集団的自衛権 二択三択 世論調査

世論調査の質問方法で結論が変わる 
 
二択質問 集団的自衛権否定 
三択質問 集団的自衛権容認 
 
世論調査はマスコミの立場アリバイ証明 補強の道具です


世界の政治情勢の変化への対応 
良いか悪いかを別にして 
厳しい枠組み条件のもとで 
私は集団的自衛権を容認したい
 
 
 
読売新聞の世論調査 集団的自衛権、解釈改憲派が多数?  
 米国が引き起こすクリミア紛争に日本も参戦!  
(3/17)  
憲法の解釈改憲や9条に関する読売新聞(2014年3月15日付報道)の世論調査によれば、次のような結果となっています。  
憲法を「改正する方がよい」42%(昨年3月 51%)  
「改正しない方がよい」 41%(昨年3月 31%)  
集団的自衛権 「憲法の解釈を変更して使えるようにする」 27%  
「憲法を改正して使えるようにする」22%  
行使容認派計49%  
「これまで通り使えなくてよい」43%  
戦争放棄などを定めた憲法9条 「解釈や運用で対応する」 43%  
「解釈や運用で対応するのは限界なので改正する」30%  
集団的自衛権を認めよというのが日本国民の多数ということなのでしょうか。  
かなり大雑把な報道なのか、そもそも大雑把な世論調査項目なのかはわかりませんが、ひとくくりに憲法を改正すべきかどうかなどは質問事項としての意味があるようにも思えません。  
さて、憲法9条について改正せよ(要は軍事力の保有を正面から認め、集団的自衛権の行使にも憲法の明文上の根拠を与えるということ)は、30%に過ぎないということでもあります。  
ここから見えることは、集団的自衛権について憲法改正によるのは反対であるが、解釈の変更によって可能とするのが多数であるかのような結果ということでしょうか。  
恐らく憲法まで変えて憲法9条を実質、廃止してしまうような改憲には不安を覚えるが、ただ解釈の変更ならば、まだ憲法9条はそのまま維持されているし、歯止めになるんじゃないかという漠然とした感覚ではないかと思われます。  
とにかく安倍政権は、集団的自衛権を解禁したい、それが国際化だ、米国との歩調を合わせることが国益だと宣伝し、他方で、中国軍機が尖閣の領空侵犯を繰り返しているような報道が繰り返し行われている中で国民の中にも漠然とした不安があるからと思われます。  
しかし、この世論調査には大きな矛盾があります。  
解釈の変更でできてしまうという前提の問題です。憲法学では、このような集団的自衛権を認めるような解釈改憲は不可能というのは常識です。従来の内閣法制局の常識でもありました。  
憲法は、このような国家の枠組みとして軍事行動に縛りを掛けているのですから、その縛りを取っ払う手段としては憲法の「改正」しかないわけです。あくまで憲法が国家の行動を縛るためのものである以上、解釈による変更で、国家の縛りを解くなどということが許されようはずもないのです。  
ところが読売新聞の世論調査では、その大事な点がすっぽりと抜け落ちてしまっています。  
この点の産経新聞(FNN)の世論調査は露骨でした。誘導・誤導満載の悪意に満ちた世論調査でした。  
「FNNの世論調査は誘導が露骨、これに乗せられることこそファシズムへの道」  
それと比べれば読売新聞の世論調査はまだかわいいとは言えますが、それでも大事な点を抜かしてしまったものである以上、問題のある質問方法と言わざるを得ません。  
なお、かかる世論調査は参考程度の意味しかありません。憲法改正にはもっと厳しい改正要件を定めているのですから、この程度の世論調査を元に解釈改憲を合理化することができないのは当然のことです。  
ところで、集団的自衛権を解禁した場合、どのような効果があるのでしょうか。  
今、話題に上っているクリミア半島を巡る問題で、仮に米ロの対立が軍事衝突に発展した場合には日本はどのような行動を取ることになるのか。  
集団的自衛権の行使ということから日本は米国側に立って対ロ戦争に参戦することになります。  
このような例で見てみれば集団的自衛権の行使の解禁がいかに愚かなものであるかがわかろうというものですが、前述したとおり、世論調査に答えた方々は、集団的自衛権の行使の理解が十分でなく、むしろ尖閣問題が念頭にあるのかもしれません。また前掲産経(FNN)の世論調査が悪質な誤導だったように日本の「防衛」にとって不可欠のものという大いなる誤解をしているのかもしれません。  
集団的自衛権の行使の解禁は、要は米ロの武力衝突が起きたときには日本は米国側に立ってロシアに対し参戦するということなのです。  
集団的自衛権の行使の解禁を支持する人たちには、このような理解があるのかが問われているわけです。  
えっ? 米ロが武力衝突するはずがないですって?  
そうですね、私もあり得ないと思います。その意味では米中の軍事衝突もあり得ないと思います。  
せいぜい米ロ間では相互の「経済制裁」であって、これだっていずれなし崩し的に「解除」されているでしょう。それは米ロ両国にとって経済的にはマイナスでしかないからです。  
米中間だって同じ。  
そもそも尖閣程度の島をめぐって米国が対中戦争を始めるわけがありません。  
全面戦争になるかもしれいない尖閣での武力衝突には米国にとって何の経済的価値もありませんから。  
そして、そもそも中国が尖閣に武力侵攻すること自体、あり得ない話です。今の時点で現状変更のリスクを抱えてまで経済にマイナスになることをするはずもなく(相互の「経済制裁」は結局のところ双方にとってマイナス)、要は中国による尖閣への武力進行は、仮想敵国を作って軍拡を進めたい政権側のプロパガンダなのです。  
日本の防衛のためでもない、米国と日本の財界の利益だけのための集団的自衛権の行使の解禁。日本国民にとって何も良いことはありません。政府のプロパガンダに騙されてはいけません。 
 
