日本の魅力

令和の始まり
10連休  政治家の外遊ラッシュ

魅力の尺度 「ヒト・モノ・カネ」
外遊 政治家の訪問先
訪問先が日本に求めるもの
 


外遊報道 / 4/10-4/21-4/26-5/1-5/6-5/11-5/16-5/21-
外遊大臣 / 安倍首相麻生財務相山下法相河野外相柴山文科相石井国交相原田環境相岩屋防衛相菅官房長官宮腰沖縄北方担当相平井科学技術担当相茂木経済再生担当相片山地方創生担当相諸大臣・・・
諸話 / 経営資源1経営資源2ヒトモノカネ1ヒトモノカネ2・・・
 
 
 

 

●外遊報道 
令和初日に出国ラッシュ=平成最終日は全員国内−閣僚外遊
安倍晋三首相の欧州歴訪に続き、閣僚12人が4月下旬から5月上旬にかけ、相次いで外国へ出張する。天皇陛下が退位される4月30日は皇位継承に伴う一連の儀式に参列するため全員が日本に滞在するものの、新元号「令和」初日の5月1日に6人が出国するなど、改元直後から出国ラッシュとなる。
大型連休中の閣僚外遊は恒例。月内は、麻生太郎副総理兼財務相と茂木敏充経済再生担当相が25日から訪米し、ワシントンの日米首脳会談に同席する。河野太郎外相は26日からサウジアラビアを訪問。首相ら4人は29日までに帰国し、翌30日に皇居で開かれる「退位礼正殿の儀」に備える。
5月1日は新天皇即位に関する儀式が終わった後、麻生氏、石井啓一国土交通相、柴山昌彦文部科学相ら6閣僚が日本をたつ。河野氏は2日未明にアフリカ歴訪に向けて出発する。
さらに2日午前には岩屋毅防衛相、原田義昭環境相、片山さつき地方創生担当相がそれぞれ訪問地に向かう。菅義偉官房長官は9〜12日の日程で米国を訪問する。 
国会議員の外国訪問 “大使の送迎なし” 外相名で通達 4/10
国会議員が外国を訪れた際の対応について、外務省は、現地の大使や総領事の出迎えや見送りは、今後、原則として行わないなどとする通達を、河野外務大臣名で衆参両院に出しました。
外務省によりますと、国会議員の外国訪問では、現地の在外公館が、送迎や宿泊先の確保、それに要人との面会の設定などの支援を行っていますが、中には送迎に大使などが呼び出されるケースもあるということです。
こうした対応を見直し、在外公館の負担軽減につなげようと、外務省は河野外務大臣名の通達を衆参両院の事務局に出しました。
通達では、空港での出迎えや見送りについて、原則として現地の大使や総領事は行わないとしています。一方で、職員の派遣はこれまでどおり行うとしています。
また、訪問した際の支援は、公務が目的で公式に事前の依頼があった場合に限って行うとしていて、原則、日本を出発する1週間前までに依頼書を提出するよう求めています。
「ポスト安倍に菅官房長官」説が急浮上したわけ 4/13
新元号「令和」を発表した菅義偉官房長官がポスト安倍の有力候補に急浮上している。
30年前に「平成」の額を掲げて「平成おじさん」として人気者となった小渕官房長官がその後、首相の座を射止めた歴史もあり、今回も「菅氏が次の首相になるのでは」との観測が、政界だけでなく国民の間にも広がっている。
当の菅氏は記者会見で「(首相になることは)まったく考えていない」と繰り返し否定しているが、自民党内ナンバー2の二階俊博幹事長が10日発売の月刊誌で「(総裁候補として)十分耐えうる人材」などと評価した。また、岸田派名誉会長の古賀誠元幹事長も8日の民放テレビ番組で、同氏が後見役となる岸田文雄政調会長を差し置く形で、菅氏を次期首相の有力候補に挙げてみせた。
ここにきて、安倍晋三首相の「総裁4選論」と同時進行の形で「菅後継説」が浮上した背景に「ポスト安倍の人材不足」(自民幹部)があるのは否定できない。ただ、二階氏の発言も含めた党内の動きを、夏の参院選後に想定される党役員・内閣改造人事に向けた政権内部の権力闘争とみる向きも多い。今後も実力者による思惑絡みの発言が続きそうだ。
4月1日正午前、首相官邸で「新元号は令和であります」と緊張した表情で発表した菅氏だが、直後に安倍首相自身が会見して新元号の典拠(出典)などを説明したことで、内外には「安倍改元」の印象が広がった。しかし、翌2日の新聞各紙1面での新元号報道では、ほとんどが「令和」の額を掲げる菅氏の写真を掲載、インターネットなどでも一気に「令和おじさん」が拡散した。
永田町や霞が関ではもともと、「首相に何かあった場合は菅氏が後継者」との観測があった。ポスト安倍を狙う石破茂元幹事長や岸田氏が決め手や迫力に欠けているため、「安倍政治を継承するなら、安定感のある菅氏しかいない」(自民長老)との見方が広がっていたからだ。だからこそ、二階氏が新元号発表にタイミングを合わせるように「菅後継」の可能性に言及したことで、メディアは一斉に「菅氏がポスト安倍に急浮上」と報じたのだ。
菅氏と二階氏はいずれも政治家秘書、地方議員を経て中央政界の実力者にのし上がったいわゆる「たたき上げ」の政治家。ともに歴史に残る首相を祖父にもつエリート世襲政治家の安倍、麻生両氏とは対照的な苦労人で、波紋を呼ぶ発言を繰り返す二階氏と違い、政権の黒子役に徹する菅氏の態度は、党内でも派閥を超えた信望を集めている。
菅氏は秋田のイチゴ農家出身の70歳。高校卒業後、集団就職で上京し、苦学して法政大学を卒業した後に政治に目覚め、自民党有力議員の秘書や大臣秘書官を経て横浜市議となった。
1996年の衆院選で神奈川2区から初当選して現在8期目だ。初当選後は当時の小渕派に入ったが、政治の師と慕う同派の梶山静六氏(元幹事長、故人)の総裁選出馬に伴い同派を退会、その後、故加藤紘一氏や古賀氏との親しさから宏池会(現岸田派)に所属したが、再び総裁選を機に退会して無派閥となった。若手を中心とした無派閥組を束ねた「菅グループ」は、大派閥に迫る30〜40人規模にまで拡大しているとされる。
菅後継説が浮上したきっかけは、7日投開票の統一地方選での菅氏の戦績だった。唯一の与野党対決となった北海道知事選は与党推薦の鈴木直道前夕張市長が圧勝したが、地元県連の異論を封じて鈴木氏擁立を主導したのは菅氏だ。対照的に、麻生氏は地元の福岡県知事選で、強引に自民推薦を取り付けた新人候補が現職に惨敗、メンツ丸つぶれとなった。また、二階氏が3度も現地入りして陣頭指揮を執った大阪府知事・市長選も、地域政党「大阪維新の会」の圧勝に終わり、政権3本柱の明暗が際立った。
しかも、菅氏は福岡県知事選では水面下で現職を支援したとされ、大阪ダブル選では大阪維新代表の松井一郎前府知事との太いパイプもあって自民擁立候補の応援を控えたため、麻生、二階両氏を苛立たせた。さらに、麻生派の塚田一郎・前国土交通副大臣の「忖度(そんたく)」発言での辞任や、二階派の桜田義孝・前五輪担当相が10日の「復興より議員」発言で辞任した際も、「事実上の更迭劇を主導したのは菅氏」(官邸筋)とみられている。麻生、二階両氏とのあつれきも目立つ一方、党内での菅氏の存在感は増している。
大手メディアの最新の世論調査での「ポスト安倍」候補の人気度でも、菅氏への支持は急上昇している。国民的人気者の小泉進次郎氏や石破氏、岸田氏に肩を並べる勢いだ。とくに、30〜40代男性の支持の高さは、政権運営で菅氏が発揮してきた実務能力への評価によるものとみられている。その一方、党内で浮上している安倍首相の総裁4選論については各調査で反対が過半数を占めている。
こうした状況がポスト安倍の後継レースの不透明感にもつながり、首相が参院選後の夏から秋にかけて断行するとみられている党役員・内閣改造人事をめぐって、党内外で揣摩臆測が広がる原因ともなっている。とくに安倍首相が、麻生、菅、二階3氏に委ねてきた「政権の骨格」を参院選後も維持するのか、それとも「人心一新」して再出発するのかがポスト安倍も絡む最大の注目点となる。
細野豪志・元環境相の二階派入りなど、旧民主党系議員の自派取り込みなどで党内にあつれきを引き起こしている二階氏が、ここにきて「総裁4選論」や「菅後継説」を打ち上げたのも、「俺を外すと大変だぞ、という幹事長続投への強烈なアピール」(自民長老)との見方が多い。
また、統一選前半戦の直後に1万円札などの紙幣の一新を決断、発表した麻生氏も「続投に意欲満々」(側近)とされる。これに対し、菅氏周辺からは「麻生、二階両氏はもはや老害。これからは菅氏が政権運営を主導すべきだ」(無派閥若手)との声も出ている。
もちろん、「人事は参院選の結果次第」(自民幹部)でもあり、衆参同日選の有無や10月からの消費税10%の可否も絡むため、まだ流動的要素が多い。しかし、党内では早くも骨格交代を前提にした「菅幹事長、岸田財務相、茂木敏充外相、加藤勝信官房長官」といった人事構想が流布されている。「二階氏の一連の発言や、菅氏をポスト安倍に推す動きも、一皮めくれば人事をめぐる権謀術数」(首相経験者)との見方が広がる由縁だ。
一躍、渦中の人となった菅氏は、今回の騒ぎにも「新元号発表に伴う一時的現象で、すぐに収まる」と苦笑しているとされる。ただ、安倍首相が当選同期の集まりで「次は岸田さん」と発言しているのに、岸田氏に派閥を引き継いだ古賀氏があえて「菅氏は総裁候補の1人」などと発言したことも含め、「菅後継説」は当分、永田町の話題の中心となりそうだ。
岸田氏周辺からも「古賀さんはもともと菅氏を評価していて、現在も親交が続いている。宏池会出身でもあり、念願の宏池会政権作りにはまず菅首相を、と考えている」(岸田派関係者)との声が漏れてくる。
一方、ポスト安倍を狙う石破氏陣営は警戒心を強めている。新元号決定で「きちんと説明すべきだ」と注文つけるなど、昨年の総裁選以降も反安倍の姿勢を一段と鮮明にしているのが石破氏だけに、「安倍政治の継承」を前提とした菅後継説を「石破つぶしの一環」(石破氏側近)と受け止めているからだ。確かに、安倍政権の中枢を担う有力議員の多くは「ポスト安倍が石破氏となることだけは阻止したい」(細田派幹部)のが本音とされる。
6年半近く、内閣の大番頭として政権の危機管理を一手に担う菅氏だが、大型連休明けの5月9日からの訪米を検討中だ。「拉致問題担当相としてアメリカ側と協議するのが目的」(政府筋)とされるが、沖縄基地問題も担当しているだけに、河野太郎外相や茂木経済産業相と並んで今後の日米交渉のキーパーソンとなる可能性もある。留守を預かる立場の官房長官の外遊は「極めて異例」(官邸筋)なだけに、政府部内でも「安倍首相も菅後継を意識して、国際舞台での顔見世を演出したいのでは」(有力閣僚)との声も出ている。
官房長官の在任期間では歴代1位の記録を更新中の菅氏は「酒も飲めず、仕事が最優先の真面目人間」(本人)とされる。自民党内に世襲議員が跋扈(ばっこ)する中、「コネも縁故もない」(自民若手)のに政界の中枢にのし上った菅氏の座右の銘は「意志あれば道あり」だ。官房長官就任時にはアメリカの国務長官だったコリン・パウエル氏の著書『リーダーを目指す人の心得』を熟読したとされるだけに、「党内から『日本のために』と請われれば、拒否するはずはない」(自民長老)との見方も広がる。
ただ、古稀を超える年齢と官邸記者会見での女性記者との感情的なバトル、さらには、各省庁の幹部人事をめぐる霞が関官僚との軋轢など「マイナス材料も少なくない」(麻生派幹部)のも事実。このため、永田町では「安倍首相が突然退陣した場合の暫定的後継はありうるが、自ら総裁選に打って出て勝負するタイプではない」(自民長老)との声も少なくない。 
日中協力強化を確認=河野外相、李首相と会談 4/15
日中ハイレベル経済対話のため中国を訪問した河野太郎外相らは15日午前、北京の中南海で李克強首相と会談し、協力の強化を確認した。この後、河野外相は王毅国務委員兼外相と会談。6月末に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせた習近平国家主席の初訪日実現に向けて意見交換する。
河野外相が中国の李首相と会談“対話継続し協力推進を” 4/15
河野外務大臣は、訪問先の中国で李克強首相と会談し、安定的な日中関係の構築に向けて引き続きハイレベルでの対話を行い、経済分野に加え環境対策などの地球規模の課題でも協力を進めていくことを確認しました。
河野外務大臣は14日夜、北京で行われた「日中ハイレベル経済対話」に出席した世耕経済産業大臣ら4人の閣僚とともに、日本時間の正午ごろから、中南海で李克強首相と会談しました。
会談の冒頭、李首相は、「ハイレベル経済対話の成功は中日関係を正常な軌道の上でさらに前進させ、実務的な成果を収めるものとなった。両国とも世界の主要な経済大国であり、経済協力を深めることは世界経済が安定的な回復の勢いを保つことにつながる」と述べました。
これに対し河野大臣は、「日中関係はさまざまな難しい問題はあるが、それをしっかりとマネージし、両国間の問題だけではなく、地球規模の課題に両国が肩をならべてあたる努力をしっかりしていきたい」と応じ、安定的な日中関係の構築に向けて引き続きハイレベルでの対話を行い、経済分野に加え環境対策などの地球規模の課題でも協力を進めていくことを確認しました。 
安倍訪米のお膳立てでしかない茂木大臣による日米貿易交渉 4/17
茂木大臣が訪米した日米貿易交渉が終った。
その報道を見ると、農産品や自動車や為替などで双方の利害をぶつけた交渉が行われたごとくだ。しかし、その実態は違う。今度のライトハイザー米通商代表(USTR)と茂木経済再生担当大臣との協議は、いつもそうであるように、安倍首相の訪米前のお膳立てでしかないのだ。
4月末に予定されている安倍首相の訪米とトランプ大統領との首脳会談は、安倍・トランプの緊密な関係をアピールしなければいけない。だから。こそで日米貿易交渉で難題を突きつけられては困る。そうならないように、どうすればいいかを話し合う、シナリオづくりの協議なのだ。もちろん米国は米国第一主義で、あらゆる要求を突きつけて来る。その値踏みをしながら、すべては安倍訪米の後に本格交渉をする準備の話し合いをしに行ったのだ。
そもそも日米協議はペンス副大統領と麻生副総理の間で行われる重要なものだった。ところが麻生副総理のナチス発言でトランプ・ペンスの親イスラエルコンビが完全に麻生副総理を見限った。その時点で日米貿易交渉は米国の言いなりになったのだ。茂木大臣は使い走りでしかないのだ。
今朝7時のNHKニュースで茂木大臣はこう語っている。安倍首相の訪米直前にもう一度ライトハイザー代表と会う事にしたと。つまり安倍・トランプ会談の後の記者発表について合意する事はまだ尚早だと言われたのだ。
お膳立てづくりすら、一回では終わらなかったのだ。米中貿易交渉と日米貿易交渉とでは米国の取り組み方がまるで違う。容易に譲歩しない中国には米国は国を挙げて取り組んでいるが、シナリオ作りに熱心な日本に対しては、ライトハイザー通商代表一人で十分だというわけだ。気がついたら日本は丸裸にされるだろう。茂木大臣の言う事をそのまま垂れ流す日本のメディアからは、何も本当の事は伝わってこない。 
日米貿易交渉 米軟化の背後に農家の不満 4/17
新たな日米貿易交渉の初会合が「非常によい雰囲気」(茂木敏充経済再生担当相)の中で2日間の日程を終えた。米国内で自由貿易協定(FTA)締結の対日要求が根強いが、茂木氏らの交渉団は、当面の協議を農産物や自動車などの物品関税に絞る“日本ペース”に持ち込めたとの認識をにじませ、政府内には安堵(あんど)感も漂う。ただ、米議会を中心に強硬論も渦巻き、対立の火種は残っている。
「協議を加速させたい」
16日の閣僚折衝を終え、記者会見した茂木氏はそう語り、来週に再度訪米して米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表と会談すると説明した。
日米は昨年9月、新たな貿易協議の開始で合意。日本政府は日米の「物品貿易協定(TAG)」と呼び、交渉対象を農産品や自動車などの物品に限定する方針を示してきた。
一方、米経済界では日本との2国間交渉の開始に際し、物品だけでなく、サービス分野なども含めた包括的なFTAを結び、日本市場をこじ開けるべきだとの声が強まっていた。
初会合で日本は、貿易協定の対象について「物品以外に想定していない」と米国側に強調。米国の提案でデジタル貿易も話し合うことになったが、当面の交渉の対象範囲は、おおむね日本の主張通りになった。
その背景には、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)発効で不利な競争条件を強いられた米農家の声がある。米産牛肉に38・5%の関税が課される一方、TPP参加国のオーストラリアなどへの関税は最終的に9%に下がる。「日本の顧客を失った」と不満を強める米畜産農家が、議員や政府に日本との早期妥結を求める圧力をかけ、USTRは交渉に数年を要する包括的FTAを当面は退けた。
茂木氏は「(双方に恩恵がある)ウィン・ウィンの合意を目指す」と指摘。政府内からは、初会合が「思い通りとまでは言わないが、順調だった」との声が漏れる。
ただ、米国では、日本が一定の市場開放を認めるとみられる農業分野は「入り口に過ぎない」(米議会関係者)と矛先を収める気配は乏しい。米政府が検討中の自動車関税についても、元USTR高官のカトラー氏は「トランプ政権が交渉の駆け引き手段として活用する(輸入車などへの)追加関税の脅しを手放すと考えにくい」と指摘し、日米交渉の攻防を予想する。 
日米通商交渉は合意なきまま終了 4/17
茂木敏充経済再生担当相は16日、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表との2日間の日米通商交渉を終えた。終了後の会見で、米側は対日赤字を減らしたいとの意向が示されたことを明らかにした。ただ、現時点では合意していないとし、日米首脳会談を前に来週中の再交渉を予定していることを明らかにした。
茂木担当相は、今回の日米通商交渉について「早期にいい成果を出したい」と述べたが「個別の項目については、現時点では合意していない」と語った。
米側は「貿易赤字を減らしたいとの意向を示した」といい、農業分野に大きな関心があるとの説明があった。
具体的には、TPP(環太平洋連携協定)の発効で、米国が不利な状況に直面し「(その状況を)解消したいとの意向を示した」と語った。
これに対し、日本側は「過去の経済連携協定で約束した譲許内容が最大限であることを説明した」と述べた。
自動車に関する議論の展開を質問され、茂木担当相は「自動車について、プロセスに関する細かい議論は差し控える」と語り、米国側からの具体的要求や日本側の主張などについては言及を避けた。
その上で茂木担当相は「昨年9月の(日米首脳会談後に発表された)共同声明に沿って議論を進める」とし、自動車に関しては「双方がウィンウィンになる合意を目指す」と語った。
さらに米国が安全保障上の理由で、自動車輸入に高関税を課すことができる根拠になっている米通商拡大法232条については「協議中に232条を適用しないことについて確認を取った」と指摘した。
また、来週の日米首脳会談前に、ライトハイザー代表と再交渉に臨むとの予定を明らかにし、日米首脳会談にも同席する可能性があることを明らかにした。
農業や自動車などの物品とは別に「デジタル貿易の取り扱いについて、適切な時期に議論することで一致した」と述べた。
茂木担当相は交渉の進め方について、農業などの特定分野を先行して決着させるようなことはなく「貿易交渉は、一般的に個別に決めるわけでなくパッケージ合意となる」と述べた。
さらにサービスを交渉範囲に含めるのかとの質問には「米側からサービスについて、具体的な言及はなかった」と指摘。米側は、交渉合意後に制度改正を伴うような「長い時間がかかることを協議の対象にすることは想定していない」と語った。 
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安倍首相、外遊出発前の発言 4/22
安倍晋三首相は22日午前、フランスやイタリア、米国など欧米6カ国訪問に先立ち、羽田空港で記者団に外遊の狙いを語った。
「今回の訪問は、約2カ月後に迫ったG20大阪サミットに向けて各国首脳と世界経済、自由で公正な貿易の推進、女性活躍や気候変動問題など主要議題についてじっくりと話し合い、成功に向けて連携を確認し合いたい」
「トランプ氏との首脳会談、久々の首脳会談となる。大変楽しみにしている。今月始まった日米貿易交渉、茂木(敏充経済再生担当相)−ライトハイザー(米通商代表部代表)間では大変有意義な議論が行われた。この交渉が日米双方にとって利益となるよう、アジア太平洋地域に自由で公正な貿易を広げていくものとなるよう進捗(しんちょく)を確認したい」
「北朝鮮の問題については最新の情勢をトランプ氏と一緒に分析したい。その上で朝鮮半島の非核化に向けて方針をしっかりと緻密にすり合わせたい。(日本人)拉致問題については一日も早い解決に向け、連携を確認したい」 
令和初日に閣僚出国ラッシュ 4/23
安倍晋三首相の欧州歴訪に続き、閣僚12人が4月下旬から5月上旬にかけ、相次いで外国へ出張する。天皇陛下が退位される4月30日は皇位継承に伴う一連の儀式に参列するため全員が日本に滞在するものの、新元号「令和」初日の5月1日に6人が出国するなど、改元直後から出国ラッシュとなる。
大型連休中の閣僚外遊は恒例。月内は、麻生太郎副総理兼財務相と茂木敏充経済再生担当相が25日から訪米し、ワシントンの日米首脳会談に同席する。河野太郎外相は26日からサウジアラビアを訪問。首相ら4人は29日までに帰国し、翌30日に皇居で開かれる「退位礼正殿の儀」に備える。
5月1日は新天皇即位に関する儀式が終わった後、麻生氏、石井啓一国土交通相、柴山昌彦文部科学相ら6閣僚が日本をたつ。河野氏は2日未明にアフリカ歴訪に向けて出発する。
さらに2日午前には岩屋毅防衛相、原田義昭環境相、片山さつき地方創生担当相がそれぞれ訪問地に向かう。菅義偉官房長官は9〜12日の日程で米国を訪問する。 
閣僚ら10連休に続々と海外訪問へ 4/24
皇位継承に伴う10連休前後に、閣僚や与党幹部の海外訪問が相次いで予定されている。既に安倍晋三首相が米国など欧米6カ国を歴訪中で、24日には自民党の二階俊博幹事長が中国・北京を訪問した。特に新元号「令和」初日の5月1日は6閣僚が海外に出発するなど出国ピークとなる。
安倍首相は日本時間27、28両日に米国を訪問し、トランプ米大統領と会談する予定。衆院事務局などによると、麻生太郎副総理兼財務相と茂木敏充経済再生担当相も日米首脳会談に同席するため25日にワシントンに向け出発する。
麻生氏はこのほか、5月1〜4日にフィジー、6〜9日にフランスを訪問。菅義偉官房長官は米国のペンス副大統領と会談するため5月9〜12日に米国を訪問する予定だ。危機管理を担う官房長官の外国訪問は異例で、菅氏の海外出張は平成27年10月以来となる。
大型連休中の閣僚や国会議員の海外訪問は恒例のこと。在外公館にとって、国会議員の宿泊先の手配などで職員の負担が増える時期でもある。中にはレストランの予約や土産物の購入まで在外公館職員に依頼する議員も少なくないという。
このため、河野太郎外相は私的に海外を訪問する議員に対し、大使による出迎えなどの「便宜供与」を行わないと国会側に通達。議員の海外訪問の公私の区別を徹底する考えを伝えた。
ただ、通達は波紋を呼んでおり、ある与党議員は「現地議員との面会の調整や出入国手続きなど困ってしまう」とぼやいている。 
二階幹事長 習主席に総理親書手渡し 6月来日明言 4/25
自民党の二階幹事長は中国で習近平国家主席と会談し、安倍総理大臣の親書を手渡しました。習主席は6月の日本訪問を明言しました。
習主席は「安倍総理の親書を重視します」と話すなど予定の時間をオーバーしつつ、終始にこやかな表情で日本側に関係改善へのメッセージを送りました。
自民党・二階幹事長 「今回は安倍総理の特使としてお伺いしました」
習主席は日中関係について「正常な軌道に戻った」と強調し、6月の大阪G20に出席するため訪日して安倍総理と会うと述べました。また、二階幹事長は原発事故を巡る食品輸入規制の緩和を求めましたが、習主席は「科学的根拠に基づき、安全第一で行う」として緩和には触れませんでした。  
中国で「一帯一路」フォーラム 37カ国首脳が北京に 4/25
中国が主導する経済圏構想「一帯一路」の国際会議が北京で始まりました。前回の29カ国を上回る37カ国の首脳が参加します。
今回の「一帯一路フォーラム」は2年前に続く2回目となり、習近平国家主席は訪中する各国の首脳らと会談を行っています。ロシアのプーチン大統領や先月にG7(先進7カ国)のなかで初めて中国と覚書を交わしたイタリアのコンテ首相も参加します。一方、貿易摩擦が解決していないアメリカは高官の派遣を見送りました。今回のサミットは中国にとって今年最大の国際会議となります。 
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安倍首相、「祝賀てんこ盛り」で政権浮揚の思惑 4/26
令和新時代スタートまで1週間を切る中、統一地方選を終えて欧米での首脳外交にいそしむ安倍晋三首相の表情には余裕と自信がにじんでいる。
統一地方選の焦点となった大阪ダブル(府知事・市長)選と衆院2補選での手痛い敗北も「地域の特殊事情」と見切り、全体では自民党が堅調だったことから夏の参院選に手ごたえを感じているからだ。新元号決定や新紙幣の発表、10連休真っただ中の歴史的な皇位継承行事も、首相サイドが巧妙に設定した政権浮揚戦略の一環とみられている。列島全体での“令和フィーバー”も思惑通りといえそうだ。
参院選の行方を占う統一地方選は、前半戦(4月7日)の焦点である大阪府知事・市長選で大阪維新の会が圧勝。さらに、後半戦(4月21日)の衆院大阪12区、同沖縄3区の両補欠選挙でも、それぞれ維新、野党系候補が勝利し、第2次安倍政権発足前から続いてきた自民党の衆参補選連勝もストップした。
こうした選挙結果について、多くのメデイアは「政権に打撃」「参院選に暗雲」などと書き立て、安倍首相は22日午前、「残念な結果になった。いま一度、身を引き締めなければならない」と殊勝な表情で語った。菅義偉官房長官は同日昼の政府・与党協議会で「首相から指示もあったので、緊張感を持ってやっていく」と述べ、選挙戦の司令塔だった二階俊博自民党幹事長も記者会見で「選挙結果を反省材料に次なる戦いに挑み、勝利で屈辱を晴らしたい」と態勢立て直しへの決意を表明した。
ただ、安倍首相は22日昼前には昭恵夫人を伴って新しい政府専用機でフランスに向けて飛び立った。搭乗時は黒いワンピース姿だった昭恵夫人はフランス到着時には明るいクリーム色のスーツに着替え、首相も空港に出迎えた要人たちと満面の笑みで握手するなど心機一転ぶりが際立った。
統一地方選の最中には塚田一郎国土交通副大臣、桜田義孝五輪担当相が相次いで辞任に追い込まれ、首相の任命責任も厳しく問われた。にもかかわらず、新元号決定以来の内閣支持率は上昇傾向が続いている。安倍首相や政府与党幹部が「危機は一過性」(自民幹部)と余裕を見せるのは、夏までの「巧妙な政治日程づくり」(自民長老)が背景にあるとみられる。
そもそも、歴史的な皇位継承行事を軸とする10連休を設定したのは安倍政権だ。4月30日の天皇退位、翌5月1日の新天皇即位と、令和への改元で国民の間に令和フィーバーを巻き起こし、それまでの政権不祥事などを一気に過去のものしようとの思惑は「今のところ図に当たっている」(自民幹部)のは間違いない。自民幹部も3月下旬に「もし、統一地方選が政権にとって厳しい結果になっても、祝賀ムードで内閣支持率も上がり、後半国会での与野党攻防も主導権を握れる」と自信を示していた。
皇位継承行事以降も、5月25日には新天皇が迎える初の国賓としてアメリカのトランプ大統領が来日する。4日間の滞在中、新天皇との会見や日米首脳会談、さらには大相撲観戦、安倍首相との3度目のゴルフ対決と盛りだくさんの外交行事が予定されている。
6月28、29日には、日本初開催となる主要20カ国・地域(G20)首脳会議を大阪で開かれる。G20にはトランプ大統領ら主要7カ国(G7)首脳に加え、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領も参加予定で、首相は首脳会議の前後に日米、日中、日ロという重要な首脳外交をこなして内外に安倍外交をアピールするとみられる。
こうした政治・外交日程は、昨年から首相の意を受けて政府部内で組み立てられたもので、自民党総裁3選後の最大の関門となる参院選に向けて、政権として弾みをつける狙いは明らかだ。令和新時代の祝賀ムードと華やかな首脳外交で盛り上げれば、終盤国会での与野党攻防はかすみ、野党の存在感も薄れるのは確実だ。
その一方で、衆院補選などを除けば統一選全体では自民党が優勢だったことで、政府与党幹部の間でも「これまでの亥年選挙の恐怖は薄れている」(自民選対)のが現状だ。統一選の結果を参院選に当てはめた一部メディアの試算では、自民党は改選過半数の63議席を超える可能性も指摘されており、首相サイドでも「12年前のような参院選惨敗はありえない」(細田派幹部)との安堵感が広がる。
巧妙な日程設定のポイントとなった4月1日の新元号発表も、党内保守派の反発を押さえて首相が決断したとされる。首相サイドの期待通り、「令和」が発表されたとたん、列島は大騒ぎとなり、内閣支持率も上昇した。さらに、令和の額を掲げた菅義偉官房長官は「ポスト安倍の最有力候補」との声も上がるなど一躍、時の人となった。
さらに、首相の盟友の麻生太郎副総理兼財務相が4月9日に発表した新紙幣発行とデザインのお披露目も国民的話題となった。5年後に1万円、5千円、千円の3種類のお札(日本銀行券)と500円硬貨を発行する計画で、紙幣の一新は2004年以来20年ぶりとなる。首相と麻生氏が極秘で進めてきたとされ、麻生氏は「たまたま新元号決定などと重なった」と説明したが、与党内でも「祝賀ムードをさらに盛り上げる材料になった」(閣僚経験者)との声が相次いだ。
10日午後に国立劇場で開催された「天皇陛下即位30年奉祝感謝の集い」も祝賀ムード盛り上げに一役買った。超党派議員連盟と民間有志の共催となっているが、主導したのは首相に近い自民党の保守派議員とされる。映画監督の北野武さんら各界のスターが招かれる一方、野党各党幹部も参加し、「政権浮揚の企画の添え物にされた格好」(立憲民主幹部)だ。首相は祝辞で「国民に常に寄り添ってこられた両陛下のお姿を胸に刻みながら、誇りある日本の輝かしい未来をつくり上げていく」と令和時代も引き続き政権を担う意欲を強調したが、野党からは「祝賀ムードに便乗して、祝賀のてんこ盛りみたいな雰囲気を醸し出そうとしている」(国民民主党の玉木雄一郎代表)など疑問の声が相次いだ。
さらに、その週末の13日午前には、毎年恒例の首相主催「桜を見る会」が新宿御苑で開催された。平成最後となる同会には多数の有名芸能人ら約1万8200人が出席。満開となった八重桜の下であいさつした首相は「平成を 名残惜しむか 八重桜」「新しき 御代ことほぎて 八重桜」の2句を得意満面で披露したうえで、新元号の典拠となった「万葉集」の「梅花の歌」にも言及し、「皆さん一人ひとりがそれぞれの花を咲き誇らせることができる、そういう時代を一緒につくっていこう」と参加者に呼びかけた。
ただ、こうした新元号決定以来の一連の行事設定については、政界でも「政権が得意とする『やってる感』満載だが内容は空疎」(首相経験者)との指摘がある。5月下旬以降の外交日程も含めて「なりふり構わない参院選前の政権浮揚戦略は異様」(自民長老)への批判も少なくない。与党内にも「余りやりすぎると国民の反感を買い、参院選での失速にもつながりかねない」(公明幹部)との懸念が広がる。
首相は23日、最初の訪問国のフランスでマクロン大統領と会談した後、イタリア入りし、24日には日伊首脳会談を行うなど精力的に安倍外交を展開している。ただ、今回の欧米歴訪の最大の焦点は日米貿易摩擦がテーマとなる27日の日米首脳会談だ。首相はトランプ大統領との親密な関係を利用して自動車関税などのアメリカ側の要求を跳ね返したい考えだ。
ただ、アメリカ側の厳しい要求に屈するようだと、「巧妙に組み立てた政治外交日程が最後で台無しになる」(自民幹部)との不安も残る。カナダ訪問を経て天皇退位前日の29日の帰国時に、首相が晴れやかな表情で「空飛ぶ官邸」と呼ばれる新専用機から降り立つことができるか、なお予断を許さない。 
14閣僚が物見遊山 “GW外遊ラッシュ”で浪費される血税6億円 4/27
今年のゴールデンウイーク(GW)も首相を筆頭に14閣僚が外遊する。ただでさえ物見遊山だと批判されがちなGWの海外出張。特に今年は、不祥事続発で政権も国会も異常事態に陥り、日本の政治は大混乱だ。それなのに、失態のド真ん中にいる閣僚までノコノコ出かけていくのだから、能天気過ぎやしないか。
野党から辞任要求が出されているのに、麻生財務相はフィリピンへ。アジア開発銀行の年次総会出席などが渡航目的だ。
平日の真っ昼間に公用車でセクシー個室ヨガに通い、与党からも非難されている林文科相は、国際会議出席などで米国と中国へ行く。丸1週間不在だ。
裁量労働制デタラメデータの加藤厚労相は、政府主催の拉致問題啓発行事出席などで米国へ。日報隠蔽の小野寺防衛相はエストニアとフィンランドを訪問する。サイバー関連施設の視察だというからお気楽なもんだ。
物見遊山外遊は閣僚だけじゃない。副大臣と政務官の計17人も米国、中国、東南アジア、欧州、南アフリカなど世界中に散らばる。「今年は選挙がないから、久々に羽を伸ばそうということ」(自民党関係者)らしい。
海外出張費は当然ながら税金から支払われる。過去の野党の質問主意書に対する政府答弁を調べると、政府専用機を使用して米国へ3日間訪問した首相の出張費は1億円超。今回は中東へ5日間だから、それより費用がかかるだろう。民間機のファーストクラスを使う閣僚は日数や行き先、随行人数にもよるが、質問主意書によれば出張費は1回につき1000万〜2000万円と推計できる。副大臣・政務官はビジネスクラスでその半分としても、政務3役合わせて31人のGW外遊に、トータルで最大6億円程度かかる計算だ。
「財務省の決裁文書改ざんの調査結果がGW明けにも出るという状況で、閣僚が例年のごとく外遊ラッシュとは国民感情を逆なでするような話。首相が行くんだからいいじゃないか、ということもあるのでしょうが、上が上なら下も下。本当にこの内閣は国民をナメ切っています」(政治評論家・野上忠興氏)
安倍首相の先日の訪米だって成果ナシなのに1億円が浪費されたわけで、GW外遊でも巨額の税金が無駄に消えることになりそうだ。 
TPP発効で米に焦燥感 農家不満、重み増す対日交渉 4/27
日米貿易交渉でトランプ米大統領が早期妥結を目指す背景には、米国が離脱した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)発効で、米輸出業者が出遅れることへの焦燥感がある。米国の農家は日本でTPP参加国より高い関税を課され、不満を強めている。大統領選を控えるトランプ氏は、支持層と重なる農家の離反を避けようと対日協議を一段と急がせるとみられる。
26日の日米首脳会談に同席した茂木敏充経済再生担当相は、記者会見で「米国は一貫して(自国が不利になっている)状況を改善したいと日本に伝えてきている」と明かした。
TPPや日本と欧州連合(EU)が結んだ経済連携協定(EPA)の枠外に置かれた米国は、日本市場で関税引き下げなどの恩恵を受けられない。特に牛肉などの畜産業者は、オーストラリアなどに日本の取引先を奪われ「悲鳴を上げている」(米議員)という。
通商政策を重視するトランプ政権だが、まだ目立った成果があがっていない。中国との貿易協議は長期化しており、昨年秋に合意した北米自由貿易協定(NAFTA)の新協定も、野党・民主党の反対で、年内の議会承認は困難な情勢だ。
そのため、農業市場の開放でTPP水準を上限とした日本との貿易交渉は、米政府にとり重みを増している。トランプ氏が言及した5月の訪日時の妥結は「急いでも不可能」(日本政府高官)との見方だが、早期合意を優先する米国に、日本側要求への歩み寄りを促す圧力となりそうだ。
ただ、米政府の政策がトランプ氏の一存で決まる傾向を強める中、日米交渉を担当する茂木氏とライトハイザー通商代表による今後の協議が難航すれば、トランプ氏が厳しい対日姿勢に転じる懸念は拭えない。 
日米首脳会談 貿易交渉5月にも妥結 トランプ氏が意欲 4/27
トランプ米大統領は26日、ホワイトハウスでの日米首脳会談の冒頭、日本との貿易交渉は「とても早く進められる」と述べ、5月下旬の訪日時にも最終合意したいとの考えを示した。「日本は農産品に非常に大きな関税をかけている」とも指摘し、撤廃や引き下げを求めた。
トランプ氏は、5月に訪日した際に「署名できるかもしれない」と言及。ライトハイザー通商代表と茂木敏充経済再生担当相による閣僚交渉は「うまくいっている」と評価した。日本による防衛装備品の購入や、トヨタ自動車などの日系企業の対米投資拡大に「感謝している」と語った。
一方、首脳会談に同席した茂木氏が記者会見し、トランプ氏の発言は、早期合意の「期待感を述べたものだ」と指摘。合意を目指す時期は閣僚協議の中でも言及されていないと話した。
また、米国が求める日本の農産品関税の引き下げについて、トランプ氏から、日本が上限とする環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を上回る要求は「出なかった」と強調。米国側から、不当な通貨安誘導を禁じる「為替条項」や、サービス分野の交渉を求める声もなかったと説明した。 
電撃訪朝で7.10“拉致解散”か 永田町で流れる仰天シナリオ 4/27
「拉致問題で7月10日に衆院解散」――。永田町で、こんな仰天シナリオが囁かれ始めた。安倍首相が電撃訪朝して、拉致問題解決の期待を高め、衆院解散に打って出るというのだ。
「消費増税の延期で国民に信を問うパターンは3回目となるとインパクトが弱い。野党も増税反対だから選挙の争点にもなりません。そこで浮上しているのが、北朝鮮の金正恩労働党委員長とのサプライズ首脳会談で支持率を上げ、一気にダブル選になだれ込むシナリオ。7月7日に日朝会談、同10日解散、8月4日に衆参同日選挙という具体的な日程も囁かれています」(官邸関係者)
北朝鮮問題で蚊帳の外に置かれている安倍政権がいきなり日朝会談とは、にわかには信じがたいが、官邸が画策している兆候が、この1週間で次々と明らかになってきた。
まず、23日の閣議で報告された2019年版の「外交青書」から、「北朝鮮に対する圧力を最大限に高めていく」という表現が削除されたこと。対話路線に舵を切ったことをうかがわせる。
また、菅官房長官は25日の会見で、5月9日から訪米することを正式に発表。「拉致問題担当相として、解決に向けた日米の緊密な連携を確認する」という。
22日から欧米外遊中の安倍首相も、行く先々で拉致問題に触れて回っている。初訪問のスロバキアでは、北朝鮮と国交がある東欧4カ国(V4)の首脳らに協力を求めた。
27日、ワシントンで行われた日米首脳会談でも北朝鮮問題に多くの時間が割かれ、会談後、安倍首相は日朝首脳会談実現について「トランプ大統領から『全面的に協力する』と力強い言葉があった」と語った。
これまで頬かむりを決め込んでいた安倍首相と菅官房長官が突然、拉致解決をアピールし始めたのだ。
「官邸は当初、6月の日ロ首脳会談で、北方領土の2島先行返還に合意して信を問う『北方領土解散』を目論んでいました。しかし、日ロが行き詰まり、拉致問題に切り替えた。平壌に飛んで首脳会談を行うのは小泉元首相の猿マネですが、外交成果を上げるには北朝鮮問題しか残っていないのです。安倍首相は北との関係をこじらせた張本人だし、外交オンチで拉致問題や国交正常化などの難題を解決することは不可能でしょうが、瞬間的に支持率が上がり、ダブル選挙で大勝すればいい。今は北も追い詰められて苦しい状況です。制裁解除に日本が動くなら首脳会談に乗ってくる可能性はある。もちろん米国の了承を得る必要がありますが、トランプ大統領と異例の3カ月連続会談を行う理由のひとつが、日朝首脳会談の地ならしでしょう」(政治評論家・本澤二郎氏)
小泉訪朝当時、米国から「テロ支援国家指定」をされて追い込まれていた北朝鮮は、ブッシュ大統領との蜜月をウリにしていた小泉氏を利用しようとした面がある。金正日総書記が後ろ盾を頼って訪ロした際、プーチン大統領は会談の席で「コイズミは信頼できるから会うべきだ」と口添えしたとされる。その直後に平壌での日朝首脳会談が実現した。
北朝鮮を取り巻く現状が似ているのは確かだ。今年2月にベトナムで開かれた首脳会談が不調に終わり、米朝関係は膠着状態にある。トランプべったりの安倍首相は外交成果で功を焦っている。そんな中、金正恩委員長が訪ロして25日にプーチン大統領と初会談。ロシア側は「朝鮮半島をめぐる交渉の仲介役になる」と伝えたという。「シンゾーは交渉進展をチラつかせればカネを出すから会うべきだ」などと口添えした可能性もある。
選挙に勝つためなら何でもアリの政権だから、電撃訪朝でダブル選は十分あり得る話だ。」  
北朝鮮危機そっちのけ 大臣11人「GW外遊」に税金10億円 4/28
さんざん危機を煽っておきながらいい気なものだ――。北朝鮮情勢が緊迫する中で迎える今年のゴールデンウイーク。思い切りはしゃげない人もいるかも知れない。ところが、恒例の閣僚の“GW外遊”は相変わらず。27日、安倍首相がロシアに出発するのに続き、閣僚たちも世界各地に飛び立つ。20大臣のうち、半数の11大臣がノンビリと外遊する予定である。
11閣僚の他にも10副大臣、8政務官が外遊予定。費用はVIP待遇の大臣は1回につき約5000万円といわれている。副大臣以下を半分と見積もっても、10億円を超える出費である。
外務省の日程を見て仰天した。北朝鮮との交渉窓口であるはずの外務省。大臣、副大臣が外遊に行ってしまって4日間も“空白”が生じるのだ。
岸田外相は北朝鮮情勢に配慮し、サウジアラビア訪問を取りやめ帰国を早めた。ところが、安倍首相の実弟である岸信夫副大臣はカンボジア、パキスタン、薗浦健太郎副大臣は中南米を訪問する予定で、4月,30日〜5月,3日の4日間は大臣、副大臣が全員、日本にいないことになる。
外務省の大臣、副大臣が日本を離れるということは、本当は、北朝鮮危機など最初からないのか、危機などどうでもいいと思っているのか、自分だけは安全な地域に逃げようとしているのか、いずれかということだろう。
ちなみに、役に立つかはともかく、稲田防衛相と若宮健嗣副大臣は一応、国内で待機している。外務省に見解を文書で問い合わせたが、期限までに回答はなかった。政治評論家の山口朝雄氏はこう言う。
「北朝鮮と難しい状況に直面している時、外務省は出払って、防衛省は待機しているというのは大問題です。これでは、外交交渉はあきらめて、戦争に備えていると言っているようなものです。それに、官邸や外務省から“空白”にするのはまずいんじゃないかと声が上がらないのもおかしい。いつもの調子でGWを迎えているのでしょう。緊張感がなさ過ぎです」
今度の閣僚の外遊先は、北朝鮮はおろか、中国や韓国も見当たらない。急いでいく必要のない“楽な出張”ばかりだ。1人ぐらい金正恩に直談判しようという大臣はいないのか。やはり、安倍政権に外交は任せられない。 
閣僚は“卒業旅行” 議員140人以上が外遊三昧でGW満喫 4/28
大型連休のスタートと同時に、今年も国会議員の外遊ラッシュが始まった。140人以上がゾロゾロと連れ立って“物見遊山”で海外に行くというから、まったくフザケた話だ。もちろん、“旅費”は全額、国民の税金である。
夏に参院選があった昨年と比べ、今年は外遊に出かける議員が大幅に増えた。昨年、行けなかった分、取り返すつもりらしい。円安と消費増税で今年の海外旅行者は昨年比11.4%も減った(JTB推計)のに、自分の懐が痛まないからと、いい気なものである。
しかも、スケジュールまでお手盛りだ。
「衆参両院とも5月6日まで本会議と委員会を開かず、国会議員は11日間の超大型連休です。与野党が“あうんの呼吸”で政治休戦を決めました」(永田町関係者)
おまけに、国会議員の給料は来月から2割も上がる。103万円から129万円に、26万円増だ。給料が上がった分、国民に負担をかけて申し訳ないと、外遊を自粛するならまだしも、大した用もないのに出かけるのだからとんでもない。一体、どれだけいい思いをすれば気が済むのか。
もっとヒドイのが安倍内閣だ。首相を筆頭に閣僚18人中15人が海外を訪問する。国内にとどまるのは菅官房長官と谷垣法相、古屋国家公安委員長の3人だけ。昨年も閣僚11人が海外に出かけ、「多すぎる」と批判を浴びたのに、馬耳東風もいいところだ。
「安倍首相はドイツなど6カ国、岸田外相はフランスなど3カ国と、訪問先は26カ国に上ります。ところが、尖閣でこじれている中国を訪れる閣僚はひとりもいません。誰かひとりくらい訪中すべきでしょう」(外交関係者)
政治評論家の伊藤達美氏がこう言う。 「大型連休に国会議員が視察などの名目で海外に向かうのは恒例行事になっている。必ずしも必要だから行っているわけではありません。一応、衆参両議長に“報告書”を提出する義務がありますが、随行した議院職員が“代筆”するから、負担は少ない。閣僚の外遊は、7月上旬にも行われる内閣改造と無関係ではない。国務大臣として訪問国でチヤホヤされるうちに出かけたかったのでしょう」
今国会閉会後、内閣改造が予定されている。“卒業旅行”気分の外遊だとしたら、これまたフザケている。 
安倍首相の屈辱的写真 4/29
トランプのわきにレッドカーペットからはみ出して立たされた安倍首相の屈辱的な写真を日本のテレビ新聞はなぜ報道しないのか。いびつな写真撮影になぜなったのか。官邸HPに出ているこの写真について検証報道せずゴルフ外交など大本営発表を垂れ流すのならマスコミへの不信は膨らむばかりだ。 
「ニコ超」参加に異例の訪米… 4/29
“令和おじさん”で調子に乗る菅官房長官の正体と情報操作の手口!
菅義偉官房長官が完全に調子に乗っている。4月1日に、官邸での会見で「令和」を発表して以来、「令和おじさん」として一気に人気が高まったといわれる菅氏だが、28日、千葉・幕張メッセで行われた「ニコニコ超会議2019」に姿を現した。
ネトウヨや安倍応援団が多数詰めかけることで知られるニコ超には、安倍首相が何度も来場しているが、菅官房長官がやってくるのは初めて。菅長官は「外遊中の安倍首相の代理」などといっていたが、「令和おじさん」ブームに乗っかって、やってきたのは間違いない。実際、観客からは「令和おじさんだ」だという声が上がり、菅官房長官は終始ご満悦だった。
さらに、菅官房長官はこの5月9日から12日まで、自らが訪米することも発表している。菅官房長官の外遊は約4年ぶりで2度目。内政の事実上の統括者で危機管理などを担ってきた官房長官が外遊に出るのはきわめて異例だ。これも4月に入って急遽決めたスケジュールらしく、自民党内では「最近の人気で、ポスト安倍を本気で狙い始めた菅氏が、訪米で足場づくりを始めた」という見方が広がっていることを複数の新聞が報道している。
まさに「令和おじさん」人気で調子に乗っているとしか思えない菅官房長官だが、しかし、そもそも菅官房長官はいま、メディアやネットでしきりに語られているような「苦労人で人の話をよく聞く人格者」などではない。これまで様々な局面で、陰湿な謀略と情報操作を駆使し、官僚やメディアを恫喝、支配してきたまさに“安倍政権のゲッベルス”と呼ばれるにふさわしい人物だ。
そして、いま、何も知らないネット民が抱いている「かわいいおじさん」というイメージも、もとは、菅官房長官が仕掛けた情報操作によってつくられたものでしかない。
本サイトは先日、菅官房長官が「令和おじさん」のイメージとは全く逆の素顔をもっていること、そして、いまのブームにつながるようなイメージアップの記事をNHKにつくらせた疑惑があることを指摘した。
広がる「令和おじさん」ブームと調子に乗る菅官房長官の正体とは。記事を再録するので、是非読んでほしい。

