「南シナ海」名前の通り 支那のもの

「南シナ海」は 支那のものである
といことならば 「日本海」は 日出国のもの

大国のご都合史観 貫くか
 


 
 
 
 
 
 
 
 
 
南シナ海で中国主張の管轄権認めず 国際仲裁裁判
南シナ海を巡り、フィリピンが申し立てた国際的な仲裁裁判で、裁判所は中国が主張する南シナ海のほぼ全域にわたる管轄権について、「中国が歴史的な権利を主張する法的な根拠はない」などと判断し、中国の管轄権を全面的に否定しました。
中国が南シナ海のほぼ全域の管轄権を主張しているのに対し、フィリピンは「国際法に違反している」などとして3年前、仲裁裁判を申し立て、国際法に基づく判断を求めてきました。
オランダのハーグで審理を行った仲裁裁判所は、日本時間の12日午後6時ごろ、フィリピンの申し立てに関する最終的な判断を発表しました。
この中で、裁判所は、南シナ海に中国が独自に設定した「九段線」と呼ばれる境界線の内側に「主権」や「管轄権」、それに「歴史的権利」があると主張していることについて、「中国が、この海域や資源に対して歴史的に排他的な支配をしてきたという証拠はない」と指摘しました。
そのうえで「九段線の内側にある資源に対して中国が歴史的な権利を主張する法的な根拠はない」という判断を示し中国の主張を認めませんでした。
さらに裁判所は、本来は管轄権はないとしながらも「中国が最近行った大規模な埋め立てや人工島の造成は、仲裁手続き中に紛争を悪化させたり、拡大させたりしないという義務に反する」と強調しています。
通常、仲裁裁判所は、手続きが始まったあとに起きた状況について判断することはできませんが、今回は中国の行動に懸念を示す異例の対応といえます。
南シナ海の問題を巡り、国際法に基づく判断が示されたのは初めてです。
仲裁裁判では原則として上訴することはできず、今回の判断が最終的な結論となります。
中国政府「南シナ海の島々に主権を有する」
中国政府は日本時間の12日夜、「南シナ海の領土主権と海洋権益に関する声明」を出しました。
声明では「中国人は南シナ海で2000年以上の活動の歴史がある。中国は南シナ海の島々と周辺海域を最も早く発見して命名し、開発していて、最も早く、持続的、平和的、かつ有効に主権と管轄権を行使し南シナ海の領土の主権と関連する権益を確立した」としています。
そのうえで、中国は、国内法と、国連海洋法条約などの国際法を根拠として、南シナ海の島々に主権を有する、これらの島々は領海と接続水域、それに排他的経済水域と大陸棚を持つ、そして南シナ海に歴史的な権利を有する、と改めて主張しています。
比外相 画期的な判断が問題解決に重要な役割
フィリピンのペルフェクト・ヤサイ外相は、国際的な仲裁裁判の判断が示されたことを受けて記者会見し、「この画期的な判断が南シナ海を巡る問題の解決に向けて重要な役割を果たすと確信している」と述べました。
そのうえで「現在、判断の詳細について検討をしているが、関係者には、抑制的に、かつ落ち着いて対応するよう呼びかけている」と述べ、仲裁裁判所の判断を歓迎する一方で、中国に対する配慮もにじませました。
岸田外相 当事国は判断に従い平和的解決を
岸田外務大臣は談話を発表し、「日本は、海洋を巡る紛争の解決には法の支配と力や威圧ではなく平和的な手段を用いることの重要性を一貫して主張してきた。当事国は、今回の仲裁判断に従う必要があり、日本としては、当事国がこの判断に従うことで、今後、南シナ海における紛争の平和的解決につながっていくことを強く期待する」としています。
米国務省 声明で判断を支持
アメリカ国務省のカービー報道官は、12日、声明を出し、「今回の判断は南シナ海の問題を平和的に解決するために重要な貢献となるものだ」として判断を支持する考えを示しました。
また、カービー報道官は、詳細については分析中だとしたうえで、「中国とフィリピンがこの判断に従うよう望む。このような重要な判断を受けて領有権を主張する関係国すべてが挑発的な発言や行動を控えるよう求める」と述べ、中国を念頭に今回の判断を受け入れ、挑発的な言動をしないよう呼びかけました。
台湾 「島」認められず反発
台湾の総統府は、南シナ海を巡る国際的な仲裁裁判で、台湾が実効支配する太平島が「島」ではないとして排他的経済水域を認めない判断が出されたことについて、「絶対に受け入れらない」として強く反発しています。
今回の仲裁裁判では、南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島で台湾が実効支配している太平島は「島」ではなく「岩」だとして排他的経済水域を認めない判断が示されました。
これについて台湾の総統府は、12日夜、声明を発表し、「今回の裁判の過程で台湾の意見は求められなかった」として手続きに不満を示すとともに、「絶対に受け入れられず、法的な拘束力はない」として、強く反発しました。
一方、「平等な協議を基礎に、関係国と共同で南シナ海の平和と安定を促進することを願う」として、対話を通じて平和的に問題を解決すべきだとの立場も示しました。
台湾では、国民党の馬英九前政権が、中国と歩調を合わせる形で仲裁裁判の判断を受け入れない立場を示していましたが、ことし5月に発足した民進党の蔡英文政権は、国際法を重視する姿勢を見せていました。
しかし、実効支配している太平島の権益を認めない判断が出たことを受けて、主権を守る強い立場を明確にした形で、総統府は、南シナ海のパトロールのため、海軍のフリゲート艦を予定を1日早めて、13日出発させることを明らかにしました。
ベトナム政府 裁判所の判断を評価
国際的な仲裁裁判の判断が示されたことについて、フィリピンと同じように南シナ海の島々の領有権を巡って中国と対立するベトナムは、外務省のレ・ハイ・ビン報道官のコメントを発表しました。
この中で、ビン報道官は、「裁判所が最終的な判断を示したことを歓迎する」と述べベトナム政府として国際法に基づく判断が示されたことを評価しました。
そのうえで「ベトナムは、地域の平和と安定のため、南シナ海の問題が武力や脅迫ではなく、外交プロセスや法律など平和的な手段で解決されることを強く支持する」と述べています。
ベトナム外務省は、今後、判断の内容を精査したうえで、正式な声明を発表するとしています。
ベトナムは、この裁判には直接は関わっていませんが、今回、南シナ海を巡る中国の主張を認めないという判断が示されたことは、ベトナムにとっても重要な意味を持つだけに、判断の内容や今後の情勢について慎重に分析を進めているものとみられます。
シンガポール外務省「法に基づく秩序を」
国際的な仲裁裁判所の判断が示されたことについてシンガポールの外務省は声明を発表し、「小さな都市国家であるシンガポールとしては、法に基づいて秩序が維持され、すべての国の権利が守られることを求める」として慎重な表現をしながらも中国を念頭に今回の判断を尊重するよう求めています。
そのうえで、「すべての関係国に対し、法と外交的な手続きを尊重し域内での緊張を高める行動を控えるよう求める」と述べて、各国に、挑発的な行動を取らないよう呼びかけました。
シンガポールは南シナ海で領有権を主張している国の1つではありませんが、先月行われた中国とASEANの特別外相会合ではASEAN側の議長国として中国に対して南シナ海の問題について「重大な懸念」を表明し、自制を求めていました。
韓国政府 公式見解は発表せず
南シナ海を巡り、フィリピンが申し立てた国際的な仲裁裁判の判断が出たことについて、韓国政府はこれまでのところ、公式の見解は発表していません。
ただ、裁判所の判断に先立って韓国外務省の報道官は、12日の記者会見で、「南シナ海における安全保障や航行の自由の観点から重要な判断になるだけに大きな関心を持っている。政府としての立場は判断の具体的な内容などを把握してから発表したい」と述べ、慎重な立場を示していました。
韓国とアメリカは、今月8日、最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」を韓国国内に配備することを決めていますが、中国政府はTHAADのレーダーが中国東北部などに展開する中国軍の監視に利用されるとして強く反発しています。
こうしたことから、韓国としてはこれ以上、中国との関係が冷え込むことを避けたい考えで、裁判所の判断にどのような立場を示すのか難しい判断を迫られています。
海外メディアの反応
南シナ海を巡り、国際的な仲裁裁判の判断が示されたことを受けて、アメリカの有力紙「ニューヨーク・タイムズ」の電子版は「今回の裁判は国際的な影響力を強める中国にとって重要な岐路になるとみられていた。周辺の国々は、中国との交渉のしかたについてモデルが示されるだろうと期待していた。裁判所は中国の南シナ海での活動を非難する決断を下した。インドネシアなどの国々は、この判断が中国の主張に疑問を投げかけ、自国の経済水域の保護につながることを望んでいる」と伝えています。
また、イギリスの公共放送BBCはオランダのハーグ、フィリピンのマニラ、それに中国の北京からそれぞれ記者が中継を行い、関心の高さをうかがわせました。
このうち、マニラの記者はフィリピンのヤサイ外相の記者会見について、「フィリピン政府の反応は控えめなものだった。ドゥテルテ大統領は裁判所の判断に対する控えめな反応の見返りに、中国から投資の約束を取り付けようとしているという見方も出ている」と指摘しています。 
 
