粉骨砕身・・・ |
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【裏方】表立たないところで働く人。 【内方】店に対して家族のいる奥の方。奥の間。勝手向き。内証。 【表方】劇場などで主として観客に関する業務を行なう人。 【楽屋】劇場や演奏場などで出演者が出演準備のため化粧、衣装をつけたり、休息をする所。物事の内情や真相。 【縁の下・椽の下】世に出られない人、うだつがあがらない人。 縁の下の力持ち 人に知られないで、陰で苦労・怒力する人。 【縁】物事との結びつき。関係。縁故。身より。親子、夫婦、主従など、人と人との結びつき。 縁に繋(つな)がる 血縁関係がある。 縁に連るれば唐の物を食う なにかの因縁でことの次第によっては疎遠なものとも関係ができる。 縁に引かる 離れられない結びつきになる。 縁の糸 夫婦、親子などの縁をつなぐ糸。開帳、供養などで仏像の手に掛けて引く綱、五色の糸を用いる。 縁は異なもの味なもの 男女の縁はどこでどう結びつくか、常識を越え不思議でおもしろいものだ。 縁もゆかりもない なんのつながりも関係もない。 縁を切る 親子、夫婦などの関係を絶って、他人同士となる。 縁を結ぶ 仏縁を結ぶ。夫婦、養子などの縁組をする。 |
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【supporter】 後援者,後ろだて,支持者。 【事務】役所、会社、商店などの主として机上で行う仕事。 【事務的】感情などを交えないで規定どおりに物事を処理する。 【事務員】会社、官庁、学校などで事務をとることを職業としている人。事務職員。 【事務家】事務をとる人。事務に熟達した人。 【事務屋】事務をとる人。技術者に対して、ややさげすんだり謙遜したりしていう。係数にこだわり政治的配慮、手腕に乏しい人。 【事務室】事務を行うためのへや。 【事務服】事務をとる時に着用する目的で作られた衣服。 【催事場】特別に計画して展示、特売などを行う場所。「デパートの催事場」 【庶務】いろいろの雑多な事務。一般事務。 |
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【雑務】種々雑多の用務。日常的な行政事務一般。ざつむ。 【残務】まだ処理し終わらない事務。 【分掌】仕事や事務をいくつかに分類し、その一つを受け持つこと。 【服務】事務・業務に従事すること。 【非現業】現場の労働業務に対して一般的な管理事務部門をいう。国や地方公共団体の事業の現業事業以外の業務を行う部門で、一般に比較的、権力的性格を有している。 【番頭】商家の雇人のかしらで店の万事を預かるもの。営業に関するある事項を店主にかわって委任された。 【能吏】事務処理の能力にすぐれた官公吏。 【当務】その事務にあたること。 【帳簿】金銭・物品の出納など、事務上の必要事項を記録する帳面。 【代務】他人に代わってその事務を処理すること。 【俗務】世間の俗事。世俗の煩雑な事務。 【総務】全体の事務をまとめ、処理すること。 【世務】世の中のつとめ。当世の事務。せむ。 |
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【塵務】俗世間の煩わしいつとめ。塵俗の事務。俗務。 【書類】文字で記したものの総称。特に、記録や事務に関する文書。かきつけ。 【職員】官公庁・会社・学校などで、それぞれの職務を担当する人。 【従事】ある物事に関係して、それを仕事としてつとめること。 【経理】会計、給与に関する事務。 【締切日】原稿や事務の取り扱いなどを終了する日。 【事務所】事務を取り扱う所。オフィス。 【執務】事務、業務についていること。 【現務】現に取り扱っている事務。 【規程】官公署などで内部組織や事務の取扱いを定めたもの。 【管轄違】国または公共団体の機関の取り扱う事務が、分掌している権限の範囲に属していないこと。 【倹約】金や物を浪費しないこと。費用を切りつめること。節倹。節約。 【研修】事務処理能力などを高めるため会社員などを一定期間教育すること。 |
