物づくり 文化の終焉

日本の物づくり文化 崩壊 終りの始まりか
神戸製鋼所 日産自動車  スバル

物づくり文化 継承するのも文化 
欠点 人頼みの文化です

世代交代  新世代 
マニュアル社会になりました
品質管理も性悪説で 極めるしかありません


 

 
 
 
 
 
 
バブル崩壊 リストラ
   技術の停滞
終身雇用の終わり 非正規雇用
   技術の継承 分断
「ゆとり教育」世代 社会人 
   見て覚える文化 消滅
経営と技術 乖離
   バブル以前 良いものを作れば売れた時代 経営不要
   反動 技術を理解できない事務屋 経営の旗を振る
不完全なマニュアル 
   神棚にお祀り 事故が起きないことを願う
物づくり 現場の文化
間違いの言い訳 許されない
手を叩かれ 頭を叩かれた
先輩の背中越し 技術を覚え 磨がかれた
体で覚える  自然と意識も向上 品質も高まった

人は努力する動物です
作業手順 全てマニュアルにする
一人にできる作業は 三つまで
人は間違うものです 間違ったら 厳罰 減俸 解雇
品質管理も作業の一部
他人が作業を監視 
作業者に 他人の目を意識させたら大成功

人は怠けるものです
 
神戸製鋼所
自主点検で管理職らが妨害行為、社内通報で判明 10/20
日本を代表する名門ものづくり企業で信じがたい不祥事が続く。性能データ改竄問題が次々と明るみに出ている神戸製鋼所が20日、不正に関する社内調査への妨害行為があったことなどを発表した。同社が金曜夜に不祥事会見を開くのは2週連続。前日夜には、完成車両の無資格検査が行われていた日産自動車が、問題の発覚後も同様の違法行為を続けていたと発表したばかりだ。不祥事会見のオンパレードに、詰めかけた報道陣約200人にはうんざりした表情が目立ち、質疑応答でも「調査中」「確認中」とする答えの繰り返しにいらだちの声も上がった。
この日、会見で説明に立ったのは梅原尚人副社長と山本浩司常務執行役員、勝川四志彦常務執行役員の3人。トップの川崎博也会長兼社長は体調を崩したという。質疑応答での主なやり取りは次の通り。
−−妨害行為について、隠蔽の手法は
梅原副社長「過去1年の出荷製品について、顧客要求を満足していない製品がどれだけあったか自主点検している。検査の実績データと検査証明書を突き合わせる点検をしているが、不適合なのに『不適合ではない』との報告が上がってきた。管理職を含む複数名が関与している。昨夜に把握して調査を始めたが、妨害行為の時期や手法についてはまだ調査し切れていない」
「8月に判明したのはアルミ・銅部門の一部で行われた不正。その後、アルミ・銅部門すべて、さらに別部門に範囲を広げて9〜10月に調査を行っている。その際に見つかった不正を報告せず、隠していた」
−−妨害行為は、不正を最初に公表した10月8日以降か
梅原氏「詳細は調査中だが、10月8日以前と以後、両方だ」
−−他の自主点検でも隠蔽行為が行われていた恐れがある
梅原氏「社内点検ではあるが、別部署の人間が点検することで第三者性を加味している。この1件だけですべての自主点検の有効性が否定されることはないと考えている。ただこうした事があったので、もう少し第三者性、客観性を担保できる調査を行うために第三者委員会を設ける」
−−どんな委員会に
梅原氏「客観性と透明性を持たせるため、外部有識者のみによる組織としたい。(具体的な人選などは)早急に詰めたい」
−−データを消去する証拠隠滅行為はなかったのか
