ジャンケンで決まる 都知事選

お騒がせ 先出しジャンケン
崖から飛び込んだ 小池百合子さん
独断 自民党にご挨拶なし 

有利とされる 後だしジャンケン
どなたにしろ やりにくい相手になりそう

通説を覆すか チャレンジ
 


都議会のドン/内田茂氏
 
 
 

 

 
政治の世界 垣間見るお勉強
派閥力学 既得権益グループ 
落としどころ 収束力
小泉ゆずり 「小池劇場」 開演
政治の本音 これほど判りやすく見ること めったにありません 楽しみましょう
もちろん 都民に顔など向けていません

マスコミ報道推移

 

 

 
●小池百合子元防衛相が出馬表明 
自民党の小池百合子元防衛相が29日午前、国会内で記者会見し、東京都知事選(7月14日告示、同31日投開票)に立候補すると表明した。ただ、自民党都連は週内の候補擁立を目指して桜井俊前総務事務次官への出馬要請を検討中で、小池氏と都連との調整が必要になる。
小池氏は会見で「自民党議員として出馬の決意を固めた。都政の信頼回復、山積する課題の解決、希望あふれる東京の構築のために崖から飛び降りる覚悟で挑戦したい」と述べた。党との関係に関し小池氏は「了解を得ていないが、都連にも(支援を)お願いしたい」と述べた。党の支援がなくても出馬するかを問われると、「私はあくまで自民党議員。これからの流れを見極めたい」とも話した。
小池氏は1992年の参院選で日本新党から初当選。93年に衆院にくら替えし衆院当選8回。新進党、自由党、保守党を経て自民党入りし、環境相や自民党総務会長などを歴任した。自民都連の一部議員から出馬要請を受けていた。  
都連幹部「全く聞いていない」
突然の出馬表明に、自民党東京都連本部の幹部らは急きょ、対応を話し合った。会合後、内田茂都連幹事長は「全く聞いていない。びっくりしている。(都連としての)対応はこれから協議する」とぶぜんとした表情だ。
都連本部に駆け付けたある幹部は「知らない。本当にまだ何も分からない」。別の幹部は「所属はどこから出ると言っているの?」と報道陣に逆質問するなど混乱した様子だ。
自民都連の了解なく 
萩生田光一官房副長官は29日午前の記者会見で「先週金曜日の(都選出の)国会議員会議で、対応を執行部一任とした。その場にいた小池さんが都連執行部に相談なく意思を表明するのは、やや違和感を感じる」と不快感を示した。  

 

 
根回し無しの出馬 小池百合子の乱
自民党の小池百合子元防衛相は29日、国会内で記者会見し、東京都の舛添要一前知事の辞職に伴う都知事選への立候補を表明した。自身のカラーである黄緑のシャツに、白いスーツをまとって会見に臨んだ小池氏の発言要旨は以下の通り。
自民党議員として、崖から飛び降りる覚悟で出馬
「このたびの都知事選に、自民党議員として出馬の決意を固めた。地元の有権者はじめ、さまざまな方々から立候補の要請をいただいた。熟考した結論だ。都政の信頼回復、停滞の解消、山積する現在の課題の問題解決、希望あふれる未来の首都・東京の構築のために、崖から飛び降りる覚悟で挑戦したいと思っている」
「未熟者だが、24年間の衆参議員生活、総務庁政務次官を振り出しとして、経済企画庁政務次官、環境相、防衛相、国家安全保障担当の首相補佐官も務めた。行政の実務にかかわってきた。なかでも27万人の自衛隊、防衛省を率いた経験は、私にとってかけがえのないものだ。任命いただいたのはほかでもない第1次安倍晋三政権だった」
共感を呼び大義を達成するのは行政官にはできない
「小泉純一郎政権下での環境相、ここでは気候変動対策として、クールビズを発案した。循環型社会構築の意識改革も進めてきた。国民のみなさまの共感を呼び起こして大義を達成する。その道筋を作ることは、行政官ではできない発想だと思う。それによって社会変革も確実に起こってきた。このメガシティー東京において、必要なことは、16万人の都庁職員にもうひとり、行政官を増やすことではない。未来へのビジョンを描き、職員の士気を高めつつ政策を実現することではないか」
「これまで、国政で取り組んできた政策は多々ある。また、温めてきたビジョンも多々ある。この首都・東京で実現したい。ビジョンとは、『東京を守る、東京を進める』だ。今守るべき東京。人々の毎日の生活を守る。さまざまな災いから命を守る。財産を守るということだ。信じ合える東京、誇り合える東京としたい。東京を進めるというのは、2020年東京五輪・パラリンピックの成功はもとより、この後のポスト2020をにらんだ新しい東京の創造だ。これまでの経験から、経済、金融、環境などに軸足を置きたい」
女性初の都知事目指す
「私は豊島区が地元だが、東京23区で消滅可能性があると指摘を受けた。少子化対策、育児の環境を整えることや、それ以前のさまざまな出会いを作るのも必要だ。今こそ未来を見据え、東京がアベノミクスの第三の矢、成長戦略のけん引力になるべきだ。アベノミクスを東京から、さらに発信していく。さまざまな課題を東京から解決する、リード役を務めたい。初めての東京の女性知事を目指すに当たり、1人1人の生活にきめ細やかな目を向けたい。そして、女性、男性も働き方の改革を進めなければならない。それによって、自らを高める時間や家族との生活を楽しむ、そんな夢あふれる、安心できる東京にしていかなければならない。結果として、今の日本の課題である生産性向上につながると思う。育児支援、介護難民問題、貧困対策、自ら体験した自宅で母を看取るといった経験をもとにして、地域包括ケアシステムをさらにブラッシュアップすることも必要だ」
「東京五輪は、関係者の努力で開催予定となっている。政府・与党、組織委との連携のもとで、国民、都民の共感とともに成功させねばならない。ちなみに私は3年ほど前から、日本ウエートリフティングの会長をしている。ウエートリフティングは、リオの開会式翌日の最初の種目だ。メダル狙える最初の種目だ。次の都知事選は、東京五輪にかかる。提案したいのは、次の都知事選は、今回の結果、知事となって任期を約3年半とすることで混乱を避ける方法もある。いろんな問題は、いろんな知恵を使えばいい。国民がいま、東京五輪がどこか違うところで決まっているような思いを抱いている方も多い。ぜひ、国民の共感、都民の共感を得て、東京五輪は成功に導かなければならない。共感を呼ぶ知恵を出したい。大義ある政策を国民、都民の共感とともに進める。これが、私のこれまでの政治手法だ。まずは都政の信頼を回復する、首都・東京が日本のみならず、世界のエンジン役となるよう、最大限の努力をしたい」
   ― 以下、質疑応答 ―
自民党の公認・推薦なければ…
○ 自民党は前総務次官の桜井俊氏に出馬を期待している。自民党の公認や推薦を得られなくても出るのか
「冒頭、自民党議員として決意を語った。これからの情勢を見極めながら決めたい」
○ 出馬の意思を固めた?
「そのように受け止めていただいて結構だ」
○ 任期を3年半にするのは公約か
「意志として3年半と区切り、これを公にして実行する。それによって混乱を避ける知恵だ。さまざまな課題はあるが、いったん立ち止まってじっくり考えてみると、いろんな知恵がわいてくる。日本が抱えているさまざまな課題は大きい。そういう中で知恵を出していく発想力は、私は自信を持っているつもりだ」
○ 都議会でも問題になった、舛添氏による韓国人学校への都有地貸出し方針はどうする
「お答えはシンプル。白紙とすべきだ」
○ 自民党の支持が得らなければ、出馬はなくなるのか。離党してでも出るのか
「あくまでも私は自民党議員だ。今日は出馬についての意思を明確にした。これからの流れを見極めたい」
○ 自民党に意思を伝えて働きかけは
「ここに至るまで、党の然るべき方に相談している。本日の会見についても伝えた。いろんな方に相談したい。参院選のまっただ中だ。出馬表明をすることが、自由闊達(かったつ)な自民党であること、1人1人の議員がこのように活動しているということを世に知らしめ、むしろプラスに転じる。そう考えて、出馬表明した」
○ 自民党公認・推薦得られなくても出馬するのか
「それは仮定の話。これから見極めていきたい」
政治とカネは…
○ 都連、党本部は国会議員を出すべきではないと。どの程度話をしているのか
「2週間ほど前に行われた都連の国会議員との話でも出された。確かに舛添前知事のお金にまつわる問題で都知事選につながっている。ならば、すべての国会議員が黒、グレーなのかというと、違う。圧倒的多数は政治資金のルールにのっとっている。ロシアの陸上選手がドーピングでそっくり出場できないとなりつつあるが、個人として出場枠を確保する話も出ている。国会議員がすべてやましいことをしている、お金にまつわる問題を抱えているということを国会議員自らが認めるようなことがあっては、国政に対しての信頼が確保できない。国会議員のバッジをつけているからこそ、先ほど申し上げたビジョンを描き、それを実行するリーダーシップが発揮できると思っている」
○ 東京五輪に都民の共感得られるように、と。今後はどう進めるのか
「東京で開かれる五輪は50年ぶりだ。都民が盛り上がらないといけない。多くの海外からのアスリート、お客さまを迎えるにあたり、東京都民の頭の中にクエスチョンマークがたくさんついているようでは、勢いがない。ホストシティにはなりえない。各地で問題になっているが、五輪後の財政難、廃虚と化すようなハードについて、東京はむしろ模範を示すべきで、そのためにも、決定過程を含めて透明性を高めて近代化することが必要だ」
○ 自民党議員として出馬決意というが、出馬の際に前向きな意味で離党することも視野に入れているのか
「あくまでも現時点では自民党議員で、党員でもある。これからさまざまな流れが出てくる。それをしっかりと見極めていきたい、この一言に尽きる」
小泉、細川護煕両元首相の支援は
○ 前回都知事選で。小泉、細川両元首相が脱原発を訴えた。連携、支援の予定は
「ございません」
○ 政治とカネ、まったく問題ない自信ある?
「飲食代は誰と食べて、それが会議なのか、党なのか私的なのか、非常に分かりにくいのは事実だ。よって、私は飲食代は計上しない。自腹と、やせガマンでいくことにしている。今回、問題になった会議代とか、飲食にまつわることについては、一切ない」
桜井パパは…
○ 桜井俊氏についてはどう感じているか
「それは事務次官まで勤められた、大変立派な方だと思っている」
○ 昨日までは、立候補について「見極めて考える」と。今日になって会見したきっかけは
「要請をいただいて、街を歩いていて、女性、男性から早く表明してほしいという声を多数頂戴した。7月14日から選挙戦が始まる。政策を磨き上げたり、ポスターの準備だとか、実際問題としてすでに遅い状況かと思う。そういう意味で総合的に、本日発表させていただいた」
○ 石原会長は、候補者に関して「出たい人よりも混乱を解消できる人」と。都連は了承済みか
「さまざまなところで、然るべき方には伝えた。一方で、議員バッジをつけているとダメ、ということだ。しかしながら、私は、1人1人議員には出馬を表明する権利はある。そういったことから都連についても説得、お願いしてまいりたい」
○ 現段階では支援や了解得られていない
「一切ない」
○ 五輪に関しては負担割合を協議中。リオ五輪後にも出るといわれているが、負担が増えるようになったら見直すのか
「いろんな工夫されるべき。これだけ負担がかかるからと積算し、都がどれくらい負担するというだけでない。もう一度知恵を出す課程が必要だ。東京都で負担できる、都民の理解を得られるのはどういったところなのか、判断をしていくことになると思う」
○ 16万人に行政官1人が加わるべきじゃない、というのは誰か(桜井氏?)を想定しているのか
「国会議員、議員関係はNGであるということだ。そして、実務経験や行政から(この人がいい)、とメディアの情報で受け止めている。私は、環境省、小さな所帯ではあるが、これまでにできなかった発想で切り開いてきて、あの環境省は、そのとき大きな役所になったのではないか。地球温暖化にも国民意識が高まったと自負している。環境相に就任したとき、プロである実務者の1人に埋没すると大臣の意味がないじゃないかということで、実務については職員の士気を高めつつ、彼らの能力知恵経験を引き出すことが最高司令官の役割ではないかと思い、クールビズのキャンペーンを始めた。思い切った策を出すためには、課題が多くても、突破力でやっていくのは、ビジョンを持った政治家ではないかと思う。各47都道府県(知事)をみても、中央官庁からのある種の天下りのような形が多い。大変、能力があって、すばらしい職責を果たしている人もいる。しかしながら、やはり首都・東京都いうのは一国に相当するわけで、実務能力は当然のことながら、今求められるのはパッションやビジョンだ。それが都民のやる気、希望、安心につながるのではないかと確信を持って申し上げる」
○ 五輪については誰かを想定しているか
「メッセージが都民に共感が持てるメッセージでなく、逆方向に行ってしまったことがあった。明確なリーダーシップで透明性の確保、近代化を続けることが都民にとっての五輪につながる。今は遠いところに感じている都民は多いのでは」
安倍首相と相談は…
○ アベノミクスを発信というが、安倍首相と相談したか
「知事選立候補については、直接は話していない。参院選や、これまで党の要職を重ねた役割から、しっかりとアベノミクス、特に第3の矢の成長戦略を率いていくのは東京だと思う。例えば金融。金融の中心はいつのまにかシンガポール、香港に移った。英国のEU離脱決定でロンドンも揺らいでいる。私はテレビ東京のワールドビジネスサテライトの初代キャスターだが、私は金融の重要性を知っていて、知恵も若干ある。アベノミクスの成長戦略を引っ張っていく」
「もう1つは女性だ。『女性が輝く』と進めているが、それを体現できるのが東京の女性知事だと思っている。いま液体ミルクの国内製造を訴えている。日本は粉ミルクの国だ。第一は母乳だが、液体ミルクは、そのまま赤ちゃんが飲めるということで、東日本大震災、熊本地震にもたいへん重宝されたと聞いている。そういったことも、小さなことかもしれないが、消費者や都民の気持ち、ニーズ、希望をつかむ。企業でいうならマーケティングかもしれないが、政治こそ最大のマーケティングであり、それが成長戦略につながり、国民の共感得られるアベノミクスにつながると確信している」
○ 任期3年半は、どういった方法で可能になる
「それは知事として言い切るということだ。承認は都民全員だ。その約束を守らずにダラダラと続けない。何日までというのは今は申し上げられないが、まずは、全ての面で東京五輪の環境を整えるという意味で、次の都知事選が足を引っ張るというのは避けなければならないということで考えた。辞職という形になると思う。条令、法改正の必要はない。都知事として公約し、実行する。それを実行しなければ都民からブーイング出るのは明白だ。都民目線ですすめ、国政、都政の混乱につながらないようにするのは当然のことだ」 
 
小池百合子出馬表明!
自民党の小池百合子元防衛相は、6月29日、国会内で記者会見し、東京都の舛添要一前知事の辞職に伴う東京都知事選への立候補を表明した。小池氏は「都政の信頼回復、停滞の解消、希望あふれる未来の首都・東京の構築のため、崖から飛び降りる覚悟で挑戦したい」と出馬の決意を語った。
政治資金問題で辞任した東京都の舛添要一前都知事の後任を決める都知事選(7月31日投票)まで約1カ月となった。しかし、有力候補と目されていた民進党の蓮舫代表代行や櫻井俊前総務事務次官が相次いで出馬を固辞し、主要政党の候補者選定作業は難航している。選挙準備を考えれば6月中に候補者を決定させる必要があり、民進党や共産党など野党は共闘できる候補者の一本化を急いでいる。だが、小池百合子元防衛相の擁立を軸に調整していたはずの自民党からは「時間をかけて慎重に選ぶべきだ」との声が漏れる。蓮舫氏の出馬固辞で異変が生じた都知事レースには、一体なにが起きているのか。
「国政でしっかりやることがあるので、参院選に立候補する」
6月21日、蓮舫氏が都知事選に出馬しないことを断言すると、自民党幹部は安堵の表情を浮かべた。これまで蓮舫氏は「ポスト舛添」の最有力候補の1人で、民進党幹部は蓮舫氏を都知事選に担ぐことにより、7月10日投票の参院選でも同党への支持が集まるとの計算もあった。
しかし、蓮舫氏周辺は都知事選で自民党が擁立する候補者次第で敗北もありうると冷静に分析。
慎重姿勢を見せる野田佳彦前首相の意向も踏まえて最終的に出馬を断念した。候補者選考が振り出しに戻った民進党は、参院選で共闘する野党での候補者の一本化を目指す。片山善博前鳥取県知事や長島昭久元防衛副大臣らの名があがる。前回知事選で宇都宮健児元日本弁護士連合会会長を推した共産党も野党での候補一本化を優先して柔軟に選考する構えを見せる。
蓮舫氏の不出馬表明は自民、公明両党にも大きく影響した。集票力のある蓮舫氏の対抗馬として、自民党は知名度が高い小池氏を擁立することで調整していた。しかし、ここにきて「蓮舫氏以外ならば俺でも勝てる」と淡い期待を抱く関係者が続出。小池氏を擁立させたくない勢力が台頭している。
水面下の選考作業はどうなっているのか。首相官邸関係者は「いまは小池氏を推したいグループ以外に3つの勢力がある」と明かす。1つは小池氏の自民党総裁選への出馬や閣僚就任に反対してきた森喜朗元首相の意向を忖度する勢力だ。森氏は公言していないものの、森氏に近い自民党幹部は「小池氏が都知事になるのは面白くないだろう」(政府関係者)と見て別の候補擁立を模索している。
2つ目は、人気アイドルグループ「嵐」の櫻井翔氏の父親で知られる櫻井前総務事務次官の擁立に固執する勢力。櫻井前事務次官はテレビカメラの前で「都知事選には出ません」と正式に固辞したが、櫻井翔氏の人気を取り込みたい政府高官は「菅義偉官房長官が説得すれば翻意する可能性もある」と巻き返しを狙う。
3つ目の勢力は、与野党で相乗りできる候補を模索する動きを見せている。民進党の選考過程で名前があがる長島氏らに自民党サイドからも接触し、事実上の統一候補として「共闘」するというものだ。
自民党東京都連の会議では小池氏や石原伸晃経済再生担当相らを推す声があがるが、都連関係者は「心の中で小池氏でいいと思っていても、森元首相や菅氏らが怖くてそれ以上は言い出せない人もいる」という。党都連会長を務める石原氏は自らを推す声があることに「光栄だ」としつつも、「『俺が出たい』という人よりも、混乱を収拾してもらえる人を選んでいきたい」と繰り返し、3つの勢力に配慮する姿勢を崩していない。
ただ、現実的には櫻井氏擁立は困難で、野党共闘の枠組みも考慮すれば与野党での相乗り候補を立てることも難しい。このため、小池氏を推すグループからは「都知事選まで時間がなく、もう選挙準備に入るべきだ」との声があがる。「小池氏ならば都知事選は勝てる」と漏らす公明党幹部はあきれた表情を浮かべる。「安倍晋三政権は女性活躍を推進すると言っていたが、自民党は女性に壁をつくっているんじゃないのか」。  
 
萩生田氏、小池氏は「有力候補の一人」
萩生田光一官房副長官は6月30日の記者会見で、東京都知事選に立候補する意向を表明した小池百合子元防衛相について「有力な候補の一人としての対応を考えていくことになる」と述べ、自民党として支援するか検討する考えを示した。萩生田氏は、同党東京都連幹事長代行。
都連会長の石原伸晃経済再生担当相が29日、桜井俊前総務事務次官に出馬を要請したが、桜井氏は固辞し、調整は難航。都知事選告示は14日に迫っており、萩生田氏は「(選挙ポスター作製など)物理的なことを考えると、今週末か来週早々には決定するのが望ましい」と語った。
一方、小池氏は30日、BSフジの番組で、自民党から支援が得られない場合でも立候補するかを問われ「状況次第だ。今は自民党(所属)であることをベースとしながらということは当然だ」と述べるにとどめ、明言を避けた。
自民党から支援を得られる見通しについては「選んでいただけるかどうか委ねる」と説明。仮に自民党が他候補の擁立を決めた場合の対応については「そのときの状況をよく見極めたい」と語った。  
 
都知事選出馬を強行表明した小池百合子が「バカバカしい」と怒ったこととは? 
小池百合子元防衛相が都知事選出馬を表明した。自身が所属する自民党東京都連には何の根回しもしていないらしい。報道陣を前に「崖から飛び降りる覚悟です」と笑顔を振りまいているのを見て、思い出すことがあった。
私が政治記者をしていた2005年。郵政民営化を争点とした総選挙があった。“目玉候補”の代表格として、地元・兵庫から東京10区に「刺客」として立候補した小池環境相(当時)をインタビュー。思ったことを口にしないと気が済まない私は「もし落選したらどうしますか? 小泉首相(当時)と結婚のうわさもありますが」と質問。案の定、小池氏は「バカバカしい!」と怒った。私はそのまま文章にした。
新聞では記事を書く記者と、見出しを付ける記者とは担当が違う。インタビュー翌日、出来上がった紙面には「バカバカしい!」の大見出しが取られ、写真は小池氏の怒りの表情。エンターテインメント紙としてはいい出来栄え。でも「果たして大臣に通じるかどうか…」と心苦しく思いつつ、意を決し掲載紙を持って会いに行った。
遊説帰りに車に乗り込む小池氏に声をかけると、こちらを見る表情は一瞬真顔だった。逃げたい気持ちを抑えて「すみません、これを」と手渡すと「もう読んだけど、ありがとう」と受け取ってくれた。
「内心は怒っているかも知れないけど、口はきいてくれた」少し安心した私は、それからは小池氏の演説、イベントと出来る限り足を運び挨拶した。すると徐々に私の顔も覚えてくれ、見かけると手を振ってくれるようにもなった。
我々スポーツ紙は、政治の現場では突撃取材しかない。いわゆる「政治記者クラブ」に加盟し「会社と政党」として付き合っている一般紙などと比べるとハンデが多い。小池氏に限らず、大物政治家に突撃する時はこれまで何度もSPや警備員に止められてきた。
そんなある日。どうしても小池氏のコメントが欲しい時があった。スケジュールを調べてイベント後に近寄ると、やはり数人のSPから「どこの社ですか?」と阻まれた。当時の小池氏は「クールビズ」で脚光を浴びる旬の人。屈強なスーツ姿の男性に囲まれた私の中には「仕方ないか」と半分取材を諦める気持ちもあった。
ところが小池氏は「ちょっと待って」とSPを制止。「あの人はいいのよ。大丈夫」と通してくれた。その後も取材で押しかける度、いつもSPに止められたが、その度に「いいのよ。今日は何を聞きたいの?」と応じてくれた。
自分がいいと思ったら、周囲が何を言おうとやり通す行動力があるのだろう。きっと、今の孤立無援に近い状況について聞いても「いいのよ」と笑顔が返ってくるのだと思う。余程、小心者の私の方が崖から飛び降りる気分を味わった。 

