党の基本政策 代表が変われば 変わります
党員は楽しいかもしれませんが
民主党〜民進党 代表の平均寿命は1年
独裁政権
自民・公明を嫌う国民 受け皿探し
前原氏と枝野氏
ますます絵柄不鮮明 いびつなお皿 信じられません
民進党 死出の旅の始まり 消滅か
支持団体の「連合」も 今は気概のない御用組合の集まり
■なぜか「蓮舫降ろし」を実行できない民進党の事情 |
![]() ![]() ![]() |
![]() |
先ず党として 政策を決める 代表選挙は 「党の政策」の具体化の道筋を競う 優先順位 実現方法 到達点 ならば党の評価 良くも悪くもブレません |
代表が変わったら「党の政策」 そのものも変わる 一年の命 ・・・ いつになっても政策は夢物語 国民は さようならします |
![]() ●民進党 崖っぷちの代表選挙 8/26 |
「党の存亡をかけた、最後の代表選挙」とも指摘されている民進党の代表選挙。前原誠司元外務大臣と枝野幸男元官房長官の一騎打ちの構図となりました。政治改革を志し、平成5年の衆議院選挙で当時の日本新党から立候補して初当選した2人は、24年間にわたって政治行動をともにしてきました。政権交代を実現させた民主党政権では、ともに「党の顔」として、政府や党の要職を歴任しながら、成功も失敗も経験してきました。その2人が、支持率の低迷が続き、離党者も相次いでいる野党第1党をどのように立て直し、安倍政権と対じしていくための道筋を描こうとしているのか。それぞれの主張を徹底比較し、民進党の今後を探ってみます。
●突然の辞任 選挙へ 「新たな執行部に率いてもらうのが最善の策だと判断した」 7月27日、蓮舫代表の突然の辞任表明でした。東京都議会議員選挙の惨敗を受けて、執行部の刷新を求める声が高まり、「政治の師」と仰いできた野田幹事長が辞任を表明。後任人事が暗礁に乗り上げた末の辞任劇でした。 党の再生が喫緊の課題となるなか、蓮舫代表の後任を決める代表選挙に向けて、先手を打ったのは枝野さんでした。蓮舫代表の辞任表明の翌日、枝野さんは、国会内で赤松広隆前衆議院副議長と会談。自身、初めてとなる代表選挙への立候補を伝えました。 一方、前原さんは、平成28年9月の代表選挙で蓮舫さんに大差で敗れてから、連合の神津里季生会長をはじめ、民進党を支援する労働組合の幹部との会談などを地道に重ねてきました。党内では、安倍政権の経済政策「アベノミクス」に代わるものとも位置づけられた基本政策を検討する責任者を務めるなど、捲土重来を期してきました。 保守系の議員に支持される前原さんとリベラル系の議員に支持される枝野さん。今回の代表選挙は、「保守」対「リベラル」の構図になると見る向きもありましたが、選挙戦を通じた2人の訴えに注目すると、実際は、そう単純ではありません。 ●共産党 「野党連携」、とりわけ共産党との協力のあり方は、政権選択の決戦となる次の衆議院選挙に向けて、民進党という政党の立ち位置を決めるだけに最大の争点となっています。 ●前原 / 「政治家、政党の命は、理念・政策だ。衆議院選挙は政権選択の選挙であり、理念・政策が合わないところと協力するということはおかしい」と主張。蓮舫執行部が平成29年6月に共産党、自由党、社民党と結んだ合意について、「重みはしっかりと受け止めながら、是非についても見直しをさせて欲しい」と述べ、今後、衆議院選挙での共産党との協力のあり方も含めて、見直す考えを示しました。 ●枝野 / 平成28年の参議院選挙で、幹事長として野党の候補者を一本化し、一定の成果を挙げたと指摘。「党の主体性をもちながら、できることを最大限やる。政権選択の衆議院選挙は一層、困難が大きいが、地域で頑張っている仲間たちを1人でも多く当選させることによって、今の政治の暴走に少しでも歯止めをかけることも、私たちの大きな責任だ」と述べ、基本的に維持したい考えを示しました。 前原さんが、野党連携に消極的な姿勢を示している理由の1つに、党内の保守系の議員を中心に共産党との選挙協力に不満が募っていることが挙げられます。平成29年4月には長島昭久元防衛副大臣、7月には細野豪志元環境大臣と、保守系の議員が党を離れました。前原さんを支持する議員には「前原さんが代表になって、野党連携を見直せば、『離党ドミノ』に歯止めがかかる」という期待感もあります。一方、野党連携を重視し、枝野さんを支持する議員からは「自民・公明の強力な選挙協力に対抗するには、野党が候補者を乱立して共倒れしないよう、一本化するのは当たり前だ」として、野党4党の党首による合意に基づいて、次の衆議院選挙でも協力を継続すべきだという声が聞かれます。 ●小池新党 東京都の小池知事に近い衆議院議員が、新党の立ち上げを目指している動きに対しても、2人には考え方に違いがあります。 ●前原 / 小池都政に一定の評価を示した上で、「国政を目指す場合の政策・理念がまだ明らかにされていないし、与党か野党かもわからない」としながらも、「政策・理念が一致する政党と協力をするスタンスだ」と述べ、連携に含みを残しました。 ●枝野 / 「安保法制にも賛成し、アベノミクスにも賛成し、共謀罪にも賛成してこられた方とわれわれとは立ち位置が違う。自民党の補完勢力の可能性が高いと見ざるをえない」と述べ、連携には消極的な考えを示しました。 ●離党者 民進党を離れた国会議員への対応でも2人の違いが見えてきました。 ●前原 / 考え方が近い細野元環境大臣が離党した際、「また協力できるのではと期待している」と述べていました。離党した議員に対し、選挙区で対立候補を擁立するかどうかについては、「政治状況や党内に対するガバナンス=統治などを含めて、総合的に勘案する」と述べるにとどめました。 ●枝野 / 党を離れた議員に厳しく対応しなければ、党の結束やガバナンスにも関わるという姿勢です。「基本的には、対抗馬としてきちんと党の公認候補を立てるという、けじめをつけていかないと党はまとまらない。厳しい中、党を支えてくれているサポーターや地方議員に顔向けできる党運営をしないといけない」と述べています。 ●野党再編への布石 共産党、いわゆる小池新党、離党者。3つのテーマをめぐる前原さんと枝野さんの温度差の背景には、次の衆議院選挙をにらんだ、野党再編に対する2人の考え方の違いが反映されていると感じます。 ●前原 / 共産党との協力を見直したうえで、いわゆる小池新党や細野元環境大臣と長島元防衛副大臣など党を離れた保守系議員との連携も見据えて、「野党再編」の可能性もにらみながら、政府・与党と対じしていく戦略が見え隠れします。 ●枝野 / 去年の参議院選挙で一定の成果を挙げたことを踏まえて、野党連携は進めていきながら、あくまでも軸になるのは、全国各地に地方組織を持っている野党第1党の民進党だとして、性急な野党再編には消極的な姿勢のようです。 ともに、当時の日本新党から政界入りして、「非自民連立政権」の樹立という政治のうねりを目の当たりにしながら、民主党では政権交代を実現させた2人ですが、これまでの政治経験から、「野党再編」に対する考え方は異なってきているようにも見えます。 ●ポスト・アベノミクス 党の立ち位置に対する考え方に違いもある2人ですが、野党第1党として、どのように政権担当能力を示していこうとしているのでしょうか。安倍政権の経済政策「アベノミクス」に代わる政策をおし進めて、新たな日本の将来像を示していくとしています。 ●前原 / 「再分配政策の充実」を掲げ、国民の将来不安を取り除いていくと訴えています。「就学前の教育や保育を無償化すれば、その分の雇用が必要になる。高齢者の安心を担保することで、消費が活性化される。『トリクルダウン』ではなくて、『ボトムアップ』で経済を回す好循環を作り上げたい」としています。 ●枝野 / 消費の冷え込みが経済全体の足を引っ張っており、その背景には、非正規雇用が増えて、格差が拡大していることを指摘しています。「介護職員や保育士、看護師などの賃金や可処分所得を押し上げて、そうした分野の雇用を増やしていくことこそが、アベノミクスに対抗する景気・経済対策だ」としています。 ●財源、消費税 政策を実行に移すためには、財源の裏付けが欠かせません。民主党政権では、「ムダを省けば、財源は捻出できる」としましたが、十分な財源は確保できなかったという苦い経験もあります。このうち消費税率の引き上げについて、主張は真っ向から対立しています。 ●前原 / 「『サービスの向上には財源がいる』と真剣に訴える姿勢が必要だ」と述べています。みずからには、民主党政権時代に「税と社会保障の一体改革」をまとめた責任があるとしたうえで、消費税率の引き上げ分が借金の穴埋めに偏り過ぎていたとして、国民の受益感が増すように使い道を改めて、経済の状況が大きく悪化しない限り、10%に引き上げるべきだとしています。 ●枝野 / 「足元の経済状況や税への国民の信頼を考えると、到底、できる現状にはない」と述べています。大企業の内部留保が増えている状況では、法人税率の引き上げも検討すべきだとしているほか、建設国債による景気対策よりも、介護職員や保育士の賃金の引き上げが景気対策として経済への波及効果が大きいと主張しており、財源として1兆円規模の赤字国債の発行にも言及しています。 ●原発政策 日本の将来像を示していく1つとして、安倍政権との対抗軸として挙げられるのが、「2030年代に原発稼働ゼロを目指す」としている党の方針です。 ●前原 / 「民主党政権の時に東日本大震災が起き、原発をなくす天命や使命を帯びているという思いだ。2030年代の原発ゼロを目指して、あらゆる政策資源を投入し、着実に、かつ現実的に進めていきたい」として、踏襲していく考えです。 ●枝野 / 「官房長官として原発事故の対応に当たり、絶対に事故が起きないというのは幻想だと痛切に感じている。