南シナ海仲裁裁判 中国は判決に従う義務がある
南シナ海の領有権に関して、中国の独善的な言動の不当性を指弾する国際司法判断である。
オランダ・ハーグの仲裁裁判所は、南シナ海のほぼ全域に自国の主権が及ぶという中国の主張を全面的に退ける判決を下した。
判決は、中国が主権の根拠とする境界線「九段線」について、「歴史的な権利を主張する法的根拠はない」と結論付けた。中国が「この海域や資源に対し、排他的な支配をしてきたという証拠はない」とも指摘している。
南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島で中国が造成した人工島に対して、排他的経済水域(EEZ)は生じないとの判断も示した。
国連海洋法条約に基づくフィリピンの訴えを支持したものだ。
習近平政権は、七つの人工島の軍事拠点化を加速させ、緊張を高めている。こうした覇権主義的な現状変更の前提が、国際機関によって否定された意義は大きい。
岸田外相が談話で「当事国は今回の判断に従う必要がある。今後、南シナ海における紛争の平和的解決につながることを期待する」と強調したのは、当然である。
問題なのは、中国が仲裁裁が扱うべき案件ではないとして、判決の受け入れを拒否していることである。判決後、中国外務省は「裁決は無効であり、拘束力はない」などとする声明を発表した。
仲裁裁には、判決に強制的に従わせる仕組みはない。だが、国連海洋法条約加盟国の中国には、判決を順守する義務がある。
判決を無視すれば、「法の支配」に基づく海洋秩序を蔑ないがしろにする中国の無法ぶりが際立つだけだ。国際的な孤立が一段と深まるのは避けられまい。
中国が判決前、南シナ海の実効支配を誇示しようと、大規模な軍事演習を実施したことも看過できない。南シナ海の権益確保に躍起になるのは、戦略原潜の拠点として利用するなど、軍事面で米国に対抗する意図があるのだろう。
日米など先進7か国(G7)が主導し、中国に判決を尊重するよう粘り強く促さねばならない。
米国がフィリピンなどと連携し、人工島周辺で「航行の自由」を体現する巡視活動を継続することも欠かせない。
フィリピンのドゥテルテ大統領は今後、中国と交渉し、問題の解決を目指す意向とされる。
南シナ海の安定には、日米と協調するアキノ前政権の路線の継承が大切だ。ドゥテルテ氏には、この点を認識してもらいたい。 
 
