戦争だ 株から逃げろ

中東の国交緊張は宗教がらみ 
たぶん出口は すぐには見つからない 
 
個人投資家は しばらくお休みが正解です
 


中東の不安定化懸念
 
  
  
 2016 
  
  
●中東の国交緊張 
NYダウ急落
 2015 
  
  
●中国経済の減速 
NYダウ急落 先が読めるまで日本株も売り
世界揺さぶる中国経済の「不安」  
中国発の経済混乱が世界経済を揺さぶっている。8月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は49・7と、2月以来初めて景気判断の分かれ目となる50を切るに至った。中国からは資金が流出し、韓国の輸出も8月は前年同期比で14・7%落ち込んでいる。  
世界の株価も上海株式市場の下落を受けて動揺が広がり、乱高下が続いている。  
簡単ではない安定成長への移行  
中国経済は1980年以来、高度成長を続け、80〜2011年の平均成長率は10・01%に達していた。BRICS諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)がこの時期、高成長を達成したが、中国が最も高いものだった。ただ、12年になると成長率は7%台に落ち、15年には6%台まで下がると予測されている。  
明らかに中国経済は高度成長期から安定成長期に移行してきているのだ。今後、しばらくは6〜7%の成長が続くのだろうか。人口も13・7億人前後でピークを打ち、人口減少、高齢化の局面に入ることから、成長率はその後も下落し、50年には3〜4%にまで下がっていくとみられている。  
高度成長から安定成長への移行はさまざまな問題を惹起(じゃっき)させてきている。  
急速な上昇を続けてきた株価や不動産価格が下落し、バブル崩壊といった現象が起きてきているのだ。状況はほぼ40年ほど前の日本と似ているともいえるのだろう。  
1970年代に入り、高度成長を続けてきた日本経済は2度のオイルショックに見舞われ、安定成長に移行する。1956〜73年の実質成長率は9・1%だったが、74〜90年には平均で4・2%まで下がっていったのだ。  
移行は必ずしも簡単なものではない。さまざまな部門での構造調整が必要だからだ。日本経済はなんとかこの移行を乗り切り安定成長局面に移っていったが、中国経済がこの苦境を乗り切っていけるかどうかは必ずしも定かではない。  
19世紀前半に似た状況  
中国は2010年に日本を抜いて国内総生産(GDP)では世界第2位の経済大国になり、14年の名目GDPは日本(4兆6163億ドル)の2倍を超える。今や中国経済の動向は日本やアジア諸国のみならず、世界を左右する規模になってきている。  
しかし1人当たりのGDPでは、14年に7589ドルと世界で80位。日本の5分の1、アメリカの7分の1程度にしかすぎない。まだまだ成長する余地があるということである。  
15年2月に会計事務所プライスウオーターハウスクーパースが発表した「2050年の世界」では、購買力平価(PPP)ベースの中国のGDPは61兆790億ドルで世界ナンバーワン(アメリカのほぼ1・5倍)。ちなみにナンバー2はインドで、両国が世界2大経済大国になっている。  
この状況は19世紀前半以前の世界経済の姿に近い。1820年には、中国は世界のGDPの28・7%を占めており、2位のインド(16・0%)を加えると、世界のGDPの半分弱になっていた。時代を遡(さかのぼ)ると、さらに両国のシェアは増大する。1500年の時点では中国とインドで7割近くを占めていた。欧米諸国のGDPが大きく伸びたのは産業革命以降、1800年を越えてからである。  
実はPPPベースではすでに2014年で中国のGDPはアメリカを超えてナンバーワンになっている(中国17兆6320億ドル、アメリカ17兆4160億ドル)。中国経済の混乱が世界規模に大きな影響力を持つのは当然のことだといえる。  
国の威信かけた介入も  
共産党独裁下の市場経済である中国の難局を、習近平指導部がどうマネージしていくのか、将来、政治体制の調整が起こってくるのかは今のところ不透明だ。しかし中国の政治・経済情勢が世界、特に隣国の日本に大きなインパクトを与えることは不可避である。  
日中関係は政治的には微妙だが、経済面では中国はアメリカと並ぶ日本の最大のパートナーだ。中国経済がどう推移するかは日本経済に大きな影響をもたらす。その意味で中国との協調関係は日本にとって最大課題の一つだ。  
繰り返しになるが、中国経済は今、大きな転換期にある。高度成長期が終わり安定成長期に入るのだが、本当の意味での「安定」が得られるのかどうかは今のところ不透明だといえよう。  
GDPがPPPベースではすでに世界ナンバーワンになった中国は、名実ともに覇権国家になるべく、経済に関しては国は威信にかけて介入し、その安定化を図っていくことになるのだろう。  
中国の財政収支はアメリカや日本に比べて良好だ。2014年には対GDP比で1・14%の赤字。アメリカの約5分の1、日本の約7分の1だ。財政政策活用の余地はまだ十分にあるといえるのだろう。当然、金融に加え財政による経済の安定化に努めていくことになる。 
 2009/10 
  