年内にも『原発ゼロ法案』をまとめ、国会への提出を目指す」として、さらに踏み込んで、時期の前倒しが可能だという考えを示しています。 ●迷走した普天間 民主党政権で大きく迷走した沖縄のアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設計画に対しては、どのように対応していく考えなのでしょうか。 ●前原 / 「辺野古については、沖縄の皆さんにご迷惑をお掛けしたという反省に立っていく。今のやり方に、『いかがなものか』と思うことはあるが、日米合意がベースにあるという認識は変わらない」と述べています。 ●枝野 / 「沖縄の皆さんを裏切った教訓があるので、軽々に申し上げられないが、当時の経緯を検証して結論の方向性について、もう1度、移設先が辺野古しかないのか、研究を始める責任がある」と述べています。 ●憲法改正 憲法改正をめぐり安倍総理大臣は、2020年の施行を目指し、具体的な改正項目として、憲法9条の1項と2項を維持したうえで、自衛隊の存在を明記することを挙げています。かつて自衛隊の明記に言及した前原さんと、党の憲法調査会の会長を務める枝野さんは、ともに集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法は憲法違反であり、その前提で自衛隊の存在を明記することには反対する姿勢を示しています。 ●前原 / 「『安倍政権のもとでの憲法改正は反対』というのは、国民の理解を得られない。野党第1党として政権を目指す政党として、しっかりと国のもといである憲法の議論は行う」と述べています。 ●枝野 / 「総理大臣の衆議院の解散権」は議論していくとしながらも、「民主主義を強化し、国民の人権保障を高めるために変えた方がよいのであれば、議論は積極的に進めるべきだが、今のところ、そうしたものがあるという結論はない」と述べています。 ●安倍政権とどう対峙する 一見、主張が異なるような前原さんと枝野さんですが、実は、同じ目的を目指していたり、政策を進めていくスピード感が違うだけだったりすることも少なくなく、前原さんも「枝野さんとの違いを見つけるのは難しい」と漏らしています。平成5年に初当選し、日本新党、新党さきがけ、民主党、民進党と政界での歩みをともにしてきた2人としては、当然のことなのかも知れません。そして、平成5年の初当選同期には安倍総理大臣がいます。各種の世論調査で内閣支持率が下落しているにもかかわらず、党勢が回復しない民進党をどのように率いて安倍政権と対じしていくのか。 ●前原 / 「ALL for ALL」の理念を掲げて、「自己責任社会」と決別し、あらゆる生活者の不安を解消するとしています。「野党第1党として、単なる批判ではなく、政権の選択肢を示すことで、比較第1党である無党派層にアピールすることが大事だ。企業や経済の成長を優先するのではなく、再分配を重視する『ボトムアップ』の政策、生活や命を保障する政策を訴えて、無党派層を取り込んでいくことに力を尽くす」と述べています。 ●枝野 / 「多様性を認め合い、困ったときに寄り添い、お互いさまに支え合う」 そんな日本を目指していくとしています。「政治が私物化され、立憲主義や法の支配は守られず、強引な国会運営が行われる中、民進党として目指す社会像をはじめ、違いを明確に示していく。風頼みの存在では、ポピュリズムに走ることになるので、幅広い国民の暮らしに寄り添い、地域の基盤を充実させて、挙党態勢を作り上げていく」と述べています。 8月に行ったNHKの世論調査では、代表が代わることになった民進党について、「期待しない」と答えた人が7割にのぼっています。今回の代表選挙について、前原さんと枝野さんはともに、「崖っぷちの代表選挙」と受け止めていますが、野党第1党には、政府・与党の政権運営に対し、ただすべきものはただし、目指す日本の将来像とその処方箋を掲げて、国民の理解と支持を得ていく責務があります。そのためにも、党の存在意義を改めて示して、党勢の回復につなげ、政権と対じしていく形を作り出すことができるのか、岐路に立った民進党を率いる新たな代表は、9月1日の臨時党大会で選出されることになります。 |
![]() ![]() ![]() ![]() ●民進党代表選 8/21 |
