借金ボケの役人政治家 新国立競技場

財政破綻目前 役人・政治家に 借金ボケが始まったようです 
 
誰のお金で新国立競技場を創るのでしょうか 
「税金」 です 
 
役人・政治家の無責任な金遣い  打出の小槌はありません 
利権談合つじつま合わせの箱物作り 後は野となれ山となれですか
 


独立行政法人日本スポーツ振興センター
 
  
「税金」 で新国立競技場は創られます 
「税金」は 民のお金です  
役人・政治家への献上金ではありません  真面目に使ってください
 
責任者不明でも  3000億も4000億も お金が動かせる 
役人・政治家って 楽しいお仕事です 
日出国 まさにジパング
  
役人 デザイン通りのものを作ろうと 努力した結果の費用増加です
  
政治家 デザインは国際公約の一部 費用がいくら増加しても実現すべきです
  
デザインと1300億の予算が セットで審査されたことは「忘れたふり」 
役人・政治家の知恵 大義名分を「デザインの実現」に一本化 
お金がいくらでも使える 箱物作りにすり替えました
  

 
2015/7  
 
独立行政法人日本スポーツ振興センター  
(Japan Sport Council / JSC)は、日本のスポーツ振興団体。河野一郎が理事長を務める。独立行政法人日本スポーツ振興センター法に基づいて設置されている、文部科学省の外郭団体である。2003年(平成15年)10月1日、それまでの日本体育・学校健康センターの業務等を承継するかたちで設立された。設立時には、日本政府から1,953億5,600万円余りが出資されている。  
法人設立の趣旨は国民の健康増進であり、業務は国立競技場の運営、スポーツ科学の調査研究、スポーツ振興くじ(toto)の実施などのスポーツ関連事業と、学校災害共済給付制度の運営、学校における安全・健康保持の普及などの学校関連事業とに二分される。  
JSCは文部科学省の外郭団体であり、役員には文部省(現文部科学省)、大蔵省(現財務省)といった中央省庁からの天下り官僚が就任している。また、JSCの年に2回ある助成審査委員会の会議は全報道機関に公開されていたが、2007年4月5日の会議から運動記者クラブのみに限定されている。  
JSCは、学校管理下での事故などが原因で死傷した児童・生徒に対する災害共済給付金の支給も行っている。しかし、給付対象となるかどうかは事故などの発生が学校管理下か否かで決まるため、いじめを苦にした学生が自殺した場合には学校内で自殺したか否かによって取り扱いが異なることになり、毎日新聞がこれを批判したことがある。 
[NHK日曜討論] 新国立競技場見直し巡り議論 2015/7/26  
NHKの「日曜討論」で、新しい国立競技場の整備計画の見直しを巡って、自民党は、見直しに至った経緯を党内で検証し、来月半ばまでに、政府に提言する方針を示したのに対し、民主党などは、「見直しの決断は遅すぎた」と批判するとともに、下村文部科学大臣の責任は免れないとして辞任すべきだという考えを示しました。  
自民党の稲田政務調査会長は、「安倍総理大臣の白紙撤回という決断は、英断だ。1300億円という当初見込んだ建設費が妥当だったのかや、1300億円では到底できないデザインを選んだことが問題点で、どこかで引き返す決断ができなかったのかも検証する必要がある。責任の所在も含めて党内で検証し、反省を生かした形での方向性や理念をまとめ、お盆前に政府に提案したい」と述べました。  
公明党の石井政務調査会長は、「安倍総理大臣が、いま決断すれば間に合うことを確認したうえで、計画を白紙撤回し、見直すと決断したのは英断だ。文部科学省に設置される第三者委員会が、9月中旬にも中間報告を出すということなので、検証の結果を待って、責任の取り方を明確にすべきだ」と述べました。  
民主党の細野政策調査会長は、「こうした形になっているのは非常に残念だ。そもそも責任の所在が不明確で、今回、計画を見直すと言いながら、本当にできるのかということも含めて責任体制がまだ明確になっていない。1か月前から見直しを検討していたのに、なぜ新規の契約を止めなかったのか、下村大臣の責任は絶対に免れない」と述べました。  
