「セクハラ発言」 忖度疲れの気分転換

普段の気苦労  忖度疲れ 
軽い気持ち憂さ晴らし 気分転換です

財務次官 「セクハラ発言」 
蔑視 女性記者もただの女の子 
 


 

財務省 福田事務次官  4/124/134/144/154/164/17
   辞任 4/184/194/204/214/224/234/244/254/26〜
麻生財務相   5/95/105/11・・・
セクハラ1セクハラ2・・・
 
 
 
 
忖度の神
御加護  霊験あらたか
御利益絶大
 
 4/18 pm6〜4/19 am0 
●週刊新潮第二報 発売直前のドタバタ劇 
第二報で逃げ切れないと 観念か
恥をかく前に 事務次官辞任
忖度メディアの証明会見 テレビ朝日
週刊新潮 女性記者に協力しただけです
 
pm6 財務省・福田淳一事務次官 辞任
セクハラ発言全否定
報道が煩く 仕事がやってられないので辞任
「やり取りは定かではありません」 記憶にありません
財務省は各省庁の中のトップ そこの次官と言えば役人の最高位の人
最優秀の方 新潮報道で 相手の記者が誰か直ぐに思い出したはず
 
am0 テレビ朝日報道局長 夜中の会見
恥ずかしかったのか 自社の中継放送なし フジテレビが中継放送
女性記者の「報道するべきだ」 抑え込んでいた
やはり メディアの矜持 持ち合わせていませんでした
 
 
●財務省・福田淳一事務次官
 

 

 4/12
財務次官の“セクハラ発言”報道、麻生大臣“説明受け注意した” 4/12
12日に発売された週刊新潮で「財務省の福田淳一事務次官が女性記者に対するセクハラ発言を繰り返していた」などという記事が掲載されたことについて、麻生財務大臣は福田氏本人から説明を受けた上で、注意したことを明らかにしました。
12日、発売された週刊新潮によりますと、「財務省の福田淳一事務次官は女性記者と会食した際、女性記者に対してセクハラ発言を繰り返していた」などとされています。
「(福田次官)本人が私のところに来ておりますので、(福田次官が)言った話は『普段から私的な立場において、いろいろな相手と会話をしており、その一つ一つのやり取りは定かではありません。記事においては正確な日時や相手方が必ずしも明らかではないので、確認のしようもありません。誤解を受けることのないよう気をつけて参りたい』という話でしたから、私は今のようなおかれている状況を考えて、『もう少し緊張感を持って行動せないかん』と話をしたのがこれまでの経緯」(麻生太郎財務相)
麻生財務大臣は「福田事務次官から申し出があり、十分な反省もあったと思っている」と説明。その上で、福田次官に対し「緊張感をもって対応するように訓戒を述べた」として、注意したことを明らかにしました。  
 4/13

 

»財務事務次官のセクハラ疑惑、週刊新潮が音声データ公開 4/13
「事実ならアウト」。麻生大臣もそう明言した財務省の事務方トップによるセクハラ疑惑で、問題の会話を記録したとされる音声データが公開されました。動かぬ証拠となるのでしょうか。
「今日ね、今日ね・・・・・・抱きしめていい?」(福田次官)
「だめです」(記者)
「じゃあ(旦那は)浮気しないタイプなの?予算通ったら浮気するか。いやいや手縛って良いから、手を縛ってあげる。胸触って良い?」(福田次官)
「だめですよ」(記者)
「手縛って良い?」(福田次官)
「そういうこと本当やめてください」(記者)
「手縛られて良い?」(福田次官)
これは、13日、「週刊新潮」が公開した財務省・福田淳一事務次官のものとされる音声です。森友問題について質問する女性記者とのやりとりだと言います。
Q.週刊誌報道は事実でしょうか?
Q.事実でなければ、なぜ否定されないんですか?
「・・・」(福田次官)
音声が公開された後、福田氏は・・・
Q.次官、音声が出ましたけど?
Q.辞任されるんですか?
「・・・」(福田次官)
Q.大臣にはどのように説明されたんでしょうか?
「・・・」(福田次官)
12日発売された「週刊新潮」。記事では、財務省の福田淳一事務次官が女性記者と夜に会食した際、女性記者に対して、セクハラ発言を繰り返していたなどとされています。
公開された音声は、本当に福田氏のものなでしょうか。専門家に、国会で答弁している福田氏の音声と比較してもらうと・・・
「今回、『触っていい?』と『借金を増やしていい』、 同じ『ていい』というのがあったので、今そこを比較しているのですが。『ていい』の『て』の部分ですね。この入りが非常に近いです。(福田次官と同一人物の可能性は)90%を超えるかどうかという感じ。 かなり似た響きの音声だと思います」(日本音響研究所 鈴木創所長)
鈴木氏によれば、公開された音声と福田氏の声は、「同一人物の可能性が非常に高い」と言います。
麻生財務大臣は13日朝、閣議後の会見でこう話していました。
「少なくともあの種の話は今の時代、明らかにセクハラといわれる対象であるというのは、はっきりしていると思っています。あの話(記事)が事実とするならば、それはセクハラという意味ではアウトですな」(麻生太郎財務相)
街でこの音声を聞いてもらうと・・・
「こんな上司、嫌です」(20代女性)
「すごいですよね。いつの時代も許されることではない」(50代女性)
「褒められたものではないですね。こんな時期なので、もっと気をつけていただいた方が」(40代女性)
「まともじゃない。僕らが、店に行っても言わない」(60代男性)
麻生財務大臣は福田氏について、「今の段階で処分は考えていない」としていますが、政府・与党内では「事務次官を続けるのは難しいだろう」との見方が出ています。 
財務次官のセクハラ発言? 新潮が音声データを公開 4/13
財務省の福田淳一事務次官が女性記者にセクハラ発言を繰り返したと週刊新潮が報じた問題で、麻生太郎財務相は13日、「事実なら、それはセクハラという意味ではアウト」と述べる一方、処分については改めて否定した。週刊新潮はこの日、福田氏の発言とする音声データをネット上に公開。野党は早急に福田氏を更迭するよう求めた。
麻生氏は午前の閣議後会見で「あの種の話は今の時代、明らかにセクハラと言われる対象」と認め、「慎重さを欠いており、厳重注意した」と強調した。しかし、「内容がどの程度、事実かどうかわからない」「本人の長い間の実績等々を踏まえれば、能力に欠けるとは判断していない」として、福田氏を処分しない考えを改めて示した。
だが、週刊新潮は午後になって、福田氏が飲食店で30代の女性記者に「胸触っていい?」「予算が通ったら浮気するか」「抱きしめていい?」などと話したとする音声データを公開した。上野賢一郎・財務副大臣はこの日の衆院厚労委員会で「音源を確認し、しかるべき対応をさせていただきたい」と述べた。
野党の女性国会議員はこの日、同省を訪れ、事実関係の調査と福田氏の更迭を申し入れた。申し入れには立憲民主、希望、民進、共産、自由、社民各党と無所属の計11人が参加。連名の申入書を上野副大臣に手渡したが、上野氏は「大臣に報告する」と述べるにとどまった。
一方、この日の厚労委では、厚生労働省の福田祐典健康局長が女性職員にセクハラが疑われるメールを複数回送ったことについて「大変お騒がせし、まことに申しわけございませんでした」と謝罪。「深く反省するとともに、省内の調査には協力する」と話した。この問題をめぐり、福田健康局長は12日、蒲原基道事務次官から口頭注意を受けていた。 
次官セクハラ報道「事実ならアウト」麻生氏、処分は否定 4/13
財務省の福田淳一事務次官がセクハラ発言を繰り返したと週刊誌で報じられたことについて、麻生太郎財務相は13日の閣議後会見で「事実だとするなら、それはセクハラという意味ではアウトだ」と述べた。一方で「内容がどの程度、事実かどうかわからない」とも述べ、処分についても「考えているわけではない」と改めて否定した。
野党は「事実なら、ただちに罷免(ひめん)すべきだ」などと批判しているが、会見で麻生氏は福田氏を「厳重注意した」と強調。「あの種の話はいまの時代、明らかにセクハラと言われる対象」としながらも「本人の長い間の実績等々を踏まえれば、能力に欠けるとは判断していない」と語った。
週刊新潮によると、福田氏は、30代の女性記者に対し、飲食店で「胸触っていい?」などと、セクハラ発言を繰り返したという。当時は国会で森友学園との国有地取引をめぐる追及が続いていた時期にあたる、としている。 
週刊新潮、財務次官のセクハラ音声データを公開 4/13
財務省の福田淳一事務次官が複数の女性記者にセクシュアル・ハラスメント発言をしていたと、4月12日発売の週刊新潮が報じた疑惑を巡り、同誌のサイト「デイリー新潮」は13日、福田次官が言ったとされるセクハラ発言の音声データをYouTubeで公開した。
音声データには、周りに人がいることが伺われる場所で、福田次官とされる人物が
「今日ね、今日ね...抱きしめていい?」
「じゃあ、浮気しないタイプなの?」
「予算通ったら浮気するか」
「いやいやいや、手を縛るか。手を縛ってあげる。胸触っていい?」
「手縛っていい?縛られていい?」
ーーと話す様子が収められている。
言われた相手の声はプライバシーに配慮して消されており、「だめです」「そういうこと本当やめてください」などの返答が文字で出ている。
続く動画では、週刊新潮の記者と思われる人物から犬の散歩中に取材で声をかけられ、
「森友の件でお忙しいところ、次官、結構夜ね、仕事で女性と飲んでると伺って...」
と話を向けられる様子が映し出されている。
最初は笑っていた福田次官は「そういう席でおっぱい触っていい?とかキスしたいという発言を(したようだが)」と向けられると、「何を失礼なことを言っているんだ。何を言っているんだ。誰がそんなことを言っているんだよ」と真顔で怒って否定する様子が動画で映し出されている。
共同通信によると、麻生太郎財務相は13日、閣議後の記者会見で、福田事務次官のセクハラ発言の報道について「事実ならアウト。今の時代では明らかにセクハラだ」と述べたという。
その上で「今の段階で処分を考えているわけではない」と改めて説明した。 
 4/14

 

財務次官のセクハラ疑惑 自ら動かない政権の鈍さ 4/14
安倍政権が掲げる「すべての女性が輝く社会づくり」に、泥を塗るような疑惑ではないか。
財務省の福田淳一事務次官が女性記者にセクハラ発言を繰り返していたと、週刊新潮が報じた。森友問題に関し質問する記者に、「浮気しよう」「触っていい?」などと露骨な性的表現を度々使ったという。被害者は複数いるとも伝えられる。
事実なら深刻だ。折しも「働き方改革」が優先政策になっている。働く人が能力を発揮できるよう取り組むべき幹部のセクハラ疑惑なのだ。
にもかかわらず麻生太郎財務相は、事実関係を調査することなく、本人からの簡単な報告だけをもとに口頭注意で済ませようとしている。安倍晋三首相も事態を重く受け止めているようには見えない。
女性の尊厳に関わる問題である。主体的に解決しようという熱意が伝わらなければ、セクハラに寛容な政権と受け取られても仕方ない。
麻生氏の国会での答弁によると、福田氏は「私的な立場でいろいろな相手と会話し、一つ一つのやりとりは定かではない」と釈明したという。果たしてそうだろうか。
記者が福田氏と会って話すのは、それが仕事だからだ。政治家を除けば省内で最高位の事務次官に取材するのは私的なやりとりではない。
麻生氏は記者会見で「(週刊誌の記事には)いつ、誰がということを一切書いていないし、合成して作っている可能性も十分にあり得る」と疑問を投げかけた。しかし、だからこそ、徹底した調査が必要なのではないか。麻生氏は一方で、「(報道が)事実ならセクハラという意味でアウト」とも述べているのである。
昨年は、女性がセクハラ被害を実名で告発する「#MeToo(私も被害者)」が世界的な現象となった。ところが日本ではなかなか広がらない。勇気を振り絞って被害を名乗り出ても、加害者は無傷ですり抜け、女性だけが不名誉な目にあったり、不合理な報復を受けたりする。そんな不安が拭えないからだろう。
首相と麻生氏は速やかに、厳格な実態調査を指揮すべきだ。被害者が発言しやすくなるような環境作りは当然である。実態把握すらしない政権に、「女性活躍」や「働き方改革」を語る資格はない。  
 4/15

 

あだ名はゴリラーマン…福田淳一“セクハラ”財務次官の評判 4/15
森友問題で財務省が大揺れの折も折、省トップの福田淳一事務次官(58)が複数の女性記者に対してセクハラ発言をしていたと大騒ぎになっている。12日発売の「週刊新潮」が報じ、ワイドショーも飛びついた。
週刊新潮によれば、福田次官は女性記者に対し「抱きしめていい?」「胸触っていい?」「手、縛っていい?」などとセクハラ発言を繰り返していたという。
麻生財務相は13日の閣議後会見で、「(報道が)事実かどうか分からないが、事実ならアウトだ」と断言。ただし、「週刊誌の話がすべて事実に適合したということは言えない」と言い、口頭注意で済ませ、事実関係の調査もしない方針だ。
ところがその直後、週刊新潮のニュースサイト「デイリー新潮」に福田次官のセクハラ発言とされる音声データが公開された。これを聞く限り、完全に「事実ならアウト」。前代未聞のセクハラ次官は一体どんな人物なのか。財務省関係者や担当記者に取材すると、意外なことに、擁護する声も上がる。
「風貌から、若手職員の間では『ゴリラーマン』と呼ばれています。普段から下ネタは多いですが、小学生が『うんこ』『ちんこ』などと言って喜んでいるのと同じで害はない。陰湿なセクハラというより、明るい下ネタオヤジのイメージです。仕事はできるし、人望もあるので、更迭となれば残念です」(財務省中堅職員)
「週刊新潮には『勉強ができた秀才タイプではない』と書かれていましたが、国家公務員試験に5番で合格し、東大在学中に司法試験にも受かった大秀才ですよ。早くから、同期の中で次官候補と目されていました。でも、本人は決してひけらかさない。『入省時の順位なんてどうでもいい』『そんな話は人にするものじゃない』と言っていましたね」(財務省OB)
福田次官と何度も飲んだことがあるという女性記者も、こう証言する。
「たしかに『抱きしめたい』とか言いますけど、口先だけで、本気で触ったり口説いたりする気はないですから。安心して会える人です。地位を利用して女性記者に関係を迫ったというような話も聞いたことがありません。2人でバーで飲んだ時も、私が店に到着したら、カウンター席で待っていた福田さんは、わざわざテーブル席に移動して、隣り合わせに座らないようにしていましたよ」
とはいえ、実際にセクハラ発言をしていたのなら、どんな言い訳も通用しない。財務省担当記者のひとりはこう言う。
「被害女性はよほど嫌だったのでしょうが、セクハラが常態化して看過できなかったのなら、記者クラブとして申し入れをするとか、会社として抗議する方法もあったと思います」
麻生大臣はいつまでかばい続けるのか。セクハラ隠蔽と見られれば、麻生自身の進退に関わってくる。 
 4/16

 

“セクハラ発言”疑惑、福田事務次官“公開音声は自分のもの” 4/16
女性記者へのセクハラ発言疑惑をめぐり、財務省の福田淳一事務次官が内部調査に対して、“公開された音声は自分のものである”と認めていることがJNNの取材でわかりました。政府・与党内からは、“早期の辞任は避けられない”という見方が強まっています。
「コメントを出しますので、それを見てください」(財務省 福田淳一 事務次官)
Q.音声が出ているがセクハラ行為(発言)はあったのか?無かったのか?
「コメントを見てください。出しますから」(財務省 福田淳一 事務次官)
Q.辞任される考えはありますか?
「コメントを見てください」(財務省 福田淳一 事務次官)
これは、先週発売された週刊新潮で、財務省の福田事務次官が女性記者に対してセクハラ発言を繰り返していたと報じられ、福田氏のものとされる音声が公開されたものです。これに対し、福田氏は16日朝、「きょう、報道に関するコメントを出す」と述べました。
JNNの取材によりますと、福田氏は財務省の内部調査に対し、“公開された音声は女性記者に対する自分の発言である”と認めていることがわかりました。
Q.(福田事務)次官更迭との報道ありましたが?
「・・・」(麻生太郎 財務相)
Q.(福田事務)次官の対応はどうされるか?
「・・・」(麻生太郎 財務相)
自民党の幹部からは「辞めざるを得ない」との声も聞かれ、政府・与党内では“福田氏の早期の辞任は避けられない”との見方が強まっています。
一方、財務省内では、森友学園をめぐる文書改ざん問題の調査が続いていることや、福田氏の後任人事の調整が難しいことから、「交代を先送りしたい」との意見もあり、福田氏を交代させる時期が今後の焦点となります。  
女性記者へのセクハラ疑惑で 福田淳一財務次官更迭へ 4/16
安倍晋三首相は15日、女性記者へのセクハラ疑惑を週刊誌で報じられた財務省の福田淳一事務次官の更迭は不可避だと判断した。財務省が森友学園への国有地払い下げをめぐる文書改竄問題の対応に追われる中、事務方トップとして指揮を執るのは不適切だとの考えを示した。麻生太郎財務相の同意が得られれば、後任の次官人事に着手する方針だ。
12日発売の週刊新潮は、福田氏が複数の女性記者にセクハラ発言をしていたと報じた。報道を受け、麻生氏は福田氏を口頭で注意したが、処分は必要ないとの認識を示していた。
ただ、週刊新潮は13日にニュースサイトで「胸触っていい?」「手縛っていい?」といった福田氏のセクハラ発言とされる音声データを公開。麻生氏は13日の記者会見で「事実ならアウトだ」と述べていた。
公明党の山口那津男代表は15日の青森市での講演で「音声や映像や文字で恥をさらけ出さないうちに、きちんと正すべきことは正すべきではないか」と福田氏を批判した。自民党幹部も「福田氏の辞任は避けられない」との考えを示した。
福田氏は昭和57年に旧大蔵省に入省。官房長や主計局長などを歴任し、昨年7月に事務次官に就任した。  
財務省 福田事務次官の聴取結果 4/16
財務省は、福田淳一事務次官に対して行った聞き取り調査の結果を16日に公表しました。全文は、以下のとおりです。
(1) 週刊誌報道・音声データにある女性記者とのやりとりの真偽
週刊誌報道では、真面目に質問をする「財務省担当の女性記者」に対して私(福田事務次官)が悪ふざけの回答をするやりとりが詳細に記載されているが、私(福田事務次官)は女性記者との間でこのようなやりとりをしたことはない。音声データによればかなり賑やかな店のようであるが、そのような店で女性記者と会食をした覚えもない。音声データからは、発言の相手がどのような人であるか、本当に女性記者なのかも全く分からない。また、冒頭からの会話の流れがどうだったか、相手の反応がどうだったのかも全く分からない。
(2) 週刊誌報道・音声データにある女性記者の心当たり
業務時間終了後、男性・女性を問わず記者と会食に行くことはあるが、そもそも私(福田事務次官)は、女性記者との間で、週刊誌報道で詳細に記載されているようなやりとり(また、音声データ及び女性記者の発言として画面に表示されたテロップで構成されるやりとり)をしたことはなく、心当たりを問われても答えようがない。
(3) 普段から音声データのような発言をしているのか
お恥ずかしい話だが、業務時間終了後、時には女性が接客をしているお店に行き、お店の女性と言葉遊びを楽しむようなことはある。また、仲間内の会話で、相手から話題を振られたりすれば、そのような反応をするかもしれない。しかしながら、女性記者に対して、その相手が不快に感じるようなセクシャル・ハラスメントに該当する発言をしたという認識はない。
(4) 週刊誌報道の4月6日の会食に関する記載の真偽
週刊誌報道は全体的に確認しようがない部分が多いが、4月6日の会食について「同席した民間企業の女性が赤面してしまうような卑猥な発言を連発」とされている点については、当該女性とともに同席していたその上司から、「そのような事実はなかったし、当該女性も同様の見解である」との連絡をいただいている。
(5) 所感
上記のとおり週刊誌報道は事実と異なるものであり、私(福田事務次官)への名誉毀損に当たることから、現在、株式会社新潮社を提訴すべく、準備を進めている。他方で、財務省が厳しい状況に陥っている中で、更に私(福田事務次官)のことでこのような報道が出てしまったこと自体が、不徳のいたすところである。国民の皆様から不信を招き、麻生財務大臣・政務二役・職員をはじめとする関係者の皆様にご迷惑をおかけしていることは、誠に申し訳なく感じている。反省の上で、麻生財務大臣からも注意いただいたように、緊張感を持って職務に取り組んでまいりたい。 
福田財務次官 セクハラ報道「事実と異なる」と否定 4/16
財務省の福田淳一事務次官が複数の女性記者に対してセクハラと受けとられる発言を繰り返していたと報じられたことについて財務省は、福田次官が「事実と異なる」と報道を否定していることを明らかにしました。財務省は、事実関係を解明するため弁護士に委託して調査すると発表しました。
財務省の福田事務次官は複数の女性記者に対し、セクハラと受け取られる発言を繰り返していたと先週、「週刊新潮」に報じられ、財務省は、16日、福田次官に行った聞き取りや今後の対応を発表しました。
まず聞き取りに対して、福田次官は、週刊誌で報じられたようなやり取りをしたことはなく、会食をしたおぼえもない、などと否定し、「報道は事実と異なるものであり、名誉毀損に当たることから提訴すべく準備を進めている」と答えています。
そのうえで自身の進退については「反省の上、緊張感を持って職務に取り組んでまいりたい」と答え、辞任する考えはないことを示しています。
一方、これに対して財務省は、聞き取りは福田次官の部下にあたる官房長が行ったことから、財務省として、客観性を担保するため弁護士に委託して福田次官への調査を続けることを発表しました。
また財務省は、福田次官への聞き取りだけでは事実関係の解明は困難だとして、財務省の記者クラブに加盟する報道各社の中で福田次官と週刊誌報道のようなやり取りをした女性記者がいれば調査に協力してほしいと要請しました。
○福田次官 昭和57年入省
福田淳一事務次官は、昭和57年に当時の大蔵省に入省し、財務省の人事や官邸との調整を行う官房長や、予算編成を取りしきる主計局長など、省内の主要ポストを歴任しました。
そして去年7月に財務官僚トップの事務次官に就任し、決裁文書の改ざん問題では内部調査や再発防止策の取りまとめなどを指揮する立場にあります。
福田次官の任命権者にあたる麻生副総理兼財務大臣は、週刊誌の報道について、先週13日、「事実ならセクハラという意味ではアウトだ」と述べていました。また「この種の話が今のこういう状況の中で出てくること自体、緊張感に欠いている」として決裁文書の改ざん問題で財務省が批判される中、緊張感が足りないと、福田次官本人に口頭で注意していました。
ただ麻生副総理は「本人の長い間の実績などを踏まえればその1点だけで能力に欠けるという話ではない」と述べて、処分などを考える必要はないという認識を示していました。
○新潮社「記事はすべて事実 見解は次号で」
財務省の福田淳一事務次官が「報道は事実と異なるものであり、名誉毀損に当たる」として提訴の準備を進めているとしているのに対し、新潮社は「記事に書いてあることはすべて事実に基づいたものです。当社としての見解は今週発売の次号でお伝えさせていただきます」とコメントしています。
○福田次官 無言のまま自宅に入る
複数の女性記者にセクハラと受け取られる発言を繰り返していたと報じられた財務省の福田淳一事務次官は、午後7時前に自宅に戻った際に、記者団の問いかけに対して無言のまま自宅に入りました。 
福田財務次官 “セクハラ発言”報道を否定 4/16
女性記者へのセクハラ発言疑惑をめぐり、財務省は福田淳一事務次官に聴取した結果を発表し、福田氏はセクハラ発言に関する週刊誌の報道内容を否定しました。先週、週刊新潮が報じた財務省の福田淳一事務次官による女性記者へのセクハラ発言疑惑。財務省は、福田氏から聴取した結果を初めて発表しました。
「私は女性記者との間で、このようなやりとりをしたことはない。そのような店で女性記者と会食をした覚えもない。音声データからは発言の相手がどのような人であるか、本当に女性記者なのかも全く分からない」(福田事務次官〔財務省の発表〕)
福田氏はセクハラ発言に関する報道内容を否定。「名誉毀損に当たることから、新潮社を提訴すべく準備を進めている」としています。
これに対し、週刊新潮はJNNの取材に「記事は全て事実に基づいたものです」とコメントしました。一方で・・・
「福田次官からの聴取だけでは、いわゆる事実関係の解明は困難ということになろうと思いますので、週刊誌記事のいう女性記者がいれば、調査への協力をお願いしないと、双方の意見に成り立ちません。向こう側(女性記者)のその方が、ハラスメントがあったということで、訴えたという話でもないみたいですし」(麻生太郎財務相)
財務省は、外部の弁護士に委託して調査を続けるとしていて、財務省を取材する報道機関の女性記者に対し、調査への協力を求めました。
政府関係者によりますと、福田氏は財務省の内部で“音声は自分のものである”と認めているということで、政府内部では「財務省はなぜ正面から否定しようとするのか」といぶかる声も出ています。激しさを増す福田氏への風当たり。
「辞めざるを得ないでしょうね」(自民党幹部)
「与党内からも厳しい声があがっている。辞任するなら早い方がいいと思う」(政府関係者)
政府・与党内からは、“福田氏の早期の辞任は避けられない”という意見が強くなっています。ただ、財務省内では、森友学園をめぐる文書改ざん問題の調査が続いていることや、後任人事の調整が難しいことを理由に“すぐに交代させることは避けたい”との思惑もあり、福田氏の進退について、政府内部で駆け引きが続いています。 
財務省、混乱に拍車 記者に調査協力依頼 4/16
財務省の福田事務次官が16日、セクハラ発言報道を真っ向から否定したことを受け、財務省は事実解明のため、報道各社の女性記者に調査協力を呼びかける異例の対応を取った。しかし、情報提供がなければ調査は「幕引き」になりかねない。文書改ざん問題に揺れる財務省の混乱は深まる一方だ。
「(新潮が公開した)音声データからは、相手が本当に女性記者なのかも分からない」「女性が接客をしている店に行き、店の女性と言葉遊びを楽しむことはある。しかし、女性記者にセクハラ発言をしたという認識はない」−−。財務省が16日公表した聞き取り調査の結果は、疑惑を全面否定する内容だった。
福田氏は、文書改ざん問題で財務省への不信感が高まる中での疑惑報道について「不徳のいたすところ」としつつも、職務続行に意欲を示し、与野党で高まる更迭論に対抗する姿勢を見せた。
財務省は顧問弁護士による調査を続け、費用も負担する。麻生太郎財務相は16日の参院決算委員会で、女性記者に調査協力を呼びかける理由について「週刊誌報道の女性記者がおられれば、協力をお願いしないと双方の意見が成り立たない」と説明した。財務省幹部も「本人が疑惑を強く否定していても、本当に被害者がいないのか調べる必要がある」と強調する。
しかし、調査の手法には批判も出ている。社民党の福島瑞穂氏は16日の参院決算委で、協力要請について「(セクハラ発言をされた)女性に対するどう喝とも受け取られかねない」と批判。「財務省が頼んだ弁護士事務所に連絡するだろうか」と、調査の中立性や女性記者への配慮のあり方に疑問を呈した。
セクハラ問題に詳しい女性共同法律事務所の雪田樹理弁護士は「福田氏が対決姿勢を示している中で、調査に協力する心理的ハードルは高い。協力の申し出がなかったとしても、福田氏の疑惑が晴れたことにはならない」と指摘する。 
財務省、異例の要請 告発の女性記者に調査協力呼びかけ 4/16
「週刊新潮」で報道された財務省の福田淳一事務次官による女性記者へのセクハラ疑惑について、16日に文書で報道内容を否定した福田氏は、出版元の提訴も辞さない強気な姿勢だ。セクハラ発言とされる音声データについては「(普段から)お店の女性と言葉遊びを楽しむことはある」と、相手が女性記者だったことを否定。一方、同省は告発した女性記者に調査協力を呼びかけるなど異例の対応を取っている。
「福田事務次官との間で週刊誌報道に示されたようなやりとりをした女性記者の方がいれば、調査への協力をお願いしたい」
財務省は16日、福田氏に対する聞き取り調査の結果を公表すると同時に、同省の記者クラブ加盟各社に対し、社内で女性記者本人に手を挙げることを呼びかけるよう文書で要請した。
官民問わず、報道機関に対して独自の取材行為の内容が明らかになるような協力要請を行うことは「取材源の秘匿」の観点から極めて異例だ。
平成18年には、民事裁判で取材源に関する証言をNHK記者が拒んだ問題で、最高裁が「報道関係者は原則として取材源に関わる証言を拒絶できる」との決定も出している。
同省は協力を得るに当たって「不利益が生じないよう、責任を持って対応させていただく」と念を押しているが、作家の佐藤優氏は「当事者の女性記者に『名乗り出ろ』というのは、やっていることが異常」と非難。立教大の服部孝章名誉教授(メディア法)も「取材源の秘匿というジャーナリズムの鉄則への理解が全くない」とし、学校法人「森友学園」に関する文書改竄問題を挙げて、「嘘を突き通してきた組織が、よくそんなことを言えるなと思う。相手の女性記者が誰かは事務次官に聞けばいい話だ」と断じた。
財務省OBで嘉悦大の高橋洋一教授は、新潮の記事で複数の女性記者が福田氏によるセクハラを告発しているとして「報道各社がセクハラを事実と認識しているなら、事実をしっかりと報じるべきだ」と指摘。財務省側の調査協力の呼びかけには「応じるべきだ」との見解を示した。
今回の問題をめぐっては、国の予算をつかさどり「最強官庁」と称される財務省の事務方トップが、女性に極めて品位のない発言をしていたことへの批判もある。セクハラ問題に詳しい大阪大大学院の牟田和恵教授は「『自分は大物』という傲慢さが根底にある」との見方だ。
福田氏は聞き取りで、発言相手が女性記者だったことを否定。その上で「普段から音声データのような発言をしているのか」との問いには、女性が接客する飲食店に行くことがあるとして、「お店の女性と言葉遊びを楽しむようなことはある」「仲間内の会話で、相手から話題を振られたりすれば、そのような反応をするかもしれない」と回答した。
「『言葉遊び』という表現は、まさしく本人の正直な思い」と牟田教授。「言葉遊び、距離感を縮めるコミュニケーションぐらいの気持ちで、相手に悪いとすら思っていないのではないか」と苦言を呈した。 
福田次官はセクハラ疑惑否定 女性記者に調査要請 4/16
財務省は16日、週刊新潮で女性記者へのセクハラ発言疑惑が報じられた福田淳一事務次官に対する聞き取り調査の結果を発表した。福田氏は「事実と異なる」と疑惑を否定し、「名誉毀損(きそん)にあたる」として新潮社を提訴すると表明。次官を続投する考えも示した。財務省は弁護士に委託して福田氏への調査を続ける方針で、同省記者クラブに加盟する報道機関の女性記者に調査への協力を求めた。
福田氏の疑惑は、12日発売の週刊新潮が報じた。福田氏が複数の女性記者にセクハラ発言を繰り返したとしており、音声データも公表した。
財務省が発表した調査結果によると、福田氏は「女性記者との間でこのようなやりとりをしたことはない」「そのような店で女性記者と会食した覚えもない」と報道を否定。今後については「緊張感を持って職務に取り組んでまいりたい」とコメントし、辞任しない考えを示した。
ただ、聴取は福田氏の部下にあたる矢野康治官房長が行ったため、財務省は客観性を担保する観点から、弁護士による調査を続けると説明。福田氏への聴取だけでは「事実解明が困難」として、記者クラブに加盟する報道各社に対し、報道されたようなやり取りをした女性記者がいれば弁護士に情報を提供するよう要請した。官庁が報道機関に調査への協力を求めるのは異例だ。
福田氏の反論について、週刊新潮編集部は「記事は全て事実に基づいたものです。財務省が本日公表した文書に対する見解は、19日発売の次号に掲載いたします」とコメントしている。 
“セクハラ疑惑” 調査の公平性 4/16
財務省の福田事務次官による女性記者への「セクハラ発言」疑惑について、16日、財務省は外部の弁護士に委託して調査を続けることを明らかにしましたが、野党側は合同ヒアリングで調査の公平性について財務省に質しました。
「この弁護士事務所は財務省の顧問弁護士、顧問契約を結んでいる事務所ではないのか」(民進党 小西洋之議員)
「こちらとは顧問契約はあります」(財務省担当者)
「ちょっと待って、財務省の顧問契約がある弁護士事務所ということでよろしいですね?そういうことですか?」(民進党 小西洋之議員)
福田事務次官の女性記者への「セクハラ発言」疑惑を巡り、16日、財務省は福田氏が報道内容を否定する聴取の結果を発表し、今後、外部の弁護士に委託し、調査を続けるとしています。
しかしその後、野党6党で行われた合同ヒアリングで、財務省側はこの弁護士事務所と財務省が顧問契約を結んでいることを明らかにしました。野党側は「財務省と顧問契約がある弁護士事務所に調査を依頼しても公正中立な調査ができるはずがない」として、財務省に質しました。
一方、財務省側はこの弁護士事務所を選んだ理由について、「役所のコンプライアンスを専門にし、この調査にあてる複数の女性弁護士がいるから」などと説明しています。 
財務省・福田次官のセクハラ否定の言い分がヒドい 4/16
本日、財務省が福田淳一事務次官のセクハラ問題に関するコメントを発表、「週刊新潮」(新潮社)4月19日号の報道を全面否定した。
周知のように、福田事務官が女性記者に「だから浮気しようね」「おっぱい触っていい?」「抱きしめていい?」といった露骨なセクハラ発言をしている事実については、「週刊新潮」が福田次官と記者のやりとりを録音した音声を公開している。
「福田次官を告発したのは、民放の複数の女性記者だといわれていますが、それ以外でも、財研(財政研究会=財務省の記者クラブ)に所属して、福田次官を取材したことのある女性記者はほとんどが同様のセクハラを受けている。これは各社経済部では有名な話です」(全国紙経済部記者)
また、「週刊新潮」はほかにももっとえげつない福田次官のセクハラ音源をもっており、次週、それを暴露する予定ともいわれている。そんな状況で全面否定とは、まるで安倍首相が乗り移ったかのような面の皮の厚さではないか。
しかも、財務省が全面否定している根拠というのがひどい。財務省は、福田次官への聴取結果として〈女性記者との間でこのようなやりとりをしたことはない〉としたうえで、〈時には女性が接待しているお店に行き、お店の女性と言葉遊びを楽しむようなことはある〉などというのである。
財務省と福田次官は「女性が接待しているお店」なら「おっぱい触っていい?」が許されるとでも思っているのか。官公庁としてはありえない女性蔑視、職業差別だが、さらに信じられないのは、財務省がこのコメントの中で〈株式会社新潮社を提訴すべく、準備を進めている〉といった恫喝まで行っていることだ。
官僚組織のトップは「公人中の公人」であり、どんなに批判を浴びても、報道に対して訴訟を振りかざすなどという行為はありえないとされてきた。ところが、安倍政権が長く続いた結果、この国の行政組織はもはや、自分たちが「国民の公僕」「公人」であることを完全に忘れ、「報道の自由」「表現の自由」なんてどうでもいい、と考えるようになったらしい。
さらに最悪なのが、財務省が〈調査への協力〉との名目で、被害女性に名乗りをあげるよう求めたことだ。コメントでは〈一方の当事者である福田事務次官からの聴取だけでは、事実関係の解明は困難〉などと建前を並べているが、実際には告発した女性記者をあぶり出そうとしているとしか思えない。
繰り返すが、福田事務次官のセクハラには音声という確たる証拠が存在するし、そもそも性被害を受けた当事者に対し加害者側が名乗りをあげろと要求するのは、被害者にさらなる苦痛を与えるセカンドレイプだ。自らの組織のトップの明らかなセクハラを放置しながら、こんな恫喝をする財務省は恥知らずと言う他ないだろう。
だが一方で、当のメディア側からも同じような発想の論調が散見される。特に政権寄りのジャーナリストや評論家のなかには「記者なら、正々堂々と名前を名乗って、告発すべきだ」などという言いがかりをつけるものも少なくない。
また、多いのが“なぜ自社で堂々と告発しないで、週刊誌にたれこんだのか”という批判だ。たとえばきょうの『とくダネ!』(フジテレビ)では、コメンテーターの為末大氏が「記者さんじゃないですか。自社で(告発報道を)出さなかった理由が知りたい。なんでわざわざ『新潮』に。自分のところで出したらこれスクープだと思うんですけど」などと発言していた。
他にも、夕刊フジ(「zakzak」4月16日)は「なぜ、女性記者はセクハラ疑惑を自社で報じなかった?」などと題して、〈女性記者の対応にも一部で疑問の声が出ている〉と報道。永田町関係者の「女性記者はどうして自社で財務次官のセクハラ発言を報じ、会社として正々堂々と財務省に抗議しなかったのか。大スクープになったのに、なぜ週刊誌に持ち込んだのか。音声が無断録音の可能性もある。今後、新潮報道の背景も注目されそうだ」なる言いがかりを書き立てている。
こいつらは“男社会”で女性が性被害を告発することの大変さをわかっているのか。しかも、マスコミの取材現場は、普通の社会以上に“男社会”であり、女性は告発することが難しい構造になっている。
永田町や霞が関、あるいは警察取材の現場では、官僚や政治家による女性記者へのセクハラが頻発しているのは公然の事実だ。たとえば最近では2016年、当時の河井克行首相補佐官が女性記者の膝をさするなどのセクハラをしていたことを「週刊文春」(文藝春秋)が報道。2010年には警視庁幹部が忘年会で女性記者の体を触って「一緒にトイレに行こう」と誘うというセクハラを「週刊現代」(講談社)が報じている。他にも1994年には「FRIDAY」(講談社)で、検察担当の複数女性記者が秋田地検の次席検事から押し倒され、胸を触られる等の性被害を告発した。
しかし、こうして表に出てくるのはごくごく一部のみであるうえ、告発の舞台のほとんどは週刊誌。新聞やテレビが報じることはない。
なぜか。それは、けっして被害者である記者のせいではない。被害者が直接、自分のメディアを使って政治家や官僚のセクハラを告発したいと考えても、会社や上司がそれを許さないからだ。記者クラブを通じて官公庁の情報を得ている新聞やテレビは、官公庁との関係悪化、報復の嫌がらせを異常に恐れる。そして、被害者である記者たちに「そんなこと告発して情報が取れなくなったらどうするんだ」「それくらい我慢しろ」と迫るのだ。なかには、公然わいせつに近いような悪質なケースでも、メディアの報道幹部と官僚機構のトップが裏取引をして握り潰してしまうこともある。
そして、記者本人にも、セクハラを告発したことで担当から異動させられたり、花形の報道現場からはずされたりするのではないか、という恐怖があり、告発には踏み切れない。
今回、「週刊新潮」が報じた福田事務次官の記者へのセクハラ問題も、同じような事情があったといわれる。
「福田次官については、複数の女性記者が告発しようとしていたのに、各社とも上層部がそれをとりあわなかったともいわれています。その情報が新潮にもれて、取材に動いた。ただ、多くの女性記者は福田次官のセクハラを認めながら、自分が特定されるのを恐れてなかなかディテールを語りたがらなかった。そんななかで、民放の女性記者二人が、勇気を振り絞って、新潮に話したという経緯のようです」(週刊誌記者)
記者へのセクハラを事実上握りつぶしてきたマスコミ幹部、そうした構造を知っているくせに“被害記者は名乗り出ろ”などと迫るメディア関係者の無神経ぶりには呆れるほかはない。
しかも、ここにきて、福田次官を告発した女性記者の所属するメディアには不穏な動きがささやかれている。
というのも、周知の通り「週刊新潮」が音声を公開した後、永田町周辺では福田事務次官が更迭されるのは時間の問題とみられていた。ところが、週明けに出てきたのは辞任会見ではなく全面否定で、さらには、どうあがいても勝てるとは思えない名誉毀損訴訟までチラつかせた。普通ではありえないことが当たり前のように行われた。
この強気は、財務省とメディア幹部の間で「女性記者にこれ以上告発させない」という手打ちが行われた結果ではないか、といわれているのだ。
もっとも、一方では、あまりに理不尽な財務省の態度に、実名告発や新しい女性記者からの告発も出てくるのではないかという噂も流れている。
どういう動きになるのかはまだ予断を許さないが、いずれにしても、財務省や応援団メディアの最低の女性差別と告発者あぶり出しの恫喝に乗っかってはならない。繰り返すが、福田事務次官のセクハラ問題は、既に決定的証拠が出てきており、実名証言など必要なく、辞任に追い込まなければならない問題なのだ。
マスコミは自分たちのセクハラや女性差別に対する姿勢が問われているということを自覚すべきだろう。 
 4/17