山本氏「長府工場での妨害行為は、現場で測定されたデータを記入する手書きの紙が残っている。生データが残っていた状態だ」
−−提出すべき紙を提出しなかったということか、それとも齟齬があるのに報告しなかったとのことか
山本氏「詳細は調査中」
−−これまで「法令違反はない」との説明だった
梅原氏「10月8日の公表時は『JIS規格内でのデータ書き換え』であり、法令違反ではないと考えていたが、認証機関と話し合う中で、『JIS規格を満たしていても品質保証体制が不十分』であり『法令違反である』と判断された」
−−製品への信頼は大きく失墜した
同「地道に努力して回復していくしかないと思っている」
−−これだけ社会の注目を集める中、従業員が正しく報告してこなかった
梅原氏「まずは信頼回復が大事であり、従業員と直接対話して『会社を変えていこう』と頑張ってきた、その最中にこうしたことが起こったのは大変残念に思う」
−−トップの指示が現場に伝わらないのはなぜか
同「よくよく考えなくては。単純な問題ではないと思っている。『体質』『企業風土』『意識の問題』、色々な言い方はあるが突っ込んで変えていかなくてはならない。これをバネにして、良い方に変えていきたい」
−−今後も不正が発覚する可能性はあるのか
梅原氏「点検を進める中で、新たに判明することもあり得る」 
−−被害者であるトヨタ自動車などが「安全性には問題ない」と表明し、信頼を回復しようと努力している。どうおわびするのか
梅原氏「大変有り難いと感謝している。そうした中でこうした妨害行為が行われたことは本当に申し訳ない。一日も早く信頼を回復できるよう、全社挙げて頑張りたい」
−−経済産業省に対し26日までに報告できるのか
同「精いっぱい頑張って、少しでも多くのお客さまに『安全』と言って頂けるよう努力したい」
−−経営陣が問題を把握した8月末以降の自主点検に危機感が欠けていたのではないか
同「経営陣としては大変にショックだったが、その後の安全性検証、他の問題も正直に出していく、顧客が行う検証に必要なデータを出していく、そういったことを精いっぱい行ってきた。そうした中でこうしたことが起きた。本当に申し訳ありません」
−−納入先約500社のうち、安全性の確認はどこまで進んでいるのか
勝川氏「具体的な数字は控えたいが、経産省から『2週間程度で』と指示されており、最大限努力している。まだ先が見えておらず、はっきりしたことは言えないが、お客さまの確認作業を全力で支援したい」
−−米司法当局に求められた資料提出は
梅原氏「まだ要請内容を精査している段階だが、誠意を持って対応していく」
−−社内での監査はどのように
山本氏「本社のものづくり推進部に品質統括室という監査専門部署を昨年11月に設置し、監査を行っている。品質マネジメント体制が構築されているか、スペックに合わないデータの取り扱が適切かどうか、抜き取り調査をしている」
−−隠蔽行為のあったアルミ押出品の用途は
山本氏「お客さまと協議中のため、公表を控える」
−−用途を公表すると、納入先が分かってしまうということか
同「そういうことです」
−−自主検査をすべてやり直すこともありうるか
梅原氏「自主検査ではあるが、他部署の人間が確認するので、一定の客観性が担保される。それなりに有効性はあると思っているが、長府での隠蔽行為を分析して今後の検査手法を考えたい」
−−販売影響は
梅原氏「生産停止による数量減、信頼失墜による失注・転注など当社ビジネスへの影響はある」
−−賠償請求
同「数社から点検にかかったコストなどの負担を求められ、協議している」