  
●ヨーロッパ諸国の金融不安  
円買い
2010年欧州ソブリン危機  
(欧州債務危機、欧州経済危機、欧州危機、通称ユーロ危機) 2009年10月のギリシャ政権交代による国家財政の粉飾決算の暴露から始まる、経済危機の連鎖である。スペイン、ポルトガルなどユーロ加盟諸国(PIIGS)、あるいはハンガリーやラトビアなど中東欧諸国へ波及した場合、世界的な金融危機に発展するかもしれないと懸念されている。2011年以降にもユーロ圏第三位のイタリア情勢が深刻化するなど、欧州不安は広範囲に拡大した。[ソブリンとは、ソブリン債(英:sovereign bond。各国の政府又は政府関係機関が発行し又は保証している国債などの債券)のことである。] 
ギリシャ選挙でEU金融危機が再燃? 2015/1  
1月25日に行われるギリシャの総選挙が、世界各国から注目されている。ギリシャといえば2010年に実質的な経済破綻に追い込まれたことが記憶に新しいが、なぜ今、この国の選挙に関心が集まっているのだろうか? その理由を知るために、まずはこの国が「経済破綻」するまでの流れを追ってみたい。  
賄賂、汚職が横行する国  
ギリシャについて、前提として知っておくべきなのは、この国が1830年の独立以来、国家の歴史の半分以上がデフォルトに近い状態にあるという、経済的に問題の多い国だということだ。この財政状態の悪さは、端的に政治の腐敗によるところが大きい。多くの資格や許認可が政治家に委ねられているために賄賂や汚職、脱税が横行し、徴税システムがまともに機能していなかった。加えて縁故採用によって公務員があまりに増えすぎたこと、利権絡みの公共投資を濫発したことなどによって、財政赤字はどんどん拡大していった。  
経済統計の不備発覚。ずさんなギリシャ経済  
こうしたずさんさは諸外国も知るところだったため、日本やアメリカがやっているように国債発行で急場をしのぐことも難しかった。格付け機関によるギリシャ国債の格付けの引き下げ、2009年のドバイ・ショック由来の世界的な株価の急落に次いで、2010年にギリシャの経済統計の不備が発覚すると、ギリシャの国債は次々に売られ、暴落に歯止めがかからなくなってしまったのである。  
なぜ、今回の選挙が注目されるのか?  
この事態に加えて、後の対応のまずさもあり、実質的に財政破綻状態になってしまったギリシャだったが、その後の2010年4月23日、ついに政府はEUと国債通貨基金(IMF)に支援を要請、向こう3年間で総額1100億ユーロの金融支援を取りつけた。これによってギリシャは何とか国家破綻を回避、外国からの支援と年金カットや公務員削減などの緊縮財政によって財政再建を続けてきた。  
しかし、厳しい緊縮は同時に国民の不満を高める結果となった。それを証明するように、今回の選挙では、緊縮に反対する野党に支持が集まるという状況になっている。  
このまま野党が勝利し、政権交代ということになると、財政再建の道のりに暗雲が立ち込める。新政権がそれまでの主張通り緊縮をやめてしまえば、支援するEU各国との関係悪化は避けられない。その結果、支援が打ち切られることになったら、再びギリシャは財政危機に直面し、2010年と同じようにその影響がヨーロッパ各国に及ぶ可能性もある。今回の選挙が注目されているのには、こんないきさつがあるのだ。 
ギリシャ金融危機でEUが陥る「4つの重大な危機」 2015/7  
欧州大陸の周縁で起きている4つの大きな危機が現在、欧州連合(EU)を飲み込む恐れがある。戦後に始まった「1つの欧州」を目指すプロジェクトは、数十年前に後戻りするかもしれない。  
EUの結束と国際的な立場は、ギリシャの債務危機、ウクライナ紛争でのロシアの役割、英国のEUとの関係見直し、地中海の移民問題によって危機にさらされている。  
これら4つの問題の1つでも適切に対応できなければ、他の問題の悪化を招き、EUが直面する危機は増幅されることになるだろう。  
ギリシャのデフォルト(債務不履行)と「グレグジット(ギリシャのユーロ圏離脱)」は、EUが「史上最も統一された」共同体であるという長年のイメージを揺るがしかねない喫緊の課題だ。  
