死んで花実が咲くものならば
お寺のお庭は花盛り
お寺のお墓も花盛り
しがみついても生きる
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![]() ![]() ![]() 生きていればこそ 良いこともある 死んでしまったら 良いことなど何もない 真っ暗闇 死んだらお終い |
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![]() ![]() ![]() ●吉原 憂しと見し世ぞ今は恋しき 君がため惜しからざりし命さへ 思ひ直して たまさかにお目にかかりいすを楽しみに永らへてをりんす はて 死んで花実が 咲きもしんすめえ 命あっての物種サ 長くもがなと思ひけるかな |
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永らへばまたこの頃やしのばれむ 憂(う)しと見し世ぞ今は恋しき 新古今集 君がため惜しからざりし命さへ ながくもがなと思ひけるかな 後拾遺集 |
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![]() ![]() ![]() ●発句 古寺に 誰が植え捨てし 花一本 芭蕉 孤独地蔵 花ちりぬるを 手に受けず 川上三太郎 よき友は 心の花の 添え木かな 高田好胤 そのくせに 花はくれない 人は武士 古川柳 |
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![]() ![]() ![]() ●西行 たぐひなき花のすがたを女郎花 池の鏡にうつしてぞ見る 願はくは花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月の頃 吉野山こずえの花を見し日より 心は身にもそはずなりにき 浮世には留め置おかじと春風の 散らすは花を惜しむなりけり 仏には桜の花をたてまつれ わが後の世を人とぶらはば |
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![]() ![]() ![]() ●子守歌 ねんねねんねと 寝る子はかわいい 起きてなく子は つら憎い うちのこの子は 今寝るとこじゃ だれもやかまし 言うてくれな だれもやかまし 言わせんけれど 守(も)りがやかまし 言うて起こす 七つ八つから 奉公(ほうこう)に出して 親の権利(けんり)が どこにあろ 死んでしまいたや この世の中は 死んで花実が 咲くものか 死んで花実が 咲くものならば 八百屋お七は なぜ咲かぬ |
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