殺し文句

 

 

生き残ったもん勝ち頼み上手殺し文句女性を殺す文句好意があるなしの見分け方恋 のラブワード   
 
ラストフレーズ
【殺文句】男女間で相手を魅了し悩殺するような巧みな文句。相手の気持を迷わせひきつける言葉。 
【芝居】計画的に人をだまそうとして物事をしたり言ったりする言動。 
芝居を打つ つくりごとをしたり言ったりして人をだます。 
【田舎芝居】拙劣な演技などが目に余る芝居をののしっていう。 
【香具芝居】香具売りの若衆が集まって興行する芝居。いなか芝居。 
【芝居掛かる】状況が作りごとのように現実離れする。 
【草芝居】地方の町や村で演じられる素人芝居。地狂言。田舎芝居。
【馬脚】芝居で馬のあしの役を演ずるもの。 
馬脚を露わす (芝居の馬のあしの役者が姿を見せてしまう意から)包み隠していた事があらわれる。ばけの皮がはがれる。 
【幕切】物事が終わる。 
【狂言】人をだますために仕組んだことがら。 
【叩く・敲く】つくりごとを言ったりしてだましすかすこと。 
【決める・極める】歌舞伎や舞踊で最高潮に達したとき動きを止めて形をつける。 
【決め込む・極め込む】事実や事の有りように関係なくそうと決める。 
【志す】(心指す)心の中で行動の目標、目的などを思い決める。
【意】心に決めたこと。望み。意志。 
意にかなう 心にかなう。気に入る。また、思うつぼにはまる。 
意に介す 気にとめる。気にかける。 
意に投ずる 人の意向にうまく合う。 
意に満たない 気に入らない。満足しない。 
意のまま 思いどおり。思いのまま。 
意を得る 事柄の意味や相手の気持などがわかる。思いどおりになる。満足する。 
意を汲む 人の意見や考えを尊重する。
意を決する 思い切って決心する。心を決める。 
意を属す 心を寄せる。望みをかける。期待する。 
意を注ぐ 一心に努力する。また、気をつける。 
意を体する 人の意見や気持を理解し、それに従って行動する。 
意を尽くす 考えていることを十分に表わす。相手にわかるように丁寧に述べる。 
意を強うする 心強く思う。自信を持つ。 
意を迎える 人の意向をさぐって気に入るようにする。人のきげんを取ってその言いなりになる。 
意を用いる 気を配る。注意する。 
意を寄せる 自分の考えを相手に近づける。相手の態度、考えなどに同調する。
【決手】物事を終結または解決させるような手段、方法。 
【決心】心を決める。自分の考えを決めて覚悟すること。 
【手筈】ある事を行うのにまえもって決めておく一定の順序。手順。 
【逡巡】しりごみすること。決断がつかないでぐずぐずすること。ためらうこと。 
【揺れる】考え、情況、組織、基盤などが不安定な状態になる。 
【任せる・委せる】本来のなりゆきのままにする。自然の勢いのままにする。 
【日和見】自分の態度を積極的に決定せず周囲の形勢をうかがう。事のなりゆきによって去就を決める。 
腹を括(くく)る 覚悟を決める。 
【落とす・貶とす】相手を自分の思うとおりに従わせる。なびかせる。承知させる。 
【植え付ける】思想や印象などを心にはっきりと刻み付ける。
【切る・伐る・斬る・截る・剪る】きわだつような動作をする。勢いのよいきっぱりした口ぶりや様子などをする。 
「たんかを切る」「しらを切る」「とんぼを切る」「スタートを切る」「みえを切る」 
【魅了】人の心をすっかりひきつけてしまうこと。夢中にさせてしまうこと。 
【悩殺】大いに悩ますこと。特に、女が性的魅力で男の心をかき乱すこと。 
【男殺】(男を悩殺するの意から)美人であること。 
【女殺】女を迷わせるような魅力的な男。美男子。 
【殺す】相手を悩殺する。惚れさせて意のままにあやつる。
【人殺】(人を悩殺するの意から)美人の異称。 
目で殺す 色目をつかって相手を悩殺する。 
【迷わす】迷うようにする。まよわせる。まどわす。 
【化かす・魅かす】人の心を迷わせて正常な判断ができないようにする。たぶらかす。だます。 
女は化物 女は衣装、化粧、髪型などによって、すっかり変わることをいう。 
女は魔物 女は男を迷わせたり、外面とは異なった恐しいものを内にもった悪魔のような存在である。 
【石部金吉】(石と金と二つの堅いものを並べた擬人名)道徳的に堅固で金銭や女色に心を迷わされない人。きまじめ過ぎて融通のきかない人。
【引き付ける・引き着ける】魅力で誘い寄せる。魅惑する。 
【魅惑】魅力で人の心をひきつけまどわす。 
【魅力】人の心をひきつけて夢中にさせる力。 
【絆される】人情にからまれる。相手の情にひきつけられて心や行動の自由が縛られる。「情にほだされる」 
【乗せる・載せる】ことばたくみにもちかけて思うつぼにはめる。おだてて相手をひきつける。「おだてにのせる」「口車にのせる」 
【釣られる】誘い出される。誘惑される。だまされる。「甘言につられる」
【狸・貍】人をあざむきいつわること。うそをつくこと。また、そのうそや、うそをつく人。 
【眉唾】(眉に唾をつけると狐などに化かされないという俗信から)だまされないように用心すること。「眉唾物」略。 
【眉唾物】だまされる心配のある物。真偽の疑わしいこと。まゆつば。 
【化物】ふつうの人間とは思われないような能力をもっている人。 
【怪物】才能や力量が普通の人とは違ってとびぬけてすぐれた人。
【変化】(へんげ)神仏・天人などが仮に人間の姿になって現われること。神仏の化身(けしん)。化け物。妖怪。 
【夜行】(やぎょう)いろいろな鬼や化け物が列をなして夜歩くこと。百鬼夜行。 
【幽鬼】死人の霊魂。幽霊。亡霊。また、鬼。化け物。変化。妖怪。 
【魔物】魔性のもの。へんげ。妖怪。「女は魔物」 
【取り付く】すがりつく。とりすがる。つかみつく。固く取る。心霊や魔物などが乗りうつって祟る。 
【悪魔】人にわざわいを与えたり、悪の道に誘いこむ魔物。
【化粧・仮粧】外観だけをきれいに飾ること。うわべの飾り。虚飾。みえ。 
【寝化粧】女性が夜、寝る前にする化粧。 
【心化粧】相手に好感を与えようとして改まった気持になること。心づくろい。 
【厚化粧】おしろい、口紅などを濃くつけ、けばけばしい化粧をすること。濃化粧。 
【薄化粧】目立たないようにあっさりとした化粧。 
鬼瓦にも化粧 醜いものも化粧すれば美しく見える。馬子にも衣装。 
【装う・粧う】化粧を施す。美しく身なりを飾る。
【雪化粧】雪が降ったあと一面が真っ白になり化粧したように景色が一変すること。 
【夕顔】夜の商売などに出るために、夕方、化粧をした顔。遊女の異称。 
【粧】(めかし)きれいに化粧して装い飾ること。おしゃれをすること。おめかし。 
【身仕舞】身なりをつくろい整えること。化粧をすること。身支度。 
【磨く・研く・琢く】美しく装う。化粧する。 
【濃厚】濃くあついさま。こってりとしたさま。きわめて濃いさま。色、味、匂いなど五感に受ける刺激の強いさまをいう。「濃厚な化粧」
【塗たくる】白粉、墨、絵の具などをむやみになすりつける。べたべたと塗る。 
【隈取る・暈取る】べに、おしろいなどで化粧をする。歌舞伎俳優が顔に隈取りをする。陰影や濃淡などで境目を描く。 
【繕う】手を加えて見た目をよくする。手入れする。飾りたてる。化粧する。めかす。 
【作る・造る】飾る。飾りたてる。化粧する。めかす。「顔をつくる」 
【徒顔・只顔】(ただがお)化粧をしないありのままの顔。素顔。 
【素面】(そめん・すめん)化粧していない顔。素顔。
【素顔】(そがん・すがお)色の白い顔。化粧しない顔。すがお。 
【盛粧】(せいそう)はなやかによそおうこと。はでに化粧すること。厚化粧。 
【木目込・極込】化粧法。鼻筋をくっきりと高く見せるために白粉を鼻筋に濃く塗り、左右をぬぐい取って薄くする。 
【尼顔】化粧をしない、または、したことのない顔。 
【どぎつい】物事の程度や行為・状態などが非常にきつい。不快感、いやな感じをこめて使う。「どぎつい化粧」