ブリュッセルのシンクタンク、欧州政策センター(EPC)のファビアン・ズレーグ氏とジャニス・エマヌイリディス氏は「グレグジットの長期的な結果は、欧州のプロジェクト全体に影響を及ぼす。それは前例となり、EUの存在意義を一段と損なうことになるだろう」と指摘した。  
ギリシャはユーロ圏域内総生産とEUの人口のそれぞれ2%を占めるにすぎないが、ユーロ圏諸国は同国にこれまで約2000億ユーロを支援しており、破綻すればEUにとって大打撃となる。  
ギリシャの運命はいまなお不明だが、すでに明らかなのは、ユーロ創設者たちがユーロの結束は壊れないと宣言したとき、彼らはだまされていたということだ。  
そして今、他のユーロ加盟国はギリシャを締め出し、結束を強めるべく、通貨統合における設計上の初期欠陥の一部を修正するなど直ちに措置を講じようとするかもしれない。  
だが、次にリセッション(景気後退)もしくはソブリン債利回りの急上昇が起きれば、ユーロ圏は震撼し、市場はギリシャという前例を思い出すことになるだろう。  
不安定化  
ギリシャの経済崩壊は、それによってもたらされる困難と欧州の納税者が失った大金はさておき、欧州の他の3つの危機すべてを悪化させ、不安定なバルカン半島諸国をさらに不安定化させる恐れがある。  
シリア内戦、イスラエル・パレスチナ問題、キプロスの南北分断などにより、地中海東部ではすでに緊張が高まっているなか、ギリシャはロシアに助けを求めるかもしれない。それと引き換えに、EUの対ロ制裁の延長にギリシャは反対、もしくは海軍施設の利用を許可する可能性すらある。  
ギリシャは、ドイツやスウェーデンへと向かう最も安全なルートを求めてシリアやイラクから自国に流入する難民にすでに苦慮している。  
「ボートピープル」の問題をめぐってはEU内で対立が起きている。イタリアなど難民流入の矢面に立つ他の国々は、資金提供や難民割り当てを拒否して連帯感が欠如しているとして、北部や東部のEU加盟諸国を非難。英国は難民1人の受け入れも拒否している。  
5年に及ぶ協議の末にギリシャ危機の解決に失敗することは、ロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席ら権力拡大を狙う指導者の目にEUは弱く、分裂しているように映るだろう。  
当局者らは、ユーロ圏の危機が一部の政策決定において再国有化をもたらし、ルールに基づいた超国家的ガバナンスという欧州モデルの「ソフトパワー」を弱体化させることを認識している。  
しかしこの先、さらに悪い事態が待ち受けている。  
英国のEU離脱をめぐる問題は、域内で2番目に大きな経済国であり、主要な金融センターを有する英国をEUが失うリスクを高めている。  
複数の英世論調査でEU残留派が10ポイント程度リードしているにもかかわらず、EU当局者たちは不安を拭い切れないでいる。5月の英総選挙の結果は事前の世論調査とは見事に異なり、与党保守党が単独過半数で勝利を収めたものの、キャメロン首相は保守党内のEU懐疑派に足元をすくわれる恐れもある。  
ユーロ圏の内側であろうと外側であろうと、社会不安と政治的大混乱を伴う長期的なギリシャ経済の破綻は、英国経済が「死に体」だと主張する人たちを勢いづかせることになるかもしれない。  
ロシアが冷戦時代の敵意をいまだ英国に向け続け、英国を米国の最も忠実な同盟国とみなしていることを考えると、プーチン大統領は英国のEU離脱の可能性を歓迎するだろう。  
そうなれば、ウクライナとジョージアに対するロシアの行動に対して強固な対応を求めるEU内の勢力を弱らせることになる。また、プーチン大統領はウクライナ問題で、ドイツのメルケル首相と交渉するうえで有利な立場に立つこともできるだろう。  
欧州改革センターのレム・コルテベーク氏は、EUの連動する4つの危機を、新約聖書のヨハネの黙示録に出てくる4騎士に例え、「EUの指導者たちはこれら4人の騎士を手なずけるのに苦労するだろう。答えが見いだせなければ、騎士たちはEU内で混沌と不安と非難の応酬を駆り立て続けるだろう」と指摘している。 
 2008/9 
  
