日中のバンドン会議

習近平国家主席 
安倍首相演説の直前に席を立つ 
 
スピーチを聞きたくなかったか  
安倍首相の戦後70年談話の前哨戦


 
アジア・アフリカ会議(バンドン会議)60周年記念首脳会議 4/22 
  安倍内閣総理大臣スピーチ
バンドン会議60年の集まりを実現された、ジョコ・ウィドド大統領閣下、ならびにインドネシアの皆様に、心から、お祝いを申し上げます。アジア・アフリカ諸国の一員として、この場に立つことを、私は、誇りに思います。  
共に生きる  
スカルノ大統領が語った、この言葉は、60年を経た今でも、バンドンの精神として、私たちが共有するものであります。古来、アジア・アフリカから、多くの思想や宗教が生まれ、世界へと伝播していった。多様性を認め合う、寛容の精神は、私たちが誇るべき共有財産であります。その精神の下、戦後、日本の国際社会への復帰を後押ししてくれたのも、アジア、アフリカの友人たちでありました。この場を借りて、心から、感謝します。60年前、そうした国々がこの地に集まり、強い結束を示したのも、歴史の必然であったかもしれません。先人たちは、「平和への願い」を共有していたからです。  
そして今、この地に再び集った私たちは、60年前より、はるかに多くの「リスク」を共有しています。強い者が、弱い者を力で振り回すことは、断じてあってはなりません。バンドンの先人たちの知恵は、法の支配が、大小に関係なく、国家の尊厳を守るということでした。卑劣なテロリズムが、世界へ蔓延しつつあります。テロリストたちに、世界のどこにも、安住の地を与えてはなりません。感染症や自然災害の前で、国境など意味を持ちません。気候変動は、脆弱な島国を消滅リスクに晒しています。どの国も、一国だけでは解決できない課題です。  
共に立ち向かう  
私たちは、今また、世界に向かって、強い結束を示さなければなりません。その中で、日本は、これからも、出来る限りの努力を惜しまないつもりです。 “侵略または侵略の脅威、武力行使によって、他国の領土保全や政治的独立を侵さない。” “国際紛争は平和的手段によって解決する。” バンドンで確認されたこの原則を、日本は、先の大戦の深い反省と共に、いかなる時でも守り抜く国であろう、と誓いました。そして、この原則の下に平和と繁栄を目指すアジア・アフリカ諸国の中にあって、その先頭に立ちたい、と決意したのです。60年前、インドの農家と共に汗を流し、農機具の使い方を伝え、スリランカの畜産者たちを悩ませる流行病と共に闘うことから、私たちはスタートしました。そして、アジアからアフリカへ。日本が誇るものづくりの現場の知恵や職業倫理を共有してきました。エチオピアでは、「カイゼン」のトレーニングプログラムにより、生産性が大幅に向上しています。1993年には、アフリカの首脳たちを日本に招き、互いの未来を語り合う、TICADをスタートしました。 暦はめぐり、世界の風景は一変しました。最もダイナミックで、最も成長の息吹にあふれる大地。それこそが、アジアであり、アフリカであります。アジア・アフリカはもはや、日本にとって「援助」の対象ではありません。「成長のパートナー」であります。来年のTICADは、初めて、躍動感あふれるアフリカの大地で開催する予定です。人材の育成も、インフラの整備も、すべては、未来への「投資」であります。   
共に豊かになる  
アジア・アフリカには、無限のフロンティアが広がっています。  
オープンで、ダイナミックな市場をつくりあげ、そのフロンティアを、子や孫にまで、繁栄を約束する大地へと変えていかねばなりません。TPP、RCEP、FTAAPは、更にアフリカに向かって進んでいく。私は、そう考えます。成長をけん引するのは、人材です。それぞれの国の多様性を活かすことは、むしろ力強いエンジンとなるはずです。日本は、女性のエンパワメントを応援します。手と手をとりあって、アジアやアフリカの意欲あふれる若者たちを、産業発展を担う人材へと育てていきます。アジア・アフリカの成長を、一過性のものに終わらせることなく、永続的なものにしていく。その決意のもとに、日本は、これらの分野で、今後5年で35万人を対象に、技能の向上、知識習得のお手伝いをする考えです。  
私たちの国々は、政治体制も、経済発展レベルも、文化や社会の有り様も、多様です。しかし、60年前、スカルノ大統領は、各国の代表団に、こう呼び掛けました。私たちが結束している限り、多様性はなんらの障害にもならないはずだ、と。私たちが共有している様々なリスクを再確認すれば、多様性のもとでも、結束することなど簡単でしょう。直面する様々な課題を解決するために、私たち、アジア人、アフリカ人は、結束しなければなりません。  
この素晴らしい多様性を大切にしながら、私たちの子や孫のために、共に、平和と繁栄を築き上げようではありませんか。 
ありがとうございました。
 

 
2015/4  
 
戦後70年談話から「おわび」や「侵略」の文章を削除へ! 
