メディアの伝える 「桜を見る会」

「桜を見る会」
メディアによって 伝える量・内容の濃淡 様々

ひとつだけでは 信じる者は救われないかも
ちょっとだけでも 比較が必要とのこと
ちなみに 私はNHKと読売新聞 要注意か
 


NHK日本テレビテレビ朝日TBSテレビ東京フジテレビ・・・
朝日新聞毎日新聞読売新聞産経新聞日経新聞地方新聞・・・
論評諸話 / 11/19-30三猿・・・
   12/1-712/812/912/1012/1112/1212/1312/14・・・
 
驕り傲慢 総理の花見  「桜を見る会」 

 

「桜を見る会」について 
メディアのHPと関連会社のHP 情報を発信している頁を調べました
主に12月に入ってからのもの 
12月に入ると情報激減のメディアもありました 

メディアの興味目線視点 視聴者と同じ
目に見えたものを そのまま伝えていました 
スクープ特ダネ 憶測推測 批評論評 畏れ多いか発信なし
気楽な選択 「見ざる 聞かざる 言わざる」 (三猿)
文春頼み? 目に見えないこと ほじくりかえさない 無かったことにする

20日を過ぎると 多くの メディアの興味が低下
ネットでの情報発信 激減
 
 

 

●NHK 
●野党4党「桜を見る会」で40日の会期延長要求へ  12/5
野党4党の幹事長と書記局長が会談し、「桜を見る会」をめぐる政府与党の対応は容認できず、安倍総理大臣から十分な説明を聞く必要があるとして、来週9日までの今の国会の会期を40日間延長するよう求める動議を提出する方針を決めました。
来週9日に迫った国会の会期末を前に、立憲民主党、国民民主党、共産党、社民党の野党4党の幹事長と書記局長は、終盤国会の対応を協議しました。
協議では閣僚2人の辞任に加え、「桜を見る会」をめぐって安倍総理大臣は説明責任を果たしておらず、予算委員会の開催にも応じない政府・与党の対応は容認できないという認識で一致しました。
そして、安倍総理大臣から十分な説明を聞く必要があるとして、会期を40日間延長するよう求める動議を提出する方針を決めました。
野党4党は、こうした方針を6日、党首会談を行って最終的に確認するとともに、安倍内閣に対する不信任決議案を提出するかどうかなども協議する見通しです。
立憲民主党の安住国会対策委員長は自民党の森山国会対策委員長と会談し、40日間会期を延長するよう求め森山氏は「あす返事をしたい」と述べました。
立憲民主党の福山幹事長は「『桜を見る会』をめぐる疑惑は大きく膨らむばかりだが安倍総理大臣は国会で説明責任を果たしていない。看過できない状況の中で、臨時国会を閉会することは許しがたい」と述べました。
●「桜を見る会」 “招待者名簿の再調査は行わず”官房長官  12/6
「桜を見る会」の招待者名簿をめぐり、菅官房長官は、閣議のあとの記者会見で、ルールと手続きに従って適切に廃棄したと繰り返し説明したうえで、名簿に関する再調査は行わない考えを示しました。
この中で、菅官房長官は「桜を見る会」の招待者名簿について、公文書管理法のガイドラインに基づいて保存期間1年未満と設定し、ルールと手続きに従って適切に廃棄したと繰り返し説明し、政府の対応に問題はなかったという認識を示しました。
そのうえで、記者団から「名簿の再調査を指示し、疑念の払しょくにあたる考えはあるか」と問われたのに対し、菅官房長官は「ルールに基づいて行っているので、考えていない」と述べ、再調査は行わない考えを示しました。
●桜を見る会 「招待者名簿は国会提出でも黒塗りに」 菅官房長官 12/6
菅官房長官は午後の記者会見で、桜を見る会の招待者名簿が仮に廃棄されずに残っていた場合、国会議員からの資料要求に応じる対象となるか問われたのに対し「個人情報保護法や情報公開法などの関係法令を踏まえて、適切に対応すべきだ」と述べました。
そのうえで、記者団が「国会に提出する際は、ほとんどの部分を黒塗りにするのか」と質問したのに対し、「関係法令を踏まえると、そういう方向にならざるをえない」と述べました。
●野党合流へ 具体的な調整進められる見通し  12/7
立憲民主党の枝野代表は、国民民主、社民両党の党首らに、野党勢力を結集し、政権交代可能な政党を作りたいとして、合流を呼びかけました。国民民主党は週明けに両院議員総会を開いて協議するなど、今後、具体的な調整が進められる見通しです。
立憲民主党の枝野代表は、6日、会派を共にしている国民民主党の玉木代表、社民党の又市党首、それに、無所属の野田・前総理大臣らと会談しました。
枝野氏は、「より強力に安倍政権に対じし、政権を奪取するために、立憲民主党とともに行動し戦ってもらいたい」と述べ、野党勢力を結集し、政権交代可能な政党を作るため合流を呼びかけました。
これに対して、玉木氏は、合流後の党名などは、対等な立場で協議したいという考えを伝え、9日開く党の両院議員総会で意見を聞くことにしています。
又市氏は、全国の地方組織の声を聞くなど、丁寧に意見集約を進める方針です。
また、野田氏は、基本的に賛同する意向で、今後、3党などの間で調整が進められる見通しです。
合流が実現すれば、自民党の半数近い規模となり、存在感が高まることが予想される一方、立憲民主、国民民主両党の政策に隔たりがあるほか、国民民主党の参議院側に慎重論も残るなど課題もあります。
一方、国会では、共産党も含めた野党4党が、「桜を見る会」をめぐって追及を続けるため、会期末の9日、40日間の会期延長を求めるとともに、安倍内閣に対する不信任決議案を提出するかどうか、慎重に検討することにしています。
これに対し、与党側は、政府が提出した法案の大半が成立したことから、会期の延長には応じず、国民投票法の改正案など成立に至らなかった法案を継続審議にする手続きなどを行って閉会する考えで、与野党の対立は会期末まで続きます。 
●自民 下村選対委員長 「内閣不信任案 提出でも粛々と否決を」  12/7
今の国会の会期末が9日に迫る中、自民党の下村選挙対策委員長は新潟県柏崎市で記者団に対し、野党側から安倍内閣に対する不信任決議案が提出された場合は、粛々と否決するべきだという考えを示しました。
この中で下村選挙対策委員長は、野党側から内閣不信任決議案が提出された場合の対応について、「ことしは、大きな災害がたくさんあったので、まずは国民に安心してもらえるような復旧・復興対策を講じることが基本だ。もし出されても粛々と否決するべきだ」と述べました。
また、国民投票法改正案について、「野党も反対している内容ではなく、成立できなかったのは非常に残念だ。通常国会では早く成立させることを期待したい」と述べました。
一方、立憲民主党が国民民主、社民両党などに合流を呼びかけたことについて、下村氏は、「ただの選挙互助会的なことであれば、国民の期待は高まらない。野党も強くなることは議会としては望ましいが、合流して掲げるべき新たな政策や理念がまだ見えない」と指摘しました。 
●臨時国会きょう会期末 野党の会期延長要求も 与党応じず 12/9
第200臨時国会は9日、会期末を迎えます。野党側は、「桜を見る会」をめぐって追及を続けるため、会期の延長を求める方針なのに対し、与党側は、政府が提出した法案の大半が成立したことから応じず、閉会する考えです。
10月4日に召集された第200臨時国会は9日、会期末を迎えます。
野党側は、「桜を見る会」をめぐって追及を続けるため、40日間の会期延長や、閉会中審査の開催を求める方針です。
また、安倍内閣に対する不信任決議案をめぐっては、国民民主党が安倍政権に対じする姿勢を鮮明にするため、提出すべきだと主張しているのに対し、共産党からは、否決されることが確実な内閣不信任決議案を提出して、追及の勢いに水を差すべきではないという声が出ています。
立憲民主党内では、与党側が閉会中審査の開催などに一切応じない場合には、提出を検討する必要があるという意見も出ています。これに対し、与党側は、政府が提出した法案の大半が成立したことから、会期の延長には応じない方針です。
また、安倍総理大臣は、説明責任を果たしているとして、「桜を見る会」をめぐる予算委員会の閉会中審査には応じられないとしており、与野党の間で協議が行われるとみられます。
そして、与党側は、仮に内閣不信任決議案が提出された場合は否決し、国民投票法の改正案など成立に至らなかった法案を継続審議にする手続きなどを行って閉会する考えです。
一方、野党側では、立憲民主党が、国民民主、社民両党などに、野党勢力を結集し、政権交代可能な政党を作りたいとして、合流を呼びかけたのを受けて、国民民主党が9日、対応を協議するなど、調整が進められる見通しです。 
●「桜を見る会」説明責任を求め国会議事堂周辺で抗議デモ  12/9
臨時国会が閉会した9日、「桜を見る会」をめぐる問題について国会議事堂の周辺では、政府に説明責任を果たすよう求める抗議デモが行われました。
9日午後7時ごろから国会議事堂の周辺で行われた抗議デモには、市民グループのメンバーなどおよそ30人が参加しました。
「桜を見る会」をめぐっては「オーナー商法」で、多額の資金を集め、経営破たんした「ジャパンライフ」の元会長が招待状が印刷された資料をセミナーなどで示し、顧客を勧誘していたことが明らかになったほか、招待者名簿が保存期間1年未満の文書として廃棄され、公文書管理の在り方も国会で議論になりました。
抗議デモに集まった人たちは「安倍総理大臣は桜を見る会を私物化している。官僚がみずからの判断で招待者名簿をシュレッダーにかけたというのは信じられない」などとシュプレヒコールを上げ、政府に説明責任を果たすよう訴えました。
参加した都内の72歳の男性は「共産党の議員が資料請求した直後に招待者名簿をシュレッダーで廃棄したり障害者雇用の職員を言い訳に使うような発言をしたりすることは許せない」と話していました。
また都内に住む70歳の女性は「反社会的勢力が参加していたとされる問題も議論になっているのに名簿が公表されていない。安倍総理大臣の国会での答弁には納得できず、しっかり説明をしてほしい」と話していました。  
●桜を見る会 官房長官が「今後も丁寧に説明」連合会長に  12/9
菅官房長官は連合の神津会長と会談し「桜を見る会」をめぐり、国民不信が高まっているとして透明性の確保を求められたのに対し、定例の記者会見などを通じ、引き続き丁寧に説明していく考えを示しました。
連合の神津会長は労働分野の政策提言を行うため9日夕方、総理大臣官邸を訪れて菅官房長官と面会しました。
この中で、神津会長は「桜を見る会」をめぐり「公文書管理の問題をはじめとする一連の問題については国民不信が高まっており、透明性の観点を含めて対処していただきたい」と述べました。
これに対し菅官房長官は1日2回の記者会見で丁寧に説明しているとした上で「今後も丁寧に説明していきたい」と述べました。  
●学者ら「桜を見る会」議論継続訴える 「説明責任果たさず」  12/9
「桜を見る会」をめぐる問題について、憲法学者などのグループが9日、都内で会見し「安倍総理大臣は国会で指摘されたさまざまな疑惑について説明責任を果たしていない」などとして国会などでの議論を継続すべきだと訴えました。
総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐっては、参加者のうち1000人程度が安倍総理大臣や妻の昭恵氏からの推薦だったことが明らかになったほか、招待者名簿が保存期間1年未満の文書として廃棄され、公文書管理の在り方も国会で議論になりました。
これについて憲法学者や政治学者などで作る「立憲デモクラシーの会」が9日、都内で記者会見を開きました。
この中で、グループの共同代表で法政大学の山口二郎教授は「安倍総理大臣は桜を見る会をめぐるさまざまな疑惑について説明責任を果たしていない。招待者名簿を公開しさえすれば潔白を瞬時に立証できるのにそれをしないのはみずからが不適切なことを行っていると自白しているようなものだ」と指摘しました。
また憲法学が専門の東京大学の石川健治教授は、「森友学園や加計学園をめぐる問題と同じように、いずれ『いつまで桜を見る会の問題をやっているんだ』という声が上がり、このままうやむやにされる可能性があるが、これ以上本質的な問題はない」と述べ、国会などでの議論を継続すべきだと訴えました。 
●内閣不信任決議案の提出見送る考え 立民 安住国対委員長  12/9
立憲民主党の安住国会対策委員長は自民党の森山国会対策委員長と国会の閉会中も「桜を見る会」について政府から説明を受ける機会を設けることなどで合意し、安倍内閣に対する不信任決議案の提出を見送る考えを示しました。
立憲民主党の安住国会対策委員長は自民党の森山国会対策委員長と断続的に会談し、会期末の対応を協議しました。
この中で両氏は野党側から国会の会期の延長の申し入れがあったことを大島衆議院議長が本会議で報告することや、閉会中も内閣委員会で理事会を開き、「桜を見る会」について政府から説明を受ける機会を設けることで合意しました。
これを受けて安住氏は野党側の主張も一定程度受け入れられたなどとして、安倍内閣に対する不信任決議案の提出を見送る考えを森山氏に伝えました。
自民党の森山国会対策委員長は、記者団に対し、「内閣不信任決議案が提出されないことを確認できた。『桜を見る会』については安倍総理大臣も本会議で答弁を重ね、議論されてきたが、野党側はまだいろいろ聞きたいこともあるようなので、内閣委員会の理事会で報告する」と述べました。
立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に対し、「異例のことに対応してもらうことになった大島衆議院議長には感謝したい。また閉会中に内閣委員会の理事会でも事実上の質疑をすることになり、条件は満たされたので内閣不信任決議案は提出しない」と述べました。 
●内閣支持45% 不支持37% NHK世論調査  12/9
NHKの世論調査によりますと、安倍内閣を「支持する」と答えた人は、先月の調査より2ポイント下がって45%だったのに対し、「支持しない」と答えた人は2ポイント上がって37%でした。今月6日から3日間、全国の18歳以上の男女を対象にコンピューターで無作為に発生させた固定電話と携帯電話の番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行いました。調査の対象となったのは2150人で58% ・1238人から回答を得ました。
安倍内閣 支持する45% 支持しない37%
それによりますと、安倍内閣を「支持する」と答えた人は先月の調査より2ポイント下がって45%だったのに対し、「支持しない」と答えた人は2ポイント上がって37%でした。
支持する理由では、
▽「他の内閣より良さそうだから」が49%、
▽「支持する政党の内閣だから」が17%などとなりました。
支持しない理由では、
▽「人柄が信頼できないから」が47%、
▽「政策に期待が持てないから」が26%などとなっています。
中東地域に海上自衛隊を派遣 賛成40% 反対39%
中東地域での日本に関連する船舶の安全確保に向けて、情報収集態勢を強化するため、政府が海上自衛隊を派遣することを閣議決定する方向で調整を進めていることについて賛否を尋ねたところ、「賛成」が40%、「反対」が39%でした。
日韓関係改善 向かう16% 向かうと思わない62%
日韓の軍事情報包括保護協定=GSOMIAを韓国側が維持することを決定したことをきっかけに、日韓関係が改善に向かうと思うか聞いたところ、「改善に向かうと思う」が16%、「改善に向かうとは思わない」が62%でした。日本と韓国の関係改善に向けて、どちらの国が歩み寄るべきだと思うか尋ねたところ、「日本」が5%、「韓国」が28%、「日韓両国」が49%、「関係改善をする必要は無い」が11%でした。
桜を見る会
総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐる問題で、安倍総理大臣のこれまでの説明に納得できるか尋ねたところ、「大いに納得できる」が2%、「ある程度納得できる」が15%、「あまり納得できない」が30%、「まったく納得できない」が41%でした。政府は「桜を見る会」について、来年は中止し、招待基準を明確にしたり、人数などを見直したりするとしています。こうした見直しのあと、「桜を見る会」を再開してもよいと思うか聞いたところ、「再開してもよい」が33%、「廃止すべき」が53%でした。
国語と数学 記述式の問題 実施すべき17% 中止すべき59%
再来年から始まる大学入学共通テストの国語と数学に導入が予定されている記述式の問題について、予定どおり実施すべきか尋ねたところ、「予定どおり実施すべき」が17%、「中止すべき」が59%でした。 
●「桜を見る会」懇親会ホテル 明細書は7年間保管 再発行可能  12/10
「桜を見る会」をめぐり野党側の追及本部が、前日夜に懇親会が開かれたホテルに聞き取りを行い、担当者が、一般論として会合などの明細書や領収書は7年間保管しており、主催者から要請があれば再発行は可能だと説明したことを明らかにしました。
「桜を見る会」をめぐり、立憲民主党などの野党側の追及本部は10日、前日夜に懇親会が開かれたホテルの担当者から聞き取りを行いました。
このあと、追及本部の幹事を務める無所属の今井雅人衆議院議員は記者団に、ホテルの担当者が、一般論として会合などの明細書や領収書は7年間保管しており、主催者から要請があれば再発行することは可能だと説明したことを明らかにしました。
「桜を見る会」の前日夜に開かれた懇親会について安倍総理大臣は先月の参議院本会議で、主催者はみずからの後援会だとしたうえで、「事務所に確認した結果、ホテル側から明細書等の発行はなかったとのことだった」と述べています。
今井氏は「安倍総理大臣の説明には無理がある。領収書や明細書を再発行して説明するよう求めたい」と述べました。 
●「桜を見る会」めぐり野党側 質問文書を内閣府に提出  12/10
「桜を見る会」をめぐって野党側は10日、招待者の選び方など8項目の回答を求める文書を内閣府に提出しました。衆議院内閣委員会では、来週をめどに理事会を開いて回答を受けられるよう与野党の調整が進められる見通しです。
「桜を見る会」をめぐって、自民党と立憲民主党の国会対策委員長は9日、国会閉会中も衆参両院の内閣委員会の理事会で政府から説明を受ける機会を設けることで合意しました。
そして10日、衆議院内閣委員会の野党側の理事らは、松本委員長が同席する中、招待者の選び方や招待者名簿の電子データを廃棄した経緯など8項目の回答を求める文書を内閣府の幹部に手渡しました。
松本委員長は野党側に、来週をめどに理事会を開いて回答を受けたいとして与党側と日程を調整するよう求めるとともに、内閣府には「誠意ある回答を準備してほしい」と述べました。
野党側の筆頭理事を務める国民民主党の大島敦副代表は、記者団に「本来なら国会の会期を延長して審議すべきだったが、理事会の場でしっかりとした回答を得たい」と述べました。 
●「反社会的勢力 定義は困難」政府が答弁書 桜を見る会受け  12/10
「桜を見る会」に反社会的勢力とみられる人物の参加が指摘される中、政府が、反社会的勢力を限定的かつ統一的に定義するのは困難だとする答弁書を決定し、菅官房長官は記者会見で、定義づけるのは困難だという認識を改めて示しました。
「桜を見る会」をめぐり、野党側は反社会的勢力とみられる人物などの参加を指摘していますが、菅官房長官は先月の記者会見で、参加を把握していないとしたうえで反社会的勢力の定義も定まっていないと述べました。
これについて立憲民主党の初鹿明博衆議院議員が質問主意書で、政府が平成19年に取りまとめた指針で、反社会的勢力について「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人」とされていると指摘したうえで、改めて定義をただしました。
これに対し政府は10日の閣議で答弁書を決定し、「反社会的勢力」について「形態が多様であり、その時々の社会情勢に応じて変化し得るものであることから、あらかじめ限定的かつ統一的に定義することは困難だと考えている」としています。
これに関連して菅官房長官は記者会見で、定義づけるのは困難だという認識を改めて示しました。 
●野党幹部 街頭演説「桜を見る会」追及続ける姿勢強調  12/10
国会が閉会したことを受けて、立憲民主党など野党の幹部が東京都内で街頭演説し、「桜を見る会」をめぐる安倍総理大臣の対応を批判したうえで、引き続き来年の通常国会にかけても追及を続ける姿勢を強調しました。
立憲民主党や国民民主党、共産党などでつくる野党側の「桜を見る会」の追及本部は国会の閉会を受けて10日午後、東京 有楽町で街頭演説を行いました。
この中で、立憲民主党の福山幹事長は「安倍総理大臣は、税金を使った会に自分たちのお友達や仲間を招き、選挙に利用している。安倍内閣は総辞職に値する」と批判しました。
そのうえで、福山氏は「国会が閉じても調査を続け、通常国会に向けて徹底的に準備をしたい。一日も早く安倍政権を衆議院の解散に追い込み、新しい政権で未来を作りたい」と述べました。
また、共産党の小池書記局長は「法律違反の疑いがある問題を黙って見過ごすわけにはいかない。安倍総理大臣は説明から逃げ回っているが、きちんと説明してもらい、きっぱりと総理大臣を辞めてもらいたい」と述べました。  
●桜を見る会「招待者名簿の調査行わず 推薦増は反省」官房長官  12/10
「桜を見る会」をめぐり菅官房長官は、招待者名簿に関して新たな調査は行わない考えを改めて示したうえで、安倍政権で総理大臣や官房長官からの推薦が増えてきたことは反省し、国民の理解が得られるよう見直しを進める考えを示しました。
「桜を見る会」をめぐり安倍総理大臣は9日の記者会見で、これまでの運用を大いに反省し、みずからの責任で全般的な見直しを行う考えを示した一方、招待者名簿については適正に廃棄し「データの復元も不可能だと報告を受けている」と述べました。
これに関連して菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、招待者名簿について「内閣府からは、紙媒体も電子データもすべて削除しているとの報告を受けており、新たな調査を行うことは考えていない」と述べました。
一方、記者団から「安倍政権で、総理大臣や官房長官などからの推薦が増えてきたことを認識し反省しているのか」と問われたのに対し、菅官房長官は「もちろん反省している」と述べたうえで、国民の理解が得られるよう見直しを進める考えを示しました。 
●「桜を見る会」官房長官“内閣官房の電子データ復元不可能”  12/12
「桜を見る会」をめぐり菅官房長官は午前の記者会見で、安倍総理大臣や菅官房長官などからの推薦を含む、内閣官房の推薦者名簿は会の終了後、招待者名簿と同様に廃棄したと説明するとともに、電子データの復元も不可能だという認識を示しました。
「桜を見る会」の招待者名簿について内閣府は、会の終了後に保存期間1年未満の文書として、紙と電子データをいずれも廃棄し、バックアップ用のデータも一定期間後に削除されていて、復元は不可能だと説明しています。
これに関連して菅官房長官は午前の記者会見で、安倍総理大臣や菅官房長官などからの推薦を含む内閣官房の推薦者名簿も、会の終了後、遅滞なく廃棄したと説明しました。
また、推薦者名簿の電子データについて菅官房長官は「内閣官房の職員は内閣府が運用しているシステムを利用しており、内閣府と同様に復元が不可能だと聞いている」と述べ、招待者名簿と同様に復元は不可能だという認識を示しました。  
●菅官房長官 内閣官房の推薦者名簿は通常の裁断機で廃棄  12/13
「桜を見る会」をめぐり菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、内閣官房の推薦者名簿は室内で通常使用しているシュレッダーで廃棄したと説明したうえで、廃棄の時期は特定していないものの、対応に問題はないという認識を示しました。
「桜を見る会」をめぐり政府は招待者名簿については、保存期間1年未満の文書として、会の終了後に紙と電子データをいずれも廃棄し、安倍総理大臣や菅官房長官などからの推薦を含む、内閣官房の推薦者名簿についても遅滞なく廃棄したとしています。
菅官房長官は閣議のあとの記者会見で名簿の廃棄について「招待者名簿は、段ボール10数箱分だったため大型シュレッダーを使ったと聞いている。また、内閣官房では執務室内の通常のシュレッダーを使用したということで、内閣府の名簿と内閣官房の推薦者名簿とでは、ボリュームが全く違うということだ」と述べました。
そのうえで、内閣官房の推薦者名簿を廃棄した時期は特定していないものの、ルールに基づいて対応しており、問題はないという認識を示しました。
また、菅官房長官は臨時閣議のあとの記者会見で、内閣官房の推薦者名簿を廃棄した時期について「改めて事務方に確認させたところ、正確なところは分からないが、『桜を見る会』の終了後、1週間程度のちに廃棄したように思うということだった」と述べました。 
●菅官房長官 反社会的勢力への対応 指針あり問題ない  12/16
反社会的勢力の統一的な定義は困難だとする政府の見解に批判が出ていることに関連し、菅官房長官は記者会見で、企業などは平成19年に政府が取りまとめた指針に基づいて対応しており、問題はないという認識を示しました。
「桜を見る会」に反社会的勢力とみられる人物などが参加したと指摘される中、政府は先週、反社会的勢力を統一的に定義するのは困難だとする答弁書を決定しましたが、野党側は、政府が平成19年に取りまとめた指針で反社会的勢力を定義していると指摘しています。
これに関連して、菅官房長官は午前の記者会見で、記者団から「定義があいまいでは混乱を及ぼすのではないか」と問われたのに対し、「指針は全く変わっていない。暴力団など反社会的勢力との関係の遮断に全力で取り組んでいくためのものだ」と述べ、企業などは指針に基づいて対応しており、問題はないという認識を示しました。
そのうえで、菅官房長官は「個別の件でお困りであれば、警察や関係省庁にご相談いただければしっかり対応していく」と述べました。  
●「“桜を見る会”の話も大事だが…」自民 森山国対委員長  12/18
「桜を見る会」をめぐって、自民党の森山国会対策委員長は、「国会がやらなければならない仕事はほかにもたくさんある」と追及を続ける野党側をけん制しました。
自民党の森山国会対策委員長は18日夜、名古屋市で開かれた会合で、先の臨時国会を振り返り、「国会は大事な議論をしないで、『桜を見る会』だけやっているのではないかと国民に映っていないか気にしている。『桜を見る会』の話も大事だが、国会がやらなければならない仕事はほかにもたくさんある」と追及を続ける野党側をけん制しました。
また予算委員会の質問時間が野党側に多く配分されていることに触れ、「時間割りをもう少し考えなければ、一方的な議論だけが伝わっていく。与野党がしっかり議論を戦わせ、最終的には選挙で審判を受けるのが民主主義だ」と述べました。 
●桜を見る会「問題ある人物は警察に照会することも」官房長官  12/19
「桜を見る会」での安倍総理大臣の事務所からの推薦について、菅官房長官は午前の記者会見で、過去に招待しなかった例はあり、社会的常識に照らして、推薦された人物に問題がある場合は、必要に応じて警察に照会するケースもあると説明しました。
「桜を見る会」をめぐり17日の衆議院内閣委員会の理事会で内閣府は、ことしの開催で安倍総理大臣の事務所から推薦されたものの招待しなかった人もいたことを説明しました。
これについて菅官房長官は午前の記者会見で「過去にも、総理の推薦者の中でも実際に招待しなかった者もいるということだ。これ以上については取りまとめのプロセスやセキュリティーに関わることであり、差し控えたい」と述べました。
そのうえで「社会的常識に照らし合わせて問題があれば招待しないこともありうるし、必要に応じて個別に警察に照会することもある」と述べました。  
●野党 ジャパンライフ被害者から聞き取り 通常国会で追及へ  12/20
「桜を見る会」をめぐり、野党の追及本部は、いわゆるオーナー商法で多額の資金を集め、経営破綻した「ジャパンライフ」の被害者から話を聞き、元会長への招待状が会社の信用を高めるのに利用されたとして、来年の通常国会でも追及を続けることになりました。
「桜を見る会」の野党の追及本部のメンバーは20日、愛知県豊田市を訪れ、ジャパンライフに1000万円を支払い被害に遭ったという70代の女性から話を聞きました。
メンバーが「安倍総理大臣から元会長への招待状を見たことがあるか」と聞くと、女性は「5年ほど前のことなので、記憶がはっきりしない部分もあるが、会社のセミナーに参加して招待状が載ったチラシを見せられたと思う」と答えていました。
そして、「総理大臣から招待されるような人なので会社を信用した」と話しました。
追及本部の事務局長代行を務める共産党の田村智子参議院議員は、記者団に対し、「被害に遭った1つの要因が安倍総理大臣の名前と招待状であり来年の通常国会で追及したい」と述べました。 

 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 

 

●日本テレビ 
●安倍首相「ご心配を」 桜を見る会めぐり 11/18
首相主催の「桜を見る会」をめぐり、安倍首相は自民党の役員会で「ご心配をおかけしている」などと述べた。
自民党の役員会で安倍首相は、「桜を見る会の報道がなされており、ご心配をおかけしている」と述べた。その上で「私の事務所に関しても、様々な報道等がなされ、私自身、説明する努力を重ねている」として、引き続き、指摘があれば説明する考えを示した。
一方、国会では野党側が安倍首相出席での予算委員会の集中審議を求めたが、与党側はこれに応じなかった。
自民党・森山国対委員長「記者会見を2回にわたっておやりになっているわけですから、説明責任を果たしておられる」
立憲民主党・安住国対委員長「やっぱり実質、総理を呼んで質疑をしないと物事は進まないから、それを優先して考えたいと思います」
野党側はさらに、安倍事務所の会計責任者や「桜を見る会」前日に夕食会が開かれたホテルの担当者を参考人として国会に招致することも求めたが、与党側は「前例がなく難しい」として応じなかった。野党側は引き続き安倍首相の国会での説明を求める方針。  
●「桜を見る会」 野党が追及本部を立ち上げ 11/25
総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐり、立憲民主党など野党は追及本部を立ち上げ、安倍首相の地元・山口県などで現地調査を行うことを決めた。
立憲民主党・福山幹事長「安倍政権のこのひどいやり方について真相究明するとともに、倒閣に向けての運動をしっかり進めていくと、そのことを今日は誓い合いたい」
立憲民主党や国民民主党など野党各党は、「桜を見る会」の追及チームの体制を強化し、追及本部を立ち上げた。野党の70人以上の議員が所属し、招待者が選ばれた経緯や名簿の廃棄が適正に行われたかなど、8つの班に分かれて調査を行う。
追及本部では、近く、安倍首相の地元・山口県で聞き取り調査を行い、安倍首相がどのように招待者を推薦していたかなど、調べる方針。
一方、菅官房長官は国会で、「桜を見る会」への招待などの最終的な意思決定はどこで行っているのかと問われたのに対し、「最終的な意思決定は私が責任者だ」と述べた。  
●「桜を見る会」シュレッダー使用記録を提出 11/28
首相主催の「桜を見る会」をめぐり政府は国会に招待者名簿を廃棄したシュレッダーの使用記録を提出した。
名簿は野党側が資料請求した日に廃棄され、政府はシュレッダーの予約が立て込み偶然その日になったと説明していた。しかし、野党は納得できないと反発していた。
28日、政府が提出した一覧表には実際にシュレッダーが使われた日付や使用者、使用時間などの欄があり、名簿が廃棄された5月9日は人事課の職員がおよそ1時間半かけてシュレッダーを使用していたことが分かる。
ただ先日、野党議員がシュレッダーを視察した際には30秒あまりで処理出来ていた。また追及本部では、野党側から「午前がまるまる空いている日がある」などの指摘が相次いだ。
立憲民主党・福山幹事長「反社会的勢力やジャパンライフ会長が出席したことについては、桜を見る会の趣旨にてらし到底看過できるものではない」
一方、野党側は、マルチ商法で行政指導を受けた「ジャパンライフ」の当時の会長が招待されていた問題についても追及を強めている。野党側は、誰の推薦枠なのか政府が明らかにしない限りは国会審議に応じない構え。  
●「桜を見る会」めぐり 野党が審議に復帰 11/29
首相主催の「桜を見る会」をめぐり、野党側は政府の説明が不十分だとして、29日朝から国会審議を欠席していたが、与党側から一定の回答が得られたとして、審議に復帰した。
野党側は与党側の説明によってマルチ商法で行政指導を受けた「ジャパンライフ」元会長の招待は、安倍首相ら官邸の推薦によるものだと分かったとして、国会での追及を強める構え。
立憲民主党など野党はジャパンライフの元会長に送られた受付票の「60」の通し番号が首相枠を示すものだと主張し、政府がこれを認めなかったため、29日朝から国会審議を欠席していた。
ところが正午前に行われた与野党国対委員長会談で、自民党の森山国対委員長は、野党側が入手した通し番号60番が首相・官房長官の推薦枠であることを記した資料が、内閣府のものであることを認めた。
立憲民主党の安住国対委員長は「一応の答えを得た」として、午後からの国会審議に復帰する考えを示した。
立憲民主党・安住国対委員長「ジャパンライフの会長(の受付票)に『60』と書いてありましたけど、首相・官房長官枠ということになると思います。どういう経緯で(招待状を)出したのか、ここを聞かないといけないということだと思います」
野党側はジャパンライフの元会長の招待に安倍首相ら官邸が関与した疑いがあるとみていて、その経緯を追及する方針。  
●辛坊治郎氏、「桜を見る会」での野党の対応・・・ 11/30
30日放送の日本テレビ系「ウェークアップ!ぷらす」(土曜・前8時)で問題が噴出する首相主催の「桜を見る会」を特集した。
番組では、立憲民主党、国民民主党、共産党、社民党の野党4党は幹事長・書記局長らが会談し、いわゆる「オーナー商法」で多額の資金を集めて経営破綻した企業「ジャパンライフ」の幹部を、安倍総理大臣が招待したのかどうか確認しようとしない政府・与党の対応は不誠実で看過できないとして、29日以降、衆参両院のすべての国会審議に応じない方針を示し審議が一時停滞したことを報じた。
こうした国会に辛坊治郎キャスター「考えようによっちゃ、こうやって言えば些末なことと言いながら、追及することで野党がどうしても反対したい憲法改正につながる国民投票法法案を今国会で成立できなくしたという見方もあります」と指摘した。
さらに野党側の姿勢について「自民党が野党時代に誰かに聞いた話ですけど、野党の自民党の最大の目的はとにかく与党を攻撃して政権を奪還することだという意味では、どんなことでも政権奪還するためにということで与党を攻撃するのは構図としては分かりますけど、さぁこれで政権奪還できるかっていう」とコメントしていた。 
●野党側 首相の地元で「桜を見る会」調査 12/1
「桜を見る会」に安倍首相の後援者が数多く招かれていた実態などを調べるため、野党の追及本部のメンバーが安倍首相の地元・山口県下関市を訪れ、野党系の地方議員らから聞き取り調査を行った。
追及本部の聞き取りに対し、野党系の地方議員らは「安倍首相の地元事務所が桜を見る会に誘うことで、後援会にも入るよう、誘っていたのではないか」と指摘したという。
立憲民主党・杉尾議員「(安倍首相の)後援会拡大のツールに使われていたのではないかという認識を(地方議員らは)話していた」
ただ、具体的な証拠などは入手できていないという。2日は桜を見る会のツアーを企画した旅行会社などを訪れる予定だという。 
●「桜を見る会」説明十分?いまだに残る疑問 12/9
臨時国会が9日に閉幕した。立憲民主党など野党5党派は内閣不信任案の提出を見送り、「桜を見る会」をめぐる論戦は来年の通常国会に持ち越しとなる。この「桜を見る会」をめぐってはいくつかの問題が指摘されている。
○安倍首相の後援会関係者などが多数招かれ税金の私物化ではないか
○不適切な人物が招待されていたのではないか
○さらに、招待者の名簿やデータが廃棄され検証ができない、といった問題など。
安倍政権は、国会で説明責任を果たしたと言えるのだろうか。
菅官房長官も「残念ながら国民から理解されてないということも承知している」と話していて、説明が十分でないことを認めている。野党側は国会閉会後も追及を続ける構え。
野党側が問題視する最大のポイントは、「桜を見る会」をめぐる問題を検証するための名簿など公文書が残っていないこと。
政府がサーバーに残っていたバックアップデータについて、行政文書ではないとの認識を示したことについて、専門家からは「公文書は国民の知的資源であるということを理解していない説明だ」と政府の姿勢に疑問が投げかけられている。
また悪質なマルチ商法で行政指導を受けた「ジャパンライフ」元会長が首相枠で招待されたのではないかという疑問も残されたまま。
そして、安倍首相が会を私物化していたという批判に対しては政府は、これまで招待基準の明確化や招待人数などの見直しを行うと説明してきたが、菅長官は9日、来年夏の概算要求までに行う考えを明らかにした。
ただ、野党側は「見直しをすればいいという問題ではない」と反発していて、安倍首相が予算委員会などに出席する来年の通常国会こそが追及の本番だと意気込んでいる。 
●桜を見る会 説明に「納得してない」75% 12/15
NNNと読売新聞が週末に行った世論調査で、安倍首相主催の「桜を見る会」をめぐる一連の問題について政府のこれまでの説明に「納得していない」と答えた人は75%にのぼった。
世論調査で、「桜を見る会」をめぐる一連の問題について政府のこれまでの説明に「納得していない」と答えた人は75%、「納得している」は13%だった。
一方で、安倍内閣を「支持する」と答えた人は48%で、前月に比べ、ほぼ横ばい、「支持しない」と答えた人は、前月より4ポイント増えて40%だった。
立憲民主党と国民民主党が合流を目指す動きがある中で、合流に期待するかたずねたところ、「期待しない」が55%、「期待する」は30%だった。
2020年度から始まる大学入学共通テストで、政府が国語と数学の記述式問題の導入を見送る方針であることについては、「見送りが適切」が58%、「予定通り導入すべき」が23%だった。
中東地域での日本が関係する船の安全確保に向けて、政府が情報収集活動のため海上自衛隊を派遣する方針であることについては、「賛成」が46%、「反対」が38%だった。
【NNN・読売新聞世論調査】 12/13〜15 全国有権者に電話調査
   固定電話 551人(回答率61%)
   携帯電話 516人(回答率44%)
   合計 1067人が回答 

  
 
 
 
 

 
 
 
 

 

●テレビ朝日 
●「総理枠」を事実上認める「桜を見る会」が急転 11/29
「桜を見る会」の「総理枠」を巡って新たな動きです。政府はこれまで総理枠について認めていませんが、29日に「総理・長官等の推薦者」と書かれたある資料の存在を一転、認めました。
29日朝から国会審議を拒否し、対決色を強める野党側。
立憲民主党・福山哲郎幹事長 / 「国民に説明しないまま何でも力ずくでやればいいと思っている。まさに安倍政権の傲慢(ごうまん)な態度がこの対応に表れていると思います」
オーナー商法を行い、破綻したジャパンライフの元会長が桜を見る会に参加していた問題。招待状に書かれた60番という数字を巡って与野党の攻防が加速しています。
共産党・田村智子参院議員 / 「『60〜63』は総理・長官等推薦者と皆さんが書いている。それをどうして認めないんですか」
内閣府担当者 / 「仕分け区分けや割り振られている付番をどういうふうに割り振ったかは今となってはよく分からない」
共産党・田村智子参院議員 / 「重大なこと言ってますよ。公文書に書かれたことの意味が分からないなんてことを言うわけですか」
野党側は60番が総理の推薦枠なのかどうか明らかにならない限り審議拒否を続ける構えでしたが、午後になって政府が新たな事実を公表しました。野党側に出された2015年の資料は内閣府が作ったものと初めて認めたのです。
立憲民主党・安住淳国対委員長 / 「これが正式に内閣府から田村議員に決算行政監視委員会で出してきた資料。この資料が政府のものであること自体を認めていなかった。内閣府が出した資料を内閣府が認めていなかったという初めて経験すること」
その一方で、資料には60番から63番が総理や長官などの推薦者と記載されていて、60番が総理なのかはいまだ分かりません。野党4党派はジャパンライフの元会長が総理らの推薦枠で招待されたことを政府が認めたとして審議に復帰。国会は一日を経たずして正常化しました。 
●野党 総理の地元で「桜を見る会」参加者ら聞き取り 12/2
「桜を見る会」を巡って野党追及本部のメンバーが安倍総理大臣の地元の山口県下関市を訪れ、桜を見る会に参加した人などからヒアリングを行いました。
無所属・柚木道義議員:「税金の私物化とか選挙利用だと言われても仕方がないと安倍後援会の人ですら言ってる」
桜を見る会の参加者や地方議員らへのヒアリングを終えた追及本部のメンバーは、「国や社会に対して功労功績があった方ではなく、安倍総理の選挙に対して功労功績があった方を招いている」と批判しました。さらに、「問題が重大になったら、箝口令(かんこうれい)が敷かれる雰囲気を赤裸々にお話し頂いた」と感想を語りました。2日には桜を見る会のツアーを企画した旅行会社を訪れ、安倍総理への追及材料を得たい考えです。  
●「桜を見る会」追及の矛先は“私人”の昭恵夫人へ 12/4
煮え切らない説明に野党からは不満が噴出しました。国会で続く「桜を見る会」の追及。野党側は4日、疑惑の60番の数字について、安倍昭恵夫人との関わりを問いただしました。
消費者庁が高額な配当をうたった、いわゆる「マルチ商法」と認定し、総額1800億円の被害を生んだジャパンライフの元会長は誰の推薦で桜を見る会に招待されたのでしょうか。
衛藤晟一消費者担当大臣:「こんな人が招待者の中に入ってたのは信じられないこと。正直言ってびっくりしております」
招待状が出されたのはマルチ商法と認定される2年前の2015年とされていますが、すでにジャパンライフには2度の行政指導が行われていました。野党側は、招待状が広告や宣伝として利用され、被害が拡大したとみています。ジャパンライフの元会長に届いたとされる招待状には上二桁が60と書かれたナンバリングがあります。60から63までは総理、長官等の推薦者だったことが分かっています。
立憲民主党・黒岩宇洋衆院議員:「閣議決定で『私人である』という安倍昭恵夫人。『私人』からの推薦は『桜を見る会』の目的からして適切か」
内閣官房・中井亨参事官:「我々としては、要は安倍事務所からご推薦を頂くなかで、安倍事務所の中でどういうプロセスがあったか事前には承知をしていない」
上二桁が60と書かれた招待状を去年と今年の2回、受け取った人がいます。埼玉県で種苗店を営む野口勲さん(75)です。
「桜を見る会」に招待された野口勲さん:「安倍昭恵さんがうちへ種を買いに来られたので、その関係かなとは思ったんですけどね」
それまで届いたことがなかった招待状。昭恵総理夫人と会って以降、届くようになったといいます。
共産党・清水忠史衆院議員:「2013年から2019年までの間に私たちが調べただけでも名前が特定できた人で、143人、昭恵夫人の関係の方が『桜を見る会』に招待されています。『私人』である昭恵夫人が自らの関係者やお友達を公費で行われる『桜を見る会』に招待しているんですよ」
内閣官房・中井亨参事官:「今、おっしゃった方々がですね、招待されたかどうかは、私、今は分かりませんですけど、そのうえで申し上げればですね、それが昭恵夫人の推薦…ご意見された方かどうかもちょっと我々には判断つきかねますので」
共産党・清水忠史衆院議員:「調べるべきじゃないですか」
内閣官房・中井亨参事官:「我々にはちょっと判断がつきかねます」
野党側は安倍総理大臣が直接説明すべきだとしていますが、与党側はこれを拒否。会期を延長しない方針です。
●会期末迫る野党 「桜を見る会」追及へ会期延長要求 12/5
この国会では閣僚2人が辞任し、「桜を見る会」を巡り多くの疑惑が浮上するなど、安倍内閣の多くの問題が指摘されました。しかし、何も実態は解明されていません。国会が閉じる直前のタイミングで、野党側は内閣の不信任決議案の提出に向け、結束を固めてもよいはずなんですが、今回はちょっと違います。不信任決議案を提出しても、逆に信任された形で終わってしまいます。そこで、桜を見る会という格好のネタでまだまだ追及していく道を選んだんです。だからこそ異例ですが、野党側から40日間という延長を与党に伝えました。6日には立憲民主党をはじめ、4党の党首が会談し、2の矢、3の矢をどう射ていくのか協議する予定です。
●各報道機関は報じるのか?ジャパンライフ宣伝資料に「桜を見る会」招待状 12/5
日本消費経済新聞は昨年2月5日付のスクープ記事で、ジャパンライフ元社員から入手したという「宣伝用資料」を報じている。同社の山口隆祥元会長に対する「桜を見る会」(2015年)の招待状とともに、山口氏主催で、自民党の二階俊博幹事長を囲み、元朝日新聞政治部長の橘優氏や、現在も新聞やテレビで活躍する政治評論家やジャーナリスト、解説委員らが懇親会を開いていたことがマルチ商法の「宣伝」に使われていた。
この中には、テレビ朝日系「報道ステーション」でコメンテーターを務める政治ジャーナリストの後藤謙次氏や、NHKの島田敏男氏(元解説副委員長、現・名古屋放送局長)らの名前と顔写真も掲載されていた。
結果的に、マルチ商法に利用されたことについて、どう考えるのか? 新聞社やテレビ局は、この件を報じるのか?
取り急ぎ、朝日新聞とテレビ朝日、NHKに聞いた。
まず、橘氏がかつて所属した朝日新聞広報部は「(山口氏が主催した懇親会の報道・説明は)ございません」としたうえで、「(橘氏は)8年ほど前に弊社を退社しており、その後、ジャパンライフの顧問に就かれたかどうか弊社として把握しておりませんが、必要があれば適宜報じていく所存です」と回答した。
後藤氏が出演するテレビ朝日広報部は「後藤氏が懇親会に参加した件について、これまでにテレビ朝日の報道番組で紹介したことはありません。今後については、番組制作上のことでありますので、お答えを控えます」とした。
島田氏が所属するNHK広報局は「報道機関として自主的な編集判断に基づいて、取材・報道を行っております」と回答した。 
●「桜を見る会」攻めるネタはあれど決め手なく終盤へ 12/6
6日午後、野党党首が集まって話し合いをしましたが、結局、決め手に欠けた状態です。安倍総理大臣をなんとか国会の場に引きずり出したいと野党で一致して臨む方針は決めました。
立憲民主党・枝野代表:「『説明責任を果たせ』と辞めていった大臣には言っておきながら、自分は一切、国会で説明しようとしない安倍総理。会期を延長してじっくりと説明をして頂くことが必要」
野党側は「桜を見る会」の問題を格好の追及ネタにして国会を40日延長することを自民党に求めましたが、結局、断られてしまいました。野党側は9日に衆議院議長に申し入れをしますが、粛々と否決されることになりそうです。それでどうするのかという話になった時に内閣不信任案を提出するかどうかとなります。ただ、提出しても結局、否決されて「信任された」という結果が残ってしまうため、野党は9日まで判断を持ち越しました。野党側としては9回裏2アウトという状況です。ここから一発逆転に向け、最後まで作戦を練り続けるといったところです。 
●きょう臨時国会閉幕へ 野党は延長求めるも… 12/9
「桜を見る会」を巡る一連の疑惑や英語など民間試験の問題が取り上げられた臨時国会は、9日に閉幕します。野党は会期の延長を求めています。
10月4日に召集された臨時国会では、安倍政権が最重要課題と位置付ける日米貿易協定の承認などがあった一方、桜を見る会の問題が浮上して本会議や委員会で多くの質疑がありました。野党側は「桜を見る会で疑惑への説明が果たされていない」として、9日朝にも会期の延長を申し入れる方針です。与党側は応じない考えをすでに示していて、午後に国会は閉会することになります。次の論戦の場は来年1月にも召集される通常国会となります。 
●桜を見る会の「運用を反省」 総理が見直し表明 12/9
安倍総理大臣は「桜を見る会」について「これまでの運用を大いに反省する」と述べました。
安倍総理大臣:「桜を見る会について国民の皆様から様々なご批判があることは十分に承知。予算や招待人数も含めて全般的な見直しを幅広く意見を聞きながら行っていく」
国会閉会を受けて安倍総理は記者会見を行い、桜を見る会を巡る問題でオーナー商法を展開して破綻したジャパンライフの元会長との関係について「1対1で会ったことはない」「個人的な関係は一切ない」と改めて強調しました。 
●“桜”疑惑残したまま…臨時国会が閉会 12/9
10月4日から開かれていた今国会は9日、67日間の会期を終え、閉会となった。ただ『桜を見る会』に関する疑問はまだ残されたままとなっている。記者会見を行った安倍総理は「招待基準の明確化や招待プロセスの透明化を検討するほか、予算や招待人数も含めて全般的な見直しを幅広く意見を聞きながら行っていく」と述べた。そのうえで「(名簿は)データの復元についても不可能であるとの報告を受けたものと承知をしている」とこれまでの答弁を繰り返した。野党は『桜を見る会』の真相究明のためとして、40日間の会期延長を申し入れたが、与党の反対多数で否決。結局、内閣委員会の理事会で、議論を継続することで合意した。  
●「桜を見る会」追及本部が街頭演説「手応えある」 12/10
「桜を見る会」の問題について、野党が合同で結成した追及本部は国会でのヒアリングの後に街頭演説を行っています。
野党合同の「桜を見る会」追及本部は10日に国会で行われたヒアリングの後、東京の有楽町駅に移動して合同演説会を行っています。立憲民主党の福山幹事長が演壇に立ち、今国会の締めくくりとして桜を見る会だけでなく、萩生田文部科学大臣の「身の丈発言」など、安倍政権の国会運営、そして政権運営そのものに対して非常に厳しい声を上げていました。「安倍政権は総辞職すべきだ」など厳しい口調で政権を批判する声もありました。
今回の合同演説会は立憲民主党だけでなく、共産党、社民党など野党の各党が合同で行っているのが特徴です。社民党の福島みずほ議員は「人の集まりも多いし、反応がある」と話していました。福島議員は最近、集会や演説会で積極的に桜を見る会の話題に触れるということですが、聞いている人の反応は他の問題よりも良いそうです。「イージス・アショア問題」や「予算問題」で何兆円、何十億円といった話をされるよりも「ホテルの何千円」とか5000円、6000円の話の方が食い付きが良いそうです。今後も追及のメインテーマの一つとして、桜を見る会について積極的に言及していきたいと話していました。
今回の演説会に登壇する予定はありませんが、桜を見る会問題を初めて追及した共産党の田村智子議員は「今まで様々な政権の問題を追及してきたが、今回の桜を見る会については政権与党の反応も含めて今まで一番といって良いほどの手応えがある」と話していました。野党の「桜を見る会」追及本部は国会が閉会した後も引き続き、野党共闘でこの問題を追及していく方針だということです。 
●報道ステーション後藤謙次とジャパンライフ山口会長の関係 12/11
NEWS23(TBS)、報道ステーション(テレ朝)の「桜を見る会の」報道時間が紹介されました。夕刊フジ等で、ジャパンライフ山口会長との関係が報道された12/4の翌日から、なんと、ゴッチがコメンテーターを務める報道ステーションは、0分になりました。
反対にNEWS23は報道の手を緩めずに、報道しています。いや〜分かりやすいですね。
以下、元ジャパンライフ元社員さんが提供したとされるチラシの内容です。
ちなみに安倍首相が出したとされる招待状と一緒に提供された情報で、共産党はあえて切り取って首相だけの情報を出したと言われとぃます。2017年1月27日、自民党二階俊博幹事長を囲む懇親会を山口会長主催で開催しました。というチラシがまかれており、そこには政治部トップ経験者が勢ぞろい、報道の重鎮達が集まっていた。
   ジャパンライフ、山口隆祥会長
   時事通信社解説委員、田崎史郎(TBSひるおび!)
   NHK解説副委員長、島田敏男
   日本経済新聞社論説主幹、芹川洋一
   元読売新聞社東京本社編集局長、浅海保
   元朝日新聞政治部長、橘優氏(※退職後ジャパンライフの顧問)
   毎日新聞社特別編集委員、岸井成格(元毎日新聞社主筆)※故人
   毎日新聞社専門編集委員、倉重篤郎
   元共同通信社編集局長、後藤謙次(報道ステーションコメンテーター) 
●テレビ朝日、自民・世耕氏に謝罪 12/12
テレビ朝日は11日夜の番組「報道ステーション」で、10日に放送した「桜を見る会」のニュースの中で自民党の世耕弘成参院幹事長の発言を取り上げた際、「誤解を招く表現」があったとして謝罪した。
10日の番組では「与党内は早くも年越しムード」というナレーションを入れた後、記者会見後の雑談で「(年内の定例会見は)いつまでやるのか」と聞かれた世耕氏が「もう良いお年をというか…」と話す場面を放送。
富川悠太キャスターは11日の放送で「桜を見る会とは直接関係のない発言で、放送ではその説明が丁寧ではありませんでした」などと述べ、世耕氏と視聴者に謝った。
世耕弘成 / 今夜の報道ステーションの切り取りは酷い。私は定例記者会見が終わった後、今日の会見が今年最後になるかもしれないという意味で「良いお年を」と言っただけなのに、それを桜を見る会をと絡めて、問題を年越しさせようとしているかのように編集している。印象操作とはこのことだ。 
●「桜を見る会」で総理“国会説明必要”6割近くに 12/16
ANNの世論調査で「桜を見る会」の問題を巡り、安倍総理大臣が国会でさらに説明する必要があるとする声が6割近くに上ることが分かりました。
内閣支持率は40.9%で、先月の調査から3.5ポイント下落しました。一方で「支持しない」と答えた人は40.6%で、6.3ポイント増えました。桜を見る会を巡る問題について、安倍総理本人が国会でさらに説明する必要があるかどうかについては59%の人が「必要があると思う」と答え、「思わない」の33%を上回りました。また、政府が招待者名簿は廃棄されて電子データの復元も「不可能」としたほか、バックアップファイルを「行政文書には該当しない」と説明していることについて、78%が「納得しない」と答えました。 
●『支持』と『不支持』が拮抗 世論調査 12/16
『報道ステーション』が14日と15日に行った世論調査で、安倍内閣の支持率は、40.9%で、先月の調査から3.5ポイント下落した。「支持しない」と答えた人は、先月から6.3ポイント増加し、40.6%だった。『桜を見る会』をめぐり、安倍総理が国会でさらに説明する必要があると思うかを尋ねたところ、「思う」と答えた人が59%で、「思わない」と答えた人の33%を上回った。さらに、招待者名簿をめぐる政府の説明に「納得しない」と答えた人は78%だった。また、「次の自民党総裁」には誰が良いかを尋ねたところ、トップは、前回8月の調査から8ポイント上昇した石破元幹事長で、前回トップだった小泉環境大臣は、9ポイント下げて2位だった。“令和おじさん”として注目を集め、“ポスト安倍”として名前が挙がっている菅官房長官は、4位から6位に後退した。 
●「桜を見る会」閉会中も追及 政府は“再調査せず” 12/17
国会は閉会しましたが、「桜を見る会」の問題の追及は続いています。17日、野党は院内で開いた追及本部で政府の回答に対する質疑を行いました。
桜を見る会の問題を巡り、野党側は8項目の質問状を内閣府に提出。その回答への質疑が野党の追及本部で行われました。
内閣官房・中井亨参事官:「『内閣府・内閣官房は推薦者名簿の人物を功労・功績のある人物としてすべてチェックしていますか』と。推薦を受けた時にですね、頂いた情報をもとにですね、必要な確認を行っているところでございます」
野党の追及本部:「すべてですね?すべての人を調査すると?」
内閣官房・中井亨参事官:「必要な確認を行ってございます。安倍事務所から推薦を頂いたものでもですね、ご招待しなかった例はあると」
野党の追及本部:「ということは招待状が届いた人はすべて何らかの功労・功績がある人物だということでよろしいですね?」
内閣官房・中井亨参事官:「幅広く功労・功績のある方を含めて招待をしているところでございます」
野党の追及本部:「『含めて』というのは功労・功績がない方も入ると?『含めて』とはどういうこと?」
内閣官房・中井亨参事官:「市井の方も含めてですね、そうした方と懇親を深める機会ということでございますので、幅広くご招待しているところでございます」
野党の追及本部:「ジャパンライフの山口会長はチェックして功労・功績のある人物としてどういう根拠で選んだんですか?」
内閣官房・中井亨参事官:「過去のことについては記録が残ってございませんのでお答えをしかねます」
野党の追及本部:「全部、功労・功績があったという理解でいいんですか?招待状が届いた人は?」
内閣官房・中井亨参事官:「そこはまさに幅広くご招待していると」
野党の追及本部:「功労・功績がない人も含まれてるということもあるんですね?」
内閣官房・中井亨参事官:「功労・功績の定義がなかなか難しいところだと思いますので」
この他の質問についても内閣府は招待者名簿の電子データを廃棄したいきさつなどを「調査する必要はない」などと回答したため、野党側は「誠意ある回答とは思えない」と反発しています。
野党追及本部無所属・今井雅人衆院議員:「『60番』という番号が一体、何を指すのか。総理に関することに関しては徹底的に答えないし、調べないと」
ただ、野党側の追及には手詰まり感も否めない状態になっています。  
●ジャパンライフ弁護団 安倍総理に説明求める 12/19
オーナー商法を展開して経営破綻したジャパンライフの元会長が「桜を見る会」に招待されていた疑惑を受け、被害弁護団は会見で安倍総理大臣に経緯の説明を求めました。
秋の臨時国会では山口隆祥元会長が会長だった当時に桜を見る会に招待されていた疑惑が追及されました。
被害弁護団:「これまでの応答を見ていると、まるで被害者は眼中にないかのようなやり取りであって、被害者として到底、納得いくものではない」
被害弁護団は18日の会見で、安倍総理が説明すべきだとする声明を発表しました。18日は債権者集会も開かれましたが、山口元会長は体調不良のため姿を見せませんでした。  

 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 

 
 
 

 