「上から目線」は厄介な殺し文句 
世に「殺し文句」なるものがある。恋愛やセールスなどで使用される場合は、それを言えば、相手の心を一気に引き寄せることができる巧みな言葉である。
しかし、会議などで持ち出せばグウの音も出なくなるという殺し文句もある。学生運動が盛んなころには、「学生が騒ぎ出す」が教授会での殺し文句になったものだ。「そんなことをやれば学生が騒ぎ出しますよ」などと使用され、提案が却下されることがよくあった。
グウの音も出なくなるどころか全人格を一刀両断に否定される殺し文句(レッテル)もある。戦前の「非国民」や「不忠者」、戦後の「封建的」や「反動」などが思い出される。
近年における、この全人格否定の殺し文句の一つに「上から目線」がある。上から見下していると非難の意味でいわれる。21世紀に入って芸能人が使い、それがネットで普及したとされる。平等な関係同士の中で一人、一段高いところから発言する。そのようなときに、その人物を「上から目線で注意するなよ」などとなじることで使われ出したようである。
とはいえ「上から目線」という言葉自体は新語でも、それを意味する言葉は昔からあった。「えらそうに」がそれである。英語の「ボッシイ」(bossy)もそうだろう。「えらそうに」も「ボッシイ」も、上位者でない者が親分風や先輩風をふかすというように、上位者ぶることに対する揶揄(やゆ)である。だから「上から目線」という用語の登場時には、あくまで上位者でない者が上を気取って発言することを非難する旧来の意味を踏襲しての新語にすぎなかった。
ところが次第に「上から目線」は、上位者でない者が上位者を気取ることの非難だけではなくなる。明らかな上位者についてさえ「上から目線」が殺し文句として発動されるようになる。大臣であろうと、医師の診断の態度であろうと、上下関係の匂いがいくらかでも強く感じられれば「上から目線」と揶揄する用語になったのである。タテ(上下関係)社会を前提とした「上から目線」批判から、タテ社会そのものに対する異議申し立ての「上から目線」批判へと“進化”を遂げたのである。
後者の進化した「上から目線」使用が始まるころから政治家は「国民」ではなく「国民の皆さま」と、病院は「患者」ではなく「患者さま」と言い出した。他方でクレーマー社会がはじまった。
「上から目線」のこのような意味の拡張は、権力や権威をもつ者に対して人々が簡単に服従しないどころか、対等や、それ以上を要求する民主主義(下克上)社会の進行を反映したものではある。
そこにもう少し立ち入ってみよう。かつての下位者は、上位者から比べて概して知識・情報が乏しかった。だから上位者を「上から目線」だとして批判できる余地は少なかった。しかし、今では、誰もが一家言をなすことができ、知識や情報面での指導者と被指導者、専門家と非専門家の距離は絶対的距離ではなく相対的距離にすぎなくなった。デジタル・デバイド(情報通信技術の利用格差)が年長者と若者の間にあるように、上位者と下位者で知識・情報の逆転さえ珍しくなくなっている。その分、地位において上位者だというだけで人々が畏服するようなことは少なくなる。
それだけではない。これまでは自分が下位者であっても将来の立身出世を担保にしながら、今の「上から目線」に忍従することはそれなりの合理性すらあった。しかし、将来の立身出世が期待できないとなれば、「いまにみておれ、オレだって」を我慢の薬にして服従する意味が失われた。
階層間の流動性が止まった格差社会といわれる時代の到来と、「上から目線」という言葉が広がったことには辻褄(つじつま)があう関係にあるわけだ。また、上位者に服従するかわりに自分より下位者に対して上位者として振る舞い、上に従う鬱憤を下で晴らすという「委譲」方式もありえた。しかし権力や権威を御旗としてもなびかない世代の台頭の中では、「上から目線」の委譲方式は功を奏しない。
となれば、ますます権力や権威の行使にともなう上下関係が我慢できないものになり、厳しいまなざしがそそがれることになる。上下関係という権力・権威作用の匂いに敏感になる。明らかな上位者に対しても「上から目線」という殺し文句を投げつけることが始まったのである。
「上から目線」は、全体とは無関係に言葉尻や一部の振る舞いを取り上げていわれる場合もあるが、雰囲気でいわれる場合も多い。雰囲気的なレッテルだから誰にでも簡単に使える。「上から目線」といわれたほうは、雰囲気批判だから反論のすべに窮する。厄介な殺し文句である。それもそのはず、「上から目線」には究極の民主主義(フラット化)という守護神が控えているからだ。 

