茶碗食器洗い

高齢 仕事がない 
自動的に家事手伝いが増える 
食器洗いと部屋の掃除が仕事となる 
 
ガラスコップを綺麗に洗う 
ビーカー・試験管洗いを思い出した


 
 
昭和の37-39年 大学実験室でのアルバイト 
最初の仕事はビーカー・試験管洗い 
クレンザーと金ブラシ 
洗い乾燥すると助手の先生がチェック 
明るい窓にかざし 曇りが微かでも残っていると洗い直し 
 
いったん洗い終わってから 流水を3回かけ流す 
きれい
 
 
 
 
  
薬品の定量分析 
ビュレットから試薬を滴下 電位・pHメーター値の変化点から含有量を測定・計算する 
 
私の測定は早く精度が高いことで助手の先生に褒められた 
ふつうは3回測定し平均値で含有量を決定した 
私はひと手間 予備実験で変化点がどの辺か調べた 
予想される変化点付近の前後を 丁寧に3回測定するようにした 
 
卒業研究 「リス型現像液の定量分析」
  
大きなビーカーにインスタントラーメン 温度計でかき回す 
夏休みだったか冬休みだったか 教授もいっしょの楽しい実験室ランチ 
食べ終わり片付けようとして見ると 温度計の先端がない 
水銀も分け合ってしまったようだ 
 