●TBS 
●報道特集がジャパンライフ元会長招待でビラを切り取り桜を見る会を追求! 11/30
2019年11月30日のTBSテレビ系列の報道特集の内容が問題だったとして、ツイッターなどで炎上しています。内容は桜を見る会でジャパンライフ元会長を招待していたということを追求していました。ジャパンライフはマルチ商法が問題となっていて、そのような会社の会長を招待していたことが問題だと言っています。その報道で、悪意ある切り取りや編集がされていたところを視聴者が見つけてツイートされていました。さらに過去にジャパンライフのCMをテレビで流していたことを棚に上げてです。そのことを問題視して、ツイッターでは盛り上がりを見せています。
報道特集がジャパンライフ元会長招待でビラを切り取り桜を見る会を追求!
ツイッターで問題となっている点は、ジャパンライフのビラを上半分しか見せないように移して紹介していた点です。上半分には「安倍晋三内閣総理大臣から山口会長に「桜を見る会」のご招待状が届きました」とあって、招待状の写真が載っています。このことで政府からも信用されていると宣伝したのだと思われます。ですがこの下にはまだ続きがありました。下のツイートの画像が切り取られていることがわかりますね。
その切り取られた部分には山口会長が主催で自民党の二階幹事長を囲む懇親会を開催したとありました。その参加メンバーが載っているのですが、「マスコミトップの方々が参加しました!」と紹介されています。以下が参加メンバーと肩書です。
   毎日新聞社 特別編集員 岸井成格
   時事通信社 解説委員 田崎史郎
   NHK 開設副委員長 島田敏男
   政治コラムニスト 後藤謙次
   毎日新聞社 専門編集委員 倉重篤郎
   順天堂大学国際教養学部特任教授 浅海保
   元朝日新聞政治部長 橘優
   日本経済新聞 論説主幹 芹川洋一
   ジャパンライフ代表取締役会長 山口隆祥
なかなかの面々がそろっていますね。これはテレビなどでは報道できないですね。これを隠して上だけ切り取り報道するのは、偏向報道と言ってもいいのではないでしょうか?
報道特集テレビもCMで宣伝していたことを隠す?
上のツイートで画像でもわかるように、全国のテレビ局でジャパンライフのCMが流れていました。また新聞各社も商品を紹介していました。このことを全然報道しずに、桜を見る会に会長を呼んでいた叩くのはおかしいのではないでしょうか?それならテレビでもCMを流してしまったと謝罪してから、報道するのが筋ではないでしょうか?チラシを切り取っていますので、明らかに確信犯で見せたくないということが明らかです。ただジャパンライフがマルチ商法で、消費者をだましていたと知らなかったと言われるかもしれません。ですが、桜を見る会に読んだときは政府も把握できていないかと思われます。このような揚げ足取りばかりやってないで、きちんと偏りなく報道してもらいたいものですね。
報道特集を見てのツイッターでの反応は?
以上のような自分たちに都合の悪いところは見せず報道していることに怒りすら覚えている視聴者が多く、ツイッターでも炎上していました。よく言われている「報道しない自由」なのでしょうか?以下のツイートが今回の報道特集を見てのツイートのほんの一部となります。・・・
報道特集のジャパンライフと桜を見る会の偏向報道まとめ
このように真実と言いますか、隠された部分を見てしまうと、追及している報道局も人のこと言えないのでは?と思ってしまいますよね?真実を知らない人は信じてしまうでしょう。これでは偏向報道、プロパガンダ、世論誘導と言われても仕方ないかと思います。今回の報道特集でビラを切り取り都合のいいところだけを報じて、自分たちがジャパンライフのCMを流し宣伝していたことは一切触れない。そのようなことをやっていては、テレビ、新聞の信用はさらに落ちていくことと思われます。このまま報道という名のプロパガンダを続けていくのでしょうか? 
●野党、安倍首相の地元で「桜を見る会」調査 12/2
「桜を見る会」をめぐり1日、野党の国会議員らは安倍総理の地元、山口県下関市を訪れ、関係者から聞き取り調査を行いました。
下関を訪れた追及本部のメンバーは、「桜を見る会」や安倍総理の後援会主催の「前夜祭」などについて、地元の野党系の市議や実際に参加した人らからヒアリングを行いました。
野党議員によりますと、「前夜祭」参加者からは、安倍事務所がホテル名義で出したとする領収書について、「ホテルからも安倍事務所からも領収書はもらっていない」との証言もあったということです。
「現地に来なければ分からない情報もありましたし、非常に空気感が江戸と長州では違うことが分かり、大変価値のある1日目、現地での調査となった」(立憲民主党・黒岩宇洋 国対委員長代理)
追及本部は2日、安倍総理の後援会による「桜を見る会ツアー」を企画した旅行会社を訪問、また、下関の安倍事務所にも質問書を提出する予定だということです。  
●「桜を見る会」“招待疑惑”、マルチ商法「被害者」国会に 12/3
連日、国会で取り上げられている「桜を見る会」をめぐる問題。3日は、マルチ商法トップの招待疑惑に関連し、被害を訴える男性が国会を訪れました。
「年が明けると、いよいよ来年は東京オリンピック・パラリンピックがやってまいります」(安倍首相)
政府・与党の幹部を前に、早くも来年に向け協力を呼びかけた安倍総理。国会閉会後の外交日程についても説明しました。一方、野党側は「桜を見る会」をめぐって追及を続けています。
「安倍さんに伝えてください。ぜひ面会させてくださいよ。これが私の本音です」(被害を訴える男性)
3日のヒアリングには、マルチ商法で破綻した「ジャパンライフ」をめぐり、被害を訴える人たちが出席しました。野党側は、ジャパンライフ元会長が『総理枠』で桜を見る会に招待されていたのではと追及していますが、出席した男性は、2015年の際の招待状を会社側のセミナーで見せられたといいます。
「安倍政権と山口元会長の癒着、つながりは完璧であると。おじいちゃん、おばあちゃん誰もがそう思いましたよね。私自身もそう思いました」(被害を訴える男性)
一方、消費者庁でも新たな問題が・・・
「ご指摘の文書については現在確認中」(衛藤晟一消費者担当相)
野党側が入手した“消費者庁の内部文書”とされる資料。「ジャパンライフ」の問題が表面化した2014年、当時の担当課長が立ち入り検査を行う意向を示しましたが、後任の課長は「立ち入り検査を行うほどの違反事実がある訳でない」として検査を見送ったなどとされています。文書には「政治的背景による余波懸念」などという記載も。
「(Q.いつごろ確認できるのか)まだちょっと分かりません。現在確認中です」(衛藤晟一消費者担当相)
衛藤大臣は3日の会見で、文書について「確認中」を繰り返しました。会期末は迫っていますが、「桜を見る会」の問題は収束の気配が見えません。
●菅長官 バックアップデータで質問相次ぐ、桜を見る会で連日苦しい答弁 12/5
「桜を見る会」の問題が発覚しておよそ1か月、菅官房長官は記者会見で、連日、苦しい答弁を強いられています。
「行政文書には該当しない。そもそも行政文書でないことから、行政文書に該当しないという認識のもとに適切に対応した」(菅義偉官房長官)
5日も、「行政文書ではない」という言葉を繰り返した菅官房長官。説明をしているのは、内閣府のサーバーに残っていた「桜を見る会」の招待者名簿のバックアップデータを国会に提出しなかった理由です。
「国会議員からの資料要求については、その対象が行政文書であること。ここを前提としておりますので、個別に対応しているところ」(菅義偉官房長官)
政府は、国会のルールを定めた法律で国会からの資料要求に“応じなければならない”と規定されています。この点について、菅官房長官は「行政文書であることが前提だ」という認識を示したのですが、その根拠は何なのか、質問が相次ぎました。
「(Q.これは何に基づいて、前提としているのか?)国会議員からの資料要求については、行政文書ということを前提と、まさに行政文書であることを前提としている」(菅義偉官房長官)
かみ合わない答えに、もう一度記者から質問が・・・。
「(Q.対象を行政文書に限っている法律はない。何に基づいて運用をしているのか?)『政府が責任を持って対応する』というのが行政文書である」(菅義偉官房長官)
厳しい質問が続き慎重になっているのか、こんな場面も・・・。
「(Q.バックアップデータが復元されたものは公文書になるのか?)少々お待ちください。システムに関わることですから、確認して申し上げます」(菅義偉官房長官)
同席した官僚がその場でメモを書き、大急ぎで菅官房長官に手渡しました。
「災害などの後に復元されたのは、公文書になるということ」(菅義偉官房長官)
官房長官として歴代最長の在任期間を誇る菅長官ですが、しばらくは厳しい日々が続きそうです。
●野党、内閣不信任案提出を協議へ 12/6
国会の会期末まで残り3日。「桜を見る会」の追及が続く中、野党側は午後、党首会談を開き、内閣不信任決議案の提出について協議することにしています。一方、与党側は野党側が求める会期の延長には応じない方針です。
「野党が『会期を延長しろ』というのは前代未聞。それほど安倍政権の国会を軽視し、委員会から逃げる姿勢は、ひどい状況が続いている」(立憲民主党 福山哲郎幹事長)
今の国会の会期末を来週9日に控え、野党側は「桜を見る会」の問題を追及するため、会期を40日間延長するよう求める動議を提出する方針です。また、午後には党首会談を開き、安倍内閣に対する不信任決議案の提出をめぐって協議することにしています。
一方、与党側は会期の延長には応じない方針で、与野党の攻防は最終局面を迎えています。 
●立川志らくとTBS国山ハセンアナが「桜を見る会」を巡って熱い議論 12/6
6日放送のTBS系「グッとラック!」(月〜金曜・前8時)では、問題が噴出している首相主催の「桜を見る会」について「桜を見る会100人に聞きました」と題し20歳以上の男女100人に独自アンケートし、「桜を見る会」で「一番腹が立つことは?」を街頭で尋ねた。
その結果、1位は税金の私物化疑惑で45人。2位は野党の動きで18人。3位はジャパンライフ元会長など不透明な招待客で13人。4位が昭恵夫人の推薦で11人。5位が名簿の廃棄で8人という結果だった。
スタジオでMCの立川志らくはTBSの国山ハセンアナウンサーに「何が腹立ちます」と尋ねた。これに国山アナは「そもそも1万人以上呼んで、税金使って桜を見る会開く必要あるのかな?って疑問視しています」と素朴な疑問を唱えると志らくが「存在そのものが?」と聞き返した。
続けて国山アナは「そもそも桜を見る必要ありますかね?そもそも桜をみんなで見る必要あります?個人的にお花見があまり好きじゃないっていうのもあるんですけど」と指摘した。これに志らくが「でも伝統として昔からあったから、皆で総理を囲んで桜を見るという会が別にあったって悪くはない。文化の功績のある人を呼んで慰労するものだから、会そのものは決してそんなに悪いものじゃないし、それに税金をつぎこんだからと言って、みんな大して怒りはしないんですよ」と説いたが、国山アナは「個人のお金できないんですかね?お金がある人たちがいっぱいいるわけじゃないですか。個人のお金でどっかのパーティー会場で」と訴えると志らくは「みんな個人でやってます、やってます。おのおの個人でやっているんだけど、総理を囲んで…」と熱をこめると「何をここで一生懸命」と笑った。これに国山アナも「ここで個人的な意見でぶつかってもあれですけど」と笑っていた。 
●桜を見る会、ジャパンライフとの“接点”は 12/7
総理主催の「桜を見る会」をめぐる問題です。マルチ商法を展開していた「ジャパンライフ」のトップがなぜ招待されたのか。これまでの政界とジャパンライフの関係を紐解いていくと、安倍総理との意外なところでの「接点」が見えてきました。 
●ジャパンライフ元会長の認識は  12/7
ジャパンライフ・山口隆祥元会長をよく知る関係者を通じて、山口元会長の認識を独自に聞くことができた。
福田赳夫首相以降、今の安倍首相まで桜を見る会を主催した総理大臣は16人。
山口元会長の認識「歴代総理の桜を見る会に招待された記憶はあるが、すべての総理に招待されたかまでは覚えていない。ただし今まで1回も出席したことはない。民主党政権当時の鳩山由紀夫総理の時も招待された」。
鳩山由元首相の事務所は「招待したかどうかは今となっては分からないが、鳩山元首相自身は人選に関わっておらず、すべて官邸と当時の民主党で相談し内閣府と調整したのではないか。山口という人物とも面識はないとメールで回答。内閣府に、福田赳夫首相以降、山口元会長に招待状を送ったことがあればすべて明らかにするよう求めたが「保存期間が1年未満で過去のものも含め、招待者リストは保存していないため、内閣府では把握していない」と回答。
番組は山口元会長にさらに取材を試みたが、山口元会長が示した認識はここまでだった。  
●国会会期末、与党側は会期延長に応じない方針 12/8
臨時国会は9日に会期末を迎えます。野党側は総理による私物化などと批判する「桜を見る会」の追及のため会期延長を求めることにしていますが、与党側は応じない方針です。
この国会では、「政治とカネ」をめぐる疑惑で2人の大臣が辞任に追い込まれたことなどの影響により、与党側が目指していた憲法改正の手続きを定めた国民投票法の改正案の成立は見送られることになりました。
また会期末の9日、野党側は「桜を見る会」をめぐる疑惑を引き続き追及するためとして40日間の会期延長を求める動議を国会に出すことにしていますが、与党側は応じない方針です。
野党側は内閣不信任決議案の提出についても9日に最終判断する構えで、与野党の攻防は最終局面を迎えます。 
●野党“桜”で国会会期延長申し入れ 12/9
臨時国会は9日で会期末を迎えますが、野党側は「桜を見る会」を追及するため、会期を40日間延長するよう申し入れました。
立憲民主党など野党側は衆議院の大島議長に対し、「桜を見る会」をめぐる問題を追及するため、9日に会期末となる今の国会を40日間延長するよう申し入れました。マルチ商法で経営破綻した「ジャパンライフ」の元会長が“総理枠”で招待されたのではないか、など一連の問題の追及を続けたい考えです。
一方、与党側は、会期延長には応じない方針で、野党側はこの後、内閣不信任決議案を提出するかどうか協議することにしています。  
●国会9日閉幕、野党「桜を見る会」追及続ける 12/9
67日間に及んだ臨時国会が9日、閉幕します。「桜を見る会」をめぐる様々な疑問は解明されないままで、野党側は閉会中も追及を続ける方針です。
「第200回国会は本日をもって終了いたします」(大島理森衆院議長)
9日、閉幕する臨時国会。今国会で野党側は総理主催の桜を見る会について「疑念は何一つ払しょくされず、政治や行政への国民の不信は増幅している」として、40日間の会期延長を求めましたが、与党側の反対多数で否決されました。一方、与野党の国会対策委員長が断続的に会談し、閉会中も内閣委員会の理事会で、「桜を見る会」について政府から説明を受けることなどで合意したとして、野党側は内閣不信任決議案の提出を見送りました。
「ひと言で言うと総理隠し国会。問われれば国会で説明しますと何度もおっしゃっているが、実態はとにかく出たくない出たくないと」(立憲民主党 安住淳国対委員長)
「桜を見る会」をめぐっては政府側の説明責任が果たされていないとして、野党側は閉会中も追及を続けることにしています。 
●内閣不信任案は提出せず 12/9
臨時国会が会期末を迎えるなか、野党側は検討していた内閣不信任決議案について提出しないことを決めました。国会から報告です。
野党側は与党側に求めていた閉会中審査などについて、前向きな回答が得られたと判断して、内閣不信任案の提出を見送ると説明しました。
「閉会中に事実上の質疑をしたいと思っています。今回、内閣不信任案は提出をしない」(立憲民主党 安住淳 国対委員長)
9日朝、立憲民主党などの野党が、国会の会期を40日間延長するよう衆議院の大島議長に申し入れました。
これを受け、断続的に開かれていた与野党の国会対策委員長会談で、野党側は会期延長を野党が与党側に要望したものの、与党側が応じなかった経緯について本会議で大島議長が報告することと、「桜を見る会」の問題について閉会中審査を行うことを求めてきましたが、午後になって、与党側が要望をのんだと判断し、野党側が不信任案の提出が見送ることを決めました。
これで今の国会は閉会することになりますが、野党側は内閣委員会の理事会で桜を見る会の問題について、引き続き追及していく方針です。 
●「桜を見る会」招待者名簿、首相「適正に廃棄」と改めて主張 12/9
臨時国会の閉会を受け安倍総理は記者会見し、「桜を見る会」の招待者名簿については内閣府で適正に廃棄されたと従来の主張を繰り返しました。
「招待者名簿については、内閣府があらかじめ定められた手続きにのっとって適正に廃棄をしている」(安倍首相)
安倍総理はこのように述べるとともに、名簿データの復元については菅官房長官が内閣府に確認し「不可能であると報告を受けたと承知している」と答えました。
また、野党側が“総理枠”で招待されたのではないか、と追及する「ジャパンライフ」の山口元会長については、多人数の会合で同席した可能性までは否定できない、とした上で、1対1での面会や個人的な関係は「一切ない」と否定するなど、これまでと同じ答弁に終始しています。 
●野党追及本部、「前夜祭」開かれたホテルで聞き取り調査 12/10
「桜を見る会」をめぐる問題で、野党の追及本部メンバーが10日午後、「前夜祭」が開かれた都内のホテルを訪れ、聞き取り調査を行いました。
野党追及本部の聞き取り調査に対し、ホテルニューオータニの宴会担当者は一般論としながらも、見積書と明細書は7年間保存し、再発行にも応じる、まれにホテル名で領収書を出すケースはあるなどと回答。宴会の金額については、「値引きなどは曖昧な答えだった」ということです。
「かなり総理が説明しておられることに無理があるなという感じがしますね。金額にしてもそうですし、領収書の件についても」(今井雅人 衆議院議員)
また、野党側は、衆議院・内閣委員会の理事会に内閣府への質問書を提出しました。招待者名簿の電子データを破棄した際の記録を調査し、提出するよう求めています。  
●桜を見る会、「大変申し訳ない」安倍首相が謝罪 12/14
安倍総理は都内で行った講演で、「桜を見る会」の問題で国会審議の多くの時間が割かれたことについて、「国民の皆さまに大変申し訳なく思っている」と謝罪しました。
「一昨年と昨年はモリカケ問題、今年の春は統計の問題、この秋は桜を見る会。政策論争以外の話に多くの審議時間が割かれてしまっていることを、国民の皆さまに大変申し訳なく思っております」(安倍首相)
安倍総理はこのように謝罪し、「桜を見る会」について、今後、招待者の基準など全般的な見直しを行う考えを改めて示しました。
「(安倍首相が)私物化をやっていましたと反省して辞任すれば、もう終わりなんですよ」(共産党 田村智子 参院議員)
一方、野党側は、衆議院に引き続き、参議院でも「桜を見る会」をめぐる質問書を内閣府に提出しました。この中では、招待者について、内閣官房と安倍事務所のやりとりを明らかにするよう求めたほか、公文書管理の体制などについて回答を求めました。衆議院では来週17日、参議院では23日に政府が回答する予定です。 

 
 
 
 
 
 

 
 
 

 

●テレビ東京 
●「桜を見る会」問題で新事実  12/4
安倍総理大臣や政府に対して連日続いている、「桜を見る会」や「ジャパンライフ」問題に関する追及。 日ごとに新たな疑惑が浮上している中政府や自民党は振り切ろうと必死ですがきょうもまた新たな事実が明らかになっています。 きょう、与党が今の国会で「最重要課題」と位置付けていた日米貿易協定の承認案が可決・承認された。 これを受けて、与党は来週9日までの国会を延長せず、早々に幕引きする構えだ。 【自民党森山国対委員長】 「会期を延長することについては頭の中にない」 そんな中、問題点が次々と明るみになっている 「桜を見る会」についてきょうも新たな疑問が生まれた。 【菅官房長官】 「5月7日から9日ごろにデータを消去した後、最大8週間は(バックアップが)残っていたということになると思います」 菅官房長官は5月21日に内閣府の幹部が今年の「桜を見る会」の招待者名簿を「廃棄した」と国会で説明していた際、実は廃棄された電子データのバックアップが残っていたことを認めた。 これにより、「虚偽答弁だった」として野党の追及が強まることが見込まれる。 【立憲民主党 安住国対委員長】 「極めて異例なんですけど、野党側から会期延長を正式に求めていこうというふうに思います。年末年始も紅白歌合戦も関係なく、徹底的に質疑をしたい」 野党側は、 「安倍総理は国会での説明責任を果たすべきだ」として、会期の延長を与党側に求める方針で一致した。 また、年末まで断続的に内閣府の職員からヒアリングを行うなど、国会閉会後も徹底追求する構えだ。
●総理 ジャパンライフと“接点”  12/6
マルチ商法を展開して、経営破たんしたジャパンライフの元会長に「桜を見る会」の招待状を送っていた問題で、きょう、安倍総理大臣とジャパンライフ元会長との「接点」が明らかになりました。 臨時国会の会期が9日に迫る中、野党は追及姿勢を強めています。 安倍総理の父で当時の安倍晋太郎外務大臣が1984年、アメリカ・ニューヨークの国連本部を訪問した際、ジャパンライフの山口隆祥元会長が現場にいたことが分かっています。 きょう開かれた野党の追及本部では、安倍総理が当時、外務大臣秘書官として父・晋太郎氏に随行していたことを外務省が認めました。 外務省「資料を探索し、晋太郎が国連総会出席のための随行名簿、秘書官として安倍総理の名前が記載されている。」 野党「あるんだ出た極めて重要な情報だ」安倍総理は参議院本会議での答弁で「山口氏と一対一で会ったことはなく個人的な関係はない」としていますが、今後、安倍総理とジャパンライフの接点について、野党は、さらに追及を強めていく構えです。  
●安倍総理会見 「桜」見直しも日米など成果強調  12/9
臨時国会がきょう閉会したことを受け、安倍総理大臣が記者会見しました。安倍総理は「桜を見る会」について全般的に見直す方針を示す一方で、 日米貿易協定の国会承認などの成果を強調しました。 
●なぜ?桜の疑惑晴れぬも閉会  12/9
「桜を見る会」をめぐって紛糾した今の国会は、きょう、閉幕します。 幕引きを図りたい政府与党と、追及の手を緩めたくない野党の駆け引きが、最期まで繰り広げられました。 中継です。 中村記者:「桜を見る会」をめぐる問題に対する安倍総理大臣の説明が不十分だとして、 野党側から異例の会期延長を求めましたが、与党側の反対多数で否決とされました。 高木衆院議運委員長:「賛成の諸君の挙手を求めます。挙手少数、会期は延長しないものと議長に答申することに決定しました」 一方、焦点となっていた内閣不信任決議案については、与党側から国会閉会中も一定の審議に応じるとの 回答を得られたとして、野党側は提出を見送りました。 立憲民主党 安住国対委員長:「今回、内閣不信任案は提出しないということに決めました。閉会後、内閣委員会で理事会を開き、総理主催の桜を見る会の公文書管理の問題に対して、報告を事務方から受けるものとするということで合意しました」 一時は不信任案提出で、夜まで国会がもつれるとの見方もありましたが、すでに衆参両院の本会議も終わり、 国会内は非常に静かとなっています。 池谷キャスター:野党が不信任案を出さなかった理由をどう見ますか? 中村記者:一部の野党からは厳しく政権と対峙すべきなどと不信任案の提出を後押しする声がありました。 しかし、不信任案が否決されれば、それは内閣が信任されたことを意味します。 内閣に信任のお墨付きを与えるよりは、会期延長を申し出て国会審議を通じ政府に説明を求める姿勢を アピールした方が得策だという判断があったものとみられます。 塩田キャスター:政府与党が延長に応じない理由は何でしょうか? 中村記者:政府与党としては今の国会で最重要課題としていた日米貿易協定が すでに承認されていることもあり、国会を続けることで「桜を見る会」の追及を これ以上受けたくないと判断した模様です。 一方、菅官房長官は午前の会見で、「桜を見る会」の招待人数や予算の見直しを、 来年夏まで時間をかけて行う方針を示しました。 菅官房長官:「招待基準の明確化や招待プロセスの透明化を検討し予算や招待人数も含めて全般的な見直しを幅広く意見を聞きながら、行っていきたい。来年夏の概算要求、これがひとつのめどになると考えている」 ここで注目したいのが来年夏という期限です。 来年の夏は東京オリンピック・パラリンピックで一色となる時期で、「桜を見る会」の問題も 自然と収束するのではないかという狙いです。 国会閉会にあたり、このあと午後6時から総理が会見を開きますが、 そこでも「桜を見る会」への質問が相次ぐものと思われます。 
●安倍総理 衆議院の解散「ちゅうちょない」  12/10
安倍総理大臣は臨時国会の閉会を受けて会見し、衆議院の解散について「躊躇(ちゅうちょ)はない」と述べました。ただ、安倍総理は「政府は即位に関わる一連の儀式をつつがなく行う責任がある」とも述べ、来年4月の立皇嗣の礼までの解散には否定的な見解を示しました。また、桜を見る会については「これまでの運用を大いに反省する」と述べた上で今後、招待基準の明確化や招待プロセスの透明化に取り組む考えを明らかにしました。さらに、この臨時国会で日米貿易協定が承認されたことに触れ安倍総理は「まさに国益にかなう結果が得られた」とその成果を強調しました。一方、議論が進まなかった憲法改正については自ら改正を実現するとして強い決意を示しました。 
●陳謝「桜の会で国会停滞」  12/13
桜を見る会をめぐり安倍総理大臣は、国会審議が停滞したことを陳謝しました。 一昨年と昨年はモリカケ問題。 今年の春は統計の問題。 この秋は桜を見る会。 この3年ほどの間、国会では政策論争以外の話に多くの審議時間が割かれてしまっていることを国民の皆様に大変申し訳なく思っております。 安倍総理はこのように述べ、度重なる不祥事や疑惑の影響で、充実した政策議論が国会で行われていないとして陳謝しました。  

 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 

 
 
 

 

●フジテレビ  
●『グッディ』に元山口組系会長が出演、直後に「桜を見る会」疑惑報道 11/29
29日放送の『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ系)に元山口組系暴力団会長の竹垣悟氏が出演し、視聴者から疑問の声が集まっている。
番組ではこの日、27日に兵庫県尼崎市の路上で山口組系の幹部が射殺されたことに関連し、山口組の分裂抗争を竹垣氏の解説の下、報道。竹垣氏は山口組系「義竜会」の会長を務めたが、05年に義竜会は解散し、現在は「堅気」に。番組では独自の視点から今回の事件について分析していた。
しかし放送中、視聴者からは「どんな事件であっても、反社会的勢力を排除したいなら元会長もテレビに呼ぶべきではないのでは?」「足洗ったからって出していいの?」といった疑問の声が噴出。そんな中、『グッディ』は次の話題に移り、反社会的勢力が出席したとされる安倍晋三首相主催の「桜を見る会」について報道。悪質なマルチ商法を展開していたとされるジャパンライフ社が2014年に行政指導を受けていたにもかかわらず、15年に同社の会長(当時)に招待状が届いていたとされることなどを報じていた。
この一連の報道に放送後、視聴者からは「自分たちは元反社を番組に出しておいて疑惑報じるってどうかしてると思わないの?」「元山口組をゲストに招いてこれは批判できると思ってるのはおかしい」「自分たちは出しておいて…コンプライアンスも何もない」といった批判の声が集まってしまった。
「竹垣氏といえば、反社会的勢力から足を洗った現在は暴力団員の更生に取り組む活動もしており、メディア出演も多く山口組について解説することも少なくありません。暴力団排除条例では、暴力団を離脱しても、おおむね5年は暴力団関係者とみなされ制約があるが、竹垣氏が堅気になったのは05年。テレビ出演自体に大きな問題があるわけではありませんが、直後に反社参加疑惑として報じたために、視聴者が困惑してしまったようです」(芸能ライター)
メディアの報じ方にも注目が集まっているこの問題。どのような方向に進んでいくのだろうか――。
●「桜を見る会」めぐり 野党、小泉大臣に質問 12/3
「桜を見る会」をめぐり、マルチ商法を展開して破綻した「ジャパンライフ」の元会長が、「総理枠」で招待されたとする野党側は、小泉環境相に対し、福島第1原発事故の賠償金が狙われた疑いがあるとして、実態の調査を求めた。
立憲民主党・池田真紀議員「(新聞記事によると)被害の相談、福島が最多となっています」、「東京電力 福島第1原発事故の賠償金をジャパンライフに払った高齢者もいる。原発事故の賠償金が狙われた疑いがあるという記事です。こちらについて、小泉大臣、実態把握されているでしょうか」
小泉環境相「環境相としては、ジャパンライフに関する被害の実態については把握していません」
衆議院の環境委員会で、野党側は、小泉環境相に対し、被災者らが「ジャパンライフ」の被害に遭っている実態を調べるよう求めたが、小泉環境相は、「環境省として責任を持って、環境省の所管の部分に取り組む」と述べるにとどめた。
一方、野党の追及本部の会合では、内閣府の担当者が、5月9日ごろに消去したとする招待者名簿などの電子データについて、その後、バックアップが8週間程度残っていたと説明した。
野党側は、野党議員が資料請求をした時点では、データのバックアップが残っていたはずだなどとして、強く反発している。
●安藤和津、「桜を見る会」の徹底調査求める 12/3
3日放送のフジテレビ系「バイキング」(月〜金曜・前11時55分)では、問題が噴出している安倍晋三首相主催の「桜を見る会」について特集した。
マルチ商法で知られる「ジャパンライフ」元会長が招待されていたこと始め反社会的勢力の出席や招待者名簿のデータ処理など疑惑が続々と噴出する「桜を見る会」だが、番組では2日、参院本会議での安倍首相の答弁で、釈然としないやりとりが繰り返されたことを紹介した。
エッセイストの安藤和津(71)は「答弁の最後、結末もこんなところが落としどころと思っていても、私たち、あきらめちゃダメだと思う。日本が良くならない。もったいないですよ、この税金。計算したら一人3000円くらいかかっている。お金の使い方を分かっていない」と自らの試算を元に訴えた。
MCの坂上忍(52)は「(金)額じゃないんですよね!これ、何のために(税金を)使っているんだっていう話」と憤った。 
●木村太郎氏 「桜を見る会」問題は「終わったんじゃないか… 12/8
ジャーナリストの木村太郎氏が8日放送のフジテレビ系「日曜報道THE PRIME」(日曜・前7時半)に生出演。首相主催の「桜を見る会」に関する問題について「もう終わったんじゃないですか」と指摘した。
その上で木村氏は「桜を見る会なんて、もうやめちゃえばいいと思うんですよ、こんなもの。まったく意味のない催しだと思うんで。やめちゃえばいいと思うんですけど」とコメントした。
一方で「だからと言って、桜を見る会を理由に審議拒否する野党もどうかなと思って。特に日米貿易協定って、あんな大事な協定の承認の問題をほとんど審議しないで終わっちゃった。これから、いろんな意味で日本人の生活に影響がある問題をほったらかしにして、やる問題ではなかった」とした。
その上で「本当に法的に問題があるなら、東京地検特捜部に告発すればよかったと思う」とコメントしていた。 
●「桜を見る会」が「流行語大賞」に入らなかったのは… 12/8
漫画家のやくみつる氏(60)が8日、フジテレビ「日曜報道 THE PRIME」(日曜前7・30)に出演。数々の疑惑が浮上している公費による首相主催の「桜を見る会」が、年末恒例の「2019ユーキャン新語・流行語大賞」(現代用語の基礎知識選)入りしなかった理由に言及した。
「2019ユーキャン新語・流行語大賞」の選考委員を務めたやく氏は「今、一番喧伝されているのが“桜を見る会”だと思うんですが、これを人が口にするようになったのが11月だったのでね、すでに選考会を終えた後だったので、純粋に時期的に入れ切れなかった」と説明。
そして、自ら描いた漫画を紹介し「この絵はちょっと早いんですけど、安倍首相の来年の初夢を描いたもので、安倍さんが大型シュレッダーで人の記憶そのものを消し去る、裁断するシュレッダーが完成しましたって喜んでおられる。一番そうしたいんじゃないですか、恐らく。文書のみならず」と話した。 
●野党が不信任案提出か 国会閉幕…与野党論戦 重要案件議論はどこへ 12/9
9日は臨時国会の会期末。主要閣僚の辞任や不適切発言に始まり、その後「桜を見る会」をめぐる問題に多くの時間と労力を費やした今国会。「桜を見る会」では、予算規模の拡大や招待者の選定、バックアップデータ復元の是非や開示、行政文書保存のあり方など、様々な事案が取り沙汰される中、安倍首相が本会議で答弁するなど議論を重ねたと幕引きを図る与党に対し野党は真っ向から反発。果たして、国会で議論は尽くされ、国民の理解は得られたのか?
そもそも日米貿易協定や憲法改正の論議、全世代型社会保障のあり方など、日本の将来を左右する重要課題が山積する中、今国会の与野党の姿勢は国益に資するものだったのか?各党幹部をゲストに迎え、今国会の課題と与野党攻防の行方について議論する。  
●“桜を見る会”名簿削除問題で野党追及 午後は街頭で訴えへ 12/10
臨時国会は9日に閉会したが、立憲民主党などの野党は、「桜を見る会」で名簿のデータが削除された問題などを引き続き追及している。
10日午前の追及本部の会合で、野党側は、招待者名簿が廃棄された基準や、削除された記録を出すよう求めたが、政府側は応じない考えを示した。
共産党・宮本徹議員「なんで記録を出せないんですか?」
政府職員「紙はシュレッダーの記録など、可能なかぎりのものを出させてもらっている」
野党側は、マルチ商法を展開した企業の元会長が呼ばれていた問題でも、追及を続ける方針だが、今のところ、新たな事実は明らかになっていない。
野党側は、2020年の通常国会までこの問題を継続させる狙いもあり、昼すぎからは街頭でも訴えることにしている。 
●「桜」疑惑 閉会後も追及  12/11
日本共産党の田村智子副委員長は9日夜放送のBSフジ番組「プライムニュース」で、安倍晋三首相の「桜を見る会」私物化疑惑について与野党の代表と討論し、国会閉会後も追及を続けるべきだと強調しました。
田村氏は、安倍晋三首相や菅義偉官房長官が出席する予算委員会の開催を野党が求めたのに対し、自公が拒否したと指摘。「国会が閉じようが質問を続け、次の通常国会につなげる」と語りました。立憲民主党の長妻昭代表代行は、官僚が野党議員や国会に対して虚偽説明を繰り返したとして「忖度(そんたく)極まる」と強調。実態の全容解明が必要だと述べました。
自民党の柴山昌彦政調会長代理は、招待者名簿の人数が膨れ上がったとして「全てを解明するのは難しい」と弁明。悪質なマルチ商法を展開したジャパンライフの元会長が首相招待枠に入った経緯も「明らかになるのかは議論してもらえばいいと思うが、おのずと限界がある」と真相解明に背を向ける姿勢を示しました。
桜を見る会の問題点について田村氏は、(1)公職選挙法の買収の疑いがある(2)ジャパンライフに渡した招待状が国民に実害を与えた―の2点が重大だと指摘。「実際に犠牲になった人もいる。なぜ首相が調査を指示しないのか」と批判しました。
招待者名簿のバックアップデータは“組織共用性がない”ため公文書ではなく、情報公開請求の対象外とする菅官房長官の発言について、司会の反町理フジテレビ報道局解説委員長が「何のためのバックアップかとなりかねない」と言及。これに対して柴山氏は「公に閲覧可能なものが情報公開請求の対象。バックアップは復元すれば閲覧可能になるが、どんな形で保管されているか分からないところについて開示請求にならない」と述べました。
田村氏は「公文書が毀損したときのためのバックアップデータだ。詭弁でしかない」と指摘。長妻氏は「バックアップデータも復元できるのではないか」と述べました。  
●「桜を見る会」めぐる政府回答 野党 誠意がないと反発 12/17
「桜を見る会」をめぐり、国会では17日、衆議院内閣委員会の理事会で、野党の質問書に対して政府側が回答したが、野党は、ほとんどがこれまでの答弁の繰り返しだと反発している。
理事会は、野党が10日に提出した8項目の質問書に政府が答える場として開かれた。
野党は、マルチ商法を展開して破綻した「ジャパンライフ」の元会長への招待状に記載された「60」という番号が「総理枠」を示すのか、担当者に聞き取り調査をするよう求めていたが、政府側は「調査する必要はない」と応じなかった。
また、野党は、「桜を見る会」の招待者名簿の電子データを削除した際のログの調査も求めたが、政府側は、調査しない考えをあらためて伝えた。
一方、安倍首相の事務所から推薦された招待客について、政府側は「ことしは落とした例があった」と述べ、招待を認めなかったケースがあったことを明らかにした。
無所属・今井雅人衆院議員「誠意ある回答とは全く思えないので、行政府がこういう姿勢を示すなら、われわれも次のことを考えないといけない」
野党は、政府の対応には誠意がないなどと反発していて、国会閉会中の審査などを引き続き求める方針。 

 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
  
 
 
  
 
 
 
 
 
 

 

 
 
 

 

●朝日新聞 
●桜を見る会と揺れ動いた首相 番記者が見た誤算と焦り 12/1
桜を見る会をめぐり安倍晋三首相の取材対応は揺れ動いた。記者団の前に1日に2度立ち止まり、長時間の質疑に応じたと思ったら、ぱたりと質問を受け付けなくなった。首相と記者団の攻防を、首相番記者が報告する。
11月29日朝、首相が官邸に入る際、記者団から「桜を見る会」にオーナー商法で行政指導を受けたジャパンライフ元会長が招待されていた疑惑について説明する考えがあるかを問いかけた。しかし、首相は答えなかった。
この日朝、記者団は首相秘書官を通じて、首相を記者が囲んで質問する「ぶら下がり取材」を要請した。秘書官の答えは「官房長官などが既に回答しており、応じられない」だった。
ぶら下がり取材に応じないと回答があった場合でも、首相が官邸に出入りする際、質問を投げかける「声かけ」をすると首相が一言答えることもある。
11月29日も首相が官邸に入った際、記者が「桜を見る会にいわゆる首相枠でジャパンライフの元会長が招待された疑惑があるが、説明する考えはあるか」と問いかけた。しかし、首相は「おはよう」とだけ述べ、執務室へのエレベーターに入っていった。
桜を見る会をめぐって、記者団・・・  
●桜を見る会、批判応じぬ政権が示す「国の衰退の始まり」 12/4
国の税金を使った「桜を見る会」に安倍晋三首相夫妻らの「身内」が多数招待され、その名簿の公開を求められた当日に官僚が廃棄する――。私たちが選んだ政権と、政権を支える官僚のこうしたふるまいを、齋藤純一・早稲田大教授(政治学)は「国の向上は終わり衰退が始まる」兆候と指摘する。どういうことなのか。寄稿してもらった。
「競合する全勢力を抑え込み、すべてを自分と同じ鋳型に流し込むのに成功してしまうと、その国の向上は終わり衰退が始まる」。19世紀英国の哲学者、J・S・ミル『代議制統治論』の一節である。「抵抗を受ける可能性のない人」は、「理性」を必要としなくなり、代わりにその「意思」を押し通すようになる。「間違っていると告げてくれる人の話を聞けば、苛(いら)立ってしまう」
「桜を見る会」をめぐるこの間・・・
●桜を見る会「首相推薦多すぎ」 伊吹氏、恒例のご忠言 12/5
衆院議長を務めた自民党重鎮の伊吹文明氏(81)が国会開会中の毎週木曜の派閥の会合で、政界に耳の痛い「ご忠言」を発するのが恒例となっている。その矛先は対立する野党のみならず、身内の政府・与党に向くこともしばしばだ。自民1強でゆるみやおごりが目立つ昨今、「政界ご意見番」の舌鋒(ぜっぽう)は鋭さを増すばかりだ。
「いまのような、スマホを見ながら簡単にちょこちょこと薄っぺらな知識を手に入れる時代じゃなかったからね。大変な読書家だったですよ」
5日昼の二階派(志帥会(しすいかい)、47人)例会。伊吹氏は11月29日に101歳で死去した中曽根康弘元首相を回顧すると、派閥の若手を諭すように言った。「若い人たちが中曽根先生から学ぶとすれば、やはり古典を読むことね。歴史を読むこと。その上で現実を判断していく。そういうことを大切にしてもらいたいと思います」
自民党では毎週木曜日の昼、各・・・
●桜を見る会の招待者名簿、再調査しない考え 菅氏が明言 12/6
「桜を見る会」の招待者名簿をめぐり、菅義偉官房長官は6日午前の記者会見で、共産党議員が資料要求した時点で廃棄した名簿の再調査は行わない考えを示した。主なやりとりは次の通り。
――5日の会見で、国会議員からの資料要求は行政文書を前提としているとの説明があった。ただ、森友学園問題では財務省職員の「手控え」が後に公表された例もある。
「財務省の文書については、財務省にお尋ねをいただきたい」
――手控えは行政文書にあたるか。
「行政文書に該当するかどうかは、公文書管理法に基づいて各行政機関において個別の状況を総合的に考慮して、実質的に判断すると報告を受けている」
――小泉政権時、質問主意書に対し「国会議員から資料等の提供の要求があったときは、行政文書として存在しない場合であっても必要に応じ要求内容に沿った資料を新たに作成するなどの対応を行うこととしている」との答弁書を閣議決定している。今回の対応と矛盾はないか。・・・
●菅長官の説明、過去の政府見解との間にずれ 桜を見る会 12/6
「桜を見る会」の招待者名簿を共産党議員の資料要求後に内閣府が廃棄し、バックアップデータも使わなかった問題で、「(国会議員への文書提供は)行政文書として存在しない場合であっても、必要に応じ要求内容に沿った資料を新たに作成して提供することがある」との見解を政府が過去に示していたことがわかった。
小泉内閣が2001年、国会議員の国政調査活動に関する質問主意書への答弁で閣議決定した。菅義偉官房長官は5日午前の記者会見で「国会議員からの資料要求は行政文書を前提としている」と述べ、提供の必要はないとの認識を示していた。記者が「国会議員の資料要求は、行政文書に限られないのではないか」と指摘しても「政府が責任を持って対応するのは行政文書」と主張していた。過去の政府見解と今回の政府対応にずれがうかがえる。
菅氏は6日の記者会見で、このずれについて問われ「ご指摘のケースは今回の案件とは違う」と主張。その上で「資料要求に対応するため新たな資料を作成すれば、それは当然行政文書になる」と話した。行政文書として破棄されていた場合にバックアップデータを利用して新たに資料を作成して対応する必要性はないとの認識を示した。
桜を見る会をめぐっては、共産党の宮本徹衆院議員が5月9日正午すぎ、国会質疑のために政府に資料要求していた。内閣府はその約1時間後に名簿を大型シュレッダーで廃棄し、電子データも5月7〜9日に削除したと説明している。ただ、データは最長8週間、バックアップデータとして保管される仕組みだった。内閣府幹部は5月21日の衆院財務金融委員会で、宮本氏の質問に廃棄したと答弁したが、実際にはデータが残されていた可能性が高い。
●菅長官、説明責任「果たしていると思う」 桜を見る会 12/6
「桜を見る会」の招待者名簿の廃棄をめぐり、菅義偉官房長官は6日午後の記者会見で、「行政文書として存在しない場合であっても、必要に応じ要求内容に沿った資料を新たに作成するなどの対応を行う」とした小泉政権時代の政府見解との違いを問われたが、「適切に対応した」と繰り返した。主なやりとりは次の通り。
――小泉政権時代に(政府見解を示す)答弁書を閣議決定している。これは今も維持しているか。
「国会議員からの資料要求については、行政文書であることを前提に個別対応している。指摘の答弁書の通りだ」
――6日午前の会見で、答弁書と桜を見る会とは違うケースだと発言したが、何が違うのか。
「(秘書官が紙を差し入れる)必要に応じて資料を新たに作成して提出すれば、行政文書となるので、(私の午前の発言が)矛盾しているとは考えない。5月の資料要求の時点では既に廃棄しており、それを前提に対応したため、(小泉政権時代の)答弁が想定するものと違う」
――野党議員から資料要求があった時点では(紙の名簿の)原本が存在していたと考えられ、しばらくはバックアップデータが存在していた状況からすれば、データを利用して資料提供を検討する余地もあったのではないか。
「(紙差し入れ)バックアップ・・・  
●野党、国会の40日間延長を要求「桜を見る会、究明を」 12/9
立憲民主党や国民民主党など野党統一会派と共産党は9日午前、この日閉幕する臨時国会の会期について、40日間の延長を求める動議を大島理森・衆院議長に提出した。動議は午前に開かれる衆院議院運営委員会で議論され、与党側の反対で否決される見通し。
動議は、首相主催の「桜を見る会」をめぐり、「国民の信頼を裏切る事態が惹起(じゃっき)され、公的行事の私物化の疑いが指摘された」ことを理由に挙げ、「真相究明には会期の延長が不可欠」としている。
立憲の安住淳国会対策委員長は・・・ 
●首相「改憲、必ず私の手で」 名簿は「適正に廃棄」強調 12/9
臨時国会が9日、閉会した。安倍晋三首相は首相官邸で記者会見し、国の税金を使って首相が主催する「桜を見る会」について、「様々な批判があることは十分に承知している」と述べた。しかし、招待者名簿については「適正に廃棄をしている」と語るなど従来通りの説明を繰り返した。
記者会見は約33分間行われた。首相は約13分間の冒頭発言で、今国会で承認された日米貿易協定などの成果を誇ったが、桜を見る会に自ら触れることはなかった。
質疑で記者から桜を見る会について問われた首相は、「公費を使う以上、これまでの運用を大いに反省し、今後、私自身の責任において全般的な見直しを行っていく」と語った。ただ、名簿データの復元は「不可能」との認識を示した。
また、オーナー商法で消費者庁から行政指導を受けたジャパンライフ元会長を招待していたとされる問題についても質問されたが、首相は元会長とは「個人的な関係は一切ない」とした。
一方、憲法改正については改めて意欲を示した。今年7月の参院選で憲法改正の議論を行うかどうかを問うたと強調。今国会では衆院憲法審査会で2年ぶりに自由討議が行われたことに触れ、「まさに選挙による国民の声を受けたものだ」と評価した。その上で「来たる通常国会の憲法審査会で、与野党の枠を超えた活発な議論を通じて、令和の時代にふさわしい憲法改正原案の策定を加速させてまいりたい」と発言。さらに「憲法改正は、必ずや私の手で成し遂げていきたい」とも語った。
衆院解散・総選挙をめぐっては・・・  
●桜を見る会への批判は承知、運用を反省 12/9
安倍晋三首相は9日、臨時国会の閉会を受け、首相官邸で記者会見した。冒頭発言と主な質疑は次の通り。
この国会では米国との貿易協定が承認された。まさに国益にかなう結果が得られたと考えている。日本経済が力強く、成長を続けていくための、強固な基盤を築き上げることができた。
足元では、相次ぐ自然災害からの復旧復興、通商問題を巡る緊張、香港情勢など海外発の下方リスクにしっかりと備える必要がある。このため、事業規模で26兆円に及ぶ経済対策を講じることにした。安心と成長の未来を切り開くための経済対策だ。
全世代型社会保障検討会議は、年内の中間報告に向けた議論が大詰めを迎えている。人生100年時代の到来をチャンスとして、前向きにとらえながら、働き方の変化を中心に据えて年金、医療、介護、社会保障全般にわたる改革を進める。現役世代の負担上昇を抑えながら、全ての世代が安心できる社会保障制度を構想したい。
未来を見据えながら、国のかたちに関わる大胆な改革に挑戦し、新たな国づくりを力強く進めていく。その先には、憲法改正がある。国内外の山積する課題に全力で取り組んでいく決意だ。
――桜を見る会が後半国会の大きな焦点となった。野党は批判を強めているが反省点は。(招待者)名簿のデータなどを探し出すよう自ら内閣府に指示する考えは。(2015年の会に招待されたとされる)ジャパンライフの山口隆祥元会長とは、政治活動の一環で食事や面会も一切ないのか。
「長年の慣行のなかで行われて・・・ 
●「説明責任果たせ」 国会閉会、開き直る政権に怒りの声 12/9
「桜を見る会」の真相にベールがかぶせられたまま、臨時国会が9日閉会した。公私混同が疑われる問題について、公文書が捨てられ、にもかかわらず「今後とも丁寧な説明をさせていただきたい」(菅義偉官房長官)と開きなおる――。モリカケ問題から繰り返される光景に、市民から憤りの声があがった。
「すべてを明らかに」。東京・永田町の官邸前には9日夜、30人ほどが集まり、抗議活動をした。
川崎市の会社員伊藤真由美さん(42)は「税金の私物化が目に余る。首相の国会答弁を聞いても、説明責任を果たしているとは到底言えない」と語った。
東京都練馬区の放課後等デイサービス職員、守屋真実さん(61)は、野党議員から開示請求があった当日、内閣府の名簿が廃棄されていたことについて「政権のモラルの無さと、良心を失ってしまったかのような官僚の対応、それらを許してしまっている国民の無気力さが残念」と話した。
菅官房長官は当初「首相枠、政治枠という特別なものはありません」と、事実と異なる説明をしていた。11月中旬、安倍晋三首相は桜を見る会について「国会から求められれば、説明責任を果たすのは当然」と語った。しかし与党は予算委員会の開催要求に応じず、国会規則を無視した。
法学者や政治学者らで作る「立憲デモクラシーの会」は9日会見し、こうした姿勢が「社会に絶望とシニシズム(冷笑主義)をもたらしている」(西谷修・東京外語大名誉教授)と懸念した。「正論を積み重ねてもダメだと無感覚になっていく」  
●桜を見る会の説明は2分 安倍首相の説明責任、どこへ 12/10
9日に閉会した臨時国会は、閣僚の連続辞任や、安倍晋三首相の公私混同が指摘された「桜を見る会」の問題など、2カ月余りの会期で不祥事や疑念が続発した。だが、与党は野党が求めた事実解明のための審議などに十分応じず、政権への打撃回避を優先した。
9日夜、首相官邸であった記者会見。臨時国会で浮上した疑念に対する首相の説明は、それまで述べてきた内容をなぞる素っ気ないものだった。
記者団が「桜を見る会は、後半国会の大きな焦点となった。野党は税金の私物化だと批判を強めている」と質問すると、首相は手元のメモに目を落としながら語った。「長年の慣行のなかで行われてきたところだが、招待者の基準があいまいであり、結果として招待者の数がふくれ上がってしまった」
約30分の会見のうち、桜を見る会についての説明は約2分。幹事社による質問に1回答えただけだった。朝日新聞の記者は手を上げ続けたが指名されなかった。
首相は会見で「国民の皆様から、様々なご批判があることは十分に承知をしております」とも述べた。だが、国会では最後まで、野党などが指摘した疑念に具体的に答えなかった。
同会をめぐっては、11月8日の参院予算委員会で共産党が、首相が地元有権者を多数招待しているなどと公私混同ぶりを追及した。さらに、会の前日に首相の後援会が都内で開いた夕食会をめぐる会計処理のあり方や、反社会的勢力とみられる人物の出席、オーナー商法で行政指導を受けていたジャパンライフの元会長が招待されたことなど、疑念が次々と噴出した。
野党は、首相の妻昭恵氏が招待・・・ 
●桜を見る会「もちろん反省している」菅氏、調査は考えず 12/10
菅義偉官房長官は10日午前の閣議後会見で、「桜を見る会」の招待者数が安倍政権下で増え続けてきたことへの認識を問われ、「もちろん反省している」と述べた。一方で、会の問題について「新たな調査を行うことは考えていない」と従来の立場を繰り返した。
「反省点」を問われた菅氏は、「長年の慣行を続ける中で、私どもの政権の期間が長くなるにつれ、招待者の方も多くなった。国民のみなさんに理解いただく方向に持っていきたい」と述べた。事実解明と検証の必要性を問われ、「国民のみなさんに説明しきれない問題点が指摘されているわけで、そこを中心に理解をいただけるよう対応を取る」と話したものの、検証については明言を避けた。
また政府は同日、名簿について「復元することは考えていない」とする答弁書を閣議決定した。立憲民主党の中谷一馬衆院議員の質問主意書に答えた。中谷氏は公文書をすべてデジタル化し、永久保存する考えについても尋ねたが、公文書管理法に基づく運用をしているとして「考えていない」とした。
会見での主な質疑は次の・・・  
●テレ朝、報ステでおわび 自民世耕氏、放送前にツイート 12/11
テレビ朝日は11日夜、「報道ステーション」が前日に安倍晋三首相主催の「桜を見る会」のニュースを報じた際、自民党の世耕弘成参院幹事長の発言の取り上げ方について、「誤解を招く表現」があったとし、アナウンサーが世耕氏と視聴者に向けおわびした。世耕氏はツイッターで番組を繰り返し批判し、テレ朝との交渉内容も明かす異例の投稿をしていた。
前日の放送は、「桜を見る会」の疑惑への追及に対し、ナレーションで「与党内は早くも年越しムード」があると指摘。VTRの最後に、世耕氏が会見後に「(総理は)説明できる範囲はしっかり説明をした」と発言した部分を紹介。続けて、「(年内の定例会見は)いつまでやるんですか?」との問いに、笑いながら「もう良いお年をというか……」と話す場面を流した。
11日の放送の説明では、「良いお年を」の発言は、会見終了後の発言で、内容も今後の会見予定について述べたもので「桜を見る会」とは直接関係ない発言だったとし、富川悠太アナウンサーが「放送ではその説明が丁寧ではありませんでした」と述べた。
政治とメディアの関係に詳しい駒沢大の逢坂巌准教授は、世耕氏の会見後の発言の引用については「許容範囲だ」と指摘する。「会見は終わっていたとはいえ、政治家が公の場でした発言。与党が年越しムードにあることを伝える文脈では許される」。一方で引用した場面についての説明不足があったことは否めないとも指摘。「脇の甘い編集につけ込まれて謝罪に追い込まれ、記者会見前後の様子を伝えてはいけないかのような状況になってしまった。報道できるファクトの範囲を自ら狭めてしまった印象だ」と語った。
一方、世耕氏は、10日の放送直後からツイッターで「切り取りは酷い。私は定例記者会見が終わった後、今日の会見が今年最後になるかもしれないという意味で『良いお年を』と言っただけなのに、それを桜を見る会と絡めて、問題を年越しさせようとしているかのように編集している。印象操作とはこのことだ」などと批判していた。
11日夕方には、「テレビ朝日報道局長が幹事長室に来訪し、謝罪があり」、「番組内で何らかの対応をする」と、テレ朝の謝罪を、この日の放送前に予告する異例の投稿を行い、「放送内容を見て、謝罪を受け入れるか判断します」ともしていた。
この件について、テレビ朝日広報部は朝日新聞の取材に「相手があるので、答えは控える」と回答した。 
●「明細書は7年保存、再発行も」 夕食会会場のオータニ 12/11
「桜を見る会」前日に安倍晋三首相の後援会が主催した夕食会をめぐり、会場となった「ホテルニューオータニ」(東京都千代田区)では、パーティーなどの催しの際、事前に見積書、事後に明細書を発行し、7年間保存していることがわかった。要望があれば再発行もしているという。
広報担当者が11日、朝日新聞の取材に応じた。首相はこれまで、明細書について「ホテル側から発行はなかった」と説明していた。ホテル側は取材に対して、「桜を見る会」前日の夕食会の明細書の有無などについては「個別案件には答えられない」とした。
菅義偉官房長官はこれまでの記・・・  
●夕食会の明細、菅氏も「ホテルから発行なし」桜を見る会 12/11
「桜を見る会」前日に安倍晋三首相の後援会が主催した夕食会をめぐり、菅義偉官房長官は11日午前の記者会見で、会場となった東京都内のホテルに改めて明細書の再発行を求める考えはないかと問われ、「ホテル側から発行はなかった」と従来の説明を繰り返した。
菅氏は会見で「首相がすでに国会で答弁している」としたうえで、首相の事務所がホテル側と相談した結果として「明細書などの発行はなかった」と述べた。ホテル側からは「営業の秘密に関わることから、公開を前提とした資料提供には応じかねる」との説明があったとも話した。
会費1人5千円で行われた夕食会をめぐっては「会費が安すぎる」などと会計処理に疑問の声があがっている。野党の「桜を見る会」追及本部は11日、今井雅人衆院議員(無所属)らがホテルを訪問し、宴会などの担当者と面会。今井氏はホテル側の発言を紹介する形で「見積書・明細書は7年保存し、主催者から要望があれば再発行にも応じるとのこと」と記者団に説明した。  
●「酷い裏切り」 12/12
まず、毎日新聞社を讃(たた)えたい。11月20日夜に中華料理屋で開かれた安倍首相と官邸キャップの食事会「キャップ懇」、毎日新聞社だけが呼ばれてもいかなかったという。
当たり前だろう。なにしろ、安倍首相は「桜を見る会」で権力の私物化を叩(たた)かれている真っ最中なのだから。
「官邸キャップ」といえば、全国紙、通信社、NHK、民放の20社弱の内閣記者会加盟社、官邸詰めのエース。その社の顔だ。
キャップ懇は半年に一度くらいの割合で開かれるというが、なんで今、この時期にメディアの中枢が安倍首相から誘われてのこのこ参加しているのか?
ぽろぽろあげられる週刊誌報道によれば、2日前に安倍首相の号令で開催が決まり、各社のエースが呼び出され馳(は)せ参じ、首相にヨイショする記者もいたらしい。
これって読者や視聴者に対する、酷(ひど)い裏切りだと思う。
「桜を見る会」について、まだ「なにが悪いかわからない」といっている情弱な人もいるが、報道機関の人間がそんな風に思っているはずはなかろう。
「桜を見る会」は、安倍首相や自民党議員が、自分の地元の後援会員などを多数招待していた。つまり、わかりやすい安倍首相や自民党議員の公的行事の私物化、権力の私物化だ。
反社会的勢力(反社)とみられる人間が出席し、詐欺的商法で一儲(もう)けしたジャパンライフの幹部も招待されていたとみられる。税金で招待である。
でもって、そのことが公になると、必死のうそでとりつくろおうとした。菅義偉官房長官が、反社の定義はないといってみたり(2007年に政府が定義)、昭恵夫人の招待枠はないといってみたり(あった)。安倍首相が、招待者のとりまとめに関与していないといってそのあとすぐしていたことがバレたり。
共産党の議員が招待客について触れてすぐ、招待名簿を廃棄した。たまたまシュレッダーが空いていたから廃棄したという理由で押し通そうとしたが、その後、問題のシュレッダーはそんなに混み合ってなかったと判明した。てかさ、文書は国民のものだろう。そんな軽々しく廃棄したりしていいものか?
なんだかもう、この国のトップの人たちがやってること、馬鹿馬鹿しくて馬鹿馬鹿しくて。
マジでいかれてるって思う。安倍政権のズルやうそを誤魔化(ごまか)すためなら、もうなんでもありなんだな。
よくまぁ、招待範囲が、「皇族、元皇族」「各国大公使等」などとなっている中に、詐欺師や反社の人間を入れたよ。毎年、跳ね上がる「桜を見る会」の経費、言い訳として警備費ってずっといってたんだけどな。
すべてデタラメ。この中に真実があるとすれば、安倍政権にとっては、詐欺師や反社の人たちも、自分を応援してくれる人は仲間ってことよ。そして、多くのメディアの人たちは、自分もその仲間に加わりたい。良いか悪いかの判断なく。 
●桜を見る会「時間割かれている」 安倍首相、講演で謝罪 12/13
安倍晋三首相は13日、東京都内で開かれた内外情勢調査会で講演し、「桜を見る会」をめぐる問題などについて、「国会では政策論争以外の話に多くの審議時間が割かれている」と述べた。国民への謝罪という形だったが、野党が首相の追及に注力することへの批判とも受け取れる発言として、反発も出ている。
首相は9日に閉幕した臨時国会をめぐり、「この1カ月、桜を見る会について議論が集中した」と言及。さらに、最近の国会審議を振り返る形で「一昨年と昨年はモリカケ(森友・加計学園)問題。今年の春は(厚生労働省の)統計(不正)問題。この秋は桜を見る会」と列挙した。
いずれも首相夫妻や首相秘書官など周辺の関与が疑われ、国会で追及を受けた問題だが、「政策論争以外の話に多くの審議時間が割かれている」と表現。そのうえで、「国民のみなさまに大変申し訳なく思っている」と謝罪した。
臨時国会では、野党は「桜を見・・・  
●桜を見る会「調査の必要ない」 説明責任を負う側なのに 12/17
首相主催の「桜を見る会」をめぐり、政府は17日の衆院内閣委員会理事会で、立憲民主党など野党が質問した8項目に回答した。ただ、政府の説明は、これまでの繰り返しにとどまる事実上の「ゼロ回答」。野党が求めた追加調査も拒み、実態解明に消極的な姿勢が際立った。
理事会は、安倍晋三首相の公私混同が指摘された「桜を見る会」について、先の臨時国会で解明が進まなかったことを踏まえ、野党の求めで開かれた。約1時間で、非公開だった。
野党側は、オーナー商法で行政指導されたジャパンライフの元会長に届いたとされる招待状にあった受付票番号「60」について、「首相推薦枠か」と質問。野党側の説明によると、政府側は「実務を振り分けるため便宜的につけている。それ以上、調査する必要がない」と答えたという。
野党側は実務担当者への確認を求めたが、政府側は「必要は感じていない」「(担当者の)記憶を呼び起こすようなことはいかがなものか」などとして拒んだという。
廃棄したとされる今年の招待者名簿の電子データについては、廃棄時の端末ログの提出を求めたのに対し、政府は「業者に協力をお願いしてやれば実務的には可能」としながら「担当者の聞き取り以上の調査を行う考えはない」とした。
野党統一会派の今井雅人衆院議・・・  
●「国会否定だ」野党、政府に反発 桜を見る会閉会中審査 12/17
閉会中の閑散とした国会議事堂の中で17日午後、野党議員の怒りの声が響いた。
「あまりにもひどい。これは立法府に対するぼうとくだと思いますよ」
「調査を拒否するというのは、国会の存在を否定するに等しい」
首相主催の「桜を見る会」に関する問題をめぐり、同日午前の衆院内閣委員会理事会を受けて開かれた野党の追及本部。同理事会は国会開会中でなくても国政を議論できる「閉会中審査」として開かれたが、政府は野党からの調査要求に対して「必要はない」と回答。非公開の理事会でたまった怒りをぶつけるかのように、野党側は公開の場である追及本部で政府側を厳しくただした。
「60は総理枠なのか」
多くの消費者被害を出したジャ・・・ 
●桜を見る会、政府回答は従来通り 野党「誠意ない」 12/17
首相主催の「桜を見る会」を巡り、政府は17日の衆院内閣委員会理事会で、野党側が報告を求めた8項目の質問に回答した。招待の手順や招待者名簿の廃棄などについて、政府は従来の説明を繰り返した。野党側は「誠意がない」として再回答を求める方針だ。
同理事会は国会閉会後も「桜を見る会」について政府に説明を求める必要があるとして与野党が開催に合意。野党側の質問に政府が答えることになっていた。
野党側の説明によると、招待区分「60」を巡り、野党側の「総理推薦枠なのか」との質問に政府側は具体的に答えず「調査の必要はない」と回答。招待者名簿の電子データ廃棄の端末ログの調査要求に対しては「担当者の聞き取り以上の調査をするつもりはない」などと回答したという。
野党統一会派の今井雅人衆院議員(無所属)は理事会後、「立法府の照会に対し、誠意ある回答ではない」と述べた。23日には参院でも内閣委員会理事会が開かれ、政府が回答する。 
●桜を見る会 許されぬ政権の居直り 12/19
国民の代表として行政監視機能を担う国会議員の質問を、あまりにも軽んじていないか。疑惑にほおかむりする政権の居直りとしか言いようがない。
首相主催の「桜を見る会」をめぐり、衆院内閣委員会の理事会が開かれた。臨時国会は終わったものの、この問題の幕引きを許すまいという野党が提出した質問状に政府が答えたが、事実上の「ゼロ回答」だった。実態解明に本気で取り組む気があるとはとても思えない。
オーナー商法で行政指導を受けたジャパンライフの元会長宛ての招待状に同封されていたとされる受付票には、「60」という区分番号が記されていた。首相の推薦枠を示す数字ではないかと見られているが、政府の回答は「調査する必要がない」。実務担当者への確認を求められても「その必要は感じない」。
紙の招待者名簿は、共産党議員が資料請求した直後にシュレッダーにかけられた。意図的な隠蔽(いんぺい)かどうかを見極めるうえで、電子データの廃棄時期は重要な情報だ。政府はコンピューターの履歴の確認は実務的には可能だとしながら、担当者からの聞き取りで、ある程度の日にちがわかっているとして、履歴の調査は行わないと答えた。
政府の不誠実極まる対応は、野党議員が提出した質問主意書への答弁書も同様だ。安倍首相とともに桜を見る会に出席している妻の昭恵氏について、日当など公費の支出や公用車の使用を尋ねたところ、「(質問の)意味するところが明らかではない」などとして、回答は「困難」とした。はなから答える気がないとしか思えない。
大本に、説明責任から逃げ回る首相の存在があることは間違いない。首相は先週の講演で、森友・加計問題、統計不正、桜を見る会を列挙し、「この3年ほど、国会では政策論争以外の話に審議時間が割かれてしまっていることを、大変申し訳なく思っている」と語った。陳謝の体裁はとっているものの、政権がまいた種で、自らが納得の得られる説明をできていないことに原因があることを考えると、あまりに人ごとの言いぶりだ。
森友学園への国有地売却をめぐっては、大阪高裁がおととい、一審の大阪地裁より踏み込んで、国の情報不開示を違法と認める判決をくだした。桜を見る会をめぐる一連の対応を見ていると、不都合な情報を隠したがる政府の体質は全く変わっていないと言わざるを得ない。
首相が来年の通常国会で、実のある政策論争を実現したいと本気で考えているのなら、国会の閉会中審査に応じるなど、まずは現下の桜を見る会の問題に正面から取り組むべきだ。 
●内閣支持率38%、不支持が1年ぶりに上回る 世論調査 12/23
朝日新聞社は21、22日、全国世論調査(電話)を実施した。安倍内閣の支持率は38%で、11月の前回調査の44%から下落した。不支持率は42%(前回36%)だった。不支持率が支持率を上回ったのは2018年12月以来1年ぶりで、支持率が4割を切ったのは同年8月以来となる。
首相主催の「桜を見る会」について、安倍政権が招待者の名簿を廃棄し、復元できないとしたことに、「納得できない」は76%で、「納得できる」の13%を大きく上回った。自民支持層でも、「納得できない」は66%だった。
調査は、コンピューターで無作為に作成した固定電話と携帯電話の番号に調査員が電話をかけるRDD方式で実施。計1980人から回答を得た。 
●「次の総裁は大変だ」首相の真意は 菅氏「来年は政局」 12/23
臨時国会の閉会が迫る12月4日夜、東京・南青山の日本料理店。安倍晋三首相は自民党の岸田文雄政調会長、野田聖子元総務相ら当選同期との宴に顔を出した。月5千円を各自が積み立て、1年を締めくくる恒例行事。話はおのずと「ポスト安倍」に及んだ。
「石破さんと一騎打ちになったら、負けるよ」。野田氏は隣に座る岸田氏に、その場にいなかった石破茂元幹事長との自民党総裁選を予想してみせた。
事実上の首相選びとなる総裁選は、「国会議員票」と党員・党友による「地方票」とで決する。首相が「後継」に目しているとされる岸田氏だが、これまで三度総裁選に挑んだ石破氏に地方票で圧倒されれば議員票も流される――。野田氏の念頭には、そんなシナリオがあった。
国会議員の勢力図では、岸田氏優位の見方は動かない。40人を超す本流派閥・岸田派を率い、麻生太郎副総理兼財務相ら実力者も「岸田推し」とみられている。
だが、首相は公私混同が指摘される「桜を見る会」の問題などで批判にさらされ、内閣支持率も下落傾向だ。首相と距離を置く石破氏は、「色々な疑問を払拭(ふっしょく)することが重要だ」と訴える。首相からの「禅譲」路線の色合いが強まる岸田氏に、いまの安倍政権のありようがどう影響するか、見通せない部分もある。
「苦労をかけるね」。首相は同・・・  


