トカゲの尻尾 頑張ってください

3/27 佐川宣寿前国税庁長官
「刑事訴追の恐れがございますので、答弁はご容赦させていただきたいと思います」

刑事訴追の恐れがなくなりました
トカゲ 尻尾の意気地
麻生財務相に一泡 楽しいですよ


 
  
麻生財務相「佐川が」「佐川が」「佐川が」謝罪するも辞任否定 3/13
学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る決裁文書について財務省は12日、昨年2月以降に14文書で改ざんがあったと認め、国会に調査結果を報告した。麻生太郎副総理兼財務相は報道陣に対し「佐川が…」「佐川が…」と元理財局長の佐川宣寿氏の名前を何度も挙げ、自身の責任問題をのらりくらりとかわした。
佐川氏、立件見送りへ 虚偽作成罪問えず 4/13
学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却を巡り、財務省の決裁文書が改ざんされた問題で、大阪地検特捜部は、前国税庁長官の佐川宣寿氏(60)ら同省職員らの立件を見送る方針を固めた模様だ。捜査関係者が明らかにした。決裁文書から売却の経緯などが削除されたが、文書の趣旨は変わっておらず、特捜部は、告発状が出されている虚偽公文書作成などの容疑で刑事責任を問うことは困難との見方を強めている。今後、佐川氏から事情を聴いたうえで、上級庁と最終協議する。
国有地が不当に約8億円値引きされたとし、佐川氏以外の同省職員らが告発された背任容疑についても、特捜部は違法性があったとまではいえないと判断しているとみられ、立件は難しい状況だという。
決裁文書は昨年2〜4月、学園側との交渉記録に加え、安倍晋三首相の妻昭恵氏や複数の政治家の名前が決裁後に削除されるなどした。当時、同省理財局長だった佐川氏が「学園と価格交渉していない」などと国会で答弁した内容に合わせるため、改ざんされたとみられる。
虚偽公文書作成罪は、権限を持つ者が文書の趣旨を大幅に変えることが成立要件となるが、改ざんが明らかになった14の決裁文書では、契約の方法や金額など根幹部分の変更はなく、特捜部は交渉経緯などが削除されるなどしても、文書の本質は変わらないと判断したとみられる。
一方、国有地売却では、小学校建設中に多量のごみが見つかったため、国が8億円値引きして売却した経緯が問われた。小学校の名誉校長だった昭恵氏らに同省職員らが配慮したり、自らの保身や学園の利益を図る目的で値引きしたりして、国に損害を与えたとする背任容疑の告発が相次いでいる。
しかし特捜部は、ごみの処理による開校の遅れを理由に、学園が国に損害賠償を求める意向を伝えた▽売買契約後にごみ問題でトラブルにならないよう、国に賠償請求できない特約が盛り込まれた−−などの点を重視。値引きの背景には、ごみの処理の問題や賠償請求を避ける意味合いが一定程度あったとみている。
公文書改ざんや国有地の異例な値引きを巡って告発が相次いだ森友学園問題は、「なぜ8億円も値引きされたのか」という疑惑の根幹は未解明のままで、一連の問題が決着したわけではない。
国有地で小学校開設を計画していた学園は2015年、国と借地契約を結んだ。だが、翌年に地中からごみが出たとして近畿財務局と協議し、土地評価額からごみ撤去費約8億円を引いた1億3400万円で購入。支払いも10年間の分割が認められた。昨年2月に問題が発覚して以降、撤去費の積算が過大だった疑いが次々に明らかになり、会計検査院も「積算の根拠が十分でない」と指摘。「異例ずくめ」の取引が実現した詳細な理由は不明のままだ。
決裁文書の改ざんについても、関わった職員や指示系統は分かっていない。文書からは学園との交渉経緯の他、安倍晋三首相や妻昭恵氏の名前も消されており、職員らが忖度(そんたく)した疑惑は消えないままだ。
財務省は改ざんに関与した職員らを処分する方針で、内部調査を進めている。真相の解明に向け、国は詳細な調査結果を公表する必要がある。 
公文書改竄、大阪地検が佐川氏立件を見送りへ 4/13
学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省の決裁文書が改竄(かいざん)された問題で、大阪地検特捜部が、佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官ら同省職員らの立件を見送る方針を固めた模様だと、毎日新聞が13日朝刊で報じた。
同紙によると、決裁文書から売却の経緯などが削除されたが、文書の趣旨は変わっておらず、特捜部は、告発状が出されている虚偽公文書作成などの容疑で刑事責任を問うことは困難との見方を強めているという。
国有地が不当に約8億円値引きされたとし、佐川氏以外の同省職員らが告発された背任容疑についても、特捜部は違法性があったとまではいえないと判断しているとみられ、立件は難しい状況だとも報じている。  
大阪地検特捜部は「政権の番犬」だった! 4/13
やはり予想通りだった。検察は政権の番犬だった。週刊ポスト(4月13日号)は、大阪地検特捜部長の山本真千子が森友事件の財務省ルートについて本格的捜査をやる気だ、とエールを送ったが、私は最初から懐疑的だった。