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【上っ張】着物がよごれないようにその上にはおって着るもの。会社の事務服、家庭でのかっぽう着など。 【労務】報酬を得て行う労働勤務。労働に関する事務。 【用人】江戸時代、大名・旗本・貴族などの家で老臣の次に位し、財用をあずかり内外の雑事をつかさどったもの。御用人。 【用度・用途】要する費用。入費。かかり。官庁・会社などで事務用品などの供給に関すること。 【文具】文房具。紙・筆・インク・帳面などの類。 【手文庫】文具や手紙などを入れておく小箱。 【文房具】鉛筆・ペン・ノート・インク・定規・消ゴムなどの学習用具。文具。 【整理】乱れたもの混乱した状態にあるものを秩序正しくすること。むだを除いて物事がうまくいくようにすること。【整頓】整理し正しくととのえること。きちんとかたづけること。整理。 |
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【片付】散らばっている物などを一方へ寄せること。ごたごたしている物事をまとめること。整理すること。 【整斉・斉整】整理すること。 【実践】考えを実際に行うこと。自分で実地に行い、行為、動作にあらわす。 【蔵払・庫払】商店などで在庫品整理のため大量に売り出すこと。くらざらえ。 【纏める】個々のものを一つにくくる。集めて一つにする。統括する。意見、考えなどを一つに整理する。 【簿記】資産・資本・負債の収支・増減などを一定の形式によって帳簿に記録し、計算・整理して、その結果を明瞭にする計算技術。複式簿記と単式簿記とがある。 【取り片付ける】手に取ってかたづける。整理する。 【整える・調える・斉える】本来の正しい状態に直す。整理する。整頓する。 【統計】集団での個々の要素がもつ数値の分布や、その分布の特徴を示す数値の総体。 |
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【帳簿】金銭・物品の出納など事務上の必要事項を記録する帳面。 【職階制】大規模な経営組織体で構成する多数の職務を、種類、複雑さ、責任の度合などから分類し整理する制度。 【経営】会社、商店など主として営利的・経済的目的のために設置された組織体を管理運営すること。 【管理】法律上、財産を保存し、その性質を変更しない範囲以内でその利用、改良をはかること。 【役職】役目や職務。管理または監督の地位にある職務。管理職。 【業務】職業や事業などに関して継続して行なう仕事。 |
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【職務】担当している任務。各人が受けもっている仕事。役目。 【管理職】管理または監督する地位にある職種。 【品質管理】(英quality controlの訳語)需要に適した品物をむらがなく経済的に生産するための管理法。QC。 【系統】個々の事物間にある関係を一定の原理、法則に従って順序立てて並べたもの。 スタッフ(英staff)一つの仕事を多数の人で行っている時の、その担当者全員。陣容。 【職制】職員の身分や指揮監督の系列など、職務の分担に関する制度。 【所管】管理すること。ある事務をそこの責任や権限として管轄していること。 【主管】ある物事を主となって管轄、管理すること。 【会計】金銭や物品の出入りを取り扱って管理すること。 |
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【移管】管轄を他へ移し替えること。管理を他へ移すこと。 【苦情】他から迷惑、害悪を受けていることに対する不平不満を表わしたことば。 【苦情処理】申し出のあった苦情を受け付け、解決すること。 【火事場見廻】江戸幕府の職名。火災の発生した際、風下にあたる武家屋敷、また寺社、町方へも出役し、消火の指揮をとるとともに、焼け跡を見回り、出火原因、被害状況を調査報告し、定火消(じょうひけし)の火事場での勤務状況も監察した。 【飛脚】鎌倉時代から江戸時代まで、信書・金銭・小貨物などを送達する使いや人夫をいう。江戸時代には幕府公用の継飛脚、諸大名の大名飛脚、民間の営業にかかる町飛脚に大別される。明治四年欧米式の郵便制度の採用によって廃止。 |