![]() ●盛り上がらない民進党代表選 ●まずは国会議員がお詫びすることから 蓮舫議員の代表辞任に伴う民進党代表選。日本記者クラブ主催の討論会が22日都内で行われ、立候補した前原誠司元外相、枝野幸男前幹事長が臨んだ。討論会は、司会者からの「代表選は盛り上がりに欠けているが、どう思うか」という意地の悪い質問で始まった。これに対し前原氏は、「サポーターも盛り上がっていない。投票率は前回より下回るのでは」と認めたうえで、「地方を回ると、なぜ蓮舫氏が代表を辞めたのか?という声が多い。一刻の猶予もない」と述べた。また枝野氏も「(蓮舫氏が)1年で辞めなければならなかったのか、皆で支える意識が足りなかった」と反省の弁を述べたうえで、「国会議員がお詫びをすることから始まる」と語った。 ●共産党や小池新党との連携は? 衆議院の解散時期を問われると、両者ともに10月22日のトリプル補選と同時に行われる可能性を指摘し、「政権を目指さないと野党第一党の責任を果たせない」(枝野氏)、「小選挙区制度は、常に政権交代が起こりうる」と強調。しかし、共産党との連携について、前原氏が「政党の命は理念と政策。合わないのに選挙協力は基本的におかしい」と見直す考えを示したのに対して、枝野氏は「選挙のための妥協はあってはならない」としながらも、「一致できる部分はどの党ともあり、その部分に限って連携し選挙に向けて最大限努力する」と前向きな姿勢を示した。「小池新党」との連携については、前原氏は「若狭氏と小池氏は密接に関連しているのか?与党か野党か、理念や政策がわからないので見極める」と慎重姿勢を見せ、枝野氏は「一時の風頼みでは本格的な政党足りえない」と「小池新党」の動きをけん制し、「まずは単独で政権を取る努力が必要だ」とした。 ●前原vs.枝野 政策面での違いは? 政策面で見ると、両者は財源としての消費税増税以外はほぼ一致している。前原氏は、「自民党の進めてきた戦後の高度経済成長時代のモデルがもはや成り立たなくなったのにもかかわらず、カンフル剤打ち続けて延命している」と指摘し、アベノミクスのトリクルダウンではなく、再分配政策を重視するボトムアップ型の経済成長モデルを目指すとした。枝野氏も同様のスタンスで、ともに教育や介護、保育などへの「再分配」機能の強化を挙げる。原発政策についても両者ともに党の2030年代原発ゼロ政策を支持。自民党の改憲案については、枝野氏は「改正ではなく改悪」だと徹底抗戦を主張し、改憲論者の前原氏も、「来年に発議するのは拙速だ」と改憲に進む自民党の動きをけん制し、国民の合意にむけたプロセスを重視するスタンスを打ち出した。明確にスタンスを異にしたのは、カジノを含む統合型リゾート=IRくらいだ(前原氏は賛成、枝野氏は反対)。政策面での違いを問われると前原氏は「財源論が違う」と述べ、2019年に予定されている消費税増税を支持する考えを示した。しかし枝野氏は「財源論は共通している」と消費税増税を否定しない姿勢を示し、「正しいことを行っても、順番を間違えると進まない」として、あくまで消費税増税は経済状況とタイミング次第だと強調した。 ●内向きの民進党体質が露呈した瞬間 後半は公開討論となったが、枝野氏が前原氏に対して、離党した長島議員や細野議員に対して「次の選挙で対抗馬を立てないとけじめがつかないと思うがどうか」と尋ねたが、前原氏は「総合的に考える」として明確な回答を避けた。なぜ公開討論で候補者同士の質問がこれなのか、内向きの民進党体質が露呈した瞬間だった。前原氏有利と言われている代表選だが、どちらが代表になろうとも自民党の「対立軸、選択肢」(前原氏)となりえるのか。民主党が政権の座にいた3年3か月の「悪夢」を国民はまだ忘れていない。「失敗した人間で痛みがわかる人間でないと、また同じことを繰り返す」と前原氏は言うが、政権の顔であった2人に世間の目は冷たい。この選挙戦の盛り上がらなさが、それを象徴している。 |
![]() ●民進党代表選 前原・枝野両氏が記者会見 民進党の代表選挙に立候補した前原元外務大臣と枝野元官房長官が、党本部でそろって記者会見し、共産党などとの「野党連携」の在り方や、エネルギー政策などをめぐり、それぞれ考え方を示しました。 蓮舫代表の後任を決める民進党の代表選挙には、届け出順に、前原元外務大臣と枝野元官房長官の2人が立候補し、投開票が行われる来月1日の臨時党大会に向けて選挙戦に入りました。 2人は午後、党本部でそろって記者会見に臨み、冒頭、前原氏は「これまでのすべての経験をいかし政治生命をかけて選挙を戦い、代表となり、分断をなくし、支え合う社会を作っていく」と述べました。一方、枝野氏は「政治が私物化されている状況に強い怒りを感じている。リアリズムと実行力を持ち、今の政治に代わる対抗軸を打ち立てる」と述べました。 そのうえで、次の衆議院選挙に向けた共産党などとの「野党連携」について、前原氏は「政権選択の選挙で、理念や政策が合わない党と協力するのはおかしく、是非についても見直したい」と述べ、見直す考えを示したのに対し、枝野氏は「党の主体性を持ちながら、できることを最大限やり、1人でも多くの仲間を当選させることも大きな責任だ」と述べ、基本的に維持する考えを示しました。 一方、東京都の小池知事に近く、政治団体「日本ファーストの会」を設立した若狭勝衆議院議員との連携について、前原氏は「小池都政は一定の評価をしている。