オバマ大統領 広島スピーチ

「最強の武器」 悪魔の誘いに人は弱いものです
核の脅威 核拡散 核軍縮 核廃絶

「核なき世界」 念仏を唱え続けましょう


 
 
CNN
米国による原爆投下から70年あまりを経て、オバマ米大統領が27日、現職の米大統領として初めて被爆地・広島を訪問する。オバマ大統領の広島訪問により、人類史上、最も悲惨な記憶の一つが脚光を浴びる。核兵器は誤った使い方をされれば今も世界的脅威になるという現実を世界に思い起こさせる狙いもある。
オバマ大統領は広島市の平和記念公園で原爆慰霊碑に献花して短い所感を述べ、離れた場所から原爆ドームを視察する。被爆者数人とも面会する見通しだが、どの程度の交流になるのかは分からない。被爆者の多くは、同大統領に自分たちの話を聞いてもらいたいという思いを強く訴えていた。
オバマ大統領の広島滞在は3時間足らずとなる見通し。米当局者によれば、原爆使用についてオバマ大統領が謝罪する予定はない。歴史学者の多くは、原爆によって第2次世界大戦が終わり、人命が救われたと主張する。広島の数日後に長崎に原爆を投下し、さらに何万人もの命を奪った事実についても、オバマ大統領はあえて言及はしない。もしオバマ大統領が謝罪すれば、大統領選を控えた米国で政治的論争に火が付くのは確実だ。
中国や韓国など、やはり第2次世界大戦で多くの人命が奪われた国から当時の敵国に対して謝罪を要求する声も高まることが予想される。オバマ大統領が広島訪問を計画していた段階から、広島と長崎で死亡した数万人の朝鮮半島出身者にも個別に言及するよう、オバマ大統領に求める声が遺族から上がっていた。
26日に開幕した主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)で記者会見したオバマ大統領は、「原爆投下、核兵器の到来は、近代史における転換点だった」と述べ、人類がそれを繰り返すことがあってはならないと強調。「我々すべてが何らかの形でこれに対峙(たいじ)しなければならない」「もちろん冷戦時代、両親や祖父母が頻繁に訓練を行っていた時代に比べれば、私たちの思考に及ぼす脅威は弱まっている。だが核をめぐる問題は、私たちの想像の背後に今なお重くのしかかっていると思う」と語った。
オバマ大統領の広島訪問は、任期最後の年に当たり、米国に対する長年の反感を和らげたいという思いの中で実現した。キューバ、ベトナム、アルゼンチンへの訪問ではいずれも和解のメッセージを伝え、米国に対する長年の敵意にとらわれない若い世代にアピールした。
日本もアジアの近隣国との間で、いわゆる従軍慰安婦など第2次世界大戦中の事象に関する認識の違いについて、解決に向けた取り組みを進めている。
日本では沖縄県の米軍基地に勤務する男が日本人女性を殺害したとされる事件について、安倍首相が25日の記者会見で強い憤りを示し、オバマ大統領はこれに哀悼と遺憾の意を表明した。ただしその内容は、米軍の日本駐留に対する包括的な遺憾の意を示すものではなかった。
安倍首相はオバマ大統領の広島訪問について、「悲しみの感情の表現」を期待すると述べた。だが一方で、旧日本軍が1941年に米海軍施設を奇襲したハワイの真珠湾を訪問する確固たる計画はないと話している。
BBC
オバマ米大統領、広島で献花 被爆者の手を握り、抱き寄せ
バラク・オバマ米大統領が27日、現職大統領として初めて被爆地・広島を訪問し、平和記念公園を訪れた。安倍晋三首相と共にまず平和記念資料館を見学した後、原爆死没者慰霊碑に献花した。第2次世界大戦のすべての犠牲者を追悼した。大統領は献花の後、所感を読み上げ、広島への原爆投下について「空から死が落下し、世界が変わった」と表明。
原爆投下は「人類が自らを滅ぼす手段を手に入れた」ことを意味したと述べ、「核兵器なき世界」への決意を強調。「広島と長崎が核戦争の夜明けとして知られる未来ではなく、私たち自身の道義的な目覚めとなる未来」の実現を呼びかけた。オバマ氏は1945年8月6日の記憶は決して色あせてはならないと述べ、「広島の記憶によって自分たちは独善と戦える。広島の記憶が自分たちの道徳的想像力をかきたて、変化を促してくれる」と強調。さらに核兵器について、「恐怖の論理から脱却し、(核兵器の)ない世界を追求しなくてはならない」と述べた。同様に核兵器なき世界実現のため「努力を積み重ねていく」と強調した安倍首相の所感発表の後、大統領は被爆者の人たちと言葉を交わした。
日本被団協の坪井直代表委員の手を握りながら話にじっと耳を傾け、被爆米兵を調査してきた被爆者の森重昭さんをそっと抱き寄せた。大統領はその後、安倍首相や岸田文雄外相の説明を受けながら、原爆ドームをじっと見上げた。オバマ氏はかねてから表明していたように、原爆投下について謝罪はしなかった。史上初の原爆投下で、広島では少なくとも14万人が死亡。3日後には長崎へも原爆が落とされ、さらに7万4000人が死亡した。
オバマ大統領は、主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)を終え、山口県にある米海兵隊岩国基地で米兵たちを前に演説した後、大統領専用ヘリで広島入りした。大統領は岩国基地で「第2次世界大戦で命を落としたすべての人の思い出を尊重するための機会だ」と演説。「平和と、核兵器がもはや必要なくなる(世界の)安全保障を追及していくと、あらためて確認する機会だ」と述べた。大統領は基地でさらに、米国と日本の同盟関係は「世界で最強の(同盟の)ひとつ」だと強調し、「いかにかつての敵国同士が単なるパートナーというだけでなく、最高の友達になれるか」を自分の訪問が示していると述べた。
米国では大勢が、原爆投下が甚大な惨禍をもたらしたと認めつつ、戦争を終結させたのだから正当だと考えている。一方で、27日に原爆死没者慰霊碑を訪れた被爆者の家族は、被爆の苦しみが「世代を超えて続いた」と話した。ハン・ジョンスンさん(58)はAP通信に対して、「オバマ大統領にはそれを知ってもらいたい。私たちの苦しみを理解してもらいたい」と語った。父親が原爆によって孤児となったサトウ・セイキさんは米紙ニューヨーク・タイムズに、「われわれ日本人はアジア各地で、ひどい、ひどいことをした。そしてわれわれ日本人は、それを本当に恥ずかしいと思っているのだし、アジア諸国に誠心誠意謝っていないのだから、謝罪すべきだ。しかし原爆投下はまったくの悪の行いだ」と話した。
広島で取材するBBCのジョン・サドワース記者は、オバマ氏の広島訪問について、中国の軍事的台頭を懸念するアジア地域で、米国と日本の同盟関係強化という戦略的な意味合いもあるだろうと指摘する。岩国基地でオバマ氏はこの点について、「私は大統領として、米国が再びアジア太平洋地域で主導的立場を確実に担うように努めた。なぜならこの地域は必要不可欠だからだ」と述べた。
解説 / 被爆者を抱きしめるオバマ米大統領の姿は、日本人の間に深い印象を残すだろう。世論調査によると、日本の大半の人が今回の訪問を歓迎しており、謝罪がないこともほとんどの人は気にしていない様子だ。深い象徴性で十分なのだ。原子爆弾を実際に使用した唯一の国の指導者が、核の時代の危険性の記念碑となった町で、花輪を捧げたのだから。しかし中には、確かにその演説は高邁な理想に溢れてはいたが、世界最大級の核兵器備蓄量を誇る国の最高司令官であることには変わりないと指摘する人もいるだろう。しかもその核兵器の備えを刷新するため、数十億ドルの予算措置を承認した当人でもあるのだ。大統領からわずか数列後ろにはいつものように、核攻撃命令の暗号を収めたブリーフケースを手に、将校が待機していた。
日経
米ミズーリ州にあるトルーマン大統領の記念館に「原爆投下の決断」と題した展示コーナーがある。彼が書いた手紙を読むことができる。「後悔していないし、同じ状況になれば同じことをする」「真珠湾攻撃は宣戦布告なしになされた。これは殺人である」。いまも米国民の多くは同じ意見だし、オバマ大統領は謝罪のために被爆地に足を運んだのではない。それでもなお、今回の訪問が日米双方の心に残るわだかまりを解きほぐす大きな一歩になったことは間違いない。
「71年前のよく晴れた朝、空から死が降ってきて世界は変わった」。オバマ氏の17分間の演説はあの日の描写から始まった。犠牲者を悼み、人類の愚行を省みる。「自分たちは悪くない」から踏み出しただけでも、歴史的な決断である。それ以上をいま求めなくてもよいのではないだろうか。大事なのはこの訪問をどう生かすかだ。
