皆が口を閉ざす「日本の農業」

日本農業の現状認識 明日の姿 
政治家 マスコミ・ジャーナリスト 識者 
だれも口を閉ざし話題にしません 
 
農業団体の祟りが怖い 
票を失う  新聞紙が売れなくなる  視聴率が下がる  飯の種を失う 
 
原発の裏返しみたいなものか 
日米TPP交渉 「ピンチはチャンス」 現代教育勅語です
 


農業補助金を知る
 
  
  

 

  
  
  
  
 
時代の推移・変化が知りたい 
農業人口と平均年齢 
農家の数と兼業農家比率 
農家の年収 
農業関連の補助金・税金の投入金額 
米の生産量 
米の消費量 
農協職員数 
 
今のままで将来のないことを皆知っている 
波風立てないことが楽で既得権が守られる 延命 
そっとしておいてください  
皆で看取ってください
 
農業就業者の動向 [2010年] 
農業就業人口は、2010年には261 万人となり、2000年と比べ33%、2005年と比べ22%減少しています。この減少の要因は、高齢化による離農のほか、小規模農家の農業者が集落営農組織に参加したことが主なものと考えられます。  
また、2010年における農業就業人口については、その平均年齢は65.8歳になるとともに、65歳以上の者の割合が6割、75歳以上の者の割合が3割になるなど、引き続き高齢化が進行しています。  
年齢別に農業就業人口の動きをみると、2005年時点における30〜49歳層(2010年35〜54歳層)ではほぼ横ばいで、50〜59 歳層(同55〜64歳層)では増加となっていますが、65歳以上層(同70歳以上層)では大きく減少しています。このような高齢者層の減少については、昭和一けた世代(2010年時点で76〜84歳)あるいは昭和10 年代前半生まれ(同71〜75歳)の農業者の引退が進んでいることが主な理由と考えられます。他方、2005年時点における50〜59 歳層(2010年55〜64歳層)の増加は、定年後の就農が主な理由と考えられます。  
なお、「農業構造の展望」によれば、農業就業人口のうち基幹的農業従事者数は、2009年の191万人から、2020年には145万人とさらに大きく減少し、そのうち65 歳以上は94万人(全体の65%)になると見込まれています。 
  
農協の現状 [2007年] 
信用事業・共済事業は、他業態並みの規制の導入等に取り組み、一定の成果。  
経済事業については、依然赤字構造。  
正組合員 4,888,000人  農協職員数 226,000人 
[経済事業]  
生産資材購買事業/肥料、農薬、飼料、農業機械などの供給  
販売事業/米穀、青果物、畜産物など組合員の生産する農産物の販売  
農業生産事業/共同防除、農作業受託、受託農業経営などの実施  
共同利用施設/カントリーエレベーター、共同育苗施設、青果物集荷施設、農産物直売施設などの設置・運営  
加工事業/精米、漬物製造、食肉加工、乳業、製茶など組合員が生産した農産物の加工  
生活物資購買事業/石油、LPガス、食料品などの供給  
医療事業/病院・診療所の設置・運営、健康管理活動の実施  
老人福祉事業/ホームヘルプ、デイサービスなどの実施 

 

  
 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 
特別の家庭行事の時 美味しい牛肉(高価)を食べます 
価格と健康を考え 普段は豚か魚がメインです
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
   
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 

  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
NHKためしてガッテンに感謝しています 
豚のソテーが定番になりました 
どこの豚肉でも可かも
  
  
  
  
  
  
  
  
  

 

  
  
  
  
  
  
  
日本の安全基準さえ満たされればいつでもOK

 

  
  
  
  
  
  
  
  
  
砂糖の日本国内消費・生産は、1995–2004年度の10年間平均値(1995年10月–2005年9月)では、国内総需要は年230万トン(国産36%/輸入64%)、国産量は年83万トン(テンサイ約80%/サトウキビ約20%)である。年毎の動向を見ると、総消費量は、1985年にはひとりあたり21.9kgだったものが、2010年には16.4kgと大きく減少してきたが、ここ数年は下げ止まっている状態である。  
南北に長い日本列島はサトウキビの栽培に適した亜熱帯とテンサイ(ビート)栽培に適した冷帯の両方が存在する。国産量は微増傾向にあるが、それは主にテンサイ糖の増加によるもので、サトウキビ糖は微減傾向にある。サトウキビの主たる生産地は沖縄県や鹿児島県で、戦前は台湾で砂糖が大量に生産されていた。テンサイの生産地は主に北海道である。  
日本の輸入はタイが約4割、オーストラリアが約4割、南アフリカが約1割をそれぞれ占め、この3カ国で9割以上の輸入をまかなっている。  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
 
さとうきび・てん菜  
甘味との出会い  
人類が初めて口にした甘味は天然の蜂蜜といわれています。スペインのアラーニャにある約1万年前の洞窟壁画には、蜂に追われながらも木に登り、蜂蜜を採取する人の絵が描かれています。お砂糖がない時代から、人間の甘味に対する欲求は大変強いものであったことがうかがえます。  
お砂糖の伝来  
日本とお砂糖との関わりは、奈良時代後期、唐の鑑真和尚が日本にお砂糖を伝来したことから始まります。正倉院の宝物「種種薬帖(756年)」には「蔗糖」(砂糖)が記されており、お砂糖は長い間「薬」として珍重されてきました。日本でお砂糖が作られるようになったのは、それから900年後、江戸時代になってからのことです。  
お砂糖の原料  
お砂糖の原材料名「原料糖」とは、「さとうきび」または「てん菜(砂糖大根・ビート)」から糖分を採り、結晶化したものです。この「原料糖」は精製糖工場に運ばれ、不純物を取り除いてろ過する「精製工程」を経て、上白糖や三温糖、グラニュ糖などいろいろなタイプのお砂糖になります。お砂糖は、植物の茎(さとうきび)や根(てん菜)に貯えられた糖分から作られる、自然の恵みいっぱいの植物生まれの天然甘味料なのです。
  
  
  
  
  
  

 


 
2014/4                                                                   [2014/4/1 now] 
 
