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日本が世界一の長寿国になった理由は? 1998
原始時代からI T革命が進む現代に至るまで、健康と長寿は人類共通の願い。その中で男性77.10歳、女性83.99歳と平均寿命第一位を誇る日本は世界中から注目を集めています(平成10年厚生省調査)。昭和50年代半ばにスウェーデンを抜き世界一の長寿国となって20年あまり、21世紀を迎えた今も日本はその座に留まっています。ところが今から100年ほど前、欧米諸国が平均寿命50歳台を上回った頃、日本人のそれはわずか30歳台でした。当時の長寿ランキングでは60位台にやっと顔を出すありさま。「人生50年」が現実となるのは昭和22年のこと。日本はまぎれもなく短命国だったのです。
戦前の日本は結核、肺炎、気管支炎などが猛威をふるい、乳幼児や20歳未満の若者の多くが感染症で命を失い、平均寿命を引き下げていました。当時の食事といえば、ご飯と漬け物やみそ汁で、動物性タンパク質は塩蔵魚がわずかという粗末さ。体に抵抗力もなく、抗生物質もない時代に、結核など感染症は即、死を意味したのです。
寿命が延びるには抗生物質の開発など医学の進歩に加え、動物性食品の普及による栄養状態の改善が必要でした。結核は昭和20年代に入ると激減、昭和26年に国民死亡率第一位の座を脳卒中に譲ります。その脳卒中も昭和40年代以降、急減します。この感染症や脳卒中が減る過程は、穀類中心の食事から動物性食品を摂る食生活への移行と重なります。
そして昭和35年に女性が、15年後の昭和50年には男性が平均寿命70歳に達します。長寿国世界一になった背景には、食生活の質的転換――穀類中心から動物性食品を併せて摂る食生活――があったことを忘れてはならないでしょう。  
 
 
世界一の長寿国日本 2007
厚生労働省の発表によりますと、平成19年(2007年)の日本人の平均寿命は男女とも前年を上回り、男性は79.19年、女性は85.99年で過去最長を記録しています。統計年などが異なるため、諸外国との比較は厳密には出来ま せんが、女性は昭和60年から一位を維持しており、男性はアイスランド、香港に次いで3位です。その結果今や100歳以上の方が3万数千人もおられ、日本は世界一の長寿国と言っても過言ではありません。
平均寿命の年次推移を見てみますと、60年前の昭和22年では、第二次世界大戦の影響が大きいとは思われますが、男性で50.06年、女性で53.96年と、まさに人生50年と言う時代でした。それから10年後の昭和32年には、男性は63.24年、女性は67.60年となり、この50年間で各々約15.9年、18.4年延伸したことになります。このように日本では他の国が経験したことの無い速さで長寿が進んでいます。
ところで、平均寿命に関しては都道府県別、市区町村別にも報告されておりますが、平成17年の統計によりますと、男性では1-3位が長野県、滋賀県、神奈川県で、女性では沖縄県、島根県、熊本県となっております。男女とも10位以内に入っているのは長野、熊本、石川の3県です。ちなみに、愛知県は男性が14位、女性が40位です。
市区町村別では都道府県別の統計を反映しており、男性の1位は横浜市青葉区であり、10位以内には東京都(都道府県別では5位)が5地区、神奈川県が2地区入っており、東京近郊に比較的集中しています。女性の1位は沖縄県の北中城村で、10位以内には沖縄が4地区、長野県、神奈川県が2地区ずつ入っています。横浜市青葉区は女性でも7位となっており、男女とも10位以内に入っている日本一の長寿地区です。
日本が世界一の長寿国になった要因としては、新生児死亡の減少、結核等の感染症の減少、脳血管疾患や心疾患による死亡の減少、等とそれらの基盤となった国民皆保険制度、等が考えられますが、豆類や新鮮魚類などが基本となっている日本食や、労働や家事に励む勤勉さ、等の生活習慣や環境要因に加え、生活習慣病等の病気に罹りにくい体質、というような宿主要因等、多くの要因が関わっていると思われます。