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【報告】ある任務を与えられた者が、その用務の情況・結果などを述べること。復命。 【情報】状況に関する知識に変化をもたらすもの。文字、数字などの記号、音声など、いろいろの媒体によって伝えられる。インフォメーション。 【白書】(英white paperの訳語)政府が政治・経済・外交などの実情や施策を国民に知らせるために公表する報告書。 【風聞】うわさ。 【捏造】事実でないことを事実のようにこしらえていうこと。ないことをあるようにいつわってつくりあげること。 【日報】毎日行う報告。 【週報】1週間ごとに行う報告・報知。 【旬報】10日ごとの報告。 【月報】月々の報告や報道。 【月次】毎月。つきづき。月例。「月次報告」 |
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【年度】事務または会計決算などの区分した一年の期間。会計年度、事業年度など。 【確報】確かな知らせ。確実な報告、報道。 【連絡・聯絡】相談し合って心や考えが通じ合うこと。情報などを関係者に知らせること。 【連携】互いに連絡をとりながら物事を行う。 【渉外】外部との連絡・交渉。 【告知】あることを人に告げ知らせること。通知すること。役所などが連絡事項を知らせること。 【緊密】物事の関係が密接なさま。 【話す・咄す】ことばで伝える。口に出して述べる。互いにかたりあう。談話する。また、相談する。 【打合】物と物とをうまく合うようにすること。前もって相談しておくこと。下相談。 |
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【下相談】相談の前にあらかじめしておく打合せ。 【相談】どうするかを決めるために話し合うこと。話し合い。談合。 【相談尽】何事も相談すること。ひとりぎめせずすべて相談の上で行うこと。 【耳相談】耳もとでささやきあうこと。耳打ちして相談すること。耳談合。 【密談】他に聞かれないようにひそかに相談すること。 【相対】合意すること。相談のうえ互いに納得して事を行なうこと。あいたいずく。 【破談】一度取り決めた相談を取り消すこと。縁談を取り止めること。 【示談】民事上の紛争を裁判にかけないで当事者双方の話しあいで解決すること。 【鳩首】人々が集まって額を付け合うようにして相談をすること。 【掛け合う】要求、要望などを持って相談に行く。談判する。交渉する。 【協議】人々がいっしょに相談すること。集まって相談すること。 【謀議】計画し相談すること。はかりごとを相談すること。 【陰謀・隠謀】ひそかに企てるはかりごと。謀反、悪事などの計画。 |
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【密議】秘密の評議。内々の相談。 【口利】談判や相談などに慣れた人。人に恐れられて、紛争などを巧みに仲裁する人。顔きき。顔役。 【談合】話し合うこと。相談すること。談義。だんご。 【独断】他人に相談すべきことを相談しないで、自分一人の考えで決めて行動すること。 【示し合わせる】仲間などとあらかじめ相談しあう。事を行うに先立ち互いに心をあわせておく。 出来ない相談 話の当事者双方の条件が、はじめからおり合わないとわかっている相談。むりな相談。 話が付く 相談がまとまる。決着がつく。 話がわかる 世事・人情に通じていて、思うことをよく理解してくれる。 話にならない 相談がまとまらない。意見が合わない。問題にならない。あきれてものがいえない。 【小田原評定】(天正一八年豊臣秀吉が小田原城の北条氏を攻めた際、城中で和戦の意見が対立し、いたずらに日時を送ったところから)いつになってもきまらない会談、相談。 【案】下書き。草案。控え書き。留め書き。まだ確定していない調査や相談を要する文書。 |
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【根回】交渉、会議など、事をうまく運ぶために、前もって手を打っておくこと。下工作。 【稟議】官庁や会社などで、会主管者が決定案を作成し、関係者間に回して承認を求めること。 【議案】会議で討論、議決するために提出する原案。 【案件】問題になっている事柄。調査し、または相談すべき事柄。 【議題】会議に提出される問題。 【衆議】多人数で評議すること。 【会合】相談、討議などのために人が集まること。寄り合い。 【委員会】特定の目的のもとに委員によって構成された合議機関。 【会議】会合して相談、議論すること。また、その集まり。 【議事】会合して事を議すること。会合による相談、審議、また、議すべき事柄。 |