 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
  

 

●毎日新聞 
●安倍内閣支持6ポイント減 桜を見る会「問題」65% 12/1
毎日新聞が11月30日と12月1日に実施した全国世論調査によると、安倍内閣の支持率は42%で、10月の前回調査から6ポイント減った。不支持率は35%。税金を使って開く「桜を見る会」に安倍晋三首相の地元後援会関係者らが多数、招待されていたことについて「問題だと思う」との回答は65%で、「問題だとは思わない」の22%を上回った。また、「桜を見る会」に反社会的勢力の関係者が参加していたと指摘されていることについて、誰の推薦でどのような人物が招待されていたのか、政府が「明らかにすべきだ」は64%、「明らかにする必要はない」は21%だった。
○調査の方法 11月30日と12月1日の2日間、コンピューターで無作為に数字を組み合わせて作った固定電話と携帯電話の番号に調査員が電話をかけるRDS法で調査した。固定では、福島第1原発事故で帰還困難区域などに指定されている市町村の電話番号を除いた。固定は18歳以上の有権者のいる799世帯から489人の回答を得た。回答率61%。携帯は18歳以上につながった番号578件から472人の回答を得た。回答率82%。
●桜を見る会「名簿廃棄は障害者職員」 首相が属性公表、批判殺到 12/4
首相主催の「桜を見る会」の招待者名簿を、野党議員が資料要求した直後に内閣府が廃棄した問題で、安倍晋三首相は名簿を廃棄したのが「障害者雇用職員」だったと2日の参院本会議で明らかにした。4月の「桜を見る会」終了後、すぐに廃棄しなかった理由の一つとして挙げたが、インターネット上では「障害者と公表する必要はない」と批判が相次いでいる。
首相は参院本会議で名簿を廃棄した経緯について「シュレッダーの空き状況や、担当である障害者雇用の短時・・・.
●桜を見る会「国民は理解しつつある」って……自民党さん、それホント? 12/5
「理解」って何だっけ? 思わず手元の辞書を引きたくなった。次々に疑問が飛び出す例の「桜を見る会」について「国民は理解しつつある」といった発言が自民党幹部から相次いでいるのだ。「首相枠」「前夜祭」「消えた招待者名簿」「マルチ商法企業とのつながり」などなど、謎は深まる一方なのに。その「理解」、ぜひ教えてほしいのですが……。【吉井理記/統合デジタル取材センター】
「ほぼ皆分かっただろう」
始まりは3日、自民党の二階俊博幹事長の記者会見での発言だった。
前日の参院本会議。安倍晋三首相が「桜を見る会」を巡る自身の「疑惑」に対し「適切であった」「問題なかった」という趣旨の答弁を繰り返した。二階氏はどう感じたか?
「(疑問点を巡る議論が)尽くされたという人もいるし、尽くされていないという人もいるでしょうけれども、この件については、大体こういうことであったというのがほぼ皆に分かっただろうと思います」
「?」をおさらい
ちょっと待ってほしい。
会を巡る疑問の一端である。まず「消えた招待者名簿」。野党議員が会に関する資料を内閣府に要求した1時間後に、その内閣府が名簿をシュレッダーにかけたのは、内閣府が言う通り「偶然」なのか。招待者関連の資料が電子データまで含めて残っていないなんて、あり得るのか。
次に「私物化」と批判される首相らの会の「招待枠」だ。誰が、誰を、なぜ招いたのか。マルチ商法が社会問題となり、強制捜査を受けた「ジャパンライフ」元会長、山口隆祥氏も「首相枠」あるいは「官邸枠」で招かれた疑惑も浮上しているのだ。
そして「桜を見る会」前日に開かれた首相後援会主催の「前夜祭」もある。首相の政治資金収支報告書に全く記載がないこのイベントにも不自然さがつきまとう。「(会場のホテルから)費用の明細書などの発行はない」「(2時間弱のホテル滞在中)飲食はしていない」という首相の説明、企業の常識や社会通念では考えにくい。本当に政治資金規正法などの法律違反はなかったのか。
今度は「国民理解しつつある」
これらがどう「分かった」というのか。二階幹事長の発言に首をひねりつつ迎えた翌4日。続きがあった。今度は自民党の森山裕国対委員長である。
森山氏は、首相の2日の答弁などに触れて「議論を重ねてきた」「国民の理解もいただきつつあるのではないか」と記者団に述べたのだ。
「広辞苑」によると、「理解」とは「物事の道理・・・.
●内閣府「データが消えるようになっているのではない」 「桜を見る会」 12/5
首相主催の「桜を見る会」を巡る問題で、野党の追及本部は5日、政府側にヒアリングを行った。招待者名簿の電子データ削除や、ジャパンライフと安倍晋三首相の関係について、政府の見解を求めた。主なやりとりは以下の通り。【江畑佳明、吉井理記/統合デジタル取材センター】
「バックアップは8週間以内で消える、はどこにも記載ない」
黒岩宇洋衆院議員(立憲民主) 前回に出していた宿題から聞きたい。
酒田元洋・内閣府官房総務課長 (電子データ化されたファイルを保存する)シンクライアントシステム導入・・・.
●桜を見る会「昭恵氏枠は143人」 共産党がSNSたどり7年間集計 12/5
共産党は4日、2013〜19年の7年間、「桜を見る会」に、安倍晋三首相の妻昭恵氏の「推薦」で累計143人が招かれていた可能性があることを明らかにした。昭恵氏らのインターネット交流サービス(SNS)などを独自分析し、集計したとしている。
共産党の清水忠史衆院議員が、野党5党による追及本部で示した。同党がSNSをたどったところ、昭恵氏に招か・・・.
●桜を見る会 「支持者に利益還元」何が悪い? 12/6
桜を見る会の問題は、その膨れ上がる予算への疑義から、後援会支持者への優遇、反社会的勢力の招待、疑惑が生じてからの参加者名簿の破棄など新たな問題、疑義が芋づる式に広がり、国政の重大な問題となっています。この問題の発掘と拡散に貢献した共産党の田村智子議員が述べるように、「税金を使った公的行事を後援会行事に作り替え」、「選挙に向けたおもてなし」としてこの行事が「私物化」されたとの指摘は正当でしょう。
政治プレミアで議論する話題としては巨大になり過ぎている感もありますが、日本の民主主義に関わる重要な論点を含んでいると考え、今回意見募集の対象として取り上げることとしました。
国の予算で特定の人々に利益供与が可能な仕組み
今回の問題が大きくなった根本には、政権が指名した人々を国の予算で歓待できるという桜を見る会の仕組みがあります。ここに著名人、芸能人に加えて首相や自民党議員の個人的な支持者、後援会員、資金提供者が入り込み、問題が根深く複雑になったわけです。
このような仕組みがあるおかげで、国の予算で容易に支持者に利益を供与できることになります。無料で歓待を受けるだけでなく、首相との近さをアピールできる、社会的信用を獲得するなど、参加者が得られる利益はさまざまです。これにより歓心や票、政治資金を得られるのであれば参加者と政治家の利害は一致します。国の予算を使えるので、そもそも「害」は小さいでしょう。
ただ、ここで考えたいのは、こうした形で行うような事実上の支持者への利益供与や政治家の選挙運動はどこまで許されるのかという点です。広く見渡せば、公職に就いた政治家が主体となり、国や自治体の予算を用いて支持者に事実上の利益配分を行ったり、自分たちの選挙運動を行ったりするようなことは数多く見つけることができます。
田村議員は、桜を見る会は「会の趣旨が変わってきている」とし、元々の「功労・功績を認められて省庁から推薦される正規のルート」からの参加者であれば認める立場のようです。このような「正規化」により今回問題視されたような露骨な支持者優遇は排除されるかもしれません。しかし、こうした行事にその時の政権に近い有力者、有識者がより多く呼ばれることに変わりはないでしょう。
支持者への利益還元が期待される政権交代
この点を考えなければならない理由としては政権交代があります。誰かの支持を受け、政権に就いた際に支持層に利益を還元するのが政党の使命だとすれば、政権獲得時に支持層優遇と取られる判断を行うことは避けられません。政権与党が支持者に利益を還元すること自体、政権交代と民主主義の自然な帰結です。
仮に共産党政権が誕生すれば、桜を見る会の人選も自公政権と同じになるはずはないでしょう。もし共産党議員が自公政権と変わらない政権寄りの著名人や資産家と付き合いだとしたら、それこそ政権交代の意味はなく、同党支持者は選挙と民主主義に期待しなくなります。
政権交代を前提として見た場合、桜を見る会に限らずに政権運営の公私の境界は曖昧です。それどころか、支持者への利益還元という意味で積極的に「公」の「私物化」が求められている側面もあります。無定見に政権運営の「私物化」を批判すれば、政権交代後により些末(さまつ)な判断、選択について「私物化」批判にさらされるでしょう。田村議員が「正規ルート」で公私を線引きしたのは、おそらくこれを予見したためでは……というのは邪推でしょうか。ただ、「正規ルート」であれば桜を見る会に問題が生じないわけではないでしょう。
政治家の公的リソース利用についてコメント募集
仮に桜を見る会が廃止となったとしても、政治家による国や自治体の予算を用いた事実上の利益供与や選挙運動の類は日本全国に無数にあります。今回の問題は、そうした事例に目を向ける好機です。
そこで今回の意見募集でも、桜を見る会の問題とその是非に限定せずに、そうした身近な例なども含めてコメントいただければと思います。
たとえば、市で大規模なイベントを開き、記者会見や開会式などの場で市長がテレビカメラに納まるようなことはよくあります。これを公職の当然の役割とするか、自身の認知度向上のためにイベントを利用していると捉えるか、いろいろな意見があると思います。
あるいは、観光協会が共催、協賛した祭りの開会式で地元県議にあいさつの場を提供するような例はどうでしょうか。関係者の中に次に議員になりたい人がいるのではないのかと勘繰りたくなりますが。
●桜を見る会「60」は総理枠?担当者聞き取りは「どうするのかを検討中」 12/6
首相主催の「桜を見る会」の問題を巡り、野党の追及本部は6日、政府側へヒアリングを行った。ジャパンライフの山口隆祥元会長へ招待状が届いた経緯や、廃棄されたとされる名簿のバックアップデータの扱いなどについて質疑応答があった。主なやりとりは以下の通り。
データ廃棄日「7日から9日ということで十分」と内閣府課長
黒岩宇洋衆院議員(立憲民主) 電子データ破棄に関わる端末のログの調査について。これは何度も聞いているが、難しいのか。
酒田元洋・内閣府総務課長 この点については、繰り返しの答弁で申し訳ありません。我々、きちんと担当職・・・. 
●桜を見る会 内閣府「論理破綻」の内幕 名簿廃棄後も復元試みず 12/8
今年の「桜を見る会」を巡って、内閣府が野党議員による資料要求の直後に廃棄した招待者名簿について、バックアップ(予備)データからの復元を試みなかったことが問題視されている。名簿が廃棄されたのは、内閣府の担当部署間で資料要求の情報が共有されなかったことが原因。有識者は「資料要求の時点で廃棄を止めなければならず、廃棄したとしても復元しないといけない」と指摘している。
桜を見る会は4月13日に安倍晋三首相が主催した。招待者名簿の保存期限は「1年未満」で、内閣府は「会・・・. 
●「桜を見る会」疑惑 安倍政権こそ「悪夢」そのもの 12/8
総理大臣主催の「桜を見る会」の疑惑は、安倍晋三氏のもくろみとは裏腹に、一向に収束する兆しを見せない。違法薬物所持による芸能人の逮捕でニュースや情報番組は一斉にそちらに傾くと思いきや、まさかの検査陰性という事態になって材料が乏しくなったのか、あるいはそれが追い付かないほど次から次へウソと新たな疑惑が浮かび上がってきて、この騒ぎは来年まで尾を引きそうだ。
それも、この案件は関係者が安倍夫妻、副総理、官房長官、内閣府、自民党関係者、安倍晋三後援会、ホテル・・・  
●桜を見る会「次々と国民の信頼を裏切る事態」 野党の会期延長動議 12/9
立憲民主党など野党4党は国会会期末の9日午前、大島理森衆院議長に40日間の会期延長を申し入れた。申し入れ後、立憲の安住淳国対委員長が読み上げた「会期延長を求める動議」は以下の通り。
本年10月4日に召集された第200臨時会は、本日で67日間の会期を終える。
この臨時会では、経済産業相・法相の2人の主要閣僚が自らの政治資金の問題で辞任した上、多くの大学受験生に不安を与えていると野党が強く指摘した英語民間試験の導入が延期されるなど、政府の方針変更や不祥事が相次ぎ、政権への信頼が大きく揺らぐ事態に至った。
さらに国会終盤では、首相主催「桜を見る会」に関して、次々と国民の信頼を裏切る事態が惹起(じゃっき)・・・  
●野党4党、国会40日間延長申し入れ 「桜を見る会」審議求め 12/9
立憲民主党など野党4党は国会会期末の9日、大島理森衆院議長に対し会期の40日間の延長を申し入れた。首相主催の「桜を見る会」を巡る問題などを審議することを求めた。
申し入れ後、立憲の安住淳国対委員長は記者団に「国民への説明責任を放置している。このまま国会を閉じることは、行政監視機能を放棄することになる」と述べた。  
●「桜を見る会」沈静化ねらう政権 年末年始で「忘れてほしい」? 12/9
現在開かれている臨時国会については政府・与党は会期を延長せず、予定通り9日に閉会する方針です。一方、野党は40日間の延長を求めています。
国会は政府提出法案がどれだけ成立するかが焦点です。野党にとっては政府提出法案を成立させないことが得点になります。
会期を延長すれば法案が成立しやすくなるので、通常は野党は延長には反対する立場をとります。一方で政府・与党が会期を延長することは珍しくありません。最近の臨時国会では2016年9月26日開会の臨時国会が当初予定の66日間から17日間、延長されました。
今回のように野党が延長を求めるのは異例のことです。
理由はいうまでもなく、桜を見る会をめぐる攻防です。
国会が閉会してしまえば、野党は安倍晋三首相や閣僚に対して質疑をし、追及する機会を失います。関係者を参考人などで国会に呼ぶこともできなくなります。
「閉会中審査」といって国会閉会中にも委員会審議を行うことはできますが、政府・与党はなかなか応じません。
「桜を見る会」をめぐっては政府・与党はかつてない苦境にあり、防戦一方です。野党が国会を延長したい理由のそのまま裏返しで、政権は一刻も早く国会を閉じたいのです。
そして年末年始を越せば、年が変わって「世間の雰囲気も変わる」ことを期待しているのです。
臨時国会の閉会から、来年1月の通常国会開会までの時間が空けば「国民が忘れてくれないか」と思っているのです。  
●桜を見る会「私自身の責任で招待基準を明確化」 安倍首相会見 12/9
安倍晋三首相は9日、臨時国会閉会を受けて記者会見した。約33分間の記者会見のうち、冒頭13分で臨時国会の成果を強調。質疑応答は約20分で、「桜を見る会」を巡る質問には従来通りの説明を繰り返した。主な内容は以下の通り。
本日、臨時国会が閉会した。この国会では米国との貿易協定が承認された。国益にかなう結果が得られたと考えている。
本年発効したTPP11(環太平洋パートナーシップ協定)、欧州とのEPA(経済連携協定)もあわせれば・・・ 
●菅官房長官 「説明足りないとも思う」「国民から理解されていない」 12/9
菅義偉官房長官は9日の記者会見で、首相主催の「桜を見る会」について、「(さまざまな問題で)納得されていない方がたくさんいる。説明の仕方が足りないとも思う」との認識を示した。その上で「今後とも懇切丁寧に説明をさせていただきたい」と述べた。
菅氏は6日の記者会見で、桜を見る会について「(説明責任は)果たしていると思う・・・ 
●公明・山口代表、升酒乾杯で「迷惑かけた」 桜を見る会めぐり陳謝 12/9
安倍晋三首相主催の「桜を見る会」を巡り、公明党の山口那津男代表が9日にあった同党の両院議員総会で「私も首相と升酒を乾杯する映像が(テレビなどで)繰り返し流れ、皆さんにご迷惑をおかけした」と陳謝する場面があった。
近年の桜を見る会では、首相と山口氏の2人が閣僚らより1段高い壇上に上がり、升酒を掲げて乾杯するのが慣例となっていた。山口氏は両院総会で「首相も言うように反省すべき点はある。おごりや緩みが表れたと国民に映らないよう襟を正す必要がある」と呼びかけた。  
●桜を見る会は“安倍政権固有の問題” 「慣行」強調に違和感 12/10
首相主催の「桜を見る会」を巡り、菅義偉官房長官は10日の記者会見で、安倍晋三首相や自身の推薦による招待者が増えていた問題について「もちろん反省はしています」と述べた。しかし、首相も菅氏も、問題点を認める前には「長年の慣行」と決まり文句のように強調する傾向が強い。首相が自身の後援者を多数招待したのは安倍政権固有の問題のはず。「長年の慣行」を繰り返すことで「反省」の本気度が疑われそうだ。
首相は9日の記者会見で、桜を見る会について「国民の皆様から、さまざまなご批判があることは十分に承知・・・  
●「反社会的勢力、定義するのは困難」答弁書閣議決定 12/10
政府は10日、「反社会的勢力」の定義について「その時々の社会情勢に応じて変化し得るものであり、限定的・統一的な定義は困難だ」とする答弁書を閣議決定した。政府による「反社会的勢力」の過去の使用例と意味については「政府の国会答弁、説明資料などでの使用のすべての実例や意味について、網羅的な確認は困難」とした。
立憲民主党の初鹿明博衆院議員の質問主意書に答えた。
「反社会的勢力」の言葉を巡っては、公金を使って開催されてきた「桜を見る会」に反社会的勢力が参加していた疑惑が浮上したことを受け、菅義偉官房長官が先月の記者会見で「定義が一義的に定まっているわけではない」と述べていた。
ただ、政府は2007年に策定した「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」でこの言葉を用いている。初鹿氏はこの指針が反社会的勢力を「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団・個人」と定義していることに触れ、「異なる定義があるなら対応を変更する必要が生じかねない」と指摘。これに対し答弁書は「現在、企業は指針を踏まえて取り組みを着実に進めている」と、正面からは答えなかった。 
●桜見る会の「追及終わらせない」 12/10
野党の「桜を見る会」に関する追及本部メンバーは10日、東京・有楽町で街頭演説を行った。臨時国会が9日に閉幕した後も、安倍晋三首相らの追及を続ける姿勢をアピールする狙い。本部長を務める立憲民主党の福山哲郎幹事長は「追及を途中で終わらせるわけにいかない。国会が閉じても調査を続け、来年の通常国会に向けて徹底的に準備したい」と訴えた。
福山氏は、桜を見る会に関し「とんでもないことが起きている。安倍政権が国民の生活ではなく、自分のお友達や仲間、選挙に利用して税金を使う。こんなことを許しておけない」と批判した。  
●「シナリオ」でもあるかのよう… 首相会見に行ってきた 12/10
季節外れの「桜を見る会」に揺れた臨時国会が9日、閉会した。「消えた招待者名簿」「悪質マルチ商法企業とのつながり」などなど、国会は閉じても、疑問は膨らむ一方だ。ならば安倍晋三首相にじかに疑問に答えてもらおう! 毎日新聞の取材班は、聞きたいことをノートに書き連ね、首相官邸の記者会見に乗り込んだ。ところが…。
「乗り込んだ」と書くと勇ましいが、江畑、吉井両記者は、国会議員が事務所を構える議員会館や国会議事堂内での取材経験はあっても、首相官邸に入るのは初めてである。
政治部記者は、官邸取材ができる特別のIDカードを持っているけれど、我々2人は日ごろ、政治から文化、社会まで幅広くデジタル向けの記事を書く部署に所属しており、いわば「部外者」だ。事前に官邸に社名や氏名などを届け出なければならない。ちなみにこの届け出、所定欄にペンで書き込む。官邸の報道担当部署に手書きの用紙をファクスで送信。「手書き」「ファクス」。今や貴重である。
そんなわけで東京・永田町の首相官邸へ。2人は言葉に出さないが、緊張気味である。首相官邸のいくつものセキュリティーチェックやら所持品検査やらを受けつつ、会見場にたどりついた時は、それだけで達成感を感じた。
その会見場。ひな壇には安倍首相が立つ演台と、秘書官らが書いた会見用の原稿を映し出して、首相が読める「プロンプター」と呼ばれる器具が、演台の左右にセッティング済み。読者も、記者会見のテレビ中継で、安倍首相の目線が左右の同じ場所を往復する姿をご覧になったことだろう。これは、左右のプロンプターが映し出す原稿を首相が読んでいるためだ。
用意された記者用の椅子は50〜60人分ほどに対し、出席記者は30人ほどか。最前列から2列目ぐらいまでは官邸取材を担当する内閣記者会加盟の各報道機関の記者用である。
部外者の我々、やや遠慮気味に後列に陣取り、首相を待つ。演台脇には、首相の警備を担当するSPが油断なく目線を会見場に走らせていた。
イヤな予兆は、すでにこの時からあった。会見直前、官邸の報道担当職員がこんな注意をしていたのだ。「時間の都合で・・・ 
●「桜を見る会」で首相擁護 お膝元の下関市長に全国から批判続々 12/11
首相主催の「桜を見る会」を巡り、安倍晋三首相の地元・山口県下関市は11日、記者会見で首相を擁護した前田晋太郎市長の発言に対し、全国から270件を超す批判の声が寄せられたと明らかにした。前田市長はこの日の市議会一般質問で追及を受けたが「間違ったことは言っていない」「謝罪する気持ちはありません」と強気を崩さなかった。
前田市長は安倍首相の元秘書。11月18日の定例記者会見で桜を見る会について「何十年も応援した代議士がトップ(首相)を取って、招待状が届いて、応援してきてよかったなって、いいじゃないですか」などと後援者の招待について持論を展開していた。
市によると、11日正午までにメールや電話などで寄せられた意見は278件。うち272件が批判的な内容で「総理を擁護する市長発言はおかしい」「公職選挙法違反だ」との声もあった。
一般質問で「選挙に貢献した方々について利益供与はあってもいいということになる」と問われた前田市長は「私の発言が平等性がなかったのかは自分では判断しかねる」と答弁。「総理大臣主催ですから、ある程度自分の権限で招待する方々を選んでいくのは当然あることなんだろう」とも語り、繰り返し謝罪の意思を問われても「多くの意見を真摯に受け止める」と述べるにとどまった。  
●「桜を見る会」問題、ストレスに? 午後の菅官房長官会見 12/12
首相主催の「桜を見る会」に関連し、12日午後の菅義偉官房長官の記者会見でも、質問が続いた。「今年の漢字」に「令」が選ばれたこの日。関連して「桜」という文字への感想を問われ、「見たくも聞きたくもない」と苦笑い。「紙媒体」と答えるところを「桜媒体」と言い間違えて回答するなど、この問題が大きなストレスになっているようだ。  
●桜を見る会 福岡市長、5年連続出席 招待理由は「把握せず」 12/12
福岡市は11日、高島宗一郎市長が首相主催の「桜を見る会」に少なくとも今年まで5年連続で出席していたことを明らかにした。また、高島市長は同会の前夜祭にも「時間が合えば参加している」として今年出席したと述べた。開会中の12月定例市議会で山口湧人議員(共産)の一般質問に答えた。
市によると、高島市長は桜を見る会にいずれも公務で出席。具体的な招待理由は「把握していない」とし、招待の推薦者の区分が記された受付票は「当日の受け付けに提出しているため、内容を確認することができない」と説明した。高島市長も「最終的に内閣府がとりまとめて招待状が来るので、どういった形で来たかは分からない」と述べた。
また、前夜祭の会費5000円を自費で払ったとした上で「立食で飲み物とおつまみのようなものがあり立派な食事が出たわけではないので適切かなと思う」と語った。  
●「誤解招く表現」と世耕氏に謝罪 報ステ「桜を見る会」報道 12/12
テレビ朝日は11日夜の番組「報道ステーション」で、10日に放送した「桜を見る会」のニュースの中で自民党の世耕弘成参院幹事長の発言を取り上げた際、「誤解を招く表現」があったとして謝罪した。
10日の番組では「与党内は早くも年越しムード」というナレーションを入れた後、記者会見後の雑談で「(年内の定例会見は)いつまでや・・・  
●桜を見る会「首相は懇切丁寧に説明している」菅官房長官会見 12/12
首相主催の「桜を見る会」に関し、12日の菅義偉官房長官の記者会見でも質問が相次いだ。前日のホテルでの夕食会については、低額な参加費にさまざまな疑念が生じているが、菅長官はこの日も「詳細は承知していない」との答弁を繰り返すだけだった。安倍晋三首相自身による説明を求める声も上がるが、「(既に首相は)懇切丁寧に説明している」として退けた。主なやりとりは以下の通り。
――桜を見る会。首相の夕食会について昨日、見積書や明細が発行されていない点について聞いた。このホテルによると基本的に打ち合わせの際には見積書を作成しているということだが、ホテルの会場は安倍事務所が予約した、と長官は説明した。安倍事務所側がこのような書類は不要だと伝えたので関連書類は発行されなかったのではないかと思うが、この点いかがか。
昨日申し上げましたけれども、夕食会について詳細は承知をしてません。総理が既に国会で答えた通りであり、それ以上でもそれ以下でもないということです。
――首相や官房長官はホテル側の相談過程として、ホテル側としては営業の秘密に関わることから公開を前提とした資料提供に応じかねるというお話がありました。ホテル側に対して、書類の提供を求めたものの、ホテル側から断られたということか。
詳細については承知してません。いずれにしろ、総理がこれについては答弁した事に尽きるのではないでしょうか。
――桜を見る会の前日に、安倍首相の後援会が開いた夕食会というのは、事前にしっかり「いくらでやります」という契約は結ばれていたのか。
承知はしておりません。
――そういった点、契約の内容、当初から総額いくらという契約だったのか、参加人数に応じた契約だったのか、そういった点も長官は把握していないのか。
あの、承知してません。
――説明責任を果たしていくというお考えでしたので、長官が今のお立場でご答弁されるのは難しいと思うので、ぜひ安倍首相に説明いただきたいが、その点はいかがか。
あの、総理自身は答弁されたというふうに思っています。会場費も含めて800人規模であって、1人あたり5000円とすることでホテル側が設定をしたということは述べたというふうに思っています。
――そうすると800人規模。まさに800人ジャストで5000円と。前後、プラスマイナスなくという契約内容だったということか。
詳細については知りません。
――ぜひ詳細について知りたい。内閣府でも長官でもご答弁できないと思うので、安倍首相なり、事務所の方なり、ご説明いただく機会を設けてもらえないか。
あの、総理が今まで説明した通り、それに尽きるんだろうと思います。
――首相が答弁したことを踏まえてもまだなお、少し疑問があるので、こういった声が出ている。それが果たされないといつまでたっても総理の説明が十分理解されないと思うが、その点はいかがか。
あの、国会で、ホテル側と各種段取り相談の中で、出席者の大多数がホテル宿泊者でそうだった、5000円で領収書を渡したということは、懇切丁寧に説明されているんじゃないでしょうか。
――政府は桜を見る会に反社会的勢力が参加していたかどうかを認めていない。その理由の一つとして11月27日の記者会見で「反社の定義が一義的に定まっていない」とおっしゃっている。反社とはおうかがいしないので、2007年の指針に基づいて「暴力団やその関係企業、特殊知能暴力集団など暴力、威力、詐欺的な手法を駆使して、経済的利益を得ようとする集団または個人」が会に参加していたかどうか確認させてください。
これもこれまで申し上げた通・・・  
●ジャパンライフ元店長「桜を見る会案内状、顧客獲得につながった」 12/12
「桜を見る会」を巡る問題について、野党の追及本部は12日、政府側にヒアリングを行った。ジャパンライフの元店長が出席し、山口隆祥・元会長へ届いた桜を見る会の案内状が各地のセミナーで使われ、同社の信用を高めて顧客獲得につながったと証言。また、「反社会的勢力の定義は困難」という答弁書の閣議決定に批判が集まった。主なやりとりは以下の通り。
山井和則衆院議員(無所属) ジャパンライフの東日本の元店長の男性と、被害者の男性の話を聞きます。・・・  
●桜を見る会 菅官房長官「承知していないことは正直に承知していない」 12/13
菅義偉官房長官は13日午前の記者会見で、首相主催の「桜を見る会」を巡る質疑で、記者から「承知していない」との回答が目立つという指摘を受け、「承知していないことについては承知していないと正直に申し上げている」と反論した。また、「桜を見る会については、これまでも可能な限り、丁寧な説明を心がけてきたつもりだ」と強調した。
菅氏は12日の記者会見で、桜を見る会前日にあった安倍晋三首相後援会主催の夕食会についての質問に対し、「承知していない」とする回答を連発。首相の答弁を求められると、「首相が今まで説明した通りに尽きる」と述べていた。  
●桜を見る会 菅官房長官、推薦者名簿「遅滞なく廃棄」繰り返し 12/13
菅義偉官房長官の13日午前の記者会見でも、首相主催の「桜を見る会」に関する質問が相次いだ。内閣官房がとりまとめた首相枠などの推薦者名簿が廃棄された時期について、菅官房長官は「(会の)終了後、遅滞なく廃棄した」と繰り返すにとどめた。内閣府が招待者名簿を廃棄したのは、野党議員が資料提出を求めた5月9日だったことが明らかになっているが、内閣官房の廃棄日を特定できない理由については言葉を濁した。  
●希望者は桜を見る会出席 昨年4月「私物化」浮き彫りに 12/13
自民党が総裁選を5カ月後に控えた昨年4月、都道府県会議員を対象にした研修会を東京都内で開催し、希望者を翌日の「桜を見る会」に出席させていたことが、関係者などへの取材で判明した。毎日新聞が自民党都道府県連などに確認した調査では、少なくとも大阪や岐阜で「研修会に出席すれば『見る会』に出られた」との回答があった。党内から「総裁選に向けた党員票固めだ」との指摘もあったといい、安倍晋三首相の見る会の「私物化」が、改めて浮き彫りになった。
関係者の証言や調査などによると、研修会が開かれたのは昨年4月20日。「党の改憲案を地方に浸透させる・・・  
●「桜を見る会」で質問書 野党、参院でも 12/13
立憲民主など野党は13日、政府に対して参院内閣委員会を通じて安倍晋三首相主催の「桜を見る会」の疑惑に関する質問書を提出した。質問は14項目で、招待者の推薦を巡る安倍首相事務所と内閣官房のやり取りなどをただした。政府は23日の参院内閣委理事会で回答する。
提出後、参院内閣委の杉尾秀哉・野党筆頭理事(立憲)は記者団に「公職選挙法、政治資金規正法などの違法性が疑われ、文書も廃棄したと言って出さない。国民は納得していない。明快かつ丁寧に説明してほしい」と語った。
与野党は衆参の内閣委理事会を開くことで合意している。野党はすでに衆院側で質問を提出。衆院内閣委理事会は17日に開かれる。  
●安倍首相は“テフロン加工” 桜を見る会、海外の反応は「えこひいき」 12/14
安倍晋三首相主催の「桜を見る会」を巡る一連の問題は、海外メディアでも安倍政権や日本政界の体質を表す問題として多く取り上げられた。「えこひいき」「秘密主義」「緩み」。そんな言葉と共に、11月20日で通算在職日数が歴代最長となった安倍首相を皮肉る記事も多い。・・・  
●桜を見る会 官僚「のらりくらり答弁」の背後に何があるのか 12/16
「承知したとは言ったが、確約はしていない」「持ち帰って検討したい」――。安倍晋三首相主催の「桜を見る会」について、野党による政府側へのヒアリングが続いているが、政府側からは、のらりくらりとした返答ばかり。特に「60」をめぐる問答でそれが目立つ。「ジャパンライフ」元会長に届いた案内状に記されていた番号である。あしき「官僚答弁」を振り返り、なぜこんなことになるのかを考えた。・・・ 
●桜を見る会の陰で野党連携の果実 英語民間試験延期に見た政治の原動力 12/16
秋の臨時国会は、季節外れの「桜」の話題で持ちきりでしたが、その陰で、この国会は、野党共同会派による成果がいくつか結実したことを見逃してはなりません。
前半戦では、1週間のうちに2人の閣僚が辞任に追い込まれたことで、衆院で120人という共同会派が予算委員会でも重複を避けて質問することが、与党に対する一定のプレッシャーになっているという手ごたえを感じることができました。
そんな中、かねて、受験生の住む地域や家庭の経済状況によって格差が生じると批判のあった大学入学共通テストへの英語民間試験導入が見送られることになりました。萩生田光一文部科学相の「身の丈」発言が教育格差を容認していると批判を浴びたことが引き金となったことは間違いありませんが、野党が一枚岩となって国会審議で制度の欠陥を繰り返し指摘した成果と言えます。
地味ですが、会社法改正案の審議で、株主提案権を一部制限する条文に関する野党の修正案を与党に丸のみさせたことも注目に値します。政府提出法案の与党の事前審査が前提となっているわが国では、法案修正は簡単なことではありません。もちろん、野党側の主張に理があったからですが、野党の「大きな塊」が功を奏した結果と言えます。
いったん国会に法案が提出されると修正が難しいという点を考慮すれば、野党が政府に政策変更を迫る場合には、法案作成前に行われる審議会での議論の段階から国会で問題点を指摘しておくことが効果的です。この点で、私は、政府が一定以上の収入がある高齢者の年金を減額・停止する在職老齢年金制度について、65歳以上の減額対象を絞り込む見直しを断念したのも野党連携の成果だと思います。野党が国会で、「就労抑制効果はなく金持ち優遇策だ」と批判したことで、公明党の態度が慎重に傾きました。
国民の声を代弁して政策や法案に反映させることこそが国会審議の本来の役割であることを考えると、こうした成果を一つ一つ積み上げていくことが重要です。
また、国民の声が政治を動かしたという点で、英語民間試験導入問題では、「自分たちを実験台にしないでほしい」という高・・・ 
●桜を見る会、政府回答は従来通り 野党「誠意ない」 12/17
首相主催の「桜を見る会」を巡り、政府は17日の衆院内閣委員会理事会で、野党側が報告を求めた8項目の質問に回答した。招待の手順や招待者名簿の廃棄などについて、政府は従来の説明を繰り返した。野党側は「誠意がない」として再回答を求める方針だ。
同理事会は国会閉会後も「桜を見る会」について政府に説明を求める必要があるとして与野党が開催に合意。野党側の質問に政府が答えることになっていた。
野党側の説明によると、招待区分「60」を巡り、野党側の「総理推薦枠なのか」との質問に政府側は具体的に答えず「調査の必要はない」と回答。招待者名簿の電子データ廃棄の端末ログの調査要求に対しては「担当者の聞き取り以上の調査をするつもりはない」などと回答したという。
野党統一会派の今井雅人衆院議員(無所属)は理事会後、「立法府の照会に対し、誠意ある回答ではない」と述べた。23日には参院でも内閣委員会理事会が開かれ、政府が回答する。 
●桜を見る会 「60は総理枠か」に政府側「確認するつもりない」 12/17
「桜を見る会」を巡る問題で、野党の追及本部は17日、政府側にヒアリングを実施した。この日あった内閣委員会理事会で、追及本部が提出していた質問に対して政府側から回答があり、その内容が焦点となった。招待状に記載されている「60」が総理枠なのかについては「確認するつもりはない」などと拒否し、野党議員から怒りの声が相次いだ。・・・. 
●桜を見る会「事務方に聞いて」 菅氏、責任回避の場面も 17日の記者会見 12/18
首相主催の「桜を見る会」を巡り、17日午後の記者会見でも菅義偉官房長官への質問が続いた。招待客や会の費用負担などについて繰り返し問われたが、いずれも明快な回答はなく、「事務方に聞いて」などと回答する責任を回避する場面も目立った。
首相の推薦枠?60番「使用目的を終え、内閣府は情報を保有していない」
――きょうの衆院内閣委員会理事会の内容について確認させてください。政府側は野党側が提出した質問事項について、ジャパンライフ元会長の招待状に記載されていた「60番」について「調査する必要はない」と回答した。野党側からは繰り返し要望があった項目だが、なぜ調査が必要ないと判断したのか
その席でも説明されたと思いますけども、受付番号は招待状の発送を効率的に行うため、便宜的に付してい・・・ 
●反社会的勢力の定義 禍根残すゆがんだ見解だ 12/19
市民生活を守る社会全体の取り組みを、ないがしろにした対応だ。
社会秩序を乱す「反社会的勢力」について、政府は「あらかじめ限定的、統一的に定義するのは困難」との見解を閣議決定した。形態が多様で、時々の社会情勢に応じて変化し得ることを理由にした。
この見解を示すきっかけとなったのは、安倍晋三首相が主催する「桜を見る会」である。今年の会に、反社会的勢力の関係者が参加したとの疑惑が浮上した。
菅義偉官房長官は記者会見で「反社会的勢力の定義は一義的に定まっていない」と述べた。見解は野党議員の質問主意書に対する答弁書として、この発言を公式化したものだ。
だが、政府は2007年、企業の被害を防止するための指針を決めた際、反社会的勢力の定義を記載している。第1次安倍内閣の時である。
そこでは「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または個人」と明記し、暴力団のほか、暴力団関係企業、総会屋、特殊知能暴力集団などを挙げた。
暴力団は1992年施行の暴力団対策法で取り締まりが強化されたため、企業になりすましたり社会運動を装ったりして資金獲得を進めた。周辺の犯罪集団も問題視された。
規制の抜け道をふさごうと、対象を広げた反社会的勢力という言葉が指針に記された。企業は指針に基づいて取引先との契約書に排除条項を設け、不当な要求を拒む体制を整えた。警察も情報提供をしてきた。
芸能人や企業トップと反社会的勢力の付き合いが問題視されるなど、社会の目も厳しくなっている。認識が広まった表れだろう。
しかし、定義が曖昧になると、言い逃れに使われかねない。見解を閣議決定までした影響は大きい。
一連の経緯が、桜を見る会に反社会的勢力が出席した疑惑について、政権への責任追及をかわそうとするものであれば、容認できない。
菅氏は指針と見解の整合性を問われ「指針の内容は変わっていない」と語った。定義を固めると逆に取り締まりが難しくなると苦しい弁明をした。さらに「個別の件で困ったら警察、関係省庁に相談を」と話し、定義の問題を丸投げした。
これでは、将来に禍根を残す。 
●桜を見る会前夜祭「会費5000円払わなかった人も」 12/19
安倍晋三首相主催の「桜を見る会」の前日の4月12日に首相の後援会が開いた「前夜祭」を巡り、首相の地元・山口県下関市の田辺よし子市議(無所属)は19日、国会内で開かれた野党追及本部の政府側へのヒアリングで「会費5000円を支払わなかった人がいる」と証言した。首相は国会で「受付で安倍事務所の職員が1人5000円を(ホテルの代わりに)集金した」と答弁しているが、野党議員からは「後援会主催で飲食を提供して会費を受け取っていないなら、公職選挙法違反ではないか」と指摘する声が上がった。 
●桜を見る会 ジャパンライフ被害者、説明要求 12/19
預託商法を展開して破綻した「ジャパンライフ」(東京)の山口隆祥元会長が「桜を見る会」に「首相枠」で招待されていたとされる問題で、債権者を支援する「全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会」が18日、安倍晋三首相に経緯の説明を求める声明を発表した。
ジ社は2015年に安倍首相から山口氏宛てに届いたとされる・・・  
●桜を見る会で試される政府・与党の存在価値 12/23
平成から令和へと時代が移った今年も、早いもので残りわずかとなった。いろいろなことがありすぎて、長かったのか短かったのかさえ実感できない年だった。
混沌(こんとん)とする国際情勢、世界秩序の混乱と民主主義国家の分断現象が急速に進行し、先行きが極めて不透明である。第二次世界大戦以降、多国間主義で国際協調を図ろうとしたにもかかわらず、多国間主義そのものが危機に陥っているといってもいいだろう。日本も内外に多くの課題を抱え、超少子高齢・人口減少社会の進展の中で、持続可能な社会づくりと世界各国との真のつながりが求められている。
もうすぐ新しい年、2020年が幕を開けるが、この大きく激動する国際社会の中で、日本が信頼される国として、いわゆる「国のかたち」をどう描いていくのか。グローバリゼーション、急速に発達する科学・技術の進展、そして、地球環境保護や循環型社会の要請の高まりの中で、日本社会の新たなステージをどうつくりだしていくのかが問われている。それらの国民的議論のリーダーシップをとるのが国の政治であり、その政治を行うのが、国民から負託を受けた国会議員である。
しかし、いくらなんでも、おかしいと思っているのは、私だけではないだろう。10月4日に召集され、67日間の会期を終え、12月9日に閉会した第200回国会のことだ。
政府提出のほとんどの法案が成立した。しかし、会期中の閣僚の相次ぐ辞任、大学入学共通テストに関わる課題、質問通告の漏えい問題、桜を見る会に関連する多くの疑惑と不適切な行政文書の管理など、数々の問題が明らかになったが、これらに対する政府の説明は十分であっただろうか。論戦を避け説明責任を果たしたとは到底思われない。国民の政治不信を助長する国会運営を行った政府・与党の対応は極めて遺憾と言わざるを得ない。
特に、菅原一秀前経済産業相は公職選挙法が禁じる寄付をした疑い、河井克行前法相は参院議員の妻の陣営の選挙違反の疑いが指摘され、「今後、説明責任を果たしていきたい」と述べて大臣を辞任した。しかし、2カ月になろうとしているのに、まったく何の音沙汰もない。
加えて、桜を見る会である。この問題は、ただ単に、招待者の選定基準が不明確ということや招待人数と予算の拡大という現象だけに疑問があるのではなく、社会の良識、民主主義の根幹ともい・・・ 
●「みんなちがって、みんないい」 首相の所信表明は何だったのか 12/23
「みんなちがって、みんないい」。安倍晋三首相は臨時国会初日の10月4日、所信表明演説で金子みすゞさんの詩「私と小鳥と鈴と」の一節を引用し、多様性を認め合う社会の重要性を強調した。しかし、今月9日に閉会したこの国会を通じて目立ったのは、障害者雇用に触れた「桜を見る会」の名簿廃棄問題への釈明や「決めつけ」のヤジなど、首をかしげるものばかり。あの所信表明はなんだったのか。
「受け狙いすぎて気持ち悪さを感じる」と話すのは、コラムニストの小田嶋隆さん。「安倍政権は、自分たちがやりたいことからの逸脱を許さないような雰囲気があります。政権とかけ離れた美辞麗句が並び、どうしてもあざとさやうさんくささを感じてしまいます」。ジャーナリストの青木理さんも「支持を得るためのものだったのでしょう。臨時国会の態度は言っていることと全く違った」と語った。
演説を振り返りたい。「『みんなちがって、みんないい』。新しい時代の日本に求められるのは、多様性であります。みんなが横並び、画一的な社会システムの在り方を、根本から見直していく必要があります。多様性を認め合い、全ての人がその個性を生かすことができる。そうした社会を創ることで、少子高齢化という大きな壁も、必ずや克服できるはずです」――多様性を認め合う社会に向け、非常に前向きな内容だ。「演説の内容には全面的に賛成できた」(青木さん)という人は多いのではないだろうか。
しかし、首相はこの高邁(こうまい)な目標を忘れてしまったかのようだった。思い出されるのは、今月2日の参院本会議。桜を見る会の招待者名簿を巡り、野党が資料要求した5月9日に廃棄したことへの釈明だ。招待者名簿は4月の会の終了後、速やかに廃棄する予定だったが、「シュレッダーの空き状況や、担当である障害者雇用の短時間勤務職員の勤務時間との調整を行った結果、使用予定日が5月・・・ 

 
 
 
 
 


 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
  

 
 
 

 

●読売新聞 
●前夜祭の参加費5千円…首相「ホテルが設定」、野党「法律違反も」  11/16
安倍首相は15日夜、首相主催の「桜を見る会」を巡る問題で、後援会員らが参加する「前夜祭」や観光ツアーの旅費、宿泊費などの費用は全額、参加者の自己負担で、「事務所や後援会としての収入、支出は一切ない」と述べた。政治資金規正法や公職選挙法に違反しないとの認識を示した。首相官邸で記者団に語った。
今年の「桜を見る会」の前日にあたる4月12日夜に東京都内のホテルで自身の後援会員らを集めた前夜祭については、野党から、参加費5000円が安すぎ、「法律違反の可能性がある」との指摘が出ていた。
首相は価格について、「大多数がホテルの宿泊者であり、事情を踏まえ、ホテル側が設定した」と説明。会場入り口で事務所側が集めた参加費をホテル側に全額渡し、自身の事務所の収入や支出はないとした。そのうえで、政治資金規正法上の収支報告書への記載は必要なく、有権者への寄付を禁じた公職選挙法違反にも当たらないとの認識を示した。
首相は、自らの事務所が参加者を募集し、参加人数が膨らんでいたことについて、「長年の慣行とはいえ、私自身も反省しなければならない」と陳謝した。桜を見る会の開催要領によると、「招待範囲」は約1万人だったが、2014年度以降、出席者は年々増え、今年度は約1万8200人だった。
野党は衆参両院予算委員会での集中審議開催を求めている。首相はこの点について、「国会から求められれば、説明責任を果たすのは当然のことだ」と述べるにとどめた。
●桜を見る会招待、首相に1千人推薦枠…「基準あいまいだった」  11/20
安倍首相は20日午前の参院本会議で、首相主催の「桜を見る会」について、「招待者の基準があいまいだった。大いに反省すべきだ」と陳謝した。
また、同日午前の衆院内閣委員会で、菅官房長官は桜を見る会の招待者について、安倍首相に1000人程度の推薦枠が設けられていたことを明らかにした。
●名簿廃棄シュレッダー、野党の視察を内閣府職員が拒否…桜を見る会 11/26
立憲民主など野党5党は25日、首相主催の「桜を見る会」に関する追及本部を発足させた。立民、国民民主、共産、社民4党による追及チームを格上げし、れいわ新選組が加わって衆参で計76人態勢となった。
初会合では〈1〉招待者のうち約1000人は首相の推薦枠だった〈2〉昭恵首相夫人からの推薦もあった〈3〉招待者名簿は共産党議員が資料請求したのと同じ日に廃棄された――ことなどを問題視し、8班に分けて調査することを決めた。本部長に就いた立民の福山幹事長は「倒閣に向けて一致結束して頑張ろう」と呼びかけた。
追及本部のメンバーは初会合後に内閣府を訪れ、名簿を廃棄したシュレッダーを視察しようとした。しかし、職員に断られた。近く、首相の地元・山口県下関市に調査に入る。
野党は、首相の予算委員会への出席も求めている。参院規則は「委員の3分の1以上の要求で、委員長は委員会を開かなければならない」と定めており、野党は「参院では3分の1以上の要求を既に満たしている」として早期開催を主張している。
●与野党幹事長ら、「桜を見る会」で論戦…NHK番組 12/1
与野党の幹事長らは1日のNHK番組で、安倍首相主催の「桜を見る会」の問題などを巡って論戦を交わした。
自民党の稲田朋美幹事長代行は招待者名簿の保存期間について「公費を使ったイベントでもあるので見直すべきではないか」と述べ、現在の「1年未満」からの延長を求めた。公明党の斉藤幹事長も「政権が長いがゆえの緩みやおごりがあってはならない」と述べた。
立憲民主党の福山幹事長は「首相が国会に出てきて説明責任を果たすべきだ」と述べ、予算委員会での集中審議の開催を求めた。国民民主党の平野幹事長も「会期内にしっかり説明してほしい」と同調した。共産党の小池書記局長は「(予算委に)出てこられないなら首相を辞めていただくしかない」と批判した。
日本維新の会の馬場幹事長は「与党はスキャンダルへの説明責任を果たしていない。我が党を除く野党はスキャンダルを次から次へと見つけてはしゃいでいると、国民は受け止めていると思う」と述べ、与野党双方に反省を求めた。 
●野党4党、国会会期40日延長動議を提出へ…与党は9日閉会の構え 12/5
立憲民主など野党4党は5日の幹事長・書記局長会談で、9日までの今国会会期を40日間延長する動議を提出する方針を決めた。6日に野党党首会談を開き、内閣不信任決議案の提出についても協議する。
与党は会期延長せず、9日に閉会する構えだ。立民の福山幹事長は会談後、首相主催の「桜を見る会」に関し、「安倍首相は国会で説明責任を果たしていない」と記者団に語った。
●臨時国会閉幕へ 政策論議の劣化を懸念する  12/8
不祥事の追及に労力を費やし、与野党の政策論争は深まりを欠いた。憂うべき事態である。
臨時国会は、9日に会期末を迎える。政府が重視した日米貿易協定は承認された。農産品などの関税を撤廃・削減する。
大企業に社外取締役を1人以上置くことを義務づける改正会社法なども成立した。
野党は今国会で、政府の様々な疑惑や不手際を集中的に取り上げた。政治とカネの問題を巡る2閣僚の辞任や、大学入試での英語民間試験の導入見送りに続いて、野党が矛先を向けたのは首相主催の「桜を見る会」である。
功績を残した人々を慰労するのが本来の目的だが、首相側は地元後援会員らを多数招待していた。桜を見る会の趣旨に反しており、節度を欠いたとの批判は免れない。政府が開催基準の抜本的な見直しを決めたのは当然である。
立憲民主党など野党5党は、追及本部を設置した。関係省庁の担当者を呼び、事細かに問題点をあげつらった。衆参両院の予算委員会で首相出席の集中審議も求めたが、与党は応じなかった。
野党は、安倍内閣のイメージダウンを狙い、政府・与党は野党の攻勢をかわし続けた。国会戦術上の駆け引きに終始し、本質的な議論は乏しかった。言論の府として、嘆かわしい。
貿易協定に関して、日本の通商政策はどうあるべきか。消費税率の10%への引き上げによる影響を点検し、景気をいかに下支えするか。臨時国会はこうした論点を掘り下げる必要があった。
与野党の党首が大所高所から意見を交わす党首討論が開催されなかったことも残念だ。
衆院の憲法審査会は、委員らが9月に実施したドイツなど欧州視察を議題に、3回の自由討議を行っただけだった。参院は実質審議すら行わなかった。
国民投票の利便性を高める国民投票法改正案について、与党が採決を求めたものの、立民党などは応じなかった。昨年の通常国会からたなざらしになっている。憲法本体の議論に入るのを遅らせる狙いがあるとすれば問題である。
自民党は自衛隊の根拠規定を追加する9条改正など4項目の案をまとめているが、審査会での本格的な議論には至っていない。
内外の情勢の変化に合わせて、憲法のあり方を不断に見直すことは国会の責務だ。与野党はそれぞれの問題意識を表明しあい、議論を深めていくことが大切だ。 
●臨時国会の会期延長を野党要求、与党応じず  12/9
第200臨時国会は9日、会期末を迎えた。立憲民主党や国民民主党など野党4党は同日午前、首相主催の「桜を見る会」を巡る問題で安倍首相の説明が不十分だとして、大島衆院議長に40日間の会期延長を申し入れた。与党は会期延長に応じない方針で、野党は内閣不信任決議案を衆院に提出するかどうか検討する。
野党が不信任案を提出した場合、与党は同日午後の衆院本会議で否決し、その後に会期末処理を行いたい考えだ。
今国会の会期は67日間で、政府・与党が最重視する日米貿易協定が承認された。一方、与党が成立を目指した憲法改正に関する国民投票法改正案は採決に至らず、憲法論議の進展はなかった。 
●首相、憲法改正「私の手で成し遂げていきたい」  12/9
安倍首相は9日、第200臨時国会が閉会したことを受けて首相官邸で記者会見し、憲法改正について「必ずや私の手で成し遂げていきたい」と述べ、自民党総裁任期の終わる2021年9月までの実現に強い意欲を示した。首相主催の「桜を見る会」については、全般的な見直しを行う考えを強調した。
首相は、今国会で憲法改正に関する国民投票法改正案が成立しなかったことについて「誠に残念だ」と指摘。その上で、「国民的関心は高まりつつある。自民党が先頭に立って、憲法改正に向けた歩みを一歩一歩着実に進めていきたい」と語った。
来年1月に召集される通常国会では「与野党の枠を超えた活発な議論を通じ、令和の時代にふさわしい憲法改正原案の策定を加速させていきたい」と述べ、改憲論議の進展に期待を示した。
桜を見る会については、「招待者の基準が曖昧で、結果として招待者の数が膨れ上がってしまった。これまでの運用を大いに反省する」と述べ、自らの責任で招待基準の明確化や招待プロセスの透明化などの見直しを行うと説明した。
衆院解散・総選挙について問われると、「夏の参院選が終わったばかりで、参院選で約束したことを実行しなければいけないと頭がいっぱいだし、そのことに集中している」と強調した。「国民の負託に応えていく上で、国民の信を問うべき時が来たと考えれば、解散総選挙を断行することにちゅうちょはない」とも語った。
首相はまた、イランのロハニ大統領の来日を「現在調整している」と明言した。「この地域の緊張緩和、情勢の安定化に向けて、可能な限りの外交努力を尽くしていきたい」とも力を込めた。
一方、立憲民主党などの野党は9日、今国会での内閣不信任決議案の提出を見送った。与野党が桜を見る会を巡り、閉会後も内閣委員会の理事会で政府から説明を受けることで合意したことを受け、提出の必要はないと判断した。
野党は40日間の会期延長を求めたが、衆院議院運営委員会は与党の反対多数で否決した。
○首相記者会見のポイント
・憲法改正を「私の手で成し遂げたい」と意欲。通常国会での憲法改正原案策定の加速を期待
・首相主催の「桜を見る会」のこれまでの運用を反省し、全般的見直しを行う
・国民の信を問うべき時が来たと考えれば、衆院解散・総選挙をちゅうちょなく断行
・イランのロハニ大統領の来日を「調整中」と明言 
●衛藤消費者相、ジャパンライフ元会長からお中元  12/10
衛藤消費者相は10日の閣議後記者会見で、消費者庁の行政指導を受けた磁気治療器販売会社「ジャパンライフ」の元会長から、2015年にお中元を受け取っていたことを明らかにした。衛藤氏は「秘書の記憶では、せっけんとかタオルとかじゃないか。個人的な付き合いはないし、どこでどうやって私のところに(お中元が)来たのか分からない」と述べた。
野党は、ジャパンライフの元会長が15年、安倍首相主催の「桜を見る会」に出席し、同社の宣伝に利用したとして、追及している。  
●「桜を見る会」問題説明、両院の内閣委理事会を月内に開催  12/12
首相主催の「桜を見る会」を巡る問題で、衆参両院の内閣委員会理事会が月内に開かれることが決まった。衆院は17日、参院では23日に開催する。12日の自民党総務会で報告された。桜を見る会を巡っては、臨時国会閉会後も内閣委理事会で政府から説明を受けることで、与野党が合意していた。 
●「桜」の字、菅官房長官「見たくも聞きたくもない」  12/12
安倍首相は12日、「今年の漢字」に選ばれた「令」について、「歴史的な皇位継承が行われ、新たな令和の時代が始まった。今年を表すにふさわしい一字だ」と述べた。
そのうえで自らは今年の漢字に「始」を選んだ。今年のラグビー・ワールドカップ日本大会や来年の東京五輪・パラリンピックを挙げ、「スポーツの力、躍動感を感じる新たな時代が始まった」と語った。首相官邸で記者団の質問に答えた。
一方、菅官房長官は12日の記者会見で今年の漢字で「桜」はどうかと問われ、「見たくも聞きたくもない」と苦笑いを浮かべた。菅氏は首相主催の「桜を見る会」を巡る問題で質問を連日のように受けており、思わず本音を漏らしたとみられる。
公明党の山口代表は12日の記者会見で、「今年の漢字」について、10月の10%への消費税率引き上げに合わせ、公明党が主導して導入された軽減税率制度にちなんで「軽」を挙げた。  
●首相「政策論争以外の話に多くの審議時間、大変申し訳ない」 12/13
安倍首相は13日、東京都内で講演し、憲法改正について「たやすい道ではないが、必ずや私自身の手で成し遂げたいという決意だ。まだ(自民党総裁の)任期が約2年あり、その決意で臨んでいく」と述べ、改めて意欲を示した。会場からの質問に答えた。
衆院解散の大義に関しては「国造りを進めていくうえで、国民の信を問うべき時が来たと判断すれば、ちゅうちょなく解散の決断をする」と強調した。党則改正による党総裁連続4選については「全く考えていない」と否定した。
講演では、自ら学校法人「森友学園」や「加計かけ学園」、桜を見る会を巡る問題に触れ、「この3年ほどの間、国会では政策論争以外の話に多くの審議時間が割かれてしまっており、国民の皆さまに大変申し訳なく思っている」と陳謝した。  
●安倍内閣、1年ぶり不支持が支持を逆転 12/17
識者「桜を見る会、追及する側も説明する側も感情先行」
報道各社の世論調査で、首相主催「桜を見る会」の影響が出てきた。共同通信の調査で、安倍晋三内閣の支持率が前回調査より6ポイントも落ち込んで42・7%となり、不支持率は43・0%で支持率を1年ぶりに上回ったのだ。左派野党やメディアが追及姿勢を崩さないなか、内閣は今後の対応について再検討する必要がありそうだ。
共同通信と読売新聞は先週末、世論調査を行った。内閣支持率は別表の通り。共同調査では昨年12月以来、支持と不支持が逆転した。読売調査では、支持率は前回とほぼ横ばいだが、不支持率は4ポイント増だった。
安倍首相は先月20日、首相の在職日数が歴代最長となったが、共同調査で、緩みが「あると思う」は66・5%。安倍首相の任期は2021年9月末で切れるが、党総裁4選に賛成は、28・7%にとどまった。
こうした背景には、「桜を見る会」をめぐる一連の問題がありそうだ。
安倍首相が疑惑について「十分に説明しているとは思わない」は83・5%に上っている。菅義偉官房長官が「(招待者名簿の)バックアップデータは行政文書に該当しない」と説明していることに、「納得できない」は77・9%だった。
政治評論家の伊藤達美氏は「支持率下落は『桜を見る会』の問題が大きい。法的に問題はないが、追及する側も説明する側も理屈ではなく感情が先行している。一部メディアも胸を張れる立場にないが、疑惑を繰り返し報じることで、国民には『政府が逃げている』ようなイメージがついた。政府も国民感情を逆なでしないよう、官僚的答弁ではなく、丁寧に真摯(しんし)な対応をすれば、支持率は徐々に緩和されるのではないか」と語った。 
●会費払わず夕食会に参加か 桜見る会前夜、下関市議が指摘 12/19
今年の「桜を見る会」前夜に、安倍晋三首相の後援会が主催した夕食会を巡り、山口県下関市の田辺よし子市議は19日、国会であった野党追及本部の会合で、参加者の中に「会費を支払わなかった人がいる」と証言した。田辺市議自身は参加していないが、地元市民の複数の参加者に聞き取りをした結果、判明したとしている。
田辺市議は、聞き取りをした参加者の中に領収書をもらった人がいなかったとも証言し「発行をしていなかったのではないか」と指摘した。安倍首相はこれまで「受付で事務所職員が1人5千円を集め、ホテル側が発行した領収書を手渡した」と説明していた。 
 