集団的自衛権 「限定的に容認」44%  
(4/20 毎日新聞)  
毎日新聞が19、20両日に実施した全国世論調査で、憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認について尋ねたところ、「限定的に認めるべきだ」と答えた人は44%だった。政府・自民党が行使容認に向けて想定している限定容認論が広がっていることがうかがえる。ただ「認めるべきではない」は38%で慎重意見も強い。「全面的に認めるべきだ」は12%にとどまった。  
限定容認論は、他国への武力攻撃が日本の安全に密接に関係していることなどを条件として限定的に行使を認める考え方。安倍晋三首相が言及したほか、自民党の高村正彦副総裁が「1959年の最高裁判決(砂川判決)に基づく必要最小限度の行使容認」が憲法解釈の変更で可能との考えを表明している。  
集団的自衛権の行使を巡っては、海外派兵などで武力行使の歯止めが利かなくなるのではないかという懸念がある。「限定的」と強調して世論の理解を得ることを目指す政権の手法が一定程度、奏功しているとみられる。  
自民、公明両党は集団的自衛権を巡る与党協議を始めており、公明の対応が焦点だ。「認めるべきではない」は自民支持層では約2割だったのに対し、公明支持層では3割強だった。  
憲法改正手続きを定め、投票年齢を改正法施行の4年後に18歳以上に引き下げる国民投票法改正案に関しては、18歳への引き下げに「賛成」は49%で、「反対」は44%だった。民法の成人年齢や公職選挙法の投票年齢が20歳以上の現状で、世論は二分されている。 
 
集団的自衛権「反対」49%賛成38% 原発再稼働反対も55%  
(4/20 日経新聞)  
日本経済新聞社の世論調査では、集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更に49%が反対し、賛成の38%を上回った。原子力発電を重要電源と位置 づけ、安全が確認された原発の再稼働を進めるとしたエネルギー基本計画への反対も5割を超えた。安倍政権が掲げる重要政策の浸透は道半ばといえ、懸念の払 拭に向けて丁寧な政権運営が求められそうだ。  
集団的自衛権は米国など同盟国が他国から攻撃を受けた際、日本が直接攻撃されていなくても反撃に加わる権利。現在の憲法解釈では行使を認めていないが、 安倍晋三首相は行使に向けて解釈を変更したい考え。野党にも賛成意見があるが、公明党は反対しており、世論は割れている。  
集団的自衛権の行使容認は、自民支持層に限れば賛成が56%で、反対の32%を上回った。一方、無党派層では反対が62%に上り、賛成は22%にとどまった。公明支持層も無党派層と同じような比率だ。性別でみると、男性は50%が賛成だが、女性は27%にとどまった。  
自民支持層と無党派層の間で、支持・不支持の傾向の違いはエネルギー政策でも目立つ。政府が11日の閣議で決めたエネルギー基本計画は、安全が確認され た原発を動かす方針を記し、原発の再稼働に一歩踏み出した。自民支持層は賛成が47%で反対の42%を上回った。無党派層では反対が65%を占めた。年齢 別では20〜30歳代のみ賛成が反対を上回り、40歳代以上と違いを見せた。  
政府が2015年10月に予定する消費税率の8%から10%への引き上げを巡っては反対の60%が賛成の32%をなお、大きく上回っている。無党派層に限ると、反対が67%を占めた。自民支持層では賛成が42%、反対が49%だった。  
首相は今年12月に消費税率の10%への引き上げを決断する方針だが、今後の景気回復なども絡み、難しい判断を迫られる。安全保障、エネルギーなど他の分野の重要政策に関しても、幅広い層に理解を得る必要がありそうだ。
 
