「ビタミンE」 人体実験

「ビタミンE」 3年半の服用

皮膚科 爪には有効
耳鼻科 耳垂れには悪影響か

過ぎたるは猶(なお)及ばざるが如し  
自分の体で 確かめてしまいました


 

 
 
大昔 左の外耳炎で骨を削る
いらい 耳はなんとなく耳垢ができやすくなる
歳をとり 半年間隔くらいで 耳鼻科で耳掃除をお願いする
2013秋 気がつくと左親指の爪 1/3くらいが浮く
皮膚科 血行改善のため「ビタミンE」が処方され 毎日飲み始める
 [ 爪甲剥離症 / 黄色や白色に変化して爪床(そうしょう)から離れてしまう状態 ]
2015春 左親指の爪 ほぼ正常に戻る 再発防止のため「ビタミンE」飲み続ける
2014秋 左耳から耳垂れが始まる
耳鼻科 抗生物質も効果なし 
毎日 貯まった耳垂れが瘡蓋を押し開け 耳に暖かいものが流れ また瘡蓋ができる 
毎日寝る前に 殺菌液を綿棒に含ませ 傷口あたりを軽く拭く
いらい 悪化はないか 毎月 耳鼻科に通う
2017/1 健康診断 内科の先生
偶然「ビタミンE」の話になり 癌との関係もあるから 2年以上ならと中断を勧められる
1/23 「ビタミンE」を飲むのを止める
2/6- 耳垂れの間隔が長くなる
2/20 ほぼ耳垂れが止まる
3/3  耳鼻科の先生 ほぼ外観的には正常 「ビタミンE」の話に不思議がる 
 
 
 
 
 
ビタミンE 1
ビタミンEとは
ビタミンEは、油脂に溶ける脂溶性ビタミンのひとつです。ビタミンE作用をするトコフェロールという物質には数種類ありますが、このうち最もその作用の強いのはα(アルファ)-トコフェロールです。「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、このα-トコフェロール量(mg)をビタミンEとしています。
どんな働きがありますか
抗酸化作用により、体内の脂質の酸化を防いで体を守る働きがあります。この働きから、体内の細胞膜の酸化による老化や、血液中のLDLコレステロールの酸化による動脈硬化など、生活習慣病や老化と関連する疾患を予防することが期待されています。
どんな食品に多く含まれていますか
ビタミンEはアーモンドなどのナッツ類や、植物油に豊富に含まれています。その他には、うなぎ、たらこをはじめとした魚介類、西洋かぼちゃ、アボカドなどにも多く含まれています。
上手にとるコツ
ビタミンEは、ビタミンC、ビタミンAと一緒に「ビタミンACE(エース)」とも呼ばれ、抗酸化作用を持つ代表的な栄養成分です。ビタミンEとビタミンAは細胞膜に、ビタミンCは体液中に存在してそれぞれの持ち場で活性酸素による弊害から体を守っています。このため、緑黄色野菜を植物油で炒めるなどして、それぞれを豊富に含む食品をいっしょにとると効果的です。
どれくらいとったらよいですか
ビタミンEは不足すると細胞膜の脂質が酸化され損傷されることから、ごくまれに感覚障害や神経症状がみられることがあります。未熟児では赤血球がこわれておこる貧血が知られています。
一方、過剰症では出血傾向になるという害がみられるのでサプリメントや薬などからの過剰摂取には注意が必要です。日常の食生活ではとり過ぎになる心配はほとんどなく、積極的にとりたい栄養素のひとつです。 
 
ビタミンE 2
脂溶性ビタミンの一種。1922年にアメリカ合衆国、ハーバート・エバンス(Herbert M. Evans)とキャサリン・ビショップ(Katharine S. Bishop)によって発見された。トコフェロール(tocopherol)とも呼ばれ、特に D-α-トコフェロールは自然界に広く普遍的に存在し、植物、藻類、藍藻などの光合成生物により合成される。医薬品、食品、飼料などに疾病の治療、栄養の補給、食品添加物の酸化防止剤として広く利用されている。
メチル基の位置によって8つの異なる型があり、それぞれの生物学的機能をもつ。ヒトではD-α-トコフェロールがもっとも強い活性をもち、主に抗酸化物質として働くと考えられている。抗酸化物質としての役割は、代謝によって生じるフリーラジカルから細胞を守ることである。フリーラジカルはDNAやタンパク質を攻撃することでガンの原因ともなりうるし、また、脂質過酸化反応により脂質を連鎖的に酸化させる。
ビタミンEは、フリーラジカルを消失させることにより自らがビタミンEラジカルとなり、フリーラジカルによる脂質の連鎖的酸化を阻止する。発生したビタミンEラジカルは、ビタミンCなどの抗酸化物質によりビタミンEに再生される。
放射線の照射により赤血球の溶血反応が発生するが、これは放射線による活性酸素の生成により脂質過酸化反応による膜の破壊によるものである。ビタミンEの投与により、放射線による赤血球の溶血や細胞小器官であるミトコンドリア、ミクロゾーム、リボゾームの脂質過酸化反応が顕著に抑制された。SODも同様の効果を示した。
目安量および上限量
かつてはα-トコフェロール当量 (mgα-TE) で所要量が表示されていたが、厚生労働省が策定した2010年(平成22年)版の食事摂取基準においては、α-トコフェロールのみの目安量(adequate intake, AI)及び耐用上限量(tolerable upper intake level, UL)を定めている。血液及び組織中に存在するビタミンE同族体の大部分がα─トコフェロールであるため、α─トコフェロールのみを指標にビタミンEの食事摂取基準を策定している。
   目安量
成人男子(18–29歳) 7 mg/day / 成人女子(18–29歳) 6.5 mg/day
   上限量
成人男子(18–29歳) 800 mg/day / 成人女子(18–29歳) 650 mg/day
欠乏症
未熟児において、溶血性貧血、深部感覚異常及び小脳失調の原因となることが知られている。生体膜で活性酸素が存在すると脂質過酸化反応により過酸化脂質が連鎖的に生成され、膜が損傷し、赤血球では溶血が起こるなど生体膜の機能障害が発生する。また、不妊症や筋萎縮症、脳軟化症の原因となるといわれているが、植物油に豊富に含まれているため通常の食生活で欠乏する事はない。
特発性ビタミンE欠乏症
ビタミンE欠乏症は原因に関わらず臨床症状は比較的一定である。神経症状ではフリードライヒ失調症とほとんど区別がつかないが一部の例で網膜色素変性症を伴う点が異なっている。基本的な神経症状は下肢に高度で顕著な深部感覚障害、後索性運動失調、構音障害と四肢腱反射消失である。深部感覚障害は重度で、振動覚は消失し、四肢関節位置覚障害も高度である。一部の患者では網膜色素変性症や側彎症、凹足、バビンスキー徴候、振戦を認める。知能障害、眼振、線維束性攣縮、自律神経症状は認めない。頭部MRIでは小脳や脳幹の萎縮や異常信号域は認められない。脊髄MRIでは脊髄に異常が認められることがある。電気生理学的所見では正中神経のSEPではN13と皮質電位の消失を認めるが末梢神経の電位は認められる。治療法は吸収不良を伴う場合はビタミンEの筋肉注射であり、吸収不良ではない場合は経口大量投与で神経症状の軽度の改善や進行の停止が期待できる。
過剰障害
過剰に摂取した場合、骨が減ってもろくなる骨粗しょう症になる恐れが高まるとの動物実験の結果が報告されている。脂溶性のため体内に蓄積しやすいことからも過剰摂取はすすめられない。  
 
