるのではないかとの疑念をもたれても仕方あるまい。
紙の名簿がなくても、パソコンのデータを復元したり、政党や政治家側を調査したりと、実態に迫る手段はいくつもある。首相がそれを指示し、自ら国会で説明すればよい。
会の主催者は首相だ。これだけ疑惑が深まっているのに、それでも説明責任から逃れようというのか。  
「桜を見る会」疑惑の“仕掛け人” 共産党・田村智子 11/28
共産党の田村智子議員をご存知だろうか。「桜を見る会」問題の火付け役というと「ああ」と思い出す方も多いかもしれない。11月8日の参議院予算委員会で「首相が後援会関係者を多数招待しているのでは?」と追及。報道各社が一気に後追いをはじめた。
にわかに浮上した「桜を見る会」の私物化疑惑。4月に東京新聞が報じ、5月に共産党の宮本徹議員が支出額の増加や招待基準について国会で質問。さらに10月13日の赤旗(日曜版)がスクープ――だがその時点では、まだ追随するメディアはなかった。
ではなぜ、田村議員が“火付け役”になったのか? 田村議員のもとを訪ね、疑惑追及のきっかけと今後、そして国会で話題になる質問のポイントを探った。

――メディア取材が殺到しているそうですね。
田村 先週(11/18〜)はすごかったですね。「桜を見る会」野党追及チームが動き出したこともあって、毎日のように取材が入っていましたから。
――そもそも11月8日の参院予算委員会で「桜を見る会」を取り上げるきっかけは?
田村 4月の東京新聞の記事があって。そのあと5月の宮本徹さんの衆議院での質問。そのときは「芸能人をどんどん呼んでいるんじゃないか」ぐらいでした。ただ、それがきっかけでうちの『しんぶん赤旗』が独自に取材を進めて、安倍総理の地元後援会の方に聞いて回るとみなさんツアー旅行のつもりでお金も払って参加しているから悪気がない。色々お話が聞けて、どんどん証拠が出てきて、赤旗で記事になった。
――それが10月13日。
田村 はい。その記事を見て、これはぜひ私も国会で質問したいと考えて……内閣府の予算ですから、内閣委員会、菅官房長官宛てに質問する機会をどこで得られるかと狙っていて。臨時国会の内閣委員会での質問が10月31日に当初予定されていたんです。そこで質問するつもりで原稿も完成させて、質問通告も済ませたら、当日の朝に河井(克行)法務大臣が辞任して、すべての委員会が吹っ飛んだ。
――そうでしたか。
田村 野党は「政治とカネ」の問題で2人の大臣が次々に辞めたので、予算委員会を要求して。それで参議院では11月8日に予算委員会が予定されたので、「安倍総理に直接質問できるじゃないか」ということで結果的にタイミングがばっちり合ったんです。
――10月13日の赤旗を見ましたが、「安倍首相の後援会への便宜」「昭恵夫人の推薦枠」など問題点がその時点で網羅されている印象です。
田村 その通りです。
――赤旗の記者の方は共産党の職員ですよね。普段から交流があるのですか?
田村 党員であることが記者になる要件です。日常的に記者の方と交流があるわけではないのですが、国会で取り上げたいと思っているテーマで、赤旗が追っていると分かっていれば、記者さんに連絡を取って意見を聞きます。今回は私が記事を見て、記者さんに「資料を見せてもらえないか」「取材して文字にしていないことを教えて欲しい」とお話を聞きました。
――最初に問題を調べているときはどう思いました?
田村 萩生田(光一)さん、稲田(朋美)さんをはじめ、出席者のブログも記者さんがよく押さえていたので、それらを見ていけば見ていくほど分かりやすい“私物化”だなと思いました。森友学園・加計学園問題のときは関係者が限られていた。あるべき資料も捨てられたり、場合によっては改ざんされた。でも今回は隠しようがない。みんなが喜んでブログやTwitterに「桜を見る会に参加しました!」ってあげてくれていますから。一番面白かったのは松本純さん(自民党国対委員長代理)の「選挙のうぐいす嬢を呼びました」というブログ。選挙でお世話になる人を呼んで、何の迷いもなく投稿しているのを見て無邪気だなと。
――その後、話題が大きくなりました。
田村 「桜を見る会」は毎年テレビでも放映されて、旬の芸能人が安倍総理と一緒に映像に映る。みなさんどこかで見た覚えがあるのであらためて説明する必要がないんです。それに消費税を10%にしたあとでしたから「税金ってこういうところに使われているの?」という庶民感覚での疑問が湧いたのが大きな要因だと思います。
――それまで、東京新聞、宮本議員、赤旗が取り上げて。でも11月8日の田村議員の質問までは火がつきませんでしたね。国会質問するさいに気をつけているポイントはありますか?
田村 11月8日はテレビ中継が入っていましたし、言葉遣いを含めて「耳で聞いてもとにかく分かりやすい」ということは気をつけています。あとは“上から目線”にならない、けんか腰にはしないというところでしょうか。
――田村議員の質問は26分間という長さですが、YouTubeでもかなり再生されています。
田村 共産党のチャンネルで24万回ほど、ほかに上がっているものを合わせると100万回を超えているようです(11月27日現在)。昨日新宿西口で街宣したら若い人が「桜の人だ」って指差して通り過ぎて行きました(笑)。拡散されているのを感じます。
――YouTubeで11月8日の動画を見ました。まず、気がついたのは「いきなり本題に入る」というところです。質問が始まってすぐに「桜を見る会ですが安倍総理のもとで参加者数、支出額が激増しています」と。
田村 あらゆる政策で予算をあれほど超える支出というのは普通認められないんですよ。同じ内閣府の予算で性犯罪・性暴力被害者の『ワンストップ支援センター』が47都道府県に作られていて、それぞれに対して助成金も出している。でも今年は予算が足りなくなっちゃって、当初約束した額を渡せないと。あるいは国家公務員の方だって、残業代は予算の範囲内しか出ないのでサービス残業がいっぱいある。予算を抑えるためにそういうことが行なわれているのをたくさん見聞きしています。それなのに「桜を見る会」は予算(1767万円)の3倍支出している(5519万円、2019年)。これは有り得ない。私としてはそれが質問を準備しているときの怒りの出発点なんです。ですからその怒りから切り込むことにしたんです。
――あと吉良よし子議員が、質問する隣で支出額やブログなどのパネルを出す役をやられていて分かりやすかったです。
田村 通常、委員会の質問では紙の資料を出席者に配布するんです。ただ予算委員会のようにテレビが入るとき、パネルにすればNHKなどは寄ってくれますから。見ている方がより分かりやすくなる。じつはこれは先輩議員から受け継いだ日本共産党の伝統。今は当たり前になってきましたが、1970年代くらいから共産党ではパネルを作っていて。予算委員会の質問をするときにはまず「パネルどうする?」っていうのは職人的に考えながらやっています。今回も「どういうパネルにしたら分かりやすいのか」「棒グラフ、折れ線グラフの使い分けをどうするか」などの相談を国対メンバーと行ないました。
――それと「大事なポイントを2回読む」というのも気になりました。稲田朋美議員のブログを読み上げるさいに、「地元福井の後援会の皆様も」というところを2回読まれていましたね。
田村 あれは最初さらっと読みすぎちゃって「あっ」と思って、もう1回言い直したんです。私は早口なところがありますから、ここはちゃんと伝えなきゃいけないというところは2回繰り返す。あとはスピードの緩急ですね。畳み掛けるところはバーッと速く、でもここがポイントで質問にも答えて欲しいというところはゆっくりめに、と心掛けています。
――田村議員は2期目(2010年初当選)ですよね。そういうことは最初から意識できていたものなんでしょうか。
田村 そうですね……じつは加計学園問題も取り組んでいて、そのときにテレビ中継が入っていない委員会でもYouTubeで見て頂けているということが分かって。ですから「YouTubeで見てくれている方に分かりやすく」というのはその加計学園のときに意識が始まりましたね。2期目に入って余裕が出てきて、演出的な部分にも気が回るようになったかなと思います。
――伝え方は大事だと。
田村 私も「なるほど」と思ったのはTwitterに「お酒飲みながら(国会中継を)見よう」という投稿があって。見ていて「これ面白いね」「気持ちがスカッとする」というのは結構重要なポイントだと思います。もちろん重いテーマのときはスカッとする質問にはならないんですけど。
――「桜を見る会」問題での安倍総理の反応はどう見ていますか。
田村 11月8日の予算委員会で私の前まではヤジも飛ばしていたのに、私が質問を始めた途端静かになって、総理に向けて質問しても応えない。痛いところをついたのだろうなと。11月15日のぶら下がり取材で「次の質問は?」と記者の質問に応えたのも異例でしたよね。私が注目しているのはそこでホテルとの関係についてばかり話し、「桜を見る会」本体についてはほとんど触れなかったこと。そこはやっぱり弱点なんだろうと思います。
――これからのポイントは?
田村 今週(11/25〜)はマルチ商法を展開し破綻した「ジャパンライフ」元会長が招待を受けて、それを宣伝に悪用した件を追及しています。2014年にこの会社は行政指導を受けているのですが、そのあと2015年に「桜を見る会」に招待されている。しかも個人宛ではなくて、会社宛に送られた招待状だったんです。これまでは誰が招待したか分からなかったのですが、内閣府の資料から「受付票に書かれている番号」を発見しまして、どうやら総理、副総理や官房長官など推薦者ごとに番号が振られているらしい、と。「ジャパンライフ」の元会長は「60番」が振られていました。それが誰によって招待されたものなのかというのを国会でも探っていきます。
――最後に、田村議員とお話ししていて、国会答弁でもそうですが、声が通る印象を受けました。学生時代は混声合唱団に入っていたそうですね。
田村 そうです、小学4年生からずっと合唱をやっていました。発声法?はよく分かりませんけど、国会質問中も私のときはボリュームを落としますし(笑)。早稲田大学時代に学費値上げがいきなり発表されたことがきっかけで、共産党の学生活動を始めたのですが、一方で混声合唱団も続けていました。当時はバッハとか歌っていましたから。「ハンドマイクでの演説」と「合唱」を二足のわらじのように。ですから声が通るというのはよく言われますね。 
「桜を見る会」問題で安倍首相を刑事告発…検察が忖度する可能性 11/28
安倍晋三首相を被告人とする告発状が、11月20日、東京地方検察庁特別捜査部に出された。野党が追及本部を立ち上げて本格的な調査に入った「桜を見る会」において、公職選挙法と政治資金規正法に違反したとする刑事告発である。
既視感がある。5年前、小渕優子元経済産業相が女性支援者向けに開いていた東京・明治座の「観劇会」において、主催する小渕優子後援会の収支がまったく合わないことを端緒とした捜査である。
この時、東京地検特捜部は素早かった。『週刊新潮』が報じ、疑惑が発覚したのは14年10月16日だったが、2週間後の10月30日、公職選挙法と政治資金規正法違反の疑いで、折田謙一郎元秘書の自宅や小渕優子後援会事務所などを家宅捜索。15年4月、折田氏ら2人の元秘書を在宅起訴した。
政治団体の収支報告書では、10年と11年の観劇会収入が742万円だったの対し支出は3383万円。12年に至っては、収支をいっさい、表に出していない。安い会費で有権者を観劇させていたわけで、寄付行為と見なされて公職選挙法違反。また、正しく収支報告書に記載していなかったという意味で政治資金規正法違反だった。
小渕氏は、疑惑発覚直後の10月20日、安倍首相と会談して辞表を提出。ただ、小渕氏を「姫」と呼ぶ「国家老」の折田氏が、「大臣は何も知らない。小渕関連政治団体の会計は、私がすべてチェックしていた」と、公言したこともあって、小渕氏に捜査が及ぶことはなかった。
安倍晋三後援会の場合も、首相主催の「桜を見る会」に引っかけた観光旅行が問題になっている。
告発した「税金私物化を許さない市民の会」によれば、関係者約850人を「桜を見る会」に招き、酒食の接待をして財産上の利益を供与した点が公職選挙法第221条1項に、会の前日、前夜祭を開き約800人を集めてひとり5000円を徴収したのに、政治資金収支報告書に記載しなかった事が政治資金規正法第12条第1項などに違反するという。
まだ、告発状が受理されたわけではなく、今後、他の市民団体などからも告発が続くことが考えられ、いずれ特捜部が受理して捜査するのは間違いあるまい。その際、最も問題になると思われるのは前夜祭である。
これも、小渕氏の前例と比較するとわかりやすい。
小渕捜査がスピード感にあふれるものだったのは、報告書の収支がまったく合っておらず、違法が明確だったからだ。ただ特捜部は、立件の段階では「虚偽記載したのは慶弔費や陣中見舞いなどの支出が多く、観劇収入などをそちらに回し、収支の調整をしたから」という折田氏らの“珍妙”な釈明を受け入れ、政治資金規正法だけで起訴した。
これは、公職選挙法違反なら連座制の適用で、小渕氏が公職停止になる可能性があるからだという。検察の小渕氏への温情であり、10年の証拠改ざんの大阪地検事件で威信が地に落ちた検察の安倍政権への遠慮であり、配慮だろう。
安倍晋三後援会が巧妙なのは、後援会主催ながら前夜祭を政治資金収支報告書に載せなかった点だ。
それは、11月20日、安倍氏が参院本会議で述べたように、出席者が会場となったホテルニューオータニに、直接、会費を支払う形態だからで、「安倍晋三後援会としての収入、支出は一切ないことから、政治資金終始報告書への記載は必要ないと認識している」(安倍氏)という。
通常なら、これで説明はつく。
だが、共産党の田村智子議員が、10月8日、国会質問でこの問題を表面化させて以降、「桜を見る会」に関する報道や国会質疑が加熱。その結果、一流ホテルの“慣行”と“常識”では、考えられない処理であることが明らかとなった。
まず、価格である。最低でも1万1000円からだという立食パーティー価格が5000円と割安なのはなぜか。
この差額が、安倍晋三後援会の負担なら寄付行為となって公職選挙法違反だ。
後援会が関与せず、ホテルに直接、支払う形にしてホテルニューオータニの領収書を発行したのは、後援会とホテルとの“調整”を表面化させない工夫と取ることもできる。
つまり、「違反逃れ」である。
だが、そこに無理がある。
参加人数が当日まで判然としないなか、ホテル側は事前に白紙の領収書を大量に渡していたことになる。そうでなければ、当日のごった返した会場で、収支を確認しつつ、5000円の領収書を渡すことなどできまい。
『週刊文春』(19年11月28日号)の指摘によれば、安倍事務所はホテルニューオータニ幹部と接触、「口裏合わせ」を行っているという。そのためか、ホテル側は文春記者の直撃取材に対し、「こちらだって商売。予算に応じて検討しますよ」(清水肇東京総支配人)と、答えている。だが、特捜部が告発を受理して捜査すれば、ホテル側にも火がつく。
サービス価格がホテル側の負担なら、企業献金を禁じた政治資金規正法違反である。
また、ホテル事業に許認可が絡むことがあるし、政治絡みのパーティーや会合に税金、補助金、助成金などが投じられていることもあろう。
そうした際、パーティー費用の負担が安倍事務所との「貸し借り」に繋がっていれば、贈収賄の構図を疑うこともできよう。
そもそも、会場費や運営費だけでなく、案内状や郵送代、事務所費なども発生するのに、「政治団体の収支にはあたらない」と、政治資金化していない安倍氏の主張には無理がある。
ただ、違法性の指摘は難しく、時間稼ぎにはなる。それが、発覚から2週間で事件化、半年後の15年4月には秘書2人が起訴され、同年10月、執行猶予付有罪判決が下された小渕事件との差となっている。
小渕氏だけでなく、政治家を公職選挙法並びに政治資金規正法違反容疑で調べるのは、検察の政界捜査の常道となっている。
前述の大阪地検事件以降、特捜改革が断行され、検察捜査は録音録画の可視化が前提となった。徳田毅、猪瀬直樹、渡辺喜美といった政治家が公職選挙法及び政治資金規正法違反で取り調べを受け、徳田氏は連座制の適用を受けて政治家を辞め、猪瀬氏は略式起訴、渡辺氏は不起訴処分だった。
小渕氏と同時期、選挙区で自身の「似顔絵入りのうちわ」を配った松島みどり氏は、公職選挙法違反で告発を受け、小渕氏と同日の14年10月20日、法相を辞めた。
「桜を見る会」が騒動となって話題性が薄れた感はあるものの、秘書が香典を持参したとして経済産業相を辞任した菅原一秀氏に関しては、公職選挙法違反の告発状が東京地検特捜部に出されていることから、特捜部が周辺捜査に入っている。
こうした違反行為の発覚、市民団体などからの告発、これを受理した検察捜査、という流れが定着したことを考えれば、いかに「安倍一強」とはいえ、特捜部が受理を拒むことはできまい。が、心配な点はある。
共産党からの質問通告があった直後、内閣府が「桜を見る会」の招待者名簿をシュレッダーにかけたという証拠隠滅は、小渕事件の発覚直後、事務所関係者がパソコンのハードディスクにドリルで穴を開けた行為を想起させた。
ともに証拠隠滅罪だが、それを役人が忖度してやってしまうところが、中央官庁の人事権を完全に握った安倍官邸の強さであり怖さである。
法務・検察もまた、安倍官邸を忖度する可能性がある。背景には、菅義偉官房長官に近い黒川弘務東京高検検事長の存在があるという。
「来年2月、黒川氏は63歳の定年を迎える。それまでに稲田伸夫検事総長が退任すれば、ナンバー2の黒川氏が検事総長になって定年は延びる。検察は官邸が、そうした狙いで総長人事に介入するのを恐れ、安倍捜査を控える可能性がある」(検察事情通)
よもや、そんな事態があってはなるまい。公職選挙法と政治資金規正法違反を問われ、多くの政治家は職を辞し、相似形の小渕氏の場合は「国家老」の有罪判決につながった。
「安倍一強」の毒が検察にまで回らないよう、メディアも国民も注視する必要がある。 
「桜を見る会」の“反社会的勢力”参加 11/28
  菅官房長官が「反社の定義定まってない」と大嘘!
公職選挙法をはじめとする違法疑惑に、国会追及の動きと連動していた招待者名簿の廃棄問題、さらに「総理・昭恵枠」が約1000人だという政府説明が嘘ではないのかという疑惑と、次々に安倍首相をはじめとする政府の主張のデタラメさが明らかになっている「桜を見る会」問題。そしていま、新たに大きな火種になっているのが、「桜を見る会」に反社会的勢力と見られる人物が招待されていた問題だ。