−−「妨害行為」という用語は、現場に責任を押しつけているように聞こえる
梅原氏「決して押しつける意図はない。隠蔽を行った者は非難されるべきだが、一方でそうした行為を許してしまったわれわれの体制にも問題がなかったのか、しっかり検証したい」
−−社内の相談窓口への通報内容は
梅原氏「ここでは控えたい」 
−−「安全性に問題あり」と指摘されているケースは
梅原氏「現時点では『使うと即危険』との申し出はない」
−−アルミ・銅部門の稼働率は
「稼働率は高いが、現場要請に応じて人員も補填してきた。ここ数年、アルミ・銅は繁忙状況が続いているが、問題に直結したわけではないと思う。意識、人材教育に問題があったのかと思う」
−−月内に開示する情報だが、納入先企業を公表するのか
梅原氏「お客さまの方から公表されているケースもあり、大変ありがたい。どんなやり方が適切か、どこまで公表するべきかまだ考えている。もう少し時間を頂きたい」
−−米司法当局から求められている資料とは
梅原氏「要請内容を精査し、確認中。具体的な内容は今後の協議で決まる」
−−「確認中」「調査中」という言葉が多い。説明責任を果たしているのか
梅原氏「間違いは許されない。中途半端でなく、一定の事実確認を行う必要がある」
−−納入先メーカーの方しか向いていない印象だ
同「多くの方にご迷惑、不安を与えたことを反省している。取引先だけでなく社会全体に大きな影響を与えてしまった」
−−数十年前から不正行為が続いてきた。経営陣が黙認してきたのではないか
梅原氏「工場勤務から役員になるケースもある。現在調査中。外部の法律事務所に委託して調査しており、その中で明らかになるはずだ」
−−社長は本当に体調不良なのか
同「本当だ。快方に向かっている」
−−あなた方も不正に関わったのではないか
3氏「関わっていない」 
「納期優先に流されたのか」 新年会は自粛…神戸製鋼OBも古巣に憂い
「納期を優先させたのだろうか」「プライドを持って仕事をしていたのに」−。アルミ製品などの性能データ改竄(かいざん)問題で揺れる神戸製鋼所のOBらが集まる「神鋼社友会」の定例会が20日、神戸市内で開かれ、集まったOBからは相次いで事態を憂う声が漏れた。相次ぐ不正発覚に同会は毎年1月、経営幹部を招いて開いていた新年会を来年は自粛するという。
「取引先の多くが安全を確認したことは救いだ」
この日開かれたのは神戸製鋼のOBが所属する神鋼社友会の年に数回開かれる定例会で約20人が参加したという。報道陣の取材を遮るように足早に会場のあるビルに入っていくOBもいる中、長く鉄鋼部門に勤めた80代男性は「神戸製鋼製の部品を使った機械や乗り物で事故がないことを願っている。取引先の多くが安全を確認したことは救いだ」と話した。別の70代男性は「いつの間にか納期を優先するような風潮に流されたのだろう」と悔しそうに話していた。
「プライドを持って仕事をしていたのに」
不正が広がった背景に、責任感、プライドを持って仕事に臨む企業風土や現場の姿勢の変化をみるOBも多く、機械部門だったという70代男性は「取引先も検査して問題が起きなかったことで、ずるずると改竄を続けてしまったのではないか」と指摘。チタンの営業だったという80代男性は「昔の技術職は、上司にも食ってかかり品質にこだわっていた。今の現場は、以前ほどに強く言えなくなったようだ」と話した。