 首相が「もう一度書く必要はない」と明言!海外メディアからは批判も 4/22  
4月20日夜に出演したBS富士の番組で安倍晋三首相が今夏に発表する戦後70年談話について、「侵略」や「おわび」等の言葉を盛り込まない方針を明らかにしました。  
安倍首相は番組中で(村山富市首相談話などと)同じことなら談話を出す必要がない。引き継いでいくと言っている以上、これをもう一度書く必要はない」と述べ、過去の談話で書いてある以上は必要ないとの認識を示しています。  
中国や韓国からは安倍首相の認識に対して反発の声が相次いでおり、海外メディアも疑問の声を投げ掛けました。安倍首相の訪米が今月下旬に控えている事からワシントン・ポスト(WP)やニューヨーク・タイムズ(NYT)が、日本の歴史認識を指摘する記事を投稿しています。  
国内からも「侵略の削除は歴史修正と同じ」という声が多く見られ、安倍首相の発言は更に波紋を広げそうです。  
 
米国メディアが訪米を控えた安倍晋三首相に歴史を反省してわびるよう促した。  
米日刊紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は20日(現地時間)、「安倍首相と日本の歴史」という社説で「訪米の成功は安倍首相がどれほど正直に日本の戦争の歴史と向き合うかにかかっている」と明らかにした。  
同紙は「安倍首相は公には戦争に対して反省を表わし、性的奴隷問題を含む日本の侵略行為に対する過去の謝罪を尊重すると述べているが、自身の発言に“曖昧な修飾語”を付け加えている」とし「これは安倍首相が謝罪問題を真剣にとらえておらず、さらに言えばこれを薄めようとしているのはないかと思わせる」と批判した。  
ワシントン・ポスト(WP)も同日、東京発記事で「安倍首相が来週行う米国議会演説で、旧日本軍慰安婦問題をはじめ過去の問題について通り一遍の言及にとどまるなら、この重要な時期に東アジアの緊張はより一層高まるだろう」と警告した。  
また、米国政治専門紙「PoliticusUSA」も、コラムを通じて「安倍首相は公には申し訳ないと述べている」とし「しかし、個人的に安倍には植民地女性を慰安婦(性奴隷)とするのは不都合な真実なはず」と指摘した。 
日中関係改善で一致、戦略的互恵推進…首脳会談 4/23  
安倍首相は22日夕(日本時間22日夜)、インドネシアのジャカルタで開かれたアジア・アフリカ会議(バンドン会議)の60周年記念首脳会議に合わせ、中国の習近平国家主席と約5か月ぶりに首脳会談を行い、日中関係の改善を図る方針で一致した。  
日中首脳会談は首脳会議の会場で約25分間行われ、両首脳は日中関係改善に向け、政府間対話や民間交流を進めることで一致した。中国主導で設立準備が進むアジアインフラ投資銀行(AIIB)や、歴史認識問題についても議論した。  
会談の冒頭、習主席は「最近、両国民の共同努力の下で、中日関係はある程度改善できた」と評価した。安倍首相も「昨年11月の首脳会談以降、日中関係が改善しつつあることを評価したい」と応じ、戦略的互恵関係を推進し、地域や世界の安定や繁栄に貢献していくことで一致した。  
習主席は「中国は(巨大経済圏構想の)『一帯一路』の建設とAIIBの創設を呼びかけており、国際社会から歓迎されている。AIIBでここまで各国の理解が得られたのは想定外だった。安倍首相も理解してくれると信じている」と続け、日本の参加を促した。  
首相は「アジアのインフラ(社会資本)需要が増大し、金融メカニズムの強化が必要だとの認識は共有する」と応じる一方、「ガバナンス(統治)などの問題があると聞いている。事務当局間で協議してもらい、報告を待ちたい」として、慎重姿勢を崩さなかった。  
歴史認識問題について、習主席は「歴史を直視してこそ相互理解が進む」とし、「9月(3日)の抗日戦争勝利記念日でも、今の日本を批判する気はない」と述べ、記念行事に招待した。  