今月1日、新元号発表をおこなったことによって若い世代から「令和おじさん」と呼ばれるようになった菅官房長官。過去にも当時官房長官だった小渕恵三が「平成おじさん」と呼ばれたから今回も不思議はない話だが、SNSでの菅官房長官の人気はすさまじく、〈さぞ激務であろうにそれをおくびにも出さず淡々と職責を果たされる普段の姿とのギャップがまた良い〉〈はにかんだ笑顔が良いです〉などといった投稿が続出。菅官房長官がパンケーキを頬張る画像などを添付した〈やばい菅官房長官知れば知るほど推せる〉という投稿は、なんと32万を超える「いいね」が押され、大拡散されている。
「安倍政権のゲッベルス」として安倍首相の強権的な政治運営を支えてきた菅官房長官が、パンケーキ好きというだけで「推せる」と言われてしまう。──なんとも気持ち悪いこの現象だが、5日の定例記者会見でも「いまネットで『令和おじさん』と呼ばれているという報道があったが」と質問が出て、菅官房長官は「承知はしてますけど、ピンときてないですね」と返答。こういう質問にだけはきちんと答えるのかとウンザリさせられるが、当の菅官房長官はニッコリと笑い、まんざらでもない様子だった。
しかも、この状況に丸乗りしているのが、テレビのワイドショー。きょう(4月9日)放送された『ひるおび!』(TBS)と『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日)では、菅官房長官の特集が組まれたのだ。
まず、『ひるおび!』(TBS)では、北海道知事選や大阪ダブル選で上手く立ち回ったのが菅官房長官であり、勝利に導いた立役者として紹介。さらに、塚田一郎・前国交副大臣の「忖度」発言についても辞任を進言したのは菅官房長官だとし、司会の恵俊彰は「非常に早い火消しでしたという評価でした」「菅さんって今週かなり目立っている」と語った。
現役副大臣が「私は総理や副総理を忖度します」と公言するなど前代未聞、言語道断の発言で、むしろ即刻罷免しなかったところに安倍政権の国民をバカにした態度が見てとれる。そもそも焦点にすべきは発言どおり「忖度」があったのかどうかだ。それを検証することもなく、数日経って辞任させたことを「早い火消し」などと評価する時点でどうかしているとしか思えない。
しかし番組は、菅官房長官の“苦労人”話や安倍首相との信頼関係といったエピソード紹介にばかり時間を割き、八代英輝弁護士は「さすが法政大学空手部だけあって笑顔がシャイですね」などとコメント。さらに田崎史郎氏はここぞとばかりに「今年、携帯料金下がりますけど、それも菅長官なんです」とアピールしたのだ。
おいおい、ちょっと待ってくれ。たしかに菅官房長官は携帯電話料金問題を節目節目でぶち上げ、昨年の沖縄県知事選では街頭演説で「携帯料金を4割程度引き下げる方向に向かって実現をしたい」と宣言した。だが、そもそも国には携帯料金値下げの権限はなく、今年の値下げというのも10月の楽天の参入に引きずられたものでしかない。現に、値下げを促す改正案が先月閣議決定されたが、実際に値下げとなるかは不透明だ。にもかかわらず、あたかも菅官房長官が携帯料金を値下げさせるような田崎氏の発言は、ただのフェイクでしかないだろう。
しかし、『ひるおび!』以上に酷かったのが、『大下容子ワイド!スクランブル』だった。
こちらも菅官房長官の苦労人エピソードを紹介し、末延吉正・元テレ朝政治部長は「ピュアな感じっていうのが一気に出てきた」「つらいことを経験しているからこその優しさ」などと歯が浮くような言葉を並べ立て、太田昌克・共同通信編集委員までもが「本当に叩き上げで人様の苦労がわかっている人に政治をやってほしいんですね」と言い出す始末。
これにはメインMCの大下容子アナウンサーも「ちょっとここはっていうところはないんでしょうか? いままで全部いい話ばかり」と苦言を呈したが、末延はそんな話は聞いていないかのように「かつてはナンバー2にいる人が力をつけると不協和音が出た。でも、出ないところが安倍、菅2トップのすごいところ」などと“安倍・菅コンビすごい!”に終始したのだった。
だが、もっとも目がテンになったのは、番組が紹介した自民党・平沢勝栄議員の言葉だ。菅氏と平沢氏は初当選同期の関係だが、番組では平沢議員による菅氏の印象をこう紹介したのだ。
「裏方に徹する 絶対に裏切らない 口が堅い ひたすら尽くす いろんな人の意見を聞く 自分ではしゃべらず徹底して聞き役になる 安倍さんは後ろを振り向かずに1人で突進する場面があるが、抑え役としては最高のコンビ」
菅官房長官が「いろんな人の意見を聞く」「徹底して聞き役になる」って、冗談じゃない。ご存じのとおり、菅官房長官は東京新聞の望月衣塑子記者の質問に対して「あなたに答える必要はありません」などと言い放ち、2017年には「ここは質問に答える場所ではない」とも発言した。気にくわない相手の話はハナからシャットアウトするのが菅官房長官ではないか。
しかし、『ワイド!スクランブル』にしても『ひるおび!』にしても、こうした菅官房長官の回答拒絶や官邸の記者排除問題には一切ふれずじまい。加計学園問題で「総理のご意向」文書を「怪文書」呼ばわりをして実在した文書をないもののように語ったことはもちろん、前川喜平・元文科事務次官のことを「前川氏は当初は責任者として自ら辞める意向をまったく示さず、地位にレンメン(編集部注・おそらく「恋々」の間違い)としがみついていた」などと虚偽の情報で人格攻撃したことにも言及しなかった。
つまり、ワイドショーは、これまでさんざん指摘されてきた菅官房長官の問題点は無視して、「ピュア」だの「いろんな人の話を聞く」だのといった現実からかけ離れた礼賛を垂れ流したのである。
反吐が出るような、あからさまなヨイショ報道──。ようするにこれは、ワイドショーはネット人気や二階俊博幹事長の“菅官房長官はポスト安倍”発言に乗じて、ここぞとばかりに菅官房長官に尻尾を振ったのだろう。
というのも、菅官房長官といえば、ニュース番組やワイドショーなどの放送をいちいちチェックしており、気にくわない報道やコメントがあれば、すぐさま上層部にクレームを入れることで圧力を高めてきた張本人だからだ。
有名なのが、『報道ステーション』(テレビ朝日)で古賀茂明氏が「I am not ABE」と発言し、レギュラーコメンテーターを降板させられた事件だろう。このとき官邸は古賀発言に大激怒し、本サイトでも当時伝えたように「菅官房長官の秘書官」が放送中から番組編集長に電話をかけまくり、出なかったため、今度はショートメールで猛抗議。その内容は「古賀は万死に値する」というようなもので、恫喝以外の何物でもなかった。
のちに古賀氏は著書『日本中枢の狂謀』(講談社)で、恫喝した菅官房長官の秘書官が警察官僚の中村格氏であったことを明かしている。中村氏といえば、官邸に近いジャーナリスト・山口敬之氏による伊藤詩織さんへの性暴力疑惑をめぐって、直前で山口氏の逮捕取りやめを指示した人物として知られるが、このようにして菅官房長官はマスコミをコントロールしてきたのだ。
しかも、菅官房長官は恫喝するだけではなく、マスコミ関係者と会食をしては手懐けるという安倍首相と同じ手法もとっている。そして、その会食相手には、きょう、菅官房長官ヨイショを繰り広げた『ひるおび!』の恵俊彰の名が取り沙汰されたこともある。
菅官房長官のこうした懐柔工作は、政権に批判的なキャスターにも向けられている。毎日新聞の主筆や『NEWS23』(TBS)アンカーなどを務めた故・岸井成格氏は、佐高信氏との対談本『偽りの保守・安倍晋三の正体』(講談社)で菅官房長官の手口を証言している。これによれば、岸井氏は企業の幹部に話をするという勉強会を長く続けていたのだが、その場に菅官房長官が突然、やってきたというのだ。
「(菅官房長官は)黙って来た。誰かから聞いて知ったんだろう。最初から最後までいたよ。終わると『今日はいい話を聞かせていただいて、ありがとうございました』と言って帰っていった。怖いよな」
「『どこで何を話しているか、全部知っていますよ』ということを見せているわけだ。『人脈も把握しています。岸井さんが動いているところにはいつでも入っていけますよ』というメッセージかもしれない」(『偽りの保守・安倍晋三の正体』より)
それどころか、いま、ネット上で大拡散している「パンケーキを頬張る菅官房長官」の写真にしても、菅官房長官とマスコミの癒着が背景にある。この写真はNHKの『政治マガジン』が昨年7月25日に配信した記事内で掲載されているものなのだが、この記事自体、「菅官房長官がNHKに書かせたもの」と言われているシロモノだからだ。
本サイトの既報に詳しいが、自民党総裁選を控えていた当時、安倍3選後の人事について安倍首相を擁する派閥・清和会が菅官房長官のすげ替えを要求しており、一方、菅氏は官房長官留任の流れをつくろうとNHKを使ったと見られている。つまり、猟官運動のために菅官房長官はNHKに提灯記事を書かせたのではないかというのだ。
テレビ局側にしてみれば、今回の菅官房長官人気は、安倍政権による“メディア圧力担当者”に媚びを売る絶好の機会だった。そして実際に、無批判な菅官房長官礼賛が垂れ流された──。このテレビの惨状こそが、「不正問題が問題化しない社会」をつくり、助長していることは間違いないだろう。 
紙幣刷新に漏れた二千円札 令和時代を生き残れるか 4/30
一万円、五千円、千円の紙幣(日本銀行券)が肖像画やデザインを変え、20年ぶりに刷新される。新元号「令和(れいわ)」の時代に合わせた世代交代ともいえるが、今回、刷新対象から外れたのが二千円札だ。他の紙幣より使い勝手が悪いため流通枚数が極端に少なく、刷新による偽造防止の必要性が低いと判断された。政府は需要拡大を促してきたが、思うような成果は上がっていない。地元のシンボルの守礼門が描かれた沖縄県では日常的に使われているが、全国規模で生き残ることはできるのか。
「二千円札は流通枚数が少なく、偽造防止の必要性が低いことから、デザイン変更は行わない」。菅義偉(すが・よしひで)官房長官は4月9日の記者会見で、二千円札が刷新対象から漏れた理由をこう説明した。
紙幣の刷新は、最新の偽造防止技術を反映させるのが主な目的だ。令和6(2024)年上期から発行される新たな一万円、五千円、千円の紙幣は、肖像の3D画像が回転するホログラムを世界で初めて紙幣に採用する。
一方、二千円札は平成12年の九州・沖縄サミットに合わせ、当時の小渕恵三首相がミレニアム(千年紀)プロジェクトの目玉として発行を決断した。これまで8億8000万枚が製造されたが、今年3月末時点で市中に出回るのはわずか約1億枚で、残りは日本銀行の備蓄などに回っている。一万円札の流通枚数が約100億枚。五千円札、千円札も合わせると150億枚近くに上り、二千円札とは大きな開きがある。
財務省理財局の可部哲生局長は4月10日の衆院財務金融委員会で「偽造防止を施して券面を刷新するには一定のコストがかかる。二千円券は流通残高が少ないことに加え、使用していない備蓄もある。新たなコストをかけるのは現時点では差し控えている」と説明した。
二千円札はなぜ流通枚数が少ないのか。日銀は二千円札のメリットとして「現金の支払い、受け取りに要する紙幣を節約できる」と強調するが、自動販売機で使えなかったり、主要な銀行の現金自動預払機(ATM)で出金できず、普及が阻まれた。現状では「日銀に備蓄されている保管高で対応できており、新たな製造は行っていない」(可部氏)という。
政府はこれまで二千円札の普及促進に努めてきた。日銀と一緒に二千円札をPRするリーフレットなどを作成し、金融機関やホテルで配布した。「日本のちいさな文化財」と日本語と英語で紹介し、日本人だけでなく訪日外国人にもアピールしている。金融機関には二千円札の積極的な払い出しの要請も行ってきた。それでも目立った成果はみられないのが実情だ。
とはいえ、“ご当地”の沖縄では「流通は増加している」(財務省幹部)という。地元銀行が優先的に二千円札を払い出すATMを設置するなど、普及に力を入れている。この幹部は今後も「日本銀行券への需要動向を注視しながら、日銀とともに二千円券の流通促進に取り組みたい」と語る。
ただ、インターネットのオークションサイトでは二千円の新札が2〜3割増の価格で出品され、早くもプレミア化しつつある。今回の刷新の対象から漏れたことで、取り残された感も出てきた。令和に入り、このまま消えていくのか、それとも何らかのきっかけで息を吹き返すか。紙幣刷新の裏で、ひそかに注目を集めている。 
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片山氏、女性初の列席=剣璽等承継の儀 5/1
片山さつき地方創生担当相は1日、新天皇陛下の即位に伴う「剣璽等承継の儀」に女性で唯一出席した。同儀式への女性の参列は憲政史上初。三権の長や閣僚らが出席者となるが、平成への代替わり時は女性の該当者がいなかった。皇族は明治以来の伝統を踏襲し、皇位継承権を持つ成年男性に限定した。
片山氏は金色の帯に薄いピンク色の着物姿。事前に宮内庁職員と色や柄まで入念に相談して決めたという。「安心して臨める」と周辺に語り、皇居に向かった。  
訪米した安倍首相と文大統領に待遇の違い? 5/2
中国紙・環球時報は1日、日韓の首脳に対する米国の対応が異なるとした韓国メディアの報道を紹介した。
4月26日から2日間、米国を訪問した安倍首相は、トランプ大統領とメラニア夫人、昭恵夫人と共に4人でホワイトハウスで写真撮影を行った際、地面に敷かれたレッドカーペットから外れる位置に昭恵夫人と立っていた。すると、脇から安倍首相に「もっと(中央に)寄って」との指示が。それに応じて安倍首相は昭恵夫人の手を引きながらトランプ大統領の方に近づいたが、トランプ大統領はなにやら短い言葉を発した。
環球時報はこうした経緯を紹介した上で、「日本のネット上では、トランプ大統領が発した言葉は『STOP(止まりなさい)』だったと解釈する声が多い」と説明。日本のツイッター上で「やはり日本を見下しているんだ」「主従関係が見て取れる」といった皮肉めいた声が相次いだと実際のツイートの写真を付けて紹介した。
さらに、韓国のテレビ局JTBCの27日の報道にも触れる。記事によると、JTBCの番組は「レッドカーペットの屈辱」と題してこの件を取り上げ、同じ場所でトランプ大統領夫妻と撮影した韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領はしっかりとレッドカーペットに乗っていたことを示す写真を比較対象として紹介。文大統領の際は足元に立ち位置を示すテープが貼られていたが、安倍首相の際はそれがなかったことなどを伝えた。 
韓国・文大統領は「史上最高レベルの逆神」なのか 5/2
平成最後の日米首脳会談が4月26日(日本時間27日)、ワシントンで開催された。ドナルド・トランプ大統領と、安倍晋三首相のツーショットを見ると、トランプ氏はいつもご機嫌である。安倍首相を心から信頼・尊敬し、大好きだという心情が伝わってくる。
ビル・ハガティ駐日米大使が事前に予告していたとおり、北朝鮮工作員による日本人拉致問題も議題に取り上げられた。米国の力が安倍首相の政治課題の解決に役立つならば、トランプ氏はひと肌でもふた肌でも脱ぐつもりに見える。
もっとも、トランプ氏が重視する対日貿易赤字問題は、まだ何も解消しておらず、ある程度、米国流の「ギブ&テイク」が日本側にも必要だ。だが、拉致被害者を全員取り返す重要性を考えれば、「そのくらい安いもの」という話になるだろう。
日米首脳会談に先立つ同11日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領もワシントンにいた。
文氏の訪米前に、韓国の大統領府は、最初に米韓両首脳だけの単独会談が2時間以上行われ、その後スタッフが同席して小規模会談を行った後、昼食兼拡大会談が開かれる予定と発表していた。
実際には、首脳だけで膝を突き合わせる「単独会談」は開かれず、代わりに両国のファーストレディーも参加した「米韓首脳夫婦会談」が行われた。この異例の形式は米国側が提案したという。
しかも、首脳会談は29分間行われたが、トランプ氏は文氏の存在をほぼ無視した状態で、報道陣との質疑応答を27分間も続け、実際の会談は2分程度だった。
これは、トランプ氏の「記者との質疑応答は大事だが、文氏と2人で話すのは時間がもったいない」という明確な意思表示である。他の解釈があれば教えてほしい。
文氏にすれば、自分が「大韓民国臨時政府設立100周年記念式典」を欠席してまで遠路はるばる訪米すれば、北朝鮮問題に関する米国の譲歩という「お土産」を、1つくらい渡してくれると期待したのだろう。
その期待にトランプ氏は「あなたを信頼も尊敬もしていない」「今回の訪米にはまったく意味がない」という態度を返した。
文氏が重視する行事の当日に米韓首脳会談をぶつけたのは、「わざわざ訪米しても無意味だから、無理して来なくていいよ」という、トランプ流の優しさだったのだろう。だが、文氏や側近は、その空気を読めなかった。
投資の世界には、重要判断を必ず間違える「逆神」と呼ばれる人がいる。核保有にこだわる北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長とともに、文氏もこのまま行けば、「歴史上最高レベルの逆神」になりそうな気がする。 
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安倍内閣使い放題の“ヤミ金” 官房機密費 67億円 5/6
安倍内閣が昨年1年間に支出した内閣官房機密費(報償費)約12億円のうち、菅義偉官房長官の裁量で領収書無しの支出ができる「政策推進費」が11億円を超えることが5日、本紙が情報公開で入手した資料で判明しました。第2次安倍内閣が発足してからの6年間でみると、菅官房長官は、官房機密費の中でも最も“つかみ金”の性格を持つ「政策推進費」を67億円も使ったことになります。
官房機密費をめぐっては、昨年1月に最高裁が支出に関する文書の開示を認めました。同年,3月、支出に関する文書の一部が公開されました。
最高裁判決を受け、官房機密費の使い方が変化するのか注目されましたが、前年までと変わらず「政策推進費」が支出の90%超を占めていました。
官房機密費は、会計検査院に対しても領収書や支払い相手を明らかにする必要がない“ヤミ金”の性質を持ちます。
その中でも「活動関係費」など他の支出は出納事務に内閣総務官らがたずさわり、内部処理では領収書を必要とします。
ところが、官房長官自身が管理する「政策推進費」は官房長官に渡された時点で、支出が完了したことになります。官房長官から先の支払先を明らかにする必要がなく、領収書も不要となっています。
昨年の全体の支出12億,3800万円余りのうち、「政策推進費」は11億1620万円。その他の「活動関係費」と「調査情報対策費」は計1億2200万円余りとなっています。
2012年12月に第2次安倍内閣が発足してから昨年12月末までに総額74億円余りを使っています。
一方、年度末までに使い切れずに国庫に返納した機密費は6年度分を全て合わせても,3,3万円余にすぎません。
第2次安倍内閣発足後の6年間で総額74億円を超えた内閣官房機密費(報償費)。実際の支出をみていくと、政府のこれまでの説明とは裏腹に、“使い切ることありき”の使われ方が疑われます。
「当時の外交案件等が照合されるなどして(中略)今後の外交交渉等に重大な支障を及ぼす恐れ」(2012年当時の内閣総務官の陳述書)
官房機密費の支出について情報公開を求めた裁判で、国はそんな主張で頑強に開示を拒んでいました。
昨年の最高裁判決では「政策推進費受払簿」など,3種類の文書が開示されることになりました。これらの文書は、いずれも機密費の支出先を書いたものではありません。それでも国側は裁判中、あれこれの“恐れ”を並び立てました。
ところが文書が開示されてみると、毎月だいたい1億円ずつを国庫から受領し、年間11億円前後を支出することの繰り返しでした。
驚かされるのは、国庫に返納する使い残した機密費の少なさです。6年間で、返納した金は合計で,3,3万円余にすぎません。
例えば2017年4月に国庫に返した16年度分の機密費は、わずか1万1,31,3円でした。その前月の,3月に、菅義偉官房長官が直接管理し、領収書がいらない「政策推進費」がふだんの2倍近い1億5290万円も支出されていました。
この金額は、金庫にあった機密費のうち業者などへの支払い分を残して、残額をほぼ全て菅長官に移した格好です。毎年この手法で、機密費がほとんど使い切られてきました。
また、菅長官の前任の藤村修長官(民主党・野田内閣)が使い残した「政策推進費」,3100万円を菅長官が使用したことも開示された文書で判明しました。
「機密」を都合のいい隠れみのにした、使い切り“ありき”の不適切な支出がないか、さらなる情報開示と国民のチェックが必要です。
改善の求めを無視 神戸学院大学・上脇博之教授に聞く
第2次安倍内閣の発足から6年で使われた内閣官房機密費(報償費)は74億円あまり。この金の実態を10年余りかけて、裁判で明らかにさせた上脇博之神戸学院大学教授に聞きました。
昨年3月に私たち原告団と弁護団は改善を求める要求書を菅義偉官房長官あてに送りましたが、何ら反応がなく無視されたままです。
官房機密費の中でも特に「政策推進費」は完全なブラックボックスです。過去には、共産党の入手した内部資料や官房長官経験者の証言などから目的外支出が行われた疑惑が指摘されてきました。
財政法は国民の税金の目的外支出を許していません。官房機密費が、目的どおりに使われている保証はどこにもないのです。過去に疑惑をもたれた以上、納税者の信頼が得られないのに、公金を使うべきではありません。
そこで私たちは、官房機密費の使途の秘匿性の程度の違いに応じて支出先を将来開示する時期を定めるよう要求しました。政治家や公務員への支出も禁止するよう求めました。しかし安倍政権は見なおしを拒否し続けています。改善しないなら政策推進費を即刻廃止するよう求めましたが、残念ながら菅長官は一顧だにしません。
全く改善しないというのは、政権にとって“使い勝手のいい”お金、つまり違法な目的外支出が簡単にできてしまうお金を手放したくないからでしょう。
安倍政権は情報公開をはじめ法令を守らず、あちこちで知る権利を侵害しています。これは安倍政権の体質です。官房機密費の改善拒否も、その体質のあらわれだと言わざるを得ません。 
「退位礼正殿の儀」での安倍首相発言に右翼団体・一水会が激怒 5/7
「末永くお健やかであらせられますことを願って“い”ません」――。4月30日に行われた「退位礼正殿の儀」で、安倍首相が「国民代表の辞」として挨拶した際、「已(やみ)ません」を「己(い)ません」と誤読したことに対し、右翼団体「一水会」が激怒している。
安倍首相の発言を受け、一水会は公式ツイッターに〈安倍総理が、4月30日の天皇陛下の退位礼正殿の儀で「天皇皇后両陛下には末永くお健やかであらせられます事を願って已みません・・あらせられます事を願って(已)いません」とやってしまった。これでは意味が逆。問題は、官邸HPから映像削除したこと。潔く字を間違えたこと認め不見識を謝罪せよ〉と投稿した。
ネット上でも〈字が読めないという事より、こんな人生最大の舞台で、普通の神経なら読み合わせ位はしてくるだろう。彼等の天皇を利用できれば良いという姿勢が現れている〉〈極めて厳粛な場で、自身で原稿を作成せず、読む練習すらしていない〉とケチョンケチョンだ。
安倍首相は過去にも「云々」を「でんでん」、「背後」を「せご」などと誤読しているが、今回ばかりはシャレにならない。 
安倍首相発言の波紋更に、自民党内から「説明責任を」 5/8
安倍総理が日朝首脳会談を無条件で目指す考えを示したことについて、今度は野党だけでなく与党内からも説明を求める声が上がりました。
「“条件なしに金正恩委員長とお会いしたい”。誰が言ってんのかな、今まで何言うててんと。“対話のための対話はだめだ”、“圧力を”と言ってたけど」(立憲民主党 辻元清美国対委員長)
立憲民主党の辻元国対委員長は北朝鮮を取り巻く各国のうちアメリカ、韓国、中国、ロシアの首脳が相次いで金党委員長と会談したことから、安倍総理は“方針転換”に追い込まれたのではと指摘しました。野党各党は予算委員会の開催を求め、安倍総理に発言の真意などについて質す方針を確認しました。
一方、身内である自民党内からも説明を求める声が上がっています。
「外交のことでありますので、もちろん全て国民に説明をしてというわけにはいかない。しかし、何がしかの説明責任を果たす義務も総理には同時にある」(自民・谷垣グループ 逢沢一郎代表世話人)
谷垣グループの逢沢代表世話人は安倍総理の発言を「相当思い切った踏み込んだ発言」とした上で、安倍総理は国民に対して一定の説明を行う義務があるという認識を示しました。 
菅長官が“外交デビュー” 米国で拉致問題協議へ 5/9
菅官房長官は拉致問題の担当大臣としてアメリカへ出発しました。国内の危機管理を担う官房長官が外遊するのは異例のことです。
今回の外遊ではアメリカ政府高官との会談も予定していて、拉致問題の解決に向けて日米の連携を強化する狙いです。菅長官は拉致問題担当大臣として、ワシントンでペンス副大統領のほか、北朝鮮との交渉の窓口となっているポンペオ国務長官とも会談します。日朝首脳会談の実現に向けて安倍総理大臣が打ち出した「無条件で金委員長と会う」という方針も含めてすり合わせを行います。また、ニューヨークの国連本部では拉致問題のシンポジウムに出席し、各国に協力を求めます。「令和」の発表で知名度が一気に上がり、「ポスト安倍」に急浮上した菅長官にとっての実質的な「外交デビュー」でもあります。  
官房長官が異例の外遊で「ポスト安倍」の声も上がるが… 5/9
菅義偉官房長官が9日から訪米してペンス米副大統領はじめ要人と会談する。
首相が内外を飛び回っていても、常に官邸にあって不測の事態に備えるのが官房長官の大事な仕事であって、官房長官の外遊そのものが前例が少ない上に、ホワイトハウスを訪れて副大統領と会うなどまさに異例中の異例。さっそく政界雀の間では「ポスト安倍の有力候補に浮上か」などとはやし立てる声も聞こえるが、本当のところはどうなのか、自民党ベテラン秘書氏に聞いた。
「菅首相? ないね。二階俊博幹事長が3月に『安倍4選は大いにあり得る』と言ったのは、『4選はない』という意味だ。ないどころか、安倍が3期目の残された任期2年4カ月を全うする可能性もきわめて少ないということだ。次にやはり二階が『菅はポスト安倍の有力候補』と言ったのは、『有力候補ではない』という意味だ」と彼は言う。
判じ物のようだが?
「早すぎるアドバルーンは先に落ちるのが必定だろう。すでに安倍政権は、改憲も北方領土も拉致もアベノミクスも出口が見えず、八方塞がりの状態。これでは夏の参院選は『どれだけ負けを少なくできるか』の戦いとなり、その結果次第でポスト安倍の政局展開のスピードが決まってくるのだが、それがどうであれ、安倍が任期途上で不本意な形で政権を投げ出すことになる可能性が高い。そうすると、この内閣の変わることなき主柱だった菅も共同正犯であって、安倍に取って代わる資格など生じるわけがない」とのことだ。
もう1人、自民党中堅議員にも「菅政権」の可能性について尋ねた。「私の仲間たちの間では『それだけはごめんこうむりたい』ということです」と言う。
なぜ? 「陰湿なんです、表情も声音も、やることのすべてが。人事とか候補者選びとかでも、人の弱みを押さえて有無を言わさず引き回し、その裏ではちゃんと自分の得につながるような打算を仕込んでおくといった、巧妙と言えばそうなんですが、まあ小ざかしいというか、姑息なやり方をする。睨まれると怖いから文句を言う者はいないけれども、心から支持して従っていく者は絶無でしょう。器が小さいと言うか、人の上に立つ人ではないです」と辛辣である。
そういった悪評を吹き飛ばすだけの大成果をワシントンから打ち上げることができるのか。菅訪米に注目したい。  
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外遊は、遊びではない 5/16
外で遊ぶと書いて「外遊」。政治家が外国訪問する際に、よく使われることばだ。10連休となったことしの大型連休も、国会議員の海外出張が相次いだ。議員たちは、海外で何をしているのか。アメリカと中国を訪れた議員たちに同行した番記者、そこで見たのは…。
みんなが行かない所に
自民党の加藤勝信総務会長は、4月29日から5日間の日程で、アメリカを訪問した。行き先は、南部ケンタッキー州と中西部イリノイ州。閣僚らの訪問が少ない地域をあえて選んだ目的は、地方都市との関係強化だ。安倍政権は、日米関係をより強固なものにするため、草の根交流に力を入れている。地方とは言え、イリノイ州の名目GDPは、サウジアラビアを上回り、ケンタッキー州はニュージーランドに匹敵する。加藤氏は、「ワシントンだけで、政治が動いているわけではない。日本としてのネットワークづくりに貢献したい」と述べ、意義を強調した。
政治家どうしで関係強化
会談したイリノイ州知事は、「加藤氏を歓迎できたことをうれしく思う」とツイート。ケンタッキー州知事は、加藤氏を、州議会議事堂や、ふだんは非公開の知事執務室に案内。さらにその夜、知事は加藤氏の宿泊先をサプライズ訪問。2人は握手を交わし、関係を強化していくことを確認した。地元の総領事館の職員は、「選挙で選ばれた政治家どうしのほうが、やはり馬が合う。外交の舞台は何かが起きてから動き出すのでは遅く、ふだんから、顔と顔を突き合わせてできる信頼関係が何よりも大事だ」と解説する。
貿易交渉を側面支援
加藤氏の訪米には、日米の貿易交渉を側面支援する狙いもあった。トランプ大統領は、日本から来る自動車が、アメリカの多額の貿易赤字の原因の1つになっているとして不満を示し、貿易交渉では自動車の扱いも焦点となっている。このため加藤氏は、およそ9000人の雇用を創出しているケンタッキー州のトヨタ自動車の工場を視察した。工場で働く従業員の負担を軽減するためのアシストスーツを試着。加藤氏は、「長時間、作業しても、体にかかる負担が少ないので、日本の農作業でも活用できる」と感心していた。そして知事との会談で、「工場は世界最大規模だ」とアピールした。ケンタッキー州知事は、トランプ政権の幹部とパイプがあるとの情報を得ていたからだ。知事は、ペンス副大統領がインディアナ州知事だった頃からの旧知の仲。トランプ大統領とも、直接、電話でやり取りする間柄だという。加藤氏はその後の講演でも、「日本企業がアメリカ経済に大きく貢献している」と訴え続けた。
成果はいかに
今回の訪米にかかった費用は、主に自民党が負担。自由時間は、ケンタッキー州でフライドチキンを食べた15分と、ショッピングモールでお土産を買った15分だけで、分刻みのスケジュールだった。加藤氏は、議員外交の必要性について、帰国後、次のように語った。「今回、地元の州知事と意見交換できたのは、大変、得難い経験だったと思っている。政府の外交だと、公式的な立場などがあるが、われわれの場合、もう少し踏み込んだ形で、『公式的にはこうだが、個人的にはこう思う』とか、そういう意見交換もできる」「政治家どうし、つながるものがあるんですね。アメリカだけでなく、ほかの地域を含め、政府の間でいろいろなことがあっても、次の時代に乗り越えて行くために、共通の基盤の中で、忌憚(きたん)のない意見交換を重ねていくことはすごく大事だ」
進次郎、外交の舞台へ
自民党の小泉進次郎氏は、同僚の若手議員とともに、5月1日から6日間の日程で、アメリカの首都ワシントンを訪問した。連日、早朝から上院議員や政府関係者、シンクタンクの専門家らと会談。参加議員全員が英語を話せるため、通訳は雇わずに今後の日米同盟のありかたなどについて意見交換した。かかった費用は、明らかになっていないが、議員事務所などが負担。小泉氏はこれまで、積極的に外交の舞台に立つことは控えてきた。まずは国内の課題に集中したいという思いがあったからだという。しかし衆議院議員になって、まもなく10年。震災復興や地方創生、農業、社会保障などの課題に取り組み、一定のキャリアを積んだとして、外交に打って出ることにしたのだ。アメリカは小泉氏にとって、政治家になる前に過ごした思い入れの強い国でもあった。国内では高い知名度と発信力で注目を集める小泉氏。外交でも存在感を示したいという思いがあったようだ。
古巣での講演
ハイライトは、かつて小泉氏が研究員として在籍していたシンクタンク、CSIS=戦略国際問題研究所での講演だった。「日本の新進気鋭の政治リーダーによる新たな展望」と題された講演会に、およそ200人が集まった。「好むと好まざると、日本は変わらなければならない。国際社会に対する関与を深め、より重要な役割を果たすべきだ」小泉氏は、日米同盟を基軸に、アメリカなどとの協力強化を目指す方針を示した。父親である小泉純一郎元総理大臣が、ブッシュ元大統領と日米関係を強化したことや、エルビス・プレスリーが好きだったことなどを紹介しながら、じょう舌に語った。また小泉氏は、日本の少子高齢化社会の現状を説明し、社会保障や雇用制度などの改革に取り組む考えも示した。「日本はニューフロンティアに足を踏み入れんとしている。人口減少と人生100年という時代に、日本が将来にわたって発展できるよう、22世紀を見据え、変革し続ける」
得たものは
小泉氏は、講演の準備を入念に行ったが、講演中には珍しく緊張もしたという。講演の終盤、次のように、変革への意欲を強調した。「ケネディ元大統領のように、私は日本国民の力を引き出し、日本の未来に必要なすべての改革を実行し、そのために、全力を尽くす覚悟だ」小泉氏は、総理大臣を目指す決意表明ではないと否定するが、講演のテーマは、外交から内政まで幅広く、さながら政権構想を聞いているようだった。講演を終えた小泉氏に、CSISのかつての上司は、「シンジロー、ホームランを打ったな」と声をかけた。今回のワシントン訪問で何を得たのか、小泉氏は次のように振り返った。「英語で30分を超えるスピーチは、日頃多くの場で話をする私にとっても緊張の時間だったが、準備を含め自分に負荷をかけることで、鍛える機会になった。日本に対して前向きな見方をしてくれる人が増えるよう、発信の機会を増やさないといけない」小泉氏の政治家人生の中で、今回の講演は、節目の1つになるかもしれない。
7分の重み
一方、自民党の二階俊博幹事長は4月24日から6日間の日程で中国を訪問した。訪中団は、議員8人と副大臣1人、それに経済団体の幹部など、合わせておよそ30人。かかった費用は、明らかになっていないが、議員と党職員の分は主に党から出されたという。目的は、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」をテーマにした国際フォーラムに出席するためだが、二階氏は、この機会を生かし、習近平国家主席との会談を実現させた。二階氏は、習主席に安倍総理大臣の親書を手渡し、G20大阪サミットにあわせて日本を訪問するという確約を取り付けた。その会談、15分間の予定だったが、22分に延びた。たった7分の延長だが、関係者は「会うことすら難しい習主席との会談が実現し、時間が延びたのは、二階氏だからこそで、厚遇されている表れだ」と話す。そもそも中国要人との会談日程はなかなか決まらないというのが日本の政界では常識になっているが、今回は日本をたつ前に会談がすでにセットされていただけでなく、その時間帯まで固まっていた。他党の議員からも「通常ではありえないことだ」と驚きの声が出た。
カツオ外交
要人との会談ばかりではない。今回は、高知、滋賀、山梨の県知事も同行。それぞれ地元の特産品などをPRするイベントを開催。日本大使公邸を会場として使い、中国のメディアや旅行会社、飲食業界などおよそ130人が集まった。SNSで影響力を持つ「インフルエンサー」と呼ばれる人たちも招待。日本の特産品を食べる様子をスマートフォンで中継する様子が見られた。以前ロシアを訪れた際、マグロの解体ショーを企画した二階氏は、今回、高知県のカツオを生かした。束にしたわらに火をつけて表面をあぶる「かつおのたたき」を披露され、激しく燃え上がる炎とかつおの味は現地の人たちの心をつかんだようだ。しかし、二階氏は最後に関係者にくぎを刺すことも忘れなかった。「『日中友好』て言うて、熱心に叫ぶ人が多いことは事実ですけど、そんなこと叫んでるだけではしょうがないんですよ。現地の皆さんに、日本の食品を食べてもらって、あるいは見てもらって、理解してもらうという努力が、日本側に足りないのではないか。あとは関係者の努力を待つのみです」
首脳級の待遇
大使館関係者は、「二階幹事長は首脳級の待遇だ」と話す。まずは警護。二階氏には、日本では常に1人のSPがついているが、上海を訪れた際は、中国側が複数の警護官を用意。写真で、左側に写っている2人がそうだ。二階氏が移動する車にも同乗する徹底ぶりだった。さらに、上海で二階氏が移動した際の車列は10台以上。写真前方に見える白い車に二階氏が乗っている。一方、北京で、政府要人と会う際は、日本国旗を掲げた黒塗りの車が用意されていた。中国と独自の人脈を持つ二階氏。同行した記者団に対し、訪中の成果を次のように振り返った。「友好の目的を果たすことができた。満足する旅だった」
同行記者、という存在
ここで同行記者の姿も少し紹介したい。外国訪問には、複数の社の記者が同行することが多く、小型バスやワゴン車で一緒に移動する。会談やイベントを次々取材するため、基本的に記事は移動中の車内で書く。車酔いをしやすい人にとってはつらいものだ。厳しいセキュリティーチェックにさらされることもしばしばある。今回、同行記者団が宿泊したホテルには、二階氏をはじめ各国要人が宿泊していたため、出入りのたびに、荷物検査を受け、金属探知機を通った。パスを持っていないと、会場にすら入ることができないことも多い。今回、二階氏が出席した一帯一路のフォーラムには、こうしたパスが必要だった。
友好議連 “とにかく顔を合わせる”