SNS上では少し前から、「桜を見る会」で撮られた、招待者と菅義偉官房長官のあるツーショット写真が話題となっていた。というのも、ツーショット写真を含め複数投稿された写真のなかには、反社会的勢力とされている人物が写っていると週刊誌が伝えたからだ。
しかも、この写真のほかにも反社会的勢力と見られる者が「桜を見る会」に招待されていたのではないかという疑惑がもたれており、菅官房長官はついに26日の定例記者会見でこう認めざるを得なくなったのだ。
「出席は把握していなかったが、結果的には入ったのだろう」
「結果的には入ったのだろう」って、「桜を見る会」の予算が増加したのは「セキュリティ対策」のためという言い訳はなんだったのか。いや、そもそも功労者を慰労することが目的の公的イベントだというのに、反社会的勢力が招待されていたのではないかという疑惑は、重大な問題だ。ご存知のとおり、反社会的勢力への闇営業問題では宮迫博之や田村亮といった芸人たちは厳しくその責任が問われたが、安倍首相の主催イベントで反社会的勢力を「功労者」「各界の代表者」として招待して税金で接待していたとみられているのだ。悪質さでいえば芸人たちを遥かに超えた問題であり、かたや彼らが契約解除などの処分を受けているのだから、安倍首相や菅官房長官は「辞任」級の責任を問われてしかるべきだ。
だが、昨日27日の午前定例記者会見では、西村明宏官房副長官が「反社会的勢力のみなさまが出席されたかどうかは個人に関する情報であるため、回答を差し控えさせていただいている」と発言。反社会的勢力を「みなさま」と呼び、税金でもてなしていたのかどうか国民に説明すべき問題を「個人の情報」だと言って回答拒否し、さらに、同日午後の会見では、菅官房長官がこんなことを言い出した。
「“反社会的勢力”についてさまざまな場面で使われることがあり、定義は一義的に定まっているわけではない」
定義は、定まっていない──!? いやいや、そんなことはない。2007年に政府がまとめた「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」では、〈暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または個人〉とはっきり定義しているからだ。そして、この定義のもと、たとえば金融庁は各金融機関や業界団体に「反社データベース」の充実などを求めている。にもかかわらず、「桜を見る会」では基本的な反社チェックもおこなわれていなかったのだ。そして、その問題が指摘されると、「定義は定まっていない」などと言いだしたのである。
菅官房長官の言い分がまかり通れば、今後、都道府県など地方公共団体で施行されている暴力団排除条例も骨抜きになってしまう。ようするに、菅官房長官は保身でとんでもないことをぶち上げたわけだ。一体、どこまでこの国を潰そうというのだろう。
しかし、こうした反社会的勢力を招待していた疑惑もさることながら、「桜を見る会」の招待者問題では反社会的勢力よりももっとヤバい、深刻な事実がある。それは、「桜を見る会」が悪徳商法の客集めに利用されていた、という問題だ。
25日の参院行政監視委員会で共産党・田村智子議員が追及したように、「桜を見る会」をめぐっては、2015年4月の同会にジャパンライフの創業者で当時会長だった山口隆祥氏が招待されていた。しかも、ここにきて山口会長を招待したのは「総理・昭恵枠」ではないかという疑いが出てきたのだ。
本サイトでは繰り返し言及してきたが、そもそもジャパンライフは磁気ネックレスの預託商法などを展開、悪徳マルチ商法として社会問題になってきた会社であり、1985年には国会で「ジャパンライフ問題」として集中審議がおこなわれたことがあるほどだ。
そして、2017年にジャパンライフは2000億円を超える負債を抱えて経営破綻。同社の被害弁護団連絡会によれば契約者は約7000人にもおよび、今年4月には債務超過の状態にあることを隠して顧客を勧誘した疑いがあるとして、警視庁など6都県警の合同捜査本部が特定商取引法違反(事実の不告知)容疑で山口元会長の自宅や関係先などを家宅捜索している。
こうして約7000人もの被害者を生み出した要因として、本サイトが以前から指摘してきたのが、ジャパンライフと安倍政権の結びつきだ。実際、加藤勝信厚労相や二階俊博自民党幹事長は宣伝チラシに登場し広告塔を務めていたことが判明しているが、その極めつきが「桜を見る会」だった。
というのも、2014年9月にジャパンライフは消費者庁から文書で行政指導を受けていたにもかかわらず、2015年4月におこなわれた「桜を見る会」に山口会長本人が招待されていたのだ。しかも、ジャパンライフは招待状と安倍首相の顔写真を宣伝チラシに載せ大々的にアピール、勧誘や説明会で「招待状」を顧客に見せ、その関係を利用していたのである。
ジャパンライフの被害者の多くは高齢者であり、お年寄りにしてみれば会長が安倍首相から功労者として「桜を見る会」に招待されたという事実は、ジャパンライフに信頼を寄せる重要な材料になったことは疑いようもない。つまり、安倍首相は悪徳商法の客集めの片棒担ぎをしたのだ。
だが、このように「桜を見る会」に参加していた問題企業関係者は、ジャパンライフだけではない。
いま、SNS上でひそかに注目を集めている複数の写真がある。そこには、「桜を見る会」で菅官房長官や片山さつき・前地方創生担当相らとツーショット写真を撮り、さらには「前夜祭」と思われる会場で安倍首相や昭恵氏と仲良く写真におさまっている、ある男性の姿がある。
この男性は、48(よつば)ホールディングスの代表取締役会長(今年5月時点)である淡路明人氏という人物。そして、この48ホールディングスは、2017年8月に消費者庁が立入検査を、その直前には金融庁も調査を実施、同年10月には販売していた独自の仮想通貨「クローバーコイン」をめぐり「購入すれば1カ月半後には10 倍に値上がりする」「3カ月で128倍の価値になる」などと謳って連鎖販売取引(マルチ商法)をおこなったことが特定商取引法違反(不実告知など)にあたるとして、消費者庁から3カ月の一部取引停止が命じられているのだ。ちなみに、日刊ゲンダイ(2017年12月29日付)によれば、この48ホールディングスの代表取締役社長を一時期務めていた渡部道也氏は、2016年当時、ジャパンライフの取締役香港支社長として会社案内で紹介されていたという。
ともかく、ジャパンライフ以外にも、違法行為がおこなわれていた企業のトップが「桜を見る会」に招待されていた──。さらに重要な点は、淡路氏が「前夜祭」にも参加していたと見られることを考えれば、安倍首相、あるいは昭恵氏の招待者であった可能性が高いことだ。実際、淡路氏は2016年11月におこなわれたあるパーティでも昭恵氏とツーショットで撮影し、その写真がネット上でも話題になってきた。
さらに、問題はもうひとつある。それは、安倍首相・昭恵氏をはじめとした政界官界人脈が行政処分を遅らせたのではないか、という疑惑だ。
実際、ジャパンライフの業務停止命令が2015年9月の立ち入り検査から1年3カ月と通常の倍以上も要した背景には、消費者庁の課長補佐が同社に天下りしていたことが関係しているのではないかと2017年4月に参院財政金融委員会で共産党の大門実紀史議員が指摘していたのだが、48ホールディングスをめぐっても、日本消費経済新聞(2017年11月5日号)によると、2016年1月には全国の消費生活センターに相談が寄せられ、同年度の相談は140件、2017年度は10月24日までのあいだに223件も相談があったという。しかし、消費者庁は2017年5月に予定されていた立入検査を見送っており、業務停止命令が出た際、同紙は〈消費者庁の行政処分は、遅きに失したといわざるを得ず、被害の抑止・拡大防止にはつながっていない〉と指摘している。
こうした行政処分の遅れによって被害を拡大させた要因のひとつには、安倍夫妻との関係を鑑みて“忖度”が働いたことも十分考えられるのではないか。ジャパンライフの件では、2017年3月にジャパンライフが行政処分を受けたあとに新たな追加措置を検討していたところ、それに官邸がストップをかけた、と日刊ゲンダイは報じている。
反社会的勢力を税金でもてなしていたことも大問題だが、被害者を生んでいるマルチ商法の企業関係者を招待し、“安倍夫妻と人脈がある”ということを信用材料にさせてきたことは、さらに深刻な問題をはらんでいる。一体、なぜこうした人物を招待したのか。安倍首相には国民に説明する責任がある。 
「シュレッダーは隠蔽のシンボル」と米紙揶揄 名簿廃棄で 11/28
内閣府が「桜を見る会」の招待者名簿を廃棄したことなどを、27日付の米紙ワシントン・ポスト(電子版)が呆れた調子で報じている。
同紙は、自衛隊の日報問題、モリカケ問題などにおける隠蔽体質ムキ出しの安倍政権の文書の扱いも紹介。
「桜を見る会」名簿をめぐる内閣府の苦しい説明と、実地で文書をシュレッダーで廃棄する野党の追及を説明したうえで、「報道によると、シュレッダーは『ナカバヤシNSC−7510Mark3』で、日本政府の隠蔽工作のシンボルになっている」と揶揄している。  
「首相の思い上がりのあらわれ」米紙、公文書廃棄問題を痛烈に批判 11/28
米紙が、安倍政権の「桜を見る会」をめぐる公文書廃棄問題に鋭いメスを入れた。
米紙ワシントン・ポスト(米国時間11月27日付け)が、「日本の首相をめぐる奇妙な話 公文書と大型シュレッダー」と題する記事を掲載し、安倍政権の公文書廃棄問題を痛烈に批判している。
記事導入部では、公文書をめぐる以下の問題を列記。
・議論を呼んでいる政府主催のパーティーの招待者名簿? 廃棄。
・首相官邸への訪問者名簿? 廃棄。
・スーダンやイラクに派遣されていた自衛隊が遭遇した危険な出来事が記されている活動報告? 最初は廃棄されたと言われていたが、後になって見つかる。
・安倍政権に脅威を与えた学校スキャンダル関係の重要書類? 改ざんされたものもあれば、廃棄されたものもあり。
そして、安倍政権が公文書にこっそりとアプローチしていたことや1回1000ページの書類破棄能力がある産業用シュレッダーが、今週、日本のトップニュースになっていることに言及。
「桜を見る会」に15000人という多数の人々が招かれて5500万円かかったことが問題となり安倍首相の支持率が落ちていることや、同会には反社会勢力のメンバーや投資詐欺で告発された会社の元会長も招かれたと言われていること、共産党の宮本徹衆院議員が5月9日に招待者名簿をリクエストした日に、その名簿がシュレッダーにかけられていたことなども指摘している。
安倍首相の性格と関係
その他、指摘されている点を紹介したい。
・記録法をめぐる日米の法律の違い
アメリカは「大統領記録法」で、大統領が関わった書類はすべて歴史的記録として保存し、国立公文書館に送ることが規定されている。一方、日本の法律では、公文書は最低1年は保存すべきであるとされてはいるものの、適切と見なされれば、保存期間が1年未満の公文書でも、官僚の自由裁量で処理することが許されていると説明している。
・ルール破りな安倍首相
日本は「情報の自由」という点では、アメリカのような欧米の民主国家からは大きな後れをとっており、1999年に「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」を通過させたものの、安倍氏は、そのルールを組織的に破り、法律の条項を元に戻そうとしてきたと指摘。
「不都合な事実を隠蔽するために、書類を改ざんし、廃棄することはパターン化しているようです。彼らは、ルールを前の状態に戻し、公文書を出さずに済む方法を探そうとしていたようです。つまり、ルール破りとルール変更をごちゃ混ぜにしている。安倍氏が7年以上、首相として、政府と官僚を個人的にコントロールすることができた結果、こうなったのです」
という上智大学の中野晃一教授のコメントも紹介している。
・安倍首相の性格との関連性
さらには、公文書問題は安倍首相の性格とも関係があり、首相在任期間が長くなるほど、そのことが明白になっていると指摘。立憲民主党の黒岩宇洋衆議院議員の「首相の思い上がりのあらわれです」というコメントも紹介している。
そして、最後には、「安倍氏は、再検討のため来年の「桜を見る会」を中止すると発表したが、国民の信頼を取り戻すことはなかった」と結んでいる。
日米の政界で起きる“奇妙な偶然”
この記事を読み、安倍首相とトランプ氏の共通点を見出した。
アメリカでは「ウクライナ疑惑」をめぐり、トランプ氏の弾劾公聴会が開かれたが、その中で、議論されたことの一つに、9月9日の出来事がある。
米下院情報委員会は、9月9日に、内部告発(7月25日に、トランプ氏がウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談した際、トランプ氏がゼレンスキー氏のホワイトハウス訪問とウクライナへの軍事支援の見返りにバイデン氏らを調査するよう求めたと考えられるようなやりとりがされたという告発)があるという事実を知ったが、その同じ日、トランプ氏は見返りを求めていたのではないかと疑っていたソンドランド駐EU米大使に電話で「ウクライナに何を求めているんですか?」と詰問された際、「何も求めていない。見返りは求めていない」と否定している。否定したのは、電話の時点で、トランプ氏にはすでに内部告発があったことを知っていたからだと指摘されている。そして、2日後には、見返りは求めなかったことを証明するかのように、保留にしていたウクライナに対する軍事支援を開始したのだ。
これは、共産党の宮本徹衆院議員が5月9日に招待者名簿をリクエストした同じ日に、その名簿がシュレッダーにかけられていたことと呼応するような出来事だ。
アメリカも日本も、政治の世界では“奇妙な偶然”が起きるらしい。
ちなみに、同じワシントン・ポストの記事によると、トランプ氏は書類を破って捨てる癖があるため、政権の人々は破られてバラバラになった書類を継ぎ合わせる作業を行なっているという。
しかし、バラバラに破られた書類は継ぎ合わせて元に戻せるだけ、トランプ政権は安倍政権よりまだましということかもしれない。  
米メディアでもネタにされる安倍政権と『桜を見る会国会』のバカバカしさ 11/28
この国の政治家は、国民のことを考えているのだろうか。
現在開催されている国会では、およそ経済政策についてまともな議論がなされていると言い難い状況だ。一つずつみていこう。
まず10月1日から消費税率が2%引き上げられ10%となった。消費税の1%引き上げによる税収増加は約2兆円。今回の2%の引き上げで4兆円の税収増となる。
2019年だけでも、4兆円(1年間の増収額)÷12カ月×3カ月(10、11、12月分)=約1兆円の税収増になる。それでも政府は2019年度の税収見込み額が不足すると予想しており、赤字国債の発行を検討している。
増税をおこなっても税収不足となる点について、国会ではほとんど議論もされていない状況だ。
さらにワシントンポストなど米国の複数のメディアでは、トランプ米政権が2021年度以降の在日米軍駐留経費の日本側負担(いわゆる“思いやり”予算)について、現状の約4.5倍に当たる年約80億ドル(約8640億円)への増額を求めていると報じている。現在でも、その“思いやり”予算は米軍基地に関連する人件費や水道光熱費などで年平均約1893億円を日本が負担している。
消費増税を国民に迫り、国民の痛みを伴った血税を、米国側の要求額通りではないにしろ、その思惑に配慮して増額し、差し出すことになる可能性は高い。
この“思いやり”予算は、日米交渉で決定されることになっているが、その日米交渉が年末に迫っているにもかかわらず、こちらもほとんど議論がかわされている様子はない。
日米交渉では、日米貿易協定の締結問題もある。9月25日、安倍晋三首相とトランプ米大統領は首脳会談で日米貿易協定締結を最終合意し、合意確認文書に署名した。
日本側はコメの無関税輸入枠導入を見送った一方、米国産の牛・豚肉はTPP(環太平洋連携協定)と同水準の関税に引き下げる。日本は約72億ドル(約7760億円)相当の米農産物について関税を撤廃ないし削減。米国側は産業機械や化学品、鉄鋼製品など自動車を除く工業品について関税を撤廃、削減する。
日米貿易協定は合意確認文書への署名は行われたが、正式な協定書への署名を残している。この日米貿易で最重要課題である日米貿易協定の締結についても、議論がされていない。
11月11日、2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長は日本記者クラブ(東京・千代田)で記者会見し、再生医療用のiPS細胞作製を支援する政府の大型研究予算が2022年度で終わる予定であることを明らかにし、「いきなり(政府の支援を)ゼロにするのは相当理不尽だ」と支援継続を求めた。
政府は山中氏がノーベル賞を受賞した2012年から10年間でiPS細胞研究などに総額1100億円を拠出することを決めた。今回の予算終了について山中氏は、「一部の官僚の考え」と断った上で、「(政府の専門家会議など)透明性の高い議論での決定なら納得だが、違うところで話が決まってしまうと理由もよくわからない」と不満をぶつけた。
「iPS細胞」は現在、米国なども研究開発に参入し、世界中で国際競争が行われている。世界をリードする研究開発に対して、国の隆盛を考えなければならない政治家が、まともな議論もせずに予算の打ち切りを決めようとしているありさまだ。
10月4日に召集された第200回国会(臨時国会)は12月9日で会期が終了となる。少なくとも、筆者にはこの臨時国会で最重要テーマとして取り上げられているのは、安倍首相主催の「桜を見る会」の問題だ。確かに「桜を見る会」の問題も重要だろう。
しかし、国会の開催運営には1日3億円の経費がかかる。5000万円と言われる「桜を見る会」の経費と政治資金問題を追及するために、1日3億円の経費をかけ、何日も国会を行っている愚には憤りを感じざるを得ない。
金額の問題ではないにしろ、重要課題が山積しているにもかかわらず、政治家、特に野党はその存在感を示すために「桜を見る会」問題の追及に固執している。
政治は国民の生活の安定と向上のために行われるべきであり、国会はそのための問題を審議し、決める役割を担っている。ところが、政党の存在感を示すために、国民にとっては重要な問題をないがしろにし、国民の税金を無駄使いしている。
臨時国会は後半戦に突入しているが、このままでは国会召集日から会期終了までの47日(会期日数)×3億円(1日の国会運営費)=141億円が“どぶに捨てられる”ことにもなりかねない。 
 11/29