ビタミンEの過剰摂取と骨粗しょう症
強い抗酸化力を持ち、生活習慣病の予防・改善効果や老化の防止、美肌効果など、嬉しい働きをしてくれるのがビタミンE。アメリカでは、何と全人口の約1割の方がビタミンEを含むサプリメントを摂取しているというのですから驚きです。
しかし、ビタミンEの過剰摂取による弊害も指摘されています。今回は、ビタミンEの過剰摂取に伴う弊害についてお伝えしたいと思います。
過剰摂取は骨粗しょう症のリスクを招く
これまで、ビタミンEの過剰摂取による症状として吐き気や下痢、肝機能障害、筋力の低下が報告されていました。
ビタミンには、水溶性のものと脂溶性のものがあり、ビタミンEは脂溶性に分類されます。同じように脂溶性のビタミンにはビタミンA、D、Kが挙げられます。
もともとビタミンEは他の脂溶性ビタミンと比べて過剰症になることが少ないと言われていました。しかしサプリメントなどの普及に伴い、2012年に慶応大学の研究グループが「ビタミンEの過剰摂取によって“骨粗しょう症”のリスクが高まる」という研究結果を発表しました。
骨粗しょう症とは、加齢(特に女性の場合は閉経後)や極端なダイエット、偏った食生活や、カルシウム、マグネシウムなどの慢性的なミネラル不足などによって骨が弱くなり、骨折のリスクが高くなる病気のことです。高齢化社会に伴い骨粗しょう症にかかる方は年々増え続けています。
骨は、骨の形や機能を作る「骨芽細胞」と、骨を壊す「破骨細胞」の働きが互いにバランスを取り合い、新陳代謝されながら機能維持がなされていますが、実験でラットに通常のビタミンE摂取量の5倍の量をおよそ2ヶ月に渡って与え続けたところ、ビタミンEを投与したラットは破骨細胞の巨大化が進み、骨量の減少と共に骨粗しょう症様の症状が見られたことが明らかになったのです。
摂り過ぎにご注意を
ビタミンEの1日の摂取量目安は、6.5〜7.0mgで、その上限は650mg(30〜60代は700mg)です。骨粗しょう症のリスクが高い高齢の女性や、過剰なダイエットをしている女性はサプリメントでの過剰摂取には注意が必要です。 
 
ビタミンE摂取量の上限
かつて過剰症はないとされていたビタミンEにも、過剰症の可能性が指摘されています。抗酸化作用があるとして多くの人が利用しているビタミンEサプリですが、上限を確認して、過剰摂取にならないよう注意することが大切です。
アメリカで人気のビタミンEに過剰症の危険
「抗酸化作用がある」ということで人気のビタミンE。アメリカではなんと国民の25%もの人がサプリで摂取していると言われています。ところが、以前は過剰症はないとされていたビタミンEにも過剰症の恐れがあるかもしれない、という研究報告がありました。過剰症について、詳しく見てみましょう。
水溶性ビタミンと脂溶性ビタミン…過剰症があるビタミンは?
一言でビタミンといっても種類は様々。まず「水溶性ビタミン」と「脂溶性ビタミン」の2つに大きく分けられます。水溶性ビタミンの代表格がビタミンBとC。脂溶性ビタミンの代表格がビタミンA、D、Eです。
一般的に水溶性ビタミンはすぐに尿に出てしまうので、体内にとどまる時間が短く、過剰症をおこしにくいといわれています。その一方で脂溶性ビタミンは長い間体内にとどまるので過剰症を起こしやすいといわれていました。
また、過剰症はないとされているものでも無制限にとってよいというわけではなく、もちろんあまりに摂りすぎの場合は例外もあるので注意が必要です。例えば過剰症はないとされるビタミンCでも、実はサプリ等でとりすぎると下痢をひきおこしたり、尿路結石の原因になったりします(ビタミンCは体内で代謝されてシュウ酸を作るので、結石成分のほとんどを占めるシュウ酸カルシウムの部品を作ることになってしまうのです)。
そして以前はビタミンEに関しても、「体内にとどまる時間が短いので過剰症はない」というのが常識とされていました。
ビタミンEの過剰症とは
かつての常識を覆す「ビタミンEをサプリなどで大量に摂取すると、かえって健康によくないかもしれない」という発表がされたときは、衝撃的でした。
1966〜2004年まで、欧米と中国で約13万6000人の、主に高齢者を対象にした実験なのですが、結論から簡単に言ってしまいますと、「1日400IU(国際単位)以上摂取すると、8年間の追跡期間の死亡率がビタミンEを取ってない人にくらべて、なんと10%も高かった」という報告がされたのです。
ただし、死亡率が高くなる理由ははっきりしていません。また、もともと高齢者を対象にしており、持病がある方の率も高かったので、その辺りの関係をもっとはっきりさせないといけないと、著者の方も認めています。
ビタミンEの上限は? 1日摂取量は400IU(267mg)以下に!
日本で定められている1日目安量量は女性6mg、男性6.5mg。耐容上限量は30〜69歳までの女性では1050IU(700mg)/日。でもこの論文のオススメはそれより低く、「1日摂取量は400IU(267mg)以下に」です。
大体ビタミンEは食事から取ると1日15IU(10mg)。ビタミンEの豊富な食材はナッツ、小麦胚芽、油脂類などですが、例えばアーモンドでも100g中の含有量は大体30mgくらいです。アーモンド100g食べたら結構おなかいっぱいですよね……。(食品のビタミンE含有量を載せておきますので参考にしてくださいね。意外なところで抹茶なんかにも多くふくまれています)
しかしサプリだと1錠150IU(100mg)や300IU(200mg)なんてことも良くあります。購入する時にはよく内容を確認するようにしましょう。  
 
 

 
2017/3
 
 
 
 
 