別の国会議員の一行も、5月4日から3日間の日程で、大型連休中に北京を訪れていた。超党派の「日中友好議員連盟」だ。与野党の国会議員およそ250人が所属し、数ある議員連盟の中でも最大規模。伝統ある議員連盟で、ほぼ毎年、大型連休に訪中している。今回は、会長を務める自民党の林芳正前文部科学大臣や、立憲民主党の会派に所属する岡田克也元外務大臣、公明党の北側一雄副代表ら、与野党の国会議員14人が参加した。費用は、2泊3日で議員1人当たり40万円余り。それぞれの事務所などが支払っている。大型連休で値上がりした航空券の費用が大半を占め、宿泊代は中国側が負担したそうだ。決して安くない費用を議員みずから負担して、中国を訪れる意義は何なのか。訪問に先立って、林氏に聞いてみると、意外にもこんな答えが返ってきた。「これという目的があるんじゃなくて、とにかく毎年、みんなで中国に行って顔を合わせることが大事なんですよ」
日中関係を下支え
実際に同行してみると、発言の意味が分かってきた。議員連盟は、中国共産党の最高指導部の1人と会談。共産党の序列4位で国政の助言機関である政治協商会議の汪洋主席だ。汪氏は会談の冒頭、「両国の関係が非常に困難な時期も、絶えることなく代表団を派遣し、友好関係を推し進めるために努力されたことを心より称賛したい」と評価した。尖閣諸島をめぐる関係などで日中関係が冷え込んだ時期も、中国訪問を継続することで、関係改善を促してきた議員連盟。日中関係のさらなる発展につなげたい考えだ。
北朝鮮情勢めぐるやり取りも
非公開で行われた次期駐日大使の孔鉉佑外務次官との会談では、北朝鮮問題に多くの時間が割かれたという。孔氏は、北朝鮮による飛しょう体の発射について、「北朝鮮は焦燥感に駆られているのではないか」として、発射はアメリカに対する揺さぶりだという見方を示した。また中国としても、安倍総理大臣が意欲を示す日朝首脳会談の実現に向けて協力する考えを伝えたという。会談後、議員の1人は、「かなり突っ込んだ話ができた。同席した外務省の職員がすぐに総理大臣官邸に報告するんじゃないか」と興奮した様子だった。
与野党議員が「部屋飲み」
訪問中、議員団の自由時間はほとんどなかった。見ていたかぎり、到着後、要人との夕食会に参加するまでのおよそ2時間だけ。その間も、多くの議員が、地元の支援者へのお土産選びなどに奔走していた。一方、中国滞在中は、ふだん、国会で激しい論戦を交わす与野党の議員たちも、終始、和気あいあいとした雰囲気だった。夕食会後には、林氏のホテルの部屋に議員たちが集まり、いわゆる「部屋飲み」をして、さまざまな「裏話」に花を咲かせたようだ。議員たちにとっては、党派を超えて交流し、英気を養う効果もあったのかもしれない。
先につながる外遊を
各議員、「外遊」と言っても、もちろん遊んでいたわけではない。それぞれに目的と成果もある。議員外交には、政府に代わって機動的に動くことや、将来を見据えて人脈作りを行うことなどが求められているように感じた。そのためには継続も大事だ。先につながる中身の濃い「外遊」を期待したい。 
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●安倍首相 4/22-29
  フランス イタリア スロバキア ベルギー 米国 カナダ
フランス共和国
現地時間4月23日、午前12時10分(日本時間23日午後7時10分)から約50分間、フランスを訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は、エマニュエル・マクロン・フランス共和国大統領と首脳会談を行い、続けて午後1時から約80分間、昼食会に出席した。
1 冒頭
(1)マクロン大統領から、安倍総理大臣の訪仏を歓迎する旨述べるとともに、G7/G20議長として協力していきたい旨述べました。これに対し、安倍総理大臣から、本年2月に大成功のうちに閉幕した「ジャポニスム2018」でのフランスの協力に改めて感謝を述べるとともに、日仏両国でG20/G7の議長国として、共に世界をリードする決意を述べました。
(2)安倍総理大臣から、パリのノートルダム大聖堂の火災について、マクロン大統領及びフランス国民に対する心からのお見舞いを伝達し、マクロン大統領から感謝の意が表明されました。
2 G20/G7に向けた協力
(1)両首脳は、G20とG7の相乗効果を高めていくことで一致し、G7ビアリッツ・サミットとG20大阪サミットの成功に向けて、G20/G7の議長国として引き続き協力していくことで一致しました。
(2)また、安倍総理大臣から、G20大阪サミットの際にデータ・ガバナンス、特に電子商取引に焦点を当て議論する「大阪トラック」を立ち上げるべく、フランスの力強い支援を要請する旨述べました。両首脳は、自由貿易体制の維持が国際社会の最重要課題であるとの認識の下、WTO改革のモメンタムを維持する必要性につき一致しました。また、両首脳は、気候変動や海洋プラスチックごみを始めとする環境・地球規模課題への貢献等に取り組み、力強いメッセージを発出することで一致しました。
3 二国間関係
(1)両首脳は、自由で開かれたインド太平洋の維持・強化について立場を共にしていることを確認し、具体的な案件の実施に向けて取り組んでいくことで一致しました。
(2)安全保障・防衛分野について、安倍総理大臣は、今月の仏海軍フリゲート艦「ヴァンデミエール」と海自の共同訓練、現在調整中のインド洋での仏空母「シャルル・ド・ゴール」との共同訓練、日仏物品役務相互提供協定(ACSA)の早期発効へ向けた協力など、具体的な連携の進展を歓迎しました。また、両首脳は、本年1月の日仏外務・防衛閣僚会合(「2+2」)の成果も踏まえ、海洋安全保障等の様々な分野で協力の具体化に向け緊密に連携していくことで一致し、第1回包括的海洋対話を年内に開催することを確認しました。
(3)両首脳は、経済関係について、人工知能(AI)やイノベーションやスタートアップ、民生原子力の分野で両国の間の協力が拡大していることを歓迎しました。
4 日EU関係
(1)両首脳は、本年2月の日EU・EPAの発効やSPAの暫定的適用開始を踏まえ、引き続き日EU関係(PDF)別ウィンドウで開くを強化していくことで一致しました。
(2)安倍総理大臣から、英国のEU離脱に関し、「合意なき離脱」の回避への期待を表明したのに対し、マクロン大統領から先般の欧州理事会での決定を踏まえ、現状の説明がありました。
5 地域情勢
両首脳は、地域情勢等についても議論を行い、引き続き両国間で緊密に意見交換していくことを確認しました。
(1)北朝鮮情勢について、両首脳は、引き続き、安保理決議に基づき、北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルのCVIDの実現に向け、緊密に連携していくことを確認しました。また、マクロン大統領から、哨戒機及び船舶の派遣による「瀬取り」対処で引き続き貢献したいとの意向が示され、安倍総理大臣からこれを高く評価する旨述べました。
(2)アフリカについて、両首脳は、G7サミットからその後のTICAD7に向けて、アフリカ開発に向けた気運を盛り上げるべく両国で協力していくことを確認しました。
(3)また両首脳は、核合意を含むイラン情勢等についても意見交換を行いました。
イタリア共和国
現地時間4月24日、12時10分(日本時間24日午後8時10分)から約60分間、イタリアを訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は、ジュゼッペ・コンテ・イタリア共和国首相と首脳会談を行った。
1 冒頭
(1)コンテ首相から、安倍総理大臣のイタリア訪問を歓迎するとともに、多くの課題について、共通の立場をとっている日本の総理大臣とG20サミットを前にして議論する機会を持てることに感謝する。様々な分野で日伊で協力していきた旨述べました。
(2)これに対し、安倍総理大臣から、G20大阪サミットの成功に向け、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を共有するイタリアと緊密に連携したい旨述べました。
2 G20における協力
(1)両首脳は、G20大阪サミットの成功に向けて、イタリアが再来年にG20議長国を務めることを踏まえ、日伊両国が緊密に連携して国際社会の取組をリードしていくことで一致しました。
(2)安倍総理大臣から、G20大阪サミットの際にデータ・ガバナンス、特に電子商取引に焦点を当て議論する「大阪トラック」を立ち上げるべく、イタリアの力強い支援を要請するとともに、自由貿易体制の維持が国際社会の最重要課題であるとの認識の下、WTO改革のモメンタムを維持する必要性を強調しました。また、質の高いインフラ、気候変動や海洋プラスチックごみを始めとする環境・地球規模課題への貢献等に取り組み、力強いメッセージを発出したいとの考えを説明しました。
(3)コンテ首相からこれに賛意が示され、その上で、両首脳は、自由貿易の推進、WTO改革、データ・ガバナンス、質の高いインフラ、環境・地球規模課題等の分野で、日伊両国が協力していくことを確認しました。
3 二国間関係
(1)コンテ首相から、「自由で開かれたインド太平洋」に対する支持が表明され、両首脳は、その維持・強化のため具体的協力案件の形成に向けて連携していくことで一致しました。
(2)また、両首脳は、日伊防衛装備品・技術移転協定の発効を歓迎し、具体的な協力実現に向けて、防衛当局間の対話を強化していくことを確認しました。
(3)安倍総理から、本年8月に予定されるTICAD7へのイタリアからの出席やサイドイベントの実施を歓迎し、両首脳は、アフリカに関しても連携を強化していくことで一致しました。
(4)安倍総理から、今般、日本政府として、日伊映画共同製作協定の締結に向けた交渉開始を決定したことを伝え、コンテ首相からは歓迎の意が表明されました。
(5)両首脳は、安全保障・防衛、文化、貿易・投資等の幅広い分野で、日伊関係を一層強化していくことを確認しました。
4 日EU関係
(1)両首脳は、本年2月の日EU・EPAの発効を踏まえ、引き続き日EU関係を強化していくことで一致しました。
(2)英国のEU離脱に関し、両首脳は、英国の円滑なEUからの離脱の実現は欧州経済にとっても利益であり、「合意なき離脱」を回避する重要性を確認しました。
5 地域情勢
(1)両首脳は、地域情勢等についても議論を行い、引き続き両国間で緊密に意見交換していくことを確認しました。
(2)北朝鮮情勢について、両首脳は、引き続き、安保理決議に基づき、北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な廃棄を実現すべく、緊密に連携していくことで改めて一致しました。また、安倍総理は、最重要課題である拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を求め、コンテ首相の支持を得ました。
スロバキア共和国
4月25 日(木曜日)9時17分(現地時間)から約40分間、スロバキア共和国を訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は、ペレグリニ・スロバキア共和国首相と首脳会談を行った。
1 冒頭
ペレグリニ首相から、初めての日本の総理によるスロバキア訪問を歓迎する、二国間での会談に加え、ブラチスラバにおいて「V4+日本」の枠組でも会合ができることは大変な光栄である旨述べました。これに対し、安倍総理から、日本の総理大臣として初めてスロバキアを訪問したことを嬉しく思う、本年OSCE議長国、OECD閣僚理事会議長国を務め、国際社会で活躍するスロバキアとの関係を一層深めたいと述べました。
2 文化交流
両首脳は、来年2020年の「日・スロバキア交流100周年」を両国の伝統的友好関係を更に発展させる機会とすべく協力することで一致しました。
3 経済関係
安倍総理は、現在、日本から60社以上の企業がスロバキアに進出し、両国の経済関係が大きく発展していることを歓迎すると述べました。また、7月1日には日・スロバキア社会保障協定が発効する予定であり、両国間の人的・経済的交流が一層促進されることを期待する旨述べました。安倍総理から、従前よりの製造拠点としての強みを活かし更なる潜在性のあるスロバキアへの投資を促進するため、スロバキアへのJETROミッションの派遣を決定したと述べるとともに、日EU・EPAの発効も受けて両国間の経済関係が更に深化することを期待する旨述べました。これに対し、ペレグリニ首相は、V4諸国なかんずくスロバキアが有する潜在力を紹介し、両首脳は二国間の経済関係を一層発展させていくことで一致しました。さらに、総理から、G20における自由なデータの流通の推進に関する取組について紹介し、ペレグリニ首相から、安倍総理のイニシアティブを支持する旨の発言がありました。
4 地域情勢
両首脳は、北朝鮮情勢を含む地域情勢及び国際情勢についても意見交換を行いました。安倍総理から、我が国の最重要課題である拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を求め、ペレグリニ首相の支持を得ました。
「V4+日本」対話・協力
4月25日(木曜日)10時35分(現地時間)から約70分間、スロバキア共和国を訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は、第3回「V4+日本」首脳会合に出席した(V4側から、ペレグリニ・スロバキア首相(V4議長)、バビシュ・チェコ首相、モラヴィエツキ・ポーランド首相及びヴァルガ・ハンガリー経済担当副首相兼財務大臣が出席)。
1 日EU関係、「V4+日本」協力
(1)安倍総理とV4各国首脳は、昨年10月に続く首脳会合の開催を歓迎し、日本とV4は基本的価値を共有するパートナーであるとの認識を改めて一つにし、国際社会の様々な課題につき協力していくことを確認しました。
(2)また、安倍総理とV4各国首脳は、「V4+日本」経済セミナーや西バルカンにおける協力、科学分野での協力など最近の主要な「V4+日本」協力の成果を確認し、協力の継続と強化につき一致しました。
2 国際社会の課題
安倍総理とV4各国首脳は、北朝鮮について直近の情勢を踏まえた議論を行い、引き続き連携していくことで一致しました。また、我が国の最重要課題である拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を求め、V4諸国から理解と賛同を得ました。さらに、英国のEU離脱について、安倍総理から「合意なき離脱」の回避を強く期待するとの日本の考え方を伝え、V4側と一致しました。このほか、安倍総理とV4各国首脳は、東アジア情勢及び欧州情勢、移民問題や気候変動への対応について意見交換を行いました。
3 ルールに基づく自由で開かれた経済システム
安倍総理とV4各国首脳は、ルールに基づく自由で開かれた経済システムの維持・強化に向け、WTO改革を含む自由貿易の推進と経済成長、質の高いインフラ投資の推進、データガバナンスの重要性を確認しました。安倍総理からは、G20議長国としての取組を説明しました。
(注) V4:チェコ、ハンガリー、ポーランド及びスロバキアによる地域協力の枠組み。1991年にハンガリーのヴィシェグラードで創設された。首脳、外相、高級実務レベルの対話に加えて、科学技術、第三国支援、防災、環境、などの幅広い分野で「V4+日本」の協力が進められている。
チェコ共和国
現地時間4月25 日(木曜日)12時20分頃から約30分間、スロバキア共和国を訪問中の安倍晋三内閣総理大臣はバビシュ・チェコ共和国首相と首脳会談を行った。
1 冒頭、安倍総理より、チェコは自由、民主主義、法の支配といった基本的価値を共有する重要なパートナーであり、幅広い分野で二国間の関係が活発化していることは喜ばしいと述べた上で、両首脳は、即位の礼や東京五輪などの機会を活用して首脳間の相互往来を活発化させていくことで合意しました。
2 また、両首脳は、日EU・EPA発効を機に、両国の経済関係を一層発展させていくことで一致しました。
3 さらに、両首脳は、今後の「V4+日本」協力について議論するとともに、サイバーセキュリティー、気候変動、北朝鮮情勢を含む地域情勢への対応についても意見交換を行いました。
ポーランド共和国
4月24日(水曜日)午後7時20分(現地時間)から約75分間、スロバキア共和国を訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は、モラヴィエツキ・ポーランド共和国首相と首脳会談(夕食会)を行った。
1 冒頭
安倍総理から、本年は、日・ポーランド国交樹立100周年の年であり、ともに盛り上げていきたい、また戦略的パートナーシップ関係の発展を歓迎し、国際社会で存在感を強めるポーランドと、今後も緊密に連携したい旨述べました。これに対してモラヴィエツキ首相から、前回お会いしてから期間をおかずに会えて嬉しい、ポーランドはEUの中で重要性が高まっており、日本との間で戦略的関係を追求していきたい旨述べました。
2 文化・人的交流
安倍総理は、100周年を記念して文化紹介、経済セミナー等の様々な行事が行われる予定であり、これらを通じて両国民の相互理解がさらに深まることを期待する、また、ワーキングホリデー制度を通じた人的交流の拡大に努めたいと述べました。
3 経済関係
安倍総理より、ポーランドには約300社の日本企業が進出し、2016年に就航した成田−ワルシャワ直行便が今年3月から週7便に増加されたことなど、日・ポーランドの良好な経済関係について言及し、両首脳は、日EU・EPA発効を機に、両国の経済関係を一層発展させるために協力していくことで一致しました。
4 戦略的パートナーシップ
両首脳は「戦略的パートナーシップに関する行動計画」に沿って、様々な分野で協力が進展していることを確認し、最近ではクリーン・コール・テクノロジー協力に関する覚書が締結されたこと等を歓迎しました。
5 地域情勢
両首脳は、北朝鮮情勢を含む地域情勢や国際情勢について意見交換を行いました。安倍総理から、最重要課題である拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を求め、モラヴィエツキ首相の支持を得ました。
欧州連合(EU)
4月25日(木曜日)、ベルギー・ブリュッセルを訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は、18時25分(現地時間)から約40分間、ドナルド・トゥスク欧州理事会議長及びジャン=クロード・ユンカー欧州委員会委員長との間で第26回日EU定期首脳協議を行った。定期首脳協議に先立ち、約20分間のテタテ会合が実施され、定期首脳協議後には、共同記者会見及び夕食会が行われました。また、今回の定期首脳協議に際し、共同声明が発出されました。
1 G20大阪サミットに向けた連携 
(1)両首脳は、日本とEUとが、6月のG20大阪サミットの成功に向けて緊密に協力していくことで一致しました。安倍総理から、G20大阪サミットの際に、データ・ガバナンス、特に電子商取引に焦点を当てて議論する「大阪トラック」を立ち上げるべく、EUの力強い支援を要請し、先方からの支持を得ました。
(2)また、両首脳は、自由貿易体制の維持が国際社会の最重要課題であるとの認識を共有し、世界貿易機関(WTO)上級委員会の適切な機能の確保に向けて協力していくことを含め、WTO改革のモメンタムを維持する必要性につき一致しました。
2 日EU関係
(1)両首脳は、本年2月に日EU経済連携協定(EPA)が発効し、日EU戦略的パートナーシップ協定(SPA)の暫定的適用が開始されたことを歓迎しました。
(2)両首脳は、日EU・EPAの発効によって日EU関係が新たな次元に移行したこと、本年4月の第1回合同委員会が成功裏に開催され、協定が発効後概ね順調に運用されていることを確認し、引き続き協定を活用した日EU間の貿易・投資の促進の重要性につき一致しました。
(3)また、両首脳は、日EU・SPAに関し、本年3月の第1回合同委員会の開催を歓迎し、持続可能な連結性及び質の高いインフラ、地球規模課題等を中心に、SPAの下での日EU協力を進めていくことを確認しました。
(4)さらに、安倍総理から、震災からの復興は引き続き我が国の最優先課題であるとして、EUによる日本産食品等の輸入規制に関し、科学的根拠に基づく早期規制撤廃を働きかけました。
3 地域情勢
両首脳は、英国のEU離脱問題のほか、中国、北朝鮮、イラン、ウクライナ等の地域情勢についても、忌憚ない意見交換を行いました。特に、北朝鮮情勢については、国連安保理決議に基づき、北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ不可逆的な廃棄を実現すべく、緊密に連携していくことで改めて一致しました。また、最重要課題である拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を求め、トゥスク議長とユンカー欧州委員長の支持を得ました。
第26回日EU定期首脳協議 共同声明 2019年4月25日、ブリュッセル
安倍晋三日本国内閣総理大臣、ドナルド・トゥスク欧州理事会議長及びジャン=クロード・ユンカー欧州委員会委員長は、本日、ブリュッセルにおいて、第26回となる日本と欧州連合(EU)との定期首脳協議を行い、次の声明を発出した。
我々日本及びEUの首脳は、国際法の尊重に基づく平和、安全保障、持続可能な開発及び繁栄のために協力する決意を再確認する。我々は、効果的な多国間主義、民主主義、人権、国際連合をその中核とするルールに基づく国際秩序を支持するため、引き続き協力していく。
○ 日EU関係
我々は、本年2月1日に日EU戦略的パートナーシップ協定(SPA)の暫定的適用が開始されたことを歓迎する。また、我々は、日EU・SPAの第1回合同委員会において、持続可能な連結性及び質の高いインフラ、地球規模課題、データ・セキュリティ及び安全保障協力を含む、日EU・SPAの下での優先分野が議論されたことを歓迎する。この文脈において、我々は、海洋ガバナンスを含む海洋問題についての対話を強化する。日EU・SPAは、日EUのパートナーシップ全般を強化し、平和、安定及び繁栄をグローバルに進める日EUの強固な政治的意思を示すものである。
我々は、日EU経済連携協定(EPA)が2月1日に発効したことを、日EU関係における最大の成果の一つとして歓迎する。EPAは、自由で、開かれた、ルールに基づく、かつ、公正な貿易及び投資を促進するための21世紀における高い水準のルールのモデルである。我々はまた、EPAの第1回合同委員会が開催され、双方の市民、消費者及びビジネスの利益のため、この協定を完全かつ効果的に実施し、この協定による関税その他の特恵の利用を最大限促進するとの共同のコミットメントを確認したことを歓迎する。我々は、国際基準を遵守すること等を通じて、日本及び欧州の産品の市場アクセスを拡大するとのコミットメントを再確認する。この観点から、我々は、乳及び乳製品、卵及び卵製品に関するEUの第三国リストへの日本の掲載を歓迎するとともに、日本とEUの産品に関する輸入措置の更なる見直し及び地域主義に関する進行中の取組を含む双方の重要課題への対処に、引き続き取り組んでいく。同時に、我々は、環境及び労働に関する高い水準の保護の必要性に留意しつつ、持続可能な開発に貢献する方法で国際貿易の発展を促進することの重要性を想起する。この点に関し、EPAの貿易及び持続可能な開発章の規定の実施の重要性を再確認する。日本とEUとは、高い水準の合意を達成することを目指し、投資に関する協議を続けていく。我々は、国際貿易における課題、エネルギー・環境・気候変動問題に関連した経済の転換、国際的な投資及び連結性に関するイニシアティブ並びにデジタル経済に焦点を当てた、日EUハイレベル産業・貿易・経済対話の設立及び201 8年10月の第1回会合の開催を歓迎する。
我々は、G7及びG20における質の高いインフラ及び持続可能な成長のための資金の動員へのコミットメントを含め、日EU間及び国際場裡におけるルールに基づく連結性へのコミットメントを強調する。我々は、既存の日EU間協力枠組みを活用し、運輸、エネルギー、デジタル、 人的交流を含む持続可能な連結性及び質の高いインフラについてのパートナーシップにコミットする。我々は、インド洋から太平洋にまたがる地域を含む欧州・アジア太平洋間の連結性に関し、経済、社会、財政、金融及び環境の持続可能性の改善に向け、引き続き協力する。我々は、 透明性、包摂性、連結性における投資者及びビジネスの公平な競争条件、無差別のアクセス、 開放的な公共調達、債務持続可能性、国際的な財産権の保護、国際規範及び基準の尊重を促進させるよう協力する。また、我々は、日EU間の運輸協力を深化させることで一致し、可能な限り本年中の日EUの航空の安全に関する協定の迅速な署名に期待するとともに、航空業務の一定の側面に係る協定を可能な限り早期に交渉する。
我々は、高い水準の個人データ及びプライバシーの保護、中核となる一連の個人の権利並びに独立したデータ保護機関による執行に基づき、データが安全に流通する世界最大の地域を創出し、及び両国の仕組みの高い水準の類似性に立脚した、データの十分性に係る日EU 相互の決定を歓迎する。このような類似性に基づき、我々は、個人データ保護の世界標準の形成のため、国際的なパートナーと引き続き協働する。
我々は、研究及びイノベーションに関する日EU戦略的パートナーシップへのコミットメントを再確認し、共同プロジェクトへの共同支援の拡大にコミットする。我々は、科学技術振興機構と欧州研究会議の研究者の間の協働の機会を提供する新たな取決めを歓迎する。
我々は、低炭素エネルギーシステムへの転換を支援するため、柔軟かつ透明性の高い液化天然ガス(LNG)市場の発展に向けた共同の取組を含む、世界及び国内における持続的かつ廉価で安定的なエネルギー供給、並びに水素、エネルギー効率及び再生可能エネルギー技術等のエネルギー・イノベーションに係る調整を強化する意思を確認する。我々はまた、エネルギーへの持続的アクセス及び強靱性を促進するために資金を動員し、市場・投資環境を改善するために協働することを歓迎する。
我々は、教育・文化・スポーツ政策対話及び日欧大学間の提携による修士課程プログラムへの共同助成を歓迎する。
○ グローバルな課題、ガバナンス
緊密であり、かつ、志を共にするパートナーとして、日本とEUとは、ルールに基づく国際秩序を擁護するために、G7及びG20の場で協働する。共有された価値を堅持し、過去のコミットメントを実施し、及び新たな課題に対処することを通じて、6月のG20大阪サミットの成功を確実なものとすることは、我々の共同の野心である。
我々は、開かれた市場を維持し、WTOを中心とするルールに基づく多角的貿易体制を強化するとのコミットメントを再確認する。G7シャルルボワ・サミット、G20ブエノスアイレス・サミット及び日米EU三極貿易大臣会合において決定されたように、我々は、WTO改革を進展させるために引き続き取り組む意思を確認する。日本とEUとは、公平な競争条件を確保し、主要分野でのルール・メイキングを始めとするグローバルな貿易課題に対処するため、既存のWTOルールの改善のために協働する。我々は、WTOの他の主要なメンバーと共に産業補助金に係る規律の強化に関する交渉を開始し、強制的な技術移転に対処するための協力を強化することにコミットする。我々は、WTOの通常委員会の監視機能の強化及び上級委員会が本来の機能を確保するための協力に、引き続き取り組む。我々はまた、電子商取引に係るグローバルなルールの導入に向けたWTOにおける交渉の重要性を認識し、G20の日本議長国の下で、この目的に向けて政治的な推進力を与えることを目指す。
我々は、G20サミット及び2019年6月8日〜9日のつくば市での貿易・デジタル経済大臣会合を含め、イノベーション及び包摂性を促進するため、我々の経済及び社会のデジタル変革を踏まえた日EU間のデジタル協力を強化する。これに関連して、G20議長国としての日本は、「信頼性のある自由なデータ流通」(DFFT)イニシアティブのコンセプトを、議論のために提示する。我々は、データの潜在性を十全に活用するため、国際的な議論、特にWTOにおける電子商取引交渉に政治的な推進力を与える大阪トラックの立ち上げに向けて協働する。また、我々は、デジタル経済に関するその他のイニシアティブにおいても協力する。
我々は、開かれ、自由で、安定し、アクセス可能で、相互運用可能な、信頼できる、かつ安全なサイバー空間に対する強い支持を再確認する。我々は、各々の規制枠組みを相互に尊重しつつ、個別に及び共同で、データ・セキュリティに関する互いの信頼を強化するための具体策をとるよう協力する。我々は、既存の国際法、特に国連憲章のサイバー空間への適用の促進につき、引き続き結束している。我々は、人権の完全な尊重の保証、サイバー空間における知的財産の窃取、その他の悪意あるサイバー活動及びオンライン上の違法コンテンツとの闘い並びに地域的な信頼醸成措置の重要性を強調する形で、自発的かつ拘束力を有しない責任ある国家の行動に係る規範の発展及び実施に関する協力を再確認する。また、我々は、サイバー空間の安定性を確保する上での民間部門及びその他のステークホルダーの重要性を強調する。
我々は、G7やG20の場を含め、人工知能(AI)に対する人間中心のアプローチを推進するために協働する。
我々は、17の持続可能な開発目標(SDGs)を掲げる2030アジェンダへのコミットメントを再確認する。我々は、同アジェンダ実施に向けた機運の再活性化のため、2019年9月の首脳級国連ハイレベル政治フォーラムを考慮しつつ、協力を強化する。我々は、世界各地の前例のない異常気象を認識し、「IPCC1.5度特別報告書」にある最新の科学的知見を考慮することも含めて、気候変動に対処する地球規模の取組を更に強化していく緊急性を強調する。我々は、カトヴィツェ・ルールブック(パリ協定実施指針)に則ったパリ協定の完全かつ効果的な実施にコミットしている。
我々は、パリ協定の目標達成のために必要な更なる取組を勘案し、国、企業、市民社会に対し、全ての面において気候変動に対する一層の行動をとるよう呼びかける。我々は、パリ協定に沿う形で温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と吸収源による除去量との間の均衡の達成を目指して努力し、関連する全ての議論の場で日EU協力を強化しつつ、2020年までに野心的な長期的温室効果ガス削減戦略を策定することを通じ、リーダーシップを示す決意を維持する。我々は、特に非連続なイノベーションによる環境と成長の好循環を加速させることの重要性に関するG20の成功のために協働する。
我々は、パリ協定の目標を達成するため、2019年9月の国連気候アクション・サミットの成功のための協力を強化する。日本及びEU構成国は、本年初めての公式増資プロセスを実施する緑の気候基金の効率的かつ効果的な運用に向け協働する。我々は、持続可能な投資に向けた民間資本の展開を支援する方途に関し、協力を強化するとともに、経験を共有する。
我々は、環境に関する課題に対処する決意を再確認する。我々は、循環型経済及び資源効率性を進展させること、安全かつ持続可能な代替策を推進しつつ、マイクロ・プラスチックを含む海洋プラスチックごみに対する具体的行動を促進すること、また、使い捨てプラスチック製品の環境への悪影響に対処することにコミットしている。この文脈において、国連環境総会の第4回会合において採択された閣僚宣言で想定される革新的解決策を想起し、これに対する我々の支持を再確認する。我々は、2020年に昆明で開催される国連生物多様性会議において包摂的、野心的かつ現実的なポスト2020枠組みを確保することも通じ、生物多様性条約の目的を達成することにコミットしている。我々は、2018年5月10日に国連総会で採択された決議72/277号「世界環境憲章に向けて」に基づくプロセスの終わりに国連総会に勧告を行うことを視野に、建設的に取り組んでいくことについてのコミットメントを強調する。
○ 外交・安全保障政策
我々は、法の支配に基づき、また協議・連携の強化を通じ、国際的な平和と安定の促進に共に貢献することについてのコミットメントを確認する。我々は、イラン核合意の包括的共同作業計画への共同の支持を改めて表明する。我々は、北朝鮮による核兵器、及びその他の大量破壊兵器並びにあらゆる射程の弾道ミサイル計画の完全な、検証可能な、かつ不可逆的な廃棄、拉致問題の早期解決及び朝鮮半島の平和と安全に向けた外交的関与に係る米国が現在行っている取組への支持、ノルマンディー・フォーマットによる交渉への完全な支持を含むウクライナ東部紛争、ロシア連邦によるクリミア半島の違法な併合及びケルチ海峡における緊張、並びに東シナ海及び南シナ海において、国際法、特に国連海洋法条約に反する武力による威嚇又は武力の行使及び一方的行動を差し控えることの決定的な重要性を強調するような海洋安全保障の諸事項に取り組むことへの共有されたコミットメントを再確認する。
我々は、特に海洋安全保障、テロ対策、サイバー・セキュリティ及び危機管理の領域における安全保障・防衛に関する対話及び協力を強化することにコミットしている。日本は、EUによる東アジア・サミットに更に関与していくことに対する継続的関心を歓迎し、同地域において法の支配を促進するEUの努力を認識する。
アメリカ合衆国
4月26日、ワシントンDCを訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は、ドナルド・トランプ米国大統領と日米首脳会談を行った。(16時35分(ワシントンDC時間)頃から計105分間、テタテ(1対1)会合を約45分間、少人数会合を約25分間、拡大会合を約35分間実施。)。
1 両首脳は、第2回米朝首脳会談や、露朝首脳会談を含む最新の北朝鮮情勢を踏まえ、北朝鮮問題に関して方針の綿密なすり合わせを行い、朝鮮半島の完全な非核化に向け日米、日米韓3か国で引き続き緊密に連携していくことを確認しました。
2 また、安倍総理から、第2回米朝首脳会談の際にトランプ大統領から金正恩委員長に対し、2度にわたり拉致問題について提起したことに改めて謝意を伝達し、両首脳は、引き続き拉致問題の早期解決に向けて緊密に連携していくことを確認しました。トランプ大統領からは、今後も全面的に協力するという力強い言葉がありました。
3 両首脳は、19日に開催された日米安全保障協議委員会(「2+2」)の成果を歓迎するとともに、引き続き日米同盟の抑止力、対処力を強化していくことで一致しました。また、両首脳は、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力を一層強化していくとの意思を再確認しました。
4 日米貿易交渉について、両首脳は、茂木大臣とライトハイザー米国通商代表との間で、昨年9月の日米共同声明(PDF)別ウィンドウで開くに沿って、物品貿易について議論が進んでいることを歓迎しました。また、両首脳は、日米貿易交渉での早期の成果達成に向けて、今後も日米の信頼関係に基づき議論をさらに加速させることでも一致しました。
5 加えて、両首脳は、自由で開かれたインド太平洋を促進するための公正なルールに基づく経済発展を歓迎しました。
6 両首脳は、G20大阪サミットの成功に向けて、貿易、デジタル経済、海洋プラスチックごみ、インフラ投資、女性のエンパワーメントを始め、主要論点の合意形成に日米で緊密に連携していくことを確認しました。
7 安倍総理から、来月、皇太子殿下が御即位されてから初の国賓としてトランプ大統領夫妻をお迎えできることは、日米同盟の揺るぎない絆を象徴するものであり、この訪日を通じ広く内外に日米同盟が史上かつてなく強固であることを示したい旨の発言がありました。これに対し、トランプ大統領からも、日本訪問を楽しみにしている旨の発言がありました。両首脳は、引き続きハイレベルでの要人往来を通じ、二国間関係を強化していくことで一致しました。
カナダ
4月28日、カナダを訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は、ジャスティン・トルドー・カナダ首相と日加首脳会談を行った(午前9時50分頃から約30分間、双方のラグビー代表チームのジャージの交換に引き続き、テタテ会合、午前10時20分頃から約45分間拡大会合を実施。)。
1 G20大阪サミットに向けた協力 
両首脳は、G20大阪サミットの成功に向け、引き続き緊密に連携することで一致しました。トルドー首相からは、G20大阪サミットの成功に向け、全面的に支援する旨の発言があり、安倍総理から謝意を表明しました。
2 日加関係
(1)両首脳は、近年、日加関係が、「瀬取り」対策協力、ACSA締結に向けた取組、CPTPP発効を始め、安全保障・経済の両面で強化されていることを歓迎しつつ、自由で開かれたインド太平洋のビジョンの下で、日本とカナダの戦略的パートナーシップを強化していくことで一致しました。
(2)両首脳はCPTPPの発効により、日加間の貿易・投資が拡大していること歓迎しつつ、CPTPPの着実な実施・拡大に向け連携していくことを確認しました。
3 地域情勢
(1)北朝鮮情勢について、両首脳は、引き続き、安保理決議に基づき、北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な廃棄の実現に向け、緊密に連携していくことを確認しました。また、トルドー首相から「瀬取り」警戒監視のためのカナダによる航空機及び艦船の派遣を2年延長するとの表明があり、安倍総理から謝意を表しました。さらに、安倍総理から、拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を求め、トルドー首相の支持を得ました。
(2)中国に関し、トルドー首相から、中国においてカナダ国民が拘束されている事案等について現状の説明がありました。両首脳は、当該事案を含め、法の支配の重要性について改めて認識を共有しました。
(3)ベネズエラ情勢に関し、安倍総理から、ベネズエラの民主主義回復に向けたカナダのリーダーシップを評価する旨伝達し、両首脳は引き続き密接に連携していくことで一致した。
なお、両首脳は、会談終了後、イノベーション促進のための日本貿易振興機構(JETRO)とカナダ投資庁との間の協力覚書及びAI分野を中心とした共同研究促進のための日加の研究所間の覚書の署名に立ち会いました。
 