南シナ海 国際仲裁裁判 中国に厳しい内容に
南シナ海を巡り、フィリピンが申し立てた国際的な仲裁裁判で、裁判所は12日、中国が南シナ海のほぼ全域に管轄権を主張しているのは「法的根拠がなく、国際法に違反する」という判断を示し、フィリピンの主張を全面的に認め、中国にとって極めて厳しい内容となりました。
国連海洋法条約に基づきフィリピンが申し立てた国際的な仲裁裁判で、12日、裁判所は最終的な判断を発表しました。
「中国の管轄権の主張は、国際法違反」というフィリピンの主張を認めました。中国が南シナ海に独自に設定した「九段線」と呼ばれる境界線の内側に「主権」や「管轄権」、それに「歴史的権利」があると主張していることについて、裁判所は「法的根拠がなく、国際法に違反する」という判断を示し、フィリピンの主張を全面的に認めました。その理由について裁判所は「中国がこの海域や資源に対して歴史的に排他的な支配をしてきたという証拠はないからだ」としています。
「人工島周辺には排他的経済水域がない」というフィリピンの主張も認めました。中国が南沙(スプラトリー)諸島に造成した7つの人工島について、裁判所は、もともと、潮が引いたときだけ海面上に現れる「低潮高地」か、人が住まない「岩」だったという判断を示しました。国連海洋法条約では「低潮高地」や「岩」には、排他的経済水域や大陸棚は認めらず、中国の人工島の周囲では排他的経済水域や大陸棚は認められないことになりました。
漁業の妨害についてもフィリピンの主張を認めました。裁判所はフィリピンの排他的経済水域内にあるスカボロ−礁で、2012年5月以降、中国がフィリピン人の漁師が周辺に近づくのを妨害し、「伝統的な漁業権を侵害した」と認めました。
環境破壊についてもフィリピンの主張を認めました。裁判所は「中国が実効支配する南シナ海の7つの人工島で行われている大規模な埋め立てや建物などの建設によって、サンゴ礁に深刻な被害が及んでいる」と指摘し、中国は国連海洋法条約が定める環境を保護する義務に違反しているという判断を示しました。
さらに裁判所は、異例の対応も行いました。通常、仲裁裁判所は手続きが始まったあとに起きた事柄について判断することはできません。しかし、今回は、「中国が最近行った大規模な埋め立てや人工島の造成は、仲裁手続き中に紛争を悪化させたり、拡大させたりしないという義務に反する」と指摘しました。中国の行動に懸念を示す異例の対応といえます。
米「最終的な判断で法的な拘束力がある」
アメリカ国務省のカービー報道官は12日の会見で仲裁裁判の判断について、「最終的な判断で法的な拘束力があり、中国、フィリピン双方がその責任を果たす義務がある」と述べ、中国は判断に従う国際的な義務があると強調しました。そして判断に従わない場合は国際法違反にあたるという認識を示した上で、「中国が判断を受け入れないと言おうが、法的に拘束された責務があるという事実は変わらない」と述べて、中国に対し判断に従った行動を取るよう強く求めました。そして「世界中の国々が、中国がみずから言うような大国なのかどうか注目しており、中国が判断に従うことを期待している。世界中から見つめられていることを中国は考えるべきだ」と述べて、世界各国が中国の今後の対応を注視していると強調しました。
ASEAN 各国の反応
国際的な仲裁裁判の判断が示されたことについて、ASEAN=東南アジア諸国連合の各国は、それぞれの立場からのコメントを発表しています。
このうち、フィリピン同様、南シナ海の島々の領有権を巡って中国と対立するベトナムは「南シナ海の問題が武力や脅迫ではなく、外交プロセスや法律など平和的な手段で解決されることを強く支持する」という外務省報道官のコメントを発表し、ベトナム政府として今回の判断を評価しています。
また、中国との間に領有権問題はないものの、南シナ海に排他的経済水域を抱えるインドネシアは「すべての関係国が冷静に行動し、緊張を高める行為、特に地域の平和と安定を脅かす軍事行動は避け、国際法を順守することを求める」とのルトノ外相の声明を発表し、名指しは避けながらも、中国に裁判所の判断を尊重するよう求めました。
一方、南シナ海での中国の海洋進出について中立的な立場を取るタイのドーン外相は、裁判所の判断が示されるのに先だって記者団の取材に応え、「現状への解決策を見いだせるかどうかは各国の知恵にかかっている」と述べるにとどまり、具体的な評価をしない姿勢を示していました。
中国の南シナ海での海洋進出を巡っては、先月14日に開かれた中国とASEAN=東南アジア諸国連合の特別外相会合で、ASEANとして「深刻な懸念」を表明する声明をまとめながら、中国との関係を重視するカンボジアなど一部の国の反対を受けて声明の発表を断念していました。
国連 緊張高まることないよう呼びかけ
国連のデュジャリック報道官は12日、ニューヨークの国連本部で開いた定例記者会見で仲裁裁判の判断について、「パン・ギムン(潘基文)事務総長は、南シナ海を巡る問題は話し合いと国際法を通じて平和的、かつ友好的に解決すべきだと当事者に何度も呼びかけてきた。緊張を高めるような行為を控えることが引き続き重要になる」と述べ、仲裁裁判の判断を機に関係国間の緊張が高まることのないよう呼びかけました。そして、「中国とASEAN=東南アジア諸国連合が署名した「行動宣言」に基づいて協議を重ねていくことが関係国の相互理解を深めることにつながる」と述べて中国とASEAN諸国の協議が進展することに期待を示しました。
専門家「緊張激化しかねず危険な状態」
南シナ海を巡る国際的な仲裁裁判でフィリピンの主張が全面的に認められ、中国にとって極めて厳しい内容となったことについて、東南アジアと中国との関係に詳しいタイの専門家は「フィリピンが裁判所の判断を誇示しすぎると緊張が激化しかねず、危険な状態だ」と述べ、双方の対立が先鋭化することに懸念を示しました。
また、この専門家は、今月、ラオスで開かれる一連のASEAN外相会議でもこの問題が大きな議題になるとしたうえで、「中国の海洋進出をエスカレートさせないことが重要で、ASEAN各国は中国が受け入れられるような妥協策を探り、和解への道を探ってほしい」と述べ、東南アジア諸国が一体となって緊張の緩和を目指すべきだという考えを示しました。 
 
仲裁判断を拒否する中国、影響は南シナ海にとどまらず
中国の海洋進出が国際法によって待ったをかけられた。この影響は南シナ海だけにとどまらないだろう。
国連海洋法条約に基づくオランダ・ハーグの仲裁裁判所は12日、南シナ海の権益を巡るフィリピンと中国の争いでフィリピンの主張に軍配を上げた。中国が仲裁裁判所の管轄権自体を拒否していることで、この国が他の国際的なルールを尊重するつもりがあるのかどうかも危ぶまれている。もっと建設的な手段で経済的な影響力を高めようとする取り組みにも支障が出てくるだろう。
仲裁裁判所が3年余りに及ぶ審理手続きを経て下した今回の判断は、この種の紛争で初めてのもので、1つの大きな歴史的節目と言える。ただ、中国が権益を主張するいわゆる「九段線」内の勢力図をすぐさま変化させる力は乏しい。中国は当初から仲裁裁判所での取り扱いを認めておらず、人工島建設や原油掘削、フィリピン漁船の排除といった行動を取りやめそうにはない。
短期的には仲裁裁判所の断固たる判断が、ベトナムなど他の周辺国を勇気づけて自らの権益主張を強め、国際的な緊張を高めてしまう恐れがある。重要なシーレーンのある南シナ海だけに、米国が今よりさらにはっきりと「お目付役」を果たす可能性もある。ただしこうした緊張は今に始まったことではない。大々的な軍事衝突にならない限りは、経済的な影響は限られるだろう。そして周辺国には、中国により直接的に挑戦する危険な賭けに踏み切れるほどの余裕はない。
より大きな問題は、中国が他の国際機関に対してどういった態度を取るかだ。米国内で共和党の大統領候補指名が確定したドナルド・トランプ氏が保護主義を掲げる中、中国には国際舞台で存在感を高める好機が到来している。とはいえ、今回の仲裁裁判所の判断に対する不機嫌で自己弁護的な反応を見ると、そうした影響力の行使には積極的でないか、あるいは行使の準備ができていないことが分かる。
より足元の状況で言えば、中国の比較的ソフトな影響力を高めようとする努力に水が差されている。中国はアジアインフラ開発銀行(AIIB)などの国際機関に多額の資金を投じ、経済開発で世界を主導する姿を示そうと試みてきた。だが南シナ海での周辺国に対する攻撃的な態度は、他の分野でせっかく積み上げた「得点」を一気に失ってしまうリスクをはらんでいる。 
 