維新の党の今井政務調査会長は、「JSC・日本スポーツ振興センターと、監督している文部科学省の責任は明らかだ。安倍総理大臣が白紙撤回の判断をしたことは当然だが、もう少し早く決断できたのではないか。一義的には文部科学大臣に管理責任があり、下村大臣の責任は重い」と述べました。  
共産党の小池政策委員長は、「英断だと胸を張るのは間違っており、率直に国民に謝罪すべきだ。下村文部科学大臣の責任はもちろんだが、安倍総理大臣も最後まで撤回と言わなかったのだから、その責任も含めて、はっきりさせなければならない」と述べました。  
次世代の党の松沢幹事長は、「国民の反発を買って、国際社会の信用を落としたのだから政府の大失敗だ。責任をあいまいにしてはならず、一義的な責任がある下村文部科学大臣は辞任すべきで、辞任をしないなら、安倍総理大臣が解任すべきだ」と述べました。  
社民党の吉川政策審議会長は、「計画の見直しは当然だが、完全に遅きに失したのは明らかだ。少なくとも、ラグビーのワールドカップには間に合わないのだから、責任は重大だ。国会の中で、参考人の招致を含めて、しっかり議論すべきだ」と述べました。  
“日本人のように無駄な建築物にはNOを”英紙が自国民を鼓舞 2015/7/24  
新国立競技場建設計画の迷走が止まらない。当初の見積もりを大幅に上回る2,520億円が必要になると発表された後、国民から批判が噴出。17日に安倍首相が計画の白紙化を表明した後も、これまでの見通しの甘さが次々と露呈している。この国家的大騒動を、海外メディアが報じている。  
計画撤回も、責任は誰に?  
AFPは、主要メディアの報道を引用。当初のデザインに関してすでに発注済みの契約が約59億円分あり、「まだ、れんがの1つも積んでいないのに」日本はそのほとんどを支払わなければならず、今後請負業者が訴訟を起こす可能性もあると述べている。  
菅官房長官は、原因究明のため第三者委員会を設置すると述べたが、今回の騒動の責任が誰にあるのかについては答えずじまいだった、とAFPは指摘。さらに、東京五輪の組織委員会の会長である森元首相に至っては、「北京のスタジアムは460億円と言うが、北京と東京の人件費を比べられるのか。公平な比較と言えるのか」と述べ、日本の建設コストは他国よりも高くつくことを何度も強調したと報じている。この期に及んでも、責任の所在を明確にせず、膨らんだ建設費の言い訳をする日本の姿勢を暗に批判した形だ。  
デザイン自体が不評だった  
米ウェブ誌『Quartz』は、巨額の費用以外にも、ザハ・ハディド氏のデザインを選択したこと自体に問題があったと述べている。同誌は、ザハ氏の複雑で近未来的なデザインと明治神宮に近い東京の歴史的地区にある建設地のミスマッチを指摘。さらに、建築物の高さを15メートル以下に制限するこの地区の規制も、あからさまに無視されていたとし、2013年には著名な建築家たちによる、建設反対の署名運動が起きていたことにも触れている。  
同誌はまた、ザハ氏監修の現在のデザインが、ソーシャルメディアにコラ画像を投稿する「新国立競技場クソコラグランプリ」で、笑いの種となっていることを紹介。スタジアムはヘルメット、トイレの便座、掃除機のルンバなどに見立てられ、批判の対象とされていることを報じている。  
そのような画像を見て「非常に力が沸く」と述べるのは、英ガーディアン紙のコラムニスト、ミシェル・ハンソン氏だ。同氏は、「国民の声」を聞き、計画を白紙に戻した安倍首相の英断を評価。お偉い建築家たちにへつらえば、彼らはますます浮かれ、その建築物はさらにとっぴで役立たずになると持論を述べる。同氏は、景観を壊し、金持ちの欲求を満たすだけの建物を作ることに怒りを覚えるとし、一方で貧しい庶民の住居は劣悪だと暗に行政や建築主を批判。日本人のようにイギリス人も声を挙げ、無駄な建築物を拒絶すべきだと述べている。  
次の開催候補も注目  
さて、2024年の五輪招致に名乗りを上げたボストンでも、白紙撤回のニュースはすぐに話題となり、ソーシャルメディアで、コストを理由に立候補取り止めを支持する意見が広がった(ボストン・グローブ紙)。  
