指先

【指先】手または足の指の先端。指頭。 
【狐手】(きつねで)文楽人形につける特殊な手の一つで、狐の手を象徴したもの。指先がわらびのように丸く曲がり小指が他の指より高い。 
【爪縒る】(つまよる)矢を左手の指先にのせ右手の指先で繰り回しながら、矢柄や矢羽・鏃などの曲直や具合をしらべみる。
【爪印】花押(かおう)または印章の代わりに指先に印肉をつけておす。 
【摘む・採む・抓む】(つむ) 指先または爪の先ではさみとる。指先でつまむ。指先でつよくはさむ。つねる。つめる。 
【尋】(ひろ)長さの単位。成人男子が両手を左右へ広げた時の指先から指先までの長さ。曲尺でだいたい四尺五寸(約1.36m)ないし六尺(約1.8m)くらい。布・縄・釣り糸の長さ、また海の水深などを表現するのに用いられる(水深の場合は六尺で一尋)。
【指】 人間の手・足の末端のそれぞれ五本に枝分かれしている部分。 
指一本も差させない 人から非難干渉嘲笑などを受けるようなことはすこしでもさせない。 
指にも足らず きわめて小さいこと。価値のきわめて低いこと。 
指の腹 指先の内側。指の指紋のある部分。 
指の股 指と指との間。 
指を折る 多くのものの中で指を折り曲げて数えあげるほどすぐれている。 
指をくわえる 傍観するだけで手出しができないでいる。空しく傍観する 
指を差す 人をさしてあざける。陰で悪口を言ったり非難したりする。うしろ指をさす。 
指を絞る 血判・血書などのために指に切り傷をつけて血を絞り出す。 
指を染める 初めて手をつける。やり始める。着手する。
【爪引く・爪弾く】 弓の弦を指先ではじく。琴・三味線などの弦楽器を指先または爪先でかるく弦をはじいてならす。 
【与次郎人形】 小児の玩具。紙製の人形に笠をつけ細い串を両方の脇の下にさし、その両端におもりをつけたもの。これを指先に立てると、おもりでつり合い立って踊るようにみえる。 
【指窓】 障子などに指先であけた穴。 
【指差す】 指でさし示して嘲笑する。指弾する。爪弾きする。非難する。
【作爪】(つくりづめ)象牙などで作り指先にはめて琴を弾くのに使う爪。ことづめ。 
ちくちく 先のとがったものなどで小きざみに繰り返し刺すさま、そういう痛みを感じるさまを表す語。「指先がちくちく痛む」 
【揺】(ゆ) 琴(きん)や箏(そう)などで余韻を波うたせるために左の手の指先で絃を左右(琴)、または上下(箏)に幾回かゆすること。 
【揉む】握ったり指先で押したりする動作をくり返す。あんまをする。 
【枕引】木枕の両端を二人が指先でつまんで引き合う遊戯。
【紅板】女性の懐中用化粧具の一種。べにを二枚折りの金属板、厚紙に塗ったもの。指先につばきや水をつけてべにを溶いて唇に塗る。 
【せせり】いじりまわすこと。もてあそぶこと。指先や棒状のものなどでさぐりもとめること。 
【捻る・拈る・撚る】(ひねる)指先にはさんでものをねじる。つまんで回す。 
【捻餅】 指先でひねって作る餅。からだの一部の肉などをつねりあげること。
【捻り殺す】虫などを指先でひねってつぶし殺す。むぞうさに簡単に人などを殺す。 
【一撮】(ひとつまみ)指先で一度つまむこと。ほんのわずかな量。苦もなく敵を負かすこと。 
【弾く】算盤(そろばん)の珠を指先で動かして計算する。 
【手鼻】指先で鼻の片方を押しふさぎ、強い鼻息で鼻汁をふき飛ばすこと。
【手捏】(てづくね)陶器などを轆轤(ろくろ)や型を用いないで指先でこねて作る。てびねり。 
【抓る】(つめる)指先でつよくはさむ。つねる 
【抓抓】(つめつめ)指先や爪先でつねる。 
【糸引】仏などを合掌して拝むときに、その指先から糸のようなものが現われるという俗信。
【摘み取る】植物の実や芽などを指先でつまんでとる。文や話の要点を抜きとる。 
【摘食・撮食】(つまみぐい)人に隠れてこっそりと盗み食いをする。一時の慰みに情交を結ぶこと。公の金品を少しずつ横領する。 
【爪弾】(仏家で行った弾指の風習からでたもの)思う通りにならないとき心にかなわぬようなときの気持、軽蔑・非難・排斥などの気持を表す。
【抓る】(つねる)指先または爪で皮膚を強くはさんでねじる。 