理念・政策が一致する勢力と協力するスタンスなので、若狭氏がそれを明らかにしたときに判断したい」と述べました。枝野氏は「安全保障法制やアベノミクスなどに賛成した人とわれわれは立ち位置が違う。自民党の補完勢力の可能性が高いと見ざるをえない」と述べました。 また、「2030年代に原発稼働ゼロを目指す」とする党の方針について、前原氏は「あらゆる政策資源を投入し、着実に現実的な方向性の中で、原発のない社会を作りたい」と述べたのに対し、枝野氏は「一刻も早い原発ゼロを目指す。年内にも法案として国会に提出したい」と述べました。 さらに、消費税率の引き上げについて、前原氏は「『社会保障と税の一体改革』を進めた責任を負っている。恒久財源を担保する責任を持ち財源論から逃げずに議論したい」と述べました。これに対し、枝野氏は「将来的には必要だと思うが、経済状況や国民の信頼、税の在り方を考えると現状で消費税率を上げられる状況ではない」と述べました。 一方、憲法改正への対応について、前原氏は「『安倍政権のもとでの改正は反対だ』というのは国民の理解を得られず、議論は行っていく。拙速な憲法改正のスケジュールや安倍総理大臣の実績づくりにくみするつもりは全くない」と述べました。枝野氏は「民主主義を強化し、国民生活や国民経済をよりよくするために変える必要があれば、議論は進めるべきだが、今のところ、そうしたものがあるという結論はない」と述べました。 ●共産 小池書記局長「野党4党の合意 誠実に実行」 共産党の小池書記局長は、記者会見で、民進党の代表選挙に立候補した前原・元外務大臣が、共産党などとの野党連携を見直す考えを示したことについて、「われわれとしては、野党4党の党首で選挙協力について合意しているので、それを誠実に実行していきたい」と述べました。そのうえで、小池氏は、ことし10月に行われる衆議院新潟5区と青森4区、愛媛3区の補欠選挙について、「野党の統一候補を決める方向で議論を進めたい」と述べました。 ●自民 岸田政調会長「憲法などの議論に注目」 自民党の岸田政務調査会長は、茨城県那珂市で記者団に対し「野党第1党の代表選挙であり、例えば憲法の問題や社会保障の財源の問題、さらに共産党との共闘の問題などについて、どのような議論が行われるのか大きな関心を持って注目していきたい」と述べました。 |
![]() ●民進党代表選の政策 1 ●前原 ・ 尊厳ある生活保障 ・ 命を守る防災 ・ 自由貿易促進 ・ 現実的な安保政策 ・ 現実的な憲法論議 ・ 2030年代原発ゼロを目標 ・ 身を切る改革 全てにおいて抽象的で実質的には何も言っていないに等しい。最初期から幅広い国会議員に支持された結果、全方位外交となってしまったためだろう。 前原氏が今回のスローガンとした「All For All」は「経済成長至上主義から再分配優先型への転換」を意味するものらしいが、具体的なことは何も言っておらず、意味が無い。しかも、個人のHPを見ると「目指す方針」として、「財政再建」「人口減対策」と書いており、どうも御都合主義の観は否めない。例えば、「自由貿易促進」は「国内産業を保護しない」ことを意味するが、これと「All For All」は矛盾しないのか、「大資本のために小規模生産者が犠牲になるのはやむを得ない」という考えなのか。 「現実的な安保政策」と「現実的な憲法論議」は、明治以降、右派・帝国主義者の常套句で、国際協調主義や平和主義に対抗する用語として使用される。この場合、従来の平和主義憲法に基づく専守防衛を「非現実的」とし、「先制攻撃や対外戦争を可能にする憲法と安保政策」を「現実的」とする考え方を意味する。 「2030年代原発ゼロを目標」というのは、「決定」から「努力目標」への格下げを意味するもので、党内の原発マフィアに対する配慮がうかがわれる。 「身を切る改革」は、民主党以来の連中の大好きな「議員定数削減」を指すが、これはデモクラシーの強度・純度を低下させるもので、彼らがエリートによる少数寡頭政治を志向していることがうかがわれる。 基本的に野田路線の焼き直しでしかなく(増税を含めて)、自民党の対抗軸になり得るとはとても思えない。労働問題に触れていない時点で、「自民党に行けよ!」と言いたい。 ●枝野 ・ 保育、教育、医療、介護分野の賃上げ ・ 労働時間規制 ・ 非正規雇用割合の引き下げ ・ 一日も早い原発ゼロの実現 ・ 専守防衛の堅持 ・ 憲法9条改正に反対 ザックリとした政策ではあるが、方向性は明確で非常に社会民主主義寄りだ。私が耳にしたところでは、実質的な政策策定を左派系議員(旧社会党系)に丸投げしたというから、「いかにも」な感じになっている。「一日も早い原発ゼロの実現」は「既存の2030年代原発ゼロの前倒し」を意味するもので、より積極的な姿勢を示している。「専守防衛」「集団的自衛権反対」「9条改憲反対」は、前原候補の言う「非現実的」な政策であり、敢えて前原氏との違いを前面に出したものと思われる。