風穴を開ける Lifedoor

旧体制への挑戦 
風穴を開けられるか 
 
どちらの体制か判りやすい 
「公共性」などだれも信じていません 
フジテレビ ニッポン放送 取り巻き政治家 役人 
誰しも地位が定まれば居心地が良い 
 
ちょっと資金不足 分が悪い 
Livedoor がんばってください


  
体制を守る Lifedoor 
唯我独尊 
守りきれずに引退 
NHK会長 読売会長 コクド会長
The emergency exit is indicated  in green letters. 
life jacket ; life buoy ; lifeboat ; life-saver ; lifedoor ( Japanese English ?)
  
株主 
もともと株主などいなかった 
上場で格好をつけただけ 
手抜き経営のスキをつかれただけ
  
  
  
右往左往 
株屋 
外資 
おっさん旧体制 
ベンチャーのおもちゃ
  
時間外取引 
新株予約権
  
Life vs Live 
黒船程度の装いはほしい
  
IT・WEB時代のお絵かき 
夢想だにできないのに 
絵など書けるはずがありません
  
半歩先のIT・WEB 可能性を夢見ましょう
  
入り口出口 
いつの時代も 
時代の要請 その時々の市場が創造される 
参加する人退場する人 
うまく受け入れられれば 
繁栄が続く
  
決着は日本流 
手打ちかマネーゲーム 
やはり Lifedoor では面白くも楽しくもない
 
IT風味香りなし 
損得勝ち負けポーカーゲーム 
舞台背景は今風でも 中身に新味はありませんでした  
2005/
 
やっぱり 
舞台仕立てIT風 
規制隙間の掻い潜り マネーゲーム 
文化も糞もなし 
塀の向こうでダイエットでは寂しい
 
ちょっと景気回復 
ふんぞり返った社長を起こした効果を評価しましょう 
2006/

 


 
2005/2006/ /2013 
 
life 
生命、生命現象、命 / 寿命、耐用期間、有効期間、賞味期限、任期 / 人生、世間、世の中 / 生命あるもの、生きているもの / 生き方 / 人の一生、生涯、伝記 / 元気、活気/最もたいせつな人 / 食品の鮮度 / 実物、本物、特にヌードモデル / 神 / 被保険者 
live 
生きている、生きた / 生の、実況の / 弾丸などが装填されている、未使用の、電流が通じている、機械が動いている / 燃えている、活動している / 当面の、現在関心を集めている、未解決の / 現代的な、当世風の、抜け目のない、わくわくする、いかした / 生き生きとした、陽気な、活気のある / 色があざやかな、鮮明な / 弾力性のある / 使用中の、これから使用される

 

