世の中は順番こ

窓際を楽しむ  
ゴールドクレストを3本買う 
初冬に新芽を出すことを知る 
3年目新芽を土に挿してみる 
翌年も 
その翌年も 
枝ぶりは千差万別 
年々新芽の成長力の弱くなることを知る
 


 
親木の3本はアフロカットで丸く剪定したが2m近くになる 
台風木枯らし突風で度々引っくり返る 
2000春 マンションの庭に植え替えさせてもらう 
2001春 新芽の緑を見る 元気に根を張ったようだ 
2002 しっかり枝をのばす ちょっと添木で傾きを直す
 
新入社員  
ちょっとどもる 自信なさそうだ 
でも育ちか人柄の良さを感じた 
言葉を教えた 
会話の楽しさを教えた 
怒られて帰ってきたときは一緒に行って謝り方を教えた  
笑ってごまかすことも教えた 
卑屈な営業だけは絶対にさせなかった 
育った
 
2000秋逝く 心臓に脂肪がつく病気とのこと
  
後継者 
技術の後継者と考えた 
妥協を許さなかった 
いつか離れていった  
自分の価値観は伝わらなかった
 
区別差別の区別が出来なかった 
風に私の噂が飛び出した 
辛いことは誰も嫌なのだ 
あきらめた
  
メンテ部隊 
営業の小間使いと勘違いされていた 
不満が鬱積していた 
保守の価値を定義づけて宣言する 
保守も商品にする
 
治すマニュアル作りを皆で考える 
一度で必ず治す 
三度も治すのにかかったらレッドカード 
自分の口で宣言することは勇気がいる
 
「あなたの仕事は重要だ」 
見られていると感じたらしい 
意識が変わっただけで 
明るくなる 
元気になる 
走り出した
 
リストラやらで部隊解散 
私は退社
  
ジャンプ  
「自信が無いなら手をつけるな」 
若い技術者にぶつける 
手をつけたくてうずうずしていることは知っていた 
なんとかなるだろうとも思っていた 
そいつはやりとげた
 
育った
  
組織人としての反省 
背中に目をつけることを教えなかった 
結果的に組織人として人の良いタイプになってしまった 
ちょっとかわいそうなことをしたように思う
 
仕事の楽しさだけは 十分に教えた
  
世の中は順番こ 
いつかは人を育てる役回りもやってくる 
その人の良い所を見て伸ばすことに手を貸そう
 
品性の卑しい人は無駄 
失敗に終わることもあります 
見る目が無かったのは自分の不勉強としなさい

 
2001/