HPには明記されていないが増税先送り論でもある。 安保や憲法論では思うところもあるし、そもそもそこを争点にする必要があるのかという疑問もあるのだが(ほとんど社民党の政策)、自民党への対抗軸となると「こっちだよな」ということになる。 だが、現在の民進党内の議員の立ち位置を考えた場合、例えば衆議院議員の8割以上が自民党と大差ない保守思想の持ち主であるだけに、とても党内で支持されるとは思えない。実際、枝野氏は「20人の推薦人すらギリギリ」と言われる始末で、圧倒的多数が前原支持に回っている。 枝野氏的には、最初から議員票は捨てて党員票に絞った格好だが、すでに私のような社会主義者や良心を持ったリベラリストの大半は離党しており、残っているのは連合の役員や自分が党籍を持っていることも知らない無関心層ばかりとなっているため、実際に左にエッジを効かせた政策がどこまで支持されるかは判然としない。 ● 出馬を準備していたという井出氏の主な政策は、「身を切る改革・行革」「2030年代に必ず原発ゼロ」「現実的な外交安全保障」となっている。財政均衡主義と外交介入主義は、前原氏に通じるものがあり、原発政策に若干の違いがある程度。やはり民進党の主流はエリート志向(緊縮財政、自由貿易、介入主義、再分配軽視)であって、とうてい大衆的支持など得られそうに無い。 ● 二人の政策を比較する限り、民進党議員が強調する「保守対リベラルではない」というのは妥当とは言えない。だが、正確を期すなら「社会自由主義vs社会民主主義」であり、前原陣営がイギリスの自由民主党やフランスの「共和国前進」をイメージしているのに対し、枝野陣営は英労働党や仏社会党を向いているとは言えそうだ。 |
![]() ●民進党代表選の政策2 ●前原誠司 1 野党第一党の責任として徹底して長期政権の政治や行政のゆがみを正す。 2 All for Allの理念のもと「自己責任社会」と決別し、自由、共生、未来への責任を旨とした将来の社会像・国民の選択肢を明確に示す。 3 挙党体制を構築し国民に期待され信頼される執行部をつくる。政策論議や国会運営、選挙対策等において我が党の主体性と主導権を確立する。 4 民進党の掲げる理念・政策の旗のもと、あらゆる勢力との協力関係を構築する。 1962年生 京大法卒 / 松下政経塾、京都府議を経て1993年衆議院初当選(連続8期) / 党代表、国交、外務、国家戦略、内閣府特命担当大臣等を歴任 / 現在、党・尊厳ある生活保障総合調査会会長 ●枝野幸男 「多様性を認め合い、困ったときに寄り添い、お互いさまに支え合う。」そんな日本を目指します。 1 医療、介護、子育て、教育を支援し、賃金底上げで可処分所得を押し上げ、消費を拡大、経済再生にもつなげます。 2 一日も早い原発ゼロを目指します。再稼働は、その前提条件が満たされておらず、認めることはできません。 3 専守防衛を逸脱した集団的自衛権は認めません。これを前提とした憲法9条の改悪と、徹底して戦います。 1964年生まれ 87年東北大学法学部卒業 / 91年弁護士登録 / 93年衆議院議員初当選、以後8期当選 / 行政刷新担当大臣、内閣官房長官、経済産業大臣、民主党幹事長、民進党幹事長などを歴任 ●国民からの民進党代表選挙への評価 19、20日に産経新聞とFNNで行われた世論調査で民進党代表選挙に関する項目がありました。 まず民進党の支持率は6.9%と微減という結果で、回復基調の自民党と5倍近くの違いがあるという非常に厳しい結果となっています。そして、民進党が政権交代可能な党になるかという質問に対しては、「思わない」という回答が80%で、国民からの関心は薄い代表選挙という非常に厳しい結果が出ています。さらに民進党支持層の55.1%も「思わない」という回答で、支持層からも期待を失われつつあります。 そして、今回の代表選挙の大きな争点の一つである野党共闘のあり方について、マイナスになるという回答が59.1%と国民からのアレルギーは根強い結果が出ています。さらに、民進党支持層に限っても、マイナスが約6ポイント上回り、反発が強い結果になっています。 いずれにせよ、民進党が政権に就くためには、国民の多くを占めると言われる穏健保守からの票の獲得は不可欠であり、野党共闘がこの層からの投票を逃す結果となり、万年野党化を招く結果になるであろうことは、世論調査の結果からも明らかでしょう。 ちなみに、どちらかが代表にふさわしいかに関しては、前原46.4%、枝野43.5%と拮抗しています。 |
![]() ●民進党結党 2016年(平成28年) |
2月26日 民主党と維新の党との間で「新党協議会」の設立等に合意
3月25日 民主党および維新の党の代表者が合併協議書に署名 3月27日 民進党結党大会(通算第1回大会)開催 民主党は民進党に名称変更、維新の党は解散合併 所属国会議員 156名 (衆議院議員96名 / 参議院議員60名) 3月28日 参議院において統一会派を届出 (64名) |