南シナ海仲裁裁判決 国際社会、法で圧力 中国反発、増す緊張
南シナ海のほぼ全域を管轄するとの中国の主張に対し、フィリピンが申し立てた仲裁裁判。オランダ・ハーグの仲裁裁判所は12日、中国が主張の根拠としてきた「九段線」の法的な有効性を真っ正面から否定する中国に極めて厳しい判決を言い渡した。今回の判決を「錦の御旗(みはた)」に国際的な対中包囲網がさらに狭まりそうだ。
進出歯止め図る
ハーグの仲裁裁判所が中国側の「全面敗訴」となる厳しい判決を言い渡した背景には、中国が国際社会の反対を無視する形で南沙(英語名・スプラトリー)諸島の埋め立てなど実効支配を強める中で、「海洋法の番人」として「法の支配」の重要性を改めて明示する狙いがあったためとみられる。
中国は、2013年1月にフィリピンが仲裁手続きを申し立てて以降、手続きに参加することを拒否。判決も受け入れない考えを示してきた。申し立てへの反論を求める裁判所の要請に応じない一方で、14年12月には「仲裁裁判所には訴えを審理する管轄権がない」とする「ポジション・ペーパー」(政策説明書)を発表し、裁判所の外で独自の主張を展開してきた。こうした「法廷軽視」の姿勢は、仲裁人(裁判官)の心証を相当悪くしたとみられる。
国際社会が特に懸念していたのは、中国が「相手国と話し合う用意がある」と強調しながら実効支配の動きを加速させたことだ。中国はフィリピンが仲裁手続きを申し立てた後、南シナ海で埋め立てを急速に進め、南沙諸島のファイアリクロス礁(中国名・永暑礁)など3カ所で3000メートル級の滑走路を建設。15年9月の米中首脳会談では習近平国家主席が「軍事化の意図はない」と明言したにもかかわらず、軍用の哨戒機まで飛来させるなど言動が一致しないとの批判が出ていた。
判決は「中国はフィリピンの排他的経済水域で巨大な人工島を建設するなどし、岩礁の元の状態がどうだったかを示す証拠も永遠に破壊してしまった」と指摘。「問題が解決していない間に紛争をさらに悪化させるような行為を控える義務にも違反した」と糾弾し、仲裁手続きが進められている間にも人工島での滑走路の建設などを進めた中国の行動を批判した。
米、硬軟両様で対応
仲裁裁判所の判決について、米国務省のカービー報道官は12日の声明で「中国、フィリピン両国に対し拘束力を持つ」として順守を求めた。さらに、すべての当事者に「挑発的な言動」の自制を促し、判決拒否を表明した中国をけん制した。今後、軍事、外交両面で圧力をかけ、地域紛争の芽を摘む取り組みを続ける。
米国は昨年10月、中国が南シナ海の南沙諸島に築いた人工島から12カイリ内にイージス駆逐艦を派遣する「航行の自由作戦」を実施。今年5月まで3回、同様の作戦を展開した。米国は、判決は作戦の妥当性を後押しするものとして、今後も継続するとみられる。
また米国は同作戦以外にも地域の同盟国、友好国と協力し、中国をけん制してきた。今年4月には米海軍がフィリピン軍と11日間に及ぶ共同訓練を実施し、対地攻撃機などによる南シナ海の哨戒飛行も行った。中国が判決を無視し、南シナ海の軍事拠点化を進めるようならば、軍事的な圧力を強める可能性もある。
オバマ大統領は中国の習近平国家主席との会談のたびに自制を要請。5月末の主要7カ国首脳会議(伊勢志摩サミット)の首脳宣言にも、南シナ海を念頭に「紛争の平和的管理や解決の重要性を強調する」ことが盛り込まれた。外交の場を通じても判決の順守を中国に訴えていく考えだ。
ただ中国は米国にとって、北朝鮮核問題や地球温暖化などに対処するための重要なパートナーだ。世界2位の経済大国の中国の協力がなければ解決できない課題も多く、硬軟織り交ぜた対応を迫られそうだ。
日本「妥当な結果」
日本政府は12日夕、判決を受けて岸田文雄外相の談話を出した。談話では「仲裁判断は当事国を法的に拘束する。当事国は従う必要がある」として、中国を念頭に判決の受け入れを求めた。日本はフィリピンへの支持を表明しており、政府・与党内では「妥当な結果だ」(政府関係者)と判決を歓迎する声が上がった。
政府は今後、中国の海洋進出に懸念を強める国々と協力し、中国への国際的な圧力を強める方針。安倍晋三首相は今月15、16両日にモンゴルで開催されるアジア欧州会議(ASEM)首脳会議の出席に合わせ、ドイツなどとの2国間会談で対応を話し合う。
東南アジア諸国は中国への対応が分かれることも多かったが、外務省幹部は「判決の効果で、国際ルール違反を認めないという国際世論ができてくるのでは」と期待感を示した。ただ、日本は中国が強硬姿勢を強め、緊張が高まることも警戒。先月には中国海軍の艦船が尖閣諸島周辺の接続水域に初めて入るなど中国軍の行動は東シナ海で活発化する一方だ。事態の打開を目指し、中国側にはASEM首脳会議の際の安倍首相と李克強首相との会談を呼びかけている。外務省の杉山晋輔事務次官も月内に中国・北京を訪れ、張業遂筆頭外務次官と会談する予定で、関係改善の糸口を探る構えだ。
東南アジア協調カギ
フィリピンにとり、仲裁裁判所が中国の主張や行為を事実上違法と認めた意義は大きい。強制力のない判決に対し、周辺国や米欧、日本など「法の支配」を重視する国際社会と協調し、いかに実効性を伴う形で中国に圧力をかけられるかが今後のカギとなる。
世界の貿易量の3割以上が南シナ海を通過しているとされる。フィリピンのヤサイ外相は6月、毎日新聞に「南シナ海を不安定化させる中国の行動は、フィリピンだけでなく、航行の自由を重視する全ての国の利益に反する」と強調。広く国際社会を巻き込み、中国の「囲い込み」を図りたい考えを示していた。フィリピン側の代理人を務めたライクラー弁護士はワシントンで毎日新聞の取材に「偉大な判決だ。南シナ海で中国と同様の係争を抱える国々にとっても勝利となる。中国指導者には賢明な判断を求めたい」と述べた。
ロイター通信によると、フィリピン同様、中国との対立が深刻化するベトナムは、判決を受けて外務省が声明を発表し南シナ海問題の「国際法に基づく平和的解決」を要求。中国船とのトラブルが最近目立つインドネシアの外務省も「全ての当事国に国際法を尊重するように求める」との声明を発表した。
ただ、これまで東南アジア諸国連合(ASEAN、加盟10カ国)は、対中国で結束できずにいた。カンボジア、ラオス、ブルネイは4月下旬に王毅(おうき)中国外相の訪問を受け入れ、中国の立場について説明を受けた。「親中国派」の国であるカンボジアのフン・セン首相は6月、「いかなる内容であろうとも判決を支持しない」と断言していた。
中国が判決を無視し続ければ、南シナ海情勢は行き詰まり、中国をめぐるASEANの分断も広がる可能性がある。
「権利侵害、不公平」 国際包囲網を警戒
中国は判決に猛反発している。判決発表直後に「仲裁法廷の判決は主権国家、国連海洋法条約締約国としての中国の合法的な権利を著しく侵害し、不公正だ」との外務省声明を出した。同時に「南シナ海の領土主権と海洋権益」についての政府声明も出して「中国には南シナ海で2000年以上の活動の歴史がある。中国は南海諸島と関連海域を最も早く発見し、命名し、開発・利用してきた」と判決で否定された排他的な「歴史的権利」を改めて確認した。
中国は判決受け入れを求める対中包囲網を警戒する。15、16日にはモンゴルでアジア欧州会議(ASEM)、その後にラオスでASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合など国際会議が相次ぐ。孔鉉佑・外務次官補は11日に「ASEMは南シナ海問題とは関係がなく、議論にふさわしい場ではない」と主張した。
国営新華社通信によると、中国政府は12日、ミスチーフ(中国名・美済)礁とスービ(渚碧)礁に造成した飛行場で軽飛行機の試験飛行を実施した。10日には仲裁裁判で争われた南沙(英語名スプラトリー)諸島の五つの人工島で灯台の運用を始めたほか、11日まで南シナ海で大規模な軍事演習も実施した。
友好国を通じた支持集めも展開。戴秉国・元国務委員は「判決は紙くずだ」と強弁するが、国際的な孤立や沿岸国から類似提訴が相次ぐことも懸念される。9月には中国・杭州での主要20カ国・地域(G20)首脳会議を議長国として取り仕切る。習近平国家主席が諸外国から集中砲火を浴びる事態は避けたいだろう。
打開の道は裁判を申し立てたフィリピンで先月末に新政権が発足したことだ。王毅外相は判決後の談話で「茶番は終わった。正しい道に戻る時期だ」と述べ、ASEMに出席する李克強首相が判決を前提とせず、フィリピン側との2国間会談を呼び掛ける構えをみせている。中国が主張してきた「当事国による対話解決」をフィリピン側が受け入れれば、ベトナムなどが判決を援用しにくくなるとの計算があるからだ。フィリピンを振り向かせるために中国が実効支配するスカボロー礁(中国名・黄岩島)の共同開発を持ちかける可能性もある。
習主席は12日、訪中した欧州連合(EU)のトゥスク大統領との会談で「南シナ海は古来、中国の領土だ。判決に基づくいかなる主張や行為も受け入れない」と強調。中国外務省は判決を援用する国や国際機関には「断固とした措置を取る」とクギを刺しており、ASEMやARFなどで中国包囲網を築こうとする動きには対抗措置を打ち出していく構えだ。過去の例から日本や米国には南シナ海ではなく、尖閣問題などを抱える東シナ海で対抗措置を打ち出すとみられており、日中、米中間で緊張が高まる恐れがある。 
 