 

セクハラへの調査はこれでいいのか  4/17
財務省福田事務次官が、セクハラ発言をしたする報道があり、今日、財務省は、福田氏からの聴取結果として、報道のようなことはなかったと否定するコメントを文書として発表しました。それはそれで分かりました。
ただ、私が非常に違和感を覚えたのが、事実関係を財務省としてもこれから調査するというくだりの中で、「福田事務次官からの聴取だけでは、事実関係の解明は困難であることから・・財務省の記者クラブ(財政研究会)の加盟各社に対して、各社内の女性記者に以下を周知いただくよう、要請した」として、
「ー 福田事務次官との間で週刊誌報道に示されたようなやりとりをした女性記者の方がいらしゃれば、調査への協力をお願いしたいこと。ー 協力をいただける方の不利益が生じないよう、責任を持って対応させていただくこと。」と、されています。
仮に、セクハラ発言が事実だったとしても、その女性記者やその報道社が、「私です」と、財務省を向こうにまわして躊躇なく手を挙げられるものでしょうか。誰も出てこなかったら、「そんな事実は無かった」とするのでしょうか。
皆さんはどう思われるでしょうか。  
傷口広げる財務省 閣内・与党からも批判続出 4/17
財務省の福田淳一事務次官のセクハラ疑惑をめぐり、麻生太郎副総理兼財務相は17日、被害を受けた女性記者が名乗り出るよう改めて求めた。これに対し、財務省の顧問弁護士に説明しない限りセクハラの事実を認定しない態度は被害女性への配慮に欠けるとして、政府・与党からも激しい批判が続出した。福田氏更迭を先送りするような財務省の姿勢は、かえって問題の傷口を広げている。
「信なくば立たず。国民の信頼を得るために、行政のトップである私自身が一つ一つの問題に責任を持って必ず全容を解明し、膿(うみ)を出し切っていく決意だ」
安倍晋三首相は17日、訪米に先立ち首相官邸で記者団の取材に応じ、相次ぐ不祥事に責任を持って対処する考えを強調した。
野田聖子総務相は記者会見で、財務省が顧問弁護士に被害女性が訴えるよう求めたことについて「違和感がある。(被害女性が)加害者の関係者に話をしにいくというのは普通ではできない」と述べ、保護すべきは福田氏よりも女性記者だと訴えた。
自民党の二階俊博幹事長も記者会見で「(国会審議で)最もリーダーシップを発揮すべき財務省が弁解に終始しなければならない。大いに反省してもらいたい」と批判を強めた。
同党の吉田博美参院幹事長は都内で開いた自身の政治資金パーティーで、首相に関して「最高の長所は人を、友人を大事にする。最大の欠点はその人たちをかばいきる」と評し、「ダメはダメと言って明快にすることも今こそ大事なときだ」と語った。
公明党では、支持母体の創価学会の婦人部を中心に、財務省の対応に強い批判が起きているという。山口那津男代表は記者会見で「福田氏を含め、政府や財務省として、誠実に説明責任を尽くしてほしい」とクギを刺した。
官邸サイドは、強気を崩さない麻生氏とのはざまで対応に苦慮している。菅氏は記者会見で「財務省で事実関係を解明する調査を進め、任命権者の財務相が必要な対応を行うと考えている」と述べるにとどめた。
政府・与党は、17日に訪米した安倍首相とトランプ米大統領との首脳会談などをきっかけに、守勢が目立つ国会情勢を転換したいと考えていた。しかし、セクハラ疑惑については事実関係の有無を超えて財務省の態度そのものへの批判となっており、影響は首相の帰国後も尾を引きそうだ。 
財務省セクハラ否定 女性記者に調査協力要請という“恫喝” 4/17
女性記者へのセクハラ疑惑の渦中にある財務省の福田淳一事務次官(58)が全面否定した。疑惑を報じた週刊新潮は先週金曜(13日)、福田次官の声とされる音声データを公開。与党内でもアウトと思われていたので驚きの声が上がっているが、財務省は次官をかばうだけでなく、記者クラブメディアに対し“恫喝”の逆襲に出たから唖然だ。
週刊新潮によれば、福田次官は女性記者に対し「抱きしめていい?」「胸触っていい?」「手、縛っていい?」などとセクハラ発言を繰り返していたという。 音声データでも、ガヤガヤした店内ながらそうした発言が聞き取れる。さすがに与党でも「もうもたない」(自民党幹部)、「対応は早い方がいい」(公明党幹部)と辞任やむなしの空気だった。
ところが16日昼すぎ財務省は、福田次官が「女性記者とこのようなやりとりをしたことはない」などと調査に答えたとする文書を発表。「名誉毀損にあたるとして、新潮社を提訴すべく準備を進めている」と全面対決まで示唆した。
さらに驚愕したのは、財務省が外部の弁護士に委託して調査を続けるとした上で、記者クラブ加盟各社の女性記者に対し、「協力」を要請したことだ。「一方の当事者である福田次官からの聴取だけでは、事実関係の解明は困難」だとして、新潮報道のようなやりとりをしたことのある女性記者がいれば、不利益は生じさせないから外部の弁護士に連絡して欲しい、というのである。「第三者による調査」や「協力」とは聞こえがいいが、実態は「セクハラを受けたというのなら名乗り出ろ」という恫喝じゃないのか。
麻生財務相はこうした対応について、「弁護士が客観的に対処する」から適切だと、この日の参院決算委員会で発言していたが、詭弁だ。外部といっても財務省の顧問弁護士のうえ、女性記者が名乗り出られないのを見越しての対応なのは間違いない。現役記者のひとりがこう言う。
「記者クラブでは、夜討ちや夜回りの話は漏らさないのがルール。今回、どこかの社の女性記者がそれを破って週刊誌にリークした。しかし、調査に協力なんて無理ですよ。リークした社は、『出入り禁止』にされ、財務省の取材ができなくなる」
安倍政権にすっかり手なずけられた大メディアだが、ここ最近はモリカケ問題で次々新事実を発掘、安倍官邸や財務省は劣勢だ。今回の恫喝は、そうした大メディアの反安倍姿勢を抑える効果も狙っているのだろう。
元NHK政治部記者で評論家の川崎泰資氏がこう言う。 
「これは明らかな脅しですよ。女性記者は会社を辞める覚悟を決めなければ名乗り出るのは難しい。会社側は官邸や財務省の顔色をうかがって『黙っていろ』と止めるでしょう。それが分かったうえで財務省は記者クラブ加盟各社の足元を見ている。本来、各社はタッグを組んで『これは脅しになりませんか』と正式に抗議すべき由々しき事態なのにだらしがない。安倍恐怖政治がここまで来たことも記事にすべきです」
ここまでナメられて大メディアは黙っているのか。 
「福田次官に人権ないのか」セクハラ疑惑に麻生大臣 4/17
財務省の福田事務次官のセクハラ疑惑について、麻生財務大臣は被害女性が名乗り出なければ事実の解明は難しいとの認識を示しました。
麻生財務大臣:「(Q.財務省と顧問契約を結ぶ弁護士に依頼しているが、今後の調査に公平性に欠けるのでは?)名乗り出やすいようにこちら側も財務省でやらず、弁護士をということで女性の弁護士を入れて、そういった対応をさせて頂いている」「(Q.女性が名乗り出なければ事実の認定しない?)一方的では取り扱いのしようがない。本人が申し出てこなければどうしようもない」「(Q.この場合はセクハラと名乗り出にくい事情があるわけですが)こちら側も言われている人の立場も考えないと。福田の人権はなしってわけですか」「(Q.日時はほぼ特定できているから、どういう店に行ったかを本人に聞き取りすればできるじゃないですか?)財務省がやった話だからと言われる可能性が。だから第三者に」
ただ、麻生大臣は音声について「福田次官であるかなって気がした」とも述べました。一方、福田次官は17日朝、記者団の質問に終始、無言でした。
福田事務次官:「(Q.呼び出すことは時間稼ぎとの批判がありますが?)…」「(Q.女性側に名乗り出るよう申し出るのはパワハラではないでしょうか?ご自身の説明があいまいなまま、女性に求めるのはアンフェアではないでしょうか?自分の声は分からないのでしょうか?自分の声については否定されないのでしょうか?お答え下さい)…」  
セクハラ次官の「人権」持ち出しかばった麻生太郎財相 4/17
財務省が、福田淳一事務次官のセクハラ問題について、被害者である女性に名乗り出ろと恫喝するようなあり得ないコメントを発表し、大きな批判を浴びている。おおよそ近代民主主義国家の官公庁とは思えない人権意識のなさには、唖然とさせられたが、その親分である麻生太郎財務相もまったく反省の様子はなく、きょうも記者団の取材に対し「女性が名乗り出なければ事実の解明は難しい」などと強弁。あげく「財務省の顧問弁護士による調査は公平性に欠けるのでは」「セクハラと名乗り出にくいのでは」などと問われると、逆ギレしてこう述べたのだ。
「こちら側も言われている人の立場も考えないと。福田の人権はなしってわけですか」
被害者女性の人権など一顧だにせずに、セクハラ・パワハラ加害者である日本の官僚トップの人権を考えろなどと言うのだから、その“人権感覚”には呆れ果てるしかない。
しかし、それもある意味、当然かもしれない。というのも、麻生財務相は男社会・永田町のなかでも、群を抜いた女性差別主義者だからだ。いまネット上では「FRaU」(講談社)2008年5月号に掲載された麻生氏の「仕事ができるということをアピールしすぎ」といった発言が女性蔑視的だと話題になっているのだが、この政治家の「女性の人権否定」はそんなレベルではない。
たとえば2006年の講演会で、女性の性被害についてこんな発言をしている。
「夜、日比谷公園で女が一人で歩いている。考えられない。しかもそこそこの顔をしているやつでも襲われない。この国はやたら治安が良いんだ」
いったいどこからツッコめばいいのかと言いたくなるが、ようは、女性が夜に一人で歩いていたら襲われても当然、顔がいい女性ほど襲われる、と言っているようなもの。これでは、福田次官のセクハラなどセクハラのうちじゃないくらいに思っていても不思議ではない。あれだけ決定的な証拠を突きつけられても更迭しないのも、結局は性暴力やセクハラに対する問題意識が根本的に欠如しているからなのだろう。
また2009年には国会で「私は43で結婚してちゃんと子どもが2人いましたから、一応最低限の義務は果たしたことになるのかもしれない」と、“子どもは2人産むのが義務”と発言。その後撤回したが、「女性は子どもを産む機械」(柳澤伯夫)同様、女は子を産んで当然だと考えていることがありありとわかる。
そして極めつけはこの発言だろう。
「東京で美濃部革新都政が誕生したのは婦人が美濃部スマイルに投票したのであって、婦人に参政権を与えたのが最大の失敗だった」
1983年の高知県議選の応援演説で言い放ったひと言だが、「女性に参政権を与えたのが失敗」って、麻生氏の本音がいかなるものか実によくわかる。「与えた」という上から目線もいかにも麻生氏らしく「お前に与えてもらったわけではない」というのは声を大にして言っておきたいが、ようするに「女性に人権などいらない」と言っているのだ。
このような人権感覚でよく「福田の人権はなしってわけですか」などと言えるものだと思うが、これも安倍政権お得意の詐術だ。自分たち権力が追及を受けたときだけ人権をもち出す、例のアレである。
先日本サイトでは、安倍首相が「左翼は人権侵害が平気」と述べた発言を紹介したが、連中はこういうときだけ自分たちの人権をがなりたてながら、弱者の人権を踏みにじるような政策や発言をくり返してきたのだ。
とくに麻生は、女性だけでなく、高齢者、難民、病人などあらゆる弱者の人権を踏みにじる発言をくり返している。こんな連中にこれ以上政権を任せていたら、人権も利権もオトモダチだけのもので、「下々の者に人権を与えたのが最大の失敗だった」と言い出すのも時間の問題だろう。 
財務次官セクハラ発言疑惑、“調査手法”に批判続出 4/17
17日朝、記者からの質問に口を閉ざし、説明を避け続けた福田事務次官。週刊新潮が報じたセクハラ疑惑に対する財務省の対応に批判が集まっています。
「私は女性記者との間で、このようなやりとりをしたことはない。音声データからは、発言の相手がどのような人であるか、本当に女性記者なのかも、全く分からない」(福田事務次官【財務省の発表】)
福田氏は16日、女性記者へのセクハラ発言に関する報道内容を否定。その上で、財務省は報道各社の女性記者に対し、“異例の要請”をしたのです。
Q.女性記者が名乗り出なければ事実の認定はしないということですか?
「一方的な訴えを、どうしても取り扱いのしようがない。私どもとしては少なくとも、第三者の弁護士を入れて、その弁護士も女性の人を入れて言いやすい状況にしてやって、(被害を受けたとされる)本人が申し出てこなければ、そんなもん、どうしようもないですね」(麻生太郎 財務相)
Q.女性が名乗り出ないと調査が進まないというのが理解できないが?
「声が出てこないかぎりは、その声の福田次官と対話をしているわけだからね。だってそうでしょ、福田が答えてしゃべっているわけだから。そのしゃべっている相手側の人の声が記者なんでしょ」(麻生太郎 財務相)
“被害を受けたとされる女性記者が名乗りでなければセクハラ発言を認定するのは難しい”との認識を示した麻生財務大臣。
Q.この場合はセクハラっていう名乗り出にくい事情があるわけですよね?
「こちら側も言われている人の立場も、考えてやらないといけない。福田の人権は無しってわけですか?」(麻生太郎 財務相)
ただ、こうした財務省の対応に政府・与党からも批判が噴出しました。
「セクハラの被害者の方は、そのこと自身、家族にも相談できないのが現実です。被害者の立場に立てば(名乗り出ることは)高いハードルであることを、ぜひ財務省の方にも、ご理解いただきたい」(野田聖子 総務相)
「財務省が先頭に立って、こんな問題に関わり合いを持って、弁解に終始しなければいけないことは、私は大いに反省してもらいたい」(自民党 二階俊博 幹事長)
さらに、財務省がセクハラ疑惑の調査を委託した外部の弁護士が、実は財務省の顧問弁護士であったことから公平性も疑問視されていました。
Q.文句があったら自分たちが指定した弁護士事務所に来ないかぎり、事実と認めないということですよね?
「事実と認めるような方法というのは、相手側の音声が聞こえないかぎりは、ただ消してありますからね音声は。聞いたんだろ?」(麻生太郎 財務相)
Q.聞いてますけど、明らかに福田さんの声ですよ
「相手側の女性の声が知りたい」(麻生太郎 財務相)
Q.相手方の声を出したら、誰か分かってしまうから、隠すのは当然じゃないですか?
「そのことに関してはこちら側も公平性を聞くために、弁護士事務所を使って、弁護士にやってくださいと」(麻生太郎 財務相)
Q.主張が対立していて、片方の当事者がその仲裁役を選ぶというのは、公正性に欠けるのではないか?
「どうすればいいってわけ?公募しろってわけですか?具体的なこと言え」(麻生太郎 財務相)
こうした対応に街の人は・・・
「女の子として、そういうの(セクハラ)を1回経験すると、すごくトラウマになる。やられた方が名乗り出るのも、怖くて無理なんじゃないか」(女性)
「女性としては納得いかない。勇気を持って名乗り出ることができない。それを狙っているのかもしれない」(女性)
「海外の方が(男女は)完全に同等じゃないですか。“#MeToo”というのもアメリカである。ああいう運動も後押しになるんじゃないか」(女性)
その海外からも厳しい視線が注がれています。
「日本では政府がセクハラ被害の報告を真剣に受け止めないのではないかという、共通認識がある」(ウォールストリート・ジャーナル)
「安倍総理大臣は、女性の社会進出を推し進める『ウーマノミクス』を推進しているが、日本の企業や組織には性に対する意識の低さが根強い」(ロイター通信)
セクハラ発言はあったのか、なかったのか。福田氏のものとされる音声を実際に聞いた麻生大臣は・・・
「俺は(音声を)聞いたよ、福田じゃないかという感じしたよ、俺はね」(麻生太郎 財務相)
音声は福田氏の声のように聞こえたとの認識を示しました。
一方、野党側は問題の音声について財務省が調査をしないのか迫りましたが・・・
「本人が自分の音声かどうか分かるでしょう」(希望の党 柚木道義 衆院議員)
「具体的な調査のやり方は、まさに法律事務所が専門なので」(財務省側)
財務省は具体的な調査は法律事務所に任せていると述べるにとどめました。
「論外だよな。世間からどう見られているのか分かってないよ。女性を敵に回すよ」(自民党 中堅幹部)
「財務省も自信があるのだろう」(自民党 閣僚経験者)
与党内には後半国会の最重要法案である「働き方改革関連法案」など重要法案の日程も悪影響を及ぼすと心配の声も上がっています。 
女性記者限定の飲み会、セクハラに関心薄い社内 4/17
 財務省次官のセクハラ報道が起きる背景とは
財務省の福田淳一事務次官による女性記者へのセクハラ報道を受け、4月16日、財務省は事実関係を全面的に否定する福田氏のコメントとセクハラ被害を受けた女性記者に名乗り出て調査に協力するよう呼びかける文書をホームページに公開した。
福田氏の言い分を代弁するかのような報告書を作る財務省が、被害女性に名乗り出るように呼びかける調査手法の歪(いびつ)さを指摘する声が、政府内や識者からも続出している。一方で、官僚や政治家、経営者たちを取材する女性記者が、同様のセクハラに遭う事態は「珍しくない」という声が女性記者の間で起こっている。
発端は4月12日発売の週刊新潮が、福田氏が女性記者に飲食店で「おっぱい触っていい?」などセクハラ発言を繰り返したと報じ、翌13日には福田氏とされる音声データをネット上に公開したことだ。
今回発表された財務省の調査結果によると、福田氏は「女性記者との間でこのようなやりとりをしたことはない」「会食をした覚えもない」「セクシャル・ハラスメントに該当する発言をしたという認識はない」と強い言葉で報道内容を否定した上で、辞任する考えがないことも明らかにした。
さらに「福田事務次官からの聴取だけでは、事実関係の解明は困難」とし、記者クラブ加盟社には、「各社内の女性記者の方々に以下を周知いただくよう、お願いいたします」と以下3項目を呼びかけた。
○福田事務次官との間で週刊誌報道に示されたようなやりとりをした 女性記者の方がいらっしゃれば、調査への協力をお願いしたいこと。
○協力いただける方に不利益が生じないよう、責任を持って対応させていただくこと。
○対応は下記弁護士事務所に委託しており、調査に協力いただける場合は、下記事務所に直接連絡いただきたいこと。
調査の委託先は財務省の顧問弁護士の事務所だ。匿名でセクハラ被害を告発した女性に、財務省と関係のある弁護士事務所に「名乗り出よ」と言わんばかり対応には、多くの疑問の声が上がっている。
「相当やり方に違和感がある。女性のセクシュアルハラスメントの被害は、それをなかなか訴えられないということもセクシュアルハラスメントの問題の一つ。「自分だったら(被害者だと名乗りでることが)できる?」という話ですよね。私も何か考えていかないといけないと思っている」(野田聖子総務相/朝日新聞4月16日)
「(女性記者が)出て来られないだろうと思ってやっているとしか思えない。セクハラ対応の大原則は被害者保護だ。政府がやったこと自体がセカンドレイプになると思うし、はっきり言って恫喝(どうかつ)だ」(小池晃共産党書記局長/朝日新聞4月16日)
セクハラ問題に詳しい横山幸子弁護士も、今回の財務省の対応は一方的すぎるという。
「今回のケースで女性記者が福田さんに処罰を与えたければ、裁判を起こし音声データを全て公開するなどの必要が出てくるでしょう。セクハラの裁判は被害者が大きな誹謗中傷を受けますし、本当に負担が大きい。そうはしたくないからこのような方法を取ったんでしょうが、それを逆手に取ったかのように財務省という国の組織が、匿名で告発した女性に『名乗り出よ』と呼びかけるなんてあまりにもひどい。セクハラは対等な関係ではなく圧倒的な力関係のもとに起きますが、財務省の対応はそれを象徴しています。自分たちの権力に無自覚すぎる。女性記者の調査はすべて弁護士に委託するそうですが、客観性が担保されるのか、本当に女性に不利益がないのかも疑問です」
女性記者への調査協力依頼は記者クラブの加盟社に宛てたもので、財務省のホームページに掲載しなくとも配布ルートはある。事務次官の聴取結果と合わせて省庁のホームページに公開した意図は何なのか。Business Inside Japanでは、その背景を財務省に聞いているが、まだ返答はない。
そもそもセクハラの認識について、福田氏や財務省の認識に不安もある。福田氏は「女性が接客をしているお店に行き、お店の女性と言葉遊びを楽しむようなことはある」としている。
「音声データを聞く限り、明らかなセクハラ発言です。しかも女性が『だめです』『やめてください』と拒絶しているのに言葉を重ねている。セクハラを『言葉遊び』というのは問題の矮小化ですし、ある種の接客業の女性に対してはそのような発言も許されると取られかねない発言で、大きな問題だと思います」(横山さん)
セクハラが被害者の告発によって可視化されたとき、今回のように告発された側が「名誉毀損」を理由に訴訟を起こすと言ったり、被害者(告発者)探しを始めるのは一般企業でも行政組織でもよくあるという。告発された側は自身のダメージを最小限に抑えるために被害者を脅したり懐柔したりさまざまな方法をとるが、最も多いのは加害者サイドやその周辺人物からの人格攻撃だ。
横山さんが過去に担当した地方自治体職員のセクハラ裁判でも、「普段から仕事をサボっていた」「エッチな漫画を読んでいた」など被害者女性が不利になるような証言をした人が多かったという。
「報道機関に対する圧力だと思っていますよ」
財務省担当の報道機関の記者は、セクハラ疑惑の張本人である福田氏が組織のトップを務める財務省が、(報道関係者であるとされる)被害者への協力を呼びかける構図に付いて、そう話す。
現在、福田氏のセクハラ疑惑について、財務省幹部は一様に口を閉ざしているという。「はめられたのではないか」(財務省幹部)と口にする幹部も出るなど、省内がピリピリする中で、告発した女性を追及するかのような財務省の出方は、異様でもある。
財務省担当経験のある別の記者は「今回の報道は、誰も驚かない」と、福田事務次官周辺では普段から、セクハラがらみで“グレーゾーン”の言動が見られたことをほのめかす。
「財務省に限らず、霞が関の省庁幹部が女性記者だけを飲み会に呼ぶなど、セクハラまがいのことは取材現場で珍しくもない。かえって男性差別ではという話も出ます」
今回のセクハラ疑惑の告発者が、大手報道機関に所属する女性記者だったとしたら、なぜ自社で報道しなかったのか。また、なぜ週刊誌に告発するのでなく、会社として抗議しなかったのか、という疑問を持つ人も多いだろう。
「新聞社やテレビ局は完全な男性組織。セクハラや性被害の問題について、そもそも上司の関心が薄いというのもありますし、女性記者自身も、自分が告発したことが明るみに出ると、今後取材できなくなるのではという恐怖心もあると思います」
全国紙の30代女性記者はそう話す。
そもそも記者会見など“公式”の取材ルートでは聞けない話にこそ、官僚の本音やニュースの本質が潜んでいることが多い。記者たちはできるだけ“真実”に迫ろうと、1対1で話を聞く機会を狙う。夜討ち朝駆けのような取材手法もその中で生まれたものだ。
だが、そうした取材はどうしても「2人きり」の状態を生むことになる。女性記者の場合、それを避けていれば、より深い取材ができないのも事実で、セクハラが起きやすい仕事環境に晒されているという構造的な問題もある。
女性記者の告発を周囲や社会がどう受け止めるか、私たちも問われている。 
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記者クラブ抗議文 4/18
 「名乗り出た場合、本人に不利益が生じる二次被害につながる懸念が消えない」
週刊新潮が報じた財務省の福田淳一事務次官による女性記者へのセクハラ疑惑をめぐり、財務省が報道各社の担当女性記者に異例の調査協力を求めている問題で、同省を担当する新聞社やテレビ局などの記者が所属する記者クラブ「財政研究会」(略称・財研)は18日、調査協力について「受け入れられない」とする抗議文を同省に提出した。抗議文の全文は以下の通り。

平成30年4月18日
財務大臣 麻生太郎殿   財務省大臣官房長 矢野康治殿
    財政研究会
「福田事務次官に関する報道に係る調査への協力のお願い」について
4月16日、財務省大臣官房長名で財政研究会加盟各社に要請された福田淳一事務次官のセクハラ疑惑に関する調査への協力について、財政研究会としては下記の理由により、受け入れられず、財務省に対し抗議する
一、財務省は、調査を外部の弁護士に委託し、「不利益が生じないよう責任を持って対応させて頂く」としているが、弁護士事務所は財務省の顧問を務める事務所であり、被害女性のプライバシーや取材記者としての立場がどのように守られるのかが明確でない
一、そうした状況に加え、事実関係を否定して訴訟準備を進める福田次官の主張が公表されているなかで、被害女性が名乗り出ることは大きな心理的負担となり、さらには、名乗り出た場合、本人に不利益が生じる二次被害につながる懸念が消えない
一、記者は取材過程や取材源の秘匿が職業倫理上求められており、財務省の調査協力要請はそうしたことへの配慮に欠けているといわざるを得ない
一、福田次官はこれまで記者会見を開いていない上、財務省の調査も福田次官の部下である官房長による聞き取り結果が公表されているだけで、十分な調査を実施したのかどうか明確でない。このような状況で、一方的に求められた調査を受け入れれば、被害女性が名乗り出ないことをもって事実関係が曖昧になりかねない
一、説明責任を果たすため、早期に福田次官の記者会見を開くよう要請する 
財務省「福田次官」セクハラ現場はここ “好きだから情報を……” 4/18
「週刊新潮」先週号が報じた財務省トップ・福田淳一事務次官のセクハラ発言。4月16日、次官および財務省は全面否定のコメントを発表したが、本誌は、以下のような発言も確認している。