お上が信じられなくなったら日本はおしまいだ。安倍政権になって、日本はいつの間にか共産国家に変身していた。すべてが権力の思うままだ。
警察も、検察も、裁判も、誰も頼りにならない。この先は私たち国民の手で安倍政権を倒すしかない。世論を盛り上げて打倒する以外に道はない。

森友学園への国有地の激安払い下げ事件。大阪地検特捜部は国有地が不当に約8億円値引きされたとし、財務省職員らが告発された背任容疑について、違法性があったとまではいえないと判断、立件は難しい。 毎日新聞が伝えた。
「国有地売却では、小学校建設中に多量のごみが見つかったため、国が8億円値引きして売却した経緯が問われた。小学校の名誉校長だった昭恵らに同省職員らが配慮したり自らの保身や学園の利益を図る目的で値引きしたりして国に損害を与えたとする背任容疑の告発が相次いでいる。
しかし特捜部は、ごみの処理による開校の遅れを理由に、学園が国に損害賠償を求める意向を伝えた▽売買契約後にごみ問題でトラブルにならないよう、国に賠償請求できない特約が盛り込まれた−−などの点を重視。値引きの背景には、ごみの処理の問題や賠償請求を避ける意味合いが一定程度あったとみている。
背任罪の成立には「自己または第三者の利益を図る目的」があったという個人の意図を立証する必要がある。だが国有地売却には同省理財局や近畿財務局の多数の職員が関わり、組織全体で判断していることも立件の障害になったとみられる。」 
「佐川氏立件見送り」報道に怒る人たち 4/13
「今の検察、法務省はおかしい(中略)あまりに安倍政権に忖度しすぎではないか」――社民党・福島みずほ参院議員、お怒りのツイートである。
「佐川氏 立件見送りへ」の見出しが躍ったのは、毎日新聞・2018年4月13日付朝刊1面だ。森友学園関連公文書の改ざんをめぐり、当時の財務省理財局長だった佐川宣寿氏らについて、大阪地検特捜部は立件を見送る方針を固めた、とのニュースだ。
毎日報道によれば、文書全体の趣旨が変わったわけではないことから、刑事責任を問うことは困難、と判断したとされる。
政権に批判的な立場からは、この方針に不満の声が噴出した。毎日新聞の記事でも、立件が見送られたとはいえ「疑惑の根幹は未解明のままで、一連の問題が決着したわけではない」「職員らが忖度した疑惑は消えないままだ」と、厳しい意見を掲載している。
野党議員はなおさらだ。特に憤懣やるかたないのは上記の福島氏で、
「全くおかしい。事実関係がまだまだ未解明のままなぜ佐川さんだけ立件見送りなのか。証人喚問できっぱり発言すれば立件しないと言う取引があったのではないかとすら疑われる」
「今の検察、法務省はおかしい。全容も明らかになっておらず疑惑追及もまだまだなのになぜ佐川さんだけ立件を見送りなのか。あまりに安倍政権に忖度しすぎではないか」
「まだまだ全容が解明になっておらずあまりに早すぎである。佐川さんが証人喚問で安倍政権を守れば、立件しないと言う取引があったのではないか」
「本当におかしい。事実究明がまだなされていないのに立件見送りだけなぜ決めるのか。証人喚問で安倍政権を守ることと引き換えに立件見送りの取引があったのではないか」
と13日朝から4度にわたりツイート、証人喚問での答弁内容と引き換えに立件を見送る「取引」があったのでは、との疑惑を繰り返し主張した。
民進党の大塚耕平代表もやはりツイッターで、
「あのような公文書改竄、詐欺取引、虚偽答弁が許されるのであれば、何をやっても許される。国全体のモラルダウンは必至。地検は何のために存在しているのか」と大阪地検を批判する。
13日の「モーニングショー」(テレビ朝日系)でも、コメンテーターの玉川徹氏(テレビ朝日解説委員)が、
「佐川さんこれ(立件見送り)でね、『よかったよかった』じゃないと思いますよ。僕は官僚としては――公務員として公僕として、最もやっちゃいけないことをやった官僚だと思います。国民の軽蔑の目にこれからさらされながら生きていく、という風に考えてほしい」と、厳しい口調で切り捨てた。
大阪地検に対しては、無所属の会・江田憲司衆院議員が「大阪地検の女性特捜部長のリークがどんどん出てくる」「今のところ、特捜部は『やる気』みたいだが(中略)どこまで貫けるか!?頑張れ!」とツイートするなど(4日、その後批判を受けて発言内容を訂正)、野党側からも「エール」が送られていた。
ツイッターでは「許せない」「再喚問を」などといった声も相次ぐ中、冷ややかな反応も目立つ。
「まあそりゃそうだろうよ。元より無理筋なんだから」
「佐川さんの不起訴は予想通り。野党は新聞報道の追っかけやってないで致命傷を与える ことの出来る一点に絞って追求しないと毎日違うこと質問している間に逃げられてしまう」
「これまで佐川氏を罪人扱いして叩きまくった野党マスコミはどう責任とるのか?個人を著しく縛る証人喚問で公衆の面前に晒したのに何も成果は無かった。証人喚問した事で人生壊れる人もいるのに野党は打倒安倍の為、与党は自己保身で証人喚問乱発。成果が上がらなかった場合立法府も相応の責任を負うべき」 
