騒音・粉じん

都民の健康と安全を確保する環境に関する条例
(建設工事等に係る遵守事項)  
第百二十三条 建築物その他の施設等の建設(土地の造成を含む。)、解体又は改修の工事を行う者は、当該工事に伴い発生する騒音、振動、粉じん又は汚水(公共用水域に排出するものに限る。以下この節において同じ。)により、人の健康又は生活環境に障害を及ぼさないよう努めなければならない。  
2 石綿を含む建設材料(以下「石綿含有材料」という。)を使用する建築物その他の施設の解体又は改修の工事を施工する者は、知事が定める作業上の遵守事項(以下この節において「遵守事項」という。)に従って工事を施工し、及び規則で定めるところにより石綿の飛散の状況について監視を行わなければならない。  
(平一九条例六五・一部改正)
(石綿含有建築物解体等工事に係る届出等)  
第百二十四条 石綿含有材料(規則で定めるものに限る。以下同じ。)を使用する建築物その他の施設で、規則で定める面積以上の石綿含有材料を使用する壁面、天井その他の部分を有するもの又は規則で定める面積以上の延べ面積等を有するものの解体又は改修の工事(以下「石綿含有建築物解体等工事」という。)の発注者(工事(他の者から請け負ったものを除く。)の注文者をいう。)又は石綿含有建築物解体等工事を請負契約によらないで自ら施工する者は、当該石綿含有建築物解体等工事の開始の日前十四日までに規則で定めるところにより、当該石綿含有建築物解体等工事に係る石綿の飛散防止方法の詳細及び飛散の状況の監視その他の計画(以下「飛散防止方法等計画」という。)を知事に届け出なければならない。  
2 知事は、前項の規定による届出があった場合において、飛散防止方法等計画が規則又は遵守事項に従っていないと認めるときは、その届出をした者に対し、当該飛散防止方法等計画を規則又は遵守事項に従ったものに変更することを勧告することができる。  
(平一八条例五・平一九条例六五・平二六条例七四・一部改正)
(改善勧告及び改善命令) 
第百二十五条 知事は、別表第九に掲げる建設作業(以下「指定建設作業」という。)に伴い発生する騒音(騒音規制法(昭和四十三年法律第九十八号)第二条第三項に規定する特定建設作業に係るものを除く。以下この条において同じ。)、振動(振動規制法(昭和五十一年法律第六十四号)第二条第三項に規定する特定建設作業に係るものを除く。以下この条において同じ。)、粉じん又は第百二十三条第一項に規定する工事に伴い発生する汚水が規則で定める基準を超え、かつ、当該指定建設作業若しくは当該工事の行われる場所の周辺の生活環境が著しく損なわれると認めるとき、又は石綿含有建築物解体等工事を施工する者が遵守事項に従わないで工事を施工していると認めるときは、それらの事態を排除するため、指定建設作業若しくは当該工事又は石綿含有建築物解体等工事を施工する者に対し、期限を定めて、騒音、振動、粉じん若しくは汚水の防止の方法若しくは作業の方法を改善し、又は指定建設作業の作業時間を変更することを勧告することができる。  
2 知事は、前項の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わないで指定建設作業若しくは第百二十三条第一項に規定する汚水を排出する工事又は石綿含有建築物解体等工事を施工しているときは、期限を定めて、同項の事態を排除するために必要な限度において、騒音、振動、粉じん若しくは汚水の防止の方法若しくは作業の方法を改善し、又は指定建設作業の作業時間を変更することを命ずることができる。  
別表第9 指定建設作業(第125条関係) 

一 

くい打機(もんけんを除く。)、くい抜機若しくはくい打くい抜機(加圧式くい打くい抜機を除く。)を使用する作業又は穿(せん)孔機を使用するくい打設作業

二 

(びょう)打機又はインパクトレンチを使用する作業

三 

さく岩機又はコンクリートカッターを使用する作業(作業地点が連続的に移動する作業にあっては、1日における当該作業に係る2地点間の最大距離が50メートルを超えない作業に限る。)