今回紹介するセクハラの舞台となったのは、東京・品川区の目黒駅にほど近い「ロゼッタ」という店。財務省はコメントで〈女性が接客をしているお店に行き、お店の女性と言葉遊びを楽しむようなことはある〉としたが、れっきとしたワインバルでの模様である。
なお、前回の音声と併せて報じたセクハラは今春のものだが、こちらは2016年11月。現在、店はオーナーが代わり、店名も変わっている。福田次官の肩書も当時は「主計局長」で、セクハラ発言が昨日今日だけのものではないことが分かるはずだ。
その頃の福田主計局長は、公共放送に不満をお持ちだったようで、
福田 テレビなんか見たくないよ。NHKも下らないじゃ〜ん。左翼的で。
記者 う〜〜ん……まぁ……でもNスぺとか……。
福田 (割り込んで)すいません、キスしたいんですけどぉ……。
記者 ダメです。
また、以下のようなやりとりを、財務省がいうところの〈お店の女性〉とするだろうか。
福田 俺、新聞記者だったらいい記者だったと思うよ。
記者 うんうん、そうじゃないですか、絶対。
福田 キスする?
記者 え、キスする記者に、いい情報あげようなんて、あんま思わない。
福田 いや思うよ〜。
記者 えぇー!? 本当ですか!?
福田 いやいや、好きだからキスしたいんだよ。いやいや、キスは……。好きだからキスしたい。好きだから情報を……。
相手が「記者」であることを前提に、会話が展開されていることは明白である。
4月19日発売の「週刊新潮」では、セクハラ福田次官の続報を掲載。「何カップ?」といった新たな発言を紹介するほか、“嫌なら男の記者に替えれば”と言い放つ麻生財務相についても報じる。 
菅義偉官房長官、G20会議「財務相の出席必要」 4/18
菅義偉官房長官は18日の記者会見で、野党が財務省の福田淳一事務次官のセクハラ疑惑を理由に麻生太郎財務相の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議への出席に反対していることについて「日本は2019年のG20議長国であり、ぜひとも大臣が出席し、次期議長国の責任を果たす必要がある」と述べた。会議は19日から米ワシントンで開催される。
菅氏は会議について「不安定な国際金融市場や通商政策面のさまざまな動きなど、国際情勢が大きく動く中、各国と連携し、日本としての考え方を発信する重要な会合」と指摘した。
そのうえで「国会の理解が得られるように、政府として会議の重要性と出席の必要性を説明していきたい」と強調した。 
次官自ら説明は調査後 麻生氏、対応適切と強調 4/18
麻生太郎財務相は18日、セクハラ疑惑が報じられた福田淳一財務事務次官が自ら対外的に説明するのは、弁護士による調査後になるとの認識を示した。衆院財務金融委員会で「きちんとした調査をした上で、福田(次官)から当然説明させていただくことになろうと思う」と述べた。弁護士に調査を委ねた今回の対応は適切だと強調した。
疑惑をめぐっては自民党の二階俊博、公明党の井上義久両幹事長が同日会談し、福田氏が説明責任を早く果たすべきだとの考えで一致しており、同省と与党の認識のずれが目立っている。
麻生氏は、調査は被害者に当然配慮するとした上で「週刊誌には(被害を)言っても、守秘義務を守る弁護士には言えないという話はちょっとよく理解できない」と、対応の正当性を主張。被害者側の証言がなければセクハラ認定は難しいと改めて語った。希望の党の柚木道義氏、立憲民主党の尾辻かな子氏への答弁。  
自公幹事長、次官本人の説明責任求める 4/18
自民党の二階俊博、公明党の井上義久両幹事長は18日午前、東京都内のホテルで会談した。財務省の福田淳一事務次官の女性記者へのセクハラ疑惑をめぐり、福田氏本人がさらに説明責任を果たす努力をすべきだとの考えで一致した。財務省に対し、女性側の人権に十分配慮しながら速やかに調査を進め、疑惑の真偽を明らかにするよう求める方針も確認した。
また、学校法人「加計学園」の獣医学部新設や自衛隊の日報なども含めて政府の問題が噴出している状況について「国会の議論を通してうみを出し切り、政府が国民に信頼される状況に1日も早く戻すことが大事だ」との認識を共有した。
公明党の山口那津男代表は18日午前の党会合で「信頼回復のため政府・与党で結束する。『民意を恐れよ』としっかり胸に刻みながら謙虚に誠実にしっかり対応していきたい」と語った。 
財務省のセクハラ疑惑反論 「名乗り出て」はお門違い 4/18
財務省が福田淳一事務次官のセクハラ疑惑に関する事実上の反論書を公表した。週刊誌報道を否定し、出版社を名誉毀損(きそん)で訴えるという福田氏の主張を詳細に列挙する一方、事実解明のための「協力要請」と称して、セクハラを受けた女性記者に名乗り出るよう呼びかけている。
福田氏を聴取したのは部下の官房長だ。公表された内容は、福田氏の一方的な言い分を並べたにすぎない。しかも今後の聴取は、財務省の顧問弁護士が引き継ぐという。セクハラ疑惑は福田氏個人の資質の問題である。組織防衛と混同するのはおかしい。
女性記者からの訴えを受け付けるのも、役所の顧問弁護士だ。「客観性を担保する外部」の中立的な立場とは言えない。セクハラ問題は調査に繊細な配慮を要する。まだ事実関係がはっきりしないにせよ、このやり方では、官庁の権力を背にした一方的な印象を拭えない。
野田聖子総務相は閣議後の記者会見で「家族にも言いづらい話で、相手方に話をするのは私個人でも難しい」と述べた。与党内からも同様の批判が出ている。
ところが、麻生太郎副総理兼財務相は「じゃあ、どうすればいいんですか」と開き直った。一方で「(公開された音声は)福田かなという感じはした」などとも述べた。疑惑報道の直後は「十分な反省があったので、それ以上聞くつもりはない」と突っぱねていた。発言も対処方針も支離滅裂で、もはや役所を統率できているのか疑わしい。
反論書は、およそ官庁文書にふさわしくない内容である。森友問題の公文書改ざんに伴う懲戒処分と人事異動のタイミングを見計らい、セクハラ問題はその中でうやむやにしようと時間稼ぎするつもりなのではないかとすら思わせる。
内閣支持率の急落で政界はざわついている。安倍晋三首相も麻生氏もそれぞれの保身を優先し、疑惑解明のための指導力を発揮できなくなっているのではないか。財務省の非常識な対応も、政治家の無責任さを見透かしている表れだろう。
財務省が「官庁の中の官庁」と呼ばれたのは、権力に見合うモラルを伴っていればこそであった。今日の体たらくは嘆かわしい。  
財務省のセクハラ調査に新聞労連が声明 4/18
週刊新潮が報じた、福田淳一・財務事務次官が女性記者に対してセクハラ発言を繰り返していたとされる問題。財務省の対応や麻生太郎財務相の発言を受け、全国の新聞社が加盟する日本新聞労働組合連合(新聞労連)が4月18日、「セクハラが人権侵害だとの認識が欠如していると言わざるを得ない」と強く抗議する声明を出した。福田次官は18日、辞意を表明した。
○麻生大臣「被害者が申し出てこないと」
週刊新潮の報道を受け、財務省は16日、「このようなやりとりをしたことはない」とセクハラを否定する福田氏への聴取結果とともに、被害を受けた女性記者に情報提供を求める異例の呼びかけを発表。
翌17日には麻生大臣が、「(被害を受けた女性記者が)申し出てこないと、どうしようもない」と話し、記者が財務省の顧問弁護士が担う調査に協力しない限り、セクハラを事実と認定できないという考えを示していた。
また、18日の衆議院財務金融委員会で麻生大臣は「福田次官の報じられているセクハラに関するやりとりをしたかどうかは、肯定も否定もしていません」と述べた。
財務省の調査については「人事院のセクシュアルハラスメントに関する資料の内容に沿って、そのマニュアル通りにきちっとした対応をしている。匿名でいいと文書にも書いている。協力を依頼しているのであって、圧力に感じるものなのか」と繰り返した。
○「被害者への恫喝」「報道機関に対する攻撃」
こうした麻生大臣と財務省の姿勢に対し、新聞労連は声明で「セクハラは圧倒的な力関係の差がある状況で起きることを理解しているとも思えない」と厳しく批判。
財務省が、省の顧問弁護士に被害者本人が名乗り出るよう求めていることは「被害者への恫喝であると同時に、報道機関に対する圧力、攻撃にほかならない」とし、被害者保護のために早急に対応を改めるよう求めた。
また、安倍政権が「女性活躍」を掲げるのであれば、首相官邸が事情聴取を行い、全省庁においてセクハラ事案がないか徹底調査すべきだと主張。
福田財務事務次官には、「あなたは本当に女性記者の尊厳を傷つける発言をしたことはないと断言できるのか」と問いかけた。
さらに、声明はセクハラを容認するような取材活動を続けてきた報道各社に対する厳しい言葉で結ばれている。
多くの女性記者が取材先との関係悪化を恐れるあまり、我慢を強いられてきたことにも触れ、「『事を荒立てるな』『適当にうまくやれ』など記者に忍耐を強いる指示や黙認は、セクハラを容認しているのと同じ」と批判。
「こうした状況はもう終わりにしなければならない」「会社は記者の人権や働く環境を守るため、速やかに毅然とした対応を取るべきだ」と結んだ。
○記者クラブと民放労連も抗議
新聞労連に続いて、財務省の記者クラブとテレビ局の労組で作る日本民間放送労働組合連合会(民放労連)も18日午後、抗議声明を発表した。
NHKによると、財務省の記者クラブ「財政研究会」は、被害女性のプライバシーや記者としての立場が守られるのかが明確ではなく、二次被害につながる恐れがあると主張した。
民放労連は、財務省による調査協力の呼びかけは、「記者に求められる取材源の秘匿の観点からも到底応じられるものではない」と抗議し、「一連の政府の対応を見ると『女性の人権』を軽んじているようにしか見えない」と批判。
また、報道各社に徹底したセクハラ問題への対策を要求し、今回の問題を受けて「『現場に女性を出すな』といった安易な対応は、取ってはならない」と訴えた。
○新聞労連の声明「『セクハラは人権侵害』財務省は認識せよ」 (全文は以下の通り)
女性記者に対する財務省・福田淳一事務次官のセクシャルハラスメント疑惑に関し、麻生太郎財務相や同省の一連の対応は、セクハラが人権侵害だとの認識が欠如していると言わざるを得ない。
セクハラは、圧倒的な力関係の差がある状況で起きることを理解しているとも思えない。新聞労連は同省の対応に強く抗議するとともに、被害者保護のため早急に対応を改めるよう求める。
週刊新潮が福田次官のセクハラ疑惑を報じた際、麻生財務相が当初、事実関係の調査や処分はしない方針を示したことは、セクハラが人権侵害であるという基本を理解していない表れだ。
その後、音声データが出てから調査に踏み切ったのは遅きに失しており、国際的にみても恥ずかしい対応であり、看過できない。セクハラの二次被害を生み出さないためにも、被害者を矢面に立たせないための配慮は調査の最優先事項だ。
財務省が、同省と顧問契約を結ぶ弁護士事務所に被害者本人が名乗りでるよう求めていることは容認できない。被害者への恫喝であると同時に、報道機関に対する圧力、攻撃にほかならない。
「女性活躍」を掲げる安倍晋三政権は、疑惑を持たれた人物が官僚のトップである財務省に調査を任せて良いのか。省庁を統轄する首相官邸がリーダーシップを発揮して、福田次官に厳格な事情聴取を行うことがなぜできないのか。それなしに、被害女性に名乗り出ろという見識を疑う。
政府はこれを機に、全省庁に対し、他にセクハラ事案がないか徹底調査を指示するべきだ。
福田次官にも問いたい。あなたは本当に女性記者の尊厳を傷つける発言をしたことはないと断言できるのか。であれば堂々と、記者会見を開いてあらゆる質問に答えてほしい。
新聞社が新規採用する記者の半数近くが女性だ。多くの女性記者は、取材先と自社との関係悪化を恐れ、セクハラ発言を受け流したり、腰や肩に回された手を黙って本人の膝に戻したりすることを余儀なくされてきた。屈辱的で悔しい思いをしながら、声を上げられず我慢を強いられてきた。こうした状況は、もう終わりにしなければならない。
今回の件を含め、記者が取材先からセクハラ被害を受けたと訴え出た場合、会社は記者の人権や働く環境を守るため、速やかに毅然とした対応を取るべきだ。「事を荒立てるな」「適当にうまくやれ」など記者に忍耐を強いる指示や黙認は、セクハラを容認しているのと同じであり、到底許されない。
いまなお、女性記者が取材先からセクハラ被害を受ける事例は後を絶たない。新聞労連は性差を超えた社会問題としてセクハラを巡る問題に正面から向き合い、今後も会社や社会に対しメッセージを発信していく。
2018年4月18日   日本新聞労働組合連合(新聞労連) 中央執行委員長 小林基秀 
 
セクハラ問題の福田財務次官が辞任へ 麻生財務相が発表 4/18
麻生太郎財務相は18日夕、女性記者へのセクハラ発言問題を起こした福田淳一事務次官から辞任の申し出があり、受理したと明らかにした。当面の職務は矢野康治官房長が代行する。
麻生財務相は記者団に「福田次官から疑惑について引き続き身の潔白を明らかにしたいが、現在の状況を鑑みると職責を果たすことが困難だとして辞職の申し出があり、私はこれを認めることにした」と述べた。
福田氏のセクハラ発言は今月12日発売の週刊新潮で報じられた。同誌によると、福田氏は30代の女性記者に対し、飲食店で「胸触っていい?」などの発言を繰り返したとされる。国会で森友学園の国有地取引問題が論議されていた時期だったという。翌13日には発言の音声データもネットで公表された。
しかし財務省は16日、福田氏がセクハラ発言を否定しているとの調査結果を公表。さらに各社の女性記者に対し、発言が実際にあったかどうかの調査への協力を要請した。しかしセクハラ被害者に名乗り出ることを求めるような要請に対して、野田聖子総務相が批判。与党からも批判の声が出ていた。  
財務省の福田淳一事務次官、辞任会見 4/18
「セクハラ発言」疑惑を報じられた財務省の福田淳一事務次官について、麻生太郎財務相が4月18日午後6時過ぎ、福田氏の辞任を認めたと発表した。
同日午後7時前、福田氏は財務省内で記者団の取材に応じた。冒頭、福田氏は辞任理由について以下のように述べた。

週刊誌に掲載された私に関する記事については、事実と異なるものと考えており、裁判の中で引き続き争って参りたいと考えています。
他方、財務省が厳しい状況に陥っている中で、さらに私のことでこのような報道が出てしまったこと自体が、不徳の致すところであります。
また、報道後の現状を鑑みると、財務事務次官としての職責を果たすことが困難な状況と私自身が考え、先ほど麻生財務大臣に対して辞職を申し入れました。麻生大臣からはご了解をいただいたところであります。私のことでご迷惑をおかけしたすべての関係者の方にお詫び申し上げたいと思います。
○報道陣との主な一問一答
――セクハラ疑惑の音声については
自分の声というのは、自分の体を通じて聞くので。私はずっと、録音された声が自分の声か、よくわからないので、そういう風に申し上げました。ただ「福田の声に聞こえる」という方が多数おられることは知っています。
――報道されたような、女性記者との会合をした記憶はあるのか。
ここにおられる(記者には)「財研」(財政研究会。財務省の記者クラブ)の方が多いかと思いますが、新聞記者の人とは男女問わず...というか、財研は男性記者が多いので、男性記者を中心に会合を持っていることはあります。1対1での会合を持つことも、もちろんあります。ただし、あそこに書かれているような、あーんな発言をしたことはありません。
――あのお相手はどなただったと記憶しているか?
わかりません。
――あの当日の記憶はないのか。
「あの当日」というのは、いつのことでしょうか。
――録音のような発言をしたことはないか。
あんなひどい会話をした記憶はありません。
――(4月16日発表の)コメントを見ると接客業の女性ととれるが。
いや、わからないから。わかりません。自分の行動について、一般的に正直に矢野官房長に申し上げただけです。あの記事が、そういうものであるかどうかもわかりません。自分では。
――自身の記憶にはないと。
いやいや、そうじゃなくて、あそこでそういう、その接客業の人とあると、一般論で申し上げているので、そのことがあの記事の元になっているということを言っているつもりはありません。
――自身の発言であれば、自身の会話かどうかは覚えていると思うが。
いろいろな人といろいろな会話をしているので。しかも、会話の全てを順番にとっている風にはみえませんので、部分の物をくっつけているようにみえますので。そういう意味では覚えています。
――日付の心当たり、手帳などで確認したか。
あそこに書きました通り、4月8日だったですかね。グラビアの写真に書かれた日のことは、もちろん日付が書いてあるので確認しました。そこで相手方に確認したことはコメントの中に書きました。
――それは民間企業の女性の方ですよね
はい。
――女性記者とのやりとりとされるテープ日の記憶は。
日付がないのでわかりません。
――会話内容から記憶をさぐったことは。
一生懸命読みました。テープで予算が成立したら云々とある。一方、ゴミの運び出しの記述もあって、それは前後関係が逆なんで、どういうことかよくわからないというのが正直なところです。
――辞任の理由は、財務省がこういう状況の中で報道が騒がせたことで去って、あくまでセクハラ音源については認めないと。
報道が出ること自体不徳の致すところだと考えています。本日の状況などを見ると、やっぱり私に関する議論がこの役所の職務を遂行する上で問題となっており、そういう状況では、いまの職責を全うすることができないと自分で判断いたしました。
――コメントの中では、被害に遭われたとされる女性記者に名乗り出て協力して欲しいと。そのことについて批判が出ている。
そこは担当者が、こういう問題の処理の専門家に聞いて、被害者の方にも聞くんだというのが通常であるという話を聞いてああいう整理をしたのだと思います。
――担当する弁護士事務所は財務省の顧問弁護士事務所だ。公正でないと受け取られても仕方ないのでは。
私自身は取り締まりを受けるほうなので。あの調べ方の対象になるので、「こういう調べ方で行きましょう」ということについて、そんなに自分自身の意見を申し上げたわけじゃないんですけれど。財務省なりに、あるいは財務省の担当者なりに「こういうときには両方調べるのが普通の例である」ということを研究の上で提案したのだろうと理解している。
――辞任はいつ付けか。
閣議の了解がいるので来週だと思います。総理や大臣がおられる時ではないかと。そこは官邸にお任せしている。
――辞任理由で森友問題に関する疑惑は一切関係ないか。
まあ、その、なんというか、あらゆることに責任がありますので。個別の問題について関係ないというのは、ちょっと真面目な態度じゃないと思いますのでなんとも言えませんが、直接の原因は私の報道をきっかけとする現在の状況が今の仕事を続ける、全うすることができない状況になってしまったということが辞任の理由です。そう、大臣にも申し上げました。
○「週刊新潮」がセクハラ疑惑を報道
福田氏をめぐっては、4月12日発売の「週刊新潮」が複数の女性記者への「セクハラ発言」疑惑を報道。辞任や更迭を求める声が高まっていた。
福田氏は財務省の調査に対して「自分の声かわからない」「女性記者とやりとりはない」などと、疑惑を全面否定していた。
財務省は16日、該当する女性記者からの調査協力を財務省の記者クラブに求めていたが、こうした対応について批判の声が高まっていた。
日本新聞労働組合連合(新聞労連)は4月18日に声明を発表。「被害者本人」に名乗り出るよう求める手法について、「事を荒立てるな」などと忍耐を強いるのは「セクハラ容認と同じ」だとして、報道各社にも毅然とした対応を求めた。
弁護士の寺町東子さんはハフポスト日本版の取材に対して、「セクハラを申告した記者個人を矢面にたたせることになる」と指摘。同時に、組織として対応しない報道機関の「安全配慮義務違反」を指摘していた。
財務省事務次官が任期途中で辞任するのは、1998年に旧大蔵省で接待汚職事件が発覚した時以来、20年ぶり。
財務省をめぐっては、森友学園をめぐる決裁文書の改ざんやセクハラ疑惑の報道など不祥事が相次いでおり、麻生財務相の責任を問う声もくすぶっている。 
テレ朝の女性記者がセクハラ被害 「Me Too」続々 4/18
テレビ朝日は19日午前0時から緊急の会見を開き、女性記者が財務省の福田淳一事務次官から「セクハラ被害を受け、週刊新潮に情報提供をしていた」と発表した。
当初、この女性記者は上司に相談したが、上層部が対応を取らず、「セクハラについて事実を曖昧にしてはいけないという思い」で週刊新潮に情報提供をしたことも明らかにした。
会見した篠塚浩取締役報道局長は「セクハラに対する意識が低かったと言う批判は、甘んじて受けなければいけない。情報が共有されていなかった」「新潮社から録音をくれと言われ、本人は迷ったけれど提供した」「今月4日の分の録音を一部、渡した。新潮が公表した音声は4日の録音のものと一致している」「謝礼はもらっていない」などと説明した。
一方、女性記者へのセクハラ発言を繰り返したと週刊新潮に報じられた財務省の福田事務次官は18日、一転して辞意を表明した。だが、同日夕に記者会見した福田事務次官は週刊新潮に報道された内容については「事実と異なるものと考えており、裁判の中で争ってまいりたい」と身の潔白を訴えていた。
当面は省内で福田氏から聴取を行った、部下の矢野康治大臣官房長が代行する。
週刊新潮は女性記者と福田氏のやりとりとする音声データを公開。麻生財務相も「聞いた感じでは福田じゃない?という感じがしました」と認めていた。
ところが、財務省は2日前の16日、福田氏が「女性記者との間でこのようなやりとりをしたことはない」と事実を否定した聴取結果を発表。また財務省記者クラブの加盟各社に、被害を訴える女性記者に「調査への協力をお願いしたい」とし、弁護士へ連絡するよう異例の呼びかけをしていた。
テレビ朝日の篠塚報道局長は「財務省への抗議はできるだけ速やかに行いたい」と言及した。
浅はかな真っ赤な嘘が次々とバレた福田次官。東大法学部卒業、財務省に入り、妻は元文部事務次官でリクルート事件で逮捕された、高石邦男氏の娘。まさにエリートという言葉がぴったりの福田氏だが、その"セクハラ"ぶりはかねてから知られるところだった。
ある女性記者は「週刊新潮の話は、本当だと思います」と自身の体験を明かした。3、4年前、福田氏から携帯に直接電話で誘われ、指定されたバーに行った。先に着いていた福田氏はカウンター席に座り、ロックのウイスキーなどを何杯もおかわりし、酔った様子だったという。
「当時、財務省で懸案の話で質問すると、『今日はこのあとキミの家にいってゆっくり話をするんじゃないの』『そう思って僕のところに来たんだろう』と言われました。前に、福田さんには気をつけろみたいな話を聞いたことがあったのですが、こういうことかと思いました。それでも仕事の話を聞くのですが『そのジャケット、似合っているよ。脱がせたいな』と言われて……。『福田さん、酔っぱらいすぎですよ』とかごまかして、なんとか店を飛び出して帰りました」
記者クラブに加盟していない別の女性記者Bさんも、福田氏に誘われて酒を飲みながら話していると「そのスカート、色っぽくていいね」「スカートの中はどう?」などと言われ手を握られたと訴える。
「思わず体がかたまって、振り払おうとすると、さらにきつく握られて、抱きつこうとして体をよせてきました。福田さんを押し返して『そんなつもりありません』ときつく言うと、『オレとサシで飲める、話聞けるチャンス、まずないよ。仲良くしようよ』と完全にセクハラモードで、帰りのタクシーにも一緒に乗り込もうと押し問答になり、本当に困りました」
セクシャル・ハラスメントに詳しい板倉由実弁護士はこう話す。
「相手がどんな職業であれ、どんな場所であれ、普通はためらって言えないような言葉だと思います。例え、相手がホステスさんだとしてもです。あの言葉自体、そしてその後の弁解の中に彼の女性観が表れている。『仲間内での会話で……』という部分も、財務省がそういう文化の組織なのだろうということがよくわかります。調査をきちんと進める気がないのだろうなというインパクトは与えます」
疑惑を報じた新潮社を名誉毀損で提訴するとした福田氏の対応については、「典型的な反応」と指摘する。
「社会的な地位が高い人ほど、表の顔と違う面を暴かれることに抵抗を示し、反訴提起をしたり、弁護士に懲戒請求してきたりすることがあります。原告が女性一人の場合などは特に、本当に恐ろしく感じて主張を取り下げてしまいます。意図的かはわかりませんが、『黙ってろ』という暗黙のプレッシャーみたいなもの。彼女を孤立させず、不利益を被らせないようメディアが業界をあげて守らなければいけないでしょう」
この対応には与党内からも批判が噴出していた。17日、野田聖子総務相は麻生財務相と菅義偉官房長官に直接、「セクハラ被害者は家族にも相談できないのが現実。加害者側が委託した弁護士に普通は話はできない。被害者の立場に立てば高いハードルがある」と伝えていた。その矢先の辞任表明だった。
週刊新潮は19日発売号で続報を掲載するが、福田氏は会見で週刊新潮を名誉毀損で提訴するという姿勢を崩していなかった。財務省の対応が注目される。 
朝日新聞、セクハラを口封じか 胸わしづかみにされるも先輩から「我慢しろ」 4/18
元朝日新聞の女性記者が、17日放送のフジテレビ系「バイキング」に生出演し、新人時代に取材相手からセクハラ被害に遭い、会社の先輩に相談したものの、「我慢しろ」と言われたと衝撃告白した。財務省の福田淳一事務次官(58)のセクハラ疑惑を厳しく追及している朝日新聞だが、自社の女性記者には「セクハラ被害の口封じ」を強いていたのではないのか。
バイキングでは同日、福田次官のセクハラ発言疑惑について、取り上げていた。「女性記者とセクハラ」の実態を知るという、元朝日新聞の女性記者Xさんが登場した。
Xさんは、自身の新人時代の体験として、「取材相手に突然胸をわしづかみにされ、社に戻って男性の先輩に相談したところ、『これくらい我慢しろ』といわれてしまった」「(当時)その場ではショックで何も言えない。とても受け止められなかった」「私の場合は、ほかの会社の先輩記者に相談して解決を図っていった」などと、実名で告白した。
朝日新聞は17日の社説「財務次官問題 混乱は深まるばかりだ」で、福田氏のセクハラ疑惑を取り上げ、財務省について「本当に事態を解明する意欲があるのか。相手方の保護をどう考えているのか。ここでも一般常識との溝が際立つ」と痛烈に批判した。
だが、Xさんの告白が事実ならば、朝日新聞(の先輩)は、実態を解明する意欲もなく、相手方の保護も考えず、Xさんのセクハラ被害について「沈黙を強要=口封じ」した疑いが浮上する。まさに、「一般常識との溝が際立つ」のではないか。
夕刊フジでは同日、(1)Xさんは就業していたのか(2)先輩社員の「これくらい我慢しろ」との発言は、セクハラ行為への口封じではないのか(3)セクハラ被害の見過ごしは御社で常態化しているのか−などの質問状を朝日新聞に送った。
朝日新聞広報部は、Xさんの9年間の在籍を認めたうえで、「お問い合わせいただいた番組中のご発言については詳細を把握しておらず、コメントいたしかねます」「なお、弊社は『セクシュアル・ハラスメントの防止に関する規定』を定めており、従業員から被害の申し出に対しては、会社として適切に対処しております」と回答した。 
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テレビ朝日が女性社員のセクハラ被害と記者会見 4/19
2018年4月18日、夕方の財務省福田事務次官辞任を受けて、19日深夜0時にテレビ朝日が自社の女性社員(記者と明言せず)がセクハラ被害の事実があったと記者会見を開きました。
ここではテレ朝と福田事務次官の記者会見の結果を取り上げるとともに、一連の事態が孕む問題点についても言及していきます。
なお、18日時点で福田事務次官はセクハラの事実を否定するコメントを書面で発表しているが、その後も新潮社から新たな事実とする発信がなされている。
テレビ朝日の記者会見の発表と質疑の内容
○テレビ朝日の発表、質疑に対する応答の発言要旨
1 音声データの確認、関係者への聞き取りから、女性社員に対するセクハラがあったのは事実と判断している
2 セクハラの内容については詳細は差し控えたい
3 女性社員は約1年半前から取材目的で福田氏と1対1の会食をする機会があったが、会食のつどセクハラ発言があったため、身を守るために会話の録音を始めた
4 女性社員は今年4月4日に上司にセクハラの事実を相談した
5 上司は報道によって女性社員の二次被害が生じる懸念から報道しないと判断
6 上記判断や判断過程について深く反省し、今後の対応について社内で検討をすすめる
7 女性が新潮社に提供した音声データは異なる日の音声が複数ある
8 提供した音声データは1年半前のものも含む
9 第三者に録音データを渡したことは不適切であり、社として重く受け止めている
10 データ提供に対して新潮社から報酬を受け取ったというようなことはない
11 財務省に対して抗議と調査を進めることを求める
12 女性社員の特定に繋がる情報については詳細は申し上げられない
13 本人の強い申出によって記者会見をし、意向を確認した上で会見している
報道にあるような事実以外の事実があるという点と、朝日新聞社内でのパワーハラスメントがあったと言える事案だということがわかります。
さらに、提供したデータにはセクハラとは無関係の「取材音源」も含まれているが、これを第三者に提供したことは報道機関として問題ではないか?という議論もあり得ることになる。これについては記事の後半で指摘する。
 
質疑に対する応答
ーー女性社員の数は何人?
詳細は明らかにしない
ーー記者か番組付きのディレクターか?
本人特定が進むため申し上げられない
ーー新潮の記事では4月上旬のものとして同じ内容について録音を持っていて確認した?
週刊新潮が先週と今週報じているやりとりのうち、福田記者とあるものについては当該社員のやりとりであると確認した。
ーー1年半前のものについても出しているということか?
そこまではいっていない。 ※後に訂正
ーー社内調査はいつから行っているか?
今週月曜日に本人の申出があった
ーー本人から進んで申し出たのか?
聞き取りを始めている中で申し出があった
ーー聞き取りは何人で行った?
詳細は申し上げられない
ーーなぜこのタイミングでの会見となったか?
月曜日に申出があって調査を進めてきた。週内にも何らかの形で公表しようとしていたが、その中で福田事務次官の辞任会見があったので会見をしようとした。
ーー録音内容の吟味について何回分の録音について確認したか?
詳細は申し上げられない
ーー先方には録音内容を伝えていなかったのか?
そういうことです。
ーー上司からは「報道は難しい」とあるがいろんな含みがある言葉。どういう言葉で本人に報道しないとしたのか?
本人特定、二次被害が発生する懸念。
ーー何回分の録音データを新潮に提供?
詳細は申し上げられない
ーー録音を提供した女性社員のコメントについて「第三者に渡したことは不適切」とあるが、なぜこのようなことをしたのか、本人はどう考えているのか
財務次官という社会的に重い立場によるセクハラが黙認されてしまうのを避けるため
ーー第三者に渡したことについて本人のコメントは?
不適切な行為であったという私どもの考えを聞いて反省している。
ーー上司は報道が難しいと判断したとのことだが、どういう役職の方?上司だけで判断?それとも局長など幹部も含めて判断?
上司の役職については本人特定されるため控えさせていただく
ーー判断は一人で?報道局全体で共有?
上司1人での判断
ーー福田氏と財務省に対する正式の講義とあるが、福田氏は訴訟を視野に入れているとあるが、テレビ朝日としては訴訟は考えているか?
検討中。
ーー取材活動で手に入れた情報が第三者に流れたことが不適切と言うコメントがあるが、御社がきちっと受け止めて報道していればこういうことにはならなかったとオムが、これについての受け止めと改善のコメント
先ほど申し上げた通り、適切な対応ができなかったのは深く反省している。今後きちんと組織として情報共有して適切な判断ができればと思います。
ーーデイリー新潮で公開されている音声データはつぎはぎになっているので前後関係がおかしかったと言われているが、女性記者はどう考えているのか?
提供しているのは音声の一部のため、次官は否定しているが、全体を見ればそうではないということがわかると思う。
ーー財務省が調査強力要請をしているが、それに応じることはあるのか?
基本的には調査機関の第三者性について様々な疑問が出ているため、私どももそのように伝えているところ。慎重に検討をしていきたい。
ーー適切な対応をすべきだったというのは具体的にどういうことが考えられるか
仮定の質問になるが、当時相談があったときにどうすべきかを現在答えるのは難しい。ただ、例えば抗議、報道するなどいろんなケースが考えられた。
ーーちゃんと対応するというのは上司1人の判断ではなく複数の判断で対応できたということか?
おっしゃる通りです。
ーー音声データの提供は複数回?一部の提供ということであるが、一回の会食の一部なのか、それとも別日付のものを複数回一部ずつということか?
複数回。
ーー取材で得た情報を第三者にということについての女性記者に対する御社の対応はどういう事を考えているのか?
詳細調査は現在係属中のため追って考えていく。現在は決まっていない。
ーー夕方の福田事務次官の会見を受けて今回の会見を判断したということだが、福田氏の会見の内容についてはどう考えているのか?
先ほど申し上げた通りセクハラ行為を事務次官が否定しているが、当社としては事実があったと考えている。
ーー否定されたということ自体についてはどう思っているか?例えば事実をうやむやにしているとか。
セクハラ行為があったのは事実と考えている。
※司会者から / 質疑にあった、1年半前の音声について出していたかという質問について、出していないと回答したが、2016年のものについて出していたということ。ご理解いただきたい。
ーー女性社員は事務次官の辞任についてどう考えているか
当該社員は福田氏がハラスメントの事実を認めないまま辞意を表明したことを残念に思っている。財務省に対しては今後調査を行って事実を明らかにしてほしい。全ての女性が働きやすい社会になってほしいと思っている
ーー麻生財務大臣の対応については当該社員はどう思っているか?
聞いておりません
ーー1年半前からセクハラ発言があったということだが、損間相談したのはいつごろで複数回相談があったか?
調査の詳細については冒頭のコメント以上のことはご勘弁頂きたい。
ーー本人が報道した方がいいということで上司に相談したとのことだが、そのときは二次被害を帽子するということを理由に報道しないという判断になったということだが、そのことに納得していないから新潮に情報提供したということではないのではないか?
先ほども申し上げた通り。社会的に責任の重い立場の人物による不適切な行為が表に出なければ社会的に黙殺されてしまう、され続けてしまうという強い思いから。
ーーこの時点でネット等では本人特定の二次被害が起こると思われるが、改めて今回発表するに至った経緯についてコメント頂きたい。
まず当社として看過できない事態となった。また、当該社員本人の強い希望でこのようになった。
ーー上司の処分、今回の決定の社内研修を行っていくなどの考えはあるか
詳細な調査はこれからなので詳細は述べることはできません。
ーー今回報じられているのは当該女性記者の方以外のものも含まれているということはあるだろうか?
週刊新潮に聞いていただきたい。
ーーセクハラの認定が出ているようだが、セクハラの内容は出ているようなものだったのか?どれくらい深刻な物なのか?言葉遊びだという次官のコメントがあったが、その範疇を越えているものだったか?
セクハラの具体的な内容について詳細は控えさせていただく
ーー第三者への情報提供が不適切なものだったということだが、女性への処分、社の対応、このバランスはどう考えているか?
詳細調査中のため対応は決まっておりません。
ーー女性から相談があったときに配置換えをするとか、報じることが難しいとかだけでなく女性の心理的負担を考えて何か処置をとったのか?
配置については変えたかどうかも含めて個人特定に繋がるためお答えできない。
ーー財務省について正式抗議とのことだがスケジュールは?
詳細申し上げられないができるだけすみやかに行うつもりです。
ーー最初に女性から相談があったときに音源は上司に聞かせていたのか?
聞かせてません
ーーセクハラがあったという特定をしたとのことだが、それは音源を報道局長において聞いて確認したのか?
私は聞いている。報道を精査、福田氏の声などから判断。
ーー財務省についてはテレ朝からは福田氏の音声ですよね?という事は確認しているか?
確認していない。
ーー上司は男性か女性か
個人の特定につながるためお答えできない。
ーー上司の方、被害者の二次被害ということで報道しなかったということだが、取材活動に対する懸念ということは判断に含まれていたか?
先ほど申し上げた通り二次被害防止のため
ーー御社の中でセクハラに対する意識が低かったため最初の対応がそういうことになったのでは?
批判は受け止める。情報が共有されていなかったということ。これについてはきちんと対応すべきだったと思います。
ーー発表前に本人の意向も確認のためということだったが、どういう内容での会見はいいと言っているか?
週刊新潮に取材を受けたという理由と同じです。つまりこのままセクハラ放置は看過できない。
ーー音源に関して4月4日の録音については確認しているということだがその分は新潮に出しているということは確認しているのか?
一部ですがそうです。
ーー複数と一部と言っていることについて、同じ日に録音したものを何回にも分けているのか、それとも別の日録音したものを何回かに分けているということか?
複数回というのは別の日という意味
ーー新潮に出ているものは4日の分と一致しているのか?
福田記者とのやりとりということに関しては一致している
ーー4日の録音の後に「後日上司に」とあるが、後日というのは何日後か?
詳細は差し控えさせていただく
ーー当該社員への内容の吟味と「関係者」への聴取とあるが、「関係者」とは?当該社員と上司以外に例えばこれまで担当していた者などを含むのか?」
詳細は差し控えさせていただく
ーー1年半前から1対1で会っていたとのことだが、その時期から担当していて1年半前から録音していたということか?
担当と言うところについては申し上げられない。ここにあるとおり1対1で会食をしたときにセクハラがあったので録音を始めた。1年半というのは幅がある。約1年半前。
ーー録音をした時点では 第三社に渡したことについて問題だと言う認識。録音をしたこと自体については本人の考えは確認していない。
本人の許可を得ずに録音をしたこと自体については本人の考えを確認していません。第三者に提供したことについて反省していると聞いている。
ーー本人が直接新潮にデータを渡した?
そうです。
ーー自らの身を守るために録音とあるが、取材目的ではなくて身を守るため?
そうです。
ーーこれはいずれ告発などを想定して?
といか自らがこのような行為を受けていることを示すため。例えば会社や上司に説明するために録音したということ。
ーー先ほど当該社員さんの「大変残念に思っている」等のコメントはこれを受けての本人の思いということか?
そうです
ーー週刊新潮に対して本人が直接連絡したのが4月4日以降ということですが、これはそういうことがあったという取材を受けただけ?つまり録音提供は取材の後?
最初の連絡と録音提供にはタイムラグ(日数)があります。
ーー「要請を受けて」というのは週刊新潮からの要請?
そうです。
ーーそれについて要性を受けた時点で音声を渡したのか?上司に相談したか?
上司に相談はしていない本人が迷っていたが提供した。
ーー謝礼のようなものは発生しているか?
発生していません
ーー上司が相談を受けた際の対応について確認。セクハラを止めさせるために財務省や事務次官に直ちに抗議をするなどの措置をとったのか、なぜとらなかったのか?
そういう措置はとっていない。基本的には報道に関してのみ判断した。
ーー本人を守るためにそういう措置をする言う選択肢ももあったと思うがなぜそういう判断したか
基本的には組織として判断するべきであったがそれができなかったのが反省点だと思っている。
ーー無断録音についての相談は上司は受けているか?
無断でかということについては確認していないが、録音があるということは聞いていた。しかし、その中身については確認していない。
ーー上司は録音に対してどういう対応をしたか?
確認しておりません。
 
