原発凍土壁 太陽エネルギーにチャレンジ

降り注ぐ陽の光 太陽エネルギー 
地球地殻 地熱エネルギー 
人知の技に比べれば無限です 
 
原発汚染水の流出防止 凍土壁 
凍らせ続ける 熱収支の計算は成り立つのでしょうか 
北極近くの永久凍土域さえ 温暖化?で縮小傾向 
 
税金で お試し実験 お遊び実験


  
  
  
太陽エネルギー・地熱エネルギーにチャレンジできる  
熱収支の計算をした 科学者はどなた 
相変わらず 顔の見えない東電

  
太陽エネルギーを貰った地表からの熱と 地殻からの地熱の合算 
地表から5-6mまで 陽の光で温められ 
地下は地熱で温められます
  
地温・地熱で温められた地下水 その流量 
水温は10゜以上 地温・地熱の影響を受けている
  
海側では海水温度が 地温に熱供給 
原発沖合の海水温度は 年間を通じて10-20゜
  
汚染水の水温 その流量
  
  
  
  
常に地下土壌は 周囲環境から10゜以上の熱供給を受けます 
限られた冷却装置で-40゜凍結管を1m間隔に配置 
周辺を-4゜以下に  無限と言える熱供給へチャレンジできるのでしょうか
 2014  
●前代未聞「凍土遮水壁」の成算 2014/4/1
東京電力福島第一原子力発電所の汚染水対策工事のうち、とりわけ注目を集めるのが、凍結工法による巨大な遮水壁の建設だ。2013年秋から進めてきた実証実験が、大詰めを迎えている。
四つの原子炉建屋周辺を延長約1500m、深さ約30m、厚さ1〜2mの凍土壁でぐるりと取り囲み、建屋内への地下水の流入を抑制する──。東京電力福島第一原子力発電所の敷地内で、凍結工法による陸側遮水壁(凍土遮水壁)の建設に向けた試験施工が、3月から始まった。
試験施工が終われば2014年度上期にも本体工事に着手し、15年度上期内に凍土の造成を完了。建屋内の汚染水処理を終える20年度まで維持する。建設費319億円は国の予算で賄う。維持費は東京電力が負担する。工事は鹿島とグループ企業のケミカルグラウトが担う。
凍結工法は、都市部のシールドトンネル工事などにおける土留めや止水に活用されてきた。日本で手掛けているのは精研とケミカルグラウトの2社だけだ。凍土壁を造成するには、二重構造になっている鋼製の凍結管を約1m間隔で地盤に打ち込み、管の内部に冷凍機でマイナス30℃に冷やしたブライン(冷却液)を送り込んで循環させて、1カ月ほど掛けて周囲の地盤の間隙水を凍らせる。ブラインには塩化カルシウム水溶液を使うのが一般的だ。
凍結工法の国内での施工実績は588件。凍土の造成量が最も多かったのは、地下鉄の都営新宿線と東京メトロ半蔵門線のトンネル工事だ。日本橋川の直下を3万7700m3も凍らせて凍土ごと掘削する難工事で、1980年に竣工した。福島第一原発では、この時の造成量をはるかに超える約7万m3を見込んでいる。
なぜ、このように特殊な工法で遮水壁を設置することにしたのか。その理由をひも解くために、まずは汚染水問題の構図を振り返ろう。
敷地に降る雨が地下水の供給源に
福島第一原発の建屋の周辺では、敷地の西側(山側)から東側(海側)に向かって1日に800tの地下水が流れている。このうち400tが建屋に流入し、内部に滞留している高濃度の汚染水と混ざり合って、新たな汚染水と化している。
建屋に大量の地下水が流れ込むようになったのは、1〜4号機の周辺に57カ所ある「サブドレン」と呼ばれる井戸が津波で損傷して機能しなくなり、地下水位が上昇したからだ。事故前はサブドレンから1日に約850tもの水をくみ上げて水位を下げ、建屋に働く浮力を抑制していた。
政府の汚染水処理対策委員会で委員長を務める関西大学の大西有三特任教授は「建屋に流入する400tの地下水の多くは、雨水が起源だ」と説明する。敷地内の土壌に浸透した雨水が透水層である中粒砂岩層と互層部を流れ、建屋地下の貫通部や外周部などから流入しているとみられる。