集団的自衛権の行使容認「反対」が56%   
(4/22 朝日新聞)  
安倍政権が目指す「憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認」に対して、56%の人が「反対」していることが世論調査でわかった。22日、朝日新聞デジタルが世論調査の結果を報じた。 朝日新聞社が19、20日に実施した全国世論調査(電話)で、安倍晋三首相が目指す憲法の解釈変更による集団的自衛権の行使容認について尋ねたところ、「反対」は56%で、「賛成」の27%を上回った。今国会中に憲法解釈を「変える必要がある」は17%にとどまり、「その必要はない」の68%が圧倒した。  
集団的自衛権に関する質問と回答は、以下の通り。  
集団的自衛権についてうかがいます。集団的自衛権とは、アメリカのような同盟国が攻撃された時に、日本が攻撃されていなくても、日本への攻撃とみなして、一緒に戦う権利のことです。これまで政府は憲法上、集団的自衛権を使うことはできないと解釈してきました。憲法の解釈を変えて、集団的自衛権を使えるようにすることに、賛成ですか。反対ですか。  
 賛成 27 反対 56  
また、公明党に配慮するため、自民党の石破茂幹事長は2日、安倍首相に解釈変更の閣議決定を先送りして自衛隊法など個別法の改正で対応することを提案した。首相はこの案に難色を示したという。20日、朝日新聞デジタルが報じた。  
憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認について、自民党の石破茂幹事長が今月2日、公邸で安倍晋三首相と会談した際、解釈変更の閣議決定を先送りしたうえで、自衛隊法など個別法の改正で対応することを提案していたことがわかった。ただ、安倍首相はこの案に難色を示し、結論は出なかった。  
47NEWSによれば、全国50超の市町村議会が2013年9月以降、集団的自衛権の行使容認について反対の意見書を参院両院に提出していたという。地方の懸念も浮き彫りになっている。18日までに国会に意見書を提出した地方議会は、以下の通り。  
衆院に51、参院に52の市町村議会から届き、北海道、福岡県など17都道府県に及ぶ。別に3議会は慎重論議を要請した。行使容認を求める意見書は提出されていない。  
【反対】北海道芦別市、小樽市、士別市、奈井江町、仁木町、本別町、斜里町▽青森市▽岩手県二戸市▽福島県石川町▽茨城県取手市▽埼玉県鳩山町▽東京都小金井市▽神奈川県座間市、大和市、葉山町▽山梨県市川三郷町▽長野県佐久市、中野市、小布施町、富士見町、飯綱町、南木曽町、松川町、上松町、下諏訪町、飯島町、坂城町、木曽町、山ノ内町、長和町、高山村、泰阜村、木祖村、大桑村、山形村、野沢温泉村、筑北村、中川村、阿智村、豊丘村▽愛知県岩倉市、扶桑町▽滋賀県湖南市、守山市▽京都府向日市▽大阪府吹田市▽広島県庄原市▽高知県土佐市▽福岡県大牟田市、太宰府市、中間市  
【慎重論議】長野県松川村、生坂村▽愛知県大府市 
 
集団的自衛権  
(4/26.27 テレビ朝日)  
集団的自衛権  
日本は、憲法第9条で、他国から直接攻撃を受けた場合のみ、武力行使することができるとされています。あなたは、これを変えて、日本と密接な関係にある国が攻撃を受けて、協力を求められた場合も、集団的自衛権を使って、自衛隊を海外に派兵して武力行使できるようにする必要があると思いますか、思いませんか?  
 >>> 思う31% / 思わない50% / わからない、答えない19%  
安倍総理は、憲法を改正しないで、第9条の解釈を変えることで、海外での武力行使ができるようしようとしています。あなたは、憲法を改正せずに、解釈でできるようにすることを、支持しますか、支持しませんか?  
 >>> 支持する23% / 支持しない54% / わからない、答えない23 %  
TPP  
安倍内閣は、輸入を制限するために、関税を撤廃しないと公約してきた農産物5項目について、撤廃しないかわりに、関税を引き下げることで交渉を進めている模様です。あなたは、関税引き下げを支持しますか、支持しませんか?  
 >>> 支持する42% / 支持しない27% / わからない、答えない31%  
あなたは、農産物5項目に関わる関税の引き下げは、安倍内閣や自民党が約束してきた公約に反するものだと思いますか、思いませんか?  
 >>> 思う35% / 思わない30% / わからない、答えない35% 
 
集団的自衛権決裂なら「公明党と連立解消を」6割 行使容認に7割以上が賛意  
(4/29 産経新聞)  
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が26、27両日に実施した合同世論調査で、安倍晋三首相が目指す集団的自衛権の行使容認について「必要最小限度で使えるようにすべきだ」との回答が64・1%に上った。「全面的に使えるようにすべきだ」(7・3%)をあわせて、7割以上が行使容認に賛意を示している。  
憲法解釈の変更による行使容認を目指す自民党と、慎重な公明党の調整が「決裂」した場合の「連立解消」を支持する人は59・9%に達した。行使容認に前向きな日本維新の会、みんなの党の支持層の8割以上が支持しており、行使容認の議論が進めば、政権の枠組み変更を求める声が強まりかねない。  
集団的自衛権の行使に賛成した人のうち「憲法改正が望ましいが、当面、解釈変更で対応すればよい」が45・1%を占め、自民党の方針が一定の支持を受けているようだ。「憲法解釈の変更は認められず、必ず憲法の改正が必要だ」との回答は28・9%だった。  
憲法解釈で現在認められていない米国に向かう弾道ミサイルの迎撃は「賛成」が57・7%で多いが、「米艦防護」については反対が44・4%で多かった。 
 