ビタミンE 1 
ビタミンEとは?その働きは?
ビタミンEは多くの食品に含まれる脂溶性の栄養素です。ビタミンEには酸化防止作用があり、体内でフリーラジカルによるダメージから細胞を守るのを助けます。フリーラジカルとは、、摂取した食物が体内でエネルギーに変わる時に形成される化合物です。大気中にもタバコの煙や大気汚染、太陽からの紫外線によって発生したフリーラジカルが存在し、人々は曝露を受けています。
免疫機能を高め、体内に侵入してくる細菌やウイルスを撃退するためにも、ビタミンEは必要です。また、血管拡張を促し、血管内で血液が凝固するのを防ぎます。身体の細胞が互いに連携し、多くの重要な機能を果たす際にもビタミンEは使われます。
ビタミンEの必要摂取量は?
ビタミンEの必要摂取量は、年齢によって異なります。下表に1日の平均摂取推奨量を、ミリグラム(mg)と国際単位(IU)で示します。食品やサプリメントのビタミンE含有量は包装ラベルにIU単位で表示されています。
ライフステージ 摂取推奨量
生後6カ月 4 mg (6 IU)
幼児7-12カ月 5 mg (7.5 IU)
小児1-3歳 6 mg (9 IU)
小児4-8歳 7 mg (10.4 IU)
小児9-13歳 11 mg (16.4 IU)
10歳代14-18歳 15 mg (22.4 IU)
成人 15 mg (22.4 IU)
妊娠している女性(10歳代も含む) 15 mg (22.4 IU)
授乳中の女性(10歳代も含む) 19 mg (28.4 IU)
どのような食品からビタミンEを摂取できますか?
ビタミンEは、多くの食品に自然に含まれ、また、食品に添加されることもあります。以下のようなさまざまな食品を摂取することによって、ビタミンEの推奨量を摂取することができます:
○小麦胚芽油、ひまわり油、ベニバナ油などの植物油は最良のビタミンE供給源です。トウモロコシ油や大豆油にもビタミンEが含まれています。
○ナッツ類(ピーナッツ、ヘーゼルナッツ、そして特にアーモンド)や種子類(ひまわりの種など)も最良のビタミンE供給源です。
○ほうれん草やブロッコリといった緑色野菜にはビタミンEが含まれています。
○朝食用シリアル、果物ジュース、マーガリンその他スプレッド類などの食品にはビタミンEが添加されているものがあります。ビタミンEが食品に添加されているか確認するには、その製品の表示を確認してください。
どんなビタミンEサプリメントが市販されていますか?
ビタミンEの含有量や型は、サプリメントによって異なります。ビタミンEのサプリメントを選ぶ際には主に次の2点を考慮しましょう:
1. ビタミンEの含有量:1日1回摂取用マルチビタミン・ミネラルサプリメントに含まれるビタミンE量は一般に30 IU程度ですが、ビタミンEのみのサプリメントには通常、錠剤一個につき100〜1,000 IUのビタミンEが含まれています。多く摂るほど健康維持や病気予防に効果的と信じたり期待したりして大量摂取をする人がいますが、ビタミンEのみのサプリメントには推奨量よりもはるかに高い量のビタミンEが含まれています。
2. ビタミンEの型:ビタミンEという名称は、単一物質のように聞こえますが、実は、α‐トコフェロールなど、食物中の8種類の同族体の総称です。同族体ごとに身体内における効力や活性度が異なります
天然(食物由来)のビタミンEは「d-α-トコフェロール」と食品やサプリメントの製品ラベルに記載されます。合成の(人工の)ビタミンEは「dl-α-トコフェロール」と記載されます。天然のビタミンEのほうが合成のそれに比べて効力が高く、天然型ビタミンEの100 IUは、合成型ビタミンEの150 IUに相当します。
γ‐トコフェロール、トコトリエノール、混合トコフェロールなど、α‐トコフェロール以外の型のビタミンEを供給するサプリメントもあります。ビタミンEをサプリメントとして供給する場合に、これらの型のほうがα‐トコフェロールよりも優れているかどうかについては科学的にわかっていません。
充分にビタミンEは摂取できていますか?
ほとんどのアメリカ人の食生活で摂取されるビタミンE量は推奨量を下回っています。しかし、健康体の場合、ビタミンEを十分に摂取していなくても、それをはっきりと示す徴候が現れることは稀です(ビタミンE欠乏症の徴候については次項を参照ください)。
充分にビタミンEを摂らなかったらどうなりますか?
健常者にビタミンE欠乏症が発生することは非常に稀です。ビタミンE欠乏症の発生は、ほぼ例外なく、脂肪が適切に消化もしくは吸収されない疾患に関連しています。こうした疾患には、クローン病や嚢胞性線維症、あるいは無βリポタンパク血症やビタミンE欠損を伴う失調症(AVED)といった稀な遺伝的疾患が挙げられます。消化器官によるビタミンE吸収には脂肪が不可欠です。
ビタミンE欠乏症は神経や筋肉に損傷を与える可能性があります。そうした損傷は、腕や脚の感覚喪失、身体運動制御の喪失、筋力低下、視覚障害を引き起こします。免疫機能の低下もビタミンE欠乏症の徴候のひとつです。
ビタミンEが健康に及ぼす影響にはどのようなものがありますか?
ビタミンEが健康にどのような影響を与えるのかを解明するための研究が行われています。以下は、研究成果の例です。
心臓病
いくつかの研究で、ビタミンEのサプリメント摂取量が高くなるにつれ心臓疾患の発生率が低くなる、という結果が得られています。しかし、信頼性の高い研究では、そうした関連性は観察されていません。これら研究では、被験者はビタミンE群もしくはプラセボ(ビタミンEやその他いかなる活性成分を含まない偽薬)群に無作為に割付けられ、どちらの投与を受けているのか知らされません。ビタミンEのサプリメントが、心臓疾患を予防したり、その重症度を軽減させたり、あるいは心臓疾患による死亡リスクを低下させることはないようです。まだ若く、より健康で、心臓疾患のリスクが高くない人がビタミンEを高用量で摂取した場合の心臓への保護効果については明らかになっていません。
がん
研究のほとんどで、ビタミンEががんの予防に関与せず、場合によっては有害になる可能性を示唆する結果が出ています。たとえば、ビタミンEの大量投与が大腸癌や乳癌リスクを低下させることは一貫してありませんでした。また、ある大規模研究では、ビタミンEのサプリメント(400 IU/日)を数年にわたり摂取した場合、前立腺癌の発症リスクが上昇する、という結果が出ました。中年男性と中年女性を7年以上にわたり追跡調査した2件の研究では、ビタミンE(平均300〜400 IU/日)の補給により予防されたがんは、種類を問わずありませんでした。しかし、1件の研究で、10年以上にわたるビタミンEのサプリメント摂取と膀胱癌による死亡リスクの低下に関連性があるという結果が出ています。ビタミンEのサプリメントおよびその他の抗酸化剤は、化学療法や放射線療法と相互作用する可能性があります。こうした療法を受けている人は、ビタミンEやその他の抗酸化剤サプリメントを摂取する前に(特に高用量で摂取する場合は)医師に相談しましょう。
眼障害
中心視力を低下させる加齢黄斑変性(AMD)と白内障は高齢者の視力を低下させる2大要因です。ビタミンEがこの2つの疾患予防に貢献できるかについての研究で一貫した結果は得られていません。初期のAMD患者において、高用量のビタミンEに他の抗酸化剤と亜鉛および銅を混合したサプリメントが、視力低下速度の鈍化に有望であることが示されました。
精神機能
ビタミンEのサプリメントは、高齢者の精神的敏捷性と活動性の維持に役立つのか、また、精神機能の衰えやアルツハイマー病の予防または遅延に役立つかどうかを調べるための研究が数件実施されました。これまでの研究では、ビタミンEサプリメントの摂取が、健常者や軽度精神機能障害者の脳の健康維持に役立つ可能性があることを示す根拠はほとんど得られていません。
ビタミンEが害を及ぼす可能性はないのですか?
食物としてビタミンEを摂取することによる危険や害はありません。サプリメントの形でビタミンEを高用量摂取することは、出血リスク(切り傷や怪我を負った際、血液凝固能が低下するため)や、脳内の重篤な出血リスク(出血性脳卒中と呼ばれる)を増大させる可能性があります。成人がビタミンEをサプリメントで摂取する場合の最大安全量は、天然型のビタミンEであれば1日当たり1,500 IU、合成型であれば1日当たり1,100 IUです。小児の最大安全量は、いずれの型も成人のそれより低くなります。最近の研究では、これらの安全上限量を下回る量のビタミンE摂取でも前立腺がんリスクを増大させる可能性が示唆されています。また、ビタミンEは、慢性的な健康障害を持つ特定の成人の死亡リスクを上昇させる可能性もあります。ただし、健康体の場合にはそうした問題はないようです。
知っておくべきビタミンEの相互作用はありますか?
ビタミンEサプリメントは、服用している薬と相互作用が認められたり、またはその働きを阻害したりする可能性があります。その例は以下の通りです:
○ビタミンEは、ワルファリン(Coumadin®)など、抗凝血剤や抗血小板剤を服用している人の出血リスクを高めることがあります。
○ある研究では、ビタミンEとその他の抗酸化剤(ビタミンC、セレニウム、ベータカロチンなど)を併用摂取したところ、血中コレステロール値管理のために服用していた2種類の薬剤(スタチンとナイアシン)の心臓保護効果が低下しました。
○がんの化学療法や放射線療法を受けながら抗酸化サプリメントを摂取することにより、これら治療法の有効性に変化をもたらしてしまう可能性があります。
あなたが服用しているすべてのサプリメントおよび医薬品について、担当の医師、薬剤師、その他の医療スタッフに話してください。利用しているサプリメントが、処方薬または市販薬と相互作用あるいは阻害を起こす可能性はないのか、あるいはそれらの医薬品が、体内での栄養素の吸収、利用、分解の過程において阻害する可能性がないのかについて教えてくれるでしょう。 
 
 
 