建屋内の汚染水はポンプで移送し、処理しきれなかった分をタンクに貯蔵しているが、タンクの容量と貯蔵量は逼迫している。2月25日時点で貯蔵量約43万tに対して容量は約47万t。東京電力は15年度末までに容量を約80万tに増やす計画を立てているが、結局はいたちごっこにすぎない。建屋に流入する地下水自体を減らしていくのが本筋だ。
「遮水」と「くみ上げ」で汚染水の流入と流出を抑制
東京電力は当初、サブドレンを復旧させることなどで地下水位を下げようとしていた。しかし、仮に十分に機能しなければ、貯蔵計画が破綻する恐れがある。そこで、汚染水処理対策委員会が陸側遮水壁の建設をサブドレンの復旧などと並ぶ各種の対策の柱として位置付け、多額の国費を投入することが決まった。
シナリオどおりなら理想的な工法
陸側遮水壁の工法は、鹿島、大成建設、清水建設、安藤ハザマの4社がそれぞれ提案。粘土壁や砕石壁を退けて、鹿島の凍結工法が選ばれた。福島第一原発に特有の厳しい施工条件を、クリアできると考えられたからだ。
例えば、建屋周辺の地下には配管用のトンネルなど様々な埋設物がある。しかも、図面には残っていない物も存在する。資源エネルギー庁原子力発電所事故収束対応室の和仁一紘課長補佐は、「実は、試験施工の予定地でも、想定していなかったU字溝が出てきた」と話す。凍結工法であれば、埋設物があっても連続した壁を構築しやすい。
大型の重機を持ち込む必要がないのも強みだ。凍結管を地表から鉛直に施工する際には、小型のボーリングマシンでケーシングを建て込み、凍結管をつなぎながら差し込む。作業エリアが小さくて済むので、がれき撤去など他の作業との競合が少ない。囲う範囲も最小化できる。
設置後、陸側遮水壁の内側への地下水の流入はほとんどなくなり、地下水位は均一になる。その後、計画に合わせて建屋内の水位を低下させると、それに伴って遮水壁内の地下水位も低下する。
こうしたシナリオどおりに事が運べば、凍結工法による陸側遮水壁はまさに理想的な対策と言える。だが、実際の工事やその後の運用に当たっては、技術的な課題も少なくない。
流れが速いと凍らない
課題の一例は、地下水の流れが速過ぎて凍土が閉合しないリスクだ。流れが速いと、いくら地盤を冷やしても地下水が次々に熱を運んでくるので壁を形成できない。
鹿島が実施したモックアップ試験では、1日に10cmの速さだと問題なく凍土の壁を形成できたが、1日に70cmだと壁ができなかった。
福島第一原発の敷地では1日に10cm程度のスピードで地下水が流れているとみられており、一見すると問題なく凍りそうだ。しかし、凍土を造成していく過程で地下水の流れがせき止められて、凍土の上流側の地下水位が上昇すると、下流側との水位差が大きくなって流速が増す「ダムアップ現象」が生じる。地形の影響などで、局所的に流速が大きい箇所もある。
ブラインの温度を下げるほか、凍結管を追加したり、上流側に薬液を注入して流速を小さくしたりする対策があるので克服できそうだが、現場は建屋に近く放射線量が高いので、作業時間が限られる。対策を打つ箇所が増えるほど工程を圧迫する。
東京電力と鹿島は実証実験や解析をもとに流速が大きいとみられる箇所や埋設物を横断する箇所を先行して凍結させる方針だ。
効果が薄い場合の備えが不可欠
考えられる課題を事前につぶして工事に臨むことはもちろん、仮に失敗しても挽回できるように、次善策をそろえておくことも欠かせない。
汚染水対策を取り仕切る経済産業省の糟谷敏秀廃炉・汚染水特別対策監は「凍土遮水壁だけに頼らない」と話す。追加策として効果が期待できるのが敷地内のフェーシング(表面遮水)だ。地表に舗装や吹き付けを施し、土壌への雨水の浸透を防ぐ。約2km2の広い範囲で実施する方法や、範囲を約1km2に絞って周囲を遮水壁で囲う方法がある。
発電所の構内には配管などの様々な構造物が交錯していて施工が難しく、ちょっとした草地も見逃さずに、こまめに表層を削り取って遮水しなければならない。関西大学の大西特任教授は、「フェーシングは手軽に見えるが、非常に手間が掛かる作業でもある」と指摘する。実際に工事ができるか、労力に見合った効果を得られるか、現地の状況から見極める必要がある。