 

桜を見る会前夜祭 刑事法から見た疑問点 11/29
はじめに
連日、「桜を見る会」(平成31年4月13日開催)についての疑惑が報道されています。ただ、今の段階では情報が錯綜し、情報過多の中での空虚感という逆説的な気持ちを抑えることができません。
「桜を見る会」についてはさまざまな問題が指摘されていますが、ここではホテルニューオータニで会の前日に行われた前夜祭(「夕食会」)に焦点を絞って、刑事法的観点からみた疑問点をまとめてみました。
詳細な事実関係はまだ明らかではありませんが、報道等によると、どうも次の3点は事実のようです。
1.夕食会の主催者は「安倍晋三後援会」であり、「安倍晋三事務所」がホテル側と具体的な段取りを行った。
2.参加者に渡された領収書から判断すると、ホテル側に支払われた夕食会の総額は、少なくとも1人5,000円×約800人=約400万円だった。
3.ニューオータニの宴会場で、立食形式のパーティーを催す場合の費用は、最低でも1人11,000円からとなっている(したがって、単純に計算して、「夕食会」の費用として500万円弱の差額が生じている)(ホテルニューオータニ/パーティープラン)。
さて、問題はこのような事実から、可能性として何が言えるのかということです。私は大きくは以下の2つの可能性が問題になるのではないかと思っています。
第一の可能性(公職選挙法違反)
まず、夕食会がホテルの上記最低料金で行われたとして、その正規料金との差額、つまり500万円弱の費用が安倍晋三後援会(ないしは安倍晋三事務所)によって補填されていたかもしれません。
そして、もしもそうならば、この場合は公職選挙法が禁止する寄附行為に当たる可能性があります。
公職選挙法の第199条の2第1項は、現職の政治家(候補者も)が選挙区内の人に寄附をすることを禁止しています。たとえばお中元やお歳暮、病気見舞いや出産祝い、地元の行事への寸志や差し入れ、飲食接待などがこの寄附行為に当たります。また、政治家本人はもとより、政治家の後援団体(後援会など)が行う寄附も、政治家の寄附同様に禁止されています。
政治家と有権者のクリーンな関係を保ち、選挙や政治の腐敗を防止するためには、「政治家(候補者、立候補予定者、現に公職にある者)と私たち有権者とのつながりはとても大切です」。「しかし、金銭や品物で関係が培われるようでは、いつまでたっても明るい選挙、お金のかからない選挙に近づくことはできません」(総務省)。政治家の寄附行為は民主主義の発展を阻害する行為であり、寄附行為の禁止は、民主主義にとって重要な意味をもっています。
この寄附行為の禁止に違反した場合は、「1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金」に処せられます(公職選挙法第249条の2第2項)。
第二の可能性(贈収賄)
安倍晋三後援会が上記の差額を補填していなかったとしたら、ホテル側が費用(約500万円)を大幅に値引きした可能性があります。そして、その場合は値引きの理由が何であったのかが問われるべきです。
―値引きの理由は何か―
ここで注目されるのは、10月23日に安倍首相夫妻の主催で行われた即位礼の晩餐会(予算が1億7千万円)の会場が、同じニューオータニだったことです。
ここから先はまったくの憶測になるわけですが、「夕食会」がかりにこの即位礼晩餐会との「セット」ならば、いわゆる「つけ回し」の可能性があったのではないかということが疑われます。
―「つけ回し」があったのか―
「つけ回し」とは、飲食代金などの「ツケ」を他人に回すことです。分かりやすく言えば、公務員が自分の私的な飲食代金を業者(贈賄者)に肩代わりさせて、債務の全部または一部の免除を受けることです。実質的には公務員に対して現金を渡すことと同じことですから、このような債務弁済は賄賂の目的である金銭的利益だといえます。
「夕食会」と「晩餐会」がセットになっていたとすれば、ホテル側としては全体でプラスの利益がでればよいわけですから、1億7千万円の国の予算が付けられた「晩餐会」を受注できることを条件に、その約0.03%に相当する、私的な「夕食会」の料金のうちの約500万円の大幅値引きを行ったということも考えられないことではありません。
ただこのつけ回しが賄賂だといえるためには、それが公務員の職務に関連して行われたということがいえなければなりません。賄賂とは、公務員の職務に対する対価(見返り)という意味をもっているからです。職務と無関係ならば、賄賂とはいえません。つまり、「夕食会」と「晩餐会」(の選定)が「内閣総理大臣安倍晋三」という個人で繋がっていなければなりません。
これについて参考になるのは、現職の総理大臣の犯罪が問題になった「ロッキード事件」(昭和47年)です。この事件は、ロッキード社の日本における販売代理店である丸紅の社長Xらが、同社の航空機を全日空へ売り込むにあたって、当時の内閣総理大臣田中角栄に対して、全日空に対して同社の航空機の購入を勧めるように運輸大臣を指揮することを依頼し、その成功報酬として5億円の授受が行われた(贈収賄)というものです。
最高裁(平成7年2月22日大法廷判決)は、運輸大臣が全日空に対し特定の航空機の選定購入を勧奨する行為は、運輸大臣の職務権限に属する行為であるが、「内閣総理大臣が運輸大臣に対し右勧奨行為をするよう働き掛ける行為は、内閣総理大臣の運輸大臣に対する指示という職務権限に属する行為ということができる」と判断して、5億円について賄賂性を認め、Xらに贈賄罪の成立を認めました(田中被告は裁判中に死亡したため、受託収賄については司法判断はなされませんでした)。
このロッキード事件判決の考え方によると、即位礼晩餐会は安倍首相夫妻の主催であり、予算・発注は内閣府ですから、晩餐会会場の選定等については内閣府の長である首相の一般的な職務権限は当然肯定され、議論の余地はないと思われます。
なお、安倍晋三後援会は、安倍首相にとっては第三者で、値引きがあったとすれば、その金銭的な利益も直接には安倍晋三後援会の利益です。しかし、その金銭的利益に対して、安倍首相本人が事実上の支配力、実質的処分権限を有するものと認定できる場合には、その金銭的利益は本人が受け取ったものだということになります(この点は、政治献金と賄賂の問題として議論されています)。
―不当な便宜供与かも―
実際にかかった費用が本当に1人あたり5,000円だったということも考えられます。しかし、ネットのあちこちに挙がっている当日の写真から見る限り(唐揚げを見つけることはできませんでした)、とても1人5,000円の料理だったとは思えませんが、実際にホテル側が特別に費用を1人5,000円でしたのだとしたら、安倍晋三後援会だからということで、特別に行われた不当な便宜供与ではないのかという疑問が生じ、上と同じ問題になります。
また、1995年にはホテルニューオータニを舞台に、ホテルの職員と外務省職員らが会議費用を水増し請求し、詐取した公金を裏金としてプールし、赤字の補填に使用したり、私的に流用していたという事件がありました。もしもこのような裏金作りがなされており、「夕食会」の赤字費用がここから補填されていたとしても、不当な便宜供与だという問題は生じます(もちろん、ホテル側に刑法や税法上の責任は生じます)。
おわりに
「桜を見る会」だけではなく、その前夜の「夕食会」も、あまりにも不明な点だらけであるといえます。今のままでは、情報の混乱が疑惑を呼び、疑惑が憶測を生み、さらにそれが疑惑を生むといった悪循環から抜け出すことはできません。少なくとも、ホテル関係者、安倍後援会、あるいは安倍晋三事務所のそれぞれしかるべき責任者による説明があって当然ではないかと思います。 
「桜を見る会」疑惑 なぜ反社会的勢力まで 11/29
来春の開催中止が決まった「桜を見る会」を巡る疑惑が深まっている。とりわけ反社会的勢力の関係者が出席していたと報じられ「写真があるのなら結果として会場にいたのだろう」と、菅義偉官房長官が人ごとのように答えたことに驚く。
野党は衆参予算委員会での集中審議を求めてきた。与党は来月9日までの国会会期は延長しない構えという。主催者である安倍晋三首相が審議に応じないままなら、政治家の倫理にもとる。参加者が増え過ぎたことの「反省」にとどまらず、責任の所在を明らかにすべきだ。
反社会的勢力の出席を巡るはぐらかしはこれだけではない。「結果として会場にいた」と述べたかと思えば「出席したとは言っていない」という答弁もある。一体、どちらなのか。
招待していないのに会場に現れたのなら、警備に問題があるとも言えよう。内閣府や警察庁の担当者は野党の追及に「個別の事案には答えられない」と防戦に終始しているが、首相周辺への忖度(そんたく)というしかない。
公的行事に反社会的勢力の関係者が堂々と出席し、税金で飲み食いしたとなれば聞き捨てならない。吉本興業所属の芸人たちが反社会的勢力の集まりに同席するなどしたためにトップが謝罪し、芸人が謹慎処分を受けたことは記憶に新しい。社会正義が政治家の足元から揺らいでいる証しにほかならない。
4年前には、マルチ商法被害が問題になっていたジャパンライフの当時の会長が招待されていたことも分かった。出席はしなかったものの、招待自体を宣伝に利用していた。衛藤晟一消費者行政担当相が遺憾の意を表明したが、消費者保護を無にするような不祥事であり、被害者の憤りはいかばかりか。
招待者名簿を巡る疑惑も広がっている。各省庁がおおむね3〜10年の保存期間を設けているのに対し、首相らが推薦する内閣官房は1年未満とし、今年分は既に廃棄したという。しかも廃棄した5月9日は共産党から資料要求があった日であり、何らかの理由で隠蔽(いんぺい)工作をしたと見られても仕方がない。
野党はシュレッダーで処理したという名簿の復元を求めている。記録や参考になる資料をいちいち廃棄する必要はないという見方は与党内にもあり、疑惑を晴らす意味で野党とともに復元を求めるのが筋だろう。
総じて公的行事の私物化であり公私混同といえよう。安倍首相は「私自身も事務所から相談を受ければ招待者について意見を言うこともあった」と人選について関与を認めている。
今年の推薦枠は首相が千人、自民党が6千人というから公費による大盤振る舞いというしかない。さらには首相夫人の昭恵氏の推薦も明るみに出た。
昭恵氏は森友学園問題で名前が取り沙汰されたものの、政府は「公人ではなく私人」と閣議決定している。桜を見る会の人選は内閣官房や内閣府が最終決定する建前だが、昭恵氏の推薦が影響を及ぼしているのかどうか、これも説明を求めたい。
また首相は「安倍事務所や安倍晋三後援会としての収支、支出は一切ない」としてきたが、事務所スタッフの上京旅費を巡る疑惑も新たに浮上している。政治資金絡みであれば、逃げの一手は許されまい。 
桜見る会疑惑続出 説明回避は国民軽視だ 11/29
安倍晋三首相の地元後援会員が多数招待され、公的行事の私物化などと批判を招いた首相主催の「桜を見る会」を巡る問題は収まる気配がない。反社会的勢力の関係者が出席していたのではないかとの疑惑も新たに浮上している。
首相には主催者として一連の疑惑についてしっかり説明する責任がある。首相に誠意を持って説明する姿勢が見られないのは国民軽視というほかない。
桜を見る会に出席した際に撮影された写真の中に反社会的勢力の関係者が一緒に写っているとの指摘を受け、菅義偉官房長官は26日、いったん反社会的勢力の出席を認めるかのような発言をした。翌日になって、出席の事実は確認できていないと前言を翻した。これだけでは納得できない。
暴力団など反社会的勢力の排除は社会全体の課題である。各界で功績のあった人を慰労するのが目的の桜を見る会に、それとは正反対の人物を招待し税金でもてなしていたとすれば、国民を裏切る行為である。磁気ネックレスの悪質な預託商法などを展開し、巨額の負債を抱えて破綻した「ジャパンライフ」の元会長が2015年の桜を見る会に首相の推薦枠で出席していた疑いもある。
首相の事務所は地元支援者の参加を募った際、応募者にどんな功績や功労があるか記すことを求めていなかった。どんな基準、どんな経緯で推薦を行っていたのか、反社会的勢力や元会長の招待の有無も含め、実態解明が不可欠である。
内閣府が廃棄したとする今年の招待者名簿についても疑問は膨らむばかりだ。野党議員が資料要求した5月9日に廃棄されたという。他省庁は参加者の推薦名簿の保存期間をおおむね3〜10年としている中、首相らが推薦した招待者の名簿だけがこんなに早く廃棄されたことは、不自然極まりない。再度、他に名簿が残っていないか確認したり、電子データの復元を試みたりして、あらゆる手を尽くし招待者の把握に努めるべきだ。
