父・親父



母親を棄てても 父親を棄てても しあわせの旅を 続けて行くんだよ
ふるさとは 父母の匂いがするよ あの人の あの友の 想い出を唄おう
お父さん どうぞ元気で 唄ってほしい 愛染かつらを いまでも
力む親父の 舟から帆網から 海鳴りの詩が 聞こえてくる
親父とおふくろ たのむぞお前 網もおもい 大漁旗が なびくかえりの この漁師浜



あゝあのふるさとを超えるものなし 父なる強さで世に立ちて 母なる心で世に返さん
ああ 母となり 親父となって 命彩る 港春秋
しあわせはこぶ 銀河となって 父亡き港の 春を呼んでる
逢いたかったよ だきよせて 二人で父母に 手を合掌す 流した涙で めぐり逢い
泪とふるさとと 年老いた父と母 子供と なぁ 女房 わかるよ なぁ 酒よ



舵に運命を まかせた人生 夢は大漁 親父と俺の 親子船
今に見てくれ 親父のように 網を引く手も 鼻唄まじり 東シナ海 男の海だ
今年ァめでたの 父子船 あんたの海だよ 津軽の海は 絆一本 固めて来され
いつもじょんがら大きな声で 親父うたって 汽車から降りる お岩木山よ 見えたか親父
いつしか俺も父母の歳 土の匂いが この身にかえる 日豊本線 ああもどり旅



泣けて 泣けて 泣けてきちゃった ねえ お父つぁん
元気で 父さん いついつまでも 贈る言葉は ありがとう
明日は大漁だ 男の海で 網を引く手に 俺と倅の父子船
せめて自慢の お立ち酒 無事で倖せ つかみなと 祈りつづける イヤ 父娘坂
演歌は浪曲 荒海仕込み ふたり揃って 舞台へ立った 夢が命の 父娘鷹



親父だったら 何と言う 少しは 楽して ほしかった 見上げた夜空に 北の星
親父仕込みの 俺らの宝 嵐を越えてく 北海船だ 男の夢がある
親父ゃええとこで 酒飲んでござる 勉強ばかりじゃ 親不孝 有難や有難や