生きる

【大義名分】人として臣民として守るべき根本的な道理・分限。行いの基準となる道理、理由づけとなる明確な根拠。 
【大義】重要な意義。大切な意味。人の行うべき大切な節義。人倫の大きな筋道。 
大義親を滅す 国家君主の大事のためには人として親・兄弟などの肉親さえもかえりみない。大義滅親。 
【名分】名義・身分に伴って必ず守るべき道義上の分限。 
【宝暦事件】宝暦8年、尊王論者竹内式部が桃園天皇の近習徳大寺公城らに神書・儒書・兵学を講じて大義名分論を唱え幕府を非難したため京都所司代に告訴され、翌年重追放に処せられた事件。 
【柳子新論】江戸中期の政治論、山県昌貞著宝暦13年成立。朱子学的大義名分論にのっとり幕政を批判、勤皇思想を鼓吹する。
 
【大日本史】歴史書、水戸藩主徳川光圀の命により明暦3年藩に史局を設立して編纂事業が行われ明治39年完成。史観は朱子学による大義名分論をとり幕末の尊王論に影響を与え、思想的位置が大きい。
 
【蒲生君平】江戸後期の尊王思想家、下野国宇都宮の人。水戸学の影響をうけ大義名分論を重んじ国防と尊王の一致を唱える。高山彦九郎、林子平とともに寛政の三奇人。主著「山陵志」「不恤緯(ふじゅつい)」「職官志」。(1768-1813) 
【宋学】宋代の新しい儒教哲学、狭義には朱子学をさす。独自な立場から経典を解釈し道教・仏教思想も取り入れた宇宙観、歴史観、人間観をつくった。清朝の考証学が興るまで中国学問の主流を占め、大義名分を重んずる道学的な主張は厳格主義的な面をもつ。 
【今文】(「文」は文字の意)中国、古代の文字の一種。漢代の隷書をいい、それ以前の秦代の篆書、籀文(ちゅうぶん)を古文と呼ぶのに対する。 
【今文学】中国哲学において「春秋公羊伝」など今文の経書を重んずる学問。前漢に官学として主流を占めた。 
【今文公羊学】清朝の道光・咸豊以後に今文学を再興した公羊学派の学問。大義名分を正し王朝の革命、社会の進化を説く。 
【今文尚書】今文で書かれた「書経」。漢のはじめ秦の焚書のとき伏生が壁の中に隠して残したという経中の二九篇を隷書で書き改めたもの。
   
立っているものは親でも使え 急な用事のある時は誰でもいいからそばに立っている者を使った方が手っ取り早い。 
立つより返事 人に呼びかけられたら立ち上がるよりもまず返事をせよ。 
立てば歩めの親心 子の成長を一日も早くと待ち願う親の切なる心をいう。 
立てば芍薬すわれば牡丹 美人の姿の形容。通常「たてば芍薬坐れば牡丹、歩く姿は百合の花」
   
【物】 
物合う 物事が思い通りになる。物事が都合よくいく。 
物言う花 美人の称。 
物言えば唇寒し秋の風 芭蕉、貞享年間に成った「座右の銘」、「人の短をいふ事なかれ己が長をとく事なかれ」のあとに添えられているもの。なまじよけいなことを言えばそのために禍いを招く。 
物言わぬ花 美人を「物言う花」というのに対して草木の花の称。 
物覚ゆ 心がたしかである。正気である。 
物がいる 経費・費用がかかる。
 
物がない
 味も風情もない。つまらない。ぐあいが悪い。 
物聞こゆ お話を申し上げる。 
物承る 人にものいうときにまずいう呼びかけのことば。 
物問う うらなう。 
物ともせず 問題にもしない。何とも思わない。 
物ならず 問題ではない。たいしたことではない。  
物に当たる
 物に突き当たるほど、あわててとり乱す。 
物に襲わる 夢で恐ろしいものにおそわれる。 
物にする 思い通りのものにする。女性を手に入れる。習得する。
 