首相は当初、招待者の取りまとめに自身は関与していないとしていた。だが後に「推薦者について意見を言うこともあった」と発言を修正した。
桜を見る会に参加した後援会員らの旅費や宿泊費、夕食会費などについて、首相は「安倍事務所や安倍晋三後援会としての収支は一切ない」と説明している。しかしホテル側の明細書はないとするなど、裏付ける資料の提示はないままだ。
共同通信社の世論調査によると、桜を見る会に関する首相の発言を「信頼できない」とする回答は69・2%に上った。与党は野党が要求する予算委員会の集中審議を拒否した。一連の疑惑解明を怠り、幕引きを図れば、国民の政権への不信感は募るばかりである。首相は疑惑に正面から向き合うことが求められる。 
“桜を見る会”招待、政府が資料認め国会正常化 11/29
国会では、「桜を見る会」をめぐり、マルチ商法で経営破綻した会社の元会長を総理・官房長官などの枠で招待していたことを示す資料について、内閣府が認めました。
「桜を見る会」をめぐっては、野党側がマルチ商法で経営破綻した「ジャパンライフ」の山口元会長が2015年に招待された際、招待状に振られた「60」の区分番号について安倍総理の“推薦枠”ではないかと追及しています。
こうした中、内閣府は参議院・行政監視委員会の理事懇談会で“区分番号「60〜63」は総理・官房長官等の招待枠である”とする資料についてその存在を認めました。
「国会を再開をして、追及するための審議を行っていきたいと思います」(立憲民主党 安住淳国対委員長)
国会は正常化しましたが、会期末が迫る中、野党側は徹底追及する構えです。 
桜を見る会 菅氏「名簿データ復元できない」 専門家は「できる可能性」 11/29
菅義偉(すがよしひで)官房長官は二十八日の記者会見で、廃棄したとしている「桜を見る会」の招待者名簿の電子データについて「復元できないと事務方から聞いている」と述べた。技術的な理由かどうかは「承知していない」と語った。野党は反社会的勢力が出席した疑いがあるとして、実態解明のためのデータ復元を求めている。
菅氏は、安倍晋三首相ら与党政治家の推薦による今年の推薦者名簿を廃棄した日付は「(招待者名簿を廃棄した)内閣府のように予約制の大型シュレッダーを使っているわけではないので確認できない」とした。
コンピューターの管理に詳しい上原哲太郎・立命館大教授(情報セキュリティー)は本紙の取材に、電子データの復元について「データをサーバーで集積管理している場合は、復元できる可能性はあるものの、復元作業により他の業務が大幅に滞るリスクを伴う」と話した。
一方、パソコンにデータがあった場合は「ファイルを画面上から削除しても復元できる可能性がある」との見解を示した。政府に対しては「名簿を作成した際のデータ管理の状況などを説明する責任がある」と指摘した。 
「安倍“王将”は詰みの状態」「それでも検察は動かない」 11/29
「桜を見る会」の追及を続ける野党側は29日午前、法的な問題点について専門家を招きヒアリングを行った。参加した郷原信郎弁護士は将棋の盤面を使い「安倍総理は詰みの状況だ」と熱弁した。
一連の問題を「違法という観点から批判してきた」という郷原弁護士。「ネット上の議論などで『なぜ検察は動かないんだ』『検察が動くのが当然じゃないか』という声が出てくる。しかし、この問題は検察が動くことはないと思う。完全に政権に飼いならされてきた検察に、問題の違法・犯罪の疑いを取り上げる意思があるとは到底考えられない」と、安倍政権と検察の関係性を指摘する。
そして、将棋の盤面を取り出し、次々と浮上した疑惑に対する追及に安倍総理はどう対応してきたのかを、将棋に例えて説明した。
「安倍総理が王将。守る立場の安倍講演会(金将)とニューオータニ(銀将)。そして、攻める側が公選法違反(飛車)。これが安倍総理にとっては脅威だった。(前夜祭の)1人5000円という会費は安すぎるのではないか、そこを補填しているんではないかという話で、飛車が後援会サイドに一気に攻め込んで『龍』になった」
パーティーの会費については、参加者がホテル側に支払ったと安倍総理は説明していた。しかし、それならばパーティーに参加した安倍総理も会費を払わなければいけないというのが、郷原弁護士の指摘だ。
「菅官房長官の話によると、『(ホテル側に)払っていない』と。ホテルと参加者との間のお金の問題なので、みんな払わないといけない。払っていないのであれば“無銭飲食”だ。(ホテル側が)被害届を出さないのは、その分の支払いを免除したということ。まさしく利益を供与、ホテルニューオータニが安倍総理ないし後援会に『寄付』を行ったということになる」
そして、一連の問題は詰みの盤面に差し掛かっているといい、「政治資金規正法違反、この金将(問題の追及側)で安倍王将が完全に“詰み”の状態になる。(安倍総理が)払っていないと言えば無銭飲食または寄付で完全に詰み」との見解を示した。
なお、野党は安倍総理の招待枠に関する説明が不十分だとして、29日以降の国会審議を拒否している。 
野党が追及を続ける「桜を見る会」の“首相枠”問題に木村太郎が激怒 11/29
野党の徹底追及を受けている安倍首相主催の「桜を見る会」。
特に今野党が追及を強めているのが、行政指導を受けた“マルチ商法”で知られる「ジャパンライフ」の元会長を、いわゆる“首相枠”で税金を使った行事「桜を見る会」に招待したのではないかという疑惑についてだ。
<桜を見る会に招待された?ジャパンライフ株式会社とは…>
・1975年に設立、家庭用磁気治療器や健康器具、栄養補助食品などを訪問販売する会社
・健康器具などの“マルチ商法”などを展開し、2014年9月と10月に消費者庁が行政指導を行った
・その半年後、2015年3月にジャパンライフの山口隆祥会長(当時)に「桜を見る会」の招待状が送られたとみられる
・その後、ジャパンライフは去年3月に破産手続きを開始
・今年4月には警視庁と愛知など5県警が特定商取引法違反などの疑いで関係先を家宅捜索している
さらに野党がもう一つ怒りの追及を強めているのが、招待者名簿をシュレッダーで破棄した問題だ。
5月9日(木)正午ごろ、野党が「桜を見る会」の資料の開示請求を行ったところ、その約1時間後の午後1時20分〜2時45分に、内閣府人事課の職員がシュレッダーで資料を破棄した
これについて内閣府は、シュレッダーを予約したのは4月22日で、各局の使用が重なったため調整した結果、連休明けの5月9日になったと説明していたのだが…
野党の追及が強まった理由は、内閣府が新たに提出した「大型シュレッダー貸出使用者記録表」にある。
「直撃LIVEグッディ!」ではこの資料をもとに、GW前後のシュレッダー稼働時間を分かりやすく色分けした。
ピンク色が稼働時間、黄色が空いている時間だが…
内閣府によれば「4月22日に予約した」時には「各局の使用が重なったため、資料の破棄が5月9日になった」ということだったが…。
資料が正しいとすると、5月9日以前にも空きが複数存在したことになる。
これには、グッディ!のスタジオでも疑問の声があがった。
大村正樹フィールドキャスター: これを見ると連休前も空いてますし、連休明けていの一番、7日は午前中から午後2時までずっと空いてますね
宮澤智アナウンサー: 空きの方が多いように見えますね…
安藤優子: そうしたら「内閣府がすごく混みあっていてシュレッダーできませんでした」という説明は成立しないですね
大村正樹フィールドキャスター: やはり開示請求のあと、お昼休みが明けて急いで破棄したんじゃないかとどうしても思ってしまいますよね
木村太郎(ジャーナリスト): この話ね、基本的に何の違法性があるのかって、本来功績のある者を呼ぶ「桜を見る会」にその資格のない者を呼んで、公費を使った「財政法違反」であると。これが一番根っこにある話…だったら告発すればいいんですよ、東京地検特捜部に。こんな話を国会議員がね、議会でやることじゃないですよ。もっとやってもらいたい話があるんだもん。審議拒否だとかなんだって言う前にね、日米貿易協定の話やってください。衆議院でたった17時間しか討議してないんですよ。「反対だ」って言って、討議してないの。もう自民党が単独審議やって通しちゃうって言ってる。これだけ問題がある日米協定を、それでいいんですかって。あとで審議もしないで「あれは反対でした」って言ったって、野党の存在意義ないですよ。こんなことやめて、そっちをやってもらいたい
安藤優子: ただ、感覚的な話になると、やはり気持ちとしては収まらないわけじゃないですか。税金使って「桜を見る会」をやっていて、確かにそれが議員のやる仕事かどうかというのは議論のあるところだと思いますけど、もしそれが本当ならば、やはり絶対的に許されないなって
柿崎明二氏(共同通信社論説委員): やっていることが間違ってない、悪くないと言うのであれば、各議員と総理の後援会の事務所の人が自分たちの持っている資料を正々堂々と出せばそれで終わり。呼んだ人はこれだけ功績がありましたっていうことが分かれば、それで終わっちゃうと思うんですけどね
データの復元は本当に「不可能」か?
大村正樹フィールドキャスター: その招待者名簿を破棄したわけですが、菅官房長官は「復元できない」と言っています。今のパソコンの時代に、いくらシュレッダーにかけたとは言え、「データを復元できません」という話を信じる人がどれだけいるのか。ゴミ箱フォルダに捨ててもデータは残るということを知っている人も多いわけです
<削除されたデータは復元できる?>
・データ復旧専門業者アドバンスデザインの瀧伸一副社長によると「一般的にはデータを間違って消しても、削除したデータが上書きされていなければ高い確率で復元できる」という
大村正樹フィールドキャスター: 1回ゴミ箱に捨てた後、ユーザーはもう一回「ゴミ箱を空にしますか」ってクリックしますよね。それでゴミ箱を空にしても、データはPC内のハードディスクに残っているんですって。ただ、そのハードディスクの使用領域がどんどん大きくなってくると、削除されたデータは消えていくそうです。でも、文章などはサイズが小さいですし、内閣府の利用しているパソコンの容量がそこまで小さいとは考えにくいので、上書きされる確率は低いと考えられます。そうすると、データはあるんではないかという推測も成り立ってくるわけです
安藤優子: 記者から「ハードディスク自体を壊しているんじゃないか」とそんな質問も飛んでいましたが、やはりここはデータの復元もきちんとしていただきたい。納得できる説明さえすれば、片が付く話じゃないですか。早目に切り上げていただきたいなと思います  
»桜を見る会、政府「資料」認める 野党攻勢“マルチ元会長は首相枠”? 11/29
総理主催の「桜を見る会」についてです。国会では29日、「マルチ商法の元会長は総理・官房長官などの枠で招待された」と野党側が主張の根拠にしてきた資料について、政府側が内閣府の資料であることを認めました。
「紙全体が事実であると認めたわけですから、あそこに書いてあるものも事実であると、我々は認識しています」(立憲民主党 安住 淳 国対委員長)
29日、政府が「内閣府として提出したものだ」と認めたのは、「桜を見る会」の招待区分を記したこの資料。招待区分「60〜63」は総理・官房長官などの推薦であることが記されています。野党側はマルチ商法で経営破綻した「ジャパンライフ」の山口元会長が2015年に招待された際、受付票に振られた区分番号が「60」であることから、元会長は安倍総理の“推薦枠”での招待なのではないかと追及しているのです。
「こういうことを広告塔に使っていたなんて絶対に許せない。総理枠から出ていたのではないかということを徹底的に追及し、反社にもわたっていた」(国民民主党 原口一博 国対委員長)
野党側は“政府側が「60」番は総理枠だと事実上認めた”と受け止め、「一歩前進だ」として、午後から国会の審議に復帰し、国会は正常化しています。
Q.(野党が)60から63番の区分について、総理を含む官邸枠と見なすとしている。確認だが、このように理解していいのか?
「繰り返しになるが、ご指摘の番号は招待状の発送を効率的に行うために付しているもの。会の終了をもって使用目的を終えていることから、現時点でこれらの情報は保有をしていない」(菅 義偉 官房長官)
野党側は来週月曜(12月2日)、安倍総理が出席する参議院本会議で「桜を見る会」をめぐる一連の疑惑について追及を強める構えで、臨時国会終盤のヤマ場を迎えそうです。 
 11/30