教授 「摂取比率は体重に反比例する」 (教授が一番肥っていた) 
皆で大笑いをした
  

 
2013/3 
 
 
製版フィルム用現像液D-85bの分析法  
(日本写真学会 昭和40年9月2日受理)  
Analytical Methods of the Photographic Developer D-85b for Graphic Arts Films  
(Received 2nd Sept., 1965)  
Shinya MIZUSAWA, Akira SASAI, Nobuo Mu and Yoshio HIROMACHI  
Faculty of Engineering, Chiba University  
Yayoi-cho, Chiba-shi, Chiba Pref.  
In order to maintain the photographic image qualities of graphic arts films, chemical analysis of both stock solution and tank solution of automatic processing machine are quite important .  
The methods to determine the constituents of Kodak developer D-85b (for graphic arts films) in stock solutions are studied in the condition of separate solutions A and B. The constituents of A solution are easily determined by the conventional methods already reported . The constituents in question are paraformaldehyde and formaldehyde-sodium-bisulfite, and both can be determined by the comparatively simple volumetric titrations. Namely, paraformaldehyde is determined from sodium hydroxide, which is produced by the addition of excess sodium sulfite , by alkalimetric titration with standard hydrochloric acid solution. Formaldehyde-sodium-bisulfite , formed by the combination of paraformaldehyde and sulfite, is decomposed to formaldehyde and sulfite by the addition of sodium carbonate, and then sulfite can be titrated with standard iodine solution, using starch indicator . 
1 緒言  
写真製版に用いられるいわゆるリス型フィルムの現像液は,高いコントラストと共に微粒子,高解像力が要求されるために,特殊な現像液処方がとられる。この目的のために亜硫酸塩にパラフォルムアルデヒドを作用させて,亜硫酸イオン濃度を極めて低く緩衝した,強アルカリ性現像液が一般に用いられている1)。Kodak社のD-85やD-85bなどがこれらの例として知られている。  
この種の現像液は一般に調合条件や保存条件でその性質が相当はげしく変るのが難点であって,一定の現像結果を得るためには,常に現像タンク液中はもちろんのこと,補充液として貯蔵してある液中の成分の変動をも監視して,特に現像結果に大きな影響をもつ因子を出来る限り一定に維持する必要がある。  
最近は良質で均一な画質を能率よく多量に得るために,自動現像機が用いられる傾向にあり,処理液の監視,  
調節がますます重要となって来た。そのためタンク液および補充液の化学的調節のための分析法が必要であると考え,比較的簡単な装置や器具を用いて簡単な操作でできる方法を検討した。  
試料としてKodak D-85b貯蔵液を用いたが,これはA,B液が別々に調製され,使用時に混合するようにしてあるので,二液状態での分析が容易であるという理由によるものである。当然混合した場合の分析法も検討する必要があるわけだが,今回は二液状態で行った実験の結果のみを報告する。A液中の成分については,すでに報告したもの2)と同様に行えるので,簡単にのべ,B液についてはくわしくのべた。  
Table I. Formula of Kodak developer D-85b  
Solution A.  
 Water, about 50•Ž 750 ml  
 Sodium sulfite, desiccated 40g  
 Boric acid 10g  
 Hydroquinone 30g  
 Potassium bromide 2.1g  
 Water to make 1l  
 (pH 7.9)  
Solution B.  
 Water, about 30•Ž 750 ml  
 Sodium sulfite, desiccated 1g  
 Potassium metabisulfite 10.5g  
 Paraformaldehyde 30g  