また社友会に参加しなかった神戸市内の70代男性も「昔と比べて品質要求も高くて労働管理も厳しい。プレッシャーは相当なものになっている」として、「再発防止には、企業風土に踏み込んだ改革が必要。よいものを作っていたはずなのだから、立ち直ってほしい」と注文を付けた。
企業風土刷新へ経営陣の退陣は必須
企業統治に詳しい保田隆明・神戸大学大学院経営学研究科准教授の話
「日産自動車も神戸製鋼所もいずれも日本を代表する企業。組織は巨大化、複雑化しており、そのことで経営陣の意思がうまく現場に伝わらなくなる状態を招いていた。不正がただされなかった理由にも、現場と経営陣の意識の乖離(かいり)が挙げられるのではないか。
2社とも不正発覚後も工場は操業し続けていたため、現場は納期に追われ、欠品を恐れる状態は以前と変わりがなかった。工場はマニュアル化され自己裁量が許されない場所なので、指示が行き届かなければ従来通りの仕事を続けざるを得ないかもしれない。
一方で、不正発覚後の経営陣は取引先や担当省庁などへの対応に追われており、足元の対処までは思いが及ばず、工場ごとに任せているつもりだったのではないか。社内のコミュニケーションの不足が招いた結果だ。企業風土の刷新は、コンプライアンス(法令順守)などの徹底だけでは、決して実現できないだろう。経営陣の退陣も必須になる。もし、このまま経営陣が退かなければ、現場は『なんとかやりすごせる』という印象を受け、不正を隠蔽(いんぺい)する体質は変わらない」 
神鋼、社員が不正隠蔽 子会社、捏造も 第三者委で原因究明
神戸製鋼所は20日、グループのアルミ・銅事業部門の長府製造所(山口県下関市)で、性能データ改竄(かいざん)問題を自主点検する過程で、管理職を含む従業員が不正を隠蔽(いんぺい)する行為があったと発表した。鉄鋼製品の「厚板」の加工を手掛ける子会社で、新たに測定データを捏造(ねつぞう)する不正が見つかったことも発表した。
神戸製鋼は、新たに複数の第三者のみで構成する「外部調査委員会」を設置し、原因を究明する。経済産業省の担当課長は同日夜記者会見し、「自主点検を通じた事実調査の信頼性を根本から損なうものだ」と批判した。
自主点検の際、管理職を含む従業員が、顧客企業と約束した製品の基準を外れた寸法となっていたにもかかわらず、検査データを提出せずに発覚を免れていた。社内通報で判明した。数量は確認中としている。
一方、新たな不正は、厚板の切断加工を手がけるグループ会社の神鋼鋼板加工(千葉県市川市)で発覚。平成27年11月から今年9月まで1社に出荷した3793トンについて、顧客の求める厚さ測定の一部をせず、データも捏造していた。
ただ、厚さそのものは神戸製鋼の加古川製鉄所(兵庫県加古川市)で原料の板を製造した段階で確認している。加工後も厚さに変更はなく、同社は安全性に問題はないと説明した。
同日、東京都内で記者会見した梅原尚人副社長は、新たな不正判明などを「改めておわびする」と謝罪した上で、「非常に残念というのが正直な気持ち」と述べた。取引先数社から対応にかかった費用の負担を請求されていることも明らかにした。川崎博也会長兼社長が出席しない理由については「体調を崩している」と説明した。
一方、JR東日本は同日、神戸製鋼がデータを改竄したアルミ製品が使われた新幹線車両の台車部品について、約1年ごとの定期点検で順次交換すると発表した。最終的に神戸製鋼の費用負担が発生することも予想される。
問題の製品は、同社が運行する東北新幹線「はやぶさ」や秋田新幹線「こまち」などの車軸の回転を滑らかにする「軸箱」として、計48個が使われた。JR東は「安全性に問題はない」としている。 
 