ボストン・グローブ紙の編集長補佐、マーク・ポティエ氏は、2,520億円の大失敗から学ぶことは確かにあるとはしながらも、単純な比較はできないと指摘。ボストンは仮設スタジアムを検討しているが、東京の場合は、より実用的な施設の建設をという国際オリンピック委員会の指示とは合致しない近未来的なデザインを採用したため、工費はもともと膨らんでいたと述べる。さらに、日本は昨年末に不景気から脱したばかりなのに対し、アメリカ経済は音を立てて前進中だとし、日米の状況の違いを説明した。  
何かと出費のかさむオリンピック。東京の教訓が、次の開催都市で活かされることを願わずにはいられない。 
「新国立競技場の経緯すべて語ろう」 森喜朗元首相 2015/7/14  
先日、共同通信が新国立競技場の連載を配信したでしょ。初回の見出しが「きっかけはラグビーW杯」だ。はは〜ん、ときたね。反対してる連中は、国立競技場に反対している人たちは、戦略的に僕を一番の悪者にしようとしてるわけですね。  
経緯を説明すると、ラグビーW杯が決まった時、「せっかくビッグイベントがくるんだから国立競技場の改築のいい機会だな」となった。耐震も免震もやってないし、老朽化も進んでいるけど、サッカーや早明ラグビーなどは超満員だ。時に危険で改築は10年来の課題だったんです。  
もう一つ。国立競技場はもう陸上競技の公認競技場じゃなくなった。陸連(日本陸上競技連盟)が世界大会をやりたくてもできない。つまり陸上、サッカー、ラグビーなどスポーツ界にとって新国立競技場は悲願だったわけです。  
そこにたまたまラグビーW杯が決まった。その時は民主党政権。だから西岡武夫(故人、元参院議長)さんにラグビーW杯の議連会長になってもらい改築話をスタートさせたんです。  
ラグビーW杯会場となる条件は定員6万人、それに観客席に屋根がいる。男子サッカーW杯は定員8万人以上だ。だからサッカーも招致できるように定員8万人でいこうとなった。それに陸上競技もできるようにするには可動式スタンドも必要だと。そういう話を進めているうちに東京五輪が決まったわけだ。  
じゃあ、なんで建築家のザハ・ハディド氏が出てきたかというと僕もよくわからないのだが、2016年の東京五輪招致の時、晴海を中心にした全体像を描いたのが建築家の安藤忠雄さんなんですよ。あの時は石原慎太郎(元東京都知事)さんが安藤さんと共同作業で晴海に国立競技場を移そうとしてたんだ。僕らが「霞ヶ丘はどうするんだ」と言ったら石原さんは「サッカーとラグビーだけそっちを使えばいいじゃないか」と言ってたな。  
ところが、晴海の話はIOC(国際オリンピック委員会)からノーを食らったわけですよ。風があるから公認記録に影響するってね。羽田空港の空路のせいで空撮にも支障があるらしいんだな。2020年の五輪もヨットやカヌー、トライアスロンなどの会場を他に変えたのもそういう問題があったからなんだ。  
そういうことで2016年の招致は落ちちゃったけど、2020年は幸い決まった。  
五輪招致では「立候補ファイル」というのをJOC(日本オリンピック委員会)と東京都がIOCに提出するんだけど、その中に新国立競技場の全貌が書かれていて、IOC委員の投票の決め手になっているわけです。  
2013年9月のブエノスアイレスのIOC総会で日本に投票した委員は「日本はこんなすごいものを造るのか」となった。それに安倍晋三首相は「他のどんな競技場とも似ていない真新しいスタジアムから確かな財源措置に至るまで、その確実な実行が確証されている」と演説して大拍手だったわけよ。  
そういうわけで五輪によって新国立競技場はあんな風に変わっちゃったんだが、共同通信の「はじめにラグビーありき」というのは実に下品な推測というか、怒りを覚えるね。  
それにもう1つ。2019年にはプレ五輪がある。五輪と同じ競技場を使うわけです。それまでに新国立競技場を完成させなければならない。  
それがなぜ「ラグビーW杯のために」となるのか。そんなこと言うならラグビーはWR(ワールドラグビー)と話をつけて日産スタジアム(横浜)に行くか、味の素スタジアム(調布)に行くかという話になる。だからラグビーありきではないということはぜひ理解してほしいんです。  