これに対し、首相は「村山談話、小泉談話を含む歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継いでいく」と述べた。「先の大戦の深い反省の上に、平和国家として歩んできた姿勢は今後も不変だ」とも語り、理解を求めた。 
安倍首相演説“無視”の習氏、即座に「歴史」反論の首相 
 冷徹な現実、友好ムードはあくまで「演出」 4/23  
安倍晋三首相と中国の習近平国家主席による日中首脳会談は、昨年11月の前回とは打って変わって「和やかな雰囲気」(同行筋)で行われた。だが、歴史認識やアジアインフラ投資銀行(AIIB)などに関しては、意見の隔たりは大きいままだった。  
「せっかくの機会だから、中日関係の発展について安倍首相の見解を聞かせてほしい」  
22日夕、会談会場で首相を出迎えた習氏は、笑顔で首相と握手をした後、ソファに座ってこう切り出した。会談後も、会談内容を質問しようと習氏を追いかける50人近い記者団に笑顔で何度も手を振り、友好ムードを醸し出した。  
だが、歴史認識問題になると習氏は態度を一変。「歴史を正視する積極的なメッセージを出すことを望む」などと、何度も首相にくぎを刺すことを忘れなかった。これには首相も即座に反論し、緊張が走った。  
午前中のバンドン会議60周年記念首脳会議でも、こんな場面があった。  
「プライムミニスター、シンゾー・アベ」  
場内に首相の名前がアナウンスされ、演説が始まる直前のことだった。それまで各国首脳の演説に耳を傾けていた習氏が突然、席を立って会場を後にしてしまったのだ。その時の習氏の「無表情」ぶりは、昨年11月の首脳会談で見せた態度を彷(ほう)彿(ふつ)とさせた。  
中国側は首相の演説を、今夏に出す戦後70年談話の「原型」とみなし、注視していた。  
バンドン会議50周年の2005年の首脳会議では、当時の小泉純一郎首相が過去の「植民地支配」や「侵略」を謝罪した戦後50年の村山富市首相談話を踏襲する演説を行い、同年8月に出された小泉談話にも引き継がれた経緯がある。  
しかし、首相はこれまで「歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継ぐ」としながらも、戦後70年談話では、過去の首相談話の文言をそのまま踏襲することはしない考えを示してきた。  
首相の演説が、中国側にとって満足のいかない内容になることは、火を見るより明らかだった。それを黙って聞かされることは、メンツを重んじる習氏にとって耐えかねる屈辱だったとの見方もある。  
実際、首相の演説は「未来志向」の色合いが前面に出た。戦後日本が平和国家としてアジアやアフリカで果たしてきた貢献の実績をアピール。注目を集めた「侵略」という言葉は「バンドン10原則」を引用する形で触れたが、日本の行為としての文脈では使わなかった。  
代わりに首相は「バンドンの先人たちの知恵は、法の支配が大小に関係なく、国家の尊厳を守るということだった」と指摘。南シナ海などで力による現状変更を試みる中国を牽制(けんせい)したとみられる。  
首相はまた、アジア、アフリカに対する新たな人材育成支援策を表明した。AIIBを活用した「ハコモノ」開発を画策する中国との差を鮮明に打ち出した形だ。 
バンドン会議で安倍演説の直前に席を立った習近平の衝撃 4/23  
5か月振りに日中首脳会談が行われた事が大きく報じられ、日中関係の改善がみられたごとく報道されている。  
とんでもないウソだ。  
きょう4月23日の産経新聞が正直に、次のようなハプニングを紹介している。  
「・・・バンドン会議60周年記念首脳会議では、それ(日中首脳の溝の深さ)を象徴するこんな場面があった。『プライムミニスター、シンゾー・アベ』場内に安倍首相の名前がアナウンスされ、演説が始まる直前だった。それまで各国首脳の演説に耳を傾けていた習主席が突然席を立って会場を後にしてしまったのだ・・・」  
こんなことが起きていたのだ。  
国連総会の首脳演説を想起するまでもなく、およそ首脳が国際会議で演説を行う直前に席を立つことは、外交的にこれ以上ない非礼なことだ。いやあからさまな拒否のメッセージだ。  
それを習近平主席は各国の代表の前で行ったのだ。  