財務省立件見送り報道:常識で判断すると当然 4/14
「佐川氏 立件見送りへ」という毎日新聞の記事が話題になっている。それに対して、若狭勝氏からの反論も話題になっている。主な内容は以下の通りである。
「 大阪地検特捜部は、前国税庁長官の佐川宣寿氏(60)ら同省職員らの立件を見送る方針を固めた模様だ。捜査関係者が明らかにした。決裁文書から売却の経緯などが削除されたが、文書の趣旨は変わっておらず、特捜部は、告発状が出されている虚偽公文書作成などの容疑で刑事責任を問うことは困難との見方を強めている。国有地が不当に約8億円値引きされたとし、佐川氏以外の同省職員らが告発された背任容疑についても、特捜部は違法性があったとまではいえないと判断しているとみられ、立件は難しい状況だという。 」
これに対して、若狭勝氏は以下のようにいっている。
「司法試験の答案採点をしていた刑事の専門家であり、特捜部副部長にも就いていた私の立場で言えば、もともと虚偽公文書作成罪の起訴は難しいところ。しかし、公文書変造罪は十分に成立し得るし、背任罪についても起訴できるはずである。さらに、偽計業務妨害罪は十分に起訴できる。仮にこれらのこともできないことになったら、我が国の刑事司法は終わりだ。政治の力に負けるような特捜部も、もう要らない。 」
しかし、私は、かねてから、形式要件は満たすが、微罪に過ぎて、これまでの常識からしても起訴は難しいし、もし、したら政治的な処理だいってきた。偽造というのは、決定の本体をいじくることであり、付属の参考書類部分の改竄の変更ではない。
また、価格については、私は適当とは思わないが、犯罪とするような不当なものでないと思う。つまり政治・行政の問題として対処するべき問題であって、検察の出番ではないし、犯罪に問えないからいってリークして勧善懲悪しようというなら、それは大問題である。
これについて、元官僚のある人は、
「金銭授受でも判明しない限り、『立件→起訴』できるような案件ではない。プロ中のプロである地検は、とうに分かっていたはずで、だからこそ、法に則って裁けない相手をメディア(朝日新聞)にリークすることで社会的制裁を与えたと言う構図に見える 」
「立法主義で裁けない相手を権力がメディアと組んで社会的に葬ろうとする。これは、戦前の再現じゃないかと思う」
と私のFBにコメントされているが、その通りだと思う。 
財務省立件見送り報道 常識で判断すると当然 4/15
「佐川氏 立件見送りへ」という毎日新聞の記事が話題になっている。それに対して、若狭勝氏からの反論も話題になっている。主な内容は以下の通りである。
「大阪地検特捜部は、前国税庁長官の佐川宣寿氏(60)ら同省職員らの立件を見送る方針を固めた模様だ。捜査関係者が明らかにした。決裁文書から売却の経緯などが削除されたが、文書の趣旨は変わっておらず、特捜部は、告発状が出されている虚偽公文書作成などの容疑で刑事責任を問うことは困難との見方を強めている。国有地が不当に約8億円値引きされたとし、佐川氏以外の同省職員らが告発された背任容疑についても、特捜部は違法性があったとまではいえないと判断しているとみられ、立件は難しい状況だという。」
これに対して、若狭勝氏は以下のようにいっている。
「司法試験の答案採点をしていた刑事の専門家であり、特捜部副部長にも就いていた私の立場で言えば、もともと虚偽公文書作成罪の起訴は難しいところ。しかし、公文書変造罪は十分に成立し得るし、背任罪についても起訴できるはずである。さらに、偽計業務妨害罪は十分に起訴できる。仮にこれらのこともできないことになったら、我が国の刑事司法は終わりだ。政治の力に負けるような特捜部も、もう要らない。」
しかし、私は、かねてから、形式要件は満たすが、微罪に過ぎて、これまでの常識からしても起訴は難しいし、もし、したら政治的な処理だいってきた。偽造というのは、決定の本体をいじくることであり、付属の参考書類部分の改竄の変更ではない。
また、価格については、私は適当とは思わないが、犯罪とするような不当なものでないと思う。つまり政治・行政の問題として対処するべき問題であって、検察の出番ではないし、犯罪に問えないからいってリークして勧善懲悪しようというなら、それは大問題である。
これについて、元官僚のある人は、「金銭授受でも判明しない限り、『立件→起訴』できるような案件ではない。プロ中のプロである地検は、とうに分かっていたはずで、だからこそ、法に則って裁けない相手をメディア(朝日新聞)にリークすることで社会的制裁を与えたと言う構図に見える」
「立法主義で裁けない相手を権力がメディアと組んで社会的に葬ろうとする。これは、戦前の再現じゃないかと思う」と私のFBにコメントされているが、その通りだと思う。 
佐川前長官の立件見送りで再燃 大阪地検特捜部「不要論」 4/16
バカ高い税金を得ながら一体何のために存在しているのか。
財務省の決裁文書改ざんを巡り、大阪地検特捜部が佐川宣寿前国税庁長官の立件を見送る方針と報じられた問題。改ざん前と後で文書の本質が変わっていないため、虚偽公文書作成罪などで刑事責任を問うのは難しい、との判断らしいが、まったくフザケタ話である。