あえて言えば2016年に招致を失敗した東京都とJOCが考えた案でしょ。それだけのこと。僕は反対だったんだけど、ああいう大きな事業だとWTO(世界貿易機関)関係で国際コンペをしないわけにはいかない。そこでザハって人に頼んだというのは僕もさっぱりわからないが、2016年招致からの経緯なのかね…。  
あの有識者会議っていうのは、そんなことを決める会議ではないんですよ。投票権もないし。グラウンドの恩恵を預かる陸連とかラグビー協会とかサッカー協会とか学識経験者とかに「こう決まりました」って報告するだけ。私は当初からあんな生牡蠣をドロッと垂らしたようなデザインを見せられて「へーっ、こんなのは嫌だなあ」と思ったけどね…。  
 
そういう経緯もあるんだから東京都は逃げちゃいけない。東京都で開くんですからね。五輪をやりたいと手を挙げたのは東京都だ。その時は石原さんだった。正直言うと「知事選に出ない」と言うのを、僕が「五輪をもう一度誘致すると宣言して辞めればいいじゃないですか」と説得したから申しわけないと思ってるんだけどね。  
招致が決まった時の都知事は猪瀬直樹さんだけど誘致できたのは石原さんの存在が大きかった。だから石原さんが推薦する安藤さんの意向を文科省もJOCも拒否できなかったのかな。  
だから現都知事の舛添要一さんにも言ったけど、東京都は国がメーン会場を作ることに感謝しなきゃいけない。「迷惑だ」みたいなことを言う立場じゃないでしょ。前々からの経緯から言えば、少しでも資金援助をするのが、むしろ常識ではないかな。  
石原さんの元々の構想では、晴海の競技場は国と東京都が折半でやるって話だったと聞いたよ。1000億円くらいを見込んでたんじゃないかな。それが1300億円、1500億円と膨らんでね…。  
文科相の下村博文さんと猪瀬さんはこの問題で3〜4回会ってますよ。あの2人は会う度にそれぞれが自分の手柄のようにアナウンスするからカチンとくる。その辺が国と都がギスギスした原因の一つかな。  
だけどそれはそれ。舛添さんはそういう過去の経緯を承知して五輪をやるということで都知事になった。だから自民党都連が一生懸命、推したんだ。  
まあ下村さんと色々ギスギスしてたけど遠藤利明さんが五輪相になったので、国と都の調整は遠藤さんにお願いすることになった。するとどうも下村さんは逃げよう逃げようとするんだな。五輪相がいたって所管は文科相なんだよ。  
舛添さんは来年、リオデジャネイロで市長から五輪の旗をもらって「次は東京だ」とデモンストレーションするんですよ。そしてその旗を新国立競技場で振らなきゃならん。その栄誉を受けたのだから少しは協調性を持ってやってくださいと申し上げた。ものすごく頭の良い人だから記者にペチャクチャと学者みたいなことを言ってたら混乱する。  
この間、舛添さんがここに来られた時、「風邪引いてる」とおっしゃるから、それで「田舎でもらった蜂蜜があるから持って帰りなさい」と言ったら「蜂蜜で買収された」と新聞に書かれてね。ホントにこの問題を漫画チックにして、僕が都知事に「都民の金を出せ」と押さえつけてるような書き方だよ。  
僕が言いたいのは、2019年のラグビーW杯だけじゃなくてプレオリンピックに間に合わせないと世界中の笑い者になるぞ、ってことなんです。  
それに7月末にクアラルンプールでIOC総会がある。ここでまだ決まってなかった自転車競技の会場と、メーン会場がすべてセットされましたという報告を私がしなきゃいけない。  
IOCのトーマス・バッハ会長はなかなか腹のある人で、6月のローザンヌでの理事会では「メーン会場の話はしないで結構です。私は日本の仲間を信じている」と武士の情けをかけてくれた。理事たちも何も言わずに我慢してくれたが、次も決まらないと一悶着あるよ。各国にいろんな日本の新聞情報が入ってみんな心配してるんだから。  
次のIOC総会できちんと報告できなかったら、契約違反になる。東京都とJOCが「こういう開会式でこういう風にやります」という文書をIOCに出し、契約したんですよ。  
無責任な評論家は「そんな競技場がなくても五輪はできる」とか言うけど、これはメンツの問題でもある。  