より多くの専門家の目で対策を検証することも欠かせない。土木学会は13年9月に立ち上げた汚染水問題を扱うタスクフォースを通じて東京電力などと情報交換を開始。メンバーが2月末に現地を視察した。委員長を務める長岡技術科学大学の丸山久一教授は「技術的な観点で設計や解析の妥当性をチェックしたり、対策がうまくいかない時の次善策を提示したりして、政府や東京電力を支援していく」と意気込む。
土木はどう関わった?汚染水処理対策委員会の大西委員長に聞く
──汚染水対策の方向性は、どのようにして決めたのか。
対策に国が乗り出すことになり、それまで東京電力が実施していた地下水流動の解析モデルを構築し直しました。この解析モデルでは、1〜4号機の建屋を中心とする限られた範囲を対象にしていた。様々な対策の効果を分析するには、建屋周辺だけでなく、敷地を流れる地下水の全体像をより確実につかむ必要があったのです。
実は、「これでは不十分だから、自分たちにやらせてほしい」と大使館を通じて申し入れてきた国があった。汚染水問題には世界が注目していますから、海外にも対策の根拠をきちんと説明できるようにしておかなければならないと考えました。
そこで、地下水や雨水の挙動を扱うサブグループを委員会に設け、解析モデルを構築し直したのです。地質構造を整理し、水文学的な観点から範囲を大幅に拡大した。東京電力のモデルでは評価できなかった南北方向の地下水の流れも考慮しています。サブグループでは、土木研究所などのメンバーが手弁当で約2カ月間、会合を毎週のように開いて議論してくれました。今後も新たなデータに基づく精度の向上は必要ですが、土木の知見を存分に生かし、根拠のあるものに仕上がりました。
──解析によって分かったことは。
透水層を流れて建屋内に流入している地下水の大部分が、敷地内の雨水の浸透によるものだと分かったことが大きい。当初は、阿武隈山地から流れてくる地下水の影響が大きいのではないかと推察していましたが、対策を打つうえであまり関係がないと考えられます。
従って、発電所の敷地境界付近に遮水壁を設置しても、地下水の流入抑制には効果が薄いでしょう。現時点では、建屋の周りを陸側遮水壁(凍土遮水壁)で囲む対策が効果的だと裏付けることができました。
解析では、敷地内の地表をフェーシング(表面遮水)して、その周囲を追加の遮水壁で囲うと流入抑制効果が高いことなども分かっています。
ただし、全域に施工するのは大変ですから、どの領域を対象とすれば最も効果が高いのかを現地調査を踏まえて検討しています。遮水壁を追加して建設する場合、陸側遮水壁に付け足すか、あるいは海側遮水壁に取り付けてより広い範囲を囲う方法も考えられます。 
 2016  
●東電「完全凍結は困難」 第一原発凍土遮水壁 規制委会合で見解 2016/7/20
東京電力は19日、福島第一原発の凍土遮水壁について、完全に凍結させることは難しいとの見解を明らかにした。同日、都内で開かれた原子力規制委員会の有識者会合で東電の担当者が示した。東電はこれまで、最終的に100%凍結させる「完全閉合」を目指すとしていた。方針転換とも取れる内容で、県や地元市町村が反発している。
会合で東電側は規制委側に凍土遮水壁の最終目標を問われ、「(地下水の流入量を)凍土壁で抑え込み、サブドレン(建屋周辺の井戸)でくみ上げながら流入水をコントロールする」と説明。その上で「完全に凍らせても地下水の流入を完全に止めるのは技術的に困難」「完全閉合は考えていない」と明言した。
これに対し、オブザーバーとして出席した県の高坂潔原子力総括専門員は「完全閉合を考えていないというのは正式な場で聞いたことがない。方針転換に感じる」と指摘。東電側は「(凍土壁を)100%閉じたいのに変わりはないが、目的は流入量を減らすこと」と強調した。
凍土壁は1〜4号機の周囲約1.5キロの地中を凍らせ、建屋への地下水の流入を抑え、汚染水の発生量を減らす計画。
東電は3月末に一部で凍結を始めたが、一部で地中の温度が下がらず追加工事を実施した。東電によると、第一原発海側の一日当たりの地下水くみ上げ量は6月が平均321トン。5月の352トンに比べ31トン減少したが、凍土壁の十分な効果は確認できていない。