 

 
「小池氏、有力な一人」 自民都連幹部、支援検討も
萩生田光一官房副長官は6月30日の記者会見で、東京都知事選に立候補する意向を表明した小池百合子元防衛相について「有力な候補の一人としての対応を考えていくことになる」と述べ、自民党として支援するか検討する考えを示した。萩生田氏は、同党東京都連幹事長代行。都連会長の石原伸晃経済再生担当相が29日、桜井俊前総務事務次官に出馬を要請したが、桜井氏は固辞し、調整は難航。萩生田氏は「(選挙ポスター作製など)物理的なことを考えると、今週末か来週早々に決定するのが望ましい」と語った。
一方、小池氏は30日、BSフジの番組で、自民党から支援が得られない場合でも立候補するかを問われ「状況次第だ。今は自民党(所属)であることをベースとしながらということは当然だ」と述べるにとどめた。  
 
増田・斎木・小池氏で調整 自民、桜井氏擁立は困難 都知事選
14日告示の東京都知事選で、自民党は、元総務相で元岩手県知事の増田寛也氏や、前外務事務次官の斎木昭隆氏、立候補を表明した元防衛相の小池百合子衆院議員の3人を軸に調整を進め、週内にも決定する方向となった。前総務事務次官の桜井俊氏に立候補を要請していたが、桜井氏が慎重な姿勢を崩しておらず、擁立は困難な状況となった。
桜井氏は人気アイドルグループ「嵐」の櫻井翔さんの父親。自民都連では「勝てる候補」として擁立論が高まり、石原伸晃都連会長が29日、立候補を要請した。しかし、都連幹部によると、桜井氏は出馬に慎重な姿勢を崩していない。知事選の告示が迫るなか、自民は、準備期間も考慮すれば桜井氏の翻意は難しいと判断。別の候補擁立に向けて調整に入った。
自民はこれまで、猪瀬直樹、舛添要一の両知事が政治とカネの問題に絡んで辞職したことから、追及される可能性が低い「国会議員以外」を前提に候補者選定を進めてきた。「2020年の東京五輪・パラリンピックがあるから、スパッと仕事をさばける実務家」(都連幹部)との条件にもかなう人材として、行政経験が豊富な増田、斎木両氏が有力視されている。
一方、小池氏との調整も焦点になる。都連内には事前の相談なく立候補を表明した小池氏への反発があるが、都連幹事長代行の萩生田光一官房副長官は30日の会見で「豊富な政治経験をお持ちで、有力な候補の一人としての対応を考えていくことになるんじゃないか」と言及。党内の一部からは推す声も出ている。
自民は、「分裂選挙」を避けるため、候補者を1人に絞り込みたい考えだ。小池氏も30日、都内で記者団から都連と協議する予定があるか問われ、「ぜひ(話し合いを)持ちたい」と語った。  
 
小池百合子氏の電撃出馬に見え隠れする“小泉元首相の影”
東京都知事選に、29日、突如出馬表明した小池百合子元防衛 相。寝耳に水だった自民党は大混乱。萩生田光一官房副長官は「これはテロだ」と語気を強め、安倍首相も激怒しているという。突然の“小池氏出馬”の背後には、小泉純一郎元首相の影が見え隠れする。
「小池さんは、2012年9月の総裁選で石破茂さんを支持してから、安倍政権では冷遇されっぱなし。舛添さんの辞任は、小池さんにとって降って湧いたような大きなチャンス。舛添さんが任期の18年2月まで都知事を全うしていれば、小池さんに“次の都知事候補”としてのお鉢が回ってくることもなかった。『千載一遇の好機』と手を挙げたのでしょう」
自民党都連は今週中にアイドルグループ「嵐」の櫻井翔の父で総務省の事務次官だった俊氏(62)を擁立する方針で検討していた。そんな情勢を見た小池氏は、即座に出馬会見を開き、先手を打ったわけだ。手を挙げれば、「櫻井氏は出馬に慎重になる」と計算したのだろう。
小池氏には強力な援軍もいるという。小泉元首相が小池氏の背中を押したとのウワサが、永田町で飛び交っている。
「小池さんが都知事選出馬について、事前に小泉さんに相談を持ちかけ、小泉さんは『いいんじゃないか』と賛同し、応援演説に駆け付けることまで約束したという話が流れているのです。真偽は不明ですが、もし、小泉さんが連日、応援演説すれば盛り上がるのは間違いありません」
小泉元首相は「脱原発」政策の推進について、安倍首相に何度も進言してきた。ところが、安倍首相は「笑って聞いてるだけでしたよ」(小泉元首相)と聞く耳を持たない。“寵愛”する小池氏を刺客として送り込み、お灸を据えようと考えたとしてもおかしくはない。
政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう言う。
「小池さんの出馬の原動力は、安倍自民への『怒り』でしょう。12年の総裁選以降、小池さんの声は党内でほぼ“無視”されているような状態です。今回の知事選候補者選びでは、会合に呼ばれないこともあったそうです。とにかく自民党は、いち早く今の混乱を収めたいのでしょう。ようやく舛添さんに引導を渡したのに、また党内で揉め事を起こしては、国民の不信感が高まるばかりですからね」
都連会長の石原伸晃経済再生相(59)は29日、小池氏の会見後、櫻井氏と会談。櫻井氏は「自分には都知事は務まらない。家族にも迷惑を掛けたくない」と出馬を固辞している。都連内では、「小池百合子は許さない!」「いや、小池支援で一本化するしかない」「櫻井氏を擁立すべき」「櫻井氏に逃げられたらどうする」と、混迷を極めている。いつも自民党は国民そっちのけだ。  
 
小池百合子氏への都連のいじめ対応こそ違和感 
都知事選の告示まであと半月となっても候補者を擁立できない自民党東京都連。不退転の決意で出馬を決めた元防衛相・小池百合子に対して、都連は冷たい対応だ。6月29日の政府の会見で東京選出の官房副長官・萩生田光一は「都連執行部に何ら相談なく意思を表明することは違和感がある」と発言。党内の都知事候補の選出で自民党議員の出馬にあいさつがないことに対して「違和感がある」と政府のスポークスマンである官房副長官が会見で発言することの方がよほど違和感がある。
記者から質問を受けても「この場で政府の立場での発言はふさわしくない」といえば済む話だ。前都知事・舛添要一を擁立した都連は相変わらず公私混同が激しいようだ。つまり、国として政府として小池に不快感を示したことだ。この異様な対応に別の都連幹部は「自民党が分裂しているとみられたら最悪。テロ行為だ」と発言している。
自民党という政党のわかりにくさは、候補者不在で困っている時に党内から「崖から飛び降りる覚悟」をして出馬することに反発が多いことだ。確か自民党は「一億総活躍」とか「女性が輝く社会」とか「地方創生」を掲げ推進していたはずだ。小池の覚悟への違和感は「小池が党の幹部たちによく思われていないことへの配慮。上の人が怒っているから小池を推すのはやめるべきという一億総活躍と逆行するいじめ体質だ」(政界関係者)。萩生田の「なんら相談なく、不快感」は公私混同だけでなくまさに「上司へのごますり発言」と言えそうだ。好き嫌いや女性差別ではないかとも思える小池批判に自民党東京都連はどう答えるのか。せめて小池がダメな理由の合理的な説明をしてもらいたい。  
 
自民、桜井パパの擁立を断念 小池百合子氏を軸に候補者選定へ
自民党東京都連が、桜井俊前総務事務次官(62)の都知事選への擁立を断念したことが分かった。桜井氏が出馬を固辞しているためで、同党は今後、すでに出馬を表明している小池百合子元防衛 相を軸に候補者選定を進める。
桜井氏は6月30日、産経新聞の取材に対し、「意志は変わらない」といい、重ねて立候補を否定した。都連会長の石原伸晃経済再生担当相が前日、直接説得にあたったが、桜井氏は「自分に選挙は向いていない、家族にも迷惑かけたくない」とはっきり断っていた。
自民党内では、斎木昭隆前外務事務次官2や、増田寛也元岩手県知事(64)らの名前も上がっているが、都連幹部は「時間がない。小池氏を推すことになるのではないか」と語った。  
 
自民、桜井俊前総務事務次官の擁立を断念 小池百合子元防衛相を軸に調整 
舛添要一前東京都知事の辞職に伴う知事選で、自民党は30日、都連が出馬を打診した前総務事務次官の桜井俊氏(62)の擁立を断念した。自民党内には桜井氏出馬への期待が大きかっただけに、同党は早急に擁立候補の選定を迫られることになる。出馬を表明している同党の小池百合子元防衛 相を軸に調整が進められそうだ。
自民党は、6月29日に都連会長の石原伸晃経済再生担当相が桜井氏と都内で会談し、出馬を打診。しかし、桜井氏は「自分に選挙は向いていない。家族にも迷惑を掛けたくない」と固辞した。このため、同党は桜井氏の翻意を促すことは困難とみて、擁立を断念することにした。
桜井氏は30日の産経新聞の取材にも「意思は変わらない」と述べ、重ねて出馬を否定。安倍晋三首相が出馬を要請した場合でも「(断るような)失礼なことにならないようにしてほしい、と都連の幹部には伝えた」と述べ、あくまでも応じられないとの考えを示していた。
一方、萩生田光一官房副長官は30日の記者会見で、小池氏について「今後は、有力な(自民党の)候補の一人として対応を考えていくことになるのではないか」との認識を示した。その上で「公明党や支援団体と話しながら候補者を絞り、可能性を瀬踏みしている。今週末や来週早々には決定するのが望ましい」と述べ、擁立作業を急ぐ考えを強調した。
政権幹部も「桜井氏が固辞すれば、小池氏でもいい」と周囲に語った。
小池氏は6月29日の出馬表明会見で、今後、自民党本部や都連に支援を求める考えを示している。萩生田氏の発言については30日、都内で記者団に対し「いろいろとご判断いただくことを期待している」と述べ、自民党の支援に期待感を示した。  
 
都議選出馬の小池百合子氏に「なぜ自民党は公認を渋るの?」  
6月29日、東京都知事選への出馬を表明した自民党の小池百合子衆議院議員。突然の出馬表明に自民党内にも衝撃が走り、支援するのか否か、党としての姿勢はいまだ混迷している状況だ。小池百合子議員に対して、かつてから思うところがあったというフィフィは、今回の出馬表明、そして都知事選をどう見るのか。
女性を売りにするのは逆効果!
小池百合子議員が出馬表明したことで注目を集めていますが、そもそも彼女って“政界の渡り鳥”と言われていたように、女を売りにして、権力に媚びながら政界を渡り歩いてきた印象があるよね。
今回も自ら、「女性初の都知事を目指す」って連呼していたけど、そういうのって本来自分で言うことじゃないわけ。自分から言ってしまうと、それこそ女を売りにしているって受け取られても仕方がないし、結局逆効果になってしまう。そういう意味では、今回も彼女らしいなって感じ。
それにいくら女性という部分を強みに有権者に訴えようとしても、彼女が噂されているさまざまな疑惑をクリアにしない限り、辞職した舛添さんと一緒の道を辿ることになると思うよ。
舛添さんのときも、最初自民党は好意的ではなかったものの、世論に流される形で公認する向きになったでしょ。今回もそれと同じ構図になってしまう可能性があるよね。また無駄に税金を使うなんてありえない!
自民党は彼女を公認することを渋っているようだけど、なぜすぐに公認できないのか、その理由を明らかにしてほしいよね。そうでないと、やっぱり疑惑があるから推すことができないのかなと思ってしまう。有権者には知る権利があるんだから、まずはきちんと彼女の疑惑を晴らしておくべきなんじゃない?
一方で、話題の櫻井パパは……
一方で自民党が擁立を求める櫻井パパ。息子がなんと言っても嵐のメンバーということも手伝い、自民党が推そうとしていたみたいだけど、結局は出馬を固辞したと報道されていましたね。
たしかに、キャスターや記者として、息子も娘もメディアの世界で活躍している限り、何かあったとき子どもたちの仕事に直に影響が出てしまうからね。メディアコントロールしているといった意見が出てくることだって想像がつきます。メディアの姿勢というのは、政治と対極にあってほしいと私は思っているから、どうしても不信感を抱いてしまう。
とにかく、いまの自民党は情けないよ。人選の面でほんとに弱いなって思う。下手過ぎます。浮動票をバカにし過ぎ。そもそも自民党自体、優秀だから支持されているのではなく、消去法で選ばれたに過ぎないわけ。そこのところをはき違えないでほしいよね。
今回の都知事選、いまのところ選べる人がいないって思っている有権者も多いと思うよ。有権者にとっては本当に困ってしまう、辛い選挙になるだろうね。  

 

 
都知事選はすでに勝負アリ!小池百合子の驚くほど見事な“作戦勝ち” 
「崖から飛び降りる覚悟」
老獪な小池百合子元防衛相の“作戦勝ち”だった。小池氏は6月29日午前、国会内で記者会見し、東京都知事選出馬を表明した。
「都政の信頼回復、停滞の解消、山積する課題解決のため崖から飛び降りる覚悟で挑戦したい」と語ったが、肝は「崖から飛び降りる覚悟」というフレーズであった。
小池氏が出馬決意を自民党都連(会長=石原伸晃経済財財政・再生相)に対して事前に相談しなかったことから、石原氏を始め都連幹事長代行の萩生田光一官房副長官らは激怒した。そして自民党都連のドン、内田茂元幹事長ら都議団も「寝耳に水」と驚きを隠さなかったし、不快感を露にした。
当然、小池氏はこうした反応を織り込んでいた。出馬しても自民党の推薦は受けられない。それどころか除名される可能性も少なくない。
しかし、小池氏はワースト・シナリオ(=自民党除名)対策をきちんと用意していたのだ。当事者は絶対に認めないが、小池氏は密かに民進党の枝野幸男幹事長に同党の支持を求め、内諾を得ていたというのだ。
小池氏出馬の内幕
思い出して欲しい。小池、枝野両氏は、1993年7月総選挙で細川護煕元首相が率いた日本新党から立候補・初当選を果たした「同志」なのだ。
たとえ自民党が桜井俊前総務事務次官を口説き落とし自民、公明両党推薦で出馬していたとしても、小池氏は細川、小泉純一郎元首相コンビの支援を受けて都知事選を戦う意思を固めていたとされる。
その場合、都政の抜本的改革だけでなく、2020年東京五輪の予算・規模の見直しから原発再稼働反対、さらにはアベノミクス批判まで公約に掲げることになる。これが、「崖から飛び降りる覚悟」なのだ。
小池氏が、東京五輪組織委員会会長の森喜朗元首相と折り合いが悪いこと、そして第1次安倍内閣の防衛相時代、安倍晋三首相の不興を買ったことは周知のことである。それだけではない。小池氏は、石破茂地方創生相のグループ「水月会」のメンバーでもある。
ここに来て安倍官邸と自民党執行部は、小池氏に事実上の「反安倍」を前面に出して都知事選を戦われることが今後の政権運営に与えるマイナス効果を無視できなくなったのだ。こうして潮目は変わり、一夜明けた30日なって自民党内に「小池氏出馬容認論」が出てきたのである。
究極のブラフでもってひっくり返した小池氏の作戦勝ちに終わった。そして同氏の次期東京都知事はほぼ間違いない。
ここで見過ごせないのは、都知事候補選びに官邸サイドが強くコミットしていなかったにしても、安倍首相の側近の一人である萩生田官房副長官が舛添要一前知事の辞任劇以降、小池氏容認に至るまでの“騒動”を掌握できていなかったことである。
安倍首相の必ずしも本意ではない小池氏推薦は、現在の「安倍1強」体制に与える影響が少なくない。安倍官邸主導ですべてを決めてきたこれまでの「実績」に小さいとはいえ「傷」をつけてしまったのは事実である。
自民が負ける1人区は6県に留まる
それはともかく、7月10日投開票の参院選である。
勝負はすでについた。自民、公明、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党のいわゆる「改憲勢力」で参院3分の2に届く勢いである。
焦点とされた32の1人区でも、自民党候補が野党統一候補に敗れるのは岩手、宮城、山形、福島、長野、沖縄の6県に留まる可能性が高い。
民進党の岡田克也代表の地元・三重も現職の芝博一候補(野田佳彦政権の官房副長官)が自民新人の山本佐知子候補(故山本幸雄元自治相の孫)に頭ひとつりードされている。三重敗北になれば、岡田氏は9月の代表選出馬見送りとなる。
参院選後の内閣改造・自民党役員人事は7月25日以降、8月上旬までに実施される。注目は谷垣禎一幹事長の後任と石破地方創生相の去就であり、岸田文雄外相と二階俊博総務会長は共に幹事長に強い意欲を持っている。
「二階幹事長」の場合、官邸側は同氏に権力が集中することを嫌い、「岸田幹事長」の場合、外相の後任難に頭を悩ますことになる。  
 
「それでも小池百合子だけはイヤ!」とダダをこねる 
 自民党内アンチ勢力の小さすぎる肝っ玉
舛添要一東京都知事の後任を決める都知事選(7月31日投票)まで1ヵ月を切り、主要政党の候補者選考が佳境を迎えている。対応が注目される自民党は、櫻井俊前総務事務次官が出馬要請を固辞したため、立候補の意向を表明した小池百合子元防衛相を軸に調整していることは周知のとおり。だが、小池氏の独自の動きを嫌った自民党東京都連の「反小池グループ」が、小池氏に対抗馬をぶつけるシナリオが水面下で進んでいる。反小池グループが擁立を画策するのは、増田寛也元岩手県知事。一寸先は闇、出る杭は打たれるとされる政界。またしても女性初の都知事誕生は幻と終わるのか。
私怨が突き動かしている?
先手を打ったのは小池氏だった。6月29日の電撃記者会見で「崖から飛び降りる覚悟で挑戦する」と出馬の意向を表明し、一気に自民党の候補者選考レースで首位を奪った。これに猛反発したのが党東京都連会長を務める石原伸晃経済再生担当相だ。「相談がない」と激怒し、電話をかけても小池氏が出ないことを暴露した。
小池氏の出馬表明を受けて開かれた都連の緊急会議の出席者からは「小池氏を排除するというのは拙速だ」「この際、小池氏を擁立するのでも良いのではないか」との声が聞かれたが、都連幹部は小池氏の「除名」をにおわせて鎮圧にかかった。
だが、反小池グループは人気アイドルグループ「嵐」の櫻井翔氏の父である櫻井前総務次官が、出馬要請をかたくなに固辞したことで動揺。その一部は小池氏擁立に向けて傾いていった。萩生田光一官房副長官は記者会見で「(小池氏から)何ら相談がなく、違和感がある」と不快感を示していたが、その翌日には「小池氏は有力な候補」と容認論に転じた。
その理由について、ある東京選出の自民党議員は「もともと、『小池氏ではダメだ』というのは石原氏が小池氏を嫌っているところが大きい。つまりは、小池憎しという個人的な感情で突き進んでいる。個人でそう思うのは勝手だが、参院選の最中に感情を露わにされても、党にマイナスイメージがついて困る」と打ち明ける。
「何が何でも小池だけはイヤ」
安倍晋三首相の意向は明らかになっていないものの、参院選への悪影響を避けたい政権幹部の1人は「小池氏でも良い」として、都連関係者への根回しを始めた。小池氏も自民党幹部に協力を要請しており、「小池氏容認論」が強まりつつある。
ただ、振り上げた拳を下ろせない反小池グループの抵抗は続いている。櫻井前総務次官の出馬が現実的ではないと見るや、今度は慌てて知事経験者の擁立を模索。第1次安倍内閣や福田康夫内閣で総務相を務めた増田氏に触手を伸ばしたのだ。
都連関係者は「増田氏は岩手県知事を務め、地方自治に精通しているというのが表向きの理由だが、『何が何でも小池氏だけは嫌だ』という要素も否定しない」と語る。
「小池潰し」に奔走する反小池グループが推す増田氏が、大逆転で最有力候補となるのか。官邸関係者は「テレビ出演などで政策通としての知名度もそこそこある。反小池グループは、1日でも早く増田氏に出馬会見を開いて欲しいと要望しているではないか」と解説する。
一方、増田氏にも不安要素があるというのは別の都連関係者だ。増田氏は、岩手県知事時代の政治団体が、資金管理団体に寄付した100万円が記載漏れしていたと報じられたことがある。増田氏は当時の会見で「100万円は私個人に対するものだったが、領収書の書き方が間違えていた」と説明した。
政治資金問題で辞任した舛添氏の後任を決める都知事選だけに世論の視線は厳しい。ネット上には「何に100万円を使ったのか」などとの書き込みが出ており、「説明がしっかりとできるかどうか見極める必要がある」(官邸関係者)と慎重な見方もある。
当の増田氏はマスコミ取材に「(出馬の)打診を受けても、受ける考えはない」と否定してきた。増田、小池両氏が強行に出馬すれば保守分裂選挙に発展する可能性もあり、より注目度が高い都知事選となりそうだ。  
 