 

米紙「奇妙な物語」「桜を見る会」疑惑報じる 11/30
米紙ワシントン・ポストは27日、「日本首相の奇妙な物語 公文書と巨大なシュレッダー」と題した記事を掲載し、安倍晋三首相主催の「桜を見る会」をめぐる疑惑を報じました。
記事は、「桜を見る会」をめぐる問題で、「日本共産党の宮本徹衆院議員」の追及を取り上げ、宮本氏が「5月9日に招待者名簿の提出を求めたら、招待者のプライバシーを理由に資料はすでに廃棄されたと伝えられた」と紹介。「1回に1000ページの公文書を廃棄できる大型シュレッダーが日本のトップニュースになっている」と皮肉りました。
同紙は、「桜を見る会」のほか、安倍政権を揺るがした(森友・加計の)学園スキャンダルの関連重要文書なども「一部は改ざんされ、一部がシュレッダーで廃棄された」とし、「安倍政権の公文書への秘密主義」を問題視しています。
米国では「大統領記録法」で、大統領にかかわる書類は歴史的記録として保存され国立公文書館に送られることが規定されていると指摘。日本では情報公開法が1999年に成立したものの、2012年に発足した安倍政権が組織的にルールを破っているとして批判されていると伝えました。安倍首相は来年の「桜を見る会」中止を決定したものの「国民の信頼は明らかに取り戻せていない」と結び、疑惑が深まっていると報じました。  
ジャパンライフ 「桜」招待状で被害拡大 11/30
日本共産党の大門実紀史議員は29日の参院地方創生および消費者問題に関する特別委員会で、「桜を見る会」疑惑に関連して、マルチ商法会社「ジャパンライフ」の“最後の荒稼ぎ”を助けたのが、「首相『枠』と指摘される(同会への)招待状だった」と批判しました。 
2014年5月には消費者庁が、同社の経営状況を踏まえ、「今回見逃すと大変なことになる」との認識のもと、時間をかけずに調査する方針を示していたことを紹介。その後の人事異動(同年7月)を受け、方針を軟化した背景を記した同庁の資料に「本件の特異性」「政治的背景にある余波懸念」との文言があることを暴露し、当時、同社に内閣府や経産省の元役人が天下りしていたことや同社が安倍氏をはじめ政治家にお中元を配布していたこととの関係性を告発しました。
大門氏は、15年に同社の被害の認定事実が増加したことを紹介。山口隆祥元会長に「桜を見る会」の招待状が送付されたのが15年2月で、この招待状を利用し経営悪化で追い詰められた同社が“最後の荒稼ぎ”で強引な勧誘をすすめていたのではないかと指摘しました。消費者庁の小林渉審議官は「どのタイミングで事実認定したのか申し上げられない」とまともに答えませんでした。
大門氏は「安倍首相の責任は重大であり、国会で説明すべきだ」と求めました。 
安倍首相が政治資金収支報告書に規則破りパーティで“7千万円荒稼ぎ”を堂々記載! 11/30
「桜を見る会」問題追及によって、安倍首相が税金を使った公的イベントを地元有権者の接待の場にし、安倍自民党全体で選挙活動のため利用していたことが明るみに出た。一体、国民の血税を何だと思っているのかという話だが、さらに安倍首相をはじめとする安倍政権の大臣たちの舐めた態度が浮き彫りになった。
本日、2018年分の政治資金収支報告書が公表されたのだが、そこに記されていたのは、規則破りのパーティ開催の数々だったからだ。
まず、最初に挙げなければならないのは、安倍首相の政治資金パーティにおける“ボロ儲け”ぶりである。
安倍首相の資金管理団体「晋和会」の政治資金収支報告書によると、安倍首相は2018年に「安倍晋三後援会朝食会」と題した政治資金パーティを東京の高級ホテル・ANAインターコンチネンタルホテル東京で計3回開催。5月28日に2537万9784円、11月2日に2424万円、12月20日に2018万円を集め、たった3回でじつに6979万9784円も集金している。
他方、支出に目を移すと、会場費や郵便料金など3回の朝食会にかかった費用は548万3375円で、経費は収入の10分の1も満たない。つまり、安倍首相は朝食会だけで6431万6409円を収入として得ているのである。
安倍首相に対しては例年、「よりにもよって総理大臣が大臣規範を破るとは」と批判の声が上がっている。大臣規範とは2001年に閣議決定された「国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範」のことで、国務大臣や副大臣、大臣政務官といった職務に就く者は「国民の疑惑を招きかねないような大規模な政治資金パーティーを自粛する」と規定している。
だが、この規定など完全無視。安倍首相は総理大臣でありながら、収入が1回で1000万円を超える大規模パーティを開催しつづけ、この大臣規範を毎年、平気で破っている。ようするに、襟を正す気などまったくないのだ。
しかも、これは安倍首相に限った話ではない。現在の閣僚で、今回収支報告書が公開された2018年時も大臣や大臣政務官だった人物でいうと、麻生太郎副総理兼財務相の資金管理団体「素淮会」の報告書によると、たった1回のパーティ開催で6165万5244円。河野太郎防衛相(当時は外相)の資金管理団体「河野太郎事務所」の報告書では1回のパーティ開催で3432万円。茂木敏充外相(当時は経済再生担当相)の資金管理団体「茂木敏充政策研究会」の報告書では収入がすべて1500万円以上のパーティを計4回開いて計8467万16円。加藤勝信厚労相(2017年8月〜2018年10月まで厚労相)が代表を務める政党支部「自由民主党岡山第五選挙区支部」の報告書では1回のパーティで1937万9474円、資金管理団体「勝会」の報告書では1回約1800万円の収入を得たパーティをはじめ計5回のパーティで5150万円。梶山弘志経産相(2017年8月〜2018年10月まで地方創生担当相)の資金管理団体「益習会」の報告書では1回2769万円の収入を得たパーティを含む計2回のパーティで3717万円の収入を得ている。
また、菅義偉官房長官も、菅氏が代表を務める「自由民主党神奈川県第二選挙区支部」の報告書によると、1回1000万円近い収入のパーティを4回開催して3872万円、さらに菅氏の資金管理団体「横浜政経懇談会」の報告書でも5回のパーティで3772万円。西村康稔経済再生担当相(当時は官房副長官)の資金管理団体「総合政経研究会」の報告書でも1回1000万円近いパーティを含む17回のパーティで1億177万2136円もの収入を計上している。
大臣規範を破りまくりの大臣が、現役閣僚として在任している──。これだけでも唖然とさせられるが、政治資金パーティが問題なのは、その不透明性だ。というのも、パーティ券の購入が事実上の献金になっているにもかかわらず、購入額が20万円を超えなければ購入者の情報は報告書へ記載する必要はない。
実際、政治資金パーティの“闇”の一端があきらかになったこともある。昨年11月に公表された2017年の政治資金報告書では、稲田朋美・元防衛相が政治資金パーティの開催を中止したことから、パーティ券を購入した団体・個人に返金をおこない、その内訳が記載されていた。前述のとおりパーティ券の場合は購入額が20万円を超えなければ名前などを記載する必要はないが、返金したために1万円以上の購入者の名前などが政治資金収支報告書に記載される結果になったのだ。そして、それによって電力会社8社をはじめ、日本原子力発電や電気事業連合会、関西電力のグループ会社や全額出資子会社などから計112万円もパーティ券を購入してもらっていたことが判明。期せずして“原発マネー”の流れが浮かび上がったのだ。電力会社は「地域独占で公共性が強いのに献金はおかしい」といった批判が高まったことから、1974年以降、会社としての政治献金を中止しているにもかかわらず、だ。
「政治とカネ」という重要な問題にかかわるのに、国民の監視の目が届かない──。当然、仕組み自体をさらにオープンにすべきだが、しかし、大臣規範を平気で破り、政治資金パーティを隠れ献金の温床にしている安倍政権の面々には、モラルもへったくれもない。それを象徴する出来事が、いま問題となっている安倍首相の「桜を見る会」の「前夜祭」であることは、言うまでもない。
やはりなかった「前夜祭」の記述!
やはり本日公開された「山口県報」に掲載された「政治団体の収支に関する報告書の要旨[平成30年分]」を確認しても、安倍首相の政治団体「安倍晋三後援会」に「前夜祭」にかんする収支の報告はなされていない模様だ(ちなみに、山口県は政治資金収支報告書をネット上で公開していない数少ない都道府県のひとつで、情報公開が進まない理由に安倍首相への“配慮”があると見られても仕方がないだろう)。
だが、これまで何度も言及してきたように、「前夜祭」の収支報告がないことは、あきらかにおかしい。安倍首相が強弁しても、当日欠席した人の存在や実費計算と参加者による1人5000円の会費=ホテル側への支払いとはならないはずだからだ。
たとえば、いくら前もって参加者を募っていても、これほど大規模なパーティなら事情があってドタキャンする人は必ず出てくるものだ。その当日キャンセル分の補填は誰がおこなったというのだろうか。あるいは万が一多すぎた場合の余剰分は誰の懐に入るのか。さらに言うと、食事代や会場設営・音響費用などは当日変更さえなければ事前に金額を確定できるが、飲み物代はそうではない。本サイトがホテルニューオータニに問い合わせをした際にも、飲み物代はおおよそ1人4000円程度としながらも、基本的には「実数計上」になると説明を受けている。つまり、事前に飲み物代は確定することはできず、通常でいえば宴会終了後に精算作業がおこなわれるはずなのだ。そして、その精算主体は「安倍晋三後援会」であり、何らかの収支が発生していると考えるのが当然だ。
にもかかわらず、収支報告書に「前夜祭」の記載はない。つまり、パー券で儲ける政治資金パーティとは違い、「前夜祭」は地元後援会関係者をもてなす会であり、その差額を補填していたとしたら供応接待の事実がバレてしまう。だから記載していないのではないか。
しかも、実際にホテルニューオータニが5000円で引き受けていたとしても、本来は参加者1人につき1万1000円以上の費用にもかかわらず大幅な値引きをおこなっていたことになれば、それは「安倍晋三後援会」への寄附にあたり、政治資金規正法で禁じられた政治団体への企業献金となる可能性がある。
つまり、「前夜祭」の収支報告がないことは、政治資金収支報告書への未記載にとどまらない違法行為が隠されている可能性が濃厚だ。しかし、安倍首相はいまだにシラを切り、まともな説明をおこなっていない。
開催を自粛すべきと規定されているのに大規模政治資金パーティを平然と開き、都合の悪いパーティの存在は国民の監視から覆い隠す──。大臣規範を平然と破りつづけていることと、今回の「前夜祭」問題の根幹は、安倍首相にはモラルなどまるでなしという意味で、まったく同じなのである。 
「桜を見る会」が紛糾する中で安倍総理と会食したメディア 11/30
桜を見る会問題の最中に報道各社が首相と会食
共産党の田村智子議員の質問を皮切りに問題化した「桜を見る会」。野党からの追及が強まる最中の11月20日、安倍晋三首相がマスコミ各社と会談した。この日の首相動静には、 「午後6時34分、官邸発。同39分、東京・平河町の都道府県会館着。同所内の中国料理店『上海大飯店』で内閣記者会加盟報道各社のキャップと懇談」とある。Twitterでは、この懇談に対して「こんなときに、内閣記者報道各社のキャップは、安倍首相と懇談という名の会食かよ」と疑問を呈する声が相次いだ。
新聞社やテレビ局のうち実際に懇談に参加したのはどこなのか。参加しなかった媒体はあったのか? また懇談についてどのようにとらえているのか?
HBO編集部は、以下の質問項目をマスコミ各社(下記)に送付して回答を求めた。
【テレビ局】NHK、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京
【新聞社】朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、産経新聞、東京新聞、時事通信社、共同通信社
【質問内容】
(1)2019年11月20日の首相動静によりますと、東京・平河町の都道府県会館にある「上海大飯店」で内閣記者会加盟報道各社のキャップと会食したとあります。貴社はこちらの会食に参加されていますか。
(2)現在、安倍首相は「桜を見る会」に後援会を招待したとして、公職選挙法違反の疑いが持たれています。報道各社では、こちらの疑惑につき報道を重ねて追及されていますが、そうした立場から、この会食をどのようにお考えになりますか。
(3)このような時に、報道各社と安倍首相が会食を持つこと自体についてのご意見をお聞かせください。
(4)貴社のキャップが会食に参加することについて、社内で異論はでましたか。
(5)昨今の社会における「ジャーナリズム不信」「メディア不信」の背景に、このような政権側とメディア側の近すぎる関係があるとは思いませんか?
(6)「参加された」とご回答された方に伺います。安倍総理との会食、会費はどれくらいだったのでしょうか? また、誰が払ったのでしょうか?
毎日新聞社は参加せず
回答があった報道各社のなかで毎日新聞は唯一、欠席したという。
「社内で検討した結果、総合的な判断から欠席しました」
実は、同社が欠席したことはすでにTwitterでも話題になっている。統合デジタル取材センター長・齊藤信宏氏が11月28日、「はい、参加しませんでした」と明かしたところ、「日本にもこういう新聞社が残ってて本当に嬉しい」といった好意的な反応が多数寄せられた。
それ以外の各社は「参加した」わけだが、どのような回答だったのか、見ていこう。
「会食に参加しても記事の内容が変化することはありません」
朝日新聞社は懇談に参加。しかし報道を見れば、批判は当たらないと主張した。
「11月20日の首相との懇談は、首相に対する数少ない取材機会の一環ととらえ、応分の費用を負担したうえで参加しました。取材を尽くしたうえで、遠慮なく報道することがメディアの役割だと考えています。  なお参加した弊社の首相官邸取材キャップは、翌21日朝刊1面『疑惑続出 逃げず説明を』という署名記事で、首相に対し『これで幕引きは許されない』と厳しく主張しています。この記事も含めて弊社の報道内容をご覧いただければ、『政権側とメディア側の近すぎる関係』というようなご懸念を持たれるには及ばないことを理解いただけるかと存じます」  
実際、同社は11月26日の朝刊でも「桜を見る会予算額 今年も1767万円だけど みるみる膨らむ支出超過」という記事を掲載。予算を大幅に上回る支出が常態化していたことを批判している。
共同通信社も会食には参加したという。
「会食に参加しました。国の最高権力者である首相の肉声を聞く貴重な場と考えました。会食は会費制でした。こうした会食に参加したからといって、取材の記事の内容に変化が生じることはありません。報道機関として権力監視の役割をきちんと果たしていきます」  
東京新聞編集局によると、同社の記者も参加したという。また会費は6000円(税込)で参加した記者が支払ったと明かした。
産経新聞社広報部は「取材に関することには、原則としてお答えしておりません」と、無回答であった。
また、読売新聞社は、質問状を送付したい旨を告げたところ、電話口で質問を聞かれ、質問に回答するかどうかを検討するとのことだった。記者の電話番号を伝えたが、その後連絡がなく、質問状すらも受け付けられなかった。
時事通信社は政治部に取材を申し込んだところ「問い合わせフォームから送ってくれ」と返答をもらい、そのようにしたが期日までに返答はなかった。
【訂正】2019年12月1日12時40分  
時事通信社からは返答がなかったと記載しましたが、12月1日までに同社からは期日前に以下の回答があったことが分かりました。訂正してお詫び申し上げます。頂いた回答は以下のとおりです。
(1)参加しました。 (2)通常の取材活動と考えます。 (3)取材活動の一環と考えます。 (4)お答えは差し控えます。 (5)不信を招かぬよう、社論のない通信社として、公平中立な報道を日々心掛けています。 (6)6000円を会社が負担しました。
「首相本人に直接取材する機会は重要」
テレビ局は、日本テレビ以外の局が回答してくれたが、その回答は簡素なものが多かった。
フジテレビは「取材活動の一環として参加しております」、テレビ朝日は「応分の費用を支払ったうえで、取材の一環として参加しました」と回答。
森友学園の報道等で政権への忖度が取りざたされているNHKは、「懇談や会食への出欠などについては、適切に対応しています。NHKは、公平・公正、不偏不党、自主・自立を堅持して、取材・報道を行っております」という。
テレビ東京は、「会食に参加いたしました。総理大臣を取材できる機会は少なく、直接取材ができる重要なタイミングであり、また、直接取材は記者にとり重要な職責であると認識しております。尚、会食には費用を負担して参加しております」という回答をくれた。
また、TBSは各質問項目ごとに回答をくれた。 「(1)参加いたしました。 (2)首相本人に直接取材する機会と考えております。 (3)首相本人に直接取材する機会は重要と考えております。 (4)特にありません。 (5)そうした批判にも留意しながら取材活動を行っております。 (6)6000円でした。TBSテレビとして負担いたしました」  
なお日本テレビは、担当者につながらず、質問状の送付先を聞くことができなかった。
参加した各媒体も、あくまでも”取材活動の一環”であり“会食に参加しても権力監視の手を緩めていない”という。
ただ、さまざまな嘘や文書改ざんなどが明らかになってきている中、世論は政権だけでなく、権力の監視機構としてのジャーナリズムへも厳しい視線を向けていることを忘れてはならないはずだ。
報道各社には、「権力監視の手を緩めていない」という言葉のままに、“忖度”することのない報道を続けて頂きたい。
蛇足だが、上海大飯店の食べログの評価は3.35、ディナーの予算は4000〜4999円となっている。「個室・半個室をご用意しており、接待や宴会にお勧めです」という。 
「桜を見る会」問題、「詰んでいる」のは安倍首相の「説明」 11/30
 〜「検察が動かない」理由
今週水曜日(11月27日)に投稿した【「桜を見る会」前夜祭、安倍首相説明の「詰み」を盤面解説】で「桜を見る会」問題に関する安倍首相の「説明」の問題点を全体的に解説したのに対して、大きな反響があった。将棋の「盤面」を用いて、解説したことで、公職選挙法、政治資金規正法上の問題点はかなり理解されたように思える。