  
●リーマンショック 
米国金融緩和 NYダウ急落 
円高 日本株価低迷 
金融工学
 1990/8 
  
   
●湾岸戦争 
バブル崩壊に止め (とどめ) 
バブル
  
  
  
所詮 日本市場はローカルマーケット 
米国の手のひらの上で 上下しています
  
  
  
戦争 金融緩和 経済混乱・危機  
不安から株は売られます
  
  
  
いつまで続く ジパング神話 「円」の価値 
円高 日本株売り 株価下落 
円安 日本株買い 株価上昇
  
  
  
アメリカ利上げのタイミング
  
  
  
アベノミクスの円安効果

 
2016/1  
 
  
イラン断交. 相次ぐバーレーン・スーダンも 1/5  
イスラム教スンニ派の大国サウジアラビアが3日、シーア派国家イランとの外交関係を断絶したのに続き、バーレーンやスーダンも4日、イランとの国交断絶を発表した。アラブ首長国連邦(UAE)はイランから自国大使を召還するなど、外交関係を格下げした。国営サウジ通信などが伝えた。スンニ派主導のアラブ諸国などがサウジに追随し、中東で宗派間の緊張が急速に広がる恐れが出てきた。  
ロイター通信によると、サウジはイランとの商業関係も断絶、国民のイランへの渡航も禁止する。  
バーレーンはペルシャ湾の王国。国民の大半はイスラム教徒でその7割はシーア派だが、指導者層はサウジを後ろ盾とする少数派のスンニ派だ。バーレーンの国営通信は4日、「イランとの外交関係を断絶し、イラン外交官の国外退去を求める」と発表した。バーレーンにはシーア派による反王制運動がくすぶり、同国政府は最近も「イランが不安定化を図っている」と批判を繰り返していた。  
スーダンは人口の約7割をスンニ派中心のイスラム教徒が占める。ロイター通信によると、同国外務省はイランとの国交断絶について「テヘランのサウジ大使館などへの野蛮な攻撃」への対応と述べた。従来イランとの良好な関係が指摘されてきたが、最近はサウジとの関係強化が顕著に。昨年は親サウジと親イランの両勢力が戦うイエメンで、サウジ側にスーダン軍部隊が参加したと報じられた。  
また、UAE外務省は外交関係の格下げについて、「イランによる湾岸、アラブ諸国への内政干渉に対する措置」と説明した。UAEは、イエメン紛争やエジプトのシシ政権支援でサウジと協力してきた。ただ、イランとも一定の経済関係を維持しているため、今回は外交関係の格下げにとどめたとみられる。  
サウジは2日、国内で反政府デモを主導したなどとして死刑判決を受けていたシーア派指導者ニムル師の処刑を発表。イランのデモ隊が首都テヘランでサウジ大使館に放火するなどしたため、3日、イランとの断交に踏み切った。  
サウジの決定について、イランは「中東を不安定にする誤った決断」と反発。中東全体での宗派対立の深刻化が必至の情勢だ。イランの外務次官は4日、「世界の目を処刑からそらすことはできない」と述べ、ニムル師の処刑を糾弾。外務省の報道担当者は「サウジは国内問題の解決のために、地域の緊張と衝突を激化させている」と批判した。
サウジアラビア. 国内治安を優先 断交発表、イラン孤立化も狙う 1/5  
イスラム教シーア派指導者を処刑したサウジアラビアの強硬姿勢の背景には、内政と外交両面での計算がありそうだ。国内治安面の不安要因であるシーア派を締め付け、外交的に対立するイランを孤立させることを狙ったとみられる。  
スンニ派の中でも厳格なワッハーブ派を国教とするサウジだが、東部を中心に国民の約15%はシーア派だ。政府はシーア派の信仰を黙認してきたが、シーア派に対する差別意識は色濃い。近年は特にシーア派住民の不満が高まっており、サウジ当局にとっては、過激派組織「イスラム国」(IS)などの過激派と同じ国内の不安要因となっている。  