農林水産基本データ   項 目 データ 年 次
基本指標 経済活動別国内総生産 473兆7,771 億円 H24
 うち農業   4兆8,351 億円 H24
 うち林業   1,432 億円 H24
 うち水産業   7,519 億円 H24
食料 食料自給率 食料自給率 (カロリーベース) 39 H24度(概算)
  (生産額ベース) 68 H24度(概算)
主な農産物の消費量の推移(国民1人1年当たり) 米 / 111.7kg(昭和40年度)→ 56.3kg(平成24年度) H24度(概算)
畜産物 / 55.9kg(昭和40年度)→ 136.2kg(平成24年度) H24度(概算)
油脂類 / 6.3kg(昭和40年度)→ 13.6kg(平成24年度) H24度(概算)
食品産業 食品産業の国内生産額 78兆2,592 億円 H23度
 全経済活動に占める割合 9 H23度
食品産業の就業者数 804 万人 H24
 就業者総数に占める割合 13 H24
消費 飲食料の最終消費額 73兆5,840 億円 H17
貿易 農林水産物輸入額 8兆9,531 億円 H25
 うち農産物   6兆1,365 億円 H25
 うち林産物   1兆2,369 億円 H25
 うち水産物   1兆5,797 億円 H25
農林水産物輸出額 (4,827億円) 5,505 億円 H25
 ( ) アルコール飲料、たばこ、真珠を除いた金額。    
     うち農産物 (2,657億円) 3,136 億円 H25
     うち林産物   152 億円 H25
     うち水産物 (2,817億円) 2,216 億円 H25
東日本大震災関連 被災農地面積 2万4,477 ha H23/3
 うち津波の被災農地面積 2万1,476 ha H23/3
農林水産関係被害額 2兆3,841 億円 H23/3
農業 農業生産1 農業総産出額 8兆5,251 億円 H24
 米の産出額 2兆286 億円 H24
 野菜の産出額 2兆1,896 億円 H24
 果実の産出額 7,471 億円 H24
 畜産の産出額 2兆5,880 億円 H24
水稲の作況指数 102   H25産
水稲  (作付面積(子実用)) 1,597 千ha H25産
    (収穫量(子実用)) 8,603 千t H25産
 うち主食用(作付面積) 1,522 千ha H25産
      (収穫量) 8,182 千t H25産
小麦  (作付面積) 210 千ha H25産
    (収穫量) 812 千t H25産
二条大麦(作付面積) 38 千ha H25産
    (収穫量) 117 千t H25産
六条大麦(作付面積) 17 千ha H25産
    (収穫量) 52 千t H25産
    はだか麦(作付面積) 5 千ha H25産
      (収穫量) 15 千t H25産
  大豆  (作付面積) 129 千ha H25年産(概数)
      (収穫量) 198 千t H25年産(概数)
  そば  (作付面積) 61 千ha H25年産(概数)
      (収穫量) 33 千t H25年産(概数)
農業生産2 てんさい(作付面積) 58 千ha H25年産(概数)
    (収穫量) 3,435 千t H25年産(概数)
乳用牛 (飼養戸数) 19.4 千戸 H25/2/1現在
    (飼養頭数) 1,423 千頭 H25/2/1現在
肉用牛 (飼養戸数) 61.3 千戸 H25/2/1現在
    (飼養頭数) 2,642 千頭 H25/2/1現在
豚     (飼養戸数) 5.6 千戸 H25/2/1現在
      (飼養頭数) 9,685 千頭 H25/2/1現在
採卵鶏 (飼養戸数) 2.7 千戸 H25/2/1現在
    (飼養羽数) 172,238 千羽 H25/2/1現在
ブロイラー(飼養戸数) 2.4 千戸 H25/2/1現在
     (飼養羽数) 131,624 千羽 H25/2/1現在
農家 総農家   253 万戸 H22
 販売農家   146 万戸 H25
 自給的農家 90 万戸 H22
主副業別販売農家      
 主業農家   32 万戸 H25
 準主業農家 33 万戸 H25
 副業的農家 80 万戸 H25
専兼業別販売農家      
 専業農家   42 万戸 H25
 第1種兼業農家 21 万戸 H25
 第2種兼業農家 83 万戸 H25
農林業経営体 農林業経営体 1,727 千経営体 H22
 農業経営体 1,514 千経営体 H25
  うち家族経営体 1,482 千経営体 H25
  うち組織経営体 32 千経営体 H25
 林業経営体 140 千経営体 H22
農業労働力 農業就業人口 239 万人 H25
 うち女性   121 万人 H25
 うち65歳以上 62 H25
 平均年齢   66.2 H25
基幹的農業従事者 174 万人 H25
 うち女性   73 万人 H25
 うち65歳以上 61 H25
 平均年齢   66.5 H25
新規就農者   5.6 万人 H24
 うち女性   1.2 万人 H24
 うち39歳以下 1.5 万人 H24
認定農業者等 認定農業者   23万3,386 経営体 H25/3
集落営農   1万4,634 集落営農 H25/2
特定農業団体 1,621 団体 H24/3末
特定農業法人 847 法人 H24/3末
農業生産法人 13,561 法人 H25/1
 うち株式会社(特例有限会社を除く) 3,169 法人 H25/1
改正農地法により参入した一般法人 1,392 法人 H25/12末
農地1 耕地面積   454 万ha H25
 うち田   247 万ha H25
 うち畑   207 万ha H25
耕作放棄地   40 万ha H22
耕地利用率   91.9 H24
  農地2 一経営体(戸)当たりの経営耕地      
 農業経営体(全国平均) 2.39 ha H25
   〃  (北海道) 25.82 ha H25
   〃   (都府県) 1.72 ha H25
 販売農家(全国平均) 2.12 ha H25
   〃 (北海道) 23.18 ha H25
   〃 (都府県) 1.52 ha H25
農業経営 1経営体当たり総所得 476 万円 H24
 うち農業所得 135 万円 H24
主業1経営体当たり総所得 631 万円 H24
 うち農業所得 502 万円 H24
米生産費(10a当たり) 14万957 H24産
    (60s当たり) 1万5,957 H24産
小麦生産費(10a当たり) 6万1,553 H24産
     (60s当たり) 7,969 H24産
大豆生産費(10a当たり) 6万4,083 H24産
     (60s当たり) 1万9,323 H24産
産直 産地直売所数   1万6,816 施設 H22
農業団体等 総合農協の数 738 農協 H25/3末
農協の組合員数 983 万人 H23事業年度末
 うち正組合員数 467 万人 H23事業年度末
 うち准組合員数 517 万人 H23事業年度末
農協への貯金総額 91兆6,224 億円 H25/11末
農業委員会数 1,710 委員会 H24/10
農業委員数   3万5,729 H24/10
 うち女性委員数  2,182 人(6.1%) H24/10
農業共済組合等数 211 組合等 H26/4
土地改良区数 4,869 地区 H25/3末
普及指導員数 6,808 H24/4
農村の現状 農家人口   562 万人 H25
 うち女性   285 万人 H25
 うち65歳以上 203 万人 H25
 対総人口比 4 H25
農家人口に占める高齢者(65歳以上)割合 36 H25
総人口に占める高齢者(65歳以上)割合 25 H25
農業集落数   13万9 千集落 H22
環境 エコファーマー認定件数 20万1,760 H25/3末
共生・対流 市民農園の数 3,968 農園 H24/3末
都市農業の現状  産出額 2兆7,509 億円 H17
(都市的地域の農業)  総農家数 71 万戸 H17
   耕地面積 128 万ha H17
被害 野生鳥獣による農作物被害金額 230 億円 H24
森林・林業 森林 林野面積   2,485 万ha H22
国土面積に占める森林の割合 67 H24
 うち人工林の割合 41 H24
 うち国有林の割合 31 H24
林業 林業産出額   3,917 億円 H24
  木材生産の産出額 1,933 億円 H24
  栽培きのこ類の産出額 1,932 億円 H24
林家戸数   91 万戸 H22
林業就業者   6.9 万人 H22
 うち65歳以上 1.2 万人 H22
林業従事者   5.1 万人 H22
 うち65歳以上 1.1 万人 H22
新規林業就業者 3,190 H24度
木材(用材)自給率 27.9 H24
  林業所得   103 万円 H20度
  森組 森林組合数   672 組合 H23事業年度末
  森林組合員数 156 万人 H23事業年度末
水産業   排他的経済水域面積 447 万km  
漁業生産 漁業生産額   1兆4,178 億円 H24
 うち海面漁業・養殖業 1兆3,288 億円 H24
 うち内水面漁業・養殖業 891 億円 H24
漁業生産量   486 万t H24
  海面漁業   376 万t H24
   うち遠洋漁業 46 万t H24
   うち沖合漁業 221 万t H24
   うち沿岸漁業 109 万t H24
  海面養殖業 104 万t H24
  内水面漁業 3 万t H24
  内水面養殖業 3 万t H24
魚介類自給率(食用) 58 H24度(概算)
漁業労働力 漁業経営体数(東北3県除く。) 8.9 万経営体 H24
漁業就業者数(東北3県除く。) 17.4 万人 H24
 うち65歳以上(東北3県除く。) 6.4 万人 H24
新規漁業就業者数 1,920 H24
漁協 漁協数(沿海地区漁協) 979 漁協 H24度末
漁協の組合員数 34 万人 H24度末
燃油価格   101,500 円/kl H26/4
漁村の現状 漁船数   18万5,465 H20
漁港数   2,909 H25
漁業集落数   6,298 集落 H20
所得 沿岸漁家の漁労所得 238 万円 H24
環境 藻場の面積   14万2,459 ha H10
干潟の面積   4万9,380 ha H10

 
 
  
農業補助金を知る

 