 
ビタミンE 2 
ビタミンとは
人間が必要とする必須ビタミンは現在13種類あるとされています。ビタミンは人間の身体を作る三大栄養素である、タンパク質、脂質、炭水化物の働きを補助する役割を持ちます。
他にも細胞の働きを活性化させたり、血液の循環を良くしたりと身体の機能を維持し健康でいるために必要な栄養なのです。またビタミンは体内で生成されないものも多く、普段の食事などから必要量をキチンと取り入れる事が重要です。
ビタミンEついて
必須ビタミンの一つであるビタミンEについてご紹介します。
 ●効果
○アンチエイジング・・・ビタミンの中でも強い抗酸化作用を持ち、体内の細胞膜を老化させる活性酸素を除去する効果がある事から「若返りのビタミン」とも呼ばれています。また、コレステロールの酸化を防ぎ、動脈硬化などの生活習慣病を予防します。
○ホルモンバランスの調整・・・ホルモンの生成、分泌に深く関わっています。男性の場合は精子の数や運動量を増やし受精率を高めるといわれ、女性の場合には妊娠率を高めるほか、生理痛生理不順の改善にも効果を発揮します。これらの事からビタミンEは、ギリシャ語で「子供を授かるもの」を意味するトコフェロールという化学名が付けられています。
また、ストレスに対抗する「抗ストレスホルモン」の生成にも関わりストレスに対する機能を高めてくれます。
○血流改善・・・毛細血管を広げ血流を改善させる効果があると言われています。血流を改善させる事で、冷え性や腰痛、肩こりにも効果が期待できます。
○美容効果・・・ビタミンEが持つ抗酸化によりシワやシミを防ぐ美肌効果があります。また、髪の成長(抜け毛の予防)にも効果を発揮します。
○ダイエット効果・・・血流が良くなる事により脂質や糖質の消費が大きい体質に改善させる他、老廃物を取り除き、むくみを解消するなどの効果があります。
 ビタミンEを多く含む食品
アーモンド、オリーブオイル、モロヘイヤ、イクラ、あんこうの肝、鰻の蒲焼、鯛、鮎、マヨネーズなど身近な食材にも多く含まれているようです。また、熱に強い性質を持つため調理法に制限が少ない事も大きなポイントです。
ビタミンEの過剰摂取
これまでご紹介してきたように高い健康効果を持つビタミンEですが、サプリメントの普及により摂取量が過剰になっている場合があるようです。
また、ビタミンEは脂溶性であるため脂分に溶け込みやすく、過剰摂取となると体内に蓄積されてしまい身体に影響が現れてくると言われています。(ビタミンCなどの水溶性ビタミンであれば、過剰分は体外へ排出されるようになっています。)
 ビタミンEの摂取量
最低の必要量は成人男性で6.5mg、女性で6.0mg、上限摂取量が成人男性で800mg、女性で600mgが一日あたりの目安となっています。ビタミンEを多く含む食品の含有量の一例としてアーモンドが100gあたり29.6mg、モロヘイヤ100gあたり6.5mg、鰻100gあたり4.9mgとなっています。普段の食事からだけでも、意識すれば最低量の摂取は難しくないのではないでしょうか。
 過剰摂取による影響
過剰摂取による身体への影響をご紹介します。
 骨粗しょう症のリスクの増加
近年、ビタミンEの過剰摂取による影響で度々取り上げられる症状です。骨は「骨芽細胞」によって新しい骨が作られ、「破骨細胞」が古い骨を壊す事を繰り返し生まれ変わっていきます。ラットによる実験では、ビタミンEを投与した固体の破骨細胞が巨大化し、骨の生まれ変わりのサイクルバランスが崩れ骨量が減少し、骨粗しょう症の症状が表れたという結果がでています。特に高齢の女性や小柄な人は骨量が少ない傾向にありますので注意が必要です。
 その他の症状
筋力低下、疲労感、吐き気、胃の不快感、下痢、むくみ、ほてり、かゆみなどいくつか健康面による症状が挙げられています。
他の脂溶性のビタミン(A,D,K)と比べ、過剰摂取による影響や健康被害は少ないようです。
ビタミンEの不足
では反対にビタミンEが不足しているとどのような症状が現れるのでしょうか
○貧血・・・赤血球の細胞膜が活性酸素により破壊され、酸素の供給が不十分になり貧血症状が現れます。
○動脈硬化のリスクの増加・・・血管の内壁にコレステロールがくっつき、血行障害が起こり動脈硬化を引き起こす可能性があります。同様に血行障害の影響により心臓病、脳卒中、冷え性などの原因にもなるといわれています。
○がん発症のリスクの増加・・・がん細胞が増加するリスクが高まります。
○肌のシミ・・・抗酸化作用が小さくなる事で、肌の色素が酸化しやすくなりシミが発生しやすくなります。
○ホルモンバランス、自立神経の乱れ・・・生理障害や生殖機能の衰え、自律神経失調症などの症状が起こりやすくなると言われています。
ビタミンEの効果的な摂取方法
様々な健康効果を持ち副作用のリスクも比較的少ないビタミンEを、より効果的に摂取できる方法をご紹介します。
油と一緒に調理する
ビタミンEは脂溶性であるため、油やマヨネーズ、乳製品などと一緒に調理すると効率よく吸収できます。またオリーブオイルや、ひまわり油などの植物油にはそれ自体にビタミンEが含まれていますので、調理の際に使用する油をこれらの油に変えてみると良いでしょう。
古くなった油(一度使用した油など)の場合、含まれるビタミンEの抗酸化作用が失われている事がありますので、できるだけ新しい油を使用する事をオススメします。
他のビタミンと一緒に摂取する
○ビタミンC・・・ビタミンEの抗酸化作用を大きくします。
○ビタミンA・・・ビタミンCとEの働きを持続させます。
また、ビタミンEがAの酸化を防ぐため、それぞれが相乗効果を持ちより効果的に取り入れる事ができるのです。これらの三つのビタミンを合わせて「ビタミンACE(エース)」と呼ぶそうです。これら三つのビタミンを含む食材として、パプリカ、かぼちゃ、ブロッコリーなどが挙げられます。
乳製品と同時に摂取する
ビタミンEは乳製品に含まれる脂肪分と結合しやすく、吸収率を高められます。食事の際に牛乳を飲んだり、料理にチーズを取り入れたりとビタミンEの豊富な食品と合わせて調理してみましょう。
保存法
ビタミンEは熱や水分、酸には強いですが紫外線などには弱く分解されやすいそうです。油や食品は日光に当たらないように保管しましょう。
サプリメント
サプリメント選びの注意点をご紹介します。
 ビタミンEの種類
ビタミンEは大きく分けて「トコトリエノール」と「トコフェロール」の二つに分けられます。その内「トコフェロール」の方が抗酸化作用が強くなっています。
 天然と合成
またトコフェロールは「天然」と「合成」に分けられます。天然のトコフェロールはD体、合成のトコフェロールはDL体に分類されDL体(合成)のものは抗酸化作用が弱くなっています。つまり、天然(D体)のトコフェロールが含まれるものを選ぶ事が重要なのです。
まとめ
最後にポイントを簡潔にまとめました。
【ビタミンE】
○脂溶性(脂分に溶け込みやすい)のビタミンで、13種類ある必須ビタミンの内の一つです。
【効果・作用】
○アンチエイジング・・・活性酸素を除去し老化を防ぎます。
○ホルモンバランスの調整・・・特に性ホルモンに大きく関わっており、受精率や妊娠率を増加させます。
○血流改善・・・動脈硬化などの生活習慣病を予防します。また、肩こりや冷え性などにも効果がああります。
○美容効果・・・シミやシワなどの肌の老化を防ぎ肌の健康を保ちます。
○ダイエット・・・エネルギー消費を大きくしたり、むくみを解消します。
【ビタミンEを多く含む食材】
主に植物性の油や魚卵、アーモンドなどに多く含まれます。
【ビタミンEの過剰摂取】
○他の脂溶性のビタミンと比べ副作用やリスクは少ないとされています。
○ラットによる実験では骨粗しょう症のリスクを高めるとの結果がでています。
○その他、筋力低下、疲労感などの症状も挙げられます。
【ビタミンEの不足】
○貧血、動脈硬化のリスク増加、がん発症のリスク増加、肌の老化などが起こると言われています。
【効果的な摂取法】
○油や乳製品と一緒に取り入れる・・・脂溶性であるビタミンEの吸収率を高めます。
○ビタミンA、Cと一緒に取り入れる・・・それぞれが効果を高め合い、より効率的に栄養を摂取できます。
○保存法・・・紫外線に弱いため、日光に当たらないように保管しましょう。
【サプリメント】
天然(D体)のトコフェロールが含まれるものを選びましょう。
【最後に】
抗酸化作用やホルモンへの効果から、多くの健康効果が期待できるビタミンEについてご紹介してきました。ビタミンEは必須ビタミンであり、副作用のリスクも少ない栄養素ですが、取り入れれば取り入れるほど良いと言う物ではありません。実験では骨粗しょう症などの症状が現れると発表されています。食事から必要量を健康的に取り入れ、過剰なサプリメントの服用は控えるようにしましょう。 
 