2011年には、民主化要求運動「アラブの春」に触発されてシーア派中心の反政府デモが発生した。イラン国営通信によると、処刑されたシーア派指導者ニムル師はデモへの支持を表明して注目された人物で、14年に「宗派対立をあおった」などとして死刑判決を言い渡された。  
昨年1月にサルマン国王が即位し、息子のムハンマド副皇太子(国防相)が軍事・外交分野で実権を握った影響もうかがえる。サルマン体制は、イランのアラブ諸国への介入を再三非難。両国は互いを「テロ支援国」と批判するほどになった。  
イランは、各国の親イラン勢力と結びついて影響力を拡大してきた。サウジの隣国イエメンではシーア派武装組織フーシを支援し、シリアではアサド政権に肩入れしている。  
これに対抗するサウジは昨年3月、イエメンのハディ政権を支援するため軍事介入。シリアでも反体制派への軍事支援を強化した。サウジは、自国についても少数派のシーア派住民とイランが連携する可能性を強く警戒しているようだ。  
サルマン国王は「アラブ合同軍」や「イスラム軍事同盟」の設立構想を通じて、スンニ派やアラブ人の結束を積極的に呼びかけてもいる。表向きはISなどスンニ派の過激派を抑え込むためだが、シーア派のペルシャ人が中核であるイランに対抗しようとする意図も透けて見える。  
イランとの断交にはテヘランのサウジ大使館襲撃事件を利用してイランの孤立化を図る狙いもありそうだ。  
サウジのジュベイル外相は断交を宣言した3日の声明で、1979年の米国大使館占拠や11年の英国大使館襲撃に言及し、「三つの事件では(イラン)政府高官が露骨に敵意をあおって襲撃を仕向けていた」と批判した。米英両国と同じ「被害者」だと強調して、イランとの関係修復に向かおうとする米英もけん制したようだ。
サウジアラビア大使館周辺は厳戒 テヘラン 1/5  
イスラム教シーア派指導者ニムル師の処刑後に襲撃されたテヘラン市内のサウジアラビア大使館周辺は、秘密警察と言われる情報省職員らも動員した厳戒態勢下に置かれていた。  
テヘラン北東部のブスタン通り。北側は雪に覆われた3000メートル級のアルボルズ山脈を望む。各国の大使館やマンションが建ち並ぶ閑静な地域だが、サウジ大使館の窓ガラスは何カ所も激しく割れている。壁には放火により黒く焦げた跡が残り、建物はフェンスで囲まれていた。約10台のパトカーが周囲に待機し、ピリピリした雰囲気に包まれていた。  
「身分証を見せなさい」。ポケットから目立たぬようにスマートフォンを取り出し、建物の脇を撮影して正面に回ると、全身黒ずくめの私服男性が迫ってきた。20歳代後半に見える男性は黒のニット帽をかぶり、見た目は普通の若者。逆に身分証の提示を求めると、情報省の職員だった。  
まもなく5、6人の制服を着た警官に囲まれた。屋外での取材を認める文化イスラム指導省の許可証も提示したが、すぐに立ち去るよう命じられた。  
通りの表示板は、少なくとも6カ所が新しいものになっていた。通りはニムル師の名前を冠した名称に変わり、新たな表示板が設置されたという。ニムル師の顔と「激しい神の報復が進行中」と記されたポスターもある。「神の報復」は最高指導者ハメネイ師が3日にサウジを非難した際に使った言葉だ。  
道路表示などは事前に準備されていたようにも思える。イランは処刑に備えていたのだろうか。一部のイランメディアは、革命防衛隊傘下の民兵組織が襲撃に関与したことをほのめかしている。  
「襲撃は計画的でしょう」。通りを散歩していた近所の男性が、こともなげに言った。  
サウジアラビアとイラン関係の推移  
1979年 イラン革命  
1980年 イラン・イラク戦争開戦。サウジはイラクを支援  
1987年 聖地メッカでイラン人巡礼団とサウジ警官隊が衝突し400人以上が死亡。翌88年に国交断絶  
1991年 湾岸戦争。多国籍軍としてサウジは対イラク戦に参戦。イランは中立の立場を取り、戦闘終結後にサウジと国交回復  
1999年 ハタミ・イラン大統領が革命後初めてサウジを訪問し、ファハド国王と会談  
2011年 民主化要求運動「アラブの春」  