ライブドア事件  
ライブドア(現LDH)および当時子会社のライブドアマーケティング(現メディアイノベーション)の事業行為を巡る事件。  
ライブドアの2004年9月期年度の決算報告として提出された有価証券報告書に虚偽の内容を掲載したとする疑いが持たれるなど証券取引法等に違反したとされる2つの罪で、法人としてのライブドアとライブドアマーケティングおよび同社の当時の取締役らが起訴されている事件である。  
従来の粉飾決算事件は企業が経営破綻してから捜査されたのに対し、ライブドア事件は経営破綻していない会社が捜査された点が特徴である。また、ライブドアの約50億円の粉飾額は金額だけをみると過去の粉飾事件と比べて少ない方である。しかしながら、判決において成長仮装型と評される通り、前年比で見ると経常利益が-120%で赤字転落のところを+300%の大幅黒字増としており、過去の粉飾事件と比較しても大きな粉飾となる。また一方で、同時期に約1600億円の資本調達および代表取締役社長が約145億円の持株売却をおこなっており、粉飾金額が高額でなくとも犯行結果は大きいとされている。また、粉飾決算の原資が違法の疑いのある手段で発行した自己株式を使い、一般株主から集めた資金であることも特徴とされている。  
裁判は、堀江貴文に懲役2年6ヶ月、宮内亮治に懲役1年2ヶ月、岡本文人に懲役1年6ヶ月執行猶予3年、熊谷史人に懲役1年執行猶予3年、中村長也に懲役1年6ヶ月執行猶予3年、公認会計士2人に懲役1年執行猶予4年、ライブドアに罰金2億8千万円、ライブドアマーケティングに罰金4000万円と計7人と2法人に対して有罪が確定している。 
 経緯  
2005年  
ニッポン放送買収問題が決着した4月ごろ、東京地検特捜部にはライブドアに関する情報が企業関係者や一部マスコミからもたらされるようになった。ライブドアに恨みを持つ方面からのものもあったとみられているがその相対的総量はそうでない方面からのそれには及ばない。  
秋頃になるとライブドア社内には不穏な空気が流れていて、一部の幹部が好ましからざる人物と頻繁にEメールをやり取りしていたり、不本意な退職を迫られた幹部のなかには捜査本部に内情をばらすと告発を考える者がいたりしたという。  
『東京新聞』の司法記者クラブ詰めの記者は11月に、防衛施設庁談合事件の取材をしている時に東京地検特捜部がライブドアを捜査しているという情報をつかんだという。『東京新聞』の記者はライブドアや代表取締役社長の堀江貴文への取材は捜査を妨害することから、強制捜査の動きを見極めるまで一切せず、取りあえずライブドアに関する資料を集めることにしたという。  
フリージャーナリストの須田慎一郎は秋ごろに特捜部がライブドアに重大な関心を寄せているという情報をつかんでいたが、どのような要件で内偵を進めていたのかまではわからなかったという。実はそのころには元役員などライブドア関係者に対する事情聴取が始まっており、暮までには堀江の知るところとなっていたとされる。  
堀江は秋ごろにソニー買収計画を進めていたが、特捜部もライブドアに対する本格的な捜査を始めていた。証券取引等監視委員会に出向していた検事の斎藤隆博が特捜部に戻ると、斎藤の下に数人の専従チームができていた(特殊直告2班。斎藤は株に関する捜査が得意で、証券取引等監視委員会では検察出向者の指定席と化していたポストである特別調査管理官を務めていたという。  
東京地検特捜部は、12月6日に、マネーライフ買収計画を知る立場にいたライブドアマーケティング(旧バリュークリックジャパン)の代表取締役CFOだったKに電話で接触することに成功した。Kはバリュークリック買収後も代表取締役に就いていたが、ライブドアの社風に馴染めず、特捜部から電話を受ける1年前に退任していたという。Kは、強制捜査前は週2回、強制捜査後はほぼ連日のペースで、合計にして30-40回の取り調べを受けたという。Kの供述は特捜部の事件のシナリオ(スジ読み)を決定するのに重要な役割を果たした。  
12月上旬には元執行役員が堀江に「東京地検特捜部から事情聴取を受けた」と連絡を入れていて、堀江は即座に熊谷史人と宮内亮治に「一体なんのことだろう」と尋ねていた。  
特捜部は12月には証券取引等監視委員会にライブドアを捜査していることをつたえている。  
雑誌『AERA』記者で、ライブドア事件をとりあげたルポルタージュ『ヒルズ黙示録』の著者でもあり、堀江や村上世彰といったヒルズ族を取材してきた大鹿靖明は、2005年暮れ、後にソニー買収計画とわかった計画の噂について堀江に取材したが、堀江は二日酔いで、険悪な雰囲気のなかでの取材となり、堀江は宇宙ロケット開発の話ばかりしていたという。熊谷に質問したところ、堀江は毎晩のように飲酒をしていて本業に身がはいっていないということで、大鹿は「ライブドア大丈夫か?」というトーンの記事をかいたという。  
2006年  
1月16日に証券取引法違反の容疑により、六本木ヒルズ内の本社および堀江貴文の自宅・新宿の事業所などが東京地検による家宅捜査を受ける。翌17日はソニー買収のためのライブドアとリーマン・ブラザーズとのキック・オフ・ミーティングが予定されていたという。家宅捜索の翌日に宮内亮治が中国の大連から急遽帰国する。成田空港で記者団の取材を受けた際、マネーライフ買収での投資事業組合には違法性の認識はない、と投資事業組合にライブドアファイナンスが9割以上出資していたことをあっさり認め、一連の株取引に堀江は一切関与していないと答えた。  
1月18日-ライブドア元取締役でエイチ・エス証券副社長(当時)野口英昭が沖縄のカプセルホテルにて死亡(沖縄県警察は自殺と発表)。  
1月23日に証券取引法違反(偽計、風説の流布)の疑いで東京地検により堀江、財務担当の取締役宮内亮治、関連会社ライブドアマーケティング(現メディアイノベーション)の社長を兼ねる取締役岡本文人、金融子会社ライブドアファイナンスの社長中村長也4名が逮捕される。これを受けて翌24日に宮内の取締役辞任が発表された。取締役会が招集され堀江の代表取締役社長の代表権及び社長の異動が発表された。後任の代表取締役に取締役の熊谷史人が、執行役員社長として平松庚三執行役員上級副社長が就任。堀江、岡本は25日にライブドア取締役を辞任した。加えて2月22日、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで堀江ら3名を再逮捕し、熊谷を新たに逮捕した。これを受け、代表取締役の異動を発表し、山崎徳之取締役が代表取締役に就任した。この間、2月9日には株式会社ライブドアオート(現カーチス)とメディアエクスチェンジ株式会社がライブドアグループから離反を表明した。また、2月21日にはライブドア株主被害弁護団が、3月11日には「ライブドア被害者の会」が結成された。  
3月13日、証券取引等監視委員会は2004年9月期の連結決算を粉飾した疑いで堀江、宮内、熊谷、岡本、中村の5名と、法人としてのライブドアを証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で東京地検特捜部に告発した。告発を受け、東京証券取引所はライブドア株およびライブドアマーケティング株の上場廃止を2006年4月14日にくだすことを決定した。また、同日ライブドアでも記者会見をおこない、山崎・羽田寛・熊谷が取締役を退任することに決めた。同日ライブドアは取締役会を開催し、2006年6月中旬に臨時株主総会を開催することと、新任取締役候補の一部を決定した。新任取締役候補に選任されたのは平松、清水幸裕執行役員上級副社長、落合紀貴執行役員副社長である。さらに同13日、ライブドアは東京地方裁判所へ一時取締役の選任を申し立てた。東京地方裁判所は3月17日に腰塚和男弁護士を一時取締役として選任した。  
4月14日、ライブドア株式上場廃止。  
3月16日-株式会社フジテレビジョンが保有のライブドア株式を株式会社USENの宇野康秀社長に売却する旨を発表。ライブドアとUSENは共同の記者会見を開催し、包括的業務提携の締結を発表。  
5月29日-株式会社ライブドアオートが8月1日付で株式会社カーチスに商号を変更することを発表。  
6月14日-臨時株主総会が幕張メッセにて開催され、取締役選任等の全議案が賛成多数で可決された。ただ、この臨時株主総会は2万人規模の会場を用意していたにもかかわらず、参加者は1800人程度であった。この臨時株主総会終了後の臨時取締役会において平松と清水に代表権を与えることを決議された。  
9月4日、堀江の初公判が東京地方裁判所刑事第一部で開かれた。事件名は証券取引法違反。事件番号は平成18年特(わ)第498号等。  
2007年  
2月13日-日本郵政公社がライブドアの有価証券報告書等虚偽記載にともなう損害賠償請求訴訟を提起。  
3月16日-東京地裁が堀江に懲役2年6月(求刑懲役4年)の実刑判決を言い渡す。堀江は東京高裁に即日控訴した。  
3月22日-東京地裁は「捜査段階から実態解明に協力的だったが、社内でのその地位や役割の重要性から、堀江被告に準じて刑事責任は重い」として、宮内に懲役1年8か月(求刑懲役2年6か月)の実刑判決を言い渡す。同日には中村と岡本にそれぞれ懲役1年6か月、執行猶予3年の有罪判決を、熊谷に懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡す。  
3月23日-東京地裁は法人としてのライブドアに罰金2億8000万円の判決を言い渡す。平松は判決後の会見で控訴しないとした。  
2008年  
2月22日、東京高等裁判所にて堀江の控訴審初公判がおこなわれた。弁護側は「一審には重大な事実誤認があり、公判前整理手続きで絞り込んだ争点を無視して有罪判決を出したのは訴訟手続き上の法令違反だ」などと主張、一審判決を破棄し堀江を無罪とするよう求めた。3月28日、同高等裁判所にて堀江の控訴審第2回公判がおこなわれ、弁護側証人として出廷した堀江の元秘書は宮内らから不正をつたえられたとされた会議について、スケジュール表に記載がないことを理由に当日に会議の予定はなかったと証言した。次回公判で弁護側・検察側双方が弁論をおこない結審した。控訴審には被告人が出廷する義務がないため、堀江はいずれの公判にも出廷せず、高井康行弁護士は「判決公判にも来ません」として逆転無罪判決まで堀江が公の場に出ない方針をあきらかにした。  
7月25日-東京高等裁判所の長岡哲次裁判長は懲役2年6カ月とした一審・東京地裁の実刑判決を支持し、堀江の控訴を棄却した。量刑について堀江側は過去の粉飾決算事例に比べて粉飾額が少なく、有罪としても執行猶予が相当と訴えたが、判決は「粉飾金額が高額でなくとも犯行結果は大きい」としりぞけ、公判前整理手続きで争点にならなかった投資事業組合の脱法性を一審判決が認定しており、訴訟手続きに問題があるとの主張も判決は手続きに法令違反はないとした。堀江は最高裁に即日上告した。  
8月25日-1審・2審(控訴審)と続いた連続敗訴の責任と堀江との再協議の結果、「上告審は事件を色々な角度からもう一度検討し、弁護団も一新して検察側と争う方がよい」ということにより、主任弁護人だった高井弁護士以下の4人の弁護団全員が辞任した。後任の主任弁護人にはロス疑惑で三浦和義の弁護人を務めた弘中惇一郎弁護士と喜田村洋一弁護士らが就任した。  
2009年  
1月25日-宮内亮治が上告を取り下げ、懲役1年2ヶ月とした2審東京高裁判決が確定、収監された。宮内側は「判決内容には不満だが、早期の社会復帰を優先させたい」と上告を取り下げた理由を述べている。  
4月23日-堀江貴文が最高裁判所に上告趣意書を提出。上告趣意書では「会計基準上、あやまった取り扱いとの認識はなかった」、「当時は会計基準が確立されておらず、2008年7月に無罪が言い渡された長銀事件の最高裁判例に反する」、仮に有罪としても「わずか53億円の一期限りの粉飾で、ただちに実刑とするのはあまりに不公平で正義に反する」と主張している。堀江は記者会見で「無罪と分かってもらえる。じっくり検討してもらいたい」と最高裁の判断に期待を寄せ、「頭の中が整理されてきて堂々と反論できるようになった」と会見を開いた理由を説明した。刑事裁判が終結した後の計画については「金をがんがん稼ぐというビジネスは考えていない。夢に生きるんだということで宇宙開発とかをやっていきたい」と述べた。  
5月21日-証券取引法違反によって株価が暴落し損害を受けたとして、ライブドア株主の一部が同社や堀江ら旧経営陣に計約231億円の賠償を求めた民事訴訟で、東京地方裁判所の難波孝一裁判長は堀江らの不法行為責任を認めつつも、堀江の逮捕や上場廃止などが急速な株価下落に影響を与えたとして、損害額を一株200円として算定し、賠償額を大幅減額した計約76億円の支払いを命じる判決を言い渡した。原告は請求より大幅に減額された賠償額を不服として控訴を検討している。  
2011年  
4月26日-最高裁判所第3小法廷(田原睦夫裁判長)が堀江の上告を棄却、懲役2年6か月の実刑が確定した。決定は25日付で、5人の裁判官全員一致の結論であった。 
 検察 
検察が捜査を決意した理由  
