空梅雨 梅雨明け

東日本 猛暑の空梅雨
あっという間 梅雨明け 

毎日が 猛暑日 外出は買い物と病院だけ
熱中症 注意
クーラー テレビ 引きこもり
夜も気温下がらず 眠れない

老化の皮膚 
しわの肌  あせも山もり 掻きむしる

 


 
 
●気象庁1か月予報 暑さ厳しく熱中症警戒 7月は梅雨空戻るも一時的 6/23
今日23日(木)、気象庁は6月25日から7月24日までの1か月予報を発表しました。
7月に入る頃までは夏の太平洋高気圧が強く、全国的に厳しい暑さが予想されます。その後は一旦、高気圧が勢力を弱めて梅雨空が戻る見込みです。暖かく湿った空気の影響で、西日本を中心に雨の強まるおそれがあり、油断ができません。
梅雨期間の雨量少なく水不足の懸念も
6月末から7月に入る頃にかけては太平洋高気圧の勢力が強く、梅雨前線の活動は弱まります。西日本や東日本は広範囲で雨の降る日はほとんどない見込みです。その後は一旦、高気圧が勢力を弱め、日本列島に湿った空気が流入。梅雨前線が活発になって雨の強まるおそれがあります。広い範囲で梅雨明けとなるのは7月の中旬以降とみられます。
1か月の降水量は梅雨前線や湿った空気の影響を受けやすい北日本で平年並みか平年より多い予想です。西日本、東日本は梅雨の中休みが長い上、7月中旬には梅雨明けを迎えることから、平年並みか平年より少ない予想となっています。ただ、短期間にまとまった雨が降る可能性は残っていますので、油断はできません。
梅雨期間の雨量が少なくなると、夏場の水不足の懸念が出てきますので、今後の動向に注目です。
梅雨期間も暑い 熱中症への備えはしっかりと
太平洋高気圧の勢力が強いため、気温は全国的に高い傾向です。1か月の平均気温は九州から北海道にかけては平年よりも高い予想、沖縄や奄美は平年並みの予想となっています。特に6月末は梅雨の晴れ間の所が多く、厳しい暑さとなる見込みです。
四国から北海道は29日(水)頃からの5日間の平均気温が平年よりもかなり高い可能性があるとして、高温に関する早期天候情報を発表しました。早い猛暑の到来で熱中症のリスクが高くなりますので、活動する際の対策に加えて、日々の体調管理も欠かせません。
 
 
●多雨予想が一転、ひどい空梅雨傾向に 農作物の管理など十分注意 6/26
6月は多雨予想だった
上図は5月26日発表の1か月予報の降水量の予想です。
今年の梅雨はかなり前から梅雨前線の北上が早まると予想されていたこともあり、6月の降水量は東日本から西日本でずっと多くなる予想が出されていました。この時の発表でも、まだ鮮明な多雨傾向となっています。
またもともと梅雨入りも早まるのではないかと予想されていましたが、実際は関東甲信で6月6日に、ほぼ平年並みの梅雨入りとなった他は、むしろ平年よりは遅い梅雨入りとなり(速報値)、さらに梅雨入りしても、当初の予想とはかけ離れた少雨傾向が続いています。
すでに農作物の生育などに影響が出かねないカラカラ状態の所もあるようです。
実際は極端な少雨傾向に
上図(上)は関東甲信で梅雨入りが発表された6月6日からきのう25日(土)までの20日間の降水量の平年比です。
西日本は全般に平年より少ない所が多く、特に四国や紀伊半島などには40%未満を示す濃いオレンジ色の所も出現しています。一方、東日本や北日本は平年より多い所、少ない所がかなりばらついていますが、関東の平野部などは黄色やオレンジ色が目立っている状態です。
さらに直近の10日間(下)に注目すると、関東の平野部では多くの所が平年比10%未満の茶色が広がっており、ひどい少雨状態となっている様子がうかがえます。
実際に、直近10日間の降水量(平年比)は、水戸0.0ミリ(0%)、宇都宮1.5ミリ(2%)、前橋2.5ミリ(4%)、熊谷0.5ミリ(1%)、東京都心7.5ミリ(12%)などとなっています。
東京都心は6月に入ってからの降水量は64.0ミリ(25日まで)で、もしこのまま100ミリに届かなければ、6月として2007年以来15年ぶりということになります。
この少雨は梅雨前線の影響が小さかったからに他なりませんが、梅雨が本格化してくるこの時期のひどい少雨ですから、農作物などの生育に大きな影響が出始めている所もあるようで、まるで梅雨明けしたかのような真夏を思わせる記録的な猛暑もこの状態に拍車をかけているようです。
この先も雨が多いこの時期に少雨傾向が続いてしまうと、さらに深刻な影響が出かねない状態ですが、残念ながらしばらくはこの少雨状態は解消されそうにありません。
向こう1週間から10日間も晴れ傾向
向こう10日間の予報をみると、梅雨明けの発表があるにしてもないにしても、関東以西ではまさに真夏の晴天が続き、内陸を中心に体温並みの猛暑の続く所もあるでしょう。
東京都心は、きのう25日(土)35.4度と観測史上最も早い猛暑日となり、そしてきょう26日(日)はさらに暑く36.2度と6月の観測史上1位の暑さを記録しました。6月に2日続けて猛暑日となるのも観測史上初めてですが、今週はさらに2回の猛暑日が予想されています。
来週七夕(7月7日)の週は、太平洋高気圧がやや衰退する予想もあり、少雨傾向が少し和らぐ可能性もありますが、もしまとまった雨が降らないようだと、農作物などには一段と大きな影響が出かねない状態となりそうです。
こうなると夏季に向けての水不足も心配となり、首都圏の水がめの状況も気になるところですが、今のところ、東京都水道局による貯水量の情報をみると、すぐに心配するような状態とはなっていません。むしろ満杯に近い状態です。
とはいっても、このまま少雨傾向が続けば、7月以降、どんどん貯水量が減少する可能性はありますので、節水を心がけねばなりません。
  
 
●関東甲信などは過去最短の梅雨に 6/27
今日27日(月)、気象庁は関東甲信と東海、九州南部が梅雨明けしたとみられると発表しました。速報値ではありますが、いずれの地域も過去最も短い梅雨です。
東海の梅雨期間は2週間に満たず
今年の梅雨入りは関東で6月6日とほぼ平年並みでしたが、東海や西日本では平年より遅くなりました。その一方で、梅雨明けは記録的に早く梅雨の期間は関東で21日間、東海は13日間、九州南部は16日間といずれも過去最も短くなっています。(梅雨入り、梅雨明けの期日は、後日、春から夏にかけての実際の天候経過を考慮した検討を行った結果、変更となる場合があります。)
ウェザーニューズ予報センターの長期予報チームの解析によると、6月下旬になり南シナ海での対流活動が活発化することで、太平洋高気圧が次第に勢力を強め、日本列島を南東から覆い始めました。さらに7月のはじめにかけては上空の偏西風が日本付近で北に蛇行し、次第に上空の高い所の高気圧(チベット高気圧)も本州の真上で勢力を強めるとみられます。
7月は戻り梅雨のタイミングも
例年よりも早いタイミングで夏の暑さをもたらす高気圧の勢力が強まったことから、記録的に早い梅雨明けの発表となりました。
晴れて暑い期間が短ければ「梅雨の中休み」と判断されるものの、今年は少なくとも1週間程度は継続することや、広域で35℃を上回る猛暑日が予想されることなどから、「梅雨明け」と判断されたとみられます。
ただ、7月上旬の半ばからは太平洋高気圧、チベット高気圧ともに張り出しが弱まる予想で、日本付近には暖かく湿った空気が流れ込みやすくなる見込みです。大気の状態が不安定になって局地的に雨の強まるおそれがあります。曇りや雨の日が増えて、「戻り梅雨」となるかもしれません。
空梅雨傾向で水不足の懸念
その後、7月中旬以降は再び高気圧が勢力を盛り返し、東北も含めた広い範囲で本格的な夏空となる予想です。7月から8月にかけては全国的に気温が平年よりも高いとみられ、厳しい暑さが想定されます。いつもの年以上に、熱中症など暑さへの備えはしっかりと行ってください。
また、西日本では梅雨の期間の雨が少なく、ダムの貯水率の低下している地域があります。7月上旬の戻り梅雨で雨があまり降らないと、水不足が懸念されますので、節水も気にしておくと良さそうです。
 