東電が今年3月に特定原子力施設監視・評価検討会で公表した資料では凍土壁造成の最終の第3段階について「完全閉合する段階」と表記していた。経済産業省資源エネルギー庁も「凍土遮水壁は最終的には完全な凍結を目指す」(原子力発電所事故収束対応室)との認識だ。
規制委会合で東電が示した見解について、県の菅野信志原子力安全対策課長は「おそらく公の場では初めてではないか。汚染水の発生量を減らすという凍土遮水壁の目的を達成するため、当初の計画通り100%凍らせる努力が必要だ」と強調した。
福島第一原発が立地する双葉町の伊沢史朗町長も「公式の場で方針転換とも取られかねない発言を唐突にする東電の姿勢には、非常に違和感を感じる」と指摘した。双葉地方町村会長の馬場有浪江町長は「凍土壁で汚染水を完全に管理できるという説明だったはず。町民の帰還意欲にも影響しかねない問題だ」と批判した。
一方、東電は「地下水流入量抑制が目的で、100%閉合を確実に実施するわけではない。目的は変わっておらず方針転換ではない」(本店広報室)としている。 
 2016  
●凍土壁ギブアップ宣言 2016/7/25
とうとう。というか、やっぱりな...。東京電力は7月19日、原子力規制委員会の有識者会合で、今年3月31日に凍結が開始されていた福島第一原発の凍土遮水壁について、完全に凍結させることは難しいとの見解を示した。
凍土遮水壁とは、凍結管を打ち込んで地中を凍らせることで、原子炉建屋への地下水の流入を遮断しようとするもの。東電は凍結開始前の計画において、「遮水壁の閉合の進め方」として、段階を3段階に分け、最終段階である第3段階において、「完全閉合する段階」としていた。
つまりは、原子炉建屋の周囲を凍土遮水壁で完全にブロックし、地下水流入を止める計画だったはずだ。しかし、5月下旬には、凍結開始から1カ月半以上経過しても土壌の温度が下がりきらず、計測地点の約1割で凍っていないとみられることが判明した。東電は、特に温度が高い場所は今後も凍らない可能性が高いとして、原子力規制委員会に追加工事をする方針を伝え、凍りきらずに壁に穴が開いたようになっている部分を、セメントを流し込むなどしてふさぐ追加工事を行っていた。
このような泥縄の手立ての中で、7月19日の会合で、規制委員会に凍土遮水壁について問われた東電は、「100%凍らせる、100%水が通らない状況を作れるかというと、技術的にそんなことを考えているわけではなくて、我々は凍土壁を作ることで流入量の抑制を目的にしています」、「完全に閉合することは考えていない」と説明しだした。東電側の言い分としては、地下水の流入量を減らすという目的自体に変更はないということなのであろう。しかし、これでは、「当初完全閉合を目指していたが、思い通りに凍結が進展せず、追加工事の結果もおもわしくなくて、最終的に完全凍結を諦めざるを得なかった」と受け止められるのは当然だ。
そして私がかねてより指摘してきたことだが、凍土壁の遮水効果そのものにも、さらに疑問符がついている。もともと、建屋内には一日400トンもの地下水が流入していると見られていたが、東電によると、凍結開始後の第一原発海側の一日当たりの地下水くみ上げ量は、5月が352トンに対し、6月が平均321トンで、減ってはいるものの、凍土壁の十分な効果は確認できていない。原子力規制委員会の検討会も、凍土壁の効果がいまだ見られないとして、東電に高濃度汚染水処理のタンク保管などの別の対策の検討を要請している。規制委員会側も、凍土壁の効果はもやは信用していないと言って良いだろう。