しかも、このような重要な出来事を日本のメディアは皆知っているはずなのに、この産経新聞のエピソード記事のほかに、一切報じられていない。  
これですべてが証明された。  
安倍外交とそれを報じる日本のメディアは、すべてでたらめだということだ。これでは日本国民は何もわからないはずだ。日本はいま、国民が何も知らされないまま、大変なことになっている。 
バンドン会議 日中は原点を忘れるな 4/23  
1955年4月のアジア・アフリカ会議(バンドン会議)開催60周年を記念する首脳会議がジャカルタで始まった。冷戦下の国際情勢に一石を投じ、非同盟運動に結びついた会議の原点を振り返り、現代的な意義を見いだすことにつなげたい。  
60年前の会議には植民地から独立したばかりの新興国を中心に29カ国・地域が参加した。人種、国家間の平等、国際紛争の平和的解決などを盛り込んだ10原則に合意し、その後の民族運動に大きな刺激を与えた。  
日本にとっては戦争の反省を踏まえてアジアに復帰する意味を持った。建国まもない中華人民共和国との初の公式接触も実現した。中国の周恩来(しゅう・おんらい)首相は国益の主張を抑えて会議をリードする役割を果たし、国際的評価を高めた。  
当時と比べ、日中はもちろん、インド、東南アジアなどアジア諸国は目覚ましい経済発展を遂げた。アフリカ諸国も潜在的な成長力に期待が高まっている。格段に存在感を高めたといえるだろう。  
ただ、命がけで地中海を渡るアフリカからの難民船に示されるように欧米先進国との格差はなお大きい。ホスト役のインドネシアのジョコ大統領は開会式で格差や貧困の解消に向けた改革の必要性を訴えた。  
地域の一層の繁栄に向け期待されているのは米国に次ぐ経済大国である日本、中国の役割だろう。  
安倍晋三首相は「先の大戦の深い反省」を表明し、バンドン会議で確認された「侵略によって他国の領土保全や政治的独立を侵さない」という原則を守って戦後を歩み、アジア、アフリカ諸国の発展の手助けをしてきたことを強調した。  
過去60年間に日本がこの地域に供与した政府開発援助(ODA)は総額3000億ドル(約36兆円)に達する。世界に誇れる実績だ。  
一方、中国の習近平国家主席は長期戦略に掲げる陸と海のシルクロード構想や中国主導で創設されるアジアインフラ投資銀行(AIIB)に言及した上で、途上国支援を強化する方針を表明した。中国が新たな役割を果たそうとすることは理解できるが、国益優先の援助になるのではないかという懸念も根強い。  
ただ、日中が角を突き合わせていては地域の平和、繁栄にはつながらない。昨秋に続く首脳会談で、両国が戦略的互恵関係に基づき、世界の安定と繁栄に貢献する必要性を確認したことは歓迎できる。  
中国や新興国には先進国主導の国際秩序への不満がある。戦後、アジアと欧米の橋渡し役を続けてきた日本には両者の対立を深めないという役割もある。難しい課題だが、その努力を怠ってはならない。 
安倍首相の演説、韓国が遺憾表明 「おわび」なしを批判 4/23  
ジャカルタで開かれているアジア・アフリカ会議(バンドン会議)60周年首脳会議。安倍晋三首相が22日に行った演説について、韓国は、戦後70年で過去の「おわび」に言及がなかった点を批判した。一方、東南アジア諸国に問題視する空気は薄かった。  
韓国外交省の当局者は22日、安倍氏の演説について「深い遺憾の意を表す」とコメント。安倍氏が村山談話など歴代内閣の談話や歴史認識を継承するとの立場を公言してきたにもかかわらず、「植民地支配と侵略」に対する謝罪と反省という「核心的な表現」を落としたと批判した。  
一方、会議に出席したマレーシアのチーク通信マルチメディア相は「(おわびがなかったことに)大きな意味は見いだしていない。日本による占領という暗い時代、残酷な時代を多くのアジア人は心のなかに覚えている。しかし、今は前進すべき時だ。貧困のない、正義ある社会をどうつくるか。協力し合う必要がある」と話した。  