小池氏「あらゆる形で出馬」 テレビで宣言 自民推薦なくとも 
東京都知事選に出馬表明している小池百合子元防衛相は2日午前、出演したテレビ番組で「あらゆる形で出馬する覚悟を決めている」と述べ、自民党東京都連から推薦が受けられない場合も立候補する意向を示した。
都連内には前岩手県知事の増田寛也元総務相(64)を推す声があるが、小池氏は1日、都連に推薦願を提出して支援を求めている。
小池氏は番組の中で「自民党が他に候補者を立てても出馬するのか」と問われ、「自民党から推薦していただくのが第一だが、もう崖から飛び降りているのであらゆる形で出馬する覚悟を決めている」と答えた。増田氏が超党派の支持を受けて立候補する可能性があることを指摘されると、「『名誉ある撤退を』との声があるが、名誉ある撤退こそ不名誉。都民のために出馬したい」と述べ、無所属で立候補する姿勢を示した。
一方、同じ番組内で民進党都連会長の松原仁衆院議員は「増田氏は党の中に推す声がある。小池氏と増田氏が出馬して自民党が分裂選挙になれば、増田氏を推しても自民との相乗りにはならない」と述べ、増田氏が出馬した場合は支援する可能性を示唆した。
また、都知事選への出馬要請を辞退し、参院選東京選挙区に立候補した民進党の蓮舫代表代行(48)について「政治の世界ではあり得ないことが起きる」と述べ、仮に当選しても都知事選に転身出馬することもあり得るとの考えを示した。
増田氏は1日夜、テレビ番組収録後に報道陣の取材に応じ、都知事選出馬の可能性について「出るには相当の覚悟がいる」とした上で、小池氏が出馬表明で「崖から飛び降りる覚悟」と語ったのになぞらえ「スカイツリーから飛び降りるぐらいの感じがないとダメだと思う」と話した。  

 

 
したたか小池百合子氏 「都知事選」候補者選びで自民屈服 
都知事選の候補者選びで自民党の迷走が続いている。1日、本命だった「櫻井パパ」こと櫻井俊前総務事務次官の擁立を断念。党の推薦候補は、奇襲作戦で名乗りを上げていた小池百合子元防衛相に落ち着くかと思われた。
ところが、1日夕方になって急に「前岩手県知事で総務大臣も務めた増田寛也氏を軸に調整」というニュースが流れたのだ。櫻井氏がダメなら増田氏とは、自民党はどうしても官僚出身にこだわるのか。それとも小池だけはイヤだということなのか。
小池は1日、党の推薦を求める文書を提出するため党本部を訪れたが、都連の石原伸晃会長とは会えずじまいだった。
「都連内部では、勝てるなら小池でいいという声がある一方、事前の相談もなく出馬表明した小池に対する反発も根強い。それに加えて、安倍総理や、オリンピック利権を仕切る森元総理は小池のことが大嫌いで有名です。おとなしく党の言うことを聞くタイプではないから、都知事になられたら面倒だという懸念もあるのでしょう。官僚OBの方が党も官邸もやりやすい。増田氏への打診は官邸主導で進めたようで、小池の出馬は絶対に潰すという意志を感じます」(都議会関係者)
自分たちに都合がいいとか、好き嫌いで推薦候補を決めるのが自民党のやり方だ。都民をバカにしているとしか思えない。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「都議会の自民党はこの週末に小池、増田、斎木前外務事務次官の3人を俎上に載せて協議し、同時に世論調査も行う予定です。この調査で最も支持された人を“恨みっこなし”で推薦候補にするということで落ち着くとみられます。今なら、自ら手を挙げて女を上げた小池氏が勝つのではないでしょうか」
どっちに転んでも損はなし
最後は、邪険に扱ってきた小池氏にお願いするしかないということか。仮に増田氏に決まった場合も、小池氏に出馬を取りやめるよう土下座して頼むことになる。どちらに転んでも、小池氏にとって悪くない展開だ。
「出馬を取り下げて、分裂選挙を避ければ官邸に恩を売れる。おそらく、秋の内閣改造での入閣などを取引材料にするでしょう。いっそ無所属で出馬しても、地味な増田さんが相手なら勝てる見込みが大きい。同情票も集まるし、本当に小泉(純一郎)さんが応援に回ってバックアップすれば当選の可能性が高まります。もともと自民党はこのシナリオを恐れていて、無所属で出馬した小池さんに勝たれるくらいなら、党として推薦候補にした方がいいという声が上がっていました。いずれにせよ、存在感を高めることに成功しましたね」(自民党関係者)
小泉氏が5日に会見を予定していることもあり、しばらく小池氏の動向に注目が集まるのは間違いない。したたかな小池氏の作戦勝ちだ。  
 
小池百合子氏、自民の支援なくても都知事選出る 
東京都知事選への立候補を表明している自民党の小池百合子元防衛相は2日、都内で取材に応じ「全ての覚悟ができている」と述べ、党の支援が得られなくても出馬する考えを示した。党都連は岩手県知事や総務相を務めた増田寛也氏と小池氏を軸に候補者を最終調整中だが、小池氏は出馬に不退転の姿勢を示すことで増田氏を推す動きをけん制する狙いもありそうだ。
小池氏は「第一に自民党から推薦をちょうだいすることをお願いしている段階だ」とし「名誉ある撤退は私にとって不名誉。崖から飛び降りているので」と言及。選挙戦に向けて「(候補者として)1000万人の有権者に訴えていくので、今から環境を整えるのは遅過ぎるぐらいだ。(党の)支援を得られても、得られなくても着々と準備していきたい」と強調した。
6月29日に出馬の意向を表明し、前日1日に党都連に推薦を依頼する文書を提出。都連会長の石原伸晃経済再生担当相は同日「都知事として資格が十分ある方だと思う」と述べ、来週にも小池氏と会談する意向だ。ただ、都連内部では、小池氏が独断で出馬を表明したことなどを理由に、一部で反発する声も出ている。  

 

 
「百合子の乱」で民進大混乱 増田氏?長島氏?緊急会議!
東京都知事選を巡り、民進党が「百合子の乱」の余波に揺れている。同党は3日、都連の緊急選挙対策会議を都内で開催した。長島昭久元防衛副大臣は同党都議から出馬要請を受けたと明らかにし、都連会長の松原仁衆院議員は増田寛也元総務相を支援する可能性を示唆。安倍政権に近いとされる長島氏、自民党都議団が党としての擁立を都連に申し入れる増田氏の2人を挙げる大混迷。背景には自民党で小池百合子衆院議員が出馬を表明した影響がある。
緊急選対会議後、長島氏は都議会の旧民主党系会派「都議会民進党」の都議14人から出馬要請を受けたことを明かした。「都政の現場を預かる都議の皆さんの意思で、大変重く受け止めている。むげにはできない」と出馬の可能性に含みを持たせ、今後の判断については「10日までは参院選に専念する。東京の(民進党)2議席維持に奔走したい」と述べた。
一方、松原氏は会議で、長島氏のほかに増田氏の名前も挙がったことを明らかにし「(増田氏を)擁立したいという声が東京の特別区長会の有志から強く起きている。耳を傾けないといけない」と指摘。その上で「増田氏が自民党の候補者だとは考えていない」と支援する可能性も示唆した。
民進党は最有力とみられていた蓮舫参院議員に出馬を断られ、次に白羽の矢を立てた元鳥取県知事の片山善博氏にも固辞された。「駒がいなくなった」(同党関係者)中で候補を模索していたが、6月29日の「百合子の乱」で混迷を深めた。
一方で自民党都連は、自分たちに断りもなく出馬を表明した小池氏について拒否反応を示し、別の候補者選びを急いだ。前総務次官の桜井俊氏の擁立を断念した後、前岩手県知事の増田氏を急ピッチでリストアップ。これを受けて増田氏も前向きに検討を始めた。
自民党のスピードアップは思わぬ事態で発生したものだが、民進党は「何も動かないわけにはいかなくなった」と緊急会議を開催し、手札のなさをさらすことになった。参院選で敷いている野党4党共闘で都知事選も臨む予定だが、民進党の保守派代表格の長島氏には共産党が乗りにくいとされ、増田氏では先に手を挙げた自民党との相乗りとなる可能性が高い。
増田氏は民進党も早くからリストアップしていたが「百合子の乱」で図らずも自民党が早くアプローチ。民進党は“先出しじゃんけん”で奪われてしまった格好だ。党内からは「蓮舫氏を出しておけばよかった」の嘆きも漏れ始めた。「百合子の乱」が他党も揺さぶっている。  
 
小池百合子氏代表の支部事務所が支援者ビルに格安入居  
 政治資金規正法抵触も
東京都知事選への出馬を表明した自民党の小池百合子元防衛相が代表を務める政党支部が、支援者が所有するビルの一室を、相場価格の半額程度で賃借していることが3日、産経新聞の取材で分かった。家賃相場との差額は寄付として政治資金収支報告書に記載する必要があるが、公表された支部の収支報告書に記載はなかった。
収支報告書などによると、自民党東京都第10選挙区支部は平成26年9月から東京都豊島区のJR池袋駅近くのビル一室(約90平方メートル)を事務所とし、家賃月15万円を計上。複数の地元不動産関係者によると、家賃相場は27万円前後で、差額は月約12万円、年約144万円。敷金や礼金を支出した形跡はなかった。
ビル関係者は「ビル所有者の母親は自民支部の元女性部長。特別に賃料を安くしたのでは」と話した。
政治資金に詳しい上脇博之神戸学院大教授は「政治資金規正法に抵触する可能性がある」と指摘。敷金や礼金と合わせた差額は1つの政治団体に対する個人献金の年間上限額150万円を上回る可能性もある。小池氏の事務所は「提示された金額を見て借りることにしたので、寄付という認識は全くない」とした。
10区支部は21年10月からの約5年間、近くの別のビル一室(約100平方メートル)の事務所家賃として月約16万円を支出。現在の相場価格は45万円前後で、差額は約1700万円に上ったが、小池氏側は「日本リビア友好協会(現在休会中)と共同で事務所を借りていたので、協会と相応の分担をしていた」と回答した。  
 
小池百合子氏の経歴は? 「相当の野心家であり、手だれだ」と過去の評
7月31日投開票の東京都知事選をめぐり、元防衛相で自民党の小池百合子衆院議員=東京10区=は5日に党都連会長の石原伸晃経済再生担当相と会談して推薦を要請する。ただし、自民党都議団は3日に増田寛也元総務相の擁立を目指す方針を決めているのに対して、小池氏は推薦が得られない場合でも立候補する意向を既に表明しており、同党は分裂選挙含みの情勢だ。
小池氏はどういった人なのか。「度胸と行動力で人生を切り拓いてきた」(2007年12月15日付朝日新聞朝刊)とも言われる。本人の公式サイトや過去の新聞報道などで紹介する。
小池氏は1952年、兵庫県芦屋市生まれの63歳。甲南女子高校時代の夢は外交官だった。関西学院大学を中退し、エジプトのカイロ大学社会学科を卒業、その後はアラビア語の通訳となった。2007年12月15日付の朝日新聞朝刊は、当時の様子を次のように伝えている。

学生だった小池は、エジプトのサダト大統領、サウジアラビアのヤマニ石油相らと間近に接する。この経験から「私の辞書に『物おじ』はなくなった」という。カイロ大を卒業し、76年に帰国した小池は、日テレから、リビアのカダフィ大佐と会見できないか持ちかけられる。「ダメもと」でリビアに乗り込んだが、3週間余りで取材を実現させただけでなく、大佐から「私への中傷はプロパガンダ。家族を見てもらえばわかる」との言質を引き出す。スタッフは遊牧民の父母の映像を撮り、世界的なスクープもものにした。

その後、79年からは日本テレビ「竹村健一の世相講談」のアシスタントとなり、88年にテレビ東京のニュース番組「ワールド・ビジネスサテライト」のキャスターに抜擢されて全国に知られるようになる。
92年に細川護熙氏が率いた「日本新党」の結党に参加し、参院選で初当選を果たして政界に転身する。93年には衆院議員となり、その後、新進党、自由党、保守党を経て2002年に自民党に転じた。現在まで衆院議員に8期連続当選している。
03年9月に環境相に就任、「クールビズ」の旗振り役を担った。05年9月の衆院選では、郵政民営化反対派への「刺客」第一号となって兵庫から東京の選挙区にくら替えした。07年には女性初の防衛相となり、防衛官僚トップとして4年間君臨した守屋武昌次官(当時)と対立した。
「懐深く入りこみ、政界に渦をつくる」
毎日新聞記者で政治評論家の故・岩見隆夫氏は、07月8月18日付の毎日新聞朝刊のコラムで、小池氏について「細川護煕、小泉純一郎、安倍晋三の3首相と小沢一郎の側近に収まった」として、「懐深く入りこみ、政界に渦をつくる。相当の野心家であり、手だれだ」と評した。
防衛相時代の07年8月にはアメリカでの公演で、ライス国務長官(当時)の名前をもじって「私を『マダム・スシ』と呼んでください」とライス氏を持ち上げた。パレスチナ自治政府の故・アラファト議長と親交があったほか、元台湾総統の李登輝氏とパイプがある。
小池氏のサイトによると、「『大義』を国民が『共感』できる政治を心がけている」という。座右の銘は「備えよ常に」。カラオケ十八番は「涙そうそう」。 

 

 
小池百合子氏「私への包囲網できている。離党はない」 
東京都知事選に出馬する意向を表明していた自民党衆院議員の小池百合子元防衛相は5日午後、自民党都連会長の石原伸晃経済再生担当相と党本部内で会談した。小池氏は、「推薦願い」を直訴。約20分の対談の中で、石原氏から参院選後に推薦の可否を決めると伝えられたことを明らかにした。会談後、報道陣取材に応じ「出馬する意思は変わらない」と語った。以下、報道陣との一問一答。
―石原大臣からどのような話があったか
「先日、推薦願を(党本部に)持参した時、会えなかったので、今日改めて自民党の推薦を頂戴をしたいとお願いを申し挙げた。今後の流れや時間的な枠組みについて話し合った。結論から言うと、10日の参院選が終わってから結論を出したいと(石原氏から)言われた。ただだそうしますと、『準備時間がなく難しいのではないか』ということを私の方から申し挙げました」
―自民党都議団では元岩手県知事で増田寛也元総務相を支持する動きがあるが。
「出馬の意志は変わりません。私の方から申しあげたのは、『都民の心が最近離れてしまっている。都民の方のお気持ちをもっと考える必要があるのでは』と話しさせていただいた。(石原氏は)その点について『その通りだ』とおっしゃっていた」
―仮に無所属になった場合、勝算については
「会長の言葉、お考えをじっくり考えさせていただきて、結論を出したい。今回の知事選で、私が訴えたいことをお話しさせていただいた」
―平行して選挙の準備を進めていくか
「現実的にはそうなる」
―分裂選挙になる可能性があるが、出馬を取りやめる選択肢はあるか
「総合的に考えるが、その可能性は少ない」
―午前中に「手足が縛られている」と話していたが、その真意は
「時間的な制約もあり、中ぶらりんの中では難しい。都民の皆様にお訴えして、東京五輪、パラリンピックや都民の生活をしっかり直接訴えたい」
―都連が増田氏を支持していることについて
「都議団を中心に動いている。(自身に対して)包囲網できているなと感じている」
―改めて勝算は
「私は直接、都民に政策を訴えていくのみ」
―自民党を離党する可能性は
「ありません」  
 
小泉純一郎元首相、小池百合子氏の出馬に「最近は女も度胸がある」 
小泉純一郎元首相は5日、都内で記者会見し、自民党の推薦を得られなくても東京都知事選に出馬する意向を示している小池百合子元防衛相に関し、「前は『女は愛嬌、男は度胸』といったが、最近は女も度胸がある」と強気の対応をたたえた。ただ、小池氏への支援については「選挙には一切関わらない」と否定した。
小池氏は小泉内閣で環境相を務めた縁もあり、「やるからには精いっぱい頑張ってほしい」とエールを送った。
会見に同席した細川護煕元首相は、自民、民進両党とも候補者の擁立に手間取る中で小池氏が先手を打って出馬を表明した動きに関し、「あのタイミングで手を挙げるというのは、いい勝負の勘をしている」と評価した。細川氏は前回の都知事選に出馬したが、「(今回は)直接選挙に出たり、あるいは出ている人を応援したりすることは一切ない」と述べた。  
 
小泉氏「小池氏は度胸ある」 細川氏「いい勝負勘」
 都知事選には関わらず
小泉純一郎元首相と細川護熙元首相は5日、都内でそろって記者会見した。都知事選に出馬するとの見方が一部に出ていることについて小泉氏は「選挙には一切関わらない」と否定した。
小泉内閣で環境相を務めた小池百合子元防衛相が出馬に意欲を見せていることについて「小池さんから相談も話もない」としつつ「自民党が推薦しなくても立候補するという。愛嬌(あいきょう)だけでなく度胸もある。精いっぱい頑張ってほしい」とエールを送った。
細川氏も「(小池氏の)あのタイミングでの出馬には、いい勝負の勘をしているなと感じた」と評した。ただ前回の出馬の経緯を踏まえ、細川氏も「選挙に関わるつもりはない。距離を置いて眺めていたい」と語った。 

 

 
小池百合子氏、都連石原会長と物別れ 出馬変わらず 
東京都知事選の自民党候補者選びをめぐる、党側と小池百合子元防衛 相の対立が泥沼化してきた。出馬表明ずみの小池氏は5日、党東京都連の石原伸晃会長に推薦を申し出たが、石原氏は、参院選期間中を理由に、候補者決定は10日の投開票後にする意向を伝達。結論を先送りして「時間切れ→断念」を狙う都連に対し、小池氏は「包囲網」と反発し、淡々と出馬準備を進める。分裂選挙はもはや避けられない情勢だ。
自民党推薦で都知事選出馬を目指す小池氏が望み続けた、石原氏への直談判。しかし、結論は10日の参院選が終わるまで「塩漬け」されることになった。
会談で、石原氏は小池氏を「候補者候補」として検討する構えを示した上で、現在、参院選東京選挙区の党候補が激戦であることを踏まえて、選挙戦に集中したいと伝達した。10日の投開票から14日の告示まで、準備期間は実質3日。結論塩漬け作戦は、小池氏の動きを事実上「封じ込める」(関係者)目的との見方が強い。
小池氏は会談後、「参院選後だと現実的に(出馬が)難しくなると申したが、(石原氏の)お考えは変わらなかった」と漏らした。「出馬の意思は変わらない。総合的に考えるが(出馬断念の)確率は少ない」と、あくまで出馬を目指す構え。政策準備など「並行してやらないと間に合わない」と、焦りものぞかせた。
都連は、水面下で増田寛也元総務相(64)に出馬打診を開始。増田氏も出馬の可能性を否定していない。与党関係者は、「10日までに、増田氏擁立の環境整備を終えるのだろう」と話す。現状では、都連と小池氏に歩み寄りの余地はほとんどなく、相手の出方を読む神経戦に突入している。
それを象徴するように、小池氏は石原氏との会談前、国会内で緊急会見。前日4日、自身の事務所家賃に関する疑惑が一部で報じられたことへの反論だった。「『疑惑まみれの小池』という印象を持たせるためではないか。捏造(ねつぞう)の疑惑。印象操作が行われている」と主張。「包囲網が築かれている」と、ピリピリした様子もみせた。
離党は否定したが、小池氏の選択肢が限られてきたのも事実。タイムリミットとしてきた今日6日、最終決断する可能性もある。それは、99年以来17年ぶりの「保守分裂・都知事選」の号砲を鳴らす合図になるかもしれない。  
 
小池氏 党の推薦得られなくても出馬表明へ 
東京都知事選挙を巡り自民党の小池元防衛相は6日、自民党からの推薦が得られなくても立候補する方針を表明する。
小池氏は参議院選挙の後に下される自民党の判断を待っても推薦を得ることは難しいと判断し、6日出馬表明に踏み切ることを決めた。
小池氏は周辺に対して6日、記者会見を開いて自民党の推薦がなくても都知事選に立候補する方針を表明し、「しがらみのない選挙、しがらみのない都政を訴えていきたい」と話している。また小池氏は「私はこれまでもずっと挑戦してきた」と決意を語っているという。
小池氏は5日、自民党東京都連の石原会長と会談し改めて推薦を要請したが、石原氏は結論を参院選の後に先送りする考えを示し話し合いは並行線に終わっていた。自民党都連は、前岩手県知事の増田寛也氏の擁立を目指していて、小池氏の出馬により分裂選挙になる公算が大きくなっている。増田氏の最終判断が焦点。
安倍政権幹部は「参院選の前にこんなとになるのはおかしい」と不快感をあらわにしている。  
 
小池百合子氏「当選したら都議会を解散」 都知事選に正式な出馬表明
自民党の小池百合子元防衛相が7月6日、国会で記者会見し、14日に告示される東京都知事に出馬する意向を正式表明した。公約として「都議会を冒頭で解散する」と宣言した。
自民党の東京都連では、増田寛也・元総務相の擁立を目指す動きがあり、小池氏との間で調整がつかなかった。しかし、小池氏は自民党の推薦なしでも出馬すると表明。「むしろしがらみのない都民の目線で戦えると、ふっきれた」と話した。その一方で「自民党は素晴らしいが、都連は改革が必要」として、都連の対応を強く批判した。
都議会を冒頭解散する理由については「民心が離れては、温かい政策ができない。都民の声を聞いてみたい」と説明した。
ただし、都知事が解散権を行使するためには、都議会による不信任決議が必要になる。
小池氏は、このほか「利権追及チーム」を新設し、都民からの意見を募ることや、舛添要一前都知事の政治資金問題に関する第三者委員会を新設することを公約に掲げた。 
 