その翌日の28日、テレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」の「玉川徹のそもそも総研」でも、「『桜を見る会』前夜祭、安倍総理 法的問題はないのか」が取り上げられ、インタビュー録画で出演した私が「詰んでいる」という表現で、この問題について安倍首相が「説明不能」の状況に陥っていることを指摘した。
そして、11月29日朝、野党の「『桜を見る会』追及本部法務班」のヒアリングに出席し「盤面解説」を用いて、公選法、政治資金規正法との関係で、安倍首相の説明が「詰んでいること」を説明した(ビデオニュース【追及本部が郷原弁護士を招き公開ヒアリング】)
しかし、一つだけ、私の指摘の趣旨が正しく理解されていない点がある。「この問題は検察が動くことはないと思う。完全に政権に飼いならされてきた検察に、問題の違法・犯罪の疑いを取り上げる意思があるとは到底考えられない。」との発言の趣旨だ。その後、ツイッター等で、「安倍首相の違法が明白なのに、なぜ検察は動かないのか。」という声が寄せられているが、私が、「詰んでいる」と指摘するのは、安倍首相の「説明」の問題であり、事実としての法違反が明白になっているという趣旨ではない。「検察は動かない」と言っている趣旨も正確に理解されているとは思えない。
私の「将棋の盤面」を用いた解説の前提とその趣旨を改めて整理しておこうと思う。
第1に、私が「詰んでいる」と言っているのは、一連の「ぶら下がり会見」などでの「安倍首相の説明」のことだ。苦しい言い逃れを重ねた末に、自ら窮地に陥り、「違法ではない」という説明ができない状況に追い込まれているということを言っているのである。
だからこそ、「公選法違反」、「政治資金法違反」、「世論の批判」という敵の駒の動きに対して、「安倍王将」が「駒」としてどのような「動き」をしてきたのかを解説しているのである。
安倍首相にとっての「桜を見る会」前夜祭をめぐる「違法行為」として、現実的に考えられるのは、(1)安倍後援会が、地元有権者への寄附を行った公選法199条の2第1項違反と、(2)前夜祭の主催者としての後援会が、政治団体としての政治資金収支報告書を正しく記載していなかった問題である。
前者の法定刑は、「50万円以下の罰金」、後者は、政治資金収支報告書を訂正すれば足りるレベルの問題である。
しかし、「罰金50万円以下」であっても、後援会関係者が公選法199条の2違反を犯したということになると、現内閣で、菅原一秀氏が同じ罰則の違反の問題で辞任に追い込まれていることもあり、総理大臣の進退問題につながりかねない。
そこで、安倍首相は、自分自身も、安倍後援会も「一切違法な行為を行っていない」という説明を維持するために、「安倍後援会」側ではなく、ホテルニューオータニという、日本を代表するホテルを経営する企業の側に「説明」を押し付けようとし、その挙句、(安倍首相の説明どおりだとすれば)、内閣府からの受注業者であるホテルニューオータニからの利益供与、つまり寄附を受けることの政治資金規正法上の違法性(企業団体献金の禁止)や「贈収賄」の疑いすら生じさせた上、「説明不能」の「詰み」の状態に陥っているのである。
安倍首相に、検察が本格的に捜査の対象にすべき「事実」が明らかになったと言っているのではない。安倍首相が、「自分も、後援会も、違法行為を行っていない」という「説明」をしようとして、かえって重大な違法行為があるかのような疑いを生じさせ、自ら墓穴を掘っているだけなのである。
第2に、安倍政権になってからの政権側の政治家に対する検察の姿勢からすると、仮に、安倍首相自身、或いはその秘書や後援会などに「重大な犯罪の嫌疑」があったとしても、検察が動くとは考えられないという「安倍政権と検察の関係」の問題がある。甘利明氏、小渕優子氏ら有力政治家の刑事事件に対する特捜部の捜査の姿勢(【特捜検察にとって”屈辱的敗北”に終わった甘利事件】)や森友学園の事件での籠池夫妻に対する捜査の姿勢(【検察はなぜ”常識外れの籠池夫妻逮捕”に至ったのか】)と財務省側に対する捜査との比較などから考えても、検察が安倍政権に飼い慣らされているように思える。
検察の現状を考えれば、いかに重大な犯罪の嫌疑があっても、積極的に捜査をするとは思えない。公職選挙法違反、政治資金規正法違反事件、贈収賄事件などには、必ず何らかの証拠上、法律適用上の問題がある。検察の現場で積極的に捜査を行う方針であっても、上司・上級庁・法務省側から問題を指摘し、捜査の動きを止めることは可能だ。
そういう意味では、「政治家に対する捜査」を、それなりの理由をつけて潰すことは、どのような事件でも可能なのである。ただ、それは、あくまで、安倍政権と検察との「一般的な関係」について言っているに過ぎない。今回の「桜を見る会」の問題については、検察が「重大な犯罪」の疑いを見逃そうとしていると言っているのではない。
第3に、「国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。」(憲法75条)として、国務大臣の訴追を拒む権限が総理大臣に与えられていることとの関係である。
そもそも、総理大臣に重大な犯罪の嫌疑があり、検察に積極的な捜査で、その嫌疑を明らかにしようとしたとしても、最終的には、総理大臣の同意がなければ、総理大臣を起訴することはできない。総理大臣が自分を起訴することに同意するはずはないので、事実上、総理大臣は、在任中は、起訴されることはない。そういう意味で、検察の起訴によって、総理大臣がその職から引きずり降ろされるということは、あり得ないのである。
しかし、この憲法75条の規定で、総理大臣が、自らの犯罪の嫌疑について、在任中、訴追を拒否することができるというのは、一方で、総理大臣自身に犯罪の嫌疑が生じた時には、重大な説明責任が生じるということになる。犯罪の嫌疑について合理的な説明が十分に行われることがなければ、訴追は免れても、「政治的責任」を免れることはできないのである。
そういう意味では、第1で述べた、「桜を見る会」前夜祭についての安倍首相の「説明」が、「詰んでいる」、すなわち、「違法性は全くない」ということについて安倍首相自らが説明した内容を前提にすると、「違法ではないという説明ができない状況に追い込まれている」という現状は、憲法75条との関係からも、内閣総理大臣にとって「致命的」と言えるのである。
以上のような、私が「安倍首相の説明」が「詰んでいる」と言っている趣旨は、上記の【ビデオニュース】に収録されたヒアリングでの私の解説全体を見て頂ければ、十分に理解してもらえるはずだ。
「桜を見る会」をめぐる問題については、安倍首相の「説明」が「詰んでいる」のに、「検察が動かない」という話ではない。検察が動くかどうかとは関係なく、安倍首相自身の「説明」が「詰んで」いて「説明不能」であることそれ自体が、総理大臣にとって重大な問題なのである。 
行政私物化、極まる首相のおごり 検証・桜を見る会と夕食会 11/30
政府が連日釈明に追われる「桜を見る会」。安倍晋三首相は国会答弁の内容を翻すなどした後、全く説明しようとせず、招待者名簿は野党議員が提出を求めた直後、大型のシュレッダーにかけられていた。首相が後援会主催と認めた前日の夕食会は、公選法違反などの疑いで告発までされたのに、明細書などで費用を明らかにしようとはしない。これでは共同通信が11月23〜24日に実施した世論調査で、桜を見る会に関する首相の発言は「信頼できない」という回答が69%に上るのも当然だろう。一連の経過を検証していくと、森友・加計学園問題と同様の長期政権による行政の私物化、そして首相のおごりが浮かび上がってくる。
本来は「各界の功労者を慰労する内閣の公的行事」
桜を見る会は1952年以来、首相が各界で功績、功労のあった人たちを招き、日頃の苦労を慰労するとともに、親しく懇談する内閣の公的行事。菅義偉官房長官は5月13日の衆院決算行政監視委員会で、こう説明した。
1月25日の閣議で配布された今年の開催要領では、招待者は「計約1万人」。招待範囲を「皇族、元皇族」「各国大公使等」「衆・参両院議長および副議長」「最高裁判所長官」「国務大臣」「副大臣および政務官」「国会議員」「認証官(任免に天皇が公的に証明する認証が必要な官職、副大臣、最高裁判事、検事総長、会計検査院の検査官など)」「事務次官等および局長等の一部」「都道府県の知事および議会の議長等の一部」「その他各界の代表者等」の11区分に限っている。そもそも首相の後援会が支持者に案内状を出し、参加希望者を募るような行事ではない。首相は自らの支援者は「その他各界の代表者等」の「等」だとでも言うのだろうか。
東京新聞が「首相のお友だち目立つ」と報道
東京新聞の榊原崇仁記者は4月16日の朝刊特報面で、3日前に東京の新宿御苑で開かれた桜を見る会について「今年は安倍首相の『お友だち』の姿が目立った。さらに、開催に数千万円の税金が投じられるのに、招待者の氏名すら公表されないのだ」「招待客で目立ったのは、何の『功労』だろうか、作家の百田尚樹氏や竹田恒泰氏、タレントのケント・ギルバート氏ら、排外主義的な思想を掲げるネット右翼(ネトウヨ)から人気を集める『右派文化人』。安倍首相と記念撮影した様子を、うれしげにツイッターに投稿していた」などとする記事を書いた。
また記事では「内閣府によると」として、招待者の中に与党が推薦した人が多数いることを明らかにし、専修大の岡田憲治教授(政治学)が「与党の推薦による出席者も多いとなると、政治色の強いパーティーにも思えてしまう。安倍政権は『支持率が高ければ何をやっても構わない』と振る舞ってきた。この会にも、そんなおごりが見え隠れする」とコメントしている。
共産議員が提出求めた1時間後、招待者名簿はシュレッダーに
宮本徹衆院議員(共産)の事務所によると、宮本氏はこの記事を読んで問題意識を持ったことから、5月9日の昼すぎ、内閣府と内閣官房に招待者名簿を質問の資料として提出するよう求めた。しかし、内閣府は同日午後1時20分〜2時45分、大型のシュレッダーで招待者名簿を細断した。細断した時間は11月28日になって、内閣府が野党の追及本部で明らかにした。細断を隠蔽(いんぺい)工作と考える人は多いとみられるが、菅官房長官は11月27日の記者会見で「シュレッダーの空き状況や職員の勤務時間を調整した結果、使用できる一番早い日が5月9日だった。スケジュールに従って廃棄したと報告を受けている」と説明した。
内閣府が会から1カ月もたたずに、招待者名簿を破棄したのは「保管期間1年未満」に分類していたからだ。安倍政権下では、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊の日報や、財務省が森友学園に国有地を8億円余り値引きして売却した交渉の記録も「保存期間1年未満」とされ、政府は「廃棄した」として説明を拒んだ。厳しく批判され、政府は行政の意思決定過程の検証に必要な文書は「保存期間原則1年以上」とする新指針を定めたが、日報や交渉記録と同じような展開がまたもや繰り返された。今回も菅官房長官らが「招待者名簿は既に廃棄しており、確認できていない」と述べている。
各省庁が招待者に推薦した人の名簿は、保存期間がおおむね3〜10年で開示されたものの、約6割が黒塗りで氏名、肩書が分からなかった。一方、宮内庁によると、毎年春と秋に天皇、皇后両陛下主催で行われる園遊会の招待者名簿は保存期間30年という。
予算同額で支出だけ増加、招待者や推薦人は「個人情報」
桜を見る会が国会で初めて取り上げられたのは、5月13日の衆院決算行政監視委員会。宮本氏が「参加者は、第2次安倍政権の前は1万人前後だったが急増している」として経費の推移などを尋ねた。内閣府官房長の答弁によると、予算は2014年から今年まで、いずれも1766万6千円だが、実際に支出したのは14年3005万3千円、15年3841万7千円、16年4639万1千円、17年4725万円、18年5229万円と予算を大きく上回り、右肩上がりに増えていた(19年は5518万円)。予算を超過した分は内閣府の共通経費で賄ってきたという。毎年同額の予算だけ見ていると、支出の増加が分からない仕組みになっていた。来年度予算の概算要求では、5730万円と一挙に従来の3倍となったが、安倍政権は来年の桜を見る会の中止を決めている。
宮本氏は同21日の衆院財務金融委員会で招待者数を質問し、内閣府は14年1万2800人、15年と16年1万3600人、17年1万3900人、18年1万5900人、19年1万5400人(参加者は1万8200人)と今年を別とすれば増加傾向にあったことを明らかにした。その後、宮本氏や野党議員は国会質問や質問主意書で、桜を見る会の招待者やその推薦人などをただすが、政府は「名簿を廃棄したので分からない」「個人情報」「事務の適正な遂行に支障をおよぼすおそれがある」などとして満足に答えない状態が続く。
「まさに首相の後援会活動」
しんぶん赤旗の記者は首相の地元山口県下関市などで取材を続け、日曜版10月13日号で「安倍後援会御一行様ご招待」「地元山口から数百人規模」「税金でおもてなし」などの見出しで、桜を見る会の公私混同を報じた。首相が出席した11月8日の参院予算委員会で、田村智子議員(共産)は赤旗の報道などを基に首相らを追及する。やりとりの要旨は次の通り。
田村氏 開催要領の11区分で「その他各界の代表者等」以外は約2千人で固定的だという。「その他各界の代表者等」はどうやって決めるのか。
内閣府官房長 各界で功績、功労のあった人を各省庁から幅広く推薦してもらい、最終的に内閣府と内閣官房で取りまとめている。
田村氏 萩生田光一文部科学相や稲田朋美衆院議員らのホームページなどには、桜を見る会に後援会などの人たちを招いたと書かれている。萩生田さんの(後援会)常任幹事はどこの省庁が推薦したのか。
萩生田文科相 知り合いをのべつ幕なし呼べる仕組みにはなっていない。
田村氏 自民党は閣僚や議員に後援会の招待枠を割り振っているのでは。
安倍首相 各省庁からの意見等を踏まえ、幅広く招待している。私は主催者としてあいさつや招待者の接遇は行うが、招待者の取りまとめ等には関与していない。
田村氏 下関市選出の山口県議はブログで、自分の後援会女性部の7人と参加したことを明らかにしている。朝7時半にホテルを出発し、貸切りバスで新宿御苑に向かい、到着するとすぐに首相夫妻と写真撮影したと書かれている。首相自身も地元後援会の人たちを多数招待しているのではないか。
首相 例えば自治会等々で、PTA等で役員をしている人と後援会に入っている人が重複することもある。そういう中で招待されている。
田村氏 山口県議の後援会女性部、どこの省庁が推薦したのか。
内閣府官房長 一連の書類は保存期間1年未満の文書として廃棄する取り扱いにしている(ので分からない)。
田村氏 税金を使った公的行事ですよ。誰でも参加できるわけじゃない。招待者にどんな功労、功績があるのか、説明できなければおかしい。
首相 個人情報のため、回答を控える。
田村氏 山口県議や下関市議のブログなどを見ると、首相夫妻を囲む前夜祭があったと書かれている。桜を見る会は前夜祭とセットで、首相が後援会や支援者を慰労し、親しく懇談する行事になっているのではないか。
首相 個人名等々は、答えを差し控える。
田村氏 首相動静を見ると、桜を見る会当日は開会前に夫妻で会場へ入り、後援会関係者と写真撮影している。まさに後援会活動ではないか。
首相 セキュリティーに関することなので、回答を差し控える。
首相千人、自民6千人、昭恵夫人や改選参院議員にも推薦枠
この参院予算委員会以降、桜を見る会と前日の夕食会に関する新聞、テレビの報道が連日続く。招待者の人選について、首相は11月20日の参院本会議で「私の事務所が内閣官房から推薦依頼を受け、幅広く参加希望者を募ってきた。私自身も事務所から相談を受ければ、推薦者について意見を言うこともあった」と田村議員とのやりとりで述べた答弁の内容を変更。ただ「招待者の最終的な取りまとめなどには一切関与していない。先日の答弁が虚偽だったとの指摘は当たらない」と述べた。
招待者の推薦については、菅官房長官が同日の衆院内閣委員会で、今年の招待者約1万5千人の内訳は、▽首相の推薦約千人▽副総理、官房長官、官房副長官の推薦計約千人▽自民党関係者の推薦約6千人▽各省庁が推薦した功労者、各国大使など約6千人▽公明党関係者、元国会議員、報道関係者など計約千人―と述べ、推薦枠の存在を認めた。
「昭恵夫人の招待枠もあるのか」と追及する宮本議員に対し、菅官房長官は「ありません」と否定したが、宮本氏は「なぜネット上に『招待された』という話が出るのか」と再質問すると、内閣審議官が「安倍事務所で幅広く参加希望者を募るプロセスで、夫人からの推薦もあった」と認めた。政府は17年に昭恵夫人を「私人」とする答弁書を閣議決定。日本大の岩井奉信教授(政治学)は共同通信の取材に「昭恵氏に推薦資格があるはずもなく、公私混同の極みだ」と指摘している。
さらに自民党が今年1月、7月の参院選で改選を迎える党所属の参院議員に対し、桜を見る会に「一般の方(友人、知人、後援会など)を4組までご招待いただけます」と記載した案内状を送っていたことも分かった。これでは、桜を見る会が間近に選挙を控えた参院議員から有権者への便宜供与とも取られかねない。
7年連続で飲食物納品の会社取締役、首相夫妻と親交
一方、少なくとも2013年から7年連続で、桜を見る会で招待者らに振る舞われる飲み物・食べ物を納品してきた食料品会社「ジェーシー・コムサ」(東京)の取締役を務める男性は、妻が昭恵夫人と学生時代からの知り合いで、首相夫妻と食事をするなど親交があることも分かった。発注は希望する企業が企画書を提出し、内閣府が審査する「企画競争」方式で、契約額は13年の約970万円が今年は約2190万円と倍以上に増えている。
財務省によると、企画競争は随意契約の一種で、入札はしないが、複数社が企画書を提出し、省庁などが審査する。桜を見る会の飲み物・食べ物を企画競争としたことについて、内閣府は「会に見合ったもてなしが必要で、価格競争を避けるため、一般競争入札にはしなかった」と説明している。
こうした桜を見る会の在り方に加え、首相の後援会が企画したツアーで今年の桜を見る会前日の夕食会に参加したのは約800人に上り、その多くが桜を見る会に参加したことを、首相は11月18日の記者団との立ち話で認めている。反社会的勢力が出席していた疑いや、預託商法などを展開し破綻したジャパンライフの元会長が首相の推薦枠で招待された疑いも浮上し、桜を見る会はもはや公的行事私物化の極みと言わざるを得ない。  
 12/1

