七里瀧   / 呉蘭雪

銭塘江に潮が満ちて桐江まで続き、船足は早く一日で七里灘まで行ってしまう。二本のかいを用いることもなく片帆だけで船は進み、船窓から眺める山々の風景は飛ぶように過ぎてゆく。峰峰は風をも通さぬように雲の上にそびえ、薄暗い山の緑がぼんやりとして江の水に溶け込んでいる。空一面の秋の光は白く清らかで、日中の欠けた月が瓜のような形をして水面に映る。船に乗っている女性はかもめが静に浮かんでいるようで、水に姿を映して自分であげ巻きを結っている。ゆったりと民謡をうたっていると、杯の緑色の酒がさざ波のように揺れ動く。わたしはもともと皮ごろもを着た旅人である。
(この詩は、まだ20字位続くのですが、作品の部分訳です。)

 

  これを書いたときは、中国へ行った時見た、銭塘江を詠った詩だったので(季節が異なるので情景は異なりますが)、いろいろ思い出しながら書いたのですが、長い漢詩を見ると憂鬱になります。見る人も 、何が書いてあるのか解らなく、つまらないと思いますので、今回は解説文にしました。 
 
   

2009/8/22