 

●読売新聞 批判
●意図的に回避か 読売新聞「桜を見る会」記事掲載なし 12/3
先日掲載の「『桜』の文字すらナシ。またも露呈した読売の『官邸応援団』ぶり」で、内閣総辞職に値するとも言われる桜を見る会の「疑惑」を、11月22日付の朝刊でまったく報じなかった読売新聞の姿勢に疑問を投げかけた、ジャーナリストの内田誠さん。内田さんは今回も自身のメルマガ『uttiiの電子版ウォッチ DELUXE』で、桜を見る会に招待されていた、反社会的勢力とみられる企業の元会長を巡る菅官房長官の答弁があったのにもかかわらず、12月2日朝刊で会に関する記事を一切掲載しなかった同紙について、「意図的に回避したのだろう」との批判的な見方を記しています。
「桜を見る会」問題で新事実、各紙はどう伝えたか
1面トップの見出しから……。
《朝日》…「ドローン 登録義務化へ」
《読売》…「児童福祉司の増員 難航」
《毎日》…「終わらぬICBM処分」
《東京》…「受付女性メガネ禁止 『パワハラ』」
解説面の見出しから……。
《朝日》…「桜を見る会 疑念膨張」
《読売》…「研究・開発力 産学連携が要」
《毎日》…「桜を見る会 深まる疑問」
《東京》…「韓国 過酷な外国人労働」
プロフィール
国会もあと1週間。今最もホットな話題である「桜を見る会」問題で新事実が次々出てきている中、各紙はどんな扱いになっているのか。土日を挟み、論点整理をしたいという感じになってきているようで、きょうの参院本会議に向けてねじをまき直すところのようです。ところが《読売》ときたら…。
《朝日》参院本会議に向けた「論点整理」
《読売》記事なし
《毎日》Q&Aで論点整理
《東京》官房長官発言は「不正確」
参院本会議に向けた「論点整理」
【朝日】は2面の解説記事「時時刻刻」単独で、「論点整理」をしている。見出しを以下に。
• 桜を見る会 疑念膨張
• きょう参院本会議 首相答弁へ
• 首相・自民党など半数推薦 地元優先の「私物化」
• 名簿要求当日に内閣府が廃棄 重なる森友問題
• 夕食後 後援会の収支なし
uttiiの眼
3人の記者が分担して書いている。1人目は、問題が浮上してきた経緯についての概略的なまとめ。そもそもこのテーマが浮上してきたのは、総理主催の「会」の参加者が年々膨張していることに気付いた野党議員が調査を始め、共産党・田村智子議員の追及によって問題が広く知られるようになったということ。その過程で、地元有権者への「優遇」が明らかになり、安倍氏は急きょ来年の「会」を中止する。さらに自分も参加者に関して「意見」を言うことがあったと答弁を修正。招待者の選定には妻の昭恵氏も関わっていたことが明らかに。とどのつまり、招待者の半数以上、6,000人が官邸幹部と自民党による推薦だったことが分かり、「私物化」「公私混同」との批判が高まった。加えて、反社会的勢力とみられるジャパンライフの元会長に招待状が送られていたことが発覚。これも野党の追及材料に。
中盤、2人目の記者は資料の廃棄について。様々な疑惑について政府は「名簿を既に廃棄しているので確認できない」(菅官房長官)という対応を繰り返している。共産党・宮本徹議員が資料要求を行った5月9日に大型シュレッダーで裁断していたということについて、4月22日に使用願いを出していたが、各局の使用が重なって連休明けになったと内閣府は説明。しかし、「会終了後速やかに廃棄する」と言いながら、実際には4月の「会」開催から1か月近くたっていたこと、連休前にも細断する機会はたくさんあったこと、シュレッダーの能力は高く、それほど待たずに作業できたはずだという疑問があり、「資料要求を受けて証拠隠滅したのではないか」との疑惑が強まっている。電子データについても「削除した」と答弁しているが、復元できないのかと問われても菅氏は曖昧な答弁に終始している。そもそも安倍内閣では、森友問題などでも肝心の資料やデータが破棄される、改竄されるということが繰り返されてきた。
3人目は会計処理について。安倍氏の地元事務所が企画したツアーは7万円で、「会」前夜の夕食会は「安倍晋三後援会」主催で5,000円の会費だったというが、会場になった高級ホテルは立食パーティーの料金を1人1万1,000円からとうたっている。差額を安倍事務所が穴埋めしていたのではないかとの疑惑が存在し続けている。そうであれば、公職選挙法違反の寄付にあたる可能性があると。
問題を概観するには便利な記事になっている。まあ、最大の論点になりそうな「反社会的勢力」に集中して詳しく書く手もあっただろうが、《朝日》はその方法はとらなかった。
記事なし
【読売】はどこにも「桜を見る会」について書いていない。驚いた。ジャーナリストであれば、少なくとも菅官房長官の答弁に大きな問題があることは分かるだろうから、これは意図的に記事を回避したということなのだろう。
Q&Aで論点整理
【毎日】は3面全体を使って、「なるほドリワイド」の形式、つまりQ&Aの拡大版とでもいう形式で「会」の問題点を整理している。見出しを以下に。
• 桜を見る会 深まる疑問
• 安倍内閣で拡大 誰が招待された?
• 首相推薦枠1,000人 後援会からも
• 前夜祭の会費5,000円 相場通り?
• 不足分補充ならば公選法違反
• 招待者名簿 なぜ残っていない?
• 野党が資料求めた日に「廃棄」
「?」が末尾についているのが「Q」(質問)で、続く一行がそれに対する「A」(答え)になっている。この「3問3答」とは別に、3面の上段には「今年の『桜を見る会』を巡る経緯」と題して4月12日の「前夜祭」と翌日13日の「桜を見る会」、5月9日の共産党による資料要求と内閣府によるシュレッダー廃棄、11月8日の共産党・田村智子議員による追及について、模式図を含めた説明がなされている。
基本的には論点整理なので、特に記さなければならない特徴的な主張や強調点は見当たらない。敢えて言えば、次の一節。
Q 悪質なマルチ商法で知られたジャパンライフの元会長や反社会的勢力の人物も招待された疑いがあると聞いたよ。
A 元会長は自身の会社のチラシで15年の会に招待されたことをアピールしています。内閣府の資料から、元会長は首相か官房長官の推薦枠で招待された疑いも浮上しました。反社会的勢力が出席したのかは分からないままで、政府の説明不足は明らかです。と。
官房長官発言は「不正確」
【東京】は2面に3本の記事。1本目は「論戦ファクトチェック」とのタイトルで「反社会的勢力」の定義について。2本目は首相の地元・下関での野党の聞き取りについて。3本目は立憲民主党福山幹事長のNHK番組での発言に関するもの。見出しを以下に。
• 桜を見る会の「反社会的勢力」 菅長官「定義ない」 実際は 安倍内閣が07年定義
• 首相の地元住民「優遇されすぎ」 野党、聞き取り調査
• ジャパンライフ招待 首相は国会で説明を 立民・福山氏
uttiiの眼
1本目。まさしく、「ファクトチェック」にふさわしい素材が出てきたわけで、この扱いが嵌まっている。菅長官が「反社会的勢力について、さまざまな場面で使われることがあり、定義は一義的に定まっていないと承知している」との会見での発言に対して、《東京》は「不正確」との判定を下して次のように書いている。
2007年6月に犯罪対策閣僚会議が策定した指針で、反社会的勢力を「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または個人」と定義した。
問題は、この不正確で変梃な“解釈”が、「桜を見る会」に招待されていたジャパンライフの元会長が、反社会的勢力であるとかないとかについて安倍氏や菅氏が判断しない理由にされているというところだろう。ジャパンライフについては以前から国会で問題になり、消費者庁から行政指導を受けている。反社会的勢力の疑いが強いにも関わらず招待されたという事実の背後には、別次元での深いつながりが政府・与党関係者とジャパンライフとの間にあったのではないか、と想像する。実にスキャンダラスな事案であり、当然、安倍氏がどこまで認めるのかに注目が集まっている。 
●読売新聞が安倍政権の「御用メディア」になってどこが悪い!
読売新聞が、新聞協会賞に《「憲法改正2020年施行 9条に自衛隊明記 安倍首相インタビュー」のスクープ》を応募したことが、「なにかの間違いでないか?」と話題になっている。
新聞協会賞とは、通信、放送を含めたいわゆる旧来のマスメディアが「全体の信用と権威を高めるような活動を推進することを目的として設けられた」(日本新聞協会HPより)もので、その編集部門には各社の代表的なスクープがエントリーされる。
となると、安倍晋三首相に「自民党総裁としての考え方は、相当詳しく読売新聞に書いてありますから、ぜひそれを熟読していただいてもいいのでは」と国会答弁で言われたことで「御用新聞」のレッテルを貼られたことが、読売としては本当に「栄誉」だと考えていることになる。さらに、それによって、マスメディア全体の「信用と権威」を高めることに貢献したと考えていることになるが、それでいいのだろうか。
また、こうした一国の首相のインタビュー記事がスクープに値するのかどうかも疑問だが、読売はこれこそが今年の日本のマスメディアの中で胸を張って自薦できるスクープだと考えていることになるが、それでいいのだろうか。
というわけで、以上2点に絞って「なにかの間違いではないか」という理由を考えてみたい。
まず、御用メディアであるが、これはメディア自身がそのような選択をしなければそうはならない。読売の場合、明らかにそういう選択をして、常に現政権寄り、現政権擁護のための記事づくりをしてきたのは間違いない。
それは、加計学園問題で「総理のご意向」証言をした前川喜平・前文科省事務次官の下半身スキャンダルを報じたことで明らかだ。このスキャンダル記事は、5月22日朝刊の社会面で「前川前次官 出会い系バー通い 文科省在職中、平日夜」と題されて報じられたが、前川氏が実際に「総理のご意向」文書が確実に存在していることを記者会見で証言したのは、なんとそれから3日後の5月25日だった。
さらに、記事の内容はただのリークで、まったく裏取りをしていないことが、その後の週刊文春記事で暴露されてしまった。この文春記事では、前川氏と3年間で30〜40回会ったという「A子さん」ばかりか、「A子さんから前川氏を紹介された女性」、「前川氏とA子さんが通っていたダーツバーの当時の店員」も証言者として登場していた。そして、A子さんやほかの女性たちと前川氏との間に売春、援助交際などがなかったこと、前川氏はお小遣いを渡して生活や就職などの相談に乗っていたことが明らかにされていた。
つまり、読売の「前川記事」は、御用メディアという批判以前に、記事の体を成していないものだった。私もかつてメディアの最前線にいたから、記事を書く場合は、その当事者には必ず直(じか)当たりすることを、上司から厳しく命じられていた。
「否定されてもいいから直撃しろ。しないで記事を書いてはいかん」と言われたものだ。しかし、あの読売記事は、こうした基本的なことを怠っていた。前川氏本人にさえ当たっていないのである。したがって、その後、この記事が批判されるのは当然だった。
ところが6月3日、読売は紙面で、原口隆則社会部長の「次官時代の不適切な行動 報道すべき公共の関心事」と題する反論コメントを掲載した。原口氏は、記事に対する批判に対して「こうした批判はまったく当たらない」とし「買春を目的とするような客が集まる店に足しげく通っていたのである。我が国の教育行政のトップという公人中の公人の行為として見過ごすことができない」と述べたのだ。
要するに、読売は社会正義のためにこうした報道をしたと言いたかったのだろうが、問題はそこにあるのではない。
では次に「御用新聞」としての「名声」を高めた「首相インタビュー」記事についてみてみよう。これのどこがスクープなのだろうか。
安倍首相にとって、憲法改正は悲願であるから、これを明言することはなにも目新しいことではない。すでにビデオメッセージも出すことになっていたのだから、ほぼそれと同内容の記事がメッセージ公開より早く出たからといって、なにか特別な意義があるのだろうか?
かつて私は、スクープには2種類あると教えられた。一つは「抜きスクープ」。他メディアを出し抜いて先に報道することで、これはやがて明らかになることを、ただいち早く報道しただけにすぎない。つまり、取材先とベッタリになれば、やがて向こうから恩着せがましくネタを振ってくる。
もう一つは、いわゆる「特ダネ」で、これはそれまで誰も知らなかった事実を初めて報道することだ。スクープは「掘る」という意味だが、掘って新事実を発掘したということで、スクープといえば、やはりこちらの方がはるかに価値がある。
しかし、読売が新聞協会賞に応募した「首相インタビュー」は、このどちらにも当たらないだろう。
このように、読売が「御用メディア」と化してしまったので、新聞をはじめとする既存マスメディアへの批判が高まっている。マスメディアは偏向し、信用できないというのだ。識者の中には、こうした状況を憂い高邁(こうまい)なジャーナリズム論をぶつ方々が本当に多い。
しかし、現在の日本のメディア空間は、そんなに嘆かわしいことになっているだろうか。ネット民たちが言うように、マスコミは「マスゴミ」に成り下がってしまっただろうか。
私はそうは思わない。むしろ、いまのメディアの状況は、かつて私が経験してきた、既存マスメディアだけの時代より、はるかによくなっていると思う。
ネットに関して言えば、サヨク、ネトウヨなどは別として、多数のネットメディア、フェイクニュース、拡散ボット、ブログ、そしてSNSとなんでもあるので、これらがマスメディアを補完し、リテラシーさえあれば、この海の中から「事実」「真実」にたどり着くことができる。
ネットが進展して、新聞をはじめとする既存メディアは大きく変わってしまった。昔は、メディアとジャーナリズムは同義で、それは近代民主国家の成立とほぼ同時にスタートしたから、メディアは民衆側に立って権力を監視するという役目を担っていた。
「言論の自由」(フリーダム・オブ・スピーチ)が、これを支えてきた。ただし、これは訓練されたジャーナリストというプロの仕事だったので、彼らは使命感を持って、この仕事に取り組んできた。
しかし、いまやネットでは誰でも情報発信ができる。誰もが「言論の自由」の恩恵のもとに、真実や事実と関係なく、言いたい放題言えるし、右だろうと左だろうと、ヘイトスピーチだろうとおかまいなしにアップ、拡散できる。最近では人工知能(AI)が発達し、人間ではないツイッターボットなどが、嘘か本当かわからないことを拡散している。
こんな自由なメディア空間が出現したことは、かつてなかった。こうなると、既存マスメディアも変わらざるをえない。「権力監視」「中立報道」「不偏不党」などということは言っていられなくなった。
古代ローマの時代、シーザーが言った「多くの人は見たいと欲することしか見ない」が真実なら、これを実践するしかなくなった。既存マスメディアも、右なら右、左なら左と、はっきりと自分自身を色分けするようになったのである。
したがって、読売が御用メディアに徹するという姿勢は間違っていない。産経が常に保守、右の言論をリードしてきたように、読売がそれをやれば、ライバルの朝日との違いははっきりするので、やらない手はない。朝日は、リベラルと反日をやりすぎて、ついに慰安婦のような妄想、捏造(ねつぞう)記事をつくってしまった。それに比べれば、読売の与党リークの記事はたいした問題ではない。
世の中の多くの人間は、自分の頭で物事を考えることを嫌う。パンとサーカスがある限り「お上」などどうでもいいのである。そもそも、この世の中に完全な中立などないのだから、メディアが偏向してどこが悪いのだろうか。
これまで、日本のメディアの論法はどこも同じ、五十歩百歩だった。例えば、政権に対するスタンス、論調ということで見ていくと、どの新聞もほとんど同じで、次のような表現であふれていた。
重要法案の審議−−−−−−−−時間をとって論を尽くせ
重要法案で与野党妥協−−−−−法案は骨抜きだ
重要法案の与党単独可決−−−−強行採決だ、独裁だ
官僚に任せる−−−−−−−−−丸投げではないか
官邸主導で進める−−−−−−−独裁では、一強の弊害だ
首相の決断先送り−−−−−−−決められない政治
首相の決断−−−−−−−−−−なぜ急ぐ、もっと慎重に
支持率上昇−−−−−−−−−−人気取りの政策が多い 
支持率下落−−−−−−−−−−国民の声に耳を傾けよ 
これでは、記事は定型化し、ロボットでも記事が書けてしまう。ところが最近は違ってきた。産経、読売ははっきりと右となり、朝日、毎日は以前に増して左となった。日経は政権批判をせず、東京は徹底して政権批判をしている。
こうなると、例えば次のようなランキングをつくって、各紙の立ち位置をマトリックスにできるのだから、読者にとってはありがたい。
御用メディア度ランキング、マスゴミ度ランキング、スクープ度ランキング、偏向度ランキング(右、左)、誤報ランキング(誤報率)、フェイク度ランキング、発表もの記事率、スクープ(特ダネ)比率、月間訂正記事数ランキング−etc.
私としては誰かが、上記のような項目をつくり、それを指数化してくれることを願っている。そうすれば、メディアを「食べログ」のように指数化、評価し、好きなメディアを思い切り楽しめるだろう。
ドナルド・トランプ米大統領は、いまもなお世界のメディアをうそつき呼ばわりしている。彼にとっては、自分のツイッター以外はみなフェイクニュースである。
「国民はもう誰もメディアを信用していない」とツイートし、米CNNやワシントン・ポストを「フェイクニュース」と宿敵扱いし、英BBCは「ふざけたメディア」と罵倒している。ならば、日本の読売や朝日もぜひ仲間に入れてほしいが、残念ながら、彼は日本などに興味はない。
もはや、なにが真実で、なにが嘘かメディアではわからなくなってしまったこの時代、最後に新聞などの既存マスメディアにお願いしたいことがある。右や左と論調が傾くのはけっこうだが、一つだけ守ってほしいことがある。
それは、やはり事実を徹底究明してほしいということだ。ネットメディアやブログ、SNSでは、プロとしての教育も受けず経験もない書き手が、書きたい放題書きまくり、政治勢力のつくったボットが大量にフェイクニュースを拡散しているのだから、なおさらプロの腕を見せて事実報道に徹してほしい。
既存メディアの記者たちは世界中同じで、腕に「プレス」という腕章を巻いて現場に出かけている。もちろん、腕章なしの潜伏取材も多い。この「プレス」は「フリーダム・オブ・プレス」のプレスだ。このプレスに誇りを持ってほしい。
「フリーダム・オブ・プレス」を支えるのは、公正や正義である。これを持って事実を明らかにしてほしい。「右か左か」「保守化かリベラルか」「政権寄りか反政権か」などどうでもいい。人は「見たいと欲することしか見ない」というが、本当に見たい、知りたいのは「事実」だけである。 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 

 

●産経新聞 
●「桜を見る会」で安倍首相、一問一答  11/18
安倍晋三首相は18日午前、首相主催の「桜を見る会」の運営に関し、官邸で記者団の取材に応じた。一問一答は次の通り。
−−桜を見る会の前夜に行われた首相の後援会の(立食の)夕食会について、(安倍事務所などによる補填(ほてん)がないということを)証拠を示して説明すべきとの声が上がっている
「夕食会について、安倍事務所も後援会にも一切の入金、出金はない。旅費・宿泊費は各参加者が直接(旅行代理店やホテルに)支払いを行っている。また、当の食事代についても、安倍事務所や後援会への入金はなく、領収書も発行していない。また、領収書を受け取ってもいない」
−−夕食会の明細書を示し、会費が5千円だということを示すべきでは
「今申し上げたように参加者が直接、宿泊費や旅費を払い込み、また会食の費用についてはホテル側が(領収書を)発行して事務所の者が渡している。(安倍事務所は)領収書の発行も行っていないし、受け取りもない」
−−総額を示した明細書は
「事務所に確認をしたが、そういったものはないということだ」
−−夕食会に参加した人数だ
「だいたい約800人だ」
−−桜を見る会への(首相の地元からの)参加者は850人ということだが
「だいたい今言った人数だ」
−−その人たちがそのまま桜を見る会にも出席したのか
「全部ではないが、その多くだ」
−−領収書を(安倍事務所が)先にホテル側に支払っているということはないのか
「それはない」
−−先日、首相は国会で求めがあれば説明に応じるということだった。政府与党連絡会議で、首相が自民党総裁として与党に国会で説明をするように指示する考えは
「政府与党連絡会議は政策などの基本的なすり合わせを行う場だ。国会対応には党に全てを任せている」
●昭恵氏出席は「公務補助」 桜見る会で政府答弁書 11/29
政府は29日の閣議で、安倍昭恵首相夫人の「桜を見る会」出席について「安倍晋三首相の公務の遂行を補助する一環」とする答弁書を決定した。昭恵氏の立場に関しては「『公人ではなく私人である』という認識に変わりはない」と従来の見解を維持した。
昭恵氏が桜を見る会の招待者として推薦した人数や「私人」が推薦できる法的根拠については「お答えは困難」とした。
立憲民主党の熊谷裕人参院議員の質問主意書に対する回答。 
●安倍首相、桜見る会の名簿破棄と資料要求の関係否定 12/2
安倍晋三首相は2日の参院本会議で、自身が主催した今年の「桜を見る会」の招待者をめぐり、名簿破棄と野党からの資料要求が同じ日だったことについて関係性を否定した。
首相は「大型シュレッダーの予約などの調整を行った結果、使用予定日が5月9日となった。予定通り廃棄し、野党議員の資料要求とは全く無関係との報告を受けている」と述べた。その上で「あらかじめ定められた手続きにのっとって廃棄していると承知している」と強調した。
自民党の森屋宏氏への答弁。
●桜を見る会で安倍首相「(多額支出は)望ましくなかった」 12/2
2日の参院本会議での主なやり取りは次の通り。
【桜を見る会】
森屋宏氏(自民)「野党議員の資料要求があったから、招待者名簿を破棄したとの指摘がある」
安倍晋三首相「大型シュレッダーの空き状況や障害者雇用職員の勤務時間を調整し、予定通り廃棄した。野党議員の資料要求とは全く無関係だ」
森屋氏「名簿の電子媒体復元に関する認識は」
首相「内閣府のシステムは個々の端末ではなくサーバーでデータを保存する方式であり、バックアップデータの保管期間後、復元は不可能との報告を受けている」
吉田忠智氏(社民)「首相や昭恵夫人はジャパンライフ元会長と面識があるか」
首相「過去に私が招待された多人数の会合で同席した可能性までは否定しないが、一対一のような形で会ったことはなく、個人的関係は一切ない。妻は元会長との面識はない」
吉田氏「(預託商法により)大勢の被害者が出た企業の宣伝に招待状が使われた」
首相「一般論として桜を見る会が企業や個人の違法、不当な活動に利用されることは決して容認できない」
田村智子氏(共産)「支出が予算を大幅に超えている。国会を欺く行為ではないか」
首相「詳細を承知していなかったが、結果的に望ましくなかった」
【平成30年度決算】
宮崎勝氏(公明)「会計検査院の検査結果に対する所感は」
首相「335件1002億円の(税金の使い方に問題があると)指摘を受けたことは誠に遺憾だ。閣僚に適切な会計処理を徹底するよう指示した。今後の予算などに反映させる」
●内閣不信任案ためらう立民…「桜」しぼまぬよう会期延長狙う 12/4
日米貿易協定が4日に承認され、今国会最終盤の焦点は、主要野党による衆院への内閣不信任決議案提出の有無に移った。立憲民主党は決議案が否決されれば、首相主催の「桜を見る会」をめぐる疑惑追及の機運がしぼみかねないと懸念し、政府・与党に9日までの会期の延長を求める奇策に出た。一方、立民と統一会派を組む国民民主党は不信任案提出を求める主戦論が根強く、足並みがそろうかが注目される。
追及のため異例の「越年国会」作戦
「首相隠し、『桜』隠し、データ隠し…。全く理解できない」
立民の蓮舫参院幹事長は4日、記者団に与党が参院予算委員会の開催を拒否したことに不満を示し、金子原二郎委員長(自民)の解任決議案提出を検討する考えを明らかにした。
主要野党は4日の国対委員長会談で、与党側に会期延長を求める方針を確認した。立民の安住淳国対委員長は記者団に「異例だが、野党から大幅延長を申し入れたい」と述べ、“越年国会”を実現して疑惑追及の機会を確保したい考えを示した。
一方で、今国会最大の課題だった協定の承認案は、4日の参院本会議で紛糾せずに採決された。与党からは「あれほどあっさりいくとは…」と拍子抜けした声も漏れる。
主戦論の玉木氏ら、合流問題も絡み…
野党に残されたカードで最も強い不信任案について、立民は態度を決めかねている。安住氏は「出したら(与党側に否決されて)『信任』という結果になる」と述べた。政府関係者は「立民は選挙の準備ができておらず、否決後の衆院解散を恐れているのだろう」と足元を見透かす。
安住氏の発言にいらだちを隠せないのが国民民主党だ。玉木雄一郎代表は4日の記者会見で、不信任案を「出さない理由はない」と述べ、首相の責任を問う姿勢を強調した。舟山康江参院国対委員長も記者会見で「(数を理由に提出しないのなら)野党として何の手も打てなくなる。そのような理由は口が裂けても言ってはならない」と不満をあらわにした。
3日には国民の中堅・若手が玉木氏に立民などとの早期合流に向けた交渉入りを要求した。立民に主導権を奪われることを警戒し、慎重に交渉する構えの国民幹部は、一連の動きの裏で立民幹部がうごめいていると推測した上で、こう挑発してみせた。
「立民が合流を進めたければ、『解散が近いぞ』とあおるために不信任案を出すのが普通だ」
●桜を見る会「複雑な思い」 小泉氏、新宿御苑所管で 12/5
小泉進次郎環境相は5日の参院環境委員会で、首相主催の「桜を見る会」を開く東京・新宿御苑に関し「われわれからすれば魅力を訴えていきたい場所が、こういった形で取り上げられていることは、さまざま複雑な思いもある」と述べた。新宿御苑は環境省が所管している。桜を見る会の運営を巡り、政府への批判が強まっていることを念頭にした発言だ。
同時に「桜の時期に大変人気があり、長い行列で入園券を買うため、入園の時に時間がかかっている」と述べ、利便性向上を図る意向を示した。
与党が参院予算委員会の開催を拒否したと問われ「国会の運営は国会で決めることだ。コメントは控えるべきだ」と強調した。国民民主党の青木愛氏への答弁。
●なかなか散らない「桜」…政府、野党ともに支持は広がらず 12/5
東京・永田町では季節外れの「桜」が咲き乱れている。11月、共産党が国会で安倍晋三首相主催の「桜を見る会」の問題を指摘して以降、主要野党の追及はこれ一色と言っても過言ではない。政府は来年度の開催中止を早々に決めたが、その後もさまざまな疑惑が噴出して「散りそうで、散らない」(自民党関係者)状況だ。一方で野党の追及も決め手を欠き、桜には似つかわしくない「泥仕合」の様相となっている。
「桜を見る会のこれまでの運用は大いに反省すべきであり、今後、私自身の責任で招待基準の明確化や招待プロセスの透明化を検討する。予算や招待人数も含めて全般的な見直しを幅広く意見を聞きながら行う」
首相は12月2日の参院本会議でこう反省の弁を述べた。今国会は当初の予定通り9日に閉会する予定で、首相が直接答弁する機会は2日の参院本会議が最後となるとみられる。
「ひとまず逃げ切った。閉会すれば桜を見る会の話題も終わるだろう」。自民党の関係者は期待混じりにこう述べた。
桜を見る会をめぐる国会論戦は、政府側が防戦一方となった。共産党の田村智子参院議員が11月8日の参院予算委員会で、近年、首相の後援会関係者を含む招待客が急増したことを指摘し、「首相や自民党議員が私物化したのではないか」と批判。これをきっかけに、主要野党を横断する形で「追及本部」が立ち上がり、連日のように新しい事実の発掘に務めている。
「桜なんて季節外れだ。他にやるべきことがあるだろう」(政府関係者)
「また野党にとってブーメランになるだけだ」(自民党議員)
政権与党内からは当初、こういった楽観視する声も漏れた。政府は同月13日に来年度の開催中止を決定。それでも、野党側は会の前日に都内のホテルで行われた夕食会の会費が5000円と「安すぎる」と指摘するなど、追及の手を緩めなかった。
首相は同月15日、首相官邸で記者団の前に現れ、約20分にわたって「自らの事務所の収入や支出はない」「政治資金収支報告書に記載する義務はない」などと説明を重ねた。普段のぶら下がり取材は数分で終了することが多く、異例な対応といえる。
しかし、その後も首相の昭恵夫人が関与したとされる招待者推薦や、反社会的勢力とされる人物らの出席、預託商法などを展開して破綻した「ジャパンライフ」元会長の招待状といった疑惑が次々と浮上。首相も同月8日の国会答弁で否定していた招待者の人選への関与を、同月20日の参院本会議では事実上認めるなど変遷もみられた。政府側の対応は後手に回っていた印象が強い。
経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が11月16、17両日に実施した合同世論調査では、内閣支持率は45・1%となり前回調査(10月19、20両日実施)より6・0ポイント減った。他の世論調査でも一様に下落以降がみられており、桜を見る会の影響は小さいとはいえないようだ。
ただ、野党側の追及も、政権に決定的なダメージを与えるまでには至っていない。旧民主党政権下で鳩山由紀夫元首相も桜を見る会を開いている。「(民主党時代に)後援会固めに使うよう党から指示があり、招待者リストを出した。その後、党経由で首相から招待状が届いた」と語る立憲民主党の関係者もいる。
首相後援会の夕食会をめぐる指摘も、野党は実際なかった高級寿司店の寿司がメニューに含まれていたとする曖昧な情報を根拠としていた。会費についても、立憲民主党の安住淳国対委員長の資金管理団体が同じホテルで開いた朝食会で、参加者1人分の原価は約1700円だったことが判明。この点の追及は尻すぼみとなっている。
主要野党は国会最終盤に入り、反社会的勢力の招待の有無と、預託商法を展開して破綻した「ジャパンライフ」元会長を首相の推薦枠で招待した疑惑に力を注いだ。招待状を宣伝に悪用したとして、消費者被害が拡大した一因は首相にあるとも訴えた。
ただ、こうしたキャンペーンが主要野党の評価にははね返っていない。産経新聞とFNNの合同世論調査では、キャンペーンを続ける立民や共産の支持率に劇的な変化はみられない。
内外に諸課題が山積する中で、桜を見る会への追及が国民の大きな支持を得ているとは言いがたい。政府の説明も深まらず、野党の追及も曖昧なままでは、「桜」が散った後に残るのは国民の深刻な政治不信だけだろう。  
●「桜を見る会」菅氏の鉄壁答弁崩れ、危機管理に綻び 12/7
臨時国会が9日に会期末を迎え、安倍晋三首相主催の「桜を見る会」をめぐる論戦は、政権側が一旦は逃げ切る形となりそうだ。攻めきれなかった野党に対し、政府も招待客の選考に関する首相や菅義偉官房長官の答弁が変遷するなど対応のまずさが目立ち、政権の強みとされてきた危機管理のほころびを印象付けた。
「少々お待ちください。あまり詳細ですと…」
今月4日午前の記者会見で菅氏は苦笑いを浮かべた。会見では、桜を見る会の招待者名簿を破棄した後のバックアップデータの取り扱いなどについて質問が相次いだ。このテーマでの質疑は約15分に及び、事務方がメモを差し入れたのは11回で、確認のために5回中断した。菅氏は安定した答弁に定評があるだけに極めて異例の光景だった。
原因は、質問が技術的な内容を含むなど「あまりに詳細」だったからだけではない。首相や菅氏の説明が変遷し、格好の追及材料となったからだ。
首相は11月8日に「招待者の取りまとめなどには関与していない」と述べたが、同20日には「事務所から相談を受ければ、意見を言うこともあった」と事実上修正した。菅氏も「推薦枠」について同13日、「首相枠などはない」と説明していたが、同20日には「首相から約1千人」などと明らかにし、答弁がぶれた。
そもそも、初動が遅れた。10月13日に共産党の機関紙「赤旗」が大々的に報じた際に、政府が事態収束に資する想定問答を作成するなどの対応を始めた形跡はみられない。11月8日の参院予算委員会で同党の田村智子氏が取り上げて問題に火が着いても、政府高官は「桜なんて季節外れだ」と楽観視していた。政府は同13日に来年度の会の中止を決め、同15日には首相が官邸で約20分間、記者団の質問に答えて幕引きを図ったが、思惑は外れた。
首相周辺は「長期政権の危機管理の蓄積の中に、似たような前例がなかった」と対応が遅れた理由を語った。菅氏に近い2閣僚が相次いで辞任した経緯もあり、「鉄壁」(与党幹部)ともいわれた菅氏の危機管理手腕を疑問視する向きもある。
ある政府関係者は、「森友・加計問題」を引き合いに出し、「首相が絡む話は『本丸』だけに、野党やマスコミは臨時国会閉会以降も手を緩めない。菅氏も簡単には火消しできないのではないか」と指摘し、問題の長期化に懸念を示した。 
●「桜一色」国会、野党も政府も猛省せよ 12/7
安倍晋三首相主催の「桜を見る会」をめぐる野党と政府の論戦は、聞くに堪えなかった。
共産党による追及をきっかけに問題が大きくなり始めたころ、別の野党の中堅議員は「違法性を問うのは無理筋だ」と即断したうえで「首相の印象を悪くするのが狙いだ」と話した。
会の前夜に首相の後援者らが開いた都内のホテルでの「夕食会」に関し、野党は会費5千円が安すぎるとして「首相側が不足分を負担した公職選挙法違反」、後援会の収支報告書に載っていないので「政治資金規正法違反」だと主張した。
ホテル幹部によると価格は「相談に応じる」という。ホテルで政治資金パーティーなどの会合を開く国会議員なら百も承知だろう。安倍事務所は規正法に抵触しないことを確認したうえで処理しており、違反を問うことは難しい。
とはいえ、内閣支持率は下がった。野党の戦略にはまったわけであり、政府・与党の責任も重い。
この問題の根本には、首相に近い招待者が多く、人数も経費も増えていったことに対する不公平感がある。自民党国会議員の事務所が、首相の事務所関係者に招待枠を融通してほしいと依頼したところ、返ってきた言葉はこうだった。
「先生が首相になってからおっしゃったらどうですか」。首相周辺に、長期政権のおごりと緩みが全くないと断言できるだろうか。
招待者名簿をシュレッダーで破棄する担当職員に関する説明にも首をかしげた。首相らが「障害者雇用の短時間勤務職員」と説明し、インターネットや他国のメディアから「個人情報の漏洩」「差別的」などと批判されている。発言に「ポリティカル・コレクトネス」(政治的正しさ)を求める世界的潮流も踏まえれば、政府はもっと心を配るべきだった。
今国会は桜一色となり、憲法改正や台風被害からの復旧・復興・防災といった議論は深まらなかった。野党にも政府にも猛省を促したい。 
●維新・松井代表「不信任案提出で解散を」 桜を見る会巡る国会紛糾 12/8
日本維新の会の松井一郎代表は8日、安倍晋三首相主催の「桜を見る会」を巡り国会が紛糾していることに触れ「内閣不信任案を野党が出し、それを受けて解散したらよい」との認識を示した。大阪市内で記者団に語った。
野党は多くの疑問が残っているとして臨時国会の会期延長を申し入れる予定だが、政府、与党は延長に応じない方針。国会での追及は来年1月の通常国会に持ち越される見通しだが、松井氏は「一度リセットしないと国会が動かない」とした。
また、招待者名簿を廃棄した内閣府の対応を「何十年単位で保存して、要請があったら公表するようにすべきだ」と問題視した。 
●「桜を見る会」見直し、来年夏までに取りまとめ 菅官房長官 12/9
菅義偉官房長官は9日午前の記者会見で、首相主催「桜を見る会」の招待者数や招待基準、予算の見直しについて、来年夏までに取りまとめを行う考えを示した。 
●「お前はすでに死んでいる」 野党が街頭で桜を見る会疑惑を追及 12/10
立憲民主、国民民主、共産などの主要野党は10日、東京・有楽町で街頭演説会を開き、安倍晋三首相主催の「桜を見る会」をめぐる疑惑を取り上げた。立民の福山哲郎幹事長、共産の小池晃書記局長らが集まり、国会閉会後も政権を厳しく追及する姿勢をアピールした。
「内閣不信任決議案を出して(数の力で)あっさり否決され、(政権側に)『信任された』とドヤ顔で言われるようなことはしたくない。桜を見る会の追及を途中で終わらせるわけにはいかない」
立民の福山氏は、9日に閉会した臨時国会で不信任案を出さなかった野党側の対応は正しかったと訴えた。また、桜を見る会の疑惑追及だけでなく、大学入学共通テストの英語民間検定試験の導入延期などを野党の成果として宣伝することも忘れなかった。
共産の小池氏は漫画『北斗の拳』の主人公の決めせりふを使って、安倍政権に「お前はすでに死んでいる」と通告。また、社民党の福島瑞穂副党首は、桜を見る会が首相によって私物化されているとして、「安倍首相の、安倍首相による、安倍首相のための、安倍首相を見る会だ」と強調した。
現場では野党の姿勢に共感した聴衆から5000円の寄付が寄せられる“サプライズ”もあった。司会を務めた立民の黒岩宇洋(たかひろ)国対委員長代理は「われわれは安倍政権と違ってムダ遣いはしない。これで1枚でも多くのチラシを作っていきたい」と述べ、追及の財源として使う決意を表明した。
野党は約40分間にわたり政権批判を展開したが、平日のランチタイムと重なったためか、立ち止まる人は少なかった。 
●菅長官「首相説明に尽きる」 桜見る会前日の夕食会 12/12
菅義偉官房長官は12日の記者会見で、「桜を見る会」前日に安倍晋三首相の後援会が開いた夕食会に関し、首相が十分説明しているとの認識を示した。会場となったホテルの明細書がない点など疑問が解消されていないと問われ、「首相によるこれまでの説明に尽きる」と述べた。
首相は国会答弁や記者団に対し、夕食会に要した経費を示す明細書の発行は受けていないと主張。再発行についても「営業の秘密に関わるため、公開を前提とした資料提供には応じかねる」としている。  
●今年の漢字 菅長官「『桜』は見たくもない」  12/12
菅義偉官房長官は12日の記者会見で、令和元年の世相を1字で表す「今年の漢字」に関し、国会や記者会見で「桜を見る会」について繰り返し追及されていることを念頭に「桜」ではないかと問われたのに対し、笑いながら「(桜は)見たくも聞きたくもない」と冗談でかわした。この回答に普段は桜を見る会について厳しい質問を浴びせる記者団からも笑い声が上がった。
一方で、日本漢字能力検定協会が「今年の漢字」が「令」に決まったと発表したことについては、「確かに今年は私自身、歴史的なめぐり合わせの元号発表に携わることができた。私にとっては多分『令』か『和』じゃないかなと思っていたので、『令』が選ばれて『なるほどな』と思う」と語った。  
●野党、桜見る会で質問書 国会閉会後も追及アピール 12/13
立憲民主党など野党は13日、首相主催の「桜を見る会」をめぐり、招待者名簿のデータを廃棄した際の記録提出を求める質問書を政府に提出した。政府は17日と23日に衆参両院でそれぞれ開かれる内閣委員会理事会で回答する予定。野党側には9日の臨時国会閉会後も追及を続ける姿勢をアピールする狙いがある。
参院内閣委に所属する立民の杉尾秀哉氏らが、内閣府の大塚幸寛官房長に手渡した。質問書ではこのほか、招待者をめぐる内閣官房と安倍晋三首相の事務所のやりとりなどを明らかにするよう要求した。衆院側は10日に質問書を提出している。
与野党は9日、野党が提出する質問書に対し国会閉会中に政府が回答すると申し合わせた。これを受け、野党は臨時国会での内閣不信任決議案の提出を見送った。 
●首相、英国TPP加盟なら「心から歓迎」 都内で講演 12/13
安倍晋三首相は13日、東京都内で講演し、英国が欧州連合(EU)から離脱した後、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に加盟するのであれば「心から歓迎する」と語った。
23日で調整している中国の習近平国家主席との首脳会談に関し「アジアや世界の平和、安定に大きな責任を果たすべきだとの認識を習氏と共有し、その意思を明確に示すことが国際社会から求められている」と強調した。
首相主催の「桜を見る会」については「政策論争以外に審議時間が割かれていることを国民に大変申し訳なく思う」と述べた。  
●産経・FNN合同世論調査 「桜」が首相に打撃 支持率や憲法改正に波及か 12/16
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査で、首相主催の「桜を見る会」への招待者選定をめぐる安倍晋三首相の説明について、「納得できない」との回答が74・9%に上った。国民の根強い不信感は安倍内閣の支持率や憲法改正の賛否にも影響しているとみられ、ボディーブローのように政権の足元を脅かしつつある。
桜を見る会をめぐり「招待者の取りまとめに関与していない」との首相の説明に対し、「納得できない」との回答は内閣不支持層の94・7%、支持層でも58・1%に達した。自民党支持層でも「納得できない」は62・1%と高く、再開への賛否についても「廃止すべきだ」が3割を超えた。
年代別にみると、男女ともに高年齢層ほど首相の説明には納得していない傾向がうかがえる。「納得できない」との回答は、男性の50代と60代以上で約8割に達した。女性も40代と50代の約8割が「納得できない」と回答し、60代以上では9割近くになった。
女性の方が安倍政権に対して厳しい傾向は、内閣の支持・不支持率にも表れている。女性では、40代を除く全ての年代で、「支持しない」が「支持する」を上回った。50代では47・3%が「支持しない」と回答し、「支持する」(37・8%)を約10ポイント上回った。
桜を見る会をめぐる安倍内閣への不信感は、首相が在任中の実現を目指す憲法改正にも影を落とした。憲法改正に「賛成」との回答は、桜を見る会がクローズアップされた後の11月の前回調査よりも約10ポイント下落。今回の調査では、安倍内閣の支持層でも「賛成」は63・8%にとどまり、前回の70・4%から約7ポイント減少した。
一方、反対は前回調査(18・4%)から約5ポイント増え、23・6%となった。自民党支持層でも「賛成」は61・2%で前回よりも約8ポイント減。「反対」は逆に約8ポイント増の27・4%だった。
首相が改憲を「私の手で成し遂げたい」と表明したことへの評価も限定的で、「評価する」は内閣支持層で65・8%、自民党支持層は62・6%にとどまった。 
●桜を見る会で会費払わず夕食会参加か 「領収書なし」も…下関市議が指摘 12/20
今年の「桜を見る会」前夜に、安倍晋三首相の後援会が主催した夕食会を巡り、山口県下関市の田辺よし子市議は19日、国会であった野党追及本部の会合で、参加者の中に「会費を支払わなかった人がいる」と証言した。地元市民の複数の参加者に聞き取りをし、判明したとしている。
田辺市議は、聞き取りをした参加者の中に領収書をもらった人がいなかったとも証言し「発行をしていなかったのではないか」と指摘。安倍首相はこれまで「受付で事務所職員が1人5000円を集め、ホテル側が発行した領収書を手渡した」と説明していた。 

 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 

 

●日経新聞 
●首相、費用補填を改めて否定 桜を見る会の夕食会 11/18
安倍晋三首相は18日午前、首相主催の「桜を見る会」の前夜に首相後援会が開いた会合について、安倍事務所などが費用を補填したことはないと改めて説明した。「安倍事務所も後援会にも一切、入金・出金はない。各参加者が直接支払いをしている」と述べた。首相官邸で記者団に語った。
首相は「参加者が直接、宿泊費、旅費を払い込み、会食の費用(の明細書)もホテル側が発行した」と強調した。野党は首相後援会が開いた会合の費用を事務所が補填したことはないという首相の主張に対し、証拠の提示を求めている。首相は「食事代も安倍事務所にも後援会にも入金はないので領収書を発行していないし、領収書も受け取っていない」と語った。
国会での説明を巡っては「国会対応については党の方に全てお任せしている」と述べた。
立憲民主党の安住淳国会対策委員長は18日午前「首相は明確な(政治資金収支報告書の)記載漏れという違反を犯している」と述べた。首相が「桜を見る会」の前夜に首相後援会が開いた会合の明細書がないと主張していることについて「にわかにそんなことを信じる日本国民がいるのか」と批判した。国会内で記者団の取材に応じた。
●桜を見る会前夜祭 首相「明細ない」 補填否定 野党「説明不足」  11/19
安倍晋三首相は18日、首相主催の「桜を見る会」の前夜に首相後援会が開いた会合に関し、安倍事務所や後援会による支出や収入を重ねて否定した。「参加者が直接支払っている。事務所にも後援会にも入金はない」と語った。会合などの経費を示す明細書はないと述べた。野党は「説明不足」と批判し、追及を強める。
首相は官邸で記者団の質問に答えた。前夜祭の会食費は「(事務所は)領収書の発行を行っていない。ホテル側が発行・・・
●桜を見る会名簿 首相「データ復元は不可能」 12/2
安倍晋三首相は2日の参院本会議で、4月の「桜を見る会」の招待者名簿について電子データの復元はできないと語った。「端末にデータは保存されておらず、サーバのデータを破棄後、バックアップデータの保管期間を終えた後は復元は不可能だとの報告を受けている」と述べた。
内閣府が採用しているシステムに関して「個々の端末でなくサーバでデータを保存するシンクライアント方式だ」と指摘し、端末にデータが残らないと説明した。桜を見る会の運用を見直す際に「文書の保存期間も今後検討していく」と強調した。
内閣府は野党から招待者数や支出額などの資料請求を受けた日と同じ5月9日に名簿をシュレッダーで破棄し、同時期に電子データも削除した。
首相は「大型シュレッダーの予約を4月22日に行い、シュレッダーの空き状況や障害者雇用の短時間勤務職員の勤務時間などとの調整の結果、使用予定日が5月9日となった」と語った。廃棄は「野党議員からの資料要求とは全く無関係だとの報告を受けている」と述べた。
●桜を見る会名簿、開示でも黒塗りに 官房長官 12/6
菅義偉官房長官は6日の記者会見で、首相主催の「桜を見る会」の安倍晋三首相や与党議員ら政治家による推薦者名簿について、仮に開示しても黒塗りになるとの認識を示した。政府は既に、各府省庁が推薦した一部名簿は開示したが、ほとんどが黒塗りだった。菅氏は「個人情報保護法などの関係法令を踏まえるとそういう方向にならざるをえない」と語った。
政府は政治家による招待者名簿は既に破棄されたと説明している。開示する場合はデータを復元する必要があるが、政府は「復元は難しい」としている。・・・
●桜を見る会の名簿バックアップ「行政文書でない」 官房長官  12/6
菅義偉官房長官は5日の記者会見で「バックアップデータは行政文書ではない」と述べた。野党は首相主催の「桜を見る会」の招待者名簿について、開示を求めた際に政府が資料のバックアップデータを明らかにしなかったと批判している。菅氏は国会議員からの資料要求について「対象が行政文書であることが前提だ」と強調した。
5月21日の衆院財務金融委員会で共産党の宮本徹衆院議員が名簿の有無を質問した。内閣府幹部は「既に・・・ 
●デジタル公文書の扱い課題 「桜を見る会」で浮上  12/8
首相主催の「桜を見る会」の招待者名簿をめぐって、公文書をデジタル分野でどう扱っていくのかが論点に浮上してきた。経済社会の急速なデジタル化の進展を現在の法的枠組みが想定していないことが多いためだ。今後もデジタルデータが爆発的に増えていく環境下での公文書・行政文書の位置づけを検討する必要がある。
国会で話題となったのは今年4月に開いた「桜を見る会」の招待者名簿だ。内閣府は5月9日に紙の名簿をシュレッ・・・ 
●官房長官、桜を見る会見直し「来夏までに」 予算や招待基準  12/9
菅義偉官房長官は9日午前の記者会見で、首相主催の「桜を見る会」の招待者の基準や人数、予算を巡り、2020年夏までに見直す考えを示した。「来年夏の概算要求が一つのメドになる。落ち着いた環境でじっくりと検討する必要がある」と説明した。開催から約1カ月後に廃棄していた招待者名簿の保存期間を改める考えも示した。  
●桜を見る会の名簿、首相「データ復元は不可能」  12/9
安倍晋三首相は9日夜の記者会見で、首相主催の「桜を見る会」の招待者名簿について「データの復元は不可能であるとの報告を受けた」と述べた。「これまでの運用を大いに反省する」と説明し「今後、私自身の責任において招待基準の明確化など全般的な見直しを幅広く意見を聞きながらおこなう」と語った。
マルチ商法を展開し破綻したジャパンライフの元会長が過去に招待を受けていたことを巡っては「個人的な関係は一切ない」と重ねて強調した。 
●首相、今年の漢字は「始」 官房長官「『桜』は見たくない」  12/12
安倍晋三首相は12日、2019年を表す漢字に「令」が選ばれたことを受け「新たな令和の時代が始まった。今年を表すにふさわしい一字だ」と述べた。自らは「始」を選んだ。理由について「働き方改革や幼児教育の無償化が始まり、全世代型社会保障元年と位置づけた」と説明した。
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会や来年の東京五輪に触れ「スポーツの力、躍動感を感じる新たな時代が始まった」とも語った。
菅義偉官房長官は記者会見で、首相主催の「桜を見る会」を巡る質問を連日受けているのを踏まえ、今年の漢字に「『桜』はどうか」と問われ、「見たくも聞きたくもない」と笑って応じた。
菅氏は4月に自ら新元号の令和を発表したことを念頭に「『令』か『和』ではないかと思っていた」と語った。 
●「誤解招く表現」と謝罪 テレ朝、自民・世耕氏に  12/12
テレビ朝日は11日夜の番組「報道ステーション」で、10日に放送した「桜を見る会」のニュースの中で自民党の世耕弘成参院幹事長の発言を取り上げた際、「誤解を招く表現」があったとして謝罪した。
10日の番組では「与党内は早くも年越しムード」というナレーションを入れた後、記者会見後の雑談で「(年内の定例会見は)いつまでやるのか」と聞かれた世耕氏が「もう良いお年をというか……」と話す場面を放送。
世耕氏は自身のツイッターで「今日の会見が今年最後になるかもしれないという意味で『良いお年を』と言っただけなのに、それを桜を見る会と絡めて、問題を年越しさせようとしているかのように編集している。印象操作とはこのことだ」などと批判していた。
富川悠太キャスターは11日の放送で「桜を見る会とは直接関係のない発言で、放送ではその説明が丁寧ではありませんでした」などと述べ、世耕氏と視聴者に謝った。 
●首相推薦枠の確認、政府は拒否 「桜を見る会」で 12/17
衆院内閣委員会は17日、理事会を開き、首相主催の「桜を見る会」を巡り野党が提出した質問事項に政府が回答した。
マルチ商法を展開し破綻したジャパンライフの元会長が過去に招待を受けていたのを巡り、野党は招待状に記された区分番号の「60」が首相の推薦枠かどうかを当時の担当者に確認するよう求めた。立憲民主党などの共同会派に所属する今井雅人氏によると、内閣府は「当時の担当者に確認する必要はない」と答えた。
野党は招待者名簿の電子データを扱う内閣府の文書管理システムの仕様書などの提出を求めたが、政府側は拒否した。
安倍晋三首相は2日の参院本会議で招待者名簿について「端末にデータは保存されておらず、サーバーのデータを破棄後、バックアップデータの保管期間を終えた後は復元は不可能だとの報告を受けている」と述べていた。内閣府はデータをサーバーで保存する「シンクライアント方式」と呼ばれるシステムを採用している。
推薦者が招待者選定の基準にあたるかどうかは、内閣府や内閣官房が「必要な確認を行っている」と回答した。首相事務所が推薦した人物を招待者リストから落とした例があるかとの問いには「今年については落とした例があった」と明らかにした。
今井氏は記者団に「文書破棄や首相に関することは答えない。誠意ある回答とは全く思わない」と批判した。
理事会は野党側の要求に基づき、桜を見る会について国会閉会中も政府側の説明を受けるために開いた。委員会と異なり、理事会は非公開で開催する。参院も23日に内閣委理事会を開く予定だ。 

 

 
 
 

 