議会解散を公約に 小池氏出馬表明
東京都知事選への立候補に意欲を示していた自民党衆院議員の小池百合子元防衛相が6日夕、都内で記者会見を開き、「このままでは(自民党東京都連の)推薦が得られない中での立候補になるが、東京の改革のために覚悟を持って臨みたい」と正式に出馬表明した。小池氏は当選した場合は「都民目線の都政を取り戻すため、(次に招集される)都議会の冒頭で解散する」と議会の解散を公約に掲げた。自民党都連は前岩手県知事の増田寛也元総務相の擁立に動いているが、「(今回は)よく分裂選挙と言われるが、分裂は都議会自民党と都民との間の分裂ではないかと思う」と都連をけん制した。小池氏の会見での主な発言は以下の通り。
[発言]
昨日、石原伸晃(自民党東京都連)会長に(都知事選での)推薦のお願いを改めてした。参院選も最終コーナーの最中だからこそ、早期に結論を出してもらい、(参院選の自民党候補と)ともに戦うことを願っていたが、それはかなわなかった。政策を論じる時間もなくなるということで、客観的、総合的に判断した結果、このたび立候補という結論を導いた。
このままでは推薦は得られず、「パラシュートなし」での立候補になる。しかし、東京の改革、都民目線による問題解決のために覚悟を持って臨む。むしろ、しがらみなく都民の目線で戦えるということで、ある意味吹っ切れたところもある。
24年前に現役のキャスターから政界に飛び込んだ。「あと1年いれば、(25年の永年在職表彰で)肖像画が国会に掛かる」という権利もあるが、私は肖像画よりも今の東京を改革し、100年後の東京に確実な流れをつけたい。
退路を断つことが私の生き様だ。安全ネットを設けずに飛び込むので、周りをひやひやさせているが、世の中を変えるときはそういうことも必要だと思う。
(自民党の)東京都連の一員に名を連ねているが、「どこで誰が何を決めているのか」が不透明なことが多かった。ブラックボックスのようだった。この思いは、都連に所属している議員に共通している思いで、都連と一くくりにされても、いろいろな思いがある。ここ2代、短期間で知事が代わった。舛添さんの湯河原は論外だが、2人とも有能でビジョンも明確だった。でも「短期間でこのような状況に陥ってしまうのはなぜだろう」と感じる。誰かにとって都合が悪いときに捨てられてきたように思う。
「小池はいったい何をするのか」については、まず三つお伝えしたいと思う。一つ目は都民目線の信頼を回復するために、都議会を冒頭で解散したい。(今回は)よく「分裂選挙」と言われるが、分裂は都議会自民党と都民との間の分裂ではないかと思う。冒頭解散は議会からの不信任案が出ない限りはできないが、民心が離れては都民に寄り添った温かい政策はできない。都民の声を聞いてみたい。二つ目は利権追及チームについてだ。(2020年の)五輪やパラリンピックがらみ(の疑惑)だけでなく、財源が豊富な東京都には利権が発生するが、それを一つ一つチェックするのも重要と思う。それをしてこそ、歓迎され喜んでもらえる。それについては、目安箱を設けたい。最後に、舛添さんの公私混同の問題は、舛添さんが任命するのではない第三者の目が改めて必要だ。これは本来、議会の役目だが、都民の信頼を取り戻すために挙げた。(第三者委員会の)メンバーについては公募も考えたい。
崖の下にパラシュートなしで落ちる覚悟だが、覚悟があっても、勝てるのかは分からない。いばらの道だが、頑張りたい。 
 
小池百合子氏「都議会冒頭解散」は、おそらく実現できない
小池百合子氏は6日、東京都知事選挙への立候補を正式に表明した。この中で小池氏は、「都議会を冒頭に解散する」などの公約を掲げたが、この公約の実効性に疑問がついている。
議会の解散というと、国会の衆議院解散が最も想像しやすいが、国会の衆議院解散は、内閣総理大臣がいつでもできるものとされており、内閣の専任事項であることから「伝家の宝刀」とも呼ばれている。実際、衆議院は任期満了を迎えたことは現憲政下では数数える程度しかなく、ほとんど全ての衆議院は内閣による解散が行われて選挙を迎えているという事実がある。
しかし地方議会では、こういった「長による随時での解散」を行うことはできない。地方自治法ならびに地方公共団体の議会の解散に関する特例法によれば、議会を解散する方法は主に3つしかなく、(1)住民の直接請求(リコール)によって議会の解散を求め、住民投票で過半数となった場合に解散される(2)議会議員の4分の3以上が出席した会議で、その出席議員の5分の4以上の多数の賛成によって、議会が自主的に解散する(3)首長不信任が可決した場合、10日以内に首長が議会を解散する のいずれかしかあり得ない。
このうち、(1)の住民による直接請求は、東京都民の有権者を対象にした署名活動が必須となり、その必要署名数が数百万筆となることから非現実的とされる(なお、平成21年9月の調査によれば、必要署名数は約180万筆とされているが、その後の東京都の人口増加や、18歳・19歳選挙権付与による選挙権人口の増加により、これより増えていることが予想される)。議会解散のリコールは、都道府県議会で成立した実績はなく、政令指定都市でも名古屋市議会がリコール成立したケースがあるのみで、ハードルは高い。(2)は、議会議員の4分の3以上が出席し、5分の4の多数の賛成によるとされているものの、東京都議会の構成や小池氏の政治スタンスや立場を考えれば、これだけの議会議員が「必要のない」と思っている都議会解散に賛成するとは考えにくい。また、そもそも来年夏には都議会の任期満了を迎えることや、今回の東京都知事選挙と同日日程で行われる東京都議会議員補欠選挙(4人枠)を考えれば、必ずしも大義名分が立つかどうかは不明瞭だ。(3)については首長不信任が可決すれば解散をすることができるものの、(2)と同様の理由で、都議会最大会派の自民党会派が同調するとは考えにくい。過去の判例などによれば、首長不信任が可決した場合というのは、首長信任決議が否決された場合でも同等の効果があるとされていることから、様々な方法で(3)を狙うことも予想されるが、冒頭に解散する根拠に乏しいほか、都議会マターであることから、同様に実現は難しいと考えられる。
これらをもとに考えると、「都議会の冒頭解散」は、実現根拠に乏しいと言わざるを得ないだろう。公約の筆頭一番地に掲げた「都議会冒頭解散」の手法について、小池氏の説明が今後求められる。 
 
小池百合子の公約
舛添要一前東京都知事の辞職に伴う知事選で、自民党の小池百合子元防衛相が6日、国会内で記者会見し、正式に立候補を表明した。小池氏は、都連が推薦願の可否の判断を参院選後に先送りしたことに関連し「このままでは推薦が得られない。パラシュート無しでの立候補だ。しがらみなしで都民目線で戦える」と述べ、自民党の推薦がなくとも立候補する考えを示した。詳報は次の通り。

小池氏「皆さまこんにちは。何度もお呼びたてをいたしまして、恐縮でございます。お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。改めまして、私、小池百合子、東京都知事選に立候補を表明いたします。昨日、石原(伸晃)自民党都連会長(経済再生担当相)に推薦のお願いを改めて、正式にお願いした。参院選も最終コーナーであり、全国の同志が戦っている最中だからこそ、早期に結論を出していただいて、共に戦うということを願っていたが、参院選後の結論ということで、それがかなわず、6日をめどにと申しておりましたように、私、政策を論じる時間もなくなるということで、客観的、そして自らの意思を含めて総合的に判断した結果、このたびの立候補に結論を導かせていただいた。
このままでは推薦を得られないので、不本意ながらパラシュートなしの立候補となる。もちろんリスクは山ほどある。首都東京の改革、都民目線によるさまざまな問題解決のために覚悟を持って臨みたいと思う。いえ、むしろ、しがらみがなく戦える。しがらみのない都民の目線で戦えるということで、ある意味ふっきれたところもある。さまざま関係の皆さま方には、ご迷惑をおかけしたことを、改めておわびさせていだくと同時に、私の決意を伝えさせていただく。
また、この間、多くの皆さま方から、たくさんの応援のメッセージをいただいた。本当にありがとうございます。地方からもたくさんいただいた。中には『女はやめとけ』というようなお電話をちょうだいしたのも事実だ。しかし、こういった一人一人の皆さま方の声を受けて、このたびの大きな戦いに挑戦したいと考えている。
24年前に現役のキャスターから政界に飛び込んだ。あと1年いれば肖像画が国会にかかるという権利もちょうだいすることがあるが、私は肖像画よりも今の東京の改革、そして日本経済の成長のエンジンである東京を一歩でも前に、そして20年後、30年後、いえ100年後の東京に大きな流れを、確実な流れをつくっていきたいと意気込んでいるところだ。
ご承知のように当初は日本新党から出馬した。当時、キャスターを辞めて、まったく新しい何もない政党から出馬するということについては、皆さんは『無謀だ』とか『そんなバカなことはやめろ』と、随分お叱りも受け、しかしそれをいただきながらも、自ら決めた道を飛び降りたわけだ。当時、冷戦構造が終結し、湾岸戦争もあった。バブル経済の崩壊もあった。そして内外の情勢を伝え、日本の国会の情勢も伝えたことを覚えているが、しかし、世界が激動する中で日本がなかなか歩みを進めないことにいらだちを感じ、政界に身を投じ、そして四半世紀だ。
今、日本の経済、そして東京が置かれている現在の状況を考えると、あまり時間は残されていない。そして東京オリンピック・パラリンピックも2020年に控えている。そういう中において、ぜひとも東京というメガシティを率いていきたいと思っている。
先ほどの日本新党の話に戻すと、しがらみがない政党だからいろんなことに挑戦することができた。とてもやりがいのある1年間だった。そして日本の構造改革にかける思いは今も変わっていない。また、このところいろいろと私のこれまでの経歴などをご紹介いただく放送などを見ていて、『政党がコロコロ替わる』というようなご指摘もいただいている。しかし、改めて申し上げると、それは政党の離合集散の結果であって、政党名が変わっただけであって、私の主張、思想、そして信念は一度も変えたことがない。改めて思うと、政党というのはあくまで機能体であって、仲間内の運命共同体ではないと思う。政党が機能を果たしてこそ、政党であり、そしてまた、自民党などはとても家族的ですばらしい政党だが、特にこの東京の自民党都連ということについては、むしろ改革が必要ではないかと思う。
もう1つ、選挙区も変わった。兵庫から東京に移って戦った、あの平成17年の郵政選挙の時も崖から飛び降りる気持ちで挑戦した。当時、小選挙区と比例代表の掛け持ちというふうにみなさんがお考えになったかもしれないが、私はあえて覚悟を示すためにも、比例代表に名前を載せないでくださいという話をして、みんながあっけにとられたということを聞いている。つまり挑戦するときは退路を断つということが、私にとってのこれまでの生きざまだ。いつも安全ネットも設けずに飛び込むので、周りをひやひやさせることがあるが、やはり社会を変える、世の中を変えるときというのは、そういったことも必要だと思っている。
東京についていうと、東京都連の一員に名を連ねてきたが、正直申し上げて、どこで誰が何を決めているのかということが不透明なことが多かった。そんな思いだ。ブラックボックスのような形だった。また、この思いというのは、都連に所属している各級の議員に共通する思いで、都連と一くくりにされるが、一人一人に聞いてみてください。いろんな思いがある。そのことをぜひ申し上げておきたい。
そしてなぜここ2代、猪瀬直樹さん、舛添要一さん、短期間で知事が替わってきたのか。舛添さんの湯河原に毎週行くというのは論外だが、お二人とも大変有能でビジョンも明確なものをお持ちだ。ところが、いつしかこのような状況に短期間で陥ってしまうのはなぜなのか。そのことも考え合わせていかなければならない。つまり、誰かにとって都合が悪い、もしくは不都合なときに捨てられるということが続いてきたように思う。
都政の安定はもとより重要だ。着実に一つ一つをこなしていく。進めていく。これが行政の在り方だ。そのことはよく存じている。とはいえ、日本もそうだが、東京が抱えているさまざまな課題はより大胆な、そして強力なリーダーシップでこそ、達成が可能なのであって、そのことを率いるリーダーが必要だ。なんでも都合のいいようにやってくれるリーダーが都政に必要なのかというと、私は違うと思う。国政においては安倍晋三首相の強力なリーダーシップで、日本を取り戻すということで私も一緒に進めてきた。東京では都民のための都政を取り戻すことが、今こそ必要だと考えている。そのためには、都民の皆さんの共感を得られる大義ある政策を提示して、実践していきたい。
そこで、まず3つお伝えしたい。いきなりですが、都民目線の信頼を回復するために、都議会を冒頭解散したいと思う。よく分裂選挙といわれるが、分裂は都議会自民党と都民との間の分裂ではないかと思う。民心が離れては都民に寄り添った温かい政策は遂行されない。都民の声を聞いてみましょう。もちろん、冒頭解散は(都議会に)不信任(決議案)が出ない限りは解散できない。解散するというのは、議会からの不信任が必要だ。そこをまずチェックしておきたいと思うが、メディアも皆さんもこんなにたくさん駆け付けていただいているが、国会における議員のチェックは、海外視察などのチェックは、これまでも非常に細かく厳しく行われてきたが、地方議会についてはどうか。私はまだまだチェックが甘かったのではないかと思う。舛添知事の問題についても同じだ。
それから2つめだが、利権追及チームということだ。単にオリンピック・パラリンピック絡みだけではない。財源が豊富な東京都においてはさまざまな利権が発生するが、それを一つ一つチェックしていくのも、都民の信頼をもう一度取り戻すという意味では重要なことだ。それができてこそ、オリンピック・パラリンピックも都民や国民の皆さまから歓迎される、喜んでもらえるようなものになると思う。どんな利権があるのかという話だが、これについては目安箱を設けたいと思う。皆さまからの情報提供をお願いする。その段取りをとりたい。
3番目、舛添さんの問題だが、第三者の厳しい目とおっしゃっていた。これについても公私混同の問題については、もう一度チェックをする必要があると思うので、これは改めて舛添さんが任命するのではない第三者の委員会を設置することが必要だ。本来はこれは議会の役目だ。これについては、都民の信頼を取り戻すという意味で、3番目にアイテムとして挙げさせていただいた。第三者委員会のメンバーについては公募も考えられる。
全体的な政策だが、これは舛添知事時代にまとめられた東京都の長期ビジョンがある。とてもよくまとめられている。それぞれの地域のニーズ、多摩、島嶼(とうしょ)地区などなど、現実に即したさまざまな課題をビジョンとしてまとめたもので、基本的に私はこれを継承していきたい。どこに比重を置くかについては、さらに精査していきたい。こんなにすばらしいビジョンがあったが、舛添知事は惜しいですね。これ、実行までいかなかったというのが悔やまれるところだ。
そして、基本的な考え方とすれば、東京オリンピックの前と後をベースにしながら絵を描いていきたい。
基本的には私は元環境相だ。女性政策、今、自民党が進めている女性が輝くという政策は、そのもとの一部は私が書いたものだ。『2030(ニマルサンマル)』も、小泉政権時代に閣議決定までされていたものが、ずっとお蔵入りされていたのを引っ張り出して、そして与党自民党の政策に戻してきたということを率先してやってきた。要は、これからの日本社会、この東京のエネルギーをもっとフルに生かしていくためには、『ダイバーシティ』というのがキーワードになると思う。多様性だ。特に、女性の力をもっと生かしていく。
もう1つは『スマートシティ』。例えば、交通網、それから強靱(きょうじん)化もそうだ。(モノをインターネットがつなぐ)IOT(インターネット・オブ・シングス)もそうだ。そして環境という面でもスマートシティを生かせると思う。ちなみにダイバーシティ(多様性)ということをかつて党内で議論していたところ、ある男性議員から『そのシティは一体どこにあるのか』という質問をくらったことがある。まだまだ日本ではこのダイバーシティということの重要性が理解されていないように思った。
また、この長期ビジョンにも書かれているが、東京を特区にして進めるというのは方法として正しいと思う。というか、すでに特区はある。それを活用していないだけだ。活用を阻んでいるものを取り除くのがリーダーの大きな役割だ。
そして、命を守る、命を育てるということも必要だ。命を守るという観点では、まさしくいつ直下型地震が起こるか分からない。そして最近の災害は極めて強靱化している。さまざまな災害に備えるのは当然だが、例えば、東日本大震災のときには東京も大揺れだった。ターミナル駅には避難する方々の行き場がないという状況があった。いまそれぞれの地域でその対策を練っているが、避難ルートを確保するという点で、しっかりと仕事をしていきたい。
そして、私は東京に住んで、町会の役割というのは極めて大きいと思っている。町会がおみこしを担いだりするなかで、とても絆がしっかりしている。災害のときにこの町会をもっと生かしていくのは必要なことだと思っている。
それから元防衛相として申し上げると、これは阪神大震災は私自身も経験しているが、いざというときは飛んでいくことが必要で、いざというときにヘリポートをもっと確保する。そしてそういうときに狭いところでも降りられるヘリコプターの確保ということは重要で、こういうところは防衛省のこれからの計画の中に入れていただきたいと思っている。
もう1つ課題になっている待機児童問題だが、保育所の用地の確保。これは税制を優遇することによって個人資産からの提供など、いま公園をつぶして保育所にするということでいろんな批判も出ている。切羽詰まって区のほうも苦慮しておられる。であるならば、この用地の確保を知恵を絞ってやっていく。もちろん韓国人学校をつくるということで、都の土地を提供する、貸し出すという話が舛添知事のときにあったが、前回も申し上げたように、これについては白紙、まあ撤回ですね。その上で考えて、そこに保育所につくるというのも一案だ。ただ、間違えてはいけないのは、保育所もハードの問題だけではない。保育士さんがいかに安心して働く環境があるかということだ。いま政府も同一労働同一賃金の話をしている。民間、そして非常勤保育士の給与アップということも必要だと思う。また、人材という点では、子育てを終えた、もしくはいま子育て中のお母さんがほかのお子さんもお預かりするという、いわゆる『保育ママ』。私は豊島区でその現状も見てきた。このような形で、働くのか、それとも子供をもつことをあきらめるのかといった、日本でしか見られないような二者択一をやめるように、東京が先行モデルとなってやっていきたい。
私自身、親を自宅で看取った。これについては本も著したところだ。もちろん高齢者の介護という観点では、さまざまなやり方もあるが、やはり一人一人が住み慣れたところで最期を送るというのが、いかに大切なことなのか。私は母を看取りながら、そのことを経験し、よってすでに行われているが、地域包括ケアシステムをもっと整備する、完備するのが必要になってくる。もちろんそのために、ずっと面倒をみなければならなくなって、それによる介護離職ということも問題になっている。その点についても、よく知恵を出していきたい。
それから挙げればきりがないが、例のクールビズ、この話ばかりで恐縮だが、みんなが当たり前だと思っていることをそろそろやめませんか、と。そしてそのために必要な制度設計、意識改革をやっていきたい。例えば、満員電車。みんな苦労するもんだと思っているけれども、あれこそ高度成長の名残で、苦労して出勤するというのは、それを緩和することを根本的に考えていく。『ワークライフバランス』というが、私はむしろ『ライフワークバランス』でないかと思っているが、長時間働けば、それだけ会社の利益が上がるという時代ではない。結局みんなくたびれるだけ。出会いの場もなく、なかなか結婚もできない。こういった問題。これを意識を変えるところ。これは予算がいらないんです。そこからやっていく。力強い発信をしていきたい。これは知事になってこそ、その言葉にエネルギー、パワーも出てくるものだと思っている。
液体ミルクの例も申し上げているが、液体ミルクの運動もお母さんたちといっしょにやっている。要は、生活している方々の目線に立って、そして、大きな大義を繰り返しいってもなかなか響かない。莫大(ばくだい)な予算をつけても、それはなかなか動かない。都民の心をつかんで、いっしょにやっていこうと。オリンピック・パラリンピックも同じだ。共感よりも反感を抱くような人が出てきては、これはなかなかよくない。ぜひ私はメッセージ力を生かして、小さいけれども、都民の都民による、都民と世界のための東京オリンピック・パラリンピックにしていきたい。
他にもたくさんの課題があるが、これから皆さんにお伝えする機会もある。若者のワーキングプアの問題もある。商店街をもっと生かすために、無電柱化していくなどなどある。
長くなった。パッケージで政策についてはお伝えするが、私はこの東京にみんなが住んでよかったと。東京にきてよかったと。日本の成長のエネルギー源である東京が元気になることが、日本が元気になることだと固く信じている。そして、いま参院選のまっただ中だ。私はあくまでも自民党員なので、私の仲間を最後まで一生懸命応援させていただく。そして、(安倍首相の経済政策)アベノミクスはまだ道半ばだとおっしゃっているから、この東京からアベノミクスをもっともっと引っ張っていけるような知事を目指していきたい。
元気なことばかり申し上げたが、選挙戦は厳しい。徒手空拳だ。本当に崖の下に、パラシュートなしで飛び込むという覚悟ではあるが、覚悟はあっても勝つかどうかはやってみなければわからない。都民の皆さまが私の決意に、自ら手を挙げた私にまた大きなお力をちょうだいできるように頑張っていきたい。そして、共感あふれる都政をしっかりと進めていく。都庁の役人の皆さまともしっかりと歩みを進めていきたいと思う。いばらの道だが頑張らせていただく。どうぞよろしくお願いいたします」  