 
 
 
ビタミンE 3 
はじめに
ビタミンEはいくつかの食品に天然の含有物や添加物として含まれ、サプリメントとしても入手できる。「ビタミンE」とは、抗酸化作用が特徴の脂溶性化合物の一群を指す。
天然のビタミンEには、それぞれ生物学的活性度が異なる8つの化学形態がある(α-、β-、γ-、δ-トコフェロール、および、α-、β-、γ-、δ-トコトリエノール)。アルファ(α)トコフェロールのみが各組織に存在できる形として認識されている。
α-トコフェロール型ビタミンEの血清濃度は肝臓に依存する。小腸でさまざまな形のビタミンEを吸収した後、肝臓に送られる。肝では、α-トコフェロールだけが選択的に、肝α-トコフェロール輸送タンパク質を介して再分泌される。他のビタミンEは、肝で代謝され、排出される。α‐トコフェロールの血液および細胞中濃度に比べてそれ以外の型の血液および細胞中濃度が低い理由はここにあり、また、それらの型に関する研究が少ない背景でもある。
抗酸化剤は、フリーラジカルによる損傷から細胞を保護する。フリーラジカルは非共有電子を有する分子である。フリーラジカルによる細胞損傷は心血管疾患やがんの一因となる可能性がある。非共有電子はエネルギーレベルが非常に高く、酸素と急速に反応し、活性酸素種(ROS)を形成する。身体は、食物をエネルギーに変換する際、内生的にROSを生成するが、抗酸化剤は細胞をROSによる損傷から保護するかもしれない。身体は、タバコの煙、大気汚染、太陽の紫外線などによる環境中のフリーラジカルにも晒されている。ROSは、細胞間シグナル伝達に関与している。
脂溶性の抗酸化物質であるビタミンEは、脂肪が酸化する際に形成されるROSの生成を抑制する。現在、ビタミンEのフリーラジカル生成を抑制し、他のメカニズムを介することによって、フリーラジカルに関連する慢性疾患の予防または発症遅延にビタミンEが役立つか否かを調べる研究が行われている。
抗酸化剤としての作用に加え、ビタミンEは免疫機能に関与し、また、細胞のin vitro試験で主に示されているように、細胞シグナリング、遺伝子発現調整、およびその他の代謝過程に関与する 。α-トコフェロールは、平滑筋細胞、血小板、および単球における細胞増殖と分化に関与する酵素であるタンパク質キナーゼCの活性を阻害する 。血管内部表面に、ビタミンE豊富な内皮細胞が並んでいるほうが、内部表面への血液細胞成分付着をより強く阻止できる。また、ビタミンEは、アラキドン酸代謝を抑制する2つの酵素の発現を亢進させて内皮からのプロスタサイクリン放出を促し、それにより血管を拡張させ、血小板凝集を妨げる。
推奨摂取量
米国科学アカデミー医学研究所の食品栄養委員会(FNB)が設定した食事摂取基準(DRIs)には、ビタミンEや他の栄養素の推奨摂取量が提示されている。DRIは、健常人の栄養摂取の計画と評価に関する一連の基準値に対する総称である。これらの基準値は年齢や性別ごとに異なり、次のような項目がある。
○推奨栄養所要量(RDA):ほとんどすべての(97〜98%)健常人が栄養所要量を満たすのに十分な平均1日摂取量。
○適正摂取量(AI): RDAを設定するためのエビデンスが不十分である場合に示され、十分な栄養が確保できると推定される値に設定されている。
○許容上限摂取量(UL):健康上の有害作用を引き起こすとは考えにくい最大1日摂取量。
FNBの設定によるビタミンEの推奨量は、血漿中で維持される唯一の型であるα‐トコフェロールのみを対象としている。設定にあたりFNBは、フリーラジカルの過酸化水素に曝露した時の赤血球生存率測定検査で十分な保護作用を示すα‐トコフェロール血清濃度を基準とした。FNBは、その参考データに高い不確実性要素があることを認めており、ビタミンEの必要量を評価するためのバイオマーカーを特定する研究の実施を呼びかけている。
ビタミンEの推奨栄養所要量(RDA)をミリグラム単位で表1に示す。幼児のRDAを設定するにはデータが不十分であるため、母乳保育されている健康な乳児のビタミンE消費量に基づく適正摂取量(AI)が設定された。
現在、食品やサプリメントビタミンE含有量は、量的尺度ではなく生物学的活性尺度である国際単位(IU)で製品ラベルに表示されている。天然由来のビタミンEは、d‐α‐トコフェロールと呼ばれ、合成型ビタミンEはdl‐α‐トコフェロールと呼ばれる。換算ルールは下記のとおり。
○ミリグラム(mg)からIUへの換算:α‐トコフェロール1mgは天然型の1.49 IU、合成型の2.22 IUに相当する。
○IUからmgへの換算:α‐トコフェロール1 IUは、天然型の0.67mg、合成型の0.45mgに相当する。
表1に、天然型α‐トコフェロールのRDAをミリグラムおよびIUで表示する。例えば、天然型α‐トコフェロール15 mg は22.4 IU (15 mgx 1.49 IU/mg = 22.4 IU)である。合成型α‐トコフェロールの場合は、33.3 IUとなる(15 mg x 2.22 IU/mg)。
   表1:ビタミンE(α‐トコフェロール)の推奨栄養所要量(RDA)
年齢   男性 女性 妊婦 授乳婦
14歳以上 15mg 15mg 15mg 19mg
ビタミンEの摂取源
食品
ビタミンEは多くの食品に含まれている。ナッツ類、種子類、植物油はα‐トコフェロールの最良の供給源であり、葉物の緑黄色野菜や強化シリアルにも相当量が含有されている(詳細は表2)。アメリカ人の食生活において摂取されているビタミンEのほとんどはγ‐トコフェロール型で、大豆油、キャノーラ油、コーン油などの植物油やその他食品から摂取される。
   表2:ビタミンE(α‐トコフェロール)源の食品群
サプリメント
ビタミンEサプリメントは、一般にα-トコフェロールだけを供給するが、これ以外の型のトコフェロールや、中にはトコトリエノールを含有する混合型ビタミンEサプリメントもある。天然に存在するα-トコフェロールの立体異性体は1種類であるが、合成α-トコフェロールには(恐らく)8種類の立体異性体があり、等量ずつ含まれる。血清と組織には、そのうちの4種類のみが保持される。すなわち、合成α-トコフェロール(製品ラベルには“DL”や“dl”と表示される)は、同じ量(重量、mg)の天然型(製品ラベルには“D”あるいは“d”と表示される)の半分の活性しか示さない。つまり、サプリメントや強化食品から天然型と同量のビタミンE(合成α-トコフェロール)を摂取するには、天然供給源からのそれ(天然α-トコフェロール)の約50%多めのIUを摂取する必要がある。
ビタミンE限定のサプリメントのほとんどが100 IU以上のビタミンEを供給する。これはRDA値よりも大幅に高い値である。米国で1999〜2000年に実施された全国健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey, NHANES)によると、成人の11.3%が400 IU以上を含むビタミンEサプリメントを摂取していた。
サプリメントおよび強化食品中のα‐トコフェロールは、その抗酸化特性を保持しながらも保存期間を長くするため、エステル化されていることが多い。体内で、エステル(α‐トコフェロール酢酸エステルとα‐トコフェロールコハク酸エステル)はα‐トコフェロールと同程度、効率的に加水分解および吸収される。
ビタミンEの摂取状況
全米規模で実施された三つの調査(2001〜2002年のNHANES、1988〜1994年のNHANES III、1994−1996年のthe Continuing Survey of Food Intakes by Individuals)によると、アメリカ人大多数の食生活は、RDAレベルのビタミンEを供給するものではない。しかし、調理で使われる油の量や種類については多くの場合不明で、計上されないため、実際の摂取量よりも低く推定されている可能性はある。