集団的自衛権「否定」45% 北海道民世論調査 行使容認上回る 
(4/30 北海道新聞) 
5月3日の憲法記念日を前に、北海道新聞社は憲法に関する道民世論調査を行った。安倍晋三首相が憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使容認を目指していることについては「集団的自衛権の行使を認めない」が45%で、「行使できるようにする」の40%を上回った。憲法改正への賛否では改憲派が60%に対し、護憲派が39%だった。2004年以降の同様の世論調査はいずれも改憲派が7割台だったが、大きく減少した。憲法改正については「全面的に改めるべきだ」が8%、「一部を改めるべきだ」が52%。改憲派は昨年12月の前回調査より10ポイント減った。一方、「改正する必要はない」とする護憲派は前回より11ポイント増え、04年以降では最多。憲法9条の「陸海空軍その他の戦力は保持しない」という条文については「変更しなくてもよい」が51%で最多。「変更して、自衛隊を持つことを明記すべきだ」が35%、「変更して、軍隊を持つことを明記すべきだ」が10%だった。 
 
9条改憲、反対62%に増 解釈改憲も半数反対  
(4/30 東京新聞)  
来月三日の憲法記念日を前に本紙は二十五〜二十七日、全国の有権者約千五百人を対象に世論調査を実施した。戦争放棄や戦力を保持しないと定めた憲法九条について「変えない方がよい」が62%で、「変える方がよい」の24%を大きく上回った。集団的自衛権の行使容認に向け安倍晋三首相が意欲を示す九条の解釈改憲でも「反対」が半数の50%を占め、慎重な対応を求める民意が浮き彫りになった。「賛成」は34%にとどまった。  
本紙が参院選前の昨年六月に実施した前回調査では憲法九条を「変えない方がよい」は58%、「変える方がよい」は33%。今回は「変えない」が4ポイント増、「変える」が9ポイント減となった。  
解釈改憲をめぐっては五月の連休明けにも政府は自民、公明の両与党との本格的な協議を始める。ただ、最優先で取り組むべき政治課題について尋ねたところ「経済対策」の34%をトップに「社会保障改革」(21%)、「震災復興」(17%)などと続いた。「憲法9条の解釈見直し」は4%にとどまり、民意とのずれを示す結果になった。  
安倍首相は当初、憲法九六条を先行的に見直し、国会手続きを緩和するなどして九条の改憲につなげようとしたが、現在は国会手続きも経ない閣議決定による解釈改憲へと方針を転換。こうした首相の政治姿勢に対し「政治のルールを軽視した強引な対応」(35%)、「一貫性がなく信頼できない」(17%)との批判的な回答が半数を超えた。 
 
集団的自衛権、行使容認71%  
(5/12 読売新聞)  
政府が目指す集団的自衛権の行使に関して、「必要最小限の範囲で使えるようにすべきだ」とした「限定容認論」を支持する人は63%に上ることが、読売新聞社の全国世論調査で分かった。  
「全面的に使えるようにすべきだ」と答えた8%と合わせて計71%が行使を容認する考えを示した。行使容認論の国民への広がりが鮮明となり、近く本格化する集団的自衛権を巡る与党協議にも影響を与えそうだ。  
9〜11日に実施した世論調査では、限定容認論を選んだ人が前回調査(4月11〜13日)より4ポイント上昇した。一方、「使えるようにする必要はない」と答えた人は25%で、前回より2ポイント下がった。  
支持政党別にみると、限定容認論への支持は、自民支持層で7割を超えた。公明党は集団的自衛権の行使容認に慎重だが、限定容認論を選んだ同党支持層は7割近くに上り、党と支持者の間で考え方に隔たりがあった。民主支持層と無党派層でも、限定容認論はいずれも6割近くに上った。 
   
集団的自衛権、71%が容認  
(5/12)  
読売新聞社が2014年5月9日から11日にかけて行った世論調査によると、71%が集団的自衛権の行使を容認する考えを示した。大半が「限定容認論」を支持しているが、8%は全面的に容認する考えだ。  
設問の内容は  
「日本と密接な関係にある国が攻撃を受けたとき、日本への攻撃とみなして反撃する権利を『集団的自衛権』と言います。政府はこれまで、憲法上、この権利を使うことはできないとしていました。この集団的自衛権について、あなたの考えに最も近いものを、1つ選んで下さい」 というもの。「使えるようにする必要はない」という選択肢を選んだ人が25%にとどまったのに対して、「全面的に使えるようにすべきだ」が8%、「必要最小限の範囲で使えるようにすべきだ」は63%にのぼった。  
一方、朝日新聞社が4月19〜20日に行った世論調査では、容認に否定的な結果が出ている。  
「集団的自衛権についてうかがいます。集団的自衛権とは、アメリカのような同盟国が攻撃された時に、日本が攻撃されていなくても、日本への攻撃とみなして、一緒に戦う権利のことです。これまで政府は憲法上、集団的自衛権を使うことはできないと解釈してきました。憲法の解釈を変えて、集団的自衛権を使えるようにすることに、賛成ですか。反対ですか」  
という問いに対して、賛成は27%にとどまり、反対は56%にのぼった。 
 