福田事務次官の記者会見
2018年4月18日夕方18時頃に行われた、福田事務次官の記者会見発言要旨。
1 週刊誌に掲載された内容は事実に反する
2 音声データにあるようなやりとりを女性記者に対して行ったことはない
3 「接客業の女性に対する言葉遊び」は一般論であり音声データのやりとりがそのような場面であるという意味ではない。データの場面はわからない
4 音声データにある声が自分の声かどうかは確信が持てない
5 辞任の理由は、業務に支障を来しており職責を全うできないため
6 セクハラに対する認識が甘いのではということは、言葉遊びについてはご批判を受けており、今の時代はそうなのかなと思っている
事態の見通し 女性記者(女性社員)へのセクハラは可能性が残る
事態の見通しを言うと、現時点での両者の発言は事実として正しい可能性があり、福田氏の「セクハラに対する認識の問題」に収斂していくと思われる。
福田氏は「報道にあるようなことで」「セクハラに該当する事実」は無いと否定しているが、女性記者が同じ事実でセクハラを受けたと感じたということはあり得る。
また、テレビ朝日女性記者は新潮社に全ての音声を渡しているわけではなく、一部の音声を渡しているに過ぎない。報道に表れているようなもの以外にも「セクハラに該当すると考えられている」音声が今後出る可能性があるということになる。
さらに、録音された音声以外のセクハラ該当発言や、セクハラに該当する身体的接触等があったのかどうかは現時点では不明。今後その可能性も含めて明らかになっていくと思われる。
つまり、新潮社が名誉毀損裁判で負けるとしても、女性記者に対するセクハラの事実は認定される可能性は残ることになる。
 
問題点
○1 テレビ朝日社内の女性社員(女性記者)へのパワーハラスメント
まず、テレビ朝日が自社の社員のセクハラ被害の申出に対して何ら対策を打たなかったことについては糾弾されるべきです。そして、これはおそらくテレビ朝日だけの問題ではなく、報道機関全体がセクハラ容認、むしろ「女性」を使って情報を得るということが常態化しているのではないか?という疑問にも発展する。現実にそのような指摘も出ている。
○2 報道機関の締め出し
テレビ朝日の記者会見は、なぜか深夜0時に行われるという不可解なものになりました。しかも、テレビ朝日自体はリアルタイムで記者会見の様子を流しておらず、フジテレビでテレビ朝日の記者会見を見るというカオスな事態。しかもなんと、朝日新聞社の系列であるハフィントンポストですら記者会見の会場には入れず、締め出されたとのこと。記者会見の質疑を見ても、質問時間の割には記者の数が少なく、同じ報道機関が何度も質問し、同じ人物が何度も質問するということがあった。これは記者会見としては異例。このような記者会見となったのは、福田氏を糾弾する以上、テレビ朝日自身がセクハラの揉み消し、女性社員に対するパワハラによるセクハラの受忍を求めていたという恰好になるからだろう。多くの人の目に触れる事を意図的に避け、自社に対して比較的「甘く」対応してくれるであろう報道機関のみ会見場に引き入れるという行為からは、卑怯という感想しか出てこない。
○3 報道機関の自滅?「第三者への情報提供」の問題か?
女性社員が提供したデータにはセクハラとは無関係の「取材音源」も含まれているが、これを第三者に提供したことは報道機関として問題ではないか?という指摘があり得る。私は、この点についてはやや疑問。というのは、まず録音については、女性記者がセクハラ被害を訴えるためであるなら、どういう文脈での発言があったのかという点が問題になるから、当然にして取材内容そのものも含まれるということにならざるを得ないからである。仮にセクハラの事実があったとして、女性社員が自己の身を守るための録音すら許されないというのはなんたる非道だろうか。本件は報道機関と取材源との信頼関係の問題であるとは言えるが、それはセクハラの事実があったと仮定しても、報道機関の側の落ち度として捉えていい事案だろうか?非難されるとすれば録音データが「第三者に渡ったこと」だろう。しかし、これはテレビ朝日のセクハラ被害の訴え(あるとして)への無策の結果であり、女性社員個人が責められるべき話ではない。女性記者が録音データの全部ではなく一部の提供にとどめたのは、好意的に見れば取材源に対する配慮の表れとみることも可能だろう。「第三者への情報提供」として非難されるべきはテレビ朝日であり、社員個人ではない。
○4 セクハラの認識の欠如?
チャンネルくらら公式 / こちらでは山村昭義氏が女性記者に対して福田氏の人と成りを取材しており、セクハラ疑惑については「さもありなん」という回答だったと言っています。つまり普段からあのような発言をするような人物として受け止められていたということ。
そうだとすると、この問題は福田氏の「セクハラ該当性の認識の欠如」という事に収斂していくのではないか?
なお、過去記事でも触れましたがこの件は財務省内の権力争いや官邸vs財務省の側面も指摘されており、この動画内では岡本主計局長の思惑について触れられています。  
 
テレビ朝日会見の一問一答「本人の強い希望で公表」 4/19
福田淳一財務事務次官のセクハラ疑惑について、テレビ朝日は19日未明、セクハラを受けたとされる記者の中に、同社の女性社員がいたことを発表した。
○会見での主な質疑応答
−−なぜこのタイミングで会見を開いたのか
「今週月曜に(女性社員から)申し出があり、調査を行った。正直に言うと、近いうち、週内にも、私どもは公表しようと思っていた。そのタイミングで、福田次官からあのような(セクハラを否定する)会見があった。これは、当社としても見解を早めに伝えないといけないと考えた」
−−会話の録音を他の媒体に渡したことについて、女性社員のコメントは
「『不適切な行為だった』と反省している」
−−テレ朝が女性の相談をきちんと真摯(しんし)に受け止めていれば、こういうことにはならなかったのではないか。受け止めと改善点を
「適切な対応ができなかった。深く反省している。きちんと組織として改善し、今後は適切な判断をしていきたい」
−−福田氏の辞任を受け、女性社員は何と言っているのか
「『福田氏がハラスメントの事実を認めないまま辞意を表明したことはとても残念です』。財務省に対しては、『事実を明らかにすることを望んでいます。全ての女性が働きやすい社会になってほしいと心から思います』とコメントしている」
−−ネットでは、女性社員を特定するような二次被害が起きかねない。改めて公表に至った理由は
「当社として看過できなかった。なにより、当該社員本人の意向をくみ、強い希望からこのような形になった」
−−正式に抗議するということだが、日程などの見通しについて
「できるだけすみやかにと考えている」
−−セクハラに対する意識が低いから、対応が遅れたのではないか
「その批判は甘んじて受けたい。このことに関してはきちんと受け止めたい」
−−録音は取材ではなく、身を守るために行ったのか
「そうだ。自らがこのような行為を受けていることを、会社なり上司に説明する際に必要になるだろう、と」
−−セクハラ行為をやめさせるために、次官や財務省に抗議などの措置はとったのか
「取っていない。報道に関してのみの判断だった。組織全体として対応できなかったというのが反省点だと思う」 
 
テレビ朝日 深夜の緊急会見 4/19
財務省の福田淳一事務次官のセクハラ被害を受けていたのは、テレビ朝日の女性記者だった。テレビ朝日がきょう19日(2018年4月)午前0時すぎに緊急会見を開いて公表した。 女性記者は1年半ほど前から数回、1対1で会食し、そのたびにセクハラ発言をされ、今月4日にも「おっぱい触っていい」「抱きしめたい」などと言われたため、自分の身を守るために途中から録音したという。テレビ朝日は財務省に正式に抗議する予定だ。
テレビ朝日の篠原報道局長によると、女性記者は「報道するべきだ」と上司の一人に相談したが、「二次被害を心配するとむずかしい」と言われたため、黙殺されないように週刊新潮に連絡したという。テレビ朝日は女性からの申し出で事態を知ったが、他メディアにデータを提供した点については「不適切な行為で遺憾」としている。
テレビ朝日が会見する数時間前、福田次官はセクハラを全面否定しながら、「職務をつづけるのが困難な状況」と麻生財務相に辞任の意向を伝えた。元毎日新聞記者の上谷さくら弁護士は「事実と認めないけど辞めるというのは、いかにも冤罪でかわいそうなイメージを作ろうというのでしょう。こういうのってやめてほしい」と話す。
司会の国分太一「一気に事態が動き出しましたね」
司会の真矢ミキ「主張が食い違っていますよね。(新潮社を訴えるとしている)裁判はどうなるのでしょうか」
テリー伊藤(タレント)「まさか女性が出てくるとは思わなかかったのだろうね。裁判なんてできっこないですよ」 
財務省、テレ朝聞き取りへ 野党はセクハラ認定を要求 4/19
財務省は19日、福田淳一事務次官のセクハラ疑惑に関し、女性社員のセクハラ被害を公表したテレビ朝日から事情を聴く方針を明らかにした。野党が開いた合同ヒアリングで説明した。
野党側は、テレ朝が公表した事実によりセクハラ被害ははっきりしたとして、財務省に対して「まずはセクハラを認定し、謝罪すべきだ」(社民党の福島瑞穂副党首)と要求した。
財務省の担当者は「(テレ朝から)まずはお話をよく伺いたい」と強調。その内容を踏まえ、顧問弁護士に委託しているセクハラ調査を継続していく考えを示した。
聴取や調査全体の結論を出す時期については「可及的速やかにと(弁護士に)お願いしている」として、具体的な回答は避けた。
一方、野党側は、調査手法自体が中立性を欠き不適切だとして改めて撤回を主張。テレ朝から早急に事情を聴くことに加え、客観的な立場の人間による福田次官への聞き取りや音声データの声紋鑑定を求めた。 
テレビ朝日が財務省に抗議 社員へのセクハラ「看過できず」 4/19
テレビ朝日は19日、女性社員が福田淳一財務事務次官からセクハラを受けたとして、財務省に正式に抗議文を提出した。「優越的な立場に乗じたセクハラ行為は到底看過できない」と強調。財務省として徹底的に調査し、早急に結果を公表するよう求めた。
財務省は、野党がこの日開いた合同ヒアリングで、女性社員のセクハラ被害を公表したテレ朝から事情を聴く意向を示した。テレ朝の見解を「重く受け止めたい」としたが、テレ朝側は聞き取りに応じるかどうかを現時点で明らかにしていない。
抗議文は「正常な取材活動による国民への的確な情報提供を目的とする報道機関全体にとっても由々しきことだ」とも指摘している。
合同ヒアリングで野党は、テレ朝の説明でセクハラ被害ははっきりしたとして、財務省に対して「まずはセクハラを認定し、謝罪すべきだ」(社民党の福島瑞穂副党首)と要求した。
財務省の担当者は「(テレ朝から)まずはお話をよく伺いたい」と強調。その内容を踏まえた上で、顧問弁護士に委託しているセクハラ調査を継続していく考えを明らかにした。
テレ朝からの聞き取りや調査全体の結論を出す時期については「可及的速やかにと(弁護士に)お願いしている」とし、具体的な言及を避けた。弁護士とは「高頻度で日々やりとりしている」と述べた。
一方、野党側は、調査手法自体が中立性を欠き不適切だとして改めて撤回を主張。テレ朝から早急に事情を聴くことに加え、客観的な立場の人物による福田氏への聞き取りや音声データの声紋鑑定を求めた。
福田氏が19日午前に「全体をみればセクハラに該当しないことは分かる」と疑惑を再度否定したことには「一部でも全体でもセクハラだ」「次官は開き直っている」などと批判が集中した。 
「仕事にならない」福田次官、辞任の理由 4/19
財務省の福田淳一事務次官のセクハラ発言疑惑を巡り、テレビ朝日は19日午前0時から記者会見を開き、社内調査の結果、同社の女性社員にセクハラ被害があったと発表した。財務省に正式に抗議する方針。一方、福田氏は19日朝、記者団に対し「全体で見ればセクハラではない」と述べ、改めて疑惑を否定した。
テレ朝によると、女性社員は約1年半前から取材目的で複数回、福田氏と2人で会食する機会があったが、福田氏のセクハラ発言に悩まされていたという。身を守るために会話を録音し、社内で上司に福田氏の行為を報道するよう進言したが断られたため、週刊新潮に連絡し録音の一部を提供したという。
女性社員から16日にセクハラ被害の申し出があった。録音内容の確認や関係者からの聴取など調査を進めた結果、セクハラ被害があったと判断した。篠塚浩報道局長は会見で「当社社員に対するセクハラ行為があったのは事実と考えている。福田氏による当社社員を傷つける数々の行為と、その後の対応について、財務省に対し正式に抗議する」と述べた。
週刊新潮が公開した音声データについては「(女性社員が新潮に)提供しているものは一部」と説明。録音全体を聞いたうえで、セクハラ発言はあったとの見解を示した。また、福田氏の辞任表明について、女性社員が「事実を認めないまま辞意を示すのは残念。財務省が調査を続けて事実を明らかにし、すべての女性が心から働きやすい社会になることを強く望む」と述べたことも明らかにした。
テレ朝の見解について、福田氏は19日朝、東京都内で記者団に対し「(音声データは)一部しかとっていない。全体をみればセクハラに該当しない」と従来の主張を繰り返した。「なぜ辞任するのか」との質問には、「仕事にならなくなるからだ」と答えた。 
福田淳一事務次官の辞任 財務省の調査方法の是非 4/19
福田淳一事務次官が辞任しました。
セクハラ疑惑が取り出される中、政務を全うできないということでの辞任です。セクハラを認めての辞任ではありません。
結局は辞任は不可避だったとは思いますが、その過程で問題視されたのが財務省の調査方法です。被害女性は財務省の顧問弁護士に名乗り出てくれというものですが、その前提に新潮は音声データは公表したものの、女性記者の音声は消去し、その所属も氏名を明らかにしないものでした。
そのような中で財務省が事務次官の首をすげ替えるのは一種の人事異動であって、最初からそうすれば良かったのかなとは思いますが、これを処分せよというような批判が出ていたいことには大いに疑問でした。
あの新潮社が公表した音声データだけを根拠に不利益処分を科すのですか。
決定的な証拠とは言えません。誰にどのような場面で発言したのかが不明だからです。本人の音声であることは認めていたようですが、どのような状況下で誰に対してなされたものなのかなど、不利益処分(処分の程度も問題になります)を科すには相応の根拠と証拠が必要です。
なので、財務省として人事異動のためだけであれば、財務省が被害女性に名乗り出よという方法は不適当であったこと、処分を科す前提としての調査としても財務省として端的にこれだけの事情(証拠)では処分まではできない、ということを説明すれば足りたことからすれば、確かに不適当な方法だったとは思います。
他方で疑問がありました。大手のマスコミに所属する女性記者だったとすれば、何故、新潮への持ち込みだったのか、という点です。
テレビ朝日が、厳正に財務省に対して抗議するなどの対応をすべきだったのではないかと思っていました。
この記事を読んで、なるほどというかやっぱりとは思いました。
「セクハラ被害女性はテレ朝社員 同社会見 週刊新潮に録音提供」(北海道新聞2018年4月19日) / 「同社によると、女性社員は約1年半前から取材目的で福田氏と複数回、一対一で会食した。セクハラ発言が相次ぎ、自らの身を守るため会話の録音を始めた。今月4日に飲食した際もセクハラ発言があったため、その後上司に報道すべきだと直訴。だが二次被害の懸念を理由に拒まれたため、週刊新潮に4日の録音データの一部を提供した。」
この場合の「二次被害」とは何ですかとも思うのです。
この場合のセクハラ被害というのは、強姦被害に遭ったというのとは違います。通常、言われている二次被害とは性被害に遭ったことに好奇の目で見られたり、事情聴取の際にさらに嫌な思いをさせられるというものです。
先般、女性記者が岩手県で現職の町長から泊まっているホテルで寝込みに訪問し、わいせつ行為を受けたという事件がありました。
こういった事件でも当然に所属会社が厳正に対応しています。この場合の二次被害防止のために氏名を公表しないのは当然だし、逆に当事者である町長はその相手の氏名もわかっています。
しかし、福田氏によるセクハラ言動に対して想定される二次被害というものが私には想像ができませんでした。テレビ朝日の発表をみても、想定される「二次被害」というものがわかりません。確かに氏名の公表は不要です。不特定の相手を襲ったという性犯罪被害とは違うので、女性記者の所属が明らかになった以上、福田氏にも特定ができるからです。
テレビ朝日の対応こそが間違っていたということにならないでしょうか。
その女性社員はテレビ朝日で報道すべきだと言っていたにもかかわらず、そのテレビ朝日が「二次被害」を根拠に拒否(上司の判断のようですが)したそうですが、むしろ「情報をとってこい」ということに好都合と考えたからではないかという疑念もぬぐえません。
すでに述べたとおり「二次被害」というものが想定しづらいからです。具体的な「二次被害」があればともかく、抽象的にそのようなことを言ってみても、公表を望むこの女性記者にとってはなおさら「二次被害」など想定しづらいものです。
財務省の姿勢は醜態だし、それを批判するのも結構とは思いますが、財務省のやり方を被害女性に対する「二次被害」だといって批判していたのはピンぼけの感はぬぐえません。  
財務次官辞任に「あの全否定はなんだったの」 石破氏 4/19
(女性記者へのセクハラ発言問題を起こした財務省の福田淳一事務次官の辞任について)あの全否定はなんだったのか。いったん全否定し、週刊誌を告訴すると。そのような記者がいるなら、名乗り出なさいと財務省の名前で言って、一転辞める。なんなんだという感じがする。自らの心に照らし、辞めるべきだということであれば、早いほうがより良かった。残念に思う。
(国民への説明責任について)辞めたからいいということではない。予算、国有財産を国民のために使うという責任を持っている財務省だから、どういうことであったかという説明はするべきだ。短い間に国税庁長官が辞め、次官が辞めという事態が起こっているわけで、財務省は極めて厳しい状況になる。
(財務省がセクハラ被害者に名乗り出ることを求めるような要請をしたことについて)権力をバックにした威圧ととられるようであれば健全な状況ではない。官僚に責任転嫁することなく、政治家が自らの責任もきちんと省みる必要がある。  
「財務省トップ」福田淳一事務次官のセクハラ音源公開! 4/19
4月6日21時。ネクタイもゆるゆるのまま東京・白金の高級焼肉店から出てきたのは、“最強官庁”こと財務省の事務方トップ・福田淳一次官(58)である。
「実はこの日は、次官室のメンバーが主催した、福田さんを囲んでの“おつかれ会”だったんですよ」
とは、大手紙経済部記者。むろん財務省といえば、いまだ森友文書改ざん問題≠ェ国会で追及されている真っ只中。そんなタイミングで福田氏は、一体何を労われたのかといえば、
「本年度予算案が成立したこと、だそうです。時節柄、“それはカモフラージュで、太田さん(理財局長)とか、他の幹部が集まってなにかしら相談でもするのでは”と、各社勘ぐりましたが……」(同)
福田氏以外幹部はゼロ。本当に単なる飲み会だったのだ。
「福田さんは大の会合好きで、改ざん問題が発覚してからも、夕方になるとすぐいなくなる。なにかにつけて、毎晩飲み歩いています」(財務省関係者)
そういえばこの日も18時半過ぎには財務省を出発。焼肉店に直行していた。とても“渦中の省”の頂点に君臨する人物とは思えぬ身のこなしである。
「でも、百歩譲って、仲間と楽しく飲むだけなら、まだいいんです」
とは、先の経済部記者。
「飲みの席でのセクハラがひどい。今回の会合でも、次官室のスタッフに交じって、民間企業に勤める若い女性が招かれていましたが」
その席で福田氏は、
「彼女が赤面してしまうような卑猥な発言を連発。でも、なんせトップだから、同席者の誰も注意していなかった」(同)
福田氏がこれまでに行ってきたろくでもないセクハラ行為の実態については、現在発売中の「週刊新潮」で詳しく報じている。その中で福田氏は、本誌の取材に対し、セクハラを全面的に否定した。しかし、報道後に始まった他社からの取材に対しては態度を一変。いまだに沈黙を続けている。 
女性記者の「セクハラ告発」でテレビ朝日が犯した二つの過ち
財務省の福田淳一事務次官によるテレビ朝日の女性社員へのセクハラ問題は、福田氏が辞任表明したことで、テレ朝の対応や女性社員の個人情報に関心が集まるようになった。私は大学卒業後、毎日新聞社で記者をしており、刑事事件から行政、選挙の取材などを一通り経験した。その後、弁護士となって犯罪被害者支援をライフワークとし、性犯罪被害の相談を多く手掛けている。その経験を踏まえ、テレ朝の問題点や同社女性社員の保護について考えたい。
テレ朝の記者会見によると、女性社員からセクハラ相談を受け、自社で報道してほしいとの要望を聞いた上司は、報道すると女性社員が特定されて二次被害に遭うので報道しない、と答えたという。
詳細は不明だが、「報道しない」と回答するだけで終わったのだろうか。もし、そうだとすれば、女性社員のセクハラ被害を放置し、結果的に福田氏のセクハラ行為を継続させたテレ朝の責任はあまりにも重い。
確かに、自社で報道すると個人が特定されやすく、被害者が二次被害に遭う恐れは十分にある。女性社員が報道を望んでいたとはいえ、覚悟のうえの申し出だろうから二次被害に遭っても構わないというのは、あまりにも短絡的であり、この上司が女性社員の二次被害を心配したこと自体は評価されるべきである。
その際、具体的にどのような二次被害が想定されるのか、福田氏が全面否認した場合はどうするのか、今後も女性社員は財務省の取材を続けたいという希望があるのかなど、十分な話し合いがなされたのであろうか。
このような相談がなされ、相談者が明確に「こうしたい」という希望を持っている場合でも、その希望自体がそもそも無理な場合や、希望が実現するとかえって相談者が傷つく結果を招くケースは多い。
ゆえに、相談者の希望とは少し異なる方法だが、相談者にとってメリットが大きく、被害回復に資する手段をいくつか考えて提案し、どの方法を選ぶのがいいのか一緒に考えるプロセスが重要である。
今回の場合、女性社員があくまで自社による報道にこだわり、それ以外の選択肢については断ったのかもしれない。だが、例えば、テレ朝として財務省か福田氏個人に抗議したり、女性社員を福田氏の担当から外したりする方法もあっただろう。
マスコミ各社は多くの場合、このような手段を取っているはずで、そんなことでは女性記者が置かれた劣悪な労働環境は改善されないが、一定の歯止めにはなるはずだ。会社が「何もしない」ことは「被害者を見捨てた」も同然で、被害者を傷つけることは間違いない。一緒に考えて手を尽くすこと自体が、被害回復にとって非常に重要なのである。
テレ朝が記者会見で、女性社員が『週刊新潮』に今回の事件のことを持ち込んだことについて「遺憾である」と表明した。私は、この一言が一部の人たちから女性社員が激しくバッシングされる流れを決定づけたと思っている。テレ朝はこのようなことを絶対に言うべきではなかった。その理由は二点ある。
一点目は、この期に及んでテレ朝が女性社員を守る視点に欠けていたことである。女性社員が週刊新潮に情報を持ち込んだのは、テレ朝が女性社員の訴えにきちんと対応せず、このままでは福田氏のセクハラ行為や同じような立場に置かれた女性記者の苦しみが続いてしまうと考えたための苦肉の策であろう。
つまり、やるべきことをやらなかったテレ朝の態度が、女性記者にそのような行動を取らせたのである。それを「遺憾」と言い放ったのは、今回は例外的なことであって、テレ朝の他の記者はそんなことはしないから安心してほしい、という対外的なアピールだったと思う。全力で女性社員を守らなければならないテレ朝が、そのことよりも会社としての体面や取材先との関係を優先した結果、被害者の傷を深くしたのではないか。
二点目は、大手新聞社やテレビ局が、ネタを週刊誌に持ち込むことはよくある慣習という点だ。新聞社やテレビ局の記者があるネタをつかんだ時、そのメディアの性質上、報道に適していないと判断されたり、取材先との関係を重視して自社では報道できないなどの理由で、報道を断念することがある。
しかし、何らかの方法で世に知られるべきだと思われる場合などに、その記者個人や、時には上司の判断で、週刊誌に情報提供して報道してもらう。報酬が発生するかどうかはケースバイケースのようだが、小遣い稼ぎ感覚の記者もいる。
そこで、取材源まで明かされているかどうかは分からないが、少なくとも大手新聞社やテレビ局の記者が、週刊誌に情報提供するのが普通に行われていることは明らかである。
テレ朝の女性社員は、メディアに身を置くものとして、そのような実態を熟知していたはずだ。なにしろ、財務省事務次官という強大な権力を持つ者による悪質なセクハラ行為が、テレ朝によってなかったことになりかけていたからだ。
それを防ぐために、女性社員が週刊新潮に情報提供したことは自然な思いつきだったであろう。そのことについて、大手メディアに所属する人間が、さも悪であるかのように評価するのはお門違いであるし、偽善である。
大手メディアと週刊誌とのそのような関係は、一般的には知られていない。それにも関わらず、テレ朝が上記のような言い方をしたために、この女性社員がことさらに悪いことをしたように誤って評価され、それがバッシングの一因となった。
テレ朝は、「結果的に取材源の秘匿という問題に不安を抱かせることになったかもしれない。それも全てわが社の対応が悪く、女性社員を追い詰めた結果である。彼女に責任はない」と言って頭を下げるべきだったと思う。
テレ朝の記者会見後、テレ朝がことさらに悪者のように言われている。しかし、テレ朝だけの問題ではない。テレ朝を悪者にして終わりにしていい話ではない。
新聞社やテレビ局の人であれば、現場の記者がセクハラやパワハラに日常的にさらされていることは常識として知っている。ただ、被害に遭っている記者は、それを言い出すと同僚や上司、会社に迷惑をかけると思っているのであまり口にしない。忙しすぎて、そういうことを相談する時間もない、という現実もある。
誰に相談するのかも迷う。誰を信頼していいのか、その人に相談して対処してくれるのか、という悩みもある。つまり、誰かに相談するというのは、よほど耐えられないと感じた場合が多い。
そして実際に記者から相談があった場合、会社としてどう対応しているか。相談者の要望としては、取材先に内々で抗議してほしいとか、担当を変えてほしいというのが一般的だろう。会社は、そのくらいの対応はしていると思う。
しかし、今回のように「自社が報道すべきだ」と訴えられた時、その望み通りに報道したメディアはあっただろうか。世間には、「女性社員の望む通りに報道すればよかったのだ」という向きもあるが、今回のケースが自社だった場合、「それは出来ない」と断ったメディアがほとんどだったのではないか。各社の見解を聞きたいところだ。
また、全国的に「その女性記者は誰だ」という注目が集まっている中で、最悪な形でほぼ個人が特定されてしまった。インターネットには、特定した情報が流れているし、取材源の秘匿を守らずに週刊誌にネタを売ったけしからん人間である、と公然と批判する人もいる。
しかし、福田氏の言動がセクハラであり、大多数の女性が不快感を覚えることは明らかであるし、福田氏に共感する男性が少ないこともまた明らかだ。
テレ朝の女性社員は、公表によって自らがバッシングを浴びることを予想していただろう。それでも泣き寝入りしなかった彼女に敬意を表したい。今後は、彼女の尊厳を回復することに全力を注がなければならない。
これまで、セクハラ問題は、告発した女性がバッシングされ、居場所がなくなる現実が多くあった。会社内でセクハラした人が配置転換され、被害者が不利益的な扱いを受けなかったとしても、何年も「あいつのせいで〇〇は飛ばされた」などと後ろ指を指される様子を多くの女性たちが見てきた。
その結果、「あんな目に遭うなら泣き寝入りしよう」ということになり、いつまでもセクハラがなくならない、男性の意識も変わらないという悪循環が続いている。今回もこれまでのところ、全く同じ構造だ。
まず、大手マスコミの女性記者たちに立ち上がってほしい。沈黙はセクハラをしているのと同罪だ。テレ朝の女性社員は、女性記者みんなの声を背負って自分が犠牲となったのだ。最近は女性記者の数も多い。会社の垣根を超えて団結し、どうしたらこのような問題がなくなるのか真剣に考えてほしい。この機会を逃したら改善される機会はなくなるかもしれないのだから。
また、セクハラの話になると、男性が全く当事者意識を持てないのも問題だ。問題意識を抱いている男性も多いと思うが、「女性は大変だね。頑張ってね」と他人事で済ましていると感じる。それではこの問題はいつまでたっても終わらない。
セクハラはパワハラとセットになっていることが多い。男性にとっても自分の問題でもあるはずだ。真剣に考えてどうすればいいのか方法を考えてほしい。自分が感じた苦い気持ちを思い出してほしい。
テレ朝の女性社員の二次被害をどう食い止め、彼女の尊厳を回復するか。今となっては非常に難しい。ただ、世の中が少しでも変わるのであれば、それが彼女の被害回復に資すると思う。 
新潮「この期に及んで…驚き」 改めて疑惑否定の福田次官にコメント 4/19
週刊新潮編集部は19日、福田淳一財務事務次官がセクハラ行為を否定していることについて「この期に及んで否定していることに驚きを禁じ得ません」などとするコメントを発表した。コメントは次の通り。
週刊新潮が報じた、福田淳一財務事務次官のセクハラ行為に関する記事は、全て事実に基づくものです。本誌では、被害現場の飲食店を特定するなど、さまざまな検証を経た上で真実と確信し、報道しました。この期に及んでも福田次官がセクハラ行為を否定していることに驚きを禁じ得ません。テレビ朝日の会見内容については承知しておりますが、取材の経過や取材源の秘匿に関わることですので、コメントは差し控えさせていただきます。 
 4/20

 