ラグビーだってヨーロッパとオセアニアでやってたのを初めてアジアへ持ってきた。日本でやってこれが米国やロシア、南米へと広がっていくことを期待してるんです。  
ラグビーだけじゃない。サッカー協会は女子W杯の誘致を希望しているが、それにはスタジアムがいる。それに可動席スタンドが必要なんです。ラグビーは6万人でいいけど可動式スタンドと観客席の屋根は重大な問題だ。  
さてそこで、屋根の問題がなんでこんな風にこじれたかといえば、これも下村さんなんですよ。初めて公式に舛添さんに協力の依頼に行ったでしょ。  
その時に舛添さんが沖縄県みたいにカメラやマイクを入れて下村さんと会見をやったわけですよ。僕は下村さんに「気をつけて話しなさい。間違っても議論をふっかけるようなことはしないように」と忠告してたんだ。下村さんも「わかりました、よく気をつけます」と頭を下げときゃいいのに、知事に言われて大見得を切ったんだ。  
「考えてますよ。スタンドは仮設にして屋根はやめる」と。これは余計なこと。最後に切るカードを先に出しちゃったんで「屋根がいらない」と独り歩きしてしまった。そうじゃなくて開閉式はやめようということだった。  
ラグビーもサッカーもグラウンドに雨が降っても別に構わない。問題は屋根が空いたままだったらコンサートや文化行事ができないことなんです。  
新国立競技場の維持費をまかなうにはコンサートを開きたい。大きいからいろんなことをやれる。文化、経済、スポーツ、すべての集積する場にしようという計画だったんです。  
日本武道館は一度も赤字を出したことはないのはなぜか。コンサートで7〜8割の運営経費をまかなっている。東京ドームもポール・マッカートニーやEXILEのコンサートをやってるでしょ。屋根がないとそういうことができない。騒音問題が出て環境問題になる。  
これは五輪にとっても死活問題なんです。なぜかというと開会式は半年以上前から準備する。多くのマンパワーを要するからリハーサルは夜しかできないんです。毎晩電気をつけて音楽かけてたら、たちまち騒音問題になるじゃない。  
だからほんとは天蓋は必要なんです。抗しきれなくなっちゃって「天蓋はやめて五輪後につけます」と言わざるを得なくなったけど、開会式のリハーサルは一苦労だな。  
僕は専門家じゃないけどキールアーチが問題なのは分かる。でもそれを前提にして基礎設計をやってるんですよ。キールアーチをやめるとなると全部やり直しだ。そうすると実施設計まで1年半かかり、プレ五輪に間に合わない。  
それにキールの部材は7月中に発注しないと間に合わないそうだ。あまりに巨大だから全体を作って競技場に運べないから切断したのを運んで現場で接合するしかない。だから仮設工場もいるんですよ。  
問題は総事業費だけど、そこは腹をくくって国家的事業だからということで納得してもらうしかないんです。大事なことは、五輪は国と東京都と組織委員会が協力してやることなんです。そして経費を徹底的に精査すること。僕が組織委員会にきて2000億円くらいはすでに圧縮したよ。  
それでも東京都が3000億円、組織委員会もトータルで7000億〜8000億円はかかる。でも国は2520億円しか出さない。おかしいと思いませんか。3対8対2だよ。  
新国立競技場は50年先とか、80年先に東京五輪のレガシー(遺産)として残して、日本の文化、経済、科学技術、スポーツを世界中に発信する中枢にすべきなんです。それがアベノミクスでしょ。われわれはそういう理想に向けてなんとか歯を食いしばって国の財政にも迷惑かけないようにやってるんです。  
僕も無報酬だよ。わずかばかりの議員年金は家内に渡してね。日当は手をつけず組織委のメンバー全員の盆と暮れの打ち上げ代に貯めてるんです。  
僕は組織委に2つを言ってるんだ。1つは派閥を作るな。もう1つは自分の出身の組織を向いて仕事をするな。組織委員会に現在380人ほどいるが、来年には倍になる。その人たちがみんな自分の出身の組織を見て仕事をしたら一体どうなりますか。だから、自分の出身組織のことは考えずに五輪を成功させることだけを考えてやりましょうと。俺もいろいろ気を遣ってるんだよ。 
