無駄死に

キーワード 「無駄死に」特攻隊員の遺書 
 
【無駄・徒】 行っただけの効果がない。役にたたない。無益。「無駄な努力」 
【徒】と 益のないこと。無駄。むなしいこと。徒労。 
【徒労】とろう 無駄なことに力を費やす。骨を折ってしたことが報われない。「徒労に帰す(属す)」 
【無駄死に】無駄に死ぬこと。無益な死に方をすること。 
いわゆる正義のため、人道のためなら、たとい無駄死をやるまでも進むのが、義務を知る男児の本懐であろう。(夏目漱石「吾輩は猫である」) 
汝(なんじ)ら前(すす)んで無駄死にをするな (南方熊楠「十二支考 鶏に関する伝説」)  
犬死に / 徒死に(いたずらじに) / 死一等を減ずる / 死は或は泰山より重く、或は鴻毛より軽し / 死を軽くす / 死を決する / 死を鴻毛の軽きに比す / 死を賜る / 死を賭す / 死を視ること帰するが如し 
【無駄事・徒事】 何の役にも立たない、意味のないことをする。 
【無駄字】 用のないのに書いた文字。無用の文字。贅字(ぜいじ)。 
【無駄書・徒書】 何の役にも立たない、意味のないものを書くこと。いたずら書き。 
【無駄食・徒食】 むだぐい 必要以上に食べる。働きもせずただ食べるだけである。 
【無駄足・徒足】 むだあし 足を運んだかいがない。歩いたことが無益に終わる。「無駄足をふむ」
  
【無駄働】 せっかく働いたのに、そのかいがない。むだぼね。 
【無駄飯・徒飯】 働きもしないで食うめし。徒食。「無駄飯を食う」 
【無駄腹・徒腹】 なんの益も意味もない切腹。役に立たない切腹。 
【無駄物・徒物】 むだもの 無用のもの。あっても役に立たないもの。 
【無駄毛】 化粧の妨げとなる、顔やえり首・腕・足などの毛。 
【無駄矢・徒矢】 むだや 当たらなかった矢。あだや。 
【無駄話・徒話】 何の役にも立たないおしゃべり。とりとめもない話。雑談。雑話。 
【無駄骨・徒骨】 「むだぼねおり(無駄骨折)」の略。
  
【死】 死ぬこと。生命がなくなること。ものごとの死んだようなさま。「死の街(山)」 
死を賜わる 主君から死ぬことを命ぜられる。切腹を許される。 
死を賭す ある目的を遂げるために自己の生命を投げだす。命がけで事にあたる。 
死を視ること帰するが如し 死に臨んでゆったりと落ち着いているさま。 
【死人】 死んだ人。死者。 
死人に口なし 死人を証人に立てようとしても不可能。死者に無実の罪を着せること。 
死人に文言 うそを言い立てて死人に無実の罪を着せること。 
【死人】しびと 死んだ人。死者。しにん。 
【死人花】しびとばな 彼岸花の異名。 
仏造って魂を入れず 物事をほとんどなし遂げながら最も肝要な一事が抜け落ちていること。
  
【引導】いんどう 迷っている人々や霊を教えて仏道にはいらせること。死人を葬る前に僧が棺の前で迷わずに悟りが開けるように、経文や法語をとなえること。 
引導を渡す 相手に教えさとすように言うこと、また、最終的な宣告をすることなどにいう。 
【安仏】やすぼとけ やすっぽい仏。尊くみえない死人。 
【六道】ろくどう すべての衆生が生前の業因によって生死を繰り返す六つの迷いの世界。地獄・餓鬼・畜生・阿修羅・人間・天上をいう。六観音・六地蔵・六道銭・六道の辻などは、これに由来する。六趣。 
【六道銭】 死人を葬る時に三途の川の渡船料として棺の中に納める六文の銭。 
【枕石】まくらいし 川原や浜から持ち帰って死人の枕辺に置く石。
  
【行掛】いきがかり 物事の進み具合。はずみ。なりゆき。「いきがかり上、買うことになった」 
物の序(ついで) 何かほかのことをするのといっしょの機会。何かをするおり。ことのついで。 
物のはずみ ちょっとした動機や成り行き。 
【出来心】 あらかじめ計画していたのではなく、その場でふと起こした考え。もののはずみでふらふらと起こった考え。その結果が悪い場合、他に迷惑をかける場合にいう。「ふとした出来心で盗む」 
【出合頭】であいがしら 両方から行きあうはずみ。出合ったとたん。「出合頭にぶつかる」 
【競・勢・気負】いきおい はげしい勢い。意気込み。それによって調子づくさま。はずみ。 
【勢】いきおい はずみ。なりゆき。余勢。「勢いに乗ずる」「酔った勢いで言う」 
【張合】張り合うこと。意地を出し合うこと。その時のはずみ。 
【弾・勢】はずみ 調子づく。勢いづく。その時その場の成り行き。行きがかり。「時のはずみでどうなるかわからない」 
弾みを食う 他の余勢を受ける。
  
【調子】 物事の進む勢い。勢いに乗ること。はずみ。調子に乗る。「調子が出る」 
調子に乗る おだてられたりした結果、得意になって物事をする。いい気になってうわついた言動をする。 
【途端】 ちょうどその瞬間。はずみ。ひょうし。おり。ある事柄があって直ちに続いて別の事柄が起こるさま。 
【気張る】 気前よく金を出す。思いきって金銭を多く出す。はずむ。おごる。奮発する。 
【力む】 からだに力を入れる。「力んで狙いをはずす」 
すてん 物がはずみをつけて倒れたり、人がころんだりすべったりなどするさまを表す語。 
すとん 物がはずみをつけて、落ちたり、打ち当たったり、倒れたりする音。
  
