濡れる



花びらまじりの 雨の夜だから ホロリ濡れながら 歩きたいね
捨てたつもりの面影に 憎さ恋しさ 合わせて飲めば あつい涙が 頬濡らす
あゝくちなしの白さが匂う ふる里よ 逢う日につづく 道はなく 都の雨に 濡れてゆく
時雨で濡れてるこの躯 夢であんたが 抱きに来る
濡れた瞳のけい子 別れたくないけい子 たまらなくなる マンボ 今夜はふたりさ



ひとり泣き濡れる 今宵も霧にむせんでる ああ私は ひとり泣き濡れる
愛しいお前 離しはしない 雨 ことだまの 雨 銀の雨 濡れて高岡
帰らぬあなたは夢の中 淋しいよ 切ないよ 枕を濡らして泣いてます
天までとどけ 舟唄 濡れた体で走るあんたを 抱く気でいるよ わたしの心
まゝにならないの 肌を濡らして 心につもる 命冷え冷え なみだ雪



無理を言います甘えます 二人の恋の濡れる街 ふれあい 若宮 広小路
むらさきの雨、雨に 濡れて泣いている 愛した女の 心でしょうか
泣かないでマリア いつかまた逢える 誰かれ恋すりゃ 悲しみに濡れ
濡れた瞳に 別れの風が 未練心を 吹き流す 北のさい果て やん衆酒場
ずぶ濡れのまま動けない 世界中息をひそめて 今私達見つめてるよ



少しからしが きいただけ 灯かりが濡れてる 雨の駅裏 屋台酒
空に飛び立つ翼の窓を 濡らす未練の雨の空港
雨よ降れ あの人が ずぶ濡れで 帰ってくる様に
急な雨に 濡れてみないか 乱れたハートを 整える人よ
雨よ二人を 優しく濡らせ 風よ二人を 優しくつつめ



濡れた眼差し見せたら 泣くなよ 俺まで 哀しくなるから
祇園の雨に濡れながら シャネルの人を せつなく今日も さがす京都の夜はふけゆく
だって さみしくて 見返りの美人 泣き濡れて 八方美人
見送ればもう遥かに消えてゆく 私も濡れる 遣らずの雨
氷の女発の 手紙をしたためます 涙で 濡らした 切手を最後に貼ります



二人で乗るはずの 船が出て行くわ 三の宮 泣いてサヨナラ 雨に濡れた舗道
まつ毛濡らし涙こぼす 横顔いまでも忘れない 過ぎゆく時は 何も知らずにいるけど
都会のしぐれに 濡れるたび 俺の心は 磁石のように 熱い思い出 探してゆれるよ
濡れた素肌が 面影さがす あゝ もう一度 逢いたいの 春雨の宿
泣いて泣いて 泣いて忍んで泣き濡れて 胸に降る降る 小夜しぐれ



あの時ひとこと 行くなと言えたら 雨に濡れて ひとり想う 真夜中のものがたり
別れを惜しむ 男相傘 ほろりと濡らす 雨も神奈川 水滸伝
泣きぬれる部屋のかたすみ 私はあなたに命をあずけた
噂気にして身も細る 濡れて淋しい人妻しぐれ
雨が足元 濡らそうと 登る人生 つづら坂



月のしずくに濡れながら ふたりできめた ふたりで咲いた 水に咲く花
雨に濡れながら 口ずさむ歌は 酔いどれ女の流れ歌 巷の風の歌
抱いてください あの日のように ため息ばかり おもいで濡れます 酔い待ちしぐれ
枕濡らして寝ている事を あぁ あぁ 惚れたお人に今夜も酔って
また今日もあんたの夢に 夢に泣かされ枕を濡らす



夢のとなりに 住まわせて 泣けば濡れます 大阪夜曲
どこへゆく もったいないよな 恋月夜 たまにはしっぽり 濡れてみな
あなたと二人濡れた街 あゝここは長崎 中の島ブルースよ
あなた 濡らすこの世のしぐれ道 涙ふきあう お里・沢市 夫婦づれ
今宵 この時 濡れて交じる 言葉さえいらぬ ロマンス



どこか似ている 濡れまつ毛 愛して 愛して 愛したりない あゝ東京の雨を札幌で
乾いた砂漠の東京も 港町だと思えば濡れる 古い男も女も 生きられる
男も濡れる 波をまくらに漂うほどに 匂う女の舞う トルバドール
すがるお酒が ぐちになる ああ 泣いて泣いて今夜も 濡れおんな
男追うのは なおのこと 濡れた瞳が 乾いたら もとの女に戻りましょう



船にのせれば 空似の女の 細い衿あし 濡らす若狭の 小夜しぐれ
湯の香に匂う黒髪が 今夜もあなたに濡れながら 乱れてからむ 夢追い川よ
ぐしょぐしょに 泣き濡れて ああ明日天気に 天気になァれ
泣かぬつもりの 男の胸を 濡らす夜霧の ああ第二国道
波間によせる 藻をひろう 憎や玉藻に 身は濡るる 風よ吹くなよ 心が凍るよ



頬よせて濡れてゆく 大阪 恋する街よ もいちどください 愛のくちづけ
女ならくるおしいままに 恋人も濡れる街角