物になる 一かどの人になる。立派な人になる。思い通りになる。意図したように事が運び成就する。 
物に似ず なみなみでない。他に比べようがない。 
物には七十五度 物事には限度がある。 
物にもあらず それと認むべきほどの物でもない。問題にもならない。 
物の彼方 物のあちら。物の向こう側。来世。後の世。 
物の哀れ 物事にふれてひき起こされる感動。多くはしめやかな感情・情緒についていう。 
本居宣長が提唱した平安時代の文芸の美的理念。自然・人生の諸相にふれてひき出される優美・繊細・哀愁の理念。その最高の達成が「源氏物語」であると考えた。
   
物の折 なにかの機会があるとき。ちょうどその機会。 
物の数 取り上げて数え立てるほどのもの。問題にすべきもの。 
物の聞こえ 世間の評判。世の噂。 
物の心 物事の中にある道理。世間の事柄・人情などの奥にある条理。自然や音楽・芸術などの持つ美的情緒。 
物の先を折る 事柄の出端をくじく。 
物の諭し 神仏のお告げ。警告として現れた前兆。 
物の師 学問・芸能など専門の道に関することを教授する者。歌舞音曲の師。
 
物の上手 その道の名人。 
物の譬 ある物事のたとえ。 
物の序 何かほかのことをするのといっしょの機会。何かをするおり。ことのついで。 
物の積み 胸や腹などの苦しくなる病気。「物の罪」で何かの報い。 
物の名 和歌や俳諧で与えられた物の名称を前後の意味に関係なく掛詞のようによみ込むもの。 
物の音 楽器の音。音楽。 
物の初め 物事の最初。発端。 
物のはずみ ちょっとした動機・成り行き。
   
物の本 本の総称。書物。書冊。学問的な内容の書物。教養のためのかたい書物。娯楽的な読物の草紙などに対していう。 
物の紛れ 物事の繁雑多忙などによる混乱にまきこまれること。取り紛れて気づかないこと。 
物の見事 (「見事」を強めた表現)たいそう見事であるさま。 
物の用 何かの役。ある物事の役。 
物は言いよう 物事は言いようによってどうにでも聞こえる。
 
物は相談 物事はなんでも他人とよく相談してみるものである。望みがなさそうなことでも独りぎめにせず人と相談してみれば案外うまくいくこともあるということ。 
物は試し 物事はなんでも実地に試してみなければその成否やよしあしはわからない。 
物も言いようで角が立つ 何でもない事でも話のしかたによっては相手の感情を傷つけることがある。 
物も覚えず どうしたらよいかわからなくなる。正気を失う。夢中になる。 
物を言う  
物を言わす その物の力を十分に出させる。威力を発揮させる。 
物を思う 物事を思い悩む。思いにふける。
   
【機微】かすかなしるし。表面にはあらわれない微妙なおもむき。 
【粋】男女間の機微をよく解すること。粋人。通人。 
【訳知・分知】男女間の機微をよく解すること。物事の事情・世の中の裏表をわきまえていること。 
【野暮】遊里の事情に暗いこと。言動が洗練されず田舎くさい。人情の機微に疎い。気がきかないこと。不粋。 
【苦労人】いろいろの苦労を経験して世間のことによく通じ、人情の機微をよく理解する人。
 
【酸い】酸味がある。酢のような味がする。すっぱい。 
酸いも甘いも噛み分ける 経験をつんで世間の微妙な事情や人情の機微に通じ、分別がある。 
酸いも甘いも食う 世間の表裏にわたる経験を積む。 
【習・慣・倣】 
習い性(せい)と成(な)る 習慣はついには天性となる。 
【習慣】長い間繰り返し行われて人のきまりのようになっていること。風習。慣例。慣習。 
習慣は第二の天性なり 習慣が日常生活に影響する力の強さは生まれつきの性質とかわらない。 
【習慣付ける】習慣が身につくようにする。意識しなくてもある行動がとれるようにする。 
【習わし顔】なれているような顔つき。 
【習わし物・慣わし物】習慣となるもの。ならわしによってどのようにでもなるもの。
 