国会でも「MeToo」 セクハラ疑惑に野党議員がプラカードで抗議 4/20
財務省の福田淳一事務次官のセクハラ発言問題を巡り、野党議員が20日午前、国会内の会合で「#Me Too」と書かれた紙を掲げ、そろって抗議の意思を示した。米国発のセクハラ告発運動のシンボルにならい、財務省事務方トップのセクハラ疑惑と、同省が被害女性に名乗り出ることを求めた対応の問題の深刻さを国内外に訴えた。
抗議の意思は、立憲民主、希望、共産など野党6党による、セクハラ疑惑をめぐる財務省などへの合同ヒアリングの冒頭で示した。
米国の運動にならい、抗議の意味を込めて黒い服に身を包んだ女性議員を中心に、男性議員も含めた15人ほどが紙を掲げた。代表して尾辻かな子衆院議員(立憲)が「セクハラを泣き寝入りする社会にしない。被害者を絶対一人にしない」とアピールした。
ヒアリングでは、同省の調査方法への疑問や、麻生太郎財務相の辞任を求める声が相次いだ。行動に加わった蓮舫参院議員(立憲)は記者団に、「次世代の女性が同じ悔しい思いをしないように先輩たちが頑張ってきたものを、福田次官や麻生大臣はたった一瞬で壊した。ここへの怒りは、継続して声を上げていく」と述べた。(山岸一生)
立憲民主党など野党国会議員の有志は20日、福田淳一財務事務次官による女性社員へのセクハラ疑惑とその後の財務省の対応に抗議するため財務省を訪れる。福田次官がセクハラの事実を認めることや被害者の人権を守ることなどを申し入れる。
野党議員らは財務省に対して、(1)被害者の人権を守ること(2)セクハラの申し出があり抗議する会社に不利益を与えないこと(3)福田次官は即刻セクハラを認め謝罪すること(4)財務省は即刻福田次官がセクハラを起こしたことを認め謝罪すること(5)財務省は今回のセクハラの調査のやり方が不適切であったことを認め、調査を撤回すること――を申し入れる。 
財務省が福田氏を再聴取へ、テレ朝の抗議受けて 4/20
財務省は20日、辞任を表明した福田淳一次官のセクハラ疑惑で、福田氏から再び聞き取り調査を行う方針を明らかにした。
テレビ朝日が、同社の女性記者が被害を受けていたとして財務省に抗議したことを受け、セクハラを否定している福田氏から、再び事情を聴取する必要があると判断した。財務省は、テレビ朝日にも聞き取り調査を申し入れた。
財務省の担当者が、野党6党による合同ヒアリングで明らかにした。
福田氏の部下にあたる矢野康治官房長が行った前回の聞き取り調査で、福田氏は、「女性記者との間でこのようなやりとり(セクハラ)をしたことがない」と述べていた。19日にテレビ朝日が女性記者へのセクハラ行為を公表した後も、否定を続けていた。再調査は、財務省が顧問契約を結んでいる弁護士事務所を通じて行う。
財務省は20日、テレビ朝日の抗議に対して、「貴社にもご納得いただけるやり方で、お話をきちんと伺わせていただきたく、宜よろしくお願い申し上げます」との回答文を出した。これを受け、テレビ朝日は、調査への対応について、「今後慎重に検討してまいります」とのコメントを発表した。・・・  
国益無視した「倒閣運動」 野党“職場放棄”の愚
野党は、国民をバカにしているのか。財務省や防衛省の不祥事をめぐり、麻生太郎副総理兼財務相の辞任要求などに応じない与党に対し、新たな国会日程の協議を拒否する方針を決めたのだ。国際情勢が激動するなか、パフォーマンス狙いの「職場放棄」に等しい。閣僚の海外出張も認めない姿勢は、国益を無視した「倒閣運動」といって差し支えない。
衆院では20日に厚労委員会などを開いたが、野党は質疑に立たず、数時間にわたって議論のない「空回し」が続く見通し。厚労委は、野党が提出した「生活保護法改正案」も議題となり、審議拒否は「自殺行為」にほかならない。
立憲民主党など野党6党は19日、与党に対し、麻生氏の辞任や、セクハラ発言疑惑がかかる財務省の福田淳一事務次官(58)の罷免など4項目を要求した。
これに対し、与党は、麻生氏について「全容解明の責任者として職務を果たすべきだ」として、続投の考えを伝えた。
野党側は、「ゼロ回答だ」と反発し、「徹底抗戦」の構えを見せるが、1日数億円かかる国会審議を拒否して、国民の理解が得られるのか。
セクハラ疑惑については、恒例となった合同ヒアリングで、希望の党の山井和則衆院議員が「財務省はセクハラを認め、おわびすべきだ。次官、省、麻生氏が政権ぐるみで被害者の首を締め付けている」と批判した。
であるならば、野党に所属する不倫議員やセクハラ議員が自らバッジを外し、国民に「申し訳ない」「二度と政界に戻らない」と頭を下げ、ケジメをつけるべきだ。賢明な国民は、野党のご都合主義を見透かしている。
麻生氏や小野寺五典防衛相の米国出張に反対する姿勢には、「的外れ」「筋違い」という言葉しか思い浮かばない。
もし、麻生、小野寺両氏が、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議や、ジェームズ・マティス米国防長官との会談に出席できず、日本の国益を損なった場合、責任を取れるのか。
野党6党が旧社会党のような「万年野党」ぶりを発揮するなか、民進党の会見動画で看過できない事態が起きた。
大塚耕平代表の19日の記者会見で、ある記者が、福田氏のセクハラ発言を告発したテレビ朝日の女性記者の実名を挙げ、それが流れてしまったのだ。ネット上には、女性記者の実名や顔写真が拡散している。
まともな野党が存在しないことが、日本最大の悲劇といえる。 
テレ朝社内も動揺広がる「他に方法があったのでは」 4/20
財務省の福田淳一事務次官(58)は19日、テレビ朝日が女性記者のセクハラ被害を公表したことに対し、依然として自身によるセクハラを否定した。「全体をみればセクハラに該当しないことは分かるはず」と持論を展開した。しかし、セクハラは事実とするテレ朝はこの日、正式に財務省に抗議した。
19日未明の会見から一夜明け、テレビ朝日社内には動揺が広がっている。落ち込んだ様子の女性社員もいるという。取材に応じた関係者は、被害を受けた女性記者の精神的ショックを案じた。ただ、告発に至る経緯については「他に方法があったのでは」と感想を述べた。直属の上司への相談だけでなく、「新潮社に情報提供する前に、社内のコンプライアンス部門や労働組合などしかるべき場所に報告する方法はあったのでは」と話した。他の関係者らは「女性記者はセクハラ発言の証拠を残すため、やむを得なかったかもしれない」と前置きした上で、1対1のオフレコ取材でレコーダーを使った手法が、業界全体への警戒心につながる恐れがあり、取材に支障が出る可能性があると、懸念する声もあった。 
福田次官セクハラ更迭 なぜかテレ朝の女性記者が叩かれる日本 4/20
 辞任までの珍言・暴言・問題発言
財務省の福田淳一事務次官がセクハラ疑惑で辞任した。事実上の更迭である。“最強官庁”と呼ばれた財務省だが、国税庁長官と事務次官が相次いで辞任するという異常事態となった。福田氏の発言を中心に一連の問題を振り返ってみたい。
福田淳一 財務事務次官「すいません、おっぱい触っていい?」 『週刊新潮』4月26日号
福田淳一事務次官のセクハラ疑惑が報じられたのは4月12日発売の『週刊新潮』だった。記事では「胸触っていい?」「手縛っていい?」など、飲食店で一対一だった女性記者に対する福田氏のセクハラ発言が逐一報じられていた。
福田淳一 財務事務次官「時には女性が接客をしているお店に行き、お店の女性と言葉遊びを楽しむようなことはある」 産経ニュース 4月16日
福田淳一 財務事務次官「自分の声は自分の体を通して聞くので、これが自分の声なのかどうかはよく分からない」BuzzFeed NEWS 4月18日
ところが事態は意外な展開を見せる。16日、財務省が福田氏のコメントを発表。「相手が不快に感じるようなセクシュアル・ハラスメントに該当する発言をしたという認識はない」とセクハラ疑惑を完全否定してみせたのだ。
セクハラや労働問題に明るい板倉由実弁護士は「福田さんの認識は関係ありません。女性が不愉快に思う発言をすること自体が問題なのです」と断言(『週刊新潮』4月26日号)。
しかし、福田氏は「週刊誌報道は事実と異なるものであり、私への名誉毀損に当たることから、現在、株式会社新潮社を提訴すべく、準備を進めている」とし、さらに財務省は「福田事務次官との間で週刊誌報道に示されたようなやりとりをした女性記者の方がいらっしゃれば、調査への協力をお願いしたい」とセクハラの被害に遭った女性からの申告を求めた(産経ニュース 4月16日)。
麻生太郎 副総理兼財務相「相手(被害を受けた女性記者)の声が出てこなければ、どうしようもない」産経ニュース 4月17日 「こちら側も言われている人の立場も考えないと。福田の人権はなしってわけですか」テレ朝News 4月17日
17日、財務省トップの麻生氏は記者会見で、女性記者が名乗り出ない限り、セクハラの事実は証明できないとの認識を示した。福田氏をかばい、財務省の異例の要求を認めた形だ。
矢野康治 財務省・官房長「弁護士に名乗り出て、名前を伏せておっしゃることがそんなに苦痛なのか」 東京新聞 4月20日
財務省の矢野官房長は18日の衆院財務金融委員会で「女性記者は名乗り出ない可能性が高い」と指摘されて、こう返した。「中身がわからないことには処分に至らないのが世の常ですよ」とも発言している(J-CASTニュース 4月18日)。なお、矢野氏は福田氏の聴取を担当した人物であり、次の次官に就任すると目されている。
ハラスメントや労働問題に詳しい寺町東子弁護士は、「ハラスメントの調査の手法として、財務省のやり方はセオリーを踏まえていない。逸脱している、稚拙なものです」と厳しく指摘。記者が名乗り出なければセクハラはなかったことにするという麻生氏の見解については「強者が弱者に、無理を押し付けている、暴力的な構造があります」とも語った(BuzzFeed NEWS 4月17日)。
安倍晋三 首相「早く辞めてもらうしかない」 産経ニュース 4月19日
福田氏のセクハラ疑惑に激怒したのが安倍晋三首相だ。菅義偉官房長官とともに15日の段階で福田氏の更迭を決断したが、麻生太郎副総理兼財務相が同意しなかった。安倍首相は福田氏に関する報道を読んで、「ほんとにくだらない会話して、許せないね。もう麻生さんに任せるよ」と語っていたという(『週刊文春』4月26日)。
結局、福田氏は4月18日に辞意を表明した。プチ鹿島氏の記事にもあるとおり、19日の産経新聞は「福田財務次官 更迭」「確実に政権への打撃になっている」と大きく報じた。事実上の更迭であることに間違いない。
麻生太郎 副総理兼財務相「そんな発言されて嫌なら、その場から去って帰ればいいだろ。財務省担当はみんな男にすればいい。触ってないならいいじゃないか」 『週刊文春』4月26日
これは12日に行われた麻生氏の派閥「志公会」パーティー終了後の発言。これがこの国の大臣の認識ならば、セクハラは金輪際なくならないだろう。19日には野党6党が麻生氏の辞任を要求した。
福田淳一 財務事務次官「好きだからキスしたい。好きだから情報を……」 『週刊新潮』4月26日号
4月19日発売の『週刊新潮』(4月26日号)が福田氏のセクハラ発言についてさらに詳しく報じている。2016年11月には「お胸触っていい?」「すごく好きだって気持ちとぉ、胸を触りたいって気持ちとぉ、キスをしたいって気持ちが同時に湧き起こってる」などの発言をしていたそうだが、なんといってもこの発言にトドメを刺す。情報を提供する代わりにキスを要求しているのだ。同号には、ある民放記者の「アラサーの女性記者は、ほとんど被害に遭っています」との証言も掲載されている。
なお、福田氏は辞任を表明した折も「あんなひどい会話をした記憶はない」、19日朝に自宅前で記者団の取材に応じたときも「全体としてみると、そういうことではないということだ」とセクハラそのものを否定(朝日新聞デジタル 4月20日)。今後は裁判で争う姿勢を示した。
篠塚浩 テレビ朝日・取締役報道局長「社員からセクハラ情報があったにもかかわらず、適切な対応ができなかったことに関しては深く反省しております」 朝日新聞デジタル 4月19日
セクハラを受けた女性記者が所属するテレビ朝日の対応も問題視されている。19日未明に開かれたテレビ朝日の記者会見では、女性記者が上司に相談しながらも「報道は難しい」と伝えられ、『週刊新潮』に連絡したことが明らかにされ、篠塚浩取締役報道局長は適切に対応できなかったことに対して反省の弁を述べた(朝日新聞デジタル 4月19日)。
福田氏のセクハラは問題ではない、テレビ朝日がすべて悪い、という意見もネットには多い。代表的な意見として、経済評論家・池田信夫氏の次のようなものが挙げられる。「公平にみて、福田氏がスケベオヤジであることは事実だろうが、そんなことは事務次官の業務とは関係ない。こんなくだらない事件で行政を混乱させたテレビ朝日は関係者を処分し、全社員に報道倫理を教育すべきだ」(アゴラ 4月19日)。この人は何を言っているんだろう? セクハラが悪いに決まっているじゃないか。また、フリー記者の堀田喬氏が19日の民進党の記者会見で、質問の形であえて女性記者の実名を公表したことも話題となった。
日本文学研究者のロバート・キャンベル氏は17日の『スッキリ』で、セクハラ疑惑を報じて「#MeToo(私も)」のムーブメントを起こしたニューヨーク・タイムズがピューリッツァー賞を受賞したことを引き合いに出し、「女優たちが一人ひとり実名を名乗って伝えられたのは、自分たちが不利を被らないという自信、社会が彼女たちを支えるという暗黙の了解があった」と指摘。昨年、伊藤詩織氏が当時TBSワシントン支局長だった山口敬之氏に性的暴行を受けたことを告発したが「葬られてしまった」ことを例に挙げて、「なぜ手を挙げなかったか、挙げられなかったのかは、けっこう根深いこと」と語った。 
能力が高すぎた福田事務次官の“悲劇” 4/20
財務省の福田淳一事務次官のセクハラ疑惑は、やたらとツッコミどころが豊富なニュースで、それゆえ、この話題を伝えるメディアは、どこに焦点を当てて良いのやら混乱しているように見える。
この不可解な偶発事故のために、本丸のいわゆるモリカケ問題への追及を、一時的にであれ手控えたものなのかと訝しみながら、それでも彼らは、このネタに全力でくらいついている。
それほど、この事件は、扇情的かつ洗浄的ならびに戦場的で、つまるところ、やっぱり面白い。だからメディアは追いかけざるを得ない。
私自身、ここまであらゆる方向からネタになる素材を前にすると、しばし考え込んでしまう。マタタビ輸送車両の自損事故現場に遭遇した猫みたいな気分だ。
官僚としての自覚だとか責任だとかいったデカい主題のお話は、すでに無数の論者によって語り尽くされている。いまさらそんな場所に出かけていって、屋上屋を重ねようとは思わない。
といって、細部の論点には踏み込みたくない。というのも、論点のいちいちが、あまりにもバカげているからだ。
次の次官に昇格すると目されている矢野康治財務省大臣官房長による
「中身がわからないことには処分に至らないのが世の常ですよ。それをこの方(被害者の女性)は、この報道が事実であれば、雑誌の中で『こんなことをされた、こんなことをされてとても不快だった』と、カギ括弧つきで書いておられますよ。であれば、その方が財務省でなく、弁護士さんに名乗り出て、名前を伏せて仰るということが、そんなに苦痛なことなのか、という思いでありました」
という国会答弁にしても、麻生財務相の 「福田に人権はないのか?」 という記者への問いかけにしても、論外すぎて取り上げる気持ちになれない。論及するとキーボードが汚れる感じ、だ。
あるいはこれほどまでに論外な論点での答弁は、まともな論者の気持ちをくじくという意味で防衛力の高い態度なのかもしれない。いずれにせよ、原稿のネタにしたい話ではない。
とはいえ、まるっきり黙殺するのもそれはそれで面白くないので、簡単に言及しておく。
セクハラの加害者として複数のメディアの女性記者から名指しにされている当の本人が、「胸触っていい?」「手縛っていい?」といった具体的な会話の録音データをネット上および地上波のテレビ放送を通じてさんざんリピート再生されている状況下で、自身の発言を否定しているだけでも驚きなのに、福田氏は、あろうことか、被害女性を名誉毀損で提訴する意向を匂わせた。
さらに、財務省は財務省で、件の女性記者に対して自分たちが主導する事件の調査への協力を求めている。どういう神経が脳から脊髄を貫いていれば、これほどまでにいけ図々しい申し出を口に出すことができるものなのだろうか。
財務省という組織が、ここまでの一連のやりとりを通じて露呈したダメージコントロールのダメさ加減を主題にすれば、それはそれで一本の原稿になるだろうとは思う。麻生財務大臣の発言傾向を政権時代にさかのぼって時系列で検討してみれば、それもまたそれなりに下品ながらも面白いテキストができあがることだろう。
とはいえ、そのあたりのことをネタに、私が小器用な原稿を書いてみせたところで、どうせきちんと自分の足で取材している人の文章には及ばない。なので、ここから先は、ほかの書き手があまり手がけないであろう話をする。
週刊新潮が伝えた福田氏のセクハラ疑惑の第一報を読んで、私が最初に感じたのは、驚きというよりは、違和感に近い感覚だった。
というのも、録音された音声を聞いた上であらためて記事を読んで見ると、福田氏のセクハラ発言が、通常の日常会話や取材への受け答えの中にまったく無関係に挿入される挿入句のように機械的にリピートされている印象を持ったからだ。
それこそ、学齢期前の子供が、進行している対話とは無関係に「うんこ」とか「おしっこ」だとかいった単語を繰り返し発声しながらただただ笑っている時の、幼児性の狂躁に近いものを感じた。
であるから、第一印象として私が抱いたのは、いやらしさや嫌悪感よりも、不可思議さや不気味さであり、もっといえば当惑の感情だった。
新潮の記事を読むと、福田氏は、取材者である女性記者の質問に答えながら、同時並行的に、取材の文脈とはまったく無縁なセクハラ発言を繰り返している。
不思議なのは、セクハラ発言だけを繰り返しているのでもなければ、取材への対応だけをしているわけでもないことで、この点だけを見ると、まるでマルチタスクのOSみたいに機能しているところだ。
つい昨日、ある知人との対話の中で、この時の福田氏の会話の不思議さが話題になった。
「どうしてこんなに能力の高い人が、これほど支離滅裂なんだろうか」
というのが、その時のとりあえずの論点だったわけなのだが、私は、その場の思いつきで、以下のような仮説を開陳した。
「思うに、福田さんは、事務次官という官僚の頂点に相当する地位に就いていることからも想像がつく通り、本来は猛烈にアタマの良い人で、仕事もできるはずです」
「だから、こういう人のアタマの働き方を、われわれみたいな凡人と同じ基準で評価してはいけません」
「おそらく、異様なばかりに高いポテンシャルを備えた福田さんの脳みそは、助平な思考のためのスレッドと業務用の思考のスレッドをふたつ別々に立てて、その両方をまったく相互に支障なく両立させることができるはずで、だからこそ、助平な福田さんと有能な福田さんという二つの別々の人格を同時並行的に機能させつつ、その二人の腹話術的複合人格の福田さんとして振る舞うことが可能だったのだと思います」
「なんだよそれ。どういう意味?」
「だからつまり、われわれみたいな凡人は、助平なことを考えると全然仕事ができなくなっちゃうし、一方、大真面目に仕事に集中すると助平な妄想を持ちこたえられなくなるわけで、要するに、単能なのですよ、われわれは。で、その、同時にひとつのことしかできない能力の低さゆえに、わたしたち普通の男は、仕事中にセクハラをせずに済んでいるわけです。ということは、われわれは特に清潔な人間であるわけではなくて、単に能力が低いということです」
「ははは。ってことは、福田氏みたいな能力の高い人間は、たとえばエロビデオ見ながらでも論文書けちゃったりするわけか?」
「ぜんぜん書けると思いますよ。ついでにスマホでエロ動画見ながら会議資料用のパワポの編集しつつ通りかかった女性官僚に向けて6秒間に4回のセクハラ発言をカマすことだって朝飯前だと思います。だからこそ次官になれたんですよ」
「ははは。オレもそういう人間になりたかった」
もちろん、この話は、基本的にはジョークだ。が、あらためて振り返ってみるに、福田氏のセクハラ発言に「能力」という視点から光を当ててみた発想そのものは、そんなに的外れではなかったのではなかろうかと思っている。
というのも、福田氏のセクハラ発言は、性的欲求の発露である以上に、他者全般への強烈な優越感が言わせている何かで、結局のところ、自身の能力への異様なばかりの自負の副作用であるに違いないからだ。
一般に、勉強のできる子供は思い上がっているものだ。私自身、中学を卒業する段階までは成績の良かった生徒で、型通りに思い上がっていた。
15歳の人間にとって学校の成績が優秀であることは、一点の曇りもない全能感をもたらしてくれるよすがでもあったということで、まあ、なんというのか、中学生というのは、それほど視野が狭いということです。
もちろん、そんな状態はいつまでも続かない。思い上がった少年は、いずれ自分の能力の天井を知ることになる。あるいは、自分よりも能力の高いライバルに出会うことで天狗の鼻をへし折られる。
その、得意の絶頂からの墜落の経験が何歳の段階で訪れるかによって、人格形成には多少のバラつきが生じるものなのだが、いずれにせよ、99.9%の人間は、子供時代の全能感を失うことと引き換えに大人になる。その意味からすれば、男の子が大人になることは、優秀さという夢から醒める過程なのだと言っても間違いではない。
ところが、東大の法学部経由で財務省に任官して、しかも次官になる能力に恵まれた特別な人間は、転落も敗北も経験しないまま中年男に成長している。
ということは、14歳だったオダジマが抱いていたような無限の全能感とともに58歳になっているわけだからして、これは極めてやっかいな人間に仕上がっているはずなのだ。
もちろん、能力が高いことそのものは、素晴らしいことだし、うらやましいことでもある。
とはいえ、情報処理能力が、実は視野の狭さを条件に発揮される資質であることもまた一面の事実ではあるわけで、専門性の高い枠組みの中で結果を求められている人間が、いつしか、枠の外の世界と遊離した人間になりおおせることは、避けがたい宿命であったりもする。
であるからして、特定の閉鎖環境の中で人並み外れた情報処理能力を競いつつ出世レースの階段を登っている人間たちは、その閉鎖環境の外から見て、自分たちがどんなふうに見えているのかという視点を失うに至る。
というよりも、そもそも、とびっきりに優秀な人間だけが集まって互いの能力を競っているフィールドでは、外部の人間などものの数ではないのだ。
陸上選手が、自分より速いタイムで走るアスリートをリスペクトせざえるを得ないのと同じように、ある特定の分野で特定の能力を競っている人間は、やがてその能力でしか人を評価しなくなる。
であるから、陸上のトラックではタイムが、予備校の教室では模試の偏差値だけが絶対的な金メダルになる。
もっとも、人は一生涯陸上部員であり続けるわけではないし、終身の受験生でもあり得ない。普通の人間は40歳を過ぎてなお自己記録更新に励み続けるような生き方は選ばないし、大学を出てなお別のさらに高偏差値の大学を受験することもしない。
だからこそ、われわれは、自分の人生の中に、短距離走の持ちタイムだけで人間の価値を決めつけていた一時期があったことを、むしろ可憐な思い出として思い出す境地に到達することができる。
ところが、競争をやめない人間は、競争レーンの外の視野を知らない。
彼らは、自分たちが走っているトラックと別の場所で暮らしている人間を、自分と対等の存在だとは考えない。逆に言えば、そういう視野の狭い人間として生きることが、彼らの競争力の源泉なのだ。
あるいは、さらに別の言い方をすれば、ある種の能力は、視野の狭さそのものだということでもある。
ともあれ、彼らの中には、自分たちの結界の外にいる人間を昆虫かなにかみたいに考える極端なメンバーが含まれている。だからこそ、あれほど無機質なセクハラを発動することができるのだ。
優秀さは、「比較」から生じる概念だ。とすると、順序からして、他人を見下す過程を経ないと、人は「優秀」な状態に到達できないわけで、逆に言えば、「優秀」であるためには、自分より劣った人間に囲まれなければならないことになる。
つまり優秀な人間は、他人を見下すことによってしか自分の優秀さを確認できないのだ。なんということだろう。
おそらく、内閣人事局という仕組みを発想した人々のアタマの中には、ここのところの問題がひっかかっていたのだと思う。すなわち、もっぱら省益という狭い視野の中でのみその優秀さを競っている官僚の能力を、その省の官僚が評価したら、これは出口がないぞ、と、彼らは考え、だからこそ、政治主導による官僚の人事査定を画策したわけで、その考えそのものは、そんなに間違っていなかったはずなのだ。
ところが、内閣人事局は、現状を見るに、どうやら、当初の思惑通りには機能していない。官僚を評価する能力も倫理観も持たない政治家が、人事権を武器に官僚を小突き回すためのツールみたいなものに成り下がっているように見える。
ともあれ、誰もが認める官僚エリートたる福田淳一氏が、あきれるほどの脇の甘さを露呈しつつ、単純なセクハラスキャンダルで躓いたことを伝えるこのニュースは、人並み外れた能力が、本人にとって重荷でもあるということを教えてくれる示唆的なケーススタディだった。
さらに付け加えるなら、自らの能力を恃む人間がセックスの罠に陥りがちであることから導かれるのは「セックスほど平等な堕落はない」という平凡な事実だったりする。その意味でも味わい深い事件だった。
福田氏は、結果として、次の次官の任期を縮めてしまったこと(←いずれ遠くない時期に文書改竄事件の責任を取って辞任せねばならない)を気に病んでいることだろう。
パソコンならば暴走したプロセスを強制終了させることもできるが、人間ではそうもいかない。自分の気持ちを整理するためにも、半年くらい自らフリーズして暮らすと良いのではなかろうか。 
 4/21

 

退職金は5361万円 セクハラ福田淳一次官の優雅な豪邸生活 4/21
こういうのを「盗人に追い銭」というのだろう。
セクハラ問題で辞意を表明した財務省の福田淳一事務次官(58)。19日未明、被害女性がテレビ朝日の記者だったことが判明したが、福田氏は「(テレ朝の会見は)一部しかとってないでしょ。向こうがお話しになっているところをとってないんで。全体を見てくれと前から申し上げているのに、全体を申し上げればそういうものに該当しないっていうのは分かるはず」とあくまでもセクハラを否定。辞任理由については「仕事にならなくなっているから」と他人のせいだと言わんばかりだ。反省のそぶりもない。
しかも多額の退職金を手にする予定だ。財務省秘書課によると、福田氏は月給117万5000円で勤続36年のため、退職金の基本額は4789万5232円。これに最高レベルの役職調整額572万4000円が加算されて合計5361万9232円となる。この金額が退職日から1カ月以内に一括で支給されるのだ。念のため言うと、国税庁長官を辞任した同期の佐川宣寿氏の退職金は4999万円だ。
一方、福田氏には借入金もある。今回のセクハラ報道で、福田氏が自宅から出勤する光景が何度も報じられた。登記をみると、東京・目黒区にあるこの一戸建ては地上3階、総床面積135平方メートルの“立派な家”。福田氏はこの土地を2010年に購入。同年10月、福田氏は土地を担保に2800万円を、翌11年2月には3000万円を金融機関から借り入れている。合計5800万円だ。
同年7月に家を新築。土地も建物も妻との共有名義だ。いくらローンを返済したかは不明だが、購入から8年経つので、残りを退職金で払ってもお釣りが返ってくるだろう。羨望のため息が出る話ではないか。「国民は『役人天国』という言葉を思い浮かべているでしょう」とは政治学者で元衆院議員の横山北斗氏だ。
「福田氏は次官の肩書があるからこそ番記者がつき、その番記者の女性にセクハラをしていた。次官だからこそ高給をもらい、5000万円を超える退職金を手にするわけです。今回のセクハラ疑惑は勤務先の名誉を著しく傷つけたのだから、一般企業なら懲戒解雇もの。退職金をビタ一文ももらえない厳しい処分を受けるかもしれないのです。ところが福田氏は満額を手にし、ほとぼりがさめれば天下りも可能。年収は1000万円以上でしょう。第二の人生を快適に過ごすために必死でセクハラを否定しているのだと思います」
世の中、狂っている。 
財務省、福田次官から再聴取へ 4/21
財務省の福田事務次官から、記者がセクハラ発言を受けたとしてテレビ朝日が抗議している問題で、財務省は福田氏から再び聞き取り調査をする方針を明らかにしました。 「テレビ朝日に協力をお願いし調査する。あるいは、テレビ朝日が把握している事実を前提として、福田に対する聴取を行っていく」(財務省担当者)
女性記者がセクハラを受けたとしてテレビ朝日が財務省に抗議している問題をめぐり、20日行われた野党6党の合同ヒアリングで、財務省は、福田氏から再び聞き取り調査を行う方針を明らかにしました。福田氏は、テレビ朝日がセクハラ被害を明らかにしてからも自身のセクハラ発言を否定していて、財務省はテレビ朝日にも「納得いただけるやり方で話を伺いたい」と調査への協力を依頼しています。  
「テレ朝はギリギリセーフ」発言に小川アナ“ブチ切れ” 4/21
勝手な言い分ばかりでさすがに腹に据えかねたか。19日放送のテレビ朝日系「報道ステーション」で、財務次官のセクハラ疑惑を取り上げた際、「テレビ朝日は会見したのでギリギリセーフ」とのコメンテーターの発言後、同局の小川彩佳アナウンサー(33)が憤まんやるかたない表情をみせたのだ。その怒りは次官のセクハラへか、女性記者の訴えをつぶそうとした局へか。本当にギリギリセーフなのか。
テレビ朝日は、18日の同番組で、財務省の福田淳一事務次官(58)のセクハラ疑惑について、自社の女性記者が被害を受けたと公表し、19日未明に記者会見。さらに同日には財務省に正式に抗議文を提出し、この日の「報道ステーション」でも、このニュースをトップで報じた。
今回のセクハラ騒動では福田次官への非難はもちろんだが、女性記者がセクハラを受けたことを相談した際、放送すると本人が特定されて二次被害が心配されることなどを理由に、報道は難しいとしたテレビ朝日の対応にも非難が上がっている。
番組では、キャスターの富川悠太アナ(41)から意見を求められたジャーナリストの後藤謙次氏(68)が「テレビ朝日が最初、女性記者から相談を受けたときの対応は大いに反省してもらいたい」としながらも、「ただ今回、記者会見をして事実公表したことで、ギリギリセーフ」としたのだ。
小川アナの怒りが飛び出したのは、この後。
番組は日米首脳会談のニュースに移ろうとしたが、小川アナはけげんそうに眉をひそめ、ため息をつきながらうつむきがちに小首をかしげると、憤まんやるかたない表情で机を軽く両手でバンと押しつけるような仕草をみせた。
この姿はネット上でもさっそく「イラッとしてた」「ブチ切れている」「明らかに不満の表情だったな」と注目された。
小川アナは、青山学院大学国際政治経済学部を卒業後、2007年にテレビ朝日に入社。報ステのサブキャスターは、古舘伊知郎(63)がキャスターの11年から務めている。嵐の櫻井翔(36)との交際が報じられたことも。
「テレ朝を代表する美人アナ。幼い頃にアメリカで過ごした帰国子女で報道畑も長い。アナウンサーを志したのも、アメリカで多様な価値観に刺激を受け、さまざまな考え方の架け橋になりたいという思いから。そういう意味では、旧態依然としたセクハラが局内でもまかり通る状況に怒りを覚えても無理はありません」とマスコミ関係者。
率直な言葉を聞きたいところだ。
小松靖アナ「テレ朝の報道の信頼は地に落ちた」 4/21
財務省の福田淳一事務次官(58)のセクハラ疑惑について、テレビ朝日の一連の対応を問題視する声は内部から次々と噴出した。
小松靖アナ(43)は19日、テレ朝が出資するインターネットテレビ、AbemaTVのニュース番組「AbemaPrime」で、女性記者が週刊新潮に録音データを提供したことで「テレビ朝日の報道の信頼は(中略)地に落ちたと言っても過言ではない」と述べ、取材対象者に無断で録音していたことを批判。同時にテレ朝に対しては「この女性記者を守りきれなかった」と述べた。
同日朝の「羽鳥慎一モーニングショー」でも、同局の玉川徹解説委員(55)が「本当はこれ(セクハラ発言)はテレビ朝日で伝えなければいけなかった」との見解を示した。  
セクハラで女性記者の倫理を問う読売社説 4/21
財務次官のセクハラ問題で、新聞各紙が社説で財務省を批判している。そのうち読売新聞だけがトーンがやや異なる。「データを外部に提供した記者の行為は報道倫理上、許されない」としてセクハラ被害を受けていたというテレビ朝日の女性記者を批判しているのだ。だが女性記者は上司から「報道は難しい」と断られている。倫理が問われているのは、記者の行為なのか――。
○全国紙すべてが社説に取り上げた
超エリート官僚である財務省の福田淳一事務次官の辞任表明が、テレビや週刊誌、そして新聞で大きく取り上げられた。
「おっぱい触っていい?」「手縛っていい?」「キスしていい?」「浮気しようね」
福田氏はこんなあぜんとさせられるような言葉を都内のバーで何度も繰り返しながらテレビ朝日の女性記者に迫った。被害を受けた女性記者は彼女だけではないという。
財務省の事務方トップと取材記者。記者にとっては仕事である。しかし福田氏にとっては大きく違っていた。
女性記者は1年ほど前から数回、取材目的で福田次官と会食していたが、その度にセクハラ発言を浴びた。そのため「身を守ろう」と会話を録音していた。週刊新潮のニュースサイトで音声データもアップされた。
週刊新潮(4月12日発売)がセクハラ行為を書いた後も「女性記者と会食した覚えもない」と全面否定していたが、更迭された。しかしその後も「あんなひどい会話をした記憶はない」とセクハラ行為を否定している。
沙鴎一歩は、週刊新潮で福田次官のセクハラ行為が報じられた当初、この話題を新聞の社説が取り上げることはないだろうと考えていた。
だが朝日新聞が4月17日付の社説で「財務次官問題 混乱は深まるばかりだ」を掲載したのを皮切りに結局、全国紙すべてが社説で論陣を張った。
それだけ福田氏の行為がひどかったことになるのだが、いまの時代、「女性を侮ると、自らの生命を失う」という目に遭う。セクハラ問題の本質を福田氏はまったく理解していない。
○福田氏も財務省も国民の目をあざむこうと懸命だ
4月17日付の朝日社説は「財務省はきのう、部下である官房長らの聴取に対し、福田氏は疑惑を否定したと発表した。だが、与党内からも辞任を求める声が上がっており、混乱は収まりそうにない」と指摘し、「この間、福田氏は記者団から逃げ回り、取材にまともに答えようとしなかった。報道が事実と異なるのであれば、ただちに反論できたはずなのに、なぜそうしなかったのか」と書く。
福田氏は最初から否定の構えで、財務省の事務方トップとしていまだにまともな記者会見も行っていない。財務省もひどい。部下の官房長による聴取では結果が見えている。福田氏、財務省ともども国民の目をあざむこうと懸命なのだ。すべてうやむやにしようと企んでいた。
朝日社説は「麻生財務相の対応の鈍さ、危機感の薄さにも驚く」とも書く。
「報道当日、国会で追及されると、本人から簡単な報告があったとしたうえで、『十分な反省があったと思うので、それ以上聞くつもりはない』と、事実確認すらしない考えを示した」
「翌日の記者会見では、『事実だとするなら、それはセクハラという意味ではアウトだ』との認識を示しながら、『本人の長い間の実績等々を踏まえれば、能力に欠けるとは判断していない』と擁護した」
「反省があった」「事実だとするなら」「長い間の実績」という言葉を使って発言するところなど、麻生氏もセクハラ行為の問題性をまったく理解していなかった。
○「セクハラ調査には繊細な配慮が必要だ」と毎日
毎日新聞の社説(4月18日付)はその中盤で「(財務省が)事実解明のための『協力要請』と称して、セクハラを受けた女性記者に名乗り出るよう呼びかけている」と書き、こう指摘する。
「女性記者からの訴えを受け付けるのも、役所の顧問弁護士だ。『客観性を担保する外部』の中立的な立場とは言えない。セクハラ問題は調査に繊細な配慮を要する。まだ事実関係がはっきりしないにせよ、このやり方では、官庁の権力を背にした一方的な印象を拭えない」
その通りである。財務省側には「繊細な配慮」がまったくないのだ。それどころか当初から「女性記者は出てこられない」と高をくくっていた。
さらに毎日社説は「野田聖子総務相は閣議後の記者会見で『家族にも言いづらい話で、相手方に話をするのは私個人でも難しい』と述べた。与党内からも同様の批判が出ている」とも指摘する。
○「財務省は醜聞の擁護者」と産経
次に4月18日付の産経新聞の社説(主張)。政権や行政寄りの社説が多い産経社説にしては「財務省は醜聞の擁護者か」とかなりきつい表現を使って見出しを立てている。
産経社説も財務省の女性記者に対する協力要請を取り上げ、「麻生氏も会見で『(被害女性が)出てこないといけない。申し出てこないと、どうしようもない』と、被害者なしには事実認定できないとの考えを示した」と書いたうえで、こう主張する。
「聞きようによっては、恫喝である。セクハラ問題対応の大原則は被害女性の保護だ。それが女性記者であっても、何ら変わることはない」
財務省の要請を「恫喝」と批判し、「被害女性の保護」を強調する。このへんも産経社説にしては珍しく女性の見方になっている。沙鴎一歩は内心、驚いた。
最後に産経社説はこうも指摘する。
「福田氏は、問題とされるやりとりについて、自身の関与をぼかしながら『悪ふざけ』『言葉遊び』と表現した。問題の根幹を理解していないらしい。官僚には常識や徳目も求められる」
冒頭で書いたように福田氏はセクハラ問題の本質をまったく理解していないのである。
○「セクハラは到底許されない」と読売
全国紙の中で最後だったが、安倍政権を擁護することが多い読売新聞も社説のテーマに取り上げた。
4月20日付の読売社説は「問われる人権配慮と報道倫理」と見出しを立て、福田氏や財務省の姿勢を問題にする他社の社説とは少々違う。
書き出しは「主要官庁の次官が、セクハラ疑惑で職責を果たせなくなっている。辞任しか選択の余地はなかったと言えよう」と割と静かだが、社説中盤では「セクハラは重大な人権侵害である。事実とすれば、到底許される行為ではない」と言い切っている。
読売社説は「福田氏は記事の内容を一貫して否定している。名誉毀損で新潮社を訴える姿勢も示した。これに対し、テレビ朝日は、自社の女性記者が福田氏からセクハラ被害を受けていた、と発表した」と書き、「福田氏があくまで否定するのであれば、司法に事実認定を委ねるしかないのではないか」と主張する。
この後も含め、読売社説の指摘や主張は朝日や毎日、産経などの社説と変わらず、理解できる。問題なのは後半部分である。
○報道倫理で判断する読売は大きな間違いだ
「取材で得た情報は、自社の報道に使うのが大原則だ。データを外部に提供した記者の行為は報道倫理上、許されない」
こう書いて読売社説は音声データを週刊新潮に提供したテレビ朝日の女性記者を批判する。
しかし女性記者にとって録音やそれを外部に出した行為は、自分自身を守る唯一の方法だったと思う。あくまでも彼女は被害者なのだ。そこを忘れてはならない。読売社説のように報道倫理の観点から彼女の行為を判断するのは大きな間違いである。
続けて読売社説は「取材対象者は、記者が属する媒体で報道されるとの前提で応じている。メディアが築いてきた信頼関係が損なわれかねない」とも書くが、これもおかしい。彼女の場合、セクハラの被害という特殊なケースである。しかも上司に「この問題を報じたい」と申し出ていたという重大な事実を無視している。
読売社説は最後に「テレビ朝日の対応も看過できない。最初に被害の訴えを受けた際、会社として財務省に抗議などをすべきではなかったか」と書き、「記者を守り、報道のルールを順守させる姿勢を欠いていた、と言わざるを得ない」と指摘しているが、ここは納得できる。
テレビ朝日は女性記者から相談を受けた時点で早く対応し、自社で報じるべきだったと思う。 
 4/22