世論調査で集団的自衛権の行使容認は過半数超え 
(5/13)  
大手紙で唯一、世論調査を先延ばしで様子見だった読売新聞であったが遂に1面トップで報じた。結果は、「集団的自衛権で71%が容認、「限定」容認なら63%」と産経新聞と遜色なかった。これによって、大手紙の集団的自衛権に関する世論調査は下記のようにまとめることができよう。  
読売新聞(5月9-11日)  全面賛成8% 限定賛成 63% 反対 25%  
朝日新聞(4月19-20日) 賛成 27% 反対 56%  
毎日新聞(4月19-20日) 全面賛成 12% 限定賛成 44% 反対 38%  
産経新聞(4月26-27日) 全面賛成7% 限定賛成 64% 反対 26%  
この結果で明確な事実は、4紙中3紙が集団的自衛権の行使で全面賛成と限定賛成を合わせれば過半数を占めて、朝日新聞だけ全面賛成も限定賛成の選択肢が無く賛否の二者択一なことである。つまり、朝日新聞だけ設問が一様で無く、結果に類似性が無く、統計の参考にならないのである。  
集団的自衛権行使に反対する左翼勢力は、設問が間違っている、選択肢が間違っている、憲法改正か閣議決定かを問わないことが間違っていると行使容認が過半数となった事実に目を向けない。  
憲法改正だろうが閣議決定だろうが方法論に関わらず、集団的自衛権の行使を限定容認すべきが過半数の支持を得ていることは、朝日新聞以外の大手3紙が共通する世論調査の結果なのである。  
このことは、読売新聞の設問と朝日新聞の設問を比較した下記の記事を見れば非常に理解できる。  
[J-CAST 5月12日]集団的自衛権、71%が容認 読売調査  
読売新聞社が2014年5月9日から11日にかけて行った世論調査によると、71%が集団的自衛権の行使を容認する考えを示した。大半が「限定容認論」を支持しているが、8%は全面的に容認する考えだ。  
設問の内容は「日本と密接な関係にある国が攻撃を受けたとき、日本への攻撃とみなして反撃する権利を『集団的自衛権』と言います。政府はこれまで、憲法上、この権利を使うことはできないとしていました。この集団的自衛権について、あなたの考えに最も近いものを、1つ選んで下さい」というもの。「使えるようにする必要はない」という選択肢を選んだ人が25%にとどまったのに対して、「全面的に使えるようにすべきだ」が8%、「必要最小限の範囲で使えるようにすべきだ」は63%にのぼった。  
一方、朝日新聞社が4月19〜20日に行った世論調査では、容認に否定的な結果が出ている。「集団的自衛権についてうかがいます。集団的自衛権とは、アメリカのような同盟国が攻撃された時に、日本が攻撃されていなくても、日本への攻撃とみなして、一緒に戦う権利のことです。これまで政府は憲法上、集団的自衛権を使うことはできないと解釈してきました。憲法の解釈を変えて、集団的自衛権を使えるようにすることに、賛成ですか。反対ですか」という問いに対して、賛成は27%にとどまり、反対は56%にのぼった。  
これを見れば、集団的自衛権の行使の説明については読売新聞も朝日新聞も遜色ない内容である。  
読売新聞 / 日本と密接な関係にある国が攻撃を受けたとき、日本への攻撃とみなして反撃する権利を『集団的自衛権』と言います。  
朝日新聞 / 集団的自衛権とは、アメリカのような同盟国が攻撃された時に、日本が攻撃されていなくても、日本への攻撃とみなして、一緒に戦う権利のことです。  
さらに、これまで政府は憲法上、集団的自衛権を使うことはできない説明も遜色ない内容である。  
読売新聞 / 政府はこれまで、憲法上、この権利を使うことはできないとしていました  
朝日新聞 / これまで政府は憲法上、集団的自衛権を使うことはできないと解釈してきました。  
唯一違うのは、集団的自衛権について回答する選択肢を与えたのか与えなかったのかだけである。  
読売新聞 / この集団的自衛権について、あなたの考えに最も近いものを、1つ選んで下さい。全面的に使えるようにすべきだ。必要最小限の範囲で使えるようにすべきだ。使えるようにする必要はない。  
朝日新聞 / 憲法の解釈を変えて、集団的自衛権を使えるようにすることに、賛成ですか。反対ですか  
なぜ、朝日新聞は集団的自衛権の行使で全面容認、限定容認、行使反対にしなかったのだろうか。なぜ、朝日新聞は賛成、反対以外に「どちらともいえない」の選択肢が無かったのだろうか。朝日新聞が、集団的自衛権の行使で全面容認、限定容認、行使反対の選択肢にしなかった理由は他3紙の如く全面容認と限定容認を合わせて過半数超えの結果となることを恐れたためである。  
このことは、読売新聞、毎日新聞、産経新聞の世論調査で過半数の結果を見れば明らかであろう。朝日新聞が、朝日新聞は集団的自衛権の行使で賛成、反対以外に「どちらともいえない」の選択肢を加えず二者択一だった理由は反対が過半数超えの結果にならないことを恐れたためである。  
このことは、NHKによる世論調査で集団的自衛権の行使についての結果を見れば明らかとなる。  
NHK安倍内閣「支持56%」「支持しない29%」  
NHKの設問は、朝日新聞と同様「憲法解釈を変更することで、集団的自衛権を行使できるようにすること」に「賛成」「反対」「どちらともいえない」の3つの選択肢を用意したのである。  
その結果は、「賛成」27%、「反対」30%、「どちらともいえない」36%だったのである。  
朝日新聞の、「賛成」27%、「反対」56%と見比べれば朝日新聞の何が問題か明らかである。  
つまり、朝日新聞の世論調査では集団的自衛権の行使容認に「賛成」を過半数超えを阻止するため、大手他紙と違えて解答欄から「全面容認」と「限定容認」の選択肢を削除したのである。朝日新聞の世論調査では集団的自衛権の行使容認に反対の回答を過半数超えを確実にするため、NHKと違えて解答欄から「どちらともいえない」の選択肢を削除したのである。その結果、朝日新聞だけ世論調査で集団的自衛権の行使容認に反対が過半数を突破したのである。
  
