未納三兄弟

国民年金未納大臣右往左往 
インパクト強烈 
アジ演説大成功 
すっ飛んだ「年金議論」 
 
ブルータスを演じて 
持論の議論もすっ飛ぶ 
本道を外して喧嘩を売れば 
大道に戻れないことを証明 
 
ベスト・コピー賞/作 管直人
 


    
人の弱み 
弱みの一つや二つあって当り前 
過ちを犯すのが人間の性 
聖人君子など求めていません
  
どっちもどっち 
目くそ鼻くそでは困ります
 
尻丸出し
  
天に唾する 
アジ演説からは何も生まれない 
問題提起の前振りでとどめ 
品良く本道に戻っていれば大成功 
悔やまれますね
  
引っ込みがつかない 
福田官房長官が光ってしまいました
 
タイミング引き際のお勉強
  
本道大道 
政治は民の道しるべ 
瞬間芸では導けません
 
江角マキ子さんなどかわいいものです
 
政治家の年金未納問題 
2004年(平成16年)に日本において、その時点での公的年金の加入・納付に関する記録から、政治家による公的年金保険料の未納が発覚し問題となった事件。本項では、公的年金に関する記録・手続等が適正であるのにもかかわらず、政治家が公的年金に加入せず、保険料を納付していなかったことについて述べる。
年金未納問題がクローズアップされるなか、年金制度改革を中心に議論がなされていた2004年4月の国会の期間中、複数の閣僚に年金の未納期間のあることが判明した。国会議員は国民皆年金制度発足の1961年度から1979年度までは適用除外、1980年度より1985年度までは任意加入で(国会議員の被扶養配偶者は被用者年金制度の被扶養配偶者と同じく1961年度から1985年度まで任意加入)、1986年度以降強制加入となったが、強制加入時期に年金の未納期間があることが判明した。
その後の調査が進むにつれて、追及していた野党議員にも次々と未納期間のある者が発覚し、官房長官や第一野党である民主党代表が辞任に追い込まれるなど、政治家の年金未納問題は一大政局に発展した。国民の年金への不信が高まりつつある中で、年金不信をさらに加速しかねない不祥事であった。
議員年金は互助制度であり公的年金ではないのだが、議員年金に加入していれば「公的年金に加入している」と勘違いをしていた議員もいた。また議員年金の受給資格を満たしていれば退職後に年金受給できるが、国民年金よりも受給額が遥かに高いため、未納が法律違反という点を除けば、受給額と言う面で国民年金などの公的年金に加入するメリットが薄く、未納が刑事事件ではなかったことも公的年金未納に繋がったとされる。年金の議論をしている当人までもが、切り替え手続を忘れるという年金制度の複雑さを浮き彫りにするものでもあった。
この問題に先立って注目されたのが、2004年(平成16年)に、社会保険庁の年金CMに起用された女優・江角マキコの年金未納発覚である。江角は、国民年金未納者を厳しく問い詰めるCMで話題になったが、実際には国民年金保険料を納めていなかったにも関わらず、確定申告において国民年金保険料を払ったかのような申告がしたことも発覚し(後に修正申告)、その後の確定申告において、社会保険料を納付した領収書の添付が義務付けられることとなった。この一連の報道を機に、年金運営たる社会保険庁の納付状況は、日本国民に注目される所となっていた。
そのような中で、国務大臣を含む政治家に未加入や、未納期間があることが判明(小泉内閣の首相を除く閣僚17人のうち7人に未納・未加入の事実が指摘され、その中の一人である福田康夫は内閣官房長官を辞任した)。さらには江角の証人喚問を要求したり、当初の未納・未加入発覚が発覚した三大臣を、当時の流行歌「だんご3兄弟」になぞらえ「未納三兄弟」と呼ぶなど、年金未納問題批判の急先鋒だった民主党代表・菅直人や、野党最左派である日本共産党所属の議員にも未納・未加入が発覚した。