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【議長】会議で議事を進行させ、衆議を採決する人。 【進行係】会議や催物などをすすめてゆくことを担当する役。 【主役】事件などで主要な役割を果たす人。映画、演劇などの主要人物の役、役者。 【議事録】議事の記録。議事の内容、討議の経過、議決事項などを記録したもの。 【構成】組織、形、理論などを組み立てること。組み立てたもの。 【採決】会議で議長が発言者の意見をとりあげ、会議構成員の賛否により、議事の可否を決定すること。 【中立】特定の思想・立場・意見などに片寄らないで、中正の道に立つこと。 【可決】会議において提出された議案をよいと認めてきめること。 【多数決】会議で賛成者の多い方の意見に従って事を決定すること。 【少数意見】会議で少数の人の主張する意見。 |
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【筋書】事柄の趣旨を記したもの。事の理由や筋道を書き記したもの。あらかじめ立てた計画。 【机上プラン】立案、論議されるだけで、まだ具体化しない計画。 【青写真】未来の抱負、計画。 【設計】工事・工作などで、工費・材料・敷地・形式などの計画を立て、図面その他によって具体的に示すこと。 一日の計は朝にあり一年の計は元旦にあり 物事は最初が肝心である意のたとえ。 【輪郭・輪廓】物事のおおよそのところ。概略。アウトライン。 【着想】創作などで、頭の中で想を構成すること。 【成案】ある計画・方針などに対するすでにできあがった考えや文案。 【計画】ことを行なうため、まえもってその方法などを考えること。企画。 【企画】計画を立てること。 |
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【立案】案を立てること。実行に先立って計画を立てること。草案をねること。 【賛画】計画に賛成し援助すること。賛助して計画を練ること。 【練り上げる・錬り上げる】計画や文章などを何度も直してすぐれたものにしあげる。 【献策】目上の者に計画、計略などを申し述べること。 【構想】考えを組み立てまとめること。 【大計】大きなはかりごと。大きな計画。 【計略】人をだまそうと考えをめぐらすこと。もくろみ。策略。謀略。 【腹案】計画などあらかじめ心の中で考えておくこと。 【画策】はかりごとをめぐらすこと。 【作戦・策戦】当面する相手に対してめぐらす、戦う方法についての策略。 【作戦計画】作戦に関する計画。一般的に計略の考案。 |
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【得策】有利な方策。行って利益のある方法、計画。 【愚策】おろかなはかりごと。つまらない計画。 【早計】十分に考えをめぐらさないで急いでことをなすこと。はやまった計画。はやまった判断。 千里の道も一歩より始まる 遠大な計画の仕事も始めは手近な所から始まる。 【バベルの塔】不可能な計画。実現の見込みのない架空の計画。 【大風呂敷】現実の状況に釣り合わない大げさなことばや計画。 大風呂敷を広げる 現実の状況に釣り合わないような誇大なことをいったり計画したりする。 【実行】計画や理論などを実際に行うこと。実地に行動すること。実施に移すこと。 【実行力】理論や計画などを実行に移し継続していく能力。 【具体化】計画などを現実のものとすること。 【目算】もくろむこと。予期した計画。見込み。 【目論見・目論】計画すること。 図に当(あ)たる 計略が思い通りに運ぶ。計画や予想の通りに物事が進行する。 |
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【流産】計画・事業などが途中でだめになり実現しないこと。 【模様替】物事の計画、方法、順序などを変更すること。 【無謀】深い考えのないこと。成功する見込みもないのに行動することにいう。むてっぽう。無茶。 【場当】深い思慮や計画もなく、その場その場の都合に合わせるさま。 ぱあ 金や持ち物がすっかりなくなること。築き上げた状態や情況が無に帰してしまうこと。 おじゃん 物事が不成功、駄目になること。 【出来心】予めの計画ではなく、その場でふと起こした考え。 【立消】物事が中途で止むこと。途中で姿を消すこと。 【芝居】計画的に人をだまそうとして、物事をしたり言ったりすること。 【骨抜】考えや計画の眼目の部分を抜き去ること。 |