ミャンマーのワナマウンルウィン外相は「アジアとアフリカの途上国と協力を深めていく姿勢が示されて、いい演説だった」と評価。「侵略」や「おわび」については、「特に我々が言うべきことはない」。  
カンボジアのホー・ナムホン外相も「(おわびなどの言及は)安倍首相が判断すること」、インドネシアの外務次官は「演説で触れられていない言葉についてコメントはない」と話し、主な関心は日本によるアジア・アフリカ地域への積極的な経済関与だとした。 
孤立化懸念する韓国 バンドン会議不在の朴槿恵大統領にも矛先か… 4/23  
インドネシア・ジャカルタで開かれたアジア・アフリカ会議(バンドン会議)での安倍晋三首相の演説と、中国の習近平国家主席との日中首脳会談を注目していた韓国で、“韓国の孤立化”を懸念する声が噴出している。メディアの中には「日本には韓国を孤立させようとの意図がある」との被害者意識をむき出しにした論調も飛び出した。  
23日付の韓国朝刊各紙は、安倍首相の演説と日中首脳会談を写真とともに1面で報じた。  
演説で安倍首相は「先の大戦への深い反省」を明言し、「侵略を否定するなどとしたバンドン10原則を日本は守り抜く国であろうと誓った」と強調した。  
しかし、中央日報は社説で「(演説は)大失望だ」と強調し、「安倍は歴史の時計の針を逆に戻す気か」と批判。東亜日報の社説も「侵略戦争を謝罪しない日本の安倍、世界の世論をてんびんにかけるのか」と不満を示した。  
特に朝鮮日報は、「日本の侵略という事実にだけ言及し、韓国と関連する『植民地支配』に関する文言は外した」と一方的に反発。さらに「演説内容には韓国を外交的に孤立させようという意図があるのでは、との見方が出ている」などと批判した。同紙は社説でも、「日中が5カ月ぶりにまた首脳会談を行ったのに、韓国は孤立を避ける戦略があるのか」と、日中に取り残される韓国の外交戦略を一方で問題視した。  
演説内容に韓国が注文をつけることは予想されていたが、それよりも韓国(メディア)が気になって仕方がないのは、日中首脳会談が円満に行われたことのようだ。  
昨年11月の中国での首脳会談では、習主席がぶぜんとした表情で安倍首相と握手する映像が各国に配信された。朝鮮日報など、いくつかのメディアは当時の写真と今回の写真を並べて掲載した。  
当然のことながら、安倍首相は、「韓国を孤立させる」ためにわざわざインドネシアに出向いて、演説したわけでも中国のトップとの会談に臨んだわけでもない。  
にもかかわらず、韓国メディアは「中国をなだめ、韓国にはそっぽを向く日本」(朝鮮日報)と日本批判に余念がない。  
とりわけ韓国メディアが衝撃を受け、“孤立”を感じているのは、中国側、つまり習主席の態度の変わりようだ。  
朝鮮日報は「習主席が日本を『盗賊』と呼んだことさえある」とまで記述。  
安倍首相の演説直後に首脳会談が行われたことを「中国は安倍首相の演説内容を受けいれたか容認したと解釈できる」との見方も示した。  
こうした「韓国孤立論」について、韓国外務省報道官は23日の定例会見で、こう否定してみせた。「韓国は韓日中首脳会談の早期開催のために努力している、日中関係が改善するなら、こうした韓国側の努力の助けになる」。  
同時に、日韓首脳会談の開催には「慰安婦問題解決と日本の正しい歴史認識が必要だ」との立場を繰り返した。  
日中首脳会談が行われた最中に、朴槿恵(パク・クネ)大統領がアジアから遠く離れた中南米を訪問していることにも世論の不満が見え隠れする。  
朝鮮日報は「外遊のたびに大事件に見舞われる朴大統領」との記事を掲載、報道官のセクハラ事件や駐韓米大使襲撃事件など、朴大統領が海外に出るたび、世界で大きな事件や論争が起きるジンクスがあると伝えた。 
中国ネット民「なぜ会うのか」「日本外交の勝利」 日中首脳笑顔で握手なのに… 4/24  
中国の習近平国家主席が豹変(ひょうへん)した。アジア・アフリカ会議(バンドン会議)で、安倍晋三首相は過去の首相談話にあった「植民地支配と侵略」や「心からのおわび」に触れない演説をしたのに、日中首脳会談を笑顔で受けたのだ。自国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への、日本の参加を熱望していることが背景にありそうだ。  