 

 
「冒頭解散」で都議会ぶっ壊す!…「小池百合子の乱」は成就するか
東京都知事選で、自民党の小池百合子元防衛相が6日、都内で記者会見し「政策を論じる時間もなくなる。総合的に判断した」と述べ、党都連の候補者決定を待たずに出馬することを表明した。都連が擁立に動いている増田寛也元総務相(64)が立候補すれば分裂選挙となるが、小池氏は公約に“都議会解散”を掲げるなど、都連との対決姿勢を鮮明に打ち出した。
「がけの下にパラシュートなしで飛び込む」
小池氏が覚悟を決めた。5日に党都連の石原伸晃会長(59)に推薦を申し入れたが、結論は10日の参院選後に延ばされ「政策を論じる時間がなくなるという客観的な状況と、自らの意思を含めて総合的に判断した」と立候補を正式に表明した。
都連の推薦がないままの立候補には「リスクは山ほどある」としながらも、「むしろ、しがらみのない都民の目線で戦える」と強調。都連の候補者選びを「どこで何を決めているのか不透明だ。改革が必要ではないか」と批判した。
そして、発表した3つの公約には、都政を巡る「利権追及チーム」と、舛添前知事の政治資金問題を調べる「第三者委員会」の新設とともに、都議会の「冒頭解散」を掲げた。当選した場合の議会の反発を織り込み「不信任案が提出されるので、そのときに解散する」と対決姿勢を鮮明にした。
離党は「まったくない」と否定し、都連に出した支援依頼も取り下げないという小池氏。しかし「このままでは党の支援は得られないと判断している」と述べ、増田氏との保守分裂選挙は避けられないとみている。「分裂は都議会自民党と都民との間の分裂ではないか。都民の声を聞いてみたい」と女一人の戦いへ意気込んだ。  
 
議員バッジ外し東京都カラー『緑』のスーツ「パラシュートなしで戦います」
きのう6日(2016年7月)、東京都知事選に自民党推薦がなくても出馬すると改めて表明した小池百合子・元防衛大臣は、東京とのシンボルカラーの鮮やかなグリーンの服に、議員バッジではなく東京オリンピックのバッジをつけて登場した。
「自民党都連はむしろ改革が必要というわけでございます」と切り出し、「どこで誰が何を決めているのか不透明で、なぜ2代続けて推薦した知事が短期間で代ったかを考えなければいけないと思います。不本意ながら、パシュートなしの立候補となります」と対決姿勢を打ち出した。
用意したパネルで、「都議会の冒頭解散」「利権追及チームを作り目安箱を設置」「舛添前知事を追及する第三者委員会設置」を公約とした。議会の解散には知事不信任案の可決か議会のリコールを経なければならないが、テレビ朝日の中丸徹記者は「敵を絞る狙いがある。『都議会には闇が残っています。さあイエスかノーか』を聞こうというのでしょう」と解説する。
都民の判官びいきで善戦か
司会の羽鳥慎一「小泉純一郎元首相のやり方に似ていますね。演出がうまい」
自民党本部と東京都連は10日夜(2016年7月)に増田寛也・元総務相を推薦候補として決定する見通しだが、分裂選挙となって、判官びいきで小池氏が善戦という見方も強まってる。  
 
小池百合子の背後に「小泉・細川」元首相コンビ?石破茂グループも
自民党の小池百合子・元防衛相はきのう6日(2016年7月)、自民党の推薦なしでも東京都知事選に立候補する意向を表明した。推薦を先延ばしにした都連に先手を打った形で、「不本意ながらパラシュートなしの立候補となります」「しがらみがなく戦える。ある意味吹っ切れた」と語った。
推薦拒否の自民都連に挑戦状「当選したらと議会解散」
会見に「あさチャン!」の藤森祥平アナが出ていて、「党内の手続きに従って出馬する選択肢はなかったのですか」と聞くと、「ルールに従っていたら今日のこの日はなかったと思います。(離党の予定は)ございません。まったくございません」と言い切った。
さらに、「都連は改革が必要です。どこで誰がなにを決めているのか不透明で、ブラックボックスのような状態です」として、当選後の公約のトップに「都議会の冒頭解散」を掲げた。しかし、知事は不信任案可決以外では解散できない。つまり「挑戦状」だ。
龍崎孝(流通経済大教授)は「小泉純一郎元首相ゆずりの小池劇場にするために都連を挑発している」という。かつての郵政選挙の小泉劇場のことだ。内部の敵を「抵抗勢力」と攻撃し、「都政の改革を阻んでいるのは自民党都議団だという設定ですね」。  
 
小池百合子氏、都知事選秘策 横田基地活用、韓国人学校問題など“独占激白”
東京都知事選への出馬を表明した自民党の小池百合子元防衛相が、夕刊フジの単独インタビューに応じた。小池氏は、早い段階から決意を固めていたことを明かし、「スピード感あふれる都政にしたい」と意欲を示した。注目の政策についても、「2020年東京五輪の透明性」をはじめ、「都有地の韓国人学校への貸し出し白紙」「米軍横田基地の活用」「独自の待機児童対策」などを語り尽くした。
電撃的な出馬表明以来、小池氏は分刻みのスケジュールをこなしている。まず、都政史上初の女性知事を目指す経緯と決意を次のように語った。
「舛添要一前知事が辞職表明した時点(6月中旬)で手を挙げようと思っていた。ただ、『国会議員はダメだ』ということでエントリーできなかった。出馬表明に至るまでは(都連に対し)手順面で無理筋もあったが、そうしなければ名乗りを上げられなかった。手を挙げたからには貫徹する。都民1人ひとりと結びついた形で、都知事選を戦い抜く。政治家である私がビジョンとともに都政を引っ張っていく」
自民党の世論調査でも、期待値は断トツと伝えられるが、もし、「小池都知事」が誕生したら、東京五輪はどうなるのか。
小池氏は「透明性が重要だ」といい、続けた。
「これまで、コンパクト五輪が売りだったが、経費がどんどん膨らんでいる。エンブレムをめぐる問題、新国立競技場建設をめぐるドタバタで国民、都民はしらけムードだ。巨大な利権があるようにも思われている。流れを変えたい。情報をもっと公開し、密室で決めるようなことはしない。クールビズを定着させたように、私が先頭に立って世界に発信していく。『都民の・都民による・都民と国民・世界のための五輪』にしたい」
舛添氏が、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と約束して推進し、都民から批判が殺到した韓国人学校への都有地貸し出し問題はどうか。
「すべて白紙だ。韓国側とどういうやりとりがあったのか、決定までのプロセスを詳細に確認したい。都有地については保育所を含め、有効な活用策を考える」
首都のトップには、1300万都民の生命と財産を守る使命がある。舛添氏は、都心から約100キロ離れた神奈川県湯河原町の別荘に毎週のように通い、危機管理意識の欠如が批判された。
小池氏は「常に都内で非常時の陣頭指揮を執れる態勢を取りたい。湯河原なんて言語道断だ。私は阪神・淡路大震災時(1995年)、衆院兵庫6区選出議員だったが、当時の兵庫県知事がなかなか県庁にたどり着けず、自衛隊の出動が遅れた。私は防衛相経験者だ。危機管理は任せてほしい」と自信を見せた。
都政ではかつて、石原慎太郎知事時代に米軍横田基地(東京都福生市など)の「軍民共用化」構想があった。
小池氏は「私には(軍民共用化への)秘策がある。今後の交渉次第だが、横田基地の活用は地域振興の観点からもポイントだ」といい、腹案の存在を示唆した。防衛相経験者だけに、特別な人脈でもあるのか。
待機児童問題も急務だ。舛添氏は「重要政策」と言いながら、2年4カ月の在任中、美術館・博物館めぐりを繰り返す一方、保育園などの視察はほぼ行わず、都民を失望させた。
小池氏は「働く女性はますます増える。子育て中のお母さんが将来も働き続けられる環境づくりが何よりも大切だ。保育園の整備は当然として、欧米では一般的な『保育ママ制度』(=家庭的保育事業)の拡充、ベビーシッター利用など選択肢も増やしたい」といい、以下のように続けた。
「仕事と余暇のバランスも大事だ。首都・東京から『女性と男性の意識改革、制度改革』を同時進行で進めていきたい。残業を減らし、長時間労働を是正し、新しいライフスタイルを全国に向けて提案・発信していく。そうすれば、新たな産業も生まれてくる」
日本ではまだ普及していない、乳児用の「液体ミルク」活用にも乗り出す考えだ。
小池氏は「災害時になると、煮沸ができないため、粉ミルクがなかなか利用できない。これが液体ミルクであればお湯で溶く必要がなく、常温保存が可能ですぐに使える。乳児には母乳が1番だが、液体ミルクも使えるようにすることで、子育て世代を応援したい。都内の保育所でも利用できるようにしたい」と語った。
永田町では、出るくいは打たれる。一部ですでに、事務所費をはじめ、「政治とカネ」に関する問題を報じられ始めている。
小池氏は「これから、メディアによる『イメージ操作』があると思う。きちんと説明し、正しいことを答えていきたい。すべて真正面からはね返したい」と語った。
大きな変化が生まれそうな「小池都政」。都民は支持するのか。  
 
小池百合子氏「感謝」中川氏応援演説で頑張れの声
東京都知事選に出馬を表明した、自民党の小池百合子元防衛相が7日夜、都内で、参院選東京都選挙区から立候補した中川雅治氏(69)の個人演説会に参加した。小池氏は登壇するなり「頑張れ!!」などと客席から声をかけられた。
6日の会見で、都議会の冒頭解散などを主張した小池氏は、この日の壇上では山加朱美都議、柴崎幹男都議と並んで座り、中川氏への応援演説を行った。その中で、自身が元環境大臣、中川氏が元環境事務次官だった過去の経緯を引き合いに、20年に五輪、パラリンピックが行われる東京都の環境整備を訴えた。
小池氏 皆さん、暑いですよね。(中略)同じ7月に東京五輪、パラリンピックが開かれる。フライパンの上で走るくらい日本の夏は非常に厳しい。対策はいろいろあります。道路の材質を変えるのも一案。練馬は緑地率が23区で1番高い。すぐ近くで取れたての野菜を楽しめますが、残念ながら相続税、そして高齢化などを含めて、どんどん、かつての練馬大根の畑、風土がなくなっている。もっと全体的に考えると、汐留に、いつの間にか、あんなにニョキニョキとびょうぶのような建物が建っていますが、あれが海風をストップさせてしまい、それが影響し、埼玉の最高気温が上がる。とても複雑にできている自然現象です。
小池氏は自らの演説後、すぐに会場を後にした。報道陣が殺到すると「危ないから。私、向こうを向きますから」などと言い、取材場所を自ら作って取材に対応した。
小池氏 今日は中川雅治さんの応援。(投開票まで)あと3日という最終戦でございます。練馬と豊島で応援させてもらいました。
−会場から「頑張れ」という声が飛びました
小池氏 そうですね。皆様からお励ましをいただき、大変感謝しております。
−隣に都議が座ったが話は?
小池氏 はい、はい、言葉を交わしております。
−前川燿男(あきお)練馬区長とは?
小池氏 今は(会話は)ありませんでした。
−都議とはどんな話を
小池氏 いろいろ、よもやま話を…
−小池さんが会見で話した、今後の都議会の件について、都議から話はあったか
小池氏 いえ、特にありません…はい。  

 

 
小池百合子が潰したい2人の大物
東京都知事選で6日、小池百合子元防衛相(63)が自民党都連の推薦を待たず、改めて出馬表明した。
小池氏は2人の大物に狙いを定めている。出馬会見で(1)都議会の冒頭解散、(2)利権追及チームの新設、(3)舛添要一前都知事(67)の問題に関する第三者委員会設置――の公約を掲げた小池氏。これは“都議会のドン”といわれる都議や、犬猿の仲の東京五輪組織委員会会長、森喜朗元首相(78)への“恫喝”だ。小池氏が仕掛けるシナリオが見えてきた。
小池氏は会見で、自民党東京都連や都議会、そして自民党に巣食う鬼の存在をほのめかした。
「自民党は家族的ですばらしいが、都連は改革が必要。都連はどこで誰が何を決めているのか不透明でブラックボックスでした」と都連批判。さらに「猪瀬(直樹)氏と舛添氏が短期間で辞めたのはなぜか。誰かにとって不都合になったときに捨てられるのではないか」とバッサリ。その“誰か”こそが小池氏の倒すべき鬼になる。
仮想敵としてまず浮上するのが“都議会のドン”といわれる内田茂都連幹事長(77)だ。永田町関係者は「都政では何事も事前に内田氏を通さないと前に進まない」と明かす。
小池氏は、不信任案が出ないと解散できないことを承知のうえで「私が都知事にふさわしくないというなら、議会は不信任案を出す。分裂選挙というが、分裂しているのは都議会と都民の間ではないか。都民の声を聞いてみる必要がある」とニヤリ。内田氏ら都議会に対する宣戦布告だ。
次なる仮想敵は森元首相だ。2人は犬猿の仲といわれる。話は2008年にさかのぼる。福田康夫首相(79)が辞任を表明し、総裁選で小池氏は手を挙げた。これに派閥の長老だった森元首相が「俺は聞いてないぞ!」と激怒し、それ以来、2人の仲は修復されることはなかったという。
小池氏は公約で東京五輪・パラリンピックを含めた都にはびこる利権構造にメスを入れるとも宣言した。五輪組織委員会会長の森元首相からすれば激怒ものだろう。
「小池氏は離党を否定していますが、除名される可能性もある。むしろ、その方が同情も集まる」(ある自民党関係者)
血で血を洗う大勝負が始まった。  
 
小池百合子氏と心中してもいい
 「応援すれば自民党除名」という揺さぶりに衆院東京10区の若手区議たちは…
舛添要一東京都知事の辞職に伴う都知事選を前に、自民党の推薦を得ないまま出馬を表明した小池百合子元防衛相=衆院東京10区。その地盤である豊島区では“分裂選挙”の様相に自民党区議らが揺れている。都議会自民党などは増田寛也元岩手県知事の擁立を目指しており、仮に党本部が増田氏擁立を決めた場合、方針に反して小池氏を応援すれば、除名処分は免れないためだ。「小池氏と心中する」「先行き不安」。候補者選定をめぐり、それぞれの思いが交錯する。
強気を裏打ちする存在
「個人的には小池百合子と心中してもいいと思っている」
小池氏が平成5年7月に初当選したときから応援してきたという豊島区のあるベテラン区議はそう語る。自民党豊島区議団の中ではベテランを中心に、ほかにも「都連と対立してでも小池氏を支援する」との声が出ているという。党が別の候補を推薦しても出馬すると明言した小池氏の強気は、地元区議のこうした熱烈な支持に裏打ちされているようだ。
都連への根回しのないまま6月29日に出馬を表明した小池氏も、これまでの政治活動を裏で支えてきた地元区議には“仁義”を切った。出馬表明2日前の27日、小池氏は豊島区の自民区議団を突然集め、「年齢的にもラストチャンスなんです」などと強い口調で固い決意を伝え、区議団の支援を求めたという。
翌28日夕、豊島区議会は定例会期中だったが、区議団13人で対応を協議した。若手から自民党との関係悪化を不安視する声もあがったが、ベテランを中心に数人から小池氏支持の声が次々と出たため、最終的には13人全員が小池氏への出馬要請文に自署したという。
深入りしない判断
ただ、地元も一枚岩ではない。要請文に区選出の自民都議の名前はないからだ。離反してでも小池氏を推せば党の除名処分は避けられず、「来年は都議選があるため、深入りしない方がいい」(自民区議)との判断があったという。
都議だけでなく、1、2期目の若い区議には自民党籍を失うことへの恐れがあるという。区議団の河原弘明幹事長は「小池氏を応援したいが、党の動きを見守っている状況。できれば小池氏で党全体が一本化できればいいが…」と複雑な胸中を語る。
背景には、小池氏に対する党関係者の厳しい視線がある。豊島区外の自民都議からは「都知事選で実際に動くのはわれわれ地方議員。一方的に出馬表明した小池氏を気持ちよく応援できない」「今まで党を割って選挙に出て保守系候補が全滅した例もある。なぜ過去から学ばないのか」などの声があがっている。
都議会自民党は3日、増田氏への出馬要請を決め、東京23区でつくる特別区長会も4日には“総意”として増田氏に出馬要請した。「仕方ないことだが、状況はより厳しくなった」。区議団に動揺が広がった。
不安は大きいが…
自民党が増田氏擁立を決め、小池氏との分裂選挙に突入した場合、区議団全員が小池氏支持に回れば豊島区議会から自民議員がゼロになる可能性もある。この最悪の事態は避けなければならないとの認識で区議団は概ね一致しており、全員が小池氏支援に回らなくても済む「振り上げた拳の下ろし所」も検討されている。
ただ、区議団は4日午後に対応を協議したが、結論は出なかった。党が増田氏擁立を決定しても小池氏が本当に出馬するのか確信が持てないという事情もある。区議団は近日中に小池氏本人と面会し、意思確認を改めて求めるとみられる。
一方、自民都連は4日に開いた一部地方議員を集めた会合の場で、参院選へ向けて「一致団結」するよう強調した。参加した豊島区議は小池氏周辺の分裂の動きに対する「けん制」と受け取ったという。
党と敵対して選挙を戦うことへの不安は大きい。ベテランの里中郁男自民区議は「今まで豊島区だけだったのが62市区町村で選挙するなんて気が遠くなるような作業だ」と語る。
ただ、里中氏はこうも言った。
「それでも都知事という大きなチャンスが小池氏の目の前にあるのも事実だ」
豊島区議らは小池氏支持に光明を見出せるのか。  
 
水面下に強力援軍 小池百合子氏“狂乱出馬”で自民崩壊危機
東京都知事選はグチャグチャの分裂選挙の様相を帯びてきた。推薦をめぐって自民党都連とやり合っていた小池百合子元防衛相は6日、シビレを切らして正式に立候補を表明。推薦なしでの出馬を宣言した。破れかぶれなのか、冷や飯食い続きで一線を越えてしまったのか。
会見した小池氏は、参院選後まで結論を先送りした都連を「どこで何を決めているか不透明だ」「ブラックボックスのよう」などと猛批判。真っ向からケンカを売った。都議団にも矛先を向け、選挙公約として〈都議会の冒頭解散〉〈利権追及チームの設置〉〈舛添問題第三者委員会設置〉を挙げた。
〈冒頭解散〉は議会側が知事を不信任とした場合に限られる。元岩手県知事の増田寛也氏の擁立を目指す都議団との対決姿勢を鮮明にする狙いだ。〈利権追及〉は小池氏を毛嫌いする東京五輪組織委の森喜朗会長を念頭に置いたものだろう。そして、〈舛添問題〉。舛添要一前知事を担ぎ出した自公の製造者責任を、蒸し返そうというハラなのだ。
小泉元首相のやり方に酷似
小池氏は「パラシュートなしの立候補」「退路は断った」と悲壮な覚悟を口にしたが、権力者に寄り添い続け、大臣を歴任した女性政治家だ。負け戦と分かっていながら突き進むわけがない。
「ここまで公然と反旗を翻されたら、都連は意地でも増田氏をぶつけ、組織戦で潰しにかかる。とはいえ、小池氏は孤立無援ではありません。独裁を強める安倍首相を面白く思っていない勢力もいる。安倍首相や石原経再相の遊説先で小池氏が無視されたことが話題になりましたが、小池氏の周りを“安倍嫌い”の平沢勝栄氏や、石破派の鴨下一郎氏と平将明氏らが固めていた。小池氏は2012年の総裁選で安倍首相支持から石破地方創生相に転じた“義理”もある。石破派も水面下で支援に動くでしょう」(永田町関係者)
小池氏の“後ろ盾”とされる小泉元首相も表立ったサポートは否定しているものの、「いい政治勘をしている」とエール。いまだ根強い小泉人気を利用できれば、強力な援軍だ。
政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は言う。
「小池氏は有権者に直接アピールして世論をつくり、自民党内を動かそうとしている。郵政解散に打って出た小泉元首相のやり方にソックリです。世論調査では増田氏よりも小池氏が優勢ですし、無党派層に訴えかける空中戦でいい勝負に持ち込めるでしょう」
自民都連は参院選当日の10日夜に国会議員会議を開いて協議し、11日以降に小池氏と話をするという。民進都連の対応は、さらにその後になりそうで、顔ぶれが出そろうのは告示ギリギリ。スッタモンダの揚げ句、また人気投票になりそうだ。  
 
早くも百合子パフォーマンス全開
 小池百合子氏が江戸川区の保育園を視察し、園児らとにっこり…
東京都知事選への出馬を表明した自民党の小池百合子元防衛相が8日、江戸川区東小岩の区認可小規模保育所にっこりハウスを訪れ、保育の現場を視察した。
園児たちがお遊戯に興じる様子や保育士の接し方を熱心に眺めたほか、園児に話しかける場面も。終始笑顔で、散歩に出かける園児たちを手を振って見送ってた。
小池氏は6日、都庁で行った出馬表明会見で、保育行政にも言及。会見では「もう1つ課題になっている待機児童問題だが、保育所の用地の確保。これは税制を優遇することによって個人資産からの提供など、いま公園をつぶして保育所にするということでいろんな批判も出ている。切羽詰まって区のほうも苦慮しておられる。この用地の確保を知恵を絞ってやっていく」と指摘し、「保育所もハードの問題だけではない。保育士さんがいかに安心して働く環境があるかということだ。民間、そして非常勤保育士の給与アップということも必要だと思う」などと力説していた。
保育行政については今年、「保育園落ちた日本死ね!」という匿名のブログが母親層を中心に大きな関心を呼んで国会でも取り上げられており、小池氏の保育所視察は都知事選に向けた女性有権者へのアピールを狙ったようだ。  
 