私は凍土壁構想が始まった時点から、土木技術者の立場としてその実効性に疑問を持ち、国会質疑でも何回も取り上げてきた。地下水はとどまっておらず、流れている。凍土工法は、掘削時の土の崩落を防ぐための工法で、完全止水が目的ではない。このような凍土工法が、今回の地下水の汚染対策に使われようとしていることに対して、私は本当に大丈夫なのかと繰り返し政府に問いただしてきたのだ。さらに、凍土遮水壁が選ばれた理由の一つは、埋設物に物理的な変形や撤去等の措置を行う必要がなく、破損等で汚染水流出が発生しない施工方式だったことによるのだが、実際の工事では、凍結管を地中の埋設物に貫通させる貫通施工が採られた。このような施工が十分効果を上げたかは疑問である。結果として、当初からの私の指摘通り、凍土壁構想は失敗に終わりつつあるというのが現状だ。
凍土壁工事には、すでに350億円もの費用が費やされている。しかも今後凍土壁を維持するためには、電気代だけで年間20億円が必要との試算もある。汚染水問題は依然として緊急の国家的課題であり、費用対効果が小さく、実効性が乏しいと判断されれば、即座に対応策の方針転換を図るべき。規制委員会検討会において、外部専門家も、「完全に止水可能な既往技術によるコンクリート等連続遮水壁の計画を進めるべき」とコメントしてきた。
もう、ギブアップ。責任の所在を明らかにし、その上で在来工法にいち早く切り替えるしかない。そして、このような事態に陥った責任の所在は、東電のみならず、実施に踏み切った2013年当時の経産大臣にも当然ながらにあり、所管行政責任者として相当に重いと言わざるを得ない。  
 2016  
●福島第1原発「凍土壁」の失敗で東京五輪返上が現実味 2016/7/28
7月19日に開かれた原子力規制委員会の有識者会合で、東京電力が福島第1原発の汚染水対策の決め手となるはずだった「凍土壁」建設が失敗に終わったことを認めた。本来なら各紙1面トップで報じるべき重大ニュースだが、ほとんどが無視もしくは小さな扱いで、実は私も見落としていて、民進党の馬淵澄夫の25日付メルマガで知って慌てて調べ直したほどだ。
これがなぜ重大ニュースかというと、安倍晋三首相は13年9月に全世界に向かって「フクシマはアンダー・コントロール。東京の安全は私が保証する」と見えを切って五輪招致に成功した。これはもちろん大嘘で、山側から敷地内に1日400トンも流れ込む地下水の一部が原子炉建屋内に浸入して堆積した核燃料に触れるので、汚染水が増え続ける。
必死で汲み上げて林立するタンクにためようとしても間に合わず、一部は海に吐き出される。そうこうするうちにタンクからまた汚染水が漏れ始めるという、どうにもならないアウト・オブ・コントロール状態だった。それで、経産省が東電と鹿島に345億円の国費を投じてつくらせようとしたのが「凍土壁」で、建屋の周囲に1メートルおきに長さ30メートルのパイプ1568本を打ち込んで、その中で冷却液を循環させて地中の土を凍結させて壁にしようという構想だった。
しかしこの工法は、トンネル工事などで一時的に地下水を止めるために使われるもので、これほど大規模な、しかも廃炉までの何十年もの年月に耐えうる恒久的な施設としてはふさわしくないというのが多くの専門家の意見で、私は14年1月に出した小出裕章さんとの共著「アウト・オブ・コントロール」(花伝社)でこれを強く批判していた。馬淵もこの問題を何度も国会質問で取り上げて、別のやり方への転換を主張してきた。
凍土壁は6月にほぼ完成したが、汚染水がなかなか減らず、規制委は「壁になりきらず、隙間だらけで地下水が通り抜けているのでは」と疑問を突きつけた。慌てた東電は「凍土が形成されていないかもしれない箇所にセメントを流し込む」などの弥縫策をとったが、やはりダメで、19日の会合でついに「完全遮蔽は無理」と告白した。つまり、安倍の大嘘を後付けのにわか工事で隠蔽しようとした政府・東電のもくろみは失敗したということである。
これが国際的に知れ渡れば、リオのジカ熱どころではない、選手の参加取りやめが相次ぐに決まっている。東京五輪は返上するしかないのではないか。 
  