日本原水爆被害者団体協議会の田中熙巳事務局長は「核廃絶に向けて動くことが本当の意味での被爆者への謝罪になる」と語る。
国際政治は太陽が北風に負けることもある世界である。
オバマ氏の熱意と裏腹に「現政権になってからの方が核軍縮は進んでいない」(米国科学者連盟)とのリポートもある。世界中が傍観すれば、何も起きない。米軍の核の傘に守られてきた日本は核廃絶を声高に言いにくい立場だった。最初かつ最大の核保有国が動いたいまこそ、手を携えて前に出るときだ。
かつての自民党政権は「左翼勢力を利する」と核廃絶運動に冷ややかだった。そんな時代ではもはやあるまい。核兵器が持つ戦争抑止力は揺らぎ始めている。守るべき領土も国民も持たない国際テロ組織は失うものがないからだ。ピンポイント攻撃ができない核兵器はテロ掃討戦に不向きである。「核兵器のない世界」だけならば、実現可能性ゼロとは言い切れない。だが、その結果生まれる新秩序が、テロの恐怖に支配される世界では何にもならない。
「恐怖の理論から我々は自由にならなければならない」。オバマ演説は核兵器なき世界へ決意を新たにしたが、通常兵器の戦争ならばよいわけではないことも強調した。「紛争を外交手段で解決する努力をしなければならない」。核廃絶はあくまでも世界平和への途中経過ということだ。
世界中の人々が行き交い、互いをよく知り、尊重し合う。そんな当たり前の価値観を分かち合う努力を重ねる。そこに近道はない。原爆投下を謝らない米国はかたくなだが、日本も似た面がある。そこまで思い至れば、広島と長崎で亡くなった罪なき人々にわずかでも報いることができる。
ロシア / 「謝罪なし」に批判
東京で開かれる文化交流行事に出席するため6月に訪日するロシアのナルイシキン下院議長は、この機会に広島を訪問する計画だった。だが、オバマ米大統領が広島行きを決めたことを受け、取りやめた。ロシア側関係者は「オバマ氏の後で広島に行っても米国を批判しにくい」と説明する。プーチン大統領の側近として知られるナルイシキン氏は昨年8月、原爆投下を国際法廷で裁くよう提案。「人道に対する罪に時効はない」と指摘した。今回、広島を2014年のウクライナ危機などで関係が悪化している米国を批判する舞台にするつもりだったようだ。だが、オバマ氏の訪問で当てが外れた。政府系メディアは、オバマ氏の広島訪問について、多くは謝罪がないことを強調。「核なき世界」という訴えも「ポピュリズムのように響く」(国営ノーボスチ通信)と批判している。一方で、プーチン政権は近年、核戦力を誇示する姿勢が際立つ。核軍縮の取り組みも進んでいない。今年3〜4月にワシントンであった核保安サミットには代表団を送らなかった。
中国 / 「日本に加害責任」
中国の王毅(ワンイー)外相は27日、オバマ氏の広島訪問について「関心を払うに値するが、それ以上に南京(事件)を忘れてはならない。加害者は永遠にその責任から逃れることはできない」と強調。外務省の華春瑩副報道局長も26日、「日本の侵略戦争を忘れてはならない」とクギを刺した。中国側は「核なき世界」にも冷ややかだ。北京青年報は「世界で最も多くの核兵器を有する米国が『核なき世界』を呼びかけるのはナンセンス」と論評。山東省党機関紙「大衆日報」も「オバマ氏のレガシー作りという政治利益が本当の狙い」と断じた。背景には、核戦略を重視する事情もあるようだ。ストックホルム国際平和研究所によると、2015年の中国の核弾頭保有数は260個。核保有国中で唯一、前年と比べて保有数が増えた国と指摘した。
韓国 / 犠牲者に焦点
韓国の聯合ニュースは27日、オバマ氏の広島訪問について「演説で韓国人原爆犠牲者に言及」、「(平和記念公園にある)韓国人原爆犠牲者慰霊碑に訪問せず」と相次いで速報した。韓国外交省は27日、オバマ氏の発言について「韓国人犠牲者を米国、日本の犠牲者たちと同等な立場で明確に言及したことは意味がある」とのコメントを出した。韓国保健福祉省などによると、朝鮮半島出身の被爆者は広島で5万人、長崎で2万人、死者は広島3万人、長崎1万人と推定されている。4月末現在で韓国政府に登録し、存命中の被爆者は2501人いる。韓国人被爆者らは26日、ソウルで記者会見し、オバマ氏が韓国人原爆犠牲者慰霊碑を訪れて謝罪し、補償するよう求める声明を発表。被爆者団体のメンバーは「日本は戦争を起こした加害国。原爆被害者は韓国人だ」と訴えていた。
ベトナム / 未来志向の行動
「戦争を乗り越え、協力して未来の平和へ努力することは、謝罪よりも意味がある」。ベトナム外交学院幹部のチャン・ベト・タイ氏はベトナム、広島と続いたオバマ氏の今回の「和解の旅」を評価した。ベトナム戦争の犠牲者は米兵約5万8千人に対し、ベトナム側は300万人と言われる。米軍が散布した枯れ葉剤の影響で、今も多くの人が障害に苦しむ。オバマ氏はベトナムでも明確な謝罪はなかったが、講演で「犠牲の上に築いた和解を忘れない」と語った。ベトナムには太平洋戦争中に日本軍が駐留。その後も米国や中国と戦火を交えたが、戦後は経済発展を優先し、謝罪は求めず「過去を閉ざして未来を志向する」方針をとってきた。元政府高官のチャン・コン・チュック氏は「形式的な謝罪より行動が大事。米国が日本の復興に果たしてきた貢献を評価するべきだ」と語った。
インド / 中印パ保有は続く
インドは、国境問題を抱える中国に対抗して核開発を始め、1998年に2度目の核実験をして、隣国パキスタンの核実験を誘発した。核不拡散条約への加盟も「既存の核保有国だけを特権化する不平等条約」と拒否している。インド防衛研究所のアジェイ・レレ上級研究員は、オバマ氏の広島訪問の南アジアへの影響について「米国とロシアのように双方が数千発も核弾頭を持つのと違い、印パは保有弾頭数も多くなく、削減は見込めない。中国、パキスタンとの緊張関係は続いており、大きな変化はない」とみる。
フィリピン / 両陛下慰霊に重ね
太平洋戦争で111万人とされる犠牲者を出したフィリピンには、天皇、皇后両陛下が1月、戦没者の慰霊に訪れた。旧日本軍の行為を許せず、今でも抗議デモをする女性の一人は、両陛下がフィリピン人無名戦士の碑の前で2分近くも頭を下げた姿に「温かな気持ちになった」という。フィリピン大学のリカルド・ホセ教授は、オバマ氏が広島で謝罪しなくても、被爆者に思いを寄せているというメッセージになると指摘。「両陛下のフィリピン訪問が両国民の心の距離を縮めたように、オバマ氏の広島訪問も日米関係の成熟を示す重要なステップになる」と語った。
北朝鮮 / 「核なき世界、欺瞞だ」 
今年1月、4回目の核実験を強行した北朝鮮は、オバマ氏が唱える核廃絶に向けた動きからは、最もかけ離れた存在。オバマ氏の広島訪問にも冷ややかだ。朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」(電子版)は14日、「オバマが騒ぐ『核兵器のない世界』は欺瞞(ぎまん)だ」とする記事を掲載。記事では米国を「核兵器の現代化と核の恐喝を狂ったように強行し、朝鮮半島と世界を核戦争に追い込もうとしている」と批判。「広島を訪問するにしても、その発言は『核兵器のない世界』というずうずうしい詭弁(きべん)だけだろう」と主張した。
米メディア / 淡々と報道
オバマ大統領の広島訪問について、米国の主要ケーブルニュース局も演説を生中継した。ただ、長時間にわたる特別放送はなく、淡々とした伝え方だった。オバマ氏が献花をしたのは米東部時間27日午前5時前。「オバマ氏の和解のしるし」とテロップを画面に出したCNNをはじめ、ケーブル各局は献花の様子や演説をすべて伝えた。だが、安倍晋三首相の言葉はほとんど中継されず、最も長く伝えたMSNBCも途中でスタジオからの解説に変わった。保守的なフォックスニュースは「トルーマンの命令について謝罪せず」と表現し、式典終了前に気象災害ニュースに切り替えた。米国の新聞社のウェブサイトは、「広島で、オバマ氏が『道徳上の革命』を呼びかける」(ニューヨーク・タイムズ)などとトップニュースで伝えた。報道の多くは「謝罪はなかった」と評価しているが、例外もある。27日付ニューヨーク・ポストは、ブッシュ政権で国連大使を務めたジョン・ボルトン氏の寄稿を載せ、ウェブサイトで「オバマ氏の恥ずべき謝罪ツアーが広島に到着した」と見出しを付けた。 
 