【人質】 服従・同盟などの誓約の保証として自分の妻子・親族などを相手方に渡しとどめておくこと。喧嘩、争論、恐喝などで交渉を有利にするために相手方の者を自分の方に監禁すること。 
【質】 契約を履行する担保として物を預けること。借金のかた。質屋から金を借りるための担保。人質。 
質に入れる 財物を質として預ける。人質として預ける。 
質に取る 質として財物を受け取る。人質を預かる。人質にする。 
【証人】 事実を証明する人。請人(うけにん)。保証人。人質として相手に引き渡される者。 
【参勤交代・参覲交替】 江戸時代、幕府が中央集権制確立のために一定期間、諸大名を江戸に参勤させた制度。大名の妻子は人質として江戸居住を義務づけられた。 
入り鉄砲に出女 江戸時代、関所を通り抜けて江戸に持ち込まれる鉄砲と、江戸から地方に出る江戸在住の婦女子のこと。鉄砲は謀反などに利用されるのを防ぐため、婦女子は人質として江戸に居住させられている大名の妻が江戸を脱出するのを防ぐために、関八州の関所、ことに上方に通じる箱根できびしく詮議した。 
烏の頭(かしら)が白くなる (中国の戦国時代、秦に人質となっていた燕の太子、丹が帰国を望んだところ、秦王が「烏の頭が白くなり、馬に角(つの)が生えたら許可しよう」と答えたという「史記‐刺客伝賛注」「燕丹子」などにみえる故事から)容易に起こり得ないこと、あり得ないことをたとえ。烏頭白。
  
【捨石】 今すぐには効果はなく無駄なように見えるが、将来役に立つことを予想してする投資や予備的行為など。「国の捨石となる」 
捨てたものではない まだまだ有望である。まだ役に立ちそうだ。良い所もかなりありそうだ。 
捨てる神あれば拾う神あり 世間は広いから一方で見捨てられ相手にされなくなっても、他方では助けてくれる人も出てくるものだ。世の中はさまざまだから非難・排斥されてもくよくよすることはない。 
命を捨てる 自分の命が危険になるのも顧みないで努力する。 
【人柱】 あることのために犠牲となって死んだ人。 
【一生懸命】 命がけで事にあたる。一心に骨折る。
  
【天】 自然に定まった運命。生まれつき。めぐりあわせ。 
【天命】 天の命令。天が人間に与えた使命。天のめぐりあわせ。天道。 
天命を知る (「論語‐為政」の「五十而知二天命一」から)50歳になる。 
【天運】 天から授かった運命。自然のめぐりあわせ。「天運にまかせる」 
【天賦】 てんぷ めぐりあわせがよいこと。幸運。 
【厄会】 やっかい わざわいのめぐりあわせ。 
【巡合・回合】 めぐりあわせ 自然にめぐりくる運命。まわりあわせ。「めぐり合わせが悪い」 
【命運】 めぐりあわせ。運命。いのち。 
【回合】 まわりあわせ 自然に回ってきた運命。めぐりあわせ。「回り合わせが悪い」 
【間】ま めぐりあわせ。運。
  
【星】 九星のうち、その人の生まれ年に当たっているもの。そのめぐり合わせにより、人の吉凶が支配されるという。また、その年々の吉凶。運勢。めぐりあわせ。「よい星の下に生まれる」 
【星回】ほしまわり 各人の運命をつかさどるという星のめぐりあわせ。星の回り。 
【不運】 よくないめぐりあわせ。不幸な運命。また、運の悪いこと。非運。 
【時世時節】 ときよじせつ その時代その時代の風潮。その時その時のめぐりあわせやうつりかわり。 
【付・附】つけ その人についてまわる運。めぐりあわせ。 
【数奇】すうき (「数」は運命「奇」は不遇の意)運命のめぐりあわせが悪いこと。不運、不幸をくりかえす。ふしあわせ。不運。 
【幸運・好運】 よいめぐりあわせ。幸福な運命。しあわせ。高運。 
【境遇】 その人が置かれた家庭環境、経済状態、友人関係などの状況。めぐりあわせ。身の上。境涯。 
【奇縁】 不思議な因縁。思いがけないめぐりあわせ。「相縁奇縁」 
【機運】 時のめぐりあわせ。おり。時機。世の中の動向、趨勢。「機運が熟する」 
【悪日】 あくにち 陰陽家で事を行なうのに悪い日。運勢の悪い日。凶日。不運、不幸にめぐりあわせた日。 
【悪月】 あくげつ 陰陽道でいう凶の月。運の悪い月。めぐりあわせのよくない月。
  
【無体・無代・無台】むたい 無理なこと。無法なこと。「無体な要求」【無体攻】むたいぜめ むりやり攻め討つ。 
【無知・無智】 知らないこと。知識・学問のないこと。知恵のないこと。おろかなこと。不知。無学。【無知文盲】むちもんもう 才知や学問のないこと。文字を読む能力のないこと。 
【無知蒙昧・無知曚昧】むちもうまい 知識がなく物事の道理を知らない。 
【無恥】 恥を恥と思わないこと。恥を知らないこと。「厚顔無恥」 
【無茶】 筋道がたたない。道理に合わない。めちゃくちゃ。 
【無茶苦茶】 まったく筋道のたたないこと。めちゃくちゃ。台無しにする。
  
【不調法・無調法】 手ぎわが悪く下手なこと。酒などをたしなまないことや、芸事や遊び事にうといことをへりくだっていう語。 
【無定見】むていけん 一定の見識がない。確固たる意見や考えをもっていない。 
【無頓着】 物事に頓着しない。物事をあまり気にかけないこと。 
【無難】 特にすぐれてもいないがとりたてていうほどの欠点もない。 
【無二】 ふたごころのない。ならびなく忠義である。 
【不念・無念】ぶねん 気づかないで残念なこと。考えが足りないこと。不注意。落度。過失。 
【無念】むねん くやしいこと。口惜しいこと。残念。 
【無能】むのう 能力のない。才能のない。 
【無表情】 表情の変化にとぼしい。
  