小池百合子氏、在特会の関連団体での講演を指摘され「よく存じておりません」
自民党衆院議員の小池百合子氏は7月8日、東京の日本外国特派員協会で記者会見し、東京都知事選への立候補を改めて表明した。
小池氏は「推されて出るのも一つの方法ですが、私は日本の伝統技術の『根回し』はうまくないと反省していますが、それを超えて私の情熱を理解していただきたい」と述べ、英語で閣僚時代の実績などをアピール。様々な出自を持つ人が活躍できる「ダイバー・シティー」の実現を公約に掲げた。
一方で、過去に小池氏を招いて講演会を開いた団体が、ヘイトスピーチ(差別扇動発言)が社会問題になった「在日特権を許さない市民の会」の関連団体だったことについて、事実関係をフリージャーナリストの江川紹子氏から問われたが、小池氏は、
「いろんな講演会に招かれることはしばしばございます。しかし私は在特会という、最近よく出ておりますけど、それについてはよく存じておりません。また、私を招いてくれた会は、こことどういう関係にあるか知り得なかったということでございます。よって、その認識はないということです」
と、明言を避けた。
出席した記者からは「安倍晋三首相との関係はどうなっているのか。第1次政権では54日で退任し、第2次政権では一切声をかけられていない。安倍首相は『女性の活躍』を言うけれど、あなたはまったく登用されていない」という質問もあがった。
小池氏は「54日ではない、55日です」と訂正した上で「第1次政権では(防衛省の守屋武昌・元)事務次官に退任を迫ったところ、男性ベテラン議員から『女はもののふの気持ちが分からない』としかられた。利権構造を徹底的に解明していくこともやっていきたい」と答えたあと、安倍首相との関係について、以下のように一言だけ述べて煙に巻いた。  
 
小池百合子氏が表情こわばらせた “在特会との蜜月”問う声
都知事選挙に向け暴走が止まらない小池百合子氏。8日は外国人特派員協会で“流暢な英語”をアピールだ。会場は160人もの大入りで、約30人の外国人記者が参加。冒頭の20分は小池氏がすべて英語でスピーチした。
「Two policy platform of Tokyo are Diver−City and Smart City」(東京をダイバーシティーとスマートシティーという2つの軸でつくっていきたい)
「of the people,for the people,by YURIKO KOIKE」
決めゼリフやジョークも織り交ぜたスピーチは確かにうまい。
その後の質疑応答では、「私は日本の伝統である“根回し”ができないので、突然の立候補になった」「防衛大臣の時、(逮捕された)事務次官と戦った。自民党のベテラン議員から叩かれた」「死文化していた女性登用の閣議決定を私が問題提起して、アベノミクスの“女性活躍政策”に反映させた」などと自分をほめまくり。
ある外国人記者が、「ゆくゆくは首相になるつもりはないのか」と持ち上げると、「今は知事になることを考えている」とまんざらでもない様子。外国人記者は、なぜか小池氏に好意的だ。
“シャンシャン会見”で終わろうとしていた時、ジャーナリストの江川紹子氏の質問が空気を一変させた。
「ヘイトスピーチ対策法が成立した。自治体の首長としてどう取り組むのか。小池さんは野党時代の2010年、ヘイトスピーチをやってきた“在特会”関連の講演をされていますが、事実ですか」
小池氏は一瞬表情をこわばらせたが、キッパリとこう言った。
「対策法にのっとってやるべきことはしっかりやっていきます。いろいろな講演に出ていますが、在特会がどういうものか存じ上げませんし、主催された団体と在特会の関係も知らない。したがって在特会の講演をしたという認識はありません」
当時、講演会の案内には〈演題:「日本と地球の譲りかた」講師:「小池百合子衆議院議員」主催:「そよ風」協賛:「在日特権を許さない市民の会 女性部」〉とハッキリ書いてある。
“潔さ”をウリにするオンナにゴマカシは似合わない。  
 
小池百合子「"根回し"があまり上手くないと反省」
8日、東京都知事選への出馬を予定している小池百合子氏が日本外国特派員協会で会見を開き、リンカーンの演説を引いて「of the people, for the people, by Yuriko Koike」とスピーチした。
都庁の中での女性登用も積極的に推進する考えを示した小池氏。自民党からのバックアップが得られていないことについては
「自民党からの推薦を賜われれば、と今も思っております。
東京の場合、普通は後から手を上げたほうが得だ、みたいな印象がありますけれども、人に推されて立候補するのも一つのアイデアですが、意志のある、情熱のある人が提示して、それを都民の皆様、有権者の皆様に選んで頂くのが当然の話のように思います。
私、あまりに日本の伝統技術であります"根回し"があまり上手くないと反省しておりますが、それを越えて私の情熱が強かった、ということをご理解いいただきたいと思います。自民党アベノミクスの一丁目一番地は『女性の活躍』ですので、私は自信を持って手を上げたところです。」と回答。
第一次安倍政権では防衛大臣に起用されたものの55日で辞任したことから、安倍総理との関係について問われると「一言だけ、"That's Politics"とお答えしておきたいと思います」と冗談交じりにかわした。
また、ジャーナリストの江川紹子氏からは、「ヘイトデモで知られている在特会の関連団体の講演をおやりになり、在特会が協賛したという情報も出回っていますが、それは事実か」との質問が出た。
小池氏は「いろんな講演会に招かれることがございます。在特会という名前が最近出ておりますが、私はよく存じておりません。招いてくれた会とどういう関係かは知り得なかったということでございます。その認識はありません」と説明、ヘイトスピーチについても法令に則って対策をしていく方針を示した。  

 

 
政界渡り鳥の異名を持つ小池百合子元防衛相にとって東京都政は新天地となるのか
所属する自民党都連に事前の連絡もないまま、舛添要一前知事の辞職に伴う東京都知事選への立候補を表明した小池百合子元防衛相。都知事選といえば、「後出しじゃんけん」が有利とされるが、その定石を覆し、党都連や都議団の反発は織り込み済みとばかりに先手、先手で仕掛ける。日本新党で初当選した後、現在の自民党まで5つの政党を渡り歩いてキャリアを重ね、「政界渡り鳥」と揶揄されるだけに、したたかさが見え隠れする。
小池氏は、都知事選への立候補を正式表明した7月6日の記者会見で「このままでは推薦を得られないので、不本意ながらパラシュートなしの立候補となる。もちろんリスクは山ほどある」と退路を断っての出馬を強調。その上で「首都東京の改革、都民目線によるさまざまな問題解決のために覚悟を持って臨みたいと思う。むしろ、しがらみのない都民の目線で戦えるということで、ある意味ふっきれたところもある」と述べ、提出した推薦願をめぐり結論を参院選後に先送りした都連との対決姿勢を鮮明にした。
その小池氏の政界入りは、平成4年。テレビ東京のニュース番組のキャスターだった小池氏に、この年の参院選を前に複数の党が出馬を打診した。この中から熊本県知事を務めた細川護煕元首相が立ち上げた日本新党に入党し、比例代表で初当選を果たしたのだった。翌年には衆院にくら替えし、旧兵庫2区から出馬して当選。しかし、6年に日本新党の解党に伴う新進党の結党に参加。ここから、小池氏の政界渡り鳥人生が始まるのだ。
新進党では、初代幹事長の小沢一郎氏(現生活の党と山本太郎となかまたち代表)の側近となり、9年に新進党が解党すると、小沢氏が党首を務める自由党の結党に参加。12年に自由党が分裂すると小沢氏とたもとを分かち、今度は保守党結党に参加した。しかし、14年の保守新党結成を前に保守党を離党。同年、自民党に入党する。
自民党入党後は、小泉純一郎元首相に重用され、15年に第1次小泉内閣で環境相として初入閣。第3次改造内閣まで務め、17年には夏場の電力消費を減らすため、冷房温度を上げて軽装を奨励する「クール・ビズ」の旗振り役を務めた。この年の郵政解散に伴う衆院選では、郵政民営化法案に反対票を投じた小林興起氏の「刺客」として東京10区に国替えして出馬し、当選を果たして一躍脚光を浴びた。
18年には第1次安倍晋三内閣で、首相補佐官に就任。19年に久間章生防衛相が原爆投下をめぐる不適切発言で辞任すると、その後任として起用され、女性初の防衛相ともなった。
21年に自民党が野党に転落すると、谷垣禎一幹事長の推薦人に名を連ねて勝利に尽力。谷垣氏が総裁となると22年には総務会長に就任、結党以来初めて女性として党3役入りした。
華麗な小池氏のキャリアは、5党を渡り歩いた政界遍歴とともに、時の権力者に取り入るように見え、反発を招いてきた。6日の記者会見では「『政党がコロコロ替わる』というようなご指摘もいただいている」と、政党を渡り歩いたことに批判があることは重々承知のよう。ただ、「それは政党の離合集散の結果。政党名が変わっただけであって、私の主張、思想、そして信念は一度も変えたことがない」と強調したのだった。
ただ、次々と党を渡り歩き、潮目を読むのにたけた小池氏も自民党の政権復帰前の24年総裁選で見誤った。このときの総裁選で小池氏が推したのは、安倍晋三首相(党総裁)と激しく争った石破茂地方創生担当相。推薦人にこそ名前を連ねなかったが、党員投票で優位に立った石破氏と首相による決選投票が確実な情勢になると、街頭演説に立ち「党員票を反映しない総裁選はあり得ない。国民を裏切らないのが自民党だ」とも訴えたのだ。
これ以降、小池氏と首相の間には距離ができたのだ。第1次安倍政権では首相補佐官、防衛相も務めた小池氏だったが、第2次政権以降は主要ポストからは遠ざかっている。昨年の総裁選は無投票で首相が再選、30年9月までの総裁任期中に小池氏が主要ポストに返り咲くチャンスは少ないだろう。小池氏の都知事選へのくら替えは、こうした事情が背景にあるとみられるのだ。
しかし、転んでもタダでは起きないのが小池氏だ。20年を超える国会議員生活で身につけた勝負勘と政治手法は今回の出馬表明にも生かされている。
後出しじゃんけんならぬ先出しじゃんけんで出馬を表明したのは、自民党が当初、擁立を画策していた桜井俊前総務事務次官に都連会長の石原伸晃経済再生担当相が出馬を打診する直前のこと。機先を制するように小池氏自身が出馬を表明したことで、固辞していた桜井氏は「私でなくとも、自民党には候補者がいるではないか」とばかりに辞退する意向を強め、結果、都連は擁立を断念せざるを得なかった。
出馬表明を事前に伝えなかったことに石原氏ら党都連が反発すると、それさえも武器にする。6日の記者会見では、推薦の可否を参院選後に先送りしたのは小池氏への嫌がらせだとでも言いたかったようで、「自民党は家族的で素晴らしいが、都連は改革が必要だ」「(都連は)どこで誰が何を決めているのか不透明、ブラックボックスだ」と発言し、巨大な組織に立ち向かう演出もする。党都連を“敵役”に仕立てて戦う姿勢は、無党派層を取り込む狙いがあるのだろう。
こうしたやり方は、郵政民営化の反対派を「抵抗勢力」と位置付け、ファイティングポーズをとることで国民の支持を得た小泉純一郎元首相の「劇場型」の政治手法から学んだのかもしれない。
6日の記者会見で公約の第一に、「都民目線の信頼回復のため」として、知事になった場合、都議会を冒頭解散することを打ち出したのは、都民へのインパクトだけでなく、党都連や都議団への牽制でもある。この公約に都連などが反発すれば、さらに「弱いものいじめ」「都民と都議会との乖離」を強調するだろう。
もちろん、都知事に都議会を解散できる権利などはない。都議会が解散に踏み切ることができるのは、知事に対する不信任決議案が可決されたときで、この公約は小池氏が知事に当選した場合、自民、公明両党が多数を占める都議会が反発して不信任決議案を出すことを想定したものだ。逆に、都議会が不信任決議案を出さなければ信任したことにもなるのだ。小池氏は、したたかに作戦を仕掛けている。
都連関係者は「相手の土俵に乗らない。無視するしかない」と対応に苦慮する。若手都議も「小池氏を除名なんかして、刺激しない方がいい」と漏らす。
ところで、自民党が7月上旬に行った都知事選に関する調査では、小池氏と都連が擁立を目指す増田寛也元総務相(64)のどちらを支持するかを聞いたところ、小池氏がダブルスコアで増田氏を引き離したという。ただ、小池氏と自民、公明両党が支援する増田氏との別の対立構図での聞き方では、増田氏が小池氏を逆転していた。都連は、参院選が終われば、組織力で小池氏をねじ伏せる作戦を本格させる見通しだ。
組織力の都連に対し、知名度としたたかさで小池氏が争う今回の都知事選。分裂選挙の果てに、小池氏は新天地に選んだ都政にたどり着けるのか、注目される。  
 
小池氏、韓国人学校貸与を白紙に
東京都知事選への立候補を表明した自民党の小池百合子元防衛相は9日、新宿区の旧都立市ケ谷商業高校を視察に訪れた。同校を韓国人学校に有償貸与するとの舛添要一前知事の方針をめぐり、小池氏は「地域の皆さんが納得していない」として、自らが当選した場合は白紙に戻す考えを記者団に表明した。跡地を保育所などに活用する案も示した。
一方、自民党都連が擁立を目指す増田寛也元総務相は10日の出馬表明に向け公約づくりなどの準備を進めており、9日午後には都内の町村長有志と意見交換する。知事選には、俳優の石田純一氏が野党4党の統一候補となるなら出馬したいとの意向を示したほか、前回次点だった宇都宮健児元日弁連会長も11日に出馬表明を予定している。  
 
小池百合子氏、韓国人学校貸し出し予定地視察 増田氏は10日に出馬表明へ
東京都知事選への立候補を表明している自民党の小池百合子元防衛相が9日午前、舛添要一前都知事が、韓国人学校への貸し出しを進めていた新宿区の都有地を視察。小池氏は独自政策として「貸し出しの白紙撤回」を打ち出しており、改めて現状を把握した。8日には、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見し、語学力とユーモアを披露した。
舛添氏が、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領と勝手に約束して、都民から猛烈な批判が殺到した韓国人学校への都有地貸し出し問題。新宿区内の旧都立高校跡地が候補に挙がっていた。
小池氏は、夕刊フジの単独インタビューで、「すべて白紙だ。韓国側とどういうやりとりがあったのか、決定までのプロセスを詳細に確認したい。都有地は保育所を含め、有効な活用策を考える」と語ったが、早速、行動に移したといえる。
2020年東京五輪を見据えて、外国メディアへのアピールにも着手した。
小池氏は8日午後、エメラルドグリーンのジャケット姿で、日本外国特派員協会の会見場に登場し、約20分間、英語で独自の政策を訴え、「東京には、人々による人々のための小池百合子によるリーダーシップが必要だ」と語った。
質疑応答では、「アベノミクス一丁目一番地は『女性の活躍』ということなので、自信を持って手を挙げた」といい、自民党から推薦を得られていない現状については、「私は日本の伝統技術である『根回し』というのはあまりうまくないと反省している。それを超えて私の情熱が強かった」と述べた。
第2次安倍晋三政権下でポストから遠ざかるなど、首相との微妙な関係について聞かれると、「ザッツ・ポリティクス(それが政治)」と語り、笑いを誘った。
当選した場合の外交・安全保障政策については、「小笠原のサンゴは守りたい」といい、中国漁船によるサンゴ密漁問題には毅然として当たる考えを強調した。
一方、都議会自民党が擁立を目指す増田寛也元総務相は10日に出馬表明し、11日に記者会見するという。  

 

参院選投票日 (日中活動お休み)
 
小池百合子氏が自民都連に推薦依頼取り下げ 増田寛也氏は出馬表明を通知
東京都知事選をめぐり、自民党の小池百合子元防衛相が10日夜、同党都連を訪れ、推薦依頼を取り下げる文書を提出した。小池氏は提出後、報道陣に対し「(都知事選の)推薦取り下げをお願いした」と語った。
一方、元総務相の増田寛也氏は10日、報道各社に出馬することを通知した。11日午後0時半から都庁で記者会見を開き、正式に出馬表明する。
小池氏は、参院選の投票が締め切られた直後の午後8時すぎ、千代田区永田町の自民党本部内にある都連事務局を訪問。文書を提出後、報道陣に推薦依頼取り下げの理由を「これからの戦いで推薦をちょうだいするのは、なかなか難しい」と説明した。
また、小池氏は「明日(11日)にも進退伺いを出す」と述べた。自ら離党することについては否定した。小池氏は5日、都連側に都知事選へ立候補する意向を伝えるとともに、推薦願を提出していた。しかし、独断で出馬意向を発表した小池氏に都連は反発し、増田寛也元総務相の擁立を目指していた。  

 

 
小池百合子氏、「都議会のドンの都政運営を改める」 自民党都連に進退伺提出へ
東京都知事選をめぐり、自民党の小池百合子元防衛相が10日夜、同党都連を訪れ、推薦願いを取り下げる文書を提出した。毎日新聞などが報じた。
小池氏は参院選の投票が締め切られた直後の午後8時すぎ、自民党本部内(千代田区永田町)にある都連事務局を訪問。文書を提出後、報道陣に推薦願い取り下げの理由について「参院選が終わったが、これまで(都連の動きは)何もなく、これから推薦をもらうことも難しい」などと説明した。小池氏は「明日(11日)にも進退伺を出す」とも述べ、自ら離党することについては否定した。
前岩手県知事の増田寛也元総務相は10日夜、自民党本部を訪れ、都連会長の石原伸晃経済再生担当相に立候補を決断したと伝えて推薦を依頼している。
石原氏は「11日午前の会議に(小池氏を)招いている。そこで増田さんを応援するとなれば、立候補を取りやめることもあるのではないか」とコメントした。
小池氏は、自身のTwitterでも推薦願いの取り下げを報告。「都知事選には推薦なしで出馬いたします」「『都議会のドン』やひと握りの幹部による都政運営を改める」などとツイートした。  
 
自民、増田氏を推薦 公明都本部も前向き
東京都知事選で自民党都連は11日午前、所属国会議員や都議らが集まる会議を開き、10日に立候補の意思を示した前岩手県知事の増田寛也元総務相の推薦を正式に決めた。今後、党本部に報告して了承を得る見通し。増田氏は11日、公明党都本部にも推薦を依頼し、都本部側は前向きな姿勢を示した。増田氏は同日昼に記者会見して正式に出馬を表明する。
増田氏は10日夜、自民党都連会長の石原伸晃経済再生担当相に推薦を依頼し、石原氏は「2代続けて知事が辞職した混乱をまとめられるのは総務相を務め地方自治と東京に精通している増田さんしかいない」と語った。11日の都連の会合には増田氏も出席し、これまでの経緯が報告され、推薦を決めた。
これに先立って増田氏は11日午前、公明党都本部を訪問した。都本部は、自民党衆院議員の小池百合子元防衛相が出馬表明していることを踏まえ、「保守が分裂した場合、どちらかを推すことはない」(幹部)との姿勢を示していた。
しかし、都本部代表の高木陽介副経済産業相は11日、「告示まであとわずかなので速やかに党として協議を進めたい。増田氏は知事経験者で地方創生、地方分権の問題に見識がある人だ」と推薦に前向きな姿勢を見せた。
小池氏は10日夜、都連に出していた推薦願を取り下げた。これに対し石原氏は「11日の会議に招いている。そこで(都連が)増田さんを応援するとなれば立候補を取りやめることもあるのでは」と話していた。しかし、小池氏は11日朝、報道陣の取材に「都連の会合には出席しない。(増田氏は)立派な候補者だと思うが、都民への訴えを中心に選挙戦を展開したい」と述べ、出馬の意思は揺るがないことを強調した。
一方、民進党は都連が前神奈川県知事の松沢成文参院議員(58)や元経済産業省官僚の古賀茂明氏の擁立を目指し、党本部と協議することを決めている。他方、市民グループに推された俳優の石田純一氏は、野党4党の統一候補となることを条件に出馬するとしている。
また、前々回と前回の都知事選に立候補した宇都宮健児・元日本弁護士連合会会長(69)は、11日午後に記者会見し正式に3回目の出馬を表明する予定。
野党各党は党内調整を踏まえ、近く候補者擁立について判断するとみられる。  
 
自民党都連、小池百合子氏に怒り爆発「あまりに党を侮辱した姿勢」
東京都知事選で自民党都連は11日午前、所属国会議員や都議らが集まる緊急支部長常任総務会議を開き、前岩手県知事の増田寛也元総務相の推薦を正式に決めた。
都連会長の石原伸晃経済再生担当相は党本部に報告した。都知事選に立候補した、同党豊島区支部長の小池百合子氏は欠席した。
会議では、都連幹部から党の意向に背き出馬宣言した小池氏に対しての怒りや不満の声が噴出した。都連最高顧問の深谷隆司元通産相(80)は「小池さんは、都議会を解散させるという。都知事にそんな権限ないのに。また、都連を改革するともいう。何を改革するのか分からない。小池さんは都連でずっと活動してきたが、今までそんなこと聞いたことない」と小池氏の掲げた公約に疑問を呈した。
その上で「まったく子供だましの言い方。知事選の費用は50億円以上かかる。さらに都議選をやるなど、税金を何だと考えているのか。お出になるなら政策を語るべき。許し難い発言だ」と批判した。
都連幹事長代行の萩生田光一副官房長官は、小池氏が10日夜に党本部を訪れ、都連への推薦依頼を取り下げた時の様子について「石原会長がいない時にきた。『直接会長に手渡してほしい』と言ったが、紙1枚置いて退席された」と明かした。
続けて「候補者を都連執行部に一任すると決まったにもかかわらず無視した。参院選の最中にこれだけ世間を騒がせ、党に迷惑をかけておきながら、紙1枚で推薦願を取り下げるのは、あまりに党を侮辱した姿勢で憤りを感じる」と語気を強めた。参院選の間、他県の県連などから「党が分裂している印象を与える。きちっと対応してほしい」と多くの批判が都連に寄せられたという。
増田氏は10日夜、石原氏に直接推薦願を提出。この日の会議にも出席し「都政が混乱と停滞をする中で課題は山積している。総務相、岩手県知事として培った実務能力を都政の立て直しに生かしたい。私も頑張ります」と力強く決意を語った。  
 