FNBは、健康な成人のビタミンE平均摂取量は恐らくRDAを上回っているとする見解を示す一方で、低脂肪食では、ナッツ類、種子類や果物および野菜の摂取を意識的に高めない限り、ビタミンEが不足する場合がある、と注意を促している。
ビタミンE欠乏症
健康な人の場合、食事でビタミンEをほとんど摂っていなくても、明らかなビタミンE欠乏症の発生は稀で、また、明白な欠乏症状が発現することもない。極めて低体重(1,500g未満)の未熟児はビタミンEが不足しているおそれがある。こうした乳幼児へのビタミンE補給によって、合併症(網膜合併症など)リスクが軽減する可能性はあるが、同時に感染症リスクを増大させる。
ビタミンEを吸収するには消化管で脂肪が必要となるため、脂肪吸収障害のある人は、そうした障害のない人よりもビタミンE欠乏症に陥りやすい。欠乏症の症状には末梢神経障害、運動失調、骨格筋ミオパシー、網膜障害、免疫応答の低下が挙げられる。クローン病や嚢胞性繊維症患者、あるいは胆汁を肝臓から消化管に分泌できない人は、頻回な脂肪便の排泄や慢性の下痢があるため、トコフェロール・ポリエチレングリコロール‐1000スクシネートなどの水溶性のビタミンEの摂取が必要となることがある。
脂肪の吸収不良を起こす稀な遺伝疾患である無βリポタンパク血症の場合、患者によっては大量のビタミンE補給が必要になる(約100mg/kgか5〜10g/日)。無βリポタンパク血症によるビタミンE欠乏症は、神経刺激の伝達低下、筋力低下、失明に至る網膜変性などを引き起こす。ビタミンE欠乏性運動失調症(AVED)も稀な遺伝性疾患で、肝臓のα‐トコフェロール輸送タンパク質に欠陥がある、あるいは欠損している。AVEDにおけるビタミンE欠乏症は重症で、大量のビタミンE補給を受けないと、神経障害や歩行不能に至る。
ビタミンEと健康
ビタミンEには健康を促し、病気を予防・治療する潜在性があるとする主張は多い。ビタミンEにそうした保護効果があるならば、それは、その抗酸化剤作用、ならびに抗炎症プロセス、血小板凝集阻害、免疫強化における役割に拠るものであろう。
健康におけるビタミンEの役割を明確にする上で障壁となっているのは、ビタミンE摂取量を有効な臨床転帰予測因子に関連付けするために役立つ摂取量と体内ステータスに対する実証されたバイオマーカーがないことである。本項では、ビタミンEが関与している可能性のある4疾患(心臓病、がん、眼障害、認知低下)に焦点を当てる。
冠動脈性心疾患
ビタミンEが冠動脈性疾患(CHD)の予防や発症遅延に貢献し得ることを示すエビデンスが得られている。複数のin vitro試験で、アテローム性動脈硬化の発生を左右すると考えられている低比重リポタンパクコレステロール(LDL)の酸化をビタミンEが阻害することが観察されている。また、ビタミンEは、心臓発作や静脈血栓塞栓症の原因となり得る血栓の形成予防に役立つ可能性がある。
数件の観察試験で、心疾患の発生率低下とビタミンEの摂取量増大の関連性が観察されている。約90,000人の看護師を対象とした試験において、ビタミンE最大摂取者(主にサプリメントからの摂取)では心疾患発症率が30〜40%低かった。平均14年間のフィンランド人の男女5,133人に対する追跡調査において、食品からのビタミンE摂取量が多いほど、CHDによる死亡率が低かった。
しかし、ビタミンEサプリメントのCHD予防の有効性については、数件の無作為臨床試験により疑問が呈されている。例えば、心臓発作あるいは脳卒中の発症リスクが高い約10,000人を4.5年間観察したHeart Outcome Prevention Evaluation (HOPE)試験では、天然のビタミンEを400 IU/日摂取した被験者群の心血管イベントや心不全による入院あるいは胸痛の発生率は、プラセボ群を下回らなかった。その後、HOPE-TOO追跡調査で、HOPE試験被験者の約4,000人が2.5年にわたりビタミンEもしくはプラセボ摂取を継続したが、7年間のビタミンE摂取は、心臓発作、脳卒中、不安定狭心症、心血管疾患死または他の理由による死亡のいずれにも有意な保護作用を示さなかった。それどころかビタミンE摂取被験者のほうで、心不全の発症、および、それによる入院の確率がそれぞれ13%、21%高い、という他の大規模試験では報告されていない想定外の、しかし統計的に有意な結果が出た。
HOPEおよびHOPE-TOO試験の結果は、中程度高用量のビタミンEサプリメント摂取は、心臓病あるいは糖尿病の確定診断を有する50歳超の男女の重症心血管イベントリスクを低減しないことを強く示すものである]。Women’s Angiographic Vitamin and Estrogen臨床試験でも、HOPEおよびHOPE-TOOの結果を裏づける結果が出ている。同試験では、冠動脈に多少の狭窄のある閉経後女性423人に、4年超にわたり1日2回、400 IUのビタミンE(種類は明記されず)と500mgのビタミンCもしくはプラセボを投与した。サプリメントから心血管への有益性が示されなかっただけでなく、これらのサプリメントを摂取した女性の全死因死亡率は有意に高かった。
ビタミンEが女性の心臓および血管に及ぼす影響を公表した最新の臨床試験では、45歳以上の健康女性約40,000人を対象に、1日おきに600 IUの天然由来ビタミンEを摂取する群かプラセボ群に無作為に割付け、平均10年間追跡した。心血管イベント全般(非致死的心臓発作、脳卒中、および心血管系死亡)発症率と全死因死亡率に、これら両群間の有意差は観察されなかった。しかし、同試験からビタミンEを摂取した女性に関する有益かつ重要な結果が2点得られた。1点目は、彼女らの心血管系死亡率が24%低下したこと、2点目は、65歳以上で、非致死的心臓発作の発症率が26%低下し、なおかつ、その心血管系死亡率が49%低下したことである。
最近発表されたビタミンEと男性の心血管状態に関する臨床試験では、50歳以上の健康な医師約15,000人を、1日おきに400 IUの合成α‐トコフェロールを摂取する群、毎日500mgのビタミンCを摂取する群、ビタミンEとビタミンCを両方摂取する群、プラセボ群に無作為に割付けた。平均8年間の追跡調査期間中、ビタミンE(および/またはビタミンC)の摂取は重大な心血管イベント、心筋梗塞、脳卒中、心血管系死亡の発生率に影響を及ぼさなかった。また、ビタミンE摂取によって、出血性脳卒中リスクが有意に増加した。
一般に、ビタミンEサプリメントの常用が心血管系疾患を予防したり、あるいは、その疾患率や死亡率を低下させたりすることを示すエビデンスは、臨床試験で得られていない。ただし、こうした臨床試験の参加者の大部分は、既に心臓病や心臓病リスク因子をかかえた中年および高齢者である。そのため、CHD予防におけるビタミンEの潜在的有用性を解明するには、より若い人を対象に、より長期にわたり、かつ、より高い用量でビタミンEサプリメントを検討する試験を行う必要があることを提案する研究者もいる。若く、健康で、明白なCHDリスクのない人に対して、ビタミンEサプリメントが何らかの保護効果を示すか否かを判断するためには更なる研究が必要である。
がん
ビタミンEなど抗酸化作用を持つ栄養素は、放置しておくとがんの発生の要因となるおそれがあるフリーラジカルによる損傷から細胞成分を保護する。さらに、ビタミンEは、食品中の亜硝酸化合物によって胃内に形成される発がん性ニトロソアミンの形成を遮断し、免疫機能を高めてがんを予防する可能性もある。しかし、ビタミンE摂取と発がんの関連付けを試みた臨床試験や調査から、ほとんどの場合、ビタミンEに有益性のないことが示されている。