 

「桜を見る会」での“逃げ恥作戦” 12/1
永田町では今、季節外れの「桜」が話題だ。長年にわたって4月に開催されてきた首相主催「桜を見る会」をめぐる“私物化”批判で、安倍晋三首相が窮地に追い込まれているからだ。
首相自身が主役となって税金が使われる公的行事に、「長年の慣行」を理由に地元山口県から多数の支援者を招いていたことで、野党や国民から厳しい批判が巻き起こり、一気に「首相のスキャンダル」に発展して内閣支持率も下がり、年明けの“桜解散”もささやかれる事態となっている。
首相は問題発覚後、間を置かずに「見る会」の来年開催中止を決め、自ら記者団に事情説明して反省の態度も示した。主要2閣僚辞任や大学入試共通テストでの英語民間試験実施見送りなど、10月下旬から相次いだ「政権の火種の素早い火消し」に続く“安倍流危機管理”だ。
ただ、永田町では「お得意の“逃げ恥作戦”も、今回は通用しないのでは」(自民長老)との声も広がる。
今回の騒動は、11月8日の参院予算委集中審議での共産党議員の首相への追及が発端だ。「招待者に多数の首相後援会関係者が含まれている。公的行事の私物化だ」と、具体的資料も示しての追及で、首相は「私は招待者の取りまとめなどには関与していない」とかわした。
しかし、首相の事務所名が明記された「見る会」や、その前日の「前夜祭」への参加募集文書の地元有権者への配布もすぐ明るみに出たことで、野党側は「首相の関与は明らか、内閣総辞職にも値する事態だ」(立憲民主党幹部)と色めき立った。
「首相がズルをしたという、分かりやすい話」(閣僚経験者)だけに、首相サイドも危機感を強め、菅義偉官房長官は13日午後の記者会見で「見る会」の来年度開催中止を発表、首相も同夜「私の判断で中止することにした」と記者団に語った。
さらに首相は15日には昼夜2回、首相官邸で記者団のインタビューに応じ、政治資金規正法違反疑惑も指摘された前夜祭への対応でも「すべての費用は参加者の自己負担で、事務所・後援会の収入・支出は一切ない」と説明。その上で、「招待人数が多くなってきたことは反省しなければならない」などと謝った。
○首相説明は「火に油」と野党
そもそもこの催しは、1952年に当時の吉田茂内閣が始めたもの。以来、政財官界の代表や各国大公使に、芸能・スポーツの有名人なども加えた「各界の功績・功労者等」を招き、首相を中心に歓談する公的行事として定着してきた。
ただ、第2次安倍政権発足以降は、招待者約1万人・関連予算約1700万円という「原則」からはみ出して年々、招待者数と関連経費が増大。今年4月の開催実績では、参加者約1万8200人、経費約5500万円にまで膨らみ、しかも、首相の地元招待者が約850人とされたことで、厳しい私物化批判につながった。
今回、首相や菅氏が「即断即決」の形で火消しに動いたのは、「放置すれば政権の危機につながる」(官邸筋)との判断からだ。
通常は1、2分で打ち切る官邸での質疑に、15日夜は首相が「他に質問は」と促すなど約20分間も応じたのは、「早く収束させなければ」という、首相の焦りと苛立ちの表れともみえる。
だからこそ、3年前の人気テレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」を引いての“逃げ恥作戦”と揶揄されるわけだが、野党側は「首相の一方的な説明は、火に油を注いだ」と勢いづく。
首相サイドが流したとされる「1月下旬解散・2月中旬投開票」説も、「こっちが追い込む。やれば安倍政権は終わる」(国民民主幹部)との声もあり、終盤を迎えた臨時国会の攻防も、与党にとって防戦一方の様相となりつつある。  
「桜を見る会」疑惑 不信感が募るばかりだ 12/1
首相主催の「桜を見る会」を巡る疑惑が次々と浮上している。ところが、政府や与党には実態解明への姿勢が感じられない。国会の会期末まで10日足らずとなり、このまま幕引きを図ろうとの思惑が透ける。言語道断である。
中でも看過できないのは、反社会的勢力とみられる人物が今年の桜を見る会に参加していたことだ。菅義偉官房長官と一緒に撮った写真を週刊誌などが報じた。
反社会的勢力を巡っては、吉本興業の所属芸人が会合に出席し、報酬を得たことが社会問題となったばかりだ。
そうした人物が、税金を使った公の行事に正式に参加し、もてなしを受けていたとすれば由々しき事態である。
また、2015年の桜を見る会の際には、特定商取引法違反容疑で家宅捜索を受けたジャパンライフの当時の会長にも招待状が送られていた。
招待状に記された「60」との区分番号が、安倍晋三首相の推薦枠ではないかとの指摘もある。誰がどのような経緯で招待したのか。納得のいく説明が求められる。
「桜を見る会」の招待者名簿が既に廃棄され、首相らが推薦した招待者を検証できなくなっていることも問題だ。
各省庁は推薦名簿の保存期間をおおむね3〜10年としている。これに対し、首相や官房長官らによる推薦名簿を保存する内閣官房は1年未満で、今年分は野党が資料要求した同じ5月9日に早々と廃棄。電子データも削除し、復元はできないとしている。これでは証拠隠滅の疑いをかけられても仕方があるまい。
安倍政権では森友・加計学園問題、陸上自衛隊の日報問題で決裁文書の改ざんや隠蔽などが行われ、不適切な文書管理の在り方が問題視されてきた。今回の対応に、「またか」との思いを抱くとともに、憤りさえ感じる。
与党は、野党が求める首相出席の予算委員会での集中審議を拒否している。「既に記者会見などで説明している」との主張だが、首相への疑念は少しも晴れていない。
桜を見る会には、首相の地元後援会員が多数招かれ、首相の事務所がツアーの募集を仲介していた。首相の後援会が前日にホテルで開いた夕食会の経費や、首相夫人が関与したとされる招待者推薦の実態など、不可解な点は多い。
加えて、最新の週刊誌報道によると、15年のツアーで首相の事務所スタッフが、地元支援者らに同行して上京する旅費を、政治資金で支払った疑いがあるという。
旅費や宿泊費などについて首相はこれまで、「事務所や後援会に収支は一切発生していない」などと説明していた。事実なら矛盾することになり、政治資金規正法に違反する恐れもある。
首相は招待客の人選についても当初、関与を否定していたが、その後修正した。
首相自身がしっかりと事実関係を説明しない限り、国民の不信感は募る一方だ。 
「桜を見る会」 真相究明 待ったなし 12/1
日本共産党の田村智子副委員長が参院予算委員会で、首相主催「桜を見る会」の私物化疑惑を取り上げてから3週間。真相究明を迫る論戦は全野党に広がり、数々の事実、新たな疑惑が浮き彫りになりました。野党の追及と国民世論に押され、招待状の区分番号「60」が記された資料を正式のものだと認めた政府。もはや首相は、国会で真相を明らかにする以外にありません。
「『野党追及チーム』の○○です」。野党議員は国会質疑や野党合同ヒアリングでこう切り出し、徹底追及してきました。
招待者に安倍首相や妻の昭恵氏の事実上の推薦「枠」があることが明らかに。約1万5千人の招待者のうち、過半数が首相(約千人)や副総理、官房長官、官房副長官(約千人)、自民党(約6千人)の推薦だったことも分かりました。「功績・功労者を慰労する」という本来の目的を逸脱して、事実上の後援会行事としていた私物化は明白です。
野党は、「桜を見る会」とセットで開かれていた安倍晋三後援会主催の「前夜祭」の収支のあり方を追及。収支報告書に収支の記載はなく、公職選挙法や政治資金規正法に違反する疑いも浮かびあがりました。
最大の疑惑は、「桜を見る会」に反社会的勢力が参加し、マルチ商法企業関係者が招待されていた問題です。
マルチ商法企業「ジャパンライフ」元会長の招待状には、総理推薦「枠」ではないかとされる区分番号「60」が記載されていたことが明らかになりました。社会的に指弾されるべき人物を「桜を見る会」に招き入れたのは安倍首相ではないのか―。真相究明が求められています。
野党の追及に、政府・与党はまともに答えず、虚偽答弁、資料の廃棄、安倍首相をかばい続けています。
20日の参院本会議で「(招待者の)推薦について意見を言うこともあった」と関与を認めた安倍首相。「桜」疑惑を追及した日本共産党の田村副委員長の質問に対する「取りまとめ等には関与していない」(8日、参院予算委)との答弁は虚偽だったのです。
推薦枠や招待者をめぐる疑惑を追及されるたびに政府は、「1年未満の保存期間文書として遅滞なく招待者名簿を廃棄した」として答弁を拒んでいます。
日本共産党の宮本徹衆院議員が「桜を見る会」の問題を国会でただすための資料を要求した日(5月9日)に、内閣府が招待者名簿を大型シュレッダーにかけていた事実も明らかに。
「国会での追及を逃れるために廃棄したのではないか」との質問に対する内閣府の答えは、シュレッダーが空いていなかったから「連休明けになった」というものでした。
招待者名簿の保存期間を1年未満とするきっかけとなった時期が、「森友・加計疑惑」で公文書管理のあり方が問題になっていた時期と重なることも明らかになりました。公文書管理すら私物化しているのではないかと疑わざるをえません。
首相の進退にかかわる重大疑惑に発展した「桜を見る会」。野党は結束して、首相出席の衆参予算委の開催を要求しています。参院では、参院規則に基づき予算委員会の開催を要求。規則では、3分の1以上の委員から開催を求められた場合、委員長は委員会の開催を義務付けられていますが、政府・与党は応じていません。
真相究明の責任をまったく果たそうとしない政府・与党に対し、野党は28、29日には連続して書記局長・幹事長会談を開き、結束して政府・与党に真相究明を求めてきました。
「ジャパンライフ」元会長宛ての招待状にある区分番号「60」の意味を書いた政府提出の資料を政府が認めない姿勢をとったことに、野党は、「審議の前提を崩すものだ」と主張しました。
野党の追及と国民世論に押されて、政府は29日、区分番号「60」が記載された資料が正式な政府資料であることを認めました。結束を強めた野党の国会共闘で、審議の前提をつくり上げたのです。
安倍首相自身に掛けられた疑惑です。いよいよ自ら国会に出て真相を語るべき時です。語れなければ潔く退陣するしかありません。 
「桜を見る会」問題で官邸前で抗議集会。改めてその異常さを問う 12/1
「桜を見る会」への政権の対応は
11月28日、小雨がぱらつく寒空の下、「桜を見る会」における一連の問題へ対し、市民団体が官邸前で抗議集会を開いた。
市民団体「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の呼びかけに集まった市民の他、主要野党でつくる首相主催「桜を見る会」追及本部から、黒岩宇洋衆院議員(立憲民主党)、柚木道義衆院議員(無所属)、田村智子参院議員(日本共産党)、福島瑞穂参院議員(社民党)、高良鉄美参院議員(無所属)の5名も駆けつけた。
集会では、「(安倍首相は)予算委員会に応じろ!」や「(安倍首相は)うそをつくな!」といった声が、方々から上がった。また、参加者に話を聞いたところ、安倍首相が説明責任を果たさない点や、公文書である招待者名簿を廃棄した点に、多くの人が強い不満を持っていた。
本記事では、首相主催の「桜の見る会」及び前夜祭における公職選挙法違反や政治資金規正法違反などの法的問題の部分は割愛し、「桜を見る会」問題への安倍政権の対応に焦点を絞り、経緯や問題点を指摘する。
そもそも「桜を見る会」とは、1952年に吉田茂首相が開催したのが始まり。毎年4月ごろに、皇族や外国の大使、国会議員、文化・芸能、スポーツなど各界の功労者が招かれ、新宿御苑で開催される。来場者は年々増加し、2014年は約1万3700人だったのが、2019年には1万8200人まで増加した。それにともない経費も14年の約3000万円から19年は約5500万円に増加した。
「首相枠、政治枠はない」との答弁から一転してその存在を認める
・2019年4月13日 桜を見る会が新宿御苑で開催。
・5月13日 決算行政監視委員会において、宮本徹衆院議員(日本共産党)により「桜を見る会」の支出が昨年の国会で承認された予算計上額の3倍だったことが発覚。
・5月21日 財務金融委員会において、宮本徹衆院議員(日本共産党)による「桜を見る会の開催要項に毎年1万人目安と書かれているにも関わらず、招待状が目安から約5000人多く送られたのはどこの省庁からの推薦が増えたからなのか」との質問へ対し、内閣府の職員は、「各省庁からの数というものは、資料が残っていない。それらは、1年未満の文書というふうに整理し、桜を見る会が終わったので破棄した」と回答。
・11月8日 予算委員会において、田村智子参院議員(日本共産党)が赤旗の報道を引用し、「桜を見る会の参加者が毎年増加しているのは、安倍首相や与党議員の後援会の支援者を呼んでいるからでは?」と質問。さらに「開催要領の逸脱が疑われている。この支援者の方々はどのような功績があるのか?」と追及するも、安倍首相は「個々の個人名等々についてはお答えは差し控えさせていただきたい」との発言を繰り返すのみ。
また、安倍首相は「私は、主催者としての挨拶や招待者の接遇は行うのでありますが、招待者の取りまとめ等には関与していないわけであります」と発言。
・11月13日 朝日新聞の報道で、「桜を見る会」が組み込まれた観光ツアーへの参加を、安倍晋三首相事務所の名義で地元の有権者へ案内する文書が明らかになった。
ツアーの中に、「ホテルニューオータニ」で開かれた安倍首相夫妻同席の前夜祭(会費1人5000円の立食パーティー)が組み込まれていたことも明らかに。
<朝日新聞:(時時刻刻)桜を見る会一体ツアー コース選択、首相夫妻と夕食会、すんなり入場>
・同日 午前 菅義偉官房長官は記者会見で、「首相枠、政治枠という特別なものはありません」と述べた。
・同日 午後 菅官房長官は記者会見で、「安倍首相の判断で、来年度の桜を見る会を中止にすることにした」と述べた。また、午前の会見では「首相枠、政治枠はない」と発言していたにも関わらず、「慣例として、官邸内や与党にも推薦依頼を行っていた」と一転して、その存在を認めた。
野党議員の資料要求の約1時間後にシュレッダーの利用を開始
・11月15日 安倍首相が記者団へ対し、野党が求める予算委員会の集中審議について「国会から求められれば、出て行って説明するのは当然のことだ」と発言。
・11月20日 参院本会議で、招待者選定について「私の事務所が内閣官房の推薦依頼を受け、参加希望者を募ってきた。私自身も事務所から相談を受ければ意見を言うこともあった」と自らの関与を認めた。
続いて、紙智子参院議員(日本共産党)から「(8日の予算委員会で)虚偽答弁だったのか?」と追及されると。首相は「招待者の最終的な取りまとめには一切関与しておらず、虚偽答弁との指摘はあたらない」と述べた。
・同日 衆院内閣委員会において、宮本徹衆院議員(日本共産党)が「桜を見る会」の招待者名簿の資料要求をした同日5月9日に、名簿を廃棄していたことが発覚。
宮本議員は「あまりにもドンピシャリだ。『わかりません』と国会で言い逃れするために、廃棄したのではないか」と追及したが、内閣府職員は「大型のシュレッダーを使おうとしたところ、各局の使用が重なって調整した結果、連休明けになった」と回答し、隠蔽を否定。
また、答弁に立った菅官房長官は、黒岩宇洋衆院議員(立憲民主党)の「安倍夫人も関わったのか?」との追及に対し、「安倍事務所において幅広く参加希望者を募る過程で、夫人からの推薦もあったのは事実だ」と答えた。
<桜を見る会 安倍首相の推薦約1千人 2019.11.20>
・11月25日 参院行政監視委員会において、特定商取引法違反容疑で警視庁などから捜査を受けている「ジャパンライフ」(東京都千代田区、山口隆祥会長)が、安倍首相から2015年の「桜を見る会」に招待されたことを宣伝に利用していた事実について、田村智子参院議員(日本共産党)が追及。
岡田直樹官房副長官は、「個々の招待者については、個人に関する情報であることを鑑みて回答を差し控える」と発言した。
・11月26日 与野党の筆頭理事が国会内で協議し、野党が首相出席の集中審議開催を求めたが、与党が首相の出席を拒否し物別れに。
・11月28日 内閣府がシュレッダーの使用者記録表を追及本部に提出し、野党議員の資料要求の約1時間後にシュレッダーの利用を開始していたことが判明。
また、菅義偉官房長官が記者会見で、招待名簿の電子データも「復元できない」と発言。復元できない理由は、技術的な理由か、ルール上の理由か明言しなかった。
・11月29日 熊谷裕人参院議員の質問主意書に答える形で、首相夫人は「私人」という閣議決定がなされた。
経緯から見える問題点
与党の一連の対応を流れにしてみると、ずさんな答弁や国会審議への不誠実さが浮かび上がってくる。特に1番の問題点は、首相や官房長官が国会や記者会見の場で、平然と嘘をつくことだ。
8日の予算委員会において安倍首相は、「招待者の取りまとめには関与していない」と明言した。しかし、野党やメディアの追及が進むに連れ、首相が関与していた客観的事実が次から次へと発見され、結局、20日の本会議において「(招待者選定について)私自身も事務所から相談を受ければ意見を言うこともあった」と自らの関与を認め、8日の発言を修正した。
また、腹心の菅官房長官も13日午前の記者会見で「首相枠、政治枠はない」と発言したが、わずかその数時間後の記者会見で「慣例として、官邸内や与党にも推薦依頼を行っていた」とその存在を認めた。
さらに、首相は15日に記者団へ対し、野党が求める予算委員会の集中審議について「国会から求められれば、出て行って説明するのは当然のことだ」と力強く語っていたにも関わらず、26日の与野党協議で、与党が首相出席の集中審議の開催を拒否し、臨時国会が延長される気配もないため、安倍首相は「桜を見る会」問題から逃げ切るつもりだ。なぜこのように、直ぐにバレる嘘を国会や記者会見の場で平然とつくのか全く理解できない。
もう一つの問題点は、公文書である招待者名簿を廃棄したことだ。名簿が内閣府において保存1年未満の文書だったとしても、共産党議員からの資料要求の1時間後に廃棄処分を開始したのは、あまりにも不自然で情報隠蔽だと疑われても仕方ない。さらに、電子データに関しても復元できない理由を「技術的な理由」か「ルール上の理由」のどちらか明確にしない点にも不信感が残る。
「桜を見る会の話だけを議論するよりも、他に審議すべき重要な話題があるだろう」という意見を耳にすることがあるが、実際には「桜を見る会」だけでなく、本議会や委員会では様々な議論が行われている。「ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律案」をはじめとした13本の法律が既に成立し、77本の法律が審議中だ。
「桜を見る会」問題を長引かせているのは野党ではなく、真摯な答弁をせずに、のらりくらりと追及を躱し国会閉会まで逃げ切ろうとしている与党だ。安倍総理は森友問題や加計問題の時の悪い成功体験を引きづるのではなく、国会、そして国民に対し真摯に向き合い説明責任を果たすべきだ。 
 12/2

 

夕食会明細書、営業秘密にかかわり提供不可とホテル側が回答=首相 12/2
安倍晋三首相は2日の参院決算質疑で、首相主催の「桜を見る会」前日の夕食会の明細書について、ホテル側が「営業の秘密に関わることから公開を前提とした情報提供には応じかねると(回答したと)の報告を受けている」と述べた。
また「桜を見る会」に招待された可能性が指摘されている、マルチ商法で知られたジャパンライフ(東京都千代田区、破産手続き中)の山口隆祥会長(当時)について「多人数の会合で同席した可能性までは否定しないが、1対1で会ったことはない」とし、「妻は面識がない」と述べた。
吉田忠智委員(立憲・国民、新緑風会・社民)への答弁。
安倍首相は、同様に「桜を見る会」問題で焦点のひとつとなっている招待者名簿の廃棄について「公文書管理法に基づいて終了後1年未満文書とし、終了後遅滞なく廃棄する取扱いとなっており、大型シュレッダーの予約を4月22日に行い、シュレッダーの空き状況や担当職員の勤務時間など調整を行った結果、5月9日となった」と説明。5月9日に共産党が名簿を資料要求しているが「野党議員の資料請求とは全く無関係」と指摘した。森屋宏委員(自民)への答弁。 
 12/3

 

 
 12/4

 