 
●中国地方 過去最も早い6月の梅雨明け 2週間の空梅雨 猛暑に警戒 6/28
中国地方は統計開始以来最も早い梅雨明けとなり、6月14日の梅雨入りからわずか2週間という短い梅雨となりました。また、降水量は平年に比べて少ない空梅雨となりました。今週は強い日差しと厳しい暑さが続くため、熱中症に警戒が必要です。
短い梅雨 降水量平年より少ない
短い梅雨もあれば、長い梅雨もありますが、梅雨の期間が短いからと言って必ずしも降水量が少なくなるとは限りません。ただ、今年の梅雨は1951年の統計開始以来、最も早い梅雨明けで、梅雨期間はわずか2週間となりました。これまで一番短かかった梅雨期間は1978年の22日となります。(梅雨入り・明けは速報値で後日変更となる場合があります。) 今年の梅雨期間の降水量は、各地で平年より少なくなりました。このまま、晴れて降水量が少ないままとなるのでしょうか。
2週間天気 前半 猛暑が続く 熱中症に警戒を
今週末2日(土)にかけては晴れて、厳しい暑さが続く見込みです。最高気温は35度前後になる所もあり、体調管理に注意が必要です。最低気温は沿岸部を中心に25度以上となり、一日を通して暑さ対策が必要となる見込みです。3日(日)からは太平洋高気圧の北への張り出しが弱まり、湿った空気が流れ込みやすくなる見込みです。
雲が広がりやすく、変わりやすい天気になるでしょう。
2週間天気 後半 くもりや雨の日が多くなる
湿った空気の影響を受け、くもりや雨の日が多くなる見込みです。梅雨末期のような大雨になる可能性もあるため、警戒する必要があります。
続く猛暑 熱中症に警戒を
危険な暑さになるときは、できるだけ運動は控えて適切に温度管理された場所で過ごすようにしてください。
こまめに水分補給や休憩をとり、汗をたくさんかいた時は塩分もとるようにしましょう。体調が悪くなった時は、涼しい場所へ移動し、体を冷やしてください。首筋やわきの下、足の付け根などを冷やすようにして、経口補水液などの水分を補給してください。自力で水分をとることができない場合はすぐに医療機関へ行く必要があります。お年寄りや小さい子どもは、喉の渇きに気づきにくい為、周囲の方が気にかけてあげるようにしてください。
 
 
●梅雨明けの日に猛暑 6月の観測史上1位の35・4度 6/29
近畿地方の梅雨明けが発表された28日、福知山市では最高気温が35・4度を記録し、今季初めての猛暑日となった。6月とは思えない真夏の日照りをしのぐため、日傘を差して歩く人や水分補給をこまめに取る人の姿が見られた。
気象庁によると、この日の最高気温は、平年よりも6・7度高く、福知山での6月の観測史上1位となった。
JR福知山駅周辺では、タオルを頭にかぶせるなどして移動する人が目立った。
農家は収穫への影響を懸念
今季の梅雨は記録的な短さとなった。京都地方気象台によると、京都府内の多くのところで、5月1日から6月27日までの降水量が平年の5割程度と少ない。
今後も厳しい暑さが続くとみられ、市内の農家は収穫への悪影響を懸念する。
六十内で米やトマトなどの野菜を作る「小林ふぁ〜む」の小林伸輔専務(58)は「気温が高いと水が温かくなり、米は乳白米になる可能性がある」と心配する。さらには「梅雨明けが平年よりも早いため、野菜への水やりなど例年にはない大変な作業をしないといけない日が多くなる」と頭を抱えている。
熱中症に注意、昨年比で倍増
市消防本部によると、27、28両日の熱中症疑いの救急搬送者は計5人に上った。今年6月の件数は28日時点で計13件あり、昨年の6月と比べると、2倍に増えているという。
市消防本部は「最近、急激に暑くなって、体が慣れておらず、屋内でも熱中症になる場合があります。エアコンなどで温度調整をしたり、こまめな休憩や水分補給をしたりしてほしい」と注意を呼びかける。
京都地方気象台などによると、今後数日は高気圧に覆われて晴れる日が多いという。
 
 
●6月 キーワードは「記録ラッシュの梅雨」「大雨と少雨」「異例の猛暑」 6/30
記録ラッシュの梅雨
6月といえば、雨の季節というイメージを持つ方も、大勢いらっしゃると思います。2022年6月の前半は、続々と梅雨入りを迎えました。
気象庁は、6日に「関東甲信地方が、梅雨入りしたとみられる」と発表。関東甲信地方の梅雨入りは平年より1日早く、九州南部地方より早かったのは17年ぶりのことでした。
その後、11日には九州南部・九州北部地方、13日には四国地方、14日には中国・近畿・東海・北陸地方、15日には東北南部・東北北部地方と、次々に梅雨入りしましたが、「平年より遅い梅雨入り」の所が多くなりました。
一方、6月下旬になると、梅雨前線が北上し、次第に雨の季節が終わりを迎えました。
20日には沖縄地方、22日には奄美地方で梅雨明けを迎え、いずれも「平年より早い梅雨明け」となりました。
さらに、27日には九州南部・東海・関東甲信地方、28日には九州北部・中国・四国・近畿・北陸地方、29日には東北南部地方で梅雨明けとなりました。
九州北部・中国・四国・近畿・関東甲信・北陸・東北南部地方では、「過去最も早い梅雨明け」でした。
また「梅雨の期間が短い」というのも特徴の一つでした。九州北部・中国・四国・近畿・東北南部地方では、統計開始以来、最も短い梅雨となりました。
※梅雨は季節現象であり、梅雨の入り明けには、平均的に5日間程度の「移り変わり」の期間があります。なお、梅雨入り・梅雨明けの発表は速報値で、春から夏にかけての天候経過を考慮して再検討され、見直されることがあります。
大雨と少雨
梅雨の時期には、いつもの年よりも雨量が多くなった所もありました。梅雨の期間の降水量は、那覇市(5月4日〜6月19日)では1072.5ミリと、平年値441.6ミリの約2.4倍、奄美市名瀬(5月11日〜6月21日)では847.0ミリと、平年値539.5ミリの約1.6倍でした。
また、6月下旬は、梅雨前線が北上したため、東北で大雨になり、梅雨のない北海道でも、記録的な大雨になりました。27日〜29日は、東北や北海道のあちらこちらで、6月1位を更新する降水量が観測されました。
一方、九州〜関東甲信では、広い範囲で雨が少なく、「空梅雨」になりました。
梅雨の期間の降水量は、福岡市(6月11日〜27日)では61.0ミリと、平年値172.0ミリの約4割、広島市(6月14日〜27日)では39.0ミリと、平年値133.1ミリの約3割、東京都心(6月6日〜26日)では59.0ミリと、平年値127.5ミリの約5割でした。
中でも、仙台市では、梅雨の期間はわずか2週間(6月15日〜28日)で、降水量はたった18.0ミリと、平年値75.5ミリの約2割でした。
異例の猛暑
この6月は、関東や東北の太平洋側を中心に、前半と後半で、気温がガラッと変わりました。
東京都心の最高気温は、6日と7日、14日と15日は、2日連続して20℃に届かず、「梅雨寒」となりました。6月に2日連続して最高気温が20℃未満だったのは、11年ぶりでした。
一方、梅雨明けしたとたん、猛烈な暑さが続きました。東京都心の最高気温は、25日から35℃以上の日が続きました。統計開始以来、6月に猛暑日が6日連続したのは、最長記録でした。
仙台市も、6月は前半と後半の気温差が大きくなりました。最高気温は、6日は14.5℃と、6月としては11年ぶりに、最高気温が15℃未満でしたが、25日は35.1℃と、6月としては最も暑くなりました。また、仙台市では6月前半は「夏日(最高気温25℃以上)」の日がありませんでした。6月前半に夏日がなかったのは、10年ぶりのことでした。
そして、6月下旬は、各地で、記録的な暑さになりました。
25日には、群馬県伊勢崎市で、最高気温40.2℃を観測。全国で、6月に最高気温40度台を観測したのは、史上初めてでした。伊勢崎市では、29日にも最高気温40.0℃を観測しました。
また、25日には、長野市などで6月としては1位の最高気温を観測し、29日には、名古屋市や岐阜市、富山市、福井市、鳥取市などで、6月としては1位の最高気温を観測しました。
6月最終日も一段と暑くなった所があり、東京都心や千葉市、横浜市、甲府市、名古屋市、岐阜市、京都市などで、6月としては1位の最高気温を観測しました。30日の最高気温全国1位は埼玉県鳩山町の39.9℃でしたが、最高気温が39℃台の地点は11地点と、6月としては最も多くなりました。
あすから7月 雨や気温は どうなる?
そして、7月の雨や気温がどうなるのか、気になるという方も、大勢いらっしゃると思います。
気象庁が、6月30日に発表した1か月予報によりますと、この先1か月の降水量は、北日本では「平年並み」ですが、東・西日本では「平年並みか少ない」でしょう。特に、西日本では、期間のはじめは、降水量の少ない状態が続く所があり、水不足のおそれがあります。
一方、沖縄・奄美では、この先1か月の降水量は「平年並みか多い」でしょう。台風や熱帯低気圧が発生しやすく、湿った空気の影響を受けやすくなりそうです。大雨への備えは、早めに行ってください。
また、この先1か月の平均気温は、北・東・西日本で「平年より高い」、沖縄・奄美では「平年並みか高い」予想です。7月は、厳しい暑さのエリアが広がるだけでなく、いつもの年よりも、暑さがレベルアップすることが予想されます。無理をしないで、できる限りの熱中症対策を、心がけてください。
   【北日本】北海道・東北地方
   【東日本】関東甲信・北陸・東海地方
   【西日本】近畿・中国・四国・九州北部地方・九州南部
   【沖縄・奄美】鹿児島県奄美地方・沖縄地方
 