![]() ●民進党 基本的政策 2016年3月30日制定 |
基本政策は以下のとおりである。 ●1. 現実的な外交安全保障 ○日米同盟を深化させるとともに、アジア太平洋地域との共生を実現し、国際社会の平和と繁栄に貢献する。安全保障については、立憲主義と専守防衛を前提に、現実主義を貫く。 ○2015年に可決された安全保障法制については、憲法違反など問題のある部分をすべて白紙化するとともに、我が国周辺における厳しい環境に対応できる法律を制定する。 ○核兵器廃絶、難民受け入れ、人道支援など、非軍事分野の国際貢献を積極的に行う。 ●2. 立憲主義の確立 ○幅広い国民参加により、真の立憲主義を確立する。 ○日本国憲法の掲げる『国民主権、基本的人権の尊重、平和主義』の基本精神を具現化するため、地方自治など時代の変化に対応した必要な条文の改正を目指す。 ●3. 新陳代謝のある経済成長 ○新規参入を拒む規制の改革によって、起業倍増を目標に新陳代謝を促し、持続的かつ実質的な経済成長を目指す。 ○経済連携協定によって自由貿易を推進する。ただし、個別具体的には、国益の観点から内容を厳しくチェックし、その是非を判断する。 ○地域を支える中小企業の生産性向上のため、研究開発、人材、IT、デザインなど、ソフト面への支援を強化する。 ○職業訓練とセーフティーネットを強化した上で、成長分野への人材移動を流動化する。科学者、芸術家、起業家など、クリエイティブ人材の育成と集積を進める。必要な海外からの人材は、計画的に認めていく。 ○同一労働同一賃金と長時間労働規制を実現し、働きがいのある社会を創る。 ●4. 「居場所と出番」のある共生社会 ○生活者、納税者、消費者、働く者の立場に立ち、社会の活力の根源である多様性を認めあう格差の少ない寛容な社会を目指す。政治は社会的弱者のためにあるとの考えを基本とする。 ○子どもと若者の支援や男女共同参画を進め、正社員で働くことができ、希望すれば結婚し子どもを持つことができる「人口堅持社会」を目指す。 ○世代間公平に配慮しつつ、重点化と効率化によって、持続可能な社会保障制度を実現する。 ○地方自治体、学校、NPO、企業、地域社会など、公共サービスの担い手を多様化し、それぞれが十分に連携し合う社会を創る。 ○公務員について、能力や実績に基づく人事管理を進めるとともに、労働基本権を回復して、労働条件を交渉で決める仕組みを構築する。労働基本権回復までの間は、その代償措置である人事院勧告制度を尊重する。 ●5. 2030年代の原発ゼロ ○2030年代原発稼働ゼロを実現するため、省エネを徹底するとともに、小規模分散電源や自然エネルギーへのシフトを推進する。 ○原発再稼働については、国の責任を明確化し、責任ある避難計画が策定されることと、核廃棄物の最終処分場選定プロセスが開始されることを前提とする。 ●6. 身を切る改革 ○既得権益を排し、「官権政治」から「民権政治」へ転換する。 ○国民との約束である議員定数の削減を断行する。 ○企業団体献金(パーティー券の企業団体による購入を含む。)禁止と個人献金促進を定める法律の制定を図る。また、透明性向上の観点から、文書通信交通滞在費の使途を公開する法律と、国会議員関係政治団体の収支報告書を名寄せし、インターネットにより一括掲載することを義務付ける法律の制定を図る。 ○財政健全化推進法案に基づき、無駄な公共事業の削減と行政改革などを徹底することで、2020年度のプライマリーバランス黒字化を確実に達成する。 ○職員団体等との協議と合意を前提としつつ、国家公務員総人件費の2割を目標に、その削減を目指す。 ○消費税10%への引き上げは、身を切る改革の前進と社会保障の充実を前提とする。 ●7. 地域主権改革 ○「権限・財源・人間」の東京一極集中を脱して、地域の創意工夫による自立を可能とする地域主権社会を実現する。 ○基礎自治体の強化を図りつつ、道州制への移行を目指す。その際、それぞれの地域の選択を尊重する。 ○国の出先機関をゼロベースで整理し、職員の地方移管を推進する。 ○税源移譲や国庫補助金の一括交付金化、地方交付税制度の見直しを含め、地方財政制度を見直す。 |
![]() ![]() ![]() |
●なぜか「蓮舫降ろし」を実行できない、民進党の事情 2017/3/7