 Phenosafranine, 0.1% solution 20 ml  
 Water to make 1l  
 (pH 10.6) 
2 実験方法と実験結果  
2-1 試料現像液の処方  
試料として用いたKodak D-85bの処方は,Table Iに示した通りで,試薬は化学天秤を用いてmg単位まで秤量し,容積はメスフラスコを用いて正確を期した。pHの測定は,日立堀場M-4型ガラス電極pH計を用いて行った。  
2-2 A液成分の定量分析  
2-2-1 ハイドロキノンの定量  
ハイドロキノンは現像液から醋酸エチルで抽出した後,硫酸第ニセリウムで酸化滴定することによって定量できる2)。  
Fig.1.は試料現像液10.00mlを醋酸エチル25.00mlで一回抽出し,0.05Nの硫酸第ニセリウムでセリメトリーした結果で(指示薬にはフェロインを使用),抽出  
Fig. 1. Effect of pH on the extraction of hydroquinone with ethylacetate from developer (Solution A).  
時の試料のpHが2〜8ではほぼ一定の値が得られた。pH9,10では一回抽出率では抽出率が低く定量値が小さくなる。pH2.0,4.0,6.0,7.7で行った測定結果は,秤量値に対して94.9±0.7%で,良好な再現性を示した。この場合低pHに於ける抽出により混入してきた亜硫酸のために,硫酸第ニセリウムが消費され,酸化滴定に際して滴定値が変動するから,フォルマリンを加えて亜硫酸を不活性化してから滴定した。  
実際の操作は次のようにすればよい。試料現像液50.00mlに6Nの硫酸を滴下しながら,pH計を用いてpH2に調節する。(この場合はメートル等の他の現像主薬が入っていないから,pH値は2から8までの適当な値でよい)。このとき添加した6N硫酸の容量をαmlとする。pHを調節した液中から10.00mlを分液ロート中に採取し,醋酸エチル25.00mlを加えて約2分間はげしく振盪する。静置して二層に分離したら,下層をビーカーに落し,上層のみを他の乾燥したビーカーに移す。この醋酸エチル抽出液の5.00mlを200ml容のビーカーに採り,これにフォルマリン溶液(約30%)20ml,純水100ml,6N硫酸10ml,フェロイン指示薬3滴を加える。これを0.05N硫酸第ニセリウムで滴定する。赤色が消えて淡青色に変る所を終点とする。計算式は次のようになる。  
ハイドロキノン(g/l)/f(Ce):0.05N-Ce(SO4)2のファクター/v(Ce):消費きれた0.05N-Ce(SO4)2の容量(ml)/A:採取した試料現像液の量に相当し,pH調節のために加えられた硫酸の容量(のを考慮して補正した値A-10.00×50.00/50.00+α(ml)  
2-2-2 硼酸の定量  
現像液よりハイドロキノンを抽出除去した液を,pH4.4まで中和した後,マンニットを加えて標準苛性ソーダ溶液で中和滴定する3)。  
実際の操作は,試料A液10.00mlより醋酸エチルでハイドロキノンを除去した液を2〜3分間煮沸して(時計皿でビーカーにふたをする),混入している醋酸エチルを除去した後,6N硫酸2mlを加えて煮沸し亜硫酸塩を分解し,きらに30%過酸化水素1mlを加えて残留する微量の亜硫酸塩を酸化する。ガラス電極pH計を用いてpH3附近まで0.5N苛性ソーゾで中和し,つづいて0.2N苛性ソーダでpH4.4まで中和する。固体のマンニット19を添加し,溶解をまって0.2N標準苛性ソーダで中和滴定する。マンニットを加えてからの苛性ソーダ標準溶液の消費量から棚酸が求められる。  
Fig. 2. Neutralimetric titration curves for the determination of boric acid in single solution.  
Fig.2.は硼酸単液を0.1N苛性ソーダで中和したときの滴定曲線で,マンニットを加えた場合の変曲点が極めて明瞭になっていることがわかる。Fig.3.は試料A液について中和滴定したときの曲線で,硼酸単液の場合ほど明瞭ではないが,かなりはっきりした変曲点を示している。図中の2の曲線はマンニットを加えずに滴定した場合で,ほとんど変曲点がわからない。計算式は次の通りである。  
f(NaOH):0.1N-NaOHのファクター/V(NaOH):消費された0.1N-NaOHの容量/この方法で棚酸は98.8±1.9%の精度で測定できた。  
Fig. 3. Neutralimetric titration curves for the determination of boric acid in developer (Solution A).  
2-2-3 亜硫酸ソーダの定量  
約200ml容のビーカーに0.1N沃素標準溶液を25.00mlを採り,6N塩酸10ml,純水65mlを加える。試料現像液をビュレットに採り,これを滴下しながらビーカー中の沃素を反応させる。沃素の黄褐色が淡くなったところで殿粉指示薬を加えて滴下をつづけ,青紫色が消えるところを終点とする。計算式は下記の通りである。  
f(I2):0.1N-I2標準溶液のファクター/V(dev.):消費された試料現像液の容量/この方法で亜硫酸ソーダは98.0±1.3%の精度で定量された。  
2-2-4 臭化カリウムの定量  
試料現像液25.00mlを200ml容のビーカーに採り,純水75ml,6N硫酸を加えてpH約2とする。銀電極と甘汞電極を用いて,0.1N硝酸銀溶液で電位滴定した,反応槽と甘汞電極とは硝酸カリウムの塩橋で接続した。滴定曲線には明瞭な変曲点が現わる。  