 
●週間天気予報 猛烈な暑さはやわらぐ 台風4号の動向に注意 7/2
明日までは真夏の天気が続くものの、来週は夏の高気圧の勢力が衰えます。猛烈な暑さは和らぎますが、湿った空気の影響で曇りや雨の日が増えそうです。
猛暑にようやく出口 来週は暑さ少しやわらぐ
猛烈な暑さが続いた1週間でしたが、この猛暑はようやく明日には峠を越えてくる見通しです。とはいえ、最高気温は平年並みの30℃前後の日が多いため、晴れ間が出ると危険な暑さとなる可能性もあります。蒸し暑くなりますので、小まめな水分補給などで熱中症予防を心がけてください。
台風4号の動向に注意
昨日7月1日(金)9時に、日本の南で台風4号が発生しました。この台風4号は明日3日(日)にかけて沖縄に接近する見通しで、大雨や強風に注意が必要です。その後の進路は不確実ですが、湿った空気の影響で九州や四国、本州方面でも雨が強まる可能性がありますので、今後の情報に注意してください。
来週は梅雨が戻ったような空に
来週になると夏の高気圧が勢力を弱めて日本付近を覆わなくなる予想のため、湿った空気が流れ込みやすくなり、東日本や西日本で曇りや雨のすっきりとしない日が続く可能性が高くなっています。統計史上最も早く梅雨が明けた各地も、いわゆる「戻り梅雨」となる可能性があります。低気圧や前線の影響次第では、場所によって大雨となる日があることも想定されるため、日々の天気予報や雨雲レーダー等のご活用をお願いします。
●台風4号はいつどこへ?鍵を握るのは猛暑をもたらした太平洋高気圧の勢力 7/2
台風4号の予報円
台風4号は、きょう2日(土)午前3時現在、沖縄の南東海上にあって北北西に時速25キロで進んでいます。中心気圧は998hPa、最大瞬間風速は30メートルです。
今後はやや発達しながら北西方向へ進み、予報円の真ん中を進むと、きょう2日(土)夜には沖縄や奄美に接近し、あす3日(日)からあさって4日(月)朝にかけて東シナ海を北上する見込みです。このあたりまでは予報円が小さく、かなり確からしいと思われるのですが、問題はその後です。
5日(火)には九州付近へ到達する予想ですが、その頃から予報円は見る見る大きくなり、6日(水)から7日(木)にかけては1000キロ程度に拡大しています。
このため、予報円の真ん中を通れば、九州北部から瀬戸内海を進み、東海や関東南岸へ進みながら熱帯低気圧に変わる予想ですが、北へ進めば東北の可能性もあり、南へ進めば伊豆諸島の南を通る可能性もあり、また1日から2日程度の速度のブレも容易に生じかねない予報円です。
これは何故かというと、太平洋高気圧の勢力によるところが大きいからです。
鍵を握るのは太平洋高気圧の勢力
台風4号の予報円が見る見る大きくなっているのは、猛暑をもたらした太平洋高気圧の勢力がどこまで弱まるのかがモデルによってかなりばらついているためです。
上図、きょう2日(土)からあす3日(日)にかけては、次第に弱まる太平洋高気圧の縁辺を回るように沖縄から東シナ海へ北上する計算で大方揃っているのですが、5日(火)の予想をみると、太平洋高気圧は日本の南へすっかり退く予想です。
この太平洋高気圧がもう少し強まれば、台風4号は日本海側を進む可能性がある一方、もっと弱まれば、太平洋側を進み、お辞儀をするように南岸をかなり離れて進む計算も見受けられる状態です。
また上空の風が弱いため、速度はとても遅く、20キロ程度で東進する予想ですが、もう少しスピードアップするかスピードダウンするだけで、1日以上の速度差が容易に生じてしまう状態です。
今回の台風4号は、勢力も進路もまだかなりかなり不確実な状態ですから、出来るだけ最新の情報入手をしていただきたいと思います。
九州南部へ接近した場合
上図は一つのパターンで、台風予報円とずれがあるので注意が必要ですが、コンパクトながら暴風域を持つような台風として、あさって4日(月)午後6時には九州南部付近に到達する計算です。
台風に伴う非常に湿った暖かな空気が九州の南東部へ長時間流入するため、かなり雨量が多くなる計算です。ただこれが九州北部へ向かうかどうかなどによっても地域による荒天の度合いがかなり異なることになります。
局地的には500ミリ以上の計算も
上述したような進路で進んだ場合の72時間予想降水量は上図のような計算です。
湿った南東風の吹き付ける宮崎県や鹿児島県では300ミリ以上の紫色が出現しており、宮崎県では局地的に500ミリから600ミリ以上の計算も出ています。また四国の太平洋側でも雨量が多くなるでしょう。
これも台風の進路や速度次第ですが、状況によってはこれくらいの大雨となるポテンシャルがあることを示しています。(これはあくまでもこのモデルの計算上です。)
真夏は当分復活せず?
ウェザーマップが発表した10日間予報では、沖縄は週末から4日(月)にかけて雨や風が強まり、週明けからは東日本や西日本を中心に曇りや雨の日が多くなる見込みです。
あまりにも早い梅雨明けで記録的な猛暑が続いていましたが、この猛暑にはいったん終止符が打たれます。
さらに最新の太平洋高気圧の計算をみると、再来週にかけてもあまり強まる気配が見られず、むしろ梅雨前線が復活するような計算もあり、しばらく夏空と猛暑は陰を潜める感じとなりそうです。 
 
  
●東京都心、9日連続「猛暑日」 統計史上最長 7/3
日本列島は3日も北・東日本を中心に午前中から気温30度を超す暑さが続いた。気象庁によると、東京都心では3日正午すぎに35.3度を観測。東京都心は9日連続で最高気温35度以上の猛暑日となり、1875年の統計開始以降で最長だった2015年7月31日〜8月7日の8日連続を超えた。
気象庁によると30度以上の真夏日は3日午後5時時点で、全国で469地点。うち27地点が猛暑日となった。各地の午後5時までの最高気温は福島県伊達市37.7度、福島市36.8度、岩手県岩泉町36.3度など。同庁は熱中症への警戒を呼びかけている。
一方、東海や近畿では局地的に大雨もみられた。愛知県小牧市や京都府京丹波町南部、福知山市南部では1時間に約90~約100ミリの雨が降ったとみられるとして、記録的短時間大雨情報が発表された。兵庫県丹波市では正午前までの1時間の降水量が84.0ミリとなり、7月の最多を更新した。
東京都心では南から暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で雲が出やすく、午前中に一時的に雨も降ったが、その後に日差しが差すなどして気温が上昇したという。
東京都心の猛暑日は6月25日から9日間連続した。日本列島の南側に位置する太平洋高気圧と、中国大陸側の上空にあるチベット高気圧が日本に張り出して重なり合う形となって気温が上昇。30日には6月の統計史上最高となる36.4度を観測した。 
 
 
●東京は30℃に届かず連続猛暑日ストップ 猛暑日地点は12日ぶりにゼロ 7/4
東北や九州で34℃台を観測
今日4日(月)は雨となった西日本、東日本の太平洋側で気温が上がらず、東京都心は連続猛暑日の記録がストップしました。北日本や九州北部は日差しが届いて暑くなっています。
湿った空気の影響で曇りや雨となっている西日本、東日本の太平洋側は日差しがなく、午前中に久々の本降りの雨となった東京都心は29.0℃と、昨日まで続いていた連続猛暑日はストップしました。大阪市や名古屋市も30℃以上の真夏日になっていません。
午前中に日差しが届いた北日本や、湿った空気の影響が小さい西日本の日本海側は暑く、福島県梁川や福岡県太宰府で今日、全国で最も高い34.7℃を観測しています。全国の猛暑日地点がゼロになるのは、6月22日以来12日ぶりです。
明日は北日本でも今日より低い
明日5日(火)は湿った空気の影響で雨が降る関東から西の各地は気温が上がりにくく、最高気温は30℃前後となります。猛暑にはならないものの、湿度が高く蒸し暑く感じられる一日です。
北日本は今日ほど気温が上がらず、30℃を大きく上回る所は少ない見通しです。昨日、今日と2日連続で真夏日になった札幌市は24℃の予想となっています。
蒸し暑い地域では気温が低くても熱中症の心配が残りますので、油断をせずにしっかりと対策を行ってください。 
 