集団的自衛権:政府方針「方向性」に 公明・世論に配慮  
(5/13 毎日新聞) 
安倍晋三首相は集団的自衛権の行使容認に向け、政府の考え方を示す「基本的方向性」を15日に記者会見して発表する。「方向性」というあいまいな表現は公明党や世論の慎重論に配慮し、結論ではなく途中段階であることを強調するための苦肉の策だ。ただ、首相は根幹は譲らず、手順を踏んで行使容認に突き進んでいるのが実態だ。自民、公明両党は相互に不信感を抱えたまま20日に協議をスタートする。  
菅義偉官房長官は13日の記者会見で「首相から政府としての検討の進め方についての基本的方向性を示す予定だ。その上で与党とも相談の上で対応を検討する」と語った。  
政府は当初、首相の私的懇談会「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の報告書を受け取った後に「政府方針を出す」(4月9日の菅氏の記者会見)と説明していた。しかし、与党協議を始める前に政府方針を示してしまえば、「結論ありき」との批判が想定され、「基本的方向性」との位置づけに落ち着いた。  
15日に首相が記者会見する際にも、起こり得る事態に現在の法律では対処できない不備があることを指摘するにとどめ、集団的自衛権の行使容認に踏み切るかの最終判断は、与党協議の結論を待つとの姿勢を示すことになりそうだ。報告書の提出と首相の表明を同日にしたのも、検討範囲を絞り込む姿勢を明確にすることで、慎重論に配慮した手順だ。  
背景には、政府方針をめぐる水面下の接触ですでに公明党から反発が出ていることがある。政府高官や自民党の高村正彦副総裁らは、公明党実務者トップの北側一雄副代表と会談を重ね、首相の表明を「自公が深刻な対立に至らない範囲にとどめる」(自民党関係者)ように調整してきた。首相は13日の自民党町村派のパーティーで「連立関係は揺るぎない」と強調した。  
ただ、首相は「長年、目指してきた集団的自衛権の行使容認をぶれずに断行するつもりだ」(政府高官)とされる。表現などで配慮はしても、今秋の臨時国会前に行使容認のための政府方針を閣議決定し、臨時国会に自衛隊法改正案などを提出する構えは崩していない。  
公明党の山口那津男代表は13日の記者会見で、安倍政権の発足時の与党政策合意では景気回復などを優先課題としていたことに触れ、「政権合意に書いていないテーマに政治的エネルギーが行くことを国民は期待していない」と首相をけん制した。与党協議の行方はなお不透明だ。 
 
集団的自衛権の世論調査、各社で違い 選択肢数など影響  
(5/14 朝日新聞)  
安倍首相が目指す憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認は政治の最大の焦点になっている。それだけに、報道各社は電話による世論調査でこの問題について質問し、民意を探ろうとしているが、調査結果には大きな違いがあるようにみえる。世論調査の回答は、質問の順番や文章などに影響されることがあり、今回は選択肢の立て方や文言が異なっていることが大きそうだ。4月中旬の共同通信、日本経済新聞・テレビ東京、朝日新聞の調査は、集団的自衛権について説明した上で、憲法の解釈を変えて集団的自衛権を行使できるようにすることに「賛成」か「反対」か、二択で尋ねている。結果は多少異なるものの、いずれも「反対」が「賛成」を上回るという傾向は一致している。一方、毎日新聞、産経新聞・FNN、読売新聞の調査では選択肢は三つ。集団的自衛権の行使を必要最小限に限るとする、いわゆる「限定容認論」を選択肢に加えたのが特徴で、「全面的に使えるようにすべきだ」「必要最小限の範囲で使えるようにすべきだ」「使えるようにする必要はない」といった三択になっている。結果をみると、「全面」賛成派は1割前後にとどまるが、「限定」賛成派は最多の4〜6割。反対派は2〜4割だった。「全面」と「限定」を合わせると、賛成派は反対派を上回る。二択では反対派が多数なのに、三択になると賛成派が多数になるのはなぜか。 
 