【無風】 他からの影響を受けず波乱が全くない。平穏である。「無風選挙区」 
【無分別】 あと先を考えない。思慮のない。「無分別な振る舞い」 
【無法】 道理にはずれている。乱暴。無茶。非道。【無法者】 道理にはずれた行いをする者。乱暴なふるまいをする者。非道者。 
【無謀】 深い考えのない。成功する見込みもないのに行動すること。むてっぽう。無茶。「無謀な計画」 
【無味】 おもしろみがない。趣に乏しい。あじわいのない。 
【無味乾燥】 内容に少しもおもしろみやあじわいがない。「無味乾燥な講演」 
【無名】 世間に名が知られていない。有名でない。むみょう。正しい理由のない。名目のつけようのないこと。名義、名分のたたない。
  
【無明】 存在の根底にある根本的な無知をいう。真理にくらい無知のことで最も根本的な煩悩。生老病死などの一切の苦をもたらす根源として十二因縁では第一に数える。 
無明の酒 人間の本心をくらます無明を、飲むと正常な心を失うことのある酒にたとえていう。 
無明の眠 無明の境地を迷う状態を、眠りにたとえていう。 
無明の闇 無知迷妄の心を闇にたとえていう。むなしき闇。 
【無面目】 面目をつぶされても平気でいること。はじしらず。物事の知識がない。ものを知らない。 
【無用】 役に立たない。取るに足りないこと。無益。してはならないこと必要でないことの意で、ある行為を禁止することを示す語。「問答無用」「天地無用」 
無用の長物 あっても益のないもの。あっても役に立たないどころか、かえってじゃまになるもの。 
無用の用 役に立たないとされているものが、かえって非常に大切な役をすること。 
【無欲】 欲のないこと。「無欲恬淡」
  
【無理】 道理に反する。理由のたたない。非道。強引に事をなす。「無理を通す」 
無理が通れば道理引っ込む 道理に反することが世の中に行われるようなことになれば、道理にかなった事が行われなくなる。 
無理もない 道理である。当然のことである。 
【無理押】 無理に事を押し進める。強引に事を行う。 
【無理強】むりじい 無理におしつける。強引に従わせる。 
【無理遣り・無理矢理】むりやり 筋道が通らないと知りながら、だめだと知りながら行うさまを表す語。しいて。 
【無理心中】 相手の同意なしに無理やりにする心中。 
【無理難題】 道理に外れたいいがかり。解決の不可能なことがわかりきっている問題。「無理難題をふっかける」 
【無理無体】 相手の意向にかまわず強いて物事を行う。 
【無慮】むりょ おもんぱかることがない。無考えである。 
【無力】 能力、勢力、資力、働きなどのないこと。ある物事をしとげるのに必要なだけの能力資力がない。力がおよばない。 
【無力感】 ある物事に対して無力であることがわかったときの、虚脱したような感じ。
  
【無類】 たぐいのない。比べるもののない。最もすぐれている。「無類のお人好し」 
【無礼】なめ 無礼であること。 
【無礼】ぶれい 礼儀にはずれる。ぶしつけ。失礼。むらい。ぶらい。「無礼者」 
【無礼講】 身分の上下の別なく礼儀を捨てて行う宴。むらいこう。 
【無論】 論ずるまでもない。いうまでもない。勿論(もちろん)。 
【埒】らち 物事の区切り。物事に結末をつけること。 
埒が明ける 物事がはかどる。てきぱきと事をはこぶ。きまりがつく。かたづく。「こんな事をしていても埒があかない」 
埒もない 秩序がなく筋道や理由がたたない。めちゃくちゃでばかばかしい。しまりがない。とりとめがなくつまらない。たわいもない。「埒もないお世辞」 
埒を明ける[付ける] 物事をうまく説明する。弁明する。物事にきまりをつける。はかどるようにする。 
埒を越える[破る] 法や掟を破る。道理に反する。
  