南シナ海仲裁裁定を「ただの紙くず」と言い切る中国
 次は「力の行使」か スカボロー礁で人工島造成開始も
ハーグの仲裁裁判所で下された「クロ裁定」を受けて、中国は今後どう出るか。内政第1の習近平政権にとって、裁定は対外的なつまずきになり、これを糊塗(こと)するために「力の行使」に出る危険性が高くなる。
南シナ海の裁定により「8月の砲声を聞くことになる」と警戒感を示したのは、キャンベル元米国務次官補だった。8月の砲声とは、1914年の第一次大戦の勃発を象徴する言葉である。その物騒な事態を避けるため、日米同盟にはどんな手が打てるか。
中国外務省は裁定の前から、仲裁裁判所には「管轄権がなく、審理を決定すべきではない」と違法性を強調していた。戴秉国(たい・へいこく)前国務委員に至ってはわざわざワシントンで裁定を「ただの紙くずだ」と言い捨てた。
しかし、ハーグの裁定が南シナ海を勢力範囲とする「九段線」論を否定した以上、中国が裁定を無視すれば、国際社会は「国際ルールを嘲弄(ちょうろう)する無法者」(英紙フィナンシャル・タイムズ)というレッテルを貼るだろう。
国連海洋法条約では中国のいう通り、どの手段で紛争解決するかは中国に「選択の自由」がある。しかし、この条項には第2節があって、不満があっても出席して弁明する義務があるのに、彼らはこれを故意に無視してきた。争っても勝ち目がないとの判断から、裁判所そのものを批判する奇策に出た。
戴秉国氏は講演で、「たとえ米国が10個の空母打撃群すべてを南シナ海に進めても、中国人は怖がらない」と脅した。裁定前日の11日まで、南シナ海のパラセル海域で大軍事演習をしたことは「法の支配」を離れて「力の行使」を選択したことになる。
「クロ裁定」を受けた側の中国にはどんなオプションがあるのか。不満の表明なら、「九段線」上空に、中国の防空識別圏(ADIZ)を設定する可能性がある。さらに米比当局者の間では、フィリピンに近いスカボロー礁でも人工島造成を開始するのではないかと警戒している。
南のスプラトリー諸島は、中国が実効支配する岩礁や砂州の上に人工島を構築したが、スカボロー礁は2012年に支配権をフィリピンから奪い取った海域だ。しかも、米軍が再駐留をはじめたフィリピンの軍事基地に近く、カーター国防長官は「スカボローで行動に出れば相応の措置をとる」と警告している。
米国の対中オプションにはほかに、軍事力の増強、対中経済制裁、さらに環太平洋合同軍事演習(リムパック)への中国の招待取り消しなどがある。有事になってもっとも困るのは、中国であることを認識させる必要がある。日米の貨物船は南シナ海を迂回(うかい)することが可能で、米軍はすでに海上封鎖「オフショア・コントロール戦略」を視野に入れている。
外交的には、沿岸国のインドネシアがナトゥナ諸島をめぐる争いから、フィリピンに続いて仲裁裁判所に提訴することが現実味を帯びてきた。ベトナム、マレーシアも追随する余地があり、日米で支援することは可能だ。
日本にとっては、中国が東シナ海にシフトしてくる可能性を視野に入れなければならない。安倍首相は沿岸国とも協調して、多国間枠組みの構築を急ぎたい。 
 