四 

ブルドーザー、パワーショベル、バックホーその他これらに類する掘削機械を使用する作業(作業地点が連続的に移動する作業にあっては、1日における当該作業に係る2地点間の最大距離が50メートルを超えない作業に限る。)

五 

空気圧縮機(電動機以外の原動機を用いるものであって、その原動機の定格出力が15キロワット以上のものに限る。)を使用する作業(さく岩機の動力として使用する作業を除く。)

六 

振動ローラー、タイヤローラー、ロードローラー、振動プレート、振動ランマその他これらに類する締固め機械を使用する作業(作業地点が連続的に移動する作業にあっては、1日における当該作業に係る2地点間の最大距離が50メートルを超えない作業に限る。)

七 

コンクリートプラント(混練機の混練容量が0.45立方メートル以上のものに限る。)又はアスファルトプラント(混練機の混練重量が200キログラム以上のものに限る。)を設けて行う作業(モルタルを製造するためにコンクリートプラントを設けて行う作業を除く。)又はコンクリートミキサー車を使用するコンクリートの搬入作業

八 

原動機を使用するはつり作業及びコンクリート仕上作業(さく岩機を使用する作業を除く。)

九 

動力、火薬又は鋼球を使用して建築物その他の工作物を解体し、又は破壊する作業(作業地点が連続的に移動する作業にあっては、1日における当該作業に係る2地点間の最大距離が50メートルを超えない作業に限り、さく岩機、コンクリートカッター又は掘削機械を使用する作業を除く。)

別表第14 指定建設作業に適用する勧告基準(第61条関係) 
一 騒音 

一 

指定建設作業の場所の敷地の境界線における騒音が、次に掲げる指定建設作業の種類ごとに次に定める音量であること。

(1)

条例別表第9第1号から第4号まで及び第6号から第8号までに掲げる指定建設作業 
80デシベル

(2)

条例別表第9第9号に掲げる指定建設作業 
85デシベル
日常生活での一般的な騒音レベル 
日常生活で「静かだ」と感じるのは45dB(デシベル)以下である。 
望ましい音のレベルは40-60dBであると言われている。  
騒音レベル / dB 音の大きさのめやす
極めてうるさい 140 ジェットエンジンの近く 聴覚機能に異常をきたす
130 肉体的な苦痛を感じる限界
120 飛行機のプロペラエンジンの直前・近くの雷鳴
110 ヘリコプターの近く・自動車のクラクションの直前
100 電車が通る時のガード下・自動車のクラクション
90 大声・犬の鳴き声・大声による独唱・騒々しい工場内 極めてうるさい
80 地下鉄の車内(窓を開けたとき)・ピアノの音 聴力障害の限界
うるさい 70 掃除機・騒々しい街頭・キータイプの音 うるさい
60 普通の会話・チャイム・時速40キロで走る自動車の内部
普通 50 エアコンの室外機・静かな事務所 日常生活で望ましい範囲
40 静かな住宅地・深夜の市内・図書館
静か  30 ささやき声・深夜の郊外 静か
 