 

 
 4/23

 

「ある意味犯罪」自民・下村氏が発言謝罪 4/23
財務省の福田淳一事務次官のセクハラ疑惑を巡り、自民党議員が相次いで問題のある投稿や発言をして謝罪・撤回する事態となっている。自民党の下村博文元文部科学相は23日、テレビ朝日記者が福田氏の発言を録音して週刊誌に提供したことを22日の講演で「ある意味犯罪」と発言したことを認め、撤回した。野党は「自民党の体質だ」と批判を強めている。
下村氏の発言は、23日付の共産党機関紙「しんぶん赤旗」が報道。下村氏は記者団に「そういう言い方をし・・・ 
長尾・自民衆院議員 女性議員らに「セクハラ縁遠い」投稿炎上 4/23
財務省の福田淳一事務次官のセクハラ疑惑を受け、黒い服の装いで抗議する野党の女性議員らについて、自民党の長尾敬衆院議員(55)は22日、「セクハラとは縁遠い方々」などとするツイッターの書き込みを削除して謝罪した。ネット上に掲載した文章で「セクハラにあたるというご指摘を真摯(しんし)に受け止める」と説明した。
長尾氏は20日、ツイッターで「Me Too」と書かれたプラカードを掲げて抗議の意思表示をしている女性議員らの写真を掲載。「セクハラはあってはなりません」としながら「少なくとも私にとって、セクハラとは縁遠い方々です」「私は皆さんに、絶対セクハラは致しませんことを、宣言致します!」と書き込んでいた。これに対し「相手を選んでセクハラする宣言か」「発言自体がセクハラだ」などと批判が殺到した。 
セクハラ被害のテレ朝記者を「犯罪者」呼ばわりの下村博文・元文科相 4/23
一体、どこまで安倍政権は女性を愚弄すれば気が済むのか。本日付のしんぶん赤旗の報道によると、昨日、都内でおこなわれた講演会において下村博文・元文科相が、財務省の福田淳一・事務次官のセクハラ問題でテレビ朝日の女性記者が会話を録音していたことについて、こう発言したというのだ。
「確かに福田事務次官はとんでもない発言をしたかもしれないけど、テレビ局の人が隠してとっておいて、週刊誌に売ること自体が、はめられてますよ。ある意味犯罪だと思う」
福田次官は女性記者に嵌められた、無断録音は犯罪だ。──この期に及んで下村元文科相はそう主張したのである。
何度でも言うが、セクハラやパワハラの被害者がその証拠として録音をおこなうのは当然のことで、相手の了解を取る必要などない。証拠の有無は裁判にも大きく影響するし、今回も音源という決定的証拠を突きつけられ記者が社名を公表してもなお、セクハラの事実を否定しつづける福田次官の態度を見れば、もし記者が録音していなければ「捏造」などと攻撃されセクハラの事実が葬り去られていたのは想像に難くない。
さらに、安倍官邸からの報道圧力に晒されるなかで、記者のセクハラの訴えを報じようというテレビ局が果たしてあるのか。たとえ直属の上司レベルが報じようとしたとしても、上層部の横やりで潰されていたのは火を見るより明らかだし、テレ朝のように事後に記者会見で事実を公表することさえ異例の対応だったと言わざるを得ない。大手マスコミの現実を見れば、セクハラの事実を広く公にするためには週刊誌にもち込むしか方法はなかった。そしてそれは正しい選択だった。
いや、セクハラやパワハラの被害がなくとも、絶対的権力者である為政者などに対する取材において、記者が無断で録音をおこない、それを公開しても、何ら問題はない。オフレコが前提の場でも、それが重大な問題を孕んでいる場合、信義誠実の原則よりも国民の知る権利が優先されるべきだからだ。
女性記者の行為が「犯罪」ではないのはもちろん、下村氏が今日になって釈明した「取材倫理違反」にも当たらない。  
だが、下村元文科相はそうしたセクハラ被害者の正当な行為や、報道の自由、国民の知る権利を「はめられた」「犯罪」と罵った。これは二重の意味で看過できない発言だ。むしろ、セクハラ被害に遭ったテレ朝女性記者のおこないではなく、こうした下村元文科相の発言こそ、名誉毀損罪や侮辱罪に問われるような「犯罪」的行為だろう。
しかも、下村元文科相はほかにもこんなことを語っていたことが、共産党が公開した音声データによって明らかになった。
「日本のメディアは日本国家をつぶすために存在しているのか、と最近つくづく思う」
「(安倍首相は)よく精神的に堪えないでがんばってる」
「安倍支持を言うような人をテレビ局は使わない。安倍反対の人ばっかりを使う」
「テレビ局の大半は安倍降ろしだ」
セクハラ問題はもちろん、公文書の改ざんに加計疑惑において安倍首相と官邸がついた嘘が明白になるなど、国民から不信を買っているのはすべて自分たちの問題だというのに、この歪んだ認知……。セクハラ被害者を犯罪者呼ばわりまでしてメディアを敵視し圧力をかけ、この国を潰そうとしているのが安倍首相や下村元文科相をはじめとする安倍自民党と官邸ではないか。
だいたい、下村元文科相は、何かに対して「犯罪だ」などと言えるような立場では断じてない。
昨年6月末、「週刊文春」(文藝春秋)は、加計学園が下村氏の後援会「博友会」の政治資金パーティ券を2013年と2014年にそれぞれ100万円、計200万円分を購入していたことを報道。しかも、この加計学園によるパーティ券購入の事実は、政治資金収支報告書に記載がない。政治資金規正法では20万円を超えるパーティ券購入には支払った者の氏名や住所などを報告することが規定されており、同誌は政治資金規正法違反の疑いを指摘していた。
しかし、下村元文科相は記者会見で、加計学園の秘書室長が窓口となり「加計学園以外の個人や企業から」現金を集め、取りまとめ役として持参しただけだと主張し、しかも、ほかの個人名や企業名を公表するかについては「確認について努力したい」とお茶を濁した。
こんな方法がまかり通るなら闇献金し放題になってしまうが、下村元文科相の説明はその違法性や闇献金疑惑を何ひとつ払拭するものではなかった。詳しくは過去記事を参照いただきたいが、下村元文科相は政治資金規正法違反の疑いだけでなく、教育行政のトップが特定の学校法人関係者と金銭のやりとりをおこなっていること自体が口利きなどの癒着を疑われることは間違いなく、事実上、賄賂事件とも言えるのだ。
にもかかわらず、下村元文科相はこの会見で「記事は事実無根」と否定するばかりか、このとき「週刊文春」が入手していた下村事務所の「入金リスト」のデータを持ち出したのは、当時、都議選に立候補していた元秘書だと攻撃。この元秘書とは都民ファーストの会から立候補していた平慶翔氏のことだが、下村元文科相は平氏が事務所費を横領していたと言い、「元秘書による選挙妨害が目的」だと主張しはじめたのだ。
だが、いま問題の焦点となっている2015年4月2日の面会記録文書にしても、加計学園の獣医学部新設について当時文科相だった下村氏と安倍首相が話し合うなど、下村元文科相と加計のかかわりは重大なポイントとなっている。さらに、加計幹部らが官邸訪問したとき、下村文科相と安倍首相は官邸で面会しており、その上、下村文科相は官邸内で加計幹部らに「やあ、加計さん。しっかりやってくれよ」と声をかけたと「週刊朝日」(朝日新聞出版)が伝えているのだ。
しかし、下村元文科相は昨年6月末に開いた記者会見で、選挙中であることを理由に「都議選が終わったら丁寧にお答えします」と述べたきり、都議選が終わって約10カ月が経ついまも「丁寧にお答え」などしていない。
ようするに、自身に向けられた闇献金疑惑から目をそらせようと、本題とは何の関係もない横領疑惑をもち出して「選挙妨害だ」とがなり立てた。──これは、福田次官のセクハラ行為が問題になっているのに、無断録音を俎上に載せて「犯罪だ」と強弁する態度とまったく同じの、醜い話のすり替えではないか。そして、いまなお下村元文科相は疑惑の説明から逃げつづける一方で、セクハラの矮小化と女性記者の名誉を毀損するような暴言だけはしっかり吐いているのだ。
こんな人物が文科相だったのかと思うだけでおぞましいが、しかし、これが安倍自民党の正体なのだ。たとえば、セクハラ問題に抗議する野党の女性議員たちに対して自民党の長尾敬衆院議員が〈少なくとも私にとって、セクハラとは縁遠い方々です。私は皆さんに、絶対セクハラは致しませんことを、宣言致します!〉などと投稿し炎上、昨日になって投稿を削除、謝罪をしたが、同じく自民党衆院議員の杉田水脈氏も今回の問題を〈冤罪〉〈現代の魔女狩り〉と主張。麻生太郎財務相にいたっては、オフレコの場で記者たちに対して「男の番(記者)に替えればいいだけじゃないか」「ネタをもらえるかもってそれでついていったんだろ。触られてもいないんじゃないの」と開き直っている。
国民に説明責任も果たさない疑惑の元大臣がセクハラ告発した女性記者の行為を「犯罪だ」とのたまい、頑として他人事の担当大臣が「男に替えればいいだけ」と言い放つ──。安倍政権が必死に喧伝してきた「女性が輝く社会」という政策は、結局、こういった女性の権利、国民の権利を奪う“自分勝手”な本音でできあがっている。そのことを忘れてはいけないだろう。 
自民・下村博文氏が「隠しテープを週刊誌に売ってある意味犯罪」と発言 4/23
4月22日、東京都内での講演で発言していた。
財務事務次官のセクハラ問題で、共産党は23日、自民党の下村博文・元文部科学相が「隠しテープで撮っておいて、テレビ局の人が週刊誌に売るってこと自体がある意味で犯罪だと思う」と講演で述べた音源を報道陣に公表した。下村氏は同日夕、発言を認めたうえで撤回、謝罪した。
共産党によると、講演は22日に東京都内で行われた。同党が独自に入手した音源では、下村氏はセクハラ発言をしたとされる福田淳一・財務次官は「はめられた」とし、被害女性について「ある意味で犯罪」などと述べた。
共産の小池晃書記局長は23日の会見で「被害者を加害者扱いしているとしか取れない発言だ。自民党そのものの責任も問われる」と批判。下村氏は同日、「『ある意味犯罪』と述べたのは表現が不適切でした。素直に撤回するとともに謝罪いたします」とするコメントを発表した。 
セクハラ発言疑惑の福田次官に経団連会長「極めて不見識」 4/23
女性記者へのセクハラ発言疑惑で辞任を表明した財務省の福田淳一事務次官に対し、経団連の榊原会長は「極めて不見識だ」と述べ、厳しく批判しました。
「公開された福田次官の言葉とされる内容は、その真偽は別として、まさに品位に欠ける内容。国の政策の舵取りに大きく関与する財務省の幹部、特に筆頭幹部だと思いますが、全くふさわしくない」(経団連 榊原定征会長)
経団連の榊原会長は、女性記者へのセクハラ発言疑惑で辞任を表明した財務省の福田次官について、「国民の厳しい目が向けられている中でこのようなことが起きたのは極めて不見識だ」と述べ、厳しく批判しました。また、麻生財務大臣の責任については、「麻生大臣ご自身がお考えになることだ」と述べるにとどめました。
「異性と1対1という形、様々な誤解を生みかねない、報道機関は会社としてそういった状況を見直す。取材のためなら1対1でもどこでも行く、夜でもお酒の場でも行くというのは、本当に公器として求められることなのかなという疑問は、一国民としてはありますね」(経団連 榊原定征会長)
一方、榊原会長はこのように述べた上で、「マスコミ側にもひとつの規律や規範があっても良い」と指摘しました。 
 4/24

 

麻生財務相「はめられたとの意見ある」 4/24
麻生太郎副総理兼財務相は24日の閣議後記者会見で、財務省の福田淳一事務次官の辞任承認を公表した際、セクハラ疑惑について「はめられて訴えられているんじゃないかとか、世の中にご意見ある」と語った。被害を受けたとされる女性の訴えを軽視するかのような発言に野党から批判の声が上がっている。
麻生氏は会見で「セクハラ疑惑は少なくとも週刊誌報道だけで『あった』と認定するのはいかがなものか」と強調。そのうえで「はめられて訴えられている」との意見もあると指摘し、「きちんと人権も考えて、双方の話を聞かないと」と続けた。
慎重に事実関係を見極めるべきだとの趣旨とみられるが、24日に開かれた財務省に対する野党のヒアリングで、希望の党の山井和則衆院議員は「根拠なく言ったとしたら、完全な第2のセクハラ、人権侵害だ。即刻、撤回してほしい」と批判。「被害者を加害者扱いしている」「被害者の側に立っていない」との反発も出た。
これまで麻生氏は「(セクハラを)言われている人の立場も考えないと。福田の人権は無しってことですか」とも発言していた。 
福田次官辞職 処分見送り セクハラ疑惑 退職金支払い留保 4/24
セクハラ疑惑を報じられた福田淳一財務次官の辞職について、政府は二十四日の閣議で承認した。同氏は同日付で財務省を退職した。野党側は女性記者へのセクハラの認定と福田氏の処分を求めていたが、現時点では見送った。財務省は顧問弁護士による事実解明に向けた調査を進める方針。森友改ざん問題で佐川宣寿前国税庁長官も先月辞任したばかりで、財務省は次官級三人のうち二人が不在という異例の事態に陥る。麻生太郎財務相は自身の進退については「考えていない」と続投を表明したが、財務相の監督責任を問う声が一段と強まるのは避けられない。 
麻生財務相は閣議後会見で「事務方のトップが自身のセクハラ疑惑で辞任することになったことは、はなはだ遺憾だ」と述べた。
財務省の次官が任期途中で退任するのは旧大蔵省時代の接待汚職事件の一九九八年以来二十年ぶり。矢野康治官房長が次官の職務を代行する。
麻生氏はセクハラの事実があったかについては「本人が否定するなかで週刊誌の報道だけでセクハラ認定して処分を行うのはいかがなものか」として現時点での事実認定は困難との見方を示した。社員がセクハラ被害を受けていたことを公表したテレビ朝日の協力も求めて、調査を継続する方針だ。
福田氏は「職責を果たすことが困難だ」として十八日に辞意を表明した。財務省は調査が終わるまで約五千三百万円の退職金の支払いは留保するとしている。調査で懲戒処分に相当すると判断された場合は退職金を減額することを本人も了解しているという。
ただ、人事院のルール上は、辞任後に退職金を減額する制度は懲戒免職相当の悪質性がさかのぼって認定された場合に限られており、いったん辞職すると減額に法律的な根拠は乏しくなる。
麻生太郎財務相は二十四日の閣議後会見で、セクハラ疑惑の調査に関して「(福田淳一氏が女性に)はめられて訴えられているのではないかとかいろいろ意見がありますから」として、被害女性に対する侮辱的な発言をした。財務省は被害を訴えたテレビ朝日の抗議を重く受け止めるとしたが、麻生氏の発言から問題の重大性を感じられなかった。
麻生氏は会見の冒頭、福田氏への追加処分があることを示唆した。しかし、テレビ朝日の女性が被害を名乗り出ているにもかかわらず、現時点では事実認定できないとの従来の見解を崩さなかった。
テレビ朝日は財務省に、徹底的な調査と早急な結果の公表を求めている。麻生氏は「テレビ朝日の話をきちんとうかがわないといけない」としながらも、その話を聞く前から「はめられて」という表現を使った形。その上で「本人(福田氏)の人権も考えて双方の話を聞かないといけない」とした。
麻生氏の発言については同日開かれた野党六党による財務省への合同ヒアリングでも批判が相次いだ。
立憲民主党の尾辻かな子氏は「セクハラ被害者への人権侵害だ」と非難。希望の党の山井和則氏は「被害女性を加害者扱いしている。根拠がないなら第二のセクハラだ」と指摘。議員らは財務省に麻生氏の発言の撤回と謝罪を求めた。
今回のセクハラ調査では、財務省は顧問先の法律事務所に委託している。調査の公平性にも問題が指摘されているが麻生氏は「つきあいがあり信頼がある」と従来の主張を繰り返した。 
 4/25

 

政府 セクハラ認定せず 福田次官問題 処分せず辞任了承 4/25
政府は24日の閣議で、女性記者にセクハラ発言を繰り返していた財務省の福田淳一事務次官(58)の辞任を了承しました。福田氏は同日付で退職。セクハラの認定も福田氏の罷免の処分も行わない決定で、政府全体で今回のセクハラを容認した形となりました。問題発覚後も福田氏を擁護してきた麻生太郎財務相の任命・監督責任と対応責任は重大です。
麻生氏は同日の閣議後の記者会見で、「事務方のトップが自身のセクハラ疑惑で辞任することになったのは、はなはだ遺憾」とセクハラによる引責だとしながら、福田氏の処分については「セクハラ疑惑の週刊誌報道だけで、セクハラがあったと認定して処分するのはいかがなものか。(福田氏が)はめられて訴えられたのではないかなどと、いろいろな意見は世の中にいっぱいある」と、被害女性を侮辱する発言をしました。女性記者が被害を名乗り出ているにもかかわらず、事実認定しない立場を繰り返しました。
いまだにセクハラを否定する福田氏を任命した麻生氏は、その対応でも責任重大です。問題が起こった後も「次官に人権はないのか」と福田氏をかばい、「本人が出てこなければどうしようもない」と被害女性に名乗り出るように仕向け、セクハラの二次被害を生み出す対応をとってきました。 
見た目気にせぬ財務省 麻生氏「はめられたとの意見も」 4/25
セクハラ発言報道をめぐって福田淳一事務次官が辞任した問題では、財務省や麻生太郎財務相の対応に、セクハラ問題への意識の低さも浮き彫りになった。
「(福田氏が)はめられて訴えられているんじゃないかとか、ご意見はいっぱいある」。麻生氏は24日の会見でこう述べた。この発言に、野党は24日午前の財務省への合同ヒアリングで、「二次被害だ」「セクハラを訴えた被害者は副総理に公開の場で批判されるのか」などと一斉に反発。麻生氏が発言を撤回し謝罪することを求めた。ヒアリングに出席していた中野麻美弁護士は「女性に対する名誉毀損(きそん)ではないか。この発言が公人によって行われたという重みをしっかりうけとめてもらいたい」と指摘した。
麻生氏はこれまでにも、テレ朝の抗議文に対し、「もう少し大きな字で書いてもらった方が見やすいなと思った程度に読んだ」などと発言。また、福田氏は自身が出した「時には女性が接客している店に行き、店の女性と言葉遊びを楽しむようなことはある」という談話が批判を受けると、「なるほど今の時代はそうなのかと」と述べた。矢野官房長も調査手法の問題点を指摘された際、「弁護士に名乗り出て、名前を伏せておっしゃることはそんなに苦痛なことなのか」と述べ、批判を浴びている。
なぜこうした発言が続くのか。・・・  
公用車で“個別指導ヨガ”へ、林文科相「混乱招きおわび」 4/25
林文部科学大臣が平日の昼に公用車を使って女性インストラクターが個別指導するヨガスタジオを訪れ、利用していたとの報道を受け、林大臣は会見で、「混乱を招いたことをおわび申し上げたい」と謝罪しました。
今月16日の午後2時半頃、林大臣が公用車を使って渋谷区にあるヨガスタジオを訪れ、利用していたと週刊文春が報じました。これについて、林大臣は、公用車を使って、この店舗に行ったことを認めたうえで、「国会が緊迫する中で混乱を招いた」と謝罪しました。
「公私のけじめは、やはりきっちりとつけていくべきだったと、反省はしております。今回のケースは公務と公務の間でございまして公用車の使用のルールにのっとったものでありますが、今後は誤解を招かないように、気をつけてまいらなければならないと思っております」(林 芳正 文科相)
ヨガスタジオのホームページによりますと、女性インストラクターが一対一でヨガを指導し、マッサージなども行っているということですが、林大臣は「一般的なヨガのレッスンと通常の指圧マッサージを受けた」と説明しました。
「あたかもキャバクラのようなサービスがあるかのような表現をしておりますが、そういう店ではないという認識をしております」(林 芳正 文科相)
ヨガスタジオの代表の女性も自身のブログにサービスの内容について「記事の内容は、あたかもいかがわしい内容を想像させるもので、事実とはまったく違う」と記しています。 
「メディアは国家潰す」 下村氏発言に与野党から批判 4/25
前財務次官のセクハラ疑惑をめぐる発言で批判を受けた自民党の下村元文部科学大臣が「日本のメディアは日本の国家を潰すために存在しているのか」とも述べたことに、与野党から批判が出ています。
下村氏は前次官のセクハラ疑惑に関連した女性記者の行動について「ある意味で犯罪だ」などとした自らの発言を撤回、謝罪していますが、共産党が公表した音声データによると、同じ場でこのように述べていました。
「日本のメディアっていうのは、日本の国家を潰すために存在しているのかと」(自民党 下村博文 元文科相、音声提供:共産党)
下村氏は、これについてコメントしておらず、野党側は批判しています。
「とにかく自分の主張と違うメディアを、口汚く罵るというような、少し私は常軌を逸しているような発言だと思う」(希望の党 玉木雄一郎 代表)
野党側は下村氏のこうした発言も国会審議に応じない理由としていて、与党幹部からも「発言を慎むべき」などの声があがっています。 
 4/26-

 

財務省 “セクハラ行為があった”と判断 前次官を減給処分へ 4/27
財務省は、今週24日に辞任した福田淳一前事務次官について、テレビ朝日の女性社員に対するセクハラ行為があったと判断し、「減給20%、6か月」の処分を行う方針を固めました。
財務省の福田前事務次官は、女性記者にセクハラ発言をしていたと報道され、「職責を果たすことが困難になった」として、今週24日に辞任しました。
福田前次官は、セクハラ発言を一貫して否定していますが、財務省は、被害を受けたと主張しているテレビ朝日の女性社員と、今月4日の夜に飲食したことを福田前次官が認めていること、また、テレビ朝日の主張を覆すだけの反論や反証が福田前次官から示されていないことから、福田前次官によるテレビ朝日の女性社員へのセクハラ行為があったと判断しました。
そして、官僚トップとして行政への信頼を失墜させた責任は重いとして、減給20%、6か月の処分とする方針を固めました。減給に相当する金額は、支払いを留保している退職金から差し引かれることになります。
財務省は、福田前次官の処分を27日午後にも発表する方針です。
○福田氏 辞任までの経緯
福田淳一氏は、昭和57年に当時の大蔵省に入省しました。
財務省の人事や官邸との調整を行う「官房長」や予算編成を担う「主計局長」といった主要なポストを歴任し、去年7月、財務官僚トップの事務次官に就任しました。
財務省が森友学園への国有地売却をめぐる決裁文書を改ざんしていた問題では、内部調査や再発防止策の取りまとめを指揮する立場にありました。
しかし、今月12日発売の週刊新潮で、複数の女性記者にセクハラ発言を繰り返していたと報じられ、一気に批判が高まりました。
福田氏本人は財務省の調査などに対し、一貫してセクハラ行為を否定していましたが、今月18日、「財務省が厳しい状況の中、報道が出たこと自体が不徳の致すところで、職責を果たすことが困難と考えた」と述べ、事務次官を辞任する意向を明らかにしました。
財務省の事務次官が任期途中で辞任するのは、平成10年、当時の大蔵省で接待汚職事件が発覚した時以来、20年ぶりのことです。
福田氏の辞任は今週24日の閣議で承認され、麻生副総理兼財務大臣は、福田氏への退職金の支払いを留保し、懲戒処分に相当すると判断した場合、退職金を減額する考えを示していました。 
福田前次官、減給処分へ 財務省、セクハラあったと判断 4/27
女性記者にセクハラ発言を繰り返したと報じられて辞任した財務省の福田淳一・前事務次官について、財務省は27日、減給20%、6カ月の処分相当とする方針を固めた。処分に基づき、約5300万円に上る退職金から差し引く。福田氏はセクハラを否定しているが、財務省はセクハラ行為があったと判断。行政への信頼を失墜させた責任も重くみて処分に踏み切る。
同日午後にも発表する。麻生太郎財務相は27日午前の閣議後会見で、処分の理由について「(福田氏と被害者の女性の)2人が面会した事実までは福田(前)次官も認めた」と指摘。「(国会)審議が止まるとか、財務省の信頼を落としたとか、その点に関して処分をさせて頂く」と説明した。テレビ朝日は4月4日に女性社員が福田氏と面会した際にセクハラを受けたとしており、財務省は福田氏から明確な反証が示されていないことも考慮し、セクハラがあったと判断した。
福田氏の退職金の扱いについて麻生氏は「ルールに基づいてやる」と述べた。国家公務員法は、行政への信用を失墜させる行為を懲戒処分の対象としている。今後の調査で懲戒処分相当と判断された場合、福田氏は退職金が減額されることを了解済みだった。
福田氏は24日に正式に辞任したが、セクハラ自体は否定しており、財務省はこの時点での処分を見送っていた。同省はテレビ朝日に調査への協力を呼びかけ、福田氏への調査も続ける姿勢を示していた。
発端となった12日発売の週刊新潮によると、福田氏は女性社員に対し、飲食店で「胸触っていい?」などとセクハラ発言を繰り返したとされている。 
福田前次官のセクハラ認定 退職金減額 4/27
財務省は27日、週刊新潮によるセクハラ報道を受け辞任した福田淳一前事務次官について、テレビ朝日の女性社員へのセクハラ行為があったと認定し、減給20%・6カ月の懲戒処分相当にすると発表した。支払いを保留している5319万円の退職金から、処分相当額(141万円)を差し引く。福田氏はセクハラを否定しているが、テレ朝側の主張を覆すだけの証拠は示されていないと判断した。
福田氏は財務省の顧問弁護士の聴取に対し、今月4日夜にテレ朝の女性社員と1対1で飲食をしたことを認める一方、セクハラ行為はなかったと主張したという。両者の主張は食い違っており、これ以上の事実究明は難しいと判断。「調査に時間をかけ過ぎるのは被害者保護の観点から問題」として処分に踏み切った。
記者会見した財務省の矢野康治官房長は「女性の人権を侵害する行為で許されない。関係者に深くおわび申し上げる」と謝罪。テレ朝は「再発防止のため引き続き詳細な調査を要請するとともに、福田氏本人の謝罪を求める」とのコメントを発表した。 
福田前次官を減給処分へ…退職金から差し引く  4/27
財務省は27日、セクハラ疑惑が報じられて辞任した福田淳一前次官について、減給20%、6か月の処分を行う方針を固めた。
約5300万円とされる退職金から差し引く。公務員としての信用を失墜させ、懲戒処分に相当すると判断した。
麻生財務相は27日の閣議後の記者会見で、「福田前次官は、国会審議が止まったことや財務省の信頼を落としたことに基づいて退官を決めた。この点に関して、処分する」と述べ、早急に処分を実施する考えを示した。「福田前次官は(女性記者と)面会した事実は認めている」とも指摘した。
福田氏のセクハラ疑惑を巡っては、週刊新潮が今月12日、福田氏が女性記者に抱きついたり、性的な発言をしたりといったセクハラ行為を行ったと報じた。福田氏はインターネットで公開された音声について、「全体を見れば、(セクハラに)該当していないのはわかるはずだ」などとしてセクハラを否定している。 
財務省、福田前次官を処分へ=セクハラ問題で減給20% 4/27
財務省は27日、セクハラ疑惑を報じられ辞任した福田淳一前事務次官を処分する方針を固めた。国家公務員の懲戒処分に相当すると判断し、「減給20%6カ月間」に相当する分(141万円)を退職金から差し引く。麻生太郎財務相は同日の閣議後記者会見で、「財務省の信頼を落とした。処分を早急に実施したい」と語った。午後にも発表する。
福田氏は週刊新潮にセクハラ疑惑を報じられ、その事実を否定しながらも、「職責を果たすのが困難だ」と24日付で辞任した。財務省は福田氏の処分を見送り、最大5300万円の退職金の支払いを留保してきた。同省によると、国家公務員退職後は懲戒処分をできないが、本人が了解すれば、退職金の減額ができるという。
テレビ朝日は同社女性社員がセクハラ被害を受けたとして、福田氏の行為とその後の対応について財務省に抗議している。麻生氏は27日の閣議後会見で、福田氏のセクハラ行為に関し、調査を継続していることから、「まだ断定できない」と述べた。ただ、麻生氏は、被害を訴えたテレ朝の女性社員と面会したことを福田氏は「事実を認めている」と明らかにした。
麻生氏は、福田氏のセクハラ行為が確認されれば、「その段階で(追加処分を)検討する可能性はある」と強調した。 
福田氏、6カ月減給20% 4/27
財務省は27日、週刊誌のセクハラ報道を受け事務次官を辞任した福田淳一氏への対応として、6カ月の減給20%の懲戒処分相当とする方針を固めた。支払いを留保した規定上約5300万円の退職金から差し引く。同日午後に発表する見通しだ。
森友学園問題で3カ月の減給20%の懲戒処分とした佐川宣寿前国税庁長官と比べても内容面では厳しい対応となる。財務省は野党が開いた合同ヒアリングで、福田氏の減給額は事務次官級の単純計算で141万円程度になると明らかにした。
麻生太郎財務相は27日の閣議後の記者会見で、女性記者と2人で会った事実は福田氏も現在認めていると説明した。 
テレビ朝日女性社員がコメント発表「財務省が謝罪したことは深く受け止める」 4/27
財務省が福田淳一前事務次官の女性記者へのセクハラ行為を認定したことについて、被害を受けたテレビ朝日の女性社員は27日、同社を通じて「前次官がセクハラを認めていないことは残念だが、財務省が事実を認定して謝罪したことは、深く受け止めている」とするコメントを明らかにした。 