アーチ1本5百億円… 
 新国立競技場、入札でJSCが不正疑惑、予算巨額膨張を隠蔽か 2015/6/30  
迷走を続ける新国立競技場の建設に関し、国民からは不満の声が高まっている。しかし、文部科学省や日本スポーツ振興センター(JSC)は、まったく責任を感じていないようだ。  
デザインや建設費をめぐる問題で、総工費が当初の見積もりより900億円ほど高い2520億円かかる見通しになった点について、下村博文文科相は「詳細は申し上げられない」と明言を避けた。  
そもそも建設費は当初1300億円を見込んでいた。それでも、過去のオリンピックメインスタジアムと比べて極めて高い。例えば、“鳥の巣”と呼ばれた9万1000人収容の北京オリンピックの競技場は約525億円、ロンドンオリンピックの競技場は8万人収容規模で900億円程度だった。新国立競技場は、桁外れの無駄遣いといえる。  
新国立競技場は、デザインを公募し、応募作の中から選ばれた。当然、予算の1300億円の枠内に収まるのが条件だったはずだ。しかし、デザイン決定後に総工費は最大3000億円にまで膨張することが明らかになった。  
デザイナーのいい加減な計算も去ることながら、その作品を選んだ選考委員にも大きな非があるといえる。しかし、問題発覚後もデザインの再選考などはなされず、床面積を25%削減して建設費を1785億円程度まで圧縮するとJSCは発表、さらに文科省と財務省は総工費の上限を1625億円とすることで合意した。それに伴い一部デザインを変更したが、見た目が悪くなったと多くの建築家からも批判の声が上がった。  
昨年5月、国立競技場将来構想有識者会議も、本体整備1388億円、周辺整備237億円、合わせて総工費1625億円とする基本設計を承認した。  
しかし、巨大な2本のアーチが特徴の新国立競技場だが、このアーチが一本当たり約500億円もかかるなど、資材や建設費を考慮すると2520億円に上ることが判明した。そのうち、500億円の負担を政府から求められている東京都は、舛添要一知事が拒否する意向を示しており、今後の協議に注目が集まる。  
文科省とJSCの不透明な関係  
そもそも、このように迷走するに至った大きな要因の一つに、文科省とJSCの馴れ合いが指摘されている。デザイン選考に関し、JSCの発表したコンペ内容が不透明で、事前に大賞は決まっていたとする「出来レース」を示唆する関係者もいる。  
例えば、新国立競技場基本構想国際デザイン競技報告書に掲載されている受賞作のデザインが、当初の応募案から最終選考では大きく変わっている。提出後のデザイン変更は不可で、変更した場合には失格とする応募要項に反するとの指摘が建築関係者から挙がっている。また、予定していた受賞作発表時期から実際の発表まで2カ月もずれ込んだことから、不透明さが増している。しかも1300億円の予算が実際には3000億円になるなどありえないと多くの建築家は口を揃える。つまり、予算を十分に検討せずに選ばれた可能性があるのだ。  
また、デザイン決定後かなり早い段階で、「複数の建設業者がJSCに対して総工費が3000億円を超えることや、技術的問題から開閉式屋根の設置が2020年の東京オリンピックまでに間に合わない可能性があると進言していた」と、都内の建設業者は明かす。  
しかし、JSCはその指摘を放置して文科省に報告せず、デザインを練り直すだけの時間的余裕がなくなった今年4月に入ってから報告したことが明らかになっており、JSCのずさんな対応が迷走を招いたといえる。  
JSCの実態は、文科省の外郭団体で、文科省をはじめ財務省などの官僚が役員として天下りする組織である。  
そもそも旧国立競技場の解体工事に関しても、入札に関して不正が疑われている。最低価格で落札したフジムラが失格とされ、理由は明らかになっていない。2番目に低い価格を提示した業者も、品質確保ができないおそれがある場合に実施する「特別重点調査」の対象としてJSC側が契約を保留するなど、不自然な点が目立った。  
その後、フジムラが不正入札の疑いがあるとして内閣府に告発した。  