f(Ag):0.1N-AgNO3溶液のファクター/V(Ag):消費された0.1N-AgNO3の容量/この方法で臭化カリウムは97.1±2.5%の精度で測定された。 
2-3 B液成分の定量分析  
2-3-1 B液の状態  
各成分の分析法をのべる前に,B液の状態を説明しておく方がわかり易い。Fig.4.はその説明図で,溶液調製後はパラフォルムアルデヒドは亜硫酸ソーダやメタカリと(1),(2)式の如く反応して,それぞれHCH(OH)SO3NaとNaOH,およびHCH(OH)SO3Kを形成している4)。  
HCHO+Na2SO3+H2O→HCH(OH)SO3Na+NaOH… … (1)  
2HCHO+K2S2O5+H2O→2HCH(OH)SO3K… (2)  
Fig. 4. The state of Solution B.  
したがって,B液中の苛性ソーダを直接中和滴定することによって,はじめに加えてある亜硫酸ソーダが算出されるはずである。亜硫酸塩と反応せずに遊離で存在するパラフォルムアルデヒドは,過剰の亜硫酸ソーダを加えてやれば(1)式の如く反応して苛性ソーダを生成するから,これを中和滴定し,溶液成分として始めから入っている亜硫酸ソーダによって生成した苛性ソーダによる分を差し引けば求められる。  
亜硫酸ソーダおよびメタカリとフォルムアルデヒドとの加成物は炭酸ソーダの添加によって(3)式の如く分解することが知られているので5),遊離した亜硫酸ソーダを沃素滴定で求めることができる。これより始めに求めた亜硫酸ソーダに相当する量を差し引けばメタカリの量が算出できるわけである。  
HCH(OH)SO3Na+1/2Na2CO3→HCHO+Na2SO3+1/2CO2+1/2H2O… …(3)  
2-3-2 遊離パラフォルムアルデヒドの定量  
前述の(1)式の如く,亜硫酸ソーダの添加によって苛性ソーダが生成するが,これが定量的に行われるかどうかを確かめるために,パラフォルムアルデヒド単液について実験を行うことにした。しかしパラフォルムアルデヒドは単なる純水には溶解しないので,亜硫酸ソーダの少量を加えて溶解する。この液はB液処方よりメタカリおよびフェノサフラニンを除いた溶液で,Table IIに処方を示した。(以後これをC液と呼ぶことにする。)  
2-3-2(a) C液の分析  
C液中にはわずかながら亜硫酸ソーダが加えてあるから,それによる苛性ソーダの生成があるはずで,これを直接0.1N塩酸で中和滴定してみた。その結果はTableIIIのうちの0.5M亜硫酸ソーダの添加量が0mlの場合である。  
この結果から,添加されたわずかな亜硫酸ソーダが,パラフォルムアルデヒドと反応して生成する苛性ソーダを中和滴定することにより,ほぼ正しく定量されることがわかった。  
f(HCl):0.1N-HClのファクター  
Table II. Solution of paraformaldehyde  
Solution C.  
Water, about 30•Ž 750ml  
Paraformaldehyde 30g  
Sodium sulfite, desiccated 1g  
Water to make 1l  
Fig. 5. Titration curves for the determination of free paraformaldehyde.  
V(HCl):消費された0.1N-HClの容量(ml)/Vs:採取した試料の容積(ml)  
次に多量の亜硫酸ソーダを添加して行って,すべての遊離のパラフォルムアルデヒドを亜硫酸ソーダと反応せしめた後に中和滴定する。Fig.5.はC液10.00mlに亜硫酸ソーダを5〜100mlそれぞれ加え,純水を加えて全量を100ml以上とし,ガラス電極pH計を用いて1N塩酸で中和滴定を行った場合の滴定曲線である。添加した亜硫酸ソーダ溶液量が25ml以下の場合は変曲点が極めて明瞭でただ一つだけ現われ,これが生成苛性ソーダの中和される点である。亜硫酸ソーダ溶液の添加量が25ml以上では変曲点が二つ現われ,第一変曲点は生成苛性ソーダの中和点に相当し,第二の変曲点は過剰の亜硫酸ソーダの中和点である。亜硫酸ソーダ溶液の添加量が25ml以上では第一変曲点までの1N塩酸の消費量は一定であり,パラフォルムアルデヒドは亜硫酸ソーダによって完全に反応しつくされていることがわかる。  
Tablel IIに第一変曲点より求めた結果を示した。  
Fig. 6. Effect of the addition of sodium sulfite on the determination of free paraformaldehyde.  
Table III. Determination of paraformaldehyde or sodium sulfite in Solution C.  
Fig.6.の破線はTable IIIの結果を図示したもので,亜硫酸ソーダの添加量の増加にともなって,生成する苛性ソーダは増大するが,亜硫酸ソーダと反応するパラフォルムアルデヒドが無くなると苛性ソーダ量が一定となることを明瞭に表わしている。  
Table IIIの結果より,亜硫酸ソーダの添加量が25ml以上の場合をとれば,1N塩酸の消費量9.33±0.03ml,パラフォルムアルデヒド29.04±0.12(g/l)と極めて精度よく,0.5%のばらつきで定量されたことになる。したがってこの定量法は充分実用になると考えられた。  
パラフォルムアルデヒド(g/l)/f(HCl): 1N-HClのファクター/V(HCl): 1N-HClの消費量(ml)/Vs: 採取した試料の容量(ml)  