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犬死に / 徒死に(いたずらじに) / 死一等を減ずる / 死は或は泰山より重く、或は鴻毛より軽し / 死を軽くす / 死を決する / 死を鴻毛の軽きに比す / 死を賜る / 死を賭す / 死を視ること帰するが如し 
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小沢治三郎  
君、死んじゃいけないよ。宇垣中将は沖縄に飛び込んだ。大西中将はハラを切った。みんな死んでいく。これでは誰が戦争の後始末をするんだ?君、死んじゃいけないよ。小沢治三郎中将は太平洋戦争終戦後、自害し無駄死にしないよう部下の将兵を諭して回った。  
小沢治三郎、太平洋戦争期の大日本帝国海軍軍人。日本帝国海軍最後の連合艦隊司令長官。最終階級は海軍中将。私心のない人物と名高く、敗戦時の司令長官を任される。戦術家としても有名で、アウトレンジ戦法などの艦隊戦戦術を考案している。戦後は清貧生活をし、軍時代の部下たちの世話を甲斐甲斐しく行った。 
特攻隊  
負けるとわかっていた戦争で特攻隊として死んでいった人はやはり無駄死にだと思いますか?  
確かに特攻作戦を組織的に行うに至った時点では敗色濃厚でした、みな口には出しませんが理解していたはずです。  
然しだからこそ特攻をしてでも日本の戦意と意地を示す事で、外に向かっては講和の条件が少しでも有利になればと、内に向かっては民族の誇りを示したのです。  
事実日本には無条件降伏しか認めないと公言していたアメリカもポツダム宣言という有条件降伏案を示してくるに至りましたし、天皇を廃す事による日本人の抵抗の凄まじさを想像させるに至ったのです。  
そして我々日本人は初めての敗戦を経験する時に、どうせ負けるなら死にたくないと皆が保身に走る歴史と、自らの命を以て敵を相殺するという、非常手段をとってでも日本人とは如何なる者かを示した英霊達が居た歴史を比較した場合、後者による無形の恩恵の意義を痛感せざるを得ません。  
無駄死にだったかどうかではなく、無駄死ににしないようにする事を考えて下さい。  
戦死された方々に「無駄死に」という言い方はないと思います。  
結果はそうであっても…。  
「特攻の記録」という本を今、ちょうど読んでいるところです。胸がつかえますよ。  
はい、無駄死にでした。しかし特攻隊員は無駄死に「した」のではなく、無駄死に「させられた」のです。特攻のほとんどは命令・強制でした。戦争末期には軍の方針で総特攻、つまり全員が特攻、と。  
使うものが死なないと目的を達成しない兵器や戦術を考えた時点で戦争には負けているのです。そして戦争に勝つ事はもちろん、米軍の侵攻の速度を落とす事すら出来なかった特攻を惰性の様に続け、最後は「戦果などどうでもいい。とにかく死んでこい!」と言った指揮官もいました。  
特攻攻撃で死んだ若者は5000人ほどと言われます。みんな愛国心・郷土愛に燃えた兵士でした。負ける事が分かっていた戦争で、オレが死んで故郷の親兄弟姉妹、妻、恋人、親友たちが少しでも救われたら、と、自分に言い聞かせ、絶ち難い現世への想いを断ち切って出撃していった若者たちの心情は悲壮です。  
「諸君は生きながら既に神である。我々も必ず最後の一機であとを追う」と次々と特攻隊を送り出し、エンジン不良や天候のせいで帰還した搭乗員を「卑怯者!死ぬのが怖いのか!」と殴り倒した司令官、指揮官たちは「最後の一機で」どころか敗戦後も生き延びて戦後の平和で豊かな生活を楽しみ、ウソで固めた本を書いて自分たちの無能・無責任を隠しました。陸軍航空特攻の大御所だった菅原道大中将は96歳で大往生。17歳で特攻戦死した朝鮮出身の少年飛行兵はあの世でどう思っているでしょうね。  
特攻は長くて立派な日本の歴史に泥を塗りました。また、特攻隊員のお陰で今の日本の繁栄があるのではありません。あの優秀で明るい気持ちのいい若者たちが生き残っていたら、戦後の日本の復興はもっと早くもっと華やかだったでしょうね。  
「信念のためには、たとえ敗れるとわかっていてもおのれを貫く。そういう精神の高貴さがなくて、何が人間ぞとぼくはいいたいんだ」岡本太郎  
≪はやはり無駄死にだと思いますか? ≫  
っつうことは、我々が思うかどうか、なんだな。  
ということは、我々生きているものが≪彼らの死を有意義≫にすれば、無駄死に・犬死ではないということになる。  
腐れ反日サヨクは、何とかして≪彼らの死を貶めようとしている≫のだ。  
だからこそ、われわれが≪彼らの死を有意義≫にしなければならない。  
無駄死にだとは思ってません。  
勝ち目が薄いけど、国を想って自分を犠牲にした心というものは後々の人々に受け継がれていると思うからです。  
そういう先人たちがいたからこそ今の日本がある、と思えるからです。  
あまりにも大きな戦力差だったから、それしか選択肢がなかったし、戦って亡くなっただけ、まだましです。特攻で勝てるなんて、誰も思ってなかったと思うよ。  
私の伯父は、通称「マニラの捨て子部隊」。小隊に38式1丁、自決用手榴弾は2人に1発。輸送船のドカ沈組で、一切の装備なし。軍部はそんな敗残兵と、何の訓練も受けていない現地の日本人男性に片っ端から召集令状を送り、米軍の弾に当たって死ね、その分、米軍は消耗する、という作戦を立てたのです。その結果、マニラ市内の残虐行為が起きたことはよく知られています。  
でもね、上陸してきた米軍に、石を投げ、棒で殴りかかり、最後は噛み付いて抵抗した、そしてみんな屠殺場のウシやブタのように殺されたらしい・・・。私はこんなの、名誉の戦死だとは思いません。靖国になんか祀られたくもないです。伯父はきっと、自分のふるさとを思って死んだと思います。  
・・・田舎の軍人墓地には、遺骨も何もありません。だから、慰霊団がマニラに行くというので、お願いして石ころを拾って持って帰っていただきました。 
3万人を無駄死にさせた森鴎外 / 脚気と悪者森鴎外  
そんな中で、海軍医務局長の高木兼寛(後の海軍軍医総監)は、西欧と日本の軍隊の違いは食事にあるとして、白米ではなくパンを中心とした食事(後に同じ麦ということで麦飯に変えている。当時の日本人の中には「パンを食うぐらいなら死んだ方がまし」というくらい洋食が苦手だったらしい)をとれば、脚気にかからないことを証明し、脚気の解決法を明らかにしました。その結果、海軍では脚気患者はほとんど見られなくなりました。  
しかし、ドイツの細菌学を中心とした陸軍軍医の上層部には納得できませんでした。病気の原因もはっきりしないまま、食事の改善などということで、病気が治るはずがないと考えたのです。彼らにはコッホ以前の迷信的な治療法のように感じられたのです。また、脚気の病原菌が発見されたという誤報もあり、高木兼寛に対して、露骨に反対をしました。  
ここで登場するのが、悪役の森鴎外です。ドイツに留学中の森は、高木兼寛に反対する論文を送ってきました。これは、高木批判の大きな力となりました。さらに、帰国して一等軍医となった森は、脚気の原因は細菌であるという信念のもとに、徹底的に高木を攻撃しました。(略)  
その結果、海軍では脚気による死亡患者はほとんどなかったのに対して、陸軍では、日清戦争では 3944人(戦死者は293人)、日露戦争では27800人(戦死者は47000人(この中にも多くの脚気患者がいた))という非常に多くの兵士の命を脚気によって奪う結果となったのです。 
森鴎外らが高木の成果に対して柔軟な姿勢をとっていれば、死なずにすんだ多くの人間の命を奪ったのです。しかし、森鴎外は生涯、誤りを認めませんでした。 
  
特攻隊員の遺書から考える
 

 

