「しばらくぶりにお会いしたい」

賀状の隅に
「しばらくぶりにお会いしたいものですね」のコメント
その方は その年に亡くなられた

同じ様なことが これまで三度ある
お会いした方が 良かったのか
賀状の用意をしながら 思い出す
 


良い印刷物
 
 
 
大昔
写真製版会社の社長
印刷会社の工場長
印刷会社の中の写真製版部の部長
いずれも 賀状をいただいた年に亡くなられた
 
 
年回り 業界を離れて10-20年
お迎えが近くなると 昔の懐かしい人と 会いたくなるのかも
今年も お一人 「久しぶりにお会いしたいものですね」
 
 
私もお会いしたい人がいる
でも我慢 記憶が霞むのもよし
自分も 何となく消えるもの
 
 
歳なり 皺だらけの顔
口周りは への字
昔の記憶がスムースに出てこない不安
人前に出たくない
 
 
賀状を書きながら 
良き時代の顔 思い出し
仕事のこと 交流のこと 時代のこと 
昔を楽しむ
 
 
 
写真製版会社の社長
   業界団体で知り合う
   フィルムによる色分解技術のご紹介
   調子再現の大事さを教わる
   業界の展示会 ヨーロッパ・アメリカ旅行でガイド役になる
   結婚式の司会をしていただく
賀状をいただいた年 ご挨拶に行った
入院中でお会いできなかった
 
 
印刷会社の工場長
   飛込み営業 湿版からフィルムへの話
   フィルムによる色分解技術のご紹介
   縦型カメラでのダイレクトスクリーニング 
   機器の納入・作業の指導が成功 喜ばれ駅まで常務の車で送られたことがある 
   工程管理の大事さを教わる
   以来親しくお付き合い
   定年後 転職移籍のお手伝い
 
 
印刷会社の中の写真製版部の部長
   業界団体で知り合う
   フィルムによる色分解技術のご紹介
   良い印刷物になる製版 教わる
   あるとき部長に会いに行ったおかげで 母に亡くなる3日前に会えた
 
 
業界団体の職員
   フィルムによる色分解技術の講習会 講師になる
   業界の元気な若手を紹介される
   写真製版会社の社長 当時は現場の責任者
   印刷会社の中の写真製版部の部長 当時は現場の担当者のころ
 
 
アナログの時代
昭和39年 業界に入る
私のお客様 主にオフセットの写真製版業界
懐かしい 工程・機材の名前を思い出す
親分子分 職人さんの時代
 
 
今思えば 恐いもの知らず
若かった
理論 屁理屈 当時としては珍しい営業スタイル
職人さんに 説明の「数字」や「グラフ」が受けた
 
 
工程・機材の名前を思い出せても
記憶が飛んで
中身 思い出せないものも多い
 
 
アナログの時代の工程 機材
白黒写真 カラー写真 版下 写植 活字
コダック アグファ ゲバルト デュポン 富士写真フィルム 小西六写真工業
写真製版 湿版 硝酸銀 暗室
   マスクフィルム 色分解フィルム 色分解 色分解フィルター 濃度計
   製版カメラ 網掛け リスフィルム コンタクトスクリーン グレースケール 
   フィルム自動現像機 
   縦型カメラ ダイレクトスクリーニング
   スキャナー  ダイレクトスキャナー
レタッチ 反転プリンター 貼り込み ライトテーブル 減力(エッチング) 水洗テーブル
刷版 感光液 ホイラー 平版 平凹版 PS版 焼き枠 殖版機 
光源 ハロゲンランプ 水銀灯 メタルハライドランプ クセノンランプ
校正 校正機 3Mカラーキー 反射濃度計 カラーパッチ
印刷 印刷機 インキ 湿し水 オフセット 活版 グラビア スクリーン印刷
 
 
デジタルの時代
アナログ時代の工程 機材
2000−2010 そのほとんどが消えました
PC アップル マッキントッシュ(Macintosh)
DTP CTP
 
 


2018/11
思い出 昔話
 
 
 
印刷物 再現できる濃度域 0 〜 1.7-1.8
   限られた濃度域を上手に使う
 
 
網点 再現できる網点域 2-3% 〜 97-98%
   リスフィルム特性 コンタクトスクリーン性能に影響される 
 
 
網点と調子 
   50% 網点 反射濃度 0.3
   50-98% 網点 反射濃度 0.3 〜 1.7-1.8 が作られる 
 
 
良い印刷物 1
   ハイライトに2-3%の網点を均一に置く
   均一な最少網点 印刷物の質感の基本
   シャドウは絶対につぶしてはいけない
   シャドウのボリュームは墨版
 
 
良い印刷物 2
   カタログ 原稿を離れて全部の写真を同じ様な調子にそろえる
   ハイライトの多い写真 中間以下をちょっと暗めにする
   シャドウの多い写真 中間以上をちょっと明るめにする
 
 
良い印刷物 3
   人物写真 人には記憶色がある
   人の肌色 写真原稿は二の次 修正する