  
補助金は470種類ある 
世界に類をみないほど過保護な日本の農業補助金。その数は470種類に上る。その中身を分類、整理し、全体像と仕組みを浮き彫りにする。  
農業補助金で、ソフト、ハードと呼ぶ表現があることを御存知ですか。役所用語で推進事業、整備事業のことを指します。一般に、生産者に馴染みが深いのは、ハード事業と呼ぶ整備事業ではないでしょうか。補助対象が、機械、施設、基盤整備となっているからでしょう。これに対し、推進事業は、ソフト事業と呼ばれ、協議会や推進会議、調査事業、実証圃の取り組み等を補助の対象となっていて、一般の生産者にはちょいとなじみの薄い事業といえるでしょう。  
農水省の補助事業は、「平成21年度補助事業等資料」によりますと、林野庁や水産庁の分を含めた省全体で470もあります。このうちハードを対象とする補助事業の数を官房政策課にチェックを入れましたら、「400近くあります」という返事でした。本省課長級(参事官を含む)ポストは118。1人の課長さんで4つの補助事業を監督していることになります。  
でも生産者に役立つ補助事業となると、そんなには多くはありません。補助金研究会の仕分けでは、メインとなるのが5つ、サブ的事業も5つほどになります。あえてメインと呼んだのは、主に生産者や流通関係者向けで、ハードの種類も多く、農業関係者の関心も強いという意味で呼びました。サブはそのメインを補完するという意味で呼びましたが、ある特定の目的を実現するための補助事業です。  
メインでも東西の横綱的な存在として、「強い農業づくり交付金」と「農業・食品産業競争力強化支援事業」の2つがあります。農水省補助事業の中で機械、施設、基盤整備のメニューはオールラウンドに用意されています。「産地生産拡大プロジェクト支援事業」は地域ぐるみという点で、どちらかといえば農協に適した補助事業のような印象を受けます。「広域連携アグリビジネスモデル支援事業」は、広域で展開するモデル的な生産者の連携や生産者と流通加工業者の連携を応援するという目的で導入されました。「農山漁村活性化プロジェクト支援交付金」は、名称から連想できるように農山漁村というでの地域での農業活動等の取り組みを対象にしたものです。
オールラウンドの強い農業づくり交付金  
「強い農業づくり交付金」は、昔の「生産振興総合対策事業」、「輸入急増農作物対応特別対策事業」、「農業経営総合対策事業」などを統合してワンパックにしたものです。今は「産地競争力の強化」、「経営力の強化」、「食品流通の合理化」の3本柱になりました。守備範囲を生産から流通へと拡げ、まさにオールラウンドプレーヤーの面目躍如たるところがあります。  
「産地競争力の強化」は、もっとも一般的な補助事業のメニューを用意しています。小規模基盤整備、施設(共同利用施設)、機械(共同利用機械)の3つのカテゴリーに分かれています。事業実施主体も、農協、農業法人、その他農業者の組織する団体等と、補助対象のウィングをグッと拡げています。その他農業者が組織する団体は、採択要件で「原則として5戸以上というルールがあります。  
「経営力の強化」は、「認定農業者等担い手育成の推進」、「担い手への農地利用集積の促進」、「新規就農者の育成・確保」の政策メニューがありますが、ハード事業を含むのは、「認定農業者等担い手育成の推進」だけです。この中には、「経営構造対策」と集落営農育成・確保緊急整備支援」が含まれています。  
「食品流通の合理化」は、ハード事業のメニューは卸売市場の整備に重点を絞っています。  
これに対し「農業・食品産業競争力強化支援事業」も、ハード事業のウィングの広さは「強い農業づくり交付金」並みですが、国産農産物生産の低コスト化に向け、大胆な取り組みやシステム導入を補助対象にしています。21年度からは「国産原材料供給力強化対策事業」があらたに加わりました。
「○○事業」と「○○交付金」の違い  
同じ補助事業なのに、「○○事業」や「○○交付金」という呼び方があります。分かりやすい説明すると、事業実施主体に対し、国が直接採択する補助事業を「○○事業」、都道府県が採択する補助事業を「○○交付金」と整理してくださって結構です。  
「交付金」は耳慣れない言葉ですが、これは地方分権の流れに沿って、平成17年度予算から補助事業の一部が交付金化されて、都道府県が採択するようになったことから、こう呼んでいるのです。ただし、実態は必ずしも地方分権に沿ったものとは言い難い点があります。都道府県が採択権を持ちながら、採択の時点で都道府県は地方農政局を通じて「妥当性の協議」という場を設けています。国が採択に一定の影響を行使していこうという考え方が背景にあるのです。地方分権の流れに逆行するという批判もありますが、国が採択に関与することによって、現場の情報を農業政策に反映させたいという国の思惑もあります。  
サブとなる補助事業についても簡単に説明しておきましょう。補助対象がオールラウンド的なメインの補助事業に対し、ある特定分野に対象を絞った専門的な補助事業もあります。代表的なものは、「農業生産地球温暖化総合対策事業」「地域バイオマス利活用交付金」「有機農業総合支援対策」「施肥体系緊急転換対策事業」「鳥獣害防止総合対策事業」などです。  
事業内容は、その名称から連想いただけると思います。20年度スタートの「農業生産地球温暖化総合対策事業」。有機物供給施設、たい肥関連施設や機械がハードの対象だ。これと相関連するようなものが「地域バイオマス利活用交付金」。バイオマス発生・利活用施設に補助金をつけています。同じような政策目的なのに、前者は大臣官房環境バイオマス政策課で農村振興局農村政策部の中山間地域振興課も相乗りしています。後者は生産局農業環境対策課が担当する。有機農業総合支援対策も、この課の所管となっています。  
施肥体系緊急転換対策事業や鳥獣害防止総合対策事業は、生産局農業生産支援課の所管です。20年8月の組織再編で誕生した新しい課である。それまでの農産振興課を母体に、作物や業種等の縦割りから、「生産コスト削減」、「生産性向上」、「資材効率利用推進」、「機械開発・安全指導班」、「土地利用推進」等の政策目的別に横割り組織に変えました。「鳥獣被害対策」も、この課の所管です。  
経営局構造改善課の所管となる「広域連携アグリビジネスモデル支援事業」は、その名称から連想できるように、都道府県域を越えた生産と流通の活動に対し、国が直接、事業実施主体を支援する事業ですが、担い手の育成という政策目標も掲げています。  
「農山漁村活性化プロジェクト支援交付金」は農村振興局の所管です。農山漁村整備の振興を図ると同時に農山漁村での生産基盤の整備を進めることが目的です。同局の「村づくり交付金」もよく似たような内容の補助事業ですが、こちらは生産基盤と生活基盤を一体的に整備するのが条件となっています。双方とも交付金となっていますが、地方の実状に合わせたという説明のようですが、実際の採択には農水省が積極関与していることは言うまでもありません。
一つのメニューに複数の補助事業  
役所用語で、補助対象となる機械、施設、小規模基盤整備など具体的なもの、例えばコンバイン、温室、圃場整備などをメニューと呼んでいます。こうしたメニューで、とくに機械や施設は、正式には「共同利用機械」、「共同利用施設」と呼ばれています。補助金が、個人の生産者を対象にしたものではないことから、そう呼ばれるようになったものです。同じメニューでも、複数の補助事業によって対象になることがあります。例えば育苗施設の補助金を申請する場合、○の付いている3つの事業が対象になります。そのなかから自分の目的に応じて最適な事業を選べばいいわけです。  
  
発表から締め切りまで2週間弱 

 