1 「特攻隊」を授業化するに当たって「戦争論」(小林よしのり著)から考える  
東条英機が作った戦陣訓の中に「生きて虜囚の辱めを受けず死して罪禍の汚名を残すなかれ」という一節があり、日本軍は捕虜になることを最大の不名誉とした。特攻隊に限らず、日本軍には「死ぬまで戦い玉とくだけて散る」所謂「玉砕」の考えがある。  
「玉砕なんて勇ましいもんじゃない」、「上の者の投げやりな決定で部下の命を粗末に扱っただけ」、「バンザイ突撃なんてわざわざ蜂の巣にされただけで全く無駄死にだった」という意見がある。合理的に考えれば全くそのとおりである。  
戦争は末端で、殆んど無意味に見える兵隊の無数の死の上に成り立つものである。しかし、作戦効果のほとんどない死に兵隊を追いやるのは戦争指導者の犯罪でしかない。  
しかし、まっとうな作戦によって死んだ無数の兵士も、無謀な作戦によって殺されたに等しい死に方をした兵や民衆にも、感謝し哀悼の意を表するために「名誉」」を捧げたい。無駄死にではない。少なくとも私がその死を忘れない。次の世代にも伝えていく。東条英機の戦陣訓は否定するが、命よりも尊いもの、死をかけて守るべきものはある。  
ひたすら、「無駄死に」という考え方は、結局、「他人のために死ぬなんて無駄」と言う自己犠牲の尊さをぶち壊すところに行き着く。溺れている子どものために川に飛び込む勇気には敬意を表したい。自己犠牲を否定する人は、絶対他人のためには命を賭けたくない者だ。自分の命が大切。自分さえ生きていればいい。自分のことだけがかわいいと思っている人間は誰も守れやしない。目の前で恋人が乱暴されているのを見て、逃げる男はやはり最低ではないでしょうか。単なるマッチョイズムを言っているのではなく、女でも自分の子どもためには死ねると思う時があるでしょう。  
特攻も含め、先の大戦で死んだ兵や民は、祖国の歴史と風土に命を捧げ、家族と日本の未来を守るために死んだと言える。愛する者のために死ぬ。愛する者のためにと言った時、その愛する者は彼女(あるいは彼)の地域や家族が育んできたはずで、さらに彼女の用いる言語や彼女を取り巻く自然や慣習が育んできたはずだ。つまり、彼女を取り巻く公がかくも素晴らしい彼女を育てたと言えるだろう。「自分のために」を超えたとき、「公=国」が現れる。「愛する者のために」は、「愛する者を育んだ国のために」とかなり近い。国ためにと言っても、国家システムのためにではない。  
林憲正という25歳の特攻隊員の遺書を紹介する  
私は郷土を守るために死ぬことができるであろう。  
私にとって郷土は、愛すべき土地、愛すべき人であるからである  
私は故郷を後にして、故郷を今や大きく眺めることができる  
私は日本を近い将来大きく眺める立場となるであろう  
私は日本を離れるのであるから、その時こそ私は日本を本当の祖国として郷土として意識し、その清らかさ気高さ尊さ美しさを護るために死ぬることができるであろう。  
まだ人を愛した事がない者は、「愛する者のために死ねる」という感覚が分からないだろうし、「自分のため以外に死んでたまるか」と「エゴだけの個」にとどまっていているもの無理はない。しかし、自分のためにを超えた時、愛する者のためにの向こうに国のためにが立ち上がってくる。特攻隊は、天皇を本気で神と思って信仰していたわけではない。民間人を殺すなんてできるわけがない。テロではないのだ。特攻隊は、宗教で死ぬ陶酔感もない彼らには、情の論理しかない。「愛する者たちが住むクニを守るために自死するだけだ。これは死ぬのに覚悟がいる自分を克服する段階がいる。死を前にした特攻隊の川柳である。  
慌て者 小便したいままで行き  
諸共と、思えばいとしのこの虱  
彼らは自分を客観視して、笑うほどの精神のバランスを保っている。見事なユーモアであるが悲しすぎる笑いだ。  
政治家が、官僚が、マスコミが、日本の大人が、何の覚悟もせずに平和に実は無難に今をやりすごそうとばかりしている。無難と金儲けためならばとプライドなんかいらねえと開き直っている。  
かつては、死を賭けて日本の誇りを守った若者があんなにいたのに。学鷲の特攻隊員である西田中尉は「そう簡単に勝てるとは思っていません。しかし、負けたとしてもその後はどうなるでしょう。お分かりでしょう。われわれの生命は講和条件にもその後の日本の運命にもつながっていますよ。そう民族の誇りに。」と言っている。  
彼らが死を賭けて伝えたかったものを今の日本はちゃんと受け止めているだろうか。命に対する考え方は、「命そのものが宝」、「生きることそれ自体が目的」という人々は多い。長生きしたくてしたくて・・・。だらだら生きていてもいいからとにかくいっぱい生きたい。いろんなものを食って、面白おかしそうなことを味わい続けたい。今の日本をそう思う人だらけのような気がする。それはそれで否定はしない。しかし、生き長らえることだけが人生の目的ではないと思っている人は必ずいる。命は手段に過ぎない。この命を使って何をなすかだ。その時代の状況があるにせよ、後者の生き方をした人間に敬意を表したい。 
2 特攻隊を主題とした映画から考える  
まず、特攻に関わった映画を三本見た。  
「きけわだつみの声」 出演:織田裕二 他/スポンサー:朝日新聞 他  
「君を忘れない」 出演:木村拓哉 他/スポンサー:フジテレビ  
「ホタル」 出演:高倉健 他/スポンサー:朝日新聞 他  
この基本的な情報を見て、内容をある程度予想できる。もちろん、どの作品もフィクションを名乗っている。が、当時の現実のフィルムが流れたり、ヒントになった人物がいるため、完全にフィクションにはなりきれないようだ。同じ時期に同じような配役で同じような映画を作った。違いは、考え方である。  
あることに対する考え方の違いによって二種類に分けられる。「君を忘れない」と「きけわだつみの声」・「ホタル」に分けることができる。 あることとは、国に対する考え方である。  
三つの作品は、どれも感動を呼ぶすばらしい映画だと思う。共通している点は、特攻機に乗る若い戦士は、愛する人を守るため、また美しいふるさと(自然)を守るために命を捨てるということである。   