●地方新聞
●「桜を見る会」揶揄した東京新聞の驚くべき主張 4/19
先日土曜日(13日)、東京の新宿御苑で、安倍晋三首相主催の「桜を見る会」が催された。この観桜会、筆者も毎年招待いただきながら、参加せずにきた。
だが、今年は例年と異なり、レギュラー出演中のネット番組「『虎ノ門ニュース』の出演者全員で」というお招きだったため、「虎ノ門ファミリー」の皆さんとともに参加した。
今年は幸い、4月中旬でも御苑の桜が咲き残っており、晴天の下で花見を楽しみ、仲間と歓談していると程なく、安倍首相と昭恵夫人が現れた。
芸能人らが並ぶ列の前を歩いて、われわれ「虎ノ門」グループの前へ来た首相が「ここから雰囲気が違いますね」と一言。続けて、「(虎ノ門の)皆さんが一番『左』に陣取っているのが面白い」とヒネリの効いた冗談で、私たちをリラックスさせた。
実は、首相登場の前に、われわれと知己ある閣僚や自民党幹部とも言葉を交わした。辛口論客の一団は当然、社交辞令で済ませたりせず、日韓関係や、「大阪ダブル・クロス選挙」の顛末(てんまつ)、閣僚の失言、東京五輪への準備など、内外の諸問題について、疑義と苦言を呈した。
「虎ノ門ファミリー」にとっては楽しくも、緊張感ある花見の会だったが、これを後日、一部メディアが、一方的にヘイト(偏見と嫌悪)感むき出しに報じた。
会から3日後という気の抜けたタイミングで、地方紙(ブロック紙)東京新聞が「『桜を見る会』何のためか…」という記事を掲載したのだ。
「ネトウヨのアイドル? いっぱい」という見出し付きで、首相夫妻と虎ノ門ファミリーの写真が載っている。記事は次のとおりだ。
《今年の招待客で目立ったのは、何の「功労」だろうか、作家の百田尚樹氏や竹田恒泰氏、タレントのケント・ギルバート氏ら、排外主義的な思想を掲げるネット右翼(ネトウヨ)から人気を集める「右派文化人」》
文化人に右だ左だとレッテルを貼る時代遅れの感覚に、まず驚く。さらに、潜在読者である国民の一部をも「排外主義的な思想を掲げるネット右翼」と罵(ののし)る。この怖い書きぶりは、どこかで見覚えがあると記憶をたどると、次の一説が浮かんだ。
《ヘイト(差別扇動)をもっぱらとしている同番組》。これは、昨年大みそか発行の日本共産党の機関紙「赤旗」が、虎ノ門ニュースについて書いたくだりだ。どうやら東京新聞は、「赤旗」の「お仲間」らしい。
この東京新聞がある人物のことを《近年の活躍から、(桜を見る会に)呼ばれてもよさそうだ》と高く評価している。ジャーナリストの津田大介氏だ。
しかし、記事には、東京新聞が「百田氏らにはないが、津田氏にある」と示唆する「功労」が具体的に書かれていない。津田氏のどんな「功労」が、《呼ばれてもよさそう》なのかの説明が一切ないのだ。
ここで1つ、東京新聞さんに提案をしよう。功労の客観的な基準として、ひとまず著書の売れ行きでも比べてみてはどうか。百田、竹田、ケント・ギルバートの3氏と、津田氏。いずれの著書が日本国民から支持されたか。この数字から、双方の国民への影響力を比較できる。
そして、次の記事ではくれぐれも、津田氏のみでなく双方への取材をお忘れなく、とも申し上げておく。 
●桜を見る会 事務所ツアー 首相、際立つ地元優遇 11/15
安倍晋三首相の地元山口県の事務所を通じ、首相主催の「桜を見る会」に参加した複数の後援会関係者が、前夜祭などを含めた「ツアー」の実態を証言した。会場に向かうバス車内で事務所の職員が案内状を回収し「受け付け」を実施、手荷物検査もなく、下車後は次々と首相夫妻と記念撮影するなど優遇ぶりがあらわになった。
会には各界で功績、功労があった人だけでなく、首相の支援者が招かれており、招待基準の不透明さや人数肥大化が問題視されている。参加者の一人は「特にすることはなく、芸能人を探して楽しんだ」と振り返った。
地元事務所の秘書から誘われ、二〇一五年四月の会に参加した男性は、事前に代金を事務所職員に手渡していた。会の当日、地域ごとに大型バス約十台に乗り、午前七時に東京都内のホテルを出発。顔見知りの事務所職員が車内で案内状を集め、記念品の升を配った。
バスは新宿御苑内の駐車場に乗り入れ、手荷物検査をする受付には立ち寄らなかった。事務所が用意した御苑の地図に星印が付き「安倍後援会集合ポイント(写真撮影)」を案内。「カメラは事務所にお任せください」との記述もあった。下車後、首相夫妻が桜の木の近くに現れ、地域ごとに記念撮影が行われた。
安倍首相主催の会に参加したことはないという後援会メンバーの一人は「地元の人に功労者などいない。誘われた人が別の人を誘い、増えていったんじゃないか。これ以上の騒ぎになれば選挙にも響く。なくなってしまえばいいと思う」と話す。
前日、都内で開かれた首相後援会「前夜祭」の様子も分かってきた。参加した男性によると、費用は五千円でホテル名での領収証を受け取った。複数の丸いテーブルを十人ほどで囲む立食形式で、卓上に瓶ビールが五本ほど。食事はカツオのカルパッチョや焼き魚、巻きずしなどだった。
野党は代金が安過ぎるとし、差額分を首相側が補填(ほてん)した可能性に焦点を当てるが、男性は「会場はぎゅうぎゅうで五千円は高い。ぼったくりかと思った」とこぼした。 
●首相の説明にほころび 桜を見る会、推薦に関与 11/21
安倍晋三首相は二十日の参院本会議で、自身が主催した「桜を見る会」の招待客の推薦に関わっていたことを認めた。人選への関与を否定したこれまでの答弁を修正した。菅義偉(すがよしひで)官房長官は衆院内閣委員会で、今年の招待客約一万五千人のうち、首相の推薦が千人程度、自民党の推薦が六千人程度に上ったことを明らかにした。麻生太郎副総理兼財務相や菅氏ら官邸幹部の推薦も千人程度に上ったと説明した。招待客の半数以上が政府・与党の政治家による推薦で占められていた。
首相は参院本会議で「私の事務所が内閣官房からの推薦依頼を受け、幅広く参加希望者を募ってきたと承知している。私自身も事務所から相談を受ければ、推薦者について意見を言うこともあった」と語った。
その上で「内閣官房や内閣府が行う招待者の最終的な取りまとめには一切関与していない」と述べ、これまでの国会答弁は虚偽には当たらないとの認識を示した。八日の参院予算委員会では「招待者の取りまとめ等には関与していない」と説明していた。
首相は参院本会議で、招待基準があいまいだったなどとして「これまでの運用は大いに反省すべきだ」と表明。「招待基準の明確化や招待プロセスの透明化を検討し、予算や招待人数も含め、全般的な見直しを幅広く意見を聞きながら行う」と強調した。
菅氏は衆院内閣委で、今年四月の桜を見る会の招待客の内訳を説明。「年数を経るごとに人数が多くなってきたことを反省する」と述べた。政府側は首相の妻昭恵氏の推薦も招待客に含まれると明らかにした。
立憲民主など野党四党は幹事長・書記局長が国会内で会談し、新事実が判明したとして衆参予算委員会への首相の出席を重ねて要求することを確認した。
桜を見る会を巡る安倍晋三首相の説明に、ほころびが相次いで露呈している。招待客の人選への関与や、後援会と前夜に開いた懇親会の参加者の宿泊先に関し、当初の発言を変更。懇親会の経費を巡っても、不自然な点がある。野党は「虚偽答弁だ」などと批判を強め、首相に国会でさらなる説明を求めている。
招待客に関し、首相は二十日の参院本会議で、推薦段階では自らも関与していたと認めた。当初は「取りまとめ等」への関与を否定しており、人選の手続きに推薦段階も含まれるとすれば、答弁の修正に当たる。
首相は、内閣官房や内閣府での招待客の最終的な決定には関与していないと強調したが、国民民主党の玉木雄一郎代表は記者会見で「言葉遊び、言い逃れだ」と憤った。
懇親会参加者の宿泊先に関しても、首相は、大多数が懇親会の会場となったホテルだったとした当初の説明を、二十日の参院本会議では、二〇一五年は会場と別のホテルだったと修正した。首相は、参加者の会費が五千円という低価格で済んだのは、会場と宿泊先が同一だったからだと強調してきた。立憲民主党の福山哲郎幹事長は「これまでの説明と齟齬(そご)をきたしている」と記者団に指摘した。
懇親会の経費を巡っては、首相は「ホテル側から見積書等の発行はなかった」と繰り返し説明している。だが、都内の高級ホテルの広報担当者は、本紙の取材に「金額を決定する必要があるため、見積書を客に提示しないことはない」と話している。
野党は「明細書なし、ということはあり得ない。政治資金規正法ならびに公職選挙法に違反する疑いが濃厚になった」(福山氏)と攻勢を強める構えだ。 
●桜見る会 野党「買収罪」政府側は否定 獺祭や和菓子 おもてなし 11/28
首相主催の「桜を見る会」で提供された食事や記念品が、社会通念に照らして高すぎるのではないかとの疑問が持たれている。野党は、安倍晋三首相の選挙区の一般有権者が参加者に含まれているとみて「公職選挙法の買収罪に当たる」として追及する構えだ。 
今年四月に東京・新宿御苑で開催された会では、政府は参加者の食事として、茶そば、たけのこご飯、焼き鳥、赤飯、フライドチキンを数千食ずつ提供。老舗和菓子店の和菓子と、洋菓子の詰め合わせも各一万八千パック用意した。
飲み物は甘酒や緑茶などに加え、通常は新宿御苑への持ち込みが禁じられている酒類もそろえ、災害被災地の日本酒として首相の地元山口県の日本酒「獺祭(だっさい)」なども振る舞った。「桜を見る会」の刻印が入った記念品の升も配布した。
政府が業者と交わした飲食物提供業務の契約額は二千百九十一万円で、参加者一万八千二百人で割ると一人当たり千二百四円。第二次安倍内閣発足後に初めて開いた二〇一三年(参加者約一万二千人)の約八百十円よりも上がっているが、政府は、招待者は内閣官房や内閣府でとりまとめていることから、首相による買収に当たらないとの立場だ。
安倍首相の推薦で参加した地元後援者には、招待基準の「さまざまな功績、功労」に該当しない人もいると指摘されるが、政府は関連名簿を既に廃棄したと説明している。
立憲民主党などの野党新会派に所属する小西洋之氏は、今月二十一日の参院内閣委員会で「皇族や三権の長が出席する特別な会合で、普通の市民が日常的に食べないような食事が振る舞われている。買収罪になる供応接待だ」と指摘。これに対し菅義偉(すがよしひで)官房長官は「それには当たらない」と否定した。 
●桜を見る会 疑惑は深まるばかりだ 11/28
安倍晋三首相主催の「桜を見る会」を巡り、新たな問題が続々と浮上している。首相や政府側の説明は迷走し、公金の私物化など疑惑は深まるばかりだ。首相には速やかな解明への責務がある。
桜を見る会の問題の中心は、首相や自民党議員が多くの後援者らを招いていたことだ。菅義偉官房長官はことしの約一万五千人の招待者について、首相と正副官房長官らの推薦が計二千人、自民党関係者枠が六千人で、半数以上が政治家枠だったと認めた。
首相や官房長官らの枠は二〇一四年には三千四百人あり、ことしの二千人というのは過少申告ではないかとの指摘がある。首相枠には「私人」と閣議決定された昭恵夫人の推薦者も含まれていた。
ネット上の画像からは、参加者の中に反社会的勢力がいたことが判明。一五年にはマルチ商法が問題化していた会社のトップが招待され、それも首相枠だった可能性が高いと野党側が追及している。
政治家枠の推薦依頼をした内閣官房側は、招待者を確定する「決裁」はしていないと明言。事実上推薦者を無審査で招いたとみられる。会場では、招待状さえあれば本人確認も行われていなかった。
首相は当初、招待者取りまとめに「関与していない」と国会で答弁していたが、「意見を言うこともあった」と修正した。虚偽答弁と指摘されても仕方がない。
ことしの招待者名簿が廃棄された経過も謎だらけだ。内閣府によると、印刷名簿を細断したのは五月九日午後、共産党議員が国会質問のため資料提出を請求してから約一時間後だった。部局間のシュレッダー利用が重なってたまたまその日になり、廃棄担当課は資料請求を知らなかったという。首相らに都合が悪い文書を官僚側が慌てて隠蔽(いんぺい)したと疑われて当然だ。
電子データの削除過程も不明であり、財務官僚が公文書を偽造した「森友問題」を想起させる。
長期政権のおごりともいうべきでたらめな行事運営への首相の責任は極めて重い。首相後援会主催の前夜祭を巡る収支の不透明さも放置されている。共同通信の世論調査では、会に関する首相発言を七割が信頼していない。
臨時国会会期末まで十日余り。首相は野党が求める予算委員会の集中審議に応じるべきだ。説明を尽くし、反省すべき点があるのなら謝罪と責任の処し方を示さねばなるまい。自らを直撃する疑惑から逃げ、国政を停滞させることは断じて許されない。 
●桜を見る会「毎年予算オーバー」の“裏側” 11/29
安倍晋三首相主催の「桜を見る会」の予算と支出の推移がおかしい。予算は毎年同額なのに、支出はその一・七〜三倍まで増え、毎年大赤字。それを別の財源でこっそり賄っていた。「こちら特報部」は四月に大幅な費用増を報じていたが、その後の国会質問などで判明した招待客の「首相枠」問題などを重ねると、なぜこんな異常な推移になっていたかが透けて見える。
桜を見る会の予算額は、安倍政権下で行われるようになった二〇一三年度に千七百十八万円、それ以降は一九年度も含め千七百六十六万円で固定されている。一方、支出はずっと右肩上がりで、毎年予算オーバーしている。一四年度は三〇〇五万円で予算の一・七倍。一五年度は三千八百四十一万円で二倍超え。一八年度に五千二百二十九万円で同三倍になった。一九年度は五千五百十九万円。「超過支出禁止の原則」という財政規律の基本中の基本を無視した推移だ。桜を見る会の膨張ぶりを報じた特報部の四月十六日付記事を読んだ宮本徹衆院議員(共産党)が、五月の衆院決算行政監視委員会で質問し、こうした数字を引き出した。
では、予算オーバー分はどう賄っていたのか。「(超えた分について)これはどこからお金が出てきているのか」という宮本氏の質問に対し、井野靖久・内閣府大臣官房長は「内閣府本府の一般共通経費を活用することにより経費を確保している」と答弁した。一般共通経費とは、内閣府のさまざまな行政執行に使える財源で、いわゆる「色」のついていないカネだ。宮本氏が「予算は国会で審議して承認しているのに、その予算を無視して大きく上回る支出を行っているのでは審議や承認の意味がなくなる。財政民主主義の根幹が崩れている」と指摘するのももっともだ。毎年予算不足なら予算を増やすか、支出を予算に合わせて減らすのが普通だろう。なぜ内閣府は、その「普通」をしてこなかったのか。内閣府に取材を申し入れたが「担当者が全員外出している」として答えなかった。
大蔵省(現財務省)や内閣府などの官僚経験のある明治大公共政策大学院の田中秀明教授(財政学)は、超過支出禁止の原則は当然で、「一般共通経費を流用して超過分を賄うのは違法ではないが、毎年繰り返すのは不適切」とした上で、こう語る。「(首相官邸直結の)内閣人事局に完全に人事を握られているから、首相主催の『桜を見る会』の参加者が増えたからといって、内閣府の役人が支出を絞れとは言えない。でも後ろめたいから予算は増やさず、上回った支出は一般共通経費を使って隠れて処理しようとしたのではないか」と話す。
問題はこれにとどまらない。一三年度以降、会の飲食物提供を一手に受注してきた会社「ジェーシー・コムサ」の経営者は、安倍首相夫妻と近しい関係にあるといわれる。安倍首相が思いのままに参加者を増やせばその分、同社の受注額が増える「おいしい構造」で、こうしたことを隠すためにも、表面上の予算額を抑えてきたのではないかとの疑念も湧く。
元経済産業省官僚の古賀茂明氏は、同省の予算取りまとめの経験から、「以前は、『この業者は首相のお友だちではないか』と警戒したものだが、今は真逆になっている」と嘆く。その上で、こう語った。「安倍政権の人事的報復と、辞めた後でも執拗に行われる嫌がらせにより、官僚たちは安倍首相が何も言わなくても『自動忖度』するようになった。会の支出の超過分を一般共通経費で賄うのも、首相夫婦に近い業者を使うのもその一例だ」 
●15年桜を見る会 ジャパンライフ元会長招待 首相ら推薦、認める 11/29
政府・与党は二十九日、二〇一五年の「桜を見る会」に招待されたジャパンライフ元会長は安倍晋三首相らによる推薦枠だったことを事実上認め、野党側に伝えた。税金を使う国の行事に、磁気治療器の預託商法を展開し、破綻した「マルチ商法」の元経営者を首相らが招いたことになる。野党は招待の経緯を追及する。
野党はこれまでの国会審議で、元会長が会社説明会で使った資料に載せた招待状に「60」の番号が書かれていたことを指摘。内閣府が共産党の田村智子参院議員に提出した資料には、招待状の通し番号「60〜63」は「首相・長官等の推薦者」を指すと明記されていたため、野党は政府に事実関係の確認を求めていた。
自民党の森山裕国対委員長は二十九日午前、立憲民主党の安住淳国対委員長と国会内で会談し、政府側が田村氏に提出した資料について回答する方針を説明した。続く参院行政監視委員会の理事懇談会で、内閣府の大塚幸寛官房長が「内閣府として提出した資料であり、そこに記されている招待区分は招待状の発送を効率的に行うために付している」と述べた。
安住氏は「元会長が首相・官房長官の招待枠だったことが事実だと分かった。経緯を聞かないといけない」と記者団に語った。菅義偉(すがよしひで)官房長官は記者会見で、元会長の招待に関し「招待されたかどうかも含めて個人情報であり、答えることは控える」と述べた。
共産党が入手した資料によると、元会長は招待されたが、当日は欠席したという。同社は一四年以降、消費者庁から相次いで行政指導や行政処分を受け、一七年にマルチ商法の認定を受けていた。
立民など野党四党は政府・与党の説明を受け、午後から国会審議に復帰する。これに先立つ午前は衆参両院全ての審議を欠席した。 
●「反社会的勢力」 菅長官「定義ない」 実際は安倍内閣が07年定義 12/2
首相主催の「桜を見る会」への反社会的勢力の参加問題を巡り、菅義偉(すがよしひで)官房長官は「反社会的勢力の定義は一義的に定まっていない」と主張している。実際には、第一次安倍内閣が二〇〇七年に反社会的勢力の特徴を定義し、社会からの排除が「重要な課題」と訴えていた。政府による定義を素通りし、参加者の実態調査を拒む菅氏の姿勢は、これまでの政策と矛盾しかねない。
政府は〇七年六月、当時総務相だった菅氏を含む全閣僚で構成する犯罪対策閣僚会議の幹事会申し合わせで「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」を策定。暴力団をはじめとする反社会的勢力を「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または個人」と定義し、不当な要求への対応策をまとめた。
ところが、菅氏は今年十一月二十七日の記者会見では、反社会的勢力という用語に関し「さまざまな場面で使われることがあり、定義は一義的に定まっているわけではない」と述べた。桜を見る会に該当者がいたかどうかについては「個々の招待者の参加は承知していない」と確認を避けた。
警察庁の担当者も翌二十八日の野党会合で「現状いろいろなところで使われている言葉が、必ずしも〇七年の定義と同じ認識かどうかは言えない」と菅氏の発言に歩調を合わせた。
企業の危機管理コンサルティング会社「エス・ピー・ネットワーク」の芳賀恒人副社長は「実務上は定義を広く捉え、怪しい者と関係を持たないよう助言している」と本紙に説明。「政治家が来るような会合は、写真を撮って宣伝するなど悪用されやすい。来場者がどんな人物か厳しくチェックすべきだ」と語った。 
●桜を見る会 疑惑残し国会閉幕へ 12/7
自民党の森山裕国対委員長は六日、立憲民主党の安住淳国対委員長と国会内で会談し、野党が求める今国会の四十日間の会期延長に応じない考えを伝えた。安倍晋三首相主催の「桜を見る会」を巡る数々の疑問を残したまま、今国会は九日に閉会する。首相が説明責任を果たしていないとして、野党は会期末の九日、安倍内閣不信任決議案の提出を検討するとともに、越年後も追及を続ける構えだ。
安住氏は会談後、記者団に「大変残念だ。疑惑解明が道半ばどころか、首相は衆院にも来ない。与党の姿勢は疑惑隠しと言われても仕方ない」と批判した。
一方、森山氏は会談後、今国会の政府提出法案がおおむね成立したことから、「会期を延長する理由がない」と記者団に説明した。
桜を見る会の問題は十一月八日の参院予算委員会で発覚した。首相の後援会メンバーが会に多数招かれていたことを共産党議員が指摘し、野党は「税金の私物化」「有権者の買収だ」などと批判を強めた。
その後、この問題に関して首相が国会で答弁したのは二十日と十二月二日の参院本会議の二回のみ。本会議では質問と答弁を一方通行で言い合うため、かみ合わない質疑となった。
野党は十一月下旬、参院規則に基づき、首相が出席する参院予算委の集中審議を開くよう要求。与党は首相の出席を拒否し続けた。
会を巡る疑問は、招待客の人選基準、前夜に行われた懇親会の費用、招待客名簿廃棄の経緯など幅広い。
各省庁には過去の推薦名簿が保管してある一方、内閣府は首相ら「政治枠」の推薦名簿は既に廃棄したと説明。全体の招待客名簿は共産党議員が関連資料を請求した日に廃棄されており、実態が検証できない状態だ。
会の前夜に後援会が主催した懇親会は、後援会の政治資金収支報告書に記載がなく、収支の実態が不明。収支を説明する根拠となるホテル側の明細書も、首相は「発行を受けていない」と主張している。 
●桜を見る会疑惑 逃げ切りは許されない 12/7
内閣主催の「桜を見る会」を巡る疑惑は、臨時国会の会期末が九日に迫る中、何一つ解明されていない。その責任は真摯(しんし)な説明を避けている安倍晋三首相自身にある。逃げ切りは断じて許されない。
税金を使って多数の支持者や反社会的勢力まで招待し、後援会主催の前夜の宴会は収支が不透明。
これらは、首相自身が公職選挙法や政治資金規正法違反に問われかねない問題だ。潔白だというのなら、桜を見る会の招待者名簿や宴会の明細書など、証拠を示して説明すれば済む。しかし問題発覚以降、首相は口先だけの逃げの姿勢に終始している。
二日の参院本会議でも、野党議員による資料要求の直後に行われた印刷名簿の廃棄について、シュレッダーの予約の関係だったと従来の政府説明を繰り返した。
同じころ削除した電子データの復元は、システム上「不可能」と言い切った。その後、データにはバックアップがあったと判明し、当時なら復元できた可能性も出てきた。菅義偉官房長官は予備データは行政文書ではなく、提出の必要はなかったと強弁するが、どんな状態であれ、政府が管理し復元できたのなら原本と同じ文書のはずだ。詭弁(きべん)にしか聞こえない。
二〇一五年、詐欺的商法を展開していた「ジャパンライフ」の当時の会長に首相枠の区分番号で招待状が届き、宣伝材料にされていたことも重大な問題だ。首相は「個人的な関係は一切ない」と元会長との面識を否定した上で、不当な営業への利用は「容認できない」と人ごとのように述べた。
ただ、首相の父晋太郎氏が外相だった一九八四年、元会長とともに米国などを訪問し、首相も外相秘書官として同行していたことが明らかになり、答弁の根拠はぐらついている。元会長への招待状が、約七千人から千八百億円がだまし取られた事件を拡大させたのかもしれない。誰がなぜ招待したのか、解明する必要がある。
格安な五千円の会費を参加者がホテルに直接納めたとする「前夜祭」についても、首相は、明細書を提示しないのはホテル側の営業の秘密に関わるためなどと言うだけで、説得力を欠く。
臨時国会が終わったとしても、閉会中審査や記者会見に応じて説明することはできる。十一月、政治とカネの問題で安倍内閣の二閣僚が連続辞任した際、首相は「自ら襟を正し、説明責任を果たすべきだ」と求めた。今度は自身がその言葉を守らねばならない。 
●菅氏「名簿廃棄日は特定できず」 桜を見る会、内閣官房 12/13
菅義偉官房長官は13日の記者会見で、廃棄された「桜を見る会」の招待者名簿に関連し、内閣官房が取りまとめていた安倍晋三首相らによる推薦名簿の破棄日時は特定できないと説明した。
菅氏は、内閣官房の推薦名簿の廃棄は使用記録が残らない事務所内の通常のシュレッダーを使用したと明らかにした。内閣府が保有する全体の招待者名簿の廃棄は、予約が必要な大型シュレッダーを使用したため5月9日と判明した経緯がある。
内閣府の招待者名簿は段ボール十数箱分あったため大型シュレッダーが必要だったとも述べた。  
●首相「国民に申し訳ない」 桜見る会の国会論議で 12/13
安倍晋三首相は13日午後、東京都内で講演し、首相主催の「桜を見る会」を巡り「国会では、政策論争以外に審議時間が割かれていることを国民に大変申し訳なく思う」と表明した。桜を見る会については、首相が自身の後援会関係者を際限なく招いたとして、野党から「公私混同の極み」と批判を受けている。
首相は、台風19号など相次ぐ災害被害を踏まえ「防災、減災、国土強靱化を進め、未来の安心を確保する」と強調した。
今月末に予定される日中首脳会談に関し「アジアや世界の平和、安定に大きな責任を果たすべきとの認識を習近平国家主席と共有し、その意思を明確に示す」と語った。  
●桜見る会首相推薦枠「調査せず」 衆院内閣委、野党質問に 12/17
衆院内閣委員会は17日午前、国会内で理事会を開き、首相主催の「桜を見る会」を巡り政府が野党から提出を受けた質問事項について回答した。預託商法などが問題視された「ジャパンライフ」元会長の2015年の招待状に付された「60」が安倍晋三首相の推薦枠を意味しているかどうかについて「調査する必要はない」と答えた。
出席した無所属の今井雅人衆院議員によると、政府側は招待状の番号について「配送するために便宜的に付けているものだ」と説明。野党が要求した招待者名簿のデータを廃棄した際の記録提出についても「記録があるかについて調査する考えはない」とした。 
●内閣支持率、軒並み低下 各社世論調査 桜説明「納得せず」大半 12/17
報道各社の世論調査で、安倍内閣の支持率が軒並み低下している。「桜を見る会」を巡る疑惑が響いたとみられる。いずれの調査でも支持率は40%台を維持したが、安倍晋三首相の説明に「納得していない」といった回答が大半を占め、首相の説明不足に対する厳しい世論が浮かび上がった。 (清水俊介)
共同通信のほか、テレビ朝日、読売新聞と日本テレビ、産経新聞とフジテレビが十四、十五日を中心に調査を行った。いずれも、支持率は下落し、不支持率は上昇した。国会閉幕直前の七、八日を中心に調査を行ったNHK、時事通信、TBSも同じ傾向だった。
各調査は、首相や政府の説明についても調査。共同通信の調査では「十分に説明しているとは思わない」が83・5%だった。読売新聞の調査では政府説明に「納得していない」が75%、産経新聞の調査では「招待者の取りまとめに関与していない」との首相の説明に「納得できない」が74・9%だった。
共産党の小池晃書記局長は十六日の記者会見で、内閣支持率の下落について「当然の結果だ。首相が国会質疑から逃げ回り、最後は国会を強制的に閉じた。こうした対応に多くの国民が不信と怒りと疑問を持った」と分析した。
菅義偉(すがよしひで)官房長官は記者会見で「結果を謙虚に受けとめ、国民の声に耳を傾けながら、一つ一つ丁寧に対応していきたい」と述べた。 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 

 

●論評・諸話

 

●「桜を見る会」私物化疑惑、昭恵夫人のお友だち “アッキー枠” が浮上 11/19
「招待といっても交通・宿泊費はかかるので東京出張を兼ねて行った。会場には参加者が多く、安倍首相は1センチぐらいの大きさで見るのが精いっぱいだった」と、昨春参加した地方都市の会社経営者は振り返る。
名古屋市議会で議長を務めていた2016年に参加した藤沢忠将市議(自民)は、「覚えているのは桜がやや散りぎわだったこと。たくさんの人が参加していたが、名札をつけているわけではないので、どの都道府県から来た人が多いかなんてわからなかった。招待者が増えたのはそんなに大騒ぎすることだろうか。さまざまな人が呼ばれなくなるほうが残念」と話す。
東京・新宿御苑で毎年4月、首相主催で開かれる「桜を見る会」の参加者と経費が年々膨れ上がり、安倍晋三首相の地元後援会関係者が数百人規模で招かれていた実態が明るみに出た。
今年の開催要領によると、本来の招待範囲は皇族や各国大使、最高裁判所長官や各界の代表者など約1万人と決まっており、予算は約1766万円。招待者は配偶者と未成年の子どもについては同行できるものの、実際は辞退者を除いても2倍近い招待者が参加し、支出額は予算の3倍以上にのぼった。
8日の参院予算委員会でこの問題を追及した共産党の田村智子参院議員は「こんなに予算を無視した支出はありえません」と次のように話す。
「参加者が増えているのだから支出が増えるのは当然。税金で事実上、安倍首相の後援会のおもてなしをやっているんです。森友・加計問題は当事者や関係者が限られ、安倍首相が黙らせることのできる相手でしたが、これは無理です。調子に乗って招待者を増やしてしまいましたから」
参加者には私たちの税金で酒や焼き鳥、ご飯もの、団子などのつまみが無料でふるまわれ、提供ブースに何度も並び直せば飲み放題・食べ放題と同じ。お土産は同会開催を焼き印したひのきの升。公職選挙法で禁じる「寄付行為」に当たる可能性がある。
問題発覚当初、首相は国会答弁で「各界において功績・功労のあった方を各省庁からの意見などを踏まえ幅広く招待している。私は招待者の取りまとめなどには関与していない」と説明。後援会関係者の参加について「地元には自治会やPTAなどの役員をしている方々もいるので後援会と重複することもある」と逃げをはかった。
ところが、批判はむしろ強まった。逃げ切れないと観念したのか、一転、長年の慣例で首相や官房長官、与党などに招待者の推薦依頼を行っていたことを認め、来年の同会の中止を発表。15日には記者団に対し、「年数を経るごとに(招待者が)だんだん多くなった。そのことは反省しなければならない」と話すなど防戦一方の情勢だ。
問題はそれだけではない。前出の田村議員が言う。
「国会質問で安倍首相が最も動揺したのは、後援会主催の『前夜祭』に触れたこと。当然、後援会の政治資金収支報告書に記載がなければおかしいんですが、どこにも出てこないんですよ。そもそもツアーを組んじゃダメでしょ」
安倍首相の地元事務所は後援会員に向け、同会参加と複数の観光プランから選ぶツアー案内を送っている。費用は参加者が旅行会社に直接振り込み、移動はチャーターした観光バス。別料金で首相夫妻が出席する「前夜祭」にも参加できるという内容だ。
実際に今年の同会前夜、首相夫妻は東京・紀尾井町のホテルニューオータニで、前乗りした後援会関係者ら約850人と豪華なパーティーを楽しんだ。シャンソン歌手の歌を堪能し、寿司を食べて会費は5000円。本当にこの値段でおさまるのか信じがたいが、首相の説明によると、会費は安倍事務所職員が受付で代理徴収したものの、そのままホテルに手渡しているので政治資金収支報告書の記載義務はないという。
政治とカネの問題に詳しい日本大学の岩井奉信教授(政治学)は、「ちょっと納得いかないでしょうが、事務所にお金の出入りがなければ記載義務は発生しません。問題は、かなり安い会費。事務所が足りない分を補てんしていれば公職選挙法の寄付違反になる。ホテル側が値引きしたのであれば、値引いた分を事務所に献金したと取られる可能性もあるグレーゾーンです」と説明する。
同教授は「ある意味、うまいやり方」と指摘し、法律の抜け道をつくりかねないため、活動報告する仕組みづくりが必要ではないかという。
いずれにせよ、私たちが生活費を切り詰めて納めている税金が、安倍首相の後援会関係者のお花見のために使われるのは許せない。
内閣府は今年の招待者名簿を廃棄したとしており、“首相枠”とされる約800人の功績・功労ははっきりしないまま。
しかし、ネット社会のいま、今年に限らず複数の参加者がブログやツイッターなどのSNSで同会に参加した感想などを写真つきで述べており、その中には、アッキーこと昭恵夫人の“お友達”とみられる人もちらほら。
例えば、昭恵夫人が校長を務め5年前に開校した「UZU(うず)の学校」に講師として招いた人物のほか、名誉会長を務めるスキーイベントの実行委員、さらに趣味の酒造仲間ら。それぞれどのような功績があったのかわからないが、昭恵夫人とつながりがあって2年前に参加した会社役員の男性はSNS上で、《安倍昭恵さん、お招きありがとうございました!》と、個人的なお礼まで述べている。
招待状はすべて安倍首相の名前で内閣府から送られ、招待理由などは書いていない。
つまり、昭恵夫人とのコネ以外に招かれる心当たりがないのだろう。
森友問題に絡んで昭恵夫人は「私人」と閣議決定されており、一私人が国家の功労者の人選に関わるのは問題だ。
それにしても、なぜ、ここまで招待者が膨れ上がったのか─。
政治評論家の有馬晴海氏は、「新宿御苑はキャパシティーが広く、立食形式でイスなどを用意する必要もないから無制限に増えたのでは。消費税を上げる財源不足の中、税金を使ってまで再来年以降に再開する必要はあるだろうか」と疑問を投げかける。
“アッキー枠”が、さらに暴露されれば第二のモリカケ問題にもなりかねない。
公私混同ぶりは、夫唱婦随といえそうだ。 
●現代版「醍醐の花見」の節度なき招待者800人 11/21
安倍晋三首相が主催する「桜を見る会」をめぐる騒動は、首相自らが「来年度中止」の決断をしたにもかかわらず、収まる気配が見えない。朝日新聞の世論調査によると、首相の「招待者の取りまとめなどには関与していない」という説明には、68%が「納得できない」と回答している(朝日新聞デジタル2019年11月18日)。
この一件は、あの森友・加計学園問題より、もっと広く深い政権に対する不信感を、国民の間にもたらした。永田町の一部でささやかれていた衆議院の解散・総選挙も、とうてい断行できる状況ではなくなった。
そもそも「間違ったことをしてしまったが、これからはそんなことはしない」という首相の言い方は弁明にも反省にもなっていない。説明が二転三転することも、隠していることがあるのではないかという疑念をかきたてる。
私自身はこの問題の根底にあるのは、「政治の節度」のようなものだと思っている。要は、招待者の人数、基準、接待の内容などについて、「どこで線を引くか」という判断の問題ではないか。
法律違反があればそれは論外だが、適法であっても、「非常識なこと」をしないというのが、望ましい政治判断だろう。裏を返せば、首相の判断力に直結する問題だと言える。
この春、4月に「桜を見る会」のニュースを見たとき、私はとっさに“秀吉の花見”を思い浮かべた。ときの最高権力者が、桜花爛漫のなかで多くの人たちと酒食を共にしている光景が、歴史に名高い秀吉の饗宴と重なって見えたからであろう。
秀吉の花見とは、天下人にのぼりつめた豊臣秀吉がその最晩年に、京都の醍醐寺で催した盛大な花見の宴、いわゆる「醍醐の花見」である。
調べてみると、なんと1300人の一族郎党の女性たちが集まったという。現在に続く花見の宴はここから始まったと言われるから、まさしく我が意を得たりという感じだ。華やかに着飾った芸能人が目立ったこともそんな連想を喚起したかもしれない。
報道によると、「政府は、招待基準の明確化、招待プロセスの透明化、予算額、招待人数の4項目を中心に、幅広く意見を集めて、会のかたちを見直す」としている(朝日新聞デジタル2019年11月13日)。
だが、そもそも政治の節度からすれば、“秀吉の花見”の10倍を超える1万8千余人の人数は、あまりに多すぎる。そして、なによりも来年度予算に盛り込まれるはずだった5729万円も多すぎる。招待基準の「各界における功績、功労のあった方々」(安倍首相)というのも、あまりにあいまいな基準である。言えば、国民の大半が各界における功労者だ。
首相は15日の会見で、招待者の増加について「私自身も反省しなければならない」と述べた。実際、首相の地元からの招待者が800人を超すというのは、突出して多すぎる。それがわれわれの税金による招待なのだから、黙視できないところだ。当初の説明から一転、招待者の選定過程に自身が関与したことを認めた首相だが、800人という数を知らなかったはずはない。明らかな“我田引水”である。
実はこの種の問題は、政治家にとって格別に悩ましい。
10人ほどの招待なら、招待されない人たちの反発はそれほどではないが、千人、万人という人が招待されながら、自分に声がかからないとなれば、その反発はすさまじいものになるからだ。おそらく地元の山口県民は800人という数字を知らなかったはずだ。もし知っていたら、リストアップされなかった人たちの怒りは大きい。
だから、もめ事が起こらないように解決しようとすると、どうしても次の年には招待を増やす方に向かわざるを得ない。だが、それがまた反発や怒りを増幅するのでかなり厄介なのだ。
概算要求額で見る限り、来年はさらに招待客を増やすつもりだったようみみえる。さらに、その翌年になると、何万人にもなりかねない。安倍首相も今回の一件にはむしろホッとしているところもあるかもしれない。
野党の攻撃は、「桜を見る会」の前日にニューオータニで開かれた安倍晋三後援会の「夕食会」にも向かっている。批判の焦点は1人5000円のパーティーだ。このホテルでのパーティーにしては、あまりに安すぎるというわけだ。安倍首相側から何らかの補助があったはずだと、野党は疑っている。
とはいえ、ニューオータニは「1人5000円」とは決していわないだろう。・・・  
●11/21迄のTVの桜を見る会関連報道の放送時間
   NHK:   62分
   日テレ: 201分
   TBS:   690分
   テレ朝: 437分
   フジ:   184分
   テレ東:  41分
異質なのは2週間で11時間半も報道したTBS(全局の報道時間の約40%)。
局をあげ昼夜を問わず【安倍叩き】してることがよくわかる結果。
遂にTBSは反安倍を隠さなくなった。 
●「お仲間」は公金で花見饗応、国民は円安と消費税で貧しくなった 11/22
11月20日で桂太郎(第11・13・15代内閣総理大臣)を抜き、憲政史上最長の在職日数となった安倍晋三総理。この間、安倍総理は官僚人事を壟断し、自身の手駒として動く忠実な下僕を主要ポストに据え、自身の「身内」に利権を分け与え、嘘を嘘で糊塗し、法や民主主義を踏みにじり、公文書を捏造させ、国家を私物化してきた。
安倍総理は「政治は結果」というが、その結果は、粉飾だらけのアベノミクス、失敗だらけでカネをばらまく外交とろくな成果も見られない。
『月刊日本 12月号』では、総特集として、長期政権の驕りと緩みが噴出しまくっている安倍政権を批判する「国家を私物化する安倍晋三 国民を裏切り続けた七年間」を掲載している。
今回はその特集から、弁護士でありながら「アベノミクス」の虚飾を指摘し続けている明石順平氏の論考を転載し、ここに紹介したい。
―― 安倍政権はアベノミクスと称する経済政策を7年にわたって行ってきました。アベノミクスをどう評価していますか。
明石順平氏(以下、明石) / 端的に言えば円の価値を落としただけです。それに尽きます。国債を爆買いして円の供給を増やした結果、市場は円売りに動き、円安が進行しました。製造業は円安によって得したかもしれませんが、物価が上昇し、それに賃金の上昇が追いついていないため、消費は冷え込みました。そこに消費増税が重なったため、国民の生活は非常に苦しくなってしまったのです。これは賃金と物価の推移を見れば明らかです(図1 なお、厚生労働省によって統計不正が行われていたことが発覚したため、このグラフは賃金について実態を反映していない部分がありますが、かといって代替するものが無いため、やむを得ずそのまま使います)。アベノミクスから5年で名目賃金は1・5%しか伸びていません。その一方で物価は6%も上がっています。日銀の試算によると、消費増税による物価上昇は2%なので、残る4%はアベノミクスがもたらした円安の影響です。安倍政権は増税+アベノミクスによって物価を無理やり上げましたが、賃金が1・5%しか伸びなかったため、実質賃金は4・2%も下がってしまったのです。これはアベノミクス前の水準に遠く及びません。もし民主党政権が続いていれば、少なくとも国民が物価高で苦しむことはなかったでしょう。
―― 安倍総理は実質賃金より総雇用者所得の増加を重視すべきだと主張しています。
明石 / 確かに総雇用者所得は増えていますが、それは雇用者が増えたのだから当然です。問題は雇用者の内訳です(図2)。アベノミクス擁護者たちは絶対に触れませんが、職種別の雇用者数を見ると、医療・福祉が6年間で125万人も増えています。その理由は高齢者が増加していることであり、アベノミクスとは無関係です。雇用が増えている理由をもう一つあげると、多くの企業がフランチャイズで多店舗展開していることが関係していると思います。フランチャイズとは、フランチャイズに加盟する人や法人が、フランチャイズ本部から店の名前やサービス、商品を使う権利をもらい、その対価をフランチャイズ本部に支払う仕組みです。権利を与える側はフランチャイザー、権利を付与される側はフランチャイジーと呼ばれます。コンビニがその典型です。フランチャイズの総店舗数および業種ごとの店舗数の推移を見ると、アベノミクス前からフランチャイズ店は増え続けており、特にコンビニの伸びは小売業全体の伸びを上回っています(図3)。そして、日本はフランチャイズに関して何の法律もないので、フランチャイザーがフランチャイジーを搾取し放題になっています。だから店舗数を増やすことができ、それに伴って雇用者も増えるのです。このことは12月に出版予定の『人間使い捨て国家』(KADOKAWA)に詳しく書きましたが、たとえばコンビニのオーナーは実態は労働者なのに個人事業主として扱われているため、残業代も支払われず、人件費が極端に圧縮されています。こうした脱法行為が平気でまかり通っているのです。
―― 安倍総理はアベノミクスによって有効求人倍率が上昇し、失業率が低下したと述べています。
明石 / 有効求人倍率の上昇も失業率の低下も、ともにアベノミクス前から始まっており、アベノミクスとは関係ありません(図4)。アベノミクス以降もずっと改善傾向が続いているのは、金融危機が発生していないからです。数字が悪化した時期を見ると、1991年のバブル崩壊以降、雇用はどんどん悪化していき、1997年末に発生した金融危機によってさらに悪化します。2003年あたりから徐々に良くなりますが、2008年のリーマンショックで再び悪化します。つまり、アベノミクス以降は金融危機が発生していないから雇用の改善が継続したにすぎないのです。そのため、再び金融危機が起これば、雇用はまた悪化するでしょう。しかし、失業率の急激な上昇はある程度抑え込まれるかもしれません。というのも、日本ではとにかく高齢者が増えており、医療・福祉分野の人材不足が深刻になっているからです。失業者はそこに吸収される可能性があります。
―― 賃上げ2%を実現したというのも、安倍総理の口癖です。
明石 / 安倍総理の言う賃上げは春闘における賃上げ率のことです。そのため、当然のことながら春闘に参加した組合員しか対象になっていません。安倍総理が根拠としている連合のデータを見ると、調査対象となった労働者の割合は雇用者全体の約5%程度にすぎません。しかも、この賃上げ上昇率は名目値です。実質賃金上昇率を見ると、アベノミクス以降は民主党時代よりも圧倒的に低いのです(図5)。
―― とすれば、アベノミクスの効果があったと言えるのは株価くらいでしょうか。
明石 / 確かに株価は上昇しましたが、これは異次元の金融緩和と日銀のETF(上場投資信託)購入、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の株式投資によるものです。要するに日銀と年金によって株価をかさ上げしているだけです。もし日銀とGPIFが株価を買い支えることをやめれば、株価は暴落してしまうので、もはや後には引けません。 GDPもかさ上げされています。野党はGDPかさ上げ疑惑を国会で追及し、私も『国家の統計破壊』(インターナショナル新書)などで批判しましたが、2016年12月に内閣府がGDPの算出方法を変更し、それにともない1994年以降のGDPをすべて改定したことで、GDPが大幅にかさ上げされたのです。そういう意味では、アベノミクスの本質は「かさ上げ」です。アベノミクスはシークレットブーツを履きながら「私は身長が伸びた」と言っているのと変わらないのです。私たちはそのことをしっかりと認識する必要があります。 
●「桜を見る会」ジャパンライフ招待問題にマスコミが消極的な理由 11/27
安倍首相「桜を見る会」私物化をめぐり、悪徳マルチ「ジャパンライフ」山口隆祥会長が招待されていた問題。一昨日25日、共産党・田村智子参院議員の国会で追及したことにより一気に火がついたのだが、マスコミの出足が遅いとネットで話題になっている。
たとえば、25日の『news23』(TBS)はシュレッダー問題は取り上げたもののジャパンライフ問題については触れず、『報道ステーション』(テレビ朝日)は「桜を見る会」問題自体を取り上げなかった。さらに翌朝の26日の朝日新聞や毎日新聞も、これだけ大きな問題にもかかわらず報じず、その消極姿勢に疑念の声が広がっていた。
マスコミのこの反応の鈍さは、実は、自らもジャパンライフの宣伝に加担していたことを蒸し返され「ブーメラン」と攻撃されるのを恐れてのことなのではないか。
本サイトでは、2018年2月、ジャパンライフが2000億円を超える負債を抱え事実上倒産した際や今年4月に警察の捜査が動き始めた際などにも、繰り返し伝えてきたが、ジャパンライフの広告塔になっていたのは安倍首相や加藤勝信厚労相、二階俊博・自民幹事長といった安倍政権幹部だけではない。通信社、全国紙、そしてNHKなど大マスコミの編集委員・解説委員クラスの幹部も、ジャパンライフの宣伝資料に実名・顔写真入りで登場していたのだ。
これは消費者問題の専門紙・日本消費経済新聞が2018年2月5日号で「ジャパンライフ元社員から宣伝用資料入手 首相桜を見る会、二階幹事長も広告塔」「著名ジャーナリストや大手マスコミ解説委員らも」との見出しを立ててスクープしたものだが、記事によれば、2017年1月27日、二階幹事長を囲む懇談会を山口会長の主催で開催したという。
同紙が入手した宣伝資料には〈トップ政治家やマスコミトップの方々が参加しました! このメンバーで毎月、帝国ホテルにて情報交換会を行なっています〉と打たれ、その下に「参加者メンバー」が肩書きと顔写真入りでリストアップされている。
そこには、TBS『ひるおび!』などテレビでおなじみ官邸御用ジャーナリストの筆頭、“田崎スシロー”こと田崎史郎・時事通信社解説委員(肩書きはすべて当時)や、安倍首相と寿司を食う仲から“しまだ鮨”との異名を持つ島田敏男・NHK解説副委員長、また芹川洋一・日本経済新聞社論説主幹の名前があげられている。田崎氏、島田氏が安倍首相の会食メンバーでることは言うまでもないが、日経の芹川氏も安倍首相と会食を行なってきた。
ただ、このジャパンンライフの広告塔になっていたのは、安倍首相の“メシ友”だけではない。元読売新聞社東京本社編集局長の浅海保氏、元朝日新聞政治部長の橘優氏、毎日新聞社の岸井成格・特別編集委員と倉重篤郎・専門編集委員、『報道ステーション』コメンテーターでもある後藤謙次・元共同通信社編集局長らまでが名前を連ねていた。ようするに、政治部トップ経験者が勢ぞろいしていたのだ。
しかも、元朝日新聞の橘氏は朝日退職後、ジャパンライフの顧問を務めていたことがあるうえ、日本消費経済新聞の取材に対し、毎日と日経は「元朝日新聞の橘氏に誘われた」と回答しており、これらのメンバーの多くは、朝日の橘元政治部長が誘った可能性が高い。
このジャパンライフとの関係を蒸し返されたくないために、「桜を見る会」にジャパンライフ会長が招待されていたことや、招待状が宣伝に使われていた問題を、扱わないのではないか。そういう疑念の声があがったのだ。
こうした声が大きくなったせいか、現場からの突き上げがあったのか、さすがに新聞も今日になって取り上げ始めたし、テレビも昨日はこの問題を取り上げた。
しかし、朝日新聞はいまだに扱いが小さく、また昨日の『報ステ』もジャパンライフ問題を取り上げたものの、「桜を見る会」問題をめぐる動きをレポートするVTRでは、シュレッダー問題からはじめ間にジャパンライフ問題をはさみ、再びシュレッダー問題に戻って終わらせ、スタジオ受けでは、ジャパンライフ問題について後藤氏らがコメントすることはなかった。
『報ステ』が苦肉の策を考えてまでこの問題を取り上げたこと自体は評価したいが、こうした扱いを続けていては、「桜を見る会」問題におけるジャパンライフ問題があたかも重大ではないかのような誤解を与えかねない。
もちろん報道に携わる者が、特定企業に接待を受けていたことは問題であり、宣伝に使われたことの社会的責任も大きいだろう。
しかしだからこそ、メディアやジャーナリストたちは、このジャパンライフと安倍首相「桜を見る会」の問題の追及の手をゆるめるべきではない。きちんと経緯を明らかにし自らの非を認めたうえで、「桜を見る会」問題については徹底追及するべきだ。
安倍応援団や右派メディアは「ブーメラン」と攻撃するかもしれないが、そんなものまったく気にする必要はない。一部の記者やキャスターの問題であって会社ぐるみや番組、新聞全体の問題ではないし、何より安倍首相「桜を見る会」私物化問題は次元も本質もまったく異なるものだからだ。
そういえば、『ひるおび!』で政権スキャンダルを扱うときは必ず出てきて政権の言い分を代弁する御用ジャーナリスト・田崎史郎氏が、今日の「桜を見る会」とジャパンライフ問題コーナーに出ていなかったが、それもやはりこのジャパンライフ広告塔問題と関係あるのだろうか。
田崎ら安倍応援団に言っても仕方ないかもしれないが、心あるジャーナリストやメディアには、今後「桜を見る会」をより一層追及していくためにも、この問題について自らきちんと明らかにしてほしい。その意味で、2018年にジャパンライフ広告塔問題について報じた本サイトの記事を以下に再録するので、ご一読いただきたい。
2000億円を超える負債を抱えて事実上倒産した預託商法大手・ジャパンライフ社。創業者の山口隆祥会長はマルチ界隈での“レジェンド的存在”で、同社は以前から悪徳商法と批判、問題視されてきた。
そんなジャパンライフに安倍首相の側近政治家が関わってきたことは本サイトでも紹介したとおりだ。なかでも加藤勝信厚労相は内部向けの宣伝チラシに登場する“広告塔”。チラシによれば、山口会長は加藤大臣と昨年1月13日に会食したとして「ジャパンライフの取り組みを非常に高く評価していただきました」と紹介されている。また、自民党の二階俊博幹事長も宣伝チラシに登場していたことも判明している。
今月12日には、ジャパンライフが元内閣府官房長や元特許庁長官ら複数の官僚OBを同社の顧問として招請し、報酬を支払っていたことが大手紙でも報じられた。加藤大臣ら政治家や元官僚が“協力”していたことで同社の「信頼」を演出しただけでなく、行政処分が遅れ、被害を拡大させた可能性もある。当事者たちは「利用されただけ」と嘯くが、その責任は極めて重いと言わざるをえない。
だが、そんなか、テレビや大手紙が一切沈黙を決め込んでいるもうひとつの“広告塔”疑惑がある。それは、通信社、全国紙、そしてNHKなど大マスコミの編集委員・解説委員クラスの幹部が、ジャパンライフの宣伝資料に実名・顔写真入りで登場していたという事実だ。
スクープしたのは、消費者問題の専門紙・日本消費経済新聞。独自の取材でジャパンライフ問題に切り込み続けてきた同紙だが、2月5日号の一面で「ジャパンライフ元社員から宣伝用資料入手 首相桜を見る会、二階幹事長も広告塔」「著名ジャーナリストや大手マスコミ解説委員らも」との見出しを立てて報じた。
記事によれば、同紙記者はジャパンライフ元社員から、顧客の説明会で使用する資料を入手。顧客向けの説明会でスライドとして使われたり、社員が高齢女性らを勧誘する際に見せるなどして用いられていたという。紙面では宣伝資料の画像も掲載。1枚は「安倍晋三内閣総理大臣から山口会長に「桜を見る会」の御招待状が届きました」として、ハガキを見せつけるもの。そしてもう一枚が、二階幹事長とともにマスコミ関係者の“広告塔”疑惑を示す。そこにはやはり、安倍首相と会食を繰り返す“メシ友”たちの姿があった。
問題の資料によれば、昨年1月27日、二階幹事長を囲む懇談会を山口会長の主催で開催したという。〈トップ政治家やマスコミトップの方々が参加しました! このメンバーで毎月、帝国ホテルにて情報交換会を行なっています〉と打たれ、その下に「参加者メンバー」が肩書きと顔写真入りでリストアップされている。
そのなかには、TBS『ひるおび!』などテレビでおなじみ官邸御用ジャーナリストの筆頭、“田崎スシロー”こと田崎史郎・時事通信社特別解説委員や、安倍首相と寿司を食う仲から“しまだ鮨”との異名を持つ島田敏男・NHK解説副委員長、また芹川洋一・日本経済新聞社論説主幹の名前があげられている。田崎氏、島田氏が安倍首相の会食メンバーでることは言うまでもないが、日経の芹川氏も第二次安倍政権発足以降に少なくとも6回も安倍首相と会食を行なってきた。
ただ、このジャパンンライフの広告塔になっていたのは、安倍首相の“メシ友”だけではない。元読売新聞社東京本社編集局長の浅海保氏、元朝日新聞政治部長の橘優氏、毎日新聞社の岸井成格・特別編集委員と倉重篤郎・専門編集委員、『報道ステーション』(テレビ朝日)コメンテーターでもある後藤謙次・元共同通信社編集局長らまでが名前を連ねていた。ようするに、政治部トップ経験者が勢ぞろいしていたのだ。
こうした名だたるメンツが二階幹事長を囲み、その懇談会がジャパンライフの山口会長の主催だとアピールすることで、マスコミ関係にも強力な人脈があるとの印象を顧客に与えたのは想像にかたくない。
それにしても、いったいなぜこういう面子がよりにもよって、悪徳マルチ商法の会社の勉強会に参加していたのか。日本消費経済新聞が参加者に取材をしたところ、〈大手マスコミをすでに退社している参加者〉の中から“元朝日政治部長の橘氏に誘われた”“橘氏に訊いてほしい”との回答もあったという。実際、これらのメンバーの多くは、朝日の橘元政治部長が誘った可能性が高い。
橘氏は朝日新聞社を退社後、2014年ごろからジャパンライフの顧問を務めていた(昨年辞任)。これについては、2月11日に共同通信が顧問に官僚OBがいたこととともに配信し、翌日付の毎日新聞や産経新聞、東京新聞紙面にも掲載された(朝日と読売、日経は報じなかった)。
しかし、ジャパンライフ問題に関するマスコミ関係者の関与疑惑報道は19日現在それ止まりで、橘氏以外に田崎氏や島田氏ら解説委員クラスが広告塔に使われていた事実は一言も触れる様子がなかった。
これは明らかに意図的な隠蔽だろう。というのも、この一件は日本消費経済新聞がスクープしただけでなく、国会でも質問されているからだ。
1月30日の衆院予算委員会で希望の党の大西健介議員が質問している。大西議員はジャパンライフ問題で加藤厚労相や二階幹事長を追及するなかで、資料を示しながら「だれもが知っているようなマスコミの解説委員クラスの方々の顔写真と名前も載っています」と指摘。また「ジャパンライフは他にも顧問とかに有名な方を招き入れることで顧客の信頼を得ようとしてるんです。官僚のOBとかですねマスコミ関係者とか」とも発言している。
ところが、本サイトが調べた限り、大西氏が指摘した“マスコミの解説委員クラスが宣伝に使われている”という事実は、大西氏の発言があった1月30日の衆院予算委から現在に至るまで、新聞もテレビもほぼ完全に無視しているのである。
だが、マスコミ幹部クラスやOBがジャパンライフの“広告塔”になっていた事実を軽く見ることはできない。関係者が同社に関与していたことでジャパンライフ問題の報じ方になんらかの影響が出た可能性があるからだ。
日本消費経済新聞の取材に対し各社は、「報道への影響はまったくない」(時事通信社社長室)、「適切な報道に努めております」(毎日新聞社社長室広報担当)、「当社の報道に影響を与えたことは一切ありません」(日本経済新聞社広報室)などと口を揃えている。しかし、本当に報道への影響がないと言えるのか。
そもそもジャパンライフ問題では、事実上倒産した昨年末以降、ようやく各紙やテレビもそれなりに報道するようになったが、それまで、消費者庁より2016年末から計4回の業務停止命令を受けた経緯や、その事業の問題点を深く追及する報道はほとんどなかったと言っていい。事実、本サイトが検証した限りでは、倒産の端緒となった16年12月の業務停止命令については朝日、毎日、日経が数百文字のベタ記事で、NHKがごく簡単に報じていただけだった。
また、消費者庁による最初の処分は、実のところ消費者庁が立入検査をした2015年9月から1年以上も遅れたものだった。昨年4月の時点で、国会でも処分が遅れた背景として官僚OBの天下りや加藤大臣の“広告塔”問題が指摘されたが、これを取り上げたのは「しんぶん赤旗」や本サイトなどごく一部だけで、大手紙やテレビは当然のようにスルー状態であった。
そう考えてみてもやはり、マスコミ各社の「報道に影響は全くない」との言い分は信じがたいのだ。また、仮に懇談会が山口会長の主催だと知らなかったとしても、それは被害拡大に加担したことへのエクスキューズにすらならないだろう。
裏を返せば、マスコミの幹部クラスや政治記者たちは、有力政治家とのなかよし懇談会が常態化するなかで、その関係を利用される危険性に対する警戒心が完全に薄れている。そのことが、このジャパンライフの広告塔問題で露呈したとも言えるのではないか。いずれにせよ、マスコミは傍観者ではない。自らの立場と責任をよく自覚したうえで、あらためて“広告塔”問題を報じるべきだ。  

 

●三猿
三猿
[さんざる、さんえん] 3匹の猿が両手でそれぞれ目、耳、口を隠している意匠である。「見ざる、聞かざる、言わざる」という叡智の3つの秘密を示しているとされる。
『論語』に 「非礼勿視、非礼勿聴、非礼勿言、 非礼勿動」 (礼にあらざれば視るなかれ、礼にあらざれば聴くなかれ、礼にあらざれば言うなかれ、礼にあらざればおこなうなかれ) 「礼節に背くことに注目してはいけません、礼節に背くことに耳を傾けてはいけません、礼節に背くことを言ってはいけません、礼節に背くことを行なってはいけません」 という一節がある。一説に、こうした「不見・不聞・不言」の教えが8世紀ごろ、天台宗系の留学僧を経由して日本に伝わったという。三猿のモチーフは、庚申信仰の伝播とともに近世以降広く用いられるようになり、主尊の青面金剛を描く際、その足元に三猿が添えられた例が多い。また庚申塔にも多く三猿が彫り込まれている。天台宗は比叡山の鎮護社の日吉大社と密接な関係にあり、日吉大社を本尊とし、猿を神使とする山王信仰が、庚申信仰と習合した結果ともいう。
南方熊楠によれば青面金剛と猿の関係はインドに起源があり、青面金剛はインドのラーマーヤナ説話の主人公・ラーマの本体たるヴィシュヌ神の転化であり、三猿はラーマに仕えたハヌマーンの変形という。また庚申の「申=さる」である、庚申信仰で人の悪事を監視して天帝に報告する三匹の「三尸虫」を封じるため、悪事を見ず、聞かず、話さない三匹の猿を出したなどの説もある。江戸中期に出版された『和漢三才図会』の「庚申」の項を見ると三猿の挿絵が添えられている。  

「他人の欠点や過ち、自分にとって不都合なことは見たり聞いたり言ったりしない方がいい」 というもので、 「弱点を突くような人やうわさ好き、口の軽い人など印象の悪い人にはならないように 」 という一種の教訓のようなが思いが込められています。

・・・ 庚申は中国から伝えられた信仰で、この日の夜に身体にすむ三尸(さんし)虫が天に登って天帝にその人の悪事を告げるといわれ、それを防ぐために集まって語りあかす庚申講が中世以来盛んになった。この際に庚申の猿にちなんで青面金剛の神像下に3頭の猿(三猿(さんえん))を描き、これを俗に〈言わざる、見ざる、聞かざる〉と称し、このような行為をつつしむことで人生を安全幸福におくることができるとする教えが尊ばれた。庚申信仰はもと日吉神社の神使が猿であるとされたように、山の神の使わしめを猿と考える民間信仰を基礎とし、中国伝来の教義をもって形をととのえたために、貴賤をとわず全国的に信仰されるに至ったものではなかろうかと考えられている。 ・・・
「見ざる・聞かざる・言わざる」
「見ざる・聞かざる・言わざる」というと、「都合の悪いことに知らんぷりをする」とか、「保身のために余計なことには無関心を装う」というネガティブな意味合いにとりがちです。
「三猿」の意味をどうとるかに、その人らしさが出る気がします。無関心な保身ではなく、現実に賢く対処するための知恵として理解してみては?
三猿といえば、日光東照宮
「三猿」で有名なのは、日光東照宮の彫刻ですね。神厩舎(しんきゅうしゃ)、つまり神馬をつなぐ馬屋に、三猿の彫刻があります(重要文化財)。八面の彫刻で、人の生涯の生き方を教える手本とされているそうです。
「見ざる・聞かざる・言わざる」はまだ幼い子供の猿で、ふたつの意味が込められているようです。1.子供のころは、悪いことを見たり聞いたり話したりしないで、素直にまっすぐ成長しなさい、という意味。2.大人の処世術として、余計なことは見たり聞いたり他人に話したりしないほうがいい、という意味。
俗世の現実としては後者のほうが身に沁みますが、そんなことをわざわざ、徳川家康公を祀るお社に彫りますか? という疑問が。まあ、忍耐を重ねて天下をとった家康公としては、らしい気もしますけれど。 個人的には、前者のほうが気に入りました。
庚申講が由来とも
「三猿」の元になる教えは、「道教」と「論語」に由来しているようです。
道教は中国の土着の伝統宗教で、いろんな言い伝えがあります。その中に、庚申(こうしん)信仰、というのがあり、猿は神様の使いとされています。庚申塔や庚申塚には、「三猿」の絵がよく描かれていて、「目と耳と口を慎んで、厄難を避ける」という意味が込められているようです。
人間の身体の中には、三尸虫(さんしちゅう)という虫がいて、この虫が60日に一度めぐってくる庚申(こうしん=かのえさる)の日の夜、眠っている間に天界にのぼり、天帝にその人が犯した罪を話し、それによってその人の寿命が決まるといわれています。
それを避けるために、庚申の夜はみんなで酒を飲んで、眠らずに徹夜して、天帝への告げ口を避けるという風習があったようです。公式に酒を飲む口実が欲しかったんだろうなーという気もしますが、つまるところ長寿と福を願う風習といえるでしょう。
これが「かのえさる」の日に行われたために、虫が猿にすり変わり、「見ない聞かない、天帝に告げ口しない」ことが災厄を避けることになる、という考えに転化したのでしょう。
論語の「礼」の教え
「論語」は、賢人であり思想家である孔子と、その弟子たちの言動を記録した、2000年以上読み継がれているベストセラーです。この中にも、「三猿」につながる教えがあります。
「非礼勿視、非礼勿聴、非礼勿言、 非礼勿動」 (礼にあらざれば視るなかれ、礼にあらざれば聴くなかれ、礼にあらざれば言うなかれ、礼にあらざればおこなうなかれ)
「礼」とは、社会規範にのっとった、TPOにふさわしい言動のことです。
孔子は、人の内面における「仁(真心、思いやり、愛)」を、態度や行為としていかに表すか(「礼」)を、わかりやすく人に教え伝えることで、乱れた世の中をよくしようとした人です。
なのでこの句も、ただ四角四面に「礼儀を守れ」といっているのではなく、常に自分の頭で考え、節度を持ってふさわしい言動を選択するようにという、実践的な教えかと思います。
「不躾に見るな、そば耳立てるな、無責任にしゃべるな、よく考えて行動しろ」ということでしょう。本人の自覚が大事で、他人がどんなに教えたり強制しても難しい、ということのようです。
天台宗では座禅の教えに
漢語の「不見、不聞、不言」という教えが留学僧を経由して日本に伝わり、天台宗の教えとなったようです。「心を惑わすようなものは見ない、聞かない、言わない」ことにより、災厄を避けるという考え方のようです(このへんはちょっとあやふやです)。
ブリタニカでは「三猿」を・・・「耳は人の非を聞かず、目は人の非を見ず、口は人の過を言わず」という天台宗の止観(しかん)の空、仮、中の教えに基づくもの ・・・としています。
止観(しかん)の「空、仮、中」ってなんぞや? と思いましたが、これは一般的にいう禅(座禅)や瞑想に通じてくるようです。
一周回って、「そもそも見るとはなんぞや? 聞くとは? あなたが目にしているものは、本当にそこに在るものでしょうか?」みたいな話になってきました!
三猿、奥が深いです。
東洋以外でも有名に
この思想はヨーロッパに伝わり、東洋の「Three wise monkeys」として知られるようになりました。インドのマハトマ・ガンディーは、常に三猿の像を身につけて、「悪を見るな、悪を聞くな、悪を言うな」と教えたそうです。三猿の像は、日本の人からもらったものだともいいます。
余計なものを見聞きしたり、みだりにしゃべりちらかすことの害悪は、洋の東西を問わず誰もが実感していて、そのためにこの考えが広く伝わったのでしょう。
日本では、何よりも語呂合わせがおもしろい、というのが大きかったでしょうね。
さらに股間に手をあてて「せざる」と、色事の方に広げた「四猿」もあるようで。あらゆることに適用できる展開力に、「行いをつつしめ」といった孔子様もびっくりです 。
ネットリテラシーも「三猿」で
Webに情報があふれ、無責任な情報も即座に拡散する現在では、「三猿」もネットリテラシーとしての意味合いを持ってきそうです。
1.あやしげなリンク先をほいほい見にいかない。
2.信頼度の低い情報に耳を貸さない。
3.しっかり確認を取らずに情報を広めない。
気をつけたいですね。
三猿の意味はいかようにもとれます。調べてみたら、思った以上に深い意味がありました。
「見ざる・聞かざる・言わざる」からどんな教訓を得るかは、自分次第。しっかり考えて、「申」の年を賢く乗り切りたいものです。 