このまま大阪地検特捜部が佐川氏や財務省職員を立件せず、改ざん事件にフタをするなら「特捜部不要論」が再燃するのは間違いない。2009年の郵便不正事件で、証拠のフロッピーディスクを改ざんして逮捕、起訴された前田恒彦元検事も「立件見送り方針」の記事にこう驚きの声を上げている。
<虚偽公文書作成罪には当たらないとしても、今回の決裁文書は森友詐欺や財務省背任事件の『証拠』の一つなので、少なくともその改ざんや改ざん後の文書をシレッと大阪地検に提出した行為は証拠隠滅罪に当たると思うのですが>
いやはや、証拠改ざんの“経験者”が言うのだから、説得力が高い。渦中の大阪地検特捜部の山本真千子部長は前田氏の先輩だ。元検事の落合洋司弁護士はこう言う。
「難しいのは『虚偽とは何か』という法的な評価の問題があること。つまり、決裁文書の本質にあまり影響しない箇所を削除することが、虚偽といえるのかどうかということです。ただ、国会や地検に改ざん文書を提出しているので、証拠隠滅罪には問えると思います。もし、おとがめなしだった場合、特捜部に対する世論の反発は高まるでしょうし、公文書を改ざんしても問題ないという誤ったメッセージを国民に伝えることになりかねません」
先月の証人喚問で佐川氏は「刑事訴追の恐れがある」と50回以上連発して答弁を拒否した。不起訴になったら、「刑事訴追」の恐れは心配ない。再喚問して洗いざらい話してもらおうじゃないか。 
毎日が"佐川氏立件見送りへ"を書いた理由 4/18
4月13日、毎日新聞が他紙に先がけて「佐川氏 立件見送りへ」という特ダネを書いた。大阪地検は、財務省の決裁文書改竄をめぐり、前国税庁長官の佐川宣寿氏の立件を見送る方針だという。なぜ安倍政権に批判的な毎日が、こうした記事を1面に載せたのか。その裏には、世論に火を点けようという検察の思惑があるようだ――。
○「模様だ」は検察担当記者の書く記事
最近、読んだ記事が気になっている。4月13日付の毎日新聞朝刊(東京本社発行)だ。1面の肩(※)扱いで、「佐川氏 立件見送りへ」と大きなたて見出しが付いていた。
※左上端の記事を指す新聞社の専門用語。右上端の頭に次いで重要な扱いとされる。
記事は「学校法人『森友学園』(大阪市)への国有地売却を巡り、財務省の決裁文書が改ざんされた問題で、大阪地検特捜部は、前国税庁長官の佐川宣寿氏(60)ら同省職員らの立件を見送る方針を固めた模様だ」と書き出し、「捜査関係者が明らかにした」と続ける。特ダネだ。
記事に「模様だ」とあるところをみると、検察担当記者が書いた記事だ。検察関連の取材では、30年以上も前から末尾に「模様」と書くことが検察と担当記者の間で暗黙の了解になっている。そうしてボカさないと、検察がうるさいからだ。
○毎日のスタンスに反する記事なのに……
毎日の記事は「捜査関係者が明らかにした」とまで書き、あえてニュースソースを明らかにしている。この捜査関係者とは、大阪地検の幹部だろう。
記事は指摘する。
「決裁文書から売却経緯などが削除されたが文書の趣旨は変わっておらず、特捜部は、告発状が出されている虚偽公文書作成などの容疑で刑事責任を問うことは困難との見方を強めている。今後、佐川氏から事情を聴いたうえで上級庁と最終協議する」
安倍政権を擁護する読売新聞が書くなら分かるが、「立件見送り」という社のスタンスに反するニュースをなぜ、毎日新聞が1面で大きく扱ったのだろう。
○8億円値引きの疑惑は未解明
そう思って下にある関連記事に目を移すと、「疑惑根幹 未解明のまま」との見出しを付けた記事が添えられ、こう指摘している。
「森友学園問題は、『なぜ8億円も値引きされたのか』という疑惑の根幹は未解明のままで、一連の問題が決着したわけではない」
「決裁文書の改ざんについても、関わった職員や指示系統は分かっていない」
この指摘はもっともであり、毎日新聞の愛読者も納得するだろう。ただし、厳しい見方をすると、添え記事は単なる言い訳に過ぎず、そんな言い訳をするなら最初から「佐川氏 立件見送りへ」という記事など書かなければいいのだ。
○検察は世論の盛り上がりを狙う
それにしても毎日新聞は、なぜ言い訳記事を添えてまで「佐川氏 立件見送りへ」という記事を書いたのだろうか。
大阪地検を担当する記者が「他社の書く前に書いてやろう」という小ざかしい競争意識を働かせたのか。いや違う。
問題の毎日の特ダネ記事は「国有地が不当に約8億円値引きされたとし、佐川氏以外の同省職員らが告発された背任容疑についても、特捜部は違法性があったとまではいえないと判断しているとみられ、立件は難しい状況だという」とも書いている。
この記事のようになれば、検察の惨敗である。検察にとっては「佐川氏立件に向け」もっと世論が盛り上がる必要がある。世論の勢いが増せば、検察は動きやすくなる。検察側は世論に火がつくことを狙って毎日新聞に書かせたのだろう。まして大阪地検は9年前に無実の厚生労働省の女性局長を逮捕するという証拠改竄事件を起こし、国民の信頼を失っているから、なおさらその思いは強いはずだ。そうした検察の思惑に毎日新聞が乗った。