安藤忠雄氏の言葉の力
■心に突き刺さる、安藤流の“殺し文句”
安藤忠雄氏の関係者50人のインタビューをもとに、幾度となく旧弊を打ち破ってきた安藤氏の言葉を紹介しよう。
最初に紹介するのは、クライアントにGOサインを出させるための“殺し文句”集だ。
安藤氏の関係者50人にインタビューして分かったのだが、安藤氏は相手によって説得の仕方を巧みに変えている。殺し文句というと誰にも通じる定番のフレーズがあるようだが、安藤氏の場合はそうではない。「心に刺さった」という言葉が人によって全く違うのだ。
例えば、ロック・フィールドの岩田弘三社長の胸に刻まれているのは、今から40年も前のこの言葉だ。
「あんたの店だけ良ければいいのか」
これは岩田氏が1977年に惣菜専門ブランドの「ガストロノミ」を立ち上げて、新築したばかりだった神戸市のローズガーデンに出店した際、安藤氏に言われた言葉だ。ローズガーデンは、安藤氏の商業建築の出世作として知られる。
岩田社長はこう振り返る。「ガストロノミの初めての店舗で、私の思い入れも大きい。2面が接する道路側に大きな看板を出したいと安藤さんに言ったところ反論された。建築は、出店者の希望だけでなく、安藤さん自身の思いや街のルールがあって成り立っていると言う。『自分だけ目立てばよいのか』という安藤さんの言葉は強く心に刻まれた」
その言葉が残り続けた岩田社長は、およそ10年後、静岡県磐田市に「静岡ファクトリー」をつくる際、設計を頼むなら安藤氏しかいないと考えて依頼し、91年に第1期が完成した。雑居型の商業ビル(ローズガーデン)の設計者と店子の1人とのちょっとしたやりとりが、十数年後に本格的な工場建築へと発展したわけだ。
さらにこの工場は、やはり安藤氏の設計によって「循環・ネットワークによる環境づくり」をテーマに掲げた第2期工事(2000年完成)へと発展する。敷地内に風力発電機を置き、ビオトープを設けた。安藤氏の提案で、クリーンエネルギーで工場の水を浄化し、その水をビオトープに流していく仕組みとした。メダカが泳ぐビオトープの水ならば、「安心して自然に戻せる」ことを誰もが体感できる。
この工場の建設過程でも、岩田社長の胸に刺さった言葉がある。
「豊さと便利さは違う」
岩田社長は言う。「安藤さんの建築は必ずしも便利というわけではないが、そのなかに豊かさを感じる。例えば、静岡ファクトリーの食堂は下階から階段でアプローチする。この階段の幅が広く、勾配がゆったりとしていて、食堂に向かう期待感を高めてくれる」
静岡ファクトリーは「安藤忠雄が設計した工場」として知られ、見学者も多い。「私たちの認知度向上に果たした役割は大きい。今では、風車や保育室のある会社、『安藤建築の工場』として地域の人に存在感を認めてもらっている。求人にも効果を発揮している」と岩田社長は話す。
人によって、胸に刺さる殺し文句が違う──。ほかの2人の場合を紹介しよう。
2016年に安藤氏のデザインで札幌本館を開業した北菓楼。堀安規良社長の心を動かしたのはこんな言葉だ。
「堀さん、コーヒーはどこでも飲めるんだ。ここで飲んだコーヒーを一生忘れないような場所にしよう」
開拓おかきやバウムクーヘンで知られる北菓楼。札幌市内初となる路面店は、既存の北海道立文書館別館の外壁の一部を残して、店舗に建て替えたものだ。その2階にはゆったりとしたカフェコーナーがある。
安藤氏の言葉は、堀社長が大坂の安藤事務所に依頼に行ったときのものだ。安藤氏は、「図書館だった建物の中にもう1つ図書館をつくってはどうか」と提案。続けて安藤氏が口にした「ここで飲んだコーヒーを一生忘れないような場所に」という言葉に心を動かされた堀社長は、すっかり安藤氏と意気投合。2層分の高さのある東西の壁を本棚で埋め尽くしたカフェが生まれた。
本といえば、記念館を建てるかどうかを迷っていた上村洋行・司馬遼太郎記念館館長の背中を押したのは、安藤氏のこんな言葉だった。
「(司馬遼太郎といえば)本やね」
1996年、上村館長の姉の夫にあたる司馬遼太郎が他界した。「周りから『記念館を建てたらどうか』と言われても、『いやいや』と笑って断っていた。司馬遼太郎は自己顕示欲の少ない人だったから、原稿や写真などを展示するというイメージがなかったからだ」と上村館長は振り返る。
司馬遼太郎の自宅は、書庫だけでなく玄関から書斎、廊下の両脇まで約6万点の蔵書が収納されている。「自分が生きている間はこの状態を維持できても、いつか蔵書が散逸される可能性があるのではないか。そうなると、本当に司馬遼太郎という存在が消えてしまいそうな気がした」(上村館長)
蔵書を散逸させない建物をつくりたい。ぼんやりと頭にイメージを描きながら向かったのが、安藤事務所だった。まだ蔵書の説明もしていないのに、会うと安藤氏はいきなり前述の言葉を口にした。「本やね」
それを聞いた上村館長は、「その瞬間に、この人に設計を頼むのが一番いいと思った」と言う。
2001年に開館した記念館に入ると、外観からは予想できない高さ11mの吹き抜け空間が広がる。壁面には司馬氏の蔵書約2万冊がぎっしりと並び、訪れる人を圧倒する。薄暗い書棚に、白いステンドグラスから樹木の緑を通した光が差し込む。
「白いステンドグラス」を提案するときにも、安藤氏は胸に残る言葉を口にした。このステンドグラスは、通常のものと違って個々のガラスに色の違いはないが、大きさや材質が皆異なる。
「ガラスは日本に住む人々を表していて、1億の人が全て違うようにガラスも1枚1枚が全て違う。そこから差し込む日の光は、司馬さんの希望の光だ」
当事者でなくともグッとくる言葉の数々。なぜ安藤氏の口からはそうしたフレーズがよどみなく出てくるのか。次回からは、いくつかの方向性に分類して安藤氏の言葉を研究してみよう。
■建築家・安藤忠雄氏は徹底的に「まねる」
国立新美術館で開催中の展覧会が大盛況の安藤忠雄氏(会期は12月18日まで)。関係者50人のインタビューの中から、仕事や社会活動に役立ちそうな安藤氏の言葉をいくつかのテーマで紹介していく。2回目は「学ぶ」がテーマだ。
前回書いたように、安藤氏は独学で建築の技術や法規を身につけた。「学ぶ姿勢が並大抵ではない」と取材した多くの人が口にした。その貪欲に学ぶ姿勢は、まわりの人間にも影響を与えている。
香川県直島の一連の安藤建築で長く現場所長を務めた豊田郁美氏は、安藤氏のこの言葉で人生が変わった。
「自ら模型をつくりなさい」
1992年に竣工した「ベネッセハウスミュージアム」で、初めて安藤建築の施工に携わった際に、安藤氏から掛けられた言葉だ。既に現場でそれなりの立場にあった人間に、「模型をつくれ」とはどういう意図なのか──。
豊田氏はこう振り返る。「それまでは自社(鹿島)や大手設計事務所が設計した建物を担当することが多かった。施工は図面に忠実につくることが大事と考え、いかに品質を保つかに注力していた」
そんな豊田氏だが、「自分の手で模型をつくれと言われた理由が分からないままつくってみると、『空間を意識しなさい』という意味が込められていることに気付いた。それまでは建築の施工とは床、壁、天井をつくることと捉えていたが、床や壁、天井は空間を生み出すための『手段』なのだと実感した」
模型をつくって空間の意図を確認することは、安藤氏自身の建築の学び方でもある。大阪の安藤事務所の4階には、白い模型写真がずらりと並んでいる。よく見ると安藤氏が設計した建築ではない。安藤氏が気になった建築の模型をスタッフにつくらせているのだ。
豊田氏はベネッセハウスミュージアムを担当した後、現場所長となってベネッセアートサイト直島の建築施工を担当していく。安藤氏の信頼を得た豊田氏は、最終的にはミュージアムから「李禹煥美術館」(2010年)まで合計6つの安藤建築を手掛けた。
20代はとにかく経験を買え
安藤氏の学び方について、同世代の建築家である石山修武氏はこんなエピソードを明かす。
お互いが若かったころ、石山氏が初めて安藤事務所を訪れると、米国の画家ジャスパー・ジョーンズの絵が事務所の壁に飾ってあった。羽振りがいいなと思い、「これは本物か」と聞くと、安藤氏は「そや」と答えたが、すぐに真実を明かした。
「自分が描いた」
気になるものは、とにかくまねてみる。石山氏は、二川幸夫氏(雑誌「GA」創刊者)の生前の言葉を借りて、こう言う。
「安藤は建築の寸法などを図面からではなく、すべて実物を目で見て、手で触って、つまり身体で習得し、自らの血肉にしたのではないか」
安藤氏が東京大学教授を務めていた時代の教え子の1人で、建築家の末光弘和氏は、“恩師”のこんな言葉が胸に残っている。
「20代はとにかく経験を買え。20代で得た経験は30代の馬力になる」
安藤氏が東京大学の教授に着任したのは1997年、末光氏が学部3年生のときだった。翌年、安藤氏はレンゾ・ピアノやジャン・ヌーヴェル、フランク・ゲーリーといった海外の建築家を招き、生の声を学生に聞かせるという連続講演会を企画した(この講演は後に書籍『建築家たちの20代』に収録される)。若いうちに「本物」「一流」に触れること──安藤流の学び方を東大で実践したとも言える。
「安藤さんを含めてこれが世界の第一線で活躍する建築家なのだと肌で感じた」。末光氏はこう振り返る。この講義は末光氏以外の学生にも大きな影響を与え、現在活躍する多数の若手設計者を育てた。
学ぶ姿勢は、若いころの話だけではない。元・朝日新聞記者で現在は武蔵野美術大学教授の松葉一清氏は、数年前に安藤氏の口から出たこんな言葉に、「変わらぬ安藤らしさ」を感じた。
「いいでしょ、これ」
2011年に改修された大阪駅を見ての言葉だ。「大阪駅が改修されたので見に行こうと安藤さんに誘われ、2人でエスカレーターを延々と昇った。とてもうれしそうだった。かつての大阪の活力を彷彿とさせる新しい駅の姿を、自分の作品でもないのに東京から来た私にわざわざ案内してくれた」
そして、「いいでしょ、これ」と照れもなくほめる。有名な建築家の設計というわけではない。設計が誰かなどは関係ないのだ。松葉氏は、安藤氏を「純粋に建築を探究する永遠の勉強家」と評する。
実は筆者も似たような経験がある。数年前に安藤氏と東京で会ったときのことだ。「この後、銀座の百貨店の増築を見学に行く」と話したところ、「面白そうだから見に行こう」と言われ、一緒に30分ほど見学した。
安藤氏の旺盛な探究心は、70歳を超えた今も変わっていない。
■安藤流、驚き生む「前さばき」と「そろばん」
建築家・安藤忠雄氏の関係者50人のインタビューの中から、仕事や社会活動に役立ちそうな安藤氏の言葉をいくつかのテーマで紹介する本コラム。第3回のテーマは、大仕事に挑む前の「段取り」について。
安藤氏は“手紙魔”として知られる。安藤氏と面識のある人で、折々に手書きの手紙をもらっている人は多いようだ。筆者もたまに手紙をいただく。短い文章とはいえ、多忙な安藤氏から手書きの手紙が届けば、うれしくないわけがない。安藤氏のネットワークづくりに、手紙が果たしている役割はとても大きいと思われる。
この「手紙を書く」という習慣は、安藤氏が今ほど有名になる前から始まっていたようだ。安藤氏の古い友人である建築家の出江寛氏は、若い頃、安藤氏のこんな言葉を海外の旅先で耳にした。
「海外に来る前に日本で書いてきた」
出江氏は1976年に勤めていた竹中工務店を辞めて独立。安藤氏とインドをはじめ、海外の多くの国に建築の視察旅行に行った。出江氏は当時をこう振り返る。
「彼が偉いのは、旅先から、友人や建て主にいつも尋常ではない枚数のはがきを出していたこと。現地の郵便局で、スタンプをぽんぽんと押していた。『いつそんな枚数を書いたんだ』と聞けば、『海外に来る前に日本で書いてきた』と。受け取った人たちは、海外でわざわざ時間を潰して書いてくれたんだと思うだろうけれど、実はそうではない。そういうところは、さすがだと思った」
「元ボクサー」というプロフィールから、多くの人は安藤氏に対し「猪突猛進」のイメージを持っているかもしれないが、よく知る人の多くは、大事に挑む前の「段取り能力の高さ」を指摘する。同世代の建築家・石山修武氏は、若い頃、安藤氏自身がこんな言葉を口にするのを聞いた。
「自分は前さばきがうまい」
ここでいう「前さばき」とは、物事を順調に進めるための下準備という意味だ。特に、建築設計者が苦手としがちな「お金の工面」について常に真剣に考えていたと石山氏は振り返る。
「そろばん勘定に長けている。私は彼に設計料の取り方のアドバイスを受けたことが何度かあるが、そんなことを(私に)教える建築家は彼だけだ」
石山氏はこうも言う。「日本建築の伝統の中心は関西にある。それは請け負いの歴史であり、そろばん勘定できるのが棟梁だ。竹中藤兵衛正高や清水喜助をはじめ、そうした棟梁がいたから竹中工務店や清水建設が生まれた」。前さばきがうまいことは、「大工棟梁に欠かせない気質で、私が彼を日本建築の深い継承者と見るゆえんだ」
安藤氏の「前さばきのうまさ」に、一生の恩を感じているというのが、画廊「ときの忘れもの」を経営する綿貫不二夫氏だ。少し長くなるが、綿貫氏の回想を書籍から引用する。
「私(綿貫氏)は大学卒業後、毎日新聞社の販売局に勤めていた。将来の読者獲得のために、全国の小中学校にオリジナル版画を寄贈するという事業企画が採用され、子会社として74年に現代版画センターを創立した」
「現代版画センターは現代美術を擁護するという旗印を掲げ、その精神を共有する会員に出資を募る共同版元の形を採っていた。安藤さんの初参加企画『MODERN PRINTS 85』では石元泰博、横尾忠則、磯崎新など13人の作家による記念版画集を制作し、84年12月から翌年度にかけて全国巡回展を行う予定だった」
「84年9月に安藤さんと会い、2点の版画をお願いした。制作は急ピッチで進んだが、実は会社は火の車だった。展覧会を開催している場合ではなくなり、急きょ中止。そして正月に差し押さえられ、1月に修羅場があり、2月に裁判所に駆け込んで自己破産した」
「安藤版画は刷り上がっていたが、まだサインをもらっていなかった。サインまで終えたものは完成品で会社の資産と見なされ、裁判所が差し押さえる。仕掛品(しかかりひん)は裁判所が押さえても一銭にもならないので、作家と個別に和解手続きを進めた。作家は債権者でもある。和解手続きでは、債権を取り下げてもらう代わりに仕掛品を返すのが最も穏当だった。安藤さんにもその形で全てお返しした」
「普通はそれで話が終わるのだが、安藤さんは違った。150部全てにサインし、さらにエディションナンバー(限定番号)まで本人が入れて、管財人に送り返してきた。そのうえ安藤さんは、自分のクライアントや付き合いのある人たちに、版画をつくったから買ってほしい、という手紙を送ってくれていた」
「突然、日本中からお金がじゃんじゃん振り込まれ、驚いた管財人からその知らせを受けたとき、私は泣いた。一度しか会っていない私にここまでしてくれるのかと。彼は作品を寄付してくれたのだ」
翌年、安藤氏の著書が綿貫氏に届いた際、差し挟まれていた手紙にはこう書かれていた。
「僕にできることは何でもします」
綿貫氏は再び泣いた。「安藤さんには一生、足を向けて寝られない」
■安藤忠雄氏が忘れない「職人への敬意」
建築家・安藤忠雄氏の関係者50人へのインタビューの中から、仕事や社会活動に役立ちそうな安藤氏の言葉をいくつかのテーマで紹介する本コラム。今回のテーマは、「モノ作りへのこだわり」だ。
安藤氏は、モノ作りへの執着が強い建築家として知られる。若い頃には、コンクリート打ち放しの仕上がりに納得がいかず、途中までつくった建物を壊してコンクリートを打ち直したという逸話も残る。
安藤氏が実作を世に問い始めた1970年代後半、建築界は「ポストモダン」のムーブメントが生まれ、「モノ作り」よりも「設計の方法論」に重きが置かれるようになり始めていた。そんななか、同世代の建築家・伊東豊雄氏は、デビュー当時の安藤氏から聞いたこんな言葉が忘れられない。
「モノに人が乗り移らなければ建築はだめなんだよ」
伊東氏はこう振り返る。
「当時東京では、同世代の建築家とよく酒を飲み、建築の話をしていた。どちらかと言うと空間論をはじめとするやや抽象的な議論が多かった。建築をやりたいのに仕事がない。社会から阻害されているという意識が強く、社会に批判的なスタンスを取っていた」
「それに対して安藤さんは、我々が入り込めない現実社会に土足でヅカヅカ踏み込んでいくようなたくましさを備えていた」
「東京の我々が考えていた建築家像とは違い、中小企業の経営者のように見えた。クライアントや施工者との関係構築、具体的なつくり方へのこだわり、お金の工面……。当時の私たちは、建築をつくる際にこうした要素が大切なことをよく理解していなかったが、安藤さんは最初からきちんと心得ていた」
仕上がりへの執着が人一倍強い──。そんな話を聞くと、建設現場の職人たちから嫌われていそうに思うかもしれないが、そうではない。むしろ安藤氏は職人の心をつかむのがうまい建築家として知られる。
鹿島の現場所長としてベネッセアートサイト直島の一連の工事を手掛けた豊田郁美氏は、安藤氏が建設現場で職人たちにこんな声をかけるのをしょっちゅう耳にした。
「頼むな」「ようやってるか」
陰で敬意を払うのではなく、全力で職人たちを労わる。豊田氏は、「現場に寄り添ってくれていると感じさせる建築家の熱意は、確実に職人へ伝わる。次第に職人たちは安藤先生が見ていることを意識しながら施工するようになった」と言う。「島の現場に通う船内でも、職人は安藤先生と会話をしたがった」
一方で、安藤氏は、職人たちを管理する建設会社のスタッフには厳しい。「施工図を説明する際には、何を検討してどう判断したかという内容を自分で咀嚼して話すことが求められた。寸法を聞かれた際に分からないなどと答えようものなら、雷が落ちる。つくり上げるモノに対しては妥協しないが、施工のプロセスや手段については柔軟に対応してもらった。施工は難しいけれど、現場のモチベーションは高かった」(豊田氏) ・・・  