交付先は内定済み? 早く知るすべを知るしかない!  
補助事業は多くの種類があり、事業ごとに手続きが違います。どの補助事業でも共通しているのは、農水省や都道府県による補助事業の告知が短く、補助金情報が現場に十分に伝わらないというもどかしさです。これには、農水省なり都道府県にチェックを入れるしか解決法は見当たりません。  
すべて税金で賄われる補助金は予算編成と連動しています。国の通常予算で新規の補助事業を取り入れたり、既存の補助事業に手直しをする場合、担当課がその準備を始めるのは新年度の4月に入ってすぐのことです。  
8月末には、各省庁はそれを踏まえて財務省に対して概算要求を提出します。一般に、翌年度の補助事業の輪郭をうかがい知ることができるのはこの段階となります。概算要求決定を受けて、担当課は補助事業の実施に向けて詳細を詰めていくことになります。この段階で地方農政局の中には、一部関係者にのみ来年度の補助事業の説明をすることもあります。  
通常の場合、政府は、年末に予算案を決定し、国会に上程します。これを受けて担当課は、省内調整を経ながら、実施要綱や要領を決めたり、手直しをしたります。要綱・要領は、補助事業の補助金のルールブックと思ってください。  
その多くの要綱・要領は4月に入って公表されます。補助事業によっては「通知」という形式をとり、農水省のホームページに公表されるのは、4月3日以降(平成21年度の場合)ということになっています。公募形式で申請者を募る場合、公募日と締め切り日が農水省のホームページに「補助事業参加者の公募」として公表されますが、公募日から締め切り日まで2週間弱という極めて短い期間になっております。最短で2日というものも存在します。  
このような短期間では、あらかじめ補助金情報を入手しておいて、関係当局と情報交換しながら、準備をしておかなければなりません。とはいえ、事前に補助金情報を入手することは、ごく一部の関係者以外は入手困難というのが現状です。  
補助金研究会は、この情報ギャップを埋めるべく、補助金情報を伝えるWebサイトを準備している。
補助金のスケジュール  
次いで「公募」から「補助金交付」までのスケジュールについて説明したいと思います。先に述べましたように、補助事業と交付金では、スケジュールに違いがあります。ここでは国の直接採択である「農業・食品産業競争力強化支援事業」の「技術革新波及対策事業」と、都道府県が採択する「強い農業づくり交付金」を例に説明してみたいと思います。後者は、都道府県によって状況が違うので、ここでは鳥取県の場合を時系列で整理してみました。  
まず直接採択型から説明してみましょう。ざっとした流れでは、「事業実施の公募(募集)」→「実施計画書の提出」→「実施計画書の審査」→「事業実施体として採択」→「交付候補者へ選定通知」→「交付申請書の提出」→「補助金の交付」へとなります。先ほども説明しましたが、これはあくまで表向きのことだと思ってください。補助金の応募参加者は、概算要求が出た段階で、次年度の補助事業の応募のための準備を始めた方がよろしいでしょう。  
次に説明する都道府県による採択の補助事業は、これを裏打ちしています。「強い農業づくり交付金」を例に鳥取県の場合を示しておきました。9月から10月にかけて翌年度の補助事業応募に向けて、県内農協や生産者等から市町村を通じて「強い農業づくり交付金」への要望をとりまとめています。年末には、国から交付金を受けとることを前提に県財政課に正式な予算要求を提出します。  
2月に、国から県に対し事業の要望額や事業内容の提出するよう指示があります。それに従い3月になると、県は、農政局を通じて、事業実施主体への応募者や希望する取り組みなど具体的な内容を添えて要求書を提出します。  
新年度(4月)に入りますと、国から要望を認める内示を受けます。ただし、この時点では全体の予算額の内示のみです。その内示を受けて県は、実施主体への応募者に対し、県を通じて国に計画書を提出するよう指示します。それを踏まえて県は農政局との間で「妥当性の協議」を開始します。  
「妥当性の協議」とは、交付金を財源とした補助事業は、一応、都道府県が採択することになっていますが、完全に地方が主体となった採択ではありません。この段階で、採択に国の意向が反映されるのです。それはそれとして、国が申請に対し異議なしとなれば、県は「承認」を応募主体(応募者)に通知します。この段階で事業実施主体として正式に交付申請を要請するのです。  
5月に、国は交付決定を県に通知します。それを県は事業実施主体に通知して、事業実施主体が事業に着手することになります。  
以上が補助金の申請から受取までのおおまかなスケジュールです。詳しくは、各地農政局、都道府県へお問い合わせください。 
  
特定利害関係者のための補助金 

 

この4月13日、肥料元売りの三井物産アグロビジネスは傘下の特約店等に対し、「農林水産省施肥体系緊急転換対策事業について」という文書を配布しました。三井物産アグロがわざわざこんな文書を出したのは、「誠に杜撰な告示方法をしている」と農水省による同補助金情報の伝達方法に不備があると批判するためでした。対する、同補助金担当の農水省農業生産支援課は「HPにも掲載しており、ご批判を頂戴しても」と困惑の表情を隠しませんでした。双方の言い分、どちらに理があるのでしょうか。  
この補助金事業(予算約12億円)は、肥料価格の高騰を背景に、施肥コストを低減する技術導入を推進する目的のものです。名称でおわかりのように、「施肥体系の緊急転換」を促すことで目的を実現するというわけです。ポイントとなるハード事業として「広域的な土壌診断施設や肥料流通拠点の整備」を補助の対象にしています。  
それでは「施肥体系緊急転換対策事業」について、農水省の本当の意図を解き明かしてみましょう。その前に、念押しの意味で、この情報が肥料関係者の間でどこまで伝わっていたのか検証します。肥料業者の業界団体である全国肥料商業組合連合会がこの事業を知ったのも、上の文書が出たころと同時期だと推測されます。というのも、その文書が出回った翌日に、全肥商連会長(三菱アグリサービス社長が兼務)と事務局長が、農水省に出向いて、三井物産アグロと同様の指摘を担当者に伝えていたのです。肥料業界は、誰もこの事業を知らなかったというのが、どうやら事実のようです。  
事業の実施主体は、「農業協同組合連合会、民間団体及び普及指導機関や試験研究機関等が参画する団体」と定められています。  
ここに、この事業の「本当の意図」が透けて見えてくるのです。  
肥料業界の現状からして、この補助事業を利用するようなことは皆無に等しいことだと言えます。もし肥料業界が、この補助金を利用しようとすれば、事業実施主体の要件を「民間団体」ということでクリアしなければなりません。お互い競合相手である業者達がこのような組織を結成してまで、この補助事業を利用することで土壌診断装置を導入したり、肥料の流通拠点を建設するようなことは現実的にはあり得ない話と思われるのです。  
「普及指導機関や試験研究機関等が参画する団体」についても、同じことが言えるのではないでしょうか。農業生産支援課の担当者に、そうした団体から補助事業導入の陳情や要望があったのかとチェックを入れたところ、担当者は「なかった」と答えるだけでした。  
従って消去法で言えば、農業協同組合連合会向けに新設された補助制度だったと言えるのです。肥料業者の中には、自前の資金で土壌診断装置を導入された企業が何社もあります。理屈では、この補助事業で土壌診断装置を導入した農業協同組合連合会は、一般の肥料業者と比べ、生産者向けの土壌診断費用を安くすることができるのです。  
その担当者に、「この補助金は経営努力をして、農家のために土壌診断をしている業者の足を引っ張るだけではないのでは」と質問を向けました。「そうですね、(農業協同組合連合会の)ランニング費用は安くて済みますからね」と他人事のように感想を述べていました。 
  
農業補助金 Q & A 

 