2014年 サウジのシーア派指導者ニムル師に死刑判決  
2015年 サウジがイエメンのシーア派勢力を空爆  
    核開発問題でイランと米欧など6カ国が最終合意  
2016年 サウジがニムル師を処刑、テヘランのサウジ大使館が放火される。国交断絶
「中東は一触即発」 トルコ、サウジとイランに自制促す 1/5  
トルコのクルトゥルムシュ副首相は4日、記者会見を開き、サウジアラビアとイランの対立について「中東はすでに一触即発の状態。(地域大国の)サウジとイランが敵対すれば、両国と地域に悪影響をもたらす」と述べ、早急に緊張を緩和するよう両国に促した。アナトリア通信などが伝えた。  
トルコはサウジと同様にイスラム教スンニ派が多数を占める。中東不安定化の要因の一つのシリア内戦でも、サウジとともに反体制派を支援している。一方、シーア派が多数派のイランはアサド政権を支援している。  
だが、クルトゥルムシュ氏は「(サウジ、イラン)両国はトルコにとって重要なイスラム国家。我々は双方と良好な関係を維持している」と述べ、どちらにも肩入れしない姿勢を強調。そのうえで対立激化のきっかけとなった、サウジによるシーア派指導者ニムル師の死刑執行については「トルコは死刑を廃止した国であり、常にあらゆる死刑制度について反対してきた」と述べ、名指しは避けつつサウジを批判した。
NYダウが急落 中国経済への懸念や中東情勢不安から 1/5  
今年最初の取引となった4日のニューヨーク株式市場は、中国経済の先行きに対する懸念と中東情勢の不安などを背景に、大企業で構成するダウ工業株平均が大幅に下落した。終値は、前年末より276・09ドル(1・58%)安い1万7148・94ドルだった。  
中国の製造業についての経済指標が悪化したため、同国の経済先行きに対する懸念が再び広がった。サウジアラビアがイランと外交関係を断絶したことから、中東情勢の不透明感が高まったとして、売り注文が拡大した。4日に発表された昨年12月の米製造業の景況感指数が市場予想を下回ったため、売りに拍車がかかった。  
ダウ平均の下げ幅は取引時間中に、前年末終値比で467ドルにのぼり、一時は約2カ月半ぶりに1万7000ドルの節目を割り込む場面もあった。  
ハイテク株が中心のナスダック市場の総合指数も、前年末より104・32ポイント(2・08%)低い4903・09と大きく値下がりして取引を終えた。
中国株急落、初日に取引停止発動…東京も全面安 1/5  
今年最初の取引となる大発会の4日、東京株式市場は全面安の展開となり、日経平均株価(225種)の下げ幅は一時、630円を超えた。  
中国経済の先行き不透明感から中国株が急落したのが主因だ。  
東京外国為替市場の円相場は1円44銭円高・ドル安の1ドル=118円97〜99銭と約2か月半ぶりの円高水準で大方の取引を終え、金融市場は波乱の幕開けとなった。  
英調査会社が4日発表した昨年12月の中国製造業の景気指数が3か月ぶりに悪化し、上海総合指数は前年末終値比で6・9%下がった。中国は同日から極端な値動きの際に取引を止める「サーキットブレーカー」という措置の導入を決めており、上海と深センの市場で早速、発動した。  
日経平均は中国株安につられて下げ幅を拡大。サウジアラビアとイランの断交による中東情勢の不安も響いた。終値は、前年末終値比582円73銭安の1万8450円98銭で、大発会としては米サブプライムローン問題に揺れた2008年(616円安)に次ぎ、2番目の下げ幅だった。
東証 大発会、582円安 NY急落、中国で取引強制停止 1/5  
今年最初の取引となる大発会(だいはっかい)で東京株式市場は4日、日経平均株価の終値が昨年最後の取引日(12月30日)と比べて582円73銭安の1万8450円98銭と、約2カ月半ぶりの安値で取引を終えた。大発会での日経平均の下落は3年連続。この日はアジアや欧州、米国などの株式市場でも軒並み株価が下落し、2016年は世界同時株安の様相で幕を開けた。  