 
2014/8

春分秋分の太陽の南中高度 = 90°- 観測緯度 = A° 
冬至の南中高度 = A°- 23.4° 
夏至の南中高度 = A°+ 23.4° 
福島原発 北緯 37.4°    29.2 - 52.6 - 76.0° 
 
● 平成14年度 飛騨における地温・地熱の研究 / まとめ  
1 地温について  
飛騨の地温・地熱研究ということで、地表面から、地下1000m以上にわたって研究を行った。飛騨の地温は、基本的に地下深部ほど高く、その上昇率は平均的な地温勾配を示すことがわかった。しかし地表付近は、地下数mまで、地表面からの熱の流れの影響を強く受けていることがわかり、特にアスファルトや裸地では、その影響が大きいことがわかった。  
地下深くの地温の様子を探るため、猪臥山トンネルと野口トンネルで壁面温度観測を行ったが、すぱーふる温泉や、しぶきの湯のボーリングデータから得られた値との違いが大きく、十分な検証が行えなかった。  
しかし、安房トンネルでの観測では、興味ある結果が得られた。安房トンネルの壁面温度は、周囲の地質や地下水と調和的であることがわかった。また、地殻熱流量の測定から、十分とはいえないが熱流量を測定することができた。  
2 地熱の利用について  
地熱の利用ということで、ヒートパイプを用いて基礎的な実験を試みた。実験では、メタノール、エタノール、水、の沸点の異なる3つの作動流体を用いた。実験の結果、沸点のもっとも低いメタノールが、熱を効率よく長い距離運搬しやすいことがわかった。  
3 今後の課題  
地温・地熱について / 今回の研究は夏休みを中心に行ったため、地表面温度が高い状態での観測であった。地表面温度が低下する冬季には、地温はどのような分布になるのであろうか。様々な深度で、地温の年変化を研究してみたい。さらにトンネル内壁面温度ももっと多くの観測点で継続して研究していきたい。  
地熱の利用について / ヒートパイプの実験では、メタノール、エタノール、水の3つの作動流体を用いたが、もっと別の作動流体を用いて実験していきたい。また、作動流体の量の違いや、パイプの材質、加熱温度の違い等々、いろいろ試してみたい。さらに、これから冬季にかけて、実際に設置したヒートパイプの様子を観察していきたい。  
● 2007年3月9月の日本近海海水温度
  