2-3-2(b) B液の遊離パラフォルムアルデヒドの定量  
C液の分析で(1)式の反応が極めて定量的であることがわかったので,これをB液のパラフォルムアルデヒドの定量に用いた。  
試料B液10.00mlを約200ml容のビーカーにとり,これに0.5M亜硫酸ソーダ溶液と純水を加え,全量を100mZ以上とした後,ガラス電極pH計を用いてC液の場合と同様にして中和滴定を行なった。その結果をTable IVにまとめ,さらにFig.6の実線でこれを示した。C液の場合と同様に,亜硫酸ソーダの添加量が25ml以上で一定の滴定値に示している。  
亜硫酸ソーダ溶液の添加量が0mlの場合は0.1N塩酸で滴定したもので,はじめから加えられている亜硫酸ソーダのみによる苛性ソーダの生成量を測定していることになる。結果はNa2SO3として1.26±0.12(g/l)と処方値の1(g/l)をLまわっていて,誤差は約10%と大きくなっている。(Table VI参照)  
Table IV. Determination of paraformaldehyde or sodium sulfite in Solution B.  
遊離のパラフォルムアルデヒドについては,亜硫酸ソーダ添加量25ml以上の値を用いて求められる。1N塩酸の消費量は9.84±0.04mlと極めて再現性のよい結果が得られている。これから,亜硫酸ソーダを添加せずに滴定したときの値を差し引いて計算を行えば,遊離パラフォルムアルデヒド量として26.40±0.15(g/l)が得られ,約0.6%の誤差で測定された。(Table VI参照)  
2-3-3 B液中の亜硫酸塩の定量  
前にのべた2-3-1の(1),(2)式のようにして生成した亜硫酸塩とフォルムアルデヒドとの加成物はかなり安定で,そのままでは沃素滴定は不可能である。これが炭酸ソーダによって(3)式の如く分解するから,遊離してきた亜硫酸塩は沃素滴定できると考えた。アルカリ性に於ける沃素滴定には多少問題となる点もあるが,実用的には再現性のある結果が得られれば良かろうと考え,敢えて行った。  
操作は,試料B液10.00mlを約200ml容のビーカ一に採り,これに0.5N炭酸ソーダ溶液を適当量と純水を加えて約100mlとし,殿粉指示薬2mlを加え0.1N沃素標準溶液で滴定する。試料現像液と炭酸ソーダとを混合したら,時間をとらぬように速かに滴定を行う。液の攪拌にはマグネチックスターラーを用い,沃素溶液の一滴で生じた青紫色が一分以上保たれる最初の点を終点とした。炭酸ソーダの添加量を変えて実験を行った結果をTable Vに示した。試料10.00mlに対して,0.5N炭酸ソーダ添加量が10mlの場合は終点が不明瞭で不適当であったが,20ml以上では終点も明瞭で,測定値も19.17±0.15mlとばらつもき少なく良好であった。  
この測定値はメタカリと亜硫酸ソーダの合量に相当するものであるから,前に中和滴定で求めた亜硫酸ソーダ分を差し引いてメタカリの量としなければならない。沃素滴定の際の亜硫酸ソーダの1グラム当量は0.5モルで中和滴定の際の1グラム当量(1モル)の半分であるから,差し引くべき当量濃度は中和滴定で求めた当量濃度の2倍とする。このようにして求めたメタカリ量は9.50±0.19(g/l)となり,約2%のばらつきで測定された。  
また此のメタカリ量に相当するパラフォルムアルデヒドは0.1710/2=0.0855(mol/l)で,これに亜硫酸ソーダと遊離パラフォルムアルデヒドの合量定量で得られた値0.889(mol/l)を加えた0.9745(mol/l)すなわち29.26(g/l)が全パラフォルムアルデヒド量となる。(Table VI参照)  
2-3-4 B液の容量分析の結果  
Table VIに,亜硫酸ソーダ,パラフォルムアルデヒド,メタカリの容量分析結果をまとめたが,これとFig4とを照合しながら見ると,定量の相互関係がよくわかる。  
2-3-5 フェノサフラニンの定量  
現像液中のフェノサフラニンの量は微量であるが,かなり色がついているので,当然比色定量法が考えられる。  
Table V. Determination of sulfite salts in Solution B.  
Table VI. Summary of the results for Solution B.  
この報告では,分光光度計による吸光度測定を行なった。  
Fig.7はフェノサフラニン溶液の分光吸収曲線で,523mμ に吸収極大がみられる。燐酸塩緩衝液を用いて,pH2,4,6,8に於ける吸収を測定したが,ほとんど吸収に変化はなかった。現像液中に混入した場合には,吸収極大の位置に変化はなく,形もほとんど変らないが,多少高くなる。Fig.8はこの検量線で,直線性は良好であるが,現像液に混入した場合には吸収が多少増大していて,現像液成分の影響をいくらか受けている。実用に際しては,現像液に混入した場合について検量線をつくっておけば問題はない。  
Fig. 7. Spectral absorption curves of phenosafranine.  
Fig. 8. Calibration curves of phenosafranine.  
実際の操作は,試料B液5.00ml,10.00ml,15.00ml,20.00ml,25.00mlをそれぞれ100mlのメスフラスコに採り,pH6の緩衝液を加えて正しく100mlとし,これを液層厚1cmのガラス製測定セルに採取し,緩衝液を比較液として日立EPS-2U型分光光度計で吸光度を測定した。緩衝液もpH6に限る必要はなく,使い易いものを用いてよいわけである。いくつかの測定を行って,pH6の場合に一番ばらつきが少なかったのでこの値を用いた。  