ビジネスパーソンのすごいトーク術
■「客の最初の言葉が全て」
アマゾンに押されるリアル店舗が勝つには、どのようにすればいいのか。
ビックカメラが全国約1万人のグループ社員を対象に毎年開催する接客コンテストで、2017年度優勝に輝いた吉橋由里さんはこう話す。
「私が主に販売する電子ピアノは、お客様のニーズやご家庭の事情を詳しく聞き出さなければ売れない商品です。どなたが使うのか、お子様なら何歳で男の子か女の子か、初めての習い事なのか買い替えなのか、お部屋に置けるサイズはどれくらいか、どのレベルの音質をお望みか、予算はどれくらいか。『電子ピアノを買うのは初めてで、そもそも違いがよくわからない』というお客様には、私が弾き比べてみせたり、実際に鍵盤に触っていただきながら、その方が求めるものを把握していきます」
電子ピアノは売れ筋が10万円から30万円と決して安い商品ではなく、比較検討する要素も多いため、1度の来店で購入を即決する人は少ない。だからこそ、いかにクロージングに持ち込むかが販売員の腕の見せ所となる。
「お子様のための購入なら、まずはお母様が平日に売り場に来られて、私が説明したことをいったん家に持ち帰り、お父様やお子様本人も交えて家族会議をしたうえで、週末に家族全員で来店して最終的に購入を決定する。これが一番多いケースです。ですから、1度接客したお客様には私の名刺を必ずお渡しして、『どんな些細なことでも結構ですから、わからないことがあればぜひお電話ください』とお伝えします」
こうした丁寧なフォローで再来店を促し、2度目に家族で来店したときは、購入の意思決定をさりげなくサポートする。そのキラーフレーズとなるのが、初回接客時に相手から聞いた言葉だ。
「最初にお客様が口にしたことが、結局は一番の購入目的なのだと思います。ですから『子どもの上達のために購入を考えている』とおっしゃった方なら、その言葉をそのまま使って、『この電子ピアノなら、お子様も上達されますよ』とお伝えする。するとお客様も納得して購入を決められます」
このやりとりでわかるように、吉橋さんは「私のお勧めはこれです」という自分を主語にしたトークはしない。「最終の意思決定をするのは、あくまでお客様本人であることが大事」と考えているからだ。時には、母親は「黒がいい」、子どもは「白がいい」などと意見が分かれてなかなか話がまとまらないこともあるが、その場合も吉橋さんが結論を押し付けることはない。
「私はお客様にたくさん悩んでいただきたいんです。時間をかけて悩むほど、お客様もご自分が選んだ商品に心から納得できるはずですから」
■「交渉力講師」の殺し文句
「ソフトバンクグループの孫正義がビジネスの場面で話すのも主に交渉ですし、私が家で寝たくない子どもを寝かしつけるのに苦労しているのも交渉です。もちろん孫の交渉は最高レベルですけど」
そう話すのはソフトバンクの加藤有祐さん。加藤さんはグループ内約2万人が対象の社内講座の1つ「Win‐Win交渉力」の講師を務める。社内講師にはグループ内の認定制度があり、交渉力の講師は4人しかいない。さらに加藤さんはエンジニア出身という貴重な存在だ。
「価格交渉でいえば、安く買いたい側と高く売りたい側との対立と捉えたら、勝ち負けの関係になってしまいます。Win‐Winを目指すなら、まず相手の話をよく聞くこと。すると、相手は品質や納期など価格以外の条件を重視していると気づく場合がある。そこからお互いに満足度が高い結論を目指して交渉していきます」
加藤氏が最近まとめた交渉は他社への委託業務で、提示された費用を3割ほど減らせないかと考えて交渉の場に臨んだ。よく話を聞くと、相手が優先しているのは実績づくりだった。それならプロジェクトを加藤氏が責任をもって進め、実績づくりに貢献するという条件で3割の値引きに成功。価格交渉一辺倒では決裂していたかもしれないと振り返る。
「お互いの重要度を考慮して、共にハッピーになれるポイントを見つけ出す。これがWin‐Win交渉のポイントです」
そのために必要なのが、相手の実情や本音を聞き出す力。加藤氏が勧めるのは、相手が気持ちよく話せるように促すアクティブリスニングだ。この手法には5つの要素があり、「相づち」「繰り返し」「要約」、相手の話す速度に合わせる「ペーシング」、相手の変化などに気づく「キャリブレーション」を意識するといい。加えて「目から感情を探る」ことも意識する。
ただ知りたいことを尋ねるだけでは傾聴にならない。質問を誤れば、逆効果ということもある。
「交渉中に『この案件は誰が決裁者ですか?』とストレートに質問すれば誰だって身構えます。『この案件が決定するまでのステップはどうなりますか?』とさらっと聞けば、相手は抵抗なく答えて決裁権者も聞き出しやすくなります」
ここで注意したいのは、一方的に情報を聞き出しすぎないこと。気持ちよく話していた交渉相手が、途中で「情報を出しすぎて不利だ」と感じた瞬間、情報の窓を閉じることがある。加藤氏は“返報の原理”を使うべきと助言する。
「情報はこちらから先に提供する。そうすれば、相手も自然と何か返さなければいけない気持ちになります」
■専業主婦が保険営業5万人中1位に大変身
国内大手の生保、日本生命。毎年開かれる保険販売部門の社内表彰で、2015年度、16年度と連続で営業職員5万人中1位を獲得した山岡由佳さん。17年度も1位獲得が濃厚だという。
37歳のとき、知人に声をかけられたのを機に、専業主婦から保険営業職に転身した。
いまや会社を代表するトップセールスだが、実は人見知りというギャップがある。「入社当時は営業先で名乗るのが精一杯。いまも緊張はする」と照れ笑いする。その課題を克服する山岡さんならではの術がある。それは「観察力」だ。
訪問先でまず初めにすることは、相手の服装、応接間に置かれている小物や雑誌などを注意深く見ることだという。
「たとえば、着ているシャツがチェックやボタンダウンだったり、机の上にクルマの模型が置いてあったりすると、それがお客様の好きな物である確率が高い。そこを糸口に、会話を広げていきます」
いきなり商談は始めず、まずは相手への興味を示す。時には、身の上話や仕事上の相談を相手に持ちかけることもあるという。
「入社6年目でトレーナーになり、教えることの難しさにぶち当たったとき、人事部や総務部にいる先輩にアドバイスを仰ぎました」
自分自身のこともさらけ出し、時間をかけて、信頼関係を築いていく。また、初対面の顧客が加入している保険を否定しないことも心掛けている。契約時の背景を聞き、「当時はそうだったと思うのですが」と切り出し、相手に寄り添いながら新たな提案をしていく。
山岡さんは担当企業へ頻繁に足を運ぶことをいとわない。なかなか会えない社長には毎月情報誌を発送する際にA4サイズの便箋に1、2枚の手紙を添える。
「お客様に関係する新聞記事を読んだ感想や、ご家族の誕生日のお祝いメッセージなど毎月60枚ほど書きます。あまり慣れ慣れしい感じにならないように気を付けています」
日頃の積み重ねがあることで、「お会いしたい」と連絡をするとアポがすぐに取れる。
その結果、山岡さんを信頼する会社の社長が、別の社長を紹介してくれるようになり、契約が幾何級数的に増えていった。
売り上げの割合は、契約が大口の法人営業が大部分を占める。だが、近年は個人営業とのバランスも重視するようになり、17年は、個人営業でも支社トップの成績を収めた。
「いつもお客様の役に立つことを考え、時にはお客様同士をつなぐこともします。また、『この商品はいいはずだ』と思い込まないことも大切。様々な見方があると思うこと自体が、コミュニケーションだと思います。『お断りされてからがスタート』です」
■逆風下のたばこで「抜群の成績」を残す法
喫煙者の減少に加えて、ますます厳しくなる喫煙への規制。逆風の状況にもかかわらず加熱式たばこの開拓営業で抜群の成績を残しているのが日本たばこ産業(以下、JT)の八野佑基さんだ。
八野さんの仕事はJTの社運を担う新しいスタイルのたばこ「プルーム・テック」の法人向け開拓営業。仕事は大きく2つだ。
「1つは説明販売会開催の提案。先方の社員に集まっていただき、セミナー形式でプルーム・テックのよさを説明して物販とセットで行うものです。もう1つはオフィス内にプルーム・テックのみ使用可能なスペースを創設してもらう働きかけ。喫煙者率は約2割というマイノリティーな市場です。吸わない方からすると、プルーム・テックを知らない方も多く、はっきり言って興味のない話というところからのスタートになります」
八野さんがプルーム・テックの開拓営業に携わるようになったのは2016年10月。はじめはプルーム・テックが先行販売された福岡市に半年間ホテル暮らしをしながら、飛び込み営業も行った。
「ビルの1階から最上階まで、インターホンを押しながらローラー作戦のように何百社も回ったり、喫煙所でお声がけして話を聞いてもらいました」
禁煙・分煙などに取り組む企業が多いなか、説明販売会を開く、ましてやプルーム・テックの使用可能なスペースの創設という提案はハードルが高い。「はあ? タバコ? 何を言っているんですか?」と、厳しい対応をされることも少なくない。会社の環境を変えることにもなるので、相手の企業の担当者に社内調整や説得など、煩雑なことをしてもらわなければ話は進まない。
これまでに八野さんは70社を超える説明販売会を実施し、スペース創設はチームとして東京と福岡を合わせて約70社を口説き落とした。どのようにして人を動かしたのか。
「大切にしていることは、どれだけ相手の話を聞けるかです。プルーム・テックどうこうというよりも、コミュニケーションを密にし、先方の困っていることや悩みを聞き出し、お役に立てることはないかを考え、小さなことでも一生懸命お答えするようにしています。しかもできるだけ速やかに。それがうまく先方さんに響くと、徐々に信頼関係ができ、弊社と組むメリットがあるのではないかと思っていただけるようにもなります」
急がば回れ。先方の悩み解決のために、JTの他部署やグループ企業にコンタクトを取ったり、一緒に新たなビジネスチャンスの可能性を探したり。
「ルート営業ではない、新規営業だからこそ、当たり前の積み重ねが重要だなと。そこだけは忘れないようにやっています」
■「5200人中1位の会話術」
国内外からの大勢の旅行者で連日賑わう羽田空港。チェックインカウンターや搭乗口、手荷物返却エリアなどで利用客の対応や案内をするのが、グランドスタッフと呼ばれる職員だ。
国際線ターミナルに勤務する永見愛里さんは、入社3年目ながら、日本航空(JAL)のグランドスタッフが接客スキルを競う「空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」の国内部門で優勝した実力の持ち主。国内外5200名に上るJALのグランドスタッフの頂点だ。
「まさか自分が優勝できるとは思いませんでしたから、この結果には驚きました。ただ、私は普段から『聞き役に徹する』ことを意識しているので、コンテストでもその点を評価していただいたのかもしれません」
本人は控えめに話すが、永見さんが接客の現場で実践している“聞く”のレベルは相当に高い。
「相手の話に耳を傾けながら、声のトーンや話すスピード、表情などを観察して、その方に合った対応をします。時間を気にして急いでいるご様子なら、こちらも必要な情報のみを簡潔かつスピーディーにお伝えしますし、『今日の旅行が楽しみでね』などと世間話を交えてのんびりと話しかけてくださったときは、こちらも会話のペースをゆっくりにしてお話しさせていただきます」
永見さんが「聞くこと」の大切さを実感した新人時代のエピソードがある。ある乗客が預けた手荷物が破損したため、JALが責任を持って修理すると相手に伝えたときのことだ。
「『お客さまをお待たせしてはいけないと思い、早くご説明しなくては』と焦ってしまい、私が一方的に修理の手順を早口で話しはじめてしまったんです。そうしたら、お客さまの表情がみるみる険しくなって……。もしお怒りなのであれば、まずはその気持ちを推し量って、こちらが共感と理解を示すことが必要だったんですね。改めて要望を伺うことでそのお客さまも最後は『こちらの気持ちをわかってくれたならそれでいい』とご納得してくださいました。お客さまにご迷惑をおかけしたときこそ、相手の言葉に耳を傾けることが重要だと学びました」
アジアからの旅行客のために中国語や韓国語の挨拶を勉強したり、聴覚障がい者に対応できるよう手話を覚えたりと、日本一になっても努力を惜しまない永見さん。「自分がお客さまに対してできることの引き出しをもっと増やしたい」と、さらなる接客スキルの向上に向けた意欲を語ってくれた。  