● 福島第1の汚染水 「凍土壁」大丈夫なのか 2014/8/25
先行きにいっそう不透明感が増している。東京電力が進める福島第1原発の汚染水対策だ。電源ケーブルなどが通る地下道にたまった高濃度の汚染水の抜き取りに重点的に取り組んでいる。海に漏れ出すのを防ぐ目的である。 
その準備のため地下道と建屋との接続部分を凍らせ、水の流れを止める作業を続けていた。ところが完全に凍結させることができないという。 
東電は追加対策としてセメントや粘土といった止水材を投入したい考えだ。だが、どれだけ効果があるのかは見通せない。 
先週、原子力規制委員会の検討会で東電が止水材を使う方針を説明すると、委員からは厳しい意見が相次いだ。追加対策の実効性を疑問視したり、泥縄式に陥ることを心配したりする内容である。 
リスクを甘く見がちだったこれまでの東電の姿勢を思えば、こうした懸念は当然だろう。今回の凍結作業を見ても、場当たり的な対応を重ねている印象は変わらない。 
東電はことし4月、地下道と建屋の接続部分を凍らせる作業を始めた。しかし思うように進まず、7月には氷やドライアイスを投入した。それでも全体の9割しか凍結せず、さらなる手だてを迫られていた。 
規制委の検討会は、東電の追加対策を認めるかどうかの決定を9月の次回会合に持ち越した。止水材を使えば一時的に発熱する可能性もあり、悪影響を及ぼす恐れも否めないからだ。慎重な判断が求められよう。 
今のままでは、東電が汚染水対策の柱と位置付ける「凍土遮水壁」の整備も揺らぐ。計画では、1〜4号機の建屋を囲むように1500本余りの凍結管を縦に埋め込み、全長約1・5キロにわたる凍土壁を造る。 
この凍土壁と地下道は交差する箇所がある。こうした構造上、地下道と建屋の接続部分を凍らせて地下道内の汚染水を抜き取ることが、凍土壁設置の前提となっている。 
東電は6月、凍土壁のための凍結管の埋設工事を始め、来年3月末の完了を目指している。ただ今回の接続部分の作業が滞れば、凍土壁の工事にも大きな遅れが出かねない。 
さらに気になるのは、技術的に計画通り凍土壁を造れるのかということだ。原発事故への対応に限らず、これほど大規模に整備する例はない。同様の凍結管を使う接続部分の作業が難航していることを考えると、疑念は拭えないどころか、ますます膨らんでいるといえよう。 
汚染水対策については、政府も東電任せにせず、前面に立つ方針を示している。今月、事故の賠償に加え、廃炉や汚染水対策の支援を担う新組織「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」を発足させたばかりだ。しかし現状を踏まえれば、政府の関わり方は十分とはいえまい。 
政府は東電と連携し、凍土壁の整備を急がなければならないのはもちろんだ。事がうまく進まない場合の代替策も、今から考えておく必要があろう。 
原発事故から既に3年5カ月余りが過ぎた。汚染水問題にめどが立たない限り、事故の収束は全く見えてこない。政府と東電はリスクを最大限に見積もった上で、万全の手だてを尽くすことが不可欠である。 
●「反原発」元国会事故調委員の非常識 2014/8/21
3・11から4度目の暑い夏のいま、福島第1原子力発電所(1F)の事故原因に関して、専門家の結論は明らかだ。5月14日、政府、日本原子力学会の事故調査委員会(事故調)、日本機械学会などの代表者が参加した日本学術会議主催のシンポジウムで、元国会事故調委員の田中三彦氏を除く全員が、事故は地震による配管破断ではなく、津波によって引き起こされたと明言した。各報告書も、原子炉と主要配管はマグニチュード9の大地震に耐え、配管破断事故は起きていないと結論づけた。  
田中三彦氏だけは、1Fが大地震の衝撃に耐え抜いたという事実をいまだに認めたくないせいか、「権威ある国会事故調の報告書の結論を否定するのか」との主旨の発言をした。  
7月18日、原子力規制委員会の「第6回1F事故の分析に係る検討会」で中間報告書(案)が公表された。規制庁の職員による詳細な現地調査と電子記録の検証によって、地震で配管が破断したとの国会事故調の結論を否定する内容だった。  
いざこざはこの検討会から起きた。ここに出席した北海道大学教授、奈良林直氏に、激しい表現で任を辞するよう求める穏やかならざる文書が、7月23日付で田中氏らから突きつけられたのだ。  
右の文書は元国会事故調ワーキンググループTの共同議長の田中三彦、石橋克彦両氏、協力調査員の小倉志郎、伊東良徳両氏の連名で、原子力規制委員会の田中俊一委員長とこの事故分析検討会の外部専門家である奈良林氏に送りつけられた。写しが、衆議院原子力問題調査特別委員長の森英介氏と参議院原子力問題特別委員長の藤井基之氏、及び報道各社に送信された。  