福田前次官がセクハラ行為を認められていないことは残念ですが、財務省が事実を認定して謝罪されたことは、深く受け止めています。ハラスメント被害が繰り返されたり、被害を訴えることに高い壁がある社会ではあってほしくないと思います。全ての人の尊厳が守られ、働きやすい社会になることを祈っています。 
麻生財務相「セクハラ罪という罪はない、殺人とは違う」 5/4
財務省の福田淳一・前事務次官のセクハラ問題について、麻生太郎財務相は4日、訪問先のフィリピンでの記者会見で「1対1の会食のやりとりについて、財務省だけで詳細を把握していくことは不可能だ」と述べ、調査を打ち切る考えを改めて示した。
財務省は4月27日、福田氏のセクハラを認定して処分し、調査を打ち切る方針を発表。女性社員が被害にあったというテレビ朝日は調査の継続を求めていた。
しかし、麻生氏はセクハラの認定については「セクハラ罪っていう罪はない」「殺人とか強(制)わい(せつ)とは違う」などと発言。「(福田氏)本人が否定している以上は裁判になったり、話し合いになったりということになる。ここから先はご本人の話だ」とした。
調査を打ち切ることについて「いくら(調査結果が)正確であったとしても偏った調査じゃないかと言われるわけですから。被害者保護の観点から(調査に)時間をかけるのは、かなり問題がある」などと説明。処分の理由については国会審議への影響のほか、「役所に対しての迷惑とか、品位を傷つけたとか、そういった意味で処分をさせて頂いた」とし、財務省としてセクハラを認定したことは挙げなかった。  
 
 
 5/9

 

麻生財務相「セクハラ罪ない」は本当か 5/9
「セクハラ罪はない」との問題発言で火ダルマになっている麻生財務相。7日には東京・霞が関の財務省前や札幌市など全国5カ所で辞任を求める抗議行動が行われたにもかかわらず、8日の閣議後会見でも「セクハラ罪っていう罪はないという事実を申し上げている」と繰り返していたから、ホント、この男は処置なしだ。だが、本当に麻生大臣の言うとおり、セクハラ言動は罪に問われないのか。
くしくも8日、神奈川・相模原市職員の男が帰宅途中の女子高生に「性欲を処理したい」などと話しかけたとして、県警に県迷惑行為防止条例違反(卑猥な言動)の疑いで逮捕された。この基準でいえば、福田前財務次官が女性記者に発した「抱きしめていい?」「胸触っていい?」は即アウトなのではないか。
そもそも、人事院はセクハラ行為について「個人の人格と尊厳を不当に侵害するだけでなく、職員の勤務条件や勤務環境に悪影響を及ぼす重大な問題」と位置付けている。刑事罰に該当するか否かではなく、その行為自体が重大な人権侵害だということだ。「セクハラは罪じゃない」なんて平気で言っている麻生大臣の認識がいかに時代錯誤で非常識なのかがよく分かる。
元検事の落合洋司弁護士がこう言う。
「麻生大臣がどういう意図で発言したのか分かりませんが、世の中には犯罪になっていなくても問題となる行為は数多くあります。フランスではセクハラ罪が存在し、日本でも野田総務大臣が検討しているというから、今後、日本でも違法性が高い行為は刑罰化される可能性は十分にあります。ストーカー行為が社会問題となり、ストーカー規制法が成立したケースと同じです」
東京都産業労働局によると、2016年度に都内だけで1555件のセクハラ相談が寄せられている。麻生大臣はマンガだけじゃなく、これらの事例をよ〜く読んだ方がいい。 
麻生財務相「セクハラ罪はない」を繰り返す 5/9
麻生太郎財務相が4日、訪問先のフィリピンでの記者会見で福田淳一元財務事務次官のセクシュアルハラスメント問題について「セクハラ罪という罪はない」「殺人とか強(制)わい(せつ)とは違う」などと述べていたことがわかった。麻生氏は8日にも改めて同様の発言を繰り返している。法律で定められていなければ問題がないということにはならず、セクハラ被害を軽視しているように聞こえる発言で言語道断だ。
「セクハラ」と一口に言っても実態はさまざまで、場合によっては、強制わいせつ罪など、現行の法律でも罪になり得るものもある。一方、現行の法律では捌けないセクハラが存在するのも事実ではある。だからといって「問題がない」というわけではないだろう。
事業主にはセクハラに対して適切に対応することが男女雇用機会均等法にて義務付けられている。厚生労働大臣の指針により事業主が講ずべき措置の内容が具体的に示されており、事業主はこれを必ず実施しなければならないのだ。事業主に向けてセクハラ対策の義務について分かりやすく説明されている『事業主の皆さん 職場のセクシュアルハラスメント対策はあなたの義務です!! 』という資料も作成されている。省庁が異なるとは言え、財務相である麻生氏のこうした発言は看過できるものではない。
今回の件に対する財務省の対応に問題があることはこれまでも数々指摘されてきた。改めてこれまでの財務省の組織としての対応を振り返り、厚生労働大臣の指針と照らし合わせてみたい。
厚生労働大臣の指針では、事業主がセクハラ対策・対応として講ずべき措置の内容として以下の11項目が指針で示されている。
【事業主の方針の明確化及びその周知・啓発】
(1) 職場におけるセクシュアルハラスメントの内容・セクシュアルハラスメントがあってはならない旨の方針を明確化し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。
(2) セクシュアルハラスメントの行為者については、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。
【相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備】
(3) 相談窓口をあらかじめ定めること。
(4) 相談窓口担当者が、内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること。また、広く相談に対応すること。
(5) 妊娠、出産等に関するハラスメント等の相談窓口と一体的に、職場におけるセクシュアルハラスメントの相談窓口を設置し、一元的に相談に応じることのできる体制を整備することが望ましいこと。
【職場におけるセクシュアルハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応】
(6) 事実関係を迅速かつ正確に確認すること。
(7) 事実確認ができた場合には、速やかに被害者に対する配慮の措置を適正に行うこと。
(8) 事実確認ができた場合には、行為者に対する措置を適正に行うこと。
(9) 再発防止に向けた措置を講ずること。(事実が確認できなかった場合も同様)
【1から3までの措置と併せて講ずべき措置】
(10) 相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、周知すること。
(11) 相談したこと、事実関係の確認に協力したこと等を理由として不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め、労働者に周知・啓発すること。
「(6)事実関係を迅速かつ正確に確認すること」と「(9) 再発防止に向けた措置を講ずること。(事実が確認できなかった場合も同様)」の項目に注目し財務省の対応についてみていきたい。
福田氏のセクハラ疑惑が報じられた4月12日、麻生氏は「緊張感を持って対応するように訓戒を述べたことで十分だと思っている」などと発言しておりこの時点では財務省として事実関係の確認や調査は行うつもりがないとの考えを示していた。
福田氏本人が沈黙を貫く中、週末をはさんだ16日に財務省は「福田事務次官に関する報道に係る調査について」と題された福田氏への内部での聞き取り調査の内容も含めた文書を発表。
この時点では財務省は引き続き調査を進めていく姿勢をみせていたが、ゴールデンウィーク前の27日、財務省はテレビ朝日社員に対する福田氏のセクハラ行為があったと認定し会見を行った。5319万円の退職金から処分相当額の141万円を差し引く処分をすると発表し、財務省としてはこれにて調査を終了するとしている。
しかし、福田氏本人は依然としてセクハラを否定しており、事実関係が正確に確認されたとは言い難い。また、被害者であるテレビ朝日の女性社員は財務省の会見後、次のようにコメントしている。
「福田前次官がセクハラ行為を認められていないことは残念ですが、財務省が事実を認定して謝罪されたことは、深く受け止めています。ハラスメント被害が繰り返されたり、被害を訴えることに高い壁がある社会ではあってほしくないと思います。すべての人の尊厳が守られ、働きやすい社会になることを祈っています」
このコメントから察するに、女性社員は調査の結果に納得してはいないのではないか。
厚生労働大臣の指針では「(6)事実関係を迅速かつ正確に確認すること」の項目の措置がきちんとなされている例として「相談者と行為者とされる者との間で事実関係に関する主張に不一致があり、事実の確認が十分にできないと認められる場合には、第三者からも事実関係を聴取する等の措置を講ずること」があげられている。
両者の主張の食い違いを受けて、財務省はこのような措置を十分にとったのだろうか。
また、財務省が「(9) 再発防止に向けた措置を講ずること。(事実が確認できなかった場合も同様)」について、今後きちんと対応していくか注視しておく必要がある。この項目の措置がきちんとなされている例としては
「職場におけるセクシュアルハラスメントがあってはならない旨の方針及び職場におけるセクシュアルハラスメントに係る性的な言動を行った者について厳正に対処する旨の方針を、社内報、パンフレット、社内ホームページ等広報又は啓発のための資料等に改めて掲載し、配布等すること」
「労働者に対して職場におけるセクシュアルハラスメントに関する意識を啓発するための研修、講習等を改めて実施すること」
があげられている。
27日の会見で矢野官房長は、今後について次のように述べていた。
「財務省全体として、今回の問題をきっかけとして今後どのように対処していくかという点も極めて重要だと考えております。セクハラ・パワハラを決して許さないという組織文化を徹底していくため、まずは幹部職員を中心に集中的に研修を行い、さらに女性をはじめとする職員の意見を丁寧に聞いたうえで、さらなる方策を講じていくことが必要だと考えており、速やかに検討の上で実施に移していく考えです」
財務省は9日、幹部を対象にセクハラ研修を開いたが、前述の通り財務省の長である麻生氏は、「セクハラ罪はない」という発言を繰り返しており、セクハラを軽視する態度に変化はない。セクハラ研修で講師を務めた菅谷貴子弁護士の言う通り、セクハラは、『人権侵害の問題であり、刑事事件にもなりうる大きな不祥事であることについてしっかり認識していただきたい』ものだ。今後も財務省は、国の機関として対策の状況を一般の人に知らせ続ける義務がある。
また、これまでの財務省のセクハラ問題への対応、そしてこれからの対策について、セクハラ対策を事業主に対して促す立場として、同じ省庁として厚生労働省は何かしらのコメントを出してもいいのではないだろうか。
セクハラ対策ができていなかったのは財務省だけではない。
今回の問題の被害者である女性記者が所属していたテレビ朝日もまた、セクハラ対策に問題があったといえるだろう。
女性社員は1年半ほど前から福田氏と数回、取材目的で会食をしており、そのたびにセクハラ被害に遭っていたそうだ。また女性社員は、上司へ「自社で報じることができないか」と相談していたが上司は二次被害が心配されることなどを理由に「報道は難しい」と伝えたのだという。報じる報じないは別としても、テレビ朝日社内で相談窓口などがしっかりと運用されていればこの上司はまた違った対応をとることができたはずだ。また、もっと早い段階でセクハラ被害にストップをかけることができたのではないだろうか。
これはテレビ朝日だけにいえることではない。
今回の問題が発覚してから、メディアで働く女性たちからは「自分も被害に遭ったことがある」との声が続出した。またメディアだけの問題でもない。その他の職場や学校などでセクハラ対策が十分といえるところはどれくらいあるだろうか。セクハラが絶対起こらないような100点満点の対策というのはなかなかないだろう。しかし、セクハラが起こってしまった時にできるだけ被害者が傷つかず、きちんと救われるように努めることはできるはずだ。財務省やメディアだけの問題にせず、社会全体として今このタイミングでセクハラ対策について考え直さなければいけない。
麻生氏は「セクハラ罪という罪はない」と述べていたがフランスには身体接触のないセクハラを裁くための法律が存在する。独立行政法人労働政策研究・研究機構によると、フランスの法律ではセクハラについて、「ある人物に対し、性的な暗示を含む言葉又は行為を繰り返し強いる行為であり、それらの言葉又は行為は、その人物を傷つける、又は侮辱するものであることから、その人物の尊厳を侵害する、又はその人物に対して威圧的な、敵対的な若しくは侮辱的な状況をつくるものである」と定義しており、また「繰り返す行為がなくとも、加害者本人のためであれ、第三者のためであれ、実際に又は明らかに性的な行為を行う目的で、あらゆる形態の重大な圧力を用いる行為」もセクハラとみなすのだという。これに違反した場合は、2年以下の拘禁刑及び3万ユーロ以下の罰金が科される。
「セクハラ罪」について、日本でも検討する価値があるかもしれない。少なくとも、議論をする価値は十分にあるだろう。 
 5/10

 

「セクハラ罪はない」発言は適切でない 野田女性活躍相 5/10
財務省の福田前事務次官のセクハラ問題をめぐり、麻生副総理兼財務大臣が「セクハラ罪という罪はない」と発言したことについて、野田女性活躍担当大臣は、「適切な表現でないことは明らかだ」と批判しました。
テレビ朝日の女性社員へのセクハラ発言を報じられ辞任した財務省の福田前事務次官に関して、麻生副総理兼財務大臣は、今月4日、訪問先のフィリピンで「セクハラ罪という罪はない。殺人などとは違い、訴えられない限りは親告罪なので」などと発言しました。
これについて、野田女性活躍担当大臣は衆議院総務委員会で、「小学校のいじめの問題を解決しようとする時に、『いじめ罪』がある、ないという議論はない。ハラスメントはある意味弱いものいじめであり、適切な表現でないことは明らかだ」と批判しました。
また野田大臣は、麻生副総理が「担当記者を男性に替えればいい」と述べたと一部の週刊誌で報じられたことについて、「一般論を申し上げれば、男の人に替えれば解決するというのは、国際社会では性差別と捉えられて厳しく追及される。国際社会の一員として日本があるとすれば、ありえないことだ」と述べました。
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財務省の福田淳一・前事務次官のセクハラ問題をめぐって、麻生太郎財務相が「セクハラ罪っていう罪はない」と発言したことについて、野田聖子総務相兼男女共同参画担当相が10日の衆院総務委員会で、「適切な表現ではない」と述べた。共産党の本村伸子氏の質問に答えた。
野田氏は「いじめ問題」を例に挙げ、「『いじめ罪』がないっていう議論はない」と指摘。そのうえで、「そういうことを学習してきた人からすると、決して適切な表現ではないということは明らか」と麻生氏の発言を批判した。
麻生氏は4日に訪問先のフィリピンで記者会見し、セクハラ問題について「セクハラ罪っていう罪はない」「殺人とか強(制)わい(せつ)とは違う」などと発言。各地で抗議行動が起き、批判されたが、8日の閣議後記者会見でも「事実を申し上げている」と反論した。  
「セクハラ罪」が今の法律で問いにくい訳 5/10
福田淳一前財務事務次官のセクシュアルハラスメント問題を受けて、麻生太郎財務相は、「セクハラ罪っていう罪はない」と事務次官をかばうような発言をしました。他方、野田聖子女性活躍担当大臣は、セクハラ再発防止策に向けた検討を始めると述べたということです。このような状況のなかで、セクハラに関する現行法の問題点について、ハラスメント法制に詳しい、独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)の内藤忍副主任研究員にお伺いしました。
ー内藤さんは、今回の野田大臣の発言をどう思われますか?
ようやくこの問題に気づいてもらえたかという思いです。これまで全国の多くのセクハラ被害者が声を上げられず、有効な救済策もなく、多くの場合メンタルを患って、泣き寝入りをしてきました。セクハラはなくさなくてはいけない。そのためには、いろいろな方策がありますが、まずできるのは法律を変えることです。いま、被害者を孤立させている原因のひとつは法にあります。とくに、男女雇用機会均等法に問題があります。
ー男女雇用機会均等法といえば、1985年に制定された法律ですね。いちおう男女の雇用機会を保障する法律で、「男子のみ」という募集が禁止されたというニュース報道は記憶に残っています。その後、1997年にセクハラに関する規定ができたやつですよね。
そうです。その均等法です。セクハラについては、民間と公務員の職場では適用となるルールが違います。まず、民間の職場では、均等法の11条にセクハラに関する規定があります。この11条は、事業主(会社)に向けたものになっています。つまり、セクハラの予防、相談窓口の設置、セクハラの事後対応の義務*は、会社が負っているのです。そのため、セクハラに対応する義務があるのは、均等法上、会社だけなのです。
この相談には、セクハラをした人が同じ会社の人でなくても、また、通常働いている職場での出来事でなくても、取引先の事務所や取材先など、業務をおこなう場所であれば含まれます。
公務員の場合はセクハラについて定めた人事院規則10-10という規則に、省庁の義務について均等法の措置義務とほぼ同じものが設けられていますが、唯一異なるのは、「職員は…セクシュアルハラスメントをしないように注意しなければならない」(5条)という職員向けの注意義務が規定されているところです。ただし禁止ではありません。
ーということは、今回の福田前事務次官のセクハラのケースは、どちらの法・規則が適用になるのですか?
今回のケースは、均等法も人事院規則も両方該当します。加害者とされる者が公務員であったという点で、福田前事務次官と財務省が人事院規則の対象になります。そして、被害者が民間労働者であったという点で、事業主であるテレビ朝日に均等法の措置義務が課せられ、被害者は、テレ朝の相談窓口等に相談できます。
しかし繰り返しますが、均等法も人事院規則も、基本的に会社のセクハラ対応義務だけなのです。つまり、「セクハラをしてはいけない」という禁止の規定がないのです。禁止の規定がないので、禁止の対象となる行為の定義もありません。
ー定義がない?
そうなんです。均等法等には実は、「セクハラはいけない」とか「してはいけない行為はこれこれですよ」という規定、つまり定義規定がないので、裁判で訴える場合の根拠にはなりません。そのため、裁判となると、加害者の責任は、民法上の「不法行為」に該当するかどうかで判断するしかありません。セクハラについて明文の法規定がないために、企業にとっては、どういったセクハラが違法だと判断されるかが事前に分かりにくい状況になっています。
均等法上、セクハラ対応は会社の義務なので、これを履行しなかった場合は、行政(都道府県の労働局)によって指導されます(均等法29条)。2016年度にはこうした行政指導は3,860件ありました。労働局への相談のうちセクハラが一番多くて、7,526件です。行政制裁として、会社の名前を公表できる制度もありますが、これまでに一度しか公表されたことはありませんし、セクハラでの公表事例はありません(同法30条)。
ーそうなんですね。均等法の問題は、法律が会社向けにできていて、個人(加害者)向けの規定がないということだと理解したんですが、セクハラの被害者はどうすればいいんでしょうか?
ひとつは裁判をすることができます。しかし、時間もお金もかかり、手続が公開されることもストレスです。被害者はハラスメントで既に傷ついているのに、裁判手続でさらに傷つく可能性があります(二次被害)。
セクハラに限らないハラスメント被害の2017年の連合の調査によれば、被害者の33.1%が心身に不調をきたし、夜眠れなくなったり(19.3%)、人と会うのが怖くなったり(12.2%)しています。すでに傷つき、何らかのメンタル疾患に罹患している被害者が、裁判をするのはとても難しいです。
ー裁判をするのが難しかったら、じゃあどうすればいいんでしょう?
司法による救済が難しいのだったら、行政による救済があります。行政救済は、労働局への相談、紛争解決の援助、調停をさします(均等法17、18条)。ところがこの行政救済は、相互の譲り合いを前提とした制度なんですね。
ー譲り合いですか?
そうです。セクハラの被害者は、加害者がしたことは、セクハラだった、それは違法だと認めてもらったうえで、加害者に謝ってほしい、そして同じことが二度と起こらないようにしてほしいと思っているのが普通です。ところが、この行政救済でできるのは、加害者と被害者が譲り合って交渉し、合意したとしても、多くが金銭解決なのです。セクハラを受けたのに、譲らなくてはなりません。ここに、制度と被害者のニーズの大きな乖離があります。これで真に納得する被害者は少ないです。
ーそれではどのようにすればいいんでしょうか?
セクハラの司法救済へのアクセスが十分に保障されていない現状を考えれば、少なくとも行政がきちんと救済できるように、しくみを整える必要があると思います。行政が判断できる「セクハラ禁止規定」「セクハラの定義規定」などを作ることが急務だと思います。それをもとに、相互の譲り合いでお金で解決、ではなく、ハラスメントの認定や救済命令などを出せる法的判断が可能な救済委員会などのシステムを作る必要があると思います。現在の労働局の調停制度を少々変えることで対応できるかもしれません。
また相談から救済まで、傷ついた被害者の回復を支援することまでを含めて、支援体制を構築することも重要です。国の責任として、医療・カウンセリング・労災等のワンストップ支援をおこなってほしいです。
また、先の連合のハラスメントの調査では、仕事を短期間休んだ人は14.6%、長期間だと7.1%。休職せざるを得なかった被害者が職場復帰する権利を確立し、安心して療養できるようにすることも必要ですね。同時に、復帰後にハラスメントを受けない安全な職場を保障することも重要です'''。
ーそうなんですね。それでは、今回の福田前事務次官のセクハラのケースなどから、私たちが学べることについて教えてください。
セクハラの相談窓口の問題です。現行法では、セクハラの窓口をどこにおいても構いません。でも、相談窓口が社内の場合、プライバシーが確保されるかどうか、相談したことで不利益に扱われないかどうか、といった懸念が大きく、通常、安心して相談できません。調査のために、「うちの顧問弁護士に話せ」と言われても同じです。連合のハラスメントの調査(2017)では、「どこにも相談しなかった」人は、41.7%にのぼりました。セクハラに特化したJILPT調査(2015)では、実に63.4%の人が「がまんした、特に何もしなかった」と答えています。
相談窓口や設置される調査機関に、一定の中立性やプライバシーの確保がないと、利用されず、絵に描いた餅になってしまいます。相談窓口は、信頼性がとても重要です。メンタル疾患にならずに、セクハラを早期に解消するため、信頼される窓口をどのように設置・運用できるか、均等法のセクハラ指針における相談窓口のしくみを再検討する必要があるのではないでしょうか。
また今回は、「取材」の内容を外部の報道機関に持ち出したことについて、当初、テレビ朝日が「不適切であった」としました。しかし公益通報者保護法という法律があります。この法律はいわゆる「内部告発」した労働者を保護する法律です。会社内部に通報しても対応してもらえなかった場合に、犯罪行為などの場合には、外部の報道機関への通報が保護されることになっており、本件情報提供も必ずしも「不適切」とはいえないでしょう。ただし、今後は、現在保護対象となっていない均等法違反の外部への通報も対象とされるべきだと思います。
ー最後に一言お願いします。
理想は、職場だけではない、あらゆる領域を包括する、性暴力禁止法、ハラスメント禁止法もしくは差別禁止法の枠組みによって、すべての人が(性)暴力、ハラスメント、差別のない安全な職場・教育・生活環境などを提供されることが必要だと思っています。取り急ぎ職場領域に限る対策にするとしても、フリーランスの就業者もハラスメントを受けていますから、'''雇用労働者だけに限定せず、すべての就業者がハラスメントを受けないことを保障することが大事だろうと思います。  
 5/11

 

「セクハラ罪ない」 伊吹氏「正しい」 発言を擁護 5/11
自民党の伊吹文明元衆院議長は10日の二階派会合で、麻生太郎副総理兼財務相が「セクハラ罪という罪はない」と発言したことについて「これは全く正しい」と擁護した。
伊吹氏は「法律のどこを探してもセクハラ罪という法律はない。受ける立場によって違い、いとおしい人から言われたら喜ぶが、嫌なやつから言われたら本当に嫌だ。心の問題の判断を検察官や裁判官に委ねることはいけない」と指摘。「麻生氏は『法律上の事柄を、道義の問題であるセクハラと絡めて結論を出すのは難しい』と言いたかったのだろう」と推し量った。 
「セクハラ罪ない」発言 麻生財務相を追及 5/11
財務省の福田前事務次官のセクハラ問題をめぐり、麻生財務相が「セクハラ罪という罪はない」と発言したことについて、立憲民主党の尾辻議員は今でも同じ認識なのかただした。
尾辻議員は、麻生財務相の言い方は「まるでセクハラが許されるという開き直りにしか聞こえない」と厳しく追及した。
尾辻議員「今でもセクハラという罪はないと思われていますか」
麻生財務相「セクハラ罪はないということを申し上げています。これは刑事罰として存在しておりませんから」
尾辻議員「あたかもセクハラが悪いことではないという開き直りにしか聞こえないんですよ。いじめという罪はない、こうやって開き直って(被害者を)バッシングしているわけですよ」
麻生財務相「セクハラというのは、一般に捜査機関が捜査を行うわけではありませんから、セクハラというのは事実ならこれはアウトだと、一番最初から冒頭から申し上げていますよね」
また尾辻議員は、麻生財務相が「福田氏がはめられたという意見もある」と発言したことについて今の認識をただしたが、麻生財務相は「はめられた可能性は否定できない。裁判で結果がきちんと出ると思う」と述べた。
これに対して、尾辻議員は「財務省がセクハラを認めているのに、その責任者が被害者バッシングとも取れる発言をしている」と強く批判した。 
麻生氏が「はめられた可能性」発言を撤回 セクハラ問題 5/11
財務省の福田淳一・前事務次官のセクハラ問題で、麻生太郎財務相は11日午後の衆院財務金融委員会で、「(福田氏が)はめられた可能性は否定できない」とした同午前の同委での発言を撤回した。
麻生氏は、福田氏が辞任した先月24日の記者会見で、「(福田氏が)はめられて訴えられているんじゃないかとか、ご意見はいっぱいある」などと発言。厳しい批判を受けていた。この発言について11日午前の同委で現在の認識をただされ、「よく言われている話で、そういう可能性は否定できない。本当に事実かもしれない」と述べていた。
これを受け、午後の質疑で共産党の宮本徹氏が発言の撤回を要求。麻生氏は「福田前次官に関してはセクハラ行為はあったという前提にたって処分をした」として、「撤回させて頂く」と述べた。 
「くそ野郎という感じ」矢野財務省官房長 セクハラ調査めぐる発言報道で不快感
財務省の矢野康治官房長は11日午前の衆院厚生労働委員会で、財務省の福田淳一前事務次官のセクハラ問題をめぐる自身の発言に関する報道について「テレビ(番組)のボードなどに『(被害者が)名乗り出ることがそんなに苦痛なのか』と(自分の)顔写真が出て、ほとんど『くそ野郎』という感じで報道されたが、そんなことは申し上げていない」と述べた。
立憲民主党の池田真紀氏が矢野氏の4月18日の衆院財務金融委員会での発言について質問したのに答えた。
矢野氏は、前次官のセクハラ被害にあった女性記者に調査への協力を呼びかけた自身の発言を「『弁護士事務所は守秘義務があり、かつ名前を伏せて匿名でも無理でしょうか』と申し上げた」と説明した。
女性記者が週刊誌に録音テープを持ち込んだことについては「第三者に名乗り出ておられるわけで『それでも無理ですか』と私は申し上げた」と述べた。
矢野氏は「申し上げた言葉は消えない」と発言の撤回はしなかったが、「それでも繊細さを欠いたとすればおわび申し上げる」と謝罪した。 
 

 

 
 

 

 
  

 

 

 