違いは、愛する人や美しいふるさと=国と考えるか違うと考えるかである。「君を忘れない」は、「愛する人や美しいふるさと=国」という考え方に近いように感じたが、「きけわだつみの声」・「ホタル」は「愛する人や美しいふるさと=国」という考えではないように感じた。  
自分は、「愛する人や美しいふるさと=国」と考えるが、もしそうでないならば、国の実態とは何なのでしょう。 どっかに観念的に国が存在するのではないのです。映画の中には、そのような国の実態があるようなニュアンスを漂わせていますが、それがはっきり何なのかは描いていません。というより、漠然と軍部が国であるという感じです。軍部や政府が国ではないように感じるのですが。  
「愛する人や美しいふるさとを守るために命を惜しまなかった」ことと「日本を守るために命を惜しまなかった」ことは、ほぼ、同義だと思います。   
○気になったセリフ場面(「きけわだつみの声」と「ホタル」から)   
「こんな戦争を誰が始めた」というセリフが二回。一つの映画で、同じセリフが二回以上使われることは珍しいことのように思われる。暗に軍部のせいを漂わせているが、単純すぎると思う。  
日本軍を侵略者として捉えている場面が多い。上官はあまりにも乱暴で、日本軍と一緒に行軍した衛生兵(女)を、日本軍の兵士が強姦しようとする場面もあり無茶苦茶な感じがした。戦場での犯罪が皆無ではないのはわかるが、それが一般的な日本兵のような描き方をしてはいけないと思う。  
「遺書は、検閲があり本当のことはかけない」というセリフが三回。いかにもである。遺書は、果たして、本心と言えないだろうか。言える。死にたくないのは当然だが、国を守るというのも信念としてあった。強制ではなく、自分からそう信じたからこそ自分の命を捨てることができたように感じる。ある程度は覚悟している自分であるが、自分が同じような立場になったら、特攻隊員と同じような行動を取れるか自信がない。悲しい事実であることはたしかであるし、だからこそ忘れてはならない事実だと思う。  
特攻した朝鮮人が、「自分は日本という国のために死ぬのではなく、朝鮮民族を守るため、誇りをまもるために死ぬ」と言った。これを評価的に描いていた。しかし、日本人が日本民族を守るため、誇りを守るために死んだことは評価しない。矛盾である。朝鮮にひどいことをした事を描こうとしてつじつまがあわない。 
3 授業化するにあたっての疑問・迷いについて  
事実をどのように捉えるか。  
「事実」と言う言葉を考える必要がある。的を絞れば、事実とは、「何年に何が起こった」という年表的な意味にしかならない。社会科は年表の暗記ではない。なので、「事実をどのように捉えるか」で大事なことは、「自分がどのような考えのものとで、事実を捉えるのか」が大事で、「どのような考えをもつのか」を吟味するべきである。  
また、そのように考えても、事実は、それこそ人によって捉え方が違うので、無数にある。アメリカにとっての事実があり、中国にとっての事実があり、韓国にとっての事実があり、日本にとっての事実があり、A氏の事実があり、B氏の事実があり、C氏の事実があるのです。そこで大事なことは、公教育は、日本の公教育だというこです。だから。A氏の事実では困るのです。日本と言うカテゴリーで、その事実が何であったのか考えなければなりません。  
「教師は事実を教え、理解は子ども自身がすればよい」のか。  
無責任である。教師が教えていることは、事実だけでなく理解させたいことも教えているという自覚が必要である。子どもに任せる、もしくは任せるほかないことは、大人の考えを含めた事実をどう受け止めるかで、単純な事実を教え、理解は任せることとは違う。  
時代背景・社会背景について特攻隊だけピックアップするのか。歴史の流れの中で扱うのか。特攻隊は、それのみの起きた出来事ではなく、戦争の中で起きたことなので後者だと思う。  
特攻隊をあえて取り上げることは偏った教材選択とならないか? 誤解を恐れずに書くと、自分が何かの主張をすることは、別の人から見れば何かの考えに偏ると言える。自分の主張が世の中に簡単に認められればこんな楽なことはない。開き直った傲慢な態度と言う意味ではない。常に、自分の主張の正しさ真摯に確かめる必要があるのだが、主張することを恐れてはいけない。特攻隊を取り上げるべき理由は、ここでは省略するが、今のところ自分は正しいと思っている。  
テロと特攻隊の違いは? 特攻隊は、敵の艦隊(敵の軍隊)特攻したのである。テロのように民間人を狙ったのではない。その意味では、原爆のほうがテロに近い。  
イスラム教のテロのような宗教的な陶酔感はない。特攻隊は、天皇を本気で神と信じていたわけではない。たが、「クニを守る」という精神があっただけである。  
愛する人のために戦う」ことと戦争を起こしてはいけない」は矛盾するか。  
すべての人が、すべてを愛することができれば、戦争はなくなるかもしれないが、それが無理であれば、「愛する人のために戦う」ことの延長に戦争はあると思う。これだけ歴史を積み上げても、争わずにいられない人間の性を超えられない。  
○特攻隊は道徳として扱えるか  
扱うなら「愛国心」という徳目になるだろうが、「生命尊重」の徳目と矛盾するので、無理であるという考えがある。  
自分は違うと思う。結局、愛国心より生命尊重を上位の価値としているからできないという結論になるのである。他人の命を守るために、自分の命を捨てることもあると考えるなら、生命尊重と愛国心は矛盾しない。しかし、全く矛盾しないかと言えば矛盾するときもあると思う。  
大事なことは、矛盾するかしないかではなく、どちらも大事な価値であるとして考えることである。徳目は、それ自体すばらしいが、他の徳目と比較して考えると矛盾するものが結構ある。極端な言い方になるが「好き嫌いをしないで何でも食べる」と「動物愛護」は矛盾する。「草取りをして学校をきれいにしよう」と「植物を大切にしよう」は矛盾する。  
生きたいと思っても死ぬ定めの人間の存在自体、矛盾なのだから、徳目が矛盾するのはある意味当然である。人間の心の闇を見れば、それぞれの場面で、それぞれの徳目を使いわけ上手に妥協しながら生きているのが人間とも言える。また、その矛盾に悩み続けて生きているのも人間と言える  
生命尊重も愛国心もどちらも大事である。どちらも大事な価値として授業をしていいと考える。  