繰り返すが、このままでは安倍政権がその「1強」をますます誇示し、民主主義自体がどこかへ消えてしまう。ここは新聞社の社説の出番だ。新聞社説が「佐川氏を立件すべきだ」と主張し、世論を奮い立たせるべきだ。
○一連の特ダネのニュースソースは検察
朝日新聞が今年3月2日付朝刊(東京本社発行)の1面トップで「森友文書 書き換えの疑い」と財務省の決裁文書改竄を報じて以降、NHKが財務省理財局の口裏合わせ要求をスクープするなど、報道各社の特ダネが続いた。
一連の特ダネ報道のニュースソースは、おそらく大阪地検特捜部だろう。捜査に「待った」をかけようとする安倍政権側の動きに反発し、マスコミに情報を伝えたのだ。いまや「検察対安倍政権」の戦いになっている。
今回の毎日新聞の「佐川氏 立件見送りへ」の特ダネもこうした状況の下で出てきた。そう考えると、すべてつじつまが合ってくるから不思議である。
○安倍政権が真相解明に後ろ向きなのは当然
最近の社説を読んでみると、やはり「まだまだ」である。安倍政権に批判的な朝日社説をはじめとして「佐川氏を刑事立件すべきだ」などと検察の捜査に期待、あるいは擁護するような主張はまったく見られない。だから「社説は新聞記事の中で一番つまらない」と批判されるのだ。
たとえば4月12日付の朝日社説を挙げる。
冒頭で「森友学園をめぐる財務省の決裁文書の改ざん、『首相案件』という文書が見つかった加計学園の獣医学部新設、そして防衛省・自衛隊の日報隠し――」と指摘し、「行政の信頼を根底から揺るがす事実が次々と明るみに出る中、きのう衆院予算委員会で集中審議が行われた」と書く。
さらに森友学園問題については「地中のごみ撤去をめぐり、財務省が学園側に口裏合わせを求めた問題が取り上げられたが、誰がどんな判断で指示したのか、核心に触れる説明はなかった」と指摘し、「真相解明に後ろ向きな政権の姿勢が、事態の混迷を招いていると言わざるを得ない」と批判する。
安倍政権が真相解明に後ろ向きなのは当然だ。現政権が自らを擁護しようとあの手この手を使うのは古今東西よく見られる。しかも安倍晋三首相の頭の中は「憲法改正」が大半を占めている。
森友・加計問題に関して国会や行政を叱咤激励する社説はどの新聞社も数多く書いてきた。新聞各紙はそろそろ検察の捜査を励ますような興味深い社説を書いてほしい。
○証人喚問では新たな疑惑が噴き出すばかり
「混迷深まる『政と官』 不都合な事実隠したツケ」との見出しを掲げるのは4月14日付の毎日新聞の社説だ。
朝日同様、「まるで泥沼の様相だ。森友学園や加計学園問題、自衛隊イラク派遣の日報問題等々をめぐって連日のように新事実が発覚している」と書き出したうえで、こう指摘する。
「きのうは加計問題に関し、2015年4月、当時の首相秘書官が愛媛県側などに『首相案件』と発言したと記録した文書が農林水産省にもあったことが確認された。対応は全て後手に回っており、政府のガバナンス(統治)は危機的状況にある」
「なぜこんな事態に陥ったのか。いずれも問題発覚後、きちんと調査もせずに安倍政権に不都合な事実を強引に否定しようとしてきたからだ。そのツケが一気に回ってきている」
「政府のガバナンスは危機的状況にある」ことは国民の大半が理解している。安倍政権が「不都合な事実を強引に否定しようとしてきた」ことも事実である。
しかし朝日も毎日も、検察の捜査に期待するような社説は展開していない。ここでは挙げないが、他のどの新聞社もまだそうした論陣は張っていない。
国会が国政調査権に基づいて佐川氏ら関係者を証人喚問しても事態はいっこうに変わらず、新たな疑惑が噴き出すばかりではないか。まだ間に合う。新聞が世論を盛り上げ、まずは佐川氏の立件を現実のものにすべきではないか。 
佐川前国税庁長官を任意聴取=改ざん関与確認、立件判断へ 4/23
学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐり、財務省の決裁文書が改ざんされた問題で、大阪地検特捜部が同省理財局長だった佐川宣寿・前国税庁長官を任意で事情聴取したことが23日、関係者への取材で分かった。改ざんへの関与などについて説明を求めたとみられる。
佐川氏については、市民団体などから公文書変造などの容疑で告発状が出されている。特捜部は既に財務省理財局や近畿財務局の複数職員から事情を聴いており、これらの聴取結果と突き合わせた上で、立件の可否を慎重に判断するもようだ。
改ざんが行われたのは14件の決裁文書。問題発覚後の昨年2〜4月、森友学園側との交渉経緯や安倍晋三首相夫人の昭恵氏らの名前を含んだ記載が、削除されたり書き換えられたりした。
財務省はこれまで、改ざんは佐川氏の国会答弁との整合性を取るために行われたと説明。捜査関係者によると、複数の職員が特捜部の任意聴取に対し、「理財局側がメールなどで近畿財務局側に指示した」などと説明しているという。
一方、佐川氏は先月27日に行われた国会の証人喚問では、「刑事訴追の恐れがある」として、自身の関与について証言を拒否していた。 