本誌で、読者に補助金に関する質問を募集した。素朴な疑問から、実際の悩み、制度への問題提起まで、土門剛と編集部が応える。
Q1:全農家対象の農業補助金はおかしい。農協利用の農家は、ほとんど兼業あるいは農地放棄農家、それに自家用栽培農家であり、単なるバラマキに過ぎない上、日本農業の再建にマイナス効果しかないように思う。補助金を配布するならば、低所得の専業農家に配るべきではないですか?  
A1:業補助金は、真に日本農業の背骨はいこつとなるべき生産者に集中すべきです。それが納税者の考えでもあります。心ある農水官僚も、同じ思いを抱いているようではあります。しかし現実は、渥美清の「男はつらいよ」のせりふのように、政治家や農協との板挟みがあり、官僚自らの生き残りのためにも零細規模農に手厚い補助金を気前良く出すしか術がないというのが現実です。
Q2:20年前、後継者に移譲したときから農協を離れ自立販売に踏み切りました。当時ハウスやクラー防除に対し、90%近くの補助金があり、県や普及所に申請しました。すると、地元の町役場の産業課に申請してくださいと言われ、役所に行くと農協に一括委託してるからと言われ、農協は組合員でないと扱えないとけんもほろろでした。税金はきちんと納入してるのですが、縦割り制度が癒着して、結局、補助金はいただけませんでした。銀行から融資を受け、自己資金で購入しました、今もその制度は残り、県と農協が連携し一般農家が無視されてます。補助金制度は賄賂の巣窟で、やる気の農家をいたずらに叩いてるように思いますが、そもそもそのような補助金のあり方の是非はどうなのでしょうか?  
A2:今から10年ほど前に、関西地方でこんなことがありました。農協だけに補助金が渡るのに怒ったある人は、「あいつら(農協のこと)は、税金も満足に払っていないのに、補助金を独り占めするのは絶対に許せん。こんな不平等を国が放置する限り、俺は税金を払いたくない。あいつらだけに補助金を出し続けるようなら、自分の納税分は法務局に供託したい」と、なんと、税務署に文句をつけに言ったのです。門前払いにされると思っていたら、その業者の言い分に耳を貸した税務署員が、その場で県庁と農政局に電話をして善処を強く求めたというエピソードが本当にありました。その税務署員の行動、なかなか大岡裁きのようなもので、実に納税者国民の共感を得ること必定ですが、悲しいかなこのような公務員が、この国に少ないことがニッポンの悲劇でもあります。  
余談はさておいて、岡山県では、農政部長が農協中央会・会長に天下っていることをご存知でしょうか。農政部長が農協組織に天下ってはいけないという法律はないようですが、通常の常識感覚では、県幹部が天下りすれば、お馬鹿な役人は、先輩に続いて農協組織に天下ろうという邪心を抱き、ニッポン農業のことなど関係ねぇ〜とばかりに、農協組織に補助金を湯水の如く垂れ流し続けるのであります。このような悪弊を改めるには、官僚が支配する政治体制を打破するしかないのですが、いかんせん政治家はもっとひどい質なので、ここは真っ当な官僚の出現に期待するしかない、というきわめて厳しい政治情勢があることを忘れてはなりません。  
こうした情勢を打破するために、地方分権で物事が解決すると思っていたらそれも大間違いです。地方分権になれば、都道府県や市町村は、農協組織の御用承り係りになってしまうだけです。
Q3:かつて補助金を申請したことがありますが、結果的には補助金をいただきませんでした。その理由として、設備や機械の購入の条件が厳しく、安くてよい機械を購入しようとしてもそのメーカーや型番は補助が出せないというものだったからです。設備等の条件が決まる、合理的な理由はあるのでしょうか。  
A3:農水省生産局総務課の生産振興室に聞きますと、農業補助金で補助対象となる共同利用機械は、ごく一部を除き、メーカーや型番の指定はないということでした。従って、合理的な理由などあるわけがありません。あるとしたら、不合理かつ不法な理由しかないのではないでしょうか。ご質問を参考に想像をめぐらせますと、その担当者は、公務員倫理法に反して、どこかのメーカーのご接待を恒常的に受けているような印象を受けますね。あるいは役所の先輩が、どこかのメーカーに天下っていて、いずれも自分もその道を踏襲したいとひそかに期待しているのではないでしょうか。こういう不埒な公務員を撃退するには、そのメーカーや型番を補助対象にできないという理由、あるいはどのメーカーなら補助対象となるのかを文書で求めることではないでしょうか。
Q4:補助金を使って経営が軌道に乗り、今なお成長をし続けている農業法人はあるのですか?  
A4:うーん、厳しい質問ですね。正直、これをそのまま農水官僚にぶつけてやりたい心境でもあります。というのも、農水官僚は、農業補助金が世のため、人のため、大いに役立っているという、間違った考えの持ち主であるからです。本誌でも何回か触れたことがありましたが、日本農業法人協会(会員数は21年4月時点で1695人)のメンバーのビフォー&アフター、つまり農業補助金が経営に役立ったか、役に立たなかったかを調べればよいのではないでしょうか。残念ながら、そのような調査はどこもしておりませんが、読者諸兄に是非ご披露したい格好のエピソードがあります。今から3年ほど前に、同協会の前会長が、平然と、かつ正直に「7割は赤字スレスレだな」と吐露しておられたことです。あ〜、またあのネタかと決して思わないでください。これほど農業補助金の実態を映した事実は無いと思うからです。残念ながらというか、当然のことと言おうか、前会長のご託宣はドンピシャ。その赤字スレスレ組が、相次ぎ沈没していく情報が筆者の元にも入ってきます。沈没、倒産破綻自殺夜逃げのことですが、そうした関係者の中には「あの時、補助金を使わなかったら、こんなことにはならなかったのに……」と後悔の言葉が聞こえてくるようでもあります。
Q5:農業外の業界にいますが、農業補助金の支払われ方が不公平ではないかと考えています。一部のうまくやっている人がお金をもらっていて、何も知らない人はお金をもらえないと想像しています。生活保護なども同様かと思いますが、支払い基準が農家全員に周知徹底されていないと思うので、支払い基準について聞きたいです。  
A5:筆者の友人に、お腹がピーピー下るぐらい補助金を喰っている方がいらっしゃいまして、先だっても、久しぶりに訪ねたら、新車のベンツ(Cクラス、色は目立たぬように白)で空港まで迎えにこられたのであります。この方の喰い方はなかなか豪快でありまして、農水省だけでなく、厚生労働省や中小企業庁にも食指を伸ばしておられますが、豪快に喰い続けても、食中毒に当らないようなステンレスの胃袋をお持ちとお見受けしたのです。これは特殊な補助金サイボーグの化身かなとも思いましたが。一般には、食中毒にならないぞと相当の決意をしていても、目の前に補助金がぶらさげっておれば、つい喰いすぎて食中毒を起こしてしまい、挙句には死に至る病を併発してしまうことが通例のようです。アイスクリームをいっぱい食べて、天ぷら丼を何杯もお替りをするようなものでしょうか。農業補助金は、原則、1回限りにすべしというのが筆者の考えですが、このことを農水省の役人たちはなかなか理解してくれないのです。補助金で死に至る病を防ぐには、補助金をもらった方が、その後、どれだけ経営にプラスとなり、その証明として納税の務めを果たしているかを検証することではないでしょうか。その検証もなしに、同じ者に補助金を流し続ける役人を、“税金泥棒罪”(そんな法律あった?)で牢屋にぶち込んでやることではないしょうか。
Q6:地域の農業関係指導として、大豆などへの転作を補助金付きで促されていますが、総じて湿田傾向の近隣圃場にはマッチしませんし、たとえ暗渠工事で水はけ改善を目指すにしても、要する投資コストを回収できる可能性も無さそうに感じます。そのため、現在は湿田で「達磨ヒエ」を栽培しています。育苗・移植・刈り取り・脱穀の全てに水稲用農機が使えましたし、総合評価として有力な作物だと分かりました。残念なことは、当地近隣でヒエの白乾かし脱ぷができる施設がないものですから、調整コストがネックなんですが、施設準備に使えそうな助成は見あたらないのですが……。  
A6:「強い農業づくり交付金」が該当するように思われます。生産局総務課生産推進室によれば、「雑穀の乾燥調整施設を対象外とはしない。ただし、乾燥等の設備の場合、5000万円以上のものを対象とするので、現実的には難しいかもしれない」「県ないし市町村に助成対象を決める裁量があるため、例外はないとはいえない。そちらにご相談を」とのことでした。後者の問題はさておき、「5000万円以上」という下限条件を定める必然性についても疑問ですが、その条件から漏れる農業経営者の経営に利するものにはなっていないことを示しているように思います。
Q7:平成20年度末に出された「食料供給力向上緊急機械リース支援事業」で、対象となる機械にトラクター(クローラ)などがあり、申込みをしようかと考えましたが、状況等を確認したところ申込みが殺到して、当初の2分の1とか3分の1とかいう補助率もあてにはならないとのことでした。それでわたしは申し込むのを止めてしまいました。月額リース率も銀行系リース会社よりも相当高いですし、よく考えてみると最大限の補助をもらったとしても負担は全然軽くならないように思うのですが。  
A7:平成21年度予算では250億円確保した、農機リース支援事業。昨年度の補正予算案で急遽盛り込まれた補助金ですが、生産局農業生産支援課によると、「50億円の助成枠のところに、190億円も申請が寄せられた」とのことで、結果的に補助率も下がった=減額になったということです。リース率でいえば、それはおっしゃる通りで、銀行系なら3%以下、リース物件価格にもよりますが、おおよそ5〜7%の幅ではないでしょうか。ある読者によれば、「3割以下であればうま味がない」とのことで見送ったとのこと。今回殺到した理由は条件が厳しくなく、補助金目当てでといううがった見方もなきにしもあらず。規模拡大に有益に働くかどうか、年数が経ってみないとわからないですが……。
Q8:これから農業をやりたいと思っているものです。始めるにあたり、どんな補助金が申請できるのでしょうか?  
A8:国は、新規の農業参入意向者向けに、情報提供、相談、研修制度などをほぼ無料で実施しています。また、実際に農業を始めた後に得られる補助金は、都道府県からの交付が多いです。農業に就いただけでもらえる就農支援金から、家屋の改修、家賃補助、機械・設備補助、海外研修まで、至れりつくせりのメニューが準備されてるところもあります。次頁では、長野県を例に紹介しています。詳細は、希望する県の就農相談窓口にお問い合わせください。 
  