 

安倍首相 「抱きつき外交」 4/27
「メラニア夫人の誕生祝いにまで顔を出し、昭恵夫人から手作りのお茶をプレゼント。トランプ氏の機嫌を損ねまいとする懸命の努力は、「朝貢外交」のようにも映るが、首相にとって今回の訪米は、夏の参院選に向けた計算があったに違いない」(朝日27日朝刊)
農産物の関税引き下げをめぐる日米貿易交渉、駐留経費負担の大幅増額などが参院選前に表面化させたくないので、トランプ氏が直接介入しないよう蜜月を演出しようとしたのだろうというのだ。
日本政府内には首相訪米への慎重論もあったという。来月末にはトランプ氏が新天皇と初めて会見する国賓として訪日する。
外務省幹部は「なにも今回訪米して協議しなければならない懸案事項はない。逆に貿易などで米側から圧力をかけられ、やぶ蛇になるのでは」と懸念していた。その懸念は的中した。トランプ氏は貿易交渉について、自らの5月末の訪日時までに合意にこぎつけ、署名したい考えを強調。農産物の関税撤廃も突きつけた。首相の参院選への懸念には目もくれず、来年11月の米大統領選までに早く成果を出したいとの自らの思いを優先させた格好だ。「抱きつき外交」で、極力問題を先送りしようとの安倍首相の「弥縫策」はどこまで通じるのか。トランプ氏はこの日の会談でも「日本は途方もない数の軍事装備品を米国から購入している」と持ち上げた。時間かせぎと「バイ・アメリカン」で機嫌をとる代償は、国民の税金でまかなわれる。首相は「日米蜜月」を演出しようと躍起だが、その裏で、日本の国益に難題が降りかかろうとしている。 
日米首脳会談 「抱きつき戦略」に誤算 4/28
安倍晋三首相がトランプ米大統領との会談で、日米貿易交渉の早期妥結を迫られた。6月に大阪で開く20カ国・地域(G20)首脳会合や夏の参院選に向け不安材料を封じようと「抱きつき戦略」で懐柔を狙ったものの、誤算が生じた形。2020年米大統領選で再選を期すトランプ氏の圧力に翻弄(ほんろう)される「安倍外交」のもろさが露呈した。
○不意打ち
「ともにウィンウィン(相互利益)となる方向で貿易交渉を進めようと申し上げ、大統領もうなずいていた」
首相は26日午後(日本時間27日午前)、首脳会談を終え、ワシントンで記者団にそう強調した。
約2時間前、ホワイトハウスで向き合ったトランプ氏は交渉妥結の期限を「5月来日時」に設定。唐突な言動に、首相は「急に言われても日本には国会がある」とはねつけたが、米側の強硬姿勢は明らかだった。
トランプ氏の不意打ちは「大統領選を見据えた単なる脅し」(経済官庁幹部)との見方は強い。米中貿易摩擦も解消されていない中、対日交渉に本腰を入れるのは「まだ先の話」(政府関係者)との楽観論も漂う。
ただ、トランプ政権は大統領の鶴の一声で方針が変わる。首相はトランプ氏の来日で同盟の結束を内外に示す機会と位置づけていただけに、不安を残した。
○力学
官邸が恐れていたシナリオは、6月のG20でトランプ氏が国際協調を無視して物議を醸し、議長役の首相がメンツを失う形で参院選に悪影響を与えてしまう事態。「トランプ・リスク」(外交筋)を下げることが訪米の主眼だった。
「大統領の心をつかみに行こう」。首相は訪米日程を決める際、周囲にそう指示。4月26日に49歳の誕生日を迎えたメラニア夫人をトランプ氏と共に祝うのを一大行事に据えた。
26日の会談では日本の文化に慣れないトランプ氏に、国賓として新天皇に会見する際の心構えを伝えるなど細心の注意も払ったという。27日には恒例のゴルフに臨んだ。トランプ氏に「シンゾーは特別」と思わせれば成功だ。
同行筋は「トップダウンで意思決定するトランプ氏の内輪のサークルに入れば、大統領だけでなく政権全体で日本に配慮しようという力学が働く」と解説。政権幹部は参院選や取り沙汰される衆参同日選をにらみ「外交アピールになる」と踏む。
○予測不能
欧州首脳とは反目することが多いトランプ氏だが、26日の会談では記者団の前で首相を「私の友人」と呼ぶなど、良好な関係は示した。以前には「シンゾーは私を説得する天才だ」と漏らした。
ただトランプ氏は首相の思惑を見越してか、会談に先立ち、米中西部インディアナ州での会合で「私の良いところは(どう行動するか)分からないことだ。だから米国にとって良い貿易交渉ができる」と言い放った。
日本側が最も警戒する「予測不能ぶり」を自らの強みと豪語する姿からは、相手に主導権を握らせない自信ものぞく。
過去の会談では「日本の自動車に追加関税を掛ければ私たちの友情は終わりだ」と首相に語り掛け、日本側に衝撃を与えた経緯もある。外務省幹部は「今の日米関係は『安倍−トランプ』の友情に負っているところが大きい。だからこそ、油断は禁物だ」と気を引き締めた。 
日米首脳会談 日朝会談へ全面協力 G20来日、トランプ氏快諾 4/28
安倍晋三首相は26日午後(日本時間27日午前)、米ワシントンのホワイトハウスでトランプ大統領と会談した。両首脳は北朝鮮による拉致問題の早期解決の重要性を改めて確認。首相は「次は私自身が金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と向き合い、解決する」と述べ、日朝首脳会談の実現に向けた米側の協力を求めた。トランプ氏は「全面的に協力する」と表明した。
首相は6月に大阪市で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に合わせた来日を要請し、トランプ氏は「楽しみにしている」と応じた。トランプ氏は5月25〜28日に国賓として来日。3カ月連続で日米首脳が相互往来する。
首相はトランプ氏が2月の2回目の米朝首脳会談で拉致問題を提起したことに謝意を伝え、金氏とのやり取りを聞き取った。会談に列席したハガティ駐日米大使によると、安易な合意をせずに会談を途中で打ち切ったトランプ氏について首相は「正しい戦略だった」と称賛したという。
両首脳は朝鮮半島の非核化に向け、引き続き日米、日米韓で緊密に連携していくことで一致したほか、25日の露朝首脳会談などについても分析した。同行筋によると、トランプ氏は「プーチン大統領は北朝鮮の非核化に圧力をかけている」と評価したという。
また、宇宙やサイバー空間など新たな防衛領域での連携強化を盛り込んだ外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)の協議結果を歓迎した。軍事、経済で台頭する中国を踏まえ「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力も確認した。
一方、日米の新たな貿易交渉では、トランプ氏が農産物の関税撤廃や引き下げを求めた。首相はトランプ政権発足後、日系企業が新たに4万人超の雇用を創出したことなどを説明した。トランプ氏は5月中にも貿易協定を締結する可能性に触れ、早期合意に意欲を示した。
会談の同席者によると、合間に首相がトイレに行く際、トランプ氏が「シンゾーは特別だから」と自身が普段使用しているトイレを案内したという。会談後、両首脳夫妻は夕食をともにし、誕生日を迎えた大統領夫人のメラニアさんを祝った。首相は27日午前(同午後)、トランプ氏と通算4回目のゴルフを行い、日米両首脳の親密ぶりを世界にアピールした。 
農産品関税撤廃迫る 日米首脳会談 4/28
訪米中の安倍晋三首相とトランプ米大統領は26日、ワシントンのホワイトハウスで会談しました。トランプ氏は冒頭、今月開始した日米自由貿易協定(FTA)交渉をめぐり、「日本は非常に巨額の関税を農産品に課している」と批判し、「その関税を撤廃したい」と要求。両首脳は早期の成果達成に向けて交渉を加速させることで合意し、トランプ氏は5月下旬の訪日時にも妥結しうると期待を示しました。
日本側は農産品の関税引き下げについて、環太平洋連携協定(TPP)で認めた水準を限度としたい方針。ただ、トランプ氏の発言はTPPと同等かそれ以上の関税引き下げと市場の開放が念頭にあるとみられます。日本の食料主権、経済主権を米国に売り渡す亡国の協定になりかねません。
トランプ氏は、農産品について「非常に力強く議論することになる」と強調。5月中に妥結可能かとの記者団の問いに、「相当迅速に進めると思う。訪日の際に(合意文書に)署名するかもしれない」と述べ、日本側の時間稼ぎをけん制しました。
また、両首脳は、2月にハノイで行われた2回目の米朝首脳会談、25日のロ朝首脳会談をふまえ、朝鮮半島の完全な非核化に向け意見交換。トランプ氏は会談冒頭、北朝鮮問題は「非常にうまくいっている」と述べ、会談に先立っては記者団に、ロ朝会談後のプーチン大統領の発言に「感謝している」と語りました。
トランプ氏の5、6月の訪日時にも、首脳会談が開催される見通しで、3カ月連続となります。 
トランプ大統領の仰天発言に、安倍首相が思わず首かしげる。 4/28
26日午後(日本時間27日午前)にワシントンで開かれた日米首脳会談で、安倍晋三首相はトランプ大統領の機嫌を損ねず、蜜月関係をアピールする「抱きつき外交」を展開したが、思惑通りにはいかなかった。トランプ氏は日米貿易交渉の5月末合意に言及。日本としては受け入れられない想定外の発言に首相は振り回された。
通訳だけを入れて45分間開かれた1対1の会談。記者団に公開された冒頭、トランプ氏は米メディアから日米貿易交渉の合意時期を問われ、「(5月末の)訪日の際に日本でサインするかもしれない」と答えた。首相は首をかしげ、顔を一瞬しかめた。残り1カ月での合意は現実性が乏しいうえに、日本側が「まったく聞いていない話」(同行筋)だったからだ。
米国の求めに応じて農産物の輸入を増やせば、日本国内の農家から反発が出る。日本としては、結論を出すのは最速でも7月の参院選以降と踏んでいたが、トランプ氏は会談で「農業分野を重点的に議論している。日本は米農産物に巨額の関税をかけており、安倍首相もそれをわかっている」とも指摘した。 
「相互不信の殻を打ち破るためには、金委員長と直接向き合う以外はない」 5/3
(安倍首相インタビュー) 4月25日に衆院の憲法審査会が開催されたことは歓迎したいと思います。各党が具体的な改正案を示した上で、国民的な議論が深められることが肝要です。スケジュールありきではなく、しっかりと憲法審査会で議論していただきたい。
われわれ議員に求められていることは議員同士での議論です。議論を通じてこそ相違が明らかになり、国民の皆さんの判断の材料になっていく。その中で歩み寄りの努力も求められてくると思うのです。
改憲勢力で3分の2を超えるというハードルは大変高いが、超える努力をしなければいけない。野党の中にも憲法改正に賛成される方もいます。改憲勢力ありきではなく、一人でも多くの方々に賛成していただけるように努力をしていきたいと思います。
一昨年、私は自民党総裁として、憲法9条に1項、2項を残して自衛隊を明記するという考え方を示し、議論に一石を投じました。波紋は広がり、平成29年の衆院選で自民党は自衛隊明記を真正面から公約に掲げ、国民の審判を仰ぎました。昨年の党総裁選でも私はこれを掲げて勝った。つまり党内の論争は終わったということです。
自民党は憲法改正の旗を掲げ続けています。結党以来の党是であるにもかかわらず、わが党の中にも改憲に反対する人がいたが、その余地はなくなった。自民党はいろいろな議論はしますが、一度決定すれば一致結束して前に進んでいく。それが責任政党としての矜持(きょうじ)だろうと思いますね。
党として憲法改正の旗を掲げて衆院選でも戦ったわけですから国民に対する責任を伴っています。次の選挙においても、改正の必要性をしっかりと訴えていきたいと考えています。
いまや国民も、多くの政党も、自衛隊を合憲と認めています。国民のために命を賭して任務を遂行する自衛隊の存在を明文化し、違憲論争に終止符を打つのは政治の役割であり、私たち世代の責任です。「多くの政党が合憲と認めているからいいではないか」という議論は間違った議論です。合憲というのであれば、ぜひ賛成していただきたい。
米国訪問では、トランプ大統領と首脳会談を行いました。ゴルフに行く車の中でも2人だけになり、行き帰り合わせて50分くらいの車の中でも、ベトナムの首都ハノイで行われた2回目の米朝首脳会談について詳しくうかがいました。
トランプ大統領は非常に真剣な顔つきで身を乗り出し、会談の雰囲気や金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長がどのような表情、態度で話していたかも話してくれました。中身は詳細に申し上げられませんが、トランプ大統領は金委員長に対し、拉致問題に関する私の考えを明確に伝え、両首脳間で真剣な議論が行われたのです。
大変、有意義だったと認識しています。極めて大切な時間を使って、トランプ大統領は拉致問題について話をしてくれたわけですから。向こう側(金委員長)も、拉致問題に相当大きな、重要な意味があると受け取ったと思いますね。
もちろん国際社会が一致して(昨年のシンガポールでの)米朝合意の実現に取り組むことが重要であり、北朝鮮が非核化しない限り制裁は続くなど従来の基本方針は確認しています。その上でロシアのプーチン大統領による北への働きかけを私もトランプ大統領も評価し、今後を展望し、相当に突っ込んだ意見交換をしました。
14年に5人の拉致被害者が帰国されて以来、1人の拉致被害者の帰国も実現していません。問題解決に向けて当初から取り組んできた政治家として痛恨の極みであります。拉致被害者のご家族もご高齢となる中、拉致問題の解決には、国際社会と緊密に連携しつつ、わが国が主体的に取り組むことが何より重要です。
まずは現在の日朝間の相互不信の殻を打ち破るためには、私自身が金委員長と直接向き合う以外はない。ですから条件をつけずに金委員長と会い、率直に、また虚心坦懐(たんかい)に話し合ってみたいと考えています。金委員長が国家にとって何が最善かを柔軟、かつ戦略的に判断できる指導者であると期待しています。
25日からトランプ大統領は国賓として来日されます。今回の来日でも拉致被害者家族の皆さんとぜひ会っていただきたいと思っていますし、私の考えは伝えております。
上皇さまが28年8月にお気持ちを表明されて以降、つつがなく皇位の継承が行われるよう全力を尽くしてきました。上皇さまの退位にあたるお言葉をうかがい、万感の思いと感謝の思いでいっぱいでした。
新たに即位された天皇、皇后両陛下のお姿を拝見し、お二人の輝かしさとともに、威厳あるお姿に感銘を受けました。両陛下とともにすばらしい時を刻んでいくことになる。そういう気持ちになりました。ご即位を心からお喜び申し上げ、国民の皆さんとともに輝かしい令和の時代、一人一人の花が咲き誇る時代を切り拓(ひら)いていきたいと思います。 
 
 

 

●麻生財務相 
  米国 カナダ 4/25-29
  フィジー 5/1-4
  フランス 5/6-9
記者会見 5/2
まず最初にお断りしておきますけれども、他国の発言は対外的に言及しないということになっていますということを申し上げておきます。
本日は午前中、日中韓財務大臣・中央銀行総裁会議に出席しております。午後はASEAN諸国の自然災害に対する財政強靭性向上を目的とする保険ファシリティというもので、SEADRIFというものがあるのですが、このSEADRIFの大臣会合を主催したのに続いて、ASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁、これも20年ぐらいやっていますけれども、これに出席しております。また、バイの会談では、インドネシア共和国のスリ・ムルヤニ財務大臣、中国の劉財務部長とバイ会談を行っております。
まず、午前に開催された日中韓財務大臣・中央銀行総裁会議では、私の方から日本経済について足元の経済状況に加えて、今年10月に需要変動を乗り越える十二分の財政処置を講じて消費税の8%から10%への引き上げを実施するということによって少子化問題を克服しつつ、高齢化社会への対応を見据えた持続可能な社会保障制度を確保していくということについて説明をしております。中国及び韓国からもそれぞれ自国経済情勢や政策についての説明があっております。地域経済協力については、チェンマイ・イニシアティブやアジア債券市場育成イニシアティブなど、ASEAN+3で進めている様々な取組みについて意見交換をさせてもらい、3か国が引き続き緊密に協力する、その考え方で一致をしております。
SEADRIFの大臣会合ですが、本日昼に参加国による大臣会合を主催しておりますが、大臣会合ではフィリピンが新たにSEADRIFに参加するということを歓迎するとともに、私の方からはラオス、ミャンマーを対象とした災害保険の2019年中の開始を目指すこと、また、近年、頻繁に起きます自然災害の発生を踏まえてSEADRIFの具体的取組を他のASEAN諸国に拡大していく議論を先導していくことの2点を述べた上で、日本としても積極的な支援を継続していくということを表明しております。
ASEAN+3の財務大臣・中央銀行総裁会議ですが、これは本日の午後、域内の経済状況と地域金融協力について意見交換を行っております。具体的な内容につきましては、これは共同ステートメントを参照していただきたいと思いますけれども、AMROにつきましては、財務省顧問である土井俊範が次期所長に選出されたことなどを歓迎したところです。
CMIM、チェンマイ・イニシアティブについては、2010年のマルチ化後では初となります包括的な契約書の見直しというものを、最終案を合意しております。私からは改定契約書の早期発効に向けて各国が署名手続きを速やかに完了するということの重要性について発言をしております。
アジア債券市場育成イニシアティブについては、新しいロードマップを承認するとともに、私から現地通貨建債券の信用補完機関であるCGIFの増資を多くの出資者が受け入れたことなど、その取組みが着実に進展していることを評価する発言を行っております。
また、開始から20年を迎えますASEAN+3の財務プロセスについては、今後の方向性を議論し、ビジョン文書を採択させていただいております。私の方からは以上です。
質疑応答
Q: 今回のお話の中で出てきた共同声明のアネックスで、ローカルカレンシーの活用に関してはチェンマイ・イニシアティブ強化も選択肢の1つになるかもしれないという文言が入ったので、ここはポイントの1つなのだと考えております。これはドルだけでなく、日本円も中国元も融通し合うようになる可能性があるという理解でよろしいでしょうか。それらの御見解や意義について御見解をお願いいたします。
A: 基本はローカルカレンシーというのは例えば人民元とか、円とか、いろいろありますけれども、そういったものの通貨というもので現地の金というのは動きますから、そういったものに関して通貨危機というものが起きたときに、短期で流動性の支援が行われるということがすごく大事なところなのですけれども、そういったときにドルがいきなりドッと引きあげられてなくなったらとか、よくこれまでもありましたので、そういった意味で域内貿易とか、それから取引等において現地通貨建の決済が着実に増えていくということになると、そういった非常時とか通貨危機におけるときの対応としては安心してやれることになるというので、選択肢が広がるということになります。円建てでとか、いろいろな話は前にフィリピンとかいろいろやらせていただいたのですが、そういった検討を行う際には、大事なことは支援の要請を行っている国が任意に受け取る国の通貨を選択できるようにするのがミソだからね。一方的に、はい、円でいいだろうというわけじゃないから、人民元を押しつけられても、人民元をまたドルに換えたって意味がないのだから、ちゃんと換えられる通貨というものできちんと支援を要請する国がお金を選べるようにするというのが大事なところだと思いますけどね。
Q: 大臣は前の記者会見のときにも中国との関係性についておっしゃっていたかと思うのですが、借り手としていつまでもやっていくのではなくて、きちんと責任のある貸し手の方に今後回っていくべきではないかというお考えを示されていましたが、実際今回はバイ会談なども含めて、大臣からはいかがだったのでしょうか。
A: 基本的には少なくともアジア開発銀行の中で見れば、少なくとも中国はアジア開銀のルールではもう卒業をする対象の所得の国であって、少なくとも中国という国はいわゆるお金を借りる側ではなくて貸す側のような立場になっているのではないですかと。だからそういった意味では、都合のいいときに何となく発展途上国みたいな顔をし、都合のいいときは別の顔というふうな調子いいことは駄目よという話を、簡単なことを言えばそういうことを言っておるのですけれども、そういった話は今回もアジア開発銀行の中ではっきり話が出ましたから、総会の中でもいろいろ言っておられましたので、私の方からもきちんと、ちゃんと卒業するのをやらないかんということになっているので、正確に言うと、ADBによる支援は所得の低い発展途上国に重点的にやるのですよ、ADBの卒業所得基準だったかな、を超えた所得の高い国は、支援は量から質へと大胆に転換すべき、これは決められた話でしょうがと。それから、ADBは昨年確か「戦略2030」というのをつくっていますので、それにおいて移行期間におけるADBの支援というものは、いきなり今日もう駄目よというわけにいかないだろうから、移行期間が要るでしょうから、その期間は基本的には卒業につながる分野に重点的に配分するという方針を決めたので、こうした方針はきちんとやってもらうということで、国別の支援戦略に基づいてちゃんとやってもらいますという話は中国にはバイの会談でも言いましたし、会議のときにもその話をしています。
Q: 今回こうやってADBの毎年の議論をやる中で、黒田総裁もかつてADB総裁を務められて、これまで9代連続でずっと日本人が1966年から務めていますが、黒田総裁は著書の中でアジア金融危機が起こったときのIMFの対応がまずかったと指摘されていらっしゃいます。一方で、現在ですとAIIBとの競合というものが出てきていますが、IMFにさらに改革を求めて、例えばデリンクポーションをさらに増やしていくといったようなことがASEAN+3で必要になっていくのか、あるいはもっとAIIBであったり、中国の財務当局とのやりとりの方が今後の課題になっていくのか、そういった観点でお考えをお聞きしたいのですが。
A: いくつかの論点が重なって出てきています。まずは、1997年、1998年のアジア通貨危機の時のIMFの対応が、必ずしもアジア諸国の財政・金融・経済情勢を十分反映していなかったのではないか。これは実はIMFの独立評価局自身も、その後、そういう評価をしています。ですから、それ自体が私の個人的な意見というよりも、やはり振り返ってみても、1997年、1998年のIMFの対応の中には十分でないものがあったということは、IMF自身も認めていることですし、私もそうだったと思います。
それと別な話としては、そういうことを通じて、チェンマイ・イニシアティブという地域の中で相互扶助的に、通貨危機のようなことが起こった場合に支援をすると、それはIMFの支援と矛盾するものではなく、IMFの支援と相互補完的にやろうということを20年前から議論して、規模も今や2,400億ドルになり、バイのスワップではなく、マルチの仕組みにしました。それから、チェンマイ・イニシアティブの改善についての今回の文書を見ていただくと分かるように、IMFと協調して融資するときに、その融資の期間などをIMFの支援と合わせて、より効果的にやっていこうということをしています。
3つ目の論点は、いわゆるIMFプログラムでの融資と協調してやるものとは離れて、ごく短期の流動性の問題のときに、IMFの支援無しに、その国が引き出せる額の30%まではチェンマイ・イニシアティブで支援できることになっています。IMFの支援は、あくまでも国際収支の不均衡や、あるいは金融システムが正常に機能していないなど、マクロ経済が不均衡に陥っているときのもので、その代わりにマクロ経済の不均衡を是正することを条件に支援します。IMFは、無条件あるいはごく軽い条件で貸すということはしていません。チェンマイ・イニシアティブのほうは、マクロ経済は問題ないけれども、短期の流動性不足に陥った国がある場合に、要請に応じて引出可能額の30%まではIMFのコンディショナリティ無しに出せるというのが、非常にユニークな点です。IMFとチェンマイ・イニシアティブの協調は進んでいますが、短期の流動性の支援では、IMFの厳しいコンディショナリティとは別に、短期に融資する独自のシステムがあるということです。
ADBがAIIBと協力する、協力しないというのは、これは通貨危機とは全く関係なく、開発金融や開発融資についてどう協調していくかという話です。AIIBの発足以来、ADBはAIIBと協調しています。AIIBの多くの融資は、実際はADBとの協調融資です。そういう形で協調して、アジアにおけるインフラ整備を進めているということです。ADBとAIIBとの間に、何か対立とか矛盾といったものがあるとは全く思っていません。
Q: 麻生大臣に2つ質問があります。まず共同声明にも書かれたと思うのですけれども、保護主義への対抗というところ、昨年に引き続き打ち出されていたと思うのですけれども、その後のバイの日中での会談で、より米国との貿易交渉などで厳しい交渉に臨まれている両国だと思うのですけれども、そのあたりの連携や協力について話があったのかどうかということが1点と、G20を見据えて債務の持続可能性というところも1つテーマになってきていると思うのですけれども、それについて中国に対して大臣の方からお話しされたことがあれば教えてください。
A: まず最初の保護主義に関しては、共同声明の中にはもちろんのこと、いろいろなところで我々はASEAN+3の中では少なくとも保護主義とか全然関係なく、全く自由で公正なルールのもとでというのをきちんとやっていく、これははっきりしています。中国とその話を特に今回の中でという話を、向こうとの話の間に出たか出ないかという話ですけれども、話の内容はしないということになっていますので、それを言うことはありません。もう1点は何だっけ。
Q: 債務の持続可能性について。
A: これはいわゆる、借りた金を使っていろいろなものをつくる、つくったらそれによって少なくとも、高速道路をつくったらその料金をもとに、その金を回収して借りた人に返していくという、返済計画というのをきちんと物をつくると同時に、幾ら自己資本があって、幾ら金を借りて、そのうち外国から借りているのは幾らで、それに関わる金利が幾らで、したがって返すのが長ければ長くなるほど金利がかかる等、そういったようなものの計算ができて金を借りているというのが常識なのだけど、そういう常識のない、もしくはそういった知識がない、常識があっても知識がないというところで、このままでいいのですよといううまい話に乗せられて、後で気がついたら金利がえらい高いものだったり何かして、気がついたら今どき金利がえらい安い、超低金利の時代の中にあってえらい高い金利になっていたり何かすれば、早い話が返せなくなりますと。又貸ししてくれますなんていうので膨れ上がったら多重債務みたいな話だな、早い話がサラ金の多重債務と言ったらわかりやすいのかな。あれと同じことが国でも起きるということですよ。それで気がついたら払えなくなりました、じゃあいいですよ、しようがないからその港を99年間租借しますというような形になられる可能性というのはあるわけですから、事実なった国があるわけだから、そういったようなことはいかがなものかという話がいろいろある中で、「質の高いインフラ投資」という考え方の中で、開放性、透明性、お金の借り方の透明性とか、そういったものに関してもきちんと述べていくということです。これは結構いろいろもめたところでありますけれども、だんだん落ち着いてきたのではないですかね、この話は。ずっと言っていましたから。
Q: 中国と今回そのお話をされたということでよろしいのですか。
A: (大臣、頷く)。
Q: 大臣に2点あります。先ほどお話でもありましたが、債券の、IIPのところで、インフラの債券を使った、ポンドを使った取り組みのところでお伺いしたいのですが、今回その項目がステートメントにも入ってきたと思うのですが、その意義というのを今後やっていく上でどのように考えるかということを、実際に行っていくという段階に入る上での課題をどのようにとらえているのかというのを1点お願いします。
A: それは基本的に現地通貨建てで金を借りるということをやっていくのですけれども、少なくとも現地の通貨建てでやるというのは、それに対して金を貸すというときに当たっても同様に、どうやって返す、いつ返す、金利は幾ら等のものをきちんとやっていかないと、ドルでやっても何だって同じことになりますから、そういったようなことにならないようにあらかじめよく計画を、双方で打ち合わせをしておかないとなかなかできないということなのだということだと思いますけれどもね、その話は。そんな難しい話をしているわけでも何でもないのだと思いますが。
Q: 今回インフラの部分についてそれが活用できるようになるというのが入ってきたところが1つの意義だと思うのですけれども、そのインフラに活用するというのの今後の利点というのをどのようにとらえていらっしゃるか。
A: インフラをというのは、かなりな、膨大な需要というのが、アジア地域にインフラに対する需要があるのだと思いますけれども、それに対してどれだけの支援をできるだけの資金的余裕がADBにあるか、IMFにあるか、もしくは世銀にあるかということを考えたときに、その内情、状況は極めて厳しいという状況になってきたときに、その国がどうしても欲しければプライベート・ファイナンス・イニシアティブでやるとか、そういったようないろいろなものが出てくるのだと思いますが、その中の1つとして今言ったような現地通貨建てで人民元でやります、円でやります、そういったようなことは十分に起きるのだと思いますよ。それができやすくしてあるということだと思いますから。ただ、そのときにきちんと対応を考えておかないと、先ほど言ったような多重債務とか焦げつくとか、いろいろなことが起きやすい可能性がありますから、みんなでそこのところは、大きなプロジェクトができたときにはしかるべき詳しい人がいるわけだから、ちゃんとそういったものを相談される相手として、例えばそこはADBだったり、例えば日本だったりするわけですよ。知っているかどうか知らないが、日本という国だけだからね、借りた金で1回もその金を返さなかったとか、踏み倒したとか、そういったことを1回もやったことのない国というのは世界で日本だけだと思うがね。日露戦争で借りた金を一体いつ返したか、調べたことがあるか。 
記者会見 5/4
まず、昨日は午前中ADBの総会開会式に出席をしております。午後はフィジーのサイェド・カイユム司法長官、ADBの中尾総裁、それからウズベキスタンのガニーエフ副首相と面会をしております。
本日は午前中ADBの総務セミナーに出席、午後はADB総務会のビジネスセッションで総務演説を行いました。午前の総務セミナーでは持続可能な開発に向けた観光業の役割について議論が、これは主題だったのですけれども議論されて、私からは多くの観光客を安定的に迎えるためには、インフラの整備に量と質の両面から取り組むことが重要で、特にアジア太平洋諸国においては、自然災害に強いインフラの整備が必要であることを指摘しております。
また、外国人観光客が大幅に増加している最近の日本の経験についてもお話をさせていただき、ビザの戦略的緩和や消費税の免税店の拡大、顔認証ゲート、そういう最先端の技術を活用した出入国審査の実現や公衆トイレの整備促進など、ソフト・ハード両面で国を挙げて取り組んでいることを紹介しております。
午後の総務演説では、まずADBの長期戦略である戦略2030に関する日本の考え方について述べております。具体的には、ADBの限られた資源を有効に活用するためには所得の低い国、また島しょ国など脆弱な国に支援を重点化していくことが必要であること、また高中所得国については、戦略2030にうたわれているように支援の量よりも、知識や経験の共有などの質が重要であること、そして中でも卒業の所得基準に達した国々については、支援の対象を卒業につながる分野に重点化して、国別パートナーシップ戦略において、卒業への道筋というものをしっかりと議論していくべきであるということを強調しております。
また、質の高いインフラ投資、自然災害に対する強靭性の強化、保健、債務持続可能性の確保など開発分野における日本の優先事項について、ADBと一緒に積極的に取り組んでいくということを申し上げております。
いずれにしても一昨日から本日にかけて、マルチやバイの様々な会議を通じてアジアの金融協力の強化、ADBの戦略的方向性、二国間の関係強化などについて議論を深めることが出来て、実りの多い3日間であったと考えております。私の方からは以上です。
質疑応答
Q: 中国の卒業問題に関してですが、一昨日のバイ会談、更に先程の総務演説でも触れられておりましたが、各国らの理解というのは得られてきたという手応えは如何お考えでしょうか。
A: そうでしょうね、そう思いますね。
Q: 日本時間の今朝なのですが、北朝鮮が短距離の飛翔体を日本海に発射したという報道がなされています。仮にミサイルとすれば、一昨年11月以来1年5カ月ぶりということですが、受け止めをお願いします。
A: 私共の方で正確な情報というのは、今この段階で持っているわけではありませんけれども、少なくとも今の段階で日本の領域とか、いわゆるEEZ内への弾道ミサイルのその他の飛翔物の飛来というものは確認されているわけではありません。従って現時点において、我が国の安全保障が直ちにいわゆる影響を与えるような事態は確認されていないので、現時点においては少なくとも航空機やら船舶への、いわゆる被害というものも報告されていないということだと理解していますので、いずれにしても、これは政府の中において北朝鮮情勢に関する官邸対策室において、色々省庁間で情報を集約しているところであって、詳細は分析中なのだと理解しています。
Q: 中国の債務の持続性の関係なのですけれども、国際的な批判を浴びて4月には一帯一路フォーラムで、少し軌道修正をして債務の持続性を重視するような方向性を打ち出している中国ですけれども、実際のところ日本が提案する質高インフラの原則化の中で、債務の持続性の話が協議されていると思うのですが、なかなか協議というのが結構難しいというか、中国がどれだけ本気なのか、ただポーズで債務の持続性を言っているのではないか、そういうふうにも思えるのですけれども、麻生大臣としてはちゃんとハイレベルなものを彼らが目指しているのかどうなのか、その辺りの感触をどう見ていらっしゃいますか。
A: それは中国に聞いてみないとわからんね、それは。時間をかけて見ている以外にないですよ。言ってもやるかどうかというのは、その答えを見てからじゃないと分かりませんからね。そういった意味では、質の高いインフラストラクチャーという言葉も最近中国が日本の言葉を使うようになり始めたのであって、最初に別に中国が言い始めたわけでもありませんから、こちらがこの話を毎回言っていたら、その言葉についに乗らざるを得なくなったのは、去年の終わりぐらいから、そんなもんだろう。その前は乗っていなかったからね、その種の話には。そんな記憶がしますから、それがどれくらいやるか、それはこれからですよ。
Q: バイではそういう感触は。
A: バイでは同じことを申し上げていますから、もうバイではきちんと話をしていますので、中国に対して色々その種の発言はずっとしていますから、それに対して特に反論が、向こうが、いや、それは違いますとかいう反論が中国から出たというわけではありません。
Q: 今の中国の債務の持続可能性について、先程の大臣のスピーチの中でIMFと協調して見ていくということをおっしゃっていましたが、もう日本としては国際社会と連携して、中国のデットについてそれが適切なものかどうかというのを監視していくのでしょうか。
A: そうですね、これはIMFも同じですしADBもお金を貸している国にとっては、そのお金が返ってくるかどうかというのが非常に大事なところなのですけれども、お金の借り方というのがありますから、その借りた分をどうやって返済するか、そしてそれをどういうタイムラグで返済していくかというのを、きっちり計算が出来ている国、そういった技術、金融ということに関する金融技術ですよ、金融技術に関してのものがわかっていない国によって違いが出ますから、そういった意味では、きちんと技術的なものがよく分かっていないところには、ちゃんとそれを教えながらきちんと貸していくということをやらないといけないということは、もう前からこれはIMFにも同じことを言っていますし、日本もそれからADBもどこでも同じことを言っているのですけれども、そういったものに関して、きちんと貸し方がよく分かっていないのか、借り方が分かっていないのか、双方に問題があるのかもしれませんけれども、いずれにしても他の国にしてみれば、その国に貸してあってきちんと返ってくる段取りをしてあったものが、後からいきなりどんと入ってきて、同じような返し方でいったらまともに貸していた方の金が返ってこなくなるという可能性が出ますからね。それはちょっと我々お金を貸している側としては、それはちょっと一緒にしてもらっちゃ困りますよと、ちゃんと差をつけてやってもらわないと困りますね。というのは、貸している国というのはIMFとかADBとか皆そうですけれども、貸している国にとっては当然のこととして言わなければいけないことなのですけれども、それは結果として、そういうやり方をされないがためにこちらが被害を受けるというのは避けなければいけないところですけどね。 
( フランス 5/6-9 ) 
 

 

麻生財務相、米財務長官と会談へ 為替条項が争点に  4/25
麻生太郎財務相は25日から訪米し、米国のムニューシン財務長官と会談する。日米貿易交渉で米国は「競争的な通貨切り下げ」を禁じる為替条項を協定に盛り込むよう求める考えを示しており、日米で協議する場になる可能性がある。日本は為替と通商を切り離して議論すべきだとの立場で、麻生氏は改めて説明するとみられる。
両者は日米首脳会談に先立ち、現地時間25日午後(日本時間26日早朝)に会う方向だ。
ムニューシン氏は4月中旬、日米の貿易協定交渉で「為替も議題となり、協定には通貨切り下げを自制する為替条項を含めることになる」と明言した。これに対して、麻生氏は日本企業の海外展開の増加などを背景に「為替と貿易収支の相関性はない」とする。
法的拘束力のある通商協定に為替条項が盛り込まれれば、日本側の円売り介入などが制限される可能性がある。日本政府は導入に反対している。日本政府関係者は「これまで正式に米政府から為替条項の話を持ち出されたことはない。金融政策の手足を縛るなど国益を害する内容には強く反対する」と話す。
米側がモデルケースとして挙げるのは、新しい北米自由貿易協定(NAFTA)である「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)」だ。USMCAでは法的拘束力の強い通商協定の本文に為替問題を巡る条項を入れ込んだ。日米は円ドル相場を巡ってさや当てを繰り返してきたが、貿易協定に為替条項を盛り込めば、市場は米国がドル高是正で貿易赤字の解消を目指すと解釈する可能性もある。
米、貿易交渉枠内で為替協議要求 日米財務相会談  4/26
日米両政府は25日午後(日本時間26日未明)、米ワシントンで財務相会談を開いた。ムニューシン米財務長官は意図的な通貨安誘導を防ぐ「為替条項」の導入を含む議論を貿易交渉の枠内でするよう求め、麻生太郎財務相は為替と貿易は切り離して議論すべきだと反論した。協議は平行線に終わった。
会談後の記者会見で麻生氏は為替を巡る議論について「双方の立場を確認したにとどまる」と述べた。
今後の財務相の協議で貿易交渉の中で為替を議論するか否かを含めて決める。財務相同行筋は「財務相の協議は(農産品や自動車などの)物品貿易よりも後になる」との見通しを示した。
両者は26日(同27日)に開く日米首脳会談に先立って会談した。日米の貿易交渉では為替条項の取り扱いが大きな焦点となっている。ムニューシン氏は4月中旬、「為替も議題となり、協定には通貨切り下げを自制する為替条項を含めることになる」と明言していた。
通商協定は法的な拘束力を持つため、仮に為替条項が盛り込まれれば、日本側の円売り介入などが制限される可能性がある。日本政府関係者は「金融政策の手足を縛るなど国益を害する内容には強く反対する」と話す。
新しい北米自由貿易協定(NAFTA)である「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)」は為替条項を導入し、「為替介入を含む競争的な通貨切り下げを自制する」と明記した。為替条項は通貨政策や金融政策に干渉する材料となりかねず、金融市場の混乱要因になる恐れもある。
日米財務相会談は「為替条項」で平行線 麻生氏、議論に反対 4/26
二十六日の日米首脳会談に先立ち、麻生太郎財務相は二十五日、米ワシントンでムニューシン米財務長官と会談した。米国側は意図的な通貨安誘導を防ぐ「為替条項」を念頭に、日米貿易交渉で為替を取り上げるよう求めたのに対し、麻生氏は「貿易政策と為替政策をリンクさせる議論には賛同しかねる」との基本的な立場を伝えた。
麻生氏は記者団に「双方の立場を確認するにとどまった」と述べ、議論が平行線に終わったことを明らかにした。米国が貿易交渉に絡めて、為替の問題を日本に正式に提起したのは今回が初めて。為替をどう扱うか、財務当局で議論を続ける。
二国間の貿易赤字を問題視するトランプ大統領は、輸出を増やすための通貨安誘導を批判。米国は昨年秋、北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しで為替条項をメキシコやカナダにのませ、今後の貿易協定にも導入する意向だ。だが日本は法的拘束力のある為替条項が貿易協定に入れば、金融・為替政策を制約しかねないと警戒しており、今後の火種になる恐れがある。
一方、茂木敏充経済再生担当相も二十五日、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と会談。先週始まった貿易交渉の初会合に続き、首脳会談に向けて詰めの協議を行った。
茂木氏は記者団に「すぐに成果が出るのは難しいと思うが、焦点は見えてきている。明日の首脳会談で大きな齟齬(そご)が出るとは思っていない」と語り、貿易交渉の進展に両首脳から理解が得られるとの考えを示した。
貿易で「為替」協議を 米長官が正式表明 切り離して議論 麻生財務相 4/27
日米間の貿易協議が本格化する中、両国政府は25日(日本時間26日)、当地で財務相会談を開いた。ムニューシン米財務長官は、自国の輸出が有利になる通貨安への誘導を防ぐため、「為替条項」を貿易協定交渉で取り扱うよう正式に表明した。一方、麻生太郎財務相は為替と貿易交渉は切り離して議論すべきだと主張し、両者の立場は平行線をたどった。米国は為替条項を交渉のカードに持ち出し、圧力を強めている。
麻生財務相は会談で、「貿易政策と為替政策をリンクする議論には賛同しかねる」と述べ、貿易交渉の枠内で為替を議論することに、否定的な立場を改めて示した。会談後の会見では、為替を巡る議論について「双方の立場を確認するにとどまる」と述べた。
財務省関係者によると、米国側が日本との公式会談で貿易交渉にからめて為替を取り上げたのは初。ムニューシン長官は、日米貿易協定交渉を前に、為替条項導入の必要性を重ねて主張していた。米国は今後、為替条項を切り札に対日貿易赤字の削減を迫る構えだ。
為替を巡っては、米国の貿易協定交渉で相次ぎ議論になってきた。環太平洋連携協定(TPP)では協定本体に盛り込まず、参加12カ国で共同宣言を採択。一方、トランプ政権が通商政策の柱として北米自由貿易協定(NAFTA)を見直して署名した「米国・メキシコ・カナダ協定」(USMCA)には、為替条項を盛り込んでいる。
同日は、茂木敏充経済再生担当相と米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が日米貿易協定交渉の閣僚級協議を再開。15、16日の初会合に続いて農産物や自動車などの物品貿易を巡り議論した。
今回の協議は26日の日米首脳会談に向けた調整の場。茂木担当相は「日米がウィンウィンとなる良い成果をいかに早期に実現するかという観点で率直に意見交換した」と述べ、一層の交渉加速で一致したとの考えを示した。首脳会談での議論は「大きな齟齬(そご)が出るとは思っていない」との見通しを示した。  
麻生財務相「サラ金の多重債務と同じ」中国支援批判 5/2
麻生太郎財務相は2日、訪問先のフィジー・ナンディで中国の劉昆財政相と会談し、途上国に対する中国の過剰な投融資に苦言を呈した。
会談後の記者会見では、返済の滞った途上国がインフラを中国に明け渡していることについて「サラ金(消費者金融)の多重債務と同じだ」と批判した。
中国のインフラ投資では途上国が「債務のわな」に陥ると指摘され、スリランカでは南部ハンバントータ港の運営権を中国側が99年間握ることになった。麻生氏は同港を引き合いに「(途上国は)常識はあっても知識がない。うまい話に乗せられ、後で気が付いたら、えらい高い金利で返せなくなったりする」と会見で述べ、中国側に改善を求めた。 
麻生財務相 中国財政相に巨額融資の透明性確保への協力求める 5/2
麻生副総理兼財務大臣は、訪問先のフィジーで中国の劉昆財政相と会談し、中国がインフラ開発を進める新興国に巨額の融資を行った結果、返済に行き詰まって開発が頓挫するケースが出ていることを念頭に、貸し付けの透明性を高めるルール作りに協力するよう求めました。
中国の巨大経済圏構想「一帯一路」を巡っては、中国が新興国のインフラ整備に巨額の資金を融資した結果、返済に行き詰まって開発が頓挫するケースも出ています。
こうした現状を踏まえ、会談では、麻生副総理兼財務大臣が中国による貸し付けの透明性を高めるルール作りに向けた協力を求めました。
また中国は、アジアの途上国の支援を目的にしたADB=アジア開発銀行による融資を受けていますが、麻生副総理は中国は融資を受けている立場から“卒業”すべきだとして、新規融資の終了に向け具体的な道筋をつけるよう求めました。
麻生副総理は会談後の記者会見で、「中国はすでに資金を“借りる側”ではなく“貸す側”になっている。都合のいいときだけ、発展途上国の顔をするようなことのないようにしてほしいということだ」と述べました。 
中国はアジア開銀融資卒業を=麻生財務相、新興国向け「サラ金と同じ」 5/2
麻生太郎財務相は2日、フィジーの観光都市ナンディで、中国の劉昆財政相と会談した。麻生氏は同国がアジア開発銀行(ADB)から融資を受けつつ、一部新興国に過剰に貸し付け、その返済が困難になっていることを問題視。ADB融資からの「卒業」を劉氏に求めた。会談後の記者会見では「サラ金(消費者金融)の多重債務と同じことが国でも起きるということだ」と指摘した。
両氏の会談は、昨年8月の日中財務対話以来およそ8カ月ぶり。2日に開幕したADBの年次総会に合わせて行った。
麻生氏は会見で、途上国としてADBの融資を受けながら、国際的な融資を拡大する中国の姿勢を「調子の良いことは駄目だ」と批判。その上で「(ADB融資から)卒業しなければならない」と語り、劉氏に同融資に頼らないよう求めた。 
フィジーで日中韓財務相会議 「あらゆる保護主義に対抗」 5/3
日本と中国、韓国は2日、南太平洋のフィジーで、財務相・中央銀行総裁会議を開き、保護主義への対抗で一致した。
会議は、2日に開幕したADB(アジア開発銀行)の年次総会に合わせて行われたもので、日本からは、麻生財務相と日銀の黒田総裁が出席した。
会議では、米中などの貿易摩擦が及ぼすリスクをふまえ、「あらゆる保護主義に対抗する」ことで一致した。
また、金融危機が起きた際にアメリカドルを融通し合うアジアの多国間協定の通貨に、日本円や中国の人民元を加える方針も確認した。
その後行われたASEAN(東南アジア諸国連合)を加えた会議でも、保護主義への対抗を再確認した。 
アジア開銀に対中融資縮小求める 麻生財務相「卒業の道筋議論を」 5/4
麻生太郎財務相は4日、フィジーのナンディで開かれたアジア開発銀行(ADB)年次総会で演説した。中国を念頭に「(成長を遂げた国は)支援分野を重点化しながら、卒業への具体的な道筋を議論していくべきだ」と指摘。中期的な終了に向けて低利融資を縮小する検討を始め、浮いた分の資金を低所得国に振り向けるようADBに求めた。総会は4日午後、閉幕した。
中国は好条件でADBから借り入れる一方、アジアインフラ投資銀行(AIIB)を主導して途上国への有力な貸し手となっている。米国主導の世界銀行も融資を絞る方針で、歩調を合わせた格好だ。 
麻生財務大臣 中国は「支援対象から卒業を」 5/4
麻生財務大臣はフィジーで行われているADB=アジア開発銀行の年次総会で中国を念頭に、所得が上がった国は支援の対象から卒業させるべきだと主張しました。フィジーで開かれているADB年次総会で麻生財務大臣はADBの限られた資源を活用するためには所得の低い国や災害に弱い島しょ国などに支援を重点化すべきだと主張しました。その上で、中国を念頭に所得が上がった国に対してはADBの支援は経済成長を安定化させるための制度改革などに限定し、途上国向けの支援からは卒業させるように分析や評価を進める事を求めました。 
麻生氏、アジア開銀に対中国融資の縮小求める 5/4
麻生太郎財務相は4日、フィジーのナンディで開かれたアジア開発銀行(ADB)年次総会で演説し、中国を念頭に、中期的な終了に向けて低利融資縮小の検討を始めるようADBに求めた。
経済成長したにもかかわらず融資を受け続ける一方、新興国に投融資して影響力を増している中国を牽制(けんせい)した形だ。ただADBは、中尾武彦総裁が4月の記者会見で対中融資を減らさないと発言するなど日本政府との温度差も見られ、実効性ある検討を進められるかが課題となる。
「(成長した国は)支援分野を重点化しながら(融資対象からの)卒業へ具体的な道筋を議論していくべきだ」。麻生氏は演説でこう訴えた。対中融資は2020年まで現行戦略に沿って行われるため、21年以降の融資額見直しを求めた。
ADBの融資対象国の基準は、1人当たり国民総所得(GNI)年6795ドル(約75万5千円)が上限。ADBと同じ国際開発金融機関の世界銀行によると、17年の中国の同GNIは8690ドルで、基準を上回っている。だが、昨年のADBの融資契約締結額のうち中国向けは12%に達しており、インドの16%に次ぐ規模だ。日本は対中融資を縮小して低所得国への融資を増やしたい考えだ。
日本が警戒するのは、アジアインフラ投資銀行(AIIB)などを通じ中国がアジアでの影響力を強めていることだ。債務返済が滞ったスリランカが港の運営権を中国に奪われる例も出ており、麻生氏は2日の記者会見で「サラ金(消費者金融)の多重債務と同じだ」と批判した。
また日本には、中国との対決姿勢を強める米国と歩調を合わせる狙いもある。4月、世銀総裁に対中強硬派のマルパス前米財務次官が就任し、対中融資の削減方針を明言した。米国は、日本と並ぶADBの最大級の出資国でもある。
ただ、ADB総裁の中尾氏は先月、東京都内での記者会見で、「ADBは対中融資を量的にも比率的にも今の水準を維持する」と述べ、政府方針とのズレを見せた。財務省幹部は「ADBも(政府方針を)分かってくれるはず」と語るが、足並みをそろえられるかが焦点だ。 
 