 
●“異例の暑さ”が影響? 日傘や花火など「夏物商戦」が早くも過熱 7/5
東京では9日連続で猛暑日となるなど、今年の夏は“異例の暑さ”となっています。その影響で「夏物商戦」に早くも“異変”が起きています。
“異例の猛暑”で日傘が人気 売り上げ3倍!セール前倒しも
関東甲信で早かった梅雨明け。東京で観測史上最も長い9日連続の猛暑日を記録した異例の夏。
「暑すぎて建物の中が一番幸せです」
そんな厳しい暑さのなか、活躍するのが・・・この時期に欠かせない、日傘です。
銀座にある百貨店「松屋 銀座本店」の日傘コーナーに行ってみると、開店からわずか1時間。多くの人が日傘を手に取り、広げた様子などを確かめていました。
日傘を買いに来た人「すごく暑いので子どもたちも日傘がほしいって言っていたのでちょっと見に来ました。子どもがさすなら可愛らしい色がいいかなって言って」「ちょっと暑いので衝動買いです。自分の持っている黒いスカートと合いそうだからいいかな、と思って」
そして、この急な暑さが日傘の売り上げに一役買っているといいます。
松屋銀座 婦人雑貨担当バイヤー 原田敬太さん「1か月前倒しして、セールをスタートしております。(6月後半から)猛暑が非常に続いておりまして、お客様の需要が非常に高くなってきましたので。特別にセール品を前倒ししてご提供したいと」
こちらの百貨店では、6月の日傘の売れ行きが2021年に比べ約3倍に。人気は遮熱・遮光性の高いタイプや軽量の日傘だそうです。
原田さん「コロナ禍のこの2年間は梅雨明けが非常に遅かったということもありまして。ぜひ暑さ対策で、お買い求めいただければと思っております」
家庭用プールの売り上げ好調 “自宅で暑さ対策”
早くも迎えた夏物商戦は、ホームセンター「DCMホーマック 大井競馬場前店」でも。
こちらのホームセンターでは、子供用プール:2.5倍(2021年比)、冷感寝具:3.5倍など、自宅で暑さをしのぐ商品の売れ行きが急増しているといいます。
浮き輪を見に来た人「孫用です」
―― 一緒にプールに?
浮き輪を見に来た人「そんなつもりがあって、ちょっと見ていた」
すだれを買いに来た人「今年は暑いですよね、とにかく。(すだれを)立てかけて少しでも節電しようかなと思って」
行動制限なしで迎える、2022年の夏。レジャーだけでなく、節電など夏物商戦への期待は大きいといいます。
DCM 佐藤義一マネジャー「夏本番はこれからですので、お客様のお問い合わせも増えてくると思いますから。しっかり対応していきたい」
猛暑で早くも花火の注文急増 コロナで減少していたイベント復活も・・・
梅雨が明け、早くも気になるのは夏休みの予定。中でも、「夏の風物詩」といえば・・・花火です。
花火を家で楽しむ方も多いと思いますが、その花火も、この暑さである異変が起きているといいます。
長谷川商店 長谷川公章 代表取締役「個人のお客さんは(買いに来るのが)7月中旬ぐらいかなっていうイメージなんですけど。梅雨明けも早かったので、注文は多くなってきてます」
6月後半から週末に買いに来るお客さんが増加。2021年に比べ「花火を持って田舎に帰る」「遊びで持って行く」といった声が多いといいます。
自分のお店で売る花火を買いに来たという男性は・・・「お客さんに言われてそろそろということで。なんか暑いなってなってから『そういえば花火は?』って言われて」
お客さんにせかされ、7月5日、急いで花火を買いに来たといいます。そのお会計は・・・4万2048円。
――今年はあと何回くらい買いに来そうですか?
「出来るだけたくさん来られる方がいい」
このほかにも、お店には在庫の確認や問い合わせの電話が次々ときていました。
コロナの影響が大きかったという花火業界。2022年は、町内会など夏のイベントを実施する声も多いそうですが、「まだ喜べる状況にはない」と話します。
長谷川 代表取締役「注文と見積もりっていうものの数は、2021年2020年より遥かに増えている。これを消費できるかどうかは、今後のコロナの数であったり、そういう風になるから」
――まだ安心できないですか?
「全然できないですね、そこはね」
●猛暑でも涼しい千葉・勝浦に熱視線 観測史上一度も猛暑日がない理由?  7/6
勝浦が涼しい—。6月下旬以降、全国的に記録的な猛暑に襲われる中、気象庁の観測データで最高気温が一度も30度を超えなかった千葉県勝浦市が注目を集めている。夏はこれからが本番。涼しさが同市の魅力の一つになりそうだ。
6月26〜30日の5日間、勝浦市の最高気温は26度前後が続いた。28日のみ27.7度まで上がったが、この日を含めて最低気温は20度を切った。県内では船橋市、木更津市など6カ所で今夏の最高気温を記録した7月1日も、なぜか勝浦は27.7度にとどまった。
銚子地方気象台によると、理由は複合的だ。平地ではコンクリートやアスファルトからの照り返しで猛暑になりやすいが、勝浦は平地が少なく緑が多い分、気温が上がりにくい。さらに最近の海水温は21〜22度と低め。涼しい海側からの風が入ることも影響している。
もっとも、海風が流れ込むのは南隣の鴨川市もそう変わらない。ところが同市は連日30度を超える真夏日を記録し、6月27日には36.3度と猛暑日に。確かに平地はやや多めだが、同気象台の担当者は「観測地点が勝浦よりも(海から見て)奥にある。海岸沿いで測れば同じことになる」とみる。
温暖化などで暑さが厳しくなるほど、夏の涼しさは長所となる。勝浦市の「移住・定住ポータルサイト」では「夏は涼しく、冬は暖かいという年間を通して過ごしやすい気候で、観測史上一度も猛暑日(35度以上)を記録したことがない街」とPRしている。
市定住促進協議会の事務局となっている市観光商工課の担当者は「この暑さで、都内の知人からも『勝浦は涼しいんだって?』と声をかけられる。移住促進でも観光の面でも、勝浦の涼しさ、過ごしやすさを、さらに打ち出していきたい」と話している。
●関東の週間天気 来週は蒸し暑さアップ 東京都心でも熱中症は危険レベル 7/7
関東では、来週は「熱中症の危険度」が高まるおそれがあります。ポイントは2つ。1つは、気温が高いだけでなく「湿度も高い」こと、もう1つは「不快な蒸し暑さが、長く続く」ことです。熱中症に、十分お気をつけください。
熱中症情報 来週は「危険」レベル
きょう7日は、二十四節気の「小暑」。暦の上では、本格的な暑さが始まる頃です。
ただ、関東では、今年は、いつもの年より早い時期から、厳しすぎる暑さとなりました。6月末〜7月初めは、東京都心で9日連続して「猛暑日(最高気温35度以上)」になるなど、関東では酷暑が続きました。一転して、7月4日月曜以降は、極端な暑さはおさまり、東京都心では、最高気温が30℃前後の日が続きました。
そして、来週は、蒸し暑さがレベルアップするでしょう。熱中症情報を見ますと、一番上のレベルの「危険」の所が増えそうです。東京都心では11日月曜と13日水曜は「危険」、横浜や前橋では11日月曜から「危険」な日が続くでしょう。
来週の暑さ ポイントは?
来週の暑さですが、ポイントは2つあります。
1つは、気温が高いだけでなく「湿度も高い」ということです。最高気温は、6月末〜7月初めほどは上がりませんが、それでも内陸部では最高気温が35度くらいの日もあるでしょう。カラッとした暑さではなく、湿度が高いため、不快な蒸し暑さになりそうです。湿度が高いのも、熱中症に引き起こす条件の一つです。ノドの乾きを感じる前から、こまめな水分補給を、心がけてください。
もう1つのポイントは、「不快な蒸し暑さが、長く続く」ということです。蒸し暑さが、長く続くことで、体に疲れがたまってしまうおそれがあります。さらに、蒸し暑いのは、昼間だけではありません。最低気温が平年より高い日が増えるので、夜の寝苦しさも続きそうです。無理をしないで、適度に冷房を使うなど、お休みの時も、できるだけ涼しくしてください。
天気は まるで梅雨のよう
この蒸し暑さの原因は、湿った空気が流れ込むからですが、湿った空気は、蒸し暑さをもたらすだけではありません。スッキリしない天気の日が多く、雨が降りやすくなるでしょう。
関東の週間予報をみますと、まるで梅雨のような天気となりそうです。曇りマークの日でも、雨の降ることもあるでしょう。お出かけには、念のために、雨具があると安心です。
その場合、雨雲レーダーをチェックするのがおすすめです。「今、どこで雨雲が発達しているのか」という実況だけでなく、「この後、雨雲がどこへ進むのか」という予想もわかります。自分のいる付近を拡大すれば、より詳しく知ることができます。
また、週間予報には、晴れマークはほとんどありませんが、雲が薄くなって、日の差す時間もあるでしょう。天気が変わりやすくなりますので、晴雨兼用の傘が役立ちそうです。
関東では、この先1週間は、「蒸し暑さ」による熱中症だけでなく、「雨の降り方」にも、十分ご注意ください。
●猛暑列島パニックレポート 「最速の梅雨明け」が異常な暑さを連れてきた! 7/8
気象庁は6月27日、関東甲信、東海、九州南部が梅雨明けしたと発表した。異例の早さとなった梅雨明けの一方で、記録的な猛暑が全国を襲った。東京都心では25日から9日連続となる猛暑日を記録。7月1日には群馬県桐生市の40.4度をはじめ、伊勢崎市、山梨県甲州市など6地点で40度台を観測した。同日に6地点での40度超えは観測史上初。6月20日から26日の1週間に熱中症で救急搬送されたのは全国で4551人に上り、過去最多となった。
想定を上回る暑さは電力需要にも波及。6月27日から30日まで東京電力管内で発出されていた電力需給ひっ迫注意報は7月に入り解除されたものの、今夏は綱渡りの状態が続くとみられている。気象庁の発表によれば7月中旬以降の気温は平年を上回る。降水量の少ない西日本では水不足も懸念されている。
●日本での「気温50℃超え」はありうるのか? 7/8
夏本番はこれからだというのに、異例の暑さが日本列島を襲った。縁側で風鈴の音を聞きながら涼んだ日は遠い昔のように感じられ、“どんどん暑くなっている”という実感があるが、この国の気温はどこまで上がってしまうのか。
今年は既に群馬県桐生市、伊勢崎市、山梨県甲州市、埼玉県熊谷市などで気温40℃を突破。東京は7月3日に過去最長となる9日連続の猛暑日を記録した。例年より早い時期から猛暑が続いた理由について気象予報士の高塚哲広氏はこう語る。
「偏西風の影響で、日本列島上空を覆う太平洋高気圧の上に、中国大陸から張り出すチベット高気圧が重なったことが記録的な猛暑の原因です。
二つの高気圧が重なる『ダブル高気圧』が起きると、背の高い一つの高気圧のような状態になって、より暖かい空気が吹き下ろしてくる。7月や8月によく見られる現象ですが、6月に発生した今年は異例でした」
7月、8月は、このダブル高気圧の影響で、例年を超える厳しい暑さになるとも報じられている。
近年、日本ではこうした異常な暑さの記録更新が相次ぐ。2018年に熊谷市、2020年に静岡県浜松市で歴代最高の41.1℃が観測されたのをはじめ、国内最高気温観測ランキングの上位のほとんどを、2018年以降のものが占めている。
環境ジャーナリストの富永秀一氏が語る。
「温暖化で地球全体の気温が上昇していることが背景にあります。また、日本はヒートアイランドによる都市熱上昇やフェーン現象、気圧配置や偏西風の気流など気温を上げる要素が複数ある。悪条件が重なれば、これまでになかった気温上昇があり得ます」
さらに富永氏は、将来の見通しについてこう警鐘を鳴らす。
「気象庁による観測は、芝生の上1.5mを標準としているので、最高気温が40℃を超えたといった場合、都心部の道路上などでは実際の気温はそれよりも高い。照り返しの強い場所では50℃近くになるところもあります。
もしこのまま温暖化が進みヒートアイランドなどが解消されなければ、あくまで気象観測ポイントではなく局所的にですが、5〜10年後に50℃を超えるエリアが出てきてもおかしくありません」
気温50℃は決して絵空事ではない。
今年1月、オーストラリア沿岸の町・オンズローは、南半球の史上最高気温タイとなる50.7℃を記録。また、2021年に英BBCは全世界の40年間にわたる気温データを分析した結果を報じているが、1980年代と2010年代を比較すると、気温50℃を超えた日数は倍増しているというのだ。
気温が50℃を超えるとサウナの中にいるような感覚になって、汗が出てもすぐに蒸発する。
世界一気温が高いと言われるアメリカのデスバレー国立公園では、屋外に停めた車のボンネットに冷凍ピザを置いてしばし待つと、加熱されてそのまま食べられるという。
そんな状況になった時、考えられるのは熱中症の増加だ。
熊谷市で歴代最高気温を記録した2018年は、全国的にも猛暑となり熱中症患者数が9万人を超えた。今年も既に熱中症が相次いでいる。気温50℃超えともなれば、記録的な患者増が懸念される。
●西日本で災害警戒続く 鹿児島101ミリ超  7/9
西日本では9日にかけ、九州を中心に大雨が降った。鹿児島県中種子町では1時間に101・0ミリを観測。朝で大雨のピークは過ぎたが、大気が非常に不安定な状態は続く見込みで、気象庁はこれまでの雨で土砂災害の危険度が高まった地域で厳重な警戒を呼びかけた。低い土地の浸水、河川の増水・氾濫にも警戒が必要だ。
他にも熊本県球磨村で86・0ミリ、鹿児島県南大隅町で81・5ミリの猛烈な雨が降った。9日未明までの24時間降水量は静岡県御前崎市で250ミリを超えた。
10日午前6時までの24時間に予想される雨量は、いずれも多い所で四国100ミリ、中国60ミリ、九州北部50ミリ。
●体にこたえる蒸し暑さ 熱中症と天気の急変に注意 7/10
11日(月)は、各地で気温・湿度とも高く、体にこたえる厳しい蒸し暑さとなる見込み。熱中症とともに天気の急変にも注意が必要だ。
熊谷は2日連続猛暑日に
11日は、雲が多めながらも日ざしの届く所が多く、午前中から各地で暑くなる見込み。予想最高気温は、熊谷・若松(福島)・久留米(福岡)は35℃の猛暑日、東京も33℃と日曜日より暑くなりそうだ。特に、日曜日に25℃を少し超えた程度だった名古屋では、8℃近くも高くなる予想。湿度も高く、熱中症の危険性が高まりそうだ。また、夜も気温が高めのため、一日を通して水分をこまめにとったり、室内では冷房や扇風機で温度を調節し、風通しを良くしたりするなどの万全な熱中症対策を心がけたい。
不安定な天気続く
気温の上昇とともに湿った空気が流れこむ影響で大気の状態が不安定となり、11日にかけては、各地で晴れ間があっても急な雨や雷雨にも注意が必要。
特に、11日の午後は九州から東北の内陸を中心に雨雲・雷雲が発達し、局地的な非常に激しい雷雨、大雨のおそれがある。土砂災害や低い土地の浸水、川の増水、落雷や竜巻などの突風に注意が必要だ。
 
