誤報「IPS心筋を移植」ネット記事の消去 配達新聞全紙の回収か

「IPS心筋を移植」記事は誤報のようでした 
新聞社運営のネット上の配信記事は消去されていました 
 
一見正しい処置のようですが ネット配信記事の危うさを感じます 
不都合な記事はいつでも消去されることが証明されました 
多分 忘れる動物 なかったことになるのでしょう 
 
配達済の新聞全紙の回収は聞いておりません
 


虚偽説明
 
  
徹底検証を続けます / 読売新聞東京本社編集局長  (2012.10.13 抜粋) 
今回の事態を招いたことに対し、読者の皆さまに深くお詫わびいたします。 ・・・ 
IPS細胞の臨床応用の実現に大きな希望を抱いた患者さん、こうした患者さんを救うために日々、地道な研究を積み重ねている多くの研究者の皆さんの気持ちに報いるためにも、徹底的な検証作業を続けていきます。  
だからと言って、発端となった元記事の消去では、「騙された記者と記事」の検証結果の比較検証がネット上ではできないことになってしまいます。 
恥ずかしいことであっても、元記事をネット上に残すくらいの気概をもってください。
  
なかったことにしたいのでしょうが 
何時になっても 
ネット配信記事の信用度は上がらないでしょう
  
配達済の新聞全紙の回収はしないのでしょうか 
めんどくさいですね 
一ヶ月もすれば古新聞 
 
古新聞 
さまざまな種類の細胞に分化・成長するiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った心筋細胞を、重症の心不全患者に移植する手術が米ハーバード大学の日本人研究者らで作るチームによって実施されていたことが、11日分かった。すでに6人の患者が手術を受けており、術後の経過も安定しているという。ヒトのiPS細胞を利用した移植手術は世界で初めて。  
iPS細胞を使った移植手術を行ったのはハーバード大学の森口客員講師(48)を中心とする特別チーム。森口講師は再生医療の研究を専門にしており、14日に米国で行われる世界移植手術国際会議で、この画期的な治療法について詳細な発表を行う。  
森口講師はニューヨーク市内で取材に応じ、「今回治療に当たった患者6人はいずれも重症の心不全患者だったため、この治療法しか救う道はなかった。日本では手術の認可が下りるまで煩雑な手続きや書類が山積みで、彼らを救うことはできなかっただろう」と、日本の医療体制の不備を指摘した。  
今回の手術はiPS細胞を利用した世界でも初めての臨床応用例となる。今月8日にノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥京都大教授(50)が、マウスを使ってiPS細胞を作り上げてからわずか6年で臨床応用にまで達したことから、拒絶反応がゼロのiPS細胞を利用した「夢の治療」は、想像以上に早い段階で実用化に向かいそうだ。
 
本題消去 (2012.10.13) 
「IPS心筋を移植、初の臨床応用」記事 / 2012.10.11  
読売新聞が11日朝刊一面トップで報じた。 
米ハーバード大客員講師の森口尚史氏らが今年二月にIPS細胞から心筋細胞を作り、重症の心不全患者に移植治療を施した。
 
お詫び消去 (2012.11.20には消えていました) 
徹底検証を続けます / 読売新聞東京本社編集局長 / 2012.10.13  
今回の事態を招いたことに対し、読者の皆さまに深くお詫わびいたします。  
読売新聞は今月11日朝刊1面に、米ハーバード大の日本人研究者らがIPS細胞から作った心筋細胞を重症の心不全患者に移植したという記事を掲載しました。  
京都大の山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞することが決まった直後で、難治の病に苦しむ患者さんにとって「夢の治療」を身近に感じられる記事だったに違いありません。本社には、読者の方から「心強く勇気付けられた」という声も届きました。  
しかし、「初の臨床応用」の朗報に疑義が生じました。自ら本紙記者に売り込んできた東大医学部付属病院特任研究員で「ハーバード大客員講師」を称する森口氏は、口頭での発表を予定していた日、国際会議の会場に姿を現しませんでした。また、ハーバード大も、手術を実施したとされた病院も、移植手術を否定し、論文の共同執筆者に名を連ねる研究者も、論文の存在やその内容を知らないなどと答えました。  
「事実だ」と主張し続ける森口氏の説明は客観的な根拠がなく、説明もまったく要領を得ません。  
私たちはそれを見抜けなかった取材の甘さを率直に反省し、記者の専門知識をさらに高める努力をしていきます。  
本紙は過去にも森口氏の記事を取り上げています。そのうちの2010年5月の記事について東京医科歯科大が12日、同大での実験や研究を否定しました。ゆゆしき事態であると認識しています。  
IPS細胞の臨床応用の実現に大きな希望を抱いた患者さん、こうした患者さんを救うために日々、地道な研究を積み重ねている多くの研究者の皆さんの気持ちに報いるためにも、徹底的な検証作業を続けていきます。  
  
2012/11/20には 誤報関連の情報はすべて消えていました 
誤報の「徹底的な検証作業を続けていきます」も なかったことになるのでしょう 
さすが新聞屋さん 
 
ネットもない大昔を思い出しました 
太平洋戦争時のことが知りたくて図書館へ 
夕日新聞の保存版本を見ました 
何と肝心な記事部が真っ白け 記事が削除されていました 
 