 

 

●山下法相 
  米国 5/1-5 
安倍首相が山下貴司法相を抜擢した理由 2018/10/3
安倍晋三首相が2日の内閣改造で、自民党石破派の山下貴司法務政務官を法相に抜擢したのは、9月の総裁選で石破茂元幹事長を支持した勢力を「人事で干す」といったマイナスイメージがつくのを避けることだけが目的ではない。
「とにかく新しい国づくりのため一緒に頑張ろう」 首相は1日夜、山下氏に電話をかけ、閣僚に就くよう直接口説いた。山下氏は想定外の申し出に「私でよろしいんですか?」と聞き返したが、最終的に閣内で尽力する意向を伝えた。
山下氏は平成14年から約3年間、在ワシントン日本大使館に法律顧問として赴任。米国内で、日本政府を相手取った慰安婦訴訟で指揮を取り、米連邦最高裁まで争った末に勝訴した。
国政進出後は憲法改正にも意欲的だ。昨年の月刊「正論」3月号では、「憲法を変えるかどうか最終的に決めるのは国民投票であり(議員が)議論から逃げてはならない」と、訴えた。首相の「国民から国民投票の権利を奪ってはならない」という主張と重なる。
首相は自身に近い政治信条を持つ山下氏に目をつけたようだ。首相は第4次安倍改造内閣の発足を受けた2日の記者会見で「総裁選で誰に投票したか、全く考える余地はなかった」と述べ、人物本位で選んだことを強調した。
もっとも山下氏は、小泉進次郎元筆頭副幹事長の腹心として知られる。今回の抜擢は首相が小泉氏の人脈に影響力を持とうとする狙いも見え隠れする。 
記者会見 5/7
本日から令和の時代になっての業務が開始しました。新しい時代においても、皆様よろしくお願いします。
まず、閣議に関して、本日は法務省案件はありませんでした。
私から報告が1件あります。私は、5月1日から5月5日にかけて、アメリカ合衆国、ニューヨーク及びワシントンDCに出張してまいりました。
ニューヨークにおいては、グテーレス国連事務総長と会談し、来年、京都で開催される第14回国連犯罪防止刑事司法会議、いわゆる京都コングレスの重要性について認識を共有するとともに、同会議への参加を要請しました。
また、ワシントンDCにおいては、連邦司法省のバー司法長官と会談し、司法分野における日米同盟の強化について協議し、確認しました。
この他、様々な方とお会いし、また、アメリカ同時多発テロの現場であるワールドトレードセンタービル跡のメモリアルパークにも参り、法務大臣として初めて献花をし、改めてテロの防止について決意させていただきました。
もとより、日本人の方も含まれていますが、改めて犠牲になられた方々に対する哀悼の意を捧げてまいりました。
法務省では、司法外交について、前任の上川法務大臣当時から、しっかり取り組むことを表明してまいりましたが、今回の成果を踏まえ、さらにしっかりと推進していきたいと考えています。
質疑応答
新元号の下における法務行政に関する質疑について
Q: 冒頭にも御発言がありましたが、平成が終わって、5月1日から新たな元号「令和」となりました。新しい元号の下、法務大臣としてどのように法務行政に臨まれるか、御所感をお願いします。
A: いよいよ「令和」の時代がスタートしました。新天皇が御即位され、令和元年が幕を開けたわけです。「令和」の時代の始まりに当たり、国連のグテーレス事務総長と会談の機会を持ち、SDGs(持続可能な開発目標)の推進を始め、様々な観点で意見交換をさせていただいたことは、極めて有意義であったと考えています。私もSDGsのバッジを着けていますが、SDGsの考え方に立って法務行政を推進してまいりたいと考えています。それは例えば、外国人共生社会の実現です。日本にいる中長期在留者が過去最高を更新し続けており、また、本年4月には、「特定技能」制度がいよいよ開始した状況下において、日本人と外国人との多文化共生社会の実現は、まさにSDGsが目指す「誰一人取り残さない社会」の実現の理念にも合致する、喫緊の重要課題であると考えています。
そうしたことから、私自身は、令和元年を「多文化共生元年」と位置付け、官民・地域が一体となって、我が国で生活する皆さんが手を携えて安心して暮らしていける、多文化共生社会の実現を力強く推進していきたいと考えています。
また、SDGsの理念である「誰一人取り残さない」社会の実現という観点では、再犯防止も重要な課題です。
再犯防止については、先ほど少し述べさせていただいた京都コングレスでも取り上げられる課題だと考えていますが、京都コングレスまで1年を切り、我が国の安全・安心な社会、法遵守の文化の浸透度を世界にアピールできるテーマのひとつでもありますので、引き続き積極的な取組を行いたいと考えています。
そして、「誰一人取り残さない」の中にはもちろん児童も含まれます。今、児童虐待・いじめに苦しむ児童が多いと言われる中で、これら児童に対する人権侵害への対処も重要な課題です。子どもたちはこれからの時代を担う宝であり、児童虐待やいじめに対して、政府を挙げて更なる取組が必要ですし、法務省としてもその中心としてしっかり取り組んでまいりたいと考えています。
もう一つは、法的インフラ整備です。
現在、国会に対して、民事執行法、表題部所有者不明土地適正化法、あるいは戸籍とマイナンバーの連携などの戸籍法改正など、5本の審議をお願いしているところですが、こうした社会・経済が持続可能な形で発展していけるようにするために、そのインフラとなる基本法の整備が重要であり、その一環として、これら5本の法律が今国会で成立するよう万全を期していきたいと考えています。
さらに加えて、所有者不明土地問題の解決に向けた迅速な取組をしっかりと国の最重要課題として関係省庁とともに取り組んでまいりたいと考えています。
そして、最後に、「司法外交」は、SDGsの達成に大きく貢献する取組です。法制度整備支援を始め、法務省においてこれまで地道に進めてきた個々の取組を体系化し、総合的・戦略的に展開していくことが重要です。今回の外国出張で感じたことは、日本、とりわけ法務省の動向というのが、国際的にも関心を呼んでいる、そして、法務省が取り組んでいる法制度整備支援などについて強い関心が示されているということです。
そうしたことをしっかりとこちらも取り組んでいくとともに、国際社会にアピールして、国際貢献をしっかり行っていきたいと考えています。そうしたことを通じて、国際社会における我が国のプレゼンスを高めることができると考えていますので、今後とも、司法外交を力強く推進してまいりたいと考えています。
「令和」という元号は、万葉集を基にするものですが、万葉集とは、当時の天皇から庶民まで、それぞれの思いを歌にしたものを集めたものです。「令和」の時代を国民がそれぞれの思いを実現する時代にしていけるように、これまで先人が築き上げられ、国民に信頼されてきた法務行政を受け継ぎつつ、時代の変化に合わせて変革すべきは変革するという姿勢で、様々な課題にしっかりと向き合い、引き続き国民の胸に落ちる法務行政の実現に力を尽くしてまいりたいと考えています。
外国人材受入れに関する質疑について
Q: 新たな在留資格「特定技能」の導入と、出入国在留管理庁の発足から1か月が過ぎました。これまでの制度の運用状況など、1か月の取組を振り返っての御所感をお願いします。
A: 特定技能制度の運用状況については、4月1日から、特定技能制度に係る各種申請を受け付けており、4月26日には、初めての「特定技能1号」への在留資格変更許可に関する通知のほか、登録支援機関の登録が行われ、登録支援機関については、ホームページに公表したところであり、今後も順次手続を進めてまいりたいと考えています。
他方、総合的対応策に基づいた共生社会に向けた取組として、地方公共団体の一元的相談窓口の整備を支援する外国人受入環境整備交付金について、1次募集で申請いただいた68団体について、全て交付決定を行い、現在、2次募集を6月28日まで行っているところです。
さらに、総合的対応策に基づく共生社会に向けた取組として、例えば、外国人の日本における生活・就労について情報を提供する生活・就労ガイドブックを、4月1日からホームページに掲載していますが、外国の方により分かりやすいものとなるよう、易しい日本語の専門家と相談しながら、内容の改善について不断に検討してまいりたいと思いますし、また、多言語化についてもしっかりと図ってまいりたいと考えています。
また、出入国在留管理基本計画を策定させていただきました。これは、出入国在留管理庁の設置等、出入国在留管理行政を遂行する体制が刷新されたことなどを踏まえて、4月26日付けで、従来の出入国管理基本計画を出入国在留管理基本計画に改めて策定したものです。
この他、日本語教育機関の告示基準の改正についても、今、パブリックコメントを受け付けているところです。これについても、いわゆる日本語教育機関に対する留学生の在り方について、国会でもいろいろ御指摘いただいたところですので、しっかりと検討した上で図っていきたいと考えています。
このように、今後も出入国在留管理庁においては、新たな基本計画の下で、外国人の人権への十分な配慮を行いつつ、出入国及び在留の管理、そして、新たに加わった外国人の受入環境整備のための総合調整に関する施策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。
アメリカ出張に関する質疑について
Q: 冒頭大臣から御発言があった、アメリカ出張の件でお伺いします。国連のグテーレス事務総長や、アメリカのバー司法長官と会談を行ったタイミング、コングレスまで1年を切ったタイミングでのねらいや意義、成果などを改めてお伺いします。
A: まず、グテーレス国連事務総長との会談では、SDGsの全てのゴールの基礎である「法の支配」を国際社会に浸透させるに当たり、京都コングレスが重要な意義を有するとの認識を共有しました。
その上で、国連事務局としても、京都コングレスに対し、全面的な支持と協力をいただけることを確認し、私から、グテーレス事務総長に対し、京都コングレスへの参加を要請しました。前向きに検討してくださるということでした。
また、グテーレス国連事務総長からは、我が国が行ってきた法制度整備支援、あるいはUNAFEIにおける人材育成のためのセミナーやプログラムへの取組について、高い評価をいただいたところです。
次に、バー司法長官との会談についてです。日米同盟の多面的な深化については総理やトランプ大統領との間でも話し合われていますが、司法分野というのは中でも重要な分野であるという認識で一致しました。そうした中で、司法分野、例えばテロ等を含む組織的犯罪やサイバー犯罪等の防止などの対策、あるいはコラプション(腐敗)といったものへの対策において、日米間の緊密な協力関係が極めて重要であるという認識を共有しました。
また、併せて、一昨年のTOC条約や腐敗防止条約(UNCAC)への批准について高い評価をいただいたところです。
そうしたことから、今後、日米関係をより一層強化し、相互理解、情報共有、意見交換を深めていくことを確認した次第です。
バー司法長官についても、京都コングレスへの参加を要請して、これも前向きに検討していただけるということでした。
この他国連開発計画(UNDP)の総裁補や、投資紛争解決国際センター(ICSID)においても意見交換をさせていただきました。
いずれの会談も非常に有意義で、例えば、グテーレス国連事務総長ともバー司法長官とも、他の事柄も含め、非常に和やかな雰囲気の中で多くの意見交換を行うことができました。いずれも日本の貢献に対して非常に高く評価をしていただいているところです。両者との間でも良好な人間関係を構築することができ、大変有意義であったと考えています。「司法外交」を進めていく上では、face to faceでトップ同士が語り合うということが極めて大事です。国会の日程等もありますが、可能な範囲でしっかりと進めてまいりたいと考えています。
もう一つはやはり、京都コングレスについてです。これは各国の法務大臣や検事総長クラスが集う国連のこの分野最大の会議ですので、これをしっかりと成功させる必要があります。京都コングレスというのは、「法の支配」という各国が共通で重要視している分野において、我が国がリーダーシップを示す非常に重要な機会であると考えています。
今回の出張の成果を踏まえ、京都コングレスの成功に向けた準備も加速させてまいりたいと考えています。
恩赦等に関する質疑について
Q: 恩赦について伺います。連休中にも一部報道で出ていましたが、10月に即位礼正殿の儀があります。それに併せて恩赦を検討するお考えはありますか。2点目として、過去に恩赦に併せて公務員の懲戒処分の免除等がなされた経緯がありましたが、それについて検討していますか。
A: 御指摘の恩赦を実施するか否かについては、現時点で、何も決まっていません。
刑事司法制度に関する質疑について
Q: CSISで、大臣は謙虚でおっしゃられませんでしたが、日本の、自民党のニューリーダーとして呼ばれたこと、おめでとうございます。これからの令和時代を見据えての課題等を先ほどおっしゃったと思うのですが、その中で刑事司法制度については言及がなかったように思います。カルロス・ゴーン氏の事件をきっかけに、海外から日本の司法制度に対する批判があると思いますが、例えば、取調べを受けるときに、弁護士の立ち会いを認めていないという批判がありますが、その刑事司法制度は数年前に改正がされて、「これ以上変える必要は無い。むしろ今の制度が良い。」と理解して良いのでしょうか。元特捜検事として、今の制度が良くて変える必要がないという御意見であればその理由を説明してください。
A: まず、刑事司法制度というのは、それぞれの国の法文化に基づいて、また、それぞれの制度において様々な発展を遂げてきた制度であると思います。そのため、例えばアメリカなどではプリ・バーゲニング等が非常に多く活用されていると承知しています。また、例えばフランスにおいては予審判事制度というのがあったり、それぞれの法文化においてそれぞれの制度があるのだろうと考えています。我が国においても、そういった中で刑事司法についてこれまで不断の検討がされてきたのであろうと思います。また、本年6月1日には、取調べの録音・録画の制度も施行されます。
人権の尊重と実体的真実の発見ということの中で、各国それぞれが制度を検証しているのだろうと考えています。そのため、一つの事象をとらえて、この点が他の国と違うからそれはおかしいという議論にはあまりくみしたくないと考えています。
ただ他方で、我が国の制度がどのような制度なのかということについては、日本国内の報道機関に対しては、半ば前提のものとして説明してきた部分があるのですが、外国のプレスに対してもしっかりと説明する機会がなければならないと思っていますので、どのような形で情報提供させていただければ良いかということも含めて検討してまいりたいと考えています。
Q: ということは、今の刑事司法制度については変える必要がないとお考えですか。
A: まず、私どもは行政機関、法執行機関です。そのため、与えられた法律の中で基本的人権を尊重する、そして実体的真実を発見するといった目的、これは刑事訴訟法であれば刑事訴訟法の目的ですが、そうしたことを踏まえて法律の枠の中でしっかりと取り組んでいくということがまず大前提にあると考えています。  
 

 

 
 
 

 

●河野外相 
  サウジアラビア 4/26-29
  アンゴラ 南スーダン エチオピア 5/2-6
  ロシア 5/9-11
サウジアラビア王国
本28日、午前11時10分頃(現地時間、日本時間17時10分頃)から約15分間、河野太郎外務大臣は、訪問中のサウジアラビア王国・リヤドにおいて、サルマン・ビン・アブドルアジーズ・アール・サウード・サウジアラビア王国国王を表敬した。
1 冒頭、河野大臣から、外務大臣就任以後、2度目のサウジアラビア訪問となるが、前回訪問に続き、国王陛下への拝謁機会を頂いたことに心から感謝する、サウジアラビアからの原油の安定供給に感謝する、日本はサウジアラビアとの揺るぎない戦略的パートナーシップの下、「サウジ・ビジョン2030」の成功のため協力を惜しまず、今後も、官民をあげて「日・サウジ・ビジョン2030」を強力に推進していく旨述べました。これに対し、サルマン国王から、河野大臣のサウジアラビア再訪に歓迎の意が示されると共に、日本は長年の友好国であり、戦略的パートナーシップの下、あらゆる分野で両国関係が発展していくことを期待する旨述べ、日本企業のサウジアラビア市場への更なる進出への期待と、「日・サウジ・ビジョン2030」を通じて両国の協力関係が深化することへの期待が示されました。
2 また、河野大臣から、日本は本年6月のG20大阪サミットを主催することに言及しつつ、日本は次期議長国であるサウジアラビアと緊密に協力し、来年のサウジアラビアにおけるG20リヤド・サミットの成功にも、全面的に協力したい旨述べました。これに対し、サルマン国王から、日本と喜んで協力していきたい旨述べました。
3 両者は、政治・経済等の分野での二国間関係強化のための方策や地域情勢についても意見交換を行いました。 
アンゴラ共和国 ロウレンソ・アンゴラ大統領表敬 5/3
本3日8時20分(現地時間、日本時間午後4時20分)から約30分間、河野太郎外務大臣は、訪問中のアンゴラ共和国において、ジョアン・マヌエル・ゴンサルヴェス・ロウレンソアンゴラ共和国大統領を表敬した。
1 冒頭、ロウレンソ大統領から、河野大臣の初のアンゴラ訪問を歓迎する旨述べました。河野大臣からは経済の再生や多角化に向け諸政策を推進するロウレンソ大統領に敬意を表する旨述べ、今回の訪問を契機として日本は、アンゴラとの二国間関係を強化していきたい旨述べました。
2 河野大臣から、本年8月に横浜で開催される第7回アフリカ開発会議(TICAD7)に向けて、アンゴラからの協力を期待する旨述べました。これに対し、ロウレンソ大統領から、アフリカ開発におけるTICADを通じた日本の役割を評価し、アンゴラはTICAD7の成功に向けて協力する旨約束しました。
3 更に、河野大臣から、アンゴラの高い経済的潜在力を背景に、日本企業のアンゴラに対する関心は高く、アンゴラには日本企業による複数の大規模投資案件が存在する旨紹介しました。双方は、二国間の経済関係の更なる発展のためにも、投資協定をはじめとする投資環境の整備に向けた協力が重要であり、引き続き密に連携していくことで一致しました。
4 また、河野大臣から、保健分野を含む日本のアンゴラに対する支援につき説明しました。これに対し、ロウレンソ大統領は、これまでの日本の支援に謝意を述べました。
5 この他、河野大臣は、ロウレンソ大統領との間で、北朝鮮情勢や、安保理改革等の国際場裡における諸課題についても意見交換を行いました。  
アンゴラ共和国 日・アンゴラ外相会談 5/3
本3日午前11時20分(現地時間:日本時間同日午後7時20分)から約50分間、河野太郎外務大臣は、訪問中のアンゴラにおいて、マヌエル・ドミンゴス・アウグスト・アンゴラ共和国外務大臣と日・アンゴラ外相会談を行った。なお、同日昼、アウグスト外務大臣主催の昼食会が行われました。
1 冒頭、アウグスト大臣から、河野大臣の訪問を歓迎する旨述べるとともに、、これまでの日本の対アンゴラ支援に謝意が表明されました。これに対し、河野大臣から、昨年10月のアフリカ開発会議(TICAD)閣僚会合以来の再会は喜ばしく、また、今次アンゴラ訪問は、日本の外務大臣として17年ぶりの訪問であり、相互の要人訪問を通じ、二国間関係を更に強化したい旨述べました。
2 河野大臣から、本年8月に横浜で開催されるTICAD7に向けて、アンゴラからの協力を期待する旨述べました。これに対し、アウグスト大臣から、アフリカ開発におけるTICADを通じた日本の役割を評価し、ロウレンソ大統領からの安倍総理へのメッセージとして、同大統領の出席を確約するとともに、アンゴラはTICAD7の成功に向けて協力する旨約束しました。
3 更に、河野大臣から、日本企業によるアンゴラにおける複数の大規模投資案件について言及し、アンゴラが進める経済の再生と多角化に向けた諸政策が進展することを期待する旨述べました。また、両大臣は、そのためにも、投資協定及び技術協力協定の早期妥結を始めとする投資環境の整備に向けた協力が重要であり、引き続き密に連携していくことで一致しました。
4 アウグスト大臣から、今般、採用を決定した地上デジタル放送の日本方式導入に際しての日本からの協力に期待が寄せられました。これに対し、河野大臣から、アンゴラによる地上デジタル放送日本方式採用を歓迎する旨述べました。
5 両大臣は会談後、長年、日本が支援してきたジョシナ・マシェル病院に対する新規医療機材供与を支援するための、総額2億円の無償資金協力「経済社会開発計画」に関する交換公文に署名しました。
6 この他、両大臣は、拉致問題を含む北朝鮮及びアフリカ等の地域情勢や、安保理改革等の国際場裡における諸課題について意見交換を行いました。 
南スーダン共和国 キール南スーダン大統領への表敬 5/4
本4日、午後2時10分(現地時間:日本時間同日午後8時10分)から約40分間、河野太郎外務大臣は、訪問中の南スーダンにおいて、サルヴァ・キール・マヤルディット南スーダン大統領を表敬訪問し、会談を行った。
1 冒頭、キール大統領から、河野大臣の訪問を歓迎する旨述べるとともに、これまでの日本の一貫した対南スーダン支援に対する深甚なる謝意の表明がありました。これに対し、河野大臣から、日本の外務大臣として初めて南スーダンを訪問できて光栄である、昨3日、5月12日に期限が到来する新暫定政権樹立の準備期間の6か月の延長が関係者間のコンセンサスで合意されたことを歓迎する、今次訪問を契機に、良好な二国間関係を更に強化したい旨述べました。
2 河野大臣から、本年8月に横浜で開催されるTICAD7への安倍総理発の招待状を手交し、キール大統領の出席と南スーダンからの協力を期待している旨述べました。これに対しキール大統領からは、これまで日本がTICADプロセスを通じて行ってきた対アフリカ支援に対する感謝の意の表明があるとともに、TICAD7の成功に向けて協力する旨約束しました。
3 更に、河野大臣から、南スーダンの平和の定着支援及び、日本の司令部要員の派遣や国際機関等における日本人職員の活躍を通じた貢献について言及するとともに、IGADを通じて再活性化された衝突解決合意の実施を支援し、和平プロセスの支援を続けていく旨述べ、キール大統領からは日本の協力に感謝する旨の謝意が表明されました。
4 河野大臣から、先般追加支援を行ったナイル架橋の建設の工事再開を歓迎しつつ、また若者の育成のために上ナイル大学とジュバ大学を整備すべくUNDPを通じた約3.4億円の支援を決定し、交換公文に署名した旨述べました。これに対し、キール大統領から、日本の対南スーダン支援に謝意を表明しました。 
南スーダン共和国 シアラーUNMISS国連事務総長特別代表と会談 5/4
本4日午後1時10分(現地時間:日本時間同日午後7時10分)から約30分間、河野太郎外務大臣は、訪問中の南スーダンにおいて、デービッド・シアラー国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)国連事務総長特別代表と会談した。
1 冒頭シアラーUNMISS国連事務総長特別代表から、河野大臣の南スーダン訪問を歓迎する旨述べるとともに、これまで日本がUNMISSに対して行ってきた様々な支援に対する謝意の表明がありました。これに対し河野大臣から、日本の外務大臣として初めて南スーダンを訪問できて光栄である、日本も南スーダンにおける平和の定着の推進にコミットしており、引き続き司令部要員を含む邦人職員の派遣を含めUNMISSと協力していきたい旨述べました。シアラー国連事務総長特別代表から、今後とも日本の要員や職員と一緒に働けることを楽しみにしている旨の発言がありました。
2 河野大臣から、シアラー国連事務総長特別代表のリーダーシップに敬意を表しつつ、南スーダンにおける平和の定着のために、日本は昨年9月に署名された再活性化された衝突解決合意(R-ARCSS)の着実な実施に向けて努力していく旨述べました。また、河野大臣から、R-ARCSSの実施には国際社会からの支援と協力が不可欠であり、UNMISSと協力しながら、関係各国に対して南スーダン和平プロセスへの支援を働きかけたいと述べたところ、シアラー特別代表から協力していきたい旨の返答がありました。 
エチオピア連邦民主共和国 アビィ・エチオピア首相への表敬 5/5
本5日午前10時(現地時間:日本時間同日午後4時)から約40分間、河野太郎外務大臣は、訪問中のエチオピアにおいて、アビィ・アハメド・アリ・エチオピア連合民主共和国首相を表敬した。
1 冒頭、アビィ首相から、河野大臣のエチオピア訪問を歓迎するとともに、これまでの日本の対エチオピア支援に謝意が表明されました。これに対し、河野大臣から、昨年7月、エチオピアとエリトリアの20年ぶりの外交関係の再開等、アビィ首相の「アフリカの角」地域の平和と安定に対する貢献や国内での改革の推進を歓迎する旨述べました。
2 また、河野大臣から、安倍総理発アビィ首相宛の、本年8月に横浜で開催される第7回アフリカ開発会議(TICAD7)への招待状を手交しつつ、「アフリカの角」地域の平和への動きを捉えて、TICAD7でも取り上げられる平和と安定の議題の中で本件を扱っていきたいとし、更に南スーダンへの具体的対処につき、突っ込んだ意見交換を行いました。
3 双方は、ビジネスの推進を含め、両国間の関係を一層強化することやTICAD7の成功に向けて協力することを確認しました。また、債務持続可能性の文脈で、円借款と財政管理専門家の派遣等について意見交換が行われました。
4 この他、双方は、安保理改革や北朝鮮情勢等の国際場裡における諸課題についても意見交換を行いました。 
エチオピア連邦民主共和国 マルコス・エチオピア外務国務大臣と会談 5/5
本5日午前8時50分(現地時間;日本時間同日午後2時50分)から約40分間、河野太郎外務大臣は、訪問中のエチオピアにおいて、マルコス・テケレ・リケ外務国務大臣(H.E. Dr. Amb. Markos Tekle Rike、 State Minister of Foreign Affairs of the Federal Democratic Republic of Ethiopia)と会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。
1 冒頭、マルコス外務国務大臣から、河野大臣のエチオピア訪問を歓迎するとともに、これまでの日本の対エチオピア支援に謝意が表明され、アビィ首相の国内改革及び周辺諸国の平和と安定に向けた努力について説明がありました。これに対し、河野大臣から、南スーダン新暫定政権樹立の準備期間の6か月延長がIGAD議長国であるエチオピアの貢献により、3日、コンセンサス合意されたことを含め、アフリカの角地域の平和と安定にエチオピアが尽力していることに敬意を表しました。
2 また、河野大臣から、本年8月に横浜で開催される第7回アフリカ開発会議(TICAD7)において、アフリカの平和と安定は最大の課題の一つと認識しており、エチオピアを含むアフリカの角地域の平和と安定のため、引き続き支援していく旨述べました。
3 両大臣は、投資協定の早期妥結を含む投資環境整備やビジネスの推進も含め、両国間の関係を一層強化することやTICAD7の成功に向けて協力することを確認しました。 
アフリカ クォティ・アフリカ連合委員会副委員長と会談 5/5
本5日午前11時05分(現地時間:日本時間同日午後5時05分)から約30分間、河野太郎外務大臣は、訪問中のエチオピアにおいて、トーマス・クウェシ・クォティ・アフリカ連合(AU)委員会副委員長と会談を行った。
1 冒頭、河野大臣から、平和と安定及び経済分野等におけるAUの取り組みを高く評価する旨述べた上で、同分野における日本とAU間の連携の方途につき、意見交換しました。これに対し、クオティ副委員長から、これらの分野における日本の役割を高く評価する旨、また、SDGsの達成や法の支配の実現に向けた日本の更なる協力を期待する旨述べました。
2 その後、両者は、本年8月28日から30日に横浜で開催されるTICAD7の成功に向けた協力について意見交換を行いました。 
アフリカ ワイス政府間開発機構(IGAD)南スーダン特使と会談 5/5
本5日午後2時25分(現地時間:日本時間午後8時25分)から約45分間、河野太郎外務大臣は、訪問中のエチオピアにおいて、イスマイル・ワイス地域間開発機構(Intergovernmental Authority on Development (IGAD))南スーダン特使と会談を行った。
1 冒頭、ワイス特使から、河野大臣のエチオピア訪問を歓迎するとともに、南スーダン和平プロセス支援のためのIGADに対する320万米ドルの拠出を含め、これまでの日本の対IGAD支援に謝意が表明されました。これに対し、河野大臣から、南スーダンやアフリカの角地域における平和と安定のためのIGADによるリーダーシップを評価している旨述べました。
2 また、河野大臣から、本年8月に横浜で開催される第7回アフリカ開発会議(TICAD7)において、アフリカの平和と安定は最大の課題の一つと認識しており、南スーダンやアフリカの角地域の平和と安定のため、引き続きIGADへの支援を含め貢献していく旨、また、引き続き国際社会に南スーダン和平プロセスへの支援を呼びかけていきたい旨述べました。 
記者会見 5/5 
アンゴラ、南スーダンに続いて、エチオピアを訪問いたしました。私にとりましては、2年ぶりの訪問になります。今日、アビィ首相を表敬し、日本とエチオピアの二国間関係、地域情勢、それから国際場裡における協力といったことを確認いたしました。
昨年7月に、エチオピアはエリトリアと20年ぶりに外交関係を再開し、また、アビィ首相のリーダーシップのもと、国内の経済改革、そしてこのアフリカの角の平和構築といったことに非常に強いリーダーシップを発揮されているということを歓迎するとともに、今年のTICADに是非ご出席をいただきたいという安倍総理からの招待状をお渡しし、TICADへのご出席を確認をすることができました。
また、円借款の再開に向けて、財政状況について、あるいは財政の専門家を日本から派遣することについても意見交換をいたしました。
3月に、エチオピアにおいて、外国人、インド人、日本人女性を含む5人が襲撃に遭って亡くなられたことについてお悔やみを申し上げると同時に、この事件に関して、日本人女性も犠牲になったということもありますので、きちんと捜査が行われ、必要な人間をきちんと処罰をしていただきたいという旨申し上げ、首相からは非常に力強いお言葉をいただきました。この事件の一日も早い全容解明をエチオピア政府としても努力をされているところだというふうに理解をしております。
その後、AU本部でクオティ・アフリカ連合委員会AUC副委員長にお目にかかって、TICAD7に向けての協力関係の確認、準備状況の確認などを行いました。
また、IGAD南スーダン特使のワイス氏にもお目にかかり、5月3日にこの統一暫定政府設立を半年間延期をするという決定がすべての関係者の合意によって行われたことを歓迎するとともに、この南スーダンの和平プロセスに日本としても今後ともしっかりとコミットしていく旨申し上げました。日本としては、日本だけでなく、多くの国がこの現在の和平プロセスに対して、政治プロセスに対してしっかりとコミットし、また支援をしていただきたいというふうに思っておりますので、国際社会に向けてしっかり日本としても働きかけをしていきたいというふうに思っているところであります。私からは以上です。
質疑応答
Q: 記者 冒頭のご発言と多少かぶるかもしれないんですけども、今回大型連休の後半にアフリカという地域を選んだ理由と、中でもこの3か国を選んだ狙いというのはどこにあるのでしょうか。
A: 河野外務大臣 今年はTICAD7を横浜で開催をいたしますので、その準備ということもあってアフリカを訪問いたしました。まずエチオピアはAUの本部でこのTICAD7に向けての協力関係、準備状況の確認をすると同時に、エリトリアとの間で外交関係を再開をする、あるいは国内の経済改革を実行するたいへん強いアビィ首相のリーダーシップがあるわけですから、日本としてもしっかりとエチオピアと協力関係を築いていきたいというふうに思っております。南スーダンに関していえば、この現在の和平プロセス、政治プロセスを、日本が今IGADとともに支援をしている状況ですので、この日本のコミットメントをしっかりと確認をすると同時に、この5月3日、このアディスアベバで行われた会議の状況についても意見交換をいたしました。アンゴラはサブサハラのアフリカ諸国の中でナイジェリア、南アフリカに次いで3番目の経済規模、そしてたいへん豊富な資源を持っている非常に発展する潜在力の高い国でありますので、2国間の関係をしっかりと構築していく、そういうこともあって、アンゴラ、南スーダン、エチオピアをこの3か国を訪問することになりました。
Q: 今回訪問されたアンゴラにしてもエチオピアにしても、中国による多額の貸し付けというのが問題になっていると思います。先日麻生副総理兼財務大臣も中国の貸し付けについて「サラ金と同じだ」というような発言をされておりまして、まあちょっと言葉の使い方の方は別としても、認識としては大臣も似たようなご認識でしょうか。
A: 国際社会の中で中国の途上国向けの融資が「債務の罠」を巻き起こしているという懸念があるのは事実だと思います。先般の「一帯一路」フォーラムで習近平主席が国際スタンダードあるいは債務の持続可能性といったことを発言されておりますので、そうしたことに我々としてもしっかりと注目していきたいというふうに思っております。
Q: ちょっと質問変わりまして北朝鮮の関係なんですけれども、先日北朝鮮が飛翔体を複数発射したとの報道がありました。これについて、米朝の首脳会談3回目に向けた動きがまだ見られない中で、北朝鮮側がこういう行動に出たということをどのように受け止めているのか。それから、北朝鮮がこういう行動をとった狙いといいますか、そのへんをどのように分析されているかおしえてください。
A: すぐポンペオ国務長官、ならびに康京和韓国外交部長官と電話会談を行いました。今3か国でこの飛翔体についての情報収集・分析をしているところでございますので、実際に何がどういうふうに行われたかということをまずしっかり確認をしていきたいというふうに思っております。今のところ、ボールは北朝鮮側にあるという状況に変わりはないというふうに思っておりますので、日米韓3か国の連携をしっかりと維持しながらこの問題に当たっていきたいというふうに思います。
Q: 北朝鮮の関連で今度は拉致なんですけど、先日産経新聞の安倍総理の単独インタビューがありまして、その中で、日朝の首脳会談について前提条件なしでやるんだということが新聞に載っていました。以前から日朝首脳会談については国会等でもですね、やるのであれば拉致問題の解決に資するようにという言葉があったんですけれど、これは方針が変わったというふうに考えればいいのか、どのように受け止めればよいのでしょうか。
A: 拉致問題に関していえば、これは日朝間で解決しなければならない問題でありますし、これまでも安倍総理は首脳会談に向けて前向きに考えてこられました。首脳会談への入り口として拉致問題を取り上げるわけではないということですが、出口として、日朝平壌宣言に謳っているように、核・ミサイル・拉致問題を包括的に解決する、そこについての姿勢についてはなんら変わりはございません。
Q: 拉致の関連ですみませんちょっと前もって投げてなくて恐縮なんですが、報道で、金正恩委員長が前の米朝首脳会談の時に拉致問題について日本側ともいずれ日朝首脳会談をやりたいという意向を示しているという報道があるんですけれども、これ外務省として把握している状況はどういう……
A: 米朝の会談について様々報道が行われておりますけれど、その報道のいちいちについてコメントすることは差し控えたいと思います。
Q: ちょっとまた話題変わりまして、次、韓国なんですけれども、先日、徴用をめぐって原告側が差し押さえた株式の現金化の手続に踏み切りました。こうした動きをどのようにとらえているかということと、康京和長官が、あくまでも司法の判断を尊重をするということで政府は介入しないという方針を示しているんですけれども、こうした韓国政府の対応をどのようにお考えなのかと。で、併せてですね、前々から対抗措置ということを検討されていると思うんですけれども、まさにこの現金化の手続が進められている中で、その発動のタイミングとか内容というのはどのようにお考えでしょうか。
A: 日韓請求権協定という両国の関係のいわば法的基盤が損なわれようとしているのが、この問題のいちばんの根底にあるわけで、これは韓国側の問題でございますから、韓国政府として責任を持って対応していただかなければならない問題であります。韓国政府として、司法に介入するとかなんとかという問題ではなくて、韓国側でこの問題はきちんと解決してもらわなければならないわけで、長官のご発言はやや誤解を生みかねないご発言だと心配しております。韓国側には責任を持った対応をしていただかなければならないというふうに思っております。今後日本側としてどうするかということはなんら変わりはありません。万が一、韓国政府の対応が日本企業への「実害」を生むような状況があれば、日本として速やかに必要な措置をとるということに変わりはございません。 
ロシア連邦 日露外相会談 5/10
5月10日,河野大臣は,モスクワにおいて,ラヴロフ露外相との間で,本年3回目,通算10回目の日露外相会談を実施しました(ワーキング・ランチを含め約4時間)。
1 平和条約締結問題
• 昨年11月のシンガポールでの両首脳の合意に従って,相互に受入れ可能な解決策を見出すべく,突っ込んだやり取りが行われました。
• 特に日露の立場が異なる部分については,これまでの外相会談を含め,明確に日本の主張を伝えてきており,厳しいやり取りになることもあったものの,両外相の信頼関係の下で率直な議論が行われました。
• 両外相は,6月の首脳会談を実りあるものにするとの共通の目標に向けて議論しました。,四島における共同経済活動について,5月20日に法的側面に関する課長級作業部会を,5月21日に人の移動に関する,局長級作業部会をそれぞれ開催することで一致しました。また,これらの作業部会において,プロジェクトの早期実施に向け,双方が柔軟性を発揮して建設的に作業するよう事務方に指示を出すことで一致しました。
• 元島民の方々のための人道的措置について,引き続き着実に取組を進めていくことを確認しました。
2 今後の外交日程
• ラヴロフ外相が5月30日から訪日し,日露「2+2」と日露外相会談を実施することで一致しました。
(注)同日,森外務審議官とモルグロフ露外務次官との間で,四島における共同経済活動を含む平和条約締結問題に加えて,経済や人的交流,安全保障分野での協力を始めとする幅広い二国間関係や,北朝鮮情勢等の国際情勢について,3時間強,協議しました。 
記者会見 5/10
本日ラブロフ外務大臣との間でワーキングランチを含んで約4時間平和条約交渉を行いました。平和条約締結については昨年11月での首脳間の合意にしたがって双方受け入れ可能な解決策を見いだすべく突っ込んだやりとりをいたしました。2月のミュンヘンでの外相会談のあとの次官級で論点整理をしてきたことを踏まえて,今日の協議に向けて準備をしてきましたが,今日は特に立場の異なる部分について相当率直に協議を行いました。会談における合意事項については共同記者発表で述べたとおりです。会談の内容については申し上げませんが,日露の立場が異なる部分につきましてはこれまでの外相会談に加えて,明確に日本の主張を申し上げて参りました。かなり厳しいやりとりになりましたが,ラブロフ外務大臣との会談は全部で外務大臣就任以来10回目になるかと思いますが,これまでの信頼関係の上で率直に議論ができたと思います。ラブロフ外務大臣とは6月の首脳会談を実りあるものにするとの共通の目標に向けて様々議論もできました。共同記者発表の際に申し上げたとおり,共同経済活動に関する作業部会の日程で一致しましたし,元島民の方々のための人道的措置についても引き続き着実に取り組みを進めていくことを確認をすることができました。事務方に精力的に作業を進めるように改めて二人で指示を出し,今月末のラブロフ外務大臣の訪日の機会に進捗状況を改めて確認をしたいと思います。日露両国の戦略的利益である真のパートナーシップ構築に向けて平和条約交渉を粘り強く,前進をさせていきたいというふうに思います。ワーキングランチでも引き続き日露の平和条約交渉に関して議論いたしました。
ラブロフ外務大臣が5月30日に訪日し,東京において日露2+2,それと日露外相会談を実施いたします。6月の首脳会談に向けて引き続きよい議論ができることを楽しみにしております。私からは以上です。
質疑応答
Q: 先ほどの共同記者発表の後,ワーキングランチが行われたと思いますが,そちらの方では具体的にどういったことを意見交換されたのか,また先ほど会見の中でも北朝鮮について飛翔体ですとか露朝の件についてもお話をされるとのことでしたが,そういった件についてどのような話をされたのか,拉致についても取り上げられたのかお願いします。
A: ワーキングランチは引き続き平和条約締結問題の議論が続きました。最後までほとんどその問題に終始をいたしました。また,北朝鮮についても若干触れることはありましたが,詳細についてそちらは控えたいと思います。
Q: もう一問,少し別件になりますが,昨日北朝鮮が短距離弾道ミサイルを発射しました。国連の制裁決議違反になると思うんですけれども,改めて今後日本政府としてどのように対応していくか,また総理が日朝首脳会談に条件なしでということで譲歩を示していますが,それについて今回の件がどう影響するのか,お願いします。
A: 短距離弾道ミサイルの発射は明確に安保理決議違反でございます。日米あるいは日米韓3カ国でしっかりと連携をしながら,国際社会による国連決議の完全な履行をしっかりと続けていきたいと思います。抜け穴になっております瀬取り対策その他しっかり対応をとれるようにしていきたいと思っております。また拉致問題につきましては,ご家族がご高齢になられていることもあり,あらゆる機会を逃がさず前に進めたいという総理のご意向もありますので,この件につきましては引き続きしっかり追求をしていきたいというふうに思っております。
Q: 日露外相会談の件なんですけれども,先ほどの共同記者発表の中で,今の発言でもそうですけれども,立場の隔たりがあるということを認められ,一方でその,真のパートナーシップ構築を目指すとおっしゃっています。やはりロシアが信頼ということをよく言っていますが,日本とロシアの間での信頼というのはまだまだ未成熟なものだというご認識なのでしょうか。またそれを育てるためにはどういった取組が必要になって,それがどういうふうに平和条約締結に資するというふうにお考えでしょうか。
A: 安倍総理とプーチン大統領の間の個人的な信頼関係はきわめて強いと思っていますし,私とラブロフ外相との間の信頼関係もしっかり築けてきていると思っております。その上に平和条約交渉をしっかりやってですね,70年間未解決の問題でございますからそう簡単に双方の受け入れができる合意にはなかなかなりませんが,きっちりと論点を整理しながら一つずつ前へ進めていきたいとふうに思っております。
Q: 今日の会見でも1月,2月外相会談をされて今回3回目の会談ということですけれども,基本的な立場の認識というのは埋まらなかったと,やはりかなり難しいというのは,やはり当初想定されていたよりかなり難しい,思ったより難しいという認識なのでしょうか。
A: 70年間未解決の問題ですからそう簡単ではないとお互い認識をしているところではありますが,首脳が条約締結の交渉を加速化させようというところですでに合意をしているところですので,お互い交渉の責任者としてその指示に従って交渉をしっかりと前へ進めていきたいと思っております。
Q: 日程のことなんですが,ラブロフさんが30日,31日に日本に来てですね,具体的に何日に何をやるということは決まったんでしょうか。
A: 30日から訪日をされて,2+2と外相会談をやろうということになっております。詳細はこれから詰めていきます。
Q: 31日に何かがあるかもしれないと。
A: 詳細はこれから詰めていくことになります。
Q: 先ほどの共同記者発表の中でラブロフ外相の方から,サハリンと北海道の人の交流の件について言及がありましたけれども,そういった件についてもお話があったりとか,調整ができたというふうに言ってらっしゃいますけれども,そういったお話があったのでしょうか。
A: 共同経済活動をするためには双方の法的立場を崩さない中で人の移動というのをどうするかそういう話し合いもしていかなければなりませんので5月に作業部会をおこなってそれをしっかりと詰めていきたいというふうに思っております。
Q: 今日の会見のなかでラブロフ外相が第二次世界大戦の結果を認めることが必要だとおっしゃったことに対して,河野大臣の方から平和条約が結ばれていないのは領土,北方領土の国境が確定していないからであることはご承知のとおりですとおっしゃられたと思うのですが,その発言の意図を改めてお伺いしたいのと,そこのところが最大の立場の違いということなのでしょうか,大臣の発言の意図をもう一回もうすこし詳しく教えていただきたいのと,最大の立場の違いを教えていただきたいです。
A: 様々な分野で日露の立場の違いがあるわけでございますが,それはどういう違いかというのはもう皆さんご存じというところがあるかと思います。何が交渉のなかで合意され,また隔たりがあるかいうことについて公の場で申し上げるのは差し控えたいと思います。 
 