日産自動車
危機感なし…なぜ日産は不適切な検査を公表後も続けたのか? 10/20
再び謝罪…日本向け車両の出荷を停止
社運をかけた新型リーフの発売と重なるように発覚した日産自動車の完成検査工程の不備は、西川広人社長が19日に再び謝罪するという事態になっている。
これは、完成検査員に任命されていない作業員によって完成検査の一部が行われていたことが10月18日までに再び判明したもの。
振り返ると、9月18日の国土交通省による日産車体湘南工場への立入検査で指摘された完成検査工程の不正検査については、再点検や登録再開、121万台ものリコールなどが講じられていた。
しかし、その後も国内工場(追浜工場、栃木工場、日産自動車九州)で完成検査員に任命されていない補助作業員によって完成検査の一部が行われていたことが10月18日までに第三者を中心とするチームによる調査、そして社内調査において判明したという。
今回の再発覚により、日産と日産車体を含む全6工場で生産している国内市場向けの全車両について、完成検査業務・車両出荷・車両登録の停止を決定した。
具体的には、在庫車については、全国の日産販売会社の指定工場での再点検を検討。また、既登録車についてはリコール届け出を検討中で、対象台数は約34,000台(精査中/2017年9月20日〜2017年10月18日製造)にのぼるという。
完成検査で不具合が見つかる可能性が低い!?
なぜ、再度社長が再び謝罪し、さらにブランドイメージを大きく損ねかねない不正検査が横行していたのだろうか。背景には、実際の現場では完成検査により不具合が見つかる可能性がかなり低いということもあるかもしれない。しかし、それでは危機感が足りていない。一方で、人員不足が横行の原因として指摘する向きもある。
完成検査員がどういった研修や技量を持っているかは、各自動車メーカーに任されているものの、「検査に必要な知識及び技能を有する者のうち、あらかじめ指名された者」という国交省の指針がある。その指針を順守し、国交省に代わって自動車メーカーが完成検査をするからこそ、1日に何台もの新車をすみやかにラインオフできるわけで、決して不正をしていいというわけではない。
型式認定を得るまでのクルマは、自社の厳しい多様な試験をクリアし、生産ラインから出荷される。私は今回、不正が発覚した国内工場を過去に何度も取材をしたことがある。毎回、真摯な姿勢でクルマ作りがされていると実感させられるが、最後の最後でこうした問題が起きてしまったことは残念だ。 
日産甘さ露呈、経営責任に発展する可能性
日産自動車は19日、無資格の社員による完成車両の検査が9月の問題発覚後も国内4工場で継続していたことが判明し、国内全6工場で生産した国内向けの全車両の出荷を停止したと発表した。
停止期間は2週間以上になる見通しだ。9月20日以降に製造した販売前の約3万台について再点検し、すでに販売した約4000台についてリコールすることを検討中だ。
管理体制の甘さが露呈し、経営責任に発展する可能性もある。
日産の西川(さいかわ)広人社長は横浜市の本社で記者会見し、「再発防止策を信頼した皆様に深くおわび申し上げる」と謝罪した。
日産によると、すでに無資格検査が継続していたことが発覚した日産車体湘南工場(神奈川県平塚市)以外に、追浜(おっぱま)工場(同県横須賀市)、栃木工場(栃木県上三川(かみのかわ)町)、日産自動車九州(福岡県苅田(かんだ)町)の3工場でも続けていたことが弁護士などの第三者を含む社内調査チームの調査で明らかになった。無資格の社員が検査をしないよう再発防止策を取ったにもかかわらず、現場が従っていなかった。
具体的には、今月17日夜、追浜工場で無資格の社員が、ブレーキの利き具合やライトの点灯状況などをチェックする「完成検査」を行っていた。18日にも、栃木工場、日産自動車九州での不正が続いていたことが判明。完成検査を国に届け出た本来の場所と異なる場所で行ったケースも見つかった。