東京地検特捜部が得意としてきた政界の汚職捜査は、自民党旧田中派の終焉や、利権がはびこる公共事業の縮小を受け、従来型の「巨悪政治家」の摘発という存在意義が揺らいできたといわれていて、2004年の日歯連闇献金事件での村岡兼造の起訴は攻めやすい人物を狙い撃ちしただけという批判があった。従来型の政界捜査が行き詰まりをみせるなか、当時の検事総長の松尾邦弘は、経済犯罪、金融・証券犯罪をより重視する姿勢を鮮明にしていた。経済・金融の規制緩和が進んだため、事前規制型社会から事後チェック型社会への移行にともない、社会において司法の果たす役割が大きくなっているというのが理由だったとされる。  
ライブドアの株式市場の私物化、政治や経済までを牛耳ろうとする同社や堀江貴文の姿勢に対する政財界の危機感が理由にあげられている。また、東京地検元特捜部長の大鶴基成の、「額に汗して働く人、リストラされ働けない人、違反すれば儲かると分かっていても法律を遵守している企業の人たちが憤慨するような事案を万難を排しても摘発したい」という発言にみられるような国民感情を代弁したかったということもあげられている。このため、ライブドア事件の捜査は規制緩和が進んだ新自由主義の行き過ぎを是正するための国策捜査だったのではないかという指摘もある。佐藤優は、国策捜査は「時代のけじめ」をつけるためにおこなわれると述べているが、実際、日本が銀行の不良債権問題に起因した長期不況にあえいでいたころ、堀江は規制緩和と過剰流動性という金余りを享受していた。しかし、竹中平蔵が金融担当大臣に就任してからは銀行の不良債権問題は解決に向かい、それにつれ景気は回復し、日本銀行は2006年3月9日、過剰流動性を生んだ量的緩和の解除を決めた。そのような時代の転換点に強制捜査がおこなわれたという。  
ライブドアに買収されそうになったフジテレビは調査チームを設置し、ライブドアの違法行為をみつけ出して検察に摘発を打診していたという説がある。特捜部も、ライブドアのニッポン放送株大量取得以降、堀江について具体的に内偵を始めていたといわれる。実際、特捜部の事情聴取を受けたあるライブドア幹部は検事から「フジテレビからおたくのデューディリジェンス(資産査定)の内容は聞いているのだぞ」といわれたという。フジテレビはライブドアからニッポン放送株を取り戻す際、大手監査法人を使って厳格な資産査定をおこなっている。  
ライブドア事件の捜査には証券取引等監視委員会に出向していた斎藤隆博の存在も大きかったといわれている。斉藤がいなかったらライブドアや村上ファンドを捜査することはできなかっただろうという声が検察内部には根強いという。 
 事件発覚と影響  
過熱報道  
須田慎一郎は、2006年1月10日過ぎに、知人から数日前にある全国紙の記者がマネーライフ社の件で取材に来たことを聞かされたという。強制捜査前から大手マスコミは特捜部が派手な動きを見せていることを察知していたということになる。  
特捜部はライブドアに察知されないよう金の流れを追うのに最も有効な銀行調査を周辺だけにとどめ、関係者への事情聴取も限定するなど内偵には慎重を期していた。特捜部長の大鶴基成はマスコミに事前報道されたらこれまでの努力が水の泡になると警戒していて、マスコミの動きを察知した大鶴は、15日夜、予定を前倒しして16日に強制捜査することを決断したという。  
2006年1月16日、東京地検特捜部が証券取引法違反容疑でライブドアおよび関連施設等の強制捜査に踏み切った。また、同社幹部などに対し事情聴取をおこなった。強制捜査を受け、翌日の株式市場ではライブドアおよび同社グループ各社の株式に売り注文が殺到し、ライブドアが翌日の17日に時価総額が1,500億円ほど目減りしたなどマスメディアに報道されることとなる。強制捜査以来、テレビでは特別番組が組まれ、連日、ワイドショーだけでなく、ニュース番組・情報番組など数ヵ月に渡って取り上げられない日はないといえるほどであった。また、新聞には朝・夕刊ともに一面に登場し、ほとんどの週刊誌などの書籍に登場した。  
フジテレビが報道特番を民放キー局で一番早く放送できたのは4日前に検察から強制捜査が知らされていたからだという説がある。検察はマスコミと緊密な連携をはかることによって世論に向かってみずからの主張を効率よくアピールすることに成功したといわれている。  
NHKはまだ家宅捜索の令状が出ていない1月16日16時に家宅捜索着手のニュース速報を打ったが、実は、捜索・押収に当たる検察事務官がスムーズに六本木ヒルズのビルに入れるよう森ビルと交渉するために派遣された検察事務官を、NHKは家宅捜索の着手と見間違えて速報を打ったという。  
マネーロンダリング、脱税、暴力団との関係といった報道が事実確認をしていない状態でおこなわれるなど報道は苛烈を極めた。また、「ライブドアは企業実態がない」、「虚業」、「なにをやっている会社かわからない」、「拝金主義者」などの誹謗中傷的で一方的な批判的言論も飛び交った。さらに、井上トシユキや宮崎哲弥などは、「オウム真理教事件と酷似している」、「光クラブ」と酷似しているといった説をとなえた。特に、『産経新聞』は、2006年1月23日の朝刊で、「ライブドア電子商店街から決算前に契約料徴収-利益計上後解約し返還」との見出しで虚偽の報道をしたり、2月14日の朝刊では「ライブドアの退職者数が既に数百人」と報道したりするなどと事実無根の報道をおこなった。『産経新聞』の報道は裏付ける事実もなく取材もまったくおこなわないで記事を掲載するなど報道機関としての常識が疑われており、数々の批判がある。なお、松本サリン事件で問題となった報道姿勢に対する反省がまったく活かされておらず、「関係者によると…」といった、発言・根拠・証拠・挙証・責任の所在を明確にしない報道が世間を席巻したとし批判があがった。また、関係者が警察・検察であることが推定された。これらが問題とされたのは、事実無根の情報がリークというかたちで、報道機関によりなんの検証もされないまま報道されたことと、事実を含む情報がごく一部でもリークされたところにある。意図的な情報リークで世論を形成しようとする警察・検察の方針にマスコミが便乗するという状況で、記者クラブ制度に対する問題がまったく解決できていないと日本のマスコミの閉鎖性を批判する意見がある。  
財界の反応  
当時、日本経団連会長の奥田碩はライブドアの経団連入会に関して、マスコミの質問に答えるなかで「ミスった」などの発言があった。フジテレビが提携解消をおこなう動きを取るなどライブドアに対する社会からの風当たりは強くなっていった。  
実は、財界はライブドアの仲間入りを歓迎していなかったという説がある。重厚長大産業が主流の経団連は時代遅れになるという危機感からライブドアを入会させようとしたに過ぎず、成長の原動力として利用してやろうという財界の目論見に反して金融テクニックを駆使して規模の拡大に邁進し、フジテレビの支配まで目論んだライブドアに財界は警戒感をつのらせていたとされる。  
一方で、経団連は1990年代後半から商法や旧証券取引法の改正(規制撤廃)を政府に要望しており、ライブドアが積極的に行っていた株式交換や株式分割といった手法は、経団連が株式分割の際の純資産規制撤廃を求め、改正商法に盛り込まれたことで容易になったという側面もある。  
株主 
ライブドアへの強制捜査を発端として、2005年7月以来急騰し、過熱気味であった株式相場に大きな混乱が発生し、ライブドアが上場されていた東証マザーズ市場だけではなく、東証および他の新興市場の株価にも大きな影響を与えた。この混乱は諸外国に大きく報道され、全世界の株式市場にまで影響が及んだ。これら一連の出来事をマスコミは「ライブドア・ショック」と名付けた。  
株価暴落は検察にとっても「想定外」で、ある検察幹部は市場への影響はある程度は想定していたがこれほどの状況になるとは思わなかったと漏らし、特捜部副部長の北島孝久もさすがに顔をこわばらせてショックを隠さなかったという。  
また、強制捜査着手後の株価下落によって損害を受けたと主張する株主1,000人あまりが集まり、2006年3月11日に「ライブドア被害者の会」を結成し、合計52億円の損失が発生したと主張した。  
キャッツ株価操縦事件で逮捕・起訴され無罪を主張している公認会計士の細野祐二は、ライブドアの株価が下がって株主が巨額の損失をこうむったのは特捜部が生きているライブドアに強制捜査に入ったからであり、株価下落の直接的加害者は特捜部だと主張している。同様の主張は控訴審において弁護側からもおこなわれたが、『堀江被告らが犯罪にかかる行為に出たから捜査が開始されたのであって、まさに1審判決の「本件発覚後、株価が急落し」のとおりといい得る』としてしりぞけられている。  
民事裁判の一つでは堀江貴文らの不法行為責任を認めつつも、堀江の逮捕や上場廃止などが急速な株価下落に影響を与えたとして、賠償額を推定損害額の一株585円から200円に大幅減額した1審判決が2009年5月21日に出たが、2011年11月30日の控訴審では、旧経営陣らの逮捕やフジテレビとの提携見直しの報道なども「虚偽記載によって生じた」として、賠償額を一株550円に大幅増額する判決が出た。また別の原告による民事裁判では2008年6月13日の1審で推定損害額の7割を賠償額として判決を出したが、2009年12月16日の民事裁判における初の高裁判決では1審がほかの下落要因として認めた、強制捜査や幹部の逮捕、ライブドア上場廃止の可能性、フジテレビとの提携解消などを「虚偽記載の発覚により通常起こりうる事態」と認定して、賠償額を減らす根拠にはならないとし、推定損害額からの減額は1割まで縮小した。そして2012年3月13日の最高裁判決でも「本件虚偽記載と相当因果関係があるというべきである。」として、推定損害額の9割が賠償額としてそのまま認められた。  
1審判決後の2007年3月18日に、堀江および主任弁護人の高井康行が出演したテレビ番組にて、「証券取引法違反ということで、被害者は基本的にはいない」(堀江)、「被害者という言葉の使い方がおかしい。米国には証券詐欺罪があるが日本にはない」(高井)と発言している。なお、この発言に対しては民事訴訟を起こしている弁護団より抗議声明が出されている。  
ライブドアの第三者割当増資を引き受けたフジテレビも損害賠償を提起したが、大鹿靖明は、フジテレビが増資を引き受ける際に1ヵ月も資産査定をしたのに、ライブドアの自社株還流スキームをみつけられなかったことに疑問を呈している。実際、フジテレビ会長の日枝久はそのことを問われたが、「法務、財務の専門家にきちんとみていただいた。専門家の皆さんの名誉を傷つけることはできない」とだけ語ったという。この訴訟は2009年1月22日にLDH側がフジテレビへ約310億円の賠償金を支払うかたちで和解が成立している。  
ライブドア子会社 
ライブドアが運営している各種サービスは事件後も通常業務を保ち、新サービスも追加しているものの、データセンター運営のメディアエクスチェンジや中古車販売のライブドアオート(現カーチス)がいち早くライブドアグループからの離脱の意向を表明した。  
ライブドアオートは、さらに、2006年3月30日にライブドアに対し損害賠償請求を求めることを表明した。同社は8月1日付けで商号を「株式会社カーチス」に変更した。その他、未上場の子会社数社も他企業に売却されるなどし、2007年になってからもグループ縮小の傾向が続いている。  
ライブドア関係者 
あるライブドア関係者は、マスコミがライブドアが脱税や資産隠しをしているのではないかと書き立て、こうして作られたイメージのせいでライブドアの従業員というだけで家を借りることもできなかったと述べている。  
政界 
2005年の第44回衆議院議員総選挙で堀江貴文が立候補した際、選挙の応援をした自民党幹事長・武部勤はその後、党内での影響力が低下したともいわれる。実は、大災害や戦争といった非常時に重大な役割を果たすテレビ局を脱法行為で支配しようとしたライブドアのやり方に小泉純一郎政権は不快感を抱いており、自民党内で堀江を担ぎ出すことに熱心だったのは武部だけだったといわれている。  
自殺した野口英昭は、元首相・安倍晋三の後援会である安晋会の理事だったといわれている。  
検察はライブドア事件の捜査を政界にまで拡大することには及び腰だったといわれている。  
大株主の異動  
2006年3月16日にフジテレビが持ち株すべてを1株あたり71円で株式会社USENの宇野康秀社長個人に売却する旨を発表すると同時に、USENとライブドアの業務提携が発表された。この提携にもとづき、両社による業務提携委員会が設立された。また、6月14日のライブドア臨時株主総会においてUSENの宇野康秀がライブドアの社外取締役に選任された。  
野口英昭の自殺 
堀江貴文は野口の自殺を知ったとき、「マジかよ」といったきり絶句してしまったといわれていて、それまで比較的オープンだった堀江のスケジュールは突然公表されなくなったという。  
須田慎一郎は沖縄での現地調査から、野口は誰かに脅されるかたちで自殺したのではないかと結論づけた。  
堀江と宮内亮治は野口が自殺したことを理解できなかったという。堀江は、心臓病の持病を理由に退社した野口はマスコミが報道するところの側近どころか逆臣に近かったと指摘している。堀江は、野口の自殺によって特捜部は宮内と中村長也の証言だけで自分を追い込むことができて助かったのではないかとも指摘している。 