南シナ海「仲裁裁判」 / 「中国の野望」の分析と対策
2013年1月、フィリピンは南シナ海における中国との紛争について、政治的・外交的な解決努力は尽くしたとして、国連海洋法条約に基づく仲裁手続を開始した。
仲裁裁判所の裁判事務を担当する、オランダ・ハーグにある常設仲裁裁判所(PCA)は昨年10月、フィリピンが提起した15項目のうち8項目は留保するものの、7項目について管轄権があると判定し、審理することを決定した。そして7月12日、その裁定が下されることになったのである。
提起されている問題とはそもそも何なのか、仲裁裁判では何に対して裁定が下されるのか、そしてその結果どんな影響が南シナ海に及ぶのか。
国際司法に訴え出たフィリピン
2012年4月のことだった。フィリピン・ルソン島の西方、同国の排他的経済水域(EEZ)内にあるスカボロー礁の近くで、中国漁船の不法操業を取り締まろうとするフィリピンの艦船と、それを阻止しようとする中国公船とが対峙する事態になった。
にらみ合いは続くが、2カ月後、悪天候でフィリピン艦船が現場海域を離れた隙を狙い、中国が同海域を押さえ、スカボロー礁は中国が実効支配するようになった。
フィリピンの海軍力は艦船80隻、総トン数約4.7万トン。2700トン級のフリゲート艦2隻が最も大きい艦艇だ。これに対して中国は艦船892隻、総トン数142.3万トンで、潜水艦のほか6500トンや5700トンの駆逐艦などを擁しており、その圧倒的な戦力差は歴然としている。
中国の一方的な実効支配を実力で覆せないフィリピンは2013年1月、国連海洋法条約に基づくPCAへの提訴という方法をとった。紛争の解決を当事者間ではなく、国際司法の場に委ねたのである。
「島」なのか「岩」なのか
ではフィリピンが提起し、仲裁裁判所が同裁判所に管轄権があると認めた7項目を見てみよう。因みに仲裁裁判所は一方の当事国の参加だけで審理を進めることができる枠組みである。
(1)スカボロー礁にEEZや大陸棚は生じない。
(2)南沙諸島のミスチーフ礁、セカンドトーマス礁、スービ礁は「低潮高地」(後述)であり、領海、EEZ、大陸棚は生じない。
(3)ガベン礁、ケナン礁は「低潮高地」であり、領海、EEZ、大陸棚は生じない。
(4)ジョンソン南礁、クアテロン礁、ファイアリークロス礁では、EEZ、大陸棚は生じない。
(5)中国はフィリピン漁民のスカボロー礁での伝統的漁業を不法に妨害している。
(6)中国はスカボロー礁、セカンドトーマス礁の環境保護に関して条約に違反している。
(7)スカボロー礁近海での中国公船の危険な運用は条約違反である。
最も重要なのは、最初の4項目である。ここでは、対象となる各礁が国際法上の「島」なのかどうかが問題となっている。つまり、各礁の「国連海洋法条約上の法的地位」が争われているのだ。
国連海洋法条約では、島とは「自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるもの」と定義されている(海洋法条約第121条1項)。
ただし、人間が居住できなかったり、独自の経済的生活を維持できないものは「岩」とされ、EEZや大陸棚を持たないと定められてもいる(海洋法条約第121条3項)。
一方、低潮高地の定義はこうだ。「自然に形成された陸地であって、低潮時には水に囲まれ水面上にあるが、高潮時には水中に没するもの」であり、「その全部が本土又は島から領海の幅を超える距離にあるときは、それ自体の領海を有しない」(海洋法条約第13条)。
つまり「島」ならば、これを基点に領海やEEZ、大陸棚が決定されるわけだが、「岩」や「低潮高地」は「島」ではないので起点にはなりえない。仮にそれを人工島化しても、「自然に形成された陸地」ではないので、国際法上は「島」とはみなされないということなのである。
これらのことを前提に7項目を見てみる。
まず(1)だが、スカボロー礁はそもそもフィリピンのEEZ内にあり、しかも同国はこれを「島」ではなく「岩」と認識している。だから中国がここを実効支配しても、中国のEEZや大陸棚は生起しない、という言い分である。
(2)〜(3)については低潮高地だから、領海やEEZの基点となる「島」とは法的に認められない。
(4)は、既に中国が勝手に人工島にしてしまったが、その人工島をもって大陸棚やEEZの基点としていることはけしからん、という訴えなのである。
(5)〜(7)は、国際司法上、上記(1)〜(4)が証明されれば、当然違法だというべき内容である。
間接的に「九段線」を論破?
注意しなければならないのは、こうした項目に対する仲裁裁判所の裁定は、中国の南シナ海支配の是非を直接的に問うものではない、ということだ。
中国は以前から、南シナ海のほぼ全海域を囲い込む「九段線」を主張している。これは、九段線内のエリアでは自らの主権、管轄権、歴史的権利がすべて及んでいるとするもので、西沙・南沙諸島などへの中国の進出は、すべてこの主張に基づいている。
フィリピンはもちろんこの点についても、「九段線内での主権、管轄権、歴史的権利の主張は海洋法条約に反し、法的効力はない」と仲裁裁判所に提起したが、昨年10月の裁判所の決定では「判断留保」とされ、直接的に審理されることはなくなった。
しかし、もし各礁の法的地位についてフィリピン寄りの裁定が下された場合、結果として九段線の主張が崩されることになる。当然これを中国は受け入れず、「裁判は認めない」「仲裁裁判所に管轄権はない」「裁判所の裁定は受け入れない、拘束力もない」と、裁定が出る前から徹底して裁判を無視する言動を繰り返しているのである。
彼らにとっては、国際司法判断上、違法か否かは問題ではなく、これまで積み上げてきた既成事実のみが大切なのである。
南シナ海は「核心的利益」
海洋法条約締結国でありながら、なぜ中国はそこまで裁判を忌避するのか。それは、中国にとって南シナ海が今や「核心的利益」になったからだ。
中国の海洋進出はもともと、漁業や海底資源といった経済的利益を求めるためのものだった。今回の仲裁裁判の原因となったスカボロー礁での紛争も、中国漁船の操業が問題視されたことが発端だった。
ところが中国は2014年から、実効支配している各礁の人工島化を急速に進めはじめた。中でも西沙諸島のウッディー島には3000メートル級の滑走路を造成したほか、レーダーシステムを設置、2砲兵中隊の地対空ミサイルを配備した。
さらに南沙諸島のファイアリークロス礁も埋め立てが進められ、3000メートルを超える滑走路、軍用とみられる港湾施設などの軍事施設が完成あるいは建設中という状況だ。
これはつまり、中国軍の前方展開が始まったことを意味しているのだ。3000メートル級の滑走路があれば、主力戦闘機を南シナ海に常駐させることが可能な上、港湾施設は、中国海軍水上艦艇はもちろん、戦略ミサイル潜水艦も海南島周辺よりも水深が深い南方に配備できるようになる。
南シナ海を核心的利益と中国が宣言したことは、この地域が中国にとって経済的利益のみならず、軍事的、国家戦略上極めて重要なエリアに本質的に変ったことを意味しているのだ。
したがって、中国がこれらをむざむざと手放すとはとうてい考え難い。
ちなみに、東シナ海における尖閣諸島も「核心的利益」と言いだしたように、南シナ海の島嶼と全く同じ文脈で観る必要があることを付言しておく。
「戦略的トライアングル」を阻止せよ
そして今年3月、米軍が重大な発表を行った。中国がスカボロー礁周辺海域の測量を行っており、いずれ人工島の造成を始めるのではないか、というのである。
もしスカボロー礁が軍事拠点化したら、フィリピンの喉元にまで中国軍が進出してくるだけではない。ウッディー島、ファイアリークロス礁、スカボロー礁を結ぶ、南シナ海の「戦略的トライアングル」が完成され、この地域の覇権を中国が完全かつ面的に掌握することになる。
それは言い換えれば、中国が日本や韓国の生命線であるシーレーンを押さえるのみならず、対米核抑止力としての第2撃能力、即ち米国からの第1撃の核攻撃に対して場所が特定困難な潜水艦から核ミサイルを報復攻撃する能力、を握ることになるのである。
こうした中国の野望を阻止する方法としてまず必要なのは、今回の仲裁裁判で、フィリピンの主張が国際的な司法判断として認められることだろう。
もちろん中国は、そうした判断を受け入れず、スカボロー礁の軍事拠点化に手を染めるかもしれない。しかしそうなると、昨年来言われている米軍のフィリピン再駐留が急がれることになる。
筆者は今年4月に寄稿した「海自護衛艦『カムラン湾寄港』の読み方」の中で、中国は南シナ海に「力の空白」が生じるたびに進出を繰り返した、と論じた。1992年、米軍はフィリピンのスービック海軍基地から完全撤退し、そこに力の空白が生まれた。
が、一昨年、フィリピンと米国は、米軍によるフィリピンの軍事基地使用を盛り込んだ新軍事協定に署名。米海軍はスービック港に戦闘機やフリゲート艦を再度常駐させる計画だという。
もしこれが早期に実現すれば力の空白は埋まり、中国のスカボロー礁軍事拠点化を阻止することが可能となる。どちらが先手を打つのかによって、南シナ海情勢は大きく変わるだろう。
南シナ海で国際的な活動を
だが、アメリカの動向に頼るだけでは不十分である。6月に寄稿した「日米への意趣返しか? 相次いだ中国軍艦の『進入』『侵犯』」でも述べたことだが、今回の仲裁裁判での司法判断を中国に理解させるためには、南シナ海問題を「国際化」することも必要である。
6月にシンガポールで開かれたアジア安全保障会議(シャングリラダイアログ)で、フランスのルドリアン国防相は、EU(欧州連合)各国に「海軍艦艇を派遣しよう」と発言した。
これは「国連海洋法条約に基づく考え方を中国に教えるため」に、「WEU(西欧同盟)海軍を南シナ海に派遣」しようという意味である。こうした国際的な活動が、中国に対しては案外効くのである。
その中国は、仲裁裁判の判定次第では「海洋法条約から脱退する」とまで過激な発言をしているが、本当にそこまでエスカレートするだろうか。
日本はかつて、満州事変に関するリットン調査団の報告を受け入れられず、国際連盟を脱退して孤立し、その後の悲劇を招いた。中国の現状は、当時の日本と似ている。
もし海洋法条約から脱退すれば、中国は孤立し、破滅の道に向かって歩み出すことになりかねない。賢明なる指導者はそれをよくよく理解している、と信じたいところである。 
 