 
 

 


 
  
出典「マルチメディア統合辞典」マイクロソフト社
 / 引用を最小限にするための割愛等による文責はすべて当HPにあります。  
出典不明 / 引用を含む文責はすべて当HPにあります。 
 
 
生き残ったもん勝ち

 

生き残ったもん勝ち、勝海舟を見ているとそう思う。よく「歴史は勝者によって作られる」と言われる。明治政府においては海軍大輔(かいぐんたゆう)、参議兼海軍卿、元老院議官を歴任し、「ご意見番」として一目置かれる存在だったが、幕臣だった海舟は「負け組」だ。にもかかわらず、幕末でいちばん著名な幕臣としてその名を留めているのは、西郷隆盛との江戸無血開城談判で江戸を戦火から守ったことによるものだけではない。「氷川清話」(ひかわせいわ)をはじめ、多くの証言を残してくれているからだ。多くの交遊をもっていた海舟の話は、その「べらんめえ」な江戸っ子口調も手伝って心地よい。老人の自慢話にも似て少し割り引いて見なければならない部分もあるが、貴重な証言である。 
天璋院(篤姫)との交遊話は「海舟語録」などに散見される。 
はじめて海舟が天璋院に会ったのは、鳥羽・伏見の戦いで徳川慶喜が敗れ、江戸に逃げ帰ってきた直後のことだった。天璋院を薩摩に帰すという話が持ち上がった。だが天璋院は大奥から出ていく気は毛頭ない。「もし無理やり出すようなことがあったら自害する」と言って、昼も夜も懐剣を離さない。お付きの女中たちもいっしょに自害すると騒いでいる。そこで海舟が出向くことになった、大奥に顔を出すと、目の前に女中だちが、ずらりと並んでいる。 
天璋院がいない。海舟が「どうかなさいましたか」と問うが、みな押し黙っている。しばらくすると、女中の中から、ひとりが出てきた。 
「それが天璋院サ。かくれて、様子を見たものだネ」 
海舟は、天璋院相手に腹を割って話しはじめた。それでも女中のひとりが「死のうと思へば死ねます」と言う。 
「天璋院が御自害を為されば、私だって済みませんから、その傍で腹を切ります。するとお気の毒ですが、心中とか何とか言はれますよ」 
これを聞いて、さすがの天璋院も心中は恥だと思ったのだろう。「明日もいらして下さい、まだ伺ひたいから」と態度をやわらげた。それから海舟は大奥に3日間通って、天璋院の怒りを冷ませることに成功する。 
失敗をしでかして怒っている取引先のもとに出向いて、腹を割って話をすることで鉾を収めてもらうようなものだ。 
以後、海舟と天璋院の交遊は続き、明治に入り、天璋院と静寛院宮(和宮)が海舟の家に遊びに来たときのこと。海舟は、ふたりに膳を出した。だが女中が困り顔でかけこんできた。海舟が問うと女中が言った。「両方で給仕をしようとしていてにらみ合っているのです」。海舟が座敷に顔を出して「どうしたというんです」と訊くと、おたがいに同じことを言う。「わたしがお給仕をしますのに、あなたが、なさろうとするから」海舟は笑って、お櫃をふたつ用意させて提案した。「天璋院さまのは和宮さまが為さいまし、和宮さまのは天璋院さまが為さいまし、これで喧嘩はありますまい」 
これを聞いてふたりは「安房(あわ・勝安房守)は利口ものです」と大笑いし、1台の馬車で帰った。以後、天璋院と静寛院宮はたいへん仲良くなったと海舟は自慢する。 
また海舟は、料亭「八百善」などに天璋院を案内して「下情(かじょう)を見せた」と自慢を重ねる。  
 
頼み上手

 