オバマ大統領広島演説、米国の人々・メディアの反応 5/28
27日、アメリカのオバマ大統領が現職の大統領として初めて被爆地・広島を訪れ、核廃絶への決意を表明したことについて、アメリカのメディアはおおむね好意的な見方を示しました。
27日のオバマ大統領の歴史的な広島訪問について、共和党の大統領候補になるトランプ氏は・・・「オバマ大統領は日本を訪問中だ。広島にいる。彼が謝罪さえしなければ全然問題ない。誰も気にしない」(共和党 ドナルド・トランプ氏)
支持者の反応はさまざまです。
「オバマ大統領は愚かです。広島に行くなんてありえません」
「世界の安全のために核兵器は必要です」
「日米両国に悲惨な出来事でした。訪問がみんなにとって良い方向に向かうことを望みます」(トランプ氏の支持者)
一方で、アメリカメディアはおおむね好意的に報じています。有力紙「ワシントン・ポスト」も「敵国から同盟に進化した日米関係を象徴する行為に満ちた訪問だった」と解説しています。
27日、オバマ大統領は原爆資料館を訪れた際、自分で折ったという折り鶴4羽のうち、2羽を広島の子どもたちに、もう2羽を記帳台に置きました。
「最高の大統領からのプレゼントだと思う」(佐々木雅弘さん)
こう話すのは、平和公園にある「原爆の子の像」のモデルとなった佐々木禎子さんの兄・雅弘さんです。2歳のときに被爆した禎子さんは、10年後に白血病と診断されました。病床で回復を願い、1000羽を超える折り鶴を折っていましたが、その年のうちに亡くなりました。
「禎子の折り鶴は平和の象徴。大統領が立場を超えて4羽も折って持っておいでになった」(佐々木雅弘さん)
27日、その禎子さんの折り鶴をテーマにした映画の上映会で雅弘さんの隣に座ったのは、原爆投下を命じたトルーマン元大統領の孫クリフトン・トルーマン・ダニエルさんです。
「オバマ大統領は正しい行動をしたと思う。敬意を表しつつ、未来についても語り、核廃絶について考え、行動に移すことを示した。それ以上に、日米が尊重し、先に進む道筋ができたことがよかった」(トルーマン元大統領の孫 クリフトン・トルーマン・ダニエルさん)
ただ、オバマ大統領も安倍総理も、核なき世界の理想をどう実現するか、具体的に語る演説ではありませんでした。
「戦争は悲惨です・・・。核なき世界であってほしい。この悲劇を忘れず、二度と起こさぬよう誓うことを願っています」(オバマ大統領の演説を聞いた人) 
 