 

堀江判決高井弁護人に聞く [ 2007/3/20 ] 
東京地裁は16日、ライブドア(LD)元社長の堀江貴文被告に、懲役2年6月を言い渡した。これまで証券取引法違反では執行猶予が付くことが多く、実刑判決は極めて異例なため、ネット上はもちろん、各メディアでは様々な評価が飛び交っている。この判決を当事者はどう受け止めたのか。東京地検特捜部時代はリクルート事件などを担当し、現在は堀江被告の主任弁護人を務める高井康行弁護士に聞いた。  
──今回の判決をどう評価していますか。  
基本的にこの裁判の核心部分は、主に宮内証言の信用性をどう評価するかにかかっていたのですが、今回の判決が宮内証言の信用性の判断を誤っていると言わざるを得ない。判決においても、検察官の捜査が厳正公平さを欠いていることは認められています。我々の解釈としては、事実上の司法取引が宮内さんたちと検察の間で行われたことを判決は断定はしていないけれども、暗黙の内にしていると認めざるを得ない。そこまで認めておきながら、結果的に宮内証言の信用性を認める。しかも、それによって実刑にする。そういうことは、極めて遺憾である。  
裁判所も、事実上の司法取引が宮内さんたちの証言に影響を与えている可能性は否定しきれないと考えていると思うけれども、宮内証言の信用性をいう時に、必ず「信用性のある熊谷証言と一致している」「信用性のある丸山証言と一致している」、あるいは「メールの記載と一致している」と、いちいち宮内証言以外の証言、物証をひいて、宮内証言の信用性を論じている。そうすると結局は、熊谷証言とか丸山証言と一致する範囲で宮内証言は信用性があると言っていると思うのだけれど、どの範囲で一致しているのかは判決文を見ていないので、正確なことは分からない。(取材時点では、裁判所から弁護側に判決文が渡されていない)  
問題は、何を根拠に熊谷証言とか丸山証言に信用性があると裁判所が判断したのかになるのだけれども、その点はまだ判決文を見ていないので、詳しいことは分からない。今後、詳しい判決文が出るだろうから、それを見て、今言った問題点を検討する。控訴審では主張すべきところは主張し、さらに立証を尽くすところは尽くしていく。  
実刑の理由として、LD株を売って140億円の資金が被告人の手元に入ったことを挙げているが、それは極めて不当だ。裁判所も、140億円を得るために本件犯行をしたと認定していないですね。検察官はそういうふうに主張したけれども、「その検察官の主張は認められない」とわざわざ否定しているわけですから。しかし、140億円が入っていることは確かなので、量刑の事情としては考慮すると言っているのだけれど、裁判所が認定しているようにたまたま入っているわけだから、それを理由にして実刑にするというのは、極めて失当だと思います。  
──判決において「無罪を主張しており、反省の情がない」と指摘していましたね。  
反省の情がないから実刑だというなら、法廷で誰も「事実が違う」と言えなくなってしまいます。たとえば痴漢で間違って起訴された場合、無実だと言って、通れば無実だになるけれども、通らなければ実刑になってしまうと思えば、リスクが大きすぎて、本来無実の人が無実の主張ができなくなってしまいますよね。そしたら、もう裁判でなくなりますよね、そんなの。そこが一番の問題と思いますよ。  
──もし逮捕されたら、やっていなくても罪を認めてしまったほうがいいというメッセージと受け取る人もいそうですね。  
そうですよね。そういうように受け止める人がいても、まったく不思議じゃないですよ。とにかく起訴されたら、(起訴事実が)真実かどうかは関係なく、認めなさいよというメッセージと受け止める人がいても、おかしくないですよね。  
(判決後の)記者会見の時、私は日本の刑事司法のためにも残念だと言ったんですけれど、それはそういう意味ですよ。判決を聞いて、“これは、実はやっていなくてもやったと認めたほうがいいんだな”と思う人がたぶん出てくるでしょう。それは日本の刑事司法が否定されることでしょう。  
──これまで、証券取引法違反の罪だけで起訴された場合は、実刑にはならず執行猶予が付く場合がほとんどです。その中で、今回実刑になった背景は何か考えられますか。バランスを欠いているように見えます。  
そうですが、裁判というのは「裁判体」の個性が反映するんですよ。たとえば三重県の名張(毒)ぶどう酒事件でも、「裁判体」は違いますが、同じ高裁でも、かたや再審決定し、かたや再審開始決定を否定しているわけですから。  
判決の内容がバランスを欠いているのは確かですが、なぜそうなったかについては分かりません。裁判官の考え方によるとしか言いようがないんじゃないですか。  
──金融自由化で、「護送船団方式」から「事後チェック型」へと金融統制システムが変わる中、国家の意思表示といいますか、時代が変わったことの象徴として、実刑にしたと見ることはできますか。  
基本的には、一つの起訴とか一つの裁判に大きな意味を認めることには慎重であるべきだ、というのが僕の立場です。本来裁判所は、自分の裁判によって“時代を変えてやろう”とか、“時代が変わったことを国民に知らしめてやろう”と思って裁判するというのは間違っていると思うんですよね。そういうふうに見るのも、間違っていると思うし、裁判所はそういうつもりでやっていないと思うんですよ。  
個々の裁判官が何を考えているか、それは分からないですよ。しかし、本来の裁判は、世の中を変えてやろうとか考えてやるべきものではないですよね。坦々と法律と証拠に基づいて粛々と判断していく。その結果が社会に受け入れられるものになろうが、社会から批判されるものになろうが、その他社会にどのような影響を与えるものになろうが、それは裁判官の判断とは関係ない、というものであるべきだし、そうあるはずなんですよ。裁判というものは。  
今回の裁判でも、裁判所は裁判所なりにそうやって判断したと思うんだけれども、その判断の中身が、証拠の採否がおかしいと僕は思っているわけですね。量刑理由の採用の仕方もおかしい。  
──公判の中で、検察の捜査の行き過ぎた点やずさんさなどを指摘しておられましたが。  
僕は検察が暴走していると思いますよ。検察が暴走した場合にストップをかけるのは、今の日本の制度では裁判所しかない。今回もその役割を裁判所に期待していたわけだけれども、期待に応えてくれなかった。裁判所がもし、検察の暴走にストップをかける能力がないとすると、日本の社会は非常に困ったことになりますね。その意味でも、僕は(会見で)今回の裁判は日本の刑事司法にとって残念だと言ったわけですね。真実を明らかにして処罰しなければいけない人を処罰するのも日本の刑事司法の機能だけれども、検察が暴走した時にストップをかけることも刑事司法の機能ですね。これは車の両輪ですから、どちらに偏ってもいけないと僕は思うんですね。  
──ライブドアに強制捜査が入ってから、検察からマスコミに情報がリークされ、その中には事実と違うものも含まれていたようです。  
従来のやり方では、検察サイドからリークした情報でマスコミがいろいろな記事を、憶測記事も含めて事実と違う記事を書いてしまって、裁判が始まる頃には社会的な風潮、雰囲気ができてしまっていることはよくあるわけですね。そういうことが是正されないと、裁判員制度がちゃんと機能するのか、一番心配になります。今のような状況は変えていかなければいけないと、痛切に思います。  
今回、私のほうからいろいろと取材に応じたのは、一つは公判前整理手続きが公開法廷で行われていないので、何が行われていて、争点がどのように詰められているのか国民の方々に知ってもらう必要があり、裁判の透明性のためにも必要だと考えたからです。もう一つはやはり、検察側リークだけの情報ではなくて、被告人サイドからも情報を発信して、検察寄りに傾いている社会的な風潮を少しでも中立的なものに戻そうと考えていたんだけれども、結局はあまり戻らなかったかな、と思いますね。  
本来、裁判というのは冷静な雰囲気の中で行われなければならないわけですね。公判が始まる前から、巨悪だという雰囲気が作り上げられている状態の中では、正しい裁判が行われないのではないかと強く心配しています。  
──このような弊害への対策はありますか。  
ないですね。こちらが教えてもらいたいですよ。どうすればいいんですか、と。今のままでは、とてもじゃないけどまともな裁判員裁判になりませんよ。 