日産は9月29日に無資格検査問題を公表。西川氏は今月2日の記者会見で「全て認定した検査員が行う体制になった」と説明していた。その後も不正が続いたことに、西川氏は19日、「まさに不徹底と申し上げるしかない」と述べた。
生産台数に見合った人員を配置しなかったことも影響したとみられる。
日産は再発防止策として、検査の現場には有資格の完成検査員しか立ち入ることができないように「セキュリティーゲート」を設置する。各工場で適正に検査が行われているかどうかを確認するため、外部の専門機関による監査も実施する。西川氏は「2週間程度をかけてやろうと思っている」と述べた。
日産は今月6日、すでに販売した「ノート」や「セレナ」など38車種計約116万台(2014年1月から今年9月に製造)のリコールを国土交通省に届け出た。日産の工場で製造された他社ブランドの10車種約1万5000台も含まれ、他のメーカーにも影響が及んでいる。  
日産 西川社長、「日産の再発防止策を信頼いただいた皆様に大変申し訳ない」
日産自動車は10月19日、一連の完成検査の不備に関して再発防止策が講じられた以降にも、完成車検査員に任命されていない作業員が完成検査の一部を継続して行なっていたことを受け、横浜の同社本社で会見を行なった。会見では日産自動車 代表取締役社長兼最高経営責任者の西川廣人氏が出席して説明が行なわれた。
この問題では、同社の国内事業所(追浜工場、栃木工場、日産自動車九州)、日産車体、日産車体九州で車両製造の最終工程、完成検査工程のうち一部の項目で同社の規定で定められた検査員が実施していなかった。
そのため、2014年1月〜2017年9月に製造された計123型式38車種で、日産以外のいすゞ自動車、スズキ、マツダ、三菱自動車工業にOEM供給した車両も含む約114万台のリコールを行なうことを10月6日に発表。指定整備工場で自動車検査員による点検を行ない、安全環境性能法規(保安基準)に関する不具合が認められた場合は是正することがアナウンスされた。
しかしその後、日産車体湘南工場において、再発防止策が講じられた以降にも完成車検査員に任命されていない作業員が、完成検査の一部を継続して行なっていたことが発覚。そして今回の会見では、この日産車体湘南工場に加えて追浜工場、栃木工場、日産自動車九州でも同様の事例が発生していることが10月18日までに明らかになった。
この事態を重く見た日産は、日産と日産車体の全6工場で生産している国内市場向けの全車両の完成検査業務、車両出荷、車両登録を停止すると発表。販社における営業活動などの業務は行なわれるものの、ユーザーへの納車ができない状態になる。
会見に臨んだ西川社長は、冒頭に「今日は大変申し訳ない、残念な報告をさせていただきます」として上記の内容について説明。「9月19日に不適切な完成検査の事案が発覚しました。それ以降、再発防止策を打ったうえで国内の販売・登録を再開させていただいたわけでございます。ところが、緊急の対策を打ったにも関わらず、報道でもありました日産車体湘南工場の問題に加えて日産工場でも別件の事案が発見されました。結果として、国内向けの出荷・登録を停止しております」とコメント。これは10月6日に発表された約114万台のリコール以降の問題であり、その後に生産(2017年9月20日〜2017年10月18日製造)した約3万4000台(現在精査中)が今回の問題にあたるという。この約3万4000台についてはリコールの届け出を検討している段階であり、西川社長は「日産の再発防止策を信頼いただいた皆様には大変申し訳ないことをしてしまいました。深くお詫び申し上げます」と謝罪。