日経平均は昨年末の米株安を嫌気し、取引開始から売りが広がった。午前に発表された中国製造業の景況感を表す指数が市場予想に反して悪化し、中国の代表的な株価指数である上海総合指数が急落すると、投資家の間に中国経済の先行きを警戒する雰囲気が再燃した。日経平均も全面安の展開となり、下げ幅は一時、600円を超えた。東京外国為替市場も安全資産とされる円を買う動きが広がり、午後5時時点の円相場は昨年12月30日と比べ、1円44銭円高の1ドル=118円97銭まで上昇した。  
上海証券取引所と深セン証券取引所ではこの日から、株価の急変を防止するため取引を強制的に中止する「サーキットブレーカー」制度が導入されたが、導入初日から制限幅を超えて下落し、制度を発動して取引を停止する事態となった。株安はアジア、欧州などその後市場を開いた各国にも飛び火した。4日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は、昨年最後の取引日12月31日の終値から一時400ドル超下落し、1万7000ドルを割り込んだ。  
サウジアラビアとイランの外交関係断絶が伝わったことで原油価格も先行き不透明感が強まっている。三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは「国内の企業業績は堅調だが、日本株は今年も海外リスクに大きく影響されそうだ」と指摘する。
世界株安、NYダウ一時400ドル以上の急落 1/5  
年明け最初の取引日となった4日の東京株式市場は、中国経済の減速や中東情勢の懸念が広がり、全面安になった。日経平均株価は一時、前年末より639円下落した。世界でも、中国の上海総合株価指数が一時約7%、米国のダウ工業株平均が一時2%超も下がるなど、アジアや欧米市場でも急落している。  
日経平均の終値は、582円73銭(3・06%)安い1万8450円98銭となり、約2カ月半ぶりに1万8500円を割り込んだ。取引初日の大発会の終値としては、3年連続の値下がりだった。下げ幅は、米国で低所得者向け(サブプライム)住宅ローン問題が起きていた2008年1月4日(616円37銭安)に次ぐ大きさだった。  
世界に株安が連鎖する引き金となったのは、日本時間4日午前に発表された12月の中国の製造業の景況感を示す統計だ。11月の実績値を下回り、中国経済の先行き懸念が広まった。産油国のサウジアラビアとイランの対立が深まったことも、原油価格や中東情勢の動きに対する不透明感につながり、投資家の間でリスクを避けようとする売り注文につながった。  
投資資金は比較的安全とされる円資産に流れ込み、東京外国為替市場では対ドルの円相場が一時、2カ月半ぶりに118円台をつけた。日本では円高は輸出関連企業の採算悪化につながるとの見方から、自動車や電機などの主力株が売られる要因となった。  
他の海外の株式市場では、インド市場で2%超、ドイツ市場では一時4%超値下がりして取引されるなど、総崩れとなった。米国のダウ工業株平均は、前年末の終値(1万7425・03ドル)に比べ、一時400ドル以上の急落で取引が始まった。  
みずほ証券の三浦豊氏は「中東と中国情勢の不透明感をきっかけに、世界同時株安になった。当面は不安定な値動きが続くだろう」と話している。
バーレーンとスーダン、イランとの外交関係断絶 1/5  
バーレーン国営通信によると、同国政府は4日、イランとの外交関係を断絶すると発表した。バーレーン政府は理由について、イランでサウジアラビアの大使館や領事館が襲撃されたことを挙げて、「国際協定に違反している」としている。バーレーンではイスラム教シーア派が人口の7割を占めるが、王室はサウジと同様、スンニ派だ。ロイター通信などによると、スーダンも4日、イランとの断交を発表した。アラブ首長国連邦(UAE)もイラン駐在のUAE外交関係者の人数を減らす方針という。