今も昔も変わらない体質が新聞社なのでしょう 
知識・勉強不足や時代への迎合 それも記録だとの気骨はないようです 
恥ずかしいから なかったことにする程度のジャーナリスト・マスメディアです
 
テレビ番組欄の充実 契約更新時の洗剤個数の増量に期待します 
契約更新期間は3ヶ月がお勧めです

 
2012/10-11  
 
存在せぬ研究室や科学誌投稿事実なし虚偽説明ぞろぞろ / 2012.10.13  
森口尚史氏が過去に発表したIPS細胞関連の論文で、東大医学部の「IPS細胞バンク研究室」所属と称していたことが13日、分かった。しかし、東大は同研究室の存在を否定した。ハーバード大客員講師を名乗り、同大側に否定された森口氏に、身分詐称の可能性が新たに浮上した。  
森口氏は昨年3月と今年7月、肝臓がん細胞とIPS細胞の関連を内容とする論文を発表。所属先をいずれも東大医学部の「IPS細胞バンク研究室」と記載していた。また、ハーバード大医学部、マサチューセッツ総合病院所属とも記していた。  
東大によると、森口氏は当時、東大病院の特任研究員を務めていたが、このような名称の研究室はないという。マサチューセッツ総合病院はすでに2000(平成12)年以降、森口氏が同病院やハーバード大に在籍していないことを明らかにしている。  
一方、森口氏は今回問題となった論文が近く科学誌「ネイチャー・プロトコルズ」に掲載される予定としていたが、同誌編集部は産経新聞の取材に「そのような論文はこれまでに受理したことはないし、現在もその予定はない」と答えた。  
「治療は1例だけ」「結局は嘘」森口氏、大部分が虚偽認める / 2012.10.14  
IPS細胞(人工多能性幹細胞)から心筋細胞を作り、患者の心臓に移植する世界初の臨床応用を行ったとしていた日本人研究者、森口尚(ひさ)史(し)氏(48)は13日、米ニューヨークで記者会見し、これまで米国で6人の患者に移植を行ったとする説明を変更し、「治療はやったが1例だけだった。結局は嘘になってしまった」と述べた。この1例についても手術時期を訂正した。森口氏の説明は研究者として一貫性がなく、大部分が虚偽であることを認めた。  
森口氏は実際に行ったとする1例について「IPS細胞の大量培養に成功し、手術した」と治療そのものは行ったと繰り返した。  
しかし、治療時期については、これまでの「今年2月」を「昨年6月前半」に訂正した。発表予定の論文には「今年2月」と明記しており、論文との矛盾も明らかになった。昨年6月に渡米した証明を記者から求められると、パスポートをカメラの前に掲げた。  
さらに、米マサチューセッツ総合病院で治療したとしていたが、「連携の別の病院で実施した」とこれまでの証言を変えた。ただ、倫理委員会の承認はマサチューセッツ総合病院から出たと述べ、「私の名前ではなく、他の先生の名前で申請している」と強調した。  
しかし、同病院は12日、治療が病院で実施された形跡は見つからず、研究の承認申請が倫理委員会に提出されたこともないとする声明を発表し、森口氏の説明を全面的に否定している。  
さらに同病院は、過去に森口氏とIPS細胞に関する論文の共著があるレイモンド・チャン医師からの聞き取り調査で、同医師が「森口氏が発表したIPS細胞の治験の経緯について何も知らない」と説明したことも明らかにした。  
会見で森口氏は話が核心に触れると、視線を泳がせ、はぐらかすことが多く、「ちょっとオーバーに言ってしまった」「自分でも説得力はないと思う」とも話した。事実と異なる発言をしたことには「混乱していた。医療に携わるものとして不徳の致すところだった。謝罪したい」と述べ、説明そのものの信(しん)憑(ぴょう)性が著しく欠ける内容の会見だった。  
助成1億6千万円、森口氏参加の研究調査へ内閣府 / 2012.10.14  
森口尚史氏(48)が人工多能性幹細胞(IPS細胞)の臨床研究をしたと虚偽の発表をした問題で、内閣府は14日までに、森口氏が参加する東京大の研究プロジェクトについて今週にも調査を始める方針を固めた。米国の発表などの共同研究者が所属する東京医科歯科大も近く調査委員会をつくり、検証することにしている。  
内閣府の調査の対象は細胞や臓器などを冷却保存する手法の開発。政府の研究助成事業に選ばれており、東京大の研究代表者が森口氏を特任研究員として雇用している。助成額は計約1億6千万円。  
研究チームが提出した平成22年度の報告書によると、心臓や子宮、リンパ節などさまざまな臓器や組織の保存研究を実施する。IPS細胞の保存も対象で、それについては「森口氏を中心に進めている」との記載がある。  
新聞週間報道の責任あらためて / 2012.10.16  