【突掛】(つっかけ)「つっかけぞうり(突掛草履)」の略。足の指先につっかけてはく手軽なはきもの。サンダル類。 
【甲所・勘所・肝所】(かんどころ)三味線琵琶などで一定の高さの音を出すために左手の指先で弦を押える場所。おさえどころ。つぼ。はずしてはならない大事な点。肝心かなめの場所。 
【打診】相手方と交渉する場合など前もって様子をさぐるために相手に少し働きかけ、その反応によって相手の意向を判断すること。
【手抉】(たくじり)上代、土をまるめて指先でその中をくじりくぼめて作った粗末な土器。神前への供え物を盛ったものか。 
【砂手本】砂の上に指先や木片で書いた文字を手本として習うこと。 
【琴爪】琴または箏(そう)を弾く時に指先にはめて用いる具。象牙、竹などで爪の形につくり、革(かわ)の輪をとりつけて右手の親指、人差指、中指にはめるもの。山田流では丸爪、生田流では角爪を用いる。 
【小手・籠手】剣道の防具の一つ。左右の手にはめて指先から肘のあたりまでを覆うもの。刺子(さしこ)でつくる。剣道の試合の決まり手の一つで、その部分を打つこと。
【小突く・小衝く】いじめる。いじめ苦しめる。 
【弄る】(いぢる)指先でなでたり、ひねったりする。 
【掻い摘む】(かいつまむ)物事の必要な点だけをとりだしてまとめる。 
【綾取】遊戯の一種。輪にした糸を両手首や指先にかけて、川、橋、琴、鼓などの形を作りながら互いにやりとりする女児の遊戯。糸取り。
【御弾】(おはじき)貝がら、小石、ガラス玉などを出し合って席上にまき、指先ではじき、あてて取り合いをする子どもの遊び。 
【大手】肩から手の指先まで。あたりをはばからない態度を示すこと。気ままなふるまい。 
大手を振って歩く いばって堂々と歩く。あたりをはばからない態度をとる。 
【紙縒】(かみより)細長い紙を指先でより糸状にしたもの。こより。 
あかんべい 指先で下まぶたを下方に押さえてまぶたの裏の赤い部分を出して見せること。子供が軽蔑や拒否の気持を表わすしぐさ。
【爪】(つま(端)の意で本体の末端、四肢の末端をいう)手の指または足指の先に生じる角質物で表皮がかたく変わったもの。「つまびく」「つまさき」「つまはじき」などと「つま」の形で用いられる。
爪が長い 欲が深い。貪欲である。 
爪で拾って箕(み)で零(こぼ)す わずかずつ苦労して貯えたものを一度に無造作に使いはたす。 
爪に爪なく瓜に爪あり 「爪」と「瓜」の字形の違いをわかりやすく教えた語。 
爪に火をともす ひどくけちであること。
爪の垢 取るに足りないもの。 
爪の垢を煎じて飲む すぐれた人の爪の垢をもらってあやかる。 
爪の甲 爪の表面。 
爪の星 爪にできる白い斑点。これが出ると衣類が新調できる、衣類がもらえるとか、よいことがあるという。
爪も立たぬ 立錐の余地も無い。 
爪を隠す 才能を表面に現さないたとえ。能ある鷹は爪を隠す。 
爪を食う 指先をかむ。気おくれしてはにかみもじもじする。 
爪を銜(くわ)える 心の中でうらやましく思いながら手だしできないでだまって見ている。ゆびをくわえる。
爪を研ぐ 野心をいだいて遂げる機会をねらう。 
爪を弾く 不満の気持を表す。爪弾(つまはじき)をする。
 
【リュート】 (lute)古典的な撥弦楽器の一種。大きな共鳴胴と、それにつながる棹(さお)に平行に張られた11の弦を指先ではじいて演奏する。古代エジプトに発生し、中世ヨーロッパで特に発達・普及した。
【九字】(くじ)「臨、兵、闘、者、皆、陣(陳)、列、在、前」の九つの文字から成る呪文。葛洪の「抱朴子‐内篇四」に出る「臨兵闘者皆陳列前行」の九文字に由来。山にはいるときの魔よけの密呪とされたが、密教や修験道にとり入れられて一切の禍を除く護身呪となる。呪文を唱えながら空中に指先でえがくかたち。縦四本、横五本の線から成る符字をいい、日本では仏教の密教に取り入れられた。
【摘洗・撮洗】衣服などのよごれた部分だけを指先でつまんで洗うこと。 
【虚掌実指】(きょしょうじっし)書道で筆の持ち方。掌(てのひら)を広くして力を抜き指先だけに力を入れて持つこと。

  
出典「マルチメディア統合辞典」マイクロソフト社
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