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【手の内】胸のうち。心の中。心中で計画していること。 【御預】物事を中途でやめて、そのままにしておくこと。話だけで実行が延ばされること。 【塩付・潮付】つらい体験をさせて世渡りの知恵をつけること。 【塩詰】重罪人の死骸を塩漬けにすること。 【塩漬】取引相場で買った株が大幅に値下がりしたので長い間売らずにおくこと。 【塩引】魚類を塩漬けにすること。 【店晒・棚晒】商品が長い間店先にさらされたままになっていること。張見世で売れ残った女郎。 |
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プログラム(program)予定。計画表。スケジュール。 スケジュール(schedule)あらかじめ具体的に立てられた予定、計画。 プロダクション(production)1 生産すること。製作。また、生産物。作品。 フリーハンド(freehand)設計、計画の略図・見取図などに用いられる。 プランニング(planning)計画を立案すること。 プランナー(planner)物事を企画する人。計画を立てる人。立案者。 プラン(plan)計画。企画。設計。案。 プロジェクト(project)研究や事業などの開発計画。 プロジェクト‐チーム(project team)製品の開発、設備投資計画など、恒常的業務以外の特定の計画を実施する際、必要な能力を持つ人を各分野から集めて編成する組織。 デザイン(design)建築、工業製品、服飾、商業美術など実用的な目的を持った造形作品の計画・意匠。 |
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デスクプラン(desk plan)実地の裏付けをしてない机上だけで立てた計画。紙上の計画。 コンファレンス(conference)相談。協議。会議。協議会。 コンサルタント(consultant)相談相手となる専門家。企業経営に関する助言や指導を行なう人。 カウンセラー(counselor)カウンセリングを職務とする者。相談員。 ブレーン(brain)〈ブレイン〉頭脳。 ブレーン‐トラスト (brain trust)政治家や政府が、政策の立案・検討などのために相談役とする、学識経験者の集団。ルーズベルト大統領がニューディール政策を行った際の顧問団がこう呼ばれたところからいう。また、一般に個人や団体に助言を与えて補佐する役の人。ブレーン。 デスクワーク(desk work)机に向かってする仕事。事務、勉強、執筆など。 グレーカラー(gray collar)ホワイトカラーとブルーカラーの中間の職業。技術的な仕事に従事する労働者。 |
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ブルーカラー(blue collar青色の作業衣を着るところからの命名)直接生産に携わる現場で働く労働者階層。ホワイトカラーに対していう。 ホワイトカラー(white-collar)事務職員、頭脳労働、ビジネスマン、サラリーマン。 ファイル(file)書類や新聞などを分類・整理してとじておくこと。 データベース(data base)コンピュータで情報を利用の効率化をはかって一つに統合したもの。 スクラップ(scrap)新聞雑誌などで重要な記事や興味のある記事などを切り抜くこと。鉄やその他の金属の切りくず、廃品。 スクラップ‐ブック(scrap book)スクラップをはりつけて整理する帳面。切り抜き帳。 マネージメント(management)経営管理。またその任に当たっての能力をいう。経営管理機構。経営者または管理者。 レポート(report)調査や研究、実験の結果などの報告書。 レポーター(reporter)〈リポーター〉新聞、放送などで現地報告をする記者。 モニター(monitor)新聞社や放送局などの依頼で記事や放送について意見を述べる人。製造会社の依頼で商品を使用してその感想を報告する人。 |
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■粉骨砕身 |