オバマ大統領広島訪問、米大手テレビ局は意義など詳しく放送 5/28
27日、アメリカのオバマ大統領が現職の大統領として初めて被爆地・広島を訪れ核廃絶への決意を表明したことについて、アメリカのメディアはおおむね好意的な見方を示しました。
「オバマ大統領が世界で初めて核爆弾が落とされた場所に歴史的な訪問をしました。大統領は広島の平和公園で献花し、頭を下げました」(米CBS・27日)
CBSやCNNなどアメリカの大手テレビ局は定時ニュースの冒頭で、オバマ大統領のスピーチの内容や訪問の意義などをおおむね好意的な見方で詳しく報じました。
またアメリカの有力紙ワシントン・ポスト紙は電子版で、「敵国から同盟に進化した日米関係を象徴する行為に満ちた訪問だった」と解説しています。
原爆投下を決断したトルーマン元大統領の孫クリフトン・トルーマン・ダニエルさんはJNNの取材に応じ、オバマ大統領の広島訪問を「正しい行動」と評価しました。
「オバマ大統領は正しい行動をしたと思う。敬意を表しつつ、未来についても語り、核廃絶について考え行動に移すことを示した。それ以上に日米が尊重し、先に進む道筋ができたことがよかった」(クリフトン・トルーマン・ダニエルさん)
また、原爆を開発したマンハッタン計画に参加した元科学者の男性は、「戦時中の状況を考慮した素晴らしい演説で、何一つ反対するところはない」としたうえで、このように話しました。
「我々が原爆投下から得た教訓は、核兵器廃絶が最善の策だということ。私もそう思います」(原爆開発計画に参加した ベンジャミン・ベダーソンさん) 
 
米メディア、オバマ大統領の広島訪問を一斉報道 概ね好意的 5/27
オバマ大統領の広島訪問について、アメリカのメディアも一斉に報じ、訪問そのものや演説内容について、これまでのところ、概ね好意的な見方を示しています。有力紙のワシントン・ポスト紙は電子版で、核兵器廃絶を訴えたスピーチを含め、オバマ大統領の広島での動きを細かく報じ、「敵国から同盟に進化した日米関係を象徴する行為に満ちた訪問だった」と解説しています。また、ニューヨーク・タイムズ紙は、演説ではアメリカ国内や中国、韓国でアレルギー感が強い「謝罪」を行わなかったうえ、「日本に戦争責任があることを明確にした」と評価。その一方で、「訪問は、安倍総理の日米同盟を強化するという路線に対する報酬という一面もある」と分析しています。一方、CBSやCNNなどの大手テレビ局も定時ニュースの冒頭で、広島からの中継を交えて、オバマ大統領のスピーチの内容や訪問の意義などを詳しく報じています。 
 
オバマ大統領 17分間の演説、広島・長崎の受け止めは・・・ 5/27
今回の歴史的な演説を広島と長崎の人々はどのように受け止めたのでしょうか。
「普通の人が思っているようなことを、オバマ大統領も思っているんだなと。被爆者は犠牲になってしまったけど、無駄にはなってない」(広島市民)
「核廃絶に向け、前を向いている日本人とアメリカ人の思いが一つになったのかな」(広島市民)
一方、オバマ大統領の演説を間近で聞いた広島と長崎の両市長は・・・
「核兵器のない世界の実現に向けた決意を一層強固なものにしたのではないか」(広島市 松井一實 市長)
「戦争、核兵器に対する考え方をじっくり練られたうえでのスピーチだったと思う。訪問全体にオバマ大統領の思いが込められていたと思う」(長崎市 田上富久 市長)
長崎の養護施設では、多くの被爆者が広島での演説を見守りました。
「同じ苦しみを受けた長崎にもやはり来てほしかった」(被爆者 吉川泰子さん)
「感慨無量で見ていたら、涙が自然と出てきて・・・。来られて良かったと思いますが、(心の)奥底のことは分かりません」(被爆者 宮原マサ子さん) 
 
中国「南京を忘れるな」韓国「高く評価」対照的な反応 5/27
オバマ大統領の広島訪問とその演説内容について、中国と韓国は対照的な反応を見せた。
中国の王毅外相は演説に先立ち、「広島は注目に値するが、南京はもっと忘れてはならない。被害者には同情するが、加害者は永遠に責任を回避できない」と記者団に述べ、日本を強く牽制した。オバマ氏の広島訪問が、第2次世界大戦での日本の戦争責任を相殺するという懸念を表明した形だ。
韓国では、オバマ大統領が演説の中で、韓国人の原爆被害者の存在に言及したことに注目した。
朝鮮日報によると、韓国外交省は5月27日「アメリカ現職大統領として初めて、広島で韓国人の犠牲者を明示的に哀悼した点を高く評価する」とコメントした。「同盟国として、すべての課題において緊密に協議するという点で、この問題についても各レベルのチャンネルを通じて協議してきた」と、韓国人犠牲者に言及することを要請していたことを示唆した。
一方、メディアの報道からは残念さがにじんだ。演説内容を伝える記事で、聯合ニュースは「しかし原爆投下について謝罪しなかった」「演説の途中で韓国人の原爆犠牲者の存在に言及したが、公園内にある韓国人犠牲者の慰霊碑を訪れることはしなかった」、朝鮮日報も「期待を集めたオバマ大統領の韓国人慰霊碑訪問は実現しなかった」と報じた。 
 