 

●安倍政権に逆風、「桜を見る会」批判で内閣支持率低下 12/2
安倍晋三政権が「桜を見る会」の運営を巡る批判を受け、報道各社の世論調査で支持率が低下するなど逆風に見舞われている。首相は2日午後、参院本会議で与野党から姿勢を問われ、「これまでの運用を大いに反省し、私自身の責任において全般的な見直しを行う」と釈明した。
今後の「桜を見る会」については2020年度は中止するものの、「現時点において廃止することは考えていないが、招待基準やプロセス等をしっかり再構築していく」と述べた。
共同通信が11月23、24両日に実施した全国電話世論調査で、歴代最長政権となった安倍内閣の支持率は48.7%と10月の前回調査から5.4ポイント低下。1週間後の11月30日と12月1日に毎日新聞が行った調査でも、42%と同6ポイント落ち込むなど低下傾向が続いている。
「桜を見る会」は毎年4月、東京都の新宿御苑(ぎょえん)に政財界関係者や芸能人らを招いて行われてきた。野党側は今国会で、安倍政権下で参加者数や支出額が肥大化し、安倍晋三後援会がホテルで開催した前夜祭を巡る問題なども取り上げた。
政府は11月13日に来年度の開催中止と運営見直しの方針を表明したが、その後も内閣府による招待者名簿の廃棄、反社会的勢力や消費者庁から預託法違反などで処分を受けた後に経営破綻した「ジャパンライフ」元会長が参加した問題などを中心に野党の追及が続いている。
安倍首相は参院本会議で、招待者名簿については「あらかじめ定められた手続きにのっとって廃棄した」としながらも、「全般的な見直しを行っていく中で文書の保存期間についても今後検討する」意向を示した。
「ジャパンライフ」元会長に関しては「多人数の会合などで同席していた可能性までは否定しないが、一対一のような形で会ったことはなく、個人的関係は一切ない」と説明。その上で、「桜を見る会が企業や個人の違法、不当な活動に利用されることは決して容認できない」と語った。
菅義偉官房長官も定例記者会見で、「桜を見る会」に関する質問を連日受けている。11月26日には、反社会的勢力と疑われる人物が「結果として入っていたのだろう」と発言したことで野党側から責任を問う声が上がり、翌日の会見では、反社会的勢力の定義は「一義的に定まっているわけではない」と釈明した。
2日午前も約15分の会見のうち10分超にわたって聞かれ、「過去の招待者の電子データは廃棄されており、復元も難しい」との認識を繰り返し示した。
安倍首相の通算在職日数は、11月20日に2887日となり、戦前の桂太郎氏を抜いて歴代最長となった。自民党総裁としての任期は2021年9月まで。 
●野党、首相地元で聞き取り調査 下関住民「優遇されすぎ」と証言 12/2
首相主催の「桜を見る会」を巡る立憲民主など野党の追及本部メンバーは1日、安倍晋三首相の地元・山口県下関市を訪れ、地方議員や住民らに聞き取り調査を行った。住民から「首相枠は優遇されすぎている」などの証言を得たと記者団に説明。「買収に近い」として徹底究明する姿勢を強調した。
住民への聴取は非公開で実施した。桜を見る会に安倍事務所を通じて参加した人には手荷物検査はなかったが、一般の招待者は厳重なチェックを受けていたという。
野党系の県議、市議に対する聴取は記者団に公開された。「首相の選挙に功労があった人が招待されたのだろう」との意見が出た。 
●「桜を見る会」の招待状は首相の「選挙協力へのお礼」に使われていた!? 12/3
「桜を見る会」招待枠における、首相の地元・下関での差別的対応
「桜を見る会問題」を野党が連日追及する中、安倍政権の支持率が5〜7%下落した。公金投入のイベントに安倍後援会関係者が850人も参加、「お友達優遇」「税金私物化」などと批判されているのだ。
安倍首相の地元下関からも批判の声が出ている。首相関連企業の談合疑惑など地元の優遇政治を追及してきた田辺よし子市議(無所属)は、「桜を見る会」における“差別的対応”について怒りを露にしていた。
「税金を使った『桜を見る会』への招待で、自民系下関市議に声をかけ、私を含めた非自民系市議は排除した。国政選挙や地方選挙で実働部隊となる系列市議への明らかな利益供与に当たり、選挙民への寄付(買収)を禁じた公職選挙法違反の疑いが濃厚です。下関市民を差別したことにもなります。選挙で市民の代表として選ばれたのが市議会議員なのですから」
2017年3月の下関市長選では、安倍首相の秘書を7年半務めた元下関市議の前田晋太郎候補(市長)と、林(芳正・元農水大臣)派で3選を目指した中尾友昭候補(前市長)が激突。安倍首相が全面支援をした前田氏が初当選したが、下関市議も安倍派と林派に分かれて田辺氏は中尾氏支援に回った。
「地元下関では安倍首相と林元大臣がライバル関係にありますが、両者の代理戦争のような下関市長選で汗をかき、首相直系(元秘書の)前田市長誕生に貢献した安倍派市議へのご褒美、論考褒章のように見えます。林派の中尾氏を応援した私には、『桜を見る会』の案内は来なかったのです」(田辺氏)
各種選挙で首相に協力した地方議員への“お礼”!?
地元・下関での差別的対応については『毎日新聞』も11月19日に、「桜を見る会 下関市議枠 安倍事務所から申込書」と銘打った記事を一面トップで出した。
「首相の地元・山口県下関市の複数の自民系市議が、安倍事務所名の参加申込書で自身の支援者を招待していたことが18日に判明(中略)。一方、共産や公明など非自民の複数の市議は『用紙をもらったことがない』と話す。野党の市議は『自民が公的行事を支持固めに使っている』と批判した」
「桜を見る会」には下関市議だけでなく、下関を選挙区とする友田保・山口県議ら安倍派県議も参加していた。彼ら安倍派地方議員が動くのは下関市長選だけではない。国政選挙や、山口県知事選・山口県議選などの選挙でも実働部隊になる。「桜を見る会」への招待は、選挙でお世話になった地方議員への首相からの“お礼”のように使われているのだ。
内閣総辞職につながる公選法違反、政治資金規正法違反!?
この問題に関する野党追及チームの黒岩宇洋衆院議員(座長、立憲民主党)らは11月15日、安倍事務所への公開質問状提出について記者会見。質疑応答で筆者は黒岩議員にこう質問した。
――内閣総辞職、あるいは議員辞職につながるような案件だと認識しているのでしょうか。
黒岩議員:少なくとも、公選法違反や政治資金収支報告書不記載の疑いがかけられた。事務所の人間が法に触れた場合でも大臣が辞任しています。これは総理自身、内閣総辞職に当然つながることだと思っています。杉尾秀哉参院議員:まずはあれだけ説明責任を繰り返しているわけですから、説明責任をまず果たしてほしい。それができないのであったら辞職していただくしかない。
――下関市議会議員の約半数が「桜を見る会」に参加していたという情報を地元から聞きました。呼ばれたのは安倍派の人が中心で、敵対する林(芳正・元農水大臣)派の人は呼ばれなかった。こんな差別的対応をするというのは、「選挙で応援してくれそうな人を呼ぶ」という意味合いが強いように思いますが。
黒岩議員:下関市議選は「桜を見る会」の後ではなかったのですか。(統一地方選前半戦の山口)県議選が終わった後ですから。そうなると、山口の県議のツイッターに「前夜祭の場で安倍総理が統一地方選挙について触れた」とありますので、これは「市議選でよろしくお願いします」と言ったら典型的な選挙買収ですね。自分の陣営に有利不利というのも著しく不公平な話だと思いますが、あからさまな選挙違反だと思います。
選挙の前の利益供与、選挙の後のご褒美
実際、島田教明・山口県議会議員は4月12日のブログで「桜を見る会」についてこう明記していた。
「朝イチ、島田のりあき事務所で所用を済ませて、東京へ。夕刻からは安倍晋三総理後援会のパーティに。統一地方選と参議院議員選挙のこと。そして秋からの幼児教育無初夏にも言及される。幼児教育無償化は関係者はもとより保護者にとっても悲願のこと。幼稚園保育園の理事長として、どの政権も幼児教育無償化には踏み込んでくれなかったことを思い浮かべながら、感慨深く総理のスピーチを拝聴」
なお下関市議選(2019年2月3日投開票)は統一地方選後半戦(4月21日投開票)の2か月前であったが、選挙の前でも後とでも、選挙民に対する買収(利益供与)を禁じた公選法違反濃厚ということでは同じだ。
投票前に利益供与をして支援要請をしても(事前買収)、投票後に選挙でお世話になったことでご褒美をプレゼントしても(事後買収)、どちらも法律違反でアウトということだ。
公的行事を私物化、税金を使った「選挙対策」!?
黒岩氏が「買収疑惑」に関する動かぬ証拠を示したので、筆者は別の「買収疑惑」に該当するように見える下関市長選について質問を続けた。
――その前にも『下関市長選(2017年3月)があって、林派と安倍派がバトルをして安倍派の人(安倍首相の元秘書の前田晋太郎・現下関市長)が勝ったのですが、安倍派(市議や県議)への恩返しのようにも見えます。要は、(下関)市長選で汗をかいた(安倍派)市議会議員に対するご褒美なのではないでしょうか。
黒岩議員:地元で長年続く政治抗争に勝利したことへの恩返しだと。「桜を見る会」が恩返し、プレゼントだとすると、はなはだ私物化だと思います。
これは「公的行事の私物化」「公金流用による選挙対策」ではないのか。安倍首相は公金(税金)投入をした「桜を見る会」を利用して、地元の各種選挙で実働部隊となる地方議員に対してご褒美を与えたことになる。
下関市議枠の発覚で公選法違反の可能性がさらに高まった安倍首相は、次第に危機的状況に陥りつつある。野党が追及チームを70人体制へと陣営強化、山口県現地調査を12月1〜2日に実施するなど徹底追及の姿勢を強める中、安倍政権は内閣総辞職に追い込まれていくのか、それとも疑惑一掃を狙った禊解散に打って出るのか、あるいはズルズルと死に体状態になるのか。緊迫度を増す永田町から目が離せない。  
●「桜を見る会」安倍首相の関与、破棄された招待名簿など5つのポイント 12/5
桜を見る会をめぐる問題が収束しそうにない。争点は多岐にわたっているが、疑惑が解明されたとは言いがたく、国会では野党側が会期末を前に追及を強めている。これまでの経緯と争点を振り返る。
桜を見る会は、毎年春に新宿御苑で開かれる首相が主催するイベント。1952年に、吉田茂首相(当時)がスタートさせ、皇族や各国大使、国会議員、各界の代表者などが招待される。招待者は、招待範囲の中から各省庁から推薦を受け、内閣府、内閣官房が取りまとめるとされる。
この桜を見る会に注目が集まるきっかけになったのが、11月8日の参院予算委員会。共産党の田村智子参院議員が、安倍晋三首相らの後援会関係者が多数招待されていることを指摘し、招待客の選定基準が曖昧であることを問題視した。
田村氏の質疑を受けて、桜を見る会は一気に政治問題化。新聞やテレビの報道も増え、税金を使った公的行事を私物化していると言われかねない問題点が、次々と明らかになった。
ポイント1:招待に安倍首相の関与は?
まず焦点が当たったのが、安倍首相が自身の後援会関係者を招待することに関与していたか、と言う点だ。
安倍首相は田村氏との質疑の中で、招待客の選定について「私は招待者の取りまとめ等には関与していない」と答弁していた。しかし、朝日新聞が首相の地元事務所が桜を見る会への出席を含む観光ツアーを地元有権者に案内していたことを報じるなど、事務所ぐるみの関与が明らかになっていった。
首相も11月20日の参院本会議で「私の事務所が内閣官房の推薦依頼を受け、参加希望者を募ってきた。私自身も意見を言うこともあった」と答弁の修正に追い込まれた。
ポイント2:前夜祭の費用は誰が負担?
加えて焦点になったのが、「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」だ。桜を見る会の前夜に都内の高級ホテルで、招待された後援会関係者らを対象にした「前夜祭」が恒例になっており、安倍首相も妻の昭恵夫人とそろって毎年出席していた。
この前夜祭の会費が一人5000円だった点についても、高級ホテルの宴会としては破格の値段ではないかと野党側が疑問を投げかけた。
立憲民主党の公式ツイッターによると、蓮舫参院幹事長は11月15日の党会合で次のように述べた。
「850人ものパーティーを大きなホテルで、5000円でできるのでしょうか。われわれの調査に対してこのホテルは『1万円以下はあり得ません』と(答えた)。この差額はどなたか払ったのでしょうか。まさに寄付行為そのものだと強い疑念を覚えます」
蓮舫氏が指摘しているのは、公職選挙法をめぐる疑念だ。公選法では、候補者や議員は、自身の選挙区の有権者に金銭や物を渡すなどしてはいけない(寄付行為の禁止)と規定する。総務省はこの趣旨を、「政治家と有権者のクリーンな関係を保ち、選挙や政治の腐敗を防止するため」と説明している。
こうした疑念に対し、安倍首相は11月18日、官邸でのぶら下がり取材に、領収書も発行しておらず、経費の明細書ない、と説明した。12月2日の参院本会議では「最終的に内閣官房及び内閣府において取りまとめを行っている。公職選挙法に抵触するのではないかとの指摘は当たらない」とのみ答弁した。
ポイント3:不適切な人物が招待された?
桜を見る会の招待客の中に、不適切な人物が招待されていたのではないか、という点も争点になった。
共産党の大門実紀史参院議員は11月12日のツイッター投稿で、オーナー商法で2014年に消費者庁から行政処分を受け、2019年にも家宅捜索を受けたジャパンライフの当時の会長が、受けとったとされる招待状の写しを公開した。
この問題に派生して、招待客に割り振られた「番号」に注目が集まった。大門氏が入手したジャパンライフの元会長宛てとされる招待状には、受付票の番号に「60」が割り振られていた。共産党が入手した別の資料によると、「総理、長官等推薦者60,61,62,63」とする招待区分を記されていた。
野党側はこうした経緯を踏まえ、ジャパンライフの元会長が、首相の推薦枠で招待さていたのではないかと追及をしている。これに対して首相は12月2日の参院本会議で、「個人に関する情報であるため、回答を控える」と答弁を避けた。
ポイント4:名簿・公文書の管理。政府「シュレッダーで廃棄」
招待客をめぐる疑問に答えるために、果たしてどんな人が招かれていたのかを確認する必要がある。そのため、野党側は政府に対し、桜を見る会への招待客の名簿の提出を求めている。
しかし、政府側は今年の桜を見る会の招待名簿はすでにシュレッダーで廃棄したと説明。バックアップデータも復元不可能としている。
安倍政権下では森友学園の決裁文書改ざん問題や防衛省の日報問題など、公文書をめぐって、たびたび問題が指摘されてきた経緯がある。
問題の名簿は内閣府が作成、管理する公文書。朝日新聞によると、名簿の保存期間は内閣府の文書管理規則で「1年未満」と定めているが、野党議員から名簿の資料要求があった約1時間後にシュレッダーで廃棄を始めていたことも明らかになり、野党側は反発を強めている。
ポイント5:今後の展開は?
問題発覚から約1カ月を経て、問題の争点は多岐にわたっている。野党側は安倍首相自らが説明すべきだとして、首相出席の予算委員会集中審議を開くことを求めている。
しかし、野党側の予算委開催要求に対し、与党側は応じない構えだ。3日の参院予算委理事懇談会では、与党側は集中審議の開催を拒否した。野党側は会期延長を求めているが、与党側はこれにも応じない構えで、10月4日から開かれてきた臨時国会は12月9日に閉会する見通しだ。 
●−新聞記者ドキュメント−に「桜を見る会」で揺れるこの国の空気を思う 12/5
空気を読まない森達也が、同じく空気を読まない望月記者にカメラを向けたのだから面白くないわけがない。この映画が描くのは、望月記者を通して浮かび上がるこの国の空気だ。最長政権が「桜を見る会」で揺れる中、森達也監督の新作『i−新聞記者ドキュメント−』を観た。
東京新聞・望月衣塑子記者を追ったドキュメンタリー映画である。
感想は、と言えば、むちゃくちゃ面白かった。何しろ空気を読まない森達也が、同じく空気を読まない望月記者にカメラを向けたのだから面白くないわけがない。望月記者におとなげなく「嫌い」という態度を全開にする菅官房長官。いつも彼女の質問を遮る官邸スタッフ。伊藤詩織さんの裁判や森友問題、加計問題、辺野古基地建設問題など全国を飛び回って取材し、政治家や官僚たちに怒涛の勢いで質問をぶつけていく望月記者。その姿は、シビれるほどにカッコいい。
この映画が描くのは、そんな望月記者を通して浮かび上がるこの国の空気だ。そして集団心理や同調圧力、正義の暴走という「ザ・森達也」なテーマに私たちのあり方そのものが問われる。
そんな森さんとの付き合いは、実は長い。
初めて出会ったのは1999年頃のこと。この年に開催された山形ドキュメンタリー映画祭で私の出た『新しい神様』が上映された時だったと思う。森さんの『A』はその前年くらいに公開されていて、以後、映画祭やドキュメンタリー映画界隈の飲み会でよく顔を合わせるようになった。
当時の森さんは、映画監督としての道を本格的に歩みはじめた頃。また、私は『新しい神様』に出たことで「本を出さないか」という話が来ていた頃(まだフリーターだった)。同じ頃、森さんも初めての本の出版を控えていて、「もしかして本なんか出したら家とか建っちゃうんじゃないの?」と盛り上がったことを覚えている。今思えば、そんな甘いものではないのにと自分を戒めたくなってくるが、当時の私は25歳。一方、森さんは私の19歳上だから当時で40代なかば。20代の私が「本出したら家建っちゃうかも!」とはしゃぐのと同じノリで40代なかばの森さんも「えーどうしよう☆」とかはしゃいでいたのだから天真爛漫というか、無邪気というか、世間知らずである。
っていうか私は今、初めて森さんが19歳年上だって知ったんだけど、あの人還暦超えてるの? あんなに子どもじみてるのに? ちなみに二人とも、あれから随分多くの本を出版したが、順調に家など建っていない(はず)。
さて、そんな森さんは出会った時から今とまったく変わらぬ空気の読めなさ、読まなさで、「忖度」という言葉から一億光年ほど遠く、「王様は裸だと言っちゃう系」の人だった。それだけではない。いつもカーゴパンツにサンダルみたいなラフすぎる格好をし、それを指摘すると「これユニクロだよ」とユニクロを自慢するのだった。
森さんは随分長いこと「金儲け」系からも見放されていたようで、デビュー作の『A』の頃からここまで順調に来たかと言えば、決してそんなことはない。なんでこの人、もともとテレビ業界にいたのにこんなに生きるのが不器用なんだろう? と思うほどに、「お金の苦労」をしているのを見ていた(そしてそれをそのまま書いていた)。
もともと『A』だって発表のあてのないまま撮っていた作品だ。が、それが映画として完成し、海外の映画祭で賞なんかをもらっても、なかなか収入にはつながらないという世界である。よって森さんは、『A』や『A2』で国際的な評価を受け、多くの海外映画祭に招待されながらも、映画祭から帰国したらテレビの下働きの仕事をして食いつないでいるようだった(それも自分で書いていた)。国際的なドキュメンタリー映画監督から一転、帰国したらテレビの現場で弁当配ったりの日々。「一人格差ジェットコースター」である。
今から15年くらい前、ある飲み会に行ったら、森さんが泥酔していて「今年13万円しか稼いでない!」と叫びながら崩れ落ちたことがある。そんな説明的な台詞とともに酔いつぶれる成人男性を初めて見た私は、腹を抱えて笑った。
さて、なぜこんなことを延々と書いてきたかと言うと、だからこそ森さんは「個」でいられるのだ、と映画を観て改めて思ったからだ。組織に属さない、誰にも守られていない個の表現者。
そして被写体となる望月記者も、圧倒的に「個」だ。東京新聞という組織に属していながらも、彼女はその前に一人のジャーナリストだ。一人称単数だ。
この「一人称単数」という言葉を、私は今年の参院選で森さんの口から直接聞いていた。れいわ新選組の応援スピーチに来てくれた時のことだ。森さんはこの日、スピーチの冒頭で、「スタッフからお願いされて、何度も断ってるのに相手も空気読めないらしく何度も誘ってきたから今日来た」と述べた。ちなみに何度も誘った「空気読めないスタッフ」とは私のことだ。
そうして森さんは、れいわ新選組の街宣に集まった大勢のメディアのカメラを見つめ、この状況を決して放送しない彼らに「あなたたちはジャーナリストではなく会社員です」と言い放った。連日、れいわ新選組の街宣にはたくさんのテレビカメラが現場に来ているのに一向に報道されないことに苛立っていた人々からは、拍手が上がった。この時、私は森さんを生まれて初めてくらいに「カッコいいな」と思った。
この日のスピーチを、森さんは「ニューズウィーク日本版」で以下のように要約している。
「山本太郎は一人です。彼だけではない。この政党の候補者たちは、一人として組織に埋没していない。むしろ反逆している。だからこそ現場感覚から遊離しない。何が大切で何がどうでもいいのか、その優先順位をしっかりと考えることができる。だから僕はれいわを応援します」
一匹狼という言葉よりは、野良犬という言葉が似合う森さん。そして山本太郎もまた「永田町の野良犬」を自称していた。山本太郎について評する時、私はいつも「世界を変えるのは、いつの時代も”空気を読まないバカ”である」という言葉を使う。「空気を読まないバカ」と言えば、森さんも望月さんも、いい意味でバッチリ当てはまる。
それに対して、映画に登場する多くの人たちは、圧倒的に「組織の人間」である。菅官房長官。警察官たち。そして望月さんをけむたく思うようなメディア人たち。彼ら彼女らは組織の論理で、自分の「立場」で動いている。
映画を観ながら思い出したのは、れいわ候補者の一人、安冨歩さんがこの国を称して「日本立場主義人民共和国」と言っていたことだ。一人称単数の真逆にある「立場主義」。「桜を見る会」も、モリカケ問題に象徴される「忖度」も、結局はこの立場主義が行き着いた果てではないのだろうか。そんなこの国を正気に戻せるのは、唯一、「空気を読まない個」だと思うのだ。
森さんは、前作『FAKE』について、コメントで以下のように書いている。
「市場原理によってメディアは社会の合わせ鏡となる。ならばこの傾向は、社会全体が安易な二極化を求め始めているとの見方もできる。社会だけではない。政治もこの二つと相互作用的に存在する。つまりレベルが同じなのだ。もしもこの国のメディアが三流ならば、それは社会が三流であることを意味し、政治も同様であることを示している。こうして社会とメディアと政治は、互いに刺激し合いながら、少しずつ同じレベルでスライドする。楽なほうに。売れるほうに。票が集まるほうに。真実と虚偽。黒と白。二極化は楽だ。だって曖昧さが消える。すっきりする。右と左。正義と邪悪。敵と味方。悪は叩け。正義は勝つ。やがて集団の熱狂に身を任せながら、僕たちは同じ過ちをくりかえす」
そんな森さんを私は非常に信頼し、なついているのだが、私がなついているオッサンはもう一人いる。愛される右翼・鈴木邦男だ。この二人には共通点がある。それは、付き合いが長いのに、私はこの二人から何かを押し付けられた経験が一度もないこと。「自分は正しい」という傲慢を感じたこともないこと。「正義の暴走」の恐ろしさを知っていることだ。
『i―新聞記者ドキュメント―』は全国で公開中。森さんの映画が、こうして全国の映画館で公開されるなんて感無量である。ぜひ、観てほしい。 
●「桜を見る会」私物化を白状 下関市長の歪んだ“特権意識” 12/5
選挙の論功行賞や安倍派市長限定の特別な招待――。「桜を見る会」をめぐって、安倍首相の地元・山口県下関市は異様な空気に包まれていた。野党などの現地調査で、私物化の実態がさらに浮き彫りになった。
野党でつくる「『桜を見る会』追及本部」の視察団は今月1日、2日、現地で会の参加者や県議・市議などに聞き取り調査を行った。見えてきたのは露骨な論功行賞だ。
保守分裂となった2017年3月の下関市長選で、安倍首相の秘書を7年半務めた市議の前田晋太郎現市長が、安倍のライバル・林芳正元文科相の推す現職市長を破った。
その後、「桜を見る会」の自民枠の招待風景が一変。安倍派議員には、招待状が送られ「コピーしてどんどん使ってください」と大盤振る舞いなのに、林派議員に案内は来なくなった。分かりやすい“ご褒美と冷や飯”である。野党の聞き取りに、自民枠での参加者すら「安倍総理の選挙利用だ」と漏らしたという。
前田市長は、桜を見る会に下関からの参加者が多いことについて、「地元の方々が喜んでもらうことが悪いのですかね」と首相の地元優遇を平然と擁護した人物。自身も市議時代4回、市長になって3回参加した常連だ。
現地で取材するジャーナリストの横田一氏が2日、前田市長を直撃すると耳を疑う答えが返ってきたという。
市議時代の参加について、「私は(安倍首相の)元秘書ですから」「元秘書の市議は私しかいないでしょう」と“特権意識”丸出しだ。
さらに、今年の招待状は「下関市長」宛てで市役所に届いている。市長が招待されるのは異例。今年の開催要項によると、招待範囲には「都道府県知事の一部」とあるが、「市町村長」はない。1700を超える市町村の首長を招待しはじめたら、キリがないからだろう。
なぜ下関市長だけ招待されるのか――。横田氏がこの点を問うと、前田市長はこう言ってのけた。
「(安倍首相の)選挙区が地元(下関市)だからありうるのではないか」
「唯一の存在じゃないですか。私とか(安倍家のお墓がある)長門市長とかは(招待の)対象ではないですか」
私物化は当然という呆れた態度なのである。横田一氏が言う。
「前田市長は自分の特権を自慢し、悪びれた様子はありませんでした。下関では、各界における『功労・功績』とは安倍首相への貢献を意味しています。17年の下関市長選は、2期続いた林派から市長の座を奪還した特別なもの。選挙後の昨年、今年と会の参加者が右肩上がりで増えたのも、市長選の“功労者”を次々と招待したからでしょう。選挙後にねぎらうのも立派な買収です」
招待者名簿を廃棄したと言い張るのも買収隠しのためか。ますます名簿が重要証拠になってきた。  
●元朝日新聞政治部長 悪質マルチ「ジャパンライフ」顧問を務めた理由 12/6
安倍晋三首相主催の「桜を見る会」をめぐり、左派野党やメディアが批判を続けている。悪質なマルチ商法で経営破綻した「ジャパンライフ」の山口隆祥(たかよし)元会長が2015年の同会に招待されたことが問題視されているが、何と同社は、元朝日新聞政治部長の橘優(たちばな・まさる)氏を顧問に迎え、テレビや新聞で知られる政治評論家や解説委員らとの懇親会(勉強会)を、マルチ商法の宣伝に利用していた。この事実を、日本消費経済新聞が昨年2月5日付紙面でスクープした。夕刊フジは、橘氏を直撃した。橘氏は、朝日新聞で政治部長や事業本部長を歴任した人物。4日午後、東京・丸の内の日本外国特派員協会で取材した。
−−ジャパンライフとの関係はいつからか
「山口元会長は、政界と関係の深い方で、政治記者として、いろんな場所で会っていた。昔から顔は知っていた。元建設相のA氏など、(与野党の)国会議員と仲が深かった」
−−なぜ、顧問に就任したのか
「14年か15年に、山口氏からある一般社団法人の理事長職を依頼された。目の不自由な人のコンクール表彰や、展示会などが事業だったので引き受けた。その時、山口氏から『一般社団法人からは報酬が出ないので、ジャパンライフの顧問として顧問料を支払いたい』と申し出があった」
−−顧問料はいくらで、いつまで支払われたのか
「私から額を申し上げることはない。おそらく会社の規定に従って出していたのだろう。(マルチ商法の)事件が顕在化する17年夏ごろまで支払われた」 《左派野党やメディアは、ジャパンライフが14年9月と10月、消費者庁から「行政指導」を受けたため、「翌年、元会長に『桜を見る会』の招待状が送られたのは問題だ」と批判している。消費者庁によると、同社は16年以降、業務停止命令などの「行政処分」を複数回受けている。朝日新聞OBの橘氏は「行政指導」や「行政処分」後も、顧問料を受け取っていたことになるのではないか》
−−当時、ジャパンライフの実態を知っていたのか
「ジャパンライフがどのような事業を行っていたのかは知らないし、関わっていない」
−−ジャパンライフ主催の懇親会が月に1回程度行われていたそうだが、どのような内容だったのか
「前身は1990年代から行われていた勉強会で、2011年ごろに新たなスポンサーを探して山口氏に依頼し、引き受けてもらった。8月と12月を除いて月に1回、年10回朝食会というかたちで行った。帝国ホテルでメンバーは7、8人。ゲストとして与野党問わず政治家や官僚をお呼びして1時間ほど懇談する会だった。食事会の費用は山口氏が支払っていた。ゲストへの謝礼は一切なかった」
−−ジャパンライフは2014年から消費者庁の「行政指導」を受けていたが知っていたのか
「『新聞を読んでないのか』と言われそうだが、知らなかった。事件が顕在化した17年にテレビで知った」
−−その後、懇親会はどうなったのか
「『まずいな』と思って直ちにやめた。そのとき、ジャパンライフのパンフレットに会のメンバーが出ていることも分かった。何の仁義もなく、一方的に利用されるのは極めて心外だとして、連名で抗議文を山口氏に出した。抗議文が山口氏に届いたかどうかは分からない」
−−山口氏にどのような思いがあるか
「『大変心外で、遺憾』という言葉に尽きる」
−−「桜を見る会」も、ジャパンライフに利用されたと思うか
「言及する立場にない。あれはあれ、これはこれだ」 

 

●「桜を見る会」で総攻撃! 安倍晋三首相の贅沢「税金飯」 12/8
混迷を極める「桜を見る会」問題。招待者名簿の処分時期の疑惑から、前夜祭での支持者への供応接待、果ては招待者の中に反社の疑いのある人物がいたことも明らかとなった。「当初は安倍政権も、この問題がそこまで大きくなるとは思っていなかったんでしょう。しかし、多くの税金が使用されたイベントであり、騒ぎが収まる気配は一向にありません」(永田町関係者)
野党はこの問題も含めて、首相が直接質疑に応じる予算委員会の集中審議を行うよう要求。与党は、これに対して、日程の確保が難しいと集中審議を拒否した。「首相自らの言葉で説明することから逃げているようにも感じられる。さらに、この疑惑が晴れなければ、予算の審議も進まず、台風被災者への緊急予算もおあずけ。すぐにでも集中審議に応じるべきでしょう」(同)
日程の確保が難しいというが、最近の首相は何をしているのか。首相動静を確認すると、驚きの事実が判明した。「この問題の発覚後、11月11日の夜に、経団連の今井敬氏ら財界人との会食を行っていたんです。この今井氏が今回、問題となった前夜祭の会場であるホテルニューオータニの取締役だということが分かると、“口裏合わせでは”という批判も出ましたね。何を話したのか、今井氏とは19日にも食事をしています」(政治部記者)
調べてみると、11日に訪れた銀座の日本料理店『銀座吉兆』は高級店で知られ、コース料理は6万円を超えるものも。さらに、20日には内閣記者会加盟報道各社のキャップと懇談している。「この懇談が行われた中華料理店『上海大飯店』も決して安い店ではなく、コースの中には1万円を超えるものもあります。さらに、このタイミングで報道各社のキャップと懇談。多くの時間は、桜を見る会問題の懐柔に使われたといいますよ」(前同)
さらに翌21日には、ジャーナリストの桜井よしこ氏、作家の百田尚樹氏ら“アベ応援団”と、新宿のフランス料理店『オテル・ドゥ・ミクニ』で食事をしている。ちなみに、ホームページで確認すると、11月のディナーコースは2万3000円〜と、超高級。「10月には菅官房長官の好物であるパンケーキが3000円を超えるものであることが判明し、“庶民の気持ちが分かっていない”という批判もありました。安倍首相個人の食事とはいえ、連日の利益供与疑惑も相まって、こうした食事がまさか税金で賄われているのでは!? というのは考えすぎでしょうか」(同)
贅沢飯をゆっくり食べる暇があるなら、一刻も早く説明責任を果たすべきだ。 
●桜を見る会で露呈した政治劣化と安倍政権の行く末 12/8
安倍晋三首相が主催する「桜を見る会」をめぐってさまざまな疑問がわき起こり、政権が苦境に追い込まれている。政府・与党は、12月9日の臨時国会の閉会で野党の攻勢も収まると期待しているが、メディアも含めて疑惑の追及は続く気配だ。
このままだと、年明けの通常国会も「桜国会」となるのはさけられず、歴代最長を誇る安倍政権は大きく揺らいでいる。政局は「ポスト安倍」に向けてじわりと動き出した。今回の問題があぶり出した政治の劣化をまとめつつ、今後の展望を考えてみたい。
「桜を見る会」については、かねて1700万円ほどの予算なのに5000万円を超える支出が続き、参加者も安倍政権以前の1万人程度から1万8000人ほどに増えていると、野党議員から指摘されていた。
今回、本格的な追及が始まったのは、11月8日の参院予算委員会で共産党の田村智子参院議員が、安倍首相の後援会員の約850人が参加していることを暴露、会の私物化ではないかと批判してからだ。「桜を見る会」の開催要項には、各国の大使、官公庁の幹部、都道府県代表者らに加え「各界で功績、功労のあった人」を招くことになっている。約850人の後援会員が「功績、功労のあった人」とはいえないのは明らかだ。
さらに、安倍首相の山口県下関市の地元事務所が、後援会員を対象に東京の観光旅行を募集。そのなかに「桜を見る会」が組み込まれており、前日にはホテル・ニューオータニで「前夜祭」が催されていたことも明らかになった。会費が5000円。「通常なら1万円以上なのに安すぎる。安倍事務所が補填(ほてん)していれば、地元有権者への寄付行為に当たり、公職選挙法違反だ」という指摘が相次いだ。
相次ぐ追及に対し、安倍首相は急きょ、記者団に説明。1「桜を見る会」の参加者が増え、多くの後援会員を招いたことは反省し見直す2ニューオータニの前夜祭が5000円となったのはホテル側の判断であり、多くの人がホテルに宿泊することが考慮された。事務所から補填はしておらず、公選法違反には当たらない――などと述べた。そのうえで、2020年(来年)の「桜を見る会」は中止して、会のあり方を抜本的に見直すことを決めた。
それでも、疑惑追及は止まらない。マルチ商法で多くの被害者を出し、経営破綻した「ジャパンライフ」の山口隆祥元会長に招待状が出されていたことも判明した。
ジャパンライフは、虚偽広告などで2014年に消費者庁から行政指導を受けていたが、15年春の「桜を見る会」に招待され、招待状をもとに安倍首相と山口元会長との親密さをPRするチラシを作成し、勧誘に使っていた。野党側は「この招待状がマルチ商法の被害をいっそう拡大した」と指摘している。
さらに、野党側は「桜を見る会」には反社会勢力が参加し、菅義偉官房長官らと写真を撮っていたと追及。参加者の名簿などを公表するよう実務を担当した内閣府に迫った。しかし内閣府は、招待者名簿は5月にシュレッダーで破棄したと説明。招待者の詳細は明らかにされないままだ。
一連の疑惑追及で明らかになった問題点は、
1税金で運営されている国の行事に招待される人が恣意(しい)的に選ばれ、とりわけ、安倍首相の後援者が多く含まれているのは公私混同、行事の私物化ではないか
2ジャパンライフのように招待状が悪用されたのもずさんな人選によるものではないか
3前夜祭が割安で開催されてきたのは公選法違反ではないか
4招待者名簿などが恣意的に破棄されているのは、公文書管理法に反するのではないか――などである。
安倍政権は以前にも、森友学園に国有地を売却する際の関連文書をめぐり、財務省が安倍首相の夫人・昭恵氏などに関連する部分を削除し、厳しい批判を浴びている。また、安倍首相の“盟友”である加計孝太郎氏が理事長を務めていた加計学園の獣医学部新設をめぐっても、学部設置の規制緩和などで特別扱いがあったのではないかという疑惑が指摘された。
安倍首相は「深く反省する」という釈明を繰り返したが、「桜を見る会」の問題で、またもや「権力の私物化」や「ずさんな公文書の扱い」が露呈したかたちだ。安倍政権の体質は変わっていないとの見方が、野党ばかりでなく、与党内にも広がっている。
森友学園問題は国有財産を管理する財務省、加計学園問題は大学設置の許認可権を持つ文部科学省がそれぞれ担当し、安倍首相や菅官房長官は直接責任をとる立場ではなかったが、「桜を見る会」はまさに首相官邸を直撃している。
そもそも首相主催の催しであり、事務局は首相・官房長官直結の内閣府だ。安倍首相の推薦枠は1000人もいたとされ、その選定のずさんさが問題となっている。公文書管理が恣意的だったのも内閣府だ。
7年前の政権発足以来、文字どおり“屋台骨”として官邸を支えてきた菅義偉官房長官は、連日の記者会見で記者から厳しい質問を受け、答えに詰まって官僚からメモを受け取るシーンが多くなった。安倍首相枠で山口ジャパンライフ元会長が招待された経緯などは、菅氏が答えられる範疇(はんちゅう)を超えているし、内閣府による招待者名簿の破棄は説明がつかない点が多く、菅氏も対応に苦慮している。災害対応や閣僚の辞任などの危機管理で手腕を発揮してきた菅氏の弱体化は、安倍政権全体の失速につながっている。
一方、降って湧いた疑惑の追及を続ける野党は勢いづいている。国会での質問や政府への合同ヒアリングなどで連携を強めている。立憲民主党と国民民主党との合流のメドが立たないなか、「桜疑惑」が野党共闘を加速している格好だ。
この「桜政局」は今後、どんな展開をたどるだろうか。ここでは三つの可能性をあげておこう。
第一は、臨時国会の閉幕とともに桜問題への関心が薄れ、年明けの通常国会では大きなテーマにならないという展開である。政府・与党の狙いもそこにある。
安倍政権としては、通常国会で大規模な景気対策のための2019年度補正予算案を速やかに可決、成立させ、20年度予算案も3月末までには成立させたい考えだ。関連法案の審議を経て、7月から東京五輪・パラリンピックとなれば、政権の勢いも回復するだろうと期待している。
その後、21年秋の衆院議員の任期切れをにらみ、衆院の解散・総選挙に踏み切るタイミングを探り、総選挙で勝利すれば、21年秋の自民党総裁任期を控え、「総裁4選」の可能性も出てくるという楽観論も、安倍首相の周辺にはある。
とはいえ、桜問題の根は深く、簡単には乗り切れそうにない。そこで、浮上する第二のシナリオは、この問題が燃え続け、安倍政権が行き詰まるという展開である。
国会閉幕後も、野党は関係省庁への事情聴取や資料収集を進める。メディアの取材攻勢も続く。安倍内閣の支持率は低下が止まらず、かつての「1強」の勢いはなくなってきた。自民党幹部からも「桜問題で4選論は吹き飛んだ」という声が出始めている。
補正予算案と本予算案の審議が行われる通常国会では、安倍首相が出席する予算委員会での追及が避けられない。自民党の国会対策関係者からは「桜問題は首相本人が答えざるを得ない。連日の追及に安倍氏は耐えられるのか」という不安が漏れ始めた。首相答弁で国会が紛糾した場合、どう収集するのか。究極の選択は、衆院の解散か首相退陣かである。
解散の場合は、景気対策の観点からも予算の成立は必須なので、衆参両院での審議と可決を済ませた後になる。となると、3月以降の可能性が大きい。ただ、自民、公明両党としては逆風を受けての解散は避けたい。
退陣の場合はどうか。これも予算成立を「花道」とするだろう。自民党は次期総裁選びに入る。安倍首相が「後継の一人」に想定している岸田文雄政調会長が手を挙げるだろうが、安倍政権に批判的な石破茂元幹事長も出馬は確実。党内対立が激化する可能性がある。
第三のシナリオは、第一と第二の中間ともいえる展開だ。
桜問題は収まらないものの、政権への決定的な打撃にはならない。通常国会での野党の追及を政府・与党側はどうにか乗り切り、予算成立にこぎ着ける。東京五輪・パラリンピックを終えて秋を迎える。長期政権への「飽き」も出て、内閣支持率は低迷しているが、自民党内で「ポスト安倍」を競う動きも高まるほどではない。
そこで安倍首相がどういう決断をするか。2021年秋の総裁任期満了まで政権を維持するか、任期を1年残して退陣し、後継総裁に政権を託すか、まさしくギリギリの選択を迫られる。
いずれのシナリオになるのか。手痛いダメージを受けた政権が勢いを回復するのは容易ではない。カギを握るのは内閣支持率だろう。消費増税で内需が落ち込み始めた経済情勢も、桜政局の行方に影響を及ぼす。憲政史上「最長」となった安倍政権は、難局を迎えている。 

 

●「名簿はありますよ」 「桜を見る会」疑惑を追及する田村議員 12/9
国会で「桜を見る会」を巡る疑惑追及の中心となっている田村智子参院議員。疑惑にどう気付いたのか。逃げ切りを図る政権を、どう攻めるのか。田村議員に話を聞いた。
「桜を見る会」の問題で、安倍首相を追及する急先鋒に立つ共産党の田村智子参議院議員(54)。11月8日の参院予算委員会で質問し、議論の火ぶたを切った。田村氏自身、「ここまで大きな問題になるとは想定外」と語るが、原動力になったのは政権への怒りだという。
「元々は、予算を無視するやり方が怒りの出発点なんです。同じ内閣府の予算で、性暴力被害の相談を一元的に受け付ける『ワンストップ支援センター』の運営費が、2018年度は予算不足という理由で計8千万円削減されました。なのに、桜を見る会だけは総理の行事だからと、来年度予算は約5729万円と今年度予算約1767万円の3倍。納得できないですよね」
国民の不信感を一気に高めたのが、野党からの資料請求があった1時間後に、内閣府が出席者の名簿を廃棄したことだ。名簿は、本当に「もうない」のか。
「ありますよ。各省庁の推薦者名簿が保存されているのに、内閣官房の『総理・長官等の推薦者』『与党による推薦者』の名簿だけが廃棄されたというんですが、例えば元国会議員は毎年ではなく年をずらして招待しており、その管理のためにも名簿は必要です。破棄したのが事実なら、安倍政権のもとで、内閣府と内閣官房は、公文書のまともな取り扱いさえできない行政府になり果てた、ということになります。やましいところがないなら、総理の責任で電子データを復元させ、全ての名簿を明らかにすべきです」
11月25日の参院行政監視委員会では、高齢者相手のマルチ商法で行政指導を受けた「ジャパンライフ」の元会長に招待状が送られていたことも指摘した。焦点となったのが、受付票に記されていた「60」という番号。総理の推薦枠である可能性が高いことがわかったのだ。
「『60』の意味に気づいた時は鳥肌が立ちました。元々、この招待状はわが党の大門実紀史(みきし)議員に消費者庁の職員から内部告発の文書として送られてきたものです。名簿と招待状の番号が符合すると気づいたのは11月22日金曜日の夜。20番台は公務員、50番台は功績功労者という具合に最初の2ケタは属性を示している、と。翌土曜日に、予算委員会の理事懇談会に各省庁からの推薦名簿がドサッと提出されていると知って、秘書に確認のお願いをしたところ、その日のうちに秘書から『60が総理だと証明できそうです』というメールが、選挙の応援で高知にいた私に来ました。日曜日に参議院議員会館のこの部屋で資料をつくり、翌25日の質問に備えました」
ただ安倍首相は質問に対し、元会長を招待したかどうかを明らかにしなかった。田村氏は、「安倍総理は、元会長個人に関する情報のため『回答を差し控える』と答弁を拒否しましたが、元会長は、その招待状をチラシに載せて顧客を勧誘し、それで多くの被害者が出ています。個人情報でも何でもありません」と憤る。
「60」が総理推薦枠だと、別の問題も浮かび上がるという。
「私が確認したところ、60番台は4900番まであります。招待状をもらった人が、ネットにも上げています。だから、菅官房長官の『総理からの推薦は約1千人』という国会答弁もウソになるんです。また菅長官は昭恵夫人からの推薦があったことも認めており、そこからおかしな人たちが招待されたのではないか、ということにもつながっていきます」
田村氏の言う「おかしな人」は元会長だけではない。桜を見る会には「反社会的勢力」とみられる人物が出席し、菅官房長官と写真におさまっていたことも分かった。菅官房長官は「結果的に入っていたんだろう」と認めた。吉本興業では、芸人が反社会的勢力と関係したことで長期の謹慎処分となっている。
「菅さんは『反社会的勢力の定義は一義的に定まっていない』などと言ってますけど、何を言ってるんだと思いますよね。『犯罪白書』にしっかり定義は書かれています。そんな人たちにどうして総理主催の公的行事招待状が行くのか。名簿が廃棄されたから事実確認さえできない、では許されないですよ」 
●「桜を見る会」問題の急先鋒・田村議員「首相はもう逃げきれない」 12/9
国会で「桜を見る会」を巡る疑惑追及の中心となっている田村智子参院議員(54)。11月8日の参院予算委員会で質問し、議論の火ぶたを切った。田村議員に話を聞いた。
政権寄りのメディアやネット上では「この程度の問題をいつまで取り上げるのか」といった論調もあるが、田村氏はそれを明確に否定する。
「桜を見る会は、事実上の有権者買収です。私たち議員が誰一人として有権者のみなさんに無料で飲み食いをさせないのは、直近に選挙があろうがあるまいが、公職選挙法に触れると思っているからです。それをやってしまった菅原一秀前経済産業大臣は辞任に追い込まれました。それぐらい大変な問題です。じゃあポケットマネーならダメで、税金を使えば許されるのか。私は2日の本会議で『事実上の買収だ』と指摘しましたが、総理は何も言わなかった。議事録削除を要請してくるかと思ったんですけどね」
ことあるごとにヤジを飛ばす安倍首相の沈黙は、後ろめたさの表れにも見える。
もう一つの焦点が、桜を見る会の前日に、東京都内のホテルニューオータニで開かれた「前夜祭」だ。会費はわずか5千円。しかも、政治資金収支報告書に収支が記録されていない。
「説明の抜け道を作るため、安倍総理側はホテルと相当綿密な打ち合わせをしているようですが、それでもボロは出てきます。少なくとも、政治資金規正法上はもう『アウト』だと思います。さらに、即位の一連の行事の後、総理主催のパーティーが随意契約でニューオータニに決まっていた。ホテルが見返りを期待して大幅な値引きをして、総理が何かをやったとなれば、贈収賄になる可能性もある」
まさにやりたい放題。田村氏はこう指摘する。
「安倍総理が図に乗ったんでしょうね。総理は自分の応援団が本当に好きで、大切にする人。まさにこれが、政治の私物化。モリカケ問題と全く同じ構図です。長期政権の弊害もある。安倍政権の7年間で、公文書が隠され、改ざんされ、廃棄されてきました。官僚の答弁は総理をかばうために矛盾に矛盾を重ね、自民党の中からは総理をかばう声しか出てこない。安倍総理がこうだと言ったら、その方向で政治が進んでいく。政権に逆らった元文部科学次官の前川喜平さんがどうなったかを見ろと。自分のクビをかけて戦える官僚は、そうはいませんから」
ただ、森友学園や加計学園を巡る問題では、数多くの疑惑を残したまま、野党は政権を退陣に追い込めなかった。今度も同様に、「逃げ切り」を許してしまうのではないか。
「あまりにひどい国会答弁に、あまりにひどい資料隠し。このままでは民主主義が崩壊していく危機感があります。終わりにしてはダメ。実態を詰め切りたい。桜を見る会の真相究明のために立ち上げていた野党の『追及チーム』を11月下旬に『追及本部』に格上げし、人数を70人超にして態勢を強化しています。私は、事務局長代行です」
国会は9日に会期末を迎え、疑惑追及の舞台は年明けの通常国会へと移る。
「今国会は終わりますが、年明けには安倍総理が出席する予算委員会がある。そこで一問一答を重ねたら、逃げ切れないと思います。もし質問に答えられなかったら、それはもう『辞めろ』という話になるでしょう。説明するといいながら、説明できないわけですから」
ところで、田村氏自身は、桜を見る会に出席したことはあるのか。
「国会議員には毎年、招待状が来ます。だけど会が開催される4月は法案審議でむちゃくちゃ忙しいし、まして安倍総理の招待で桜を見に行きたいかと言われれば、行く気になれませんね(笑)」 

 