○特攻隊を過ちとして教えるべきか。  
特攻隊を過ちとして教えるべきか。仮に、英雄的な行為として授業をしたとしても、特攻隊が作戦的に正しいと結論にはならない。特攻隊という作戦は、追い詰められてやむにやまれずの作戦であり、過ちでもやらざるをえなかった状況を取り上げるべきである。作戦的に過ちととして取り上げる可能性はあるが、行為を過ちとして取り上げてはならない。 
4 当時の映像記録を通しての授業づくり  
教師の発言・指示・説明/○児童の発表  
今から記録に残っている昭和の戦争についてのビデオを流します。どんなことでもいいです。気がついたこと、思ったここと、考えたことを3つ見つけて下さい。見やすいように移動して下さい。 ( ビデオ視聴 ) 
順番に発表してもらいます。同じ時は、「同じです」と言って下さい。(指示)     
○自分から敵の船に飛行機でつっこんでいった。  
○自分から落ちている。  
○飛行機で自爆していた。  
○自爆隊がある。  
○飛行機が海に落ちた。  
○敵に向かって自滅していた。  
○なぜ、特別自爆隊のような物をつくり、 船につっこんだのか。  
○なぜ、飛行機だけの攻撃か。  
○どのようにして自爆隊の人が決まったのか。  
○なぜ、自分から敵の船に飛行機でつっこんでいったのか。  
○なぜ神風と呼んだのか。  
自分から敵の船に飛行機でつっこんでいったことに気がついた人が多かったのですが、そのようなことを特攻といいます。船で敵につっこむ場合もあるのですが、今回は飛行機なので特に航空特攻と言います。その人たちのことを特攻隊員と呼んでいました。(説明)  
このような特攻隊員と普通の戦闘員との違いはなんだと思いますか。        
○特攻隊員は、自分たちから自滅しにいく。普通の戦闘員は、敵を攻撃しながら死ぬ。  
もう少し詳しく言うと、特攻隊の人は生きて帰ってこれる?これない。  
普通の戦闘員の人も戦争だからある程度覚悟していくと思うのですが、帰ってくる、死なないで戻ってくる可能性もあります。でも、特攻隊員は帰ってこれない。死ぬことが分かって旅立っていくのです。  
さっき、なぜ、特別自爆隊のような物をつくり、敵の船につっこんだのか?とういう疑問が出ましたが、それを考えるためのヒントになるので見てください。  
日本は、一九三一年から一五年間戦争をしていました。  
一九四一年から始って一九四五年に終わった戦争はなんとう名前だったのでしょうか。ノートに書いてみましょう。                  
○太平洋戦争です。  
(資料配付)              
別名は何ですか            
○大東亜戦争です。  
だいたい四年間くらい行われた戦争ですが、特攻が行われた時期はいつ頃だと思いますか?だいたい三つの時期に分けます。ア、イ、ウのどの時期でしょうか?        
予想をノートに書きましょう。時間は五分で理由も書きましょう。(発問・指示)   
(資料配付)  
理由書いた人、起立。           
○ウ 最終兵器で使おうとしていたから負けそうになったから(多数)  
皆さんの予想通りです。この時期は日本がどんどん追い詰められていました。その時起死回生の策として、特攻を行いました。沖縄戦の劣勢を挽回するために特攻を強化していきます。この間わずか数ヶ月です。  
その特攻隊員が残した遺書を紹介します。遺書とは、自分の気持ちを自分が死んだあとに伝える手紙のことです。(遺書一を読む。)享年19歳。若いですね。この頃は、二〇代三〇代のパイロットは死んでいなかったんです。茂樹さんが自分が死んだあと一番気にしていることは何だと思いますか。  
○お母さんが泣くことのこと。  
○自分がいなくなって母が形見を見たときに立ち直れないのではないかと心配している。  
○この遺書を見るとお母さんが悲しむんじゃないか。  
お母さんのことを心配している遺書です。  
次に松士さんという方の遺書です。この方も二〇才。  
(遺書二を読む。)難しい漢字もあるのでよく聞いてください。(説明を加えながら読む。)お母さん、お父さんのことを心配していますが、それだけでではないですね。他にどんなことを考えているのですか?死んだあと、何を心配しているのですか?ノートに書いてみましょう。  
○これからの人が幸せに暮らせるかどうか心配していた。  
「皆様」とはだれのことだと思いますか?  
○近所の人  
「皇国維持のため」とは、皆さんはどんなことを考えましたか。  
国のみんなのために  
近所の人も入っていたでしょうね。でも、自分の知らない人でも、日本の国のために自分は死んでいくんだよと書いていますね。    
渋谷さんという方です。どんなことを書いていのでしょうか。この人は、遺書で、どんなことを伝えたかったのでしょうか。  
○若い人たちに国のためにがんばってくれ。  
○日本のみんなを信じる。  
○後の事はたのんだぞ(信じて何かやってももらいたいことはある。)  
まとめる家族のこと、日本のことと言えるように思います。             
では、最後の問題です  
特攻隊が行われてから約六〇年が過ぎましたが、今の日本は死んでいた特攻隊の人たちが考えていた理想の国になっていますか。「なっている」、「なっていない」どちらかを選んで理由も書きましょう。  
○なっている。   
○平和な国だから。(多数)  
○なっていない。  
○戦争は今でも続いている。  
○遺書を書いた人は平和な国を願っていた。  
○今は便利な道具がたくさんあるけど、人殺しとかもある。  
○犯罪が起きている。  
○今の人は自分ためだけにやっている。  
○イラクのことが残っているから。  
最後に、特攻隊員が聞いたら喜んでくれると思うこと、逆に悲しむと思うことを紹介します。大東亜戦争が終わってから、日本では戦争がなくり、平和な国になりました。 そのことは、喜んでいると思います。逆に、悲しんでいることは、これから大人の仲間入りをする二十歳の人たちの成人式での様子です。ビデオを見て下さい。  
これで今日の授業を終わります。  
5 児童の感想 
特攻隊について     