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身を粉にして働くという言葉がある。漢語では、「粉骨砕身」というのがあって、これだと身は砕いて、骨の方を粉にすることになる。もっとも、骨は身のなかにあるのだから、身を砕くと骨も砕けるかも知れないが、粉々にはならないと思う。「粉骨砕身」の類似語として「彫心鏤骨」という言葉もあるが、これでは、「心」を彫って、骨は鏤するということになる。この「鏤骨」の「鏤(ル)」は「粉にする」とか、「骨身を削る」の「削る」、または「骨に刻む」の「刻む」という意味ではなくて、イレズミをするという意味らしいので、骨を粉にするとは別問題である。日本人の発想では、骨身を惜しまずに働くとか、骨身にしみるとか、骨身にこたえるとか、骨と身とは区別しないで一緒にして表現する傾向がある。「骨身」を「骨肉」と言い換えると、「骨肉(コツニク)相食む」とか、「骨肉相争う」というように、「骨肉」とは親子や兄弟という意味になって「骨身」とは全然違ったものになる。それにしても、実際に「骨を粉にする」となると、生きている時にはまず無理なことで、強いて骨を粉にするには、火葬場で焼いて「骨灰」にする時ぐらいのものであろう。
骨の主要成分であるカルシュームの製品に、牡蠣(カキ、オイスター)の殻を粉にしたものがあるが、蛤の貝殻を小さく砕いたものを鶏についばませて、殻のしっかりした卵を生ませようとしていた、母親を眺めて、なるほどと感心したものだ。鶏の胃は貝殻の破片でも消化してしまう能力があるのだろうが、人間では砕いた貝殻をまともには消化出来ないとか聞いている。 人間の骨を粉にする「作業」には、私も関わったことがある。と言っても火葬場で働いたことはないのだが、死体をこの手で焼いたことがある。それは終戦も押し詰まった頃、アメリカ軍の爆撃機から落とされた焼夷弾で家が灰燼に帰したが、その際自宅の防空壕の中で死んでいた父親を発見したので、その焼け跡で父親を私たちの手で、荼毘に付さねばならなかったからである。その後、再び、骨と関係を持ったのは、医学校で最初に受けた解剖講義であった。その講義では、まず骨の話から始まったのだが、その何百もある骨の各部位にそれぞれラテン語の名前がついていて、それを残さず(丸おぼえ)しなければならなかったので、大変苦労したものだ。医学校を卒業して、専攻科として耳鼻科を選んだところ、思いがけなくも、耳鼻科というものは、骨にとても関わりのある科であったという経緯になった。 その耳鼻科で行う手術には、皮膚とか粘膜を切開して、奥にある骨に到達すると、まず「骨膜」をはがして、骨に穴を開けることから始まるものが多い。骨に穴を開けるには、たいていの場合、ノミと金ヅチを使う。骨板が薄ければ、ノミでなくても針のようなものでも孔をあけることはできる。私が1952年になってアメリカの地を踏んだ時点では、既に、耳鼻科でも、歯医者さんの使うドリルを利用して骨に孔を開けたり、骨を削ったりしていた。そしてドリルを使うと骨からはBoneDustという「屑、粉末」ができるが、これは洗い流しながら手術を進めて行く。骨の表層はコンパクトで硬いものだが何ミリか内に入ると骨髄になるので、鋭匙(エイヒ、Currett)という道具をつかって骨を堀り進むことも出来る。2-3ミリの厚さの骨の板であれば、Rongeur(ロンジェアー)と呼ばれる道具で(つまみ取る)ことも可能である。 その他にも骨に工作をするには、木材に細工をする時に使う道具に似たものを利用する。たとえば、骨を切るためには色々の「鋸」が考案されているし、Nipper(ニッパー)という「鋏」のようなものを使って骨を切ることもある。また骨の切り口のギザギザした所をRaspと呼ばれる「ヤスリ」でsmoothにすることもあり、「ねじ釘」を使ってBraceなどを骨に固定することもある。 さて、「骨」といえば、「骸骨」をすぐ思い浮かべるものだが、生きている人間にある骨は勿論、血の通った「生き物」である。そして、「生きた骨」を扱う時には、「生体反応」が骨にもあるということを忘れてはいけない。その「生体反応」をうまく利用する「接骨法」は、「骨折」の治療法としては最良の方法である。これは昔の「骨接ぎ医者」が施していたやり方で、今の「整形外科医」も原則的には同じことを行っている。これは、骨折部は動かないように固定さえしておけば自然に新しい骨ができて、完全になおってしまうという「性質」が知られていたからである。