●与党議員も「そんな馬鹿な」 「桜を見る会」問題で援護射撃が少ない理由 12/10
支離滅裂な説明で「桜を見る会」問題の追及から逃れようとする安倍政権。その姿に、野党のみならず与党議員さえも思うところがある様子。
「桜を見る会」をめぐって顕著なのは、安倍政権を支える与党議員からの援護射撃が少ない点だと、ある野党幹部は言う。
「本来であれば、もっと野党に対する攻撃が、与党の個別の議員から飛び出してもいいはず。それが出ないのは、『シュレッダーにかけたのは予定通り』『データは復元できない』『バックアップデータは公文書にあたらない』といった官邸の説明に、腹の中では納得していないから。そればかりか、そんな馬鹿なと思っているからですよ」
官邸が「桜を見る会」をめぐる問題を沈静化できないのは、会への招待者を含め関係者があまりにも多く、モリカケのときのような官邸主導の事実上の隠蔽工作が不可能だからだ。
そこで、安倍政権が選択したのが、日米貿易協定などの重要課題さえも早々と処理して、会期を延長せず臨時国会を閉じて「逃げ切り」を図る戦法だ。政府関係者はこう本音を漏らす。
「新しい爆弾が飛び出さない限り、逃げ切れるだろう。この問題をきっかけに、安倍首相が、来年の通常国会の冒頭に解散に打って出る可能性はほぼない」
一方の野党は問題発覚後、立憲民主党や共産党などが合同の追及チームを結成。その後、問題が拡大するとみるや、これまでにない大規模な野党合同の追及本部を設置して共闘する体制を固めた。ある野党の幹部は、モリカケ問題への対応を念頭にこう話す。
「今回は、桜を見る会に関する資料を独自に入手した共産党がカギだった。いつもは、野党内にも共産党アレルギーの濃淡があるため、国会で野党がひとつになって政府を追及するには時間がかかるが、今回はほぼ独自情報は共産党頼りだった」
その一方、立憲民主党と国民民主党は解散総選挙を念頭に、両党が一つになる方向での話し合いを水面下で進めている。対等な「合併」なのか、野党第1党の立憲民主党に国民民主党が「吸収」される格好なのか。その主導権争いが、問題追及と同時並行で行われていたのも事実だ。
参院選で躍進したれいわ新選組代表の山本太郎氏は、早々とその主導権争いに見切りをつけ、次の総選挙では全ての選挙区で独自候補を擁立する方向に舵を切った。山本氏が事実上、立憲民主党を見限ったのだと関係者は言う。
「確かに桜を見る会は大問題だけれども、それは解散総選挙の大義にはならない。結局、野党の旗印は消費税しかないと山本氏は考えている。山本氏は本来、消費税廃止を主張しているのに、野党共闘のため5%にするとまで譲歩した。にもかかわらず連合の顔色を窺い、乗ってこなかった枝野幸男代表では、政権交代はおろか、現状以上の議席確保も難しいと判断した」
とはいえ、桜を見る会の問題は、国会が閉じたとしても首相の説明責任がなくなるものではない。朝日新聞の投稿欄にこんな投稿があった。
「内閣府 ない、かくす、と聞こえる」。問題が沈静化する気配はない。 
●大手マスコミもジャパンライフと「接点」 紙面掲載や顧問就任... 12/10
首相主催の「桜を見る会」を巡る問題で、大手マスコミに対しても、警察の捜査を受けるジャパンライフと接点があったとして、ネット上で疑問や批判が相次いでいる。国の業務停止命令後も、通販事業部名の商品記事を載せたりしていたからだ。同社との認識がなかったと説明する新聞社もあるが、理解は得られるのだろうか。
記事の掲載を宣伝に利用
磁気治療器などのマルチ商法をしていたジャパンライフは、特定商取引法違反などで2016年12月に消費者庁から業務停止命令を出された。その後も、3回にわたって命令が出されるなど、社会問題になりつつあった。
被害者も増えていたが、新聞やテレビでは、その間も、ジャパンライフの商品情報やCMを流し続けた。
同社には、マトリックスワールドという名の通販事業があり、朝日新聞は、2017年9月29日付夕刊で、ジャパンライフの名前はなかったが、マトリックスワールドのシャンプー商品として読者プレゼントの小さな記事を出した。ジャパンライフは、この記事をサイト上で紹介するなど、被害者向けの宣伝に使い、このほかにも朝日の記事に商品などが取り上げられたとサイトに載せていた。
東京新聞も、同年10月13日付朝刊で、同じシャンプーの読者プレゼント記事を載せ、ジャパンライフは同様に、東京新聞には他の紹介記事もあるとして、宣伝に活用していた。別の大手新聞も、同様な記事を載せている。
さらに、朝日新聞では、退職した元政治部長の橘優氏が2014年か15年ごろから17年7月までジャパンライフの顧問となり、同社の会社案内にも載っていたことが、ネット上で話題になっている。橘氏は、17年1月27日の大物政治家を囲んだジャパンライフの山口隆祥元会長主催の懇親会に、他の大手マスコミ幹部ら数人とともに参加し、ジャパンライフは、被害者向けの宣伝資料で、橘氏を元朝日新聞文化財団常務理事とするなどして幹部らの参加を顔写真付きで紹介していた。
「行政処分後に紹介したことは申し訳ない」
朝日新聞の広報部は4日、J-CASTニュースの取材に対し、マトリックスワールドの商品記事は、確認できた範囲では、東京本社発行版で2010年7月8日から17年9月29日付夕刊まで計15回、プレゼントコーナーで掲載したとして、こうコメントした。
「掲載の経緯については確認できておりませんが、行政処分を受けた後に紙面で紹介したことは申し訳なく思っております」
橘氏は、社内で文化財団常務理事などを経て、ジャパンライフ顧問になる前の11年に退職しており、顧問だったかどうかは把握していないとした。「17年1月の懇親会で弊紙の名前が宣伝に使われたかどうかは承知しておりませんが、事実とすれば遺憾に思います」とも答えた。
一方、東京新聞編集局は6日、プレゼントコーナーへの記事掲載について、こうコメントした。
「2016年12月以降、マトリックスワールドがジャパンライフの通販事業部との認識がないままに、商品を情報欄の読者プレゼントコーナーに8回掲載しました。なお、ジャパンライフが3度目の業務停止命令を受けた2017年11月以降、マトリックスワールドの商品の掲載はありません」
東京新聞は、12月2日の官房長官会見で、安倍首相が桜を見る会に山口元会長を呼んだかどうかを記者がただす質問をしたことがネット上で波紋を呼び、「一体どの口で安倍総理を批判しているのか」などと疑問の声も出ていた。
記者がジャパンライフを疑問視するような質問をしたことについては、「官房長官記者会見で、『桜を見る会』にジャパンライフの元会長が招待された問題を問いただすのは、通常の取材です」と説明している。
顧問だった朝日元政治部長が取材に答えた
朝日新聞元政治部長の橘優氏は12月10日、なぜジャパンライフの顧問を引き受けたかについて、J-CASTニュースの取材にこう説明した。
「山口元会長は、政界に顔の広い方で、政治家を取材するとその場にいることが多く、お互いに知っていました。文化や福祉などの活動をする日本文化協会のスポンサーになったとき、協会の代表理事を引き受けるよう声をかけられ、協会は報酬がないので報酬のあるジャパンライフの顧問にならないかと言われました。私は、視覚障害者の写真コンクールなどを手がける協会の文化事業に興味を持ち、いいですよと引き受けることにしました。形式的な顧問でしたので、会社の事業のことは知りませんでした」
2017年1月27日の大物政治家を囲んだ懇親会については、橘氏が他の大手マスコミ幹部ら数人全員に声をかけたという。食事会の費用は、山口元会長が出し、橘氏らは支払わなかった。ただ、ジャパンライフの宣伝資料に顔写真などが使われたことは知らなかったとした。自らが会社案内に出ていたことも知らなかったという。
ジャパンライフに16年12月に業務停止命令が出たときは、そのことに気づかず、事業内容などを知ったのは、17年11月に3回目の停止命令が出たなどと報じたNHKニュースを見てからだったと説明した。
「その後、記者仲間からジャパンライフのパンフレットに顔写真入りで懇親会のことが出ていることを聞き、私が誘った人たちと連名で山口元会長に抗議文を出しました。勝手に名前などが使われたことは心外であり、使われるとは思っていませんでしたので遺憾に思っています」 
●閉会会見 「桜を見る会」に触れず「私の手で憲法改正を成し遂げる」宣言 12/10
ついに安倍首相が「桜を見る会」問題について満足な説明もしないまま、昨日、臨時国会が閉会した。これで年越しすれば鎮火するという算段なのだろうが、ひどかったのは、臨時国会閉会に合わせた記者会見。なんと、安倍首相は「桜を見る会」問題について自分からは一言も言及しなかったばかりか、嘘っぱちの成果や勇ましい掛け声ばかりを連発したからだ。
まず安倍首相は、冒頭からこんな話をはじめた。
「この国会では、米国との貿易協定が承認されました。攻めるべきは攻め、守るべきは守る。この大きな方針のもと、米国と交渉し、わが国にとって大切なコメについて関税削減の対象から、完全に除外しました」 「牛肉輸出にかかる低関税枠も大きく拡大するなど、まさに国益にかなう結果が得られた」 「日本の自動車に対し、米国は(米通商拡大法)232条に基づく追加関税をかけない。そのことも首脳会談の場で直接トランプ大統領から確認を取りました」
初っ端からよくもまあこれだけ嘘を並べ立てたものだ。まず「コメを関税削減対象から完全に除外した」というが、実際には協定の付属書に「米国は将来の交渉において農産品に対する特恵的な待遇を追求する」と書かれており、今後、再交渉によって市場開放を要求される可能性が十分ある。牛肉にしても、畜産農家に重大な損害を与える輸入増加があった場合に関税を引き上げる緊急措置(セーフガード)の実効性に疑問がついており、TPP以上の影響が出ると懸念されている。極めつけは自動車の追加関税で、これはたんに「トランプ大統領に直接確認した」と言っているだけ。協定付属書には「関税撤廃についてはさらなる交渉の対象となる」としか書かれておらず、とてもじゃないが「追加関税はかけられない」と断言できる話ではけっしてないのだ。
どう考えてもアメリカに「国益を売り渡す」結果であり、国内の農家に大打撃しか与えないのは目に見えている。しかし安倍首相はこうした“売国協定”に胸を張り、その後も勇ましくこう宣言しつづけたのである。
「安全でおいしい食を支えてきた全国津々浦々の農林事業者のみなさんにとって、大きなチャンスです。この機を活かし、海外の新しい市場へのチャレンジを力強く後押しします」 「生産性革命を一気に加速します。そのことによって賃上げの流れをいっそう力強いものとしてまいります」 「少子高齢化の時代にあって、もはや内向きな発想では未来を開くことはできません。自由貿易の旗を高く掲げ、外に向かって果敢にチャレンジする海外の活力を積極的に取り込むことで、持続的な成長軌道をたしかなものとしてまいります」
「大きなチャンス」だの「一気に加速」だの「未来を開く」だの、言葉の勢いだけの中身のないホラ話を、国民はこの男から何回、何十回も聞かされてきた。だが、現実はまったく違う。実際、6日に発表された10月の家計調査では、2人以上世帯の消費支出は27万9671円で、実質では前年同月に比べて5.1%も減少。前回消費増税がおこなわれた2014年4月は4.6%減だったから、それ以上に消費は落ち込んでしまったのだ。
しかし、安倍首相はそうした都合の悪い事実は隠し、オリンピックや万博を持ち出して「令和の時代を迎えた日本も、いまや新しい時代への躍動感にみなぎっています」などと現実離れした話を披露し、最後にはあの話をはじめたのである。そう。憲法改正だ。
「この絶好のタイミングにあって、しっかりと未来を見据えながら、国のかたちにかかわる大胆な改革、大改革に挑戦し、新たな国づくりを力強く進めていく。その先には憲法改正があります。つねにチャレンジャーの気持ちを忘れることなく、国内外の山積する課題に全力で取り組んでいく決意であります」
さらに、その後におこなわれた質疑応答でも、幹事社である日本経済新聞の記者が1問目から改憲について質問。そして、安倍首相はこう口にしたのだ。
「選挙の結果は、国民のみなさまの声は、憲法の議論を前に進めよということだったんだろうと思います」 「最近の世論調査においても、議論をおこなうべきという回答が多数を占めています。国民的関心は、高まりつつあると考えています」 「国会議員として国民的意識の高まりを無視することはできません」
いやいや、憲法改正に国民的関心が高まっているって、どこの世界の話をしているのだろうか。おそらく「最近の世論調査」として持ち出しているのは、御用メディアであるFNN・産経新聞が11月16・17日におこなった世論調査の結果で、「衆参両院の憲法審査会で憲法改正に向けた議論をもっと活発化させるべきだと思うか」という問いに「思う」が73.3%、「思わない」16.2%となっていた。だが、NHKの世論調査(11月8〜10日)では「憲法改正について国会で議論を早く進めるべきか」という問いに「早く進めるべき」と答えたのが33%である一方、「早く進める必要はない」は32%、「議論をする必要はない」は22%となっていた。つまりNHKの調査では、54%が「早く進める必要はない」「議論する必要はない」という回答だったのだ。
むしろ、国民的関心が高まっているのは、憲法改正ではなく「桜を見る会」のほうだろう。実際、NHKが12月6〜8日におこなった世論調査では、「桜を見る会」問題について「安倍総理大臣のこれまでの説明に納得できるか」という問いに「大いに納得できる」と答えたのはわずか2%で、「ある程度納得できる」と回答した人も15%であったのに対し、「あまり納得できない」が30%、「まったく納得できない」が41%となっており、「納得できない」という回答は71%にものぼっている。
国民の多くが安倍首相の説明に納得がいっていないというのに、その当人は丁寧な説明を放棄……。しかも、会見ではこうも宣言したのだ。
「憲法改正はですね、自民党立党以来の党是でありまして。そして選挙でお約束したことを実行していくことが私たちの責任であろう、政治の責任であろうと思います。憲法改正というのはけっしてたやすい道ではありませんが、必ずや私たちの手で、私自身としては私の手で成し遂げていきたい。こう考えています」
私の手で憲法改正を成し遂げたい……って、憲法改正は自民党と首相の専権事項では断じてないのに、何を言っているのか。その上、これは臨時国会の閉会にともなう総理大臣会見だ。総理大臣としておこなっている会見で「自分の手で改憲を」などと述べることは、憲法99条に規定された「憲法尊重擁護義務」違反であり、国民主権と国会を無視した“独裁宣言”ではないか。
しかも、つづいて質問したもうひとつの幹事社であるテレビ東京の記者がようやく「桜を見る会」の質問をおこなったのだが、その答えは「招待者名簿については、内閣府があらかじめ定められた手続きにのっとって適正に廃棄をしている」「データの復元についても不可能」「(ジャパンライフ会長とは)1対1のようなかたちでお会いしたことはない」という、これまでとまったく同じ回答を繰り返しただけ。
だが、問題はこのあとだ。この国民を舐め切った回答に対し、記者から追加で質問が出ることもなく、つづいて指名されたブルームバーグ記者は「日中関係」、次に指名されたNHKの記者は「衆院解散」について、その次のニコニコ動画の記者は「若い世代の投票率の低さ」、そして読売新聞の記者が「自衛隊の中東派遣」を質問し、会見は締めくくられたのだった。
いま、これだけ「桜を見る会」の問題が取り沙汰され、一方で安倍首相はその説明から逃げつづけているのに、それについて厳しく追及する質問が飛ばず、挙げ句、「若い世代の投票率の低さ」などという「いま訊くべき話か?」というような質問が繰り広げられる──。たしかに安倍首相のこうした正式な会見では、回答に関連して追加で質問する「更問い」はおこなわれないのが慣例となっているが、法律で禁じられているわけでもないのだからそんなものは打ち破ればいいだけだ。しかし、そうしたことはついに起こらなかった。
いや、それどころか、安倍首相は記者からの質問に対し、しきりに目を落とし、手元の原稿を読んでいる様子だった。つまり、事前に記者からどんな質問をするのかをあらかじめ聞き出して問答集をつくっていた可能性が高いのだ。
最近の菅義偉官房長官の会見では、朝日や毎日、東京、北海道新聞などの記者が奮闘し、鋭い質問を浴びせているが、一方、安倍首相の昨日の会見は官邸側が選んだ記者にだけ質問させていたのではないか。現に、今朝の毎日新聞デジタル版記事では、会見に参加した取材班が〈我々は一度も指名されずじまいである。思えば、司会の官邸職員、自分が名前を知っている記者しか指名していない〉と“出来レース”疑惑を匂わせ、朝日記者は本日朝刊で〈朝日新聞の記者は手を上げ続けたが指名されなかった〉と書いている。これを「茶番劇」と言わずしてなんと言おうか。
しかも、昨日の会見がおこなわれるとメディア側に正式にアナウンスされたのは夕方だったという情報もある。実際、総理大臣の公式の会見だというのに、記者席はガラガラだった。これは、安倍官邸側が直前に会見実施をアナウンスして、なるべく記者を排除しようとしたのではないのか。そう疑われても仕方がないだろう。
嘘と大言壮語でしかない一方的な演説と、批判が一切出ない質疑応答──。これでは年越しによって「桜」疑惑を幕引きしようとする安倍首相の思うつぼだ。この会見での無責任な態度を、国民はよく目に焼き付けなければならない。 
●「モリカケ」教訓 “二つの戦略”で「桜を見る会」問題から逃げる政権 12/10
「桜を見る会」問題で、安倍政権は野党の追及をかわし逃げ切りを図る。柱となるのは二つの戦略。モリカケ問題で得た「教訓」が元になっているという。
桜を見る会をめぐり、政府の支離滅裂が止まらない。5日には、菅義偉官房長官が記者会見で火だるまになった。発端は、野党議員が資料請求した直後に内閣府が破棄した出席者名簿。実際にはまだバックアップデータが残っていたのに、国会答弁ではそのことを明かさなかった。菅氏はその理由について、こう言い放ったのだ。
「バックアップデータは行政文書ではない」
「(国会議員からの資料請求は)対象が行政文書であることが前提だ」
記者側は猛反発した。
──公文書管理法のガイドライン改定に携わった専門家から、「組織が作成・管理に当たっている以上、行政文書である」との批判が出ている。指摘をどうとらえるのか。
「内閣府から、バックアップファイルは、一般職員が業務に使用できるものでないことから組織共用性を欠いており、行政文書には該当しないと説明を受けている」
──共産党議員の資料要求の際に、バックアップデータの存在を知らせなかったのはなぜか。
「繰り返しになってしまうが、招待者名簿はあらかじめ決められたルール等、手続きに従って廃棄している。かつ、バックアップファイルは一般職員が業務に使用できるものではないことから、組織共用性を欠いており、行政文書に該当しないという認識のもとに、適切に対応したものだったと思う」
菅氏はこの日、事務方が何度も差し入れるペーパーを読み上げ続けた。普段は余裕たっぷりで会見を仕切る菅氏の目が、終始泳いでいるようだったと出席した記者の一人は証言する。
このやり取りを見た、ある自民党関係者は言う。
「あの菅さんが、該当しないと断定せず、『該当しないと説明を受けている』と発言の責任を事務方に転嫁するような曖昧な発言をした。これは、よっぽど追い詰められているな」
安倍政権が重視するのは、「桜を見る会」の問題を第2の「モリカケ問題」にしないこと。そのための戦略は、大きく分けて二つあるという。
一つ目は、「安倍首相を矢面に立たせないこと」だ。今回、安倍首相は普段は行わないぶら下がり会見に応じ、国会の要請があれば、いつでも説明する用意があると印象づけた。しかし、実際には野党が首相出席の集中審議を求めても、与党がそれに応じることはなかった。政府関係者はこう証言する。
「モリカケが長期化したのは、疑惑の当事者である安倍首相が当初、国会で『私や妻がこの認可、あるいは国有地払い下げに関わっていたのであれば、私は総理大臣を辞める』などと発言してしまったことが原因だった。安倍首相は、とくに昭恵さんが関わる問題に関しては躍起になって自ら弁明しようとするが、すればするほど傷が深くなる。一番いいのは、首相出席の集中審議を開催しないことだ」
その半面、この戦略には安倍首相の代わりに、矢面に立つポジションが必要となる。それが菅官房長官だった。対メディアという意味でも、官房長官会見は、1日2回、毎日、開催されている。主催は「記者クラブ」とはいえ、会見を仕切るのは実質、官邸。しかも菅氏は日本最長の政権を支え続ける辣腕だ。
「あとは時間稼ぎですよ。連日、この問題をやっていれば、必ず、他にも重要な法案があるだろう、と、野党やマスコミの攻勢にうんざりする世論が広がる。その上で、野党が審議を欠席しようものなら好都合。逆にそれが野党にとって痛手になる」(前出の政府関係者)
二つ目の教訓は「内部文書の流出を防ぐこと」だ。モリカケの時、政権を揺るがしたのは野党の追及よりも、むしろ、その都度、政権の内部からメディアに流出した内部文書だった。いま、流出を防止することに、とくに首相周辺は躍起になっているという。ある自民党幹部はモリカケ問題をこう分析する。
「財務省の佐川宣寿理財局長が、ないと断言した森友学園と財務省とのやりとりを示す文書。そして、加計問題をめぐっては『総理のご意向』を書かれた内部文書がリークによって表沙汰になり、これは詰んだなと思った。ないと言い続けてきた文書が出てきたんだから。今回の件でも、破棄したとされている名簿が、何らかの形で出てきたら大変なことになる。官邸はそればかり気にしているはずです」 

 

●首相、招待者へ「皆さんと共に政権奪還」と呼び掛け 12/11
臨時国会が9日、閉幕したことを受け、安倍晋三首相は記者会見し、公的行事「桜を見る会」の私物化問題については、従来の説明を繰り返した。招待者名簿は「適正に廃棄している」と述べたが、11日午前0時現在、今年の会の様子を撮影した動画や写真は首相官邸のホームページ(HP)にアップされたままだ。動画を見ると、首相は会の冒頭「(公明党代表の)山口(那津男)さんや皆さんと共に政権を奪還してから、7回目の桜を見る会となりました」とあいさつしていた。桜を見る会への招待の在り方と夕食会の問題を検証する。
園遊会と比較すると、私物化明らか
首相が呼び掛けた「皆さん」は、会場の新宿御苑に集まった招待者であり、首相は一緒に政権を奪還した仲間と考えているようだ。「皆さんと共に」という言葉は、政府が国会で答弁してきた「首相が各界で功績、功労のあった人を招き、日頃の苦労を慰労するとともに、親しく懇談する内閣の公的行事」の私物化をはっきり示しているのではないか。
また桜を見る会と、天皇・皇后両陛下が主催する園遊会を比較すると、私物化がより明らかになる。宮内庁のHPによると、園遊会は「天皇・皇后両陛下が毎年春と秋の2回、赤坂御苑に約2千人を招き、親しく話す会」で、招待者は衆参両院議長・副議長・議員、首相・大臣、最高裁長官・判事、その他の認証官(任免に天皇が公的に証明する認証が必要な官職)など立法・行政・司法各機関の要人、都道府県の知事・議会議長、市町村の長・議会議長、各界功績者とそれぞれの配偶者、皇族。春の園遊会には、各国外交官とその配偶者・令嬢も招く。
一方、桜を見る会の開催要領によると、招待者は皇族・元皇族、各国大公使等、衆・参両院議長・副議長、最高裁長官、大臣・副大臣・政務官、国会議員、認証官、事務次官等・局長等の一部、都道府県の知事・議会議長等の一部、その他各界の代表者等で、園遊会と多くが重複する。ところが、招待者の人数は園遊会が約2千人なのに対し、今年の桜を見る会は約1万5千人に上ったという。
園遊会は招待者を公表する。名簿が報道機関に提供され、新聞に氏名と肩書が掲載されてきた。宮内庁によると、名簿の保存期間は30年。これに対し、桜を見る会の招待者は非公開で、名簿は「会の終了をもって使用目的を終えることに加え、全て保存すれば、個人情報を含んだ膨大な文書を適切に管理する必要が生じること等から、内閣府において保存期間1年未満の文書として、会の終了後、遅滞なく廃棄している」(12月2日の参院本会議での首相答弁)という。園遊会と桜を見る会は、招待者が重複しているのに、会の在り方が大きく異なっている。
首相の説明に修正や矛盾
首相は11月8日の参院予算員会で、桜を見る会について「私は主催者としてあいさつや招待者の接遇は行うが、招待者の取りまとめ等には関与していない」と答弁した。しかし、安倍晋三事務所が前日の夕食会とセットで、桜を見る会に地元支援者を招待していたことが案内状などで明らかになると、11月20日の参院本会議で「私の事務所が内閣官房から推薦依頼を受け、幅広く参加希望者を募ってきた。私自身も事務所から相談を受ければ、推薦者について意見を言うこともあった」と答弁の軌道修正を余儀なくされた。その後、首相は招待者に関するそれ以上の情報を明らかにしていない。官邸のHPに残る動画(膨大な個人情報を含んでいる)に登場するのも、芸能人がほとんどだ。
首相は9日の会見で「私自身の責任において、招待基準の明確化や招待プロセスの透明化を検討するほか、予算や招待人数も含めて、全般的な見直しを、幅広く意見を聞きながら行ってまいります」と語る一方で「さまざまなご指摘を踏まえ、菅(義偉)官房長官が内閣府に確認させた結果(招待者名簿の)データの復元についても不可能であるとの報告を受けた」と述べた。招待者名簿がもはやこの世に存在しないのに、どうやって「招待基準の明確化」や「招待プロセスの透明化」を検討するのだろうか。言っていることが矛盾している。招待者の在り方や名簿の廃棄問題は今後も追及が続くとみられる。
夕食会も説明裏付ける書類など示さず
次は桜を見る会前日の4月12日夜、首相の地元支援者らを東京都千代田区のホテルニューオータニに集めて開かれた立食形式の夕食会。首相は11月20日の参院本会議で「あべ晋三後援会が主催した」と認め、それに先立つぶら下がり取材で、次のように説明している。ただ説明を裏付けるような書類などは、現在に至るまで全く示していない。
1 夕食会や旅費、宿泊費など全ての費用は参加者の自己負担で、安倍事務所や後援会には収入、支出は一切ない。
2 夕食会の費用は会場の入り口で、安倍事務所の職員が1人5千円を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手渡した。受け付け終了後、集金した現金でホテルに支払いをした。
3 夕食会の価格が安過ぎるのではないかとの指摘もあるが、大多数がホテルの宿泊者という事情を踏まえ、ホテル側が設定した価格という報告を受けている。
4 夕食会の出席者は約800人で、その大半が翌日の桜を見る会に出席した。
ニューオータニの広報担当者は夕食会について「個別の案件なので答えられない」としつつ「一般的には、入金と同時に領収書を渡す」と話す。2の説明のようにするには、ニューオータニから事前に領収書をもらっておかなければならないが、領収書は入金と同時という説明と食い違う。後援会が夕食会の前に費用を立て替え払いし、参加者の人数分の領収書をもらっていた場合、後援会には支出と収入が生じる。
ニューオータニのHPによると、宴会場での立食パーティーは1人1万1千円(宴会場使用料、税、サービス料など込み)からなので、夕食会は半額以下に値引きしたことになる。首相が3の説明をした後、2015年の夕食会はニューオータニだが、宿泊先はホテルオークラとANAインターコンチネンタルホテル東京だったことが明らかになった。しかし、首相は「5千円はホテルが設定した」「(夕食会の)明細書はない」と言い続けている。
ニューオータニ、公選法違反の共犯となる可能性も
15年の宿泊先になった二つのホテルにそれぞれ取材すると、まずホテルオークラは、▽立食パーティーはおおむね1万5千円から、▽ディナーショーなどホテル主催のパーティーでは、ホテルの領収書を個人に渡すが、それ以外はパーティーの主催者に総額の領収書を発行し、ホテルの領収書を参加者にそれぞれ渡すことはまずない、▽パーティーの明細書や見積書は必ず発行する―と答えた。
ANAインターコンチネンタルホテル東京の回答は、▽立食パーティーの人数や内容によって、5千円でも可能、▽領収書は代金と引き替えに発行し、要望によって個人宛てにも発行するが、主催者の隣にホテルの従業員がいて、会費の5千円をもらうたびにホテルの領収書を発行することはあまり考えられない、▽パーティーの明細書や見積書は必ず発行する―だった。
パーティーの主催者が参加者から集金し、ホテルの領収書を渡したり、明細書や見積書が発行されなかったりすることは、少なくともこの二つのホテルではないようだ。元検事の弁護士は「ニューオータニと後援会側が事前に話し合い、地元有権者である参加者に5千円を上回る代金の飲食を供与していた場合、ニューオータニも公選法違反の共犯となる可能性もある」と話している。
明細書などの会計書類は法人税法で7年、会社法で10年の保存義務があり、ニューオータニには必ず保管されている。首相の説明が事実であれば、ニューオータニから会計書類を取り寄せて公開すれば、この問題が越年することはない。 
●もりかけの教訓と「桜を見る会」巡るメディアの焦り 12/11
朝日新聞系の『アエラドット』というウェブサイトに昨日、「モリカケ問題の教訓」、などと題する記事が掲載されていたようですが、この手の記事からは、「桜を見る会」問題を一生懸命スキャンダルに仕立てようとしているオールドメディア側の「焦り」を感じ取ることができます。「桜を見る会『問題』」で政権追及をし、政権を追い込んでいるつもりのオールドメディアが、却って追い込まれる立場にあるのだとしたら、これは極めて滑稽な話だと言わざるを得ません。
もりかけ問題はマスコミ転落のきっかけ
「もりかけ問題」とは、いうまでもなく、「安倍晋三(氏)が内閣総理大臣としての地位を悪用し、個人的な友人が経営する学校法人に対し何らかの便宜を図ったという疑惑」のことですが、それと同時に、当ウェブサイトとしては、「オールドメディアと特定野党が社会的な信頼を失う決定的なきっかけとなった、大々的な虚報事件」と位置付けています。
というのも、民進党(現在の立憲民主党その他大勢)などの特定野党が、「アベは怪しい!」「アベは怪しい!」と叫び続けて国会を空転させ、新聞、テレビを中心とするオールドメディアが重要なニュースそっちのけで「もりかけ騒動」ばかりを報じたからです。
しかし、特定野党やオールドメディアが決定的に読み誤っていたのは、インターネット環境が普及するにつれ、インターネットを使いこなし、自分の関心があることがらについては自分で調べるようになる人が増えつつある、という事実ではないでしょうか。
もちろん、「世の中のすべての人が、インターネットを使いこなしている」とは言いません。なかには、新聞に書かれてあること、テレビが喋っていることが「世の中の真実だ」と信じている人もいるでしょうし、「インターネットにある情報はすべてウソだ」と頭から決めつけてかかる人もいるに違いありません。
ただ、政治に対して関心が高く、選挙のたびに必ず投票に行くような人たちに限定してみれば、少なくとも新聞やテレビが垂れ流した「もりかけ虚報騒動」のようなものを素直に信じる人が、現代社会において多数派を占めているとも思えません。
2年前は成功しかけたが…
もっとも、メディアによる虚報を許しておけば、瞬間風速的に政権支持率を押し下げる、といったことが罷り通ります。実際、2017年7月の主要メディアの内閣支持率調査では、ニコニコ動画のものを除けば、軒並み内閣不支持率が支持率を上回ったことは事実です(図表1)。
   図表1 主要メディアの世論調査(2017年7月)
     媒体 / 支持 / 不支持
   読売新聞(7/7〜9) 36% 52%
   朝日新聞(7/8〜9) 33% 47%
   毎日新聞(7/22〜23) 26% 56%
   日経・テレ東(7/21〜23) 39% 52%
   NHK(7/7〜9) 35% 48%
   共同通信(7/15〜16) 35.8% 53.1%
   産経・FNN(7/22〜23) 34.7% 56.1%
   ニコニコ動画(7/20) 51.7% 24.1%
しかし、このわずか3ヵ月後に行われた衆議院議員総選挙では、自民党が現有勢力をほぼ維持して堅調に勝利を収める一方、最大野党だった民進党は候補者を1人も立てられずに衆議院から消滅し、アメーバかなにかのように、いくつもの「プチ民進党」に分裂。
各種世論調査で見ても、現在に至るまで、民進党の残党である立憲民主党、国民民主党などに対する政党支持率は低迷している状況にあるのです。
いくつもの選挙に連続して勝利する安倍政権
ところで、先ほどの図表を確認すればわかりますが、オールドメディアから連日のように「もりかけ虚報」が仕掛けられている真っ最中であれば、確かに政権支持率が瞬間風速的に大きく下落する、という現象は発生しています。
ところが、選挙のタイミングになると、国民は「もりかけ問題」をすっかり忘れたかのように、安倍政権の出身母体である自民党にこぞって投票しているのです(※もっとも、小選挙区制では第一党が極端に多くの議席を取るため、厳密には「国民の圧倒的多数が自民党に投票している」とは言えませんが…)。
ちなみに、インターネット環境が普及しても、オールドメディアの影響力はまだ衰えておらず、2018年4月にも「もりかけ第二ラウンド」の影響で安倍政権に対する支持率が急落したという「事件」がありました。
   図表2 主要メディアの世論調査(2018年4月、カッコ内は前月比増減)
     メディアと調査日 / 支持率 / 不支持率
   共同通信(4/14〜15) 37.0%(5.4) 52.6%(+5.1)
   NNN(4/13〜15) 26.7%(3.6) 53.4%(+0.4)
   朝日新聞(4/14〜15) 31%(±0) 52%(+4)
   毎日新聞(4/21〜22) 30%(3) 49%(+2)
   読売新聞(4/20〜22) 39%(3) 53%(増減不明)
   ニコニコ動画(4/17) 54.6%(1.6) 22.6%(+1.9)
しかし、同年9月の自民党総裁選では、オールドメディアが倒そうとした安倍晋三氏が自民党総裁に三選されましたし、今年7月の参議院議員通常選挙でも、自民党は「圧勝」といかないにせよ、そこそこの議席を獲得し、堅調な勝利を収めた格好となりました。
もしも本当に「安倍晋三(氏)が内閣総理大臣としての地位を悪用し、さまざまな不正を働いている」にも関わらず、安倍政権がいまだに倒れないのだとしたら、それは安倍総理が選挙において何らかの不正を働いているか、それとも私たち国民がバカなのか、そのどちらかでしょう。
そして、わが国において少なくとも国政選挙については法律に従い、厳格に実施されていますし、オールドメディアが政権に批判的な報道を垂れ流すなかで自民党が圧倒的多数を得ているという事実を見るだけで、安倍政権が国民に支持され、正当に選ばれた政権であることに疑念の余地はありません。
朝日新聞系ウェブサイトが「焦り」?
そうなってくると、やはり、オールドメディア側からは「焦り」も見えてくるのです。
朝日新聞系のウェブサイト『アエラドット』に昨日、こんな記事が掲載されていました。
「モリカケ問題」の教訓が生きた? “二つの戦略”で「桜を見る会」問題から逃げる安倍政権 「桜を見る会」問題で、安倍政権は野党の追及をかわし逃げ切りを図る。柱となるのは二つの戦略。モリカケ問題で得た「教訓」が元にな・・・ (2019/12/10 AERA dot.)
タイトルにあるとおり、この記事では、安倍政権が『もりかけ問題』を教訓にして、安倍総理を矢面に立たせないこと、「桜を見る会」問題を長期化させないことに努めている、などと決めつけているものであり、冒頭の次の文章には思わず吹き出してしまいます。
「桜を見る会をめぐり、政府の支離滅裂が止まらない。5日には、菅義偉官房長官が記者会見で火だるまになった。発端は、野党議員が資料請求した直後に内閣府が破棄した出席者名簿。実際にはまだバックアップデータが残っていたのに、国会答弁ではそのことを明かさなかった。」
「支離滅裂が止まらない」のは、「桜を見る会」を巡り、何度も何度もゴールポストを動かす、朝日新聞を筆頭とするオールドメディアの側でしょうに。
また、菅義偉(すが・よしひで)内閣官房長官の最近の記者会見を見ていると、連日のようにオールドメディアの記者らが、ひたすらレベルの低い質問を繰り返しています。
これらの低レベルな質問が、まさか「菅官房長官を追い詰めている」とでも言いたいのでしょうか(とくに「共同通信のイカワ」、「朝日新聞のアベ」、「北海道新聞のカネコ」、「東京新聞のモチヅキ」、「毎日新聞のアキヤマ」などと名乗る各氏は、ご自身の不勉強ぶりを少しくらいは自覚なさった方が良いと思います)。
アエラドットの記事は、これらの記者の低レベルな質問を、なかば呆れながらこなす菅官房長官が「火だるまになった」と述べているのですが、むしろインターネット上で「火だるま」になっているのは、朝日新聞を含めたオールドメディアの方ではないかと思うのです。
いずれにせよ、アエラドットがこんな記事を出してきたのは、「俺たちオールドメディアがアベの不正を一生懸命暴こうとしているのに、なぜ国民はそれに乗って来ないのか?」という、彼らなりの焦りが出ているからではないでしょうか。
虚報に何度も騙される国民ではない!
もちろん、過去の「もりかけ問題」を巡っては、政権側の対応に不十分な点があったことは否定できないでしょう。とくに、財務省が組織を挙げて大規模な公文書改竄を行っていたことは、オールドメディア側に付け入る隙を与えたという意味では、きわめて由々しき問題でもあります。
しかし、今回の「桜を見る会」騒動については、「政権打倒を目指すスキャンダルの一種」という意味では「もりかけ騒動」とそっくりですが、安倍政権側がムービング・ゴールポストに慎重に対応していることに加え、私たち国民の側も、虚報に騙されないために、少しずつ学習しているように思えてなりません。
そもそも今回の「桜を見る会」騒動を仕掛けたのは日本共産党ですが、日本共産党が火元となったスキャンダルに飛びつかざるをえなかったこと自体、追い込まれているのがむしろ特定野党とオールドメディアの側である、という意味でもあります。
また、現在までのところ、世論調査で明らかに安倍政権に対する支持率と不支持率の逆転が生じたという事例は見当たりませんし、立憲民主党を筆頭とする野党側の支持率が顕著に上昇しているという証拠もありません。
いずれにせよ、もうすぐ主要メディアの内閣支持率調査が出そろうと思うのですが、私たち日本国民が、虚報に何度も騙されるほど愚かではないと信じたいところです。
余談 反社会的勢力の定義から逃げたのですか
さて、一部メディアによると、安倍政権は10日、「反社会的勢力」の定義は困難だとする答弁書を閣議決定したそうですが、これに日本共産党の志位和夫委員長が「この内閣のモラル崩壊は、行き着くところまで行き着いた」などと述べたそうです。
正当な党内選挙も一切行われず、20年近くも日本共産党の委員長の座に収まっている志位和夫氏が「モラル崩壊」とのたまうとは、なかなか面白い冗談だと思います。
しかし、志位さんが「反社会的勢力についての定義は困難」とする報道に噛み付いているのは不可解です。むしろ、日本共産党、あるいはご自身が「反社会的勢力だ」と閣議決定されなかったことを、本来は喜ぶべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか? 

 

●「桜問題」から逃げ続ける安倍首相の甘い見通し 12/12
冒頭発言13分間のうち、一度も「桜」は出てこない
「桜国会」と言われた臨時国会は12月9日、閉幕した。夕方に安倍晋三首相の記者会見が行われたが、その内容は国民をがっかりさせるものだった。このままでは来年になっても支持率が回復することはなさそうだ。
安倍氏の会見は9日午後6時から首相官邸で行われた。国会が閉幕する際には首相が会見を行うのが慣例になっている。今回もその慣例に従って行われた。
会見にあたり安倍氏は、いつも長い冒頭発言を行う。今回も、今国会で承認された日米貿易協定、成立した改正会社法などの利点を強調。今後取り組む経済対策、教育、全世代型社会保障などについてとうとうと説明。その上でこう結んだ。
「年が明ければ令和2年。(中略)令和の時代を迎えて日本も新しい時代への躍動感にみなぎっています。この絶好のタイミングにあって、力強く進めていく、その先には憲法改正があります。常にチャレンジャーの気持ちを忘れることなく、国内外の山積する課題に全力で取り組んでいく決意であります」
その間、13分間。「桜」という言葉は出てこない。
「桜を見る会」について聞いたのは1社だけだった
安倍氏の長い口上の後、質疑が始まる。幹事社の日経新聞が憲法改正について質問。もう1社、幹事社のテレビ東京が「桜を見る会」について、1破棄されたという招待者名簿のデータを探し出すように指示を出す考えはないのか、2ジャパンライフの山口隆祥元会長とは面識がないのか——と聞いた。ここで初めて「桜」が登場する。
安倍氏は「桜を見る会について、国民の皆さまからさまざまなご批判があることは十分に承知している」とした上で、名簿発見に向けてあらためて指示を出す考えはないこと、山口氏とは個人的な関係はないことを説明。従来の発言とほぼ同じ内容だった。
会見は次にブルームバーグが日中関係について、NHKが衆院解散について、ニコニコ動画が若者の選挙離れについて、そして読売新聞が自衛隊の中東派遣について質問。30分あまりで会見は終わった。
結局、「桜を見る会」についての質問は1回だけ。質疑あわせて3分程度。会見全体の10分の1程度にとどまった。
国民の関心を無視した期待外れの会見だった
憲法や衆院解散、自衛隊の中東派遣も大切な政治課題であることは論をまたない。しかし今、国民の関心事は「桜を見る会」だ。期待外れの会見だったと言わざるを得ない。
11月15日、安倍氏が記者団の囲み取材に応じた時、記者団が「改めて会見を開かれるお考えはないでしょうか」と質問。安倍氏は「もし質問されるんだったら、今、質問されたほうがいいと思います。今、質問してください」と返答したことがあった。
この時は、記者会見に応じようとしない安倍氏の消極的な姿勢に批判が集まった。しかし、せっかく会見したのに1社しか質問しない、ということには報道陣の追及姿勢にも批判が高まることだろう。
「桜」を聞きそうな社を意図的に指名しなかった可能性
ただし、この記者会見には「からくり」がある。会見場には「桜を見る会」の質問をしようと待ち構えていた記者はたくさんいた。しかし、事務方は「桜を見る会」以外の質問をしそうな社(もしくは記者)を優先的に選んだ可能性があるのだ。
この問題を積極的に追及しているのは、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞など政権に批判的な論調の新聞。さらに情報番組も含めて連日取り上げているTBS、テレビ朝日など民放テレビも積極的だ。
先ほど紹介した質問した社をあらためて確認してもらいたい。「桜を見る会」の質問をできるだけ避けたい安倍氏の思いを、司会進行の事務方が忖度(そんたく)したと言われてもしかたがない。
「憲法」「解散」にマスコミの関心をそらす操縦術
安倍氏は会見で憲法改正について「決してたやすい道ではないが、必ずや私の手で成し遂げていきたい」と発言。衆院解散の可能性については「国民の信を問うべき時が来たと考えれば、解散総選挙を断行することに躊躇(ちゅうちょ)はない」と答えた。どちらも従来よりも、踏み込んだ発言だ。
改憲に強い決意を示し、その流れ次第では年明けの解散に踏み切る考えを表明した、と見る向きもあるだろうが、実際はそうではない。安倍氏は、憲法改正や衆院解散という政治課題について強めの発言をすることで、報道陣の目をそちらに向けさせ「桜を見る会」の報道を押さえ込もうとしたのだろう。政治記者は「憲法」「解散」という言葉には過敏に反応する。その「癖」を知り抜いた高等テクニックだ。
実際、翌10日の朝刊では「桜」よりも「憲法」が大きく扱われた社があった。質問者の「選別」も含め、安倍氏による巧みなマスコミ操作が際立った記者会見だったと言える。
記者会見は逃げ切り、国会は閉幕した。安倍氏はこれで「桜」政局の大きなヤマを越えたと考えていることだろう。しかし、それは甘いということは指摘しておきたい。
「納得している」は15%。「納得していない」は72%
報道機関の世論調査で安倍内閣の支持率が暴落していることは11月25日付の「支持率5割切りに安倍政権が焦りを深めるワケ」で紹介したが、その傾向は今も変わらない。12月7、8日にJNNが行った調査では「桜を見る会」での安倍氏の説明について「納得している」は15%。「納得していない」は72%に上っている。
安倍氏は9日の会見で憲法改正について語る際、「最近の世論調査では、(憲法改正について)議論を行うべきだという回答が多数を占めている」と語り、国民の期待を背に受けて改憲を進めていく決意を語っている。
しかし憲法について議論をしてほしいと思うよりも、はるかに多くの国民が「桜を見る会」の究明を求めている。そのことを直視しなければ来年になっても支持は回復しないことだろう。 
●ジャパンライフの「広告塔」 12/12
・・・今話題の『ジャパンライフ』のイベントに岸井成格(毎日新聞)、後藤謙次(報ステ)、田崎史郎(時事通信)、島田敏男(NHK)、重倉篤郎(毎日新聞)、橘優(朝日新聞)らが参加していたことが判明・・・ 11/29
・・・「桜を見る会」ジャパンライフ招待問題にマスコミが消極的なのはなぜか 田崎史郎、NHK島田敏男はじめ大手紙元政治部幹部が・・・ 11/27
・・・「桜を見る会」ジャパンライフ招待問題にマスコミが消極的なのはなぜか 田崎史郎、NHK島田敏男はじめ大手紙元政治部幹部が・・・ 11/27
安倍首相「桜を見る会」私物化をめぐり、悪徳マルチ「ジャパンライフ」山口隆祥会長が招待されていた問題。一昨日25日、共産党・田村智子参院議員の国会で追及したことにより一気に火がついたのだが、マスコミの出足が遅いとネットで話題になっている。
たとえば、25日の『news23』(TBS)はシュレッダー問題は取り上げたもののジャパンライフ問題については触れず、『報道ステーション』(テレビ朝日)は「桜を見る会」問題自体を取り上げなかった。さらに翌朝の26日の朝日新聞や毎日新聞も、これだけ大きな問題にもかかわらず報じず、その消極姿勢に疑念の声が広がっていた。
マスコミのこの反応の鈍さは、実は、自らもジャパンライフの宣伝に加担していたことを蒸し返され「ブーメラン」と攻撃されるのを恐れてのことなのではないか。
本サイトでは、2018年2月、ジャパンライフが2000億円を超える負債を抱え事実上倒産した際や今年4月に警察の捜査が動き始めた際などにも、繰り返し伝えてきたが、ジャパンライフの広告塔になっていたのは安倍首相や加藤勝信厚労相、二階俊博・自民幹事長といった安倍政権幹部だけではない。通信社、全国紙、そしてNHKなど大マスコミの編集委員・解説委員クラスの幹部も、ジャパンライフの宣伝資料に実名・顔写真入りで登場していたのだ。
これは消費者問題の専門紙・日本消費経済新聞が2018年2月5日号で「ジャパンライフ元社員から宣伝用資料入手 首相桜を見る会、二階幹事長も広告塔」「著名ジャーナリストや大手マスコミ解説委員らも」との見出しを立ててスクープしたものだが、記事によれば、2017年1月27日、二階幹事長を囲む懇談会を山口会長の主催で開催したという。
同紙が入手した宣伝資料には〈トップ政治家やマスコミトップの方々が参加しました! このメンバーで毎月、帝国ホテルにて情報交換会を行なっています〉と打たれ、その下に「参加者メンバー」が肩書きと顔写真入りでリストアップされている。
そこには、TBS『ひるおび!』などテレビでおなじみ官邸御用ジャーナリストの筆頭、“田崎スシロー”こと田崎史郎・時事通信社解説委員(肩書きはすべて当時)や、安倍首相と寿司を食う仲から“しまだ鮨”との異名を持つ島田敏男・NHK解説副委員長、また芹川洋一・日本経済新聞社論説主幹の名前があげられている。田崎氏、島田氏が安倍首相の会食メンバーでることは言うまでもないが、日経の芹川氏も安倍首相と会食を行なってきた。
ただ、このジャパンンライフの広告塔になっていたのは、安倍首相の“メシ友”だけではない。元読売新聞社東京本社編集局長の浅海保氏、元朝日新聞政治部長の橘優氏、毎日新聞社の岸井成格・特別編集委員と倉重篤郎・専門編集委員、『報道ステーション』コメンテーターでもある後藤謙次・元共同通信社編集局長らまでが名前を連ねていた。ようするに、政治部トップ経験者が勢ぞろいしていたのだ。
しかも、元朝日新聞の橘氏は朝日退職後、ジャパンライフの顧問を務めていたことがあるうえ、日本消費経済新聞の取材に対し、毎日と日経は「元朝日新聞の橘氏に誘われた」と回答しており、これらのメンバーの多くは、朝日の橘元政治部長が誘った可能性が高い。
このジャパンライフとの関係を蒸し返されたくないために、「桜を見る会」にジャパンライフ会長が招待されていたことや、招待状が宣伝に使われていた問題を、扱わないのではないか。そういう疑念の声があがったのだ。
こうした声が大きくなったせいか、現場からの突き上げがあったのか、さすがに新聞も今日になって取り上げ始めたし、テレビも昨日はこの問題を取り上げた。
しかし、朝日新聞はいまだに扱いが小さく、また昨日の『報ステ』もジャパンライフ問題を取り上げたものの、「桜を見る会」問題をめぐる動きをレポートするVTRでは、シュレッダー問題からはじめ間にジャパンライフ問題をはさみ、再びシュレッダー問題に戻って終わらせ、スタジオ受けでは、ジャパンライフ問題について後藤氏らがコメントすることはなかった。
『報ステ』が苦肉の策を考えてまでこの問題を取り上げたこと自体は評価したいが、こうした扱いを続けていては、「桜を見る会」問題におけるジャパンライフ問題があたかも重大ではないかのような誤解を与えかねない。
もちろん報道に携わる者が、特定企業に接待を受けていたことは問題であり、宣伝に使われたことの社会的責任も大きいだろう。
しかしだからこそ、メディアやジャーナリストたちは、このジャパンライフと安倍首相「桜を見る会」の問題の追及の手をゆるめるべきではない。きちんと経緯を明らかにし自らの非を認めたうえで、「桜を見る会」問題については徹底追及するべきだ。
安倍応援団や右派メディアは「ブーメラン」と攻撃するかもしれないが、そんなものまったく気にする必要はない。一部の記者やキャスターの問題であって会社ぐるみや番組、新聞全体の問題ではないし、何より安倍首相「桜を見る会」私物化問題は次元も本質もまったく異なるものだからだ。
そういえば、『ひるおび!』で政権スキャンダルを扱うときは必ず出てきて政権の言い分を代弁する御用ジャーナリスト・田崎史郎氏が、今日の「桜を見る会」とジャパンライフ問題コーナーに出ていなかったが、それもやはりこのジャパンライフ広告塔問題と関係あるのだろうか。
   ●
田崎ら安倍応援団に言っても仕方ないかもしれないが、心あるジャーナリストやメディアには、今後「桜を見る会」をより一層追及していくためにも、この問題について自らきちんと明らかにしてほしい。その意味で、2018年にジャパンライフ広告塔問題について報じた本サイトの記事を以下に再録するので、ご一読いただきたい。
「 『ジャパンライフ主催「二階幹事長を囲む懇親会」に“安倍のメシ友”田崎史郎、NHK島田敏男、大手紙・元政治部幹部がズラリ』
2000億円を超える負債を抱えて事実上倒産した預託商法大手・ジャパンライフ社。創業者の山口隆祥会長はマルチ界隈での“レジェンド的存在”で、同社は以前から悪徳商法と批判、問題視されてきた。そんなジャパンライフに安倍首相の側近政治家が関わってきたことは本サイトでも紹介したとおりだ。なかでも加藤勝信厚労相は内部向けの宣伝チラシに登場する“広告塔”。チラシによれば、山口会長は加藤大臣と昨年1月13日に会食したとして「ジャパンライフの取り組みを非常に高く評価していただきました」と紹介されている。また、自民党の二階俊博幹事長も宣伝チラシに登場していたことも判明している。今月12日には、ジャパンライフが元内閣府官房長や元特許庁長官ら複数の官僚OBを同社の顧問として招請し、報酬を支払っていたことが大手紙でも報じられた。加藤大臣ら政治家や元官僚が“協力”していたことで同社の「信頼」を演出しただけでなく、行政処分が遅れ、被害を拡大させた可能性もある。当事者たちは「利用されただけ」と嘯くが、その責任は極めて重いと言わざるをえない。 」
   ●
だが、そんなか、テレビや大手紙が一切沈黙を決め込んでいるもうひとつの“広告塔”疑惑がある。それは、通信社、全国紙、そしてNHKなど大マスコミの編集委員・解説委員クラスの幹部が、ジャパンライフの宣伝資料に実名・顔写真入りで登場していたという事実だ。
スクープしたのは、消費者問題の専門紙・日本消費経済新聞。独自の取材でジャパンライフ問題に切り込み続けてきた同紙だが、2月5日号の一面で「ジャパンライフ元社員から宣伝用資料入手 首相桜を見る会、二階幹事長も広告塔」「著名ジャーナリストや大手マスコミ解説委員らも」との見出しを立てて報じた。
田崎、NHK島田、日経芹川、読売、朝日の元幹部、後藤や岸井の名前も
記事によれば、同紙記者はジャパンライフ元社員から、顧客の説明会で使用する資料を入手。顧客向けの説明会でスライドとして使われたり、社員が高齢女性らを勧誘する際に見せるなどして用いられていたという。紙面では宣伝資料の画像も掲載。1枚は「安倍晋三内閣総理大臣から山口会長に「桜を見る会」の御招待状が届きました」として、ハガキを見せつけるもの。そしてもう一枚が、二階幹事長とともにマスコミ関係者の“広告塔”疑惑を示す。そこにはやはり、安倍首相と会食を繰り返す“メシ友”たちの姿があった。
問題の資料によれば、昨年1月27日、二階幹事長を囲む懇談会を山口会長の主催で開催したという。〈トップ政治家やマスコミトップの方々が参加しました! このメンバーで毎月、帝国ホテルにて情報交換会を行なっています〉と打たれ、その下に「参加者メンバー」が肩書きと顔写真入りでリストアップされている。
そのなかには、TBS『ひるおび!』などテレビでおなじみ官邸御用ジャーナリストの筆頭、“田崎スシロー”こと田崎史郎・時事通信社特別解説委員や、安倍首相と寿司を食う仲から“しまだ鮨”との異名を持つ島田敏男・NHK解説副委員長、また芹川洋一・日本経済新聞社論説主幹の名前があげられている。田崎氏、島田氏が安倍首相の会食メンバーでることは言うまでもないが、日経の芹川氏も第二次安倍政権発足以降に少なくとも6回も安倍首相と会食を行なってきた。
ただ、このジャパンンライフの広告塔になっていたのは、安倍首相の“メシ友”だけではない。元読売新聞社東京本社編集局長の浅海保氏、元朝日新聞政治部長の橘優氏、毎日新聞社の岸井成格・特別編集委員と倉重篤郎・専門編集委員、『報道ステーション』(テレビ朝日)コメンテーターでもある後藤謙次・元共同通信社編集局長らまでが名前を連ねていた。ようするに、政治部トップ経験者が勢ぞろいしていたのだ。
こうした名だたるメンツが二階幹事長を囲み、その懇談会がジャパンライフの山口会長の主催だとアピールすることで、マスコミ関係にも強力な人脈があるとの印象を顧客に与えたのは想像にかたくない。
それにしても、いったいなぜこういう面子がよりにもよって、悪徳マルチ商法の会社の勉強会に参加していたのか。日本消費経済新聞が参加者に取材をしたところ、〈大手マスコミをすでに退社している参加者〉の中から“元朝日政治部長の橘氏に誘われた”“橘氏に訊いてほしい”との回答もあったという。実際、これらのメンバーの多くは、朝日の橘元政治部長が誘った可能性が高い。
橘氏は朝日新聞社を退社後、2014年ごろからジャパンライフの顧問を務めていた(昨年辞任)。これについては、2月11日に共同通信が顧問に官僚OBがいたこととともに配信し、翌日付の毎日新聞や産経新聞、東京新聞紙面にも掲載された(朝日と読売、日経は報じなかった)。
しかし、ジャパンライフ問題に関するマスコミ関係者の関与疑惑報道は19日現在それ止まりで、橘氏以外に田崎氏や島田氏ら解説委員クラスが広告塔に使われていた事実は一言も触れる様子がなかった。
国会質問でも取り上げられたのに意図的に隠蔽した新聞・テレビ
これは明らかに意図的な隠蔽だろう。というのも、この一件は日本消費経済新聞がスクープしただけでなく、国会でも質問されているからだ。
1月30日の衆院予算委員会で希望の党の大西健介議員が質問している。大西議員はジャパンライフ問題で加藤厚労相や二階幹事長を追及するなかで、資料を示しながら「だれもが知っているようなマスコミの解説委員クラスの方々の顔写真と名前も載っています」と指摘。また「ジャパンライフは他にも顧問とかに有名な方を招き入れることで顧客の信頼を得ようとしてるんです。官僚のOBとかですねマスコミ関係者とか」とも発言している。
ところが、本サイトが調べた限り、大西氏が指摘した“マスコミの解説委員クラスが宣伝に使われている”という事実は、大西氏の発言があった1月30日の衆院予算委から現在に至るまで、新聞もテレビもほぼ完全に無視しているのである。
だが、マスコミ幹部クラスやOBがジャパンライフの“広告塔”になっていた事実を軽く見ることはできない。関係者が同社に関与していたことでジャパンライフ問題の報じ方になんらかの影響が出た可能性があるからだ。
日本消費経済新聞の取材に対し各社は、「報道への影響はまったくない」(時事通信社社長室)、「適切な報道に努めております」(毎日新聞社社長室広報担当)、「当社の報道に影響を与えたことは一切ありません」(日本経済新聞社広報室)などと口を揃えている。しかし、本当に報道への影響がないと言えるのか。
そもそもジャパンライフ問題では、事実上倒産した昨年末以降、ようやく各紙やテレビもそれなりに報道するようになったが、それまで、消費者庁より2016年末から計4回の業務停止命令を受けた経緯や、その事業の問題点を深く追及する報道はほとんどなかったと言っていい。事実、本サイトが検証した限りでは、倒産の端緒となった16年12月の業務停止命令については朝日、毎日、日経が数百文字のベタ記事で、NHKがごく簡単に報じていただけだった。
また、消費者庁による最初の処分は、実のところ消費者庁が立入検査をした2015年9月から1年以上も遅れたものだった。昨年4月の時点で、国会でも処分が遅れた背景として官僚OBの天下りや加藤大臣の“広告塔”問題が指摘されたが、これを取り上げたのは「しんぶん赤旗」や本サイトなどごく一部だけで、大手紙やテレビは当然のようにスルー状態であった。
そう考えてみてもやはり、マスコミ各社の「報道に影響は全くない」との言い分は信じがたいのだ。また、仮に懇談会が山口会長の主催だと知らなかったとしても、それは被害拡大に加担したことへのエクスキューズにすらならないだろう。
裏を返せば、マスコミの幹部クラスや政治記者たちは、有力政治家とのなかよし懇談会が常態化するなかで、その関係を利用される危険性に対する警戒心が完全に薄れている。そのことが、このジャパンライフの広告塔問題で露呈したとも言えるのではないか。いずれにせよ、マスコミは傍観者ではない。自らの立場と責任をよく自覚したうえで、あらためて“広告塔”問題を報じるべきだ。 
●ジャパンライフ被害者 「総理がついているから」と言われて9,200万円 12/12
「桜を見る会」に安倍首相枠で招かれていたジャパンライフの山口隆祥会長(当時)。同社の社員と被害者(男性)がきょう、野党の追及本部に招致された。
二人は型通りの挨拶を済ませ、野党合同による政府からのヒアリングに耳を傾けた。
元社員と被害男性は情報の宝庫なのだが、ヒアリングの後、ぶら下がって二人から話を聞いたのは田中と某夕刊紙だけだった。
それもそのはずだ。主要マスコミ幹部が広告塔として名を連ねていたのだから。触りたがらないのも当然だ。
男性(50代)の被害額は9,200万円。2015年からジャパンライフが倒産するまで、預貯金、老後の蓄え、子供の養育費など一切合切をジャパンライフにつぎ込んだ。
東日本のある支店の元店長は「桜を見る会の招待状をセールストークに使った」と証言した。
被害者の男性は桜を見る会の招待状や安倍夫妻との写真を見せられ、契約を促された。
ジャパンライフの社員から「安倍総理が付いているから大丈夫ですよ、言われた」と話す。
男性は「安倍さんの名前が出てこなければ、あそこ(被害額9,200万円)までならなかった」と唇をかみしめた。
ジャパンライフの被害者は7,000人。被害総額は2,000億円前後に上るものと見られる。
安倍首相が広告塔にならなければ、被害はここまで大きくならなかった。マスコミが及び腰な理由はここにもある。 
●「桜を見る会」問題のさらなる発火点に!? 今井絵理子氏の写真 12/12
炎上が続いている「桜を見る会」をめぐる騒動。安倍晋三首相の後援会によるニューオータニでの“接待”疑惑や昭恵夫人の「推薦枠」の存在など、安倍首相が会を私物化していたことを示す状況証拠が次々と明らかになっている。さらに、野党が要求する招待者名簿を破棄するという証拠隠滅の意図をうかがわせるような政権の動きにも批判が集まっている。そんななか、一連の騒動の中でも大きな注目点となっているのが、会への反社会的勢力の介入だ。
「悪質なマルチ商法を展開していたとして警視庁が強制捜査に踏み切った『ジャパンライフ』の会長が招待されていたことがすでに明らかになっていますが、この件については、会への招待状が会員集めに悪用されていたという疑いまで出ています。会にはこの会社以外にも素性の知れない輩が出入りしており、その中には警察当局が『半グレ』としてマークする連中もいたという話です」(全国紙社会部記者)
永田町では、会に出入りしていたとされるその「半グレ」の素性を暴露する怪文書も出回り、マスコミ関係者を騒然とさせた。この件は一部週刊誌でも報じられたが、その余波を受けたのが東京から遠く離れた沖縄である。
「怪文書に登場した『半グレ』とされる人物が活動拠点としていたのが沖縄だったからです。実は、沖縄ではいま、こうした『半グレ』と呼ばれる連中が勢力を伸ばしており、地元の沖縄県警が警戒を強めています。県警はこの『半グレ』について極秘裏にリストまで作成し、その関係先や資金源などの洗い出しを進めているようです」(同)
沖縄の「半グレ」事情ににわかに注目が集まったことで、とばっちりを食ったのが、沖縄選出の今井絵理子参議院議員だ。アイドルグループSPEEDの元メンバーで、2016年に自民党から比例区で出馬し、見事初当選を果たした今井氏。「安倍チルドレン」のひとりとしても知られる彼女の地元での”黒い交際”が週刊誌のターゲットになったのだ。
「県警がマークする『半グレ』の組織は全部で3グループとされています。そのひとつのリーダー格と目されている男性と一緒に写る写真が誌面に掲載されたのです。この人物は過去に監禁事件を起こしたり、暴力団とのつながりも指摘されるいわくつきの人物。彼が取り仕切っているとされるグループは、ヤミ金などの非合法なシノギをする一方で地下格闘技イベントを主宰。正規の事業も展開し、地元政治家に献金を重ねるなど、表と裏の顔を併せ持つというのが県警の見立てです」(同)
関係者によると、今井氏と写真に収まっている男性が所属するグループはメンバー数が十数人。県内で活動し、外国人向けの民泊事業や居酒屋経営などで利益を得ているとされる。「桜を見る会」への出席が取り沙汰された人物が所属するグループは20〜30人ほどが所属し、宮古島や石垣島で飲食店やダイビングショップなどを経営し、資金を得る一方、県内の暴力団とのつながりも指摘されている。残りのひとつが本島中部を拠点に40数名が在籍するグループで、メンバーが中古車販売や飲食店、レジャー産業、金融業、建設業を営む一方で、県外の暴力団や半グレグループと連携し、振り込め詐欺の「出し子」や「受け子」の供給源になっているとの指摘もあるという。
「沖縄はいま、インバウンドブームに乗って観光業が絶好調。加えて地価の上昇率も日本一となっており、県警がマークする半グレ以外にも、県内外からさまざまな勢力が進出してきているのです」(同)
今後、さらなる騒動の発火点になる可能性もゼロではないようだ。  

 