民進党の蓮舫代表が、次期衆院選公約の目玉として検討していた「2030年原発ゼロ」の3月12日の党大会での表明を先送りした。最大の支持団体である連合傘下の有力産業別労働組合「電力総連」出身の議員が猛反発し、電力総連自体も「2030年原発ゼロ」を取り下げなければ次期衆院選で民進党候補を推薦しない方向に傾いていたからだ。結果として蓮舫氏は表明を先送りしたが、党内での求心力の低下は必至。当然、「蓮舫降ろし」に向けた党内の動きが活発化しているものの、ある理由から、その火が一気に燃え上がらないのも実情だ。 「年限より中身にこだわりたい」 蓮舫氏は2月27日、福島県飯舘村を視察後、記者団に「2030年原発ゼロ」の表明を先送りする考えを示し、こう強調した。 その上で、東日本大震災、東京電力福島第1原発事故からの約6年間を振り返り、「省エネルギーや再生可能エネルギーの普及が進んだ」と指摘し、「原発を将来ゼロにするのは可能だ。その思いを旗に掲げることを(党大会で)共有したい」と述べた。 民進党執行部はこれまで「2030年代」としていた原発ゼロの目標年限を30年とし、最大で9年繰り上げる検討を進め、3月12日の党大会で表明する方向で調整してきた。蓮舫氏はエネルギー関連の労組を回って理解を求めていたが、対応は冷ややかどころか強硬な反対だった。 2月17日に電力総連を訪れ、岸本薫会長や内田厚会長代理と面会した蓮舫氏は、「旧民主党がエネルギー政策をまとめた後も、省エネ、再生エネルギーの活用は進んだ。国際情勢や経済の影響などを踏まえてアップグレードしていく」と述べ、「30年原発ゼロ」に強い意欲を示すと、強い反対にあった。 岸本氏らは「『30年ゼロ』は唐突すぎる。エネルギー政策は広く国民生活や雇用、経済を勘案しなければならない」と訴えて反発。事前調整がないことも批判し、「民進党を支持しないという仲間もいる。前回衆院選は旧民主党候補を推薦したが、このまま党大会で表明するならば白紙に戻さざるを得ない」と強調したのだった。 民進党が原発ゼロを「2030年代」としたのは、平成24年に改正された原子炉等規制法に原発が運転できる期間として「使用前検査に合格した日から起算して40年とする」と明記されているからだ。運転期間を延長せず、新設もしなければ、2030年代には、ほうっておいても原発はゼロになるということなのだ。ある民進党若手議員は「蓮舫氏は、何を今更、唐突に原発ゼロを持ち出すのか。そもそもボタンの掛け違いだ」といぶかしむ。その上で、「勝手に振り上げた拳を、勝手に下げただけ。何も変わらない」と話す。 蓮舫氏が、2030年原発ゼロへと思い至った背景には、昨年の新潟県知事選があるようだ。原発再稼働反対を表明し、共産、自由、社民各党が推薦した新人が勝利したからだ。原発ゼロを新たな旗頭にして安倍晋三政権への対立軸を示し、低迷する党勢を盛り返そうということだろう。共産党からは原発政策の見直しを次期衆院選の共通政策に盛り込むよう求められてもいる。共産党のように、即時、原発ゼロとはいかずとも、共闘に向けて少しでも距離を縮めたいとの思惑も透けてみえる。 昨年の参院選での共闘の結果を受け、「頼りになるのは連合より共産党」とうそぶく若手議員もいるが、連合や傘下の有力労組が支援をやめることになれば次期衆院選を控えて影響は大きい。2月16日の党エネルギー環境調査会では、日立労組出身の大畠章宏元国土交通相が、「いつから重要な政策を一部の幹部だけで決める政党になったんだ」と前倒し方針を批判。22日の調査会では、電力総連出身の小林正夫参院議員が「なぜ党が割れるようなことをするのか!」と現実路線を訴え、蓮舫氏への不信感を募らせたが、共感は党内への広がりをみせない。 蓮舫氏といえば、代表就任直前に浮上した「二重国籍」問題で説明を二転三転させた末、いまだに証拠となる戸籍謄本の開示を拒んでおり、国民の不信感は募るばかり。平成29年度予算案をめぐる国会論戦も、南スーダン国連平和維持活動(PKO)派遣部隊の日報問題や、学校法人「森友学園」への国有地払い下げ問題と、追及する材料は数あれど、どれも中途半端。予算案が2月中に参院審議に入るのは平成11年以来18年ぶりのスピードと、与党ペースでの審議を許した党の指揮官としての能力にも疑問符が付く。それなのになぜ、蓮舫降ろしは具体化しないのか。 昨年の代表戦で争った玉木雄一郎氏を支援した若手議員ですら「玉木氏は幹事長代理で、執行部の一員なのだから支えるのが当然」と話す。代表戦で戦った相手を要職に就けることで、不満分子を取り込むという蓮舫氏の作戦勝ちということなのだろうか。 「要は人材がいないということ」とはある中堅議員。とはいえ、7月の東京都議選で厳しい結果を突きつけられれば蓮舫降ろしは本格化する、ともいう。都議選では、小池百合子都知事が事実上率いる地域政党「都民ファーストの会」が過半数を目指して候補者を多数擁立する構えを見せていて、ともに無党派層が頼りなだけに競合すれば民進党の票が食われるのは明らかだ。 都議選はこれまで次期衆院選を占う前哨戦と位置づけられてきた。「民進党の都議はゼロになるかもしれない」(ベテラン秘書)との声も聞かれる。都議選で大きな敗北を喫した後で、「蓮舫氏では衆院選は戦えない」といっても、時は遅い。まさかその後に及んでも、「ポスト蓮舫は蓮舫」なんてことはないと思うが…。 |