小池百合子氏がゴルフコンペや事務所経費問題に猛反論
参院選の投開票が終わると同時に、大混迷の東京都知事選がスタートした。自民党都議団は増田ェ也・元総務相の擁立に動き、反発した小池百合子・元防衛相が出馬会見で都議会の「冒頭解散」「利権追及」を公約して対抗した。
互いの弱点を握っているが故に内ゲバはスキャンダル暴露合戦が激しくなるのは今回に限ったことではないが、出馬の意思を示すやいなや、小池氏に噴出した「政治とカネ」の疑惑に本人はどう反論するのか。
「こうなるから出馬しない方が良かったんだ。舛添の二の舞になるぞ」
自民党の選対幹部はニヤリと笑った。
「百合子の乱」で東京都議団にケンカを売った小池氏の「政治とカネ」をめぐって、“身内”の自民党内に複数の文書や情報が流れ、新聞・テレビから週刊誌、ネットメディアまでバッシングが過熱している。
そうした情報には、小池氏の党支部や政治資金団体の膨大な資金の出入りのうち、“不透明な部分”がピックアップされている。
産経新聞が報じた小池氏の党支部事務所の格安家賃問題も情報として出回っていたもので、疑惑報道の“アンチョコ”になっていることがうかがえる。
「都知事選の告示日(7月14日)まで順番に報道が出てくるんじゃないか」
前出の自民党幹部はそう予言する。
ならば、この際いっぺんに紹介しよう。いずれも取り沙汰されている内容を本誌が改めて政治資金報告書などから確認した。
ゴルフコンペ不記載問題 / 小池氏は政治資金パーティや「Ysフォーラム」といった後援会の会合、「Ysカップ」というゴルフコンペ、忘年会を開いているが、4年分(平成23〜26年)の政治資金収支報告書の記載とホームページの活動記録を照合したうえで、ゴルフコンペ3回と忘年会3回の収支が記載されていないことが指摘されている。本誌が確認すると、確かに記載はなかった。政治資金規正法に抵触する可能性がある。ちなみに『週刊文春』は、このほかに2つの政治資金パーティ(Ysフォーラム)について報告書に記載がなかったことを指摘している。
経費使いすぎパーティ / 国会議員の資金集めパーティは参加者に提供する飲食代など経費を低く抑え、できるだけ多くの利益を稼ごうとする。だが、小池氏のパーティは原価率が高く、あまり儲かっていない。ある文書では、小池氏のパーティやフォーラムの原価率は30〜50%が多く、なかには90%超もある。議員パーティの平均原価率(毎日新聞報道によると約17%)より高いことから、「収入をごまかしているのではないか」と指摘。
格安事務所家賃 / 政党支部の家賃(月額約15万円)が相場の半額程度と安く、差額は家主からの献金にあたるのではないかとの指摘(産経報道)。
「電通」献金 / 収支報告書によると、小池氏の政党支部は2014年12月30日に大手広告代理店「電通」から20万円の献金を受けている。同社はこの年、農水省の「日本食・食文化」の宣伝事業を受注しており、国から補助金や給付金を受けた企業の献金を禁じた政治資金規正法や、国の事業を受注した企業からの選挙のための寄付を禁じた公選法などに抵触するのではないかという問題。
金券ショップに多額の支払い / 2012年の総選挙前に金券ショップに「郵送代」として約57万円を支払っている。「何を買ったのか。もし、商品券などを選挙で配っていれば違反」(都連関係者)という。
「花代」問題 / 2014年には「花代」として1年間に約97万円を支出。これも、選挙区内の後援者の葬儀などに花輪を送っていれば公選法に抵触する可能性がある。
渦中の小池氏にぶつけた。
「政治資金の公私混同は一切ありません。収支報告書の記載の中に私の目が行きとどかないミスや記載漏れがあるかもしれないが、ご指摘いただけばキチンと改めます。しかし、ためにする批判、悪意に満ちたネガティブキャンペーンには負けません」
そう猛然と反論した。個別の問題についてはかわって小池事務所の会計責任者が答えた。まず金券ショップ、花代、事務所家賃、電通献金の説明はこうだ。
「金券ショップで購入したのは切手で、大量に買いすぎたために翌年や翌々年はほとんど切手代はかからなかった。領収証も『切手代』となっている。金券を配ったなんて論外です。花代は同僚の先生方への大臣就任祝いや以前の選挙区だった兵庫の後援者の葬儀への献花などで、現在の選挙区内には出していない。
家賃は小池が会見で説明したとおり、『空き室だから家賃を下げるので借りてくれ』と言われて借りた通常の取引。電通の献金は選挙の寄付ではないし、補助金企業ではないから法的には問題ないと考えている。いずれも疑惑といわれるのは心外で、牽強付会すぎるでしょう」
政治資金パーティはどうなのか。
「経費がかかりすぎているのは事実で、他の議員に較べるとパーティ下手ということになるのでしょうが、出席者をおもてなしすぎだと批判されるとは思いませんでした。ただ、Ysフォーラムの事業はその他の事業として報告すべきものですが、収支が他の費目と一緒になっていました。その点を改めて、すでに政治資金収支報告書の修正を致しました」
こうした小池氏側の反論に対しても、自民党内の「小池阻止」の動きは止まらない。
「こちらには組織力がある。利権だの解散だの、あんな言い方でケンカを売られた以上、小池を絶対勝たせるわけにはいかない」
都議団幹部は青筋を立てている。7月31日の投開票日まで、さらなる爆弾が飛び交いそうだ。  
 
都知事選 小池氏が分裂選挙を陳謝 処分委ねる考え
今週14日に告示される東京都知事選挙を巡って、自民党の小池百合子元防衛大臣は11日夜、谷垣幹事長と会談し、党の了承を得ずに立候補を表明し、「分裂選挙」となることを陳謝したうえで、みずからへの処分などは党の判断に委ねる考えを伝えました。
この中で小池百合子元防衛大臣は、党の推薦を受けずに東京都知事選挙に立候補することについて、「立候補の決断には理解いただきたい。ただ、党内が結束しなければならない参議院選挙の最中に了承を得ずに立候補を表明し、結果的に『分裂選挙』となることはおわびしたい」と陳謝しました。そのうえで小池氏は、みずからへの処分などは、党の判断に委ねる考えを伝えました。
これに対して、谷垣幹事長は「考えは承った。党としてどう対応するかは、今後検討したい」と述べました。
このあと小池氏は記者団に対し、「わたしは、東京都連のさまざまな点は指摘したが、党そのものを誹謗(ひぼう)中傷しているわけではない。今後も自民党の一員でありたいと思っているが、党としては、さまざまな考えがあるのだろうから、委ねたい」と述べました。  
 
増田氏以外の応援「除名対象に」 自民都連、議員らに文書
東京都知事選をめぐり、自民党東京都連は「都知事選挙における党紀の保持について」という文書を11日付で、所属国会議員や都議らに配った。都連が推薦を決めた増田寛也元総務相以外を応援した場合には処分対象になるとし、党の支援がなくても立候補する意向を表明している小池百合子衆院議員を応援することがないよう引き締めを図るのが狙いだ。
都連の石原伸晃会長らの名前で配った文書は「挙党一致で勝利を目指して奮闘しなければならない」と強調。「党員は、党公認・推薦候補者以外の者を応援してはならない」「非推薦の候補を応援した場合は、除名等の処分の対象となる」などと記されている。都連幹部は「小池氏の地元では、まだ小池氏を応援しようとする動きがある。それをやめさせるためだ」と話す。
(「都知事選挙における党紀の保持について」・・・「各級議員(親族含む)が、非推薦の候補を応援した場合、除名処分等の対象となります」。)  

 

 
都知事選 民進党執行部 鳥越俊太郎氏の擁立方針固める
東京都知事選挙を巡り、民進党執行部は、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏を擁立する方針を固め、野党4党の枠組みで支援したいとして、鳥越氏への候補者一本化に向け共産党などと調整を急ぐことにしています。
14日告示される東京都知事選挙を巡っては、前回の選挙に共産党などの推薦を受けて立候補した日本弁護士連合会の元会長の宇都宮健児氏が、11日、立候補を正式に表明したほか、民進党の東京都連は経済産業省の元官僚の古賀茂明氏に立候補を要請し、古賀氏も前向きに検討する考えを示しました。
こうしたなか、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏が、11日、民進党の岡田代表と会談し立候補したいという意向を伝え、12日午後にも、正式に表明することにしています。
これを受けて、民進党執行部は、知名度が高いうえ都政の刷新も期待できるとして鳥越氏を擁立する方針を固め、共産党など野党4党の枠組みで鳥越氏を支援したいとして、候補者の一本化に向け調整を急ぐことにしています。
一方、自民党東京都連が擁立を進めてきた増田寛也元総務大臣は、11日、立候補を正式に表明し、自民・公明両党が12日、増田氏への推薦を決める見通しですが、自民党の小池百合子・元防衛大臣は、選挙公約を発表するなど、党の推薦がなくても立候補する構えを崩しておらず、自民党は事実上の分裂選挙となります。  
 
都知事選 民進都連、古賀氏に出馬要請 石田氏は断念
東京都知事選で、民進党都連は十一日、元経済産業省課長の古賀茂明氏に立候補を要請した。古賀氏は「大変光栄。野党の枠組みだけでなく、都民を一つにまとめることが大事」と語った。党本部内には、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏を推す声も出ており、共産、社民、生活との野党統一候補の擁立を視野に、各党間で調整を急いでいる。
統一候補で出馬を模索していた俳優の石田純一氏、民進党都議有志から要請があった元防衛副大臣の長島昭久氏は同日、不出馬を表明した。
民進都連会長の松原仁衆院議員は、古賀氏と都内で会談し「都政の無駄遣いに切り込む行政のエキスパートとして、腕をふるってほしい」と出馬要請した。
ただ、民進都連幹部によると、党本部内には古賀氏のほかに、鳥越氏の名前も浮上しており、十二日夕にも擁立候補を決定する方向で協議しているという。
一方、自民党都連が推薦の方針を決めた元総務相の増田寛也氏、元日弁連会長の宇都宮健児氏、元防衛相で自民党衆院議員の小池百合子氏が十一日、都庁で選挙公約を発表した。
増田氏は東京が直面する待機児童、介護の受け皿不足、首都直下地震という「三つの不安」の解消を主張。待機児童問題の解決策としてバス送迎による広域保育や、海外出張のルールづくりにも意欲を示した。
宇都宮氏は、行政監視オンブズマン設置などで無駄を削って暮らしの予算に充て、待機児童ゼロ、小中学校の給食無償化などを実現するとした。原発再稼働の反対も主張した。
小池氏は「東京大改革宣言」と題し、都政の透明化や東京五輪・パラリンピック関連予算の適正化、知事給与の削減などを提示。都道の無電柱化や待機児童について「できるだけゼロに近づける」と語った。  
 
都知事選、増田・宇都宮・小池3氏、重点政策どこに
東京都の舛添要一前知事の辞職を受けた知事選について3氏が11日、都庁で記者会見を開き、出馬の意向を示し、公約を披露した。3氏とも知事の任期途中の辞職が続く混乱を踏まえ、都政の安定や透明化を前面に押し出した。待機児童解消など共通する公約もあるが具体策まで踏み込んでおらず、今のところ対立軸が見えにくい状況だ。
氏の先陣を切って11日昼過ぎから記者会見した増田寛也元総務相は「4年間で3人のリーダーが交代し、都政は停滞と混乱を招いている。その間に多くの課題が山積している」と指摘。岩手県知事や総務相としての行政経験をアピールし、課題解決を急ぐ考えを示した。
3度目の都知事選に挑む宇都宮健児・元日本弁護士連合会会長は「クリーンな都政を実現する」と強調。知事から独立した行政監視オンブズマンを都庁内に設置する案などを明らかにした。五輪経費の圧縮や、過去の都政の無駄遣いの洗い出しを進める考えも示した。
小池百合子元防衛相も「東京大改革宣言」と銘打って、都政の透明化を主張。「都民の信頼回復が絶対」として特に五輪関連の予算・運営の適正化と行財政改革の推進を訴えた。
個別の施策も似た部分がある。増田氏は(1)子育て(2)高齢化(3)災害――の「三つの不安」の解消を掲げ、福祉の施策や首都直下地震への備えを強化する。待機児童は早期の解消を目指す。「三つの成長プラン」として(1)五輪・パラリンピックの成功(2)観光など経済の活性化(3)持続可能な都市づくり――なども訴えた。
宇都宮氏、小池氏とも表現こそ違うものの「待機児童ゼロ」を目標とする。増大する福祉施策の財源を五輪経費の精査や無駄の排除で捻出するという点でも共通する。
ただ待機児童対策などは「誰が知事になっても当然直面する課題」(都庁幹部)だ。各候補は重要テーマと位置づけながらも、具体的な対策には踏み込んでいないため、違いがわかりにくい面がある。
舛添前知事も待機児童解消を公約に掲げ、国家戦略特区を活用した公園内保育所の解禁や官民ファンドによる子育て施設整備などを進めたが、潜在的保育需要とのいたちごっこが続いた。各候補も今後、具体的で実効的な取り組みの検討が求められる。
力を入れる分野の比重や関心の濃淡はそれぞれ異なる。宇都宮氏は小中学校の給食費の無償化や都独自の給付型奨学金の創設も公約に挙げるなど福祉の充実が最優先だ。経済対策も個人商店などの支援を重視する。築地市場の豊洲市場への移転も中断する意向だ。
小池氏は増田氏と同様に成長戦略にも重きを置き「金融先進都市」を目指す方針を打ち出した。「(金融街としての)東京の座はアジアのほかの都市、例えばシンガポールに奪われている」として「アジアでナンバーワンの地位を取り戻す」と明言。地域限定で規制を緩和する特区の手法を活用する考えだ。
都知事選を巡っては11日、民進党都連が経済産業省出身の古賀茂明氏に出馬を要請した。  
 
「小池の乱」は「小池劇場」へ 台風の目に発展か
 「見せ方がうまい」と舌を巻く永田町関係者
都知事選で自民党は分裂選挙に突入する。元防衛相の小池百合子衆院議員は同党が最大派閥の都議会を痛烈批判。手法は郵政選挙で抵抗勢力との闘いを演出、強烈な求心力を生み出した小泉純一郎元首相に通じる。「小池劇場」に注目が集まる中、同党は元総務相、増田寛也氏を擁立した。
「テレビで選挙速報を見ていたら急に騒がしくなった」(同党都議)。参院選の投票が締め切られた直後の10日午後8時すぎ、自民党本部に突然、スーツ姿の小池氏が姿を見せた。党都連への推薦依頼の取り下げに来たことを明かした。
6日の出馬会見で「都議会の冒頭解散」をぶち上げた。都連の意思決定をブラックボックスと批判した。
「見せ方がうまい。風は小池氏に来ている」と永田町関係者。同党都議も「インパクトがある。いいようにやられて、どう巻き返すか」と焦りを口にした。当の小池氏は11日も「議会のドンの支配ではなく、都民のための都政を取り戻す」と発言、意気盛んだ。  
 
都知事選 宇都宮氏「出馬の意志揺らいでいない」
東京都知事選挙に立候補を表明している、日本弁護士連合会の元会長の宇都宮健児氏は、民進党が野党4党の枠組みでジャーナリストの鳥越俊太郎氏を支援しようとしていることについて、「今は出馬の意志は揺らいでいない。公の場で鳥越氏と政策について討論したい」と述べました。
宇都宮氏は11日に都庁で記者会見し、14日に告示される東京都知事選挙に立候補することを表明しています。
宇都宮氏は前回、前々回の都知事選挙に立候補した際は、共産党と社民党の支援を受けましたが、今回は今のところ政党からの支援は得られていません。
一方、民進党は11日、東京都連が経済産業省の元官僚の古賀茂明氏に立候補を要請しましたが、最終的にジャーナリストの鳥越俊太郎氏を擁立することを決め、野党4党の枠組みで支援したいとして、鳥越氏への候補者一本化に向け調整を急いでいます。
宇都宮氏は12日昼前、都内で報道各社の取材に応じ、「今は出馬の意志は揺らいでいない。鳥越氏の立候補はけさ報道で初めて聞いたが、都政についてどういう考えを持っているか聞いたことがないので、公の場で討論したい」と述べました。そのうえで「これまで自民党と公明党が勝てる候補者を優先した結果、2代続けて知事が任期途中で辞めている。それにもかかわらず、野党も政策を抜きにして、選挙に勝つためだけに知名度が高い候補者を探しているようで、違和感を感じる」と述べ、野党側の候補者の選び方に疑問を呈しました。  
 
 
 
鳥越氏「時代の流れ、元に戻す力に」 
ジャーナリストの鳥越俊太郎氏は12日、都内で記者会見し、東京都知事選に立候補すると表明した。
鳥越氏は「76歳で、残りの人生はそんなにあるわけではない。もしチャンスを与えていただけたら誠心誠意、住んでよし、働いてよし、環境によし、三つのよしのために全力を捧げたい」と述べた。出馬を決めたのは11日夕方とした。
さらに、「あえて付けくわえるなら」としたうえで、立候補を決めた理由を「参院選の結果で、憲法改正が射程に入っていることがわかった。日本の時代の流れが変わり始めた。東京都の問題でもある。国全体がそういう方向にかじを切り始めている。元に戻す力になれば。それを東京から発信したい」と語った。  
 
 
 
 
 
鳥越氏出馬へ民進支援 都知事選の構図固まる 
東京都知事選で、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏が十二日、本紙の取材に「参院選で改憲勢力が三分の二を取った結果に触発され、自分にできることをやろうと決意した」と語り、立候補する考えを明らかにした。十二日午後に都内で記者会見し、正式に出馬表明する。
民進党は鳥越氏を支援する方針を決め、共産、社民、生活との野党統一候補として擁立する方向で最終調整に入った。
十一日に元日弁連会長の宇都宮健児氏が出馬表明し、野党統一候補の擁立に向け鳥越氏との一本化が焦点となる。自民党都連が推薦の方針を決めた元総務相の増田寛也氏と、元防衛相で自民党衆院議員の小池百合子氏=東京10区選出=も立候補を表明しており、告示二日前に選挙戦の構図がほぼ固まった。
鳥越氏は十一日に民進党の岡田克也代表と会談し、都知事選に出馬する意向を伝えたという。野党四党は十二日午後に幹事長・書記局長会談を開き、参院選と同じく共闘を確認する。
鳥越氏は取材に「参院選の結果にぼうぜんとなった。民進党から頼まれたわけではなく、自分で決めた」と述べた。
鳥越氏は福岡県出身で京都大卒。一九六五年に毎日新聞社に入社し、サンデー毎日編集長などに就任。八九年に退社後はテレビ番組のキャスターや関西大教授を務めた。がんの手術を受けた経験もあるが、鳥越氏は「手術から十一年もたっているし、今は元気だ」としている。
民進党は、党都連が十一日に、元経済産業省課長の古賀茂明氏(60)に出馬を要請していた。党執行部は鳥越氏の意向を受け、古賀氏に対し、鳥越氏を支援する考えを伝えた。古賀氏は十二日、鳥越氏を支援するとして、出馬を見送る意向を記者団に明らかにした。
古賀氏見送り 鳥越氏を支援
野党四党が鳥越氏を推す方向で最終調整に入ったことを受け、古賀氏は十二日午後、国会内で記者団の取材に「鳥越俊太郎さんが本気で出るなら応援したい」と語った。古賀氏によると、十一日夜に民進党の岡田代表と会談した際、「鳥越氏からも出馬の意向を聞いている」と伝えられ、自ら鳥越氏を支援したいとの考えを話したという。
宇都宮氏は十二日、記者団に「密室で候補者を決めるやり方でいいのか。どんな政策を掲げて戦うかが重要。公の場で討論した上でどうするか決めたい」と述べ、出馬の意思に変わりがないことを強調した。
公明党は十二日の持ち回りの中央幹事会で、増田氏の党本部推薦を決めた。斉藤鉄夫選対委員長は、記者団に「混乱した都政を立て直す上で安定した政治・行政運営の手腕が期待できる」と語った。自民党都連も十一日の会合で増田氏の擁立を決め、党本部に推薦を申請している。
自民党では小池氏も立候補を表明していることから、同党は一九九九年都知事選以来の分裂選挙になる。  
 
 
 