その結果、2002年(平成14年)度の国民の平均年金未納率を、4ポイントも上回ったことが分かった。以上のような事実を踏まえて、マスメディアによって、日本国政府の政策失政を批判する相当量の報道に、国民の多数が賛同し、国民の年金制度不信、政権不信をさらに加速させた。
追及が及んだのは公職関係者ばかりでなく、公人の年金未納問題を強く批判していたニュースキャスターも、年金未納であることが発覚したため、番組出演を見合わせることとなる例も存在した(筑紫哲也など)。
また、前述の通り国会議員や学生が国民年金加入が任意制だった時期が存在するが、公的年金制度への信頼性が問題化されていたこともあり、法律違反でない任意時代の年金未加入が法律違反である強制加入期の年金未納と同じように問題視されうることもあった。
この問題を受けて、改めて年金の「うっかり未納」の深刻さが認識され、未納年金の後納が認められることとなった。
だが、この国民年金未納問題の個人情報漏洩に関与していたのは社会保険庁の職員であり、社会保険庁職員が誰でも閲覧可能な状態であり、情報管理がずさんだった為に「個人情報が全く守られていない」と批判され、これらの情報を故意(職務外に閲覧のこと)に閲覧したり、マスメディアに情報を社会保険庁の許可なく、故意でリークとして納付情報を漏らし、守秘義務違反をした社会保険庁職員300人に対して、一斉に懲戒処分され、この300名に対し、自民党は2005年(平成17年)12月21日の社会保険庁改革協議で、国家公務員法の分限免職を適用する方針を決めた。
その後、国民年金不正免除問題や年金記録問題が発覚したため、2004年(平成16年)の時点で、記録や手続が正確・適正であったかどうか不明であり、当時の納付記録の誤りにより未納扱いとされてしまった者も含まれている可能性があり、そもそも最初から国民年金の免除申請を認可されていた場合は、未納とはならないので、2007年(平成19年)時点でも、不透明な部分は残っていた。
経緯​
この問題は当初与党自民党の一部閣僚の問題として発覚、野党民主党の批判を受けたことに端を発する。内閣提出をした責任者である閣僚が年金未納であったことから、年金を議論する資格がないと追及。この時点で、与党側は官房長官であった福田康夫から「個人のプライバシーだ」とのコメントを出し強く反発していた。この対応は多くの国民の不興を買うものだった。しかし数日後には福田自身を含めたさらに多数の閣僚に未納の事実が発覚するとともに、批判する側であった民主党の代表菅直人や野党議員にも発覚した。
この時点で、与野党全体を巻き込まれた形になった。それに対して福田は先手を打つ形で官房長官の引責辞任を発表した。こうして福田は潔く進退を決めたイメージを作るとともに、菅に進退を迫る形となった。菅は社会保険庁のミスを主張したが、民主党内で求心力が低下したため、菅は党代表辞任に追い込まれることとなった(もっとも、社会保険庁は未加入と認定した期間も後に加入期間に訂正し、菅に関しては責任は無いことが小泉首相の答弁書により明らかとなった。ただし、この社会保険庁のミスが発生した時の監督官庁は厚生省で、その時の厚生大臣は菅直人であり、菅が自分の政治的責任を自分で追及したことになる)。
福田が辞任した時点では、すでに懸案であった年金改革法案が衆議院を通過したあとであり、「名を捨てて実を取ったのでは」との批判もある。しかし、政治的には決断を迅速に行ったという点に関しては自民党の勝利であった。なお、後任の官房長官である細田博之は就任早々の会見において年金納入問題に関する質問が出たが、自身の年金納入履歴を答え、年金未納時期がないことを回答している。