 

堀江貴文氏独占インタビュー [ 2011/5/16 ] 
5月12日、都内某所。4月25日の最高裁による上告棄却判断を受け、およそ2年半の服役が決定した堀江氏。今回BLOGOS編集部では、収監まで残された僅かな時間を堀江氏に割いて頂き、緊急インタビューを行った。聞き手は、堀江氏についてもライブドア事件以前から積極的に発言を行なってきた池田信夫氏。収監を間近に控えている堀江氏に会うのは、ライブドア社長時代を知る我々にとって複雑なものがある。雨の中、緊張感を持って現場に向かったが、堀江氏は意外なほどリラックスした表情で池田氏の質問に答え始めた。日本という国が抱える様々な閉塞感や不透明な未来像。そして、刑期終了後に氏が描く新たな“プラン”までもが飛び出した。 
基本的に政策が行き当たりばったり  
池田信夫(以下、池田):東京電力の救済案が間もなく閣議決定されます(5月11日現在)東電には株主が93万人もいて、社債を5兆円も発行していて、大変な影響が出るから救済すると。国民負担で国が資金を立て替えて支援する形になります。そして、全体の約半分の金額を他の電力会社から負担金として集めるそうです。  
堀江(以下、堀江):つまり、国有化するという事ですよね。  
池田:そうです。準国有化ですよね。多くの経済学者が「日本航空だって会社更生法を適用された訳だし、東電もそうすべきだ」と指摘しています。  
堀江:それは、おかしいですよ。  
池田:これはある意味、堀江さんの事件と裏表になっています。  
東電のために、法律を作ってでも助けたい。でも、堀江さんのようにこれまでの秩序に反抗する人は、裁量の範囲内で最大限の罰を与える。浜岡原発の停止要請に関しても、同じような考え方でやっていますね。  
堀江:基本的に政策が行き当たりばったりですよね。
「みんなで貧しくなろうぜ」という”空気”  
堀江:結局「みんなで苦しみを我慢しよう」って感じなんでしょう。「みんなで貧しくなろうぜ」みたいな。  
保守系のおじいちゃん達って、だいたいそんな感じでしょう。「冷房も使うべきじゃないし、日本中は贅沢しすぎだ」、と。「家にテレビが4台もあるのはおかしい」、とか(笑)。  
僕は反論しますけど、こういう意見に反論しづらい”空気”がありますよね。それは僕が「スーツを着ていない」と指摘された時と同じ”空気”です。でも、みんなでクールビズを叫んだら、スーツを着る必要がなくなるんですよ。周りと同じ事を言っていたり、周りに反論しなければ、それでよしとする。  
Twitter上でも、おそらくそのような”空気”があって、それに反する人物は忌み嫌われてしまう。別に嫌う必要はないと思うんですよ、ただの意見なんだから。その人の人格まで否定する必要はない。突き抜けてしまえばどうって事ないんですけど、突き抜けられる人は滅多にいないから、意見が違ったとしても、黙ってそれに従っている。  
例えば、小学校の運動会で、炎天下の中ずっと姿勢を正して30分も整列させられる。でも、「そんな行為に何の意味があるのか?」と言えば、先生から鉄拳制裁をくらう訳ですよ。おかしいと思いながらも、おかしいと言えない雰囲気があった。誰もそれに対して声を挙げない。  
これが問題の本質で、小学校の時からそんな訓練を受けている。結果として、みんなで貧しくなることも我慢しちゃうと思いますよ。この国の人たちは。我慢できない人たちは、「これは流石に有り得ない」と思って逃げて行く。  
結果として、我慢できる人だけが残ってしまう。一時的に所得の水準が下がって、相対的に貧しい生活にもなるでしょう。
日本人が貧しくなったと痛感  
堀江:でも、日本にいると分からない。  
海外に行くと、日本人って貧しくなったと痛感しますよね。だって、シンガポールに行ったら、メチャクチャ活気があるじゃないですか。  
例えばセントーサ島に新しいカジノができたり、京都吉兆の料理長の徳岡邦夫さんプロデュースの『KunioTokuoka』というお店は、5万円のコース料理を普通に出している。  
新しいホテルがバンバン立って、シンガポールの市街地ではF1グランプリが毎年開されています。中国系の人たちが遊んでいて活気もあるし、すごく豊かなんですよ。  
でも、日本に帰ってきたら、カジノもないし、活気もない。しょぼくれている。みんな焼き肉に行って、200円のユッケを食ってる。終ってるよね、みたいな。  
みんなこの状況に気づいていない。例えば200円台の食事なんて、当然怪しい食材を使っている訳ですよ。でも、若者は給料が上がっていないから、そんなジャンクフードを食べて満足している。デフレの正体がそれですよ。ジャンク化はアメリカの貧困層のように、日本でも進んでいるんでしょう。  
アメリカと違うのは、あの国にはちゃんと富裕層もいるけれど、日本は富裕層を潰しにかかりますから。  
文化を作っていくのは富裕層なんです。彼らには潤沢な金があるから、散財もする。生活費+αしかない人が散財はできないでしょ。  
日本の地方もどんどん破壊されていて、国道沿いにはどこにでもあるコンビニであったり、ショッピングセンターばかり。みんなが一緒に貧しくなってるとでも言いますか。本質はその辺りにある。まさに『清貧』ですよ『清貧』。 
日本が疲弊しようが、知った事っちゃない  
池田:堀江さんの世代は、多少はバブルの残り香を知っていた訳でしょ?  
今の若い人たちって、良かった時代を知らなかったと思うんですよ。だから、みんなこの状況に慣れていて、こんなものだと思っている。慎ましくジャンクフードを食べて、生きて行ける可能性が高い。節約だってできてしまう。  
その代わり、日本経済の収縮も加速させるでしょう。残念ながらそれは避けられない気がします。  
堀江:ただ、下がってきたら、次は上がると思う。株価と一緒ですから、どこかのタイミングで。  
これは僕の中国で働いている友人から聞いた話なんですが、あと5年で北京市のホワイトカラーの平均年収が、青森県民の平均年収を抜くそうです。日本の地方と北京の年収が逆転する現象がやってくる。東京を逆転するのは時間がかかるでしょうが。  
グローバル化というのは平準化ですから、当然勢いのある所は平均年収が上がっていく。  
でも、これは昔に戻るということです。中国は歴史的に東アジアの覇者であって、日本は中国に富みに比べたら、ゴミみたいなものだった訳です。  
20年前、中国の沿岸部、そして内陸部へ生産拠点が移って行った。コスト高くなったから、東南アジアへ。ベトナム、タイがどんどん開発されて、その後はカンボジアやミャンマーに移って、それが今度はバングラデシュへ。  
当然、日本国内は産業がどんどん空洞化していって、その上に派遣社員も解雇できなくなってしまった。”工場を日本に作るのはバカバカしい”ってみんな思ってる。その上、東日本大震災が起こった。リスクは高いし給料も高い、社員をクビにもできない。企業も海外移転を進めるしかないですよ。  
これまではサプライチェーンの問題もあって、複数の部品を統合して、ひとつの製品ができていました。全てを一緒に移転しないと同じクオリティの製品が作れませんでした。でも、これをきっかけに全てを移転するという動きは、おそらく出て来ると思います。  
すると、ますます地方は疲弊して、年収も下がる。現在は最低賃金が設定されていますが、それをいつまで維持できるのか……。どんなシナリオで財政破綻するのか、誰も予測できない。でも破綻すれば、デフォルトした会社みたいなもので、コストが安くなるだろうし、また”日本って安いわりに、教育水準の高い労働力が使えるね。バングラデシュよりいいんじゃない”って話になるかもしれない。それが20年か、30年後か分からないけれど、また戻ってくるんじゃないかな。  
その間、ポートフォリオをどこに組んで行くのか、経済人としての僕はそれを考えればいい訳で、正直日本が疲弊しようが、知った事っちゃないんですよ。
提言をした所で、考え方は変らない  
池田:堀江さんがこのような境遇なったのも面白いタイミングです。おそらく今後2〜3年は日本経済は沈む一方でしょうし、中にいても外にいても、あまり変らない。  
堀江:ははは(笑)。そりゃ、そうかもしれませんね。  
池田:今後10年くらいは、このままゆっくり落ちつづけるんじゃないかな。  
堀江:我慢するんですよ。我慢してしまうんですよ、みんな。  
池田:日本人は、みんなでゆっくり辛抱するのは得意だからなぁ。誰かが抜け駆けすることもしないし。  
堀江:日本では革命が起きないからなんですよ。革命は亡命知識人が起すものです。その国の状況に心底嫌気がさした知識人達が海外で知識や力をつけて、支援を受けて革命を起すわけじゃないですか。孫文だって日本にいた訳ですよね。日本には亡命知識人ってほとんどいない。やっぱり出て行きにくいんでしょうね。  
日本は大化の改新以来、1,400年近く律令制というシステムを毎年アップデートし続けてきた。これまで革命のようなものもあったけれど、実際は市民革命ではなくて、官僚組織内での革命だった。  
明治維新だって革命と言えないかもしれない。司法にしても、西洋から法体系や裁判所のシステムを導入したけれど、江戸時代の”お白州”の上に制度が乗っているだけ。体裁は変ったけれど実際は何も変わっていない。  
司法の世界は明治維新も、戦後のGHQの占領政策すら乗り越えて今に至っている。それだけ長い歴史があると、歴史を守る事が凄く大事に思われて来るんです。天皇制が続く事を誇りに思ってみたり、とにかく長続きする会社が一番良い会社だと思い込んでいる。それって、なんか変だよねって。  
そんな状況がこれからも続いていくんじゃないでしょうか。自由度が高い人たちは、そんな日本人の気質を理解しながら適度に海外で過ごすと。海外で事業を展開するとか、日本に本社を置かずにね。法人税が高いから。  
提言をした所で、宗教みたいなもので、考え方は変らないと思うんですよ。「なぜこいつは分からないんだろう……」って向こうも思ってる。ヤメ検の人たちって、やっぱりそんな考え方なんです。  
とにかく慎ましく生きようと、エアコン切ってみんなで頑張ろうと。なんとか頑張って技術革新していこうって、考え方にはならないんですよ。
みんなマゾなんじゃないかな  
池田:堀江さんの事件を担当した、当時東京地検特捜部長の大鶴(基成)さんの有名な言葉があります。「額に汗して働く人、リストラされ働けない人、違反すれば儲かると分かっていても法律を遵守している企業の人たちが憤慨するような事案を、万難を排しても摘発したい」と。  
この言葉は多くの司法人の頭の中にあるのではないか。そのような価値観をずっと続けられるならばいいけれど、僕らは豊かになる事を前提としたシステムを作ってしまった。その中で役所の人だけが、みんなに辛抱しろと言ってもね……。  
例えば70年代、いわゆる省エネブームがあって、日本の電力消費は歴史上初めて下がったんです。でもその後、電力消費量は上がってしまった。実際は日本人でさえ不可能なんです。今年の夏場は原発がさらに止まった場合、東京でも冷房が止まるとか、停電する可能性がありますね。  
堀江:でも、我慢するでしょうね。  
池田:70年代は石油危機の時も我慢しました。そんな生活を我々は選択するのか。みんなが馴染むならば、それもありのような気もするけれど。現代の若い世代は貧しい生活しか知らないから、馴染めるのかもしれないなぁ。  
堀江:馴染めるんじゃないですか。窮屈な生活をしたいんじゃないですか?マゾなんじゃないかな。マゾである以外に説明がつかない。僕はこれまでずっと”満員電車になぜ乗るの?”って言い続けているけれど、全く解決しない。なぜだと思います?  
池田:日本人は横並びで見ているから、周りが辛抱していたら仕方がないって思ってしまう。なんとなく縮小均衡していく気がしますね。  
デフレ傾向も20年近く続いているけれど、デフレに慣れてしまう。そんな世界では、200円のユッケで満足できるんですよ。  
隣に自分よりも豊かな人がいると不幸だけれど、みんな同水準で貧しいとそんなに不幸だとは思わない。民主党政権が目指しているのは、そんな生活なんでしょう。  
堀江:そこに“未来”はないでしょう。  
池田:大きなライフスタイルの選択を迫られていると思いますよ。 
本当はみんな都会で豊かに暮らしたいんじゃない?  
堀江:人間はこれまで技術革新という選択肢をとり続けてきた。豊かになりたいから。  
例えば、昔は農作業が凄く大変だった。朝から晩まで働いてやっと米が取れるような生活から、耕耘機や田植機が出てきて農作業が相当ラクになった。ラクだから、みんな買ったけれど、逆に買わない選択肢もあるはずですよね。田植機みたいなものは、額に汗して働くことからしたら、忌むべきものじゃないですか。  
池田:江戸時代を説明する面白い言葉があって、速水融さんの”勤勉革命(IndustriousRevolution)”というもの。産業革命(IndustrialRevolution)では資本が増えて結果、作業の合理化によって生産性を上げました。ところが、江戸時代では逆の事が起こっています。狭い土地に人間を集約化して、その狭い用地で生産量を上げて行った。それが明治以降の時代も続いている。なぜなのか?  
ひとつは日本は土地が狭いことが挙げられます。土地は重要な資源で、しかも日本は平坦な土地が少ない。土地が非常に貴重な資源なので、そこに貴重な人材を集中して良い物を作るのが、日本独特のカルチャーを生み出したという説があります。日本の製造業も含めて、産業の在り方を”勤勉革命”という言葉が、かなり説明している気がする。  
堀江:それがどうして、現代では便利な物へと流れてきたんでしょう?  
池田:豊かな生活を一度経験すると、元に戻れないからでしょうね。それこそ18世紀のイギリスの産業革命以降の歴史もそれを説明しています。工業地が豊かだと、貧しい農地から農民が出て行く。その結果、人口は豊かな都市に移動する。  
堀江:田舎から東京に出てきて、また帰る人もいますよね?  
池田:戦後以降、地方から東京への移動は一般的でしたけれど、東京から地方への動きは1990年代以降にしか起こっていない。  
堀江:身近な例なんですけれど、最近、小学校時代の同級生に会ったんですよ。彼はニュージーランドに移住していて、僕とふたりで、小学校時代の変わり者トップ2なんですけど。ある同級生について、『今どうしてるの?』って聞いたら、『何年か前に実家に帰った時に偶然会ったけれど、暗くてさ……。声をかけられなかったよ……』って。  
その彼は明るくて、元気な小学生だったけれど、家族が保守的で地元から出ることを許さなかったらしい。地元で見合い結婚して、実家を継いで、農業をやっている。それに対して不満があったけれど、そこから出て行けない。勇気がない。本当はみんなやっぱり都会で豊かに暮らしたいんじゃないですかね。  
池田:高度成長期はそうだったと思いますよ。高度成長とは、明らかに田舎から都市に人口が移動することだと、要因としてはっきりしている。90年代を境に移動が止まると、成長率も下がってきた。つまり、やっぱり都会の豊かな生活に憧れることが、日本の成長を支えていたと思う。  
堀江:そうすると、人間の基本原理としては、豊かで贅沢したいと思っているという事ですよね。
ガラパゴス携帯みたいな国になるんじゃないか  
池田:最近NHKや朝日新聞が、”田舎のコミュニティは素晴らしくて、それが壊れて行くのはけしからん”と報道しています。  
僕から言わせると、田舎を捨てて、欝陶しい田舎から出て、自由な都会に出たいというエネルギーが、高度経済成長を支えていた。村に残った人から見ると、コミュニティが崩壊したと思うかもしれないけれど、都会に行かずに残っていたら、みんな食い詰めていたはずだしね。  
堀江:ならば、なぜ誰もが定住するんでしょうね。昔は定住していなかった訳じゃないですか。定住は農耕が始まってからですよね。今、ほとんどの人は農業に従事していないし、本当は定住する必要はないって事では?  
池田:人間の本能としては、狩猟行動に適していると言われています。ひとつの地域に密集して生きていくのは、生理的に合わない部分もあるでしょう。堀江さんみたいなタイプは、それに合わない(笑)。  
堀江:今はその考え方の人が多いはずですよ。これまでの人間って、前よりも豊かになろうと技術革新をしてきた訳じゃないですか。だから、その考え方が勝つ気がするんですよ。  
そういう生き物である以上、移動する思考様式になるようにできている。少なくとも僕はそうです。生活を豊かにする方法があるならば、『やればいいじゃない』って思う訳ですよ。  
池田:もうひとつ、僕は別の見方を持っていて。  
日本は残念ながらピークは過ぎてしまった。停滞する生活にどうやって順応するかも、ひとつの考え方です。イタリアってそうでしょう?  
あの国はローマ帝国期がピークで、次がルネサンス時代。その頃から数えても500年くらい経っています。でもイタリア人ってそんなに不幸そうな生活してないじゃないですか。レストランに行けば楽しそうに喋ってるし、食べ物も美味い。電話もつながりにくいけれど問題にもせずに、みんな気楽に生きている。  
それこそベルルスコーニ首相みたいな人物がトップになれる国です。お気楽な社会も、ひとつの解決策だと思うけれど、日本は”勤勉革命”の国だから、それが出来ないのかなぁ……。  
堀江:そっちには行かないでしょうね。やっぱり勤勉になってしまう。ガラパゴス的に変な進化を遂げるんじゃないですか、携帯電話みたいに。「なんだかよく分からないけれど、凄いエコだよね。でも、その工夫って意味があるの……」って。そんな事をやっちゃう気がする。  
池田:明治維新とか、終戦後のような強烈なインパクトがない限り、ゆっくり衰退していくしかない。  
堀江:それでも受け入れるんじゃないかな。僕は受け入れたくないんで。そんなのイヤですけれど。あとはプライドの問題だけですからね。僕は経済人だから、日本にこだわる必要もない。変に頑張って、また検察に目を付けられてもイヤだし。
出所後はノマドになります  
池田:出所後は、海外に移住するんですか。  
堀江:移住と言うか、定住する意味を感じない。ノマドになります。  
海外に定住するんじゃなくて、日本が良い季節には日本に住んで、海外が良い季節には海外にいて。たぶん寒い所にいると、脳血管障害で亡くなる確率が高まると思うんですよね。だから、冬場は暖かいところに行くんじゃないかな。  
よく考えたら、自分はなぜこれまで定住してたんだろうって、最近よく思っています。これだけインターネットが発達した世の中で、なぜ日本にいるんだろうって。  
池田:最近、就職戦線が酷い状況にあります。就職率も80%を切っている。  