ア 特攻隊の勇気について  
特攻隊の人たちは、国を守るために自分の命を捨てるなんてすごいと思った。  
戦争のビデオを見て戦争はすごく怖いと思った。戦った人たちは、勇気を出して立ち向かって立派に死んでいってかっこよかったです。  
二十歳の人が自分から突撃することはすごく勇気がいることだと思います。  
特攻隊の人は、自分が死ぬことが分かって飛び立っているからすごいと思う。  
戦争で死ぬと思って特攻隊に入って日本のために活躍したのはすごいことだと思う。   
イ 特攻隊の悲しみについて  
太平洋戦争(大東亜戦争)のビデオを見て、自分から突撃していくのが悲しかったです。  
特攻隊はすごく悲しい運命です。でも、日本のためによくやってくれました。今の二十歳の人は乱暴です。これでは、特攻隊がつっこんだ意味がありません。  
一九歳や二〇歳の人まで特攻隊で死ななきゃいけないなんてかわいそうだと思いました。  
やっぱり戦争は怖いなあと思いました。あと、かわいそうだと思いました。もし私が、男で二〇〜三〇歳ぐらいなら怖くてできないと思いました。  
理想の日本のために命を落としたのは悲しいです。  
特攻で命を落とした人たちは、つらいけど特攻をしたのだと思います。  
戦争は、絶対にやっちゃだめだ。  
自分たちの時代は戦争がないからいいけど、あったら大変だと思った。  
特攻隊なんかつくらなければいいのにと思った。自分から死んでいくなんて考えられないと思う。  
一九歳は二〇歳の人たちがまだ若いのに死んでしまったなんてありありえないと思った。  
ウ 特攻隊員と現在のつながりについて  
特攻隊員は、死ぬのが分かっていてやった。渋谷さんの遺書をみて、この人たちがいなかったら、僕たちもいないんだと思った。  
特攻隊の映像や遺書を見て、昔の人は国ために一生懸命やってくれてありがとうと思った。                  
特攻隊の人たちは、まだ若いのに国のために死んでいったおかげで、今は平和に暮らしているのに、現代の人々は特攻隊の人々を悲しませるようなことをしている。  
特攻隊の人が日本を守るために若いのに自分から死んでいくなんてかわいそうだけど、だから私たちが平和に暮らせるんだと分かりました。  
成人式について  
ア 成人式の感想  
成人式のビデオはひどすぎてびっくりしました。何年の昔の人が平和にしてくれたのに、あの人たちは多分特攻隊のことは知らないんだと思いました。私は、ああいう大人にはなりたくないと思いました。でも、あんな人たちもいるんだなあとビデオを見ながら思いました。  
成人式の人は自分のことしか考えていない。  
戦争で死んでいる人がいたのに、成人式では勝手な行動をしてめちゃくちゃにして戦争で死んでいった人がかわいそうだ。  
昔、同じくらいの年の人が戦ってくれたおかげで今、平和な日本があるのに今の人はダメだと思った。  
戦争のビデオを見てから成人式のビデオみると、はあ〜(怒)って感じでした。今の日本は絶対理想の国にはなっていないと思った。  
成人式でばかげたことをやっている人は何をやっているんだ!と思った。でも僕は、ほどほどに酒を飲んで成人をこしたいです。  
特攻隊員の人たちは今の日本のために命を落として理想の国になってもらいたかったのに、なぜ成人式で暴れたりするのだろうか。これじゃ、特攻隊が命落とした意味がありません。  
成人式であんなことをする人がいることを今日初めて知った。  
成人式にあんなに騒ぐのが不思議に思いました。  
イ 自分の行動について  
一〇年もないけど自分たちが成人式の時はあんなことにならないようにしたい。  
成人式のビデオを見てふざけているのはあまりにも変だと思った。僕が二十歳になってもあんなことはないようにします。  
僕たちはこのようなことはしたくありません。  
あんな人たちは二十歳とは思えない。小学生でもあんなことはやらない。  
ウ 特攻隊の人の気持ちになって  
特攻隊の人たちが、成人式をみたらすごく悲しむと思う。  
特攻隊の人たちが、あの成人式を見たら怒ると思うし、無念だと思う。あの人たちが特攻隊に行けばよいと思った。  
日本のために自分の命を落とした人がいるのに、成人式でプライバシーとか言って叫んでいるのは特攻隊の人たちがかわいそうだと思いました。僕は、あの人たちが特攻隊になればいいと思いました。  
疑問  
日本の人たちはどんな犠牲を払っても戦争に勝ちたかったのだろうか。  
特攻隊が死んで国のためになったのだろうか。意味もなく死ぬなんてもったいないと思った。  
今の人たちは、戦争で死んだ人たちのことはどうでもいいと思っているのだろうか。  
戦争で死んでいった人が今の日本を救ったのに、今の人たちはかわいそうだと思わないのだろうか。   
戦争で、死ぬと分かっているのに、何で飛んでいくことができるのだろうか。  
その他  
今の若い人は国なんかどうでもいいみたいに思っているし自分のことしか考えていないから自分は絶対そうならないようにしたい。国がはやく理想の国になってほしいです。  
平成の人はあまりにもふざけているので、もうちょっと昭和の人のことも考えてほしいと思います。  
6 考察  
自分の気持ちをノートに書かせる作業を多くしたこともあって、二時間の授業時間となった。  
感想では、直接授業で扱っていない点まであり、子どもたちが自分の言葉で書くことができた。また、いろんな意見があり、特攻隊についていろいろ考えた様子がうかがえた。   
修正した箇所は、特攻隊員の人が現在の日本を見たら喜ぶと思うことと逆に悲しむと思うことを紹介した点です。悲しむと思うことでは、荒れた成人式の様子を紹介した。同じ二十歳なのにこんなにも違うのかと、そのギャップの大きさによって、特攻隊の勇気や悲しみについてさらに深く感じることができた。また、特攻隊の出来事を現在とのつながりで考えることができた。  
荒れた成人式の様子に対する怒りはかなりあり、ちょっと過激な感想もあった。  
特に展開の後半は、道徳の授業としても扱えるのかもしれないと感じた。  

 


  
出典「マルチメディア統合辞典」マイクロソフト社 / 引用を最小限にするための割愛等による文責はすべて当HPにあります。