佐川氏を任意聴取 虚偽公文書容疑で立件可否見極め 4/23
学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る決裁文書改ざんで、大阪地検特捜部が財務省理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官を任意で事情聴取したことが23日、関係者への取材で分かった。改ざんの指示の有無や動機を中心に確認したとみられる。虚偽公文書作成容疑などについて立件の可否を見極める。
複数の財務省職員は特捜部の任意聴取に対し「(改ざんは)佐川氏の指示と認識していた」と説明している。一方、佐川氏は3月27日の証人喚問で「刑事訴追の恐れがある」として自身の関与は証言拒否した。
改ざんは国有地売却問題が発覚した後の昨年2月下旬〜4月、14件の決裁文書で行われた。関係者によると、財務省理財局が近畿財務局にメールなどで指示していた。麻生太郎副総理兼財務相は、佐川氏の国会答弁と齟齬(そご)がないようにするためだったと説明している。 
佐川氏、周辺に改ざん関与認める 4/23
学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る決裁文書改ざんで、財務省理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が周辺に改ざんへの関与を認めていることが23日、関係者への取材で分かった。大阪地検特捜部は同日までに佐川氏を任意聴取。改ざんの指示の有無や動機を中心に確認したとみられる。虚偽公文書作成容疑などについて立件の可否を見極める。
複数の財務省職員は特捜部の任意聴取に対し「(改ざんは)佐川氏の指示と認識していた」と説明している。一方、佐川氏は3月27日の証人喚問で「刑事訴追の恐れがある」として自身の関与は証言拒否した。 
佐川前理財局長を事情聴取 大阪地検 4/23
学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却を巡る決裁文書改ざん問題で、大阪地検特捜部が、当時の財務省理財局長だった佐川宣寿・前国税庁長官(60)から任意で事情聴取していたことが分かった。決裁文書から売却経緯が削除されるなどしており、虚偽公文書作成などの容疑で告発状が出されていた。佐川氏は改ざんへの関与を認めているとみられる。
ただ、改ざん後の文書の趣旨が大きく変わっていないことなどから、特捜部は立件を見送る方針で今後、上級庁と協議する。
同省は3月、理財局の主導で昨年2月下旬〜4月に決裁文書14件が改ざんされていたと発表。改ざん前の文書には学園と「価格等について協議した」などと記載されていた。学園が計画する小学校の名誉校長だった安倍晋三首相の妻昭恵氏や複数の政治家の名前も記されていたが、売却交渉の経緯などとともに削除されるなどした。
国有地売却が国会で問題になった昨年2月以降、佐川氏は学園との交渉記録は「廃棄した」と答弁し、学園との価格交渉や政治家の関与についても繰り返し否定していた。こうした答弁に合わせるため、改ざんが行われたとみられる。
虚偽公文書作成罪は、権限のある者が文書の趣旨を大幅に変えることが成立要件となるため、売却経緯などが削除されたことで文書の趣旨が変わったかどうかが焦点になる。ただ、契約の方法や金額などの根幹部分が残されていることから、特捜部は文書の本質は変わっていないと判断。立件は困難との見方を強めているとみられる。
佐川氏は国会の証人喚問(3月27日)で、改ざんは「首相官邸に報告せず、理財局だけでやった」と答弁し、首相や昭恵氏らの影響は「あったとは全く考えていない」と否定している。
一連の問題を巡っては、学園との交渉記録を廃棄したとする公用文書毀棄(きき)や証拠隠滅のほか、国有地を不当に値引きしたとする背任容疑などでの告発が相次いでいる。特捜部はこれまで理財局や近畿財務局の職員らの聴取をほぼ終えており、こうした告発容疑でも立件は難しいと判断している模様だ。 
「森友」文書改ざん、佐川前国税庁長官 関与認める 4/24
森友学園をめぐる財務省決裁文書改ざん問題で、当時、理財局長だった佐川宜寿・前国税庁長官が周辺に改ざんへの関与を認めていることが関係者への取材で分かりました。
森友学園への国有地売却をめぐる決裁文書の改ざん問題では、当時、財務省理財局長だった佐川宜寿・前国税庁長官が虚偽公文書作成などの疑いで告発されています。
これまで大阪地検特捜部は、財務省理財局や近畿財務局の職員らから任意で事情聴取していて、一部の職員は「佐川氏が改ざんを指示したと認識している」という趣旨の説明をしたということです。また、関係者によりますと、佐川氏は周辺に対し、改ざんへの関与を認めているということです。
特捜部は、すでに佐川氏から任意で事情聴取を行っていて、立件が可能かどうか慎重に判断します。 
佐川前国税庁長官 改ざん関与認める 大阪地検特捜部が任意聴取 4/24