就職セミナーの講師の人が「日本にはロクな職がないし、海外行った方がいい。優秀な人はアメリカに行けばいいし、それほどでもない人はアジアに行けば」と言っていました。でも、日本から海外に行く人は、実際にはすごく少ない。  
理由を聞くと、すごくつまらないんですよ。英語がものすごく下手だからなんです。これが障壁になっていて、本当に優秀な人ならば出て行けるけれど、少し優秀な人はおそらく出て行けない。出ても行けずに、みんなで沈没していくって事もあるのかな。  
堀江:そうじゃない選択肢もあるんですよ。  
検察庁に行く人は、”みんなで我慢”の人達なんですよ。そうでなければ、検察なんて行かないでしょう。何が楽しいのかと思いますもん。僕は彼らを見ながら、「本当にみんな楽しいのかな……?」って思って。  
池田:日本人は”役所で局長”や”企業の部長”など、ポストに対する執着が強い。  
検察の大鶴さんだって給料はたいしたことないと思うけれど、やっぱり”東京地検の特捜部長”という社会的なポストが、彼にとっては最も大切なんですよ。  
堀江:そうでしょうね。  
池田:それを目的にする人にとっては、ゆっくり衰退する社会も、そんなに違いはない。  
堀江:なるほど。  
池田:そこに国民全員が順応できるかが、けっこう大きな課題です。堀江さんが順応できないのは、確かだけれど(笑)。そして、僕は年齢的に逃げ切れるからいい(笑)。 
100年前に戻るだけ。それでいいのでは  
池田:でも若い人たちはに相当大変な人生が待っているよね。今の30代以下の人たちが、将来持ちこたえられるかが問題です。10〜20年後は収入のうち半分位を税金と社会保障費持ってかれる時代になりますよ。  
堀江:なぜ懲罰的に高い税金を課すんでしょうかねぇ……。  
池田:みんな知らないからですよ。知った時には遅い、よくできているシステムです(笑)。  
どう計算しても、20年後には年金も財政も破綻して、生涯収入で5,000万円くらい税金を支払うことになる。もの凄い負担が現在の若い世代にかかってくる。それが実感として分からないから、「お金をばらまきましょ」となってしまう。結果、政府債務が900兆円になった。これがドカンと行くのが次の危機ですよね。  
ただ、僕はね、そうなってもまだ日本人は気づかないような気がするな。震災が起こった時も、”これだけ酷い事が起こったんだから、仕組みを変えなければいけないな”って意見が出て来ると思ったら、全然逆ですよね。まったく今まで通りに東電を延命している。  
堀江:僕はプライド的に耐えられなくなると思う。そうじゃないかな?だって、今凄いですよ、中国人が。  
例えば新宿の風俗店に中国人がバスで繰り込んで、売春ツアーをやっている。それって昔、日本人が東南アジアでやっていたこと。例えば日本のAV女優に中国人や香港人からオファーがあって、実際に行っている人もいるらしい。それって、”からゆきさん”だよねって。当時の日本は豊かな国ではなかった。歴史の中で豊になったのはここ100年くらいのこと。それが元に戻るだけ。でも、それでいいのかなって。
日本人である誇りは持てなくなるかもしれない  
池田:悲観的な話ばかりでもしかたないので(笑)、これ以上ない所まで追いつめられたら、人間はなんとかなるというのも、あるかもしれない。  
80年代のアメリカが今の日本の状況によく似ていました。ニューヨークは犯罪だらけで、失業者が溢れかえっていた。ところが、アメリカはそこから立ち直ったでしょう。なぜ立ち直ったのかといえば、ひとつはシリコンバレーなどで新しいテクノロジーが出てきたから。  
僕の見方は、新しい会社が次々と出てきた事が大きかったと思う。その点が日本は決定的に欠けていた。堀江さんの件を見ても、新しい存在を排除するシステムを作ってしまたんですね。  
堀江:なぜ、そうなってしまったんでしょう?  
池田:”なってしまった”と言うよりも、昔からそうだったと思いますよ。  
日本企業の寿命を見て見ると、経団連の上位企業で一番若いのがソニーとホンダなんです。彼らが誕生したのは50年前後。一番若い会社が創立60年も経ってるんですよ。  
なぜ、ソニーやホンダが生まれたのかといえば、戦後のドサクサで当時の社会には業界秩序ができていなかった。でも、村の秩序を作るのが上手いから、50年以降は大きな会社が出て来なくなった。日本人はしっかりしているから、自分達の既得権をしっかり守っている。業界団体作って、まさに今回の東電みたいに「自分達だけ守って下さい」と。  
政治には政権交代がありましたが、結局”線香花火”でおわってしまった。それだけ日本の秩序を守るDNAが変化を拒んでいる。  
これは良くも悪くも日本人の優れている所なんですよ。今度の震災でも、被災地では誰もが秩序正しく行動していました。みんなが協力して、自分達の大事な物を守っていた。でも、これが変化を拒否する方向に働いてしまう。これを乗り越えるのは、容易なことじゃありません。堀江さんは諦めてる?  
堀江:諦めてると言うよりも、さっきも言ったように、僕は日本にこだわる必要もないので。  
池田:政治もそれに甘えてしまう。ヨーロッパのように隣の国に気軽に行けてしまうと、優秀な人材がドンドン流出してしまう。日本ではそれがない。だから、政治がいい加減でも続いてしまう。  
堀江:このまま続くでしょうね。  
池田:会社もそうですよね。一度入ったら、定年までいるしかない。上司からつまらないことを言われても、我慢する。イヤなことを言われても、くだらないことをやらされても、じっと我慢する。それを顔に出さないのが優秀なサラリーマン。そういった意味で日本人は衰退に強いと思う。  
堀江:それはそれで良いと思う。日本人である誇りは持てなくなる未来が来るかもしれないけれど、致しかたないのかな。  
最近海外に行くと、だいたい”コリアン?”って聞かれるんですよ。その次は”チャイニーズ?”。”自分はジャパニーズなんだ”って言うと、”へぇー”って。”そういえばいたね”って。バブルの頃は全く違っていたと思うけれど、10年前だって”ジャパニーズ?”って聞かれていたのに。
革新政党は全選挙区に立候補者を  
池田:ちょっと真面目に、そんな状況をどう打破すればいいか考えてみましょう。  
基本的に資本主義って、債務超過になったら、どんな大きくて社会的に名声のある会社でも、潰れるしかないんですよ。借金が払えなくなったら、会社は倒産して、経営者は去って、労働者は首になると。ある意味、機械的なルールで動く。それが資本主義のダイナミズムだった。  
ところがルールを棚上げにして、東電を助けてしまった。あるいは堀江さんみたいに、けしからん奴を排除していく。するとルールがルールとして成り立たなくなる。ルールが成り立たない世界では、投資はリスクが大き過ぎる。  
結果、リスクマネーが出て来なくなる。新しい投資も、新しい企業活動も起こらない。当然成長率も下がっていく。  
堀江:単純な話ですね。  
池田:日本の過去20年間がなぜ駄目になったのか、統計を見れば明らかです。日本の会社は投資をせずに、ひたすら貯蓄していました。会社が貯蓄している国は、成長する訳がない。  
確かに資本主義って好まれないシステムですが、世界の歴史を見ると資本主義のルールに忠実に従っているアメリカは、しっかり立ち直っています。でも、資本主義じゃないことをやってる国は確実に駄目になっている。東京地検の人たちはイヤかもしれないけれど、日本が経済的に本当に立ち直りたいならば、もう一度しっかり資本主義のルールに則ってやるしかないと思う。  
堀江:そのような政権になればいいんじゃないんですか。でも政治はなぁ……。可能性として、難しいですよね。  
自民党から民主党に政権交代したと言われているけれど、僕はずっと民主党は自民党の二軍だと話してきました。  
もちろん民主党にも革新的な勢力はいるけれど、今は左翼系の保守勢力にガッチリ押さえられている。そのような人たちが支配していて、ばらまき方が企業団体から、個人に変っただけ。何も変わっていません。  
自民党にも革新的な勢力があって連携すればいいのに、なぜか別々の所にいる。だから国民も選べない。”どこに投票するんだ?”ってことになってしまう。  
先日の参議院選挙でも、みんなの党が多少マシだと思ったけれど、自分の選挙区にはでていなかったって人が多いんじゃないかな。全ての選挙区に候補者を立てればいいのに、なぜ立てないんでしょうかね。  
先日、大阪の橋下(徹)知事に会った時、「自分は友達が少ないから、紹介してくれ」って言われたんです。それでも大阪維新の会は人が集まって、選挙でも一定の成果を得られた。お金もほとんどなくて、手弁当らしいんですよ。資金がある人たちに出てもらっている状態でした。それを国政レベルに広げる流れがあるのかもしれない。  
だから「是非、2年後は全選挙区に候補者を立てて下さい、僕も協力できることはやっていきますから」って言いました。と。  
「民主党が自民党のこれまでの政治を打破する」と、50%くらいの人が思っていた訳でしょう?なぜみんな簡単に騙されてしまうんだろうって思うんですけれどね。騙されやすい国民ならば、逆にそれを利用して……。民主党も駄目だったし、”まったく新しいしがらみのない政治をやる”と宣言して戦ったら、第三の勢力が次の選挙で勝つと思うんですよ。 
2年後の選挙で変わらないのであれば、駄目ってこと  
池田:僕は最近Twitter中毒になっていて、何とかしなければいけないんですが(笑)、堀江さんは今フォロワーが何人くらいいますか?  
堀江:70万人ですね。  
池田:フォロワーが多い人を上から見ていると、『辛抱しましょう』って人はいないんです(笑)。一番上が孫(正義)さんでしょ。言わば、変った人です。今と違うことをしようとしている人が上にいる。  
今の若者の中には、この状況がキツいと思っている人が少なくない。そのような人たちの力が政治の世界には届いていないんですね。好意的に捉えれば、年取った人がいなくなって、Twitterやっている人たちが社会を動かすようになれば……。  
堀江:年寄りはいなくならないですよ。長生きするから。渡邉恒雄氏だってあと10年は居座ると思いますよ。日枝久氏なんて20年くらいはね。これって笑えないジョークです。悪い冗談だと思うけれど、本当にそうなると思う。だって、中曽根(康弘)大勲位だって、まだ頑張ってるじゃないですか。石原(慎太郎)さんだって、東京都知事になっちゃうし。  
池田:いや、真面目な話(笑)、そんな人もいるけれど、20〜30年経ったら……。  
堀江:30年経ったら、僕は何歳ですか?68歳ですよ(笑)。僕が老害になってますよ(笑)。  
池田:20年で変るでしょう。  
堀江:20年でも、60歳近いですからね(笑)。  
今すぐ変えられないんだったら、変える必要はないんじゃないかな。2年後の選挙で出来ないのであれば、駄目ってことだし。
世の中を変えるのは技術革新しかない  
堀江:僕はもう少し違うアプローチを考えています。結局、世の中を変えるのは技術革新しかないと思っています。インターネットの登場が世の中を少しでも変えた訳じゃないですか。そして、それが大きなウェーブになりつつある。何か新しい技術を作れれば、もっと変るかもしれない。社会システムそのものだって変っていくかもしれない。  
例えば宇宙ロケットを飛ばすだけでも、みんなの目が宇宙に向かうでしょう。地上の人間社会のゴタゴタを忘れて、空を見上げて未来に希望を持てる。そんな流れが出てくると思っています。  
池田:僕も冗談抜きに、日本がいつまでもジリ貧だとは思わないんですよ。やっぱりなんだかんだ言っても教育程度が高いし、「こんな状況では駄目だ」って言う人も僕の周りではけっこう多い。  
堀江:僕は技術開発研究をシステム化してみようと思っています。  
今、Googleみたいな会社って日本にないんですよ。ソニーがプレイステーション・ネットワークで大規模流出事故を起したじゃないですか。でも、Googleはそんな事故を起さないでしょう。なぜ起こらないのか、そこに問題の本質があります。ソニーはシステムを外注しているはずです。ITゼネコンに丸投げしているんじゃないかな。  
すくなくとも内製ではないはずです。ITゼネコンに発注すると、実際にプログラミングを担当するのって、末端のひ孫系の3人ぐらいでやっている会社だったりするんです。彼らはスキルが相当低い可能性もある。だからみずほ銀行のシステムも壊れてしまった。  
手前味噌ですけれど、ライブドアではそんな事は起こらないんですよ。つまり、外注していないから。本当に特殊な分野では、天才的な奴も含めて優秀なエンジニアで回していた。  
Googleもそうです。彼らは世界レベルで凄い奴らが集まってきている。彼らは会社を”キャンパス”と呼んでいます。研究機関として、大学のキャンパスのような環境を作り出している。Googleの敷地に行くとワクワクしませんか?“わ〜、いい会社だな。ここで働きたいな〜”って思ったほどです。  
いきなりエントランスに、”Googleマーズ”と言って、火星の撮影された画像をデーターベース化して、現時点での火星の状況をマッピング化していました。でっかい火星が、でっかい液晶モニターの中でグルグルまわっていたんです。そんな会社って日本にないよね、つまんないよね、って感じなんですよ。  
だから僕は技術者・科学者の楽園のような組織ができたらいいなと思っています。ライブドアもそのようにしたかった。  
最初はIT技術だけだったけれど、色々な分野に広げたいと考えていた。Googleがなぜ出来たかと言えば、潤沢な広告利益があるから。僕自身もそれをやらないと出来ないと思っていたんです。  
でも、最近違うのかなと考えが変ってきている。被災地への寄付をする『JustGivingJapan』というサイトがあって、僕も100万円のシードマネーを入れたんですが、結果的に7,000万円も集まった。それがNPOに送られました。今Twitterやソーシャルメディアを使えばそのようなことが出来るんです。。それくらいのパワーが出来ている。  
最近、ファンドレイジング(Fundraising)サイトも流行ってきている。『Kickstarter』であるとか、それを真似たサイトもたくさん始まっています。  
研究開発に特化した、戦前の理化学研究所みたいな組織を作りたいんです。シードでかなりのお金を集められれば、財団は研究開発の成果を企業化して、そのキャピタルゲインを財団の資金に繰り入れる。  
就職活動の話もそうでしたけれど、ライブドアってずっと新卒採用をやっていなかったんですよ。最近始めているみたいですけれど……。そのアホらしさを感じていて。結局、大学は就職予備校化している訳でしょう?  
日本の国立大学は、教授が一般教養の授業をしなければならない。大学一年生に対して、熱力学の基礎講義なんかをしている訳ですよ。そんなのアホらしい話で、助手や専門の講師にやらせればいい。  
たとえば京都大学の山中(伸弥)教授みたいな人までもがそういう授業をやっている。それどころか試験監督や採点までもね。バカですよね、はっきり言って。そもそも、大学の教養課程なんて、誰も行っていなくて、ろくに勉強もしていない。  
アメリカのスタンフォード大学は財団を作って、卒業生の成果に対して投資する。そこから莫大なキャピタルゲインが出て、それを再投資している訳です。  
だから、アメリカの大学って、潤沢な研究予算がありますよね。日本では東大と慶応以外は悲惨じゃないですか。予算なんてないに等しい。なのに言葉の壁があるから、そこに我慢して留まっている訳です。  
スタンフォードやMIT(マサチューセッツ工科大学)に行けば、いくらでも予算はあるんですよ。出来る奴や、英語を苦にしない奴は、サッサと行ってしまって、ノーベル賞の研究をする日本人って、最近はみんな海外にいますよね。
科学技術の研究機関を作りたい  
堀江:以前、東大の総長に呼ばれて提言をしたんですが、まったく動きがない。東大の業績を企業化して投資すべきなんです。国立大学法人なった訳ですから、最終的には民営化するんですよね。民主党政権はやらないと思いますけれど……。独立採算でやってけるのか。  
日本で一番マシにやったのは、慶応大学です。その慶応でも、基金の規模はスタンフォードの1/100くらいです。金がないから、優秀な人材がどんどん腐っていっている。  
だから研究機関を作って、そこがブランドになれば、人は来ると思うんです。『高校なんて卒業しなくてもいいよ』と、16歳になったら誰でも受け入れる。成果を上げた人にドンドン投資して、予算をつける。その中で好きなだけ研究してくれと。Googleのように広告を集めなくても、みんなからの寄付で賄えるんじゃないか。そんな希望を持っている人ってけっこういると思うんですよ。  
池田:今の大学に問題あるということは確かでしょうね。大学ってピンからキリまであって。ピンはつまらないことをやっていないで、堀江さんが言ったように世界で戦えるようにもっと自由にやらせればいい。キリの方は大学の体をなしていないし、変な教養科目なんてやめて、専門学校になるしかない。  
新興国と戦う人たちに対して手に職を付ける授業を大学がやればいい。どっちにしても今の大学は中途半端で、非生産的なルーティンな授業をやっている。5〜6年前に一時期、大学院の重点化やロースクールを導入したけれど、あれなんか大間違いだった。大学院なんて作ったって、まったく機能していない。そんな事をシンポジウムで言ったら、文部科学省の人間が”おっしゃる通りで……”って(笑)。  
堀江:学歴に関係ない人が集まれるようにすると、大きく変わる気がする。資金も僕はネットを経由で趣旨に賛同してもらって、集めたいんです。ビジネススクールには興味ないです。科学技術だけいいです。  
池田:日本の社会で何が弱点かというと、役所や金融、労働市場もあるけれど、一番大きいのは教育だと思うんです。  
教育は全世界的に見直しが叫ばれているけれど、日本の教育システムは、特にアカデミズムと現実とのギャップが大きい。  
底辺レベルは、それをビジネスの実体に即して再編する必要があるし、一方でエリートは堀江さんが言う通り、世界に打って出るような既存の大学とは違う枠組みを作ればいい。大学で詰め込むことに意味はないと思う。ちゃんとした知識を育てるような、別の仕組みをつくる必要があると思います。口で言うのは簡単だけれど、なかなか出来ることではありません。  
でも、日本が酷い状況から立ち直るひとつのきっかけがあるとすれば、教育を立て直すことだと考えています。今日はありがとうございました。  
堀江:ありがとうございました。
 