オバマ大統領の広島訪問に中国と韓国 北朝鮮は 5/27
アメリカのオバマ大統領が被爆地、広島を訪問することを巡っては、中国や韓国、北朝鮮の政府やメディアがさまざまな見方を示しています。
中国外務省の華春瑩報道官は26日の定例会見で、「忘れてはならないのは、日本の軍国主義が始めた侵略戦争はアジアの国の人たちに深刻な災難をもたらし、広島と長崎を含む日本国民も大きな被害を受けたことだ。日本が日本国民と国際社会に対し責任ある態度を持って、歴史をかがみとし、戦争の悲劇を繰り返さないよう望む」と、述べました。また、中国国防省は、中国軍の制服組トップの范長竜中央軍事委員会副主席が26日、第2次世界大戦中に旧日本軍が残した化学兵器を廃棄処理している施設を視察したと発表し、「日本は先の大戦で大量破壊兵器を使用した加害国だ」と、強調するねらいがありそうです。
韓国政府は、広島への原爆の投下で朝鮮半島出身のおよそ3万人が犠牲になったとみられていることから、外務省の報道官が今月12日の記者会見で、オバマ大統領が平和公園にある「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」も訪れることに期待を示しています。ただ、韓国メディアの間では、大手紙の東亜日報が「『非核化』の歩みが『戦犯国日本』を希薄化の懸念」とする記事で、「戦争を起こした加害者の日本が被害者のイメージを強調する契機になるおそれもある」とするなど、警戒感を示す論調も目立っています。
また、北朝鮮の報道を分析しているラヂオプレスによりますと、北朝鮮国営の朝鮮中央通信は26日、インターネットのサイト上に論評を掲載し、「日本は国内的に被害者感情を高潮させ、対外的には日本も戦争の被害者だという印象を強く与えることによって、戦争を引き起こした張本人、侵略者としての正体を覆い隠し、過去の犯罪に対する免罪符をもらおうとしている」としています。 
 
 
 
「謝罪」ではなく「追悼」 安倍氏の真珠湾訪問は「間違い」 5/24
シーラ・スミス外交問題評議会上級研究員
オバマ米大統領は25日、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に出席するため来日し、27日に現職大統領として初めて広島を訪問する。その狙いや、米大統領選で共和党の候補指名獲得を確実にした不動産王、トランプ氏の「日米安保ただ乗り論」などについて、日米関係を研究してきた米シンクタンク、外交問題評議会のシーラ・スミス上級研究員に聞いた。
−−広島訪問の狙いは
「オバマ氏は核兵器や不拡散の問題に取り組む上で重要な広島への訪問を熱望していた。日米双方の感情を傷付けない正しい方法を探るため、日本政府との協議に時間はかかったが、訪れること自体が目標だ。オバマ氏の訪問はうれしい」
−−米大統領として原爆投下について謝罪すべきか
「そうは思わない。オバマ政権が1945年の(原爆投下に関する)政策決定に立ち戻らないと決めたことは賢明だ。米国人のほとんどは原爆投下が戦争終結を早めて米国人の命を救ったと信じ、日本人は原爆を使うべきではなかったと信じる。正しかったか間違っていたかの答えは出ない」「今を生きるわれわれにできることは、再び原爆が使われないようにすることだけだ。私は長年、日本に住み、空襲や原爆を経験した多くの人を知っている。そのようなことが二度と起きてほしくはない」
−−安倍晋三首相は真珠湾を訪問する必要があるか
「訪れるのは間違いだ。『日本が真珠湾攻撃をしたから、私たちは原爆を落とした』『大統領が広島を訪問したのだから首相も真珠湾に行くべきだ』と考えるのは正しくない。もちろん首相が訪問すれば歓迎されるだろうが、米国人が望んでいるとは思わない」
−−広島を訪問するオバマ氏に「謝罪」の意図はあるのだろうか
「おそらく広島の平和記念公園に象徴される『追悼』の気持ちから行くのだろう。和解のために訪問するという人もいるが、正しくない。数世代で成し遂げた和解の結果として訪問するのだと思う」
−−オバマ氏が「核兵器なき世界」を訴えているにも関わらず、北朝鮮は核開発を進めている
「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)体制は非核化に関心を持たず、不幸なことに今年1月に核実験を実施した。だからこそ、(核兵器なき世界の)目標に向けて、力強く取り組むことが必要なのだ」
−−在日米軍の撤退を主張するトランプ氏の言動にどう対応すべきか
「仮に11月の本選で勝利したとしても、政権には外交をつかさどる能力のある人材を登用する必要がある。トランプ氏は同盟を米国にとって足手まといになるものであり、相互的ではないとみているようだが、古めかしい議論だ。米国民は同盟についてそのような見方をとっていない」「トランプという名の雲の中に希望の光を見いだすとすれば、日米関係や同盟の価値、アジアでの協力関係の重要性に気付く機会を米国民にもたらしたということではないか」 
 