22日夕、ジャカルタのホテルで行われた首脳会談。安倍首相が近寄って右手を差し出すと、習氏は笑顔で握手に応じた。昨年11月の首脳会談では、習氏が氷のような表情で握手したことが話題となったが、険悪なムードは消えていた。  
会談では、習氏が「中日両国民の共同努力のもとで、ある程度中日関係は改善してきた」と語った。これに対し、安倍首相も「昨年11月の首脳会談以降、日中関係が改善しつつあると評価している」と応じた。約25分間、会談は「和やかな雰囲気」(同行筋)で行われたという。  
習氏は会談後、記者団に笑顔で手を振るなど、友好ムードを演出していたが、安倍首相が大きく譲歩したわけではない。  
安倍首相は外遊前、BSフジの番組で、戦後70年談話について「植民地支配と侵略」などの文言を盛り込まない考えを示した。バンドン会議の演説でも前出の文言を使用しなかっただけでなく、「侵略または侵略の脅威、武力行使によって、他国の領土保全や政治的独立を侵さない」と発言。事実上、南シナ海などで力による現状変更を試みる中国を牽制した。  
習氏が会談に応じたのは、米国とともにAIIB参加に慎重な日本を懐柔する狙いがあったようだ。日本の資金力に加え、歴代総裁を輩出しているアジア開発銀行(ADB)のノウハウが欲しいのだ。  
日本はこうした背景を把握していた。  
習氏は首脳会談で、AIIBを「すでに国際社会であまねく歓迎を得た」と語ったが、安倍首相は「ガバナンス(統治)の問題などについて問題提起している」と淡々と語った。  
中国国内では会談後、短文投稿サイト「微博」に「なぜ会うのか」「譲歩しなかった日本外交の勝利」などと、習政権への批判が相次いだ。 
バンドン会議の首相演説、進言で引用・英訳工夫 4/24  
インドネシア・ジャカルタで22日行われたアジア・アフリカ会議(バンドン会議)首脳会議での安倍首相の演説に先立ち、首相のブレーンのある学者は、首相に進言した。  
「1955年のバンドン会議の『平和10原則』には、帝国主義と植民地支配に言及した部分がある。これを引用したらどうか。『反省』を言うなら、英語訳で『deep remorse』と表現するのがいい」  
演説では結局、「帝国主義」や「植民地支配」という言葉を首相が嫌い、引用を見送ったが、10原則の別の部分に「侵略」の文言があることを見つけ、こちらを引用することにした。先の大戦での日本の侵略には言及せずに、「侵略」の文言を使って自省の心を表す手法は「偶然の産物」(首相周辺)だった。  
演説では、「深い反省」(deep remorse)も表明した。村山首相談話や小泉首相談話にも入っている。「内省」の意味に近い「reflection」と訳すことも検討したが、首相はブレーンの進言を選択した。  
「深い反省」首相演説、英語訳に細心の注意 4/24  
安倍首相はアジア・アフリカ会議(バンドン会議)首脳会議の演説で、英語訳に細心の注意を払った。  
中韓両国や一部の欧米メディアには、首相に「歴史修正主義者」といったレッテルを貼り、日本の威信低下を狙う向きがある。首相は、誤解を解くため海外への発信に力を入れていく考えだ。  
首相が演説で使った「深い反省」を、日本政府は「deep remorse」と英語訳にした。「remorse」は「自らの罪悪への深い後悔」「自責の念」といった意味で、謝罪を連想させる。西ドイツのコール首相(当時)が1989年9月、先の大戦勃発50年を踏まえて行った演説の英訳で、米ニューヨーク・タイムズが使ったことがある。この演説は海外で評価されている。  
首相は29日、日本の首相として初めて米上下両院合同会議で演説に臨む。演説は英語で行う予定だ。首相の英語のスピーチライターである谷口智彦・内閣官房参与は、今月上旬に訪米し、バンドン会議での演説や米議会演説について、米側の意向を探った。米側は、首相が「歴代内閣の歴史認識を全体として引き継ぐ」と説明していることを重視しているという。