民主党では、菅の後継として、党内でもその強い政治力から危険視され、自ら「一兵卒として働く」と宣言した小沢一郎が最有力であった。そして、小沢がその立場を活かして党執行部の刷新を条件に代表就任を受諾するという交代劇が繰り広げられた。
その後、首相小泉純一郎の任意加入期間の年金未加入が発覚、続いて小沢にも任意加入期間の年金未加入が発覚する。ともに任意加入の時期であり法律違反ではなかったが、ここで小沢は代表候補の辞退を表明した。福田の辞任のときとは逆に、自民党側に進退を突きつけた形となったが、小泉の進退問題には発展しなかった。
厚生労働大臣をはじめとする厚労関係議員(副大臣、国会委員長)にも年金未納があり、本国会審議の年金改革法案の成立を巡って、未納状況の公表が遅れるなどの状況がみられた。
事件の経過​
2004年4月23日…小泉内閣閣僚のうち、中川昭一(経済産業大臣)、麻生太郎(総務大臣)、石破茂(防衛庁長官)の後の麻生内閣の閣僚となる3名が国民年金の納付をしていなかったことが判明。民主党代表の菅直人はヒット曲の「だんご3兄弟」にちなんで「未納三兄弟」と揶揄して強く批判。
2004年4月28日…小泉内閣閣僚の年金未納問題を追及していた菅直人も1996年1月から同年10月までの10か月間、当時の所管大臣(厚相)であったにも関わらず年金に未加入だったことが判明する(後に行政の過失と判明。社会保険庁は菅の未加入を加入期間と訂正したが未払いは解消せず)。小泉内閣では福田康夫(官房長官)、竹中平蔵(経済財政・金融担当大臣)、谷垣禎一(財務大臣)、茂木敏充(沖縄・北方対策担当大臣)の4名に年金未納期間があったことが判明する。
2004年5月7日…福田康夫が内閣官房長官を引責辞任。
2004年5月10日…菅直人が民主党代表を辞任。
2004年5月11日…年金制度改革関連法案が、自・公・民の三党合意で衆議院を通過。
2004年5月12日…公明党、代表の神崎武法ら幹部を含む13人の未納議員を公表。
2004年5月13日…民主党が33人の未納議員公表。厚生労働副大臣の森英介、谷畑孝の未納判明。
2004年5月14日…小泉首相の任意加入期間の年金未加入が発覚。衛藤晟一衆議院厚生労働委員長の未納判明。
2004年5月17日…小沢一郎が年金未加入時期があったとして、民主党次期代表を辞退する旨を発表した。
2004年5月26日…自民・公明両党は、検討を進めていた保険料未納者が保険料追納を可能にする特例法案の成立を断念。
2004年5月27日…坂口力厚生労働大臣が国民年金未加入(任意期)を公表。
2004年5月27日…1986年4月以降の年金未納の議員氏名を公表することを義務つける法案を民主党の議員が提出。
2004年6月5日…年金改革関連法案が参議院で可決、成立。
2004年7月30日…社会保険庁職員300人ほどが私用目的で年金未納情報を閲覧していたことが発覚し、一斉処分が行われた。一部の職員がマスコミに情報をリークしていたことも明らかになった。  
「未納3兄弟」と菅代表が批判 3閣僚の国民年金未加入  
「自分は掛け金を払わないで、国民の掛け金を引き上げるなんてふざけている。こういうのを『未納3兄弟』と言う」
民主党の菅代表は24日、広島県呉市で街頭演説し、小泉内閣の中川経産相、麻生総務相、石破防衛庁長官の3閣僚に国民年金の未納・未加入期間があった問題について、こう厳しく批判した。
演説で菅氏は、福田官房長官が自らの60歳までの納付履歴について「個人情報」を理由に公表を拒んだことも取り上げ、「福田氏は『プライバシーだから答えられない』と言っているが、年金の掛け金を上げる法案を出している重要閣僚の一人であり、公的年金を払っているかは答える責任がある」と指摘した。「未納3兄弟は、もしかしたら、4兄弟、5兄弟、6兄弟かもしれない」とも述べた。
未納三兄弟