 
●関東甲信 夜遅くにかけ大気不安定 非常に激しい雨のおそれも 7/11
気温の上昇や上空の寒気などの影響で、関東甲信は11日夜遅くにかけて大気の状態が不安定になり、局地的に雷を伴って非常に激しい雨が降るおそれがあります。低い土地の浸水や川の急な増水などに十分な注意が必要です。
気象庁によりますと、関東甲信は11日も気温が上がり、午後2時半までの最高気温は埼玉県鳩山町と群馬県伊勢崎市で35.6度、東京・八王子市と甲府市、長野市で35.1度と猛暑日になったほか、東京の都心で34.4度など各地で厳しい暑さとなっています。
こまめに水分を補給し、適切に冷房を使用するなど熱中症に十分注意してください。
一方、気温の上昇に加え、上空の寒気や湿った空気の影響でこれから11日夜遅くにかけて大気の状態が不安定になる見込みです。
関東甲信では雷を伴って激しい雨が降るところがあり、特に関東北部では局地的に1時間に50ミリの非常に激しい雨が降るおそれがあります。
雨雲が予想より発達した場合は警報級の大雨になる可能性もあり、気象庁は低い土地の浸水や川の急な増水、土砂災害に十分注意するとともに落雷や突風、それに「ひょう」に注意するよう呼びかけています。
●東京都心で猛暑日目前の34.4℃ 明日は天気崩れ暑さ和らぐ 7/11
今日11日(月)は関東を中心に気温が上がって35℃以上の猛暑日の所が多くなりました。東京都心も猛暑日目前の厳しい暑さになっています。
長野市や甲府市で猛暑日
午前中は西日本から東北にかけて日差しの届いた所が多く、午前中から各地で気温が上がりました。
午後になっても晴天が続いた関東甲信の内陸部はさらに気温が上昇し、15時までの最高気温が全国で最も高い埼玉県鳩山町では35.6℃を観測しました。長野市や甲府市でも35℃を超え、東京都心の最高気温は猛暑日に迫る34.4℃です。東京で34℃台の暑さになるのは、3日(日)以来、8日ぶりになります。
猛暑日の地点は関東甲信を中心に12地点、30℃以上の真夏日は573地点といずれも昨日を上回りました。
今日に比べると暑さは和らぐ
明日12日(火)は上空の寒気を伴った気圧の谷が通過する影響で、九州から北海道にかけての広い範囲が雲に覆われ、雨の降る所が多くなります。
昼間も気温はあまり上がらず、特に今日、暑さが厳しくなった関東などで大幅に低くなる見込みです。東京都心は今日に比べて4℃低い30℃、長野市や名古屋市は30℃に届きません。
比較的雨が降りにくい西日本は30℃を少し超えるくらいですが、湿度は今日よりアップし、蒸し暑い一日になります。熱中症対策は引き続きしっかりと行ってください。
●水不足? 豪雨?「早すぎる梅雨明け」で今夏起こる「意外なこと」 7/11
異例の早さでの梅雨明けになり、猛暑日が続いたかと思えば、台風4号で大雨がもたらされるなど、不安定な天気が続いている。7月、8月はまた猛暑になるのだろうか。
「今年は太平洋高気圧が平年よりも北で強まり、さらに太平洋高気圧よりも上空にあるチベット高気圧も平年より北で強まる予想です。この2つの高気圧に覆われて、日本列島は西日本から東日本、さらに北日本でも気温が高くなるでしょう」
こう言うのは気象予報士の池田沙耶香さん。
今年は6月中に40℃を超えたり、東京でも過去最長の連続猛暑日が9日続くなど、記録的な暑さとなったが、その暑さがもう一度やってくるかもしれないと言うのだ。
進路の定まらない台風。ゲリラ豪雨も多発する可能性が
しかも、ラニーニャ現象が発生している影響で、通常より日本に近い、日本列島の南の海上で積乱雲が発生しやすい状況になっているのだとか。
「台風4号のように、フィリピン付近で発生しやすくなるかもしれません。そうなると、台風発生後すぐに沖縄方面に近づき、影響が出ることになってしまいます」
しかも、その台風は進路が定まりにくいのだと言う。
「台風は太平洋高気圧の縁に沿って進みます。太平洋高気圧が西日本まで張り出していれば、台風をブロックしてくれますが、今年は通常より北へ張り出しそうです。そのため、太平洋高気圧の風に乗り切れず、ふらふらと複雑な進路をとることになるかもしれません」
台風4号は速度が遅かったが、このときのように、ふらふらといつまでも日本付近にとどまっている可能性もあるのだ。
「温暖化もあって、気温の高い傾向が続いているため、一度に降る雨の量が多くなっています。夏の局地的な短時間の大雨の頻度も多くなりそうですし、激しさも増すことが予想されます」
なんと、ゲリラ豪雨が何度も起こりそうだと言うのだ。
「天気予報で『大気の状態が不安定』などの言葉を聞いたら、天気が急変する可能性があります。実際に雨が強まってきたら『キキクル』で現在どの程度危険なのかをチェックし、避難の参考にするといいでしょう」
ラニーニャ現象×太平洋高気圧とチベット高気圧のダブルパンチ…記録更新の可能性大
でも、悪いことばかりではないはず。早く梅雨明けしてしまったために、水不足が心配されたが、台風4号で解消されたところも多いのでは?
「高知県の早明浦ダムでは台風4号の影響で100oを超える雨が降ったおかげで、取水制限は解除されました。しかし、岡山県の旭川水系では流域に降った雨が少なく、第一次取水制限を継続しています。台風による水の流れ込みは一時的なものなので、しばらく降らないと、すぐに取水制限が始まると思います」
2010年と2018年も暑かった。何しろ2010年の今年の漢字では「暑」が選ばれ、2018年の新語・流行語大賞では「災害級の暑さ」がトップテンに選ばれたくらいだ。
過去113年間で夏(6〜8月)の平均気温がもっとも高くなった2010年は、今年と同じくラニーニャ現象が暑さの一因と考えられ、2018年は、太平洋高気圧とチベット高気圧が日本付近に張り出したことで気温が上昇。7月23日には、埼玉県熊谷市で最高気温41.1℃を、北陸で観測史上初めて40℃以上を記録した。
今年はラニーニャ現象と、太平洋高気圧とチベット高気圧のダブルパンチ。2018年の記録をさらに更新することになる可能性もありそうだ。
気になるのは農作物への影響。2010年は、猛暑によって野菜の生長が遅れ、農林水産省の小売価格調査によると、トマトやネギは4割以上、ナスは約3割、レタスやジャガイモは約2割平年より高かった。さらに青森県陸奥湾ではホタテが、北海道の厚岸ではカキが大量死。富山市ファミリーパークでは、飼育していたフンボルトペンギンが脱水症状のため13羽中5羽が死亡するなど、人間以外にも影響を与えた。
今年もすでに「暑さのためブタの食欲が落ち、体重が増えない」といった声が養豚業者から聞こえている。
電力も心配だ。
2010年7月23日には東京電力の1時間の最大電力量が5999万キロワットになったのをはじめ、各電力会社で記録が更新された。
そうでなくても、物価が上昇し、電力不足から節電が言われている今、これ以上暑くなったらどうなるのだろう。無事に夏をやり過ごせるよう、祈るばかりだ。 
 