 
 
「南シナ海活動は2千年の歴史」 中国が白書で反論
中国政府は13日午前、南シナ海での中国の権利を否定した常設仲裁裁判所の判決に反論する「白書」を発表した。南シナ海に領有権があるとする中国の従来の見解を繰り返したうえで、仲裁裁判について「管轄権がなく、判決は無効で拘束力がない」として、判決を受け入れない立場を改めて表明。中国の立場を正当化する狙いだ。
白書は「中国の南シナ海における活動は2千年余りの歴史があり、中国が南シナ海の島しょと関連海域を最も早く発見し、命名した。中国の南シナ海に関する権益は長い歴史の過程で確立した」と主張。「フィリピンの南沙(英語名スプラトリー)諸島の一部の島しょに対する領土主張は根拠がない」として、提訴したフィリピンを批判した一方、南シナ海問題は今後も当事国間による直接対話で解決する方針も示した。
白書は「中国は断固として、南シナ海に関する争いをフィリピンとの話し合いを通じて解決していく」とのタイトルで50ページ。中国語版や英語版など9言語版が出版された。
外務省の劉振民次官は白書発表の記者会見で「中国は一貫して平和的な解決に向けて努力してきたが、フィリピンが近年、島しょを不法に占領して軍事施設を設け、複雑化した」とフィリピンを牽制。「(判決文を)紙くずとして履行しないことを希望する」と訴えた。
また、中国が南シナ海で軍事演習を強化していることについて、劉氏は「南シナ海は自国の海域。中国海軍の活動は正常だ」と述べる一方、「南シナ海の航行の自由や飛行の自由は守られている」と主張。南シナ海への防空識別圏設定については「中国にはまずその権利があることをはっきり言っておきたい。我々が受ける脅威の程度によって決まる」と強調した。 
ついに中国は戦争への道を歩み始めたのではないか、という「強い懸念」 7/15
 戦前日本を思い出す
「判決は紙くず」と切り捨てる恐ろしさ
オランダ・ハーグの仲裁裁判所が南シナ海における中国の主権を否定した。中国が岩礁を埋め立てて造成した人工島周辺の排他的経済水域(EEZ)や大陸棚も認めなかった。中国の完全な敗北である。中国はこれから、どんな行動に出るのだろうか。
中国は7月13日、判決について「無効で拘束力がない」とする白書を発表した。外務次官は「判決は紙くず」と酷評している。判決前も戴秉国・前国務委員が同じ言葉を使って批判していたので、中国はどうやら「判決は紙くず」論で片付ける作戦のようだ。
日本や米国、オーストラリアなどは中国に判決受け入れを求める声明や談話を出している。こちらも予想通りの展開である。主権の主張や人工島建設がいくら国際法無視の行為であっても、だからといって日米などに法を守らせる強制力はない。
あくまで違法行為を非難する国際包囲網を築いて、中国に圧力を加えていく。米国は軍が南シナ海を定期的にパトロールして、中国の主張を実態的に崩していく。これに日本など各国も海と空から支援していく。当面はこれ以外の方策はない。
先にシンガポールで開かれたアジア安全保障会議では、フランスも欧州連合(EU)加盟国に対して南シナ海に海軍艦艇を派遣するよう呼びかける考えを表明した。
欧州はこれまで距離を置いてきた感があったが、ここへきて南シナ海問題は他人事ではない、と懸念を強めているようだ。欧州勢の参加が実現すれば、日米欧豪が対中包囲網で協調する展開になる。
加えて直接の当事者であるフィリピンやベトナム、マレーシア、シンガポールなど中国に距離を置く東アジア各国も対中圧力を強めていくだろう。
激化するアメリカとの対立
私は7月10日、ニッポン放送の参院選特別番組で安倍晋三首相に中国軍艦が尖閣や口永良部島周辺の領海を侵犯した問題について日本の対応を質問した。安倍首相は「中国が国際法を尊ぶ態度を示すよう国際社会で連携していくことが大切だ」と答えた。
中国への対応策は南シナ海でも東シナ海でも同じである。国際包囲網の圧力を強めて無法行為の断念を迫っていくのだ。だが、それで中国の姿勢が変わるだろうか。残念ながら、ほとんど期待できない。
なぜなら彼らの戦略は行き当たりばったりではなく、実は首尾一貫しているからだ。一言で言えば、習近平政権の誕生以来、中国は「自国の縄張り拡大」を徹底して追求してきた。
習近平政権が誕生したのは2012年11月だ。それから7ヵ月後の13年6月に訪米し、オバマ大統領との米中首脳会談に臨んだ。そのとき習国家主席が大統領に持ちかけたのは「太平洋の縄張り分割」提案である。
習主席は大統領に向かって「太平洋は米中両国を受け入れるのに十分に広い」という有名な台詞を吐いた。これは「太平洋は十分に広いのだから、米中両国で縄張りを分け合おうぜ」というのが真意にほかならなかった。
これにはオバマ大統領が「日本が米国の同盟国であるのを忘れるな」と反撃したので、主席の目論見は見事に失敗した。すると半年後の13年11月に持ちだしたのが、東シナ海上空の防空識別圏設定である。
太平洋分割に失敗した後、本当は東シナ海の縄張りを言い出したかったのだろうが、それを言うと尖閣問題に直結して日米を刺激するので、海ではなく空の縄張りを言ったのだろう。
ところが、これも米国が直ちにB52戦略爆撃機を飛ばして威嚇すると、中国は手も足も出なかったので結局、失敗した。
その次に、中国がターゲットに選んだのが南シナ海だった。南シナ海への進出自体はフィリピンが米軍基地を追い出した1992年以降から始まっていたが、2014年に人工島建設が本格化した。滑走路建設が確認されたのは14年11月である。
ヤクザと同じ発想
つまり、習近平政権は発足直後から一貫して太平洋、東シナ海とその上空、南シナ海と縄張りの確保と拡大を目指してきた。当初は「新型大国関係」というキャッチフレーズの下、米国と合意の上での縄張り分割を持ちかけたが、それに失敗したので、実力で南シナ海を奪いにきたのだ。
こういう経緯を見れば、習政権が仲裁裁の判決が出たくらいで簡単に引っ込むと期待するほうがおかしい。縄張り拡大こそが習政権の本質といっていいからだ。
なぜ、それほど縄張り拡大に執着するのか。そこは諸説がある。
たとえば、軍事専門家は南シナ海を確保できれば、米国を射程に収める弾道ミサイル(SLBM)の発射可能な潜水艦を配備できるから、圧倒的に中国有利になる、という。いざ戦闘となれば、潜水艦は人工島よりもはるかに敵に探知されにくい。
経済専門家は南シナ海には天然ガスや原油など無尽蔵の資源が眠っているからだ、という。エネルギー資源輸入国である中国にとって、自国の支配圏からエネルギーを入手できるようになれば、経済発展だけでなく安全保障にとっても大きな利点になる。
いずれもその通りだろう。だが、私はもっと単純に彼らは「自分の縄張りを大きくしたいのだ」と理解すればいいと思っている。ようするに、ヤクザと同じである。
ヤクザは縄張り拡大が即、利益拡大と思っている。それと同じで、習政権も「縄張り拡大が国益拡大」と信じているのだ。こういう考え方は、私たちとはまったく違う。日米欧をはじめ民主主義国は世界が相互依存関係にあることを理解している。
自分の繁栄は相手の繁栄あってこそ。自国にとって貿易相手国の存在が不可欠であり、逆もまた真なり、と信じているから、互いの平和的関係を強化していく。そこでは平和と繁栄は一体である。だが、中国はそう考えていない。
「オレはお前の縄張りを尊重するから、お前もオレの縄張りを尊重しろ」。中国はそれが共存共栄と考えているのだ。けっして相互依存関係にあるとは思っていない。相手に隙あらば自分の縄張りを拡大したい。いま南シナ海で起きているのは、本質的にそういう事態である。
米国が南シナ海で航行の自由を完全に維持しようと思えば常時、空母を2隻は現地に派遣しておかなければならない、と言われている。だが米国にそんな余裕はないので、間隙を突いて中国はせっせと人工島に滑走路を建設してしまった。
かつての日本がそうだった
ヤクザに法の順守を説教しても始まらないのと同じように、中国に「法を守れ」と叫んでみても何も変わらない。相手の考え方、信じている生存の原理が根本的に違うからだ。習政権が信じているのは、法規範ではない。文字通り「力」に他ならない。
思い起こせば、かつての日本もそうだった。
満州事変の後、日本は国際連盟が派遣した現地調査委員会(リットン調査団)の報告に同意できず1933年9月、国際連盟を脱退した。当時、日本陸軍の中堅幕僚で政策決定に大きな影響力を及ぼしていた永田鉄山は国際連盟をどう認識していたか。
第21回山本七平賞を受賞した川田稔名古屋大学名誉教授の『昭和陸軍の軌跡 永田鉄山の構想とその分岐』(中公新書)によれば、永田は国際連盟が「国際社会をいわば『力』の支配する世界から『法』の支配する世界へと転換しようとする志向を含むものである」と理解していた(77ページ)。
だが、国際連盟は各国に法の支配に従わせる力を欠いているので、いずれ世界戦争は不可避である。そうだとすれば、中国はいずれ列強の草刈り場になるから、日本も次期大戦に備えなければならない。そう判断していた。
そういう考え方が満州事変後の連盟脱退、2.26事件、さらに盧溝橋事件から日中の全面戦争へと発展していったのだ。
これは、まさにいまの中国ではないか。法の支配などといっても、中国を国際法に従わせる強制力や権威は仲裁裁にはもちろん、日米欧にもない。そうであれば、やはり力がモノをいう。習政権はそう信じているのだ。
いまや中国は自国も批准した国際海洋法条約などどうでもいい、紙くず程度にしか考えていないのではないか。そうであれば、一方的に条約の枠組みから脱退する可能性だってありえなくはない。
そうなれば、まさにかつて国際連盟から脱退した日本と同じである。その先にあるのは何だったか。最初は小さな武力衝突がやがて本格的な戦争に発展したのだ。
日本の新聞やテレビはおずおずとして、はっきり言わないから、私がこのコラムで言おう。いま中国は戦争への道を走り始めたのではないか。まさに「歴史は繰り返す」である。そうならなければいいが、ならない保証はどこにもない。 
 