年金改革関連法案の審議中、国会議員の年金未納問題が次々と発覚。菅直人・民主党代表(当時)が、最初に発覚した閣僚3人を揶揄(やゆ)して「未納三兄弟」と呼んだ。後に、菅代表自身の年金未納が明らかになり、代表を辞任した。
「年金未納問題」に見る日本人の見識 2004/5
イラク邦人人質問題に続いて、日本人の見識が試されたのは年金未納問題。年金CMの江角マキ子バッシングに始まり、「未納三兄弟」の発覚、福田官房長官が辞任し(本当にこれが理由で辞任したのかどうか大変疑わしく思うが)、飛び火して言い出しっぺの菅民主党代表も辞任、神崎公明党代表、土井社民党前党首(北朝鮮拉致問題、議員秘書報酬問題、年金未納問題…、社民党は何とかしようよね)らの謝罪を経て、小泉首相の公表まで、年金国会に出演の主だった国会議員がオールキャストの豪華(お粗末?)ぶりだ。確かに一種の壮観ではある。あきれたものだ。でも、これって本当に「問題」?
こちとら厚生労働省のお利口な役人とは違って、複雑にして怪奇千万な年金制度にはド素人だ。未納だ未加入だと言われても違いがよくわからない。ただ議員先生方のご説明を聞いていると、どうも「転職」の際にはややこしい年金の変更手続きが必要であり、よほど周到な年金知識がない限り、未納や未加入となってしまうようだ。実際、国民諸氏も転職経験があるなら、いざ自分が本当に年金に完全に加入できているかどうかを問われて、大丈夫だと自信を持って言い切れる人は少数ではないかと思う(これはこれで大変おかしな話だが)。
問題は明らかに複雑な年金加入・納入制度自体にある。李下に冠を正さず、隗より始めよの言葉の通り、年金への国民皆加入を進め、年金制度を論じる議員が未納なり未加入なのはもちろん宜しくないだろう。また、そんな奇怪な加入・納入制度を放置してきた国会議員としての無責任も問われなければならない。だが、同じ「年金」という大枠だけで、正しくは別個のことをミソ糞にして、全否定するのは問題のスリ替えであり、矮小化である。
国会での議論に論じる「資格」がもし必要だと言うのなら、今後いちいち問題ごと、議論の前に資格を有するか否かを確認しなければならないだろう。今回のことでは主だった議員は与野党含めて、参加できないことになる。それでよいのか。そもそも、年金議論での「資格」は年金への意図的な非加入や不払いこそ問題であるはずなのだが、未納や未加入が指摘された議員はいま現在もそうだというケースはむしろ例外だ。つまり、たいていは意図的に非加入や不払いを続けていたわけではない。この点でもミソ糞の論難なのである。
では、国民は皆、年金未加入・未納問題は事象として知悉することになったが、「年金国会」と呼ばれもした今国会で年金制度改革自体の何がいかに議論され、どう決着したかを果たして何人が理解しているだろうか。この大騒ぎで議論の中身が掻き消され(もっともそうでなくても理解されていたとは思えないが)、本末転倒の「国民的」議論となってしまった。そう仕向けたのは民主党を始めとする野党議員であり、何はともあれただお祭り好きのマスコミだ(「高級紙」を自認する朝日新聞の5月16日朝刊トップは「小泉首相も年金未加入」で、その数分の1の扱いで「首相、22日再訪朝」、さらに「民主代表に小沢氏」と続く。嘆かわしくも、これが朝日新聞が考えるニュースの重要度の比率だ)。
菅「前」代表が未納閣僚を「未納三兄弟」とネーミングして与党を揶揄・批判したのは、「世論」を意識した「国民に分かりやすい政治」を実践されたのだろうが、ワイドショー向きの「国民に分かりやすい政治」がいかにずさんなものかが示された好例だと思う。しかし、未加入・未納を釈明する議員も議論をミソ糞にして攻撃してくるであろう「世論」を恐れて、それと年金論議が別問題であることを声高には言い続けない。