【癖】かたよりのある好みや傾向が習慣化したもの。かたよった個人的傾向。 
癖ある馬に乗りあり 癖のある馬にも乗り方があるように一癖ある者でも扱い方がある。 
癖になる 悪い習慣となる。悪い前例になる。「甘やかすと癖になる」 
癖をつける 人のちょっとした欠点をおおげさに問題にする。なんくせをつける。 
【慣習】慣れること。習慣となること。ある社会一般に行なわれているならわし。ある一定の社会内部で歴史的に成立、発達し、定着してきた常習的、伝統的な行動様式。しきたり。ならわし。風習。 
【慣習法】法律と同じ効力をもつ慣習。社会生活での習慣や慣行が世間一般から法としての効力を認められるにいたったもの。不文法の典型であり、成文法に対して補充的な効力をもつ。特に国際法や商法の分野では重要な役割を果たしている。商慣習法の類。習慣法。 
【国風】その国特有の風俗・習慣。また、その地方のならわし。俗謡。はやり歌。和歌。 
【国風文化】飛鳥・奈良・平安初期の唐風文化に対する平安中期から後期の公家文化。
   
【保守】正常な状態などを保ちそれが損じないようにすること。旧来の習慣、制度、組織、方法などを重んじ保存しようとすること。 
【旧弊】古くからある弊害。昔からの悪い思想や制度・習慣など。 
【伝習】学問や技術を師から教えられて習うこと。 
【地方色】その自然、気風、習慣、産物などによって知られるその地方独特の趣き。郷土色。ローカルカラー。 
【習性】習慣によってできた性質。 
【奇習】珍しい風習。奇妙な習慣。 
【風習】ならわし。習慣。 
【慣例】以前から行なわれ習慣のようになっている事柄。しきたり。 
【悪習】悪いならわし。悪い習慣。
 
【家風】ある家に特有の習慣やおきて。その家に伝わる流儀。 
【惰性】今までの習慣・勢い。ずっと続いてきた癖。 
【空気】あたりの気分や状態。ある生活の場の環境や習慣をあらわす。雰囲気。 
【習熟】繰り返しけいこをして巧みになること。なれて習慣となること。 
【慣用】使い慣れること。習慣として長い間世間で使い慣れること。 
【慣用句・慣用語】特定の場面で用いられるきまり文句。 
【慣用手段】きまりきったやり方。いつもの手。常套手段。 
【慣行】古くからのならわしとして行なわれること。 
【天性】天から授かった性質。生まれつき。天然自然のなりゆき。生得。天資。 
【天資】生まれながらに天から与えられた資質。生まれつき。天性。
 
【資質】生まれつきの性質や才能。資性。天性。 
【生得】生まれながらに得たもの。 
生得の報い 前世の業によってこの世で受ける果報。 
【生付】生まれたときから備わる性質、能力、容姿。 
【徳】道徳的倫理的理想に向かって心を養い理想を実現していく能力として身に得たもの。その結果として言動に現れ他に影響・感化をおよぼす力。社会的な観点から評価される人格。 
徳とする その恩恵によると考える。その存在、あるいは言動が自分にとって感謝すべきものだとする。 
徳に隠(かく)る 恩恵に浴する。いつくしみを受ける。 
徳は孤(こ)ならず必ず隣あり 徳ある人またはその行為は孤立することなく必ず理解者と助力者が集る。 
徳をもって怨みを報(ほう)ず 怨恨ある者を憎まず、かえって恩恵・善意で報いる。

  
出典「マルチメディア統合辞典」マイクロソフト社 / 引用を最小限にするための割愛等による文責はすべて当HPにあります。