人工多能性幹細胞(IPS細胞)を使った臨床研究の真偽で新聞報道が混乱した。正確な情報を伝えることは新聞の命だ。十五日からは新聞週間。この当たり前の責任をいま一度胸に刻みたい。  
発端は、読売新聞が十一日朝刊一面トップで報じた「IPS心筋を移植」「初の臨床応用」の記事だった。米ハーバード大客員講師の森口尚史氏らが今年二月にIPS細胞から心筋細胞を作り、重症の心不全患者に移植治療を施したとの内容だった。  
ノーベル医学生理学賞が京大教授の山中伸弥氏に授与されることが決まってから三日後。IPS細胞実用化への夢と期待がさらに大きく膨らんだ時期で、本物なら世界的な大ニュースである。  
読売を追いかけるように、共同通信は十一日夕刊用にほぼ同じ内容の記事を配信した。本紙をはじめ北海道新聞、河北新報、西日本新聞、中国新聞など有力地方紙の多くが一面トップ級で載せた。  
ところが、森口氏が客員講師を務めるとしたハーバード大も、治療を行ったとした米マサチューセッツ総合病院も、報道の事実を否定し、論文の共著者とされた研究者も、論文の存在や中身を知らないと答えた。森口氏の説明は虚偽の疑いが濃厚となった。  
読売は十三日朝刊で誤りと認めて検証記事を載せ、共同は十二日におわびなどを配信した。読売は「取材の過程で何度か、虚偽に気づく機会はあった」と反省し、共同は「速報を重視するあまり、確認がしっかりできないまま報じた」と振り返った。  
難治の病に苦しんでいる患者やその家族を落胆させ、IPS細胞の研究者を困惑させる誤報だった。森口氏に取材しながら報道を控えた新聞社もあった。本紙も共同記事の掲載責任は免れない。  
ネット社会で誰もが発信でき、情報が氾濫する時代だ。新聞の生命線は速報性よりも正確性にある。確かな裏付け取材によって価値を判断した上で、信頼できる情報を提供することがとりわけ新聞社の重要な使命となってきた。  
殊に大震災と原発事故は、たとえ権威や専門家といえども、検証なしにはその主張をうのみにはできないということを教えた。エスタブリッシュメント側の意図的な情報操作もある。  
東大、ハーバード大、学会、政府などの権威に頼らず、取材と検証を重ね、真実を提供することが新聞の責任だ。その姿勢で身近な問題に迫りたい。  
「読売新聞の誤報」を反省する=韓国 / 2012.10.16  
日本を襲った「人工多能性幹細胞(IPS細胞)臨床治療誤報事件」の波紋が雪だるまのように大きくなっている。連日最高の話題のニュースだ。誤報の震源地である森口尚史東京大学研究員の苦悩する顔が1日に何度もテレビに登場する。  
発端は11日の読売新聞の1面トップ記事だった。1日1000万部を発行するこの新聞は「日本人研究者の森口氏を含む米ハーバード大学の研究チームがIPS細胞で心筋細胞を作り今年2月以後に心臓病患者6人に移植手術をし、患者全員が良好だ」と報道した。  
わずか数日前にノーベル生理医学賞受賞が確定した京都大学の山中伸弥教授の業績がネズミとヒトの体細胞からIPS細胞を作ったものだ。IPS細胞は完全に育った体細胞にウイルスやたんぱく質を注入することによって胚性幹細胞のようにどんな細胞にも変化できる初期状態に戻った細胞だ。山中教授の受賞で日本と世界の関心は「いつIPS細胞を活用した難病治療が可能になるか」に傾いた。まさにその瞬間、「すでに臨床治療成功事例がある」というニュースが飛び込んできたため当然世界的なニュースだった。  
情報を知らせた森口氏は読売新聞とのインタビューでは、「少数精鋭で構成された研究チームの機動力が成功の秘訣」としながら人生最高の瞬間を満喫した。だが、それで終わりだった。ニューヨークで開かれると話していた研究発表会に彼は姿を表わさなかったし、ハーバード大学は彼の主張を全面否認した。ハーバード大学客員講師という身分も、彼が持っているという医師免許も事実ではなかった。森口氏は結局自身の話の一部が偽りであったことを告白した。  
今回の騒動は誇大妄想に陥ったにせ研究者の詐欺劇と結論が出る可能性が大きい。読売新聞の報道に心をときめかせた世界の患者には傷だけを残すことになった。読売新聞は13日付で“希代の誤報”を謝罪した。読売の決定的な誤りは確認努力の不足だ。今月初め6時間にわたり森口氏を直接取材したという担当記者は、森口氏が差し出したデータと写真、論文を信じ込んでしまった。  
森口氏が客員講師として所属していると主張したハーバード大学、彼と彼の同僚が一緒に心筋細胞移植手術をしたというマサチューセッツ総合病院、森口氏の論文が掲載される予定だといったネイチャー誌に一度だけでも確認していれば今回のような前代未聞の誤報事件は防げなかっただろうか。  
読売の記事を引用した中央日報の報道(10月12日付2面)も結果的に誤報になった。いくら公信力ある外信報道でも2度3度と確認しなければならないという教訓を得ることになった。