事実、「世論」を僭称するマスコミは制度改革も加入・納入問題もすべて「年金問題」であるとして、議論を細分化することを怠り、いつもの「政治批判」ばかり繰り返してきた(こんなものは政治批判でも何でもない)。一方で、国民は自分の頭で考えず、マスコミの日替わりメニューで垂れ流す無意味なニュースを「消費」しながら、それが自身の「考え」であるかのような錯覚を自ら許し続け、そんな「世論」に共同正犯として加担している(これはわが日本人お得意の見て見ぬ振りである。無自覚であることとは似て非なるものだ)。
そういう中で、「世論」を「リード」してきたTBS番組「ニュース23」の筑紫哲也キャスターの年金未加入・未納が発覚した。語るに落ちるとはこのことだ。番組に出演しないことで責任を取るそうだが、社会的非生産性と言うか、日本社会の荒廃もここまでくれば、悲しくなる。筑紫キャスターは自ら作り出した「世論」によって「責任」を取らされているのだ。彼の「怒り」がどこに向かうかを確かめたい。世論や国民に向かうのか、それとも政府や政治に向かうのか。
日本人の「世論」は集合意識となったルサンチマンだ。誰かの意思表明ではないし、ましてや責任ある意見ではない。エライ先生方のあたふたする映像をオモシロおかしく見ることだけが目的の下司の勘繰りだ。それをさも正義や道徳に基づくご立派な何かとして、マスコミが煽り囃し立て、議員もこれを恐れている。そしてそれが何と「政治」と呼ばれている。どこに「民主主義」や「個人」なぞあろう。きちんと自分の目と耳で見聞きし、自分の頭で考えることから始めようではないか。
私の年金未加入問題について (菅直人)
【民主党代表辞任】
5月10日の両院議員懇談会において民主党代表辞任を表明しました。辞任の理由は私自身の国民年金未加入問題で国民の皆さんに年金への不信感を高め、併せて民主党の仲間にも大変な迷惑をかける結果になった事の責任を取っての引責辞任です。これまでご支援をいただいてきた皆さんに感謝と共にお詫びを申し上げます。そしてこの際この間の経緯について詳しく説明をしておきたいと筆をとりました。
【年金法案】
昨年の衆院選で民主党は、国民年金と厚生年金などの被用者年金とを統合する年金制度の一元化を柱とする年金の抜本改革案をマニフェストに盛り込みました。一元化が含まれない政府案に対して国会論戦を挑んでいた時、社会保険庁の国民年金キャンペーン広告に出た江角さんの年金に未加入が報道されました。私が「江角さんに国会に参考人としてきてもらえばいい」と発言したことに、多くの方からの批判がありました。
私としては「べたなぎ国会」と揶揄されていた国会の論戦を盛り上げるためと考えてのことですが、江角さんに対するいじめと誤解して受け取られたようです。今考えればこの頃に私自身の年金納付状況をしっかり調査しておけば今回のような展開にはならなかったと反省しています。国民年金の支払いは銀行口座から自動引き落としで振り込んでいるので未納はなく大丈夫と思っていました。
その後4月23日、中川、麻生、石破の3閣僚が国民年金の未納を発表し、枝野政調会長が国会で厳しく責任を追及しました。ちょうど翌日が衆院選補欠選挙の最終日で、選挙応援で「未納三兄弟」という言葉を積極的に使ったことが後に反発を強める原因になりました。
補欠選挙が終わって4月28日改めて地元の社会保険事務所に秘書をやり、私の年金加入状況の資料を取り寄せました。資料によると、国民年金に国会議員になる前から加入し、厚生大臣になった1996年1月の時点で資格喪失(脱退)となり、厚生大臣を辞めた同年11月の時点で資格を再取得し、その結果厚生大臣在任中の10ヶ月が無年金(未加入)扱いになっていることが判明しました。