奈良林氏といえば、1Fの事故の経緯を最も冷静かつ科学的に分析した一人である。当初、菅民主党政権はメルトダウンを否定し続けた。それをいち早く指摘したのが奈良林氏だった。その後も氏は、反原発か原発推進かという類の不毛なイデオロギーには左右されず、一貫して科学に基づく知見、分析を発表してきた。  
畳とバケツ  
田中氏はその奈良林氏を解任せよという。理由は、前述した検討会での氏の発言が問題だというのだ。田中氏は、奈良林発言は「国会の信託を受けて」「(福島原発)事故の直接的原因の調査に当たった『国会事故調・ワーキンググループT』の調査活動を著しく侮蔑」し、「調査結果を貶めるもの」で、「到底看過できるものではない」と書いている。  
問題とされた奈良林氏の発言は、「一部国会事故調の聞き取り調査で発言を強要するようなことが行われていたと聞いている。不正にも関係するので、こういった発言の正しさ、根拠、そういったものも明らかにしてもらいたい」というものだ。  
これでは部外者にはよくわからない。そこで田中氏が解説を加えている。奈良林氏が「福島第一原発1号機原子炉建屋4階の出水事象に関」して、「『畳のような形でジャっときた』という目撃者証言が、『不正に強要されたものである』と主張した」というのだ。だが、前述の奈良林発言をよく見れば、氏は事態の調査を求めているにすぎない。  
なぜこの発言が問題なのか。ここで論じられている事象は、大地震発生後ではあるが、津波はまだ押し寄せていない段階のものだ。畳のような幅広さで大量の水が溢れ出てきたという発言が真実なら、この時点で配管が破断されていたことを意味し、国会事故調の報告書の主張と合致する。「畳」発言が国会事故調の結論の根拠となっているのである。しかし、右の証言をした人物は、実はこう語っていた。  
「『バケツの水をひっくり返したようなもの』というのが私の感覚として一番近い。国会事故調の際に、先方から『例えば、畳のような大きさのものか』と言われたので、そのようなものかもしれないというような表現をした。国会事故調にはそう記載された」(1F事故の分析に係る検討会」第2回会合議事録20頁)  
畳の幅で水が流出したのか、それともバケツの水程度の少量だったのか。両者の違いは非常に大きい。配管が破断したのか、上の階のプールの水が揺れてダクトの中を流れ落ちてきたかの違いと言ってよい。証言者は「バケツの水」が正しいと言っている。つまり、国会事故調の報告書とは反対に、地震段階では原子炉は全く損傷を受けていなかったのだ。  
もし、配管が損傷を受け原子炉内の高温高圧の熱水が漏れていれば、辺り一面はもうもうたる湯気でおおわれ轟音が発生するが、そのような証言はない。実際は逆で、1号機では津波に襲われるまで非常用復水器が作動し続けて、原子炉の圧力を約15分で75気圧から46気圧まで下げ、その後70気圧まで戻している。配管破断があれば、このように運転員の操作によって圧力を下げたり上げたりできない。配管破断は起きていなかったのだ。  
専門家に発言撤回を求める  
奈良林発言に激しく反応し、氏の解任を要求した田中三彦氏は原発反対の立場に立つ。奈良林氏の疑問が徹底的に解明されれば、田中氏らが描いた国会事故調の、1号機はまず地震によって配管が破断された、日本の原発は危ない、というシナリオが突き崩されかねない。これは反原発派にとって到底受け入れ難いことだろう。それが、奈良林氏への激しい攻撃の理由ではないか。  
それにしてもおかしいのは、国会事故調の権威を前面に押し出す解任要求文書に、委員長の黒川清氏の名前も押印もないことだ。黒川氏は、田中氏らが奈良林氏を「外部専門家としての資質を完全に欠いている」と断罪し、解任を求めたことを、果たして承知しているのだろうか。  
さらに深刻なのは、事務局である原子力規制庁の行動だ。彼らは田中氏らの抗議に慌てふためき、奈良林氏に、「謝罪文を書いて発言を撤回し、それを公表するように」と要求した。  
「選りに選って原子力規制庁が私にこのような要請をすること自体、原子力規制委員会の独立性を脅かすもので受け入れられません。規制委員会の独立性は尊重、保証されなければなりません」と奈良林氏は憤る。  
国際社会において原子力規制機関を構成するのは文字どおり専門家である。最重要視されるのは科学的視点だ。反原発勢力に批判されて、専門家に発言撤回を求めるなどといった、日本の原子力規制庁の現状は改めるべきである。「規制庁は事業者のみならず、反対派の虜にもなってはいけない」との奈良林氏の指摘こそ正しい。  
最後に、国会事故調の調査資料は国会図書館にあるが、非公開だ。1Fの事故関連資料の全公開が再発防止の力となる。国会事故調の資料公開を急ぐべきだ。