人に何かを頼む。それは相手の時間や労力を自分のために費やしてもらうことを意味する。それだけに「ずうずうしい奴と思われないか」などと考え、つい言葉をのみ込んでしまった経験は誰にもあるだろう。しかしビジネスはある意味、「頼み頼まれる」ことで成り立っている。職場で気軽に「頼める」関係を築く方法を考えよう。 
そもそも、なぜ私たちは頼むのが苦手と感じるのか。頼み下手な人には2つのタイプがあると言う、「気が弱い人」「完全癖の人」だ。気が弱い人は断られるのが怖くて頼めない。完全癖の人は、物事が思う通りに進まないと気が済まないから、人に頼まずすべて自分で抱えてしまう。気弱な人は、まず仲の良い人に、断られる心配のない簡単な頼み事をして頼むことに慣れよう。完全癖の人は、他人は自分以上のことはできないと腹をくくるとよい。頼んだ結果にストレスをためないことが肝心である。 
一歩進んで頼み上手になるには、日頃から頼める環境・関係を作っておく努力が欠かせない。全くの初対面や心理的な距離がある相手では、当然ながら「頼み頼まれる」関係性は作れない。この関係を築く基礎となるのが心理学で言う互恵性の原則だ。 
人は他人から何らかの恩恵を受けると、お返しをしなければならない気持ちになる。車を運転している時、自分が誰かに譲られたら、自分もまた誰かに譲りたくなるのと同じである。普段から相手の頼み事を引き受けておけば、自分が頼む立場になった時に、相手も断りにくくなる。そして次に大切なのが相手のメリット。「何の得にもならないことを積極的に引き受ける人はいない。上手にメリットを伝えるのは頼む際の礼儀のようなものだ。 
ギブ・アンド・テークで信頼関係を築く、頼み上手になるための条件を一言で言えばこうなる。ビジネスマンとしての人間力を磨くことが、そのまま頼み上手への近道になると言える。 
いつもでなくても「いつもお願いばかり」と言ってみる 
初めて頼む相手に対しても「いつもお願いばかりで」と言ってみよう。人は常に自分の行動を一貫させようとする心理を持っているため、「いつも」が強調されると「今回も」引き受けなくてはならないという気持ちになりやすい。いつも引き受けているのに今回はやりたくないとなると、それ相当の理由が必要だと感じ、なかなか断れないのである。 
依頼がダメなら相談で持ちかける 
「頼みたい」「お願いしたい」と言うと断られてしまうなら、「相談したい」という形で話を持ちかけよう。相談なら応じてくれる可能性はかなり高くなるし、その相談事について一緒に考えているうちに、相手に自発的な「参加意識」が芽生える。相談の内容に関心が高まってくれば、「相談したい」を「頼む」と言い換えても、相手はすんなりと応じてくれる。 
なかなか会おうとしない人には 
わざわざ時間をかけて会いに来てくれた人の依頼は断りにくい。だから最初から会わないことで頼み事から逃れようという心理が働く。そんな人の閉じたドアを開く言葉が「別件で近くに来たので、ちょっとご挨拶に伺いたいのですが」。わざわざ会いに来たのではなくたまたまなら心理的負担も軽く、会おうかという気になる。これで第1関門は突破、会ってしまえば後はあなたの腕次第だ。 
「できない」の一点張りの相手には「ロミオとジュリエット作戦」 
いくら頼んでも「できない」としか言わない相手には、「やっぱりダメですか」と引いてみるのも手。一生懸命に口説いていた人が急にあっさり引くと、相手は意固地になって断っていた感情が急にはぐらかされて、軽いフラストレーションに陥る。頃合いを見計らって「やっぱり諦めきれません。もう一度考えていただけませんか」と再度お願いすれば、引き受けてくれることが少なくない。禁じられたことで逆に燃え上がる「ロミオとジュリエットの心理」を巧みに突くことで、相手の同意を引き出せる。ただし引き時のタイミングを間違えると、相手は「そんなに真剣ではなかったのか」と思ってしまうので要注意。 
マイナス情報は先に言う 
誰だって頼む時には悪条件は言いたくないもの。しかしマイナス情報を隠しても、頼んだ相手が事情に詳しかったり、ほかの人から聞かされたりすれば、「なぜ事前に言わないのか」と不信を招き、話が白紙に戻ったり二度と引き受けてもらえないことになりかねない。きちんと説明しておけば、相手の印象を悪くすることもないし、信頼を高めることにもなる。 
忙しい人に頼む時は 
デキる人には仕事が集中し、必然的に忙しくなる。しかし大事な仕事であればあるほどデキる人に頼みたい。そんなデキる人に時間を割いてもらいたいなら面会時間は曖昧な言い方ではなく「15分だけ頂戴できますか」と区切った方がよい。この表現は、「けじめ」のある人間という好印象を相手に与える。面会時間を短めに伝えることで、忙しい自分の立場を考慮してくれているという印象も与えられる。この誠実さによって、相手は心を開くのだ。 
依頼内容に不平や不満を言ってきたら 
依頼内容に不満を抱いている時は、正面から反論するのは逆効果。お互いの主張を言い争う最悪の結果になってしまう。こんな時はとにかくじっくり相手の言い分に耳を傾ける。「どこが良くないのか詳しく教えていただけますか」などとこちらから質問して、相手の考えを引き出せればさらによい。相手は自分の言い分を吐き出すことで頭の中を浄化・整理させて、こちらの言い分を理性的に聞けるようになる。相手が吠えている時ほど、冷静に話を聞くことが重要。 
困難な依頼の前には、より困難な依頼を持ちかける 
かなり難易度の高い頼み事で「これは難しいかな」という時は、さらに受けてもらえそうにない、より困難な依頼をしてみよう。そうすることで、本来の頼み事がそんなに難しいことには思えなくなる。さらに、最初の依頼をあえて断らせることで、相手に罪悪感を持たせることができる。相手は前回断った後ろめたさがあるので、最初の依頼より簡単に見える本来の依頼を、引き受けてくれることがある。 
連帯意識で引き受けさせる 
欲得抜きで依頼を承諾させるテクニック、それが連帯意識を利用する方法だ。例えばライバル社の製品Aに対抗するため、新製品のデザインを誰かに依頼しなくてはならないとする。そんな時は製品Aのデザイナーとライバル関係にあるデザイナーに依頼するのだ。「あなたならライバル以上の仕事ができる」と相手の自尊心をくすぐり、敵愾心に火をつけよう。「敵の敵」を利用して連帯意識を持たせれば、相手も引き受けてくれやすい。 
悪天候を味方につけろ 
悪天候の時、人は行動が消極的になりがちだ、だからこそ利用できるのだ。誰もが外に出たくないと思っている天候の日に、あえて依頼する相手のところへ行けば、相手は「わざわざこんな天気の中ご苦労さまです」とねぎらってくれるばかりではなく、こちらに対して心理的負い目を感じる。その負い目があると、依頼を引き受けようかという気持ちになりやすいのだ。悪天候は絶好の「依頼日和」なのだ。  
 
殺し文句

 

ホストクラブのほとんどの店では、指名制度をとっています。指名してくれた客の売り上げのおよそ半分がホストの給料となります。指名客を増やしてこそ一流ホストといえるわけですね。初対面の相手と、ほんの20分くらいの間に、自分を売り込む。外見だけで売れているホストもいますが、それだけでは長いお付き合いはできません。彼女の心を引き寄せて、かつ、長い間惚れさせなくてはプロとはいえません。そのために、彼らは自分なりの殺し文句をいくつか持っているといいます。 
ここで注意したいのは「決まり文句」ではなく「殺し文句」です。決まり文句は、誰もが考えつくような定型文。「かわいいね」「愛してるよ」といった言葉です。確かに言われて嬉しいけれど何度か聞いたことのあるセリフ。 
殺し文句とは、これまで男性から言われたことがないような言葉。それだけで周りの男性が見えなくなってしまうかのような強いインパクトを持つセリフのことです。 
ある売れっ子ホストはこう言います。 
「ホストらしい言葉を吐く、思い切りキザなセリフも言うよ。たとえば「これまで神様って信じていなかったけど、キミと出会って神様はやっぱりいるんだって思ったよ。キミに出会わせてくれた神様に感謝したい」。彼女は「うわ〜っ、ホストだね〜」なんて照れるんですよね。そこで真顔で「なんで茶化すんだよ。冗談じゃなくてほんとだよ」とたたみかけるんです」 
ホストだからキザなセリフも許されるのではないだろうか。一般の男性がそんなキザなセリフを吐いたら女の子は逆に引いてしまうだろう。 
「そんなことないですよ。言葉ってものすごい武器なんです。武器はなんのためにあるのかというと、人を殺すためにある。俺たちの場合は、女の子を夢中にさせてしまう魔法の武器だね。殺し文句は一度だけではなく何度も吐くと効果的ですよ。これまで言われたことのない言葉が脳の中に刷り込まれていって、彼女は離れられなくなるんです」  
 
女性を殺す文句

 

大音量でハートに響く、最後のワンプレー。  
女性がイチコロの殺し文句はあるのか。  
国立社会保障・人口問題研究所は「異性との交際」調査を行っている。対象は18歳から34歳までの男女。最新の05年のデータでは 「交際している異性はいない」と回答した未婚者は男性52.2%で過半数、女性では44.7%で前回調査より4.4ポイント増加して半数弱。なんと恋愛したい盛りに、彼女・彼氏がいる割合は半数ほどなのである。  
また、結婚したいと思う交際相手がいる未婚者(18〜34歳)の割合は男性20.5%、女性27.3%。恋愛は誰にとっても「多難」なことのようである。言い換えれば、男女ともにシングルで、相手がほしいと思っている人がたくさんいるのだ。  
恋愛は、ちょっとした「殺し文句と度胸」だと恋愛を科学するドクター藤田氏はいう。  
当たり前だが、歯の浮くようなセリフを言えばいいというものではない。殺し文句はそれを口にする男性によって違ってくるという。  
「女性は魅力的な男に殺し文句を言われたいと思ってます。容姿のことではないですよ。むしろ持ち物が大事。時計、鞄、靴の3点すべてが一流品であること。これが揃っていれば殺し文句をいえる男になれます」  
1つではダメ。3つを上手に揃える財力とセンスに、女性はよろめく。  
「その上で大事なのは目力(めぢから)。女性の目を真っ直ぐに見て話せる男は目力が強い。これがあれば、言ったことを冗談にさせません。『今日は帰したくない』みたいなベタな表現でも殺し文句にできるんです」  
目力の有無は男女の相対的なバランスで決まるという。その女性に対して男性が自信を持てれば目力が宿り、目で殺せる。が、そんな熱視線、普通の男はなかなか持てない……?  
「目力が弱い人は、“殺され文句”を“殺し文句”にしましょう。弱い男の強さとは、腰を低く出来ることです。『僕と一緒にお茶してくれるなんて嬉しいなあ!』みたいなことを爽やかに言う。これができる男は本当は強い。弱い男は虚勢をはるので、プライドを下げられませんからね」
 