「桜を見る会」公選法、政治資金規正法違反で告発された安倍首相 12/4
市民団体「税金私物化を許さない市民の会」が安倍晋三首相を東京地検に刑事告発したのは、11月20日のことである。
告発状によれば、国の予算で首相が毎年開催する「桜を見る会」で、安倍首相が地元後援者約850人を招いて酒食を提供したことは、公職選挙法違反の疑いがあるとしている。さらには、ホテルニューオータニで開かれた前夜祭で、1人5千円の会費を徴収してホテル側に支払ったのに、政治資金収支報告書に記載しなかった。従って、政治資金規正法に抵触すると主張している。
市民団体の代理人を務める山下幸夫弁護士が指摘する。
「『桜を見る会』と前夜祭が組み込まれた東京観光ツアーは、『安倍晋三後援会』名義で呼び掛けられたものです。ですから、後援会活動の一環として行われたと見るのが自然です」
山下弁護士はこうクギを刺す。
「『桜を見る会』の本来の趣旨は、各界で功労・功績のあった方々を慰労するというものです。そうであるならば、通常なら参加できない選挙人を招待することは、安倍首相が財産上の利益を供与したことになると考えられます。投票や、選挙運動をしてくれたことに対する報酬として行われたのだから、事後買収罪に当たります」
公選法では、買収に対する罰則は4年以下の懲役・禁錮または100万円以下の罰金だ。
ホテルニューオータニでの前夜祭も疑惑だらけだ。安倍首相は「明細書などの発行はなかった」「後援会としての収入、支出は一切なく、政治資金収支報告書への記載は必要ない」などと主張する。会場の受付で事務所の職員が参加者から現金5千円を受け取り、ホテルが発行した領収書を手交したと説明。受け付け終了後に全額をホテルに渡し、あくまで集金業務を代行したに過ぎないと言い張っている。
山下弁護士が解説する。
「ニューオータニほどのホテルが、実際にお金を受け取っていないのにホテル名義の領収書を渡すことはあり得ないと思います。渡された領収書の総額に見合うお金が、安倍事務所からホテル側に前もって支払われたはずです。その後、実際に参加者から受け取ったお金の総額が収入になるはずです。この『収入』と『支出』の両方を収支報告書に書かなければなりませんが、実際には記載されていないため不記載罪が成立します」
政治資金規正法では、収支報告書の不記載、虚偽記載に対する罰則は5年以下の禁錮または100万円以下の罰金だ。この場合、後援会の会計責任者ばかりでなく、共謀の事実があれば、安倍首相自身も罪に問われることになる。
しかも、ホテルニューオータニの広報担当者によれば、立食形式のパーティーは「1人1万1千円」が基本だから、参加費の5千円では足らずに事務所側が負担している疑いが持たれている。安倍首相は否定しているが、ここにきて新たな“説”も浮上している。山下弁護士が語る。
「最近言われているのは、ニューオータニに国の行事などで使われた会場費を水増し請求させ、差額をプール金としてためていたのではないかという疑惑です。前夜祭の不足分も、このプール金からホテル側に支払われたのではないかという見立てです」
前例がある。2001年に発覚した外務省をめぐる公金流用事件では、実際にこの手口が用いられた。舞台はホテルニューオータニ。1995年のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の際、外務省の課長補佐らは会場費を水増し請求させ、その差額をホテル側にプールしていた。そのプール金を外務省の急な会議や宿泊に使おうとしただけではなく、飲食代など私的な交友費にも流用していた事件だ。
果たして、前夜祭での不足分もプール金で補填(ほてん)していた可能性はあるのだろうか。元外務省情報局長の孫崎享氏はこう言う。
「あり得る話です。ホテルとしてはトータルで赤字にならなければいいわけで、裏金のような形でプールするのが慣行化しているのかもしれません。外務省の事件以降、ホテルオークラや帝国ホテルなどは会計の処理を厳格化し、明細書なども長期間保存するようになったと聞きますが……」
ニューオータニでは、10月に即位礼正殿の儀で、皇室を招いて安倍首相夫妻主催の晩餐(ばんさん)会が開かれたばかりだ。山下弁護士が続ける。
「本来、プール金は国に返還されるべきお金ですから、もし前夜祭に流用されていたとしたら背任の罪に問われます。その場合、ホテル側も共犯になります」
背任の法定刑は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金だ。
いずれも量刑は思いのほか軽いようにも感じられるが、これらに抵触した場合、やはり政治責任は重いと見るべきなのだろうか。
「そりゃそうです。犯罪ですから」(山下弁護士)
野党は12月9日までの国会会期を見据えて攻勢に出ようとしているが、会計の専門家の一人がこう指摘する。
「野党は国会を通じて、ニューオータニに受注票や、前夜祭の収支計算書を提出させる必要があります。ホテル側の責任者を証人喚問することも視野に入れないと、実態は明らかにならないと思います」
ホテルニューオータニの広報担当者に改めて前夜祭の明細書などを公表する予定はあるのかと問い合わせると、次のように答えた。
「ニューオータニではお客様の情報については、外部の方に公開する予定はございません」
ならば、主催した安倍首相の事務所側から出すよう頼めばいいだけのことだ。
一方、かつての外務省の公金流用事件のように、プール金で補填した可能性についてホテル側に聞くと、
「今回とは別個の案件になりますので、ご回答は差し控えたいと思います」と言うのみだった。
安倍首相は森友・加計問題をはじめあまたの疑惑にまみれながらも逃げ切り、総理の椅子にしがみついてきた。「政治とカネ」の問題をめぐっては何人もの閣僚のクビを切ってきたはずだが、もはや責任の取り方すら忘れたのだろうか。 
「検察が動かないから違法ではない、という主張は間違いだ」 12/4
「桜を見る会」に関する2日の質疑を終え、立憲民主党の蓮舫副代表は「誠実にお答えしよう、自分はやましくない、ということを明らかにする姿勢は微塵も感じられなかった」と安倍総理を厳しく批判した。
一方、与党・自民党の二階幹事長は「だいたいこういうことであったということが、ほぼみんなに分かったのだろうと思うから、これで結構じゃないかと思っている」と述べている。
しかし、「前夜祭」をめぐる問題について、“安倍総理は詰んでいる”と話すのが、元東京地検検事の郷原信郎弁護士だ。
理由の一つ目が、「参加費5000円は安すぎるではないか」という点だ。実際にはこの額以上のお金がかかっており、その部分を安倍総理や後援会が賄っていたとすれば、公職選挙法に抵触する可能性があるという。
公職選挙法では、「公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者は、当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもってするを問わず、寄附をしてはならない」(199条2)と定めており、違反した場合は「1年以下の禁錮又は30万円以下の罰金」(249条2)と規定されている。
「安倍首相の枠で地元・下関の人たちがたくさん招かれていたと思うが、それは選挙区の有権者だ。本当は1万円かかるところ、そのうち5000円を後援会側が補填していたということになると、それだけで公選法違反。当該選挙区ではない場合や、自分の選挙に関してではない利益の供与の場合は比較的軽く、罰金だけになる。しかし、違反は違反だ」。
理由の二つ目は、「安倍総理夫妻は参加費を払ったのか」という点だ。仮に払っていないとすれば、会場であるホテルニューオータニ側が忖度して払った可能性があり、その場合、政治資金規正法に抵触する可能性があるという。つまり総理夫妻や後援会関係者らが会費を払わずに飲食していれば「無銭飲食」ということになるが、これをホテル側が見過ごし、支払いを免除していたとすれば、政治資金規制法上の違法性(企業団体献金の禁止)が問われることになるのだ。
「大した金額ではないが、後援会主催である以上、後援会とホテルの間で総額を決め、会費を徴収するのが当たり前だ。ところがそのような説明をすると公選法の問題になりかねないため、安倍首相は必死になって、ニューオータニ側の責任だったかのような形にしようとしている。一方、ニューオータニが参加者から5000円ずつ徴収したという話になると、参加者である安倍首相夫妻はどうなったのかということの説明がつかなくなる。少なくとも乾杯でグラスに口をつけているのであれば、飲み物を飲んだということになる。こうした点から、安倍総理は説明不可能な状況になっている」。
その上で郷原弁護士は「ホテルニューオータニは自発的に資料を出すべきだ」と訴える。
「一流ホテル、立派な企業がこれだけ説明を押し付けられているにもかかわらず、営業の秘密だから明細も出せないなどとして、何も説明しない。こんなことが許されるのか。今年の10月23日には、内閣府から受注した総理大臣夫妻の晩餐会が同じ部屋で開かれている。ニューオータニ側が“利益供与はない。公明正大に処理している”と自ら説明しなければダメだ。そうでなければ、これから何十年も汚名を着続けることになる」。
では、この問題で検察が動く可能性はあるのだろうか。郷原弁護士は「検察が総理大臣の刑事事件をやるというのは極めて特異なケースで、実際にはほとんどやったことがない。田中角栄元総理のロッキード事件も辞任後だ」と話す。
「検察が動かないから違法ではない、犯罪ではない、などと言っている人がいるが、それは違う。構造的にそのようになっていないということだ。憲法75条に、在任中の国務大臣は内閣総理大臣の同意がなければ訴追されないという規定がある。要するに、憲法は時の総理を検察が起訴して追い落とすということを予定していない。在任中の内閣総理大臣が自らのことについて同意するわけはないので、結局、訴追されないことになる。ただし、そのような疑いかけられた時には、徹底して説明をしなければいけない。それがなされていないということだ」。
華僑マーケターの陳暁夏代氏は「モリカケ問題の時もそうだったが、問題が複雑化してうやむやになり、今回も“このまま行けるのではないか”という節が見えている。それが慢性化していきそうなのが残念だ。私は桜を見る会そのものは存在してもいい催しだと思っている。ただ、国がやっている以上、不透明な部分についてはちゃんと説明をしてほしいと思う。データがある・ないではなく、納得する弁解をしてほしいということだ。だから来年の中止を聞いた時、すごく残念だったし、それは逃げだと思った。説明責任を果たし、来年の改善案を提示して継続してほしかった」、タレントの山田菜々も「納得ができないからこそ、陰謀論も出てきてしまう」とコメント。
リディラバ代表の安部敏樹氏は「桜を見る会の問題ばかりに時間を使うことで国会が止まってしまい、他の大事な話ができていないとも思う。その一方で、このように文書を残さない政権どう評価するのか。国民として、その点を考えなければいけない。そして、官僚と政治家、そのどちらが強くなっても困るので、そのバランスが重要だが、今は政治主導が強すぎる。民主党政権の時の延長に今の政権もあって、官僚の人事権を握って政治主導を強くし、政策を進められるようにしてきた。このことが良かったのかどうかも考えたほうがいい」と提言した。
最後に郷原弁護士は「自分のことを言うのはなんだが」と苦笑しながら、「少なくとも、桜を見る会を運営していた役人たちも、“これは無茶苦茶だ”と思っていたはずだ。私も二度行ったが、飲み物も食べ物も何もなかった(笑)。おそらく安倍後援会の人たちが先に入って食べ尽くしていたのではないか。功労、功績のあった人をもてなすことよりも、後援会の人たちをもてなすことを優先している。これは会の趣旨に反するし、役人がそれを許すのはどう考えてもおかしい。しかし、こういうことに対してさえ役人がノーと言えない状況になっているということは、国のやっていることが全体的に歪んでいるのではないかと思われても仕方がない」と批判した。 
 12/5

 

「桜を見る会」に「首相枠」で出席した私が抱く大きな違和感 12/5
国会が、「桜を見る会」を巡る野党の追及一色となり、安倍晋三首相も菅義偉官房長官も、その対応に追われている。
11月8日、共産党の田村智子議員が、「首相が後援会関係者を多数、招待しているのではないか」と、質問して以来、国会は桜を見る会騒動に揺れている。
「各界において、功績、功労のあった方々を招いて慰労する」という公的な首相主催の催しが、首相の後援会を喜ばせる「政治ショー」になっているという批判は、5000円会費の前夜祭に対する疑惑に発展、刑事告発がなされるに至った。
内閣府は、共産党議員から「招待者名簿」の提出を求められたその日に、シュレッダーにかけて廃棄。「森友」や「加計」を思わせる公的文書の取り扱いは、官僚の忖度を疑わせ、野党の追及、マスコミの報道は過熱した。
加えて、怪しき招待者が問題化した。
入れ墨の入浴写真をSNSにアップしている人物が、「桜を見る会」で菅氏とツーショット写真を撮っていることが判明。会見で問われた菅氏は、「(反社会的勢力が)結果的に入っていたんだろう」と、釈明した。
昨年、今年と、2年連続で出席した奈良県高取町の新澤良文町議は、『フライデー』に、元暴力団組員である過去を指摘され、その事実や逮捕歴などを認めた上で、「町議2期目の今は、カタギとして真面目にやっています」と、答えていた。
極めつけは、マルチ商法を展開したジャパンライフの山口隆祥元会長だろう。受付票の「60」という数字から「首相らの推薦枠」であるのは明白だとして攻撃された。
「安倍総理からご招待状が届きました」として、勧誘の道具に使っていたのだから関係を問われるのも当然で、安倍氏は「一対一で会ったことはなく、個人的な関係は一切ない。妻とも面識はない」と、関係を否定した。
出席者はSNSにアップした写真を次々に下ろし、マスメディアは反社など「過去ある人」を探すのに躍起となり、内閣府は紙だけでなく電子データも消去して、今年の4月13日を「ないもの」にした。
私も参加したことがあるが…
当日、私は妻と2人、「首相枠」で新宿御苑の「桜を見る会」に参加した。
首相夫妻と親しい人物が経営する「ジェーシー・コムサ」が手配したであろうタケノコご飯や焼き鳥を食べ、桜の木より多い人の数に圧倒されて首相には近付けず、ヘアメークアーティストのIKKOが張り上げる「ドンだけー!」の声を遠くに聞き、「和菓子セット」をお土産に、春の一日を終えた。
私の記憶には残ったものの、政府のデータからは消去された一日となった。なぜ、消すほどのことなのかはわからず、なぜ、招待されたのかもわからない。
いや、正確に言えば、「首相枠」には「首相本人枠」「昭恵夫人枠」「後援会枠」「秘書枠」などさまざまな枠があり、そのなかに入っている私の友人が、誘ってくれたので招待されたのだが、「私にその資格があるかどうかがわからない」ということだ。
安倍晋太郎、晋三事務所の元秘書、あるいは後援会関係者に知り合いはいるが、安倍氏とも昭恵夫人とも会話をしたことはない。
本サイトで、私がこれまで安倍政権について書いてきたのは、モリ・カケ騒動の時の<昭恵夫人への忖度か? 岡山県の農村に『EV車50台』の謎>(17年3月23日配信)<加計学園と安倍首相の深い関係を示す、一枚の写真を公開しよう>(17年3月30日配信)といった批判記事だ。
「政権の監視役」というほどの高ぶりはないが、少なくとも褒めることはなく、「安倍一強」の批判者ではある。
また、読者が知りたい情報、有益と思われる情報を届けているという意味で、社会の役に立っているのかも知れないが、「各界の功労者、功績者で招待に相応しい」というほどの思い上がりはない。
おそらく、招待窓口の「枠を持つ人」は、推薦されると通し、内閣府もチェックはしない。
1万5400人の招待客というのは、その程度の“緩さ”であり、だから反社・半グレ、元暴力団組員、マルチ商法の主宰者、前科前歴を持つ「ワケありの人」、そして私のような反安倍派? も紛れ込んでいる。
果たして、それがいけないことなのか。
私たちが注目すべきこと
政治家は、あらゆる階層の、あらゆる職業の、あらゆる思惑と願いを持つ人々の思いを掬い取る商売である。それが票と政治資金に結びつく。清濁併せ呑むのが政治家の宿命だ。通算総理在任日数が憲政史上最長となった安倍氏に、捌かねばならない有象無象が群がっているのは事実だろう。
一方、税金を使った公的な行事なので、「そんな連中が紛れ込むなどとんでもない」という見方があるのも当然で、来年は中止、以降の運用は見直されることになる。
誰もが群がり、浮かれた「桜を見る会」は終わった。その“緩さ”は批判されてもいいが、政治家のつきあいは、所詮、その程度のものであり、安倍氏を攻撃する野党の面々は、己の人脈に思いを巡らした方がいい。
そんなに立派なのか!? 
攻撃し、注目すべきは、出席者ではなく、本コラムの前号(「「桜を見る会」問題で安倍首相を刑事告発…検察が忖度する可能性」)に書いたように、地検特捜部が政治家捜査の定番としている公職選挙法や政治資金規正法に安倍氏が違反していないかどうかである。
そして、告発を受理した捜査で、過去に何人もの政治家を大臣退任、あるいは政治家辞職に追い込んできた検察が、首相に忖度して捜査を控えることがないよう厳しく見守ることである。
さらにいえば、4月13日の記録を内閣府の役人が、首相や官邸への忖度で勝手に消したのだとすれば、「なぜか?」を問う1万5400分の1の権利が、私にはあると思うのである。 
桜を見る会騒動・メディア懇親会で安倍首相は泣き言 12/5
永田町に舞う季節外れの桜。しかし、「桜を見る会」そのものに関する野党の批判は季節外れどころか、“的外れ”と言わざるを得ない。いや、天に唾する行為、と言ったほうが正確だろうか。
桜を見る会は吉田茂政権下の1952年に始まり、毎年4月頃に東京・新宿御苑で開催されてきた。主催者はその時々の総理大臣。目下、野党は、安倍総理が大勢の後援者を会に招いていたことをもって「私物化だ」などと批判しているが、果たして、旧民主党が政権運営を担っていた時期はどうだったのか。
手元に、2012年2月23日付で旧民主党に所属していた国会議員あてに出された〈「桜を見る会」へのご招待者名簿の提出について〉と題した文書がある。当時の総理大臣は野田佳彦氏。この年は北朝鮮のミサイル問題の影響で会の開催は見送られたが、文書には、〈今回は野田総理大臣の下での「桜を見る会」となり、そこに後援者の方等をご夫妻でご招待いただく絶好の機会になります〉とある。何のことはない、旧民主党の面々もこの会について、後援者をもてなす〈絶好の機会〉と捉えていたわけである。また、文書には次のような記述もある。
〈招待は原則としてご夫妻単位ですので、招待者としてはご夫妻のいずれか1名のお名前等の必要事項をご記載下さい。1枚の招待状でご夫妻が入場できることになっています。国会議員ごとの招待者の数は、4名(入場者8名)までとさせていただきます〉
現在、桜を見る会を巡って取り沙汰されている問題の一つに「推薦枠」がある。議員1人当たり4〜5人、閣僚は20〜30人とされるが、この文書にある記述が「推薦枠」を示すものであることは明らかだ。
文書の内容を見るだけでも、野党、とりわけ旧民主党の面々に桜を見る会を批判する資格がないことがお分かりいただけるだろう。では、なぜこの件を巡る「バカ騒ぎ」がいつまでも続いているのかといえば、それは、「前夜祭」の問題があるからだ。
第2次安倍政権になって以降、安倍総理は毎年、桜を見る会の前日に後援会の主催で前夜祭を催していた。今年4月12日の前夜祭は東京・千代田区にあるホテルニューオータニで行われ、総理の地元・山口県下関市などから後援会関係者ら約800人が参加。会費は1人5千円だった。
この前夜祭について野党が追及している問題は複数あるが、大きな柱は二つ。一つは、1人5千円の会費が安すぎるのではないか、という点である。ニューオータニのパーティープランの最低価格は1万1千円だからその半額以下ということになるが、これについて安倍総理は番記者のぶら下がり取材で、「1人5千円という会費については、これは正に大多数が当該ホテルの宿泊者であるという事情等を踏まえ、ホテル側が設定した価格である、との報告を受けております」と発言。しかしその後、15年の桜を見る会の前夜祭の会場はホテルニューオータニだったものの宿泊先は六本木にあるANAインターコンチネンタルホテル東京だったことが報道によって判明。総理の発言が説得力を失った感は否めない。
もう一つの問題は、ホテル側との金のやり取りについて。前夜祭の会場入り口では、安倍事務所の職員が1人5千円を集金し、ホテル名義の領収書を手交。集めた金は、受付終了後にホテル側に渡していたという。つまり、安倍事務所がホテル側と参加者側の間に入り、資金に“触って”いるわけだが、安倍総理関連の政治団体の収支報告書には前夜祭に関する記載が全くないのである。
こうした問題について連日、野党から追及されている安倍総理に「焦り」の気持ちがあることは間違いないだろう。総理在任期間が、明治の桂太郎を抜いて歴代最長となった11月20日、そんな安倍総理の現在の心情がよく分かる会合が催された。
「総理と、記者クラブに属する各メディアの官邸キャップの懇親会は年に2回行われています。今回は2日前になって急に開催が決まりました」(全国紙デスク)
場所は平河町にある上海大飯店。各社のキャップは三つのテーブルに分かれて座り、安倍総理がテーブル間を移動しながら会話を交わす形式だった。無論、そこでは総理在任期間が歴代最長になったことも話題に上ったが、総理が最も長い時間を割いたのは、桜を見る会についてである。総理は弁明に終始しつつ、懐柔も。同席した今井尚哉総理秘書官兼補佐官から恫喝と受け取られかねない発言も飛び出した会の様子は、まだどこにも報じられていない。
「この問題、ワイドショーはまだやるのかな? 昭恵のことももうやったし、後援会の話も出たからもういいんじゃないのかね」
会の最中、懐柔とも泣き言ともとれることを口にしたのは安倍総理。一方の今井秘書官はもっと露骨で、「NHKの報道はひどい。だから同時配信はだめだと言われる。1万1千円以上じゃなきゃ出来ないとホテルが言ったのを最初に報じたのもNHK。総理番が毎日細かいことを質問する。細かいことまで総理が分かるわけがないのに、袈裟懸けみたいに質問する。あれ、キャップが聞かせているの?」と、あからさまに圧力をかけていたという。
また、総理は桜を見る会の前夜祭の会費について、「850人をウチの事務所が呼んだと言うけれど、食事に関して、ホテルは300人分くらいしか作らない。立食だからちゃんと食べる人は少ないからね。だから1人当たりの価格を下げられるわけ。けど、ホテル側の名誉にも関わるから、『ホテルの食事は300人分しかありません』とは答弁出来ないし」と、弁明。15年の前夜祭の会場と宿泊先が別だったことに関しては、次のように説明していた。
「ずっと全日空ホテルでやっていたが、15年は、会場が2部屋に分かれていることが直前に分かった。それではだめだと秘書が文句を言い、ちょうどニューオータニの営業マンが熱心に売り込んできたから変えた。だけど、宿泊先まで変えてしまうと全日空の担当者が処分されるかもしれない、と言うので、宿泊先はANAに残した。その後、全てニューオータニに移した、という流れです」  
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