日本の社会システムにや日本人そのものについて、諦めにも似た表情を浮かべながら池田氏の質問に答えていた堀江氏。2年半後、出所した堀江氏に、再び"そのときの日本"についてインタビューしたいと思う。 
  

 

堀江貴文氏 塀の中から [ 2012 ] 
2012年、私はずっと刑務所にいたのでブログやTwitter、メルマガのプリントアウトと雑誌しか情報源が無かったのですが、Web業界は日本は、やはり一番荒稼ぎしているのはソーシャルで、まあパチンコ業界のシェアの一部を食っているという感じでしょうか。  
コンプガチャが自主規制されましたが、ガチャの仕組み自体は別方面に進化していっている風で、コレからも情報弱者相手に荒稼ぎを続ける事でしょう。  
全世界的に見れば、儲かっているのはスマホ周りとネット広告のグーグル。スマホシフトはまだまだ続きます。  
他国は日本程はデータ通信が普及してないから。電子書籍も騒がれる程、日本ではブレイクしていない。やはり紙の本の再販制度が残っていて、価格の弾力性に乏しい所が原因でしょう。  
違法ダウンロードが規制強化されましたが、日本の著作権サイドはもう少しオープンにネット業界に接した方が良いと思う。  
Youtubeとか活用して違法アップされた楽曲からも、広告収入を得るオプションをグーグルは用意してんだから積極的に取り組むべきで2次創作者のパワーも活用すべきだろう。ケチ臭いんだな。  
ノマド的働き方も話題になっているが、ま、正直ビビリな人々が多いからそういう働き方をするのは起業する人同様少数派のママの気がしている。  
iPS細胞を開発した山中伸弥氏が話題になっているが、彼がクローズアップした問題は研究者の短期的な成果を問われる雇用体制だ。  
プロスポーツ選手並の成果主義であり、常にプレッシャーと経済問題に晒されている。しかし国家予算に頼るのではなく、一部研究成果の産業化による収益が基礎研究に還流させる為の制度改革、税制等を整備 すべき。  
アメリカではインテルがスポンサーになって「科学フェア」が大規模に開催されているが、この様な子供を育てるイベントを盛り上げる事も必要だ。  
2013年の出所後は、自身のメルマガ、ブログ、Twitterのメディア化を中核として、人類の宇宙フロンティア開発をスピードアップする為のローコストロケットの開発投資の促進、健康に長生きする為の再生医療等の企業化、余暇時間でIT系のビジネスも手掛ける。 

 

堀江貴文氏 仮釈放挨拶 [ 2013/3/27 ] 
(堀江貴文は2011年6月20日に収監に応じ、約1年9ヶ月ご無沙汰をしておりましたが、この度3月27日に仮釈放されました。)  
皆様よろしくお願い致します。  
今日、朝7時半くらいにですね、長野県の須坂市というところにある長野刑務所で約1年9ヶ月ちょっとの服役を経て、無事、仮釈放をいただくことができました。残りあと7か月ちょっとの刑期を残しているということなので、だいたい刑期の74%弱くらいを終えました。  
刑務所の中で真面目に過ごしていたことを評価され、仮釈放で社会に帰ってくることができました。いろいろライブドア事件で社会や株主の皆様にご迷惑をかけたことについては深く反省しております。それを償うべく刑務所の中で頑張って受刑生活を送ってきました。この日を迎えられたことに万感の思いでいます。  
今後はあと7カ月は刑期が残っていますので、その間は保護観察とうことで多少の制限はありますが、社会の中でいろいろと仕事をすることで社会に貢献することを刑務所からは期待されているということでしたので、いままで獄中からもメルマガを発行して言論活動をやってきましたが、そういった活動を今後も続けつつ、その他の宇宙事業、ロケット開発などを行なっていきます。  
今月の初めに北海道で打ち上げ実験が予定されていました。それが大豪雪ということでお亡くなりになった方もいらっしゃり、それは痛ましいことですが、順延されていた打ち上げが29日、30日に予定されていることもありまして、そういった実験を見に行ったりとか、そこでお手伝いをしたりとしていきます。  
そういった宇宙実験などもやりつつ、それ以外にもなにぶん長い休養生活といいますか、申し訳ないのですが、刑務所の中で長い時間を過ごさせていただいたものですから、構想していた事業もありますので、それらを推進することで社会にいい影響を与えられればいいかなと、微力ながらも迷惑をかけた分、それを取り戻して、それ以上の成果を上げられるようがんばっていきたいです。今日はたくさんの方に集まっていただきありがとうございました。 
一連の事件で損害を被った方々への気持ちは?  
集団訴訟についてはすべて和解させていただきまして、旧ライブドアと私との間で包括的な和解をしたなかで、集団訴訟はすべて和解したことが確定しています。そちらの方は金銭的な問題は解決しています。それ以外の個別の訴訟につきましても、獄中で民事訴訟の弁護士と和解交渉を進めてきまして、私の方は1件を除いて、和解ということで終わっております。残りの1件の訴訟の方と真摯にお話し合いをさせていただきたいと思います。  
基本的に私の方針としましては、判決を頂く前に裁判外の和解ということでやらせてもらっています。刑事裁判の訴訟とは別個の問題として、経営責任はとります。刑事訴訟の結果がどうあれ、株価が下落して株主の皆さまにご迷惑をおかけしたのは私の不徳のいたすところに違いないので、刑事責任がどうあれ解決していく方向は変わっておりません。これまで向かい合ってきて、誠実に対応してきたつもりであります。 
早い釈放だった。何が評価されたのか?  
私は長野刑務所の工場で生活しておりました。最初は東京拘置所に入りまして、その後移送され、3週間くらい単独で待たされて、長野に移りました。その間に私用のシフトが組まれたようで、いろいろ調整があって、その後、訓練工場で2週間、厳しい訓練をしました。長野の工場はほとんどの受刑者が身体障害者、あるいは高齢で認知症の方でした。30〜40人くらいはおりましたが、そちらで衛生係という職業につかせていただきました。  
衛生係は一般的な工場では配食や洗濯物の管理、掃除とか身の回りの世話をする住み込みの家政婦さんのような役割ですが、私が配属された工場は特殊でした。山本譲司さんに刑務所の著作がありますが、彼と同じで、1人で入浴できない身体の不自由な方の介助であったり、うんこ垂れ流しの方の下の世話であったり、いわゆる介護の現場に近いところでした。ただ一般的な介護と異なり、刑務所はタイムスケジュールに沿って時間もくっきり決められており忙しい現場でした。  
文字通り汗水流して怒鳴られながら働かなければならない過酷な現場です。周りの受刑者の方や刑務官の方に言われたのですが、そこに配属されるとたくさん仮釈放がもらいやすい。逆に言うと、普通の受刑者は体験しないような過酷なことをやるところです。私の同僚の衛生係の方も、4ピンと言うのですが、刑期の4分の1を残して出所されることが多かったです。懲罰や反則行為をしなければ早く出所できるところではありました。もともと真面目な性格なものですから、そういった環境に置かれると真面目にしっかりやる人間で、そういったところが評価されたのではないかと思います。 
構想中の事業とは?  
正直、ライブドアの社長を辞めたときは、ITの仕事はお腹いっぱいと思っていましたが、PCとかスマホとかネットから切り離された1年9カ月を送ってみると、やっぱりそろそろやってもいいかなという気持ちになってきたのは事実です。ライブドアの社長をやっていたときよりも、モバイル環境も良くなり、ネットのリテラシーも高くなってきて、事業環境はやりやすくなりました。  
そういったところで以前から興味があった、ネットを使った新しいニュース批評の形といいますか、そういったところを事業化していきたいのが、1つ考えているところです。今後、具体的には近いうちに何らかのサイトを作っていくかと思いますが、自分自身が不満に思っていた部分、ネットとかマスメディアの在り方がこうなっていればいいのではと思っていた部分を実現してきたいです。  
正直今のITの会社さんってソーシャルゲームとか結構やられていますけど、私はあまり興味がなくて、でも儲かっているなぁとか思ってます。でも興味がないことを頑張りすぎて、そこに力を集中するとまた前のライブドアみたいになってしまうなという反省がありまして、あまり興味のないことはやらないようにしようかと思います。世の中がこうなったら便利で、世の中がより良くなるだろうと思うものをやっていきたいです。ネットを使った新しい報道とかニュースとかは1つの例ですが、そういう事業をやっていきたいです。  
社会貢献については、刑務所にいるときに考えていたことがあります。いま隣にいる弁護士の先生は更生保護法人を運営されています。これは刑務所を出て身寄りがない方を保護するところですが、社会に出ても刑務所上がりとうことで、履歴書に2〜3年の空白ができてしまい、雇ってもらえなかったりします。そういう社会に雇ってもらえなかったりする人の社会復帰を円滑にするようなところです。私が刑務所に入って思ったことは、刑務所にいる人たちって極悪非道でも、変わった人でもなくて、普通の人なんです。ほんとうに普通の人だなあと思いました。若干、変な人もいますけど、凶悪犯というよりはトラウマを抱えたりとか、家庭環境が良くなくてルサンチマンみたいなものを社会に対して持っていたりしますが、でも話してみると普通のどこにでもいる方々です。  
逆に言えば、世の中にいる人が何かのきっかけで犯罪者になってしまうこともあると思います。そういった人たちがちょっとしたことでつまずいて刑務所に入って、そして絶対いつかは出てくる。そして皆さんの隣に住んでいたりすることもある。そういった人たちが再び犯罪を起こさないことが大事です。社会が受け入れて、偏見を少なくして、再犯を減らすことは世の中のためになります。これはとても大事なことです。  
刑務官の方から、1回刑務所に入った人の再犯率は5割を超えると聞いて衝撃を受けました。このことは社会にとって損失だと思いますので、何らかの形で更生保護法人をお手伝いできればと思います。私は普通の人よりは発信力があると思いますので、まずは発信して知っていただく。少しでも経済的に余裕のある方は寄付をしていただいたりとか、気軽に始められるようなことからやっていきたいです。  
最初から何か施設を作ったりするのは難しいですが、まずは知っていただいたり、再犯防止の方策を考えていただいたりとか。刑務所で、たまたま介助が必要な工場に入って感じたことです。でも自分の中でも消化しきれていない部分もありますので、できることをやっていきたいです。他にもやりたいことはあります。飛行機の操縦方法も勉強し終わりましたし、生命科学系も造詣が深まりました。 

 