HOPE-TOOおよびWomen’s Health Studyは、ビタミンE補給によるがん予防効果の有無を検討した。心臓病や糖尿病を持つ55歳以上の男女を、ビタミンE 400 IU/日群もしくはプラセボ群に無作為に割付け、7年間追跡したHOPE-TOOでは、がん新規発生数およびがん死亡数に有意差はみられなかった。また、45歳以上の健康女性に、10年間、1日おきにビタミンE 600 IUまたはプラセボを投与したWomen’s Health Studyで、ビタミンEサプリメントによるがん発生リスクの低減は、がんの種類に関係なく、みられなかった]。
ビタミンE摂取あるいはビタミンEサプリメント摂取が前立腺癌発生リスクに及ぼす影響が、いくつかの試験で検討された。29,000人超の男性を対象とした前向き・コホート試験では、食事あるいはサプリメントからのビタミンE摂取と前立腺癌リスクに関連性を認めなかった。しかし、喫煙者ならびに禁煙者においては、400 IU/日以上のビタミンE摂取により、進行性前立腺癌リスクが71%と、統計的有意に低減した。男性喫煙者29,133人を対象としたある臨床試験では、毎日50 IUの合成ビタミンEサプリメントを5〜8年間摂取する群に無作為に割付けられた被験者の前立腺癌、癌罹患率は、同サプリメントを摂取しなかった被験者群よりも、32%低かった。この見込みのある結果にも後押しされ、SELECT試験と呼ばれる大規模ランダム化臨床試験が2001年に開始され、50歳以上の健康な男性35,533人において、セレニウム(200mcg、L-selenomethionineとして)を一部併用した合成ビタミンE(400 IU、酢酸dl‐α‐トコフェロールとして)の連日補充投与が、前立腺癌前立腺癌の発生数を低下させるか否かが検討された。本試験は、約5.5年にわたる合成ビタミンEの補充は、セレニウム併用の有無にかかわらず、前立腺癌予防効果を示さないということが判明した2008年10月に中止された。この臨床試験をさらに1.5年間追跡した結果(その間、被験者はビタミンEやセレニウムの摂取なし)、ビタミンEを摂取した被験者群の前立腺癌リスクは、プラセボ群より17%高く、統計的有意差が認められることが示された。ビタミンEとセレニウムを併用摂取した群およびセレニウムのみを摂取した群の被験者の前立腺癌発症リスクに僅かな上昇が認められたが、統計的に有意差はみられなかった。肺がん、結腸直腸がん、あるいはその他すべてのがんの発生率に関して、群間差は認められなかった。試験スタッフは、被験者の健康状態を最長5年間継続観察する予定である。米国国立がん研究所(NCI)のウェブサイトに、このSELECT試験に関する追加情報が提供されている。
アイオワ州の女性を対象とした1試験から、食事あるいはサプリメントからのビタミンEを高用量摂取することにより、特に65歳未満の女性において、結腸がんリスクが減少する可能性を示唆するエビデンスが得られている。摂取量の第5五分位数(35.7 IU/日超)を第1五分位数(5.7 IU/日未満)と比較した場合の全相対リスクは0.32であった。しかし、Nurses’ Health Studyにおける女性87,998人およびHealth Professionals Follow-up Studyにおける男性47,344人を対象にした前向き・コホート試験から、アイオワの試験の結果は再現されなかった。また、ビタミンEの高用量摂取と乳がん発生率の低下に関連性を認めた試験がある一方で、女性18,000人超を対象にビタミンEなど食事因子が閉経後の乳がん発生率に与える影響を検討した試験で、ビタミンEによる有益性は認められなかった。
アメリカがん協会(the American Cancer Society)は、1982〜1998年、成人約100万人を対象に、ビタミンCおよびビタミンEのサプリメント使用と、膀胱癌死亡率の関連性を調べるための疫学調査を実施した。1982〜1998年に追跡を受けた約100万人のうち、ビタミンEのサプリメントを10年以上にわたって摂っていた成人における膀胱癌による死亡リスクに低下が認められたが、ビタミンC補給による保護効果は見られなかった。
現時点において、ビタミンEのがん予防効果を裏づける十分なエビデンスはない。それどころか、毎日ビタミンEを大量摂取(400 IU)することで前立腺癌リスクが増大する可能性が示されている。
眼障害
加齢性黄班変性症(AMD)と白内障は高齢者の著しい視力低下の二大要因である。いずれも病因がわからない場合がほとんどだが、酸化的ストレスの累積的影響が関与していると推測されている。この推測が正しいとすれば、ビタミンEなどの抗酸化剤機能をもつ栄養素が、こうした疾患の予防あるいは治療として有用である可能性がある。
複数の前向き・コホート試験で、食事から比較的高用量のビタミンE(例えば30 IU/日)を摂取している人は、低用量(15 IU/日未満)の人よりもAMDの発症率が約20%低いという結果が得られている。しかし、ビタミンEまたはプラセボを投与した2つのランダム化比較試験(1試験では、被験者はd-α-トコフェロール500 IU/日を摂取、他の1試験では、ベータカロチン20mg/日と併せて酢酸dl-α-トコフェロール111 IU/日を摂取)では、ビタミンEのAMD予防効果は示されなかった。別の大規模ランダム化試験the Age-Related Eye Disease Study (AREDS)からは、ある程度のAMDがみられる被験者における進行性AMD発症リスクが、5年にわたるビタミンE(酢酸dl-α-トコフェロール400 IU/日)、ベータカロチン(15mg)、ビタミンC(500mg)、亜鉛(80mg)、および銅(2mg)含有サプリメントの連日摂取によって、プラセボ摂取例より25%低くなった。追跡AREDS2試験から、中央値5年間の追跡調査期間における本製剤および同様のサプリメント製剤によるAMD進行抑制効果が確認された。
いくつかの観察研究で、ビタミンEサプリメントと白内障形成リスクに何らかの関連性があることが明らかにされている。ある前向き・コホート試験では、ビタミンEサプリメントを摂っている被験者およびビタミンEの血中レベルが高い被験者のほうが眼球水晶体の透明度が高いという結果が得られている。また、別の試験では、ビタミンEサプリメントの長期使用により、加齢に伴う眼球水晶体の混濁が緩徐化していた。しかし、AREDS試験では、平均6.3年にわたるビタミンE含有製剤は、白内障の発生あるいは進行のいずれにも明白な効果をもたらさなかった。この結果は、同じく400 IUのビタミンE含有製剤も検討したAREDS2試験で確認された。
つまり、ビタミンEサプリメントが、単独摂取にせよ他の抗酸化剤との併用摂取にせよ、AMDや白内障の発生リスクを低減させるか否かについて、現時点におけるエビデンスは一貫していない。しかし、AREDS試験で使用されたビタミンE、その他抗酸化剤、亜鉛、および銅の処方には、初期AMDの進行緩徐化に期待が見込める。
認知低下
脳の酸素消費速度は速く、また、その神経細胞膜内には多価不飽和脂肪酸が大量に存在する。長年にわたってニューロンが受けるフリーラジカルからの蓄積的なダメージが、認知低下やアルツハイマー病などの神経変性疾患の一因であり、したがって、抗酸化剤(例えばビタミンE)の十分あるいは追加的摂取には、ある種の保護効果があるのではないか、という仮説が立てられている。この仮説を裏づける結果が中等度のアルツハイマー病患者341人を対象にした臨床試験で得られている。この試験では、被験者をプラセボ群、ビタミンE(2,000 IU/日、dl-α‐トコフェロール)群、モノアミン酸化酵素阻害薬(セレギリン)群、ビタミンE+セレギリン群に無作為に割付けた。2年間で、ビタミンEとセレギリンのそれぞれ単独あるいは併用投与は、いずれも機能低下と施設収容の必要性をプラセボに比べて有意に遅延させた。しかし、ビタミンE摂取被験者の転倒件数は有意に増加した。