安倍首相の真珠湾献花、ベストのタイミングはいつか? 5/19
<オバマ米大統領の広島訪問に対応する形で、安倍首相の真珠湾献花が議論されている。その実現は早ければ早い程良いが、現在進行中の大統領選と重なるとせっかくの意義が薄れてしまうおそれもある>
今月27日に予定されているオバマ大統領の広島訪問に呼応するように、安倍首相がハワイの真珠湾を訪問にして「相互献花外交」を完結するという提案に関しては、このコラムでも繰り返し説明した通りです。
問題はタイミングです。私としては、依然として「直後の5月30日(メモルアルデー)」がベストと考えていますが、日程が迫る中で難しくなりつつあるのかもしれません。もし、仮に行うのであれば、様々な制約があると思います。
一つ一つの問題は、かなりクリティカルですので、あらためて早期発表、早期実現がベストだということを強く申し上げたいと思います。
まず、一部で報道されている11月のペルーAPECの際に首相が立ち寄るという構想、また12月の「真珠湾攻撃75周年」というタイミングについてですが、米大統領選の直後というのが心配です。
というのは、万が一11月8日に「トランプ当選」の場合、どうしても「トランプ政権登場というショックに対するリアクション」というニュアンスが出てしまうからです。つまり、「トランプ政権を意識しての行動」という印象を与え、総理が「トランプの風下に立つ」形になるわけです。これは好ましくありません。
ですから、やはり発表も実現も11月7日以前が望ましいということになります。また投票日直前になれば、その行動自体はアメリカ人としては超党派で歓迎するとは思いますが、政治的には避けるべきですし、アメリカでの報道における扱い(これが一番大切)が小さくなる危険があります。その意味で、9月以降の「本選たけなわ」という時期は避けるべきでしょう。
アメリカでの報道ということでは、仮に5月30日のメモリアルデーの訪問が不可能であっても、5月27日以前に発表できれば効果は大きいと思われます。というのは、広島からの中継映像において、CNNをはじめとする米メディアが安倍総理を「真珠湾訪問を決断した総理大臣」として紹介することになるからです。
何と言っても、オバマ大統領の広島訪問というのは、アメリカ社会に取っては「ビッグ・イベント」ですから多くの報道陣が来ます。そこで同行する安倍首相が「すでに真珠湾行きを発表している」ということになれば、アメリカ社会の中の「オバマ献花への反対論」を打ち消す効果、そして日米関係の重要性に関して改めてアピールする効果があるように思います。
それだけではなく、トランプ候補が言っている「在日米軍の駐留コスト100%負担がなければ米軍は撤退」とか「その場合には日韓に核武装を認める」といった「思いつき」がいかにバカバカしいかを、「オバマ大統領と安倍首相の厳粛な表情の映像」を持ってアメリカの世論にアピールすることも可能になります。
さらに、これはやや政治的計算になりますが、「真珠湾行きを決断」したということになれば、G7の議長国としての進行にも追い風となるでしょう。そうなれば日本は為替操作国といった偏見報道を抑制することも可能になると思います。
アベノミクスの円安は、アメリカの雇用を奪うものではないし、増税延期をするかどうかについても、財政再建にベストの判断となるように検討している、そうした日本の立場を正確に理解してもらうには、国際社会における首相の権威が高まることが有効だと思うからです。
いずれにしても、広島における追悼の儀式は大変に重要である一方で、この歴史的なイベントのウラには「トランプ現象という排外ポピュリズム」にどう対抗するかという問題、そして「通貨戦争」という文脈も意識せざるを得ないことがあると思います。
やはり、5月27日以前に発表、そして実際に訪問する日付も8月末以前というのが良いと考えられます。問題は増税先送り、そして解散の判断を含めたタイミングについて政権としては判断が難しいということかもしれません。ですが、それでも万難を排して、早期発表、早期実現を期待したいと思うのです。
【参考記事】オバマ大統領の広島訪問が、直前まで発表できない理由
最後に一点、これは確定した話ではないのですが、真珠湾献花を急がなくてはならない物理的事情もあります。真珠湾献花がどうして重要なのかというと、ここが戦端の開かれた土地であるだけでなく、この場所で日本軍の攻撃を受けて沈没している戦艦アリゾナには、1000人を越える将兵の遺骨が艦内に眠っているからです。
ですから、このアリゾナ記念館というのは、文字通りの墓所であり、だからこそ献花にはエモーショナルな意味合いがあるわけです。その将兵の遺骨に関して「引き揚げてDNA鑑定を行い遺族に引き渡す」という構想が出たり入ったりしているのです。
例えば近年、同じく真珠湾内で攻撃を受けて沈没した戦艦オクラホマから、7人の兵士の遺骨が回収され、DNA鑑定されています。アリゾナに関しても、戦没者の遺骨を特定できるのであれば、遺族の元に戻すべきという声が出ています。もしも、こうした動きが実現するようですと、アリゾナという戦艦は近い将来には沈黙の墓所ではなくなってしまいます。
もちろん、遺骨が家族の元へ帰還して永眠の地を得ることは良いことですが、日本国総理大臣の献花というのは、その前に行われるべきなのが歴史の順序だと思います。そう考えると、ハッキリとは申し上げられませんが、残された時間は限られている、その点の配慮も必要と思われます。 
 