これを受け、西川社長とともに会見に出席したCCOの山内康裕氏からは、具体的に今回発生したこと、そして今後の対策についての説明が行なわれ、「10月17日の夜、追浜工場の完成検査工程の一部が完成検査工程ではないほかのラインで実施されていて、さらに検査が任命された完成検査員ではない検査員によって行なわれている、こう疑われる事象が確認されました。ここに2つの問題がございます。1つは、完成検査工程というのはクルマが立ち上がるときに国土交通省に『こういう工程で検査をする』というお届けをしています。その完成検査工程が変更されていたこと。変更された場合は30日以内に国土交通省にもう一度お届けをすることになっているのですが、変更されたのは8月1日。従いまして、我々がこれを発見した時点では30日を過ぎておりまして、届け出なしに変更してしまったことが1つ」。
「そのうえで、その完成検査の一部が任命されていない完成検査員によって実施されていたと思われるという事象が確認されました。これを受けまして昨日、日産自動車および日産車体の国内の工場につきまして同様の案件がないかどうか、すべて調査いたしました。その結果、栃木の第1工場で1件、日産自動車九州の第2工場で1件、同様の案件が確認されました。これを受けましてクルマの出荷を止め、そして登録を止めるということに至ったわけでございます」と説明が行なわれた。
そしてふたたびマイクを握った西川社長から、「少し補足させていただくと、今回リコールをお届けするつもりの3万4000台について、単純にコストというインパクトで見ると10億円弱ということでこれ自体は限定的でございますが、先ほど申し上げたとおり、我々は対策を打って(生産を)再開しましたが、我々を信用して買っていただいたお客様に大変信頼を裏切ってしまったと、こちらが大変大きな問題だと私は思っています。山内の方からありましたとおり、我々の対策は事案が発覚したあと、任命されていない検査員が印鑑を押すなど“これが常態化していた”と。皆様から『これは組織的な問題なのか』というお問い合わせもありましたが、当然組織的でなければ状態化することはないわけです。そういう意味では無資格者による検査等々が行なわれていたということで、それを対策するものだったのです。具体的に言いますと『無資格者による完成検査行為の禁止』『2つあったハンコを1つにする』『管理の強化』の徹底を図ってまいりました。その過程のなかで、全部ではございませんが私も一部の現場に足を運んで確認をし、そして直接話を聞いてきました。そのようななかで今回の事案が発覚したわけでございます。まさに不徹底と申し上げるしかないと思います」。
「なぜ作業をしてはいけない人間が作業をしたか、という疑問を皆様が持つのはよく分かります。今のところ不徹底としか言い訳のしようがないのですが、結局1つ明らかなのは組織的に運営をされていた。その要になるのは課長ではなく係長でした。今回、我々から生産部門のトップ、工場長、部長、課長、係長と指揮命令が伝わっていったわけですが、その過程で課長から係長でのコミュニケーションにギャップがあり、ここに1つ落とし穴があったのではないかと思っています。これはほかの件でも散見されますので、非常に重要なポイントであろうと思っています」。
「当面の対策については山内からあったとおり、日本の国内向けの出荷は停止をしています。輸出がありますので生産は継続ですが、追浜のように国内専用の工場は止まっています。今後、再開をしていくことを考えなくてはなりませんが、非常に慎重にいきたいと考えています。一度我々は再開をして、登録をはじめてこういう事態に至っておりますので、今回は日常対応ではなく緊急対応としてがんじがらめのところからスタートしたいと思っています」とし、今後「完成検査ラインの編成を届け出状態に戻し、完成検査を実施する」「完成検査ラインを集約し、完成検査員以外は立ち入れない対策を検討、実施する」という2点の是正案が示された。加えて外部の専門の監査機関に依頼し、当面週1回の監査を実施していくことなどを早急に行なっていくという。
なお、これらの修正案は2週間ほどかけて各工場で行なっていくとしており、従って2週間以上は国内市場向けの全車両の完成検査業務、車両出荷、車両登録が停止することになる。 
 