2018/4
 
 
●セクシャルハラスメント [:sexual harassment ] 1
「性的嫌がらせ」という意味で用いられる言葉であり、相手の意に反する「性的言動」によって不利益を受けたり、労働環境などが害されるハラスメントである。セクシュアルハラスメントともいう。日本では、略してセクハラと言われることもある。
概念の起源と普及
「セクシャルハラスメント」は1970年代初めにアメリカの女性雑誌『Ms』の編集主幹でラディカル・フェミニストのグロリア・スタイネムらが作り出した造語とされる(裁判所による法律との整理は、1845年代から始まっていると主張する学者もいる)。
アメリカでは1986年に合衆国最高裁判所がヴィンソン対メリター・セービングス・バンクの裁判で初めて、セクハラ行為が人権法に違反する性差別であると認められた。
日本では、1980年代半ば以降に使用されるようになった。1986年(昭和61年)に起きた西船橋駅ホーム転落死事件で、起訴された女性を支援する女性団体がセクハラという言葉を使い出した。このときは、酔っ払いとそれに絡まれた女性との間で起きた偶発的な刑事事件ということもあり、セクハラという概念も言葉もあまり広がらなかった。
1989年8月に福岡県の出版社に勤務していた晴野まゆみが上司を相手取りセクハラを理由とした日本初の民事裁判を起こした。職場を舞台にした上司と部下との間で起きた事件ということで普遍性があり、これまで日本の職場でセクハラと意識されず、何気なく行われて来た女性に対する行為や発言がセクハラになるのかといった身近な話題となり、テレビや雑誌で盛んに扱われた。こうして、1989年の新語・流行語大賞の新語部門・金賞を「セクシャルハラスメント」が受賞。授賞式で表彰されたのは、2年前の1987年に裁判を終えている西船橋駅ホーム転落死事件の弁護士だった。これは1989年の流行語のきっかけとなった福岡県のセクハラ訴訟が当時は係争中で決着していなかったためである(民事裁判は1992年に原告である晴野側の全面勝訴によって決着した)。
その後、セクハラは一過性の流行語で終わらずに、
1990年に部下に強制猥褻行為をした上司への慰謝料支払命令、福岡事件。
1992年に嘘の異性関係について噂を流布した上司と会社への慰謝料支払い命令。
1994年に問題化した就職氷河期の新卒女子へのセクハラ面接。
1996年に巨額の訴訟で話題になった米国三菱自動車セクハラ事件。
1997年4月からAIU保険会社日本支社が発売開始したセクハラ保険。
など、1990年代を通じて日本語として浸透、定着していった。また1992年に晴野まゆみが上司を相手取りセクハラを理由とした裁判で全面勝訴し、今日のセクハラ防止ガイドラインが生まれる起爆剤にもなった。
政府などの対応としては、男女雇用機会均等法の1997年改正で性的嫌がらせへの配慮を盛り込み、2007年の改正で範囲を拡大、男性への性的嫌がらせも配慮の対象としている。ただし、(雇用機会均等などと比べ)官庁、政治家、裁判所ともにあまり厳罰に処そうといった考えはなく、性的嫌がらせを性差別としては扱っていないという。
概説
セクハラは労働問題の中でも数の多いトラブルであり、労働局に寄せられる男女雇用機会均等法に関する相談では4割を超えている。また、スクール・セクシュアル・ハラスメントも日常的に発生しており、例えば2016年度に「わいせつ行為及びセクシュアル・ハラスメント」で懲戒処分を受けた教育職員は226人であった(男性223人・女性3人)。
職場におけるセクハラにおいては、男女雇用機会均等法に違反するため企業は解決のための措置を取らなければならない。一方で刑法上の規定はないため、加害者に対しては、各組織によって懲戒処分がなされ、悪質なケースでは強制わいせつ罪等で対応する。なお、職場や学校のガイドライン等ではセクハラの定義をやや抽象的に留め、「相手の意思に反して不快や不安な状態に追いこむ性的な言葉や行為」と具体的な言及は避けることがある。この場合はセクハラを防ぐ注意喚起のためのものと考えられ、特定の行為がセクハラに当たるか否かの判定基準は人事院規則などが別に定める。注意喚起の例としては例えば、「職場に限らず一定の集団内で、性的価値観により、快不快の評価が分かれ得るような言動を行ったり、そのような環境を作り出すことを広く指して用いる」といった形が挙げられる。そしてこのような定義を踏まえて、より具体的な事例として、異性にとって性的に不快な環境を作り出すような言動(職場に水着写真を貼るなど)をすることや、自分の行為や自分自身に対して相手が「不快である」と考えているのも関わらず、法令や契約の履行以外での接触を要求すること等が定義される。このように定義がやや曖昧になる性質から、行為者が自己の行為をセクシャルハラスメントに当たるものと意識していないこともあり、「認識の相違」と「個人の主観」によって人間関係の悪化が長期化、深刻化する例も見られる。
対象・被対象者の性別については、男性から女性のセクハラのみならず、女性から男性、また女性から女性、さらに、従来は半ば公然と行われてきた「体育会系」の雰囲気の中で行われる男性から男性への性的いじめなど、同性愛を伴う性的嫌がらせもセクハラになる。
今日では、生物学的な性別と性同一性とが異なるために、性別によって文化的・社会的な取扱いが区別されるような場面で、自己の同一性と異なる振る舞いや性役割を要求され精神的苦痛を被るという性同一性障害を抱える人々の問題や、性的指向を同性とする人々すなわち同性愛者に対する差別的言動の問題もセクシャルハラスメントを論ずる際に欠かすことができない視点となりつつある。2014年7月からは同性愛やトランスジェンダーなどLGBTに対する差別的言動もセクハラであるとし、雇用主は措置義務をおうこととなった。
○男性に対するセクハラ
用語の本来の意味では性別は無関係だが、実際には「男性から女性」に対する行為を指すことが多い。しかし、2007年4月1日施行の改正男女雇用機会均等法により、「男性・女性から男性」へのセクハラが禁止対象になったほか、雇用管理上必要な「措置」をとるよう事業主に義務付けられた。従来の「配慮義務」より厳しくなり、是正指導に応じない場合は企業名が公表される。したがって、男女問わず従業員が他の従業員に聞こえるように男性の噂話をすることは、環境型セクハラとして違法行為となりうる。
しかし、対象になってからまだ日が浅いこともあり、十分な対策を講じていない企業もあり、部下や同僚の男性に猥談を強要することや、風俗店に無理やり誘うこと、女性従業員の噂話などは組織によっては未だ残っている。そのためセクハラ被害を訴え出ることが恥ずかしい、相談しにくいと感じ、内在化しやすい。またセクハラ被害を訴えると「男らしくない」とセクシュアリティを侮辱されるなど、二次被害や二重の性差別に遭う事もある。ただし、特に二次被害や二重の性差別については、女性に対するセクハラにおいても根強い。
実態
○職場
労働局に寄せられたセクハラ相談件数は、2014年度で11,289件であった。このうち相談者の内訳は、女性労働者からが59.6%、男性労働者からが5.5%、事業主からが16.4%、その他からが18.6%である。セクハラ相談件数は、男女雇用機会均等法に関する相談のうち45.4%にあたる。
しかし、一般に性犯罪の被害申告率は低く、盗難や強盗が概ね6割以上であるのに対し、性犯罪は1割強である。そのためセクハラの暗数も相当数存在すると考えられ、実際に例えば、労働政策研究・研修機構によると正社員のセクハラ経験率は34.7%だという。
○学校
2016年度にわいせつ行為及びセクハラで懲戒処分を受けた教育職員は226人で過去最大であった。加害者の内訳は、男性が223人、女性が3人であり、被害者の内訳は、自校の児童・生徒(元生徒を含む)が52.6%、自校の教職員が16.8%等である。ただし、特に生徒が被害に遭うケースでは、加害者である教師に口止めされたり、親を心配させまいとしたりと子どもが声を上げづらい構造があり、明るみに出るのは氷山の一角とされる。
タイプ及び事例
厚生労働省の分類では、対価型セクハラと環境型セクハラの2つのタイプに分類される。
○対価型セクハラ
職場や学校などにおける立場・同調圧力・階級の上下関係と自身の権限を利用して、下位にある者に対し性的な言動や行為を行い(強要し)、相手が拒否などを示したことによって、降格・解雇、減給や更新拒否などの不利益を与えるセクハラのことである。
・酒席で、酌を強要すること。
・学校で、教師としての立場を利用して、教師が学生(または学生側の者)に、猥褻行為・性行為・愛人契約の強要すること。
・就職活動で、利害関係を利用して、求人側の担当者(または求人側の関係者)が求職者(または求職者の関係者)に、性行為や猥褻行為の強要すること。
・職場で、職務上の立場を利用して、上司(または上司側の関係者)が部下(または部下側の者)に、猥褻行為・性行為・愛人契約を強要すること。
・商取引で、利害関係を利用して、買い手側の関係者が売り手側の関係者に、猥褻行為・性行為・愛人契約を強要すること。
○環境型セクハラ
性的言動により相手の環境を悪化させるセクハラのことである。
・トイレや休憩室、従業員の前などにおける本人及び他人を含めた容姿や恋人関係などに関する噂話。
・職場や学校、商業施設などで、ヌードカレンダー、水着ポスター、ポルノ雑誌、お色気漫画など、人によっては不快感を起こすものの掲示や陳列、性的な冗談、容姿、身体などについての会話。
恋愛経験や貞操について執拗に尋ねる。/バストや性器のサイズなどについて聞く。/猥談への参加を強要したり、勧めたりする。
・その他性的なネタへの強制参加
慰安旅行での旅館・ホテルなどでの浴衣などの着用の強要。酌の強要。/性的魅力をアピールするような服装やふるまいを要求する。/上司から部下への誘い。/ソープランドなどの風俗店にむりやり誘う。/裸踊りの強要。
・結婚ネタ
結婚、出産のことを尋ねる。
・「(性別)のくせに・・・」「(性別)なら・・・」と言うフレーズ
男性に対して「男のくせに根性がない」「男ならしっかりしろ」と言う。/女性に対して「女のくせに生意気だ」「女ならそろそろ結婚でもすれば」と言う。
・職場における男性・女性ランキングを作って公開する。
○妄想型セクハラ
厚労省の2つの分類に加え、LINEやSNS、メールなどでの連絡が原因で起こる「妄想型セクハラ」も増加している。妄想型セクハラは「思い込み型セクハラ」や「疑似恋愛型セクハラ」とも言われており、主にLINEなどのSNSで連絡を取っているうちに関係性が深まったと思い込みセクハラ発言に至ることである。妄想型セクハラの場合は、セクハラ加害者にはセクハラの自覚が全くなく、セクハラ被害者の拒否や周囲の仲裁が全く聞こえていないことがある。
休日にも関わらず業務連絡と見せかけて「休日は何をしているんだ」などプライベートに踏み込んで詮索する
セクハラ発言を拒絶しているのに「自分のことが好きに違いない」と勘違いして、セクハラを継続して行う
法的観点
法律的には、2つの段階に区分される。
○一次被害 - 強要(例。部下・同僚の異性の「意思に反して」性的関係を求める)。意に反するとは、「要求を受け入れないと昇進させない」などと対価を示した場合は相手が拒まなくてもセクハラになりえ、そうでない場合は相手が拒んだ後にしつこく強要した場合がセクハラになるという指針を人事院が作成している。
強制わいせつや強姦(婦女暴行)などの刑事案件についても、場合によってセクハラに含められることがある。○二次被害
1.中傷(例。上記を断られた報復に、社内外に事実無根のことを流され、噂を理由に仕事を外されたり、解雇される)
2.周囲の同調(例。中傷を信じた周囲の異性達が続々と性交を要求したり、断られた報復に集団で被害者潰しにかかる)
3.被害者のPTSD(例。中傷を耳にした人達から白眼視され、いじめられ、心に深い傷を負う)
4.被害者の精神障害(例。美しくあることで傷つくと無意識のうちに記憶、美しく装うこと・異性を極度に恐れる。
5.被害者の生活の破綻(例。職場でひどい目にあった記憶が強すぎて社会復帰できず、生活が困難になる)
6.被害者の人間不信による人間関係の破綻(例。信頼した人々から傷つけられた結果、引きこもり化)
(1)(2)は労働事件(刑事事件)、(3)〜(6)は民事事件(損害賠償請求訴訟)に相当する。
弁護士には得意分野・専門分野があるため、労働問題に強い弁護士の対処が望ましい。
犯罪被害者支援団体は、『被害者が上記(3)〜(6)に陥った場合、被害者が加害者に立ち向かうことは精神的・経済的に不可能であるため、行政主導による被害者救済が求められる。』と主張している。なお、セクシャルハラスメントとしての明確な法律は存在しないため、法的にも未整備な部分が多く、犯罪としての立件がほとんどできないのが現状となっている。
加害者に対する処分と責任
セクハラの概念が知られるきっかけとなった西船橋駅ホーム転落死事件では、男性の都立高校体育科教員によるいやがらせを女性が避けようとして身体を突いたところホーム下に転落し、そこに進入してきた電車に巻き込まれて死亡した。この事件の裁判では女性の正当防衛が認められ、女性の無罪が確定した。
最近ではセクハラの加害者に対する制裁が増えてきており、ニュースでも報道される。一般会社や公務員の就業規則でも禁止や注意が盛り込まれるケースが多く、職場にはセクハラ防止委員会が設置されるようになった。またセクハラを理由に懲戒解雇ないし長期の停職などで処分され、退職を余儀なくされるケースも少なくない。特に教育機関で生徒に対してのセクハラについては懲戒解雇を前提の処分にし、教員免許を抹消すべきだとの批判がある。一方で公立中学ではセクハラ冤罪により懲戒解雇が取り消された事例もある。例えば、生徒にマッサージをしたのがわいせつ目的だとされたが、静岡県の人事委員会は、学校の判断を覆しマッサージ目的だっと事実認定しなおした。セクハラだと騒いで教師に圧力をかけようとする事例を排除するためには、被害者の主観に配慮しつつも、証拠や証言の矛盾点など客観性に配慮した事実認定が欠かせない。逆に、3度もセクハラで問題を起こした人間が理事長になっている学校もあり、特に教授や、理事など権限の強い上層部に対しては処分が非常に甘い(社員公平扱いの原則違反)との批判が強い。
判断の難しさと被疑者保護
「セクハラ」か否かの区別において被害者の主観が重要視されること(ただし、判例では客観性が重要だとされ、一般通常人の判断が基準とされている)を逆手に取って、仕事や人間関係で対立していたり、単に気に入らないといった人間を陥れたり嫌がらせをする為の「便利な言葉」として乱用される場合も少なくない。この場合、「セクハラ」という言葉さえ使えば、客観的に見れば「職場いじめ」にあたる場合でもそれを回避できる為、いっそう問題の解決が困難な状況となっている。悪質な場合は虚偽申告などで貶める事例も存在する。
当初は合意での宴会参加や食事等を、上司から叱責されたり業務上の注意を受けたりした後から「実は嫌だった」となる例や、普段の差し障りないコミュニケーションでさえ、関係がこじれたのちにはセクハラだとなる例がある。これを見極めるには、当時の電子メールや陰口などの精査が必要である。
このような問題点を生じさせないための対策としては、下記が挙げられる。
・調査委員会の公平な構成
・「notice and hearing」(告知と聴聞)が基本的には必要
・被疑者への被害内容の告知・・・ただし事前に被害内容が伝わることによる証拠隠滅や被害申立者に対する圧力防止の必要がある
・被疑者の権利に対する配慮・・・「疑わしきは罰せず」の原則
○疑似恋愛セクハラと腹いせセクハラ
「セクハラ」とされるものには、「疑似恋愛セクハラ」と「腹いせセクハラ」と呼ばれるものもある。前者は部下の好意があると誤解した上司が起こすセクハラ、後者は、上司から叱られたり振られたり上司が他の部下とも仲よくしていることを知って不愉快になってから、腹いせとして親しかった当時の合意の上でのことを一方的なセクハラであるとでっちあげる訴えである。なお、「疑似恋愛セクハラ」と「腹いせセクハラ訴え」の区別は難しい。
疑似恋愛型セクハラについては、相手(上司)に好意があると誤解したことにつき過失がない場合(部下がちやほやする積極的発言を行い上司を誤解させた場合)はセクハラは成立しない。腹いせセクハラでっち上げは名誉棄損になる可能性があるばかりか、部下から上司を誘っておいて後に嫌だったと罠にはめる「ハニートラップ」の可能性もある。疑似恋愛型セクハラでは、うまくいっていると上司が思い込んで部下にアプローチをしている当初から部下の不平不満が聞かれる。腹いせセクハラでは、仲の良い当時においては、部下からの積極的な言動(アプローチ)があるのみで不満は聞かれず、不仲になった後に「実は初めから嫌だった、断れなかった」と訴え(讒訴)が出される。腹いせの場合は、あら捜しのように軽微なことを針小棒大に訴える傾向があり、判例でもさして悪意のない言動をセクハラだと訴えた場合、部下から好意をほのめかしておいて後になってから合意がなかった・セクハラだと訴えた場合にセクハラの成立が否定されている。セクハラは被害者の主観が重要だと人事院が述べてはいるが、判例では客観性が重要だとされ、一般通常人の判断が基準とされている。最低でもセクハラ認定に際し、当事者双方が親しい間柄にあったかどうかの「経緯」を調べる必要がある。厚生労働省の事業所に対する指針措置では、被害者加害者の主張が異なった場合には、第三者への聞き取り調査などさらなる事実確認が必要である。経緯を調べずに処罰をした場合、会社と訴えた部下の側が、逆に提訴されることもある。
その他恋愛破綻型セクハラと言うのがあり、真実の恋愛関係が破たんしたのちの上司による交際継続申し出のことをセクハラだと言われるケースである。
被害者支援
菊池 (2010) は、「被害者の不快を加害者に伝えることで速やかな行動改善につながる場合も少なくない。具体的には被害内容と意思表示した手紙を内容証明郵便で送るなどの方法がある。(支援者が被害者と)協働して文案を作成すると良いだろう」と述べた。
また、証拠資料の整理、リーガル・アドバイス、職場の環境調整などの準備とともに、被害者への心理的支援も重要である。
さらに菊池 (2010) は、関係調整の重要性に言及し、「セクハラ被害の回復援助では、多種の関係調整を行う。1関係機関や専門職(弁護士、医師)などのリソースと本人をつなぐ。2加害者との関係調整(例:職場復帰の際の約束事を公正証書化するまでの条件調整の支援を被害者の側にたって行う)。3職場復帰の関係調整(早めから管理職などに二次被害や被害者の反応についての教育も含めた関係調整を折々に行う)」と述べた。
なお、セクハラ被害が心的外傷となり、心的外傷後ストレス障害 (PTSD) といった症状が出る場合もあり、その際の治療・心理的ケアも重要である。
日本が関係した事例
○日系企業等が関係した日本国外における事例
・米国三菱自動車セクハラ事件
1996年、MMMA(米国三菱自動車製造)は米国政府機関の雇用機会均等委員会 (EEOC) に公民権法違反で提訴され、「日本企業では、女子社員はゲイシャであることを求められている」との日本文化論、大規模なジャパンバッシング、消費者からの不買運動を経て、最終的には約48億円の支払いで和解。
・北米トヨタ自動車セクハラ訴訟
2006年、北米トヨタ自動車の元社長秘書(日本人女性)が、同社社長(日本人男性)によるセクハラと同社の対応の不備に対して両者などに1億9000万ドルの損害賠償請求訴訟を起こした事例。その後トヨタ側から巨額の和解金(一説には50億円)が支払われた。
・有名日本料理店におけるセクハラ訴訟
コムスン事件で問題となったグッドウィル・グループがニューヨーク市で経営するレストラン「MEGU」における事例。2006年9月、同店のアジア系女性従業員が、勤務中にセクハラを受けたとして2000万ドルの損害賠償請求訴訟を起こした。AP通信によると、女性は長期に渡って同店の日本人料理長から調理道具や手で乳房や女性器を触られたり、性的な言葉をかけられたという。また、同店でのパーティーの際、別の調理師(事後に解雇)により店外に連れ出されレイプされたという(『USFL』2006年9月22日)。
○日本の教育機関でのセクハラ例
・千葉大学
千葉大学は2008年3月17日、女子大学院生にセクハラ行為をしたなどとして、同大大学院融合科学研究科の40代の准教授を同日付で停職12カ月の懲戒処分にしたと発表した。辞職願が提出され31日付で退職。准教授は大学院入試でこの女子院生に不適切な出題も行っていた。同大によると、准教授は昨年6月12日と19日、自宅で女子院生に対し「自分の半年間の恋人になれ」と性的行為を求める発言をした。また、「自分の援助なしでは卒業できない可能性がある」などと力を誇示し、脅迫めいた発言もしていた。
・大阪大学
大阪大学は2007年11月20日、医学系研究科の男性教授(47歳)が教え子の女子学生にセクハラ行為をしたとして諭旨解雇処分にしたと発表した。
・京都教育大学
2009年2月にコンパで酔った女子学生に対して集団準強姦を行ったとして同年6月2日に京都教育大学の男子学生6名が逮捕された事件(のちに不起訴)について、男子学生の逮捕直後からmixiなどのインターネットで被害者とされた女子学生に対するセクシャルハラスメントが京都教育大学の学生や他大学の学生(例えば立命館大学)により行われた。書き込みを行った学生は各大学の処分を受けた。しかし同種の行為が継続したため「キャンパス・セクシュアル・ハラスメント・全国ネットワーク」が京都教育大学への申し入れおよび文部科学省への申し入れを行っている。
なお本事件については、事件を理由とする無期停学処分の無効確認を求める裁判を男子学生4名が起こしており、京都地裁および大阪高裁での判決では、集団準強姦でなく同意のもとでの集団猥褻行為であったと認定されており、大学側が強姦事実があったかのように男子学生を取り扱い、名誉を棄損したアカデミックハラスメントの事例としても知られる。
・東京大学
関西地区の私立大学に所属する30歳代の女性研究者は、2009年に東京大学大学院医学系研究科の48歳の男性医師と知り合い、共同研究を行うようになったが、この医師は社会的地位を背景に、女性研究者に暴力を伴ったセクハラやパワハラを行うようになり、これが元で女性研究者は心的外傷後ストレス障害(PTSD)に陥った。女性研究者はこの講師を相手取り神戸地方裁判所に提訴。男性医師は「セクハラではない」と主張したが、2015年7月30日に同地裁は女性研究者の訴えを認め、当該の男性医師に計1,126万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
・近畿大学
近畿大学ボクシング部の29歳の男性監督が、特定の女子部員に対し、性的行為を求めるなどのセクハラ行為をしていたことが2017年7月に明らかとなり、当該の監督は自宅待機を命じられた。
○公益法人でのセクハラ例
・日本青年会議所
1998年7月25日、社団法人日本青年会議所が神奈川県横浜市で開催したイベント会場で、客席100人ほどのステージにビキニ姿のコンパニオン2人が水着ショーの後、体にバスタオルを巻きつけてビキニを脱ぎオークションにかけていたとして市民団体などに苦情があった。神奈川人権センターはセクハラ問題として日本JCに対し事実調査と公表を求める申し入れ書を提出し、抗議した。後援した横浜市も事実関係の調査に乗り出し、日本JC側は事実を確認し、謝罪した。
○その他のセクハラ例
・アデランス
2008年3月に、アデランスの大阪市内の店長を務めていた男性が、兵庫県内の店舗の従業員指導に携わった際、当時従業員であった女性に対し、「ノルマを達成できなければ、自分の彼女になるか、研修もしくは転勤だ」などと言って、無理矢理キスをしようとしたり、体を触るなどのセクハラ行為をしていたことが、2015年1月20日、新聞各社により報じられた。女性は警察への被害届提出を同社幹部から止められたと主張。PTSDと診断され休職したのち、2011年9月に退職を余儀なくされた。女性は同社を相手取り、約2,700万円の支払いを求め大阪地裁に提訴していたが、2014年11月28日付で、解決金1,300万円を支払う(うち半分は男性が負担)ことで和解が成立。和解条項には、男性の勤務地や出張先が、女性の居住地域にならないよう同社が努めることも盛り込まれた。
・協同組合つばさ
2015年6月には、外国人研修制度上の技能実習で来日し茨城県行方市内のシソ農家で働いていた中国人女性が、セクシャルハラスメントを受けた上、残業代も一部のみにとどまっているなどとして、水戸地方裁判所に当該のシソ農家およびその農家が加盟する受け入れ団体『協同組合つばさ』に対する訴訟を提起。また、この女性を助けようとして受け入れ団体を解雇されたとして、団体の元職員も訴えを起こしている。
韓国が関係した事例
○ミスアジア・パシフィックワールドでのセクハラ例
韓国が主催している世界各国の女性を集めたミスコンテストである「2011 ミスアジア・パシフィックワールド」において、韓国人大会関係者が参加している女性達に対して「優勝するために、どうすればいいか分かるだろう」など発言したり、上着を脱がそうとしたり、体に触ってきたりなどのセクハラ行為をおこない、参加女性らが途中で帰国する事件が発生したことが中央日報やBBC等により報道された。イギリスやガイアナの代表女性はYouTubeやTwitterにおいて大会主催者への怒りの告白動画をアップロードし、大会参加への注意を呼びかけた。これに対し、韓国の大会関係者はセクハラの訴えを否定し、「韓国式挨拶を誤解された」と釈明した。
2014年には、「ミスアジア・パシフィックワールド」で優勝したミャンマーの女性が優勝後に「アルバム発売の資金集めのために財界の大物を接待するように求められた」「頭からつま先まで整形手術を受けるよう圧力をかけられた」と告白した。また、コンテストの主催者からは実際には16歳の年齢を「18歳」と偽るよう求められたことも明かし「(これについては)抗議しなかったことを後悔している」と語った。
○韓国芸能界におけるセクハラ例
2009年、韓国人女優のチャン・ジャヨンが自殺。その後、「31人に100回以上性的接待を強要された」と書かれた手紙が発見された。当初警察は筆跡鑑定から本人のものと断定していたが、後に国立科学捜査研究員の鑑定によると別人のものとされた。チャンに性的強要をしたとされる捜査対象者20名がいたが、性的強要のような行為は特別な問題意識なしに慣行的な行為(いつもよくあることで誰の事やらいつのことやら解らない行為)で当事者らの記憶が薄れており証拠がないとして全員不起訴となった。
2010年、当時未成年であったモデルのチェ・ウンジョンに対し、所属事務所の代表が胸を触り、ホテルへ誘うなどのセクハラ行為をしたとして起訴され有罪判決を受けている。
韓国人権委員会が韓国内の女優111人に行ったアンケートによると、60.2%の女優が何らかの接待を強要され、このうち21.5%の女優が性的接待(枕営業)を求められていたという調査結果が出ている。
世界における事例
○PKO隊員による性交渉の要求
2015年6月、国連のPKO隊員が支援物資と引き換えにハイチやリベア、南スーダンなどの現地女性に性交渉を要求していたことが報じられた。訴えは6年間で480件に上り、ハイチ地震 (2010年)の起きたハイチでは220人以上が薬やベビー用品などと引き換えにPKO隊員との性交渉に応じていた。
パワーハラスメントとの境界線
ほとんどの場合、「立場(権力)の強い者」が「立場の弱い者」にセクシャルハラスメントを行う。自身の立場が上であること利用したパワーハラスメントが根底にある。下の立場の者が上の立場の者に対してセクシャルハラスメントを行った例は非常に稀であるため、セクシャルハラスメントだけでなくパワーハラスメントも重要視して考える必要性が指摘されている。
セクハラはパワハラの一種であり、1つの典型例とする説もある。これによると、パワハラ一般は立証が難しく、加害者にも自覚がないため対抗手段が取りにくい場合が多いが、セクハラについては立証しやすく、被害者に有利な法理で、加害者が厳しい処分を受けることに共通認識があるという。しかし根底にはパワーハラスメントあってのセクシャルハラスメントのため、パワーハラスメントを厳しく取締まらなければ、セクシャルハラスメントだけの議論は希薄だと指摘がある。またセクハラは過敏に反応する被害者の問題もあり、セクハラ冤罪論もありうる。  
 
 
●セクハラ 2
セクシャルハラスメント、いわゆる「セクハラ」に関する話題が世の中を騒がせることが多くなっています。1989年に日本で初めて性的いやがらせに関する訴訟が行われ、「セクハラ」という言葉が浸透し始め、その後改正男女雇用均等法によりセクハラ防止のため事業主に対して雇用上の管理が義務づけられました。
最近も政治家のセクハラ発言や社会的地位の高い立場にある人のセクハラ事件がニュースに度々登場します。これらのニュースを見て、他人ごとだと思っていてはいけません。 自分で気付かない内に相手に不快感を与えてしまうのが「ハラスメント」です。 特に仲の良い姉や妹がいる男性や、学生時代に男女問わず親しくしていた男性は、女性に対する障壁が低くなっていて、自分でも気付かないうちについ「セクハラ」に当たる言動を取ってしまう場合があります。
また、恋をすると盲目的に動いてしまう人もいるでしょうが、職場での恋愛は自分で意識しなくても相手にとってみれば「立場を利用した」ものになりがちです。 強引なアプローチは「情熱的」ではなく「セクハラ」になり得ます。
今回は様々なセクハラのパターンを紹介します。自分でもついやってしまっていないか確認してみましょう。
直接的なアプローチ
直接触ったり過剰に近づいてくるパターンです。明らかなセクハラです。女性が接客してくれる飲み屋さんなどに通う男性社員などは女性に馴れ馴れしくすることへの抵抗がなくなってしまっている場合があるかもしれませんが完全にNGですのでやめましょう。
・肩に手を置く、肩を揉む
「最近どう?」などと距離を縮めようと思って何気なくやっているだけでも完全にアウトです。女性社員は職場でスキンシップなど求めていません。
・頭をポンポンしたり髪に触る
「女性は頭をポンポンされると喜ぶ」などといういい加減な情報に惑わされてやってはいけません。好きな男性にされたら嬉しいのであって誰でも喜ぶわけではなく、むしろ相手によっては触られたくもありません。
・壁ドンする
好きでもない人にされて喜ぶわけがないのでやめましょう。
・お尻や胸を触る
冗談のつもりでも最低の行為です。
・書類の受け渡し等で意図的に手に触れる
「さりげなく」触れても「意図的」であることは女性社員にはすぐ気付かれます。
・顔を近寄せる
「分からない?見せてごらん」などと女性社員の席の横からパソコンを覗き込む横顔を「カッコいいなあ」と横目で見ているんじゃないか、なんて妄想も甚だしいと言えます。彼女はちょっとでも距離を取ろうと努力していることでしょう。
・顔をじろじろ見る
用もないのにじろじろ見られると気持ち悪いですね。
・二人きりの時スカートの中を触られる
親しいつもりで冗談めかしてやったとしても許されません。
・勤務中に抱きつかれてキスし、好きだと言う
愛の告白のつもりでやったのだとしても「好きだから」で許される行為ではありません。相手も「私も好きです・・・」なんて言うわけがありません。職場という限定された環境を利用した卑劣な行為です。
セクハラ発言集
セクハラ発言は枚挙に暇がありませんが代表的なものを挙げてみます。女性社員と話したいけれど話すことがないからと言って性的な冗談を飛ばすなどもってのほかです。話すことがないなら黙っていましょう。
・「胸が大きい」「お尻が大きい」などの発言
褒め言葉のつもりでもそのような目で見られていると思うだけで不快です。
・「若い子に入れてもらったお茶はおいしいなぁ」
褒めているつもりでもセクハラです。誰が入れたお茶であってもおいしくいただくべきです。
・「イライラしてるね、生理中?」
デリカシーのかけらもない発言です。
・「オバサン」呼ばわりする
自分が「オジサン」呼ばわりされると怒るくせに女性社員には言う人がいます。
・「きれいだね、食べちゃいたい」
非常に気持ち悪い発言です。
・聞こえる様に猥談をする
横目でチラチラ女性社員の反応をうかがいながら猥談、など子供の小学生男子がやることです。
・「どんな男性がタイプなの?」
少なくとも聞いてくるような男はタイプではないでしょう。
・「女らしくない」
余計なお世話です。
・「女の子だから機械に弱いのは仕方ないか」
性別を理由とした決めつけはセクハラ、また、「ジェンハラ(ジェンダーハラスメント)」に当たる場合もあります。
・彼氏がいるかどうか尋ねる
・スリーサイズを聞く
・「色気のない服だね」
・「最近奇麗になってきたね」
誘ったり後を付ける
職場の上司や興味のない同僚男性社員に誘われても困るだけです。相手の女性社員のことがどんなに好きであっても、何をどう間違っても「OK」とはなりませんのでやめましょう。
・食事に誘う
女性社員を1対1で食事に誘うことはやめましょう。相手がこちらに行為を持っているかも、と思って誘ったとしても、それはおそらく勘違いです。
・ラブホテルに誘う
ダメ元で、などと誘ったところでダメなものはダメですし、相手はそんな目で見られているのか、と不快感しか感じません。
・帰宅途中後を付ける
完全にストーカー行為です。やめましょう。
・エレベーターの中で二人きりになった時後ろから抱きつく
男性に対する恐怖心を植え付ける卑劣な行為です。
飲み会などでのセクハラ
お酒が入って少しくらいハメを外してもいいだろう、などと思っているのは男性社員の方だけです。女性社員はお酒を飲んで気が大きくなっている男性を嫌います。説明不要のセクハラ行為が多いですが、「酒の席だから」という言い訳は効かないことを肝に銘じましょう。
・自分の箸で「アーン」する
気持ち悪いことこの上ありません。
・トイレで待ち伏せする
話したいなら待ち伏せなどしないでみんながいる前で堂々と話しかけましょう。
・帰りのタクシーに一緒に乗り込む
「同じ方向だから」などといって乗り込まれて二人きりになるなど、女性社員にとっては恐怖以外の何ものでもありません。
・カラオケでデュエットを強要する
「◯◯歌える?」と聞いて、一度「無理です」と断られたら諦めるべきです。
・酔ったからといって(男性が)服を脱ぐ
女性社員がキャーキャー言うのは、盛り上がっているのではありません。心の底からの侮蔑と嫌悪感を抱いて悲鳴を上げているのです。
・膝の上に座らせる
・移動中に肩を抱く
・男性社員や上司の隣りに女性社員を座らせ「お酌しなさい」と命じる
・身体を触る
・男性の隣りに座ることを強要する
男性へのセクハラ
男性から男性へのセクハラも当然あり得ます。特に、自分より立場の弱い後輩や内気な同僚等に遠慮なく性的な言動を繰り返すことで精神的プレッシャーや羞恥心を与えます。相手が男性だからといって、自分と同じように性的な話題等に抵抗がないと勘違いしてはいけません。
・彼女の有無を聞く
男性に恋人がいるのかどうか尋ねるのも、相手が嫌がれば立派なセクハラです。
・性経験を尋ねる
余計なお世話です。
・風俗店に無理矢理誘う
誰もが喜ぶわけではありません。相手を見て誘うべきです。
・「お子さんの予定は?」などと聞く
・「男のくせにだらしない」
良かれと思ってしたことがセクハラ
男性が良かれと思ってすることでも、女性には嫌がらせに感じられることが多々あります。
・相談受けたため度々メールをする
女性社員の方から相談のメールが来て、心配なためにメールをするようになったがそのうち「しつこくメールしてくる」などと言われてしまうケースです。いくら相談を受けたからといって、好かれていると勘違いしたり過剰な数のメールを送信したりして嫌がられることがあります。気を付けるべきです。
・帰り道の途中まで送る
「夜道を女性一人で帰るのは心配」と、帰り道が同じだからということで途中まで送るつもりで毎日一緒に帰ってあげよう、などと思っても女性社員にとっては余計なお世話です。
・毎日褒める
「褒めて伸ばす」ということはありますが、特定の女性社員だけを過剰に褒めまくると下心を疑われます。
・女性の出世、成功を「きれいだから」などと容姿と関連づける
褒めているつもりかもしれませんが、容姿を褒めて能力をけなす発言です。また、他の女性社員が聞いても特定の女性社員の容姿を褒められていい気持ちにはなりません。
・「ちゃん」付けで呼ぶ
親しみを込めて、と思っても気持ち悪がられる場合があります。
その他のケース
悪意があるのか、からかいのつもりなのか、どちらにせよ女性社員にとってはいい気持ちがしない、セクハラと捉えられかねない行為です。気を付けましょう。
・同僚とのありもしない噂を立てる
冗談のつもりでも、実際見かけた気がしても、「この前の日曜、◯◯君と一緒にいたでしょう」などとプライベートに踏み込むのは厳禁です。
・女性を紹介しろと言う
「友達集めて合コンセッティングしてよ」なども同様です。「女性を紹介して」などと言ってくる男性に大切な友達を紹介する女性はいませんし、冗談のつもりで「彼女ができない俺」アピールをしているだけであってもうっとおしいだけです。
・ハンカチや着ている服をいつもチェックする
「昨日と同じハンカチだね」など、ストーカーまがいの発言です。
・上から下まで舐め回す様に見る
・結婚について聞く
・女性社員が抗議しているのにパソコンのスクリーンセーバーにヌード写真などを設定する
・社員旅行等で浴衣着用を強要する
これもセクハラ・・・?
話題のひとつとして聞いたことが女性社員にとっては嫌なことだったり、男性が多い職場だからといって女性社員の目に気を使わない行為はセクハラに当たる場合があります。
・年齢を聞く
業務上確認する必要もないのに聞くことはやめましょう。
・休暇の予定を聞く
単なる話題としてであっても、プライベートに踏み入って欲しくないものです。
・自分の子供について話す
微妙なところですが、結婚、子供について敏感になっている女性社員にとっては嫌がらせに聞こえることがあるかもしれません。気を付けましょう。
・職場の休憩室にグラビア写真が載っている雑誌が置かれている
男性社員が多い職場でも、女性社員がいるのであれば配慮すべきです。グラビア写真に拒否反応を示す女性は、男性が思うよりずっと多いことを覚えておきましょう。
・女性の水着姿のポスターやカレンダーがかかっている
男性からすると「目の保養」くらいに思うかもしれませんが、女性にとっては良い気がしません。

いかがでしたでしょうか。自分では何気ない言動でも、相手にとっては堪えがたい羞恥心を与えてしまったり、男性に少しでも触れられること自体強い抵抗を抱く女性も多くいます。そして、何も言わないからといって許容されているのではない、ということを肝に銘じましょう。女性社員が何を気にして何を嫌がるか、それをしっかりとわきまえてこそ、働きやすい環境を作ることができるのです。