オバマ大統領が広島訪問へ、海外はどう報じた? 「共和党も訪問批判は困難」 5/11
日米両政府は5月10日、アメリカのオバマ大統領が27日、安倍晋三首相と共に広島を訪問すると発表した。現職のアメリカ大統領が広島を訪問するのは初めて。平和記念公園を訪れ、原爆死没者慰霊碑に献花する予定。
アメリカ国内では、日本への原爆投下が戦争終結を早めたなどとして正当化する意見が根強くあるため、大統領の広島訪問については、反対する声も少なくなかった。しかし、オバマ氏らが「アメリカで大きな政治的反発を招くことはなく、戦争の犠牲者に哀悼の意を捧げることはできると自信を持っている」などと意欲を見せており、国家安全保障会議(NSC)もアメリカの世論が大統領の広島訪問を「前向き」に受け止めていると判断。ベン・ローズ大統領副補佐官はブログで、「大統領がこの都市を訪れるのに、適切な時期だと思う」などと綴った。ホワイトハウスは「オバマ大統領が続けてきた、核兵器のない平和で安全な世界を追求する取り組みを強調するため」としている。
各国メディアは、オバマ大統領の広島訪問を以下のように速報した。
CNN「オバマ大統領の広島訪問は歴史的」
CNNはオバマ大統領の広島訪問は「歴史的」だとしたうえで、「アメリカ側は訪問で公式な謝罪はしないものの、オバマ大統領の訪問で、核兵器が恐ろしい破壊をもたらすということを再び思い出させるものになる」と報じた。記事は、オバマ氏が核不拡散に努めているとしたうえで、日本は、ミサイル発射テストを続ける北朝鮮に最も近い国のひとつだと説明した。さらに、オバマ氏が過去3回、日本を訪問していることも紹介。初回の2009年の訪問では、日本を去る際に、自分が大統領でいる間に、広島か長崎を訪問したいと述べたと伝えた。
ワシントン・ポスト「ドナルド・トランプは日本に核を保有しろと言っている」
ワシントン・ポストは訪問について、「第2次世界大戦末期に、アメリカが原爆使用を決定したことを再考するためではない」とする、ベン・ローズ氏のブログを引用。大統領訪問は、「私たちが共有すべき未来についての、前向きなビジョンを示すでしょう」と、紹介した。さらに、「ホワイトハウスは、オバマ氏が大統領就任時に掲げた核軍縮の目標のシンボル的なことをするのは、就任最後の年となった今だと確信している」と解説。「大統領選の候補者選びで共和党から指名されることが確実となっているドナルド・トランプ氏が、北朝鮮の脅威に対抗して日本に核兵器を持てと言っている今、オバマ氏の訪問は世界的な注目を集めることになる」とする、ホワイトハウス高官の言葉を伝えた。
イギリス、フィナンシャル・タイムズ「共和党が批判することが困難」
フィナンシャル・タイムズは日米関係の専門家・ジェニファー・リンド氏の話として、共和党がオバマ大統領の広島訪問を批判することは困難だとの見方を伝えた。アジア地域で中国の軍事力を強化していることがその理由で、共和党も、同盟国との関係を強化する必要性があると認識しているのだという。このためアメリカ側は、今回の訪問では日本と韓国の関係をより改善するよう働きかけるとしている。
イギリス、BBC「永遠の誇りとなる」
BBCはアメリカの報道官が「歴史的訪問だ」と述べたと報じた。また、ローズ氏のブログを引用。訪問によってアメリカは、「私たち市民の、そして、第2次世界対戦で犠牲となった軍の男女の、永遠の誇りとなる」という一文を紹介した。
フランス、AFP通信「地域的な反響を呼ぶ可能性」
AFP通信も北朝鮮の核弾頭とミサイル開発について言及。オバマ大統領の訪問が「地域的な反響を呼ぶ可能性」と報じた。北朝鮮の党大会についても触れ、同国が今後も兵器の開発を続けるという主張を紹介した。
中国、新華社通信「日本は原爆が投下された背景に触れてこなかった」
中国国営の新華社通信は、原爆の投下が第2次世界大戦の終結を早めたと強調して報じた。「広島と長崎への原爆投下は、侵略戦争をした日本をできるだけ早く降伏させるよう促したものだ」としたうえで、「日本は、みずからを第2次世界大戦の被害者だとして、原子爆弾が投下された歴史的背景にほとんど触れてこなかった」としています。 
 
 

 
2016/5
 
 
 
オバマ大統領の広島スピーチ
アメリカのオバマ大統領は5月27日、広島市の平和記念公園で原爆死没者慰霊碑に献花した。 オバマ氏は現職のアメリカ大統領として初めて被爆地・広島を訪問。原爆投下国として、広島と長崎を含む第二次世界大戦のすべての犠牲者らに哀悼の意を示すスピーチをした。その中で「核なき世界」を主導する責任についても言及した。 献花には安倍晋三首相が同席した。
 
 
 