入札の際、JSCは入札書と工事費内訳書の提出期限前であるにもかかわらず、各業者の内訳書を開封し、事前に入札金額を把握していた。さらにJSCは、内訳書の開封と並行して予定価格を決める手続きを進めていたという。  
このことをフジムラ側は問題視し、「予定価格の決定が恣意(しい)的に操作されたとの疑いを持たれる行為。公正性や公平性の確保で重大な疑義がある」「各社の入札額を先に確認してから予定価格を決めたと疑われても仕方ない」と批判している。  
その後、内閣府の調査においてJSCの河野一郎理事長は、「(入札情報が)漏れたとは考えていない」「(落札価格の)操作事実はない」と答え、談合入札を否定した。  
しかし、民主党議員の蓮舫氏による「苦情を申し立てた業者、落札した業者、解体設計者にはヒアリングしたが、JSC関係職員11人にはヒアリングしていない」との指摘に対し、河野理事長は「私が直接ヒアリングした。したがって調査部会はヒアリングをしていない」と答えるなど、調査に対しても疑義が湧き上がり、再入札となった。  
総工費とは別に、新国立競技場は将来負担する修繕費と大規模改修費だけで1000億円近く、さらに年間維持費は約45億円にも上ると見られている。ちなみに旧国立競技場の年間維持費は約4億円、横浜国際総合競技場は約5億円、埼玉スタジアムは約6億円で、桁が異なる。  
このように巨大な利権が絡む新国立競技場建設には不透明な部分が多く、各所で汚職などもささやかれる事態となっている。 
 
 
新国立競技場の工事費が下がらない理由 2014/1  
「新国立競技場をめぐる議論について」 この問題が広く世間で建築工学や建築文化をめぐる問題の共有につながれば本望です。思いのほか多くの方々に読んでいただいたみたいで、いろいろとご質問などもいただきまして、ありがとうございました。  
この新国立競技場案について、3000億から様々に検討をした結果、規模を減らした、1700億円に減らした、とかいうことのようですが、それでも当初の予算1300億円を大幅にオーバーしており、サブトラック問題が未解決にもかかわらず、なぜ建設コストが下がらないのかについて、オリンピック景気での人材不足や、またぞろゼネコン悪論を提唱する方々もいらっしゃいます。  
この建設費用増大の原因はどこにあるのか、なぜ施工面積を減らしても予定工事金額が減らないのか、についても、今回のコンペ審査員からも文部科学省からもなんの解説もありません。  
そのため、多くの方々が疑問をもち、建設業への不信感といったものが沸き起こるのも当然だと思います。  
しかしながら、土木・建築業者が不当に費用UPを狙っているわけではないと考えられるのです。コストUPの要因のひとつにザハの曲面デザインの多用が考えられることは以前に解説しました。  
また、現在はまだ設計図も出来ておらず、工事予定のゼネコンも未定です。その段階で建設コストが大幅に増えると見込まれ、なおかつ減らせないのには、実は根本的な理由があります。  
それは、この提案の根底にある構造的な問題点なんです。  
このザハ案による新国立競技場、これって建築っていうよりも実は土木。土木的スケール。その土木界の中でも花形工事の巨大な橋梁といってもいいでしょう。これがザハ事務所が準備したプレゼンテーションにおける構造モデルです。  
柱があって壁があって屋根がある、という建築的構造物ではないことが、上図からも一目瞭然だと思うんですが、、、審査員の方々は分からなかったんでしょうかねえ。  
文部科学省やJSCや東京都から工事費用の概算を出せ!と言われた設計コンサルやゼネコンはちょっと震えたと思いますよ。  
「これ、ちょっと、、やべえ!」と「あ・・・ありのまま 今 起こったことを話すぜ」と「うかつなことは言えねえ」と「な・・・何を言ってるのか わからねーと思うが」「スタジアムだとか競技場だとか そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ」と「3000億でイケるのかどうかさへ読めねー」と  
というのがですね、橋梁というのは構造方式においていくつかの種類があるんですが、下記の資料解説において上から下に向かって技術進化しています。  