 

河野氏、関係強化へ改革後押し サウジ外相に伝える 4/28
河野太郎外相は28日午後(日本時間同)、サウジアラビアのアッサーフ外相と首都リヤドで会談した。日本にとって最大の原油供給国であるサウジとの関係強化に向け、脱石油依存を目指す同国の経済構造改革を後押しする方針を伝える。
会談で河野氏は、サウジによる原油の安定供給に謝意を示した上で「改革は地域の安定にとっても重要だ」と述べた。両氏は、6月に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合の成功に向けた協力を確認する。サウジは来年のG20議長国。
河野氏のサウジ訪問は2度目。サウジ経済の多様化を進め、日本企業による市場開拓を進める狙いもある。 
 
 

 

●柴山文科相 
  米国 5/1-6 
記者会見
久しぶりの記者会見となりますが、本日、私からは1件です。5月1日から6日まで、米国を訪問いたしました。今回の訪問では、「日米科学技術協力協定」に基づき開催された、閣僚級の日米科学技術協力合同高級委員会に平井内閣府特命担当大臣、ドログマイヤー大統領府科学技術政策局長、クラティオス大統領副補佐官とともに、共同議長として出席をさせていただきました。トランプ政権になって初めての合同高級委員会でしたけれども、これまでの協力実績を確認するとともに、今後協力を加速させることとなった量子技術、人工知能(AI)といった新たな日米協力について議論できたことは、大変有意義だったと思います。また、連邦教育省やNASA(航空宇宙局)などの政府要人と会談を行い、我が国の国際的なプレゼンスの向上を図るとともに、教育政策や科学技術・学術政策に関する意見交換も行ってまいりました。特にNASA長官との会談においては、月近傍有人拠点(Gateway)に関する議論の加速を確認するとともに、宇宙分野の研究開発協力の推進に関する共同声明に署名をいたしました。この他、MIT(マサチューセッツ工科大学)ですとか、国立天文台「すばる」望遠鏡を訪問させていただき、今後の我が国の大学改革あるいは天文学分野等の学術研究の推進に向けた有用な知見を得ることができました。関係各位には心から感謝をしたいと思います。文部科学省といたしましては、今回のミッションで得た知見を活用して、教育施策の充実及び学術研究、研究開発の発展に引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。私からは以上です。
質疑応答
Q:記者 まず連休中ですね、インターステラテクノロジズ社による民間ロケットが打上げに成功しました。民間企業が単独で開発したロケットが宇宙空間に到達するのは国内初めてとなりますが、大臣の受け止めをお願いします。
A:大臣 前回の記者会見でも、まず最初に申し上げたかと思うんですけれども、インターステラテクノロジズ社が、今回、3回目の挑戦によってですね、打上げ成功に至ったということを、大変喜ばしく思っております。世界的に民間企業による小型ロケットの打上げが本格化している中で、今回の打上げ成功は、我が国の宇宙産業の活性化に向けて、大きな弾みになると期待しております。文部科学省としては、インターステラテクノロジズ社を含む民間企業が、今後も新たな挑戦を進めていくことに期待をしたいと考えております。
Q: 留学生問題なんですが、連休に入る前にも伺いましたけれども、今後、東京福祉大学などへの指導のスケジュールなど、何か決まったことが教えてください。
A: 現在、法務省と協力して収集した情報の精査及び今後の対応について調整をしているところでありまして、現時点で具体的な公表の時期などを予定してはおりませんけれども、文部科学省といたしましては、今回の事案は非常に由々しき事態と考えておりまして、非正規の学部研究生に留まらず、東京福祉大学に設置されている正規課程や留学生別科も含めて、留学生全体の在籍管理の状況について、更にですね、しっかりと確認をする必要があると、調査をする必要があると考えております。4月23日に行った実地調査では、正規学生や留学生別科の状況を中心に、関係書類の確認や大学関係者へのヒアリング等を行ったところでありますけれども、先ほど申し上げたとおり、その結果を踏まえて必要な改善指導を行っていきたいというように思いますし、その具体的なスケジュールについてですけれども、現時点においてしっかりと法務省と精査をしていきたいと考えております。
Q: 先ほど冒頭にありました米国訪問の件なんですけれども、その中で量子技術やAIのお話があったというふうに伺いました。それに関して米国の動向をどう感じられたかだとか、具体的にこういったことをしたいという、両者で何か具体的なお話などあったんでしょうか、教えてください。
A: 冒頭紹介させていただいた日米科学技術協力合同高級委員会ではですね、非常に多様な議題がテーブルに上ったわけなんですけれども、AI、ムーンショット、あるいは量子技術分野の日米協力、こういったことがらについて議論をしたところであります。アメリカでは、昨年末に「量子コンピュータ関連法」が成立するなど、国を挙げて量子技術を推進しています。日本でも、内閣府とともに、「量子技術イノベーション戦略」を策定して、オールジャパンで量子技術の推進を行う予定です。量子技術分野では、日米の研究者レベルの交流がかねてからあるほか、昨年の林前文部科学大臣とコルドバ全米科学財団長官の会談を受けて、政府間の情報交換も行われております。今般のこの合同高級委員会では、アメリカとの間で、量子技術分野についても、協力を加速させることで意見の一致を見ました。これを受けて、具体的には、関係府省と連携しつつ、日米の実務者で議論を継続するほか、研究者の議論に基づいて、今年の冬に、量子技術分野のワークショップを日本で開催をし、日米研究者に加え、欧州も含めた研究者が中心となって、日米欧の研究者交流を行う予定を今立てております。国際社会における課題解決において、日米のように、価値観を共有する国同士の連携・協力はますます重要でありまして、今後も、日米科学技術協力を是非推進していきたいと考えております。それと人工知能(AI)についての議論なんですけれども、AIに関する日米両国の政策の方向性が一致をしているということ、この分野、日進月歩なんですけれども、協力関係を引き続きしっかりと進めていくということを確認させていただきました。この分野については、現在、理研AIPセンターが、カーネギーメロン大学など、アメリカの中の5つの大学とMOUを締結をしておりますけれども、今後、共同ワークショップの開催、あるいはアメリカから、より多くの若手研究者に理研AIPセンターでの研究開発に参画していただくことなどを通じて、アメリカの研究機関といっそう連携を深め、研究開発と人材育成の取組が進んでいくことを期待しております。また、我が国では、現在AI戦略を検討中でありますけれども、3月末に示されたAI戦略に関する有識者提案の中でも、今ちょっと触れさせていただいたことと関連するんですが、国際協力の重要性が指摘をされていると承知をしております。引き続き、日米における研究協力の強化を図っていきたいと考えております。
Q: 高等教育無償化がまもなく法案が成立しかけていると思うんですけれども、その中で、現在在学中の学生さんが、今現在授業料減免を受けている学生さんですね、380万円の所得を上回ってしまうお子さんたちが、続けられるのかどうなるのかというところなんですけれども、在学中とこれから入る方と分けて何かお考えはありますでしょうか。
A: 国会で答弁を再三申し上げているとおり、この問題については、現在の実態をしっかりと精査をするとともに、大学当局とコミュニケーションを図っていく、そして、財務当局と今後どのようなことができるかということについて、引き続き、しっかりと協議をしていきたいと考えております。
Q: 冒頭の発言に戻るんですけれども、NASAとの会談においてですね、今後、Gateway建設構想への正式な参加表明の時期について、今の段階でいかがお考えか教えてください。
A: Gatewayへの我が国の参画については、今後、宇宙政策全般の中で議論が行われるものでありまして、日本はとにかく対外的なコミットメントを守る国だということをですね、NASAの長官にも、あるいは、ペース宇宙会議事務局長にも評価をされていたということもありまして、長官との会談の中で具体的に参加の表明やスケジュールを伝えるということはしておりません。ただ、文部科学省としては、会談後、私、記者の方々に申し上げたとおり、引き続き、米国を含む関係各極の動向もふまえながら、本年中を目途に参画を表明できるよう、宇宙政策委員会などの関係機関との調整を進めていきたいと考えております。ただ、宇宙基本計画工程表の改訂ですとか、参画表明の在り方、これはどうなるのかこういったことも、今後検討課題になってくるのかなというようには思っておりまして、それをするために宇宙政策委員会など政府内の関係機関との調整はしっかりとこれから進めていきたいと考えております。
Q: 今のお話しですと、基本的には参画という方針自体は政府としては、表明していくという考えですか。
A: 先ほど申し上げたとおりですね、我々、文部科学省としては、本年中を目途に参画を表明できるよう政府内の宇宙政策委員会など関係機関との調整を進めていきたいというふうに考えておりまして、この調整がこれからということであります。だから、まだ、政府全体としての正式な決定というものには至ってないところでありまして、それが故にNASA長官との会談でスケジュールを具体的に伝えるということはしていないということであります。
Q: 高等教育の無償化の関係に戻るんですけれども、先ほど、現在の支援を受けている学生の今後の対応を財務当局を含め協議するということなんですけれども、授業料減免を含め、運営費交付金など補助金を通じた支援を実際に行っていると思うんですが、そうした現行の支援を来年度以降もですね、続ける可能性というのは、まだ現状あるということでよろしいでしょうか。
A: それを含めて、現在、実地調査、および財務当局との調整にかかっているということで、御理解いただきたいと思います。 
 

 

 
 
 

 

●石井国交相 
  香港 マカオ ブルネイ 5/1-5 
香港・マカオ・ブルネイ
石井国土交通大臣は、双方向交流の拡大を進めるとともに日本の質の高いインフラのトップセールスなどを行うため、5月1日から5月5日にかけて香港、マカオ、ブルネイを訪問し、各国政府要人との会談を行いました。
香港では、キャリー・ラム香港特別行政区行政長官とアンソニー・ラウ香港政府観光局理事長と会談し、質の高いインフラの展開や日本と香港の相互交流の拡大等について意見交換を行い、今後の日本と香港の協力関係を確認しました。
マカオでは、我が国におけるIR区域整備の推進に向けた参考とするため、コタイ地区の2つのIRを視察しました。
ブルネイでは、ハサナル・ボルキア国王を表敬したほか、アリ一次資源・観光大臣、アブドゥル・ムタリブ交通・情報コミュニケーション大臣と会談し、本年3月の日本とブルネイを結ぶ直行便就航の歓迎を述べるとともにブルネイへのアウトバウンド等について意見交換を行い、今後も両国で協力していくことで一致しました。
1.香港における会談の概要
(1)ラム香港特別行政区行政長官
質の高いインフラの展開や日本と香港の相互交流の拡大等について、意見交換を行い、今後の日本と香港の協力関係を確認しました。
(2)ラウ香港政務観光局理事長
日本と香港の相互交流の拡大等について意見交換を行い、「2019 日本香港観光年」を契機として、日本・香港間の交流が双方向でバランス良く促進されるよう、香港政府観光局を始めとする香港側関係者と、観光庁、日本政府観光局(JNTO)、日本旅行業協会(JATA)等の日本側関係者で引き続き緊密に協力し、双方向の観光交流を更に促進していくことを確認しました。
2.マカオにおける視察の概要
近年、大規模なIRが整備されてきているコタイ地区において、2つのIRを訪問し、МICE施設、宿泊施設、エンターテイメント施設等を視察しました。
3.ブルネイにおける会談の概要
(1)ボルキア国王
ボルキア国王を表敬し、本年3月の日本とブルネイを結ぶ直行便就航の歓迎等を述べました。
(2)アリ一次資源観光大臣
直行便就航を契機として、日本からブルネイへのアウトバウンド増加に向けた日本の旅行業界の取組を紹介し、ロイヤルブルネイ航空等のブルネイ側と、観光庁、日本旅行業協会(JATA)、日本政府観光局(JNTO)等の日本側が今後緊密に協力し、双方向の観光交流を更に促進していくことを確認しました。
(3)ムタリブ通信大臣
直行便の就航や船舶の航行安全に係る支援等の交通分野について、今後の両国の協力関係を確認しました。 
 

 

石井国土交通大臣がマカオ訪問…IR施設を視察 5/3
日本の石井啓一国土交通大臣が5月1日から4日にかけて香港、マカオ、ブルネイを訪問中。2日夜に香港からマカオ入りした。
石井大臣は2日夕方に香港でメディアの取材に応じた際、国交省は日本のIR(統合型リゾート)を担当することから、3日にIRの整備が進んだマカオでIR施設を視察するとし、主な視察ポイントとしてエキジビション、ホテル、レクリエーションに関するファシリティを挙げた。なお、訪問先のIR施設名は公表していない。
このほか、3日は昨年(2018年)10月24日に開通した世界最大の跨海架橋プロジェクトとなる「港珠澳大橋」視察予定。その後、香港を経由してブルネイへ移動するとのこと。 
石井国交相がインフラ輸出のため香港・マカオ・ブルネイに訪問 5/7
日本の国土交通省は、石井国土交通大臣が日本の質の高いインフラのトップセールスなどを行うために香港・マカオ・ブルネイに訪問し、現地の政府高官などとの間で会談を実施したことを発表した。
香港では、ラム香港特別行政区行政長官と会談をし、質の高いインフラの展開や日本と香港の相互交流の拡大等について意見交換を行った。ラウ香港政務観光局理事長とも会談をし、「2019日本香港観光年」を契機として、両者間の交流が双方向でバランス良く促進されるよう、香港側関係者と日本側関係者で引き続き緊密に協力して、双方向の観光交流を更に促進していくことを確認した。
マカオでは、大規模なIRが整備されてきているコタイ地区で2つのIRを訪問して、MICE施設、宿泊施設、エンターテイメント施設等を視察した。
ブルネイでは、ボルキア国王に表敬し、本年3月の日本とブルネイを結ぶ直行便就航の歓迎等を述べた。アリ一次資源観光大臣と会談をし、直行便就航を契機として、日本からブルネイへのアウトバウンド増加に向けた日本の旅行業界の取組を紹介し、双方向の観光交流を更に促進していくことを確認した。ムタリブ通信大臣とも会談をし、直行便の就航や船舶の航行安全に係る支援等の交通分野に関して、今後の両国の協力関係を確認した。 
 
 

 

●原田環境相 
  フランス ドイツ 5/2-7 
G7メッス環境大臣会合
5月5日及び6日に、フランス・メッスにおいて、G7環境大臣会合が開催され、原田義昭環境大臣が出席しました。会合では、生物多様性をはじめとする地球規模の環境問題について議論が行われ、原田大臣は、以下の3点を中心に我が国の取組を発信し、今次会合の成果物であるコミュニケや生物多様性憲章の採択に貢献しました。
1 我が国は、6月のG20までに、1.5℃目標の達成に貢献すべく、今世紀後半のできるだけ早期に「脱炭素社会」、すなわち実質排出ゼロの実現を目指し、パリ協定に基づく長期戦略を策定すること。また、フロン排出抑制法改正などフロン類の排出抑制に向けた取組を各国に先駆けて進めていること。
2 海洋プラスチックごみ問題について、6月のG20で、新興国・途上国を巻き込んだ実効性のある枠組みの構築を目指すこと。
3 生物多様性に関しては、愛知目標の下での取組が更に発展・継続するよう、新たな世界目標の議論に積極的に貢献すること。また、先月国会で成立した改正自然環境保全法に基づき、来年4月の施行に向けて沖合海底自然環境保全地域を設定し、保護区に関する愛知目標の達成に貢献すること。 .
1.今次会合の主な成果.
原田環境大臣は、フランスに出張し、G7メッス環境大臣会合(5日〜6日)に出席。G7各国及び招聘国と、生物多様性、気候変動、資源効率性及び海洋プラスチックごみを中心に議論を行い、これらの地球規模の環境問題等に対し、引き続き各国が結束・連携し、積極的に取り組む姿勢を確認。.
本会合の成果物として、議論の内容をまとめたコミュニケ、及びG7の生物多様性に対する今後の取組をまとめた「生物多様性憲章」を採択。また、G7有志国等で特定のテーマについての取組を推進するための複数のイニシアティブについて合意。
原田環境大臣は、G7各国等と個別に会談を行い、今年6月のG20日本開催に向けた連携を確認。
2.開催概要.
日 時:令和元年5月5日(日)〜6日(月)
場 所:フランス・メッス
参加国:G7各国(日、米、仏(議長国)、独、英、伊、加)、EU
招聘国:チリ、エジプト、フィジー、ガボン、インド、インドネシア、メキシコ、ニジェール、ノルウェー
3.G7環境大臣会合(5日〜6日).
原田環境大臣は、1生物多様性と気候に関する科学的警告と国際的動員、2公平な移行(SDGs)、3気候と生物多様性のための具体的な解決策、4生物多様性保全と持続可能な利用のための資金調達等の議題において、積極的に議論に参加した。会合での原田環境大臣の主な発言は、以下のとおり。.
1 気候変動について、パリ協定に基づく長期戦略の策定を進めているところであり、実質排出ゼロの実現を目指し、水素等のイノベーションの促進に取り組んで行く。また、フロン排出抑制法の改正など、引き続きフロン類の排出抑制に向けた取組を推進していく。.
2 SDGsに関連して、地域資源を持続可能な形で活用し、自立・分散型の社会を形成する「地域循環共生圏」という将来ビジョンを構築した。また、国内外の環境教育事業を通じて、持続可能な地域作りを中心的に担う、女性や若者の支援を継続的に行っていく。.
3 気候変動適応法が昨年12月から施行されており、最新の科学的知見・情報を踏まえ、地域の実情に応じた実効性の高い取組を推進していく。また、我が国発のSATOYAMAイニシアティブや、先月国会において成立した改正自然環境保全法に基づく沖合海底自然環境保全地域の設定等を通じて、愛知目標の達成に貢献する。加えて、海洋プラスチックごみ問題の解決に向けて、全ての国々による具体的な「行動」につながるよう、G20を目指して全力で取り組む。.
4 生物多様性のためのファイナンスを含むESG投資の促進に向けて、経済界との連携や、ガイドラインの作成等を進めており、引き続き環境金融の取組を積極的に推進していく。.
各国からは、それぞれの議題につき、自国が抱える優先度の高い課題や、それらへの政策アプローチなどの紹介があったほか、これらの地球規模の環境課題に対処するために、G7が結束・連携し、民間企業や非政府組織等とよく連携しながら、引き続きリーダーシップを示していく必要があること等の発言があり、G7各国の認識の共有がなされた。.
これに加え、各国から、G7有志国等で特定のテーマについての取組を推進するための複数のイニシアティブへの参加が表明された。原田環境大臣は、冷媒のエネルギー効率を高める「効率的な冷却イニシアティブ」に関連したプレゼンテーションを行い、代替フロンの回収率の向上を図るためのフロン法の改正案を今国会に提出していることを紹介し、その経験を各国と共有していくことを表明しました。.
本会合の成果物として、議論の内容をまとめたコミュニケ、及びG7の生物多様性に対する今後の取組をまとめた「生物多様性憲章」が採択されるとともに、複数のイニシアティブについて合意された。.
4.二国間会談 .
(1)米ウィーラー環境保護庁(EPA)長官との会談 .
米国環境保護庁のウィーラー長官と会談を行い、日米が連携して気候変動対策に取り組むことを再確認した。また、6月に我が国で開催されるG20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合(6月14日〜15日、長野県軽井沢町)において、海洋プラスチックごみ問題に対する実効的な対策について議論をしていくことを確認した。.
(2)その他大臣等との会談 .
フランスのド・リュジ環境連帯移行省大臣、EUのヴェッラ環境・海事・漁業担当欧州委員、OECDの河野次長と個別に会談を実施し、G20日本開催に向けた今後の取組等について意見交換を行い、連携を確認した。.
5.その他  .
本会合への参加に先立って、環境大臣として初めて、我が国の水素・燃料電池関連企業を引率し、現地の関連企業の視察(3日〜4日)を行うとともに、日本企業と現地企業の懇談会を開催した。.
また、大臣会合では、前回のG7ハリファックス環境大臣会合の成果文書である「海洋プラスチックごみに対処するためのG7イノベーションチャレンジ」のフォローアップとして、民間企業のCEOによる各種取組の紹介が行われ、我が国からは、株式会社カネカ及び日本環境設計株式会社の幹部が参加し、生分解性プラスチックの開発やPET to PETのリサイクル技術といった海洋プラスチックごみ対策に資する我が国の優れた技術を発信した。.
大臣メモ
フランス・パリへの出張 5/3
平成・令和の「御代替わり」の諸行事を終えて、私は今パリに向けての飛行機上におります。案件は2件、先進7カ国(いわゆるG7)の環境大臣会議への出席、さらには日本の国家的懸案である「水素社会」建設のため、仏独の先進企業を訪問して実態を調査研究することとしています。
天皇陛下と水問題 5/3
天皇陛下が水問題の専門家であられるということは、比較的知られていることです。「世界水フォーラム」の名誉総裁も務めておられますが、これが単なる名前だけの尊称ではないということも知られています。ご自身「ライフワーク」とも位置付けて、日本の灌漑や治水、世界の水問題、アフリカ・ナイル川問題などを含めて常に歴史的、自然的観点から本格的に掘り下げられている。国際大会で基調演説されることも。近年の巨大津波や豪雨災害に対し防災、減災の必要性を説き、「地球上では6億の人々が安全な水を利用出来てない」と、「水」が貧困や教育、衛生、環境にも直結することを警告される。
一昨年8月のこと、私は国連本部で行われた水問題総会に自民党の二階幹事長らと出席しました。丁度そのひと月前、地元朝倉市が空前の豪雨災害に遭った直後です。 日本代表としては、皇太子(当時)が、30分ほどビデオメッセージの形で演説をされた。これがまた 素晴らしかった。その内容は内外多岐に亘り、丁寧で分かりやすく、それでいて学問的にも整っていた。更に、(実はこれも自慢なのですが、)発言の英語が、発音も表現力も素晴らしかった。終えた後、周りの各国代表から、「素晴らしかった」、「立派な天皇になるだろう」との褒めことばを頂き、本当に嬉しい気持ちで一杯となったものです。
驚異の水素型鉄道列車とは 5/5
今回の訪欧には、日本からトヨタ自動車、川崎重工など6社10人の水素専門家が同行しています。増山環境省顧問の指導、九州大学の佐々木一成教授(副学長)が団長役として付いています。わが国の最高頭脳グループと自負していますが、世界的に進んでいるパリ市内の2社を訪問して最新の情報を収集、交換しました。
Alstom(「アルストム」)社。(フィリップ ・デレー上席副社長。) 鉄道列車製造の専門会社で創業90年。フランス及び欧州各国の鉄道網に列車を供給するほか、環境エネルギーの観点から水素電池型列車を開発供給。その技術、社会的レベルは他を圧する。ドイツに水素鉄道を協力しているが、環境エネルギーにおける仏独の国家間協力の象徴となっている。
Air Liquide(「エアリクイード」)社。(ブノワ・ポティエ会長。) 創業120年、日本との関わり80年を超える。水素ガスなど産業医療ガスの製造販売。初の水素燃料電池車開発、水素ステーションの普及。世界水素協議会共同議長。
環境大臣会議 5/7
フランスの東部メッツ(Metz)市にて「先進7ヶ国(G7)環境大臣会議」が行われた。会議テーマは気候変動、海洋プラチック汚染問題、生物多様性問題など多岐に及び、いずれも急を要する問題で、6月、長野県軽井沢町で行われる「G20環境大臣会議」への前哨戦ともいうべき場となった。米国、フランス、EUなど主要国との二国間会談もこなすなど、概ねしっかりと対応できたものと考えています。演説の冒頭には、日本は令和の改元とともに、更に新たな気持ちで国際的な平和と繁栄のために努力する旨の挨拶を致しました。
コミュニケ発表、大臣会議終わる 5/7
G7環境大臣会議が終わり、決議文を発表し、閉会しました。私は日本の立場をしっかり主張するとともに、来月のG20閣僚会議への各国協力をお願いしました。閉会記者会見では、議長(フランス環境大臣)からは、特段名指しで日本の努力を評価して頂きました。  
 

 

生物多様性保全やプラごみ対策議論 G7環境相会合開幕 5/6
先進七カ国(G7)環境相会合が五日、フランス北東部メッスで開幕した。二日間の日程で生物多様性の保全や海のプラスチックごみなどに関する対策について協議する。
今年のG7議長国フランスは「不平等との闘い」をG7会合の中心課題に設定した。気候変動や生物多様性の損失で深刻な被害を受けるのは発展途上国で、不平等を一層悪化させると指摘。先進七カ国で民間部門とも協力して具体的な対策の実施に向けた合意を目指す。
フランスのドルジ環境相は開会に際し、社会的な側面を考慮しない環境政策は「不公正で効果的ではない」と指摘した。
日本からは原田義昭環境相が出席した。会議に先立ち記者団に対し、六月に大阪で開かれる二十カ国・地域(G20)首脳会合で海のプラスチックごみ対策を主要議題として取り上げるとして「発展途上国と協力し合えるアプローチが必要だ。まずG7で足並みをそろえようと訴える」と述べた。
会合には気候変動に関する政府間パネル(IPCC)など国際組織の専門家や環境団体、民間企業の代表らも議題ごとに参加。六日の閉幕時にG7としての合意文書を採択する。
「100万種 絶滅危機」G7環境相会合 生物多様性の保全加速へ 5/7
フランスで開かれていたG7=主要7か国の環境相会合は、多くの種類の生物が絶滅の危機にひんしているという最新の科学的な報告書を受けて、生物多様性の保全に向けて各国が取り組みを加速させることなどで一致しました。
G7の環境相会合は、日本からは原田環境大臣が出席して生物多様性を主要な議題に議論を行い、6日、新たな憲章を採択して閉幕しました。
憲章では各国の科学者などがまとめた最新の報告書で、およそ100万種の動植物が絶滅の危機にひんしていることなどが指摘されたことを受けて、生物の多様性を守り、回復させる取り組みを加速させ、公的な資金や民間の資金も動員されるよう努力するなどとしています。
議長国フランスのドルジ環境相は「憲章は報告書に対して最初の具体的な対応となる」と述べて、取り組みを強化する第一歩だと強調しました。
生物多様性の保全に向けては各国は、来年、中国で開かれる国連の会議で、9年前に名古屋市で合意した「愛知目標」に続く新たな目標の合意を目指しています。
フランスはG7以外の国にも今回の憲章の採択を促す方針で、新たな目標の交渉でも議論をリードしたい考えです。
一方で、地球温暖化対策では会合で採択された共同文書の中でアメリカの主張を個別に記し、G7内の立場の違いが改めて表面化しています。
IPBESは6日パリで記者会見を行い報告書を発表しました。
議長として報告書の取りまとめにあたったイギリスのイーストアングリア大学環境科学部のロバート・ワトソン教授は「生物多様性について驚くほど詳細な記述とともに、最も包括的に書かれた初めての報告書だ」と述べて、その意義を強調しました。
そのうえで「生物多様性はそれ自体が重要なだけでなく、人間の豊かな暮らしにも欠かせないが、われわれみずからが破壊している」と指摘して、保全の必要性を訴えました。
またIPBESのアン・ラリゴードリ事務局長は「私たちの目標は、政策決定者に生物多様性の問題を気候変動と同じように重要な課題としてとらえてもらうことだ」と述べ、報告書をきっかけに生物多様性の問題に対する関心が高まることに期待を示しました。
原田環境大臣は6日、フランスのメスでNHKの取材に応じ「現状では愛知目標を達成できない見通しであるなど厳しい評価になっている。経済や社会、政治を含め社会全体が変わる必要があり、単に法律や規制を作るだけでなく実体が伴うように努力したい」と述べて、生物多様性の保全に向けて日本としても取り組みを強化する考えを示しました。
環境相、プラごみ輸出減に意欲 5/10
原田義昭環境相は10日の記者会見で、国内で発生したプラスチックごみの途上国への輸出について「基本的にやめなければならない」と述べ、段階的な削減に改めて意欲を示した。
有害ごみ輸出を規制するバーゼル条約の締約国会議(スイス・ジュネーブ)は、対象に「汚れた廃プラスチック」を加える改正案を審議しており、日本時間の同日夜に採決する見通し。改正案は日本とノルウェーが共同提案した。
原田氏は改正案が否決された場合も、日本独自の輸出規制を検討する考えを示した。 
 
 

 

●岩屋防衛相 
  ベトナム 5/2-4 
日越防衛相会談 5/2
2019年5月2日(木)、15時15分から16時35分(現地時間)、ベトナムを訪問中の岩屋防衛大臣は、ベトナム国防省において、リック国防大臣と日越防衛相会談を実施したところ、概要以下のとおり。なお、会談終了後、深山装備庁長官及びヴィン国防次官との間で「防衛産業間協力の促進の方向性に係る日ベトナム防衛当局間の覚書」への署名式が実施された。
1.冒頭
冒頭、リック大臣から、新天皇の即位への祝意が述べられるとともに、令和の時代、初めての日本の大臣の訪越を嬉しく思う旨発言があり、岩屋大臣から、これに対し御礼申し上げた。また、岩屋大臣から、アイン元国家主席の逝去に対し、お悔やみを申し上げた。
2.地域情勢
(1)北朝鮮に関して、岩屋大臣から、国連安保理決議の履行の重要性に関して強調するとともに、拉致問題についても支援をお願いしたい旨述べた。これに対し、リック大臣から、北朝鮮の非核化に向け連携したい旨発言があった。
(2)両大臣は南シナ海情勢に関しても意見交換を行い、引き続き連携していくことで一致した。
3.日越防衛協力
岩屋大臣から、「防衛協力に関する日越共同ビジョン」を踏まえて、1ハイレベル交流、2艦艇・航空機の寄港(寄航)、3能力構築支援の強化、4日ASEANの協力指針である「ビエンチャン・ビジョン」に基づいた多国間協力、5政策協議の実施等を進めたい旨述べ、リック大臣から、これらに賛同するとともに、日本のこれまでの協力を高く評価する旨発言があった。
4.防衛装備・技術協力
両大臣は、具体的な分野等を示した「防衛産業間協力の促進の方向性に係る覚書」への署名を踏まえ、本覚書に基づき日越防衛装備・技術協力の促進を図ることで一致した。
5.両国の防衛政策
岩屋大臣から、昨年末に策定した新大綱、及び「自由で開かれたインド太平洋」というビジョンについて説明し、この方針も踏まえ、日越の協力を一層深化させたい旨述べ、これに対して、リック大臣から、日本の関与を歓迎する旨応答があった。 
日越防衛相会談後臨時会見
先ほど、日越防衛相会談を行いました。冒頭、リック大臣から、新天皇の御即位への祝意が述べられるとともに、令和の時代初めての日本の大臣の訪越を嬉しく思う、との御発言がございました。私の方からは、これに対して御礼を申し上げました。また、アイン元国家主席の御逝去にお悔やみを申し上げたところでございます。会談では、まず、地域情勢を議論いたしました。東シナ海、南シナ海、北朝鮮、中国、全般についてでございますが、北朝鮮に関して、私の方からは、安保理決議の履行の重要性について述べるとともに、拉致問題についても御支援をお願いしたいということを申し上げました。リック大臣からは、北朝鮮の非核化のために連携していきたい、というお話がございました。日越防衛協力に関しましては、「防衛協力に関する共同ビジョン」を踏まえまして、ハイレベル交流、艦艇・航空機の寄港の推進、能力構築支援の強化、「ビエンチャン・ビジョン」に基づく多国間協力の推進、政策協議の実施等を進めていきたいと申し上げましたが、リック大臣からは、この考え方に賛同いただくとともに、これまでの日本の協力を高く評価するという御発言がございました。また、会談終了後、防衛装備・技術協力について、防衛産業間協力の促進の方向性に係る覚書に日ベトナムの防衛当局間で署名をいたしました。我が方は深山防衛装備庁長官、ベトナム側はヴィン国防次官によって署名がされました。本覚書に基づき、両国の防衛装備・技術協力の促進を図ることで一致を見たところでございます。最後に、私どもが昨年に作った防衛計画の大綱の考え方について御説明し、「自由で開かれたインド太平洋」ビジョンについても説明をいたしました。このビジョンに基づいて、ベトナムと一層防衛協力を深化させていきたいという旨を申し上げたところ、リック大臣からは、日本の関与を歓迎する、というお話がございました。今回の会談の成果を踏まえまして、引き続き、幅広い分野で日本とベトナムとの防衛協力を進めて、地域の平和と安定に貢献していきたいと考えております。
質疑応答
Q: 中国が南シナ海、東シナ海への海洋進出を強めていることを踏まえた場合に、今回の会談の意義、そして、これを日本の安全保障にどのように活かしていくのでしょうか。
A: 全ての問題は平和的に解決をされなければいけないということでは、認識の共有を見たと思いますが、南シナ海のベトナムは沿岸国で、重要国であります。このベトナムとわが国が防衛協力を進めることは、「自由で開かれたインド太平洋」というビジョンを維持し強化する上で、非常に重要だと考えております。これを踏まえ、先程申し上げた様々なレベルの防衛協力をしっかり進めていきたいと考えております。防衛大臣としては、約3年半ぶりの訪越ということになりますが、今回、リック国防大臣との間で、南シナ海を含む地域情勢について議論を深めることができましたし、また、海洋安保分野を含めて、防衛協力を前進させていくことでも意見の一致を見ました。残念ながら、南シナ海において、一方的な現状変更の試みが続いている中にあって、ベトナムとわが国が「自由で開かれたインド太平洋」というビジョンを共有していくということは、非常に意義があることだと考えています。
Q: 先ほど大臣の方から、力による現状変更の試みは残念だと御発言ありましたが、こういった海洋進出への懸念の認識というのは会談でも触れられたのか、その点の経緯をお聞かせ下さい。
A: 東シナ海についても、南シナ海についても、中国との信頼醸成のための努力は重要だと思いますが、先程来申し上げているように、力による現状変更の試みが続いているということに関しては、国際社会が協力して、しっかりと声を上げていかなければいけないということについても、意見の一致を見たところでございます。引き続き、本件に関して、両国でしっかり連携していきたいと思いますが、これ以上の詳細については、控えさせていただきたいと思います。
Q: 防衛装備の協力ですが、今後、どのように具体的な装備の密接な協議を進めていくお考えでしょうか。
A: この覚書は、日本とベトナムとの間の防衛産業協力及び官民の連携を強化していこうと、「ビエンチャン・ビジョン」の下に、わが国の防衛装備移転三原則を踏まえまして、具体的な分野を示した上で、防衛産業間の協力を促進していこう、ということを表明するものでございまして、将来的には、防衛装備移転等に資するものだと思っております。具体的な分野と申しますのは、海洋安全保障、捜索・救難、人道支援・災害救援、地雷・不発弾の処理、サイバーセキュリティ、輸送、警戒・監視、掃海といった分野でございまして、具体的にどういう協力を進めていくかというのは、まさにこれからでございますが、防衛省としても、引き続き、両国の防衛装備・技術協力の促進に向けて努力をしていきたいと思います。
Q: 護衛艦「いずも」がベトナムに入る予定とのことですが、このあたりの日程感であるとか、そういうのは如何でしょうか。
A: 今のところ「いずも」が訪問するのは、6月に予定しておりますが、その話をさせていただいて、協力をお願いしたところでございますが、喜んで協力したい、というお話をいただきました。
Q: 「いずも」は大綱にも明記されていますが、今回、大臣の方から、具体的に大綱のどういった中身について説明されたのか、それについてリック大臣の方からどのような共感があったのでしょうか。
A: 短い時間でございましたので、大綱の基本的な考え方を主に説明をさせていただきました。従って、細かい装備についてまで言及する時間はなかったわけでございまして、大綱が掲げる3つの柱、多次元統合防衛力、新領域を含む防衛力をしっかり作っていきます、それから、日米同盟の抑止力・対処力を一層強化していきます、そして、友好国との防衛協力・交流というものをしっかり進めていきます、というこの3つについて説明をさせていただき、御理解をいただいたところでございます。
Q: 大綱で明記された地域情勢についても会談の中で言及されたという理解でよろしいでしょうか。
A: 先ほど、地域情勢についてまず議論したと申し上げましたが、その中で、そういうお話もさせていただきました。 
 

 