大臣になったからといって国民年金を脱退する理由は何もないにもかかわらず、何故この様な間違いが生じたのか厚生大臣時代の事務の秘書官に問い合わせたところ、大臣になると国家公務員共済の組合員になるが、大臣には医療保険のみが適用され、年金は適用されないので国民年金を脱退してはいけなかったという説明でした。法律を調べてくれた専門家からは「法律の規定が複雑で矛盾していて、どこかで間違いがあったのだろう」ということでした。
未加入扱いが判明した4月28日、すでに民主党の「次の内閣」メンバーの年金納付状況を発表することになっていたので、発表したうえで「未加入は行政上のなんらかの間違い」と説明しましたが、これも反発を強める理由になったようです。
翌日からの欧米訪問を控え、大型連休に入る直前のこの時点で正直に「未加入」を発表したことが大きな誤解をうける事になりました。今考えるともう詳しく再調査して発表すれば、あれほどの誤解と反発は受けなかったと反省しています。
【法律上と行政上の問題】
その後徹底的に調査をしてみました。結論は「法律上の矛盾と行政指導の不徹底」が原因ということです。つまり国民年金法では「国家公務員共済の組合員は国民年金の加入できない」と解釈できる条文(第七条二号)がある一方で、国家公務員共済組合法(第七十二条二項二号)では大臣には国家公務員共済の組合員にはなるが年金は「適用しない」との規定があります。そこで当時、国民年金の窓口であった各自治体は、国家公務員共済の組合員になると届を提出させ、国民年金法にもとづいて国民年金の資格喪失とする指導が行われていました。
私の場合、健康保険証を兼ねている共済組合員証を持って妻が市役所の市政センターに国民健康保険の脱退手続に行った時、窓口で国民年金の資格喪失(脱退)手続も併せてするように書式を渡され、手続をしてしまったというのが事実関係です。武蔵野市役所に提出した届け出書類では、国民年金の資格喪失の理由として国家公務員共済の組合員などを意味する「2号該当」という項目に丸印がつけられていました。これは市役所の間違いというより、社会保険庁が大臣の例外的扱いについて自治体を十分指導していないために生じたことだと考えます。
【社会保険庁が誤りを認める】
5月14日になって社会保険庁も厚生大臣就任時の資格喪失の手続きが間違いであったことを認めました。当日、武蔵野社会保険所長から「資格喪失の取り消し」を行った通知と、厚生大臣在職期間中も国民年金資格があった事の証明書が私あてに発行されました。これで私の言った「行政上の誤り」があったことが証明されたことになり、ホッとしました。
資格の回復を認めた上はこの期間の保険料の支払いも認めるべきで、協議を継続しています。私の場合、銀行からの自動引き落としで納付されていた保険料まで社会保険事務所から返納されていたという問題もあり、近いうちになんらかの是正措置がとられるはずです。実は江田五月参議院議員も科学技術庁長官在任期間、私と同様、国民年金の資格喪失扱いになっていたそうです。しかし、その後の交渉で社会保険事務所が間違いを認め、江田さん宛に大臣の期間の納付通知が改めて送られてきて支払い、未加入期間は解消されています。
【ご理解をいただければ幸い】
以上の説明からお分かりいただけるように、私の年金未加入問題は日本の年金制度が一元化されておらず複雑であるという根本問題に加えて、国民年金法と国家公務員共済組合法の矛盾、さらには国家公務員共済の年金部分だけが大臣には適用されないという特例的扱いを社会保険庁が自治体に徹底していないために生じた出来事です。社会保険庁が私に対する資格喪失手続きが間違っていたことを認めたからといって「覆水盆に返らず」で、影響がこれで完全に回復するとは思いません。しかし地元やこれまで私を支援してくださった皆様に、私がマスコミを通して主張していたことが「嘘」ではなかったことを理解していただければ幸いです。
2004年5月17日  

 
2004/4