ところで、将来どれだけ平均寿命が延びるか興味が持たれるところですが、国立社会保障・人口問題研究所によりますと、2055年には男性は83.67歳。女性は90.34歳と、さらに延伸すると推定されております。しかしながら、現在長寿を享受されている皆様方は、大正末から昭和一桁の時代の生まれであり、子供の頃から従来の日本的な生活習慣や環境下で生活してこられた方々ですが、それ以降の世代では、生活習慣病の誘引となるような生活習慣や生活環境の欧米化が進んでいるため、平均寿命の延伸を期待できるかどうか疑わしい、という考え方もあります。そのような予想を覆すためにも、健康づくりに良い生活習慣と環境を作り上げていくことが、各個人にとっても、また社会としても、今後の重要課題だと思われます。 
 
 
世界一の長寿国 2016
WHOが発表した2016年版「世界保健統計」によれば、日本人の平均寿命は83.7歳で世界一(統計を遡ることができる20年以上前からこの座を守り続けているそうです)。
このように長寿を誇る日本ですが、寝たきりの高齢者数は約200万人もいると言われています。これは、QOL向上の障害や社会保障費増大の原因となっており、昨日ブログに書いた子育て・待機児童の問題と同じく、早急に対処しなければならない課題です。
解決のヒントは、欧米では寝たきりのお年寄りがいないと言われていることにあるのではないでしょうか。
そもそも、欧米では、“Bed is bad”(寝たきりは悪い)の思想が普及しており、それが寝たきりが少ない最大の要因になっていますが、その根底にあるのは自立した個人を尊ぶ文化です。
例えば、スウェーデンの高齢者は、親族と暮らさず、夫婦二人か、一人暮らしの世帯が97.4%(日本は55.4%)です。独立して生活している高齢者が体調を崩し、誰かの世話が必要になった場合でも、家族が全面的に介護することはないそうです。できるだけ最後まで自分の家で自分の力で暮らしたい、暮らしてほしいという考え方が根付いているのです(お年寄りに限らず、若者も義務教育を終えた16歳から親元を出て一人暮らしを始めるのが普通となっています)。
それ以外の理由として大きいのは、在宅介護の活用があります。施設で24時間介護を行うよりも、介護士が自宅を訪問する方が結局はコスト的に安く上がるということで推進されているようですが、それが結果として寝たきり老人の発生を防いでいるようです。
文化や思想を変えるというのは極めて困難ですが、日本人に見られる「お年寄りが寝たきりになるのは仕方が無いこと」という風潮は一掃していく必要があります。病気は気からという言葉がありますが、まずは「絶対に寝たきりにはならない(させない)」という強い気持ちを持つことが大切だと思います。
また、もっと在宅介護を普及させていく必要があります。厚労省も推進しようとしていますが、人材の育成や拠点の整備などへの取組をより一層強化していくべきです。
さらに、介護報酬制度の見直しも必要です。現在は、要介護認定が改善すると介護する側の収入が減ってしまい、寝たきりを増やす仕組みになっているという批判もあります。以前、同僚の山口和之さん(理学療法士でもあります)にコーディネートしてもらって、特別養護老人ホームを視察したときに感じたことですが、逆の発想にして、要介護レベルを低くしたら成功型報酬を上乗せするといったようにしていくべきです。動作の専門家である理学療法士などをもっと社会的に活用していけば、多くのお年寄りの要介護度は確実に下がっていきます。
寝たきりの比率を減らしていくことは可能なはずです。社会が平均寿命=健康寿命に近づけるよう、あらゆる手段を講じることが必要です。  
 
 
世界一の長寿国「日本人の体質」驚きの秘密
レストランで知人が言いました。
「ステーキとかすき焼きって、霜降りより赤身肉のほうが食べやすくないですか? モモ肉とか」
「そうですよね」と同意すると、知人は嬉しそうに、でも少し声をひそめて、「マグロのトロとかも言うほどおいしいと思えなくて。変わってるって思われちゃうかもしれないけど」。
いいえ、ちっともおかしくありません。いや、自分はトロが好きだ、と言う人も、ちょっと考えてみてください。くたびれきって電車にゆられながら、ふと食べたくなるのは何ですか。霜降りステーキや大トロではなく、温かいおにぎりと答える人が多いのではないでしょうか。