南シナ海問題の平和解決を 日越防衛相が認識共有 5/2
岩屋毅防衛相は2日午後、ベトナムの首都ハノイの国防省で、同国のゴ・スアン・リック国防相と会談し、ベトナムが中国などと領有権を争う南シナ海の問題について協議した。両氏は、国際社会の協力を得て平和的に解決する必要があるとの認識を共有した。自衛隊艦艇のベトナム寄港や、防衛装備品に関する日本側の協力といった両国間の防衛交流促進も議論した。
岩屋氏は会談冒頭で「令和の時代でも、ベトナムとの関係をさらに深化させたい」と強調。リック氏は天皇陛下の即位に祝意を表明し「今回の岩屋氏の訪問は、両国の国防関係を新たな段階へ進めることに貢献する」と語った。
昨年決定した新たな防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」の内容も会談で説明した。大綱は、南シナ海で軍事拠点づくりを進める中国の動向に関し「わが国を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念となっている」と指摘している。
日本とベトナムの防衛相による正式な会談は昨年6月以来。岩屋氏は2日午後、ベトナムに到着した。 
日越防衛協力推進で一致 岩屋氏、フック首相と会談 5/4
ベトナム訪問中の岩屋毅防衛相は4日、首都ハノイでグエン・スアン・フック首相と会談し、自衛隊艦艇のベトナム寄港や、防衛産業間の交流促進など両国の防衛協力を推進する方針で一致した。
岩屋氏は2〜4日の日程でベトナムを訪問。フック首相との会談後、記者団に「今回の訪問結果を生かし、両国の連携を深め、地域の安定と平和に貢献していきたい」と強調した。
日本政府は昨年決定した新たな防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」で、ベトナムなど東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国との関係について「共同訓練・演習、防衛装備・技術協力、能力構築支援等の具体的な2国間・多国間協力を推進する」と明記した。 
 
 

 

●菅官房長官 
  米国 5/9-12 
アメリカ合衆国 シャナハン米国国防長官代行との会談 5/9
9日16時15分頃(現地時間)から約40分間,米国訪問中の菅義偉官房長官は,シャナハン国防長官代行と会談したところ,概要は以下のとおりです。
1 菅官房長官から,米軍施設・区域が集中している沖縄の負担軽減の現状について説明し,双方は,日米同盟の抑止力を維持しつつ,地元の負担を軽減するべく,普天間飛行場の辺野古移設を含め在日米軍再編や負担軽減策を着実に実施していくことを確認しました。
2 また,双方は,北朝鮮情勢について意見交換を行い,安保理決議の完全な履行で一致しました。また,菅官房長官から,拉致問題の早期解決に向け,米国政府の協力を要請し,双方は,引き続き緊密に連携していくことを確認しました。また,5月4日に続いて本日も北朝鮮が飛翔体を発射したことを踏まえ,引き続き日米の間で,分析・対応を含め,あらゆるレベルで緊密に連携していくことを確認しました。
3 さらに,双方は,自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて連携していくことも確認しました。
アメリカ合衆国 ポンペオ米国国務長官との会談 5/9
9日17時30分頃(現地時間)から約30分間,米国訪問中の菅義偉官房長官は,ポンペオ国務長官と会談したところ,概要は以下のとおりです。
1 双方は,北朝鮮情勢について意見交換を行い,安保理決議の完全な履行で一致しました。また,菅官房長官から,拉致問題の早期解決に向け,米国政府の協力を要請し,双方は,引き続き緊密に連携していくことを確認しました。また,5月4日に続いて本日も北朝鮮が飛翔体を発射したことを踏まえ,引き続き日米の間で,分析・対応を含め,あらゆるレベルで緊密に連携していくことを確認しました。
2 また,双方は,日米同盟の抑止力を維持しつつ,地元の負担を軽減するべく,普天間飛行場の辺野古移設を含め在日米軍再編や負担軽減策を着実に実施していくことを確認しました。
3 さらに,双方は,トランプ大統領の国賓訪日の成功に向け,日米両政府間でしっかりと準備を進めていくことも確認しました。
アメリカ合衆国 ペンス米副大統領の会談 5/10
10日(金曜日)午前11時15分頃(現地時間。日本時間11日(土曜日)午前0時15分頃)から約40分,米国訪問中の菅義偉官房長官は,ホワイト・ハウスにおいて,マイク・ペンス副大統領と会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
1 双方は,北朝鮮情勢について意見交換を行い,安保理決議の完全な履行で一致するとともに,菅官房長官から,拉致問題の早期解決に向け,米国政府の協力を要請し,双方は,引き続き緊密に連携していくことを確認しました。また,北朝鮮が5月4日の事案に続き,9日に短距離弾道ミサイルを発射したことを踏まえ,引き続き日米の間で,分析・対応を含め,あらゆるレベルで緊密に連携していくことを確認しました。
2 また,菅官房長官から,日米同盟の抑止力を維持しつつ,沖縄を含む地元の負担を軽減するため,在日米軍再編等に係る日本政府の取組について述べ,引き続き連携していくことを確認しました。
3 双方は,先月の安倍総理訪米に引き続き,今月下旬のトランプ大統領の国賓訪日も成功させ,広く内外に日米同盟の史上かつてない強固さを示すべく,日米両政府で緊密に連携していくことを確認しました。また,双方は,自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた連携についても確認しました。
アメリカ合衆国 「米国金融・投資関係者との意見交換」出席 5/10
5月10日(金曜日)午後3時05分(現地時間。日本時間11日午前4時05分)から約40分間,米国・ニューヨーク訪問中の菅義偉内閣官房長官は,金融・投資関係者と意見交換を行ったところ,概要は以下のとおりです。
1 菅官房長官から,インバウンド観光客,農産品の輸出の大幅な増加を例に挙げつつ,安倍政権における経済政策の成果を説明しました。令和の新時代においても,安倍政権は,デフレ脱却,少子高齢化,経済成長と財政健全化の両立を含む諸課題に全力で取り組む考えである旨述べました。
2 出席した金融・投資関係のトップビジネスリーダーからは,アベノミクス別ウィンドウで開くのこれまでの成果に高い評価が寄せられました。また,世界経済の動向への見方や対日投資を促進するための方策について意見が寄せられ,菅官房長官との間で活発な意見交換が行われました。
3 結びに,菅官房長官から,参加者の貴重な意見に謝意を表しつつ,「引き続き大胆な改革を進めつつ,日本経済の成長をさらに拡大できるようにしていきたい。」と述べました。
アメリカ合衆国 拉致問題に関するシンポジウムへの出席 5/10
5月10日午後4時頃(現地時間)から約2時間,米国を訪問中の菅義偉内閣官房長官兼拉致問題担当大臣は,国連本部において,日本,米国,豪州,EUの共催による拉致問題に関するシンポジウムに出席しました。
同シンポジウムにおいて,日本の拉致被害者御家族を含めた当事者から,「生の声」が国際社会に訴えかけられるとともに,菅官房長官から,御家族の切なる思いとあわせて,拉致問題の一刻も早い解決に向けて,国際社会の理解と協力を呼びかけました。
菅内閣官房長官兼拉致問題担当大臣は米国を訪問し、5月10日(金)、ニューヨークの国連本部において、日本、米国、豪州、EUの共催による拉致問題に関するシンポジウムに出席しました。
同シンポジウムにおいて、日本の拉致被害者御家族を含めた当事者から、「生の声」が国際社会に訴えかけられるとともに、菅官房長官から、御家族の切なる思いとあわせて、拉致問題の一刻も早い解決に向けて、国際社会の理解と協力を呼びかけました。

菅官房長官は基調講演において、まさに正念場である、御家族も御高齢となる中、一日も早い解決に向け、あらゆるチャンスを逃すことなく果敢に行動していく旨述べるとともに、今回のシンポジウムを機に、グローバルな課題としての拉致問題の解決に向けた国際連携が深まることを強く期待する旨を発言しました。
また、拉致被害者御家族の横田拓也氏、飯塚耕一郎氏、及び特定失踪者御家族の吉見美保氏も出席され、肉親との再会を願う切実な思いを訴えました。
さらに、米国からは、オットー・ワームビア氏の父親フレッド・ワームビア氏と、デービッド・スネドン氏の兄ジェームズ・スネドン氏、そして、タイからはアノーチャ・パンチョイ氏の甥バンジョン・パンチョイ氏が出席し、それぞれ当時者からの「生の声」を訴えていただきました。
これに続き、日・米・韓の有識者によるパネルディスカッションにおいては、グローバルな課題としての拉致問題の解決に向けた国際連携の在り方について議論しました。  
 

 

菅官房長官が米国へ出発 ペンス副大統領ら政府要人と会談へ 5/9
菅義偉(すが・よしひで)官房長官は9日午前、米ワシントンに向けて民間機で成田空港を出発した。滞在中にペンス副大統領やポンペオ国務長官ら米政府要人と会談し、日本人拉致問題を含む対北朝鮮政策や沖縄の米軍基地負担軽減をめぐり、連携強化を図る。危機管理を担う官房長官の外国訪問は異例で、12日に帰国する。
菅氏は現地時間の9日午後(日本時間10日午前)にワシントンでポンペオ氏、シャナハン国防長官代行と個別に会談。10日午前(同11日午前)にペンス氏と会談する。
対北朝鮮政策では拉致問題のほか、飛翔(ひしょう)体発射を受けて核・ミサイル問題を議論する。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾=ぎのわん=市)の名護市辺野古移設についても意見を交わす見通しだ。
米政府要人が相次ぎ会談するのは珍しく、安倍晋三政権で存在感が高まっている菅氏との関係を重視しているとみられる。
10日はペンス氏との会談後にニューヨークへ移動し、国連本部で開かれる拉致問題に関するシンポジウムで講演する。国際社会に対し、解決に向けた協力を訴える。米国の金融業界関係者とも意見交換する。
菅氏の海外出張は平成27年10月に在沖縄米海兵隊の移転先の米領グアムを訪れて以来となる。拉致問題担当相を兼務する今回は拉致問題のシンポに合わせた。
対北朝鮮、ミサイル・拉致で緊密連携=菅官房長官が米国務長官らと会談 5/10
菅義偉官房長官は9日午後(日本時間10日午前)、ワシントンの米国務省でポンペオ国務長官、国防総省でシャナハン国防長官代行とそれぞれ会談した。北朝鮮が短距離ミサイルとみられる飛翔(ひしょう)体を発射したことを受け、日米で緊密に連携して分析、対応することで一致し、日本人拉致問題の早期解決に向けた協力も確認した。
菅氏は会談後、北朝鮮対応をめぐり「国連安全保障理事会(の制裁)決議の完全な履行で一致した」と記者団に強調した。
ポンペオ氏との会談では、安倍晋三首相が前提条件を設けずに日朝首脳会談を模索すると表明したことに関し、首脳会談を通じて拉致問題解決を目指す首相の決意を伝えた。完全で検証可能な非核化の実現に向け、引き続き韓国や中国、ロシアなど国際社会と連携していくことも確認した。
菅官房長官、強烈外交デビュー! ポンペオ氏と会談、米側は「異例の厚遇」 5/10
菅義偉官房長官が強烈な外交デビューを果たした。9日午後(日本時間10日午前)、米ワシントンの国務省で、マイク・ポンペオ国務長官と会談したのだ。10日にはマイク・ペンス副大統領との会談も予定されるなど、米側の「異例の厚遇」ぶりが際立つ。4月1日の新元号発表で知名度を上げた「令和おじさん」は一躍、「ポスト安倍」レースでも他の候補を圧倒しそうだ。
「北朝鮮による新たな飛翔(ひしょう)体発射には、日米で分析し、今後の対応を含め、あらゆるレベルで緊密に連携することで一致した」
菅氏は、ポンペオ氏との会談後、記者団にこう語った。
北朝鮮は4日に「戦術誘導兵器」と称する飛翔体を飛ばしたのに続き、9日にも複数の弾道ミサイルを発射した。菅、ポンペオ両氏は、北朝鮮への認識をすり合わせた。
菅氏はまた、安倍晋三首相が日本人拉致問題を進展させるため、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と、前提条件を付けずに首脳会談に挑む決意を固めたことを伝え、協力を求めた。
これに先立ち、菅氏はワシントン郊外の国防総省で、パトリック・シャナハン国防長官代行とも会談した。ドナルド・トランプ大統領は同日、シャナハン氏を新たな国防長官に指名した。
菅氏は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設についてシャナハン氏と意見交換し、沖縄の基地負担軽減を最優先に、日米のさらなる連携強化について確認し合った。
菅氏は国内で危機管理対応を担うポストにあり、外国出張は2015年10月の米領グアム以来。
ポンペオ氏と2人並び、堂々と写真撮影に応じたシーンは、世界に存在感を見せつけた。 
●菅官房長官“拉致問題”で訪米の成果報告 5/15
アメリカを訪問した菅官房長官は15日、拉致問題に関する自民党の会合に出席し、トランプ政権幹部との会談について報告した。菅長官は「すべての会談において、拉致問題解決のための協力を求めてきた。拉致問題に対して、アメリカとしても重要な問題・課題である」と、アメリカの閣僚も拉致問題の重要性について理解していると述べた。また、菅長官は安倍総理が条件を付けずに北朝鮮の金正恩委員長との会談実現を目指す決意であることを説明した。今月下旬、トランプ大統領が来日する際には、拉致被害者の家族と再び面会することが予定されている。 
 
 

 

●宮腰沖縄北方担当相 
  シンガポール 5/1-4 
過去のシンガポール訪問 宮腰光寛内閣総理大臣補佐官
宮腰総理大臣補佐官のシンガポール訪問 2017
宮腰総理大臣補佐官は、農林水産物の輸出振興に係る諸懸案の対応のため10月25日〜28日にシンガポールを訪問し、コー・ポークン国家開発担当兼貿易産業担当上級国務相他と会談を行いました。また、FOOD JAPAN 2017のオープニング式典に参加し、日本政府を代表して、挨拶を行いました。  
シンガポール共和国 2018
宮腰光寛内閣総理大臣補佐官は、9月8日(土曜日)から11日(火曜日)までの間、日本産農林水産物・食品の輸出促進に係る各種課題について政府関係者等と協議を行うため、シンガポールを訪問した。
1 スン・シェリエン国家開発省上級政務次官との会談
宮腰総理補佐官は、国家開発省において農食品獣医庁(AVA)担当である、スン・シェリエン上級政務次官と会談を行いました。宮腰補佐官から、福島第一原子力発電所事故に伴う日本産食品に対する輸入規制に関し、昨年末、EUが一部の品目を除き輸入規制緩和したことや、ブラジルが輸入規制を完全撤廃したこと等を例に挙げながら、科学的知見に基づき、早期の輸入規制撤廃を要請しました。また、水産物をはじめとした農林水産物・食品の輸出促進に係る各種課題について、日本側の考えを説明しつつ、検討の加速化を求めました。
2 日本人会主催夏祭りへの出席
宮腰総理補佐官は、シンガポール日本人会が主催する「夏祭り2018」別ウィンドウで開くに出席し、政府を代表して挨拶を行いました。30回目となる節目の記念すべき夏祭りにおいて、宮腰補佐官からは、本祭りに出展されている日本食や日本文化を通じて、シンガポールの方が日本の新たな魅力を発見する一助になることを期待する旨の挨拶を行いました。また、シンガポール側から、タン・ジー・キオ文化社会青年省事務次官や、チェン・リー・フー議員といった来賓の方々と、出展ブースを視察しました。
3 その他
宮腰総理補佐官は、ジェトロが主催する新しい泡盛カクテルの制作会に参加しました。また、現地酒類関係者と、飲み方の工夫や認知度向上策を含めたシンガポールにおける泡盛振興の方策や課題について意見交換を行いました。宮腰総理補佐官は、シンガポールにおける日本食材の流通・調達状況について日系及び現地小売店を視察したほか、日本食材を取り扱う卸売事業者等と意見交換を行いました。また、宮腰総理補佐官は、日本産米を療養食として取り扱う病院を訪問するとともに、シンガポールに進出している食品関係企業を視察し、意見交換を行いました。 
宮腰首相補佐官、日本産畜産物輸出で意見交換 2017/10/30
宮腰光寛首相補佐官は28日、シンガポール日本人会館で開かれた現地飲食・食品業界関係者らとの日本産畜産物の輸出に関する意見交換会に出席した。
宮腰首相補佐官は、26〜28日に東南アジア最大級の日本食品の見本市「フードジャパン2017」が開催されたのに合わせて、シンガポールを訪問。意見交換会後に記者団に対して、「参加者からは(日本産畜産物の)輸出でいくつかの障害があるとの声が聞かれた」と説明した。シンガポール政府は日本の特定の施設で処理された食肉の輸入を認めているが、食肉加工品の処理施設はまだ認定されておらず、こうした状況を改善するよう求める意見が挙がったという。
宮腰首相補佐官はまた「農林水産品の安全基準が厳しいシンガポールに出荷できれば、他の国にも輸出を広げていける。シンガポール政府に日本産品の安全性に対する理解を深めてもらうことが重要だ」と話した。
シンガポール滞在中には政府観光局(STB)のチャン・チーペイ副長官らと会談。日本の農産物の輸出促進やインバウンド(訪日外国人)客などに関する意見交換を行った。
食品大手や業界団体などでつくる日本畜産物輸出促進協議会の豚肉輸出部会は28〜29日の2日間、シンガポール日本人会館で日本産豚肉をPRする試食特別販売会を実施した。
試食会では、日本人会館を訪れた日本人向けに、食肉加工大手スターゼンの「はざまのきなこ豚」や富士農場サービスグループ(静岡県富士宮市)の「フジポーク」、サイキ(熊本県和水町)の「火の本豚」が振る舞われた。開催を支援したFLP読広シンガポールの担当者によると、きなこ豚は既にシンガポールで販売されているが、フジポークと火の本豚は市販されておらず、今回の試食会のために輸入した。即売コーナーでは宮崎県産の豚肉を販売。同会館での意見交換会に出席した宮腰首相補佐官も視察に訪れた。
日本養豚協会の倉本寿夫専務理事は、「シンガポール政府は鹿児島県の食肉取扱施設(4カ所)で処理された日本産豚肉の輸入しか認めていない。今回の試食会では静岡などから鹿児島の施設まで運んで処理した豚肉を振る舞った」と説明。「シンガポールは(豚肉を好んで食べる)中華系が多い。現地在住日本人に日本産豚肉の良さを広げていってもらえれば」と期待を示した。 
総理補佐官がシンガポールで日本産農林水産物の輸出促進 2018/9/13
宮腰光寛内閣総理大臣補佐官は、シンガポールに9月8日から11日の日程で訪問し、日本産農林水産物・食品の輸出促進に係る各種課題について政府関係者等と協議を実施した。
宮腰補佐官は、国家開発省で農食品獣医庁担当であるスン・シェリエン上級政務次官と会談を実施した。宮腰補佐官からは、福島第一原子力発電所事故に伴う日本産食品に対する輸入規制に関して、EUが昨年末に一部の品目を除き輸入規制緩和したこと、ブラジルが輸入規制を完全撤廃したこと、等を例に挙げて科学的知見に基づいた早期の輸入規制撤廃を要請した。また、農林水産物・食品の輸出促進に係る各種課題に関して日本側の考えを説明した。
宮腰補佐官は、シンガポール日本人会が主催する「夏祭り2018」に出席した。宮腰補佐官は挨拶で、出展されている日本食や日本文化を通じてシンガポールの方が日本の新たな魅力を発見する一助になることを期待する旨の挨拶を行った。また、ジェトロが主催する新しい泡盛カクテルの制作会に参加して現地酒類関係者とシンガポールにおける泡盛振興の方策や課題について意見交換を行うとともに、シンガポールにおける日本食材の流通・調達状況について日系及び現地小売店を視察した。 
シンガポール共和国 5/1-5/4
宮腰光寛ギャンブル等依存症対策推進担当大臣・内閣府特命担当大臣(海洋政策)は、5月1日(水)から5月4日(土)にかけて、シンガポールに出張しました。
シンガポールでは、IR導入を契機に政府としてギャンブル等依存症対策を強力に推進しています。宮腰大臣は、ギャンブル等依存症対策推進担当大臣として、先月閣議決定した「ギャンブル等依存症対策推進基本計画」の内容を紹介しつつ、同国の先進的な取組や、その課題などについて、デスモンド・リー社会家庭振興大臣や、依存症対策の普及啓発や調査研究等を実施する問題ギャンブル国家評議会の議長等と意見交換を行ったほか、IR施設を視察しました。
また、海洋政策担当大臣として、クゥオ・レイ・フーン海事港湾庁長官と会談し、重要な海上交通路であるマラッカ・シンガポール海峡の安全対策、我が国の海洋状況把握(MDA)、及び海洋ごみ問題などについて意見交換を行うとともに、アジア海賊対策地域協力協定情報共有センターを視察しました。
  デスモンド・リー社会家庭振興大臣との意見交換
  デスモンド・リー社会家庭振興大臣との意見交換
  タン・カン・フォン問題ギャンブル国家評議会(NCPG)議長との意見交換
  タン・カン・フォン問題ギャンブル国家評議会(NCPG)議長との意見交換
  国家依存症管理機構(NAMS)のダニエル・ファン精神衛生研究所医療委員会会長等との意見交換
  クゥオ・レイ・フーン海事港湾庁長官との意見交換
  黒木アジア海賊対策地域協力協定情報共有センター事務局長との意見交換 
 

 

領土展示館、面積7倍に=移転先が決定 5/7
宮腰光寛領土問題担当相は7日の閣議後の記者会見で、沖縄県・尖閣諸島や島根県・竹島などの資料を置く政府の「領土・主権展示館」の移転先を、東京都千代田区霞が関の民間ビル内に決定したと発表した。東京メトロ銀座線虎ノ門駅近くで、面積は従来の7倍の約700平方メートルとなる。
展示館は現在、千代田区日比谷公園の「市政会館」に入居。耐震工事のため来年3月末までの退去が必要だが、移転先が見つからない状態が続いていた。宮腰氏は「移転を契機により魅力的、効果的な内外発信の拠点となるよう、内容や企画イベントの一層の充実に尽力したい」と語った。
東京・日比谷の領土展示館移転へ 面積7倍に拡張 5/7
宮腰光寛領土問題担当相は7日の記者会見で、島根県・竹島などの関連資料を展示する東京・日比谷公園の「領土・主権展示館」を東京・虎ノ門地区に移転させると発表した。民間ビルの1階で、占有面積は現在の7倍となる約700平方メートルに広がる予定。展示を充実させ、来館者を増やしたい考えだ。
現在入居している市政会館の耐震工事のため、来年3月までに退去する必要がある。現在は日曜休館だが、移転後は土日も開館する方向で調整している。宮腰氏は「交通の便も良く、国会見学の子どもたちも歩いて行ける。多くの方々に来てほしい」と述べ、早期に移転させたいとの意向を示した。
「領土・主権展示館」 虎ノ門の民間ビルに移転へ 展示面積7倍に 5/7
宮腰光寛領土問題担当相は7日の記者会見で、尖閣諸島(沖縄県)や竹島(島根県)などに関する資料を展示する東京・日比谷公園の「領土・主権展示館」を東京・虎ノ門の民間ビルに移転させると発表した。展示面積は現在の7倍となる約700平方メートルに広げ、展示内容を充実させて来館者を増やしたい考えだ。
展示館は現在、日比谷公園の「市政会館」の地下1階にある。領土問題での発信力強化を狙う安倍晋三首相の肝煎りで昨年1月に開館した。しかし、手狭で場所も分かりづらいとの指摘が出ていたうえ、耐震工事のため来年3月末までの退去を求められていた。
移転先は、虎ノ門三井ビルディング地上1階。具体的な移転時期は未定だが、退去期限を待たずに移ることができるよう検討する。宮腰氏は記者会見で「交通の便もよく、国会見学に来た人を中心に、多くの方々に来ていただきたい」と述べた。 
 
 

 

●平井科学技術担当相 
  米国 ベルギー スペイン 5/1-6 
記者会見 5/7
令和になって初めての記者会見ということですが、まずはアメリカ、ベルギー、スペイン出張に関しての概略のご報告をさせていただきます。
科学技術政策、宇宙政策、IT政策担当の大臣として、5月1日から6日まで、日米科学技術協力合同高級委員会及び科学技術、IT、宇宙に係る要人と会談・視察等のため、米国、ベルギー、スペインに出張いたしました。
米国においては、日米科学技術研究開発協力協定に基づく閣僚級会合である、第14回日米科学技術協力合同高級委員会に、柴山文部科学大臣とともに日本側共同議長として出席して、米国側共同議長であるドログマイヤー大統領府科学技術政策局長、クレイチオス技術政策担当大統領副補佐官らとの間で、科学技術・イノベーション政策及び宇宙政策分野に係る日米協力を推進すべく意見交換を行い、特にムーンショット研究開発、AI、量子等における連携・協力を今後強化していくことに合意いたしました。
また、日米の官民関係者が参加する「AI and Governments」において基調講演を行いまして、我が国の「人間中心のAI社会原則」を説明するとともに、ペース国家宇宙会議事務局長との間で会談を行いました。
ベルギーでは、アンシップ欧州委員会副委員長との間で会談を行い、双方のAI倫理・社会原則の考え方や内容が共通していることを確認した上で、これを国際的な共通理解とすべく、G20等を通じた日EU間の協力を一層推進していくことで意見が一致しました。
また、モエダス研究・科学・イノベーション担当欧州委員との会談では、我が国のムーンショット研究開発制度とEUのHorizon Europeとの連携強化を今後進めていくことにしました。
さらに、ナノエレクトロニクス分野における世界的研究拠点であるIMECを視察して、関係者との間で意見交換を行いました。
スペインでは、欧州の名高いムーンショット研究開発機関であるアルファ社の幹部と、大きなインパクトを生み出す挑戦的な研究開発の進め方等について、意見交換をしました。また、我が国のスタートアップ・エコシステム拠点形成の推進に資するため、グーグル・キャンパス・マドリードを視察して関係者と意見交換をしました。
このたびの成果を、科学技術政策、宇宙政策及びIT政策の更なる推進に役立ててまいりたいというふうに考えております。
その場の雰囲気であるとか、会談について、私のフェイスブックを見ていただくと、全てタイムリーに上げております。また、英文のステートメントは、訳も付けて、現地で配布したのをもうお持ちかと思います。
質疑応答
Q: ちょうど元号も令和に変わったということで、この令和の時代をどういうふうに大臣としてはしていきたいのか、そこら辺のお気持ちについて、教えてください。
A: 今回、ちょうど令和元年、1日から出張したんですね。ちょうどワシントンと日本の時差が13時間ありますので、5月1日は24時間プラス13時間、37時間、非常に長い、その間に日本の式典にも参列させていただいて、そのまま米国に行って、米国の皆さんから令和に対するビューティフルハーモニー、これもね、こちらが言わずとも向こうからそのように、非常に関心が高いんだなというふうに思いました。そんな意味で、1日という日に、特にアメリカの方々といろいろ率直な意見交換ができたということ、そして、そのままヨーロッパでEUは、今、EUが選挙に入る直前、各閣僚級の方々ですけれども、本音でいろいろな話をさせていただいて、改めて海外の方々から見る日本の目というようなものも、今回ある程度理解できたのではないかなと、そんなことを総合的に考えて、つまり、海外の人が日本に注目しているというのは、私はこれは意外だったんですけど、アメリカもそうです、ヨーロッパもそうなんですが、日本の高齢化に対して非常に注目しているということです。そして、それをSociety5.0という言葉で我々サイバーフィジカルな、豊かで安全で住みやすい社会ということになるんだと思うんですが、彼らはこれ、両方がおっしゃっていたのは、そこの点に関する日本がどうやっていくのかということに対する世界の注目度は、我々が意識している以上に大きいと。我々は日々生活しているとその変化というものに対して鈍感になることがあるんですが、海外から見てると、正に日本というのは高齢化の社会モデルをどうやって作っていくんだろうということに一番注目しているというふうに思いました。
そこであえて私が、これ科学技術政策担当、IT政策担当ということで申し上げますと、高齢化はもう間違いなく進んでいきます。その後に続いて、ヨーロッパの多くの方々も全く同じスピードでついてきている状況の中で、何が変わるのだろうかというふうに、人口モデルは変わるんですが、デジタルが当たり前の時代になると。デジタルネイティブの若い人たちも同時に社会に出ていくと。そこで、恐らくビューティフルなハーモニーがちゃんとできるかどうかということがまず一つあると思います。そして日本が今回アメリカでもヨーロッパでも全て人間中心、ヒューマンセントリックで考えようと。人に優しい政策を進めていこうということを訴え続けていることに関して非常に共感を得ていて、日本が言うなら分かると。日本はそういう意味では、非常に人に優しい社会を目指しているということに関しての認識もあると。そうなると、私がやらなきゃいけないことは、人間中心のデジタル社会へどうやってスムーズに移行させていくかということが一点と、若い人たちの潜在能力をどうやって解放するか、この二つだと思います。つまり、若い方々がデジタル社会の中で、新しいビジネスモデルやいろいろなアイデアやイノベーションを起こしつつ、高齢者の皆さんがその恩恵も受けながら、新しく活力のある、年齢層の高い社会をつくっていくこと。そのときに機械任せではなくて、人間中心で、ベースは人に優しいということと、IT技術とかそういうものによって、これ以上格差を広げないということが一番重要で、そういう意味で令和という言葉、ビューティフルハーモニーというのは、もう正にドンピシャだなというふうに思いました。ですから、ちょっと長い話になってしまいましたけど、そういう社会になる基盤をつくるというのが私の役割だと自覚しておりますので、今やっていることを更にスピードアップをさせていきたいと、そんなふうに思います。
Q: 今の質問でちょっと一つかぶってしまうのかもしれませんが、今回視察してきて、やはり日本にどんなことが課題があって、今後どんなことに政策に着手していかなきゃいけないなというふうに感じたのか、率直なご感想をお願いできればと思います。
A: 要するに、アメリカも、ヨーロッパも、日本とはやりたいと。一緒にやっていきたいと。要するに、英語ではlike−mindedというような言い方で、我々その会議で話していたんですけど、価値観を共有する、その国の皆さんは是非日本とやりたいと、そういう思いがあります。ヨーロッパは、日本とはやりたいと。アメリカも、日本とやりたい。さて、日本はどうするかということだと思うんですね。日本なりに、宇宙分野でも、科学技術分野でも、IT分野でも、日本というのはそれなりの老舗で、信用もあるし、技術もあり、人材もいるということを、海外の皆さんが認識した上で、一方で、例えばGDPRと個人情報保護法なんかがお互いに十分性を認定しているというようなことで、日本というのはそういう意味では、海外の方から見て非常に安心感があると。なので、そういう意味で、日本と海外はうまくやっていける。そのうまくやっていく体制を、どう作っていくかということがあると思います。ただ、私自身、日本の問題があるとしたら、スピード感。海外から見ると、もっと早いスピードで日本の高齢化とか、いろいろな社会問題の顕在化というようなことが起きているように見えているんですよね。ところが、日本にいると、なかなか皆さんそういうことを日々感じてはいないと。そこが今回思ったことで、今は正に時代の変わり目なので、政策のスピードアップを、その推進のスピードアップが必要じゃないかなというふうに思いました。
Q: もう一点、先日、インターステラテクノロジズというロケット打上げの会社が、宇宙空間にロケットを飛ばさせました。まだまだビジネスとしては遠いですけども、大きな一歩であることは間違いありません。これについて、大臣はどのように受け止めましたでしょうか。
A: 今回の成功については、私も出張中に知りまして、大きく報道されていたし、それなりに注目されていたんだなというふうに思いました。民間主導で開発したロケットが、日本では初めて高度100キロに到達したということで、過去二度でしたっけ、失敗してたのは。三度目の正直で、成功して良かったなというふうに思います。この民間による小型で安価なロケット打上げビジネスというものができたら、これは我が国の宇宙活動全体の底上げと活性化につながるなというふうに思っています。このインターステラテクノロジズに限らず、例えばispace(アイスペース)とか、ALE(エール)とか、スペースワンとか、これだけ何か宇宙ベンチャーというか、新しいものが日本で動き出すということはなかなかないと思います。ですから、宇宙産業全体が活性化する中で、この小型、安価な打上げができるベンチャーという存在も、非常に私は頼もしい存在だなというふうに思いまして、今までも経済産業省等で資金的な援助もある程度はしておりますが、引き続きできる範囲で支援をしていきたいと思います。
Q: ちょっと引き続き宇宙の関係で伺いたいんですけれども、向こうの出張でも話題には上がったのかなと思いますが、アメリカのゲートウェイ計画に関して、柴山文部科学大臣がその終わった後のブリーフィングというか会見で、日本政府としての正式表明をできれば今年中にもしたいというお考えを示されましたけれども、改めて大臣ご自身として、例えばそういったスケジュール感ですとか、お考えがあればお聞かせいただければと思います。
A: これは柴山文部科学大臣も、記者会見の席でご本人の希望的なスケジュールということでお話しになったというふうに理解していますが、これはいずれ宇宙政策委員会、又は政府で調整をしていくという話だと思います。ただ、今回その米国側のペース事務局長とお話をしていて、その月面着陸日程を前倒しをするというような思い切ったことは、アメリカも宇宙政策というものを、もう一度政策の優先順位を上げていこうという政治的な意思を、官僚機構も含めて持ってもらうということでその発表をしたと思うんですね。ですから、これから一気にいろいろな組織がその前倒しのスケジュールというものに向けて動き出すという中で、日本も検討していかなきゃいかんだろうというふうに思います。柴山文部科学大臣が積極的な発言をしていただいたことは、私としては非常に有り難いし、宇宙政策委員会とか、関係者との調整というのをまたやっていきたいと、そんなふうに思います。
Q: 先月26日の内閣委員会で、タブレット端末を答弁に利用されましたけど、それの所感と、ペーパーレス化が進まないこの日本の国会の現状について、大臣のお考えを改めて伺いたいと思います。
A: 私も思った以上に各社が報道されたので驚いたんですが、紙を読むか、タブレットを読むかでの違いしかないんですよね。そういう意味で、事務方の紙の枚数は相当減って、当日の理事会などでそういうことをお決めになって、私がそのタブレット端末を使用するという形になったんですが、これは4年以上前から自民党のIT戦略特命委員会では、完全にペーパーレスで全ての会議をしておりましたし、その後、自民党の政調審議会でも、そのタブレット端末を使っているというふうに聞いています。そうなりますと、これは結局現場の生産性をどのように上げていくかという観点で、そのタブレット端末はタブレット端末の利便性、良さもあり、紙は紙でその一覧性とか、軽いとかね、いろんなメリットもあろうかと思いまして、一方で、大量のコピーとか、そういうものに経費が使われている現状というのは改善すべきだと思います。なので、両方のいいところをこれからそれぞれ皆さん、国会改革の大きな流れの中で、ご検討なさることだというふうに思います。私はこの今の立場で、役所内でできるだけ仕事がスムーズにできるように、また、情報共有の在り方などについても、もっとうまくできるように、そういうデジタルデバイスをどのように使うかということは、今後検討していきたいとは考えています。 
 

 

 
 
 

 

●茂木経済再生担当相 
  米国 4/25-28 
記者会見 5/7
質疑応答
Q: 元号「令和」を迎えて、最初の平日を迎えました。新しい時代に所管分野でどのように取り組んでいかれるか、改めて抱負をお聞かせください。
A: 5月1日に令和という新しい時代を迎えたわけであります。この新しい時代において、一人一人の国民が明日への希望を広げ、それぞれの花を大きく咲かせることができるように、心を新たに様々な政策課題に全力で取り組んでいきたいと思っております。安倍政権は引き続き経済最優先であります。これまでにGDPは過去最高水準、雇用環境も、抜本的に改善をいたしましたが、今後、あらゆる政策を総動員して、更に安定した成長を実現していきたい。また、人生100年時代に向けた全世代型社会保障改革や日米通商交渉といった我が国の将来に関わる重要課題について、全力で取り組むつもりであります。
Q: 連休前になるんですけれども、3月の鉱工業生産で前月比マイナスとなりまして、今月13日に発表されます3月の「景気動向指数」で、判断が景気後退を示唆する「悪化」に下方修正されるというような見方が民間エコノミストから上がっています。10月の消費増税の実施判断に影響を与え得るかを含めて、御所見をお願いします。
A: 鉱工業生産の動向につきましては、これまでも申し上げてきたように、中国経済の減速であったり、半導体需要の一服などの影響を受けて、生産用機械や電子部品・デバイスといった業種で弱い動きとなっております。「景気動向指数」については、この生産に加え、出荷や商業販売額、有効求人倍率などの指標を統合して指数化し、これを機械的な基調判断に当てはめるものでありますが、決して、楽観をしているというわけでありませんが、現在、5月13日の公表に向けて作業をしてるところであります。その上で政府としての景気判断、これは月例経済報告において、「景気動向指数」だけではなく様々な経済指標の動向、さらに、その動きの背景にある経済環境や企業の景況感などを総合的に勘案して、景気の基調を判断しているところであります。我が国の経済については、冒頭申し上げたような中国経済の減速などから輸出の伸びが鈍化し、一部の業種の生産活動や、これに関連する出荷に弱さが続いているものの、雇用・所得環境の改善、高い水準にある企業収益など、内需を支えるファンダメンタルズはこれまで同様しっかりしていると考えております。その上で消費税率10%への引上げは、財政の健全化のみならず、社会保障の充実・安定化、教育無償化を初めとする「人づくり革命」の実現に不可欠なものでありまして、法律で定められたとおり、今年の10月に現行の8%から10%に引き上げる予定であります。2兆円規模の「臨時・特別の措置」を含む今年度の予算を着実に執行することにより、経済運営に今後も万全を期してまいりたいと考えております。
Q: 日米通商交渉についてお伺いします。パーデュー農務長官が4月30日、包括的な合意ではなく、より狭くて迅速な貿易協定を望んでいると発言しました。農業分野だけを先行して扱いたいという意味とも捉えられると思いますが、日本としてその考えはないということでよろしいのでしょうか。改めて大臣の御見解をお願いいたします。
A: これまでも繰り返し申し上げてるとおり、日米物品貿易協定の交渉は、昨年9月の共同声明に書かれた内容に沿って進めることとしており、この点は、4月の協議でも、ライトハイザー通商代表との間で改めて確認をしております。また、物品貿易に加えてデジタル貿易の交渉を行うことでも合意をしてるところであります。その上で2点申し上げますと、貿易協議というものはパッケージ合意でありまして、全体が決まって合意となるものであり、ある分野だけ先行して合意というやり方はとらない、これが交渉では基本中の基本であると考えております。そしてもう1点、私の日米通商交渉でのカウンターパートはボブ・ライトハイザー通商代表でありまして、パーデュー農務長官ではありません。これも何度も繰り返してることです。
Q: 貿易交渉についてですけれども、トランプ大統領がツイッター上で、対中関税を25%に引き上げると表明しました。今のところ、ちょっとまだ実現性は分からないですけど、一方で景気を見ると、世界景気に対してはマイナスの影響も懸念されてまして、今日も日経平均、かなり下がってますが、日本の景気に対する影響を現時点でどのように御覧になっているか、お聞かせください。
A: 景気ということではまず、アメリカの経済いいですよね。話を戻しますと、5月5日にトランプ大統領が中国からの輸入品2,000億ドル相当に対する追加関税について、5月10日より現在の10%から25%に引き上げることを表明したことは承知をいたしております。現在、米中間では閣僚級で貿易協議が続けられているところであり、日米、米中、そして米国とEU、それぞれ難しい交渉ということになっているんだと思います。米中の交渉がどうなっていくか。単に貿易摩擦の問題だけではなくて、知的財産の問題、さらには技術移転の問題、様々な技術問題を含んでいるところでありまして、この交渉がどうなっていくか、そういう動向も、注視をしてまいりたいと思っております。
Q: 今の質問に関連してなんですけれども、今回、米中協議最終盤に来て、このようにアメリカ側から発表があったことに対して、トランプ流の交渉術だという見方もありますし、一方で、中国が先にちゃぶ台返しをしてきたというような話もありますし、茂木大臣のとしてはどのように分析されているのか。今後、米中協議の破談みたいなこともあり得るのかも含めて、教えていただければと思います。
A: 米中協議、これは私が関わっておりません。中国とアメリカとの間で行われてる協議ですから、私の方からコメントは差し控えたいと思います。
Q: 昨日の安倍総理とトランプ大統領の電話会談で、トランプ大統領は貿易も話したというふうにツイートしてるんですが、これは、茂木大臣御担当の日米交渉の絡みのお話もあったという理解か、お願いいたします。
A: 昨日の電話会談で両首脳は、様々な議論の中で、貿易の問題については、昨年9月の日米の共同声明に沿って、両国にとって利益となるように、私とライトハイザー通商代表との交渉を加速させていく、これは、先月の末、首脳会談で合意したことでありますが、それを改めて確認をしたということだと聞いております。 
 

 

日米貿易交渉、早期合意で一致 4/27
茂木敏充経済再生担当相は26日(日本時間27日)、日米首脳会談同席後に記者会見し、貿易交渉について「両首脳が早期に合意を目指すことで一致した」と明らかにした。トランプ米大統領は5月末の来日時の合意に期待感を示したが、茂木氏はこれまでの貿易交渉の中で具体的な時期のめどは「出ていない」と説明した。
日本側の農産物の関税撤廃や引き下げについては、トランプ氏から日本が限度として設定している環太平洋連携協定(TPP)の水準を超える要求はなかったと強調。交渉が順調に進んでいるとして、トランプ氏ら両首脳が現状を歓迎したと説明した。 
為替条項や自動車数量規制の要求なし 茂木経財相 4/27
茂木敏充経済財政・再生相は26日午後(日本時間27日朝)、日米首脳会談後の記者会見で、米側から為替条項や自動車の数量規制の要求はなかったと明らかにした。サービス分野の交渉を求める要望もなかったという。茂木氏は首脳会談に同席した。
米、為替・車規制要求せず=首脳会談同席の茂木再生相 4/27
茂木敏充経済再生担当相は26日、日米首脳が同日の会談で貿易協定交渉の早期妥結を目指す方針で一致したと記者団に明らかにした。会談でトランプ大統領から決着を急ぎたいとの発言があったものの、通貨安誘導を封じる「為替条項」や、日本車の輸入を制限する「数量規制」に関する要求は出なかったと説明した。
茂木氏は首脳会談に同席した。トランプ氏は貿易協定の「5月合意」に意欲を示した。ただ、交渉を主導する茂木氏とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表との間では「いつまでに合意を目指すとの話は出ていない」と語った。  
 