オバマ大統領
「広島と長崎が教えてくれたのです」
71年前の明るく晴れ渡った朝、空から死神が舞い降り、世界は一変しました。閃光と炎の壁がこの街を破壊し、人類が自らを破滅に導く手段を手にしたことがはっきりと示されたのです。
なぜ私たちはここ、広島に来たのでしょうか?
私たちは、それほど遠くないある過去に恐ろしい力が解き放たれたことに思いをはせるため、ここにやって来ました。
私たちは、10万人を超える日本の男性、女性、そして子供、数多くの朝鮮の人々、12人のアメリカ人捕虜を含む死者を悼むため、ここにやって来ました。
彼らの魂が、私たちに語りかけています。彼らは、自分たちが一体何者なのか、そして自分たちがどうなったのかを振り返るため、内省するようにに求めています。
広島だけが際立って戦争を象徴するものではありません。遺物を見れば、暴力的な衝突は人類の歴史が始まった頃からあったことがわかります。フリント(編注・岩石の一種)から刃を、木から槍を作るようになった私たちの初期の祖先は、それらの道具を狩りのためだけでなく、自分たち人類に対しても使ったのです。
どの大陸でも、文明の歴史は戦争で満ちています。戦争は食糧不足、あるいは富への渇望から引き起こされ、民族主義者の熱狂や宗教的な熱意でやむなく起きてしまいます。
多くの帝国が勃興と衰退を繰り返しました。多くの人間が隷属と解放を繰り返しました。そして、それぞれの歴史の節目で、罪のない多くの人たちが、数えきれないほどの犠牲者を生んだこと、そして時が経つに連れて自分たちの名前が忘れ去られたことに苦しめられました。
広島と長崎で残酷な終焉へと行き着いた第二次世界大戦は、最も裕福で、もっとも強大な国家たちの間で戦われました。そうした国の文明は、世界に大都市と優れた芸術をもたらしました。そうした国の頭脳たちは、正義、調和、真実に関する先進的な思想を持っていました。にもかかわらず、支配欲あるいは征服欲といった衝動と同じ衝動から、戦争が生まれたのです。そのような衝動が、極めて単純な部族間同士の衝突を引き起こし、新たな能力によって増幅され、新たな制限のないお決まりのパターンを生んでしまったのです。
数年の間に、およそ6000万人もの人たちが亡くなりました。男性、女性、子供、私たちと何ら違いのない人たちがです。射殺され、撲殺され、行進させられて殺され、爆撃で殺され、獄中で殺され、餓死させられ、毒ガスで殺されました。世界中に、この戦争を記録する場所が数多くあります。それは勇気や勇敢な行動を綴った記念碑、言葉では言い表せないような卑劣な行為の名残でもある墓地や空っぽの収容所といったものです。
しかし、この空に立ち上ったキノコ雲の映像を見た時、私たちは人間の中核に矛盾があることを非常にくっきりとした形で思い起こすのです。
私たちの思考、想像力、言語、道具を作る能力、そして人間の本質と切り離して自分たちを定めたり、自分たちの意志に応じてそうした本質を曲げたりする能力といったものを私たちが人類として際立たせること――まさにそうしたことも類を見ない破滅をもたらすような能力を私たちに与えられることによって、どれだけ悲劇をもたらす誘発剤となってしまうか。
物質的な進歩、あるいは社会的な革新によって、どれだけ私たちはこうした真実が見えなくなってしまうのか。
より高い信念という名の下、どれだけ安易に私たちは暴力を正当化してしまうようになるのか。
どの偉大な宗教も、愛や平和、正義への道を約束します。にもかかわらず、信仰こそ殺人許可証であると主張する信者たちから免れられないのです。
国家は犠牲と協力で人々が団結するストーリーをこしらえ、優れた功績を認めるようになります。しかし、自分たちとは違う人々を抑圧し、人間性を奪うため、こうしたものと同様のストーリーが頻繁に利用されたのです。
科学によって、私たちは海を越えて交信したり雲の上を飛行したりできるようになり、あるいは病気を治したり宇宙を理解したりすることができるようになりました。しかし一方で、そうした発見はより効率的な殺人マシンへと変貌しうるのです。
現代の戦争が、こうした現実を教えてくれます。広島が、こうした現実を教えてくれます。
技術の進歩が、人間社会に同等の進歩をもたらさないのなら、私たち人間に破滅をもたらすこともあります。原子の分裂へとつながった科学的な変革には、道徳的な変革も求められます。
だからこそ、私たちはこの場所に来るのです。
私たちは、この街の中心に立ち、勇気を奮い起こして爆弾が投下された瞬間を想像します。
私たちは、目の当たりにしたものに混乱した子どもたちの恐怖に思いを馳せようとします。
私たちは、声なき叫び声に耳を傾けます。
私たちは、あの悲惨な戦争が、それ以前に起きた戦争が、それ以後に起きた戦争が進展していく中で殺されたすべての罪なき人々を追悼します。
言葉だけでは、こうした苦しみに言葉に表すことはできません。しかし私たちは、歴史を直視するために共同責任を負います。そして、こうした苦しみを二度と繰り返さないためにどうやってやり方を変えなければならないのかを自らに問わなければなりません。
いつの日か、証言する被爆者の声が私たちのもとに届かなくなるでしょう。しかし、1945年8月6日の朝の記憶を決して薄れさせてはなりません。その記憶があれば、私たちは現状肯定と戦えるのです。その記憶があれば、私たちの道徳的な想像力をかき立てるのです。その記憶があれば、変化できるのです。
あの運命の日以来、私たちは自らに希望をもたらす選択をしてきました。
アメリカと日本は同盟関係だけでなく、友好関係を構築しました。それは私たち人間が戦争を通じて獲得しうるものよりも、はるかに多くのものを勝ち取ったのです。
ヨーロッパ各国は、戦場を交易と民主主義の結びつきを深める場に置き換える連合を構築しました。抑圧された人々と国々は解放を勝ち取りました。国際社会は戦争を防ぎ、核兵器の存在を制限し、縮小し、究極的には廃絶するために機能する組織と条約をつくりました。
それでもなお、世界中で目にするあらゆる国家間の侵略行為、あらゆるテロ、そして腐敗と残虐行為、そして抑圧は、私たちのやることに終わりがないことを示しています。
私たちは、人間が邪悪な行いをする能力を根絶することはことはできないかもしれません。だから、国家や私たちが構築した同盟は、自らを守る手段を持たなければなりません。しかし、私の国のように核を保有する国々は、勇気を持って恐怖の論理から逃れ、核兵器なき世界を追求しなければなりません。
私が生きている間にこの目的は達成できないかもしれません。しかし、その可能性を追い求めていきたいと思います。このような破壊をもたらすような核兵器の保有を減らし、この「死の道具」が狂信的な者たちに渡らないようにしなくてはなりません。
それだけでは十分ではありません。世界では、原始的な道具であっても、非常に大きな破壊をもたらすことがあります。私たちの心を変えなくてはなりません。戦争に対する考え方を変える必要があります。紛争を外交的手段で解決することが必要です。紛争を終わらせる努力をしなければなりません。
平和的な協力をしていくことが重要です。暴力的な競争をするべきではありません。私たちは、築きあげていかなければなりません。破壊をしてはならないのです。なによりも、私たちは互いのつながりを再び認識する必要があります。同じ人類の一員としての繋がりを再び確認する必要があります。つながりこそが人類を独自のものにしています。
私たち人類は、過去で過ちを犯しましたが、その過去から学ぶことができます。選択をすることができます。子供達に対して、別の道もあるのだと語ることができます。
人類の共通性、戦争が起こらない世界、残虐性を容易く受け入れない世界を作っていくことができます。物語は、被爆者の方たちが語ってくださっています。原爆を落としたパイロットに会った女性がいました。殺されたそのアメリカ人の家族に会った人たちもいました。アメリカの犠牲も、日本の犠牲も、同じ意味を持っています
アメリカという国の物語は、簡単な言葉で始まります。すべての人類は平等である。そして、生まれもった権利がある。生命の自由、幸福を希求する権利です。しかし、それを現実のものとするのはアメリカ国内であっても、アメリカ人であっても決して簡単ではありません。
しかしその物語は、真実であるということが非常に重要です。努力を怠ってはならない理想であり、すべての国に必要なものです。すべての人がやっていくべきことです。すべての人命は、かけがえのないものです。私たちは「一つの家族の一部である」という考え方です。これこそが、私たちが伝えていかなくてはならない物語です。
だからこそ私たちは、広島に来たのです。そして、私たちが愛している人たちのことを考えます。たとえば、朝起きてすぐの子供達の笑顔、愛する人とのキッチンテーブルを挟んだ優しい触れ合い、両親からの優しい抱擁、そういった素晴らしい瞬間が71年前のこの場所にもあったのだということを考えることができます。
亡くなった方々は、私たちとの全く変わらない人たちです。多くの人々がそういったことが理解できると思います。もはやこれ以上、私たちは戦争は望んでいません。科学をもっと、人生を充実させることに使ってほしいと考えています。
国家や国家のリーダーが選択をするとき、また反省するとき、そのための知恵が広島から得られるでしょう。
世界はこの広島によって一変しました。しかし今日、広島の子供達は平和な日々を生きています。なんと貴重なことでしょうか。この生活は、守る価値があります。それを全ての子供達に広げていく必要があります。この未来こそ、私たちが選択する未来です。未来において広島と長崎は、核戦争の夜明けではなく、私たちの道義的な目覚めの地として知られることでしょう。