外見が変わりましたね。内面も変わったようです  
太ってるときは信じてもらえないですけど、もともと痩せてるんですよ(笑) 高校とか大学の同級生はわかると思いますが、いまと同じくらいでした。それが会社を立ち上げて、10年で上場して大きくしていくなかでプレッシャーもあり忙しく、私は結構プレッシャーで太るタイプでした。そういった事業関係のストレスをお酒と食べ物で発散して、20年間で30kg太りました。2004年頃はちょっと痩せましたが、プロ野球の参入問題などでまた戻ってしまいました。  
おかげさまで久しぶりに規則正しい生活を送り、お酒を抜いたのが大きいですが、それで痩せてしまいました。また忙しくなると思いますけど、太り過ぎないようにコントロールしていきたいです。実際、90kgを超えてから太ったことはないです。100kgを超えないように頑張っていたので、なんとかこれぐらいの体重を維持できたらと思っています。  
内面なんですけど、印象として変わったかというと、変わったかもしれないし、変わってないかもしれないです。自分の中でわりと注目されて、こうやって囲まれて質問を受けて、返すことについて、2004年頃はあまり慣れていなかったのです。若かった、怖いもの知らずだった。イケイケで、自分の中でも方法論がわかってなくて、何も考えず発言していた部分もあり、それで反発を受けましたけど、「まあいいや」とやってきました。そして2006年の事件があって、世の中から反発を受けるとこうなるんだと学習しました。  
正直、学習しました。社会、特に皆さんとの付き合いかたが、どういうふうに動いているのか、実体験で学ばせていただいて。私はわりと身体で覚えないとダメなタイプです。賢い方は本を読んだり、落ち着いて考えたりして、ちゃんとできますが、私はせっかちですし、自分の中で「35歳くらいまでに何かやらないとやばい」みたいな強迫観念もありました。  
この間、仮釈放の面接がありましたが、僕って変ですか?と話をしたら、「そんなことないよ、太宰治は30歳までに何かやらないとって自殺しちゃったんだから」と言われました。でも僕は焦っていて、そういう強迫観念がありました。でも、いまは何もなくなって裸一貫、自分しかいない。社会的な責任も、上場企業の社長をやっていたとき以上にはないので、そんなに自分にプレッシャーかけなくていいんじゃないかという気持ちになったのが、皆さんが思われた内面の変化かもしれないです。 
結婚願望はありますか?  
まったくないですねえ。性犯罪で捕まっている受刑者の方って、家族がいるケースが多くて、家族が面会にきたりすると、家族って強いなあと思いました。僕の感覚からしたら、旦那が強姦して懲役くらってたら「うわーっ」て思うわけです。でも家族は強いなぁ。ちゃんと旦那を許して、助けてくれる。「家族ってすげえ」という気持ちはありました。けど、私は1回結婚して、離婚してっていうのがありまして、そのときはできちゃった結婚したのもありますので、あまりまだそういうことを考える感じでもないのかなと思います。 
お金についての考え方に変化は?  
お金に関する考え方ですけど、ちょっと私の著作を隅まで読んでいただきたいんですが、お金は便利なツールで、プラスでもマイナスでもないと思っています。もっと自然体でニュートラルに付き合っていけばいいのでは。私は表現がどぎつかったと思いますが、あえてどぎつい表現をしたのは、みんなお金のことを考え過ぎ、執着し過ぎだと思っていたからです。  
お金は単なる道具だからニュートラルに付き合えばいいんじゃないかと思っています。世の中の人はちょっとウェットに考え過ぎなのでは。なので刺激的な表現をして、それがライブドア事件もあって、センセーショナルに取り上げられることが多かった。  
私が言っていることはシンプルで、マイルドな言い方をすると、「便利なツールなので、その特質を知ってうまく付き合っていきましょう」ということなんです。どぎつい言い方をすると、世の中からどう思われるかというのも学びました。女性でも男性でも同じですが、会社を作って、あるいは何らかの仕事について、お金を稼いで、そのプロセスで自信をつけていけばいいんじゃないかと思います。そうしたら、いままで口説けなかった女性に声をかける自信もつく。女性をお金で買えるなんていう意味ではなく。お金と上手く付き合っていこうというのはそういう趣旨だったんです。 
「虚業」という言葉についてはどう考えるか  
虚業についても簡単な話です。そもそも世の中に虚業は存在しないと思っています。何でもそうですが、みんな一生懸命「こうしたら世の中がよくなる」と思って頑張っている。あるいは自分が食っていくため、家族を食わせていくため、お金を稼ぐ目標や目的はいろいろある。で、そのことに関して手段として何らかの生業を持つものです。それに対して「虚業だ」っていうこと自体がおかしい、なんなの?と。虚業という言葉自体が、変な言葉だなって思います。  
虚業なんてものは世の中にない。「そんなこと言っちゃダメだよ」と思います。一生懸命働いている人たちは社会から必要とされているから存在するんです。社会は意外と厳しいですから、必要なければ消え去っていきます。本物の虚は最終的にはなくなっていく。それは経済的だったり、あるいは市場で淘汰されるかもしれないし、皆さんの感情的な部分で淘汰されるかもしれない。でも「あいつは虚業」だとかいうのはよくないと思います。 
現在も株式投資に関心があるか?  
私はもともと株式投資に興味がなくて、自分の会社が上場して初めて株式市場について調べました。景気が良くなるムードが出てくるのはいいことだと思います。いまはたまたま安倍内閣が発足して、円安に振れて、世界的に日本株が割安に、外国人投資家のお金が入ったのがきっかけだと思うのですが、そうしたら日本の投資家も儲かっていくという流れ。  
実態の伴わない上昇と言われますが、まずはそういったところから景気上昇は始まります。いまは非正規雇用の問題も有り、労働者に賃金が回っていないという批判もありますが、全体的には良くなっていると思います。だけど当然、バブルは起こり、弾けます。それは繰り返すだけ。これは一般投資家に言いたいですが、余り気にしないほうがいいです。景気が上がっている時に、株や土地を買うのはいいことですが、余りのめり込み過ぎないようにしないと、と言いたいです。  
ライブドアの株価が下がったことは申し訳ないし、和解もさせていただいたが、その中で、年金も突っ込んでしまったという声もありました。ただ正直、投資や株は自分の全財産を突っ込むものではないと思います。多くても半分くらいにしたほうがいい。安全な資産として残してください。  
熱くなって全額を投資してしまい、リーマンショックがきて、株価が暴落して、にっちもさっちも行かなくなった人をたくさん見ていますが、そうならないようにしていけば、景気の波はたいした話ではなくて、いちいち熱狂しなくてもいいのかなあと言っています。最近の雑誌は特にそうですが、株式投資のどれを買えば上がるという記事ばっかりで、懲りてないなあと思います。  
景気が悪い時ももっと株式投資の記事を載せるべきだと思うし、景気が良くなっても「自制したほうがいい」と思っています。それが、いろいろな浮き沈みを見てきたここ10年の感想です。私自身はそんなに突っ込んでしまったりしないので、経済芸人というか、森永卓郎さんとかが、「ホリエモンは2004年の最後の長者番付で僕より低かった。絶対にどこかに隠しているに違いない」と言いますが、私は給料をそんなにもらっていなかったし、ほとんどの資産はライブドア株でした。ライブドア株を初めてまとまった形で売ったのは2005年4月です。フジテレビとの1件が終わった後のこと。そこで初めて売って、現金を持っていたのは2005年から2006年くらいまでです。  
そこでリスクのある運用をしていたかというとそうでもなくて、ステディで日々のストック収入を得ながら会社を経営したり、すごく博打的なことをしてきましたが、それは全然、私の資産のコアな部分とはまったく関係ないことでした。  
世の中的に言うと、ちょっと早かったと思います。刺激の強いことを言いすぎて反発もされましたけど、今振り返ると、私が言っていた世の中が来ているのかもしれません。ネットやスマホが普及して、ネットの金融取引は普通になりましたし、ちょっと早すぎましたね。 
刑務所の中でゴルフのトレーニングは?  
ゴルフ雑誌はたくさん差し入れしていただいてありがとうございます。頭の中ではすごくイメージトレーニングができています。頭の中では完全にシングルになっていますけど、どうなんですかね。受刑者の先輩から、「塀の中でシングルになった人は多い」と言われました。海外のとある長く入っていた方は、中でイメージトレーニングしたおかげで、パープレイでまわったと聞いています。イメージトレーニングと素振りはゴルフにとっていいんじゃないかと思います。  
もう1つ付け加えると、刑務所の中で書いた「刑務所なう」という本を文藝春秋から出す予定です。この中には検閲があって言えなかったこともあるんですけど、実は工場の作業でゴルフティーを作ったりしていました。 
会見で報道陣がこれだけ集まったが  
正直、なんでやろというのが感想。自分的にはその、、注目されてないという気持ちでずっといて、出てからどうしようとか不安になる部分とかもあったんですけど。わりと刑務官の方からは「出所日をばらさないように」と言われていて、「今日、出るときテレビとか来るのかな、どっちなんだろ」とか思っていました。  
私の話なんか聞いていただけるのかと思っていましたけど、こうして聞いていただいてありがたいなと思っています。これだけ注目されているのは、ある意味、期待されているからなのかなと思っていて、それに勝手ながら応えていかないといけない部分もあるのかなと。その期待されている部分に対して僕は何をやっていけるのかなと、9時間という長い睡眠時間が与えられていたので、寝付けないときに考えてきたことがありまして、それを具体化していければなと。  
もともと自分がどうのとか、金銭的な話などは誤解されていましたが、あまり深く考えていなくて、金銭的には申し訳ないですけどこれまで豊かでして、あまり興味がないです。それより世の中にこんなに素晴らしい技術があって、もっと普及すればもっと世の中が良くなるのにってもどかしくなることありまして、それを伝えていければなと思います。  
(いま質問されたのは)TBSさんですよね? 私、2005年のTBSのレコード大賞の楽屋でみのもんたさんに、「ユーグレナ」っていうサプリをお渡ししたんです。その会社にライブドアが投資していて、けっこう力を入れていました。でもみのさんに引かれた。ユーグレナはミドリムシを使った日本発のベンチャー。その会社が今年、無事上場しまして、私には見返りはゼロですが、そういった会社が世の中に認められたんです。  
ミドリムシを使ったバイオ事業で、地球温暖化に役立ったり、サプリに役立ったり、宇宙食に役立ったりという、いい会社なんです。今後もこういったことを、最初は突拍子もなくて、先走っていろいろなことをやってしまうかもしれないですけど、あまり引かないで暖かく見守っていただければなと。いまは刑務所から出てきたところで周回遅れですが、私はそれがちょうどいいのかなと思います。 
収監前の体重と現在の体重は?  
体重は東京拘置所で収監されたときが97.5kg。刑務所でお風呂に体重計があるのですが、最小値で65kgでした。今、着衣で計ったら67.3kg。服を脱ぐと66kgくらいかなあ。だいたい65〜67をいったりきたりです。 
出所して、最初に食べたご飯は?  
朝一で起床時間前に起こされて食べたのが納豆とご飯とみそ汁。納豆は嫌いでしたが、刑務所生活では週2回出るので、慣れました。その後出所して、お世話になった方々への電話連絡とか、生放送とか、散髪とかに時間とられまして、なんとなくマクドナルドでもいいかなぁみたいな感じで、マクドナルドで「てりたまバーガーセット」を食べました。美味しかったです。ちょっと味が濃かったですけど。刑務所で薄味に慣れていましたので。 
いまどこに行きたいですか  
とりあえず明日はロケットの打ち上げを見に北海道に行きますが、何か事業がやりたいです。食べたいのはなんといってもナマモノ。生魚とか生野菜とか刑務所では出ないので。生魚といえば寿司なので、たぶん寿司を食べると思います。刑務所の中は、寿司以外は季節のものが出ます。ひな祭りにはひなあられ、お正月には三ヶ日にお餅が出て、土用の丑の日には鰻も出ます。その辺のことは「刑務所なう」に全部書いてあります。わりといいところで、シャバよりも季節感があっていいんです。寿司以外には特に食べたいものはないです。お菓子も食べれましたし、炭酸飲料も月に1回か2回は飲めました。 
検察の体制についてどう思いますか  
最初に読売新聞さん、刑務所でお世話になりました。閲覧新聞は読売新聞で、隅から隅まで熟読していました。僕の事件がどうのこうのっていうのもありますが、入ってからの検察の不祥事は続いていて、さもありなんと思いますが、私の事件は終わったことなので、どうのこうの言っても仕方ないですし、それはもう潔く認めて反省をするという気持ちに変わっています。  
ただし取り調べとか、有罪への持っていき方には問題を感じるし、彼らは正義感と言っていますが、正義感ほど胡散臭いものはないです。正義はその人によって違うもので、第三者から見て本当に正義なのかということもある。主観的なものだと思います。  
私の事件でも一緒に捕まった経営幹部が横領をしていて、それは証券取引法違反よりも何倍も厳しい罪なんですけど、そういった事件は完全にスルーして僕をなんとか有罪に持っていくために集中する。それは社会全体にとって正義なのかと疑問に思っていた。  
最近だと皆さんも当事者だと思うんですけど、遠隔操作ウィルス事件、これは警察ですが、警察は本来、捜査機関が分離をして、警察が暴走しても検察が止めるもの。人間のやることなので絶対に暴走するし、絶対の正義なんてあり得ない。そこに対してもうちょっと謙虚になった方がいいのでは。私は事件で断罪されて自分なりに謙虚に反省してきたつもりですが、検察は検察で自分がやってきたことが正義なのか、足元をみて自分の正義が正しいのかを常に考えて、自分たちの持っている権力がいかに強いかを自覚してやっていってほしいです。  
捜査機関と起訴を判断する機関が同じ組織である今の特捜部や特別刑事部はよくないと思います。例えば、村木さんが捕まって冤罪なのに長期間拘留された事件など、また同じことは起きます。ぜったい冤罪は起きます。それを前提として、冤罪の人たちをあまり追い込まないでほしいし、それは検察だけでなく、マスコミの方もちょっと謙虚に考えて、この人本当に犯人なのかなという気持ちを心のなかに少しだけでも持っていただきたいて、あまり追い詰めないでほしいと思います。  
自分はしょうがないですけど、まったく身に覚えがないことで、あんなに辛い思いをするのは嫌だし、ましてや死刑になるなんて絶対に嫌です。これは実体験として関わるなかで思いました。少しでも考えていただければなと。 
そして、最後の挨拶  
今後ともいろいろなことをやっていきますが、この教訓、痛い経験を糧に、二度と皆さまにご迷惑をおかけすることがないように気を引き締めて、新しい価値を創造できるように頑張っていきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いします。