 

 

●片山地方創生担当相 
  インド イスラエル 5/2-6 
ツイート 5/5
5月2日・3日と訪印、日本企業も受注出来始めている、インドの100都市スマートシティを政府内で纏めている「住宅都市省」他と会議、都市基盤としての標準APIの不可欠性をインドも認識して共通化作業を急いでいる、など多くの問題意識を共有。ガンジー記念館では記帳もさせて頂きました。

ガザ地区から480発砲弾の中、危険地域を避けつつイスラエルのテルアビブとエルサレム訪問、イノベーション庁他と今後のスーパーシティ構想や地方自治体のソサエティ5、0対応に向けてwin-winな会議が出来ました。滞在ほぼ24時間でしたが、ヤドバシェムのホロコースト記念館に閣僚として献花致しました。 
記者会見 5/7
令和元年5月2日から6日まで、スーパーシティを含む今後の地方創生に向けた取組に生かすということでインドのデリー、それからイスラエルのテルアビブ、エルサレムを訪問いたしました。実質3泊5日ということです。
インドにおきましては、住宅都市省等と会談をいたしまして、インドもスマートシティの取組を一昨年ぐらいから続けておりまして、現地の日本企業も一部受注をしております。それは大変良いことで、その経験はフィードバックして日本に使えますから。そこで、インド側もスマートシティの概念が日本よりも、もっと昔から日本がやっていたような都市構造の整備のことも、つまり道路を平らにするとかバリアフリーにするとか、タグを付けていわゆるスマート運輸ができるようにするとか、日本の大手がほとんどもうやっているようなことも含めてスマート化とおっしゃっているので、この100の内容は極めて千差万別でしたが、そういったことをやって1年か2年経って、我々が考えているのは、標準化したAPIですね、標準化した基盤を作る必要があるということを急速に認識して、今、共通化の制度を進めていて、それを我々は内閣府と内閣官房でやりますが、インドではこの住宅都市省の中に担当局長がいまして、その人も出てきましたが、その人がやっているという状況であることが分かりまして、この他も、インドはソフトウエアの設計とかアプリケーションの設計技術が極めて高いですから、話をしていてかなり共通項があるということが分かりまして、両国間で覚書を結んで、この点について協力関係を強化するということで、この度合意をいたしました。
イスラエルの方でも、イノベーション庁のトップなどといろいろな構想の交換をいたしまして、ここも日本企業とのジョイント投資みたいなのはもうあるんですね。何年か前に安倍総理がイスラエルを訪問され、その後、茂木経済再生担当大臣が訪問され、両国間で産業協力もやっていますし、NEDOとも話をしているということで、そういうこともやっているという前提の中で、こちらが訪問すると言ったら、スマートシティに使える要素技術がある、イスラエルのスタートアップだけでこんなにあるよという分布図を頂きまして、早いんですよ。そうやっていけば一瞬にしてそれだけのものが出てきますし、それらと日本側で、いわゆる都市基盤整備というと出てくるだろう、あるいはシステム整備というと出てくるだろう会社というのはほとんどイスラエルに新技術を買いに来たり、アクセスに来ていますが、この両方は非常にウイン・ウインの関係なので、ここについてある意味で両方で話をしてプラットフォームを作っていこうということを合意いたしまして、具体的な内容や、あるいは文章をどう作るかとか、あるいはどうやってマッチングをやるかという部分については今後協議していくということになりました。こちらもやはりスーパーシティに関われるような先進技術はすごくて、G20にはアルゼンチンが入っておりますが、今度トップで来られる大統領はブエノスアイレスの前市長です、そのときに都市基盤整備とか、あるいは都市防犯とか、危機管理も含めて全部のシステムをイスラエル企業に発注したんですね。その企業のトップと我々は会ったんですけれども、これはすごいです。それと同じものをエルサレムでもテルアビブでも執行しているので、残念ながら、我々が行ったときはイスラエル全体がオンアラートでしたが、まだ首相が、バグダッドからの砲撃が続いているので、イスラエルとして最大限の報復をするというふうに国防会議で言うような状態でしたので、オンアラートというこのシステムをフル稼働しているということですから、見られませんでしたが、実際にはきちっと見させていただくことも非常に有用だなと、私はその説明を聞いていて思いました。
いずれにしても、今回6月の末にG20と同様にG20のサイドイベントとして大阪でスーパーシティ、スマートシティフォーラムを開催する方向でございますので、そういったことに対する関心がインドでもイスラエルでも極めて高いし、両方とも本当に親日国ですから、協力をしたいという気持ちが向こうからも強いということが分かったのは大変な進歩でございました。
質疑応答
Q: 令和という新しい時代を現役の閣僚として迎えられたと思いますが、新しい時代をどのような時代にしたいのか、所管の分野についてお願いします。
A: 本当に有り難いことに、私の所管は非常に幅が広く、これから取りまとめをしていく項目もまだまだ多く、まち・ひと・しごと創生、地方創生にしても、規制改革にしても、男女共同参画、女性活躍推進につきましても大きな官邸の了承を得るような取りまとめがめじろ押しでまだありまして、その途中経過については、ここで皆様に御報告をし、報道していただいたことも多々ありますが、5月、6月に集中しておりますので、新しい時代にまた新しい時代の将来、未来を切り開くという意味でこれらの新しい希望の持てる時代の地方創生、まち・ひと・しごと創生、規制改革、国家戦略特区、さらに女性活躍推進をまとめていきたいと、またまとめなければいけないという重い責任感を感じております。
Q: 大臣御自身はどのような時代にしていきたいとお考えでしょうか。
A: やはりその令和という言葉の持つ意味合いやイメージは大変すばらしいと思いますし、私自身は、多くの方が希望を持ち、かつ和を大切にする時代という形での、国民の間での好感があるので、そのようになっていく上で、閣僚の一人として自分の担務をきちっと進めたいというふうに思っております。
Q: 改元に関連してなのですが、片山大臣は女性として初めて剣璽等承継の儀に参列されました。このことへの受止めと、出席されてみての御所感がありましたらお願いします。
A: 1月18日にも会見で申し上げましたように、飽くまで閣僚の一人としてその責務というか、職務を果たすという意味では、その儀式も含め、一連の儀式がきちっと終了してというか、次にどんどん進んでいることは大変喜ばしいというか、閣僚の一人として安心をしている次第でございます。
Q: トランプ大統領が中国に対する関税を25%に引き上げるということを表明されました。日本への影響も大きいと思いますけれども、元財務官僚のお立場から御所見をお伺いできればと思うのですが。
A: 経済政策全般ということは私の担務ではありませんので、ただ、地方経済に及ぼし得る影響というのは、当然最大の経済パートナーですから、アメリカも中国も、であるという意味では、しっかり注視していきたいと思いますが、インドでもイスラエルでもアメリカとの関係、あるいは中国との経済関係が両国とも強いので、話題は出ておりましたが、やはりその中国側はまだ今後、交渉や話合いを続けると言っておられますので、完全な決裂であるというふうに受け止めていた向きはあまりなく、株価も、アメリカは思っていたほどではない、下がったは下がったけれども、思っていたほどではないという形になっているので、まさにその数字が受止めそのものなのかなと思います。私も、見ている限りの感想はそういうことかなと思っております。
Q: 今日からクールビズが始まりまして、男性はノーネクタイだとか、そういうのが始まっていますが、女性の今日、閣議では半々ぐらいだったと思うんですけれども、女性の閣僚としてクールビズ、どう取り組んでいく等、もしお考えありましたら是非お願いします。
A: クールビズは、気温が温暖化で上がっているというか、極端に暑い日が多い中で、いわゆる環境面、CO2排出抑制等を含めると、意義のある制度だと思いますけれども、あまり極端になり過ぎる必要もないのかなと。きちっとした印象を与える範囲内で、やはり動いて活動して快適ということを体現するというのが、やっぱり閣僚はそれが仕事でしょうから、飽くまでもやはりあまりくだけ過ぎない方が良いのかなと、私は個人的には思いますが、皆さんこういうことを御認識されて、男性の方も臨んでいらっしゃるんじゃないかなと、拝見していては思います。
Q: 片山大臣自身、女性としてクールビズというのはなかなか難しいのかもしれないんですけれども、何か気を遣ったりすることはこれからあるんでしょうか。
A: 女性の場合は七分袖とか、最近増えているんですよ。これ、国際的にやっぱりグローバル・ウォーミングなので、その辺の袖丈というスーツが結構増えてますね、ジャケットでも。それはただ、ほとんど皆さん自然に受け止められているんですが、その長さで大分違います。あとは、材質も今は進歩していますので、外見がそれほど違和感がなくても涼しく見えて、しかも、かなりかしこまっているというウエアが、女性については私は増えていると思いまして、これは日本の働く女性を増やす上で非常に有効です。とにかく暑いですからね。外を歩くことも当然あるわけで、湿度がしかも高いという意味では、東南アジアの国よりも日本の働く女性にとってはきちっとして、かつ涼しく見える素材や形というのはとても重要だと思います。 
 

 

 
 
 

 

●世耕経済産業大臣 
閣議後記者会見 5/7
質疑応答
令和の始まり、米中貿易摩擦
Q: 2点お伺いいたします。1点目は、平成の時代が終わりまして新しい令和の時代が始まったことへの所感をお願いいたします。2点目は、米国のトランプ大統領がツイッターで対中関税の引き上げを表明しました。また、ライトハイザーUSTR代表も対中関税を10日に引き上げる計画だと表明しました。一連の米中貿易協議の動向に対する受け止めをお願いいたします。
A: 新たな天皇陛下の御即位、また新たに令和の時代がスタートをしたこと、謹んでお喜びを申し上げたいというふうに思います。私も御退位、御即位に伴う国の行事に参列をさせていただきましたけれども、身が引き締まる思いで、この新たな令和の時代を迎えさせていただいたところであります。平成の時代は残念ながら、経済面では、日本がすごく元気であったとは言えない状況であったというふうに思いますけれども、令和の時代は、まさにこの経済最優先の安倍政権の下で、日本の産業・経済の活力を最大限、引き出していきたいというふうに思います。そういう意味で、平成の時代からいろいろと仕掛けてきましたConnected Industriesですとか、水素社会の実現ですとか、CCSの実現といった、かなり今後、日本経済を引っ張る、そしてそれが世界に貢献できるような種も幾つか出てきております。また、J−Startupや、あるいは地域未来牽引企業といった地域も含めた成長戦略というのも、これから本格的に稼働させていきたいというふうに思っております。令和の時代は日本企業が世界に羽ばたいて、この世界経済を引っ張っていく、そういう時代にしていきたいというふうに思います。引き続き内閣の一員として、職務に全力を尽くしてまいりたいというふうに思います。2番目の御質問でありますけれども、トランプ大統領のツイートは承知をしているところでありますけれども、米中協議の状況が今後どういう形で推移していくか、なかなか見通しづらい状況になっていると思いますので、予断を持ってコメントすることは差し控えたいと思います。いつも申し上げているように、世界第一・第二の経済大国であるアメリカと中国が、世界経済の安定的な成長と発展につながる関係を構築することこそが、日本を含む世界経済にとって大変重要なことだというふうに思っておりますので、両国の協議が前向きに進展することを期待したいと思いますし、今後の展開を注視したいというふうに思っています。
イラン産原油の禁輸措置
Q: イラン産原油の禁輸措置についてなんですけれども、5月に入って全面禁輸となりましたけれども、把握されている限り、日本企業の輸入状況と今後の石油価格への影響を。
A: 原油価格は、4月末にアメリカによる対イラン制裁の発表ですとか、ベネズエラをめぐる不安定な情勢などが影響して、一旦、上昇いたしましたけれども、その後は落ち着いた形で推移をしているというふうに認識をしております。今後については、イラン制裁だけではなくて、世界経済の状況ですとか、原油の需給動向、そして他の産油国をめぐる国際情勢など、様々な要因を踏まえて、市場が価格を決めていくわけでありますから、引き続き諸情勢や市場動向に注視をするとともに、日本経済に及ぼす影響についても、しっかりと見極めていきたいと思っています。
職員の逮捕
Q: この連休中に、自動車課の職員の方が覚醒剤取締り、覚醒剤の輸入の疑いで逮捕される事案がありましたけれども、大臣としての御所感と受け止めと、今後の職員の管理といいますか、再発防止策等、御所見をお願いします。
A: 共同通信さんの御質問にお答えする前に、共同通信に対しては、昨年9月、「事実上、MOX再処理を断念」とされた記事について、重ねて訂正を強く求めたいと思います。私が会見の場でこうやって申し上げるのも10回目ということになります。ある地方紙の記者さんが、共同通信社が配信する原子力に関する記事については、きちっと事実関係を調べてからでないと、安心して掲載できないと困惑をされているという話を聞きました。長年の歴史で築き上げてこられた大切な信用を失ってしまわないためにも、早期に訂正された方が望ましいと、心から申し上げたいと思います。その上で今の御質問にお答えをいたしますけれども、今回、経済産業省の職員が麻薬特例法違反で逮捕されたことは、これはもう誠に遺憾であります。経済産業省としても、捜査に最大限協力をして、全容の解明を踏まえて厳正に対処したいというふうに思います。
改元に伴う企業のシステム改修
Q: 改元に伴ってシステム改修に伴うトラブルなどが懸念されていましたけれども、営業日始まりましたが、今の動向をどういうふうに見ておられますか。
A: まず連休中でありますけれども、改元に伴う情報システムの障害の発生について警戒体制を執ってきましたけれども、現時点までに、国民生活に支障の及ぶ情報システムの障害が発生したというような報告は入っていません。ただ、おっしゃるように今日から、いよいよ本格的に業務を再開する企業等も多く、情報システムを稼働させる企業等も多いわけでありますので、現在、改めて情報収集を行っているところであります。また、これから改元に伴う情報システムの改修を行う企業も、多くあるというふうに考えております。経産省としては、企業等の情報システムが円滑に新しい元号に対応していけるよう、引き続きホームページやSNSを通じて対策情報の発信を行ってまいりたいというふうに思います。また、今日、連休後久しぶりにパソコンを立ち上げる方もいらっしゃると思いますが、相当この時期を狙ったウイルス等を含むメール等も、たくさん出回っているという話がありますので、是非お一人お一人、御注意をしっかり頂きたいというふうに思っています。
G20サミット関係閣僚会合
Q: 来月の大阪G20サミットに向けて、今月から閣僚会合が本格的に各所で始まると思うのですが、経産省が所管されている会合の準備状況について伺わせてください。
A: 6月8日から9日の日程でG20貿易・デジタル経済大臣会合、そして15,16の日程でG20エネルギー・環境大臣会合が開催される予定であります。いずれの会合についても、昨年12月にアルゼンチンから議長国を引き継いで以降、事務レベル会合を重ねてまいりました。各国間でかなり懸隔のある難しい課題も山積しているわけでありますけれども、残り1カ月、しっかりと準備を進めて、自由貿易の推進やIoT・AI等の革新的技術の活用促進、そして環境と経済の好循環やエネルギー転換の実現等に向けた議論を行っていきたいというふうに思っています。そして、その成果を大阪サミットにしっかりとつなげてまいりたいというふうに思っています。
日本企業の対米投資
Q: 先月の話なんですが、日米首脳会談の時に、安倍総理が自動車関連の産業で400億ドルという、かなり巨額の投資をするというようなことを話されたとトランプ大統領がアメリカでおっしゃいましたけれども、その事実関係などありましたらお願いします。
A: 事実関係としては、安倍総理からは、トランプ大統領の就任以降、日本企業が米国国内に新たに230億ドルの投資を決定をしていて、これによって4万3千人の新しい雇用が生み出される見込みであるということ、そして日本からの対米投資は投資総額、そして雇用創出数の両方において、世界のどの国よりも多いということを説明をして、トランプ大統領からは評価が示された、このことが安倍総理からの発言だというふうに思っています。
イラン産原油の禁輸措置
Q: 先ほどのイラン産原油の質問の追加なんですけれども、今後、日本の企業がイラン産原油を輸入をすることがあり得るのかどうか、そのあたりの対応をお願いします。
A: 具体的な原油の調達先などについては、個別企業の判断によるというふうに思っておりますけれども、各企業は、現時点でイラン産原油の輸入を行う予定はないというふうに聞いております。 
●平井内閣府特命担当大臣 
閣議後記者会見 4/26
おはようございます。私からはクールジャパン戦略担当大臣として、今日から「瀬戸内国際芸術祭」が開幕します。瀬戸内国際芸術祭は、香川県の直島を中心として開催される3年に1度の芸術祭(トリエンナーレ)です。ニューヨークタイムズにおいて、2019年に行くべき旅行場所として、世界で7番目に瀬戸内が選定されるというようなことで、海外メディアからも注目を集めています。私の方のEUREKA!懇談会でも何度か外国人有識者と意見交換しましたが、直島の知名度、評価が高いのに驚きました。私も12月の香川出張の際には、直島を訪問して、「ベネッセハウスミュージアム」とか「家プロジェクト」を視察しました。地域の古いものと瀬戸内の風景、現代アートが融合して、そこに地域の食べ物みたいなものもありまして、世界の多くの方々を惹きつけているというふうに思います。私が付けているのは、そのバッジでございます。是非皆さんも行っていただければというふうに思います。私からは以上です。
質疑応答
Q: 探査機「はやぶさ2」で昨日、クレーターができたという成功のお知らせが入ってきましたけれども、改めてその所感を伺えたらと思います。
A: 世界で初めてとなる人工クレーターの形成を確認したということを、JAXAの方から報告を受けました。5月以降は、人工クレーターへのタッチダウンによるサンプル採取も検討されていて、今後のミッションをうまくやり遂げて無事に帰ってくることを祈るばかりです。ただ、本当に遠い宇宙で頑張ってるはやぶさには、我々、力を頂いてるなと、そんなような気がします。 
●石田総務大臣 
閣議後記者会見 5/7
質疑応答
式典の感想及び令和の時代への意気込み
Q: 令和初めての会見ということで伺います。大臣は退位礼正殿の儀(たいいれいせいでんのぎ)、即位後朝見の儀(そくいごちょうけんのぎ)に出席されて、平成の終わりと令和の始まりを迎えられたわけですけれども、その御感想と、令和の時代への意気込みをお願いいたします。
A: 3つの式典に参加をさせていただきまして、それぞれが、国民の皆さんから祝賀ムードの中で迎えられたこと、本当に喜ばしいことと思っております。また、個人的な話ですけれども、その式典に、宮中行事に参画をさせていただいたことは非常にありがたいことだなと思っております。そして、特に剣璽等承継の儀(けんじとうしょうけいのぎ)、非常に厳粛な中で行われまして、身の引き締まる思いをいたしました。これからしっかり職務に精進していかなければならないなということを改めて感じたところであります。
令和の時代に対応した地方自治制度のあり方
Q: 令和の時代に関連してなんですけれども、平成の時と一緒で人口減少とか少子高齢化という課題は残り続けるわけですが、令和の時代に対応したといいますか、令和の時代の地方自治のあり方について御所見があればお聞かせください。
A: これは従来からですけれども、1つは、社会全体の大きな変わり目であるということ。これは、社会も変わるし、産業も変わるしという、いろんな意味があります。大きな変わり目であるということと、それからもう1つは、従来から申し上げておりますけれども、東京一極集中のリスクの問題、あるいは地方の疲弊の問題、これはそれぞれ私は限界に来ていると思っておりますので、いよいよこの問題にしっかり取り組んでいかなければならない、そういう域を迎えているというふうに思っています。その中で、今取り組んでおりますのは、1つは、若い人たちの意識の変化、地方回帰と言いますか、豊かに、通勤のストレスなく暮らせる。そういうことを希求されている若い人たちが多いのかなという思いがいたしまして、そういう人たちの流れを、地方の疲弊の解消にできたら取り組んでいきたいと思っております。また同時に、Society5.0に代表されるような様々な技術革新によって、所を選ばずに生活、あるいは仕事が可能になりつつあるわけであります。そういうことをしっかり基盤整備も進める中で、そういうことによって持続可能な地域社会を築いていけたらいいなというふうに思っておりまして、そういう取組をしっかりやっていきたいなと思っています。また、地方制度調査会でも、今、2040年、これは高齢者数がピークになる時ですけれども、それを見越して今から何をやらなければならないのか。そういう観点から、いろいろ御議論いただいておるわけでありまして、そういう御議論も踏まえて、少し先を見据えてしっかりした取組をやっていくことが大事ではないかなというふうに思っています。 
 
 
 
 
 
 
 

 



2019/5
 

 

経営資源とは?ヒト・モノ・カネ・情報との違い
経営資源とは、人材・設備・資金など企業が経営するために使える内部資源のことです。英語では「organization’s resources(組織の資源)」や「firm resources(企業資源)」などと呼びます。経営資源の定義はバーニー教授の「財務資本」「物的資本」「人的資本」「組織資本」で定義するものや、日本で定着している「ヒト・モノ・カネ(+情報)」などがあります。
経営資源とヒトモノカネ情報の違い
「経営資源」と「ヒト・モノ・カネ・情報」の違いを一言でいうと、
• 経営資源 / 人材 + 在庫や設備 + 運営資金 + 組織力
• ヒト・モノ・カネ・情報 / 人材 + 在庫や設備 + 運営資金 + ノウハウ
となります。
組織としての力に着目しているか、ノウハウなどの情報資源に着目しているかの違いがあります。しかし内容はほとんど同じです。
いずれも経営戦略を遂行するために重要な要素です。これらを有効に活用するためには、定期的な再配分と経営者による意思決定を必要とします。
経営資源
経営資源とは、その企業の「財務資本」「物的資本」「人的資本」「組織資本」のことです。
この定義は、内部資源の活用で著名なジェイ・B・バーニー教授の著書で広く知られました。
バーニー教授は著書で、「 一般に企業の経営資源(firm resources)とは、すべての資産、ケイパビリティ(能力)、コンピタンス、組織内のプロセス、企業の特性、情報、ナレッジなど、企業のコントロール下にあって、企業の効率と効果を改善するような戦略を構想したり実行したりすることを可能にするものである。 」と定義しています。
つまり企業の内部にあって戦略に使えるものは、すべてひっくるめて「経営資源」と呼びます。
そしてその経営資源は「財務資本」「物的資本」「人的資本」「組織資本」の4つのカテゴリーに分類できるとされています。後述する「ヒト・モノ・カネ・情報」のうち、「ヒト・モノ・カネ」に相当します。
財務資本
財務資本(Financial Capital)は、企業が戦略を実行する時に使うことができる金銭的な資源のことです。株主から集めた資本金をはじめとして、銀行からの借入金や、これまでの儲けなど出どころは様々です。
物的資本
物的資本(Physical Capital)は、工場や設備の他に立地なども含まれます。立地が良ければ戦略を優位に運ぶことができます。物流に適している立地や、集客に適した立地、協業がしやすい立地などビジネスごとに優位になる要素は様々です。
人的資本
人的資本(Human Capital)は、「個々の」経営者や管理職、従業員がもつ経験・知識・ノウハウなどのことです。
組織資本
組織資本(Organization Capital)は「個人の集合体」として、組織構造や管理システム、外部との関係性などのことです。人的資本が集合したものが組織資本ですが、個々の人物だけでは実現できない特徴を含んだものが組織資本となります。
ヒト・モノ・カネ・情報
ヒトモノカネ情報とは、日本国内で定着している経営資源を構成する4つの要素のことです。「ヒト」は人材や組織、「モノ」は在庫や設備、「カネ」はお金、「情報」は技術やノウハウのことです。
ひと昔前は、経営資源といえば「ヒトモノカネ」でした。そこに「情報」が加わって、いまでは「ヒトモノカネ情報」の4つが経営資源を指すことが多くなっています。さらに別の要素を加えて5つとか6つにしている場合もありますが、内容が重複していることもあるので必要に応じて使い分けましょう。
ヒト
4つの中でも、最も重要な要素とされています。「ヒト」つまり人材は、残りの3つの要素を生み出したり消費したりする唯一の存在だからです。「モノ」「カネ」「情報」を活かすも殺すも「ヒト」次第。だから採用・配置・教育・評価などの人事施策は、経営資源全体をうまく動かすために重要です。また組織構造も「カネ」「モノ」「情報」の流れに大きな影響を与えます。人事だけでなく、組織そのものの構造も考えなければなりません。
モノ
主に在庫や設備などが「モノ」に該当します。「ヒト」が「モノ」に手を加えることによって、価値が生み出されます。その価値が「カネ」に変換され、ビジネスの循環が生まれます。
カネ
「カネ」は現金はもちろんのこと、どのように資金を調達してどう活かすのかを考える財務の視点も外すことはできません。企業を循環する血液のような「カネ」ですが、他の3つの要素「ヒト」「モノ」「情報」を動かすために「カネ」は必ず必要になります。
情報
情報は社内で生まれるものもあれば、社外から入ってきて蓄積されるものもあります。研究結果やノウハウは社内で蓄積されます。顧客のデータ、取引先や競合の情報などは外から入ってきます。ビジネスを行えば様々な情報が生まれ得られますが、その情報を大切な経営資源として活用する必要があります。
経営資源 ≒ ケイパビリティ?
バーニー教授は著書の中で「経営資源という語とケイパビリティという語は同義語として扱う」と述べています。一方でケイパビリティと経営資源を区別する書籍や論文もあるため、誰 が主張しているかによって異なることに気をつけましょう。
経営資源の分析
経営資源の分析方法として、バーニー教授のVRIO分析があります。VRIO分析では、単純にどんな経営資源があるかだけではなく、その経営資源が競合と比べて優位なのか劣位なのか(強みなのか弱みなのか)判別することができます。
また「人的資本(=ヒト)」「物的資本(=モノ)」については、「生産の4M」という視点で管理や問題解決する手法があります。

 

経営資源 2
経営資源とは、企業を経営していく上で役に立つ多様な要素や能力のことです。良質な経営資源をどれだけ確保できるかによって、企業の競争力は決まると言われています。一般的には、ヒト、モノ、カネ、情報が主要な経営資源ですが、近年では知恵や技術なども経営資源に含められ、重要性が注目されるようになっています。
1. 四大経営資源の分析
まず、主要な経営資源についてご説明します。主要な経営資源は、一般的にヒト・モノ・カネ・情報の4つであると言われています。経営資源はそれぞれ密接に関係しています。
ヒト
まずヒトとは、社員をはじめとした人材を意味します。商品を作り利益を生み出し、ビジネスを行なっていくためには、ヒトの力が必要不可欠です。ヒトは、全ての経営資源と関係性が深い要素となっています。近年人的資本の不足が懸念される日本企業にとって、ヒトの確保は大きなテーマとなっています。ヒトの資源は、組織のマネジメントや目標設定などを通して管理され、活用されます。
モノ
次にモノは、製品やサービス、そしてそれらを生み出す設備、機械などを意味します。企業活動を行なっていくためには、ヒトが扱うことのできるさまざまなモノが必要となります。モノの資源は、経営戦略やマーケティングのフレームワークにあてはめられ、検討や管理が行わることが多いです。
カネ
そしてカネは、言葉の通りお金である資金を意味します。企業が成長するために、人材を採用し育て、設備や機械を買うためには、お金がかかります。カネの資源は、会計や財務の分野が主に担当します。キャッシュフローを通して、管理や活用が行われます。
情報
最後に情報は、企業が持っている顧客データやコミュニティとの繋がりなどを意味します。テクノロジーの進化とともに、ヒトやモノ、カネなどの形のある資源だけでなく、情報という形のない資源の経済価値が高まり、重要視されるようになりました。情報は、知識資産や顧客資本となり、企業の競争力を向上します。情報の資源は、汎用性が高いナレッジマネジメントなどを通して管理され、活用されます。
その他経営資源と考えられるもの
そのほかにも、知識経済となった近年においては、知恵や知識、技術が経営資源と考えられる場合があります。企業が培ってきた独自のノウハウや方法論、組織文化、ブランド力が、企業価値を高める知的資本と見なされています。知識創造の過程を経て、情報の資源と同様に、ナレッジマネジメントなどを通して、管理と活用が行われています。
2. 経営資源の活用
どんなに大きな規模の企業であっても、経営資源のリソースは有限です。企業が成長していく上では、限られた経営資源を適切に活用していくことが求められます。経営資源を適切に活用するためには、事業ポートフォリオの最適化と市場のターゲティングを行うことが有効です。
事業ポートフォリオの最適化
事業ポートフォリオとは、企業が行なっている事業の組み合わせのことです。それぞれの事業の収益性や安全性、成長性を一覧できるポートフォリオを作成することで、企業が行なっている事業全体を俯瞰し、事業それぞれのビジネス価値を見極めることができます。価値がわかれば、どの事業にどのような経営資源をどのくらい配分すれば良いかバランスを考えることができます。
収益性や成長性の高い事業に経営資源を集中的に投入すれば、その事業においてイノベーションを起こすことができる可能性が高まります。経営戦略と合わせて経営資源の最適配分を検討することで、経営資源を無駄にすることなく、有効に活用することができます。
市場のターゲティング
市場のターゲティングとは、企業の強みを最も発揮できる市場を見つけることです。企業の強みを発揮できる市場に経営資源を重点的に投入することで、経営資源を有効に活用し、利益を最大限に高められます。
市場をターゲティングするためには、企業の強みを発揮できるかだけでなく、ライバル企業の状況を考慮しながら、収益を上げられるか、企業のミッションやビジョンと整合性があるかを確認することが必要です。特に、ミッションやビジョンとの整合性は大切です。儲けることができる市場であっても、企業の存在意義や目指すべき像と異なっていれば、長期的に経営資源を投入しながら事業を継続することは難しくなります。
3. 経営資源の蓄積
経営資源は投入するだけでなく、企業の中で蓄積していくことも大切です。企業は様々な経営資源を投入し、製品やサービスを社会に提供しています。製品やサービスを提供するプロセスからは、利益や信用、新たなデータ、ノウハウなどを社会から得ることができ、構造的資本として新たな経営資源を手に入れることができます。手に入れた経営資源は、従業員の採用や賃金、設備の購入、新たな製品の開発、企業文化の生成などに役立てられます。
このように、経営資源の投入であるインプットと製品やサービスの提供であるアウトプットのサイクルを適切に回していくことで、新たに有益な経営資源が企業に蓄積され、企業の成長につながります。
4. まとめ
• 経営資源は、企業が事業展開する上で利用することができる資源である。基本的な経営資源としては、ヒト・モノ・カネ・情報があげられるが、近年では知的資産である知恵や技術なども経営資源として注目されている。
• 有限である経営資源は、事業ポートフォリオの最適化と市場のターゲティングを行い、投入する箇所を見極めながら、有効に活用していくことが求められる。
• 経営資源は投入だけでなく、蓄積を意識することも大切である。経営資源を投入し製品を社会に提供することで、新たな経営資源として利益や信用、新たなデータなどの獲得と蓄積ができ、企業のさらなる成長につながる。

 

ヒトモノカネ情報を有効活用・配分する方法 - 経営手法
経営資源はヒト・モノ・カネ・情報から構成されています。これらをプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントという方法をもとに、「問題児」や「花形」などに適切に配分することによって、より効率の良い経営を行うことができます。経営資源は経営者なら必ず知っておきましょう。
経営資源とは
ビジネスの中で経営資源という言葉をよく耳にするという方は多いと思います。経営資源とは会社が利用できる資産のことであり、ヒト・モノ・カネ・情報・時間・知的財産の6つの項目を指します。
これらの経営資源をその時の会社の経営状態によって適切に配分することで、より効率の良い経営を行えます。そのため経営者はこれらの経営資源を注意深く管理する必要があります。
ヒト
具体的に経営資源を一つひとつ確認していきましょう。経営資源として最初に挙げられるのが「ヒト」です。経営資源としての人は、会社で働く社員を指します。また、広い意味では共同でプロジェクトを進めている会社や、開発を委託している会社なども含まれます。経営を進めるうえで何よりも重要になるのは、そこで働く「ヒト」です。経営資源を考えるうえでも、「ヒト」は一番に重要視するべきでしょう。「ヒト」には会社の社員だけではなく、プロジェクトに関わるすべてのメンバーが含まれるため、包括的な視点で経営資源たる「ヒト」を見ることでより多角的にプロジェクトを進められます。
モノ
経営資源の「モノ」は会社で所有している物理的なモノのことを指します。オフィスにある机やパソコンはもちろん、事務所や工場、パソコンにインストールされているソフトなども経営資源のモノにあたります。こうした「モノ」は多ければ良いというわけではありません。事務所を借りるのであれば家賃、ソフトウェアの更新料、工場の清掃費など、「モノ」にはランニングコストがつきものです。「モノ」が多すぎるとこのランニングコストが経営を圧迫してしまうこともあるので、バランスがとれた形で「モノ」を所有できているかどうかが重要になってきます。
カネ
経営資源の「カネ」は、そのままお金のことを指します。「カネ」は新しく社員を雇って給与を支払う、備品を購入する、新しいプロジェクトを始める際の調査費用など、使い方次第でより経営規模を広げられます。そのため会社にある「カネ」をどう配分していくかは、会社の今後を左右する課題でもあるのです。またこの「カネ」には現金だけでなく、株式や債券なども含まれており、経営資源を調達するための財力が豊富かどうかを示す指標になります。複合的に見る必要はあるにせよ、「カネ」が豊富な会社は将来性がある会社と考えてよいでしょう。
情報
経営資源の「情報」とは会社が所有している無形財産のことを指します。たとえばその会社にしかない技術やノウハウ、それに伴って取得した特許、実験などで得られたデータなどは「情報」にあたります。これらは形がないにせよ、扱い方によって会社の利益を大きく伸ばす可能性もあり、ものによっては売却なども可能になってきます。そのため会社が保有する財産として、慎重に扱う必要があるのです。また会社の運営によっては社員が高い技術を有していることも少なくなく、その場合人的資源と情報資源の両方を有しているということになります。
時間
経営資源の「時間」とはあらゆる時間のことを指します。たとえば会社の従業員の勤務時間や、商品を市場に出すまでにかかる時間、マーケティングの調査結果などで的確な時期に商品を提供できるかなど、ビジネスでは限りある「時間」を適切に利用できるかどうかが重要になってきます。特に「時間」は他の経営資源と異なり、取り戻す、あるいは買い戻すのは不可能です。そのため経営者は適切に「時間」を管理できているかどうか、慎重になる必要があります。
知的財産
「知的財産」とは、知的経営資源として生み出された無形の財産のことを指します。たとえば映画や書籍の著作権、一定のプロジェクトのために作成されたプログラムなどが「知的財産」にあたります。こうした創作物に加えて、商品を作る際に登録された商標や商号、イメージ、特許なども含まれます。これらはそれぞれ法律で保護されており、会社の経営上も重要な財産の一つとなっています。近年こうした知的財産の利用には注目が集まっており、企業もこうした知的財産の利用にはガイドラインを設けるなど慎重に取り扱う傾向があります。
経営資源の配分方法
ここまでそれぞれの経営資源について確認してきました。以下では代表的な経営資源の配分方法を説明します。
選択と集中
経営資源を適切に配分するための基本の考え方は「選択と集中」です。「選択と集中」とは自社の得意・不得意な事業分野を見極め、得意分野にはより豊富な経営資源を、不得意分野では経営資源の整理や撤退を行うことを指します。「選択と集中」を行うことで強みのある事業はより成長し、衰退しつつある事業の見極めにもつながるので、より経営を効率化し、業績を伸ばすことが可能です。
PPM
PPMとはプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの略語です。PPMは経営資源を適切に資源配分するためのフレームワークのことで、「問題児」「花形」「金のなる木」「負け犬」という項目から構成されています。PPMは会社の事業を市場での成長率やシェアでこれら4つの項目に割り振っていくというもので、より客観的に事業を見直し、効率の良い経営につなげていけるのです。具体的に「問題児」「花形」「金のなる木」「負け犬」がどのような事業を指すのか、確認してみましょう。
問題児
「問題児」は市場成長率が高く、市場シェアが低い事業のことです。製品ライフサイクル理論では、導入期から成長期にあたります。市場シェアを高められれば「花形」に変わる可能性がありますが、そのためには市場成長率以上にシェアを拡大する必要があります。そのためには多額の資金が必要になるため、利益が上がらない、あるいは赤字になる可能性もあります。こうした「問題児」の特長から将来性の高い事業には投資し、残りは徹底するという事業の見極めが必要になります。
花形
「花形」は市場成長率もシェアも大きい事業のことを指します。市場成長率が高いことから製品ライフサイクルでは導入期から成長期にあたり、売り上げも大きいのが特長です。「花形」は確実に会社の主要事業になることが見えているため、積極的に経営資源を投入し続ける必要があります。また大規模な資源投資を行うため、売り上げが多くても利益が上がりにくいのも「花形」の特長のひとつです。製品ライフサイクル理論では市場規模の成長はいつかは止まるため、大規模な設備投資は徐々に必要なくなってきます。その際には莫大な利益を生む事業に変化しますが、それまでは競合他社から市場シェアを奪われないよう注意する必要があります。
金のなる木
「金のなる木」は市場成長率が低く、市場シェアが高い事業のことを指します。製品ライフサイクル理論では成熟期から衰退期にあたります「金のなる木」は市場シェアが高く、市場規模の成長率が低いため、新しく経営資源を投入しなくても、資金を生み出してくれる事業です。そのため「金のなる木」には必要最低限の経営資源を残し、問題児や花形事業に配分することで全体的に経営を伸ばすことが可能になります。
負け犬
「負け犬」とは市場成長率が低く、市場シェアの低い事業です。ライフサイクル理論では成熟期から衰退期にあたります。市場自体が成熟してしまっているため追加投資をする必要はほぼありませんが、そもそも利益が少ないため、事業の継続そのものを再考する必要があります。ある程度の利益を生み出していれば投資は最小限に抑えて継続し、これ以上成長はないと考えられる場合は事業から撤退し、他の事業に経営資源を回していくべきでしょう。
経営資源は慎重に有効活用を!
経営資源には「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」「時間」「知的財産」の6種類があります。この経営資源をどれだけ適切に配分できるかが、今後の企業の成長を左右します。
経営資源の配分方法には「問題児」「花形」「金のなる木」「負け犬」で構成されるPPMを活用する方法があります。
各事業の市場成長率や市場シェアを見極め、適切に経営資源を配分するれぞれのスキルは経営者必須のスキルになります。それぞれの経営資源をしっかり理解し、経営改善に取り組んでいきましょう。

 

経営資源 3 〜ヒト・モノ・カネの「3M」の基本から発展  
経営資源とは
 経営資源とは経営学用語の一つであり、エディス・ペンローズによって提唱された。リソースとも言う。企業が成長するための活動には多くの資本や労働力が必要であり、そして大きくなった企業にはより多くの経営能力が必要となる。ここでの能力というのは、資金調達、販売、従業員管理、経営管理などの諸々の力の集合体であり、この集合体を経営資源と呼ぶ。つまり経営資源というのは「ヒト」「モノ」「カネ」といった有形財産と「情報」といった無形財産の総称ということである。 
 「ヒト」は人材のことを指し、「モノ」は製品や設備などを、「カネ」は資金のことを指す。従来は、これら3つを経営資源の中核として捉えられることが多かったが、知識社会の進展に伴い、知的財産が重要視されるようになってきている。知的財産とは、特許や実用新案権、商標、著作権などを総称したものをいい、形を伴わない資産であることから「無形資産」として分類されている。無形資産にはこのほか、ブランドやノウハウなどが含まれる。
 経営資源とは、組織の経営活動に必要な投入物の総称。人的経営資源(ヒト)、物的経営資源(モノ)、財務的経営資源(カネ)、情報的経営資源(情報)の4つに分類される。近年では目に見えない資源である情報的経営資源の重要性が指摘されることが多い。技術力や特許、ノウハウ、顧客情報、ブランド・イメージ、企業文化などが情報的経営資源である。
 企業における「経営資源」については、昔からいろいろ言われています。たとえば、私が社会人になった頃(20年近く前)には、よく「人(従業員)・モノ(設備など)・金(資本)」と言われました。この3つは、確かに企業を構成する要素として重要です。しかし、それだけではないということで、現在は「情報」という要素を加えるのが一般的になっています。「人・モノ・金・情報(技術やノウハウ)」です。そして、最近はそれにさらに1つ加えた「人・モノ・金・情報・時間」という5つの要素を提唱する人も増えてきました。
 情報 / 常に情報が中心に動く情報化時代は、情報格差が儲けに大きく影響します。情報は、経営者に唯一の判断材料や業務の改善点を指摘してくれます。情報が儲けに貢献しないのは、情報を扱う自覚と知恵・知識がないからです。時代の流れに見放されないためにも、情報を先取りしていくことが重要です。
 時間 / 我々の仕事は、時間との競争。時間管理が優先順位を決定します。コストパフォーマンス、タイムリーな商品・サービス提供、顧客満足を獲得するためには、時間をコストや価値の要素をバランスよく配分していくことが重要です。  
「チエ」という資源
 従来の経営資源は「人、物、金」でした。それに、第4の経営資源として「情報」を加えて、4要素が、一般的な経営資源とされています。もちろん、それには間違いはないと思います。ただ、これからは「知恵」で差別化する時代になったと思います。
 従来の3つの要素に加え、第4の経営資源を「ワザ」、第5の経営資源「知恵(チエ)」とし、この5つが企業価値創造のための経営資源と位置付けている。ここでいう「知恵」とは企業の「知的資産」と言い換えることができる。具体的には、個人や組織、技術、コミュニケーションなど多岐にわたる領域に存在する「独特なノウハウ、方法論、行動規範など生み出す源泉(能力)」を指す。そして、これらを柔軟に活用して持続的な成果を志向する経営を「知的資産経営」と呼ぶ。
経営資源の蓄積
 企業というのは活動しなければ発展しない。経営資源の投入というインプット、組織内での変換というスループット、製品やサービスの提供というアウトプットをうまく循環させることで顧客の信用、ノウハウや暗黙知などの技術、組織文化といった情報資源を蓄積するのである。