テロ等組織犯罪準備罪

共謀罪 変じて  テロ等組織犯罪準備罪
特定秘密保護法  用意済み

どんな社会を目指しているのでしょうか
治安維持法で守られた 
一党独裁の 「美しい国」
 


 
 
 
 
特定秘密保護法の次は テロ等組織犯罪準備罪
テロも オリンピックも口実
もしかして 憲法改正で予想される 反対運動を封殺するための準備
仕上げは 憲法改正
 
 
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テロ等準備罪 共謀罪と連続性強い 2/21
「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案を巡って国会の議論が激しさを増している。テロ等準備罪は、過去3度廃案になった共謀罪の構成要件を絞り込んだものだ。国際組織犯罪防止条約を締結するのに本当に新たな法律が必要なのか。こういう法制度が市民生活に悪影響を与えることはないのか。課題や疑問はまだ解消されていない。政府は3月にも法案を閣議決定する予定だ。
犯罪集団、認定に裁量
条約は締結国に共謀罪か参加罪の法整備を求めている。日本は共謀罪を選択し、その場合、死刑または無期、もしくは長期4年以上の懲役・禁錮の罪が対象となる。国内の対象犯罪は676に及ぶが、「犯罪の内容に応じて対象を選別することはできない」との答弁書を政府は2005年に閣議決定し、国会で説明し続けてきた。
共謀罪を盛り込んだ法案が国会で焦点になっていた約10年前、与野党の実務責任者だった2人の元衆院議員の話をまず紹介したい。
「対象犯罪を百数十に絞る案を外務省や法務省の担当者と何度も検討して練り上げたのです。最低でもそこを出発点にしてほしい」
そう語るのは、09年まで自民党の衆院議員を務めた弁護士の早川忠孝氏だ。
3度目の法案が継続審議中だった07年、早川氏は自民党法務部会条約刑法検討小委員会の事務局長だった。その際、対象犯罪数を100台に絞っても条約の締結は可能との結論に政府担当者との間で至り、修正案の骨子をまとめた。
政府は閣議決定の内容に反し2年後、与党との間で大幅な対象犯罪の絞り込み作業を進めていた。
思い切って絞り込んだのはなぜか。共謀罪は、犯罪の合意だけで罪に問うものだ。既遂や未遂を罰する日本の刑事法の原則を大きく変える。拡大解釈によって内心の自由が侵害されるおそれが強い。
当時、自民、公明両党は衆院で3分の2以上を占めていた。ただし、後に政権交代する民主党には勢いがあった。自民党としても国民の不安の声に耳を傾けなければならないという緊張感があったと早川氏は振り返る。
「対象が広くても適用することはあり得ない」との政府担当者の説明をうのみにはできず、テロや銃器犯罪などに限定した。
ところが、修正案は小委員会限りで封印された。共謀罪の国会審議の動きが止まったためだ。早川氏は「自民党内に当時の議論を生かそうとする動きが見えないのは残念だ」と語る。
06年当時、民主党法務委員会の筆頭理事を務めていた弁護士の平岡秀夫氏は「政府は意図してうその解釈を貫いてきた」と厳しく批判する。
条約は「自国の国内法の基本原則に従って必要な立法措置をとる」と定め、各国の事情に配慮した法整備を認めている。04年に国連が各国の参考に作成した「立法ガイド」も同様に定める。米国のように共謀罪条項を留保して条約を締結した国もあった。
平岡氏は、殺人など重大犯罪に予備罪や準備罪の規定がある日本では新たな立法の必要性はないと考えたが、「条約を締結するためには法整備が必要だ」との政府サイドの説明にはね返された。
結局、そうした説明が足かせになり、民主党は当時、対象罪種を政府案の半数の約300にしか減らせない修正案をまとめた。06年の通常国会終盤では、自民党が民主党案の丸のみを打診し、最終的に決裂する騒動も起きた。
条約の締結のためには対象犯罪の選別ができないとしてきた過去の政府答弁との整合性は、やはり大きな論点だ。丁寧な説明が政府には求められる。
テロ等準備罪は、合意だけでなく実行の準備行為も要件に加え、犯罪主体を「組織的犯罪集団」に限定した点で、従来の共謀罪と根本的に異なると政府は強調する。
ただし、準備行為が加わったとしても、犯罪を共謀し計画することが罪とされる本質は変わらない。組織的犯罪集団の定義も極めて難しいと平岡氏は指摘する。
06年当時、与野党で共謀罪をめぐる法案の修正協議をしている段階で、既に組織的犯罪集団という言葉は登場していた。だが、「何をもって犯罪集団とするのかうまく定義づけられなかった」と平岡氏はいう。
実際、今回の法案を巡っても、民間の団体などは当たらないと政府は説明してきたが、「犯罪を行う団体に一変した場合は処罰の対象になる」と、最近になり微妙に見解を修正した。結局、警察や検察の認定次第ということだ。
国際的な連携の輪に加わるため、条約の締結は必要だろう。テロ対策の強化に異論をとなえる人もいないのではないか。
だが、捜査機関の裁量で、合意段階の罪を幅広く罰することができるような法制には、やはり慎重であるべきだ。捜査機関の判断を外からどうチェックできるのかも検討する必要があると考える。
具体的な事例に即した議論も活発化させてほしい。3日の衆院予算委員会では、政府が現行法では対処できないとした具体例が取り上げられた。犯罪組織が殺傷能力が高い化学薬品の原料を入手した場合や、航空機テロを計画し、航空券を予約した場合だ。
民進党の山尾志桜里氏は、サリン等人身被害防止法やハイジャック防止法の予備罪が適用できると指摘したのに対し、金田勝年法相が答弁に窮したり、議論がかみ合わなかったりした場面があった。
日本弁護士連合会で共謀罪の問題を担当する海渡雄一弁護士によると、警察庁の実務者が著した解説書や刑法の解説書を確認すると、原料入手や航空券の予約は予備罪の適用対象になると明確に書いてあるという。
海渡氏は「現行法制下でも共謀や予備、準備などで罰せられる罪は多数ある。また、銃の所持が比較的自由な米国と比べ、日本は銃刀法などで所持そのものが厳格に罰せられテロ防止に役立っている。法制全体を見て新たな立法の必要性を判断すべきだ」と述べる。
仮に条約締結やテロ対策のため現行法に欠けている部分があるならば、個別に検討し補うのが望ましい。国会は、具体的な議論を積み重ねることで、必要な立法のあり方を探るべきだ。

国際組織犯罪防止条約 / 国境を越えて発生する組織犯罪を防止することを目的に2000年に国連総会で採択された。日本も03年に国会承認されたが、政府は国内の法律が整っていないとして締結していない。187の国・地域が締結しており主要7カ国で未締結は日本のみ。 
 
 

 
2017/2