  
●あせも(汗疹)
あせも(汗疹)とは?
・あせもとは、大量の発汗に伴って、汗の正常な排出が妨げられることで起こる発疹です。
・高温多湿下で、汗を出すための管が詰まり、皮膚の中に汗がたまることで起こります。
・かゆみのある赤く小さな発疹が、たくさん汗をかいた部位に急速に現れます。
・皮膚を清潔にし、涼しい環境で過ごすことで自然に消えていきます。外用薬でかゆみや炎症を抑えることができます。
原因は?
・夏場など、高温多湿の環境で、大量の汗をかくことが原因で起こります。
・汗を排出する管が大量の汗(汗の成分やホコリ)によって詰まり、行き場のない汗が皮膚の中にたまって周囲の組織を刺激することで発疹(小さな水疱や赤みのある丘疹)ができます。
・暑熱環境や運動でたくさん汗をかいたり、通気性の低い衣服を着ていたり、ギプスを着用しているときなど、汗の量が増え、かつ通気が悪い状態のときによく起こります。
・汗自体が刺激になってかゆみが起こる「かぶれ」もあせもと呼ばれることがあります。
どんな症状?
・首の周りやわきの下、肘・膝の裏、ベルトや下着で締め付けのある部分など、汗をかきやすくムレやすい部位に、赤みをもった小さなポツポツ(小丘疹)が急速に現れます。
・強いかゆみを伴い、ちくちくした感じや熱感を覚えることもあります。
・一般によくみられる、赤みやかゆみを伴うあせもは「紅色汗疹」と呼ばれますが、このほかに「水晶様汗疹」と呼ばれる、かゆみや赤みを伴わないあせももあります。
・水晶様汗疹は、皮膚のごく浅い部分に汗がたまって起こるもので、透明の小さなポツポツ(小水疱)ができますが、かゆみなどの症状はほとんどなく、1日〜数日で消えていきます。乳児の顔によくできますが、大人でも発熱時などにみられることがあります。
対処・予防法は?
・衣服や室温を調整し、涼しい環境で過ごすようにしましょう。
・シャワーをこまめに浴びるなど、皮膚を清潔に保つようにすることも大切です。
・通気性や吸湿性がよく、肌あたりのよい木綿などの衣類を選んで着用しましょう。
・髪の毛がかかる額や首元などもあせものできやすい部位です。汗をかく時期には髪を結ったり髪留めでとめるなどの工夫もしてみましょう。
・素肌につけるアクセサリー類もあせもを助長することがあるので注意しましょう。
・通気をよくし、汗をかかない環境で過ごすことで、通常は数日で自然に治まりますが、炎症やかゆみを抑える市販薬(OTC医薬品)を使用してみてもよいでしょう。
・汗を大量にかく状態が改善されない場合は、あせもが治らず湿疹化したり、皮膚を掻くことで細菌感染が起こり、とびひなどに進展することがあるため、掻かないようにすることが大切です。
・掻いてしまってもキズができにくいように、爪は短く切っておきましょう。
・症状が重いときや、なかなか治らないときには医療機関(皮膚科)を受診しましょう。
●あせもの治療、原因や予防法
あせもとは
あせもは、正式には汗疹(かんしん)といい、子どもの皮膚の病気と考えられがちです。しかし、汗をかきやすい夏には、大人のあせもも少なくありません。汗は、エクリン汗腺という管から体外に排出されます。たくさん汗をかいて、長時間そのままの状態が続くと、あかやほこりなどでエクリン汗腺の出口が塞がり、汗を排出できなくなります。その結果、汗が体外ではなくエクリン汗腺から真皮に漏れ出て、炎症が起こって赤い湿疹ができ、かゆみが現れます。これが、あせもです。
かゆみを我慢できずにあせもをかいてしまった傷から、細菌が侵入すると重症化し、"とびひ"と呼ばれる伝染性膿痂疹(のうかしん)が起こることがあります。
あせもができやすい人
肥満のある人は、皮下脂肪が多いために体内の熱が放出されにくく、肥満のない人に比べて多く汗をかいて、あせもができやすくなります。皮下脂肪が多いと、下腹部や脚の付け根、わきの下、首などで皮膚と皮膚が重なってこすれることで、エクリン汗腺が塞がりやすいからです。また、女性で胸が大きい人や、垂れた形をしている人も、乳房と胸の皮膚の間に汗がたまってあせもが生じやすくなります。
高齢者の中には、エアコンを敬遠しがちな人も多いのですが、汗をかいたままにしていると、あせもができる場合があります。また、病気などでベッドに寝たまま1日の大半を過ごすような人の場合は、背中などの皮膚がベッドに密着したままになるため、あせもができやすくなります。
あせもの治療
軽症の場合、こまめに入浴やシャワーなどで汗を洗い流し、皮膚を清潔に保つことで、あせもは基本的には自然に治ります。あせもがある部分を洗うときに、ごわごわした硬いタオルやスポンジなどを使うと、あせもを傷つけてしまい、伝染性膿痂疹が起こりやすくなるため、避けてください。泡のボディソープや、せっけんを泡立てるネットなどを使ってつくった泡をつけた手で優しく洗うようにしましょう。入浴後は、皮膚をこすらないようにタオルを体に押し当て、水滴をとるようにして拭きます。
かゆみがある場合は、まず保冷剤や冷やしたタオルなどで冷やします。そのうえで、あせもの市販薬を使ってかゆみを緩和します。あせもの治療薬は、剤形や配合されている成分など、さまざまな種類のものがあります。症状や年齢などによって適切な市販薬は異なるので、薬局などで相談してください。湿疹から浸出液が出ている場合はパウダータイプ、浸出液が出ていない場合はクリームタイプの市販薬を使うとよいでしょう。
あせもに加えて、アトピー性皮膚炎などの皮膚の病気がある場合や、細菌やかびなどの感染が疑われる場合は、市販薬を使うと症状が悪化することがあります。市販薬で症状が悪化する場合や、眠れないほどかゆみが強い場合などは、早めに皮膚科を受診してください。
あせもをかいてしまい伝染性膿痂疹が起こるなど、重症化した場合は、周りの人にうつしてしまうことを防ぐためにも、皮膚科で適切な治療を受けることが大切です。伝染性膿痂疹の治療は、抗菌薬の外用薬を使って患部に増殖した細菌を抑えます。あせもによる湿疹が悪化している場合は、ステロイド薬の外用薬が処方されます。また、かゆみで眠れない場合などには、抗ヒスタミン薬の内服薬や外用薬が処方されることがあります。
あせもの予防
あせもの予防には、汗をかきっぱなしにせず、皮膚を清潔に保つことが大切です。皮膚を清潔に保つには、汗をかいたら、こまめに拭き取ることが大切です。外出先などでは、タオルやハンカチ、汗拭き用のシートを使うなどして、汗を拭き取るようにしましょう。
また、服装は、汗を吸いやすく、乾きやすいものにするようにしましょう。ゆったりとしていて、乾きやすい木綿などの生地の服を選ぶとよいです。スポーツをするときは、汗を吸い取り、すぐ乾く素材のスポーツウェアを着用することがおすすめです。
皮膚が乾燥しやすい人は、入浴後のスキンケアを心がけることが大切です。入浴後は、保湿剤を塗って皮膚を乾燥から守ることが、あせもの予防につながります。保湿剤は、べたつかない乳液タイプのものがおすすめです。ワセリンは脂分が多くベタつき、エクリン汗線の出口を塞いでしまい、かえってあせもができる原因になるので避けましょう。 
●あせも(汗疹)の原因と症状、予防方法
汗をたくさんかいたときは、肌に水ぶくれやかゆみなどのトラブルを伴う「あせも(汗疹)」に注意したいもの。あせもは赤ちゃんによく見られる症状ですが、近年では夏の猛暑などにより、大人や高齢者に起こることも珍しくありません。あせもの原因や症状、予防方法について見ていきましょう。
あせもは汗管のつまりによって起こる
あせもは専門用語では「汗疹(かんしん)」と呼びます。大量にあせをかいたときに汗を排出する汗管(かんかん)が一時的につまることにより、汗がスムーズに排出されないことで起こるトラブルです。
私達の全身には、汗腺という汗を出すための器官が分布しています。さらに、汗腺にはエクリン腺とアポクリン線の2種類があります。暑いときに体温調節をするための汗は主にエクリン腺から分泌され、このエクリン腺が何らかの原因でつまってしまうとあせもの症状が現れるのです。
そのため、あせもは汗が大量に出る高温多湿の環境下や、発熱・スポーツ時に起こりやすくなります。また、湿布や包帯、ギプスの装着などで通気性が悪くなった一部分に見られることもあります。
汗管のつまる深さで変わるあせもの症状
今まであせもを経験したことのある人であれば、ぶつぶつができるだけのときと、ぶつぶつに加えてさらにかゆみがあるときなど、1パターンだけではないことを知っているのではないでしょうか。それは、汗管がつまる深さであせもの症状が変わるからです。
   水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)
汗管のつまりが、皮膚のごく浅い部分(角層)で起きたときに発生します。汗管が破裂するために直径数ミリの透明な水ぶくれがポツポツと現れ、ほとんどの場合でかゆみや炎症はありません。数日で水ぶくれが乾燥して、自然に目立たなくなります。赤ちゃんの顔にできやすい種類のあせもですが、大人でも発熱する病気の際に発生することも。
   紅色汗疹(こうしょくかんしん)
汗管のつまりが、表皮部分で起きたときに発生します。一般的にあせもと言えば、この紅色汗疹を指す場合が多いようです。表皮部分で汗管が破裂してしまうことで、炎症が起きてかゆみや赤みのあるぶつぶつが見られます。しばしば湿疹になったり、細菌が増殖して膿が発生したりすることもあります。高温多湿の環境で汗をたくさんかいたときに現れやすく、乳幼児や肥満の人、汗かきの人に多い症状です。
   深在性汗疹(しんざいせいかんしん)
紅色汗疹よりさらに深い、真皮内で汗管がつまったときにできます。紅色汗疹を繰り返すことで、なだらかな盛り上がりが発生するようになります。主に熱帯地方で見られる症状です。
あせもを予防するには?
あせもを防ぐには、「汗をかいたときに放置しないこと」がもっとも重要です。こまめに汗を拭いたり、着替えたり、ぬるめのお湯で洗い流すとよいでしょう。
高温多湿の環境では、エアコンをうまく活用するようにしてください。また、吸収性のよい下着や通気性のよい衣類を身につけて、汗をかいても濡れたままにしておかないようにしましょう。
万が一あせもができてしまったら、入浴やシャワーで肌を清潔にしてから、薬を塗って早めに治療することも大切です。詳しくは、『あせも(汗疹)ができたら薬は必要?症状別の対処法』も合わせてご覧ください。
大量の汗をかいた後などにできやすくなるあせも。軽いものであれば数日で自然に改善していきますが、赤み・かゆみを伴ったときは、肌をかいたりせずに薬で治すことが大切です。
気温が急激に上昇する夏は、たくさん汗をかく機会が増えることから、大人でもあせもの発生に注意が必要です。吸水性・通気性のよい衣類を身につけ、汗をかいたらこまめに拭き取りましょう。万が一、あせもらしい症状が出てしまったときは、肌をかいたりせずに医薬品の塗り薬で症状をすばやく改善しましょう。
●あせも(汗疹)ができたら薬は必要?症状別の対処法
赤ちゃんから大人まで、汗を大量にかいたときにできやすいあせも。赤くなったりかゆくなったりしやすいので、ついかきむしりたくなります。あせもができたら、どうするのがよいのでしょうか。あせもができたときの対処法や、あせもの治療薬についてご紹介します。
汗をかいたあとにできるあせも
医学用語では「汗疹(かんしん)」とも呼ばれるあせも。気温の高い夏や発熱時など、大量に汗をかいたまま放置したときにできやすくなります。
私たちの全身には汗腺という汗を出すための器官が分布していて、体温が上がったときには汗を分泌して体温を下げるように働きます。あせもは、この汗の通り道である「汗管(かんかん)」のつまりによって引き起こされます。汗は汗管がつまっても出続けるので、汗管が破裂してしまい、場合によっては炎症が起きるのです。これが一般的に知られるあせもの状態となります。
あせもは自然に治る?薬は必要?
あせもは、ぶつぶつができて放っておいても治ることもありますし、赤みやかゆみを引き起こすこともあります。このような症状の現れ方を分けているのは、汗管がつまる部分の深さです。症状の軽いあせもとかゆみを伴うあせもでは、どのような違いがあるのかを見ていきましょう。
   軽度のあせもなら数日で自然治癒
皮膚の一番外側の、角層で汗管がつまると症状の軽いあせもとなります。数ミリの透明な水ぶくれがプツプツと現れ、かゆみは通常、ありません。このあせもは水晶様汗疹とも呼ばれ、肌を清潔に保つようにしていれば数日経つと乾いて消えてしまいます。
   赤み・かゆみがあるときの注意点
角層より深い、表皮内で汗管がつまると、炎症が起きてかゆみや赤みが発生します。このあせもは紅色汗疹と呼ばれます。紅色汗疹はかきむしるなどして細菌感染が起きると湿疹になることも。さらに、患部をかき壊して周辺の皮膚まで細菌感染させてしまう「とびひ」に発展することもあります。
紅色汗疹もスキンケアを中心とした対処法が基本となりますが、かゆみや赤み、ヒリヒリ感が出ているときは炎症をしずめるクリームなどを用いてもよいでしょう。悪化してしまったときは皮膚科を受診して、適切な治療を受けるようにしてくださいね。
   あせもに気をつけたい場所
あせもができた後は肌を清潔にして、汗をかいてもすぐに拭き取るなどのケアが必要になります。乳児や寝たきりの方の場合は、汗をかきやすい下記の部位に気をつけてください。
• 顔や額、首
• 脇の下
• ひじやひざの裏
• 足の付け根や間
• 湿布や包帯、ギプスをつけている部位
赤み・かゆみのあるあせもは、爪でかかずに医薬品の塗り薬を
肌に赤いあせもができたときや、汗を刺激と感じたときは、かゆみを感じてつい爪でかきむしりたくなりますよね。しかし、肌をかきむしるとあせもを悪化させたり、さらなるバリア機能の低下を起こしたりしてしまいます。このようなときは、薬ですみやかに症状を抑えることが大切です。
高温多湿の夏に増える汗疹は、表面に白や透明のポツポツができるケースと、赤みやかゆみを伴うケースとに大きく分けられます。かゆみがあっても爪でかかず、医薬品のかゆみ止めなどで症状をやわらげながら悪化を防ぎましょう。
 