学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る決裁文書改ざんで、財務省理財局長だった佐川前国税庁長官が周辺に改ざんへの関与を認めていることが23日、関係者への取材で分かった。大阪地検特捜部は同日までに佐川氏を任意聴取。改ざんの指示の有無や動機を中心に確認したとみられる。虚偽公文書作成容疑などについて立件の可否を見極める。
複数の財務省職員は特捜部の任意聴取に対し「(改ざんは)佐川氏の指示と認識していた」と説明している。一方、佐川氏は3月27日の証人喚問で「刑事訴追の恐れがある」として自身の関与は証言拒否した。
改ざんは国有地売却問題が発覚した後の昨年2月下旬〜4月、14件の決裁文書で行われた。関係者によると、財務省理財局が近畿財務局にメールなどで指示していた。麻生太郎副総理兼財務相は、佐川氏の国会答弁と齟齬(そご)がないようにするためだったと説明している。
佐川氏は証人喚問で安倍晋三首相や官邸側からの改ざんの指示は明確に否定。「官邸に報告することなく理財局の中で行った」と述べたが、指示系統は語らなかった。国有地の貸し付けや売却に関する学園との契約に関し、安倍首相や安倍昭恵首相夫人の影響はないと主張した。 
佐川氏、改ざん関与認める 森友文書 4/24
学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る決裁文書改ざんで、財務省理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官が周辺に改ざんへの関与を認めていることが、関係者への取材で分かった。大阪地検特捜部は佐川氏を任意聴取。改ざんの指示の有無や動機を中心に確認したとみられる。虚偽公文書作成容疑などについて立件の可否を見極める。
複数の財務省職員は特捜部の任意聴取に対し「(改ざんは)佐川氏の指示と認識していた」と説明している。一方、佐川氏は三月二十七日の証人喚問で「刑事訴追の恐れがある」として自身の関与は証言拒否した。
改ざんは国有地売却問題が発覚した後の昨年二月下旬〜四月、十四件の決裁文書で行われた。関係者によると、財務省理財局が近畿財務局にメールなどで指示していた。麻生太郎副総理兼財務相は、佐川氏の国会答弁と齟齬(そご)がないようにするためだったと説明している。
佐川氏は証人喚問で安倍晋三首相や官邸側からの改ざんの指示は明確に否定。「官邸に報告することなく理財局の中で行った」と述べたが、指示系統は語らなかった。
特捜部は、学園側と交渉した近畿財務局の担当者らが不当に安く国有地を売却したとする背任容疑、佐川氏らが交渉記録を廃棄したとする公文書毀棄(きき)容疑などの告発を受けて捜査してきた。その過程で改ざんについても把握。佐川氏への任意聴取の内容を踏まえ、改ざんも含めた一連の問題について刑事処分を検討するとみられる。 
佐川氏「役所守るため」 文書改ざんを事前了承 検察に供述 4/25
学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却を巡る問題で、財務省理財局長だった佐川宣寿・前国税庁長官(60)が国会答弁や改ざんについて、「役所を守る気持ちがあった。簡潔な答弁で難局を乗り切りたかった」などと検察に供述していることが、捜査関係者への取材で分かった。答弁に合わせるため、同省の決裁文書が改ざんされたとみられており、反省の言葉も口にしているという。
佐川氏は売却問題が発覚した昨年2月以降、「学園との交渉記録は廃棄した」「価格を提示したことはない」・・・  
佐川氏、森友文書「改ざん了承」 4/25
学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る決裁文書改ざんで、財務省理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官が改ざんについて部下から報告を受け、了承していたと関係者に説明していることが25日、分かった。ただ自ら指示したとの認識はあいまいという。大阪地検特捜部の任意聴取でも同様の説明をしているとみられる。
関係者によると、佐川氏は部下から「書き換えるしかない」との趣旨のことを言われたが、その際の対応は不明確で指示をしたとの意識はないという。
改ざんの細かい内容も把握していないが、結果的に自らの指示だったと指摘されれば否定できないと説明している。 
大阪地検特捜部「佐川前長官の立件見送り」なら国民はなにを思うか 4/26
○「国民感情」が欠けている
「佐川(宣寿前国税庁長官)氏、立件見送りへ」――。
森友学園に絡む公文書改ざんなど財務省の疑惑を捜査する大阪地検特捜部は、佐川氏を参考人聴取するなど詰めの捜査を行っているが、検察関係者の話として伝わってくる情報も、検察OB弁護士の解説も、「公文書改ざんを罪に問うのは難しい」という悲観的なものばかり。出される結論は、上のように「立件見送り」である。
想定される罪は、虚偽公文書作成罪、公文書偽造・変造罪、公用文書等毀棄罪の三つだが、いずれも「改ざんによって文章の趣旨が大幅に変わったかどうか」が重要なポイントで、今回、契約の方法や金額など根幹部分に変更はなく、文章の本質に変わりはないので罪には問えないのだという。