新液の場合はこの方法で充分正しく定量できるものと思われる。 
3 考察  
3-1 A液についての考察  
ハイドロキノンについては,醋酸エチルで一回だけ抽出した結果,秤量値に対して95%の値が得られたが,さらに二回抽出を行なえばもっと秤量値に近い値が得られるはずである。しかし,本報告での方法は抽出液全部を滴定に用いることはせず,その一部をとって滴定したもので,抽出液中のハイドロキノン濃度を測定していることになる。抽出の回数を増すことはかえっていろいろな誤差が入り易くなるので,一回抽出の方が再現性がよいと考えられる。処理液の調節のための分析法は再現性が重要であり,絶対量との多少のちがいは問題とはならない。  
A液の場合はハイドロキノン以外の現像主薬が存在しないから,pH調節のための硫酸添加は実際上必要はなく,分液ロートに試料10.00mlを直接採取すればよい。  
硼酸については,マンニットを加えて強酸としてからアルカリで滴定する常法を使用した。pH4.4まで中和しておいてからマンニットを加えたのは,硼酸単液のpHが4.4であったのでこれに合せるためである。しかしながらFig.3およびFig.4を見てわかるように,この附近のpH飛躍は極めて大きく,マンニットを加えるところは必ずしもpH4.4としなくても,pH4.4〜6.5の間であっても,マンニット添加後の苛性ソーダの所要量には変りがないと考えられる。pH計を用いた電位滴定はかなり操作がめんどうであるので,精度を多少ぎせいにすれば,指示薬にプロムクレソールグリーンかメチルレッドを使ってマンニットを添加すべきpH値を知り,フェノールフタレンで滴定終点を見つけてもよい。  
亜硫酸ソーダと臭化カリウムの定量についてはあまり問題になる所はなかった。  
3-2 B液についての考察  
B液中の亜硫酸ソーダはごく少量であるので,測定の精度もかなり悪い。しかも秤量値に比して多い結果が出ている。C液について測定した結果ではほとんど秤量値通りの値が得られたことからみると,おそらくメタカリ中に亜硫酸カリウムまたは亜硫酸ソーダが僅かに存在し,これが測定値を大きくしたものと考えられる。またB液やC液は時間の経過と共にpHが変わり易いので,試料はすべて実験当日に調製したものを使用した。  
過剰の亜硫酸ソーダを加えて中和滴定する遊離パラフォルムアルデヒドの定量法は極めて良好な結果が得られた。C液の定量結果では秤量値30.00(g/l)に対して96.8%の29.04(g/l)の測定値が得られた。市販パラフォルムアルデヒドの純度もこの程度と考えられる。  
パラフォルムアルデヒドと結合している亜硫酸塩の定量には,炭酸ソーダを加えて遊離した亜硫酸塩を沃素滴定する方法を用いたが,結果は秤量値10.00(g/l)に対して9.50±0.19(g/l)と±2%の誤差で測定された。  
市販のメタカリの純度も95%程度と考えられるので充分良好な結果である。この測定法で疑問になる点は,沃素によって亜硫酸塩のみでなくフォルマリンも酸化されるのではないかということである。苛性ソーダで強いアルカリ性にしてやるとフォルマリンは沃素とよく反応するが,炭酸ソーダによるアルカリ性(pH10〜11附近)では,おそらく反応が極めてゆるやかで,亜硫酸塩の方が先に反応してしまうために,亜硫酸塩だけの定量が可能となったものと考えられる。  
中和滴定と沃素滴定より計算された全パラフォルムアルデヒド量も,C液の定量結果とよく一致し,正当な値を示していると考えられる。  
フェノサフラニンの吸光光度定量法で,Fig.8の検量線が単液と現像液中とでちがっているが,単に塩類濃度の影響であるか,現像液成分の特別な影響があるのかはっきりしない。ここでは分光光度計を用いて測定したが,もっと簡単な光電比色計でも充分良好な結果が得られるものと思われる。 
4 結言  
製版フィルム用現像液D-85bの分析法を述べたが,その結果から,現像液管理のためには充分な精度,再現性をもっていることがわかった。しかしこれらの方法はA,B二液が分離された状態でのものであり,A,B二液を混合した状態,あるいはさらにそれを現像処理に使用したものについての分析にはそのままでは通用しないものもある。混合状態に於ける分析には,いろいろの困難が予定されるが,現像液管理にはどうしても必要なものであるから,今後はその方法も解決する努力がなされなければならない。  
なお本研究には日本写真学会橘奨励金を使わせて頂いた。ここに深甚なる謝意を表する。  
 
参考文献  
1) Yule, J.A.C.: J. Frank. Inst., 239, 221, (1945).  
2) 笹井明, 水沢伸也: 日写誌, 17, No.2, 20〜24,(1954).  
3) 石橋雅義: 基礎容量分析法, p.221, 富山房(1947).  
4) Encyclopedia of Chemical Technology, Vol.6, 870-871, Interscience Publishers, Inc. (1950).5) Fieser: Text Book of Organic Chemistry, 197-198, D.C. Heath & Co. (1950). 
卒論で一部を使わせていただき、その上、簡単な定量分析のお手伝いをしただけなのに、学会論文に名前を入れていただきました。 
2014/12/30 昔の論文発見、楽しい実験室での思い出が浮かんできました。