 
 
 
 
スバル
スバル、完成車の無資格検査が発覚
SUBARU(スバル)は27日、車両の完成検査ができる資格が与えられる前の従業員が車両の完成検査に携わっていたと発表した。国への届け出と異なる状態での検査態勢は30年以上続いてきたという。無資格検査の発覚は日産自動車に続いて2社目で、スバルでは対象車両のリコールを検討している。
スバルによると、同社が国土交通省に提出する規定では完成検査員の筆記試験に合格した作業員が車両を市場に出す直前に行う完成検査を実施することになっていたが、実際は現場の管理職が検査に必要な知識や技能を身に着けたと認定した者を監視の下で検査業務に従事させていた。印章の貸与も行っていたという。30日に国交省に報告したあと対象車のリコールを検討。対象は国内ラインで流れる全車種で台数は約25万5000台、費用は50億円強と推測している。
日産自の問題を受けて実施した社内調査で判明したもので、スバルの吉永泰之社長は都内の本社で開いた会見で謝罪。収益への影響やブランドの毀損(きそん)を心配しており、「トップとしての責任を強く感じている」と述べた。スバルによると、今年10月1日時点で正規の完成検査員が245人だったのに対し、現場の管理職に認められて完成検査に携わっている者は4人しかおらず、人員不足でやらせていたのではないとした。
スバルの株価は27日、一時前日比3.3%安の3939円と、5月10日以来の日中下落率となった。終値は3969円だった。
クレディ・スイス証券の秋田昌洋アナリストと高橋宏史アナリストは27日付のリポートでスバルがリコールに踏み切った場合の影響額を30−60億円程度と試算。高いブランド力を持つだけにスバルの品質管理やコンプライアンスに関する懸念の払拭(ふっしょく)が急がれるとした。三菱UFJモルガンスタンレー証券の杉本浩一アナリストは同日付のリポートで、無資格検査が事実であれば税前利益段階で一過性で100億円弱の影響があるとの試算を示した。
他の国内自動車メーカーではマツダとトヨタ自動車、ホンダなどが調査の結果、完成検査に問題はなく、国交省に報告したと明らかにしている。
無資格者による完成検査をめぐっては、日産自で9月に発覚。10月に入って約116万台のリコールを届け出た。その後の調査で問題発覚後も一部の工場で無資格検査が継続されていたことがわかり、日産自は国内全工場で国内向け出荷を停止するなどの措置を取り、3万8650台を追加リコール。国交省が自動車メーカー各社に過去にさかのぼり、調査を求めていた。
完成検査は車両の生産工程の最終段階でステアリングやブレーキの利きなどをチェックするもので、新車にとっての車検に相当する。スバルの品質保証を担当する大崎篤執行役員によると、国への届け出の要領では完成検査員が検査を行うこととしていた一方で、社内の業務規定では完成検査員になるためには完成検査の業務経験が必要と義務付けているなど矛盾があり、過去の国交省の監査でも指摘されなかったという。
日産自の西川廣人社長に代わって日本自動車工業会の会長代行を務めているトヨタの豊田章男社長は27日、東京モーターショーの会場で一連の不正問題について発言。自動車メーカーが委託を受けて実施している現在の完成検査のあり方について国土交通省などと話し合いながら、より安心で安全な方法を探っていくべきとの考えを示した。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長はスバルについて、しっかりとした独自の技術でやってきたというイメージがあり、「一言で言うと残念」とコメント。完成検査を軽視していた可能性があり、そうした体質に慣れると、「いろいろなところで問題」が起こるリスクもあると述べた。その一方で、不正を繰り返していた日産自とは状況が異なるほか、スバルにはコアなファンが多いためしっかりした対策を採れば、「短期に影響はおさまるだろう」と話した。 
スバル、無資格検査「30年以上前から」 社長が謝罪
スバルは27日、自動車組み立て工場での完成車検査で、無資格の従業員が業務に携わっていたと発表した。資格がない従業員が検査を行い、資格がある従業員の印章を借りて押印していた。30日に問題を国土交通省に報告し、無資格の従業員が検査した車についてはリコール(回収・無償修理)を申請する方針。対象は25・5万台の見込みで、トヨタ自動車向けにつくるスポーツカー「86(ハチロク)」も含まれる。リコール費用は50億円にのぼる見通しだ。
27日夕方に都内の本社で記者会見した吉永泰之社長は「多大なご迷惑をおかけした。心よりおわび申し上げる」と謝罪し、「30年以上前からこういう仕組みでやっていた」と、問題が長期にわたって常態化していたことを明らかにした。吉永社長は「会社としての感度が鈍いのかもしれないが、悪意は全くなくやり続けてきたんだと思う」と述べた。
スバルでは、検査をする資格がある「完成検査員」になる前でも、十分な技能があると判断した従業員を検査にあたらせており、同社が国交省に申請したルールに反していた。さらに、これらの従業員が完成検査員の印章を借りて押印する行為を続けていた。同社には10月1日時点で「完成検査員」が245人、資格取得前の無資格の従業員が4人いる。無資格の従業員は最大で17人、平均10人いたという。
スバルは群馬県太田市に二つの車両組み立て工場があり、「インプレッサ」や「レヴォーグ」、スポーツカーの「BRZ」(トヨタ「86」)などを生産している。 
 
 
 

 
2017/10