集団的自衛権、反対50%=賛成37%  
(5/16 時事通信)  
時事通信が9〜12日に実施した5月の世論調査で、安倍晋三首相が意欲を示す集団的自衛権の行使容認について、反対が50.1%に上り、賛成37.0%を上回った。賛成と答えた人のうち、「憲法解釈変更で認めてよい」は50.8%、「解釈変更ではなく、憲法改正すべきだ」は45.3%だった。首相が目指す憲法解釈変更による行使容認を支持する人は、全体では2割に届いていない計算になる。行使容認の賛否を支持政党別にみると、自民支持者は賛成58.8%、反対32.8%。公明支持者は賛成32.6%、反対54.3%。全体の約6割を占める無党派層では、賛成29.7%、反対55.4%だった。男女別では、男性は賛否が拮抗(きっこう)し、女性は反対54.3%、賛成26.3%だった。  
集団的自衛権は、自国と密接な関係にある他国が武力攻撃を受けた場合、自国が攻撃されていなくても、実力で阻止する権利。政府は憲法解釈で行使を禁じており、首相は15日、行使を可能にする解釈変更の検討を加速する方針を表明した。 
 
海外メディア、反応はまちまち 集団的自衛権の行使容認  
(5/16)  
日本の集団的自衛権の行使を容認する動きについて、海外メディアの反応はまちまちだった。中国と韓国では、日本が北東アジアの軍事的緊張を高めるとの指摘など日本に批判的な論調が目立った。欧米メディアからは行使の条件など細部でより議論が必要との指摘もあった。  
中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は16日の紙面で「安倍政権は日本を『戦争の道』へと向かわせている」との見出しを付け、安倍政権の動向を警戒すべきだと呼びかけた。記事では日本の学者を引用する形で「安倍晋三首相の真意は、日本帝国を再興させるところにある」との見方を伝えた。  
日本の国内世論では集団的自衛権の容認に反対する声が多いと指摘した上で、安倍政権が強引に意思決定を進めているとも分析した。  
韓国メディアは批判的な論調で大きく報じている。最大手紙の朝鮮日報は16日付朝刊で1面と2面を使い「(首相の)目標は平和憲法の無力化」などと報道。北東アジアの軍拡競争を触発しうると懸念を示した。  
通信社の聯合ニュースは15日に「いわゆる大東亜共栄圏を掲げて軍国主義の歩みに拍車をかけた当時と同じ国になるということだ」との論評を配信した。  
英フィナンシャル・タイムズは15日付の電子版で「安倍氏が軍事面での自由度を広げ、北京に対抗する地域の同盟を強化しようとしている印象が強まった」と指摘。「集団的自衛権を行使するうえで、自衛隊にどのような制約を加えるかは言及しなかった」とし、一層の議論を促した。  
ロイター通信は「戦後の日本の安全保障政策において歴史的な変化になる」と紹介した。仏AFP通信は日本の世論調査で解釈変更への反対が増えていることを紹介し「連立相手である公明党との分裂につながりかねない」との見方を示した。 
 
憲法解釈はどうやって変えられてきたか  
自民党の中で集団的自衛権の議論が始まった。その中には憲法解釈の変更という論点も含まれる。これまで憲法解釈はどうやって変えられてきたのだろうか。これまでに憲法解釈が変更されたと内閣法制局が認めているケースがひとつある。憲法第66条第2項に規定する「文民」と自衛隊との関係に関する見解だ。  
質問主意書に対する答弁書で内閣はこう述べている。  
 
『憲法の解釈・運用の変更』に当たり得るものを挙げれば、憲法第66条第2項に規定する『文民』と自衛官との関係に関する見解がある。  
すなわち、同項は、『内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない』と定めているが、ここにいう『文民』については、その言葉の意味からすれば『武人』に対する語であって、『国の武力組織に職業上の地位を有しない者』を指すものと解されるところ、自衛隊が警察予備隊の後身である保安隊を改めて設けられたものであり、それまで、警察予備隊及び保安隊は警察機能を担う組織であって国の武力組織には当たらず、その隊員は文民に当たると解してきたこと、現行憲法の下において認められる自衛隊は旧陸海軍の組織とは性格を異にすることなどから、当初は、自衛官は文民に当たると解してきた。  
その後、自衛隊制度がある程度定着した状況の下で、憲法で認められる範囲内にあるものとはいえ、自衛隊も国の武力組織である以上、自衛官がその地位を有したままで国務大臣になるというのは、国政がいわゆる武断政治に陥ることを防ぐという憲法の精神からみて、好ましくないのではないかとの考え方に立って、昭和40年に、自衛官は文民に当たらないという見解を示したものである。  
(内閣衆質159第114号 平成16年6月18日)  
  