 
過去4回「後出しじゃんけん」当選…さて今回は
 有権者1100万人超 大量票獲得に、やはり「知名度」?
東京都知事選は14日の告示まであと2日。今回のように現職が出馬せず新人同士が争った過去4回の都知事選は、いずれも最後に正式な出馬表明をした主要候補者が当選しており「後出しじゃんけん」が有利との見方もある。さて今回は−−。
主要候補者で最も早く出馬表明したのは、6月29日に記者会見した小池百合子元防衛相。参院選投票翌日の11日になって、自民党都連が推薦を決めた前岩手県知事の増田寛也元総務相と宇都宮健児・元日本弁護士連合会会長が、相次いで記者会見し正式に立候補を表明した。民進党は12日、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏の擁立に向け最終調整に入った。
2014年選挙は2回目の挑戦となる宇都宮健児・元日本弁護士連合会会長が早々に立候補表明し、告示9日前に細川護熙元首相、続いて舛添要一前知事が出馬記者会見を開いた。結局、主要候補者で最後に出馬表明した舛添氏が宇都宮氏、細川氏に100万票以上の差をつけ当選した。
12年選挙も告示8日前に出馬を表明した猪瀬直樹元知事が都知事選最多の434万票を獲得して大勝した。1999年選挙は告示15日前に立候補表明した石原慎太郎元知事、95年選挙も告示13日前に表明の青島幸男氏が当選している。
都知事選で後出しじゃんけんが有利な傾向となる背景には、有権者が1100万人超(6月時点)で、知名度や話題性のある候補者でないと大量の票を集めにくく「人気投票」になりがちな状況がある。こうした候補者は出馬表明が後になるほど、有権者の印象が強くなると言える。一方で、有権者が各候補者の主張を十分に吟味できないまま、投票しなければならない弊害も危惧される。
それでも、これら過去4回は告示1週間前までに主要候補が出そろい、有権者が政策や人柄について情報を集める一定程度の時間があった。しかし、出馬表明が大幅に遅れている今回は、そうした時間が限られている。
ある都幹部は「東京は2代続けて知事が『政治とカネ』の問題で辞職した。今回は人気投票ではなく政策重視で選ばれてほしいと期待していたが……」と話す。  

東京都知事選の告示を14日に控え、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏が12日、都内で記者会見し、「住んで良し、働いて良し、環境に良しの東京都のために私の全力をささげたい」と述べ、無所属での出馬を表明した。これを受け民進、共産、社民、生活の野党4党は幹事長・書記局長会談を開き、鳥越氏を野党統一候補とすることで一致した。
与党への対抗軸としては、既に出馬を表明し、前回の都知事選では共産党などの推薦を受けた元日弁連会長の宇都宮健児氏の動きが焦点となっている。宇都宮氏は同日、都内で鳥越氏と会談。記者団から、立候補を辞退する可能性について問われ、「そういうのを含め、選挙の準備をした仲間と相談して決断したい」と述べた。民進党都連から出馬要請を受けていた元経済産業省官僚の古賀茂明氏は見送りを表明した。
鳥越氏は、毎日新聞記者や「サンデー毎日」編集長を経て、1989年に退社後、テレビの報道番組でキャスターを務めるなど知名度が高い。出馬を決めた理由について「日本は戦後70年間、平和な時代を過ごしてきたのに、時代の流れがちょっと変わり始めたなと参院選の時に感じた。自分なりに流れを少し変える、元に戻すような力になればと、それを東京都から発信できれば素晴らしいなと思った」と語った。 
舛添要一氏の辞職に伴う今回の都知事選をめぐっては、自民党と公明党が元総務相で岩手県知事も務めた増田寛也氏の推薦を決めている。一方、自民党の小池百合子元防衛相も出馬を表明、党の推薦がなくても立候補する姿勢を崩しておらず、17年ぶりに「保守分裂選挙」に突入する。
選挙戦では、待機児童の解消など社会保障政策や首都直下地震に備えた防災対策の他、開催費用が当初の見込みを大幅に上回るとも懸念されている20年東京五輪・パラリンピックへの対応などが争点となる見通し。
舛添氏が高額な海外出張費や公用車の私的利用の問題で厳しい批判を浴びたのを受け、「政治とカネ」の問題や都政の透明性向上も議論となりそうだ。  
 
自民、増田氏以外の応援処分
東京都知事選の告示まで2日に迫った12日、自民党東京都連は11日、前岩手県知事の増田寛也氏の推薦を決めると同時に、所属する国会議員や地方議員に対し、党が推薦していない候補者を応援した場合に除名などの処分を科すとする文書を配布した。
自民党衆院議員の小池百合子元防衛相が出馬表明しており、組織を引き締め、分裂選挙の影響を可能な限り避ける狙いがあるとみられる。
文書は「都知事選における党紀の保持について」と題し、都連会長の石原伸晃経済再生担当相や都連幹事長の内田茂都議らの連名で出された。党公認・推薦候補者以外の者を応援してはならない▽各級議員(親族含む)が非推薦の候補を応援した場合は除名等処分の対象となる−−などとしている。
小池氏の選挙区である東京10区(練馬区の一部と豊島区)の自民党関係者からは「こんな文書は初めて見た」という驚きや、「支援するなというなら小池さんを除名にするのが筋では」との声も上がる。
選挙戦ではポスター張りや演説会の手伝いに参加するかが「踏み絵」となる。豊島区の女性党員は「文書は党が地元の動きを怖がっている証拠。みっともない」と話した。  

 

 
あす告示 鳥越俊太郎氏、野党統一候補に「改憲の流れ変える」
舛添要一前東京都知事の辞職に伴う都知事選が14日、告示される。安倍政権に批判的なジャーナリストの鳥越俊太郎氏が12日、都内のホテルで記者会見を開き、「改憲の流れを変えたい」などと出馬を表明した。民進、共産、社民、生活の野党4党の幹事長らは国会内で会談し、「都政の刷新」のため鳥越氏を支援することで一致した。一方、前回選で共産党などの支援を受けた元日弁連会長の宇都宮健児氏(69)は出馬の意向を堅持しており、野党も分裂含みの状態となった。
鳥越氏は記者会見で「あらゆる市民と連合し、手を組み、選挙を戦いたい」と訴えた。出馬の動機については「参院選の結果を受けて、昨日(11日)の夕方ごろに決めた。戦争を知るものとして、改憲の流れを変えたい」と述べた。選挙公約は作成中として示さなかった。
これを受け、民進党都連が11日に出馬要請していた元経済産業省課長の古賀茂明氏は「鳥越氏の応援をしたい」と出馬を辞退。鳩山邦夫氏の元公設秘書で元ジャーナリストの上杉隆氏も12日に都庁で出馬表明したが、「都政をよくするためなら(野党共闘の)話し合いに応じる」と述べ、撤回に含みを残した。
3回目となる立候補を予定していた宇都宮氏は都内で鳥越氏と会談。報道陣に「いまのところ出馬の意志は変わっていない。(鳥越氏は)都政でなにをしたいのか。支援してくれている仲間が納得できる対応を取りたい」と述べた。
一方、自民、公明両党は元総務相の増田寛也氏を推薦することを決めた。政党の支援なしに出馬する元防衛相の小池百合子氏との保守分裂選挙になる見通し。  
 
鳥越、宇都宮氏の調整焦点=都知事選あす告示
東京都知事選は14日告示される。民進、共産、社民、生活の野党4党はジャーナリストの鳥越俊太郎氏を統一候補として支援する方針で、支持層が重なるとみられる元日弁連会長の宇都宮健児氏と13日中に候補者を一本化できるかどうかが焦点だ。
宇都宮氏は前回の都知事選で共産、社民両党の推薦を受け、次点となる98万票余を獲得した。今回出馬を辞退すれば、野党票が鳥越氏でまとまる可能性が高くなる。
宇都宮氏は12日、都内のホテルで鳥越氏と会談したが、一本化について結論は出なかった。会談後、出馬辞退の可能性について「選挙の準備をした仲間と相談して決断したい」と述べた。
陣営内では、野党票の分裂を懸念する声がある一方、「後から出てきた人(鳥越氏)のために降りろなんてとんでもない」という意見も強いという。今後は鳥越氏側と政策協議などを進める考えだ。  
 
都知事選告示前に共同会見 4人が政策を訴え
東京都知事選挙が14日告示されるのを前に日本記者クラブ主催の共同記者会見が開かれ、立候補を予定している4人が首都・東京をどう変革していくかそれぞれが重点として掲げる政策を訴えました。
東京都内で開かれた共同記者会見には、小池百合子元防衛大臣、自民党と公明党が推薦する増田寛也元総務大臣、日本弁護士連合会の元会長、宇都宮健児氏、民進党や共産党など野党4党が支援するジャーナリストの鳥越俊太郎氏の合わせて4人が出席しました。
このうち小池氏は「東京オリンピック・パラリンピックの予算が適正かどうかチェックするとともに、女性も男性も子どもも障害者ももっといきいきと働けるまちづくりを進め、目下の課題である待機児童ゼロを目指す」と述べました。
増田氏は「4年で3人の知事が突然辞任した一方で東京には課題が山積している。混乱混迷に終止符、これに務めていきたい」と述べ、待機児童や介護の問題、4年後のオリンピック・パラリンピックへの取り組みなどを進める考えを示しました。
宇都宮氏は「都政のいちばんの中心は都民の暮らしを豊かにしていくことだ。待機児童ゼロを実現し、特別養護老人ホームに入れない高齢者を無くしたい。小中学校の学校給食の完全無償化や、返済の必要がない東京都独自の給付型の奨学金も実現したい」と述べました。また宇都宮氏は、12日鳥越氏と会談したあと報道各社の取材に対し立候補の取りやめも含めて対応を検討する考えを示していましたが、立候補の意志について「これまでに鳥越氏の政策が明らかになっていない。野党4党との間で政策協定があるかどうかも不透明な情勢だ。このような中では今の時点で立候補する意志は変わらない」と述べました。
鳥越氏は「現在の日本、特に東京は『きょうよりあすは悪くなる』という不安が広がっている」として、将来の不安を取り除く施策の一例として、みずからががんを克服した経験を引き合いに「がん検診の受診率を100%に引き上げて、3人に1人ががんで亡くなっている現状を改善していきたい」と述べました。
都政への信頼どう回復するか
共同記者会見の中で、都知事が2代続けて任期途中で辞職するなか、都政の信頼をどう回復していくのか、それぞれの考えが示されました。
小池氏は「個人に問題があった部分も否定はできないが、構造上の問題はないのか。もっと情報公開をして都民の目の前にさらすことが大事で、お金の問題について独立した委員会をつくってこの問題を繰り返さない仕組みを作る」と述べました。
増田氏は「政治とカネの問題で非常にクリーンさに問題があったと思う。私は実行力もあり政治資金の問題でもクリーンで、やり遂げる責任感もある」と述べました。
宇都宮氏は「都民の税金を一円でもむだ遣いしないようなシステムを作らないといけない。都議会などのチェック体制を強化するとともに行政を監視するオンブズマンを都庁の中に設置したい」と述べました。
鳥越氏は「個人の資質の問題もあったと思うが権力は腐敗するという構造上の問題もある。舛添氏の問題では権力のチェック機能が十分果たされなかった。議会、そしてメディアがしっかりと権力者をチェックしていかなければならない」と述べました。
東京五輪への対応は
共同記者会見の中で、費用負担などの課題がある4年後のオリンピック・パラリンピックへの対応について意見が交わされました。
小池氏は「当初予算の6倍に膨らんで国と都がどのように負担するのか詳細を知らなければならない。準備の段階の見直しが必要ならば見直しを進めなければならないし、意思決定のプロセスを明確にしていきたい」と述べました。
増田氏は「準備が遅れている、やらなければならないことが遅れている。組織委員会と国と、費用をどう負担するか決めていかないといけないが、都民の目線で全体の精査を進めていく」と述べました。
宇都宮氏は「経費はむだを省いて最小限に抑えるべきで、その分のお金は都民の生活を重視する政策に費やしたい。開催時期についても10月にずらすべきで、オリンピックとパラリンピックを同時に開催できないか考えている」と述べました。
鳥越氏は「東京が輝かしい、美しい都であるということをアピールする絶好の機会だ。一方で税金を使う以上、コンパクトでスモールな大会を目指すべきだ」と述べました。
全国最多の待機児童 どう解消
保育所の空きを待つ「待機児童」は東京では8000人を超えるとみられ、全国でもっとも多くなっている現状を、どのように解消していくのか、4人が考えを示しました。
小池氏は「保育士の待遇改善が喫緊の課題だ。また、広さ制限や年齢制限についても見直すべきではないかと思う。舛添さんが韓国人学校に貸すとしてと問題になっている市ヶ谷の都有地については、保育施設と高齢者の施設の両方を結びつけて活用する」と述べました。
増田氏は「東京都が区市町村をもっとバックアップし、予算も増やさないといけない。保育園でもバスの送迎が認められ、広域保育もできていろいろな知恵がある。保育園を公園や閑静な住宅地の中に作るときも当事者に任せるだけでなく、合意形成に東京都がもっと汗をかく必要がある」と述べました。
宇都宮氏は「予算をしっかり確保し、保育園を設置する権限をもつ区市町村に対して、都が所有する土地を提供するといった支援を徹底してやっていきたい」と述べました。
鳥越氏は「施設整備と保育士の確保という2つの課題があるが、ばく大な予算がかかるため、手がつけられないのではないかと推測している。まずは喫緊の必要性がない公共事業は後回しにするなど、予算の見直しを行い、少子高齢化対策に予算を回したい」と述べました。  
 
宇都宮健児氏、都知事選出馬を取りやめ
東京都知事選への出馬を表明していた元日本弁護士連合会長の宇都宮健児氏は告示前日の13日夜、都内の事務所で記者会見し、出馬を取りやめると発表した。宇都宮氏は同日午後、民進党など野党4党の統一候補となったジャーナリストの鳥越俊太郎氏と都内で会談。宇都宮氏と鳥越氏の支持層が重なることから、野党側の候補の一本化に向けた調整を進めていた。  
 

 

 
 
 
東京都知事選 (7月14日告示、同31日投開票)
 

 

  先出しジャンケン
 
 
  後だしジャンケン
 
 
 
 
  後だしジャンケン
 
 
 
 

 


 
2016/6/29-7/14
 
 
参院選の結果から出馬決断 2016/7
 
都議会のドンこと内田茂氏 2016/7
2005年 石原氏の「泣いて馬謖を斬る」発言。当時の都知事石原氏の側近、浜渦武生副知事が民主党都議を利用し、「やらせ質問」を行ったとして百条委員会が設置され、議会は空転、石原氏はこの言葉を残して「浜渦切り」を行った。この一幕の仕掛人が内田氏だ、建設利権がらみで浜渦氏がじゃまだった。
2005年 自民党東京都連の幹事長就任直後、脳梗塞で倒れ入院している。
2007年 参議院清水谷宿舎(千代田区)の建て替え工事の中止、当時副知事だった猪瀬氏が無駄と判断、千代田区は内田氏のおひざ元、これを期に議員宿舎問題がマスコミで表面化する。
2009年 7月内田氏は都議選で民主党の若手候補、栗下善行氏に敗れた。しかし、その間も都連の幹事長を務め続けた。
2012年-2013年12月 猪瀬直樹都知事。
2013年 千代田区長選、石川雅己区長が4期目に。前回、自民党と公明党の推薦を受けた石川区長(71)が無所属となり、自公の推薦候補は副区長として長年石川氏を支えてきた大山恭司氏(71)だった。これも、自分が育てた石川氏が内田氏を無視し利権を独り占め、内田氏の怒りをかった結果だ、 しかし大山氏は敗れた。
2013年 6月に行われた東京都議選の告示前、地元町内会にビール券を配ったことが、公職選挙法違反にあたるとして告発され、書類送検された、しかし、金額が少ないことなどから起訴猶予になっている。
2014年ー2016年6月 舛添要一都知事。内田氏が舛添さんの花道を作ろうと、9月までの続投を画策。
2016年 6月29日 小池百合子氏 東京都知事選出馬を表明。小池氏が出馬決意を自民党都連(会長=石原伸晃経済財財政・再生相)に対して事前に相談しなかったことから、石原氏を始め都連幹事長代行の萩生田光一官房副長官らは激怒した。そして自民党都連のドン、内田茂元幹事長ら都議団も「寝耳に水」と驚きを隠さなかったし、不快感を露にした。  
 
都議選に続き千代田区長選でも惨敗 2013/2
 民意を得られない「自民党都連のドン」内田茂氏に次の一手はあるか?
自民党都連には、石原伸晃都連会長をしのぐ実力者がいる。幹事長の内田茂前都議(73)である。前職で身分がないのに、自民党の都連を牛耳る。それが実力者の証であり、「都連のドン」の異名を取る。
生まれも育ちも千代田区。千代田区議を4期、千代田区選出の都議を5期務めた。千代田区には、永田町(政)と霞が関(官)と丸の内(業)がある。「政官業」の中心に位置する地域の行政を、長年、束ねてきたことが、この人を知られざる実力者にした。
自民党だけでなく公明党にも太いパイプを有し、議会を操る内田氏には、剛腕の石原慎太郎前都知事も敵わなかった。
「泣いて馬謖を斬る」
05年の都議会で、石原氏の「側近中の側近」といわれた浜渦武生副知事が、民主党都議を利用した「やらせ質問」を行ったとして百条委員会が設置され、議会は空転、石原氏はこの言葉を残して「浜渦切り」を行った。
この時、追及の急先鋒に立ったのが、当時、都議会議長だった内田氏。以降、「石原を屈服させた男」として怖れられ、「都連のドン」の座に磨きがかかった。
石川雅己区長と内田氏との長年の確執
しかし、都議会では権勢を誇る内田氏が、2月3日投票の千代田区長選で、選挙民から「ノー」を突き付けられた。
今回の千代田区長選挙は、4万972人の有権者にとって理解しにくい構図だった。
保守分裂の選挙。前回、自民党と公明党の推薦を受けた石川雅己区長(71)が無所属となり、自公の推薦候補となったのは、副区長として長年、石川氏を支えてきた大山恭司氏(71)だった。
結果は、投票率42.27%で、石川氏が8287票、大山氏が7023票。石川氏が4選を果たした。「自公」の基礎票が9000票といわれるなか、推薦を受けずに1200票以上の差をつけたのだから、石川氏の圧勝である。
3期12年務めた石川氏に、失政やスキャンダルがあったという話は聞かない。大山氏出馬の理由は、「議会との関係正常化」だった。なぜ、石川氏と議会がギクシャクし始めたのか。政界関係者が口を揃えるのは、「議会というより、石川さんと内田さんの長年の確執」である。
もともと東京都の官僚だった石川氏を区長に引っ張ってきたのは内田氏だった。だが、大手町再開発などヤマほどある千代田区内の大型プロジェクトに口を出す内田氏に反発した石川区長は、内田氏を無視するようになったという。「都連のドン」への反乱が、石川区長の議会運営を難しくした。
内田氏が仕掛けた遺恨試合だが、この強引さは都知事選でも見られた。
都知事選では猪瀬直樹都知事は、「石原後継」を受け、430万票あまりを獲得して圧勝したが、スンナリと後継が決まったわけではなかった。理由は、自民党都連の反対である。
「猪瀬副知事は議会運営を軽視している」
これが都連の言い分だ。千代田区の理屈と同じである。「都連のドン」の内田氏を軽視しているということであり、自民党本部が猪瀬支持を決めているに、都連は小池百合子、東国原英夫など、独自候補にこだわった。
最後は、猪瀬支持で一本化するが、都連が積極的な選挙応援をしたわけではない。西新宿の猪瀬選対本部に詰めていたのは、兵藤茂、高井英樹、半田修次、鈴木重雄ら「石原秘書軍団だった。
鼻っ柱の強い猪瀬氏からすれば、そんな内田氏は煙たくて仕方がないだろう。しかし、実力者ゆえに表立った排除もできない。今回、"本音"では石川区長を支援したかったが、旗幟鮮明というわけにはいかなかった。
ただ、1月27日の公示日、石原伸晃都連会長など大物が、大山候補の事務所に駆け付けたのに、特別秘書に就任した鈴木氏が、石川候補の選挙事務所を訪れたところに、猪瀬氏の"意向"がうかがえる。
「都連のドン」としてパワーにも陰りが
それにしても、「都連のドン」は「民意」を読み取れないし、支援も受けられない。
前回の2009年の都議選で、内田氏は告示9日前に立候補を表明した民主党の栗下善行氏に敗れた。その時、栗下氏は米国の大学を卒業、企業に勤め始めたばかりの26歳。いかに自民党に逆風が吹いた選挙とはいえ、弱過ぎる。
自らの敗戦と、都知事選での選択ミスと、「代理戦争」だった千代田区長選での敗退。「まだ去就は明らかにしていないが、これだけ負け続ければ、引退するのではないか」(都議会関係者)という声が聞かれる。内田事務所は「時間が取れない」ことを理由に、私の取材に応じることはなかった。
しかし、内田氏の去就はともかく、「政官業」の取りまとめ役は、必ず必要とされる。今回、ゼネコンと不動産という政治と最も密接な業界は、濃淡に差はあったものの、自公推薦の大山候補に乗った。石川区長としては面白くない。各社は、さっそく石川区長との関係修復に動いているという。
そのうえで、「人からコンクリートへ」と、大きく舵を切った安倍晋三政権のもと、公共工事頼みの業界は誰を頼りとするのか。
一度は内田氏と対立した浜渦氏は、やがて内田氏との関係を修復させ、大手町再開発、築地移転などで「行政との調整役」を担った。また、実現しなかったが、東京五輪招致の段階で、浜渦-内田コンビが了解する五輪施設の青写真が引かれていたという。
しかし石原氏引退後も、浜渦氏が権力を持ち続けることはないだろうし、相次ぐ敗戦は、たとえ今年の都議選で返り咲いたとしても、内田氏の「都連のドン」としてパワーに陰りを生じさせる。といって、ノンフィクション作家として、利権構造にメスを入れ続けた猪瀬氏が、石原氏のように「秘書軍団」を使って利権を差配することはあるまい。
それでも「調整役」と「仕切り役」は必要とされ、それは誰になるのか。その動向を見守るのは、猪瀬都政の真価を問うことにもなるだけに、注視していきたい。