●「桜を見る会」問題、ホテル前夜祭「値引き」疑惑の深層  12/13
<歴代最長を誇る安倍政権にほころびが──ホテル側の「値引き」と首相晩餐会受注の微妙過ぎる関係>
11月20日、安倍晋三首相の在任期間が通算2887日となり、桂太郎を抜いて歴代最長となった。超長期政権を維持している要因として挙げられるのが、人事の妙と卓越した危機管理だろう。
麻生太郎副総理兼財務相や二階俊博自民党幹事長をはじめとする党内実力者との協調関係を基軸として、石破派を除く総主流派体制の構築に成功。閣僚人事でも各方面へ入念な配慮が効いている。
また、内閣官房長官と内閣人事局による霞が関人事の差配によって政府を掌握し、安倍政権は「アメとムチ」を存分に振るっている感がある。森友・加計問題を含むスキャンダルもその都度、菅義偉官房長官が主導する危機管理によって切り抜けてきた。
類いまれなほど強力な政権であったからこそ、集団的自衛権行使を容認する安保法制導入といった戦後史を画する数々の政策を実現できたことは確かだ。平成から令和へ、皇位継承もつつがなく終わることができた。
しかし、そうした安倍政権がいま揺らいでいる。今年4月13日に東京・新宿御苑で開かれた首相主催の「桜を見る会」をめぐる疑惑だ。
共産党の指摘に端を発する今回のスキャンダルは当初、安倍首相の後援会が多数招待されていることが身びいきで不公平だ、とする道義的な非難にすぎないようにも思えた。しかし、菅官房長官が予算や招待者数の削減も含め全般的な見直しを検討するとして来年の開催を中止すると発表しても、事態は収束しない。立憲民主党の安住淳国対委員長は「エンドレスで追及する」と発言し、野党が「返り血」を辞さない覚悟を示した頃から、疑惑が深刻化してきた。
なかでも「桜を見る会」前日の12日、安倍後援会が行った「前夜祭」で、東京のホテルニューオータニが大幅値引きをしていたのではないかという疑惑が注目されている。
値引きと受注の対価性
約800人の参加者の費用が1人当たり1万1000円以上かかるところを5000円に割り引いた、という疑惑だ。これが真実であれば、値引き分を安倍事務所が補塡していた場合は地元有権者に対する飲食接待で公職選挙法違反、ホテル側が後援会に対して値引きを融通していた場合は、ホテルによる実質的な企業献金で政治資金規正法違反に当たるというのだ。これ以外にも、会当日に反社会勢力関係者が出席していたことも批判されている。
このうち、首相主催の「桜を見る会」に誰を呼ぶか、どれくらいの予算をかけるかは、原則として首相が有する裁量の範囲内の問題だ。今回、明白な裁量逸脱があったとは言い難いようにも思える。また、見る会当日の参加者チェックがずさんだったことも、セキュリティーの観点から批判されるべきだが、公然の秘密でもあった。
問題は値引きだ。現時点では、値引きが実際にあったかどうか、という実態は明確になっていない。政治家の政治資金パーティーといっても、ホテル側は閣僚クラスでもそう簡単には値引きしない。だからこそ政治家の事務所側は、料理の質をなるべく落とし、用意する量も減らして、利益をなんとか確保する。今回参加者が払った5000円に「見合った」質と量の料理が提供されていただけなら、そして参加者がホテルに対して直接支払っていたのならば、寄付にも献金にも当たらず、政治資金収支報告書に記載がなくとも問題はない。
しかし、値引きが実際にあった場合、問題は別の次元で生じることになる。もちろん値引き自体は私企業の営業活動としてあり得るだろう。だがその値引きが他の取引との対価性を有し、そしてその相手方が政府であった場合はどうか。
「桜を見る会」の前日に行われたニューオータニでの前夜祭におけるホテル側の「利益供与」と、一見無関係の即位礼正殿の儀の翌日の10月23日に行われた首相夫妻主催晩餐会をホテルが「受注」したこととの関連性──つまり対価性が問題となる。
各国から要人が参列する晩餐会は最も格式が高い行事の1つであり、それを東京で催行できるホテルは、帝国ホテル、ホテルオークラ、パレスホテル、高輪プリンスホテル、そしてニューオータニといった大ホテルに限られる。そうしたホテルの中で今回、ニューオータニが晩餐会受注に成功した。当日の華麗な式典の様子をメディアで見た人も多いだろう。
この晩餐会をニューオータニが受注したことの背景に、「桜を見る会」前夜祭での利益供与があったと仮に位置付けるとしたら、少なくとも外形上は、典型的な贈収賄のスキームを疑ってみるべき事案になる──。こういう指摘が今、なされつつある。
安倍政権の「説明責任」
もちろん個別の事情を踏まえた適正な選定だったのかもしれない。例えばパレスは今回多くの王族が宿泊しており、オークラも建て替えたばかりだった。晩餐会対応がそもそも難しく、安全確保やコスト等を考慮して、ニューオータニが選ばれたという可能性も十分にあろう。
しかし、首相の側近中の側近として絶大な影響力を誇り、「史上最強の首相秘書官」の1人として評価の高い人物の親族がニューオータニの社外取締役であったという報道も出ている現在、もはやそうした一般論の説明では十分ではないだろう。
問題はタイミングだ。前夜祭(4月12日)の詳細が決定された後に、首相主催晩餐会(10月23日)の場所が決まっていた場合、「前夜祭で値引きをしてくれることになったから、お礼に晩餐会をニューオータニにしてあげよう」としたとも考えられなくもない。しかし、政治家個人の政務と内閣総理大臣としての公務とでは重みが全く違う以上、通常は想定し難い。
むしろ問題となるのは、その逆の場合だ。つまり、ニューオータニが随意契約で晩餐会受注に成功した後に、前夜祭の詳細を決めていた場合である。この場合、2つの催事が全くの無関係であり、同じホテルになったのは偶然であることを積極的に説明しない限り、ホテル側が一方的に「忖度」して値引きを供与したのか、あるいは当事者間の黙示または明示の合意があったのかという、あらぬ疑いを払拭し難いことになる。
仮に「桜を見る会」前夜祭において利益供与があったとすれば、その趣旨と実態はどのようなものだったのか。また、2つのイベントの場所がどのような経緯でニューオータニに決定したのか、そして晩餐会の場所選定に関する職務権限が誰にあるのか──政権側は自ら説明しなければならないだろう。
そうしなければ、今回の疑惑が、単なる裁量行使の適切性の問題ではなく、あるいは公選法や政治資金規正法違反の案件にとどまるものではなく、刑法上の贈収賄の疑いがあるレベルの話だという「疑念」を簡単には払拭できない。
「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」(古今和歌集・在原業平)(世の中に桜というものがまったくなかったら、どんなに春の心はのどかだろうか)
東京は今、静かな厳冬に包まれている。「桜を見る会」疑惑が史上最長となった安倍政権の終わりの始まりとなるのか、それとも適切に説明責任を果たして、憲法改正という大目標あるいは東京オリンピック・パラリンピックに向けて強力な政権運営を続けていけることになるのか。人心一新の解散総選挙という手もあれば、より洗練された危機管理によって事態を沈静化させる手もまだある。
桜を散らせるか咲かせるかは、この冬次第だろう。  
●憲法改正「中身の議論期待」 桜を見る会などに言及―安倍首相 12/13
安倍晋三首相は13日、東京都内で開かれた内外情勢調査会の会合で講演し、多くの国民が憲法改正の議論を求めているとの認識を示した上で「国会議員には判断材料を提供する責任がある。(国民の声に)応え得るような中身の議論が行われることを期待したい」と述べ、通常国会での改憲論議の進展に強い意欲を示した。
首相は「必ずや私自身の手で(改憲を)成し遂げたい」と強調した。
衆院解散については「国民の信を問うべき時が来たと判断すれば、ちゅうちょなく決断する」と重ねて表明。何が解散の大義になるかに関しては「具体的に言う段階にない」と明言を避けた。
一方、森友・加計学園や首相主催「桜を見る会」の問題に触れ、「3年ほどの間、政策論争以外の話に(国会の)多くの審議時間が割かれてしまっていることを申し訳なく思っている」と陳謝。「初心を忘れずにしっかりと身を引き締め、全身全霊で政策課題に取り組んでいきたい」と語った。  
●首相「国民に申し訳ない」 桜見る会の国会論議で 12/13
安倍晋三首相は13日午後、東京都内で講演し、首相主催の「桜を見る会」を巡り「国会では、政策論争以外に審議時間が割かれていることを国民に大変申し訳なく思う」と表明した。桜を見る会については、首相が自身の後援会関係者を際限なく招いたとして、野党から「公私混同の極み」と批判を受けている。
首相は、台風19号など相次ぐ災害被害を踏まえ「防災、減災、国土強靱化を進め、未来の安心を確保する」と強調した。
今月末に予定される日中首脳会談に関し「アジアや世界の平和、安定に大きな責任を果たすべきとの認識を習近平国家主席と共有し、その意思を明確に示す」と語った。  
●安倍首相 桜を見る会疑惑「逃げ切り」の援軍はテレビ局 12/13
国会で連日、取り上げられた総理主催の「桜を見る会」をめぐる最大の問題は、安倍首相が公職選挙法に違反している疑いである。
「桜を見る会」に安倍首相は地元の選挙民を800人以上招待した。これらの人々は一般の市民であり、特別に社会的貢献を行ったとみられる人々ではない。彼らに平均1000円以上の供応を税金でもって行ったことが明確になれば、公選法第199条の2第1項〈公職の候補者は、当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもってするを問わず、寄付をしてはならない〉の規定に違反する。
だから、安倍政権は招待者リストの名簿を廃棄したのだろう。しかし、今や多くの文書はパソコンで作成され、保存されるのが一般的だ。菅官房長官はバックアップデータの存在を認めたものの、「バックアップは行政文書ではない」とも言っている。だが、こんな支離滅裂な屁理屈は通らない。
バックアップデータが野党に提出され、名簿の確認ができれば、選挙区内の人々への供応が明確になる。菅長官発言の翌日(5日)、各テレビ局はこの問題をどう報じたか。番組表を確認する限り、追及姿勢を示したのはTBSとテレビ朝日だけである。NHKや日本テレビ、フジテレビ、テレビ東京では放送予定が掲載されていなかった。報道されなければ国民は事実を知る機会が極端に閉ざされてしまう。
「桜を見る会」の追及に積極的な放送局と、消極的な放送局の視聴率を比べると、大ざっぱに言って消極的な方が高い傾向にあるようだ。安倍政権はどんな不祥事があっても、「支持」するという「岩盤層」が3割程度あるが、これは安倍政権の不祥事を追及しない放送局にも原因があるだろう。
かつて、大宅壮一氏がテレビに影響される日本社会を「一億総白痴化」と評した。総白痴化でなくても国民の大多数が白痴化すれば、政治も白痴化するのも当然であり、それが今日の日本の姿なのである。  
●恒例の首相記者会見に透けた、「改憲」と「解散」巡る思惑 12/13
臨時国会が閉会した12月9日夕、閉会に当たって恒例の首相記者会見が官邸で行われた。その会見の模様はNHKで中継放送されたが、過去の会見と比較しても相当お粗末な部類に入るのは間違いないだろう。首相の安倍晋三と内閣記者会の双方から「国民の知る権利」に応えるという使命感、熱意が一向に伝わってこなかったからだ。
政治部記者にとって首相会見はあらゆる会見の中でも群を抜く重みがあるが、テレビカメラが会見場全体を映した際に目に飛び込んできたのは、驚くほどの空席の多さだ。長期政権を担い、会見慣れした首相とまともにやりとりするには、記者席がびっしり埋まっていることも重要な要素だが、その意識もなかったようだ。
臨時国会で浮上した「桜を見る会」を巡る安倍の公私混同疑惑の解明は消化不良のまま。そこで注目されたのが記者会見だったが、予定調和を絵に描いたような「セレモニー会見」に終始した。
会見冒頭は安倍が延々と臨時国会の成果を強調。司会も内閣広報官。会見は完全に政府側に支配された。官邸の記者会見の主催者は内閣記者会にあることを忘れてしまったのか。まず型通りに幹事社が質問し、その後、司会が顔見知りの日本人記者と海外メディアの東京特派員を指名、さらにネットメディアの記者、日本人記者が質問して「予定された時間になりました」で終わった。
ただ安倍は自らの意思を伝える目的を達したのではないか。そんな発言が2カ所あった。一つは安倍が執念を燃やす憲法改正だ。
「決してたやすい道ではないが、必ずや私自身の手で成し遂げていきたい」
そしてもう一つが衆院解散を巡る質問への答えだった。
「国民の信を問うべき時が来たと考えれば、断行することにちゅうちょはない」
「改憲」と「解散」は別個の問題に聞こえるが、安倍の自民党総裁としての残り任期が2年を切った中では密接に絡み合う。これをどう読み解くかで自民党内でも評価が分かれる。「早期解散の断行」と受け取った幹部と、「当面解散せず」という正反対の解釈を示す幹部がいる。解散断行説は9日午後に国会内で開かれた自民党役員会での安倍発言からにわかに浮上した。出席した幹部の一人の証言がある。
「総理が初めて『常在戦場』という言葉を使った。いつでもやるぞという強い思いが伝わった」
記者会見はこの後に開かれており、安倍の「断行することにちゅうちょはない」との会見発言は「額面通りに受け止めるべきだ」というわけだ。背景には「桜を見る会」がクローズアップされている中での世論調査結果がある。内閣支持率は急落しておらず、社によってばらつきはあるが下落率は最大でも5ポイント前後で、40%を切った調査はない。
支持率と不支持率の逆転も起きていないことも安倍を強気にしている。逆に野党各党の支持率は伸び悩む。さらに安倍の自信の背景にあるのが、副総理兼財務相の麻生太郎が寄稿した雑誌「文藝春秋」最新号の記事だ。
「安倍総理が本気で憲法改正をやるなら、もう一期、つまり総裁四選も辞さない覚悟が求められるでしょう」
「この記事に相当刺激を受け、再び解散総選挙で政権浮揚を目指す意思を固めたのではないか」(幹部)。安倍に近い別の幹部も早期解散説に傾く。
「通常国会では『桜』だけでなく違う問題も出てくる可能性は排除できない。それならば、選挙で決着をつけようと総理は考えている」
これに対して全く逆の「解散なし」とみる幹部もいる。キーワードは会見で安倍が口にした改憲発言にあるという。
「必ずや私自身の手で成し遂げていきたい」・・・ 
●「ひるおび!」と恵俊彰は菅官房長官応援団! 「桜を見る会」問題 12/13
先日、田崎史郎氏がワイドショーに出なくなった結果、安倍応援団番組『ひるおび!』(TBS)までもが、まともな安倍政権批判ができるようになっているとお伝えしたが、訂正しなければいけなくなった。やはり『ひるおび!』は『ひるおび!』だった。
12月6日の放送で、「鉄壁の菅官房長官 説明に苦心 揺らぐ政権の“屋台骨”」として一連の「桜を見る会」での菅義偉官房長官の対応について特集したのだが、これがなんと菅官房長官大擁護大会だったのだ。とくに、MCの恵俊彰の無理やりな菅擁護は、ジャーナリズムとして以前に、テレビ番組の進行としてもちょっとありえないくらい不自然なものだった。
あらためてその異常な中身を振り返ってみよう。番組はまず例の「バックアップデータは行政文書じゃない」というトンデモ発言が菅官房長官の口から飛び出した会見をVTRで紹介するところから始まった。VTRを受けて政治アナリストの伊藤惇夫氏や共同通信社論説委員の柿崎明二氏、岩井奉信日本大学教授といったコメンテーターが経緯や今後の見通しを解説していると、唐突にMCの恵がこんなことを言い出す。
「その菅官房長官、なんと今日お誕生日でした!」
で、モニターには菅官房長官の顔写真とともに、「鉄壁の官房長官」「1948年12月6日生まれ」という文字が映し出されたのである。
この謎展開に、スタジオ観覧者からも失笑の声がもれていたが、恵はお構いなし。誕生日話を続け、記者会見で誕生日を祝われた菅官房長官が返した言葉まで紹介し始める。
それは、「政権発足以来、総理のリーダーシップのもとに何をなすべきかということを明確に掲げて、ひとつひとつの課題に全力で取り組んだ結果として、7年近く過ぎたのかというのが正直な気持ちであります」というおもしろくもなんともない定型のセリフなのだが、番組はご丁寧にフリップまで用意し読み上げたあと、実際に菅が話している映像まで流した。菅官房長官の会見を報じる番組は数あれど、こんな場面をわざわざ流したの、『ひるおび!』くらいだろう。
このあと、恵が「ここのところ、そのなんか『追い込まれてるんですか、菅官房長官』という目線でちょっと今日、お伝えしようと思うんですが」と言い出したので、ようやく「桜を見る会」問題に話が戻るのかと思ったら、さにあらず。八代英輝弁護士に向かってこう話を切り出した。
「菅官房長官というと、八代さん、ビシッと答えてらっしゃるという(イメージ)……」
八代も「安定のガースーって言われるぐらいですからね」と阿吽の呼吸で答える。
さらに恵は、曜日コメンテーターの三田寛子にもこう話を振る。
「ですから、伊藤(惇夫)さんに聞いたんですけれども、記者会見も多いじゃないですか。資料に自分で付箋を入れて、質問に対して的確に答えていくというのが菅官房長官という、三田さん、そういうイメージですか?」
八代へのフリに続き、菅を褒めるコメントが欲しいというのがミエミエだろう。
しかし、三田はこれに同調せず、「淡々といろんなピンチみたいなことがあっても乗り越えられて、冷静にすっとお話しされるイメージがあったんで、今回、見てて、モヤモヤ、不安っていうか、気もしますよねー」と、逆に最近の菅に対して「モヤモヤ」「不安」を感じるという国民の声を代弁。続いて、曜日コメンテーターでマーケティングアナリストの原田曜平氏からも「起きている出来事がめちゃくちゃレベルが低い」「バックアップできないとか破棄しちゃったとか、普通の会社だったら叩かれて終わり」「言い訳なんてほんとはない」と手厳しいコメントが発せられた。すると、恵はどちらの発言もまったく掘り下げず、スルーしてしまったのである。
続いて、番組では、答えに窮した菅官房長官が官僚から何回もメモをもらい、多くのメディアが「異変」「ほころび」と報じた4日と5日の会見について取り上げるのだが、これについては恵自身が露骨な擁護コメントを連発した。菅官房長官が混乱してメモをもらっているシーンのVTRが流れると、恵はこんなふうに解説したのだ。
「非常に慎重な菅官房長官です」 「こういうことはあまりないんですよ」 「ですから、菅官房長官、とくに公文書のことになると、岩井さん、ちゃんと資料(見て)、ちゃんと言わなきゃいけませんからねと、言葉を選んでらっしゃるように感じるんですけれども」
あの日の菅官房長官は「桜を見る会」について支離滅裂な言い訳をしているうちに混乱して答えに窮しただけなのに、「慎重」「ちゃんと資料見て、言葉を選んでらっしゃる」って、いったいどこまで菅に甘いのかという話だろう。
このあと、番組は恵の「さあ、菅官房長官、いま追い込まれているのか、実はそうではないのか。そこらへんをちょっと見ていきましょうかね」というフリで、次のテーマに映るのだが、これまた唖然とする展開だった。
菅官房長官が追い込まれているというのがテーマのはずが、蓮見孝之アナが紹介したパネルには「“令和おじさん”からポスト安倍へ“鉄壁官房長官”」なるタイトル。しかも、蓮見アナは、「菅官房長官は1948年に秋田県で農家の長男として生まれました。集団就職で上京し、段ボール工場に就職したそうです。また1973年、学費を稼ぎながら法政大学法学部を卒業、一度民間企業に就職するんですが……」と、菅官房長官の立志伝を滔々と述べたあと、4月に地方で応援演説した際のVTRを流しながら、“令和おじさん”としてのブレイク、人気をこう紹介したのだ。
「聴衆がおよそ1000人にまで膨れ上がりまして、菅さんの歩くところには人だかりができて、もみくちゃになっています。そして女性たちからも黄色い声があがりました。車の窓を開けて手を振っていました」
まるで菅官房長官のプロモーション番組だが、この流れにさらに乗っかろうとしたのがやはり恵だった。VTRが終わると、恵は三田寛子にこう話をふったのである。
「三田さんが言ってたんでしたっけ? 安定感があるとか、安心感があるって」
三田はそんなことまったく言っていないのだが、恵はどうしても「安心感がある」という褒め言葉を引き出したかったらしい。しかし、三田は今回も恵の希望には応えず「なんかそういうときもあったり、そうじゃないときもあったり」と苦笑しただけ。すると、恵はその発言をまったく無視して、「いや、でも縁の下の力持ち、支える方っていうイメージですけど、表に出てこられた1年だった」「ポスト安倍のなかに必ず名前があがる人になってきた」と持ち上げ始めた。
さらに、八代弁護士が、総務大臣時代の菅官房長官が非常に怖かったらしいという話や、現役で空手をやっているというエピソードを紹介すると、恵は「怖いという話なんですか? 安心感があるんですか?」と、またもや“安心感”をもちだしたのである。
その強引さは、誰かに「菅官房長官は安心感があると宣伝せよ」と指令を受けているとしか思えないほどだった。
その後も、恵と『ひるおび!』の菅擁護・礼賛は続く。今度は「歴代官房長官のなかでも屈指の情報収集能力で、どんな質問にも完璧に答えることができる」というコメントをボードで紹介し、会見VTRを流すのだが、そこでクローズアップされたのは、菅が持っている資料に貼られた付箋だった。
「様々なキーワードが付箋に書かれていて記者から質問があったときにはさっとページをめくって答える」などと、菅がいかに周到に準備をして会見に臨んでいるか、を称賛し始めたのだ。
ただ、ここでも菅を手放しで礼賛しようとしたのは、番組制作サイドと恵だけだった。
恵が「どんな質問が来るかわからないから、それに対して備えるだけ備えるってことでしょう」と菅のことを大げさに感心してみせ、「原田さん、いかがですか、すごいですね」と原田氏にコメント求めたのだが、原田氏から返ってきたコメントは、「その脇のかたさをもってしても上手く立ち振る舞えないくらい、かなりレベルの低いことが起こってしまってるってことですね」という真っ当な指摘。
そこで、今度は三田に「これだけのことを用意してるって、三田さん」と話を振るのだが、三田からも「ようするにこういう問題で、これだけボロが出てくるって、政府には、もっともっと私たちには知らない、すごいことがあるんじゃないかって逆に、すごい政治不信にならないかなと心配になりますね」と、逆に疑問を呈される展開になってしまった。
しかし、それでも恵はめげない。こうした批判に一切同調しなかったのはもちろん、「ボロが出たっておっしゃいましたが、本当にボロなのか、慎重なのか。どっちなのか」と反論したのだ。
さらに番組では、「桜を見る会」問題での「昭恵氏枠」をめぐって、菅官房長官が「ありません」と回答した直後に、内閣官房の大西証史・内閣審議官が「夫人からの推薦もあった」と回答した件を取り上げたのだが、ここでも、恵は驚きの主張を展開していた。
なんと恵は「これだけの鉄壁な、菅官房長官がありませんって言って、その48秒後に推薦がありましたっていうのは。まず驚いたのは、官僚のみなさん方が菅さんの発言を否定したって印象にうつった」と、昭恵枠を認めた大西審議官を批判し始めたのである。
これに同調したのが、安倍応援団の八代弁護士。八代弁護士は、「枠と推薦は違う」から菅官房長官の答弁は「ほころび」ではないと主張したうえ、「事前にここをすり合わせてどういうふうに答えるって決めていれば」問題はなかったのに、と完全に官邸側の視点で解説。
すると、恵も我が意を得たりと同調し、そのあとしばらく二人でまるで官邸の反省会議のような会話を繰り広げたのだ。
恵「(官房長官が)『推薦ありません』って言った後は、『どうなんですか、審議官』って言われたら『すみません、調べます』とか」
八代「あるいは『官房長官が言われた通りです』とかが、普通じゃないですか」
恵「意見が違うようにまず見えないようにするべきだと思うんですが、ここ珍しい」
ようするに、恵も八代弁護士も「菅官房長官がそう言っているんだから、官僚も本当のことなんて話さずに、一緒になってちゃんと国民を騙せ」と主張していたのだ。
いったい誰目線で政治を語っているのか、とつっこみたくなる会話だが、この日の『ひるおび!』は終始、こんな調子で、菅官房長官の立場に立って「桜を見る会」問題を取り上げ、菅官房長官を擁護しまくったのである。今回の「桜を見る会」問題では、これまでと違い多くの新聞やテレビが、菅官房長官の不誠実な答弁や食い違いを批判していた。そのなかで、ここまで無理やりな擁護と礼賛を展開するというのは、はっきり言って異常というしかない。
しかも、その中心になっていたのはまぎれもなくMCの恵だった。本サイトはこれまでも『ひるおび!』が安倍応援団番組だと繰り返し指摘してきたが、今回の放送で、それは田崎史郎氏やネトウヨ的思想を持つ八代弁護士の問題だけではなく、MCの恵自身も安倍応援団だったことがはっきりしたと言っていいだろう。
いや、安倍応援団というのは正確ではないかもしれない。実は恵については、前々から安倍首相よりも菅官房長官に近いという指摘がなされていた。
ご記憶の向きがあるかもしれないが、恵は、菅官房長官との秘密会食を公の電波で暴露されたことがある。2018年5月の『ゴゴスマ〜GOGO! Smile!』(CBCテレビ)のなかでいきなりコメンテーターの東国原英夫が「『ひるおび!』の恵と菅さんがご飯を食べた」と発言したのである。
その後、本サイトが官邸関係者に取材したところ、この発言はかなり確度が高いこともわかった。
「安倍首相と違って首相動静に載らないため表面化していないが、菅さんが恵さんと会っているのはたしかでしょう。東国原さんが指摘するよりかなり前から、定期的に会食しているという情報が耳に入ってきていましたから。『ひるおび!』の番組関係者が同席したこともあったようです」
実際、菅官房長官といえば、テレビのキャスター、コメンテーター、ジャーナリストへの会食による懐柔工作をはかっているというのは、有名な話だ。
毎日新聞の主筆や『NEWS23』(TBS)アンカーなどを務めた故・岸井成格氏は、佐高信氏との対談本『偽りの保守・安倍晋三の正体』(講談社)で菅官房長官の手口を証言している。これによれば、岸井氏は企業の幹部に話をするという勉強会を長く続けていたのだが、その場に菅官房長官が突然、やってきたというのだ。
「(菅官房長官は)黙って来た。誰かから聞いて知ったんだろう。最初から最後までいたよ。終わると『今日はいい話を聞かせていただいて、ありがとうございました』と言って帰っていった。怖いよな」 「『どこで何を話しているか、全部知っていますよ』ということを見せているわけだ。『人脈も把握しています。岸井さんが動いているところにはいつでも入っていけますよ』というメッセージかもしれない」(『偽りの保守・安倍晋三の正体』より)
岸井氏はそれでも菅官房長官と距離を取り続けたが、恵のほうはこうしたアプローチを受け、すっかり取り込まれてしまったということなのだろう。
しかし、だとしても、恵や番組が自分たちから積極的にここまで露骨な菅擁護をやるというのは考えにくい。そんなところから、自民党周辺ではこの日の『ひるおび!』について、「また例のパターンで菅がやらせたんじゃないか」という見方も流れている。
「また」というのは、2018年夏、NHKのウェブサイト「政治マガジン」が「菅義偉、彼は何を狙うのか」というタイトルで大提灯記事を掲載した際も、同様の見方が流れたからだ。
「当時、安倍三選の予想が強まるなか、自民党総裁選の後に控える人事をめぐって、清和会が菅官房長官のすげ替えを要求していた。そこで、危機感を持った菅さんは官房長官留任の流れをつくろうとNHKを使ってヨイショ特集をやらせ、『安倍首相を最後まで支える覚悟』というアピールをしたという見方がもっぱらでした。今回も、菅原一秀前経産相や河井克行前法相など側近のスキャンダルで相当、追い詰められていたところに、あの『ひるおび!』ですからね。もともと永田町では、“『ひるおび!』は菅系”という見方がありましたから、当然のように『菅がやらせたとしか思えない』という声があちこちから聞こえています」(全国紙自民党担当記者)
実際に菅がやらせたかどうかはともかく、6日の『ひるおび!』の内容と恵の進行が常軌を逸した露骨な菅擁護をおこなったことは間違いない。
今後は『ひるおび!』を“安倍応援団番組”として単純に批判するだけでなく、菅官房長官の情報操作がそこかしこに入っていないかも、チェックする必要があるだろう。  

恵俊彰  / [めぐみとしあき、1964 - ] 日本のお笑いタレント、司会者、ニュースキャスター。お笑いコンビ「ホンジャマカ」のツッコミ担当。鹿児島県鹿児島市出身。ワタナベエンターテインメント所属。
父の恵美知雄は大島紬の工場(恵大島紬織物)を経営していた職人で、白く染める泥染めの「白恵泥」で特許を取得している。母は京都府京都市出身。鹿児島大学教育学部附属小学校、鹿児島市立甲南中学校、鹿児島県立甲南高等学校卒業。大学への進学を希望していたが、高校卒業後は3浪して結局は進学を断念している。その後は東放学園専門学校に事務員となって社会人生活を送っていた。
1987年、当時渡辺プロダクション(現・ワタナベエンターテインメントの親会社)が立ち上げた若手お笑いタレントグループ「BIG THURSDAY」(ビッグサースデー)のオーディションに合格し、芸能界入り。1988年6月4日、インクスティック芝浦ファクトリーにて11人体制でホンジャマカ初ライブ「BIG THURSDAY ホンジャマカ VOL.1」を開催する。1989年、「ホンジャマカ」のメンバーが次々と抜けていく中で唯一残った石塚英彦と改めてコンビを結成し、再デビューする。なお、脱退メンバーの中には、恵の夫人である松本美貴がいた。
元々は「小デブ」として売り出しており、相方の石塚と区別が付かない程だった。しかし、友人の岸谷五朗に太っていることを貶されるなどの理由から20時以降は何も食べないなどしてダイエットした結果20kgの減量に成功。それ以来は「痩せている方」と言われるようになった。相方の石塚はこのことについて「恵が食べなくなったので、その分自分が食べて余計に太った」などとネタで話すことがある。
岸谷五朗がパーソナリティを務めるTBSラジオ『岸谷五朗の東京RADIO CLUB』ではリスナーから絶大な支持を集めた。今や若者言葉として定着した「てゆ〜か〜」「ぶっちゃけ〜」「正直」などを使い始めた先駆けである。
その当時から恵個人でのソロ活動はしていたが、1998年にフジテレビ『ロケットパンチ!』で司会を担当したのを皮切りに恵個人での司会業が増えていった。特にTBSテレビ制作番組への出演が多く、2004年9月からは同系列局で平日昼・午後の時間帯に放送される情報番組の司会を務めている。その他に俳優としても活動しており、NHK大河ドラマ『毛利元就』やTBS『サラリーマン金太郎』シリーズなどに出演している。
趣味はパソコン(Macユーザー)。ホンジャマカライブのポスターを自分でデザインしたこともある。その他には映画鑑賞、音楽鑑賞、ゴルフ、ビリヤードなどを趣味に持つ。長渕剛や三浦春馬のファンであり、プロ野球マニアでもある。セ・リーグでは読売ジャイアンツ、パ・リーグでは埼玉西武ライオンズを応援している。なお相方の石塚は横浜DeNAベイスターズのファンである。2001年頃からはメジャーリーグにも関心を持っている。
情報番組で司会業を行うことから前日どれだけ忙しくても毎朝5時に起床し、各局の情報番組をチェックするほか移動中もほぼ全ての新聞に目を通しているという。
TBS『ひるおび!』開始時、島田紳助から「(当時TBS昼枠は視聴率低迷していたため)最下位の球団の監督をやるんやから、勝てるわけはない。FAで誰かをとってこられるわけでもないし。少なくとも1年やれば、視聴率をとることの難しさや、負けることを勉強できる。やるだけやってみればええ」との助言をもらった。

 

●テレ朝が世耕氏要求で謝罪 「桜」報道めぐり過剰対応 12/14
「年の瀬」の気分になるにはちょっと早いですが、自民党の世耕弘成参院幹事長とニュース番組「報道ステーション」(朝日系)との間で「良いお年を」騒動が起きました。
発端は10日に放送した「桜を見る会」疑惑で、政府が招待者名簿のデータの復元は考えていない、「反社会的勢力」の定義は困難と、閣議決定したニュース。関連で世耕氏が定例記者会見で「桜を見る会」疑惑は「説明できる範囲は説明できた」と言った場面が流れました。
世耕氏が問題にしたのは、「幕引き」の字幕とともに、ナレーションで「与党内は早くも年越しムード」と指摘し、世耕氏が会見後に「良いお年を」と言った場面。インターネット上に短文で投稿する自身のツイッターで“桜を見る会とは関係がない”と抗議して、翌11日の同番組内で謝罪させました。
放送前の11日夕、世耕氏は「先ほどテレビ朝日報道局長が幹事長室に来訪し、謝罪がありました」とツイートしました。事実を正確に伝えるべきですが、わざわざ世耕氏のもとへ謝りに出向くのは、過剰な対応では―。
そもそも野党の要求を無視して国会会期を延長せずに、疑惑の説明責任を果たさず逃げ回っているのは安倍首相。それに手を貸したのは与党です。「良いお年を」と言っている場合ではないはず。メディアに難癖をつけるのではなく、公選法違反疑惑が指摘され、夫の河井克行前法相とともに雲隠れを続けている河井案里参院議員を、参院幹事長として指導すべきではないのか。一連の問題で、年越しは許されません。  
●「本丸の問題はまだ追及されていない。楽しみは年明けだ」 12/14
最後まで「桜を見る会」の問題に揺れた国会は、9日に閉幕した。AbemaTV『AbemaPrime』に出演した小西洋之参議院議員(無所属)は、「本丸の問題はまだ追及されていない。勝負はこれからだ」と話す。
「年明けから野党が何をするのかと言えば、安倍総理による有権者の買収問題だ。800人を超える後援会や山口の有権者たち、つまり各界を代表するまでの功績や功労がなく、呼ばれるはずのない人が無条件・無制限に呼ばれ、安倍総理の歓待を受けた。ここでないと手に入らないような土産やお菓子ももらっていた。しかも国会議員でさえ8時半以前には入れなかったのに、安倍総理の後援会の一行は7時半には入っていて、安倍総理、昭恵夫人と記念写真を撮っている。この時間は何なのか。安倍総理はどういう資格で来ていたのかという問いに、政府は答えられない。このような特別扱も買収行為だ」。
こうした招待者の推薦に安倍総理が関わったのではないかという問題のほか、夕食会の収支の問題、そしてデータ破棄の問題もある。ただ、桜を見る会に関する議論ばかりに時間を費やすのではなく、その他の政策論議をもっとやるべきではないかとの意見もある。
「名簿だけではなく関係文書を全て捨てたというが、そんなわけがない。私はかつて総務省で働いていたが、そんなことをすれば、翌年、また一から文書を作ることを始めなければならない。官僚がなぜ事実を隠すかというと、やはり安倍総理の買収罪の追及を恐れているからだ。私はトランプ政権と安倍政権の日米貿易協定の条約を審議した。彼らが言っているのはウィンウィン、日本は取るものを取っている。農業はTPP11と同じレベル。自動車の関税をゼロにするとアメリカが約束したと言っている。ところがそれは口約束で、会議録もあるが出さないという。日本の国益が本当に守られたかどうかのファクトを出さないような政治を許していたら、経済であれ社会保障であれ、ちゃんとした政策が守れなくなる。そういう問題意識で我々はいる」。
また、小西議員はマルチ商法で消費者庁から呼び出しを受けていたジャパンライフの山口隆祥元会長を招待していたことについて、「総理の秘書さんがマルチ商法で消費者庁から処分を受けているような人を呼んだりするんだろうか」と疑問視してきた。このことについて安倍総理は2日、参院本会議で「山口氏と1対1のような形で会ったことはなく、個人的な関係は一切ない」と述べている。
小西議員は「あれだけひどい詐欺的手法のマルチ商法で、あれだけ大きな被害をもたらした。しかも、桜を見る会もそれに使われていたのではないかと問題になっている。桜を見る会は2つのルートで推薦できる。1つは役所ルートだが、行政指導を受けていたジャパンライフを役所が推薦するわけはない」と指摘。「予算委員会で、えこひいきは買収罪ではないのか。あるいは呼ばれるはずのない有権者を呼んでいたのは買収罪ではないか、とテレビ中継もある予算委員会で安倍総理に対してやらせてもらう。楽しみは年明けだ」と述べていた。 
●調査結果を「謙虚に受け止める」 桜を見る会で菅官房長官 12/16
菅義偉官房長官は16日の記者会見で、「桜を見る会」を巡り安倍晋三首相が十分に説明しているとは思わないとの回答が8割を超えた共同通信の世論調査の結果について「謙虚に受け止める」と述べた。同時に「国民の皆さんの声に耳を傾けながら一つ一つ丁寧に対応していきたい」と強調した。
共同通信が14、15両日に実施した全国電話世論調査では、桜を見る会の招待者名簿に関し「バックアップデータは行政文書に該当しない」とした菅氏の説明に対しても「納得できない」が77.9%に上った。 
●桜見る会名簿の精査方法回答せず 12/17
内閣官房幹部は17日、首相主催の「桜を見る会」に関する野党追及本部ヒアリングで、招待者推薦名簿に関し基準に基づいて精査した後に内閣府に提出したと説明した。ただ精査の具体的な方法については「詳細は控えたい」と回答しなかった。政府は招待者の基準として「各界で功績、功労のあった人など」と説明している。
ヒアリングで、預託商法などが問題視された「ジャパンライフ」元会長に招待状が送られた経緯を野党議員が質問。内閣官房幹部は「記録がないので、招待されたかどうかも含めて確認できない」と釈明した。
名簿電子データ廃棄で、廃棄期日特定のため野党が求めた記録提出は拒否した。  
●桜見る会前日に研修会、自民党 「総裁選対策」の声も 12/17
自民党が昨年4月の「桜を見る会」前日に東京都内で都道府県会議員対象の研修会を開いていたことが17日、関係者への取材で分かった。同年9月には党総裁選が控えており、一部の地方議員は取材に「桜を見る会とセットにした総裁選対策だったのではないか」と指摘。ただ、別の複数の議員は「二つの会は別物で、関連はない」と答えた。
研修会は昨年4月20日、都内のホテルで開かれた。憲法改正や地方創生、安全保障などがテーマで、安倍晋三首相が講演した。党の顧問弁護士から、学校法人「森友学園」への国有地売却問題に関する説明もあった。  
●How dare you! 12/18
佐藤正明氏による風刺漫画「コップの中の嵐」には思わず苦笑(東京新聞12月17日付)。地球温暖化対策を訴えるグレタ・トゥーンベリさんが、コップに入った木の枝に結ばれた「先送りCOP25」と書かれた白旗に向かって、彼女を世界に知らしめたあのフレーズで叱りつけている。そう、「How dare you!=よくもそんなことが!!」と。
石炭火力発電所の新設ですか
風刺が二重に効いているというべきか、その漫画の横には「九電 石炭火力新設 長崎・松浦CO2対策に逆行」の見出し。12月16日に九州電力が長崎県松浦市に新設した石炭を使う松浦火力発電所2号機を報道陣に公開したことを伝えている。
時も時、国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)において、温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)を多く排出するため問題視され、グテレス国連事務総長が、地球温暖化対策として石炭火力発電所の2020年以降の新設中止を求めているにも関わらずである。もちろん「時代に逆行している」と言う専門家の批判を紹介し、国際的には事実上の「駆け込み稼働」と受け止められかねないことを危惧している。
ちなみに我が国は、世界の環境団体でつくる「気候行動ネットワーク」が、COP25における発言内容に基づいて地球温暖化対策に消極的な国に贈る「化石賞」を2回受賞している。
1回目は、梶山弘志経済産業相が石炭火力の利用継続を明言したことに対して。
2回目は、小泉進次郎環境相が演説において、脱石炭火力に踏み出すなどといった意欲的な姿勢を示さなかったことに対して。
もちろん、桃井貴子氏(気候行動ネットワーク東京事務所長)は九州電力の姿勢に対して「石炭火力発電所の新規稼働はパリ協定の目標と相いれない」と、コメントを寄せている。
How dare you!
強シンゾウか狂シンゾウか安倍晋三
無神経なのか、居直りなのか、国民感情を逆なでしたいのか、場所も場所、ホテルニューオータニの「鶴の間」で安倍晋三首相がご講演。「臨時国会ではこの1カ月、桜を見る会の議論が集中した」「一昨年と昨年はモリカケ(森友学園、加計学園)問題。今年の春は統計の問題。この秋は桜を見る会」「この3年ほどの間、国会では政策論争以外の話に多くの審議時間が割かれ、国民に大変申し訳ない」と陳謝したそうだ。
誰もうわべだけの陳謝を求めていない。安倍氏ご本人を始め安倍族が、速やかかつ懇切丁寧に、事実、真実を語らないから政策論争には入れないわけ。まぁ、ヤジだけが得意な政治家に政策論争なんかできっこないですがね。
さらに、麻生太郎氏をはじめ安倍族が首相の自民党総裁4選に言及していることを問われ、「大変光栄だが、全く考えていない」と改めて否定した。ただ、憲法改正が衆院解散・総選挙の大義になるかについては、「具体的に申し上げる段階にはない」と述べる一方で、「信を問うべき時が来たと判断すれば、ちゅうちょなく決断をする」と改めて語ったそうだ。
How dare you!
共同通信世論調査結果の要点
共同通信社が全国の有権者を対象に12月14、15日に行った世論調査(対象者2005人、回答率50.9%)は大変興味深い結果を示している。その要点は次のように整理される。
(1) 「桜を見る会」問題
○さまざまな疑惑が指摘されているが安倍晋三首相の説明について;「十分説明している」11.5%、「説明は不十分」83.5%。
○招待者名簿に関して、「バックアップデータは行政文書に該当しない」とする菅義偉官房長官の説明について;「納得できる」13.6%、「納得できない」77.9%。
(2) 日本経済の先行きに関する不安感と安倍内閣が優先すべき課題
○日本経済の先行きについて;「不安」41.0%、「ある程度不安」46.9%、「あまり不安ではない」8.6%、「不安ではない」1.9%。大別すると、「不安」87.9%、「不安ではない」10.5%。
○安倍内閣が優先すべき課題(「その他」などを除き10の選択肢。二つまで回答可);「年金・医療・介護」41.4%、「景気や雇用など経済政策」33.0%、「子育て・少子化対策」27.5%、が上位3項目。「憲法改正」は、5.2%で10位。
(3) 憲法改正と安倍首相の総裁4選
○安倍首相の下での憲法改正について;「賛成」31.7%、「反対」54.4%。
○総裁4選について;「賛成」28.7%、「反対」61.5%。
(4) 安倍内閣の支持と支持政党
○安倍内閣について;「支持」42.7%、「不支持」43.0%。
○支持する政党;「自民党」36.0%、「立憲民主党」10.8%。「公明党」(4.7%)と「日本維新の会」(3.3%)を加えた与党系は44.0%。野党(立憲、国民、共産、社民、れいわ)は、20.6%。「支持する政党なし」31.8%。 
(5) 中東への海上自衛隊の派遣
○派遣について;「賛成」33.7%、「反対」51.5%。
世論調査結果が教える、慣れのゆきさき
(1) 8割が「桜を見る会」問題ついて納得していない。諦めることなく追及し続けねばならない。
(2) 9割が日本経済の先行きに不安を覚えている。上位3項目がそれを明示している。少子高齢化時代において、高齢者も子育て世代も「不安」に駆られている。
(3) 3割程度しか憲法改正と安倍首相の総裁4選を賛成していない。その「不安」の解消にこそ注力すべき時に、「憲法改正」に血道を上げる姿は、国民不在の政治そのものである。
(4) にもかかわらず、4割強が安倍内閣を支持し、与党系を支持している。もう見慣れた結果だが、慣れこそが怖い。
(5) 慣れている間に決まろうとしているのが、中東への海上自衛隊派遣。3割強もの人が「賛成」していることに怖さを感じる。
How dare you! 納得できず、不安に駆られることばかりの情況だからこそ言い続ける。「地方の眼力」なめんなよ 
●「桜を見る会」の関連文書は内閣府にやはり残っている? 12/18
「桜を見る会」の招待客に関する文書はやっぱり残っているのではないのか――。日刊ゲンダイ本紙の内閣府に対する「行政文書開示請求」で、あらためて疑惑が浮上した。
「桜」問題が注目を集めたのは、11月8日金曜日の参院予算委。日本共産党の田村智子議員が質問に立ち、招待客の中に安倍首相の後援会関係者が不自然に多い理由などについて迫った時からだった。
そこで日刊ゲンダイ本紙は、翌週11日の月曜日に内閣府に「行政文書開示請求書」を提出。求めたのは〈桜を見る会に関する文書 2018年度分(内閣府からの推薦依頼、依頼に対する回答 内閣府からの照会事項、照会に対する回答〉だ。
というのも、今では「桜を見る会」の招待客名簿をめぐり、政府側は資料などの存在を廃棄したとして全否定しているのだが、日刊ゲンダイ本紙が開示請求した時点で、内閣府大臣官房人事課の保存期間表を確認すると、〈園遊会、桜を見る会等に関する文書〉として当該文書の保存期間が〈10年〉とあったからだ。
提出から1カ月余りが経ち、13日付で内閣府から開示請求に対する通知が届いたのだが、内容は〈対象文書の精査等に時間を要すること及び担当部局における行政事務の繁忙により、開示請求があった日から30日以内に開示決定等を行うことが事務処理上困難であるため〉として、2020年1月10日まで期限を延長するというもの。
つまり、忙しくて今は対応できないというワケなのだが、文書が存在していないのであれば〈当該文書は不存在〉と記されるはず。開示の可否を判断しようにも「ない」からだ。実際、これまでの開示請求に対する回答でもみられたのだが、今回は「延長」というから微妙だ。「等」という表現が気になるが、何らかの関連文書が残っている可能性はあるようだ。  
●「桜を見る会」から見える安倍政権のきしみ 12/19
臨時国会閉会で、季節外れの「桜まつり」も、モリカケ同様、いつの間にか「風化」していくだろうか。ただ、今回の「桜を見る会」問題で見せた安倍政権の対応は、従来とかなり様相が違う。
あちこちでほころび
これまで、安倍政権が疑惑、スキャンダルの発覚を受けて見せた対応は、まさに「鉄壁」ともいえる防御態勢だったが、今回は、あちらこちらで、ほころびを露呈している。
自身の関与や招待枠の問題などで、安倍総理や菅官房長官は当初、全面否定したにもかかわらず、新たな事実、物証などによって、たびたび発言の修正を迫られた。
象徴的だったのは、完璧な対応を見せていた菅官房長官が、会見で立ち往生する場面を見せたこと。
昭恵枠、シュレッダー、反社、ジャパンライフ・・・・。次々と新たな「火種」が飛び出したことが、疑惑を拡大させ、守備体制を混乱させた面もあるが、果たしてそれだけだろうか。
一体対応ができない
これまで「鉄壁の防御網」が構築できていたのは、官邸と霞が関が一体となった対応を示したからだ。だが、今回はそれが崩れた。
例えば、11月20日の内閣委員会で、野党から昭恵夫人の招待枠について質問があり、菅官房長官が「ありません」と明言した直後に、内閣府の審議官が「推薦はあった」と発言したこと。
「桜を見る会」中止について、記者団の質問に答える安倍晋三首相(右)=11月13日 、首相官邸
「桜を見る会」中止について、記者団の質問に答える安倍晋三首相(右)=11月13日 、首相官邸
確かに「枠」はなかったかもしれないが、菅氏の発言を否定するような印象を与えたことは間違いない。緊密な連携が取れていれば、官僚側はとりあえず逃げの答弁をしたはずだ。
名簿をシュレッダーにかけた時期についても、なぜ、内閣府は正直に(?)共産党から資料要求があった5月9日と答えたのか。
なぜ、ジャパンライフへの対応に疑念を抱かせるような消費者庁の内部文書が流失したのか…。
政権の体力が低下すると
これらから見えてくるのは、官邸と霞が関との意思疎通の欠如、タガのゆるみ、あるいは両者の間に吹き始めた「隙間風」ではないか。
過去の例が物語るように、政権の体力が落ち始めると、あちらこちらで摩擦が起きる。確かに「桜」問題は「規模」の面では、それほど大きいとはいえない。
だが、モリカケと違って、一般から見ると、極めて分かりやすい疑惑だ。「私物化」「ズル」を連想させるからである。
実はこうした問題の方が、政権にとってボディブローのように効いてくることが少なくない。自民党内が静まり返っているのも、なぜか不気味な感じがする。 
●会費払わず夕食会に参加か 12/19
今年の「桜を見る会」前夜に、安倍晋三首相の後援会が主催した夕食会を巡り、山口県下関市の田辺よし子市議は19日、国会であった野党追及本部の会合で、参加者の中に「会費を支払わなかった人がいる」と証言した。田辺市議自身は参加していないが、地元市民の複数の参加者に聞き取りをした結果、判明したとしている。
田辺市議は、聞き取りをした参加者の中に領収書をもらった人がいなかったとも証言し「発行をしていなかったのではないか」と指摘した。安倍首相はこれまで「受付で事務所職員が1人5千円を集め、ホテル側が発行した領収書を手渡した」と説明していた。・・・ 
●安倍首相「お膝元」は“私物化天国” 地元・山口に5つの疑惑 12/19
国会閉会後も次から次へと疑惑が噴出する「桜を見る会」。悪徳企業「ジャパンライフ」の元会長を招待した理由や、前夜祭の実態は安倍政権の“隠蔽”で闇に包まれたままだ。焦点は、安倍首相や自民党幹部が大勢の後援会関係者を招いた「私物化」だが、やりたい放題なのは「桜」だけではない。安倍首相のお膝元、山口県内は“私物化天国”になっているのだ。
桜を見る会の全容を知る鍵となるのは招待者名簿。取りまとめ役の内閣府と内閣官房の“隠蔽”工作は徹底している。17日の閣議で、政府は今年開催分の招待者名簿について、「内閣府と内閣官房は文書による決裁を行っていない」との答弁書を決定。各省庁は推薦者に関する文書を幹部が決裁していたのに、内閣府と内閣官房だけ「文書決裁なし」とは、にわかには信じがたい。
なりふり構わぬ「追及逃れ」は許しがたいが、安倍首相の地元、山口県内はさらにヒドい。まるで“無法地帯”である。安倍関連の私物化を別表にまとめた。
目下、下関市議会で炎上しているのが、安倍側近の前田晋太郎市長による「大学私物化」疑惑だ。経済学部のみの単科大である下関市立大で5月末、突如として湧いた「特別支援教育特別専攻科」の新設。学内の正式手続きを経ることなく、3教員の採用人事まで決まったことに、教員の9割超が反対する異常事態になっている。この計画を主導したのが、安倍首相の秘書だった前田市長との疑いが浮上している。
イエスマン首長が推進
同問題を巡る13日開催のシンポジウムにパネリストとして参加した郷原信郎弁護士は16日、〈市立大学を、安倍首相直系の政治勢力による“大学支配”から守り抜く〉とツイート。地元では、官邸周辺の関与を示唆する怪文書も飛び交っている状況だ。
それだけじゃない。下関市の補助金を受領している地元の「下関観光コンベンション協会」が作製した安倍首相の等身大パネルが市内各所に設置されている問題もある。協会会長は安倍の後援会幹部で、公選法違反の恐れもある。
加えて、党幹部が猛プッシュした「下関北九州道路」の建設事業。塚田一郎・元国交副大臣の「忖度」発言で、「安倍・麻生道路」と批判を浴びた巨大公共事業だ。
日刊ゲンダイは3日付で、山口県の公共事業が民主党政権時の2012年に比べ、16年には3倍に増したことを指摘。「桜」同様、安倍首相の地元でも私物化がはびこっているのだ。山口県内で取材するジャーナリストの横田一氏はこう言う。
「福岡と山口を結ぶ北九州道路は、下関市から鳥取方面に延びる『山陰自動車道』につながり、整備費は計7000億円にも上ります。安倍首相が『必ず造る』と公言しているからか、山陰道は地元で“安倍道路”と呼ばれている。イエスマンの村岡嗣政・山口県知事も賛同し、事業を強く推進しています。前田市長については、市立大人事を巡って『私物化』批判が強まっている。地元の首長を通じて、首相のやりたい放題が当たり前の状況になっていることがうかがえます」
「桜」のみならず、安倍首相の地元での“私物化天国”を許してはいけない。 
●安倍首相「桜を見る会前夜祭」で会費を払っていない有権者が複数! 12/21
臨時国会の閉会とともに安倍首相が幕引きを図ろうとしている「桜を見る会」問題だが、ここにきて、重大な情報が飛び出した。地元有権者が約800人も参加していた安倍首相の後援会主催の「前夜祭」で、なんと会費を支払わず参加していたという地元有権者がいる、というのだ。
この問題を証言したのは、安倍首相の地元・下関市の田辺よし子市議(無所属)。19日におこなわれた野党合同ヒアリングに出席した田辺市議は、地元の「桜を見る会」参加者に聞き取りをおこなったといい、そこでこんな証言を得たと説明した。
「女性の方(の証言)です。(今年)呼ばれて行ったんですけれども、(前夜祭の会費)5000円は払っていません、ということでした」
さらに、ヒアリング終了後に記者団におこなった説明によると、田辺市議は今年親睦会(前夜祭)に参加したという下関市内の約40人に聞き取りをおこない、そのうち3人が「会費を支払っていない」と回答したという(東京新聞20日付)。
これまで「前夜祭」をめぐっては、ホテルニューオータニで会費5000円の立食パーティを実施すること自体が一般的には不可能であることから、安倍首相側の差額補填(=有権者への寄附)が疑われ、公職選挙法199条の2(公職の候補者の寄附の禁止)、同法199条の5の2(後援団体に関する寄附等の禁止)違反にあたるのではないかと指摘されてきた。
だが、「会費を支払っていない」参加者がいたということは、つまり安倍首相側は地元有権者に無料で飲み食いさせていたということになる。これは公選法221条「買収罪」で〈三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金〉とされる供応買収にあたるのではないか。
「買収罪」では供応接待などによって票の獲得や誘導することが禁じられているが、今年4月におこなわれた「桜を見る会」をめぐっては、自民党が7月の参院選で改選を迎えた党所属の参院議員に後援会関係者らを「4組までご招待いただけます」と記載した案内状を1月に送っていたことが判明している。ようするに、安倍自民党は「桜を見る会」を、公選法違反にあたる選挙の事前運動として組織的に利用していたわけだが、これは地元有権者をわざわざツアーを組んで約800人も呼び寄せて招待していた安倍首相も同様であり、「前夜祭」もまた事前運動にあたる可能性がある。
そして、実際に今年おこなわれた選挙では、供応買収・事前運動という公選法違反を犯して逮捕された者が多数いる。
たとえば、4月7日投開票の熊本県議選では、初当選した城戸淳氏の運動員が市内の宴会場で立候補予定者だった城戸氏の「囲む会」を主催し、有権者約30人に「当選させたいので応援してください」などと言い、1人当たり2970円相当の飲食を提供した疑いで逮捕。供応買収と事前運動の罪で罰金50万円の略式命令を熊本簡裁が出している。また、4月21日投開票の福岡県篠栗町議選では、福岡県警は告示前である2月に有権者数十人に対し、飲食店で食事や酒を1人約1800〜3800円相当で接待、投票などを依頼したとして同町議の大楠英志氏を供応買収と事前運動公選法違反の疑いで逮捕。逮捕後、大楠氏は議員辞職している。
さらに国政選挙でも、2010年には自民党の野上浩太郎参院議員(現・自民参院幹事長代行)の集会の帰りに地元自民党の市連青年局長が、野上氏への投票や票のとりまとめを依頼した有権者13人に1人当たり約2300円の飲食物を提供したとして供応買収と事前運動の公選法違反の罪で略式起訴されている。
田辺市議が聞き取りをおこなった約40人のうち3人が会費5000円を「支払っていない」と回答したということは、会費を支払っていない参加者はさらに膨れ上がると考えるのが自然だが、上記のとおり、警察は十数人に数千円の飲食物を提供しただけでも逮捕している。
よりにもよって総理大臣が、会費も支払わないで参加できるザルのような、しかも事前運動の目的が疑われるパーティを盛大に開いていた──。だいたい、安倍首相は総理大臣であり、そのおこないは倫理的・道義的に厳しく問われる立場だ。この新たな証言に対し、安倍首相は国民にきちんと説明する必要があるのは言うまでもない。
しかし、安倍首相の言動からは「年をまたげば国民は忘れるから逃げ切れる」と考えていることがありありと伝わってくる。実際、今月13日には、責任転嫁するような発言までおこなった。
「一昨年と昨年はモリカケ問題。今年の春は統計の問題。この秋は『桜を見る会』。この3年ほどの間、国会では政策論争以外の話に多くの審議時間が割かれてしまっていることを国民のみなさまに大変申し訳なく思っております」
森友・加計も、統計不正も、「桜を見る会」問題も、すべて安倍首相および昭恵氏の関与が疑われた問題だというのに、この他人事感。しかも「桜を見る会」の疑惑追及で野党が政策論争を妨害したかのような言い草だが、肝心の大臣が2人もスピード辞任して審議を遅らせたのはどこの誰だ。しかも、菅原一秀経産相は日米貿易協定の承認案が審議入りした衆院本会議を、その後辞任にいたった有権者買収の疑惑から逃げるために欠席までしたのである。
公文書管理のあり方を崩壊させようとしている招待者名簿破棄問題に、ジャパンライフ会長や反社会的勢力の招待問題、さらに「私人」たる昭恵氏の枠まで用意されていた招待者基準問題、安倍夫妻の友人が選ばれていたケータリング業者選定問題、そして公選法、政治資金規正法、贈収賄といった違法性が問われる問題……。「桜を見る会」が抱える問題点は多岐にわたる上、元TBS記者・山口敬之氏の逮捕状取り消し疑惑と同様、安倍首相による“お友だち優遇”“自分の支持者・支援者を特別扱い”という問題をはらんでいる。これは年またぎで清算されるような話ではないと、あらためて指摘しておきたい。  
●下関市長選の安倍派勝利から見る支出額・参加者増の謎 12/22
野党追及チームが下関を視察
「総理大臣ならば、公金を使って地元有権者に供応接待(買収)をしても許されるのか」
「犯罪者にしか見えない安倍首相の居座りは、日本が法治国家ではない証ではないか」
こんな疑問を国民に抱かせる「桜を見る会」問題が核心に迫りつつある。追及本部の野党議員10名は12月1日と2日、安倍首相(山口4区)の地元下関を視察。市民や地方議員(山口県議や下関市議)からヒアリングを行い、選挙で汗をかいてきた安倍首相の選挙における“功労者”が優先的に招待されている実態をつかんだのだ。
「自治会やPTAの皆さんを呼んでいる」という総理答弁を一刀両断にしたのは、資料請求直後に招待者名簿を破棄された宮本徹衆院議員(共産党)。最後の囲み取材で「税金で後援会活動をしていたことが明らかになった」と強調、こう説明した。
「一般的に功労功績があった自治会やPTA役員を呼んでいるのではなく、『安倍さんを応援している自治会の役員さんには声がかかるが、応援をしていない人には声がかかっていない』という証言がいくつも得られた。総理答弁は虚偽答弁ではないか。このことが今回の視察で明らかになったことの一つだ」
安倍派、林派の市長が交互に誕生
「追及チーム 下関・山口ルート班」キャップの柚木道義衆院議員(立民会派)も、「安倍後援会の方ですら『選挙利用だと思われても仕方がない』と言っている」という証言を紹介しながら、「安倍総理の安倍総理による安倍総理のための桜を見る会だった」と断言した。
視察議員はヒアリングを通して、首相の元秘書で安倍派市議でもあった前田晋太郎市長が初当選した「下関市長選(2017年3月12日投開票)」に注目していった。
以前の記事「『桜を見る会』の招待状は安倍首相の『選挙協力へのお礼』に使われていた!?」で筆者が紹介した通り、安倍首相と林芳正・元農水大臣(参院議員)が父親の代からライバル関係にあり、長年にわたって下関市長選は両者の代理戦争のような様相も呈していた。両派の市長が交互に当選するというシーソーゲームが繰り返されてきたのだ。
   江島 潔 市長(1995年〜2009年) 安倍派
   中尾 昭友市長(2009年〜2017年) 林派
   前田晋太郎市長(2017年〜現在)  安倍派
2017年の選挙では安倍派が最後に逆転
安倍首相の選挙区(山口4区)は下関市(人口約26万人)と長門市(約3万人)から成り、9割弱の有権者を抱える下関市トップが安倍派となることは自らの選挙にプラスとなることは言うまでもない。
また市政への影響力が増す効果も期待できる。現・参院議員の江島市長時代には、神戸製鋼所などの安倍首相関連企業が地元大型案件を相次いで受注して談合疑惑も浮上、「桜を見る会」に招待されない田辺よし子・下関市議(無所属)らが追及した。
その結果、安倍派市長による“お友だち優遇政治”への反発が強まり、江島氏は不出馬に追い込まれた。そして2009年の下関市長選では、安倍派県議だった新人候補を林派の中尾市長が破り、安倍派市長による市政にピリオドを打ったのだ。
そして2013年に再び安倍派候補を破った中尾氏だったが、三選を目指す2017年の下関市長選では、安倍首相が全面的に支援した前田氏に僅差で敗北した。林派の中尾氏を支援した田辺市議は「最後で逆転されましたが、昭恵夫人も現地入りをしてテコ入れ、安倍派と林派に割れた公明党市議を説得に回ったと聞きました」と振り返る。安倍夫妻で“全力投球”をしたようにみえる2017年の下関市長選で安倍派市長が誕生、市長ポストを林派から8年ぶりに奪還したのだ。
2018年・2019年の支出額と参加者数が増加のわけは!?
地元での天下分け目の決戦時期と、「桜を見る会」の参加者と支出増加の推移を重ね合わせると、下関市長選で汗をかいた支援者へのご褒美ではないかという関連性が浮き彫りになるのだ。
     支出額(万円)   参加者数
   ○2014年 3005.3   約13700
   ○2015年 3841.7   約14700
   ○2016年 4639.1   約16000
   ◎2017年 4725.0   約16500
   2018年 5229.0   約17500
   2019年 5518.7   約18200
2014年から2016年の3年間の参加者増加は、2017年3月の下関市長選で汗をかいてもらうための準備段階での供応(事前買収)が疑われる。2017年(下関市長選の翌4月)から今年2019年までは前田市長誕生への論考褒賞的な供応(事後買収)という主旨ではないかとの疑惑がわいてくる。
もちろん後者は、2021年の下関市長選再選に向けた供応という効果も考えられる。多くの国民の目には「選挙で実働部隊になる支援者への供応」と映るだろうし、「選挙民への買収を禁じる公職選挙法違反の疑いは濃厚」と捉えるに違いない。こうした疑問が現実と合致するのか否かを判断するには、名簿を公開するのが一番だが、安倍政権(首相)は「破棄した」と言い続けている。
誰もがこう勘繰りたくなる。
「名簿を公開すれば、参加者増のかなりの部分が、安倍首相が関係する選挙で汗をかく支援者であることが明らかになり、公選法違反を裏付ける動かぬ証拠になるからではないか」と。
林派市議の参加者はゼロではなかったが、安倍派との違いは歴然
下関市長選では市議も安倍派と林派に分かれて戦ったが、安倍派市議への論考褒賞という見立てと合致する記事も出ていた。11月19日付の『毎日新聞』は「桜を見る会 下関市議枠 安倍事務所から申込書」と銘打った記事を1面トップで、両派の差別的対応をこう報じていた。
「首相の地元・山口県下関市の複数の自民系市議が、安倍事務所名の参加申込書で自身の支援者を招待していたことが18日に判明した。複数の自民系市議が証言した。市議らによると、申込書は何枚でもコピーでき安倍事務所から上限は示されていなかった」「一方、共産や公明など非自民の複数の市議は『用紙をもらったことがない』と話す。野党の市議は『自民が公的行事を支持固めに使っている』と批判した」(同記事より)
ただし申込書が回って来なかった林派市議の中にも、安倍派市議に頼んで申込書を回してもらい、参加した人はいたという。林派市議の参加者はゼロではなかったが、安倍派との違いは歴然としていたのだ。
下関視察に参加した杉尾秀哉参院議員(立憲民主党)は、下関市長選について次のような説明をした。
「自民党の中でも分断みたいなものがあって、そのきっかけになったのが(2017年の)市長選挙。『林派と安倍派が戦って安倍派が勝ってエスカレートしたのではないか。それが桜を見る会への人数拡大にもつながった』と(聞いた)」
内閣総辞職に追い込まれるのか、疑惑一掃を狙った“みそぎ桜解散”か
「桜を見る会」の“招かれざる客”である田辺氏は、視察議員と意見交換で同じような見方をしていた。
「『桜を見る会』への招待は、2017年の下関市長選への論考褒賞であると同時に、次期下関市長選(2021年3月)での前田市長再選に向けた支持固めや新たな支援者拡大の狙いもあると見ています」
下関視察の野党議員たちは「安倍首相の逃げ切りは許さない」と強調、年明け通常国会での追及に照準を合わせていた。先の宮本氏は「安倍首相は予算委員会の審議にも応じない。やっぱり隠したくて仕方がないのだと感じているが、国会閉会で逃げ切りを許さずに徹底的に調査、追及をしていきたい」と意気込んだ。
臨時国会では一問一答形式の予算委員会は安倍首相が逃げ続けて開かれなかったが、通常国会は予算委員会から始まる。ここでの野党側の追及(連続質問)に安倍首相が耐えられるのかが焦点なのだ。内閣総辞職に追い込まれるのか、それとも疑惑一掃を狙った“みそぎ桜解散”に打って出るのか。与野党激突の気運は、年明け早々に最高潮に達するのは確実なのだ。永田町から当分目が離せない。  
●「桜を見る会」総理決裁行わず “事務簡素化の一環” 官房長官 12/27
「桜を見る会」の開催要領などの文書の決裁について、菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、第2次安倍政権以降、総理大臣が決裁を行っていないのは事務の簡素化の一環だと説明しました。
「桜を見る会」をめぐり、内閣府は26日の野党の会合で会の開催要領や招待者数などに関する文書について、第2次安倍政権以降の平成25年から総理大臣の決裁は確認できていないと説明しました。
これについて菅官房長官は閣議のあとの記者会見で「当時の担当者によれば事務の簡素化の一環として、総理大臣までの決裁手続きは行わないことにしたとの報告受けている」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は「最終的に決裁という形を取るかどうかは、それぞれの役所の判断であり、『桜を見る会』の招待手続きについては、毎年の慣行を引き継いでやってきている」と述べました。 
 
 

 

 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 



2019/12-