ただ、骨が曲がってつかないように「副木」、(添え木)をつけたり、「ギプス」と呼ばれる「石膏かため」をしておくということである。しかし、この自然治癒は時日がかかるので骨折部に即効性の「糊」スーパーグルーのようなものを開発しようと研究が続いているが、まだ実用になるものは出来ていない。「糊」の材料として、その人の骨を「泥粉」にして塗りつける方法もあるが、これでは骨の再生を少し早めるだけの効果しかないようだ。 ところで、骨に「圧力」をかけた場合の骨の反応も、「圧力」の種類によって色々と違ったものになるからややこしい。例えば歩行とか、駆け足をして、骨に(適当な)圧力をかけると、骨にカルシュームが沈着して骨が太くなるのに、体重が持続的にかかっている脊椎は(太らないで)、逆に押しつぶされて平たくなる傾向があることが知られている。私の想像では、骨の反応は、加わる圧力の強さの他にも、それが間歇的であるか持続的であるかに関係があると見ている。 持続的の圧力の例として、耳鼻科で「聴小骨」に細い針金を巻き付けておくと、あまり、きつく締めていなくても時間が経てば、針金の接触している箇所の骨が融けて切れてしまうことを経験している。病気で長く安静にしていたり、年を取ったりして運動をあまりしないでいると、骨のカルシューム分が減って、骨が「過疎」になることがある。「過疎」になった骨を持つ老人は転んだ時、骨折をしやすいのだが、その骨が「過疎」になる原因として(持続的に加わる軽い圧力)を考えてよいのではなかろうか。 よく知られていることで、骨の主要成分のカルシュームは酸性の液に溶けるという現象があるからと言って、「酸性食品」を食べると、骨が溶けて、「骨がやわらかくなる」と考えるのは、短絡的である。サーカスなどで体が柔軟でアクロバットをする人は、「酢」を飲んで骨をやわらかくしているからだということは信じられない。もともと、骨が(やわらかい)ということは、骨が「軟骨」になって(曲がりやすくなっている)訳ではない。「軟骨」は「骨」に似ているが、全く別物である。「軟骨」は少々曲げても「骨折」はしない。しかし、骨と違って、血液を造る「骨髄」はない。軟骨は体のあちこちに散在しているが、「耳介」とか、鼻先にも皮膚の下に軟骨があって、耳や鼻の格好を保つために(活躍)している。「喉仏」は「甲状軟骨」が形造っているが、成年に達すると、本物の骨になって、弾力性を失ってしまう。このように、軟骨は骨に変わるが、逆に骨が(骨抜き)になって軟骨に変わることはない。 ここで、骨と骨の「接合部」、すなわち「関節」について考察してみたい。「関節」には、色々の種類がある。「頭蓋骨」は幾つかの骨が、しっかりくっついて、頭の格好ができているが、幼児期には骨と骨とが(結合)しないでバラバラになっている。そのバラバラの骨が成人になるにつれ、結合する時にはジグザグの「縫合」という「関節」になる。この結合部を離すことは不可能のように見えるが、これをバラバラにする方法がある。それは、「頭蓋骨」の内側から、まんべんなく膨張さすような圧力をかけるとよいと聞いている。その一法として乾燥した豆を頭蓋骨の中に入れて水を加えて頭蓋底の穴を塞いでおく方法があると教示してくれた日本の耳鼻科の元教授がある。 骨のことで、私が理解出来ないでいる(技術?)としては、いわゆるShrunkenHeadの作り方がある。この「縮小された頭」は、デイズニー・ランドのJungleCruiseでアマゾンの土着人が(お土産)として掲げていた風景を見たことがあるが、今でもあるのかどうかは知らない。このShrunkenHeadの作り方を紹介した記事をNationalGeographicMagazineで見た記憶がある。それによると、何でも、頭を鍋のなかでグツグツ何日かかかって、特殊の汁に浸けて(煮詰める)と頭が小さくなるらしい。しかも、耳とか目鼻の軟らかい所も崩れないで、頭蓋骨と一緒に縮小さすということだから、あつらえ向きのShrunkenHeadにすることは、高等技術に違いない。(未開人)の(知恵)もさることながら、素材としての骨も全く不思議なものである。 |
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出典「マルチメディア統合辞典」マイクロソフト社
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