室内騒音の住宅における生活実感との対比例
騒音レベル dB 道路騒音などの不規則変動音 自室内の聞き騒音 共用設備(自室外)からの騒音
75 非常にうるさい うるさくて我慢できない うるさくて我慢できない
70 かなりうるさい 非常にうるさい
65 非常に大きく聞こえ、うるさい かなりうるさい、かなり大きな声を出さないと会話ができない 非常にうるさい
60 かなり大きく聞こえややうるさい 非常に大きく聞こえうるさい、声を大きくすれば会話ができる 非常に大きく聞こえかなりうるさい
55 大きく聞こえ、少しうるさい かなり大きく聞こえる、多少注意すれば通常の会話は可能 非常に大きく聞こえうるさい
50 多少大きく聞こえる 大きく聞こえる、通常の会話は可能 かなり大きく聞こえる
45 聞こえるがほとんど気にならない 多少大きく聞こえる、通常の会話は十分に可能 大きく聞こえ、気になる
40 小さく聞こえる 聞こえる会話には支障なし 多少大きく聞こえる
35 非常に小さく聞こえる 小さく聞こえる 聞こえる
30 ほとんど聞こえない 非常に小さく聞こえる 小さく聞こえる
25 通常では聞こえない ほとんど聞こえない 非常に小さく聞こえる
音の距離減衰 
騒音源から離れるにつれて音のエネルギーは拡散、音圧レベルは減少する。したがって音源を受音点から十分にはなすことによって音圧レベルを低減できる。
反射面のない自由空間 
Pワットの音響パワー (PWL/音響パワーレベル)をもつ無指向点音源があった場合、音源よりr(m)離れた全球面上の単位面積を通過する音の強さ(W)、この点における音の強さのレベル(SPL)は以下のとおりとなる。 
W=P/4πr2    
W0=(10-12W)/m2 
SPL=10log(W/W0) =PWL-20log(r)-11
半自由空間 
W=P/2πr2 
SPL=10log(W/W0) =PWL-20log(r)-8 
音源から受音点までの距離が倍になれば6デシベル音圧レベルが減少する。
線音源・自由音場 
W=P/2πr 
SPL=10log(W/W0) =PWL-10log(r)-8 
音源から受音点までの距離が倍になれば3デシベル音圧レベルが減少する。
 
 
音源の距離減衰 
縦軸/騒音レベル[dB] 横軸/音源距離[m] 音源/騒音[70.80.90.100.110.120dB] 
 
 
「ほこり」の大きさによる天井から床への落下時間(高さ2m)

ほこりの大きさ

床への落下時間

代表的なほこり

大きさ参考値

1μ以下

浮遊し続ける

蒸気・ガス・臭い

〜1.0μ

タバコの煙

0.01〜1.0μ

小さいバクテリア

0.1〜

■ 1μ

8 h

室内浮遊塵

1〜10μ

■ 5μ

19 min

バクテリア

0.1〜10μ

■ 10μ

5 min

小さい菌・胞子

3.0〜

セッター露光スポット径

5〜15μ

■ 15μ

2.5 min

ハウスダスト

10〜100μ

菌・胞子

3.0〜30μ

印刷裏移り防止パウダー

10〜30μ

■ 30μ

43 sec

綿ほこり

10〜100μ

■ 50μ

17 sec

ペットの羽毛

花粉

ダニの死骸

■100μ

5 sec以下

 

 

「ほこり」の大きさによる天井から床への落下時間(高さ2m)
 
浮遊粒子 / フィルターの作用  
気流にのって動く粒子は、その流れにある障害物に慣性力で衝突する。障害物周辺の気流の変化に、粒子はそのまま直進し障害物に衝突する。衝突には、空気力学的なサイズと、障害物周辺での流速の変化が関係する。サイズが大きいほど、流速の変化が大きいほど、衝突しやすくなる。
慣性衝突や遮断による捕集は10μ以上の粒子に効果的である。 10μ以下では慣性衝突、遮断、静電気による捕集力が低下し、3〜0.3μでは無視されるレベルになる。0.3μ以下の粒子には効果がない。 ブラウン拡散による捕集は、0.3μ以下であり、いずれの作用も及びにくい0.5〜0.1μ付近の粒子は、ひとつの作用を利用した捕集方法では、一般的に効率的な捕集ができない。 湿式スクライバーや電気集塵機では、このレンジの制御に注意が必要である。 布フィルターは複数の作用効果で、このレンジでの捕集率の低下が少ない。 サイクロン方式では一般的に3〜1μ以下から効果が低下する。
 
ブラウン拡散による捕集は、0.3μ以下の粒子に効果があり、0.1〜0.01μの範囲では効率が良い。 
気流の中で微粒子は、気体分子と衝突し方向を変える。急速に動く気体分子の運動エネルギーが微粒子に転化され、不規則に向きを変える動きとなる、これをブラウン運動という。 
不規則な動きの結果として、フィルター繊維に衝突したとき捕集される。
 