 
●夏日、真夏日、猛暑日、熱帯夜とは?
夏日、真夏日、猛暑日とは日最高気温によって、熱帯夜は最低気温によって決められます。
最高気温が25℃を超えた日を夏日、30℃を超えた日を真夏日、35℃を超えた日を猛暑日と言い夏の暑さの目安としています。
また、夜間の最低気温が25℃以上の日を熱帯夜といいます。
梅雨が明け太平洋高気圧が日本付近を広く覆うと、夏の暑い晴天が続きます。7月下旬の大暑の頃から8月中旬頃に最も暑い時期となり、連日、真夏日や猛暑日となり、夜間も気温が下がらず、熱帯夜が続きます。
   夏日 ・・・最高気温25℃以上の日
   真夏日・・・最高気温30℃以上の日
   猛暑日・・・最高気温35℃以上の日
   熱帯夜・・・最低気温25℃以上の日
夏日
夏日(なつび)は、気象庁の予報用語では、一日の最高気温が25度以上の日をいいます。これは、夏の暑さを示す指標の一つとして用いられているほか、国語辞書にある、"夏の暑い日"や"夏の強い日ざし"といった意味でも用いられています。
真夏日
真夏日(まなつび)は、気象庁の予報用語では、一日の最高気温が30度以上の日をいいます。これは、夏日と猛暑日の中間に位置し、また真夏日に対して、一日の最高気温が0度未満の寒い日を「真冬日」と言います。
猛暑日 1
猛暑日(もうしょび)は、気象庁の予報用語では、一日の最高気温が35度以上の日をいいます。これは、一日の最高気温が30度以上の日である「真夏日」より、さらに暑い日を表現する場合に使われます。
猛暑日 2
日最高気温が35℃以上の日。気象庁が天気予報や気象情報などで2007年(平成19)から使うようになった予報用語の一つ。気温が上昇して猛暑日となるのは、高気圧に覆われて風が弱く、晴れて日射が多いときである。猛暑日は、沿岸部よりも日中の気温が上昇しやすい内陸部や盆地で多い。山越えの高温な気流が吹き込むフェーン現象が重なっていることも多い。都市化によるヒートアイランド現象も猛暑日に至る高温に関係している。2007年8月16日に、それまでの国内の最高気温40.9℃が埼玉県熊谷(くまがや)市と岐阜県多治見(たじみ)市で観測された後は、41℃以上がたびたび観測されるなど、厳しい暑さの日が多くなった。猛暑のような高温が続くと、暑さで体温の調節ができなくなるなど身体への負担が大きく、熱中症にかかる人が多くなる。地球温暖化が進むと猛暑日が増加すると予測されているが、とくに関東地方から西の地域で猛暑日が大きく増加するとみられる。
気象庁では、天気予報や気象情報、解説などで用いる「予報用語」に、新たに、最高気温が35℃以上の日を猛暑日と定義し、2007年4月から使い始めた。これまで気象庁で使う暑さを表す用語に「真夏日(1日の最高気温が30℃以上)」などがあったが、地球温暖化や都市化の影響で、1日の最高気温が35℃以上の日が1990年以降急増し、東京などの大都市では20年前の約3倍になり、特別な名前で呼ぶべきという意見が強まり、お天気キャスターの森田正光氏が数年前から酷暑日と呼ぶなど、いろいろな呼び方がされ始めていた。07年8月は、ラニーニャ現象の影響で日本付近では下降気流が発生して勢力の強い太平洋高気圧が形成され、各地で記録的な暑さとなり、8月16日に埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で40.9℃を観測し、74年ぶりに国内最高気温を更新するなどしたため、「猛暑日」はマスコミ等で大きく取り上げられた。07年の真夏日(日最高気温30℃以上)は、東京54日に対し大阪はその1.5倍の79日であったが、猛暑日は、東京で7日に対し大阪はその2倍以上の16日と、猛暑日でみても、07年の夏は、西日本で特に厳しい暑さであったことが分かる。
気象庁が2007年4月1日から使用し始めた気象予報に関する用語で、最高気温が35℃以上に達した日のこと。気象庁では、最高気温25〜29℃を夏日、同じく30〜34℃を真夏日、夜間の最低気温が25℃以上の日のことを熱帯夜と定義している。1990年以降、日本では最高気温が35℃以上になる日が急増、1997年から2006年の10年で、東京、名古屋、大阪、福岡の主要4都市で35℃以上となった日が計300日以上にのぼる。
日最高気温が 35℃以上の日。気象庁では 2007年4月から定義し使用を始めた。おもな都市の平年値(1981〜2010)は、稚内 0日、札幌 0日、仙台 1日、新潟 3日、東京 3日、名古屋 12日、京都 15日、大阪 12日、福岡 6日、鹿児島 4日、那覇 0日。
酷暑日
酷暑日(こくしょび)は、猛暑日の俗称で、一日の最高気温が35度以上の日をいいます。これは、1990年代初め頃からマスコミなどが用いて世間一般に定着したもので、その後、地球温暖化の影響から35度以上の日が増える中、気象庁が2007年4月以降、「猛暑日」を正式な予報用語としました。
熱帯夜
熱帯夜(ねったいや)は、気象庁の予報用語では、夜間の最低気温が25度以上のことをいいます。これは、20度以上の夜をいう「真夏夜」より暑く、現在、夏の寝苦しさを示す指標として用いられていますが、一方で気象庁の統計種目にはありません。なお、夜間とは、通常、18時頃から翌日の午前6時頃までを指します。 
  