圧倒的!「補助金に頼らない」経営を目指す声 

 

本誌読者アンケートで募った補助金に関する自由回答をまとめた。大多数に共通するのは補助金のあり様、あり方に対する圧倒的に否定的な見解だ。
私が補助金をもらわない理由  
私は補助金に頼らない経営を目指しており、今は転作の産地づくり交付金だけもらっています。機械・設備に対する補助は一切ありません。法人ではないため、兼業農家とほぼ同じ扱いです。情報も何もくれませんが、欲しいとも思っていません。  
補助金に頼らない理由は、まず第一に、農業者本来の「つとめ」を忘れてしまう心配があるからです。本来、生産者である私は、私のお客様に頭を下げるものですが、補助金に手を出すと行政に頭を下げることになり、自分の経営を見失うことになりそうです。補助金に頼った経営を行なうようになると、今度はどんな補助金ができるのかに関心が行ってしまいそうなのです。  
そもそも「こんな補助金がありますが何か利用しませんか?」という行政は最低だと思います。農業経営者が自分のプランを実現するために「こうしたいんですが、何かいい方法、いい補助金を含めたアドバイスはありませんか?」なら、まだわかる気もしますが……。農業者は品質の向上、技術の向上等をさせて経営を良くしていくものだといます。それに自分で買った機械や設備だからこそ、ねじ一本まで大切にしようと思うものではないですか?  
もうひとつの理由は、補助金をもらわないと、自分の経営がダイレクトに数字に表れてくるからです。補助金を取ってくるのも経営者としての力だとは思います。しかし、補助金がない場合を考えると、なんとか自分の経営を良くしようと真剣に知恵をしぼり、工夫をし、努力をします。そうした試行錯誤にしても、補助金がある場合とない場合では、違った方法をとるかもしれません。補助金をもらっている人が知恵をしぼらず、工夫をせず、努力をしないということではありません。ただ、自分の判断がすべてで、そのぶんリスクも負うとなると、その知恵なり工夫なり努力なりに甘えは許されなくなるのです。真剣勝負なのです。行政にとっては、あまり知恵や工夫や努力をしてもらうと困るのかもしれません。農業者が一人歩きして、行政の言いなりにならなくなりますから。  
補助金に一度手を出すと、病みつきになりそうな気がします。会社員の人が、本来自分の仕事でこつこつと働いて頑張ればいいところを、ある日突然話をもちかけられて株を買い、儲けたようなものだと思います。株を遊び程度でやっているうちはいいのですが、本来の仕事をそっちのけで株にのめりこんでいってしまう……そんな状況に似ているような気がします。高木正美(岐阜県・コメ・46歳)
補助金は経営を甘くする罠  
私は一切補助金を使っていない。そのうえで補助金に対して思うことは3つある。  
まず、人様の稼いだ金をもらうのはどうか。そして、もらえば必ず何かがついてくるに決まっている。結果、もらえば経営が甘くなるものだ。  
農家に補助金がやたらに下りる、変な時代が30年間続いた。その結果、農家が機械を大切に修理しなくなった。修理では補助金はおりないが、交換・買換えすれば補助金が下りるからだ。この現象は、植民地政府が現地の野鍛冶(街の鉄工所みたいなもの)を経営できなくして、替わりに鎌などの農具を輸出した構造に似ている。  
かつて日本には旋盤をまわして、メーカーやディーラーにない部品でも作る野鍛冶がたくさんあったが、最近はほとんどない。これに対して米国では、いまだに野鍛冶が存在しているのは示唆的だろう。  
私が補助金なしでやっていけるのは、一つにはたまたまそういう野鍛冶に知己があるからだ。1950年代製のトラクタ(フォード製「デキスター」)、1970年代製トラクタ(「フォード5000」「クボタL3500」)、型番が剥げてわからくなったコマツ製のバックホーなど、自分で買った機械は大切に現役で使っている。兵藤保(茨城県・栗園経営)
補助金却下で出てきた新しい知恵  
農業法人に数年勤務した後に独立して、今年で2目を迎えます。独立にあたって、まず必要になる農機の購入資金を調達できればと、新規就農の補助金を申請したことがあります。結果的には、提出した営農作目や計画に納得してもらうことができず、申請は通りませんでした。  
どうも前例にないこと、つまり、ほかの人と同じ作物をつくって、同じような値段・売り方で販売する計画でなければ認めてくれないようなのです。その通りにして経営がうまくいくならまだしも、周囲の農家を見回しても、うまくいっているようには見えません。申請が通るまでに時間がかかることを考えると、安い中古農機を購入するタイミングを逸してしまい、新品の機械を買わざるを得なくなってしまうようにも思います。  
何より、補助金の基準にあわせた農業では、自分が実現したいと思っている農業とは違うものになってしまいます。結局は、貯金をとりくずしてネットオークションサイトで中古農機を入手することにしました。苦肉の策でしたが、ネットオークションとはいえ十分な機械が手に入り、しかも費用も通常の4分の1ほどで済ませることができました。補助金の支給の仕方には疑問が残りますが、自分のでリスクを負って初めて出てくる知恵もあるのだと実感しています。S・K(関東・畑作)
生産者自身が問われている  
現在の農業補助金はそれをもらっている方々は、それぞれ状況の違いはあれ、感謝されているものと思います。  
今後もこの種のお金が継続的に支払われるものであればもっと積極的な動機付けがほしいと思います。それは、ほかの産業との所得格差是正ではいかがでしょうか。  
しっかりした動機付けがあれば、生産者の中にも考え直してがんばる人たちも増えてくるはずです。異業種や素人の方たちは、別の形でインセンティブを感じておられるものと確信いたします。ここは、生産者の皆様方が自分たちの問題として解決していくことが必要と思います。
成立しないビジネスに税金を使うな!  
事業として成立しないものにお金を出すのは、税金の無駄遣いでしょう。補助がなければ成り立たないのなら、そもそもビジネスモデルとして失格です。農業のインフラを整えるのに税金を使うのは良いと思いますが、個々の事業者に補助金を与えて何らかの事業をやらせるのは、「儲からないけど頑張ってね」と言っているようなものです。だって、補助金が切れた瞬間に単年度赤字になるはずですから。  
グラミン銀行のように、小額・低金利の無担保融資は良いと思いますが、機械や施設の半額を国や都道府県が負担するのは間違っていると思います。成立しない可能性が高い農業ビジネスを無理にやらせるために、農民を騙す手法ですから。  
第一世代の花の生産者達は補助金の対象外だった時期が長かったせいで、足腰の強い方が多かったです。経営感覚があり、着実に経営を大きくしていました。ところが、ここにきて花生産を諦める事例が増えています。花が儲かるというのであちこちから花生産のビジネスに、補助金付きの農家(第二世代の花農家)が沢山参入してきたことが原因なのではと推測しています。
補助金が農業衰退の原因  
補助金は農業衰退の一番の原因だと思います。そんなものがあるから、能力のない経営体がだらだらと生き残り、産業全体の活力をそいでいる。保護されなかった、産業のほうが伸びているのが現実だ。
誘惑に駆られない  
補助金という言葉は 甘い響きがありついつい誘惑に駆られて使ってしまいそうです。自分の経営に甘さが出てしまうと思うので、できる限り使わないようにしていきたいと思います。
補助金という無理は禁物  
以前に申請した経験から、補助金なしで農業を続けることが最善の方法であることがわかりました。担当役所、農協など不親切で、必要以上の過大な設備投資を強いられたからです。結局、受け取りませんでした。自然を相手の農業は何が起きるかわかりません。無理は禁物です。無借金経営を貫けば、ゆとりのある経営ができます。
グランドデザインがない  
補助金のあり方についてはかねてから疑問をもっております。一番の根本は農政に日本の国土保全と自給率アップ、食の安全などをどうするかというグランドデザインがなく、場当たり的なばらまき補助金ではないかという疑問がいつも私から離れません。  
もえるものはもわなければ損ということでしょうか、その補助金で農業経営をどう変えようか、という意識を持って取り組んでいる農協、農家が非常に少ないと感じています。  
不合理な話をあちこちで耳にします。農家は補助金をもらうほうだから何も言わないのかも知れないが、農業以外の分野からみると、不合理を強く感じます。
農業経営に「枠」をはめる  
あらゆる産業のなかで、これほどバラエティに富んだ補助金があるのは農業分野だけではないでしょうか。どうもこの補助金が農業経営に「枠」をはめているように思えます。 
  
農水族議員、農水省役人よ  
 見識ある農業経営者の補助金制度への懐疑に耳を傾けよ! 