その昭和40年5月31日の衆議院予算委員会をみてみよう。  
石橋政嗣委員 それから、この防衛庁長官の問題で一つただしておきたいと思うことがあるわけです。それは、防衛庁長官が文民であるということが一つシビリアンコントロールの柱として常にあげられるわけなんです。ところが、現在の日本国憲法は軍備放棄をいたしておりますから、軍事条項というのは全然ありません。だから、シビリアンコントロールについても憲法にその根拠を求めることは不可能なんであります。しいてあげる方がこの憲法六十六条の文民条項というのをあげるのですが、ここで問題になるのは、制服の諸君がこの文民条項に該当するかどうかということですよ。排除されるのかどうかということです。この点については政府の中でも妙な議論があるようでございますので、念を押しておきたいと思うのですけれども、将来内閣総理大臣の考え方によってはユニホームの諸君でも防衛庁長官になり得るのかということです。この点いかがお考えになりますか。  
佐藤栄作内閣総理大臣 これはたいへん大事な問題ですし、ことに法制局でいろいろ検討しておりますから、間違わないように長官から説明させます。  
高辻正巳政府委員(内閣法制局長官) 文民の解釈は、率直に申し上げまして、憲法制定当時から、政府のみならず学者の面におきましてもかなり問題になったところでございます。石橋先生御承知のとおりに、これは第九十回帝国議会で審議している際に、当時の貴族院でやっております場合に、アメリカのほうから、もっと詳しく言えば極東委員会でございますが、そこから要求がありまして、実は貴族院の段階で入った。当時、シビリアンでなければならないという、このシビリアンを何と訳すべきか、実はそのときから問題があったわけでございます。詳しいことは別としまして、さてそれでは解釈をどうするかということにつきましては、多くの学者は、旧職業軍人の経歴を有しない者というのがほとんど圧倒的な考え方でございます。政府のほうはどう言っておったかと申しますと、これも御承知のとおりに、旧職業軍人の経歴を有する者であって軍国主義的思想に深く染まっている者でない者、そういうようなふうに言っておりました。  
これにつきましては、憲法制定当時に実は国の中に武力組織というものがなかったわけで、これを意義あるものとしてつかまえようとしますれば、どうしてもそういう解釈にならざるを得なかった。そういう解釈から言いまして、いままで−−−いままでと申しますか、憲法制定当時からのそういう解釈の流れから申しまして、自衛官は文民なりという解釈にならざるを得なかったのであります。これは、憲法制定当時の日本における状況から申しまして、そう解することについていわれがあったと私は思いますけれども、さてしからば、いまひるがえって考えてみます場合に、「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。」という趣旨は、やはり国政が武断政治におちいることのないようにという趣旨がその規定の根源に流れていることはもう申すまでもないと思います。したがって、その後自衛隊というものができまして、これまた憲法上の制約はございますが、やはりそれもまた武力組織であるという以上は、やはり憲法の趣旨をより以上徹して、文民というものは武力組織の中に職業上の地位を占めておらない者というふうに解するほうが、これは憲法の趣旨に一そう適合するんじゃないかという考えが当然出てまいります。  
結論的に申しまして、いままでくどくどと申し上げましたが、文民の解釈についてのいままでの考え方というものは、これは憲法が制定されました当時からの諸種の状況で了解されると思いますが、これにはいわれがなかったわけではないと思いますけれども、平和に徹すると総理がよくおっしゃいますそういう精神は日本国憲法の精神そのものでございますが、そのことから考えました場合に、自衛官はやはり制服のままで国務大臣になるというのは、これは憲法の精神から言うと好ましくないんではないか。さらに徹して言えば、自衛官は文民にあらずと解すべきだというふうに考えるわけでございます。この点は、実は法制局の見解として、佐藤内閣になってからでございますが、その検討をいたしまして、防衛庁その他とも十分の打ち合わせを遂げまして、そういう解釈に徹すべきであろうというのがただいまの私どもの結論でございます。  
石橋委員 この条項一つとってみても、現行憲法というものが一切の軍備というものを否定しておるということが明らかなんですよ。だから、法制局長官がおっしゃるような解釈しか出てこないわけなんです。ただ、いまの解釈によりますと、従来の法制局の見解よりも一歩前進しておりますね。この点変わっております。というのは、この文民条項によって排除されるものは軍国的色彩の強い旧職業軍人に限る、いままでの法制局の見解はここでとどまっておった。ところが、いまの高辻さんの答弁によりますと、やはり憲法の精神から言って、自衛官がそのままで防衛庁長官になる、国務大臣になるということは、これは排除されるべきだ、こういう一歩進んだ見解を述べておられますので、これはやはり総理大臣の追認が必要だと思います。どうぞお願いします。  
佐藤内閣総理大臣 私も、法制局長官のただいま答弁したとおりだと、かように考えております。憲法解釈の変更は、この一点だけだというのは「内閣法制局」の解釈であるが、この時は内閣法制局長官が答弁し、総理がそれを追認するという形で行われた。ただし、憲法解釈はこれしかないというのは、内閣法制局の主張であるということには気を付けなければならない。 

 
2014/5