中東の一層の不安定化懸念…サウジ・イラン断交 1/4  
イスラム教スンニ派の盟主サウジアラビアとシーア派の大国イランの断交で、中東各地の宗派融和が一層遠のくのは必至だ。国際社会では、中東の一層の不安定化への懸念が広がっている。ロイター通信によると、欧州連合(EU)のモゲリーニ外交安保上級代表は3日の声明で、サウジ、イラン両国の外相とそれぞれ電話会談したことを明らかにした上で、シリア内戦の政治解決やイスラム過激派組織「イスラム国」掃討を巡る国際社会と地域の当事者の努力を「新たな不安定要素で台無しにすべきではない」と呼びかけた。AFP通信によると、フランスやドイツ、英国の外務省もニムル師の処刑を受けたサウジとイランの関係悪化に懸念などを相次いで表明した。
東証で大発会 日経平均株価、一時560円超下落 1/4  
東京株式市場は4日、今年最初の取引日を迎え、東京証券取引所で恒例の「大発会」があった。取引は荒れ模様のスタート。前年末の米株安が嫌気されたことに加え、中国の製造業に関する経済指標が低調だったことで売りが膨らみ、日経平均株価は一時、前年末の終値より560円超下落した。  
大発会には証券関係者など約200人が参加。晴れ着姿の女性が、五穀豊穣(ほうじょう)にあやかって「上場の鐘」を5回鳴らした。日本取引所グループの清田瞭CEO(最高経営責任者)は「市場の適切な規律を保ちながら、新規上場企業の積極的な発掘に取り組みたい」とあいさつした。  
その後始まった取引で、日経平均の初値は前年末の終値より215円13銭安い1万8818円58銭となった。年末の米株式市場で、大企業で構成するダウ工業株平均が大幅に下げた流れを受け、幅広い銘柄が売られた。「年明けで機関投資家が本格的に取引していないことに加え、中東情勢もあってリスク回避の流れになっている」(大手証券)という。  
また、取引時間中に発表された、中国製造業の景況感を示す昨年12月の指数が前月より下がったことで、投資家心理が悪化。東京外国為替市場では、安全資産とされる円を買う流れから円相場が約2カ月ぶりに1ドル=119円台まで円高に振れたこともあって、日本株の売りに拍車がかかった。  
午後1時の日経平均は、497円86銭安い1万8535円85銭。東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は32・31ポイント低い1514・99。  
午前の終値は492円30銭(2・59%)安い1万8541円41銭。TOPIXは31・70ポイント(2・05%)低い1515・60。出来高は9億7千万株。  
干支(えと)にまつわる相場の格言で、申年(さるどし)は「申酉(とり)騒ぐ」と呼ばれる。岡三証券によると、戦後5回あった申年の日本株の年間騰落は4勝1敗(勝ちが上昇)。株価は年平均10・4%上昇している。ただ、今年は、原油安の行き過ぎと、新興国経済の減速が懸念されており、波乱含みの一年になる可能性もある。
サウジ、イランと断交…大使館襲撃への対抗措置 1/4  
サウジアラビアのジュベイル外相は3日、首都リヤドで記者会見し、イランとの外交関係を断絶すると発表した。イスラム教スンニ派の盟主であるサウジがシーア派の法学者を処刑したことに抗議し、シーア派の大国であるイランの首都テヘランのサウジ大使館が暴徒に襲撃されたことへの対抗措置としている。中東の両大国の関係悪化は、米欧などが結束を呼びかけるイスラム過激派組織「イスラム国」の掃討やシリア内戦解決に深刻な影響を及ぼしそうだ。サウジは2日、国内でのテロに関与したとして、47人の死刑執行を発表。この中に、サウジ王室を批判し、サウジ国内のシーア派に強い影響力を持っていた法学者のニムル師が含まれていた。これにイランが反発し、在イランのサウジ大使館前で2日から3日未明にかけ、抗議デモの一部が暴徒化し、大使館の敷地内に侵入して火を放つなどした。