気流のない環境下で、粒子は重力による降下と、空気抵抗のバランスで動く。降下が始まると、すぐに終端速度になって、一定速度で降下する。  
フィルターの「捕集」は、反面で粒子の選別の意味がある。この降下速度の差を利用し粒子の選別が可能となる。 
 
 
 
 
浮遊粒子状物質(Suspended Particulate Matter、SPM) 
大気中に浮遊する粒子状の物質 (浮遊粉じん、エアロゾルなど)のうち粒径が10μ以下のものをいう。SPMは、微小なため大気中 に長時間滞留し、肺や気管などに沈着して高濃度で呼吸器に悪影響を及ぼす。浮遊粒子状物質には、発生源から直接大気中に放出される一次粒子と、硫黄酸化物(SOX)・窒素 酸化物(NOX)などのガス状物質から大気中で粒子状物質に変化する二次生成粒子がある。発生源には、工場などから排出される煤塵やディーゼル車の排出ガスに含まれる粒子状物質などの人為的発生源と、土壌の巻き上げなどの自然発生源がある。 
日本では、浮遊粒子状物質について「1時間値の1日平均値が0.10mg/m3であり、かつ、1時間値が0.20mg/m3以下であること」という環境基準を設定し、その達成に向けて工場・事業場 からの煤塵・粉塵や自動車からの粒子状物質等の排出規制を行っている。 
エアロゾル(Aerosol) 
気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子をエアロゾルという。エアロゾルは生成過程の違いから粉じん(dust)、フューム(fume)、ミスト(mist)、ばいじん (smoke dust) などと呼ばれ、また気象学的には視程や色の違いから、霧(fog)、もや (mist)、煙霧 (haze)、スモッグ(smog)などと呼ばれる。エアロゾル粒子の性状は、粒径や化学組成、形状、光学的・電気的特性など多くの因子によって表され、きわめて複雑である。例えば 「粒径」については、分子やイオンとほぼ等しい0.001μmから花粉のような100μm程度までの広い範囲が対象となる。個数濃度では、清浄空気の10個/cm3、発生源近傍の10E6〜10E10個/cm3、最近の超クリーンルーム では10E-5個/cm3 程度まで要求されるようになっている。 
エアロゾル粒子は、重金属粒子やディーゼル黒煙、たばこ煙、アスベスト粒子、放射性粒子など、以前は環境汚染や健康影響問題として議論されてきたが、最近はナノオーダーの超微細粒子がもつ特性を生かし、高機能性材料の開発、効果的な作用をもつ薬剤や農薬の開発などにも大きな関心を集めている。 
エアフィルター性能表示 
圧力損失 
フィルターに空気が通過するとき、空気の流れが妨げられ抵抗が生じる、フィルターをある処理風量で使用したときの空気圧(静圧)の差圧値(低下値)を圧力損失といい、Pa(パスカル)で表示する。  
寿命・粉塵保持容量 
フィルターの圧力損失(初期圧力損失)から粉塵が付着し、上昇した圧力損失(最終圧力損失)になるまでの時間が、フィルターの寿命となる。一般的フィルターの最終圧力損失は、初期圧力損失の2〜3倍といわれる。捕集容量を増加させるため、フィルターの構造が工夫され、プリーツ構造はその一例でろ過面積を大きくして捕集容量を増加させることができる。 
粉塵捕集率 
粉塵捕集率はフィルターを通過する空気中の粉塵の除去率で、フィルターと除去する粉塵の特性が関係する。フィルター用途に応じ、質量法、比色法、DOP法の3方法から捕集率測定が行われる。

 
2007/8  
 
●「ほこり」の挙動と「フィルターの作用」は、1997-1998ごろ初めてインターネットで海外技術情報を検索し、集めた資料をまとめたものです。不乾のりの研究から、見えるほこりを捕る空気清浄機に結びつきました。