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七里瀧 / 呉蘭雪
銭塘江に潮が満ちて桐江まで続き、船足は早く一日で七里灘まで行ってしまう。二本のかいを用いることもなく片帆だけで船は進み、船窓から眺める山々の風景は飛ぶように過ぎてゆく。峰峰は風をも通さぬように雲の上にそびえ、薄暗い山の緑がぼんやりとして江の水に溶け込んでいる。空一面の秋の光は白く清らかで、日中の欠けた月が瓜のような形をして水面に映る。船に乗っている女性はかもめが静に浮かんでいるようで、水に姿を映して自分であげ巻きを結っている。ゆったりと民謡をうたっていると、杯の緑色の酒がさざ波のように揺れ動く。わたしはもともと皮ごろもを着た旅人である。
(この詩は、まだ20字位続くのですが、作品の部分訳です。)
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