具はほぐした鮭か、昆布の佃煮か、ああ、梅干しもいいな。お米がつやつや光り、ほのかにただようのりの香り。思わずほおばると心の底からくつろげるものです。
そう、体の深いところで求めていたかのように。
食の欧米化と言われ、この50年でお米の消費量は半分になりました。それに代わって肉類、乳製品の消費が伸びています。しかし、数千年にわたって受け継がれた体は簡単には変わりません。
日本人の胃腸はご飯を消化するようにできていますし、ちょっと余分に脂肪を取ると危険な内臓脂肪がついてしまいます。欧米人とくらべて体温が低く、胃酸やインスリンの分泌量が少なく、アルコールに弱く、腸内環境が良好なのも日本人の特徴です。
スーパーの魚介コーナーをのぞいてみましょう。軽快な曲が流れています。魚を食べて健康に! という歌のとおり、日本人は魚から大きな恩恵を受けてきました。とくに背中の青い魚に豊富なEPAとDHAには動脈硬化を防ぐ作用があります。日本人の血液はEPAとDHAの濃度が高いため、コレステロール値が上がっても動脈硬化がなかなか進みません。
隣は豆腐コーナー。湯豆腐の季節ですね。日本人は豆腐、みそ、納豆などの大豆製品を米国人の700倍食べており、この大豆製品に含まれるイソフラボンは心筋梗塞や乳がんの発症をおさえます。
その先の牛乳コーナーはちょっとご用心。日本人のカルシウム摂取量は米国人の半分で、不足しがちと言われています。ところが、牛乳をしっかり飲んでいるはずの米国人は骨粗鬆症の発症率が日本人の二倍高いのです。おそらくこれも体の違いによるもので、それに加えて日本人が、おもに野菜や海藻、小魚からカルシウムを取ってきたのが良かったようです。
日本は海で他国と隔てられ、そこで暮らす日本人は長い歳月のうちに独自の体質を身につけました。そのため、日頃の健康法も病気の予防法も欧米人とは異なります。これが本書『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」』(講談社ブルーバックス)のテーマです。
体質は遺伝で決まる部分と、食生活や運動、ストレス、睡眠などの生活習慣で変わる部分がからみあってできています。世界保健機関(WHO)の統計によると、日本人は2016年も平均寿命世界一でした。しかし、日本人は世界一丈夫な体に生まれついているわけではありません。
米国に移住した日系人は、心臓の血管の動脈硬化が米国白人よりはやく進み、糖尿病や大腸がんの発症率も欧米人を上回ります。日本人の長寿は強い遺伝子に恵まれたからではなく、かなりの部分を生活習慣が支えているのです。
そして生活習慣には遺伝子の働きを変える力もあります。近年、遺伝子にはスイッチがあって、このスイッチをさまざまな生活習慣が入れたり切ったりしていることがわかりました。
せっかく病気をおさえる遺伝子を持っていても、生活習慣が乱れればスイッチが切れて、病気を発症しやすくなります。しかも遺伝子のオン、オフは、そのまま子孫に伝わることがあるのです。
あなたが好きなカップラーメンや唐揚げ、飲酒に喫煙、そして寝不足とストレスが、これから生まれる娘や孫に病気を起こすとしたら、どうしますか。
ぞっとするような話ですが、これは言い換えると、日本人が、いま、世界一の体質を受け継いでいるのは、気が遠くなるほど長い年月にわたって無数の祖先が体をいたわり、自然の恵みを大切に生きてきたおかげです。
和食はおおむね日本人の体質に合っており、古代の日本人も疲れると木陰でおにぎりを食べ、元気を取り戻していました。なんと1400年前の古墳時代の遺跡から、木の皮でできた弁当箱に入ったおにぎり八個が炭化した状態で発見されています。
日本人の体は、深いところで、どうすれば健康でいられるか知っています。科学的な知識と新しい技術を備えたうえで体の声に耳をすませば、日本人はこれからも健康で長寿を楽しめるはずです。 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 


2018/4