男性のモテには強さと戦略が必須。その例を解説していこう。 
第一印象アップ  
「弱い男はピンホール視野といって、相手の全体を観察できません。ですから、相手をトータルに見た褒め方をすれば、強い印象を残せます」『黒い服が似合ってますね』とさりげなく言う。逆に『爪がキレイですね』といった極細部を褒めるのもいい。逆効果は『カワイイですね』。男側が完全に媚びた印象になる。  
成功率の高い言い方は気候、季節、が入った、気遣いのある言い方。「『迷いませんでした?』とか、『花粉症じゃないですか?』とか。それで気配りが伝わります。『そのコート今の季節にいいですね』のように情報に敏感な印象を与えるのもいい」一番ダメなのはギャグ。「冗談は下の人間に言うことで、見下した印象になります。この男は危険、というレッテルを貼られます」  
女性との距離を一気に縮める  
相手の女性が自分より魅力が上で手強いと思ったら『ファンです』という意味合いの表現が効果的。「男の下心を露出させないで、僕はアナタの味方だというイメージを伝えられる便利な言い方です。こう言われたら女性は悪い気はしないですから、確実に距離が縮みます」  
ホスト界ではしゃべっていいのは一流だけといわれる。話術が巧みでないならただ相づちを打てばいい。 「同意は相手の話を遮らないことが大事です。その上で『それはやんなっちゃうね』『ムカつくね』といった、自分の感情を表に出した相づちを打ちましょう。そのコの味方をする言い方なので、この男性には自分の話を聞いてもらいたいと思わせます」  
今日逢ったのは全部自分の望みだったというニュアンスが一番イイ。「『楽しかった?』と聞くと相手の答えに自分が癒されることになります。デートの責任は全部自分が背負いましょう。『今日は俺のために逢ってくれてありがとう』と自分から言う。そして、名残惜しさを見せずに立ち去ること。そうすれば女性に余韻を残し、また逢いたくさせます」  
心理学に学ぶ、女性を見た目から判断する  
服の色使いでわかる相手の性格  
赤 享楽を楽しむ  
青 恋人は外見でなく中身で選ぶ  
茶 几帳面で鈍い  
黒 二面性を持っている  
オレンジ 八方美人  
原色を好む / 劣等感が強い人  
パンツを好む / 他人と張り合う性格  
スカーフやペンダントで胸回りを飾る / うぬぼれ屋  
靴や靴下にこだわる / 他人への同調が得意  
座り方に性格が出る  
向かい合う、並んで座る、椅子に浅く座る / 外交的  
テーブルのはす向かいに座る、椅子に深く座る / 内向的  
並んで座る / 親しさを表す  
コーナーの角に座る / お友達の関係  
お互いの体がキチンと向かい合っている / お互いに興味がある  
無意識にお互いの動きが同調(ミラーリング効果) / 新密度が高い  
ベンチに並んで座ったとき、男性が左側の脚を組んだとき、女性が右側の脚を組む / 他人を近づけさせず、二人だけの世界を作りたい   
彼女のしぐさの意味  
自分の脚をなでている / 触られたい  
自分の髪を触る / 好意のサイン  
話し方の癖  
鼻にかかる話し方 / 人を信用しない性格  
息がまじる / 陽気、興奮しやすい  
抑揚が多い / 精力的、人付き合いが好き  
質問に対し、たくさん息を吸い込んでいる / 嘘をついている  
性的関心が高い人の特徴  
相手の目をじっと見つめて話す  
声に出して笑う  
まばたきもせずに物を見つめる  
髪の毛や頭をもてあそぶ  
相手の個人空間に入り込む  
相手の身体によく触れる  
赤い口紅、赤いスカーフなどを好む  
ツヤのあるリップを塗っている  
上半身がブランコのようにスイングしている  
歩き方が早い  
髪の毛の伸びるのが早い  
時間を気にする  
平常の体温が高い  
顔に赤みが差している  
浮気癖のある人  
創造性に富み、服装のデザインが奇抜  
芸術に関する素養がある  
空想家である  
ブランド品を持っている  
一人で外出する  
決断が早い  
本を読み、知性への欲求が高い  
両親が浮気している  
信号無視をする  
心にネガティブなものを抱えているとき  
会話時間中の40%以下しかアイコンタクトをしない  
30度ほど後傾の姿勢で座る  
正面から30度以上身体をずらす  
 
好意がある・なしの見分け方

 

露出の多い洋服  
胸元の開いたキャミやミニスカート。露出の大きい洋服を着てきたからといって、プラスに判断するのは危険だ。かつて娼婦は娼婦のカッコをして男を誘惑したけれど、それは大昔の話。いまではセレブがビッチのカッコをして、セレビッチ。本人がファッションとして好きでやっているだけなのだ。セレビッチは男を誘惑しているわけではない。  
外観で決め付けない  
リアルタイムで変化している相手の情報を読めなくなる。ブラの肩紐が見えている。うわ、今日はオッケーてことなんだな? とそのことばかりソワソワして、誘ってみたら断わられる。その日一日ソワソワして彼女が楽しくなかったかもしれないし、見えていた肩紐は、彼女自身も気付かなかったウッカリである可能性だってある。  
大人しくしていては本音が現れない  
相手の心を知るには、チカラを加えて反応を見ないとわからない。相手の反応を見るのに必要なのは、ことらからアクションを起こすこと、言葉を使うこと。相手の反応をみるのに簡単なのはアクションを起こすこと。手を握る、肩を抱く。けれど、この方法はダイレクトすぎて、失敗の可能性が高い。相手の心が開いていたのに、無粋なやりかたで閉じてしまう可能性が高い。  
会話なくして恋愛なし  
相手の反応を確かめるのにイチバンいいのは言葉(会話)。それも女性に負担のかからない言い方が良い。例えば、今日いく店は美味しいんdあけど、カップルばっかりなんだよ。それでもいい? と聞く。彼女が笑って「いいよー」なら脈アリだし、「それじゃ居酒屋とかにしようよ」なら拒絶ということ。  
高度な会話など必要ない  
会話の内容は、たわいもないことで大丈夫。天気の話、テレビの話、インタネットで見た話題。するべきではない会話は、自慢話。  
思い込みは捨てる  
3回めのデートでキスはOKみたいな情報に騙されるな。恋愛のヘタな人は、そうした思い込みで、相手の様子を読まずにキスしようとし、彼女の心を閉じさせてしまう。正しい情報は、目の前の彼女が発している。思い込まずによく読め。  
拒絶されてもがっかりしない  
拒絶にもレベルがあるので、ガッカリしないこと。男性の場合、女性に負けるのではなく、自分自身に負ける人が多い。拒絶されても、デートには付き合ってくれたのだから、その根本を忘れないこと。ただし、強い態度で否定されている場合は慎重に。ヘタをするとストーカーまがいになる恐れも  
会話とは仕込みである  
オレは口下手だと思ってる男性。それは努力不足。会話の上手い下手は、全部仕込みがあるかどうか。知識であり、仕込である。これは恋愛でも営業でも会議でも同じこと。他人と会話ができるネタを、普段から仕込む、恋愛においては相手を笑わせることが大事だが、いますぐ、笑わせるネタを5つ言えるか。いえない人は努力が足らないのだ。テレビでも映画でもいい。これは面白いなと思ったことはメモして、次に彼女にあったら使ってみる  
想像はだめ直接聞く  
気になることがあれば、直接口に出して聞け。今日は谷間が見えてるけど、オレを誘ってるのかー? みたいに。気になることを黙っているから、気まずくなる。エレベーターの中で臭かったら、なんか臭くない?って冗談っぽくいえばいい。黙っているから気まずい雰囲気になるわけで。  
表情と態度を目安とする  
デート中、最も注意するのは彼女の表情だ。笑っているか。楽しそうか。また、二人の距離も参考になる。50cm以内の親密距離にいるか。話が聞き取れないと、耳を寄せてくるか。など  
女性は拒絶を基本とする生き物だ  
拒絶は女性にはよくあることで、6割の女性は嫌いじゃない相手でもその誘いを断わるというデータがある。自己防衛上、接触を拒みたいといいう本能のようなものでは。だから、A案ではなく、B案、C案を用意する。Aがダメなら、じゃあ、Bはどう? Cはどう? という風に。  
彼女の理想でなくてもしり込みしない  
人間は何するかわからないと心得るべき。100円ショップに入るとき、何が欲しいとかなくても、出てくるときは袋がいっぱいだったりする。竹之内豊が理想、なっていってる女性でも、夫はカンニングの竹山くんみたいなのばっかり。そうしたダンナは、テクを使って、カンニング竹山を好きにならせ、竹ノ内豊以上に惚れさせたというわけ。  
最初からテンションを上げない  
誘う場所は、敷居の低い順がいい。いきなりプール行かない?といわれても、女性にとって水着姿は誰にでも見せられない。日曜日のデートは要求が高い。会社帰りのディナーはどう? ランチはどう? 映画のチケットがあるけど、2時間だけ時間ない? という具合。OKがでたら、デートスポットのランクを上げていく。 
 
恋を進展させるラブワード

 