自由な生活を営んでいる65〜102歳の高齢者を対象とした前向き・コホート試験で、3年間にわたり食品あるいはサプリメントからのビタミンE摂取と、認知低下の低減に関連性がみられた。一方、おおむね健康な高齢女性を最長4年にわたり、1日おきに600 IUのd-α‐トコフェロールを摂取する群かプラセボ群に無作為に割付けた臨床試験では、ビタミンEサプリメントは明白な認知上のベネフィットを示さなかった。軽度の認知障害がある769人の男女を無作為にビタミンE(型についての明記なし)2,000 IU/日群、コリンエステラーゼ阻害剤(ドネパジル)群、もしくはプラセボ群に割付けた臨床試験でも、アルツハイマー病の進行速度において、ビタミンE群とプラセボ群間に有意な差は認められなかった。
要するに、ほとんどの研究が、健康な人または軽度認知障害者がビタミンEサプリメントを使用することによって認知能力が維持されたり、あるいは、正常な老化現象に伴う認知能力の低下速度が緩徐化されたりすることを裏づけない。認知低下治療におけるビタミンEの役割(あるとすれば)を特定するためには更なる研究が必要である。
ビタミンE過剰摂取による健康上のリスク
食品を介したビタミンEの摂取による悪影響は、これまでの研究では見つかっていない。しかし、動物の場合、高用量のα‐トコフェロールサプリメントの摂取により体内に出血が生じ、血液凝固が妨げられることがあり、また、in vitroデータから、高用量摂取が血小板凝集能を阻害することが示唆されている。また、2件の臨床試験で、α‐トコフェロールを摂取した被験者に出血性脳卒中リスクの増加がみられた(このうち臨床試験1件ではフィンランド人男性喫煙者が50 mg/日を平均6年間摂取し、もう1件では米国の多数の男性医師が400 IUを8年間隔日摂取)。後者の試験に被験者として参加した医師の大多数がアスピリンも摂取しており、それゆえ、出血性脳卒中リスクの増加という結果は、ビタミンEに出血を起こさせる傾向があることを暗示している可能性がある。
FNBは、ビタミンEには易出血性作用があるとの想定のもとに、その許容上限摂取量(UL)を設定した(表3)。これらのUL値は、合成ビタミンEに存在する8つの立体異性体などサプリメントに含まれるα‐トコフェロールのすべてのタイプを対象としている。成人の場合、1,000 mg/日(天然型の場合1,500 IU/日、合成型の場合は1,100 IU/日)までの用量は安全とされているが、その根拠となっているデータは限られたもので、数週間か数カ月間、2,000 IU以上を摂取した少人数グループに基づくものである。ULを上回る用量での長期にわたる摂取は健康に悪影響を及ぼすリスクを増大させる。乳幼児用のULは設定されていない。
   表3 : ビタミンEの許容上限摂取量(UL)
年齢    男性 女性 妊婦 授乳婦
19歳以上 1,000mg 1,000mg 1,000mg 1,000mg
また、ランダム化試験のメタ解析2件から、ULよりは低い、大量のビタミンE摂取の安全性に対する疑問が提起されている。これらのメタ解析では、ビタミンE補給と、全死因死亡率の小規模な、ただし統計的に有意な上昇に、関連性が見られた。うち1件の解析では、摂取量400IU/日に死亡リスクの上昇を認めたが、このリスクの上昇起点は150IUであった。疾患予防のための抗酸化剤サプリメントに関しする試験の別な解析では、エビデンスレベルの最も高い研究から、ビタミンEが、単独摂取(10〜5,000 IU/日、平均569 IU)の場合、あるいは、最大4種類の他の抗酸化剤との併用摂取の場合のいずれにおいても有意に死亡リスクを増加させることが判明した。
ビタミンEサプリメント高用量摂取の悪影響に関するこれらの解析結果が意味するところは不明である。解析対象となった試験の被験者の多くが慢性疾患もしくは関連リスク因子を持つ中年あるいは高齢者であり、彼らは概してビタミンE以外のサプリメントも摂取していた。また、解析された試験のいくつかは、栄養欠乏症がごく当たり前の発展途上国で実施されたものである。慢性疾患の第一次予防としてビタミンEサプリメントを健康な人に与えた試験の一部を見直したところ、ビタミンEが死亡率を上昇させるという説得力のあるエビデンスは得られなかった。
しかし、最近発表された大規模SELECT試験の結果によると、ビタミンEサプリメントの摂取(400 IU/日)が、前立腺癌リスクの増加によって、一般母集団における成人男性に悪影響を及ぼす可能性がある。現在、追跡研究で、前立腺癌リスクが、サプリメント使用前のビタミンEおよびセレニウムの各ベースライン血中濃度と関連するか、1個以上の遺伝子における変異によって、ビタミンE摂取中の前立腺癌発症リスクが高まるのかについての評価が行われている。
医薬品との相互作用
ビタミンEのサプリメントは種々の医薬品との相互作用を引き起こす。以下に例を記載する。定期的にこれらの医薬品を服用している人は、ビタミンE摂取について医療スタッフと話し合う必要がある。
抗凝血剤および抗血小板薬
ビタミンEは血小板凝集を阻害し、ビタミンK依存的凝固因子と拮抗しうる。その結果、高用量のビタミンEをワーファリン(Coumadin®)など抗凝血剤や抗血小板薬と併用すると出血リスクが高まる可能性がある。抗凝血剤や抗血小板薬に低用量のビタミンKを併せている場合は、そのリスク上昇の可能性はさらに高まる。臨床上重要な影響が現れるビタミンE補給量は明らかではないが、恐らく400 IU/日超というところだろう。
シンバスタチンおよびナイアシン
ビタミンEのサプリメントを、ビタミンC、セレニウム、あるいはベータカロチンといった他の抗酸化剤と併せて摂取している人がいる。この抗酸化剤成分が集まることにより、シンバスタチン(商標名Zocor®)とナイアシンの併用治療を受けている人において、高密度リポタンパク(HDL)コレステロール濃度、とりわけ最も心臓保護効果の高いHDL構成要素であるHDL2濃度の上昇が鈍化した。
化学療法および放射線療法
がん専門医は、がん化学療法あるいは放射線療法中は抗酸化剤サプリメントを使用しないよう忠告している。これは、こうした療法ががん細胞に酸化的損傷を与えるのを抗酸化剤が阻害してしまうおそれがあるためである。複数のランダム比較試験の系統的検討結果は、この懸念に疑問を呈するものであったが、抗酸化剤サプリメントと従来的ながん療法の併用による潜在的なリスクおよび利点を検討するには更なる研究が必要である。
ビタミンEと健康的な食事
米連邦政府が発行する「アメリカ人のための食生活指針2010」では、「栄養は主として食事から摂取すべきである。栄養分を豊富に含む食品(多くは未加工品)には、サプリメントに含まれることの多い必須ビタミンやミネラルだけでなく、食物繊維や体によい天然成分も含有している。・・サプリメントは・・特定の状況下で特定のビタミンやミネラルの摂取量を増加させるには有益と考えられる」と述べている。
健康的な食事に関する詳細はDietary Guidelines for Americans(アメリカ人のための食生活指針)と米国農務省の食事の指針システム、MyPlate(私の食事)を確認すること。
「アメリカ人のための食生活指針」では健康的な食事を次のように述べている。
○さまざまな果物、野菜、全粒穀物、無脂肪もしくは低脂肪ミルクおよび乳製品の積極的な摂取が重要。ビタミンEは緑黄色野菜、全粒粉、強化シリアルに含まれている。
○低脂肪肉、鶏肉、魚、豆類、卵、ナッツ類を含む。ナッツ類はビタミンEの優れた供給源である。
○飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、コレステロール、塩分(ナトリウム)および添加糖質の摂取を少なくする。植物油は一般にビタミンEを含有している。
○1日に必要なカロリー摂取量を超えないこと。