葬式が終わりひと月
やっと長男と連絡がつけられた
「なぜひと月もたってからの連絡なのですか」
年甲斐もなく頭に血が上る
「長女次女はあなたの兄弟 あなたは長男だ」
・・・
言いかけて諭すことをやめた
![]() |
![]() 父はすべて腹にしまい 何も語らず逝った 苦しまなかっただけだも幸せだったか 高齢でもあり付き合いも途絶えていたので 残念だが家族だけで送る |
![]() 真っ先に長男に連絡をとろうとした 「この電話は使われておりません」 恥ずかしいが 長男と行き来のありそうな親戚にも連絡をとる 電話番号は同じだった 連絡を諦める |
![]() 父の財産をすべて取り上げ 長女次女も尻拭いに追い銭 父の大事な恩ある会社へも不義理を作る 金の切れ目 音信不通となる 介護は次女夫婦が頑張った |
![]() 諭したかったこと 何もできなくても「親父はどう?」くらい 普段から連絡を取り合うものだ |
![]() 遺品を整理 父の手帳に長男の嫁の実家の電話番号を見つける 恥ずかしいが 長男に父の死を伝えるよう頼む |
![]() もう十年だろうか 食事にかこつけ無心に来たことがある 何の話題だったか 「言うことを聞かないときは かみさんを殴るんだ」と娘の前で言った そんなことを言うように人が変わったのだろうと 出入り禁止にした |
![]() |