 

補助金に依存し経営の自立性を喪失することの危うさを指摘してきた本誌が「補助金特集」をするからといって宗旨変えしたわけではない。本誌も国や地方行政がそのリスクの一端を背負い事業者によるチャレンジを支援することはあってしかるべきだと考えている。しかし、現在の補助金の在り様に関して、現実の経営者である本誌読者の方々が、懐疑的あるいは補助金をもらうことへの経営者としての戒めを述べておられることに、補助金問題への答えがあると思う。  
補助金とは政策目標の実現のために予算化されているはずだ。しかし、その背景にある政策目的への懐疑、運用上の問題、経営の自立性喪失、補助金農政がもたらすモラルハザードの問題等々、補助金の在り様に対して農業界をリードする農業経営者たちがこれほど否定的な見解を持っているのだ。そのことを農水省や農林族議員たちはよく認識願いたい。  
また、新規に農業を始めようとして本誌を手に取っていただいた方々にはこう助言したい。取れる補助金は取ればよい。ただし、農業経営者を目指す方々なら、この読者の声を良く噛み締めていただきたい。  
 
 
農業者戸別所得補償制度 

 

日本の民主党が提案した農業政策である。2007年10月に参院に法案を提出し11月に可決、2008年5月に衆院で廃案となった後、2009年8月30日に行われた第45回衆議院議員総選挙のマニフェストに盛り込まれた。2011年度から実施する予定であったが、一部は10年度から先行導入された。  
民主党から自民党への政権交代に伴い、平成25年度(2013年度)は農業政策として、経営所得安定対策が推進されることとなっている。米、麦、大豆、てん菜、でん粉原料用ばれいしょ、そば、なたね等の、販売価格が生産費を恒常的に下回っている作物について差額交付するとともに、麦・大豆等への作付転換を促進、増産を計るものとなっている。  
 
食料自給率目標を前提に国、都道府県及び市町村が策定した「生産数量目標」に即して主要農産物(米、麦、大豆など)の生産を行った販売農業者(集落営農を含む)に対して、生産に要する費用(全国平均)と販売価格(全国平均)との差額を基本とする交付金を交付する。交付金の交付に当たっては、品質、流通(直売所等での販売)・加工(米粉等の形態での販売)への取り組み、経営規模の拡大、生物多様性など環境保全に資する度合い、主食用の米に代わる農産物(米粉用、飼料用等の米を含む)の生産の要素を加味して算定する。  
現状  
2010年度予算の概算要求では水田作を対象として総額5618億円のモデル対策を示した。モデル対策は、米の「生産数量目標」に即した生産を行う販売農家を対象とする「米戸別所得補償モデル事業」と、水田での麦・大豆・米粉用米・飼料用米などを生産する販売農家を対象に主食用米並みの所得を確保する水準の金額を交付する「水田利活用自給力向上事業」からなる。米の生産調整への一律参加を求めず選択制にし、後者の事業では米の生産調整に不参加の農家も対象とした。  
同制度に参加するすべてのコメ農家には、米価水準にかかわらず、全国一律の定額補償が10アール当たり1.5万円が支払われる。対象農家は約180万戸とされる。農林水産省は申請件数120万戸を目標としていたが、2010年6月時点での申請は、すでに130万件を突破していた。  
交付金予算規模 (億円)  
 年度       畑作      水田      水田      水田  
   所得補償  畑作物     米         水田活用   米価変動補填  
 2011年度    2123      1929      2284       -  
 2012年度    2123      2929      2284       294  
 
農家への「戸別所得補償制度」って何だ? 2010/4/8 

 

民主党が現在進めている政策に、農家の戸別所得補償制度があります。これは農家を保護するために、農家に対してお金を支給する政策ですが、本当に日本に必要なのか考えてみましょう。  
戸別所得補償制度とは?  
農家への戸別所得補償制度とは、農家を保護するために政府が農家に対して所得を補償、単純に言えばお金を支給する制度のこと。いくら支給されるのかというと、まず「定額交付分」として、耕地面積10アールあたり年間1万5000円が与えられます。ちなみに10アールというのは1000平米に該当するので、小さめのスーパー程度の広さ。  
それ以外にも、農産物(主にお米)の販売価格が標準的な価格より下がった場合は、販売価格と標準的な価格との差額が支給されます。  
なぜいま、所得補償なのか?  
そもそも、このような所得補償制度が考えられたのはなぜでしょうか? 昔、日本のお米は農家を保護するために政府が公定価格で買い取ってから、市場に流通させる仕組みになっていました。  
それが「市場の原理を導入する」という目的で、1995年に一部自由化されてから、2004年の改正食糧法で完全自由化され、政府の買い取りはなくなりました。  
ところが、日本はデフレ経済がずっと進行。自由化後にお米の価格はどんどん下がり、農家の経営が苦しくなっていきました。農家を保護するために、民主党が今回の所得補償制度を導入することになったわけです。民主党は政権奪取の数年前から、政権をとったら所得補償制度を実行すると述べていました。  
戸別所得補償制度の問題点・疑問点  
他の多くの政策がそうであるように、戸別所得補償制度にも、まだ問題点や疑問点が残っています。  
最大の問題は、財源。民主党はマニフェストで2011年度に1兆円を使って、戸別所得補償制度を完全実行(米以外の農家にも適用)すると述べています。2010年度、米作農家に適用するために、すでに5618億円の予算が確保されました。  
しかし、不況で国債発行が急増しているこの状況で、この莫大なお金は将来の借金として日本に残るだけなのでないか?という疑問が残ります。  
次の疑問点は、所得を補償したら本来個人や企業が自己責任で行っていくはずの市場経済のルールに違反しているように思われる点です。経営が上手くいかなかったら倒産するからこそ、頑張って生産性を向上しようという努力にもつながります。何もしなくても生活が保障されていると、生産意欲を削ぐことにもつながりかねません。  
そして、今回の制度は専業農家・兼業農家ともに適用されます。そのため、農業収入がそれほど大きな割合ではない兼業農家にも適用され、本来農業を担っている専業農家との扱いに違いがありません。本当に農業を保護するためなら、農業の担い手である専業農家を優先して保護するべきなのではないか、という声もあります。  
どうなる? 将来の日本の農業  
戸別所得補償制度が実行される背景には、日本の農業の将来に対する不安があります。もともと日本は食糧自給率が低いので、農家を保護しないと将来ますます食糧を輸入に頼ることになります。  
OECD(経済協力開発機構)によると、2025年には世界を深刻な食糧難が襲うと予想されています。これは人口の爆発的な増加や、新興国の経済発展による需要の増加が原因です。  
そうなってくると、これまで食糧を輸出していた国も輸出を渋るようになるかもしれません。それでは食糧を輸入できない日本が大変なことに。ともかく国内の農家を保護して、食糧自給率を上げる狙いがあります。  
もう1つ農家の大きな問題として、後継者不足があります。現在では日本農家の6割以上が65歳以上の高齢者によって運営されており、今後は担い手のいなくなった農業が衰退していくことが危惧されます。  
戸別所得補償制度が本当に日本農業を改善するのかどうか、実行してみるまでわかりませんが、将来のために何らかの行動を起こす必要があるのは確かでしょう。 
 
農林中央金庫

 