 
●熱中症
熱中症とは?
熱中症とは、高温多湿な環境に、私たちの身体が適応できないことで生じるさまざまな症状の総称です。以下のような症状が出たら、熱中症にかかっている危険性があります。
あなたの症状は?
   症状1 めまいや顔のほてり
   症状2 筋肉痛や筋肉のけいれん
   症状3 体のだるさや吐き気
   症状4 汗のかきかたがおかしい
   症状5 体温が高い、皮ふの異常
   症状6 呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない
   症状7 水分補給ができない
症状1 めまいや顔のほてり
めまいや立ちくらみ、顔がほてるなどの症状が出たら、熱中症のサインです。 一時的に意識が遠のいたり、腹痛などの症状が出る場合もあります。
   チェック!
めまい、立ちくらみ、失神…熱中症の初期症状に気を付けましょう!
――熱中症の初期症状であるめまいや立ちくらみ、一時的な失神などの熱失神を生じたときには、クーラーの効いた屋内や涼しい日陰で休ませ、衣服を緩めて風通しをよくし、体を冷やして、適切に水分を補給すれば、多くの場合は改善します。しばらく様子を見て、症状が改善しないような場合には、医療機関を受診するのがよいでしょう。夏場の屋外や熱のこもる室内での活動の際には、こまめに休息と水分補給を行って、熱失神をはじめとする熱中症の予防を心がけましょう。
熱中症対策のポイントは、水分補給だけでなく塩分補給!
――熱中症のときには、上手な水分・塩分補給がポイントです。水分だけでなく塩分も補給することで、症状の改善が期待できます。塩分の補給には、塩分を含む飴・タブレットや梅干しなどもよいでしょう。熱中症の症状が見られる際、意識がはっきりしない場合は大至急医療機関へ。意識がはっきりしている場合は、涼しい日陰や屋内で適切な水分・塩分補給を行い、安静にすることで多くは改善します。いつもと違うなと感じたり不安があったりするときには医療機関を受診しましょう。また、こまめな水分・塩分の補給は熱中症予防にも有効です。とりわけ1時間を超える長時間のスポーツなどの際には、塩分に加え糖分の入ったスポーツドリンクなどでこまめに水分補給することで、熱中症を予防しましょう。
熱中症のサインに気がついたら、症状を悪化させないためにも、上手な水分補給・塩分補給を行いましょう。
症状2 筋肉痛や筋肉のけいれん
「こむら返り」と呼ばれる、手足の筋肉がつるなどの症状が出る場合があります。 筋肉がピクピクとけいれんしたり、硬くなったりこともあります。
   チェック!
手足のしびれやけいれん(痙攣)は熱中症のサイン?!
――こまめな水分補給は大切ですが、水分だけを補給することがかえって熱中症による熱けいれんを引き起こす原因にもなりかねません。熱けいれんを予防するためにも、汗をかきやすい状況ではスポーツドリンクや、0.1〜0.2%の濃度の食塩水(1ℓの水に対して1〜2gの食塩を加えたもの)でこまめな水分と塩分の補給を行いましょう。
症状3 体のだるさや吐き気
体がぐったりし、力が入らない。吐き気やおう吐、頭痛などを伴う場合もあります。
   チェック!
頭痛・吐き気も熱中症の症状の一つ
――安全で涼しいところへ移動させましょう / クーラーの効いた室内や、車内、屋外であれば風通しのよい日かげなど、安全で涼しいところに移動しましょう。このとき、自分の足で歩ける状態でもめまいや立ちくらみ、一時的な失神によるふらつき・転倒に注意しましょう。
――体を冷やしましょう / 衣服をゆるめて、風通しを良くし、体の熱を逃がしましょう。
まずは体表面にでている顔、両腕、足などを水で冷やすと良いでしょう。冷やす際には、保冷剤やペットボトルなどにタオルやハンカチを巻き、体表近くを走る静脈(太い血管)の通る首筋やわきの下などを冷やすのが効果的です。
――水分補給を行いましょう / スポーツドリンクや0.1〜0.2%の濃度の食塩水(1ℓの水に対して1〜2gの食塩を加えたもの)などを自分で飲んでもらい、体内から失われた水分・塩分を補います。自分でうまく飲めない場合や、嘔吐や吐き気などがあって水分補給に適さない場合は、医療機関を受診しましょう。
症状4 汗のかきかたがおかしい
ふいてもふいても汗がでる、もしくはまったく汗をかいていないなど、汗のかきかたに異常がある場合には、熱中症にかかっている危険性があります。
症状5 体温が高い、皮ふの異常
体温が高くて皮ふを触るととても熱い、皮ふが赤く乾いているなどの症状も熱中症のサインです。
   チェック!
発熱のメカニズム:熱中症と風邪の違い
――熱中症による高体温は生命の危険をも伴うものですが、熱中症の症状は変わりやすく、初めから高体温があるとは限りません。平熱だと思っていたら急に高熱になったり、といった場合もあるので注意が必要です。 たとえ熱中症による高体温がその日のうちにおさまったとしても、体の抵抗力は下がっていて、熱中症にかかりやすい状態にあります。翌日から長時間のスポーツや労働をするようなことは控えましょう。
症状6 呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない
声をかけても反応しなかったり、おかしな返答をしたりする。または、体がガクガクとひきつけを起こす、まっすぐ歩けないなどの異常があるときは、重度の熱中症にかかっています。すぐ医療機関を受診しましょう。
症状7 水分補給ができない
呼びかけに反応しないなど、自分で上手に水分補給ができない場合は大変危険な状態です。この場合は、むりやり水分を口から飲ませることはやめましょう。すぐ医療機関を受診しましょう。 
  
 
 
 
 


2022/7