この判断には、重要な部分が抜けている。「国民感情」である。
国有地の安値払い下げという森友学園疑惑の発覚から1年以上が経過、繰り返された国会論議とメディア報道によって、国民は「安倍昭恵・首相夫人が籠池泰典・森友学園理事長夫妻に利用され、その結果、財務省などの官僚が忖度し、便宜を図った事件」という本質に気付いている。
そして、今年3月に発覚した公文書改ざんは、そうした「忖度の経緯」を消去する作業だった。佐川氏は、特捜部に改ざんの理由を問われて、「役所を守る気持ちがあった」と、述べたという。
昨年2月以降、理財局長として国会答弁に立った佐川氏は、昭恵夫人や政治家の関与を問われて、「一切ない」と否定、「交渉記録は残ってない」「価格を提示したことはない」と、断定した。その答弁に合わせた改ざんであることを供述したわけである。
公文書改ざんの意図と理由があり、佐川氏が具体的に指示したかどうかはともかく、「役所ぐるみの改ざん」があった。それでも、「文書の趣旨が変わっていない」として、財務官僚は罪に問われないのだろうか。
公文書は、「公文書等の管理に関する法律」によって、「歴史的事実の記録」と定められ、「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るもの」(第一章総則第一条目的)と規定されている。
財務省は、その国民共有の財産を、省益のために奪った。14もの決裁文書で、安倍昭恵夫人や政治家の存在を消し、財務省にとって都合の悪い部分は削除した。それが「刑事罰を課すほどの罪ではない」という検察の判断は、国民の財産を検察が奪うことにもつながるのではないか。
百歩譲って、捜査権と公訴権を持つ検察だから、法に沿って「立件せず」の判断をしたとしよう。公判を維持できるかどうか、有罪に持ち込めるかどうかの判断は、プロの自分たちに任せておけ、というわけである。
だが、2000年以降、本格化した司法制度改革や、その流れのなかでの検察改革とそれに伴う刑事訴訟法の改正は、裁判や捜査を「法律のプロ」に任せるだけでなく、国民の理解を深め、認識を高めることを目的としていたハズだ。
○本当に役割を果たしているのか
裁判員法と改正検察審査会法の成立によって、09年から裁判員裁判が始まり、検察審査会は検察官が不起訴とした案件に異議申し立てができるようになった。目的は、刑事裁判や公訴権の在り方に「民意」を反映させること。司法の場に「市民の常識」を取り入れることである。
一方、同時並行で進んでいたのが、志布志事件、足利事件などの冤罪事件、郵便不正事件を端緒とする大阪地検特捜部の証拠改ざん事件などを反省したうえでの特捜捜査を含む捜査体制の見直しである。
供述調書を完璧にして立件、裁判所に無罪判決が出されないようにするのが刑事事件に臨む検察の在り方だった。そのために取り調べは自白を強要する過酷なもので、検察は事件を自ら描くシナリオに沿わせた。
その反省から捜査段階での録音録画の可視化が導入され、密室の取調室で、家族、友人知人、愛人などへの事件の波及を示唆する恫喝や威圧、脅迫で自白を迫るこれまでの手法は使えなくなった。
しかし、特捜案件となる贈収賄や談合などは、こちらも密室で繰り返され、証拠は残らない。それをカメラの前で、「自白しろ」と、迫っても応ずる被疑者などない。検察の捜査能力は低下、着手案件は激減、その状況を打破するために法務・検察が一体となって進めたのが刑事司法改革のロビー活動である。
その結果、「司法取引」という新しい捜査手法を得た。18年6月から施行されるが、容疑者や被告は、共犯者などの罪を明らかにした見返りに、自らの罪を軽くしてもらうことができる。欧米では一般化している密告制度の日本版である。
司法制度改革と刑事司法改革に共通するのは、国民も刑事事件に無関係ではいられず、裁判所と検察は、これまでのように自分たちに任せておけ、と高所から見下ろすのではなく「市民の常識」と「市民の目」を意識しなければならなくなったことだ。
翻って、公文書改ざん事件で進行しているのは、「市民の常識」を無視した事件処理である。立件しないということは、公文書の改ざんを容易に許すことにつながるが、国民はそれを認めはしないだろう。
司法のプロとして、立件のハードルが高いというなら、それを下げればいい。可視化のもと、財務官僚らの自白が取れないのは当然だろう。だが、改ざんの事実と目的と意図があり、国民の財産を毀損した事実がある。
ならば、起訴して公判請求。国民がチェックできる法廷で、犯罪か否かを争うことに問題があるとは思えない。公判の意味をなさない従来の99・9%の有罪率の方が問題であり、検察の無理は、その無謬神話を守るところから発したのではなかったか。
そして、メディアもただ捜査状況を伝えるだけでいいハズはない。「市民の常識」は、その代弁者としてのメディアが指摘すべきであり、「佐川氏、立件見送りへ」という検察捜査を、ただ垂れ流すだけでは、変貌する刑事司法を理解しておらず、自分たちの役割を果していないことになる。 
 
 


2018/4