恋はなだらかに盛り上がっていくものとは限りません。ふと相手の好意を感じた時、意外な優しさに気づいた時…。ドキッとしませんか? そんなとき、心にささるのは何気ない言葉のはず。ごく普通の言葉こそ少しのニュアンスに気を配るだけでナチュラルにプッシュできるフレーズに変わります。イベントシーズン前だから実現したい、ナチュラルに女子から好意を示せるワードをまとめました。  
「ありがとう」  
呼吸するように言いたいフレーズです。男子のしてくれた事に対し瞬時に喜べるかどうかがモテと非モテを分けます。「ココは俺が」に対し「え、いいよー、半分出すよ。・・・そう?ありがとう」より「ありがとう!ご馳走様でした!」が正解。「その分ごちそうさせて☆」と二軒目に誘えばお礼とデートの延長戦を兼ねちゃいます。ずうずうしいと思われる心配より、男子のサービス精神から放たれる球をきっちり回収することに気を配りましょう。バシッと喜ぶことで男子のプライドを満たしてあげる事ができ、他の女子との差をつけます。なんだかんだ言って払ってもらう事になるのでしょ?素直に喜ぶ方が絶対ステキ。  
「すごーい」  
男子向け褒めワードとしてもはや鉄板「すごーい」。男子が(女子的に)わけのわからない自慢をしてきても、とりあえず言っておけばOKフレーズでもありますが、効果的なのは「具体的なポイント+すごーい」パターン。プラスするのは彼が普段褒められ慣れてない方向からの褒め言葉を。また、男子がよくする「短所の自分語り」は長所に変換するのがおススメ。「俺結構、後先考えないで行動しちゃう事多いんだよね」を「行動力がある人ってすごいよね、思ったら即行動できるっていいよね」に、という感じです。長所と短所は基本的に一体なので、即座に言い換えるパターンをいくつか持っているとよいですね。  
「もっと」  
「忙しいって言ったってもっとメールできるでしょ?」的な意味ではありません。この場合はポジティブな「もっと!」である事が大切です。デートの別れ際「楽しかった、今度いつにする?」より「こんなに楽しいならもっと早い時間から会えばよかったね!」と言うほうが「押してる感」が出すぎず、本心から楽しんでるように聞こえます。長く会いたい=平日デートではなくお互いの休日狙いになるため、「休日に会うような関係の女」がいるかもジャッジできます。直球で「もっと一緒にいたい」もOKですが、「今度は」もっと一緒にいたい、という表現のほうがすべる確率が低いのでオススメです。  
「・・・・・・」  
基本的には黙っていても何も進みませんが、「相手がポジティブに迷っている状況」では女子は言葉を発しないほうが有利です。ただしその場合はボディタッチなど、「態度で押す」ことと必ずセットにしましょう。たとえば、告白寸前!な空気を感じても言葉で彼をアシストしたり、期待に満ちた顔で彼の目を見つめてはいけません。シャイな男子はその前ノリ感に怖気づき「…いや、なんでもない」となってしまうことも。ところが、女子から黙って手をつなぐ、寄り添うなどのしぐさをすると、男子自ら告白などのクロージング作業にかかってくれるのです。 
男を引き寄せる短いフレーズ  
言葉は不思議なもので、実際そうでなくても言われるとその気になることが多々あります。特に男子は言われた言葉をそのまま受け取るので、ストレートな言葉をうまく使いたいもの。積極的に使いたい男子を引き寄せるフレーズをご紹介します。5字以内で覚えやすいので、積極的に使ってくださいね。  
「さすが」  
さすがと言われると「自分は期待されている」と「褒められた」のダブルで嬉しく感じます。  
「意外と〜だね」  
〜には魅力的なことをいれるのがベター。普段人には言われないところを指摘されると、「自分のことを見てくれている」と印象がアップします。逆に「繊細、気にする」など弱い点を入れるのもいいのですが、プライドの高い人だと「俺の何を知ってるの?」とイラつく人もいるので要注意です。  
「安心する」  
一緒にいて安心する相手ってなかなかいませんよね。安心といわれると心を許している表現にもなり、特別感がアップ。相手も自分に心を開き始めます。  
「○○なら大丈夫」  
名前をつけることで「普段から自分の事を見てくれている」と気付きますし、大丈夫といわれると自信が湧きます。  
「ドキドキ」  
ドキドキいう言葉は、相手をもドキドキさせます。初心者は初めてのお店や体験にドキドキと、上級者は○○君といるとドキドキする、と言ってみましょう。  
「惚れそう」  
上級者フレーズですが、「好意を持っている」「異性としてみている」ということを伝えるには十分。相手も異性としてみてくれるようになります。  
「楽しい」「美味しい」「嬉しい」  
「一緒にいると楽しいね」がベストですが、そこまで言えなくても一緒にいる時に楽しい、美味しい、嬉しいなどのプラスな感情を伝えましょう。「自分と一緒にいて楽しんでくれている」と思うと嬉しいですし、相手も同じような感情を抱きます。  
「今日は〜」  
デートした場合、最後に今日の感想を伝えましょう。もちろんプラスな感想を伝えて。例えば「今日は楽しかった」といわれるだけで、その日のデートの印象は楽しくていいものになります。 
男ゴコロを突く「さしすせそ」  
男子には、男子ならではの習性や特性があります。特に男ゴコロを突く!というフレーズを、「さしすせそ」でまとめてみました。片思いや大好きな彼との距離を縮めたい時に、是非使ってみてくださいね。  
「さぁ、どうだろうね?」  
お喋り好きな女子の中には、聞かれたことを何でも詳細まで話してしまう、という人もいるでしょう。しかし男子は元来「追いたい」もの。仕事先や名前など分かりきっているものは正直に話してOKですが、過去の話や本音などは濁すくらいが丁度良い時もあるのです。例えば、「モテるよね?」という問い。「モテるよ!」という答えも言い方によっては可愛いですが傲慢と思われる可能性があり、「全然モテない!」という答えも追いかける意欲を失います。「さぁ?」「どう思う?」くらいで濁すのがベストでしょう。  
「〜してあげる。」  
普通のことで使ったり、多用はしない方が良い言葉ですが、彼が苦手そうなことを代わりにする時にはあえて「〜してあげる」というフレーズを使いましょう。してあげるというフレーズを聞くと「自分はしてもらってる」と思い、「相手を頼っている、相手に甘えてる」という考えを抱かせます。相手に甘えているという時点で、彼はあなたを普通の友達とは違った見方をするようになるもの。また、甘えたい願望を持つ男子が多い中、あなたを「甘えられる存在」だと認識する一つの手立てにもなりえます。  
「すごいね。」「好き。」  
男子独特の1番強い欲求と言えば、「褒められたい」。これは何歳になっても変わらない欲望で、いつでも褒められたい、見栄を張っていたいのが男子の習性。ただ言うのでなく、ポイントをついて褒めることは積極的にしたいことです。また、「好き」という言葉も効果的。距離が縮まってきたら、駆け引き無しにストレートに好きと伝えるのも、片思いでは大切です。  
「センスいいね。」  
相手を褒める時、努力した結果を褒めることが多いですよね。もちろんそれが1番嬉しいのですが、さらにプラスして褒めてもらいたいポイントが、「持って生まれたもの」であるセンス。褒めポイントの他者との差別化をはかれますし、男子の自分は特別だと思いたい気持ちをくすぐりますし、あまり褒めポイントがない人にも使えてしまうのです。食事、服、運転、運動、趣味などで使ってみましょう。  
「そうなんだ。」  
人は自分の話をしている時が1番気持ちよいもの。自分の話を熱心に聞いてもらうと、大きな喜びを感じます。男子が自分の話をしだしたら、適度に相槌を打って熱心に聞くこと。自分の話をきちんと聞いてくれることは、恋人選びの大前提ポイントでもあります。 
絶対言わない 彼を不快にさせるフレーズ  
好意以前に彼から反感を買っていたら、恋愛テクも効果半減。悪意のないさりげない言葉の中にも恋の地雷は潜んでいます。恋にはイメージアップの「攻め」ではなく減点させない「守り」も必要。うっかり言って男子を不快にさせがちなフレーズを紹介します。  
「あの人ちょっと苦手…」  
男子の友情は女子が思うより堅くて強いもの。彼女が自分の友達にこんな評価を下すと彼自身が否定されたように感じます。男子は対外的な関係を大事にするので、自分の友達の前で彼女に気づかいはあまりしません。ですが友達に紹介するのは本命女子だけのはず。彼友の前では彼がそっけなく感じたり、時には彼があなたを「落として」笑いを取ることもありますが、こんなグチを言うと、本命どころか圏外へ転落もありえます!気をつけて!  
「○○ちゃんは誕生日に指輪もらったんだって。いいなあ」  
こう言われて「気がつかなくてごめん」とは100%思いません。「だったらその彼と付き合えば?」と思うだけです。「甘える事はサービス」と割り切ってでも、素直な気持ちを口に出すようにしましょう。かわいらしいおねだりなんて苦手だからと、甘える事に手を抜くと、甘え上手な女子が彼をさらって行きますよ!  
「大丈夫?」  
「体調」ではなく「彼の状況」に対する「大丈夫?」は地雷度高いです。食事に行って「(高そうなお店だけど)大丈夫?」、ドライブで「(合流で車来てるけど見えてるのかなあ)大丈夫?」など、気遣いのつもりでもこんな「大丈夫?」に男子はカチンときます。おしゃれなレストランに連れて行ってあげたのに… 運転には自信があるし会話がないとつまらなそうだから話しながら運転してたのに… 自分の気遣いを否定され、「あなたには無理でしょ?」と言われたように感じます。  
「どうしてメール返してくれないの?」  
男子にとってメールはただの連絡ツールです。コミュニケーションツールではありません。さらに「どうして○○なの?」というフレーズに男子の脳は「責められてる!」と反応します。責められてる→ケンカになりそう→でも女子を泣かせてはダメ→自分が折れるしかない→負けるのはイヤだ!という計算が瞬時になされ、「聞きたくないモード」に入ります。「トイレに行った時に返せるでしょ」もNG。トイレは行かなければ死にますがメールは返さなくても死にません。それより、彼が返したくなるようなメールを書くほうが何倍も得です。  
「高っ」  
彼の趣味アイテムに、こんなコメントをした事はありませんか?楽器やPC、自転車のパーツなど女子が理解しにくいものにお金をかける男子は少なくありません。感想のつもりでも男子は「結婚してるわけでもないのにお前に関係ないよ!」とイライラします。「『高い』と驚かれる」=「値段ほどの価値がない」と取ってしまうのです。男のこだわり、コレクター欲は理解しづらい部分もありますが、金額に内心驚いても、「普段がんばって働いてるもんね」くらいでスルーするのが賢い対応と言えそうです。 
百年の恋も冷めてしまう一言  
同性同士ならあたりまえの言葉でも、男子からNGと思われてしまうことが……。一度「この子はない」と思われてしまうと、もう次はないといっても過言ではありません。冷めるのは一瞬です。男子に「百年の恋も冷めてしまった」という女子の言葉をリサーチしてみました。こういった一言には要注意!  
合コンで男ゲット自慢  
「気になっていた子が『アタシ、合コンで最近成果あるんだよねー。毎回気になる人を落としてる』と自慢していて引きました。そんなに合コンにガツガツ行ってるのか……と。しかもそれをゲームのように楽しんでいて微妙な気持ちに」  
モテないと頑なに主張  
「友人の紹介で出会ったA子は決して美人ではないけどかわいらしい。2回目のデートで『A子ちゃんかわいいよね。モテるでしょ』と軽い気持ちで言ってみたら『全っ然モテないんです!』『私なんてモテるわけがないです』とひたすらモテない自慢(?)を繰り広げられました。そこまで卑下されると困惑……」  
イケメンしか受け付けない  
「職場にいる年上のB子さん。僕のタイプの華奢な美人で、彼氏もいないという噂なので、気になっていました。ある日の飲み会で『イケメンしか無理なんだよねー。歴代彼氏がみんなイケメンだから。hydeみたいなクール系な人が多かったかな』と言っているのを聞いて、遥か遠い存在に。hydeなんてそうそういないですよね」  
お金を払う気がゼロ  
「合コンで知り合ったギャル系女子C子とごはんに。初デートだし会計は自分が持とうと思っていたのですが、席で『ごちでーす!』と一言。財布を出す素振りすら一切ありませんでした。振りでもいいので、ちょっとは払いますという意思を見せてほしかったですね」  
男を立ててくれない  
「最近仲良くなったD子と夜デートにと、がんばってしっとりした大人なバーを探しました。連れて行くや早々『ここよく来るんだよね』と言われて気持ちはだだ下がり。嘘でもいいから『初めてきた』『いいお店だね』とか言ってほしいもんですよ、男は」  
学歴重視  
「仕事関係で知り合った編集者E子。キリッとしたデキる女ふうな彼女のことを気になっていました。仕事の打ち上げで飲んでいたところ恋愛の話に。E子が『高卒の男はまずないな』と一言。『最低でも早慶あたりは出ていてほしい。アタシが早稲田だからさ』と続けていて、高卒・専門の俺は勝負すらできないんだなと。自分がそうだからって、そこまで相手の学歴にこだわる必要ってある……?」