人の終りを見る　
楽しかったか　
幸せだったか　
　
小さな家庭の末路なのか　
不安心配悲しみの束
　

何時建ったのか　 何軒も寄り添う木造モルタルのアパート　 日が落ちて街路灯が点く　 外壁の白い補修網の目が美しい

救急車が2台とんで来る　 担架を押しながら 慌しく隊員が地図を片手にどの棟かアパートを覗く　 しばらくして急患者ひとりを搬送していく　 警官が自転車をとばして到着

2台目の救急車は搬送者なしで帰る 　 パトカーがとんで来る　 3人の警官がシートに包んだ大きな荷物をぶら下げ 　 アパートの路地から出てくる　 シートの端から2本の棒が突き出ている

警官は2本の棒を丁寧に折りたたみシートに収める　 街路灯に照らされ2本の棒は人の足だった　 シートの包みをパトカーに積み帰っていった

　
2009/12/12