 
 
 
 
「日本海」呼称
国際的に「日本海」ないしその同義語で呼ばれている海域の呼称を大韓民国(韓国)と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が変更するように求めている呼称問題である。1992年に韓国・北朝鮮両国が問題提起して以降、国際水路機関 (IHO) の「大洋と海の境界 (S-23)」」の改訂に関する会議や、国際連合地名標準化会議などで、日本海の名称変更および変更に至るまでの間の併記を要求する運動を行っている。この問題に関しては、特に韓国が強く主張し続けているが、韓国・北朝鮮両国の主張は足並みは揃っておらず、韓国は「東海 (East Sea)」への変更および変更に至るまでの間の併記を要求し、北朝鮮は「朝鮮東海 (East Sea of​​ Korea)」または「朝鮮海 (Sea of​​ Korea)」への変更または併記を要求している。この問題について韓国側では東海呼称問題(동해 호칭 문제)などと呼ばれている。
国際水路機関における呼称
国際水路機関 (IHO) は、各国の海図における海洋の名称とその境界の基準となる「大洋と海の境界」("Limits of Oceans and Seas", Special Publication No. 23、以降は「S-23」と略称)を定めている。これによれば、この海域の呼称はS-23の初版(1928年)から一貫して「Japan Sea」である(「Sea of Japan」ではないことに注意)。これを踏襲して、日本の海上保安庁海洋情報部は「日本海 (Japan Sea)」を用いているが、英語版のHPにおいては「the name Sea of Japan (Japan Sea)」と「Sea of Japan」の名称を優先させているとも解釈できる表記を採用している。これに対して、日本の外務省の英文による文書では「Sea of Japan」となっている。
各国における呼称
○ 日本 / 日本海(にほんかい。英語: Japan Sea / Sea of Japan)。「日本海」という呼称は、1602年のマテオ・リッチ「坤輿万国全図」に最初に出現する。のちに19世紀初頭にロシアの海軍提督アーダム・ヨハン・フォン・クルーゼンシュテルンが使用した。なお、韓国が主張する東海は日本国内においては主に東海地方の事を指す。
○ 韓国 / 東海(동해、トンヘ。英語: East Sea)。「東海」とは日本海が朝鮮半島の東側に位置していることに由来する。朝鮮半島では伝統的に、周囲の海域を朝鮮半島を中心とした方位方角(東西南北)に由来する呼称で呼んでおり、朝鮮半島東側の海(日本海)は「東海」、朝鮮半島西側の海(黄海)は「西海(英語: West Sea)」、朝鮮半島南側の海(対馬海峡周辺海域)は「南海(英語: South Sea)」となる。このほか「朝鮮海」「韓国海」「蒼海 (Blue Sea)」「極東海」「緑海」等の案も学者等から出されている。また2006年11月の日韓首脳会談の席上で盧武鉉大統領が安倍晋三首相(当時)に対し、日本海を「平和の海」に改名すべきと提案したが、日本側は即座に拒否した。
○ 北朝鮮 / 朝鮮東海(조선동해、チョソントンヘ。英語: East Sea of​​ Korea)。
○ 中国 / 日本海(ピンイン:Rìběnhǎi、リーベンハイ)。中国語で「東海(东海)」と言えば東シナ海を指す。
○ ロシア / Японское море。ロシア語で「日本海」の意味である。
○ アメリカ合衆国 / 公式に "Sea of Japan" を用いている。
○ 国際連合:公式に "Sea of Japan" である。
○ フランス語 / Mer du Japon
○ スペイン語 / Mar del Japón
○ ドイツ語 / Japanisches Meer 

 
2016/7