農林中央金庫の機能 (2000秋) 
当金庫の業務は、出資団体であるJA、漁協、森組およびその連合会等に対する金融業が中心です。これを一般に「系統金融」と呼んでおります。系統信用事業の全国機関である当金庫の機能を資金の流れの面からご紹介しましょう。 
資金の調達 
資金の調達は主として預金と農林債券とによって行われます。預金のほとんどは、JA、漁協が組合員等から預かる貯金を原資とした預け金(系統預金)です。農林債券は、農林中央金庫法により発行が認められているもので、個人・法人を対象にワリノー、リツノー、リツノーワイド等を発行しております。 
このような資金調達により当金庫の総資産は、平成12年3月末現在49兆7555億円にのぼり、この数字は日本の金融機関のなかでもトップクラスにランキングされております。 
資金の運用 
資金の運用面で第一にあげられるのが、系統団体に対する貸出、いわゆる系統貸出です。農林水産業者に対する直接貸出(生産・販売資金)も系統貸出として取り扱っております。また、農林水産業に関連する一般企業への貸出も重要な業務となっています。これを関連産業貸出といいます。さらに、地方公共団体、地方公社等が農山漁村の産業基盤や生活環境の整備を行うのに必要な資金の貸出および公共性・公益性の高い公団、事業団、電力会社等への貸出も行っております。 
有価証券運用については、豊富な資金と蓄積された高度なノウハウをもとに、国内有数の機関投資家としてマネーマーケットに参加しております。また、短期金融市場でも同様にリーディングバンクとしての役割を果たしております。 
その他、系統団体や関連産業貸出のお取引先の海外業務展開を金融面から支援するとともに、国際機関、各国中央銀行等への海外投資も拡大しています。 
このほか、内・外国為替をはじめ、日本銀行歳入代理店業務、政府買入食糧代金支払業務、農林漁業金融公庫等の受託貸付業務も行っております。 
当金庫は、このように多様な運用手段を用い、系統資金を効率的に運用することにより安定的に収益を還元するとともに、種々の金融サービスを提供しており、これらが系統組織の全国機関としての重要な役割となっております。
平成20年3月期決算見通し (2008春) 
当金庫の決算は最終取りまとめ段階にあり、5月27日に公表する予定でございますが、サブプライムローン問題をはじめ、世界的な金融市場の混乱が拡大している状況の下、当金庫会員・投資家等の皆様の関心の高まりを踏まえ、平成20年3月期の決算見通し(単体)について、下記のとおりお知らせいたします。 
   記  
平成20年3月期決算(単体)に関しましては、保有する有価証券につきまして、いわゆるサブプライム関連で約1,000億円、金融市場混乱の影響により海外の証券化商品と株式で約1,800億円、合計約2,800億円の減損・引当処理等が生じる見込みです。一方、米国における金利低下による資金収支の向上および債券売却益等により、上記処理を行なったうえで、昨年11月27日に公表いたしました経常利益(単体)目標である3,520億円を達成できる見込みです。
 
財務省試算 TPPに入り関税を0にすると税収7800億円減少 

 

2013年7月3日 杉並区の山本太郎選挙事務所で、山田正彦氏(元農林水産大臣)を招き主にTPPについて話しました。山田正彦氏は過去に民主党、社会民主党、国民新党、新党日本など超党派の国会議員約180名を集めた議員連盟「TPPを慎重に考える会」を結成しその会長に就任した方です。  
  山田氏によるとTPPに入ることにより  
  ●アメリカの通商代表部のカトラー代表に聞いた所、例外、聖域はない。  
  ●アメリカが食品の遺伝子組み換え表示禁止や原産地表示禁止を提案している。 
  ●日本が地産地消をすると非関税障壁でアメリカがISD条項で訴えてくる。  
  ●TPPに入ることで、財務省が税収が毎年7800億円下がると試算されている。  
  ●次の交渉の最大のテーマは「インターネットの自由化を規制する(著作権)」。  
  と発言しています。  
山田氏 / もしもTPPになったら、日本の農業、漁業は壊滅しますね。  
山本氏 / その理由というのはどういう所だと思われますか?  
去年アメリカに行って、与党でしたから。通商代表部のマランチェスさんにあったんですよ。通商代表部といったら、正にTPP交渉を大統領直属でやっている所です。はっきり言われたのが、アメリカ人ははっきりしてますから「日本はアメリカにTPPで何を求めるのか?」 そしたら、米韓FTAを見てくれ。それ以上のことを求める。  
とんでもないことですよね。  
韓国の農業はどうなったか? 1年たって、いいですか。これは朝日新聞5月22日なんですよ。見ていただければわかるんですけど、朝日新聞の2面に「開かれた農業 韓国は」いいですか。ブタ1頭1万円の赤字ですよ。  
ブタ1頭1万円の赤字。はぁ〜。  
韓国の養豚業は7割廃業。かん牛もダメです。それ以上に養鶏、鶏卵が影響を受けています。韓国は米だけは例外がとれたと日本で報道されたんですけど、ところがそうではなかった。2014年から米の関税を0にしていく。  
猶予期間を設けられただけで、守ったわけじゃなかったと。 
じゃあ 日本は、この前のTPPの話で安倍さんとオバマさんの会談をうけて、聖域を例えば、国民健康保険とかあるいは漁業補助金一切禁止なんですけど、そういった6項目。農産物の重要品目の5品目この聖域、例外は認められるんだと国民はそう思ってますよね。  
そうですね。  
ところがそれを聞いたんですよ。先月カトラー代表に。  
またいかれたんですね。アメリカに。  
アメリカに行ってね。そしたらねぇ「山田さん、例外は一切ない」と、米においてすら聖域はないんですよ。米においてすらセーフガードが長期ステージで関税0にすると言いましたね。去年は、長期ステージといわれる7年で関税0にする。と私に言ってましたね。せいぜいみて10年で関税を0にするんですよね。畜産物はもっと速いですよ。韓国以上の物を求めると言いましたから。おそらく米が60kg 2000円ぐらいで入ってきます。アメリカからカリフォルニア米が。カリフォルニア米 食べたことある?  
あります。  
おいしいでしょ。  
いけますね。  
これがね、ベトナムでこしひかりをすでに毎年5千トン作ってるんですよ。60kg 1000円で入ってきたら、日本で誰も米を作る人がいなくなる。  
日本の米価格は、いくらぐらいですか?  
今ね、個別所得補償で補償しているのは、最低15000円です。生産価格。それに15000円のせてますから。だから、今15000円なんですよ。60kg。もっと大事な事があるんですよ。この前のTPP交渉第17回会議でここでラルー・ネダーさんが作ったパブリック地図があるんです。弁護士で、すぐに日本に来てもらいまして報告をうけたんです。「山田さん、今度のベル―の会談で話になったのは、食品の表示だと。」アメリカから遺伝子組み換え食品の表示しちゃならないと。それから、原産地表示してはならないという提案がなされた。今、学校給食を地産地消でやっていますよね。地産地消もできなくなるんですよ。というのは、非関税障壁になるんですよ。アメリカにしてみれば。  
自由な経済活動するのにどうして地産地消なんだとうちも参入させろよという話になるんですね。  
そうすると自治体が例えばここは何区になるのかな。 
杉並区。  
杉並区は訴えられることになります。ISD条項で。  
なるほど。 
何十億かのお金の請求を払わざるを得ない。  
破綻してしまいますよね。  
韓国ですでにやられたんですよ。  
そのころと比べれば、TPPによるデメリットメリットはほぼなし。  
そうです。 
メリットがあるのは一部の大きな企業だけ。ほどんどの議員が分かってるんですよね。  
分かってるんですよ。しかもねぇ財務省がこういったんですよ。毎年関税を0にすることによって、財政収入がいくら減るのかと言ったら、なんとね、7800億円毎年国の税金収入が減ります。次の交渉会議の最大のテーマは「インターネット自由の規制だ」というんです。どうやってインターネットの自由を規制できるんですかと聞いた。著作権法侵害に絡めてインターネットの自由を規制するんだと。  
なるほど、ACTAとかそういう流れですね。  
そうそう、そういう流れです。だから例えばこの朝日新聞の記事(ブタ1頭に1万円赤字 韓国)をfacebookにアップしたとする朝日新聞社に対する著作権侵害。私の主張を誰かがシェアしてくれて拡散する。そうすると私の著作権に対する侵害で、シェアもできない拡散もできない。  
しかも、山田さん本人はシェアしてくれていいよというスタンスにもかかわらず、別な所は取り締まりくるということなんですね。  
たぶんどういう形になるかは定かではない。本人の承諾が得たという証拠がなければ、シェア・拡散できない。