桁橋【けたばし】(ガーターブリッジ)というのが一番原始的な橋で、橋桁自身が曲げモーメントに耐える形式です。スパン(橋の支える距離)に材料特性による限界があり、いわゆる丸太橋がそうです、自重ですら下向きにたわむ可能性があります。ラーメン橋というのは、上記桁橋のスパンを小さくするよう補助したものです。  
技術的な工夫は以下のシステムから始まります。  
トラス橋というのは、桁部分を三角形のトラス構成にし自重を軽くし梁せいを上げて強くしてあります。アーチ橋は御茶ノ水の聖橋などでも見られますね、アーチが力を軸力として逃がす方式です。吊り橋や斜張橋は橋桁にかかる荷重をテンションで支えますから、橋そのものも軽くなり、スパンを広げることが可能になりました。  
で、問題の新国立競技場の構造はといいますと、、、、archとかtrussと記述してありますが、、規模に比較してarchのライズ(曲がり)も薄いし梁せいも小さいため、、  
現実的には桁橋(ガーター橋)タイプです。このガータータイプでは、物理的に限界があるんです。素材特性ごとにスパンが大きくなると自重でもたわむ。  
単純桁橋の世界最長スパンが310mのブラジルにあるリオ・ネテロイ橋です。全体をトラス状に組んであるものとしての桁橋(ガーター橋)の限界は500m前後であり、大阪にある港大橋がそうです。  
ここらあたりまでが、土木のジャンルで考えてみてもリミットなんです。桁橋(ガーター橋)は。  
それをやろうとしている。新国立競技場で、、、、橋でもないのに、、、、、  
通常、スタジアムとかの屋根構造というのは、周囲の垂直壁面から突き出すか、周囲のポールからつりさげるか、軽い膜構造で膨らませるか、もしくは球形ドーム型の固い構造体で覆う。いずれかなんですね、合理的に考えれば  
それを、2本の竜骨をガーター橋にして飛ばしてしまっている。  
だから、ものすごいオーバースペックになってしまって周辺面積をいくら削っても削っても建設コストが下がらないんです。  
当然ですね、橋なんだから  
元々の提案時には桁橋(ガーター橋)の構造限界である500mを優に超えて600mにまで及んでいた。陸上にしかもあんな狭いところに港大橋規模のものを掛けようとしている。  
同じく大阪の夢舞大橋よりもスパンが飛んでいて頂部が高く  
永代橋の2倍近いものなんです。  
これ、審査員の人たちはまったく気づいてないんじゃないかと思うんです。もし、そうだとしたら文部科学省の担当者の人もJSCの担当者の人も、審査員の建築家の先生を信じてついていってると思うんですが、知らず知らずのうちにとんでもないことに巻き込まれていることになるんですが、、、本当に心配です。  
これは杞憂でしょうか  
次に最大の問題点が、竜骨の設置時に起こります。通常、巨大な橋桁というのはどんなところにあるでしょうか、、、  
鉄道や道路では深い峡谷を渡る、そういったところですよね。まず川ですよね、しかも巾のある大きな川、一級河川とかです。あとは、港湾とか運河のあたりでしょう。  
いずれにしても橋梁の設置は大変なんですが、海や川では水運が利用できます。  
巨大な鋼材や長い梁材なども海や川であれば船で運ぶことが可能。  
この港大橋もジャッキアップ中は湾内  
しかし、ザハ案にもどって考えたときに、この2本の巨大な橋桁はどこからどのように運んでくるつもりなのか、  
周辺の道路はかなり狭いんだけど、、  
吊り上げはどのようにおこなうつもりなのか、その間の交通網や周辺への影響はどう考えているのか、仮設計画はどのようにするつもりなのか、  
今回の審査委員長はそのようなことはすべて自分たちの責任範囲外、デザインとは関係ない、ゼネコンや実施設計の連中が考えればいい、と高をくくっていると思うんです。  
でもね、そこに一番お金がかかるんだよ。だから、施工サイドは怖くて予算を低めに言えないんだと思うんです。  
それとも、そのために東京を大改造して外苑西通りを立ち退きかまして、3倍巾くらいに拡張するとか言い出すのかね。しかしながら、外苑西通りだけでは幹線道路にはまだつながらないんで、本当に首都圏全体の交通網を大改造する必要を言い出すのかもしれません。